くにさくロゴ
2012/03/21 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
姉妹サイト
 
2012/03/21 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号

#1
第180回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
平成二十四年三月二十一日(水曜日)
   午後一時四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     徳永 久志君     行田 邦子君
 三月二十一日
    辞任         補欠選任
     行田 邦子君     徳永 久志君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  信夫君
    理 事
                相原久美子君
                外山  斎君
                猪口 邦子君
                義家 弘介君
    委 員
                石橋 通宏君
                郡司  彰君
                行田 邦子君
                今野  東君
                田城  郁君
                徳永 エリ君
                徳永 久志君
                宇都 隆史君
                島尻安伊子君
                長谷川 岳君
                橋本 聖子君
                木庭健太郎君
                横山 信一君
                江口 克彦君
                紙  智子君
                山内 徳信君
   国務大臣
       外務大臣     玄葉光一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  川端 達夫君
   副大臣
       内閣府副大臣   石田 勝之君
       総務副大臣    黄川田 徹君
       外務副大臣    山根 隆治君
       経済産業副大臣  柳澤 光美君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        園田 康博君
       外務大臣政務官  加藤 敏幸君
       厚生労働大臣政
       務官       津田弥太郎君
       国土交通大臣政
       務官       津川 祥吾君
       国土交通大臣政
       務官       室井 邦彦君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        井上 源三君
       内閣府沖縄振興
       局長       竹澤 正明君
       文部科学大臣官
       房審議官     関  靖直君
       厚生労働大臣官
       房審議官     森岡 雅人君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    伊藤 哲夫君
       環境省水・大気
       環境局長     鷺坂 長美君
       防衛省地方協力
       局長       山内 正和君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件
 )
    ─────────────
#2
○委員長(岸信夫君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十九日、徳永久志君が委員を辞任され、その補欠として行田邦子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岸信夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官井上源三君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岸信夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岸信夫君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のうち、沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○長谷川岳君 自由民主党の北海道の長谷川岳です。
 沖縄及び北方対策担当大臣の所信表明について伺いますが、先般、川端大臣の所信表明伺いました。
 しかしながら、原稿の中で、五ページ中、北方領土問題僅か一ページ、これは北方問題の取組に対してやる気があるのかないのか、私はまずそこから問いたいと思います。
#7
○国務大臣(川端達夫君) 沖縄北方担当大臣、私が述べた所信のうち、北方対策に関する部分の分量の割合は、最近の五年ほどの間においては、おおむね同じでありますが、少ない方であることは事実でございます。
 今回は、沖縄がちょうど四十年の節目ということで、沖縄振興の二法を政府として出したいという部分に少し割いた部分でやや少なかったことは事実でございますが、このことによって北方対策を軽んじるとか、そういうことは全くありませんので、北方担当として今後とも全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#8
○長谷川岳君 大臣は、十一月三日、この北方領土の視察をしたと書いてあります。で、関係団体と密接に連携していく、あるいは粘り強い外交交渉を後押しする国民の世論の啓発に全力を尽くすというふうに書いてあります。しかしながら、大臣自身の意思あるいは発信が見えていません。
 実際、どのように今まで関係団体と連携を密接にしてきたのか、あるいはこのような世論形成の啓発を具体的にどうするのか、ここら辺が一切触れられておりませんが、そのようなことについてどのようにお考えか、より詳しく明確に教えていただきたいと思います。
#9
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 外交という意味では、玄葉大臣がその最前線でまさに粘り強く日本全体として取り組んでいく中で、やはり、私の立場でいえば、国民世論がしっかり後押しするというのはもう一番大きな支援であろうというふうに思っております。そういう中で、いろんな図書の件やポスターの件等々で必ずしも国民世論に十分浸透していないというちょっと愕然とするようなこともありました。
 そういう中で、やはり若い人たちがしっかりとそれを認識して応援していただくという、理解してもらうということが一番肝要であろうということで、今回の予算においても、今までやっておりました修学旅行生等への学習機会の拡充、これは約五割増しの予算、元島民後継者育成対策は一千六百万円を二千四百万円と同時に、新たに青少年の現地視察支援等、あるいは県民会議等ふれあい広場ということで、合わせて二億八千九百万円ぐらいの予算を新たにつくりました。
 同時に、私現地へ行きましたときも、いろんなミーティング終わった後も、元島民の方、二世の方、三世の方を含めて膝を交えて生にいろんな意見も聞かせていただいて、何とかそういう部分でのお手伝い、しっかり支えることができるようにということで取り組んでまいりました。
#10
○長谷川岳君 予算の話を聞いているんではなくて、こういった新しい局面を迎えている中で、意思が見えない、発信が見えない、本当にあなたが大臣のときに解決する覚悟があるのかどうか、私は再度問いたいと思います。
#11
○国務大臣(川端達夫君) 内閣においての大変大きな課題であることは事実でありますが、ロシアとの交渉等々は外務大臣が最前線で頑張っていただく、私は世論形成の部分でありますから、とにかくできる部分の支援をしっかりやっていくことで取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#12
○長谷川岳君 従来のやり方にとらわれない新しい方法論も具体的にお示しをされることを期待します。
 それでは、外務大臣の所信表明について伺いますが、玄葉大臣、所信表明でおっしゃる、静かな環境の下と書かれておりますが、もう一度改めて、この静かな環境の下というのはどういう環境を指すのか、伺います。
#13
○国務大臣(玄葉光一郎君) 静かな環境とは何かと、こういう質問でございますけれども、それはすなわち、一言で言えば、公開論争にしないと、こういうことでございます。公開論争が過ぎると、私の感覚からすると、どうしても非難の応酬になりがちというところがございますので、交渉事でありますから、まさに直接会って、交渉当事者が、そして交渉を行っていくと、そういう意味でございます。
#14
○長谷川岳君 五月のロシア新政権の成立後の日本政府としての今後の動き方について伺いたいと思います。
#15
○国務大臣(玄葉光一郎君) 私はロシアを重視をしています。戦略環境が変わってきているという中で、日ロの関係というのは新たな重要性を帯びているというのが私の認識であり、日本国政府の認識でもございます。
 そういった中で、あらゆる分野において日ロ関係というものを深めていく、協力関係を深めていく中で、北方領土問題というもの、北方四島の帰属の問題を解決をして平和条約を締結をしていくということでございます。
#16
○長谷川岳君 プーチン首相の発言をめぐる報道について伺いたいと思います。
 三月一日、プーチン首相は日本との領土問題を最終的に決着させることを非常に欲しているという報道をされましたが、この発言は、一部の地元の北海道新聞という報道機関もありますが、この発言は、玄葉大臣による、一月二十八日、東京宣言至上主義から日本が離脱するというシグナルをプーチン首相にあてたからだと、そのようなことにも一部見解をされておりますけれども、どのようにお考えですか。
#17
○国務大臣(玄葉光一郎君) まず、プーチン次期大統領の発言でございますけれども、これにつきましては、日ロ関係における領土問題解決の重要性を指摘をしています、おっしゃるとおり。その解決に意欲を示すものであるというふうに期待をしているところであります。
 一月二十八日のラブロフ外相との会談におきましては、四時間から四時間半にわたって様々な分野において議論をしたところであります。あのときに、領土問題でのやり取りということを紹介できる部分を紹介をいたしますと、私から、北方四島の帰属は日本にあるというのが日本の立場であるということを伝えた上で、この議論について、つまりは領土問題の議論について棚上げしないで、棚上げしないで再活性化させようではありませんかと、こういう提案をしたところであります。その提案に対してラブロフ外相から、新政権樹立後にまさに領土問題について議論していこうではないかという発言がありました。
 私は、この間も、またこの委員会でも、何とか実質的な議論を開始をしていかなければならないと。この間、なかなかそういった議論が行われにくい環境にあったわけでありますので、それを踏まえてそういった提案をし、ラブロフ外相からは先ほど御紹介をさせていただいた発言がございましたので、今回のプーチン次期大統領の発言も、その意味では軌を一にするものであるというふうに考えております。
#18
○長谷川岳君 三月七日、衆議院の方の沖縄北方特別委員会がございました。その中で、浅野委員からの質問で、今後、二〇〇一年、イルクーツク声明に基づいた交渉を行っていくと理解してよいかという質問に対して大臣は、一九五六年の日ソ共同宣言が平和条約交渉の出発点を設定した基本的な法的文書であることを確認したものだと、その上で、一九九三年の東京宣言に基づいて、北方四島の帰属の問題を解決することにより平和条約を締結すべきことを再確認した重要な文書と答えています。
 つまりこれは、一つは日本の法的立場の強い歯舞、色丹の二島の具体的返還に向けた交渉をする、そして国後、択捉の二島の帰属の問題、この二つを同時並行的協議をしていくというメッセージとして受け取ってよいかどうか、伺いたいと思います。
#19
○国務大臣(玄葉光一郎君) まさに、領土交渉の中身につきましては交渉事でございます。お互いの今信頼関係が増してきているというふうに率直に思います。
 そういった率直な今受け止めをしているんですけれども、やはり、特に両国間の首脳あるいは外相間で、その信頼関係を基に直接会って領土交渉というものは行っていくというのが何より大切なことであるというふうに考えております。
#20
○長谷川岳君 それでは、ちょっと角度を変えて伺いますけれども、外務大臣の所信において、ラブロフ外相と静かな環境の下で両国間のこれまでの諸合意、諸文書及び法と正義の原則に基づき問題解決のために議論を進めていくことで一致したと述べられておりますけれども、法と正義の原則に基づき問題解決するということはどのようなことなのか、伺いたいと思います。
#21
○国務大臣(玄葉光一郎君) いつも、この間も、両国間で交わされた諸合意、そして諸文書、そして言わば法と正義の原則、この法と正義というのはいわゆる一般的に国際法などで使用されるという意味での法と正義ということでありますけれども、あえて先ほどの諸合意、諸文書のところについて申し上げれば、東京宣言というのは、択捉、国後、色丹及び歯舞群島の帰属に関する問題を解決して平和条約を早期に締結するという日ロ共通の方針を初めて文書の形で確認したものとして、日ロ間の平和条約交渉の基礎となる重要な文書である。
 あわせて、二〇〇一年のイルクーツク声明は、一九五六年の日ソ共同宣言が平和条約に関する交渉プロセスの出発点を設定した基本的な法的文書であることを確認した上で、東京宣言に基づき、北方四島の帰属に関する問題を解決することにより平和条約を締結することを再確認した、これも重要な文書であります。併せて言えば、プーチン次期大統領が大統領時代に直接署名をした重要なものであるというふうに考えております。
#22
○長谷川岳君 法と正義という言葉がありますが、これは日本固有の北方領土を不法に占拠していることをも入っているのか、伺いたいと思います。
#23
○国務大臣(玄葉光一郎君) いわゆる、例えば、これはそれぞれ国際法上解釈があって、我が国の立場として、例えばサンフランシスコ平和条約における解釈の問題だとか様々あるわけであります。そのときにきちっと我が国の立場として考えているまさに法と正義、かつ、ある意味国際社会全体で、この国際法全体の原則の中で、言わば通用する通用しないという言葉が適切かどうかということはありますけれども、そういう中でしっかり我が国の立場を確保していくという意味でございますので、そういう意味では、今おっしゃったように、法的解釈というのは、これまたよく不法占拠と法的根拠のない占拠はどう違うんだとかいろいろ言われますけれども、これはもう法的解釈は変わらないと、我が国の立場は変わりませんと、一貫していますということでございます。
#24
○長谷川岳君 最近、玄葉大臣がロシアが四島を不法占拠しているという発言をしなくなったというふうに言われておりますが、その認識はありますか。
#25
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは、御存じだと思いますけど、実は自民党政権時代もそういうところがあるんです。これは私は、先ほど申し上げたように、不法占拠だろうが法的根拠のない占拠だろうが、法的評価に変わりはないというふうに考えています。そして、現実に我々日本国政府としてもそういう立場であります。
 それで、結局交渉事なんですね、領土の問題というのは。交渉事で解決をしなきゃいけないんだと私は思っています。ですから、そういうことを踏まえて表現ぶりというのは私は考えていいというふうに思っているんです。ただ、法的立場は変わりはないということでございます。
#26
○長谷川岳君 それでは、不法占拠という発言をしなくなったのは大臣の意思なのか、外務省としての意思なのか、伺いたいと思います。
#27
○国務大臣(玄葉光一郎君) もちろん、それは最終的に私の意思でございます。
 それはなぜかというと、私の言葉として発している、つまり発出しているわけでありますので、例えば自民党政権時代もたしか二〇〇七年のときは法的根拠のない占拠という形で実は表現をしています。私も、もちろんこの問題について全く何も考えていなくて、そのまま、例えば外務省が言ってきたからどうだこうだということではなくて、私なりに先ほど申し上げたことを全て踏まえた上で申し上げていると、言っているというふうに申し上げたいと思います。
#28
○長谷川岳君 その冷戦期の不法占拠論というのは、一九五一年、サンフランシスコ平和条約で日本政府が放棄した千島列島の範囲の当時の認識が、国後、択捉から成る南千島が含まれていた、あるいはそうではない、含まれていないということに焦点が当たるということからこのような不法占拠論については今控えているという認識ですか。
#29
○国務大臣(玄葉光一郎君) もう御存じのように、例えば先ほど申し上げたように、例えばサンフランシスコ平和条約の解釈の問題なんというのは、もう我が国の立場は全て御存じのとおりであります。
 ですから、余り具体的にそういったことについてこの場で申し上げるのが適当かどうかということはあるんですけれども、いずれにしても、そういった議論はそういった議論で、実はこれもまたどこまで申し上げていいのかどうかというのはあるんですが、それは交渉の中で度々やり取りというのはなされることはあるわけでございますけれども、私が考えているのは、北方四島の帰属の問題を解決をしていって平和条約を結ぶ、そして我が国の立場が確保される、そのためにどういうふうに発言をし行動したらよいのかということを考えて発言し行動しているというふうに考えていただければと思います。
#30
○長谷川岳君 少し話を変えます。
 この北方領土の問題に関しては、やはり自民党政権時代も本当に真剣に進めておりましたが、解決に向けて、その中でも特に森喜朗元総理の存在というのは自民党の中でも非常に大きいと私は考えます。
 大臣、その森総理とお話あるいは意見交換はされましたか。
#31
○国務大臣(玄葉光一郎君) 私は、これはもうあえて一般論で申し上げたいと思いますけれども、外交は特に超党派で行った方がいいというふうに考えております。
 ただ、二元外交になってはいけない。つまり、交渉は交渉担当者、交渉当事者が当然ながら行うということでありますけれども、日本中、様々な方々が様々なリソースというか、持っているわけですよね。そういう様々なそれぞれの人脈始め知恵、そういったことを総動員、私はしていくというのも私の仕事だと、一般論として言えばそう考えております。
#32
○長谷川岳君 私も超党派で外交というのは解決すべきだというふうに思いますが、そのルールを最初に破ったのは沖縄での民主党政権のやり方だと私は思いますので、それだけはちょっと申し伝えておきます。
 私はやはり、なぜ森総理も含めてしっかり意見交換された方がいいかと、そのように考えるかというと、実はこの新聞をちょっと、北海道新聞の新聞も見ていただきたいんですが、森総理のときに、二〇〇〇年、プーチン大統領、当時は代行ですが、非公式首脳会談が行われています、エリツィン大統領が辞められて。日ロ間の戦略的・地政学的連携という言葉が入っておりまして、このことに鑑みてちょっと今大臣にお伺いしますが、これ三月十七日の一面に掲載された記事です。北海道の防災会議地震専門委員会では、三月十一日、三・一一の後、北海道太平洋岸の釧路・根室沖でもマグニチュード最大九・一の大地震を想定していると。当然ながら、これ地図見ていたら分かるように、北方領土も大型の津波が予想されております。
 私は、政府としてこういった防災、津波、避難、緊急時の救助を含めたやはり地政学的・戦略的連携というのは非常に必要だというふうに思いますが、どのようにお考えですか。
#33
○国務大臣(玄葉光一郎君) ありがとうございます。
 こういった部分、つまりは防災面での指摘というのは私は初めていただきました。これはよく勉強させていただきたいというふうに思っています。
 先ほども申し上げましたけど、特に領土問題などは、いずれにしても、今日もこういった提案をいただいているわけでありますけれども、党派を超えて物事を進めていく、沖縄の御指摘ありましたけれども、極めて大切であるというふうに思っています。
 先ほど森先生の話がございましたけれども、私は、森元首相の知見、これまでの経験というものをやはり勉強させていただく、あるいは参考にさせていただく、そういったことは私は大切なことだというふうに思っています。
#34
○長谷川岳君 ロシアは北方領土交渉に向けて様々な自国にとって有利なカードを今仕込んできております。その中で、日本もこういった防災の観点も含めてカードをやっぱり積み上げていく、たくさんつくっておくべきだと思いますが、いかがですか。もう一度確認します。
#35
○国務大臣(玄葉光一郎君) 何をもってカードというかということがございます。
 ただ、これもあえて一般論という言い方をいたしますけれども、私はロシアを重視し、あらゆる分野での協力を進めていきたいというふうに申し上げています。そういった観点であらゆる分野の協力を進めていく、その一つの参考にこれもさせていただきたいと、こう考えております。
#36
○長谷川岳君 一方で、そのプーチン首相の公式サイトでの発言をちょっと取り上げたいと思いますが、プーチン首相の公式サイトによると、五六年宣言には歯舞、色丹の二島がいかなる諸条件の下に引き渡されるのか書かれていませんとされております。さらには、二島が引渡しの後どちらの主権下に置かれるのかについても書かれてはおりませんと公式サイトでは表現されております。
 そこでお聞きしますが、まず、玄葉大臣、このホームページの内容、原文を認識しておりますか。
#37
○国務大臣(玄葉光一郎君) 当然認識をしています。
#38
○長谷川岳君 この引渡しと返還という言葉を使い分けていることに対して、大臣、この現状をどのように認識しているのか。また、これをやはり日本側としてしっかりと論破していく必要があると思いますが、どのようにお考えですか。
#39
○国務大臣(玄葉光一郎君) 引渡し、そして返還、そういったことも十分認識をしています。その上ででありますけれども、私は、プーチン大統領の発言に対する解釈を私がこの場で今することはやはり適切じゃないというふうに思っているんです。
 ですから、今おっしゃっていただいたことも含めて、全て認識をしています。
#40
○長谷川岳君 今後、そのロシアとの関係強化という部分でいうと、やはり資源の問題になると思います。
 特に私は、ロシアの天然ガス、LNG、あるいは、今の段階で埋蔵量がどうだというふうには明確にはなっていませんが、将来のシェールガス、これはもう間違いなくロシアは豊富に埋蔵されているだろうというふうに言われておりまして、今後の日本の購入あるいは共同開発、あるいは原発事故後のエネルギー供給先としてどのように考えているのか、これは大臣と、あと経産省のお二方に伺いたいと思います。
#41
○国務大臣(玄葉光一郎君) エネルギーの安定供給は、もうこれは外交の大事な目標の一つでございますから、まず供給源を多様化していくということが大事であります。日ロの外相会談でも、具体的にウラジオストクのLNGであるとかサハリン3とか、幾つか具体的な案件について話合いを持ちました。
 今の御質問はシェールガスでございます。今、現時点ではシェールガスはロシアで商業生産が開始をされているということではないというふうに思います。エネルギー関係の協力について進めていくということについては私は肯定的であり、大切なことであるというふうに考えております。
#42
○副大臣(柳澤光美君) 今、玄葉大臣からお答えのとおりですけれども、実は私も九月から原子力災害の現地対策本部長で入っていまして、その影響で原子力発電所が運転停止に追い込まれる中で、特に火力発電用のLNGの需要は大変増加しておりまして、この安定供給の確保というのが今最大の課題になっています。
 近年、サハリン2からのLNG輸入が開始されまして、二〇一一年では我が国のLNGの輸入のロシアからは九%をもう占めるようになっております。今後とも我が国へのLNGの安定供給を確保する上で、我が国に近接する資源大国であるロシアとの協力は大変重要だというふうに考えておりまして、ウラジオストクにおけるLNGプロジェクトの事業化等を日ロ共同で検討をしているところでございます。
#43
○長谷川岳君 資源を持っている強みと、やはり日本の場合は資源のない強みというのをつくらなければなりません。それは、どことどういう形で供給先をしっかりと提携するか、資源を選ぶことができるというのが私たち日本の強みです。それが私は一つの有効なカードになると考えます。
 今後、やはり外交において、特にロシアとの、この北方領土も絡んだロシアについては有効なカードを積み上げていく、そして時にはそのカードをメッセージとしてしっかりと見せる、そのようなしたたかさを政府には是非持っていただきたい、そのように思いますので、これを外務大臣、しっかりやっていただくことをお願いしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#44
○宇都隆史君 自由民主党の宇都隆史です。
 私、本日は沖縄の問題を取り上げさせていただきます。その中でも、特に沖縄で戦死された方々の遺骨の収集の問題について今日はやらせていただきたいと思います。
 その前に、冒頭、先日硫黄島に行ってまいりました。硫黄島の戦没者の御遺族の方々が主催した日米の慰霊祭に超党派で参加をしていった中で、非常に胸が締め付けられるような思いがいたしました。まだ帰還していない硫黄島における遺骨、これが約一万三千柱、今回の東日本の大震災を考えてみたら、すごい数だなと。今回お亡くなりになった御遺体の数が、収容された御遺体の数が一万五千を超える数ですから、ほぼそれと同等の御遺体、今ではもう御遺骨になっているわけですけれども、御遺骨がいまだ帰ってきていないという現状、このことを国がいつまでもやはりほうっておいてはいけないのではないかなというのを強く思います。
 ただ、前総理である菅総理の強いリーダーシップの下、二十三年から大きな予算が付きまして、政治主導をしっかり発揮すれば解決する問題なんですよね。これを今までやはり野ざらしといいますか、放置してきたこれまでの政権、もちろんこれは自民党政権の大きな反省でもあります。ここはやはり超党派で、党利党略を超えて大きく解決していかなければいけない問題だということを強く思っております。
 川端大臣におかれましては、昨年の秋口、十月ごろですよね、沖縄を訪問していただきまして、各慰霊地を巡っていただいて非常に有り難く思っております。ただ、残念だったのは、今回の冒頭の所信の中にこの遺骨収集の話が一言も出てこなかったことは、私は非常に残念だったなということを強く思いました。
 その中で、我が国の国内における戦地というのは二か所しかないわけですね。硫黄島と沖縄であります。川端大臣、この硫黄島と沖縄の違いというのをどのように認識されておりますか。
#45
○国務大臣(川端達夫君) 沖縄は、何といっても、いわゆる県民というんですか、民間人が、想像を絶する戦火の中で、まさに約二十万人とも言われている、犠牲になられたというのが最大の違いだというふうに思っております。
#46
○宇都隆史君 ありがとうございます。
 私、もう一つあると思うんですね。一点目は、まさに大臣言われたとおり、軍属軍人だけでない戦死者が多くいたというのがこれ沖縄の特徴です。もう一つは、現在、今のこの空間、時間帯、時間で、沖縄には一般の人が生活しているということなんですよ。硫黄島は自衛隊しかいませんから、一般の方は住んでおりませんから。つまり、沖縄の今生活している人たちの復旧復興あるいは今後の振興を考えるときに、やはりこの問題は避けて通れない問題なんではないかなということを強く思います。そして、硫黄島と沖縄で全く同じことは、いまだに戦争が終結していない、ある意味心の中での戦争は終わっていないんだ、これをやはりけじめを付けることが非常に必要だと思っております。
 さてそこで、今日は厚労政務官の方にも来ていただきました。質疑の中身は、厚労省の方と、質問させていただきながら、今のこの沖縄の遺骨収集の現状がどのようになっているのかというのを質疑を通して明らかにしてまいりたいと思います。そして最後に、担当大臣である川端大臣に、思いであるとか、あるいは私からの提言に対する御意見をいただきたいと思います。
 まず厚労省にお伺いいたしますけれども、沖縄における現在の遺骨の収集、これあと何柱ぐらい残っていると厚労省が把握をしているのか、そしてここ近年の実績、一年でいいです、二十三年度でも二十二年度でもいいですので、どのような活動をしてきたのか、ここを教えてください。
#47
○大臣政務官(津田弥太郎君) お答え申し上げます。
 宇都議員におかれましては、私も厚生労働省を代表して行かせていただきました、硫黄島です。本当に日米合同で慰霊祭を行うという、かつて六十数年前戦った者同士の子孫が、今、手を携えて先祖を敬い、そして平和を誓い合うという、本当に大事な慰霊祭であったというふうに思います。ありがとうございました。
 さて、御質問にお答えをさせていただきたいと思います。
 この戦没者の遺骨収容というのは、国の責任でございます。悲惨な歴史を繰り返さないためにも、全ての戦域で遺骨収集を進めていかなければならない、そのように考えております。
 沖縄県の戦没者数は、今、宇都議員申されましたように、いわゆる民間人の方、軍属の方も含めて十万人が亡くなったと、それからいわゆる軍人の方々が約八万数千人、おおむね十九万人弱お亡くなりになったということでございます。
 若干、厚生労働省の推計と沖縄県の推計がちょっと人数が違っておるわけでございますが、これは住民票そのものが消失をしているとかいろんな事情で若干誤差が出ているということでございますが、平成二十二年度末現在、収容されました御遺骨の数は十八万六千五百二十三柱というふうになっているわけでございます。
 したがいまして、沖縄の遺骨収容につきましては、沖縄県などととも連携をしまして、収容可能な壕などで積極的に収容を実施していきたい。もちろん現在もその活動を続けさせていただいておりますし、宇都議員御案内のように、最近では百とか百七十とか、まあそのぐらいの数が毎年収容させていただいております。今年ももうすぐ年度末を迎えるわけでございますが、まだ今年度の数は最終的な数は上がっておりません。今、専門家にしっかり鑑定をしていただいておりますので、その上で数は報告させていただけるだろうと思っております。したがいまして、まだ残っている数が幾つかということについて正確な数を申し上げられませんので、お許しをいただきたいと思います。
#48
○宇都隆史君 ありがとうございました。
 今、政務官の方からもありましたとおり、厚生労働省が出している、国が出している推計数と沖縄県が出している推計数は若干違うんですね。で、今、回収した数というのは、国が出している推計数はほぼ満たしている状態、しかし沖縄県が出している推計によるとまだもう少しあるんじゃないか、二千ぐらいですね、約、千六百ぐらいですか、はまだあるんじゃないかということで、厚労省は沖縄県の推計を前提にまだあると、続けるという意思があるということを今確認させていただきました。
 お手元にお配りしてありますこのグラフを見ていただきたいんですが、これは厚労省からのデータを私の事務所でグラフにしたものです。青の棒線は年度年度ごとの予算、目盛りは左側の方になっていまして、一目盛りが一千万円になっています。赤の折れ線グラフはその年度ごとで回収ができた御遺骨の数、この目盛りは右側になっております。そのままの数字です。というのをグラフに表してみました。
 ここで着目していただきたいのはこの赤の折れ線なんですね。減ってはいないんです。結局、年々やっておりますけれども、だんだんだんだんその御遺骨の数も減ってきている、情報ももうなくなってどこにあるのかも分からないということで一体いつまで続くんだろうかという現状ではなくて、毎年毎年大体平均的に百柱ぐらいの御遺骨がちゃんと帰ってきているという現状で、まだまだこれは継続していかなきゃいけない事業だということがやはりこのグラフから見ても分かりますし、厚生労働省もその認識であると思うんです。
 そこで、厚生労働省としては、これは今後どのような計画で進めていくおつもりなのかというのを端的に教えていただけませんか。
#49
○政府参考人(森岡雅人君) 沖縄県におきます遺骨収容につきましては、県からの情報、また、最近は区画整理等をやっている中において壕が新たに開くという場合による御遺骨の収容といったことがあるわけでございます。
 そういうことでもございますので、二十三年度の予算からは新たに沖縄県の委託事業といたしまして、NPO団体等が遺骨情報を収集されるための経費を盛り込んだところでございまして、こういった体制を整備しましてしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#50
○宇都隆史君 厚生労働省としても非常に大きく御努力をいただいていることは強く理解をしております。
 ただ、ちょっと事実で確認をしておきたいですが、この沖縄の遺骨収集に関しては、宅地の造成であったりいろんな公共事業に伴って、共にそこに財源を出して回収をすると。ですから、もっと言うと、今、硫黄島で大きな財源を投入してやっているような超音波で壕を探知したり、そういうところまではやっていないということでよろしいですよね。
#51
○政府参考人(森岡雅人君) 御指摘のとおりでございます。
#52
○宇都隆史君 決して努力が足りないとかいう、そういうのを責めるつもりはないんです。ただ、もっとリーダーシップを発揮して政治主導でやれば、もっと硫黄島のようにできるんではないかということをここで申し上げたいんです。
 先ほど御覧になっていただいたように、二十三年度、二十四年度の予算は、確かにこれ沖縄県の分だけです。大きく増額されているんですね。ですから、政府も沖縄県の遺骨収集に対して力を入れようという意思は、これは確かにあるんです。
 ただ、全体のこの遺骨帰還事業に関する財源の中での沖縄の割合、これ二十二年度、二十三年度ではどうなっていますでしょう。
#53
○政府参考人(森岡雅人君) 遺骨収容事業の予算額につきましては、全体で見ますと、平成二十二年度は約六億一千四百万円、また平成二十三年度は十五億六千七百万円でございまして、沖縄県での遺骨収容に関します予算額は、平成二十二年度は二千百万円、平成二十三年度は四千八百万円でございます。それぞれの占める割合におきますと、三・四%、三・一%となっているところでございます。
#54
○宇都隆史君 恐らくこの外事室がやっている事業というのは、ニューギニアとか南方戦線、それから大陸の方もありますから、そこに行く旅費であったり情報収集に係るお金、あるいは民間に委託しているお金等で、やはりお金が掛かる事業ではあるんですよね。
 ただ、それにしても、国内における最大の戦地である沖縄、しかも一般人まで巻き添えにしてしまったこの沖縄にたった三%というのはないんじゃないかと。もちろん色を付けることはこれ難しいと思うんですけれども、今年は沖縄が我が国に返還されて節目の年でありますよね。やはりここら辺りで大きく集中事業として沖縄に予算を投じる、そういうのも政治の私は役割なのではないかということを一つここでは提言をさせていただきます。
 次にもう一つ、この遺骨の収集に関するその法的根拠についてお伺いをしたいんですが、我が国の、国が定めた法律で、遺骨を収集しなければならないという法根拠がありますか、厚生労働省。
#55
○政府参考人(森岡雅人君) お答え申し上げます。
 戦没者の遺骨帰還事業の根拠としましては、昭和二十七年の衆議院特別委員会におきます海外諸地域等に残存する戦没者遺骨の収集及び送還等に関する決議や、参議院本会議におきます戦没者の遺骨収容並びに送還に関する決議を踏まえまして、厚生労働省設置法に基づき、引揚げ援護や戦没者遺族の援護を所管します厚生労働省が実施しているものでございます。
 なお、社会・援護局援護企画課外事室の業務内容につきましては、厚生労働省組織規則におきまして、海外戦没者の遺骨の収集、墓参及びこれらに類する事業に関すること、旧陸海軍関係の死亡者の遺骨及び遺留品の処理に関することと定めているところでございます。
#56
○宇都隆史君 つまり、我が国は、国として遺骨を回収しなければならないという法律がないんです。つまり、戦後の二十七年、昭和の二十七年のときに衆参でこの決議をして、当時はもちろん軍がこの回収義務があったわけですけれども、軍が解体されるわけですから、厚生省の方に復員局として委託を受けて、厚生労働省の方の細部の組織規則の中にこの遺骨を収集しなさいという、外事室の任務として入っているだけで、やっぱりそれはおかしいと思うんですね。国の命を受けて戦地に赴き、そこで亡くなった人たち、それを回収するのはやはり国の義務だと思うんです。
 ですから、これ、私は厚労省が云々という話ではなくて、やはり国の成り立ちとして、こういう法整備を進めていかなければならないというのも今後考えていかなければならないことだと思います。そういうところをやはり厚生労働省の外事室も、今あることが前提、正しいということではなくて、やはりここは問題があるということで進言というか、政治に動いてもらうという、そういうことをやはりやっていただきたいなというふうに思っております。
 例えば、海外の例で言いますと、米国というのはJPACという組織があるそうです。正式には、戦争捕虜・行方不明者捜索統合司令部というのが、これハワイに本部があるみたいなんですが、この統合司令部の合い言葉は、全ての兵士をふるさとに帰すということで、徹底したDNA鑑定、遺留品の捜索から行って、必ずふるさとに遺骨を帰していくという、それぐらいの事業をやっている。
 米国はもちろん現在も戦っている軍隊ですから当然のことだと言えばそうかもしれませんけれども、やはり我が国も、自衛官が、安全な箇所とはいいつつも、海外で任務をする事態が多くなってきました。多数の犠牲者を出さないという蓋然性は低いにしても、ないという、想定外というのはあってはならないと思うんですね。
 そこは国として、今後もしそうなったときにどうするのかということは、これは真剣に考えていく話ですし、これは決して厚労省だけが話をしなければならないことではなくて、外務省にもかかわってきます、防衛省にもかかわってきます、内閣府にもかかわってくる事象ですので、こういうこともやはり今回の沖縄の遺骨事業に絡めても政府としてよく考慮していっていただきたいと思います。
 もう一つ、厚労省にこの件について質問をいたしますが、組織規則によって外事室の方でこの遺骨の収集業務等が決められているわけですけれども、この職員、二十五名、非常勤十四名いるというふうに伺っておりますが、この中で専門性を持って常にその場所からポストとして動かない、この戦史の研究であったり遺骨の収集に関する、そういう専門職の職員というのはいるんでしょうか。
#57
○大臣政務官(津田弥太郎君) 宇都議員のお気持ちは非常によく分かるわけでございまして、冒頭、私、最初の質問でお答え申し上げましたように、戦没者の遺骨収容というのは国の責務であるという、この認識でやっておりますことは申し上げておきたいと思います。
 さて、御質問の件でございます。
 この戦没者の遺骨帰還事業を専門的、効率的に行うためには、職員の専門性を高める、これは大変重要なことでございます。同時に、厚生労働省が保管する資料を詳細に調査する、それから当時のことをよく知っておられる戦友の方あるいは住民の方から情報をしっかり収集しそれを分析をする、そういうことが大変重要であるというふうに思っておるわけでございます。
 このため、厚労省では、保管している資料の調査、担当職員に対する遺骨収容の実務について研修を行っております。本年の二月二十二日にも、担当する職員四十名を集めて、国立公文書館の専門官である梅原先生をお招きをして勉強会をさせていただいておるわけでございます。
 沖縄県での遺骨帰還事業につきましては、沖縄県の担当専門官を置いて沖縄県の担当者と密に連携を図るほか、県民や民間団体等による情報収集を更に促進をするために、今年度から沖縄県の委託事業として新たに設置をされました戦没者遺骨情報収集センターというのを設置をいただき、そこに所要の経費を増額をさせていただいているわけでございます。
 それらのことを行い、専門家をしっかり育てていかなければいけない、あるいは、いわゆる骨学というんですか、骨についての勉強、これはかなり専門的な分野になってくるわけですが、これらについても、この担当する職員については専門的に勉強をさせているところでございます。
#58
○宇都隆史君 ありがとうございました。
 今、政務官の方からも御答弁いただいたとおり、去年の八月に沖縄県に、八月じゃない、十月でしたかね、情報収集センターというのができていますよね。先ほどのこの予算の中から年間の、一年分の予算として一千万近く付けてやっているわけです。これは、現地で情報がなかなかもう吸い上がってこない、御年配になったりお亡くなりになっている方々がいたりとか、あるいは中央の厚労省との方との情報の連携がなかなかうまくいっていないというのを考えてのこういう対応だったと思うんですが、私が申し上げているのは、各役所、大体二、三年交代で人は替わっていきますよね。そうすると、やはり現地との今までの経緯であったり人脈であったりの引継ぎがうまくできていないのではないかなというのを感じるときがあります。
 去年、私は沖縄に実際行ってきまして、遺骨収集をボランティアで現地でやられている方とお話ししてきました。そうすると、やはり国との連携がうまくいっていないというお話をされていました。結果として、御自分たちで出し合ったお金で重機をリースし、ボランティアを雇って、自分たちでやっているという話だったんです。それで、年間で、細々とではありますけれども、ちゃんと遺骨を回収しているという話だったんですが、その辺をもっとより効率的に効果的にやっていけば、より国として回収事業がしっかりできるんじゃないか。現地ではやはり、国は余り意思がないんだというようなことも言う方もいらっしゃいます。そうじゃなくて、これだけのことをやっているのであれば、それをやはり理解していただけるような体制づくり、一つは専門の、常にポジション動かないような専門官を置く等のやっぱり配置の検討もあってしかるべきではないかと思います。
 時間もあと五分になってまいりましたので、最後に川端大臣の方に、今の議論等を踏まえた上で二点ほど御質問させていただきたいと思うんですが、今、沖縄の今後の振興といいますか、経済産業の発展に絡めた上で二つの法案を与野党間協議でやっていると思います。一つは沖縄振興法ですね。これが期限が切れますから、これを新しくする振興法の話。そして、米軍が基地を返してくれた後の跡地利用法に関してです。
 どういう形でまとまっていくかという話を私も漏れ伝え聞いてはおるんですが、この中で、不発弾処理の話であるとか、あるいは米軍が遺棄していった危険物の除去の話であるとか、あるいはその後の開発の話であるとかは議論には上っているようなんですが、この御遺骨を、ここに必ず眠っているはずなんですね、今まで手を出していないところなわけですから。真っ先に私はまずやった上でいろんな開発等をやらなければならないと思うんですけれども、その件に関しての大臣の御意見をお願いいたします。
#59
○国務大臣(川端達夫君) 一連、今の御議論を聞かしていただいて、改めて、国の責務としてしっかり取り組まなければいけない大変重要な政策であることは改めて認識をいたしました。
 そういう中で、今回、国会にお願いをし、今朝は衆議院において議院修正、全会一致で今お触れの二法は通さしていただきました。四十年の節目を踏まえて、これから可能な限り沖縄の自立性を生かして、そして特色を生かして、今まで本土に対しての格差是正、追い付こうということではなくて、自力で真っすぐ前に進めるようにという思いを込めていろいろやらしていただきました。
 そういう中で、跡地を使うにしても、それからそうでなくても不発弾の問題はたくさん深刻な問題として出てきておりますので、これに関しては予算的にも相当たくさん付けると同時に、しっかりやりました。
 今、御遺骨の話でありますが、これは国としてやるということと同時に、全国、海外も含めてということで、トータル、厚生労働省が窓口でやってきました。長年の経験、知識、技能、今専門家のお話がありましたけど、そういう部分ではノウハウを含めて厚労省がしっかり持っている。そして、沖縄県と、あるいはボランティアの皆さん、NPOの皆さんで今頑張っていただいている。
 そういう中で、私たちの立場でいいますと、沖縄の自立、自主的な部分でいったときに、いろいろと逆に御質問や御要望も多分こういう問題はいっぱいあるんだと思います。そういうことを厚労省にお伝えして、前に進めるようにという、これ、実はいろんな不発弾が出てきたときに処理するのは最終、自衛隊でやっていただくんですが、それまで監視するのをもう少し違うやり方でやったらどうだというのも、この前、衆議院の委員会では御指摘もありました。
 そういういろんな幅広いこの遺骨収集に関しての御提言等々は、厚労省が作業の責任者でありまして、しっかりと伝えて、また厚労省からも、沖縄、現地を一番よく知っているのは我々の内閣府ですから、こういうことを調べろと言っていただいた部分は協力するのはもう全く全面的にやっていきたいと思いますので、内閣としてしっかりと力を合わせて進むように頑張っていきたいと思います。
 今日は、大変勉強させていただきました。ありがとうございました。
#60
○宇都隆史君 最後、大臣、一点だけ。
 先ほどの菅元総理の例も引き合いに出しましたが、これは総理の強いリーダーシップで大きく変わると思うんですね。そして、今年はまさに日本に沖縄が戻って、返還されてから四十周年の節目を迎えますので、沖縄の皆さんにも中央政府は沖縄を決して見捨てていないよと強いメッセージを与える上でも、総理に是非、沖縄のこの遺骨収集事業、力を入れませんかと進言していただけませんか。
#61
○国務大臣(川端達夫君) 今日、こういう委員会で宇都先生から大変いい議論を聞かしていただいたことは、総理に対してお伝えをしておきたいというふうに思います。
#62
○宇都隆史君 終わります。
#63
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 北方領土問題を中心に質問をさせていただきます。
 まず、ロシアのプーチン氏は三月一日に外国メディアとの記者会見で、日ロ双方に受入れ可能な形で最終決着をさせたいと、この北方領土問題、というふうに述べました。また、日本語の引き分けという言葉を使って、我々は妥協に至らなければならないというふうにも述べられたというふうに伝えられております。これはプーチン氏の前向きな発言として受け止められるわけですが、外務省は、中国の軍事力に対抗するために領土問題を決着させて日本との協力関係を強化するのが狙いじゃないかというふうに分析されているようですけれども、大統領の発言の背景をどう考えているのか、伺います。
#64
○国務大臣(玄葉光一郎君) ただいまの横山委員のお話は、先ほど長谷川委員にも申し上げましたけれども、プーチン首相、これから大統領になられる、正式にですね、わけでありますけれども、北方領土問題の解決に意欲を示したというふうに私は期待をしているところであります。
 それで、ただいまの直接的な問い、つまり中国云々という、こういうお話でございますけれども、当然ながら、私は私で、また外務省全体としても様々な分析はしています、これは当然の話でありますけれども。ただ、若干申し訳ないんですけれども、いわゆるプーチン大統領のその発言の意図であるとか真意であるとかあるいは背景であるとか、そういったことについて私がここで確定的に述べることが本当にいいのかということがあるものでありますから、そのことは差し控えなければならないのだろうというふうに思っています。
 ただ、あえて申し上げれば、やはり戦略環境は変わってきていますよねということだと思うんです。ですから、例えば事実関係でいえば、欧州の経済危機というものがありますね、朝鮮半島の問題もありますね、中国の台頭というものもそれは事実関係としてありますねということは、まず周辺環境という意味で、あるいは戦略環境という意味であるということは一般論として申し上げることは私は可能だと。
 したがって、ラブロフ外相との会談でも、安保協力、これまでもやってきているんですけれども、もっと本格的に防衛交流とかそういったものを行っていかなきゃいけないという話で一致しました、これは。そして、私の方から、海をめぐる協力というものもやろうということを提案をしました。あるいは、先ほど来から出ているエネルギーを始めとする経済協力、これもやっていこうということで、非常に全体的に信頼関係が増し、またその協力関係を深めていくということで、お互いに今、雰囲気醸成というか信頼醸成といいますか、そういったことが私はできてきているというふうに考えています。
#65
○横山信一君 外交のことですから、ここの委員会で発言される大臣の発言というのは当然のことながら注目を集めるわけであります。それだけに、逆に言うと、アピールの場でもあるわけですから、そこはやっぱり日本の将来を考えて、踏み込んだところは踏み込んで発言をしていただきたいというふうに思うわけであります。
 この三月五日の、総理が電話で、プーチン次期大統領に電話をされたと。そのときに、領土問題について英知ある解決に取り組みたいというふうに伝えたというふうに言われております。我が党の東さんの質問にも同様に発言をしているわけであります。
 プーチン氏は、先ほど、我々は妥協に至らなければならないというふうに御紹介いたしましたけれども、妥協というふうに言っているわけです。解決と妥協というのは言ってみれば紙一重の関係にあるわけでありますが、我が国の四島一括返還に対して、プーチン氏の解決の手法が一九五六年の日ソ共同宣言に基づく従来どおりの主張であれば、これはどこまで行っても平行線のままで、硬直した関係のままで行ってしまうわけであります。
 今、プーチン氏が再選をされて、領土問題解決に少なくとも前向きと見える発言をしているこの時期を絶対に逃すべきではないというふうに考えられるわけです。そういう意味で、日ソ共同宣言をステップにして四島一括返還までの道筋を示すときと、いわゆる英知ある解決に向けた踏み込んだメッセージが今必要じゃないかというふうに思うわけですが、いかがですか。
#66
○国務大臣(玄葉光一郎君) 冒頭、今日、静かな環境とは何かと、こういう問いがあったわけですよね。私は、本当に領土問題の交渉に当たって一番大切なのは両国間の首脳同士の信頼関係だと思っています。やはり、直接話し合っていくということに最終的には尽きるというふうに思っています。
 その上で、私も根室管内を視察をしたときに、船上で、船上というのは船の上で、小泉さんという千島連盟の理事長さんがずっと御一緒していただいたんですね。その方が船の中で、色丹が見えて、このまま色丹に帰りたいなとおっしゃったんですよね。私は、あれは生涯忘れない言葉だなと思っています。
 だから、とにかく四島の帰属の問題を解決していく、そのために今どう発言してどう行動すればいいのかということを私はいつも考えているつもりなんです。ですから、こういう場での発言も注意深く申し上げていることは事実です。
 やはり、ラブロフ外相との会談でもそうでしたけれども、お互いにあらゆる分野での協力を深めていくということで一致をしましたので、やっぱりその延長線上で、さはさりながら、北方領土問題を解決しないと、本来の日ロが持っている潜在力、実は日ロ間の潜在力というのは私は非常に大きいと思っています。
 ただ、この潜在力の蓋を開けるためには北方領土問題の解決がやっぱり必要だということを言いました、何回も。棚上げをしないようにしよう、最近議論がないから、ないというと語弊があるかもしれませんけれども、再活性化しようということをこちら側から言ったということでありまして、これは本当に強い意思で、しかし、まさに交渉事でございますので、最終的には、これはもう外相間あるいは首脳間できちっと会って信頼関係を構築しながら、今全体としては信頼関係、何度も申し上げて恐縮ですけれども、できてきていますので、会ってやはり真意をお互いに確認をし合いながら物事を進めていくという必要があると思うんです。
 メディアを通じて出てきた発言に対してその真意をこちらが分析をしていくことは当然なんですけれども、そのことについて外であれこれ言うということがどこまでよいかということも含めて考えながら対応したいというふうに思っています。
#67
○横山信一君 以前、菅元総理が許し難い暴挙だという発言をして大問題になったことがありましたけれども、だからといって、静かな環境の下でというその言葉の中で何も前進しないというのも非常に問題なわけでありまして、この日ロ交渉の中で、大臣が公開できる範囲で今お話をされているんだと思いますけれども、そこはもうどんどんやり合っていただいて、そして、こういう委員会の場も含めて、先ほど来申し上げているように、アピールをしていただきたいわけであります。
 この日ロ交渉の中で四島を返せということを繰り返し訴えても、なかなかこれは解決には結び付かないわけであります。それで、先ほど質問の中でも申し上げましたとおり、何をするかであります。
 平成二十一年の八月でありますけれども、ロシアの方から、日本がそれまで行ってきた人道支援を断るという、そういう通知が参りました。それ以来、我が国からの人道支援は途絶えているわけでありますけれども、この人道支援ができないということは何を意味するかというと、それまで日本が整備をしてきた学校とか病院だとか、病院というか診療所とか、宿泊施設だとか、そうしたところを造ってあげて、時間がたてば当然老朽化をしていくわけでありますけれども、そこの維持補修ができないということにつながってくるわけです。それは逆に言うと、日本から部品も入ってこない、そしてまた、せっかく造ったけれどもどんどんどんどん古くなって壊れていけば放置をされていく、利用価値が低くなっていくと。それは四島の中での日本の立場というか、島民の人たちにとっての日本の立場が非常に薄れていくということにもなるわけです。
 やはりそれを防ぐには、経済交流の道を探るべきだというふうに私は思うわけでありますけれども、この提供したインフラを維持するためにどうしたらいいのか。言ってみれば、日本の技術がなければ島の生活が成り立たないという、そういう環境をどうやってつくっていくかということが大事だと思うわけですけれども、この日本との経済交流、領土返還を見据えたこの経済交流の在り方をどうしたらいいか、お伺いいたします。
#68
○国務大臣(玄葉光一郎君) 経済交流の前にもっといろんなことを言えと、こういうお話でございますけれども、少なくとも例えば文書という意味では二〇〇三年の日ロの行動計画ですか、行動計画ですね、文書は実は二〇〇三年、それまでなんですね。つまりは、領土問題のこの交渉そのものの進展という意味ではない、議論はもちろんあったことは言うまでもないわけでありますけれども。ですから、私はこの一年、何といいますか、一言で言えばムードづくりというか、そういうことを私はしてきたというふうに思っているんです。
 先ほど来から諸合意、諸文書の話をしています。また、あわせて、法と正義とは何かという話も先ほどありましたけれども、まさに国際法の遵守、あるいは、私は正義の中身を余り具体的に言うのは適当じゃないと思いますけれども、ただ、いわゆる客観的な事実に照らした普遍的な正義に基づく価値と言った方がいいんでしょうか、あえて定義をすればですね。そういう、いや、まさに客観的事実を何と定めるかということって大事なんですよね。そういう中で解決していくんですけれども、最終的にはこれはやっぱり政治、当たり前ですけれども、単なる法解釈だけじゃない、それは政治決断というものが最終的に要るわけでありまして、ですから私は、何度も申し上げていますけれども、両国間の首脳同士の信頼関係が最終的には非常に大切になるというふうに思っているんです。
 今、横山委員が提案してくださったのは、言わば、まあこういう言い方を私がするのも適当じゃないかもしれませんけれども、一種のポジションを高めるために何するかと、こういう話なんですけれども、経済交流をするときに様々なことを考えていかなきゃいけないんだと思います。ただ、一つだけやはり言わなきゃいけないことは、我が国の法的立場は害さないように、その上で何ができるかということを最大限知恵を発揮したいと、そう考えています。
#69
○横山信一君 いろいろ調べてもみたんですけれども、経済交流を阻害する特別な法というのはないんじゃないかという話も聞いております。そういう意味で、その人道支援に代わる何かといったときに、経済交流をしたときにいろんな議論があるのは私も分かっております。単に経済交流をすれば、向こうに、向こうというか、ロシア側を利するだけで日本には何の得もないんじゃないかとか、いろいろ議論があるのも知っておりますけれども、その上で私は注目をしておきたいのは、この北方四島の隣接地域の、通称北隣協というふうに呼んでおりますが、隣接地域の自治体の要望として経済交流の要望が出ているということでございます。特にここからは経済特区という言葉まで使われて要望が出ているということでありますので、戦略的な経済活動をどのような手法で進めたらいいのか、御意見があれば伺いたいと思います。
#70
○国務大臣(玄葉光一郎君) 当然ながら、地元の御意見というのは参考にしていきたいというふうに思います。まだ実は正式な提案というところまでは至っていないんですね、地元の提案も。そのときに、先ほど申し上げた大原則を守りながら最大限の知恵を発揮するということなのではないかというふうに考えています。
#71
○横山信一君 今年度のというか、来年度に向けたこの北隣協の要望書がまだできていないというのは承知しておりますが、平成十八年に出た再提言構築書ってありますけれども、この中ではもう明確に経済特区という言葉が出てきております。
 今までは島の話だったんですが、今度は北海道側の話になりますけれども、ビザなし交流等で四島の島民が日本に、日本というか、北海道を含め全国を回られます。そのときに、それは何の目的でされているかというと、日本が羨望の、羨望の対象という言い方がいいかどうか分かりませんけれども、日本はいい国だというふうに思ってもらえると、もっと言うとロシア人よりも日本人になりたいというふうに思ってくれればいいわけでありますけれども。
 そういう背景があったわけですが、今四島にはクリル発展計画というのがあって、着々とは言わないまでも徐々に町並みも整備されてきている、かつてソ連からロシアに替わったときのような食料困窮の状況にもないと。しかし、この四島というのは、大陸から比べればやはり島民生活は大変に苦しい、大変な状況ですし、彼らは、その四島の元々の島民の人たちというのは棄民というか、大陸から見放されたという、そういう意識も非常に強いというふうに私は感じております。
 だからこそ、対岸の根室に行くと全く違うという、そういう状況を見せるということは非常に大事だと思うんですが、この根室地域、今、北隣協の地域ですけれども、今どういう状況になっているかというと、これはもう非常に景気が低迷している、そしてまた全国で最も社会資本整備が遅れている地域だということになっているわけです。しかも、これは北特法の中にも書かれているんですが、領土問題が未解決なために望ましい地域社会の発展が阻害されているという、そういう地域にもなっているわけでありまして、要するに、今のこの日本全体の景気低迷の中でも更に非常に地域が低迷をしている、そういう地域になっているわけです。
 そういう意味で、この北隣、北方領土隣接地域の社会資本整備というのをどういうふうに進めていくのか、お考えを伺います。
#72
○大臣政務官(津川祥吾君) お答えをいたします。
 今委員が御指摘いただきましたとおり、北方領土に隣接する地域の社会資本整備というのは大変重要であるというふうに認識をしているところでございます。
 根室市を始めといたしました北隣地域一市四町における社会資本整備でございますが、今委員から御指摘いただきましたとおり、北特法に基づきまして、北海道が中心となって現在の第六期の振興計画に沿って隣接地域の社会資本整備等を推進をしているところでございます。
 ただ、一方で、現状、なかなかこの計画どおり順調に社会資本整備が進んでいないというのもそのとおりであるというふうに認識をしておりますが、現在、魅力ある地域社会の形成を更に推進をして形成をしていこうということで、平成二十五年度から始まります次期の第七期の振興計画において、北海道、隣接地域の市町村の意見を聞きながら、是非この計画がしっかりと効率的に進むようにということで、国としてもしっかりとその支援をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
#73
○横山信一君 この北隣協のインフラ整備の財源というのがいわゆる北方基金と言われているものなんですけれども、この北方基金というのは設立時にはそれなりの果実があったんですね。基金をためて、その基金で運用するというものですが、現在、この運用益というのは一億七千万しかないんですね。この一億七千万というのは、北隣協の一市四町の施設整備費の要望額の方がはるかに上回っているという、そういう現状にあって、とても足りないという、そういう現状にあります。
 この北方基金の運用をどうするのか、伺います。川端大臣。
#74
○国務大臣(川端達夫君) 御指摘のように、北特法に基づいて基金がつくられました。国が百億のうち八十億出して、あと二十億を北海道が出すことによって、北海道がいわゆる地方自治法上の基金として運用益でやるということで始まりましたが、御案内のとおりの最近の金利でありますので、額が非常に少なくなってきたということは事実でございまして、ですから、しかし、先ほど来のお話にありますように、やはりこの地域が社会資本整備が非常に遅れているということと同時に、復帰に向けて、現地北方四島は、物すごく遅れているインフラであったのが最近目を見張るような整備が進んできたと。そうすると、随分もう資本の投下も含めて逆の格差が付いているんじゃないかという実態は地元の市長さんからも町長さんからも熱心にいろいろ御陳情を受けているところでございます。
 そういう中で、北方基金とは別に、平成十五年度からは、隣接地域の事業としては隣接地域振興啓発経費というので二十三年度ですと二千五百万円あるいは一千六百万円というのを計上しているんですけれども、この部分の事業自体は国交省が担当ということで、社会資本整備ですのでということでやっておりますが、この基金でこうやっていくのと別建てでやるというのでいいのかという議論は当然あると思います。
 一方で、この基金をどうするのかと、いつまでたってもこうするのかということもありますので、幅広にいろいろ検討しなければならない時期にそろそろ来ているんだというふうには我々も認識をしております。
#75
○横山信一君 まさに、大臣がおっしゃられたとおり、検討する時期に今入っているわけでございまして、それは早急に結論を出していただきたいわけであります。島の方がいい生活になってしまったんでは、これはもう本当に四島返還というのは遠のいてしまうことになるわけですから、そこはもうしっかりと見ていただきたいということでございます。
 国交省にまた改めて質問しますが、北方基金のかさ上げが平成二十一年の北特法の改正で実施をされました。先ほど申し上げたように、北方基金が低金利の状態でうまく果実が実っていかないという現状の中で、通称一億円補助金と言われておりますけれども、北方領土隣接地域振興等事業推進費補助金というのがあるわけなんですが、毎年一億ずつ出るので一億補助金というふうに言われているわけですけれども、二十四年度も一億円が提示をされているわけであります。ずっとこの北隣協ではこの増額が望まれているんですね、一億じゃなくて六億欲しいというふうに望まれているわけなんですけれども、ずっと増額はなしで来ているわけです。
 増額できないのであれば、ここはやはり補助率のかさ上げを是非していただけないかということであります。通常、その非公共というのは二分の一という補助率になっているわけですけれども、この隣接地域の特殊性というか、ということを考えた場合に、これは非公共全部が二分の一ということになっているわけじゃないわけですから、そういう意味では、この特殊性を考えてこのかさ上げを考える時期に入っているんじゃないかと思うわけですけれども、いかがですか。
#76
○大臣政務官(津川祥吾君) 当該補助金でありますが、確かに地元の自治体の皆様方からは増額の要望をいただいているというのは事実でございます。ただ、昨今の国の財政状況の中から、即この補助金を増額するというのはなかなか難しいかなと思っておりますし、今委員からもそのように御指摘をいただいたところかと思っております。
 その中で、補助金の総額を変えずに補助率のかさ上げをするということになりますと、全体としての事業量のボリュームがむしろ減少するということにもなるところでありまして、これにつきましては、当該自治体の皆様方の御要望というものをしっかりと伺いながら検討させていただければと思います。
#77
○横山信一君 確かに、今まで広くやられたところが集中的にやるということにもなろうかと思うんですけれども、それはそれで使い勝手は逆に増してくる場合もあると思いますので、是非、地元の要望を伺って柔軟に対応していただきたいというふうに思うわけです。
 また、今度視点を島の方に移しますけれども、四島の島民のニーズで高いのは、実は医療支援であります。昨年、色丹島に行かせていただきまして、診療所も見せていただきました。急病人はヘリコプターで運ぶんだと、国後の病院に運ぶ、もっと重い人は大陸に運ぶという話をされておりましたけれども、非常に大掛かりだな、また天候にも左右されるだろうなということをお話を聞きながら思っていたわけです。
 その点、本当に海を隔ててすぐ目の前に根室の市立病院があり、そしてまた中標津の町立病院があるという、公設病院が目の前にあるわけであります。
 外務省の北方四島住民支援というのは平成二十四年度六千七百七十万が積まれているわけですけれども、領土返還を見据えたときに、この北方四島の島民の人たちの非常に高いニーズというのを考えてやはり様々な資金の運用、予算の運用をすべきだというふうに考えるわけですけれども、この医療対策をどうしていくのか、伺います。
#78
○国務大臣(玄葉光一郎君) ただいまの横山委員の御指摘は、私は非常に大切な指摘だというふうに思っています。
 それで、確かにいわゆる北方四島住民に対する医療支援というのは高い評価を得ているというふうに私も認識をしていますし、あわせて、これは川端大臣の方だと思いますけれども、いわゆる北海道根室管内の方々にとってもそういった医療に関する整備を更に充実をさせていくということが私は重要であるというふうに思っているんです。
 今回、四島の交流船の用船契約との関係で予算が若干減っているんです、確かに。だから、これは相当しっかりとした運用を行う必要があるのと、あわせて、私はこれは川端大臣とも、まあこういう場で申し上げるのもこれもなんですが、よく話し合って、政府全体で話し合ってこの問題についてはもう一段の検討があった方がいいというふうに私自身は今考えて事務方に指示をしているところであります。
#79
○横山信一君 本土、北海道側のこの病院の関係でありますけれども、北方領土返還運動に携わってきた隣接地域の元島民の平均年齢七十八歳になっているということで、非常に高齢化をしております。今後の返還運動の継続のためにも、この隣接地域の医療福祉分野もやはり力を入れていかなければいけないところであります。
 ところが、この隣接地域の病院に対しての、公立病院の運営費交付税措置、これ全国一律なんですね。ですから、この北隣協の地域だけが領土返還に向けて何か特別な措置があるというわけではないという現状があります。
 そういう意味では、この返還運動の拠点となっている根室病院あるいは中標津病院の運営費交付税、運営費交付税の上乗せを検討してはどうかというふうに思うわけですが、これは黄川田大臣ですか、お願いいたします。
#80
○副大臣(黄川田徹君) お答えいたします。
 まずもって北方領土は我が国の固有の領土でありまして、本当に北方領土問題の解決、これは国にとっても国民にとっても悲願だと、こう思っております。
 そして、お尋ねの根室病院そしてまた中標津病院につきましては、北方領土隣接地域に立地いたしておりまして、そしてまた救急医療を始めとする不採算医療を担っておりますから、病床数に応じて地方交付税による支援を行っているということ、これにつきましては、一般的にこういうふうな救命救急の形で地方交付税措置はしておるんでありますけれども、この病院経営に着目して、北方領土隣接地域に所在するということで財政措置を高めるということにはなっていないのであります。
 しかしながら、この隣接する市町村、本当に厳しい環境にあると、こう思っておりますし、特別の財政需要があれば、よく地元の皆さんのお話を聞いて、意見を取り入れて様々措置をしていきたいと思っております。
 そしてまた、特別交付税の省令の中にも、北方関係の部分、しっかり考慮せよということで省令に書き込んでありますので、それらも踏まえて、何といっても現場の実態、その要望等が大事でありますので、お寄せいただきたいと思います。
#81
○横山信一君 もう終わりますけれども、資料を配っていてそこまでたどり着けなかったんですが、「スタジオパークからこんにちは」というところのホームページを見させていただきました。
 ビザなし交流のことについて書かれておりますが、よく読みますとやや批判的でございます。ビザなし交流そのものが余り成果が出ていないんではないか、あるいはそのお金の使い方、あるいはその交流事業に参加する参加人員の選び方、そうしたことの指摘がなされておりますので、こうした意見もあるんだということを踏まえて今後の交流事業をやっていただきたいというふうに思います。
 以上で終わります。
#82
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。
 川端沖縄担当大臣と玄葉外務大臣にまずお尋ねをしたいと思います。
 沖縄の離島地域は、国土、海域の保全等、我が国の国益に重要な役割を担っているわけであります。特に、尖閣諸島には中国等の外国漁船の近接が頻発しております。また、漁業従事者を始め地元住民の方々はこのことに大変不安を感じているわけであります。
 そこで、沖縄の尖閣諸島について、お二人の大臣の認識をお伺いしたいと思います。
#83
○国務大臣(川端達夫君) 沖縄県は、東西千キロ、南北が四百キロ、合計百六十の島があるという我が国唯一の島嶼県でございます。そして、ここの離島の地域の活性化は、もう経済だけではなくて、領土保全ということも含めて大変大事な、国土保全の面でも重要な位置にあるというふうに認識をしております。
 そして同時に、この歴史的な経過あるいは国際法上も、これはもう厳然とした我が国の固有の領土であって疑いの余地のないところであり、現に実効支配をしているということでありますので、これに関しての何らかの問題がある地域では全くないという認識でございます。
 同時に、最近漁船の操業等々でいろいろと不安になるというふうな状況が起こりました。これは、私直接ではありませんが、国の立場として、海上保安庁を中心にしてしっかりとこれは対応して、相手に対しても、それはそういうものではありませんという明確な意思を伝えるということも含めて、しっかり対応するべき問題だと思っております。
#84
○国務大臣(玄葉光一郎君) 尖閣諸島が我が国固有の領土であることは言うまでもないことであります。歴史的にも国際法上も疑いのないことでありますし、また我が国はこれを有効に支配していると。更に言えば、そもそも領土問題は存在しないと、外交上の問題はあっても領土問題は存在しないというのが我が国の立場でございます。
#85
○江口克彦君 我が国の領土であるということを明確に伝えるということが大事だというふうに、川端大臣そのお話もありましたけれども、明確に伝える、具体的にどういうことをされているんでしょうか。
#86
○国務大臣(川端達夫君) これは政府の立場のことだというふうに思いますけれども、いわゆる漁船のいろんな問題等々もトラブルが起こっていることは事実であります。これに対して、しっかりと海上保安庁を含めて明確に対応するというメッセージと同時に、外交ルートを含めての政府の対応も大変大事だというふうに思っているところでございます。
#87
○江口克彦君 そのメッセージというのは文書で出しておられるんですか、それとも口頭で言っておられるんですか。外務大臣。
#88
○国務大臣(玄葉光一郎君) そもそももう領土問題は存在しないということでございますので、もう我が国の固有の領土であるということで、それは口頭も何もないということだと思います。
#89
○江口克彦君 しかし、先ほど明確に意思を伝えることが大事であるというふうに大臣はおっしゃったわけですよね。だから、何らかの、事実は我が領土であるから何も言わなくてもいいという外務大臣のお話と、明確に伝えるという川端大臣のお答えとはちょっと違ったように思うんですが、川端大臣、いかがですか。
#90
○国務大臣(川端達夫君) 申し上げましたように、領海に対して他国の船が許可もなく入ってくることに関しては、海上保安庁、我が国の主権の立場でしっかりとそれに関しては警告を発し、立ち去るようにということをやっておるのも明確な意思の表示であるというふうに思っております。
#91
○江口克彦君 明確に警告を発するとかいろいろと言っておられるんですけど、余り効果はないと思いますよ、実際問題として。外務大臣にも、それから担当大臣にも申し上げておきますけど。
 それはさておきまして、仲井眞知事が昨年の四月に尖閣諸島上空を視察されていますよね。その目的について、沖縄中を全て回ろうという現場主義の一つなんだと、尖閣も沖縄県域の一つであり、当然見に行くというふうに述べておられて、尖閣諸島の視察は言わば公務の一環であるという認識を示されたわけであります。
 沖縄を所管する大臣として、お二人の大臣、尖閣諸島を視察する意思はおありですか。お答えいただきたいと思います。
#92
○国務大臣(川端達夫君) 尖閣諸島視察の実施については、その必要性、目的あるいは実施時期、尖閣諸島をめぐる国際的な状況等を総合的に判断して検討すべき問題であるというふうに思っていまして、現時点で視察する予定はございません。
#93
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは、今、川端大臣がおっしゃいましたけれども、総合的に勘案をしていかなきゃいけないということだと思います。
#94
○江口克彦君 極めて抽象的かつ漠としているんですけど、総合的に判断していかなければならないという、その総合的な判断というのはいかなる判断を意味して言っておられるのか、外務大臣、お答えいただきたいと思います。
#95
○国務大臣(玄葉光一郎君) それはもう先ほど川端大臣が言われたように、その必要性、目的、時期、尖閣諸島をめぐる状況等々を総合的に勘案して検討されるべき話であるというふうに考えています。
#96
○江口克彦君 検討して、行くべきだというふうに思われたら行かれますか。
#97
○国務大臣(玄葉光一郎君) まさに総合的に検討していきます。
#98
○江口克彦君 またまた中途半端なお答えでいかんともし難い、対応し難いお答えで、もう少し確たる明確なお答えをいただきたいと思いますけれども。
 国土政務官に御質問、お尋ねをしたいと思います。
 排他的経済水域の基点となる離島二十三か所の国有財産化がなされたことについて報道がありましたけれども、事実を確認したいと思います。北西小島など尖閣周辺四島が含まれていないとされていますけれども、その理由は何でしょうか。
#99
○大臣政務官(室井邦彦君) 江口先生の御質問にお答えをさせていただきます。
 本件は、平成二十一年十二月に総合海洋政策本部決定いたしました離島の基本方針及び平成二十二年七月に閣議決定をいたしました低潮線保全基本計画に基づきまして粛々と実施をさせていただいた措置であります。
 具体的には、排他的経済水域、EEZの安定的な保全に資することを目的に、EEZの基礎となる離島の低潮線周辺の土地について、当該離島の近傍の航路標識又は水路測量標を根拠に、海上保安庁が行政財産として先生おっしゃいました二十三地区を所有をする手続を昨年八月に完了をした次第であります。
 なお、今般の国有財産化は、EEZの基点となる離島のうち、当該離島の周辺に本土又は所有者が明確な離島がない無主、要するに所有者が存在しない不動産について実施をさせていただきました。
 また、三月一日に名称を確定させた北西小島等の尖閣周辺四島については、久場島周辺の三つの離島、そして久場島の所有者に久場島の一部として所有されていると認識しており、また大正島の周辺の一つの離島については、大正島の一部として従来から国有財産、普通財産となっているため、今般の国有財産化の対象とならなかったものであります。
#100
○江口克彦君 外務大臣にお尋ねしましょう。
 我が国が無人島に命名したのに対抗しまして、中国も我が国の島に勝手に名称を付けているわけですよ、私どもの日本の立場からすれば。例えば、問題は、グーグルの地図検索を行うと日本名と中国名が両方併記されているわけですよ。
 もう質問主意書でこの問題についてはありまして答えられていますけれども、たとえ民間企業が行うにしても、そのような併記がなされることについて政府としては望ましいことと思っているのか、いないのか。一応、確認のために、外務大臣、お答えください。
#101
○国務大臣(玄葉光一郎君) これはもう、併記されること自体良くないし、遺憾であるというふうに思っていまして、先ほどのまず命名そのものについても、これは次官から言わば大使、程永華大使に対して申入れをしました。
 そして、あわせて、今おっしゃったグーグルの話ですよね。これはたしか一昨年も昨年も、昨年私がなってからも尖閣に限らず幾つかあるんですね、ざっくばらんに言えば竹島とかあるいは北方領土とかですね。これは申入れをしています。
 それで、一言で言えば、その申入れによって成果が上がったものと上がらないものとあるんです。上がったものもあるんです。ですから、ここはきちっと適切に申入れを今後ともしていきたいというふうに考えています。
#102
○江口克彦君 グーグルの日本名、中国名、その併記をやめさせるようにというかやめるように、政府の方から、あるいはまた外務大臣の方から指示をするということですね。
#103
○国務大臣(玄葉光一郎君) 既に昨年十一月、中国語名を速やかに削除するように求めたところでありますけれども、今、尖閣の話でございますけれども、私から適切なタイミングで申入れを行うように指示をしたいというふうに考えています。
#104
○江口克彦君 中国名を削除するように中国に申し入れ、そしてそれが実現できなかったとき、それがずっと継続してしまうということも考えておかなければいけないし、そのときどう我が方は、我が国は対応するかというようなことも是非外務大臣考えておいていただきたいというふうに思うんですが。
 もう一つ、そもそも領土というものは、一旦占領されるとほとんど戻ってこなくなるというか、そういう可能性が非常に強い。たとえ話合いによったとしても、それまでに膨大な時間が掛かる場合がほとんどですよね。
 北方領土でもそうですよ。先ほど、静かなる環境というか、言われた。あるいはまた、両国の首脳の信頼関係ということが築かれていくという。両国の首脳の信頼関係というのは何年間ぐらい掛かるのかというと、そう一年、二年で築かれるようには私は思わないと思うんですけれども、簡単に。しかも、少し年に一回か二回ぐらい会ってそれで信頼関係が保たれるということでもない。ましてや、まあこう言っちゃ大変失礼ですけれども、外務大臣、玄葉外務大臣がこれから半年先どうなっているかも分からないというようなことで、信頼関係が私はどうなのかというふうに思ったりもするんですけれども、それはともかくとして、とにかく膨大な時間が掛かるわけですよ。
 領土保全には国家の強い意思がないと私は困難だというふうに思うんです。特に、東シナ海でのガス田開発が我が国を抜きにして中国側が単独で次々に進めていっている状況を見れば、尖閣諸島についても、膨大に埋蔵されるとされる海底油田をめぐっての話であって、何もしないことでこの問題が解決するというふうには私は思えない。
 尖閣諸島の国土及び海洋権益保全への覚悟と対応について、ただ慎重に対処する、静かな環境でなんて、こんなことばっかり言って、言っている間に十年、二十年、三十年たってしまう。その覚悟と対応の仕方を具体的に外務大臣、教えてください。
#105
○国務大臣(玄葉光一郎君) 先ほどの静かな環境というのは、これはもう現実にお互いが領土問題の存在を認めて、それでまさに領土交渉を行っていくときの問題でございます。
 尖閣そのものは、これは領土問題は存在しないということでありますが、先ほど国土交通省の政務官からも話ございました。確かに海上保安庁がいわゆる哨戒活動などをして警戒監視を強化する、これまず大事ですね。そして、先ほどもこれまた話がありましたけど、結局、低潮線、EEZの基点になる、いわゆる根拠となる、そういう低潮線が海で浸食されるなんということを防ぐ努力を今していると。無主の土地の問題もある、そして命名もある。これ自体私はやはり大事なことだと思うんですね。さらには、例えば改正鉱業法というのを今度作りましたから、改正鉱業法を作って、これはもういわゆる資源探査そのものが許可制になるわけです。今まではそこまで行っていなかったんですね。ですから、そういうことなんかをやっぱり具体的に一つ一つ私は実施する、そのことはやはり大事なことだし、それ自体は私は着実にやっていると思うんです。
 ですから、あとは、あとはというか、あとは東シナ海そのものについては、確かに樫のフレアがもう二〇〇五年からずっと確認されているとか、いわゆるもう六、七年も確認されているとかいろいろありますけれども、この東シナ海の話は、まずは国際約束の締結交渉をきちっとやろうということは今働きかけています。残念ながらまだできていないんですけれども、そういったことをやっぱり具体的に実現していくということが、東シナ海については、いわゆる外交的には大事なことであるというふうに思います。
#106
○江口克彦君 最後に質問をさせてもらいます。
 先ほど来、一切問題ない、我が国の尖閣諸島の領有権は一切問題がないとするお話がありましたけれども、そうであれば、尖閣諸島の有人化による実効支配を推し進めても全く問題がないというふうに私は思うんですけれども、実効支配されないんですか。枝野さんのときには、北方領土、竹島と尖閣諸島は完全に違うんだと、尖閣諸島のときには決然と行動を起こすんだという答弁があったんですけれども、どうなんですか、違うんですか、外務大臣。
#107
○国務大臣(玄葉光一郎君) 先ほど実効支配という言葉を江口先生が使われたんですけれども、私は今、尖閣というのは日本国が有効に支配をしているというふうに思っています。
 今の多分論点は有人化という話なのではないかというふうに思いますけれども、その有人化の問題は、その必要性に加えて、我が国の立場、政府の賃借の目的等、これも総合的に勘案をして適切に対応するということだと思っているんです。
 平成十四年のときに……
#108
○委員長(岸信夫君) 大臣、時間が来ておりますので簡潔にお願いします。
#109
○国務大臣(玄葉光一郎君) 時間が来ていますか。じゃ、もうやめますが、平成十四年だったと思いますよ、いわゆる尖閣諸島三島の賃借を開始したのはですね。それ以来、いわゆる賃借だ、所有者の意思だということもあって、上陸を認めないという、国を除いてはですね、そういう立場を取ってきているということがございます。ですから、そういったことも含めて、総合的に勘案して適切に対応したいと考えております。
#110
○江口克彦君 終わります。
#111
○委員長(岸信夫君) 午後五時十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後二時五十二分休憩
     ─────・─────
   午後五時十五分開会
#112
○委員長(岸信夫君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、行田邦子君が委員を辞任され、その補欠として徳永久志君が選任されました。
    ─────────────
#113
○委員長(岸信夫君) 休憩前に引き続き、沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のうち、沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#114
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 私は、初めに領土交渉について玄葉大臣にお聞きします。
 ロシアの大統領選挙でプーチン氏が当選をされて新政権がスタートをすると。それで、プーチン政権になればこの領土問題の解決に進むかのような話ですとか、あるいは、先ほども議論の中で、前向きな発言があるのでこれを生かしていこうという声なんかも出されておりましたけれども、私は、この間のロシア政府の領土問題での一連の言動を見ますと、例えば、彼らもその論拠を示してロシアの権利について主張しているわけです。
 まず来るのは、さきの大戦の結果を基礎としてと。で、四五年のヤルタ協定、ポツダム宣言、サンフランシスコ平和条約、国連憲章など列挙してそのことを主張するわけですけれども、これ、繰り返されているんですけれども、こういうことを見ますと、領土交渉の原則をやっぱり抜きに二島返還とか三島返還と言っても、それはもうそんな甘いことではないというふうに思うわけです。
 玄葉大臣としてはどのように、そういう原則を踏まえてということでは取り組むおつもりでしょうか。
#115
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今、紙委員がおっしゃるような、ロシアの言わば立場の表明等々について、この間も、我が国は我が国の法的解釈含めて、先ほどおっしゃったことに対するやり取りを、それは当然ながらしてきているということでございます。
 その上で、先ほど来から申し上げておりますけれども、私としては、この間、特に一年間、双方ともムードを高めてきたというところがございます。で、先般のプーチン首相、これから大統領になられるプーチン氏の発言があったということであります。このことについて、おっしゃるように、中身につきましてはよく注視をしながら進めていくことが肝要であるというふうに思っています。
 ですから、大原則というのがあって、いわゆる諸合意、諸文書、法と正義の原則というのがまず一つあるのと、先般も日ロの外相会談の中でも、北方四島は日本に帰属するというのが我が国の立場であるということを述べた上で、この領土問題の議論を再活性化させましょうと、実質的な議論に入りましょうということを私の方から提案をし、その中で、ラブロフ外相から、それでは新政権樹立後にそういった議論をいたしましょうということについてラブロフ外相が述べたということで、今回のプーチン首相の発言というのはそのことと軌を一にしているというふうに考えているということでございます。
#116
○紙智子君 その中身について注視してというようにおっしゃいましたけど、この列挙している中のヤルタ協定ですね、これは、アメリカ、そしてイギリス、ソ連が秘密のうちに言わば千島の引渡しを合意したものです。そして、それは国際法に照らしても領土不拡大の原則に反すると。こういうことをやったがために領土問題というのは今日に来ているわけですから、そのことについてあえて公然と出して、そして米国に対してもそのことについて守るべきということを言って、言わば正当化するような議論も一方でやられているわけですから、そういうことを相手が言っているときに、こちらがそのことに対してやはり素通りしてしまってはいけないわけで、やっぱりきちっと、それに対してはきちんとやっぱり言わなくちゃいけないと、日本の態度についても言わなくちゃいけないと。やっぱり、戦後処理のそういう意味では不公正を正すというところを踏まえないで、正しい解決の道というのはないんじゃないかというふうに思っているわけです。これは繰り返しこれまでも申し上げてきたことです。
 私どもも、やっぱり解決のために努力をするということでは本当に努力を惜しまないつもりですし、この間、例えば民間レベルですとか、元島民の方含めて、直接パイプをつくってやってくるとか、あるいは議員レベルでいろいろなパイプをつないでやっていくということを取り組んでいるわけですけれども、引き続きこれも大事ですし、やっぱり国民的な運動にしていくというか、やっぱり主権にかかわる問題として、日本国民全体の問題として広げていく必要があるんだろうというように思います。そういう点では、しっかり原則を踏まえてやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、米軍基地の跡地の土壌問題、汚染についてなんですけれども、基地の跡地から大量の米軍廃棄物やPCB、砒素、鉛など重金属の深刻な土壌汚染が何か所も発見をされています。この委員会で今年一月も北谷町に行きましたけれども、ここでも、土地の引渡し後にキャタピラとか燃料タンク、アスベストの含有したコンクリートの廃材等々、これ大量の米軍廃棄物が出てきて、そのたびに事業が遅れて大変だったという話を聞かされてきたわけです。これらは、本来米軍が汚染者負担の原則に従って自らこれ処理して基地を返還すべきところを、日米地位協定があるということで日本政府が代わって処理しているということなわけです。
 そこで、まず防衛省にお聞きいたしますけれども、このキャンプ瑞慶覧メイモスカラ地区、ここはドラム缶に入ったタールの物質ですね。それから恩納通信所、PCB汚染。キャンプ桑江北側地区、六価クロムなど出てきていると。瀬名波通信施設、それから読谷補助飛行場、ここは鉛、弗素ですね。
 返還跡地のこの土壌汚染、その他の廃棄物の原状回復の費用で、二〇一〇年までの合計でいうとどれぐらい額として掛かっているのかということを防衛省にお聞きします。できるだけ端的に数字をお答えください。
#117
○政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。
 平成二十二年度末までに在沖の米軍施設の返還に伴います土壌汚染などの除去に要した費用としては、キャンプ瑞慶覧のメイモスカラ地区で約八千四百万円、キャンプ桑江の北側……(発言する者あり)失礼しました。約十一億九千万円でございます。また、恩納通信所及び航空自衛隊の恩納分屯基地については、発見されたPCB含有汚泥の保管のための保管庫の設置等の費用といたしまして、合計で約二億一千八百万円の費用を要しているところでございます。
#118
○紙智子君 キャンプ桑江に残されたPCB含有のコンデンサーが、これ三百三十八台、この処理費用と運送費、それから恩納通信所の跡地ですね、返還された、恩納分屯基地に残されて、まだこれ処理されずに保管してある、保管中のPCB汚泥は何トンですか。
#119
○政府参考人(山内正和君) まず、キャンプ桑江北側の北谷町から発見されましたPCB含有の蛍光灯安定器約三百四十個につきましては、本年度約一千四百万円で処理業者と契約し、処理を行っているところでございます。また、恩納通信所及び航空自衛隊恩納分屯基地において発見されましたPCBの汚泥でございますけれども、これは通信所返還地から約百四トン、それから航空自衛隊の恩納分屯基地から約二百十八トン、合計で約三百二十二トンとなっております。
#120
○紙智子君 今お話しのように、この返還基地のPCB等の汚染、汚泥が合わせて三百二十二トンと。
 それで、環境省に今度お聞きしますけれども、PCB処理は政府が全額出資したJESCOを設立をして処理をさせているわけですけれども、このJESCOのPCB汚泥の処理費は幾らでしょうか。そして、加えて、北九州事業地域で処理される予定のPCBの汚泥は何トンでしょうか。
#121
○政府参考人(伊藤哲夫君) 安定器、感圧複写紙などのPCB汚染物等については、JESCOにおける処理料金は一キログラム当たり二万九千四百円でございます。
 それから、北九州事業内での処理エリア内の汚泥については、重量が把握できているものについては約五百十八トンでございます。このほか、ドラム缶に入っているなどして重量が不明なものもございます。
 以上でございます。
#122
○紙智子君 沖縄の米軍基地のPCB汚泥というのは北九州事業所で処理をすることになっているわけですけれども、このPCB汚泥の量というのが三百二十二トン、北九州事業地域で処理する総量というのは五百十八トン、ですから六割占めるわけですよね。それから、費用を単純計算しますと、これ三百二十二トンですから、先ほどの金額とやりますと大体九十億円以上という膨大な額になるわけです。それで、これら全てを日本政府が米軍の肩代わりをして、費用と時間を掛けて処理していくのかと思うんですね。改めてこれ疑問に思うわけです。
 PCBの特別措置法は、これ二〇一六年度までに、時限立法ということですから、国内の処理全体が間に合うのかということが今問題になっているわけですよね。そういう問題もあるわけです。
 米軍が日本の法令を尊重せずに汚染したのに、結局これ、汚染発見が返還した後になってくるものですから、返還後ということになると、これ全て日本が処理するというのは余りにも不合理ではないかと思うわけです。米軍に対して、PCBの処理について若しくは費用負担をさせるべきじゃないかと思うんですけれども、外務大臣、いかがでしょうか。
#123
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは地位協定の四条の話だというふうに思いますけれども、もう御存じのように、施設・区域の返還に際しては米国が原状回復義務を負わないと。ただ、米国による付加価値について、我が国は米国による付加価値を補償する義務を負わないということであります。
 他方、これは二〇〇〇年でありますけれども、2プラス2で発表された環境原則に関する共同発表で、米軍は、在日米軍を原因とし、人の健康への明らかになっている差し迫った実質的脅威となる汚染については、いかなるものでも浄化に直ちに取り組むという政策を確認をしているということでございます。
#124
○紙智子君 そういうことが言われるんですけれども、しかし、米軍基地の土壌汚染というのは過去にも繰り返し問題が起きているわけですよ。そのたびに米軍に処理を求めてきた経過があるわけです。ところが、その後も返還前の汚染状況を政府は把握せずに、跡地からは続々と汚泥が、汚染が見付かっているわけです。現在も変わらないんですよ。
 それで、普天間基地のほか返還予定基地に防衛省や環境省は土壌汚染の立入調査というのは行ったことはありますか。環境省から。
#125
○政府参考人(鷺坂長美君) 環境省といたしましては、沖縄県にある米軍基地の土壌に関して調査をした実績はないと承知しております。
#126
○政府参考人(山内正和君) 提供中の米軍施設における土壌汚染調査のための立入りについてでございますが、防衛省では、民公有地である施設・区域が返還されると、原状回復措置の一環として汚染の除去など必要な措置を講じ土地所有者に引き渡しているところでございます。
 防衛省として、原状回復措置のために返還前に施設・区域に立ち入り土壌汚染調査を行ったことはございません。
#127
○紙智子君 もう今お聞きのように、結局、大臣、全然これ入って把握するなんていうこともやっていないわけですよ。それで、現在も政府機関としてはこの汚染実態を把握していないと。宜野湾市に聞いたんですね、宜野湾市に聞きましたら、土壌調査を申し入れても米軍は認めないと。普天間基地で〇九年に燃料漏れの事故が発生して、国も県も市も立入調査をしたときも、アメリカ側は写真撮影禁止、土壌のサンプルは持っていっちゃいけないと、こういう事態もあったわけですね。
 ですから、外務省は、米軍の土壌汚染のたびに、環境分科委員会とか日米合同委員会の仕組みがあると、問題があったときは日本側との協議を経て処理されるというようなことを言ったり、あるいは二〇〇〇年の九月のときには、環境の原則に関する共同発表をしたということを言うわけだけれども、実態把握もできていないから、結局現状を、何というか、つまびらかにすることできないというか、そもそも押さえられていないからだと。
 この問題について、外務大臣はどのように認識をされていますか。
#128
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今のお話、つまりは在日米軍が管理をしているPCBの含有物資でありますけれども、これは平成十五年から順次米本国へ搬出、処理、廃棄をされてきているというふうに承知をしております。
#129
○紙智子君 やられていないですよね。だから、本当にその判断も米軍の側に任されているという状況がありますし、実際に入れるのは、私たちも調査に行ったときに現地で話になりましたけれども、お墓があるんです、普天間の基地の中に、お墓については年に一回だけ。それも、向こうが工事しているときに一緒に入って、年に一回決めてやると、訓練しているときは駄目と。それから、いろいろな貴重なものが埋まっているものについて調査するというときも、調査したいと言っても、これは米軍の都合で、もう本当に部分的にということでしかなっていないわけですよ。
 ですから、環境調査ということになると、これはほとんど入れない、実際には入れていないというのが現状だということを宜野湾の市にも聞いてよく分かったわけですけれども、本当に問題だというふうに思うんですよね。実際にこの日本の環境の基準が守られるのか、これ、政府として立入りを行うべきだと思うんですよ。関係自治体のあっせん要請を待つのではなくて、政府として積極的にやるべきだと思うんです。土壌汚染の処理には莫大な費用と期間を要するわけです。そのたびに跡地の利用を遅らせて、市町村や地権者にしわ寄せを与えてきたわけですよ、今までも。ですから、返還後、速やかにこの跡地利用に着手できるように、原状回復に長期間要する事態は避けるべきだと思うわけです。
 これは今法案も出されてきているわけですけれども、是非、担当大臣に今度言いたいと思うんですけれども、返還前に土壌汚染を把握できるように、関係省庁と連携して立入調査を行うべきではないでしょうか。
#130
○国務大臣(川端達夫君) 跡地利用、特に有効に活用することは極めて沖縄の振興に大変大事なことであることは先生も御指摘のとおりでありますが、御案内のとおり、原状回復は防衛省、日米地位協定は外務省の所管でございますが、この跡地利用に関する法律の所管は私でございますので、そういう意味では関係府省とよく連携をして、密接に連携しながら適切に対処してまいりたいというふうに思っておりますし、新たな跡地法制では、今御指摘になりましたけれども、原状回復については、返還された駐留軍用地の全域において、駐留軍の行為に起因するものに限定せず、不発弾や土壌汚染等の調査を実施すること。もう一つは、地方公共団体から国に対して駐留軍用地への立入りのあっせん要請があった場合には、国があっせんを行わなければならないとともに、あっせんの状況について通知することというふうにしております。
 あっせんに係る具体的な手続等に関しては今検討中でありますけれども、沖縄防衛局を窓口としてあっせんを行うこととしているところでありまして、これらはこれまでの法律に比べて跡地利用の促進を大幅に拡充するものでありまして、沖縄県の要望を十分に踏まえた内容でありますとともに、与野党における修正協議を経て、衆議院においては、午前中の沖北特別委員会において全会一致で修正案の可決をいただいたところでございます。
#131
○紙智子君 かつて一九七三年のときには、恩納村でPCBが出たときには立入調査したことあるんですよね。だから、本当にそこは是非立入調査、事前にですね、やるように、そのことを強く求めていただきたいということを、最後、玄葉大臣、ありますか。
#132
○委員長(岸信夫君) 玄葉外務大臣、簡潔にお願いします。
#133
○国務大臣(玄葉光一郎君) 平成二十一年一月以降、米側は約二十九・五トンの米国製PCB含有物質を搬出をしたということと、もう一つは、おっしゃるその返還前の環境調査、いわゆる合理的な立入り、こういったことについて今、日米間で鋭意協議を行っていますので、努力をしていきたいというふうに考えております。
#134
○紙智子君 終わります。
#135
○山内徳信君 社民党・護憲連合の山内徳信でございます。
 今年は復帰四十周年の節目の年を迎えました。復帰後の沖縄の復興、発展を目指し、三次にわたって振興特別措置法と軍転法が制定されてきました。この度の振興特別措置法と軍転法制定に向け、政府関係者、与野党関係者の熱心な御努力によりまして、沖縄の期待に一歩一歩こたえていこうと、そういう努力が積み重ねられてまいりました。今も質問ありましたとおり、一〇〇%というところまでは行っておりませんが、今朝八時から与野党の関係者が集まりまして法案の最終調整、最終確認が行われました。私は、沖縄出身者として、関係者の御努力と誠意に敬意を表したいと思います。
 そして、それは第一次沖縄振興開発特別措置法の、その法律を現場で私はそれを実践をする立場がありましたから、第一次、第二次、第三次、そして今回第四次になるわけでございますが、そういう努力が一歩一歩前進してきたものだと思っております。
 さて、そういう評価を下しながら、以下質問をしていきたいと思います。
 川端沖縄担当大臣の所信表明の中に、沖縄の優位性を生かした民間主導の自立経済の発展並びに我が国及びアジア太平洋地域の発展に寄与する二十一世紀の万国津梁の形成が重要であるとの考えの下、法案策定を進めてまいりましたと、こういうふうにあります。まさにあっぱれであります。
 この万国津梁という言葉は、沖縄県の知事応接室にも掲げられております。これは、琉球王国時代の首里城正殿に掲げられていた鐘がございまして、それは沖縄戦のときにアメリカ軍が戦利品としてアメリカに持っていっておりましたが、それを取り戻して、現在の首里城にございます。
 この鐘は、一四五八年、時の尚泰久という王様のときに作られたものであります。当時のアジアにおける琉球王国の面目躍如たる姿がこの万国津梁の鐘に刻まれておるわけであります。当時の琉球王国が、アジアの中にあってどのような位置にあったのか、どのような役割を果たしていたかということが刻まれております。沖縄県が現在二十一世紀プランを策定をしておりますのは、こういう歴史的な背景と実績を踏まえて、そういう沖縄県をつくってみたいと、こういう希望があるわけでございます。
 担当大臣、この万国津梁のこの文字に目を通されて、どういう思いでいらっしゃいますか。少し伺っておきたいと思います。
#136
○国務大臣(川端達夫君) 沖縄に寄せていただいて、知事にお願いするときは必ずそのびょうぶの前でやらせていただきますが、その前に、首里城に寄せていただいたときはレプリカも見させていただいて、本物の、博物館は見ておりませんが。
 それで訳を読ませていただいたんですが、今まで四次にわたって沖縄振興をやってきたときの大きな部分はどうしてもキャッチアップしようと、追い付こうということでのインフラ整備を中心にしてやってこられたんだけれども、これからは、若い人が多い、そして何よりもアジアの中心に位置している地理的な条件もこれはアドバンテージだということで、それを最大生かしたような発展の中核にしようというときに、実は、これ一四五八年に既にそのことをしっかりと認識をして、気宇壮大に、アジアの我こそ真ん中で、中国、韓国、台湾を含めて、日本も含めてしっかりやるんだということをやられていた、やはり先人のその偉さというのを改めて感じているところでございます。
#137
○山内徳信君 やはり沖縄は、基地の島にするんじゃなくして、この万国津梁にうたわれておるような、そういうアジアの中にあって、その中心的な経済・文化交流の役割を果たしていけるような、そういう方向付けを今後とも県、政府を挙げて方向付けをやっていきたいものだと思います。ひとつよろしくお願いいたします。
 同じく、所信表明の中から少し確認をしながら大臣のお気持ちをしっかりと受け止めておきたいのがございまして、これは、普天間飛行場の移設問題については、沖縄県民の皆さんの思いを受け止めながら、ここが重要なんですね、受け止めながら、しかし、しかしとは書かれていませんが、政府方針の下、関係閣僚と連携し、真摯に取り組んでまいりますとうたわれております。
 これはお互いに相矛盾をしております。その一つが、沖縄県民の思いを受け止めるという場合は、沖縄県民の圧倒的多数、知事も名護市長も県議会も名護市議会等々含めて、辺野古移設は反対ということで沖縄は一本にまとまっておるわけであります。
 政府の方針となりますと、辺野古移設を進めるという方針になっております。総理大臣は辺野古が唯一の有効なとおっしゃったわけです。これは聞き捨てならないと、こういうことを思いましたから、私は、この相矛盾しておるこういう表現は、大臣の表現じゃなくして、恐らく官僚が書いて大臣に読ませたんだろうと思います。そういう意味で、官僚も含めてここは反省をすべきだと思っております。
 今は民主主義の時代でございます。したがいまして、日本の政治が民主的な政治であります。であるならば、一番の当事者である沖縄県民の意思が尊重されるべきだと思っております。沖縄担当大臣として、沖縄県民と同じ立場を堅持するという、そういう大臣を信じたいと思っておりますが、そういうふうに信じてよろしゅうございますね。
#138
○国務大臣(川端達夫君) 沖縄には在日米軍を含めて日本の七割を超えるという基地があるということで、この危険性の除去というのは政府にとって一番大きな責務であることは間違いがないことだというふうに思っております。そういう中で、沖縄県民の皆さんには、この辺野古、日米合意に基づく辺野古移設に関しては大変厳しい御意見が世の中にあることは重々承知をいたしております。
 ただ、お叱りを受けましたけれども、政府の一員としては、閣議決定に基づいて行動していくというときに、もとより全く理解をされていないのに無理やりやるということは、それはできないことだというふうに思いますので、政府の立場を丁寧に真摯にお話しする中で御理解をいただく努力をするべきだというふうに思っております。
#139
○山内徳信君 今の大臣のお言葉は、苦しい中にあっても沖縄県民と寄り添っていきたいと、こういうお気持ちだったと受け止めておきたいと思います。
 新しい法律の中にも、交通体系として鉄軌道についての表現も織り込まれております。内閣府としてこれから十年間、どういう構想、どういう計画を持って推し進めていかれるのか、少し伺っておきたいと思います。
#140
○国務大臣(川端達夫君) かつて沖縄に鉄軌道があったということも含めて、沖縄県民の皆さんが鉄軌道に対して大変熱い思いを持っておられるということは承知をしております。
 そういう中で、政府としては、沖縄においては鉄軌道導入ということを検討するに際しては、路線バスなど既存の公共交通システムとどういう関係になるのか、あるいは今後の跡地が返ってきたときに新しい町づくりというときの変化を踏まえた将来の公共交通ネットワークの在り方、あるいは、当然でありますが、利用の需要、あるいはどれぐらい掛かるかという事業費、それらを踏まえた事業の採算性というのをしっかり検証しなければならないという課題があると思っております。
 ですから、これらの課題について検討を深めるという意味で、内閣府において需要予測や採算性等についての基礎調査をやってまいりました。来年度以降、二十四年から二十六年度に関しても、想定ルート案を複数御提示させていただく中で、それらの公共交通システムごとに導入空間、建設事業費、利用需要、採算性等を比較検討して、全般的な建設コストができるだけ安価になるようにということを検討するようにしておりまして、あわせて、これモノレールのときも随分いろんな議論があったと聞いておりますが、沖縄県民の皆さん自身がどう思っておられるかというアンケートも詳細に把握しようと思っていまして、このために、二十四年度予算案では調査費として一億円を計上しております。
 向こう十年の構想はどうなのかというお問いでありますが、その後の対応は全てこの調査検討を十分行った中で、これを踏まえてどういうことができるのか、やるべきなのか、やれるのかということを検討してまいりたいと思いますので、沖縄県と連携をしながら、県民の皆さんの声も聞きながら調査検討をしっかりやってまいりたいと、当面はそう思っております。
#141
○山内徳信君 政府関係者がこの鉄軌道を議論いたしますときに最初に出てくるのは、採算性が成り立つのかと。このことの検討も重要と思っておりますが、鉄軌道が走ることによって沖縄の、沖縄全体の産業がどう発展していくのかと。したがって、私は、鉄軌道は、これは沖縄の将来への発展の骨格、背骨を通すようなものだと。したがいまして、それを通してどのような波及効果が生まれるかというところの検討が少し弱いような感じがするんです。是非お願いを申し上げたいと思います。
 それから、次に進めてまいりますが、今日は戦没者遺骨収集事業の連携について、今日は午前も、遺骨収集問題については硫黄島を含めて、そして沖縄の遺骨収集についても深い思いを込めての質問がございました、私も感謝を申し上げておりますが。私も、読谷の村長時代も何度も遺骨収集の現場に出かけていって収骨のために動いてきた経験もありまして、それからもう六十七年も迎えますから。
 所管は、これは厚労省の方にあることもよく承知をしておりますが、やはり是非、内閣府の沖縄担当と厚労省相提携しながら、そして現場を知っていた、あるいはその当時の人々も高齢化しておりまして、毎年そういう関係者が減っていくこともございます。そして、まだ沖縄には、これはおよその数字でございますが、私が集めておる情報ですと約四千柱ぐらい残っておると、こういうふうに言われる方もおります。
 したがいまして、この十年間、十年間が勝負だと思っております。そして、沖縄の場合ですと、戦争が終わって、そしてその一か月ぐらい後から、あのひめゆり塔とか健児の塔とか魂魄之塔のあるところは、そういう遺体とか遺骨をずっと集めていくんですね。それでもなおやはり今日まで残っておりますから、このことも戦後処理の大きな事案でございますから、是非厚労省相提携しながら、ひとつ一日も早く戦後処理事案が終わりますようにお願いを申し上げたいと思います。
 何かコメントありましたらお願いします。
#142
○国務大臣(川端達夫君) 今日は、先ほども御議論ありましたけれども、これは大変大事な仕事でございます。
 沖縄担当大臣という意味で、今御指摘ありました厚生労働省、それから沖縄県等を含めてしっかりと進められるように、我々としてできる部分は連携をし、協力をしてまいりたいというふうに思っております。
#143
○山内徳信君 次は外務大臣に移ります。少し緊張してくださいよ。
 その一、基地問題をめぐってなぜ沖縄県民が日米両政府の基地政策について不信感を抱いておるのか、なぜ反対をするのか、なぜ拒否し続けているのかお分かりですか。伺いたいと思います。
#144
○国務大臣(玄葉光一郎君) 様々な理由があるのではないかというふうに思いますけれども、根本的には、米国の統治下において、言わば土地収用令が公布されて土地接収などがあったということ等々、根本的な背景にはそういったことなどがあるのではないかというふうに考えております。
#145
○山内徳信君 そういう認識ですから、沖縄の人は、総理大臣が行かれても外務大臣や防衛大臣その他が行かれても、喜んで歓迎するということはしないんであります。
 確かに、戦後、基地を造るために銃剣とブルドーザーを突き付けられて次々と基地ができていくわけです。それを私は目の前で見てきた世代の一人でもあるんです。しかし、身内のことを忘れてはいかぬのです。沖縄の人々の心の底に、深層心理の中にずっとありますのは、やはり沖縄戦のときの旧日本軍のやったその行為がずっと尾を引いておることを忘れてはいかぬのです。
 したがいまして、アメリカ軍は銃剣とブルドーザーを突き付けた、日本軍は、二、三例を申し上げますと、三十二軍の司令部から出た文書がありますよ。それは、沖縄の人が、沖縄の人同士であってもいい、沖縄の言葉で話をしておるのは間諜とみなして処刑をやるわけです。日本刀で切ったわけですよ。もう一つは、やはり何か月も戦場の中さまよっておりますと、腹をすかしておるわけです。自分たちは沖縄を守るためにおるんだという、そんな気持ちもあって、民間人が持っている食料を強奪をする、奪い取って食べるわけですよ。何か月も風呂も何も入っていない腹をすかした赤ちゃんたちは泣くわけです、防空ごうの中にいても、洞窟の中にいても。それを、同じ洞窟に入っておる日本軍が、あの子の口をふさげと言って日本刀をちらつかすわけです。どんな思いで母親が、どんな思いでおばあさんがその口を封じていったか。そういうふうな、その他のいっぱいいろんな実態があるわけです。
 したがいまして、そういうところをやはりちゃんと踏まえて、基地問題であろうが何であろうが、沖縄に行かれるときにはそういう気持ちを持っておられぬと、やはりそれは判断を見誤ってしまうんです。幾ら信頼回復とか言われても、その言葉は空虚にしか聞こえぬのです。
 時間でございますから今日はここで終わりますが、残りはまた次の委員会で質問をさせていただきます。ありがとうございました。
#146
○委員長(岸信夫君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト