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1951/08/18 第11回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第011回国会 法務委員会 第1号
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1951/08/18 第11回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第011回国会 法務委員会 第1号

#1
第011回国会 法務委員会 第1号
昭和二十六年八月十八日(土曜日)
    午前十一時十二分開議
 出席委員
   委員長 安部 俊吾君
   理事 押谷 富三君 理事 北川 定務君
   理事 田嶋 好文君 理事 中村 又一君
      鍛冶 良作君    佐瀬 昌三君
      牧野 寛索君    松木  弘君
      眞鍋  勝君    山口 好一君
      梨木作次郎君    佐竹 晴記君
 出席国務大臣
        法 務 総 裁 大橋 武夫君
 委員外の出席者
        専  門  員 村  教三君
        専  門  員 小木 貞一君
    ―――――――――――――
八月十日
 委員加藤充君辞任につき、その補欠として梨木
 作次郎君が議長の指名で委員に選任された。
同月十六日
 委員吉田省三君は死去された。
八月十六日
 裁判所侮辱制裁法案(田嶋好文君外四名提出、
 第十回国会衆法第四七号)
 会社更生法案(内閣提出、第十回国会閣法第一
 三九号)
 破産法及び和議法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、第十回国会閣法第一四一号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員及び小委員長選任に関する件
 法務行政に関する説明聴取
 閉会中審査に関する件
#2
○安部委員長 これより会議を開きます。
 閉会中の審議申出に関する件を議題といたします。本委員会におきましては、第十国会閉会中も、会社更生法案その他につきましては、その審査または調査に当つて参つたのでありまするが、なお慎重審議中の法律案について、また司法行政、法務行政及び検察行政等の適正化をはかるために、さらに引続き閉会中の審査を継続いたしたいと存じますので、閉会中の審査を議長に申し出たいと思います。閉会中の審査事項に対しましては、一、裁判所侮辱制裁法案、二、会社更生法案、三、破産法及び和議法の一部を改正する法律案、四、法務行政及び検庁行政に関する件、五、鉄道公安職員の職務に関する法律の改正に関する件、六、住民登録法施行に関する件として申出をしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○安部委員長 御異議なければ、さよう決します。
 なお、これらの事項につきまして、多少の変更ある場合は、委員長及び理事に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○安部委員長 御異議がなければ、御一任いただいたものと認めます。
 なお、この際お諮りいたします。ただいま決定いたしました閉会中審査の件につきまして、議院の決定により本委員会に付託されました場合には、裁判所侮辱制裁法案につきまして、委員派遣をいたしたいと存じます。派遣委員の決定その他につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○安部委員長 御異議なければ、さようとりはからうことに決します。
 次に、閉会中の審査のための小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。すなわち閉会中審査の件につきましては、議院の決定により本委員会に付託されました場合にその審査に当るために閉会中の審査小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○安部委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
 次に、小委員選任の件についてお諮りいたします。小委員の選任につきましては、先例によりまして委員長において御指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○安部委員長 御異議なしと認めまして、閉会中審査小委員には
      押谷 富三君    鍛冶 良作君
      田嶋 好文君    花村 四郎君
      眞鍋  勝君    山口 好一君
      中村 又一君    猪俣 浩三君
      梨木作次郎君    世耕 弘一君
の諸君と、私を加えまして、以上十一名を御指名いたします。
 次に、小委員長の選任についてお諮りいたします。小委員長は私が行うことにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○安部委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#9
○安部委員長 次に、講和問題に関陣いたしまして恩赦の問題について政府より説明を聴取いたしたいと存じます。なお政府よりの説明は大橋法務総裁よりお願いするのでありまするが、この際申し上げておきまするが、法務総裁は十一時三十分より参議院に出席しなければならぬのでありまするから、その点を考慮の上御質問をお願いいたします。それでは大橋法務総裁より御説明を願います。
#10
○大橋国務大臣 ただいま委員長の仰せによりまして、講和条約の締結に関連いたしまして、恩赦の件につきまして、当局の研究いたしておるところを申し上げたいと存じます。
 恩赦につきましては、わが国におきまして明治以降国の慶弔を機会といたしまして一般的に実施せられたものをたどつてみましても、明治元年の一月十五日、元服の大礼に際しての大赦に始まりまして、近くは昭和二十一年十一月三日、現行の日本国憲法公布に際しての大赦令、減刑令、復権令及び特別の特赦、減刑、復権に至りますまで、前後約十六回にわたりまして、幾種類の先例があるのでございます。講和の機会に一般的恩赦の実施せられ言したることは、いまだわが国にその先例を見ないと存ずるのでございますけれども、御承知のごとく、これらの先例はすべて元の明治憲法のもと、またはそれ以前に属する恩赦でございまするので、この考え方をそのまま新憲法のもと、しかも新しく恩赦法のできました今日の時代こ踏襲いたしますことは、必ずしも当を得てはおらないかと存ずるのでございます。かような見地から、今回の講和につきまして、その国家的意義を考えてみますと、講和条約が発効をいたすということによりまして、わが国が独立の主権を回復する機会を与えられるわけでございまして、このことは一般的の恩赦を、恩赦法に定められている範囲において、ある程度考慮いたすにふさわしい機会ではないかとも存ぜられまするので、この点につきましては、目下慎重に考究をいたしておるのでございますが、他面、もしこのたびに講和を機会にこれを実施いたすといたしますれば、いかなる程度に運用するのが適当であるかにつきましても、事務当局に命じて研究に着手させておる次第でございます。
#11
○押谷委員 ただいま総裁の御説明を承りまして、講和を機会に恩赦の発令が準備されつつあることは、まことに時宜を得た処置なりと考えているのでありますが、今回の講和は、総裁の御説明のごとく、これをもつて日本が占領から解放され、独立の主権を獲得する国家的に非常に意義のある大事であ
りましで、かような機会に恩赦の発動があるということもまた非常によいことであり、国民は期待をいたしているところであります。そこで恩赦法の内容からいたしますと、御承知のようにいろいろな種類にもわたつており、あるいは大赦、特赦、減刑、復権などにわかれておるのでありますが、政府が講和の国家的意義を国民全般にと特に犯罪者にも及ぼすというような恩赦の発令をせられるにあたつては、どういう範囲にやられるお考えであるか、その恩赦の範囲、もし心づもりがすでに確定をいたしておりますならば、お聞かせをいただきましたならばたいへん仕合せに存じます。
#12
○大橋国務大臣 押谷委員の御質問にお答えを申し上げます。恩赦につきましては、先ほど申し上げましたごとく、今回の講和条約の効力の発生ということが、わが国の主権の独立を回復する機会でございまするので、かような機会におきまして、この喜びを広く国民の各層にわかつという意味におきまして、恩赦を考慮する最も適当なる機会である、かように考えておるのであります。と同時に、その趣旨から考えましても、かりに恩赦を実施いたすといたしまするならば、その範囲は、広く国民に喜びをわかつという趣旨から、十分漏れのないようにいたしたい、かように存じて調査をいたしておる次第であります。
#13
○押谷委員 たいへんけつこうなお考えだと存じまして、喜びにたえませんが、この恩赦の発令は、今裁判所に係続いたしております事件とは非常に密接なる関係を持つておりまするので、その発令の時期等がもしおわかりならば、適当な機会に御発表を願いたいと思うのであります。たとえば大赦をやられるというような場合において、大赦に該当する犯罪の裁判につきましては、裁判所はなるたけ裁判を遅らすというような処置をとることが事務取扱い上のよい方法だと考えているのであります。もし特赦であらますならば早く裁判を進めて、特赦の恩恵に浴するために裁判を確定さすという処置をしなければならぬ。従つて裁判を急がなければならぬというような関係にありまして、裁判と恩赦というにらみ合せから、恩赦の発令をせられるという政府のお考えならば、それはなるたけ早い機会に御発表をいただきたいと考えているのでありますが、どの時期にさような御発表の段階に達するかということをお伺いいたしたいと思います。
#14
○大橋国務大臣 まず恩赦を実施いたしまする時期といたしまして、かりに実施いたすとすれば、いつが適当であるかということが一つの問題であると存じております。わが国の主権の回復を意義あらしめるという趣旨から考えまして、主権が現実に回復をいたす時期、すなわち講和条約がその効力を生じた時期に実施をいたすということが適当ではないかというふうに考える次第でございます。しかしながら、それにはまだ相当期間もあるわけでございまするから、政府といたしましては、幸いに講和条約の調印が終りましたならば、いずれこれが効力を生ずるのは時期の問題であるということに相なる次第と考えまするので、なるべくその後の早い機会におきまして、ある程度の方針をきめまして、そして押谷君のお述べになりました趣旨に沿うような措置を考えて参りまたいかように存じておる次第であります。
#15
○押谷委員 なお恩赦の対象になる犯罪でありますが、いろいろ政府においては広くこの恩恵に浴さしむるために考慮をしていただいていると考えておりますが、今回のこの重大なる国家的意義を持つている講和にあたつての再びをわかつためには、なるたけ大赦というような恩赦の発令を願いたいと思いますが、特にその対象となるべき犯罪は、希望といたしまして、政治犯、国事犯は申すに及ばず、限時法の観念をもつて考えられまするような犯罪、あるいはポツダム政令によつて出され、将来その政令の関係が改正の対象になるような犯罪というようなものにつきましては、広くその恩恵に浴せられまするような御考慮をめぐらしていただくように切望いたしまして、私の質問を打切ります。
#16
○大橋国務大臣 御趣旨に沿うように努力をいたしたいと思います。
#17
○安部委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時二十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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