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2012/03/28 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第5号
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2012/03/28 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第5号

#1
第180回国会 厚生労働委員会 第5号
平成二十四年三月二十八日(水曜日)
   午前十時二十三分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                梅村  聡君
                柳田  稔君
                石井 準一君
                中村 博彦君
                渡辺 孝男君
    委 員
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                大島九州男君
                川合 孝典君
                津田弥太郎君
                辻  泰弘君
                西村まさみ君
                牧山ひろえ君
                赤石 清美君
                石井みどり君
                衛藤 晟一君
                大家 敏志君
                高階恵美子君
                丸川 珠代君
               三原じゅん子君
                秋野 公造君
                川田 龍平君
                田村 智子君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
   副大臣
       厚生労働副大臣  牧  義夫君
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       城井  崇君
       厚生労働大臣政
       務官       藤田 一枝君
       厚生労働大臣政
       務官       津田弥太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      長谷川彰一君
       内閣府男女共同
       参画局長     岡島 敦子君
       復興庁統括官   岡本 全勝君
       文部科学大臣官
       房審議官     関  靖直君
       文部科学大臣官
       房審議官     森本 浩一君
       厚生労働大臣官
       房技術総括審議
       官        矢島 鉄也君
       厚生労働大臣官
       房審議官     篠田 幸昌君
       厚生労働大臣官
       房統計情報部長  伊澤  章君
       厚生労働省医政
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省健康
       局長       外山 千也君
       厚生労働省医薬
       食品局長     木倉 敬之君
       厚生労働省労働
       基準局労災補償
       部長       鈴木 幸雄君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        中沖  剛君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       高井 康行君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    山崎 史郎君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    岡田 太造君
       厚生労働省老健
       局長       宮島 俊彦君
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十四年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十四年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (厚生労働省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省大臣官房技術総括審議官矢島鉄也君外十七名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小林正夫君) 去る二十一日、予算委員会から、三月二十八日の一日間、平成二十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○赤石清美君 厚生労働委員会の皆さん、おはようございます。今日、医療全般ということで、幅広く大臣以下皆さんに出席していただきました。ありがとうございます。
 まず最初に、医療イノベーションについてお伺いしたいわけですけれども、私もずっと医療界で四十年間仕事をしてきて、やっぱり今の医療制度はこのままではいけないなということをずっと思っていました。やっぱり、そういう意味でこの医療のイノベーションをするということは非常に私も共感するところがあります。ある意味、大きな期待をしている部分でもありました。しかし、この医療イノベーションについてはまだ具体的にどういうことをするのかよく分からないところがありますので、今日はその点について質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 まず最初に、政府が掲げておりますライフイノベーション、日本の取るべき医療イノベーション戦略について、概略について大臣にちょっと御説明願いたいと思います。
#6
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、医療イノベーション、ライフイノベーションということで、これは新成長戦略の一つの大きな柱ということでもございますので、委員は御承知のように、日本の医薬品あるいは医療機器、これは国際的にも競争してやっていける、日本がこれから力を入れるべき成長産業という言い方もできると思っています。
 そのために、しっかりデバイスラグ、ドラッグラグをなくすこと、それから、いろいろと研究しているものをこれは大学などと連携をして、企業が連携をして早く実用化できるようにすることなどを含めまして、政府を挙げて力を入れて取り組んでいきたいと考えています。
#7
○赤石清美君 そこで、それを推進するために医療イノベーション推進室なるものをつくったわけですけども、ここのまずその具体的な業務内容についてお教え願いたいと思います。
#8
○政府参考人(矢島鉄也君) 医療イノベーション推進室は大臣官房に設置をされておりまして、そこに厚生労働省を始め文部科学省、経済産業省、あと内閣府からも一緒に人を集めまして、そこでいろんな省庁連携をして横断的な、先ほど大臣から御説明をさせていただきました日本発の医薬品、医療機器を開発するための体制を、厚生労働省だけでなく文部科学省、経済産業省とも連携をしながら、内閣官房の中で一体的に横断的にやっていくというものでございます。
#9
○赤石清美君 私もホームページを見まして、官邸のホームページですか、これは、医療イノベーション推進室は、十年から二十年後、さらには五十年後の世界的な医療技術動向も見据え、国際競争力を持つ日本発の医薬品、医療機器、再生医療などを次々と生み出し、世界に誇れる医療イノベーションを起こすための国の司令塔となる組織ですと、こういうふうに書いてあります。全く私も同感するところで、このとおり進んでほしいなというふうに思っていました。
 そして、ところが、ここに東京大学の中村祐輔先生という教授をお迎えするということを聞きまして、更にこれは大きな夢の実現ができるなというふうに思っていました。実は私も、中村先生と会社として共同研究、幾つかゲノム解析に関して研究開発をやってきました。すばらしい研究者で、グローバルに戦って勝てる研究者だと思っていたんですが、その中村先生を室長に迎えた理由は何だったでしょうか。
#10
○国務大臣(小宮山洋子君) 内閣官房医療イノベーション推進室の中村祐輔前室長、これは内閣官房の方で、今も委員からも御評価いただいたように、御本人の研究歴、職歴などから適任と判断してなっていただいたものと承知をしています。
#11
○赤石清美君 そうなんですね。多分中村先生も非常に大きな期待をして、多分夢を持って来られたと思うんです。
 ところが、中村先生は、今年の一月十六日の産経新聞で、自分がここに入ったけども辞任をすることになったことを語っております。中村先生は、日本の医療を進歩させる提言をまとめた。その一つが電子化、IT化で世界からの遅れを取り戻すためのもので、一か所への診療情報の集約だ、どの避難所にどれだけの薬を配分すればよいかが分かる上に医療情報データも得られるということを実際は提言をしましたけども、耳を傾けてくれなかった。省庁も動いてくれない。予算も付かない。結局は霞が関や永田町は大きな視野で戦略を立てることはできない、推進室には自分が必要がないと思ったというふうに語っています。
 やっぱり、夢を語った大きな今の組織なのに、来た人がこういう状態になるということは、私はやっぱりこの組織の運営上に問題があったんではないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#12
○国務大臣(小宮山洋子君) 中村前室長が辞任をされたことについては大変残念だと思いますが、これは御本人がいろいろな事情の中で御判断をされたと。ただ、そこに至るに当たっては、先日も私答弁させていただきましたけれども、これは、政権交代の後いろいろ理想を掲げて、いろんなことをやりたいという形で取り組んだ、これは本当に今も力を入れて取り組んでいますけれども、体制を含めて中村前室長の思い描かれることと乖離をしてしまったということは申し訳なかったし、残念なことだと思っています。
 ただ、今回また、古川国家戦略担当大臣が非常にここは力を入れるということで、新たにまた回を重ねて省庁横断の会議もしておりますし、厚生労働省の方でも、私もこれは力を入れるべきということで、医薬品の業界や医療機器の業界の方との対話の場も厚労省の中でも持っていますし、そういう意味でまた新たに力を入れてやっていきたいと思っているところでございます。
#13
○赤石清美君 私は、多分、中村先生がこういうことを言われたのは、中の組織運営、マネジメントがやっぱり硬直化しているんだろうと思うんですね。やっぱり今の組織運営体制のままでやったらまた同じことが起こるんじゃないかというふうな気がして仕方ありません。
 そこで、やっぱりもう少し厚労省が主体的になってこの医療イノベーションを進めるという、そういう姿勢が必要ではないかというふうに私は感じています。やっぱり医療のことを、今、内閣官房とか国家戦略担当相がやるといっても、医療には素人ですよ。その人が本当に医療のイノベーションを私はできるとは思いません。もう少し厚労省が主体的になってこの医療イノベーションを進めるということを是非考えていただきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。
#14
○国務大臣(小宮山洋子君) 古川大臣とは私も直接いろんな話をさせてもらっていますし、それから事務方の方もそこに入ってやっていますので、そういう意味では、しっかり連携を取って、力を入れてやっていきたいというふうに思っています。
#15
○赤石清美君 そこはもうこれ以上言ってもどうにもならない部分かもしれませんけれども、やっぱりもう少し医療界にいる人たちの意見を幅広く聞いて、やっぱり変革をさせるというのは技術の変革だけではなくて今の社会保障制度そのものもやっぱり変革させなければいけないわけで、やっぱり医療費が毎年一兆円自然増をするということは今の仕組みではやっぱり解決できないと思うんです。
 ですから、仕組みそのもの、診療報酬体系そのものも組み替える、適正化するぐらいの気持ちを持たないと、ずっと一兆円ずつ増えていく、したがって財が足らなくなるという、この繰り返しではいけないわけで、私はまだまだ医療の無駄、介護の無駄、そういうのはいっぱいあると思うんです。そういう仕組みも含めて、一兆円ずつ自然増をするという姿をどこかで変えなきゃいけないというふうに思っているんですけれども、その点について、大臣、いかがでしょうか。
#16
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員のおっしゃるとおりだというふうに思います。そういう意味で、今おっしゃいましたこの医療イノベーションのことについても厚労省として主体的にやっていきたいと思います。
 ただ、これは大学の方の関係で文科省ですとか、あとは産業という形でいくと経産省とか、各省が連携を取らなければいけないので、その総合的な調整のところを国家戦略でやるということですので、国家戦略が全体を調整というか意見を取りまとめをしながら、医療の部分についてはおっしゃるようにしっかりと厚労省としてどんどん物を言って、それはおっしゃったように医薬品・医療業界の方たちとも今、さっき申し上げたように対話の場も持っておりますので、そこはしっかりとやっていきたいというふうに思っています。
#17
○赤石清美君 ありがとうございます。
 しっかりと、私も同じ思いでおりますので、そしてもっと、この厚生労働委員会のメンバーもそれなりに英知を持っていますので、やっぱり政治家の意見も聞くのも一つだと思いますので、是非この厚生労働委員会の意見も聞きながらイノベーションを進めていっていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
 次に、ドラッグ、デバイス等の問題ですけれども、この問題は長く言われてきているわけですけれども、最近のこのドラッグ、デバイス、それからデバイスラグの問題ですけれども、現状はどうなっているのか、説明をお願いします。
#18
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 御指摘のドラッグラグ、デバイスラグでございますが、これは、欧米では使用が認められている医薬品や医療機器が日本国内におきましては薬事法の承認がまだなされていないということで使用できない、そういう課題を指摘されているものでありまして、その解消というのは喫緊の課題であると私ども認識しております。
 この解消に向けましては、平成二十二年の六月に閣議決定されております新成長戦略でも指摘を受けておりまして、この迅速化のために、まずは医薬品、医療機器等の審査を行います医薬品医療機器総合機構、PMDAでございますが、この審査の人員体制等の充実を図っていく、さらには、審査の方向性を分かりやすく示す審査のガイドラインというものの策定を進めていくというような取組を進めてまいっております。
 こういう状況によりまして、先生御指摘のように、今の状況でございますが、医薬品につきましては、アメリカとの審査期間の差は、平成十九年度で見ますと十二か月程度ありましたところが二十二年度で見ますと二か月程度ということで、短縮をしてきている傾向にあるような改善が見られておると思っております。
 また、医療機器の方のデバイスラグでございますが、これは、その人員増等、あるいはその専門家を導入していくという取組がまだ三年目ということもあることもありまして、まだ五、六か月程度の差がございます。しかしながら、医薬品と同様にデバイスラグの解消に向けた取組を更に進めていくべきものというふうに考えております。
#19
○赤石清美君 厚労省からいただいた資料では、確かにずっとこのドラッグラグは縮まってきているというふうなデータが出ています。私も実感としては、業界の方から意見聞いてもそうなんだろうというふうに思ってはいたんですけれども、依然としてやっぱりまだまだ縮まっていないということがありまして、私も調べてみました。
 今日お配りした資料一に、世界初上市から各国上市までの平均期間と未上市品目数とありまして、これは医薬産業研究所というところが調べたデータなんですけれども、一番右が、ちょっと見づらくて済みません、アメリカです。その次、イギリス、ドイツでありますけれども、日本が一番左です。これは二〇〇四年、二〇〇七年、二〇一〇年のデータを取っているわけですけれども、依然としてやはりアメリカとヨーロッパに比べると日本がタイムラグが大きいと、これが業界の認識なんですね。
 ですから、厚労省が持っている認識とその業界の認識の間にやっぱりまだラグがあると。それこそラグがあるんですね。それはやっぱりもう少し、多分、業界の方たちは申請するタイミングをもうしたというふうに思っているかもしれない。多分、行政側は受け取ったときに受け取ったと言っているかもしれない。そういう多分タイムラグも含めて業界と行政、厚労省側で思っていることに差があると、この温度差がですね。
 やっぱりそれはもう少し真摯に受け止めて、厚労省側だけのデータでこうなって良くなっているよということじゃなくて、もう少し縮める努力をしたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#20
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、私どもも全て各国並みになったとは思っていませんので、これも一歩ずつ進めているというところなので、今何をしているかといいますと、このドラッグラグ、デバイスラグ解消に向けて、これまでもいろいろ取り組んでまいりましたが、その革新的医薬品の迅速な審査や実用化に役立つよう、昨年の七月からPMDAで開発早期の段階から大学やベンチャー企業等の相談に応じる薬事戦略相談、これを開始をしています。
 また、治験環境の整備につきましては、平成十九年度から治験実施体制の中核となる治験中核病院、これを十か所選定をし、平成二十三年度から、開発初期の医師主導治験等を実施する拠点として早期・探索的臨床試験拠点、これを五か所選定をいたしまして、治験実施体制の整備を行うとともに、治験の実施に必要な人材の育成、これを実施をしています。またさらに、平成二十四年度からは、国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的な役割を担う臨床研究中核病院、これを五か所選定をして整備事業を実施することを予定しています。
 こうした取組に加えまして、平成二十四年度からは、最先端の技術を研究している大学とPMDA等との間で人事交流を行って、開発途上の最先端の技術の安全性、有効性を評価できる、やはり人材を育成しないとなかなか難しいものですから、その人材の育成にも力を入れていきたいと思っておりますので、今後とも、何とかそのドラッグラグ、デバイスラグを縮めていけるように努力をしていきたいと思っています。
#21
○赤石清美君 是非これについては真剣に受け止めて、やっぱり日本のメーカーがやっぱりグローバルに戦っていくためにはこの差を縮めるということは非常に大事なことでありまして、やっぱり日本が遅いからどうしてもアメリカで治験をして新薬を開発をする、ヨーロッパで治験をして開発をする。私は、もう一つ問題なのは、この治験の体制が日本ではまだまだ弱いと。ここも含めてやっぱり改善してあげないとなかなかスピードアップしないのではないかと。もう一つは、その治験の段階から一緒になって相談に乗ってあげていけるという、そういうやっぱり現場に寄り添うことも私は厚労省の役割ではないかというふうに思っておりますので、しっかりとした取組をしていただきたい。
 また、後ほど三原議員の方から細かいことをまた質問があると思いますので、それはそちらに譲りたいというふうに思います。
 続きまして、遺伝子検査に関してでありますけれども、実はレクチャーで役人の方には資料をお渡ししましたけれども、日本医学会、高久先生のところが、広がる遺伝子検査市場への重大な懸念ということをこの三月一日に懸念表明をいたしました。私、もうずっと前から、たしか去年だったか、一回質問したことありますけれども、その後、特に問題がないかなというふうに思ってはいたんですけれども、だんだんだんだんこの遺伝子検査がマーケットに、一般のマーケットに進出してきております。
 もう少し細かく言いますと、ヒトゲノム・遺伝子解析研究の進展によりまして、多くの単一遺伝子疾患の責任遺伝子の同定がなされるだけではなく、多因子疾患の遺伝要因の解明も急速に進められており、個々人の遺伝的背景に基づいて最適な医療を提供するオーダーメード医療、テーラーメード医療の実施も現実のものとなろうとしています。
 一方、個人の遺伝情報を明らかにする遺伝学的検査に用いられるDNAは、採血等の医療行為によらずとも、毛髪、つめ、頬粘膜等の採取により容易に得られ、また遺伝子検査や解析を国内企業にとどまらず外国企業にも容易に委託することが可能になっています。学術団体等で遺伝医学の専門家として認定された医師を介さずに、人が人にかかわる遺伝子検査を直接消費者に提供する企業や来院者に提供するクリニックが散見されるようになった。
 また、提供可能とされている遺伝子検査は、病気のなりやすさ、例えば生活習慣病や体質、肥満、薄毛などであります、など健康、容姿にかかわるものにとどまらず、個人の能力、例えば知能とか、文系に向いているとか理系に向いているとか、音感がいいとか、それからもっと言えば性格、外向的であるとか内向的であるとか、あるいは進路、音楽に向いている、美術に向いている、運動適性、さらにDNA鑑定、これは血縁鑑定です、個人同定など、非医療分野にまで広がりを見せ、企業のホームページで過大な広告やマスメディアでも多く取り上げられるようになったため、一般市民にも広く知られるようになったところであります。
 あたかも、疾患の発症、それから体質、能力、性格、進路適性等を確実に予測でき、有用であるかのように誤解を与えている場合も少なくない。また、従来は司法手続を介して実施されていた血縁関係の有無の証明を私的に委託できるDNA鑑定事業者が多数出現しており、中には法的、倫理的に問題をなしとしない事案が散見されるようになっていると。
 こういうことで、一般市民を対象とした遺伝子検査には、生体試料を預け、個人の遺伝情報が明らかにされている一般市民に対して、科学的側面から見ても、また倫理的、社会的、法的側面から見て不利益を与える可能性が考えられるということで、重大な懸念表明をしたわけです。
 この辺については、厚労省として把握していらっしゃるでしょうか。
#22
○政府参考人(大谷泰夫君) 遺伝子の検査についてでありますが、今も御説明がありましたとおり、腫瘍の診断とか薬剤への応答性の確認など医療のために行うものがございます。
 一方、今お話ありましたように、体質であるとか芸術的な資質であるとか親子の鑑定とか、医療以外の目的のために行われているものも相当程度流布しているというふうに承知しております。
 このため、医療の方を申し上げますと、遺伝子検査については、医療機関以外で行う場合には衛生検査所としての登録というものを求めておりまして、必要な検査機器や人員体制の確保、あるいは検査の精度管理が行われております。また、衛生検査所におきましては、学会や業界団体が作成したガイドラインなどによりまして自主的に検査の質の向上に努めているというふうに認識しておりますが、一方で、医療以外の目的のための遺伝子に用いる民間業者の様々な検査につきましては、それについて今経産省において遺伝子関連検査の標準化あるいは民間企業が遵守すべき自主基準の作成について検討中であるというふうに承知しております。
 厚生労働省としましては、国民の心身への影響という観点から、この検討に大きな関心を持って臨んでいるところでございます。
#23
○赤石清美君 そうなんですね。この提言でも言っていますけれども、医療の場で病気の確定診断とか鑑別診断として実施される遺伝学的検査や総合的な臨床遺伝診療の場で実施される遺伝学的検査についてはガイドラインがしっかりしていてちゃんとしています。ただ、問題は医療以外で行われるところなんで、そこのところは、また厚労省の所管外かもしれませんけれども、是非、科学的な見地でこれを是非チェックしていただいて、今後もこれを何とか適正な検査になるようにしっかりとした体制を組んでいただきたいと思います。
 特に、子供に対する遺伝子検査が行われているわけですね。子供の将来を左右するようなことを何か言っているような検査もありそうなので、そこについてはもう少し厳しくチェックをしていただきたいというふうに思っております。
 そして、ここでは五つの提言をしております。様々な提言が出ておりますので、この提言についてはここであえて申しませんけれども、資料が提供してありますので、しっかりとこの提言を受け止めてやっていただきたいと思っていますが、大臣、感想をお願いします。
#24
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員の御懸念と同じ問題意識を私も持っております。日本医学会から、医療以外の目的で行われるいわゆる遺伝子検査ビジネス、これに対しまして、科学的根拠に乏しい検査がはんらんして混乱を引き起こしかねないという懸念が今月表明されたということは私も承知をしております。
 おっしゃるように、特に子供たちの未来にかかわることについて、こういう根拠のないというか根拠の乏しい形でいろいろな弊害が起こることは大きな問題だと思いますので、経済産業省を始め関係省庁と連携をして、しっかりと必要な連携を取りながらそこはチェックをしていきたいというふうに考えています。
#25
○赤石清美君 ありがとうございます。
 是非、これは今後とももっともっと私は広がりを見せるような気がいたします。特に親子の鑑定については社会的な問題になりかねないような状況にあると思います。特に、相手に無断で毛髪を取ったり例えば唾液を取ったりすることは簡単にできるわけですね。それを送って、自分の子供でないとか子供だったとか、そういうことをやられるようなことがあってはならないというふうに思いますので、しっかりとした体制を取っていただきたいというふうに思っております。
 次に、新型インフルエンザの発生に備えた、いわゆる抗インフル剤の備蓄の問題について質問したいと思います。
 現状の抗インフルエンザ剤のタミフルとかリレンザ等ありますけれども、現在どのような備蓄状況になっているのか、御報告をお願いいたします。
#26
○政府参考人(外山千也君) タミフルやリレンザといった抗インフルエンザウイルス薬の備蓄につきましては、国民の四五%相当分を目標に備蓄を進めております。平成二十四年二月末時点で国と都道府県備蓄分を合わせますと約六千二百七十七万人分を確保しておりまして、目標を満たす数量の抗インフルエンザウイルス薬を備蓄しているところであり、今後とも必要な量を確保してまいりたいと考えております。
#27
○赤石清美君 相当数の抗インフル剤を備蓄をしているということなんですけれども、この備蓄を実際にどのようにされているか、お教えいただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#28
○政府参考人(外山千也君) どのようにされているかというのはどういう御質問の趣旨でしょうか。
#29
○赤石清美君 国と都道府県、それぞれ別々に備蓄していると思うんですけれども、その備蓄の体制についてお教え願いたいと思います。
#30
○政府参考人(外山千也君) 数量的には先ほど申し上げたとおりでございますけれども、国、都道府県とも、各県いろいろあると思いますけれども、民間業者に委託して備蓄しているということでございます、管理体制は。
#31
○赤石清美君 実は、私は青森県の出身なんですけれども、先月青森に行ったときにインフルエンザが非常に多発というか流行しているときでありまして、ある県会議員、この人も医療関係者なんですけれども、県が備蓄をしているわけですね。ずっと備蓄をしていて、有効期限が来たらこれは全部捨てるという話のようですけれども、こんなにインフルエンザがはやっているときに、その備蓄したものをどんどん使って新しいものを追加していけばいいじゃないかと、何でそれができないんだというふうに言ったら、いや、厚労省から指示でそれはできませんと言われたというふうに言ったんですね。
 私も調べてみました。そうしたら、メーカーと契約上、ある種の契約があって、一般に流通させちゃいけないという契約になっているというふうに聞いたんですが、その点はいかがですか。
#32
○政府参考人(外山千也君) もちろん、タミフル、リレンザとも、今でありますれば有効期限七年まで延長しておりますけれども、その七年に達したものから廃棄していくわけで、それをまた補う形で備蓄するわけでございますけれども、これは、タミフル、リレンザを購入する際に、国と都道府県は、新型インフルエンザ対策行動計画に基づく目的以外には使用しないという条件で通常の薬価よりも大幅に安い価格により特別に製薬メーカーから購入しているということと、それから、抗インフルエンザウイルス薬の備蓄量は一般の市場流通量をこれ大幅に上回っておりまして、これを市場に流通させることになりますと供給過剰になりまして市場が混乱するおそれがあることなどの理由により、困難と考えているところでございます。
#33
○赤石清美君 そういうことなんですけれども、何かもったいないなという感じもするし、もっと有効利用、これ全部で七百から八百億掛かって備蓄していると思うんですけれども、多分それで期限が来てどんどんどんどん捨てていくということよりもう少し何か有効な活用も含めた備蓄を考えた方がいいんではないかと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
#34
○国務大臣(小宮山洋子君) いい知恵があれば伺いたいと思いますけれども、今のところは局長が申し上げたような形で、非常に安価でいざというときのために備えているという形も必要ですので、どのようにしたらいいか、知恵を集めたいとは思います。
#35
○赤石清美君 私も実は昨日一生懸命考えてみたんですけれども、なかなかいい知恵が浮かばなくて、ただ、このまんま、ほかの石油とか何かの備蓄というのはそんな別に無駄にならないんですね。これだけは、何かどんどん使わないとどんどん捨てていくという無駄が、無駄と言うとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、何かちょっと知恵があったらいいかなと思って、これは厚生労働委員会の皆さん、ちょっと知恵を貸していただきたいというふうに思っております。
 それでは次に、認知症高齢者対策についてでありますけれども、現状の認知症高齢者の実際の数の把握はどうなっているか、お教えいただきたいと思います。
#36
○政府参考人(宮島俊彦君) 現在公表しております認知症の数、これは二〇一〇年で二百八万人ということですが、これは平成十五年六月の高齢者介護研究会報告のときの推計でございます。
 それで、今新しい推計を取り組んでおりまして、二十一年度から二十四年度までの予定で厚生労働省の厚生科学研究費補助金、これの認知症対策総合研究事業の一環として、専門家の研究班が調査、推計を行っているところです。この結果なども踏まえて、引き続き必要な対策を講じてまいりたいと思っておるところでございます。
#37
○赤石清美君 実は、私もデータを調べたんですけれども、平成十五年の六月に高齢者介護研究会報告書、この当時で二百万人ぐらいだったと思いますけれども、それ以降の推計が出ていないんですね。
 私は何でこの統計をきちっとしなきゃいけないと思ったかといいますと、私も委員長もそして厚生労働大臣も団塊の世代であります。あと多分十年すると、団塊の世代って八百万人いるんですね、それがこの認知症高齢者の領域に入っていくわけです。ですから、きちっと数を把握して、この認知症の予防と、そして検査をする方法がないんです、今、難しい検査はありますけれども。治療方法もないんです。一部あります。だけれども、これこそ医療イノベーションで早く手を打って、予防と検査と治療する方法論をもっと国が積極的に考えないと社会が大混乱することになるということを私は想定するわけです。
 ですから、きちっとした数を把握して将来予測をしてそれに対する対応策を考えるということを今からやらなきゃいけないと思うんですが、大臣、いかがですか。
#38
○国務大臣(小宮山洋子君) これもおっしゃるとおりだと思います。今局長が申し上げたように、平成二十四年度までの予定で厚生労働省の補助金によって専門家の研究班が調査と推計を行っている、何でそんなに間が空いたのかというのは確かにおっしゃるとおりだと思います。なるべく早くその調査、推計を行います。
 それからまた、認知症の発症予防対策、診断技術の向上、治療方法の開発につきましても、補助金によって専門家の研究班が今研究を行っております。こういった調査研究を進めるとともに、認知症の早期発見、早期対応、これを進めるために、地域のかかりつけ医に対する研修の実施を一つはしています。
 また、詳しい診断と身体合併症がある患者への対応を行う認知症疾患医療センターの整備を進めているということ、また、早期の診断に基づいて必要な医療と介護サービスの推進を進めるため、市町村に認知症地域支援推進員、これを配置するなどの施策を行っております。
 ただ、御指摘のように、団塊の世代がこれからそういう可能性が出てくる中で、もっとこれはスピードアップをして進めなければいけない課題だと認識をしています。
#39
○赤石清美君 本当に是非スピード感を持ってこの検査、予防、そして治療という一貫した、これこそプロジェクトをつくってでも是非やっていただきたいと思いますので、来年度の予備費でも結構ですから、そういうお金を使って対策を講じていただきたいと思います。
 次に、がん検診等特定健診についてお伺いしたいと思いますけれども、現状のがん検診の受診率について御報告をお願いしたいと思います。
#40
○政府参考人(外山千也君) がん検診の受診率につきましては、平成二十二年の国民生活基礎調査によりますと、胃がんが三〇・一%、肺がんが二三・〇%、大腸がんが二四・八%、それから乳がんは過去二年間に受診した者が三一・四%、子宮頸がんについても過去二年間に受診した者が三二・〇%となっております。
#41
○赤石清美君 そこで、資料二を皆さんに配っておりますけれども、このがん検診の国際比較と、その下にがん検診の受診率とあります。それで、上の方は、日本とグローバルに比べてみて、日本が圧倒的にこの受診率が乳がん、子宮頸がんを含めて低いというのが分かります。やっぱりこの低さでは、本当の意味でがん予防にはならないというふうに私は思います。もう少しこの受診率を上げるための施策を考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#42
○政府参考人(外山千也君) 先生のお示しした表につきましては、ちょっと、平成十九年のときに、日本は毎年のデータとなっていますけれども、各国は子宮頸がん等は二、三年に一遍となっておりまして、我々にちょっと不利な図なんですけれども、それはさておいて、受診率アップということでございますけれども、がん検診五〇%達成に向けた集中キャンペーン月間の設定と全国大会の開催、あるいは特に働いている人の検診受診率を上げるため、企業等と連携し、企業の取組の共有や企業向けの説明会の開催に加えまして、平成二十一年度から子宮頸がんと乳がん検診の無料クーポン券や検診手帳を配付する事業も行ってきておりまして、平成二十三年度から大腸がん検診にも対象を拡大しているというようなことをやっているわけでございます。
#43
○赤石清美君 まだまだ私はやっぱり対策が不十分だと思います。特に、働く人たちが受診できる環境がまだまだ弱いと思います。例えば、普通に働いている人は、がん検診って会社でやってくれませんから、自分で行かなきゃいけないんですね。そうすると、会社を一日休まないと検査できないんですよ。土、日やってくれるかというと、やってくれないんですよ。夜間はやってくれるか、やってくれないんです。だから、もうちょっと受診者が受けやすい環境を考えるということをもっと積極的に是非。我々も多分、国会議員もほとんどやっていないと思うんですけれども、やっぱりこれじゃいけないんで、我々自身でも受けられるというふうなそういう体制を是非考えていただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#44
○国務大臣(小宮山洋子君) これもおっしゃるとおりだと思いますので、是非、どのようにしたらいいか、私どもも知恵を出しますが、皆様方からもいただければと思います。
#45
○赤石清美君 あと、特にこれから、がん対策基本法、これは平成十八年に制定されて、五年たって見直し時期に来ているということでございますので、その見直しの中にそういう施策を是非入れていただきたいというふうに思っております。
 特にこの中で小児がんが非常に今問題になっておりまして、年間二千人から二千五百人、それを二百の施設で診ている。一施設当たり二人か三人しか診ていないんですね。ほとんどが経験をしたことのない小児ドクターが小児がんを診るというふうな場面に遭遇しています。これの対策についてもう少ししっかりしてほしいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#46
○国務大臣(小宮山洋子君) これも小児がんの保護者の方やお医者様からも特に私も直接伺っておりまして、今回、新たな基本計画を作る中で、重点的に、先ほどおっしゃった働く世代のがん対策と小児がんには力を入れたいと思っています。
 おっしゃったように、非常に全国で少しずつの症例しかないので、小児の病死の第一の原因であるのにいろいろな対応が遅れているということがございますので、今後、早期に検討会を立ち上げまして、適切な要件を策定をして、小児がんの拠点病院、これを平成二十四年度から指定を開始することにしています。
 こうした取組ですとか、拠点病院を中心とした地域の医療機関との連携などを通じまして、小児がんの患者さん、そしてその御家族が安心して適切な医療支援を受けられるような環境の整備を少しでも早く進めていきたいと考えています。
#47
○赤石清美君 せっかくの見直しの時期でありますので、幅広くがん対策に関して、例えば未成年の喫煙をゼロにするとかいろいろありますけれども、私はどうやってやれるんだろうなということも、目標は分かりますけれども、もう少し具体的な施策をしっかりと組み立てることを希望して、そろそろ時間になりました。
 あと、特定健診とか包括ケアもやりたかったんですけれども、次回に回すことにいたしまして、今日はこれで質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#48
○三原じゅん子君 自由民主党の三原じゅん子でございます。本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。早速質問に入らせていただきたいと思います。
 二月七日の予算委員会での大臣の答弁について、大臣と私とのやり取りの中でちょっとした行き違いがあったのかなと思っております。本日はその行き違いのあった質問を再度やり直しをさせていただきたいと思っておりますので、大臣、どうぞよろしくお付き合いいただきたいと思います。
 二〇一〇年の十一月から子宮頸がん予防ワクチンがほぼ無料で、そして副反応救済制度も非常に充実したプログラムで接種できるようになりました。前回の予算委員会の御答弁で、大臣が、子宮頸がん予防ワクチンの接種費用、救済制度というのは今後も今と同様であるというお答えをいただき、私は大変うれしく思いました。これは、大臣もずっと一緒に取り組んでこられたこのワクチンの事業がまさか後退するということはない、そんな制度にはならないという御認識と、あと大臣のそういう思いからお出になった言葉だったのではないかなと、私はそのように思っております。
 ですから、改めて伺いたいと思います。
 子宮頸がん予防ワクチンがもし万が一定期接種の二類に分類されてしまったとした場合、この子宮頸がん予防ワクチンの接種費用と副反応制度はどのように変わっていくのかということを改めてお伺いしたいと思います。
#49
○国務大臣(小宮山洋子君) 参議院の予算委員会のときには、今言っていただいたように、私の思いから答弁をしたためにちょっと御質問の趣旨と違った答弁になったことは申し訳なかったと思っています。
 まだ一類、二類のその分類は今予防接種部会で議論中でございまして決定をしていないんですけれども、もしおっしゃるように二類に分類されますと、それは、費用の方は市町村が決定をいたしますけれども、その中で費用については決定をされていくということ、それから、健康被害があった場合にはそこの補償の金額が違ってくるということがございます。
#50
○三原じゅん子君 再度お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
 私は、これまで子宮頸がん予防ワクチンについて小宮山大臣も一緒に取り組んできて、大臣の予算委員会でのお言葉をお借りすれば、私も仲間だという意識でおります。ですから、一番大切なことは、この子宮頸がん予防ワクチンがほとんどの方に無料で接種できて、そして副反応制度に関しましても手厚い措置が受けられるということ、このことが一番大切であると再度申し上げて、しっかりとお答えをいただきますように心からお願いいたしたいと思います。
 それでは、続きまして、感染症対策についてもう一つ気になる点がありましてお伺いしたいと思います。それは、昨年新たに承認されましたロタウイルスワクチンのことでございます。
 このロタウイルスというのは、感染力が非常に強くて、石けんとか消毒用のアルコールでもなかなか効き目がないという、保育園や幼稚園でもし誰か一人が感染してしまったらほぼ全員に感染してしまうんじゃないかというぐらい、それほど強い感染力を持っているウイルスだということを伺っております。
 このロタウイルスに感染しますと、死亡者数というのは年間十名程度で非常に低いと思うんですけれども、感染者数は約百二十万人という、非常に多くなっております。うち外来受診者数は約七十九万人、入院者数が約七万八千人という感じで、乳幼児ですので、病気になると当然、看病される働くお母さん、お父さんにとっては大変なことだと思います。それと、やはり小児科というのに負担がすごく掛かって、小児科を疲弊させる大きな要因になるのではないかなと思っております。
 大臣、このロタウイルスワクチンについて今後どのように対策していくおつもりがありますか、ちょっと伺いたいと思います。
#51
○国務大臣(小宮山洋子君) ロタウイルスワクチンにつきましては、昨年の七月それから今年の一月に二つのワクチンが薬事法上承認されたことを受けまして、現在、予防接種部会の下で、年内をめどに、その効果や疾病の影響等について専門家によります医学的、科学的観点からの評価を行っているところです。こうした評価を踏まえまして、予防接種部会で予防接種法上の位置付けなどについて議論をしていくということにしています。
#52
○三原じゅん子君 このロタウイルスは、死亡者数は少ないけれども、直接医療費、保護者の労働損失、医療費以外のコスト、医療機関へ与える影響などなど、社会全体に与える影響というのが非常に大きい、そしてまた効果というものも大きいのではないかと思いますので、トータルに考えて評価するというような視点を是非お持ちいただけたらなと思います。既に我が国でも、全国で十七の子供たちを大切に思う市町村では、ロタワクチンの公費助成が決まっております。ですから、きちんと評価し、総合的な検討をお願いしたいと思います。
 続いて、乳がんについてお伺いしたいと思います。
 現在、日本人の女性で一番罹患率が高いがんは乳がんなのかなというふうに認識しておりますが、その罹患者のうち、現在約四割の方が全摘出手術を受けられております。乳房再建を希望される場合にどのような再建術があるのか、この方法についてお伺いしたいと思います。
#53
○国務大臣(小宮山洋子君) 乳房の再建術はがんを切除する手術によって失われた乳房を再建する手術で、方法としては、一つは筋肉等患者自身の組織を用いる場合と、もう一つはシリコン等のインプラントを用いる場合があるというふうに認識をしています。
#54
○三原じゅん子君 自身の組織の一部を移植するという自家再建、これは費用は大体三十万円ぐらいで済むということなんですが、これ手術時間も非常に長くて、入院期間も二週間程度掛かると言われております。何よりも、自分の体のどこも悪くない、いわゆる健康な部位にメスを入れていかなければならない、これは患者さんにとって非常に身体的にも精神的にも大きな痛みとなるのではないかと思っております。しかし、もう一つあるインプラント法、こちらであれば手術時間も非常に短くて入院もほとんど必要ないということなんですが、これが保険適用されていないために費用が百万円ぐらい掛かってしまうということであります。
 現在、厚生労働省における人工乳房について審査の状況というのをお聞かせいただけますでしょうか。
#55
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員がおっしゃった、乳がんになった方それからまた専門の学会などから人工乳房インプラントの早期承認を求める声ありますし、私も直接そういう声を承っています。具体的な個別品目の薬事法の承認審査の状況については、これは企業秘密ということもあって今詳しくお答えすることはできませんが、厚生労働省としても一刻も早くこれは御要望にこたえるために審査を迅速に行っていきたいと考えています。
#56
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 この問題は今から九年前に民主党の山根参議院議員が決算委員会で質問されているんですね。調べましたら、その当時の厚生労働省から検討、研究を進めるという答弁が実際あったんですが、しかし九年たった今でも薬事承認されていなくて保険適用がされておりません。是非、この乳房再建については患者さんたちのアンケートで一番多い懸案事項なんですね。患者団体から七万人以上という署名が集まっているということでございますから、私は、もう小宮山大臣に何としてでも女性大臣の代表として速やかに御決断いただいて、全ての乳房再建を望む女性の希望がかなうように、一日も早い保険適用をお願いしたいと思います。
 続いて、がんの対策推進基本計画についてお伺いしたいと思います。
 先ほど同僚の赤石議員からもお話がございました。この基本計画では、がん検診向上、緩和ケア体制の整備、そして新たに喫煙率を一二%以下に下げて、今後十年間で七十五歳未満のがんの死亡率を二〇%減らしたいという、そういう取組だというふうに伺っております。
 その中で、先ほども出ましたけれども、小児がんの拠点病院の整備についてお伺いしたいと思います。
 今改正でやっとこの小児がんのことが加わったというのは、遅過ぎたけれどもやっと加えていただいて本当に有り難いなという気もしておりますけれども、この小児がんの拠点病院、患者さんたちにとって非常に重要な問題であります。やはりデータの集約ということが一番大きな問題なんだと思いますけれども、今現状、白血病とかそういう病気よりもやはり脳腫瘍、小児の脳腫瘍というのの治癒率が低いということからしても、このデータの集約というのが必要なのではないかと思っております。と同時に、拠点病院と連携する地域の各病院もまた重要な役割を担うのではないかなというふうに感じております。
 先ほども大臣御答弁いただきましたけれども、小児がんの拠点病院について具体的にどのようなイメージをお持ちなのか。例えば、成人のがんの拠点病院ですと三百八十何か所とかありますけれども、数あるいは条件等々、具体的なイメージを伺えたらと思います。
#57
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほどもお答えいたしましたけれども、がん対策推進基本計画に小児がん対策、今度は重点的に盛り込みまして、二十四年度から小児がん医療の向上を図るために小児がん拠点病院の指定を開始したいというふうに考えています。
 この拠点病院をどれだけの数どういうふうに置くかとかいうようなことにつきましては、検討会を早期に立ち上げて検討したいと思っていますが、全国に複数指定をすることを予定しています。その在り方は今検討会で早期に立ち上げて御検討いただきたいと思いますが、その際に、患者の方ですとか現場で働く医療関係の方の御意見も取り入れた上で、その拠点病院の要件などを策定した上で指定を行っていきたい、そのように考えています。
#58
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 次に、その中に、がん対策推進基本計画の中に、がん患者あるいは克服した人への就労支援というのも盛り込まれておりました。働く世代のがん対策として、がん患者、そして経験者、私はサバイバーと呼ばせていただいているんですけれども、その方々の就労支援というのが明記されたというのは私は物すごいこれ前進だなというふうに感じております。
 ここの具体的な展望、大臣はどのようにお持ちなのか伺いたいと思います。
#59
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、毎年、二十歳から六十四歳までのうち、およそ二十二万人が毎年がんにかかって七万人が亡くなっています。がんはやっぱり働く世代にとっても大きな問題になっているので、今回、小児がんと併せて働く世代のがん対策の充実ということを重点目標に挙げました。
 やはり、なかなか皆さん、治療を受けながらとか就労を普通にされるのは難しい場合もございますので、今後、がん患者や経験者の就労に関するニーズ、この課題をまず明らかにして、事業者やがん患者、その家族、経験者に対する情報提供、相談支援体制の在り方、また治療と職業生活の両立を支援するための仕組み、こうしたことについて早急に検討を行っていきたいと考えています。
 これからここに問題意識を持って重点的に取り組むということを決めましたので、これから現場の方、実際に経験された方の御意見も受けて、どういう体制を取れば支援ができるか、具体的な検討をなるべく早く進めていきたいと思っています。
#60
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 私も、国会議員になる前に自分ががんになってサバイバー仲間たちがたくさんできたんですけれども、その仲間たちと一緒にこの就労支援ということに関しましてもいろいろな活動をさせていただいておりました。ですから、こういう仲間たちの声が届いたということなのかなという思いもいたしております。そして、実際に一緒に活動していた仲間ががん対策推進協議会のメンバーにも入っておりますので、サバイバー仲間あるいは家族の方々がこうした委員会に参加されるということ、これこそが現場の声を反映できる政策につながるのではないかなというふうに思っております。
 先ほど大臣お答えいただきましたように、小児がんの拠点病院の在り方検討会みたいなものを設置すると思われますけれども、そういうところにも是非小児がんの御家族の方々をメンバーに加えていただけるということを是非お願いしておきたいと思います。
 続きまして、医療機器の審査制度及び体制について質問をさせていただきたいと思います。先ほど同僚の赤石議員から質問があったかと思いますけれども、再度お尋ねさせていただきたいと思います。
 薬事法の改正に向けて、昨年より、医薬品等制度改正検討部会というのにおいて、患者団体の代表あるいは有識者の方を集めて十回ほど会議が行われたと、様々な論点が示されているということはもう承知しております。
 そこで、大臣が、三月七日の公明党の坂口議員の薬事法改正に関する質問に対して、今国会中の法改正というのは非常に厳しいと、臨時国会へ先送りする可能性を示唆されました。
 そこで質問したいと思うんですが、今回の薬事法改正の進捗状況、現在どのようになっているのか、また、改正法案の提出の見通しについて併せてお伺いしたいと思います。
#61
○国務大臣(小宮山洋子君) 薬事法改正につきましては、今御指摘いただいた厚生科学審議会の医薬品等制度改正検討部会で今様々な検討を行っていますけれども、薬事法の中に今医療機器が入っているんですけれども、医療機器は特性が違うので薬事法でやるのはおかしいではないかという今強い御指摘も受けていまして、このことについては、先ほどの赤石委員からの御指摘にもあった、医薬品や医療機器でイノベーションを起こしていこうという中で大きな懸案だということを厚労省につくった対話の場でもその業界の方からも御指摘をいただいているところでございますので、例えばこの医療機器の承認審査、その特性を踏まえた制度の見直しが必要だということなども含めて今鋭意検討をしています。
 それで、この国会に、私がそのときどういうニュアンスで答弁をさせていただいたか今ちょっと余り定かに覚えていないんですけれども、恐らくこの国会、社会保障の改革とか労働法の改正とか、既に結構審議をしていただくにはもういっぱいの、多過ぎると言われている法案を提出しておりますし、今のこの部会での検討状況からしましても、恐らく臨時国会に提出をさせていただくことになるのではないかと答弁をさせていただいたと思っています。
#62
○三原じゅん子君 大臣ももちろんよく御存じのことだと思うんですけれども、現在、医療機器メーカーが日本での承認諦めてしまうというようなデバイスギャップという問題が指摘されております。患者さんの最新医療機器へのアクセスというのの阻害になるのではないかという、これ、事態、とても私は深刻であると思っております。特に、後発医療機器と呼ばれる医療機器を審査する部門での審査の遅延、これが深刻ではないかと思います。
 昨年十二月に厚生労働省とPMDAがまとめた医療機器の審査迅速化アクションプログラムへの取組状況、これによりますと、平成二十一年度以降、承認数は減っているんですが、申請件数は大きく変動しておりませんので、承認数の減少は申請件数が減ったからというわけではないわけですよね。しかし、PMDAの審査人員の数は、二十一年度の四十八名から二十三年度は七十四名へと着実に増えているわけです。このように、後発医療機器の審査を含め、PMDAでは審査人員数が増えているのに承認件数が減っているという事態になってしまっているということです。
 この後発医療機器は、患者さんや医療現場視点の細やかな改良、改善を施された医療機器を対象とするものであります。実に、医療機器承認数全体の八割を占めているものでございます。このような問題の背景には、先ほどからお話出ておりますように、医薬品と医療機器の違いというのが十分に考慮されない現在の薬事法の限界というのが問題なのだと思っております。
 薬事法の改正に関連して、薬事法から医療機器法というのに分離させてはどうかという御指摘があるということも承知しております。これは、コンビネーションプロダクトと呼ばれる、医薬品と医療機器が物理的そして化学的にセットになった先端的な製品が今後出てくる可能性があるということを考えますと、もちろんしっかりと議論していく必要があるとは考えておりますけれども、少なくとも、現行の薬事法において医療機器に関する限定を医薬品と明確に分ける必要が私はあるのではないかと考えております。
 PMDAはやっぱり選択と集中というのを行うべきなのではないかなというふうに考えております。具体的に言いますと、二〇〇五年の薬事法改正で導入されました第三者認証制度を拡充する、そしてPMDAはPMDAとして審査を行うべき分野に集中するという、そういった抜本的な方策を考えるべきなのではないかなと思っております。
 大臣、医療機器の審査、承認の迅速化に向けて、これ今単なる人員の増員にとどまらないで、制度や体制を改革していくということが必要だと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
#63
○国務大臣(小宮山洋子君) 今制度改正検討部会で御検討いただいているところですが、問題意識としては私も委員御指摘の問題意識は持っております。
 先ほどから申し上げている内閣府の医療イノベーションの推進という中ででもこれもいろいろ議論をさせていただいているところで、やはりこれはそれぞれの特性を生かしてもっと迅速にきちんと、治験の方法なども違うわけですので、薬とそれから医薬品と医療機器では、そうしたことも踏まえて検討が必要だと思っています。そういう意味で、ただ、共通の安全性が必要ということもございまして、その辺りを今議論をしてもらっているところですが、問題意識は共通するものを私も持っております。
#64
○三原じゅん子君 医薬品でも先ほどお話ししたワクチンでも医療機器でも、これみんな同じことなんだと思うんですね。
   〔委員長退席、理事梅村聡君着席〕
 新しい治療とか改善を待ち望んでいるのは患者さんであります。審査の遅延とか法改正が先送りになるというのは、全く私は許し難いことなのではないかなと思っております。患者さんにとっては待っていられないというのが現状なんではないでしょうか。デバイスラグやデバイスギャップという解消に向けた改革を是非政治主導で進めていただきたいと思います。新しい医療機器を待ち望む患者さんに最新医療機器というものへのアクセスを提供することが、これを最優先すべきだと私は申し上げたいと思います。
 続いて、生活保護についてお伺いしたいと思います。
 私は今、この生活保護、自民党の政調の中で生活保護プロジェクトチームというのが立ち上がりまして、そこのメンバーとして取り組んでいるところであります。先日も大阪市の西成区に視察に行ってまいりました。そこで行政の関係者の方々、あるいは受給者の方々、医療者の方々、いろんな方々の現場の声というものを聞いてまいりました。
 そこで、もう生活保護に関しましては、衆参、それから各委員会でももういろんな質問が出ていると思いますけれども、それを全部チェックさせていただきましたけれども、その中でかぶらない質問を今日は考えてまいりましたので、より具体的な対応策についてお伺いしたいと思います。
 まず、私たちが現場に視察に行って、一番、きっかけは何でしょうということを伺ったら、二〇〇八年の派遣村、あの年末の派遣村から始まったのではないかと、きっかけはですね、そういう声がございました。あの派遣切りのときに実際失職した方、派遣切りで失職された方も集まったんですけれども、稼働層のホームレスの方々が実に多くて、逆に言えばそちらの方々の方が多かったのが現実だったという声を聞きました。そして、その流れの中から、厚生労働省から出された通達、速やかな保護決定によって一気に増加し、自治体が大混乱に陥ったというお話でありました。それは決してリーマン・ショックが原因ではないと、本当の原因は政権交代なんではないかというふうな声が多くございました。
 それは悪い意味で言っているわけではなくて、実際にすごい厳しい審査で、本当に苦しくて、だけど受給できなかった、そういう生活保護受給者の方々がやっと、障害者の方々、母子家庭あるいは高齢者の方々が救われたという、そういう現実もあったかと思います。しかし、今私たちが見直さなければならないのは、まず、そうした方々のことではなくて、働ける世代の稼働層、この方たちに自立してもらうことと、あと不正受給に関してではないかと思っております。
 大臣、私調べてみたんですが、最も基準額が高いケース、これは、東京都二十三区に母子家庭で、お母さんが二十代から四十代だとして、子供が二人、中学生の三人の世帯だとします。御存じのように、生活保護というのは生活扶助、教育扶助、住宅扶助等々八つありますけれども、その中の生活扶助、住宅扶助、教育扶助が受けられる。そして、合計三十一万一千六百七十円が支給される。さらに、今の時期になると冬季加算というのがありまして、四千七百七十円が五か月分支給される。月換算にすると約千九百九十円、これを合計すると三十一万三千六百五十円であります。
 大臣、この金額聞いて率直な御意見をお伺いしたいと思います。
#65
○国務大臣(小宮山洋子君) 生活保護の額につきましては、いろいろ御議論があるということは承知をしています。
 ただ、現行制度の中では、生活保護の基準額、年齢、世帯の人数といった世帯の構成、それから地域によって異なるわけですが、今御紹介いただいたように、例えば三十代の母親と中学生二人の子供の三人世帯の母子世帯、この場合は、地域に応じて、郡部であれば二十三万二千二十円、それから東京二十三区であれば三十一万千六百三十円となるわけです。
 生活保護制度では、就労の収入など収入がある場合は、この基準額から差し引いた差額分を保護費として支給をしているので、必ずしもその基準額全額を支給しているわけではないんですけれども、御指摘のような御意見があることは十分承知をしています。
 この生活扶助基準につきましては、今、生活保護基準部会で、五年に一度実施される全国調査のデータなどを用いまして、現行の基準額が一般低所得世帯、この消費実態と適切に均衡が取れているか、そうしたことなどを専門的、客観的に評価、検証を行っているところで、今月の末をめどに結論を取りまとめる予定です。
#66
○三原じゅん子君 現在のようにデフレ経済の下で給与所得が下がっているのを考慮しますと、やはりこの生活保護の受給基準額というのは見直す必要があるのではないかと思っております。
 次に、民主党政権下でのセーフティーネット、これが機能していないのではないかなということをお伺いしたいと思います。
 注目すべきは、先ほども申しましたその他という世帯、いわゆる稼働層の増加でございます。この十年間で七・四%から一六・二%まで膨れ上がっている。民主党のマニフェストによりますと、まず第一のセーフティーネットが雇用保険、第二のセーフティーネットとして求職者支援制度、そして最後のセーフティーネットとして生活保護制度というふうに位置付けられていると思うんですけれども、しかし、実際には一挙に生活保護に落ち込んでいるのではないかなというふうに思っているんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
#67
○国務大臣(小宮山洋子君) 今の御質問に答えさせていただく前に、今、前の御質問で、生活扶助基準の検証を行って、取りまとめを今月末と私申し上げてしまったんですが、今年末でございます。申し訳ありません。訂正をさせていただきたいと思います。
 そして、今の御質問ですけれども、雇用保険につきましては、リーマン・ショック以降、個別延長給付の給付日数の拡充などに加えまして、数次の雇用保険法の改正によって、適用基準を六か月雇用見込みから三十一日以上雇用見込みへ拡大をしたということ、それからまた再就職手当の給付率の引上げなどを行いまして、非常に厳しい雇用失業情勢の下で、非正規労働者等に対するセーフティーネット機能の強化、安定した再就職へのインセンティブ強化を推進してきています。その効果としては、例えば適用拡大によりおよそ二百二十一万人が新たに雇用保険に加入したと試算をしています。
 それからまた、雇用保険を受給できない人に対しましては求職者支援制度、これが第二のセーフティーネットとして昨年の十月からスタートをしていますので、求職者の早期就職支援策、これを強化していまして、昨年十月から今年の二月までに全国でおよそ三万七千人が職業訓練の受講を開始をいたしまして、ハローワークなどが今積極的に支援を行っているところです。
 今後とも、雇用保険制度ですとか求職者支援制度、これを適切に運用することで失業された方が生活保護に陥ることなく早期に就職ができるようにということに更に努めていきたいというふうに考えています。
#68
○三原じゅん子君 また違う視点でお話しさせていただきますと、先日も報道ありましたように、今、孤立死というのが非常に社会問題となっているかと思います。この本当に保護が必要な方々に生活保護がセーフティーネットとして機能していない証拠なのかなと思っております。自治体のケースワーカーの方々の人員不足とか、そういうこともあると思いますけれども、この申請主義の限界というのを私は感じております。
   〔理事梅村聡君退席、委員長着席〕
 生活保護に実際自分でアクセスできない世帯において、その把握方法とか今後の対策というのは、大臣、お考えでしょうか。
#69
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃることはやはり非常に適切な御意見だというふうに思います。
 今、その独り暮らしの高齢者などの孤立死の防止に向けて、民生委員ですとか社会福祉協議会による見守り、地域相談を実施していますし、各市町村で地域包括支援センターなどを活用して地域住民による見守り活動などの支援ができるようネットワークをつくることなどをしているんですが、そうしたことと、何かそういう孤立していらっしゃる方があるという場合に、今地方自治体に通知を出して、電気、ガス会社などの事業者と連携強化を徹底をして、新たにその地方自治体の福祉担当部局に情報を一元的に集めるようにという体制の構築を要請をしています。
 こうした中で、本当に生活保護が必要だと思われる方、御本人がそういう今の申請をする形になっている中で、気付かないとか、申請する、どうしたらいいか分からないことに対して、今のようなその孤立をした方を見守る仕組みの中から、そうした支援もすることによって本当に必要な方のところに行き届くようにしていく必要があるというふうに考えています。
#70
○三原じゅん子君 是非そちらにも力を入れていただきたいと思います。
 それでは、医療扶助のことに関してお伺いしたいと思います。
 電子レセプトを使って過剰診療を防ぐというようなお話がありますけれども、本当にこれで防げるのかなと私はちょっと疑問を抱きました。
 大阪の西成区役所で私が実際耳にしたのが、病院を指定された受給者の方々の怒りの声だったんですね。今までは自由にどこの病院でも行って診察受けれたのに、何で指定されなければならないんだと、こんなものには従えるかというような反発もされておりました。病院の指定というのは、指導はできても、これ強制力というのはあるんでしょうか。
 先日、愛知県の医療機関で介護報酬二十五億円、診療報酬五十億円を不正受給したという病院が発覚されたかと思うんですけれども、過去最大規模のこの不正受給を長年にわたって見抜けなかったというこの厚生労働省が行路病院等への適切な指導というのができるのか、私はいささか疑問なんですけれども、いかがでしょうか。
#71
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり、これで全て見抜けるかと言われると、なかなかそれは難しい点もあるかもしれませんが、今やろうとしているのは、二十三年度から新たに電子レセプトを導入したことによりまして、生活保護受給者ごとに複数月の分のレセプトですとかそれから複数の医療機関のレセプトをまとめて点検をして不適切な受診行動などの発見をしているということ。一つは、その複数月分のレセプトを集めるということは、初診料が複数月に誤って算定されている例などがこれで見付かったりすることがございますし、複数の医療機関のレセプト点検は、同一疾病で複数の医療機関で受診している例が見付かったりというようなことがございます。
 現在でも、福祉事務所が受給者ごとに受診医療機関を選定することを想定をしております。このため、この運用の範囲内で対応していくということだと考えているんですね。医療機関からの請求状況の集計、分析などがこれまでの紙レセプトに比べて効率的、効果的に行うことができると思っていますので、今活用のマニュアルなどを地方自治体に配付をして、その電子レセプトを活用した適正化への取組、これを支援しているところです。
#72
○三原じゅん子君 是非しっかりと規制していただきたいと思います。
 それでは、無料低額宿泊所による貧困ビジネスについてお伺いしたいと思います。
 この無料低額宿泊所については、社会福祉法第二条第三項に基づいて第二種社会福祉事業として位置付けられております。今後、この保護目当ての悪質な無料低額宿泊所についてしっかりとやっぱり規制する必要があると思うんですけれども、それによって自立支援、就労支援をしっかり行っている優良な事業者が多いということも是非御理解いただきたいと思うんですね。この厳しい規制をこちらにも掛けてしまうようなことになるというのを是非防ぎたいというふうに思うんです。
 実際、悪質な無料低額宿泊所と優良な事業者との違い、これ、どのように把握されておりますでしょうか。
#73
○国務大臣(小宮山洋子君) 利用者に対する生活指導とか就労支援などを通じて居宅生活への移行を積極的に行う事業者、これが優良な事業者だと思っていますけれども、こうしたところには居宅生活移行支援事業という形で補助を行っていまして、優良な無料低額宿泊所はしっかりと支援をしていきたいと考えています。
 なお、無料低額宿泊所のように住居と生活サービスをセットで提供する事業につきましては、その事業開始の際の届出義務の創設ですとか金銭管理の事前承認制の導入など、適正化に向けた議員立法が検討されていると承知をしています。この議員立法でも、適正な事業遂行ができる事業者として都道府県等の認定を受けた場合は、金銭管理を行う際に事業者の負担軽減のための特例が検討されると承知をしていますので、こうしたことを併せて、悪質なところはしっかりと取り締まると、優良なところはしっかりと支援をしていくという、そういう対応を取らせていただきたいと考えています。
#74
○三原じゅん子君 現場に行って、優良な事業者さんがすごく多いということを感じました。是非その辺のところをしっかりとお願いしたいと思います。
 もう時間がありませんので、次行きたいと思うんですけれども。
 実際、自立を促すということが一番重要なことなんだと思うんですけれども、働いた分だけ減らされてしまうという現行制度も問題なのかなと思います。できたら、その就労収入を一時福祉事務所が預かって、そしてまた自立後に返却して初期資金として活用するとか、あるいは雇用保険のように、受給期間というのをしっかり決めて有期制にする、三年とかそういう形で有期制にするとか、そういうことも大切なことなのではないかというふうに考えております。
 ほかにも、ブレア改革のように、成功報酬で民間の企業に就労支援にアウトソーシングするとか、そういうことも必要だと思う。要は、大胆な政策の転換をしなければなかなかここは難しいなというふうに感じましたので、是非、大臣、信じておりますので、メスを入れていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#75
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますように、質疑に入ります。
 平成二十四年度の介護報酬改定をなされましたけれども、医療と介護の連携について少し質疑をさせていただきたいと思います。
 生活機能、リハビリテーションの充実を図るということで、医療から介護への円滑な移行、また施設から在宅への円滑な移行ということが非常に重要になってまいりますが、この報酬改定でも、リハビリを非常に強化をするといったようなことは方向性として非常に見えてまいりますが、今後、介護保険制度におけるリハビリテーションの地域拠点をどのように形成していくのか、厚労省の見解を伺いたいと思います。
#76
○政府参考人(宮島俊彦君) 介護保険制度の目的、自立支援ということで、リハビリは大変重要だと考えております。
 現在、地域のリハビリ拠点としましては、介護老人保健施設が三千七百三十一か所ありまして、これを中心に通所リハビリテーション六千七百六十三か所、訪問リハビリテーション三千二百四十七か所が整備されている状況です。
 二十四年度の報酬改定におきましても、訪問リハビリと訪問介護の連携による自立支援の取組強化、個別リハビリなどの評価充実による通所リハビリの強化、老健施設における在宅復帰支援機能の強化などを行ったところでございます。
 住み慣れた地域で必要なリハビリサービスが受けられるように、この充実を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#77
○秋野公造君 今後の特養の役割についてどのようにお考えになっていますでしょうか。
#78
○政府参考人(宮島俊彦君) 特別養護老人ホーム、今後、入所者の重度化が見込まれております。社会保障・税の一体改革でも、医療、介護等の重点化、効率化の内容の一つとして、重度の方への介護施設の重点化が盛り込まれておりまして、今回の報酬改定でも、特別養護老人ホームには入所者の重度化に対応して施設の重点化、機能強化を図る観点から報酬の設定を行っています。
 具体的には、重症者への対応をより評価するということで、要介護度に応じて報酬に差を設けるとともに、認知症のBPSD、行動・心理症状が悪化した場合に受け入れた場合に新たな加算の創設をする、それから入所者の重度化への対応を評価する日常生活継続支援加算について加算の引上げを行ったところでございます。
#79
○秋野公造君 重度化には介護度だけでなく医療の連携も必要ということだと思いますが、医療と介護の連携を強化する観点から、老健にて評価されることになった肺炎等への対応の強化について、この等の部分、どのようなものを指すか決まりましたでしょうか。
#80
○政府参考人(宮島俊彦君) 今の御指摘の点でございますが、平成二十四年度の介護報酬改定において老健施設に所定疾患施設療養費という制度を設けました。これは、入所者の医療ニーズに適切に対応して、不要な救急搬送、これを少しでも減少させようということで、それほど重度ではない疾病を発症した場合における介護老人保健施設内での対応について評価したものでございます。
 対象となる疾患、今御指摘がありました肺炎、尿路感染症、帯状疱疹ということでございます。
#81
○秋野公造君 不要な救急搬送をなくすためにという観点で考えると、例えば特養に常勤医師を配置しているようなところはそういうようなことも拡大をして認めていっていいのではないかと思いますが、特養における医療の提供の在り方というのはまた別途議論が必要かと思いますけれども、そもそもこの介護施設における入所者に対する医療の提供というのは非常に重要でありまして、そういったニーズ、特養でみとりまでしっかり行っていくという方向性も踏まえて、そういったニーズをしっかり把握はなされておりますでしょうか。
#82
○政府参考人(宮島俊彦君) 介護施設におけるニーズの把握でございますが、これは請求書等のことを見て、それぞれの医療ニーズ、どのようなものがあるかということを把握しながら介護報酬の設定あるいは診療報酬、外部から入る場合の診療報酬の設定などを行っているところでございます。
 今後、介護施設で医療ニーズ、これ重症化に伴ってその対応が求められておりますので、介護施設における医師、看護師の配置問題とか外部の医師との連携など、ますます議論を深めていく必要があると思っております。更に実態把握に努めて次期改定に向けて取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
#83
○秋野公造君 調査をしていただけるということでありますが、今外部の医療との連携というお話もありました。
 今回の介護報酬においては、特養の配置医師と在支診、在支病といった外部の医療との連携で特養のみとりに対して診療報酬で評価を行うということは、しっかりみとりを強化という意味ではすばらしいことだと私は思っていますが、このみとりの強化は誰もが目指す方向で一致ができていると思いますが、そのためには、外部の医療だけではなく、先ほど肺炎等とも同じでありますが、常勤で医師を確保できた場合には中でのみとりをしっかり強化をするということも可能かと私は思います。そういうことができた場合、診療報酬ではなく介護報酬で評価をしてあげるということも今後検討すべきではないかと思いますが、見解を求めたいと思います。
#84
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員御指摘の点は、在宅医療・介護を充実させていくという点では大変重要な御指摘だというふうに思います。
 今回の診療報酬改定では、特養でのみとりの充実を図るために、在宅療養支援診療所等の外部の医師が特養でみとりを行った場合に診療報酬の評価の対象を拡大をしています。特養の配置医師が行う健康管理等については、介護報酬の中で包括的に評価をしています。さらに、特養の配置医師が施設の看護・介護職員と共同してみとりを行った場合については、みとり介護加算によって介護報酬上評価をしています。
 今後とも、御指摘の特養等でのみとりへの対応を含めた介護施設等での医療提供の在り方につきましては、実態把握を行いまして、次期の介護報酬改定に向けて検討を進めていきたいと考えます。
#85
○秋野公造君 配置医師と常勤医師とめり張りを付けていただくことも重要かと思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 一昨日、東北でまた地震がありました。大臣所信の質疑のときにも御紹介をさせていただきました、岩崎航さんという詩人、在宅で寝たきりで筋ジストロフィーの方、あの地震でちょうどストーブを付けていたようでありまして、たった独りぼっちでストーブを付けているような状況で、非常に怖かったといったようなお話もされたわけですけれども、以前お願いをさせていただきました、こういった在宅で人工呼吸器を使っている患者さんへの災害対応、進捗状況を伺いたいと思います。
#86
○政府参考人(大谷泰夫君) 災害時に、停電などによりまして在宅で人工呼吸器等を利用されている患者の方々の人命に重大な危機を及ぼすということは避けなければならないということでございます。
 昨年、この場でも御審議賜りましたように、どう対応するかということで、平成二十五年度からの次期の医療計画の策定に向けまして、都道府県に対して年度内に在宅医療の体制構築に係る指針を示すということで今作業の詰めをしております。その中で、在宅医療を担う医療機関において、在宅で人工呼吸器等を利用されている患者を電源確保できる医療施設等へ搬送することといったことを含めまして、災害時にも適切な医療を提供するための計画が策定されるよう都道府県に促してまいることとしております。
#87
○秋野公造君 どうか電源確保をよろしくお願いをしたいと思います。
 緊急被曝医療体制の強化について伺いたいと思います。
 今でこそ福島県立医科大学は日本を牽引することができる、緊急被曝医療を提供することができる医療機関まで発展をすることができましたけれども、発災直後に伺いました福島県立医大は、職員一人一人は物すごい頑張っているわけでありますが、やはり人材が非常に少ない、そして量的にも質的にも非常に少ない状態で、ホール・ボディー・カウンターもなかなか動かすことができないような状況でありました。三次被曝医療機関が本来福島県立医大を支援するわけでありますが、とても手が追い付かないような状況で、孤立している福島県立医大の状況を見ながら、公明党は、第三次被曝医療機関をしっかり二つではなく増やして強化することによってそういった発災時にしっかり対応することができるように、首相官邸に申入れをさせていただきました。
 今般、原子力安全委員会より、原子力施設等の防災対策についての見直しに対する考え方についてということで取りまとめがなされたところであります。文部科学省に対しては、緊急被曝医療は十分に機能をしなかったと非常に厳しい取りまとめもなされ、厚労省に対しては、発災後、整備していたDMATが想定を超えて人道的観点から機能した、七十二時間の想定さえ超えて支援を行ったといったようなことがこの原子力安全委員会の取りまとめの中に書かれているようであります。
 今後、厚生労働省として緊急被曝医療体制の整備にどのように取り組んでいかれますか、伺いたいと思います。
#88
○政府参考人(大谷泰夫君) 緊急被曝医療体制につきましては、今御指摘ありましたように、原子力安全委員会が策定しました方針に基づいて、今、文部科学省で、被曝患者の初期診療が可能な初期被曝医療機関から放射線医学総合研究所などの高度かつ専門的な被曝医療を提供する三次被曝医療機関まで医療体制を構築してきております。
 したがって、第一義的には今後も文部科学省でこの体制整備について検討がなされるものと考えておりますが、厚生労働省としましては、これも今御指摘いただきましたように一般の救急医療体制や災害医療体制の整備を行っておりまして、文部科学省でのこの緊急被曝医療体制の整備に関する検討結果を踏まえて必要な協力を続けてまいりたいと考えております。
#89
○秋野公造君 これ、私は急ぐべきだと思っておりまして、文科省の検討を待つということではなく、文科省に対してしっかり働きかけていくべきだと思いますが、もう一歩御答弁お願いできますでしょうか。
#90
○政府参考人(大谷泰夫君) 私どももこの被曝問題については重大な関心を持って取り組んでいるところでありますから、それについては政府の中で十分相談してまいりたいと思います。
#91
○秋野公造君 矯正施設退所者の社会復帰について伺いたいと思います。
 犯罪者の再犯の中で特に知的障害者による再犯というのが見られておりまして、刑務所と一般社会の垣根というのは非常に高いようでありまして、知的障害があるがゆえに、おなかが減ってパンを取ってしまってもう一回再犯となってしまった、こういうようなお話を聞くと、犯罪は犯罪として許すことができないといいながらも、見守りがあればもう少し何とかなったのではないかと思わざるを得ないときがあります。
 長崎では雲仙・虹という更生保護施設がありまして、何といいましょう、刑務所と一般社会とのバッファーとして社会福祉法人が活躍をしております。退所、そこを出る人は二度と帰ってくるなよといいながらも、ずっとその後もフォローをしていることがそういった方々を社会に定着させるために非常に役に立っているということを感じます。
 北九州市においてはNPO法人夢つむぎというところがありまして、こういったところは、障害者の方に対して電池の再利用という就労機会を提供するだけではなく、生産活動を通じて知識と能力の向上を障害者が入って図っているところでありますが、こういったところを別に宣伝をしているわけではありませんが、また一般の障害者の方に対して対応をしているところでありますが、そういった今私が最初に申し上げたような方が自然と集まってくる傾向があるようであります。
 その背景は、職員の方がボランティアで相談に乗っているということが背景にありまして、孤立をしてしまう人たちが電話一本でつながるだけで、そういうNPO法人につながることによって再犯を防止をすることができるような取組もあるようであります。相談事業ということが本当に孤立をしてしまう知的障害者、障害者を救う、つなぐ好事例ということになりますけれども、地域生活定着支援センターから知的障害の方などがこういう相談支援事業につながって地域の中で生活することができるように、先ほど御紹介したようなNPO法人夢つむぎのような先進事例を参考に、司法と福祉の合間をしっかり相談事業で埋めていくという考え、厚労省、いかがでしょうか。
#92
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 矯正施設からの退所者に対します支援は、福祉の観点からも大変大事だというふうに認識してございます。このため、御指摘のように、従来から各県に地域生活定着支援センターを設置してまいっておりますが、ちょうど今年度全県設置という形で完了いたしました。
 御指摘のような形で、このセンターにおいても相談支援事業を行ってございますが、今御紹介のありましたNPO等に対しましても、例えば私どもの方で社会福祉推進事業という形でこういう方々に対して支援を行うということもできるわけでございまして、そういう形の事業も活用しながら、今後ともこういう退所者に対する支援事業を推進してまいりたいと、このように考えている次第であります。
#93
○秋野公造君 よろしくお願いします。
 オストメイトのトイレの設置について伺いたいと思います。
 地域におけるオストメイトの方の社会参加を促進するために、オストメイト対応トイレ設備緊急整備事業、これ平成二十三年で残念ながら終了してしまいます。十分の十の事業で非常にこのトイレが普及をしたというすばらしい取組でありましたが、これが終わること自体はもしかしたらやむを得ないところもあるのかもしれないんですが、この東日本の震災では、被災地においてこのオストメイトに対応できるトイレが一方では少なかったといったような声もあります。その意味では震災対応の分だけでも残しておくべきではなかったのかと私は思っているんですが、そういう意味では、災害対応と限定してでもこのオストメイトトイレの設置、続けていくべきではないかと思いますが、厚労省の見解、伺いたいと思います。
#94
○政府参考人(岡田太造君) 御指摘のオストメイト対応トイレ設備緊急整備事業につきましては、公共施設などに設置されています既存の身体障害者トイレにオストメイト対応トイレ設備の整備を行うことを目的としたものでございまして、平成十八年度より障害者自立支援対策臨時特例交付金によりまして、都道府県に設置されました基金を活用して事業を行ってきたところでございます。
 この基金につきましては、平成二十四年度からは障害者自立支援法などの一部改正の円滑施行に重点化するという考え方で、オストメイト対応トイレの整備については、今後バリアフリー新法などにおいて設置義務があるなど一般施策の中で対応すべきものであるから当該事業を取りやめることとさせていただいたところでございます。
 なお、別の事業といたしまして、公立の体育館などにおきまして、スロープ、多目的トイレ、それから障害者スポーツ特有の設備整備、備品購入などにつきまして、こういった経費を助成するために、体育館等バリアフリー緊急整備事業を二十四年度末まで延長しているところでございます。この事業を活用したことによりまして、災害時などにおいて避難所として活用される可能性が高い公共体育館におきまして、オストメイトも使用可能な多目的なトイレなどの整備が可能になるものと考えているところでございます。
#95
○秋野公造君 これは、体育館が避難所になり得るからこれを利用することができるということですね。これ、ただ本当に災害対応ですから、今後検討する自治体が増えてくるかと思いますが、ニーズが非常に多くなった場合、基金の積み増し等で対応することは可能でしょうか。
#96
○政府参考人(岡田太造君) 基金の事業につきましては、二十三年度の第三次補正におきまして被災三県に対する積み増しを行っています。また、二十三年度の第四次補正におきましても当該基金の交付金の延長及び積み増しを行ったところでございますのでそれなりに財源あるんじゃないかと思っていますが、今後の対応につきましては自治体のニーズなども含めて検討していきたいと考えています。
#97
○秋野公造君 もう一個だけ聞かせてください。
 今、体育館等という、この等の中には、避難し得る、運動することができる公民館みたいなものは含まれますでしょうか。
#98
○政府参考人(岡田太造君) 御指摘の体育館等バリアフリー緊急整備事業は、一般の公立体育館などでも障害者スポーツに取り組めるよう整備を行うことを目的とした事業でございますので、事業の実施主体であります都道府県、市町村におきまして、障害者がスポーツを行う施設として活用することと判断された場合には対象となり得るものと考えているところでございます。
#99
○秋野公造君 どうか柔軟にお願いをしたいと思います。
 これは日本オストミー協会の北岡分会長から、今、ずっと聞いた話をお届けをさせていただきましたが、このオストミー協会の方々からこんな話がありました。いわゆる人工肛門を付けている方が福祉の現場にいてくださる、そういう事例が実現したようでありまして、非常に自分たちの気持ちが分かるケアが提供されるということでありました。
 今後、こういう障害者が障害者を助けるような、特に医療や福祉の現場で働くことが、そういう発想が今まで自分たちもなかったので、そういうことを進めてほしいといったような要望もあったわけですけれども、同じ障害を持った人の相談に応じるこのピアカウンセリングみたいなものは非常に進んできているわけですが、もう一歩進んで、ピアカウンセリングからもう一歩進んで、ちょっと名前が悪いかもしれませんがピアケアみたいな、そういう形で障害者の方が同じ障害を持つ方にケアを提供するようなことを視野に入れた対応、こういったものというのは考え得るものでしょうか。
#100
○政府参考人(岡田太造君) 障害をお持ちの方々やその御家族がお持ちの様々な経験、体験であるとか知識などを活用しまして、ほかの障害者の方、その家族の方に同じ目線で支援を行うというピアサポートというのは、障害者の支援を行う上で非常に重要だというふうに思っております。このため、市町村が相談支援の一つとして行いますピアカウンセリング、それから身体障害者相談員などによりますピアカウンセリングといった取組を通じてピアサポートを実施しているところでございます。
 また、御指摘のとおり、これは既存の制度の枠組みの中でございますが、障害者御自身が介護職員などとしてケアの仕事に携わることも障害者の就労形態の一つの有力な選択肢になるものと考えております。実際に、障害をお持ちの方御自身がホームヘルパーの資格を取得して高齢者の施設でケアスタッフで仕事をするといった事例も行われているというふうに聞いているところでございます。
 今国会に提出させていただきました障害者総合支援法案におきましては、同じ障害を持った方やその家族に対するきめ細かな相談支援が行われるように、新たに基幹相談支援センターに身体障害者相談員などとの連携に努めるべき旨を規定しているところでございます。また、地域生活支援事業の必須事業といたしまして、障害者やその御家族、地域住民などが自発的に行う活動に対する支援も規定したところでございます。
 今後は、こうした規定の運用なども含めまして、御指摘のピアケアの事例なども参考に、障害福祉の現場において同じ障害を持った方々に対する支援が推進されるように引き続き取り組んでまいりたいと考えています。
#101
○秋野公造君 この点は、例えば雇用の現場でもこういった取組というのは支援を考えてほしいと思います。
 今、厚生労働省では、精神障害者を対象としまして、精神障害者雇用安定奨励金のメニューとしてピアサポート体制整備奨励金ということで、この精神障害者の方が職場で精神障害者の方々に対して何らかのサポートをしっかり行うことができる、そういう体制を整備したときに評価する仕組みというのがきっちりつくられていて、こういった取組というのはこれはすごく画期的なことで、障害者の方々というのは物すごく希望を、自分の可能性というのを確認することができるすばらしいものだと思いますが、精神障害だけに限らないでもっともっと広げていくこと、範囲は限られてきましょうが、広げていくことも検討すべきではないかと思います。
 この奨励金の中のピアサポート体制整備奨励金について、精神障害の方以外の障害の方も使えるように検討してみてはいかがでしょうか。
#102
○政府参考人(中沖剛君) 障害者の就労支援につきましては、先生よくお分かりのとおり、それぞれの障害特性に応じたやはりきめ細かな支援が大変重要でございます。
 先生御指摘のピアサポートに関する奨励金でございますが、精神障害者の方には、やはり自分の考え方を周囲に伝えるコミュニケーション能力に欠けている、そこでどうしても周りの方がその方を理解できないというような特性があるわけでございます。こうしたことから、やはり同じ職場で同じ仕事をしながら同じ障害を持っている方がやはりアドバイスをする、これは大変有効であるという観点から、今回こうした奨励金を設けてきたわけでございます。
 ただ、その一方、その他の障害につきましては、当然、精神障害の方とは違う特性もあるわけでございます。例えば、知的障害の方などは、やはり作業内容の理解あるいは習得に非常に時間が掛かってしまうと。そういう場合には、やはりジョブコーチとなる方が外部から行って、直接にそこで支援をして、上司の方はどうやって指示を出したらいいのか、あるいはどういうふうに職務内容を改善したらいいのかを直接やはりアドバイスするようなことが有効だと言われておりますし、また、身体障害者の方につきましては、就労支援機器ですとか設備面の配慮、これもございますし、また介助するような方を直接置くようなこともございます。こうしたそれぞれの障害特性に応じた支援がやはり効果的と考えているところでございます。
 今後も、こうした障害特性に応じた様々な支援を行って、あらゆる障害者の方が雇用促進されるように頑張ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
#103
○秋野公造君 ありがとうございます。
 独立行政法人労働者健康福祉機構と労災病院の在り方について伺いたいと思います。
 労災病院は、かつては確実に労災の程度に応じて入院をすることが可能で、短期の入院、それから長期の入院に対応できていたわけでありますが、診療報酬の在り方が変更しまして、例えば急性期病院に特化した労災病院は、平均在院日数などの縛りによって長期の入院では収益が上がらないような仕組みになりました。現時点でも、労災患者の平均入院日数は一般患者と比較しても二倍程度であるということを考えると、労災の患者が安心して入院して療養を受ける体制というものをつくっていかなくてはいけないと思っています。
 ただ、ちょっと私が心配をしているのは、新法人を目指す議論であります。この中で、自立できる、自立した経営を求められるということになったときに、本当に長期に、例えば急性期に特化した労災病院が本当に長期の労災患者を受け入れることができる環境をつくり出すことができるのかということを心配しています。病院だけの収益を考えて治る前に急性期で出してしまうようなことがもしもあったならば、それが結果として働くことが遅れてしまったならば、労災全体で見たときには大きな損になってしまう、経済的には非常に非効率になってしまうということが考えられますが、今後、新法人移行による労災病院の機能の在り方についてどのように進めていくおつもりか、見解を伺いたいと思います。
#104
○政府参考人(鈴木幸雄君) 労働者健康福祉機構が設置、運営しております労災病院は、これまでも労災補償政策の医療面のセーフティーネットとして、じん肺、脊損など従来型の労災疾病やアスベスト関連疾患、メンタルヘルス不調など今日的な課題となっている疾病の労災患者などに対して、早期職場復帰を視野に入れた高度専門的な医療を提供しております。
 今後、機構が移行することとなっております新法人制度の具体的な制度設計を行うことにしておりますが、これまで担ってきた労災病院の役割が失われることなく、引き続き労災病院がその使命を果たし、機能を最大限発揮しながら、責任を持って効果的な労災医療が提供できるように病院運営の在り方を検討していきたいと考えております。
#105
○秋野公造君 私はこの検討、非常に難しいと思いますので、どうか検討委員会の委員の先生方にはしっかり審議をしていただくようにお願いをしたいと思います。
 そして、経営を安定化させる観点から伺いますと、先日の予算委員会でも跡地の問題について質問をさせていただきましたけれども、例えば九州労災病院の跡地に行かせていただきました。非常に広大な土地でありまして、もしもこれ売却が進まないのであれば、管理費ばかりが掛かって労災の収益というのは必ずしも良くならないということが考えられます。国においては、新成長戦略に資する目的であれば、何でもかんでも売却ありきではなく、定期借地権を設定して新成長戦略に役立てていくんだといったような方向性が明確にかなり踏み込んだ方向性が示されて、もう既に十二件、医療施設であったり福祉施設であったり子育ての施設であったり、有効利用がなされているというような状況でありますが、私は独立行政法人もやはり国と呼吸を合わせてこのような機能というのは持たせるべきだと思います。
 先日の予算委員会では、総務省に伺いますと、独立行政法人通則法では、そういった定期借地権の設定は妨げるものではない、主管官庁が考えることということでありましたけれども、どこまでも独立行政法人の判断が大事であるという前提で、その跡地については売却しかオプションを与えないのではなく、定期借地権など貸し出すということを視野に入れて、そういったオプションも持たせてあげながら収支の改善を図っていくべきだと思いますが、見解、いかがでしょうか。
#106
○政府参考人(鈴木幸雄君) 九州労災病院は昨年の五月に移転しまして、その移転後の跡地は労働者健康福祉機構が売却し、その売却による収入は医療提供を確実に実施するため労災病院の増改築費用に充てることにしております。機構といたしましては、現在、九州労災病院跡地の売却に向けて地方自治体などに働きかけを行っておりますが、厚生労働省も、跡地の有効活用を図る観点から、機構に対しましてはまずもっては早期に売却を行うよう指導していきたいと考えております。
 ただ、跡地が売却できずに長期にわたり管理費用が必要とする状態が続くようでありましたら、有効活用を図るため、議員の御指摘も含めて、新法人制度の具体的な制度設計の中で有効活用を図ることが可能となるよう検討していきたいと考えております。
#107
○秋野公造君 どうかよろしくお願いします。
 TPPについて伺いたいと思います。
 私がTPPを参加した場合心配をしているのは、いわゆるISD条項というものであります。こういうことはあり得ない、想定していない、笑われるかもしれませんが、私が不安に思ったこと、少し大臣に伺ってみたいと思います。
 例えば、国産薬が承認をされて外国産薬が承認が遅れた場合、これは単なる審査上の問題ではありますが、外国産薬の承認が遅れて損害が出たといったようなことを外国の企業がISD条項を基に訴訟をするということを想定していますでしょうか。
 もしもこういうことが起きた場合、ドラッグラグというのは全体として短縮するべきでありますが、物によっては安全性をしっかり担保するために時間を掛けなくてはいけない場合というのがあり得ると思います。そういう意味では、薬事承認というこの安全を守るための仕組みが脅かされるということがあり得るかという観点で大臣にお伺いをしたいと思います。
#108
○国務大臣(小宮山洋子君) 御質問のISD条項、この手続は投資関連協定で一般的に規定されている手続で、投資家と投資受入れ国との間で投資紛争が起きた場合に国際仲裁等を通じて解決を図るものです。このTPP協定交渉の投資分野では、内外投資家の無差別原則等が投資受入れ国の義務の内容として議論をされていると承知をしています。
 一方で、今御質問の日本の医薬品の承認手続では、申請者の国籍による差別的な取扱いはしていません。承認手続に要する時間も、国内企業と外国企業との差異はありません。したがいまして、仮に日本がTPP協定に参加した場合であっても、日本の医薬品の承認手続は無差別で合理的な制度と運用を確保してきているために、基本的に協定違反と判断されるということは想定し難いというふうに思います。
 なお、既に日本が締結している多くの投資関連協定でISD条項は確保されていますけれども、医薬品の承認手続に関するものを含めて日本がこれまで訴えられたという例はございません。
#109
○秋野公造君 訴えられる側は大丈夫だと思っていても、訴える側は損をしたといって訴えてくる可能性がありますので、どうか審査体制を守っていただきたいと思います。
 もう一問だけお付き合いをしていただきたいと思います。
 これも念のための質問ですが、例えば外国の会社が外国人ばかりを多く採用してその人たちを介護の資格を取らせたいとしたときに、日本の方はその試験は通るけれども海外の方は通らないといったようなときに差別があるのではないか、そういった訴訟は起こり得るとお考えになりますでしょうか。資格というのは質を確保するためのものでありますから、こういう訴訟などによってゆがめられるようなことがあっては絶対にならないとの立場から、ちょっと杞憂かもしれませんが、確認をしたいと思います。
#110
○国務大臣(小宮山洋子君) お尋ねの事例につきましては、事例の詳細が分かりませんので、ちょっと一概にお答えすることは難しいと思います。
 その上で言えば、お尋ねのような事例が日本での投資活動を伴わない場合には、そもそも投資関連協定の適用対象とはなりませんので、ISD条項手続の対象にもならないというふうに考えます。
#111
○秋野公造君 全体的に、例えば保険制度が守られるとか医療制度が守られる、薬事、薬価が守られるといっても、このISD条項があるがゆえに訴訟になって、そこから例えば百回訴訟があって一回でも負けたりするようなことがもしもあった場合に大きく流れが変わってしまうということを恐れます。どうかしっかり対応していただきますようお願いをします。
 終わります。
#112
○委員長(小林正夫君) それでは、午後一時に再開することとして、休憩いたします。
   午後零時二十分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#113
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#114
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 まず冒頭に、アスベストの労災認定の司法判断と厚労省の認定基準との乖離について質問させていただきます。
 二月二十三日に東京地裁で、先週の木曜日、三月二十二日に神戸地裁で、それぞれ厚生労働省が石綿関連肺がん認定基準を正しく運用していないとの司法判断が出ました。二月二十三日の東京地裁判決後、国が控訴しないよう、小宮山大臣、牧副大臣、津田大臣政務官あての要請書を津田政務官に直接お渡しし、議論もさせていただきました。
 民主党は、政策集、インデックス二〇〇九において、縦割りを排した総合的なアスベスト新法の制定をうたっておりましたが、その進捗ははかばかしくないまま、また民主党政権の悪い癖である司法判断を待つということになってしまっています。ちょうど石綿による疾病の労災基準改正が行われている折、石綿暴露作業十年以上という文言が削除された形の基準改正で、今まで運用されていた基準の明確化という形で更に労災認定の幅を狭めようとする意図さえ感じられます。
 アスベストの労災認定の新基準はきちんと肺がん患者や遺族の方に届く内容になっているんでしょうか、津田政務官にお伺いいたします。
#115
○大臣政務官(津田弥太郎君) 川田委員にお答えを申し上げます。
 まずもって、東京地裁と神戸地裁の判決についてお尋ねがございました。あそこで一番問題になっているのは、この二つの判決につきましては、石綿の暴露と肺がんに関する医学的知見について私ども厚生労働省と裁判所とは見解を異にしているということでございまして、そこはしっかり違いについて、本当はどうなんだということを明らかにしていきたいということでございます。
 したがいまして、この裁判についてどうということではお答えできるわけではありませんけれども、今委員の方から申されました石綿による疾病の労災認定基準、新たな医学的知見が示されているということを踏まえて、肺がんの認定基準も含めて専門家による検討が行われ、今年の二月二十一日に報告書がまとめられたわけでございます。
 現在、報告書の内容に基づきまして、新しい認定基準では、これまでの基準に加えて、まず広範囲の胸膜プラークの所見が認められ、かつ石綿暴露作業従事期間が一年以上あるということに改められたわけでございます。それから、さらには石綿紡織品製造作業等の三作業に五年以上従事したことということによっても労災認定をするという新たな基準を設ける方向で今改正の手続を行っているわけでございます。これは三月中には改正をしたいというふうに考えております。これによりまして、労災認定の範囲がより明確になるとともに、請求に当たっての負担軽減や迅速な事務処理につながるというふうに考えております。
 今後とも、認定基準に基づく迅速、適正な労災補償を行っていくとともに、新しい認定基準の積極的な周知を行うことにより、労災請求の更なる促進も図っていきたいと考えております。
#116
○川田龍平君 この石綿関連肺がんの被害者の救済拡大が労災認定を円滑に運用しないことで阻まれることで、命が守られないばかりではなく、生活保護申請や医療費の増加など国家財政の圧迫にもつながりますので、しっかりとした対応をよろしくお願いいたします。
 次に、本年度の予算に計上されている臨床研究中核病院ですが、その目的は臨床研究の質を国際水準にまで向上させることとされています。
 これに関連して質問させていただきます。
 先ごろ慶應義塾大学で実施されていた医師主導臨床試験において、厚生労働省が定める倫理指針に著しく抵触したという報道がありました。倫理指針を守らない医師主導治験などは医師の傲慢でしかありません。個別の事例ですから多くは追及しませんが、この慶應義塾大学病院は、臨床研究中核病院に先立って予算措置された早期・探索的臨床試験拠点に指定されていると聞きます。早期・探索的臨床試験拠点は、まさに臨床研究中核病院を更に特定の研究領域と結び付けた高度な臨床研究施設であると言えます。
 そこで、臨床研究中核病院の在り方にも大きな影響を与えると思うので、慶應義塾大学病院を例にして質問いたします。慶應義塾大学病院を始めとする早期・探索的臨床試験拠点の指定に当たって、政府は、当該拠点施設の倫理指針の理解度、周知努力、実効性の確認といった倫理指針遵守体制の調査をしたのでしょうか。また、調査した上で倫理指針を遵守する条件は満たしていると判断したというのであれば、今回の事例はどういう意味なのか、厚生労働省の見解をお示しください。
#117
○政府参考人(大谷泰夫君) お答え申し上げます。
 早期・探索的臨床試験拠点整備事業、これ、今御指摘ありましたが、世界にこれは先駆けて日本発の革新的な医薬品、医療機器を創出するために、平成二十三年度から人に初めて使用する医薬品や医療機器の臨床試験が実施可能となるよう体制整備を行う事業であります。
 この事業対象施設の選定におきましては、各種倫理指針を遵守して臨床研究を実施できる体制かどうかを確認するため、研究者に対する講習会や倫理指針に関する周知徹底などについて具体的な方法の説明を求めているところであります。また、各拠点に置かれる倫理審査委員会に関しましても、倫理性、科学性、安全性、信頼性の観点から適切な審査が可能であるかどうかについて、委員の構成や透明性を保つための具体的な方法の妥当性について審査を行いました。さらに、こうした学内の教育実施状況や倫理審査委員会の機能、透明性に加えまして、人に初めて使用する医薬品や医療機器の治験、臨床研究の実施体制や研究シーズの内容、病院内の連携体制などから総合的な立場で選定したわけであります。
 厚生労働省といたしましては、この臨床研究の実施に当たり各種倫理指針を遵守することは基本的なことだというふうに考えておりますので、今回の慶應義塾大学病院の事案については非常に残念なことだと考えております。
#118
○川田龍平君 この院内の教育体制が整備され、倫理審査委員会の構成メンバーのチェックをしたにもかかわらず、慶應義塾大学病院では十分に周知されていない研究者がいたというのはどういうことなのでしょうか。それは、やはりチェック体制が十分ではないということではないかと思います。倫理審査委員会の在り方も当然ですが、教育体制の確認も形式だけになっているのではないでしょうか。どこかに倫理指針を守るのは当然という認識が厚生労働省にあったのであれば、いささか無責任な話ではないでしょうか。倫理指針を遵守させる強い意思が必要だと思います。さもなければ、倫理指針遵守よりも研究シーズ発掘と世界標準になるかどうか分からない臨床研究を優先させたということになるのではないでしょうか。臨床研究にかかわる被験者たる国民を軽視しているとしか言えません。
 そもそも、国税を賭して臨床研究の核となる研究施設を造ろうというのが今回のデザインである。そして、この臨床研究が世界標準たるICH―GCPに準拠したものとするのが今回の予算事業だと思います。しかし、その世界標準たる前提である倫理指針を守っていないとすると、そもそも世界標準にならないではないですか。
 これは税金の無駄遣いです。政府は増税を議論しながら、こんな税金の無駄遣いとやゆされるような事業をさせるつもりですか。世界標準を目指すならば、それを十分に施行、遂行できる施設にやらせるべきと考えます。
 倫理指針の遵守は重要な項目ですが、政府は臨床研究中核病院も含めて臨床研究施設に対してその実効性を調査するのをより厳格化するように考えないのでしょうか、政府のお考えを伺います。
#119
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘のございました臨床研究に関する倫理指針におきましては、臨床研究においては、被験者の福利に対する配慮が科学的及び社会的利益よりも優先されなければならないと、このように記されているところでございます。そして、この臨床研究に関する倫理指針の遵守に関しましては、毎年数施設を選定して実地に調査を行ってきたところでございます。厚生労働省といたしましては、今回の事例の発生を踏まえまして、臨床研究機関に対して、改めて指針の遵守について周知徹底を要請させていただいた、三月二十三日の通知をさせていただいたところでございます。
 また、現在、文部科学省と共同で取りまとめ、近日中に最終決定をして公表をさせていただく予定でございます臨床研究・治験活性化五か年計画二〇一二におきまして、臨床研究に関する教育、研修や人材の育成、臨床研究の意義に関する普及啓発に取り組むこととさせていただいておりまして、川田委員からの御指摘をしっかりと受け止めさせていただきまして、今後とも調査を行いつつ、臨床研究の質と指針遵守の実効性の向上に努めてまいりたいと考えております。
#120
○川田龍平君 この臨床研究倫理指針の周知徹底には、倫理委員会の機能というのが重要になってくると思います。臨床現場や研究の現場では倫理委員会を軽視する傾向があるのではないでしょうか、あるいは倫理委員会が十分に機能していないのではないか。委員会をしっかりと機能させるように政務としてしっかりとやっていただきたいと思いますが、厚生労働省を担う副大臣として是非力強い発言と意気込みをお願いします。
#121
○副大臣(辻泰弘君) 力強く発言したいと思いますけれども。
 御指摘になりましたように、倫理審査委員会は、臨床研究の実施又は継続等に関して被験者の人間の尊厳、人権の尊重その他の倫理的観点及び科学的観点から調査審議するため、各臨床研究機関内に設置されるものでございまして、御指摘のように大変重要な機能を担っているものと考えております。
 厚生労働省といたしましては、現在取りまとめ中の臨床研究・治験活性化五か年計画二〇一二において、この倫理審査委員会の質を更に向上させるという見地から、倫理審査委員会委員への教育の充実や倫理面での審査を行う際の基準となる倫理審査ガイドラインの作成を短期的に目指すことと位置付け対応を進めていく方針でございます。また、国等による倫理審査委員会の認定制度の導入も中長期的に目指すことと位置付けまして検討を進めることとしており、これらの取組を通じて倫理審査委員会の機能強化に努めていきたいと考えております。
#122
○川田龍平君 さて、慶應義塾大学病院についてですが、確かに今回は当該施設の別の診療科が行った事例というふうに聞いています。しかし、施設認定は病院に与えているのですから、一定程度の責任は持ってもらわなければなりません。世界に向けて国が指定した早期・探索的臨床試験拠点たる病院で、そのガバナンスが十分でないから起こった事例であり、ある意味では国の名を汚す行為と言っても過言ではありません。国が臨床研究を促進させるために指定した施設が倫理指針を遵守していなかったというのは、国際的に見ればいい笑い物です。我が国の臨床研究のレベルが疑われ、信用を失墜させかねません。こういう違反事例を看過することなくきっちりとけじめを付けさせることも必要だと考えます。
 繰り返しになりますが、シーズを探索する能力にたけていたとしても、国際基準を満たしていなければ科学の暴走を許すことになります。また、基準を満たしていなければ国策である設立意図を満たすことにもならず、国税を賭して研究を補助する意味がありません。慶應義塾への指定を取り消すくらいの厳しい態度で臨むべきではありませんか。少なくとも、最終審査で落選したほかの研究機関で十分な法令コンプライアンスを期待できるところに任せた方がよほど有意義であると考えられます。処分についてどの程度が相当と考えているのか、厚生労働省の見解をお示しください。
#123
○政府参考人(大谷泰夫君) 今回は大変残念な事例でございました。
 慶應義塾大学病院に対しましては、倫理指針違反があった呼吸器外科の臨床研究だけではなくて、全ての臨床研究について被験者の同意取得状況について確認するとともに、現在、再発防止策を講じることを求めているところであります。
 慶應義塾大学病院から現在実施中の調査、それから再発防止策に関して報告を得た上で、必要な措置については検討してまいりたいと思います。
#124
○川田龍平君 きっちり事実関係を検証して、厳正なる処分を検討していただきたいと思います。
 早期・探索的臨床試験拠点については、最終審査で十二施設が残されていたと聞きます。ほかにも十分にこの任を担える施設があるのですから、投資した国費に見合う研究施設を選んでください。これは臨床研究中核病院についても言えます。決してこのような違反行為が繰り返されることがないようにお願いいたします。
 また、臨床研究倫理指針に関連して、こうした違反事例を漫然と生み出さないように研究促進という側面からどのような施策を打っているのでしょうか、厚生科学研究費や文部科学研究費の選定などで倫理指針はどのように扱われているのか、文部科学省と厚生労働省の見解をお示しください。
#125
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。
 今回の慶應義塾大学における臨床試験に関する倫理指針違反につきましては、厚生労働省からの指導に基づいて同大学において適切な対応がなされるものと認識しておりますが、文部科学省といたしましても、関係法令、指針等の遵守がなされた上で教育、研究が行われますよう、各大学等への徹底を図ってまいりたいと考えています。
 また、文部科学省の科学研究費助成事業及びライフサイエンスに関する競争的資金等におきましては、臨床研究に関する倫理指針を含めて関係法令又は指針等に違反した場合には、当該研究に関し研究資金の交付をしないことや交付を取り消すことがある旨を公募要領に明記しておりまして、必要に応じてこのようなペナルティーが科されることになります。
 文部科学省としましては、研究の推進に当たって関係法令、指針等の遵守が図られるよう、意識改革や普及啓発を通じまして一層の徹底を図ってまいりたいと考えております。
#126
○政府参考人(矢島鉄也君) 厚生労働科学研究費補助金の交付に当たりましては、研究者等に対しまして臨床研究に関する倫理指針等の関係する指針を遵守して研究事業を行うことを求めております。さらに、これらの指針に違反して研究事業を実施した場合には、必要に応じまして交付決定の取消しですとか補助金の返還等の処分を行うことができることとなっております。
 厚生労働省としては、こうした指針等の遵守がなされた上で研究活動が行われるよう、今後とも努力してまいりたいと考えております。
#127
○川田龍平君 国費を投じて研究をさせる以上はここも十分にチェックしてもらわなくては困ります。このチェック体制を十分に確保できるように役所を挙げて考えてください。世界に通用する臨床研究を実施させるのであれば、こうした予算を付ける場合にも研究者や研究者が所属する研究機関の倫理指針への取組を厳格に調査してほしいと思います。
 文部科学省も多くの研究機関を所管しているのですから、研究機関や研究者が倫理指針に配慮しているかどうかを妥当に評価できる方法を考えていただきたいと思います。評価方法を提案できるような状態にしていただかなくては困ります。
 文部科学省として、倫理指針のチェック体制について政府の考えをお聞かせください。
#128
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 今御指摘をいただきましたそのチェック体制という意味で申しますと、倫理指針の徹底というのは、文部科学省が預かっているところでいうと大学病院、医学部、薬学部を含め大変重要な部分がございます。御指摘を踏まえて預からせていただきたいというふうに思います。
#129
○川田龍平君 そこで、文部科学省に質問ですが、大学教育において臨床研究倫理指針をちゃんと教えているのでしょうか。たとえ世界標準と言えるような倫理指針が整備されていたとしても、若き研究者や学生がその倫理指針を大学教育課程の中で教育を受ける機会が整備されていないとすれば、それは無意味です。研究従事者の魂にしっかりと刻まれてこそ意味があるのです。医学部でいえば、ヒポクラテスの誓いと同じくらいの意味を持つものではないでしょうか。研究者の倫理規範とも言えるものでしょう。この倫理規範を大学で教えていないとすると、これは文部科学省の怠慢と言わざるを得ません。
 まず確認ですが、臨床研究の中心となる学部である医学部や薬学部において、コアカリキュラムに倫理指針を指導することと明記されているのでしょうか。
#130
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 大学、特に医学部、薬学部においては、人材の養成もさることながら、医療系の研究者の教育を行う役割も担っております。倫理に関する学習も含めて、研究者としての基礎的な素養を身に付けることは重要であるというふうに思っております。
 そこで、医学教育並びに薬学教育のモデル・コアカリキュラムでありますが、いわゆる臨床研究に関する倫理指針自体について明記はないわけでありますが、ただ、この指針の基となるもの、医学研究の倫理的原則でありますヘルシンキ宣言などを学ぶことといたしております。これを通じて全ての人間に対する尊敬を深めて、その権利などを擁護する倫理基準に従うことなどを学ぶことといたしております。
 また、医学教育では、研究目的での診療行為に要求される倫理性を説明をできることを位置付けるとともに、薬学専門教育の中でも、専門的な治療法に関する学習において倫理について配慮する知識、態度を学習するということで位置付けております。
#131
○川田龍平君 この臨床研究中核病院事業では、医師主導臨床研究を充実させると明記しています。つまり、医師が主体的に臨床研究を担っていくことになることですし、将来的には医師の責任はますます重要になってくるということになります。
 医学部については、当然に教育段階で精緻に倫理指針を教育させるべきと考えます。私の知る限りでは、教えているといっても、医の倫理や薬剤師の倫理という大枠の中での議論だけだと聞いています。十分に時間を掛けて臨床研究や治験の在り方についてみっちり明確に教えていかなければ、いつまでたっても医師主導治験や医師主導の臨床研究は成熟したものにはなりません。可能な限り早急に医学部にカリキュラムに取り入れるべきです。
 また、薬学部においては、現在コアカリキュラムの検討中と聞きます。この機会に薬学部のコアカリキュラムに臨床試験について総合的に教えるプログラムを組み入れるべきと考えます。特に臨床研究倫理指針については、全ての薬学部卒業生がその存在を理解し遵守できるように、カリキュラムを考えていただきたいと思います。
 政府は、ライフイノベーションや創薬産業を日本の基幹産業にすると言っているのですから、教育段階で倫理規範を教えていないというのは政府の方針と明らかに矛盾しています。そうした措置を図らないのは無責任です。世界に通用しない臨床研究を漫然と続けさせるというのでしょうか。世界に通用する臨床研究とするためにも医学部及び薬学部で責任を持って教えるという前向きの答弁を期待していますが、政府の考えをお示しください。
#132
○委員長(小林正夫君) 城井政務官。
 なお、時間が来ておりますので、簡潔にお答えください。
#133
○大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。
 これまで文部科学省でも、厚生労働省などと連携をいたしながら、先ほど御指摘の倫理指針を始めとした研究の指針の周知に努めてまいりましたけれども、今回の件を踏まえて更に周知徹底を図ってまいりたいと思います。
 ただ、その上でですけれども、じゃ、このモデル・コアカリキュラム、いわゆる改訂に踏み込んでいけるかというところでありますけれども、実際にこの議論を進めてまいりたいというふうに思いますが、一義的にはいわゆる有識者会議における議論ということがありまして、今回の御指摘、御意見も含めてきちんとお伝えさせていただきながらこの議論を進めていくということにさせていただければと思います。
#134
○川田龍平君 ありがとうございました。
 私は、ここで、やっぱり医師中心につくってきた医療政策を患者、当事者の立場からつくっていくという新しい考え方を基本のところから明確に法制化する必要があると考えています。私は、患者、被験者の権利の確立を法制化すべきだと主張し続けています。そういった意味で、今日は質問の時間がなくなってしまいましたけれども、是非、行政府が必要に応じて定める告示ではなく、立法府の意思として、臨床研究を推進し、その研究を世界レベルの研究に向上させる必要性に鑑み、法律化を検討するべきと考えています。
 是非委員の皆さんにも検討いただき、是非大臣にもお考えいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#135
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今日は介護保険の問題で質問をいたします。
 第五期介護保険事業計画では、六十五歳以上の高齢者の介護保険料が全国平均で約二割の大幅引上げになる見込みです。これは年金支給額の減額と併せて大変な負担増になってしまいます。
 高齢者人口の増加に伴ってこの保険料の上昇というのは避けられないだろうと、こう想定されていたわけですね。その上、これまで介護保険とは別建てで措置をしていた介護職員処遇改善を保険料財源に移してしまって、これが一層の引上げにつながってしまった。これ、私、大変問題の多い政策判断だったと思います。しかも、このことが介護報酬の実質マイナス改定を見えなくさせていると思うんですね。
 今回の改定で介護報酬はプラス一・二%と、こう説明されていますが、処遇改善分が二%ですから、これ実質〇・八%のマイナス、物価下落を主な理由にしたマイナス改定ではないかと考えます。このことは二十二日の委員会で福島議員が質問をされて、その答弁を議事録で確認しましたら、大臣は改定内容の説明にとどまっておられたんですね。
 同じ説明はもう議事録を私確認しましたのでいいです。現場から指摘されているように、処遇改善交付金分を考慮すれば実質マイナス改定であると認めるのかどうか、この点に絞って御答弁ください。
#136
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回、介護職員の処遇改善を介護報酬に取り込んだのは、毎年毎年つなぎつなぎでは先の見通しがなくてなかなか職員を雇えないというような現場からの声も踏まえて、恒久的なものとしてちゃんとやるために介護報酬に取り込みました。
 平成二十四年度の介護報酬改定の改定率、これは厳しい財政状況の中プラス一・二%と決定をされましたが、これは介護職員処遇改善交付金分、介護報酬の二%を取り込んだ上で、過去三年間の物価下落傾向マイナス二・二%を反映したものですので、これはマイナス改定だとは考えておりません。
#137
○田村智子君 現場が実際どうなるかということだと思うんですね。実際、訪問介護や通所介護の事業所の試算を見てみますと、これもう二%から五%もの減収と、こういう試算が示されています。また、報酬そのものが減額となる入所系の施設ではもっと減収幅が大きくなるだろうと、こういうことが考えられるわけです。
 減収分の経費をどこで抑えるか、これは人件費で抑えるというふうにならざるを得なくなってしまうと思うんですね。これでは、先ほど恒久的なものにしたいというその思いとは裏腹に、処遇改善の取組が継続できるという水準にならないんじゃないかと、現に減収になっちゃう、そういう問題が起こると思うんですが、いかがでしょうか。
#138
○国務大臣(小宮山洋子君) このプラス一・二%の改定率、先ほど申し上げたように物価の下落傾向は反映しています。一方で、賃金も過去三年でマイナス一・七%なんですが、賃金の下落傾向は反映していません。また、介護事業者の経営状況が黒字傾向にあることなども踏まえまして、これは平均の収支差率がプラス七・五%ということですので、これも踏まえて決定をいたしました。したがいまして、プラス一・二%の改定率は、介護職員の処遇改善の取組を継続できる水準で必要な財源を確保できたと考えています。
 今後、社会保障・税一体改革の中で更なる処遇改善に取り組んでいきたいと考えています。
#139
○田村智子君 これ、現場とは相当な乖離のある御答弁じゃないかなというふうに思わざるを得ないんですね。
 この処遇改善分が介護報酬に移される、恒久的な措置としてだというふうにおっしゃったんですけれども、これは当然利用料に影響が出てくるわけですね。そうすると、利用者の負担を増やすわけにはいかないと、処遇改善の届出をやめるという事業所が出てくることも考えられるわけです。介護職員の皆さんも、自分たちの低賃金、これは何とかしてほしい、しかし利用者の負担ももう限界だと、この矛盾を本当に抱えて働いていらっしゃると思うんですね。
 こうした介護の現場の問題を解決するには、やはりこれまでの処遇改善交付金のように実質国庫負担率を引き上げると、こういう政策に向かっていかなければ、私はこれはもう介護保険の制度って本当に破綻しかねないようなことになってしまうんじゃないかと。国庫負担率を引き上げるということを改めてこの場で要望しておきたいと思います。
 時間がありませんので、次に、生活援助の時間制限の問題について取り上げます。
 昨年、この委員会で、生活援助、在宅介護の生活援助ですね、この時間区分の基本が四十五分に見直されると、この問題を取り上げました。その根拠とされた調査が、そもそも目的も違う、時間を計測したものでもない、二か月以上前の作業を記録と記憶に頼って記載させたものだと、こういうふうに指摘をしました。大臣は、この私の指摘に対して、調査方法が適切であったかどうかを検証したいというふうに答弁をされました。
 今、非常に現場の方から、一体あの検証はどうなったんでしょうかと私のところに問合せが来ています。どのような検証が行われたのか、お聞かせください。
#140
○国務大臣(小宮山洋子君) 平成二十三年十二月五日の社会保障審議会介護給付費分科会で、このEBPの調査に関する調査方法と結果概要、また平成十九年度に行ったタイムスタディー調査の結果を併せて報告をし、議論を行いました。
 EBPの調査につきましては、訪問介護事業所がサービス提供記録等を基に掃除、洗濯などの行為ごとの提供時間について記載したものですが、訪問介護で行うサービス内容は継続性を持っているので、数か月前の記録を基に回答することは可能で、一定の信頼性は確保されていると考えています。また、EBPの調査結果については、平成十九年度に調査員が行ったタイムスタディー調査とほぼ同様の結果となっています。
 介護給付費分科会で、こうした調査結果とともに、利用者のニーズに応じた適切なアセスメントとケアマネジメントの必要性、訪問介護員の関係団体からの比較的短時間の生活援助のニーズも多いという指摘、こうしたことも踏まえまして、総合的な観点から御議論いただき、結論を出していただいています。
#141
○田村智子君 今指摘のあった十二月五日の介護給付費分科会、議事録読みました。
 これは、指摘した調査とは別の二〇〇七年の調査を確かに資料として後ろに付けて配付をして、老人保健課長がその概要を説明しただけなんですね。議論ってやられていないんですよ。一人の委員が、いや、これはおかしいと、検討すべきじゃないかと発言したけれども、それ以外の発言もなく終わっているんですよ。こういう調査でした、報告して終わり、これで検討したなんて言うのは、これはヘルパーの皆さんや事業所の皆さんはあきれて物が言えないような、そういう事態だと私思いますよ。
 しかも、この変更というのは現場に大変な混乱をもたらしています。四十五分以上の生活援助はできないとか、六十分の生活援助を求めるならば十五分については自費でお願いしたいとか、こういうことを言っている事業者まであるんだ、そういう報告が私たちのところに寄せられています。
 先日、やはり福島議員、このことも取り上げて、時間区分の変更を利用者に強いることのないように徹底していると、まるで人ごとのような答弁を局長されていましたけれども、この混乱の原因は、そもそも時間区分を短縮したと、これで見直せと求めたことだと思うんですけど、いかがでしょうか、局長。
#142
○政府参考人(宮島俊彦君) 確かに、今委員御指摘のように、一部に、全てのサービスを四十五分未満でやらなければならないということで誤解されている面があるのではないかと考えております。
 厚生労働省としても、こういう誤解は正さなきゃならないと思っておりまして、適切なアセスメントとケアマネジメントに基づいて、現在行われている六十分程度のサービスも行うことは可能というようなことで、全国の高齢者の担当課長会議でもそういう指示を出しましたし、それから疑義照会でも今言ったようなことで誤解を解くように努めているところでございます。
#143
○田村智子君 そもそも、その四十五分を打ち出した調査、その検証というのもとてもずさんとしか言いようがないものですし、現場では大変な混乱が起きているし、一番危惧されているのは利用者さんの生活の質が著しく低下しかねないと、四十五分を基本にして見直せって求めているわけですからね。ヘルパーさんやケアマネの皆さん、次々に今要請に来ていますよ。
 例えば、厚労省は、買物は、今までは利用者さんの家にまず行ってそれから買物だったと、これは四十五分を基本にして見直して、例えば利用者さんの家に行く途中で買物してもいいよと、こういうことまで説明されていますけれどもね。ヘルパーさんが言われるのは、利用者さんのお宅に行って、その方の顔色を見て、生活の状態、お部屋の様子を見て、そして食事が全部食べられたの、どうかということも見て、それじゃこれからどんな食事を用意するのかな、どんな買物が必要かな、これが当たり前のことだと言うんですね。そして、利用者さんと一緒に冷蔵庫の中を見たりしてどんなものが足りないかなってやる。これは、利用者さんの生活の質や体の、何というんですか、機能の向上とか、そういうことにも役立っているんだと。
 それらを無視するような四十五分を基本に、これは私は非常に問題が多いと思います。六十分でもいいとか、九十分程度のサービスを細切れにとか、こんなのはまさに利用者にも事業所にも大変な負担を強いることになる。これはやっぱり四十五分を基本にというのは今からでも私は撤回すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。短く、済みません。
#144
○国務大臣(小宮山洋子君) これまでのサービスの提供の実態とか、限られた人材をどういうふうに働いてもらうかとか、そうした観点から時間区分の見直しを図り、四十五分で済むところは六十分でやっていたよりも費用の負担も少なくて済むわけですので、これを基本に見直しをいたしました。
 ただ、先ほど御指摘あったように、混乱があるのは非常にそれは申し訳ないことなので、そこは徹底をしたいと思いますが、見直し後もその利用者のニーズに応じて適切なアセスメントとケアマネジメントがあれば、今行われている六十分程度のサービスも受けられますし、九十分程度のサービスをより利用者の生活リズムに応じて複数回の訪問に組み替えたり、いろいろなことができるということを先ほど局長からも申し上げました全国担当課長会議でまた徹底をいたしましたし、三月十六日にはQアンドAもつくりまして、とにかく現場が混乱することのないように、そこのところは徹底をしていきたいと考えています。
#145
○田村智子君 利用者さんの生活の質が決して下がることのないように強く要望したいと思います。
 次に、お泊まりデイにかかわることです。
 今度の介護報酬改定で、デイサービスの利用が終わったその後、同一建物に宿泊をして翌日またデイサービスを受けると、こういう場合には報酬に減算が行われるようになりました。
 まず確認したいんですが、この同一建物への宿泊というのはどのようなことを指していますか。
#146
○政府参考人(宮島俊彦君) 今回の改定で、デイサービスと同一の建物に居住する者、あるいは同一建物からデイサービスに通う者、これについては送迎の手間がないから、真に送迎が必要な場合を除いて、評価の適正化を行うこととしています。
 具体的には、いわゆる宿泊付デイサービス、お泊まりデイですが、これの利用者、そこは通いがないということ、送迎がないということですね。それから、同一建物の中でショートステイがあって、その利用者がデイサービスを利用するといったような場合でも送迎がないので、こういうところについては減算するということを行ったところでございます。
#147
○田村智子君 これは、事実上お泊まりデイを介護報酬の中に組み込むような、そんなふうにも見えるわけですね。
 このお泊まりデイについては、一部の都道府県で実態調査を行われています。例えば、神奈川県の最近の調査では、宿泊サービスを行っている百二十二事業のうち十七事業で一年以上連泊をしている人がいると。男女同室というところは五割を超える。その他、夜勤職員に無資格者がいる、これ六五%。緊急時の協力医療機関がない、七割強。千葉の調査でも、過半数の施設で十一日以上の連泊者がいると。火災報知機やスプリンクラーのない施設が二割。スプリンクラーがない、これだけ見れば八割超です。
 こうした実態がありながら、なし崩し的にお泊まりデイを容認するということにこれならないのかどうか、局長、お答えください。
#148
○政府参考人(宮島俊彦君) 宿泊付デイサービスについては、二十二年十一月の介護保険部会の意見でも、緊急時に迅速に対応できるような仕組みを含めてショートステイの活用、こっちを図る必要があるだろうと。それから、利用者の処遇や安全面に配慮をする必要があるということから、これは慎重に検討を行うべきであるというふうにされております。
 今年度はこの宿泊付デイサービスについて、夜勤体制とプライバシー、そういった課題があるということで、全国十五の市区町村で調査事業、これを実施しております。これの調査の最終報告を現在受けているところでありまして、厚生労働省としては、その内容を精査して今後の取扱いを検討してまいりたいと考えております。
#149
○田村智子君 やっぱり劣悪な施設を含めて、何でこんなにお泊まりデイが広がってしまっているのか、これ本当によく見ないといけないです。ショートステイが必要なときに使えないと、入居施設が圧倒的に不足していると、多くの認知症の方がどうしたらいいかという状態になっていると思うんですね。特養ホームもショートステイも、これ抜本的に増やしていくという方策が本当に必要だと思うんです。
 ところが、冒頭でも私質問したとおり、特に今回の介護報酬の改定では、施設系の報酬、これ削られると、実態として。在宅に重きを置いて、将来的には更なる削減になるんだということが透けて見えるようなやり方というのが取られているんですよ。これでは利用者の人権にかかわるような事態が野放しになりかねないと思うんです。大臣、いかがでしょうか。
#150
○国務大臣(小宮山洋子君) ショートステイの充実につきましては、今回の介護報酬改定で、デイサービス等に付設するショートステイの医師配置ですとか面積基準を緩和するとともに、緊急時にショートステイ利用者を受け入れるための加算を創設をしています。また、入所施設の整備については、この度、特別養護老人ホームの整備などを支援するための基金、介護基盤緊急整備等臨時特例基金の実施期限を一年延長して二十四年度までの支援といたしました。
 厚労省としては、引き続き、必要な介護が受けられるようにショートステイなど介護基盤の整備を進めていきたいと考えています。
#151
○田村智子君 先日、中村委員からも、本当に特養などを軽んじているんじゃないかという質問ありましたけれども、私もそういう政策では絶対駄目だというふうに思いますので、改めて要望したいと思います。
 最後に、喀たん吸引についてお聞きをいたします。
 昨年、介護保険等の改定によって、四月から介護事業としての喀たん吸引が行われることになります。これは、医師がまず事業所に対して指示を出して、研修及び認定、これを受けた介護施設や障害者施設の職員が医療的ケアとして喀たん吸引を行うと。この中には、特別支援学校の教員や児童デイなど障害児施設で働く介護職員も含まれています。
 また、これに伴って診療報酬にも喀たん吸引の指示料が創設をされて、介護保険法や障害者自立支援法に基づく事業所あてに医師が指示書を書くと。この場合には診療報酬に指示料を算定できるんです。しかし、特別支援学校への指示書についてはこれは診療報酬の外にされてしまいました。何でこういう差がつくられてしまったのか、お答えください。
#152
○副大臣(辻泰弘君) 今回の診療報酬改定において新設をいたしました、介護職員等が喀たん吸引等を行う場合の介護職員等への医師の指示料につきましては、基本的に、訪問介護事業所などの医師の配置のない事業所に対する外部の医師の指示について診療報酬上の評価を行ったものでございます。この指示料につきましては、複数の事業所に対して指示を行った場合であっても患者一人につき一回算定するものでございまして、特別支援学校に通っている方が指示料の対象となる他のホームヘルプサービスなどのサービスを併せて受けておられる場合には、指示料が算定されることとなっているところでございます。
 いずれにいたしましても、御指摘の指示料は今回の改定で新たに新設をしたものでございまして、今後の動向を見てまいりたいと考えております。
#153
○田村智子君 文科省に一点お聞きします。
 こういう改定に伴って、文科省の方には、診療報酬に入れるべきかどうか、こういうようなことの検討がされたのかどうか、あるいは厚労省からそういう問合せがあったのかどうか、お答えください。
#154
○政府参考人(関靖直君) 本年三月五日に、厚生労働省の告示におきまして診療報酬の改定が行われ、診療報酬の対象となる事業者が示されたところでございますが、告示の制定に当たりまして、当省に対する事前の意見照会や協議はなかったところでございます。
#155
○田村智子君 これ大変私は無責任だなって思うんですね。先ほど、先生が配置されているようなところ、医師が配置されているような施設はと言いました、そこは診療報酬の外に置いたと。特養なんかは確かに診療報酬の外に置かれているんですけれども、しかし、特養なんかは日常的に、日常的というか、医療的ケアというのが、やっぱり医療の提供というのが前提とされているわけですよね。特別支援学校というのがそれと横並びというのは、これは余りに乱暴だなというふうに思うんです。
 実際に、医療的ケア、特別支援学校での医療的ケアに協力してきた医師からは、法整備をつくりながら穴を置いておく、これはおかしいじゃないかという声が上がっているわけですから、ちょっと時間がなくなってしまいましたので、是非今後検討してふさわしい手当て、体制が取れるようにやっていただきたい、このことを要望して、質問を終わります。
#156
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず初めに、不活性ポリオについてお聞きをいたします。
 これまで今年の秋にはポリオの不活性ワクチンが準備できる旨の答弁がありましたが、その準備状況はどうなっていますでしょうか。今年の秋のポリオ接種には全員分の不活性ワクチンが用意されるという認識でよろしいでしょうか。
#157
○政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。
 現在、定期接種で使用されております生ポリオワクチンでございますけれども、こちらを不活化ポリオワクチンに早期に切り替えていくと、これは私どもも当然それを考えておるわけでございます。
 既に、不活化ポリオワクチンを含む四種混合ワクチン、こちらにつきましては既に二つのメーカーから薬事申請がございました。それから、不活化ポリオ単独ワクチンについても一つのメーカーから薬事申請がなされております。いずれも審査を進めているという状況でございます。私どもといたしましては、こちらにつきまして最大限迅速に審査を行うというのがまず必要だろうと思いますし、必要な供給量を確保していくということがこれまた重要だろうというふうに考えております。
 それから、不活化ポリオワクチンの円滑な導入に関する検討会というのを設けておりますけれども、こちらで専門家の方々に移行期の接種スケジュール、こちらについて議論を進めていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 今年の秋のポリオワクチンの接種に不活化ポリオワクチンが導入できるように努力をいたしまして、国民の皆様が安心して接種していただけるように今後とも準備を進めてまいりたいというふうに考えております。
#158
○福島みずほ君 待ち望んでいる人たちがいますので、是非よろしくお願いします。
 昨年十二月、野田市、川崎市に続いて、東京の多摩市が公契約条例を制定しました。政府からは、労使間の契約については従来の関係法令で十分だとの趣旨の答弁が繰り返されています。また、不当なダンピングを防止するため低入札価格調査制度を活用していくとの答弁もあります。しかし、事例を紹介すれば、昨年十二月に行われた自治体の入札で、予定価格が十二億円であるのに対して、入札価格がその四割の五億円だったこともあります。これでは適正な賃金が確保できないということになります。
 今、技能労働者の賃金が下がり続け、新規入職者も減少しています。基本的には低賃金が問題です。適正な賃金を確保するため、国は公契約法の制定にこそ踏み出すべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#159
○大臣政務官(津田弥太郎君) 福島委員にお答えします。
 同様の質問を御党の吉田議員や渕上議員からもいただいておるところでございます。
 御案内のように、公契約による業務に従事する方々の適正な労働条件を確保するということは、労働条件全般の底上げを図る観点からも大変重要であるというふうに認識をしているわけでございます。ところが、一方、予算の効率的な執行ということも、国民から預かっている税金をやはり大事に使わなければいけないと、こういうことも租税の負担者たる国民からの要請であるわけでございまして、これはなかなか難しいところでございます。できれば、入札価格は低くても労働者の賃金は高めになるということが一番いいわけでありますが、なかなかこれは難しいわけでございます。
 この賃金等の労働条件につきましては、関係法令を守ることはこれは当然のことでございまして、その具体的な在り方というのは基本的にはまず労使間で自主的に決定をされるものと。このため、公契約に関して、今後、発注者である国の機関やあるいは地方自治体も含めて幅広い議論を進めていくべきだというふうに考えているわけでございます。
 厚生労働省としましては、現在、この公契約条例等を制定した、先ほど御紹介がありました地方自治体の取組に関する情報の収集、それから関係団体との意見交換により研究を行っているわけでありまして、福島議員からすれば更にその先を行けという御指示だと思うんですが、努力をしてまいりたいと思っております。
#160
○福島みずほ君 小宮山さんが副大臣のときも検討しますと答弁していただきましたので、先を行けというところで、是非よろしくお願いをいたします。
 次に、防災における、災害問題における男女共同参画の推進についてお聞きをいたします。
 東日本大震災復興構想会議委員十五名のうち女性は一人、同会議検討部会委員十九名のうち女性は二人、岩手県東日本大震災津波復興委員十九名のうち女性が二人、宮城県震災復興会議委員十二名のうち女性は一人、福島県復興ビジョン検討委員会委員十二名のうち女性は一人、中央防災会議委員二十六名のうち女性は三名、この状況を政府はどのように評価をされていらっしゃるでしょうか。また、これを改善するためにどのような方策を行いますか。
#161
○政府参考人(岡島敦子君) 御指摘のように、国の中央防災会議、東日本大震災復興構想会議や被災県の復興会議におきます女性委員の参画は一、二名程度にとどまっておりまして、まだまだ十分ではないものと認識をしております。
 東日本大震災では、女性や子育て家庭に十分な配慮がなされなかったなど、男女共同参画の取組が十分に進んでいないことによる被災現場、復興等における様々な問題が顕在化しています。この教訓を踏まえまして、先日に取りまとめられました防災対策推進検討会議の中間報告では、地域防災計画、地域復興計画や避難所運営等の意思決定の場に女性が参画できるよう地方防災会議の構成等について見直しを行うべきと明記されています。
 第三次男女共同参画基本計画におきましても、社会のあらゆる分野において、二〇二〇年までに、指導的地位に女性が占める割合が少なくても三〇%程度になるよう期待と明記されています。
 防災、復興に関する政策・方針決定過程における女性の参画を拡大し、男女共同参画の視点を取り入れた防災、復興体制の確立が進むよう今後とも関係機関に働きかけを行ってまいります。
#162
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。
 例えば、雇用においてもっと女性をというところもありまして、被災者等就労支援・雇用創出推進会議、これは牧厚生労働副大臣が座長ですが、是非ここに男女局、内閣府を入れていただきたい。この点については、ちょっと質問通告してないですが、いかがでしょうか。
#163
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、副大臣、衆議院の方へ行ってしまっているものですから申し訳ありませんが、検討させていただきたいと思います。
#164
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。
 二〇一二年三月九日に発せられた国連の自然災害における男女平等と女性のエンパワーメントという文書があります。この決議は日本政府が提案したもので、様々な提案がなされております。この文書の中の様々な提案について日本政府はどのように実現していくつもりでしょうか。
#165
○政府参考人(岡島敦子君) 御指摘の決議は、東日本大震災の経験を共有し、災害に対するより良い制度、対応に向けた国際社会の取組を促すという考え方に基づきまして、国連婦人の地位委員会におきまして日本から提案し、採択されたものでございます。
 決議に盛り込まれています防災に関する意思決定過程への女性の参画や、女性や子育て家庭の視点やニーズへの配慮などにつきましては、これまでも関係機関への働きかけなどを行ってきたところでございます。また、内閣府におきましては、男女共同参画の視点を反映した被災者支援、あるいは国、自治体、NPOなどとの連携など、決議の内容を踏まえたマニュアルを平成二十四年度に作成し周知することとしております。
 こうしたことを通じまして、今後とも防災に関する男女共同参画の推進に取り組んでまいります。
#166
○福島みずほ君 国及び各自治体の防災計画やその実施において、女性のみならず、高齢者、子供、外国人、障害のある人、セクシュアルマイノリティー等の当事者からのヒアリングなどが保障されるべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。
#167
○政府参考人(長谷川彰一君) お答え申し上げます。
 防災施策の計画あるいはその実施に当たりましては、女性はもとより、ただいまお話がございました高齢者、障害者など、様々な方々から成る住民の方々、これらの御意見を十分伺いまして、反映すべきものは反映するという姿勢が大事であるというふうに認識しております。
 先ほども御答弁ありましたけれども、政府の防災対策推進検討会議の中間報告では、障害者、高齢者、子供を含めた地域住民の視点に立った地域防災計画あるいは地域復興計画や避難所運営となるよう、地方防災会議の構成等について見直しを行うべきとされておるようなところでございます。
 今後とも、このような災害対策法制の見直し、あるいは防災基本計画の修正を継続的に行っていく予定でございますので、その中で御指摘についても十分検討してまいりたいというふうに考えております。
#168
○福島みずほ君 復興関係の様々な統計について、男女別に統計を取っていらっしゃるでしょうか。
#169
○政府参考人(岡本全勝君) 復興庁でございます。
 復興庁といたしましては、復旧復興の統計指標を主なものを取りまとめて公表しております。ただ、主なもの、例えば、電気、ガス、道路、港湾などのインフラ、学校、病院などの公共サービス、あるいは産業系というところが主になっております。
 議員御指摘の男女別で把握しているものにつきましては、例えば雇用動向につきまして、男女別の数字を厚生労働省からいただきましてこれまた公表しているところでございます。適当な指標がございましたならば、今後とも男女別に分けて把握し公表してまいります。
#170
○福島みずほ君 厚労省にお聞きします。
 厚生労働省の管轄する雇用、医療、介護などの様々な統計について、男女別の実態を把握し、その結果を公表しているでしょうか。
#171
○政府参考人(伊澤章君) お答えいたします。
 厚生労働省におきましては、統計法に基づく種々の統計調査などを実施しているところでございますが、人に関する調査項目につきましては、今御指摘のありました雇用については毎月勤労統計調査、医療については患者調査、介護については介護給付費実態調査などにおいて男女別に公表しているところでございまして、基本的には男女別の実態を把握し公表しているところでございます。
#172
○福島みずほ君 昨年の十月に雇用創出基金の適用状況についてのデータを出してもらった際には男女別の数値がありませんでした。女性たちが小宮山大臣に申入れをして、大臣が指示を出していただいて、今では出るようになりました。男女共同参画基本計画でも男女別のデータ、統計を出すことについては書き込んでいるわけで、今後も是非男女別を徹底してくださるようよろしくお願いいたします。
 復興、自立支援のために母子世帯には就労支援、生活支援を強化すべきと考えておりますが、どのような対応が行われているでしょうか。
#173
○政府参考人(高井康行君) お答え申し上げます。
 今回の震災で被災した母子家庭には様々な支援を行っております。
 まず、経済的支援でございますけれども、年金加入者が亡くなった場合の遺族年金の支給、それから各種年金が支給されない場合の児童扶養手当の支給、さらに母子寡婦福祉資金の貸付けの実施などの支援を行っております。
 また、就業支援につきましては、マザーズハローワークなどハローワークによる各種支援、母子家庭等就業・自立支援センターによる相談、講習会の実施、あるいは高等技能訓練促進の支給費などの支援を行っているところでございまして、今後とも引き続き被災した母子家庭の支援に努めてまいりたいと考えております。
#174
○福島みずほ君 被災地においては、女性が家族関係、女性だけとはもちろん限らないですが、女性が家族関係、DV、医療、育児、介護、労働、法律など様々な悩みを抱えております。女性がこういった悩みを相談できる体制を整えることが極めて重要だと考えますが、政府の取組を教えてください。
#175
○政府参考人(岡島敦子君) 内閣府におきましては、昨年五月から岩手県、九月から宮城県において、被災地の地方自治体やNPOと協力して、電話のほか窓口での対面相談や仮設住宅への訪問相談による相談事業を行っています。さらに、二月十一日からは、第三次補正予算によりまして、福島県を含む三県に拡大してその相談事業を実施しております。
 寄せられる相談は、配偶者からの暴力に関する相談、家族関係や人間関係の悩み、病気や育児に関する悩み、生活再建に向けた不安や悩みなど多岐にわたっています。現地で被災者支援に携わっている方々からは、仮設住宅における生活が長引くことなどによりまして深刻な相談が増えているということも伺っているところでございます。
 相談者が抱える悩みや暴力に対しては、例えば深刻な配偶者からの暴力であれば配偶者暴力相談支援センターにつなぐ、また、家族関係や人間関係の悩みで継続的な御相談が必要な場合には男女共同参画センターにつなぐなど、相談者のそれぞれの状況に応じた支援の窓口につなぐことが重要であると考えております。
 今後とも、このような相談事業を通じまして、相談者の抱える悩みや暴力の問題の解決につながるよう努めてまいります。
#176
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。
 先ほども局長が答弁してくださいましたが、男女共同参画基本計画には三〇%という目標があります。今ちょうど自治体も、防災会議、防災計画、見直しがどんどん進んでいる極めて重要なところです。藤村官房長官あるいは内閣府などが先頭に立って、国、自治体に声を掛けて旗を振っていただきたいということを要望をいたします。よろしくお願いします。
 次に、被災地における医療と介護についてお聞きをいたします。
 東日本大震災に対する厚生労働省の対応について、省内に検証委員会を設けているでしょうか。
#177
○国務大臣(小宮山洋子君) 東日本大震災の対応に関しましては、迅速な災害救助法の適用ですとか救護活動が進められた一方で、広範囲に自治体機能が喪失したために、従来想定されていた自治体を通じた初動措置、これが円滑に実施されなかったというような問題点もありました。
 このため、厚生労働省内では、民間から採用された職員によるアフターサービス推進室が、震災対応の厚労省職員のほか地方公共団体職員ですとか関係団体にヒアリングを行うこと等によりまして、混乱が多かった発災当初の対応を中心に今回の震災対応の検証作業を行っています。なるべく早くこの作業を進めまして、終了次第速やかに結果を公表したいと考えています。
#178
○福島みずほ君 この検証が次につながると思いますので、是非しっかり検証をよろしくお願いします。かつて、インフルエンザのときの検証などはきっちりおやりになったので、是非検証をよろしくお願いいたします。
 メンタルヘルスケアについて心のケアチームなどを派遣されて実施されたところですが、支援者、自治体職員、警察、消防、自衛隊、医療関係者などに対するメンタルヘルスケアはどのように実施されてきたでしょうか。
#179
○国務大臣(小宮山洋子君) 東日本大震災で支援に当たった方たちの心のケア、これは被災した方への心のケアと同様に非常に重要だと考えています。
 発災直後から、支援者に対する心のケアはそれぞれの職員を所管する省庁が行ってきました。支援者はそれぞれ専門性の高い組織に属していますので、職務の性質に応じてきめ細かな心のケアを行うことが効果的ではないかと考えています。具体的には、一般の方は厚生労働省で、自衛官は防衛省、警察官は警察庁、消防隊員は消防庁、地方自治体の職員は総務省でやってきています。
 厚労省では、引き続き地域での心のケア、これをしっかりと行っていきたいと考えています。
#180
○福島みずほ君 支援する側のメンタルヘルスも重要で、医療者や災害救援者のPTSD発症率は一〇%から二〇%、一般市民の五%から一〇%より高いというデータもあります。今のお話ですと、厚生労働省は厚生労働省、あとはそれぞれの部局ということなんですが、震災対策本部として、被災者のメンタルヘルスケアとともに支援者へのメンタルヘルスケアをきちっと行われているかを省庁横断的に把握しておく部署が必要ではないでしょうか、いかがでしょうか。震災の方、呼んでいないかな。じゃ、分かりました。ちょっと言い直します。
#181
○国務大臣(小宮山洋子君) それは復興大臣の方にしっかり伝えておきたいというふうに思います。
#182
○福島みずほ君 済みません、厚労省は、あとはほかのところよというんじゃなくて、是非、震災対策本部でそのメンタルヘルスが被災者と支援者と両方に行われるようよろしくお願いします。
 最後に、被災地は被災以前から医療過疎の地域でもありました。今後は、県単位だけでなく、広く東北地域での医療圏の確保と地域医療の確保が必要だと考えています。医療や介護を日常生活圏内で一体的に提供する地域包括ケアを確立していくことも必要だと考えますが、いかがでしょうか。
#183
○副大臣(辻泰弘君) 現在、都道府県は、医療法に基づきまして各県が作成する医療計画におきまして、地理的条件や交通事情等の社会的条件など地域の実情を考慮して、病床等の整備を図る地域的単位として二次医療圏を設定することとされているところでございます。
 従来より厚生労働省が示してまいりました医療計画作成指針におきましては、二次医療圏の設定に当たり、都道府県の境界周辺の地域における医療の需給の実情に照らし、隣接する都道府県の区域を含めた医療圏を設定することが地域の実情に合い、合理的である場合には、複数の都道府県にまたがった医療圏を設定することも可能としてきたところでございます。ただ、現時点で県境をまたがる二次医療圏はないのが現状でございます。
 今後、都道府県におきまして、平成二十五年度からの次期医療計画の策定に向けて検討を行っていただくこととなるわけでありますけれども、都道府県に対しましては、二次医療圏の設定につきまして、議員から御指摘いただきましたような隣接する都道府県の区域を含めた設定を含め、近日中に発出する予定であります医療計画作成指針により改めて周知を図ってまいりたいと考えております。
#184
○福島みずほ君 終わります。
#185
○大島九州男君 それでは質問させていただきます。よろしくお願いいたします。たくさんの時間をいただいておりますので、よろしくどうぞ。
 社会保障と税の一体改革では新しい年金制度の創設に取り組むというふうにしてありますけれども、今の年金制度にはどういう問題があるのかと。今、そこにも傍聴に子供たちが来ていますけれども、ああいう子供たちが将来も安心して受け取れる分かりやすい年金制度という部分が求められていると思いますけれども、是非見解をお聞かせいただきたいと思います。
#186
○副大臣(辻泰弘君) 大島委員の支持者の広がりを痛感するわけでございますけれども、御指摘いただきました問題でありますけれども、国民年金が発足いたしました五十年前と比べまして我が国の人口構成や産業構造が大きく変化しているわけでありますが、そういった中で現在の年金制度には様々な困難が発生していると、このように考えております。
 具体的に申し上げますと、国民年金の加入者に非正規労働者が増えた結果、不安定な雇用者に対する将来の年金保障が十分なものになっていないという問題、また、国民年金の加入者にとって保険料の負担が大きくなっていること等から、未納、未加入問題が加速し、将来の無年金、低年金が増加する懸念があるという問題などの課題が挙げられるわけでございます。
 こうした状況を踏まえまして、与党の新しい年金制度におきましては、全ての者が同じ年金制度に加入する社会保険方式の所得比例年金を創設し、制度を一本化するとともに、消費税を財源とする最低保障年金を創設し、高齢期にこれ以上の受給ができると、少なくともこれ以上の受給ができるという年金額を明示することによりまして国民が高齢期の生活設計を立てられるようにすることなどを提案され、それを受けて、政府としてもそのような方針を出させていただいているところでございます。
 二月に閣議決定を行いました社会保障・税一体改革では、この新年金制度の基本的考え方、骨格を示しているところでありまして、さらに具体的な制度設計につきまして、平成二十五年の法案提出に向けまして、与党での御議論もいただきつつ、私どもといたしましても検討をさせていただいているところでございます。
#187
○大島九州男君 大変年金制度は分かりづらい。特にここにいらっしゃる国会議員の皆さんでも何年にどれぐらいの年金がもらえるかなんて答えられる人はもう誰もいないぐらい難しい。専門家の人がいろいろ計算をするけど、国民の人はほとんど理解ができない。新しい年金制度では、最低保障年金の導入というふうに言ってありますけれども、所得比例年金の額に応じて支給額が変わるなど、なかなか理解しづらい部分もあります。
 これはまるっきり私の私案なんですけれども、今資料をお配りをさせていただきましたが、表の一を御覧になっていただきたいと思うんですけれども、これはどういうことかというと、月額もう七万円なら七万円というふうに老齢基礎年金をもう決めて、国民、その年金受給する人が一人七万円もらうんだというのをこれ単純に計算をして、二〇〇九年の現状でいうと、二千七百三十万人掛ける七万円と。そして、それが総額が二十二・九兆円になるんですね。これを、消費税一%を二・五兆円というふうに考えて計算をして割り戻すと、消費税の相当額は九%と。言うなれば、保険料を徴収するというような形じゃなくて、もうまるっきり消費税で全部賄おうというような形で単純に計算すると、消費税相当額が九%と。これ国庫負担半分入れれば当然その部分は半分になるんですけれども。
 こういう計算で二〇五〇年を見ると、推定、その年金を受け取る人が三千六百五十万人で、それに七万円を単純に掛けると。そうすると三十・七兆円で、これは全て、全額、今言う一%二・五兆円で計算すると約一二%の消費税と。これ非常に分かりやすいと言えば分かりやすい。
 これは考え方のいろんな違いだと思うんですけれども、こういうような考え方というものについて政府はどのようにお考えになりますでしょうか。
#188
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘の御提起は、保険料の徴収をやめて消費税を財源とする、高齢者に一律の七万円の年金を支給するということと、その上乗せというものは個人、企業で任意に実施するということ、民間に任せるといいますか、そういったお考えかと思うわけでございまして、一つの考え方と思うわけでありますけれども、一つ指摘させていただくとしますと、委員の考え方は、今後の保険料の徴収を止める一方で、消費税を財源として高齢者に一律に同額の年金を給付するとともに、所得比例年金型の年金については国の制度でなく個人、企業単位で任意に実施するという考え方ということで、先ほど申し上げたとおりでありますけれども、そういった意味では分かりやすい簡便な仕組みであると、そういったことは言えるわけでございまして、そのように受け止めさせていただいているところであります。
 しかし、御提案に存する問題点といいますか課題ということを申し上げさせていただきますならば、引退後は一般的に所得を得る手段を失う被用者、働く方々にとって、公的年金ではなく任意に実施される私的年金、民間の年金としての所得比例型の年金だけで老後の所得保障は十分に行えるのかどうかということがまず根本にあろうかと思っております。
 また、保険料の徴収を停止した場合に、現在の受給者に給付する年金の費用をどう賄っていくのかという問題もあろうかと思っております。
 また、三つ目といたしまして、保険料徴収を停止するということになりますと、事業主の保険料が下がるわけでありますけれども、その一方で家計の消費税負担が高まるということになるわけでありまして、大幅な消費税率引上げが必要となる場合に国民の理解をどのように得ていくかということもあろうかと思います。
 四点目といたしましては、これまでの保険料納付実績にかかわらず一律に同じ額を支給するとこれまで真面目に年金保険料を納めてきた方とのバランスや不公平の問題が生じるというような問題などもあろうかと思いまして、そういった意味で解決すべき課題があると、このように考えているところでございます。
 いずれにいたしましても、委員から御指摘をいただきましたように、年金制度改革に当たりましては国民的な合意を得ていくことが不可欠でありまして、可能な限り国民が理解しやすい仕組みにしていくことが重要でございます。今後の検討に当たりましても、御指摘の視点を重視して取り組んでいきたいと考えております。
#189
○大島九州男君 ちょうど先ほどの紙の後ろに図の一というのを付けておりまして、これが月額七万円の老齢基礎年金と任意の報酬比例年金のイメージ図ということで、言うなれば個人がそれぞれA、B、Cというような形の、金額が当然違えば受け取る金額も違うので、それが例えば企業年金であったりとか民間の保険であったり、それは任意で皆さんが入りますというような形の二階建てと。
 今ちょっと指摘もありましたけれども、今度図二の方ですね、違う紙の方を見ていただいて、当然、その保険料の徴収をやめた時点から今まで払っていた人たちも当然いらっしゃるわけですから、そうすると、このA、B、Cの任意のプラスして今まで保険料を払ってきた人、当然、四十年移行を掛けるとすると、時間を掛けるとすれば、四十年間払ってきた人には当然その部分はプラスになりますよと。加入年数ゼロ、ちょうど今の二十歳の学生から、二十歳の人からそこをスタートしたとして、もうまるっきり保険料を取らないということの形からスタートすると、左側の人がまるっきりそういった今まで保険料を払っていませんから上乗せはないと。十年、二十年、三十年、四十年払っていた人はそれに当然その部分がプラスをされるという、こういうイメージなんですね。
 何が言いたいかというと、分かりやすい年金の仕組みが一番有り難いということを私はイメージしたいということと、それと、その裏にある表二なんですけれども、二十歳の学生を基準に考えたときに、例えば消費税五%分を年金の保険料負担という形で政府が考えてそれを取るということになると、今二十歳の学生は月に一万五千二十円ぐらいの国民年金の保険料を払っているわけですが、例えばA君というのがフリーターで月々三万円自分が消費をすると、そうすると消費税額は千五百円。B君は、例えば家庭から通う大学生で、バイト代と小遣い含めて五万円消費するとするなら二千五百円。そしてまた、働く成人でいうと、D君が二十万円働いた分全部使うとすればそれでも一万円というような形を見たときに、消費税というと国民の皆さんは大変これは駄目だみたいにおっしゃる部分はありますが、こういう見方の一点だけ見れば、たくさん消費する人、例えば百万円ぐらい使う人は五万円ぐらいの負担をするんですけれども、使わない人ははっきり言うとそういう形で少ない保険料で済むという側面もあるんだという、そういう認識なんですね。
 この点について、辻副大臣、個人的に御見解をお願いします。
#190
○副大臣(辻泰弘君) 大島議員の熱を込めた御提案をいただいたわけでありますけれども、やはり国民に対して年金制度改革、社会保障制度改革、税制改革、一体の改革をお示ししお願いをしようとしているわけでありますけれども、そのようなことについての必要性を理解していただく上で、やはり分かりやすさ、簡便さというものは大事な視点だと思うわけでありまして、そういった意味で傾聴に値する御提言と受け止めるところでございます。
 ただ、先ほど申し上げておりましたように、やはり根本的な公的年金制度として基礎部分だけで済むのかどうか。やはり今、現行でいう報酬比例部分に当たる部分、その部分が任意であるということになりますと、老後の最低生活保障というものが賄い切れるのかということがあるわけでございまして、そういった意味で一つ根本的な課題があるのではないかと、このように私は考えます。
#191
○大島九州男君 ありがとうございました。
 私どもとしては、とにかく国民に分かりやすいそういう年金制度の構築をしていただくということが一つの思いでございますので、是非いろんな角度から検討していただいて進めていただきたいというふうに思います。
 それでは次の質問をさせていただきますが、今回、会計検査院の平成二十一年度決算検査報告書におきまして、柔道整復師の関係についていろんな提言というか意見をされてあります。そういった部分、会計検査院の平成二十一年度決算検査報告書において、施術の頻回であったり、長期にわたる事例だという、そういう指摘についてはどのように厚労省は受け止めて対応されるのかをお聞かせいただきたいと思います。
#192
○副大臣(辻泰弘君) まず、どのように受け止めているかということについてお答えを申し上げたいと思いますけれども、会計検査院の平成二十一年度決算検査報告書におきまして、柔道整復師に係る施術が頻回であったり、長期にわたる事例が多数見受けられたり、また、患者の聞き取りによる負傷原因が療養費の請求内容と一致しないなどの疑義があるにもかかわらず、十分な点検、審査を行わないまま支給されている事態は適切とは認められず、改善の必要があるとの指摘を受けたところでございます。
 このような指摘を受けた原因といたしましては、柔道整復療養費の算定基準等において支給対象となる負傷の範囲等が必ずしも明確でないこと、また、点検、審査に関する指針等が整備されていないなどの理由から療養上必要な範囲及び限度で施術が行われているかどうかに重点を置いた点検及び審査が行われていないこと、さらに、被保険者に対して単なる肩凝りや筋肉痛、内科的原因による疾患は療養費の支給対象にならないことが周知されていないことなどがあるのではないかと、このように考えているところでございます。
#193
○大島九州男君 今のような指摘を受けて厚労省はきっちりとした対応をしなければならないというふうに思っておりますが、どのような対応、取組をされていらっしゃるのでしょうか。
#194
○副大臣(辻泰弘君) そのような会計検査院からの指摘に対しての取組状況についてでありますけれども、厚生労働省といたしましては、その会計検査院の指摘の趣旨を踏まえまして、まず第一に、柔道整復療養費の算定におきまして算定上の判断が難しいケース等につきましては、その算定基準等が明確になるよう疑義解釈通知により周知をさせていただき、二つ目に、保険者等及び柔整審議会が行う点検及び審査については、審査委員会設置要綱の改正を行い、施術担当者を代表する委員を推薦する場合の委員の欠格事由等を明記するとともに、重点的に審査する指針等を審査要領に盛り込み、さらに、被保険者等に対して単なる肩凝りや筋肉痛、内科的原因による疾患は療養費の支給対象にならないことについて被保険者等に周知徹底を図るよう、保険者に依頼を行ったところでございます。
#195
○大島九州男君 まさにそういう指導、絶対大事なことだと思うんですが、なかなか実効が伴わないと。過去に、この業界は大変ばらばらで、一堂に集まっていろんな意見を聞くこともなかなかできない、そしてまた保険者もそういう団体との話をすることもできないというのが二、三年の状況でありましたけれども、最近は、いろんな大きな団体が三十、四十ぐらい集まりまして、一つずついろんな問題解決のために努力をされる姿も見えてきたと。厚労省の担当者もそういった団体と真摯に向き合いながら、先日も保険者の皆さんを入れながらいろんな意見交換をされていたことは大変すばらしいことだというふうに思っておりますが、基本的にまだまだいろんな理解が足りていないという部分もあるし、この制度をやっぱり抜本的に変えていかなければならないという、そういうことが必要だというのをやっぱり我々も感じるわけであります。
 そういった意味で、今年も療養費の算定基準の改定もありますけれども、そういった部分だけではなくて、抜本的な改革に向けて、保険者や関係団体の意見を聞きながらこの柔整の在り方を検討するような検討委員会を設置してしっかりと改革をしていくことが必要だというふうに思っておるんですけれども、厚労省の意見をお願いいたします。
#196
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘の点につきましては、昨年の十二月六日に社会保障審議会医療保険部会が議論の整理ということで報告をまとめていただいているわけでありますけれども、その中に、柔道整復等の療養費について、審査体制の強化などその適正な支給を求める意見が多かったこと、会計検査院等からも指摘を受けていること、療養費は国民医療費の伸びを近年上回って増加している現状などを踏まえ、平成二十四年療養費改定において適正化するとともに、関係者による検討会を設け、中長期的な視点に立って柔道整復療養費等の在り方の見直しを行うという一つの整理を、議論の整理をいただいているわけであります。
 厚生労働省といたしましては、このような議論の指摘も踏まえまして、今年予定させていただいております療養費の算定基準の改定において更なる療養費支給の適正化の措置を講じさせていただきますとともに、議員から御指摘いただきましたように、中長期的視点に立って柔道整復療養費の在り方の見直しを行う関係者による検討会を設けることを検討しているところでありまして、今後とも療養費の適正な支給に努めていきたいと、このように考えております。
#197
○大島九州男君 療養費だけではなくていろんな制度の抜本的改革を中長期的な視点でやる会を持っていただくということは大変重要なことだと思いますので、その点をしっかりと要望して次の質問に移ります。
 次は、かかりつけ医、家庭医というような一般的な言葉について我々いろんな話を聞くわけでありますけれども、こういったかかりつけ医、家庭医という制度があって、それが明確なものになっている定義とかあるのかどうかをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#198
○政府参考人(大谷泰夫君) お答え申し上げます。
 かかりつけ医あるいは家庭医という言葉はありますが、これはまだ制度化されたものではございません。また、そういった意味で制度上の定義ということがあるわけではありませんが、例えばかかりつけ医につきましては、一般的には身近な地域で日常的な医療を提供したり健康管理に関する相談等を行う医師というふうに理解されております。
 また、家庭医でありますが、これにも制度上の定義というものはありませんけれども、例えば昭和六十二年の四月に取りまとめられました家庭医に関する懇談会の報告書におきまして、家庭医機能として、初診患者に十分対応できること、家庭など生活背景を把握し、患者に全人的に対応することなど十項目が挙げられております。こういった状態でございます。
#199
○大島九州男君 我々一般人からしますと、かかりつけ医というのはいつも何かかかっているお医者さん、家庭医というと何かファミリードクターとか、何かそういうイメージなのか、僕らも定義が全然分からないのでちょっとお伺いしたんですけれども、目的は、我々一般の人が体調が悪いといって近くの病院に行ってそこで検査して、また大きな病院へ行って検査してというように、何度も同じような検査をすることによって医療費が上がっているというようなこともあるでしょうから、例えばワンストップサービスのように、かかりつけ医というかその先生のところへ行くとそこである程度の見立てをしていただいて、まあアメフトでいえばそういうクオーターバックのように指令が出て、そこにぴっと行って治療が受けられるということで医療費が下がるというようなことなんだろうなと。
 そういうことでいくと、専門医というのが議論をされているというふうに聞いておりますけれども、その専門医というものの議論、どのような今検討状況になっているのかを教えていただきたいと思います。
#200
○政府参考人(大谷泰夫君) 厚生労働省におきまして、昨年十月、専門医の在り方に関する検討会を開催しまして、専門医の在り方について検討を進めております。
 この検討会では、求められる専門医像、専門医の姿、あるいは医師の質の一層の向上、それから地域医療の安定的確保等について検討が行われているわけでありますが、この中で今御指摘の総合医についても議論がされているというところであります。
 この検討会におきましては、今後引き続き議論を重ねまして、二十四年度中には意見の取りまとめを行うという予定で審議をしております。
#201
○大島九州男君 今お話ありました総合医という、我々一般人にはなかなかなじみはないんですけれども、お聞きしたところによると、先ほどの答弁にもありました、全てが診れると、そういった見立ての中できちんとした専門的治療が受けられる。一番最初にかかる専門医が総合医という、そういうイメージなのかなというふうに私は思っているんですけれども、医療のワンストップサービスとして、今言うその専門医の中でも総合医というような人たちの確立というか、そういうものは、制度的に総合医というものはあるんですか。
#202
○政府参考人(大谷泰夫君) 実は、総合医と申しましてもまだ定義があるわけではございませんで、ある意味で御指摘がありましたようなかかりつけ医というものをイメージしておられる方もあれば、家庭医がその一部だとおっしゃる意見もあって、そういった意味で総合医の定義とか意義付けについても今併せて議論をしているわけでありますが、そういった総合医が今度はどういう役割を担うかということについても十分検討して、それが今度は専門医としての位置付けがされるかどうか、何でもこなせるからということで、それは専門医なのかという次の議論があります。そういった意味で、今度はいわゆる総合医が専門医であるかと、こういうことも議論があります。こういったことを今取りまとめいただいているところであります。
#203
○大島九州男君 我々も統合医療を普及・促進する議員の会というのがありまして、そこでいろんなことを勉強させていただいているんですけれども、やはり目的は国民医療費の削減ということを一番の目的にしております。これで統合医療という言葉もなかなか定義付けされていないというような状況ではあるんですけれども、鳩山総理が所信表明演説で統合医療というのをしっかり進めたいというような発言もあったように、これからの医療費の削減においては、この総合医という部分も一つしっかりと整理をされて医療費の削減に努めるような仕組みになればというふうに思っておりますので、更なる御検討をまたしていただければというふうに思っております。
 それでは、最後になりますが、特別支援学校の修学旅行における航空機の利用についてということで、これちょっと今日文科省さんにお伺いするんですけれども、都道府県によっても取扱いが異なるというふうに聞いておりまして、例えば北海道においては、拓北養護学校などを始め多くの学校において、生徒児童の見聞を広めるべく、知的、肢体不自由、視覚障害、聴覚障害を問わず積極的に修学旅行に航空機を活用していると。この取組は十年以上続いているが、今まで事故などあったという報告は一度もないというふうにお聞きをしております。
 ところが、一方では、東京都など飛行機の利用すら認めていない、そういう都道府県もあるということなんですが、特別支援学校に通う児童生徒らの見聞を広めるために航空機を利用するというのも一つの大きな手法だと思うんですが、この点について文科省は何か指針があったり、そういう指導があるんでしょうか。
#204
○政府参考人(関靖直君) 修学旅行につきましては、平素と異なる生活環境の中にありまして、豊かな自然や文化に触れる体験を通して学校における学習活動を充実、発展させるとともに、校外におきます集団活動を通して、学校の先生と児童生徒の間の人間的な触れ合いや信頼関係の大切さを経験したり、あるいは集団生活の決まりや社会生活上のルール、公衆道徳などについて望ましい体験を得るなどの意義を有する活動でございまして、障害のある児童生徒にとって重要な行事であると考えております。
 御指摘の特別支援学校の修学旅行における航空機利用についてでございますが、複数の教育委員会の状況を確認をいたしましたところ、事前に教育委員会への協議を要するとしているところ、費用の面を含めて保護者の同意を要するとしているもの、また児童生徒の安全面への十分な配慮を求めるなどの取扱いが見られたところでございます。また、特別支援学校における実際の対応といたしましては、児童生徒の障害の状態などを踏まえて、長時間の移動を避ける観点から航空機を利用するケースや、反対に健康状態を考慮して航空機の利用を避けるケースがあると承知をしております。
 文部科学省といたしましては、どのような交通手段を利用するかにつきましては、各学校及びその設置者である教育委員会におきまして、児童生徒の健康及び安全に配慮しながら、航空機を含めて適切な交通手段を選択することが適当と考えているところでございます。
#205
○大島九州男君 まさしくいろんな見聞を広める、それからまたいろんな体験をするという意味においては、各種いろんな交通手段を使うというのはこれは教育の観点からすれば当然必要なことだと思いますので、そういう意味で、保護者やその学校の意思が尊重されるようなそういう形で決定していくことが望ましいと思いますけれども、文科省もそういうふうに考えていますよね。ちょっとそこの点の確認です。
#206
○政府参考人(関靖直君) 修学旅行、特別支援学校あるいは小中学校の特別支援学級における取扱いにつきましては、児童生徒の心身の障害の種類や程度に応じまして特別な配慮がなされるように行っていくことが重要であると考えているところでございます。
 交通手段の選択につきましては、先ほども申し上げました児童生徒の健康及び安全に配慮しながらという中で、それぞれの教育委員会、学校におきまして保護者の同意を必要としたりするなどのいろいろ状況を踏まえながら考えていただいているものと考えております。
#207
○大島九州男君 辻副大臣、子供たちのそういう教育的な観点や、またいろんな見聞を広めるということで言うならば、文部科学省は文部科学省の今の考え方あるんですけれども、やはり障害者政策を見ていく中で、我々も、社会に参画するためにどんな障害があるかを一つ一つクリアをしていくようなそういう制度設計の障害者政策を進めなくてはいけないというような話をしていたわけでありますから、そういう意味では、各学校によってまるっきりこの交通手段は駄目だとかいうようなことが学校で行われるのは余り好ましくないというふうに私は考えるんですが、副大臣、どのようにお考えですか。
#208
○副大臣(辻泰弘君) 委員御指摘のように、やはり障害者政策を考える上で、当然のことながら、社会参画という視点が当然大事なことだと思っております。また、お話がございましたように、子供の見聞を広めるという視点も非常に大事なことであろうかと思います。
 個別具体的なことはまた検討していかなければならないと思いますけれども、そういった御趣旨に沿った政策というものをこれからも推進していきたいと、このように考えます。
#209
○大島九州男君 それでは最後に、要望でありますけれども、文部科学省においては、やはり教育的観点から、また体験的な部分をおいても、学校の意向やそういう保護者の意向がしっかりと反映されて修学旅行等も企画がされるように是非御指導をいただきたいということをお願いして、終わらせていただきます。
#210
○委員長(小林正夫君) 以上をもちまして、平成二十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、厚生労働省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#211
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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