くにさくロゴ
2012/03/27 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 財政金融委員会 第3号
姉妹サイト
 
2012/03/27 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 財政金融委員会 第3号

#1
第180回国会 財政金融委員会 第3号
平成二十四年三月二十七日(火曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         尾立 源幸君
    理 事
                大久保 勉君
                水戸 将史君
                佐藤ゆかり君
                塚田 一郎君
                荒木 清寛君
    委 員
                大塚 耕平君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                川崎  稔君
                櫻井  充君
                玉置 一弥君
                広野ただし君
                藤田 幸久君
                鴻池 祥肇君
                中山 恭子君
                西田 昌司君
                林  芳正君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                若林 健太君
                竹谷とし子君
                中西 健治君
                大門実紀史君
   国務大臣
       財務大臣     安住  淳君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        自見庄三郎君
   副大臣
       復興副大臣    末松 義規君
       内閣府副大臣   後藤  斎君
       内閣府副大臣   中塚 一宏君
       財務副大臣    藤田 幸久君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        大串 博志君
       財務大臣政務官  三谷 光男君
       農林水産大臣政
       務官       森本 哲生君
       経済産業大臣政
       務官       中根 康浩君
       国土交通大臣政
       務官       室井 邦彦君
       環境大臣政務官  高山 智司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       道盛大志郎君
       内閣府大臣官房
       審議官      長谷川彰一君
       金融庁総務企画
       局長       森本  学君
       金融庁監督局長  細溝 清史君
       金融庁証券取引
       等監視委員会事
       務局長      岳野万里夫君
       総務大臣官房審
       議官       平嶋 彰英君
       財務省主計局次
       長        福田 淳一君
       財務省国際局長  木下 康司君
       中小企業庁事業
       環境部長     加藤 洋一君
       環境省総合環境
       政策局長     白石 順一君
   参考人
       株式会社日本政
       策金融公庫代表
       取締役副総裁   渡辺 博史君
       日本銀行総裁   白川 方明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○特別会計に関する法律の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)(閣法第三号)
○租税特別措置法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○関税定率法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○保険業法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(尾立源幸君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特別会計に関する法律の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官道盛大志郎君外九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(尾立源幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(尾立源幸君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特別会計に関する法律の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として株式会社日本政策金融公庫代表取締役副総裁渡辺博史君及び日本銀行総裁白川方明君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(尾立源幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(尾立源幸君) 特別会計に関する法律の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○広野ただし君 おはようございます。民主党・新緑風会の広野ただしでございます。
 年度末になりまして、何となく慌ただしいし、また連日のように審議をしております。大変皆様お疲れではございますでしょうけれども、頑張ってよろしくお願いをしたいと思います。
 三・一一の被災がありましてから一年が経過をいたしました。そして、なお三十万人を超える被災者の方々が仮設住宅等で生活をしておられる。そしてまた、安住大臣自身が被災者のお一人であられるということであります。私たちは、やはり被災地に、そしてまた被災者に寄り添って資金的な援助、また物心両面にわたってきちっと復旧復興のことに全力を注いでいかなければならないと、こう思っているわけですが、ある知事が復興庁に対して査定官庁かというようなそういう声が出る。こういうことがあってはならないように、やはりしっかりと被災者側に立ってよろしくお願いをしたいと、このように思うわけでございます。
 ところで、この復興特会の全貌についてでありますけれども、私は元々、この被災者に対して復興特別税というのを、まあ言わば増税なわけですが、掛けると、また中小企業にとっても大変な苦労を掛ける、負担を掛けると。せっかく立ち上がろうとしようとしているのにこれを掛けるということはどんなことかということで、私は若干賛成しかねるわけでございますが、大体まとまったということでございます。
 そういう中で、二十五年にわたって所得税を上げる、年間三千億円ぐらいですか、二十五年ですから七兆五千億ぐらいですか。それとまた法人税の方もということで、八千億が三年という、全体的に二・四兆円。ですから、復興特別税は大体十兆円ということなんだと思います。そのほか、一般会計とのやりくり、いろんな節減等あるいは予備費の活用等々によって六兆円近くを出すと。そして、二十四年度まで十八兆円の復興ということですから、残りの二兆円ぐらいを何らかの形で、JTですとかメトロ株等のことについて工夫をすると、こういうことが支出と歳入面での全貌なんだと思います。
 そういう中で、多分復興予算はもっと二十五年度、二十六年度となると多くなる、全体的には二十三兆円ぐらいだとか、こんなふうなことも言われておりますが、その足らず米についてはどういうことになるんでしょうか、歳入面ですね。
#8
○国務大臣(安住淳君) おはようございます。今日もよろしくお願いいたします。連日、本当にありがとうございます。
 広野先生には、本当に震災直後からいろいろお見舞い、また被災地のことを御配慮いただきましてありがとうございます。
 今、皆さん仮設でお暮らしの方々も大変苦労しておりますけれども、一年たちまして、私の郷里の方でも、とにかく復興に向けて前向きに頑張っていこうと、そうした気持ちにはなっておりますが、まだまだ瓦れきの処理等やらなければならないことがございますので、引き続き御支援賜りますようお願いしたいと思います。
 さて、復興でございますけれども、当初の予算では大体五年間で十九兆、十年間で二十三兆円程度ということでございました。もう二年目に入りまして、既に現時点でもう十八兆円の予算ということで予算措置になります。ですから、そういう点では、今御指摘がありましたように、今後の復興を考えますと、今年のどこかの時点ではやはりこれは党内にも御相談をさせていただき、また与野党でも、これは福島関係の予算等はやはりこの額だけではなかなか難しいのではないかと私は思っておりますので、追加の財源やまた対策についてどれぐらい掛かるのかまだ計算はしておりませんけれども、やはりそういうことを視野に入れながら検討しなければならないときが来るのではないかと思っております。
 ただ、この委員会でも再三御指摘ありましたけれども、三次補正もしっかり付けていただきましたけれども、まだ執行率そのものは五〇%台でございますので、まずこの予算の消化を、人的な面も、受ける側の企業の側もそうですが、やはり確実に執行をしていって、阪神・淡路大震災のときは大体総予算の六割近くを一年、二年で消化をしているという事実がございますので、そうした例等も勘案しながら、その後のフレームについても十分我々としては措置をしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
#9
○広野ただし君 それで、特に不確定要素は原発の処理問題だと思っております。それに関してはエネルギー特会というのもあります。ですから、この復興特会のほかに様々な特会が関係をしてくるという点があろうとは思うんですが、元々、特会改革という観点からいいますと、特会全体の透明性といいますか、いろんな特会からやり取りをしていますから、全体がなかなか把握しにくい、こういう観点があるわけなんですけれども、まず非常に関係をしますエネルギー特会との関係なんですけれども、原発処理問題、廃炉に持っていくとか何かということになりますと、この経費も大変なものなんですが、これは復興特会じゃないんだろうと思います。しかし、除染とかなんかということになると、これはこっちの復興特会なのかなと思っておりますが、この仕分的なものはどういうふうになりますか。
#10
○副大臣(藤田幸久君) 原発処理に関する復興特会とエネルギー特会の分担のことについての御質問でございますが、この原発処理にかかわる主に福島に関するものに関して言えば、主に復興特会というような分け方をしております。
 したがって、除染作業とか福島第一原発の廃炉のための研究開発、それから福島第一原発の事故に起因をして直接必要となる措置、廃炉等につきましては、これは特別会計、復興特別会計の方で計上するという区分けをしております。
 他方、そのエネルギー対策特別会計におきましては、原子力関連施設に対する安全規則とか技術開発でありますとか、そうした全般的なことに関する予算として、そういう研究開発等をすることによって結果として原発処理に資する事業ということの方をエネルギー特会というふうな形で分けております。
#11
○広野ただし君 それと、特会もやはりいつかは閉めなきゃいけない。復興庁が十年間ありますから、復興庁が廃止をされるとともに特会も廃止をして一般会計に移管をすると、こういう法体系になっていると思うんですね。
 それで、私は、やっぱりスタートするときにおしりのところも決めておく、そして様々な点、スクラップ・アンド・ビルドというような考え方でやっていきませんと、今まで特会は増える一方だったのがようやく、後でまた質問をいたしますけれども、会計を整理をしてきた、勘定をある程度整理して、しかしただ全く不十分ではあるんですけれども、いずれにしましても、その特会のおしまいのところというのがやはり今からもう大切にしておかなきゃいけないと、こう思っているわけなんですが。
 ところで、先ほど十八兆現在まで決めていると、残り更に掛かるかもしれない、二十三兆円行くかもしれない、そういうときの財源の問題。そしてまた、場合によっては、これからの審議によるわけですが、郵政株の手当て等もあると。こういうことですとか、場合によっては非常に景気が良くなって、景気が非常に良くなって税収が上がってくると。こういうようなことになった場合、二十五年間にわたってずっと、この復興特別税をずっと取っていくのかと。
 私は、あるところでこれは我々が立法措置をしなきゃいけないと思っているんですが、場合によってはちゃんと収支とんとんになったと、だから、五年を前倒しして、あるいは七、八年前倒しして復興特別税を廃止するということだってあり得るんじゃないかと思うんですね。それはもう復興特会が一般会計に吸収されてしまった、その中での話なんだと思うんですが、そのときは勘定が一緒になっちゃったりしていますと、相変わらず取るものは取ってしまえと、こういうことになっては、これは本来の復興に充てるべきというところがどうなのかなと思うんですが、そのところの見解をお願いします。
#12
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のように、復興庁の設置と併せてで平成三十二年で区切りを付けるという特会でございます。
 その後、先生も長く通産省におられたから御存じのとおり、承継をどういうふうにするかと、つまり今までのお金とそれから出した分と、それからその借金返しですね、こういうものはどうするかということはその時点で、それが終わるまで継続をするか、それとも別のものに付け替えるかとか議論は出てくると思います。ですから、取りあえずしかし十年でやっぱりやりおおせると。
 問題は、今の御指摘のことに関して申し上げれば、不確定要素が多々あると思います。トータルで幾ら本当に復興に掛かって、思わぬ税収が本当に入ってきて十分復興費がその内側で賄えるとなれば、これは特別税として増税をしているわけですから、そうした目的にかなうものがある程度満たされるとなれば、今先生のような御指摘ということも十分私は考えていいというふうに思っております。
#13
○広野ただし君 本当にその点、安住大臣にも、今後とも政界で中枢を占められると思いますので、今の話はずっと覚えておいていただいて、やっぱり景気が良くなるとか郵政の株が高く販売できたというような場合は、非常にそういう面では財源がある意味でもう豊かになるということだってあり得るわけで、そのときにいつまででも取ったからという話は、これはもういかにもお役所的な話で、そこはやっぱり政治家として我々はきちっとやっていかなきゃいけないなと、こう思っております。
 それと、この法律の共管問題というのはもう非常に私もびっくりするんですが、最高裁から始まって、衆参両院議長、そしてまた会計検査院、そして全省庁と、こういうようなことになっているんですね。これは何か各省縄張争いみたいなことをやってそういうことになったのか。まして、会計検査院が何でそんなことになるんだろうかと、あるいは最高裁が何でそんなところに入るんだろうかと、こう思うわけなんですが、その点ちょっと見解を伺います。
#14
○副大臣(藤田幸久君) 御質問、そうだろうと思いますが、調べてみましたらこういうことでございますけれども、衆議院と参議院に関しましては、要は黒川委員会でございます、東京電力の事故調査委員会。これ、両院の方で設置しておりますが、その経費等がこの衆議院及び参議院に計上されております。それから、最高裁判所というのは、実は地方裁判所の耐震の改修費用が予算に計上されておりまして、それが区分け的には最高裁判所のところに計上されているということでございます。具体的に幾つかの裁判所の改修の予算の明細も出ております。それから、会計検査院については、本年度予算には計上されておりませんけれども、来年以降に復興事業の検査に関する会計検査院の調査が必要になってくる場合に計上する可能性があるということで共管されているということでございます。
 いずれにいたしましても、計上する際には、本当に必要なものかどうかということをきちっと精査した上で対応するということになっております。
#15
○広野ただし君 そういう全てのことは財務省がやればいいことなんだと思うんですね。
 そして、私は、復興庁もその考え方は非常に大事なんです。だけれども、若干屋上屋的な側面もやっぱりあるんですね。各省庁の上に乗っかって、トータルでとは言っているけど、実際は各省庁に実行予算を付けるということになっているんですね。ましてこの復興特会の共管がもう全省庁と衆参両院議長、会計検査院。これは何というんですかね、これ財務省だけでいいんじゃないんですか、これは。
#16
○国務大臣(安住淳君) 気持ちはやまやまでございますが、やはり三党の協議の中で、復興に関係するものはすべからくこの復興特会で全て賄って、言わば事実上財務省の方からも切り離しなさいという、こういう合意でございました。
 ですから、我々としては、今先生からお話あったように、衆参にかかわる、黒川委員会も含めて、関係するもの全て区分をしなければならないということでこういう法律の立て付けになったということなので、是非御理解いただきたいと思っております。
#17
○広野ただし君 それともう一つ、この復興特会も特別会計の一つです。そしてまた、特別会計改革というものも併せて今進めるということになっております。元々、特別会計というのは一般会計の数倍ある。今年取りましても、総額取ると四百兆円ぐらいになる。その代わり国債特会等を引きますと百九十何兆円と。それにしても、言わば一般会計の倍以上あるわけであります。
 それの透明性ですとか、いろんな複雑な経理区分等があるものですから我々国会がちゃんとチェックをする、これはもちろんなんですけれども、一般の国民の皆さんからなかなか分かりにくいということがあるわけです。そして、まして私は大変な名言だと思うんですが、昔の塩じいさんが、塩川元財務大臣の母屋と離れの話があります。母屋は本当に重湯をすすっているけれども、離れの方で言わばすき焼きを食っていると、こういうようなのがやっぱり実態なわけですね。
 そういうことについて、現在も特会の改革というものを進めて閣議決定もしているわけでありますけれども、そのことについて安住大臣のコメントをいただきたいと思います。
#18
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のように、今現在で特別会計の歳出総額が三百九十四・一兆円でございます。会計間のやり取りを除くと百九十兆と。このうち、今先生からも御指摘ありましたけれども、国債の償還費が八十五兆、それから社会保障の給付費が五十八・三兆、地方交付税交付金が二十兆、それから財政投融資資金への繰入れが十五・六兆ですから、これはなかなか動かせないお金。トータルでいうと、そこから差し引くと大体今現在十一・六兆円ぐらいなんですね。そうしたことからいえば、これをどういうふうにしていくかということは以前から大きな問題になっていたと思います。
 しかし、これ、戦後、先生、最大で一番多いときで四十五本の特会がありました。これは自民党もかなり改革をなさって十七本までシェイプアップして、更にこれを今回十一本にさせていただくと。塩川大臣が、私もそれは本当にそういうことはあったんだろうなと、やっぱり離れがなかなか会計が不明朗な部分があって、こうした予算委員会での一般質疑やそれぞれの各委員会での質疑の中でもよく透明性が確保できないということを多分その離れのすき焼きという例えになさったんではないかと思うんです。そういう点からいうと、今度のこうした自民党も行ってきたこの改革の延長線上で、今回特会を十一本にさせていただきました。
 例えば、先生、今回の社会資本整備特会の廃止も、空港を除けば廃止をするわけですけど、私は個人的にも、田舎の出身ですから、道路特別会計がなくなるというのはやっぱり戦後の政治の中じゃ物すごく象徴的なのではないかと思うんです。ピーク時で約六兆円近いこれは会計があって、言わばこれこそまさに、どこに箇所付けをしてどういう予算をここへ付けていくかという象徴的なものだったと思います。
 こうしたことや、治水、港湾等々、やはり戦後の日本の政治の中で非常に重要なウエートを示してきたこの特別会計、昭和三十年代にできてきたものが今回廃止をさせていただく提案をしておりますので、そういう意味では非常に大きな歴史的な転換点になるのではないかなというふうに思っています。
 今後も、剰余金等について、一般会計の中で最大限活用すると同時に、残っている特別会計についてもできるだけ透明性を高めて国民の皆さんに見えるような形で、また議会の中で十分御審議をいただくような努力というものをしていかなければならないというふうに思っております。
#19
○広野ただし君 今、安住大臣言われましたように、二十八年の四月までに十七特会、五十一勘定というのを十二会計、三十一勘定に整理をされる、こういうことであります。
 これは、数の上では私は確かに一つの改革だし、透明性がある意味で増してくるということだと思うんですが、やはりこの特会改革の本質というのは、まあこれは釈迦に説法だとは思いますけれども、やっぱり一般会計と併せて無駄を徹底的に省いていく、不断の事業見直しをしていくということでしょうし、そのまた剰余金、積立金というのはやはりある。このものをやっぱりしっかりと見直しして、一般会計、こんなに母屋が本当に悲鳴を上げているわけですから、そのことに対して離れ、あるいは、私は、簡単に言えばもう民間でいえば子会社です、その子会社の方がある意味では繁栄をしている、そのときにちゃんとこっちに持ってきて日本の財政の再建のために寄与するために貢献してもらわなければいけないと、こういうところでありますので、それをまた徹底的にやっていっていただきたいなと、こう思うわけです。改めて見解を伺います。
#20
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおりだと思います。特にやっぱり一般会計の繰入れというのは近年非常に注目をされておりますので、例えば、民主党政権になってからですけれども、七・八兆円を二十二年度は繰り入れましたし、二十三年度で四・二兆と、二十四年度で二・一兆、これらを繰り入れております。各年度におけるその差額分の取扱いについてはこうした一般会計の繰入れ等をやって、やはりできるだけ無駄をやっぱりと言われないような会計というものをしっかりやっていきたいというふうに思っています。今回の復興についても、そういう点でもこの財源は大いに役に立ちました。
 問題はその大きなところ、国債費、それから地方交付税、先ほど言った社会保障、こうしたところの大きなところはなかなかやっぱり必要性というのはあるわけですが、例えばこの中にある事務所費とか人件費等々もしあるとすれば、こうしたものについても着眼をして、やはり無駄というものをできるだけ指摘されないような改革というものをやっていきたいというふうに思っております。
#21
○広野ただし君 それともう一つ、その特会と非常につながっているのが独立行政法人ですとか特殊法人ですとか政府関係公益法人です。ここのところをしっかりメスを入れないと、やっぱりどうしてもおんぶにだっこみたい、まあひっつきもちではないですけれども、ぺたっとくっついてくるわけですね。ですから、それをできるだけ民間に移譲するあるいは委託をする、そういうような形でしっかりとスリム化をすることによって私は随分この財政再建が進んでくるんではないかと思います。
 例えば、株式会社、特殊株式会社ですが、政策投資銀行というのがあります。これは、私はある意味で大変な役割を果たしていると思うんですが、じゃその株を半分ぐらいまでは放出してもいいんじゃないのかと思うんです。ですから、特殊株式会社ですから、これは昔、Jパワーですとかああいうところが、電源開発等がありましたが、民営化をしていっているわけですね。政策金融についてはしかるべくまた補助金等支援金を出してやればいいことであって、本体は半分ぐらいは、全部までは一気にはいかないと思うんですが、そういうことだって財政再建のときには非常手段なんですから私は考えてもいいんじゃないかと思いますが、これは特に質問を前もって言っておりませんが、安住大臣の政治家としてのちょっとお考え方をお聞きしたいと思います。
#22
○国務大臣(安住淳君) 独法の数は今百二でございます。今回の改革でこれを六十五にしていくということで、独法改革もかなりそういう点では、数の面では絞り込みができてくるんじゃないかなと思います。今後、そしてその政府系の金融機関の株の持ち合いをどうしていくかというのは十分議論をすべきではないかと思います。
 国策上必要なものに対しては、例えばその優先株を持っていたり、十分国としての役割を果たせる程度であればいいという議論もこれありますので、一〇〇%国が持つべきだという議論もありますけれども、例えば今度郵政の問題も出てきて、これは一つのやっぱり指標になると私は思って見ておりますが、全株売却という意見もありますけれども、一方でやはり政府の何らかの意思というものをしっかり持つために、どれぐらいの割合の部分を持つのか。
 こうしたことは郵政改革等でも十分議論をしていただいて、売れるものを売れば、株式放出をすることである意味で大きな財源というものもまた出てくると。それがまた、先ほど先生から御主張のように、復興に十分これは資することにもなるし、また一方で財政再建等にも使えるということも出てくると思いますので、そこは、政府もそうでございますが、与野党でも十分私は議論をしていただくときが来たというふうに思っております。
#23
○広野ただし君 非常に大事なコメントをいただいておりまして、本当に是非今後ともよろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、租特に移りたいと思います。
 この租特、租税特別措置法は、この分厚い、ちょっと持ってきておりませんが、これ物すごい分厚いもので、およそあれを全部読む人は、本当の専門家でないと読まないという代物であります。言わば、こんなものですよね。これを見るだけでも大変な話で、ですから、あるいは利害関係者はしっかりとその条項だけは見られると思いますが。
 このことについて、私は、民主党はかねがね税制改革について、まず透明であること、公平であること、そして国民の皆さんが納得される、そういう税制措置、また併せて、簡素化しませんと透明性というのはできないと思うんですが、そういうことがもっと徹底的になされませんとなかなか税制全体の改革が、一つ一つ取りますとあれですが、進んでいかない。本当に国民の皆さんから徴税するわけですから、いただくわけですから、そういう面では本当に簡素、透明、あるいは公平で納得のいく税制に変えなきゃいけない、こういうふうに思うところでありますけれども。
 これの中に大体三百ぐらいの政策措置がなされているということだと思いますが、これをまた、租税特別措置法ですから、場合によってはそれを廃止をする、見直しをして。そして、あるいは場合によっては恒久化をしていく、恒久な措置にしていく。誠に複雑なものにしないで、そういうことを不断に、間断なくやっていかなきゃいけない、こう思っておるわけですが、政権交代以来、どういうような廃止措置がなされたり、あるいは恒久化がなされたのか、大ざっぱなものでいいですが、お答えいただきたいと思います。
#24
○副大臣(藤田幸久君) 今御指摘の今までの実績についてということでございますけれども、これは二十二年度の税制改正大綱において、租税特別措置の見直しに関する基本方針を定めということで、四年間で抜本的に見直すということでございますが、二十二年度から二十四年度までの税制改正に取り組んだ結果、二百四十一項目のうち百七十項目の見直しを行いました。その結果は、廃止が二十九項目、縮減が六十七項目、本則化が一項目というふうになっております。
 これは二十五年一月以降の通常国会に、今実態調査をしておりまして、報告することになっておりますので、この調査も活用しながら、引き続きこの特別措置の見直しを徹底していかなければいけない。今、恒久化というお話もございましたけれども、とにかく徹底して、まだ十分じゃございませんので、引き続きやっていきたいというように思っております。
#25
○広野ただし君 本当に気が遠くなるような作業なんですけれども、やはり国民の皆さんの立場に立てば、これはもう本当に一生懸命になってやっていって、簡素化、透明化をしていく。そして、公平なもので、やっぱり不公平だったら誰も納得しませんから、そういう面で今後とも御努力をいただきたい、こう思うわけであります。
 ところで、外為の方にちょっと移らせていただきたいと思います。
 この間、安住大臣、為替介入決断をされて、急激なやっぱり円高というのはもう大変なことになりますので、その効果もあって、また日銀の協力もあって八十円台に戻ってきております。
 このことは本当に評価をしたいと思いますけれども、その中で、今外貨準備というのは一兆三千億ドルですか、という形であります。ですから、ひところの百十円台から考えますと、八十円ということになりますと、三十ですから、四十兆円ぐらいの言わば評価損といいますか、現時点で評価をしますとそういう形になっているんだろうと思います。
 ですから、やはり国民の資産ですから、資産をうまく活用をしてそういう大きな評価損が出ないように長期間にわたっては考えていかなければならないと、こう思うわけでありますけれど、その四十兆円という評価損、これはまた振れるわけですけれども、そういうことに対して、いやこういうところはちゃんともうかっているんだというものがございましたらお示しいただきたいと思います。
#26
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおり、過去ずっと、戦後、様々な介入等をしてまいりまして、結果として外貨資産の保有額は、例えば八十円台前半、一円とかで計算をしますと約九十兆円ですから、大体三十七兆円の今現在では為替評価損が出ております。
 ただ一方で、先生御指摘のように変動が大きいものですから、逆に剰余金を生み出している部分もございます。昭和二十七年度以降ですけれども、剰余金累計総額は五十四兆に達しております。このうちの大体三十三兆円を一般会計等に繰り入れておりますので、こうしたことというのは要するに外貨資産と円建ての政府短期証券の金利差から派生をしておりますので、こうしたこともありますので、今後とも十分この御指摘は我々も真摯に受け止めまして、しかし一方で一般会計への繰入れ等をしっかりやって、この評価損がそのまま国民にとっての損にならないように心掛けていきたいというふうに思っております。
#27
○広野ただし君 まさにそのとおりで、また超長期で見なきゃいけないという観点もあろうかとは思います。しかし、国の公的会計といえども民間会計に準拠するような考え方もあるわけで、やはりしっかりと国民の資産が目減りしないように、運用等については十分に留意をいただきたいと、こう思います。
 ところで、私この間、上海の港を見学いたしました。世界一の現在港になっております。日中間貿易等もありますし、アジアの拠点として大変発展をしているわけですが、ところで、日中貿易はもう日米貿易を凌駕するくらいのものになりました。そして、その日中間の貿易決済が、これがまたあろうことか六割がドル建てなんですね。円建てが三割という状況です。元建てというのはほんの僅かと。
 これは、元が国際通貨としてまだ十分な役割を果たしていない、こういうことなんでありますが、すぐそばの日中間において何でもっと円あるいは元の決済方法をやらないのか。ドル建てでやっていてドルがドル安になっていきますと、それは本当に一生懸命努力しながら大きなところでは損をする、こういうことを日本の場合は繰り返しているわけで、早く円建て決済のところをもっと推奨していかないと。そうしますと、この通貨の揺れに対して強いことになりますし、またこれは世界全体として日本の、私はかねがね言っているんですが、円の国際通貨としての役割をもっと高めなきゃいけない、全体としてまだ五%にも満たないんですね。ですから、もっと、何かドルばっかりに頼るんではなくて、円建て決済をしっかりやることによって通貨のぶれのリスクが少なくなるということなんで、その点についての御見解を伺いたいと思います。
#28
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおりです。
 私も、昨年の秋以降、人民元の取扱いをどうするかということで、財務省内でも随分議論をいたしました。ある意味では、円の国際化と同時に人民元の言わば流動性というものを少しやっぱりそういう意味ではやっていただくためにも、また日中間の先生御指摘のように取引というのは、今や我が国にとりましては対米貿易を超えるぐらいの額になっていると。
 ところが、他方を見ますと、ドル決済がかなり多いと、円での決済も二、三割程度と、元での決済となるともう一%以下というふうな状況であります。もちろん、リスク等も伴うというのはあるにしても、円元の直接決済をお互いやり取りすれば、ドルを挟まないでやれば、お互いにとっての、言わば我が国にとりましてのリスク分散にもなりますので、そうした点から、年末に総理が訪中をいたしまして、同時に私が二月の十九日に中国を訪問をし、王岐山副首相ともこのことについては直接お話をいたしました。
 今後、中国の国債の購入等も含めて、積極的にこうした元での決済等も民間企業の中でできていくように環境整備というものを努めていきたいというふうに思っております。
#29
○広野ただし君 是非、大分、安住大臣の指示の下に事務方も動いているようでありますけれども、是非それを早急に進めていただきたいなと、こう思うわけでございます。
 それでは、今、復興特会ですとか特会改革のこと、租特のこと、そして外為特会等についていろいろとお話をさせていただきましたが、是非御留意いただきまして政策の実行に当たられますようによろしくお願いを申し上げまして、質問を終わります。
#30
○委員長(尾立源幸君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#31
○委員長(尾立源幸君) それでは、速記を再開してください。
#32
○塚田一郎君 おはようございます。自由民主党の塚田一郎でございます。大変失礼をいたしました。
 先週に引き続きまして、消費税増税法案に関連をして質問をさせていただきたいと思います。
 今朝の産経新聞に、産経新聞社とFNNが二十四、二十五日に実施した最近の世論調査の結果が載っておりました。消費税増税関連法案の今国会での成立について、五九・一%、約六割がさせるべきでないと答えています。また、平成二十七年度までの消費税率一〇%引上げに対しても五二・四%が反対していると。まさにこれが世論の最新の状況で、増税に対して非常に慎重な反対の声が強まっているわけであります。
 しかしながら、野田内閣としては月内にこの法案を提出、閣議決定をするということでありますけれども、こうした世論の動向を踏まえた上でも、安住財務大臣、それでも月内提出にこだわるべきだと思われますか。
#33
○国務大臣(安住淳君) フジテレビ、産経ですね、の世論調査で内閣の支持率も意外と上がっていたこともあったなとたしか記憶しておりまして、それと、塚田先生、消費税の将来的導入については、時期は別にしても、たしか七割近い方はこれは必要であるというふうな調査結果もありました。ただ、先生御指摘のように、今すぐやるということに対してはやはりネガティブな方が六割近いというふうな状況であります。
 ただ、私どもとしては、やはり社会保障の充実とやはり財政の健全化というものを考えたときには、是非、今、大変与党内で連日連夜にわたって御苦労いただいておりますけれども、何とか取りまとめをさせていただいて、今月中には法律を出させていただきたいというふうに思っております。
#34
○塚田一郎君 大臣が今おっしゃるとおり、将来の増税に対しては国民の理解があるんだと思います。
 しかしながら、なぜこの時期にこのタイミングでということがこの今の世論調査の結果でありますよね。それは、前回もお話ししましたけど、東日本大震災からまだ一年しかたっていないというこの景気の状況も足下非常にまだ不安感がある中でなぜ今かという、まあそれは最終的には国民の理解がなければ政治としても立ち行かなくなるわけですから、やっぱりそこは慎重に考える姿勢を持たなきゃいけないと思います。
 でも、連日今議論をされているということで、今日がいよいよ、今夜ですかね、山場ということで、総理も御出席になるやに報道には書いてありますが、三十日が閣議決定だとすると、まさに今夜が最終ぎりぎりの線だと思うんですが、今夜中に党内の合意を得ると、場合によっては総理も出席をされるということの理解でよろしいんですか。
#35
○国務大臣(安住淳君) あくまで党の話でございますので、財務大臣としてコメントすることは避けますが、この間、先週から本当に徹夜をするような状況でずっとやってまいりまして、本当に熱心に一項目ずつやっていただいております。もう限られた、論点というのは大体もう二つぐらいに絞られてきたと聞いておりますので、何とか近々には取りまとめをしていただけるものではないかというふうに思っております。
 なお、今、塚田先生から御指摘があったように、三十日の閣議決定というのが常識的には最後の閣議決定ということに今月なりますので、それに合わせたタイムスケジュールを考えれば、そろそろ取りまとめのころではないかなとは思っておりますが、党の中で御苦労をいただいている話でございますので、幹事長、政調会長を中心に鋭意今努力をしていただいているものだと思っております。
#36
○塚田一郎君 そろそろじゃなくて今夜ですよね。もう時間はないわけでありまして、財務大臣が今夜とか言うとまたそれが大きな波紋になるのかもしれませんが、まさにもう今そういう状況まで来ているということだというふうに理解をいたしました。
 総理は、二十四日土曜日、消費税増税関連法案に関して、ここで決断し政治を前進させることができなければ野田内閣の存在意義はない、不退転の決意で、政治生命を懸けて、命を懸けて、この国会中に成立をさせる意気込みで頑張ると語ったんですね。
 これは並々ならぬ決意を語られたわけでありまして、財務大臣としてこの発言をどのように受け止められていますか。
#37
○国務大臣(安住淳君) 私も同じ気持ちです。
#38
○塚田一郎君 安住財務大臣としても、政治生命を懸け、命を懸けてという並々ならぬ決意だという、大変今そういう重要な御発言をいただいたわけですが、とすると、もし今国会で不成立だということになれば、あるいはこの法案が審議が進まないということになれば、もうこれは内閣総辞職あるいは解散して民意を問うしかないということになるわけですが、そういう覚悟でよろしいんですね。
#39
○国務大臣(安住淳君) それは財務大臣の権限ではないので私の答える立場ではありませんけれども、私はやっぱりこの国民の皆さんにとって大変重い税金をお願いする法案が、過去の、私は消費税を最初に導入したころはまだ取材をしていた立場でありますけれども、大変なやっぱり政治的なエネルギーを費やして、国民も巻き込んでの大変な議論がありました。そうした重みというのは十分分かって、今回もやっぱりお願いをしなければならないと思っております。
 自民党の先生方も、参議院の選挙では一〇%を掲げてやはり勝った選挙をやってこられた先生方もたくさんおられますので、私はそういう点では、議会にきちっとこの法案を出して、その中で議論をしていただければ、必ずその必要性というものは与野党を超えて共有していただける方々は多いんではないかと思っておりますので、是非、党内をしっかり議論を終えた後に衆参で議論をしていただく環境づくりをしたいというふうに思っております。
#40
○塚田一郎君 仮に今日党内で無理に終局をして法案を提出をしても、国会の審議で行き詰まる可能性は十分にありますよね。それは、民主党内からも造反をする可能性もないわけではありませんし、ましてや野党の動向というのは国会に提出してみなければはっきりしたことは分からないわけですから、まさに政局になる可能性の非常に強い法案ですよね。
 それを何で今なのかということを皆さん心配をされているわけでありまして、それこそ総理自身も、東日本大震災からの復旧復興は最優先だと、デフレ脱却、経済の再生は最優先だと。でも、実際のところは、全てを超えて最優先しているのはこの消費税の増税なわけですよ。そこに国民世論が付いてこれない、何でなんだというところがあって、仮にこれで解散をしても私は理がないと思います。それは、いずれ総理の審議のときにもう一度お話を伺おうと思いますが。
 それでも法律を出すというわけでありますから、中身についてもう少しお伺いをしたいと思いますが、二〇一四年四月八%、一五年十月一〇%とされた理由は何でしょうか。
#41
○国務大臣(安住淳君) まず、塚田先生、復興のことは確かに最重要です。ですから、一次、二次、三次と、これは先生方にも大変御理解をいただき、またいろんな提案いただいてスキームも作りました。財源もつくって、今その執行段階ですね。今また予算を作らなければならないとなれば、私はもうこれは十分与野党の皆さんでやれると思います。
 実は、G20に行ったときに、私は十九兆円の経過を主要な各大臣、各国のリーダーに説明をして、衆議院、参議院の審議を、この増税含めて、復興特別税ですね、実は参議院ではたしか二日の御議論で賛成をしていただいて、十九兆円のスキームは、赤字国債は事実上ツケを先送りしないでスキームを作ったということを話すと、世界中のリーダーは皆共感していました。やはり日本というのはすごいと。これだけの規模のお金を、まあ増税に賛否はあるにしても与野党が結束してそれだけの財源を出せたということは、やはりアメリカの進まない政治よりははるかに日本の政治は進化をしていると。
 それは、私、日本の議会は、何かマスコミで与野党とも全然やっていないんじゃないかという批判は、私は当たらないと思います。世界の中では、与野党に対する、日本の政治に対する評価は高いというのは一つ御報告をさせていただきたいと思います。
 それで、それは全然、私はだからおろそかにしているわけではないんですが、一方で、社会保障と税一体改革の中で、特にやっぱり消費税の問題というのは世界の中での注目もあります。ですから、これは結果的には財政再建ということにも大きな貢献をするわけですが、やはりギリシャの問題が出て以降、日本は一体どういうふうにこれを行動して実現をしていくんだということも私は再三問われておりました。
 そこで、この八%と一〇%、つまり一気に上げないでなぜ階段をつくったかということになるわけですけれども、これはやっぱり経済への影響や事業者への実務面での配慮等があったということだと思います。一気に五%上げるよりは、八%、一〇%という階段を踏むことで、言わば激変の緩和をしたいということが大きな理由だと思います。
 さらに、一四年にしたということについては、団塊の世代の年金受給が二〇一四年からが本格的に始まりますので、そうした点も勘案して、今回素案として、今議題になっておりますので、これでコンクリートして法案を出すというふうになるかどうかというのは、先生御指摘のように、党内の議論を経てということになりますけれども、大綱の決定までのプロセスはそういうことでございました。
#42
○塚田一郎君 与野党協力をして復興に議会がということは当然だと思います。だからこそ、消費税はなぜかということの今議論でありますので、それは大臣のおっしゃるとおりだと思いますが、ギリシャの話がよく出るんですけど、ギリシャと日本の国債の状況は違うんですね。経常収支が赤字で外国から多く国債を買ってもらわなければいけない、しかもユーロに入っている中でいろんな制約があるからギリシャはああいう状況になったんで、そこを日本の国債の状況と一緒にすることには私は非常に違和感がありますが、その議論をするとまた横道にそれるので、それはまたいずれの機会にさせていただきますけれども、そういうことで余り危機感をあおって消費税の話をされるのはいかがなものかなと思います。
 今のそのお答えなんですが、二〇一四年四月ということのちょっとお答えが何となく分からないんですけれども、これ、民主党政権だから、二〇一四年四月以前、もっと言えば衆議院の任期中は上げられないということでしょう。だから、今経済の状況が良かったとしても、民主党が政権を今持っている状況では公約違反になるから消費税は上げられないというのが正直なところじゃないんですか。そういうことをちゃんと言っていただいた方がいいと思うんですね。
 二〇一四年の四月に、じゃ経済が良くなっているという明らかな状況が今見えているわけでもないし、そうすると、本当の引上げの経済動向というのをやっぱりしっかりと見た上で機動的に引上げ時期を本来判断するというのが適切なんだと思うんですね。どこかに決め打ちをしても、そこまでにそうならなければ結局引上げはできないわけですから、あえてその時期を限定しないで、引き上げるということを決めた上で、税率の議論はあるかもしれませんが、むしろ経済の動向をこれから見極めて機動的に引上げの時期を判断するというような考え方はできないかと思うんですが、いかがですか、財務大臣。
#43
○国務大臣(安住淳君) 政権担当期間は任期満了で行っても二〇一三年の八月ですから、それ以降であればそれは全く問題ないと思います。
 それで、法律で言うと、先生、そのタイムラグがありますよね。決まってすぐ施行するわけではありませんので。やはり、法律で消費税を上げて、そしてその時点で何か大きな経済変動やなんかあったときにはやっぱり留保すると、これがやっぱり景気条項として今回盛り込むということだと思うんです。
 ですから、成立後直ちに、すぐ法律を施行できればいいですけれども、そうでない場合は、やっぱり確かに留意点というものをもって、二〇一四年の例えば仮に四月に上げるにしても、その時点での経済動向ですね、その数か月前だと思いますけれども、極端な例えば本当にリーマン・ショックのようなときとか、さらに何か大災害があったということであれば、それは時の内閣の責任で法律をこれを施行を留保することができると。別途それは法律で出せば、与野党のコンセンサスを得て例えば止めるとか、そういうことは、今までの法律には逆に立て付けとしてはないわけです。三%に上げるときも、次の年の例えば四月一日と書いてあって、そのときの景気状態というのは、実は半年前に、たしか十一月ぐらいに法案成立して、翌年の竹下内閣で四月だったんですけれども、その間の経済動向の変化等についての留意はないんです。
 そういう点では、今回は、ある意味では先生の御指摘のとおり、一四年のその施行の前の時点での景気条項というものを今どういうふうな形で盛り込むかは鋭意議論をして党内でいるというところでございます。
#44
○塚田一郎君 そうすると、大臣、仮にこの法律ができたときに民主党政権が継続をしていて、それ以前のタイミングで消費税の引上げを、今、二〇一四年の前に行うなんということはないんですね。そういう理解でいいんですね。
#45
○国務大臣(安住淳君) 今党内で議論しておりますが、少なくとも大綱決定時には二〇一四年の四月がスタートということですから、その前というのは現時点ではございません。今後、法案が出て、与野党協議の中で前倒しをしてそれを行えというふうなコンセンサスがもし得られれば別でございますが、現時点では一四年の四月がスタートだというふうに思っております。
#46
○塚田一郎君 それはないと思います。
 そういうことで、経済動向をじゃどのように今度判断するかということでありますが、平成九年の引上げ時には、国の一般会計税収は一旦五十三・九兆円と、前年比で二兆円増加をしました。ところが、ほかの税収が減少したと。つまり、景気が悪くなったために、翌年、十年の税収は四十九・四兆円、四兆円の減収になりましたと。消費税増税二%で仮に五兆円増収が見込めたとすると、プラスマイナス九兆円の読み違えが起きたんですね。これがまさに過去の自民党政権時代の私は教訓だと思います。ここは経済の状況を見誤ったために、それ以降税収は五十兆を超えていないと思います、多分。そういう状況になっていると。
 ましてや今のデフレ下で、じゃどのようにこの経済好転を担保するかという議論に次に入るわけでありますけれども、これも先ほどの世論調査によると、七四・二%が経済成長率など具体的な数値目標を盛り込むように世論は言っているんですが、名目三%、実質二%の今の政府が掲げる成長シナリオの数字は明記できないということですが、その理由は何でしょうか。
#47
○国務大臣(安住淳君) まず、九七年のときというのは、これはやっぱり消費税を上げて景気が後退をしたというふうな議論もあるかもしれません。ただ、私は、橋本内閣でそのときの経緯を見ますと、その年の七月がアジア通貨危機なんですね。十一月が金融システム不安、つまり三洋、拓銀、山一の経営破綻ということですから、これはちょっと橋本総理には僕、酷ではないかなと思うんですね、施行したあの年の後半に大きな金融危機が起きちゃいましたから。そういう意味では、まあ言い方は失礼ですけど、不運なことが起きて、それで税収もぐっと落ち込んでしまったわけですね。しかし、それとはいえ、消費税を含めた税収というのはその何年か後にはもう戻ってきていますので。
 その後、ずっと落ち続けたという主張もあるんです、確かに。しかし、それも私はある意味で自民党の政策でこれはやむを得ない部分はあったと思うのは、税源を地方に移譲して三兆円をマイナスにしたと。それから、法人税率が高かったのでこれも下げて、二兆円ほどやっぱり税収が減っているんですね。そういうことというのは、つまり経済戦略の中で、当時自民党政権下でいろいろ工夫をしてやったことだと思うんですね、消費税、それから所得税のフラット化とかですね。ですから、もしそれをやらないことを前提に、二〇〇七年のときにもし税収がそのままだったと考えると、これは実は五十四兆円を超えるぐらいの税収だったろうと言われているんですね。
 ですから、減税とかやっぱり地方への権限移譲というのが時代の流れの中にあって、消費税を上げたことで相対的に、その何というか、国の税収がへこんだんじゃないかというのは、私は、まあ野党でしたけれども、それは自民党を擁護するわけですけどね、結果的には、それは私は当たらないというふうに思うんです。(発言する者あり)ええ、だから、西田さんから見るとおかしいなと思われるかもしれませんけど。しかし、事実、やっぱり経済政策等をやったことでそういう税収構造になったと。
 ということは、一方で、やっぱり全世代型の安定財源を探すということで、やはり消費税の問題、つまり直間比率を変えるということもあって、大体平成十六年ぐらいからやっぱりこういう議論というのは当時の与党の中でも随分あったと。我が方も、前回の選挙では消費税上げなかったんじゃないかと言われますが、実は二〇〇四年のときから、こうした税収の中で社会保障をということで、岡田前代表のときは消費税三%上げようということで当時はコンセンサスを得られて選挙を戦ったんです。だから、その後のことはいろいろ御批判されても仕方ない部分もあるんですけれども。
 そういう点では、お互い選挙で消費税を訴えて勝利をした経験もあるんです、自民党も民主党も。だから、そういう点での必要性というのは、私は、両方とも間違っているという御批判もあるかもしれませんけれども、あるのではないかというふうに思います。
 そこで、景気の条項ということに行き着くんですけれども、やはり日本のデフレ下の状況というのは長く続いているわけです。そういう中で、バブル期を除いて、実質的にも名目的にも成長が三%、二%というのは、これは非常に高い目標だと思います。政府としては、それを目標に掲げて頑張るということはもちろん中期財政うたっていますけれども、それは目標でございます。
 実際に、しかし、この間、公共投資等を含めて、例えば小渕内閣からですね、小渕、森、小泉、安倍、あと福田さんも麻生さんも、我が党の方に来て鳩山、菅と続きましたけれども、累次の公共投資含めてやってきましたけれども、やっぱりそこまでの成長というのは、構造的な問題が塚田先生御存じのようにあると思うんです、人口減少とやっぱり需給のギャップの差と。
 そういう点では、現状の経済の中でやっぱり消費税を引き上げるということは、様々な状況を総合的に勘案をしてやった方がよかろうというふうに私は判断しております。
#48
○塚田一郎君 何か今のお話を聞いていると、目標は掲げているけれども、多分難しいという目標を掲げているというふうに聞こえますが、それだと何のための成長シナリオかということになりますので、じゃ、そんな数字出してどうするんですかということになりますから、そこはそれを言ってしまうと元も子もないと思いますが。(発言する者あり)審議を私がしているので、西田さんの質疑ではないのでそっち答えなくていいですけれども。
 それで、仮にそうはいっても、ここを明記しないとなると、じゃ、判断をするときに何をよりどころにするかということになるんですが、二十六年の四月時点で八%に上げる、その前の時点で判断を前年の秋ぐらいにするんだと思いますが、じゃ、その時点で名目三%、実質二%の成長が達成できない場合でも上げるということになるわけですか。
#49
○国務大臣(安住淳君) 単純に答えれば、そういうことだと思います。上げることになると思います。
#50
○塚田一郎君 つまり、この目標を掲げると上げられないから入れられないということに今度なってくるんですが、そうすると、民主党内でも今議論があるようですけれども、どうやってデフレ脱却とか経済成長を担保するんだということにまた行くわけで、前原政調会長は、デフレ脱却の担保を取ることも大事だと発言をされています。
 ちょっと考え方を変えてきたのかなと思いますが、この点について財務大臣のお考えはいかがですか。
#51
○国務大臣(安住淳君) デフレ脱却は、まさに私は、小泉内閣以来、我が国のやっぱり最大の経済的な克服すべき課題だと思います。
 ただ、私どもが申し上げているのは、デフレを脱却しないといけないと同時に、二〇〇六年、七年なんかもそうですが、デフレ下にあっても経済は好調であったし、成長というものはありました。各種、例えば雇用情勢、それから求人、全ての点で例えば上向きの状況というのは数字的にもありました。やっぱりあれは、不良債権を処理をして、それぞれの企業がかなり身軽になって、アメリカの景気も良かったですから積極的なそういう投資もあったし、また、あの当時は百円を超える円安もあって輸出も非常に堅調でございました。トヨタ等の収益を見ましても過去最高収益を上げたり。
 ですから、そういう点では、長いデフレのトレンドの中でも経済の好不景気というのはありますので、そういう点ではデフレの克服も我々としてはもう精いっぱいやりますけれども、それを克服しなければ上げられないということではないというふうに思っております。
#52
○塚田一郎君 そうすると、何かちょっと党の政調会長と議論のトーンが合わないような気がするんですが。
 デフレ脱却かどうかも担保を取らないということになる、経済指標も示せないと。じゃ、どこで党内議論も落としどころをつくるのかなと今伺っていて思うんですけれども、例えば消費者物価指数などの数値を一つの指標とする考え方はありませんか。
#53
○国務大臣(安住淳君) 例えば、CPIが極端に落ち込んで、これが例えばリーマン・ショックと同じようなことであれば、景気条項というのはやっぱり留保しないといけなくなるということはあると思います。ただ、単に一つの指標をもっていいとか悪いということを法律上作るというのはなかなか難しいと思うんです。ですから、様々なデータを総合的に勘案をしながらやはり決断をするということを今考えております。
#54
○塚田一郎君 確かに、種々の経済指標を勘案すると今までも表現されているんですが、そうすると、じゃ具体的にどういうふうなイメージを持てばいいのかなと思うんですね。慎重シナリオでも名目一%半ば、実質一%強の成長って書かれ方していますけれども、じゃその種々の経済指標でどれぐらいの見通しで、消費者物価とか成長率とかあると思いますが、どういうふうにそれを、誰がそういう判断をしていくようになると、そういうふうに考えていらっしゃいますか。
#55
○国務大臣(安住淳君) ですから、経済状況の好転ということに尽きるんですけれども、じゃそれを何で見るのかと。それはもちろん、名目、実質、それからCPI等々、経済指標様々なものを勘案をして、もしかしたら失業率等もあると思いますけれども、そういう中で総合判断をするしかないと思うんですね。(発言する者あり)給料も見ろという御意見もありますが、そういう様々なものを見てやっぱり判断するということだと思います。
#56
○塚田一郎君 西田先生には答えなくていいですので。再度申し上げますけれども、私が審議をしておりますので。
 それで、そうすると、じゃもう少し、種々の経済指標ということで漠然としているんですが、もう少しちょっと別の角度からお伺いしますが、例えば二十四年、二十五年と経済が連続してプラス成長であるということは、少なくとも好転の材料というか、担保として必要になると思うんですが、それはそういう理解でよろしいですか。
#57
○国務大臣(安住淳君) それは、二十四年、二十五年ですか、もちろん、それは名目、実質ともプラスに向くという意味でおっしゃっているんであれば、それは経済の好転ということは言えると思います。
#58
○塚田一郎君 つまり、難しいのは、復興需要があって二十四年度は非常にプラス成長の数字が出てくると。ところが、二十五年になったらばそれが数値として下がってくるという状況があると思うんですよ。ここでまた議論が、経済好転なのかどうなのかという同じような議論になってくると思うんで、非常にここは大事なところだと思うんです。
 少なくとも、二十五年の秋にはこれ判断をすることになると思うんですね。そうすると、もうそれほど先の話ではないので、その辺りしっかりとやっぱり私は議論をしておかないといけないということで今お話をしているわけでありますけれども、例えば今申し上げたように、プラス成長ではあるけれども前年に対して成長率は下がってきたような場合でも、大臣は経済の好転というふうに、じゃ大臣が判断をするとしたらそう考えられますか。
#59
○国務大臣(安住淳君) 今、党内で様々議論している段階でございますので、私がこうだと言う立場にはありません。法律を出した中で御審議いただく中で我々としての考え方というものはお示ししたいと思います。
 問題は、やはり非常に難しいんですね、やっぱりとても難しいことだと思います。むしろ、もし自民党が御政権を取られていても、これをどう書くかと。例えば、附則を、一〇四を見ても、三年間やった中で経済を好転させていくという、三年目というのは実はプラスになっているんですね、あの法律の立て付けでいえば。ということは、あそこ、マイナス、マイナス、プラスになっているわけですね、三年目は。ということは、もしあのまま自民党政権で麻生総理であれば、それをもってもしかしたら消費税法案をお出しになった可能性だってあるわけですよ。
 ですから、そういう点では、何か数字をもってやっぱり判断をするというのは、時の政権にとってそれをむしろ縛る形にもなりかねないので、やはり政治の決断、それこそまさに時の内閣が、景気条項を入れているわけですから、この景気条項を入れるということは、要するに自動的に消費税をそのままいくんではなくて、それを入れるということの意味というものを考えて判断をなさればいいというふうに私は思っております。
#60
○塚田一郎君 時の政権がというお話でしたので、そうすると、恐らく前年、二十五年の秋ごろの経済状況で判断をすると。時の政権がということは、その時点の政権が閣議決定をもって決めるという、そういう理解でよろしいですか。
#61
○国務大臣(安住淳君) これは、法律がどういう形で出てくるかにもよりますけれども、多分、そのときは別途法律で定めなければならないことになりますから、そこで国会で御議論をいただくということになるんじゃないでしょうか。ですから、そういう点では、景気条項を入れたということは、そうした法律を止める権利を言わば内閣が持っているということを明記していますから、これは十分景気というものを総合的に判断をしてくださいということだと思います。
 ですから、それをあらかじめ、どういう数字とかいろいろなことは今御議論をいただいているので、私の立場でいうと、大綱の時点の私は説明をしているわけです。大綱の時点では、先ほど私が申し上げたような、閣議決定をしたときの大綱の考え方というのは私が先ほど申し上げたことだということです。
#62
○塚田一郎君 大変重要な今御発言だったと思うんですね。そのときに内閣が判断をして国会の議論が必要だろうと、まさにそういうことが非常に重要なポイントだと思っています。そういう議論がしっかりとできないとこれはなかなか国会でも審議をしても結論が出ないと思うんで、今の御発言というのは一つのポイントだというふうに思います。私は、やはり国会が最終的な判断にかかわれるような、そういう仕組みというのが非常に重要になってくると思っております。
 再引上げの、再増税の条項についても盛り込むと、大綱の中ではそんなニュアンスで書かれておりますが、その内容を盛り込むのかと、その内容について御説明願えますか。
#63
○国務大臣(安住淳君) まず、先ほどの話ですけれども、もう一回言いますが、法律を止めるという法律をやっぱり出さないといけないということでございますから、それは、先ほど私が申し上げたことはそういうふうに御理解いただければと思います。
 今の質問は、附則……
#64
○塚田一郎君 追加増税。
#65
○国務大臣(安住淳君) これも今党内で議論しております。最終的には取りまとめの段階で御判断をいただくということになりますので、私の立場で今の段階で発言はちょっと控えさせていただきたいと思っております。
 趣旨は、また再増税をそこでやるということに直接的にイメージをされているとすれば、それは少し誤解もあって、二〇年に向けてプライマリーバランスをゼロにしていくときのやはり三つの道ですね、先生、成長、税収、それから歳出の削減をしっかりやる。さらに、新しい税収の構造をやっぱり考えないといけないと。その増収を考える場合には、法人税や所得税やそういうものを一体として全体をどうしていくのかと。それから、所得税の累進性とか、そういったものを考えながら、またもう一つに消費税というものをどうするかというのが出てくるので、何か消費税を抜き出しにして五年後また別途検討するという意味ではないのですが、やはり今党内ではそのことについて、十分これを法律に入れるときに誤解のないようなものにすべきだという声が強いと聞いておりますので、何らかの対応はしていただけるものであるというふうに思っております。
#66
○塚田一郎君 ありがとうございます。
 ちょっとまだ議論が中途半端なんで、また明日以降、残りの論点についてお話をしたいと思います。
 あと残り時間が三分ぐらいであります。自見大臣、毎度いつもお伺いをいたします、恐縮でございますが。
 いよいよ先ほどの議論からすると、閣議決定も三十日ごろと迫ってまいりましたが、改めてお伺いをするわけですけれども、もう数日後でありますから仮定の話ということもないと思うんですけれども、自見大臣、この増税法案に対してどのように臨まれるおつもりでしょうか。
#67
○国務大臣(自見庄三郎君) 今、塚田議員と安住財務大臣の話をずっと聞かしていただいておりましたが、今後、消費税増税に係る法律が閣議決定されるときの賛否についていかがなものかと、こういう御質問でございますが、大変敬愛する塚田先生の御質問でございますけど、まだ仮定の話でございますので、今、民主党さんも非常に、党内において非常にいろいろな活発な論議があるようでございますけど、お答えすることは適当でないというふうに思っております。
 私としては、国民新党の、民主党の連立内閣でございまして、私は国民新党の副党首でございますが、国民新党の政策は一丁目一番地は郵政改革の推進であるということでございまして、これは郵政特別委員会で、これは本当に民主党さん、自民党さん、公明党さんの大変な、やはり明治以来のネットワークは残さねばならないということで、いろいろ党によってお立場の違いがあるにもかかわらず大変一歩二歩前進をしているように拝聞をしておるわけでございますから、そういったことも考えて、いずれにしても、消費税の問題、私自身、竹下内閣あるいは十五年前の橋本龍太郎内閣の閣僚でございまして、三%から五%へ上げて北海道拓殖銀行が崩壊する、あるいは山一証券が崩壊したときの閣僚でございましたから、本当にこの法律というのはもういかに大ごとかということをよく実感、経験をさしていただいておるわけでございますが、その具体化に当たっては、今後、大綱に対して寄せられた異議等を踏まえ、更に多角的、多面的な検討をし、論議を尽くしていく必要があるというふうに思っております。
#68
○塚田一郎君 大変丁寧な御答弁、ありがとうございます。
 過去の歴史を知り、その教訓を知っている自見大臣であるからこそ、より慎重な御判断をあと数日後に、仮定ではなく訪れるときにしていただくということになると思うんですが、明日、あさってまだございますので再度またお伺いをするかもしれませんけれども、仮定がだんだん近づいてくるというところで今日の質疑は終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#69
○若林健太君 自由民主党の若林でございます。引き続いて質問をさせていただきたいと思います。
 今、自見大臣の名答弁をお聞きしながら、これはやっぱり毎日聞きたいなと、つくづくそう思いましたが、私、本委員会に上程されている租税特別措置法の一部を改正する法律案、先ほど、広野先生話題にされておられましたが、それと特別会計についてまず少しお伺いしたいと、こんなふうに思います。
 前回の委員会でお隣の中山先生が厳しく御指摘されておられましたけど、この平成二十四年度税制改正は新成長戦略を実現すると、こういうことを掲げているわけでありますけれども、この税制改正の中身は従来の政策減税の延長や一部拡充にとどまっていて極めて不十分だと、こんなふうに思うんですね。
 お手元の資料にありますように、この税制改正全体としては総額で平年度で三千三十億の実質増税と、プラス増税になっているということを含めて、どうやって新成長戦略の道筋を見据えているのか、この税制改正全般についてお伺いしたいと思います。
#70
○大臣政務官(三谷光男君) お答えいたします。
 平成二十四年度税制改正法案においては、新成長戦略の実現に向け、まず自動車重量税の当分の間税率に係る税負担の軽減及び環境性能に優れた自動車に対する軽減措置の拡充延長、さらには研究開発税制の増加型等の措置の延長等、様々な措置を盛り込ませていただいています。
 今委員御指摘の三千三十億円の増収があるではないかというお話がございましたが、この御指摘の額は平年度ベースの増収額でありまして、このうち二千六百二十三億円は地球温暖化対策のための税の導入によるものです。その地球温暖化対策のための税については、経済への影響に配慮する観点から税率の引下げを段階的に行うほか、地球温暖化対策に資する分野には負担軽減措置も講ずることとしています。
 また、その税収については、エネルギー特会の歳出として、エネルギー起源CO2排出抑制のための諸施策を推進することを通じて、企業による省エネ設備導入の支援などにも活用することになりますので、必ずしも経済にマイナスの影響だけじゃなくプラスの影響もあるということを申し上げます。
 また、再生可能エネルギー投資加速のための環境関連投資促進税制の拡充等、様々な成長戦略に資する税制、盛り込んでおりますので、これを力強く実行してまいります。
#71
○若林健太君 るる朗読いただきましたけれども、しかし要は、今のエコカー減税がありますとかなんとか言っているのは、みんな今まであったものをそのまま延長していると、こういうお話をしているわけですよ。そして、全体とすりゃ増収になっていると、増税になっていると。これが何で新成長戦略に資するんだと、こういうことを伺っているわけであります。
 先ほど来、塚田委員との間で財務大臣、三%、二%、新成長戦略を掲げているんだと、こう言っておりますけれども、その道筋は今回のこの税制改正の中からは見えないと、私はこんなふうに思うんです。
 今、その内容の中でお話しされていましたけれども、自動車重量税についての上乗せ税率軽減と、こうお話しされましたね。しかし、本来、民主党の中ではこの自動車重量税というのは廃止をして自動車税一本化すると、こう言っていたんじゃないでしょうか。
 あるいは、ガソリンに関する税金について、地球環境税というお話についても、軽油取引税やガソリン税を一体にして地球環境税にいたしますと、こう言っていたのはマニフェストに掲げた民主党の政策でありました。これも、結局、その地球環境税というような抜本改革に踏み込むことができずに、一部の石油石炭税の上乗せ特例と、こういう格好で、極めて中途半端だというふうに私は御指摘を申し上げたいと、このように思います。
 もっと腹をくくってしっかりとした税制改正へ踏み込んで、そしてこそ新成長戦略へ資すると、こういうことを言うべきでないかと、こんなふうに思いますが、ここは大臣に所感をお伺いしたい。
#72
○国務大臣(安住淳君) 中山先生にもお話ししたんですけれども、私はそのことの御指摘については謙虚に受け止めます。
 ただ、若林さん、昨年出した我々の考え方というのは成立させてもらえなかったんですね。やっぱり、そういう意味では議会でコンセンサスを得ないと税制改正ができないという現実がありまして、先般、中山先生にもお話はしましたが、合意のできる範囲でやはり出さざるを得なかったというのはあります。
 ただ、私、非常に大きいのは、今度の二四改正では、そういう点では、言わば一言で言うと小粒じゃないかという御意見ありますけれども、その前のやっぱり法人税率の引下げを与野党で合意できたのは非常に大きいと思います。成長戦略の柱はやっぱり法人税の引下げというのが私は一つはあるんだと思うんですね。
 だから、そういう点では、企業のそういう体力を付けてもらって、もちろん三年間は復興の財源にしますけれども、本格的なこの税の構造改革というのは、本当は租特を含めて踏み込んでいかなければならない部分だと思います。
 そのためには、例えば、自民党であれば電話帳と言われて、昔からこれは長年経緯、経過があってやってきた道があるんです。それは業界にとってもそういうことをベースにやっぱり言わば会計をつくってまいりましたから、じゃこれを根本的に新しい時代へと成長をしていく戦略へと例えば逆に切り替えていく作業というのは、これはやっぱり物すごく政治のエネルギーの要ることですから、私は是非、成長戦略というのは与野党でお互い建設的な意見をやりながらつくり上げていくものだと、それが結果的にやっぱり税収を上げていくというふうに私は思っておりますので、是非、そういうところはもう税のプロ同士で話し合う場があれば私は大変有り難いなと、そういう気持ちで昨日、おとといですか、中山先生にお答えを申し上げたんです。
#73
○若林健太君 たくさんお話しいただいたけれども、要は、今回の税制改正はなかなか合意ができないからシャビーで申し訳ない、だけれども、その前の法人税減税やっているんだからいいんじゃないのと、こういうお話でございましたが、一回一回のこの税制改正、やっぱりしっかり取り組むことが私は必要だと、このように思います。
 さて、先ほど広野先生から復興特別会計についてのお話がございました。特別会計についての改革は我が自公政権時代からも取り組んでおりますし、今また新たに民主党政権が更に十七から十一へという取組をされています。ただこれ、僕、数を減らせば改革だというようなことは、これは全くもって間違えた思想だというふうに思っているんですね。そもそも、その特別会計というのは、一般会計で一緒くたにしているとこれはどうも明確にならぬというようなこと、それぞれに会計の意味があって明確に管理をするために設けるもの。たまたまその目的を限定するから、その中で余剰金が出たようなものについてほかに流用できないという意味で一部たまってくるという問題が指摘されたということであって、明確にするという趣旨はやっぱりきちっと尊重しなければいけない、減らせばいいと、こういう問題ではないというふうに思うんですね。
 そういう意味では、今回復興にかかわる事業を復興特別会計という形で特出しするということは必要なことだと、こんなふうに思います。当初、政府はなかなかその必要性を認めていなかったわけでありますけれども、我々与野党でそういう必要性を認識をして設置ができたということは良かったと思うんです。
 ところが、復興全体を本来この特別会計を設置するとすればこの中で扱うべきものだと思うんですけれども、実際には昨年、昨年というんですか、今の平成二十三年度予算について言えば、この一般会計で処理をされて、その部分の剰余金も含めて特別会計へ移換をするということはしない、この四月一日からの特別会計の設置と、こういう形になります。したがって、第三次補正予算を含めて十八兆円に及ぶような大きな予算執行というのはこの特別会計から切り出されてしまうと、こういうことになりますね。一つ。
 もう一つ、この基本方針の中で示されている復興に向けての財源手当ての中で、JT株や何かの売却というのもうたわれているわけでありますけれども、このJT株の売却については国債の整理基金特別会計の方で処理をする、これも実は復興会計の中から外されてしまうと。
 極めて不完全な特別会計の姿になっている、私はこんなふうに思うんですけれども。これは非常に問題だと私は思っていますが、この点について大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#74
○国務大臣(安住淳君) 特会のそれぞれの問題というのは、実は先ほど広野先生にも私申し上げておりましたけれども、これは党によってそれぞれ違うかもしれませんけれども、例えば道路特会は、典型的に私挙げているのは、できたのは昭和三十三年なんです。ということは、もう約五十五年間続いてきたんです。当時の道路整備の例えば舗装率は、全国で言ったら多分三〇%くらいじゃないかなと私は思うんですね。
 これを、じゃ今どこまで続けるんだと、そういうことから言うと、言わばサンセット型になってこなかったために特別会計というのは時代を終えてもまだ残って、そこに例えば着眼をした塩川大臣の発言なんかが出てきたと。
 私どもは、そういう点からいうと、今回の改革が単になくなるだけでなくて、そうした長い間、治水も港湾もそうだけれども、社会資本整備特会がなくなるというのはやっぱり歴史的なことだと思います。これを一般会計に入れて、言わば一般会計で毎年やっていこうというのは、やはり大きなかじを切ったということではないかなと思います。
 それで、復興なんですけれども、私は良かったなと思うのは、私どもが最初懸念をしていたのは、同じように一回つくったら止めどなくずっとこの会計が残ってしまうと、本当にその、何といいますか、めり張りがなくなってしまうんじゃないかということを懸念をしておりました。それで、与野党で話し合った結果、この復興庁の設置の期間、約十年ですよね、これを一つの期間として言わばサンセット型にしたということは、やっぱりこれは与野党の知恵だったんではないかと思うんです。
 そういう点からいうと、先生からいえば不十分なものはあるという御指摘ですけど、二十三年度の執行に関しては承継しますから、そういう点では復興会計に入れるということになります、これからですね。
 今後、私どもとしては、是非見える透明化をして、分かりやすいやっぱり予算の執行で、言わば法人税と所得税払っていただいているので、これをしっかりと国民の皆さんや特に被災地の皆さんに、これをどういうものに使っているのかを議会にも報告し、透明度を高めていって、その使い方を納得していただくということが必要ではないかと思っております。
 あと、残余の質問については副大臣から答弁をいたします。
#75
○若林健太君 今の大臣のお話で、一般会計の二十三年度の収支差額というんですかね、それは特別会計に引き継ぐというお話がありました。私の理解だと、復興債は引き継ぐようになっているけど、実際に一般会計で経理されている歳入歳出、それを引き継ぐという話にはなっていないんじゃないかと思うんですけど、そこはちょっと訂正しなきゃいけないと思いますが、それをお伺いしたい。一点ね。
 もう一点。もう一点先ほどお伺いしたのは、JT株の売却、これを国債整理基金特別会計で処理することになっているわけですよ。だけど、基本方針御覧になっていただくように、それも実は復興の財源として書いてある。これは、だから本来復興特別会計の中で扱うべきものなんじゃないのか、この指摘があるんですが。
#76
○国務大臣(安住淳君) 最初に、じゃ私が。
 ちょっと正確に申し上げますと、一般会計から復興特会に以下の権利義務を承継することとしていると。二十三年度補正に基づき、復興債の償還債務等、それから特別財政援助法に基づく原子力事業者が賠償責任を負う損害について国が補助金の交付その他財政援助を行った場合に当該原子力事業者に対する求償する権利ですね、これらについて、あと、るるありますけれども、それから二十三年度三次補正に計上された復興費用に関する権利義務についてはこれは承継をいたします。さらに、補正予算以前における一般会計の国庫債務負担行為による債務のうち復興事業に係る債務、これらを承継するということでございます。
 失礼しました。
#77
○副大臣(藤田幸久君) 今のJT株の件でございますけれども、メトロ株もそうですけれども、昨年の十一月の三党合意の財確法によって、国民共有の資産から生じたものであるということから、ストックからストックという考え方にのっとって復興債の償還費用に充てるものと整理したと。したがって、この財投特会等に帰属するJT株それからメトロ株等を国債整理基金特会に所属替えするということにしたということでございます。
#78
○若林健太君 そんなことは分かっているんですよ。だから、それが問題だということを私は指摘しているわけでありまして、その復興特別会計というのはどういう趣旨で設置しているんだと、そのことを考えたら、それが国債整理基金で、それだけそちらで処理をするというのは、実は当初、特別会計を設置するということを予定していなかったからその部分が残ってしまったんじゃないのと、もっとちゃんと特別会計全体で復興の全容が分かるような取組をするべきであると、こういう指摘をさせていただいたんです。
 大臣、今、先ほどの御答弁いただいて、要は、債権債務は特別会計へ引き継ぐけど、収支についてはこれはもう二十三年度一般会計の中で消化すると、こういう理解ですね。それ、だからその前の答弁は訂正すると、こういう確認でよろしいですね。
#79
○国務大臣(安住淳君) 歳出歳入ではなくて、私は承継する今条項を申し上げましたので、そういう点では一般歳入歳出は含まれません。
#80
○副大臣(藤田幸久君) したがって、今現状を申し上げましたので、今後はやっぱり復興事業の全体像を明らかにして補正予算を含めて累積ベースでの集計等を開示をしていくと、そしてその具体的な方法については決算ベースでチェックをしていくと、御指摘のようなことを更に検討していきたいということでございます。
#81
○若林健太君 今、検討していきたいとおっしゃったけど、私は、JT株等の売却を国債整理基金の特別会計で処理することはおかしいんじゃないのかと、それは復興全体がそこに表されていないですよと、特別会計にと、こういう指摘をしたんです。それを検討すると今お答えしていますけど、それでよろしいんですか。
#82
○副大臣(藤田幸久君) 今後のいわゆる全体像の制度設計について、方法論について、これから更に決算ベースでチェックをしていくということでございます。
#83
○若林健太君 私の提案に対して、それを検討するという御回答でよろしいですか。
#84
○国務大臣(安住淳君) 若林さんの言うとおりなので、そういう点も踏まえて具体的にどうしたらいいか、実は検討したいと思っておりました。
#85
○若林健太君 分かりました。そこは、じゃ是非御検討いただきたいと、こんなふうに思います。
 先ほど広野議員の中にもありましたけれども、そしてまた大臣の御回答の中にもあったけど、十年、復興庁が閉鎖するのと同時にこの特別会計の在り方についてその先を検討すると、こういう文言になっていると思うんですね。ところが、復興債そのものの償還はもっと長いわけですよ。
 そうすると、先ほどのやり取りをお聞きしていても、復興庁が閉庁して償還を今度一般会計に移すと、これ、なかなか見えなくなってきちゃうんだよね。要するに、復興にかかわる、特出ししている特別会計から一般会計に併合することによって見えなくなってくる。
 景気がだんだん良くなってまいりました、それじゃ、これどうしますかみたいな話をしたときに、本来だったら特別会計でやっぱりきちっと管理をしながらやるべきではないかと、私はそういうふうに思っておりまして、特別会計が長くあるとうみがたまってくると、こういう話はありますが、それは、それをしっかり我々が明確に管理されている特別会計を注視していけば決してうみがたまるものでもありませんし、私はあえて安易に一般会計に合わせてしまうということはいかがなものかなと、こんなふうに思っておりまして、その点、これはまだ結論の出ていないことだと思いますが、十年後、それでもう特別会計をすぐやめてしまうということにはなっていないと思うんですけれども、その点ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
#86
○国務大臣(安住淳君) 私も全く同じ考えです。
 つまり、どういうふうにこれを承継していくかは十年をたった時点で別途法律で定めるということなので、若林さんの御指摘はもっともなんですね。もし、二十五年間これをやらせていただくと、言わば所得税の増税等をやって。そこで、全く十年で清算ができればいいですけど、そういうことは多分、現実には何らかの会計上の処理は必要になって残りますので、その時点でこれをどうするかを法律で定めてまた出させていただくということでございます。
#87
○若林健太君 ありがとうございました。特別会計に関する質疑はこの辺で。
 私は、決算の総括と予算委員会の一般質疑に当たって、消費税についてずっと議論をさせていただきました。ちょっと今までとは視点を変えながら、消費税についての議論をこの後やらせていただきたいと思いますが。
 まず、昨日、今日の新聞によりますと、いわゆる簡易な給付付き税額控除、逆進性対策に四千億を検討するというような報道がございました。これについてお伺いしたいと思うんですね。
 先日の予算委員会の中でも御指摘させていただきましたが、民主党のPTに対する資料として、給付付き税額控除について検討した資料とすれば、大体一兆円ぐらいの財源が必要であろうというような検討がされていたというふうに承知しておりますが、今回、簡素なものを入れる、こういう中で、なぜ四千億なのか、この四千億の規模についての根拠をお伺いしたいというふうに思います。
#88
○国務大臣(安住淳君) 実は多少誤解がありまして、あの四千億は、低所得者層対策として社会保障の充実の中に出てきた〇・四兆円を多分指して報道なさっているんではないかと思います。
 私どもがこの給付措置で、例えば先生のたしか計算は、五百五十万円をたしか一つにすれば、めどにすれば約一兆円ぐらい掛かるじゃないかといった、そんな御質問でしたけれども、私どもとして、今現時点で幾ら、どういうふうな方々をターゲットにしてやるということを正式に制度設計しているわけではございません。
#89
○若林健太君 そうすると、予算委員会一般質疑の中でも、いまだ逆進性の対策については概要は検討していないと、こういう回答でありましたが、いまだに、じゃ、そういう状況であるという理解でよろしいですか。
#90
○国務大臣(安住淳君) 給付をすると、つまり簡素な給付措置は行うということは決まっております。
 私が今申し上げているのは、その中で具体的に、例えばどういう方々を対象にそうした措置をするかということがまだ決まっていませんということなんです。ですから、〇・四兆というのも、先ほど申し上げましたけれども、充実の中の〇・四兆であって、具体的にそれがそのまま給付額になるということではないというふうに思います。
#91
○若林健太君 私は前回の質疑の中でも御指摘申し上げたのは、消費税をこれを増税をしようということを検討するに当たって最も議論とすればしなければならないのは、逆進性、消費税の持っている逆進性をどう手当てするのかと。極めて重要なテーマだと。それに対して、今回、一〇%に上げる、その財源の中からその部分をきちっと制度設計の中に入れていないと、それは極めて無責任なんじゃないのかということをずっと指摘をさせていただいておりました。
 四千億、ああ、これはなかなかいい案だなと、正直私は記事を見ながら思ったんですが、私は、この消費税、先ほどの景気条項等様々な論点あるけれども、逆進性について行き当たりばったりの手当てというわけにはいかぬと、こんなふうに思うんですが、そういう意味で、この簡素な給付、逆進性対策というのに対して、今どこまでどう考えているか、話せる範囲でお話をしていただきたいと思います。
#92
○国務大臣(安住淳君) 今、目下、党の中でこの部分が一番議論になっている一つでございます。
 それで、具体的に額を今私の立場で申し上げることもできないし、実際決まっているわけではないんですが、〇・四兆というのは、先ほどから申し上げているとおり、総合合算制度で、先生が御指摘のように、これを一般歳出から、私は、国会で、一般歳出から出すか、消費税の入りの中から賄うのか、明確にすべきだという御質問だったと思うんですね。今回、党側にそういう意味でお示しをしているのは、消費税の中で行う社会保障の充実の中のパーツでこの〇・四兆というのを出させていただいて今議論をしていただいているというふうに御理解いただければと思います。
#93
○若林健太君 その上で、給付付き税額控除で検討されていたあの範囲も単なる試算で、それが具体的な実施するための規模で確定しているわけじゃないという話で議論は少しずらされておられるけれども、しかし、逆進性対策として給付付き税額控除が一兆円という、あるいは食品だけじゃなくて衣服なんかも入れれば一・五兆だと、こういう試算がある中で、簡素なものにすれば急にシャビーになってしまう。
 これは、本当に逆進性対策として意味のあるものとして、きちっとその額、全体の逆進性を担保するための額としての検討をしているのかと、こういうことを疑問に思うんですが。実は先にその金額がありきで、そしてこの話が出てしまっているのか。いや、そうじゃなくて、本来、逆進性というのはどれぐらいの所得層に対してどういう手当てをしなければならないからと、こういう議論で出てこなきゃならないものなのではないかと、このように思うんですが、その点について。
#94
○国務大臣(安住淳君) 大綱に合わせて社会保障の充実の中で総合合算制度がもしできた段階で、これを社会保障の充実で低所得者層対策に充てるのは約四千億ですというふうにうたっているわけですね。だから、そこは一つターゲットとしてあるのかなと。
 先生もなかなかいい線だなとおっしゃいましたが、私も、率直に申し上げて、やっぱり税収が幾らになるか正確にはまだ把握はできませんけれども、仮に五%だとしたときの、例えば兆を超えるような単位というのはこれはなかなかやっぱりちょっと税収からいうと少し大きいのかなという感じはしますので、そうしたことを念頭にこれからも対応していきたいと思います。
#95
○若林健太君 全体の制度設計の中で見付ける財源とすれば一ついい妙案なんだろうと、こんなふうに思いますし、ただ、本来、逆進性のあるべき議論というのは、そこはちゃんと詰めた上で最後の、税額ありき、財源ありきということにならないようにということは御指摘を申し上げたいというふうに思います。
 さらには、この給付付き税額控除について前回私議論をさせていただいていたのは、本当にこれは逆進性対策なんですかということでありました。欧米諸国の付加価値税導入されている各国において同じような給付というのはやっているけれども、これを逆進性対策としてうたっている国はほとんどないわけですね。カナダを始め数か国でそういう逆進性というのはやっているけれども、併せて導入しているのはやっぱり段階税率なんですよ。消費税を一〇%、二桁パーセントに上げていくというこういう中では、やっぱり段階税率への検討、踏み込みというのが本来必要であると、こんなふうに思います。
 改めて、低所得者対策でこの部分を簡易なものを考える、まさに実はそういうことなんですよねということを感じました。これは特に質問させていただきませんが、意見を申し上げておきたいというふうに思います。
 給付付き税額控除以外のことについても、消費税については様々な論点がございます。
 私も、消費税導入されて四半世紀がもう経過したんですね。四半世紀前、大きな話題になりながら消費税が導入される、それについてはなかなか、国民的な理解を得ていくために、あるいは中小事業者の激変緩和というようなこともあって、実は制度そのものは極めて簡易な制度でスタートをしてしまっている、こういう問題があると思うんです。
 ところが、これ一〇%になれば、税収全体で三九%ぐらい、四割近くの位置を占める、要するに消費税というのがまさに基幹税になっていくということでありますから、消費税制度そのものをむしろもっときちっと検討するべき、今の簡易な制度から更に踏み込んで検討するべきではないかと、このように思うんですけれども、その点について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#96
○国務大臣(安住淳君) 御指摘は、諸外国の例を見れば、当然どこかの時点ではそういう段階にやっぱり入っていかなければならないんだと思います。諸外国に比べて余り歴史のない我が国においては、直接税中心で来ましたので、間接税に対するやっぱり様々な抵抗もありましたし、基幹税というのはあくまでこれまでは所得税、法人税だったわけです。
 御指摘のように、これからこれが仮に一〇%に上がれば、税収の中に占める基幹税というものにこれは位置付けられます。そうなってきたときに、じゃ具体的に、給付付き税額控除を我々は今提案をしております。一方で、やはり、例えばインボイスとか、それから複数税率をどうしていくか、また、複数税率をどういうものに掛けてどういうものにはやらないのか。これは欧米諸国の歴史を見ても長年の論争があって、議論があって、やっぱり積み重ねられてきた蓄積、文化みたいなものが僕は反映しているんではないかと思うんですね。
 そういう点では、私としては、当面、一〇%の段階では、言わば先生から見れば簡素な給付措置の延長に見えるかもしれませんが、この給付付き税額控除をやらせていただくと。しかし、今後、今制度設計をもうちょっと精緻に行って、言わばそうした日本型の様々な、例えば複数税率を導入するとかそういうことというのは、今後是非、様々な私は意見があってしかるべきだと思いますので、それは今後議論を是非いろんな場でしていきたいというふうに思っております。
#97
○若林健太君 私は、今のインボイスあるいは段階税率に関していえば、今まさに議論するべきときではないのかと。これを先送りして、取りあえず一〇%というふうにばく進していることに大変な疑問を感じているものなんですね。
 ちょっと個別にお話をしていきたいと思うんですが、今回の事業者免税制度について一部の改正をするというようなことをされておられます。
 これは、あれは予算委員会でしたですかね、公明党の草川先生が御質問されておられましたけれども、関西社会経済研究所研究員のレポートによりますと、そのときに出たレポートなんですが、現在の、五%現在で事業者免税制度の益税というのは大体四千億ぐらいあると、こういうふうに指摘されていました。一〇%になればまさに八千億の益税があると、こういうことになるわけでありますね。これを一体これからどういうふうに是正をしていこうとするのか。
 今回の改正の中には、資本金一千万未満の新設法人に対して、五億円を超える課税売上げを有する法人の子会社についてはこの免税制度を適用しないと、こうなっていますね。これによってどれぐらいの益税、是正されるというふうに見込まれているのか。残り八千億円のこの大体あると言われている益税に対して今後どう取り組んでいこうと思っておられるか、お伺いしたいと思います。
#98
○大臣政務官(三谷光男君) 今の増収の話は、どれぐらいかということを算定するのは大変難しゅうございます。あえて申し上げれば、国税庁が保有する法人税のデータにおいて、売上高が五億円超の法人が直接五〇%超を出資する法人を設立した場合の数は四百件程度でございます。また、事業所・企業統計調査において、一定の企業グループが設立した子会社の数は千百件程度です。課税売上高五億円超の事業者の設立する法人に係るデータが乏しいことから、これらの疑似的なデータを前提として、一定の仮定を置きながらあらあらの試算を行えば、多分、数億円から十数億円程度の増収が見込めるのではないかというふうに思います。
 ただ、平成十八年度から平成二十二年度までの五年間のうちに国税庁から検察庁に告発された法人のうち、事業者免税点制度を悪用して、子会社の設立や解散を繰り返すことで消費税を免れているとされた五十八法人の脱税消費税額は約四十二億円でありますので、これはこういったことへの租税回避などの事案に対しては効果があるものと思われます。
#99
○若林健太君 脱税の数字を言ったってしようがないんですね。新しい税制改正、これによって政策効果は幾ら見込んでいるのかということを私は聞いているわけで、そして今益税が八千億もあるということになると、これ今度消費税一〇%にしますとやっぱり不公平感というのが国民の中に広がるわけですよ。それをきちっと是正するその努力をしなければならないんじゃないのか、制度設計の中でと、こういう御指摘をさせていただきました。
 政策効果がどれぐらい見込んでいるのか、それは分かりませんと。しかし、じゃこの八千億に対してどれだけ貢献できると思っているのかと、このことについて全く見込みがないというんじゃ僕は極めて無責任だと、こんなふうに思いますが、これは大臣、どうですか。
#100
○国務大臣(安住淳君) 幾らなのかというのは民間の試算は確かにあるんです。ただ、悪質なといいますか、この免税点制度を利用して、言わば分社化をして、それで数年間にわたって一千万円以下にして子会社をたくさんつくって、こういうのはもう五億円以上の人は駄目ですよと、これはやめてくださいと。
 それから、いわゆるみなし仕入れ率なんですね、問題は、あと。(発言する者あり)ええ、ええ。ああ、次ですか、済みません。
 そういうことでいうと、そういうものを一つずつやめていくことで何とか課税逃れと言われているような企業というものをなくしていきたいというふうに思っております。四千億と草川先生から御指摘あったんですけれども、財務省としては今の現時点で、ある意味でそれぐらいお金に逃げられていますよと言われても、なかなかその根拠がないものですからそのことをベースにお話をするのが難しいということを政務官は御説明させていただいたわけでございます。
#101
○若林健太君 なかなかその益税が実際にどうだということは推測することが難しいということもありますけれども、しかし信用ある研究機関からのレポートが出ている。巷間言われているこの益税の問題、この消費税が基幹税となっていく中でやっぱり避けて通れない、検討しなければならない課題だというふうに思います。
 今大臣少し触れていただきましたが、簡易課税について、これ、今回、みなし仕入れ率について検討をするということが書かれています。この簡易課税については二つあると思うんですよ。仕入れ率の問題と、それからその課税事業者の範囲の問題があると思うんですね。これもよく言われている益税があるんじゃないのかと、こう言われているところでありまして、検討しなければならないことだと思うんです。
 平成十二年の税制調査会中期答申の中で、我が国税制の現状と課題と、その中にこの簡易課税制度についての問題点が指摘されています。ドイツと比較をして、その簡易課税、この仕入れ率がより優位に設定されているのではないか、そのために簡易課税制度を選択する課税事業者が全体の四割にも及んでいると、これがこの消費税制度、簡易が四割というので本当にそれでいいのかと、こういうことだと思います。
 仕入れ率についての見直し、どんなふうにどういう視点でどうやってやっていく予定なのか、そのことをまずお伺いしたいと思います。
#102
○大臣政務官(三谷光男君) 先般の国税庁に協力いただいて調べた結果で、このみなし仕入れ率の水準が実際の仕入れ率よりも大幅に上回っている状況がございますので、これは更なるもっと詳細な実態調査を行い、この水準についても必要な見直しを、適正な水準へと改めてまいります。
#103
○若林健太君 いや、適正に頑張りますって、そういうことを聞いているんじゃなくて、どういう視点で仕入れ率の見直しをしますかと、こういうことを伺っているんです。
#104
○国務大臣(安住淳君) この仕入れ率の問題というのは、やっぱりどうしたって時差ができるので、仕入れ率をあらかじめ定めて、それでやってきた経緯があるわけですね。卸売業で例えば九〇でしたか、小売で八〇、製造業で七〇、サービス業等で五〇、その他が六〇ですよと。
 しかし、このやっぱりパーセンテージが言わば見ようによっては益税を生んでいるんではないかという御指摘なので、私どもとしては、ここについては見直しをやっぱりして、益税が生じないようなやり方を考えなければならないと。業種、業者によってやっぱりかなりここは議論が出ていたところでございますので、そのことを多分委員も御指摘だと思いますけれども、問題意識をしっかり持ってやらせていただきたいと思います。
#105
○若林健太君 大臣のおっしゃるとおり、この際、検討すべき要素というのは、仕入れ率を今おっしゃられたような実態に合わせて検討するということと、あと業種を細分化する必要があるのかどうか、この辺どうされるのか、この二つだと思うんです、検討するとすれば。これはどういうふうに考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#106
○大臣政務官(三谷光男君) 業種を細分化する必要はあると思います。また、どのようにということでいえば、まさに、本則課税適用者の実態を詳しく調べ、また簡易課税適用者の実態を詳しく調べて、その乖離を少なくすることだと思って取り組んでまいります。
#107
○若林健太君 今非常に重要なお話をされたと思うんだけれども、意識されているかどうか。
 大綱にあるこの簡易課税の見直し、仕入れ率の見直しは、業種とそれから率の見直しをすると、こういうことでお答えをいただいたんだというふうに思います。さらに、その課税事業者の対象範囲について、これは非常に政治的には難しいことでありますけれども、どうされるか。問題意識としては我々やっぱり考えておかなきゃいけないことだと思うんです。
 お手元の資料にありますように、付加価値税導入されている主要国の簡易課税の水準を見ますと、フランスにはありませんし、ドイツ、イギリスと比べると日本の課税売上げ五千万円というのは比較的高い水準になるんではないかというふうに思いますが、この点について、大臣はどう思われるか、お伺いしたいと思います。
#108
○国務大臣(安住淳君) 感想だけ申し上げれば、御指摘のとおりだと思います。
 例えば、免税等については、意外と一千万前後でユーロ換算してもフランスとか日本というのは同じなんですね、一千万ということに関しては。でも、このことだけについては、現時点では私どもとしてはやはり五千万を維持していこうというふうには思っておりますけれども、中身についてだけは、これは先ほど申し上げたようなことを是非やらせていただきたいというふうに思っております。
#109
○大臣政務官(三谷光男君) この簡易課税制度については、先ほども委員御指摘のみなし仕入れ率が適切な水準であれば、今言われる益税の問題も余り生じないのだと思います。その意味では、五千万円でいいのだと考えて、むしろこのみなし仕入れ率を適正な水準にしていく取組を行ってまいりたいと思っています。
#110
○若林健太君 大臣は今、課税売上高五千万の水準は各国と比較するとやっぱり高いなと、今すぐ検討するべき課題じゃないけれども、将来的には課題としてとらえるべきだなと、こう御発言されたんです。政務官は、それは必要ないと今お答えになったんです。どういうことでしょうかね。もう一度。
#111
○国務大臣(安住淳君) やっぱりこれ、経緯があって、中小企業事業者からやっぱり取りあえず五千万でやってきたということもあるので維持をということでした。
 私は、だけど、若林さんの御指摘というのは、グローバルに考えたときにどうなんだということだと思うんです。ですから、私は免税のその一千万のところは、実はフランスなんかを調べると同じなので、これが高いと言われれば確かにその御指摘のとおりで、フランスはないわけですね。ですから、そういうことから考えると、私はやっぱり議論は十分していただいてもよかろうと思っております。
 ただ、今回のことでいうと、国内の中小企業者等に配慮すれば、やっぱり五千万というのは今回は維持をさせていただきたいということでございます。
#112
○若林健太君 問題点として認識をしておくと、我々とすれば、私は必要なことだと、この議論をしなければならないときが、時期来ていると、こういうふうに思います。
 最後に、インボイス方式について、今回、単一税率を守るということで、先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、段階税率を採用しない、したがってインボイス方式についても検討しないと、こういうふうに出ております。私は、今回一〇%に上げる、そして基幹税とするんだというふうに踏み切っていくんであれば、本来のそもそも論をしっかり議論をしてインボイス、そして段階税率の導入ということを検討するべきだと、こういう意見を持っておりますが、その点について大臣の御所見を伺いたいと思います。
#113
○国務大臣(安住淳君) インボイス制度を導入をすべきだという意見が結構あることはもう十分私どもも分かっておりますし、政府税調の中でも随分議論もありました。ただ、日本の場合は、やっぱり免税事業者がインボイスを発行できない等々あって、やはり中間段階からの排除の懸念というのが随分寄せられました。そうした実態を考えれば、やはり今のやり方でやらせていただいた方が我が国ではなじみがあろうというふうに私は今の段階では思っておりますので、インボイスは一〇%の段階では導入をしないというふうな判断に至りました。
#114
○若林健太君 取りあえず一〇%ということが今回の消費増税の議論の中に先行して抜本的な議論が先送りされている、この点について私は大変懸念をいたしております。この際、しっかりとした議論を、私どもは逃げちゃいけないんだと、こんなふうに思います。
 そのことを御指摘申し上げて、今日はちょっと視点の違った消費税の議論をさせていただきました。私の御意見を申し上げさせていただいて、これで質疑を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#115
○委員長(尾立源幸君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#116
○委員長(尾立源幸君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、特別会計に関する法律の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#117
○西田昌司君 自民党の西田でございます。
 予算委員会でなかなか番が回ってきませんので、この場で、今日は徹底的にいわゆる増税論、今この時代に増税論というのがいかに間違っているかということを安住大臣や白川総裁との討論の中で明らかにしていきたいと思っております。
 まず、安住大臣に質問させていただきますが、今なぜ消費税を増税しなければならないとお考えなんでしょうか。
#118
○国務大臣(安住淳君) 先生御存じのように、この二十年を見ますと、この二十年の中の予算で我が国の財政状況等を勘案すると、やはり社会保障が十一兆から二十六兆まで増えて、その代わり公共投資ややっぱり防衛費、そうしたものに対して見ると、予算全体では減額若しくは横ばいと。言わば、なかなか社会保障のその重さといいますか、そういうものが非常にのしかかっておりまして、私は、そういう点では社会保障の財源確保がそのままやっぱり財政再建、ひいては別の分野への言わば戦略的投資へとつながっていくと。経済状況についての考え方等々ありますけれども、そうした点からいえば、やはり社会保障のための財源を確保して、増え続けるこの言わば社会保障の財政需要にやっぱり対応していかなきゃならないと、私はそういうふうに思っております。
#119
○西田昌司君 よく分かりました。社会保障費等が増え続けていくといわゆる経常支出が増えていきますからね、その分については経常的な財源が当然必要だと、こういうことですね。
#120
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおりでございます。特に、これは二〇〇〇年に入りましてから毎年一兆円ずつの経費の増大と、保険料で賄っても、税金負担分というのは毎年増え続けておりますので、そこの部分をやはり一般財源や公債で埋めていますと、ほかの予算全体にやっぱり硬直化をしているという状況があるということでございます。
#121
○西田昌司君 まさにそのとおりだと思うんです。
 であるならば、なぜ民主党は野党時代に、我々が与党の時代にそういう理由で消費税の増税を提案していたわけなんですが、これ、真っ向反対されましたね。その理由を教えてください。
#122
○国務大臣(安住淳君) 私どもも、二〇〇四年の参議院選挙のときに岡田代表で、実は消費税三%増税で、今私が言ったようなことで提案をして参議院選挙を戦いました。
 その後、新体制、執行部が替わってから、やはり政権を取ってからの最初の三年、四年はしっかりと、言わば自分たち自身が政権に就いていたわけではありませんので、無駄の歳出を削減をしたり、様々な努力で捻出をまずして、その上に多分、消費税を全く駄目だというのではなくて、それをやった上で税のお願いをするという、そういう手順を前の執行部で示して、それで選挙を戦ったということだと認識しております。
#123
○西田昌司君 それは、そこからでたらめなんですよ。あなたは今、二〇〇四年のときにはそういうことを言ったんだと言ったけれども、直前の選挙では全く逆さまなことを言っているわけですよ。要するに、〇九年の選挙では、消費税値上げはする必要ない、反対であると。それから、おまけに、今消費税を値上げしなければならないという理由、一番の理由をおっしゃったのは、要するに経常移転に対しては経常財源でやるべきだと、その理由で消費税増税を言っておられるんですが、子ども手当というのは経常移転じゃないんですか。
#124
○国務大臣(安住淳君) これは、児童手当の財源にプラスをさせていただいて、その分増えたことは事実でございます。そうしたことを財源に子ども手当はやりました。そういう点での移転ということであれば、もちろんその財政支出は増えております。
#125
○西田昌司君 だから、私が申し上げたいのが、要するに今消費税を値上げする、増税するという理由が、要するに社会保障費とかのそういうものに充てると、経常的な財源が必要であるというので言われるのは分かるんです。そのことについては私は理解します。
 しかし、ならば、あなた方が言ってきた、ついこの前まで言ってきた政策が全くでたらめじゃないですか。そのでたらめをまず明らかにして、国民にわびを入れて、そして、なぜそれじゃそういうでたらめが言えたのかと、そこまで説明してもらわないとまず納得できないんですよ。
 今お話しになっているのは言い訳です。あなたが言っておられるのは、二〇〇四年では我々も消費税を上げると言ったんですよというアリバイづくり言っているだけで、結局は、ついこの前までは、どんどん値下げしていきましょう、いや、無駄をなくせばできますという話なんですよ。しかも、その無駄というのがあなた方は何かといえば、特別会計にあるとかそういうものでしょう。特別会計のお金をこちらの経常の支出に充てるというのは、まさにこれは経常移転にならないじゃないですか。そこはどう考えるんですか。
 だから、つまり、今まであなた方が言ってきたことが全てでたらめだということですよ。いいんですね。
#126
○国務大臣(安住淳君) 十六・八兆を出してそこで財源を賄っていくということでいえば、それはそういうふうにはならなかったので、そのことは今の総理も私どももおわびを申し上げております。ただ、先生、恒久財源として三兆円近くを捻出したり、それはそれで、あの自民党政権の中でも必要だと思っていた改革の部分で我々がやれたこともあります。ただ一方、まだまだそういう点では未達成なものもあります。
 今、おわびが足りないということですが、私どもとしては、とにかく、前の参議院選挙でこれは敗北をいたしました、私、そのとき選対委員長でしたけれども。そのときも実はマニフェストの見直しは行っております。参議院の選挙のときは消費税の必要性というものは、菅党首、唐突感はありましたけれども、訴えました。だから、そういう点では洗礼は受けているので、二〇〇九年のときに比べれば、私は有権者の皆さんには率直に、正直に向き合っているところもあるんではないかと思っております。
#127
○西田昌司君 全然向き合っていませんよ。何言っているんですか。
 そもそも、だから、今言いましたように、アリバイづくりをあなた方は言っているだけなんですよ。あのときはこう言いました、このときはこう言っていますと。それで、今とにかくお金足らないから上げてくださいという話なんですよ。うん、ふんとうなずいている場合じゃないんですよ、いや、本当に。これは大事な問題で、つまり、恒久財源なしに無駄を削減したらできるなんてことを言ってきた。私が一番言いたいのは、要するに、そこの見通しがもう甘かったというか間違っているわけですよ。甘いという話じゃないんです。
 つまり、要するに、この消費税増税は、社会保障費等の経常的な経費に充てるために増税すると今はっきりおっしゃったんですよ。そして、その経常的経費がどんどん増えてくるということも前から我々が指摘してきたことなんです。それをあなた方は無駄削減でできるということでごまかしてきたんですよ。その無駄削減というのが恒久財源になるのかと。じゃ、その恒久財源があったのかといえば、一過性のいわゆる全て財源じゃないですか。
 つまり、あなた方が言っていることは、初めからできないことを、初めから帳じりが合わないことをできるというふうに言ってきた。まず、間違い、でたらめ言ってきた。そして、しかもそのでたらめの財源が思ったほどなかった。二重、三重に間違っているんですよ。だから、その二重、三重の間違いということを認めなさいよ、まず。それを認めてください。
#128
○国務大臣(安住淳君) 財源の十六・八兆の見通しが甘かったと、それが全然実現できなかったということに関しては私もおわびを申し上げます。
 ただ、先生、これは賛否あると思うんですけど、例えば農業の圃場整備の予算を削りましたですね、その分で例えば戸別所得補償の財源に二千億ちょっと充てました。そういうことでいうと、政策の賛否はあっても、そのために何か一般会計を大きく移し替えたということではないと思うんです。
 ただ、子ども手当については……
#129
○西田昌司君 消費税と社会保障の関係を言っているんですよ。
#130
○国務大臣(安住淳君) ええ、消費税と社会保障でいえば、社会保障の増え続ける分についての賄う財源をきちっと担保したかということであれば、それはできませんでした。
#131
○西田昌司君 今はっきり認められましたように、要するに、初めから、経常的な、恒久的な財源がないのに、社会保障費が伸びてくるのが分かっているのに、見通しが甘いというよりもでたらめを言ってきたわけですよ。
 つまり、それは有権者、国民をだますつもりで言ったということじゃないですか。つまり、自分たちもそういうものがないということが分かっているのに、とにかく選挙のときにはそれ言ってしまえと、そういう気持ちがあったからじゃないですか。
#132
○国務大臣(安住淳君) 社会保障の増え続ける歳出増をどうやって賄っていくのかということについては、確かに我々としては野党でマニフェストを作った段階で政府部内にいたわけではなかったので、そういう意味では政権を取ってから分かったり自覚したことも多々あります。そういう点では見通しが甘かったという、それは現実に十六・八兆出せなくて社会保障の恒久財源は賄えたのかということに対しては、私はできなかったということで、それはおわびといえば率直におわびをしておるわけです。
#133
○西田昌司君 いやいや、だから、野党だから分からなかったと、そんなでたらめ言っちゃ駄目ですよ。野党の時代であっても社会保障費が毎年一兆円近く伸びてくるということは御存じなかったんですか、じゃ、野党時代には。
#134
○国務大臣(安住淳君) 私が言っているのは、財源の捻出を十六・八兆やりますと、財源の捻出に関しては野党であってトライをしたんだけれども、三兆円近くは恒久財源をやりましたけれども、そこまでは行かなかったので、そこは私も率直に国民の皆さんにも申し訳なかったと言っているわけであります。
#135
○西田昌司君 それもまたでたらめなんですよ。
 まず、支出の方が増えることは分かっていたと今認められました。そして、恒久財源、これができなかったことをおわびするとおっしゃったけれども、要するに初めから十六兆とか十八兆とかいう大きな、全てそれは経常支出に対してあなた方言われていたんですよ。一発ものじゃなくてずっとやりますということですよ、子ども手当も農家の戸別所得補償も。当然のことながら、財源としては恒常的な、恒久的な財源でなければならないと。それが十六兆円当然できると思ったからやったんでしょう。違うんですか。
#136
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のように、いわゆるワンショットで財源の捻出ということは、例えば最初の年度で十兆、それから次の年で七・二兆と税外収入はやりました。しかし、先生御指摘のように、十六・八兆を恒久財源でやったかといえば、残念ながらそのことで言えば三割にも満たなかったということでおわびを申し上げているわけです。
#137
○西田昌司君 私が言っているのはそういうことじゃないんです。あなた方は初めから恒久財源を財源としていなかったということを言っているんですよ。あなた方のマニフェストに恒久財源で十六兆も十八兆も書いていましたか。今、ワンショット、ワンショットとおっしゃったとおりですよ。特別会計をなくしたら何兆円です、何兆円出ると、こういう話ですよ。それもワンショットも出てこなかったんですよ。
 しかし、私はそのことじゃなくて、要するに恒久財源を掲げずに恒久的な支出、これを提案して選挙をやっていること自体が詐欺じゃないですか。詐欺的行為なんですよ、初めから。そう思いませんか。
#138
○国務大臣(安住淳君) 恒久財源を十六・八兆というのは無理だったわけですから、そういう点では見通しの甘さ、あったと思います。
#139
○西田昌司君 いや、恒久財源ができなかったから無理だったんじゃないんです。初めからマニフェストで挙げていなかっただろうと言っているんですよ。違うんですか。マニフェストで恒久財源として十六兆も十七兆も挙げていましたか。
#140
○国務大臣(安住淳君) 特別会計も何も全部ひっくり返して十六・八兆、特別会計も含めて……
#141
○西田昌司君 恒久財源ですから。
#142
○国務大臣(安住淳君) いや、ですから、そういうことで十六・八兆出すと言っていたけれども、先生の御主張というのは一般財源で恒久的なものとして出せたのかということですから、その点で言えば出し切れなかったと私は申し上げているんです。
#143
○西田昌司君 違うんです。そうじゃないんです。結果が間違ったということを私は指摘しているんじゃないんです。初めから間違っていたと言っているんですよ。何を言っているんですか。やったけれどもなかったんじゃないんです。初めからできなかったというよりも、経常的な財源で予算を組んでいない、マニフェストを組んでいないというのが最大の誤りなんですよ。
 気が付きましたか、ようやく。どうなんですか。
#144
○国務大臣(安住淳君) このマニフェストは、二〇〇九年のときは、そういうことの視点でいえば、特別会計も何もひっくるめて十六・八兆ということでやったのは、それはだから、私はそういう点では先生御指摘のように、十六・八兆の恒久財源を出せなかったということは事実でありますから、それは出し切れなかったことは申し訳なかったということなんです。
#145
○西田昌司君 ちょっと委員長、ちゃんと大臣に言ってくださいよ。私が言っているのは、できなかったことを言っているんじゃないんです。初めから恒久財源を書かずに選挙をやったねと言っているんですよ。そのことが誤りじゃないかということを言っているんですよ。ちゃんと答弁してください。
#146
○国務大臣(安住淳君) 要するに、特別会計の改革等をやって十六・八兆をひねり出しますと。しかし、それはつまり、だから先生がおっしゃっているように、最初から十六・八兆は恒久財源をちゃんと捻出してやりますと言うべきだったじゃないかということだと思うんです。ところが、私どもはそこは野党で認識が足りなかったので、そういう点では、恒久財源として全部ひっくるめて十六・八兆ということについてはそういう御指摘はあるかもしれないので、私はその点でいえば、恒久財源としての十六・八兆ということでは、ありませんでしたと、出せませんでしたということを申し上げておるわけです。
#147
○西田昌司君 何を言っているんですか、だから。(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。
 大事なことは、こういうことなんです。これ一番大事なところですから。つまり、民主党の言っているマニフェストというのは、掲げたけれどもできなかったじゃなくて、初めから恒久財源ということを考えずに、あれとこれ、ワンショット、ワンショットだけでできるということを言ってきた、だからそこが間違いだと、そのことをまず認めてくださいよ。そうでないと、これ、話進みませんよ。
 要するに、初めにマニフェストで恒久財源なしに経常支出を賄おうとしたのが間違いだったということでしょう。
#148
○国務大臣(安住淳君) この十六・八兆については、一般会計だけでなくてほかも含めてということで言ったということでいえば、結果的にワンショットも含めて十六・八兆という認識でこのマニフェストを書いたということだと思います。
#149
○西田昌司君 もう全然、何かとにかく、分かっているのか、わざととぼけているのか、ちょっとその答弁の意図がよく分からない。分からないんですが、今の安住大臣の話でいくと、こういう話になるんですよ。
 要するに、ワンショットでやっていたと。ということは、初めから消費税増税というか、増税しなければあなた方の政策は絶対できないということを認めているんですよ、これは。そういう意味ですね。
#150
○国務大臣(安住淳君) 確かに、予算の付け移し、例えば付け替え、そういうことで捻出を十六・八兆、じゃできたかというと、それもなかなかできなかったんです。(発言する者あり)ええ、申し訳ありませんでしたと私は今言っているわけです。
#151
○西田昌司君 最後謝ってしまえばいいみたいに思っていますが、これ、要するにはっきり言いましてこういうことですよ。AIJと同じですよ。AIJ問題というのは、これだけの投資をしていただいたらこれだけの配当がありますと、だから皆さん、どうぞ私たちのこのAIJの証券買ってくださいといってアイティーエムを売り出したんですよ。それで、世間様から見ると、そんな高配当できるのと、どこにそういう財源があるのかと言っていたんですよ。ところが、まあ、任せてくださいよと、我々の計算ではこうなっているんですとやって、みんなが、二千億集まりました。気が付いたらその大半なくなっているんですよ。何でだといったら、初めからそんな高配当なかったんですよ。これ、済みませんでしたと言っているんですが、初めからできない仕組みを言っているんですよ。
 安住大臣、AIJ、この投資顧問の問題、あなた方の問題と同じですよ。今、浅川さん、済みませんと言って、それでいいんですか。あなた、どう思いますか、この問題について。同じだと思いませんか。
#152
○国務大臣(安住淳君) 違うと思います。
#153
○西田昌司君 何が違うんですか。
#154
○国務大臣(安住淳君) やっぱり浅川さんの場合は、意図的にと、事件のことはまだ私がコメントする立場じゃありませんけれども、我々のマニフェストというのは、今ある国の予算の財源を何とかひねり出す、またその財源を動かしたりして捻出をするために我々は政権を取らせてほしいと、それでこれをやりますと言ったわけですね。結果的にできなかったと言われれば、それは十六・八兆、先ほどから言うようにできなかったわけですけれども、何か架空なものをとか、存在しないものを何か例えば売ったりしているというふうな、もし詐欺的なものと先生がおっしゃるんであれば、我々とはちょっと違うのではないかと思います。
#155
○西田昌司君 何を言っているんですか。だから、今まで詰めてきたんでしょう。マニフェストをやったけれども、できなかったんじゃないんですよと言っているんですよ。マニフェストを書いた時点で始めから経常支出を賄う恒久財源を想定していなかったんじゃないですか。今あなたがそう認めたじゃないですか。それをできると、予算付け替えすればできると言ったけれどもできなかった。浅川さんも同じこと言っていますよ。私のこのMI指標かなんか知らぬ訳の分からぬこれでいったら投資はちゃんとできるんだと、高配当できるんだと、やったけれどもできませんでした。それでみんな納得しますか。とんでもないですよ。彼は、今犯罪として、これから容疑者として取調べを当然受けていきます。
 民主党政権、あなた方も同じじゃないですか、何がどう違うんですか。始めからできないことを言ってきたということをあなたも認めたじゃないですか。どうなんですか。
#156
○国務大臣(安住淳君) 例えば過大な被害を出したとかそういう個々の事案と、国民に対して選挙で訴えてその公約を達成されなかったことで政策が未達成だったということは、少しやっぱり例えは違うと思うんです。
 ですから、私は、公約違反していいなんて全く思っていないんです。そういう点では、私どもは、ですから非常に反省をして、そのことについては、先生はおわびをしていないと言いますけれども、総理も含めてそこまで、要するに十六・八兆は出し切れなかったので申し訳なかったということは申し上げているわけです。
#157
○西田昌司君 何を言っているんですか。違うじゃないですか、何か個別の犯罪的なことをやらなかった。あなた方、ずっとどう言ってきたんですか。借金のツケ回しをしてはいけない、次の世代に借金のツケ回しをしてはいけない。今、野田総理が血道を上げてこの消費税増税を言っているけれども、その理由はまさに借金のツケ回しをしていいんですかと。さらには、震災復興、こんなことは借金のツケ回しもくそも関係ないし、やらなければいけないことですよ。それですら借金のツケ回しをしてはいけないんだというとぼけた論理で増税しているんですよ。
 そして、その借金のツケ回しということでいえば、恒久財源なしに経常支出を増大させたあなた方の政策失敗のツケが借金自体をどんどんどんどんツケ回してきたんじゃないんですか。何が国民に被害を与えていないですか。まさに国民にとんでもない負担を与えているんですよ。AIJと全く同じじゃないですか。
 もう一度取り消してくださいよ、国民に多大な迷惑を掛けたということを認めてください。
#158
○国務大臣(安住淳君) 国債を増発してしまったということは良くないということであれば、それは、先生、麻生政権末期からリーマン・ショックを含めてやっぱり経済の落ち込みが非常に大きかったですから、そういう点ではやっぱり国債の発行額が増えたということについては、税収も減ったので本当に申し訳なかったと私は思いますし、ある意味で日本の財政が、国債が歳入、収入よりも多いというふうな事態というのは異常な事態だとは思っております。だからこそ、それを改善をしていかなければならないと思っております。
#159
○西田昌司君 あのね、安住大臣、ほとんど分かっておられませんよ、自分がおっしゃっていることが。
 私が言っているのは、国債をたくさん出したのが悪いとは思っていないんです、実は、これからやっていきますが。国債をあなたは借金だと思っているんだけれども、借金であると同時に将来に対する投資なんです。しかし、問題は赤字国債の方なんです、私たちが駄目だと言っているのは。赤字国債というのは、経常支出を本来税で賄わなければならないものを、税じゃなくて借金のツケ回しとしてやっているわけですよ。だから、これは良くないんです。だから、自民党政権のときに、これ以上これまずいんじゃないかというので消費税増税を掲げたんです。今、民主党が一生懸命されているのとこれは同じ理由なんです。だから、このことについてはいいんです。
 ところが、あなた方の問題は、始めから我々がそう言っているのに、そういう認識もないままに借金のツケ回しをしてはいけないといって、本来、将来の投資であるはずのいわゆる公共事業投資ですよ、こういうものを全部やめちゃって、そして、純粋に孫子に対するツケ回しである子ども手当、経常支出、これを赤字国債で賄ってきた。これが急速に景気を悪化させて、そして、税収をそのために急激に落として更に財政を悪化させている、こういう理屈なんですよ。
 だから、あなた方がやってきたことを、ああ、なるほどなんて、大臣、言ってもらっては、本当に私も困ってしまうのは、どうなっているんですか。そのところを全然分かっていないんですよ。ここのところをまず御理解ください。これを何度も後から言っていきますからね。
 それで、まず問題は、今そういうふうに民主党政権のとんでもない問題で、これはもう今急激に税収が落ちたんです。急激に税収が落ちたのを、今度あなた方は消費税を増税して、要するに財政を均衡させていこうといいますかね、されているんですよ。これがとんでもない話だということなんですよ。
 というのは、皆さん方、借金返済するのを税金を上げてしていかなければならないというふうに思っておられるんですけれども、要するに、この消費税増税というのは、片っ方で経常的経費を賄うためのものであると、社会保障費の。でも、片っ方でそういう借金返済のものだと、こういうふうに野田総理も岡田副総理もおっしゃっていますよね。安住大臣もそういうお考えですか。
#160
○国務大臣(安住淳君) 一般歳出に占める社会保障の割合は、今非常に大きくなっております。だから、そういう点ではそこを赤字国債で賄っていた部分というのは否定できないので、それをこの消費税五%分で補っていくという点では同じ考え方でございます。
#161
○西田昌司君 いや、だから、借金を、国債を返済していくのには増税してやっていかなければならないとお考えですかと言っているんです。簡潔に答えてください。
#162
○国務大臣(安住淳君) 国債の発行残高について、この増税でこれを返していくということは、残念ながら、私としてはそういう考えではございません。むしろ、プライマリーバランスを均衡させるということが私どもの今の使命だと思っております。
#163
○西田昌司君 プライマリーバランスを均衡させるというのは、税収を上げるのか、支出を減らすと、両方ともありますよ、これね。どういう意味ですか。
#164
○国務大臣(安住淳君) 私は三つだと思うんです。それ、今先生言った二つと、それに更に税収を上げるやっぱり成長の道ですね。この三つを三位一体といいますかね、そこでやっていってやっぱり税収を上げないと、単に消費税だけ上げて帳じりを合わせようということでは私は全くございません。
#165
○西田昌司君 じゃ、そこでですよ、その成長ということは、要するにGDPを上げるということですよね、GDPを上げると。
 GDPというのは一体何かというと、要するに、これ分配面でいうと、もうはっきり言って所得そのものなんですよ、皆さん方のお給料、それから法人の所得ですね、それにあとは減価償却費ですよ。端的に言えばこの三つなんですよ。だから、要するに利益の総計なんです、これはね、所得の。この利益の総計がどんどんどんどん減ってきているわけですね。これを上げなきゃならないんですよ。
 民主党は、この上げるための今、措置、何をしているんですか。やっているのは逆さまじゃないですか。まずは公務員の給料を減らす。それから、雇用がこれだけ悪いのに、雇用環境を悪くする、更に悪化させるために、今度は新規採用の公務員の数まで減らす。全部これは、要するにそれぞれの所得を減らしていく政策ですよ。そういうこと御存じですね。
#166
○国務大臣(安住淳君) はい。公務員の人件費の削減については、もう先生のお考えというのは私なりには分かっているつもりです。ただ、これが歳出削減とやっぱり表裏にあるというところに難しさがあると思っております。
 ですから、そういう点では、公務員の皆さんの所得を減らすということが、そのまま景気を、例えば地方なんかでは非常に落ち込ませるんではないかという意見も私は説得力もあると思います。ですから、そういう点では、バランス、均衡というものを、余りに極端に減らすのではなくて、七・八%というのは政治の総意としては大変いいところではないかなと。
 あと、十八兆円の、やっぱり例えば今回皆さんにもお認めいただいた歳出については、これは復興予算も伴いますけれども、こうしたものはやっぱり内需の下支えには私はなるんではないかと思うんです、復興需要等がですね。内需を起こしていく可能性はあるのではないかと思っております。
#167
○西田昌司君 復興需要の中身って一体何ですか。はっきり言いまして、瓦れき処理とか除染とか、これが一番大きいんじゃないんですか。瓦れき処理とか除染というのは、一体どういう支出なんですか。新たな価値をつくっているんですか。
#168
○国務大臣(安住淳君) それだけではなくて、なくした住宅の建設、それから工場の建設、道路、橋、それらの公共事業はこれから私どもの地元の方では起きてきますので、そういうものがもう東日本全体にいい波及効果を及ぼしてくれればと思います。
#169
○西田昌司君 いや、私が聞いているのは、こういうことなんです。復興需要が、除染も、それから瓦れき処理も含めて、景気に、上向きにするのはそのとおりですよ。私はそのとおりだと思っています。だから、それはいいんですよ。
 だから、何が言いたいかというと、除染とか瓦れき処理とかいうのは、一言で言えば原状回復費用なんですよ。つまり、穴を掘って埋めているということなんですよ。よく言ったでしょう、公共事業をやれば景気回復に対して非常に効果がある、乗数効果が高いと。それは、たとえ穴を掘って埋めてもなるんだと。これ昔から言われている話なんですよ。だから、くしくもあなたが今おっしゃったことは、東日本大震災の復興予算が、これから景気、GDPにプラス効果を与えます、そのとおりですよ。そのとおりなんです。
 だから、ということは、穴を掘って埋めてもそれだけの効果が起こるんですから、当然のことながら、穴を掘って埋めるんじゃなくて、今住宅復興もおっしゃいましたけれども、新たな社会資本を形成していく、これはより一層大きなGDPを上向きに支えていくというふうに思われますね。
#170
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおりだと思います。
 現に、地元に限らず、私、東北地方も歩いておりますけれども、例えば雇用の状況等も、非常にある意味で供給サイドが困っているぐらい人的な不足が見られたり、そういう点では、この十八兆円というのは、全国防災含めてですけれども、先生御指摘のように地域経済の中で、復興というのは非常に悲しいことではありましたけれども、これから道路や橋、公共建築物等を造ることは大きな、何といいますか、内需になる可能性はあると思います。
#171
○西田昌司君 そうですね、そういうふうに認めていただければいいんです。
 じゃ、なぜそれをもっとやらないんですか。今、東日本でやっている復興なんというものは、復興といううちに入らないんです、原状回復をやっているだけなんです、まだまだ。それもまだできていません。そして、東日本の大震災の被災地だけじゃなくて、全国で雇用に困っている方々、全国で社会資本が足らなくて困っている方々、あるんですよ。あなたにはその声は届いていませんか。どんどん届いているはずでしょう。
 なぜ、じゃ、今ここで安住大臣がおっしゃったように、GDPを押し上げるためにそうした公共事業を大いにもっと伸ばしていこうと、我々自民党は常にずっと提案してきたはずですよ、なぜやっていないんですか。
#172
○国務大臣(安住淳君) 私の考え方と多少先生の考え方にもし違いがあるとすれば、例えば、自民党というよりも公共事業のピーク時の予算を見ると、平成十年に十三兆円ほど公共投資を行っております。しかし、その間、自民党政権下でも最後は七兆までこれを落としてまいりました。その中で、私も当時国会議員だったので、当時のことを思い出すと、やはり無駄な公共事業はよくないのではないかと。つまり、投資に見合うだけの、税金を投資しただけの、やっぱりその公共事業が適切なものであるかということは国内で大変な議論を呼びました。そういう中で公共事業の額全体がどこが適正かというのは、先生も御議論あると思いますが、私もよく分からないところがございます。
 ただ、当時たしか六百万人ぐらいの雇用形態だったのが、今大体四百万ぐらいまで落ちてきて、それを今四兆円台の公共事業でやっていますから構造不況が全国にあって、そういう点では地域の中でそうしたニーズが寄せられてくることは事実であります。
 ただ、問題なのは、やっぱり財政上の問題と、それからその公共事業自体が時機に、時代に合ったものかどうかというのは必ず議論を呼ぶところがあると思っております。
#173
○西田昌司君 訳の分からぬ答え方なんですね。
 じゃ、先に答え言っておきますが、私は自民党政権のときから間違った政策したと思っていますから。自民党の政策自体が間違っていたんです。それは、今あなたがおっしゃったように、無駄な公共事業をなくしていって、要は官から民へという流れでやってきました。公共事業を減らして、そして税率も下げたんです。そして、民間にこのお金と、つまり借入れをしやすくした。そして、さらには手取りの所得も増やさせたんです。本来でしたら、そこでお金がどんどん回って景気が良くなるという思いでやった。ところが、あに図らんや、やってみたら全く逆さまになったんですよ。雇用はどんどんなくなっちゃう、投資はどんどん減る、そして今日の事態になっているんです。
 私が民主党に言いたいのは、自民党の間違いは私ははっきり認めますから、そうなんです。でも、あなた方はその構造改革をよしとしていなかったんでしょう、そもそも。私聞きたいのは、よしとしていなかったのに、何で今構造改革そのものをやっているんですか。あなた方のやっているのは、まさに構造改革そのものなんですよ、官から民へ、そういう話なんですよ。おかしいと思いませんか。
#174
○国務大臣(安住淳君) いや、是正すべきところはだから是正をしようということで、例えば郵政の……
#175
○西田昌司君 違うんですよ、今は公共事業。
#176
○国務大臣(安住淳君) いやいや、郵政事業も、先生、規制緩和と自由化の象徴のような話でしたけれども、これはやっぱり私は地域の中での郵便局の疲弊につながったと思います。
#177
○西田昌司君 公共事業の話。
#178
○国務大臣(安住淳君) 政策的な話で。
 公共事業については、御指摘のような地域経済の中に占める公共事業の割合の高さからいうと、これがなくなったことで大変な構造不況が起きているという説もあります。私もある意味ではそれは事実だと思います。ただし、都道府県自体も、それから国もでございますけれども、先ほどから言っているように、人口の減少や必要とされるやっぱり新しい時代の公共事業の仕方を考えていかないと、なかなか、やっぱり財政赤字を累積をさせていくということと矛盾するので、そこが難しいところではないかと思っております。
#179
○西田昌司君 ちょっと全然答えになってないし、安住大臣、本当にちょっと認識が違うんですね。まだ、いまだに、半分分かっておられて半分お分かりじゃないと思います、私、あなたの答弁聞いておりますと、失礼ながら。
 といいますのは、先ほどから言いましたように、結局GDPというのは何かというと、これは所得の合計なんです。そして、そのGDPを押し上げていくものは何かというと、支出面でいうと政府のこの支出ですよ、それと個人の消費なんですよ、支出面でいうと。ところが、今この政府の支出を急激に小さくしているんですよ。そうすると、当然、この分配面の方の所得の方も減っていくのは当たり前なんですよ。これを自民党政権の時代から、与野党を含めて小さな政府が良いんだという話でどんと行ったんですよ。だから今日のこのとんでもない事態になっていると。だから、我々もこれ当然反省しなければならないんです。だから、そこまで行って言っているんですよ。この話はまだまだ、次の二十九日もやりますから。
 今日はせっかく白川総裁来られているんで、そのことを受けて、つまり、民間に減税をしてお金を回してきたと、そして日銀の方も随分金融政策では緩和をしているというか国債を買入れも増やしますと、こういう話なんですね。しかし、なかなか、今現在それによって景気が良くなっているかといえば、良くなっていない。
 そこで、白川総裁には、次から次へと、いや、もっと出せと、自民党の議員の中からでも白川総裁、日銀に対して、まあ私は言っておきますが言ってませんが、手ひどいやじが飛んだりしていますよね。要するに、日銀が仕事をやってないんじゃないかという話なんですよ。それを、そういうことを、そういう批判を受けて、白川総裁、どのようにお考えですか。
#180
○参考人(白川方明君) 批判ということではなくて、様々な御意見をちょうだいしていまして、どういうふうに考えているかということで申し上げたいと思います。
 まず、日本銀行自身は、これはデフレから脱却し、物価安定の下での持続的経済成長の軌道に復帰すると、これは極めて大事だというふうに思っております。そうした課題達成のために日本銀行としてできることは何かということをしっかり考え、それをしっかり推進していくと、これが非常に大事だと思っております。先生はもう細かい政策の内容は御存じなので、その説明は省略いたしますけれども、そうした政策をこれはしっかりやっていきたいと思っています。
 そう申し上げた上で、日本がデフレから脱却するためには、私は日本全体として成長力を強化していく取組と、それから金融の下支え、この両方が不可欠だというふうに思っております。私が国会の場でもいつも申し上げていることは、この両方が必要なんですと、金融だけで実現できる話ではありませんと。ただ、これは、私がこういうふうに申し上げますと、何か日本銀行が本来やるべき仕事をやりたくない、あるいはやらないことの何かエクスキューズとして、言い訳として言っているのではないかという御批判をちょうだいすることがありますけれども、これはそうではございません。日本銀行としてちゃんとやってまいりますけれども、この両方がないと我々が実現したい姿を実現できない、そのことを申し上げているということでございます。
#181
○西田昌司君 済みません、金融ともう一つ何だとおっしゃったんですか。
#182
○参考人(白川方明君) 少し抽象的な言い方になりましたけれども、成長力を高めていくということでございます。この後また先生から御質問があろうかと思いますけれども、日本の潜在成長率が徐々に低下をしてきている、これは先ほど先生からGDPの話がございましたけれども、結局、人々がどれぐらい働くか、それから人々がその下でどれだけ付加価値を生んでいくか、この二つで決まってくるわけでありまして、その両面に対する働きかけでございます。
#183
○西田昌司君 白川総裁の話がちょっとややこしくなってくるのは、金融だけではできない、成長率を高めるとおっしゃるから話が皆さんに分かりにくいんですよ。もっとはっきり言ってくださいよ。景気対策するのは、金融政策プラス財政政策じゃないですか。誰が考えても、どの教科書見てもそう書いてありますよ。そうじゃないですか。
#184
○参考人(白川方明君) 財政政策そのものにつきましては、これは政府、それから国会でこれ決めるべきものでございますから、日本銀行総裁という立場で財政政策はこうあるべきと言うことは、これは控えております。ただ、財政政策、財政の在り方ということが、これがマクロ経済に大きな影響を与える要素であることは、これはもちろん間違いないことでございます。
 そういう意味で、私はいろんな場で一般的な考え方として三つのことを申し上げております。一つは、中長期的な財政の健全化についてしっかりとした信認を確保することが大事ですということが第一点。それから二つ目は、財政健全化を実現していくスピードについては、これは経済動向への影響も考える必要があると。それから三つ目には、財政支出の内容につきましては、これは中長期的な成長力の強化につながっていくような、そういうものと整合的であることが必要であるというふうに申し上げております。
#185
○西田昌司君 白川総裁は非常に上品な方でありますからそういう言い方をされるんですけれども、その中でも、要するに財政政策が、大臣、非常に大事であるということは白川総裁も当然否定できない。ただ、中身については日銀の中央銀行総裁としてコミットはしませんということなんですよ。それは当然、そういう立場立場がありますからね。
 つまり、今機能していないのは金融の方じゃなくて財政なんですよ。財政の方が実は支出をどんどん減らすと、今も無駄を削減していくとか、こういう話おっしゃっているでしょう。今、無駄を削減するんじゃなくて、どんどんどんどん財政出動していくべきなんですよ。そのことが安住大臣分かっておられないんですよ。
 もっと一番いい例をしますと、先ほどの午前の議論の中でこういう話をおっしゃいました。要するに、法人税を下げて、法人税を下げて景気刺激をしていくと、これはいいことだと、これやったと、こうおっしゃっているんですね。本当にそう思っておられるわけですね。
 ところが、安住大臣、御存じでしょうか。今そもそも法人税を払っている企業、これはどれぐらいかといったら、七割は赤字でしょう。そうなってきますから、ほとんどの企業に影響を与えないだけじゃなくて、要するに大企業以外はみんな赤字なんです。そして、大企業はどうなっているかといいますと、この二十年間、どんどんどんどん預金をためているんですよ。分かりますか。投資をしていないんです。今の日本の一番問題は、大企業がためたお金を、減税したお金を、全部これを貯蓄しているんですよ。この貯蓄をどんどん増やしている状況で減税したら、大臣、そのお金は市場に回るのか、貯蓄に回るのか、どうなるとお考えですか。
#186
○国務大臣(安住淳君) それは、企業が積極的に投資をしてもらって、雇用を増やしてもらって、そういうことの呼び水になればと思ってやっております。
 先生御指摘のように、これは大門先生なんかからもよく内部留保の問題を、指摘を受けるんですね。これは日銀の総裁に聞いていただければと思いますけれども、やっぱり市中銀行もそういう意味では貸出しのこのベースでいうとやはり伸び悩んでいると。これは先生、ですから、やっぱり成長分野にどういうふうに投資してお金を動かしていくかというのは、これは私も十分大きな課題だということは認識しております。
#187
○西田昌司君 まず、だから、前半の話にちゃんと答えてください。要するに、この貯蓄性向が高い、消費性向が低い、その時代に減税すると、お金は貯蓄に回るのか、消費に回るのか、どっちですかという話ですよ。どちらなんですか。
#188
○国務大臣(安住淳君) 時の経済状況によると思います。
 確かに、プラスでないときはもちろん内部留保に回るわけですよ。しかし、もし物が売れ出したりすれば、当然設備投資に回っていきますので、そのお金そのものは、私はいずれやっぱり投資に回ってもらうように、我々自身が誘導していかなきゃならないと思います。
#189
○西田昌司君 大臣のおっしゃっているのは希望なんですよ。希望なんです。そう思ってやったんです。ところが、今言ったように結果は、貯蓄に回っているという歴然たる事実があるんですよ。日銀の白川総裁、そうじゃないですか。この二十年間で非金融部門の民間企業の貯蓄が二百兆円近く大きくなってしまっている、そして同時に、一般企業の借入額、これがどんどんどんどんそれに反比例して減ってきているのが事実じゃないですか。どうですか。
#190
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 家計、企業等の民間部門が趨勢的に資金余剰幅を拡大しておるということは、これはもちろん事実でございます。
 この背景でございますけれども、これは先ほど安住大臣からも御答弁がございましたけれども、例えば、民間金融機関を考えてみますと、預金が集まってきて、それに対してなかなか十分な貸出しができない、その部分は国債に今振り向けている、そういうバランスになっておるわけでございますけれども、基本的に民間からの資金需要が弱い、借入れが弱い。その基本的な背景を考えてみますと、これは日本の成長率がなかなか上がってこない、趨勢的に低下をしてきておる、そういう下で、家計にしても企業にしても非常に慎重になってきている、そのことが借入れ需要の減少につながっておるということでございます。
 そういう意味で、多少先ほどの答弁の繰り返しになって恐縮でございますけれども、これはしっかりと成長力を高めていくための様々な取組が必要だというふうにそうなりますと、これだけ今は金融が緩和されている、あるいは資金もございますので、それが有効に使われていくというふうに思います。
#191
○西田昌司君 今、安住大臣、白川総裁おっしゃったように、要するに、家計も民間企業の民間部門もどんどんどんどん貯蓄をしているんですよ。この状況で減税しても貯蓄に回るだけで意味がない。子ども手当とか、そういう所得移転政策も同じなんですよ。こういう状況で減税したり、例えば手当を上げる、何になるか。全部貯蓄に回っちゃうわけですよ。そうじゃなくて、直接GDPを上げるのは、いわゆる乗数効果ですよね。これは林委員が菅総理に予算委員会で説明されましたけれども、乗数効果の高い支出を政府がやっていくべきなんですよ。その典型が公共事業投資なんです。
 そして、安住大臣も認められたように、公共事業投資、これ今、東日本大震災で復興予算やっていますとおっしゃっているけれども、その大半は原状回復費用なんです。穴掘って埋めているに等しいような除染と、それから瓦れき撤去なんですよ。それが駄目だと言いませんよ、もちろんそれはやればいいんですけれども、それですら乗数効果が上がってきているんだから、もっとより一層効果的な、これは東日本の地域だけじゃなくて全国あるでしょう、そこに何でやらないのかという話なんですよ。これをやれば確実に景気回復するんですよ、これを。ところが、あなたがそれをしない。これが一番問題で、この問題もまた二十九日、続きいきましょう。
 ここで今日は、ちょっと最後に締めておきたいのは、白川総裁にもう一つだけ、これ質問します。いわゆるヘリコプターマネーですよ。
 日銀がまだまだ足らないという意見が多いんですね。もっとどんどんヘリコプターマネー、もっとどんどんお金を金融機関に出しなさいよと、こういう主張があるんですが、この主張に対して白川総裁はどういうふうにお考えですか。
#192
○参考人(白川方明君) ヘリコプターマネーというのは、比喩的に使われますけれども、文字どおり天からお金が降ってくるわけではなくて、先生も御存じのとおり日本銀行が資金を供給するということでございます。そのときに、国債を買い入れて資金を供給すれば景気が良くなってくる、あるいはデフレが克服されるという、そういう議論でございます。
 まず、我々としては、資金を今十分に供給しておりますけれども、しかし、さらにこの年末にかけて、国債について言いますと、今、年間四十兆円ペース、そうしたペースで今現に買入れを行うということはアナウンスをしております。その上で、このヘリコプターマネーという言い方は、これは必ずしも適切ではないと思いますけれども、資金を潤沢に供給するというこの方法だけで景気が持ち上がってくるというふうになるかというと、これは先ほどの、やっぱり両輪が必要であるということでございます。
 それからもう一つ、これは日本銀行にかかわらず中央銀行の総裁はどこでもそうでございますけれども、国債を買い入れるということが、これがいわゆるマネタイゼーション、つまり中央銀行が財政のファイナンスを目的として国債を買っているんだというふうに万が一思われますと、今度は、この場合にはどこかの段階でやっぱり長期金利が上がってしまう。そうなりますと、金融機関の資産内容にも大きな影響を与えますし、それから政府の財政、国債発行金利にも影響を与え、経済活動にも影響を与える。そういう意味では、その面での細心の注意も必要だというふうに思っております。
#193
○西田昌司君 白川総裁がおっしゃいましたように、結局ヘリコプターマネーというのは、一番早い話、お金を本当にまいたらいいんですよ、ヘリコプターから。しかし、それをやるとどういうことになるかというと、取り合いでとんでもない犯罪が起きますし、一度やってみたらいいと思いますが、大変なことになります。じゃ、実際できないんですよね。
 だから、要するに日銀ができることは金融機関にお金出すと、あとは金融機関が民間企業に貸し出してくれないとできないと。これはよく金融政策の例えで、馬を水飲み場に連れていくことはできても、馬に水を飲ますことはできないと。つまり、飲むかどうかは馬の意思なんですよ。つまり、借りるかどうかは民間企業の意思、また金融機関の意思なんですよ。ところが、これだけ金利を安くして、これだけ金利を安くして、そしてしかもこれだけお金を、日銀当座預金残高どんどん積み上がっているわけですよ。民間金融機関は幾らでも貸そうと思ったら出すだけの余剰資金があるんです。
 ところが、何で馬は水を飲まないのかと、馬が水飲みたくないからですよ。何で水飲みたくないのかと、今水飲んでしまったらおなかを壊してしまうかもしれないからですよ。つまり、どういうことかというと、景気が先行きが不透明だから、せっかく日銀の白川総裁が、はい、飲みなさいと持っていっても、その民間側が今飲んじゃって借金しちゃったら、私、返せますかねと、自信がないんですよ。だから、馬は水を飲まないんですよ。
 安住大臣、じゃ、どうしたらいいんですか。どうしたらこの景気良くなりますか。
#194
○国務大臣(安住淳君) ちょっと、私もそれは、そこまではなるほどと思いますけれども、そこの根本的な問題もやっぱりちょっと考えないといけないと思うんです。
 例えば、私どもの地域だって、先生のところもそうですけど、やっぱり少子高齢化の波というのは非常に大きくて、物を売る、買うという行為からいえば、やっぱり若い人が少なくなれば日本の国というのはどうしても高齢化をして、物が売れなくなったり、そういう点では、例えば住宅の件数も今八十万戸ですけれども、やっぱりこれは二十年前ですとこの倍ぐらいあるわけですよ。
 だから、そういう点では、日本の国の今根本にある問題も、先生、やっぱり解決をして、私は人が増え出すと、若い人が増え出すと、これでやっぱり人が増えてくれば先生の言う話とかみ合ってくるんじゃないかなと思うんです。そこの部分をもし怠っていると、何といいますか、投資する先がやっぱり企業として見れば、もうからないものをつくったって仕方がないというのもあるので、そこは私、つながるんじゃないかと思うんです。すると、子ども手当も悪いものじゃないんじゃないかなというふうに思っております。
#195
○西田昌司君 もうこれだけ分かりやすい例えをして、何という答えですか、それ。そうじゃないんですよ。馬が水を飲まない、どうしたら飲むかと。牛を連れてきて飲ましたらいいんですよ。分かります、牛なんですよ。牛は何かといえば、政府の話なんですよ。要するに、民間が水を飲まないんだから、ああ、そうと、余っているんだったら私がいただきましょう、元気付きましたよと。牛がどんどん飲んでいくんですよ、仕事をするんです。そうすると、それを見ている馬はどうしますか。ああ、今飲んでもいいんだと、馬も飲むんですよ。
 いや、景気というのはこういうことなんですよ、要するに。これがマクロ経済の一番の基本なんですよ。これを分からずに、安住大臣、あなた、後ろに付いている財務省の連中にしようもない話だけ聞かされているんですよ。増税しないと困りますよと、これからどんどん人も高齢化して人口も減るから大変ですよと言われているんですよ。
 ところが、冷静に考えてくださいよ。二十年間、二十年前から日本は人口は減ってなかったんです。これからは減っていく傾向にありますよ。この二十年間は何も減っていませんよ、はっきり言いまして。
 つまり、このじゃ二十年間の問題は何なのかといえば、まさに、本来は馬が水を飲まないときに牛がどんどん水を飲む政策をしたらいいのに、牛も馬も両方とも飲まない。牛が飲まないんなら、馬が飲まないんなら牛も飲まない。まあどっちがどっちか分からなくなってきたね。そういうことをやっちゃうから、水はたまる一方なんです、これ。
 分かりますか。この水というのは何かといったら、金融資産がどんどんたまっているんですよ。国内で循環できない、これが預金超過となって金融機関にたまっているんですよ。これが、景気が回らなくなっている一番の原因なんです。
 そういうときに、この続き、またあさってやりますから、そういうときに詐欺師が出てくるんですよ。AIJという詐欺集団ですよ、はっきり言いまして。みんなが飲まないんだったら、その金、その水を私に与えてくれたら幾らでもやりましょうと。こういうばか者が出てきて、そしてどんどんそれを集めて、二千億円集めてすっちゃったと、こういうことですよ。
 そのすっちゃったときに、私が今日言いたいのは、自見大臣、この問題ようやく私十九日に予算委員会で言いまして、あのときはまだ強制調査になっていなかったと。強制調査に着手されました、二十三日金曜日から。しかし、もっと早くから大臣がやらなきゃ駄目じゃないですか。
 ところが、大臣はどう言っていたかというと、いや、これは西田さん、これは三条委員会なんだと。行政から独立してやっているんだと。だから、我々は、政治家は何もすることができないんだと。とんでもないですよ。これは三条委員会じゃなくて、いわゆる組織的には行政の中の一つの機関、審議会そのものじゃないですか。あなたがやらないというのは不作為ですよ。前の発言を撤回して、これからはちゃんと政治的なリーダーシップを取ってこの問題の解明のためにやるということをはっきり言ってください。
#196
○国務大臣(自見庄三郎君) 西田委員にお答えさせていただきます。
 証券取引等監視委員会は、金融庁に設置された合議制の機関でありまして、内閣府設置法第五十四条に基づいて設置されたものでございます。しかしながら、この規定は国家行政組織法八条と同内容の規定となっていることから、証券監視委員会はいわゆる八条委員会とされています。
 ただし、これはもうおわびを申し上げにゃいけませんけれども、三月十九日の参議院予算委員会において、西田議員に対して答弁で三条委員会と申し上げたことは訂正をさせていただきます。
 一方、証券等監視委員会は、金融庁設置法による、一、委員長及び委員は独立して職権を行うという規定、二、在任中その意に反して罷免されることがないという身分保障規定があり、公正取引委員会等の三条委員会と比べても遜色のない独立性を有していることに留意する必要があると思っております。
 こうした制度的枠組みの下で、証券等監視委員会は金融担当大臣の権限から独立して独自の判断により職務を遂行しているところであり、私があのときたしか、指示、命令権は私にはありませんとこう申し上げましたけれども、そういう組織だというふうに認識をいたしております。
 また、今先生が、強制調査を先週よりもっと早く行うべきではなかったかというような趣旨のことを言われましたが、証券等監視委員会は金融庁に設置された合議制の機関でありまして、金融庁設置法により独立してその職権を行使することとされておりまして、こうした制度的枠組みの中で証券等監視委員会は独自の判断によって職務を遂行しているところでございまして、特に刑事訴追を求めて告発するために行う犯則調査の権限は、証券等監視委員会職員も含めてでございますが、固有の権限として、金融商品取引法に規定されており、また強制調査着手には裁判官の許可状を取得する必要があることから、厳格に独立性に留意して遂行させているところでございまして、したがって、強制調査を政治主導で早期に実施すべきだという御指摘は必ずしも当たらないというふうに思っております。
#197
○西田昌司君 ありがとうございます。
 ただ、要するに、何か民意のリンチでつるし上げろなんて言っているんじゃないんです。これ、法と証拠とおっしゃっているけれども、誰がどう見ても、これはもう虚偽の報告をして、虚偽の報告に基づく報酬を取り、そして委託者から預かった財産を毀損していると、とんでもない話ですよ。これをやっぱり放置するということがあり得ないんです。
 この問題も次回まとめてやりますけれども、自見大臣には、今こそ自見庄三郎が金融担当大臣だからこの問題をちゃんと解決できる糸口をつかんだと、やってくださいよ。もう答弁要りません。そのことをお願いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#198
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子です。
 本日は租税特別措置法、特別会計法の審議ということですが、初めに税制ともかかわりのある老朽家屋対策について質問をさせていただきます。この問題は小さな問題のようですけれども、命に直結する問題であると考えております。
 現在、高度成長期の前後に建てられた老朽家屋が所有者の方の高齢化などによって放置され、管理不全となることで全国的に様々な問題が発生しています。例えば、地震による倒壊、台風、突風による外壁等の崩落、劣化による屋根やモルタルの落下、不法侵入等による治安の悪化、また景観の悪化という問題であります。
 この問題について資料をお配りいたしました。一枚目の左上の写真、こちらは昨年の三・一一の大地震の際の東京都足立区の写真です。この建物では外壁が落下しています。前の道路半分以上に瓦れきが広がっているのが見て取れると思います。幸いけがをされた方はいなかったというふうに伺いました。このとき、もしも小さなお子さんなどがこの前にいたらと思うとぞっといたします。
 また、その下の写真は、台風、突風により外壁が崩落した事例です。これも大変危険です。外壁が建物の前の歩道に散乱しています。また、景観の悪化という例で右上の写真を御覧ください。こちらでは、建物の二階、これが傾いて隣の家にまさに寄りかかるような形になっています。景観の問題ももちろんですけれども、隣の建物にお住まいの方にとっても大変危険であります。このような事例というのは都市部において出てきているだけではなく、地方においても問題になっています。
 資料の二枚目を御覧ください。こちらは本年二月の読売新聞の記事です。大雪が続いた岩見沢市を中心とした北海道空知地方、空き家の倒壊が相次ぎました。空き家の雪下ろしがされず、所有者も不明であるため取壊しも容易にできない。老朽家屋の隣の方が倒壊の危険を避けてホテル等に避難するという事態も生じました。このような老朽家屋問題については、発生可能性が高いと予想されている首都直下地震を始め、防災、減災の観点からも、また都市政策の上からも対応が必要だと考えています。
 資料の一枚目にあるように、老朽家屋化してしまう原因というのは様々あります。所有者の経済的事情であったり借地上の建物である、また相続人の問題や無接道敷地等、こういった問題があります。政府では、この老朽家屋問題、どのような対策を取っておられるか、国土交通省にまずお伺いしたいと思います。
#199
○大臣政務官(室井邦彦君) お答えをさせていただきます。
 平成二十年住宅・土地統計調査によりますと、全住宅ストックは約五千七百五十九万戸、そのうち空き家は約七百五十七万戸であります。空き家率は約一三%となっており、それぞれ増加をしております。
 このような中で、管理が不十分な空き家が防災、防犯、衛生、景観等の面で非常に問題になっている地域があります。御指摘のとおり、条例により空き家の所有者等に適正な管理を義務付けることがあることは承知をしております。
 そこで、空き家の増加は住宅ストックの有効活用が図られず、また住環境の悪化等を招くといった課題があり、引き続き住宅として活用したり、他の用途へ転用するほか、周辺へ悪影響を及ぼす場合には除却することが必要であります。
 そこで、国土交通省におきましては、地方公共団体が空き家を有効活用する場合や住環境の整備のために除却する場合について社会資本整備総合交付金により支援をしているところであります。
#200
○竹谷とし子君 済みません、今のおっしゃられたことは、自治体が私有財産である老朽家屋を撤去した場合にそれを補助してくださるという、そういうことでしょうか。
#201
○大臣政務官(室井邦彦君) はい。
#202
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 これもやはり自治体主体で今先駆的に進められているところがあります。東京都の足立区の行政にお話を伺いました。こちらでは、自治体で条例を作り、予算と体制を確保して取り組んでいらっしゃいます。しかし、法律の制約があって非常に手間が掛かっているという問題をお聞きしております。また、体力のない小さな自治体の場合には、やはり一定の限界があります。防災、減災という立場から国が対策を検討していくべきではないかというふうに私は考えています。現場の市区町村では、まず所有者を調査する段階から数々の困難があると伺いました。
 砂川市の事例では、この新聞に出ていますけれども、書類上の所有者、空き家の所有者三十軒、この所有者の方々に郵便を送ったところ、五軒はあて先不明で差し戻されたということです。隣人に危険が迫る空き家の所有者に連絡を取ろうとしたら既に亡くなられていた、勝手に手を付けることはできないということで、親族の合意を取り付けて撤去を始めたということなんです。これ非常に手間が掛かります。現場では、建物の周囲の方々に任意で聞き取りをして、ここにお住まいだった方はどこにいらっしゃいますでしょうかとか、そういった聞き取りをして関係者の人を捜していく。これを一軒一軒やっているということを足立区の行政の方から伺いました。
 この所有者を把握することが難しいということの背景には、このような調査が任意の調査でありますので、権限がないということがあると思います。地域の安全を守るためにこのような調査について、法令上、自治体に何らかの権限、強制的に調査できるような権限を与えていくということが必要なのではないかというふうに思っております。この点も是非政府に御検討いただきたいと思っています。
 また、この老朽家屋が放置される事態が発生する理由の一つとして、固定資産税、都市計画税の住宅用地の特例の適用があるというお声が様々な自治体から寄せられました。これは、住宅用地については税負担を軽減するために課税標準の特例が適用されている。固定資産税は六分の一、都市計画税は三分の一に軽減されているというものです。問題は、これが建物の状態にかかわらず、住んでいるかどうかということにかかわらず適用されているということです。その建物が実際居住されていないだけではなく危険な状態にあったとしても、建物を取り壊して更地にするよりも建物をそのままにしておいた方が、放置しておく方が税負担が軽減されているということになっています。
 都市防災という観点から老朽家屋が放置されないようにするため、一定の要件を設けて老朽家屋を認定して、その場合にはこの特例を解除できるような仕組み、これが必要ではないかと考えますが、総務省の御見解を伺いたいと思います。
#203
○政府参考人(平嶋彰英君) お答えをいたします。
 今委員御指摘のとおり、住宅地につきましては、その家屋の現況にかかわらず、家屋が建っておれば当該敷地に係る課税標準額を固定資産税は六分の一、都市計画税は三分の一とする特例措置が講じられてございます。これらについては、特例につきましては、平成二十四年度の税制改正大綱におきまして、「平成二十七年度の評価替えまでに、公平性、合理性、妥当性等の観点から総合的な検討を行います。」ということが今年度の税制改正大綱に書かれてございます。
 御指摘につきまして、また関係府省あるいは地方団体から御意見等がありました場合には、それらにつきまして、それを踏まえて政府税制調査会等において議論させていただく課題であるというふうに考えております。
#204
○竹谷とし子君 国土交通省は、都市政策という観点からこの点についてどのようにお考えでしょうか、御見解をお願いいたします。
#205
○大臣政務官(室井邦彦君) お答えをさせていただきます。
 空き家が存在するということは、もちろん土地の有効活用の観点からも問題であります。先ほど御説明いたしました社会資本整備総合交付金による支援などの空き家対策を実施をしておるところでありますが、この指摘の老朽化した空き家の敷地に対する固定資産税、また都市計画税の特例措置については、地方における当該特例の適用の実態や地方公共団体の意見等を踏まえて、その在り方について国土交通省としても検討してまいりたいと考えております。
#206
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。
 また、老朽家屋の発生を抑制するという観点から、建築基準法で建て替えができないこととなっている無接道敷地を隣接敷地へ統合する、これを促進していくための方策が必要であると考えられます。持ち主としては建築基準法で建て替えができない、かといって、隣接した土地の所有者の方に土地を売るという場合でも、隣接をした土地の所有者の方も土地の代金のほかに不動産取得税が掛かる、登録免許税も掛かる。特段必要性もないなら、やはり積極的に買うというインセンティブはありません。売主としても、建て替えができないのであれば不動産業者にも売りにくい。そのような場合、先ほどの固定資産税の特例の適用を受けながらそのままにしておくということにつながっていくと思います。
 このように、無接道敷地を隣接敷地へ統合を促進していくということも老朽家屋を発生をさせないようにするために必要だと思います。隣接敷地の方に土地を買おうというインセンティブを与えるような何らかの税制上の優遇をするということも有用だと思いますが、国土交通省として、このような税制改正要望をしていくべきではないでしょうか。国交省の御見解を伺いたいと思います。
#207
○大臣政務官(室井邦彦君) お答えをいたします。
 先生の御指摘の無接道敷地、土地の有効活用や防災の観点から、解消することが望ましく思っております。そのための施策が実施されているところであります。
 この提案の税制上の優遇措置の創設については、当該措置の有効性や、また課税の公平性が確保されるなど、そういう点につきまして見極めた上で検討をされるべき課題だと、こう考えております。
#208
○竹谷とし子君 これも是非よろしくお願いいたします。
 また、老朽家屋の発生を抑制するためのもう一つの方策は、少し回り道になりますが、中古住宅の取引、これを活性化させていくということもあると思います。公明党としては、少子高齢化、世帯数が二〇一五年にピークを迎え、その後、減少傾向になると予測されることなどから、種々の社会経済環境が変わってくることを考えて、これまでの新築住宅の中心という考え方からストックも重視していくべきであるという考えで、そのインセンティブを与える住宅リフォームポイント、これを提言し、住宅エコポイントとして実現をしているところでありますが、そのような住宅政策全体として視点を踏まえつつ、都市を少しずつ変えていく、中古住宅の取引を活性化させていくことで、今問題となっている老朽住宅も造り替えられていくという効果が期待できると思います。
 その意味で、中古住宅取引を活性化させていく必要、これについて国土交通省の御見解をお伺いいたします。
#209
○大臣政務官(室井邦彦君) お答えをいたします。
 先生御指摘のとおりで、住宅の適切な維持管理は、住宅の質と良好な居住環境も含めた住生活の質の向上を図る上で大変重要なことであります。中古住宅流通の活性化は、その適切な維持管理、取得を促す観点から最も重要であると住宅局も認識をしておるところであります。
 そこで、平成二十二年六月に閣議決定をされました新成長戦略を踏まえ、中古住宅流通とリフォームに関する総合的な取組について、中古住宅・リフォームトータルプランとして本日公表をさせていただきましたところであります。
 具体的には、消費者が安心して中古住宅の売買やリフォームができるように、インスペクションの普及や瑕疵担保責任保険の充実等を図るとともに、一つは、安心して取引するため、住宅の基本的な性能を確保する耐震改修や省エネ改修等に対する支援、そして、二つ目、二番目には、高齢者等の持家を子育て世帯向けの賃貸住宅として活用するなど、住み替えの促進等を取組を進めているところであります。
 今後、こうした取組により、中古住宅の質の向上と流通を促進し、住宅ストックの適切な維持管理とその有効活用が図られるように努めてまいりたい、このように思っております。
#210
○竹谷とし子君 今日発表されたということで、また後で確認をさせていただきたいと思いますけれども、住宅を買うときの、中古住宅にしても新築の住宅を買うにしても、そのローンは非常に住宅ローンで低い金利で買えますけれども、中古住宅を買って、そこに新たに自分でリフォームをしようとするときに、そこの部分について金利が高いと、ローンを借りるときに、というような問題点も指摘されていますので、この点も是非御考慮、御検討いただきたいというふうに思います。
 さらに、この老朽住宅が発生する原因の一つとして、建物の所有者が建築基準法上の適正管理の努力義務に違反したとしても実質的に罰則がないということもあると思います。もちろん、建築基準法で、保安上著しく危険等の要件に合致した場合、行政が勧告、命令することができ、それに従わない場合の罰則というものはありますが、基準が明確でないという指摘が自治体からあります。使いにくいという指摘があります。また、災害対策基本法では、倒壊などで被害を及ぼすおそれがある場合には行政が撤去することも可能ということですが、やはりこれも自治体の現場では、明確な基準がないので、勝手に資産を壊して後で裁判にでもなったら賠償請求される可能性があるということで、やはりこれも事実上は使えないということになっています。
 この基準を明確化すること、そしてこの適正に管理しない建物所有者に対して何らかの形で適用可能な罰則を制定することによって、適正管理に対するインセンティブを高めていくことが必要ではないかと考えられます。この点について国土交通省の御見解をお伺いしたいと思います。
#211
○大臣政務官(室井邦彦君) お答えをいたします。
 先生お尋ねの老朽家屋に対する建築基準法のしっかりした適用が、規定があるのかと、こういうことで御質問いただきました。
 建築基準法においては、特定行政庁、著しく保安上危険又は著しく衛生上有害であると認めた現行の建築基準を満たさない建築物について、その所有者等に対して当該建築物の除却、改修等の必要な措置を命ずることができるとされております。そして、所有者等がこれに従わない場合、特定行政庁は、行政代執行法の定める手続によって当該建築物の除却、改修等を行うことができるとともに、所有者等は一年以下の懲役又は百万以下の罰金等対象とされております。
#212
○竹谷とし子君 そういう法律はあるんですけれども、基準が明確でないということが現場の悩みでありまして、これを結局適用することができないということなんです。これに対してのお答えをお願いいたします。
#213
○大臣政務官(室井邦彦君) 申し訳ございません。お答えいたします。
 建築基準法第十条第三項に基づく除却、改修等の命令は、火災事故に対する危険性や地震時の崩壊等の危険性などに関し特定行政庁として特に著しく保安上危険な状態にあると判断した建築物がまず対象になります。
 このうち、地震時に崩壊等の危険性に関しては、国が定める建築物の耐震診断の指針に基づき評価した結果、地震により倒壊し又は崩壊する危険性が高いと判断された建築物を改修命令等の対象とすべき旨を示しているところであります。
#214
○竹谷とし子君 済みません、通告していないんですけど、耐震診断をして撤去するべきと判断したものは命令できるということだったんですけど、その診断にも社会資本整備交付金のその老朽家屋の撤去の費用というのは使えるんでしょうか。
#215
○大臣政務官(室井邦彦君) 使えると思います。
#216
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 老朽建物が放置される理由として、この足立区の資料に挙げられている所有者の経済的事情というものがあります、この解体費用がないと。ここについても経済的な支援措置が必要ではないかと思いますけれども、無担保の解体ローンを例えば自治体に創設するとかということがあります。その場合、自治体が解体に対して貸付けを行うことに何らかの助成措置を国として行う必要があるのではないかと思いますが、これについても先ほどの社会資本整備交付金が使えるということはありますでしょうか。
#217
○大臣政務官(室井邦彦君) でき得る可能性があると思います。いいでしょうか。
#218
○竹谷とし子君 済みません、ここまで通告していませんでしたので。今、誠意あるお答えをいただいたと思いますので、あとはちょっと御担当者の方と詰めさせていただいて相談させていただければというふうに思います。ありがとうございました。
 続きまして、次に都市農地の保全について伺いたいと思います。
 都市農地というのは、今、防災機能面を含めた多面的機能というものが注目をされております。大都市に辛うじて残っている農地、これをどのように保全、維持していくかという観点から質問させていただきます。
 資料を御覧ください。お配りした資料の三枚目になります。
 平成二十一年に東京都は、東京に農業、農地を残したいと思うかとのアンケート調査を実施しました。その結果は、思うと答えた人は八四・六%、思わないと答えた方は僅か三・四%。同じように、大阪府が平成十八年に行った調査でも、農業や農空間の保全について、守っていくべきと答えた方が八五・五%、守る必要はないというお答えは僅か〇・五%でした。大都市圏に住む多くの人が今ある農地を残してほしい、守ってほしいと考えておられることの証明だというふうに思います。
 さらに、足立区で農地を今後どうすべきかとアンケート調査を行ったところ、全面的に残してほしいというのが、平成十五年には二二・四%でしたが、七年後の二十二年の調査では四〇・二%と大幅に増加し、残してほしいという回答、ある程度は農地として残すべきというものも含めますと九割近くにも上っています。
 それはなぜか、その答えをアンケートからも推測することができます。東京の農業、農地にどんな役割を期待するのかとの質問に対して、新鮮で安全な農畜産物の供給、六六・四%、これは当然のこととして、自然環境の保全、これが約五割、食育が四割、生活の潤いや安らぎの提供、災害時の避難場所、防災機能、景観、コミュニケーションの場など、農地に対して様々な役割が期待されています。
 また、阪神・淡路大震災、昨年の東日本大震災、さらに今後、首都圏直下地震等が予測されている中で、都市に残されたオープンスペースとしての農地に防災機能としての期待が大きくなっていると思います。地方自治体とJAとの間で災害協定を結んで、災害時に農地を一時避難場所や仮設住宅建設用地として提供することや、食料品、井戸水の提供などの準備も進んでいます。これは、その次の資料をめくっていただきますと、東京の中でどこが協定を結んでいるかというものがあります。こちらの方に示されています。
 しかしながら、残念なことに、都市の農地は市街化の波に押されて減少傾向に歯止めが掛かっていません。この貴重な都市農地を守る一つの施策として、相続税納税猶予制度が創設されています。東京など三大都市圏を中心に指定されている生産緑地はこの猶予制度を活用することで何とか維持できていると言っても過言ではありません。しかし、現在の猶予制度では、生産緑地に地続きの農業用倉庫や農作業場は生産緑地として認められていますが、地続きでない、少し離れたところにある倉庫や作業場というのはその対象となっていないために相続税がその場所は宅地並みとなって、農家は大変な苦労をされています。
 都市農地が有する様々な機能、殊に防災機能を維持するために、倉庫や農作業場も生産緑地と一体不可分として猶予制度の対象に含めるべきと考えますが、国土交通省に御見解を伺いたいと思います。
#219
○大臣政務官(室井邦彦君) お答えをいたします。
 先生御承知のように、この生産緑地は、市街化区域内において公害や災害の防止、都市環境の保全など、良好な生活環境の確保に相当の効用がある一定の農地について市町村が都市計画に定め、その保全を図るものであります。この生産緑地地区の指定に当たっては、現に農業が行われている農地等と一体となる農業用道路や農業用施設についても農地等の併せて指定が可能であります。
 したがいまして、御指摘の農機具用倉庫や農作業場についても農地等と一体のものとして生産緑地地区の指定が可能となっております。
#220
○竹谷とし子君 少し離れたところにあっても一体と認められるということでよろしいでしょうか。
#221
○大臣政務官(室井邦彦君) 近ければ近いほどいいんですが、少し離れているというその辺の判断はちょっとここではしかねます。
#222
○竹谷とし子君 この部分についてもまたちょっと解釈がいろいろあると思いますので、今後も引き続き詰めさせていただきたいというふうには思います。
 また、生産緑地を相続した方、相続税納税猶予の適用を受けた場合、農業を承継してくれる次の世代に引き継ぐまで原則終身、自分で農作業を死ぬまでやらなければいけないということになっています。
 かつて私の先輩議員に次のような御相談があったそうです。それは、がんになって治療に専念する必要がある。また、治療が終わっても今までのように農業を営むことが難しい。現在の制度では、一般農地では二十年間営農すれば納税は免除されます。しかし、生産緑地については免除の制度はありません。営農困難時の貸付け特例というものがあります。これは、猶予の適用を受けた人が身体障害一級、二級、精神障害一級若しくは要介護度五に該当するようになった場合に営農困難と認められ、農地を貸し付けることが認められている制度です。
 しかし、これは例えば両手の全部の指をなくした場合や両足をなくした場合には営農困難とみなされるが、片手の全ての指をなくした場合や片足を太ももからなくしたような場合でも営農困難とは認められないということになるんです。御相談者も、重いがんで治療の必要があるというだけでは農地の貸付けが認められなかった。農家では歩ける限り農業をやれと言われているようなものだとの声も聞きました。
 死ぬまで元気で農業に従事できるかどうか、また誰かが農業を引き継いでくれるかどうかは分からない。不測の事態も起こり得る。このため、今猶予制度の適用を受けている農家でも、自分の子供に死ぬまで農業をやれとは言えないから、今の制度では農家を継いでくれとは言えないという方が少なくありません。農地を守る制度のはずが、かえって農家を苦しめてしまっているという側面があります。
 重い疾病や障害等やむを得ない事情でどうしても農業を継続できなくなった場合、土地の貸付け特例の基準を緩和する方向で見直していただきたいと考えますが、財務省のお考えを伺いたいと思います。
#223
○副大臣(藤田幸久君) 先ほど来お話聞いておりまして、私も足立区に住んでおりましたので、大変身につまされる思いで聞いておりました。
 その上で、お役所的な取りあえず現段階での答弁になるわけですが、この農地の納税猶予制度というのは、農地の永続的な確保という観点から、基本的には所有者自らが耕作することを条件に相続税等の納税の猶予を認めるものというふうになっております。こうした中、営農困難貸付けは、農地の将来にわたる確保と有効利用の徹底という平成二十一年度の農地制度改革の趣旨等を踏まえて講じられたものでございます。したがって、障害により耕作が困難となった場合には、農地を貸し付けた場合でも納税猶予の適用を可能にするものというふうになっています。
 その適用要件については、所得税の障害者控除などの例を参考にしつつ、今、一級、二級等御例示がございましたけれども、身体障害者手帳の交付を受けていることなどとされているわけですが、この要件の見直しについては、その必要性について農水省の方において実態を踏まえ検討されているものと理解をしております。
 ただ、今お話いただきましたような非常に切実なことでございますし、足立区というのは東京の中で一番農業を生かした区でございますので、私の方もできるだけ当局とも話をして、できるだけ検討を進めてみたいというふうに思います。
#224
○竹谷とし子君 大変心強い御答弁をいただいたと思います。是非よろしくお願いいたします。
 また、都市の農地を守るために一つ御提案をさせていただきたいと思います。
 それは、東京都や大阪府等から都市の農地を守るために都市農地総合特区制度といった特区制度の創設の申請が出た場合に積極的に御検討いただきたいと思います。これについて内閣府のお考えはいかがでしょうか。
#225
○副大臣(後藤斎君) 先生がおっしゃるとおり、都市農地というのは、そこでの農産物を生産するのみならず防災上の観点等いろんな、産業的な視点だけではないプラスの付加価値があるというふうに思っています。
 先生御案内のとおり、総合特区制度は昨年法律で制度をつくっていただいて、昨年十二月に第一次申請の指定をして、国際戦略特区については十一申請がありましたが七に絞り込んだ、地域活性化については七十七から二十六に絞り込んだと。これは、現下の財政状況の中でできるだけ財政状況にも当然配慮をしなければいけませんし、なおかつ、その中で選択と集中ということで対応してきたものであります。
 これから、今週中が二次申請の期限でありますけれども、やはり金融財政措置、そして制度、規制の部分、さらには税の部分、この三つをどう組み合わせるかということで地域活性化や国際戦略を、競争力の強化というものを支援するというものでありますから、いずれにしても、先生、是非具体的な事例を、ただ農地の保全ということだけではなく、地域の活性化や新たな先進的な取組というものに少し工夫をしていただいて、やはり何でもいいというわけでは当然いきませんし、できるだけ、竹谷先生の御指摘というのもごもっともの点がございますので、いずれにしても、指定を受けた事業については国と地方で、制度の部分、規制の部分、そして税制の部分も含めてきちっと相談を丁寧にするということになっています。
 もし事前に具体的な事例があれば是非御相談をしていただいて、当然防災上も非常に必要だという部分については御指摘のとおりだと思いますので、どんな形であれば総合特区というものだけではなくいろいろな構造改革や地域再生制度というものもこれから充実した形での御審議を今国会でお願いをしておりますので、いろんな角度から検討させていただいて、できるだけいい形でそれぞれの地域が活性化をし、そして防災的な拠点も強化をするという幾つも、欲張りな部分もありますけれども、そんな形で検討はさせますので、是非御要望、御指摘があれば具体的にお申出いただければというふうに思います。
#226
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 都市農地には防災面だけではなくて様々な多面的な機能がありますので、是非、今御答弁いただけたことを踏まえて関係者と検討を重ねて、いい提案ができるように進めさせていただきたいというふうに思います。
 続いて、都市農地に、やはり今、首都圏直下に備えての災害対策ということは喫緊の課題であります。この防災面を含めて都市農地にはどのような機能があると考えておられるか、内閣府に伺いたいと思います。お願いします。
#227
○政府参考人(長谷川彰一君) お答えいたします。
 都市の農地の防災面における機能につきましては、もちろんその置かれた場所とか広さによって様々だと思いますけれども、一般論として申し上げますと、雨水の一時貯留場所となって河川への水の流出量を抑えるとか、あるいは火災の発生時に延焼を防止する防火帯のような役割を果たすとか、あるいは災害発生時に先ほどお話もございましたけど避難場所になるとか、あるいは災害発生後に応急仮設住宅の建設用地になるとか、様々な機能があるものと考えております。
#228
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 東京や大阪に住む多くの人が、先ほどアンケートの結果を御紹介させていただいたように、是非農地を残してほしいと考えています。この今の時期にまたアンケートを取ったら、更に多くの方が防災機能という側面に着目をして残してほしいというふうに御希望されるのではないかというふうに推測をいたします。
 しかし、防災・減災面も含めて多面的な機能を有している都市農地、これを残す仕組みというものが残念ながら十分ではないということ、本日の大変短い時間ではありますけれども、質問を通して明らかになったというふうに思います。
 大都市圏で農業を営む上で最も支障になるのが高い相続税との声がある一方、多くの農家が不動産を有しており、そこに掛かる相続税が多額で、その場合、農地そのものではない生産緑地や倉庫を作業場に含めることが問題あるとの指摘もあります。一方で、農地を守るために努力されている農家も少なくありません。
 農地の持つ公益的とも言える様々な機能面に着目をして、さらに、人口減少社会を迎えてこれまでのような市街地の拡大が期待されているとは言えない状況、先ほども空き家対策で御答弁がありました。全国の空き家率というのが今一三%、そして増加をしていく、このような状況の中で、農地を保全する、都市の農地を保全する、維持するとの観点から省庁の壁を乗り越えて知恵を出し合っていただきたいというふうに考えますが、最後に農水省のお考えをこの件につきましてお伺いしたいと思います。
#229
○大臣政務官(森本哲生君) 竹谷委員にお答えをさせていただきます。
 防災面、多面的機能ということは今申されましたので重ねませんが、災害時の防災空間、これは防災協力農地として今取組をさせていただいておるところでございまして、自治体において、東京都内で数字を少し申し上げますと二十三市区を含めて、四十九自治体でこの制度を締結いただいております。
 そして、昨年の十月なんですが、都市農業の振興に関する検討会を農林水産省内に設置させていただいております。その中でも委員御指摘のこうした問題が出てきておりますので、今後、税制の在り方を含め、都市農業の振興や都市農地の保全について幅広く検討いたしてまいりますので、是非そちらにも御意見をいただきたいと思います。
 それと、今よろしいですか、時間がよろしければ、営農困難時貸付けの適用の話があったんですが、副大臣の方から説明がありました。この中で、疾病等やむを得ない事由により営農を一時的に中断した場合、納税猶予を打切りとはしないということと、疾病等により自ら農作業を行うことが困難な場合には、他の者に主たる農作業を委託する、こうしたことによってこの制度を守っていく、打切りを行わないというようなことがありますので、例外がまたございましたら是非私どもに御意見いただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
#230
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 引き続き、この件につきましては私も取り組んでまいりたいと思っておりますので、関係省庁の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、地球温暖化対策税についてお伺いいたします。
 地球温暖化対策税については、公明党としても、温室効果ガスの排出抑制や再生可能エネルギーの導入推進、吸収源対策の充実等を図る観点から導入の方向で検討すべきとの見解でありますが、党の会議の中でも、それでは、実際に温暖化対策税が各産業に対してどのような影響があるのかについてはきちんと踏まえた上で制度設計をしていく必要があるという意見もあります。
 現在のグローバル経済の中で国際競争が激化していることは言うまでもありません。製造業においても、国際的な合併や再編により競争力を強化しようという動きは後を絶ちません。このような環境だけではなく、国内製造業においては、福島第一原子力発電所の事故を受けて原子力発電所の再稼働がままならない中で、火力発電による代替発電によりLNGの輸入が増加し、その分、電力料金のコストアップという状況もあります。原発停止によるコストアップは全産業で三兆円から三・五兆円に及ぶとの複数の試算も出ています。
 このような状況の中で、国内産業に対する影響、これをどのようにシミュレーションされているのか、経済産業省にお伺いいたします。
#231
○大臣政務官(中根康浩君) 竹谷委員にお答えを申し上げます。
 産業に対する影響という御質問でございますが、地球温暖化対策のための税は、我が国の温室効果ガスの約九割を占めるエネルギー起源CO2排出抑制対策のための諸施策を抜本的に強化することを目指し、導入するものでございます。
 本税収を活用して行う再生可能エネルギーの普及拡大、低炭素産業の国内立地の推進、省エネ機器等の普及促進、革新的技術開発の促進などの諸施策は、新たな市場や雇用を創出する効果があり、我が国産業の活性化にも寄与するものだと考えております。
 また、本税制は、CO2排出量に応じ広く薄く負担を求めるものでございますが、企業に急激な負担増とならないよう、税率を足掛け五年程度掛けて段階的に引き上げるほか、燃料の生産・流通コストの削減や供給の安定化などの支援策を併せて講じることとしております。
 以上のような措置を講じることにより、本税の導入に伴う産業界への影響はできる限り小さくできるものと認識をいたしております。
 以上です。
#232
○竹谷とし子君 製造業は今非常に厳しい状況にあると思います。製造業は、我が国産業の重要な部分を占めていて、雇用を生み出すという点で非常に大きな影響力があります。そこに多大な負荷を掛けて海外に移転してしまう、また競争力がなくなって倒産をしてしまう、そのようなことから雇用が失われるということがあっては本末転倒ではないかというふうに思います。
 CO2削減、環境の保全というのは非常に重要なものであるというふうに考えますが、影響を受ける産業の状況を踏まえた上で、スムーズな導入、バランスを取っていく必要があるというふうに考えます。この影響を受ける産業に対する配慮の必要について、今、経産省からも伺いましたが、環境省の御見解をお伺いいたしたいと思います。
#233
○大臣政務官(高山智司君) 竹谷委員にお答えをいたします。
 この地球温暖化対策のための税というのは、税制による地球温暖化対策を強化するとともに、エネルギー起源CO2排出抑制のための諸施策を実施していくというためのものでございます。ですので、我が国における現下のエネルギーをめぐる状況を受け、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの拡大など、エネルギー起源CO2の抑制対策の推進は、震災以前よりも一層重要となっております。
 地球温暖化対策のための税は、CO2の排出量に応じて広く薄く負担を求めるものでありますが、更に経済への影響等に配慮する観点から、税率の引上げを段階的に行うなど、地球温暖化対策に資する分野やエネルギー集約度の高い産業等に負担軽減策も講じることとしております。
#234
○竹谷とし子君 是非、バランスを取った導入をお願いしたいというふうに思います。
 最後に、特別会計法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 本法律案において復興特別会計が設置され、復興に係る歳出歳入が全てこの復興特別会計を原則通じて行われるということになり、復興資金の透明化が図られていくと考えております。
 本日は、この透明化という視点で、具体的にどのような仕組みとなっているかお伺いしたいと思います。
 まずは、復興予算の執行状況の開示について、当委員会でも三月二十二日に自民党の古川委員も御質問されていらっしゃいましたが、二月二十二日時点の復興予算の執行状況、これが復興庁のホームページに掲載をされています。お配りした資料の一番最後から二番目です、次のページに付けさせていただきました。
 この執行率を省庁横断でまとめて開示をしていただきたいということについて、私も繰り返しこの財政金融委員会で訴えておりました。復興庁が設置されて、このように開示をしていただいたということは非常に有り難いことだというふうに思いますし、財務省にお願いしていたことがきちんと引き継がれたのだなというふうに思っております。
 一方で、この執行率ですけれども、省庁別になっておりますけれども、これを作るときに、現場からの情報を積み上げて作っていると思います。様々な委員会でこの中の中身について、各項目について執行率がどうなっているか、例えば瓦れき処理、これはどこまで執行されたかというような質問が現場の御担当者の方にいろんな議員から行くと思います。そのたびにレクをするといったそういう業務が発生していると思いますけれども、是非この開示の仕方について、項目をもっと細分化していただいて、そういった問合せを、ここを見れば分かるようにしていただきたい。
 さらに、その項目ごとにどこの相手先に支払ったのか、各自治体、また独立行政法人などの行政機関、また業者に払ったのならそれまで明らかにしていただいて、一体どこでお金が止まっているのか、どこまでお金が届いているのかということまで分かれば、何がネックになっているのかということを分析するのも少し容易にできるようになるのではないかというふうに思います。これについて復興庁にお伺いいたしたいと思います。
#235
○副大臣(末松義規君) この資料にございますように、今執行率が五四・六%ということでございますけれども、これ、ここの注の3に書いてございますように、この執行額の中の執行ということのちょっと定義、新たにいたしまして、これはどちらかというと簡便なといいますか、通常、公共事業だと三、四か月に一回、執行率というような形あるいは発注率という形で詳細なデータを基にどんどんまとめていくところがございますけれども、今回、大震災で本当に大幅な人員減の中でさらにいろんな復興の事業を、今だと復興交付金のための資料作りでこのたくさんの資料が必要だと、こうなったときに、やっぱり現地でこれはもたないというのがございまして、それで、先生御指摘のように、確かに項目別ごとにとか支払の相手先ごとにこの金がどこまで行っているか、これを調べられるようにするのが理想的なんです。理想的なんですが、そういった自治体とかいろんな、まあ自治体に当然問わなきゃいけなくなるんです、その場合は。そして、それから各事業者にあてて、どこまで払ったのと、あるいは今どういうふうになっているのと、全部一件一件聞かないといけなくなってくるんですね。
 それをすると非常に過大なやっぱり負荷が生じますので、そこのために、今、この注3でありますように、例えばこの公共事業系、トンカチ系については事業計画に記載された事業費等の金額というものをまとめた。それから、例えばサービスとか雇用対策とか、ソフト系とでもいいますか、こういったことについてはいろんな形で協議を地方ともしていって、そして内示をした金額、この二つをまとめて執行額という形にしたところでございます。
#236
○竹谷とし子君 今おっしゃられたように、確かに地方自治体に聞いてそれを国が公表するというのは非常に手間が掛かりますけれども、国がどこまで支払ったのかということは分かるはずです。そこまででもせめて出していただければ、あとは地方自治体、例えば宮城県には幾ら行っている、仙台市には幾ら行っている、南三陸町や女川町や石巻市には幾ら行っている、そういったことまで分かれば、それだけでも有用なのではないかと思います。あとどのように使ったのかというのは、その自治体に次は開示の責任が出てくるのではないかというふうに思います。
 ですので、もうちょっとこの執行状況について、国が分かる範囲ででも速報ベースできちっと開示をしていくことは非常に有用であるし、国民からも監視の目が行き届きやすくなるというふうに思います。
 続いて、復興予算、復興のまた決算の開示をどのようにするかということにつきまして、これは私は時間が掛かっても、一次、二次の補正予算の分も含めて復興に幾ら掛かったのか、何がその結果としてでき上がったのかということを、税金を御負担してくださる国民の皆様、また被災地の方々のためにも開示をすることが政府としての責務であるというふうに考えております。これも繰り返し訴えさせていただきましたが、今その方向で、それに向けて御努力をしてくださっているというふうに伺っております。
 この一次、二次、三次補正予算のお金の流れというのが、一次、二次と三次で少し違うというふうに考えております。この特別会計、復興特会は平成二十四年度からできるということで、一次、二次補正予算については含まれない、三次補正予算のところから復興に係る資金の項目にラベルを付けて把握することとなっておりますので、一次、二次補正予算についてはほかの項目と合算されているというふうに、紛れ込んでいるというふうに財務省から聞いております。
 この三次補正予算は、これ不用額が出た場合一年繰り越して、その不用額が出た場合というのはまた特別会計に戻ってくるというふうに今回の法律でなっていると思います。一次、二次補正予算の分というのは、復興特会に戻らずに、一旦不用額は一般会計に戻る。そして、剰余金については、公明党も提案させていただきまして、復興債の償還に優先的に充てていくようにするという、そういう法律にしていただきました。この中できちんと復興にかかわる資金の流れというのがラベルを付けて分かるようにしていただく仕組みになったというふうに思っております。
 一方で、この復興資金の中には、資料の一番最後に付けさせていただきましたが、復興関連の基金、自治体や行政機関に基金としてつくられるものがあります。これ、基金化した場合に、政府の方でそれがどこまで執行されているのかということについては把握できないと思いますけれども、この復興関連の基金についても、一次、二次補正予算と三次補正予算でつくられた基金ではお金の流れがまた変わってくると。ここまで来るとやはり少し複雑だなという感じがいたしますけれども、この復興関連基金も含めて、復興庁できちんとモニタリングをして執行状況を国民に開示するべきだというふうに考えますけれども、御答弁お願いいたします。
#237
○副大臣(末松義規君) 復興庁ができる前は、復興関係基金、これは各省がしっかり管理をしておられました。その後、復興庁ができてから、先生御指摘のように、これはできるだけ復興庁が最終的に取りまとめて、その報告、そしてディスクロージャーですか、これについてはやっていくべきだと考えております。
 実際の基金の管理については、基金が設置されています、例えば自治体とか財団とか、そういったところで適切に資金管理が行われていると思いますけれども、それを報告してもらって、それを今度は国民に対してきちっと復興庁が取りまとめて、そして国民に対して実際にディスクロージャーしていく、これを復興庁としても関係機関と省庁とも連絡し合いながら協議していきたいと思っています。
#238
○竹谷とし子君 私は、この委員会で復興予算の審議が行われている中だったと思いますけれども、阪神・淡路大震災のときに復興予算が約五兆円というお話を伺いまして、それは何に使われたかということを財務省に質問させていただいたときに、分かりませんというお答えがありました。それから考えますと、今回、様々な取組によって財務省また復興庁でこのように開示に向けて取組をしていただいているということについては、率直に感謝申し上げたいというふうに思います。これからも、また被災地から情報をいただくということは、当然復興業務が自治体の方々にとっては優先していただくべきものでありますので、これは開示というのが後になることはやむを得ないというふうに私は思いますけれども、引き続きこれについてのお取組をお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#239
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 今日は五十分間の質問時間をいただきました。両筆頭理事、今はちょっと離席中ですけれども、御配慮に感謝を申し上げたいというふうに冒頭申し上げます。
 それでは、先週に引き続きまして、まだちょっと金融庁は来ておりませんけれども──はい、お願いします。済みません。
 じゃ、続けさせていただきます。先週、AIJの問題を取り上げましたけれども、積み残しがありますので、そちらから始めさせていただきたいと思います。
 まず、自見金融担当大臣にお伺いしますけれども、前回の委員会で投資一任業を登録制に変更したことに関しまして、自見大臣の答弁、何と言ったかといいますと、唐突に投資顧問業が参入してきたという印象と、こうおっしゃられまして、ネガティブとも取れる発言を行いました。その後、私が間違いだったということですかと問いただしたところ、質問とは全く無関係な答弁をされまして、はっきりとはお答えになりませんでした。
 まずは、先日の大臣の発言の真意をお伺いしたいと思います。
#240
○国務大臣(自見庄三郎君) 私がたしか申し上げたのは、一九九〇年に私は、申し上げたと思いますが、自民党の社会部会の副部会長でございまして、それまで年金のことは信託銀行あるいは生命保険会社がずっと受託をしていたと思っておりますが、何か急に集まれというような感じで会合を開いたら投資顧問業を年金受託業者に入れるということでございまして、後から調べてみると、投資顧問業法が当時、八六年に大蔵省あるいは大蔵部会でできて、なおかつ一九九〇年、これも後から知ったことでございますけれども、日米金融協議が開かれて、それを契機として投資顧問業が一九九〇年から年金受託業に参入したということでございまして、それからまた一九九七年、先生も御存じのように五・三・三・二規制の廃止ということがございまして、大きく金融ビッグバンというのが、橋本龍太郎さんがたしかやられたころに始まったと思っていますけれども。
 そういった意味で、私は、自分の感想として、投資顧問が参入していったときに本当に唐突に社会部会でそういう議題になったなということを申し上げた次第でございます。
#241
○中西健治君 そうしますと、今の発言、ちょっとよく分からないんですが、投資顧問業を登録制にしたことは誤りではなかったというふうに考えているということでよろしいですか。
#242
○国務大臣(自見庄三郎君) そこのところについては、この前、二〇〇七年から投資運用業務に係る認可制から登録制に変わったということでございますが、これは先生もう御存じのように、金商法は、例えば土地の信託に関する会社は金商法で新たにくくるということをいたしまして、先生はもう御存じだと思いますが、約百近い会社が増えたわけでございます。当時、土地にかかわる金融商品取引法の施行によりまして一任業者の数が急に百社近く増えたわけでございますが、この増えた理由は、不動産の信託受益権の運用業者を実は金商法の中に取り込みまして、そういったことがあって、大変反対があったのも事実でございます。それまでほとんど規制がなかったのに金商法の中に取り込むということで、非常に反対があったというようなことは記憶にいたしておりますけれども、そういったことで、必ずしも、大きな流れでいえば規制緩和でございますけれども、部分部分でいえば横串を刺したといいますか、金商法はそういう側面もあったというふうに考えております。
#243
○中西健治君 端的にお答えいただきたいんですが、認可制に戻すということはないということでよろしいですね。
#244
○大臣政務官(大串博志君) 事実関係を含みますので、ちょっと私の方から一点御指摘させていただきますと、御案内のように、十八年の金商法整備の際に認可制から登録制へと移ったわけでございます。
 今般の事件、これを受けまして、私たち検査を行ってまいりました。御案内のように、検査、エグジットいたしまして、勧告を受け、行政対応をやってきております。さらに、犯則調査の段階に入っておりまして、ここからもいろんな事実関係が現れてこようかというふうに思っています。
 一方、この業全体に対して一斉に調査を掛けておりまして、一次調査から二次調査へと進み、その中で、全業態における問題点があるのであるか、その辺を探っていこうというふうに思っています。
 そういった中で、今回認可制から登録制へ変えたことの何がしかの影響があったのかなかったのか、こういったことも含めてしっかり分析をした上で再発防止策に関して予断なく考えていきたいというふうに思っています。
#245
○中西健治君 分かりました。じゃ、検討課題だということですね。
 今回の事件を受けて、ずさんな運用の再発を防ぐために資産を管理する信託銀行が警告を発する仕組みを導入しようとしているというふうに伺っておりますが、これは私は大賛成ということであります。
 お聞きしたいのは、監査法人、やはり当事者のうちの一つになる監査法人に関してはどうするのかということです。一部の監査法人は駆け込み寺と呼ばれておりますけれども、そうした状況を金融庁若しくは監視委員会、しっかりと認識しているでしょうか。
#246
○大臣政務官(大串博志君) いろんな業界における風評といいますか評価といいますか、あるというのは常に、この業界も含めての常であろうというふうに思います。個別の監査法人に関する評価は別といたしまして、一般論として申し上げれば、これは非常に重要な公認会計士の仕事、企業財務情報の信頼性を確保するという意味において極めて重要でございます。ですから、この監査法人が職責を果たさない、あるいは適正な監査を行わないということになるとすれば、これはもう法令に基づいて職業専門家としての責任は問われることになろうと、極めてそういう意味で重要な役割だろうというふうに思っています。
 ですから、私どもとしても、これはいろんな監督のルールがございますので、その中を通じまして、きちんとした監督、調査を行った上で法令にのっとり厳重に対処していきたいというふうに思っています。
#247
○中西健治君 是非しっかりと対応していただきたいとお願いを申し上げます。
 年金や年金基金には、投資顧問会社が設計、運用する私募投信のほかに、仕組み債といった形で、複雑な為替連動債ですとか、金の価格にリンクしている債券ですとか、クレジットリンク債ですとか、こうしたものが多数証券会社から持ち込まれていて、よい顧客になっている、要するに食い物にされているということをよく耳にいたします。以前は宗教法人ですとか学校法人などを顧客としていたのが、年金にも手を広げて、コンプライアンスの緩い一部の外資系は、過剰とまで言える接待、温泉接待などもやって売り付けているということも耳にするわけですが、そうした状況の認識はどうでしょうか。
#248
○政府参考人(細溝清史君) 証券会社を含む金融商品取引業者につきましては、委員御案内のとおり、金商法に基づきまして、顧客属性等に即した適正な投資勧誘の履行を確保するという必要がございます。また、金商業者向けの監督指針では、商品内容やリスク等の十分かつ適切な説明を行うといった仕組み債販売の際の留意事項を明記しているところでございます。
 私どもといたしましては、こうした監督指針に沿って、証券会社における販売体制の整備状況、顧客属性に即した適正な投資勧誘の履行等、金商法等の法令遵守状況をモニタリングしているところでございます。
#249
○中西健治君 特に、年金、年金基金に対してそうした適正とも思えない投資勧誘が行われているということについて、実情を把握されていますでしょうか。
#250
○政府参考人(細溝清史君) 今までのところ、仕組み債販売に関しまして、金商法上の適合性の原則違反に起因する証券会社への行政処分の事例はございません。ただ、一般論として申し上げれば、仮に問題が認められた場合には法令に基づき適切に対応したいと思っております。
#251
○中西健治君 行政処分の事例が出てからでは遅いというふうに私は思うんです。検査を行う中で、どのようにこの仕組み債の販売及び顧客先への投資勧誘が適正かどうかというのを確保しているんでしょうか。
#252
○政府参考人(細溝清史君) 証券会社を始めとする金融商品取引業者が、そうした複雑な仕組み債等の販売において適正な顧客保護体制といいますか販売体制を整備しているかどうか、これは私どもの監督のポイントにもなっておりますし、また検査におけるポイントにもなっております。そうした日々の監督、検査を通じて、そうした適正な整備状況をモニタリングしておるところでございます。
#253
○中西健治君 温泉旅館での接待とか、把握していますか。
#254
○政府参考人(細溝清史君) 個別の事案について申し上げることは差し控えたいと思っておりますが、私ども、こうした証券会社を含む金融商品取引業者について、常に法令等を遵守するように監督しておるところでございます。
#255
○中西健治君 そもそも金融庁及び証券取引等監視委員会は、年金や年金基金の運用というのは実態は知らないはずですよね。
#256
○大臣政務官(大串博志君) 今、るる監督面での対応あるいは検査面での対応に関しての御議論もいただきました。この点に関するいわゆる適合性の原則というもの、これは金商法の四十条における一つの号であって、顧客の知識、経験、財産の状況を目的等々に照らして不適当と思われる勧誘を行ってはならない。これは、金商法を証取法から作っていく際に私たちとしては極めて重要なものとして重点を置いた原則でございます。その以前においてはいろんな勧誘方法がありました。それが顧客の知識や目的や状況に照らさず不当な、あるいは不適当な勧誘の結果につながっていたということがあるものですから、この金商法のときには極めて重要なものとして私たち考えてまいりました。
 これも踏まえて、監督指針の中においても、デリバティブ取引に類する複雑な仕組み債あるいは投資信託の販売を行う場合についてもこれを非常に重視していかなきゃならないということも書いています。これは金融庁全体として、適合性の原則は新たなこの事後チェック型行政の中における金融監督・検査における重要な事項として私たちは非常に胸に重く置いて取り組んでいきたいというふうに思っております。
#257
○中西健治君 依然としてやはり不適切な投資勧誘が行われているようだ、そんなようなことを耳にしますので、是非ともしっかりやっていっていただきたいと、そういうつもりで申し上げております。
 厚生労働省が年金基金の資産運用指針の見直しを行おうと今考えているようですが、六月ぐらいまでに新しい指針を出してくるということですけれども、以前あった、債券は五割以上だとか株式は三割以下だとか、そんな資産ごとのカテゴリーつくったって実は意味がないんです。債券の形で幾らでも仕組み債というのはつくれちゃうということになるので、当然これ実態把握ということをしていかなきゃいけないわけですけれども、今、年金の運用サイドは厚生労働省が管轄になっていますけれども、金融庁は厚生労働省と共同して年金の運用の実態調査をするべきなんじゃないでしょうか。
#258
○政府参考人(細溝清史君) 今御指摘のとおり、厚生年金基金の運用体制等に関する実態把握につきましては厚生労働省において行われていると承知しております。一方、投資一任業者につきましては、現在、金融庁におきまして全ての業者に対する一斉調査を行っているところでございまして、その中で、年金基金との契約の有無等を含め、実態把握に努めているところでございます。両省庁の調査によりまして年金の運用の実態把握が進んでいくものと考えております。
#259
○中西健治君 金融庁が投資一任業者を今検査しているというふうに言いましたけれども、そういうことだと思いますが、申し上げたとおり、証券会社が仕組み債を売るという、こういう実態もあるわけですよ。そうすると、年金側をしっかり調査していかなければ実態は分からないということになるじゃないですか。
 そうなりますと、やっぱり金融庁と厚労省が年金運用をしっかりと調査しなきゃいけないというのが私のポイントなんですが、それに対してはどうお考えでしょうか。
#260
○国務大臣(自見庄三郎君) 年金基金の資産運用には、年金基金のガバナンスの全般や年金の負担、給付の設計と不可分の関係にあること等を踏まえて、年金制度全体の一部としての厚生労働省が所管してきたものと承知をいたしております。先生御存じのように、例えばアメリカにおいては、企業年金の資産運用に係るERISA法は、これ金融当局ではなくアメリカの労働省が所管をしております。
 いずれにいたしましても、証券取引等監視委員会による今般の検査結果や投資一任業者に対する一斉調査の結果等を踏まえて、先生の今言われました御意見もしっかり胸に秘めながら、あらゆる選択肢を排除することなく、この年金行政を所管する厚生省を始め関係省庁とも密接に連携しながら、金融庁、証券取引等監視委員会が総力を挙げて再発防止に努めてまいりたいというふうに思っております。
#261
○中西健治君 是非とも、申し上げたとおり、年金の資産運用サイドというのは厚生労働省と金融庁の共管とすべきであるということを、金融庁からは少なくとも求めていくべきではないかなというふうに私は考えております。
 証券取引等監視委員会や財務局のマンパワーですとか金融行政の効率性、検査を受ける側の大きな事務負担を考えますと、いわゆる立入検査、オンサイトの検査の数を大幅に増やすことというのは正しい処方箋だと私は思っておりません。それよりも、投資顧問会社や年金基金に対する調査書徴求等のオフサイトモニタリングの質を高めることによって、先週議論したリスクベースの判断、これをもっと有効にやっていくということが必要なんじゃないかなというふうに思いますが、それについてはいかがでしょうか。
#262
○政府参考人(細溝清史君) 御指摘のとおり、オンサイトの検査とともに、監督当局におきまして適切なオフサイトモニタリングを実施していくということは非常に重要なことだと考えております。
 そうした観点から、金融庁といたしましては、オフサイトモニタリングとして、事業報告書等様々な情報の収集、分析を行う、必要に応じてヒアリングを行うといったことなどによりまして、金融商品取引業者の業務の状況を把握するように努めているところでございます。
#263
○中西健治君 是非とも、オフサイトモニタリング、そしてリスクベースの判断というのが、ちょっとリスクベースの判断というのは、この間も議論しましたが、漠として分からない部分もあるので、やはり質を高めてもらわないといけないだろうというふうに思っております。
 そして、今回の事案を受けて、いわゆる独立系の投資顧問会社との契約を打ち切るということが相次いでいるようでありますけれども、私自身は、この独立系の投資顧問会社は志が高いところがたくさんあるということをよく分かっておりますし、よく知っておりますし、あと、異なる運用哲学ですとか運用手法を用いる投資顧問会社の存在というのも市場に厚みを持たすためには非常に大事だというふうに思っていますが、今回の事案で逆風が吹いている、それに対して金融庁としては何か手を打つというお考えはあるでしょうか。
#264
○大臣政務官(大串博志君) 今委員は市場の厚みということをおっしゃいました。まさにその点が非常に重要であって、今回、金商法を作っていく中でもプロ・アマ規制の見直しとか、あるいは先ほどこの認可を登録制にしたときの考え方において横串を通す、横断的な規制ができるようにするとか、あるいは金融イノベーションを促進できるようにすることとか、そういったことも考えながら私たちやってきているわけでございます。
 そういった中で、今回の事件をもってして金融全体がシュリンクしてしまう、風評被害的なものがあってはいかぬというふうに一方で思います。そういったことを避けていくためには、一つには、今回の事案における何が悪かったのか、何が問題であったかということをきちんと把握し分析していくということが必要であるというふうにまずは考えます。そのために、今、全体的なチェックをやっていて、これをまずやり抜くこと、だから、どこに問題点があったのかということが分かればどこには問題点がないということが明らかになっていくというふうに思っています。
 こういったことをきちんと一つ一つやり抜くことによって、市場全体の厚みあるいは流動性、こういったものが経済の成長を支えるために欠くことのないように頑張っていきたいというふうに思います。
#265
○中西健治君 是非とも検査結果の発表を早めにしていただいて、市場の透明性を確保するということをしていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 それでは、安住大臣にお伺いしたいと思います。
 三月十六日の予算委員会で、私はネガティブ・プレッジという言葉を使いました。これは担保提供制限条項という社債市場で通常見られる条項ですけれども、年金交付国債や復興債で、その償還財源として消費税、所得税増税分や政府保有株式の売却等の税外収入を取り分けてしまうということは、一般国債の保有者からすると償還財源がその分制限されるということになるので、投資家保護並びに一般国債の信認の観点からは問題をはらんでおります。
 そうした問題意識から安住大臣の認識をただしたところ、安住大臣は中西ワールドなどと発言をいたしまして、私がまるで特殊な別の世界の話をしているような発言をされましたけれども、発言の趣旨を再度伺わせていただきたいと思います。
#266
○国務大臣(安住淳君) この間の続きの話を是非と思っておりました、私も。
 私は、中西さんの経歴が大変、経歴ですから、そういう意味でのプロの中西さんの世界ということを申し上げました。私としては、もうネガティブ・プレッジという認識は分かりませんでしたので、その場で教えていただいて、その後、ただ、私のちょっと感想をいいですか、申し上げて。
 これって、社債の発行体の存在の永続性があるかないかを前提として、清算時にそれが担保できるかできないかということでお話があったんですね。これと、私はやっぱり日本国債の徴税権というのは永続なものであるという前提に立つと、これで当てはまっている議論と、少々、国債の優先度を決める話というのは、比較をするのはちょっと無理はあるのではないかなと私は思ったんです。
 ただ、中西さんとその後、個人的には話をして、つまり、政策の優先度、それに基づく国債をどういうふうに、例えば復興債もそうですね、それから今回の、例えば私どもでやった交付国債、あらかじめ、そういうものに対して我々としてはインセンティブが高いので、ここに、まあ言ってみれば財源の一定のものを担保するということを政策の優先順位として決めたということを私は申し上げたわけです。
 これを逆に社債に当てはめて言うと、言わばこういうものに貴重な財源を寄せてしまうと、まあ公債を買っていた人たちがこの社債的考え方でいえばやっぱり納得をしないんじゃないかという御指摘だったものですから、そこに対しては、日本国債の発行は、これは徴税権に基づいて最終的な担保を行っているので、その比較というか、そういう言わばネガティブ・プレッジの考え方というのは、僕は当たらないのではないかということを申し上げさせていただいたということでございます。
#267
○中西健治君 国と企業に違いがあるというのは私も重々承知して質問をさせていただいているわけですが、まさにその徴税権が一部、要するに消費税というもので増税をしますよというものが、一般国債の投資家からすると取りにいけなくなってしまうということが問題なんだろうというふうに思っているのと、あと、日本国は必ずデフォルトしないんですよという前提にはなかなか立てないというのが、安住大臣がこれまで財政が厳しいと言ってきたことなんじゃないかなというふうに思うので、そういう問題意識からすると、当然、一般国債の保有者からして、一部の国債にだけ取り分けられてしまうというのを法律で明文化してしまう、そうしたことはおかしいのではないですかというのが、私が思っていることでございます。
 ですから、やはり投資家保護の精神というのは、国債市場でも当然尊重されなきゃいけないですよねということについて、安住大臣に確認させてください。
#268
○国務大臣(安住淳君) それはもう御指摘のとおりなんです。
 そこで、今回、先生、例えば復興債については、我々としては税外収入と、それから復興債を充てることに対しては償還財源を決めてやりました。これはやっぱりある意味で、これを例えば仮に一般財源で一般歳出の中でやるとしても、やっぱりインセンティブは一番高いものであると、我々はそう思っております。
 ですから、そういう点からいえば、何といいますか、仮にそうだったとしても、やはり公債発行で賄ったとしても、今度はその償還財源というものはやっぱりしっかり確保していくという手法というのは、私は市場の中でも許されるものではないかなと思っておりますが、今委員御指摘の後段にあった、市場がどう見てるかということについては、十分我々も今、国債の管理政策の中で意識をしながらやっております。
#269
○中西健治君 現時点では、年金交付国債二・六兆円という話ですけれども、また来年以降も同じ手法を取るかもしれない。そうなってくると、やはり相対的な比重というのは高まってきますから、さらに、復興国債というのも、新手な国債として個人向けは特に別扱いで売っていたりしますから。やはり、そうしたものが増えてきてしまうということについては、当然、注意を払っていただきたい。
 あと、財務省が市場に対して新しいスキームと言うのであれば鉄板の説明ができる、そうなっていなければいけないだろうというふうに思うので、私は問題認識ということを申し上げさせていただきました。
 そして、この問題は、根源をたどっていくと、社会保障目的税と消費税をしてしまうということに行き着いていくということなんですが、そうした本質的な問題について、また別途議論ができるときがあれば議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 続きまして、やはり安住財務大臣にお聞きいたしますが、経済の好転ということについてお伺いしたいと思います。
 資料をお配りさせていただきました。実は、この間の予算委員会でも似たような資料をお配りいたしましたが、そのときには日本の名目GDPとそれから税収の推移、そうしたグラフを出してしまったものですから、経済の好転の話をしたかったんですが、安住財務大臣はその税収の推移の方に食い付いてしまいまして、そちらの方ばかりの議論になってしまいましたが、今日は、その九七年以降の税収が下がってしまっていることですとか税収の弾性値という話ではなくて、経済の好転というところに絞って大臣の認識をお伺いしたいというふうに思っております。
 特に、附則百四条が明記するところのこれまでの三年間、そして政府が新しい法案で増税を実施しようとしている時期までのやはり二年から三年間、これからの二年から三年間、それについてお伺いしたいと思います。
 予算委員会では、この附則百四条に規定されている、平成二十年度を含む三年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済条件を好転させるという法制上の措置を講ずる前提が達成されていると言えますかということについてお伺いしました。これは塚田委員もよくお聞きしているところなんじゃないかと思いますが。そのときには岡田副総理がお答えくださいました。必ずしもリーマン・ショック以前の状態に戻らなくても、戻る過程にあるということで十分だということを岡田副総理はおっしゃいましたけれども、隣でお聞きになっていた安住大臣はどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。
#270
○国務大臣(安住淳君) 先ほどもちょっと塚田先生にも申し上げたんですけれども、この法律の立て付けでいうと二十年、二十一年、二十二年ですから、これでいうと最後のところはちょっと上がり基調のところだったんですかね。だから、それだと多分、私が言ったのは、リーマン・ショックの後、なければ、やっぱりそのまま政権が違っていても消費増税の提案というのはなさった可能性があるということを先ほど申し上げました。
 それで、岡田副総理がたしか先生との話で質問に答えてお話をしたのは、リーマン・ショックが原因で一時的にこうなったのであって、それはまさしく一時的な要因であって、そのことをもって全てを判断するのは適切ではないと。そういう話から、元の水準まで戻らなければ条件を満たさないと考える必要はないと。まさしく戻る過程にあるということで十分だという認識だということなんですが、私もそういうふうな認識でおります。
#271
○中西健治君 このグラフを見て、戻る過程にあるというふうにお考えになりますか。
#272
○国務大臣(安住淳君) 四百八十一から四百六十八に落ちていると、ここは落ちているとは思います。しかし、この先がどうかというところに関しては、これはあながちそのまま落ち続けるということではないというふうに思っております。
#273
○中西健治君 一時的というのはアメリカのような場合に当てはまるんじゃないですか。二〇〇八年から二〇〇九年、リーマン・ショックで一旦落ちました。けれども、もう元に戻っていますよ。これを一時的というのであって、日本は二〇〇七年、五百十兆円以上ですよ。五百十五・八兆円もあったものが現時点では四百七十兆円を切っている、八%以上も下がってしまっているので、これがちょっと上がったからといって経済の回復とは到底言えないのではないか。少なくとも今までのところも言えないし、これからも少しの回復では言えないのではないか。それぞれについてお願いします。
#274
○国務大臣(安住淳君) アメリカは確かに累次の経済対策等々、これはFEDもいろいろなことをやりました。ですから、そういう点では回復基調にあることはこの傾向も示しているんだとは思います。
 日本の場合は、やっぱりここに東日本大震災もあって、やっぱり二〇一一年という年は特殊な年だったというふうに思っております。ですから、そういう点では、今後の経済動向等をやっぱり勘案しなければ、一概には景気の判断というのは言えないのではないかと思っております。
#275
○中西健治君 岡田副総理の答弁聞いて私すごく驚いたんですけれども、この間出したものは年度別のGDPを出しました。ですので、二〇一一年度は終わっていないので二〇一〇年度までの数字だったんです。それに岡田副総理は非常に不満そうで、二〇一一年度を出してくれと、こういう言い方をされたんです。二〇一一年度は回復しているという頭が岡田副総理の中にはきっとあったんです。そんなことあり得ないじゃないですか、震災があって。
 それだけ政府の景気に対する認識が薄いのが露呈してしまっていると思いますが、まさか安住財務大臣は、二〇一一年度、まだ終わっていませんけれども、景気が回復しているとお思いにならないですよね。
#276
○国務大臣(安住淳君) 平年で見れば、ああした大震災等もありましたし、その後のタイの洪水等もありましたから、そういう点では大幅に上昇しているというふうに見るのは難しいと思います。
#277
○中西健治君 大幅に上昇しているどころか、大きく下がっているというふうに見るのが通常なんじゃないですか、もう三月ですけれども。
#278
○国務大臣(安住淳君) 統計が出てみないと分かりませんが、傾向としてはそれは先生の言うお話も説得力はあるかもしれませんが、出てくれば分かりますので、決して、ですから私は、二〇一一年がトータルとしてかなり経済が良くなったとは、二〇一〇年に比べてですよ、そうは思っておりません。
#279
○中西健治君 来年度、復興需要などで少しは良くなっていくだろうと私自身も期待してはいますけれども、ただ、これまでの三年間の落ち込みが余りに大きい。もう何度も言いますけれども、リーマン・ショック前は五百十兆円以上だったのが四百七十兆円以下まで下がっているんです。となると、やはり経済の回復と経済の好転というのは何らかの数値条件で見ていかなければ、とてもじゃないけれども回復したなんて言えないんじゃないかというふうに私は思うんです。
 弾力条項も、よほどのショックがなければ増税を行うという意味だという趣旨の発言をされていますけれども、そうではなくて、やはりリーマン・ショック前までは少なくとも戻らなければいけない、そういうふうにお思いになりませんか。
#280
○国務大臣(安住淳君) デフレからの脱却をして、経済の状況を好転させたいということであらゆる政策を発動して、好転状況をやはりつくり上げて、そして消費税の引上げというものを実現したいと。私どもも、先生、別に消費税を上げて経済が悪くなることを望んでそんなことをやっているわけではございませんので、そこだけは申し上げておきます。
#281
○中西健治君 経済を悪くしてほしいなんて全く思っておりませんけれども。
 私が申し上げたいのは、やはりデフレから脱却する、経済成長をということを政府が言うのであれば、デフレ脱却も確かめられるであろう名目のGDPを使って、どこかにしっかりと数値目標を置くべきなんではないかというふうに私は思うんです。例えば五百兆、例えば五百二十兆、そうしたことをなぜしようとしないのか、お聞かせください。
#282
○国務大臣(安住淳君) GDPは一つの経済指標であると思います。ですから、もちろん名目、実質とも重要な数値となります。CPIもそうだと思います。しかし、だからといって個々個別の指標を、何といいますか、前提とするのではなくて、それらの経済指標に表れないものであっても諸要素を総合的に勘案をしてやはり判断をするということが必要だと思います。
 ですから、ある意味では政治の判断がやっぱり求められるものであるというふうに思います。
#283
○中西健治君 政治の判断をする前提として物差しが必要なんじゃないかなと私は思っております。
 税制改正についてお伺いいたします。
 地球温暖化対策税、税収がエネルギー特会に行ってしまうということの理由として、先日の本会議におきましては枝野経産大臣が受益と負担の関係を明確にするためという答弁をされていましたけれども、財務大臣としては、一般論としては特別会計をできる限り整理したいということだと思います。今回の税収がエネルギー特会に行くと、やはりエネルギー特会の肥大化につながるということも言えるんではないかと思いますが、それでよろしいんでしょうか。
#284
○国務大臣(安住淳君) 特別会計には様々あります。午前中の質疑の中で私申し上げたように、一番ピーク時で四十五本ぐらいあったということですが、これが今はだんだん減って、今度は十七を十一にいたします。ですから、委員御指摘のように、特に私は社会資本整備計画について申し上げましたけど、あれは本当に政治的に見ると大きな一歩であります。
 ただ、このエネルギー特会については、様々な御議論あるかもしれませんが、今回提案をさせていただくのは地球温暖化対策です。これは、私は決してその肥大化につながるものだとは思っておりません。というよりも、納税者の皆さんから見たときに、この上乗せ分を具体的にやはり温暖化対策に使わせていただくということをむしろ分かった方が納得をしていただけるのではないかと思っております。
 そういう点では、この財源をあらかじめ特定をして、使えるものを、ターゲットを絞るということは一つの選択肢ではないかと思っております。
#285
○中西健治君 これに続きまして、環境関連促進税についてもちょっとお伺いしたいんですが、これも以前、少しお伺いいたしました。
 環境関連促進税では、太陽光発電ですとか風力発電で即時償却が認められるということにするものですけれども、一方で、再生可能エネルギーの固定価格買取り制度が七月からスタートするということになっております。
 この二つの制度、固定価格買取り制度が、再生可能エネルギーの事業は、いや、もうからないんだと、利益が出ないから買い取ってあげますよという前提に立っております。それに対して、この即時償却を認めるというのは、要するに初めから利益が出る、それを前提としているということで、相矛盾しているのではないかというふうに私は思っております。これでは、本業で大きく利益を出しているところが税務上の損金をつくるために再生可能エネルギー事業に投資を行うということが促進されかねないと、こういう懸念を私は持っております。そして、皆さんの頭にも思い浮かぶような企業の名前があるんじゃないかと思います。私にもすぐ、本業でもうかっていて再生可能エネルギービジネスをやろうと、こんなふうに考えている企業の名前が頭に浮かびますけれども。
 そうした懸念を安住大臣に私が質問させていただいたところ、予算委員会では安住大臣は、事業規模の要件をきちんと設ける、本気でやる人を対象とすると発言されましたけれども、具体的にはどういう要件を設けるのでしょうか。
#286
○国務大臣(安住淳君) この問題は先般も先生から予算委員会で御指摘を受けておりました。私は、やる気のある会社、それから本気で事業規模の要件等を設けないとこれは駄目ですよと申し上げたわけでございますけれども、まずこれ、経済産業省の大臣がこれはちゃんと認定をいたしますので、そういう意味では再生可能エネルギー電気の発電が可能な設備ということですね。それから総出力が一定規模と、そういうことの要件を設けておりますから、私は、再生可能エネルギーの普及促進に資する設備のみを対象にしていると、この税制はですね、そういうふうに認識しております。
 具体的な要件規模なんですが、平成二十五年度三月三十一日までの間に取得したもの等のうち、太陽光を電気に変換する認定発電施設、その出力が十キロワット以上であること、それから風力を電気に変換する認定発電設備でその出力が一万キロワット以上であるものを即時償却の対象設備にしておりますので、そうした意味では明確な基準は設けております。
#287
○中西健治君 財務省内でも私と同じような問題意識を持っている人がいるというふうには伺っておりますが、これは一年間の法律ですけれども、これがまた延長されていくというようなときには、やはり一定期間たった後、いや、実はやっぱり損金をつくりたいところが多かったよねというようなことが確認されるのであれば、やはり運用を見直していかなきゃいけない、若しくは法律を見直していかなきゃいけないということになるのではないかと思いますが、そこら辺どのように検証していくか、お伺いいたします。
#288
○国務大臣(安住淳君) 先般も先生から、そういうことで、言ってみれば相矛盾していることがあるのではないかと、ですから、実際一年ぐらい運用してみてからよく考えなさいと。私どもも、そういう点では、このことで、むしろこの税制を使って、まあ課税逃れとは言いませんが、別の目的で使われるのは本意でございませんから、十分対応して調べていきたいと思っております。
#289
○中西健治君 続きまして、自動車税についてお伺いしますが、今回の税制改正では取得税の撤廃は見送られました。そして、重量税は僅かばかりの減税、〇・五トンにつき九百円、一・五トンだったら年間二千七百円にしかすぎない減税となりましたけれども、政治的な妥協がなされたというふうに理解しておりますが、なぜ抜本改革は先送りされたんでしょうか。
#290
○副大臣(藤田幸久君) 自動車重量税の当分の間税率についての御質問でございますけれども、今回の当分の間税率の見直しに当たっては、いわゆる環境性能に応じた税率水準を定めるということがございまして、それにCO2などの温室効果ガスの排出削減を促すということが基本になっております。
 どのような自動車にどの程度の軽減を図るかについては、国と地方のこの厳しい財政状況も踏まえた上で当たったと。したがいまして、今回の車体課税の見直しに当たってはこれらの観点を勘案して当分の間見直しを行ったということでございます。具体的には、燃費等の環境性能に関する一定の基準を満たしている自動車には本則税率を適用すると。それ以外の自動車に適用される当分の間税率については、平成十三年を超えた自動車を除き引下げを行ったと。
 今回の見直しは、新成長戦略実現に向けた税制措置として、ほかの政策手段、これはエコカー減税等と併せて産業空洞化防止や国内雇用維持に資するものであると、そんな形で適用したということでございます。そして、どの程度効果があったということについては、もし質問があれば資料はございます。
#291
○中西健治君 中途半端な重量税減税であるというふうに私は思っておりまして、千五百億円の税収減ということのようですけれども、千五百億円に見合うだけの経済効果があるのかどうかということについてお伺いしたいと思いましたが、資料があるということであれば今度見せていただきたいというふうに思っております。
 取得税に関しては、消費税との二重課税の問題もありますし、道路特定財源が一般財源化された今、もはや徴税根拠が失われておりますので、こうした自動車税というのはもう抜本的に見直して、消費喚起と地球温暖化対策の二点を勘案しながら再構築すべきであると私は思っておりますが、それについてはいかがでしょうか。
#292
○国務大臣(安住淳君) これは、そういう御指摘は十分あります。ですから、いわゆる二重課税問題をどうするのか。今副大臣からもお話あったんですが、実は取得税なんかはやっぱり地方にとっては非常に貴重な財源であるということで、税制改正の私、会長だったんですが、地方自治体はかなりこれに対しては維持をするようにという要請を私も受けました。
 我々自身も、重量税については、七千億ですから、これを一回でなくすというのはやっぱり財源的には非常に厳しいということはありました。ただ、委員御指摘のように、基幹産業であり、また自動車の販売台数そのものが国内の需要とも直結いたしますので、内需のですね、重要ではありますが、確かにこの消費税との税制上の言わば指摘、二重課税じゃないかと、こうしたことについてはやはり今後、消費税の引上げ等が本格的に行われるまでの間に十分整理をし、これは消費者の方からもできれば納得をしていただくような方法というのは考えなきゃいけないというふうに私は思っております。
#293
○中西健治君 金融庁に休眠口座のことについてお伺いしたいと思います。
 休眠口座の活用を内閣府の方で考えているということを聞いておりますが、財産権の侵害のおそれがあるという指摘に対してどのように考えていますでしょうか。
#294
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 休眠預金の活用の問題につきましては、現在成長ファイナンス推進会議で検討されているところでございますが、その検討を進める上では、古川大臣より、預金者からの支払要求には応じる仕組みとすることを、これを前提とすることとしております。
 しかし、仮に払戻しに応じるといたしましても、民民の契約でございます預金を強制的に移管させるという場合には、憲法上の財産権の関係を整理した上でしかるべき法的措置が必要になるのではないかというふうに考えております。
#295
○中西健治君 例えば諸外国の例を見ますと、カナダでは一旦中央銀行に預金を移管すると。そして、一定額未満の預金、千カナダドルということですけれども、預金は最後の取引から四十年間払出しの手続がないものに関しては使うということにしているようですが、そうした中央銀行を間に挟むというようなワンクッションを入れることによって財産権の侵害という制約は低くなるというふうにお考えでしょうか。
#296
○政府参考人(森本学君) 我が国におきましてこのカナダのような方法、すなわち、しばらくの期間公的機関で管理いたしまして、その後没収するといった方法を取った場合に、しばらく公的機関で保管すれば財産権の問題が少なくなるかということについては、まだ我が国においてはこの問題は検討中でございますので、にわかにはお答えしかねるわけでございますが、いずれにいたしましても、仮に強制的に移管する場合は財産権の保護といった問題について十分留意する必要があるというふうに考えております。
#297
○中西健治君 財産権の保護の問題のほかに口座の管理コストということもよく指摘されておりますけれども、その部分についてはどのように考えていますか。
#298
○政府参考人(森本学君) お尋ねの口座管理コストにつきましては、我が国の預金、これは大変口座数が多く、また休眠預金になった後も払戻し率が高いという特性がございます。したがいまして、今後、休眠預金の活用の問題を検討するに当たりましては、この休眠預金口座の管理コストの問題、これは重要な論点であるというふうに考えております。
#299
○中西健治君 では最後に、各銀行はもう既に会計上利益として認識してしまっているということになっていますけれども、そうした場合、法的に何らかの制約が出るのかどうかお伺いして、私の質問を終えます。
#300
○政府参考人(森本学君) 既に、既往の休眠預金につきましては、古川大臣より、これを休眠預金活用の対象外とするという検討の方針が表明されておるところでございます。
 それで、しかしながら、仮に過去の休眠預金を活用する場合、これは、その資金は言わば税務会計上は銀行に帰属するとみなした上で利益として計上しておるものでございますので、これを公的機関に移管する場合には税務会計上何らかの手当てが必要ではないかというふうに考えております。
#301
○中西健治君 ありがとうございます。
 終わります。
#302
○大門実紀史君 大門でございます。お疲れさまです。
 私の方も五十分ございますので今日はちょっと奥の深い問題を取り上げたいと、財務省とJBICの問題でございますけれども。
 元々JBICは、国際協力銀行は、財務省の天下りポストとか天下り団体ということで批判を受けてまいりましたが、二〇〇八年に統合されて、今日の時点でJBICは日本政策金融公庫の一部でございますが、四月の一日から分離独立してJBICとして独立する、単独になるということでございます。これは財務省の強い思いといいますか、働きかけもあったんだろうと思いますが、今日はその政策金融公庫の副総裁の渡辺さんに来ていただきました。お久しぶりでございます。
 ただ、渡辺さん、何やってきたか知らない方が多いと思うんで、ちょっと自己紹介をしてもらえますか。
#303
○参考人(渡辺博史君) どこまで遡るかでございますけれども、今の日本政策金融公庫に参ります前は一橋大学の大学院の商学部教授をやっておりまして、その前は財務省に一九七二年から二〇〇七年まで奉職しておりました。最後、辞める直前には財務官という仕事を三年間させていただいたと。そんなことでよろしゅうございましょうか。
#304
○大門実紀史君 これは財務省に質問いたしますけれども、昨日、財務省が、この四月一日から独立するJBICの設立委員会というんですか、これを開催されて、四月一日から独立分離するJBICの取締役候補四人を発表されて、その設立委員会で了承されたというふうに聞いておりますが、この四人の方はどなたですか。
#305
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 御指摘のような報道があったことは承知しておりますが、四月一日に発足いたします株式会社国際協力銀行の役員人事については、現在まさに諸手続を進めているところでございまして、現時点でお答えすることができないことを御理解いただきたいと思います。
#306
○大門実紀史君 ちょっとおかしいんですけど、私の方は聞いていますが、じゃ、こちらで言いますが、四人というのは渡辺さんと、星文雄さんですか、今の公庫の常務。原雅彦さん、公庫の常務。それと中西孝平さんという方ですけれども。このうち、星さんと原さんは元々財務省出身だと。つまり、四人、(発言する者あり)違うんですか、じゃ、ちょっと、ちゃんと答えてください。
#307
○政府参考人(木下康司君) 今先生、お名前を挙げられました四名の方は、現在の株式会社日本政策金融公庫国際協力銀行担当役員の四名だと思いますが、その四名について申し上げれば、財務省出身者は二人でございまして、一人は副総裁の渡辺博史、もう一人は常務の原と承知しております。
#308
○大門実紀史君 ちょっとこちらが聞いたのと違いますが、いずれにせよ、もう財務省出身者で取締役会を占めるという案が昨日了承されたということになっております。
 申し上げたいことは、結局、JBICのいろんな議論がありましたけれども、結局元の国際協力銀行、大変財務省の影響の強いところに戻るんだなということだと思います。
 それを踏まえた上で、資料をお配りいたしましたけれど、そのJBICと財務省が去年からちょっとおかしなことをやり出したんではないかということで資料をお配りいたしました。
 まず、この円高対応緊急ファシリティーというのは何なのか、説明をしてください。
#309
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 円高対応緊急ファシリティーでございますが、これは円高を攻めの観点でとらえ、円高のメリットを最大限活用して、海外企業の買収や資源エネルギーの確保などの日本企業の海外事業展開の積極的な支援をすること、及び民間円資金の外貨への転換の誘発による為替相場の安定を企図したものでございます。
 具体的には、外為特会のドル資金を国際協力銀行を経由して活用いたしまして、一年間の時限措置として実施しておるものでございます。
#310
○大門実紀史君 実は、これは去年の八月二十四日ですけれども、去年の十月に、お隣のみんなの党の中西先生が鋭い指摘をまだいろいろ始まる前にされております。私もそのときうさんくさいなと思っておりましたけど、もう半年近くたって、実際に中西先生や私が危惧した方向になってきておりますので、具体的に質問をしたいと思いますが、そもそも、これがなぜ円高対応なんでしょうか。これはなぜ円高対策に資することになるのか、もうちょっと具体的に説明してくれますか。
#311
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 国際協力銀行、いわゆるJBICは、融資をいたしますときに民間と協調して融資を行いますことから、今回の円高対応緊急ファシリティーが呼び水となって、民間企業や民間金融機関等の幅広い主体による民間資金の円売り外貨買いを誘発し、為替への円高是正方向への効果を有するものと期待しております。
#312
○大門実紀史君 ちょっと分からないんですけどね。もうちょっと具体的に言いましょうか。
 むしろ、私は円高に逆行するんじゃないかと、反対の、逆行する政策じゃないかと思います。要するに、円高対策というのは、円を売ってドルを買うということが円高対策の基本でございますけれども、この円高ファシリティーというのは、ファシリティーというのは何ですか。メニューですか。基金とかいろいろありますが、こういうことをやりますという意味ですよね。こういう難しい言葉を使わない方がいいですよ。円高対策でいいと思うんですよね。(発言する者あり)分かんないですよね。
 これは、そもそも企業というのは、元々何にもほうっておけば自分で円を売ってドルを買うつもりだった企業、そういう活動をしようと思っていた企業にわざわざ余計なお世話だと思うんですが、わざわざ外為特会からJBICがお金を、融資受けてそれを提供するということですね。
 じゃ、そもそもそれがなかったら、自分で円を売ってドルを買おうと、ドルに替えようと思っていた企業が、JBICからもうドルが来ちゃいますから円を売らないわけですよね。だから、円高対策にならない。円高対策になるはずだったものを打ち消しているわけですよね。だから、なぜこんなことが円高対策になるのかということがよく分かりません。むしろ逆行するんじゃないかと思いますが、今言った部分、そのとおりだと思うんですけど、いかがですか。
#313
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 今回の措置は、公的部門によるリスクマネーの供給や政策融資によりまして、日本企業による海外企業の買収や資源、エネルギーの確保などを促進することによりまして、民間の外貨買いを誘発することを企図したものでございます。
 先生御指摘のようなケースに、その潜在的な、いわゆる潜在的な外貨買い需要を代替する効果が生じるとしても、それを上回る民間の外貨買いの誘発効果があり、全体としての外貨買い需要が拡大することを期待したものでございます。
#314
○大門実紀史君 じゃ、その上回るという保証を言ってください。何で上回るんですか。
#315
○政府参考人(木下康司君) このような政策によりまして民間の外貨買いを誘発することになれば、全体として外貨買い需要が拡大することが期待されるのではないかと考えたものでございます。
#316
○大門実紀史君 こんなの素人だって分かりますよ。
 いわゆる呼び水効果とおっしゃいますけど、つまり、このファシリティーの外為特会からJBICに来た金利の安いお金でいろいろやればいろいろ促進されるとおっしゃいますけど、さっき言ったように、元々こんなものなくたっていろいろみんな自分たちの戦略でやるわけですよ、やるわけですよね。それを、このJBIC融資は、ドルをわざわざあげるから、さっき言ったように、円を売らなくなって、そこは逆行するわけですよね。ですから、そもそも、そもそもほっておけば円高対策になるのに、ドル資金を提供することによって円高から逆行すると。
 もう一つは、呼び水効果とおっしゃいますけど、それはおっしゃっているのはこういうことじゃないかと思うんですよね。JBICからお金を安い金利で借りてやるけれども、そのときは民間の協調融資も入るだろうと、民間の協調融資も入るだろうと。それは入るかも分かりませんが、元々全部民間の資金であったら一番円高対策になったわけですよ。打ち消しちゃっているんですよ、余計なことをやったために。JBICがドル資金を提供することによって、全部民間だったらば円をドルに替えたはずが、ドルに替えなくなった分だけ打ち消しているわけですよ。呼び水効果というのは全然違って、逆にもっと大きかったであろう円高対策を小さくしちゃっているんですよね。分かんないですか、そういうことが。
#317
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 確かに先生がおっしゃるように、その融資を受ける企業が外貨を持っておりまして、外為特会の外貨資金がそのままJBICを経由して外貨のまま使用されるというケースであれば、その部分だけとらまえれば為替の影響は中立的であるということは言えようと思いますが、先ほど申し上げましたように、JBICは民間と協調して融資を行いますし、この措置が呼び水となって幅広い主体による外貨買いを誘発すれば、全体としては外貨買い需要が拡大することが期待されるのではないかというふうに考えているわけでございます。
#318
○大門実紀史君 私は、さっきから簡単な足し算、引き算を言っているんですよ。全体があって打ち消しているわけだから、残ったところだから少なくなるでしょうと、円高対策効果がね。当たり前のことをおっしゃっているわけで、それ以上に呼び水効果がありますなんて訳の分からない話しないでくださいよ。当たり前の話でしょう、私が言っているのは。誰だって分かる話でございます。
 それで、もう一つは、こんなことをわざわざやらなくてもそういう多国籍の大企業というのは、こんなもうJBICがこんなところに出てこなくたって、独自で為替スワップとかいろいろやって、為替リスクを取って資金調達ぐらいできますよ。民間だって今お金余っていますから、民間金融機関だってね。こんな、わざわざ何のためにやっているのかと、訳の分からない政策でございます。
 もう一つは、このMアンドAというのは、なぜこんなものにこの公的な支援をするんですか。円高で困っている人たちを、たとえ大企業であろうと困っていれば支援してあげる、まだ分かりますよね。円高の強みを生かすわけですよ。だから有利なわけですよ。何でそんな有利なことをやろうとしている、有利なときに、自分たちの戦略を貫徹しようと思っているところに、なぜわざわざこんな支援をしなきゃいけないんですか。MアンドAをなぜ支援するんですか、これ。おかしなことをやっていないですか、これ。何の公共性があるんですか、これ。
#319
○政府参考人(木下康司君) やはり円高の状況の中で、その円高を単に是正するという努力をすることだけではなくて、円高をむしろ活用して海外企業の買収あるいは資源、エネルギーの確保など、日本企業の海外事業展開の積極的な支援をすることが日本の国富の増大にも資するというふうに考えたからでございます。
#320
○大門実紀史君 いや、分かりません。全然分からないです。安住さん、もっと分かりやすく答えられるんだったら、どうぞ。
#321
○国務大臣(安住淳君) やっぱり為替で、先生、七十円台とかになったときのメリットとは何ぞやといえば、やっぱり海外での様々なものが安く入るということは言えると思うんです、相対的に。そういうときに、これを呼び水なり誘発という言葉を局長が使わせていただいたのは、やはり企業の買収、つまり日本企業の海外での言わば富の蓄積をしやすくなる、これがMアンドAだと思います。
 ですから、この円高をある意味で利用して海外での企業買収等を活発にするための資金供給を安い金利でやらせてもらうと、そういうことがこのスキームの私は一番の肝だと思います。現にそういうことによって海外での企業買収等は進んでいる案件が随分出てきておりますから。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
 ただ、これは一方では、言わば市中の銀行との競合があったり様々な懸念もあるということは承知でございますが、しかし一方で、国内での生産拠点等で苦戦をしている企業にとってはやっぱり海外での言わば案件が安くなっている場合の買収にこの資金を使ってもらいたいと、これが、いわゆる国が富むと、国富と先ほど申し上げましたけれども、そういうことにつながるというスキームだと思います。
#322
○大門実紀史君 ですから、私は、こういう円高メリットのあるときに個々の企業がMアンドAをやることは、やればいいし、それはもう自由だし、なぜ公の資金を使って支援するのかと。
 今までやったことないですよね、JBIC法のときまではこういうこと、個別企業のMアンドAまで国が支援するというのはなかったですよね。なぜこんなことをやるのかということを聞いているわけです。こういう資金をもっともっと困っている人たちのためとか困っている中小企業のために使うべきですよ。
 MアンドAなんか、これはもうほっておいたって、今がチャンスだと思ってやるわけでしょう。なぜそれにさらに低利の融資をしてあげるような必要があるのかと、どこにこの公共性があるのかという意味を聞いているわけで、今の、民間がやるのはよく分かっておりますよ、公共性がどこにあるのかを聞いているんです。
#323
○国務大臣(安住淳君) これ、しかし、国策としてこのJBICは新生JBICに四月になるわけです。昨年、法律改正をしていただきました。JBICそのものは輸出入銀行に派生をして、そうした言わば案件に対して日本の企業が進出をするときの資金供給というものを比較的やってきた伝統があります。
 ですから、先生、そういう点からいえば、やっぱり市中銀行から借りにくい言わば資金を使って、こうしたものをやっぱり使って積極的に海外に、言わばMアンドAで出ていっていただきたい、そういう趣旨でこのスキームを設けているわけであります。
 ですから、そういう意味では、外為特会を使って、比較的やっぱり円高対策として企業にとっても非常に助けになるのではないかと私どもは思っております。
#324
○大門実紀史君 基本的に勘違いされていると思うんですけれども、実は私の兄貴も大企業でございますよ、海外展開やっているから。何も共産党だからといって知らないわけじゃないんです、よく知っているんですよ。
 その上で申し上げますけれども、そもそも企業の、後で名前出てきますよ、うちの兄貴の会社も、実はこの中に出てきますけれども、この国の、たかがJBICのこの枠がなかったらやるとか、やらないとかじゃなくて、やるんです、こんなものはなくたって。そんな偉そうにJBICが引っ張ってあげようとか、財務省のこのファシリティーの枠組みで引っ張ってあげようなんて関係ないんですよ。関係ないですよ。こんなものなくたってやるんですよ、それぞれの企業は。
 だから、それに対してわざわざこちらからおせっかい出してやってあげる、やってあげるというほどの公共性は、ほかにも資金の必要なところはあるから、ないだろうということを申し上げたいわけでございますし、安住さん、これは余りかばわない方がいいですよ、これに関して言うと。ほかの政策全域のことは財務大臣だから仕方ないと思いますが、このJBICと財務省とのこの深いやみはカバーされない方がいいというふうに思います。
 去年の十月五日に経団連にわざわざこのスキームを説明に財務省から岡村課長さんが行っておられますね。何を説明に行ったんですか。
#325
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 昨年八月、この措置を発表した後、この措置の活用促進に向けて、経団連でございますとか、日本商工会議所等の経済団体への周知を行ったところでございます。
 先生御指摘のその経団連への周知を行う際に、経団連側より、政府の円高対策の取組全般について、担当官、課長レベルでの実務的な説明を求められたことから、昨年十月五日、内閣府とともに経団連に担当者が往訪し、内閣府が政府の円高対策の取組全般を説明する中で、その取組の一つとして、財務省からも本措置について実務的な説明を行ったものでございます。
#326
○大門実紀史君 私の方も資料を入手しておりますけれども、要するにこの外為、JBIC、このファシリティーの資金を使ってくれということをおっしゃって、金利がかなり低くなりますからというようなことも説明されて、むしろ質問が、私と同じ質問が出ているんですよね、これは。何でこれが円高対策になるんですかと、間接的で余りなりませんみたいなことをおっしゃっているわけですよ、現場では。だから、そういう、現場ではよく分かっている、これは円高対策でも何でもないと。何か分からないけれども使ってもらいたいというようなスキームで説明に来られたということでございます。
 もう一つ聞きたいのは、このさっきの表の中には、別にそんな大きな、海外展開する中の大きな企業だけじゃなくて中小企業への支援も入っていますよね。これ、中小企業団体に使ってほしいと説明に行かれたんですか。
#327
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 国際協力銀行は、中堅中小企業向けの海外事業展開支援は極めて重要と考えていると承知しておりまして、中堅中小企業向けセミナーや相談会等を各地で開催していると承知しております。
 今回のその措置、ファシリティーにつきましても、中堅中小企業による利用も対象としており、利用可能でございまして、本措置の活用促進に向けて、様々な機会を通じて中堅中小企業への周知にJBICが努めてきているものと承知しております。
#328
○大門実紀史君 私が聞いたのは、経団連は財務省が説明に行かれましたよね。中小企業団体に財務省が行ったり説明会をされたんですか。こういうのができましたということで、利用してくださいというのは財務省としてやられましたかと聞いているんです。
#329
○政府参考人(木下康司君) 中小企業団体そのものについて財務省自身が主催をしてやったということはございません。
#330
○大門実紀史君 この中小企業の問題は後で取り上げますけれども、さっきの話に戻りますけれども、この外為特会の資金を使うとJBICが独自に調達した資金に比べて金利は、利息はどれぐらい安くなるんですか。
#331
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 外為特会からJBICへの貸付金利とJBICの市場からのドルの調達金利を比較いたしますと、外為特会からの貸付けにより、JBICの調達金利は〇・三%から〇・六%程度安くなっております。
#332
○大門実紀史君 これはあれですよね、巨額の資金だとこれは大変大きな差になりますね。この枠組み十兆円ですけれども、十兆円で、間の〇・四を掛けたら四百億ですか。〇・五を掛けて五百億ですから、相当の、何といいますか、政策的な手段になるわけでございます。
 この円高ファシリティーの今の進捗状況を三枚目に資料を出してもらいましたけれども、何か直近でもう一つ増えたとかいうこともあるみたいですので、ちょっとこれ説明してくれますか、増えた分も含めて、今どうなっているか。
#333
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 円高対応緊急ファシリティーの昨年八月末の発表から本日までの実績としては、ここでは九案件でございますが、今日までの実績としては十案件、総額四十一億四千万ドル、邦貨にいたしまして約三千四百三十億円の融資契約が調印済みでございます。
 最後、一つ付け加わっておりますのは、借入人が大阪ガス、中身は豪州におけるLNG開発事業ということで、三月二十三日に発表されております。JBICからの融資額は二億一千万ドルというふうに承知しております。
#334
○大門実紀史君 MアンドAは、このお配りしたやつでいくと四番目と五番目がMアンドAということでよろしいですか、ちょっと確認で。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
#335
○政府参考人(木下康司君) 結構でございます。
#336
○大門実紀史君 じゃ、この全体、この表にオーストラリアのLNG、大阪ガスが加わったということですが、この案件を選んだ理由は何でしょうか。もしあれだったら、どうぞ。
#337
○参考人(渡辺博史君) お答え申し上げます。
 今の議員御指摘のように全部で十件、うち資源案件が八件、それからMアンドAの案件が二件ということでございますけれども、資源につきましてはどうしても金額がある程度大きくなってくるという状況がございます。
 先ほどからの御議論の中で比較的日本の銀行は資金が豊かではないかというお話があったんですが、それは、おっしゃる意味は、割合短い円資金については非常に潤沢になって、これは日本銀行の政策も踏まえてなっているわけでありますけれども、資源あるいはMアンドAをやる場合にはどうしても外貨、主としてドルが多くなるわけでありますが、それをかつ長期にわたってファイナンスをするということは、実は残念ながら二〇〇八年のリーマン・ショック、それから最近のギリシャ関係の問題があって非常にタイトになっているというところがございます。
 したがって、そういうものの中で、資源についてはこれから長い目で見まして、日本が元々国内に資源がないものをある程度資源を確保するということから、そういうものについて民間が意欲があるときには、それを先ほど局長からもお話がありましたような形で、ある程度の金額をかつ低い金利で提供できるという形でサポートをするということが必要だということで選ばせていただいたものでございます。
 それから、MアンドAにつきましては、同様でございますけれども、日本の企業が出ていって現地で、そこで自ら工場を造る、あるいはその拠点をつくってということもございますけれども、やはりこれだけいろんな時代の流れが速くなっている中では、やはり現地にあります企業全体として取り込んでやっていくという方が早いという意味での速効効果もあるという中で、どういうものが必要かということで選ばせていただきました。
 必要があれば、それぞれについてどういうことかということについてはまた更に御説明をさせていただきます。
#338
○大門実紀史君 私が聞いたのは、もうちょっと具体的に言いましょうか。例えばMアンドAの二つですね。これはちょっと私は変だなと思うんですけれども、これランディス・ギアとソニー・エリクソンですね。このどちらかの会社にうちの兄貴いるんですけれども、これは前から決まっていたんですよ。前からこのMアンドAはやる予定で準備をしてきたし、やってきたんですね。これは、別にJBICがかかわらなくても、そもそもやろうとしていたというんですよ、これをですね。それを何か、自分たちがさっき言った呼び水だとか、偉そうに、何か支援するんだとか、逆なんですよ、これはほっといたってソニーも東芝もやったんです。それに、低利の資金をわざわざ使ってくれというようなこと、それだけの話なんですよね。違いますか、これ。
#339
○参考人(渡辺博史君) お答え申し上げます。
 議員御指摘のように、そもそものきっかけというのが去年の八月以前に起こっていたということは全く事実でございまして、その方向でいろいろ考えていらっしゃったということはありますけれども、去年の夏以降のマーケットは、先ほど途中まで申し上げましたんですが、非常に長い外貨資金というのがタイトになっておりまして、どういう形で、短いもので転がしていくという形のファイナンスをある程度金利が確定するような長いものに乗り換えていくかということについては、実は両者ともそれなりに御苦労をされていたという事実があります。
 ですから、元々の意欲があったということについては全く異存はありませんけれども、ファイナンスとして最終的に収めるときにどういう形での資金手当てができるかということについては、やはり最近の国際環境非常に悪化している中で、非常に難しい問題があったということでございますので、そういう中で、先ほど申し上げましたように、まとまった金額を低利で提供できるということによって最後の踏み切りができた、あるいは短期で転がしているものを長期化することによって将来の金利負担等の固定化ができたという面での効果があったというのが正確なお答えかと思っております。
#340
○大門実紀史君 渡辺さんね、もう答弁慣れしてうまいんですけど、私はごまかせませんですよ。
 さっきから、長期資金というのはJBICの元々のそれは長期資金やればいいじゃないですかと言っているの。なぜ低利のやつをわざわざこういう仕組みをつくってこんなところに持ってくるのかという話をしているわけで、これがなければJBIC貸さないわけじゃないでしょう。長期資金というのは元々JBICが貸すのを分かった上で、なぜこれをここに持ってきたのかということを言っているんで、そんな何かごまかせないですよ、私をそんなことで。
 だからなぜ、なぜその長期資金はほかは、民間じゃなかなか難しいのがあって、だからJBICがやってきたんでしょう。そんなの分かってますよ、そんなことは。なぜこのスキームなのかということを申し上げているわけですよね。
 要するに、これはもう私はどう考えても、わざわざ何かこんなJBICが、このスキームね、このファシリティーというスキームを使ってやる必要のない、通常のJBICの融資でもよかったはずだというものをこうやってやったのは、何のこっちゃない、これは単なる補助金ですよ、これ、特定企業に対する。
 安住さん、そう思いませんか、普通に考えて。こんなのわざわざ、普通のJBIC資金で貸したっていいのにこんなスキームつくって、ちょっと補助金を与えたのと同じじゃないですか、特定の大企業に。違うんですか。
#341
○国務大臣(安住淳君) だけど、これ、あれですよね、産業競争力と、やっぱり日本の企業の海外進出、もっと言えばやっぱり為替が非常に円高な状況の中でこうしたスキームをつくって、海外進出をしやすいために資金供給をしましょうと、これはこれで政策選択としてはあるとは思うんです。ただ、大門先生から見れば、元々大企業はそういうことはもうやらなくたって進出するし、貸すところもあるんじゃないかと、低利で金利を貸す分が補助金じゃないかということなんですが、なかなか、はいそうですとは私の方からは申し上げられないというか、こういう政策選択をやって結果的に企業がどんどんMアンドAに行っていただければ、このお金は決して焦げ付くものでもありませんし、私はむしろこの呼び水に本当になってくれればいいと思っております。
#342
○大門実紀史君 ちょっとそれは違うんですよ。競争力という名前使ったら何やってもいいというわけじゃないでしょう。自己責任ってほかのところでは言うわけでしょう。だから、競争力で何やってもいいというわけじゃないですよ。
 じゃ、この中小企業に何やってきたのかですよ。これだって、中小企業だって大事な枠組みに入れているでしょう。今のどうなっているんですか、この中小企業。ファンドつくって支援するというのは、今はどうなっていますか。
#343
○政府参考人(木下康司君) お答えいたします。
 今回の措置では、中堅中小企業の輸出等を支援するために、JBICと民間金融機関との共同出資によってファンドを創設することにしておりまして、現在JBICが複数の民間金融機関と協議中と承知しております。
#344
○大門実紀史君 じゃ、渡辺さん、具体的に聞きますけれども、今どうなっているんですか、どこまで行っているんですか。
#345
○参考人(渡辺博史君) 今局長の方からお答えがございましたように、ファンドに対する支援をするやり方が二つありまして、ファンドを新規に銀行と一緒になってつくって、それを中小企業、中堅企業に流すというやり方、それから、既にあるものについて、それのいわゆる資本増強の形で増額をするという形の出資をするという両方があるわけですが、たまたま今この両方を、それぞれについて話を進めているところでございます。
 後ほどお話があるかもしれませんけれども、期限が限られておりますので、そこをにらんで、なるべく早く終わらせようということで今作業を進めていると、そういう状況でございます。
#346
○大門実紀史君 この表にもございますけれども、このファシリティーは一年間なんですね、一年間の時限措置なわけです。さっき一覧表にあったとおり、特定の大企業の、私から言えばそれは補助金でございますけれども、これだけでぼんぼんぼんぼん、もう十件も、十案件も決めたと。しかも、クレジットラインですね、下の方の、書いていますが、メガバンク三行とのクレジットラインも結んだと。
 こちらはここまで進んでいて、今何月ですか、もう四月になりますよ。この時点でファンド一つできていないわけでしょう。これ、海外への中小企業の輸出拡大のために支援してあげるわけでしょう。それはJBICと日本の民間銀行が共同出資でファンドをつくって支援してあげるという枠組みですよね。ファンドをつくった後に出資契約とか融資契約とかするわけですよね。もう四月ですよ。だから、これ、八月末ですよね、期限が。八月末までに、まだファンドもできていないのにどうやって支援するんですか。ファンドできた後、さらに個々の審査に入るわけでしょう、そこを支援するかどうか、出資するかどうか。大抵一か月、二か月、最低でも二か月ぐらい掛かりますよ。こんなのもうやれっこないじゃないですか。今ここまで来て一つもファンドさえできていないんでしょう。
 これ、何やっていたんですか、この中小企業というのは。これ、アリバイづくりでやっただけじゃないの。私のように、これ大企業を支援しただけだとか言われるから、言われるから、中小企業もやりますという、最初にこうやってメニューに載っけただけで何もやっていないじゃないか、これ。何やっているんだよ。
#347
○参考人(渡辺博史君) 御指摘のように、今日現在できていないということについては事実として認めておりますけれども、先ほど申し上げましたように、これから五か月の間になるべく早く立ち上げて、また個別の実際の出資あるいは支援につながるようにしていきたいということで鋭意努力をしております。
#348
○大門実紀史君 渡辺さん、よく考えてみてくださいよ。例えば、ファンドを仮に四月何日につくったとしますね。さっき言ったように、そんな大きなファンドができるわけじゃなくて、要するに、これは、銀行に相談をして、JBICが相談して、銀行を中心につくってくれませんかという、JBICが音頭を取って銀行を集めてつくると、そんな積極的なものじゃないですよね。そうすると、できるかどうかはまだ分からないと、銀行次第だと。
 仮にできたところで、これが、さっき言ったように審査が二か月ぐらい掛かりますよ、個別案件に支援となると、出資するとなると。そうしたら、八月末時点で、例えばこの中小企業部分で、非常に小さな、中堅ですよね、そんな大きなところないですよね、中堅クラスでしょう。中堅クラス二件ぐらいだけこのスキームで支援することになったなんて結果になったら、逆に何だったのかとなって、したがって、結局ここまで来て何もないということは、具体的な支援案件を出せないような状況に政治的にはなっちゃいますよ。
 何でそことここだけ、この中堅企業のこことここだけ支援したんだと、何だったんだ、このスキームはと言われるから、それだったらばもうやらないことにしようと、政治的にはそういうふうになっちゃいますよ、ここまで来てできていないというのは。そういうことぐらいお分かりでしょう、渡辺さん。
#349
○参考人(渡辺博史君) 今の議員の御指摘については重々承知をしております。
 ただ、今回の場合には、まずつくって、そこに案件をはめていくというよりは、どちらかというと、案件として何があるかということを銀行がまず集めていきますので、できた後の手続についてはもう少し私は時間が掛からないものだというふうに思っておりまして、そういう前提で、先ほど申し上げましたように、八月の三十日ということを念頭に置きながら進めていこうということで努力していると、そういう状況でございます。
#350
○大門実紀史君 いや、違うんですよ。これは、ファンドをつくって、ファンドをつくってから支援するということを事務方に何度も確認しておりますのでそうならないです、銀行を集めたやつにね。だから、銀行を集めたやつに直接融資の支援するというスキームならばおっしゃったようなことは可能ですけれども、ファンドをつくってファンドでやるという形なんですよ、これは。だから、そうならないですよ、今の説明のようにですね。
 申し上げたいのは、もう要するに、これ何なのかということなんですけど、去年は外為特会の活用の問題がかなり国会でも議論になっておりました。復興資金に使うべきだということとか、国民生活にもっと使うべきだと、大きな議論があったわけですよね。それを財務省が、簡単に言うと、身内のJBICに活用させようというふうに考えたスキーム以外に考えられないですよね、これは考えてみると。何の公共性もありませんし、これは私物化ですよ。財務省がこの外為特会を自分たちの特別会計だと思い込んで、それをしかも自分たちの傘下のJBICに使わせようと、こういうことを考えた、もう非常に浅知恵で、こんなの見え見えですよね。そんなスキームですよね。
 だから、しかも、ですから無理無理に、向こうは別に頼んでもいないのに、こちらから低利融資の金を使ってくれということをやって、それは特定のほっといたって自分でもやっていたところに補助金を与えたことにもなります。これは非常にずさんな、大変ずさんなスキームだと思いますけれども、安住さん、いかがお考えですか。
#351
○国務大臣(安住淳君) 先生のような御指摘の視点での見方もあるかもしれませんが、私としては、できるだけやっぱり円高対策の中で企業のMアンドA等をやっぱり促進をして、日本企業が海外で強みを発揮してもらうための一助になればということでつくったスキームだと思います。
 いずれ、先生、これ、だけど、一年の時限措置でこのファシリティーはやりましたですよね。ですから、いろんな意味で、一年たてば結果は出てきますから、その時点でまた様々な対応を考えたいと思います。
#352
○大門実紀史君 いや、だから、これはなぜ一年だったのかも考えてほしいんですよね。JBICは分離独立するんですよ。昔のJBICと違いまして、今、海外も、昔だったら海外の企業進出に伴うインフラ整備とか、そういう案件がたくさんあったんですよね。そのときに、JBICはいろいろな、いろんな意味もありますけど、活躍もしたわけですよ。今はもうそういう案件は少なくなってきて、JBICを分離独立させたところでそんなに昔ほど仕事がないんですよ、やるべき仕事が。
 そこで、この個別企業のMアンドAまでかかわると、そういうところで仕事を増やそうというふうな、何かもう逆転していて、発想が、JBICの生き残りのためにMアンドAまで手伝ってあげますというような仕事までつくると。この円高というふうなことに、ちょうど円高が大騒ぎになったということでかこつけてこういうスキームまでつくって、ちょうどこの四月一日から分離独立するJBICのいろんな、何といいますか、存在価値を高めるというか、仕事も増やしてあげるというか、取りあえずの仕事を見付けてあげるというか、何かもうそういうことでやられたとしか思えないスキームだと思います。
 安住さん、今日急にこういう指摘受けてだと思いますけれど、ちょっと、やっぱり政治主導でこういうものが更に野放しになっていかないようにきちっと点検してもらわないと困ると思うんですが、いかがですか。
#353
○国務大臣(安住淳君) もちろん、公的支援を受けないで市中の中で頑張っている銀行等もあります。ですから、ある意味で、やっぱりJBICがやるべきこと、JBICに課せられた責務、そういうものをしっかりとこなしていってもらうと。決して何か民業圧迫とかそういうことにならないように、十分言わば案件というものを見定めて、私は、新生JBICが、ある意味で先生のそうした批判に十分、逆に言えば、こたえられるような活躍をしていってもらいたいというふうに思います。
#354
○大門実紀史君 もうお聞きすることもなくなったんで終わりますけれども、こういうことが進行しているわけです。だから、もう大きな逆行ですし、こんなことをやりながら何が消費税の増税だということをはっきり申し上げておきたいというふうに思います。
 終わります。
#355
○委員長(尾立源幸君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#356
○委員長(尾立源幸君) 関税定率法等の一部を改正する法律案、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案及び保険業法等の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。安住財務大臣。
#357
○国務大臣(安住淳君) ただいま議題となりました関税定率法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、最近における内外の経済情勢等に対応するため、関税率等について所要の措置を講ずるほか、貿易円滑化のための税関手続の改善、税関における水際取締りの強化等を図ることとし、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、暫定関税率等の適用期限の延長であります。
 平成二十四年三月三十一日に適用期限が到来する暫定関税率等について、その適用期限の延長を行うこととしております。
 第二に、貿易円滑化のための税関手続の改善であります。
 輸出入申告に際して、税関に提出しなければならないこととしている仕入れ書について、必要な場合に提出を求めることとするほか、再輸出されることを条件として関税等の免除を受けて輸入されるコンテナについて、国内運送への使用に係る条件等を緩和することとしております。
 第三に、税関における水際取締りの強化であります。
 外国貿易船の積荷に関する事項について、外国貿易船の運航者等及び積荷の荷送り人は、船積み港を出港する前に税関に原則として電子的に報告しなければならないこととするほか、財務大臣は、外国税関当局に提供した情報について、外国税関当局から刑事手続に使用することにつき要請があった場合に、一定の要件の下、同意できることとする等の改正を行うこととしております。
 その他、個別品目の関税率の改正、沖縄県における関税制度上の特例措置の延長等のほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#358
○委員長(尾立源幸君) 自見内閣府特命担当大臣。
#359
○国務大臣(自見庄三郎君) ただいま議題となりました銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案及び保険業法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 まず、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 我が国の金融システムは相対的に安定しているところでありますが、東日本大震災の影響や、欧州債務危機を端緒とする世界的な金融資本市場の混乱等が続いております。こうした状況に鑑み、経済・株式市場がお互いに悪影響を及ぼし、悪化することを防ぐため、銀行等保有株式取得機構が、株式処分の受皿として、また、ひいては金融資本市場のセーフティーネットとしての役割を果たすことは引き続き重要であります。したがって、銀行等保有株式取得機構による株式等の買取り期限を延長する等の措置を講ずる必要があるため、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。
 この法律案は、銀行等保有株式取得機構が行う株式等の買取り期限が、現行、平成二十四年三月三十一日までとされているところ、この期限を平成二十九年三月三十一日まで五年間延長することなどの措置を講ずるものであります。
 次に、保険業法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
 近年、少子高齢化や国民のニーズの変化等、国内の保険市場を取り巻く環境の変化を受け、我が国保険会社が海外市場への進出を図る事例が増加しております。また、国内においても保険会社の再編・統合の動きが進展しております。
 このため、保険契約者に対する適切な保護を図りながら、保険会社の国際展開や再編・統合を行いやすくすることにより、各保険会社が経営の基盤強化・効率化やサービスの向上を推進していくことが重要と考えられます。
 また、東日本大震災の影響や、欧州債務危機を端緒とする世界的な金融資本市場の混乱が続いている状況等に鑑み、生命保険契約者保護機構がセーフティーネットとしての機能を万全に果たすことは引き続き重要であります。
 このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につき御説明を申し上げます。
 第一に、保険会社における経営基盤の強化及び経営効率の向上を図るため、子会社の業務範囲の特例、保険契約の移転に係る規制の見直し、保険募集の再委託制度の導入のための措置を講じることとしております。
 第二に、生命保険会社が破綻した場合に生命保険契約者保護機構が行う資金援助等に関しては、平成二十四年三月三十一日までの破綻についての政府の補助を可能とする特例措置が設けられているところでありますが、この期限を平成二十九年三月三十一日まで五年間延長することとしております。
 このほか、少額短期保険業者が引受け可能な保険金額に関する特例措置を延長することとしております。
 以上が、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案及び保険業法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようにお願いを申し上げます。よろしくお願いいたします。
#360
○委員長(尾立源幸君) 以上で三案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 三案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト