くにさくロゴ
2012/04/03 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第7号
姉妹サイト
 
2012/04/03 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第7号

#1
第180回国会 厚生労働委員会 第7号
平成二十四年四月三日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     斎藤 嘉隆君
     西村まさみ君 ツルネン マルテイ君
     田村 智子君     紙  智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                梅村  聡君
                柳田  稔君
                石井 準一君
                中村 博彦君
                渡辺 孝男君
    委 員
                足立 信也君
                大島九州男君
                川合 孝典君
                斎藤 嘉隆君
            ツルネン マルテイ君
                津田弥太郎君
                辻  泰弘君
                牧山ひろえ君
                赤石 清美君
                石井みどり君
                衛藤 晟一君
                大家 敏志君
                高階恵美子君
                丸川 珠代君
               三原じゅん子君
                秋野 公造君
                川田 龍平君
                紙  智子君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
   副大臣
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤田 一枝君
       経済産業大臣政
       務官       中根 康浩君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       片上 慶一君
       厚生労働省医政
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       三浦 公嗣君
       厚生労働省雇用
       均等・児童家庭
       局長       高井 康行君
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民健康保険法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、田村智子君、石橋通宏君及び西村まさみ君が委員を辞任され、その補欠として紙智子君、斎藤嘉隆君及びツルネンマルテイ君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小林正夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国民健康保険法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長外口崇君外四名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小林正夫君) 国民健康保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。小宮山厚生労働大臣。
#6
○国務大臣(小宮山洋子君) ただいま議題となりました国民健康保険法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 国民健康保険制度は、国民皆保険の基礎として重要な役割を果たしています。しかし、近年の産業構造と就業構造の変化や高齢化の進展に伴い、国民健康保険制度の加入者は、自営業や農林水産業の人が大幅に減少し、非正規労働者や無職といった低所得の人や、高齢で医療の必要が高い人が多く加入している現状があります。また、加入者が少なく財政運営が不安定となる市町村があるとともに、市町村ごとの保険料に大きな差があるといった問題があります。
 このため、これまでも、市町村国保の財政基盤強化策や、一定額以上の医療費について都道府県内の全市町村が共同で負担する事業の実施、都道府県内の市町村国保財政の不均衡を調整するための都道府県調整交付金の導入といった取組を進めてきました。
 今回の改正は、こうした取組を更に進めることで、国民健康保険制度の安定的な運営を確保するものです。
 以下、この法律案の主な内容について説明いたします。
 第一に、現在暫定措置となっている市町村国保の財政基盤強化策を恒久化することにしています。
 第二に、市町村国保の都道府県単位の共同事業について、対象事業を全ての医療費に拡大し、財政運営の都道府県単位化を推進することにしています。
 第三に、都道府県による財政調整機能を強化するため、市町村国保の保険給付等に要する費用に対する都道府県調整交付金の割合を引き上げ、これに伴い、国庫負担割合を引き下げることにしています。
 最後に、この法律の施行期日についてです。
 共同事業の対象医療費の拡大を円滑に進めるためには、個々の市町村への財政影響を緩和するとともに、十分な準備期間を設けることが必要です。このため、都道府県調整交付金の割合の引上げについては、平成二十四年四月一日から施行し、共同事業の対象医療費の拡大については、財政基盤強化策の恒久化と合わせて、平成二十七年四月一日から施行することにしています。
 なお、この法律案は、施行期日について平成二十四年四月一日と提案していましたが、衆議院で公布の日に修正されていますので、報告いたします。
 以上がこの法律案の趣旨です。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
#7
○委員長(小林正夫君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○梅村聡君 おはようございます。民主党の梅村聡です。朝一番なので、元気よく頑張ってまいりたいと思います。
 本日は、国民健康保険法の一部を改正する法律案の審議ということでありますが、少し前半、社会保障と税の一体改革、この内容と少し絡めて質問をさせていただきたいと思います。
 今回、医療保険に関するこの法律なわけですが、この社会保障・税一体改革大綱案におきまして、具体的には第三章というところがございます。この第三章というのは各分野の基本的な方向性について述べられておりまして、この中に消費税率の引上げを踏まえ検討すべき事項という項目がございます。
 ここには何が書かれているかといいますと、医療機関等の仕入れに係る消費税、このことについて詳しく記載をされています。この問題は、過去には損税であるとか、あるいは控除対象外消費税であるとか、いろんな呼び方をされていたわけなんですが、そもそも今回この課題が特出しといいますか特別に記載をされた理由につきまして御答弁をお願いしたいと思います。
#9
○国務大臣(小宮山洋子君) 社会保険診療は、国民に必要な医療を提供するという高度の公共性があるということから、消費税は非課税とされています。
 これに対しまして医療関係者からは、今御指摘がありました仕入れの際の消費税について課税される一方、診療報酬が非課税であるために、特に高額な設備投資を行った場合には医療機関の持ち出しになっているという指摘がなされてまいりました。この問題について、これまでも診療報酬で仕入れに要した消費税負担分を措置することによって保険医療機関の負担ができる限り生じないように対応してきました。今回、社会保障・税一体改革大綱を取りまとめるに当たって、政府税調等で議論を行って、消費税率の引上げを踏まえ検討すべき事項として今御指摘のように記載をしています。
 今回の改正では、社会保険診療報酬は非課税の取扱いとするということ、一方で、その際、医療機関等の行う高額の投資の消費税負担に関して、一定の基準に該当するものに手当てを行うことを検討するということ、また、医療機関等の消費税負担について、厚生労働省で定期的に検証する場を設けること、こうしたことが盛り込まれています。
 具体的な対応につきましては、今後厚生労働省で設置をいたします検証の場で速やかに検討を進めていきたいと考えています。
#10
○梅村聡君 ありがとうございます。
 実は、この問題は三月二十八日の中医協の総会でも取り上げられています。具体的には、今大臣がお答えいただいたような、これまでの手当てがきちっとなされているかどうか、このことについては新たな検討の場、新審議体というんですかね、そういうものをしっかり設けて検証をしていくんだということが決定をされたというふうにお聞きをしております。報道ベースでは、この新たな検証機関のところで控除対象外消費税に対する診療報酬でのこれまでの手当てを検証するんだと、そういうふうに報道されています。これまでの検証というのは、過去に厚生労働省としてはどういうスタンスなのかなということを一度考えてみたいと思うんですね。
 私、実は、平成二十一年六月十六日、これは厚労委員会と財政金融委員会の連合審査で、当時私野党で、大臣は舛添大臣が答弁に立たれて、私、質問を実はここでしているんですね。このときに私は、消費税が三%導入された平成元年には〇・七六%、三%から五%に上がった平成九年には〇・七七%、合計一・五三%が補填をされていると、ところが、実際の様々なデータを見ると、二・七%から二・八%の消費税負担が生じていると、この差をどう考えるんですかという質問を当時の厚労大臣にいたしました。
 そのときの答えが、ちょっと正確を期すためにそのまま読み上げたいと思います。このとき舛添大臣の答えは、平成元年と平成九年以外の年度の改定でも、これ診療報酬改定ですね、実はそれぞれのそのときの物価、賃金の動向とか保険財政の状況、それから、医療機関については医療経済実態調査というのをやっておりますんで、それでどれぐらいの費用が各病院で掛かっているかというような経営状態も勘案して改定率を設定しておりますんで、その都度消費税の影響も考慮されているということでありますんで、そういった意味では、二・七、二・八と、この平成元年、平成九年の改定率一・五三%を比較するのは適当でないというのが今の厚生労働省の立場ですと、こういう答弁をされているんです。
 この答弁をこのまま読みますと、要するに、これまではもう既に検証してそして補填は終わっているんだという立場でずっと答弁をされていたわけなんですね。ところが、今回はそうではなくて、過去に本当に補填をされているかどうかを検証するんだと。ですから、過去にはこの問題は解決済みだという答弁であって、今回は、いやいや、もう一回検証するんだということで、これは厚生労働省としてお考えやスタンスを変えられたのかどうか、ここについてお答えをいただきたいと思います。
#11
○政府参考人(外口崇君) 社会保険診療に係る消費税は非課税とされ、医療機関が医薬品や医療機器等を購入する際に支払う消費税分は診療報酬により手当てをしてきたという認識はまず変わっておりません。
 ただ一方で、このような対応に対しまして医療関係団体からは、特に高額な設備投資を行った場合には消費税負担について十分に手当てされていないのではないかとの指摘があります。実際、先生御指摘の数字も、これマクロレベルの数字でありますので、個々の病院あるいは投資額が特に多いような病院についてはこれは実際乖離はあると認識しております。
 このため、社会保障・税一体改革大綱で定められた消費税の引上げに対応するに当たっては、保険医療機関等の消費税負担について定期的に検証する場を設けたいと、このように考えているわけでございます。
#12
○梅村聡君 手当てをしていたという認識だけれども現実は乖離をしていたと、そういうお答えだったと思うんですが、これもうちょっと詳しく考えたいと思うんですが、実は、確かにこの一・五三というのはマクロなんですね。マクロでざくっとした話なんで、私も三年前もう少しきちんと議論をすればよかったなと思っているんです。
 平成元年に乗せられた〇・七六%には、これ実は内訳があるんですね。〇・七六のうち、診療報酬本体に乗せられたのが〇・一一%なんです。薬価に乗せられたのが〇・六五%なんですね。この〇・六五の部分は二年ごとに薬価改定をやっていきますから、ですから〇・六五については補填は多分二年ごとにきちんとされていたんだと思うんですね。それから平成九年もこれ実は一緒なんですね。〇・七七%の内訳は、診療報酬は〇・三二%なんですね。薬価には〇・四%なんです。このときは特定保険医療材料に〇・〇五%が乗っているわけです。つまり、薬価の部分と医療材料については二年ごとに、さっき局長がお答えになったようにきちんと手当てをされていたんだと思うんですね。
 乖離がなぜ生じているかというと、恐らくこの本体部分のところについては二年ごとに検証ができなかったんじゃないかなと、私はそのように、今のお答えを少し解説すればこういうことになるのかなと思っています。
 そこで、ちょっと事実関係だけを確認をしたいんですが、この診療報酬本体に乗せられた〇・四三%分は全ての診療項目に乗せられたんでしょうか、あるいは、幾つかの項目に乗せられたのであるとするならば幾つの診療項目に乗せられたのか、もしデータがあればお答えをいただければと思います。
#13
○政府参考人(外口崇君) 元年と九年と考え方は同じなんですけれども、消費税による影響が明らかであると考えられる代表的な診療報酬点数の改定を行うという考えに立ちまして、元年であれば入院時基本診療料あるいは検体検査実施料、注射料等、それから九年であれば入院環境料とか特定機能病院入院診療料とか検体検査判断料とか、そういった項目、数十の項目になると思いますけれども、そこに乗せているわけでございます。
#14
○梅村聡君 診療項目というのは恐らく何千とあるはずなんですね。今乗せられたのが大体数十と言われたんですけれども、これ正確に言えば三十六だと思うんです、数え方にもちょっとよるんですけれども。だから数千の項目の中で三十六、まあ三十でも四十でもいいんですけれども、全体の一%の報酬にしか乗せていないことから、もちろん、今局長が普遍性が高いということを言われたので、カバーは多少できるのかもしれませんが、数千の中の数十にしか乗せていないということが、さっきおっしゃったように、厚労省としては補填をしているつもりなんだけれども乖離が生じてきているという、こういうダブルスタンダードが生じてきている理由はそこにあるんじゃないかなと、私はそう考えています。
 今日はもう国民健康保険法の質問なのでここで終わりにしたいと思いますが、このことに関しては。要は、医療機関、診療報酬もこれ経済行為ですから、数千の診療報酬項目で三十六にしか乗っていないということをずっとこのまま仮に消費税が八%、一〇%上がっていくときに続けていくと乖離はもっともっと大きくなっていくと。ですから、恐らく、原則課税という形を取るのか、若しくはできるだけ幅広い、例えば入院基本料であるとか再診料であるとか、そういうところで補填をしない限り、これ乖離はどんどんどんどん進んでしまうと思いますから、ですから、今の御答弁、もちろん過去の手当てとしては致し方ない面もあるかと思いますが、これから検証する場においては是非その点を御留意いただいて、今の私が指摘した問題点もしっかり認識をした上で、個人的な意見で言いますと、やっぱり基本診療料とかそういうものでカバーをする、あるいは課税ということを一定程度検討していく、そういうことが一つの解決方法になるのではないかなと、私はそのように思いますので、今日提案をさせていただきたいと思います。
 その上で、本日の国民健康保険法の改正についてですが、これは本当に、先ほども趣旨説明でありましたように、特に市町村国保というのは医療保険の一番基礎的な部分になりまして、当初は自営業者であるとか、そういった方々の保険であったものが、現状では高齢者の方が非常に多くなってきている、あるいは病気や失業でこちらの保険に入るというような、そういう状況に変わってきているということであります。
 これ、データ見てみましても、市町村国保の平均年齢は四十九・五歳、加入者の、それから組合健保だったら平均年齢三十三・九歳、一人当たりの加入者の平均所得も市町村国保は九十一万円、組合健保は百九十五万円、さらには保険料負担率も市町村国保は九・一%、組合健保は四・六%と、非常に大きな差が生まれてきていると。今回、こういうものに対してきちんと財政を安定させて強化をさせていく、あるいは格差をきっちり埋めていくと、このことがこの今回の法改正の一つの目的ではないかなと思っておりますが、こういった構造的な問題に対して厚生労働省としては今後どのような取組をお考えになっているのか、お答えいただきたいと思います。
#15
○国務大臣(小宮山洋子君) 国民健康保険制度、これは国民皆保険の基礎として大変重要なわけですが、今も委員からもございましたように、いろんな状況が変化している中で、これまでも、市町村国保の財政基盤強化策の実施ですとか、一定額以上の医療費について都道府県内の全市町村が共同で負担する事業の実施、また都道府県内の市町村国保財政の不均衡を調整するための都道府県調整交付金の導入、こういった取組をこれまでも進めてきました。
 今回の改正では、現在、平成二十五年度までの暫定措置となっている市町村国保の財政基盤強化策、これを恒久化をするということ、また、平成二十七年度から市町村国保の都道府県単位の共同事業の事業対象を全ての医療費に拡大すること、こうしたことによりましてこれまでの取組を更に進めたいと考えています。これによって、市町村国保の構造的な問題に対応して市町村国保財政の安定化、強化を図りたいと考えています。
#16
○梅村聡君 今お答えいただいた中に、都道府県の中の共同事業を今回拡大をしていくというお話がありました。やはりこれは市町村間の例えば医療費が大きく動いた場合、それがダイレクトに市町村の財政を直撃しないように、あるいは保険料なんかにしても市町村ごとの差をできるだけ緩和をしていくということで必要な措置ではないかなと考えておりますが、一方では、それをダイレクトに導入しますと、当然市町村によっては、負担が上がる市町村と下がる市町村、当然出てくるわけでありますけれども、こういった急激な変化に対してどういったきめ細やかな配慮が行われるのかなと、その辺りもお答えをいただきたいと思います。
#17
○政府参考人(外口崇君) 共同事業の運営に当たりましては、現在でも、拠出超過の割合が大きく保険料負担が重くなる市町村に対しては、都道府県調整交付金による配慮を要請しております。今回の共同事業を拡大する際に生じる個々の市町村への財政影響につきましては、都道府県調整交付金を増額して都道府県による調整を強化することとしております。
 この都道府県調整交付金につきましては、その配分に関するガイドラインを策定しておりますが、今回の改正による都道府県調整交付金の増額に併せて、国保の基盤強化に関する国と地方の協議において地方公共団体とも協議した上で、共同事業の拡大が市町村にとって過重な負担とならないようガイドラインの見直しを検討していくことを考えております。
#18
○梅村聡君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
 最後になりますが、今回、市町村の財政基盤強化、これを恒久化していくということが一つの大きな目玉になってまいります。一方で、平成二十二年度を見てみますと、やはり各市町村の国保特別会計には三千六百億、これ正確に言えば三千五百八十三億ですかね、相当大きな負担が市町村財政に掛かってきていると。こういったことを考えると、やはり今後更に一層の基盤強化策というものを国として考えていかなければならないと思っておりますが、小宮山大臣のこれに対する決意をお聞かせいただければと思います。
#19
○国務大臣(小宮山洋子君) 今御指摘いただいたように、社会保障・税一体改革で、税制の抜本改革によって安定財源を確保した上で、市町村国保に二千二百億円の公費を追加投入して財政基盤の強化を図っていきたいと考えています。
 これによりまして、低所得者の方を中心に保険料水準の抑制を図り、市町村国保の財政基盤の強化を図りたいと考えていますので、これからも財政基盤の強化策は更に進めていきたいと考えています。
#20
○梅村聡君 終わります。ありがとうございました。
#21
○三原じゅん子君 自由民主党の三原じゅん子でございます。
 まずは、高齢者医療制度の見直し法案の動向についてお伺いしたいと思います。
 これは平成二十年度から始まった後期高齢者医療制度、ある意味で、構造的な財政問題に苦しむ市町村国保を救済するための議論の中で創設された経緯があると思っております。そうした観点からすれば、高齢者医療制度の見直しは国保制度の改革と密接にかかわるものであるかと思っております。今回、高齢者医療制度の見直しはこの国保法の改正案と切り離されて別の法案で対処されることとなったと伺っております。後期高齢者医療制度を廃止するための法案について、これ地方の理解というのが得られていないのではないかなと先ほどもお話ありましたけれども、そのように思っております。
 中でも、全国知事会は当初、拙速に新制度へ移行する必要はなく、改善を加えながら安定的な運営に努めるべきと指摘しておりましたが、今年に入って、政府がこれを考慮せずに後期高齢者医療制度廃止法案を提出するという構えを見せたことにこれまた強く反発されて、これまで高齢者医療制度に関する協議は一切行っていない中で現行制度の廃止法案の提出を断行しようとすることは暴挙と言わざるを得ず、断じて認めることはできないとまで言い切っておられます。
 知事会のこうした反応というのはもう当初から予想できたことなのではないかと思うんですけれども、これは政府が地方との関係というものを余り考えずにマニフェストを優先させたのかなと、私はそんなふうに感じました。しかし、大臣は、地方の理解が得られなければこの法案は提出しないと述べておられます。
 そもそも、見通しが得られていない中でなぜ今国会の提出予定法案の中にこの法案を入れたのか、お伺いしたいと思います。
#22
○国務大臣(小宮山洋子君) 今の委員からの御質問ですけれども、私どもは、無理やりというのではなくて、関係者の理解を得た上で提出をするということを書かせていただいているんですね。
 そもそも、後期高齢者医療制度、これは、七十五歳に達した時点でそれまで加入した制度から年齢によって分離、区分をした保険制度に加入するといった点が、当事者の皆さんからも年齢によるこれは差別だと受け止められた、そういう問題だったと認識をしています。
 高齢者医療制度改革会議で取りまとめられた案は、七十五歳以上の人も現役世代と同様に国民健康保険か被用者保険に加入するということにした上で、公費、現役世代、高齢者の負担割合を明確にするということと、都道府県単位の財政運営によって、原則同じ都道府県で同じ所得であれば同じ保険料にするといった現行制度の利点は維持をしながら、より良い制度を目指すものになっていると思っています。厚労省といたしましては、改革会議の取りまとめを踏まえてより良い制度への移行を目指しているため、この国会への提出予定法案の一つに挙げさせていただいています。
 この取りまとめ案、今御指摘いただいたように、依然としてその知事会の御理解を得られる状況にはなっていませんので、これは一体改革の中でも書かせていただいたように、関係者の理解を得た上でということで、理解を得なければ提出ができないということでございますので、理解を得るように最大限今努力をしている最中でございます。
#23
○三原じゅん子君 是非、地方の理解というものをしっかりとお願いしたいと思います。
 高齢者医療制度改革会議の最終取りまとめでは、見直しの第一段階で平成二十五年度から行われることとされております。また、国保組合への国庫補助の見直しについては、一昨年末、大臣合意において平成二十四年四月からの実施が念頭に置かれております。
 いずれも当初の予定どおりに進んでいるとは思えませんが、高齢者医療制度の見直しと国保組合への国庫補助の見直し、これはあくまでも一体として法案化するのか、それとも協議が調った部分から順次法案化していくのか、どちらなのか、お答えいただけますでしょうか。
#24
○大臣政務官(藤田一枝君) 国保組合への国庫補助の見直しということでございますが、今委員の方からも御指摘がありましたように、これは平成二十二年の十一月に行われた行政刷新会議の事業仕分で所得水準の高い国保組合に対する定率補助の廃止という結論が出されまして、それを受けて、同年の十二月の三大臣合意でも事業仕分の結論に沿って見直しを行うとされたわけでございます。
 その後、この見直しの内容については、社会保障審議会の医療保険部会で議論を行ったほか、関係団体との意見交換を行っておりまして、本年に入りましても全国医師国民健康保険組合連合会等からの御要請をいただいたり、全国国民健康保険組合協会との意見交換を行うなど取り組んできておりまして、今後、法案提出までの間に更に関係者の御意見を聞きながら検討を進めていきたいと今考えているところでございます。
 そして、お尋ねのこの法改正の形式についてでございますけれども、これも社会保障・税一体改革大綱で、「医療保険制度改革の一環として、平成二十四年通常国会への法案提出に向けて、関係者の意見を聴きながら検討する。」となっております。このため、同じく今国会、先ほど大臣の方から御答弁もございましたけれども、今国会に提出を予定をいたしております高齢者医療制度の見直し法案と一体で改正することを想定をしているところでございます。
#25
○三原じゅん子君 それでは次に、財政基盤強化策の恒久化の時期についてお伺いしたいと思います。
 今回の国保法改正案は、現在暫定措置とされております財政基盤強化策を恒久化する内容でありますが、暫定措置は平成二十五年度までである一方、恒久化は二十七年度からであるため、この二十六年度の一年間というのが暫定措置の継続によりつなぐということになるかと思うんですね。ちょっと何か不自然に感じますが。
 恒久化を平成二十六年度からではなくて二十七年度からとした理由は何なのでしょうか。
#26
○政府参考人(外口崇君) 財政基盤強化策であります財政運営の都道府県単位の共同事業と保険者支援制度につきましては、これまでも一体として実施をしてきております。
 今回、都道府県単位の共同事業の対象医療費を拡大することとしておりますが、これは、市町村間の医療費水準の平準化に伴って市町村の負担が変動するため一定の準備期間が必要であること、また、現行制度におきましても都道府県の判断により共同事業の対象医療費を拡大することは可能であり、県によっては平成二十六年度までに計画的に対象医療費を拡大する予定のところが現在ございます。こういったことから、準備期間を三年間設けて平成二十七年度から恒久化することとしたわけでございます。
 保険者支援制度については、これまでも共同事業と一体として実施しているために、共同事業の拡大と同じ時期である平成二十七年度から恒久化することとしております。
#27
○三原じゅん子君 それでは次に、医療機関が少ない市町村への配慮についてお伺いしたいと思います。
 医療費が低い市町村の中には、医療機関が少なくて、医者にかかりたくてもかかれない、医療費を掛けようにも掛けられないという、そういうところもあるのかと思っております。仮に保険料が引き上げられるということになれば、そうした市町村の住民の方々こそ私は納得がいかないということになるのではないかと危惧しております。
 本来は都道府県の医療計画の中でそうした地域の医療機関の整備に対する配慮というものがなされるべきだと思いますけれども、この医療計画自体、財政的な裏付けというのも非常に乏しくて、また、平成二十一年度補正予算によって創設された地域医療再生基金、これが、民主党政権による一部執行停止あるいは更なる予算カットということによって制度が安定していないのかなと、そういうことに加えて、この度、被災三県に対する優先配分等いろんなことがあって、やっぱり額も十分でないのではないかなというふうに感じております。
 医療機関が少ない地域の住民の方々がそういういろいろな医療のアクセスの改善の恩恵というものを受けないでそのまま保険料引上げだけをかぶらなければならないということがないように、医療保険と医療機関整備の総合的な施策の設計というのが私は必要であると思いますけれども、大臣のお考えをお伺いできますでしょうか。
#28
○大臣政務官(藤田一枝君) ただいま委員の方から本当に大事な御指摘をいただいたと、このように認識をいたしております。医療提供体制と医療保険制度というのはもうまさに車の両輪でございますので、これがしっかりとでき上がっていかなければいけないということであります。
 医療提供体制については、都道府県が策定をする平成二十五年度からの次期医療計画の実効性が高まるように、共通の指標に基づいて現状の把握と課題の抽出を促すべく、都道府県に対して医療計画作成指針というものを示して、それぞれの地域の課題に対応する今回は数値目標を設定するよう求めているところでございます。
 また、医療機関の施設設備の整備については、医療提供体制施設整備交付金によって財政支援を行っておりまして、今年度、二十四年度の予算では三十九億円ということでございますけれども、こうした財政措置を通して医療提供体制の確保に努めていきたいと考えております。
 また、医療保険については、もちろん保険者として安定的な運営ができる規模が必要だということは当然でございますが、その上に立って、都道府県において医療計画が策定されていること、そして医療サービスがおおむねそれぞれの都道府県の中で提供されている実態があること、こういった医療サービスとの連携を図る観点から都道府県単位の財政運営を軸に取組を進めてきているところでございます。
 今回の改正もこの方向性に沿って都道府県単位の共同事業を拡大をして都道府県内の医療費水準等の平準化を図るものでございますが、共同事業の拡大が市町村保険者にとって過重な負担とならないように、地方団体ともしっかり協議をした上で、今回はその配分に関するガイドラインを見直してそのガイドラインをきちっと示していきたい、このように考えています。
 こうした連携を図りながら、安心して医療を受けられる環境整備にこれからも取り組んでまいります。
#29
○三原じゅん子君 財源の安定というのも重要であります。住民の方々にとってそういう不公平感というのが私は否めないのではないかと思っております。
 そこで、政府は、都道府県が策定する地域医療再生計画によって各県にがんですとか脳卒中の拠点病院の整備等を図るほか、平成二十四年度の診療報酬改定において、地域医療の再生及び在宅医療の充実の重点項目の一つというふうに掲げてございます診療報酬の引上げ分を重点的に配分するということとしております。この方向性というのはもちろん私も正しいこととは思いますけれども、これ、いかに政府が地域医療再生の旗を振って都道府県に計画の策定を促し県レベルの三次医療圏や複数の市町村にまたがる二次医療圏、こういう医療機関が整備されたとしても、現実に住民の日常生活の中で、それぞれの一次医療圏や過疎地域において保険料だけ支払って医療の給付が満足に受けられない人がたくさんいらっしゃるとしたら、それは本当に絵にかいたようなもちになってしまうというふうに考えております。
 政府は、今後、地域医療サービスの充実という点についてどのような方策によって進めていって地域住民の方々にメリットをもたらしていこうと考えているのか、平成二十一年度以降の、地域医療再生基金の創設以降の施策として、これまでの成果を含めて分かりやすく説明していただきたいと、このように思います。
#30
○政府参考人(大谷泰夫君) 地域医療サービスの拡充をどうやって図っていくかということで、既に補正予算で組みました地域医療再生計画、それからその交付金の成果についても併せて御説明申し上げたいと思いますが。
 二十一年度補正では、二次医療圏単位で医療機能の強化等を支援するということで、各都道府県に二か所ずつ、二十五掛ける二、五十億円を交付して現在執行していただいております。その中では、例えば、寄附講座の設置や修学資金の貸与制度等によって地域医療に従事する医師の養成を図る、また救急医療提供体制の充実を図るために救命救急センターの設置や医療機器の整備を行う、さらに周産期医療体制を強化するために新生児集中治療管理室、いわゆるNICUでありますが、こういったものとか、新生児の治療回復室、GCUなど、こういった病室整備を進める、こういったことをやっているわけでありまして、現在、各都道府県からはそれなりに高い評価をいただいているものと理解しております。
 それから、続く平成二十二年にも補正予算をちょうだいしてこの地域医療再生基金を二千百億拡充いたしました。これによって、現在、次なる対応を各県で今図っていただいているというところであります。
 それから、既に先生からも御指摘ありました診療報酬の方でも、今お話ありましたように、平成二十二年度、二十四年度の二回連続のプラス改定ということで、その中で、地域における連携体制の強化の推進とか、特に在宅医療の充実、こういったところについて取り組んでいただく、また訪問看護の評価の充実、こういったことも図って地域医療のサービスの拡充に努めてきたところでありますが、こういった方向で今年度以降も更に進めていきたいと思います。
 そしてさらに、今回の社会保障・税一体改革大綱の中でも、今度は、病院や病床機能の役割分化や連携をより進める、また在宅医療の充実と、こういった方向性も示しております。
 今後、都道府県において次期の医療計画を平成二十五年度から策定されるわけであります。そのときに、先ほど藤田政務官からも申し上げましたように、どういった方向で推進していただくかというその作成指針も先日、年度末に各県にお示ししました。こういったものについても、我々、各県とよく相談して、それが着実に遂行されるように取り組んでいきたいと思います。
 こういったことで、施設の整備あるいはサービスの拡充について引き続き取り組んでいきたいと思います。
#31
○三原じゅん子君 地域医療サービスの充実ということをまず第一に考えていただきたいと思います。
 次に、財政基盤強化策についてお伺いしたいと思います。
 厚労省は一月二十四日に行われた国と地方の協議において、低所得者の保険料に対する財政支援の強化策の案というものを提示されました。これは社会保障と税の一体改革に示された二千二百億円の財源を使って措置されるということが想定されているものだと思いますけれども、地方からは二千二百億円規模の財政支援強化策では足りないのではないかなという声も上がっているのが現実だと思います。例えば、全国知事会は今年の一月に、今後も増嵩する医療費に対し、今回の見直し案は抜本的な解決策となっていないとの意見を表明されております。
 厚労省が提示した財政支援強化策は、これは法律改正事項ではなく政省令改正事項であると承知しておりますけれども、この強化策は決定したものと考えてもよろしいんでしょうか。
#32
○大臣政務官(藤田一枝君) 社会保障・税一体改革では、税制抜本改革により安定財源を確保した上で、二千二百億円の公費を市町村国保に追加投入をして低所得者の保険料への財政支援を行い市町村国保の財政基盤の強化を図る、このようにしているところでございます。
 それぞれの内容については、低所得者保険料の軽減の対象拡大であるとか低所得者数に応じた保険者支援制度の拡充であるとか、こうしたことを予定をいたしておりますけれども、これによって、所得水準や世帯構成によっても異なってまいりますけど、機械的に試算いたしますと、約三千五百万人の国保加入者全体で一人当たり保険料を年額〇・六万円程度抑制する効果があると見込んでいるところでございます。
 また、税制抜本改革によるこの公費の追加投入のほかに、今回の法案でも、暫定措置として実施している財政基盤強化策を恒久化すること、そして共同事業の拡大によって財政運営の都道府県単位化を推進すること、こういうことを盛り込んでいまして、市町村国保財政の安定化、強化を図ることにしております。
 市町村国保が抱えている構造的な問題を解決をしていく大変大きな課題がございますけれども、こうした財政運営の、財政の安定化、強化をこれからもしっかりと図っていかなければいけない、このように思っておりまして、この安定的な運営のためにはこうした措置のほかに医療費の適正化や収納対策の強化などの取組も必要でありますので、国と地方の協議、いろんな御意見をちょうだいいたしておりますけど、この国と地方の協議を継続をして、地方団体の御意見も伺いながら、この構造問題にこれからも対応していきたいと思っております。
#33
○三原じゅん子君 財政支援強化策に二千二百億円を充てるとすると、社会保障と税の一体改革の試算で示された額を使い切ってしまうということになるのかと思うんですが、政府は当面、じゃ、更なる強化策を取って考えていただきたいなというふうに思います。
 次に、保険料の公平性の確保についてお伺いしたいと思います。
 市町村国保の財政は、市町村に設けられた国保特別会計の中で賄うのが原則だと思っております。しかし、実際には、市町村の一般会計から特別会計に繰り入れる一般会計繰入れと、翌年度の収入を言わば先取りして繰り上げて充当する繰上げ充用といった、こういう会計処理が行われておって、その額は全国でおよそ五千四百億円に上ると思います。もちろん、国保財政が苦しいために、やむを得ずこうした処理に頼らざるを得ない市町村もあるのかとは思います。ところが、その一方では、財政的に余力がある市町村が保険料の引上げを嫌って一般会計から繰り入れたりしているケースも実は多いのではないでしょうか。
 都道府県別の一般会計繰入れの状況と一人当たりの保険料の負担率というのを見比べてみると、繰入れを多く行っている都道府県ほどこの保険料の負担率が低いという傾向が見受けられます。
 例えば、一人当たり一般会計繰入金の額が、東京都だと三万円弱、二万八千四百五十七円ですね、全国で群を抜いているのに対し、同じ関東でも私の地元栃木県は何と約二千円であり、十分の一に満たないんですね。その反面、この両都県を一人当たりの保険料負担率で比較すると、東京都は約八%にとどまっているのに対して栃木県は約一四%になってしまう。
 そこで、一般会計の繰入れ又は繰上げ充用を行っている市町村と行っていない市町村との間で、平均所得と保険料の負担率の相関関係というもの、これがあったら是非説明していただきたいと思います。
#34
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘のように、都道府県別で見ますと、一人当たりの法定外一般会計繰入金が一万円を超える六つの都府県のうち四つの都県、埼玉、東京、神奈川、愛知なんですが、ここは保険料の負担率が低くなっています。
 また、保険者別に見ますと、一般会計繰入れや繰上げ充用を行っている保険者の保険料負担率の平均が一一・四%、こうしたことを行っていない保険者の平均は一三・七%で、一般会計繰入れ等を行っている保険者の方が保険料負担率は低くなっています。
 恐らく委員がおっしゃりたいのは、こういう保険者間の公平を考えると、国保制度としては、一般会計の繰入れを行っていることに着目をして公費を投入する、これは適切なやり方ではないということかと思いまして、私どももそう考えています。
 このため、現在でも一般会計繰入れには着目をせずに、国や都道府県の調整交付金によって保険者の財政力に応じた財政支援を行っていますし、また今回の法改正では都道府県調整交付金の財政調整機能を更に強化をしたいというふうに思っています。
 また、社会保障・税一体改革による追加的な公費投入、これは低所得者が多い市町村により多く交付されるような仕組みとする必要があると考えていますので、納得していただける公平なやり方を考えていきたいと、そのように思っています。
#35
○三原じゅん子君 財政的に余力のある自治体では一般会計繰入れ等によって保険料が低く抑えられていて、一方で余力のない自治体が保険料が高くなるという状況は、これはどう見ても公平性の観点からすると疑問でございます。国及び都道府県というのは、一般会計繰入れや繰上げ充用の数字ではなくて、市町村の本来の財政力の違い、こういうものに着目して財政調整を行う必要があると思います。
 今、大臣、答弁いただきました、財政支援をすると、考えるとおっしゃっていただきましたけれども、具体的な措置というのはどういうふうに考えておられるのか、最後にこの質問をしたいと思います。
#36
○政府参考人(外口崇君) 保険者の財政力に応じた財政支援でございますけれども、まず、現在行っておりますのは、これは国レベルの調整交付金、これは医療費や所得格差を全国レベルで調整するわけでございます。さらに、都道府県調整交付金が都道府県内の市町村間の医療費水準や所得水準の格差を調整すると、こういう仕組み、これが現行でございまして、さらに追加的には、これは社会保障・税一体改革のときになるかと思いますけれども、先ほども御説明した二千二百億円の財政支援強化策等によりまして低所得者が多い市町村により多く交付されるような仕組み、こういったことを考えているわけでございます。
#37
○三原じゅん子君 ありがとうございました。
#38
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますよう、質疑に入ります。
 今回の国民健康保険法一部改正は、国の調整交付金はそのままで都道府県の調整交付金を上げるということになりますが、まず、国の調整交付金と都道府県の調整交付金の役割分担、それから都道府県の調整交付金を増額する目的について確認をさせていただきたいと思います。
#39
○政府参考人(外口崇君) 調整交付金につきましては、国が所得水準の格差等を全国レベルで調整を行い、都道府県は更に地域の実情に応じて都道府県内の市町村間の所得水準の格差等を調整しております。また、国の調整交付金につきましては、普通調整交付金により所得格差を全国レベルで調整を行い、特別調整交付金により災害や原爆医療、結核医療等により医療費が多いなどの特別の事情がある市町村に対して交付をしております。
 今回の都道府県調整交付金増額の目的でございますけれども、今回の法改正によりまして、平成二十七年度から共同事業の事業対象を全ての医療費に拡大し、医療費水準等の平準化を一層進めることにしております。都道府県調整交付金の増額は、対象医療費の拡大によって生じる個々の市町村の財政影響を緩和し、共同事業の拡大を円滑に推進するためのものであります。
#40
○秋野公造君 定率国庫負担を減らさないで国の調整交付金を減らすことによって対応すべきではないか、このような議論は省内でなかったでしょうか。
#41
○政府参考人(外口崇君) 全国の状況でございますけれども、市町村間の医療費や所得水準の格差は、それぞれ四・三倍、十四・〇倍であります。また、都道府県単位の平均値の格差も、医療費で一・五倍、所得水準の格差は二・六倍であります。こうした状況もありますので、国の調整交付金を減らすことになると、例えば沖縄など所得水準が低い都道府県の保険者と所得水準が高い都道府県の保険者との財政調整機能が弱まってしまいますので、国の調整交付金の割合を維持することが必要と考えております。
#42
○秋野公造君 都道府県間の調整を行わなくてはいけないということで、沖縄県の医療が非常に厳しいということでありますが、大臣に伺いたいと思います。
 沖縄の医療費の状況、国保の財政状況、どのように御認識なさっていますでしょうか。
#43
○国務大臣(小宮山洋子君) 沖縄県内の市町村国保の医療費は一人当たり二十四万円で全国で最も低いわけですけれども、所得水準も一人当たり三十六・二万円で最も低いため、厳しい財政状況にあると認識をしています。こうした財政力の格差については、国の財政調整交付金によって所得水準の調整を行っています。沖縄県の市町村に対する一人当たりの調整交付金は全国で最も多い額になっているということです。
#44
○秋野公造君 それでも最下位ですから、どうか沖縄を助けていただきたいと思いますが。
 給付がない、医療インフラが整っていないということで医療が受けられないというのは非常に気の毒でありますが、その中で役割を果たす、国保診療所の果たす役割について認識を伺っておきたいと思います。
#45
○政府参考人(外口崇君) 国保直営診療施設でございますけれども、これは、御指摘のように、医療機関の整備が不十分な地域でも国保被保険者に対する医療の提供を確保するために保険者として整備を進めてきたという歴史がございます。現在でも、へき地や離島における地域医療の中心的な、大変重要な役割を担っていると認識しております。
#46
○秋野公造君 その国保診療所をどんどん医療インフラが少ないところが建てることができればいいわけですが、近年、国保診療所は増えていないということを聞きます。また、隣町の診療所に行くことができるような本土であればよろしいわけですが、今お話をさせていただいた沖縄のような離島が多い地域になりますと、必ずしも、そういうことが困難な状況にあります。
 先ほどにも同じような議論ありましたが、共同事業によって、結果として、医療インフラがないところ、医療を受けるところが困難なところの無医村のようなところほど負担が大きくなってしまうようなことが考えられるかと思いますが、それに対する対応、どのようにお考えになっていますでしょうか。
#47
○政府参考人(外口崇君) 共同事業の運営に当たりましては、現在でも、拠出超過の割合が大きく保険料負担が重くなる市町村に対しては、都道府県調整交付金による配慮を要請しております。今回の共同事業を拡大する際に生じる個々の市町村への財政影響については、都道府県調整交付金を増額して都道府県による調整を強化することにしております。
 この都道府県調整交付金については、その配分に関するガイドラインを策定しておりますが、今回の改正による都道府県調整交付金の増額に併せまして、国保の基盤強化に関する国と地方の協議において地方公共団体とも協議した上で、共同事業の拡大が市町村にとって過重な負担とならないようガイドラインの見直しを検討することとしております。
#48
○秋野公造君 となりますと、今回の都道府県調整交付金が果たす役割というのは非常に大きくなってまいります。これがありませんと弱いところほど医療費が多くなってしまうということが考えられますが、今おっしゃいましたようなこと、都道府県に対してきちっと通知をされていただくということでよろしいでしょうか。
#49
○政府参考人(外口崇君) 都道府県調整交付金ガイドラインについては、今回の改正の趣旨を踏まえて国保の基盤強化に関する国と地方の協議において地方公共団体とも協議した上で、見直すことになれば、都道府県に対して通知をすることになります。
#50
○秋野公造君 どうかこれは都道府県によく御理解をいただくようにお願いをしたいと思います。
 国保加入者の割合につきまして、近年の傾向について教えていただきたいと思います。
#51
○政府参考人(外口崇君) 国保加入者に占める被用者の方あるいは無職者の方の割合でございますけれども、国保の世帯主に占める被用者や無職者の割合は、制度発足当時の昭和四十年には、被用者が約一八%、無職者が約六%でありました。これが平成二十一年には、被用者が約三二%、無職者は約三七%となっております。また、被用者の中には五人未満の個人事業所に雇用されている者も多く含まれていると思います。
#52
○秋野公造君 となると、制度ができたときと比較をすると、例えば非正規の若者でありますとか高齢者に対するセーフティーネットとしての役割がどんどん大きくなってきたということを意味するのではないかと思います。
 今日、資料をちょっと準備をさせていただきましたので、御覧をいただきたいと思います。
 これは、公明党九州青年会議と公明党九州青年局が行いました働く若い世代の課題調査といって、まだ中間報告でありますが、就業の状況、全体としては五七・七%が正社員ということでありますが、一番下のところ、あなたが加入している健康保険はどれになりますというところを見ていただきますと、国保の割合が非常に多いということが分かると思いますが、ちょっと厚生労働省が発表されているものよりも国保の割合が非常に多いグループを調査をしてしまったという言い方ができるかもしれませんが、その収入を見ていただきますと、非常に男性も女性もかなり厳しい状況、先ほど大臣からは沖縄の状況を言っていただきましたが、住んでいる地域で見ますと沖縄が一番厳しくなるのかもしれませんが、これ、福岡という大都市におきましてもこのような状況でありまして、世代別に見ますと、若い人たちに手当てをしていかなくてはいけないということが読み取れるかと思います。
 まだ最終結果は出ていないんですけれども、この毎月の収入というものも、入っている保険でクロス集計をしてみますと、やはり低いところほど国保の方が多いということになりますと、私はこの国民健康保険というのは、先ほど申し上げたように、非正規の若者対策、それから高齢者に対する対策を十分に今後踏まえて行っていかなくてはいけないと思いますが、大臣の認識、伺いたいと思います。
#53
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるとおりだと思います。
 市町村国保は、健康保険などほかの保険に加入していない人が加入するものですので、この制度があることによって国民誰もが公的医療保険に加入する国民皆保険、これを実現をしているわけです。国民皆保険を実現してから既に五十年たちまして、今日も議論がありますように、自営業者ですとか農林水産業者が多かったものが、今おっしゃったように、高齢化して働けない方、あるいは就業構造の変化などによりまして若者を中心にした非正規労働者、そういうような方が多く入っている、そして、一方でまた、御高齢になるとどうしても医療の必要があって、そういう必要の高い方が多く加入する、そういう形に変わってきていると思います。
 このように、市町村国保はセーフティーネットとして非常にますます重要な役割を担っていますので、今回の市町村国保の財政基盤強化、これは全世代にメリットがある、特に弱い立場にある方にとってメリットがある重要な施策だというふうに考えています。
#54
○秋野公造君 となりますと、国保の強化というのは、非正規の若者に対して届くものであり、高齢者に対しても届くものであり、弱い方を助ける制度であるということでありますので、是非どんどん強化をしていただかなくてはいけないわけでありますが、非常に厳しい財政運営状況であります。
 その今の国保の財政状況、どのように認識をしていますでしょうか。また、今後の考え方についてお話しできることありましたら、教えてください。
#55
○国務大臣(小宮山洋子君) こうした状況の変化に対しましては、これまでも、市町村国保の財政基盤強化策を実施をする、また、一定額以上の医療費について都道府県内の全市町村が共同で負担する事業の実施、そして都道府県内の市町村国保財政の不均衡を調整するための都道府県調整交付金の導入、こういった取組を進めてきました。
 それに加えて、今回の改正では、現在、平成二十五年度までの暫定措置である市町村国保の財政基盤強化策、これを恒久化をすること、また、平成二十七年度から市町村国保の都道府県単位の共同事業の事業対象を全ての医療費に拡大すること、こうしたことによってこれまでの取組を更に進めたいと考えています。これによりまして、市町村国保の構造的な問題に対応をして市町村国保財政の安定化、強化、これを図りたいと考えています。
#56
○秋野公造君 確認ですが、社会保障・税一体改革がなされますと、国保財政、どれぐらい安定をいたしますか。
#57
○政府参考人(外口崇君) 今回の一体改革では、税制抜本改革とともに、公費約二千二百億円を追加投入して低所得者の保険料への財政支援を行うことにしております。お示ししている考え方では、低所得者の保険料軽減の対象拡大と低所得者数に応じた保険者支援制度の拡充を示しているところであります。
 これによりまして、所得水準や世帯構成によっても異なりますが、機械的に試算すれば、約三千五百万人の国保加入者全体で一人当たり保険料を年額〇・六万円程度抑制する効果があると見込んでおります。
#58
○秋野公造君 くどく確認をさせていただきますが、今回で改正と、それから社会保障・税一体改革による国保の財政基盤強化は、いずれも低所得者対策となり、非正規の若者対策であり、高齢者対策である、弱い方を助ける対策であるという認識でよろしいか、もう一回確認をしたいと思います。
#59
○国務大臣(小宮山洋子君) はい、そういう認識を持っていただいて結構でございます。
 今回の法改正によりまして恒久化する保険者支援制度、これは低所得者の数に応じて市町村保険者に対して財政支援を行う制度で、被用者保険と市町村国保の格差解消に役立つと考えています。社会保障・税一体改革では、低所得者の、先ほどから御議論があるように、保険料軽減ですとか保険者支援制度の拡充を行うために、およそ二千二百億円の公費を市町村国保に追加投入をすることにしています。
 具体的な内容は、税制の抜本改革を踏まえて、税制抜本改革法案の成立後にこれは政令改正で対応いたします。
 このように、財政基盤強化策、この恒久化と社会保障・税一体改革による追加的な公費投入、これはいずれも格差是正対策の一環として大変重要な施策だと考えています。
#60
○秋野公造君 今大臣がおっしゃっていただきました、受ける医療は同じなのに入っている保険によって負担が大きく違うということ、今の格差も埋めていただく方向性ですので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。
 最後に、TPPと公的保険についてまた大臣に伺いたいと思います。
 公的医療保険制度についてはTPPにおいては議論にならないということでありますが、この公的という範囲が私よく分からない部分があります。
 国民健康保険は恐らく公的保険ということで留保になるだろうということは納得できるのでありますが、一方で、先日、予算委員会でも取り上げをさせていただきました協会けんぽは、これは民間が行っているものでありまして、ここには国費が一六・六%入っております。これが差別である、そういうようなことを言われて、ISD条項を基に訴訟が起こり得るということを厚生労働省の方では想定をしているか、伺っておきたいと思います。
#61
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘の協会けんぽの保険事業、これは健康保険法に基づいて実施される公的医療保険です。公的医療保険制度を含む法律に基づく社会保障制度は、WTO、ガットでも適用除外となっているのと同様に、TPP協定交渉の金融サービスに関する章でも議論の対象とはなっていない模様です。このように、公的医療保険制度が協定の適用対象外となれば、ISD条項手続に付されることはないと思っています。
 なお、TPP交渉参加国がこれまでに結んだFTA等を見る限り、この種の公的な保険は投資に関する章の内国民待遇等の規定からも除外されることが一般的で、内国民待遇に違反するとしてISD条項手続に付される、こういう事態は想定できないというふうに考えています。
#62
○秋野公造君 一応、大臣、確認をしておきたいと思いますが、運営主体が公的なものであるか民間であるかということが大事なのではなく、法律に基づいて運営をされているということで公的な整理がなされているから、ここについては大丈夫であろうということでよろしいでしょうか。もう一回だけ答弁をお願いしたいと思います。
#63
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃったとおりです。
#64
○秋野公造君 どうぞ今後とも情報収集をしっかりしていただきまして、国民の皆様方の不安にこたえていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#65
○委員長(小林正夫君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#66
○委員長(小林正夫君) 速記を起こしてください。
#67
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。ゆっくりやります。
 今回の国民健康保険法の改正については基本的には賛成ですが、今後の医療保険体制について、先週金曜日に消費税増税の閣議決定があったというタイミングで今後の社会保障体制全般についても政府として見通しが立つようになったと思いますので、公平な国民皆保険体制を構築するという将来像に向けて幾つか質問させていただきます。
 社会保障と税の一体改革においては、国保への対応に関して、税制抜本改革、すなわち消費税増税時に低所得者に対する保険料軽減の対象世帯の拡大をするとの方針は出ておりますが、そもそも国保が持つ構造的な問題にどこまで切り込めるのか、根本的な解決につながるのかは非常に疑問です。都道府県単位など広域化した財政運営に向けた考え、そして恒常的な赤字体質など、問題は山積しているはずです。二年後とされる消費税増税までに政府はどのような取組をするのか、具体的にお答えください。
#68
○大臣政務官(藤田一枝君) 先ほどから御議論がございましたように、社会保障・税一体改革では、税制抜本改革によって安定財源を確保した上で、二千二百億円の公費を市町村国保に追加投入をして低所得者の保険料の財政支援を行って財政基盤の強化を図る、このようにしております。
 具体的な内容については、これは税制抜本改革法案の成立後に政令改正で対応する予定でございますけれども、低所得者保険料軽減の対象拡大であるとか低所得者数に応じた保険者支援制度の拡充であるとか、こうしたことを予定をいたしております。これによって、機械的な試算でございますけれども、三千五百万人の国保加入者全体で一人当たり保険料年額〇・六万円程度抑制する効果があると見込んでおります。特に、低所得者の保険料軽減という意味では、所得百三十九万円の方で二・五万円の減、そしてまた八十三万円の方で三・七万円の減と、こうした抑制効果があるというふうに考えているところでございます。
 それからまた、今回の法案で、この公費の追加投入までの間に暫定措置として実施している財政基盤強化策を恒久化をすること、それから共同事業の拡大によって財政運営の都道府県単位化を推進すること、これによって安定化、強化を図ると、このようにいたしております。さらに、委員御指摘のように、この国民健康保険制度の安定的な運営のためには、こうした措置と併せて、医療費の適正化であるとか収納対策の強化の取組ということが大変必要であると考えておりまして、特に、医療費の適正化の具体的な取組としては、特定健診、特定保健指導の実施や被保険者に対するジェネリック医薬品の差額通知の送付、さらに被保険者に対する医療費通知の送付、こうしたことの取組も進めてまいる予定にしております。
 現在、国と地方の協議を開催しておりまして、この協議を継続をしながら、地方団体の御意見も伺いながら、この構造問題、取り組んでまいりたいと思っております。
#69
○川田龍平君 次の質問に移ります。
 民主党のマニフェストや政策集においては、被用者保険と国民健康保険を段階的に統合し、将来、地域保険として一元的運用を図り国民皆保険制度を守るとか、後期高齢者医療制度を廃止して廃止に伴う国保の財政負担増は国が支援するとか、来年度から新しい高齢者医療制度をスタートさせるとか、抜本的な医療保険の一元化に向けた改正を行う決意が書かれています。
 もちろん、全てがそのとおりいくわけではないという御答弁は、子ども手当改め児童手当を始めたくさん、いや、ほとんどのことについてそうなので、完璧を求める答弁は要求するつもりはありませんが、現時点でのプランを具体的に示していただきたいと思います。例えば、被用者保険の一本化の見通しはどうなのでしょうか。後期高齢者医療制度はどうなのでしょうか。いつまでも見通しが分からないことが国民の不安と不信につながっているんです。国民が納得できる現実的かつ具体的な見通しを大臣からお話しいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#70
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員御指摘の民主党のマニフェスト二〇〇九では、国民皆保険である以上、加入する医療保険によって給付や負担に大きな差が生じないように、給付の平等と負担の公平、これを図ることが重要だということで、医療保険制度の一元的運用を通じて国民皆保険を守るということを掲げました。
 御指摘のように、工程表どおり進んでいないということはいろいろな事情から申し訳ないと思っていますが、医療保険制度の一元的運用というのは、必ずしも保険者の統合一本化だけを指すということではなくて、保険者を分立させたままでも保険者機能に配慮をしながら保険者間の助け合いを段階的に進めていくという方法も、経過的にというか段階的にということではあると考えています。
 具体的には、市町村国保について、今回の法改正によって都道府県単位の財政運営をもっと推し進めて保険料の平準化を図るということ、それからまた、被用者保険については高齢者医療の支援金を負担能力に応じて支え合う仕組み、総報酬制にすること、こうしたことを考えています。
 また、御指摘の高齢者医療制度については、高齢者医療改革会議の取りまとめに基づいて、今その関係者の理解を得た上でと、理解を得るために今努力をしている最中ですが、どのような形であれば御理解いただけるのか調整を進めていきたいと考えています。
 その後の一元的運用に向けました取組については、この市町村国保ですとか被用者保険の見直しの施行状況を見ながら、現実に合わせて段階的にその目指したそもそもの給付の平等、負担の公平を図ることに近づけるように最大限努力をしていきたいと考えています。
#71
○川田龍平君 さて、国民健康保険の収納率は低下傾向にあり、自治体によって、二〇一〇年度では島根県で九四・二二%であるのに対し東京都では八三・九〇%というように、非常に格差があります。収納率向上に向けた取組も各種ありますが、口座振替の原則化や多重債務相談の実施といった様々な工夫については実施率が極めて低いです。一方で、滞納処分については、財産調査や差押えなどはきっちり行っている現状もあります。
 収納率が高い自治体が取り組んでいる工夫や知恵を低い自治体に共有するような指導を国としてはしているのでしょうか。しているとすれば、具体的にどのような工夫や知恵があるのかについて教えていただきたいと思います。
#72
○政府参考人(外口崇君) 保険料収納率についてでございますけれども、収納率を高くするための市町村の工夫等としては、これはまず現状を分析しますと、口座振替実施率が高いほど収納率が高い、多重債務者に対する納付相談は被保険者にとってもメリットがあり効果が高いなどの傾向があると考えております。
 このため、市町村に対して、収納率向上と口座振替実施率の関係、これを紹介する、また、口座振替推進に資する事業の実施に対しての財政支援、多重債務相談などの先進的で効果的な収納対策の紹介などを実施しております。
 保険料収納対策には、市町村保険者による努力が大変重要でございます。市町村の現場の意見もよく伺いながら、引き続き収納対策に取り組んでまいりたいと考えておりますし、市町村によくその先進的な取組を周知していきたいと考えております。
#73
○川田龍平君 今回の改正では、市町村国保の都道府県単位の共同事業について、従来レセプト一件三十万円を超えるもののみ対象だったのに対し、全ての医療費に対象が拡大されました。このことによって各保険者の医療費抑制のための取組に緩みが生じる危惧もあると考えますが、国保の健全維持に向けて、医療費抑制を図るために国としてどのようなプランがあるのか、具体的にお示しください。
#74
○大臣政務官(藤田一枝君) 今委員の方からお話がございましたように、今回の改正では、共同事業の事業対象を全ての医療費に拡大することによって市町村国保の財政の安定化と医療費水準等の平準化、これを一層進めることにしております。その際、共同事業の各市町村からの拠出金の半分、これは保険者の実績医療費に比例して算定しているため、引き続き保険者の医療費適正化への努力が反映できる仕組みとなっているところでございます。
 また、医療保険制度の持続可能性、これを確保していくためには、必要な機能の充実を図るだけではなくて、給付の重点化や制度運営の効率化、これを取り組んでいく必要がございますので、病院、病床機能の機能分化そして強化を図ることで長期入院の適正化を推進をする、あるいは生活習慣病予防の取組によって外来受診の適正化を図る、こういった施策に取り組むことによって制度運営の効率化、重点化、これに取り組んでまいりたいと思っております。
#75
○川田龍平君 次に、東京電力福島第一原発の事故による放射能被曝での健康被害に対する問題について質問をさせていただきます。
 私たち参議院の野党七党が三月十四日に提出した平成二十三年東京電力原子力事故による被害からの子どもの保護の推進に関する法律案、これは子供と妊婦を放射能被害から守る法案ですが、第十条で、「国は、平成二十三年東京電力原子力事故により放出された放射性物質による被ばくのおそれがある子ども及び妊婦が医療を受けたときに負担すべき費用についてその負担を減免するため、必要な措置を講ずるものとする。」との医療費減免の規定を入れてあります。これは、政府が放射線被曝、特に低線量被曝に対する健康被害対策を法的に明示された形できちんとしていないのではないかという問題意識、そして被災地を中心とした国民の声を集めたところから出てきた法案です。
 健康被害の未然予防、そして因果関係が明確にできない様々な健康被害が想定されている中、国は健康被害の対策をきちんとする責務があります。政府として、現状では放射線被曝による健康被害対策をどのような形で行っているのでしょうか、また、その現状を踏まえて今後どのように充実させていくつもりなのかお答えください。
#76
○大臣政務官(中根康浩君) 川田委員にお答えを申し上げます。
 今般の東京電力福島第一原発事故に伴う住民の方々の健康に関する安全と安心の確保は政府としても非常に重要であると認識をしております。
 福島県については、福島県民の皆様方の中長期的な健康管理を可能とするため、平成二十三年度二次補正予算により福島県が創設をした福島県民健康管理基金に七百八十二億円を交付したところでございます。福島県は、この基金を活用して、全県民に対して被曝線量を推計するための基本調査を行うとともに、十八歳以下の全県民を対象とする甲状腺検査や避難区域等の住民や妊産婦の方々を対象とした健康診査等の詳細調査から成る県民健康管理調査を行っておられます。
 一方、茨城県、宮城県、群馬県、栃木県など福島県に隣接をしている各県においては、放射線による健康影響についての有識者会議が開催をされ、健康影響が観察できるレベルではないことから、科学的には特段の健康管理は必要ないとの結論が出ていると聞いており、政府としても同様に健康調査は必要ないと考えております。
 一方、今般の原発事故で福島県に隣接している県の住民の方の中に、現在及び将来の健康について大きな不安を抱いておられる方がおられるということは認識をしております。そのため、引き続き、自治体や自治体に設置された有識者会議の判断を尊重しつつ、そうした不安を払拭するためにも、環境モニタリングデータや地元自治体のニーズ等を踏まえて、専門家による説明会の開催など必要な対応について関係府省とも相談をしてまいりたいと考えております。また、平成二十四年度においても、原子力被災者の健康管理に万全を期するため、被曝線量推定、放射線の健康影響調査及び健康不安に対する相談窓口の設置等の費用を当初予算に計上しているところでございます。
 今後とも、住民の方の健康を守るため、政府としても必要な支援を積極的に行ってまいりたいと考えております。
#77
○川田龍平君 是非この健康調査も含めて国の責任で行っていただけるように、是非よろしくお願いします。
 さて、原発事故に限らず、被災地においては保険料を払っても医療提供体制の復旧がままならずに医療アクセスが乏しい現状があり、保険者となる自治体も行政機能が十分立て直せていないところが多い中、国保についての国の支援も九月を最後に打ち切られると聞いておりますが、今後、国としてどのような対処をしていくつもりなのか、現状の説明と今後の方策について、検討段階のものを含めて具体的にお答えください。
#78
○大臣政務官(藤田一枝君) 医療施設の復旧についてでございますけれども、平成二十三年度の第一次と第三次の補正予算で医療施設等災害復旧費補助金を合計で百六十二億円確保いたしまして、公的医療機関や政策医療を実施する医療機関への支援を行っているところでございます。また、被災三県に対してでございますけれども、平成二十二年度の補正予算そして二十三年度の第三次補正予算で合計で一千八十億円、地域医療再生基金の交付を行いまして、民間医療機関も含めて医療機能の回復に向けた支援を今取り組んでいるところでございます。
 それから、国民健康保険でございますけれども、福島第一原子力発電所の事故に伴う国による避難指示等が行われた区域の被災者の方々に対しては、平成二十四年度分の保険料や一部負担金等の免除、そしてそれ以外の区域で住宅の全半壊等の被災を受けられた方の平成二十四年九月までの保険料や一部負担金の免除、こうしたことについて財政支援の対象といたしております。
 また、被災自治体についてでございますけれども、平成二十三年度においては、被災市町村の国保事業の再構築に要する経費を市町村の被保険者数に応じて上限額を定めまして財政支援を行っています。
 具体的には、被保険者証の再発行業務や保険料算定・徴収システムの復旧に要する経費、こうしたものについての支援でございます。さらに、災害の影響によって今後保険料収入額が低くなる市町村、出てくる可能性がございます。こうした市町村に対しては普通調整交付金の増額等によって対応していきたい、このように考えておりまして、これからも被災地の状況に応じた支援をしっかりと行ってまいりたいと思います。
#79
○川田龍平君 最後に、国民健康保険は国民皆保険制度維持の最後のとりでと言えるわけですが、国民健康保険を健全な形で維持し、将来に向けて全国全ての国民にとって公平な医療保険体制を構築することに対する大臣の決意を伺いたいと思います。あわせて、被災者の方々が安心できるメッセージをいただきたいと思います。
#80
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるとおり、国民健康保険制度、これは国民皆保険の基礎でありますし、特に弱い立場の方、これは被災地で困っていらっしゃる方々にとっても、そのための非常に重要な制度だと思っています。
 これまでも取り組んできましたけど、今回の改正は、現在、平成二十五年度までの暫定措置である市町村国保の財政基盤強化策、これを恒久化をすること、また、平成二十七年度から市町村国保の都道府県単位の共同事業の事業対象を全ての医療費に拡大すること、こうしたことによりまして構造的な問題に対応して財政を安定化、強化させることができると思っていますので、こうした取組を通じまして、加入する医療保険によって給付や負担に大きな差が生じないよう、弱い立場の方々にしっかりと配慮した制度になるように更に努めていきたいと考えています。
#81
○川田龍平君 終わります。ありがとうございました。
#82
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 国保は国保料が非常に高くて、それゆえに保険料を払うことができず、保険証を取り上げられたり無保険になったりする人が後を絶たないと、深刻な事態も生まれています。
 全日本民医連がその実態について調査を行っています。
 例えば、北海道、六十四歳の自営業の男性ですけれども、二〇一〇年夏ごろから胃の痛みがあって、でも、お金がないために我慢をして、市販薬で一年しのいできたわけです。いよいよ我慢できなくなって六月に受診した結果、肝臓がん、胃がんの疑いで入院検査を勧めたわけですけれども、仕事と経済的な理由からなかなか承諾しなかったと。医師、看護師そろって再三説得をして、ようやく入院したんですけれども、もう既にがんが全身に転移していて、結局、手を尽くしたけれども手遅れで、もう八月には亡くなってしまうという事態でした。
 こういう事例が昨年一年間で全国で六十七人、うち無保険の方が四十二名、正規の保険証のお持ちだった方が二十五名。これはもう氷山の一角ということで、数十倍の程度の方が経済的な理由によって亡くなっているんじゃないかと民医連は推測をしているわけです。
 大臣、この皆保険の日本で、こういう無保険や保険証取上げ、窓口負担の高さで受診が遅れて死亡すると、こういう事態が現に起こっていることについてどう思われるのか、お聞きしたいと思います。
#83
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員御指摘の、被保険者資格証明書を出している、このことについては、一年以上保険料を滞納している人に対しまして、事業の休廃止ですとか病気など、保険料を納付することができない特別の事情がないことを確認した上で被保険者証の返還を求めて交付をしています。また、平成二十二年度からは、法改正を行って、高校生世代以下の子供については、その健やかな育ちの観点から資格証明書を交付しない取扱にしています。
 この資格証明書の仕組みというのは、市町村が滞納者との接触の機会を確保して、保険料の減免ですとか分割納付も含めた納付相談によって個々の事情に応じたきめ細かな対応を行うために必要なものでありますけれども、御心配になっていることなども含めて、その運用に当たって、引き続き、市町村の窓口で、決して機械的な運用を行うことはしないように、そして個々の世帯について保険料を納付できない特別の事情、これを適切に把握をしてしっかりと対応するようにということが必要だと考えています。
#84
○紙智子君 このような深刻な事態を解決するためには、やっぱり保険料の引下げということが必要なわけです。
 例えば、所得二百万円の夫婦、子供二人の世帯でどうなるかということを試算しました。札幌市では約三十五万円、介護保険料含めると約四十一万円もの保険料で、所得に占める割合が二割近くにもなるわけです。旧ただし書方式の政令市で幾つか計算しましたけれども、さいたま市は約三十万三千円、大阪市は三十二万三千円、福岡は三十四万四千円となります。
 今度の法案でこの高過ぎる保険料の引下げにつながるのかどうか、これ簡潔にお答えください。
#85
○政府参考人(外口崇君) 今回の改正は、財政基盤強化策の恒久化と、平成二十七年度からの市町村国保の都道府県単位の共同事業の事業対象を全ての医療費に拡大することでございます。これらによって、毎年約二千億円の公費が将来にわたり安定的に確保されるとともに、医療費水準が高い市町村の負担が平準化されるなど、市町村国保財政の安定化、強化に資するものと考えております。
#86
○紙智子君 この間やっぱり地方が求めていたのは定率負担の引上げなどの新たな国費の投入であって、地方が国の負担の肩代わりをすることではないというように思うんですね。
 国保の場合、自営業者などの中堅層の負担が重いのが特徴で、二百万の所得で三十万から三十五万、介護保険料含めると四十万前後の負担になるわけです。全体として被用者保険と比べても高い負担感を引き下げることが求められているというように思うんですね。
 ちょっとお配りした資料を見ていただき、線グラフのところを見てほしいんですけれども、この上の線が一般会計の繰入れです。保険者の地方自治体は、高齢化や低所得化が進む中で保険料を引き上げることができずに赤字補填分を含む多額の一般会計の繰入れを行っていて、増加をしているわけです。直近の二〇一〇年では、一般会計繰入れは約四千億円、赤字補填分に限っても三千六百億円になるんです。しかも、近年は地域経済の冷え込みによって財政悪化で赤字が増えて、もう一般会計の繰入れが難しい自治体も増えていて、前年度の赤字を翌年度の収入で補填する繰上げ充用、これも年々増えていまして、下の線、緑の線ですけれども、十年間で二・五倍の千八百億円にもなっているわけです。
 これから団塊の世代が引退をして今後数十年間は医療費がどんどん増えるんじゃないかと予想されているときに、政府としては、消費税増税も伴って新たに国保に投入するというのは僅か二千二百億円というふうになっているわけです。政権交代のときには約束していた九千億円どころか、これ地方の負担が負担している額にも及ばないわけです。
 大臣、これで高い保険料の引下げや国保の構造的な問題を抜本的に解決することができるんでしょうか。
#87
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の社会保障・税一体改革では、税制抜本改革によって安定財源を確保した上で、二千二百億円の公費を市町村国保に追加投入をして低所得者の保険料への財政支援を行い市町村国保の財政基盤の強化を図ることにしています。これによりまして、所得水準や世帯構成によっても異なりますが、機械的に試算をすれば、およそ三千五百万人の国保加入者全体で一人当たり保険料を年額〇・六万円、ですから六千円程度抑制する効果があると見込んでいます。
 また、今回の法案で、税制抜本改革による公費の追加投入までの間に暫定措置として実施している財政基盤強化策を恒久化すること、共同事業の拡大によって財政運営の都道府県単位化を推進すること、こうしたことによりまして市町村国保財政の安定化、強化を図ることにしています。
 またさらに、国民健康保険制度の安定的な運営のためには、こうした措置と併せて医療費の適正化ですとか収納対策の強化などの取組が必要で、今後とも、国と地方の協議を継続をして、地方団体の意見も伺いながら、市町村国保の構造問題に対応していきたいと考えています。
#88
○紙智子君 消費税を上げれば、ただでさえ苦しい家計がより圧迫されて景気全体を冷え込ませることになると思うんです。そうすると、やっぱり収入も抑えられる、悪化することになるんじゃないか、これもちゃんと考えなきゃいけないことだというように思います。
 次に、TPPについて質問いたします。
 TPP交渉で、医薬品について物品の章のところに規定が設けられていることは政府も認めていると思います。政府は、後発品の利用促進などの薬剤費の抑制を政策目標に掲げています。中医協の診療側の委員であった邉見先生が昨年のフォーラムでも、やり残したことの一つとして薬価高止まりの是正ということを挙げたわけですけれども、日本の薬価というのは国際的にも高いと。
 次の資料を見ていただきたいと思います。薬価について、昨年、全国保団連が調査結果を発表しています。御覧のように、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの薬価と比較したものですけれども、この結果によりますと、日本は米国よりは安いものの、イギリスやフランスの約二倍ですね、ドイツの約一・四倍になっています。同じく下の表で、PTCAのカテーテル、冠動脈ステント、ペースメーカーの内外価格差も問題となってきました。昨年の中医協の医療材料専門部会の資料を見ますと、内外価格差は十五年間で縮小したものの、一・三倍から一・九倍の格差が生じているわけです。これらのメーカーの希望価格で、実勢価格で比較しますともっと価格差は開く可能性が高いわけです。
 医薬品や医療材料の内外価格差をやっぱり縮小させて薬剤費の膨脹を抑えるべきじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#89
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘の医薬品や医療機器の適切な価格設定、これは大変重要な問題だと認識をしています。
 このため、新薬ですとか新医療機器を保険収載する際には、外国での価格と日本での価格が大きく乖離することがないよう外国価格との調整を行うことにしています。新薬の外国平均価格との調整方法についてはこれまでも改善に努めてきているところです。近年保険収載された新薬につきましては、おおむね外国平均価格より安く、平均すると外国平均価格に比べ八割以下の価格となっています。ただ、これまでのものを合わせると御指摘のような状況になるのだと思います。また、医療機器につきましても、機能区分制度の見直しですとか価格の再算定の実施などによって内外価格差の是正に取り組んできました。
 医薬品とか医療機器の価格、より適切に設定されるよう、まだ私も取組が十分だとは思っていませんので、今後とも中央社会保険医療協議会などで議論をして、少しでも価格差をなくしていきたいというふうに考えています。
#90
○紙智子君 予算委員会で大臣は、医療材料について海外の病院が調達している平均的な価格で調達できるようにすべきという質問に、御指摘のとおりだというふうにお答えになっています。
 現在の薬価や医療材料の価格決めのルールに、不十分ながらもこの内外価格差を是正するルールが設けられています。外国平均価格調整制度と、不十分ながらも内外価格差の調整が行われている。TPP参加でこの薬価の問題が解決するかどうかというのは大変疑問に思っているわけです。
 外務省にちょっとお聞きしたいんですけれども、二〇一一年のUSTRの外国貿易障壁報告書で、医療機器や医薬品の価格算定のルールについてどういう指摘をしているでしょうか。
#91
○政府参考人(片上慶一君) お答え申し上げます。
 御指摘の報告書では、我が国の医療機器の価格算定制度に関し、市場に革新的な医療技術が導入されることを阻害し続けているとして、内在的な予測不可能性と不安定性を解消するため、医療機器の外国平均価格調整ルールを廃止するか、少なくとも次の隔年の償還価格改定に適用されるルールは、前回適用されたルールよりも負担を大きくしないことを保証するよう求めると指摘していると承知しております。
 また、我が国の医薬品の価格算定制度に関しては、試行的に導入されたいわゆる薬価維持加算についてはその恒久化を求めるとしているほか、市場拡大再算定制度など革新的な医薬品の開発と導入を妨げる他の償還政策を導入することを控えるよう求めると指摘していると承知しております。
#92
○紙智子君 外国平均価格調整制度というのは、内外価格差を調整するルールであります。市場拡大再算定制度というのは、市場拡大に伴うコスト減を薬価に反映するルールです。一方で、薬価維持加算、実際には新薬創出加算制度のことですけれども、高い薬価を一定期間保証するルールなわけです。
 それで、今彼らが言っていることは、高い薬価を維持するルールは残せと、内外価格差やコストの削減を薬価に反映するルールは廃止か緩和しろという全く身勝手な要求なわけです。こんなことを許せば、日本の薬価はますます高止まりをしますし、医療保険財政を圧迫する、国民の健康に重大な影響を及ぼしかねないと。
 大臣、TPP交渉やこの参加に向けての交渉で、薬価や医療材料に関する要求を受け入れることにはなりませんよね。
#93
○国務大臣(小宮山洋子君) 現在、薬価制度ですとか特定保険医療材料制度、これについては、製薬企業など関係者の御意見も聞きながら、公開の審議会であります中央社会保険医療協議会の議論に即して定めています。ですから、仮に御指摘の今後のTPP協定交渉参加に向けた関係国との協議の中で薬価制度等について議論されることになった場合でも、日本の安心、安全な医療が損なわれないようにしっかりと薬価制度等を維持していきたいと、そのように考えています。
#94
○紙智子君 オーストラリアでは、PBSと呼ばれる薬価償還ルールがTPP交渉の俎上に上って大きな問題になっています。それから、お隣の韓国では、FTA、これでジェネリック導入を遅らせることによって結局医薬品の価格が高くなると、HIVなど難治性疾患の患者の強い反対運動が引き起こされました。
 国民の健康の根幹にかかわるルールさえ米国の産業の利益の保証のために制度変更を求められかねないTPP交渉参加というのは絶対参加すべきじゃないということを強く申し上げまして、質問を終わります。
#95
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 都道府県調整交付金のうち一号交付金は多くの都道府県で給付に応じて一律に交付されておりますが、このような一律の交付で市町村間の格差を埋めることができるのでしょうか。
#96
○政府参考人(外口崇君) 現在、都道府県調整交付金については四十七都道府県のうち三十五都道府県が定率で交付をしておりまして、必ずしも十分に財政調整機能を発揮している状況ではないと認識しております。国保の基盤強化については国と地方の協議を開催しておりますが、この協議においても、地域の実情に応じて財政調整機能を発揮することを原則とするという方向性が示されております。
 都道府県調整交付金については、その配分に関するガイドラインを作成しておりますが、今回の改正による都道府県調整交付金の増額に併せまして、国保の基盤強化に関する国と地方の協議において協議した上で、地域の実情に応じて財政調整機能を発揮するようその見直しを検討することとしたいと考えております。
#97
○福島みずほ君 今回、国と県合わせて調整交付金が医療給付費の全体の一八%になるわけです。そして、その調整をどうするかということで、例えば、これは障害者自立支援法やいろんなときにも議論になったんですが、これは衆議院でも議論になっておりますが、乳児医療費無料化、あるいは高齢者、障害者の人たちに関して市町村が独自に減免制度を設けていると、そういう場合に調整交付金が減額をされるということなど起きております。
 今答弁で交付金のガイドラインを見直す予定ということでしたけれども、是非いろんな、障害者や医療費などで頑張っている自治体に対しては、減免をしないで、むしろ逆に応援してほしいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#98
○政府参考人(外口崇君) 地方単独の医療費助成制度等についてでございますけれども、一般的には、医療費の窓口負担を無料化した場合はしない場合に比べて医療給付費が増加してこれに対する国庫負担が増加することになっておりまして、このため、国庫負担については、限られた財源の中で公平に配分する観点から、無料化している市町村についても無料化を実施していない市町村と同じ補助となるように補助額を調整しているものであります。
 この調整措置を見直す場合には、財源の確保や市町村間の公平性の確保など、併せて考えなければならない多くの課題がございます。中長期的な検討課題であると考えております。
#99
○福島みずほ君 せっかくガイドラインを見直すわけですから、是非考えていただきたい。
 確かに、医療費を、乳幼児の医療費の免除をするとか、各自治体で頑張っているところありますよね。そうすると、確かに医療費は増えるかもしれないけれども、医療費が増えたらじゃその分減らすぞってなったら、頑張っている自治体こそ減ってしまうと。これはやっぱりちょっと変じゃないかと。確かに、充実した医療をやれば医療費増えるんですよ。だって、極端に言えば、病院がないところは保険払っていても医療がないとか、離島だと介護保険料払っていても介護をもらえないとかという話ではないじゃないですか。
 頑張っているところを応援する仕組みも必要で、頑張って障害者に関して減免をする、障害者自立支援法に関して頑張って自治体がもっと障害者を応援する、乳幼児の医療費をもっと減免して応援しているというところに関して是非応援をしてほしい。頭の切替えをちょっとしていただきたい。大臣、いかがでしょうか。
#100
○国務大臣(小宮山洋子君) 今もいろいろとその実態に合わせてやっているとは思いますが、委員が御指摘の趣旨はそう思いますので、更に工夫ができるか考えたいと思います。
#101
○福島みずほ君 大臣、ありがとうございます。
 是非、医療費が増えたらペナルティーを科すというのはやっぱりちょっとおかしいんじゃないか。大臣がうんうんとうなずいてくださっていますので、是非これはガイドライン作るときに今までの厚生労働省の行政変えてください。よろしくお願いいたします。
 これまで市町村で積極的に努力をしてきたところもあります。その意欲をそがないようにすることが必要だと考えますが、どのような工夫が検討されていますでしょうか。
#102
○政府参考人(外口崇君) 今回の改正では、平成二十七年度から市町村国保の都道府県単位の共同事業の事業対象を全ての医療費に拡大することにしております。この共同事業の各市町村からの拠出金は、半分は保険者の実績医療費に比例して算定しており、引き続き保険者の医療費適正化への努力分等は反映される仕組みとなっておるところでございます。
#103
○福島みずほ君 これは県単位にするということでスケールメリットが広くなるので、その中での格差を何とかそれで是正していくという点はあるのかなというふうには思います。
 ただ一方で、被保険者の規模の大きい都市は逆に収納率も悪い、あるいは保険料も高いという現状があって、逆に、ある県で、市町村があって、頑張っている市町村があったが、都道府県単位というふうになったときに高い方向に引っ張られると、保険料なども、そういう面もあるのではないかというふうにも思っております。その点についてはいかがでしょうか。
#104
○政府参考人(外口崇君) 都道府県単位の今回の共同事業の影響で高い方に引っ張られることもあるのではないかということでございますけれども、一つは、先ほども申し上げましたように、拠出金の半分は実績医療費に比例して算定しているということがございまして、医療費適正化の努力そのものが続くであろうということがございます。
 また、今回の改正で都道府県による財政調整機能は都道府県調整交付金の増額によりますので、強化されることになりますので、こういった中でも適正にその市町村の努力が報われるような調整は進んでいくのではないかと思います。
#105
○福島みずほ君 ちょっと今までの質問ともかぶる部分もありますが、給付のメニューについては全国ほぼ一律ですが、保険者間での保険料の格差は大きくなっております。このような格差をなくすためにどのような措置が必要だと考えますでしょうか。例えば公費の負担をもっと増やすとか、いろいろなことはどうでしょうか。厚労省としてはどのようにお考えでしょうか。
#106
○政府参考人(外口崇君) 御指摘のように、市町村国保については、小規模の保険者が存在して財政運営が不安定であるという問題がありますし、医療費水準等の格差があるという問題もございます。現在行っておりますのは、都道府県単位の共同事業はこれは一件当たり三十万円を超える医療費についてでありまして、これを今回拡大して財政の安定化と医療費水準等の平準化を一層進めるわけでございますし、都道府県調整交付金の増額によりまして都道府県による財政調整機能を強化するわけでございます。あわせて、税と社会保障の一体改革の中で更なる二千二百億円の公費を市町村国保に追加投入することを考えているわけでございます。
#107
○福島みずほ君 国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議においても、果たして今回の二千二百億だけで足りるのかどうかという議論なども出ております。一つは国民健康保険料がどんどん上がっていっている、それともう一つ目は保険料の格差が大きくなっているという中で、今回の基盤強化が、あるいは厚労省の改革によってその保険料の格差が小さくなっていくように是非お願いをしたいというふうに思っております。
 大臣、この点について、私も国民健康保険ですが、国民健康保険の拡充、拡充というか安定化と、それから格差是正などについての決意を言ってください。
#108
○国務大臣(小宮山洋子君) 今日も先ほどから御議論があるように、特に弱い立場の方にとって国民皆保険制度の中のこの基盤を強化をするということは大変必要ですので、今回も今まで取り組んできたことを更に強化しようとして提案をさせていただいていますが、これは次々とやはり強化をする方法を推進をしていくということだと考えています。
#109
○福島みずほ君 次に、保育所における放射性物質量の検査について一言お聞きをいたします。
 ずっと文科省に対して給食の放射性物質の検査についてほぼ一年近くずっと質問し、少しずつですが、私からすると遅いんですが、少しずつは取り組んでいただいております。ところが、保育所における放射性物質について質問をしたこともあるんですが、正直、この一年間、余りこの点は厚労省は進んでいないというふうに考えております。現在、全国の保育園で、給食の放射性物質についてどのように調査されているんでしょうか。
#110
○政府参考人(高井康行君) 食品中の放射性物質でございますけれども、これまでは暫定規制値を超える食品が流通しないように、必要に応じて、食品衛生法に基づく回収等の措置又は原子力災害対策本部の決定に基づく出荷制限指示が行われているところでございます。その上で、一層の安心を確保するために学校等で給食の検査が実施されている。保育所でも、福島県が本年二月に実施した調査によると、県内十八市町村で既に給食用の材料を検査を実施している保育所があるという状況であります。
 このほか、文部科学省の安全・安心のための学校給食環境整備事業によりまして、十七都県で整備される検査機器、各五台でございますけれども、自治体の判断によって、地域の実情に応じて保育所での給食用食材の検査に活用されることも考えられるというところでございます。
 この検査機器の活用状況を今調査しておりまして、全国の保育所等での給食用食材の検査の実施状況をまとめたいと考えております。
#111
○福島みずほ君 いや、驚くべきことに、全国の自治体に四月十日締切りでアンケート調査をしているんですね。その中で検査機器の導入状況やニーズの調査を厚労省は行っています。余りに遅くないですか。去年三月十一日に原発事故の発端があり、これから自治体のアンケートが四月十日締切りなんですよ。文科省に比べて余りに遅い。でも、ちっちゃい赤ちゃん、ちっちゃければちっちゃいほど放射性物質のことを考えなくちゃいけない。この点についてはいかがでしょうか。
#112
○国務大臣(小宮山洋子君) それは御指摘のとおりだと思います。
 保育所につきましても、幼稚園などと並んで園庭の除染とかそういうことはしてきたんですけれども、そこでの保育所の給食については、これ私も指示をするのが遅かったと反省をしておりますけれども、是非それはもう急いでやらなければいけないという、今度の新しい基準値も本当にお子さんたちの安心ということを考えて決めたわけですので、強く指示をいたしまして、遅ればせではございますが、今年三月に、福島県内の保育所については、安心こども基金を活用して検査機器の整備を可能にするという通知を出させていただきました。
 そして、今局長から答弁をしたとおり、今全国の保育所の調査をしている。これは本当に遅くて申し訳ないと思っておりますが、全力を挙げてなるべく早期に対応ができるように取り組んでいきたいと考えています。
#113
○福島みずほ君 保育園の給食についての放射性物質測定に対して、どのような支援を行っているでしょうか。
#114
○政府参考人(高井康行君) 保育所の給食に関しましての支援でございますけれども、今大臣からお答えさせていただいています福島県内の保育所につきましては、安心こども基金を活用した検査機器の整備を可能とするようにいたしまして、その旨、三月に厚生労働省から通知をいたしております。
 全国の都道府県につきましては、先ほども申しましたように、検査の実施状況を調査中でございまして、その結果を踏まえて必要な措置を検討してまいりたいと考えております。
#115
○福島みずほ君 今答弁があるように、大臣が率直に言ってくださいましたが、アンケート調査をようやくやって四月十日締切りなんです。ですから、福島も三月に安心こども基金でやるとなったけれども、つまり福島以外の保育園については一切厚労省は何の支援もしてこなかったし、調査もしていなかったんですよ。これはやっぱり遅いんじゃないか。
 今のでも、アンケート調査をするけれども、じゃ補助金は出すんですか。
#116
○政府参考人(高井康行君) 財政支援の要望も聞いておりますので、その要望を踏まえた上で検討していきたいと考えております。
#117
○福島みずほ君 いや、アンケート調査をして、補助金出すかどうか決まっていないというのが答えなわけですよね。
 でも、大臣、どうでしょうか、私は文科省に対しても、給食についての調査が遅い遅いと言って随分何度も何度も要請し、大臣、副大臣にも要請し、私からすると遅いんだけれども、しかし第三次補正や予算が付いて、実際検査器を出すってやっているんですね。ところが、この一年間、厚労省は、調査もしていないし、それから安心こども基金で三月に福島に関して指示を出すまで一切何の補助もやっていない。今回のアンケート調査をやっても、じゃ補助金出すかどうかも決めていないんですよ。やっぱりちょっと、一年たって遅過ぎた。でも、これから赤ちゃんとか保育園での給食についてしっかり検査してやっぱりやるように是非お願いしたい。
 この一年間やっぱり赤ちゃんたちも食べたわけで、是非その点についての決意を最後にお願いします。
#118
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほど申し上げましたように、保育所の給食につきましては本当に取組が遅かったこと、申し訳ないと思っていますので、当然調査をするだけでは意味がございませんから、財政支援ができるように、これは財務省と調整をすることも含めて責任を持ってやらせていただきたいと思います。
#119
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。
#120
○委員長(小林正夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#121
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、今議題となりました国民健康保険法の一部を改正する法律案への反対の討論を行います。
 国民健康保険財源の危機的状況は、保険料の高騰をもたらし、それを支払うことができないため、無保険者を生み出し、保険証の取上げも相次いでいます。無保険者や保険証の取上げは受診抑制を招き、そのために病状が悪化し、受診が遅れるなどして死亡に至る例も少なくありません。高過ぎる保険料の引下げや国保財政の改善のため国庫負担の引上げが求められていたのであって、本法案のように、定率国庫負担の割合を引き下げ地方に肩代わりさせるやり方はそれに逆行するものです。地方は、高過ぎる国保料の抑制や危機的な国保財政を支えるために一般会計から四千億円弱の法定外繰入れや一千八百億円を超える繰上げ充用を行っており、これ以上の負担を押し付けることには道理がありません。
 国保財政を広域化して都道府県化は、医療費が増えないのに費用が増加し、保険料を引き上げざるを得ない自治体が生じることになります。国は、都道府県調整交付金の引上げ分を財政調整を充てるといいますが、新たな財政投入抜きに行われる措置であり、結果的に国保の財政状況が良い自治体が悪い自治体を救済する措置にほかなりません。高額医療費共同事業、保険者支援制度の恒久化は評価できますが、定率国庫負担引下げによる国民健康保険への国の財政責任の後退は容認できません。
 以上申し上げ、反対討論を終わります。
#122
○委員長(小林正夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 国民健康保険法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#123
○委員長(小林正夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#124
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト