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2012/03/09 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 決算委員会 第2号
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2012/03/09 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 決算委員会 第2号

#1
第180回国会 決算委員会 第2号
平成二十四年三月九日(金曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十四日
    辞任         補欠選任
     金子 洋一君     安井美沙子君
    はた ともこ君     金子 恵美君
 三月二日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     徳永 エリ君
 三月五日
    辞任         補欠選任
     徳永 エリ君     斎藤 嘉隆君
 三月八日
    辞任         補欠選任
     大久保潔重君     外山  斎君
     青木 一彦君     義家 弘介君
     横山 信一君     松 あきら君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                大島九州男君
                今野  東君
                舟山 康江君
                小泉 昭男君
                中川 雅治君
                加藤 修一君
    委 員
                有田 芳生君
                大河原雅子君
                大野 元裕君
                金子 恵美君
                斎藤 嘉隆君
                玉置 一弥君
                外山  斎君
                松野 信夫君
                安井美沙子君
                米長 晴信君
                熊谷  大君
                塚田 一郎君
                二之湯 智君
                野村 哲郎君
                藤川 政人君
                丸川 珠代君
                森 まさこ君
                義家 弘介君
                若林 健太君
                松 あきら君
                柴田  巧君
                井上 哲士君
                又市 征治君
   国務大臣
       内閣総理大臣   野田 佳彦君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      岡田 克也君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、地
       域主権推進))  川端 達夫君
       法務大臣     小川 敏夫君
       外務大臣     玄葉光一郎君
       財務大臣     安住  淳君
       文部科学大臣   平野 博文君
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      枝野 幸男君
       国土交通大臣
       国務大臣     前田 武志君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       行政))     細野 豪志君
       防衛大臣     田中 直紀君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 藤村  修君
       国務大臣
       (復興大臣)   平野 達男君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        松原  仁君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        自見庄三郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策、科学技
       術政策))    古川 元久君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」、防災
       、少子化対策、
       男女共同参画)
       )        中川 正春君
   副大臣
       財務副大臣    藤田 幸久君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       神本美恵子君
       防衛大臣政務官  下条 みつ君
        ─────
       会計検査院長   重松 博之君
        ─────
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  山本 庸幸君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        工藤 政行君
   政府参考人
       原子力安全委員
       会委員長     班目 春樹君
       文部科学省生涯
       学習政策局長   合田 隆史君
       文部科学省初等
       中等教育局長   布村 幸彦君
       厚生労働省健康
       局長       外山 千也君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴木 繁治君
       会計検査院事務
       総局第二局長   川滝  豊君
       会計検査院事務
       総局第三局長   小林 誠治君
       会計検査院事務
       総局第四局長   太田 雅都君
       会計検査院事務
       総局第五局長   斉藤 邦俊君
   参考人
       東京電力株式会
       社取締役社長   西澤 俊夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十二年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十二年度特別会計歳入歳出決算、平成二十二年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十二
 年度政府関係機関決算書(第百七十九回国会内
 閣提出)
○平成二十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百七十九回国会内閣提出)
○平成二十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百七十九回国会内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(山本順三君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、はたともこ君、金子洋一君、横山信一君、青木一彦君及び大久保潔重君が委員を辞任され、その補欠として金子恵美君、安井美沙子君、松あきら君、義家弘介君及び外山斎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山本順三君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 平成二十二年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認めます。
 なお、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(山本順三君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十二年度決算外二件の審査のため、本日の委員会に東京電力株式会社取締役社長西澤俊夫君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認めます。
 また、平成二十二年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(山本順三君) この際、一言申し上げます。
 昨年三月十一日、本決算委員会は、本日と同じくこの委員会室で平成二十一年度決算外二件の全般質疑を行っておりました。まさにそのとき、未曽有の大地震が我が国を襲い、あまたの尊い人命を失いました。
 東日本大震災の発災から間もなく一年を迎えます。
 ここに、改めて今なお苦難のさなかにある被災者の皆様の安寧と被災地の力強い復興を祈念するとともに、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#11
○委員長(山本順三君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ─────────────
#12
○委員長(山本順三君) 平成二十二年度決算外二件を議題とし、本日は全般質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#13
○大島九州男君 民主党の大島九州男でございます。
 冒頭、委員長、黙祷をさせていただく機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 この国の発展と、そして犠牲になられた方々のその御霊の鎮魂も含めて真剣に質問をさせていただきたいと思います。
 それでは、まず最初に、平成二十二年度の高校授業料実質無償化について初めて決算に出てきたわけでありますけれども、この決算の財源とその効果について御質問させていただきます。
#14
○国務大臣(平野博文君) 大島議員にお答えを申し上げます。
 今改めまして、高校無償化についての効果と、こういうところで御質問がございました。改めて、委員御案内のとおり、この制度の理念、これにつきましては、やっぱり高校進学が、九八%の方々が進学されていると、こういうことでもう国民的な教育機関となっておるわけであります。その教育の効果は広く社会に結果的には還元される、こういうものであることから、その教育費について社会全体で負担をしていくと、こういう理念の下に私どもとしてはこういう施策をしてきたわけでございます。そういう流れの中にありまして、効果ということ、財源という部分があると思いますが、財源につきましては歳出削減や税制改正により政府全体として必要な恒久財源を確保したと、こういうふうに私は認識をいたしております。
 そういう中にありましての効果という、こういう観点での御質問でございますが、今それぞれ政党間協議、こういうところで御議論をいただいておりますが、文部科学省としては何点かこういう観点で効果があったと認識しておりますので、このことを御報告をさせていただきたいと、かように思っております。
 まず一点は、制度を導入することによって経済的理由での高校中退者の数が前年に比べて三六%強減少していると、これが第一点でございます。
 二点目は、制度を導入したことに伴いまして高校の中退者の再入学が前年より一五%増えていると、こういうことでございます。
 また、この制度を導入することによりまして、低所得者世帯の私立高校等に対する経済的支援については、年収二百五十万未満程度の世帯については全額免除相当を行う県が、今までは十三県でございましたが、四十三県に増えていると、こういうことで手厚くなってきていると。
 四点目は、制度を導入する前に比べまして希望に応じた進路を中学生が選択できる幅が増えたと、こういうこと、家庭が負担する学校教育費が減少したと。
 こういうことで、私は効果が出ていると、文科省としては考えております。
 以上でございます。
#15
○大島九州男君 今文科大臣からお話がありましたように、財源については新たな借金をしたということではないという、そういう理解をさせていただきました。そして、経済的理由でやめる子供たちが減った、そしてまた、中退者がもう一度学び直そうという、そういった子供たちも一五%増えた、これは大変すばらしいことであります。
 私どもは全国回りまして、地方でお話を聞けば聞くほど、実はこの就学支援金は有り難い。それはどういうことかといいますと、低所得者には二倍の、私立学校の場合は十一万八千八百円を、二倍支給すると。この二倍いただく方というのは所得が二百五十万以下ということなんですが、青森県におきましては三七%のお子さんが該当していると。これ、東京都におきましては五%以下だと。ということは、いかに地方の所得が低いか。この地域間格差を是正するためにも、この高校就学支援金、授業料実質無償化というのは本当に地方の私学に行く子供たちには有り難い制度であるという、そういう認識をしております。
 そして、ただ、その就学支援金、これ我々が議論をして導入するときに、やはり新しい制度であると、そして、国が、地域が、社会が子供たちの高校での学びを保障するということを認識していただくためにも、その就学支援金を受け取る手続の中に子供たちの自筆のサインというのを入れていただく議論をさせていただいて、その就学支援金の申請をするという、そういう手続を実はさせていただく制度にしたんです。ところが、公立高校は実質無償化ということで就学支援金を受け取るそういった手続が必要がなくなった、結局は私学の子供たちだけそういうサインをしなければならなくなったということに対して、学校関係者や保護者の方から、これは公私間格差の中でもどうなんだろうかという声をやはり全国でいただきました。
 この件については、私自身も、学校教育現場の中でこの就学支援金、この制度の意義を教育的にしっかりとしていただくことによって周知ができるものというふうに理解をし、この手続については見直すことは必要ではないかという見解を持っておるんですけれども、文部科学省としてはどうでしょうか。
#16
○国務大臣(平野博文君) 御答弁いたします。
 委員も当初、この制度の設計のときにいろんな御議論の中で建設的な御意見をちょうだいをいたしておって、これが成案できたものと感謝を申し上げておきます。
 そういう中で、特に、この制度を当たり前のように思ってしまうというんじゃなくて、こういう意義なんだということをやっぱり生徒あるいは保護者、学校関係者に周知徹底をする、こういうことで、必ずそういう周知徹底をするようにと、こういう指導も今日までしてきたことも事実でございます。これからも更にその思いをしっかり訴えていかなきゃならないと思っております。
 そういう中で、制度当初からできるだけ簡便なものと、こういうことで努めてまいりました。御指摘のように事務の、支給事務、こういうことについては都道府県、私立学校の関係者から負担を軽減をしろと強い御要望をいただいていることも事実でございます。
 例えば、一例を挙げますと、資格認定の業務でありますとか、あるいは低所得加算の届出及び審査でありますとか、様々な負担軽減を求めるお声があることも事実でございます。したがいまして、これらを踏まえて文科省としては更に事務負担の軽減について真摯に検討していきたいと、かように思っております。
#17
○大島九州男君 ありがとうございました。
 私自身は、そういった意味では、その手続によるところの周知ということではなくて、教育的観点から学校現場でしっかりと周知をしていただきたいということをお願いをして、見直されるものと理解をしたところであります。
 それで、今、三党協議で大変真摯に協議をしていただいたことに我々も心から感謝を申し上げます。その中で、今、このパネルを注目していただきたいんですけれども、(資料提示)高校無償化の所得制限ということが議論をされておりますけれども、是非皆さん、国民の皆さんによく見ていただきたいのは、このAさんとBさん、Aさんはいわゆる低所得者世帯という形で、当然所得制限の掛からない生徒さん、Bさんはいわゆる高所得者世帯ということで、この高校無償化の制度がもし所得制限が入ったときに受けられないというふうな前提で考えていただきたいと思います。
 そうすると、突然リストラや倒産というような状況が、同じ状況がAさん、Bさんの保護者に起こったとして、当然Aさんはそのままずっといわゆる無償化ということで卒業まで迎えられるわけでありますけれども、Bさんの場合、突然のリストラや倒産ということで所得が一気に激減をした場合、ここにありますけれども、失業した時期、これによって最長二年、最短で七か月という制度適用のタイムラグがあるんですね。
 そうすると、少なくとも、本当に生活苦に陥った、そういう状況になったらすぐに対応できるという状況であれば、これは大変私としてはその部分の理解もできると思うんですけれども、そこが非常に厳しい状況だということで、この所得制限の議論、これからまた文教科学委員会でもいろいろ議論されると思うんですが、ここのところは、そういった突然の収入の変化による生活苦に陥らないように三党協議含めてこれから各委員会で議論をしていただきたいということを申し添えたいと思います。
 そして、なおかつ、高校無償化はイタリア、韓国、日本と、先進国でいってもこの三か国ぐらいでございますので、やはり日本としてはしっかり担保していただきたいということを要望して、この問題は終わります。
 それでは、次に平成二十二年度子ども手当、これも決算として初めて出てきたわけであります。この子ども手当についての財源と、やはり導入後の効果について、大臣、お答えいただきたいと思います。
#18
○国務大臣(小宮山洋子君) 平成二十二年度予算での子ども手当は、給付費ベースで二兆二千五百五十四億円、予算に計上されている国庫負担ベースで一兆七千三百十七億円となっています。また、国庫負担の財源につきましては、国債増発に頼るということではなくて、行政刷新会議での事業仕分などによって予算の全面的な組替えを行うことによって必要な財源を確保しています。
 それで、効果ですけれども、これは控除から手当へということは、元々控除は高所得者の方に効いてくるので、私どもは民主党の税調の中でも、高所得者に有利で、そして複雑な控除はなるべくスリム化をして、必要な人に手当をと、社会保障の給付をという考え方でやってきました。そうした効果からも、子ども手当によって収入が年収七百万以下の世帯が可処分所得が増えています。そういう意味では、やはり今子供を持っている働く方たちが貧困になる確率が増えている中で、お子さんの成長に資することになっているというふうに考えています。
#19
○大島九州男君 ありがとうございます。
 今大臣からお話がありました。我々も、この子ども手当についての効果は是非、これからもっと出てくるんだろうというふうに期待をしながら言っていたんですけれども、実はいろんな意味で、制度が本当に続くの、どうなるのという、そういう不安を国民の皆さんがお持ちなんですね。
 今、このパネルを見ていただくと分かるんですけれども、実は民主党、元々は二万六千円と言っていたんですけれども、実はその財源が担保できずに一万三千円になりました。ただ、この一万三千円の効果も、実は出生率において、二〇〇五年一・二六だったのが、平成二十二年度の二〇一〇年には一・三九に回復する兆しがあったわけですね。やはりこれは、子ども手当が導入されて、少しこれは、あっ、子供を産んで少しこれが楽になるんだというふうに思った保護者もたくさんいたんじゃないかと思うんですけれども、これが今どういう議論をされているかというと、ここにありますけれども、所得制限をまた入れて、控除から手当へという形よりも、また非常に難しい状況になってきたかなと。
 金額も、大体一万円ぐらいで落ち着くような議論がされている。第三子以降は一万五千円、三歳未満は一万五千円だというような、そういう議論で進んでいるわけでありますけれども、これを見ていただきますと、今回議論されているものがそのまま導入されたというふうに計算をしますと、五百万円の世帯の方でも、ここで三歳未満、三歳から小学生、中学生という形で見ていったときに、当然これはいろんな計算がありますので、一人の場合はマイナスが出るんですね。子供が二人だと五百万円でもこういうふうにちょっとしたプラスですけれども、一万円という数字、それからこういうふうに所得制限が入るとかいろんな形の中で子ども手当が非常に不透明になっているという現状なんです。
 ここが非常に、これから議論される中でも、マスコミは何と言っているかというと、子ども手当か児童手当か、そういう子どもか児童かの名前の問題だみたいな報道のされ方をされていますけれども、実は根本は、特定扶養控除や年少扶養控除を入れていて、控除を廃止をしているにもかかわらず、今度はまた所得によって金額を変えたりするようなことをやることによって、より複雑になり、そしてまた、より国民が分からない制度になろうとしているということが一番の問題であって、我々政権政党や国会議員が考えなくちゃいけないのは、その控除から手当という部分を中長期的に考えていったときに、安定した形で子供を産み育てやすいというふうに国民がすっきり理解をできるような、そういう制度にしていかなくちゃならないということが一番の問題なんです。
 パネルをちょっと替えていただきまして、民主党がこの子ども手当や、あと高校無償化というような制度を導入した最大の目的は何かというと、高度成長時代は、公共工事に税金を投入すればそれはあまねく家庭に、そして国民にその慈愛の雨は降ったんです。そして、いつしか国民がだんだん豊かになってきたらどうなったかというと、このようにこの慈愛の雨が国民に直接降り注がなくなった。天下りや政官業の癒着ということで、国民生活に政府が降らそうとするこの慈愛の雨が降らなくなった。
 だから、我々民主党はどういうふうに臨んだかというと、直接国民に降り注ぐという、そういう政策がこの民主党が掲げた子ども手当、高校無償化。直接行くということによって、結局可処分所得を増やす、そして内需拡大を目指す、こういうことが一つの大きな民主党政権が目指した政策の理念だというふうに私は理解しているんですけれども、ここについて、総理、私の今説明、民主党が目指すところはそういうところだという見解なんですけれども、ちょっと一言、私が言う意見に対してお言葉をお願いします。
#20
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 子ども手当も、それから高校授業料無償化も直接御家庭に経済的な支援をする、しかも、チルドレンファーストという理念の下でその政策を実現をする、そういう趣旨の下で行わさせていただいた政策でございます。
#21
○大島九州男君 ありがとうございます。
 まさに今までの政権でできなかったことを、あの傘を取るという、政権を替えるということで新しい政治を実行したのが民主党と、私はそういうふうに理解をしているわけです。
 過去は、選挙に行くお年寄りの年金だとか社会保障、老人医療だとかいうところに手厚く税金が担保されていた。それはその時代、それは良かったんでしょう。しかし、今少子高齢化を迎えて内需が落ち込んでいく中においては、やはり子供たちがあまねく教育を受けられる、そして保護者が子供を何人育てようとも育てやすい社会をつくるということで、五十年先、まさに選挙を狙って票を欲しくてお金をばらまくというならそれはばらまきですけれども、今の民主党の行っている政策は未来への投資だと、こういうことを国民の皆さんに是非理解をしていただきたいというふうに思います。
 次に、中小企業政策について御質問をさせていただきたいと思いますけれども、まず、平成二十二年度の中小企業への資金繰り対策について、大臣、御説明よろしくお願いしたいと思います。
#22
○国務大臣(枝野幸男君) お答え申し上げます。
 平成二十二年度には、円高・デフレ不況といった大変厳しい経済情勢、そして先行き懸念の高まりという状況がございました。このため、当初予算等に加えて、ニーズの高まっていた借換え、それから条件変更の推進などのために、補正予算において予算額五千六百五十三億円、追加事業規模十五兆円を確保するなど、資金繰り対策に万全を期して対応してまいりました。特に、リーマン・ショック後の資金繰り対策として平成二十年度後半から実施していた景気対応緊急保証などについては、平成二十二年度では七十六万件、十四・四兆円の保証等を実施をしたところでございます。
 こうした資金繰り支援策は、厳しい中における中小企業の経営を下支えし、資金繰りの円滑化に一定の寄与をしてきたものと認識をしているところでございます。
#23
○大島九州男君 政府の政策としては、それは一定理解をし、そしてまた、中小企業の皆さんのためにという思いで中小企業庁の皆さんも一生懸命やられているのは十分理解をしているんですけれども、なかなか、現場でお金が本当に中小企業に流れているか。
 私が言う中小企業というのは、従業員さんが本当に四、五人だとか、家族含めて何人かでやられているというそういう下町の中小企業、言うなれば零細企業とも言われておりますけれども、そういう方たちはいろんな制度を、総務があって、係がちゃんといつも銀行に行っていろんなやり取りをできているかといったら、そういうことができていない、こういうのが現状なんですよ。ところが、大企業は当然それぞれの専門があって、そういう制度融資だとかそういったことにも専門的にやられている方もいらっしゃる。そして、銀行も、中小企業の貸出しなんかというのはどこで見ているかというと、企業の資産の担保、そしてそこになおかつ社長である個人の保証、そしてその個人の資産を含めて、それで担保評価をして融資をしているというのが現状なんですね。だから、ここが厳しい状況の最大の原因です。
 パネルをお願いしたいんですが、「公的資金のゆくえ」という、ちょっとこういうパネルを作っています。これは皆さんもよく御存じだと思いますけれども、昔ありましたね、預金保険機構で整理回収機構があって破綻金融機関なんかをしっかりとサポートをするということで、税金、主に国が出資をしているお金と日銀が二〇%ぐらい出資をしてこの仕組みをつくったんですね。で、これは結局どういうところにお金が回っているかというと、破綻している大手企業を支えた破綻金融機関、当然それは何かというと、大手企業のこの金融が賄っていたそのツケを税金で担保しているという、そういう流れなんです。これが先ほど言いました税金が国民に降らない一つの要因でもあるわけです。なぜならば、公的に破綻している大手企業を銀行を迂回してこうやって助けているわけです。また、主要銀行や地銀なんかは預金者保護の観点からといって公的資金が注入されるんですよ。しかし、中小企業はどうですか。中小企業は、晴れたら銀行は傘を貸し、雨が降ると傘を取るというのが銀行だと、まさに中小企業の社長はそういうふうに言ってはばからない人はたくさんいらっしゃいます。
 こういう現状を見たときに、中小企業の資金繰りに何が一番有効なのかと。ここは私は一つの持論がありまして、まさに中小企業、私のいつも言っているのは、交際費の枠を今一〇%、はなから交際費を使えば六百万までその一〇%を取られるんですね。昔は交際費というのは枠がなかったんですね。だから青天井でどんどん営業を掛けたりして交際費を使っていた。また、従業員さん、そういう人たちの慰労もこういう交際費で行われていた場合もあるんです。それはどういうところで中小企業がお金を使うかといったら、高級クラブではありませんよ、居酒屋や町のスナックです。そういうところにお金が流れていたんですね。
 ところが、今はそういう政策をやろうにも一〇%元々取られるわけですから、中小企業というのは、一%でも〇・何%でも安いお金を借りようとして資金繰りを一生懸命やっている人たちが、はなから一〇%取られるようなところに支出はできません。まさに中小企業においてはそういう交際費の枠をゼロにするというような政策が必要でありますし、特に資金繰りにおいては、先ほど言いました、銀行は、幾ら政府が言っても窓口の担当者は、一〇〇%保証の公的なお金が付いていますから保証協会付きで借りてくださいといっても、貸倒れになって保証協会からそのお金を担保されたら、銀行の窓口の担当者はそれが汚点になるわけですから、当然その銀行の窓口の皆さんも企業のことを考えて自分の出世のことを考えたらそんなリスクは負えません。
 だから、リスクなく貸せるにはどうするか。先ほどの担保主義をしっかりと逆手に取ればいいんです。どういうことかといえば、今銀行が企業から取っている担保は多くても六、七割の評価しかしていないわけですから、だからその担保、分かりやすく言えば、一億の担保を取っていれば六千万ぐらいしか貸していないんですから、だからこれを、一億の担保を二億に評価して、その二億の六割だったら一億二千万まで枠ができるわけですよ。そうすると、もし破綻しても時価一億ぐらいにはなるわけでしょうから、そんなに銀行にはリスクがないんです。こういうことを政府が思い切って銀行を指導して、中小企業対策の資金繰りは今銀行が取っている担保を二倍に評価しろと、そういう形に言うことによってお金が自動的に流れていくというのが、これは多くの中小企業の皆さんは賛同してくれると思いますよ。
 まさに大手は国のお金がこういう形で入ってくる、銀行にもこうやって入ってくる、しかし中小企業は自分たちで取るしかないわけですから、こういった意味でこういう思い切った姿勢を示す必要があると、これは私の持論でありますけれども、それについて見解をよろしくお願いします。
#24
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、中小企業、特に零細な企業にとっては資金繰り、それを支える金融というのは大変大きな意味を持っているし、また、特に当事者の皆さんからすればそれが十分ではないんではないかという御指摘はしっかりと受け止めなければならないだろうというふうに思っております。
 そして、その金融のところを、例えば専門家が社内にいない小さな企業がしっかりとできるように、今般も中小企業経営力強化支援法案というのを国会に提出いたしまして、従来からこういったことを頑張っていただいている商工会議所、商工会にとどまらず、税理士あるいは中小企業金融を行っている地場の金融機関等においても支援事業を行う者の認定を行って、専門性の高い助言、アドバイス等をしていただくと。さらには、中小機構の専門家派遣等によって、お金を出すだけではなくて、お金を出すための仕組みについての周知とかアドバイスをしっかり行っていくというようなことも行っているところでございます。
 また、特に規模の小さな企業の皆さんの現場の声を十分に受け止め切れていないのではないかという、真摯な姿勢が必要だというふうに思っておりまして、今般、現場の生の声を聴くためのちいさな企業未来会議というのを設置をいたしました。全国の地場で頑張っている中小企業、といっても特に小さな企業の皆さんや、今申し上げた地域金融機関、税理士、弁護士等それを支援していただく方、そうした皆さんに御参加をいただいて、三月三日に第一回総会を開催しましたが、今後これを地方で開催をいたしまして、全国各地の現場のニーズ、御要望というのを更にきめ細かく承ってまいりたいと思っています。
 今御指摘いただいた具体的な対応策については、今御質問の中でも言っていただいたように大変大胆なことでございますので、なかなかすぐに、はい、そういった方向で金融庁と御相談しますとはお答えしにくいんですけれども、そういう極端なことも必要ではないかという声もあるということもしっかりと受け止めながら、今申し上げたような施策を充実させてまいりたいと思っております。
#25
○国務大臣(自見庄三郎君) 委員長、委員長、委員長。
#26
○委員長(山本順三君) じゃ、大島九州男君。
#27
○大島九州男君 大臣には有り難いんですが、ちょっと待ってください、済みません。
 是非、今金融庁とそういう議論を大胆にしていただいて、先ほど言いました、小さな企業の声を聴くと言われておりますので、国民の皆さん、是非、大臣や経済産業省、また金融庁の皆さんにそういう声をどんどん出してください。そして、そういう声が本当の政策だと、そういう望まれている現場の声なんだということを国民の皆さんがしっかりと言っていただくことによって担保していただきたいというふうに思っております。
 それでは、次に「もんじゅ」に対する会計検査院の指摘について御質問をさせていただきたいと思いますので、その件についてよろしくお願いします。
#28
○国務大臣(平野博文君) 今、会計検査院から「もんじゅ」にどんな指摘をされているのかと、こういう御指摘でございます。
 本件につきましては、「もんじゅ」の研究開発に要する経費をより幅広く公表するということでございます。私どもとしては、「もんじゅ」の研究開発に要した予算額ベースを公表しておったわけですが、実際の支出額について算定し、公表しろと、こういう指導でございました。
 特に、そういうことについて言いますと、間接経費、いわゆる人件費、固定資産税等の支出額についても公表することが必要である、また、関連施設に要した支出額についても公表しろと、こういうことで、私どもといたしましては、改めて、既に公表した予算額に加えて、「もんじゅ」の事業の実際の支出額について、指摘された、また関連施設についてもホームページで公表をいたしたところでございます。
 また、関連施設につきましては、利活用というこういう観点で、今政府で検討いたしております原子力政策の方向性を踏まえて、幅広くその方向性を踏まえて結論を出したいと、かように思っておるところでございます。
#29
○大島九州男君 今大臣から真摯に答弁がありましたけれども、会計検査院からそういう指摘をされるということは大変重いことであるという認識であります。我々決算委員会としても、その指摘を受けたことについて真摯に対応していただくという意味では、早急に対応していただいたことは大変感謝を申し上げますが、そういった数値だとかいろんな公表するというものが非常に曖昧であったり不信を招くような、そういったものが原子力政策には多過ぎるということがあるんです。
 じゃ、パネルをお願いしたいと思います。
 今回も、実は我々、岡田副総理の下に行政改革調査会ということで、私自身も決算・行政監視ワーキングの座長としてやったんですけれども、その中で、民主党の衆議員であります岡山五区の花咲議員が、この独立行政法人の日本原子力研究開発機構が会費支出の名目で他の公益法人に年間八千六百万の会費を支出していたと、これまで全く指摘をされていなかったと。
 要は、会計検査院でも気付かないところを民主党の花咲さんがしっかりと調査をして指摘をしていると、こういうことを民主党というのはしっかりやっているんだと。是非みのさんにもこういうところはちょっと認めていただいて、何もやっていない何もやっていないと言うんじゃなくて、実はやっているんだけれども、なかなか公表されないと。民主党は何もやっていないぞと言われるものですから、北は北海道から南は沖縄まで、私が行くと、大体高齢者の御婦人はみのさんと同じことをおっしゃるんですね。だから、もう非常に私も残念で仕方がないんですが、是非みのさんにはこういう形でやっている議員もいらっしゃるんだということを広報していただきたいなと、是非お願いしたいと思います。
 それで、何が言いたいかといいますと、この部分についても、原子力政策、ほかにもあるんですね。当然、八十三法人に一兆六千六十八億円というものを支出をしている。普通は、与党はこういうことを余り言ったりやったりしないのが本当なんですけれども、民主党はそういったところにしっかり切り込んでいきながら、与党でありながら自分のところの中をしっかりと公表をしているということを、私はこれは大変すばらしいことだというふうに思っているわけであります。
 この件について、会費と言われている、中には三千万の会費というのもあったそうなんですが、ちょっと我々一般人ではその会費というイメージが、大体一万円とか二万の会費なら分かるんですけど、ここが支出をしている一つ三千万円ぐらいの賛助会費とかいうのは大体どういったものなのかというのを、もし分かるようであれば一言。
#30
○国務大臣(平野博文君) 鋭い御質問で、私、担当としては、大変今までの長い歴史、経過があるわけでありますが、改めて今回、民主党行政改革調査会の方から厳しい御指摘がございました。
 どういうものがあるんだと。一例を申し上げますが、若狭湾エネルギー研究開発センターというところに三千百五十万円が、実は飛び抜けて多いんですが、これは地元の自治体を含めて原子力について研究していくんだと、こういう中での予算と、こういうところで出しております。
 改めて大島議員にお答えしますが、御指摘のとおり、原子力機構の会費支出については、やっぱり他の法人と比べても突出しておると。個別の会費についても極めて多額のもの、これが今御指摘いただいた点でございます。このために、担当の閣僚としては、今までの経過があり、皆それぞれ必要だと言うわけでありますが、私も、ゼロベースでこれは見直せと、こういう指示をいたしまして、厳格に内容を精査をいたしました。
 ただ、学会とか、いろんな情報収集、仕事を進めていく上において絶対に必要なところというのはやっぱりあるわけですから、それまで削るわけにはまいりません。したがって、厳格に精査をいたしまして、平成二十二年度の八千六百万円ありました会費支出につきましては、平成二十四年度以降、三百六十万まで落とすと、こういうことで今最終調整をさせていただいているところでございます。
#31
○大島九州男君 ありがとうございます。
 まさしく、先ほど私どもがパネルで出した、税金が本当に傘で国民に降らない、これも一つのその例なんです。だから、そういったところを一つ一つメスを入れていくというのが今の政権に課されている大きな一つの役割であるという認識をしたところであります。是非、今後もまたそういった形で進めていっていただきたいというふうに思います。
 では、原子力について言えば、特別会計は後で、また関連質疑で深く追及してもらいますけれども、原子力、まさにその公表が不透明であったり不信を抱くものであると。だから、こういったことの積み重ねがこの原子力災害につながっていったんだと、私はそのように理解しているわけですね。
 私は、今幹事長室の福島担当ということで、先日も福島に行かせていただきましたら、南相馬で、結局、仮設住宅に移ったおばあちゃんたち、少ない三、四万の年金で電気代払って食費が大変だということで、ボランティアの方が野菜だとかお米だとかを集めてそれを住宅にお届けされていたり、また、そのおばあちゃんたちが外に出ることがない、今までは農作業をしていたけれどもそれがなかなかできないというので、ビニールハウスを造って、そして、そのビニールハウスでおばあちゃんたちが野菜を作ることで健康になってもらおうという、そういう健康増進の目的で、原発事故から命と環境を守る会といって、大留さんという会長にお会いをしました。そして、今そういう支援を続けていらっしゃるんですね。
 だから、全国の皆さん、まだまだ時として原発のことを忘れている国民は一人もいないと思いますけれども、やはり支援というものは変化する。だから、まず、そういった今の大留さんたちがやられているそういう支援、食料だとかビニールハウスを造るボランティアだとかそのビニールハウスの材料だとか、そういったものを提供していただきたいというお声がありましたので、是非そういう御協力をいただける方は大島事務所でもお声掛けをいただければ対応させていただきたいというふうに思っております。
 そして、実はこういうことも相談がありました。被災地では多くの家屋が損壊して、解体撤去を公費で支援する制度が活用されているけれども、実は被災地から、その制度の申請期限が今月末と地方自治体で定められていると、しかし長年住み慣れた家屋を解体するのをどうしたらいいかと決めかねている人もいて、今後も申請を受け付けてほしいというような、そういう声があると。
 だから、国としてはそれはどういう見解で対応されているのかということの御質問でございます。大臣。
#32
○国務大臣(平野達男君) 被災した家屋を撤去するかどうかということについては、多分、被災者にとってみれば大変勇気のある、そして悩む決断だというふうに思います。
 そういう中で、各自治体、一方でこれからの復旧復興を進めるためには、面的にこの地域についてはある一定の期限までにやっぱり撤去するかどうかを決めたいと。そういう中で、その自治体と被災者との間の中のコミュニケーションがしっかり交わされているというふうに思います。
 結論から言いますと、やはりどうしてもまだ決断ができないという場合には翌年度も申請はできます、この制度はしばらく続きますから。そういう意味で、当局と、被災自治体の当局と被災者の方々がしっかり話し合ってその方向性を決めていただければよろしいというふうに思います。
#33
○大島九州男君 大臣、ありがとうございます。
 やはり、今の大臣の御説明のように明快に言っていただくことで国民の皆さんはやっぱり安心するんですよ。風評というか、デマまでは言いませんけれども、いろんな視点でいろんな方がいろんな話をすると。だから、そうすると、楽観的な人はいい方に取るけれども、悲観的に考える人はその悪い方を取っていくと。そうすると、いや、もしかしたら自分の家屋は今崩さないともう駄目なのかというふうに思ってしまう方もいらっしゃいます。
 特に、今の大臣の御答弁をお聞きになった国民の皆さんは、安心してじっくり考えて、でも、大臣がおっしゃいましたように、やはり早く復興するには、その面的な整備の中で一軒だけぽつんと残っているということに対してそれが進まないということがあるなら、家に対する愛着、そういうことは僕らも十分理解しますけれども、復興の促進のためには、個人的にいろんな思いがあっても、やはり全体的な思いの中で早期に決断をしていただくということも必要だと思いますので、被災地の皆さんは是非そこの観点から早めに御決断をいただいて、年度で切れても、大臣がそういうふうにおっしゃっていらっしゃるので、関係自治体としっかり協議をしていただいて進めていただければというふうに思います。
 それでいうなら、ちょっとパネルを見ていただきたいんですが、今日も、JC、日本青年会議所のアンケートで、瓦れきを引き受けていいよというふうに前向きな首長さんが六〇%だというふうにおっしゃいました。
 しかし、実は私は先日、ある大きな政令指定都市の市長さんにこのお話をして、お願いしますと言いました。そうしたら、首長さんは、受け入れたい、しかし実はいろんな住民の皆さんの声が一番気になる、だから正直言うと難しいんですよと。これ、現実なんですよ。
 だから、私が今日お願いしたいのは、あの被災を受けた多くの国民の皆さんが本当に一つになってこの国を復興しようとしたときに、前の松本龍防災担当大臣もおっしゃいましたが、あの瓦れきの撤去が終わらなければ日本の震災復興はない、だからいち早くあの瓦れきの撤去は国でやるんだということを明言されました。そして、その瓦れきの撤去を一自治体で行うことは、もうこれは不可能なことは全国民の皆さん全て分かっていらっしゃる。
 そうすれば、放射能が掛かっていて外に出せないやつは出ないわけですから、ここのところを是非国民の皆さんには理解をしていただいて、そして本当に同じ立場の心になっていただいてこの瓦れき処理を、言うなれば、自分のところの首長に、何で受け入れないんだ、そうやって困っている自治体を助けるのが今我々ができる復興支援じゃないのかという声がどんどん出て当たり前なんですけれども、そういう声を出していらっしゃるところの報道はほとんどされないんです。反対をする報道だけが出てくるものですから、半ばもう、それこそ今はやりの洗脳じゃないですけれども、マスコミによってそういう報道が偏ることによって洗脳されている国民の方もたくさんいらっしゃるんだと思う。だから、やはり客観的に、事実としてこの部分を皆さんに分かっていただけるように是非アピールしていただきたい。
 じゃ、環境大臣、一言。
#34
○国務大臣(細野豪志君) JCの皆さんが大変努力をされて、自治体の首長の皆さんに直接会って、アンケートという形にはなっているんですけれども、実質的には説得をしていただいたんだというふうに思うんです。そして、直接話すと、やはり首長の皆さんも被災地に対する思いは持っておられますので、ああいう形で前向きに回答していただいたということだと思います。ただ、実際受け入れるとなると、反対の方がどうしても出てきてなかなか乗り越えられないというのが現状だというふうに考えております。
 時間も限られていますので一言だけ申し上げると、そのパネル、山のようにあるんですけど、一つ一つちょっとよく見てみると、その中には畳があったり座布団があったり、生活の跡なので産業廃棄物とちょっと違うんですよね。元々生活していたところのものがざっと集められていますので、この近くでなかなか復興の気力が湧いてこないというのは、逆に思い出のある方であればなおさらだと思うんです。
 ですから、まずはその被災地の心情を、ちょうど一年たちますので全国の皆さんに理解をしていただくという、このことだと思います。その上で、安全性については客観的にしっかりと我々がお示しをしなければなりませんし、(発言する者あり)また、それぞれの自治体にも測っていただけるようにしておりますので、安全性についてはしっかり確認をした上で広域処理を何とか実現をしてまいりたいと思っております。
 本当にありがとうございます。
#35
○大島九州男君 今、加藤先生から有り難いお言葉をいただきましたけれども、分別、きっちりされています。これは古いちょっと写真を使っていますからあれなので、国民の皆さん、是非御覧になっていただいて、今、新しい状況はきっちり分別されていますから、それは御安心いただきたいと。
 総理、最後、国民の皆さんに、やはり総理からしっかり安心だと、そして協力してほしいということを明快にお願いしていただきたいんです。是非お願いします。
#36
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 東日本大震災発災後、多くの皆様が義援金で御協力いただいたり、多くの皆様がボランティアとして活動していただいたりしていただきましたけれども、今なおやっぱり被災地に必要なことは、助け合い、支え合いで御協力をお願いをしたいと思いますが、その最大のテーマが広域処理でございます。
 今回、瓦れき、約二千万トン発生をしました。これ、年間の処理量でいうと宮城県で十九年分、福島県で十一年分です。どうしても自己完結では対応できません。これはやっぱりお互いさまの精神で御協力をいただきたいんですが、一番求められているのは、やっぱり安全かどうかだと思うんですね。これは、きっちり放射能の濃度を測っていきます。今までは被災地だけを測りました。今度は、受け入れていただけるところもその処分場や付近についてもしっかりと濃度を測っていくということを国が支援をすることといたしました。
 加えて、お引き受けいただく際に、まず自分たちの自治体分の瓦れきのほかに被災地のも受け入れるわけですから、処分場がパンクしたりする可能性があります。その拡充をしたり建設をしたりすることについても国が財政支援をすることになりました。今までは被災地だけの支援だったんですが、受け入れていただけるところに対する支援と住民の不安解消も国が前面に出て頑張ってまいりたいと思いますので、是非御理解をいただき御協力をお願いをしたいというふうに思います。
#37
○大島九州男君 今大臣の方から、しっかりと国民の皆さんにお願いがあったところでございます。国民の皆さんにも是非御理解をいただきたいというふうに思います。
 そして、最後に、私も政治家として国会へ送っていただいて、何のために仕事をするか。やはりこれは国家国民の皆さんのために、共通してみんな思いが一緒だというふうに思います。そして、その中で制度をつくっていく。昔は、本当に高度成長時代でお金もあった、だからそのお金の出し方も非常におおようだった。しかし、今何で、じゃ年金を払う財源に特例公債出して、そして特例公債、将来の消費税で埋めますよという、そういう財源を今このタイミングで出さなきゃいけないのかというふうなことを考えたら、それはそれだけ逼迫しているんだということの御理解をいただきたいんです。もし私だったら、選挙に勝ちたいなと思ったらそんなことは言わない。それで票を直接持っている人たちにアピールしたいと思うのが普通の人間です。しかし、この今の内閣はそういうことをおっしゃらずに、子供や、そして未来のこの日本のためにということであえて厳しい選択をされている、そしてその発信をされているという、私はそういう思いなんです。
 けれども、今マスコミでは、その特例公債、ばらまきではないか、消費税、何に使っているか分からない。そんなことないんですよ。はっきり言えば、それだけ逼迫しているからこそ、家庭の中の家計が火の車だからこそあえて厳しい政策を国民の皆さんにお願いをしているという、その真摯な姿をマスコミの皆さんはしっかりと客観的に報道していただきたい。まさにマスコミによって偏っている報道がたくさんあるじゃないですか。何人も今回のやはりいろんな報道で辞められた大臣の皆さんもいらっしゃいますが、そういったことも一つ大きなこの国の後退につながっているわけですから。
 そういった意味で、この今の民主党政権が、この二大政党という、政権交代という一つの大きな仕事を成し遂げていった、その時代の生きる意義というものが僕はしっかりあるべきだというふうに思っておりますし、不退転の決意でそれに取り組まれていらっしゃる内閣の皆さんには、これは民主党、自民党関係なく、やはり政治家としてどうあるべきかというふうなことを考えたときに、私たちはその部分をしっかりと認識をして、そして皆さんに御協力できるところは一国会議員として協力をさせていただきたいという思いを真摯に持っているところであります。
 そして、発災から一年になりました。本当に厳しい時代の中を生きる我々、同じ国民としてこれからしっかりと頑張っていきたいということをお伝え申し上げて、そして関連質疑に移りたいと思います。
 本日は、質問させていただきましてありがとうございました。
#38
○委員長(山本順三君) 関連質疑を許します。舟山康江君。
#39
○舟山康江君 おはようございます。民主党の舟山康江です。
 私からは、安定的な財源であるがゆえに無駄遣いも多く指摘されているエネルギー特別会計を中心として今日は質問をしたいと思っております。(資料提示)
 まず、このエネルギー特別会計には電源開発促進税を原資とする電源開発促進勘定、それから石油石炭税を原資とするエネルギー需給勘定、二種類ありますけれども、今パネルを提示いたしましたのは、このうち電源開発促進勘定のお金の流れを示したものであります。
 この電源開発促進勘定、電力会社が払うわけでありますけれども、当然ながらこの原資は一般の消費者であります。一家庭当たり平均大体月百八円払っているということでありまして、この金額等は電源開発促進税法に定められておりますけれども、この電源開発促進税というのは特定財源、使途が決められている特定財源でありますけれども、これ一度、御覧のとおり一般会計を経由してそこで一部留保をされております。
 これ、こういった形である以上、一般会計でもいいんではないかという声があると思いますし、この中であえてもう一度特別会計に戻す理由はどういうところにあるんでしょうか。これ、法律で規定されているというようなことは知っておりますけれども、法律ではなく、なぜ一般会計に入ったものが特別会計にまた出ていくのかというところにつきまして財務大臣にお聞きしたいと思います。
#40
○国務大臣(安住淳君) おはようございます。
 なぜ直入でなくて一般会計なのかということでございますが、電源開発促進税は特定の経費に充てる目的で賦課されていますから、いわゆる目的税ですね。平成十八年まで御指摘のようにこれは、電源開発促進税は、エネルギー対策特別会計電源開発促進勘定の前身であります電源開発促進対策特別会計に直入をしておりました。
 これは、行革推進法及び特別会計に関する法律に基づいて平成十九年から一般会計の歳入に計上するとともに、毎年度の一般会計からエネルギー対策特別会計への繰入れについては、必要な歳出規模やエネルギー対策特別会計の剰余金等の金額を踏まえ、これは厳しい財政事情も考慮しつつ、電源開発促進税収の一部につき繰り入れる必要がないと認められるときは繰り入れないことができることとなり、一般的に一般会計で活用する仕組みに改められているところと。
 つまり、一般会計に留保金を置いて必要なお金は特別会計でまた使っていただく、その留保金については一般会計で使うと。つまり、無駄をできるだけなくしましょうということで直入方式でない形に改めております。
#41
○舟山康江君 大臣の説明はその点におきましてはよく分かるんですけれども、恐らく特定財源、特別会計というのは特定の目的のために使う、そのために課税をするという意味においては、一般会計に入るのはちょっとそこは違うんだと思いますし、一方で、それが全て特別会計に入るとなると、やはりその支出に見合った歳入なのか、それが歳入が安定的にあるがゆえに無駄遣いが発生するという意味でそれが直入がいいということにもならないのかなと思いますけれども、やはり後で触れます石油石炭税についても、これは当初から一度一般会計に入って必要額が出ていくという形であって、目的税、特定財源というものの整理とそれをどう会計処理するのかということは、これ改めて、少し留保をするなり、こういった入口の問題含めてもう一度整理する必要があるんではないかという問題点を御提起させていただきたいと思っております。
 それで、この電源開発促進税ですけれども、ここ、「原発推進等に関する国民負担」と書かせていただきましたが、何となく原発のために使うお金ではないかというようなイメージを多くの方が持っていると思います。ただ、これ税法の課税目的を見ますと、原子力発電施設に限らず水力発電、地熱発電等と書いてありますけれども、これ経済産業大臣に確認ですけれども、目的は原子力に限っていない、例えば水力、地熱、その他再生可能エネルギー分野にも使えると、そういった理解でよろしいでしょうか。
#42
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、一般的な言い方をすると、長期的で安定的な電力の供給を可能とする長期固定電源の設置の促進や安全確保、電力系統の技術開発などを図ることとされておりますので、具体的に例示をされております地熱、水力、対象になっております。
 ただ、これまでは、太陽光や風力については長期安定に該当しないということで、電力系統に接続した際の負荷平準化のための技術開発などを除いて対象にはなってきておりません。そちらはむしろエネルギー特別会計のエネルギー需給勘定において措置をしているところでございますが、まさにこの長期固定電源の範囲は技術革新によって変わり得ますので、今後更に拡大できないかどうかということは検討の対象になり得るというふうに考えております。
#43
○舟山康江君 この課税目的であるこの法律には別に長期安定云々ということまで多分触れていないと私は理解しておりますけれども、いずれにいたしましても、今回改めて新しい再生可能エネルギーの推進、それからそういった電力の供給についても非常に大きな期待をされているところでありますし、是非そこは広げていただく方向でしっかりと検討いただきたいと思います。
 それで、では二十三年度予算、二十四年度の今の予算案でも結構ですけれども、電源種別の予算内訳を教えていただきたいと思います。原子力、火力、水力等、種別の予算内訳、教えてください。
#44
○国務大臣(枝野幸男君) 平成二十四年度予算案における経済産業省の電源開発促進勘定の予算内訳によりますと、原子力関係が約一千三十二億円、水力等の再生可能エネルギー関係が約百二十九億円、火力関係が約十四億円、その他特定の電源には分類できない項目で約三百二億円となっております。
#45
○舟山康江君 ありがとうございました。
 今のは経済産業省の分ということだと思いますけれども、このほか文部科学省分もありまして、文部科学省分はほとんど見てみますとこれ原子力なんですね。原子力に関する研究開発、人材育成それから教育の推進とありまして、恐らく原子力の予算というのがこれの倍以上、二千億円超という形になりまして、もう本当に今の現段階ではほとんどが原子力の予算に使われているという状況であると思っています。
 これ、事故を受けて、二十四年度予算は事故の後、まさに原子力だけには頼れないということになっていると思いますけれども、事故を受けまして原子力関係以外の予算は増えたんでしょうか。
#46
○国務大臣(枝野幸男君) 二十四年度の電源開発促進勘定における原子力関係予算以外の経済産業省予算は対前年比で約四百六十一億円の減少となっておりますが、電源種別に分類できないものもあって正確に算出することはできないわけでありますが、水力、火力など電源種別に分類できるものだけでいえば、原子力以外では対前年度比で約二億円の減少となっております。
#47
○舟山康江君 このエネルギーの今後の在り方につきましては、夏ごろをめどにいろんな議論が更に活発になっていくと思いますけれども、私は、現時点におきましても、やはり原子力だけに頼るという方向からはもう本当に皆さん、多くの皆さんがその思考はもう変わってきているんではないかと思うんですね。
 そういった意味では、二十四年度予算で、種分けできないものは除いていると言いながらも、これが減っていると。確かに安全対策に使っているということもあるにしても、原子力の安全対策により多く使ったということがあるにしても、非常に残念な予算編成だなというような印象を持っております。
 それから、もう一度今のパネルに戻らせていただきますけれども、この中で周辺地域整備資金というものがあります、ここ、二十二年度末残高で千二百三十一億円です。これにつきましては、実はこの存在自体が何のためにあるのかなというちょっと疑問も持っているところでありまして、これ、平成十四年の会計検査院の指摘を受けて平成十五年からできました。検査院の指摘で、この電源開発促進勘定に非常に多くの剰余金があるという指摘を受けて、この周辺整備資金の方に少し積んでいくというような形になりました。
 そういう形でできたわけであって、本当に必要なのかなという疑問はありますけれども、それはまた後ほどきちんと指摘をさせていただくにしましても、この資金、資金残高千二百三十一億円につきましては、これ会計検査院から、電力供給計画に示された十四基の原子力施設の整備資金に係る需要額千九百六億円のうち、これは基本的には立地対策に入るんですね、いわゆる電源立地対策、原子力発電施設を受け入れているところに対するお金ですけれども、これはこれから計画しているところもあります。今計画しているのが十四基あるんですけれども、なかなかこれうまくいっていない、その計画も進んでいないという中で、具体的に着工済みはたった三基なんですね。その三基分の需要額というのが七十三億円であって、それ以外は当面要らないんではないかという指摘を受けております。
 そういう中で、七十三億円を留保しておけば足りるわけであって、二十三年度一次補正予算で促進勘定へ五百億円どうも繰り入れているようではありますけれども、それを考慮しても残りの六百五十七億円は当面需要が見込まれない、縮減可能な余裕資金であると、そんな指摘を会計検査院から受けているところであります。これを受けてどのように対処されましたか。
#48
○国務大臣(枝野幸男君) 昨年十月に会計検査院から受けました随時報告の中の今の御指摘の事項はまさにごもっともな御指摘だということで、それを真摯に受け止めまして、平成二十四年度予算案においては、東京電力福島第一原子力発電所の避難道路の整備等のために四十九億円取り崩しているところでございます。残りについても、これ全体としての今後の原子力政策について、この夏をめどにエネルギー・環境会議において方向性を示すということになっておりますので、その議論の動向を見ながら規模の縮減を図ってまいりたいと。
 ただ、一気に今使ってしまいますと、会計検査院に御指摘いただいているとおり、原発周辺地域における安全対策のための措置等に多額の費用が必要とされることが見込まれていると、まさにそのとおりでございますので、この見通ししっかり立てて、そこに生かさせていただきたいと思っております。
#49
○舟山康江君 今後、様々な検討の中でそこはしっかりと対応するということでありますけれども、ちょっと冒頭に指摘させていただきましたが、この周辺地域整備資金そのものが本当に要るのかという議論もあるんではないかと思います。元々なかったんですね。元々電源開発促進勘定だったわけですけれども、ちょっとそこで、割と、何というんでしょうか、調整弁的にできたようなものでもありますので、この存否そのものも含めてしっかりと検討いただきたいと思います。
 そして、先ほど少し大島委員の方からも指摘がありましたけれども、電源開発促進勘定から、この下ですね、地方自治体、これは大体原子力発電所の立地自治体ですけれども、地方自治体、それから独立行政法人、公益法人等に多額の支出がなされております。
 とりわけ、これ二十年度の数字でありますけれども、地方自治体を除く独立行政法人ですとか民間それから財団法人、こういったところで、済みません、これ自治体も入れてですね、三百三十九の団体に三千三百八億円が支出されているという状況であります。原子力研究開発機構におきましては、先ほど三千百五十万円、これ事業費なら分かりますけれども、会費という名目で支出されているという状況もありまして、こういった使途がきちんと精査されているのか。まさに特別会計で、入口がもう非常に緩いというか、たくさん安定財源が入っているから何か出口も非常に縛りが緩いんではないかという、そういう疑念が多く持たれておりますし、私もその思いは非常に強く持っております。ここの使途が精査されているのかというところなんですね。
 例えば、広報だけで見ましても、細目は八つにわたっておりまして、二十八億円、これは二十三年度の数字ですけれども、総計二十八億円を超える広報費が支出されております。また、このほかに、後で触れますけれども、原子力発電環境整備機構、これ最終処分をする団体ですけれども、ここからも別途二十六億円の広報費が計上されております。この広報費につきましても、本当は自然エネルギーの教育に使いたいんだけれども原子力に限定されているとか、いろいろ言われておりますけれども、こういったところの使途を見直す、その検討の方向を是非教えていただきたいと思います。
#50
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘の電源開発促進勘定の予算は、従来の財務当局の査定に加えて、行政刷新会議における事業仕分、そしてそれを全ての事業において詳細を把握をして広報する、それをチェックするという行政事業レビューを実施することによって、支出先の把握、公表、事業内容の効果の点検等の精査を行い、また、執行の際も原則的に一般競争入札又は企画競争ということで透明性を高める努力をしてきているところでございます。この中には、当然独立行政法人への交付金についてもその対象であると考えております。
 特に、御指摘の広報事業については、昨年の三月十一日の事故を踏まえて、その必要性というか、大きく変わっております。例えば、従来、予算を組んでおりました原子力発電所等立地広報事業、つまり原子力発電所の必要性や安全性を広報する事業については、昨年は五億円弱計上しておりましたが、今年はゼロにしております。
 一方で、エネルギーの、特に事故の影響の関連等についての周知については必要でございますので、今のようなプロセスを含めしっかりと精査をした上で支出をしておりますが、今後、中期的には、非常に事業が細かくいろんなところに分かれて発注といいますか、事業費が付いているという分かりにくさが結果的にチェックが及んでいないんではないかということにつながっていくというふうに思っておりますので、こうした制度そのものを含めて見直してまいりたいし、当然のことながら、全体の予算としては自然エネルギーの普及等について力を入れていく必要があるというふうに思っております。
#51
○舟山康江君 お手元の配付資料を見ていただきたいと思います。これは、「電気ご使用量のお知らせ」という、大体、毎月各御家庭にお知らせが行く、これ東京電力のお知らせの紙でありますけれども、今日は東京電力の西澤社長においでいただいております。
 この「電気ご使用量のお知らせ」の中に太陽光促進付加金というものが入っていまして、ああ、なるほど、私たちの払っている電気料金からこういったところにも使われているんだなということがよく分かると思っています。
 一方で、今のこの電源開発促進税、百八円程度払っているわけでありますけれども、それについては何も書いていないんですね。非常に見えにくいからこそ使われ方も少しちょっと、何というんですか、チェックが甘いんではないかという声もありますけれども、これにつきまして東京電力さんの方では、なぜこれ太陽光だけが書いているんでしょうか。そういった電源開発促進税などについても、やはり国民にこういうものもあるんだということを知らせる必要があるんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#52
○参考人(西澤俊夫君) 先生の御質問にお答えいたします。
 現在の電気料金は、基本的に、基本料金、それからお使いいただいた電力量に、払っていただきます電力量の料金、それから燃料費の調整額、そして先生御指摘の太陽光発電の促進の付加金という形で構成させておりまして、その内訳を検針票でお客様にお知らせしてございます。
 他方、先生御指摘のいわゆる電源開発促進税の税とか、あと再処理等の引き当て等のあれもあると思いますけれども、この賄われる費用につきましては、先ほど言いましたように、基本料金から幾ら、電力料金から幾らという形で結び付けるというか、ひもを付けるのは非常に難しいということがございます。お客様にとって各々契約しているレベルも違いますし、御使用量も違うという形で、それの内訳を示すのは非常に困難であるということで御理解いただければと思います。
 なお、全体でこの電促税がどのくらいか、それから例えば再処理の引当金がどのくらいの費用の内訳になっているかというのは、有価証券報告書では全体の額としてこの程度になっていますよということは費用の内訳としてお示しはしてございます。
 以上でございます。
#53
○舟山康江君 一般の国民は有価証券報告書なんかは見ないと思うんですね。
 これを見て、ああなるほど、太陽光促進に私の電気料金も貢献しているんだということは思いますけれども、恐らく今回の原発事故、不幸な原発事故を経験する前までは、私を含めて多くの皆さんは自分の電気料金からまさか原発促進のための電源開発促進税が取られていることとか、再処理の費用、最終処分の費用が取られていることというのはほとんど意識していないと思うんですね。やはりそれはきちんと正確に、何というんですか、今基本料金とか従価料金とか言われましたけれども、そこからどうこうではなくて、やはりそういったものも含まれていますということは是非書いていただきたいと思っております。
 総理、今の特会の形では、やはり全体的にこれ特別会計に関して、特にこの電源開発促進税に限っても、やはりその実感が湧きにくい、全体のお金の流れも非常に不透明だと思います。これをもっと整理しないと新たな戦略にもつながっていかないと思いますので、是非この特別会計の見直しについて総理の御決意をお願いしたいと思います。
#54
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ちょうど特別会計改革について今日閣議決定をしたんですけれども、これは全体的な改革であります。十七ある特別会計を十一に減らしていくということ、勘定を、今大体五十一ぐらいあったのを、五十二でしたかね、二十六にしていくという、約半減にしていく等々の改革をやっていきたいと思いますが、今ずっと御指摘いただいているエネルギー特会については、私ども野党のとき相当、さっき御指摘いただいた広報など、いろんな精緻な調査を踏まえて提案をしたんですね。例えば、マスコミ対策用のマニュアル本が何十万もしていたとか、あるいは原子力の安全をPRするためのパンフレットが、十二、三ページのものが万単位だったとか等々、相当やってきたんです。
 ずっと今御指摘いただきましたけれども、さらに、やっぱりこのエネルギー対策特別会計については、これ特会改革の基本方針にも書いてございますが、「区分経理の必要性については、社会経済情勢等の変化を踏まえ、その必要性につき絶えず見直し、検証を行っていくべき」、当然のことながらその対象になろうと思いますし、やっぱり透明度を増すということは非常に大切な視点だというふうに思います。
#55
○舟山康江君 総理の今のお話のとおり、相当縮減しているところもあると思います。ただ、やっぱり一般会計に比べて非常に硬直的な部分はまだ残っています。広報の中でも毎年同じ金額が付いているものがたくさんあります。やはりここは本当に更にしっかりと精査をしていく、そして改革を進めていく、場合によっては、さっき言いましたけれども、一般会計で本当に駄目なのかというところも含めて抜本的な見直しをしていただきたい、総理のリーダーシップに期待したいと思っております。
 それでは、次に原発の再処理等に関する国民負担について指摘をさせていただきたいと思います。
 今のお話の中でも少し触れさせていただきましたが、この電力料金の中からは、電源開発促進税とは全く別です、これは積立金ですので別ですけれども、これ、再処理に関しまして一家庭平均月六十六円、それから最終処分につきましては一家庭平均二十二円毎月払う中で、それこそ再処理と最終処分のためにお金が積まれております。これは原子力環境整備促進・資金管理センターというところにそれぞれ積まれていますけれども、二十二年度末の積立金残高を見ますと相当な金額になっています。合計で三兆円を超える大きな金額になっておりまして、これ、再処理については日本原燃を中心とした再処理事業に使われると。もう一つ、最終処分はNUMOと言われる原子力発電環境整備機構が使うことになっております。
 やはり、この原発事故を契機に、改めて使用済燃料の再処理、中間貯蔵、最終処分、いわゆるバックエンド問題について、やはり従来方針を単純に追認するということが本当にいいのか、本当に核燃料サイクル事業というものがこれから進めることができるのかということは、本当に大きな、これはもう国民を挙げた大きな議論をしていかなければいけないところだと思っております。
 そもそもバックエンド問題というのは、原発推進の方も反対の方も、反対といっても今間違いなく使用済燃料があるわけでありまして、それをどう処理していくのか、どう最終的に処分するのか、これには目をつぶることができません。そういった意味におきましては、私はこの最終処分についてやはり一定の、将来世代だけに負担を押し付けるんではなくて今から積立てをするということの必要性は十分認識しておりますけれども、一方で本当に今の核燃料サイクル事業が本当にもつんだろうかということは、もう是非政府を挙げて議論をしていただきたいと思いますし、私たち国会議員も本当に真剣に議論をしていかなければいけないのかなと思っております。
 ちょっと今日は時間がありませんので、この中で最終処分積立金の方に着目をしていきたいと思います。これは、キロワットアワー当たり七銭、これ先ほど言いました二十二円ですけれども、これ、いずれ必要な経費であるということは先ほど申しましたとおり理解しております。しかし、今実際に最終処分地は決まっておりませんし、まだ最終処分は始まっていない。この段階で、この原子力発電環境整備機構の事業費に毎年五、六十億円程度積立金から取り崩されて事業が行われております。現在はどのようなところに使っているんでしょうか。
#56
○国務大臣(枝野幸男君) 最終処分地決まっておりませんから、そのことに対する直接の支出はないわけでありますが、最終処分に向けた調査検討等についての一定の経費は掛かるということでございまして、そうしたことに支出されているという状況でございます。
#57
○舟山康江君 ちょっと非常に分かりにくかったんでありますけれども、この中で、毎年五十億円超、六十億円程度の事業費の中で、技術開発費というところに約十億円使われておりまして、あとは人件費に十二億四千百万、広報活動費が先ほどちょっと指摘しましたけど二十六億円ですね。
 これ、地層処分に関しましては、先ほどのエネルギー特別会計の方から平成十年から毎年地層処分技術調査等委託費ということで原子力研究機構さんとかに支出されて、三十四億円程度エネ特から支出されております。このほかに、このNUMOが独自にやっている技術開発費約十億円、何に使っているのかというところが非常によく分かりませんけれども、大臣、これは具体的にもう少し分かるでしょうか。
#58
○国務大臣(枝野幸男君) これについては、処分施設建設地の選定に必要な技術の整備を行うとともに、長期にわたる地層処分事業を的確かつ効率的に推進するために必要な技術の開発ということで、例として、設計・施工技術の体系的な整備と技術オプションの整備、様々な設計オプション、例えば廃棄体の置き方などについて想定した評価技術の整備等に使われていると承知しております。
#59
○舟山康江君 全く必要ないとは言いませんけれども、そういった事業に、その置き方の調査というところに十億円というのはちょっとなかなか理解できないのかなと思っています。やはり、特別会計、歳入があるから支出が少しチェックが甘いという指摘をさせていただきましたが、これも間違いなくここに積立金が積み立ててあると。そこから自由にというか、チェックは当然ありますけれども、そこから取り崩して事業費に充てられるというところで、やはり少しチェックが甘いんではないかと思います。
 人件費に十二億四千百万円と申しましたけれども、ここのNUMOには、役職員を入れて、三人の非常勤職員を入れて八十四人の方がここで働いておられます。単純に八十四人でこれを割りますと、一人当たり千四百七十七万円です。非常勤職員、非常勤理事を入れて約千五百万円というのは非常に高額、普通の感覚からするとちょっと人件費が高いんではないかと思っておりまして、広報活動費の二十六億円もやはり恐らく、多分、財務大臣うなずいていらっしゃいますけれども、相当、普通一般の感覚からすると、ちょっと何でこんなに要るんだろうというふうになると思います。ここはやはり改めて、しっかりとここについても精査をするということをお願いしたいと思いますけれども、枝野大臣、いかがでしょうか。
#60
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、このNUMOの人件費については、多過ぎるのではないかという指摘を踏まえて精査をいたしたいと思っております。
 従来は、電力会社との交流人事が多いということで、電力会社を参考に給与体系を決定していると聞いておりますが、そもそもその電力会社の給料そのものが、少なくとも、これは民間企業でありますが、原価、規制料金の原価についてどこまで入れていいのかということは、これは経済産業省で規制できますので、有識者会議において検討をいただいているところでもございます。この検討状況も踏まえながら精査をさせていただきたいと思っております。
 それから、広報費でございますが、従来様々なことをしていたようでございますが、平成二十三年度、しっかりと予算後に、具体的な広報活動については三・一一を受けて状況違っているということを踏まえた対応をさせているところでございまして、従来のマスメディア等を使った広告についてはキャンセルをさせて、キャンセル費等が具体的に支出をされているものの大部分になるという状況にしております。今後についても、状況まさに変化をしておりますので、しっかりとチェックをしてまいりたいと思っております。
#61
○舟山康江君 是非よろしくお願いします。
 続きまして、エネルギー特別会計のもう一つのお財布であるエネルギー需給勘定について見ていきたいと思います。
 石油石炭税を財源とするエネルギー需給勘定ですけれども、こちらも多額の一般会計留保分が存在しております。目的税である以上、必要額のみを徴収すべきという声もあると思いますけれども、それは今日はおいておきます。それにしましても、二十二年度決算では、一般会計留保分を除いた需給勘定そのものを見ても、翌年度に四百二十八億円繰り越したほか、千四百十七億円もの巨額の不用額が発生しています。それ以前も毎年多額の剰余金が発生しています。
 これに加えまして、今審議中でありますけれども、租税特別措置法等の一部改正案におきまして、地球温暖化対策のための税として石油石炭税の税率上乗せを措置するということとなっています。この温対税上乗せによりまして、初年度で三百九十一億円、平年度で大体二千五百億円程度の増収を見込んでいると、そういったことでありますけれども。
 これ、一般会計で石油石炭税の一部を留保したり不用額を発生させたりしながら、新たに温対税を上乗せすることをどのように説明するんでしょうか。そしてまた、エネルギー特別会計で扱う必要性はどこにあるんでしょうか。環境大臣にお願いしたいと思います。
#62
○国務大臣(細野豪志君) まず、環境税、温暖化対策税というものをなぜこの特別会計でということでございますけれども、これは石油石炭税に実質的に上乗せをお願いをするという形で導入することになりました。なぜ石油石炭税なのかというところですが、様々なCO2を削減するエネルギー源というのはあるわけですが、基本的に一番根っこのところでかかわってくるのがこれは石油石炭税ということでございます。その先に電源、いわゆる発電もあれば、軽油とかガソリンとかいうことも来ますので、それ全体にできるだけ薄く、そして幅広く乗せさせていただきたいということでこういう形を取らせていただいているというところでございます。
 不用額があるのになぜ税を取るのかというところでございますけれども、この不用額というのは一般会計にはないわけです。特別会計だから不用額があって繰り越せるという、これは制度の一つの、何といいますか、問題点として従来から指摘をされてきたところで、私も野党時代何度もそのことを指摘をいたしました。
 枝野大臣からも先ほど、さらには総理からも先ほどいろいろ答弁ありましたけれども、エネルギー特会自体の在り方は常にやはり見直していかなければならないというふうに思っておりまして、私に関するところでいうと、例えば安全規制対策などはこれまで非常におろそかになってまいりました。新たな目的として明確に位置付けてそこに支出をするというふうなこともやっていかなければならないというふうに思っています。
 ですから、不用額がなぜ立ってきたのか、果たしてそれが適切なのかということも含めて、不断の見直しをする中で減らしていくということが重要であると考えております。
 話、ちょっと済みません、前後してしまいましたけれども、温室効果ガスに関する温暖化対策税については、ある程度の負担をお願いすることでできるだけエネルギーの支出を抑えたいと、量を減らしたいと、そして、出てきたものについてはできるだけ有効に温暖化対策に資するような形で使わせていただきたいということで是非御理解をいただきたいと考えております。
#63
○舟山康江君 ありがとうございました。
 私は温暖化対策の必要性はもう十分認識しておりますし、こういった税が必要だということも私は推進したいと思っていますけれども、逆に、この石油石炭税の上乗せというところになりますと、エネルギー需給勘定に入って、それこそ燃料安定供給対策とエネルギー需給構造高度化対策と両方ある、こういう中で本当に温暖化対策に使われるという担保がどこにあるのか、使うことがきちんと保証されるのかというところが非常に弱いんじゃないかと思うんですね。別枠にするなり別のことを考えていかないと、石油石炭税の特例では非常に弱いんじゃないかという、そういう問題意識で質問をさせていただきました。
 実際に今年の予算案を見ますと、エネルギー需給勘定のうち、いわゆる燃料安定供給対策ですね、これは温暖化対策とは関係ない、安定的な石油の購入とかそういった方ですけれども、そちらの方の予算が七・五%の増額となっている一方で、温暖化対策を含む方の需給高度化対策の方は逆に八・七%の減少になっています。こういったところを見ても、やはり本当にこれが温暖化対策に使えるのかということがきちんと担保されるような手だてを是非お願いしたいと思います。
 それと、温暖化対策というのは、私は、排出抑制ともう一つ吸収促進、吸収源対策と両面で達成できるものではないかと思っているんですね。現に、京都議定書の第一約束期間におきましては、六%削減約束のうち三・八%は森林吸収源の確保によるものなんです。
 そういう意味では、この温暖化対策税の使途に森林吸収源対策を位置付けるべきだと考えておりますけれども、これは大きな決断ですので、総理、是非決断をいただきたいと思います。
#64
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 温対税についてはもう十分御理解いただいていると思いますが、その上での森林吸収源対策についてでありますけれども、これについては平成二十四年度の税制改正大綱が記述をしておりまして、これを踏まえて対応したいと思うんですけれども、平成二十五年以降の地球温暖化対策の国内対策の策定に向けて検討する中で、国全体としての財源確保を引き続き検討していくと、こういう扱いの中で議論をしていきたいというふうに思います。
#65
○舟山康江君 是非、総理、もうここは決断していただきたいと思うんですね。非常に曖昧なんですよ、まだ今の位置付けでは。
 先ほど申しましたけれども、排出抑制と吸収促進、吸収源対策、これがセットで初めて私は温暖化防止、温室効果ガスの排出抑制に結び付いていくんだと思っています。ここで森林吸収源対策を位置付けないということは私は理屈が通らないと思っておりますので、是非、総理、よろしくお願いします。
 それと、政策目的がエネルギー由来CO2削減であることから、今これ使途が経済産業省と環境省に限定されています。例えば、農林水産省の様々な再生可能エネルギーにはこの予算は使えないことになっております。今年は運用の中で環境省の予算の一部が少し広がったというふうには聞いておりますけれども、これは法律で使途が限定されているような状況ですので、是非これは特別会計に関する法律改正を早急に行っていただきたいと思いますけれども、財務大臣、いかがでしょうか。
#66
○国務大臣(安住淳君) 御指摘は、石石税を経産省と環境省以外の役所でも使えるようにしたらどうかということなんですね。
 二十五年度の予算の概算要求前に、再生可能エネルギーの促進普及のための新規事業などの事業選定を検討する関係省庁の会議を政務レベルで開催することを、経産、枝野大臣のところで中心としてそれをやろうじゃないかということで検討を開始したところであると聞いておりますので、御趣旨は十分私も分かっているつもりでございますが、法律改正でやるというのもありますけれども、関係省庁間でまず検討していっていただくことになるというふうに思います。
#67
○舟山康江君 だって、法律に、特別会計の法律に使える省庁がその二省しか書いていないんですよ。だから、ここを変えていただかないと本当に抜本的な改善にはならないと思いますんで、是非、その省庁間の話合いとか措置をとるとかではなくて、法律改正で対応いただきたいと思います。
 最後に、原発事故を受けたこの損害賠償に関しまして質問させていただきたいと思います。
 原発事故による原子力損害の賠償につきましては、原子力損害賠償紛争審査会の中間指針にその基準が示されております。この中で風評被害についても規定をされているところでありますけれども、この風評被害のところで、「一般的な基準としては、消費者又は取引先が、商品又はサービスについて、本件事故による放射性物質による汚染の危険性を懸念し、敬遠したくなる心理が、平均的・一般的な人を基準として合理性を有していると認められる場合」とありますけれども、ちょっと私、難しくて解釈がよく分かりません。どのように解釈すればいいんでしょうか。実際には被害がないんだけれども、危険はないんだけれども、消費者とかがその危険性を心配してその商品は買わないとかそこには行かないということはこれに含まれるんでしょうか。
#68
○国務大臣(平野博文君) 議員からの、風評被害と、こういうことでございます。特に、中間指針におきまして、本件の事故と相当な因果関係と、これまた非常に法律的な言葉でございますが、認められる場合には、一般的基準として、今委員御指摘の、消費者、取引先が、商品又はサービスにおいて放射性物質による汚染の危険性を懸念し、敬遠したくなる心理が、平均的、一般的な人を基準として合理性を有すると、こういう非常に分かりにくいところでございますが、賠償の私は対象になると、このように思っております。
 中間指針の考え方については、相当因果関係、これも法律用語的な言葉でございますが、特に原賠法、紛争審査会等々におきましては被害者の立場に立っての考え方で公平、客観的に対応していくものと思っておりますので、よろしく御理解ください。
#69
○舟山康江君 今の大臣の御答弁は、非常に重要で非常に重いと思っています。実際に放射性物質の影響があるないにかかわらず、そういう行動を取る場合にはそれは該当し得ると、そして、しかも被害者の立場に立った方向でしっかりと賠償の検討をすべきだというその二点は非常に重いと思っています。
 パネルを御覧いただきたいと思います。これは原子力損害賠償紛争審査会第十回で配付された資料からの抜粋であります。観光分野における専門委員会報告として提出されたものですけれども、このうち、この問い一ですね、上、原発事故の影響でキャンセルが相次いだが、その影響はどの範囲か、問い二、放射能の影響を懸念し、旅行先としたくない地域はどこかについて結果を示したものであります。この解説もありまして、この解説によりますと、事故発生県を中心に近隣の地域にも広く及んでいる、放射能の影響を懸念し、広く東日本エリア全体が旅行先地域として回避される傾向があるというような注意書きがされております。
 観光業の風評被害につきましては、中間指針では、福島県のほか、茨城、栃木、群馬、その四県ですね、四県についてのみ相当因果関係のある損害と認めていますけれども、なぜこの四県に限定しているんでしょうか。
#70
○国務大臣(平野博文君) 四県になぜ限定をしているのかと、こういうことでございますが、特に観光業の風評被害、こういうことにつきましては、事故発生県である福島県と地理的に隣接性があるということ、事故後に審査会の専門委員によって行われた旅行者の意識にかかわる調査結果、さらには、農林水産物の出荷制限等がどういう状況になっているかということを総合的に勘案し、全県としての事故との相当因果関係と認められる県として、先ほど委員御指摘の福島県、茨城県、栃木県及び群馬県を明示したところでございます。
#71
○舟山康江君 このパネルを御覧いただきますと、例えば群馬県、この赤い棒のところが認められている四県ですけれども、この群馬県よりも例えば山形県は、意識もそうですし、旅行先としたくないというところでも両方そこよりも上回っているんですね。そういう中で、宮城、岩手は直接の被災県ですけれども、被災県以外で東北全体が非常に高い数値になっております。
 お手元に表を用意させていただきました。こちらにつきましてもこの紛争審査会に提出された資料でありますけれども、これを御覧いただきますと、秋田県、山形県、青森県、やはり東北の直接の被災地以外の東北各県が軒並み大きな売上げ減少になっています。これは一〇年と比較しても、その前の年と比較しても大きな下落となっておりまして、恐らくこれは相当因果関係があるんではないかと思っています。
 先ほど、なぜ四県かというところに、実際に農産物の出荷制限が行われたところと言いましたけれども、それは風評ではなくて実際に被害があったところであって、風評というのは被害がないけれども気分で回避するというところであります。例えば、いまだに宮城県の野菜などは、本当に残念ながら何の数値も出ていないのにほとんど売れていない、非常に価格が安いという状況で、それこそが風評なわけなんですね。こういうところを認めていかないと、本当にこの実態と非常にずれているんではないかと思っています。
 そういう中で、中間指針は一つの指針でありますけれども、今大臣からもありました不安心理、放射性物質が飛散していないのに不安心理で敬遠することがまさしく風評被害だというふうに思っております。東京電力はどのような基準で賠償の範囲を決めているんでしょうか。
#72
○参考人(西澤俊夫君) お答えいたします。
 今大臣からもお話ありました紛争審査会の指針に基づいて支払を定めてございます。ただ、先ほど観光業の件がございましたけれども、もちろん指針にないいろいろ御事情があって、いろいろ御相談も受けてお話合いをさせていただいております。
 例えば米沢の場合は、非常に会津の方と観光圏が一体という形でお話合いをずっとさせていただいておりまして、現在、米沢については風評被害があるという形で認めさせていただいておりますし、あと千葉県の方の太平洋側の地域も茨城に近いということで、これも具体的にお話をさせていただいて、風評被害があるという形でさせていただいております。
 いずれにしても、個別にいろいろ御相談いただいておりますのはいろいろ話合いをさせていただいて、先ほど大臣からもお話ありましたけれども、相当の因果関係があることについてはきちっと賠償という形でさせていただこうと思っております。
#73
○舟山康江君 山形について言いますと、米沢だけじゃないんです。米沢よりも、むしろ離れているところで非常に売上げが落ち込んでいる地域がたくさんあります。今、お手元の表でもそうですけれども、グラフでもそうですけれども、秋田県はもっとひどい状況であります。
 こういう状況の中で、実際に今そういった請求をしている人の話を聞きますと、非常にハードルが高い。立証責任を自分が負わなければいけない。中小の小さい規模の人たちが自分で立証しなければ認めてもらえないというんですね。これは第二十三回、先月開かれました二十三回の紛争審査会におきましても、指針に書かれていないから払わないという対応とか、指針を狭く解釈しようというような主張が見られるなど、東京電力の改善が不十分だという報告がありました。
 そういう中で、これ中間指針に先ほどの例えば四県しか書いていない、農産物については実際に出荷制限の課された地域しか書いていないという状況の中で、中間指針がむしろ足かせになっているという声もありますので、是非大臣、中間指針をしっかりと見直す、適時適切に見直していく。福島県においても、自主避難が県南には適用されてないというところで非常に困っているという声も聞いています。農産物もそうです。是非、中間指針を現状に合わせてしっかりと見直していく、できるだけ被害者に寄り添った形で見直していくということを是非ここで明言いただきたいと思います。
#74
○委員長(山本順三君) 平野文科大臣、簡潔に答弁をお願いいたします。
#75
○国務大臣(平野博文君) 少し議員に、舌足らずなところがあったと思いますが、出荷制限が行われているからということで、そのことで言っているわけじゃなくて、出荷制限が行われているからそういうところに行くことをやめようかなという、そういう心理的な要因と、こういう意味で私申し上げたところであります。
 今、指針を見直せと、こういうことでございますが、先ほど東電の社長からもお話ありましたが、私どもは、やっぱり観光業の風評被害というのはあることはもう私も認識をいたしておりますので、指針の見直し云々ということよりも、しっかりとそういう方々に対して被害があるということを含めて対峙したいと思っていますし、文科省としても東電にもきつくそういう趣旨でお願いをいたしているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
#76
○舟山康江君 以上で終わりますけれども、是非総理、総理も含めて、これ指針があるから、指針に書いていないからということが随分現場に起きているんです。是非、指針の見直し、総理も含めて前向きに検討いただきたい、このことを最後にお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#77
○委員長(山本順三君) 関連質疑を許します。外山斎君。
#78
○外山斎君 民主党の外山斎です。約一年ぶりにこの決算委員会で質問に立たせていただきます。
 前回の質問がちょうど昨年の三月十一日でありました。午前中に質問をした後にあの地震をこの第一委員会室で経験をしたわけでありますけど、あの震災から一年がたちましたが、復興もまだ進んでいるとは言えませんし、瓦れき処理も、まだまだやらなければならないことというものは多いと思います。
 そこで、決算の質問に入らせていただく前に、総理の復興に懸ける思いというものをお聞かせください。
#79
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 昨年の九月に野田内閣が発足をいたしましたけれども、最優先、最大の課題は、復興と原発事故との戦いと日本経済の再生と申し上げました。まさにその思いは今年も変わりません。特に復興については、今委員御指摘のとおり、政府としては懸命に取組を進めてきたつもりでありますが、被災地の皆様からは遅いあるいは行き届いていないという御批判もちょうだいをしています。
 そういうことを真摯に受け止めまして、これは与野党で建設的な議論を行ったおかげで、復興庁であるとか復興交付金とか復興特区といった新しい復興を推進するための制度や組織をつくっていただきました。そういうものをしっかりフル稼働させながら復興のピッチをしっかりと上げていくこと、それが私どもの使命であるというふうに考えております。
#80
○外山斎君 お答えありがとうございます。是非、復興のピッチを上げていくためにも、やはり国がリーダーシップを発揮して、しっかりとやっていただきたいというふうに思っております。
 それでは、平成二十二年度決算についてお尋ねをいたします。
 東日本大震災でも大変活躍をした耐震強化岸壁でありますが、平成二十二年度の決算検査報告では、会計検査院の方から指摘を受けております。十六都道府県に整備した百三十九の耐震強化岸壁を大規模地震が発生した直後でも速やかに機能を発揮できるかどうかを検査したところ、延べ四十六バースで不適切な運用や管理が見付かりました。
 耐震強化岸壁は、緊急物資や避難者の輸送を目的とするものと国際海上コンテナの積卸しができるものと、二つに分かれるわけでありますけど、緊急物資用のバースでは消波ブロックなどが野積みされていたり、また国際海上コンテナ用のバースでは、ガントリークレーンに免震装置が付いていなくて震災時には倒れて使えなくなるのではないかというような可能性があると言われております。
 これらの会計検査院からの指摘を受けて国交省としてはどのように改善を取り組んでいるのか、そしてまた、いろいろ改善を港湾管理者の方に指摘していると思いますけど、やはり指摘した後に国交省としてこれはしっかりと調査をしないといけないのではないかというふうに思っておりますが、国交大臣のお考えをお聞かせください。
#81
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおりでございまして、端的に言えば、荷さばきスペースにおける御指摘のようなそういうブロック等の構造物、そういったものは全て撤去すると。それから、現在、港湾管理者が簡便に耐震性能を測定できるような、そういった仕組みを今検討中であります。
 申し上げれば、耐震強化岸壁というのは、震災発生時の緊急物資の輸送や復旧復興時の地域の物流拠点の確保を目的として耐震性を向上させたものでありまして、これは確かに去年の東北大震災において大きな成果を、機能を発揮しているんですね。それだけに、今御指摘のようなことは、これはもう是非改良したいと思います。
 そして、その御指摘について、今申し上げたようなことなんですが、荷さばき用のスペースなどに岸壁の利用に支障を来すそういう構造物は置かないように港湾管理者に助言をするという指摘があり、これについては港湾管理者を指導して、現在は全ての港湾で問題になるようなそういう障害物は全て撤去済みでございます。
 また、改定前の、というのは、これは平成十一年の基準に基づいて整備された耐震岸壁等があるわけですが、そういったところについての耐震性能の再点検、あるいは免震対策等を行うよう、御指摘のとおり、今助言をしているところでありまして、岸壁を適切に測定するため、港湾管理者が簡便にその耐震性能を測定できるようなチャートを作らせております。
 こういったことを踏まえて、対策の実施を指導していくつもりでございます。
#82
○外山斎君 お答えありがとうございます。
 是非、多分、時がたっていくごとに忘れて、また置いたりするということもあり得ると思いますので、定期的に国交省の方からも港湾管理者の方に調査、指導をしていただきたいというふうに思っております。
 このような指摘を受けた耐震強化岸壁でありますが、三月十一日の東日本大震災ではこの機能が十分に発揮され、人員、車両、建設機械等の緊急輸送を可能とし、被災地での救援・復旧活動の大きな足掛かりとして寄与いたしました。
 ただ一方で、被害の広域化によって生じた支援物資を運搬する大型船舶に対応できない等の問題点も東日本大震災で浮き彫りになりました。また、近い将来起こると言われている東海・東南海・南海・日向灘沖地震の対象エリアには、まだ三十六もの耐震強化岸壁が未整備の港が残っております。全てをすぐにというのは財政的に大変厳しいのかもしれませんが、備えとしては、私はこれは急がなければならないのではないかというふうに思っております。
 そこでお尋ねいたしますが、大規模船舶対応と大規模地震が近い将来起こると言われている地域の未整備の港に対して大臣はどのように考えているのか、お聞かせください。
#83
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
 御指摘のように、百六十九バースの計画のうちまだ三十六が未整備ということで、これはもうなるだけ早く整備を進めていきたいと思います。現在、交通政策審議会港湾分科会防災部会というのがあるんですが、そこにおいて具体的な対応策を検討しておりますが、五月末には取りまとめの予定でございます。
 加えて、私自身が国交省で言っているのは、港湾関係それから道路局、まあ港湾局、道路局、どうしても縦割りになりがちなところがあるんですね。それに加えて鉄道関係、鉄道局。港湾を拠点として、こういう拠点港湾を中心として、そこにいかに物流が総合的にうまく回るようにするか、また災害のときにどうするか、そこは統合してやるようにということを指示をしております。
#84
○外山斎君 お答えありがとうございます。
 どうか縦割りを本当になくしていただいて、この耐震強化岸壁に対する十分な予算も付けていただきたいというふうに思っております。
 三月十一日の東日本大震災で耐震強化岸壁の果たした役割は大変大きかったわけでありますけれども、こういったハード面だけでなく、東北地方整備局などのマンパワー体制が果たした役割も非常に大きいものでした。
 そこで、国の進めている出先機関改革についてお尋ねいたします。
 私の地元であります宮崎県も、規模の違いはありますけど、一昨年、昨年と、口蹄疫被害、そしてまた新燃岳噴火などで災害を立て続けに経験しております。宮崎の方々は非常時の厳しさというものをよく理解しているのではないかというふうに思いますが、そのような中、宮崎県内の経済団体が国や県に対して、出先機関改革は地域の声を聞いて慎重に対応してほしいと要望しております。
 確かに我々民主党は、マニフェストで地域主権や出先機関改革をお約束いたしました。しかし、三月十一日以前と以後では大きく状況も変わってきているのではないかというふうに私は思います。そのような状況にもかかわらず、三月十一日以前のスケジュールで物事が進められていることに多くの方々が心配の声を上げているのではないでしょうか。
 先日、全国の市町村長四百四十七名でつくる地方を守る会が結成をされ、拙速に国の出先機関廃止論を進めないように求めております。
 昨年は、地震、噴火、台風被害等、非常に災害の多い一年でありました。また、地球は活動期に入って、今後ますます自然災害というものは増えるのではないかというふうにも言われております。そのような意味では、地域住民の安全、安心に直接責任を有する基礎自治体の声を幅広く聴き、地方の声を反映した上で議論を進めていただきたいというふうに思いますが、地域主権担当大臣の考えをお聞かせください。
#85
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 現在、「アクション・プラン」推進委員会を設けて議論をしておりますが、基本的には、このアクション・プランでは、できるだけ身近な行政は基礎自治体でやろうと、そして、それの部分では賄い切れないというか及ばない部分は広域で、最後どうしてもという部分は国でという、いわゆる補完性の原則ということでやることで進めておりますが、御指摘のように、三・一一という大災害が起こりました。改めて、国民の安全、安心をいかにして守るかということは極めて重要なテーマであることは間違いございません。
 そういうときに、いわゆる地域にできるだけ権限を移譲するという中で、安全、安心を守る防災とか、そういう危機管理をどうするかというのは極めて大きなテーマであることは事実でございます。
 今、推進委員会自体は、これは閣議決定のアクション・プランに基づいて、移譲を受けようとする具体的意思を有する地域との間で十分な協議、調整を行うということになっておりますので、関係内閣府の政務と同時に、関係府省の政務に加えて、移譲を受けたいという意思を今表明されている関西、九州の皆さんと意見交換をしていますけど、当然ながら、関係者から幅広く意見を伺うことが極めて大事であるというのは我々もそう思っておりまして、今お触れになりましたように、地方を守る会に加入していただいている首長さんからも決議をいただいている、丁寧にやるべきである、心配のないようにやらなければいけない、震災の教訓をしっかり踏まえなさいということをいただきました。
 先般、市町村からの意見聴取を実は行いました。その中でも、被災市町村の皆さんにも来ていただきまして、いろいろと意見を聴いたところでございます。こうした意見の聴取の場も増やす中で、丁寧な検討を進めてまいりたいと思っております。
#86
○外山斎君 お答えありがとうございます。
 もっと地方の声を聴く場というものを増やしていただきたいというふうに思っております。
 先ほど、権限移譲というものは希望する自治体からいろいろ始めていくというようなお話がありましたが、私の地元である宮崎県を含む九州と関西広域連合が先に手を挙げているわけですから、ただ、私が思うのは、もしこういった権限移譲を進めるのであったら、これは国の形を変えるという話なので、これは日本国全部で同時に進めていかなければならない話なのではないかというふうに思っております。
 四国も広域連合を設立するわけですけど、四国は地方整備局移管は反対の立場です。また、関西では奈良は広域連合に入っておりませんし、四国の徳島は四国にも関西にも入っているわけであります。これでは、国の形が大変いびつな形になるのではないかなというふうに感じます。受皿がしっかり決まっていない中で、先行して出先機関の廃止を進められてもこれは困るというのが多分地方の声だというふうに思っておりますので、是非しっかりと地方の声を聴いていただきたいというふうに思います。
 そこで、一つ指摘をしておきたいのですが、四百四十七名の首長さんたちが地方を守る会を結成したのですが、なぜこんな動きにつながったのか疑問を感じます。
 全国市長会も全国町村会も九月二日の共同声明の中で、国の出先機関の原則廃止を断行すべきと発表しております。なのに、四百四十七名の首長さんたちは逆のことを言っております。それは多分自分たちの声がしっかりと伝わらない仕組みになっているのではないかなというふうに感じておりますが、そこで地方六団体を調べたら、事務総長は六団体中の五人が総務省出身でありました。これは地域主権改革を進めている総務省出身です。残りの知事会も、事務総長は総務省出身ではありませんが、事務次長が総務省出身です。
 今までいろいろな委員会の場で総務省から地方六団体への天下りが指摘をされております。一昨年の四月の行政監視委員会で、同僚の藤原良信議員の指摘に対し、当時の原口大臣は、「総務省としても今後様々な考え方についてそういう疑いを受けないようにしていきたい」と答えられておりますが、全く改善をされておりません。本来、真の地域主権を目指すなら、総務省からの地方六団体への天下りは禁止すべきだと思いますが、それこそ我々民主党がやらなければならないことだというふうに思っております。
 これを受けて、総務大臣の考えをお聞かせください。
#87
○国務大臣(川端達夫君) 地方六団体のうち五団体にそういうOB、経歴を持った人がおられることは、事務総長をしておられることは事実でございます。そして、これは都道府県知事、六団体というのは都道府県知事、都道府県議会議長、市長、市議会議長、町村長、町村議会議長が、その相互の連携を緊密にして、共通の問題を協議し、処理するために設けられた地方自治法第二百六十三条の三に基づく全国的、法的な根拠であります。そして、この事務総長の任免はそれぞれの団体の規定がございまして、そこで、理事会等に諮った上で会長が任免を行うということであります。
 そこで、今御指摘でありますが、俗に言う天下りの定義というのは、かねがね内閣の見解も含めて、あっせんをしてそこへ行っていただくということでありますが、これは、この規定に基づいてそれぞれが自主的に任免をして、理事会を開いて、全国例えば知事会の会議の中で決定をされるということでありまして、自主的に決められているということであることはまず御理解をいただいていると思うんですが、その中で、今までの国会でも御案内のようにいろいろな議論がございました。ただ、総務省がこれを、何か押し付けてやっていくからということではありませんし、自主的に手続を踏んで決めておられるものを引き揚げろということを言う権限は持っておりませんので、ただ、いろんな議論があるということで、地方六団体が、そういう世論もあるという中で、手順に従って疑いの、疑いというか、疑念を持たれないような人選をしていただくことがいいのではないかというのが、御指摘の、そういう議論があるのも踏まえたことであろうというふうに思います。
 なお、現在、五人の方はそれぞれ任期を更新しておられますけれども、政権交代前からの継続した方でありまして、それぞれの節目で、それぞれの団体において議論の上決定をされていることでございます。
#88
○外山斎君 お答えありがとうございます。
 実に、多分、役所が書いた答弁のような感じを受けます。天下りに関して言えば、多分多くの人たちは、テレビを見ていらっしゃる方々は、これこそ天下りの象徴なのではないかなというふうに思っておると思います。
 これ、多分、平成二十三年四月二十八日でありますけど、当時の片山総務大臣が、全国知事会は本当にもう初めて天下りではない事務総長を自ら任命されまして、私は随分変わったなと思いますというふうに答弁をされております。
 ということは、残りの五団体に関しては、これは天下りだということだというふうに私は思いますが、どちらかというと原口大臣のときよりも若干後退したような印象を受けますので、是非、この天下り禁止、そしてまた総務省支配というものを川端大臣の力で変えていただきたいというふうに思います。
#89
○国務大臣(川端達夫君) 国会でそういういろんな議論があることは事実でありますが、そういう中で、例えば全国知事会は今度の事務総長をどうするかという御議論の中で自主的にお決めになったわけであります。したがいまして、それぞれに今、何かこれやめろとかそういうことを言うことはむしろ介入でありますから、してはいけないことだという趣旨で申し上げたことだけは御理解をいただきたいと思います。
#90
○外山斎君 お答えありがとうございました。
 それでは、水際対策に移らせていただきます。
 災害といいますと、一昨年、私の地元の宮崎県は口蹄疫被害に遭い、甚大な被害を受けました。昨年もこの委員会で同じ質問をしましたが、あのような悲劇を二度と繰り返さないためにも島国の我が国は徹底した水際対策をやるべきだというふうに感じております。昨年の私の質問に対して鹿野大臣からは、十分な水際対策を講じている、万全を期してまいる等、力強い御答弁をいただきましたが、本当に徹底されているのか疑問に感じます。
 昨年改正された家伝法では、動物検疫所所長は、航空会社、空港等に対して協力を求めることができるという新しい規定を盛り込みました。農水省の説明では、入国者に対する水際検疫の強化として、全便に対するアナウンス等による質問、呼びかけを行っているということでありました。
 以前から水際対策に対して大変疑問を感じておりましたので、昨年末、プライベートで韓国に行って、そのときにどのような水際対策を日本はやっているのかというふうに見てまいりました。私の受けた印象としては、韓国の方がしっかりと水際対策をやっているのではないかなというふうに感じて日本の方に戻ってきたんですけど、このアナウンスというものはなかったんです。
 残念ながら水際対策というものが徹底されているというふうには思いませんけど、農水大臣としてどのように思われるのか、お答えください。
#91
○国務大臣(鹿野道彦君) 口蹄疫等のいわゆる発生というものはまだ最近におきましても近隣のアジア諸国で継続しているわけでありますので、この水際におけるところの対策というものはしっかりとやっていかなきゃならない、特に動物検疫の的確なる実施というものが非常に大事だと思っております。
 そういう中で、二十二年の以降におきまして、いろいろな水際の対策につきましてアナウンスというふうなこともお願いをしてまいりました。しかし、今委員からの御指摘で、そのアナウンスがなされなかったと、こういうことでございますけれども、そういう事実を踏まえて、実は、昨年の家伝法、いわゆる家畜伝染病の予防法の改正時の前におきましても、航空会社の方にアナウンス等々のことにつきましても是非お願いしたいということも要請をしておったんですけれども、更にこのような状況を踏まえて私どもの方から航空会社に対する全面的な協力をお願いをしてまいりたいと思っております。
#92
○外山斎君 お答えありがとうございました。
 今のような本当水際対策ではウイルスの侵入をこの国に許してしまうのではないかと大変心配しておりますので、しっかりと体制を組んでやっていただきたいというふうに思っております。
 実は、今日、こういうカードをお持ちしたんですけど、このカードというものは動物検疫所が配っているカードです。農場に立ち寄ったか等いろいろ聞いているんですけど、しかし口蹄疫が疑われている国から入国をされる全ての方にこのカードは配られているわけではありません。抽出された飛行機の便の乗客に対してのみこのカードを配っております。いろいろ理由を聞きますと、動物検疫所の予算が少ない等、人員が少ないというものもありましたので、昨年のこの委員会でも、私は、もうちょっと動物検疫に関しては予算を付けたらいいのではないかというような指摘もさせていただきました。
 ただ、一番いいのは、全ての口蹄疫の国から、口蹄疫発生国から来る便に対してこれを配るというのが一番いいのでしょうけど、予算的な問題も確かにあると思います。多分、多くの皆さんは、この税関カードですね、これは絶対、多分飛行機の中で全ての人が受け取って記入して書いているというふうに思っております。この動物検疫所のカードというのはどこでもらえるのかというと、動物検疫所に自ら自分が行かなければ、意識レベルが高い人じゃないと受け取れないというような仕組みになっております。
 ですから、例えばこのカードの中にこの動物検疫に関する事項も記入させていただいた方が私はスムーズに物事が進むのではないかというふうに思っております。ただ、これは関税法との問題等多分あると思いますが、関係省庁に対して農水省として働きかけた方がいいと思いますが、どのようにお考えでしょうか。
#93
○国務大臣(鹿野道彦君) 一つの統一した形でという質問書に対しても回答をもらうというふうなことだと思いますが、いわゆる口蹄疫等の発生国からの入国者に対して限定して求める質問と、それから全ての国からの入国者に対して税関申告書を統一するということについては、いわゆる果たして利便性なりあるいは関税業務というふうなものの調整を考えたときにどうなのかというふうなことから、私どもも慎重に検討していかなきゃならない問題だなと、こう思っております。
#94
○外山斎君 お答えありがとうございます。
 その関税業務等、いろいろ業務が多くなるということで大変厳しくなるというのは分かっておりますが、ただ、こういった分をほとんどの人が受け取っていないというふうに思いますので、何らかの努力なり働きかけなりというものをしていただきたいというふうに思っております。
 それでは、質問を領土に関する質問に移らせていただきます。
 先日、ロシアのプーチン首相が、日本との領土を最終決着させたいと強く望むとインタビューに答えられました。総理として、このプーチン首相の発言をどのように受け止めるのか、また、総理の北方領土問題解決に懸ける思いというものを教えてください。
#95
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先般、プーチン次期大統領が外国メディアとのインタビューの中で日ロ関係における領土問題解決の重要性を指摘し、その解決に意欲を示す発言を行ったものと期待をしています。
 私は、そのやり取り、詳細拝見をさせていただきましたけれども、確かに意欲は感じます。ただ、その真意ですね、引き分けという言葉を使っていましたけれども、その真意等については、これはもう直接会ってそして話し合う中でしか見えてこないと思いますので、先般、三月五日でありますけれども、あの大統領選挙当選確実となった中で電話会談を行わさせていただきました。当然、私の方からは祝意を示させていただいたと同時に、この領土問題について英知ある解決を目指そうということで、これから本当にしっかり議論をしていこうという形でお話をさせていただきました。
#96
○外山斎君 お答えありがとうございます。
 先ほど総理からもプーチン首相の引き分けという言葉がありましたが、北方領土は不法に奪われた、不法に奪われて不法に占拠をされているわけであって、四島の返還なくして我が国には引き分けはありません。
 昨日の衆議院予算委員会で総理は、歯舞、色丹は面積でいうと七%、残り九三%が来ないなら引き分けにならないという御答弁をいただきました。我が国は、北方四島の帰属に関してはバナナのたたき売りのように譲歩は決してしてはならないというふうに思っております。
 総理は先日の発言で、先ほどもそうでしたけど、プーチン首相との間で英知ある解決に取り組みたいというふうに発言をされておりますが、この英知ある解決というものは何を意味しているのか、お聞かせください。
#97
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 日ロ両国のその立場というのは、残念ながらこれは大きな開きがこれまでございましたので、双方にとって受入れ可能な解決策を見出すために知恵を絞っていこうという意味で英知ある解決という言葉を使わせていただきましたけれども、その際に、私どもの基本となる姿勢というのは、これまで日ロ間の交わされた諸合意そして諸文書、法と正義の原則に基づいて北方四島の帰属の問題の解決に向けて精力的に議論をしていくというのが基本的な姿勢でございます。
#98
○国務大臣(玄葉光一郎君) 外山委員、質問ありがとうございます。
 野田政権はロシアを重視しています。戦略環境が変わっていく中で日ロ関係は新たな重要性を帯びつつあるというのが野田政権の認識であります。したがって、あらゆる分野で日ロ関係、深化させていくと。その流れの中で最大の懸案は、おっしゃるとおり北方領土問題であるということであります。
 一月に外相会談も行って、四時間半様々な議論をいたしましたけれども、私から、四島は日本に帰属するということを立場としてきちっと言いました。その上で議論を、この領土問題の議論を再活性化させようではないかという提案をいたしましたところ、ラブロフ外相からは、新政権樹立後に行っていこうではないかというお話があったわけでありまして、そういう意味におきましては、今回のプーチン首相の発言というのは、そのときと言わば軌を一にするものであるというふうに思っています。
 今、日ロ関係に信頼醸成ができてきていますので、そういった信頼関係の下で、この北方四島の帰属の問題を今総理がおっしゃったようにこれまでの諸合意、諸文書、法と正義の原則に基づいて直接話し合って、こういう場での公開論争ではなくて、直接話し合ってやはり交渉というものは進めていくものであるというふうに考えているところでございます。
#99
○外山斎君 お答えありがとうございました。
 是非、野田政権でこの北方領土、解決に向けて全力を挙げて取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 私は今、日本人というものは大変領土に対して関心がなくなってきているのではないかなというふうに大変危機感を感じております。
 このパネルは、日本青年会議所が全国の高校生を対象に地図を示して日本の国境をかかせる調査を行ったときに使った地図です。(資料提示)全てに答えられたのは一・八%の高校生でした。これはもう驚くべき数字だというふうに思っております。北方の国境でも一四・八%と非常に低いわけです。
 私は小さいころに、多分これは政府広報だったと思いますけど、北方領土の日のCMを見てこの国に北方領土の問題があるというものを意識をさせられました。やはり、そういう意味では、国民に対する啓発というものは非常に大事なのではないかなというふうに感じております。
 今年度の予算では、北方領土に関する予算は約二十億円、対前年度比一七六・四%と大きく付けられました。これは北方問題を解決する意思の表れだと高く評価したいわけでありますが、しかし有効に使われているのか疑問に感じます。
 主要七都市で、学べる参加型クイズイベントで、これ約一億二千万円使われております。全部で参加者は千九百人だったそうです。一会場当たり三百人弱ぐらいの少ない参加者だったわけでありますが、内容を見てみるともっとひどいんです。
 例えば、このクイズの中で、日本でも人気のすしネタであるイクラ、実は魚の卵という意味のロシア語が語源です。ロシアでは、サケの卵は赤いイクラ、キャビアは黒いイクラと呼ばれております。さて、同じくロシアではイクラと並ぶ高級すしネタのウニは海の○○のイクラと呼ばれているのですが、それは次のうちどれでしょう。一、ハリネズミ、二、クリ、三、たわし。答えはこれはハリネズミのようですけど、これのどこが北方領土の啓発につながっているのかなと。
 これ、「R25」という雑誌です。これに北方領土の経費を使って特集を組んでおります。まあ出来は何かいいなと思って見てみますと、北方領土に関してはこのQ&Aのクエスチョンだけです。このQ&Aのクエスチョンというものも、次のうち北方領土に生息している動物を選んでくださいというようなものなんですね。残り、ほとんどこれはロシアの紹介になっております。これはロシアの宣伝になっているわけです。
 これのどこが北方領土問題を啓発するためのものなのかというのを私は非常に疑問を感じるわけでありますが、北方担当大臣、お答えをください。
#100
○国務大臣(川端達夫君) 二〇一〇年に内閣府が北方問題に関する特別世論調査、今のはJCのをされましたけれども、そういう調査をいたしましたところ、全年代平均でいいますと約四〇%の方が北方領土問題に対する認知をしているということでありましたけれども、二十代は二五・一%、三十代は三四%ということで、やっぱり若い人が非常に関心が、認知が低い。
 同時に、報道を調べますと、東京都あるいは北海道という地域で出されている新聞というのですと、三年間で四千五百件、北海道で三千百件、これは一位、二位なんですが、三位は、長野県は三百四十五件ということで、一気にローカルでは報道が少ないと。そういうことを含めて、やっぱり若い人に対しても関心を持ってもらおうということでありまして、そういう中で、今のは「R25」の御質問でございましたけれども、「R25」というのは主に二十歳代から三十歳代の前半までのフリーマガジン、結構人気があるということでありまして、いろんな議論の経過の中で、北方領土に関心の薄い若い人に読んでもらおうという、若い人を対象にするということで、この問題を「R25」で取り上げてはどうかと。それから、方法を議論された中で、北方問題を前面に出さずに現在のロシアについての情報提供をしてやろうと。それから、ソフトな切り口という形で取り組まれたということでございます。
 当該の「R25」を読んだ十五歳から三十九歳までの二百人に北方領土問題について尋ねたところ、きちっと考えたいことだと思ったとか課題の内容が分かった等の回答が六割ぐらいありましたので、一定の効果はあったと思います。効果的な啓発方法については、今後とも、先生はテレビを御覧になっている、いろいろと検討をしてまいりたいと思っております。
#101
○外山斎君 お答えありがとうございます。
 ただ、私も、このレクの中でこの問題というものを見付けたわけですけど、質問レクの中で。内閣府の職員が、今大臣が答弁されたようなことをずっと言われておりました。ただ、本当にこれが果たして啓発に役立っているのか。
 私は、若者に対してアプローチをしていくというのは決してこれは間違いではないと思います。この雑誌を使うのも決して間違いではないと思います。ただ、問題は中身なんです。北方領土に関してはQ&Aのクイズしかやっていない。もっと若者に分かりやすく北方領土問題というものを、どういったものなのかというものを本来は国がやるべきなのにもかかわらず、やっていることというものは、これはロシアの紹介しかやっていない。これでどこが北方領土の啓発につながるのか。それに対して私は疑問を感じておりますし、こういう無駄な予算というものは、絶対これ、特に民主党政権だからこそやっちゃいけないんですよ。それをやってしまった。そこに対して、沖縄北方担当大臣は全く反省がないのではないかというふうに私は思ってしまいます。
 御答弁お願いします。
#102
○国務大臣(川端達夫君) これは、先ほど予算のグラフをお示しいただきましたけれども、この広報をし世論喚起することが今の日ロの領土交渉を含めて極めて大きな後押しであるという認識の中で、今年度の予算が大幅に増額されて、その中で若者に対してということでいろいろ議論の中でした結果でございますが、御指摘のような御意見、まあやり出した、今年初めてやったわけですから、も含めて、いろんな幅広にこれからの部分では大きな検討としてやってまいりたいというふうに思っております。
#103
○外山斎君 こういうくだらないクイズというものは教育をしっかりやれば必要ないわけでありますから、しっかりと国でこの北方領土問題の啓発、そしてまた教育というものをやっていただきたいというふうにお願いしたいと思います。
 そこで、総理にお尋ねいたします。
 以前は北方領土に関して政府広報のテレビスポットが多かったような気がします。時代の変化もあり、ネット時代に移ってきているとはいっても、テレビスポットの果たす役割というものは大きいのではないかというふうに感じますが、政府広報、特にテレビスポットを使った北方領土問題の啓発に力を入れるべきだというふうに思いますが、総理はどのようにお考えでしょうか。
#104
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 北方領土関連の予算は、先ほど資料でお示しいただいたとおり、予算としては増やしてきているつもりでございます。それが有効に国民に伝わるように、国民のまさに啓発につながるように様々な手段を有効に活用していくことを不断の検討を加えていきたいというふうに思います。
#105
○外山斎君 さっきから何か、大臣も総理も北方領土予算に関しては資料をグラフで示してますがということを言われておりますが、まだ私は示しておりませんので、そこは御理解ください。
 先ほどのJCの調査に戻りますが、正解率が一番低かったのが日本海の国境です。正解率は九・三%です。領土全般に対する意識が低いのですが、特に竹島に対しては低過ぎるのではないかというふうに感じております。
 今年一月二十四日の玄葉大臣の外交演説では、大平外相以来四十九年ぶりに竹島問題について言及をされております。今までのどの政権よりも力強いと感じておりますが、玄葉大臣の竹島問題に懸ける思いというものをお聞かせください。
#106
○国務大臣(玄葉光一郎君) 外山委員が指摘をしていただきましたように、外交演説で取り上げました。確かに四十九年ぶりということのようであります。これは、領土の問題というのは、我が国の主権にかかわる極めて重大な問題でありますから、我が国の立場を確保していかなければならないというふうに考えているところでありますが、外交演説のあの一文というのは、昨今の竹島をめぐる状況というものを踏まえてあのような形で我が国の政府の基本的な立場を述べたということであります。
 この竹島の問題、一朝一夕に解決する問題ではありませんけれども、韓国側に対して受け入れられないものは受け入れられないということをしっかりと伝えて、あわせて、大局的な観点に立って冷静に粘り強く対応していくことが必要だというふうに考えております。
#107
○外山斎君 お答えありがとうございます。
 ここで初めてこの予算のグラフを出しますが、この北方領土の予算と竹島の予算、大変違うんですね。多分、竹島に関しては韓国はそれなりの予算を付けていると思います。日本は毎年外務省の予算で二千万円ぐらいしか付いておりません。是非、この領土問題を解決するためにも、やはり啓発のところにも力を入れないといけないと思いますが、竹島の予算に関して増やしていただきたいというふうに思いますが、総理のお考えを最後にお聞かせください。
#108
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 竹島に関する我が国の立場は、今、外務大臣がお話ししたとおりであります。そういう主張をしっかりとしていきながら、その伝える方法について、あるいはその世論を喚起していく方法について等いろいろあると思います。
 予算の確保については、これは額はまだ二千万ちょっとと言いますが、歴代の政権と比べれば一番増やしてきているんです。そういう取組を、予算確保だけではなく、あとどういう方法があるかもよく検討させていただきたいというふうに思います。
#109
○外山斎君 これで私の質問を終わりますが、是非、領土に対してしっかりと国民の生命と財産を守るという観点から取り組んでいただきたいと思います。
#110
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。
 質問に先立ちまして、まず野田総理にお伺いいたします。
 二月二十九日に行われました衆参の国家基本政策委員会合同審査会での党首討論におきまして、野田総理は我が党の谷垣総裁に対して、衆議院の選挙制度改革について、まずはやっぱり違憲状態を脱するということが最優先ではないかと思います。そのことについては、我が党の自説に固執するということはありませんと述べられまして、一票の格差是正を優先する考えを表明されました。
 ところが、おととい開かれた与野党の衆議院選挙制度改革協議会で民主党の樽床伸二座長は、野田総理に確認したところ、野田総理は、あれは個人的な意見だから協議会の議論を見守っていきたいということだったと述べたとのことであります。これは、この協議会に出席していた我が党の細田博之議員にも確認いたしました。一斉に報道もされております。
 野田総理、これは事実でしょうか。
#111
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 二月二十九日の党首討論のときに一票の格差是正含めての政治改革の議論を谷垣総裁との間で行わさせていただきました。
 そのときに、谷垣総裁からは、優先順位を決めて取りかかっていこうと。そこにはまず一票の格差是正というお話ございました。私自身も、二月二十五日からは違憲状態だけではなくて違法状態に陥るという状況に入っておりますので、そのことを最優先に念頭に入れながら政治改革の議論をしなければいけないということについては、それは思いは共有できるということでございました。その旨のお話をさせていただいたのが党首討論でございます。
 一方で、今、与野党で政党間のこの協議をさせていただいておりますけれども、これについては今、一票の格差是正の問題と定数是正の問題と選挙制度改正の問題、これをひとつ一挙に解決できるような知恵がないかという御議論をいただいております。私どもが意識したのは、最優先で、もう二月二十五日から違法状態に入っちゃっているということを頭に入れながら成案を得るようにという意味であります。
 そこで申し上げたかったのは、我々は与党であります。そして、野党第一党の、その党首同士のまさに、まあ党首、個人かどうかというのはありますけれども、基本的にはその最優先のことを念頭に入れながら、それぞれの各党に働きかけをしながら、三つの話がしっかり成案を得ることに努力をしようという、そういう私は意思確認ができたというふうに思っておりますので、そのことを樽床幹事長代行にはお伝えをしていまして、彼なりの整理をその場でお話をされたのではないかというふうに思います。
#112
○中川雅治君 問題は、あれは個人的な意見だからとおっしゃったかどうかというところなんですね。そこをもう一度お答えいただきたいと思います。
#113
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まさに、国会の不作為が問われるときのまさに政治家として、ただし党首討論でありますから党首としての発言をさせていただいております。その今の考え方の背景については、樽床代行にもきっちり御説明をしたつもりでございます。
#114
○中川雅治君 はっきりお答えいただけないわけですが、樽床座長が、野田総理の方から答えがあって、それを自分なりにしんしゃくしてあれは個人的な意見だと総理が述べたと、こういうふうに言ったと、こういうことなんでしょうか。
 いずれにしましても、この衆参の正式な場で行われた党首討論での発言について、あれは個人的な意見だという、あるいはそういうニュアンスが伝わるように樽床座長におっしゃるということは、これは極めて問題だと思います。党首討論での発言は、内閣総理大臣として、あるいは民主党代表として公の意見を述べるべきでありまして、個人の意見を述べるところではございません。そういうことであれば、党首討論を侮辱するものであり、絶対に許されないことだと思います。野田総理の、また民主党の無責任体質がまたも表れたものというふうに思いまして、まず冒頭に強く抗議申し上げます。
 本日より平成二十二年度決算の委員会審議が始まるわけでございます。平成二十二年度予算というのは民主党政権が初めて編成したものでありまして、いわゆるばらまき四Kが始まった最初の予算でございます。(資料提示)
 このパネルを御覧いただきますと、子ども手当の実施一・七兆円、農業の戸別所得補償〇・六兆円、高校の実質無償化〇・四兆円、高速道路の無料化〇・一兆円、合計二・八兆円のいわゆるばらまき四Kを計上したわけであります。決算額もほぼ同じであります。
 これに対して、華々しいパフォーマンス付きで行った事業仕分で約一・〇兆円、約一兆円の歳出削減をしたということでございますが、もちろんこのばらまき四Kの財源はこの事業仕分だけでは足りないわけでありまして、事業仕分による削減の公共事業分を含めて、結局、公共事業費を平成二十一年度の予算から比べまして約一・三兆円削減したわけであります。
 先ほど小宮山大臣は予算の全面的組替えによって対応したと言われましたが、何が全面的な組替えなのか、全く理解不能であります。コンクリートから人へというスローガンの下に成長から分配へと重点を移し、景気対策として効果の高い公共事業費を削減して、そして財政事情を悪化させ、また景気の回復も遅らせた、そういう平成二十二年度の予算であり、決算だったというふうに思います。
 今、総理として、この二十二年度予算そして決算についてどのように反省をされておられるのか、お伺いいたします。
#115
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、基本的に、ここに書いてあるマニフェストの主要項目についてはばらまきという認識はございません。しっかりと恒久財源を確保しながら、これ四項目だけ出ておりますけれども、全体としては三・一兆円を確保しながら、そしてこういう形でマニフェストでお約束したことに使ったということでございますので、赤字国債を垂れ流してやっているということではありませんので、ばらまきではありません。組替えをしていると。これ、事業仕分も書いてございますが、そういうことを含めて財源の捻出をしたということでございますので、その認識は違うというふうに思っております。
 加えて、この平成二十二年度、これをもって景気を悪くしたというお話でございますが、これ、四四半期プラスの成長でございましたので、その検証も間違っているというふうに思います。
#116
○中川雅治君 我々はばらまき四Kと、こう言っているわけでございますが、民主党のマニフェストによる今の子ども手当等々につきましては、その後の度重なる三党協議、三党合意によりましてもう既に大幅に修正されている、あるいは破綻をしているというふうに思います。総理は恐らく東日本大震災があって事情が変わったと、こういうふうにおっしゃりたいのでしょうけれども、後ほど同僚の若林健太議員が質問いたしますけれども、この財源についての民主党のマニフェスト、今の仕組みを改め新しい財源を生み出しますといって、十六・八兆円捻出しますと、こういうマニフェストですね。これがもう完全に破綻しているわけですから、一方のばらまき四Kが実現するはずもないわけであります。
 私は、その後のこの展開を今になって振り返れば、平成二十二年度予算、決算というのは、国力を本当に弱めることにつながる、そういう最初の予算編成であり、決算であったというふうに申し上げたいと思います。
 この景気の回復もこういった公共事業をこれだけ大幅な削減をしなければもっと底堅い回復ができているというふうにも見れるわけでありまして、数字の上で判断をするということでは私は決してないと思います。どうも民主党政権は国力とか国家の機能を高めようというその視点が欠けているんじゃないか、国力を弱めよう弱めようと、こういう方向に進んでいるとしか思えないわけであります。
 先ほどの、外山議員も指摘されましたが、民主党政権の進める地域主権改革ですね、これは本当に私は問題が多いと思います。まず、この国の出先機関の広域連合への丸ごと移管、これは民主党の議員がこうしていろいろ批判であり問題を提起された、もう本当に心強い限りでありますが、もうこれは亡国の政策だと思います。というのは、自公政権時代から国の出先機関の改革は進められてまいりました。しかし、自公政権時代は国と地方の役割分担、国はこういう仕事をするんだ、地方にこういう仕事をお任せしましょうという、この役割分担という、そういう考え方、それからまた国と地方の間の二重行政を解消しようという、そういうまさに哲学があったわけであります。
 しかしながら、この国の出先機関改革も民主党政権になって全くおかしな方向に行ってしまっています。それが決定的になったのが平成二十二年十二月に閣議決定されたアクション・プランであります。で、ここには「出先機関単位で全ての事務・権限を移譲することを基本とする。」とされており、しかも全国一律・一斉の実施にこだわらず、広域連合からの発意に基づき移譲する仕組みとなったわけであります。
 つまり、例えば経済産業局や地方整備局という国のブロック単位の出先機関について、その中身を見て、これは国でやる仕事だ、これは地方に任せる仕事だというように分けるんではなくて、丸ごと移管しなさいと、こう言うんですね。しかも、例えば関西広域連合、九州広域連合というような広域連合をつくって、そこが手を挙げて、自分たちはこの出先機関は欲しいと言えば、どうぞ、はい、そうですか、丸ごとそれは差し上げましょうと、そして、この出先機関は要りませんと言ったら、ああそうですか、それは、まあそれじゃ国がそのまま続けましょうと、こういうことなわけなんですね。
 つまり、地方が欲しいと言えばそれを丸ごとあげます、欲しくないと言えば国がそのまま続けますと、ここには国と地方との間の役割分担とかあるいは二重行政の解消という考え方が全くないわけなんですね。
 野田総理になってこんなおかしな流れというのはストップできるんではないかというふうに期待をしていたんですけれども、昨年十二月の総理の発言ですね、二十四年通常国会への法案提出に向けて最大限の努力をすると、こういう意思が表明されたということを聞きまして、もう本当に失望したわけです。
 野田総理ならこの流れをストップしてくれるんではないかと、こう思ったわけですが、どうして総理、こんな方向へ進もうとしているんでしょうか。
#117
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 何で私ならストップするかと思われたかちょっとよく分からないんですが、私はこの流れを元々加速しようというふうに思っていましたので、ちょっと委員との私に対する認識が違っていたんじゃないかと思うんですが。
 国と地方の役割分担がないというお話ですけれども、私はやっぱり補完性の原理で、自治体でできることは自治体でやってもらうと、で、国はその分、国のやるべきことを専念するという形の補完性の原理を考えています。という意味で、国と地方の役割分担はよく考えているつもりなんです。しかも、これ、二重行政をなくしていくために出先機関の廃止をやっていくということで、二重行政の矛盾についてはこれは問題意識一緒なんで、そこは是非御理解いただきたいと思うんですけれども、そういう二重行政をなくして行政サービスを身近なところで向上させていくということとその行政の効率化にもつながると、そういう観点から出先機関の原則廃止に向けての取組をやってきました。
 アクションプログラムに書いてあったと。それはしっかり閣議決定したものでございますので、その間、地域主権戦略会議で、埼玉の知事であるとか北九州の市長とか大阪の知事、今ここで大阪市長になられましたけれども、そういう皆さんからも御要請をしっかり受け止めながら、今法案の整備をしているというところでございます。
#118
○中川雅治君 今総理が、国と地方の役割分担、そして二重行政の解消をするために今のこの出先機関改革を進めているんだと、こうおっしゃっているのであれば、それはもう本当に、まさにそのとおりだと思います。ですから、野田総理がそういうお考えの下にこの出先機関改革を進めようとされているのであれば、それは私も賛成なんですが、実際は全く違う方向に行っているんですね。
 つまり、広域連合をつくって、その広域連合がこの出先機関、国の出先機関たくさんあるわけですが、経済産業局と地方整備局と地方環境事務所、この三つは欲しいと、しかし財務局だ、農政局だ、厚生局は要りませんと。そうすると、要ると言ったところだけ、はい、あげましょう、要らないと言っているところはあげません。しかも、広域連合をつくって、そこで手を挙げたところだけなんですね。それは先ほど民主党の外山議員も指摘しました。こういうことになれば、これは道州制じゃないわけですから、広域連合というものをつくって本当に効率的なそういう行政ができるかどうか。国の今まで事務だったものを広域連合に移管して、そして、しかもその広域連合をつくらないところは従来どおり国が担うということでありまして、そこには国家全体の国の仕事をどうするんだという視点が欠け落ちているわけですね。そして、丸ごと移管ということであれば、これは二重行政は解消されないわけです。広域連合と県、市町村との間の二重行政がそのまま残ってしまうわけでありまして、総理のおっしゃっている総理の意図とは違う方向に今動いているというように思います。
 そこで、例えば国道ですね。この国道の管理というものが、広域連合に地方整備局を移管すれば、そこはその広域連合がその部分は、国道のその部分は管理をする、そしてそうでない部分は従来どおり国が、地方整備局が管理をすると、こう細切れになってしまうわけですね。国道の管理、国道の建設、管理、補修、そういったものの重要性、国家の機能としての重要性、これを前田国土交通大臣はどのように認識されておられるんでしょうか。
#119
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
 全国に道路、道路法による道路というのが約百二十万キロありますが、その中で直轄国道がたしか二万三千キロぐらいでしょうか。それから、いわゆる高速道路、これが七千八百キロ、約、合わせて三万一千キロぐらい、百二十万のうちですね。これで、大型貨物の大体五三%ぐらいをこの直轄国道と高速道路で賄っているということでございますから、もちろんこれは、何といいますか、日本の国の根幹的な、こういうところが経済あるいは社会、あるいは去年の震災等の例でも防災を含めて根幹的な機能を担っていると、こう承知をしております。
#120
○中川雅治君 まさに前田大臣が言われたように、国道というのはまさに国家の根幹的な機能を担う。しかも、北海道から沖縄まで国道が一つのネットワークになって初めて人流、物流がスムーズにいくわけであります。まさに国道というのは日本の国家の礎を築いているものなんですね。国道がしっかり整備されていなければ日本の国家は成り立たないわけでありまして、その管理を、この部分は広域連合に任せます、この部分は従来どおり地方整備局でやります。その継ぎ目のところで一体どういうことが起こるのか。やはり、国道の例えば建設にしても補修にしても、国家的見地に立って、限られた予算の中で全国を見渡して優先順位を付けて、国がしっかりと優先順位を付けて行っているわけでありまして、それをぶつ切りにしていろいろそれぞれの団体に渡していくと、こういうことではもう国道の機能が発揮できないと思います。
 日本のいろいろな社会インフラというものは、世界の中で競争しているんですね。やっぱり、その社会インフラが国際的に見てもしっかりしているということが日本の国際競争力を高めていくわけでありまして、それはまさに国家が全世界を見渡して、責任を持ってしっかりとそれを整備し、管理をするべきものだと思います。今のようなこの民主党政権の進めている出先機関改革では、これはそういった国道の管理一つ取ってみてもできないと、こういうふうに思います。
 それと、もう一つ例を挙げて申し上げたいんですが、北海道開発局の問題であります。
 平成二十三年十二月の地域主権戦略会議で了承されました「広域的実施体制の枠組み」というペーパーによりますと、「北海道と沖縄県については、一の道県で出先機関の事務・権限のブロック単位での移譲を受けられる取扱いとする。」とあります。ということは、北海道庁が北海道開発局を欲しいと言えば、はい、丸ごとあげますと、こういうことなんですね。
 従来より、北海道の開発というのは国全体の観点に立って行ってきたわけです。つまり、日本国の食料安保という見地から北海道の大規模農地の開発を行う、あるいは北海道の漁港の整備というのは日本国全体の水産資源の確保のために行っているわけでありまして、北海道庁、北海道のためだけではないんです。これは全国という、そういう視点に立って行っているものでありまして、その北海道開発局を、現に北海道総合開発計画というものを閣議決定しているわけですから、まさに国家的見地で北海道開発局というものを運営し、そこで仕事をしてもらっている。それを北海道庁が、仮にですよ、まだ今は欲しいとは言っていないようですが、欲しいと言えば、はい、北海道開発局あげますと、こういうことになるのが今の仕組みなんですね。
 本当にそういうことでいいんでしょうか、川端大臣。
#121
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 何か、あげるとかあげないとかいう話ではないんですけれども、総理が申し上げましたように、できるだけ身近な行政はやるということで地方の事務所の移管ということに取り組んでおりますけれども、受皿として意思があるところに関しては、そこと十分に協議をしながら、そして国の大きな当然、意思として政策意思はございますから、そういう部分と、権限を移すときにどういう問題があるのか、どうクリアするのかということで、より良い行政サービスが向上し、無駄がなくなるという観点で我々は取り組んでいるところでありますので、欲しいと言われたら丸ごとはいっとすぐあげますということではない、慎重、丁寧なプロセスがあることは御理解をいただきたいと思います。
#122
○中川雅治君 もちろん、はい、あげますと言ってあしたあげるわけではないことは当然でありますが、広域連合を組む、あるいは北海道の場合には広域連合は組まなくていいということなんですが、そこと丁寧なやり取りをすると、どうもそう聞こえるんですね。
 つまり、移管してくださいと言うところと丁寧なやり取りをするという答弁が先ほど来あるんですが、外山議員も言いましたが、まさに基礎的自治体の市町村の方の意見というものは全然聞いていないわけですよ、そこにはですね。
 ですから、そもそもこのアクション・プランというのが間違えていますから、是非見直しをしていただきたいということを申し上げまして、午前中の質問は終わらせていただきたいと思います。
#123
○委員長(山本順三君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#124
○委員長(山本順三君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十二年度決算外二件を議題とし、全般質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#125
○中川雅治君 午前中に引き続きまして、民主党政権が進めようとしております地域主権改革についてお尋ねをいたします。
 この地域主権改革の一つの柱が午前中に質疑をいたしました国の出先機関の広域連合への丸ごと移管でございます。
 もう一つ、地域自主戦略交付金、通称一括交付金と呼ばれているものがございます。この地域自主戦略交付金、これはどういう趣旨で創設されたものでしょうか。川端大臣、お願いいたします。
#126
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 平成二十二年六月二十二日に地域主権戦略大綱を閣議決定をいたしました。そこの中に、趣旨として、地域のことは地域が決める地域主権を確立するため、国から地方へのひも付き補助金を廃止し、基本的に地方が自由に使える一括交付金とするとの方針の下、現行の補助金、交付金等を改革するという、この閣議決定に基づきまして、地方の自由度の拡大を図るという意味で内閣府に一括して予算を計上し、対象となる事業において各府省の枠にとらわれず地方が自由に事業を選択して使えることとしており、これにより地域の実情に即した事業を実施することができるようになっていると、こういう趣旨でございます。
#127
○中川雅治君 自公政権時代にも政策的効果の薄い補助金は極力廃止をすると。で、一般財源化してまいりました。しかしながら、補助金というのは決して悪いものではなく、国の政策として、国が各自治体にこのような事業を進めてほしいと、そのように考える場合のまさに政策誘導手段であります。これは政策誘導手段としては有用なものなんですね。これを一括交付金という形でどんどん手放していくということは、国の政策手段を自ら放棄をする、国家としての機能を弱めてしまうということにほかならないと思います。
 確かに、今、川端大臣御答弁されましたように、一括交付金化をすれば、自治体の方からすればこれは自由度が高まる、ですから自治体の立場に立てば効率化に資すると、こういうことなんでしょうけれども、しかし、それは国家という見地から見れば、国が補助金という政策手段を放棄して、そして国家の機能がそれだけ弱まっていくと、こういうことにもなるわけであります。そして、本当に自治体がその一括交付金で効率的な事業をやったかどうかという検証も極めてこれは難しいというように思います。
 つまり、本来であれば、国土交通省が国家的見地に立って、この地方はまだこういう社会資本整備が十分でないから補助金という政策手段を使ってこういう社会資本整備を誘導していこうと、そしてまた別の省は、自分の所管の社会的なインフラをこの地方においてはもっと整備してもらわなきゃならないから補助金を出してそして誘導していこうと、こういうまさにそれは国家として国がしっかりとした立場に立って誘導するべきものなんでありますが、そういう政策手段を召し上げて地方に自由に使える一括交付金という形でお渡しをするということになると、これはまさにもう国家というそういう見地が抜け落ちてしまうというように思います。
 地方に任せるべきものは地方に任せる、これは当然のことでありますけれども、日本は一つの国家ですから、最低限、どこの地方に行っても県民の皆様方は同じ社会資本のサービスを受けられなければならないわけでありまして、それが知事の判断でばらばらになっていくということになれば、日本という一つの国家という、そういう視点が欠けてしまって、こういう補助金の一括化によってまさに日本が何かどんどんばらばらになっていく、そういう気がいたします。先ほどの国の出先機関改革も同じなんですね。日本という国が何かばらばらになっていくような、そういう気がしてなりません。
 午前中も申し上げたわけでありますが、日本の社会インフラというのは世界の各国と競争しているわけです。ですから、日本の社会インフラが世界各国の中で優れている、そこにやはり人流や物流も集まって日本という国家の競争力が高まり、それはひいては国民生活が向上するということなんでありまして、国家が、国が、そういう世界の中にどういう日本のインフラが位置付けされるべきかということを考えて、そしてこの地方のこういうインフラはまだまだ十分でないから補助金を出して誘導しましょう、こういうふうに持っていくというのが私は政府として当然だと思います。それを自らその政策手段を放棄していく、これは極めて問題だというふうに考えます。
 平成二十三年には地方向けの投資に対する補助金が約三兆あったわけでございますが、平成二十四年度予算では、沖縄分を除いて六千七百五十四億円が一括交付金化されているわけでありまして、二十四年度予算におきましてはその対象事業も拡大し、さらに政令指定都市にも導入しているわけであります。
 一括交付金を民主党のマニフェストに書いてあるということで、どうもこれがなかなか止まらない。民主党政権はどうしてこんな政策を進めようとしているのか、野田総理に改めてお伺いをしたいと思います。
#128
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 基本的には、地方のことは地方が責任を持ってやれる体制をつくっていくということが私どもの基本的な理念でございます。その上で、平成二十三年度は五千百二十億円のいわゆる一括交付金化を予算措置をさせていただきました。そして、今御指摘のように、平成二十四年度は沖縄向けを含めまして八千三百億円、政令市も含めて拡充をしてきているところでございまして、この流れはこれからも続けていきたいというふうに思います。
 ひも付き補助金については、その制約を感じる自治体がたくさんありました。様々な制約の中で自由に使えないことの弊害の方が私は多かったと思います。今委員がおっしゃることは、国がお金を出す以上はそれは制約があるかもしれないけれども、国が責任を持ってやる、それが補助金だというお尋ねだと思いますけれども、それに対する弊害、自由度が低過ぎることについてのこれまでの御批判があったわけで、その流れを私どもは変えようとしているわけでございます。
 そこは是非、多分、是非と言っても考え方が余りにも異なり過ぎますので御理解いただけないかもしれませんけれども、むしろ地方にこういう形で自由に使えるお金を使う方が、地方が存分に自分たちなりの産業を育成したりとか、自分たちなりの百花繚乱の文化をつくっていくことで国としての力を弱めるとは私は決して思わないということであります。
#129
○中川雅治君 全くこれは考えが違いますね。
 地方にしてみれば、自由に使えるお金が増える方がいいに決まっているわけであります。財源は国も地方もどちらももう限られているわけでありまして、その中で、国家としてこういう社会インフラを整備する必要がある、だからそこに誘導しようということでありまして、それは自由に使えないお金だ、これは当たり前なんですね。それは、国家として見て、この地方にこういう社会資本の整備をしていただかなきゃならないということで補助金を出すわけですから、自由に使えない、だから一括交付金化をしてくださいというのは、これは全く本末転倒ということであります。
 国家という視点がこれは民主党政権抜けていると、私はもう前からそのように指摘をしているわけでありますが、今の総理の答弁を伺いまして、本当にこれでは日本の国はどうなってしまうんだろうかと、そういう危惧を更に強くした次第であります。
 では次に、これから本格的な論戦が始まると思いますが、社会保障と税の一体改革の案におきましても民主党のばらまき体質が如実に出ておりまして、こんなことをしたら日本の国が本当におかしくなってしまうというような案がいろいろ入っているのであります。
 二月十七日閣議決定されました大綱によれば、消費税の逆進性対策として、番号制度の本格稼働、定着を前提に給付付き税額控除制度を導入する、これ、言い切っているんですね、検討ではなくて言い切っています。このように書かれております。この給付付き税額控除というのは極めて問題の多い制度だと思います。
 これは結局、それぞれの個々人が払うべき所得税額から控除税額を差し引いて、その残りが実際に納付をする税額になるわけでありますが、控除税額の方が所得税額より大きければその差額を給付します、そして所得税を払っていない方は、これは全額その控除税額に相当する額を給付金としてお支払いします、こういう制度であります。
 しかし、我が国では所得税を支払っている人は約五千万人。この五千万人の方が四千万人の被扶養者を持っているということでございまして、総人口一億二千万人から所得税の納税者五千万人、その被扶養者四千万人を差し引きますと、約三千万人の人が所得税を払っていないのであります。民主党政権も、幾ら何でも三千万人の人に、この全員に給付金をお渡しするということを考えているわけではないんでしょうけれども、この給付付き税額控除制度はとんでもない制度になると思います。
 諸外国ではこういう制度があるということを民主党の方はよくおっしゃるわけでありますが、諸外国では、給付付き税額控除の対象となる方を就労している人や子育てをしている人に限定をして、そして雇用対策とか子育て支援という政策に活用しているわけであります。
 また、金融所得を含めて所得を把握する仕組みを取っておりまして、一定の所得があると減額していくという制度が多く、民主党政権が考えているようなというか、どういう制度をこれから仕組まれるのかまだ見えませんが、この一般的な給付付き税額控除制度というのはないんであります。諸外国の例をもっとちゃんと調べていただきたいと思います。
 それに、日本の場合は現状でも中堅所得層の所得税額というのは諸外国に比べて決して高くはございません。むしろ低い方であります。そして、所得税の課税最低限以下の人は、今申し上げましたように約三千万人もいると。こういう状況の下でこの給付付き税額控除制度を導入したらもう大変なばらまきになる、壮大なばらまきになるというふうに私は思います。
 この給付付き税額控除制度は、昨年末、一体改革の素案を取りまとめるときに民主党の中で反対派がいて、その方をなだめるためのあめとして導入したものだということも聞くわけでございますが、本当にこんな給付付き税額控除制度を導入して日本の国は大丈夫なのか、岡田副総理にお伺いいたします。
#130
○国務大臣(岡田克也君) 委員、これ給付付き税額控除、二つにちょっと分けて考えてみた方がいいというふうに思います。
 一つは、消費税の税率を一〇%に引き上げるに当たって、やっぱり所得の少ない方々にその御負担が重くなると、それをどういうふうに乗り越えていくかという問題であります。多くの国は税率を二つにしたりして、生活必需品とか食料に対しては低税率にして対応しているという国も多いわけでありますが、民主党の中ではずっとこれ、もう十年近くいろんな議論を重ねてまいりまして、やはりそれよりは給付付き税額控除という形で所得の少ない方への負担というものを和らげるべきだと、こういうふうに考えてきているわけでございます。これが一つです。
 それからもう一つは、もう少し一般的な形でこの給付付き税額控除というものを活用できないかということで、それは委員のおっしゃるように全ての場合にということを必ずしも我々決めているわけではございません。おっしゃるように、各国それぞれ具体的な政策目的のためにこういう制度を使っているということであります。
 そういったことについては、いずれにしてもこのマイナンバー制度、納税者番号制度を入れるに当たって、従来の低所得者対策、そしてどのような方々に給付の増や負担の軽減の効果が及ぶのかを踏まえた上で総合的に検討を重ねていく必要があるということでございます。全てに一律に多額の給付付き税額控除を考えているということでは必ずしもございません。
#131
○中川雅治君 当然です。所得税を払っていない方は三千万人いるわけですから、全てに一律に給付付き税額控除を適用することは必ずしも考えていないと、こう何か歯切れは悪いんですけれども。この三千万人全員に配ったら、これはもう幾ら消費税増税しても、将来的にこういう制度を導入したら、もうそれは今の現行制度を維持することもできませんし、これからの社会保障の充実もできません。ですから、もうそんなことはあり得ないわけでありまして、明確な規定がないのは当然でしょうけれども、極めてこれは大きな問題だということを申し上げておきたいと思います。
 そして、しかも消費税の逆進性の対策の一環という意味もあるということをおっしゃったわけでありますが、この大綱の中には、将来の課題ということでありますが、新しい年金制度として七万円の最低保障年金を創設するとございます。これは将来のことでしょう。しかし一方で、現行制度の改善として、低所得者には老齢基礎年金額を加算すると、こういうふうにございます。そして、現在、生活保護という制度もあるわけでございます。この辺、二重三重になると思うんでありますが、どのような整理をされておられるのか、岡田副総理にお伺いいたします。
#132
○国務大臣(岡田克也君) 委員、これ、まずいろんな議論の前提として、やはり所得格差が拡大しているということに対して、国はあるいは政治はどう対応していくべきか、こういう問題があるんだろうと思います。
 私は、やはり経済のグローバル化ということが、いい面はたくさんあるんですが、しかしそれぞれの国において所得の格差を拡大しているということは事実だと思います。そして、それに対してそれぞれの国が議論していく中で、この給付付き税額控除も含めて新しいタイプの政策も出てきていると。日本のやはり貧困率、相対的貧困率は、OECD三十か国の中で二十七位であります。特に、保護者が一人、そして子供を抱えたそういう家庭では三十か国中三十位ということで、やっぱり現在の日本におけるこの貧困の問題は政治が真正面から受け止めて対応を考えていかなければいけない、そういう課題であるというふうに思っております。
 そういうことの一環としていろいろな議論があるわけですが、最低保障年金の話は、これはこれから議論していくことですので少し横に置かせていただきますと、今考えておりますのは既存の年金の最低保障機能を充実させるということで、これは今国会に法案を提案したいというふうに考えているところでございます。少し所得の多い方には税金投入分については我慢していただいて、それも含めて、それから消費税の引上げの一部も投入させていただいて、所得の少ない方の年金を充実させたいというふうに考えているところでございます。それから生活保護もあります。
 いろんな所得の少ない方への対策、この給付付き税額控除を入れるということになれば全体の再整理はもちろん必要で、それはしっかりとした議論が要ると思います。そういった議論をするということを前提に、我々、給付付き税額控除について御提案しているということでございます。
#133
○中川雅治君 今はまだ何も決めていないということのようであります。いろんなツールをこれから全体的に見て検討すると、こういうお答えであったわけでございますが、私は、是非この給付付き税額控除制度、これはもう際限なく広がる制度でありまして、一度こういうものを入れたら、本当にこれはもう国家財政が破滅するというだけではなくて、もう日本の国家というものが本当にこれはめちゃくちゃになると、こう言っても過言ではない、そういう制度だと思いますので、是非、この大綱にはもう導入すると言い切っていますけれども、そこはもう一度しっかりと再検討をしていただきたいと思います。
 それで、先ほど岡田副総理からマイナンバー制度との関連もちょっとお触れになられたわけでございますけれども、この給付付き税額控除の導入というのは、この大綱で二〇一五年以降の番号制度の本格稼働・定着後実施すると、こうなっているわけですね。この給付付き税額控除の導入と番号制度の本格稼働、これはどう関係しているのでしょうか。岡田副総理。
#134
○国務大臣(岡田克也君) これは、給付付き税額控除をどのような制度にするかということとも関係することではありますが、諸外国の例を見ますと、制度の適正かつ効率的な運用を確保するためには番号制度を用いた所得把握の仕組みが整えられているということが前提となっているということでありますので、このマイナンバー制度の導入と併せて考えていくことであるというふうに思っております。
#135
○中川雅治君 今のお答えを伺っておりますと、いかにも社会保障・税番号制度、マイナンバーと、こう言っているようでございますが、このマイナンバー制度を導入すれば所得の正確な把握が可能になると、こういうような趣旨に受け取れるわけでございます。
 しかし、このマイナンバー制度を入れても、私は所得の正確な把握には直接つながらないと思っているんです。社会保障分野にこのマイナンバー制度を導入するということは賛成であります。私は遅過ぎたというふうに思っているわけであります。また、税の分野にこの番号制度を導入することも賛成であります。
 しかし、このマイナンバーを入れれば所得の把握が正確にできるようになるというのは、端的に言えばうそなんですね。それは、個人や事業者が税務当局に提出する申告書やあるいは支払調書などに番号を記載すれば税務当局の事務の合理化には資するわけですけれども、大体我が国の場合は、金融機関は利子について支払調書を出していないんです。利子は源泉分離ということで、もうそこで課税関係終わっていまして、支払調書は税務当局に出されておりません。それからまた、個人の方が不動産を持っていて、その不動産を相対で個人の方に貸していると。地代や家賃収入が入ってくるというときもこの支払調書というのはないんですね。
 ましてや、一般の事業所得について、取引をするたびに支払調書を出してほしい、出してくださいと、こんな制度を仕組めるわけはないわけでありまして、この番号制度を入れても、番号の入った支払調書というものがどんどんいろんな取引について税務当局に提出されて、税務当局でしっかり名寄せをしなければ所得の正確な把握はできないわけでありまして、番号を入れれば所得の正確な把握ができるようになると、こういうのは、これうそなんですね。ですから、そこのところをしっかり分けて考えなければいけないと思います。
 この支払調書制度を拡大するということは、大変これは国民の抵抗は大きいと思います。しかし、利子については最低限、金融機関から支払調書を出してもらうような制度にしなければ、これは利子所得は把握できませんし、ましてやその金融資産も把握できないわけでありまして、そこは最低限このマイナンバー制度を入れるのであれば必要になるんだろうと私は思うわけであります。そこのところをしっかり分けて考えなければならないと思います。
 そこで、生活保護を受けようとする場合には、市町村に申請をして、その市町村の方が申請をされた方と面談をして、そして資産がないかどうか、預金がないかどうかとかいう調査をしますし、また扶養してくれる親族の方がいないのかどうかということを調べるわけであります。面談をしながら調べていく。
 この生活保護についても、もういろんな不正受給などの問題が指摘されておりまして、大変今問題が多くなっているわけですけれども、しかし、生活保護についてはしっかりと面談をして、財産とかあるいは扶養してくれる親族がいないかどうかということをしっかり把握する、そういう仕組みになっております。
 しかし、この給付付き税額控除制度ということになると、先ほど三千万という数字を出しました。生活保護を受けている方は二百万ですから、一桁多いわけですね。ですから、そういう方を対象に面談を一々するということはこれは不可能でしょうから、所得税額がこれだけだという方はこれだけ税額控除をして給付金が必要になればお渡しします、所得税額がなければこれだけ給付金を出しますというように機械的にならざるを得ないわけでありまして、これは大変な問題が生じると思います。また、一体、この給付をする窓口はどこになるのか。税務署では対応できないと思いますね。じゃ市町村にお願いするのか。これも大変な膨大な事務量になります。行革という見地から見ても、これは逆行するというように思います。
 総理、この給付付き税額控除制度についてどうお考えでしょうか。
#136
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘のように、所得の捕捉というのは、これは完璧にはできないです、番号を入れてもですね。今でももちろんそれ以上にできていないわけですが、しかし所得税を取ったり、あるいは所得に応じた保険料を減免したりしているわけですから、そこはなるべく正確な捕捉は必要ですけれども、それができないからいろんな制度が導入できないということではないというふうに思います。
 現に、例えば、税務でいえば納税申告書の情報、法定調書などの資料情報を正確にあるいは効率的に名寄せ、突合できる。あるいは、社会保障について言えば、情報の名寄せ、突合の正確性が向上する。そして、税務分野と社会保障分野相互の情報連携が可能になる。そういった形で、番号制を入れる前と比べればかなり精度は上がるということは言えると思います。
 その上で、この制度をどういうふうに使っていくかというのは、先ほども申し上げましたが、目的をどうするのかと。それから、既存の制度、生活保護制度とは基本的に私は異なるものだと思いますが、いろんな手当制度とか、あるいは税制上の措置、そういったところとの整理はきちんとして、同じ政策目的を持ったものがダブルにならないようにすることは当然ですけれども、全体整理をすれば私はかえって効率は上がるのではないかと、そういうふうに考えているところであります。
#137
○中川雅治君 今でも所得税の調査というのは、限られた人員の中で大変な苦労をして国税庁が行っているわけであります。そこに、今度は給付をするということで、今度は税を納めていただく人が正確に税を納めているかどうかの調査だけではなくて、今度は国が給付するわけですから、本当に給付すべき人でないのに給付をするということになれば、これはもっと国家の責任は重くなると思うんですね。
 それが本当に何千万というオーダーになるんであれば、幾らこの番号制度を入れて、多少確かにそれは効率化するでしょう。事務がこれは効率化しますから、その分は所得の把握は精度が上がるということは私もそのとおりだと思いますが、何度も申し上げているように、支払調書制度を充実させなければ正確な所得の把握はできない。まして、利子所得や金融資産が抜け落ちているようでは、そこにこの給付金を出すというふうなことになったら、これはもう本当に大変なことであります。そこの調査をする体制なんて、これはもう限られた人員で組めるはずはないので、ますます不公平が広がるという可能性も出てくるわけですから、ここは是非慎重にお考えいただきたいと思います。
 近く国会に消費税法等の改正案を提出されるというふうに伺っておりますが、この中に給付付き税額控除制度の導入を入れたら本当にもめると思うんですね。ですから、是非、この消費税等の改正案、これを本当に通したいとお考えならば、この給付付き税額控除制度の導入はこの税法の中には入れないようにしていただきたい、これを私として御忠告申し上げておきたいと思います。
 それでは、次に現在検討が始まった歳入庁構想についてお伺いいたします。
 これも民主党のマニフェストに書いてあるのでありまして、年金保険料の無駄遣い体質を一掃する、年金保険料の未納を減らすことを目的に、社会保険庁は国税庁と統合して歳入庁とし、税と保険料を一体的に徴収すると、こういうふうにマニフェストに書かれているわけであります。
 この歳入庁の検討が始まったというように報道されておりますが、岡田副総理、どこまで今進んでいるんでしょうか。
#138
○国務大臣(岡田克也君) 先般、私の下にチームを立ち上げました。大綱の閣議決定を待って速やかにスタートさせたということでございます。
 内容としては、幾つかの視点についてきちんとした議論が必要だというふうに考えております。例えば、国民年金保険料などの納付率向上にそれがどの程度つながってくるのか。そして、社会保険行政、税務行政、これをある意味では一つにくくってくるわけですので、その効率性というものが果たしてプラスなのか、あるいはマイナスの面がないのかと。それから、今後導入が見込まれます、先ほど来議論になっておりますマイナンバーあるいは給付付き税額控除、それから新たな年金制度、最低保障年金ですね、そういった制度にとってふさわしい体制かどうか、そういった多くの論点を含みます。それから、それ以外にも、やっぱり地方でも税を徴収しているわけで、こことの関係も出てくるだろうと思います。
 そういうことについてまず論点整理をしようということでスタートさせておりまして、何とか全体のイメージ的なものは春ごろには中間的に私のところに報告するようにということで指示を出しているところでございます。
#139
○中川雅治君 この歳入庁構想というのも国家の機能を弱めようという民主党の政策の一環として出てきたものではないかと、私はそう思っているんです。
 というのは、民主党は、とにかく国家の機能を弱めて、そして、地方主権もそうですよね、国家、国家というものを非常に嫌がるわけでしょう。国家観がない。国家の力が強まるということに対して非常に何か嫌悪する方が多いと思うんですよ。これは本当に大変なことです。もうこういった三・一一の震災以後の状況を見ても、国家の重要性、国の果たす役割の大きさ、これはもうどんどん大きな認識となってきているわけでありますが、民主党政権は、先ほどの話にもありましたが、この三・一一の前にいろんなことを決めたのをそのままやろうとしているという話がございました。まさにこの歳入庁構想もその一環だと私は思います。
 というのは、厚生年金の適用漏れについては、日本年金機構が法務省から法人登記の情報提供を受けて未適用事業所を把握すればよいわけなんですね。私は税務署にも国税局にも国税庁にも勤務した経験を持つものでありますが、その国税当局もこの法人の把握は法務省から情報提供を受けているのでありまして、当然、法人の存在に関する情報は法務省の登記情報以上のものはないんですね。
 そしてまた、厚生年金の保険料というのは給与収入に応じて決定されるものでありまして、年金機構が把握している厚生年金の被保険者の数の方が国税庁が把握している給与所得者情報より多いんであります。
 また、国民年金の未納問題というのが大変クローズアップされておりますが、年金機構がもっと戸別訪問などをして、まず保険料の納付勧奨を徹底するといった努力をすべきであって、いきなり国税の滞納処分のようなことをするのは適当でないケースがほとんどだと私は思うんです。今でも保険料の悪質な滞納者は国税庁に委任可能になっておりまして、そういう制度があるわけですけれども、この制度は全く利用されていないわけなんですね。
 私は、実際には、日本年金機構と国税庁を統合するメリットはほとんどないと思うんです。日本年金機構は一万人を超える職員がおりますが、適用事務や相談・給付事務、記録問題などの担当をしている人が大部分でありまして、徴収事務を担当している人は僅か二千人ということであります。一方、国税庁は五万人を超える職員がいるわけですが、滞納整理などに当たっている人は僅か四千六百人ということなんですね。ですから、この両方の徴収や滞納整理に当たっている部門を統合するために、国税庁全体とそれから日本年金機構、これは今や非公務員ですよね、この機構を統合して歳入庁とするということは、言ってみれば、足だけひっつけるために別々の胴体、頭をくくってしまうようなもので、しょせん一体にはなれないんであります。
 どのような効率化が図られるのかも私は甚だ疑問なんですね。元々、日本年金機構というのは国民向けの給付サービスを行っているところでありまして、そこを間違えちゃいけないと思うんですね。保険料の強制徴収をしているところではなくて、その主たる業務というのはやはりあくまで国民向けの給付サービスなんですね。国税庁の方は税金の申告、調査、徴収という国家の歳入を強制的に確保する仕事を担っているわけでありまして、両者はよって立つ法体系も、それから事業の性格も内容も全く違うわけであります。
 この歳入庁構想というのは、最も真面目で、日本人の納税モラルを高め、まさに国家の礎である税収を確保している日本の徴税機構である国税庁を弱体化させる、そして財務省から切り離して内閣府に持っていこうというところに狙いがあるんじゃないかと私は思うんですね。
 財務省の主税局というところがありますが、これは国税の現場を知っている人に来てもらって、集めて、そして税制の企画立案の仕事をしてもらっている組織でございますが、財務省と国税庁を切り離すということになれば、財務省の税制の企画立案機能も低下します。政治が役所をくっつけたり切り離したりして行政の機能を低下させる、これは政治主導とは全く別のことであります。国税庁を弱体化させますと、ヨーロッパのある国のように大変納税モラルが低い、税の取り漏れの多い国になってしまうと思います。
 本当にこの歳入庁構想、安住財務大臣、いいんですか。
#140
○国務大臣(安住淳君) 確かに国税庁は、私の感想を申し上げますと、非協力的な相手先にまでどんどん乗り込んでいって、調査をして査察を行って税金を徴収するという、ある意味で専門家集団を育ててまいり、私は、長年にわたって高いその専門性を蓄積したことは国家の言わば組織としてのかなりのレベルを保っているんではないかと思っております。ですから、国民の間には税金を取り過ぎて批判をする方も、取られ過ぎて駄目だという方もおられますけれども、しかし一方で、こうした積み重ねがやはり徴税というものの信頼性を生んできたことは事実でございます。
 そこで、岡田総理が、先ほど副総理が申し上げましたように、言わばメリット、デメリット、それをきちっとテーブルにのせて、そして社会保険料の納付をしていくような、これまでそういう組織であったところと国税庁の今までの仕組みというものが融合した場合どうなるのか、これはしっかりと議論をした上で結論を出していただければと思っておりますが、主税と国税もやはり企画立案をした上でそれを執行していくという一体感を持ってやってきておりますので、私どもとしては、そうしたことをテーブルの上でしっかり議論していただければと思っております。
#141
○中川雅治君 要するに、その国家の機能をしっかり維持し高める、そして国民の生命と財産を守る、そういう政治を行っていただきたいということを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。
#142
○委員長(山本順三君) 関連質疑を許します。義家弘介君。
#143
○義家弘介君 自由民主党の義家弘介です。
 今、隣で同僚の中川議員の真剣な質問を聞きながら、皆さん余りにも態度が悪過ぎますよ。何笑っているんですか。人の真剣なこの時間を取った質問を、へらへら笑ったり、隣の閣僚と話をしたり、そんな甘いような現状に今、日本はないということをテレビの前の人たちはみんな見ていますからね。私も今日は真剣に質問をいたしますので、是非真剣に答えていただきたいと思います。
 まず冒頭として、総理にお聞きします。
 私は、これまでもこの参院の予算委員会及び文教科学委員会等々で、日本教職員組合、日教組の違法な政治活動、あるいは証拠付きの勤務時間中の組合活動の書類、あるいは日の丸・君が代闘争のマニュアル等々を具体的に提示しながら、民主党の有力な支持母体である日教組の関係はこれでいいのかという指摘をずっと続けてまいりました。
 総理、総理がこの日教組の問題、現在の日教組の問題、そして歴史的日教組の問題をどのようにとらえているか、まず総理、お願いします。
#144
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いろんな団体、組合があります。その中の一つでありますが、特に委員の問題意識は、いわゆる教員も含めての公務員の政治的な中立性という問題意識はいつも御質問を通じて感じています。その考え方は基本的には大いに踏まえて対応しなければいけないというふうに思っています。
#145
○義家弘介君 もう少し突っ込んでお答えください。
 政治的中立性だけではなく、偏向教育、あるいは勤務時間中の組合活動等々を具体的に指摘してきたわけですが、それらを、日教組の思想も含めて、総理はどのように感じていらっしゃいますか。
#146
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 個別に、それは個々の事例で判断をすべきことだろうというふうに思っております。
 私は、教職員で組合をつくること自体はこれは認めているわけですから、その中で基本的には、政治的な中立性を含めて、教室に政治を持ち込まないということの中で組合活動をやっている分についてはこれは正当なことだというふうに思っております。個々の事例については個々に即して判断すべきだと思います。
#147
○義家弘介君 これ、ごまかしているのか、かばっているのかよく分かりませんけれども、個々の事例の問題ではなくて、組織としてこれまでやってきたこと、そして、例えば北海道であったならば、民主党の議員、違法献金を受けて、そして議員辞職もし、もろもろの日教組にかかわる全国の問題、私、国会で指摘しただけでこれだけ現場から出てきている問題を指摘し続けてきたわけです。(発言する者あり)
 そして、その結果として、民主党の方から決算やれ決算やれと言っていますけれども、会計検査院入ったじゃないですか。そして、違法な政治活動をずっとやってきたと明らかになったじゃないですか。この問題を明らかにしなかったら、決算もくそもないでしょう。教職員八百五十人が不適切勤務したということが会計検査院の結果出ているんですよ。それで、個別の事案一つ一つ。
 あなたたちは組織として応援してもらっているわけですから、この日教組の思想、スタンス、そして現状について総理はどのように認識を持っているか、もう一度お答えください。
#148
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほどの選挙違反の事案等はそれぞれが責任を取ったというふうに思います。違法献金等があればそれに即して対応しなければいけないし、厳しく律していかなければいけないというふうに思います。
#149
○義家弘介君 この日教組の子供たちを巻き込んだ違法な活動について、具体的に何をしようという考えがないということがまさに明らかになった答弁であろうと思います。
 例えば、現在の衆議院の議長、もう会派離脱していますが、北海道一区、民主党の横路氏、民主党の幹事長、日教組のドンと言われる輿石東氏、参議院担当の首相補佐官、兵庫県選出、水岡俊一氏、前経済産業大臣で現在衆議院の予算委員会の筆頭理事、北海道四区、鉢呂吉雄氏、参議院議員で厚生労働副大臣を担当しているのが、兵庫県選挙区、辻泰弘氏、そして参議院の文部科学政務官、神本美恵子氏。非常に重要な役割の、今、名前を挙げましたが、この議員たちに共通していること、総理、何ですか。
#150
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 教職員の組合に関係しているという意味で共通性があるという御指摘でしょうか。多分そういうことなんだろうと思います。
#151
○義家弘介君 そのとおりですよ。日教組の組織内議員。これだけ多くの日教組の組織内議員が要職に入っている。
 総理はかねてから保守政治家を自負しているようですけれども、総理の中心になってまとめた、この「私たちはどのような国をめざすのか 日本の歴史から未来を展望する」という、松下政経塾政経研究所国策研究会が出版した本、私も丁寧に読ませてもらいました。
 総理はこのように書いていますね。
 歴史とは、本来、過去から現在へと因果関係を伴って連綿と続いているものです。なるほど、そのとおりですね。ところが、戦前を否定する明確な一線が引かれてしまった。中略します。歴史の断絶によって、良き伝統や文化が失われてきている我が国。日本の背骨が曲がったようになってしまったのです。国歌である君が代、国旗である日の丸、ほとんどの日本人はオリンピックで君が代が流れ、日の丸がたなびくのに感動します。にもかかわらず、同じ国歌や国旗が国内では議論の的になっています。国歌や国旗を問題視するような国はほかにはありません。どの国でも学校教育で自国の成り立ちを教えています。長い歴史を持つ国では、神話から歴史をひもとくところも少なくありません。しかし、我が国では、学校教育で日本神話を教えることが一種のタブーになってしまいました。今や日本神話を知らない国民が大部分になっているのではないでしょうか。
 まさに主体的に行ってきたのは歴史的に日教組でしょう。背骨を意図的に曲げてきたのは日教組の組織的活動じゃないですか。いまだに行われている日の丸・君が代闘争。私が指摘しても全く直ってないですよ。内部文書、次々に寄せられてますよ、今年もこのままやりますよと。総理がおっしゃっていることを本当に実現したいのだったら、このような要職に組織内候補を重用するということは本来あり得ないことじゃないですか。
 輿石東民主党幹事長が教育に政治的中立はないと発言したことは余りにも有名ですが、さらに本年の二月二十三日の産経新聞でも、教育は政治的に中立でないといけないと憲法や教育基本法に書いてあるが、実態はなかなかそうなっていない。まさに、日教組による教育介入を認める、自ら認めるかのような発言を与党の幹事長として堂々と行っているわけですよ。この輿石氏に関しては、選挙にかかわる平成十六年の山教組、山梨県教組による政治資金規正法違反事件や、あるいは、先ほども言いましたが、記憶に新しい二十一年の北海道教組にまつわる政治資金規正法事件。日教組をめぐる政治と金、枚挙にいとまがありません。
 その中で、別の視点として、今日は日教組の組織候補でもある神本文部科学政務官に関しても質問をしたいと思っています。
 まず、総理にお尋ねします。
 平成十三年一月六日、国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範が閣議決定されましたね。この中には、営利企業との兼職が禁止されて、関係業者等との接触も制限されていますが、この閣議決定された国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範、どのような趣旨の下で閣議決定されたと総理は認識しておりますか。
#152
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 特定の業界、団体と深いかかわりを持った中で、いわゆるその、まあいわゆる政務三役といいますか、高いレベルでの仕事をすることはおかしいと、そこは切り離さなければいけないという趣旨だったと記憶をしております。
#153
○義家弘介君 非常にはっきりとした御指摘だと思います。特定の団体と関係を疑わすようなことは一線を画してしっかりとやらなければならない。神本政務官は日教組の組織内候補じゃないですか。今の話とちょっと違うんじゃないですか。
 まあそれは後にするとして、野田総理、財務大臣当時に脱税企業に購入してもらったパーティー券八十万円分、つい先日は逮捕された社長からの献金百五十二万円分をそれぞれ返還しておりますね。これはどのような理由で返還したのか、お答えください。
#154
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私がお付き合いをしていただいた企業の中で、献金、パーティー券を購入をしていただきました。これは財務大臣とか副大臣になる以前でありますけれども、後からその企業が脱税をしていたということを御指摘をいただいて、脱税の疑いがあるということでございましたね、その御指摘をいただいて、それは道義的にはおかしいだろうと思って返還をしたということでございます。
#155
○義家弘介君 さらに、平成二十二年四月、当時の原口総務大臣がNTTの労働組合の政治団体アピール21からの献金三百万円について、総務大臣就任前の献金で、返還する必要は本来ないが、NTT寄りの政策を行うと誤解されたら今後の情報通信政策に支障が出るという理由でこのお金も返還しております。
 では、平野文部科学大臣、お伺いします。
 大臣は、当時、衆議院の文部科学委員会の筆頭理事だった、平成十五年ですね。大阪の教職員組合、日教組の大阪の教職員組合から自身が支部長をしている大阪府第十一支部に対して五十万円の寄附を受けております。現在は文部科学大臣に就任しているわけですから、原口氏の前例に倣って、日教組寄りの政策を行うと誤解されないように返還すべきだと思いますが、いかがですか。
#156
○国務大臣(平野博文君) 突然の御質問ですから、よく覚えておりませんが、もしそういうことでいただいておるとするならば、法的にきちっと処理をしていると思いますし、文部科学委員会にいたことは事実ですが、筆頭をやっていると、こういう認識はございません。
#157
○義家弘介君 法的にきちっと処理をしているのではなく、今、文部科学省の指示で、北海道の勤務時間中の組合活動等々について、会計検査院が調査したやり方と同じで全職員の調査をやっているわけですよ。これをしっかりと出さなければならないとあなたが進めている、あなたが責任者として進めて指導しているわけですよね。しかし一方で、裏側では同じ組織の、まあ大阪と北海道は違えど、同じ組織のところから献金をもらっている。これは中立性を疑わせるような問題になるから、先ほどの原口総務大臣の例を引用してあえて聞いたわけですけれども、これは返金すべきだと考えませんか。
#158
○国務大臣(平野博文君) 十年前のことで、今現在そういう事案にあるならば、先生御指摘のとおり、私も返還をいたしますが、その当時、私がもらったからどうのこうのということでもありませんし、今現実に今の役割を公正中立に遂行している、こういう認識でございます。
#159
○義家弘介君 過去の日教組のパーティー券購入、多額のパーティー券購入、これ全員なわけじゃないんですよ。日政連に所属している組織内議員以外は本当に数人しかいないんですよ。その数人の一人が平野大臣なわけです。まさにこれから進めていこうとすることの中立性が疑われる、だからこそよく考えていただきたい。
 大阪で教育基本条例が出てきた。あの根幹に何があるのかって、組合問題ですよ。組合が現場でどんなことをしているのか、卒業式、入学式がどうなっているのか、授業の内容がどうなっているのか、そういう問題に対して国がなかなか動かない中で、あの条例がとにかく問題提起をしようという形でどんと出てきているわけですね。その大阪で当事者である大臣ですから、ここはやはりきちっとしっかりと正常化を進めていくという形の判断をしていただきたいと、これは強く要望いたします。
 それでは、日教組の組織内候補である神本政務官にお尋ねをしたいと思います。
 平成二十三年十一月二十三日公表の平成二十二年度分の収支報告書における神本美恵子後援会及び政務官が代表の民主党参議院議員比例三十一総支部の主たる事務所の所在地を教えてください。
#160
○大臣政務官(神本美恵子君) お答えいたします。
 私の第三十一総支部の所在地ということですが、財団法人日本教育会館でございます。
#161
○義家弘介君 正確な住所を今このパネルに出しましたが、(資料提示)東京都千代田区一ツ橋二の六の二、日本教育会館二階、これが後援会です。東京都千代田区一ツ橋二の六の二、日本教育会館内、これ、支部でございます。
 この日本教育会館といえば、日教組の本部じゃないですか、これ。政治的中立が求められる文部科学政務官が日教組の本部に支部と後援会を構えている。総理、これ、いかがお考えですか。総理、総理。
#162
○国務大臣(平野博文君) 建物の所有団体とそこに入っている団体と違うわけですから、そこがイコールとは私は思いません。
#163
○義家弘介君 これはちょっと看過できない詭弁ですよ、建物の所有者とそこに入っているのは違うって。
 いいですか、神本議員は日教組の組織内候補で、政治活動のお金のほとんどが日教組から拠出されて、そして日教組の政策を実現するために議員をやっている議員が、日本教育会館、日教組本部の中に入っていて、所属しているものとそれは違う。
 総理、先ほど、なぜ、なぜ、大臣、副大臣、政務官規範が閣議決定されて、営利企業との兼職あるいは関係者等との接触が制限されているのかという問いを行いました。総理は、ある特定の団体と一緒になっていると疑わせるようなことがないようにそういう規定が閣議決定されていると答弁いたしました。
 今、神本政務官、政治的中立が求められる神本政務官が、日教組の本部に事務所を置いて、日教組の組織内候補、日政連の議員として活動していることについてどのようにお考えですか。
#164
○内閣総理大臣(野田佳彦君) むしろ詳しくは御本人来ているから御本人に聞いていただきたいと思いますけれども、日教組の本部に事務所が置いてあるという事実はないんじゃないでしょうか。建物は文部科学省所管の財団法人日本教育会館、そういう所有の建物でございますので、日教組の本部に彼女の事務所があるという御指摘は違うと思います。
#165
○義家弘介君 その中に日教組の本部があるんですよ。その中に日教組の本部があって、その日教組の本部と一緒に日教組の組織内候補である政務官が入っているわけですよ。これが全く違うと。これは全く、関係業者との接触等に対して、さっきの答弁と明らかに懸け離れているお話ですよ。
 じゃ、神本政務官、お聞きします。
 この賃料、お幾ら払っているんですか。
#166
○大臣政務官(神本美恵子君) 先ほどの御質問、ちょっと総理の答弁に補足いたしますけれども、財団法人日本教育会館という建物の中に様々なテナントが入ってございます。その一つに日本教職員組合の本部もありますし、教育会館がやっている様々な事業の、例えば図書館でありますとか教育相談室でありますとか、ほかの、労金なども入っておりますし、私もその中の一つの、賃貸契約料をちゃんと払って事務所を置いているところでございます。
 その賃貸料のお話でございますが、総支部と後援会合わせて、これ坪単価で毎月のお金を払っておりますので、六か月分で、私、四坪なんですけれども、三十三万七千百七十六円でございます、六か月分で。
#167
○義家弘介君 この同じ場所には同じく日教組の組織内候補である那谷屋正義民主党議員もこの中に入居しております。
 その上で、今賃料のお話出ましたけれども、ここに一つの、総務省が発表している政治資金パーティーの対価に係る収入の内訳という資料、これを見ると、これは一回のパーティーで同一の者から対価の支払が二十万円を超えるものが個別に公表されているわけですけれども、北教組、岩手教組、千葉教組、神奈川教組、静岡教組、石川教組、三重教組、大阪教組、岡山教組、福岡教組、大分教組、これみんな日教組オンリーなんですよ。
 つまり、お金行って来いじゃないですか。献金もらって、はい、家賃ですよと。教員から吸い上げた、これ、様々な問題も指摘してきましたよ。子ども救済カンパといって、あしなが育英会にやるといって募金活動しながら、何と半分以上は別のところに流していた等々の問題も指摘してまいりましたが、まさに丸抱えで、人、物、金で丸抱えでやっている。家賃払っているといっても、もらっているお金をそのまま返しているだけじゃないですか。まさにそういう実態の中で、本当に政治的中立を担保して教育正常化が図れると文部科学大臣は思いますか。
#168
○国務大臣(平野博文君) 私は、今議員御指摘の点については、少し短絡的に物事を決め付けておられるんではないでしょうか。私は、神本政務官はしっかり自らの知見を持って行政、政務官として頑張っておられると、こう思っております。
#169
○義家弘介君 どこが短絡的なのか全く理解できませんよ。
 例えば、自民党の党本部にテナントで共産党の人が入って、そして我々は独立していますから、そんなこと元々考えたってあり得ない。民主党の本部に私、事務所なんて構えたくないですよ、そんな、とてもじゃないけれども。
 大体、ここで見ていただけたら分かるとおり……(発言する者あり)ちょっとおとなしくしてください、真面目に質問しているんですから。いいですか。
#170
○委員長(山本順三君) 御静粛に願います。
#171
○義家弘介君 北海道教職員組合から神本議員は十八年に五十万円分のパーティー券の購入を受けています。北教組は、引責して議員辞職した民主党の小林千代美衆議院議員への違法献金にまつわって、団体としての北教組を始め、委員長代理も有罪判決を受けているんですよ。つまり、野田総理の返金した理由と全く同じだとして、神本政務官、この北教組から受けた献金、お返しするつもりはありませんか。
#172
○大臣政務官(神本美恵子君) お答えいたします。
 今お示しの政治資金パーティーの対価に係る収入の内訳ということでパネルお示しいただいておりますが、これは政治資金規正法に従って適正に処理をし、報告を行ったものでございます。
#173
○義家弘介君 団体として、団体として有罪となり、そして執行部も有罪となり、そして議員辞職までした。そういう団体からの献金を返すべきではないんですかと言っているのに、適切に処理しています。もう総理の言っていることと全く、全然違うじゃないですか。
 そもそもですよ、そもそもですよ、教育正常化を行う文部科学省の政務三役に、正常化される側、日教組の組織内候補がいると。これじゃ本当に教育正常化なんかできない。これ、国民見たら誰でもそう思いますよ。
 総理、この件についてどう思いますか、今の答弁も含めて聞いた上で。
#174
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ちょっとまだよく分からないところがあるんですけれども、例えば賃料は、日教組に出しているんじゃなくて、その財団に出しているんですよね。等々、ちょっとそのほかごちゃごちゃにしている話が若干あったというように思います。そこは正確にちょっと詰めていかないといけないなと思いますし、私の場合は、たまたま財務大臣やっているときに、脱税という、そのペナルティーを受けた企業からもらったということで、自分の自主的な判断としてお返しをいたしました。それは献金だったものですからお返しすることができたと思います。パーティーというのは一つの対価の話なので、そういうことも含めて御本人が判断すべきものだと思います。
#175
○義家弘介君 政治資金規正法違反ですよ。先生は政治活動をしちゃいけないんですよ。それを、政治活動をし、団体としても組織のトップも有罪判決を受けているにもかかわらず、それは私とは違うんだと。多くの人々がこれは納得しないでしょう。まさに、民主党政権じゃ教育正常化なんか絶対にできない、これが今の議論で明らかになったことと思います。
 是非とも、神本政務官、この問題、これからも取り上げてまいりますので、きちっと対応していただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 実は先日、私の元に、ある保護者から驚愕の情報が寄せられました。端的に言いますと、多額のPTA会費が教員たちの裏手当として流用されているという告発であります。
 具体的事例に入る前に、まず法務省、刑法百九十七条に定める収賄罪の構成要件をお答えください。
#176
○国務大臣(小川敏夫君) 公務員が職務に関して金品を受け取ることでございます。
#177
○義家弘介君 公務員が、職務に関して賄賂を受領し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処す、これが百九十七条の内容でありますよね。
 さて、じゃもう一つ、法務省、法務大臣にお答え願いたいと思います。賄賂の定義は何ですか。
#178
○国務大臣(小川敏夫君) 職務に関して受け取ることでございます。
#179
○義家弘介君 職務に対して受け取ることですって、それ答弁になっていないでしょう。職務に関して受け取ることですって、それ日本語になっていない。もう一度分かりやすく説明してください。
#180
○国務大臣(小川敏夫君) では、刑法百九十七条一項に規定する賄賂とは、一般に公務員の職務に対する不法な報酬としての利益をいうと解されております。
#181
○義家弘介君 ありがとうございます。
 この賄賂の罪が保護している社会生活上の利益、法益とは何ですか、法務大臣。
#182
○国務大臣(小川敏夫君) 公務員の職務の公正さと、これに対する社会の信頼を保護法益としております。
#183
○義家弘介君 ありがとうございます。
 公務員の清廉義務、そして職務行為の不可買収性、そして職務行為の公正、そして、判例でもありますけれども、職務の公正とそれに対する社会の信頼。本日取り上げる事案は、まさにその法益が侵害されている可能性が極めて高いと思われる事案であります。
 まず、収賄罪については、地方公務員たる公立高校の教員についても構成要件が該当すれば当然成立すると考えていますが、法務大臣、いかがですか。
#184
○国務大臣(小川敏夫君) 公務員であればその主体でありますし、構成要件に該当すれば、それは構成要件に該当するわけですから、犯罪に当たります。
#185
○義家弘介君 今回、私が提示する事案は、長期間、具体的に言うと二十三年間、組織的に拠出の主体者である保護者にその内訳も示さずに教員たちに高校で不当な裏手当を支給されてきた、不当な裏手当を地方公務員である教師がPTAのお金から受領してきたという問題であります。これは組織的な収賄罪が成立する可能性もあるので、ちょっと具体的に聞いていきたいと思います。
 まず、文部科学大臣、教員はその特殊性に鑑みて、一般とは別の法律で給与の上乗せ措置が行われていますね。この中で、教員の時間外勤務への対応としてどのような措置が講じられているか、お答えください。
#186
○国務大臣(平野博文君) 教員につきましては、時間外を含めてそういう手当が付いていることは事実でございます。細かいところは役所が来ていますから役所に聞いていただきたいと思いますが、調整額でありますから、教職調整額という、これが今議員の指摘のところではないかなと思っておりまして、約四%、本給について四%付いていると私は思います。
#187
○義家弘介君 時間外勤務の代用措置としては、教職調整額、これは本給の四%分ですね。そして、教師の特殊性からいって、人確法に基づいた義務教育等教員の特別手当、これは給料平均の一・五%程度の定額として支給されると。これは教特法十三条にも担保されているところであります。
 この調整額、教員の時間外手当がなぜ一律に調整額として支給されているのか、文部科学大臣、お答えください。
#188
○国務大臣(平野博文君) この点については、勤務時間管理がなかなか定まらないと、そういうことを含めて私は付いているものと思っております。
 ただし、通告がございませんでしたので、具体的なところは、細かい話ですから、政府参考人に聞いていただきたいと思います。
#189
○義家弘介君 全く細かい話していないんですよ。
 どういう理由からこの手当ができたかといえば、勤務時間管理がなじまない、教員は。それはそうですね。例えば、授業の空き時間中は何をしているのか、あるいは放課後生徒とおしゃべりしているときは仕事なのかどうなのか、夜、夜中に生徒が何か事件があって出ていくときはこれは残業と言えるのか、じゃ、その前、家にいたときのものはというふうに、線引きがなじまないから時間外手当を支給しないこととして、その上で教員の職務と勤務実態の特殊性を勤務時間の内外をまたがって包括的に評価して、全教職員一律に支給する手当として給特法で本給の四%が支給されることになったわけです。また加えて、人確法に基づいて、教員全般に給与平均の一・五%定額の義務教育等教員特別手当が支給されるようになったわけです。
 じゃ、改めて、もう少し突っ込んで大臣に聞きます。
 例えば、私も高校の教師でしたが、受験の前になったら、これ小論文指導なりあるいは補習授業なりということで夜までやって、また家に行って夜中まで教えなきゃいけない。あるいは早朝講座やったり、あるいは放課後の特別講座、教室でやったりするわけですけど、例えば高校において、学校が独自に学力向上を目的とした一時間目の前に行う早朝講座、いわゆるゼロ時間目なんというふうに言われているんですが、早朝講座や早朝テストの監督、あるいは遅刻指導、あるいは放課後補習講座、あるいは教育公務員にとっては勤務日でもある生徒たちの夏休みに行う夏季講座、あるいは先ほど例示しましたが、受験などで行う小論文個別指導などは、これは教員の時間外手当相当として支給されている調整額のほかに別途の手当が支給される制度になっていますか。お答えください。
#190
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 教員の給与につきましては、先ほど先生、また大臣も申し上げたとおり、正規の勤務時間に対する給料に加えまして、勤務時間の内外を包括的に評価し、各都道府県などが条例、規則で定めるところにより、給料の四%を基礎とする教職調整額がまず支給されております。
 また、正規の勤務時間を超える場合や休日などにおきまして、非常災害時の緊急業務や部活動指導など心身に著しい負担を与える程度の業務を行った教員に対しましては、条例、規則に基づき教員特殊業務手当が支給されております。それから、宿泊を伴う業務につきましても、修学旅行、林間学校などで泊を伴う場合には、条例、規則に基づき教員特殊業務手当が支給されていると、そのような構造になってございます。
#191
○義家弘介君 文科省で私の言ったことを繰り返す必要ないんですよ。私は大臣にこう質問したんです。例えば、学校が独自に学力向上を目的として一時間目に行う早朝講座とか、一時間目の前に行う、あるいは遅刻指導とか、放課後の講座とか、教育公務員にとっては勤務日である生徒の夏休み中の夏季講座とかに別途の手当が支給されるんですかと聞いているわけですよ。
 じゃ、文科省、どうですか。
#192
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 教員の本来の勤務時間内の業務であれば、給与あるいは教職調整額で支給されているという形になります。
#193
○義家弘介君 つまり、そのために教職調整額で上乗せ分があるわけですよね。つまり、教育活動をしてもらうために一般の公務員より上乗せた給料をもらっている。
 ちなみに、今年二月、これ実は沖縄の高校の事案であります。二月二十九日に内閣府から発表された二〇〇九年度の一人当たりの県民所得、沖縄県、四十七都道府県中、下から二位の二百四万五千円。一九八八年以来二十一年間は最下位でありましたが、今度は下から二番目になった。一方、沖縄県の人事課のホームページで見ると、沖縄の高校教員の平均給与ですね、四十一歳九か月で、給料三十五万四千二百円、プラス手当五万一千百十二円、トータル四十万五千三百十二円、ボーナスは給与の四・五か月分、百五十九万一千九百四円、トータルで六百四十五万六千円。これに扶養手当と住宅手当と通勤手当が出る。ちなみに、一般の公務員、教員よりも平均年齢が高くて算出されていますが、一般の公務員の場合は三十六万七千六十六円。
 教員の方が一か月当たり三万円ぐらい、平均の年齢が低くても高くなっている。これは、教師の勤務の特殊性を鑑みて上乗せの給与、つまり残業代、時間外に充てるものが上乗せされているということの証明であろうと思いますが。
 これ、ただでさえ、県民の平均所得の三倍以上の給料をもらっている教育公務員が、私に寄せられた今回の事例というのは、何と保護者から集めた金でこれを裏手当として、講座をやったら幾ら、この早朝講座に対しては何千円という形で保護者から徴収したPTA会費から何と教員それぞれに充てられていたという信じられない実態であります。まさに収賄に該当する、そんな実態であろうと思います。
 まず、ちょっと御説明しますが、沖縄県では、一九八六年のA高校、これ創立を皮切りに、現在多くの学校で生徒の学力向上を目的としたゼロ校時が導入されています。生徒の学力、学力テスト、いつも一番低い。その中で、学力向上をしていこうという必死の努力も一方である。しかし、このゼロ校時は教員が通常の勤務時間より早く出勤するため、何とこの導入から二十三年間、その高校ではこの手当を保護者からの拠出金で賄ってきたという歴史があります。
 教員への現金支給基準については、全て教員側に委ねられ、実態がどうなっているのかPTAに学校が開示したこともこれまで二十三年間一度もなく、幾ら、どのような基準でそのPTA会費からお金が払われているのかという基準も全く明文化されていなかったということです。支給は現金を預かっているPTAの会計責任者が学校からの申請に一〇〇%応じる形で先生方に現物支給、そしてお金が出されて判こが押されると。
 このA校においてこの問題が問題視されまして、保護者の求めに応じて先日三月一日に初めて進路手当一覧表なるものが出されました。前日まではそれは存在していないと学校側は説明していたんですが、急遽その進路手当一覧表なるものが学校から提示されました。
 その内訳いわく、早朝講座一回やると三千円、それから早朝テスト監督千五百円、補充という教科千円、遅刻指導千円、放課後の授業六十分三千円、九十分四千五百円、夏季講座九十分三千円、小論文個別指導三千円、模試監督千円という形で、PTAの納めた会費から何とそのまま教員に言い値でお金が裏手当として出ているという事実が保護者の告発によって私に寄せられたわけです。
 今回、その証拠となる学校提出資料や、そしてようやく学校側が公開した収支報告書もこの決算委員会に出して国民の皆さんにこれはおかしいんじゃないですかと示そうとしましたところ、民主党の理事は、まず、どこの学校なんだ、誰が持ち込んだ、誰が持ち込んだ資料なんだと。この保護者は自分の子供を人質に取られているようなものなんですよ。しかし、こういう不正が行われていたら、これは看過できることではない、その思いで、勇気で今具体的な資料を私のところに届けたわけです。それに対して、日教組、まあ日教組王国ですよ、沖縄は。まさに日教組問題でもあるんですよ、この手当の問題、裏手当の問題というのはね。主任手当拠出金事業とほとんど変わらないんですよ、構造が。それにもかかわらず、その資料をこの決算委員会に証拠資料として出すことは拒むと。誰が出したのか教えろ、どの学校なのか教えろと、そういう形の因縁を付けて組織ぐるみで隠蔽しようとしていると。
 具体的にちょっとお話ししましょう。この学校はどのような形になっているのかというと、教員に支給されているお金ですね、これ、沖縄県の教育庁の県立学校教育課に保護者が問い合わせたら、何とこう言ったらしいですよ。ちゃんと税務署に確定申告していれば問題ない。
 平野文部科学大臣、問題ないんですか、これ。PTA会費から教師に、本来、教師の職務である授業を行っただけで一人一回何千円、遅刻指導何千円というふうに出ていることは、ちゃんと税務署に確定申告していれば問題ないんですか。平野大臣、お答えください。
#194
○国務大臣(平野博文君) 突然の指摘でございますから、現実に事実関係というものがはっきりと私特定できておりません。そういう中で、今議員指摘の場合について、一般的に言いますと、そういう場合については教育委員会がしっかりと許可をするとかそういうことがあるならば、許可をしているということであるならば、私は、金品の、その対価に対する支払というのは可能ではあると私は思います。
#195
○義家弘介君 教育委員会の許可があれば、公務員である先生が学校でアルバイトしてもいいというんですか。学校という場所、公の場所を使って、本来の自分の職務であるのに、授業をしたら金品を受け取っていいと平野大臣は言うんですか。もう一度お願いします。
#196
○国務大臣(平野博文君) 申し上げます。
 教育公務員に対する特例法という法律がございます。そういう中にありまして、十七条で、教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者の教育委員会において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができると、このことを私、先ほど簡単に申し上げたところでございます。
#197
○義家弘介君 それ、全然答弁になっていないです。
 いいですか。職務専念義務を校長が解除して学校の外の講演会に行ってお車代をもらう、そういうパターンじゃないんですよ、これ。二十三年間、いいですか、もう一回繰り返しますよ。二十三年間、これ組織的に、遅刻指導をしたら千円、講座を一回やったら、早朝講座をやったら三千円という形でPTA会費から学校を使ってお金出ているんですよ。(発言する者あり)これがあり得ることなんですかって聞いているんですよ。職務専念義務解除の問題じゃないでしょう、これ。いかがですか、平野大臣。
#198
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 先ほど大臣からは、教員の職務と責任の特殊性に基づきまして、教育公務員特例法に基づきまして、教員の能力、適性をより幅広く生かすということで、教育委員会の許可を得た上で報酬を得て兼業を行うことができると、そういう法制度を申し上げたところでございます。
 先ほど先生から御指摘があったケースにつきましては、文部科学省としてまだ実態を詳細に把握できておるものではございませんので、必要があればまた関係の教育委員会から事情を伺い、対処したいと考えております。
#199
○義家弘介君 教育委員会は、PTAは我々と独立した組織だから口は出さないと言っているんですよ。だから、教育委員会が認める認めないもないわけです。
 そして、PTAが認めたんだとか、そんなおかしなやじが出ていますけれども、これはおかしいということでPTAが問題にしているんですよ。我々の拠出したお金が一体どうなっているのか、今までその内訳さえ学校は示してこなかった、これを示してくださいとじりじりと交渉した結果、やっと出てきた、この二十三年度、一体どうなっているかといえば、進路指導費として何と予算額一千七百二十五万円が計上されています。これPTAが出したお金ですよ。そして、現在まで、平成二十三年の一月三十一日現在、一千三百四十二万二千円が裏手当としてPTA会費から学校の教員に直接現金で支払われているんですよ。
 そして、学校の教師がそれを申請して、そしてそれに対して判こを押して支給されるという証拠の書類を本日出そうと思ったら、それを出すのはまかりならぬと言っているわけですよ、今詳細をつかんでいないから。この中で詳細を明らかにしようとしたら、民主党自身がそれは駄目だというわけですよ、こんな大きな問題があるのに。(発言する者あり)今出典の話だと理事は言っていましたが、これは誰が持ち込んだ資料なのか名前を言え、これはどこの高校の資料なのか名前を言えですよ。まさに犯人捜し、この親の子供が一体どうなるかなんて、彼らは全く考えずにですよ。これ、子供たち人質に取られているようなものじゃないですか。
 例えば、小論文指導、これ受けていなかったら推薦入学希望するのに受け入れないかもしれない、早朝講座、これ受けなかったら内申点が下がっちゃうかもしれない。様々な思いの中で、親だって疑問に思いながらもこれまで慣例的に普通の、平均のPTA会費以上のお金をずっと拠出してきた。そして、それがそのまま教育公務員である先生方に一時間幾らでどんどんどんどん払われている。
 まして、この夏季講座の募集、これクラスで出されたものですけれども、この夏季講座に参加者を募っていますよ。これだって、一人一こま三千円取っているんですよ。夏季講座、この時間、この時期というのは月曜から金曜まで、土日は一切ないですからね、先生方にとっては、公務員の先生方にとっては勤務時間中なんですよ。その勤務時間中に講座と称して学校の教室を使って、そして子供たち、親たちから金を取って授業をする。これ、どう考えてもおかしいということを、誰々が認めたからなんという問題じゃなく、これ考えなかったらとんでもない問題ですよ。
 平野大臣、もう一度、これ、本当に問題ないんですか。
#200
○国務大臣(平野博文君) 先生、そこまで具体的におっしゃるんであれば、具体的なところを事前に私の方に言っておいていただければ、もう少し具体論をお話しできるのでありますが、突然の話でございます。先生を云々ではありませんが、やっぱり事実を確認して、その事実に基づいて対処しなきゃならないと、かように思っております。
 その上で、PTAというのは、PTAという構成をしている組織がその集めたお金をどう支出する、どうするかというのは、私どもとしてそれはいかぬとか言うべきことではまずないと思います。
 先ほど申し上げましたように、教員が勤務時間中、これはちょっと私の考え方からいくと勤務時間中ということについてはいかがなものかと思いますが、それ以外のところについては先ほどの教特法について申し上げたと、こういうことでございます。
#201
○義家弘介君 夏季講座、勤務時間中じゃないですか、勤務時間中じゃないですか。つまり、学校という場所を使ってアルバイトしているんですよ。これ、保護者たちは許されないと言っているわけですよ。しかし、子供たち人質に取られているからなかなか大きな声を上げられずに今日まで来たわけですよね。
 そして、詳しく教えてもらえたら云々という話ですが、昨日からこの資料の提出をめぐって民主党さんが、いやいや、そんな資料出せない、出せない。資料出せないのにどうやって詳しく明らかに通告できるんですか。そういう話になるじゃないですか。まさに、誰がよこした資料なのか名前を教えろ、どこの学校なのか教えろと。これ、マスコミも含めて私この実態正確に暴きますけれども、しっかり提示しますよ。
 その上で、あなたたちしっかり考えなきゃいけないのは、先生方、この交渉の折にこう言っているんですよ。高教組の先生が立ち上がって、つまり日教組教員ですよ、ゼロ校時を廃止したら生徒が深夜徘回するようになる、ゼロ校時を廃止したら授業に付いていけない生徒が発生する、ゼロ校時を廃止したら学力が低下し、大学合格者が確実に減る、手当が廃止されるならもう協力しない、教員にただでやれというのは労基法に抵触する、総会にかければいいじゃないか、総会で決めようと、正常な訴えをしている人たちを教師という立場を利用して更にこういう脅しに似たことを言っているわけですよ。これは本当にとんでもない事実です。
 そして、ある元校長先生言っていました。この事実は知っていますと、しかし組合が強くて、手当を出さなかったらどんなに学力向上のためにやろうとしても先生方が協力してくれないんですよと。子供たち、何のために高校があるのか、何のために教育があるのか。あるいは、ある教師はこう言っていましたよ。高校無償化で負担が減ったんだから、そのぐらいの負担は保護者がするべきだと。とんでもない話ですよ。
 高校無償化の検証も平行線で、全く譲歩の姿勢も内容の検証もできていませんでしたが、この問題も含めて改めて検証してまいりたいと思っております。
 私からは以上でございます。ありがとうございました。
#202
○委員長(山本順三君) 関連質疑を許します。若林健太君。
#203
○若林健太君 自由民主党の若林健太でございます。
 私は、二十六歳のときに地元長野市で会計事務所を開業して、税理士、公認会計士の仕事をずっとやってまいりました、二十年間。一昨年の参議院選挙長野県選挙区で初当選をさせていただいた者であります。今回、この決算委員会全般質疑をするに当たって、こうした機会をいただいたことに感謝を申し上げながら質問に入らさせていただきたいと思います。
 まずは、本決算委員会では平成二十二年度の決算質疑をすると、こういうことでありますから、一般会計の推移表について用意をさせていただきました。(資料提示)十九年度、二十年度、そして二十二年度の決算額を並ばさせていただいています。
 二十一年度、この二十一年度というのは、リーマン・ショックがあって景気対策等大幅な数度にわたる対策を行って非常に決算額が膨らんだということがあります。また、前半は自公政権、後半は民主党政権と、こういうことでありましたので、ある種特殊な年度でありますからそこを省いて、そして十九、二十と二十二年度決算を比較していただきたいと思うんです。
 お手元の資料を見ていただきますと、自公政権時代、十九年度、二十年度は大体八十兆前半、八十兆円台の国家予算、一般会計でありましたけれども、平成二十二年度、民主党が予算から決算まで通期で行ったこの年、九十五兆円と、十兆円近く増しているわけであります。これは一体どうしたことでしょうかと。決算というのは、言うまでもなく、一年間の活動を数値で表した通知表みたいなものですね。この通知表、十兆円増加しているこの理由について、まずはお伺いしたいと思うんです。
 それに当たって、民主党のマニフェスト、これはよく言われていることでありますけれども、無駄を排して十六兆円ということをあの衆議院選挙でお話をされていました。幾つかの財源がありますと、こういうふうに言っておられるんですね。実は、結構、積立金の取崩しなどといって一時的な財源しか入っていないのもこの十六兆円の中に入っていて、大変な問題があるわけですけど、十六兆円そのものにも。ただ、恒常的なものとして示しているこの人件費一兆円、あるいはここの委託費、施設費、庁費というところで六兆円出てきますよと、こういうふうにおっしゃっておられました。
 再び先ほどの推移表ですが、二十年度と二十二年度、人件費は果たして一兆円下がっているでしょうか。実際にはほとんど横ばいになっておられます。また、補助費、委託費については六兆円、そんな財源になっているでしょうか。実際には、二十年度まで二十兆円台だったものが、この二十二年度決算においては三十一兆四千億にまで跳ね上がっているわけですね。これはまさに、先ほど同僚の中川議員からも御指摘されておられましたけれども、ばらまき政策をやりながら、お約束をした歳出削減ができていなかった、そのことの証左ではないかと思うんです。
 この十兆円の増加額、総理はどのように御説明されるか、お聞きしたいと思います。
#204
○国務大臣(安住淳君) 八十一兆から九十五兆になったのではないかと。その中に、まあ二十年度は八十四兆ですから、先生御指摘のように、二十一年度というのはリーマン・ショックがありまして、本当にそういう意味じゃ麻生政権も苦労なさって、これは赤字国債もかなり増えて、また公共事業等を中心とした補正予算も組んだわけです。
 それで、二十二年度になりまして九十五兆でございますから、トータルでいえば十兆円近く上がっているのはということですけれども、これは内訳を見ますと、国債発行残高に伴う国債費の増が三・五兆、それから社会保障の関係費の自然増ですね、これが四兆円程度あります。それに子ども手当等は確かに含まれますけれども、ですからトータルとして、それに一・八兆を足すと五・九兆ですね。さらに、基礎年金の国庫負担分、これらも含まれております。機械的に地方のさらにお渡しするお金が折半ルールになっているのは御存じだと思います。ですから、どうしても地方の減収分の補填というのは、これは国の責任でやっておりますから、これも約一兆円近くあります。そうしたものが言わばあって、さらにそれに特会の道路特定財源の特会直入を一般会計に機械的に入れただけでこれが〇・九兆積み増さっていると。こういうのを足して、更にそれに対して公共事業の部分をマイナス、三・四を引くと、ちょうど十兆円程度になるということでございます。
#205
○若林健太君 今の御説明の中で、人件費どうして一・一兆円下がっていないんですか、このことについての御説明はありませんね。自然増で社会保障費が何で二年間で四兆円も上がっちゃうんですか。一年で一兆上がるというのは、それはよく言われていることですね。子ども手当、これは確かに上がっています、財源はありませんでした、そこは認めましたね。全体として、非常に民主党政権になって歳出が緩んでいるということが今の御説明の中で非常に明らかになっているということだというふうに思います。
 私は、今回この話を出したことについて、もう一つ次に進めていきたいんです。
 この二十二年の決算額と二十四年の予算額というところを見ていただきたいんですね。二十二年は確かに九十五兆円でありました。しかし、二十四年の予算は九十兆円に抑えたんですと。何とか緊縮予算にしましたかのように見えるわけでありますけれども、その差額の大半は実は基礎年金、年金特別会計のところに実は二兆円下がっているというのがございますね。これは一体何ですか。
#206
○国務大臣(安住淳君) 交付国債にしたからであります。
#207
○若林健太君 交付国債にした、正確に言えば、基礎年金の国庫負担二分の一にするためのもの。基礎年金の二分の一差額分というのは払わないんですか。教えてください。
#208
○国務大臣(安住淳君) 法律上は二分の一ということに平成十六年からなっておりますけれども、現在は三六・五%のお支払をすると。ですから、二分の一分の差は二・六兆あるわけです。これについては長い経過は申しませんが、この三年間については税外収入等で何とかやりくりをしてきました。
 しかし、今回の予算については、東日本大震災でのこの税外収入をそちらの方に振り分けるということがあったものですから、そうしたことから交付国債を今回発行してそれを賄うということにしたわけでございます。
#209
○若林健太君 私が聞いているのは、この二分の一、二・六兆円ですね、二・六兆円は払うんですか払わないんですかということを聞いています。簡単に。
#210
○国務大臣(安住淳君) 払うことになります。
#211
○若林健太君 そうですね。二・六兆円を、これは法律で決まっていることですから、国が責任を持って払わなければなりません。しかし、一般会計上は除かれちゃうんですね、二・六兆円。実際には二・六兆円を払っているにもかかわらず、一般会計からは消えている、これはおかしくありませんかね。
 実は、なぜそういうふうになっているか。今大臣がお話しされましたけれども、交付国債を独立行政法人、これは年金積立てを運用する年金積立金管理運用独立行政法人というところへ渡して、そこが持っている年金積立金を取り崩して、それで特別会計に直接お金を入れるから、実は一般会計からお金が入ってこないんですね。交付国債、これは将来の消費増税を充てて実は発行すると、こういうことですが、一体この消費増税が通らなかったらこれどうなるんでしょうかね。交付国債を独立行政法人に渡して、そしてその同額の金額を国民の共有の財産である年金積立金から金引っ張ってきている、こんなこと本当にしていいんでしょうかね。
 この財政規律というものに対する考え方、私、総理にお話をお伺いしたい。この国民共有の年金積立金、この財産を取り崩して、で、国庫が負担をしなければいけない義務的な経費を補填する、こんなやり方をして本当にいいのかどうか、どうお考えか、お聞きしたい。
#212
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これはでも元々年金法の本来の考え方で、消費税を含む税制の抜本改革で対応すると、その二分の一と三六・五%の間を埋めるという年金法のその趣旨に沿って、今回はいわゆる交付国債という特別な形で対応させていただいておりますけれども、御党のお考えはこれは赤字国債を発行して対応すると、将来のその財源は消費税ということでございますので、基本的な考え方は一致しているんじゃないでしょうか。
#213
○若林健太君 いや、私の質問をちょっと聞いていなかったのかもしれませんね。私がお話をしたのは、本来は国がもちろん法律に基づいて国庫で負担をして払っていかなきゃいけない、一般会計から特別会計へ支払わなければいけないものを、国民の共有の財産である年金積立金、そこから金を引っ張ってしまっていると、こういうやり方で本当にいいのかと。その国民の共有財産である年金積立金、ここから金引っ張るに当たって、将来の、消費増税まだ決まっていませんね、決まっていないようなものを担保に入れてここで調達をする、その行為についていかがかということを伺っているんです。
#214
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 間違いなく将来の財源は消費税であると、それをもって必ず償還をするということを明記をしている話でございますので、そんなにおかしいことではないというふうに思いますし、消費税を引き上げることについては御党も御理解いただいていると思いますので、それについての不透明感はないというふうに思います。
#215
○若林健太君 私が御指摘申し上げたのは、年金積立金というのは国民共有の財産であると、この国民共有の財産を国家のそのときの金繰りに使ってしまうことの意味、このことを問うておりました。
 何度言ってもお答え同じようでありますので、このことについてはどうも年金の安定的運用に対する責任感、この問題だというふうに思いますので、そこは総理には欠如しているというふうに思いました。
 財務大臣に。
#216
○国務大臣(安住淳君) はい。
#217
○若林健太君 いや、はいって言わなくていいですけれども。
 財政法十二条、財政法十二条には会計年度独立の原則というのが定められていますね。すなわち、各会計年度の経費は、その年々の年度の歳入をもって支弁しなくてはならないと、こういうことであります。
 年金交付国債、これは確かに、一般会計に限れば、現時点で歳出予算が計上されなくて、歳入歳出が将来の時点で同時に計上されると、形式的には確かに十二条に当たっていると、こういうことなのかもしれません。しかし、国全体で見てくださいよ。年金の給付、それはこの二十四年度に行われちゃうんですね。しかし、それに対する歳入はこの交付国債の償還期限にわたってずっと後ろに先送りされている。これは事実上、事実上、この会計年度の独立性に違反している、財政法十二条違反だ、こういうふうに思いますけれども、いかがお考えですか。
#218
○国務大臣(安住淳君) 財政法十二条は、各会計年度における経費は、その年度の歳入をもってこれを支弁しなければならないというふうな記載をしております。
 それで、今、若林先生御自身もお話ししておられますので、これは今回の法律の趣旨に照らし合わせれば決して違反をしているとは思いません。財政法十二条の規定は、特定の年度における、先ほども私が述べましたけれども、収入支出はほかの年度の収入支出と区分すべきという原則を定めていると思います。
 今回、二十四年度において、年金交付国債は年金財政に交付する一方、基礎年金給付を賄うために年金積立金の一部資産を現金化することとし、具体的には、年金特別会計の歳入予算で年金交付国債見合いの積立金からの受入れ見込額を計上しています。これを年金特別会計の歳出予算に計上する基礎年金の財源に充てることとしておりますから、これは言わば合っているわけですね、歳入歳出。それから言えば、財政法十二条の規定に照らしては何ら問題はないというふうに考えております。
#219
○若林健太君 いや、だから、私がさっきから言っているのは、その今のお話は、形式的に合っていますよということをるるお話をいただいたんですね。それは形式は合っているんですよ。だけど、法の精神ということを考えたら、こういうのは禁じ手だということの御指摘をさせていただいたわけであります。
 小宮山大臣、この年金交付国債、この年金交付国債にかかわる会計処理で、年金特別会計には運用寄託金というのが貸借対照表に計上されておりますが、これは、これ素直に会計見れば、交付国債というのは運用資金として寄託をしたと、独立行政法人に、そういう理解でよろしいですか。大臣、お願いします。
#220
○国務大臣(小宮山洋子君) そういうことだと思います。
#221
○若林健太君 大臣、理解されていないな。
 実は、これは、交付国債を特別会計が独立行政法人にもし寄託をしたと、こういうお話であるとすれば、これは寄託した資産として独立行政法人が運用しなければいけません。
 独立行政法人の平成二十二年度の運用利回りは幾らだか分かりますか、何%だか。
 まあ、これは通告してあるんですけれどもね。独立行政法人の運用利回りは二・四%。そして、今予定されている交付国債の利回りは〇・四兆円分、これ一・三%ですね。何でこの一%の差があるんですか。運用寄託資産だったら、この独立行政法人の運用するその利回りで回さなきゃいけないんじゃないですか。どうぞ。
#222
○国務大臣(小宮山洋子君) これは二十六年から二十年掛けて償還をしてもらう形にしています。その間の、これはその時点で、発行時点の運用利回りでやるわけですけれども、今発行している国債、何年物というのがございますけれども、それの平均でやっているということです。
#223
○若林健太君 大臣、分かっていないんですよ。その後ろの参事官とは昨日みっちり話をしましたから御理解いただいていますけどね。まあ参事官に答弁してもらってもいいですけれども、しかしそんなことは駄目ですから。
 よく理解していただきたい。ここが実は今回の交付国債の極めてずるいところなんです。要するに、運用寄託として会計処理をしなければこれ処理できない、なぜですかと。それは、独立行政法人に突然国が交付国債をどんと突っ込んで、運用資産の中に突っ込んじゃったわけですよ。これ、運用寄託でも何でもないんだ、実は。通常の運用をしている国債の中にそれをつぎ込んで、そしてそれを担保にして金引っ張っているという、こういうスキームになっているわけですよ。よくスキームこれから勉強していただきたい。まだまだこれから私ども議論していきますからね。
 そして、こういう無理なスキームをするから、実は特別会計のこのBSに運用寄託金なる、実際の取引とは違うような計上をしなければならなくなっているんですよ。これはまさに異常事態だということを私は指摘をさせていただきたいというふうに思います。大臣、何かありますか。
#224
○国務大臣(安住淳君) 私、厚労大臣ではないんですが、お願いした方なので少しお話ししますと、確かに、運用収入相当額の御指摘ですよね、運用収入相当額。
 いや、つまり二十六年度の、つまり国債に、全部の国債を運用した利回りは先生言うとおりなんです。ところが、私どもが今回やったのは、運用収入相当額、つまり、言わば、簡単に言えば、利息分は払います。その額は全体の利息ではありません。利率を適用したんじゃなくて、国債の割引債の相当額を充当しましたから、その分のお金を〇・四というお話で、返すという話で合意をさせていただいたということです。
#225
○若林健太君 そんなことは分かっているんですね。
 そういう処理をしていながら、一方で、運用寄託金として会計処理をしなければいけないところに整合性がないじゃないかということを指摘している。この矛盾を抱えざるを得ない。これは、交付国債というものを使いながら、非常にイレギュラーな形で資金調達をしたことによって出ている矛盾なんです。この点はこれからもっと、ここでこんなことをやり始めると一時間も掛かっちゃいますから、ゆっくりとまた財政金融委員会の中でも議論をしていきたいと、こんなふうに思います。
 非常に、そういう意味では交付国債、今回のこのスキームというのは大変問題をはらんでいるということは、今日ここにいらっしゃる方皆さん分かっていただいたと思うんです。来週、私どもの党の宮沢洋一議員がこの辺をまた更に突っ込んでやってまいりますから、是非楽しみにしておいていただきたい。
 予算総則にはこの交付国債については二・六兆円としか書いてありませんけれども、先ほどのお話で、実は運用利回り〇・四兆円を入れて三兆円を発行するんですよね。だから、その予算総則に書いてあるよりも、実際に発行する借金というのは多いんですね。そして、中期財政フレームに定められている四十四兆円、その枠で収まりました、こう豪語しているけれども、その中にはこの交付国債は含まれていない。三兆円の交付国債。
 交付国債って何ですか。将来の消費税を想定して、今借金をして、二十年にわたって返すと言っているじゃないですか。これ借金って言わないんですか。国民は納得しませんね。どうしてこんな粉飾まがいのことをしなければいけないのか。
 私ども自由民主党は、こんなこそくな手を使うんではなくて、一般会計の中でしっかりと資金調達をし、そして特別会計に入れるべきであると、こそくなことをするなということを申し上げております。このことについて総理はどうお考えですか、総理。
#226
○内閣総理大臣(野田佳彦君) こそくなことではなく、特別な対応をしたということでございますし、交付国債は、もう御案内のとおり、赤字国債、建設国債と違って、これはまさに財源調達の手段ではありませんし、市場を通じて調達するものでもございませんので、そういう意味から、全く性格が違うけれども、まさにこういう形の特別な対応をしてきたということでございます。
#227
○若林健太君 総理は今、私どもが質疑をする中で、非常に明らかになった大きな矛盾、そして、普通の皆さんは、これ借金だなんて思わない人なんかいませんよ。それを取り除いて、私どもは借金は実はそれよりもずっと低いですよなどと言う、そして一般会計からその部分を除いてしまう。民間の会計でいえば、これは飛ばし、粉飾と言うんですよ。大変に大きな問題であるというふうなことを御指摘申し上げたい、こんなふうに思います。
 これは何が問題なのかというと、アカウンタビリティーの問題なんです。今、民間の会社の経営をいろいろやっておられる方は皆さんそうです。昔とは違って、情報開示の責任をみんな負っている。衆目の目にさらされながら会社の経営やなんかをやっているんです。政府の運営、国家の運営はまさにその気概を持っていなければいけないと、このように思うんです。こそくな手を使って一般会計を削ったり、あるいは借金を目先だけ小さく見せるなどというような、そういう取組というのは慎むべきであると、このように思うんですね。
 このアカウンタビリティーという問題で、少し話題が違いますけれども、もう一つお伺いしたいことがあります。
 私は、去る二月六日に、政府・民主三役会議における議事録等の取扱いに関する質問主意書というのを出させていただきました。十四日に答弁書をいただいたんですが、これによると、政府・民主三役会議は民主党主催の会議であって政府として答える立場にない、議事内容も、公文書等管理に関する法律、これに係るものではなくて作成する必要はないんだと、こういう回答がありましたが、それでよろしいですか。総理。えっ、副総理なんですか。総理に。
#228
○委員長(山本順三君) 野田内閣総理大臣。
#229
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 政府・民主三役会議は、今議員御指摘のとおりであって、党としてのこれは会議体でございますので、議事録を作っていないということでございます。
#230
○若林健太君 今日パネルを用意しました。これは、インターネットや何かで確認をさせていただいて、政府・民主三役会議というのがどこでどうやって開かれているのか、これを一覧にしてみたものであります。もしかしたら一、二抜けているかもしれません、これは私どもが調べたものでありますから。
 大体毎週開かれているんですね、総理官邸で。そして、極めて重要な政策決定をここで行っている。皆さんも覚えていませんか。十一月の十日、十一日、TPPに向けて参加の協議に入る入らない、十日には入ると言うんだと思っていたら、与党幹事長の御助言もあったか、十一日にずらすというようなことがありました。さらには、あの八ツ場ダム建設再開決定もこの十二月の二十三日、公邸での三役会議の中で決められた。
 私どもはずっと注視しています。まさに、ここで政策が決定されている。政府・与党一元化、こんなこと昔言っておりましたが、ここは政策を決定する場ではないんですか。もし、ここで決定をしながら、しかしそれは政党がやっている会議だからと言うんであれば、その二枚舌を使い分けることこそが民主党が批判をしていた政府と与党の二元化という話じゃありませんか。どうですか。
#231
○国務大臣(岡田克也君) まず、この委員の御指摘は、公文書等の管理に関する法律第四条の解釈の問題だというふうに思います。
 第四条においては、途中飛ばしますが、行政機関の職員は、当該行政機関における経緯も含めた意思決定に至る過程並びに当該行政機関の事務及び事業の実績を合理的に跡付け、検証することができるよう、文書を作成しなければならないということであります。政府・民主会議というのはこの行政機関というふうには私には到底思えないわけであります。
#232
○若林健太君 官邸で総理と官房長官が入って、そしてあの十一月の十日、十一日、みんな固唾をのんでいました。あの政治劇をずっと見ながら、これは党の会議だと、そう言って知らぬ存ぜぬで本当にいいんでしょうかね。これは、理屈をそんな幾ら言ったって、見ている国民の皆さんが判断しますよ。あそこで決めているんじゃないかと、こういうふうに思われるんじゃないでしょうか。
 そもそも、民主党のマニフェストには五原則というのが書いてありましたね。二番目に書いてあるのは、政府と与党を使い分ける二元体制から内閣の下の政策決定に一元化すると、こういうふうに書いてあって、政権交代直後、政策調査会というのを廃止しましたよね。そして、政務三役が内閣に入ってそこで全てを決めるんだと、こういうことを言っていたじゃないですか。政策調査会は復活をしました。そして、その前の内閣では政策調査会長が閣僚に入っていた。今は閣僚じゃないから、政府・三役会議で物事を決めていきましょう。ここで決めているんですよね。政策の一元化、そしてこの政府・民主三役会議というのは設置しているんじゃないんですか。
 マニフェストは一体どこ行った、まあマニフェストはもう今更追及してもあれですけれども、どうも矛盾をしているように思えて仕方がないんですけれども、御説明お願いします。
#233
○国務大臣(岡田克也君) 党の意思決定は、それは党の役員会あるいは政策調査会、役員会で行います。政府の意思決定は閣議で行います。ですから、そういったことの方向合わせといいますか、そういう認識を共有するための会議がこの政府・党三役会議であるということでございます。最終的に決めるのは、党の役員会であり、そして閣議であります。
#234
○若林健太君 それを言っていた政策決定の一元化というんでしょうか。まるで我が自由民主党で政務調査会にて決定をし、そして総務会で意思決定をし、そして内閣とすり合わせをする、何か違いますか。
#235
○国務大臣(岡田克也君) それは党それぞれでいろんなことが言えると思いますが、我々がマニフェストを作るときに意識したのは、やはり党の決定がどうも政府よりも優越しているのではないかと、部会で決めたことが政府を凌駕しているような、そういうふうにも見受けられますので、我々は、そこはきちんと一元化して最終的にはそろえると、こういうことを考えたわけでございます。
#236
○若林健太君 政権交代を目指していたころの民主党の言っていたことは、そういうお話ではなかったと思いますよ。だって、そうだから政策調査会廃止したんじゃないんですか。そして、政務三役が決めるということで走っていったんじゃないんですか。
 私は、マニフェスト違反なんていうことをもう今更言ったって、どこが違反じゃないのかよく分からないぐらいになっておりますからね、いいんですけれども、いやいや、あのね、(発言する者あり)いやいや……
#237
○委員長(山本順三君) 質問を続けてください。
#238
○若林健太君 はい。
 今回のこの問題というのは、マニフェストを違反しているか、していないかということよりも、まさに国民主権、これが問われているというふうに思うんです。
 先ほど岡田副総理の方で、公文書等の管理に関する法律、四条をお読みになりましたけれども、第一条にどう書いてあるか。公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的財産として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることに鑑み、国民主権の理念にのっとり、将来及び現在の国民に説明する責任が全うされることを目的とする。そして、四条に、公務員は意思決定をしたものについてはしっかり議事録取りなさいよということが決められているんですね。
 今、この政府・民主三役会議なるものが重要な意思決定をしているということを見ると、まさに、その意思決定の過程を国民に明らかにする責任が、国民主権を、もしそれを大切にするんであれば、する必要があるんじゃないのか、このことを私は言っているんです。私は、TPPについて、なぜそういう意思決定になったのかよく聞いてみたい。でも、何にも分からないじゃないですか。そのことについてお聞きしたい。
#239
○国務大臣(岡田克也君) 法の趣旨は、今第一条で委員が読み上げられたとおりであります。それを具体的にどう担保するかということで四条があるわけですから、何でもかんでも全て党でやっていることまで全部記録を作るとか情報公開ということではないはずでありまして、具体的な担保はこの四条においてなされているということであります。
 それから、委員先ほど御指摘の、政調会というのはマニフェストでなくすはずだったのにまた復活しているという御趣旨のことを言われました。これは何らかの記憶違いだと思います。マニフェストの中で政調会をなくすなどということは書いておりません。実は私、そのときの幹事長でしたが、政権交代した後政調会をなくすという話になったわけで、選挙のときには政調会というのは当然あるというふうに考えておりましたし、マニフェストに政調会をなくすということは全く書いてございませんので、勘違いだと思います。
#240
○若林健太君 副総理は非常に論理的な方だと私はずっと議員になる前から見ておりましたけど、極めて痛々しかった、今の答弁は。全然論理が矛盾しているんですよ。
 だって、政策一元化と言いながらですよ、重要な意思決定そこでやっていて、そして、それは重要じゃありません、党の会議でございます、議事録は出しません、いいですよ、そういう判断であればそれでいい。だけど、それはまさに国民に対する重大な国民の権利への侵害だということを私は御指摘しておきたい。これは先ほどの交付国債についてもそう。要は、よらしむべし、知らしむべからずという、この非常にあしき霞が関の文化に今この野田内閣は染まり切ってしまったということを私は御指摘申し上げたいと、このように思います。
 さて、時間がだんだん少なくなってまいりましたので、次の話題に戻りたいというふうに思います。
 先ほどの午前中の質疑の中で、今日、閣議があって、特別会計についての改革、その法律要綱示された、決定されたと、こういうことであります。特別会計について、残された時間少しお話をさせていただきたいと思います。
 特別会計、今度、十七から十一に減らすということですね。しかし、この特別会計の今までの改革、ずっと進めてまいりました。またここで更に減らしていく。しかし、この特別会計そのものを減らすことが改革じゃないんですね。一般会計でこんなに大きくなっちまって使途がよく明らかにならないから、実は区分して管理するという意味合いがある。しかし、この区分して管理すると、今度中が、中で使途が、現金が残ったりなんかしたものについて、ほかに利用できなくなるから、無駄があるから、そこを改革していきましょうと、こういうことだと思います。どうも、減らせば改革になるかのような誤解が今あるような気がいたしますけれども、そのことはまず最初に御指摘申し上げたい。
 そして、会計検査院から、実はもう多額な剰余金が特別会計は残っていると。そして、翌年度積立て等で使われないもの、翌々年度以降に使われるようなものが実は二兆円近くあるじゃないかと、こういう御指摘があります。これについては、是非、今回のこの改革の中でも意識をして改良してもらいたいと、こんなふうに思うということが一つ。
 もう一つ、埋蔵金。
 もう埋蔵金はありませんと、こういうお話であります。果たしてそうでしょうかと、こういう意見もちまたにはあります。今、国家の、平成二十二年度決算の中の特別会計積立金というのは三十二個ありますね。三十二個のうち六個については適正水準の積立金はこれぐらいですということが書かれている。だけれども、それ以外は実は明細が出ていませんねということが、これも会計検査院の指摘であるんですね。
 是非、今回のこの改革の中では、適正水準についてしっかり検討した上でディスクローズしていく、そういう取組をしていただきたいと、こんなふうに思いますけれども、そのことについて、二点。
#241
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおりでございます。
 会計検査院からは、二十一年度の剰余金約二十六・五兆円のうち、二十二年度に二十四・六兆しか生かされていないじゃないかと。つまり、差引き一・八兆、二十三年度以降に指摘があって、これは活用しなさいと。
 それで、中身は、それはいろいろ理由があります。一応……(発言する者あり)いいですか、項目。一つずつ言おうかなと思ったんですけれども……
#242
○若林健太君 時間がありませんので。
#243
○国務大臣(安住淳君) それじゃ、先生御指摘のように、可能な限り効率的な活用を是非していきたいと私どもも思っております。
 いろいろ重く受け止めなければならない点もあると思いますので、これは御指摘のようにさせていただきます。
 また、埋蔵金については、積立金がそれぞれ定義付けられていて、それぞれの中身によってまたこれは本当は説明をさせていただきたいところでございます。後でまた財金ででもいつものようにゆっくりやらせていただきたいと思います。
#244
○若林健太君 この二点については会計検査院にも指摘をされていることですし、せっかくここで改革をするということであれば、これは与野党を超えて国民のためにしっかりやるべきことだというふうに思いますから、政府も頑張っていただいて、我々議会としてもしっかりとチェックをしてまいりたいと、こんなように思います。
 実は、今回、交付国債についていろいろ調べていく中で、発見をしたというか、これは議員の先輩の皆さんたちは先刻御案内のことなのかもしれません。年金特別会計の基礎年金勘定の中には、実は昭和六十年からずっと同じ残高で財政投融資として維持されているものがございます。
 これは、第三号被保険者が強制加入する制度の改正の中で、納付の相手先がなかなか政治的に決着しなかったために法律でそこへ置くことが決められた、そういうものでありますが、問題なのは、その運用収益について行き先が実は法律でしっかり定められていなかったために、実は今七千八百億にもなっている。合わせるともう一兆五千億、物すごい金額なんですね。この七千八百億の基礎年金、運用、この資金のですね、運用収益というものが、実は積立金等に運用されることなく法の規定の不備によって短期で回されてきたと、こういうことであります。是非これは改正をするべきであると、私はこう思うんです。
 実は、これはもちろん、昭和六十年ですから、自公政権時代にも責任があります。自公政権の最後の方ですね、平成十九年に被用者年金の一元化法案というのを提出しました。そのときに実は特別会計法の改正ということで、ここについて積立金にしましょうと、こういうことで私どもは修正をしようとしたんですが、これは廃案になりました。政権交代が行われて、そしてこれで二年がたって三年目に入ろう、三年目に入ったんですかね、入っていると。こういう中でこれはずうっと今のところ放置されております。
 今回の特別会計法の改正においてここを積立金にする、これは是非やるべきだと思いますけれども、大臣、いかがですか。
#245
○国務大臣(小宮山洋子君) これは今委員が御説明いただいたとおりの経緯のものでございまして、先ほどおっしゃったその運用収益は今七千九百六十五億円になっています。
 このことについては、おっしゃったように、平成十九年の被用者年金の一元化法に含まれていましたが、これが廃案になったということで、今回の社会保障・税一体改革大綱の中でも、これはこの法案に基づく形で、これをベースにして今検討をしていますので、その中で基礎年金勘定の積立金の運用収入も早期に積立金にする方向で今法案にするように検討をしています。
 ですから、これをこの通常国会に法案として提出をしたいというふうに考えています。
#246
○若林健太君 これは、長期か短期か、それだけの問題だろうと、こう見る方いらっしゃるかもしれませんが、実は大きな違いなんですね。長期で運用すれば、それは運用利回りが全然違う。国民が本来共有している財産、得られるべきその収益が実は毀損していると、こういう問題でありまして、これはやっぱり一日も早い改正が必要だと、このように思います。
 是非、本当はこれ、特別会計法の改正、そこでやるんじゃないかと思うんですけれども、したがって今回のこの法案の要綱には入っていませんが、これ、どこでどういうふうにやるつもりでいらっしゃるのか、お聞かせいただきたい。
#247
○国務大臣(小宮山洋子君) これは、その平成十九年のときも被用者年金一元化法案という形で出されておりまして、その考え方で今回もその被用者年金一元化の中で法案を提出したいというふうに考えています。
#248
○若林健太君 今回提出された特別会計法の改正、そこではやらないということですか。それとはまた別途にこの特別会計法の改正をしようと、こういうお話なんでしょうか。これ、改正をどこでするかといったら、特別会計法の改正なんですよ。積立金にするという規定を入れるかどうかなんだ。御存じですか。
#249
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、この被用者年金一元化の法案を出すときに特別会計法も改正をすることになると思います。
#250
○若林健太君 じゃ、今国会で二回改正をすると、特別会計法は、そういうことで理解はよろしいですか。
#251
○国務大臣(小宮山洋子君) これは、両方出すということになりますので、二回というか両方で改正をするということになります。
#252
○若林健太君 特別会計法の改正案は今日閣議決定されたんですかね。その法案の中には入っていませんね。これはどういうことでしょうか。
#253
○国務大臣(安住淳君) 今回のやつは十七を十一にするという法律ですよね。
 それで、結局、簡単に申し上げれば、厚生年金と共済年金への配分のルールを明確に決め切れずにいたので、ずうっと昭和六十一年から言わば積み増し、これが剰余金といいますか、七千億になっていますよと。今、厚労大臣のお話を私なりに解釈すれば、これをどういうふうに配分するのかを決めてという話でしょう。
   〔若林健太君「そのとおり。だけど、それを今国会でやるわけでしょう」と述ぶ〕
#254
○国務大臣(安住淳君) で、それを今国会中に一元化をして、ルールとして出しますと言っているんだと思います。
#255
○委員長(山本順三君) 個別のやり取りはやめてください。
#256
○若林健太君 だから、しかし、その改正をするには特別会計法の改正しなきゃいけない。今日閣議決定したところには入っていないんだけれども、じゃ、改めてもう一回、特別会計法改正するんですか。同じ国会で二回会計法を改正しようと、こういう取組をしていると、こういうお話ですか。
#257
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、被用者年金一元化法案と併せて関連法案という形で特別会計法の改正もいたします。
#258
○若林健太君 場当たり的なんですよね。特別会計法というこの一つの法律を変えるときに、どうしてそこも一緒にやれないのか。被用者年金、年金の法案の改正ともちろん一緒にやるという手もあるでしょう。しかし、会計法そのものを今日閣議決定されていますよね。そこに一行入れるだけなんですよ、実はね。だから、そういう意味では、こっちはこっちとしてやりながら取りあえず特別会計の改革をやっているという、この場当たり的な取組がこうしたことにつながっている。このことは反省をして、きちっと整理をしながら取り組んでいただきたいと、こんなふうに思います。
 私の時間もそろそろ終わりになってまいりました。今回初めてこの全般質疑というのに取り組ませていただきました。通じてお話をさせていただいたのは、ディスクロージャー、アカウンタビリティー、開示責任ということであります。
 私は公認会計士ですから、私の仕事はずっとそのディスクロージャー制度を守るということをやってまいりました。二十年前の日本の風土と今、本当に大きく企業社会というのは変わりました。昔の経営者の皆さんと比較して昔が悪いというわけではありませんけれども、グローバリズムの中で日本の経営者の皆さんは本当に全ての利害関係者の目にさらされながら、情報をオープンにして、そしてその中で早い意思決定をする、そういう訓練をされているんですね。しかし、先ほどの交付国債の取組、そしてまた議事録の問題、全てにおいてこの内閣においては情報の開示というものに対する責任感が非常に欠如していると、このように思うんです。
 新しい政治をする。それはまずは、オープンな情報、オープンな中での意思決定、そういう政治をするということではないのかと、私はこのことを最後に御指摘をさせていただいて、持ち時間若干残っていますけれども、私の本日の質疑を終わらさせていただきます。
 ありがとうございます。
#259
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 三月十一日、あれから一年近くたちました。いまだに三十四万人もの方々が自宅に帰ることができない、そういう生活を送っておられます。
 昨年の夏、福島県で全国高校総合文化祭というものが開かれました。全国全県の高校生が一堂に福島で会したわけでございます。その中で、福島県の高校生が「ふくしまからのメッセージ」という構成劇を披露いたしました。大切なもの、笑顔、温かさ、たくさん消えました。ですが、希望だけは残っています。強く生きることを忘れずに、負けないで今と向き合おう。心に迫ります。
 今、日本中で絆という思い、心、言葉、これが本当に広がっています。昨日の報道では、ドナルド・キーンさんが日本国籍を取得されたということでございまして、やはり私は、その絆というものを身をもって示されたのかなというふうに思っている次第でございます。大変にうれしく思いました。
 しかし、その絆という言葉を形にする政府には責任があると私は思っております。やはり何をするにも、町づくりをするにも、再生するにも、瓦れきがあんなにたくさん残っていたら、これは本当にもう進めないんですね。
 先般、環境省は瓦れきの広域処理へ新聞全面広告を打ちました。「復興を進めるために、乗り越えなければならない「壁」がある。」。カラー二面、すごいですよ。岩手県で十一年分、宮城県で十九年分に達しております。仮設の焼却炉二十五基をこれから、今四基はあるそうですけれども、二十四時間フル稼働しておりますけれども、これをしなければ三年では無理だと。けれども、それも七割から八割、残りはどうしても広域処理でお願いをしたいというふうに言っております。
 もちろん、東京あるいは山形、青森、広域処理に御協力してくださっておりますが、共同通信が全国の自治体の調査をいたしました。八六%の自治体が受入れ難色を示しております。一方、読売新聞は全国の世論調査、これ個々人に聞きましたら、七五%が引受け肯定、これはもちろん健康に害が及ばないものであればということで当然ございますけれども、こういう数字が出てきているんですね。やっぱり、私は、それは自治体にとったらなかなかはいはいとは言えない状況があろうと思うんですよ。
 先ほど午前中に細野大臣が、安全性についてはしっかり担保しますと、こうおっしゃいましたけれども、例えば、環境省のこういうのを私もらいましたけれども、冊子。安全の基準はどのように設定されていますかという質問で、可燃物の場合は、放射性セシウムの濃度が二百四十から四百八十ベクレル以下のものが広域処理の対象の目安となりますと、こう書いてあるんですね。けれども、下の方を見ますと、本当にちっちゃい字で、要するに焼却した灰の放射性セシウム濃度は八千ベクレル以下でオーケーだと、こう書いてある。二百四十から四百八十ベクレルが廃棄物だとすると、その八千ベクレルが灰はこれだったら大丈夫というのが、私だってなかなかこれ理解ができない。ましてや一般の方は、何で急に八千なんかなったの、これじゃ心配でとても焼却、そして灰を自分のところへなんて引き受けられないと、こうなるの当然だと私は思うんですね。
 やはり政府がきちんと、これこれこうですからこうですという説明をすると。そして、例えば、もう今ここまで来ているんですから、その法律もありますよ、四月には政府も広域処理をお願いするというふうに発表されましたけれども、八月にはこの法律も出されました、東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法を出しましたけれども、まだまだ進んでいないわけで。ですから、例えばこれを燃やしていただいたら固形にしてこうしますとか、そういうことをきっちりと示さなければいけない。
 総理、総理は消費税に関しては命懸けで皆様に増税をお願いするとおっしゃっていられるんですよ。消費税と同じぐらい命懸けで私は今回広域処理をお願いしないと、本当に進まない。これでは、幾らあれをやります、これをやりますと言ったって進まないんですよ。法律にするのか否かというのは、もう決めていただきたい。いかがですか、決意をお伺いします。総理、総理です。
#260
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の東日本大震災の発災によって約二千万トンの災害廃棄物が発生をしまして、それぞれの被災地だけで自己完結で対応することは困難であります。今回、この大地震の後に、多くの皆様が義援金を出したりボランティアで活動されましたけれども、一年ほぼたとうとしていますけれども、助け合い、支え合いの象徴的な事業がこの広域処理だというふうに思っております。
 これまでは、どちらかというと、被災地のまさに瓦れき処理に対する支援を行ってまいりました。放射能の濃度の測定であるとか、運搬も含めての処理コストは国が支援をするという対応では不十分であるということで、今度は、受け入れていただこうとしているその自治体に対する財政支援、放射能の濃度の測定、処分場の付近もきちっと、付近の皆様が一番御心配ですから、濃度のお話もございましたが、きちっとそういうことを説明しながら測っていくということと、さらに、これからコスト掛かる部分、処分場を拡張しなければいけない等々も財政支援をするという、そういうスキームの中でしっかり広報していきたいと思います。
 これは、閣僚を挙げて、政府を挙げて、あるいは党を挙げても、それぞれの今自治体にお願いをしているところでございますが、先般も、沖縄に行ったときに、仲井眞知事からも前向きな御発言をいただきました。地理的には遠いけれども被災地を思う心は近いというお話でございました。先般は神奈川の知事が官邸に来られまして、今一生懸命住民の皆様に御説明していますが、そういう意見交換もさせていただきました。
 しっかりと広報も努めるとともに、国がきちっと広域処理ができるように前面に立っていきたいというふうに思います。
#261
○松あきら君 総理がスキームを作って、しかも、きちんと国のお金を使って御心配ないように安全に広域処理をしますと今おっしゃっていただいたので、これは皆様聞いていらっしゃいます。みんな信じますから、やっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ところで、私は、不肖、党でがん対策推進本部長を務めさせていただいております。それで毎回がんのことはお伺いをしているところでございますが、五年前に、自公政権でございました、がん対策基本法を作りました。本当に皆でこれは知恵を寄せ合って、皆様の御意見を伺いながら一生懸命に作らせていただきました。今般、それに伴う五か年ごとの基本計画、これが策定とされる年となったわけでございます。
 今回の新基本計画、これは私どもが一生懸命お願いをしました、小児がんあるいはドラッグラグ、緩和ケア、受動喫煙対策、様々盛り込まれました。私はこれに対しては評価をしたいと思います。かなり本当にぎりぎりになってまで変えていただいたという思いがございます。
 その中で、たばこの喫煙率の目標、数値設定、これが初めて出たんですよ。これ物すごく大きなこと。たばこは百害あって一利なしと言われているんです。様々な疾病、がんだけじゃないんですよ、様々な疾病にこれは関係すると言われているんですね。その健康被害のためにどれほどの研究対策費やあるいは医療費が今まで使われてきたか、今だって大変な思いを皆さんしているわけですよ。ですから、この目標値は絶対にやり遂げなくてはならない。受動喫煙の被害をなくして、これ、たばこを吸った人が吐く煙を吸わされる家族や同僚が余計なもっともっと被害を受けるんですね。この受動喫煙をなくす。日本の健康をリードしていただきたい。
 ところで、総理、総理はヘビースモーカーだとお伺いをいたしました。一日二箱なんて本当でしょうか。隗より始めよですよ。きっと総理も多分、やめようやめよう、あるいはやめたいなと思っていらっしゃるんじゃないかと思うんです。でも、なかなか決意できない。今日、どうですか、多くの国民の皆様方、全国民が見ている。今日から率先垂範してこれをやめると宣言。
 この二つ、いかがでございましょうか。
#262
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いや、困りましたね。済みません。喫煙率が下がっていくことは望ましいと思います。ただ私、十八からずっとやめたことがなく貫いてきてしまいました。受動分煙には気を付けさせていただきたいと思います。(発言する者あり)あっ、二十歳、済みません、そういえば二十歳、二十歳からですね、失礼いたしました。二十歳からでございます、済みません。
#263
○委員長(山本順三君) 議事録の内容を精査しなければなりません。
#264
○松あきら君 ここは目をつぶりましょう。目をつぶりますから、しっかりやってくださいね。本当はやめた方がいいんですよ、本当に周りに害を及ぼしますから。それだけ絶対に申し上げておきたいと思います。
 ところで、これは本当に、今二人に一人はがんになり、三人に一人はがんで亡くなる。その中で五万人が年間亡くなる胃がん。また松さん、胃がん。私はしつこいんです。できるまでこれもやります。やっとWHOの見解を日本が認めたんです。今まではWHOが見解を出していても厚生省認めていなかったんです。やっと認めた、ヘリコバクター・ピロリ菌が原因と、胃がんのですよ。認めたのに対策強化されていないじゃないですか。胃がん対策はヘリコバクター対策としていただきたいと私は思っているんです。様々、前回も前々回もいろんな機械を持ってきたり、キットがいいですよとか、いろんなことを申し上げました。
 一つ、がん検診にヘリコバクターの検査を入れること。二つ、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌を保険の対象とする範囲拡大を求めますが、進捗状況はいかがでしょうか。これは御専門家に伺います。
#265
○政府参考人(外山千也君) ヘリコバクター・ピロリ菌と胃がんの発生の関係に関しましては、先生御指摘のように、国際がん研究機関、IARCにおきまして高い発がん因子であることは示されておりますけれども、がんを予防するためのピロリ菌の除菌の有効性につきましては、これまでの研究結果を踏まえますと、根拠が十分でないというのが大方の見解であるというふうに認識しております。
 引き続き、がんとピロリ菌に関する研究を進めるとともに、今後、検討会を設置いたしまして、内外の知見を踏まえまして議論いただきまして、がん検診の見直しを検討してまいりたいと考えております。
 また、ピロリ菌の除菌につきましては、現在、プロトンポンプ阻害剤に抗生物質二種類を併用した三剤併用療法による除菌法が一般的に行われております。これら三種類の薬剤による除菌法は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍等の除菌に対して薬事承認がされておりまして、この範囲で保険適用がされております。
 ピロリ菌の除菌によるがん防止の有効性が十分に確認され、薬事承認で適用が拡大された場合には保険適用についても速やかに検討したいと考えております。
#266
○松あきら君 まだこんなことを言っているんですか、冗談じゃないですよ、何考えているんだ。ヘリコバクター・ピロリ菌が胃がんと関係あると分かっている。WHOがうそ言いますか。どうして、どうしてそんなことまだ言うんですか。冗談じゃないですよ、何回も何回も何回も言わせないでくださいね。
 検討会ができるということは、これは私は良かったと思っています。きっと検討会ができたらこれが進む、そして保険の対象も範囲が広がるというふうに思っておりますので、そんな答えを次のとき言ったらただじゃおきませんから、覚えておいてください。冗談じゃありませんよ、だって命が懸かっているんですもの、多くの方が亡くなっているんですもの。
 引き続いて、またがんのことでございます。本日は二十二年度決算の質疑でございます。自公政権の二十一年度で、女性特有のがん検診無料クーポン、これを全額国費二百十六億円で実施いたしました。乳がん、子宮頸がんの検診でございます。検診率はOECDの各国の中でも最低と、検診率を言われている。これを少しでも上げたいという、補正で本来は経済対策だったんですけれども、女性が職場や家庭で元気で生き生きとしていることは経済対策に資すると申し上げてこれ入れてもらったんですよ。ところが、政権が替わった。そうしたらどうしたかな、二十二年度、三分の一の七十六億円になった。二十三年度は七十二億円です。
 検診が大事だとおっしゃっているじゃありませんか。で、どうなったかというと、半分は自治体が持つ。これを言うと、役所は、あっ、裏負担していますから大丈夫です。交付金に全額は裏負担の分は入りませんよ、へずられて。入っていたって。そりゃもういろんなことに使いたいですよ、自由ですから。さっきおっしゃったじゃありませんか、自由度がある。ですから使ってくれませんよ。大変な、経済的に大変な自治体はできないんですよ。だから、できる自治体と、検診が、できない自治体が出てきちゃっているわけですよ。これが一つ。
 それから、まあ松さんが出てくるとまたかと思われますけれども、子宮頸がん予防法案、何でこういうことになっているんでしょうかね。情けないと思います。
 だって、分かっていますよ、七つのワクチンを今度定期接種化をしようと民主党政権は考えていらっしゃる。子宮頸がん、Hib、肺炎球菌、小児のですね、水痘、おたふく、いわゆるB型肝炎、肺炎球菌、成人と、こうなっております。この六つと女性の子宮頸がんのワクチンは違うんです。ほかはワクチンだけで予防ができるんです、大事です。けれども、子宮頸がんはワクチンだけじゃ予防できないというのは百も御存じでしょう。ヒトパピローマウイルス、九割の男女が、皆さん持っているんですよ、ここにいらっしゃる方たちもみんな。自然排出ほとんどの方はされますけれども、性行為でうつり合います。そしてこれが、一部ががん化する。ヒトパピローマウイルスというウイルス感染するんです。ですから、ワクチンと検診と両方要るんですよ。
 それで、前回の九月二十九日も予算委員会で私はこれを質問させていただいて、自見大臣が金融・郵政担当大臣でいらっしゃいますけれども、でもお医者様でいらっしゃいますので、これをしっかりとお答えいただいたんですよ、大事だということを言っていただいたんです。
 読み上げます。議事録。国務大臣、小宮山さんです。これ、ワクチン接種がかなり効果のあるものということで取り組んでおりますけれども、当然のことながら検診と併せて行わないとこれはしっかりとした予防にはなりませんので、そういう意味では、今、国会に提出されております法案が審議されるようにというふうに思っておりますとお答えいただいているんです。
 ですから、私、そのとき言ったんです。この法案は、私たち、自民党、新党改革、野党が出しておりますよ、(発言する者あり)だけど、そうなんです、民主党の多くの方が私のところにいらっしゃるんで、早くこれやってください。何でできないのか。でも、このとき言ったんです、実はそういうふうに大臣はおっしゃってくださったけど、この法案が、実は国会用語でつるす、審議してくれないのは御党なんですよということで、是非こんな大事なことを、私は七つ、一つ切り離していただきたい、専門のお医者様もみんな言っているんですよ、六つと一つにしてほしい。それで、このことを総理、総理の御決断でできると申し上げたら、総理は何とおっしゃったか。
 内閣総理大臣、野田総理です。先ほどからの御議論をお聞きしておりまして、これワクチン接種と検診併せて行うことが必要だということの認識を強めましたし、自見大臣の簡潔な御答弁に、予防こそが最大の治療であることを強くインプットされました。まさに治療から予防なんですよ、何回も私も申し上げているように。ということで、この議論を進めていくことは大事だと思いますので、議論できるようにということで私からも指示をさしていただきたいというふうに思っております。
 私、信じました。このとき、覚えていらっしゃいますか、こうやって拍手して、もう本当にうれしい、ありがとうございます。まあ、六百億ぐらいですから何とかひねり出せばできるのか。やっぱり女性の命が懸かっているんです。若い方たちはウイルス感染というのは余りよく御存じない方が多いんです。これをしっかりとやることが、国費でやって、たったこれだけのお金でできるんですよ、なのになぜ審議できないのか。私は本当に、国民の前でこうやってテレビで総理がおっしゃったことをやらない、できない。民主党、どういうことですか。総理、お願いします。駄目、総理。総理。
#267
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 専門的なことは後で厚労大臣に補足をしていただきたいと思いますが、昨年の九月に松先生から御指摘をいただいて、まさにワクチン接種と検診を併せてやることの意義というものを大変説得力を持ったお話をされたものですから、是非これは検討しなければとこの委員会の場で思いました。
 それを受けて、党の方の厚生労働部門でコアメンバーの会議で御議論をいただいたんです。その結果は、これは、がん対策基本法において、がん対策はがんの種類にかかわらず総合的な推進を図ることとされている中で、子宮頸がんのみに着目して法制化することには難しい面があるとの議論が強くあったということでございまして、その結論については我が党の梅村議員から松先生の方に御説明をさせていただいたというふうに私は聞いている次第でございます。
#268
○松あきら君 コアメンバーの方が承知しないそうなんです。なぜならば、七つのワクチン、これを定期接種化したいからこれはできない、そっちの方でやる。じゃ、七つのワクチンの定期接種化の中で同じように検診もやってもらえるんですかと言ったら、それはいかないわけですよ。本当に混ぜこぜにしないでいただきたいんです。がん対策基本法で読み込めるなんて間違いですよ。間違いだから、法制局とも私はしっかりやり合って作ったんですよ。
 こうも言いました、私。野党が出した法案が気に入らない、であれば、内容が同じで民主党が出してください。どこが出したっていいんですよ。できればいいんですよ。命を救うことなんですから。
 あれだけ人が大事、命が大事、そうおっしゃったんじゃないですか。それが、専門家がこう言っていますからなんて、総理、もう一回言ってください。もう一回決意聞きたい。
#269
○国務大臣(小宮山洋子君) 私も委員と同様に予防接種と検診の両方が必要だということはよく分かっております。予防接種については、御承知のように、今回、予防接種法の改正案の中にこの子宮頸がんの予防接種ということも入れたいと思っています。検診につきましては、今総理からもお話しいたしましたように、個別の法律を作ることはなかなか難しいと党の方で御議論をいただき、また医師などの議員もそういうことでございますので、先ほど交付税になって大分やるかどうか分からないという話はありましたけれども、検診の方も推進をしていきたいと思っています。
#270
○松あきら君 そうおっしゃいながら検診の費用は削っているんですよ、どんどん。これが実態です。更なる政権交代をしないとこの法案は通らないのかと、私は今日本当にがっかりいたしました。命を守るとおっしゃってくださっている御党ですから、いろんなことをおっしゃったってやってくれると思っていましたけど、がっかりいたしました。
 がんは、今やっと私ががんがん言いましたので室から今度は課になるということで、これは一歩、二歩前進だと評価をいたします。局にしてください。健康局はもういっぱい抱えている。これだけ大変な状況です。どうですか、一言で、大臣。
#271
○国務大臣(小宮山洋子君) これは、現在、健康局の総務課がん対策推進室で実施をしていますけれども、何度も言っていただくように、これ本当に大事だということで、二十四年の四月から健康局にがん対策健康推進課、仮称ですけど、これを新設をして力を入れたいと思っています。
 ただ、局にするというのはなかなか一度には、局の数が限られているので、難しい中で一歩前進と御評価いただければ幸いです。
#272
○松あきら君 是非これも進めていただきたい。必ずならなければならないと私は思っておりますけれど。やっぱり、言い続けることで室も課になりましたので、これやっていただきたいというふうに思います。
 それでは、質問を変えさせていただきたいと思います。
 AIJの事件で喪失した年金、本当にこれは大変なことであります。まさにオリンパスやAIJ事件から見える形骸化した我が国の監査システム、この在り方。このような不祥事起きますと必ず、外部監査を強化すべきとか社外取締役義務化盛るとかいろいろ、年金運用の監視強化とかいろいろ出ますけれど、私が最も心配しているのは、これはいわゆる形になって形骸化してしまう、本当にこれが心配しております。
 例えば、AIJでも、この顧客の大半は建設業、電気工事業、運送業などの中小企業なんですよ。この中小企業の総合型の厚生年金基金だったわけですね。まず、二千億のうちのほとんどが消えちゃったって言われるんです。もうこれどういう思いで、今だって大変な経済の中で特に中小企業苦労しているんです。こんなのがなくなっちゃいましたと。これもう大変な私はことだと思っております。胸が痛く思っております。
 こういうことは、形だけではなくて実効的な監査体制を確保すること、これが絶対に必要だと思いますけれど、総理、いかがでしょうか。
#273
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃったように、このAIJの対象になっていたところがほとんどが中小企業の総合型のところであると。ただ、ここが本当に負担をして大丈夫かというお話もございますけれども、これは基本的にはやはり事業主の方が掛金を引き上げて負担をしていただくということがほかとの公平性から必要なのかというふうに思っています。ただ、これは掛金引上げの猶予措置などもありますので、それは丁寧に御説明をしていきたいと思っています。
 再発防止のために金融庁の方でもお取り組みいただいていますけれど、企業年金全体を指導監督する厚生労働省としましては、今ガイドラインで余り偏った投資をしてはいけないなどやっているんですが、こういうことが出た以上、これでは効かないということで、今いわゆる御指摘いただいている天下りの問題も含めて運用の実態を調査をしておりますので、この結果は今月中に出させていただきます。
 そうしたことを基に有識者の皆さんに御議論いただいて、六月ぐらいをめどに厚生労働省としてはガイドラインの強化を図って再発防止に努めていきたいと考えています。
#274
○松あきら君 大王製紙とかオリンパス、これなんかもいわゆる四大監査法人と呼ばれる監査法人が監査していたんです、御存じのように。それでも不正は見逃されちゃったんですよ。オリンパスには三名の社外取締役と二名の社外監査役がいたんです。でも、不正を社内で問題にした社長は首になってしまったと。よくよく肝に銘じて、国民のためにしっかりとした対策を取っていただきたいと思います。
 ちょっと一言申し上げたいですね、年金のこと。やはりこれ、余りにも民主党が年金不安をあおり過ぎたんじゃないですか。私はその罪は大きいと思いますよ。余りにもあおり過ぎちゃったから、どうですか、国民は本当に不安に思っちゃった。それに、一元化なんてすぐ、厚生年金とか今共済年金とか国民、できると思っちゃった。最低年金、最低保障年金七万円、すぐに、まあ一年じゃ無理だろうけれど、三、四年待てばもうもらえると、こうみんな思いましたよね。ところが、四十年なんというとんでもない数が出てきたり。
 本当に私は、千四百兆あると言われる個人資産ですね、これも社会、将来が不安、社会保障が分からない、こういうあおられてあおられてあおられて、これ使わないで取っておこう、たんす預金にしよう、あるいは、どうしよう、使わない。こういう私は、GDPだって六割ですよ、個人消費。本当にこれはしっかりと肝に銘じていただきたいし、私は、耳触りの良い政策、あるいは行き過ぎたアジテーションが日本の政治そのものの劣化を招いているということをしっかりと肝に銘じていただきたいと一言申し上げておきます。
 それでは、最後の質問でございます。
 被災地の方々の心を慰めたのは、多くの方が演奏や歌や落語や、もう本当に多くの芸能人の方、芸術家の方々、もちろん一般の方々もですけれど、行ってくださいました。そうした音楽や、あるいはもちろん本や、そうした、文化芸術というととても広い感じがしますけれど、心を支えるものなんですね。
 正直言いまして、私、宝塚出身でございます。私が行って演説をするよりも、松さん、歌ってくださいよって。歌いませんよ、私。
 中国で一回だけありました。随分前なんです。敬老院に当時の神崎代表、浜四津代表代行等と伺ったら、お年を取った御婦人が、日本語を強要された世代ですけれど、「北国の春」とか日本語で歌を歌ってくださったんです。もう本当に胸がいっぱいになりました。いろんなことが、何も言いませんよ、言葉は。日本語で歌ってくださった。そうしたら、その当時の神崎代表がぐっとこられて、皆様、このお礼に宝塚出身の松あきらが一曲歌いますとおっしゃったんですよ。私、もうびっくりしちゃって、どうしようかと思ったんですけれども、一応「すみれの花咲く頃」を突然だったので歌いましたけれども、抱き合って泣きました。本当に大事な、私は、言葉を超えたまさに音楽であり、そういうものであると思っています。
 そこで、今こうした音楽あるいは映像、漫画などのコンテンツ産業も非常に日本の国のこれからを担う、大きな産業を担う、こういうふうに思っておりますが、やはり知的財産ということでは、昨今問題となっております違法ダウンロードのことでございます。
 やはり、もう何回も言うように、私も芸能界出身なんで、一曲の曲を作る、一つの映像を作るということは、どれほど多くの涙と汗と苦労がそこに入っているか。多くの人がかかわってできるんですね。
 この違法のダウンロードをする人は、未成年者を含む青年が多いと、こう言われているんですけれど、私は日本の青年たちに期待しているし、信じています。それは悪いことをしようとかという、そんなふうには思っていないと思う。本当に軽い気持ちで、まあちょっとということでやってしまっているんじゃないかなと思うんです。けれども、善悪をきちんと教えることは非常に大事なことなんですね、特に青少年に。
 一昨年の著作権法改正では、私的使用目的であっても、違法と知りながらダウンロードをする行為は違法とされたんです。けれども、罰則がないんですよ、これ。もうすごいですよ。正規では四・四万件、違法が四十三・六億件ですよ。これ、七千億円ぐらいだそうでございます。もう本当に、何と申しましょうか、日本は残念ながらこうした文化芸術に本当にきちんと目を向けていない。
 アメリカなどは、例えば懲役刑あるんですよ、禁錮一年、十万ドルの罰金。フランスだってドイツだってみんなありますよ、罰則が。日本でも罰則を作っていただきたい。これは抑止力につながるんです。何もとっ捕まえてお金をどうのなんて言っているわけじゃないんです。本当にきちんとしたことを教えて、きちんと正しいことをやってもらいたい。いかがでしょうか。
#275
○国務大臣(平野博文君) 松先生の迫力に負けておりますが、先ほど先生おっしゃられました違法ダウンロード、これ二つの視点があります。
 もっと未成年を含めてしっかりと啓蒙しろと、違法であるということをもっと啓蒙しろと、このことについてはいろんな機会をとらまえてやらせていただいておるところでございます。セミナー、教職員、学校職員にも講習会を開いてやっておりますし、文化庁のホームページでも啓蒙を更に強化をしていきたいと思っています。
 もう一点、刑事罰がないと、こういうことについて、私、先生と同じ認識に立っております。そういう中で、いろんな動きがあるということでございますので、そのことを注視しながら対応してまいりたいと考えております。
#276
○松あきら君 総理、やっていただきたい。やるかやらないか、お答えいただきたい。お願いします。
#277
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 平成二十一年のまさにあの法改正からまだ二年ほどでございますので、この間のいろんな識者、かかわっている皆さんの意見などをよくお聴きしながら検討していきたいというふうに思います。
#278
○松あきら君 大事な問題であります。七千億の損失、税収にだって大きくかかわってきております。お金だけの問題じゃないんです。本当に正しいことを正しいとする日本の国でありたい、そういう決意で私は申し上げているので、同じ思いであれば必ずやっていただけると信じております。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#279
○柴田巧君 柴田巧です。
 宝塚御出身の松先生の後にやるのはいつもちょっとやりにくいんですが、二十一分間、ひとつよろしくお願いをいたします。
 さて、改めて言うまでもありませんが、民主党はさきの総選挙で、天下りを根絶し税金の無駄遣いをやめれば、そして予算を組み替えれば、増税することなくこのマニフェストに掲げた政策を実現できると、こう言って政権を獲得されたわけでありますが、しかし結局のところ、天下りは巧妙に拡大をされ、また税金の無駄遣いのキャンペーンはパフォーマンスに終わり、そして予算は組み替えられないままに政権三年目を迎えているわけであります。そして、あろうことか、先ほどからもお話が出ておりますが、自らのばらまきによる歳出の肥大化や、あるいは民主党政権の失政の後始末というかしり拭いを言わば増税ということで賄うべく、野田内閣、一生懸命増税一直線に突っ走っているという感じであります。
 私どもみんなの党は、御存じのとおり、増税の前にやるべきことがあるだろうというのがぶれない一貫した政治姿勢、政治信条でありますが、今は安易に増税に頼るのではなくて、具体的な税金の無駄の削減策をしっかり講じること、あるいは余裕資金や埋蔵金というものの発掘や活用というものを真剣にまず考えるということが大事だということを改めて申し上げたいと思います。
 そういう中で、この二十二年度の決算は、先ほどからも指摘がありますように、鳩山内閣で編成をされ、鳩山、菅両内閣で執行されたわけでありまして、民主党政権そのものに対する真の評価、通信簿だと言っても過言ではありません。
 されど、会計検査院によれば、過去二番目になる四千二百八十三億円の指摘を、金額を受けておりますし、これは過去二番目に大きい金額でありますが、また、後で触れますように、特別会計、独立行政法人などにも巨額の眠っている資金などがあるということなどなど、依然、国の事業は無駄や不正が後を絶たないのが実情であります。これは、やはり民主党の無駄遣い撲滅に向けた不熱心さというか、取組の不十分さを如実に表しているものだと思いますが。
 そういう意味でも、政権交代後一貫して政権の中枢におられる総理、財務副大臣、財務大臣、総理大臣と、この二年半近くその座におられるわけでありますが、最も反省をされてしかるべきお一人だと、そう思っております。このことはさきの代表質問でもお聞きをしたのでございますが、こういう今回の決算が出たことは真摯に受け止めるという答弁はなさいますが、反省なり謝罪なり、そういった言葉が一言も出てこなかったことに大変違和感を覚えました。
 総理は、こういう決算が出ること自体、やはり国民に対して大変申し訳ないという気持ちを持たれてしかるべきだと思いますが、本当に更々みじんもそういうお気持ちがないのか、総理にまずお聞きをしたいと思います。
#280
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 柴田委員に本会議でもお尋ねいただきましたけれども、平成二十二年度の決算検査報告におきまして、歳出全般にわたって無駄の排除を厳しく求められている中、件数で五百六十八件、指摘金額四千二百八十三億円と数多くの指摘を受けたことは、私としても誠に遺憾なことと認識をしております。
 こうした指摘を真摯に受け止めまして、平成二十四年度予算への反映状況、例えば住宅金融支援機構に対する政府出資金規模を見直しをしたり減額をしたり、エネルギー対策特別会計の周辺地域整備資金、これについても、指摘を受けて見直しをしたり等々の取組をしてきたところでございます。
#281
○柴田巧君 今も十分に申し訳ないなという気持ちが全然伝わってこないのでありまして、恐らく総理御本人にもそういうことがないのではないかと残念に思ってしまうのでありますが、やはりそういうことだからこのばらまきの後始末を増税にということになるのかなと思ってしまうんですが、是非総理にはもっと謙虚になってもらいたいものだと、そう正直思います。
 また、今回の独法、特会の改革案も出ておりますが、これもまさに非常に不十分なものだと改めて指摘をしたいと思っております。この独法でいえば、百二から四割削減して六十五法人ということでありますし、特会は十七から十一に削減するということでありますが、言わば消費税の増税をにらんで行革への取組をアピールをしたいのだということだと思いますが、本来はマニフェストの財源を生み出すはずだったこの独法、特会の改革が、今は増税の地ならし的な役目を担っているのは非常に皮肉なことだと、こう指摘をせざるを得ないと思いますし、中身も、民営化やあるいは廃止という純減が少ないわけでありますし、目標としていた当初五割程度にという目標にも届いていないわけでありますし、こういうことでは組織的な実態は逆に生き延びる可能性が大だと言わざるを得ないと思います。
 そして、何よりも、私どもが何回もお聞きをしているわけでありますが、じゃこれによってどれだけの財源が出てくるのかと、このことについても、幾らか定量化できないという答弁に終始をされております。総理も、これによっていろんな節減効果は期待できるということはおっしゃるわけですが、幾らか定量化できないということでありますけれども、御案内のように、民主党はこの積年の無駄の一掃をすれば財源は出てくる、独法・特会改革によって、先ほどもパネルがありましたが、そういったことなどによって六兆一千億の財源は出てくると言って政権を獲得されたわけですから、今回、改革案を出すに当たって、どれだけが出てこないというのは極めて不思議なことだと言わざるを得ないと思います。
 後でまた触れますが、私どもの代表の渡辺喜美代表が行革担当大臣だったときに渡辺プランをまとめた際には、例えば平成二十年度は千五百六十九億円という削減目標を示しておりました。だから、絶対にできないことはないと思っているんですが、本当に総理としてはこの試算を出す気持ちが全くないのか、お尋ねをしたいと思います。
#282
○国務大臣(岡田克也君) まず、お答えする前に、委員今おっしゃいました我が党のマニフェストに対するコメントですが、独法、特会等で六・一兆円を捻出するというふうにマニフェストでうたっているのではないか、それに対して数字が十分ではないと、そういう御指摘をいただきました。我々、確かに六・一兆円を様々な改革で出すと、庁費とか補助金とかですね、そういうことをマニフェストで明確に指摘をしておりますが、独法、特会だけでとは言っておりませんし、今の委員の御指摘を見ておりますと、独法、特会、あるいはそれプラスアルファぐらいで六・一兆というふうに言っているように聞こえますので、そこはそうではないということはまず申し上げておきたいと思います。
 その上で、今まで、政権交代後、独法に関しては約二兆円の不要資産が国庫納付されました。それから、独法の予算というのは大体三兆円強であります。それが現在では一割削減で三千億減っているということでございます。実は、今年度はもう少し減ったわけですけれども、いろんな、大震災もあったりして、その部分で増えている部分もあります。いずれにしろ、基本的に一割は少なくとも減っているということは申し上げておきたいと思います。
 今回の改革によってどれだけ減るかということですが、私はあえて、この改革を私、大臣に就任してから閣議決定をしたわけですが、あえて数字は言わない方がいいというふうに判断をいたしました。今回、ガバナンスを強化してそういった無駄、そういったものが今後生じないような体制をつくるというところに主目的がございます。余り、仮定の数字をまず置いて、そして数字合わせをするよりは、そういったことが起きないための仕組みをしっかりつくるということに重点を置かさせていただきました。
 もちろん、理事長の数は統合すればその分減りますし、あるいは、今までの経験からいうと、合併すると中間経費は二割ぐらい減りますので、そういうことは言えると思いますが、いずれにしても実績をこれから見ていただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。
#283
○柴田巧君 都合のいいときは数字を出して、都合が悪くなると数値目標を出さないというのは非常に私はおかしいことだと思いますし、今からだって試算を作ろうと思えば、もし今ないのならば本当に、作ろうと思えば作れるはずだと思います。
 したがって、是非その試算を出すべく、またそうでなければ国民の理解を私は得ることはできないと思いますが、その点いかがですか。これは総理にお尋ねをしたいと思います。
#284
○国務大臣(岡田克也君) これは、いろんな仮定を置いて数字を出すよりは実績を見ていただきたいというふうに思います。
 これはいろんなやり方あるかと思いますが、私自身は、いろいろ数字を置くと、またそれが過大であったりすることもありますので、これから一年、二年と我々のやり方を見ていただければ、しっかりとした無駄のない、そういった運営が独法においてなされるということを申し上げておきたいと思います。
#285
○柴田巧君 まあ、余り期待できないなということを感じてしまいました。
 それでは、時間もありませんので次に移りたいと思いますが、先ほども触れましたが、平成十九年にいわゆる独法の整理合理化計画、いわゆる渡辺プランというのができましたが、政権交代後、それを凍結をするということになって今日に至っているわけですね。
 したがって、一つには、なかなか独法の改革が進んでこなかった、できていないのはまさに凍結をしたからだと言ってもいいと思いますし、また中身的にも結局はかなり後退してしまったと言わざるを得ません。例えば、あの大物独法と言われる都市再生機構とか住宅金融支援機構などの結論は先送りになりましたし、省庁の壁を越えて例えば研究独法などを大胆に再編しようという考え方も随分後退をしてしまったと思っております。
 こうやって時がたつ中で遅れて、なおかつ内容も極めて不十分なものになったと思いますし、当初プランにあった、この独法を省庁の子会社から国民の財産にしていこうという発想そのものが大きく欠落してしまったと思われますが、この改革が遅れて、凍結したことによって改革が遅れてしまったということ、そして中身も後退をしてしまったということに対して総理はどのようにお考えになっておられるか、お聞きをしたいと思います。
#286
○国務大臣(岡田克也君) 委員御指摘の渡辺プラン、それを凍結して、もう一度きちんと見直そうということでやってまいりました。
 ただ、渡辺プランの中で書かれたことで、それがそのまま今回の独法改革につながったものもございます。それは、いいものを我々しっかり取り入れさせていただいたということで、例えば監事機能の強化を始めとする法人の内部ガバナンスの強化とか、あるいは目標・評価の仕組みの構築とか、役員任命に当たっての公募の活用とか、それから、法人から関連会社への再就職の規制、こういったところは渡辺プランも参考にさせていただきながら我々の改革の中に取り込んでいるところでございます。
 省庁の枠を越えた、そこが十分ではないんじゃないかということですが、実は海外における国際業務を行う四法人の海外事務所の機能的統合は進めるということにしております。そして、国際交流基金と国際観光振興機構の統合についても今年の夏までに結論を得るということにしております。
 最後に、都市再生機構と住宅金融支援機構について御指摘いただきました。
 私もいろいろ独法改革、実は大臣に就任して、もう独法改革も最終盤に来ていたんですが、そういう中で、都市再生機構と住宅金融支援機構だけは、非常に大きな独法ですし、もう少し外部の視点も取り入れて議論した方がいいと、根本的な議論をしようということで少し別にさせていただいて、今年の夏までにしっかり結論を出すと、三月いっぱいまでに方向性を出すということで、今、かなり回数多く議論を行っているところでございます。またいろいろ御指摘をいただければ有り難いと思います。
#287
○柴田巧君 とにかく、遅れた挙げ句、官僚主導の省庁の枠の中でしかほとんど物を考えない、そういう改革もどきの独法・特会改革になっていると改めて指摘をしておきたいと思いますし、これから我々もしっかりとまたチェックをしていきたいものだと思います。
 さて、次に、先ほども自民党の若林先生からも御指摘がありましたが、この特別会計の剰余金、積立金のことについて触れさせていただきたいと思いますが、(資料提示)会計検査院などの調べによりますと、この一般会計が言わば借金で大変なことになっているのに対して、この特別会計、まあ独法もそうかもしれませんが、非常に豊富に眠る資金が際立つということになっております。
 これは昔、塩川元財務大臣が、母屋ではおかゆをすすって離れですき焼きを食べているという例えをされましたが、その実態が政権交代になっても変わっていないということだと思いますが、時間もないので簡潔に申し上げますけれども、先ほども指摘がありましたが、二十一年度における特会の剰余金のうち、翌二十二年度分の歳入に繰り入れたものの二十二年度中に活用されなかった剰余金が一・八兆円以上あるということで、言わば事実上塩漬けになっているものがあります。
 つまり、使う当てがないままにため込まれたり十分に活用されていないというのが実態だと思うわけですが、特会法によれば、この剰余金の活用については翌年度に繰り入れる、あるいは積み立てる、一般会計に繰り入れるという一応三つのルール、三通り定めてありますが、どれに振り向けるかは所管の官庁の判断に委ねられるということですけれども、やはりこういう塩漬けになるような剰余金が出てくるのを防ぐ、またそれを有効活用することからも、できるだけ一般会計に繰り入れられるようなルールにやっぱり変えていく必要があるんじゃないか。
 剰余金処理のルールをこの際見直したらどうかと思うんですが、どのように考えておられるか、総理にお尋ねをしたいと思います。
#288
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のように、一・八兆の剰余金の指摘はそのとおりでございます。ですから、できるだけそういう意味では基本方針に沿って一般会計への繰入れをしていくと。
 これは、柴田さん、富山で、地方で議会にずっとおられたりして非常に政治に精通しておられますけれども、今、塩川大臣のお話なさいましたけれども、定量的に額は出せませんけれども、やっぱり社会資本整備特会を見ていただければ、やはり道路や港湾やこれらの特会がなくなるというのは、これは大変なことだと思うんです。
 これを一般会計に入れてやはり透明性を増していくことによって、使われ方の無駄は議会の中でもチェックをしていただくし、我々財務省から見てもこれは予算編成の中でやっぱりやっていく。そういうことが結果的に積み重なって量というのは吐き出されてくるつまりものだと思うんです、効率化というのはなっていくものだと思いますから。
 そういう意味では、特別会計を十七から十一にしたというのは、単に一本にまとめたのではなくて、かなり大胆な改革に私はつながっていくし、そのことは、今までの政治のルールからいうと、やっぱり地方なんかでは意外と戸惑いもあるかもしれません。しかし、それは御指摘のように無駄をできるだけ排除して、やはり母屋に全部入れると、離れをできるだけなくすということですから、意義のあることではないかなと私は思っております。
#289
○柴田巧君 じゃ、次にこの積立金ですが、先ほども指摘がありましたように、この適正規模や水準を定めていないのが二十三積立金あるわけですね。その合計が百四十二兆と、今そこまで上がってきております。六つは先ほどもお話がありましたように持ってはいるんですが、これも自分たちでつくっているわけで、それが適正かどうかという問題もありますが、二十三の積立金はそれすらないので判断のなかなかしようがないというのが実態であります。
 これは、実は数年前にやはり会計検査院がこのことについて指摘をしてきたにもかかわらず、各省庁は無視をし続けてきたということでありまして、やはりこれを適正水準、あるいは適正な規模、水準をしっかり具体的に示すということが私は極めて大事なことではないかと思うんですけれども。
 確かに、一月に閣議決定された特会改革の基本方針で積立金等の規模、水準の明確化の必要性は指摘をされておりますが、じゃ、いつまでこれをやるのかと期限は切ってありませんし、どのようにやるかは明示はされておりません。やはり、こういう状況を放置しているのは極めて大変なことだと思いますので、どのようにこれはやっていかれるのか、適正な規模や水準を早急にやっぱり定めて情報公開すべきと思いますが、どうか、お尋ねをしたいと思います。
#290
○国務大臣(安住淳君) その下段の部分ですけれども、これ、それぞれ個別特会によって事情は違います。例えば、地震保険や外為、財投、エネ特、労働保険、食料安定なんかは積立水準、上限の開示というのはあるわけですね。
 ところが、問題なのは、例えば国債整理基金とか労働特会なんかは、分かりやすく言えば定率繰入れの問題がありますから、この一時的な時期のずれで非常に変動しますし、労働特会については、御存じのように、これは、失業給付等で非常にこれも変動します。ですから、そういうものを、定量的に決まった目安というのがないとなかなかそれは出せないと。そっちの方の額が非常に大きいわけですね。
 ですから、先ほど、前に言ったように、この積立水準や上限が分かるものはしっかりとそれは出していきたいと思っております。
#291
○柴田巧君 いずれにしても、こういう、しっかり規模や水準を定めるようにしてもらわないと、会計検査院も検査ができない、我々国民も議会もよく分からないということになるわけで、是非その情報の開示、透明性を高めていただきたいと思います。
 私どもみんなの党は、埋蔵金の発掘、活用、財政見える化法案というのを近いうちに参議院に出させていただいて、国会の判断によってこういったものを一般会計に繰り入れる、可能にしたり、情報開示ができるようにしたいと思っております。
 いずれにしても、増税の前にやるべきことは山のようにあるということは明らかになっていますので、しっかりそのことをやっていただきますように申し上げ、我々もまたいろいろ注文をしていきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#292
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 あさっては東日本大震災と東電福島原発事故から一年ということになります。(資料提示)
 六日付けの朝日新聞が福島県民の意識調査をやっておりますけれども、復興への道筋は付いていないというのが九二%の声であります。そして、万一このまま推移すれば三十年後は福島の人口は半分になると、こういう試算も出ておりました。こういうことにならないように国が責任を持ってやる必要があると。
 そして、この重大事故で一旦放射性物質が放出されたら完全に抑える手段がないなど、他に類のない異質な事故をもたらす原発と果たして共存できるのかと。やはり撤退を決断をすべきだと思います。
 ところが、総理は、この福島の原発事故について収束を宣言をし、そして今、再稼働を進めようとされております。福島の県議会は全会一致で意見書を採択をして、避難者の不安、不信をかき立てるとして、この収束宣言の撤回を求めております。同じ朝日の調査では、県民の九四%がこれは納得しないというふうに答えております。
 今求められるのは、こういう声にこたえて、そして住民の安全を守る政治、行政だと思います。その立場で再稼働の問題についてお尋ねをいたします。
 原子力安全委員会の班目委員長、来ていただいておりますが、二月十五日の国会の事故調査委員会で、これまでの原発の安全審査指針は明らかに誤りがあったと認められて、そして、国際的にどんどん安全規制を高めるという動きがあるところ、日本ではなぜそれをやらなくていいのかという言い訳づくりばっかりやっていて真面目に対応しなかったのではないかと述べられました。具体的にはどういうことでしょうか。
#293
○政府参考人(班目春樹君) 例えばでございますけれども、シビアアクシデントにつきましては、IAEAの安全基準等で規制要件化するというのが国際的な流れでございます。それにもかかわらず、我が国の場合には、平成四年にシビアアクシデント対策はこれは事業者自主でいいとして、その後見直しをしてこなかった、この辺りはやはり深く安全委員会としても反省しているところでございます。
 そのほかに、例えば全交流電源喪失みたいな話、ステーション・ブラックアウトでございますが、これについても、そのような可能性というのは我が国の場合には非常に低いということで真剣な検討をしてこなかったというふうに考えてございます。この点についても原子力安全委員会としては深く反省しているところでございます。
#294
○井上哲士君 班目委員長は、さらに、一番低い安全基準を電力会社が提案をすると規制当局としてはのんでしまうと、こういう発言もされております。つまり、これまでの原子力行政が電力会社の言い分に合わせて安全基準をおろそかにしてきたと、こういう反省だと思うんですね。
 今の政府の対応はどうなのかと。東京電力は、地震では大丈夫だったけれども、想定を超える津波によって原子炉は破壊されたと主張をしております。政府もこれをうのみにして、津波対策さえ講じれば全国の原発の再稼働を認めるという方向で動いているんじゃないですか。
 枝野大臣、お聞きしますけれども、地震による原子炉や配管の損傷はなかったと断言できるんですか。
#295
○国務大臣(枝野幸男君) まず、全国の原発について今やっておりますのは、津波だけではなくて地震についても、従来の想定を超えるような地震があった場合でも耐えられるのかどうか、どこまでなら耐えられるのかどうか、それから地震の予想についても改めて再検討をして安全性を確認するということをやっておりますので、決して津波のことだけをやっているわけではありません。
 その上で、福島第一原発における事故の原因についてでございますが、原子炉を止める、冷やす、閉じ込めるという機能にかかわる安全上重要な七設備等については、地震応答解析により、今回の地震による問題はないということが確認をされております。
 これ以外の耐震安全上重要な設備については、五号機を代表として、基準地震動Ssを用いて解析したところ、一部の配管等で評価基準値を超える結果が得られたため、現場調査を行い、実際には安全機能を損なうような損傷がないことを確認をしましたが、今後、今回の地震動を用いた解析も実施し、詳細な評価を行う予定であります。
 また、プラントパラメーターを見ると、津波襲来までの間、原子炉の圧力や水位について異常を示すような変化は見られておらず、放射性物質の放出を示すようなデータも確認されていないなど、基本的な安全機能が損なわれていた可能性を示す情報は得られておりません。
 一方で、今回の地震の影響で安全性に影響を及ぼさないような微少な漏えいが生じるような損傷が生じたかどうかについて、これは確かなことは申し上げられません。
#296
○井上哲士君 政府の事故調査委員会の中間報告でも、現時点では、福島第一原発の被害内容の多くについては、詳細を直接確認することは困難であり、あくまでも推定だと、こういうことを言っております。つまり、まだ結論は出せないとしているわけですね。
 そこで、総理にお聞きいたします。
 総理は、昨年の九月の衆議院の予算委員会で、地震による原子炉の損傷は詳細が不明だと認めた上で、「早急に事故の究明、徹底調査を行うことがすべてのスタートの大前提になる」と、こういうふうに言われました。
 事故究明がまだ途上だというところであれば、その下での再稼働というのはあり得ないんじゃないでしょうか。
#297
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 二度と同じような原発事故を起こさないために、これは事故の究明、事実を確認していくということは大事だというふうに思います。
 その上で、政府事故調、国会の中にも事故調ができて、民間レベルでもこの間報告が出ましたけれども、政府事故調についてはこの間、中間報告でございます。全てが出そろうというんじゃなくて、それが出てきた次第、その都度真摯に受け止めてその総括をしていかなければいけませんが、だから、全部そろうまで何もしないということではなくて、一定の知見というものは中間報告等でも出てまいるというふうに思います。
 その上で、事業者にはストレステストをやっていただき、保安院と安全委員会でダブルチェックをした上で、そして地元の理解を得ているかどうか踏まえて政治判断をするというプロセスをたどっていきたいというふうに思います。
#298
○井上哲士君 一定の知見では駄目なんですよ。また事故が起きたら、知見の外だったと、想定外だったと言うんですか。この安全の問題では、一定程度ではなくて、徹底した事故究明が求められているんですよ。それなしに一定の知見がありましたと見切り発車するというのは許されないと。だから、今政府がストレステストで原発再稼働をすると言っていますけれども、例えば立地県の新潟の県知事も、気休めにすぎないと、事故の検証、分析なしでストレステストを行う意味があるのかと述べているわけですね。
 このストレステストというのは、事業者が行って、それを保安院、安全委員会がチェックする。しかし、さんざん情報隠しをやってきた事業者がやって、一緒になってやらせをやってきた保安院がチェックをして、誰が信じろというのかと。信じろという方が無理なんですね。しかも、原発の安全を確認できるようなものじゃそもそもありません。
 原子力安全委員会は、昨年七月に、原発の安全性に対する総合的評価の実施を保安院に求めました。その後、保安院が、これを一次と二次に分けて、ヨーロッパのストレステストを参考にするとして、原発の再稼働の可否は一次評価で行いますと、こういうことを言いました。
 一次評価は既に十六基の原発から出ておりますが、枝野大臣にお聞きしますけれども、じゃ、二次評価の期限はいつで、それは今幾つ出ているんでしょうか。
#299
○国務大臣(枝野幸男君) 二次評価については昨年末を目途に報告するよう指示してきているところでございますが、残念ながら、このストレステストを確実に実施できる国内のキャパシティーが十分ではないようでございまして、現時点ではどの事業者からも提出をされていないところでございます。
 作業状況を確認しつつ、できるだけ早く評価が提出されることを促してまいります。
#300
○井上哲士君 一次評価で再稼働できると言ったら、二次評価は年末が期限だというのに一個も出ていないというんですね。いかに私は電力会社が再稼働さえできればいいという姿勢を持っているのか、そして、元々、この年末まで出せと言っても一個も出てこないと、ストレステストそのもののいいかげんさを私は示していると思います。
 安全委員会、もう一回聞きますが、この一次評価の内容でヨーロッパでのストレステストの内容を満たしているのか、そして、安全委員会としてこの一次評価で原発の総合的な安全評価は十分だとお考えでしょうか。
#301
○政府参考人(班目春樹君) 原子力安全委員会の方で要請した総合的安全評価というのは、これは一次評価、二次評価、セットでやっていただきたいというふうに考えているところでございます。
#302
○井上哲士君 であれば、この一次評価で原発の総合的安全評価は十分だとお考えなのかどうかです。
#303
○政府参考人(班目春樹君) 総合的安全評価としてはまだ不十分で、是非二次評価までやっていただきたいというふうに考えてございます。
#304
○井上哲士君 ですから、ストレステストというのは、ヨーロッパでもこれでいいのかという批判が上がっておりますけれども、一次評価ではそれすら満たしていない、不十分なものなんですね。これに基づいて、なぜ安全といって再稼働ができるのかと、このことが問われております。
 そして、先ほど地震の揺れについても対応していると大臣言われましたけど、実際には東日本大震災を踏まえた地震や津波の想定の見直しはされておりません。それがこのストレステストの前提になっているんですね。
 保安院は、福井県の大飯原発の三号、四号に関する関電からの一次評価について、二月十三日に妥当だという結論を出しました。その内容は、想定する揺れが七百ガルで、千二百六十ガル、一・八倍まで耐えられますと、津波の高さは二・八五メーターで、十一・四メートルまでは余裕があるということであります。
 しかし、あの福井の若狭湾の周辺というのは断層の巣と言われているところでありまして、この想定に専門家から様々な疑問の声が上がっております。特に、この地域の敷地の近くの二つの海底断層と、そして陸上にある熊川断層、これが連動して動く可能性が想定をされていないという批判がされてきましたが、この点はどのように検討されているんでしょうか。
#305
○国務大臣(枝野幸男君) まず、大飯原発については、かつては想定される地震動の最大値は四百五ガルでございましたが、最新の活断層調査等の結果を踏まえて、御指摘のとおり七百ガルに引き上げたところでございまして、今のところこの七百ガルを基準値にしておりますが、同時に、三つの活断層の連動の可能性があるということで保安院が指示をいたしまして、これについて改めて調査をして、その報告について公開の意見聴取会において評価を行っているところでございます。
 なお、ストレステストに対する評価に当たっては、こうした耐震バックチェックについてなお今検討中の論点があることを併記をしているところでございまして、こうした耐震バックチェックの状況を踏まえて、安全と言えるのかどうかということを評価、確認することになると思っております。
#306
○井上哲士君 つまり、耐震バックチェックは途中だということなんですね。
 枝野大臣は昨年の十月二十八日の記者会見で、耐震バックチェックについて、大飯第三号機に関することについての結論が出なければストレステストについてチェックは行わないと、こういうふうに言われていますね。終わっていないのに、チェックは行わないと言いながら、何で妥当という結論が出るんですか。
#307
○国務大臣(枝野幸男君) ですから、終わっていないということを付記しております。ですから、このバックチェックで、もしこの前提となっている七百ガルというのが違うと、もっと高いという評価を受ければ、今は一・八倍の余裕度ということになっておりますが、この一・八倍ということが小さくなる可能性があるということを含めて保安院として確認、チェックをしたということでございまして、最終的に安全性について確認するに当たっては、この今の七百ガル、一・八倍というのは変化する可能性があるということを前提にして評価を最終的には今のままでしたらせざるを得ないと思っています。それまでにバックチェックの結果が出れば、当然そのバックチェックの結果に基づいて、この一・八という数字が小さくなる可能性はあります。
#308
○井上哲士君 だったら、何で妥当という結論を出したんですか。今の話から妥当という結論が出てくるはずないじゃないですか。
 ここがまさに今、活断層の連動性による調査はまだ進行していると、こういうふうに言われたわけですよ。東日本大震災では、起きないと言われていた巨大地震が起きたわけですね。そして、例えば柏崎の刈羽原発は、設計時の想定は四百五十ガルでした。ところが、動かないと言われていた断層が動いて、中越沖地震のときには千六百九十九ガル、三・八倍の揺れが起きたんですね。
 断層というのは絶対に過小評価してはならないんですよ。大飯だって、まさにそれが、評価を検討している最中に何で妥当としたのかと。まさに、初めに再稼働ありきじゃないかと、こんなことで安全と言えるのか。
 総理、こんなことでいいんですか。こんなことで再稼働できるんですか。総理、総理。
#309
○国務大臣(枝野幸男君) 保安院の妥当という評価についての意味がちょっと誤解をされているのかなと思います。
 保安院が今回ストレステストについて妥当と評価をしたのは、ストレステストがストレステストとしての手続として定められている手順に基づいてきちっと行われているということについて妥当と評価したものでございまして、これは皆さんから従来言われているとおり、ストレステストをやったからそれで安全性が確認、それだけで安全性が確認されるというものではございません。
 安全性を確認をするための一つの手段でございまして、一方で耐震バックチェックをやっていて、これについては、プロセス、途中にありますから、しかも大きくなる可能性があるわけですから、当然のことながら、その耐震バックチェックの結果として、これは今具体的に出てきておりませんが、例えば、例えば一例として申し上げますが、そこが最も大きい、まだ結論出ていないわけですが、最も大きく地震の想定の揺れ方になった場合には一・八を下回るかもしれないというような可能性のある議論がされているのであれば、一・八の余裕度があっても駄目ですし、一・八が一に限りなく近づくような場合であれば駄目になりますし、しかし、それが例えば一・八が一・七になる可能性があるということで検討しているのかどうかと、そういったことを総合的に評価をするということになります。
#310
○井上哲士君 重大な答弁ですよね。ストレステストをやったって安全とは言えないと。そのテストのやり方自身を保安院が判断するのであって、安全とは言えないと。これはおかしいですよ。地方自治体には、ストレステストやったら安全なんだから、だから再稼働すると言っているじゃないですか。こんな、めちゃくちゃですよ。
 大体、同じ若狭の敦賀原発の敷地を通る活断層がこれまでの評価よりも長い三十五キロ以上あって、従来の想定の二倍のエネルギーの地震が起きるということがこの間、産業技術総合研究所の調査で明らかになったばっかりですよ。昨年の九月の中央防災会議の報告書も、従前の想定手法の限界であり、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大な地震、津波を検討していくべきであると、こういうふうにしているんですね。
 その断層の影響評価がまだ終わっていない段階に、妥当ということを保安院が言って、それを言うと、それは安全という意味じゃない。こんなことを聞いて、立地の県や地方自治体の人が分かりましたとなるはずがないんですよ。しかも、想定を超えた事故への対応もできていないわけですね。
 政府は、現在の原発から半径八から十キロ圏とする事故対策の重点地域を今度は三十キロ圏まで拡大するとしておりますけれども、地元の都道府県や市町村での地域防災計画の改定が必要になると思いますが、これはいつ改定されるんですか。
#311
○国務大臣(細野豪志君) 防災指針というのは、これは現在の制度では原子力安全委員会の方で考え方を提示をされる形になっております。ただ、ここが我が国の法制度の不備なんでありますが、法定化されているものではありませんので、そうやって出てきたことに基づいて防災計画をそれぞれの自治体に作っていただいているという非常に不安定な状況に置かれた、そういったものになっております。
 今回、EPZについては非常に拡大をされるという方向でございますので、できれば御理解をいただいて新しい法制度を発足させていただきたいと思います。発足させた上で、六か月ほど掛けて新しく制定される原子力災害対策指針を踏まえた地域の防災計画を是非自治体に作っていただきたい。準備だけはしておるんですが、法制度が整っておりませんので、そこにとどまっているというのが現状でございます。
#312
○井上哲士君 つまり、事故究明も尽くしていない、事故防止策も部分的に不十分、そして事故後の対策もまだこれからなんですよ。こんな中でどうして安全と言えるんですか。結局、従来の安全神話の中での対応でしかないんじゃないですか。
 総理、やはり再稼働はやめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。総理。
#313
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ストレステストの評価についていろいろありましたけれども、基本的にこれはIAEAのレビューも受けながら、福島第一原発のような地震、津波に対してどれぐらいの裕度があるかということをチェックをして、それを、いろいろ組織としての信頼感のお話も御指摘がありましたけれども、今回の教訓を踏まえて保安院も安全委員会も厳しく安全性をチェックするというふうに思いますので、それを踏まえた中で、地元の御理解をいただいているかどうか、しっかりチェックしながら政治判断をしていきたいと思います。
#314
○井上哲士君 時間ですので終わりますが、決して住民は納得しないでしょう。
 再稼働についてはやめるべきだということを重ねて申し上げて、質問を終わります。
#315
○又市征治君 社民党の又市です。
 今日は、検査院の報告に基づいて何点か伺ってまいりたいと思います。
 野田総理は政権の命運を懸けて消費増税の実現の決意のようでありますけれども、菅前総理は、消費増税をやる場合には、逆立ちしても鼻血も出ないくらいに完全に無駄をなくしたときが消費増税だと、こんなふうにおっしゃった。つまり、徹底的な行政の無駄を省かないと駄目だと、こう言ったわけですね。
 野田政権は、公務員の給与であるとかあるいは国会議員の数、あるいはまた歳費もその無駄のうち、こんなふうにお考えのようだけれども、この平成二十二年度決算に関する検査院の報告は、今言ったようなものの削減額を大幅に上回る、この無駄遣いであるとか不適切な支出というものとして、さっきも出ましたが、五百六十八件、史上二番目に大きい四千二百八十億円余の指摘をしているわけですね。
 総理、このような指摘を毎年受けて、それも民主党政権になってからの予算案です、これね、今度の場合はね。それを随分民主党は指摘されてきた、我々も指摘してきた、一向に改善がない、こんな中で国民は、やっぱり消費税増税なんていうのは、それは納得できるわけがないんですよ。まずおわびから始めるべきじゃありませんか。
#316
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御指摘の平成二十二年度の決算検査報告については、件数五百六十八件、指摘金額四千二百八十三億円と数多くの御指摘を受けたことは誠に遺憾に思っております。このため、この検査報告を受けまして、直ちに私から各大臣に対して検査報告事項についての改善について指示をいたしまして、それを踏まえて平成二十四年度予算へと反映をさせていただいた次第であります。
 消費税増税と一言だけなんですが、社会保障との一体改革であって、あくまで社会保障の持続可能性、充実のための安定財源を確保していくという意味でございます。
 加えて、これまでも、政権発足以来、事業仕分等無駄遣いのチェックをやってまいりました。前の総理が、鼻血、逆立ちしても鼻血が出なく、ちょっと相関関係は分からないんですけど、それぐらい頑張るという意思を言われましたけれども、基本的には私どももそのつもりでございまして、行革の実行本部もつくりました。政治改革や行政改革、いろいろメニューとして挙げているものは、消費税を具体的に上げる二〇一四年の四月までにはそれは実現をすると、そういうことで取り組んでいきたいというふうに思っております。
#317
○又市征治君 じゃ、具体的に中身に入っていきます。
 まず、繰り返し指摘をしてまいりました特別会計改革ですが、二十二年度の特別会計の歳出は、一般会計の約三倍の三百四十五兆円ですね。会計検査院は、例えば、剰余金四十二兆円のうち三十七兆円がそのまま翌年度に繰り越され、一般会計への繰入れは三兆円弱であるということ、あるいはまた、特会の積立金等の有効活用を図る上での財政統制が機能しにくく、適正な規模、水準を具体的に示すべきこと、さらには、特定国有財産整備特会の整備計画に係る不動産約六百十八億円が不用であり、一般会計への所属替えが必要であるなどということをるる指摘をしているわけです。
 そこで、政府は一月に特別会計改革の基本方針を閣議決定されたわけですけれども、さて、これで一体全体どのように今申し上げたようなことなどが改革されるのか、お伺いしておきましょう。
#318
○国務大臣(安住淳君) 先生御指摘のように、まず、先ほどもお答えをしましたけれども、積立水準や上限をちゃんと設けなさいという指摘がありました。それで、地震保険、外為、財投、エネ特、労働保険、食料安定供給等についてはこれはありますので、これらはやっていくと。問題は、その開示が不十分だという御指摘のあるものもあるんですね。先ほども申し上げましたように、これは、私どもの国債整理基金はちょっとボリュームは大きいんですけれども、これは定率繰入れで時期がやはりずれて出てきますので、そうしたもので発生をしていたり、あと、労働保険については、御存じのようにやっぱり失業給付等がありますので、ただ、やはり開示をしっかりやって国民の皆さんに分かりやすくしていくというのが一つ大きいと思います。
 それから、一・八兆の剰余金の利用をきちっとしていないんではないかという、これは年金特会、それから交付税特会、エネルギー特会、特許特会からそれぞれそういう額が出ております。トータルで一・八兆ということです。これについても、基本方針にのっとって一般会計を含めて着実にこのお金というものも有効に利用していきたいと思います。
 それから、最後に御指摘がありました国有財産整備特会の六百十九億円ですね。これを、譲与不動産ということでありましたけれども、会計検査院からの処置要求にのっとりまして、実は六百十九億円のうち五百三十五億円につきましては一般会計への無償の所属替えを行い、残りについては四月には一般会計に同じように無償所属替えを行う予定でございます。
#319
○又市征治君 いろいろと改善もなされているようですけれども、特会改革で具体的にどのぐらい財源を生み出すかというのが重要なわけですから、やはり明確な目標金額を立てての改革に取り組んでいただく、そのことを求めておきたいと思います。
 さて、三菱電機が政府の防衛・宇宙関連事業で二千七百億円余り過大請求をしていたということが報じられました。国家公務員に無理強いしてこの間、給与削減やりましたけれども、この削減の約一年分ですよ。こんなことが一企業でやられている。検査院も二十二年度決算報告で、防衛装備品の輸入商社が二〇〇四年から八年にかけて海外メーカーから受け取る取次手数料五億七千万円を防衛省に上乗せ請求していた、こういうふうに指摘をしていますね。
 この防衛省への過大請求事件というのはもう後を絶たないんですよ、ずっと。毎回ある。なぜこんな不祥事が次々繰り返されるのか、一体どうこの根絶を図っていくのか、その方策をまず伺います。
#320
○国務大臣(田中直紀君) 三菱電機などによる過大請求事案が発生したことは誠に遺憾だと思っております。
 今般の三菱電機による過大請求事案は、部外より情報提供があり、防衛省は同社に対する抜き打ち調査を実施し、平成二十一年度契約、地対空誘導弾三百三十六億円でありますが、設計工数などが不正計上されていたことが判明をいたしております。また、昨年十月には会計検査院から、一般輸入調達について日本国内の商社と外国製造メーカーとの間での取引実態を把握するなどして、適正な予定価格の算定が行われるようにとの意見表示がございました。
 これを受けまして、今問題になっておる事案でございますが、やはり国内で新しく開発をしたもの、そしてまた最新鋭の防衛装備品であったということでありまして、この予定価格を算定するということがやはり資料不足であったということは反省がございます。
 しかし、最近このような事案に対して違約金を倍増いたしております。その結果、この三年間は起こっておらない状況でございますけれども、さらにこの問題を受けて、下条大臣政務官を中心として今調査をいたしておるところでありますが、その報告を受けて、根絶をするという方策を実施をするということで今臨んでいることを御報告を申し上げます。
#321
○又市征治君 調査をやられていますが、違約金を倍にしたからこれがなくなるという代物じゃありませんよ。
 率直に申し上げるならば、みんな分かっているんだろうと思う。防衛省から防衛産業への天下り、そしてその癒着、そのために甘くなっている。こういう問題をなくさないと、この問題はずっとだから続いているんですよ。是非その点も留意をして改善に取り組んでもらいたい、そのことを申し上げておきたいと思います。
 次に、原発関連予算でありますが、福島原発事故以来、そういう意味では原発関連予算が従来同様の内容や規模で計上されるということはもう許されない、これは誰もがそう思っているわけですが、検査院も問題を指摘を幾つかしています。
 一つは、エネルギー対策特会の周辺地域整備資金で、平成二十一年度の電力供給計画に示された十四基のうち十一基は当面整備の需要が生じないので、六百五十七億円は余裕資金だと、こう指摘をしていますけれども、今年度予算ではたった四十九億円しか取崩しがされていない、こういう問題がある。
 二つ目に、高速増殖炉の開発に関して、実際に掛かった経費の一・五倍の百二十六億円が契約金額として支出をされている。
 第三に、本委員会も先ごろ「もんじゅ」を視察をいたしましたけれども、検査院は昨年の十一月に、研究開発費に係る総事業費が公表数字よりも七百十四億円も多いということ、平成二十三年度以降必要とされる経費が公表されている金額よりも実際には多いということ、さらに「もんじゅ」の関連施設に係る研究費が未公表であることなどを指摘をしているわけです。随分と問題だらけだと、こう言っています。
 ちょっとこれと観点が外れますけれども、原発関連の人脈が原子力村なんというやゆされて、そして関係者が利害関係で結ばれて排他的なグループを形成をする。そして、言ってみればこうした国家予算が食い物にされているような大変な浪費が行われたりしている。こんなことはもう国民は許さない、大変な不信を持っているということだと思うんです。
 以上の無駄遣いであるとか不透明な実態というのをどう改善されるのか、伺います。
#322
○国務大臣(枝野幸男君) まず、私は経産省関連について申し上げます。
 特に、会計検査院から随時報告いただいた周辺地域整備資金についての会計検査院の御指摘は、私も全く同感でございます。この報告においても、一方でこういうことでためなくてもいいじゃないかという御指摘と同時に、原子力発電施設の周辺地域における安全対策等に多額の費用が見込まれるという状況を踏まえ、残高の規模を縮減させるべきという御指摘でございまして、実際にそうした観点から、今回、四十九億円取り崩すとしたところでございますが、これはまさに、まさに段階的にきちっと御指摘どおりこの目的に取り崩して今後まいります。
 それから、全体としての経済産業省の原発予算については、従来の研究開発の部分のところは、これはいろいろと若干継続性があるのでゼロにはできておりませんが、二十三年度、百七十五億円あったものを八十六億円に減らし、一方で廃炉に向けた研究開発等はこれ七十四億円、まさにゼロからプラスになっていると、こういうことで、内容的には大きく変えているということは御理解いただければと思います。
#323
○国務大臣(平野博文君) 文科省関係の部分についてお答えします。
 議員も御案内のとおり、会計検査院からの指摘、まさに競争性、公平性、透明性をやっぱりしっかりすべきだと。加えて、予算の部分だけではなくて、いわゆる支出についてしっかり出しなさいと。加えて、関連施設の部分についても明確にしなさいと。こういうことで、この委員会でも御質問いただきましたが、文科省としては、しっかりとその部分の透明性確保に向けてホームページでも出させていただいているところでございます。
 加えて、競争原理が働かない、こういうことでございますので、特に検査院の方から言われましたことは、いわゆる契約形態の在り方についてもう少し明確にしないと駄目ではないか。いわゆる確約契約から概算契約にすべきだとか、いろんなお知恵をいただいていますが、それでも本当に大丈夫なのかということも含めて今、文科省として検討いたしております。
#324
○又市征治君 この件で次に総理にお聞きをしますけれども、これまで二十数年掛けて二兆円以上もの莫大な資金を投入し、事故続きで稼働もしていないのに毎年二百億円以上、一日当たり五千五百万円も維持管理費を浪費をして、今後、仮に実証炉からあるいは商業炉まで行き着くとしても何十年もの時間と何兆円もの莫大な費用が掛かるこの「もんじゅ」、この問題のもう本当に、費用対効果を含めて、完全な廃炉を決断する時期だと思うんですよ。これは、民主党の中からも随分とそのことをおっしゃっている。
 そういう意味で、やはりどうしようとされるのか、総理の見解をこれはしっかり伺っておきたいと思います。総理からです。
#325
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今、又市先生から御指摘いただいた「もんじゅ」を含む核燃料サイクル、その在り方について、エネルギー・環境会議におきまして、原子力政策の徹底検証を行い、新たな姿を追求すると、こういう整理をされておりますが、今後の原子力政策の在り方を議論していく中で、行政刷新会議の提言型政策仕分におきまして高速増殖炉の研究開発は従来の体制、計画を抜本的に見直すことと提言をされていることも踏まえまして、原子力委員会の新大綱策定会議とも連携をしてしっかりと議論をしていきたいと考えております。
#326
○又市征治君 是非、廃炉に向けてしっかりと取り組んでいただくように重ねて要請をしておきたいと思います。
 そこで、福島原発事故の収束あるいは除染、そしてまた復旧復興、こういう費用は当然のこととして東電が負担をすべきですけれども、当面、そうはいったって国が肩代わりして負担をしておくということもあるわけだろうと思うんです。
 今後、そうした東電に求償すべきものと、そうはいっても、国策として推進してきた国の責任があるから、それで、国が負担すべきもの、これ何か今基準、お持ちでしょうか。その点をお伺いします。
#327
○国務大臣(平野博文君) お答えをいたします。
 特に、東電に対する求償の問題でございますが、この一番の根拠、基準というよりも根拠ですね、これは原賠法三条、これに基づくものでございまして、全ての福島の事故と因果関係にある原子力の損害については全て東京電力が賠償責任を負うと、こういうことにあるわけです。
 したがいまして、福島原発に関連して国が講じた措置であっても国は東京電力に求償することができると、こういう根拠に基づいております。
#328
○又市征治君 是非具体的なものを、基準を示して、今私が申し上げたように、国が、じゃ、一切ないのかといえば、それは幾らかはあるんだろうと思うんです。そこら辺の仕分をこれは明確にしていただくように要請しておきたいと思うんです。
 もう一つ。こんな格好で今、復旧復興などに莫大な税金も投入をされているわけですけれども、東電に巨額の融資を行ってこれまで随分と利益を得てきた金融機関が知らぬ顔の半兵衛でいいのかという問題は、これまた国民の中に当然のこととしてあるんですね。この点はどうお考えですか。
#329
○国務大臣(枝野幸男君) 御承知のように、原子力損害賠償支援機構法四十五条二項において、特別事業計画に記載をしなければならない事項の中に、原子力事業者による関係者に対する協力の要請という規定がございます。これに基づいて十一月に東京電力と支援機構が策定した緊急特別事業計画では、まずは金融機関に対して与信の維持や短期融資枠の設定、緊急融資に係る資金使途の追加を要請することとされており、これに対しては取引金融機関は要請に応じて協力をしているという報告を受けておりますが、今春を目途にあらゆる可能性を排除しない総合特別事業計画を作成する予定であり、現在、東電と機構において検討を行っていると承知をしているところでございます。
 まだこれに基づく認定申請は行われておりませんが、認定が行われた場合には、東京電力による金融機関に対する協力の要請が適切かつ十分であるかどうかといった法律上の要件等を含め、総合的に判断してまいります。
#330
○又市征治君 いずれにしましても、その金融機関だって身を切るぐらいの、そういう努力は求めていくべきで、こんな、今おっしゃったような短期融資枠の設定だとかなんという話、借換えだとかなんてやったって、またもうけが出てくるだけの話なんですよね。そういうことになるので、そこらの問題を含めて、この件は、枝野さん、大変厳しい視点を持って取り組んでこられたと思うけれども、更に取り組んでいただくように申し上げておきたい。
 以上、多岐にわたって無駄遣いや不正、不適切支出の問題について指摘をしてまいりましたけれども、私はやっぱりまだまだ、取り組んでいないとは言いませんよ、しかしまだまだ、菅さんが言うように、逆立ちしても鼻血が出ないほどに完全に無駄をなくすという努力から見たらまだまだ甘い、こういうふうに言わざるを得ないので、その点はもっとしっかり取り組んでいただくように求めておきたいと思います。
 最後に、朝鮮学校への授業料無償化適用問題について伺いますが、これまでも私、再三この政府の見解をただしてまいりました。政府の統一見解は、外交上の配慮などにより判断をするというものではなくて、客観的に我が国の高等学校の課程に類する課程であると認められるということが、そういう学校が適用するんだと、こういうことでした。これは、川端さんもここにおられるけれども、前にもそういう見解だった。
 だけども、現実問題としては依然として、時間が経過をしているけれども、これ適用されない。まさに、そういう意味では非合理な差別的な扱いであり、憲法十四条の平等原則にも反する、こういう格好になるんじゃないのか。したがって、これをどうされていくのか、明確にお答えをいただきたい。
#331
○委員長(山本順三君) 平野文科大臣、時間が来ておりますので簡潔に答弁をお願いします。
#332
○国務大臣(平野博文君) 簡潔と言われますと、もう厳正に審査をいたしておるところでございますので、今どうするのかというよりも、厳正に審査を継続中でございます。
#333
○又市征治君 時間参りましたからまとめますが、文科省自らが日本在住の全ての子供のひとしく教育を受ける権利をゆがめたり、屈辱感を与えたり、そして反日感情を逆に生ませるようなことがあってはならぬ、そのことを是非肝に銘じて、早く結論を出されるように求めて、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#334
○委員長(山本順三君) 他に御発言もないようですから、本日の審査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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