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2012/07/31 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第9号
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2012/07/31 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第9号

#1
第180回国会 厚生労働委員会 第9号
平成二十四年七月三十一日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月十九日
    辞任         補欠選任
     大島九州男君     森 ゆうこ君
     川合 孝典君     輿石  東君
     赤石 清美君     川口 順子君
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     輿石  東君     川合 孝典君
     森 ゆうこ君     大島九州男君
     川口 順子君     赤石 清美君
 七月十九日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     谷岡 郁子君
 七月二十五日
    辞任         補欠選任
    三原じゅん子君     小坂 憲次君
     谷岡 郁子君     舟山 康江君
 七月二十六日
    辞任         補欠選任
     小坂 憲次君    三原じゅん子君
     舟山 康江君     谷岡 郁子君
 七月三十日
    辞任         補欠選任
     川合 孝典君     石橋 通宏君
 七月三十一日
    辞任         補欠選任
     衛藤 晟一君     渡辺 猛之君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                梅村  聡君
                牧山ひろえ君
                石井 準一君
                中村 博彦君
                渡辺 孝男君
    委 員
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                大島九州男君
                津田弥太郎君
                辻  泰弘君
                西村まさみ君
                柳田  稔君
                赤石 清美君
                大家 敏志君
                高階恵美子君
               三原じゅん子君
                渡辺 猛之君
                秋野 公造君
                川田 龍平君
                田村 智子君
                福島みずほ君
                谷岡 郁子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
   副大臣
       厚生労働副大臣  西村智奈美君
       経済産業副大臣  柳澤 光美君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       津田弥太郎君
       環境大臣政務官  高山 智司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       文部科学省高等
       教育局長     板東久美子君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局次長      渡辺  格君
       厚生労働省労働
       基準局長     金子 順一君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       宮野 甚一君
       厚生労働省職業
       安定局派遣・有
       期労働対策部長  生田 正之君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    山崎 史郎君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      糟谷 敏秀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○労働契約法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十九日、石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として谷岡郁子君が選任されました。
 また、昨日、川合孝典君が委員を辞任され、その補欠として石橋通宏君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小林正夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 労働契約法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省労働基準局長金子順一君外六名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小林正夫君) 労働契約法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小宮山厚生労働大臣。
#6
○国務大臣(小宮山洋子君) おはようございます。
 ただいま議題となりました労働契約法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 有期労働契約は、パート労働、派遣労働を始め、正社員以外の多くの労働形態に共通して見られる特徴になっていますが、有期労働契約の反復更新の下で生じる雇い止めに対する不安を解消していくことや、期間の定めがあることによる不合理な労働条件を是正していくことが課題となっています。
 こうした課題に対処し、労働者が安心して働き続けることができる社会を実現するため、有期労働契約の適正な利用のためのルールを整備することにし、この法律案を提出しました。
 以下、この法律案の主な内容について説明いたします。
 第一に、有期労働契約を一定の要件の下に期間の定めのない労働契約に転換させる仕組みを新たに設けます。具体的には、有期労働契約が通算五年を超えて反復更新され、労働者から転換の申込みがあった場合に、期間の定めのない労働契約への転換が生じることにしています。
 第二に、判例法理として裁判上確立している雇い止め法理を法律に規定して、明確化します。期間の定めのない労働契約の解雇と同様に、一定の場合には有期労働契約の雇い止めを制約する規定を新たに設けることにしています。
 第三に、期間の定めがあることによる不合理な労働条件を禁止します。有期契約労働者の労働条件が、期間の定めがあることによりそれ以外の労働者の労働条件と相違する場合には、その相違が職務の内容や配置の変更の範囲等を考慮して不合理と認められるものであってはならないことを新たに規定することにしています。
 最後に、この法律は、公布の日から施行することにしていますが、有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換と期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止については、公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日から施行することにしています。
 以上がこの法律案の趣旨です。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
#7
○委員長(小林正夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○石橋通宏君 民主党の石橋通宏でございます。
 今日は時間がごく限られておりますので早速質問に入らせていただきたいと思いますけれども、議題となっておりますこの改正案、これは、過去二十年にわたってこの日本で雇用が流動化され、柔軟化されて、そして労働者の安心が失われてきたと、そういう反省に立って、この流動化に歯止めを掛けて、やはりもう一度雇用の安定と、そしてまた処遇の公正公平な在り方をしっかりとつくっていこうと、そういう趣旨でやられている法案ですから非常に日本の将来にとって重要だと、そういう観点から是非質問させていただきたいというふうに思います。
 まず、改正法案の一番のポイントであります五年超の無期転換ルールについて、これが本当に、では雇用の安定化とそして処遇の公正化に結び付くのかという大変重要な点についてお伺いをしたいと思います。
 実は、労働者の皆さんが大変懸念をしておりますのは、とりわけこの十八条の後段にあります同一の労働条件という規定と、そしてまた別段の定めがある場合という規定、この二つの文言が、これがどうも、雇用が無期化したとしても果たして本当に条件の向上に結び付くのか、処遇の公平化に結び付くのかという懸念がこのために非常に持たれているというのが状況だと思います。
 そこで、まず、この十八条後段の同一の労働条件としたこの規定の立法趣旨について再確認をさせていただきたいと思います。お願いします。
#9
○政府参考人(金子順一君) 有期労働契約が五年を超えて反復更新された場合に無期労働契約に転換する権利を設定するに際しまして、期間の定め以外の労働条件を確定する必要がございます。こうしたことから、別段の定めがある場合を除きまして、従前の労働条件と同一の労働条件にすることとしたものでございます。
#10
○石橋通宏君 今御説明をいただきましたように、この同一の労働条件という規定は、労働者がこの十八条前段に規定された、これはいわゆる形成権としての無期転換申込権、これを行使して無期転換をした場合に、雇用の無期化以外の労働条件というのは有期のときとは変わらないんだと、だから賃金などの処遇の労働条件も変えなくていい、変わらない、そういう趣旨での同一の労働条件だという規定だという御説明だったと思いますが、再度、この点、確認させてください。
#11
○政府参考人(金子順一君) 委員御指摘のとおりでございます。
#12
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 そこのところをきちんと国民の皆さんに御理解をいただければ、例えば、職務や職責等の労働条件の内容が有期のときと同一である、にもかかわらず別段の定めというのを設けて例えば賃金のみを引き下げるというようなことはそもそもこの立法の趣旨に反するということだと理解をしたいと思いますが、それで間違いありませんでしょうか。
#13
○政府参考人(金子順一君) この第十八条の立法趣旨を踏まえますれば、従来の有期労働契約と職務の内容などが同一であるにもかかわらず本制度による無期転換後の労働条件をそれまでよりも低下させること、これは無期転換を円滑に進める観点から望ましいことではないと考えております。
#14
○石橋通宏君 今答弁がありましたように、別段を定めて例えば労働条件が同じなのに賃金だけ引き下げるというようなことは、これはそもそもこの法案の改正案が意図したものではないという趣旨をはっきりと今御説明をいただいたということをまずみんなで理解をしたいと思います。
 ただ、一方で、現実の社会を考えたときに、雇用が有期から無期に転換をするということが実際に生じた場合には、そもそも使用者側から労働者に対する要求が高くなるということの方が現実的だと思います。例えば、有期から無期に変わったんだからもうちょっと職責を高くしてくれとか、いろんな職務を果たしてくれとかいう、実際には有期のときと違う職務の内容とか職責が求められるケースの方が実は大半だと、現実的だと思います。
 では、果たして無期転換申込権を行使した際に、あわせて、労働者のその他の労働条件、職務とか職責とかが高くなった場合、そういう場合には当然に賃金とかの処遇もそれに合わせて考慮されるべきだというふうに理解できると思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
#15
○政府参考人(金子順一君) 労働条件の問題でございますので、様々な要素が絡んでまいります。そういうことで、一般論としてあくまでも申し上げることになりますけれども、無期化に伴いまして労働者の職務や責任が増す場合の労働条件、これにつきましては、それに応じて労使で十分協議の上定めていただくことが重要と考えております。
#16
○石橋通宏君 つまり、今の答弁を理解させていただきますと、例えば労働条件が無期化に伴ってより正規の、無期の正社員に近づくような労働条件に合わせて転換をされる、変えていく、そういう状況が起こった場合には、これはやはり当然に賃金その他の処遇の面でもより無期の正社員に近づけるべく努力がされるべきだということで答弁があったと思いますが、ちょっと確認をさせてください。
#17
○政府参考人(金子順一君) 労働条件のことでございますが、とにかく労使の間で十分そういった職責や責任が増しているということを受け止めていただきまして、真摯に御議論をしていただいて労働条件を決めていただくことが大変重要だというふうに考えております。
#18
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 つまり、この別段の定めがある場合という規定がありますけれども、今の御説明からいっても、この法案の趣旨は、今回の法案が成立した暁には、これはやはり労使できちんと無期化に際しての転換ルール、さらには、より望ましい形でいえば正社員化のルールを含めて、より安定的な雇用がしっかり、そして処遇もより公正公平な処遇が実現をされるように、是非労使でしっかりと協議をして、そしてルールをきちんと定めてほしいと、そういう趣旨でこの別段の定めがある場合という規定が置かれているんだということがそもそもの立法趣旨で、政府の思いだというふうに理解をさせていただきたいと思いますが、この点を是非、政府の見解をお願いをいたします。
#19
○大臣政務官(津田弥太郎君) 石橋委員にお答えを申し上げたいと思います。
 私事ですけれども、私が所属をしておりました金属産業の関係でいいますと、こうした事例の場合どういう扱いになるかなということを想定するわけでございますが、恐らく、無期化になると同時にいわゆる中途採用と似たような形で位置付けをして、一定の期間を設けて正社員の労働条件との整合性を図っていく、当然職務の内容もスキルアップをしていくということになるだろう、これが常識的なやり方になっていくのではないのかなということを想定をするわけでございます。
 今、石橋議員が御指摘をされたように、無期化に伴って労働者の職務や職責が増すように変更される、これは当然そういう流れになることが、働く側も、それから使用者側も期待をしているというふうに思うわけでございますが、当然それに伴って当事者間あるいは労使で十分な話合いが行われて、この新たな職務や職責に応じた労働条件を定めていただくことが望ましいことであるというふうに考えているわけでございまして、十八条のこの別段の定めという条文も、こうした趣旨に沿った規定であるというふうに考えております。
#20
○石橋通宏君 ありがとうございます。是非、そういう積極的な形でこの別段の定めというのを徹底をしていただいて、政府としても是非そういう方向に行くように、引き続き努力をお願いをさせていただきたいと思います。
 次に、十九条の関係の雇い止め法理の条文化について、一点確認をさせていただきます。
 この十九条には、満了後遅滞なくという、これは判例法理にはなかった要件を新たに課しているということが課題になっております。現実の社会では、労働者というのはこの雇い止め法理なんていうものに対する認識がほとんどないのが現実です。つまり、期間満了して雇い止めに遭って、そして、ああ、どうしようといっていろんな弁護士さんとか労働相談機関に相談をして初めて、ああ、それでイコール解雇じゃないんだということについて気付いて何らかのアクションを取るというケースがほとんどだと思います。
 その意味で、この遅滞なくという文言が意味するところが非常に大きな問題になるわけですけれども、衆議院の厚労委員会で、これは期間満了後でもいいという政府答弁があったと思います。これはつまり、遅滞なくといっても合理的な理由があればその限りで遅れは許されるんだという理解でよろしいということだと思いますが、この点、政府の見解をお願いいたします。
#21
○政府参考人(金子順一君) 遅滞なくという法令用語の意味でございますけれども、これは、一般的には正当な又は合理的な理由による遅延は許容されるものと解されております。
 遅滞なく申込みしたかどうかという最終的な判断ということになりますと、個別の事情に即して判断されることになりまして、具体的な基準をお示しすることはなかなか難しいわけでございますが、期間満了の日から本条の申込みをするまでの期間が社会通念上許容される範囲にとどまるものであれば、ここで言う満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合に該当するものと解されます。
 議員から御指摘のあったような例におきましても、労働者が雇い止めに納得できず、遅滞なく弁護士等の専門家に相談し、その助言を受けて直ちに申込みをするに至った場合であれば、これに該当する場合が多いものと考えております。
#22
○石橋通宏君 ありがとうございます。
 労働者のそれぞれのケースというのは非常に多岐にわたりますので、数日後に知る場合もあれば、それに一定の、数か月要する場合もあると。まさにその個々の事情を考慮してと今答弁がありましたので、そういう様々な事情もしっかりと考慮をしていただけるということだったというふうに思います。
 時間がありませんので、一点、統計データの関係で確認をさせていただきます。
 これも衆議院の厚労委で、今後の統計の整備、これ、政策の効果をしっかりと確認するためには統計の整備が必要だということで御答弁がありまして、総務省統計局の労働力調査、さらには就業構造基本調査をしっかりと有期のデータを取っていくんだという答弁がありました。
 しかし問題は、就業構造基本調査は五年ごとの調査であり、また、さらには労働力調査というのはサンプル数が非常に粗い、あらあらの推計です。これではなかなかしっかりとした動向調査というのが、把握というのができないのではないかという問題があります。
 是非、厚労省としてしっかり予算確保して、この統計調査については確実に政策効果が把握できるような形でしっかりとしたデータを取っていくんだということを出していただきたいと思いますが、この検討をお願いできないでしょうか。
#23
○政府参考人(金子順一君) 議員から御指摘ございましたように、総務省におきまして、今年の秋以降順次、就業構造基本調査、労働力調査について、有期労働契約にかかわる調査項目を新たに加える方向で検討が行われると承知しておりまして、これによりまして有期労働契約の実態をより明らかに把握することが可能になるものと考えております。
 また、重ねて議員から御指摘ございましたが、厚生労働省といたしましても、改正法の効果を検討するために、有期契約労働者の無期転換や雇い止めの状況などにつきまして、有期労働契約の実態把握のために必要な調査の実施を検討してまいりたいと考えております。
#24
○石橋通宏君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 大変残念ながらもう時間が来てしまいましたので、最後に大臣に一言お伺いをしたいと思いますが、繰り返しますけれども、今回のこの法案というのは、日本の雇用が本当に余りに流動化し過ぎてしまった、不安定化し過ぎてしまった、それが今の私たち国民の、皆さんの国民の生活を壊してしまっているのではないかと。多くの国民が、とりわけ若者が将来に希望を持てない社会になってしまっているのではないか、それがやはり日本の今の経済とか社会にとって大きなリスクになってしまっていると。そういう認識の下で、やはり雇用というのは本来無期の直接雇用であるべきだと、そういう認識の下で、やはり日本の将来に向けての大きな一つのステップをもう一回踏み出していくんだという位置付けの非常に重要な法案であるというふうに思っています。
 是非、小宮山厚生労働大臣から、政府のこの点についての御見解と今後の更なる取組についての決意を一言お願いをして、私の質問を終わりたいと思います。
#25
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員御指摘のとおり、非正規雇用が非常に増え、特に若い人たちがそれによって結婚もできない、子供も持てないというような状況は何としても改善しなければいけないと考えています。労働者が希望する働き方で安心して働くためには、やはりおっしゃるように、雇用の基本は期間の定めのない直接雇用であること、また、どんな働き方をしていても公正な処遇が行われるということが大事だというふうに考えます。
 この法案では、無期転換のルールですとか不合理な労働条件の禁止などを規定をしています。処遇の改善とか、正社員に向けたステップとなる内容の法案だというふうに考えています。
#26
○石橋通宏君 終わります。
#27
○石井準一君 おはようございます。自由民主党の石井準一です。
 労働契約法に関する質問に先立ちまして、故今井澄先生に思いをはせ、大臣に、社会保障と税の一体改革についてまずはお伺いをいたします。
 今井先生は誰からも敬愛をされ、病と闘いながらも最後まで国会議員としての職責を全うされた政治家であります。今井先生の志は、今日の利害よりも将来に備えるために党派を超えてこの国の未来を考えようというもので、今井先生は生前民主党に所属された政治家ではありましたが、私も志を同じくする者として尊敬を申し上げているところであります。
 今回、社会保障と税の一体改革をめぐり、六月十五日に民主、自民、公明党において三党合意がなされました。関連法案の成立に向け環境が整備されたことは、将来への責任を自覚した超党派の議員による決断として、これまで特別委員会にお越しをいただいた参考人の方々からも高い評価をいただいており、私自身も大きな意義を感じているところであります。
 そして、この関連法案について、参議院においては七月六日に委員会が設置をされ、昨日まで約五十三時間に及ぶ審議が行われ、明日は名古屋、宇都宮で地方公聴会が開催をされます。また、昨日の特別委員会において、八月の六日、八月の七日の両日、中央公聴会の日程も議決をされました。現在も精力的に議論がなされております。
 これまでの審議を通じ、社会保障と税の一体改革について、大臣、どのように感じておられるのか、またどのような考えなのか、改めて大臣の見識、決意をお伺いをしたいと思います。
#28
○国務大臣(小宮山洋子君) 初めに、石井委員から今井澄さんのことを言っていただいて、本当にありがとうございます。私も今井さんからは、私も参議院に最初おりましたので、本当に多くのことを学ばせていただきました。超党派での年金の話合いとか、いろんなことも御一緒させていただきました。
 そして、参議院での一体改革の審議ですが、今委員から御紹介あったように、三党の修正案の提出者も含めて、本当に各会派から意義のある、深みのある質疑が行われているというふうに考えています。
 一体改革をめぐりましては、増税先行というような御批判もありますけれども、この審議の中では年金や子育て、そしてまた医療、介護などにつきましても非常に深い議論が行われているというふうに思っています。三党で、とにかく一歩前に進めるためにいろいろと話合いを重ねて修正案が作られましたので、その修正案の提出者の御協力もいただきながら、参議院での審議に全力で対応いたしまして、一体改革法案の成立に向けて引き続き全力を挙げていきたいというふうに考えています。
#29
○石井準一君 私自身も、この特別委員会、財政の健全化と社会保障の機能強化、これは一見するとその目的、相反するように見えますが、双方実現する、我が国の持続可能な社会保障を確立する上で重要かつ必要なことであると認識をしております。これからもしっかり取り組んでいただきたくお願いを申し上げる次第でございます。
 しかし、このような真摯に特別委員会で審議をなされているさなか、七月二十七日の特別委員会において我が党の礒崎陽輔議員より、デンタルサポートグループの診療報酬不正請求に関連をして、寒竹郁夫社長と野田総理の関係並びに週刊誌で報道された事案についての指摘がなされました。外口、大谷両政府参考人より、現在状況の確認を行っているところであり、不正請求の事実関係を詳しく調査をし、不正があった際には厳正に対処するとの答弁がなされましたが、その後の状況はどうなっているのか、また、大臣としてどのように感じておられ、指導したのか、その認識をお伺いをしたいと思います。そして、この問題が事実ならば、大臣としてしっかり取り組むべきだと思いますが、決意をお伺いをしたいと思います。
#30
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘のデンタルサポートグループの事案につきましては、その後の調査で、現時点で分かっているのは、関連する診療所の数が、廃止されたところも含めてですが、七十五か所あるということ、不正請求で取消処分を行った事例はないことが判明をしています。引き続き、状況の確認に努めていきたいと思っています。
 そして、もし万が一何か不正なことがあれば、それは当然厳正に対処をするということだと考えています。
#31
○石井準一君 仮に、不正請求が多額で悪質だった場合、医療機関はどのような処分を受けることになるのか、また、警察に告発するようなことはあるのか、医師免許はどうなるのか。これはやはり多くの国民の関心事だと思いますので、その辺を明確に答弁をいただければ有り難いと思います。
#32
○国務大臣(小宮山洋子君) これはあくまで一般論としてお答えをいたしますけれども、仮に、監査などの結果、診療報酬等の不正請求の事実が明らかになれば、その悪質性などによっては保険医療機関等の取消処分となることがあります。また、極めて悪質性が高いケースについては警察当局へ告発をするということもあります。また、保険医の登録が取り消された場合には医師法上の行政処分の対象となりまして、具体的には医道審議会の意見を聞いた上で処分を行うことになります。
#33
○石井準一君 引き続き、しっかりと状況の確認をしていただく中で御報告をいただければと思います。
 それでは、労働契約法について質問をいたします。
 六月十九日に開催をされました本委員会の一般質疑で、私は、労働法制、雇用政策全体の観点から、労働契約法の予習として、既に成立をしている労働者派遣法との関係などの分かりにくい部分、有期労働契約から期限の定めのない労働契約の転換の考え方、他法との関係等について質問をいたしました。
 今回は、衆議院での質疑を踏まえ、改正案の内容について、課題や問題点について具体的に質問していきたいと思います。まず、現政権の雇用政策の基本的な考え方について確認をしていきたいと思います。
 民主党政策集、インデックス二〇〇九では、期間の定めのない雇用、直接雇用を雇用の基本原則と位置付けして云々とあります。逆に言えば、非正規雇用、有期雇用は例外的な雇用形態と位置付けをしております。
 一方で、現実の働き方は、既に大臣も認識されているように非常に多様であります。正社員、アルバイト、パートタイム、また、不況時に正社員になれずに不本意に非正規という形で就労されている者もあれば、自分のライフスタイルに合わせた働き方として非正規、有期契約雇用という選択をされている方々もおります。
 このような多様な働き方が存在する中で、民主党政権の雇用政策との整合性はどのように取るのでしょうか。まずは確認をしていきたいと思います。
#34
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員もおっしゃったように、有期労働契約、これは、いろいろな多様な雇用機会を確保できるという面ですとか、業務量の変動への対応に一定の役割を果たしているとは思います。ただ、一方で、有期労働契約は雇用が不安定だという様々な問題があるということも事実です。
 政府としましては、こうした問題に対応して、有期労働契約が長期間反復更新された場合には、その濫用的な利用を抑制する必要があるということで、雇用の安定を図るために今回の法案を提出をしています。
 他方で、御指摘のとおり、二〇〇九年の民主党の政策集、インデックス二〇〇九では、いわゆる入口規制が盛り込まれていました。入口規制は、これは有期労働契約の在り方を考える上で大変重要な視点ですので、平成二十二年からの労働政策審議会の審議でも、この入口規制は重要な論点の一つでした。で、御議論をいただいたんですが、法案に盛り込むという結論には至りませんでした。
 こうした経緯に基づきまして、労働者の雇用の安定、これを一歩でも前進をさせるということで、公労使で一致して取りまとめられた法案を提出をしたということでございます。
#35
○石井準一君 次に、労働契約法との整合性を取る形で派遣法における期間制限の考え方を業務から人へと転換させる方向で見直しを行うことについて、お伺いをしていきたいと思います。
 派遣労働者には、労働者派遣法に基づく労働者保護の規定が適用されると同時に、有期契約の派遣労働者の場合は労働契約法の適用もあります。今般の契約法改正法案では、期間の定めのない契約への転換について、個々の有期労働者の契約そのものに着目した上で、いわゆる五年ルールを適用することとされております。
 一方、派遣労働では、常用代替防止の観点から、専門二十六業務以外は派遣先の同一業務について三年を超える派遣が禁止をされ、今般の法改正により、三年を超えて同一業務に労働者を受け入れた場合、派遣先が当該派遣労働者の雇入れを申し込んだものとみなすこととされているが、これらの規定の整合性をどう考えるのかという疑問が発生をいたします。
 個々の労働者の契約そのものの期間を通算するという契約法改正法の考え方と、業務に受入れ期間制限がある労働者派遣法との考え方で、異なる取扱いとすることで現場が混乱するということが危惧をされます。
 そこで、今後、派遣法の附帯決議に基づき、専門二十六業務に該当するかどうかによって派遣期間の取扱いが異なる現行制度について、見直しに向けた検討が行われることになっております。この見直しにおいて、期間の定めのない契約への転換に関し、業務ではなく労働者の個々の契約に着目をして期間通算する労働契約法の考え方も踏まえ、派遣制度についても、業務ではなく労働者としての人に着目をした制度に見直すことが制度の整合性、分かりやすさ、労働者の保護の観点から見てもよいと考えますが、この点について、政府として今後の見直しをどのように行うつもりか、見解をお伺いをしたいと思います。
#36
○政府参考人(生田正之君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、労働者派遣の専門二十六業務に関する制度の在り方につきましては、今国会で成立させていただきました改正労働者派遣法に関します当委員会の附帯決議におきまして、派遣労働者や派遣元、派遣先事業主に分かりやすい制度となるように速やかに見直しの検討を開始するとされております。
 この制度の在り方につきましては、今後、まずは学識経験者で構成されます研究会、その後、労働政策審議会の場で一から議論していただく予定にしておりますが、その際には、ただいま石井委員からいただきました、人に着目した制度に見直すべきとの御意見も参考にしまして御議論いただくことになると考えております。
#37
○石井準一君 しっかりと取り組んでいただきたくお願いをいたします。
 次に、派遣労働者が無期転換した後に個別の派遣契約が終了してしまった場合の取扱いについて、衆議院では、その場合の整理解雇の考え方について、業務や就業形態が限定されている派遣労働者については、その判断に当たっては、通常正社員と当然に同列の判断がされるということにはならないものと考えるとの答弁がありましたが、派遣労働者については通常の正社員と具体的にどのようなことが異なる判断がされると考えられるのか、再度確認をしたいと思います。
#38
○政府参考人(金子順一君) 解雇の可否は個別の事情に応じて判断されるものでございますから一概にお答えすることは困難ではございますが、一般に、派遣労働者の方については従事する業務があらかじめ限定をされているということ、それから、派遣先での就業を前提とした雇用でございまして、派遣元事業所で同種業務が行われているとは限らないこと、こういった特別な事情がございます。
 こうした事情があることにつきましては解雇の合理性の判断に当たって考慮され、担当業務を限定せずに派遣元事業所に雇用されている派遣労働者以外のいわゆる無期契約労働者の方と当然に同列に判断されるということにはならないものと考えているところでございます。
#39
○石井準一君 非常に判断が難しいんではないかなというふうに危惧をされるわけでありますけど、こうした面もしっかりと指導していただきたくお願いを申し上げる次第でございます。
 次に、派遣会社としては、キャリアを継続してもらうために、無期転換後は別段の定めを設けて、労働条件をある程度援用させて就業機会を確保するということも必要になろうかと思われます。しかし、これでは登録型派遣の特徴である派遣労働者が派遣先、仕事を選ぶ権利が制約されるのではないかと思われるが、それは雇用を継続させる観点からある程度権利が制約されるのやむないという考えでよいのか、また、派遣労働者が提示された仕事を自らニーズに合わないからと断り、他の派遣もないということも考えられるが、それは解雇理由とされるのかどうか、この辺を明確にお答えをいただければと思います。
#40
○政府参考人(金子順一君) 今議員から御指摘がございましたのは、登録型派遣労働者についてこの無期転換をした場合にどういう扱いになるのかと、こういうことでございました。
 これも御指摘がございましたが、登録型の派遣労働者につきましては、自らの都合や希望に合った派遣先を選択するとともに働く期間も選択できる働き方となっている面がございますけれども、無期に転換した場合には期間を定めずに派遣就業する契約ということに相なるわけでございます。
 このため、就業規則などで、例えば就業場所は一定の範囲内で派遣元が指定するといったようなことを別段の定めとして規定されているようなときには、無期転換後におきましては派遣元が指定した一定範囲内で就業することとなり、そういう意味では、その結果、働く労働者が派遣先を選ぶことができにくくなるという事態が生ずるものと考えます。
 一方、このような別段の定めがないということになりますと、派遣先と派遣元との派遣契約が終了したときに、もうその場所で派遣就業を継続することができなくなるわけでございますので、この場合には雇用の継続を図る観点から派遣元の方で他の派遣先を開拓していただくことが基本となるわけでございます。
 この場合に、無期転換をしたその派遣労働者が合理的な理由なく派遣就業を拒否したような場合には、そのことが解雇というような事態に至ったときには、解雇の有効性の判断においても考慮されるものと考えております。
#41
○石井準一君 そこで、改正案の周知徹底が必要になってくると思いますが、今回、雇い止め法理が法律で明確化されることとなりましたが、判例法理をそのまま法定化するという建議に基づいて規定がなされていることもあって、どのような場合に雇い止め法理が適用されるということになるのかについては具体的に明らかでない場合も多いと考えられます。
 そこで、雇い止め法理の適用を必要以上に恐れて有期労働契約の更新をちゅうちょしてしまう企業が増え、雇用の不安定化を招くことも考えられます。このため、雇い止め法理がそのまま法制化されたものであるということを周知徹底させるとともに、雇い止め法理の適用に係る裁判例などを分かりやすく周知をしていただきたいと思います。
 さらに、派遣業界については、派遣先を含む三者関係の下で、労働者派遣法と労働契約法の両者が適用されることから、業界団体とも連携して、説明会の開催等も含め、広く周知をしていただきたく、また、労働者側から法令の解釈や運用に関しての問合せも丁寧に説明、御指導いただきたいと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
#42
○政府参考人(金子順一君) 改正法で新設をされます第十九条でございますが、いわゆる雇い止め法理を制定法化したものでございます。これは、成文法化に当たりまして、この判例法理の内容を忠実に条文化をするということで措置をしたものでございまして、従来の雇い止め法理の内容や適用範囲が変更されるものではないというふうに考えております。このことにつきましては、大変重要な点でございますので、法案成立後、解釈通達やパンフレットなどで誤解を招くことがないよう明確にしますとともに、関連する裁判例などにつきましても十分周知を図ってまいりたいと考えております。
 また、もう一点、労働者派遣法と労働契約法に関する関係につきましてのお尋ねがございました。
 これはそれぞれに独立に適用されるものではありますが、本法案が成立した場合には、労働契約法に基づくこの無期転換ルールと労働者派遣法に基づくルールが正しく理解されるよう、説明会の開催なども含めまして、また、関係の業界とも連携をしつつ、事業主に対する周知などに努めてまいりたいと考えております。
#43
○石井準一君 改正案の周知徹底は徹底的に行っていただきたくお願いを申し上げる次第でございます。
 ちょっとまだ時間がありますので、今後の課題について、通告はしておりませんが、見解をお伺いをしたいと思います。
 労働政策審議会では、有期労働契約は合理的な理由がない場合には締結できないような仕組みとするいわゆる入口規制の問題、労働基準法第十四条が定める一回の契約期間の上限の見直しなどが今後の課題として残されております。また、さきに述べた有期労働が常態化している業種への影響や無期転換への申込権の行使とその企業経営等への影響等も現時点では不透明であります。
 これらの点については、法施行八年を経過した後に検討規定が設けられておりますが、場合によっては柔軟な対応も必要と考えます。その点について、最後にお伺いをしたいと思います。
#44
○政府参考人(金子順一君) まず、入口規制の関係でございますが、これは労働政策審議会での今回の見直しの議論の過程でも、合理的な理由がない場合には有期労働契約を締結できないような仕組みを導入してはどうかということで検討をされたわけでございます。しかし、最終的には、このようなルールにつきましては、有期労働契約を利用できる合理的な理由に当たるかどうかという辺りをめぐって紛争が多発することや、あるいは雇用機会が減少するのではないかとの懸念も表明されまして、措置をすべきとの結論に至らなかったものでございます。この結論に基づきまして法案を提出した次第でございます。
 それから、二番目の点でございますが、平成十五年に成立いたしました労働基準法の一部を改正する法律案の附則で、契約期間の上限を一年から三年に延ばす規定について、その施行状況を勘案しながら検討を加えるというふうにされておりましたけれども、この検討結果はどうかということでございます。
 労働政策審議会での議論といたしましては、実態調査の結果なども踏まえまして議論をいたしましたが、現行の規制の見直しの有無については引き続き検討することが適当ということで、今回特別な措置は講じなかったところでございます。
 それから、施行後八年の検討のことでございますけれども、附則の検討規定は、無期転換ルールについて、実際に無期転換が初めて生ずる時期から三年を経過した場合、すなわち施行後八年を経過した場合に、その施行状況を勘案しつつ検討を加え、必要な措置を講ずることとしております。
 一方で、施行後八年ただ見守るということではなく、無期転換ルールの施行後の企業実務の変化等につきまして注意深く観察するとともに、企業が正しく改正法の内容を理解してしっかりと雇用管理の見直しに取り組んでいただけるよう、改正法の成立後速やかにその内容の周知に取り組みたいと考えております。
#45
○石井準一君 最後に要望して質問を終わりたいと思います。
 前回も質問いたしましたが、今国会で成立をいたしました改正労働者派遣法と本法律案との関係、上限五年で雇い止めの懸念、逆に、研究職のようなプロジェクトごとに雇用契約を結び様々なプロジェクトに参加することが労働者のスキルアップにつながるというような職種に対する対応の必要性など、様々な課題が浮き彫りになってきました。この点もしっかりと取り組んでいただきたくお願いを申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#46
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てますように質疑に入りたいと思います。
 労働契約法の質疑の前に、北部九州を襲いました豪雨災害による対策について二つお伺いをしたいと思います。被災をされた皆様方にお見舞いの言葉を申し上げたいと思います。
 週末に阿蘇を訪ねました。観光地の災害復旧ということで少し様相を異にしておりましたので、少しそこについて伺いたいと思います。たくさんの方が被災をされておりまして、復旧に当たっての瓦れきの処理の支援については法人とそして住家ということで分かれているわけでありますが、こういった観光地には住み込みで働いている方もたくさんいらっしゃいます。
 ここで環境省に伺いたいと思います。豪雨により被災された一般家屋から排出される災害廃棄物は環境省の災害廃棄物処理事業の補助金の対象となるが、事業所内にある社員寮から排出される災害廃棄物は補助対象となるか、見解を伺いたいと思います。
#47
○大臣政務官(高山智司君) 秋野委員にお答えいたします。
 環境省が持っておりますこの災害等廃棄物処理事業費補助金は、通常の生活が営まれている場所から生じた災害廃棄物を対象としております。このため、社員寮等における居住部分に関しましては、事業活動から切り離された通常の生活が営まれる場所というふうに認識しておりますので、当該部分から生じた災害廃棄物の処理については災害等廃棄物処理事業費補助金の対象になると考えております。
#48
○秋野公造君 ありがとうございます。
 災害時にはホテルなどに五十人とかいう形で宿泊客がおりました。河川のはんらんにより孤立をしている状況では避難所に案内をするということは適切ではないというような状況を考えますと、ホテルなどは周辺の住民も含めた避難所のような役割を果たしました。
 ここで伺いたいと思いますが、災害救助法においては旅館やホテルなどを避難所として活用することはできますでしょうか。見解を伺いたいと思います。
#49
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 旅館やホテル等を被災者のための避難所として活用した場合には、災害救助法の国庫負担の対象となります。今回の九州北部豪雨におきましても、その旨、災害救助法が適用された直後に被災県に対し通知するとともに、市町村に担当者を派遣しまして直接説明を行ったところでございます。
#50
○秋野公造君 一般住民の方の避難だけではなく、観光客がそういったホテルなどにいらっしゃる、そういう形で避難をしているということをもっともっと普及をしていただきたいと思います。
 委員長の許可があれば、環境省の高山政務官と山崎局長は退出していただいても結構でございます。
#51
○委員長(小林正夫君) それでは、高山政務官、山崎社会・援護局長、退席されて結構でございます。
#52
○秋野公造君 それでは、労働契約法の一部を改正する法律について質問をさせていただきたいと思います。
 若年者雇用は非常に深刻な状況であります。今回の法律改正が若年者雇用、そして正規雇用化に大きくつながっていただきたいと願うわけでありますが、厚労省に伺いたいと思います。
 無期労働契約への転換が、特に若年者に対して正規雇用へのステップとなると考えていますか。なるとするならば、どのような理由で正規雇用のステップとなるとお考えになっているか、まずは厚労省の見解を確認したいと思います。
#53
○政府参考人(金子順一君) 改正後の第十八条のいわゆる無期転換ルールに関する規定でございますが、これにつきましては、有期労働契約を長期にわたり反復更新をしている場合に、無期転換をすることによりましていつ雇い止めになるか分からないという雇用不安をなくして、労働者にしても、そういった雇い止めを恐れずに権利行使が適切にできるというようなことで安心して働き続けることができるようになるものと考えております。
 この無期転換により雇用が安定した結果、継続的な能力形成も容易になるものと考えておりまして、また、使用者との交渉力も向上することになるだろうということで、処遇の改善、ひいては正社員に向けたステップアップにつながるものであって、この無期転換ルールはまさに正社員化推進の基盤になるものと考えております。
 特に若い方への問題でございますが、この無期転換ルールは、新卒時に思うように就職がかなわなかった学卒未就職の方や、最初に就職をしたけれども早期に辞職してしまったという若年の方などにとりましても、この有期労働契約をステップとして無期雇用、正社員への道を広げることにも寄与し得るものでございまして、若年層の非正規への固定化を防ぐ意味も有するものと考えているところでございます。
#54
○秋野公造君 不安がなくなるという観念的なことだけでなく、そういう若者にとって手に職を付けていくということにつながるということであれば、本当に意味があることだと思います。
 ということであるならば、無期転換後の働き方についてもしっかり方向性を示していくということが重要になってくるかと思います。そういう意味では、企業内の能力形成を進めるためには、多様な能力開発をしっかり行っていただくとともに、勤務における公正な評価といいましょうか、選別の裏付けとなるような能力評価制度といったものが必要ではないかと私は考えますが、これは大臣の見解、伺いたいと思います。
#55
○国務大臣(小宮山洋子君) やはり今回の法案で目指しているところからしましても、委員がおっしゃるように、無期転換をした後の労働者がどうやって能力を付けてステップアップをしていくかというところが一番大事なところだというふうに思います。
 そういう中で、今働き方が多様になって企業の中での能力開発というのがなかなか今までのように機能していない中で、それをしっかりと評価をする仕組みをつくるということは大変大事だと思っています。労働者自身にとっても、それから企業が企業内のその職務配置などを円滑に行うためにも、これは大変重要なことだというふうに思っています。
 このため、平成十四年度から、仕事に必要な知識ですとか職務上の行動例、これを体系的に整理をしました職業能力評価基準、この整備を進めています。今後とも、職業能力を適正に評価されるように取り組んでいきたいと思っています。
 さらに、厚生労働省としまして、無期労働契約への転換が円滑に進むように、有期契約労働者ですとか無期転換後の労働者のスキルアップに取り組む事業主への支援を今考えているところです。
 また、業種ごとの実情に応じた無期転換モデル事例、これを開発、収集をして周知広報をすることなど、必要な政策の対応をしっかりと行っていきたいというふうに考えています。
#56
○秋野公造君 無期労働契約に転換した後にやっぱり手に職を付けていただくような仕組みにならないと、これは本当に無期になっただけで、若者にとっては何の変化もないということがあり得るわけですが、どこまでも正規雇用を進めていくという観点で、これは答弁は結構でございます、御提案だけしておきたいと思いますが、正規雇用を進めるという観点でトライアル雇用制度に有期実習型訓練を併用していただくことを御提案をさせていただいて、すぐに実現をしていただきました。これは、どこまでも正規雇用に、手に職を付けて正規採用につなげるために大きな役割を今後も果たしていくことになるかと思いますけれども、無期労働契約になった後の若者にもこういったような有期実習型訓練みたいなものを組み合わせるような仕組みをどうか検討していただきたいと思います。
 となると、今の大臣の御答弁でありますと、この別段の定めがない限り従前の同一労働条件で働くという項目については、これは能力アップを図るに当たってこれでは不十分ではないかと私は考えるんですが、厚労省の見解を確認しておきたいと思います。
#57
○政府参考人(金子順一君) これ、従前と同一の労働条件といいますのは、無期転換をした場合に雇用期間以外のものをどうするかということについて、無期転換の際のルールとしてこういう規定を置いてあるわけでございます。ただ、今議員から御指摘ございましたけれども、無期転換した後に労働者の方が技能を蓄積していく、能力を高めていくということに取り組んでいただければ、それに応じて報酬というものも上がっていくと、そういうような形を実現していくことが大事だと思っておりますので、そのための様々な支援につきまして私どもとしても考えていきたいと思っております。特に、無期転換の後どういう雇用管理をしていくかといういい事例のようなものを集めて積極的に発信をしていきたいと、こんなふうに考えております。
#58
○秋野公造君 よろしくお願いしたいと思います。
 ちょっと心配なことを一つ聞いておきたいと思いますが、例えば厚生労働科学研究におきましては、リサーチレジデントということで、三年程度研究に携わっていただくことによって正規の研究者に育っていくような役割もあるわけです。こういったことが、ずっとリサーチレジデントのまま働き続けている方も中には実態としていらっしゃるということになりますが、この厚生労働科学研究のリサーチレジデントなどの形で研究者が今有期雇用をされている現状も、この法律が成立した暁には、五年を超える契約を行った時点で無期雇用になると考えてよろしいか、例外はないと考えてよろしいか、厚労省の見解を伺いたいと思います。
#59
○政府参考人(金子順一君) 御検討いただいておりますこの法案におきましては、無期転換の申込権につきましては、同一の使用者との間で締結した有期労働契約の契約期間の通算が五年を超えることとなる労働者に、その有期労働契約の初日から転換申込権を付与するというふうにしております。このルールについては、今御指摘のありました研究職とか、そういった職種による例外は設けていないところでございます。
#60
○秋野公造君 となると、これはリサーチレジデントの制度が結果としてなくなってしまわないように、大臣に強く要望をしておきたいと思います。
 となると、ちょっと混乱をするのではないかと思われるのが、先ほど石井委員からもありましたが、研究職の話だと思います。先ほど流動化を止めるための法律というようなお話もありましたが、流動化させることを前提として制度設計がなされた例えば国立大学法人などにおいては混乱が起こり得るのではないかということを私は心配をしています。
 まずは、ちょっと実態を確認をしておきたいと思います。国立大学法人、あるいは大学法人でも結構でありますが、任期制を採用している大学法人の状況、教えていただけますでしょうか。
#61
○政府参考人(板東久美子君) お答え申し上げます。
 文部科学省が平成二十一年度に行いました調査によりますと、大学における教員の任期制の導入状況につきましては、国立大学については八十六校中八十六校、一〇〇%ということでございます。それから、公立大学につきましては七十七校中五十校、約三分の二ということでございますし、私立大学についても五百八十九校中四百六十四校と、約八割ということで、大学全体でも約八割の大学において導入が行われているという状況でございます。
#62
○秋野公造君 となりますと、大学というところは、正規採用という言い方が、雇用という言い方が適切かどうか、ちょっと私も混乱をしてきましたが、皆さん有期雇用で働いているということになるかと思いますが、じゃ、ちょっと伺います。
#63
○政府参考人(板東久美子君) もちろん、今お答え申し上げましたのは導入している大学の数ということでございますので、教員の数ということではございません。教員はその一部が有期で雇用されているということでございます。
#64
○秋野公造君 では、任期制で採用されている教員や研究者も含めて、そして、先ほどお話もありましたが、プロジェクト研究により採用されている有期研究者の方々により構成をされているというような仕組みを考えますと、有期契約が反復更新されて五年を超えるような状況になった場合、こういった大学などでも無期労働契約に転換をしていくということになるか、確認をしておきたいと思います。
#65
○政府参考人(板東久美子君) 先ほど厚生労働省の局長からもお答えがありましたように、今回の法律につきましては、研究職とか教員といったような例外というのは設けられていないというふうに承知はしております。
#66
○秋野公造君 少し角度を変えて、平成十九年に総合科学技術会議から示された、博士号取得後の研究員、ポスドクを五年以内にというような提言がありました。
 いろんなとらえ方があるんだと思います。正規採用をしっかりさせていきなさいという意味なのか、それとも五年で期限を区切ってしまいなさいという意味なのか、ちょっとそこは、その評価はともかく、こういった今回の労働契約法の改正を受けて、この総合科学技術会議によって示された方針を文科省は今後どのように対応していくおつもりか、伺っておきたいと思います。
#67
○政府参考人(渡辺格君) お答え申し上げます。
 科学技術振興の観点から、研究者が多様な研究環境で経験を積みネットワークや視野を広げるため、また必要とする人材を結集しプロジェクト型の研究を推進できるよう、研究者の雇用について一定の流動性を確保することが求められるというふうに考えております。
 ポスドクなど若手研究者は、こうした研究の現場を支える重要な役割を担っており、我が国の研究活動の活性化の大きな原動力となっていると考えております。このため、若手研究者にチャンスを与えるとともに、不安定な雇用を防止しながら多様なキャリアを開発し、研究者の人材育成、確保を図ることが重要と考えております。
 先生御指摘の平成十九年の総合科学技術会議有識者議員による提言は、こうした状況を踏まえ、ポスドクが研究者として出発し将来の進路を見極める期間であるとして、博士号取得後五年程度とし、人材の社会的好循環を構築するよう提言したものというふうに受け止めているところでございます。これらを踏まえ、文部科学省としては、テニュアトラック制の導入やキャリアパスの多様化等の支援を行っているところでございます。
 今後とも、これらの取組により、若手研究者の安定した研究環境を整備するとともに、合理性のない雇い止めの防止等、改正法の適切な運用が行われる中で、研究活動に必要な人材の流動性を確保し、研究者の人材の好循環を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#68
○秋野公造君 となると、やっぱり一定の流動性を前提として制度設計がなされているこういった大学などの機関によって、この労働契約法が与える影響というのは少なくない可能性があります。
 これによって研究が後退してしまうとか教育が後退してしまうとか、そういうことが絶対あってはいけないわけでありますが、文科省にとって今後どのようにしていくおつもりか、方針を伺っておきたいと思います。
#69
○政府参考人(板東久美子君) 今議員御質問のように、このことが流動性を阻害をするということになってはいけないと思いますし、また一方で、更新をされていく今まで形態を取っていたものが今まで以上に短い期間で雇い止めになるというような実態が生じてもいけないというふうに考えているところでございます。
 文部科学省といたしましては、今回の法改正が、先ほど御指摘のように、研究現場で適切な形で円滑に運用されていくかどうかということは非常に重要であるというふうに思っておりまして、厚生労働省と連携をしながら労働契約の運用の適切な在り方についての検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
#70
○秋野公造君 大臣、ちょっと文科省は少し混乱をしているような印象、一生懸命頑張ろうとしていらっしゃるものの、やはり少し混乱をしているような印象を受けます。
 そういった意味では、改めて、同じ質問になってしまうかもしれませんが、これ、業績などの評価の基準をしっかり作っていくということ、そして無期雇用を前提としながらも、使用者において的確な人材育成や選別というんでしょうかね、そういういい人材をしっかり集めていくような仕組みをしっかりつくっていくことが改めて重要と考えますが、大臣の見解、最後に伺っておきたいと思います。
#71
○国務大臣(小宮山洋子君) そうですね、全体としては、ずっと申し上げているように、やはり有期契約よりも無期の方が雇用が安定をしますし、全体としては能力を開発していくためにもそれは適切な在り方だと思いますが、今御指摘の、大学などでの研究開発の分野を含めまして現場が混乱しないように、今局長もありましたように、いろいろ連携を取りながら可能な対応をしていきたいと思っています。
 先ほどちょっと申し上げた、なるべく無期労働契約への転換が円滑に進むように、今いろいろな企業の支援などをしたいと思っているんですけれども、例えば、正規雇用への転換ですとか人材育成、処遇改善など、キャリアアップに取り組む事業主にハローワークによる指導の援助や助成など総合的な支援ができるように考えていますので、そういう中で研究開発の現場にも適した指導、援助の在り方についてもまた協力をしながら進めていければというふうに思っています。
#72
○秋野公造君 恐らく、事業所内での人材育成の在り方、ここに尽きるような気がいたしますので、どうか混乱がないように、QAなどもしっかりつくっていただきながら対応をお願いしたいと思います。
 終わります。
#73
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 今回の法案で、雇い止め制限法理を条文に明文化すること自体は良いことですが、しかし実際の判例と条文との間に違いがあります。有期労働契約が更新されるとの合理的期待が満了時になければいけないという、法令にはない規定を入れなければいけない理由が分かりません。衆議院の答弁では、雇い止めされた有期労働契約の満了時に至るまでのあらゆる事情を総合的に勘案して判断されておりますとのことですが、あらゆる事情というのは具体的に例えばどういう事情があり得るのかを御説明いただけますでしょうか。
#74
○大臣政務官(津田弥太郎君) 川田委員にお答えを申し上げます。
 これまでの裁判例では、雇い止め法理の適用の可否は、その雇用の臨時性あるいは常用性、それから更新の回数、雇用の通算期間、それから契約期間管理の状況、これ手続になると思いますが、それから雇用継続の期待を持たせる言動、これは当然、その当事者間での様々な言動があるだろうと思います、あるいは制度の有無、こういうことを総合的に考慮をして個々の事案ごとに判断されるというふうに承知をいたしております。
#75
○川田龍平君 この衆議院の答弁では、訴訟提起の有無にかかわらず適用されるルールとして、紛争となっていないケースに対しても条文がどのように影響するかを踏まえた条文とする必要があるとしていますが、結局は同様の事例で裁判に持ち込まなければならず、雇い止めになった労働者を苦しめる結果になるのではないのでしょうか。裁判がどれだけ大変か身をもって知っている身としては、このことは大変気になります。
 大臣、裁判が起きても仕方がないということなんでしょうか。
#76
○大臣政務官(津田弥太郎君) お答えを申し上げたいと思います。
 御指摘の答弁というのは、この改正後の第十九条において、労働者の更新又は締結の申込みを要件として規定したのは、期間満了時に使用者も労働者も何もせずに円満に退職する場合にまで更新承諾みなしを発動させることは適当でないためである旨の答弁を述べたものであります。
 雇い止めに関する紛争は、必ずしも裁判に持ち込まなければならないものではないと考えております。すなわち、雇い止めの法理が法律に明記されることで、使用者が合理的理由のない雇い止めを回避する行動を取ることが促進をされる、また、法の趣旨を踏まえた労使の話合いが促され、企業の実情に応じた無期転換の自主的ルールの整備が進むことが期待をされているわけでありまして、私、先ほど石橋委員の質問にも答えましたけれども、当然、例えば中途採用というような位置付けに持っていくような話合いが行われていくことが期待されているわけでございます。
 このように、雇い止め法理の立法化は紛争の予防につながる効果があるというふうに考えております。
#77
○川田龍平君 ありがとうございます。
 次に、有期雇用を無期雇用に転換するルールについてですが、これによってどれだけの有期雇用の労働者が無期雇用になるのか。政府としては数量的な面での提示が現段階ではできないそうですが、大変無責任と言わざるを得ません。四年と十一か月で雇い止めといった例が続出したらどうするのでしょうか。現段階で示せないならば、いつなら示せるのでしょうか。期限を決めて、いつまでに一定の目標値に達しない場合にはこういう対策をするといった具体的な計画を考えていないのでしょうか。どのようなめどをお持ちなのかをお教えください。
#78
○大臣政務官(津田弥太郎君) 有期契約労働者が約千二百万人ということでありまして、勤続年数が五年を超える方の割合が約三割ということでございまして、掛けると約三百六十万人が五年を超えて有期労働契約を反復継続している実態、今、今日の実態がそういうことであるというふうに試算をいたしております。
 そこで、この無期転換ルールを導入した場合に、通算契約期間が五年の時点で雇い止めされる有期契約労働者が生じる可能性は、これは否定できません。しかし、どの程度の雇い止めが発生するか。選択肢としては、有期でそのまま続けるケース、それから雇い止めのケース、当然無期になるケース、こういう三つぐらいのコースが想定をされるわけですが、これを定量的に予測するということは大変困難ではないかというふうに考えております。
 厚労省としましては、無期転換の権利が生ずる直前の雇い止めをできる限り抑制する、これが大変大事なことであると思っておりまして、希望する労働者がより安定的な無期労働契約へ円滑に転換できるように支援をしていきたいというふうに考えております。
 先ほど大臣からも答弁をさせていただきましたけれども、無期転換後の労働者の正規雇用への転換、人材育成あるいは処遇改善などキャリアアップに取り組む事業主への支援、ハローワークによる指導、援助や助成などの総合的な支援など、必要な政策対応を検討、実施していきたいと考えております。
#79
○川田龍平君 さて、次の改正は八年後となりますが、この無期雇用への転換が五年でいいのか、クーリングが必要なのかなど、また議論していくことになるかと想像しますが、どのような検討を今後していくのでしょうか。また、省令に落とし込むことがなるべくないよう条文の中にきちんと内容を書き込むことが大事だと思いますが、その点も併せてお答えください。
#80
○大臣政務官(津田弥太郎君) 御指摘の改正法附則第三項の検討規定、新設される第十八条の規定、すなわち無期転換ルール全体が見直しの対象となるわけでございます。また、今回、クーリング期間の規定につきましては、内容が非常に複雑かつ技術的な内容を含むものであることから、要件の基本的な部分を法律に明確に定めた上で、技術的な細目を省令に委任することにしたわけでございます。
 労働契約法は、労働契約の民事的効力を規律する基本法でございます。今後の労働契約法の改正では、川田委員御指摘のように、今回を前例としない、できる限り法律で要件と効果を書き切るという基本的な考え方で対応してまいりたいと考えております。
   〔委員長退席、理事梅村聡君着席〕
#81
○川田龍平君 次の質問ですが、クーリング期間を認める理由として、五年で離職した労働者が再び半年以上空けて再就職できるようにとの趣旨の説明をされていますが、同じ企業に半年以上空けて勤めるというのは具体的にどういう場合を想定しているのでしょうか、お答えください。
#82
○大臣政務官(津田弥太郎君) お答え申し上げます。
 有期契約労働者の雇用の実態というのは様々で、千二百万人いらっしゃるわけでございます。例として、育児や介護といった労働者側の事情により離職をした後にそうした事情が解消して、過去の職務経験を生かすために同じ会社、企業に復帰しようとする、そういうケースがあるだろうというふうに思います。また、生産の減少、いわゆる忙しいときと忙しくないときというような事例、そういった使用者側の事情により離職をした後、また仕事量が増えてきたとか生産量が増えてきたというようなことで、再び前と同じ仕事をしていただいた方に復帰をしていただくというような例があるというふうに考えております。
#83
○川田龍平君 みんなの党では労働基準法の改正案を準備しています。それは、雇用形態を理由とする賃金についての差別的取扱いの禁止を条文に追加するものです。無期雇用になった場合、従前と同じ待遇にするとなっていますが、同一労働同一賃金を徹底して正社員と同様にすることをなぜしないのでしょうか。
#84
○大臣政務官(津田弥太郎君) 有期労働契約の雇用が不安定であり、雇い止めを恐れて年休取得等の権利を十分に行使することができないといった課題を解消することがまずもって重要であるというふうに考えます。今回の改正では、その視点に立って、まずは無期転換により雇用不安をなくし、労働者としての権利行使も容易にして、安心して働き続けることができるようにする、このことが大変重要だと思っております。
 川田委員の御指摘も十分に理解ができるわけでございまして、公労使の議論では、こうした考えの下、検討がなされたわけでございます。無期転換後の労働条件は別段の定めがある部分を除き従前と同一の労働条件にするという無期転換ルールが合意されたということについて、是非御理解を賜りたい。ステップ・バイ・ステップで上げていくということでございまして、まずは最初のステップがこういう段階だということでございます。
#85
○川田龍平君 この労使交渉で賃金を決めるだけということでは、政府はこの同一労働同一賃金を目指すということは一切ないのでしょうか。あるのであれば、具体的にどうやって目指していくのかを大臣にお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#86
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の法案に盛り込まれました期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止、このルールに違反する場合には無効ないし損害賠償の対象になると考えていまして、そのような意味で、無期契約労働者と有期契約労働者の均等待遇の推進、同一労働同一賃金に向けた一歩になると、あくまで一歩だということは認識をしています。
 また、パートタイム労働者の賃金の待遇につきましても、働き方が正社員と同じであるパートタイム労働者に対して差別的な取扱いを禁止する、また、全てのパートタイム労働者に関して、多様な就労実態に応じて正社員と均衡の取れた待遇の確保に努めるよう求めていますし、今回まだ、今法案を準備しているんですが、なるべく均衡から均等に近づけるようにということは、私からも強くそこのところは言っているところです。
 さらに、六月二十一日に労働政策審議会から今後のパートタイム労働対策について建議をいただきましたので、この法案作業を進める中で、均衡からなるべく均等にという考え方はしっかりと維持をするような形で速やかに提出をしたいというふうに考えているところです。
#87
○川田龍平君 省令の改正で有期労働契約の更新の判断基準を明示させるようにするとのことですが、厚労省としては判断基準についてどのようなものを想定しているのでしょうか。これぐらいは最低限書かなければいけないといった模範例のようなものがありましたら、お教えください。
#88
○大臣政務官(津田弥太郎君) 更新の判断基準についてでございますが、この有期労働契約を締結する労働者が契約期間満了後の雇用継続の可能性についてできるだけ予見しやすい客観的なものであることが望ましいというふうに考えております。
 この契約更新の判断基準として用いる要素、一つには、契約期間満了時の業務量がどうなっているか、あるいは勤務成績や態度はどうか、あるいは能力はどうか、会社の経営状況はどうか、従事している業務の進捗状況がどんな状況であるかというようなことが考えられるだろうというふうに思います。これまでもモデル労働条件通知書等でその明示を推奨してきたところでございまして、今回もそのように取り組んでいきたいと考えております。
   〔理事梅村聡君退席、委員長着席〕
#89
○川田龍平君 小宮山大臣は少子化担当大臣でもありますが、正規労働に就けずに低賃金が続くことで若年層が将来低年金になったり、低収入により結婚や出産に踏み切れずに今少子化をもたらしているという傾向に、現状についてどう取り組んでいくのか、決意を述べていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#90
○国務大臣(小宮山洋子君) 持ちたい人が持ちたい子供を持てる、そのためには、今、川田委員がおっしゃいましたように、やはりきちんとした職に就いて、収入がないと結婚もできない、子供も持てない、そういう若者がいるということは、本当にこれは日本の将来にとっても、それぞれの方にとっても大きな問題だというふうに考えています。
 その中で、まず安定した職に就いていただくために、若者の雇用については相当力を入れて今までも取り組んできていまして、新卒者に対して全国の新卒応援ハローワークなどでジョブサポーターがきめ細かに伴走型で支援をすること、これによりまして、ジョブサポーターによる就職者の数が昨年は十六万人を超えています。また、フリーターなどに対してハローワークでやはりきめ細かに就職支援をするということと、また、今トライアル雇用、これがかなり活用されて正規雇用に結び付いているので、これにも力を入れたいと。昨年、フリーターなどの正社員の就職者の数が二十五万人ということなので、更に力を入れたいと思っています。また、この度、若者雇用戦略を作っていますけれども、その中で、学校とハローワークがしっかり連携をするということ、また、今年度、大学などへジョブサポーターによって派遣をしまして相談窓口をつくるとか、出張して相談をする、そのようなこともしていますので、しっかりとそこに盛り込んだ施策を実行していきたいと思っています。
 また、今回の一体改革の中でも、非正規の方のこの格差をなくしていくということで、短時間労働者に対する社会保険の適用拡大などもしてきていますので、いろいろな面でやはり今までその目配りが高齢な方についてよりも足りなかったその若い人たちに向けて、就労の促進ということも社会保障の改革の大きな柱だと思っていますので、しっかりと取り組ませていただきたいと思っています。
#91
○川田龍平君 終わります。
 実態に基づいて是非しっかりやっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
#92
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 この労働契約法案については、各労働団体やあるいは日本弁護士会など法曹界からも抜本的な修正を求める意見あるいは本法案の撤回を求める意見、多数寄せられています。これからの働き方というにとどまらず、日本社会全体に大きな影響を及ぼすこういう重要な法案を僅か二時間程度の審議で採決をしてしまうと、このことにまず強く抗議をしたいと思います。
 法案審議の前提として、まず大臣にお聞きいたします。
 日本の雇用の在り方について、私たち日本共産党は、正規雇用、期限の定めのない雇用が基本であり、有期契約というのは合理的な理由がある場合の例外的な雇用形態であるべきだと考えています。ところが、現在、国家戦略会議フロンティア分科会では日本のこれからの経済や雇用の在り方について議論が行われていて、その中では、今後の日本の雇用は有期雇用を基本とすること、あるいは四十歳定年制などが主張されています。
 労働行政の責任者として、大臣は正規雇用が基本であるという立場をお取りになるのかどうか、お答えください。
#93
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほどもお答えいたしましたけれども、やはり雇用の在り方の基本は期間の定めのない直接雇用であるということだと思っています。また、どのような働き方であっても公正な処遇が受けられるということが大事だと思っています。
 今回の法案は、もちろん理想の形ということからすれば一歩ということかもしれませんけれども、無期転換のルールですとか不合理な労働条件の禁止ということを盛り込んでいますし、そういう意味では、その処遇の改善や正社員に向けたステップアップとして一歩前進できる内容だと思います。
 そして、後段でおっしゃいましたフロンティア分科会の報告ですけれども、これはいろいろなところで多少やはり誤解を受けている、政府としての発表の仕方ももう少しそこはきめ細かに丁寧にやるべきだったのではないかと私も思っていますけれども、これは各界を代表する有識者からの提言ということで、有期を基本とした雇用契約、それからまた先ほどおっしゃった四十歳定年制というのも、あれは七十五歳まで働くことを前提にして一つの在り方として考えられるという表現だったと思いますが、様々な角度から有識者の見識として問題提起をしていただいたものだと承知していますので、これが直ちに政府の方針となるわけではありません。これは、二〇五〇年の日本のあるべき姿ということで、個々の考え方を自由に述べていただいたものだと思っています。
 厚生労働省としましては、現在の有期契約労働者が置かれた状況から、この無期転換ルールなどを内容とするこの法案を提出をいたしましたので、まずはその一歩としてこの成立に御理解をいただきたいと思っています。
#94
○田村智子君 十五分しかありませんので、短めにお願いします。
 無期直接雇用が望ましいというのであれば、有期雇用を限定的にする法制度、これどうしてもつくらなければ駄目なんですよね。しかし、その決定的な施策であるいわゆる入口規制、これは労政審では労働者側と企業側の意見が対立したままで法案に盛り込まれなかったと。
 衆議院の審議で大臣は、入口規制は有期労働の在り方を考える上で重要な論点だという認識を示しました。一方で、この法案は、見直しは施行から八年後だと。このままでは、有期雇用は更に拡大しかねないというか、していきますよ。これにどう歯止めを掛けるつもりなのか、八年先のことでいいのか、どうしようとしているのか、端的でいいですから、お答えください。
#95
○国務大臣(小宮山洋子君) これは、入口規制というのは大事な論点だということは先ほども申し上げました。ただ、今回、先ほども幾つか理由を申し上げましたけれども、労働政策審議会の中では今回盛り込むという結論に至らなかったということなので、今回はその建議に基づいて法案を提出をいたしました。
 八年が長いということは、結局、五年たったら契約、今度は無期に転換というので、それがスタートするのが五年後なんですね。それから三年後の見直しということなので八年ということになっていますが、その間にも何もしないということではなくて、必要なことはしっかりと対応していきたいというふうに考えています。
#96
○田村智子君 やってもらわなければ困るんですけれども、何がやられるのか全く分からないんですね。
 有期雇用の期間五年を超えて雇用契約が結ばれた場合、その契約の終了までに労働者が申し出れば無期雇用に転換すると、これは確かにこの法案の核心です。この無期雇用への転換までに何年掛かるのかということが大変重要な条件になるわけですね。衆議院の議論では、何で五年なのかと問われて、やっぱり労政審で五年だったからと、これしか示されない。労働者にとって大変重要な問題です。
 法律にする以上は、五年とした根拠をもっとまともに説明すべきだと思いますが、いかがですか。
#97
○副大臣(西村智奈美君) 無期転換までのルールの要件を通算契約期間が五年を超える場合といたしましたのは、有期労働契約の反復更新による濫用を防止する必要があるというその一方で、有期労働契約が雇用機会の確保などに一定の役割を果たしていることとのバランスを慎重に考慮したものであります。
 労政審の議論では、具体的な年数については、これは委員御指摘のとおりいろいろ議論がございました。労側からは一年から三年、使側からは七年から十年との意見がありましたけれども、最終的には、公労使一致の建議として五年で合意がされたものでございます。
#98
○田村智子君 まるで折衷案で五年だと言わんばかりの法案なんですね。こんなことに労働者の人生、左右されたらたまらないと思います。
 雇い止めの裁判などを闘ってきた労働組合からは、有期雇用の上限が五年というふうにされれば、企業はますます労働者を使い捨てしやすくなるんじゃないかと、こういう指摘があります。今は、判例などから、三年を超えての雇い止めは裁判に訴えられたら負けるかもしれないと、それで企業は二年十か月とか二年十一か月での雇い止め、こういうケースがたくさんあります。しかし、これは企業にとっても、三年足らずで雇い止めにすると、せっかく仕事の技能を身に付けたところでいなくなっちゃう、言わば悩みの種でもあったわけですね。それが五年になれば、仕事を身に付ける、それなりの成果も上げる、更に次の労働者に技能や知識を伝授するということまで可能になってしまう、五年というのはそういう期間なんですよ。
 となれば、これからは五年で労働者を入れ替える、これスタンダードになる。こういう事態を起こさない歯止めはどこにあるんですか。
#99
○副大臣(西村智奈美君) 今回は、雇い止め法理が法律に明記されるということになります。使用者が合理的理由のない雇い止めを回避する行動を取ることがこれによって促進されるほか、その趣旨を考慮した労使の話合いが促されると、これも十分期待されることであります。企業の実情に応じた無期転換の自主的ルールの整備が進むことも期待されます。
 改正法が成立した際には、法律に明文化されたこの雇い止め法理の趣旨と内容について周知徹底を図っていきまして、現場の労使にしっかりとそこは浸透させていきたいと考えています。
#100
○田村智子君 これ、雇い止め法理って強制力はないわけですよね。
 それで、これもう既に起きているんです。
 株式会社シャノアール、これ、シャノアールやベローチェ等の喫茶店を全国展開している企業ですけれども、全国のチェーン店で約五千人の非正規雇用の労働者が働いています。このシャノアールは、今年三月、突然、社内通達で、有期雇用の労働者に対して契約期間三か月の更新は十五回を上限とすると、入社契約時から通算で四年の勤務をもって満了という方針を全ての店舗に徹底しました。現在四年を超えて働いている方々は、全て来年三月で雇い止めにするという方針です。
 七年以上働いてきたAさん、直接お話をお聞きしました。これまでは更新の上限はなかった、なぜ来年三月までなのかと管理職に問い合わせたと、そうすると、法律の改正に伴うものだと聞いていると、こういう説明をしているんです。Aさんは、お店の立ち上げから働いて、いいお店にしたいと意欲的に働いてきて店長代理にまでなっていると、自分は働き続ける意思だからこの不更新条項は認めないということでサインしていない、だけど、サインしなかったら仕事を失うかもしれないと泣く泣くサインをしている同僚を目の当たりにしているわけですね。
 大臣、この労働契約法が変わるということで、既に五年を超えないように雇い止めをするという新しい動きが起こっています。法施行後五年の話じゃないんです。八年の話でもないんです。こういう企業の対応は看過するわけにはいかないと思いますが、いかがですか。
#101
○副大臣(西村智奈美君) これは裁判例の一般的な傾向を申し上げるわけですけれども、一旦労働者が雇用継続への合理的な期待を抱いていた場合に、使用者が更新年数あるいは更新回数の上限などを一方的に宣言したことによって労働者の雇用継続への合理的な期待が失われることにはならないということだと裁判例の傾向からは申し上げることができます。
 また、あらかじめ設定された更新上限に達した場合でも、他の労働者の更新の状況など様々な事情を総合判断して雇い止めの可否が決せられるというのが、またこれ裁判例の傾向であるというふうに考えております。
 ですので、不更新条項を入れさえすれば雇い止め法理の適用が排除されるといった誤解を招くことがないように、従来の判例法理が変更されるものではないということを解釈通達などを通じて周知徹底を図ってまいりたいと考えています。
#102
○田村智子君 現に新しい動きで、今まで不更新条項なんか入れていなかった企業がこうやってやっているんですよ。
 例えばこのシャノアール、労働者が労働局などに訴えていったら、これ指導できるんですか。どうですか。
#103
○政府参考人(金子順一君) 個別のことでいろいろ御相談があれば、これは民事ルールでございますので我々の労働基準監督機関として指導するという性質のものではございませんが、総合労働相談コーナーなど、そういったことへの対応に当たって、労働局や労働基準監督署に窓口を設けておりますので、そういった相談があった場合には適切に対応していくことになると思います。
#104
○田村智子君 これ、労働基準法違反だったら労働基準監督署が捜査権を持って会社に入ることもできるんですよ、是正指導を強く行うことできるんですよ。だけど、非正規の労働者はそういう範疇にも入っていない。
 今回雇い止め法理を法制化したと言うけれども、これはどういうことかといったら、裁判で訴えたときに有利な条項が一つ法律の中にできましたよというだけのことなんですよ。今言ったみたいに、個別に訴えれば相談に乗ります、あっせんはやります。強い指導さえできないんですよ。私たち、入口規制もない、しかも五年だけじゃない、二年十一か月の雇い止めを止めることもできないと、これで何で一歩前進と言えるのかということを大変怒りに思うわけです。
 もう一つ、クーリングの問題についてもお聞きします。クーリング、有期労働の契約期間を五年超えさせないために、五年たちそうになったら半年間期間を置いてまた有期契約やると。これを繰り返すということは自動車産業などで何回もやられてきたことです。マツダ自動車などでは、同じ作業をしているのに、有期の直接雇用、次には請負、それから派遣会社と転々と労働者を移転させて転籍させてまた戻すと、こういうやり方やられてきました。トヨタでも、二年十一か月で一旦雇い止めは当たり前と。労働者は、次に雇ってもらえるというときに連絡欲しいから、労働者から往復はがきを会社に出して、会社側も経験者は使い勝手がいいからと、半年ほど期間が空いたらそろそろ来ませんかとその往復はがきが戻ってくると、こんなこと繰り返しているんですよ。まさに労働者の使い回しです。
 一体、このクーリング期間、無期転換を回避するためにやっては駄目だということですけれども、じゃ、企業が無期転換を回避する目的でやっているのかどうか、そうじゃなくて合理的な理由があるのかどうか、一体誰が判断するんですか。労働者はどこに告発とか申告とかできて、労働行政の側はどういう是正指導ができるのか、お答えください。
#105
○副大臣(西村智奈美君) 雇い止め法理の適用を回避するために有期労働契約の反復更新の上限を設定するといったようなことは違法ではありませんが、継続的な能力形成を進める観点からは可能な限り避けていただくことが望ましいと考えております。
 今回の改正を契機として、まずは有期契約労働者の雇用管理の在り方について労使でよく話し合っていただいて、無期転換を含めた社内制度への改善への取組が進むことを期待しておりますし、また、先ほど局長が申し上げましたように、個別の事例になりますれば総合労働相談の窓口等々で対応をさせていただきたいと考えております。
#106
○田村智子君 ということは、労働者が訴え出るということはできるんですか、できないんですか。誰が判断するのか、もう一度お答えください。
 このクーリング期間の置き方は無期を回避するためだと、無期転換を回避するためだと、これは誰が判断するんですか、お答えください。
#107
○政府参考人(金子順一君) 最終的に紛争になった場合の最終的な判断ということになりますと、裁判での判断ということになろうかと思います。その前の段階で紛争が生じたことをできるだけ防止するために、いろいろな指導、助言でございますとか、そういったことに関しましては総合労働相談コーナーなどにおきまして適切に対応してまいりたいと考えております。
#108
○田村智子君 非正規労働者の皆さんはいっぱい裁判で闘っているんですよ。闘って闘って、物すごい苦労して、だからこういう裁判が、法律に生かしてほしいんだと、こういう思いで闘っている方いっぱいいらっしゃる。結局裁判で闘えと、私、これでは一歩前進なんてとても言えないと。
 まだまだ質問したいことを私半分残しているんですよ。全く時間足りない。こんなんで採決すべきじゃない。主張して、終わります。
#109
○委員長(小林正夫君) 委員長から傍聴の方へお願いをいたします。
 審議の妨げになる行為は慎んでいただきたいと思います。
#110
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。労働契約法の改正について質問をいたします。
 これ五年、これから五年でまたカウントを始めるということなんですが、現に日本では一千二百万非正規労働者、有期の人たちの人数も大変多い。それでこれから五年でカウントということは、もう少し、現在ある人たちが五年やっていればもう無期に転換できるというふうにすべきではないですか。
#111
○政府参考人(金子順一君) 無期転換制度についての施行のタイミングの問題だと思いますけれども、この無期転換ルールは改正法の施行日以降に契約又は更新する契約から適用する、つまり施行日以降五年のカウントをする仕組みになっております。施行日前の契約期間から始まる労働契約から適用いたしますと法律上は遡及適用という取扱いになりまして、既に発生、成立している状態に対し法令が後からルールを設け法律関係を変更するため、法的安定性の面から見て問題があり、適当ではないのではないかというふうに考えているところでございます。
#112
○福島みずほ君 有期を何とか無期にするということであれば、これからカウントし直すということであれば、それは不十分ですよ。
 それから、先ほどベローチェの事件もありましたけれども、現在、例えば二〇一一年の統計で、更新回数の上限を設けている事業所の六七・一%が三回から五回としている。これから施行後五年を新たにカウントするということであれば、会社側は労働者を五年以上働かせないように本当にしてしまうのではないか。現にそういう事例もたくさん起きている。そういうことについて、厚労省、どうお考えでしょうか。
#113
○政府参考人(金子順一君) 今申し上げたような、どこから施行をカウントするかということに関しましては、先ほども申し上げましたように、法的安定性の面からということで御答弁申し上げましたけれども、例えば雇い止め法理などにつきましては、この間既に働いてきた実績というものが当然判断に当たっては考慮されることになるわけでございまして、そうした点につきましてもきちんと周知広報をしていきたいと思っております。
#114
○福島みずほ君 この五年というのは長過ぎると思うんですね。三年、まあ一年、せめて三年にすべきだと。
 今、雇い止め法理ということをおっしゃいましたが、反復更新すれば判例上は無期に転換する場合を認めています。そうすると、五年以内であっても無期に転換する場合があるということでよろしいですね。五年というのは別に上限規制ではないということでよろしいですね。
#115
○政府参考人(金子順一君) 企業の中でいろいろなルールを作っていただいて、五年未満の例えば三年で転換するルールを設けることは、何らこの法律とそごを来すものではないと考えております。
#116
○福島みずほ君 いや、恐れるのは、この五年ってやると、裁判で争うときに、いや、五年で初めて無期に転換する期待権が生まれるから、二年、三年では駄目だというふうになってしまうんじゃないか。そうじゃないでしょう、反復継続すれば無期に転換すると言っているわけだから、判例は。五年が決して、だから、これから裁判を起こしても、五年たってなくて二年、三年でオーケーということでよろしいですね。
#117
○政府参考人(金子順一君) 雇い止め法理に関しましては、今回、五年のルールができたからといって五年まではそれが働かないという趣旨ではないと考えておりますので、それこそ雇い止め法理の種々の要件に照らして判断がなされることになると考えております。
#118
○福島みずほ君 たくさんの裁判、たくさんの実態、事例集を見ると、多くの有期契約の人たちは、一時的、臨時的な業務内容でないにもかかわらず有期で働いている。結局、やっぱり入口規制をすべきだと思うんです。なぜ有期の人が不安定雇用なのか、それは、期間の定めがあるので雇い止めに遭うことを恐れてどんなに労働条件が悪くても声を上げないんですよ。解雇しなくても、はい、あなた更新しませんと言われれば、それでもうその職場を去らなければならないわけです。入口規制をしなかったことは本当に残念です。いかがですか。
#119
○国務大臣(小宮山洋子君) 私もその入口規制が非常に重要な論点であるということは十分承知をしています。先ほども申し上げたように、労働政策審議会の中でもここはかなり大きな論点として御議論をいただきました。しかし、最終的には、このようなルールについては有期労働契約を利用できる合理的な理由に当たるか否かめぐる紛争が多発すること、それからまた雇用機会が減少するのではないかという懸念などがありまして、措置を講ずべきとの結論には至らなかったとされまして、この結論に基づいて法案を提出をいたしました。
 この法案は、先ほどから申し上げているように、有期契約労働者の雇用の安定、公正な待遇への第一歩ということで、是非御理解をいただきたいと思います。
#120
○福島みずほ君 見直しが八年後ですから、本当に、これから五年カウントし、見直しも八年後で、物すごく先になるんですね。入口規制をしないのは極めて残念で、ここはこの法案の本当に問題点だと思います。
 法案では、遅滞なく申し込むとなっていますよね。本来なら、判例の法理を、雇い止め法理をそのまま明文化すべきだと思います。これ、遅滞なくというと、労働者がうっかり自分で申し込んでなければいつまでも有期のままなんですね。この遅滞なくということが不利に働かないように、あるいはどれぐらいを考えていらっしゃるんでしょうか。
#121
○政府参考人(金子順一君) 先ほども答弁申し上げさせていただきましたけれども、その遅滞なくを具体的な日数等で説明することはなかなか難しいわけでございます。
 ただ、期間の満了の日からこの申込みするまでの期間が社会通念上許容される範囲にとどまるのであれば、ここで言う満了後遅滞なく有期労働契約の締結の申込みをした場合に該当すると解されるというふうに考えております。
 先ほどの石橋議員の御質問の際にも答えておりますけれども、弁護士の方にすぐに相談をして、その後、直ちに助言を受けて申込みをしたというようなことであれば、一般的にはこの遅滞なくに合致することになるんじゃないかというふうに考えております。
#122
○福島みずほ君 遅滞なくではなく、判例の雇い止め法理をそのまま明文化すべきだと思います。
 例えば会社側が、いろんな契約書を見させていただきましたが、働いている人たちに、裁判例がたくさんあります。いわゆる不更新条項です。次のときは更新しないという条項、あるいは更新は何回までと明記し、労働者にサインをさせるケースがたくさん今あって、御存じ、裁判になっています。勝った裁判もありますが、負けている裁判もある。
 つまり、契約書でそれサインをしないと言えば、じゃ、あなた、もう今契約更新しません、その場で辞めなくちゃいけない。不更新条項にサインすれば、三か月後、六か月後、辞めなくちゃいけないわけです。これはひどい話であって、三か月後に死刑になるのか今死刑になるのか、おまえは選べと言うようなものじゃないですか。労働者は、今辞めたくないからサインしますよ。すると、労働契約の観点から、サインしたんだったら、おまえは了解しただろうと、次に更新しないということになってしまうわけです。
 現に、だって、労働者は弱い立場なんだから、契約は本当にしますよ。三回でしか更新しない、あるいは次は更新しない。今までずうっと働かせていながら、次更新しないよとやっちゃうわけですね。いつだってこれが首を切られる。五年って長いから、事業者側はこれやっちゃいますよ。
 この不更新条項について、先ほど副大臣の答弁ではこれから通達などを出すとおっしゃっていらっしゃいました。でも、不更新条項って公序良俗に反するから認められないという通達を是非出してくださいよ。いかがですか。
#123
○副大臣(西村智奈美君) 私、先ほど答弁させていただきました。法案が成立した際には、不更新条項を入れさえすれば雇い止め法理の適用が排除されるといった誤解を招くことがないように、従来の判例法理が変更されるものではないということを、解釈通達ですとかそれからまたパンフレットなどを作成いたしまして、明確に周知したいというふうに考えております。
 なお、不更新条項を設けることについてでございますけれども、労働契約が合意によって成立するという原則を踏まえれば、労働者と使用者がお互いに真に合意して更新の上限を設定するということであれば、それを禁止したりその効力を直ちに無効とすることは難しいのではないかと考えております。
#124
○福島みずほ君 いや、それでは規制ができないですよ。だって、対等じゃないんですもの。だから労働法があるんでしょう。対等じゃないんですよ。
 労働契約の考え方は理解ができます。でも、あなたは次はもう更新はしません、更新は何回までということに、ちょっと済みません、これ、食い下がって済みませんが、これにサインをするということなんですが、決して対等で本当に望んではいないんですよ。働き続けたいんですよ。労働者は辞めたいときはいつだって辞めるんだから。
 だとすれば、この不更新条項については、不更新条項、更新しないということの契約書の中身なんですが、これは問題ありと、問題ありという立場で通達を出してくださいよ。いかがですか。あるいはこういうものを使うべきではないと。いかがですか。
#125
○副大臣(西村智奈美君) 先ほど答弁させていただいたことの繰り返しになってしまいますので重ねませんけれども、もうそれは、やはり個別の労使間の合意ということであれば、それは直ちにできないということにはなかなかできないのではないかなというふうに考えております。
#126
○福島みずほ君 今度の法案がもし成立するとすれば、とにかく五年間は働かせる、これからね。そして、それは無期に転換するための試用期間のようなもので、優秀で真面目に働く、あるいはこの人間はこの会社に有用だと思った人間だけ無期に転ずると。その前にもうみんな落としてしまう。つまり、あなたは次には更新しませんというのを三年あるいは四年、四年五か月、四年八か月の段階で書かせますよ。そうしたら、全然これ有期契約の規制にはならないんですよ。
 だから、不更新条項については問題ありと、私は無効と言ってほしいですが、そこをやってもらわないと、幾ら五年たったら申し込めますよなんと言ったところで無力なんですよ、労働者は、その前に事業者が首に、辞めさせるわけだから。これについて是非厚生労働省として、やっぱりこれは不適切だと、無期が原則なんで、こういう使い方の労働契約はおかしい、行政指導してくださいよ、通達出してくださいよ。どうですか。
#127
○政府参考人(金子順一君) これは、直ちにそういったものについて全て無効ということは、先ほど西村副大臣からも答弁申し上げましたけれども、なかなか難しいわけでございますが、ただ、不更新条項を最後のときに入れることによって簡単に雇い止めができるようになるというのは、これは誠におかしな話でございますので、実際に裁判例でも、そこまで形成されてきた合理的な期待が不更新条項を入れたことによってなくなってしまうということではないというのが裁判例の一般的な傾向だと思いますので、そのことにつきましては強調した上できちんと関係の労使の皆さんに周知が行き渡るよう最大限の努力をしていきたいと思います。
#128
○福島みずほ君 問題点も出した通達を是非きちっと出してください。
 それで、今回、有期と無期との待遇に不合理な格差を設けることを禁止したことは一歩だと思うんですが、こうなると思うんですね、きっと。ある種優秀な真面目に働いてきた人を無期にする、しかし、そのほかのいろんな労働条件、賃金などはそのままにしておく、つまり、会社の中に正社員と第二正社員が生ずる、そんなことをとても恐れるんですね。
 これ、はっきり均等待遇やるべきじゃないですか。無期にするんだから均等待遇する。あるいは一時金や退職金やそういうことをきちっと同じにする。不利益取扱いの禁止ということでよろしいですね。同一価値労働同一賃金に踏み込んでくださいよ。どうですか。
#129
○副大臣(西村智奈美君) 先ほど大臣答弁されましたけれども、現在パートタイム労働法の改正に向けて審議会の建議を受けまして取りまとめ作業を進めようとしているところなんですけれども、その中でもできる限り均等待遇に近づけていきたいという思いはございます。
 この法案についてでありますけれども、無期転換後の労働条件については、別段の定めがない限り無期転換の申込みを行う時点の有期労働契約と同一のものとさせていただき、また、この別段の定めについてでありますけれども、労働協約、就業規則又は個々の労働契約でありまして、これらによって労使が無期転換後の労働条件を定めた場合にはその労働条件が適用されるということになると思います。
#130
○福島みずほ君 駄目ですよ、そんな答弁だったら。労働条件がそのまま維持されるんだったら、確かに労働者にとっては無期になったというメリットはある、おびえなくていい、期限に、しかし、同じ労働条件だったら、本当に均等待遇から遠いじゃないですか。結局、これって正社員と第二正社員をつくるようなものなんですよ。不合理な格差を設けることを禁止しているんだったら、そんなこと言わないでくださいよ。均等待遇の議論に任せるなんて言わないでくださいよ。答弁変えてくださいよ。これ、とっても重要なことだから、労働条件について、この不合理な格差を設けることを禁止という趣旨の中から、不合理な格差を設けないようにすると言ってくださいよ。どうですか。
#131
○委員長(小林正夫君) 西村副大臣。
 なお、時間が来ておりますので、簡潔におまとめください。
#132
○副大臣(西村智奈美君) 済みません。
 同一価値労働同一賃金は、これはやはり職務と責任の評価の上で目指されることだと思います。委員の御趣旨は理解しつつも、ここは今回の労働契約法の改正におきましては別段の定めがない限りその前の労働条件と同一であるということで、設定をするに当たって労働条件は下げないということを確保するためでもありますので、御理解をいただきたいと思います。
#133
○委員長(小林正夫君) 時間が来ておりますので、簡潔に。福島君。
#134
○福島みずほ君 済みません。
 前の労働条件下げないなんて当たり前じゃないですか。でも、これ条文上は不合理な格差を設けることを禁止となっていますので、不合理な格差が本当起きないようにということを、しっかりこの条文の趣旨をもっと前に進める、均等待遇まで実現するようにと思います。
 クーリング期間や様々な点、たくさん問題があります。有期を規制する、待ったなしであるにもかかわらず、これから五年間カウントし始めるというのは余りに遅いというふうにも思います。その意味で、また、今日これだけの議論では尽くせないですよ。聞きたいことがたくさんあります。今日採決ということに強く抗議をいたします。
    ─────────────
#135
○委員長(小林正夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、衛藤晟一君が委員を辞任され、その補欠として渡辺猛之君が選任されました。
    ─────────────
#136
○谷岡郁子君 みどりの風の谷岡郁子でございます。
 今の皆様の議論をお聞きしておりまして、柳澤副大臣にはちょっと申し訳ないですけれども、福島みずほさんの質問の続きの形を先にやらせていただきたいと思うんです。
 先ほどからの答弁を聞いておりまして私が感じるのは、これは法理の問題なのか、それとも人間の問題なのかと。厚生労働、労働省という役所は、昔からつくられてきたのは、人間のための役所としてつくられてきたと思いますし、そして、その厚生労働というのは、人間のための政治を行う、そしてその政治主導を行うということこそが私は一番大事なことだと思っているんですが、先ほどからずっと聞いておりますと、この法の論理なるものについて、これ、人間の問題だということをお分かりになっていただきたいんです。
 つまり、何が言いたいかというと、私の教え子は、多くの場合がこの五年間ぐらい本当に大変な就職難ということで有期の契約をやってきた。五年前に卒業した子は今二十七になります。ここから五年しないと、つまり三十二にならないと無期にならないということがあって、そして、そのまた問題があれば八年後にならないと実はまだ救われないということになりますと、四十歳になっちゃうんですよ。先ほど来、少子化が大変なんだとか、子供を産んでほしいんだとかおっしゃるんだけれども、実際にそういう若者たちが今たくさんいるわけですね。そこの問題をどうとらえていらっしゃるのかということなんです。
 人間のライフスパンの問題として、そして人間が六十五まで働き続けるとして、人生の一番大事な、その土台をつくるかなりの部分がそういう形で失われる可能性があることについて、やはりできるだけ早く、この五年間待って次の見直しが八年間、ここについては考え直す方がいいんじゃないかと思うんですけれども、大臣、そこはいかがですか。
#137
○国務大臣(小宮山洋子君) 谷岡委員がおっしゃるように、当然これは人の問題であって、人が生きていくためには、雇用をされてしっかりと収入も得て自立をして働いていくということが、それぞれの人に能力に応じていろんな働き方が公正な処遇の下に行われるということが必要だと。今回の社会保障の改革の中でも、ディーセントワークということ、また全員参加型社会ということもうたわせていただいています。
 今回の労働契約法の改正が、ずっとそういう概念に沿って、とてもそのゴールとは見えないということはおっしゃるとおりの部分もあると私も思いますけれども、今回の改正によりまして、今までよりもより安定した雇用に結び付く可能性をこの中に幾つか盛り込んでいるということで、先ほど申し上げたように、八年間何もしないということではなくて、今、五年後に無期転換ということは、当然今から五年後にそういうことが発出をすると。そこから三年間で見直しということ、三年後の見直しということですけれども、その間にも、企業でどのように実務が行われているか、また雇用環境がどういうふうになっているかということをしっかりと見ていきまして、必要な対応はしていくということです。
 そして、若者の雇用については、先ほども答弁させていただきましたが……(発言する者あり)はい、済みません。新卒者の雇用を始め、可能な限りのことを今やっているところでございますので、今回のことで一歩前進するという方向でこれが働くように最大限努めていきたいというふうに考えています。
#138
○谷岡郁子君 私が申し上げたいのは、本当に正社員で採用された年代と大変な年代間の格差が生まれてきていて、退職金がもらえないような言わば正社員でない方々ということになりますと、それは本当に将来、老後にしましても、それから、例えば家を買うとかということに対しても、本当に大きな格差が出てきてしまうと。そこに対する問題点というものを本当に強く強く感じないと、少しぬるいんじゃないかということが申し上げたかったんです。
 それで、柳澤副大臣、せっかく来ていただきました。七月二十五日、阿部知子社民党議員からの衆院での御質問に対して、これは福一での作業員の問題を取り上げられたわけなんですけれども、ここで、昨年十一月に冷温停止の第一ステップがなされたというふうにお答えになっているんですけれども、これは冷温停止状態の間違いではありませんか。
#139
○副大臣(柳澤光美君) 御指摘のとおり、冷温停止状態でなければいけないということで、この場を借りて訂正をさせていただきたいと思います。
 ただ、このことを説明する意味ではなくて、逆に言えば、冷温停止に向かっての第一歩であって、廃炉まで、特に人の問題を大事にしていかなければいけないという説明の中で使わせていただいて、訂正をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
#140
○谷岡郁子君 これ、重要なことなんです。だから、冷温停止に向かってと今おっしゃったんですけれども、未来永劫冷温停止はあり得ません。なぜならば、冷温停止とは、しかるべき形の燃料がしかるべき場所にちゃんと収まっていて、それが百度以下に完全に管理されるということが冷温停止という科学用語であります。したがいまして、今、しかるべき場所にしかるべき形でない燃料がそこへ勝手に戻ることはありませんので、未来永劫ないと。
 こういう問題が、非常に曖昧に言葉が使われるという、言葉によってどんどんなし崩しになっていくということをおそれますので、私はその点について注意を喚起させていただきました。
 さて、この人間の問題、先ほども申し上げましたけれども、東電から協力会社から下請、孫請というところへ行って、この間は鉛まで付けさせられて、実は被曝量というものの管理がちゃんとできていなかったということになっておりますけれども、実態をどこまで把握されているんでしょう。何層まで下請、孫請というようなものがあって、そして実際にそのたびに多分マージンが発生されているからこそどんどん下請へ行くんだと思うんですけれども、そういうことがあった場合に、実際の元請での値段と労働者たちが作業員として一日受け取っている値段というものはどのくらいの違いがあって、どこでそういう形でどのくらい失われているのか、こういうことについては調査なさっているんでしょうか。そこについて御質問したいと思います。
#141
○国務大臣(小宮山洋子君) 先日報道がありました福島第一原発での今おっしゃった事案については、現在、事実関係を福島労働局、それから長崎労働局、東京労働局、この関係労働局で調査中です。調査の結果、もし仮に労働関係法令に違反しているという事実が認められた場合は、行政処分も改善命令から許可取消しまでいろいろございますので、しっかりと厳正に対応していきたいというふうに考えています。
#142
○谷岡郁子君 私は、これ、違反があるとかないとかいっている問題を言っているんじゃないんです。問屋さんが何重にもなっていたから別にそれは違反していたわけではないですけれども、日本の国の、例えば規制緩和をやってきて、経済活力を上げていくためにはそれが必要だということで、そういうものを変えていったわけですよね。三層、四層、五層というような形のものは、たとえそれが適法であっても、その間に多くの人々がピンはねをされているという現実であって、これは人間の道理の問題としておかしいと思いますし、そのたびに管理が行き届かなくなって健康問題等が発生しているというこの実態というものは、非常に非倫理的であり非人道的だということを申し上げているんですよね。それなのに、それは明らかな違反がない限り何もなさらないとおっしゃっているんですか。
#143
○国務大臣(小宮山洋子君) 今御指摘いただいたような、それこそいろいろな何段階もで下に行くほど労働条件が悪くなるという、そういう働き方が今存在をしているということの問題は認識をしております。ただ、それを一度に何かを変えろといってもなかなか難しいので、まずは調査をさせていただいて、そこに私どもとして取り組めるのは、やはりそれが今ある法律に合っているのか、それに反しているのかという観点で見ていくということですので、あとは、その労働の在り方については、また、そうですね、先ほどから申し上げているように、ちゃんと人間らしく尊厳ある働き方ができるということは基本だと思いますので、そういう意味では、様々なところで御議論もいただいて知恵も出していただきながら、現実に合わせてやはり対応をしていく必要があるのではないかと思っています。
#144
○谷岡郁子君 私は、待ったなしの現実があると思いますよ。
 例えば、南スーダンであれどこであれ、兵士を送るのに、私たちは予防注射の問題や様々な問題、特別な、必要なケアの問題を考えずには送りません。それと同じように、今、福一は戦場でございます。日本で最も国民の生命を脅かす場所であり、そして最も過酷な条件下で放射能の被曝をしながら、この夏の暑さの中で防護服を着込んだり、又は窒息しそうな思いをしながらマスクを何重にもかぶっている人たちがいるわけですよね。この人たちは、ただ自分たちの労働としてやっているのではなくて、私たち自身の安全のために頑張ってやっていただいているということがあるわけです。この人々が本当にしっかりと守られて健康で、そして、働きに応じた取り分を取れないような状況を放置しておくというのは、私は国家的な恥だと思いますし、それは本当に至急対応しなければならないことなんじゃないでしょうか。
 柳澤副大臣、これエネ庁の方が今監督に入っていらっしゃると思いますけれども、至急、実態把握、そして本当にどのくらいの費用が元請から行かれて本人に届いているのか、こういうことにつきましてもちゃんとした調査をやっていただけませんか。
#145
○副大臣(柳澤光美君) 私も、去年の九月、原子力災害の現地対策本部長を受けましてから、一番人の問題を気にしてきておりまして、大変いい指摘をいただいていると思っています。
 特に、行ったときからもう住宅の問題を含めて大変厳しい状況で、昨年の十月には延べ四十八万人の皆さんが働いていただいている。先ほど言いましたけれども、本当に今回の冷温停止状態も一里塚であって、廃炉まではもう人、物、金でいうと人の部分がきちんとなっていかないといけないということで、相談窓口を設けたり、アンケート調査をしたり、毎週現地に行って東京電力の報告も受けています。
 ただ、賃金体系まではなかなか入れていませんでした。これは是非、厚生労働省とも連携させていただいて、経産省としても実態把握に努めたいというふうに思っております。
#146
○谷岡郁子君 大変心強いお言葉、ありがとうございます。
 副大臣にはお忙しいでしょうから、もう退出していただいて結構です。その部分は済みました。
#147
○委員長(小林正夫君) じゃ、柳澤副大臣については退席を認めます。
#148
○谷岡郁子君 この問題は、例えば派遣労働者の問題も同じなんです。
 例えば、派遣労働者、一対二〇の正社員なのかもしれないけれども、一対一〇の割合で派遣会社がそのマージンを計算しています。それから、三・五%、研修等に使われていることになっていますけれども、それは本当に労働者たちの研修に使われているかどうか分かりません。そういう形でマージンというものが取られていて、約三分の一のお金は派遣会社の方へ入っていて働いている方へは入らないという事実があります。こういうことが実は日本の経済の活性化を止めていると私は思っております。
 と同時に、一方では、クリエーティブな職業を持っている人たちがたくさんいるわけですね。例えばグラフィックデザイナー、カメラマン、作家、翻訳家、アニメーター、コピーライター、いろんな形で、クリエーティブであり独立心旺盛で、雇われているわけではないけれども、しかし非常にクール・ジャパンなどと言われて重要な仕事をしている、知的な仕事をしているそういう人たちが、一体彼らはどのくらいの費用を受け取っているのか。実働時間に対して彼らのペイというものは本当に合っているのかということはほとんど検査されていないですし、調査されていないんですよね。私が調べたところでは、漫画やアニメーターの分野なんかはもう百円の時給になってしまうと、実働時間とその報酬を考えれば。そういう人たちがざらにおります。
 こういう問題に対しても、やはり雇われるということだけの問題ではなくて、様々な形で本来その働きに応じてペイをもらえるべき、そして、そういう条件を与えられるべき人間たちが多くの場合そういう条件になっていない。このことについて、しっかりとした調査というものをやっていかなければならないというふうに思うんですけれども、厚生労働大臣、その点はいかがでしょうか。
#149
○国務大臣(小宮山洋子君) 派遣元事業主の派遣料金ですとか派遣労働者の賃金の平均につきまして、毎年度各派遣元の事業主から報告を求めています。労働者派遣事業の実態ということで、これは公表をしています。今、一部御紹介いただきましたけど、一般労働者派遣事業の派遣料金の平均額は一万七千九十六円、そして派遣労働者の平均の賃金額は一万一千七百九十二円となっていまして、そのマージンは五千三百四円というのが平成二十二年度の報告書に基づく数字です。
 今回、労働者派遣法の改正を行っていただきましたので、派遣元事業主に対して派遣労働者への派遣料金の明示、これを義務付けることにいたしました。派遣労働者が自らのマージン率を把握できるようになりまして、そして適切な派遣元事業主を選択しやすくなるというふうに考えています。
 元々、知的クリエーティブ、そういう自分の能力を時間に合わせて発揮できるというのが最初のこの派遣労働の作られた基だったというふうに思いますので、その専門性に応じていろいろと収入も大きな差があるわけですけれども、そういう中でしっかりと実態に合った賃金が行くように、これはまた別の調査も必要であればそうしたことも検討したいというふうに思います。
#150
○谷岡郁子君 この問題は、私は引き続きやっていきたいと思います。
 派遣されているという形だけではなくて、請負労働をやっている多くのクリエーターたちが今台湾や韓国や中国にヘッドハンティングされている、それは日本での環境が余りに劣悪であるからです。そして、そういうことを含めまして、本来、厚生労働省は当然やっていなければならないということですので、是非しっかりと実態把握をするための調査を至急やっていただきたいということをお願いいたします。
 最後に、よろしいでしょうか。
#151
○国務大臣(小宮山洋子君) 就労実態の把握というのはしっかり行わせていただきたいと思います。
#152
○委員長(小林正夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#153
○田村智子君 日本共産党を代表し、労働契約法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 非正規労働者は、今や日本の労働者全体の三人に一人を占め、その生涯賃金は正規雇用の労働者の半分にしかなりません。この劣悪な雇用条件の根本に有期契約の問題があります。正規雇用と同様に基幹的、恒常的な仕事をしても、時給はほとんど上がらず、一時金も退職金もない、改善要求をすれば契約期限を盾に雇い止め、この不安定な有期雇用が広がれば、日本経済の発展が阻害され、社会保障制度の安定的な運営にも重大な支障を来すことは明らかです。
 増え続ける有期雇用のどこに問題があるのか、実態をつぶさに分析し、議論することが本法案の審議で求められていました。ところが、衆議院では三時間余り、参議院では更に短い二時間余りという僅かな時間で、労働者の意見も聞かずに採決、これでは本委員会の責務を放棄するに等しいと言わなければなりません。
 法案に反対する理由の第一は、有期労働契約の締結事由に関する規制、いわゆる入口規制の導入を見送ったことです。
 今日の有期雇用の広がりの根幹はここにあります。基幹的、日常的な業務を多くの有期契約の労働者が正規雇用の代替として担い、人件費抑制のためという企業の都合で低賃金、不安定な状態に置かれ続けています。今こそ無期雇用を原則とし、合理的理由のない有期契約を禁止するルールを確立すべきです。
 第二に、無期雇用への転換が実効性ある規定となっていないことです。
 五年を超えて有期労働契約を反復更新し、かつ労働者が申し出た場合というのでは、実質六年から七年、それ以上と掛かり、余りにも長過ぎます。契約更新回数に上限を定めた不更新契約の防止策もなく、五年未満での雇い止めが当然となりかねません。有期労働契約の更新の間に六か月間のクーリング期間を置けば雇用期間を通算しないとする条項は、使用者側に無期転換を回避する手法を与えるようなものです。また、無期転換の際、従前と同一の労働条件というのでは、無期雇用となっても処遇の改善につながらず、正社員とは違う低賃金の新たな非正規雇用を生み出すことになります。
 一年を超えれば無期雇用とみなすこと、無期転換の回避に歯止めを設けること、無期転換後の労働条件は当該正社員と同一とすることこそ求められています。
 第三に、均等待遇原則については、不合理と認められる中身が曖昧であり、職務の内容や配置変更の範囲等を考慮との規定では、対象となる労働者が極めて限定される懸念が大きく、実効性に欠けるものと言わざるを得ません。
 法案には多数の問題点があります。人間の使い捨てをやめさせる、安定した雇用によって労働者の能力を育てることこそ日本の経済社会の行き詰まりを打開する道である、そのための雇用のルールの確立こそ必要であることを主張し、反対討論を終わります。
#154
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 社民党を代表して、労働契約法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論をいたします。
 今や非正規労働者は一千二百万人を超えています。非正規労働の低賃金と不安定雇用を変えていくことは、日本の政治の極めて重要な課題です。ディーセントワーク、人間らしい労働を実現するためには、働き方を、本来、無期直接労働にすべきです。有期契約で働く労働者は七百五十万人、一三・八%です。契約更新拒絶、雇い止めを恐れて、労働条件が悪くても声を上げることが困難です。有期労働を法規制し、かつ無期転換を促進していくことが求められています。その立場からすれば、今回の法改正は極めて不十分です。
 第一に、今回、合理的な理由がない場合には有期労働契約を締結できないような仕組み、いわゆる入口規制がされませんでした。第二に、施行後から五年間をカウントするのではなく、待ったなしで適用をすべきです。第三に、無期転換権を付与する期間は五年では余りに長く、三年、一年に短縮すべきではないでしょうか。第四に、五年を超えて有期労働契約が反復される際に、クーリング期間さえ設ければ新たに有期契約が結べることになり、無期雇用への転換を意図的に避けることが可能となります。クーリング期間は削除すべきです。第五に、雇い止め法理はそのまま条文化すべきです。第六に、雇用契約書における不更新条項は無効とすべきです。第七に、八年後の見直しは余りに後過ぎると考えます。
 現在、多くの非正規雇用労働者は一時的ではなく恒常的な仕事に就き、仕事が継続しているにもかかわらず雇用止めとなり、正社員と変わらない仕事にもかかわらず低賃金、賞与なしといった待遇格差の中で働き続けています。社会全体のためにも、まずは安定雇用を実現させていく人間らしい働き方、生き方、ディーセントワークを実現することが急務であると考えます。
 最後に、雇用は全ての人の生活の根幹であり、ここが不安定である限り社会全体も不安定であり続けることを重く受け止め、だからこそ政府が非正規雇用問題に正面から向き合い、安定雇用の実現に向けた戦略と法改正の必要性を訴えて、私の反対討論といたします。
#155
○委員長(小林正夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 労働契約法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#156
○委員長(小林正夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#157
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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