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2012/07/26 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 財政金融委員会 第11号
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2012/07/26 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 財政金融委員会 第11号

#1
第180回国会 財政金融委員会 第11号
平成二十四年七月二十六日(木曜日)
   午前十時七分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二十日
    辞任         補欠選任
     安井美沙子君     大塚 耕平君
 七月二十五日
    辞任         補欠選任
     古川 俊治君     溝手 顕正君
 七月二十六日
    辞任         補欠選任
     溝手 顕正君     古川 俊治君
     荒木 清寛君     浜田 昌良君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         尾立 源幸君
    理 事
                大久保 勉君
                水戸 将史君
                佐藤ゆかり君
                塚田 一郎君
                荒木 清寛君
    委 員
                大塚 耕平君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                川崎  稔君
                櫻井  充君
                玉置 一弥君
                藤田 幸久君
                愛知 治郎君
                鴻池 祥肇君
                中山 恭子君
                西田 昌司君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                若林 健太君
                竹谷とし子君
                浜田 昌良君
                広野ただし君
                中西 健治君
                大門実紀史君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        松下 忠洋君
   副大臣
       内閣府副大臣   中塚 一宏君
       財務副大臣    五十嵐文彦君
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        大串 博志君
       農林水産大臣政
       務官       森本 哲生君
       経済産業大臣政
       務官       北神 圭朗君
       経済産業大臣政
       務官       中根 康浩君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       公正取引委員会
       事務総局審査局
       長        中島 秀夫君
       金融庁総務企画
       局長       森本  学君
       金融庁監督局長  細溝 清史君
       金融庁証券取引
       等監視委員会事
       務局長      岳野万里夫君
       法務大臣官房審
       議官       萩本  修君
       厚生労働大臣官
       房審議官     蒲原 基道君
       経済産業大臣官
       房商務流通審議
       官        豊永 厚志君
   参考人
       株式会社東京証
       券取引所グルー
       プ取締役兼代表
       執行役社長    斉藤  惇君
       日本銀行総裁   白川 方明君
       日本銀行理事   門間 一夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○金融商品取引法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(尾立源幸君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 大変お待たせいたしました。与党におかれましては、過半数以上出席を是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、安井美沙子君及び古川俊治君が委員を辞任され、その補欠として大塚耕平君及び溝手顕正君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(尾立源幸君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融商品取引法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として公正取引委員会事務総局審査局長中島秀夫君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(尾立源幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(尾立源幸君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 金融商品取引法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として株式会社東京証券取引所グループ取締役兼代表執行役社長斉藤惇君、日本銀行総裁白川方明君及び同理事門間一夫君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(尾立源幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(尾立源幸君) 金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○大久保勉君 民主党の大久保勉でございます。
 本日、委員会の開催が遅れたことに関しまして、与党の筆頭理事としておわび申し上げたいと思います。
 さて、本日は金融商品取引法の法案審議でございますが、昨今、増資インサイダー問題、新聞若しくは報道等で伝えられております。今回、これに当たりまして、金商法として最も重要な分野でありますので、まず冒頭に質問したいと思います。
 本日の日本経済新聞によりますと、「野村CEO辞任へ」、増資インサイダーで責任を取りということでございます。突然のニュースで私もびっくりいたしました。
 このことに関して、松下金融大臣、御感想がございましたら、お聞きしたいと思います。
#9
○国務大臣(松下忠洋君) まず、金融担当大臣として、委員会を開催していただき金商法等の御審議に入っていただけるということで、委員長を始め委員の皆様方に心から厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
 ただいまのお尋ねのことでございますけれども、報道については、今朝、私も見て承知いたしました。野村ホールディングスがそのような人事を発表したということは全く承知しておりません。
 金融庁としましては、個別証券会社グループの人事につきましては従来からコメントを差し控えてまいりましたし、今回もコメントを差し控えさせていただきたいと、そう考えています。
 以上でございます。
#10
○大久保勉君 個別の事例だったら結構でございますが、業界のリーダーである、さらにはこれまで金融庁もこの関連に関して幾つか処分をしておりますから、もう少しはっきりとしたメッセージを出すべきじゃないかと私は考えます。
 例えば、今回の問題に関して、業界のリーダーたる野村証券がしっかりとけじめを付けたと、このことは業界として非常にすばらしいことだと思いますし、そういったコメントをいただけるのかなと思いましたが、非常に残念でございます。
 今日は、東京証券取引所の斉藤社長もお見えであります。斉藤社長は、もうこの業界では極めて実績そして見識もございます。是非、斉藤社長の御見解をいただきたいと思います。
#11
○参考人(斉藤惇君) 一時、野村証券に在籍した者といたしまして、後輩がああいう不始末を繰り返したということに対して、大変、先生方にもおわび申し上げたいと思いますし、市場を我々も今一生懸命、先生方とともに、世界、特にアジアのモデルになるような市場をつくろうということで、それしか競争力の源泉はないと思っていろいろ努力をさせていただいている中で、内側からこういうスキャンダリスティックな事件が起きたということで大変残念に思っております。
 やはり、とるべき処置を自らしっかりとって、責任をあらわにしてクリーンにしてもらいたい、そのように思っております。
 以上でございます。
#12
○大久保勉君 続きまして、最近、金融審議会では、独立社外取締役の設置を強制しないということを結論付けました。しかし、補足説明では、東京証券取引所の上場規則に委ねるということを書いております。
 この理解でよろしいか、法務省参考人に質問したいと思います。
#13
○政府参考人(萩本修君) 法制審議会会社法制部会における会社法の見直しのための審議はまだ続いておりまして、最終的な取りまとめには至っておりません。社外取締役の選任を義務付けるかどうかにつきましては、会社法制部会において議論されているテーマの中でも当初から意見が大きく対立していた論点の一つでございます。
 多様な意見がある中で、現在取りまとめの案として議論されている内容を御紹介いたしますと、社外取締役がいない株式会社について、その理由に関する情報の開示を充実させる、また、金融商品取引所の規則において、上場会社は、取締役である独立役員を一人以上確保するよう努める旨の規律を設けるというものでございます。
#14
○大久保勉君 これに関しまして、要するに、東京証券取引所がどうするかということであります。今日、東京証券取引所の斉藤社長もお見えでございますから、是非この問題に関して御意見を聞きたいと思います。
 この問題といいますのは、昨年はオリンパス問題がございました。ここで企業のガバナンスの在り方、大いに議論がございました。民主党の提言、そして自民党さんの提言、同じような方向でございます。社外取締役に関しましては強制する、若しくは強制に向けて動く、もちろん法律で難しい場合にはしっかりと上場規則でうたうべきであると、こういった方針を出しております。
 今回の金商法におきましては、総合取引所ということで東京証券取引所がアジアの雄としてしっかりとメッセージを発信する、こういったことが必要です。そのためには、東証に上場している企業におきましては世界的にガバナンスが信頼される、こういったことが必要であります。このことに関して、斉藤社長の御自覚、若しくは今後の方向性に関して質問したいと思います。
#15
○参考人(斉藤惇君) 先生御指摘のとおり、独立性を有する取締役会によって経営者をモニタリングすると。これは何も今新しいことではありませんで、もう先進的な資本主義国家においては上場会社が備えるべきスタンダードであるということで、これ、実は、御存じのとおり、二〇〇四年OECDのコーポレートガバナンス原則にその趣旨がうたわれていることであります。当然、OECD加盟国の中でこれをはっきりしていないのは日本だけでありまして、それ以外にも、非加盟国、例えば中国あるいは台湾、そういうところですらはっきりした態度を明確にしております。
 我々としては、日本の上場会社が、こういう世界のルールといいますか、そういうものに目を背けていつまでもいるということは問題だというふうに思っているわけであります。
 そういう意味で、今回、法制審議会でもし結論が、これは八月一日にお話が出ると聞いておりますけれども、義務付けということであれば、我々は速やかに義務付けをする動きになりますし、もしそれがそういう結論でなかった場合も、今までもそうでしたけれども、粘り強く何らかの運動を先生方とともに展開させていただきたいと思っております。
 御参考までに諸外国の状況は実際どうかということでありますけれども、例えばアメリカ。アメリカはかなりユニークでありまして、SECの強い指導や連邦法による間接的な強制の下で取引所の上場規則、これニューヨーク証券取引──よろしゅうございますか。済みません。
#16
○大久保勉君 もうその辺りは分かっておりますし、もう実際に東証及び法務省とこれは何度も何度も議論しております。
 ですから、斉藤社長がここに来て申し上げてもらいたかったのは、リーダーとして、いつ独立取締役を東証として最低一名にするかと。つまり、今の言葉というのは、法制審が決めたら自分たちも決めると、これでいいのかということです。つまり、独立取締役というのは東証自身の問題じゃないかということです。ですから、あなたがいつから始めるかと、このことを聞きたいんです。
#17
○参考人(斉藤惇君) 先生の御指摘は分かりますけれども、今、話をしていた途中でありますが、じゃ諸外国は実際どうなっているかということは是非しっかり参考にしていただきたいと思います。
 アメリカは、連邦法というものによっては、会社法がありませんので、ステート法しかありませんので、取引所というものを使って義務化しているというかなり例外的なケースであります。先ほど言いますように、ほかの、韓国ですとか中国辺りは法律にしております。
 イギリス、これはヨーロッパ全体の一つのモデルですので、イギリスがよく参考にされますけれども、イギリスにおいては社外取締役の選任が義務付けられてはおりません。その代わり、FRCという、これは取引所とは全く異なります、独立した公的機関が定めるガバナンスコードが社外取締役の選任について、上場会社が尊重すべき最良の行動規範の一つとして挙げているということであります。
 それに加えて、御案内のように、FSA、金融庁のようなところですが、これは役所ですね、これ取引所とは異なる公的機関が定める開示規制、この組合せによってできておりますので、世界でロンドン・ストック・エクスチェンジ等々、ストック・エクスチェンジが上場ルールで義務化しているというのは、アメリカの例外を除いて、かなり少ないということがまず事実であります。
 したがいまして……
#18
○大久保勉君 端的にお願いします。
#19
○参考人(斉藤惇君) 私どもとしては、先生の質問に対しては、やはり義務化というものが審議会で決まらなかった場合は、それを民間機関である、民間の業者である取引所が独断で強行するということはなかなか難しい。それは、上場会社も我々にとっては大変なお客さんでありますし、投資家も両方ともお客さんであります。御両者の了解、理解が必要でありますので、しつこく我々はそこを求めていきたいと。
 現実に、でも、もう五〇%以上、特に外国人が二〇%以上持っている会社については六五%以上……
#20
○委員長(尾立源幸君) 御発言をおまとめください。
#21
○参考人(斉藤惇君) もう独立取締役が入っているということをお伝えしたいと思います。
#22
○大久保勉君 時間が制約されておりますから、端的にお願いします。言いたいことは分かりますが、あなたの発言は世界中が見ております。
 東証の上場企業のPBR、現在は〇・八です。つまり、一以下というのは清算価値以下ということです。いかに日本企業が信頼されていないか。それは、オリンパス問題で粉飾決算がありました。ガバナンスの欠陥、そして増資インサイダー、こういった問題です。つまり、あなたの市場が批判されているんです。その当事者意識を是非持ってほしいと思うんです。もう残念ですが、当事者意識がないと私は思います。
 そこで、松下金融大臣、大臣の御所見を聞きたいと思います。この問題に関して、金融庁としてどう考えているのか。特に、東京証券取引所に対して、どうあるべきだと考えているのか。金商法の中で議論すべきテーマです。
#23
○国務大臣(松下忠洋君) 申すまでもありませんが、経営に対する監督機能、これが十分に確保されているということ、これは良質な経営を確保する上で極めて重要だと考えています。また、我が国取引所の国際金融センターとしてのプレゼンスを向上させる観点からも、取引所に上場する企業の経営監督機能が確保されていることが重要だと、そのように考えています。
 いずれにしましても、こうした趣旨を踏まえて、取引所においては適切な取引所規則等の整備に向けた努力が行われていくものというふうに考えております。
 以上でございます。
#24
○大久保勉君 松下大臣のお言葉が正しいとしましたら、私は非常に立派なお言葉だと思っています。でしたら、東証が大阪証券取引所と合併しております。日本で事実上唯一の証券取引所が、その社長さんが先ほどの答弁でしたら、本当に大丈夫かと、日本の証券市場は大丈夫かと思わざるを得ません。非常に残念であります。
 続きまして、証券等監視委員会の事務局長に質問したいと思いますが、二〇一〇年十月に英国ファイナンシャル・タイムズ紙は、海外、さらにはIFR、こういったメディアで日本の増資インサイダーの可能性に関して報道しておりました。その報道を受けまして、この一年半、証券等監視委員会はどのような組織変更をしたのか、若しくはどのようなことをしたのか、話せる範囲で説明お願いします。
#25
○政府参考人(岳野万里夫君) リーマン・ショック後の大型公募増資ラッシュ時に問題が認められましたことから、私どもといたしましても、増資インサイダーの問題には当時から関心を持って市場監視の対象としてまいりました。
 その際、多数の銘柄にわたって膨大な取引を解析していく必要がございましたので、まず、本日ここに御出席いただいている東証の斉藤社長以下の御協力をいただきまして、基礎的なデータの解析から入っていったわけでございます。
 ただ、今回の調査対象は内外のプロ投資家によるクロスボーダー取引を利用いたしました非常に困難な事案でございます。そういったことを受けまして、私どもといたしましては、昨年の八月に、監視委員会事務局の取引調査課の中にこのようなクロスボーダー取引等を利用いたしましたプロ投資家による不公正取引の実態解明を専門に担当するプロジェクトチームを立ち上げ、国際取引等調査室と称しております、そういった取組を行いまして、職員を集中して取り組んでまいりました結果、この春から課徴金勧告を何件かさせていただくに至ったということでございます。
 今後とも、私どもといたしましては、こういった内外のプロ投資家によるクロスボーダー取引の監視に当たりましては、証券取引所あるいは海外の証券規制当局とも連携しながら、私どもの体制整備も進めつつしっかりとした対応をしていきたいと考えているところでございます。
#26
○大久保勉君 ありがとうございます。是非、しっかりとやってもらいたいと思います。
 続きまして、資料を配付しております。資料の一、こちらは東証の方からいただきました資料です。どういう資料かといいましたら、いわゆるインサイダー取引の可能性があるリストだと私は思っておりますが、例えば一番の全日空に関しまして、ページ、二ページを御覧ください。
 こちらは、二〇〇九年七月一日の十五時四十五分に増資をするという公表がなされています。通常、証券取引所は十五時に終了しますから、その後に情報が公開されております。
 次のページを御覧ください。
 上の表の棒グラフに関しましては、取引の商いが公表前に急激に伸びたということであります。確率的に言いましたら、下の正規分布の表でありますが、百万分の一・五ということですから事実上あり得ない、どこからか情報が漏れたと、こういったリストであります。これは前一か月の商いに対して約九・六五倍になっています。こういったことがあり得たということです。
 同じように、平成二十一年一月一日からこういった銘柄をランキングをしましたところ、二十銘柄作ってまいりました。どうして公表前に取引が、量が増えるのか、これが日本市場の構造的な問題ではないかと思っています。
 例えば、ページ、五ページを御覧ください。
 日医工というところでありますが、こちらに関して、同様のことでございます。こちらは、二〇一一年一月二十八日十六時に公表されたはずなんですが、こちらも公表前に大きく売買幅が増えております。
 こちら、全日空のケースに関して、どうもある新聞社が前日若しくは当日の朝に新聞等で報道したということでございまして、いわゆる発行体の方がその事実は違うという報道をしております。本来でしたら、そういった報道のときに売買を停止すべきなんですが、実際、売買は停止されずに売買高が増えているという状況です。日医工に関してはそういったいわゆる情報漏れはないはずなんですが、取引が非常に大きいということであります。
 こちらに関して、ページ、七ページ、じゃ、これは公表データなんですが、どの投資家が売りポジションを多く持っていたのかと。〇・二五%以上に関しては、東証のルールとしてしっかりと公表するようになっております。こちら、投資家の名前は申し上げませんが、例えばAマネジメントというのが全体の一月二十五日に〇・三七%、十二万三千株を売っていたと。何かおかしいんじゃないのというようなことが分かります。
 さらには、ページ、八ページ、日本板硝子、こちらはインサイダー取引として認定されておりますが、同様に、二〇一〇年八月二十四日十六時に公表されたはずなんですが、公表日前に大きく売られているということです。ページ、九ページを御覧ください。
 さらに、ページ、十ページ、十一ページ、どの投資家が売っていたかということでございます。その中で一つ名前を出せますのは、エージアン・マネジメント、こちらはいわゆるジャパン・アドバイザリーでございます。それ以外にも多くのヘッジファンドが売却していると。
 こういった状況に関して、是非ここで議論したいと思います。つまり、本来でしたら確率的にあり得ないのに恒常的に情報漏れがあり、公表データでしっかりと公表されていると。
 こういったデータに関して、実は私の方で東証の方に、こういうフォーマットで作ってくださいと、こういう公表をしてくださいという形で初めて出てきました。本来でありましたら、これは東証自らが自分のために、つまり、東京証券取引所の機能を高めるためにやるべきなんですが、なかなか自らやっていなかったという状況です。
 このことに関して、東証の斉藤社長、御見識、若しくはどういうことをこれからやっていくか、質問したいと思います。できましたら、手短にお願いします。
#27
○参考人(斉藤惇君) お答えいたします。
 この空売りのデータ、これは十ページ等々にありますが、これは公開されている、我々のところに、ホームページに公開されているものでありますが、先生御指摘のとおり、これはリーマン・ショックが起きたときにイギリスのシステムを日本へ持ち込んで急遽つくったやり方が今このままあるということでありまして、今後、これをもう少し見やすいように改善するということはやっていかなければいけないかと思っております。
 このデータは、既にもう情報会社辺りが自分なりに修正して有料で売り出したりしておりまして、市場に普及しているデータではありますが、我々としてはもう少し見やすいようにしたいということが一つです。
 それから、先生の御指摘の、これは問題があるんじゃないかと、これは東証で分からないのかということがあったんではないかと思いますが、確かにこういう数字はあるんですが、私どもとしてはあくまでも自主規制法人、これは監視委員会等々に自主規制法人がこういうデータをお渡ししていろいろ問題点を提起するという仕事ぐらいまででありまして、我々自身が行政官でもありませんし、そこは十分監視委員会と連絡をし合っているということだけ報告したいと思います。
#28
○大久保勉君 斉藤社長のコメントに対して一つだけ申し上げたいのは、実際、私も東証のホームページをクリックしました。PDFファイルにありますが、いかにも見づらいです。いかにも公表していますという事実だけを載っけていますが、相当時間を掛けないと出てこないということです。実際に、この二十銘柄に関して一か月誰が売っていたかということで東証の職員にお願いしました。そうしたら、一週間近く掛かりました。どうして早くできないのと、いや、一つ一つ調べないといけないと。いわゆるプロである東証の職員でも時間が掛かるのに、どうして一般の人が分かりますか。やはり、普通でしたら、例えばエクセルシートにするとかデータベースにして一覧性、何をしているか分かると、こういったことが本来自主規制機関としてあるべき姿だと思っています。
 ですから、東証は誰を向いているかということなんです。つまり、東証の株主が証券会社であったり、若しくは大きな投資家含むヘッジファンドしか見ていないとしましたら、いわゆる中小の投資家であったり海外の真面目な年金基金は東証の上場企業の株というのは信頼できないというふうになるんじゃないですか。そのことがPBRが一を割ってきているということです。是非自ら自覚してほしいんです。
 今回は、金商法として最大のテーマといいますのは、東証をいかにアジア若しくは世界で、中心である証券取引所にするか、こういった問題でありますから、自らが変わらないといけないと思うんです。つまり、東証は、よく言われますが、役所よりも役人的であると、こういう状況ですから、是非民間からいらっしゃった斉藤社長には私は相当期待しているんです。今日の答弁は余り評価できません。
 もう一度、斉藤社長、今後の方向性に関して是非リーダーシップを発揮してと思いますので、答弁をお願いします。
#29
○参考人(斉藤惇君) 御指摘の点については十分考慮して対応していかなければならないということは自覚しております。
 先ほど申しましたように、この情報データ等々については、役所とも話しながら、もう少し見やすいような分かりやすいものに変えていこうということはやらせていただきたいと思います。
 それから、今の御質問が最初のことに絡むことであれば、先ほど申しましたように、我々は、上場ルールに関しましてもやはり独立した取締役を入れるべく努力するということは、これははっきりお約束できる。つまり、入らなければその理由を厳しく求めるというような形とか、そういう形でまずスタートさせていただきたい、こういうことでございます。
#30
○大久保勉君 独立取締役に関しては今度の会社法改正と全く同じですから、全く意味ないですよ。つまり、独立取締役を設けなかったら説明すると、同じこと言っているわけですから、本来でしたら東証はもっと一歩進まないといけないんです。もう少し努力をしてください。
 続きまして、松下金融大臣に質問しますが、今回の資料の一のリストを御覧ください。その中で、二十社中いわゆるインサイダーが認定されておりますのは、東京電力、国際石油開発帝石、日本板硝子、そして、みずほファイナンシャルグループです。残り十六に関しては認定されておりません。
 このことに関して、松下金融大臣の御見解をただしたいと思います。
#31
○国務大臣(松下忠洋君) 資料を提示していただいております。
 証券取引等の監視委員会におきましては、リーマン・ショック後の大型公募増資ラッシュ時の公募増資案件について、これを精力的に調査してまいりました。その結果、本年三月以降には、御指摘のように五件のインサイダー取引にかかわる課徴金勧告を行ったものというふうに承知をしております。
 また、お尋ねの、これ以上ないのかどうかという御質問につきましては、これはお答えは差し控えさせていただきたいというふうに考えています。仮に法令違反が認められれば、これは証券取引等監視委員会において厳正に、厳正に対処されるものというふうに承知をしております。
 担当大臣として申し上げれば、一般論ですけれども、証券取引等監視委員会が公募増資に関連したインサイダー取引といった我が国市場の信頼を損なう問題に対して、取引所や海外当局とも連携しながら実効性の高い市場監視を行うことが、我が国市場の透明性の向上に資するものだというふうに強く考えています。
 以上でございます。
#32
○大久保勉君 そろそろ時間ですので最後の質問にしたいと思いますが、厚生労働省の参考人に質問したいと思います。
 インサイダーの事例がございます。今回の問題に関して、ある信託銀行がインサイダー取引をしましたが、その罰金は五万円とか七万円であります。こういった状況に対して何らかの手当てが必要だと思っています。
 その場合に、一つの方法としましては、公的年金あるいは公的資金に関しまして、インサイダー取引、もちろん、必ずしも一回ではなくて数度にわたりインサイダー取引をしたとか重度な問題があると、こういった信託あるいは投資顧問業者に対して資金を預けない、特に新規資金を預けない、こういったことを私ども民主党の方では提言を取りまとめをしました。
 このことに関して、厚生労働省の参考人、御意見を聞きたいと思います。
#33
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。
 まず、公的年金の積立金の運用を行いますGPIFについて申し上げますと、積立金の管理運用につきまして具体的な方針として管理運用方針というのを定めておるところでございます。この中で、過去三年以内に資金運用業務に関しまして著しく不適切な行為があった場合につきましては、当該ファンドは選定しないというふうにルールを決めてございます。
 御指摘のようなインサイダー取引等の事案があった場合は、この管理運用方針に基づきまして、具体的内容を踏まえた上で、専門家から成ります運用委員会の意見も聞きながら適切に対応していくということにしたいと思っています。
 あわせまして、一方、厚生年金基金の方でございます。こちらにつきましては、委員御承知のとおり、運用に関しましてガイドラインというものを厚生労働省の方で定めてございます。現行の中でも、その中で、運用受託機関の選定に当たりましては、当該機関の運用体制等についてきちっと考慮して行うといったことをきちっと定めておるところでございます。
 実は、さらに、近々このガイドラインを改正をしようということで今パブリックコメントをしているところでございますけれども、その中で、オルタナティブ投資等を行うような運用受託機関の選定に当たりましては、法令あるいはこうしたガイドラインの遵守状況等、内部統制体制についてもきちっとチェックしていこうと、こういうことをやっていこうというふうに考えています。
 いずれにしても、こうした取組を通じて、各基金におきまして適切に運用受託機関の選定を行っていきたいというふうに考えてございます。
#34
○大久保勉君 時間が参りましたので、これで終了したいと思います。
#35
○愛知治郎君 自民党の愛知治郎でございます。
 冒頭でありますけれども、先ほど松下大臣からこのような発言がありました。本日の委員会、開催をしていただきまして、また法案審議をしていただくことに感謝ということで御発言がありましたけれども、本日の委員会は、あろうことか与党側の委員の皆さんの出席が足りずに定刻に開催できなかった、このことに対していろんな意味を含めて松下大臣の発言があったと思うんですけれども、はっきりと申し上げますが、現在の政権においては、政府・与党が一体となるべきところ、政府の対応と与党の対応がばらばらではないかと、政権の体を成していないのではないかということを我々としても申し上げざるを得ない。与党の側にはこの点について強く自覚を促すとともに、今後しっかりとした政府・与党一体とした対応をしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 いずれにせよ、今日ちょっといろいろ質問したかったことがありましたので、白川総裁にお越しをいただきました。まずは、時間が限られているということなので、総裁に質問をさせていただきたいと思います。
 先ほどは民主党の大久保委員から、これは東証の問題ですね、公募増資に関するインサイダーの問題が取り上げられましたけれども、これは海外でもいろんな問題が起きております。今日は、ロンドンの銀行間取引金利、いわゆるLIBORについてお伺いをしたいと思いまして白川総裁にお越しいただきました。
 まず、このLIBORの問題について、基本的な総裁の認識を伺いたいと思います。
#36
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 LIBORは、金融市場におきます重要な金利の指標でございまして、今回指摘されています不正操作は金融市場の公正性に対する信頼を損ない、市場メカニズムの健全な発揮を阻害しかねない重大な問題だというふうに思っています。
 金融機関においてこうした不正操作を防止できるような体制を確保することとともに、金利指標の作成にかかわる諸機関が指標の信頼性を担保できる枠組みを整えることが金融市場への信頼を確保する上で重要であるというふうに思っております。
#37
○愛知治郎君 信用問題ということでお話しいただきました。認識としては正しいと思いますが、これは、日本また世界各国、全てでありますけれども、リーマン・ショックも含めて、金融の信用性が失われているおかげで大変な問題が連鎖的に起こっていると、徹底的にこれはもう対岸の火事ということではなくて、自分のこととしてしっかりと見ていかなくちゃいけないと思います。
 ちなみに、LIBORのそのシステムそのものについて、不正があってはいけないということだったんですけれども、このシステムも、FRBのバーナンキ議長や英国の中央銀行総裁であるキング総裁等も言っておりますが、まず、バーナンキはLIBORには構造的な欠陥があると。キング総裁においても、LIBORシステムの抜本的な改革が必要であることは明白だというふうに発言をされております。
 このシステムそのものに対する、現在、白川総裁の立場で結構ですけれども、LIBORシステムそのものに対する見方とはどのような見方をされているのでしょうか。
#38
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 バーナンキ議長の発言については、私も発言録を読みましたけれども、バーナンキ議長の発言も踏まえながら、私が感じていることで申し上げますと、一つは、LIBORという金利を報告するときに、各銀行の中で実際のトレーダーと、それからレートを報告するセクション……(発言する者あり)セクションの関係、この面で不正操作が起きないような体制をしっかりつくっていくということが一つのポイントであります。
 それからもう一つは、これはやや概念的な問題になってまいりますけれども、金融市場において金利の実勢をどうやって把握するのかということ、これ自体が実は大きな問題、大きな論点を含んでおります。
 と申しますのは、例えばリーマン・ショックの後を考えてみますと、金融市場で大変ストレスが高まって取引が成立をしないという状況でございます。しかし、そういう状況の下でも市場の参加者にとって金利指標が必要であるということで、そういう状況の中でどうやってその実勢というものをそもそも見付け出していくのかという作業がございます。これは不正ということとはまた別の問題として、そもそも哲学的な問題としてどうやって実勢を把握するのか、実勢を定義するのかという問題でございます。そういう意味でなかなか難しい点はございますけれども、しかし、こうした点について知恵を出して、どうすれば改善が図れるのかということをしっかり考えていく必要があるというふうに思っております。
#39
○愛知治郎君 ちょっと今聞こえなかった部分がありましたので確認をしたかったんですけれども、LIBORシステムそのものに何か問題があるとは思っていないということなんですか。
#40
○参考人(白川方明君) LIBORシステムという言葉でどの範囲を指すかということでございますけれども、二つ申し上げました。
 一つは、個々の報告、銀行の中での体制の問題でございます。個々の銀行の中では、市場に接するトレーダーと、それから今度は実際に英国銀行協会に報告するその部署と両方ございますけれども、その市場のトレーダーの部署から報告の部署に対する働きかけが行われるということはこれはあってはならないわけですけれども、そうしたことをどうやって防いでいくのかというのが一つの問題でございます。これもLIBORシステムといえばLIBORシステムでございますけれども、これはすぐれてその個々の金融機関の中での体制の問題でございます。
 それから二つ目の問題は、金融市場において取引が成立をしていないというときに、そもそもどういうレートを実勢として認識するのかという問題でございます。バーナンキ議長が議会で証言している場合の構造的な欠陥があるというのは、その前後の文脈から判断しますと、危機において取引が成立しない、そういう中で各金融機関が申告に基づいて市場実勢を報告するということに無理があるんではないかという趣旨の発言だというふうに理解しました。
 それをもし問題であるというふうに考えた場合には、これは対案としては、実際の取引データに基づいて報告をするということになってまいります。しかし、この場合には取引があるということが前提でございまして、もし取引がなければ今度は報告するデータもなくなってくるということになってまいりますから、そういう意味でなかなか難しい問題をはらんでいるというふうに思います。そういう意味で、正確にそのバーナンキ議長がどういう意味で構造的な欠陥があるのかと言ったか正確には分かりませんけれども、その辺の難しさを議長は証言で言っていたというふうに思います。
#41
○愛知治郎君 私は専門家ではないので、ちょっと詳しくは本当に深くは分からないですけれども、例えば欧州委員会が、これは二十五日だと思うんですけれども、LIBORの不正操作を違法とする法案をまとめて公表しているということなんですけれども、元々チェックシステムも含めて、この金利の操作自体が違法となっていなかったわけですよね、今まで。それに対して法的枠組みで規制を掛けていくという動きになっていると思うんですが、まだまだ自主的な取組だけということなので、しっかりとした制度整備もできていないんじゃないかというのが問題意識なんですけれども、いかがでしょうか。
#42
○参考人(白川方明君) 日本銀行自身は規制当局ではございませんので、その規制の細部にわたって状況を承知しているわけではございませんけれども、今の欧州の動きはともかくとしまして、この問題について一般的に考えた場合には、個々の金融機関の中で不正な働きかけ、この不正な働きかけが行われないような体制をしっかり組み入れていくということが大事だと思いますし、仮にそうした不正な取組がなされた場合には、それはしっかりとそれに対してチェックを掛けていくということが必要になってくるというふうに思います。
#43
○愛知治郎君 この点については後でまた金融庁としっかりいろんな話を議論をしたいというふうに思いますが。
 ちなみに、今LIBORの話でしたけれども、日本のTIBORについてなんですけれども、この点について、これまた時間が限られていますので、出られる前に白川総裁に伺いたいと思いますが、同様な問題意識を持ってこのTIBORを見たときに、白川総裁、何か問題があるかないか、LIBORとの違いも含めて見解を伺いたいと思います。
#44
○参考人(白川方明君) ユーロ円TIBORとそれから円のLIBORでございますけれども、共に円資金の銀行間取引におけるいわゆるターム物、期間のあるものの市場金利でございます。レートを提示する金融機関、いわゆるレファレンスバンクの顔ぶれや、あるいはレートの算出方法が異なっております。
 少し具体的に申し上げますと、TIBORについては、レファレンスバンクが全銀協の指定する方法に従って、プライムバンク、主要銀行間の取引を想定した場合の市場実勢とみなしたレートを提示するというふうに理解しています。一方、LIBORにつきましては、これはレファレンスバンク自らがロンドンのインターバンク市場において相応の規模で調達可能なレートを提示することだというふうに理解しております。
 このように、円のLIBORとそれからTIBORではレートの作り方が違っておりますけれども、しかし、金融市場における重要な金利指標としての役割を担っております。その意味で、両方とも市場としての信頼性が確保することが、これは極めて重要であります。
 現在、TIBORにつきましては、全銀協におきまして、全銀協TIBOR公表要領に記されている各プロセスについて関係者に対する点検を実施しているという旨が公表されております。私、日本銀行としては、中央銀行の立場からそうした点検の状況をしっかり見守っていきたいというふうに思っております。
#45
○愛知治郎君 ちなみに、金融庁に伺いたいと思うんですが、昨年、幾つかの金融機関を処分していると思うんですけれども、このTIBORの問題で。シティグループ証券であるとかUBS証券ですか、一部業務の一時停止命令ということで、これらの金融機関が金利の変更を銀行に対して働きかけをしていたという動きに対する処分だというふうに聞いているんですが、その点についてちょっと詳細を伺いたいと思います。
#46
○政府参考人(細溝清史君) 昨年の十二月に、シティバンク銀行、シティグループ証券、それからUBSの銀行と証券につきまして処分をしております。
 その概要を申し上げますと、まず、証券会社の方、これは共通しておりまして、TIBORとLIBORについて、自分のグループ銀行のレート提示者に対して働きかけを行ったということで、そういったことが法令に違反があったということで処分をしております。
 銀行の方は、働きかけを受けた提示者は、それを、そうした働きかけを受けながら上位者に報告していなかったという意味で、内部管理体制に問題があるということで業務改善命令を行ったものでございます。
#47
○愛知治郎君 この点について、LIBORのような問題、同様な問題は起きなかったと考えてよろしいんでしょうか。
#48
○政府参考人(細溝清史君) LIBORにつきましては、現在、イギリスでバークレイズバンクで出たものは二つの事柄がございました。一つは、証券取引をやっているトレーダーが自分に有利になるように関連した職員に対してレートの提示の働きかけを行ったということと、もう一つは、銀行の上級管理者が、自行の信用力といいますか、それに疑いを持たれないように低いレートを提示するようにレート関係者に働きかけたということでございまして、実は後者の方は先ほど日銀総裁から御説明があったように、LIBORにつきましては、その提示行自身が調達し得るであろう金利を報告することになっておりますが、TIBORはその提示行ではなくて、プライム・バンク同士で想定し得る金利をやっておりますので、その後者の銀行の、何といいますか信用力に悪い影響があるといった意味での事件はTIBORでは起こらないことになっております。
 したがいまして、起こりましたのは同じようでございまして、デリバティブ取引について自分に有利になるような働きかけをやっていたというのはTIBORもLIBORも共通しております。
#49
○愛知治郎君 結果として、私の認識なんですけれども、不正な金利の操作が行われなかった、TIBORにおいてですね、という結果は、まあ金融機関としても、たまたま欧州とは特に違って資金調達ができない状況にはなかった。まあそれだけ日本の金融機関の方が健全だったということだと思うんですけれども、今の状況、この構造というか、このシステムのままだと、先ほど働きかけがあったということではありますけれども、LIBORと同じような問題が発生しかねないと私は思っています。こういった問題も、しっかりとこれからシステム全般を見直すなどのことを含めて対応していかなくちゃいけないと思うんですが、白川総裁の認識を伺いたいと思います。
#50
○参考人(白川方明君) これはLIBORもそうですしTIBORもそうですけれども、これは金利の指標として大変重要な役割を担っております。
 金融の基礎は、これは信頼でございます。金利指標において不正な行為が行われたということは、これは信頼をやっぱり損なうということでございます。そういう意味で、多少抽象的、一般的なお答えになりますけれども、そうした不信の念を持って見られることのないように、しっかりと対応していくということがこれは大事だというふうに思っております。これはあくまでも一般論でございますけれども。
 個々の事案につきましては、私も必ずしもその詳細を承知しているわけではございません。一般論としては、そういう構えでこの問題を見ております。
#51
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 白川総裁、時間がなくなりましたので、最後に一問だけ伺いたいと思います。
 このLIBORの問題が日本へ与える影響はまだまだ根が深いと思うんですけれども、これからいろんな問題出てくると思います、刑事訴追の問題もありますけれども、これらの問題が日本にどう影響を及ぼすか、総裁の見解を伺いたいと思います。
#52
○参考人(白川方明君) LIBORの件につきましては、現在まだこれは捜査、英米の当局あるいは欧州もそうでございますけど、いろんな今、調査が行われている段階でございます。したがって、今全貌がつかめているわけではございませんので、あくまでも一般的な答えということになってまいりますけれども。金融に対する信頼が低下をしていくということは、これは個々の取引ということは別にしましても、全体として経済に対してこれは決して望ましいことではございません。
 それから、金融システムとの関係でいきますと、このLIBORの件それ自体というよりか、今、欧州の債務問題、これがより大きな問題として今展開しておりますので、実際の金融市場への影響ということが、どれがどれということではございません。ただ、私としましては、この欧州の債務問題によって金融市場が非常に神経質な地合いを続けている中で、このLIBORの件というのは、これは金融に対する信頼を損ないかねないという意味で、これは注意をして見ていく必要があるというふうに思っております。
#53
○愛知治郎君 ありがとうございます。是非、注視をしていっていただきたいと思います。
 私自身、自戒の念を込めて、今までの記憶をたどって思い起こしているんですけれども、サブプライムローンの問題、この委員会でもさんざん取り上げられていたんですが、当時の大臣、与謝野大臣ですか、この問題は蜂の一刺し程度のものだという発言もしていましたけれども、実際に直接的な影響というのは確かに少なかったかもしれないんですけれども、あれに端を発する大きな金融危機が起きてしまった。それが日本に大ダメージを与えてしまったということもあります。
 LIBORはLIBORの問題で、TIBORとはちょっと区別しなくちゃいけないというふうには思うんですが、この問題一つが引き金となってもっと大きな問題が引き起こされる可能性もあります。是非、市場をしっかりと注視をして、適切な対処をしていただきたいと思います。
 時間がありますので、白川総裁には退席されて結構でございます。
#54
○委員長(尾立源幸君) それでは、白川総裁、御退席していただいて結構でございます。
#55
○愛知治郎君 改めて、今の問題、引き続き金融庁に伺いたいと思います。改めてですけれども、TIBORのこの構造的な問題、システム、制度を見直して、何らかの改革、改善をする必要があるのではないかと私は思うんですけれども、金融庁の見解を伺いたいと思います。
#56
○政府参考人(細溝清史君) TIBORにつきましては、全国銀行協会が集計し、設定しているものでございます。
 この問題は二つあると思います。そういうTIBORの運用の問題と、それから、それに対して報告をする提示行の内部管理体制の問題、この二つに分けて考えられるんではないかと思っております。
 TIBORの見直し、TIBORにつきましては、現在、全銀協におきまして全提示行について一斉点検を行った上で、必要があれば見直しを検討するということと承知しております。まさに、全銀協が自らの責任においてTIBORの公平性、透明性をより一層高める観点から自主点検を開始したものと認識しております。
 なお、そのTIBORの運営は、一義的には取りまとめである全銀協において対応すべき問題ではございますが、それに対して報告する提示行の方につきましては、個別の金融機関の内部管理体制に関しまして、金融庁といたしましては、検査監督を通じて、仮に問題が認められた場合には必要に応じて適切に対応してまいりたいというふうに思っております。
#57
○愛知治郎君 この点はしっかりと監視をしていただいて、自主的取組が基本ではありますけれども、先ほどのように自主的取組に任せているだけではこういう問題必ず起こりますので、徹底的に調査をしてシステムそのものの改善も検討していただきたいと思います。先ほどの増資のインサイダーの問題もそうなんですけれども、やはり自主的な取組だけではこれは限界があるなというふうに思いますので、是非よろしくお願いします。
 では、本題のこの法案についてお伺いをしたいと思うんですが、以前、当委員会においてだと思うんですけれども、東証に視察に行きまして、そちらで関係者の意見を伺ったということがありました。そのときに、関係者の方々のお話によると、総合的な取引所、また経営統合、そういったことをしていく必要性は理解をした上ではあるけれども、法律等で強制してそれをやらせるのではなくて、取引所に、まさにこれは自主的な判断に任せてほしいという声を聞きました。
 今まで、結果として、今、東証、大証、統合するという流れになっていますけれども、これまでの経緯について改めて伺いたいと思います。
#58
○国務大臣(松下忠洋君) 現在、金融大臣でございますけれども、二年半、経済産業副大臣としてこの問題にも取り組んできておりまして、内閣府、金融庁そして農林水産省とも一緒になって取り組んでまいりました。いろんな議論がございましたけれども、やはりアジアの中の中心的な役割を果たしていくべき取引所、この狭い日本の中で幾つかに分かれていることのやっぱり利便性、使う側として、あるいは、一歩高みに乗せて、上に上がって、アジアの中で中心的な役割を果たしたいということでいけば、かなり問題があるんではないかという意識の下に、みんなで集まっていろいろ議論を始めたのがきっかけでございます。
 しかし、委員がおっしゃったように、これは、法律で決めてこうしろああしろと言って、枠をはめてやるものではないんだということは、私たちの議論の中でも出ておりました。そういう人たちが、アジアの、あるいは世界に向かって大きな働く場、あるいは利便性を考えた取引の場をしっかりとつくっていけることができるような環境とか、我々が手伝えるいろいろなシステムの問題とかということをしっかり統一させることによって、より効率的なより良い商品ができて、そしてアジアの中で力を付けていくということができるんじゃないかというようなことを議論をしてまいりました。
 難しい問題もございました。金融の問題だけじゃなくて、金の問題もありますし、お米の問題もありましたし、ですから、そういうものを含めて議論した結果、私たちは、この総合取引所は金融庁の下に一元化して、その中で自由な、目標に達するような取組をしていこうじゃないかと。経済産業省や農林省も共管で一緒にという話もございましたが、ここは金融庁にお任せして、しかし、商品を扱っている分野が経産省にも農林省にもございましたので、そこはしっかりと連携できる協議会等をつくってやっていくという仕組みにしたわけでございまして、そういうことを二年半やっている間にドイツとアメリカとの話が動き出して、また、やはりいろんな事情があってやめになる。しかし、日本はやはりそういうことに負けないで、より目標に向かってやっていこうということで、大証とそして東証が自主的に我々が議論している間にやろうとおっしゃったことは非常に良かったと、そう思っています。しっかり応援したいと、こういう気持ちでございます。
#59
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 金融庁であるとか経産省であるとか所管の問題は別として、基本的にはその経営判断ということで、民間の方の判断に任せてそれを支援していくという形だということでよろしいんでしょうか。
#60
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 今回の法案は、総合取引所の実現を制度的に可能にするための施策を盛り込んだものでございます。総合取引所の実現そのものは、民間企業でございます各取引所の経営判断に最終的に委ねられているということでございます。
 その上で、金融庁といたしましては、この法案が成立いたしますれば、総合取引所、総合的な取引所が早期に実現いたしますように、関係省庁と連携しながら取引所、取引業者など関係者に協力の要請をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#61
○愛知治郎君 分かりました。
 では、この法改正によって取引参加者にどのような具体的なメリットがあるのか、その点についてもお伺いしたいと思います。
#62
○国務大臣(松下忠洋君) 諸外国において、取引所間の統合、再編をめぐる動きが進展しております。取引所はその世界的に激しい競争にさらされているというふうに認識しています。
 こうした中で、この成長著しいアジアの中にあって我が国市場がアジアのメーンマーケットを目指すためには、やはり証券、金融、商品の垣根を取り払う、これらを横断的に一括して取り扱うことのできる総合的な取引所というものの実現がどうしても重要だというふうに考えております。こうした観点から、今般の法案には総合的な取引所を実現するための施策を盛り込んでいるところでございます。
 今般の改正案によりまして、投資家と利用者、これは取引参加者ですけれども、にとっては、一つの取引所、総合的な取引所で株式や社債、株価の先物や為替先物といった金融商品のみならず、金の先物といった商品デリバティブについても取引が可能となるということで、取引の利便性がはるかに向上していくということを私は期待しておりまして、それによって利便性も上がり、人も集まってくるというふうに考えているんです。努力したいと思っています。
#63
○愛知治郎君 ありがとうございます。
 メリットについては大きなメリットがあるということでありましたけれども、ただ、今回の法改正が実現しても、今触れられましたデリバティブ取引についても口座の一元化の問題とかあとは税制の一元化など残された課題もあると思うんですが、これらの課題については金融庁としてどのように取り組んでいくのか、見解を伺いたいと思います。
#64
○副大臣(中塚一宏君) 大変に重要な御指摘をいただいたと、そういうふうに思っております。
 やはり、口座とか税制を一元化して初めて投資家や利用者の利便が向上をしていくわけでありまして、そのことによって初めて総合的な取引所が実現できると、そういうふうに言ってもいいと、そう思います。株とか金融商品とかで、配当やら譲渡やらで税制、税率がばらばらであったりとか、あるいは損益通算等ができるようになればそれはますます望ましい、麗しいことでありますので、また年末税制改正もございます、これからも御指摘を踏まえて取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。
#65
○愛知治郎君 まだまだ課題が山積しているということで、しっかりとそれは継続的に取り組んでいってほしいというふうに思います。
 ちなみに、この総合的な取引所という考え方は、我々の自民党政権以来、長期にわたって議論されてきたことでありますし、継続的にやらなくちゃいけない政策課題ではあったんですが、今回の法改正をこのタイミングで今実現しなくてはいけない理由は何か、その点について、なぜ今なのかということを伺いたいと思います。
#66
○国務大臣(松下忠洋君) 御指摘のとおりです。総合的な取引所は、自民党政権時代から長期にわたって議論されてまいりました重要な政策課題でございました。
 昨年の十一月二十二日の東証と大証の経営統合合意の発表など、近時、取引所をめぐる情勢は大きく変化してきておりまして、総合的な取引所実現に向けた制度整備は、我が国金融資本市場が国際的な市場に伍していくための喫緊の課題というふうに認識した次第でございます。今般の制度整備が遅れる場合には我が国金融資本市場は国際的な競争から取り残されかねず、一刻も早いその成立に向けて最大限努力してまいりたいと考えております。
 議論の過程でどうしても我が国の中では省庁のいろんな縦割りの議論が起こりましたけれども、持ち上げてはちょっとあれですけど、私が決めまして、これは、経済産業省も農林水産省も言い分があるだろうけれども、金融庁にひとつしっかりまとめた上で、そしてそこでやっていくと。ただし、いろんな従来扱ってきた商品とか、それから穀物等もございますので、そういうものについては、これは実務者レベルでの協議会をつくりながらしっかりとサポートしてやっていくということでやろうじゃないかということで、今回の法案の提出ということにもなりました。
 長年努力いただきました先輩の方たちにも厚く御礼申し上げるところでございます。
#67
○愛知治郎君 今大臣のおっしゃられるとおりで、なぜ今なのか。東証、大証の統合のタイミングというのもありますし、国際競争、今重要な時期に差しかかっているということで、一日でも早くこの法案を通してしっかりとした法制度を含めた整備をしなくちゃいけない、問題認識は共有をしているつもりであります。
 ただ、だからこそ、今日、委員会の審議、残念だったんですけれども、与党側の問題で開催が危ぶまれたような状況になりました。ただ、これはもう、理事の判断もありますけれども、我々の判断としては、やはり国益を考えた上で今この法案をしっかりと審議をして通さなくてはいけないという、そういう問題意識がありましたので協力はしておりますけれども、重ね重ね与党の皆さんにはこういう点についてしっかりとした対応を求めたいと思います。
 ちなみに、次、違う話をちょっとしたかったんですけれども、この金商法の改正の目的として、先ほど言いましたように国際競争力の強化、利用者の利便の向上等が掲げられておりますけれども、これらの問題、我が国のバブル崩壊以降、ずっと掲げられてきた政策課題であります。様々な政策を今まで打ってきたと思うんですけれども、一方で、なかなか、我が国の株式市場の動向を見てみると、やはり、成長著しいアジアのマーケットとは対照的に停滞を続けているというのは事実であります。ちなみに、こういった中で、この法改正がどのように効果を発揮していくのか、先ほどとちょっと重なるところもありますけれども、改めて大臣の見解を伺いたいと思います。
#68
○国務大臣(松下忠洋君) 御指摘のとおりです。
 最近の株式市場の上場時価総額を見てまいりますと、アジアを始め世界の主要な株式市場では上場時価総額が大きく増加しているのに対しまして、我が国株式市場の時価総額はおおむね横ばいに止まっています。また、工業品や農業品などの商品市場においては、世界の市場規模がこの六年で四倍に増加しています、四倍です。一方、我が国の方は逆に四分の一に縮小しているということなんです。
 これは厳しい状況でありますけれども、こういう状況を長く放置していた責任というのも私たち関係者は感じなきゃいかぬと思っておりまして、この二年半、集中的にこの議論をしてまいりました。
 こうした状況を打破するためには、我が国市場そのものが国内外の投資家、利用者から見て高い魅力のある市場になっているのか、そしてまた使いやすくなっているのか、利便性はどうかというところもしっかりとレベルアップしないといけないということを痛感いたしました。
 こうした中で、やっぱり今般の改正は、ささやかではありますけれども、株式や社債、それから株価先物や為替先物といった金融商品、それのみならず、金の先物といった商品デリバティブについても横断的に一括して取り扱う総合的な取引所とその実現をどうしても図っていきたいということで、一歩踏み出したものということでございます。
 こうした総合的な取引所が実現しましたら、投資家と利用者にとっては、一つの取引所で多様な商品の取引が可能となります。これによって、我が国市場が使い勝手の良いものになれば、レベルアップして、システムを同じに合わせて、そうすれば国内外からの資金を更に呼び込むことも可能になるというふうに強く期待しています。
 このように、今回の法改正は、我が国市場の国際競争力の強化につながるもの、そして成長戦略、あるいは我が国の再起動そのものに大きな力も出してもらえるものというふうに期待しているわけでございます。
 以上です。
#69
○愛知治郎君 全くおっしゃるとおりだと思います。しっかりと早く取り組んでいかなくてはいけないと思いますが、ちなみに、今十分な手を打ってこなかったという自戒の念というか反省を述べられておりましたけれども、改めてこれは検証したいと思うんですけれども、今までどういった取組、我が政権のときにもいろんな取組はしてきたと思うんですが、今までの取組、主なもので結構ですので、どういったもの、どういったことをやってきたのか、またそれに対する効果についてもどのようにとらえているのか、大臣の見解を伺いたいと思います。
#70
○国務大臣(松下忠洋君) 証券市場の改革のための主な取組、これはずっとやってきた歴史がございます。
 二〇〇四年には金融改革プログラムを作りました。そして二〇〇六年の金商法制定による包括的、横断的な利用者保護法制の整備をいたしました。二〇〇七年には、市場強化プラン、これは金融・資本市場競争力強化プランでございますけれども、これを作った。そして二〇一〇年には、金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプランを作っております。これらの取組が利用者利用の向上、利便の向上、そして全体のレベルアップにつながって個人株主数や海外の投資家の我が国株式市場への参入の着実な増加にも寄与してきたのではないかというふうに考えているところでございます。
 我が国株式市場の成長率がアジアなどの他国の市場に比べて見劣りするとしても、それはむしろ株式市場の成長性が実体経済の動向と密接に関連している面があるというふうに考えておりまして、ここも私たちが努力していかなきゃいかぬところだというふうに思っています。
 以上です。
#71
○愛知治郎君 というと、今までの取組は十分な効果を発揮していたという自負を持っておられるのか、改めて伺いたいと思います。今の言い方だと、十分な効果があったというふうに聞こえるんですが、いかがでしょうか。
#72
○国務大臣(松下忠洋君) 十分な成果があったかと言われると、やはり経済のその後のいろんな動きもございましたから、思うとおりにはいかなかったと思っています。しかし、一定の我々の努力をしてきた成果が今回の改正にもつながってきているんだというふうに思っていますし、つながってきてずっと動いてきているものというふうに考えています。
#73
○愛知治郎君 一方で今の利便性についてプラスの効果はあったと思うんですけれども、一番重要な課題の一つであります先ほどの信用問題ですね、しっかりと、バブルがはじけたときもそうですし、今、イギリスの問題でもそうですけれども、この信用が失われることがやはり一番ダメージが大きいと私は考えています。
 この点について、改めて、今回、これからまたこの当委員会でもしっかりと追及していくことになると思うんですけれども、増資インサイダーの問題についてどのようなこれから取組をなされていくか、覚悟のほどを伺いたいと思います。
#74
○副大臣(中塚一宏君) 今般の一連の事案ですが、誠に残念で遺憾であると、そういうふうに思っております。我が国金融市場が公正、透明であるということこそが活力につながると、こう私ども信念を持って今般の事案に取り組んでいるところであります。
 松下大臣から、七月の四日であったと思いますが、金融審議会の方にインサイダー規制の見直しについて諮問をいたしまして、この答申を待ち、法改正も含めてあらゆる選択肢を排除することなく取り組んでいきたいと、そういうふうに思っておりますし、また、今、十二の主要幹事会社を務めた証券会社に対しまして、国内が五社、外資が七社でありますが、報告徴求命令を発しておるところであります。八月三日に回答をいただくようにいたしておりますが、その報告についてはちゃんと公表もしてくれということを重ねて命令をしております。
 第一義的には法人関係の内部管理体制のチェックでありますけれども、やはり高い公共性を担う金融機関の役職員の職業倫理といいますか、モラルの問題や、それとあと、商慣行、今までやってきたやり方が果たして本当に適当かどうかといったようなことも含めて、まずは自ら点検をしていただくわけでありますけれども、そういった報告を得た上で、私どもとしてもいろいろな情報を勘案をし、適時適切にもし何か問題があった場合には厳正に対処をしてまいりたい、そう考えております。
#75
○愛知治郎君 今、副大臣からしっかりとした個別具体的な取組について御答弁をいただきました。しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 最後になりますけれども、大臣、今の問題について、覚悟として、個別具体的な政策は結構ですから、基本的な覚悟を改めてお伺いしたいと思います。
#76
○国務大臣(松下忠洋君) 日本の閉塞状態を打ち破っていく、経済をしっかりと力強いものにしていくということを含めて、金融、これはやっぱり経済の血液ですので、これはやっぱり力強く、酸素をいっぱい積んで走っていくというような形のものにしていかなきゃいかぬと。そういう意味で、アジアの中で、今経済全体が少し落ち込んでいますけれども、日本が牽引力を持って再起動していくという、その一番大事な基本の起爆剤にしたいというふうに思っております。
 省庁の垣根を超えて、国を挙げてやっていかなきゃいかぬと、そう思って努力してまいります。ありがとうございました。
#77
○愛知治郎君 是非頑張っていただきたいと思います。
 加えて、最後に重ねてでありますけれども、しっかりと与党の側とも政策等のすり合わせをした上で連携をして、責任持ってこれからの政権運営も政策の実現もしていってほしいと思います。
 そのことを申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#78
○委員長(尾立源幸君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、溝手顕正君が委員を辞任され、その補欠として古川俊治君が選任されました。
    ─────────────
#79
○古川俊治君 続きまして、自由民主党、古川俊治の方から質問させていただきます。
 先ほど大臣もおっしゃっておりました日本の商品デリバティブの取引でありますけれども、二〇〇三年をピークに、現在では五分の一に落ち込んでおります。また一方で、世界の商品、コモディティー市場というのは、二〇〇三年同期間に比べますと、当時から約五倍に伸びているということでございまして、大変な日本の今の凋落の傾向というのは非常に危機的であるという認識。先ほど大臣もそのことはおっしゃいました。
 現在、日本では、やはり石油ですとかあるいは天然ガス、アルミニウム、大豆、小麦、トウモロコシといった、本当に主要な商品のコモディティーの輸入国なんですよね。ですから、当然その価格のリスクヘッジをするために、この商品デリバティブについては大きなニーズがあると考えられるんです。しかしながら、この凋落ぶりというのは、やはり制度の問題がどこかあるというふうに考えざるを得ないということであります。
 今日、総合取引所の実現というお話でございます。ちょっと資料、私の方で用意しましたその一というやつを見ていただきたいんですが、これはシンガポールの例でございまして、これはゴムでございますけれども、二〇一一年五月に商品取引所を証券取引所に統合したところ、あっという間に取引量が非常に増えたというような事例がございまして、やはり総合取引所の実現ということが大変政策的に有効であるという一例だと思っております。
 また右側の例なんですけれども、これは、取引が増えると利用者にとって非常に利便があるという実例を示したものでございまして、左の例、これは流動性がまだ東工取であった時点の金の取引でございますけれども、例えば六百とオーダーした場合には、これは一発で一番安いところで買えるわけですよね。ところが、流動性が失われた右側の時点になりますと、数がそんなに取引されませんから、結局一番安いところでは買えなくなってしまうと。どんどんどんどん買手の負担が増えていくと、こういうことでございまして、やはり取引量を増やして流動性を高めていくということが今後の展開に非常に必要であるということだと思います。
 総合取引所の実現ということは、先ほど大臣もおっしゃっておりましたけれども、我々は二〇〇七年の安倍政権下の骨太でもう示していることでございまして、その後の党の政策部会でも、繰り返しこの実現をうたってまいりました。御党も、政府、現政府でございますが、二〇一〇年の新成長戦略ですか、これにおきまして、国家戦略プロジェクト、これは金融分野においてはこれ一つだけなんですよね、総合取引所の実現ということが書かれておりまして、これは与野党を超えた本当に国としての重要な政策であるというふうに認識しているところでございます。
 二〇一〇年の十二月二十二日、金融庁、経産省、そして農水省、この三省の中間整理というところでも、二〇一三年の総合的な取引所の実現を目指して速やかに制度施策を実施するというふうにされているんですね。来年にこの総合取引所を実現させるということでございます。この二〇一三年という、この総合取引所の実現というスケジュールは、その後、昨年の七月二十九日の衆議院の財務金融委員会での東副大臣の答弁でも確認されているところでございます。
 今じゃなければどうしていけないのか。先ほど愛知先生からの御質問に対して大臣は、今、国際競争が非常に厳しい中、今ここで総合取引所を実現しなければ、本当に日本の今後の将来が危ぶまれるという御理解でいらした、私も大変心を強くしたんですね、今やらなければならない。
 実質的に日本におけるこの総合取引所の実現というのは、東証、大証、これが日本証券所グループをつくるわけですけれども、ここに商品デリバティブの九割の取引高を持っている東工取が一緒に入っていくと、こういうスタイル、これが具体的に日本の総合取引所なわけですけれども、この東証、そして大証、東工取の合併、統合というのは二〇一三年中にやっていただけますね。これ、大臣の御決意を伺いたいと思います。
#80
○国務大臣(松下忠洋君) 実現したいと強く考えています。そのために長年課題を整理してここまで参りましたので、今日、参っている各省庁の垣根を越えて、しっかり取り組んでいきたいと、そう思っています。
#81
○古川俊治君 ここでもう一度確認でございますけれども、この二〇一〇年十二月二十二日の中間整理における二〇一三年の総合的な取引所の実現、このスケジューリングを速やかに制度実施するということでございますけれども、制度施策を実施するということ、これに変わりはないですね。このスケジュールの問題についてお答えください。
#82
○国務大臣(松下忠洋君) 変わりございません。金融庁や農林水産省、そして経済産業省の三省庁の政務が、これは緊密に連携取りながら、取引所、それから取引業者などの関係者に対しても協力を強く要請してまいりたいというふうに考えておりますし、トップの東証、大証の人たちともしっかり話合いをして進めていきたいと、そう思っています。
#83
○古川俊治君 東証、大証、そして東工取はいかがですか。
#84
○国務大臣(松下忠洋君) 関係者とは全ての人たちと緊密に連絡を取りながらまとめていきたいというふうに考えています。
#85
○古川俊治君 二〇一三年中の実現でよろしいですね。もう一度スケジュールについて。
#86
○国務大臣(松下忠洋君) 実現に努力します。
#87
○古川俊治君 今大臣からこのスケジューリングに変わりがないという確認をいただきました。
 私が大変気になっているのは、ちょっと二枚目、資料のその二というのを見ていただきたいんですが、これが上が三省の中間整理があります。二十五年の総合的な取引所の実現を目指すというふうに書いてありますよね。この下段でございますけれども、これは実は今年の六月十八日の産業構造審議会、経済産業省の産業構造審議会の分科会において提出された資料の中にある資料でございますが、ここにおいて、左下の図を見てください。二〇一三年から一年から二年後ということは、二〇一四年から二〇一五年ということですよね。そこにおいて、東京商品取引所というのが上場しているんですね、ここですね。これ統合されていないんですよ、この姿が。分かりますね、大臣、御覧いただけると分かると思うんですけれども、一つの取引所になっていないんですよ。こういう図がかいてあるんですね。
 この東京商品取引所というのは一体何なんですか。これは経済産業省の方からお答えいただきたいと思います。じゃ政務官、お願いします。
#88
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員の御指摘のこの資料は、おっしゃるとおり産業構造審議会の参考資料でございまして、ちょっと事務方から聞いたところ、これは東京商品取引所というのは、東京工業品取引所が今年の五月三十日の取締役会で、来年二月に東京商品取引所に名称変更することを決定して、これは公表されております。これはあくまで、将来の各取引所がどのような動向になっていくのかということを分かりやすく説明する、あくまで参考資料でございますけれども、その中で一つの典型的な名前として東京商品取引所というふうに書いてあるというふうに伺っております。
#89
○古川俊治君 要するに、これは東工取がこれになるということですね。名前が変わったという理解でよろしいでしょうか。お願いします。
#90
○大臣政務官(北神圭朗君) そうですね。あくまでこれは模式的な名称になっているんですが、基本的にいわゆる東京工業品取引所が取締役会でこういう名前に変えるということになっていますので、そういうふうになると思います。
#91
○古川俊治君 そうすると、これ、東工取が統合されていないじゃないですか。これ、三省の申合せと全然違っていますよね。だって、二〇一三年度中に総合的な取引所を実現するわけですよね。これ、総合的な取引所になっていませんよ。これはどういう説明をするんですか。
#92
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員のおっしゃっているのはあれですか、東京商品取引所と日本取引所ですね、大証、東証、これが合体した形になっていないという御指摘だと思いますが、これは一応矢印が付いていまして、この東京商品取引所と大証、東証の間に、これ当然、総合取引所の可能性を示していると、こういう理解だというふうに思っています。
#93
○古川俊治君 今回の法改正でできたのは、金融商品取引所において商品関連のデリバティブを扱えるようになったんですよ。ですから、金融商品の取引所でなければ取引ができないんですよね、商品のですね。これは、東京商品取引所というのは外にあるわけなんですか。統合になっていませんよね。
#94
○政府参考人(豊永厚志君) 補足させていただきます。
 北神政務官が説明いたしましたとおり、この絵はある意味では物すごく簡素にしておりますので、誤解を呼びやすいところはございますけれども、その資料を見ていただきますと、二〇一三年の一月に日本取引所グループが構成されると、こういうスケジュールを書いた上で、今、この五月以降進んでおります東京穀物取引所が穀物を関西取引所と東京工業品取引所に来年の二月までに移管するということを並べて、本当は一か月ぐらいのずれがあるわけでありますけれども、ある意味で似た時期であるということで並列させていただいております。
 それから、矢印から先のことでございますけれども、これもまた不正確な点はおわびを申し上げるといたしまして、日本取引所がその後速やかに四つの会社、この中には二つしか書いてございませんけれども、新しいデリバティブ専門の大証、新大証、それから現物を中心とする新東証、それからもう二つですが、そういうリシャッフルをなさるということが公表されております。
 その発表された当時、新聞記事その他では一、二年後と書いてあったので、この中にはそう書いてございますけれども、この会の中で使いましたときにも、金融庁もずっと御参加されていて、正確な、御相談していませんけれども、そういう形で使わせていただいております。その……
#95
○古川俊治君 答弁、何を言っているか分かりませんよ。
 二〇一三年中にやるというのは、三省の申合せ、さっき大臣、これおっしゃいましたよね。いろんな抵抗があるけどやるんだと、私が決めましたとおっしゃいましたよね。これ、実現しますね。
#96
○国務大臣(松下忠洋君) その予定で進めて、この法案を出しております。
#97
○古川俊治君 北神政務官、これ、今年の三月の衆議院財務委員会で、これは今回の法改正で外枠ができると、総合取引所のですね。しかしながら、器だけできても中身がないんじゃ意味がないですと明確におっしゃっているんですよね。ですから、しっかりとした創設をしていくと。要するに、東工取はこの日本取引所グループに統合されるんだということですよ、これは。それはもう誓っていらっしゃるんです、答弁でですね。いかがですか。
#98
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員、この資料というのはあくまでも参考でありまして、矢印で連携、統合というものをちゃんと示しているというふうに思っております。
 それで、金融担当大臣がおっしゃったように、私は心を一にしてこの総合取引所の実現に全力で取り組んでいきたいというふうに思っています。
#99
○古川俊治君 大臣、ちゃんと分かるようにこの図を説明してくださいよ。統合されていないじゃないですか。上場しているでしょう、これ勝手に。これじゃ総合的取引所になっていませんよ。
#100
○大臣政務官(北神圭朗君) 上場については、これは実際に東京工業品取引所が本年三月に中期経営計画において二〇一四年度以降の株式公開に向けた準備というものを掲げています。したがって、それを正確に我々としては上場の可能性があるということで上場というものを入れているだけであります。この矢印で、将来、日本取引所との統合というものを示していると。なぜ一緒になっていないかというと、これは、先ほど豊永審議官から話がありましたように、この東証、大証の統合自体がまだスケジュールが不透明であります。これはいろんな再編をしないといけないし、これはもう委員御案内のとおり、ですから、ここでもう完全にくくるわけにいかないと。こういう、あくまで参考資料でありますので御理解賜りたいと思います。
#101
○古川俊治君 参考資料であっても、もう二〇一三年中に実現するとスケジュールにのっているんですよ。先ほど確認したとおりですよ、私が金融庁に。そうでしょう。そうしたら、これは当然、その参考資料を作るのでも、総合取引所グループでも何でもいいですよ、そこにぶら下がっていなきゃいけない、せめて。実質的にはこれデリバティブを扱っている大証と東工取をこれ合併するしかないんですよ、実質的な方法としては。これは完全に総合取引所から、これ九割扱っているでしょう、東工取が、これがここに入ってこなかったら意味がないじゃないですか。国策としてずっとみんなでやろうと頑張ってきていること。これ何でこういう図になるんですか。しっかり指導してくださいよ、北神政務官。
#102
○大臣政務官(北神圭朗君) いや、だから、委員のおっしゃっていること、私全く異論はございません。これは金融担当大臣がおっしゃったように、我々は二〇一三年を努力目標として全力でこの総合取引所の実現に頑張っていきたいというふうに思っています。その整備をいろいろやっていると、こういう状況です。
#103
○古川俊治君 じゃ、この二〇一三年から一年から二年後というのは間違いだということですね。だって二〇一三年中に総合取引所ができるんだから。だから間違いですよね。
#104
○大臣政務官(北神圭朗君) 間違いというか、先生御案内のとおり、この法案の施行期間も一年間半あります。そして、これは全部政府が、すぐ統合しなさい、右へ行きなさい、左へ行きなさいというわけにはいきません。大証、東証の間でもいろんな協議が行われております。そういったことも踏まえながら、我々としては政治の方から全力的に、まあ皆さんの御協力もいただいて進めていかないといけないというふうに思っています。
#105
○古川俊治君 ですから、我々の方針として、政府の方針として、これはもう政務で決めていったわけでしょう、一三年につくると。それを省庁において違うスケジュールのものをもう用意しているというのはおかしいですよね。これは当然そこにのせて話をしなきゃいけないじゃないですか。どうなんですか。勝手に省庁が判断して、それと、もう完全に政治が取り決めているんですよ、やると、二〇一三年中にですね。違うじゃないですか、明らかに。それを勝手につくらせている、それでいいんですか。
#106
○大臣政務官(北神圭朗君) いや、勝手につくっているというか、これはあくまでこの産業構造審議会の中で議論をするための一つの材料として出しているものでありまして、それで、二〇一三年から一、二年後ですから、当然二〇一三年そのものも入っているわけでありますので、その中で我々としては総合取引所というものを実現したいと、こういうことでございます。
#107
○古川俊治君 確認しておきますが、二〇一三年中に、経済産業省としても、この総合取引所の実現、すなわち商品デリバティブの九割のシェアを持っている東工取が総合取引所に加わるということでよろしいですね。
#108
○大臣政務官(北神圭朗君) 私も野党時代からこれに取り組んできましたし、先ほど松下大臣がおっしゃったような、そういう心を一にして二〇一三年に向けて私は全力で頑張っていきたいと思っています。
#109
○古川俊治君 今日、だから政務官をお呼びしたんですけど、御指名させていただいたんですけどね。
 もうお分かりになっていると思いますけど、非常に危機的な状況なんですよ。我々が頑張らなかったら本当にこれ骨抜きにされちゃうんですね。そこをしっかりグリップして頑張っていただきたいと、こういうふうに思うんですよね。
 大体、これ、今上場している姿を勝手にかいているわけですね。彼らも、だから東工取も上場準備に向かって今いろいろ準備進めているなんていつも言っていますけどね。
 この東京工業品の取引所、この営業成績を見ますと、二〇〇八年度から二十二億九千百二十五万円、十一億二千七百三十一万円、三年目が七億五千四百五十万円、それからその次が二億八千七百五十六万円、四年連続で物すごい赤字を出しているんですよね。これは、たかだか年間の営業収益って、この会社三十億ぐらいなんですよ。ところが、何十億、二十億とか十億とかそういう赤字を毎年出しているんですよ。
 これが何で上場できるんですか、この会社が。説明してください。
#110
○大臣政務官(北神圭朗君) 上場についてはさっき話しましたように、これは東京工業品取引所自体が中期経営計画で二〇一四年度以降の株式公開に向けた準備というものを掲げております。そういったことで上場というふうに書いたわけでございます。
 ただ、本質的にお答えしますと、おっしゃるとおり、今商品先物市場というものは縮小しております。ですから、よほど経営を合理化し商品市場を活性化しない限りはなかなか上場というのは厳しいものだというふうに思っています。
 もう一点だけちょっと申し上げますと、この上場というのは必ずしも統合を否定するものではなくて、むしろ上場した方が株式価額というものがはっきりして、例えば統合するときの交換比率とかそういったものを明確化する利点もあります。ですから、必ずしも上場だからといって統合を否定しているとかそういったニュアンスではないということも御理解いただきたいと思います。
#111
○古川俊治君 第一点として、今の商品デリバティブのこの危機的な状況を考えて、これは好転しなきゃ上場するようにならないんですね、だって、ずっと赤字続きのままなんだから。今後厳しいのに、だから総合的な取引所に参加しなかったらもう駄目なんですよ、この会社は。なのに、それは単独の上場なんてあり得ないですね。
 それから、二〇一三年に向けて準備しているのに、その後株価が計算できたら統合しやすくなりますとおっしゃったって、二〇一三年中にやると先ほどおっしゃったでしょうが。一体どういう今お答えなんですか、それは。
#112
○大臣政務官(北神圭朗君) 決して矛盾しているつもりではなくて、これ、二〇一三年に、我々はさっき申し上げているようにしっかり頑張っていきたいというふうに思っています。
 上場につきましては、これはある意味で、役人というのは正確を期するためにいろいろこういう正確なことを書いているだけでありまして、他意があるとかそういったことではないということを御理解いただきたいと思います。
#113
○古川俊治君 何が正確なんですか。だって、正確というのは、大臣答えているんですよ、二〇一三年にやるんだって。先ほど北神政務官もおっしゃったでしょう。それ以上正確なことがあるんですか。
#114
○大臣政務官(北神圭朗君) いや、正確というのは、この資料を見ていただければ総合的な取引所の実現に向けてということでございます。ここにはあくまで可能性についてこう書いてあるわけであって、その中で東京商品取引所というものが株式上場というものを掲げているわけですよ、中期計画に。そういった意味で、上場というふうに書いてあるだけの話であって、これで取引所をサボタージュするとかそういったことはちょっと私は深読みだというふうに思っています。
#115
○古川俊治君 こちらの資料のその三というのを見ていただきたいと思います。
 これは朝日新聞の今年の三月七日の朝刊でございますが、これは東工取がアメリカのシカゴ商業取引所に資本業務提携の打診をする方針を述べたと書いてあるんですよね。これをよく見ますと、二〇%のシェアを向こうに出させて、それに引換えみたいな形で向こうのシステムを取り入れるというふうに書いてあるんですね。
 この場合、ちょっと伺いたいんですが、もしこのCME、このシカゴの商品取引所をCMEと略して呼びますが、このCMEのシステムをこれから東工取に導入する場合に、この切替え費用というのは幾ら掛かりますか、一取引参加者当たりでお答えいただきたいと思います。
#116
○政府参考人(豊永厚志君) お答えいたします。
 システムの費用というのは結構難しゅうございまして、どこまでカスタマイズするかとか、維持管理をどういう形で、すなわち外部に委託するか内製化するかといったことで相当幅があるように聞いてございます。
 今おっしゃいましたようなCMEと連携するとかのケースについては、実はこの新聞報道の直後に東工取からこういったことは事実無根でありますという発表がなされておりますけれども、そういった状態の下で具体的な折衝がなされているとは承知しておりません。したがいまして、現段階でシステム費用が幾ら掛かるかという御質問でございますけれども、答えを持ち合わせていないというのが今の立場でございます。
 ちなみに、東京工業品取引所からは当分の間、現行のシステムを継続するということで、東証、大証の統合の推移を見守るということでございまして、繰り返しになりますけれども、新たなシステムの導入その他についての作業をしているところではございません。
#117
○古川俊治君 そうすると、今のお答えで、これはやらないということでよろしいですか。
#118
○政府参考人(豊永厚志君) 現時点で新しいシステムについての検討をしていないということであって、今後について、どういうシステムを採用するかについて予断されているものではないと思います。
#119
○古川俊治君 ある、私、民間の業者の方に伺ったところ、このCMEのシステムをもし取り入れるとなると、一取引参加業者当たり大体五千万円から一億ぐらいの費用が掛かるだろうと言われています、切替えのですね。
 多分計算していないと思いますけれども、これ例えば大証と東工取が我々が目指しているこの合併をした場合、システムの切替え費用は幾らになりますか。これも通告したんですけれども、計算していませんか。
#120
○政府参考人(豊永厚志君) 正確なその御指摘を理解しておりませんでしたけれども、今のは、今のシステムで大証と東工取が新しい共同システムを開発するということだと思いますけれども、二百億を超える予算になると思います。数百億の大台になる可能性はあると思います。
#121
○古川俊治君 一取引参加者当たりと言っているんですよ。
#122
○政府参考人(豊永厚志君) 一参加者につきましては、基本的に、既に今東工取が使っております、ナスダックのOMXに対応するシステムを持っておりますから、全く掛からないとは言いませんけれども、多くの費用は掛からないんだと思います。
#123
○古川俊治君 大体百万円という計算が出ているんですよね。ですから、同じシステムを使っているんですよ、今、東工取と大証がですね。だから、そこで統合するのはすごい簡単なんですよ。
 こんな、シカゴが入ってもしシステムが導入されたら、これ今後、もう事実上、大証とその新しいシステムを入れてしまった東工取が合併することはもう多額の費用が掛かって無理になるんですね、事実上。これは完全にこういう、恣意で国策が曲げられるということなんですよ。
 仮に、その後、無理無理大証と合併するということになったって、先ほどおっしゃいましたけれども、先ほど申し上げましたように、今物すごいこの東工取の営業成績悪いですから、株価なんてただみたいなものですよ、正直言って。だって、もう全然今後の見込みないんだから。物すごい安い価格で買いたたかれるわけですね、二〇%のシェアを。今、現に東工取の株主って最大でも五%のシェアしか持っていません。全部国内の関係者ですよ。ところが、海外の人が二〇%のシェアを、いきなり出てきて安いシェアで買い取ると。これ全然進まなくなりましたよ、統合の話だって。そこに出てきて、それで仮にやると言ったって、そのときは大証と合併するというときだから物すごい株価は上がっていくわけです、そのとき。簡単に売り抜いてからではもう、ぬれ手にアワで大変なお金を得ていくわけですね。これはいずれにしても、こんなこと、本当に国を売るような話なんですよ、もしあるとしたらですね。
 北神政務官、これやりませんね。
#124
○大臣政務官(北神圭朗君) まず、この新聞記事は、東京工業品取引所も事実無根だというふうに発表しておりますし、政府としてもそのような認識です。ですから、こういったことは全くございません。
#125
○古川俊治君 大変気になっておりますのは、先ほど申し上げた産構審、産業構造審議会の分科会の中の報告書でございますが、これは、例えば、我が国においても総合的な取引所の足かせにならないように留意しつつ、商品先物市場の国際化への対応を検討しろとか書いてあるんですよね。それからさらに、商品の共同上場やクリアリング機能の強化に向けた国際的な連携を資本関係を含めて模索、追求すべきであると。そしてまた、こうした取引所における国際連携が我が国における総合的な取引所の推進の足かせにならないよう関係者は留意すべきと書いてあるんですよね。まさに総合的な取引所の足かせになると、こういうことを、リスクをちゃんと分かっていながら、しかしながら生き残りたいから国際的なところで連携してしまおうということを模索しているわけですよ、ちゃんと。これ、政務官、どうお考えですか。
#126
○大臣政務官(北神圭朗君) 先ほどのその記事に載っているシカゴ取引所との話というのは、これはもう事実無根だということをもう一度改めて強調したいというふうに思います。
 一般論として、東京工業品取引所というものは、もう御案内のとおり、海外との取引も三割ぐらい増加をしております。こういう中で、いろんなそういった海外との連携というものは、私は検討することぐらいは当然だというふうに思っております。ただ、総合取引所の実現の足かせになるようなことだったら、我々はそれは当然排除していかないといけないというふうに思っています。
#127
○古川俊治君 この報告書に、国際的な連携を資本関係を含めて模索、追求すべきと書いてあるんですよ。今からいきなり外国の資本家がそこに入ってきたら、まさに統合合併のときにこれ資本関係が物すごい複雑になって統合できないじゃないですか。これ、足かせになるでしょう、総合取引所の実現の。いかがですか。
#128
○大臣政務官(北神圭朗君) それは、あくまで含めてという一般論の話です。ですから、本当にそんな話が出てきたときに、政府としては総合取引所の実現との関係というものをちゃんと検討して、そのとき対応すればいいというふうに思っています。
#129
○古川俊治君 もう総合取引所の実現というのは、さっき言っていますように、もう二〇一三年、来年の話なんですよ。いいですか。それ、本当にこんなことがあったらできるわけがないんですよ、我々が目的としているものが。だから、これはあり得ないと、特にこの新聞記事については絶対にないとここで否定してください。
#130
○大臣政務官(北神圭朗君) 新聞記事についてはもう事実無根でございます。そして、先ほどおっしゃった話については、私はもう何回も言いますけど、総合取引所の実現に向けて我々は全力で頑張っていって、それに足かせをしたり障害になるようなことは、我々は極力これは排除していかないといけないというふうに思っています。
#131
○古川俊治君 東工取が大変に経営赤字を続けている、現状では本当にもういずれなくなってしまうような会社、今本当にここで活路を見出すとすれば、総合取引所に参加するしかないわけですよね。この現状でこういう経営をずっと放置してきた、この責任は大変僕は経営陣、大きいと思うんですよね。
 現在、東工取とその子会社に経産省出身のOBは何人いらっしゃいますか。
#132
○政府参考人(豊永厚志君) お答え申し上げます。
 東工取からは役員変更その他の届出をいただいておりますけれども、来ておりますけれども、これによりますと、経済産業省の出身者が二名ございます。一名が社長、一名が専務でございまして、この専務は東工取の関連会社であります日本商品清算機構の社長を兼務してございます。
#133
○古川俊治君 しっかり経産省のOBが社長にいるわけですよね。
 ちょっとこの私の資料の下の朝日新聞の記事、これ、本年の三月十日の朝刊でございますが、総合取引所の実施に壁って書いてあるんです、実現に壁。監督官庁が抵抗と書いてあります。その下のところですね、天下り先を確保したい各省庁の抵抗があるって書いてありますね、しっかり。先ほども滝大臣もおっしゃっていました、いろんな省庁が抵抗してくると。天下り先がなくなるから、そういうことだと思いますけれども。先ほどの産業構造審議会、この分科会の委員にもしっかりその経産省のOBの社長様が入っていらっしゃいますよ。だから、こういう結論に誘導されるわけですよね、考えてみれば。
 先ほど北神政務官も、もう思いは同じなんだとおっしゃっていただきました。まさに、平成二十一年六月十二日の衆議院経済産業委員会の質疑、これ、商品取引所の経営陣について北神先生自身がおっしゃっているんですよ。役所を退官してから自動的に人事が回っていくようなシステムで、本当に取引所の経営としてふさわしいかどうか分からないような方を置いていいのか、そういう問題があると。ポストを残したいから、取引所が多ければ多いほどある程度そういうポストが確保できる、自然にそう思ってしまうはずだと、本当に行政は国民のことを考えているのか、それとも自分たちの天下り先を守るためにやっているのかと、ここに少なくとも疑念は感じる、整理統合というものをもう少しスピードを上げてやってもらわなきゃいけないというふうに発言しているんですね。まさに同じことを指摘され、まさによくお分かりなんですよ。
 今までの一連の流れで、本当にこれを今、経済産業省と今、政務にかかわられている方々が政治主導、これ、一体で発揮して日本の経済成長のために頑張っていかなきゃいけないんですよ。本当にその瀬戸際に来ているわけです。二〇一三年につくっていただけますね、政務官。
#134
○大臣政務官(北神圭朗君) 何度も申し上げているとおり、しっかりそれに向けて全力で頑張っていきたいと思います。
#135
○古川俊治君 滝大臣、私が今日申し上げたいことはよくお分かりいただいたと思っているんですけれども、やっぱり非常に厳しい現状にあります。我々は、政務が決めたことをしっかり……(発言する者あり)松下大臣、済みません、お名前を誤りました。先ほどちょっと法務で質問していましたから。
 松下大臣、恐縮です。大臣、しっかりやはりこれ進めていかなければならないと思うんですよ。先ほど大臣が責任を持って私が決めたとおっしゃったことが、こういうふうに違ったスケジューリングを平気で出してくる、これは大変な問題であります。二〇一三年に私の力で、私の責任を持って総合取引所を実現する、すなわち、東証、大証、そして東工取の統合を実現すると、もう一度ここで確認させてください。
#136
○国務大臣(松下忠洋君) 全力尽くします。
 それと、合併とか合体とかいいましてもいろいろ手続上がございますので、ここは正式に言葉の表現をしっかりやりたいと思いますけれども、二十五年の一月一日に日本取引所グループができます。それから、東証と大証が一緒になるわけですけれども、その中で、今までのいろんな取引所グループとして自主規制法人とか清算機関とかデリバティブ市場とか現物市場とか、そういう内容を分けながらシングルデスクで対応できていくようにしたいということはその後にまたなりますから、力を尽くして努力しますけれども、一定の時間が掛かることは、これはお許しいただきたいと思っています。
 以上でございます。
#137
○古川俊治君 よろしくお願いします。これは本当に危機的な状況なんで、そこをしっかりもう一度対応して、このスケジュールどおり進めていただきたいと思います。
 電力の先物取引ということの問題についてちょっとお話をさせていただきたいと思います。
 現在、電力については自由な取引がごく一部に限定されているためにこの先物取引のニーズは現にはありません。しかし、今の様々な政策におきまして今後、電力を大幅に自由化していこうと、こういう話になっているわけですね。将来において自由な電力取引が普及し、当事者の交渉によって価格が決定するようになった場合には、電力の価格変動、これはいろんな業者がそれをリスクヘッジしたりということがありますので、大変な先物取引のニーズがあるというふうに考えられるんですよね。経産省も、本年五月三十一日の電力システム改革委員会での事務局提出資料において、「電力の先物取引のあり方を検討し、必要に応じ、電力に係る先物取引を行うための制度整備を行う。」と、このようにされているんですね。
 現在、商品先物取引法の対象となっている商品というのは、原料又は材料である物品と、このように限定されているわけですね。ですから、電力は原料又は材料である物品ではないので、これは法改正をしない限りは商品取引市場では扱えないわけですよね、電力は。しかしながら、現在、金商法二条の二十四項四号というところで、同一のものが多数存在し、価格の変動が著しいそういう資産を、これは政策判断で幅広く政令指定できるというふうに書かれております。また、金商法二条の二十五項三号では、その変動に影響を及ぼすことが不可能若しくは著しく困難であって、事業者の事業活動に重大な影響を与える指標、これを政策判断で政令指定できる、このようにされているわけですね。
 要するに、電力を政令指定の指定の仕方を変えれば現行の金商法の中で電力を金融商品取引市場において扱えるようになるんですよ。だから、もし大臣がこれを、総合取引所を推進するということであれば、商品取引市場に残っていれば電力を取り扱えないけれども、政令指定するだけで金融商品取引市場に入ってくればできますよ、すなわち統合的な取引所においては電力は扱えますよと、そういうインセンティブ、すなわち、これ実現のためのインセンティブが掛かるわけですね。
 是非、ちょっとここで、電力、これから大きなニーズがあるわけですから、政令指定ということをお考えいただきたいんですけど、大臣、いかがでしょうか、前向きに進めていただけますかね。
#138
○国務大臣(松下忠洋君) 電力の先物取引を推進すべきかについての御質問ですけれども、これはやっぱり我が国のエネルギー政策等ともこれは深くかかわる問題でもございますし、まさに今議論しているところでございます。金融庁として、このことに限定してコメントすることはこれは差し控えたいと思っています。
 以上です。
#139
○古川俊治君 現に、経産省においては検討を始めているようなんですが、北神政務官、何かコメントいただけますかね。
#140
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員のおっしゃっているその電力を先物に持っていくということは、我々は非常に重要な御指摘だというふうに思っています。それは、商品先物市場というのは、リスクヘッジ機能とか価格形成機能とか、こういったものを担っておりますので、電力についてもそれは当然当てはまるというふうに思っていまして、おっしゃっていた電力システム改革の議論を踏まえて、我々は必要に応じて制度整備を行っていきたいというふうに思っております。
#141
○古川俊治君 是非、大臣、この電力市場、電力の先物というのはかなりの市場になり得る可能性を持っておりますので、是非これを総合的な取引所を実現すればしっかりとこれが取引できるという形にして、関係者に強くこの総合取引所実現のためにインセンティブを掛けていただきたいと、このように強くお願いをしたいと思っています。
 一つ金商法に残された課題は、この現物株と先物取引の損益通算という問題があるんですね。これをやらなきゃいけないと、先ほど大臣からも御発言がございました。
 松下先生、これ何で今回の法案に出てこないんでしょうか。
#142
○副大臣(中塚一宏君) 先ほども御質問をいただきました、取引所自体が統合をするということでありますが、やっぱり利用者の利便の向上というのを考えたときには、それこそ、口座の一元化の問題でありますとか税制の一元化の問題でありますとか、まだまだ残された課題は大きいと、そういうふうに思っております。
 今回は関係者の御尽力によりまして法案提出にこぎ着け、制度整備が行われるわけなんでありますけれども、今後御指摘も踏まえて進めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
#143
○古川俊治君 税制改正は、じゃ近いうちにやるんですね。
#144
○副大臣(中塚一宏君) 関係省庁とも連携をしながら、要望できるものならば要望してまいりたいと、そういうふうに考えております。
#145
○古川俊治君 何かお聞きしたところ、財務省が抵抗しているから駄目だというふうに伺ったんですが、いかがですか、五十嵐財務副大臣。
#146
○副大臣(五十嵐文彦君) 金融所得課税、税の立場からいいますと、その一体化というのはゴールでございますが、そのゴールに至るまでには、まず金融所得間の課税方式の均衡化というのが欠かせないと思います。
 二十六年一月にやっとその軽減税率が本則税率に戻るということになりまして、そこで損益通算の範囲の拡大の検討に入るということで、まずはその所得の性格が似ている公社債等の利子との損益通算を一致させると、拡大するということを検討をさせていただくということになると思いますが、それから先は、非上場株式の譲渡益あるいは預貯金の利子、一時払い養老保険の差益、さらには定期預金の給付補填金や抵当証券の利息等、こうした様々な種類のものについて、これが損益通算可能かどうかを子細に検討する必要があると思いますが、この今お尋ねの先物取引については、利益を得るものと損を被るものが同時に発生する取引から来る所得でありまして、所得の性格が、株式譲渡所得が株式を保有することによる値上がり益であるということとは若干の違いが出てまいりますので、その先に検討をさせていただくということになると思います。
#147
○古川俊治君 政策はパッケージとしてやっていかなきゃいけないんですね。今、長い御説明がございました。なかなか財務省としてはすぐにやるというふうには言えないようなんですけれども、これはやっぱり損益通算というものをやらないと、海外に対して、我々の国家戦略プロジェクトですからね、総合的な取引所の実現と、そこでの取引量をアジアのまさにメインとして持っていくということでございますから、そこに実現しなきゃいけない。
 やっぱりそのためには、この総合取引所ができて損益通算がやっぱりできるようになって、利用者にしても、口座が一つになって証拠金も一個でいいと。業者にしても、そこに簡単に参加していって、いろんなものが取り扱えると、こういうようになってくればどんどんどんどん活性化してくるわけですよ。
 大臣、是非お願いしたいんですが、これ、仮に損益通算が財務省が認めていただいたとしても、総合取引所が実現していなかったら意味がないんですよ。パッケージですから、これは。ですから、今後この税制要望のときも、総合取引所が実現して速やかに損益通算をやるということにしていただけば、これ十分インセンティブになると思うんです、総合取引所の。いかがでしょうか。検討していただけますかね。
#148
○国務大臣(松下忠洋君) 五十嵐副大臣のお話もございますし、経産省としてのお考えもございます。よく研究して、調整して目的が達成できるように、いい姿を描きたいと、そう思います。努力します。
#149
○古川俊治君 今までずっと質疑をさせていただきましたけれども、皆さんが思いは同じだと思うんですよね。とにかく、総合取引所というものを早くつくらなければいけないと。それがまさに我々の、この国の存亡が懸かっている。ですから、今この時期に来年これを実現しなければいけないという状況に来ているわけです。
 しかしながら、我々としては、参加しているプレーヤーは皆プライベートですから強制はできない。だけれども、関係者にとにかく強く強く要請をして、これを国として実現をしていくと。もちろん、公的な関与の大きい業界でのプレーヤーの皆さんですから、そういうことだと思うんですね。ありとあらゆる手段を尽くしてこれは二〇一三年に実現しなきゃいけない。このことについて確認をしておきます。
 松下大臣、二〇一三年に実現していただけますね。お願いします。
#150
○国務大臣(松下忠洋君) 二〇一三年の、平成二十五年ですけれども、一月一日に大証と東証は合体します。それから、今度は中を詰めていきますから、いきなり合体してすぐフルオープンというわけにはいきません。いろんな段取りをしながら、周辺もいろいろ話をして合わせながら、しっかりつくっていきます。その期間が二〇一三年、しっかり使いたいと、そういうことです。
#151
○古川俊治君 二〇一三年中に実現するということですから、その期間、一年間で実現にいってください。よろしいですね。
#152
○国務大臣(松下忠洋君) 努力します。
#153
○古川俊治君 それから、北神先生にはもう一度確認しておきたいんですが、海外への連携とかという話じゃないですね。これ足かせになりますよ、完全に。よろしいですね。資本提携等、何となく産構審の報告書に出ていますけれども、そんなことあったら、絶対に総合取引所はできませんから。よろしいですね。
#154
○大臣政務官(北神圭朗君) 何度も言いますけれども、あれは一般論でありまして、我々としては、総合取引所の実現に向けて最大限やりますので、それの邪魔になるようなことは我々はやりません。
#155
○古川俊治君 今確認したということで、しっかりこれからも、二〇一三年、このスケジュールに乗せた施策、しっかり進めていただきたい。これを最後に確認をしておきたいと思います。
 今回、商品の取扱いの中で、米の先物取引の試験上場、これをずっと動かしているわけですが、この評価というのをちょっとお聞かせいただきたい。それから併せて、今後どのような農作物を上場していく予定があるのか、見込みがあるのか、これについてもお話をお願いします。
#156
○大臣政務官(森本哲生君) 古川委員にお答えさせていただきます。
 昨年八月の八日に東京とそして関西において米の先物取引、上場されたわけでありますので、約一年近くたってきておるわけであります。委員も御存じのとおり、大体この両者で、今の取引、六十キロ当たりが一万三千円から一万七、八千というところでございます。この取引量につきましても、やはりやや少ないという、そういう御指摘はいただいておるところでございますので、こうした問題については、今上場期間二年ということになっておりますので、そこのところをしっかり我々としては見極めていきたいというふうに思っております。
 今、そして、ますます農産物の上場をされるかどうかということなんですが、今取引所から具体的に何をかというようなことは、私どもとして情報はまだいただいておりませんので、こうした問題がしっかりと煮詰まってきた段階で法に乗って我々としてはしっかりと対応していかなければならないと、今のところその程度でございますので、よろしくお願いします。
#157
○古川俊治君 現段階のこの試験上場の評価に基づいて、生産者に対してこの米の先物、これが進んでいく、これメリット、デメリット、お感じになっていることをお話ししていただきたいんですけれども。
#158
○大臣政務官(森本哲生君) 当初は、これはなかなか不安感というような、そんな思いの中で消費者の皆様思っていただいたわけでありますが、これは幸か不幸か余り量的には増えておらないということで、まだ私の段階ではその評価については少し、まだもう少し様子を見せていただきたいというふうに思っておりますので、御理解いただきたいと存じます。
#159
○古川俊治君 この法案で総合的な取引所をつくって商品の取引、デリバティブを活性化していこうということですけれども、商品ということになりますと、やはりそこに流通の問題も懸念されるわけであります。今回の法案に商品の生産、流通に悪影響を与えないための整備と、これはどのようなことがされていますか。
#160
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 総合的な取引所の規制監督は金融庁に一元化されるわけでございますが、先生御指摘の商品の生産、流通に対する悪影響を防がなければいけないといった観点から、今回の法案には、例えば商品の上場認可、上場廃止命令を行います場合、あるいは商品デリバティブ取引の取引停止命令を行う場合等につきまして、そうした商品の生産、流通に影響を及ぼすような権限を行使する場合には、金融庁は商品所管官庁にあらかじめ協議いたしまして、その同意を得ることとしております。
#161
○古川俊治君 まあ十分に検討して流通に、やはり流通は一番大事ですので、国民生活に影響を与えないようにこれをうまく活用していただきたいと思います。
 最後の御質問になりますけれども、デリバティブというのは非常に理解が難しいものでもあると思います。特に、これから高齢者で、これだけ低金利になっていますと、一般の本当に個人の投資家でも少しリスクがあってもやってみたいと思う人がいるかもしれませんが、なかなかその構造が理解できないのがデリバティブだと思います。
 全国銀行協会の紛争解決業務では、あっせんの新規申立て案件のうち、平成二十二年度が五二・八%、平成二十三年度が六九%。これは、あっせんを要する事案の多くに、大変多くの割合をデリバティブ業務が占めているんですね。また、証券・金融商品あっせん相談センターでも、商品・サービス別のデリバティブのあっせんの申立て件数は、デリバティブが平成二十二年度の一〇%から二三%、四〇%と、これ大変急増していると。この金融ADRというのは最近できた制度で、今認知が進んでいるところですから、今後も一般投資家というか個人のデリバティブに関する苦情というのはどんどんどんどん増えていくような気がするんですが、こうしたトラブルというのは何が原因と考えておられますでしょうか。
#162
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 先生御指摘のように、全銀協あるいはFINMACに対しますADRのあっせんの申立て件数のうち、為替デリバティブ取引に係るものが大変増えております。その原因と申しますかにつきましては、全銀協のあっせんの状況を見ますと、最悪の状況を想定した商品説明や顧客のヘッジニーズに対する確認が販売時に十分に行われていなかったことなどに起因した申立てが多いというふうに承知しております。
 金融庁といたしましては、そうした状況を踏まえまして、最悪の状況を想定した損失等について丁寧に説明をすることでありますとか、顧客の取引に照らしてデリバティブ取引が見合ったものになっているかどうかの確認を金融機関に対して求めておるところでございます。今後ともその対応をしっかり注視してまいりたいというふうに考えております。
#163
○古川俊治君 しっかりやって、しっかり監督をしていただきたいと思います。やっぱり投資家が、我々にとって国民の投資家が一番大事ですので、その点を忘れないようにお願いを申し上げます。
 以上で私の質問を終わります。
#164
○委員長(尾立源幸君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会
#165
○委員長(尾立源幸君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、荒木清寛君が委員を辞任され、その補欠として浜田昌良君が選任されました。
    ─────────────
#166
○委員長(尾立源幸君) 休憩前に引き続き、金融商品取引法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#167
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 ADRに寄せられる相談の中で、為替デリバティブが非常に高い比率であるということで、私も前回の財政金融委員会でも取り上げさせていただきました。引き続きやらせていただきたいと思いますが、被害に遭った顧客の方々というのが、中小企業、特に地方に地盤のある優良な中小企業が顧客の多くに存在していたということで、かなり金融機関としてはターゲットを絞って計画的に営業を掛けていたということがうかがわれます。また、学校法人も多額の損失を出しているということも報道されているところでありますが、最近、これが中小企業や学校法人だけではなく個人の富裕層、ここにまで被害が及んでいるという実態が明らかになりつつあります。
 ある事例では、国内の証券会社が販売した仕組債で被害を被られた方でありますけれども、国内の証券会社が国内で仕組債を組成するのではなくて、ヨーロッパで組成したものを販売をしていたわけでありますけれども、この仕組債、ヨーロッパで組成した場合に国内のそれを注文をした証券会社、この海外との取引記録というものを証券会社に対する金融庁の検査の中で、この取引の契約書や送受金の書類、こういったことが検査のときになかったという、そういう事例はありますでしょうか。
#168
○政府参考人(岳野万里夫君) 証券会社に対する検査に関するお尋ねでございますので、証券取引等監視委員会事務局より御説明をさせていただきます。
 今先生から証券会社の検査で、お伺いいたしましたところでは海外で組成された仕組債を国内の証券会社が販売をしたと、そういう場合に送受金の書類ですとか組成のときの書類がどうだったのかという御質問でございます。
 検査でのということでございましたが、検査における個別にどういう書類があったかなかったという形でのお答えはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますが、一般的に先生が今お示しいただいたようなスキームで海外で組成された仕組債を国内に持ち込んでという場合に、販売した証券会社にどういう書類があるかというのは、その持ち込まれている態様によっても変わってまいると思っております。一概に、何といいましょうか、販売証券会社に何が残っているかというのは、必ずこうだということを申し上げられない状況にございます。
 したがいまして、直接に今お答えすることは難しいんですけれども、いずれにしても販売証券会社であれば商品を仕入れてきて販売しているわけでございますから、その関係の何らかの取引記録はあるのが一般的だと思っております。ただ、先生が今特定しておっしゃっているような書類があるのかどうかについては、大変申し訳ありませんが、個別のケース・バイ・ケースで変わってまいりますので、確定的なお答えはちょっとこの場では難しいということを御理解いただきたいと思います。
#169
○竹谷とし子君 国内でこの仕組債、発行する場合は、金商法で有価証券届出書や目論見書、これが必要になるのではないでしょうか。
#170
○政府参考人(岳野万里夫君) 今先生から国内で仕組債を発行する場合ということでございました。それと開示規制との関係の御質問でございますが、一般に開示規制の場合には、公募される場合に開示規制が掛かりますので、国内の発行体が仕組債を発行する場合、公募する場合には開示規制が掛かります。また、仮に海外で組成された仕組債を国内に持ち込んで国内で広く売出しのようなことをするのであれば、その場合も一応開示規制といいますか、届出書なりは提出されるということになろうかと思っておりますので、要は公募か私募かで分かれる、開示規制に関してはそういうふうに理解をしてございます。
#171
○竹谷とし子君 公募の場合は、海外から組成したものを仕入れて販売する場合であっても金商法上の有価証券届出書が必要になると、私募の場合は、国内であっても海外であっても必要がないという、そういう理解でよろしいでしょうか。
#172
○政府参考人(岳野万里夫君) 一般的にはそういう理解でおります。
#173
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今回、私募のケースであります。裁判所を通じて証拠保全のために独自に入手した情報でありますけれども、相手方と発行体、相手方というのはヨーロッパの日本にある証券会社のグループ会社であります。そして発行体、日本にある証券会社です。相手方と発行体との間のユーロ債の組成の発注、受領の方法及び金銭の授受に関連する基本的な事項を定めた契約書及び附属書類、これに対して国内の証券会社はないというふうに答えているんです。これはあり得ることでしょうか。
#174
○政府参考人(岳野万里夫君) 今先生がおっしゃいました、まず発行体は海外ということでよろしゅうございますよね。
#175
○竹谷とし子君 そうですね。
#176
○政府参考人(岳野万里夫君) 発行体は海外。それから、その相手方とおっしゃいましたけれども、少なくとも販売した証券会社は国内の証券会社であると。それから、相手方とおっしゃっているのは、一般的に仕組債の場合には発行体とそれからアレンジャーという業者がおりまして、それから、通常仕組債というのはまさにデリバティブを仕組んでいるから仕組債でございますので、発行体とスワップディーラーなりデリバティブのハウスと仕組みの契約がございまして、それをアレンジャーが組成をして、間にブローカーが入って国内に持ち込まれてくるわけでございます。
 したがいまして、先ほども申し上げましたように、仕組債の組成と国内に持ち込まれてくる態様によりまして、販売証券会社にどういう書類があるかというのは変わってくると思っております。今先生がおっしゃられた、その販売証券会社と海外の相手方、あるいは海外のこれはアレンジャーかもしれませんけれども、それが同じグループであるということでございますが、仮に別法人だといたしますと、国内の証券会社に対する法的なアプローチであれば、国内のその販売証券会社のところに何があるかということが問題になりますので、繰り返しになりますけど、国内の、今回先生が問題とされています個別の商品につきまして、その販売した証券会社に何が、どういう記録があるかについてはちょっと一概にはお答えしにくいということを御理解いただければと存じます。
#177
○竹谷とし子君 私募の場合は、国内であっても海外であっても開示の規制の対象になっていないということかというふうに思うんですけれども、この海外との取引について、金融庁の証券会社に対する調査権限というのはどのようになっているのか、概要を御説明いただけますでしょうか。
#178
○政府参考人(岳野万里夫君) 今先生から御質問いただいているような、海外で組成された仕組債をいろんなルートをたどって国内の証券会社が販売するというケースにつきまして、国内の証券会社に対する私どもの検査監督の手段といたしましては、一般的には、私ども監視委員会でございますれば、立入検査をいたしまして、まさにどういう取引をしているのか、顧客に対して適切に、例えば契約締結前書面なり契約締結時書面を交付しているか、それから適合性原則にのっとった販売をしているかと、そういったような形で、外物であれ中のものであれ、販売証券会社に対する検査では、その販売、勧誘の体制の適切性といったものを検証し、問題があれば必要な行政上の措置を講じていくと、こういったことが一般的でございます。
#179
○竹谷とし子君 今回、個人の富裕層、これから被害実態がだんだん分かってくるのではないかというふうに思うんですけれども、大体、大手の銀行とそして関係がある証券会社、あるいは取引を密接に行っているような、そういった銀行と証券会社のペアで営業に行くパターンというのが幾つか事例を聞いているんですけれども。
 そうすると、個人の方ですね、富裕層というとやはり高齢者の方、金融資産持っていらっしゃる方となってくると、若い人というよりは高齢者の方となると思います。金融の知識も非常に少ないと。金融のリスクに対しても、中小企業に対するデリバティブの被害のときもそうでしたけれども、余り内容を理解しないうちに、いつも取引しているところだからまあ間違いないだろうというような、そういった安心感、信頼感みたいなところを悪く言えば利用されて、細かい契約書類、これをもう基本的には読み込むような、そういう知識もないのにサインをさせられるような、そういう形になって被害に遭っているわけですけれども、今回のその個人の富裕層という人も、まさにもっと知識がない中でこういった仕組債の購入というものを勧められて買っている、そして多額の損失を被っているというものが出てきているわけであります。
 これから明らかになってくると思いますが、ここをどのように保護していくのか、今の形の規制でいいというふうに考えていらっしゃるか、金融庁の御見解を伺いたいと思います。
#180
○政府参考人(岳野万里夫君) 委員の御質問は、今の形のような規制で保護ができるかということでございますが、取りあえず監視委員会のエンフォースメントの立場から申し上げますと、今の規制につきまして、先ほど申し上げましたような、例えば現在の金商法の規制の中でも、顧客の知識、経験、財産の状況及び投資目的に照らして不適当な勧誘が行われていないかといった適合性の観点での検証、そういったことは現在のルールでも入っておりますので、現場の市場の監視当局といいますか検査の現場では、証券会社の検査に当たりましてはそういった点について注意深く検証していくということが必要だと思っております。
 時々、プライベートバンキングとか、そういったことが、波があるんですけれども、はやることがありまして、そういうときにやはり個人の富裕層に対する証券会社のアプローチが非常に熱心になる時期がございます。そういった点につきまして、やはり今先生から御指摘のあったような点は十分に注意しながら検査には臨んでまいりたいと思っております。
#181
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 前回の財政金融委員会のときにも取り上げさせていただいたんですけれども、適合性の原則とか、そういったものを満たしているか、そういったことは書面上、形式的に満たすことが事実上可能であると思います。説明をしたということにサインをした記録が残っていれば、これは分かっていてやったんでしょうということになるわけでありますけれども、ここで一つ、仕組債つくるときに、販売者の方ですね、発行体ではなくて販売する側が顧客と利益相反の関係にあることをしているかどうかというのは非常に大きなポイントであるというふうに私は思っております。
 私募の場合に、届出書も開示しなくてもよい、国内であっても海外であってもそれはそうだということでありますけれども、後でそういった紛争が起きたときに、利益相反取引がなかったかどうか、残っている書類で調べようとしても、先ほど読み上げましたけれども、独自の情報によりますと、発行体との取引の記録のようなものは残っていないと、そういうような状況でありますので、極めて被害を受けた顧客にとっては不利な状況になってしまうというふうに考えております。
 利益相反取引ということについてでありますけれども、アメリカの商品先物取引の規制の中で、テーク・ジ・アザー・サイド、利益相反取引の禁止、直接、間接問わず、これを、禁止というわけではないんですけれども、やる場合には顧客に事前に伝えなければいけないという、そういう規制があります。これについてこれまで検討をしたことがありますでしょうか。経済産業省、お願いいたします。
#182
○政府参考人(豊永厚志君) お答えさせていただきます。
 御指摘のテーク・ジ・アザー・サイドの制度、これはCFTCの規則の百五十五の二項ということかと思いますけれども、業者の顧客から取引の委託を受けた場合に、その取引と反対の取引を行うことを禁止すると、これによって顧客と業者の利益相反を防ぐ規定かと思います。
 今御質問のございました検討状況でございますけれども、明確な記録は残ってございませんけれども、商品先物法では比較的早くに手当てをしておりまして、昭和四十三年に同様の趣旨の規定を商先法に導入してございます。
 以上です。
#183
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 金融庁はいかがでしょうか。これについて検討したことはありますでしょうか。
#184
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 金商法の規制では、今御説明がありました商先法の差し向かい玉の説明義務と全く同じような規制は存在しておりません。一方、業者の行為規制の中に利益相反に関する体制整備義務といったものがあるといった状況でございます。
 そうした規制を金商法に導入することを検討しないのかという点につきましては、現在お諮りしております総合取引所に関係しまして商先法と行為規制の調整をする必要がございますので、これは政省令で具体的な行為規制は定まっておりますので、この法律が通りましたら、そうした点も勘案して検討してまいりたいというふうに考えております。
#185
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 行為規制で証券の方も業者に対して規制を掛けているというお答えだったかというふうに思いますが、私募の場合に、後で利益相反取引があったかなかったかというのを取引記録がない中でなかなか証明することが難しいのではないかというふうに考えるんですけれども、金融庁、いかがでしょうか。
#186
○政府参考人(岳野万里夫君) まず、利益相反という概念は非常に広い概念だと思っております。先生がどういう範囲のことをおっしゃっておられるかということにもよろうかと思っておりますけれども、私募の場合に、どういう利益相反かということでございますが、先日の財政金融委員会での先生の御質疑の状況も私どもは勉強させていただいておりますけれども、先生が冒頭おっしゃっておられましたのは、たしかロシアの債券か何かの関係で、その場合には発行体と投資家は利益相反の関係があると、そういうお話をこの場で御指摘いただいていたと存じます。
 販売証券会社と投資家の間にどのような利益相反があるかというのはその取引の態様によってかなり変わってくると思っておりまして、アメリカのCFTCの場合のルールは、まさに証券会社、ブローカーが先物取引の売りの受託をして取引所に売り注文を出すときに、同時に同じ買い建てをするのがいかぬというような規制だと思うんですけれども、仕組債の場合にどのような利益相反関係があり得るかということは、その仕組債の内容とか販売の態様に変わってくると思います。
 それから、私募の場合に事後の検証が難しいとおっしゃっておられますけれども、公募の場合でも、目論見書とか届出書があるということはもちろん私募とは違うわけでございますけれども、それがあるなしによって大きくその販売証券会社と投資家との間での利益相反関係があるかないかを事後的に検証するのが大きく違ってくるかどうか、それも含めてちょっとケース・バイ・ケースではないかなと思っております。
#187
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 もう一件、ちょっと別な形の金融商品、投資ですね、これによって損失を被ったときに説明責任が業者側に足りなかったのではないかという、そういうケースを紹介させていただいて、ちょっと質問させていただきたいんですが。
 匿名組合形式で出資を募ったと、それをベトナム株に運用いたしますよという、そういうファンドをつくったわけでありますけれども、セミナーを開いて、その後はメールのやり取りで、書類が送られてきて、説明は確かによく見るとその中には書いてあるけれども、大きな損失を被ったわけであります。それで、途中での解約は認められません。三年間ですね。その後、運用者の裁量で更に二年間の延長の可能性がありますというふうに書いてありまして、延長になってしまったわけなんですね。途中で解約したかったけれども、できないと。特段の事情、天災等の不可抗力とか財産がなくなってしまった場合、また疾病、負傷、障害によって生計維持が困難になったとき、こういった場合は途中解約はできるけれども、基本的にはできない。期間が来ても更に二年延長、運用者の裁量で二年延長になってしまうと。そういう状況の中で、管理報酬と助言会社に対する報酬というのは年率合計で一・七五%取られていくわけですね。
 そういったような投資であったわけなんですけれども、この匿名組合形式によってリスクの高い投資を募る、こういう場合の説明責任についてはどのような義務がありますでしょうか。特に、高いリスク、午前中もありましたけれども、最悪の場合を想定したリスク、こういったような注意を喚起する、そういう説明の義務というのはどのようになっていますでしょうか。
#188
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 金融商品取引法では、匿名組合形式のファンド持分の販売も含めまして、金融商品取引契約を締結しようとする場合は、あらかじめ顧客に対しまして商品、サービスの概要、手数料等やリスクを記載した書面を交付いたしまして、かつ、顧客の属性に照らして、当該顧客に理解されるために必要な方法及び程度において説明しなければならないとされております。さらに、監督上は、顧客の目線に立って、顧客が商品性、リスク特性等を真に理解できるように分かりやすい説明に努めることとされておりまして、そうした先生御指摘のリスクの高い事項については、そうした意味で顧客にしっかり注意喚起するようにと、そうすべきであるというふうに考えておるところでございます。
#189
○竹谷とし子君 確かにそのとおりなんですけれども、今のお話、かなりとらえ方によっては緩い規制になるのではないかなというふうに感じます。
 例えば、数十ページある書面を送られてきても、多くの方は、本当だったら当然、投資というのは自己責任でありますので、自分の責任できちんと読んで、そのリスクを理解した上で当然投資を行うべきでありますが、たくさん、携帯電話を申し込むのでもそうですけど、いろんなことが細かく書いてあって、保険に入るときもそうですけれども、あれ全部読む人というのはなかなかいないと。特にその中でもリスクが高いこと、投資額の全額がなくなる場合もありますよ、そういったリスクについては一番先に太字で持ってきて、その部分について確認しましたということを、そこの部分に特化して署名を得るとか、またインターネットでの取引、私はこれどんどん広がっていった方がいいというふうに思っておりますが、これについても全てのものを読んで最後に同意というところをチェックするのではなくて、リスクの高い項目については一個一個確認をさせたということが残るような仕組み、そういったものが必要なのではないかなというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
#190
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 基本的考え方は先ほど御説明したとおりでございますが、先生御指摘の、真にその顧客特性から見てリスクが高いと思われる事項を理解させる具体的な手段、これについては、先生今御指摘になられている事例、またほかにも様々な事例があろうかと思います。そうした事例を踏まえて更に工夫してまいりたいというふうに考えております。
#191
○竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。
 次に、私募ファンド、今回AIJの問題で年金基金の投資について大きな社会的問題となりましたけれども、年金基金に限らないんですが、この私募ファンドについて、今第三者による監査制度というものがどのようになっているか、概要を御説明をお願いいたします。金融庁、お願いいたします。
#192
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 現在、金融商品取引法で公認会計士等の監査が求められているものは、一言で申しますと、公募のもの、すなわち多数の者、五十名以上の者を相手方といたします有価証券の取得勧誘等でありまして一億円以上の金額の場合でございます。
 したがいまして、私募ファンドについて金商法上監査を求めると、外部監査を求めるという仕組みにはなっておりません。
#193
○竹谷とし子君 今、必須ではないということだと思うんですけれども、この私募ファンドについて、任意であっても有効ではないかと思うんですが、この第三者による監査、公認会計士等、そういった専門家の監査を受けているかどうかということをきちんと、例えば年金基金あるいは年金基金に加入している企業、これを一つの判断基準。監査を受けていないということは、虚偽記載の可能性というものが非常にリスクが高くなってくる要素があります。これ、任意であってもいいと思うんですけれども、そういった監査を活用するということがそれを防ぐために有用なことではないかというふうに私は考えておりますので、これについて是非御検討いただければというふうに思うんですけれども、年金資産の運用先の私募ファンドに関して、公認会計士等の監査を受けることの有効性についてどのようにお考えになるか、厚生労働省、お願いいたします。
#194
○副大臣(辻泰弘君) 私募ファンドに対して会計士等による監査を義務付けるかどうかは、一義的には金融庁の御判断によるべきものと考えているところでありますけれども、そうした監査の状況は、厚生年金基金が運用受託機関を選定するに当たっての一つの判断基準になり得るものと考えているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、四月より開催してまいりました厚生年金基金等の資産運用・財政運営に関する有識者会議が七月六日にまとめました報告書に基づきまして、現在、厚生年金基金の資産運用ガイドライン等の改正案についてパブリックコメントを行っているところでございますけれども、その中におきまして、私募投資信託等に投資を行う場合に監査の有無を確認すること、外部監査等の監査の状況を運用受託機関の選定の際の評価基準とすることなどを盛り込んでいるところでございます。
#195
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 そして一方で、投資先だけではなくて年金基金の財務諸表の監査の状況について伺いたいんですけれども、ある年金基金、今回AIJの被害に遭った基金であります。そこはどちらかというと、残っていらっしゃる企業は非常に頑張っていらっしゃるんですが、構造的に不況業種と言われるような分野であります。昔はすごく良かったけれども、だんだん業界の人数も減ってきて、国以上に高齢者の方々の比率が加入者の中で多いというような、そういうところでありますけれども、また、優良企業、その中で幾つもありますが、脱退しようと思ったときに、純資産が一億円ぐらいしかない会社で、脱退するときに追加で一億以上出さなきゃいけないというふうに基金から言われたと。知らなかったと、そんなことは。しかも、AIJの損失額というのはその中には含まれていません、これからどのぐらい出てくるか分かりませんと、そういうことが脱退したいと申し込んだときに初めて分かったような、当然、財務諸表の総額というのは開示されていたというふうに思いますけれども、個々の企業にとってどれぐらい潜在的な負債があるかというのはそこからは読み取れないわけであります。また、このAIJの損失についてもまだ分からない。
 そういったような状況の中で、年金基金の財務諸表の監査の実態状況、今どのような形になっているのかということと、基金から加入者への説明の責任というのはどのようになっているか、厚生労働省、お願いいたします。
#196
○副大臣(辻泰弘君) 二つのポイントをいただいたということでありますけれども、まず監査の状況ということでございますけれども、厚生労働省といたしましては、これまでも各基金に対して業務執行の内容や体制、並びにそれらをチェックする内部監査による指摘事項の実施内容等について適正に点検を行っていただくように指導してきたところでございます。
 御指摘をいただきました外部監査の義務付け、こういったものにつきましては、最終的に事業主がその費用を負担することについて理解が得られるかということや義務付けには法改正が必要であることなど、様々な課題があると考えております。
 厚生労働省としては、先ほど申し上げました、有識者会議がまとめました報告書に基づきまして、現在、厚生年金基金の資産運用ガイドライン等の改正案についてパブリックコメントを行っているところでありますけれども、その中では、内部監査に加えまして行政監査によるチェック機能を強化していくということにさせていただいております。
 そして、後半のことについてでございますけれども、厚生年金基金には、厚生労働省令におきまして、前事業年度一回以上、積立状況等の財務概況などについて加入員並びに事業主に対して周知をしていただくことにしております。
 厚生労働省といたしましては、これまでも基金がその責任を果たすよう指導してきたところでありますけれども、さらに、現在、先ほど来申し上げておりますパブリックコメント中の資産運用ガイドラインにおきまして、周知すべき事項の中に、資産運用委員会の議事の概要を加えること、基金が周知するに当たっては平易な表現を用いることなどを盛り込んでいるところでございます。
 厚生労働省といたしましてこのような取組を進めてまいりましたけれども、引き続き各基金に対して説明責任をしっかりと果たすよう徹底していきたいと考えております。
#197
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 そこの基金側の方と加入者の企業の方々と両方いらっしゃってお話を聞いたんですけれども、基金としては、厚生労働省の指示に従ってきちんとやってきたという、そういう御認識なんですね。一方で、加入企業は、そんなこと聞いていなかったと、脱退するときに、もう既に真面目に今まで払ってきて、一億円以上払わなければいけないなんということを知らなかったと。
 これ、年金というのは金融商品じゃないかもしれませんけれども、今お金を払っておけば後で返ってくるという、そういう形を考えると、加入者に対してリスクをきちんと説明するということが基金に求められるのではないかというふうに思いますが、今、それ十分果たしていると思いますでしょうか。
#198
○副大臣(辻泰弘君) 個別のことは必ずしもつまびらかでございませんので一般論で申し上げることになるかもしれませんけれども、恐らくその脱退のルールも当初から約されていたことであったのではないかというふうに思うわけでありますけれども、その辺は、そのことについて、また個別に御指摘いただけましたら検討させていただきたいと思います。
#199
○竹谷とし子君 これは多分個別のことではないと思うんですね。どこも同じような問題になっているのではないかというふうに思います。しかも、やめたくてもやめられないというような状況になっているわけでありますが、大事なのはこれからでありますけれども、とにかく知らなかったという、そういう状況にならないように、加入者側にも、特に都合が悪くなったときのことをきちんと説明をしておくべきだというふうにこの件に関しても私は思います。
 このADRに関してでありますが、まだ使い勝手が悪いというようなお声も国民からはいただいているわけでありますが、この見直しについてどのような計画になっているか、金融庁、お答えください。
#200
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 ADR制度につきましては、平成二十一年の金商法改正で、法施行後三年以内に各機関の業務の遂行状況等を勘案し制度の在り方を検討する旨の附則が定められているところでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この法施行が平成二十二年四月からでございますので、これに基づきまして今後見直しについて検討を行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#201
○竹谷とし子君 最後に、総合的な取引所について、前回の財政金融委員会でも松下大臣にお願いをいたしましたが、やはり顧客の利便性を高めるということが一番の目的であると私は思います。このためには、税制、口座の一元化というものをしっかりとやっていかなければいけないということで検討会を設けていくと、この法律が通ったらやっていくという、そういう御答弁いただいたかというふうに理解をしておりますが、この検討スケジュール、具体的にどのようになっているか、お答えください。
#202
○国務大臣(松下忠洋君) 金融庁とそれから農林水産省、経済産業省、これで、三省庁の担当者による協議会の設置、これを決めておりまして、口座や税制の一元化などの課題の対処を図るということは約束として決めて実行してまいります。
 スケジュールにつきましては、この法案が成立した後に直ちに協議会を設置します。そして、実質的な協議に入っていきたいと、こう考えています。議論することがたくさんありますし、整理することたくさんございますけれども、しっかり取り組んでいきたいと、そう思っています。
#203
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 中間報告なのか最終報告なのか分かりませんが、いつをめどに協議を持たれる予定でしょうか。
#204
○国務大臣(松下忠洋君) 現在、法案審議中ですので、法案が成立しましたら直ちにこの協議会を開催して、そして検討に入るというふうに考えております。
#205
○竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。
 質問を終わります。
#206
○広野ただし君 国民の生活が第一の広野ただしでございます。
 財政金融委員会で新しい会派になりまして初めてということになりますが、よろしくお願いを申し上げます。
 その中で、ちょっと冒頭に苦言を申し上げなきゃいけないのは誠に申し訳ないんですが、今日は十時開催ということになっておりました。ふだんは非常に真面目な民主党の方々が遅れられまして、そしてそのことについて自民党の大御所の鴻池さんがこれでは駄目だということで席を立たれました。私も合わせて席を立ちました。その後、数分たってどうも再開をされたということでありますが、その再開をした、再開といいますか開催について何の連絡もないんですね。これはやはり大変なことで、これは今後あってはならないということだと思いますので、是非、委員長におかれましてはよろしく取り計らいをいただきたいと思います。
 ところで、本論に入らせていただきたいと思います。
 この金商法、証券、そして金融、また商品を横断的、そして一括的にやる総合的な取引所というようなことで改正がなされるということであります。そしてまた、規制の、先ほどもありましたように、規制監督の一元化と、こういうことでありますが、本法改正によって具体的にどのような効果が出るのか。現状の取扱高、そして五年後の取扱高、そして十年後はどうなるのか、そういうことの大体の予測をお示しいただきたいと思います。大臣によろしくお願いします。
#207
○国務大臣(松下忠洋君) 長年この問題には政権を超えて議論していただきました。これは先ほどからの御質問でもお答えしましたけれども、そういう形の流れの中で集大成としてでき上がってきているというふうに思っております。その意味では長年の懸案だったと、こう考えています。
 今、日本再生戦略というのを検討しております。その中で、二〇二〇年までの目標として、この総合的な取引所において、世界から資金を呼び込み、取引所順位アジアトップを目指すというふうに書いてありますし、この最終目標に向かって我々は努力していきたいということでございまして、そこが我々の目標とするところでございます。
#208
○広野ただし君 アジアの金融センターというような意味合いも込めてやろうということでありますが、もう少し具体的な数字をお示しいただきたかったなと思っております。
 ところで、この総合的な取引所、まあある意味ではリスクヘッジの面と、もう一つは、円滑な資金調達といいますか、そういう側面とあると思います。
 そういう中にあって、この証拠金の要するに規制といいますか、言わばレバレッジですね、このてこ。非常に現在の世界の情勢がマネーゲーム的な世界と実体経済との間に大変な乖離があって、マネーゲームが言わば実体経済を揺り動かす。本来であれば資金調達等で実体経済を支える、あるいはリスクヘッジをするということが非常に大切なものだと思うんですが、そこのところが、このレバレッジによってもう大変な変動を起こすということになっております。
 国際的にも、レバレッジのものをある程度抑制しようじゃないかという動きがあると思いますが、私の考え方では、まあせいぜい十倍ぐらいまでと。ところが、債券であれば五十倍、そしてFXだと二十五倍ですか。それとか、株価指数だとか、それぞれによって違うわけですけれども、このレバレッジの抑制についての金融大臣の見解を伺います。
#209
○国務大臣(松下忠洋君) 現在、我が国におきましては、御指摘のように、個人を相手方とする、その外国為替証拠金、まあFX取引ですけれども、これが二十五倍、それから店頭株価格指数デリバティブにつきましては十倍などのレバレッジ規制が設けられております。
 一般的には、デリバティブ取引におけるレバレッジというのは、一定額の取引を行うために必要な証拠金の割合を言うわけですから、例えば百万円の株式先物の買いを買い建てる際には十万円の証拠金が求められる場合ということで、これは十倍ということなんですけれども、やはり適正な判断というのは中であるべきだというふうには私も考えております。
 これらのレバレッジにかかわる、取引にかかわるレバレッジ規制につきましては、取引に伴う損失の発生は原則として投資家の自己責任の問題、それから現行規制は過剰との意見がある一方で、わずかな価格変動に伴い顧客が不測の損害を被るおそれがあることを踏まえれば、現行規制は適正との意見がございます。
 いずれにしましても、金融庁としましては、レバレッジ規制を含むデリバティブ規制やその適切な運用によりまして投資家保護や取引の健全性が適切に確保されるように努めてまいりたいと、このように考えております。
#210
○広野ただし君 適正とおっしゃいますけれども、私は更に抑制の方向へやっぱり持っていっていただきたいなと。先ほど言いましたように、マネーゲーム的な側面が高まって実体経済に悪さをしてくるというような観点でありますので、今後ともよろしく御検討いただきたいと思います。
 そしてもう一つ、本来、銀行なり金融機関の信用というものは非常に大切で、何よりもかによりも銀行においてはそういうことが大切だと思っております。
 午前中にもあったようですが、LIBOR、ロンドンの銀行間取引、金利の問題につきまして、これはもう数年前からイングランド銀行、そしてまたアメリカ連銀がいろいろと注意を喚起していたという経緯があります。今年に入りまして、公取当局といいますか、スイス関係の競争当局等がいろいろと入ってきているというようなことで、この金利水準が言わば談合めいたことで決まるとか、あるいは金利水準を決めるものの透明性が失われると、こういうことがあっては、いや、銀行も談合なりそんないろんな不正操作をやって、それでもうけているのかと。資金量が膨大ですから、僅か〇・〇一とか違っても膨大な金額になるわけですね。ですから、そういうことがあってはならないと、こう思っておりますが、まず金融庁の見解を伺います。
#211
○国務大臣(松下忠洋君) 今の議員と全く同じ土俵でいろいろこのことについては高い関心を持って見ております。言わば金融市場における重要な金利指標でございますので、しかもこれは広く世界に使われているという意味で大変重大です。このLIBORといった金利指標に関する不正操作、これはやっぱり金融市場の公平性や透明性に対する信頼を損なう、市場の健全な発展を損害しかねない重大な問題であるという認識で、高い問題意識を持ってこれを注視をしております。
 また、金融庁におきましては、これまでも金利指標に関する不適切な金利の提示といった点も含めて、各金融機関の内部管理体制等について検査監督を通じて確認してきておりまして、仮に問題が認められた場合には、法令に照らし適切な対応を行ってまいりました。シティグループに対する業務停止命令、あるいはUBS証券等もそのとおりでございます。
 金融庁としましては、今後とも引き続き検査監督を通じて各金融機関の内部管理体制等を確認して、仮に問題が認められた場合には、これは適切に対応してまいりたいということで、LIBOR全体についても高い問題意識を持って注視しているということでございます。
#212
○広野ただし君 是非、前向きにやっていただきたいなと思っております。
 AIJの年金問題のときも、金融庁はなかなか出動しませんでした。こういうことがあってはならないんで、今日は日銀総裁もいらしておりますが、総裁は、十日前ぐらいだったですか、お話をやっぱりされておりますが、まだ調査中のものであるというようなことをおっしゃっておりますが、私は、このLIBOR、そしてまた東京のTIBORと、こういうことを考えますと、何といいますか、検査規制当局じゃありませんけれども、やっぱり銀行中の銀行であるわけで、日銀さんがいろんなことを考えられると、これはやっぱり各銀行、金融機関はしっかりと姿勢を正すということがあろうと思います。ですから、決してかばうことなく、また覆い隠すことなく、これは見て見ぬふりをしないということでしっかりとやっていただきたいと思いますが、御答弁をお願いします。
#213
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 金融にとって最も大事なことは信頼でございます。LIBORをめぐる不正操作は、この信用を基礎とする金融機関にとって重大な問題でございまして、今回の件は誠に遺憾であります。また、金融市場の公正性に対する信頼を損ない、市場メカニズムの健全な発展を阻害しかねないという点で大きな問題であるというふうにまず認識しております。
 まず、金融機関においては、こうした不正を防止できるような体制を構築するとともに、金利指標の作成にかかわる金融機関や関係諸団体が指標の信頼性を確保できる枠組みを整えることが金融市場への信頼確保にとって重要だというふうに考えております。
 それから、先生御指摘の中央銀行のかかわり方でございます。
 先生御指摘のとおり、中央銀行自身は、これは規制当局ではございませんけれども、しかし、必要性の高い、透明性の高い金利指標であるということは、これは非常に大事なことでございます。そういう意味で、中央銀行にとってマーケットは非常に大事でございますから、そうした中央銀行の立場からこれからの議論に積極的に参画をしたいというふうに思っております。
#214
○広野ただし君 この問題も、四年前だったですか、イングランド銀行、そしてニューヨーク連銀が注意を喚起したということから始まっております。もちろん、ニューヨーク連銀は規制的な力も持っておりますから、そういうところはあろうと思いますが、中央銀行としてやはりこういうことは未然に防止する、そういう意気込みでやっていただきたいと思っております。再答弁をお願いします。
#215
○参考人(白川方明君) リーマン・ブラザーズの、今回の件は、まず二〇〇八年の春の段階で、これはベアー・スターンズの破綻の後、非常に市場の緊張が高まっている中で、金利の実勢、これをどうやって把握するのかということが議論の出発点でございました。
 先ほど申し上げましたとおり、中央銀行にとって透明性の高い金利指標というのは、これは非常に大事でございます。したがって、今回の件というのは、中央銀行にとって何か人ごとということではこれは全くございません。日本銀行自身も、これ、自らが所掌しています金融市場の、中央銀行が大いに関係しています金融市場の安定、それから最終的には金融政策の効果の波及という点でもこれは非常に大事な論点というふうにこれは強く認識しております。
 したがって、決して、先生御懸念のような、中央銀行が何かこれから逃げるということでは全くございませんで、これはしっかり向き合って対処していくと、そういうふうに決意をしております。
#216
○広野ただし君 それと、公正取引委員会にお伺いします、委員長に本来であれば来ていただきたかったんですが。
 今回のものも、スイスの公取といいますか競争当局というんですか、がもう既に調査に入っております。邦銀の名門の三行を含めて十二行について調査を開始しているということでありますし、せんだってはEUのEC委員会といいますか、ここの副委員長も、LIBOR、TIBORについて調査中であると、こう言っております。
 公取の事務局に聞きますと、今まで金融機関についてはいろんな、何といいますか、銀行関係の公取としての案件はなかったと、こういう話を言っておられますが、なかったからといって今後ともないというわけではないんで、ここは国際的にもそういう談合的なことが、金利水準についての談合的なことが、まあ調査中ということでありますから、私はせめてもうヒアリング等でも始めてもらいたいと、こう思っておりますが、答弁お願いします。
#217
○政府参考人(中島秀夫君) お答え申し上げます。
 先生御案内のとおり、独占禁止法におきましては、事業者が共同して商品、役務の価格などを取り決めて競争を実質的に制限する行為が不当な取引制限として禁止されているところでございます。この事業者には、当然一般事業者以外に金融機関、銀行も含まれるものでありまして、したがいまして、私ども公正取引委員会といたしましても、本件については当然関心を有しているところであります。
 ただ、個別の事案の処理について言及するのはここでは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしましても、公正取引委員会としては、金融機関も含め事業者によるカルテルなどの独占禁止法違反行為が認められた場合には、独占禁止法に基づきまして厳正に対処することとしておる所存でございます。
#218
○広野ただし君 個別の案件はとかそういうことを言っていると、結局、何といいますか、見て見ぬふりをするとか覆い隠すというようなことになってしまうんで、これは海外のそういう公取担当当局のようなところがもう調査に入っているということでありますから、せめていろんなヒアリングでもやっていくというような姿勢を是非示していただきたい。課徴金なんかも、バークレーだけでもう数百億円なんですね。ですから、そういう意味では本当に前向きに取り組んでいただきたいなと思っております。
 そして、今度の金商法でも、こういう形で総合的な取引所ということになっていく、こういうことは非常に大切だとは思うんですが、やっぱり、先ほどからありますように、いろんな銀行の在り方を非常に曲げてしまうというようなことが懸念をされます。そういうこともあって、ボルカー・ルールということで、ファンドに銀行がお金を出さないようなふうに持っていくということ等が今提唱され、これは特にアメリカの方からですが、なされております。これについて金融庁と日銀総裁に伺いたいと思います。
#219
○国務大臣(松下忠洋君) ボルカー・ルールについてお尋ねでございました。
 先生のおっしゃるとおり、これは昨年十月にアメリカの金融規制当局が公表した銀行グループにおける短期の自己勘定取引の禁止等を内容とする規制案であるというふうに理解しております。このルール案は、米国外の金融グループの米国外拠点に対する広範な域外適用の規定や、あるいはアメリカ国債を除く各国の国債の取引も規制対象とする規定を含んでおり、世界の金融市場や金融機関の流動性、安定性に悪影響をもたらす懸念があると考えています。
 このために、昨年十二月に当庁と日本銀行は連名で米国金融規制当局に対してこうした懸念を表明するコメント・レターを発出したところであります。各国からも同様の懸念が表明されているというふうに承知をしております。
 このボルカー・ルールの実施に当たっては、他国の金融機関や金融市場に悪影響を与えないよう、アメリカ当局において、我が国を含む各国当局から示された懸念を踏まえた十分な調整が行われることを強く期待しているところであります。
 以上です。
#220
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 ボルカー・ルールは今大臣からも御答弁ございましたとおり、金融機関による過度のリスクテークを抑制することを通じまして、金融システムの安定確保を目指すものであるというふうに承知しています。日本銀行としては、この米国のルールが米国以外の地域にも適用されることにつきましては、以下の二点において懸念を有しております。
 第一点は、米国債以外の国債市場の流動性が低下する懸念があることでございます。米国債などの主要な米国債券が規制対象外とされていることにも表れていますように、円滑な市場取引の確保は重要でございますけれども、ボルカー・ルール上、日本国債や欧州国債などは規制の対象から除外されておりません。
 第二に、このボルカー・ルールでは短期の為替スワップ取引が規制の対象になっていますため、こうした取引を通ずるドル資金の調達が減少し、金融機関のドル資金繰りに影響が及ぶ可能性があります。
 日本銀行では、先ほど大臣からも御答弁がございましたとおり、昨年末に、これは諸外国に先立ちまして、金融庁と日本銀行が連名でコメントを発出し、懸念を伝えました。それから、私自身も幾つかの国際会議で海外の中央銀行の首脳に直接問題提起を行いました。その後、各国の当局からも同様の懸念が表明されています。
 私としましては、これらを踏まえまして、米国当局が適切に対応することを期待している次第でございます。
#221
○広野ただし君 以上で終わります。
#222
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 まず、総合的な取引所についてお伺いします。これまで本委員会でも、総合取引所を早く創設すべきであるということを私は主張してきましたので、今回金商法がこうやって審議されるということは、遅ればせながらという感じはいたしますけれども、いいことだというふうに思っております。
 その中で、まずこの総合取引所の位置付けについて大臣にお伺いしたいと思うんですが、政府が取りまとめた新成長戦略においては、金融は実体経済、企業のバックアップ役としてのサポートを行うと同時に、金融自身が成長産業だとして経済をリードするということが完全に並立して書かれていたわけですけれども、今般の日本再生戦略案は明日にでも閣議決定されるということですけれども、それを見てみると、我が国企業が海外進出する際にそのサポートをする制度金融の中に紛れ込まされる形で書かれておりますので、金融自身が成長産業という位置付けとして明記をされていないのが今度の日本再生戦略なんではないかというふうに読めるわけですが、このように位置付けは政府にとって変わってしまったのでしょうか。
#223
○国務大臣(松下忠洋君) 御指摘のことが、私たちも確認しておりますけれども、この新成長戦略の決定において、金融の役割は実体経済それから企業のバックアップ役としてのそのサポートを行うことというふうになっておりますし、金融自身が成長産業と経済をリードすることの二つでありまして、これらの二つの役割を十分に果たし得る金融の実現を目指すこととされているのが新成長戦略でございます。
 今回の再生戦略でございますけれども、一つには金融産業の成長力、競争力強化や不動産投資市場の活性化等を図るということ、そしてアジアの金融センターとしての地位を確立するべく、総合的な取引所の実現、それから投資家の利便性向上のための施策を講じると、こうされておりまして、引き続き金融そのものに対する成長産業としての期待は変わらないというふうに私たちは認識しております。この総合的な取引所の実現がこのように日本の市場の将来にとって極めて重要であるという位置付けは変わっていないというふうにしっかり認識しています。
#224
○中西健治君 そういう意気込みで、そういう目標でやらなければ、総合取引所をつくっても、やはりアジアでナンバーワンになっていくなどということは夢物語に終わってしまうので、当然高い目標を持たなきゃいけないということを確認したいということで質問させていただきました。
 そして、その高い目標、取引所順位アジアトップを目指す、世界から資金を呼び込むということであれば、このグローバル化が進んだ金融市場でありますので、例えば完全な二か国語化や経営トップにグローバルな人材を登用する、そうしたことが必要となると思いますが、そこら辺について検討を行っていますでしょうか。
#225
○国務大臣(松下忠洋君) 現在検討中の日本再生戦略でございますけれども、総合的な取引所において、世界から資金を呼び込み、取引所順位アジアトップを目指すと、こうされています。説明しました。
 金融庁としましては、この取引所のグローバル化の取組を支援するとともに、我が国の金融資本市場、自由市場自体の魅力向上に向けて積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えています。
 その中で、グローバルな人材のこともございましたけれども、国際的な金融センターとしての更なる地位向上、それを目指していくべく、外国企業上場の環境整備、誘致体制の強化やグローバル人材の採用、育成の強化等の取組にもしっかりと進めていくというふうに承知をしております。努力していきたいと考えます。
#226
○中西健治君 今おっしゃられた最後のことは、努力するということであれば、進捗状況を我々も見ていきたいので、確実にやっていただきたいと思います。
 それぞれの商品取引所について少し質問をしたいと思いますが、一昨年この委員会、藤田委員長のときだったと思いますが、取引所の視察というのを行いました。東証それから東京工業品取引所そして東京金融取引所、ここら辺との意見交換なども行ったわけですけれども、そのときの印象というのは必ずしもいいものでもなかったというものを委員の皆さんもシェアしていたんではないかなというふうに思います。
 まず、東京工業品取引所ですけれども、やはり取引高が激減しているという中で、打つ手なしという感が非常に強かったということですので、ひょっとしたら、わらにもすがるというようなことで何かしかねないというようなところがある中で、最近の報道では、今、総合的な取引所をつくろうとしている中で、シカゴのCMEと資本提携をするというようなことも憶測記事ですけれども書かれていました、午前中の審議でもありましたが。否定はしているようですが、それに対して経産省が後押ししているですとか、経産省が取引所の社長のポストをこれまで持っていたので、それを確保するために独立をそのまま維持させようとしているんじゃないか、そんなような憶測も生まれているわけですが、それに対して経産省はどういうふうに考えているのか、確認したいと思います。
#227
○大臣政務官(中根康浩君) 商品先物を含めたデリバティブ取引の分野では、国際的な業務・資本提携が急速に進んでおり、その動きは欧米間にとどまらず、アジアや中南米の国々に及んでおります。
 例えば、アメリカのシカゴ商業取引所グループは、ブラジル、マレーシア等と資本関係を含めた業務提携、また韓国とは商品の相互上場を実施しておりますが、これらの取引所は商品と金融が一体化した総合的な取引所でございます。
 なお、我が国の大阪証券取引所も、株価指数先物をシカゴやシンガポールの海外取引所と共同上場をさせております。日本の商品取引所である東京工業品取引所でも、これまで上海、ドバイ、シンガポールといった海外の取引所と国際的な連携を行ってきており、海外取引が三〇%に及んでいるところでございます。
 今後とも、国際競争力を有していくためには、こうした国際的な連携は有力な手段と考えております。
 一方、こうした国際連携が国内の総合取引所構想の推進の足かせとなることは好ましくないと考えております。特に、資本面での提携につきましては、商品先物取引法でも、二〇%を超える出資については大臣の認可が必要となるなど、相当の比率の出資を受け入れることについては慎重な考慮を求めており、我々としても注意深く対応していくこととしてまいりたいと思います。
 いずれにいたしましても、健全な商品先物市場の活性化の観点から、証券、金融と商品を一体として取り扱う総合的な取引所の実現は重要であり、その推進に向けてしっかり取り組んでまいりたい考えでございます。
#228
○中西健治君 念押ししたいんですけれども、今、二〇%以上の資本を持つということに対しては注意深く取り組むという話でしたが、二〇一三年に総合的な取引所ができるという直前ですので、CMEが資本を二〇%以上持つというような申請がなされた場合には、それは認可しないということでよろしいですね。
#229
○大臣政務官(中根康浩君) 先生おっしゃるとおりの考えでおります。
#230
○中西健治君 それを是非とも確認したいというふうに思いました。
 そして、もう一つ訪れたところ、先ほど申し上げました東京金融取引所ですけれども、これは金利先物ですとか、あとは為替の証拠金取引、これを行っているところですが、これは私、あと大塚理事、そのときの理事も質問をしたかと思いますが、取引所に対して、総合取引所についてはどういう考えかということを質問したところ、全く関心がない、全く興味がない。その中で、為替証拠金の規制を強めるのはけしからぬ、こんなようなことを言っていたという記憶がありますが。
 これから総合的な取引所をつくっていくということでは、証券も、そして金融も商品もということですから、金融も大きな柱のうちの一つになる、金利商品も柱の一つになるはずですが、それに対して協力を金融庁としては促していくべきなんではないかと思いますが、今どうお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#231
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 総合的な取引所は、金融証券及び商品を一括して取り扱う取引所を実現することで国際競争力の強化、利用者利便を高めるといったことを目的としておるわけでございます。この目的を達成するのに必要な関係者には、我々三省庁で、法律が成立いたしますれば協力を積極的に要請していきたいというふうに考えておるところでございます。
#232
○中西健治君 是非ともこの東京金融取引所に対してはきっちりやってもらわないといけないんです。
 我々が委員会として視察に行って、そのときに全く関心がないということを公言しているところですから、もう一度しっかりとここに対して協力を促していくということをもう一度確認させてください。(発言する者あり)
#233
○政府参考人(森本学君) 東京金融取引所もそうした意味で関係者の一つだというふうに考えております。
#234
○中西健治君 今、与党席からも大臣の答弁を求める声が上がりましたので、大臣の覚悟を聞かせてください。
#235
○国務大臣(松下忠洋君) 取り組んでまいります。
 来年の一月一日に、まず懸案でありました東証と大証、これを一つにして日本取引所グループと、こういたします。このことがいろいろな大きな、実質的に、実効的にどう動いていくかということで、周りに起こす影響は大きいと見ています。そこをしっかり動かすことで、周辺にもしっかりといい影響を及ぼしながら、そして引っ張っていきたいということを考えています。
#236
○中西健治君 是非とも強力に指導していただきたいと思います。
 もう一つ、東京穀物商品取引所、農水も来ていただいていますので、東京穀物商品取引所についてお聞きしたいと思いますが、この東穀取から東京工業品取引所への市場統合というのは二〇一〇年に一旦決定はされていました。しかし、その後、米の試験上場ということを理由にして、二〇一一年七月に東穀取側から白紙撤回ということが行われております。そして、今年になって東穀取から東工取への市場承継を二〇一三年二月に行うとの再合意がなされているわけですが、これはもう撤回されることはないだろうと考えていいのかどうかについてお伺いしたいのと、そして東工取が農産物市場を開設するための市場開設の認可関係は今はどのようになっているのか、併せてお答えいただきたいと思います。
#237
○大臣政務官(森本哲生君) 中西委員おっしゃるとおり、この問題については来年二月めどに移管することを本年五月に報告を受けておるということでございますので、これはもう間違いのないことだというふうに思っていただいて結構です。そして、この問題については工業品とのセットの中でこうした総合的な取引を行うということは私どもとしては大変有り難い、喜ばしいことだというふうにも受け止めておりますので、この点はしっかりやらせていただきたい。
 ただ、私どもとしましては、この市場の機能が取引所、ほかの取引所に円滑に承継されていくということがまず条件でございますので、取引関係者に迷惑が掛からないように努めていくというのが私ども農林水産省の役割だというふうに思っておりますので、しっかりやってまいります。
#238
○中西健治君 是非しっかり進めていただきたいと思います。今後もこの総合取引所については進捗状況を我々見ていかないといけないというふうに思っております。
 今回の金商法改正案の中には、インサイダー取引に関する課徴金のことも含まれておりますので、そちらについても質問をさせていただきたいと思います。
 課徴金の対象を拡大することが盛り込まれていますが、金額についてはどうなんでしょうか。今回の公募増資に絡む、この法案提出の後ですが、公募増資に絡むインサイダー取引では課徴金の低さがかなり問題視されていますので、そこについてどう考えているのか、教えてください。
#239
○副大臣(中塚一宏君) 現行の課徴金制度は経済的利得に対して課すと、基準とするということになっております。ですので、よく報道されている運用委託者の利益と比べて余りにも額が少ないじゃないかという指摘をいただいていることは重々承知をいたしております。ですので、最近のこの公募増資インサイダー事案について、いろいろな実態も踏まえて、七月の四日でありますが、金融審議会の方にインサイダー取引防止見直しの諮問をいたしました。その中で、今お話しの課徴金の水準、課徴金の計算方法についても御議論をいただき、答申をいただいたら法改正も含めて検討していきたいと、そう思っております。
#240
○中西健治君 私の意見としては、運用受託者がこのようなことを行わないようにするためには運用委託者、委託側の利益にまで勘案するというようなことを考えるべきなんじゃないかなというふうに思っております。
 もう一つ、今回の公募増資に絡むインサイダー取引に関して、課徴金というのが課されています。実際にそういう処分が行われていますけれども、金商法で規定されている刑事罰の適用は行われておりません。個別具体的なことは多分お答えがいただけないと思うので、刑事罰を適用するとしたらその基準は何なのか、それについて教えていただけないでしょうか。
#241
○政府参考人(岳野万里夫君) 金融商品取引法でインサイダー取引に対します制裁といたしまして刑事罰それから行政上の措置としての課徴金の二つの仕組みがあるわけでございます。
 先生の御質問の、その刑事罰を適用する、あるいは刑事訴追を求めて調査を行うのはどういう事案かということでございますが、一般論として申し上げますと、私どもが刑事訴追を求めるための犯則調査を行うか否かにつきましては、一つには問題となる法令違反行為の事実関係がどういうことかということをしっかり押さえた上で、二番目でございますが、その法令違反行為の重大性、悪質性をよく見させていただくわけでございます。重大性というのは、行為の内容ですとか規模ですとかその継続した期間、そういったようなものを一つメルクマールとしてございます。さらに、三番目でございますが、その法令違反行為の関与した者の動機ですとか、あるいは役割、あるいはいろいろな意味での地位、そういったもの。それからさらには、刑事罰ということになりますと刑法総則の規定で故意性といったようなことが要件になってまいりますので、そういったこともにらみながら事案の態様を総合的に勘案して判断するということとしております。
#242
○中西健治君 最後に、今回の金商法改正の三本目の柱、店頭デリバティブ取引における電子取引システムの使用義務付けなんですけれども、電子取引システムの利用促進自体はもうずっと前から民間で行われているということでありますが、なぜ使用義務付けを法律で定めなければならないのか、それを教えていただけないでしょうか。どういう公益があるのか、教えていただきたいと思います。
#243
○副大臣(中塚一宏君) 今般の改正は、G20のあのピッツバーグ・サミットの首脳声明など国際的な議論を踏まえた改正でございます。二十二年の改正で、中央清算機関を通じた決済とそれから契約の取引情報蓄積機関への報告をこれをお願いをいたしまして、成立をさせていただきました。
 今般、やはり一定の店頭デリバティブ取引を行うに当たって、電子取引システムの使用を義務付けるということでありますが、価格情報等の公表を義務付けるということも併せてお願いをしておるところであります。
#244
○中西健治君 これで質問を終えさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#245
○大門実紀史君 大門でございます。
 本法案の、店頭デリバティブの公正性、透明性の向上、あるいは不公正取引規制、これらは必要な施策だというふうに思っておりますが、問題は、今日も議論がありましたが、総合的な取引所の創設そのものというよりも、それが目指す方向が本当にいいことなのかどうかですね。このことについて絞って質問したいと思います。
 まず、大臣に基本的な認識をお伺いいたしたいと思うんですけれども、総合的な取引所創設というのは、要するに、説明にもあったとおり、証券会社等が商品取引に参入しやすい環境整備をする、あるいは投資家の利便性を高める、出来高を増やして市場を活性化するということで、さらにはもっと様々なデリバティブ商品が開発できるように規制緩和、効率化、スピードアップをすると、それで世界の商品取引市場に追い付けというふうな流れ、話だというふうに思います。これはもちろん証券業界の要望にもこたえたものですけれども、そもそも、この商品先物取引は現物を扱う取引事業者のリスクヘッジという点では歴史的な役割もあったわけでございます。
 しかし、昨今の世界の商品先物市場は、特に二〇〇五、六年、七年辺りから二〇〇九年に至るときに、もうみんな忘れたような話になっていますけれども、原油の高騰がありました。ニューヨークのWTIで乱高下繰り返したわけですね。それとか、二〇〇九年のリーマン・ショックも裏側には商品先物のことがございました。
 そういう、何というか、現物の取引業者の、このリスクヘッジというよりも、今や莫大な投機資金が、投機マネーが流れ込んでマネーゲームの場所になっているということだというふうに思いまして、むしろ現物取引業者がこの商品先物市場を敬遠するぐらいになっていると。これは後で報告書を示しますけれども、そうなっているわけでございまして、さらに、原油、穀物などの生活必需品の暴騰や乱高下は普通に暮らす人々にも大打撃を与えてきたというふうなことが実はこの数年間の事実ではないかと思うわけでございます。
 今必要なのは、そういうことに対してきちんと、本来、商品先物、商品取引はどうあるべきなのかというもっと深い分析、これだけの金融破綻があったわけですから、そういう深い分析なり、十年後の商品先物市場がどうあるべきか、これからの商品先物、商品取引どうあるべきかというふうなものをもう少しよく考えた、洞察といいますか哲学を持って今回の提案をされているならいいんですけれども、何か喉元過ぎれば同じように、世界から遅れているとか、もっともっと出来高だとか、十年前と同じような気持ちで今回提案されているように思えてならないんですけれども、この数年間のことの総括というかそういうものは、大臣、含まれて提案されているんでしょうか。
#246
○国務大臣(松下忠洋君) 長年、時間掛けて議論してまいりました。今、金商法の改正案としてその中に一部が出てきているんですけれども、総合取引所を議論するときに、これは三年ほど掛かりましたけれども、経済産業省、そして内閣府、もちろん金融庁ですけれども、その中で、将来の世界の動向、そしてこの中で果たすべきこの総合取引所の役割、その未来図を含めてどういうことをするかということは議論してペーパーにまとめました。
 そういう中で、世界の金融がやっぱり経済の中の血液として一定の約束事に基づいてしっかりと体中に回っていくことが大事だということの役割を日本の中で果たすためにどうするがいいかということも議論いたしました。完璧にできているとは思いませんけれども、そういう中で、やはり総合取引所というものは必要だと、区々ばらばらにそれぞれが魅力ある商品を持っているとも思えないし、また顧客がたくさん魅力を感じて集まってくるとも思えない、そういう形で一定の仕事をしているということはやっぱりどうにも不思議だということから、未来に向かって、成長産業あるいは日本の再生戦略、日本自身の再起動にしっかり役に立つような、そういう金融システムの中での役割を果たしてもらいたいということを申し上げました。
 ですから、その中にはいろんなお金の使い方があると思いますけれども、現実の世の中が要求しているものから遠く離れたところにあってもいけませんし、やっぱりそこはしっかり受け止めながら我が国が孤立化していかないような努力をしようと、こういうことで方向性を出したつもりでございます。
 ただ、昨日、私はグラミン銀行のユヌスさんと昼食を共にして、そして昨日は一日、この金融資本市場の中での自分たちの役割というその話をずっとシンポジウムでしておられましたけれども、あの人たちと話しておられたときに、私たちは、またもう一つのお金の使い方、これがアジアの中でしっかりあるということも思いました。ぬくもりのある、しかし小さなお金でもその地域が、全部の地域が救われるという使い方があるということですから、そういうことを含めて我々は今勉強してきたということもお伝えしたいと思います。
 以上です。
#247
○大門実紀史君 ちょっと松下さんに聞いたのが無理があったかも分かりませんけど、そういうことじゃないんですよね。グラミン銀行、何の関係もありませんよ、これは。何の関係もないようなことを話している。
 この数年間のこれだけの金融破綻を引き起こしたマネーゲームの世界について何の反省もなくこういうことを提案しているんですかと聞いておるわけですよ。大臣のおっしゃったそのペーパーには何の反省もないからこうやって質問しているわけでございます。
 もうちょっと具体的に言いますけれども、金融庁、農水省、経産省の三省で総合的な取引所検討チームがつくられて、資料を配りましたけれども、十二月の、これは中間整理ですが、この後、骨子が出て、取りまとめが出て今回の報告なんですけれども、最初に、この総合的な取引所の最初の中間整理では、書いてございますが、A案、B案、C案とあったんですね。このうちB案が今回の法案に具体化されたものでございまして、金融庁に監督権限を一元化するというものでございます。
 A案が元々民主党の公約に、マニフェストに基づくものでございます。このA案はなかなかいいことを書いてございまして、独立性が高く、強力な権限を有し、かつ金融当局と現物所管官庁の人材を結集して証券・金融、商品等の幅広い金融商品取引を一括して監督する、金融商品取引監視委員会を創設して一元化する、その際、監視委員会と現物所管庁が十分な連携を確保し、現物の観点から問題がある場合には適切な措置をとることができるようにする云々と書いてございます。
 これは民主党の政策インデックス二〇〇九年にもございまして、ここではもう少し踏み込んで、この金融商品取引監視委員会を創設して、投機筋に攪乱されない健全で信頼される市場を構築するということが書かれております。数年前、この委員会で大久保勉さんが大変このことを力説されておりまして、我が党も賛成の方向で議論したことがございます。これは、三条委員会としてつくる監視委員会でございます。
 私は、本来ならばこの民主党のマニフェストどおりA案でいくべきだったというふうに思うわけですけれども、なぜB案になったのか。これは民主党のことがかかわりますので、副大臣か政務官にお答えいただければと思います。
#248
○大臣政務官(大串博志君) お答え申し上げます。
 今般、先ほどおっしゃいましたように、二十二年の十二月に中間報告をまとめて、今年に入って最終的な取りまとめになったわけでございます。
 今回取りまとめている案は、二十二年、中間取りまとめで取りまとめた際のB案そのものというよりも、金融庁に一元化するという形の中で、さらに金融所管官庁と商品所管官庁の協議、連携の枠組みを整備しておって、商品の生産、流通に対する悪影響の発生の防止、こういったこともできるようにしていると、こういったものにしています。
 今お話のありましたA案についてですけれども、これ、先ほど大臣からも話があったように、いろんな議論があってここに行き着いております。A案に関するメリットもデメリットももちろんあると思います。しかし、いろんな世界の金融の流れ、あるいは世界の金融規制監督の流れを今次見ておりますと、現在は金融市場あるいは金融商品の融合、横断化という流れが非常に強く出ています。当局の組織の在り方にも横断化という流れが顕著に出てきていて、リーマン・ショック以降の流れを見てもそういった動きが出てきておる。こういったことも踏まえて今回、いろんな議論の末、金融庁に一元化した上で各省と連携強化するというような形にしているわけでございます。
 ただ、大門先生、先ほどおっしゃいましたように、投機にいろんなものがさらされて、いわゆる金融市場を利用される方の利便に害するようなことになってはいかぬという思いは私たちも当然持っておりまして、そのために、市場の厚みを持ち、かつ規制監督をしっかり取れる枠組みをつくっていくというのが大筋だというふうに思いますので、基本的な考え方はそういう考えに立っているというふうに御理解いただければと思います。
#249
○大門実紀史君 そうおっしゃるなら、やっぱり民主党のマニフェストに基づいたことを貫かれるべきだったと思います。
 例えば、アメリカの商品先物取引委員会、CFTCですけれども、何をやっているかとか、そういうことをあれですか、金融庁は分析したりちゃんと分かった上で、勉強した上でこういう提案をされているのかしら。
 もう時間の関係で私の方から言いますけれども、やっぱりかなり投機化していると、いろんなマーケットがですね、これについてはかなりアメリカの方が厳しく対処しようとしております。アメリカのCFTCは規則制定権を持っております。市場が過熱したときにいろいろ規制を掛けるとか、証拠金の引上げとか値幅制限などの処分権限など強い権限を持っております。これはやっぱり、なおかつ業界から中立、独立性を保ってやっているということなんですね。
 民主党はそもそもそういうことをお考えになっていたわけで、私たちもそこのところは賛成を、一緒に頑張りたいと思ったところでございますけれども、結局、金融庁が一元化して、言わば原発じゃありませんけれども、この行政、業界を保護したり振興する官庁が規制もやるというふうなところに落ち着いてしまったわけでございます。もちろん、この間、金融庁は割ときちっと規制も掛けておられますけれども、これはまた人が替わったり長官が替わったらどうなるか分かりませんから、仕組みとしてきちっとこういうものをつくるべきだというふうに思います。
 民主党のマニフェストというのはもうぼろぼろですけれども、自民党からは取り下げろ、取り下げろと言われて取り下げてきましたけれども、私はやっぱり貫くべきだと。貫いて駄目だったら、また野に下ればいいわけですよ。それでまた政権を交代すると、出てくればいいわけであって、こんな、もうことごとく取り下げて、妥協して、それで政権にいたって仕方ないと思うんですよね。そう思いませんか。やっぱりそういうのは政党政治の私は自殺行為だというふうに思います。
 もう一つは、先ほど言いました投機市場化するという話は、これは具体的に資料の下の方に書いてございますが、産構審、今日も取り上げられましたが、六月十八日の産構審の商品先物取引分科会ですね、実はもうむちゃくちゃなことがここに、ほかのことで書かれているんですよ。FXを見習おうですよ、これからこの商品先物でFXを見習おうと。バイナリーと呼ばれるオプション取引もやろうと、高速自動売買ですね、今も問題になっていますが、それもやろうと。
 バイナリーって何かといったら、バイナリーオプションって今FXで大変問題になっておりまして、素人がやれるように、十分後、円高ですか円安ですかと、これだけでどちらかにやると。これはもうあれですよ、投資でも何でもないですよね。丁半ばくちですよ。どっちかだと、これだけですよね。こんなことまでこの商品先物で考えていこうなんというばかなことをこの産構審で言っているわけでございます。
 今問題になっているのはCTAというのがありまして、コンピュータープログラムを駆使してヘッジファンドが自動売買システムでやるというのがありますけれども、これ大問題になっていますよね。そういうものまでここでやろうみたいな話になっているわけでございます。
 こういう国民の生活に、マネーゲームをお金持っていてやりたい人が自分でやって自分で損するのは勝手ですけれども、これは商品先物になりますと、国民の生活に深い影響のある原油、穀物、いろんなものがかかわるわけですよね。こんなところを、政府が率先してこういうマネーゲームのおもちゃをここに入れていこうなんというばかなことを、時代錯誤のことを言っているわけでございます。
 こんな方向で本当にやるんですか。許しちゃうんですか、金融庁は。
#250
○大臣政務官(大串博志君) 今お話をいただきました総合的な取引所でどういった商品を扱っていくかということですけれども、これは政令で指定していくことにしておりますけれども、具体的にどのような商品を扱えるとするかは、今後、各省ともいろいろ協議しながらやっていきたいというふうに思います。
 そのときに、基本は民間の取引所でございますので主体的な経営判断というものがあろうかと思いますが、いずれにしても各省と協議しながら決めていきますが、そのときに、今御指摘ありました産構審のこの報告も承知しております。一方で、先ほど申しましたように、利用者の皆さんの利便に資する市場でなきゃいかぬし、利用者の皆さんをきちんと保護できる市場でなければなりません。そういったものにしていくためには、一定の市場の厚みあるいは流動性があることで、例えばいろんな投機的な動きに対して、それが大数の法則の中である程度吸収できるという面が市場の役割なんじゃないかというふうに思います。
 ですから、行き過ぎた投機にならないようにするという点においてはきちんとした規制監督を行っていく。一方で、流動性のある市場をつくっていくことによって、デリバティブ取引というと勢いいろんな投機と結び付けられがちになりますけれども、一方でリスクに対するヘッジの手段を与えるという意味においての価値もあるわけでございます。これらのバランスの良いメリットが発揮できるような規制監督をしっかりやっていくということに尽きると思いますので、その意味での今回の金商法の改正案を提示しているという面もございまして、この点を御理解いただければというふうに思います。
#251
○大門実紀史君 無理ですよ。そういうものじゃないですよ。この商品取引市場が今低迷しているのは事実ですよね。ところが、流動性といったって、もう過剰流動性ですから、肥大化しちゃっているわけですから、池に鯨を泳がせるようなそんな話なんですよね。そういうことが分からないのかな、どうして分からないのかなと思いますけれども。
 これは、日本商品先物振興協会、つまり、事業者そのものが何を言っているかというのをちゃんと踏まえるべきなんですよね。現物の取引事業者そのものは、もう今、元々商品先物というのは、何といいますか、投機マネーじゃない、もっとうさんくさい世界だったわけですね。これが若干規制されて健全化しつつあるんだけど、今度こういう投機市場になったら自分たちはもう参加しにくいということを逆に報告書ちゃんと、御存じだと思いますけれども出しているわけですよ。逆にこういうふうにやられちゃうと、自分たちは参加しにくいと。
 現物を扱う人たちが参加しにくい、じゃ誰がこんなことで得するのかと、誰がこんなことやりたいのかといったら、証券業界でマネーゲームをやりたい、それで手数料稼ぎたい人たちになるわけですから、ここのところはよくお考えになるべきだということを申し上げて、質問は終わります。
#252
○委員長(尾立源幸君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#253
○大門実紀史君 日本共産党を代表して、本改正案に反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、総合取引所創設に伴い、監督権限を金融庁へ一元化する点です。規制監督権限は、業界の保護、振興を進める官庁から分離し、独立性と強い権限を持った行政機関が担うべきです。本法案の検討過程では、民主党のマニフェストを踏まえ、独立性と権限を持った金融商品取引監視委員会も構想されておりました。業界などの圧力に屈せず、マニフェストで掲げた政策を進めるべきでした。
 反対理由の第二は、穀物、エネルギーなどの商品市場に投機マネーの流入を促進しようとしているからです。政府は、商品取引所の活性化のためとして、FXと同じような商品開発、高速取引システムの導入などを提言しています。これでは、商品取引市場の活性化というよりも投機マネーゲームの場をつくるだけで、まともな当業者、事業者が参加できない市場となってしまいます。
 なお、本法案の店頭デリバティブ規制の整備と課徴金制度の見直しなど不公正取引規制のための法改正は必要な措置でありますが、以上述べた点から、本改正案には反対をいたします。
 以上。
#254
○委員長(尾立源幸君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 金融商品取引法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#255
○委員長(尾立源幸君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、塚田君から発言を求められておりますので、これを許します。塚田一郎君。
#256
○塚田一郎君 私は、ただいま可決されました金融商品取引法等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党、国民の生活が第一及びみんなの党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    金融商品取引法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 実体経済を支えつつ、成長産業として経済をリードするという我が国金融業が果たすべき役割を踏まえ、取引の公平性・公正性の確保に留意しつつ、市場インフラの整備及び向上を通じて、我が国金融資本市場の国際的な魅力を高め、アジアを中心に、国内外の資金を引き寄せていくための取組を推進すること。
 一 東京証券取引所と大阪証券取引所の経営統合に当たっては、我が国取引所の国際金融センターとしてのプレゼンス向上の観点から、上場会社において取締役である独立役員が十分に確保されるよう、国際的に遜色のないコーポレートガバナンスの水準を担保する取引所規則等の整備に注力すること。
 一 証券・金融、商品の垣根を取り払った総合的な取引所を早期に実現し、利用者利便の向上、取引の活性化、国際競争力の強化を図るため、金融庁、農林水産省、経済産業省が連携して、取引所等の関係者に対し、総合的な取引所創設に向けた取組を促すとともに、口座・税制の一元化等の課題に取り組むこと。
 一 AIJ投資顧問による年金資産運用問題をめぐっては、投資一任業者の違法行為により多額の年金資金が失われたことに鑑み、他に問題となるような事案がないか、検査・監督において迅速かつ適切に対応するとともに、投資一任業者等の違法行為に係る罰則の強化を始め、金融実務を踏まえた実効性ある再発防止策を速やかに策定し、その実現を図ること。
 一 今般、証券取引等監視委員会により公募増資に関連したインサイダー取引規制の違反事案が続けて摘発されたことを踏まえ、これらの事案が、我が国市場の透明性、公正性に対する信頼を揺るがすものであることに鑑み、市場の活力や公募増資の実務にも十分配意しつつ、情報漏えい事案に対する規制強化や罰則・課徴金強化を含め、インサイダー取引規制の抜本的見直しを行うこと。
 一 金融資本市場を取り巻く環境が大きく変化する中、近時における投資一任業者による違法行為、公募増資インサイダー事案への証券会社及び運用会社の関与なども踏まえ、市場監視機能の強化を図り、その実効性を確保する観点から、情報収集・分析のための体制整備など投資一任業者、証券会社その他の金融機関に対する検査・監督を強化すること。その際、任期付外部登用の活用等による優秀な人材の確保と職員の専門性の向上に十分努めること。あわせて、インサイダー取引規制や相場操縦規制の実効性の確保に資する市場監視機能の強化に当たっては、金融商品取引所における取引調査機能の一層の充実等にも留意すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#257
○委員長(尾立源幸君) ただいま塚田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#258
○委員長(尾立源幸君) 多数と認めます。よって、塚田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、松下内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。松下内閣府特命担当大臣。
#259
○国務大臣(松下忠洋君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#260
○委員長(尾立源幸君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#261
○委員長(尾立源幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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