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2012/08/28 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第10号
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2012/08/28 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 厚生労働委員会 第10号

#1
第180回国会 厚生労働委員会 第10号
平成二十四年八月二十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 七月三十一日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     川合 孝典君
 八月一日
    辞任         補欠選任
     渡辺 猛之君     衛藤 晟一君
     谷岡 郁子君     舟山 康江君
 八月二日
    辞任         補欠選任
     舟山 康江君     谷岡 郁子君
 八月二十八日
    辞任         補欠選任
     大島九州男君     金子 洋一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                梅村  聡君
                牧山ひろえ君
                石井 準一君
                中村 博彦君
                渡辺 孝男君
    委 員
                足立 信也君
                金子 洋一君
                川合 孝典君
                津田弥太郎君
                辻  泰弘君
                西村まさみ君
                柳田  稔君
                赤石 清美君
                石井みどり君
                衛藤 晟一君
                大家 敏志君
               三原じゅん子君
                秋野 公造君
                川田 龍平君
                田村 智子君
                福島みずほ君
                谷岡 郁子君
   衆議院議員
       厚生労働委員長  池田 元久君
       修正案提出者   岡本 充功君
       修正案提出者   加藤 勝信君
   国務大臣
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
   副大臣
       内閣府副大臣   後藤  斎君
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
       厚生労働副大臣  西村智奈美君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       津田弥太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       復興庁統括官   岡本 全勝君
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  門山 泰明君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       宮野 甚一君
       厚生労働省職業
       安定局高齢・障
       害者雇用対策部
       長        中沖  剛君
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
       経済産業省経済
       産業政策局長   石黒 憲彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に
 関する法律案(衆議院提出)
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進
 に関する法律案に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、石橋通宏君及び渡辺猛之君が委員を辞任され、その補欠として川合孝典君及び衛藤晟一君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小林正夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長中沖剛君外五名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小林正夫君) 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小宮山厚生労働大臣。
#6
○国務大臣(小宮山洋子君) おはようございます。
 ただいま議題となりました高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 少子高齢化が急速に進展する中、労働力人口の減少をはね返し、経済と社会を発展させるため、全員参加型社会の実現が求められています。また、現在の年金制度に基づき平成二十五年度から公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢が段階的に引き上げられることから、現状のままでは、無年金、無収入となる人が生じる可能性があります。
 このため、継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みの廃止、継続雇用での雇用確保先の対象拡大、義務違反の企業に対する公表規定の導入等を行うことにし、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。
 第一に、継続雇用制度の対象となる高年齢者につき事業主が労使協定により定める基準により限定できる仕組みを廃止することにしています。
 第二に、継続雇用制度の対象となる高年齢者が雇用される企業の範囲を子会社や関連会社など一定の範囲のグループ企業まで拡大する仕組みを設けることにしています。
 第三に、高年齢者雇用確保義務に関する勧告に従わない企業名を公表する規定を設けることにしています。
 第四に、高年齢者等職業安定対策基本方針に定める雇用機会の増大の目標の対象となる高年齢者を六十五歳以上の人にまで拡大することにしています。
 なお、この法律は、平成二十五年四月一日から施行することにしています。
 政府としては、以上を内容とする法律案を提出しましたが、衆議院で修正が行われています。
 以上がこの法律案の趣旨です。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
#7
○委員長(小林正夫君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院厚生労働委員長池田元久君から説明を聴取いたします。池田元久君。
#8
○衆議院議員(池田元久君) おはようございます。
 ただいま議題となりました高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして御説明申し上げます。
 修正の要旨は、厚生労働大臣は、心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱いを含めた事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針を定めるものとすることです。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#9
○委員長(小林正夫君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○川合孝典君 おはようございます。民主党の川合孝典でございます。
 まず、質問に先立ちまして、皆様に、この法律案の今国会における審議にこぎ着けていただきましたことを本当に心から御礼を申し上げたいと思います。
 御承知のとおり、現在、年金の支給開始年齢、基礎年金でございますが、来年には六十五歳に引き上がります。そして、同時に、来年から報酬比例部分の支給開始年齢も引き上がる、こういうことでございますので、来年以降、現在の枠組みでいきますと、六十で定年を迎え、年金がもらえるまでに空白期間が生じてしまうという、こういう懸念がございました。年金支給開始と雇用を確実につなぐということは喫緊の課題でございましたので、このタイミングでこの法案の審議をいただけるということを大変有り難く思っております。そのことを冒頭に申し上げ、感謝を申し上げた上で、今後、この法律改正以降生じる可能性のある懸念点について幾つか御指摘をさせていただきたいと思います。
 まず、政府参考人にお伺いいたしますが、この本法の九条一項、高年齢者の雇用確保措置を定めた一項でございますけれども、この九条一項のいわゆる効力について、私法的効力という認識で結構ですが、についての御認識はどうかということをお伺いします。
#11
○政府参考人(中沖剛君) 九条一項の私法的効力についてお答え申し上げます。
 最近の裁判例を見てまいりますと、継続雇用制度については、法の九条一項が一義的に明確な規定をしておらず、多様な制度を含み得る内容となっておりまして、直ちに私法上の効力を発生させるだけの具体性を備えているとは言えないということ、また、法違反につきましては厚生労働大臣によります必要な指導、勧告等により是正を図ることを予定しているということから、直接の私法的な効力はないという判断となっております。
 また、今回の高年齢者雇用安定法の見直しを行いました労働政策審議会での議論におきましても、九条一項のやはり効力が議論されているところでございます。裁判例と同様に、九条一項に従って私法的効力があるということではなく、継続雇用制度を規定する就業規則の効力として雇われることになるという指摘がございました。
 こうしたことから、九条一項につきましては私法的な効力がないというふうに考えております。
#12
○川合孝典君 私も、この一項をもって即私法的効力が発生させるのは解釈上非常に困難であるということについては理解しておるんですけれども、今説明の中にもありましたが、これまでの裁判例を見ますと、この九条二項に従来基づいていた就業規則による定めがあった場合という、このことに法的拘束力を認めて、その上で一項についての解釈をするという、こういう流れで継続雇用を仮に拒否された場合の裁判というのが争われてきているということであります。
 今回、この法改正では九条二項がなくなるということになるわけでありまして、そういたしますと、従来の判例の考え方でいきますと、二項はなくなってしまうわけでありますので、今後、継続雇用を争う裁判が出てきたときに九条一項だけで争わなければならない場合、労働者にとって不利益が生じるのではないかというこの懸念があるわけでありますが、この点についてどのように御認識なのか伺います。
#13
○政府参考人(中沖剛君) この度の法案でございますが、先生御指摘のとおり九条二項を削除するものでございまして、これによって対象者を限定する基準制度の仕組みを廃止することになります。したがって、法案が成立すれば、継続雇用制度、希望者全員を対象とすることになるわけでございます。
 ただ、その一方、九条一項が直接的な私法上の効力を持たず、個々の定年到達者の雇用を事業主に直接義務付けるものではないこと、これは従来どおり変更がないわけでございます。このため、継続雇用制度につきましては、就業規則でその内容が定められまして、その規定に基づき事業主は労働者を継続雇用することになるという仕組みになっているわけでございます。
 したがいまして、裁判において継続雇用制度が争いになった場合には、就業規則の規定に基づいて継続雇用をしないことの客観的な合理性あるいは社会的な相当性の有無が判断されまして、継続雇用をすべきかどうかについて判断されると考えられております。
 なお、政府といたしましては、当然のことながら、再雇用を拒否された労働者につきましては、現在、各労働局に開設しております総合労働コーナーにおきまして相談を受け付けまして、労働局の助言、指導、あるいは個別労使紛争の解決システムの中のあっせんなどを通じて十分な救済を図っていきたいと考えております。
#14
○川合孝典君 今の説明の中で、就業規則に基づきと、こういう御説明がありました。法が施行されてから八年ですか、たっておりますが、残念ながら、まだ四・三%の事業主はこの継続雇用の確保措置を行っておりません。
 こういう状況の中にあって、度重なる指導を厚生労働省としても恐らくしてこられているはずなんですが、何もやっていないと。このままの状況でいきますと、この九条一項には私法的強行性が持たないということになってしまうと、じゃ、就業規則もない、この状況のところは何もやらない方がむしろ裁判では有利になってしまうという、こういう可能性も懸念されるわけなんですが、これ、津田政務官にお伺いしますが、今回の法改正によって高齢法への対応を行わない事業主が得をするようなことにはならないんでしょうか、この点についてちょっと確認をしたいと思います。
#15
○大臣政務官(津田弥太郎君) お答え申し上げます。
 この高年齢者雇用確保措置未実施企業に対して公共職業安定所が訪問などによる指導を繰り返し実施をしておりまして、繰り返しの指導にもかかわらず何ら具体的な取組を行わない企業には勧告書を発出し、その企業に対しては公共職業安定所での求人の不受理、あるいは紹介保留、助成金の不支給等の措置を講じているわけでございます。また、この度の法改正で、新たに勧告に従わなかった企業名を公表できる規定を設けております。
 就業規則の整備を行わない事業主が得をするようなことにならないよう、企業名公表その他の手法を効果的に組み合わせて指導を行い、未実施企業の解消を進めていきたい、そのように考えております。
#16
○川合孝典君 ありがとうございます。
 ここで大臣にお伺いしたいと思います。
 今のやり取り、お聞きいただいていて御理解いただけていると思うんですけれども、今回のこの法律改正の肝の部分というのは、九条三項で決める指針、もうここに全てが懸かっているということであります。
 ここで指針を定める、この指針によって就業規則等をきちんと記載する、そのことによって初めて私法的強制力、効力が発生するということでありますので、これからまとめる指針というものが極めて重要になってくるということでございますけれども、この点について、今後どういう形でこの指針を取りまとめていかれるのかということについての大臣の御認識をお伺いします。
#17
○国務大臣(小宮山洋子君) 一月六日の労働政策審議会の建議では、継続雇用制度の対象者基準の廃止を適当とするとともに、一つは、就業規則の解雇・退職事由に該当する人について継続雇用の対象外とすることもできる、二つ目に、継続雇用制度の円滑な運用に資するよう、企業現場の取扱いについて労使双方に示すことが適当である旨示されています。
 この度の修正案は、雇用と年金の確実な接続という今回の法改正の趣旨を堅持をしながら、労働政策審議会の建議も考慮して、高年齢者雇用確保措置の実施運用指針を定めることとしたもので、これによって労使双方にとって制度の円滑な運用に資する御提案だというふうに受け止めています。
 衆議院厚生労働委員会でも修正提案者から、御指摘の指針につきまして、修正案は労働政策審議会の建議を踏まえ指針の根拠を求めるものであり、この労働政策審議会の建議がその基となっているということ、また、新たな選別基準をつくろうということで修正案を出しているのではない旨の答弁がなされています。
 厚生労働省としましては、修正案どおりに改正法が成立した場合には、建議の内容ですとか国会での御議論、これを考慮しながら、御懸念がないように指針を策定していきたいと考えています。
#18
○川合孝典君 是非よろしくお願いいたします。
 今回のこれから作るこの指針の中で抜け道のようなものができてしまいますと、せっかくの法改正自体が全く意味をなさなくなってしまうということでございます。この点だけ強く申し上げさせていただきまして、私の質問をこれで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#19
○委員長(小林正夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大島九州男君が委員を辞任され、その補欠として金子洋一君が選任されました。
    ─────────────
#20
○石井準一君 自由民主党の石井準一です。
 まず初めに、社会保障と税の一体改革関連八法案が特別委員会において、衆議院では百二十時間を超える審議、参議院では八十五時間を超える審議の末、成立をいたしました。一時は緊張した場面もありましたが、八月の八日、民自公三党党首会談が行われ、成立に向け三党が改めて合意をし、八月十日にようやく参議院本会議で可決され、成立となりました。小宮山大臣を始め、関係者全てに私の方からも感謝と敬意を申し上げたいと思います。大変御苦労さまでございました。
 さて、七月十一日の参議院本会議において、私は野田総理大臣に後期高齢者医療制度の廃止のための法案に関し質問をさせていただきました。その答弁の中で、総理は、今後の公的年金制度、後期高齢者医療制度に係る改革については、協議に先立っての大綱の撤回や大幅な修正はしない、協議の結果を踏まえて対応したいという考えを示されました。しかし、この法案について、閣議決定の中では、平成二十四年通常国会に提出するという時期がはっきりと明記をされております。
 本国会が会期末九月八日に迫る中、社会保障と税の一体改革関連法案は成立をいたしましたが、国民会議の設置についての具体的な事項が何も決まっていない中、総理の答弁と閣議決定の間には矛盾が生じており、私は現時点で後期高齢者医療制度の廃止のための法案については撤回若しくは修正の必要があると考えますが、担当大臣としてどのようにお考えになるのか、またこの関連法案が通ったことによってどのような決意で取り組むのか、小宮山大臣にお伺いをしたいと思います。
#21
○国務大臣(小宮山洋子君) 社会保障・税一体改革の特別委員会では、今ございましたように、本当に各党の皆様の御協力で、動かないと言われるねじれ国会の中で大きなものが進んだと思っております。石井委員にはその一体特の理事としてもいろいろ御活躍いただいたこと、私の方からも心から御礼を申し上げます。
 そして、御質問の件ですけれども、社会保障制度改革推進法では、今後の高齢者医療制度については、状況等を踏まえ、必要に応じて社会保障制度改革国民会議において検討し、結論を得ることが盛り込まれています。また、三党合意の確認書では、今後の高齢者医療制度に係る改革については、あらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議することとなっています。その範囲で、閣議決定の内容については一定の修正、言わば上書きがされるというふうに理解をしています。
 後期高齢者医療制度の扱いにつきましては、国会等でそれぞれの考え方を持ち寄りながら様々な課題について認識を共有するとともに、あるべき姿について議論をし、結論が得られるように私どもとしても協力をしていきたいというふうに考えています。
#22
○石井準一君 今、小宮山大臣の方から決意のほどをお伺いしたわけであります。まだまだ三党合意、国民会議でもってしっかりと協議をした上で、安心な持続可能な社会保障制度を確立するために、お互いに党派を超えて取り組んでいくことを皆様方とともに誓いたいと思います。
 それでは、法案についてお伺いをしていきたいと思います。
 我が国の経済社会の活力を維持向上していく上で、今後急速な少子高齢化に伴い労働人口の減少が懸念をされる中、より多くの高齢者が長年培った技術、技能などを発揮をしながら活躍する全員参加型社会を実現していくことが求められております。高齢者の方々が豊富な経験に基づく貴重な知識をスキルに、高い志を持って社会貢献の実感ややりがいを地域社会や家族などと分かち合える構造を創造していくことが重要との観点から、質問に入らせていただきたいと思います。
 今回の改正案の目的、趣旨についてまずはお伺いをしていきます。
 本年一月に公表されました日本の将来推計人口によれば、日本は人口減少局面を迎えており、今後、二〇一〇年に六三・八%だった生産年齢人口の割合は二〇三〇年には五八・一%に低下をすると推計をされております。また、平成二十四年八月一日に公表されました厚生労働省雇用政策研究会報告書によれば、経済成長と労働参加が適切に進まない場合、二〇一〇年に六千二百九十八万人であった就業者数は二〇三〇年には五千四百五十三万人と八百四十五万人減少するということであります。
 こういった生産年齢人口の減少、高齢化の進展といった状況に加え、老齢厚生年金の支給開始年齢の引上げを背景に提出された今回の法案の目的、趣旨について改めてお伺いをしたいと思います。
#23
○大臣政務官(津田弥太郎君) お答え申し上げます。
 今、石井委員がおっしゃいました、まさに少子高齢化が急速に進展している中で、全員参加型社会の実現というふうに石井委員おっしゃいましたけれども、まさにそういう社会の実現が求められているというふうに思っております。
 平成二十五年度以降におきまして、厚生年金の支給開始年齢は定額部分は六十五歳になるわけでありますし、報酬比例部分につきましても、現在の六十歳から六十五歳へと三年ごとに一歳ずつ段階的に引き上げられるわけでございます。いわゆる二〇一三年問題と言われております、この現行制度のままでは、来年二〇一三年度から六十歳になっても定年以降希望しても雇用が継続されず、無年金、無収入になる人が生じる可能性が出てきているわけでございます。これを回避するためには雇用と年金を確実に接続をさせ六十五歳までの希望者全員の雇用を確保する必要があることから、この度の改正で継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みを廃止することにしているわけでございます。
#24
○石井準一君 津田政務官の方から答弁をいただきましたが、それでは、二〇一〇年に発表された政府の新成長戦略では、六十五歳までの希望者全員の雇用が確保されるよう二〇一三年度までに所要の措置を講ずると明記をされております。
 現在の進捗率について御説明を願いたいと思います。
#25
○政府参考人(中沖剛君) 先生御指摘のとおり、新成長戦略におきましては、二〇一一年度に実施すべき事項として、施策の在り方を検討とされ、二〇一三年度までに実施すべき事項として、その検討結果を踏まえ、所要の措置を講ずるとされているところでございます。
 厚生労働省としては、こうした方針を受けまして、一昨年の秋から清家慶應義塾大学塾長を座長といたします研究会を開催して検討を重ねました。またさらに、昨年の九月からは労働政策審議会において御議論を賜ったところでございまして、この審議会の建議を受けて、先ほど政務官の方から御説明いたしました趣旨の法案を今回提出しているところでございまして、よろしく可決、成立のほどをお願いいたします。
#26
○石井準一君 それでは、高齢者の雇用確保措置として、現行法では企業に定年制の廃止、定年年齢の引上げ、継続雇用制度の導入、以上の三つの選択肢が設けられております。しかし、実際には、労使協定の締結により対象となる高齢者に係る基準を定めることで雇用確保措置を講じたとみなされます。この継続雇用制度を導入している企業がほとんどで、この継続雇用制度が選択肢にあることで他の二つの雇用確保措置が浸透していかないとの指摘がありますが、この基準について、今後も維持していくのか、また変更するのであれば、その方向性についてお伺いをしたいと思います。
#27
○大臣政務官(津田弥太郎君) 石井委員御指摘のとおりで、現在の高年齢者雇用安定法では、事業主に高年齢者雇用確保措置として三つ提案をしているわけでございます。
 一つは定年の引上げ、これが今ほぼ一五%程度実施がされているというふうに認識をいたしております。二つ目が継続雇用制度の導入、これが八割強、全体でも大変高い比率を占めているわけでございます。さらには、三つ目が定年の廃止でございますが、これは三%程度というふうに見られております。この三つのいずれかを講じることを義務付けているわけでございますが、いずれの措置をとるかは事業主の判断に委ねているわけでございます。
 また、労使協定で継続雇用制度の対象者の基準を定めることも認めております。しかし、来年四月からは老齢厚生年金の支給開始年齢が引き上げられるということでございまして、現行制度のままでは無年金、無収入になる可能性があるわけでございまして、このため、この度の改正でこの継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みを廃止する、そして雇用と年金を確実に接続をさせることにしたわけでございます。
 定年の引上げ、定年の廃止についても引き続き選択として残ることから、これらの選択肢について導入が進むよう、一つには法改正に合わせた周知啓発、二つ目には定年引上げ等奨励金の支給、三つ目には高年齢者雇用アドバイザーを通じた支援、こういう方策を取ってまいりたいと考えております。
#28
○石井準一君 今答弁いただきましたように、無年金、無収入になる人が生じないようしっかりと雇用と年金を確実に接続さす、そうしたことをしっかりと取り組んでいただきたくお願いを申し上げます。
 次に、法改正により増加すると見込まれる継続雇用希望者についてお伺いをしていきます。
 特別支給の老齢厚生年金の定額部分の六十五歳への支給開始年齢の引上げは二〇一三年四月に完了し、特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の支給開始年齢は二〇一三年四月から二〇二五年四月にかけて段階的に六十五歳に引き上げられることとなっております。
 この基準制度の廃止により、継続雇用を希望する労働者は増加すると考えられますが、厚生労働省としてはどの程度増加すると見込んでいるのか、お伺いをいたします。
#29
○政府参考人(中沖剛君) 御回答申し上げます。
 法改正によりまして基準制度を廃止した場合には、直接的には、これまで基準に該当しないとして離職していた方について新たに継続雇用制度の対象とする必要があるわけでございます。こうした方々は約一万人程度と見込んでおります。また、基準制度の廃止によりまして、現在基準を設けております企業の継続雇用率、これが六九・五%でございますが、この率が希望者全員の継続雇用を実現している企業の率八二・三%まで上がったとした場合には、こう仮定した場合には、五万人程度継続雇用の対象者が増えると考えております。
#30
○石井準一君 また、衆議院におきまして、継続雇用における基準制度の廃止に関連をいたしまして、厚生労働大臣は、心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱いを含めた事業主が講ずべき高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針を定めるものとして、主な内容とする修正が行われました。
 先ほど、増加する継続雇用希望者数の見込みについてお伺いをいたしましたが、衆議院における修正によりこの見込み数に変化が生じるのか否か、お伺いをしたいと思います。
#31
○政府参考人(中沖剛君) 今回の改正でございますが、先生よく御承知のとおり、労使協定によって継続雇用制度の対象を限定できる基準が廃止されまして希望者全員が対象となるわけでございますが、今回の衆議院の修正案はこうした点を変更するものではございませんので、この制度自体の例外を設けるものではございません。また、各企業で定められます就業規則の解雇・退職事由に該当する方、これは継続雇用の対象としないこともできる、これは労働政策審議会の建議におきましても示されたことでございますが、この取扱いを分かりやすく示すために、今回の修正案では独立の実施運用方針を定めるとしたものでございます。
 このように、修正によります継続雇用の例外というのは非常に限定的なものでございまして、従来と変わりがないものでございますので、継続雇用希望者数の増加見込み数が変化することはないというふうに考えております。
#32
○石井準一君 それでは、法改正に伴う企業の負担についてお伺いをいたします。
 今回の法改正により、これからの労働者を六十五歳まで雇用するとなれば、最近の厳しい経済状況の中、企業の負担は大変大きなものとなります。厚生労働省としては、企業の負担増をどの程度のものと見込んでいるのか、お伺いをしたいと思います。
#33
○政府参考人(中沖剛君) 法改正によります新たに継続雇用制度の対象となる方、先ほど御説明いたしましたように、一万から五万人程度と見込んでおります。
 ただ、その一方で、今後数年間のうちに団塊の世代の大量退職がございます。したがって、今後十年間の見込みでございますが、六十歳代前半層だけで実は百四十七万人の労働力人口の減少が見込まれております。また、労働力人口全体といたしましても三百六十万人ほど減少すると見込んでおりまして、社会全体としてマクロで見ると影響は限定的であると考えております。
 また、個別企業の負担でございますが、雇用確保措置の具体的中身は各企業に委ねられております。加えて、高齢者の場合はやはり健康状態、就業ニーズも多様でございまして、どの程度の数の高齢者が継続雇用されることになるかなかなか予想が難しいということ、雇用形態、処遇も個人ごとに異なってまいりますので、人件費等の算定もなかなか難しいということもございます。さらに、高齢者の雇用の場合、やはりコストという点ではなく、雇ったことによる、雇用したことによる利益もございますので、このコストというものを定量的に示すというのはなかなか難しいということを御理解いただきたいと思います。
#34
○石井準一君 ある角度から見ますと、また企業の負担増が競争力の低下などを引き起こし、雇用の喪失につながる懸念も捨て切れません。
 厚生労働省では、今回の法改正により負担増が見込まれる企業に対して何か対応策を講じる考えはあるのか、あるとすればどのような対策を講じるのか、お伺いをしたいと思います。
#35
○大臣政務官(津田弥太郎君) お答え申し上げます。
 この度の対象者基準の廃止に伴い、改正法案で、まず一つ目には、老齢厚生年金の支給開始年齢の段階的引上げに合わせて基準を認める十二年間、いきなり六十五歳に行くわけでありません、まずは六十一歳から始まるわけでございまして、経過措置があるということ、二つ目には、継続雇用制度で高年齢者が雇用される企業の範囲をグループ企業まで拡大といった企業の実情に応じた継続雇用制度を講じることができる措置を設けているわけでございます。
 また、企業に対する支援策として、平成二十四年度からグループ企業以外への労働移動を支援する助成金の新設、これは雇入れ一人につき七十万円ということになっております。二つ目には、中小企業事業主が再就職支援を有料職業紹介事業者に委託した場合の費用の助成の拡充、これは対象者が五十五歳以上の場合の助成率を二分の一から三分の二に引き上げるということになっておりまして、これを行うということにしたところでございます。
 このような支援を通じて、企業の理解を得ながら円滑な施行に努めたいと考えております。
#36
○石井準一君 答弁をいただきましたように、企業の理解を得ながらしっかりと対応していただきたくお願いを申し上げます。
 次に、今回の法案の内容について、六十五歳までの定年の延長であると受け止める向きもありますが、六十歳までと同じ労働条件でそのまま雇い続けなければならないのではないかと大変心配をしている声を聞きます。継続雇用は一旦定年で労働契約が終了して新しく労働契約を結び直すと理解をしておりますが、定年を境に個人個人で体力や能力面でも差が出てきますし、仕事に対する姿勢も変わり、健康状態、介護など、家族の事情などで働く際に制約がある方々も出てきます。
 そのような中で、継続雇用後の労働条件については柔軟な形で設定できるようにすべきではないかと考えますが、その辺はいかがでしょうか。
#37
○政府参考人(中沖剛君) お答え申し上げます。
 継続雇用制度によりまして労働者を定年後に再雇用する場合、先生御指摘のとおり新たに労働契約を締結することになるため、勤務場所、勤務内容などの条件は労使の合意によって決まることになります。
 継続雇用をする場合にその事業主が提示する条件でございますが、これは労働者が納得するようなものまでは求められておりませんが、法の趣旨を考慮した合理的な裁量の範囲内のものであることが必要と考えております。
 厚生労働省としては、厚生労働大臣の告示で高年齢者雇用確保措置を実施する上で必要な留意事項を示しております。こうした措置が、各企業で労使の十分な協議の下、適切かつ有効に実施されますよう指導してまいりたいと考えております。
#38
○石井準一君 それでは次に、若年者雇用への影響についてお伺いをいたします。
 まず、高齢者雇用政策の優先度をどう考えておるのか。また、雇用政策全体における高齢者雇用の位置付けについての見解をお伺いをいたします。
#39
○副大臣(西村智奈美君) 就業人口が減っていく中で日本の経済の活力を維持するためには、若者、女性、そして高齢者、障害者などの就労促進を全体的に図っていきまして、働くことができる人全てが社会を支えるという全員参加型社会、これを実現することが必要であるというふうに考えております。
 したがって、いずれの分野を特に優先させるということではなくて、いずれも積極的に取り組む必要があるというふうに考えておりまして、それぞれの特性に応じてしっかりと対策を講じていきたいと考えているところでございます。
#40
○石井準一君 次に、今回、三党から修正案が出てきました。この修正案は、働けない方々まで継続雇用をしなければならないのかという経済界の懸念に対して、指針を示すことにより懸念を払拭していこうという趣旨のものと理解をしておりますが、指針の策定に際しましては、経済界の意見を十分尊重していくようにすべきと考えます。厚生労働省としてのその方針の確認をさせていただきたいと思います。
#41
○国務大臣(小宮山洋子君) 高年齢者雇用確保措置の実施運用指針につきましては、労働政策審議会での審議を経て策定することとされています。ここは公労使三者構成の審議会ですので、使用者側の代表も参画をされていますから、審議を通じてそのお考えを十分に主張していただければよいというふうに考えています。
 厚生労働省としましては、厳しい経済情勢ですとか労働現場の実情を考慮しまして、経済界の御意見を十分尊重していきたいと考えています。
#42
○石井準一君 最後の質問になります。
 企業の社会的責任、個人の自助努力、それぞれが主体的に分担していくことが必要だと考えますが、無年金、無収入に対し厚生労働省として何らかの対応策を考える必要があると考えますが、見解をお伺いをいたします。
#43
○副大臣(西村智奈美君) 御指摘の点、私どもとしても理解をしております。
 今回、定年制を前提とする高年齢者雇用確保措置につきまして、委員御懸念の点は、恐らく有期契約雇用の方だというふうに思いますけれども、この有期労働契約の非正規労働者には、今回の措置は直ちには適用とはなりません。しかし、契約が反復更新されて実質的に定年制の対象となる労働者と同等と考えられる場合はこの対象者となり得るため、その旨を周知しているところでございます。
 そもそも、非正規雇用の労働者については、できる限り正規雇用につなげていくことが重要だと考えておりまして、公共職業安定所の就職支援や各種助成金の支給などで正社員としての就職支援を進めております。また、有期契約労働者に対しては、有期労働契約が長期間反復更新された場合について、その濫用的な利用を抑制して雇用の安定を図るため、労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約に転換すること等を盛り込んだ労働契約法の改正案、これは今国会でさきに成立させていただいておりますが、いずれにいたしましても、雇用される人の全てが少なくとも六十五歳まで働けるようにすることは重要であると考えており、有期契約労働者も含め、離職者に対して再就職のための支援を進めることが必要であると考えております。
#44
○石井準一君 これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#45
○渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。
 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 平成二十五年度に老齢厚生年金の定額部分の支給年齢が六十五歳となる公的年金制度改正が完了するとともに、同平成二十五年度から公的年金の報酬比例部分の支給開始年齢を六十一歳から六十五歳まで段階的に引き上げる制度改正が始まることから、高齢者の雇用の安定を図り、高齢者が無年金、無収入となることを防止することを目指す本改正案には、基本的に賛成でございます。
 質問としましては、本改正案の内容の確認と、そしてまた関連で厚生労働省にお伺いをしたいと思っております。
 まず、本改正案が高齢者雇用に与える影響と企業の対応について質問をさせていただきたいと思います。
 本改正案では、継続雇用制度の対象となる高齢者について、事業主が労使協定で定める基準により限定できる仕組みを廃止することによって高齢者の雇用の安定を図ることになっていますが、このような基準を設けている企業の継続雇用の現状について、厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
#46
○大臣政務官(津田弥太郎君) 渡辺委員にお答えを申し上げます。
 今御質問がございました高年齢者の雇用状況の集計結果によりますと、平成二十三年六月一日時点で、対象となる高年齢者に係る基準を労使協定で定めている企業は六万二千社というふうになっておりまして、約半数の企業が基準制度がある継続雇用制度を導入しているということになっております。
 実際この基準を設けている企業では、継続雇用を希望をした方約十九万八千人のうち、実際に継続雇用された方は九六・五%に当たる十九万一千人、基準に該当しなかったことによる離職者は三・五%に当たる七千人というふうになっておりまして、大部分の企業では実際に希望者全員を継続雇用し、大部分の方が実際に継続雇用されているというふうに思われます。しかしながら、一部希望しながらも継続雇用されなかった方がいますので、これらの方々について雇用と年金を確実に接続させる観点からこの度の改正を提案しているところでございます。
#47
○渡辺孝男君 今回の法改正によりまして、希望者全員を雇用する場合、事業主はどの程度高齢者の雇用拡大を図る必要があるのか、また、これらの拡大部分につきまして企業の対応は十分可能なのかどうか、厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
#48
○副大臣(西村智奈美君) 今回の法改正によりまして、基準制度を廃止した場合は、直接的にはこれまで基準非該当として離職させていた人について新たに継続雇用制度の対象とする必要があります。この基準非該当離職者は一万人程度というふうに見込まれます。また、基準制度の廃止によって、基準を設けている企業の継続雇用率が希望者全員を継続雇用する制度の企業の継続雇用率まで引き上がるというふうに仮定した場合に、継続雇用の対象者は五万人程度増加することになります。
 そのため、個々の企業の負担軽減策として、一つには、段階的に引き上げられる老齢厚生年金の支給開始年齢に合わせて継続雇用の対象者を限定できる仕組みを認める十二年間の経過措置を設けること、また継続雇用制度で高年齢者が雇用される企業の範囲をグループ企業まで拡大するということ、そしてグループ企業以外への労働移動を支援する助成金の新設といった措置を講じることにしております。こういった支援を通じて、企業の理解を得ながら円滑な施行に努めてまいりたいと考えております。
#49
○渡辺孝男君 次に、定年制の動向について質問をさせていただきたいと思います。
 継続雇用制度の導入、またそれ以外に六十五歳や七十歳までの定年の引上げ、あるいは定年の定めの廃止などの対応が行われているわけでございますけれども、この実情につきましてお伺いをしたいと思うとともに、今後の老齢年金の報酬比例部分の支給開始年齢の引上げを踏まえた定年制の、どのような動向になっていくのか、その点につきまして厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
#50
○副大臣(西村智奈美君) 高年齢者の雇用状況の集計結果によりますと、平成二十三年六月一日時点で、六十五歳以上の定年引上げの措置を講じている企業が一三%、希望者全員の六十五歳以上の継続雇用制度の導入の措置を講じている企業が三二・一%、定年の定めの廃止の措置を講じている企業が二・七%となっております。これら希望者全員が六十五歳まで働ける制度を既に行っている企業は合わせて四七・九%というふうになっております。七十歳以上定年や七十歳以上までの継続雇用制度など、企業の実情に応じて何らかの仕組みで七十歳以上まで働くことができる制度を導入している企業は一七・六%となっております。
 今後とも、希望者全員が六十五歳まで働ける企業や七十歳まで働ける企業の普及に努めてまいりたいと考えております。
 そして、今後の動向ということについてでございますけれども、今後の定年制の動向につきましては、今年一月の労働政策審議会の建議で指摘がなされておりますが、一つは、六十歳定年制は広く定着しているため、定年年齢の引上げは企業の労務管理上大きな影響を及ぼすことという指摘がなされ、他方で、六十歳以降は働き方や暮らし方に対する労働者のニーズが多様であることという指摘もなされておりまして、これらのことを踏まえて、直ちに法定定年年齢を六十五歳に引き上げることは困難であるというふうにされております。このことから、法定定年年齢の引上げは中長期的に検討すべき課題であるというふうに受け止めております。
#51
○渡辺孝男君 これから労働力が日本では減少してくるということは先ほどの質疑でもお話がございました。元気で働ける高齢者に関しましては、定年の引上げ等、その他の継続雇用等で、やはり労働者の希望に従って継続雇用、定年制の延長等を図っていただきたいと、そのように思います。
 次に、政府としての高齢者の雇用の安定確保推進策とその成果につきまして、小宮山厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
#52
○国務大臣(小宮山洋子君) 日本では特に高年齢の方も高い就業意欲をお持ちですので、可能な限り社会の支え手として活躍できるように、年齢にかかわりなく働ける全員参加型社会、そのための環境を整えていくことが大変重要だと考えています。
 具体的な施策としましては、定年の引上げ、継続雇用制度の導入等による高年齢者の安定した雇用の確保を進めるために、一つは高年齢者雇用確保措置の周知啓発、またハローワークによる事業主への指導、助言、勧告、高年齢者雇用アドバイザーを活用した相談、援助、先進的な事例を収集し情報を提供すること、定年引上げ等奨励金の活用促進などを実施をしているほか、ハローワークできめ細かな職業相談を行うことによって中高年齢者の再就職の援助、推進などを行っています。
 また、高年齢者の雇用状況の集計結果によりますと、九五・七%の企業が平成二十三年六月一日時点で高年齢者雇用確保措置を実施済みとなっています。この措置が義務化された前回の法改正から五年を経過し、これはほぼ定着をしてきていると見ています。
 こうした施策等の結果、六十から六十四歳の就業率は、ほかの年齢層では横ばいで推移しているのに対して、平成十七年の五二%から平成二十二年の五七・一%へと五・一ポイント上昇をしています。
#53
○渡辺孝男君 今大臣の方からも、施策の一つとして高年齢者雇用アドバイザーのお話が出ました。この高年齢者雇用アドバイザーの活動状況と実績につきまして、厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
#54
○大臣政務官(津田弥太郎君) お答え申し上げます。
 高齢者の六十五歳までの安定した雇用の確保、さらに七十歳まで働ける企業に向けて、個別企業における高年齢者雇用の取組を支援するために、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の、今委員が御指摘をいただきました高年齢者雇用アドバイザー等が事業所を訪問し、専門的な立場から賃金、人事制度の見直し、職場の改善などの人事労務管理上の諸問題を解決するための具体的かつ実務的な相談、助言を行っているわけでございます。
 この独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が全国に約五百人のアドバイザーを配置をいたしておりまして、事業主に対して専門的、実務的立場から、定年の引上げ、継続雇用制度導入等に関する相談、支援、助言を行っているわけでございます。このアドバイザーは、平成二十三年度には全国で約三万六千件の相談、助言を行ったということでございます。
 今後も、アドバイザーを効果的に活用して、事業主に対する支援を行ってまいりたいと考えております。
#55
○渡辺孝男君 大変重要な役割を果たしているということで、今後の活躍を期待をしたいと思います。
 さて、次でございますけれども、本改正案では、高齢者雇用確保措置義務に関する勧告に従わない企業名を公表する規定を設けているわけでございますけれども、企業にペナルティーを科すだけではなく、高齢者雇用等に努力し、一定の成果を上げた企業の先進的な取組等の紹介をし、顕彰をしていくと、そういうことも非常に大事であると、そのように考えております。
 先ほど大臣の方からもその点御紹介がございましたけれども、この顕彰あるいは先進事例の紹介の状況につきましてお伺いをしたいと思います。
#56
○大臣政務官(津田弥太郎君) 渡辺議員御指摘のとおり、この高年齢者雇用の重要性についての国民や企業等の理解の促進、さらには高年齢者が生き生きと働くことのできる職場づくりの取組の普及のためには、優良企業の先進的取組の紹介や顕彰、これを行うことが有効であると考えております。
 この考えから、厚生労働省と独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の共催で、高年齢者雇用開発コンテストを毎年度実施をいたしております。また、このコンテストの応募企業のうち優れた先進的取組については、厚生労働大臣表彰や機構の理事長表彰を実施をいたしております。
 こうした表彰企業や、支援機構が収集している先進的取組事例について、好事例集を作成するなどしてそのノウハウを広く全国に紹介をし普及を図っているわけでございます。
 今後とも、この先進的取組を行っている企業の顕彰や普及を進め、高齢者雇用を推進してまいりたいと考えております。
#57
○渡辺孝男君 次に、今回の法案の趣旨とは少し異なるわけでございますけれども、高齢者が継続雇用でなく他の会社に転職を希望し、そのような方を失業期間なく受け入れた企業がある場合に、その企業に対する助成金は既存の制度と同様のものなのか、それとも何か新たな対策を厚生労働省として行っているのかどうか、この点を確認をしたいと思います。
#58
○副大臣(西村智奈美君) お答えいたします。
 他の企業での雇用を希望する定年を迎えた高年齢者を、職業紹介事業者の紹介によって、定年の一年前から定年までの間に失業を経ることなく労働者として受け入れた事業主に対しまして、雇入れ一人につき七十万円、これ短時間労働者の場合は四十万円となりますけれども、それを助成する助成金を今年度から新たに設けております。高年齢者の円滑な労働移動をこれによって支援しているところでございますが、また六十歳以上の高年齢者を公共職業安定所等の紹介によって雇い入れた事業主に対して助成も行っておりまして、これによっての高年齢者の雇入れを支援しているところでございます。
 今後とも、このような支援を行って、転職を希望する高年齢者とその方々を受け入れる企業への支援を行ってまいりたいと思います。
#59
○渡辺孝男君 次に、本改正案による若年雇用に対する影響と若年者雇用の対策について質問をさせていただきます。
 平成二十四年六月の雇用情勢を見ますと、全体の完全失業率は四・三%でありますが、年齢別では、五十五歳から五十九歳までが三・五%、六十歳から六十四歳が四・六%、六十五歳以上が二・五%になっているのに対し、十五歳から二十四歳までは七・五%、二十五歳から三十四歳までの方は五・三%と、若年者雇用が大変厳しいものとなっておるわけであります。
 本改正により高齢者雇用が拡大するわけではございますけれども、これが若年者雇用に与える影響についての政府の見解を伺うとともに、並行して行うべき若年者雇用対策の強化について厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
#60
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員御指摘のこの改正によりまして若年者の方に影響が出ないかどうかということは、私も今回の改正に当たって一番対応をしっかりしなければいけないと思っていた点でございます。
 今回の基準制度の廃止によりまして継続雇用が求められる人は、先ほども御紹介したように、一万人から最大五万人程度と見込まれています。マクロ的に見ると、今超少子高齢社会ですので、若年者が減っているということ、団塊世代の大量退職などによりまして今後の就業者の数が大幅に減少をするので余り影響は出ないというふうに見ることができます。
 ただ、個々の企業についてはやはり若年者雇用への影響が生じる可能性があると思いますので、それを防ぐために、高年齢者の雇用確保策と併せて若年者の雇用対策、これは力を入れてきているところですが、更に力を入れる必要があると考えています。新卒者等に対しまして、全国の新卒応援ハローワーク、ここでジョブサポーターが寄り添ってきめ細かに対応をすること、そういう対応はこれまで以上に力を入れたいと思っています。また、雇用戦略対話で合意されました若者雇用戦略にいろいろなものを盛り込んでおりますので、例えば大学と連携をして、大学でそのジョブサポーターが常時恒常的に出張相談をするなどの対応も併せて力を入れてやっていきたいというふうに考えています。
#61
○渡辺孝男君 高齢者雇用と同時に若年者の雇用もしっかり対策をしていただきたいと、そのように思っております。
 時間の関係上、質問、予定したものをちょっと割愛をさせていただきまして、次の質問に入らせていただきます。
 法案とは直接関係しないわけでありますけれども、労働者関連の課題としまして、大阪市や宮城県などの印刷関係の従業員が胆管がんを多く発症していた問題がクローズアップされてきております。これが労災に該当するか否かの調査が緊急に行われていると承知をしております。
 そこで、印刷会社関係の労働者の胆管がん発症問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず、印刷会社労働者における胆管がんの発症の調査状況及び労災認定申請の状況につきまして、厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
#62
○政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。
 大阪府の印刷会社の労働者、元労働者から化学物質が原因で胆管がんを発症したとして本年三月に労災請求がなされたことから、厚生労働省におきまして原因究明の調査を行っております。また、他の印刷会社への広がりも懸念されたことから、本年六月には全国の印刷会社に対する一斉点検を行いまして、その結果を受け、現行法令の遵守の徹底、胆管がんに関する電話相談窓口の設置等の対応を行っております。
 なお、八月二十四日現在、印刷業に従事をして胆管がんを発症したとして労災請求があったのは二十九件となっております。
#63
○渡辺孝男君 原因究明が非常に大切だと。労災としてきちんと認定されるのかどうかということにかかわってくるわけでありますが、この原因究明の調査の状況について厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
#64
○政府参考人(宮野甚一君) お答えをいたします。
 印刷会社での胆管がんの発症原因については、現在、同一の事業場で多数の発症があった大阪府の印刷会社への調査を優先して行っております。会社への立入調査、各種測定、関係者からの聞き取り等から、通風が不十分な作業場で有機塩素系洗浄剤を用いて印刷機の洗浄作業が繰り返し行われていたことが分かっております。このため、労働者は高濃度の揮発性化学物質の蒸気に暴露していたと考えられておりますけれども、現時点では原因の究明には至っておりません。
 なお、八月上旬からは、印刷作業と胆管がん発症との関連を調べるため、専門家による疫学的調査を開始いたしました。引き続き、原因究明を進めてまいりたいと考えております。
#65
○渡辺孝男君 この問題、なかなか今までは顕在化しておらなかった問題でございますので、労災との関係、非常に究明を早くしなければいけないということでありまして、労災認定調査や認定判断の迅速化というものが求められておるわけでございますけれども、この点に関しましてどのような厚生労働省として対応をしていくのか、小宮山厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
#66
○国務大臣(小宮山洋子君) 今回の印刷会社の労働者に発症した胆管がんの労災認定に当たりましては、これは早期に結論を出す必要があるというふうに考えています。このため、厚生労働省では、近々のうちに医学専門家などで構成される検討会を開催をいたしまして、最新の医学情報に基づいて業務と胆管がんとの因果関係について検討することにしています。この検討会は、年度内をめどに、現時点での医学的知見について報告書を取りまとめたいと考えています。
#67
○渡辺孝男君 この件では、労災を申請する権利は、残念ながら亡くなってしまった場合には死後五年で消滅してしまうという問題が指摘をされております。この案件では、厚生労働省も印刷会社での業務で胆管がんが発生する可能性を十分認識しておらなかったと。当然ながら、事業主や労働者もそのような知見は得ておらず、十分な注意を払わなかったというような実情もあると考えられます。しかも、胆管がん発症までの潜伏期間も長期に及ぶことから、印刷業務と胆管がんの発症を労災と関係するものと疑うことは大変難しく、労災申請が遅れてしまい、死後五年を経て時効となってしまうということは大きな問題として指摘をされておるわけであります。
 労働環境が主たる原因と推測される胆管がん発症者に対する時効の取扱いをやはり再検討する、あるいは特別な救済策の検討をするということが重要と考えておりますが、この点に関しまして小宮山厚生労働大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。
#68
○国務大臣(小宮山洋子君) 胆管がんにかかった労働者、また御遺族の救済ということは大変重要ですので、今後、その印刷業と胆管がんとの因果関係を検討して、労災認定について早期に結論を出したいと思っています。
 御指摘の労災保険の時効は権利を行使できるときから進行するということですが、胆管がんの事案の場合これがいつなのかについて、今後明らかになる因果関係に基づいて対応したいと考えています。その際には、例えばクロム精錬工程作業従事者の肺がんについて、疫学的にクロムとの因果関係が明らかにされた昭和四十九年三月五日までは労災保険給付の時効が進行しないものとして取り扱った経緯などがありますので、そうしたことも参考にしながら、柔軟に救済できる方向で検討をしたいというふうに思います。
#69
○渡辺孝男君 これは大変な重大な問題でございますので、厚生労働省として、そういう患者さん、労災が疑われる患者さんのために、御家族のためにしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#70
○委員長(小林正夫君) 答弁席を入れ替えますので、少しお待ちください。
#71
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 高齢者雇用安定法は衆議院で修正議決されましたが、修正によって当初の政府案とどう違う結果が生まれると考えているのか、まずお伺いいたします。
 修正することによってどの程度継続雇用がなされなくなると見ているのでしょうか、また、修正によって事業者にとってメリットがどれくらいあると見ているのか、逆からいえば、修正しないことで企業経営にどれくらいデメリットがあると考えておられるのかについても併せて岡本先生にお願いいたします。
#72
○衆議院議員(岡本充功君) 今回、法案の修正を提出をさせていただきましたが、基本的に、修正案では、そもそも労使協定によって継続雇用制度の対象者を限定できる対象者基準が廃止されることから、継続雇用制度は希望者全員を対象とすることが基本だと、こういうふうに考えています。
 その中で、定年前であっても離職させることができるという就業規則の解雇・退職事由に該当する者、こういった者がいるというのもまた一方で事実でありまして、修正案では、このような限定的な例外を含めて、企業現場の取扱いについて労使双方に分かりやすく示すために高齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針の根拠を定めると、こういうことにしたものでありまして、このように、修正案においても継続雇用制度が希望者全員を対象とすることが基本になるという点は変わりません。修正案によって継続雇用の範囲が狭まるものではありませんし、当然、この法案の修正によって先生御指摘のような影響は出ないと。
 また、メリット、デメリットということでありますけれども、先ほどお話をしましたように、労使双方に分かりやすく示すということでありまして、双方にとってメリットがあると思っています。
#73
○川田龍平君 次に、そもそも六十歳以上の方々の暮らし方、生き方全体から考えて、就業や年金の在り方も含め、どうあるべきかというビジョンがあればお示しいただけますでしょうか。岡本議員、そして加藤議員にお願いいたします。
#74
○衆議院議員(岡本充功君) 民主党の党内においては、例えば二〇〇九年のマニフェストのインデックスの中で、若者や女性、高齢者、障害者、生活保護者等への就労支援、こういったものを書いた二〇〇七年我々が提出した雇用基本法案、こういったものを紹介し、高齢者雇用の促進、そしてまた働く意欲のある高齢者などを雇用していこうと、こういう雇用機会を増やしていくというようなことを提起はさせていただいています。
 いずれにしても、それぞれのライフスタイル、考え方があると思いますので、働きたい方が働ける環境をつくっていくということは重要ではないかというふうに考えています。
#75
○衆議院議員(加藤勝信君) 自由民主党として、そもそも自助自立を基本に共助、公助を組み合わせていくと、こういう基本的な考え方でありますから、働く意欲、能力のある方々が生涯頑張って働いていただくというのを当然我々は応援をしていくと、こういう立場でございまして、そういう観点からも、今回の修正案を含めた法案というのは、一つ、その一歩だというふうに考えております。
 また、年金については、仕事からリタイアというか離れる時期と年金をもらう時期、これをうまく接続していくというのは当然考えていかなきゃいけないということとともに、現行在職老齢年金制度というのがありますけれども、これから高齢者の方々のライフスタイルあるいは考え方もまちまちでありますから、年金をいつの時期からもらうのか、あるいはどういうふうにもらっていくのかということも含めて、これは財源等の問題はもちろんありますけれども、その辺を弾力的に考えていくというようなことも年金制度の中で考えていってもいいんではないかなと、かようにも考えております。
#76
○川田龍平君 修正部分についての質疑はこれで終わります。加藤議員、岡本議員、ありがとうございました。
#77
○委員長(小林正夫君) それでは、岡本議員、加藤議員の退室を認めます。
#78
○川田龍平君 さて、ここで、政府への法案の質疑に先立ちまして、今国会中に政府に確かめておかねばならない事項が幾つかありますので、質問させていただきます。
 東日本大震災の被災者の広域支援について、全国避難者情報システムがうまく機能していないというのは御承知のとおりですが、全国で統一された避難者台帳がないときちんとした把握ができません。今後の災害についても同様です。
 現状では西宮方式と京大方式があり、西宮方式は各自治体でそれぞれ仕様を変えて運用しており、東京都では先日、京大方式というのを導入し、福島県においては富岡町の独自の取組もあり、全国でばらばらになっておりまして、統一的に避難者を把握できない状況です。さらに、総務省ではマイナンバーの導入も検討されていると聞いています。
 政府で西宮方式、京大方式と富岡町の各方式の関係者を集めて一本化するなど、全く別のものをつくるとか互換性を持たせるとか、とにかく全国で統一的に使えるシステムになるような検討をする委員会をすぐにでも立ち上げるべきではないかと考えますが、総務省と内閣府にお伺いいたします。
#79
○政府参考人(門山泰明君) お答えいたします。
 自治体におきましては、災害時に被災者の方々の基本的な情報ですとか被災情報、こういったものを一元的に管理していくということは非常に重要だということで、その際、当然のことながら情報システムを活用していくということは有効だと考えております。
 現在、総務省といたしましては、今御指摘ございましたように、阪神・淡路大震災に際しまして西宮市で開発されました被災者支援システムを管理しております財団法人地方自治情報センターと協力いたしまして、システムの活用の在り方ですとか支援体制について必要に応じ助言を行い、また、情報システム、いろいろな優れた活用事例、ほかにもございますので、周知を図っているところでございます。
 また、現在、内閣府におきまして今後の問題として被災者台帳を法的に位置付けることも検討されておられると承知いたしておりますが、総務省といたしましても、地方公共団体など関係者の御意見をよく聞きながら、具体的な情報システムの在り方等に関しまして、その検討に協力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#80
○副大臣(後藤斎君) 先生御指摘のとおり、いわゆる被災者台帳というのは今法的な明定はございません。
 私の認識では、地方公共団体の各部署が分散して保有する被災者情報を登録、共有化をしながら、被災者の皆さん方の現状やニーズとともに支援の状況等を一元管理をしていく、これによって被災者一人一人の状況に応じた支援の適時効果的な実施を図ることが可能となるようなものであろうということです。
 今もお話がありましたように、今年、先生も御案内のとおり、七月三十一日に防災対策推進検討会議の最終報告書におきまして、被災者台帳についても災害対策法制にきちっとした位置付けをし、社会保障・税番号との関係を明確化すべしというふうな報告書になっています。これを踏まえて、今、次期通常国会等に向けて災害対策法制の全般的な見直しを行っています。
 その中で被災者台帳を法的に位置付けることを検討しておりますが、先生が御指摘のように、様式の統一化を進めていくのが適当であるかどうか、さらには、今ある意味では分散をしていると、様式がばらばらだという、逆説的に言えば地方公共団体の創意工夫という見方もあるのかもしれませんが、そういう尊重をするのが適当なのか、今地方公共団体の皆さん方とも意見も聞いておりますので、その法制化、災対法の再修正に向けて検討をきちっとしていきたいと、先生の御指摘も踏まえていきたいというふうに考えております。
#81
○川田龍平君 また大規模な災害がいつ起こるか分かりませんので、一日も早くこの災害対策に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 次に、埼玉県加須市の避難所で双葉町が災害救助法による弁当支給を九月以降打切りにするということですが、確かに自治体が弁当支給や福祉避難所の設置を決めるとはいえ、特に高齢などの災害弱者が多く残されている中で、国として国民の命を守る姿勢が見られません。双葉八町村の方々が帰れるのかどうかも先の見通しが何もなく、放置されたままであるというのは、国の責任がまず問われるのではないでしょうか。
 今後、災害関連死を少なくするために対策を講じるそうですが、このまま放置していたら、ここでもまた災害関連死が起きてしまうのではないでしょうか。国として被災者を見捨てていないということを被害者自身に伝わるようにメッセージを発していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#82
○政府参考人(岡本全勝君) 発災直後に約四十七万人に上りました避難者は、現時点では三十四万人余りになっております。この間、避難所からより条件のいい仮設住宅あるいは借り上げ民間住宅等への入居を進めてまいりましたので、避難所は今先生が御指摘の加須市の避難所一か所のみとなっております。
 御指摘の双葉八町村につきましては、現在、避難指示区域の見直しを進めておりまして、地域に戻れる方のほか、当面、長期間避難を続けていただかねばならないという方々も多数おられる予定でございます。
 このため、私どもといたしましては、まず帰還できる地域につきましては、除染とインフラの復旧を行いましてなるべく早く帰っていただくこと、二点目、避難が長期に及ぶ地域につきましては、町外コミュニティーを含めまして、長期避難に向けました課題について県、自治体と連携を取って検討を進めているところでございます。
 なお、御指摘の災害関連死につきましては、やはり生活を再建していただくというのが一番の方法でございますが、まだそれが続きます間には、被災者の見守り活動など孤立防止、心のケアを行っておりますので、これに力を入れていきたいと思っております。
#83
○川田龍平君 この弁当の九月打切りについても是非しっかりと国としてできる限りのことをしていただきたいと思います。もちろん町が決めるんですけれども、国としてちゃんとしっかりとそこを支援していくということを一言お願いしたいと思います。
#84
○政府参考人(岡本全勝君) 避難所での弁当につきましては、災害救助法というので厚労省さんが所管ですので、厚労省にお伝えします。
#85
○川田龍平君 是非よろしくお願いいたします。
 そして次に、難病対策委員会で今後の難病対策の在り方、中間報告が出ましたが、従来受けられている給付が減らされるのではないか、線引きで谷間ができたままの支援にならないのかという切実な患者さんたちの声が上がっています。
 どのようなスケジュールでどのようなプロセスを経て今後の難病対策を定めるのかを、辻副大臣が理想とされる思いも含めて、覚悟を持った答弁をいただけますでしょうか。
#86
○副大臣(辻泰弘君) 難病対策につきましては、私が副大臣就任以来、厚生科学審議会の疾病対策部会や同部会の難病対策委員会などの場で精力的な議論を進めていただいてまいりました。同時に、本年二月十七日の社会保障・税一体改革大綱におきましては、法制化も視野に入れ、公平・安定的な支援の仕組みの構築を目指すことが閣議決定されたところでございます。そして、その検討の成果として、今月八月十六日に難病対策委員会におきまして中間報告が取りまとめられ、二十二日にはその親会議である疾病対策部会においても御了承が得られた次第でございます。
 このように、難病対策の抜本的な見直しに向けての方向性が示されたことは大変意義深いことと考えております。
 また、八月十八日には、私も参加させていただき、全国の患者団体の方々との意見交換会を開催し、御意見などをお伺いしたところでございます。
 今後は、まず、明日八月二十九日に私が座長を務めます新たな難治性疾患対策の在り方検討チームを開催をし、中間報告や意見交換会での御意見を踏まえた今後の取組につきまして議論を行う予定でございます。その後、難病対策委員会におきまして引き続き精力的な御検討をお願いし、患者の方々の御意見も伺いながら、総合的な難病対策の構築に向けた法制化を視野に入れ、できるだけ早く結論が得られるよう全力を尽くして取り組んでまいりたいと考えております。
#87
○川田龍平君 是非よろしくお願いします。
 さて次に、過労死について質問させていただきます。
 東京新聞の調査で、東証一部上場企業の売上げ上位百社の七割が過労死ラインを超える残業を社員に認めていることが判明しました。三六協定も過労死を止めるどころか促進するものになってしまうというような現状です。このような状況を放置していいのでしょうか。
 また、基本法はたくさんあるのに、労働関係の基本法はいまだにありません。大臣は、こうした法整備の必要についてどのように考えているのでしょうか。過労死はあってはならないと大臣が宣言し、国、自治体、事業主の責務を明確化し、国が過労死に関する調査研究を行い、総合的対策を行うこと、これが過労死防止基本法の骨格です。
 それができるのかどうか。今日は傍聴席に過労死された方の遺族の方も見えており、今後、この後、今日、過労死防止基本法についての意見交換会が国会内で開かれ、全国の過労死遺族の方が集まられます。是非そうした方々に届くような大臣の肉声をお聞かせください。
#88
○国務大臣(小宮山洋子君) 過労死につきましては、本当に働くことで命をなくすということはあってはならないことだと委員がおっしゃるとおりに、私もそのように思っています。
 議員になる前に、私もジャーナリストとしてこの過労死の問題取り組んでいまして、たしか命より大事な仕事って何ですかというタイトルだったかと思いますけれども、遺族の方の書かれたものを集めた本なども紹介をさせていただいたりしてまいりました。
 こういう認識の下で、厚生労働省では、平成十八年に過重労働による健康障害防止のための総合対策を定めまして、時間外・休日労働時間の削減、年次有給休暇の取得促進、長時間労働者に対する医師による面接指導の実施を始め、労働者の健康管理に関する措置の徹底など、総合的な対策の実施に努めているところです。中でも、時間外労働の抑制を図るために、厚生労働省では告示で時間外労働の一定の限度時間を定めて、基本的にはこの限度時間に基づいて三六協定を締結するよう指導をしています。
 引き続きこうしたことを一つ一つしっかり取り組んでいきたいと思いますし、労働基準法や労働安全衛生法を始めとする関係法令の遵守の徹底に努めていきたいと思っています。
 今御提案のありました過労死防止基本法、これは議員の方で制定に向けて今活動されていると聞いておりますので、議論の状況を強い関心を持って見ながら、協力できるところは連携を取ってやっていきたいというふうに考えます。
#89
○川田龍平君 ありがとうございます。過労死防止基本法を制定できるように是非協力いただければと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました。
 それでは、引き続き高齢者雇用安定法の質疑に戻らせていただきます。
 まず、六十歳を超えても雇用されなければいけないという一面的なとらえ方ではなく、六十歳からの起業を促進し、高齢者が高齢者を雇用する事業を創出するということも含め第二の人生への応援もしていかなければならないと考えますが、経産省としてどのような施策を考えているのかお聞かせください。
#90
○政府参考人(石黒憲彦君) 高齢者の起業促進につきましては、多様な起業家による活発な開業が行われることで我が国経済の活性が図られるという観点から極めて重要だというふうに考えております。
 こうした観点から、経済産業省といたしましては、五十五歳以上の起業を支援するために、平成十一年度から日本政策金融公庫が低利の融資を行う女性・若者・シニア起業家支援資金を実施しております。平成二十四年度には、貸付年限を十五年から二十年に拡充をいたしました。
 実績といたしまして、平成二十三年度末時点でシニア起業家に対する融資実績は累計で二万三千八百十六件、一千四百四十二億円に上っております。
 経産省といたしましては、日本再生戦略におきましても起業支援に重点的に取り組むと明記をいたしておりますのと、また、高齢者の方々、中高齢者の方々を含めましてセカンドキャリアをどうやって目指していくかということについて新たな施策の拡充に努めてまいりたいというふうに考えております。
#91
○川田龍平君 ありがとうございます。
 次に、官民格差について質問いたします。
 原則として六十歳で定年になる官僚の方については年金支給を受けるまでの期間再任用できることになっていますが、民間ではなかなか一〇〇%雇用を継続するのが難しい現状です。そんな中、民間の事業主に雇用確保措置を例外なく講ずる義務付けをするのは、民間ばかりに規制を強化することにはならないでしょうか、いかがでしょうか。
#92
○副大臣(西村智奈美君) お答えいたします。
 現行制度のままですと、平成二十五年度には継続雇用を希望しても六十歳の定年以降に雇用が継続されないと年金も支給されずに無収入になる者が生じる可能性がございます。このため、今回の法改正で継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みを廃止いたしまして、雇用と年金を確実に接続させることといたしました。
 今回の基準の廃止は個々の企業に負担をお願いするという中身であるために、負担軽減策として幾つかの措置講じておりますが、一つには、段階的に引き上げられる老齢厚生年金の支給開始年齢に合わせて継続雇用の対象者を限定できる仕組みを認める十二年間の経過措置を講ずるということ、また継続雇用制度で高年齢者が雇用される企業の範囲をグループ企業まで拡大するということ、そしてグループ企業以外への労働移動を支援する助成金の新設といったことでございます。こういった措置を通じて企業の理解を得ながら円滑な施行に努めてまいりますので、是非御理解をいただきたいと思います。
 なお、国家公務員の雇用と年金の接続を実現するための具体的な方策につきましては、今年三月二十三日に、国家公務員の雇用と年金の接続に関する基本方針が国家公務員制度改革推進本部、行政改革実行本部で決定されておりまして、現在、具体的な制度改正案を検討しているというふうに聞いております。
#93
○川田龍平君 是非、これ本当に六十歳以上の方、特に年金がそのうち七十歳にならないと出なくなるのではないかという若者の思いもありますので、本当に今後やっぱりしっかりとこういった対策をしっかり打っていただけるようによろしくお願いいたします。
 質問時間ちょっとありますが、終わります。ありがとうございました。
#94
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 労働者の年金支給年齢引上げによって、来年四月以降、六十歳で定年退職し給与収入が途絶えると、一年以上にわたって無収入、無年金になる場合が生じてしまいます。さらに、二〇二〇年四月以降に六十歳となる労働者は全員、六十五歳になるまで厚生年金は一円も受け取れないということになります。
 国策でこのように年金支給年齢を引き上げた以上は、六十五歳まで雇用継続の施策を講ずるのは最低限度の政府の責務であって、継続雇用の対象者の選別を可能としてきた基準を廃止するというのは当然のことだと考えます。一方で、労働政策審議会では、使用者側から例外を認めるべきだと強く要望がされて、そのことは報告の中にも意見が明記をされました。
   〔委員長退席、理事梅村聡君着席〕
 政府提出の法案では、このような労政審の建議を踏まえた上で、基準の廃止を行うだけで例外規定を置かなかった。その理由について、簡潔にお答えください。
#95
○国務大臣(小宮山洋子君) この度の改正では、年金の支給開始年齢の引上げに対応して雇用と年金を確実に接続をさせるため、継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みを廃止して、希望者全員の六十五歳までの雇用確保を図ることにしています。ですから、新たに例外を設けることは適当ではないというふうに考えています。
 また、労働政策審議会の建議で、就業規則における解雇事由又は退職事由に該当する者について継続雇用の対象外とすることもできるとすることが適当であるとされましたが、これはほかの年齢でも適用できる解雇・退職事由を定年時にも利用して、その場合には継続雇用しなくてもよいことを確認的に示したものであるために、法案には盛り込まなかったということです。
#96
○田村智子君 そもそも、解雇事由に相当するような労働者が定年まで働いているということ自体がなかなかに想定しかねる事態なんですね。
 修正提案者にお聞きします。
 なぜ希望者全員の継続雇用に対してわざわざ想定も困難なような場合を考慮して例外規定を置くことが必要だったんですか。
#97
○衆議院議員(岡本充功君) まず大前提として、新たな例外規定をこれ作っているわけではない、設けているわけではありません。
 今回、修正案では、政府の労政審の建議で、労使協定による対象者基準は廃止することが適当であること、それから就業規則における解雇事由又は退職事由に該当する者について継続雇用の対象外とすることもできるとすることが適当であること、また対象者基準廃止後の継続雇用制度の円滑な運用に資するよう、企業現場の取扱いについて労使双方に分かりやすく示すことが適当とされていて、この分かりやすく示すことが適当だということを踏まえ、今回の修正案を提出をさせていただいたと、こういうことでありますので、御理解をいただきたいと思います。
#98
○田村智子君 希望者全員というのは大変分かりやすいんです。それに対してわざわざ希望者全員でなくてもいい場合というような中身を求めて修正を行っているわけですから、これは私は事実上例外があるということを法律の中で書いているんだと言わざるを得ないというふうに思うんですね。
 こういう法律に抜け穴をつくるということは、やっぱり労働者にとって非常に重大な問題をもたらしかねないと思います。しかも、現在の基準というのは労使協定によって定めますが、今後は、大臣が指針を定めて、使用者がその運用を判断するというのが、現場でそういうことになっていくわけですね。そうすると、使用者側の恣意的な判断がなされないよう、指針では、継続雇用とならないというような場合は本当に極めて限定的であると、希望者全員なんだということがはっきりと分かるように示すべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#99
○国務大臣(小宮山洋子君) 一月六日の労働政策審議会の建議では、継続雇用制度の対象者基準の廃止を適当とするとともに、一つは、就業規則の解雇・退職事由に該当する人について継続雇用の対象外とすることもできる、この場合、客観的合理性、社会的相当性が求められるということ、また、継続雇用制度の円滑な運用に資するよう、企業現場の取扱いについて労使双方に示すことが適当である旨示されています。
 この度の修正案は、雇用と年金の確実な接続という今回の法改正の趣旨を堅持をしながら、労働政策審議会の建議も考慮して高年齢者雇用確保措置の実施運用指針を定めることとしたもので、おっしゃるような事業主の恣意的な判断を認めるものではないというふうに考えています。
 厚生労働省としましては、高年齢者雇用確保措置の実務運用に関する留意点について、この労働政策審議会の建議や国会での御議論を考慮しながら、今委員が御指摘のような御懸念がないように所定のプロセスを経てしっかりと策定をしていきたいと考えています。
#100
○田村智子君 私が大変危惧をしますのは、今でも企業側の身勝手な論理で現に深刻な解雇やリストラが行われているということなんです。
 その解雇の理由についても、社会的に通用する常識の範囲なのかどうかと、これを争う裁判が幾つも起きています。例えば、日本IBMでは二〇〇八年から、相対評価で成績が低いとされた下位一〇%の労働者に対して退職勧奨、私はこれは退職強要だというふうに考えますけれども、退職するよう求める面談が繰り返されています。相対評価の結果で成績が思わしくないことが解雇事由に当たると言うに等しいやり方を現に行っているんです。
 一般的に、相対評価で下位一〇%の労働者は解雇などという解雇事由は許されないし、六十歳定年時においても、相対評価という指標をもって労働者を継続雇用しないというような判断を企業が行うことはこの法案によっても認められないと思いますが、確認をしたいと思います。
#101
○副大臣(西村智奈美君) 解雇の有効性につきましては、まず就業規則にそのような解雇事由を定めることが労働契約法に規定されている就業規則法理に照らして合理性を有すると認められるかどうか、そして、ある労働者がその解雇事由に該当し、その労働者を解雇することに客観的に合理的な理由があると認められるのかどうか、また、実際にその労働者を解雇することが社会通念上相当と認められるかどうか、例えば成績の改善の見込みの有無ですとか配転、降格などによる解雇回避の手段の可能性、そして能力を発揮する機会が十分に与えられていたかどうかなどの諸事情がそれぞれ個別の事案ごとに判断されることとなるものと考えております。
 また、この度の改正で継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みが廃止されたにもかかわらず、御指摘の退職勧奨の対象とする勤務成績の基準を新たに継続雇用の対象者基準として設けることは、この度の改正の趣旨に反すると考えております。
 個別の事案については裁判所で判断されることになりますが、継続雇用の際に現行の対象者基準と同様のものを設けている場合には指導等をしっかりと行っていきたいと考えております。
#102
○田村智子君 このIBMですね、ボトムテンだといって、もう退職勧奨の対象にしちゃっているわけですね。こういう事例が現に起きているんだ、解雇事由に値するようなことだというようなやり方を企業が行っているということ、これ是非よく理解していただきたいと思います。
 食品メーカーの明治屋でも、労働組合の委員長が規定の基準C以上を満たさないという理由で、希望したにもかかわらず雇用継続がされない、こういう事案が二〇一〇年に起きています。
 今の御答弁にあるように、こうした勤務評価は会社側の一方的な判断で行われてまともな説明なされないことは多々あるんですけれども、継続雇用の基準としては今後はならないんだということは確認できたと思います。
   〔理事梅村聡君退席、委員長着席〕
 それだけではなく、私が大変危惧をしていますのは、継続雇用を希望させないという圧力、こういうことも現に起きている。これをなくしていかなければならないというふうに思っています。例えば、東北大学生協では、パート労働者が六十歳になると職種変更や事業所の変更、時間帯変更を行って、働き続けることが困難にされてしまうと、こういう環境がつくられてしまうと聞いています。
 このような継続雇用を希望できないような労働条件の変更、あるいは継続雇用を希望しないよう多数回に及ぶ面談を繰り返すと、こういうことがあってはならないと考えますが、いかがでしょうか。
#103
○副大臣(西村智奈美君) 継続雇用制度で労働者を定年後に再雇用する場合には、新たな労働契約を締結することになるため、勤務場所や職務内容などの条件は労使の合意で決まるということであります。継続雇用をする場合に事業主が提示する労働条件については、労働者が納得するようなものまでは求められておりませんが、法の趣旨を考慮した合理的な裁量の範囲内のものであることが必要と考えられます。
 また、裁判例について申し上げますと、具体的状況に照らして極めて過酷で勤務する意思をそがせるようなものというものは、高年齢者雇用安定法の目的に反するという裁判例もございます。
 厚生労働省としては、厚生労働大臣の告示によって高年齢者雇用確保措置を実施する上での留意事項を示しておりますが、この措置が各企業で労使の十分な協議の下に適切かつ有効に実施されるように指導を行ってまいりたいと考えております。
#104
○田村智子君 厚生労働省の資料では、継続雇用を希望したけれども基準に該当しないことを理由に離職した労働者は希望者の二・三%、定年到達者の一・八%という数字は示されています。しかし、どのような場合に基準に該当しなかったのか、離職を余儀なくされたのかと、こういう中身は分かってこないわけですね、この数字だけでは。また、継続雇用を希望しなかったという労働者も一定割合いるわけです。これも、なぜ希望しなかったのか、一〇〇%労働者側の理由によるものなのかどうかと、これもこの調査の中では分からないわけです。
 今、リストラの嵐が本当に吹き荒れている。退職強要のようなやり方、昨日、決算委員会でも取り上げましたけれども、これが吹き荒れている。同様に、六十歳の定年のときに、継続雇用をするかどうかというときにも同じようなことが行われているだろうと、これ容易に推測ができるわけです。
 そこで、是非厚生労働省にお願いをしたいのは、今後、労政審が審議をする、大臣が指針を定める、それに当たっては、これまで希望をしても継続雇用とならなかった事例にどのようなものがあるのか、あるいは継続雇用を希望しなかった理由にどのようなものがあるのかと、こういう具体的な調査も行って、その内容を公表すべきだと思うんですけれども、御検討いただきたいんですが、どうでしょうか。
#105
○副大臣(西村智奈美君) JILPTが調査を実施しております。これが、高齢者に関する調査によりますと、継続雇用制度の基準の内容については、健康上支障がないこと、これが九一・一%、働く意思、意欲があること、九〇・二%、出勤率、勤務態度、これが六六・五%、一定の業績評価、五〇・四%などがございまして、基準に該当せず離職した一・八%の人についてもこのような基準に該当したものというふうに考えられます。
 また、継続雇用を希望しなかった方について、希望をしなかった理由を見ますと、再雇用、勤務延長の賃金が安過ぎるからといった御意見や、他の会社に転職したかったから、また、趣味やボランティア活動に打ち込みたかったから、健康上の理由からなどというふうになっております。
 このように、継続雇用を希望しない理由は多岐にわたっておりまして、このうち、高年齢者に係る基準を労使協定で定めている企業において、当該基準に該当しないと考えてあえて継続雇用を希望しなかった方がどれくらいおられるかについては、残念ながら把握できておりません。
 なお、法改正により基準制度を廃止した場合、基準制度の廃止によって、基準を設けている企業の継続雇用率が希望者全員の継続雇用企業の継続雇用率まで引き上がると仮定いたしますと、一万人から五万人程度継続雇用の対象者が増加することになります。
#106
○田村智子君 この基準をめぐっては裁判などでも闘われておりますので、やはりそうした具体の事例を是非踏まえていただきたいということを重ねて要望したいと思います。
 修正された法案の第九条第三項には、心身の故障のために業務の遂行に堪えない者等の継続雇用制度における取扱いという文言が入りました。継続雇用をされない理由として、心身の故障ということが今後具体的に例示されるのではないかというようなことが考えられるわけです。
 神奈川県の自動車学校、三栄興業株式会社が経営する自動車教習所では、今年八月十五日に六十歳の定年を迎えた労働者が継続雇用を拒否されました。会社は書面で理由を示すことを拒否していますけれども、口頭では、一つに過去に目まい症で休職したことがある、二つに糖尿病を罹患している、三つに教習生からの苦情が過去二回あった、たった二回です、四つ目に三、四時間の残業命令に対して一、二時間の残業しかしなかったというのが理由だとされました。
 この残業について言えば、健康管理上、食事時間を一定にしなくちゃいけないとか運動をすることが必要だと、残業時間を短くせざるを得ないという事情があったわけですね。私、これは重大な事例だと思います。医師は通常勤務であれば十分堪えられると判断しているのに、慢性疾患があって残業が十分にできないなどが理由にされて継続雇用を拒否されるようなことがあってはならないと思います。
 六十歳という年齢は当然二十代、三十代と体力的にも身体の状態も異なるのは、これは当たり前のことです。慢性疾患抱えながら体調管理に努め勤務してきた労働者が心身の故障を理由に六十歳での退職を今後も余儀なくされると、こういうことになれば、医療費どうするのか、生活費どうするのかと、こういう事態にもなりかねないんですね。是非大臣の見解をお聞きしたいと思います。
#107
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘の心身の故障のため業務の遂行に堪えない者、これは通常働けないと考えられる場合の例示で、業務の遂行に堪えない者等の等というのは、就業規則で解雇・退職事由に該当する場合が想定をされます。
 ここで言う業務の遂行に堪えない場合に継続雇用しないことについては、通常の解雇と同様に客観的に合理的な理由があり、かつ社会通念上相当であるということが求められています。したがいまして、今お話のあったような慢性疾患があるという理由だけで直ちに継続雇用されなくなるというものではないと考えています。
#108
○田村智子君 これは後でももう一度聞きますけれども、慢性疾患プラスどういう働き方をするかというのがセットなんですね、残業前提みたいに。非常にこれは重大な事例だと思いますので、大いに注視をしていただきたいと思います。
 これは慢性疾患だけではないです。例えば、定年を前にして病気や事故で入院や休業が必要になったと、こういう場合も当然起こり得る、想定できるわけですね。回復できる、六十五歳まで十分働けると、そういう見込みがあるのに心身の故障を理由に離職を余儀なくされると、こういうこともあってはならないというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
#109
○副大臣(西村智奈美君) 今回の法案では、継続雇用制度の対象者を限定する仕組みを廃止することで定年後の雇用を希望する者全てを継続雇用制度の対象者とするように求めているものでございます。
 業務の遂行に堪えない場合継続雇用しないことについては、通常、解雇と同様に客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であるということが求められておりまして、単に定年時にたまたま休職しているという理由だけで直ちに継続雇用されなくなるものではないと考えられます。
 いずれにいたしましても、お尋ねのようなケースでは、労使間で十分に協議を行いつつ、再雇用の手続の中で当事者同士十分に話し合っていただくことが重要であると考えております。
#110
○田村智子君 解雇の事由に当たるということとか、あるいはその業務に堪えないということなども、本当に繰り返しますけれども、裁判例が後を絶たないわけですね。だから、例外があるかのようなことは法律の中に書かずに、希望者全員ということをすっきり法律で定めることが私は重要だったというふうに思うんです。
 この業務の遂行に堪えないという判断が事業者の勝手な運用にならないようにするためには、私、幾つか提案をしたいと思います。
 一つは、その疾病のある方あるいはけがをしている方、当該労働者の主治医の意見を尊重するということ、あるいは業務というのの範囲が残業や休日出勤などを含んで考えるものではないということ、通常外の業務を含まずに業務というのが判断されなければならないということ、それから六十歳以上の方の労働条件であるということが配慮されるべきであること、慢性疾患などの病気や障害を抱える方が排除されることのないようにすること、これらは最低限求められることだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#111
○国務大臣(小宮山洋子君) 労働政策審議会の建議では、就業規則における解雇事由又は退職事由に該当する者について継続雇用の対象外とすることもできるとして、この場合、客観的合理性や社会的相当性が求められる旨示されているということは繰り返し答弁をさせていただいているところです。修正案では、建議に示されたような限定的な例外も含めて、企業現場の取扱いについて労使双方に分かりやすく示すために指針を定めることとしたもので、あくまで継続雇用の例外は限定的なものだと考えています。
 厚生労働省としては、指針の策定に当たっては、この労働政策審議会の建議ですとか国会での御議論を考慮しながら、委員がおっしゃるような御懸念が生じないように、指針に注意事項を盛り込むなどして正しく理解をされるように配慮をしていきたいというふうに考えています。
#112
○田村智子君 終わります。
#113
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 高齢者の雇用の安定はとても大事なことで、社民党自身もそれは大事だと考えております。ですから、衆議院の原案には賛成、そして修正案には衆議院では反対をいたしました。ただ、本法案について問題点もあると思いますので、質問をいたします。
 こういう法案が出ることは必要だとは思いますが、一方で本末転倒だとも思います。そもそも、年金の支給年齢引上げ分を企業がその間雇用という形で負担するというところに実は問題があるのではないか、年金の空白部分を埋めるための方策としての雇用というのはどう考えてもおかしいのではないかと思いますが、いかがですか。結局、年金制度を充実せよということなんですが、いかがですか。
#114
○国務大臣(小宮山洋子君) 特に御質問としていただいていなかったようなので私から答えさせていただきますけれども、おっしゃるように、これは年金を充実するということは当然大事なことです。ただ、こちらの高齢者雇用の方も充実をさせることで、言うまでもなく、無年金、そして無収入ということがなくなるように、これは両方ともしっかりと充実を図っていくことが必要だというふうに考えています。
#115
○福島みずほ君 ところで、修正案では、先ほども出ておりますが、病弱者は除くというふうになりました。それで、一方で生活保護が適正化という言葉の下で削減をされかねないという状況です。そうすると、雇用が継続がない、病気で医療費がかさむ、年金がない、生活保護ももらえないかもしれない、もしかしたら最も雇用を保障しなければならない人たちがむしろ今回これで切り捨てられてしまうのではないか。
 無年金、無収入となる人たちについて、厚生労働省としてはどう考えるのでしょうか。
#116
○大臣政務官(津田弥太郎君) 福島委員にお答えします。
 病気などで一旦離職を余儀なくされた人も含めて、働く意欲と能力を持つ高年齢者が可能な限り社会の支え手として活躍できるよう、年齢にかかわりなく働ける全員参加型社会を実現するための環境整備を進めることが必要であります。このために、職業安定所でのきめ細かな職業相談、それから中高年齢者トライアル雇用奨励金などの助成金の活用などによりまして、中高年齢者の再就職の援助を促進をしてまいりたいと考えております。
 また、今御指摘いただいた病弱者、こういう病弱者であることが解雇事由に該当するとして離職を余儀なくされた方についても、労働の意思、能力があると認められ、求職活動を行う場合には失業給付を受給することができるとしております。
 なお、自らの収入や資産等、あらゆるものを活用してもなお生活に困窮する人に対する最後のセーフティーネットとして生活保護制度があるわけでございます。支援が必要な人に対し確実に保護を行うという制度の基本的な考え方は今後も変わるものではありません。今年秋を目途に、生活保護制度の見直しと生活困窮者対策に総合的に取り組むための生活支援戦略を策定することにしているわけでございまして、その際にも、例えば、経済的困窮者等を早期に把握をし、伴走型の支援を行う体制を検討していくことにしているわけでございます。
#117
○福島みずほ君 この法案の趣旨説明のときに、やはり年金制度、年金をもらうまでのギャップをどうするかという議論がありました。
 この病弱者ということなどの、会社は決して社会保障をやるためのところではなく、働いて利潤を上げるところではありますが、最も弱い部分が実はこれで切り捨てられ、年金はない、生活保護がなかなか受給できない等、ここで問題が生じ得るのではないか。再就職も困難な状況ですし、それから失業保険も、もちろんこれは期間が限定をされております。決して、この法律の立て付けそのものに実はちょっと問題があるんではないかというふうにも思いますが、この修正案で、むしろ弱い人間を会社からほうり出し、最も無権利状態に置くことが生じないように、厚生労働省としてもしっかりチェックをしていただきたいと思います。
 雇用継続希望者全員を雇用している企業は四七・九%でしかありません。ほぼ半分の企業では、希望していても雇用継続できない状況です。全ての希望者が雇用継続できるためにはどのような施策が必要だと考えていますか。
#118
○大臣政務官(津田弥太郎君) 高年齢者の雇用状況の集計結果では、平成二十三年六月一日時点で、継続雇用制度の導入によって高年齢者雇用確保措置を講じている企業のうち五六・八%、約六万二千社が継続雇用対象者に係る基準を労使協定により設定しております。一方、過去一年間の定年到達者約四十三万五千人のうち、この基準に該当せず離職した方が約七千六百人、全体の一・八%となっております。この度の改正で、この基準により継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みが廃止をされ、各企業では希望者全員を対象とする継続雇用制度の導入が図られることとなるため、希望者全員の六十五歳までの雇用確保が制度上担保されることになります。
 また、高年齢者雇用確保措置未実施企業に対しては、ハローワークで訪問などによる指導を繰り返し実施しています。これにもかかわらず何ら具体的な取組を行わない企業には勧告書を発出し、その企業に対しては公共職業安定所での求人の不受理、紹介保留、助成金の不支給等の措置を講じているわけでございます。この度の改正では、勧告に従わなかった企業名を公表することができる規定を設けており、企業名公表その他の手法を効果的に組み合わせて指導を行い、未実施企業の解消を進めてまいりたいと考えております。
#119
○福島みずほ君 企業の継続雇用率は六三・五%から八二・三%に上がると、基準制度の廃止によって上がるという試算を厚生労働省はされていますが、若干甘いのではないかというふうにも思っています。基準制度はむしろ労働者に厳しく働いてしまうんじゃないか、この点についての検討をお願いします。
#120
○大臣政務官(津田弥太郎君) この度の修正案は、雇用と年金の確実な接続という今回の法改正の趣旨を堅持しながら、労政審の建議も考慮して、高年齢者雇用確保措置の実施運用指針を定めることとしたものであります。労使双方にとって制度の円滑な運営に資する御提案であると受け止めております。すなわち、労政審の建議、一月六日では、継続雇用制度の対象者基準の廃止を適当とするとともに、一つには、就業規則の解雇・退職事由に該当する者について継続雇用の対象外とすることもできる、この場合、客観的合理性、社会的相当性が求められると考えられる、二つ目には、継続雇用制度の円滑な運用に資するよう、企業現場の取扱いについて労使双方に示すことが適当である旨示されております。
 衆議院の厚生労働委員会でも修正提案者から、御指摘の指針について、修正案は労政審の建議を踏まえ指針の根拠を求めるものであり、この労政審の建議がその基となっている、新たな選別基準を作ろうということで修正案を出しているのではない旨の答弁がなされております。
 厚生労働省としましては、修正案どおりに改正法が成立した場合には、建議の内容や国会での御議論を考慮しながら、御懸念のないようにこの指針を策定してまいりたいと考えております。
#121
○福島みずほ君 雇用継続について、正社員と非正規雇用労働者で違いはないということでよろしいでしょうか。
#122
○大臣政務官(津田弥太郎君) 病気などで一旦離職を……(発言する者あり)失礼しました。失礼しました、数が多いもので。
 高齢者雇用確保措置は、定年制を前提としております。また、有期契約労働者に対しては、有期労働契約が長期間反復更新された場合について、その濫用的な利用を抑制し雇用の安定を図るため、労働者の申込みにより期間の定めのない労働契約に転換すること等を盛り込んだ労働契約法の改正法案がさきに成立をし、現在、その施行に向けて準備を進めております。
 いずれにしても、雇用される人の全てが少なくとも六十五歳まで働けるようにすることは重要であると考えておりまして、ハローワークの就職支援や各種助成金の支給などで、有期契約労働者も含め、離職する労働者に対しては再就職のための支援を進めることが必要であるというふうに考えております。
 御指摘のこの非正規労働者には、定年制を先ほど言いましたように前提としているため、直ちに適用されるわけではありませんが、契約が反復更新され、実質的に定年制の対象となる労働者と同等と考えられる場合はこの対象となり得るというふうに考えておりまして、その旨を周知をしてまいりたいと考えております。
#123
○福島みずほ君 結局、有期契約の人は、無期に転ずるという労働契約法の改正法で救済されない限りは六十歳で終わっちゃうんですよね。つまり、生涯獲得賃金が低い人、年金を本当にもらいにくい、あるいは貯金が少ない人間がむしろ雇用延長できない、最も弱い部分が保護されないというところが問題ではないでしょうか。
 ちょっとお配りした資料を見てください。雇用形態・性・年齢階級別平均賃金を出していただきました。これを見ると、正社員の男性は山があって、五十から五十四が四十二万九千円が平均です。ところが、女性の正社員、男性正社員以外、女性正社員以外というのは山がほとんどない、丘状態、低いんですね。とりわけ女性の非正規雇用は一番給料が高いのは十八万五千円で、三十五から三十九歳のところで、とても低いんです。これを見ると、本当に男性と女性で明確に差別がある。それから、正社員と非正規雇用でこれだけ賃金が違うということ。年齢によって違う。男性は年齢によって物すごく正社員は違うんですが、男性の非正規、女性の正社員、女性の非正規雇用は余り年齢によって関係なくずっと低いという、こういう状況です。
 私はこれを見て、やっぱり改めてショックを受けました。つまり、この法律が念頭に置いているのは、男性正社員の六十でこれ以降どうやって保護するかということですが、でもこの人たちは三十万八千円なんですね、平均賃金が。ところが、ほかの人はこんな給料は平均値で誰ももらわないんですよ。女性は正社員ももらえないんですよね。
 この状況を見ると、同じパイを争うということではなく、企業の内部留保も含め、賃金の在り方、男女差別をなくすこと、非正規と正規の均等待遇を実現することなども併せてやること。若者における給料の保障をしないと少子化対策できないですよ。三十から三十五で物すごく給料低いわけですし、男性の正社員だって低いんです。男性の正社員は六十から六十五には三十代ぐらいの賃金をもらっているけれど、女性の非正規、女性の正社員、男性の非正規は二十代に戻っちゃうんですよ。これも極めて問題だと思います。
 大臣、これを見ると、日本の社会の本当に問題点がクリアに出てきていると思いますが、若者への支援、それから非正規雇用の均等待遇、男女差別の撤廃など、問題がとても出てきていると思いますが、いかがですか。
#124
○国務大臣(小宮山洋子君) これは今回の高齢者雇用とはまた別にというか、女性のこと、それから若者のこと、それぞれにしっかり取り組まなければいけないと思っています。特に女性については、やはりこれからその能力をしっかりと、働いてもらうことが、これは福祉的な視点ではなくて、これからの日本の経済成長にとって必然のことだということで、今回、働く「なでしこ」大作戦ということを再生戦略の中にも入れまして、こちらの方から出向いていって営業を掛ける、各企業にしっかりと女性の能力が発揮できるように、それに見合った処遇がされるようにということを働きかけていきたいと思っていますし、望ましい働き方ビジョンですとか若者雇用戦略、いろいろともう方策は積み上げてきていますので、それが実現をするように強く働きかけをしていきたいというふうに思っています。
#125
○福島みずほ君 パートタイム労働者総合実態調査が発表になりました。個人調査を見ると、若い世代で、二十から二十四歳で五七・三%、二十五から二十九で四一・八%、三十から三十四歳で四二・七%が正社員になりたいと答えています。正社員になりたいんですよ。
 これらの若者の正社員化が本当にされるように、高齢者の雇用の継続も大事だけれども、若者への支援、正社員化が阻害されないようにということも大事だと思いますが、いかがですか。
#126
○大臣政務官(津田弥太郎君) お答え申し上げます。
 この若者を取り巻く就職環境は大変厳しいと認識をしております。これにより、将来を担う若者が正規雇用に就けないことは深刻な問題であるという認識でございます。若者の安定した雇用を確保するためには、新卒者等に対しては全国の新卒応援ハローワークなどでジョブサポーターによるきめ細かな職業相談、職業紹介を実施をいたしておりますし、フリーターに対してはハローワークできめ細かな就職支援やトライアル雇用の活用により正規雇用に向けた支援を実施をいたしております。
 また、パートタイム労働者全体の正社員化を支援するために、一つには、パートタイム労働法第十二条で、事業主に対し正社員への転換のための試験制度を設けるなどパートタイム労働者の正社員転換のための措置を講ずるよう義務付ける、二つ目には、パートタイム労働者等を対象とする正社員転換制度を導入して実際に適用した事業主に対し奨励金を支給する等の対策を講じております。
 今後は、若者雇用戦略に新たに盛り込んだ各施策の実行に向け、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
#127
○福島みずほ君 消費税について一言お聞きをいたします。
 医療機関は、仕入れ事業者に消費税を払いつつ、仕入れ税額の控除が認められていないことにより医療機関の持ち出しとなり、赤字経営が増大すると心配している医療機関、医療従事者の人がたくさんいらっしゃいます。そのための、社会保障と税の一体改革の中でどのような診療報酬の手当てを考えているんでしょうか。
#128
○政府参考人(外口崇君) 社会保険診療は高度の公共性を有することから、消費税は非課税とされております。このため、平成元年と九年に診療報酬改定を行い、仕入れに要した消費税負担分を措置し、医療機関の負担が生じないようマクロレベルでは対応してきましたが、特に高額な投資を行っている個々の医療機関にとっては負担感があるといった意見があります。
 今回は、平成元年と九年の対応も参考に、医療機関の行う高額の投資による消費税の負担に関し、一定の基準に該当するものを区分して手当てすることなどを検討することにしております。先般、中医協の下に新たな検証の場を設置したところであり、今後、具体的に検討を進めてまいります。
#129
○福島みずほ君 高額投資とは何でしょうか。それを中医協で議論させてどうするんでしょうか。
 つまり、医療機関は材料購入費が約平均三割です。それは、病院は、病院食もあれば、服も買う、タオルも買う、シーツも買う、あらゆるものを買うわけで、この材料購入費が平均三割を占めると。それが、消費税が五%アップすると物すごい負担になってしまう。ですから、高額投資だけが問題ではないと。この中で、医療機関の経営破綻が起きないよう国はどのような方針を出していくのか、責任のある考え方を聞かせてください。
#130
○政府参考人(外口崇君) 今回、中医協で検討しておりますのは、まず、今までの改定の結果の検証、それから、今度消費税が更に上がるときに高額の投資による消費税負担を区分して手当てをすること、これは、高額の投資分だけを手当てするのではなくて、従来のやり方との組合せという可能性も含めての検討となりますので、よく検証しながら、現場の御意見をお聞きしながら、より良い方法を考えていきたいと思います。
#131
○福島みずほ君 終わります。
#132
○谷岡郁子君 みどりの風の谷岡郁子です。よろしくお願いいたします。
 ただいま福島みずほ議員からもお話がありましたけれども、私はこの法案自身には賛成であります。しかしながら、やはり懸念が多いということも一方にあるというふうに思っております。
 この法案によって年代による受取、生涯賃金といったものの格差というのは拡大するのではないか。負担ばかりが若者にのしかかっていて、より高齢者が働くことによって、例えばミクロの単位で考えれば、会社は一人の人を定年延長することによって一人の若者を雇用できない、あるいは無理な働き方をさせるということにつながらないのかと、この懸念があるわけですけれども、それに厚生労働大臣はどのようにお考えになっているでしょうか。
#133
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほども答弁させていただいたんですけれども、今回、この高年齢者の雇用を確保するに当たって私が一番ここは対応をしっかりしなければいけないと思ったことは、委員御指摘の若者への影響ということです。
 これに対しましては、やはり今も若者の雇用については相当いろんなことを力を入れてやってきているんですけれども、余り若者が行きにくかったハローワークの窓口を新卒者専用のものを設けるとか、ジョブサポーターがそれぞれに寄り添う形でミスマッチをなくしてちゃんと雇用できるようにするとか、それをまた、今回、若者雇用戦略の中に様々なメニューを盛り込んでいますけれども、大学にいる学生時代からちゃんとそういうジョブサポーターがそれぞれの能力に寄り添った形でふさわしい就職の場がつくれるようにということで恒常的にその出張相談をしていくとか、幾つかの対応を盛り込んでいますので、若者の方への影響が出ないように、これは今までよりも一層力を入れて若者の雇用対策は取り組んでいきたいと考えています。
#134
○谷岡郁子君 おっしゃっていることは大変よく分かりますし、有り難いと思います。しかし、これで根本的な解決になるのだろうかということが私の懸念です。
 私の親の世代は、まあ通常のサラリーマンであれば一戸建ての家を買ってきたというのが親の世代だと思います。そして、そこには庭も付いていたと思います。私の世代というのは、何とかマンションを二十年とか三十年のローンで買ってということができる世代だったかなと。私の娘の世代は、自分が持家若しくはマンションを持つことなどは夢にも考えないで、どうして今後自分が生活していこうかというふうに思っている世代であります。
 そして、先ほど川田議員の方から過労死の問題が出てきましたけれども、何もその企業は、多くの場合、意地悪で人々を倒して過労死させているのではなくて、そうでなければやっていけないような現実というものを抱えているということの中で、とりわけ若年の、まだ自分が仕事ができていないのかと思い込まされているような人たちが大変な労働環境の中で労働時間をこなしていて、そしてそのノルマを果たしながら結局は過労死に追い込まれていくというような現実が強くあるわけですね。
 これに対して、一人の高齢者を雇い続けるということは、細かい単位で見れば、やはり一会社というのはその年の新入社員は入れないということであり、もう一人若い人とか必要であっても入れないということになるわけですよね。そのミクロの単位で本当に若者たちの雇用というものが継続され、労働条件が継続されるようにということは確保していけるんでしょうか。そのことを私はお尋ねしております。
#135
○副大臣(西村智奈美君) 今回は、法改正によりまして基準制度を廃止した場合ですけれども、直接的には、これまで基準非該当として離職させていた者について新たに継続雇用制度の対象とする必要が出てまいります。この基準非該当離職者は一万人程度と見込まれております。また、基準制度の廃止によって、基準を設けている企業の継続雇用率が希望者全員の継続雇用企業の継続雇用率まで引き上がるというふうに仮定をした場合、全てが、希望者全員が引き上がるというふうに仮定した場合は、五万人程度継続雇用の対象者が増加することになります。
 一方、団塊世代の大量退職によって、今後十年間で六十歳から六十四歳の層においては約百四十七万人の減少、二十歳から三十四歳の層では約二百五十四万人の減少、全体で約三百六十一万人減少するため、マクロでの影響は限定的であると考えており、むしろ、若者、女性、高年齢者、障害者など、働ける人全ての就労を促進して全員参加型社会を実現することが必要であると考えております。
 また、高年齢者雇用と若年者雇用の代替性についてでありますけれども、これ、企業ヒアリングを行いますと、高年齢者と若年者は労働力として質的に異なる、新卒採用数は高年齢者の雇用とのバランスではなく景気変動による事業の見通しにより決定しているという意見があり、また、欧州で推進された高年齢者の早期引退促進政策、これが結局若年者の失業の解消には効果が見られずにかえって社会的コストの増大につながったとの経験などがありまして、これらを踏まえますと、高年齢者と若年者の雇用が単純にトレードオフの関係になっているとは言えないというふうに考えております。
 しかしながら、先ほど大臣も答弁されましたとおり、やはりミクロのレベルでいいますと若年者への個々の影響というものも否定できませんし、また経営者などから若年者雇用への影響を懸念する声があることなど、また若年者を取り巻く厳しい雇用環境といったことも、これは私どもとしても十分承知しておりまして、高年齢者雇用対策と併せて若年者についてもその実態に即した雇用対策を、先ほど御答弁いたしました若者雇用戦略等々、ここに盛り込まれている施策をしっかりと十分に講じていくことが必要であるというふうに考えております。
#136
○谷岡郁子君 必ずしもトレードオフでないということはよく理解はできます。しかしながら、企業の側にとっては、やはり人数としてこれだけ欲しいけれども雇用できる人間は限られているということであって、一人高齢者を雇い続けるためには若者をやっぱり一人我慢してということで、今いる人たちに多くの残業をさせるというような状況にどんどんなるということはやはり言えるんだと思います。
 そして、本当にこの若者の就職というのは、たまたまその年がすごく不景気であったり景気が良かったりということによって、それが一生付きまとうような形の不運そしてあるいはその幸運といったことにつながっていきます。相対的には、先ほど申し上げましたように、高度成長期を中心にどんどん給料が上がっていく時代の人たちと今のこのデフレ状態が二十年続いている若者たちを考えれば、圧倒的に若者たちが本当に割を食っていると、本人たちの能力や努力や責任ではなく割を食っているという状況があるわけです。
 そこに対して、やはりもう基本的なこれは大きな差別問題だということの構造の理解ということが社会全体として本当に不可欠だと思いますけれども、そのような理解をもっと社会の中で促進していくために厚生労働省はどんなことをお考えいただいているんでしょうか。
#137
○国務大臣(小宮山洋子君) 大学でずっと仕事をされてこられた委員からの説得力のある御質問だというふうに思います。
 例えば公的年金についても、今の若い人たちは掛けた分ももらえないのではないかというような、こういうことが言われたりしますけれども、これは、現在でも国民年金の加入者は一・五倍、サラリーマン夫婦世帯では二・三倍と、今の高齢な方に比べれば割が悪いということは言えますけれども、払った以上のものはちゃんと手にすることができますし、また、若いうちの障害年金とか遺族年金などについてもこれは受け取れるメリットがあるということ。以前の親に仕送りをしていたというような時代から今はそうでなくなった中で、今回、この保険料負担に置き換わったというような時代の変化ということもあるかというふうに思っています。
 今回、社会保障の改革の中でも、高齢な方でも、やはり今までは高齢者の方に社会保障がいろいろ偏っていたというかかなり手厚くなっていて、若者の方に受益感がなかったということも含めて、全世代対応な形にしていますし、今日閣議決定をいたしました厚生労働白書の中でも、そうした様々な仕組みを特に若い方たちになるべく議論をし分かっていただくための材料ということの提供もさせていただいていますので、現状とこれからの課題、どういう方向で進めようとしているかということについても、今回の白書なども御活用いただいて、是非皆さんで議論をいただき認識を深めていただければというふうに考えています。
#138
○谷岡郁子君 この議論の中で、今回法案では、労働、そして賃金というものと年金の受給期間というものの接続ということがしきりに強調されてきました。では、私たちは退職金というものをどういう形で取り扱って考えればいいんだろうという疑問が湧いてきております。
 退職金というのは、ある意味で老後に使うことができるものとして正社員には基本的に払われますけれども、非正規の雇用者には退職金は払われていないと。そして、かなり一定の高いレベルの収入の人になれば退職金もそれなりに来る、また年金も来るということが言えるわけですね。そうしますと、一定、中高のレベルの所得層というのは、何も接続をしなくてもその間何とかなるような構造というのが既にできていると。非正規の人々はそうでないから、実はこの接続ということがより重大になってくる。若者たちは年金もちろんないわけですから、若者が失業すると、全く接続するもへったくれもなく、年金なんかないからもう大変な状況になるという構造があるわけですね。
 私がだから年代間の格差があるんじゃないかと言っているところの中では、実際に非正規雇用の割合が増えている年代というのは、そういう形でいざほうり出されたときにも退職金もないような状況であるという人たち、一方で、五十代後半から六十代の結構高い給料をもらってきた人たちがそういう形で退職金ということを考えると、これをただ就職しているかどうかということと年金がもらえるかどうかということの接続ではなくて、実際のその人たちの懐具合だとか可能性ということを見る必要があるんじゃないか。
 一方では、若者たちに対してはそういう形で強い状況を迫っていて、無収入であるということというものが全く考慮されずに、二十歳から、私は何度も言いますけれども、これは猶予されているとはいえ、大学院に行けば延滞金が付くような形で年金を払うということ、普通だと収入がない人は年金は免除になるのに、大学生、大学院生に対してはそれが免除になっていないという、こういう若いところへの不公正ということが現に続いているということがあるわけですよね。こういう問題をやっぱり一体的に、全般的に見ないと、退職金は度外視しましてということはどうして起こってくるんでしょうか。
 この点についてどうお考えになりますでしょうか。
#139
○副大臣(西村智奈美君) 退職金に関連してのお問合せ、質問でございますが、今回の法改正では、就労人口の減少が見込まれる中、高年齢者の就労促進によって働くことができる人全てが社会を支える全員参加型社会の実現を目指すとともに、年金の支給開始年齢の引上げに対応して雇用と年金を確実に接続させるために、継続雇用制度の対象者を限定できる仕組みを廃止して、希望者全員の六十五歳までの雇用確保を図ることにいたしました。
 退職金には賃金の後払いとしての性格もある場合があり、その位置付けは企業によって異なり得るということもございますし、またその額や総賃金に占める退職金の割合も千差万別であろうというふうに思います。ですので、退職金が支給されたことのみをもって年金支給開始年齢になるまでは無収入による制度にするということは合理的ではないのではないかと考えております。
 したがって、退職金の有無で雇用と年金の接続の取扱いに差異を設けることは適当ではないと考えております。
#140
○谷岡郁子君 もちろん退職金の有無のみによってそういう取扱いが変わるということを私は求めているわけでもありません。
 そうではなくて、現に若い層に、そして女性に非正規雇用が多くて、そういう人たちは給料も低くて、したがって大変な状況になるのに対して、男性の一定の退職金をもらっている人たちと全く取扱いが同じであるというふうに考えられているということがやはりおかしいのではないかということを申し上げているのであり、より、そうであるならば、そのつなぎの問題、その年金との兼ね合いの問題というのは、そういう退職金などがなくて、非正規雇用であって、実際に生きていくことが難しいという層に対して更に考慮されたものになっていなければ社会的な整合性がないのではないかという点を申し上げているんですが、もう一度お答えいただきたいと思います。私は、有無だけが問題だというふうなことは一度も言っておりません。
#141
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃること、よく分かります。
 ただ、今までずっとそういう働き方が続いてきてしまった結果が今の高齢者のところにはあるんだと、ちょっと言っていることがうまく伝わるかどうか分からないんですが。そういう意味で、均等でない待遇の問題とか、それについては、そちらの方でしっかりと今これから少しずつ是正できるように、法改正も含めてできるように、来年の通常国会にはパートタイム労働法も提出をしたいと思っていますし、先ほど申し上げたような若年者のところの雇用への力も入れていきたいと思っています。そうしたことと、今回高年齢の方が年金と雇用が接続をするようにということと、これは今までずっと積み重なってきたこれまでの差があるわけですので、そこは、なるべく早くですが、徐々に解消できるように並行していろんな政策を進めなければいけない問題だと考えています。
#142
○谷岡郁子君 私もここで一挙に何か一つで解決するというふうには思っておりません。ただ、そういう世代間の格差であり、働き方の違いによる格差であるということを常に意識しながら様々な政策を総合的に進めていくという考え方が大事だというふうに思っておりますので、この点をあえて指摘させていただいているということで御理解をいただきたいと思います。
 ですから、そうしますと、今の退職金の問題でやはり一番大きく問題になってくるのは、いわゆる高級官僚と言われる方々の度重なる再就職と、そして度重なる、何回ももらっていらっしゃるような退職金の問題だというふうに思うんです。
 こういう問題が何らかの形で、特に言わば独法であったりあるいは公益法人と言われているようなところは、結局は政府の財政的な措置という形でそれが主な収入源になっているようなところが多いということで、公益法人なんかに天下りするような形で二度、三度という形で退職金をもらうというようなことが、本当に一回も退職金をもらっていなくて年金までのつなぎでひいひい言う人と、二回、三回という形で、ある意味でたくさん相続させる財産をそのときにつくれる人という、こういう官民格差というようなものは徹底してやはり是正させていかなければならないということであって、そういう部分に対するメスということも今後切り込んでいって、そこから浮いてきたお金をそれこそ本当に必要な若年者、女性であったり、そういう退職金などもらえない人たちに再分配していくような機能というものをつくっていかなきゃいけないというふうに考えるんですけれども、そこについてはいかがお考えでしょうか。
#143
○副大臣(西村智奈美君) 退職金の問題に関連してということなんですけれども、国家公務員の雇用と年金の接続の問題です。
 これは、実現させるための具体的な方策について、先ほど川田委員にも御答弁いたしましたけれども、今年三月二十三日に国家公務員の雇用と年金の接続に関する基本方針というのが国家公務員制度改革推進本部、行政改革実行本部で決定されておりまして、現在、具体的な制度改正案を検討していると聞いております。そこのところは私どももしっかりと問題意識を持って取り組んでまいりたいと思います。
#144
○谷岡郁子君 最初に申し上げましたように、我が会派としてはこの法律自身には賛成です。しかし、それが本当に今しわ寄せが来ている、そして大変な思いをしている若者、そして女性にとって更なる大きな問題を抱え込まないようにということで私どもも本当に頑張ってやっていただきたいと思いますし、また協力を申し上げたいと思います。
 終わります。
#145
○委員長(小林正夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#146
○田村智子君 日本共産党を代表して、高齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 高年齢者の雇用継続の施策を講ずることは、憲法に定める勤労の権利を保障する上で大切な国の責務であり、本来、年金支給年齢引上げの穴埋めとしてではなく、高年齢者の基本的人権の尊重という立場で行うべきです。
 法案に反対する第一の理由は、六十歳以降も希望者全員の雇用を原則としながら、衆議院での修正によってその例外を法文化したことです。継続雇用の対象者を選別できる基準が廃止されても、厚生労働大臣が定める指針を使用者が恣意的に運用して、これまで同様、事実上の選別を行うことが危惧されます。指針の内容、その運用に当たっては、客観的合理性、社会的相当性を担保するとの説明ですが、その判断は現実には使用者側に委ねられることになります。これでは、希望者全員の雇用継続という本法案の趣旨がゆがめられかねません。
 第二に、衆議院の修正によって、継続雇用の例外として心身の故障等という具体の理由を明記したことです。今、慢性疾患を抱えながらも健康に留意しつつ働き続ける労働者は多数います。年齢とともに糖尿病や高血圧などを罹患する確率が高くなることも避けられません。こうした労働者が、残業など他の労働者と同じ勤務ができないことをもって継続雇用の対象外とされる事例が現に生じています。病気や障害を持つ労働者への差別につながりかねないこのような例示を行ったことは重大です。また、心身の故障等と解釈に幅があることも恣意的運用につながりかねません。
 第三に、継続雇用の対象となる高年齢者が雇用される企業をグループ企業にまで拡大できるとしていることです。今でも子会社への再就職あっせんで給料は大幅ダウン、それが嫌ならば退職するよう求める企業は少なくありません。六十歳を過ぎて、長年働いてきた事業者からの異動を行うことは労働者にとって心身共に大きな負担です。また、自社で雇えるにもかかわらず、子会社などに労働者を押し付けるなど、親企業の雇用責任の回避にもつながりかねません。
 第四に、本法案の柱である継続雇用制度の基準の廃止に十二年間もの経過措置を設けていることです。これは、厚生年金の比例報酬部分が受け取れる労働者であれば基準非該当者を今後も認めるというもので、現行制度の問題点を温存していると言わなければなりません。
 最後に、本法案は衆議院での修正によって重大な後退をさせられましたが、今後定める厚生労働大臣の指針が希望者全員雇用を現実に保障する内容となるよう強く求めて、反対討論を終わります。
#147
○福島みずほ君 私は、社民党を代表して、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。
 本格的な高齢社会の到来の中で、元気な高齢者が自分のそれまでの経験を生かしながら働き続けることができることは大変意義深いものと考えます。また、厚生年金報酬比例部分の支給開始年齢の引上げが開始されることもあり、退職と年金の切れ目ない制度設計を行うことは喫緊の課題でもあります。
 しかしながら、衆議院にて修正された高年齢者雇用確保措置の実施及び運用に関する指針が追加されました。今回の指針は、厚生労働省の指針を基に、使用者の判断で雇用継続が決められることになり、現行の労使協定を下回る制度が追加されてしまいました。特に、心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の雇用原則については、使用者側の意に沿わない者について雇用継続の拒否を可能にするといった拡大解釈や言い逃れに使われる可能性を否定できません。
 また、現行制度においても、六十五歳までの希望者全員の雇用確保には至っておらず、このような改悪が行われれば、無年金、無収入となる者が多く生じざるを得ないでしょう。国の都合で年金の支給年齢が引き上げられるにもかかわらず、雇用継続を求める者全てに保障できない法案によって、今後、更に将来の老後への不安が増大することになってしまうことの禍根は大きいと指摘して、私の討論といたします。
#148
○委員長(小林正夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#149
○委員長(小林正夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数を持って原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#150
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#151
○委員長(小林正夫君) 次に、カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院厚生労働委員長池田元久君から趣旨説明を聴取いたします。池田元久君。
#152
○衆議院議員(池田元久君) よろしくお願いします。
 ただいま議題となりましたカネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 昭和四十三年、九州地方を中心に、ポリ塩化ビフェニル及びこれに由来するダイオキシン類が混入した食用油の摂取等を原因として健康被害が生じたカネミ油症事件が発生をいたしました。
 カネミ油症については、その治療法がいまだ確立しておらず、患者の方々は、長年にわたり多様な症状で苦しんでおります。同事件の原因企業であるカネミ倉庫からは医療費等が支給されていますが、カネミ倉庫の経営状況への懸念等から、患者の方々は、将来に対して不安を抱えております。
 本案は、そのような食品を介してポリ塩化ビフェニル及びこれに由来するダイオキシン類を摂取したこと等を原因とする特殊な健康被害その他のカネミ油症患者の置かれた事情を考慮し、カネミ油症患者に関する施策を総合的に推進しようとするものであり、その主な内容は次のとおりです。
 第一に、カネミ油症患者に関する施策について、カネミ油症患者が適切な医療を受けることができるようにするとともに、カネミ油症患者の生活の質の維持向上が図られるようにすること等を基本理念として定めること。
 第二に、カネミ油症患者に関する施策に関し、国、関係地方公共団体、原因事業者及び国民の責務を明らかにすること。
 第三に、厚生労働大臣及び農林水産大臣は、カネミ油症患者に関する施策の推進に関する基本的な指針を策定しなければならないこと。
 第四に、国は、医療費の支払等の支援、健康状態の把握、診断基準の見直し並びに調査及び研究の促進等について、必要な施策を講ずるものとすること。
 第五に、国及び関係地方公共団体は、医療提供体制の確保、情報の収集提供体制の整備について、必要な施策を講ずるものとすること。
 第六に、政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行状況を勘案し、カネミ油症患者に関する施策の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
 第七に、経済的社会的環境の変化等により原因事業者の事業の継続が困難となることが明らかとなった場合には、速やかに検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすること。
 なお、本法は、公布の日から施行すること。
 以上が本案の提案理由及びその内容です。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#153
○委員長(小林正夫君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#154
○委員長(小林正夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、大家君から発言を求められておりますので、これを許します。大家敏志君。
#155
○大家敏志君 自由民主党の大家敏志でございます。
 私は、ただいま可決されましたカネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党、みんなの党、日本共産党、社会民主党・護憲連合及びみどりの風の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    カネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行及び今後の施策の実施に当たり、カネミ油症患者の要望及び意見に配慮しつつ、次の事項について遺漏なきを期すべきである。
 一、原因事業者であるカネミ倉庫への支援が、カネミ油症患者の生活の質の維持向上に資するものとなるよう、カネミ倉庫の事業の実施状況等を十分に把握し、必要な指導を行うこと。
 二、健康実態調査及び健康調査支援金については、必要な予算を確保するとともに、調査の実施に当たっては、高齢の患者等の負担の軽減に配慮すること。
 三、診断基準の見直しに当たっては、事件当時の同居家族で健康被害を受けた者が、家族内で認定結果が分かれることのないよう、診断基準を拡大する方向で速やかに結論をとりまとめるよう、油症治療研究班に要請すること。
 四、本法に基づく施策が、その基本理念に沿って、適切に実施されていることを検証するため、関係省庁、原因事業者であるカネミ倉庫、被害者の三者による定期的な協議の場を設けること。
 五、カネミ油症患者に関する施策が総合的に推進されるよう、厚生労働省、農林水産省その他関係省庁による定期的な協議の場を設けること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#156
○委員長(小林正夫君) ただいま大家君から提出されました附帯決議案を議題として採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#157
○委員長(小林正夫君) 全会一致と認めます。よって、大家君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、小宮山厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小宮山厚生労働大臣。
#158
○国務大臣(小宮山洋子君) ただいま御決議いただいた附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重して努力いたします。
#159
○委員長(小林正夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#161
○委員長(小林正夫君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律案に関する件を議題といたします。
 本件につきましては、渡辺孝男君から委員長の手元に移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律案の草案が提出されております。内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、まず提案者から草案の趣旨について説明を聴取いたします。渡辺孝男君。
#162
○渡辺孝男君 ただいま議題となりました移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律案の草案につきまして、その趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 造血幹細胞とは、骨髄、臍帯血などに多く含まれている血液の元となる細胞です。全身を流れる血液中に薬を投与することにより造血幹細胞を誘導し、成分献血と同じ手法によって採取する末梢血幹細胞も移植に利用されております。造血幹細胞移植は、血液のがんと言われる白血病等に有効な治療法です。これにより、通常の抗がん剤投与よりも強力な治療が可能になるほか、造血機能の回復、免疫系異常の是正などの治療効果が期待できます。
 造血幹細胞移植の現状につきましては、国民の皆様の御理解と関係者の御努力により、平成二十三年末で、骨髄移植、末梢血幹細胞移植のドナー登録者数が約四十万人、臍帯血の公開数が約三万個となっています。一方、平成二十三年度の骨髄移植の新規患者登録数が約二千二百人であるのに対して、移植件数は約千二百件にとどまっております。今後、高齢化などに伴って移植のニーズが増加することが予想されることから、更なる造血幹細胞の提供の促進を図ることが必要であります。
 また、現状においては、骨髄バンクが骨髄、末梢血幹細胞のドナーのあっせんを行い、また、臍帯血バンクが臍帯血の調製等を行っておりますが、これらバンクの業務は、患者やドナーの健康にかかわるものであり、適切に業務が行われることを担保するための規制が必要であります。また、これらバンクの財政運営は不安定なものとなっており、法整備によって財政運営の安定を図ることにより、造血幹細胞の安定的提供を図っていく必要があります。
 本案は、これらの点に鑑み、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進を図り、もって造血幹細胞移植の円滑かつ適正な実施に資するため、造血幹細胞の適切な提供の推進に関し、基本理念等を明らかにするとともに、講ずべき施策の基本となる事項や、骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業及び臍帯血供給事業について必要な規制及び助成等について定めるものであります。これにより、移植を希望する患者の方々にとって、病気の種類や病状に合った最適な移植が行われるとともに生活の質の改善が図られることが期待されます。
 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、基本理念として、移植に用いる造血幹細胞の提供の促進が図られなければならないこと、その提供は任意にされたものでなければならないこと、移植を受ける機会の公平性に配慮されなければならないこと、造血幹細胞の安全性が確保されなければならないこと、提供者の健康の保護及び臍帯血の品質の確保が図られなければならないことを定めております。
 第二に、国、地方公共団体は、造血幹細胞の適切な提供の推進に関する施策を策定、実施すること、造血幹細胞提供関係事業者等は、造血幹細胞の適切な提供の推進に積極的に寄与するよう努めること、医療関係者は、国、地方公共団体の講ずる施策に協力するよう努めること等の責務を定めております。
 第三に、厚生労働大臣は、造血幹細胞の適切な提供の推進を図るための基本方針を策定、公表することとするとともに、国民の理解の増進、造血幹細胞の提供に関する情報の一体的提供、造血幹細胞提供関係事業者の安定的な事業運営の確保など、造血幹細胞の適切な提供の推進のために国等が講ずべき施策について定めております。
 第四に、骨髄・末梢血幹細胞提供あっせん事業及び臍帯血供給事業を許可制とし、業務遂行上必要な義務を課すとともに、事業費について国による補助の規定を設けることとしております。
 第五に、ドナー登録、造血幹細胞提供関係事業者間の連絡調整、造血幹細胞に関する情報の一元的な管理、提供等を行う造血幹細胞提供支援機関を全国に一つ指定することとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。また、施行後三年を経過した場合において、この法律の施行の状況等を勘案して必要があると認められるときは、検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとしております。
 以上がこの法律案の草案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#163
○委員長(小林正夫君) 本草案に対し、質疑、御意見等がございましたら御発言願います。──別に御発言もないようですから、本草案を移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#164
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#165
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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