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2012/03/27 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 議院運営委員会 第9号
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2012/03/27 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 議院運営委員会 第9号

#1
第180回国会 議院運営委員会 第9号
平成二十四年三月二十七日(火曜日)
   午後零時二十五分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     有田 芳生君     江崎  孝君
     水戸 将史君     蓮   舫君
     赤石 清美君     磯崎 仁彦君
     石川 博崇君     竹谷とし子君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     江崎  孝君     姫井由美子君
     松浦 大悟君     外山  斎君
     蓮   舫君     水戸 将史君
     竹谷とし子君     石川 博崇君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                川合 孝典君
                川崎  稔君
                榛葉賀津也君
                古川 俊治君
                松山 政司君
                長沢 広明君
                水野 賢一君
    委 員
                相原久美子君
                梅村  聡君
                外山  斎君
                中谷 智司君
                姫井由美子君
                藤本 祐司君
                藤原 良信君
                水戸 将史君
                吉川 沙織君
                石井 浩郎君
                磯崎 仁彦君
                上野 通子君
                大家 敏志君
                中原 八一君
                水落 敏栄君
                渡辺 猛之君
                石川 博崇君
   委員以外の議員
       議員       紙  智子君
        ─────
       議長       平田 健二君
       副議長      尾辻 秀久君
        ─────
   事務局側
       事務総長     橋本 雅史君
       事務次長     中村  剛君
       議事部長     吉岡  拓君
       委員部長     郷原  悟君
       記録部長     小野 伸一君
       警務部長     秋谷 薫司君
       庶務部長     美濃部寿彦君
       管理部長     阿部 芳郎君
       国際部長     井高 育央君
   参考人
       人事官候補者
       人事院事務総長  吉田 耕三君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○人事官の任命同意に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 人事官の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として人事官候補者・人事院事務総長吉田耕三君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(鶴保庸介君) 次に、人事官の任命同意に関する件を議題といたします。
 候補者から所信を聴取いたします。
 吉田耕三君にお願いいたします。吉田耕三君。
#5
○参考人(吉田耕三君) 吉田耕三でございます。
 本日は、所信を述べる機会をいただき、誠にありがとうございます。よろしくお願い申し上げます。
 国家公務員制度は、我が国行政の円滑な運営を確保するための基盤となる制度であります。国民主権を定める憲法の下、公務員は全体の奉仕者として規定されております。その趣旨を実現するため、一般職国家公務員に適用すべき根本基準を確立することなどによって、公務の民主的かつ能率的な運営を国民に対して保障することを目的とする国家公務員法が制定されております。国家公務員法は、人事行政を担う中心的機関として人事院を設けました。
 人事院は、内閣の所轄の下に置かれた合議制機関であり、全体の奉仕者である公務員に係る人事行政の公正の確保及び労働基本権制約の代償機関としての役割を担うとともに、人事行政の専門機関として、社会情勢の変化等に対応した人事行政諸施策の提案、推進などの役割を担ってきています。
 そのため、人事官には、人事行政に関する識見に加え、全体の奉仕者たる国家公務員としての強い自覚と高い倫理観が求められるだけでなく、広く国民各層や関係方面からの御意見を伺いつつ、誠実かつ公正に職務に当たることが求められていると思います。
 今日、人事行政は多くの課題を抱えており、国民からは公務及び公務員に対して様々な厳しい御指摘、御批判を受けております。このような状況を改革していくため、公務員制度改革の取組も進められてきました。また、厳しい経済状況の下で、特に公務員給与の在り方について国民の理解が得られるよう、より一層の努力が必要であると認識しております。
 これらを踏まえ、時代に適応した公務員制度や人事運用の改革を進め、職員がその能力を十全に発揮して能率的な公務運営が実現できるよう、人事院としても積極的な役割を果たしていく責任があると考えます。
 現在、協約締結権の付与や公務員庁の設置などを内容とする国家公務員制度改革関連四法案が国会に提出されています。今回の改革は公務員制度の根幹にかかわるものであり、かつ、改革は実行可能なものである必要がありますので、かつての公社、現業の経験や諸外国の公務員の給与水準決定など、今後の議論の参考となる論点や情報を提供していくことは専門機関としての人事院の責務であると考えています。
 私は、昭和五十年に人事院に採用されて以来、国家公務員の人事行政にかかわり、現在は人事院事務総長として総裁、人事官を支える任にあります。仮に私が人事官に任ぜられた場合には、これまでとは異なって人事院会議の構成員として判断にかかわることになりますので、その自覚と責任感を持ち、長年にわたり培ってきた人事行政の経験や知見を生かし、国民の代表である国会での御議論を始め、国民各層や関係各方面の意見に謙虚に耳を傾けながら、先任のお二人の人事官と協力して、誠実かつ公正に職務に当たり、人事院の使命達成のため努力してまいりたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。本日はこのような機会を与えていただき、誠にありがとうございます。
#6
○委員長(鶴保庸介君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#7
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
 これより候補者に対する質疑を行います。
 質疑を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願いいたします。
 なお、質疑及び答弁の際は着席のままで結構でございます。また、質疑は答弁も含め往復五分以内で収めていただきますようお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○古川俊治君 それでは、古川俊治からお聞き申し上げます。
 昨年、政権は、人事院勧告を実施をしないで公務員給与を削減するという法案を提出をしたわけでございますが、これに対しまして、江利川総裁は、やっぱり人事院勧告を実施しないのは、内閣の法律遵守義務、ひいては憲法に抵触する可能性があるという趣旨の御発言をされました。これについては、政府の方は、人事院総裁が憲法について云々言う権限はないはずだという御議論をされておりました。
 この点について、吉田さんはどのようにお考えなのでしょうか。
#9
○参考人(吉田耕三君) 人事院勧告は、労働基本権制約の代償措置でございます。この労働基本権が制約している状況の下では、勧告を実施していただくということが基本だろうというふうに考えております。
 この問題につきましては、昭和五十七年にいわゆる人勧凍結ということがありまして、これについての裁判がございました。その最高裁判決の中で、人事院勧告を実施しない場合であっても、政府が人勧を将来にわたって尊重するといいましょうか、そういう姿勢を持っている、そして社会全体の中で支出を抑制する必要があると、五十七年のときは財政非常事態宣言というようなものも出ておったわけですが、そういうようなもろもろの状況の下で人勧が凍結されても、直ちに人事院勧告制度が画餅に帰したわけではないので、憲法違反の問題は生じないとした判決があったわけです。
 そういうものも念頭に置いて、人事院勧告によらない給与引下げが仮に行われれば、それは憲法上の問題があるということを御発言されたというふうに私は理解しておりまして、私も同じ考え方を持っております。
#10
○古川俊治君 その後、昭和四十八年の四月二十五日、大法廷判決でございますが、いわゆる全農林警職法事件におきましても、最高裁は、公務員の労働基本権を制限する場合には相応の措置を講じなければこれは憲法に抵触するという判断をされております。
 そういう意味で、この度、国会の方で人事院勧告によらない公務員給与の引下げの法律を制定したわけですけれども、これに関する合憲、違憲のお考えというのを教えていただきたいと思います。
#11
○参考人(吉田耕三君) 現行の国家公務員法は、国会が公務員の給与等の勤務条件を決定する、その決定するに当たっては人事院は勧告を怠ってはならないというふうに規定しておりますので、立法上の趣旨としては、人事院勧告によらない国会の決定ということをその限りでは予定していないというふうに私自身は思っております。
 ただ、国会は国権の最高機関として国政全般を見ながら大所高所から判断する、国公法の改正ももちろんできるわけでございますので、そういう立場に立って今回の場合は御判断があったというふうに理解しております。
#12
○古川俊治君 分かりました。
 以上で私の質問は終わります。
#13
○長沢広明君 長沢広明でございます。
 私の方からも質問させていただきます。
 まず、吉田参考人は、これまで長年にわたって人事畑をずっと歩んでこられました。国家公務員の人事の構造については様々これまでも議論があり、国民からも様々な批判の声もあるということを先ほどお述べになっていらっしゃいました。一つは早期勧奨退職という問題とか、それから、いわゆる本当に能力あるいは実績というものがきちんと評価をされるようになっているのか、こういう能力評価というものが進んでいるのかということは、国民の目からはなかなか見えにくい面があるのではないかと思います。私は、若干の改革は進んできたと見ている面もあるんですけれども、確かに、目に見えて公務員の能力、実績に対する評価の制度が変わってきたかと思うと、それほど大きく変わっていない面もあるような気がします。
 この点について、これまでの実績、どう評価されるか、また今後改善する点はどの辺にあるか、どういうふうにお考えになられますでしょうか。
#14
○参考人(吉田耕三君) 今、評価制度、人事評価制度についての御質問だと思います。
 国家公務員法自身は、能率の維持ということで勤務評定というものを実施することを求めておりました。ただこれは、不幸なことに、昭和四十年代、労使の対立の焦点となったために、その勤務評定というのは形骸化してずっと来ていたと。ただ、その間、評価がなかったわけではなくて、目に見える、目に見えるというか、具体的に評価できる範囲の評価をしながら、その積み重ねでそれぞれのところで評価を行ってきたと。ですから、この間、例えば課長に昇進したり局長に昇進したり次官に昇進した方々もいらっしゃるわけですが、その人たちが単に年功や偶然で上がったということではなくて、それはそれで評価をして上がってきているんだというふうに私は思っております。ただ、システムとしての評価制度というのが不十分であったと。
 この点を反省をいたしまして、今回の公務員制度改革の一環として人事評価制度というものを導入し、かつての経験もあったものですから、職員団体とも十分話をしながらこれを導入するということ。今、評価制度、評価そのものの導入がようやく始まったところでございまして、これを活用してどういうふうに給与に反映させるか、あるいはどういうふうに昇進に反映させるか、そのさせ方が本当に妥当かどうかということは、これから試行錯誤しながらやっていくものだというふうに考えております。
#15
○長沢広明君 じゃ、もう一点。
 これまで人事院の事務総長として総裁を補佐する立場にあったかと思いますが、これまでと全く違う立場になると、先ほどお述べになっていらっしゃいましたけれども、事務総長から人事官というのは、近いようでいて全く立場の違う立場になられます。
 そういう意味では、非常に責任と、それから重みが全く違ってくると思いますが、改めて、人事官にもしなられるに当たって自分自身が心掛けたいことというのはどこにあるか、お述べいただきたいと思います。
#16
○参考人(吉田耕三君) 国家公務員制度というのは、行政の基盤を成しているものですし、それから、国民から非常に注目をされているというところでございます。そのいろいろな運用なりルールを決める人事院会議のメンバーになるということでございますので、これまで以上に国民各層の意見、あるいは関係する団体の皆さんの意見、あるいは国際的なといいましょうか、今横並びでいろいろな公務員制度についても動きがございますので、そういったことも知見を持ちながら、公務員を中心に考えるのではなくて、国の中でどういう公務員制度がいいのかという観点から物事を考えていきたいというふうに思っております。
#17
○長沢広明君 以上で終わります。
#18
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 私たちみんなの党は、政治主導を確立するためには、幹部人事、部長とか審議官以上の人事に関しては、首相とか官房長官が一元管理できるような仕組みにすべきだということを主張していますし、これは別にとっぴな発想ではなくて、麻生内閣でさえと言っちゃ怒られちゃうかもしれませんけれども、麻生内閣のときでも、内閣人事局の方に人事院の機能を移管すべきだというような、そういう法案はまとめているんですよね。そういうような流れについては、どういうふうに参考人お考えでいらっしゃいますでしょうか。
#19
○参考人(吉田耕三君) 一元管理そのものについてはいろいろな議論があると私は思っております。セクショナリズムを是正するためには、やはり人事から何かの切り込みが必要なんじゃないかと。こういう観点からすると、公務員が、各省の公務員という意識ではなくて、日本国の公務員という意識を持つ必要があるという点については、私は全く同感しております。
 ただ、今の内閣官房による一元管理ということにつきましては、行政の執行責任者は各省大臣であります。その大臣と、実質的な人事権をその内閣官房が持つということになりますと、実質的な人事権者が分離するということは、これは一般的な組織運営としては考えられないことでございますので、もう少し現実的なやり方として考えられないかというのが正直なところでございます。
#20
○水野賢一君 あと、人事院勧告の土台になるものとして、民間の給与実態調査というのを行っていらっしゃいますよね。ただ、そのときの民間の給与実態調査の対象にしているのが大企業に偏っていて、本当の意味での民間のレベルではなくて、それを極めて高いレベルで判断しているんじゃないかというような指摘、批判があったりしますけど、その辺どうお考えでしょうか。
#21
○参考人(吉田耕三君) 人事院が毎年行っている官民給与の比較をする場合の民間給与というのは、企業規模五十人以上、事業所規模五十人以上の民間企業でございます。平成十八年前は、これが企業規模百人以上でございました。どういうものと比べるかというと、公務と同じような仕事をしている人と比べるということですので、事務、技術、あるいは管理というような業務をしている人と比べるということをやっております。
 結果がどうかということでございますが、厚生労働省の賃金センサス等でその事務、技術を製造業で取ってみますと、年収ベースで大体六百万円ぐらいになっておりますので、公務と民間とで言われるような大きな乖離はないというふうに私は思っております。
#22
○水野賢一君 最後の質問にさせていただきますけれども、同意人事というのはこの人事官を含めてたくさんあるわけですけれども、そのたくさんある中で、恐らく私は唯一だと思うんですが、人事官だけは国家公務員法で、これは大臣というか政府が提示をしてこないと、六十日間提示をしてこないと政府側の閣僚に罰則が掛かるというのがありますよね。これはほかの、例えば民主党政権は再就職等監視委員会なんかは政権発足してから二年間も全く出してこなかったけど、これは本来罰則掛けるべきだと私は思いますけど、法律上はそうなっていないんですね。人事官だけは特別に六十日提示をしないと罰則が掛かるというように、それだけ極めて重い役職だという理解をしていいと思うんですけれども、そういう人事官に就任の政府からそういう打診を受けているということに、提示を受けているということに対しての意気込みというか、思いを改めて聞かせていただければというふうに思います。
#23
○参考人(吉田耕三君) 公務員制度につきましては、ここ何年来非常に大きな改革が進んでおりまして、課題が山積しているという状況でございます。
 こういう中で、内閣から人事官をという要請がありましたので、私のこれまでの経験が生かせるならば一つの天から与えられた使命だというふうに思って、引き受けることにいたしました。
#24
○相原久美子君 民主党の相原久美子でございます。
 まず、女性の社会進出、女性の労働力の活用という点から質問をさせていただきたいと思うのですが、一般行政職において、在職の女性職員の割合というのは、T種、U種、V種全体見ましてもほとんどが一〇%台というような状況でありますけれども、この状況をどう考えているか、そしてなおかつ、その状況の考え方によってもしこれを増やしていかなければならないのだというようなことを考えていらっしゃるのであれば、具体的にどのような方策が必要なのか、お考えを聞かせていただければ。
#25
○参考人(吉田耕三君) 公務員の場合には、採用試験に合格して採用をされるということが前提でございますので、在職実態が増えていくためには、多くの方に受験していただいて、かつ多くの方に合格していただくということがスタートラインになります。そういう意味では、これまでもT種、U種合わせて、女性に多く受けていただいて、そして合格し、合格したら今度は各省には採用していただくということについての働きかけをしてきております。
 それから、最近は大体二五%ぐらいその採用者の割合というのは来ているわけですけれども、どういうところで仕事をしていくかということでいいますと、なかなか経験が積めるような仕事に必ずしも配置されていないというようなこともありますので、やはり将来的に管理職に登用できるには職業生活の中でいろいろな、研修の意味も含めていろんな仕事に配置をしていくということが重要だと思いますので、そういうことも含めて各省には考えてもらいたいということを申し述べているところであります。
#26
○相原久美子君 受験率、合格率、これは地公の部分を見ても結構女性の方が合格率高いというような状況が表れているわけですが、しかしながら、私たちがこの国会の中で仕事をしていく状況を見ていますと、さあ、国家公務員の女性がやっぱり働き続けられる状況にあるのかなというところは私自身も甚だ感じます。もちろん、我々立法府の側も考えなければならないことだと思うわけですけれども。
 その意味で、ある程度ポジティブアクションというか、少しこれは男女間格差というのを逆に取られることもあるので余り言えないのですが、そういう各省対応等々について、まだこういう面でやらなければならないというような点がありましたらちょっとお願いします。
#27
○参考人(吉田耕三君) 先生御指摘のように、勤務環境とか勤務状態というんでしょうか、そういうものの改善というのはやはり必要だろうと思います。
 最近は、イクメンとかいって男の人の、男性職員の育児休業の取得等も出てきておりますが、報道される程度の話ということは、まだまだ本格的にそういう人が広がっていくということではないと。かつ、その場合には、やはり短期間というんでしょうか、一月とか二月が多いと。女性の場合には、取る場合は一年とか二年とかいう形になると。これはキャリアの中断にならないかというような問題も内包しているところでございます。
 そういう意味では、本質的には、やはり働き方の問題というのが非常に大事なんだろうというふうに思っておりまして、これは公務だけではなくて民間も含めて、ワーク・ライフ・バランスのある社会といいましょうか、そういうものを目指していく必要があるのではないかと。公務の中で率先してできることはチャレンジしていきたいというふうに思っております。
#28
○相原久美子君 ありがとうございます。
#29
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。磯崎仁彦でございます。
 私から何点か御質問をさせていただきたいと思います。
 先ほどのお話の中にも、吉田参考人の方から国家公務員制度改革の関連四法案についてのお話がありました。参考人は先ほどお話の中でも昭和五十年からずっと人事院でお仕事をされてきたということがございましたが、今のこの関連四法案の中では、自律的な労使関係制度、この措置を導入することに伴って、人事院そのものの廃止あるいは人勧そのものの廃止という、これまでの制度からすれば非常に大きな変更が予定されているわけでございますけれども、実際ずっと人事院で仕事をされてきたということも踏まえて、このこと自体についてはどのようにお考えでございましょうか。
#30
○参考人(吉田耕三君) 公務と民間というのはやはり違う部分がたくさんございまして、一つは、公務員というのは全体の奉仕者であると。これは、要するに国民に対してサービスを提供しなければいけないという、そういう立場にあるわけでございます。これが言わば労働基本権を制約する理由になっているわけですけれども、他方、公務員も勤労者であると。勤労者は憲法上、労働権が認められているということで、今回の議論は協約締結権を付与しようという。これは、ですから両方とも憲法が認めている価値、どちらを重視するか、そのバランスをどう取るかという議論だろうと思っております。
 ただ、じゃ、実際に民間のように労働組合と経営者が交渉して決めるということができるんであれば公務も民間並みのことができるわけですが、現在提出されている法案でも、給料表等、今法律で決めているものは引き続き法律で国会が決めるということになっているわけです。そうなりますと、国会で労使交渉の結果を覆すということもあるわけでございまして、そうなりますと、民間でいうところの自律的労使関係に本当になっているのかどうかと。公務にはそういう限界があるとすれば、どういう形がいいのかというようなこと、まだまだ十分詰めて、フィージビリティーがある制度にするには議論の余地があるのではないかというふうに私は個人的には考えております。
 それで、いずれにしても国会で御議論いただくことですから、結果として協約権が付与されれば、その限りにおいて代償機能が要らなくなるとすれば、人事院がなくなるということは当然だろうと思っています。
#31
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
 それに関連しまして、今の憲法改正の国民投票の法律、これが制定をされまして、それからもう既に三年以上たっているわけでございますが、この中でも、立法府に対する三つの宿題の一つとして、公務員の政治活動、これをどうするのかというのが一つの議論になっておりますけれども、これにつきましては参考人はどのようにお考えでございましょうか。
#32
○参考人(吉田耕三君) たしか国民投票につきましては国家公務員については政治的行為の制限の中に入っていないということになっておりまして、そういう意味では、あれはたしか法律の附則で検討してほしいということになっていたと承知しますけれども、国家公務員については、国民投票運動といいましょうか、それ自体についてはその法律の要請をクリアしているんじゃないかというふうに考えております。
#33
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
 あと、先ほど水野委員からお話がありましたが、再就職等監視委員会、これは平成二十年ですかね、二十年の末に設置をされて、その後三年以上にわたって人事が行われなくて、やっとこの前、二月の二十九日ですか、同意人事がなされてやっとメンバーが決まったという状況でございますけれども、再就職に対する監視という意味で非常に国民の関心も高い、そういった役割を持った委員会が三年以上にわたって結果的に機能していなかったということについては、参考人はどのようにお考えでございましょうか。
#34
○参考人(吉田耕三君) この問題は、人事院の外の問題でございますので私からなかなか言いづらいところはあるんですが、やはり公務員制度の一環でありますので、きちんと体制が整備され、早く整備してほしいというふうに思っておりましたので、今回こういう形になったのは非常にいいことだというふうに思っております。
#35
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 終わります。
#36
○藤原良信君 民主党の藤原良信でございます。
 どうぞ遠慮なくお話をしていただきたいと思います。
 私から、重複しないように御質問いたしますけれども、国家公務員の早期退職優遇措置について、まず一点、お尋ねをしたいと思います。
 来年度の新規採用者の大幅抑制に関しまして、今、早期退職優遇措置を導入する考え方が岡田副総理から表明されておりますけれども、これは、退職手当の積み増しによってはいろんな意見が出てくる可能性があるんですが、この必要性についてどう思われますか。
#37
○参考人(吉田耕三君) 早期退職者を優遇するというのにとどまらず、やはり五十歳代、特に後半の職員について、どのようにその新陳代謝を図っていくかというのは、人事管理、組織管理をする上で非常に重要な問題だろうと思っております。
 かつては、いろいろなところにあっせんをして人を出して、そこで代謝を得ていたわけですけれども、あっせんが禁止されたためにそこの出口がふさがれてしまったと。これは、民間企業等では、そういうあっせんをしたり、あるいは人材あっせん会社に頼んだりして、とにかくそこの代謝を出すようにいろんな努力をしておりますので、早期優遇退職というような仕組みも含めていろんなやり方を考えていく必要があるんじゃないかというふうに思っております。
#38
○藤原良信君 私は常日ごろ思っているんですけれども、これは公務員だけじゃなくて、今いろんなことが環境が変化しておりまして、一つ二つ大きな意味では、医療が良くなって、食料が良くなっております。全国どこへ行ってもはなを垂らしている子供はいないんですね。これは圧倒的に食料の変化だと言われております。
 そうしますと、元気ないわゆる高齢者が多くなっておりまして、私は、公務員につきましても、これは早期退職どころか、きちっとやっぱり定年まではいられるようなシステムは日本として必要なのではないかと。後々暮らしていけるような年金制度等を充実させていけばいい話だと思うんですけれども、ちなみに、吉田参考人のこれに対する所感があればお聞きしておきます。
#39
○参考人(吉田耕三君) 先生御指摘のとおりに、高齢化社会を迎えて、元気な高齢者といいましょうか、こういう人たちが、年金に依存するのではなくて引き続き働いて、できたら収入を得て、年金によらない形で生きていけるということが社会全体の活力、あるいは社会保障財源の問題からいっても重要な点だろうと思います。
 そういう意味で申しますと、やはり年金の支給開始年齢に合わせた定年延長の問題、そして、公務の中で引き続きいろいろな形で雇用をしていくという努力といいましょうか、そういうものは非常に重要ではないかと、先生と同じ考え方を持っております。
#40
○藤原良信君 ありがとうございました。
 そこでなんですが、今お話出ました定年延長について、じゃ、お伺いいたします。
 公的年金の支給開始年齢の引上げに合わせまして、平成二十五年度から定年を段階的に六十五歳まで引き上げるよう、昨年の九月三十日に国会と内閣に対しまして、国家公務員法等を改正する意見申出がなされております。
 しかしながら、先週三月二十三日、国家公務員制度改革推進本部と行政改革実行本部で決定されたものでは、定年延長は見送られております。再任用制度の拡充で対応することとなりました。
 人事院の意見申出が取り入れられなかったわけでありますが、これについては、吉田参考人、どのように思われますか。
#41
○参考人(吉田耕三君) 民間の多くが再任用の義務化という方向で当面取り組もうとしております。それを踏まえての対応だというふうに考えておりますが、その決定の中でも、今後の状況を見て再検討するということになっておりますので、これから具体的に一歳、二歳と延びていく中で、本当に再雇用、再任用でうまくワークしていくかどうかというようなことも含めて御議論があるのではないかというふうに考えております。
#42
○藤原良信君 ありがとうございました。
 終わります。
#43
○渡辺猛之君 自由民主党の渡辺猛之でございます。
 吉田参考人は、人事院事務総長として江利川総裁に仕えておられました。この江利川総裁が、通例、人事官二、三期務めると言われている中で、一期目で異例の交代をされたわけであります。
 それについて、三月二十四日の産経新聞でありますけれども、官僚機構のドンが更迭という記事の中で、過去九代で人事官を一期で退任した総裁はいないと、これはもう政府首脳の意向が働いたことは疑いようがないという報道がなされたところであります。
 お答えいただきにくい質問かもしれませんけれども、この報道に対する感想を正直にまずお聞かせいただきたいと思います。
#44
○参考人(吉田耕三君) 総裁あるいは人事官の任命権は内閣にございますので、今回の結果については私として云々する立場には御指摘のようにございませんが、私自身は現在も総裁を支える事務総長というポジションにおりますので、そういう立場から申し上げると、正直申し上げて戸惑いを感ぜざるを得ない結果だと思っております。
#45
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 それに伴い、この後の人事院総裁の予定なんですけれども、藤村官房長官等々の御発言からも、原恒雄人事官が五十一年ぶりに民間人からの人事院総裁となられる予定なんですが、人事院のプロパーである吉田参考人は、この度の民間人を総裁に登用する人事についてどのように受け止めていらっしゃいますか。
#46
○参考人(吉田耕三君) その点につきましても、どういう方を総裁にするかというのは内閣の話でございます。官房長官からそういう原人事官をという話が記者会見で出たということも承知しておりますが、既に人事官と事務総長という形で長年親しく付き合いさせていただいておりますので、特段の違和感はございません。
#47
○渡辺猛之君 先ほど磯崎委員の質問の中でも少し触れていただきましたけれども、今回政府が公務員制度改革関連四法案を国会に提出しておりまして、その中で公務員の労働協約権の付与というお話、参考人も少し意見を述べていただきました。
 民間の企業というのは、給与を決定をするときに、労使交渉の過程において一つの参考となるのがやっぱり利益だと思うんですよね。利益が上がっている、あるいは上がっていないことに対して、その仕事に対する給与の評価をすると。ところが、公務員という役職は利益を上げることが目的ではない。そのような中で、この労働協約権という問題で、公務員の仕事というのは、じゃ、ならば何によって評価をされるべきなんだということを思われますか、お聞かせいただきたいと思います。
#48
○参考人(吉田耕三君) 人事院としては、今、社会の一般的な情勢に適応させるということで、公務員給与改定の基準は民間準拠ということでございます。民間の全体的なものが上がれば上げるし、下がれば下げるということになっております。
 これはいろんな議論があると思いますけれども、仮に公務の世界で労使交渉をするにしても、基本的にはそういう指標を参考にしながらやっていかざるを得ないんじゃないかというふうに思っております。
#49
○渡辺猛之君 それでは、最後の質問とさせていただきますけれども、今、政府が国家公務員の五割以上の大幅な新規採用抑制を検討しているようであります。三十五年以上にわたってプロパーとして国家公務員制度の行政事務に従事してこられた吉田参考人から見て、こうした大幅な新規抑制ということについて、人材確保あるいは人事の構成上問題はないと考えられるのかどうか、御意見をお聞かせください。
#50
○参考人(吉田耕三君) この新規採用の問題につきましては、使用者である政府がその採用数を決定して、人事院としてはその採用数を見ながら試験を公正に実施し合格者を決めるという、そういう役割分担になってきております。
 したがいまして、その抑制については一義的には内閣の問題であるというふうに思っておりますが、ただ、専門機関として、こういう新規採用を大きく止めることがどういう影響があるのかということを考えてみますと、民間でも不景気のときにそういうことをやった実例等がありまして、その結果、年齢構成がいびつになるとか、あるいは将来的に中堅層の基幹職員が不足してくるとか、あるいは技能の承継といいましょうか、そういうものがうまくいかないとか、そういうような問題点があるので慎重に対応した方がいいというのが民間の調査等で出てきております。
 また、公務の場合は、刑務所とかあるいは海上保安庁とか、非常に厳しい勤務環境の下で交代制勤務等をやっているところがありますので、今でもぎりぎりにやっているという声がよく聞こえてきます。ですから、そういうところについては、やはり慎重な対応をお願いすることは適当なんじゃないかというふうに思います。
#51
○渡辺猛之君 終わります。
#52
○委員長(鶴保庸介君) これにて候補者に対する質疑を終了いたします。
 吉田参考人に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙の中、御意見をお述べくださいまして誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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