くにさくロゴ
2012/07/30 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 決算委員会 第4号
姉妹サイト
 
2012/07/30 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 決算委員会 第4号

#1
第180回国会 決算委員会 第4号
平成二十四年七月三十日(月曜日)
   午後一時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     中西 健治君     柴田  巧君
     大門実紀史君     井上 哲士君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     外山  斎君
     井上 哲士君     大門実紀史君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     外山  斎君     斎藤 嘉隆君
     大門実紀史君     井上 哲士君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     井上 哲士君     山下 芳生君
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     小見山幸治君
     山下 芳生君     井上 哲士君
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     小見山幸治君     斎藤 嘉隆君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     玉置 一弥君     主濱  了君
     松野 信夫君     森 ゆうこ君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     金子 恵美君     牧山ひろえ君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     牧山ひろえ君     金子 恵美君
 七月五日
    辞任         補欠選任
     森 ゆうこ君     谷  亮子君
 七月九日
    辞任         補欠選任
     米長 晴信君     江田 五月君
     森 まさこ君     赤石 清美君
     井上 哲士君     大門実紀史君
 七月十日
    辞任         補欠選任
     江田 五月君     小川 敏夫君
     赤石 清美君     森 まさこ君
     大門実紀史君     井上 哲士君
 七月二十三日
    辞任         補欠選任
     大久保潔重君     林 久美子君
     横山 信一君     草川 昭三君
 七月二十四日
    辞任         補欠選任
     林 久美子君     大久保潔重君
     安井美沙子君     石橋 通宏君
     草川 昭三君     横山 信一君
 七月二十五日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     安井美沙子君
 七月二十六日
    辞任         補欠選任
     谷  亮子君     外山  斎君
 七月二十七日
    辞任         補欠選任
     安井美沙子君     吉川 沙織君
     主濱  了君     森 ゆうこ君
     井上 哲士君     田村 智子君
     又市 征治君     吉田 忠智君
 七月三十日
    辞任         補欠選任
     大野 元裕君     江崎  孝君
     吉川 沙織君     安井美沙子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                大島九州男君
                今野  東君
                小泉 昭男君
                中川 雅治君
                二之湯 智君
                加藤 修一君
    委 員
                有田 芳生君
                江崎  孝君
                小川 敏夫君
                大河原雅子君
                大久保潔重君
                大野 元裕君
                金子 恵美君
                斎藤 嘉隆君
                安井美沙子君
                青木 一彦君
                野村 哲郎君
                藤川 政人君
                森 まさこ君
                若林 健太君
                横山 信一君
                外山  斎君
                森 ゆうこ君
                柴田  巧君
                田村 智子君
                吉田 忠智君
                舟山 康江君
   国務大臣
       法務大臣     滝   実君
       農林水産大臣   郡司  彰君
       国土交通大臣   羽田雄一郎君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    松原  仁君
   副大臣
       復興副大臣    末松 義規君
       財務副大臣    藤田 幸久君
       農林水産副大臣  岩本  司君
       国土交通副大臣  吉田おさむ君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       津田弥太郎君
       農林水産大臣政
       務官       森本 哲生君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総長       大谷 直人君
       最高裁判所事務
       総局経理局長   林  道晴君
       最高裁判所事務
       総局刑事局長   植村  稔君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        工藤 政行君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      土屋 知省君
       法務省民事局長  原   優君
       国土交通省都市
       局長       加藤 利男君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        関  克己君
       国土交通省道路
       局長       菊川  滋君
       国土交通省住宅
       局長       川本正一郎君
       国土交通省鉄道
       局長       久保 成人君
       国土交通省航空
       局長       長田  太君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴木 繁治君
       会計検査院事務
       総局第三局長   小林 誠治君
       会計検査院事務
       総局第四局長   太田 雅都君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○平成二十二年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十二年度特別会計歳入歳出決算、平成二十二年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十二
 年度政府関係機関決算書(第百七十九回国会内
 閣提出)
○平成二十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百七十九回国会内閣提出)
○平成二十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百七十九回国会内閣提出)
 (法務省、農林水産省、国土交通省、警察庁及
 び裁判所の部)
    ─────────────
#2
○委員長(山本順三君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、中西健治君、大門実紀史君、玉置一弥君、松野信夫君、米長晴信君及び又市征治君が委員を辞任され、その補欠として柴田巧君、小川敏夫君、外山斎君、吉田忠智君、森ゆうこ君及び田村智子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山本順三君) 理事の辞任についてお諮りいたします。
 舟山康江君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に二之湯智君を指名いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(山本順三君) 平成二十二年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、法務省、農林水産省、国土交通省、警察庁及び裁判所の決算について審査を行います。
    ─────────────
#7
○委員長(山本順三君) この際、お諮りをいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#9
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#10
○委員長(山本順三君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○大河原雅子君 民主党・新緑風会の大河原雅子でございます。
 本日は、昨年二月、決算の参議院と言われますが、この決算委員会から会計検査院に検査要請を行いました、その結果、いただいている報告に基づいて質疑をさせていただきたいと思います。
 私も、都議会時代から八ツ場ダムの問題にかかわりまして、大きな公共事業というのは長い時間、莫大なお金を掛けて執行されるということで、その見直しということについては非常に大きな関心を持っておりました。コンクリートから人へという私たち民主党のこの思いは、その中に、これまでの発想ではない治水、あるいは本来あるべき公共事業の姿、こういうものをしっかりと浮き彫りにするということだと思います。
 会計検査院が平成二十二年段階で国土交通省また独立行政法人の水資源機構、建設事業を実施している四十七のダムについて検査したところ、様々な問題点が明らかとなりました。私としても、今回検査院が行った立派な報告書については、これから先、政治の場面でしっかりと議論をするということで、今日は二十五分という大変短い時間なものですから、取りあえずこの報告で掲げられて指摘をされた事項について伺っていきたいと思っております。
 事業の実施状況を見ますと、皆様のお手元には、資料の一、二、三を御覧いただきたいと思います。立野ダム、熊本県のダムでは、例えば二十二年度までに四百十八億円の事業費を執行していますが、当初の事業計画が九八・五%の執行率、しかし、二十三年九月になって事業費は変更前の二倍以上に当たる九百五億円に引き上げられておりました。同じような形で、三つのダムではいまだ事業が完了していないのに計画上の期間を過ぎている状況になっておりました。
 事業費の執行率が一〇〇%に近くなってから突然事業費を大幅に上げたり、又は計画の事業期間が過ぎているのに延長が行われないまま事業が継続されたりしている、何とも不可解なことだと思います。適時適切な見直しが行われてこなかったというふうに思いますが、まず国土交通大臣、御所見を伺いたいと思います。
#12
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきたいと思います。
 平成二十四年一月に会計検査院より国会に提出されました大規模な治水事業に関する会計検査の結果に関する報告書においては、「ダム建設事業等について、計画事業費や事業期間が事業の実施状況を反映したものとなるよう、適時適切に事業計画の見直しを行うこと」とされ、立野ダムや戸草ダムについても事例として示されているところであります。
 現在、事業実施中のダム建設事業については、平成二十二年度より全国八十三事業を対象として予断なく検証を実施してきているところであり、その中で、総事業費、工期など計画の前提となっているデータ等についても詳細に点検を行ってきているところであります。
 これらの事業については、総事業費や工期の見直しも含め、今後、検証の結論に従って適切に対応することとさせていただいております。
#13
○大河原雅子君 事業費の推移について見てみますと、これは新聞でも非常に大きな話題になりましたけれども、奈良県の大滝ダム、これは当初の計画から比べると十五・八倍、二倍以上に増加しているダムというのも九つのダムでございました。
 こうして、ダム本体の容量は変わらないけれども事業費ばかりが上がっていくということで、大滝ダムはこのようになっているわけなんですが、物価上昇とか地すべり対策の工事追加を入れても十五・八倍というのは余りにもひど過ぎる。小さく産んで大きく育てると言いますが、これはそのやはり見直しのプロセスに何の歯止めもないのかと思わざるを得ません。この点について、大臣、いかがでしょうか。
#14
○政府参考人(関克己君) 大滝ダムの事業費の増大につきまして御説明させていただきます。
 大滝ダムは、昭和三十四年、伊勢湾台風を契機とし、紀の川水系、先生御指摘の奈良県でございますが、川上村に設置することを目的としてこれまで進められてきたものでございます。昭和三十七年に実施計画調査に着手して以降、地元の皆様との合意形成等に期間を要しておりましたけれども、現在は、ようやく試験湛水を終え、ちょうど運用を開始したところでございます。
 御指摘の総事業費の増加につきましては、約四十年間の事業期間における物価上昇を始め、特にこの物価上昇が一番多い要因でございますが、それから貯水池斜面における地すべり対策工事、それから用地調査等に伴いまして用地補償費の増額、あるいは生活再建対策の追加によるものでございまして、こういったことを理由に、総事業費の見直し等に伴って段階的に手続としての基本計画を変更してきたものでございます。
 当初の事業費については、その時点における情報を基に適切に算出されたものであると考えておりますが、いずれにいたしましても、総事業費を含む基本計画の作成、変更に当たりましては、関係知事等の意見聴取、関係機関との協議等、特定多目的ダム法、いわゆる特ダム法に基づく手続を行ってきたところでございます。
#15
○大河原雅子君 特ダム法に基づく手続というものでも、なかなか見直すということについて、例えば、再評価の委員会等でも一つ一つ丁寧に細かくやってきたとおっしゃっているんですが、その実、新たな知見ですとか、あるいは当初からダムについては地盤について非常に住民の方たちがよく御存じで、この辺は適切な場所じゃないよというダム計画、全国に見られるわけです。ですから、やはり不適切な場所に造ってしまって大きな災害が起こるというようなことであっては困りますし、ダム神話というものは、原発神話は崩れ去りましたが、ダム神話はまだまだ生きているな、健在だなというふうに思って、非常に危機感を感じています。
 日本は小さな島国ですけれども、もう三千にも及ぶダムがある。本当にこのアジア・モンスーン地域の国土に三万本も川があるということで、急峻な谷を下る。しかし、水については、その取扱いをこれまで伝統的な方法でも行ってきたわけで、近代河川工法に対する懐疑といったものも今出てきているんじゃないでしょうか。
 保存年限についていえば、改革もされたと思いますが、少し延びてきちんとした情報を出せるようになったんでしょうか。もう一度、関局長に伺ってよろしいでしょうか。
#16
○政府参考人(関克己君) 先生の御指摘は資料等の存置ということで理解して、説明をさせていただきたいというふうに思います。
 これまで、御指摘のように、ダム事業の、あるいは事業の工期ということについては、その段階において変更を行ってきたところでございます。一方で、過去に事業計画の変更を行ったダム等につきましては、その変更要因については、なぜ変えざるを得なかったのかということについては把握しているものの、行政文書の管理に関する制度、これは平成十三年に法律ができ明確化したところでございますが、それ以前の資料については必ずしも整理されていたものではなく、既存の関係資料からは詳細な増額の内訳等について明確に示せないという状況になっていたことは、先生御指摘のように事実でございます。
 現在におきましては、ダム等の事業計画の変更にかかわる資料も含め、これは国交省の行政文書管理規則というものを明確に定めておりまして、これにのっとって適切に行ってきているところでございます。
 また、平成二十年度からになりますが、第三者の意見を求めるということで、ダム事業費等の監理委員会という組織を設置しまして、第三者にも入っていただきまして事業費や工程の管理を行い、透明性、客観性の確保を図ってきているところでございます。
#17
○大河原雅子君 これから先、保存年限が長くなっているということはあるんですが、問題は、ここまで財政の逼迫を呼んできた公共事業のいまだ検証がされていない大型のものがたくさんございますが、それらについての当初からのデータが全てそろっているわけではありません。その点では、やはりこれまでのことをきちんと総括をする上でも、もしそういったデータが不明であれば、もうそれは最先端のデータを使っていただくことしかないわけなんです。それについても私たちは、今の国交省のこうした大型の治水事業、公共事業のつくり方については大きな不満を持っております。
 先ほど大臣は、ダム検証、八十三についてやっているというふうにおっしゃったんですが、この点、コンクリートから人へということで、大臣、今五人目になりましたか、どのようなお考えをお持ちでしょうか、ちょっとここで感想を聞かせていただいてよろしいでしょうか。
#18
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきたいと思います。
 コンクリートから人へということで、政権交代後、公共事業費については前原大臣のときにずっと少なくしたわけで、抑制したわけでありますけれども、今大体平均的にそう多くならずにということでやってまいりました。基本的には、これからも公共事業費をどんと増やすような財政状況にないということは変わりがないというふうに考えております。
 ただ、東日本大震災等の教訓を踏まえると、全国の防災とか、こういう観点、これはしっかりと踏まえていかなければならないというふうに考えておりまして、やはりコンクリートから人へという理念はしっかりと持ちながら、しかし、全国防災等についてはしっかりと考えていかなければならないというふうに思っております。
#19
○大河原雅子君 本当に、東日本大震災とか、またこれまでに経験のない雨が降るという状況になっておりますから、私も、そうした防災面で、本当に国民一人一人の命を守るというところでの公共事業というのは手を緩めずに充実をさせていかなければならないんだと思うんです。
 ただ、まだ先ほどもダム神話が生きているというふうに申し上げましたが、ちょっと見過ごせない自民党の総裁の発言がございまして、先日のあの九州の豪雨でございましたけれども、民主党が公共事業の見直し、ダムの検証をしているので遅れてしまっているからダムができていないんだ。これは玉来ダムのことでございますが、これは当初から完成は平成二十九年なんですね。だから、自公政権が続いていたとしてもこのダムはできていないんですよ。
 ですから、そういったことについても、新たな事態を、どこにどういうふうに雨が降り被災をするのか。ダムの限界は、想定内の雨にしか、洪水にしか対応できない、ダムの下流に降った雨に対応するのみ、そしてまた安全度は、ダムが完成するまでは安全が確保されないわけですね。ですから、今回の豪雨、こういったものをきちんと検証をしていただきたいというふうに思います。
 そして、今行っているダム検証ですが、これは私、与党の議員としてじくじたる思いを持っております。野党の皆さんがそのようにダム検証をしているから災害が多発をするかのようなことをおっしゃっているんですけれども、ダム、公共事業について、本体工事に掛かっていない、こういったところは止まっております。しかし、生活関連支援の道路ですとかそういったものは、実は続いております。
 私としてはじくじたるものがございますけれども、民主党がダム検証をしているから災害が起こるというようなことは全くないというふうに思いますので、この点は大臣も心強く思っていただき、また本当に必要な公共事業のために予算を付けていただきたいというふうに思います。
 そして、それではまた元に戻りたいと思いますが、今回のこの報告書の中には、ダムだけではなくて導水路、こういったものもチェックされております。霞ケ浦導水路について伺いたいと思いますけれども、資料は四、五、六と三つ付けております。
 霞ケ浦という日本でも大きな湖にこの事業が掛かっていて、ここの水質を改善するという目的なわけでございますけれども、那珂川の水を霞ケ浦へ導入する、霞ケ浦の水質改善を図るということを目的にしております。
 しかし、今回の会計検査の報告によれば、近年、霞ケ浦の水質は悪化する傾向、そして、現状においては導水を実施しても目標どおりの水質改善に達するまでには相当な期間が要るということがございます。福島の原発事故の影響でこれまでにない放射性物質の問題もあるんですが、ここのところは報告でございますので、そのことは抜きにして、この問題について、国土交通省として、いつごろ、いつまでに当初目標の水質改善を達成できるというふうに想定しておられるんでしょうか、国交大臣に具体的な見込みというものをお伺いしたいと思います。
#20
○国務大臣(羽田雄一郎君) 霞ケ浦の導水事業ですけれども、全国八十三か所の検証対象ダム事業の一つとして、現在、事業主体である関東地方整備局において、有識者会議による中間取りまとめに示された手順に沿って検証を進めさせていただいております。
 また、霞ケ浦の水質改善については、茨城県、栃木県、千葉県が策定した霞ケ浦に係る湖沼の水質保全計画において、長期ビジョンとして既に、おおむね平成三十二年度に全水域の平均値でCODを一リットル当たり五ミリグラム台前半の水質を目指すとされているところであります。この目標の達成については、国による霞ケ浦導水事業等の浄化用水の導入のほか、市町村による公共下水道の整備等の排出負荷の削減、また茨城県による水生植物帯の整備等の湖内対策を実施することにしており、これら多くの施策の実施によって実現できるとされているところであります。
#21
○大河原雅子君 資料の六を見ていただければ分かりますように、全体事業費一千九百億円、それでもう一千四百六十億円使っているんですけれども、黄色い部分が、言わば立て坑ですね、それは完成をしている、横につながりがない、トンネルがないということなんですが、水質改善も見込めないというこの会計検査院の報告からしますと、これから霞ケ浦の抱える問題は非常に複雑な課題が出てくると思います。水質を改善するという目的だけというわけにはいかないんじゃないかと思いますので、この点についても特別な検証、特別な検討というものを是非要望していきたいと思います。地元の県にビジョンがあるわけですけれども、なかなかそれも具体的にはいかないというふうに思いますし、さらに、困難な水質改善、この環境の改善という課題が出てこようかと思います。
 それで、この位置図を見ていただくと、四のところに、これは那珂川の方の導水と利根導水のセットで、実は利根の方はもう既に完成しておりますけれども、二十年来使われていない、むしろ使ったコンクリートが劣化をしているんじゃないかというようなことまでございまして、非常に問題が多いわけです。他の事業についても、今後の利用の想定とか経年劣化への対応というものも論点になってくると思いますが、その点も伺わせてください。
#22
○国務大臣(羽田雄一郎君) 平成八年に竣工しております利根導水路については、引き続き適切に管理するとともに、会計検査院の報告も踏まえて、漁業関係者との合意形成を進めつつ、本導水路のみによる効果の程度を把握することにより、本事業の検証と並行して単独での運用の可能性について検討していきたいというふうに考えております。
#23
○大河原雅子君 次に、スーパー堤防について伺いたいと思います。
 これは、事業仕分でも指摘されましたように、計画を進める、完成を全地域でするためには四百年以上掛かると。まちづくりと一体として整備をするということがそもそもの発想でございますので、資料の七を御覧いただければ分かりますように、堤防の内側にある町の方々に一斉に立ち退いていただいてかさ上げをすると、もう非常に負担の大きいものでございます。
 この高規格堤防では、市街地との一体的な整備のために策定されるとしております沿川の市街地整備計画が作られていなかったり、協議会も設置されていなかったり、非常に乱雑な、乱暴なやり方で進められてきたと思います。
 これについて、その規格の整備率の考え方も非常に指摘をされまして、会計検査院の結果について、国土交通大臣としては、二十四年度以降、この事業実施計画を短縮した上でも引き続き継続するとおっしゃっているんですが、検査結果を受けての整備率、延長の考え方、算定方法、そもそもこのスーパー堤防を今造れるのかということについて、率直な意見をお聞かせください。
#24
○国務大臣(羽田雄一郎君) 高規格堤防でありますスーパー堤防は、普通の堤防と比較して幅が広く、堤防の高さの三十倍程度ということでありまして、超過洪水に対して耐えることができる堤防として整備するものでありますけれども、既成の市街地においては多くの地権者がかかわっていることから、まちづくり事業と一体となって整備する必要があり、完成に時間を要する側面があります。
 こうした事業特性についても、昨年、学識者から成る高規格堤防の見直しに関する検討会においてゼロベースで検討していただき、まちづくりと連携した整備を効果的に進めるための移転方式の見直し等の御意見をいただいたところであります。
 国土交通省としては、こうした御意見や会計検査院の報告等も踏まえて、現在、円滑な事業推進を図るための諸方策について検討しているというところでございます。
#25
○大河原雅子君 スーパー堤防は、つながって初めて生きてくるものでございます。そのかどかどにはもう非常に大きなギャップができるわけなので、私は必要ないというふうに思っております。
 次に、最後になりますが、農業用のダムについて伺います。
 私も農林水産委員をさせていただきまして、当時、郡司現大臣が副大臣でございました、部門会議でこの農業ダムの点検ということで資料を出していただきましたところ、資料八にあるようなものがすぐに出していただきました。
 農林水産省所管の百九十のダムのうち、水利用が低いと判断されるダムが三十か所、技術的な課題を抱えたダムが七か所、課題に取り組まなければならない、合計四十四か所というふうに会計検査院にも指摘をされております。東郷ダムなどは、本当にずっとほったらかしにされたままという言い方をしても差し支えないんじゃないかと思うんですが、目的は一つのダムでございます。
 大臣として、この長期化するダムについてどのような御所見をお持ちでしょう。
#26
○国務大臣(郡司彰君) 御指摘がありましたように、百九十のダムについて点検をさせていただきました。四十四という数字も出させていただきました。幾つかに分類をされておりましたけれども、そのうち約十三については問題を解決をすることができたのではないかなというふうに思っております。
 今御指摘がありました東郷ダムを含めまして技術的な問題が五つ、それから、ダムはできたけれども、それから用水に至るまでの端末のところまでまだ工事が県の事業その他で行われているところが五つございます。それ以外のところが二十一ございまして、これらについて今後ともやっていかなければいけない。
 特に、東郷ダムについては、水の浸透などがありまして技術的な問題があります。一部をダムで使う、それから、これまでの水利権を活用をする、そういうようなことで今地元の方と調整をさせていただいて、具体的な対応策について進めていくつもりでございます。
#27
○大河原雅子君 昔、橋本龍太郎元総理が行政改革会議の会長であられまして、建設省から河川局をもう農林水産省に移して、この森林、湖沼、川、海、海岸、もう一体として見ていくことの方が私も今有効だと思いますが、そういう二分割をするというような案も持っておられました。
 今、国土交通省、物すごく大きな役所になってしまっておりますけれども、本当に必要な国土の保全、治水の発想転換というものをやはり新しい私どもの民主党政権でさせていただきたいと思います。アメリカもヨーロッパも、想定外の洪水から、ダムを撤去する、全体として流域で見ていくという発想に変わりました。是非、今回の会計検査院の報告を今後とも一つずつ詰めさせていただきますので、日本の国民のための財産とまた国土づくり、邁進していただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#28
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。斎藤嘉隆君。
#29
○斎藤嘉隆君 民主党・新緑風会の斎藤嘉隆です。
 私は、今日、我が国の交通安全対策について、国交それから警察両大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 御承知のように、今年度に入りまして、京都あるいは千葉、あるいは私の地元でもあります愛知などで通学中の児童が交通事故によって死傷するという大変痛ましい事故が相次ぎました。我が国では、車がもう大変な速度で走り去る、その脇を、脇をですね、歩道もない道路を登下校中の子供たちが集団で歩いているという風景は決して珍しくないというふうに思います。
 改めて、私は子供たちのこうした命を守るために政治が何をするべきかということ、そして私たち大人が何をすべきかということを今深く考えていく必要があるなというふうに思います。これまでこうした観点、視点からも適切な例えば予算の使われ方がしてきたのかということも改めてやはり検証する必要があると、このようにも思います。
 私たちは、党内を中心に、この度、児童ら通学安全対策促進議員連盟という議連を新たに発足をいたしました。被害者の家族の皆さんですとか、あるいは関係省庁、専門家等も交えた議論をこれまで重ねてまいりまして、「かけがえのない子どもたちの命を守るために」という提言を先般まとめさせていただきました。七月の二十四日であったかというふうに思いますけれども、藤村官房長官にこの提言を提出をいたしましたし、また羽田大臣、松原大臣にもお届けをさせていただいたところであります。
 我が国の交通事故の状況をちょっと振り返ってみますと、いわゆる交通戦争と言われた昭和四十年代半ばごろ、このころには実は交通死亡事故というのは一万六千件以上あったんですね。これが五十年代の半ばまでには少しずつ減ってきまして八千人台になったと、約半減をしてきました。これが平成に入るころには、また再び増加傾向で再び一万人を超え、以後少しずつ、少しずつではありますけれども、減少傾向にあると。昨年は四千六百十二人ということでありますから、これは救急医療体制の充実等いろんな要因があろうかというふうに思いますけれども、一連の交通安全対策というのが効果を現しているのは、これはもう間違いのない事実だというふうに思います。
 ただ、一つ、我が国のこの事故というのは大きな特徴がございまして、これは今年度の交通安全白書を読まさせていただいて私も大変驚いたんですけれども、交通事故死者数の外国の統計と我が国の統計を比較をしてみますと、アメリカを始め例えば諸外国などでは、断然自動車乗車中の事故死というのが多いんです。ところが、そういう形に対して我が国では、歩行中の事故、歩行中に事故に遭って命を失うという方が実は一位なんですね。これは我が国の事故の非常に大きな特徴だというふうに思います。
 これは、日本でもかつては実は自動車乗車中の事故というのが非常に多かったんですが、これ四年前に逆転をしているんです。四年前から歩行者の死者数がこれを上回ったということですから、これはちょっと乱暴な言い方ですけど、言い換えると、車に乗っているよりも、今は歩道を、道路を歩いている方が危険なんですね、実は。そういうことだというふうに僕は認識をしています。
 松原大臣、この現状を今聞かれましてどのように感じられるか、また、大臣自身この原因というか要因をどのようにとらえていらっしゃるか、お聞かせをいただけませんでしょうか。
#30
○国務大臣(松原仁君) 御答弁を申し上げます。
 御指摘のとおり、状態別の、状態というのは歩行中であるとか自転車に乗っている、自動車に乗っていると、こういうことでありますが、交通事故死者数の推移を見ますと、平成十九年までは自動車乗車中が歩行中を上回っておりましたが、平成二十年以降は歩行中が自動車乗車中を上回っております。しかしながら、歩行中の死者数についても、平成八年以降十六年連続して減少し、平成七年の六割以下の水準となっており、歩行者の交通事故防止対策についても一定の成果が見られると考えております。
 いずれにしても、歩行中の交通事故死者数を更に減らす取組を進めることは重要であると認識しているところでありまして、歩行中の死者数の三分の二を六十五歳以上の高齢者が占めていることも、これを見ながら、警察としては関係機関とも連携し、こういった実態の中で高齢者に対する個別指導を含む参加・体験・実践型の交通安全教育、バリアフリー対応型信号機の整備等歩行者の通行環境の整備、歩行者妨害等の悪質、危険な違反の指導取締り等に取り組んでまいりたいと、このように思っております。
#31
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 今、三分の二がいわゆる六十五歳以上の高齢者の事故でというお話もありました。確かに、高齢者の事故というのは非常に増えています。反対に、子供たちの事故というのはそんなに増えていないですね。しかし、これ全体の人口の構成を考えれば、この数十年間の長いスパンで見ていけば、当然六十五歳以上の方の割合というのは非常に多いわけで、これに対して、子供がこれだけ減っている状況の中で事故の数そのものはそれほど大きく減っていないと、このことはやっぱり着目をしていくべきではないかなというふうに思います。
 そこで、警察庁に更にお聞きをしたいというふうに思います。
 通学中などの交通事故で子供たちが死傷するといったことが、実は昨年は二千四百八十五人の子供たちが亡くなったりあるいは傷ついたりということがございました。これ、事故をなくしていくためには、この事故の内容というか中身というか原因を、状況も含めて精査をしていくことが必要だというふうに思います。当然されているというふうに思いますけれども、分析の結果、この子供たちをめぐる交通事故の状況についてはどのようなことが言えるのか、また、どのような対策が有効であると考えていらっしゃるのか、現状のお考えをお聞かせをいただきたいと思います。
#32
○政府参考人(土屋知省君) 昨年の通学中における歩行中児童の交通事故による死傷者数は、先生御指摘のとおり二千四百八十五人、前年と比べまして二百七十三人の減少でございます。その特徴を見ますと、事故類型別では横断中が全体の約七割を占めております。横断中の約四分の一は飛び出しでございまして、衝突地点別では交差点が約五割を占めております。また、道路幅員別では五・五メートル未満の道路が四割弱を占めておるというような点が挙げられます。
 このような交通事故を防止するため、通学時間帯の車両通行禁止や横断歩道設置などによる道路交通環境の整備、横断歩行者妨害などの交通違反取締り、児童や保護者などに対する交通安全教育などを推進しているところでございます。特に、道路交通環境の整備につきましては、通学路における歩車分離式信号の整備や学校周辺道路を含む生活道路を中心にゾーン30といった生活道路対策を講じていくことなどが有効であると思料しております。
 また、昨今の登校中の重大事故の発生を受け、関係省庁と連携の上、通学路の緊急合同点検を実施しているところでございます。
 今後とも、その点検結果も踏まえ、学校、道路管理者、地域住民等と連携し、これらの対策を積極的に推進してまいる所存でございます。
#33
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 今、歩車分離信号ですとかゾーン30というお言葉もありました。これ、ちょっと後ほどまたお聞きをしたいというふうに思います。
 通学中の子供の事故を防ぐには様々な対策が必要だというふうに思います。私は第一に、まず子供たちが歩く歩道をきちんと整備をする、簡易なものも含めて、そういったことが必要でないかというふうに思います。羽田大臣も小さなお子さんがいらっしゃって、通学で手を取って通学をされている姿を私も拝見したことがありますけれども、家族思いの大臣でいらっしゃるなと改めて思いますが。
 これ、通学路に限定をすれば、大臣、どの程度、全国的にです、歩道の整備というのが進んでいるのか、またその整備のための予算というのはどういった形で措置をされているのかというのを教えていただけないでしょうか。
#34
○政府参考人(菊川滋君) お答えいたします。
 通学路の歩道整備の状況とそれから予算措置ということでございますけれども、交通安全施設等の整備事業の推進に関する法律というものに基づきまして交通安全施設などの整備を行うことのできる通学路を指定しておりますが、これが全国で約十万八千キロメートルございます。この指定された通学路につきましては、今お話がありましたように、歩道整備のほか、簡易な方法ということで歩行者の安全確保のための防護柵を設置したり道路端をカラーで舗装したりと、こういったものも含めますと、平成二十二年度末時点で約五二%の整備率ということになっております。
 また、通学路を始めといたしますこういった道路の交通安全対策の予算措置でございますけれども、市町村が実施します場合は社会資本整備総合交付金、都道府県及び政令市が実施する事業については地域自主戦略交付金によって支援を行っているところであります。
#35
○斎藤嘉隆君 今お話がありましたように、この通学路の対策の予算というのは、社会資本整備予算の言わば内数として埋没を、言い方が適切かどうかはともかくとして、しているというふうに思います。これがなかなか、今五二%というお話でしたけれども、進捗をしない原因ではないかというふうに思います。
 私は、個人の考えとして、社会資本整備計画の中にこういった予算を枠取りをしてきちんと明確な形にして措置をしていく必要があるというふうに思っています。その上で、年次計画を定め、危険度などから歩道設置の必要な道路には全て歩道を付けていく、全部に付けろとは言っていません、必要なものから順次付けていく、このことをまず国交省の皆さんに御要望をさせていただきたいというふうに思います。
 それから、交通安全対策というのは、線と面の両面から進めていくことが肝要だというふうに思います。危険箇所をピックアップして対策をしていくような点の効果では実は効果が薄いというふうに思います。通学路は言わば線の対策だというふうに思いますから、歩道の整備と併せ、実は先ほどもちょっとありましたけれども、全国的に大きな事故抑制効果につながっている歩車分離信号の実施などでこの線の対策をもう徹底をしていくということも必要だと思います。
 この歩車分離信号ですけれども、実は本当に効果が出ていまして、ある地域では人身事故はこの対応だけで四割減ったという結果も出ています。お金が掛かることではありませんので、これは一度検討を是非していただきたいと思います。イギリスなどは交通安全対策の先進国でありますけれども、国内、基本的には全ての信号がこの歩車分離型の信号となっています。是非、こういった面的な安全対策も御検討をいただきたいというふうに思います。
 そして、もう一点。先ほどもこれも御答弁の中でありましたけれども、この面的な安全対策として、昨年九月に「ゾーン30の推進について」の通達が警察庁から出ているというふうに思います。この内容と進捗の状況をお聞かせをいただきたいと思います。
#36
○政府参考人(土屋知省君) ゾーン30についてお尋ねでございますが、ゾーン30とは、道路管理者と連携して、最高速度三十キロの区域規制などの実施と道路の整備を適切に組み合わせることにより生活道路における歩行者などの安全を確保しようとする施策であり、昨年九月から取組を開始したところでございます。
 本年三月末までに十一の都府県において約六十か所を整備したところでありますが、今後とも必要性の高い箇所から計画的な整備を行ってまいりたいと考えております。
#37
○斎藤嘉隆君 今、ゾーン30の推進についてお聞かせをいただきました。まだ始まったばかりの事業ですから仕方がないところはあると思いますけれども、全国的にまだまだ展開が不十分だというふうに思います。
 ちょっと話変わります。松原大臣、ハンプという、これ、道路施設というか道路形状というか、分かりませんけれども、御存じでいらっしゃいますか。
#38
○国務大臣(松原仁君) ハンプというのは、少し凹凸を付けてありまして、私の地元の品川区でもあるわけでありますが、スピードを出すと車が跳びはねてしまうような、そういったもので、スピードを出すのを抑制するためにハンプというものは、これは一定の効果があるというふうに認識をいたしております。
#39
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 今、大臣おっしゃられたとおりです。道路に凹凸を付けて、基本的にスピードが出にくい状況をつくると。今はかなり改良されていて、車への衝撃というのを非常にちっちゃい形でのハンプというのもできて広がっているということであります。
 諸外国のいろんな交通安全対策を調べていくと、このハンプというのは非常に効果的に使われているんですね。お隣の韓国にスクールゾーンというものがあります、ゾーン対策でありますけれども。小学校の半径五百メートルはスクールゾーンということで、徹底した安全対策を行っています。片道三車線、計六車線の幹線道路であっても、小学校の半径五百メートルにあればこのハンプを付けるんです。日本ではなかなか考えづらいなというふうに思いますけれども、ゾーン内での交通違反、反則金も倍の金額であります。まあ、やり過ぎと思えるくらい、子供たちの命を守るためのある意味で対策が講じられているというふうに思います。
 ここまでのことを我が国で実施をするかどうかはちょっと別の問題として、私は、例えばこの生活ゾーンあるいは学校の周辺ゾーン、こういったところに新たなゾーン対策というか、例えば一つの例として、私はスクールセーフティーゾーンというようなものを御提案をしているんですけれども、ゾーン30を更に発展をさせて、生活ゾーン、特に子供の生活ゾーンを守っていくんだというような対策についても是非検討していただきたいというふうに思います。
 ゾーン内では、これ、取締りですとか規制による対応は当然必要だというふうに思います。ただ、規制だけでは今回京都で起きたような事故はやっぱり防げないと思います。僕は、物理的に、先ほどのハンプではありませんけれども、もうスピードが出ないようなシステムというか物理的な対応をしていかなければいけないというふうに思います。
 実は時速三十キロというのが交通死亡事故の一つの区切りになっていまして、三十キロを超えると死亡事故って物すごく増えるんです。反対に言うと、三十キロ未満であれば死亡にまで至る事故というのは非常に起こりづらいということも言えるかというふうに思いますから、ゾーン内とか先ほどの通学路ではもうスピードが出ないような、そのような状況をつくればいいのではないかと。ハンプはそのための一例であろうというふうに思います。
 ほかにもいろいろ外国の例を調べると、ライジングボラードといって、国会の入口にありますね、下からずっと自動に上がってくるでっかい棒みたいな円柱形のもの、ああいったものが実はイギリスやフランスで今爆発的に普及しているんですね。生活ゾーンの入口のところに、日本だと、何というんですか、馬というかああいうものを出して、人間の手で、車両を止めるということもありますが、もうそういったこともせずに自動的に車を止めるというようなことも行われているようであります。
 日本の道というのは、僕はかつてコミュニティーの拠点であったというふうに思います。僕たちが子供のころも、まだ道路でキャッチボールをしたり道路で遊んだりというのはごく普通にあったというふうに思います。今も田舎の方ではそうかもしれません。それが、いつのころからか車が通るための道路という形になっていきました。
 私、知り合いに交通事故で愛する娘さんを失った佐藤さんという方が、今日実は傍聴にもいらっしゃっているんですけど、歩車分離信号を全国に普及をしようということで頑張っていらっしゃいます。この方とお話をしたときに、是非、学校の帰りに道草ができる、そんな日本であってほしいということをおっしゃられます。油断をすると命が危ないような場所は戦場ですよ、これは。道路がやっぱりそんな場所ではいけないというふうに思います。
 私は、単に公共事業をばらまくように全国にやっていくんじゃなくて、こうした命を守るというか子供たちを守るという、そのための有効なこうしたお金の使い方があるんではないかなというふうに思います。ルールを守る子供たち、僕たちも、大人は子供たちにルールを守れと言います。ルールを守っている子供たちが現実的に事故に遭うんです。信号を守って横断歩道を渡っている子供たちが事故に遭う。こんな理不尽なことは僕はないというふうに思います。こういう状況をもうとにかく我が国からなくしていく、そのための格段の協力を共にしてまいりたいというふうに思います。
 最後に、できましたら両大臣から、お気持ちなり決意のほどをお聞かせをいただきたいと思います。
#40
○国務大臣(羽田雄一郎君) 先ほど息子たちの話も出していただきました。歩道を歩いていても安全だと思うなということを教えておりまして、車道の側、歩道であっても車道側は歩かないようにという指導を学校自体がしております。そういう日本で今あるというのが現状であるというふうに思っておりますし、そういう中でまだ五二%しか歩道もないという現状でございます。
 先ほどハンプとかライジングボードですか、こういう話もございました。また、信号の歩車分離というようなお話もございました。やはり、将来を担う子供たちの安全、安心、我々大人がしっかりと守っていかなければならないという気持ちを強く持っております。しっかりと連携を取りながら進めていきたいというふうに思います。
#41
○国務大臣(松原仁君) 今ハンプのことがおっしゃられましたが、狭窄であるとか、その他にもシケインと呼ばれる二つのものとかあるわけでありまして、こういったものを駆使して、実際に体で感じさせながら、そういった子供たちの安全を守るということは私は極めて重要だと思っております。
 先生から様々御提言をいただきました。そういったことを参考にしながら、本当に安全な地域、子供が生活する環境、学校教育の現場を含む地域の環境をつくっていきたいと思います。
 以上です。
#42
○斎藤嘉隆君 終わります。
#43
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。野村哲郎君。
#44
○野村哲郎君 自由民主党の野村哲郎でございます。
 質疑に入ります前に、先般西日本を襲いました豪雨、大変な被害が出たところでございます。被災者の皆さん方に心からの御冥福、そしてまたお見舞いを申し上げたいと存じます。
 国交大臣おられませんけれども、この復旧について、農水省また国交省中心になって今後復旧に全力を挙げていただきたいということを冒頭お願い申し上げたいと思います。
 さて、二十二年度決算の審議に当たりまして、予算の適正執行を図るため決算検査に御尽力いただきました会計検査院の皆様方に心から敬意を表する次第であります。ちょうど、折しも隣の第一委員会室で消費税と社会保障の一体改革についての審議がなされておりますけれども、これまで以上に適正な予算執行と無駄の排除が必要となっておりますので、会計検査院の皆様方には一層のお取り組みを強化していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 それでは、質問に入らさせていただきたいと思いますが、皆さん方に今日表をお配りしていると思いますけれども、最近の穀物等の国際価格の動向でございます。
 最近のマスコミで毎日のように報道されておりますけれども、アメリカの大干ばつのニュースであります。今年の六月以降、アメリカの高温乾燥の影響から大変な不作でございまして、トウモロコシ、そして大豆、過去最高の相場となってございます。
 一番右の表を見ていただきますと、これは二〇〇六年から二〇一二年までの価格の動向であります。一番上がりましたのが一番下のトウモロコシでありまして、過去最高の八ドル二十セント、これは一ブッシェルでありますけれども、七月の二十日に記録をいたしました。その後、少し下がってきているというふうに聞いておりますが、過去四十年間を見ましても、左の一九七二年、四年、この辺を見ていただきましても、これだけ、八ドルを超えたというのは初めてであります。したがいまして、今後、トウモロコシの値上がりによって飼料価格が上がってくるというのはこれはもう必然でありますので、こういった問題が惹起されてくる。
 それから、真ん中にありますのが小麦でありますが、小麦は在庫はあるようでありますが、ただ、トウモロコシや大豆に釣られまして小麦も右肩上がりで上がってきております。これも二〇〇八年の二月の二十七日に十二・八ドル付けておりますが、現在がこれが九・四ドルであります。
 それから、一番上の大豆を見ていただきますと、この値上がりがすごいのでありまして、これも過去最高であります。十七ドル六十セントということになっておりまして、この大豆の値上がりが大変な状況になっております。ちょうど、思い起こしていただきますと、一九七三年でありますが、このときも大豆の不作でありました。四十年前に、覚えておられる方も多いと思うんですけれども、アメリカが大豆の輸出を禁止いたしまして、日本で一番使われております豆腐だとかあるいは納豆、こういったものが値上がりしまして大混乱を起こしたことがありますが、それをはるかに上回る十七・六ドルという相場を付けております。したがいまして、こういったような世界の穀物情勢になりつつあると。
 これはアメリカの言わば大豆の不作等でこういったようなことにもなるわけでありますが、要はアメリカの干ばつというのは日本の食卓に直結をしているということでありまして、この日本の主要な穀物のアメリカの依存度というのを少し申し上げますと、トウモロコシで九一%であります、そして大豆で六八%、小麦で五二%。言わば、アメリカが不作になれば日本に入ってこない、あるいは価格が物すごく上昇してしまうという、これは数字が端的に表しておるわけであります。
 したがいまして、私どもはこのことについて慎重に考えていかなきゃなりませんけれども、大臣がどのようにこのことについてお考えいただいているのか、所見をお伺いしたいと思います。
#45
○大臣政務官(森本哲生君) 野村委員におかれましては、平素大変農林水産委員会でお世話になっておりまして、ありがとうございます。
 今御指摘のとおりでございまして、私どもとしましては、今この最高の価格、単価といいますのは非常に心配もしておるわけでありますが、ここしばらく様子も見せていただきながらその推移を慎重に見守っていくということがまず大事だというふうに思っております。
 先ほど御指摘もありましたように、小麦については、幸い私ども在庫が余り平年とは変わっておりませんので、ここのところは安心要素でございますが、他の大豆、トウモロコシについては、委員が御指摘いただいたように、ここのところは大変な日本からのお金の流出ということも併せまして、これは大変な事態だというふうに認識をさせていただいておりますので、今後もここのところはしっかり見極めていかなければならないというふうに思っております。
#46
○野村哲郎君 今、森本政務官からお答えいただきまして、私も余り新聞が騒ぎ立てるから云々というつもりじゃございません。ただ、価格が高騰していることは事実でありますが、要は何を言いたいかといいますと、日本の自給率を上げる、上げなければいけないということにやはり帰着するんだろうというふうに思います。
 ですから、一番私、四十年前大変混乱を起こしたということを申し上げましたが、そのときに思いましたのは、やはり日本の食生活、特に伝統的な食文化の中心にあります大豆なんです。納豆であり、豆腐であり、おみそであり、あるいはしょうゆであり、大豆で作られているわけでありますから、大豆がどうなっていくのかなということを大変気をもんでおりますけれども。今、もしですよ、四十年前みたいに大豆がストップした、アメリカからの輸入が途絶えた、今在庫を何日分、大豆あるいは小麦でもいいですが、両方、あるかどうか、これは通告しておりませんでしたけれども、お分かりになったら教えていただきたいと思います。
#47
○大臣政務官(森本哲生君) 本当に野村委員おっしゃるように、ここのところは食文化を守るための私どもは一番大事な部分だというふうに思わさせていただいております。
 六月現在の資料になりますが、外国産小麦の在庫数量が八十六・四万トンということでございます。国内産の小麦の在庫量は二十六万トンとなっておりますので、合わせますと百十二・四万トンということになります。年間五百六十一万トンということでございますので、これはある意味では大変な量ということになるのか、それとも非常に危機感を持たなければならないかということになるんですが、一応適正な在庫というものは二・三か月ということで今私どもは行っておりますので、今のところ何とか、そこのところはどうにか小麦については確保ができておるというふうに認識をいたしております。
 一方、大豆でございますが、国内産が二十二・三万トンで、外国産の場合が輸入量が三百四十五・六万トンでありますので、消費仕向につきましては三百六十三・八万トンでありますので、在庫量が四万トンということになります。
 ただ、ここのところ、民間の皆さんの在庫量というのは、大体平均しますと年十六万トン程度はあるというふうに私どもがつかんでおりますので、二十万トンの量というものは年平均に今在庫として確保をできているんだろうというふうに考えさせていただいております。
#48
○野村哲郎君 私が御質問したのは、何日分の在庫がありますかということであって、今の在庫量を幾らですかという質問ではなかったんです。これはまた、お答えいただけますか。──それならば結構であります、これは通告しておりませんでしたので。
 ただ、私が意識しておりますのは、多分二週間分ぐらいだと思います。二週間分ぐらいの在庫しかないのではないかというふうに思います。アメリカから輸入するにしても船で一か月近く掛かりますから、これは穀物のときも、大震災のときにトウモロコシの在庫、これが幾らかということで大変慌てたことがありますけれども、そういう適正在庫というのはやはり必要だというところを是非役所の方でも今後検討していただきたいというふうに思いますし。
 特に、アメリカの在庫が前々、前年度が、八%が大体適正在庫だと言われておりましたのが、六%、五%、そして一二年度の見通しでは四%になるのではないかと、こういうふうにも言われておりますので、やはりアメリカも自分のところがきつくなれば、当然、これは輸出を制限とまでいくのかどうかは分かりませんが、ある程度そういうことも予想されてくるので、価格だけの問題ではなくて、量の問題というのも是非これは役所の方で今後どうするかというのは検討をしていただきたいと思います。
 何でこんな自給率にこだわるかといいますと、これからが決算の中身に入っていくわけですが、二十二年度にこの政権でお作りいただいた食料・農業・農村基本計画におきまして、平成三十二年度のカロリーベースの自給率を五〇%までに引き上げると、こういうことを計画化されたと思います。その目標達成のためには、戸別所得補償制度を導入する、あるいはまた六次産業化を図る、こういうことがうたわれているわけであります。
 したがいまして、ちょうど二十二年のこのモデル事業を実施されましたが、それによって自給率はどうなったか、教えていただきたいと思います。
#49
○大臣政務官(森本哲生君) 野村委員、先ほど失礼しました。
 小麦については二・三が適当で、二・四か月分がございますので、ここのところはお分かりいただいておると思うんですが、三百六十三に対して二十万トンでございますから、そこで割り出すとやはり委員がおっしゃるようにかなり厳しい数字になろうかと思います。
 また、詳しい資料、これ想定ということでございますので、後で出させていただきますので、御理解いただきたいと思います。
 自給率でございますが、ここのところは、もう御存じのとおり、二十年度四一から今三九まで落ち込んでしまった。これは非常に、北海道を中心とする天候不順というようなことでこの主な要因があるわけでございますが、やはりここのところは、戸別所得補償が自給率に転化をしていくようなそういう政策というものがあくまでも一番大事で、目標でございますので、ここのところはこれからもしっかり対応していかなければならない。非常に厳しい御意見だというふうに受け止めさせていただいております。
#50
○野村哲郎君 今お答えいただきましたけれども、二十一年そして二十二年度は、四〇%そして三九%、一%落ちました。今、森本政務官の御答弁では、天候不順だったんだと、こういうお話であります。当然、天気に左右される産業でありますので、天候の影響がゼロとは言いません。
 ただ、もう一つやっぱり考えていかなきゃならないのは、政策的に皆さん方は戸別所得補償を導入して、そして農家の経営安定とそして自給率の向上を目指すんだと、こういうことで導入されたというふうに思っております。
 ですから、一つだけ、私例を申し上げますと、じゃ、この戸別所得補償で本当に自給率を上げるようないわゆる政策誘導が図られてきたのかというところに大変、私問題を感じております。それは一つ例を申し上げます。それは何かといいますと、結局、大豆について、先ほど来お話ししております大豆でありますが、大豆については二十二年度の作付面積は実は七千七百ヘクタール減っているんです。これはどこかといいますと、一番大きいのが東北で三千九百ヘクタール、それから九州で千九百ヘクタールの減少となっておりますが、東北におきましては、秋田県がこの三千九百のうちの半分近く、千七百ヘクタールと最も減少幅が大きいんです。
 なぜ秋田県はこんなに減ったかといいますと、県のホームページで見ますと、新規需要米や加工用米の作付け拡大によって大豆の作付面積が減ったと、こういうふうに分析をされております。ということは、この政権になりましてから、いわゆる新規需要米、私どもの政権のときも新規需要米という言葉を使っておりましたが、要は、飼料用米だとか、あるいはWCS、ホールクロップサイレージ、こういうものにどっとシフトしてしまった。大豆を作るよりも米を作った方が楽ですから、ですから秋田県のように大豆の作付けが減った。
 それからもう一点は、九州でありますが、九州が千九百町歩減っておりますが、このうち、実は佐賀県が、私どものやっておりました生産数量目標の県間調整で、新潟県を中心にしまして千六百町歩、これを言わば調整をやって、そして新潟県の作付面積を拡大して、実は佐賀県が大豆を作ったと、こういう経過があります。その当時、千六百町歩の米生産を、これを大豆に転換したわけでありますが、それがこの政権、皆さん方の政権になって千六百が五百に減ったんですよ。ですから、大豆等は極端な減り方になってきていて、自給率も私はもう完全に下がってきたなというふうに思います。
 ですから、こういったようなことで、皆さん方は自給率を高めるためにこの戸別所得補償制度を導入したんだというふうにおっしゃいますけれども、実は足かせになっている部分というのがあるんではないかと、こういうような疑問を抱くわけであります。本来の目的と真逆の結果になったのではないかというふうに思いますけれども、大臣、今の大豆の例でどうお考えでしょうか。
#51
○国務大臣(郡司彰君) 所得補償を始めまして、二十二年、三年と拡大をさせていただきました。その中の検証というのをやはりこれからもきちんとしていかなければいけないというふうに思っておりますし、それは、耕地をどのように使うか、作物ごとにも検証をしなければいけないだろうというふうに思っております。全体から見ると、過剰な作付けでありましたものが生産数量に近いような形で収まってまいりました。その分、先ほど言ったWCSとか飼料用米とか、いろんな形での拡大がされてまいりました。
 大豆は若干減っております。全体からいうと、先ほどのような数字もありますけれども、二十一年度の十四・五万ヘクタールから二十三年度十三・七万ヘクタール、先ほど積算の一つ一つについてはお話がございましたけれども、この分が減っているということでございます。これは、これまでいろいろなところでいろいろな話が出されてきましたけれども、なかなか減反政策がうまくいかなかったというのは、一つには、技術的な問題やいろんなこともありますけれども、一つには土壌の性格、つまり、なかなかうまく、水田のような形のものは作れるけれども、水分を含んでいるようなところでもって麦とかいろいろな転作作物ができないということがございました。
 こういう意味で、言われましたように、水田をもっと活用しようというようなところに私どもも政策的なものを振りましたから、そこに今動いているということは、これは事実としてもあろうかと思います。先ほど言いました天候のような問題もありますけれども、若干そういうものがあるだろうというふうに思っております。
 こういうことを踏まえた上で、今後、どのような作物をどういう場所で作っていくのか。この辺のところについてはやらなければいけないと思っていますが、ただ、政権が替わります前の、二年前には五・五万円でございましたけれども、替わる年のときには八万円という数字になりました。その八万円というものは、政権が替わっても政策というものは変わらないような形でやりたいという思いで、私どももその金額でやらせていただいてということでございますので、冒頭申し上げましたようないろいろの意味の検証というものはしっかりやっていきたいというふうに思っております。
#52
○野村哲郎君 今大豆のお話を取り上げたんですけれども、二十二年度の農業白書を見ますと、七年ぶりに農家の所得が向上してきた、前年度に比べて増加した、七年ぶりだというのが高らかにうたい上げておられます。私は、確かに七年ぶりだというのは統計数字上よく分かります。これは、やはり農家の経営安定という視点では確かに七年ぶりに増加に転じたということは評価すべきだと思います。だと思いますが、しかしながら、この中身を見ていきますと、モデル事業を実施したことによって、じゃ、どこが農業生産所得が増えたのかというのを見ていきますと、これ、やっぱり地域的な格差というのが端的に実は表れてきているんです。
 それは何かといいますと、例えば一番生産農業所得が増えたのが富山県であります。富山県は、全体の農業産出額は前年に比べて九六%にもかかわらず、生産農業所得は一四七、一・五倍になっているんです。二番目が石川県、これが一三七、新潟が一三二、ほとんど、農業産出額は前年を下回っているにもかかわらず、農家のこうした所得は上がったということになります。これは喜ばしいことだと思いますよ。
 ですけれども、やはり陰と陽があるように、陰の部分を申し上げます。それは南九州、特に宮崎であります。宮崎は、農業生産額は前年に比べて九六%しかありませんでした。しかし、生産農業所得は八八%です。そして、私の鹿児島も、前年並みの一〇〇%の農業生産額でありますけれども、生産農業所得は九八%。こういう県が、一〇〇%を下回った県が幾つもあります。これをよくよく分析してみますと、実は水田の割合が大きいところほどこれは所得は上がっているんです。当然の結果だと思います。
 それで、全体的な数字でいきますと、確かに、二十二年度の生産農業所得は前年に比べて九・四%アップの二兆八千億になります、総額で。しかし、この中身を見ていきますと、モデル事業の交付金というのが三千六十九億出されております、三千六十九であります。そして、生産農業所得の増えた部分が二千四百四十九。ということは、モデル事業の交付金がなかりせば、これは農業所得は逆に減ったということになります。ですから、この全体の生産農業所得が二千四百四十九億円しか増えておりません。その差額の六百二十億は、これはこのモデル事業の交付金によって補填されていると、こういうふうに見れるわけであります。
 だけれども、その中で、先ほど言いましたように、減っているところと増えているところ、その要因は何かといいますと、水田地帯、畑作の多いところほどこの所得が減っている。これは誠に農家の皆さんから見たら不公平感が非常に強いところじゃないかというふうに思うんです。私はここも、先ほど郡司大臣おっしゃいましたように検証していく必要がある。大臣は法制化に向けて前向きに検討したいと、こういうこともおっしゃっておられるんですが、こういうところをやはり具体的に検証していかないと、じゃ、米だけでいいのかと、日本の農業は米だけで成り立っているのかと、こういうことを言いたいわけであります。
 ですから、こんなところもひとつ、皆さん方が法制化に向けておられるんであれば、私は品目の見直しというのは当然必要になってくるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#53
○国務大臣(郡司彰君) 野村委員が御指摘になったような形で所得が増えたところについては、その理由ということになろうかと思います。
 御存じのように、二十二年度のときの数字は水田のときのモデル部分だけでございました。今年のところの数字が出てくると、畑作の部分のものも加わるということで、そういう意味で、野村委員の方からはその時期を待ってもう少し検討をしてはどうかと、こういうことにもつながってくるんだろうというふうに思っておりまして、そのことについては私どももしっかりやらなければいけないなというふうに思っております。
 そして、法制化の問題は、やはりそうはいっても、水田のところではそのような効果が出てきた、それ以外のところは下がっているところがあるということでございましたが、ここ近年、ずっと下がってきていたんですね。ところが、水田のところだけはこの政策を行うことによって何とか歯止めが掛かった、来年また新しい全体の畑作のものが出てくる、それでもまだ下がるところが出てくると思います。
 じゃ、そういうところに対して、いわゆる土地利用型から始まったものをそれ以外の作物にするかどうかということについては、今後の課題として私どもも真剣にとらえていきたいというふうに思いますけれども、ただ、法制化の問題だけ申し上げれば、やはり安定をした形で将来を見通せるようなものとして、してほしいという声もありますから、そのことについても私どもも検討させていただければというふうに思っております。
#54
○野村哲郎君 今、郡司大臣から、二十三年度のものを見ていただければ、米だけじゃなくて、多分、麦だ、大豆だ、あるいはまたビートであり、あるいはまたバレイショでん粉でありということをおっしゃりたいんだと思いますけれども、そもそも皆さん方が、この戸別所得補償制度というのはマニフェストで販売農家の全てと、こういうことでおっしゃっておられました。
 当時、我々もいろんな質問をしたときに、初年度ですから、モデル事業するのは、誰大臣とは言いませんよ、モデル事業ですから、米でやってみて、そして、あとの対象品目を四年間のこの政権の任期の中で拡大していくんだ、こういうふうに御答弁されてきたんです。しかしながら、今おっしゃったように、もうあと一年足らずしかないわけでありますから、じゃ、この間に、例えば野菜であり、果樹であり、畜産であり、全ての品目を対象にお考えになるのかどうか。
 私はこれは無理だと思います。もう時間がありません。四年間の間にと当初モデル事業を実施されたときにはおっしゃっておりましたけれども、このモデル事業を本格事業にしてそして今三年目になるわけでありますけれども、要は、このことで畑作も広げましたよとおっしゃりたいんだろうと思うんですが、麦と大豆と、あとは北海道のてん菜とそれからバレイショでん粉しか対象になっておりません。そうしますと、じゃ沖縄はどうなるんですか、サトウキビはどうなるんですかと、こういうことも言いたいわけです。私の鹿児島の、バレイショじゃなくてサツマイモでん粉はどうなるんですかと。
 こういうところをきっちりとやっぱり精査していただき、検証していただかないと、ただ品目は広げてきましたよじゃなくて、皆さん方のマニフェストでは、全ての販売農家というのは全ての作目を対象に戸別所得補償制度を導入しますからと、それで選挙をお勝ちになったんだと私は思いますよ。
 ですから、そのところは、全くマニフェストに書いてあったことは実行されなくて、マニフェストに書かなかったこととは言いません、マニフェストに書かれたところの米だとか麦、大豆についてはそれなりのことを書いておられるんですけれども、実施されてきているんですけれども、そのほかのことも、郡司大臣、やはり私どもはずっと言ってきたのは、モデル事業をやって、これはあくまでもモデル事業だと、こうおっしゃっていましたから、私どもが申し上げたのは、動物実験なしの人体実験じゃないですかということを申し上げてきました。この実験を全く検証せずに、さあ二十三年度から本格実施だ、そして二十四年度もそのまま継続だ、こういうふうにくると、何のための法制化なのか、何のための制度なのか。
 先ほど言いました、自給率を上げたい、あるいは経営安定を図りたい、この目的は私どもも一緒です。だけれども、それで政策的な誘導が本当に図られてきたのか。しかも、一兆円以上の農水省の予算の中のほとんど半分近くをこの戸別所得補償制度の予算としてされているわけですから、そういう意味ではインセンティブが働く制度になっていないのではないかということを申し上げて、済みません、もう答弁はいただきません。時間が参りました。
 あともう一つは、その財源問題を聞きたかったんです。
 それは青木委員がやりますけれども、私は、皆さん方がこの制度を仕組まれたときに、一兆円規模の予算が必要なんだと。確かに一兆円になっております、もう既に。これについて、じゃ、一兆円、銭があるんですね、財源あるんですね、いや、これは無駄を省けばありますと、こうおっしゃっていました。
 しかしながら、最終的には何を削ったかというと、農業農村整備事業を六割もカットした。ほかの予算も全部集めてこの戸別所得補償の財源にされた。ですから、このことが、今、青木委員がこれから質問しますいわゆる農林水産省の公共事業が大幅に減額されて、今地域でどういう実態になっているのかというところを是非理解をしていただきたいというふうに思います。
 もう答弁は要りません。一人でしゃべりまくりました。時間が来ましたので、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#55
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。青木一彦君。
#56
○青木一彦君 自民党の青木一彦でございます。先ほどの野村委員の質問に続きまして、農林水産の質問を引き続きさせていただきます。
 まず初めに、公共事業についてお尋ねいたします。
 先ほど野村委員の方からも言われました農業農村基盤整備について、二十一年度からの予算額の推移をお教えください。
#57
○大臣政務官(森本哲生君) 青木委員にお答えさせていただきます。農林水産委員会ではいろいろ御指導をいただいておりまして、ありがとうございます。
 細かい予算でございますが、農林水産の二十一年度の予算が九千九百五十二億円であったのに対しまして二十四年度は四千八百九十六億円でございますので、先ほど野村委員がおっしゃったようなことでございます。五千五十六億円の減で五一%の減少率ということになります。
 内訳でございますが、農業農村整備事業につきましては、二十一年度五千七百七十二億円に対して二十四年度は二千百二十九億円でございますので、三千六百四十三億円の六三%の減ということになります。
 林野公共事業、これは農村だけでよろしいですね。
#58
○青木一彦君 農村だけでいいです。
#59
○大臣政務官(森本哲生君) はい。どうも失礼します。
#60
○青木一彦君 特に今日は二十二年度の決算でありますので、二十一年度から二十二年度、二十二年度の予算もお教えいただけますか。
#61
○大臣政務官(森本哲生君) 当初でございますが、公共の農業農村整備でございますが、二千百二十九億円でございます。三七%ということになります。
#62
○青木一彦君 今おっしゃいましたように、二十一年度から二十四年度にかけて当然激減いたしております。そして、特に二十一年度と二十二年度の違い、これ、政権が替わりました。民主党政権になって初めての予算が二十二年度の予算だったと思います。このときに、大幅な農業農村整備事業のいわゆる土地改良区の予算です、これが大幅に削減いたしました。
 この削減理由についてお尋ねいたします。
#63
○大臣政務官(森本哲生君) ここのところは、新たな戸別所得補償の新しい政策も含めて、省内の既存の予算、徹底的に精査を行って、こうした予算の編成になったというふうに私自身は考えております。
#64
○青木一彦君 今、徹底して予算を審査して、そして削減したということでございました。これは自民党政権下でも、公共事業、一〇%は削減するという枠を設けましてシーリングを行ってきました。
 今の話聞きますと、三九%、約これ四割削減されました。そして、もしこれ実施中の事業、これ中止された事業もあると思います。総事業を減らして、完成時期を当然のことながら後ろに、後に倒した。様々な影響が出ていると思いますが、それぞれ件数、どれぐらい件数があったのか、そしてどの程度後ろ倒しにしたのか、分かっている範囲でよろしいですので、お教えください。
#65
○大臣政務官(森本哲生君) 青木委員、ここのところは、確かにこれほどの予算が削られるということになりますと、政策ということで方向が決まったということもありますが、特に国営事業についてはかなり御辛抱いただいた部分は確かにございます。
 ですから、いろんな事業の中で、継続事業等には、ある程度終了する、そうしたところについて予算の配分を優先するとか、そうしたこともしたわけでありますが、しかし、多くのところでいろんな面で不都合も生じた、このことは事実でございますので、あと、全体の中の流れの詳細につきましてはまた事務方から説明をさせていただくということで、ここのところの資料はかなり膨大なものになりますので、お許しをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
#66
○青木一彦君 じゃ、また事務方の方でよろしくお願いいたします。
 いずれにせよ、農業農村基盤整備事業、予算を削減された。これによりまして、私どもの島根県の例ですが、二十一年度県の単独事業、これ単独事業に振り替えました、一応八億あったものが二十二年度は十四億に増した、そして二十三年度は二十三億に増した、そして二十四年度は今のところ十五億の手当てをいたしております。
 このように、今までの予算を減らされたから地元の県が単独で事業をせざるを得なかった。今の予算のままで、これ地元の要求にこたえていらっしゃるのかどうなのかということをお伺いいたします。
#67
○大臣政務官(森本哲生君) 青木委員、その前に簡単な残工事だけちょっと紹介させていただきますと、二十一年度には残工事が五、二十二が九、二十三が八、二十四年度が七という残工事でございます。ですから、二十二年度は二十一年度からの延伸年数が四か所、二十三年度が三か所、そして二十四年度も二か所というふうなことでございますので、また、いろいろな項目についてはかなり詳細になりますので、よろしくお願いします。
 それで、ここのところの予算につきましては非常に厳しい御指摘をいただいておることも事実でございますし、多くの方々から全国的に要請をいただいておることも私ども事実でございます。今のところ、補正予算等、皆さんの御協力をいただいて編成をさせていただいておりますが、そこのところで七割、八割ぐらいまでは回復をして、そして何とか御満足をいただけるようにお願いをしておるということが私どもの今の現状でございまして、決して十分な予算で喜んでいただいているという認識はありません。
#68
○青木一彦君 じゃ、続きまして林野の公共事業、治山事業、森林整備事業についてですが、これについても予算の推移をお教えください。
#69
○大臣政務官(森本哲生君) 林野の公共事業でございますが、二十一年度が二千六百九億円、そして二十四年度が千七百四十八億円になりますので、八百六十一億円、三三%の減ということでございます。
#70
○青木一彦君 あわせて、水産基盤整備事業、これも公共の事業ですが、予算額の推移をお教えください。
#71
○大臣政務官(森本哲生君) この事業につきましては、水産につきましては、二十一年度が一千百九十九億円に対して二十四年度は六百九十億円でございますから、四二%の減ということでございます。
#72
○青木一彦君 ここで、先ほど大河原委員の方は公共事業、さっきはダムのお話がメーンでしたが、公共事業の在り方について。今の民主党政権の中ではコンクリートから人だということをメーンに選択と集中をこれから高めて公共事業をやっていきますよというお答えを、私もいろんなところで質問しておりますといただいております。
 それはそうとして、今の仕掛かり中の事業について、本来は早期に完成をし、効果の発揮を図るべきだ、これが選択と集中ですよね、当然のことながら。そして、事業自体はただ単に予算に合わせて工期をだらだらと引き延ばしているということであれば、予算自体が何なのかという本質が私問われると思います。
 このことに対してどのようにお考えなのか、お答えください。
#73
○国務大臣(郡司彰君) これまでもいろいろ御指摘をいただいてきました。
 例えば、今お話がありました農村の基盤整備事業などは、これは、やはりこれからの農業のことを鑑みましてもやらなければいけない事業であるというふうに思っております。その中で、大変な予算の縮減がありまして、今私ども、その中では毎年少しずつ必要性を取り戻していくような予算にしているところでありますけれども、この間におきまして、今御指摘のようなことが出てきているということもいろいろと実情として聞かされております。
 こういう中で、できるだけコストの見直しを行うなどということは当たり前でありますけれども、予算が少なくてもできる畦畔除去などの大区画化でありますとか、あるいは寿命を長くするためのものを組み合わせる等によりまして、できるだけそのような形の適宜に行われる、適当な期間に仕事が終わるような、そのようなことにきちんと振り向けるように努力をしていきたいというふうに思っております。
#74
○青木一彦君 そして、農林水産分野の今横断的な地方向け交付金といたしましては、農山漁村地域整備交付金というものが二十二年度に創設されました。これ千五百億円、二十二年度の予算で付けていらっしゃいます。そして、これまた二十三年度には省庁横断的な地域自主戦略交付金というふうに変わりまして、これが創設されました。それに伴いまして、農山漁村地域整備交付金は三百十八億になってしまいました。ちなみに二十四年度は九十六億です。
 このように、毎年制度も予算も目まぐるしくころころ変わる、こういう形であれば、安心して農林水産事業に取り組む、現場がですよ、それができないんじゃないかと私思いますが、この辺いかにお考えなのか、お答えください。
#75
○大臣政務官(森本哲生君) 青木委員、先ほど私、箇所ということで、農村整備の残工事、これが年ということでございますので、訂正しておわびを申し上げます。よろしくお願い申し上げます。分かってみえたと思うんですけれども、申し訳ございません。
 今の議論につきましては、やはり一長一短があろうかと思います。地方分権という立場の中でいろんな予算をできるだけ交付金でということで、都道府県の裁量に任せるというような状況でさせていただいております。
 例えば、平成二十三年度のこれは地域自主戦略交付金でございますが、農林水産省から拠出が一千九十億円になっております。ただ、農林水産省関係の配分が一千四百九十六億円となっておりますので、これは先ほど御指摘いただいた予算のカット部分、公共工事の、そこのところの影響が大きいんじゃないかなというふうにも私自身思わさせていただいております。
 二十四年度は、千三百五十四億円に対して配分は現時点で一千七百二十億円ということになっております。
#76
○青木一彦君 そこで、私、一つ考えますのは、交付金どんどん増やして、それこそ地域の都道府県の自主裁量に任す。案外、地元へ帰って聞きますと、基礎自治体、首長さん方、やっぱり今までの補助金制度の方がよかったという声、かなり聞くんですよ。ある程度計画立てた補助金であれば予定が立てられます。交付金の場合、じゃ翌年度どういう予算にどれだけ付くのかはっきり分かりません。そういったことについて、私これ通告出しておりませんが、どのようにお考えなのか、見解をよろしくお願いいたします。
#77
○国務大臣(郡司彰君) 交付金の額そのものは、今現在は、農林水産からすると出したものよりも受け取るものの方が多くなっております。これはこれで今のところはよろしかろうと。しかし、これが常態化したときに、本当に所期の目的どおりの使い道がされるんだろうか、これまでのことを考えると、そうではなかったものもというようなことも御指摘の中には含まれているのかもしれません。
 適宜にその辺のチェックをする仕組みというものをやはりつくっていかなければいけないというふうには思いますけれども、これまでのところで散見をされるのは、各県にまたがるような予算については大変に削減をされてきて、当初の一般交付金化したものがどのような形になっているか不明なようなものもあることも事実でありますから、今の御指摘を制度として担保するような仕組みをしっかりと考えていかなければいけないというふうに思っております。
#78
○青木一彦君 大臣からしっかりした答弁いただきまして、是非よろしくお願いいたします。
 それと、これから先、事業仕分についてお伺いをいたしたいと思います。
 二十三年度十月に、正式に我が国の食と農林漁業の再生のための基本計画・行動計画が決定をされました。このとおり、食と農林漁業の再生はもう待ったなしの課題だと思います。こうした認識の下、強い農業づくり交付金というものを、二十一年度の予算が二百四十四億円となっておりました。これ、事業仕分によりまして予算要求の二分の一から三分の一程度を縮減とされ、二十二年度は百六十六億円となりました。そしてなお、二十三年度は三十一億になりました。これ、五分の一ですよ、当初の予算から、二十二年度と比較して。しかし、一方、二十三年度の四次補正で二百四十五億円を措置しております。
 これはどういうことかといいますと、もし二十三年度の四次補正において二十一年度より予算を増やすのであれば、事業仕分、これによって予算を縮減する必要はなかったと私は考えますが、大臣にこの点をお伺いいたします。
#79
○国務大臣(郡司彰君) 予算の数を見ますと、御指摘のような、何というんでしょうか、直線でないような今来方をしているというふうに思っております。仕分そのものが行われまして、私どもの政権の下で、この仕分については謙虚に受けていこうと、こういうようなことで、百四十四億円だったでしょうか、削減をいたしました。
 そして、それを実際に行ってまいりましたところ、大変にいろいろな事業に対して即応性があるというような話も聞かされてまいりました。しかしながら、その指摘がございましたので、今後、自分の省庁のところでの行政レビューというようなものを行っていこう、その中でより厳密な使い方、名称は同じでありますけれども、これまでの御指摘というものは、幾らかその幅があり過ぎて、どこかの予算と重なるような形の予算ができ上がるようなことがあるんではないか、こういう御指摘もございましたものですから、そこのところは厳密にしながら、やはり、何というんでしょう、私どもも一定の試行錯誤の中で、必要なものについては予算化をするというような気持ちでさせていただいたということでございます。
#80
○青木一彦君 さらに、農地・水・環境保全向上対策交付金、これ二十一年度二百七十七億付いておりました。これが事業仕分によって予算要求の一割程度の縮減と事務費の削減ということになり、二十二年度は百九十九億、二百七十七億が百九十九億になり、二十三年度は農地・水と環境を切り離して、それぞれ、農地・水保全管理支払交付金二百八十五億、環境保全型農業直接支払対策四十八億。ということは、二十三年度以降に二十一年度よりも予算を増やしているんですよ。
 これを見ましても、今の事業仕分そのもの、さっき大臣おっしゃいました、そういう要請を聞いて削減した。ただし、実際現場では必要だったということですよね。そうすると、例えば農水の予算、本年度予算そのものの意味そのものを、例えば補正でさっき増やしました。それであれば、じゃ、何のための予算だったのか、じゃ、どういう施策を農水省さんは本当にしっかり打ち出したのか、この辺、私、疑問持たれてもしようがないと思うんですが、この辺に対して大臣の見解をお伺いいたします。
#81
○国務大臣(郡司彰君) 省だけではなくて省をまたがる重複をするような予算についてはしっかりチェックをしていこうと、こういうようなことを目的にして、いろいろと整理統合できるものについてはやっていこうというような流れがございました。
 その流れの中で、先ほどと若干違いますのは、この農地・水保全管理支払交付金でありますけれども、この関係につきましては、二十三年及び二十四年において増額になっておりますけれども、このメニューが若干、そういう意味での整理をされております。
 向上活動対策支援、これ、水路でありますとか農道等の長寿命化を行うことでありますけれども、これを追加をしたことによって今年度が増えているというようなことでございまして、これまでいろいろなメニューがいろんなところで分散をしていたかもしれない、それを一旦整理をして、これはここに統合しよう、ここはもう全体として除いていこう、こういう過程の中でこの予算については先ほどのような数字の変化になっているということでございます。
#82
○青木一彦君 よく分かりました。ただ、政策の一貫性というものはやはり維持していただきたいと思いますね。やっぱり目まぐるしく予算が変わるということは、ここ決算の場ですので、とにかく不用なものは当然削減する、これは当然ですが、余りにも変化がひど過ぎると、削減幅がですね、現場の方は本当大変だと思います。この辺は当然のことながら、農林水産行政を当然大臣が所管されていらっしゃいますので、この辺ははっきりと自分の意思というものを予算に反映させるという意味でも、その辺どのようにお考えなのか、大臣の見解をお伺いいたします。
#83
○国務大臣(郡司彰君) 各省庁にまたがるものもあるというふうな話をしましたが、おおよそは自らの省の中で精査をすれば防げることがあったのではないかなというふうに思っております。そういう意味で、省内の縦割りというような形になっているものがあるとすれば、これはやっぱりきっちりと改めていきたい、そのように思っているところでございます。
#84
○青木一彦君 続きまして、食料安定供給特別会計についてお尋ねをいたします。
 食料安定供給特別会計の農業経営安定勘定において、二十年度決算について、二十二年度十月の会計検査院より、一般会計からの繰入れを財源とする特別会計の余剰金を抑制するよう意見表明がなされています。しかしながら、当該勘定におきまして引き続き二十二年度に九百六億円と多額の余剰金を生じさせております。これは問題であると思いますが、この件について所見をお願いいたします。
#85
○大臣政務官(森本哲生君) 委員がおっしゃいますように、この九百六億円の剰余金、確かに存在します。このほとんどがナラシ交付金の執行残ということでございます。ナラシは御存じのことかと思うんですが、農業者の収入の減少が生じた場合に一定額を補填するということでございますが、その原資が国と個人農業者の方と一対三ということでございますので、農業者の収入減少の幅が小さかったことと補填に要する国の支出額も少ないということがこれは幸いしたということでございますが、そういう面で多額のこの九百六億円という剰余金が出たということでございます。
#86
○青木一彦君 分かりました。
 じゃ、続きまして、二十三年度の十月に決定いたしました基本計画・行動計画ですよね。この中で、農業の、平地で二十から三十ヘクタールの規模の経営体が大宗を占める構造を目指すとうたっていらっしゃいます。そのため、二十四年度予算で規模拡大加算として食料安定供給特別会計農業経営基盤強化勘定の中から百億円計上していらっしゃいます。また、一般会計の中から農地集積協力金六十五億が予算措置をされております。
 しかし、これは自民党政権時代の二十一年度の第一次補正経済危機対策で二千九百七十九億円というものを、これかなりの額ですね、農地集積加速化事業で処置をしました。その後、民主党政権に替わって、二十一年度これ十一月九日の予算委員会の場で、当時は大臣、赤松農林水産大臣だったと思います、三千億円を全部土地を出す方だけにやっていくのはこれは無駄遣いだという発言をされまして、そしてこれは全て全額国庫に返納しております。もしこの事業を推進していれば今以上に農地の集積が進んでいたんじゃないかと私は考えておりますが、それについてのお考えをお伺いいたします。
#87
○国務大臣(郡司彰君) 少し私の私見も含めてお話をさせていただければなというふうに思いますが、三千億円の予算が補正で付けられました。私もこのことについては大変興味がございましたので、それまでの三十年近くのこの種の予算を累計をいたしましたところ、大体それまでの予算の累計が三千億でございました。
 どのぐらいの効果があったのかというと、今定かに覚えておりませんけれども、約三十万ヘクタールぐらいの集積を行った。そして、出入りがございましたから、意外と進んでいないなという感じを持ちましたのは、といいますのも、この形を、いわゆる農地バンクと言われていたような形をつくったのは、私の出身の茨城の方式を全国的に取り入れたと、こういうようなことがございましたので、そういう検討をさせていただきましたけれども、やはり、簡単に言うと、時代の問題があろうかと思います。なかなか、うまくいく時代、いかない時代、農地が転用されるとかいろんなことがあったろうと思いますけれども、そういう意味では、出し手だけではなくて受け手の方にも考えを及ぼさないといけないような時代がそろそろ来るのではないか。
 そして、大変恐縮な言い方でございますけれども、戸別所得補償などを行うことによりまして、これ、結果としては規模拡大等につながるような要素というものが今現在も出てきております。そうしますと、やろうとする人は規模拡大をしたいという意欲が出てきた、そのときにどういう形で集積をするかということの、これからがまさに使い勝手のいい予算として双方に使っていただけるような形が出てくるのではないか。その時点では、大変恐縮でございますけれども、一括に基金として三千億円というものが実際にどのように傾向として使われるということか、その辺のところについて先の見通しが立たないということもあってそのような形にさせていただいたということでございます。
#88
○青木一彦君 ありがとうございました。大臣のお気持ち、よくよく分かりました。
 続きまして、漁業の予算について、資源管理・漁業所得補償対策というものが二十三年度予算について創設されております。これ、資源管理がこのことによってどれぐらい進んだのか、その後の効果についてお答えをお願いいたします。
#89
○国務大臣(郡司彰君) 資源管理に関しましてどのような数字になるかというのは、なかなかちょっと難しい表現でございます。ただ、それに参加をしている保険等の加入状況を見ますと、七〇%に近い数字まで来ているということからすると、一定の理解というものが得られて、そこの数量については資源管理に向かう方向になっているかというふうに思っております。
 ただ、御存じのように、日本と世界のそうした定量的な扱い方が若干異なっておりますので、私どもの国は、沿岸漁業のその漁業権の範囲の中の資源管理、これをやはり現行のところを生かしながらどのような形でやっていくかということについては、組織というところと個々人のその関係をどういうふうにするかはよく検討していきたいというふうに思っております。
#90
○青木一彦君 大臣がおっしゃったように、これ加入者をできるだけ伸ばすということですよね、資源管理を行う際に。加入者を伸ばすのは、私、重要だと思いますが、やはり資源を管理する、資源を回復させる、もう資源が少しずつ枯渇しております。これを回復させるためにも、ある程度目標値というものを出していくという、このことも大事だと思いますが、このことについて、最後、大臣に質問をして、質問を終えたいと思います。
#91
○国務大臣(郡司彰君) 時間がありませんので繰り返しませんが、どのような形でその定量化を図るかということをもう少し日本的に合わせた形でつくり上げていきたいなというふうに思っております。それは、個々人の加入というだけではなくて、全体の取組を個々人がやるのかあるいはグループでやるのか、そういうことも含めて検討させていただきたいと思います。
#92
○青木一彦君 いずれにせよ、農林水産、いろんな課題が山積しております。また農林水産委員会の場でもしっかりと大臣と御議論をしてまいりたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#93
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。森まさこ君。
#94
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。
 まず、国土交通大臣に御質問をしたいと思います。鉄道施設の災害復旧等についてお尋ねをしたいと思います。
 平成二十三年の三月十一日に起きた東日本大震災、そして、その後の豪雨災害等、被災地における鉄道施設の復旧等は急務であります。福島県においても、JR只見線でありますとかJR常磐線の復旧が喫緊の課題とされているところでございます。
 国土交通省におかれましては、被災した沿岸鉄道、それからこういった豪雨災害における被災鉄道等の復旧復興等に向けて支援等を行っていただいていると思いますが、まず初めに、震災発生後、二十三年度末までに鉄道施設の災害復旧に要した国費の総額はおおよそ幾らであるのか、また、被災地における鉄道施設復旧の全般的な進捗状況についてお伺いしたいと思います。
#95
○政府参考人(久保成人君) 震災以後、JR東日本の路線に津波等で被害が生じました。東日本会社において独力で復旧等を急いでおりますけれども、まだ復旧がならず、運休区間が残っております。
 JR東日本会社におかれては、鉄道軌道整備法の補助という形じゃなく、自力の資力をもって回復をしていただいているところであります。ただ、一部、内陸部分に鉄道路線を移設するというケースがございまして、そのような場合には、まちづくりと一体的に鉄道施設の復旧を図った方が合理的であるという場合には、まちづくりの関係で支援をしているところであります。
 現在のところ、JR東日本の、北から山田線、大船渡線、気仙沼線、仙石線、石巻線、常磐線等において復旧を急いでおりますけれども、まだ運休している区間があるところであります。
#96
○森まさこ君 今、沿岸部について御説明いただきましたけれども、福島県内では、平成二十三年七月の新潟・福島豪雨によって、JR只見線の一部区間についても運休中でございます。鉄道における落橋は三本、そして土砂崩れによる線路崩壊等、かつてないほどの甚大な被害が出ております。この区間においての現在の復旧状況と今後の見通しについて、お尋ねしたいと思います。
#97
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。
 昨年七月の新潟・福島豪雨で橋梁流失等の被害を受けたJR只見線でありますけれども、現在、会津川口そして大白川間、運休中となっておりますけれども、このうち只見―大白川間については、冬季前の運行再開を目指して工事に着手しております。これ以外の運休区間については、橋梁のこともございまして、福島県が策定中の只見川の河川整備計画を踏まえつつ、JR東日本において対処方針を検討しているところであります。
 国土交通省としては、今後とも、早期復旧に向け関係者間の調整が円滑に進むように指導、支援をしていきたいと考えているところであります。
#98
○森まさこ君 冬季前の復旧を目指してというお言葉がありました。ありがとうございます。
 この区間は、雪が深くて冬季の道路の通行が困難になるこの地域の重要な交通手段であります。また、新潟県から県境を越えて福島県立只見高校に通っている高校生たちの通学手段にもなっておりまして、一日も早い復旧完了が望まれるところでございます。さらに、特殊事情と申しますか、只見線は日本一紅葉の美しい鉄道路線に選ばれたこともあり、この地域では県内でも有数の観光名所でありました。しかし、先ほど申し上げました平成二十三年三月の東京電力第一原発の事故で、第一原発からはるか離れており、実際には放射線等の影響がないのに、風評被害によって観光業が大打撃を受け、地域経済は疲労し切っております。それに追い打ちを掛けるような今回の七月の豪雨災害であります。
 今、大臣の方から、JRに対しては、国から補助はないということ、それから関係機関又はその河川の整備等の調査も地域とよく連携をするような指導が行われたというようなお話がございました。原則的にはそうであろうかと思いますが、今の原発事故による風評被害、そして、この地域の観光の重大な、重要な拠点であったという特殊事情を踏まえますと、もう少し、私は国の一歩進んだ支援があってよいのではないか、それを大臣にお願いしたいと思っておりますが、どのような御見解でいらっしゃいますか。
#99
○国務大臣(羽田雄一郎君) 先般もこの関係の市町村から国土交通大臣室に来ていただいて、今お話をいただいたようなお話も伺ったところであります。
 河川橋梁を架けるという中で、どうしてもこの河川の整備計画、これを踏まえないとどの高さに橋梁を渡していいかということも決まってこないものですから、この河川計画、早急に策定していただくことも含めて、できる限りの支援をさせていただきたいというふうに思います。
#100
○森まさこ君 河川計画の方は県で行うものだと思います。それから、鉄道の復旧は基本的に民間会社であるJRという、原則論を踏まえての御答弁だと思いますが、東日本大震災、そして、その後の全国的な各地の豪雨災害等によって、JR、鉄道も全国各地でいろんな不通区間が生じております。一民間会社の体力だけでは迅速な復旧というのが望めない。そしてまた、福島県の方も様々な、原発事故対応等を含めたことで県の体力も限界に来ております。もう少し、国が一歩進んで援助をしていただきたいと思うんですね。
 私、このことで国土交通省の方と議論をいたしましたら、法律上の限界があるのだということでございました。もし、法律上の限界があるのでしたら、これは法律の見直し、改正又は新法の制定まで見越して、大臣の方でリーダーシップを発揮していただきたいと思います。どうぞ御意見をいただきたいと思います。
#101
○国務大臣(羽田雄一郎君) JR東日本ともお話をさせていただいていて、JR東日本としてもこの路線については早くしっかりと復旧させたいという思いを持っていることも確認をさせていただいておりますので、法改正というところまでいかなくても、JR東日本としてもしっかりと対応するという話も伺っております。そういう意味では、地域の皆さんが御心配なり、また委員からも御指摘をいただいておりまして、しっかりと対応していきたいというふうに思います。
#102
○森まさこ君 なかなか法律の改正まで踏み込めない御答弁で残念でございます。
 震災が起きまして、復旧復興のスピードが遅い遅いということは指摘をされているとおりだと思います。野田総理からもそれを認めるような御答弁が先日ございました。それは、私ずっと指摘しておりますが、現行法の運用だけでは限界があるということです。
 そこで、この国会においても数々の議員立法を成立をさせていただいてまいりましたが、その議員立法の執行さえもなかなかしていただけない状況でございます。このJR只見線の問題では、私は鉄道軌道整備法の見直し、例えば、ここの整備法では、鉄道の事業者がその資力のみによっては復旧事業を施行することが著しく困難であるときはと書いてあります。この資力要件だけではなくて、資力だけでなく、このような全国規模の場合にはスピードが遅れるわけですから、そういったことも想定した改正まで踏み込んでいただきたいということを申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 次は、JR常磐線の復旧の現状についてお答えをいただきたいと思います。
#103
○政府参考人(久保成人君) JR常磐線につきましては、相馬―亘理間が津波で被害を受けて運休しておりますけれども、一部区間については八月上旬にもまた復旧工事に着手し、浜吉田―亘理間というところでありますけれども、来年春ごろに運転再開する予定であります。
 残りの区間につきましては、ルート移設、これ内陸部に、津波が将来的に生じても被害を受けないということで内陸部にルートを移設することにしておりますけれども、これについては用地確保が必要でありますので、現在、JR東日本では本格的な用地取得に向けて、地元自治体の皆さんとの調整や地元の方々への説明会を行っているところでございます。
#104
○森まさこ君 今、JR常磐線の不通区間のうち北側の部分ですね、相馬―亘理間について御答弁をいただきました。約三年間掛かるという見通しがされておりますが、大臣のリーダーシップでスピードアップをお願いしたいと思いますので、御決意をお述べいただきたいと思います。
#105
○国務大臣(羽田雄一郎君) これはまちづくりと一体となっているということもございます。関係の市町村等ともしっかりと連携を取って、一日も早い復旧復興に向けてしっかりと対応したいというふうに考えております。
#106
○森まさこ君 そして、問題は、南側の不通区間、原ノ町―広野間です。ここは警戒区域内に掛かっております。
 ここの放射線量、これは現在どのくらいというふうに認識しておりますか、お答えください。
#107
○政府参考人(久保成人君) 南の方の区間、先生の御指摘のとおり、広野―原ノ町駅間でございますけれども、このうち桃内―原ノ町間という、更に北側の部分ですけれども、ここは避難指示解除準備区域内に御指摘のとおり当たっております。この部分については、比較的詳細な調査を実施して具体的な復旧方針等を検討している状況であると承知しております。
#108
○森まさこ君 最近、調査の結果が出たのではないですか。
#109
○政府参考人(久保成人君) 南側の今の広野―原ノ町間の更に北側部分、準備区域の部分ですけれども、ここ、比較的な、詳細調査を行いました。
 先生御指摘のとおり、被害箇所については、軌道が、レールが変位するだとか、下のバラストが流出するとか、被害箇所は相当数上っておりますけれども、大規模な被害が生じているという状況じゃないという、そういう調査をまとめたところであります。
#110
○森まさこ君 それ以外の部分についてはどのような認識でございますか。
#111
○政府参考人(久保成人君) それ以外の部分、すなわち広野から北の警戒区域内の部分については調査を行っておりますけれども、総体的にまだ詳細な調査が行えていない状況でございます。
#112
○森まさこ君 一日も早い開通をお願いしたいと思うんですね。
 現在、飯舘村の中を通って私たちはその区間まで行っているわけでございますが、長泥地区等は最近また通行止めになりましたけれども、相対的に高い放射線量がある中を私たち行っております。ですから、現在、今調査中で分からないと言った地域ですね、果たしてそれだけ高い放射線量があるのかどうか、私たちは疑問に感じているところでございます。
 南相馬には病院がございまして、今倒産の危機に瀕しております。なぜなら、スタッフ不足なんでございます。解除されて、住民は戻ってきてもよい、だけれども、医師、看護師、その他の技師のスタッフがいないのです。今までは、いわき市などの南の地域から常磐道を通って通勤が可能でありました。今、私の地元であるいわき市から南相馬市の病院まで通っている女性の看護師は三時間以上掛けてぐるっと回って通っているんですが、子供の送迎等がございますから毎日毎日通うことがかなわない状況でございます。これが、常磐道が通りますと、通勤だけで立ち寄ることなく真っすぐ行くわけでございますから、これを何とか早く通していただければスタッフの確保もできるということが、病院からも、そしてスタッフからも陳情が上がってきております。
 こういった事情を勘案して、大臣の今後の開通に向けての御見解をお聞かせ願いたいと思います。
#113
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきたいと思います。
 常磐自動車道については、関係省庁による合同チームによって除染等の放射線対策の検討を進めてきており、年間二十ミリシーベルト未満の区間では、東日本高速道路株式会社が平成二十四年三月に工事に着手をしております。年間二十ミリシーベルト以上の区域では、環境省が実施中の除染モデル実証事業の結果を踏まえ工事を進めることとさせていただいております。
 また、区域見直し前の警戒区域外については平成二十三年五月十六日から工事を再開しており、南相馬インターチェンジから相馬インターチェンジが平成二十四年四月八日に開通をしました。残る相馬インターチェンジから山元インターチェンジについては、平成二十六年度を供用目標とさせていただいております。
 引き続き、早期供用に向けて関係省庁と連携して検討を進めてまいりたいと考えております。
#114
○森まさこ君 一年四か月もたって、現在もまだ調査中ということが我々は納得ができないわけでございます。もし、全線開通が長期間にわたって困難な場合には、一部区間において放射線の影響を最小限に抑えつつ暫定的に通行可能とするような何らかの対策を講じることはできないものでございましょうか。大臣の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
#115
○国務大臣(羽田雄一郎君) 今現在、発注方法も含めて工夫をしていきたいということで、環境省が実施する本格除染から東日本高速道路株式会社が実施する整備工事を切れ目なく実施できるようにするために、発注方法また工程調整について関係機関と連携し工夫していきたいというふうに考えておりまして、一日も早くこれがスムーズに進むようにしていきたいというふうに考えております。
 また、線量が下がらない高線量区域の復旧については、環境省が実施する除染モデル実証事業の結果を踏まえて工法も検討していきたいというふうに考えております。
#116
○森まさこ君 シェルター等を造るなど、そういった工法も検討していただきたいんですが、いつまでも検討が続くような、いつも同じ答弁の繰り返しで、我々大変待てない気持ちであることをお伝えをしたいと思います。
 次に、復興予算の執行における問題点についてお尋ねをしたいと思います。
 被災地において、復興予算が十分に行き渡らないことは復興の足かせとなっております。先月の復興庁の調査では、平成二十三年度の東日本大震災関連の復興予算約十五兆円のうち約六兆円もの使い残しが明らかになりました。
 国土交通省は、二十三年度の復興予算を四割程度しか執行できておりません。例えば、国土交通省の災害公営住宅、いわゆる復興住宅の整備に至っては、千百十六億円の予算のうち約四億円しか執行をできておりません。入居可能な復興住宅の整備、これがほとんどされておらず、当初の計画のうち着工されたのは一%にすぎないという指摘がされております。
 復興予算の不足が問題となる一方で、多額の予算の使い残しが存在しているという現状は極めて問題であるとは思いませんか。大臣、いかがでしょう。
#117
○国務大臣(羽田雄一郎君) 被災地の復興を進めていく上で、生活の基盤となる住宅の再建、これを支援していくことは極めて重要であるというふうに認識をさせていただいております。そういう中で、災害公営住宅の整備は、高台移転などまちづくりとの一体的な復興計画の検討や用地の確保などに時間を要したため、平成二十三年度第一次補正予算の大部分は使われておりませんが、平成二十三年度第三次補正予算で事業に伴う地方負担分を軽減するなどの措置を講じた復興交付金が創設され、地方公共団体の要望に対応し、必要な予算が配分されているところであります。
 現在は、福島県相馬市において近々完成が見込まれているなど、復興交付金を活用した整備の動きが本格化しつつあるというふうに思っております。
 国土交通省としましては、災害公営住宅ができるだけ早期に供給されるよう、整備を行う地方公共団体を全力で支援をしていきたいと考えております。
#118
○森まさこ君 今、大臣、質問に真正面からお答えいただけなかったと思うんですけれども、私の質問は、復興予算の使い残しが存在しているという現状は問題ではないかというふうにお尋ねしたわけで、今後頑張りますというのでは困る。一旦予算に付けたものが使い残しで、次の年度に繰り越してまた頑張りますと言われていても、被災者は納得できないんですね。
 私、毎週のように仮設住宅の方にお話を伺っております。昨日も、川内村、富岡町の方がお入りになっている郡山の南一丁目の仮設住宅で自治会長始め皆様方のお話を伺ってまいりましたが、皆様方の一番の不安は、やはり住みかなんでございます。今、仮設住宅はだんだん限界に近づいてきております。次の住みかがどうなるのかということが非常に皆様、先の不安がある。昨日、お一人の方は、これは憲法上の居住の権利を侵害しているのではないかというふうに大きな声で訴えておられました。
 被災地の復興を迅速かつ着実に進めるためには、復興予算が適正に執行されているのか、そもそも現在の予算配分等が適切であったのか、これをチェックする必要があると思います。
 委員長、この点について、当委員会で会計検査院の検査要請をしていただきたくお願いをいたします。
#119
○委員長(山本順三君) 後刻理事会で協議をいたします。
#120
○森まさこ君 それでは次に、出先機関改革の問題点について質問をしたいと思います。
 平成二十二年十二月二十八日、政府は、出先機関の原則廃止に向けてというアクションプランを閣議決定をいたしております。出先機関単位で全ての事務・権限を地方に移譲するということを想定をしているものでございます。国の事務・権限の徹底した見直しでありますとか地域主権といったキーワードだけが先行しておりますけれども、現に基礎自治体である市町村からはこういったことに反対する声が上がっております。
 特に、地方整備局等の移管に反対する声が上がっておりますが、どのような声が、どのような理由で反対するという声が上がっているか、大臣、御存じでいらっしゃいますか。
#121
○国務大臣(羽田雄一郎君) 東日本大震災、また先般の九州北部の大雨災害についても、地方整備局は当初から地域に入り込み、テックフォースまたリエゾンという形でしっかりと地域に寄り添いながら災害の復旧復興に当たってきているということでありまして、今、閣議決定されたアクションプラン実現に向けた検討が進められ、法案提出については川端大臣を中心に内閣として努力をされておりますけれども、市町村からは慎重な対応を求める意見が出ております。
 このことは内閣府において調整が進められているところであると承知をしておりますけれども、国土交通省としては、地方整備局が、先ほど言ったように、東日本大震災への対応、またこの九州北部の大雨の災害対応、このときに発揮した機能や根幹的なインフラ整備、管理などで果たしている役割を維持することが重要であるというふうに考えており、このような観点からも、引き続きこの検討には積極的に取り組んでいく所存であります。
#122
○森まさこ君 途中までは私もうなずいていたんですけれども、震災で福島県でも整備局、本当に頑張っていただきました。整備局が地域に寄り添ってきたという御見解は私も同意しますが、最後に大臣が積極的に検討していくとおっしゃったのは、これ何を積極的に検討するんでしょうか。
#123
○国務大臣(羽田雄一郎君) 積極的に検討するではなくて、積極的に取り組んでいくということでありまして、いろいろな意見をいただいておりますので、このことをしっかりと伝えていくということが大切だというふうに思っています。
#124
○森まさこ君 もう少し具体的に説明していただきたいと思います。
 積極的に検討していくというのは、どちらの方向に向けて、整備局の広域移譲に向けて前向きに行くということなのか、それとも、今市長会が反対している方向に大臣が賛成なのか、どちらなんですか。
#125
○国務大臣(羽田雄一郎君) 先ほど私が森委員に申し上げた思いをしっかりと伝えていくということです。
#126
○森まさこ君 大臣が誰に対して伝えるんですか。
#127
○委員長(山本順三君) 羽田国交大臣、適切に答弁をよろしくお願いします。
#128
○国務大臣(羽田雄一郎君) これは、内閣として今、法案提出、川端大臣を中心にまとめられているということでありますので、川端大臣にもしっかりと伝えていきたいというふうに思います。
#129
○森まさこ君 是非よろしくお願いしたいと思いますが、もう少し突っ込みたいと思うんですけれどもね。整備局が地域に寄り添ったということはそのとおりなんです。ただ、この問題はもっと根が深いと思っているんですよね。
 これ、広域連合に国の権限を移すというふうになっていますが、広域連合、県の集合体である広域連合に移すということだと思うんですよ。それは、整備局の役割ということを超えて、震災のときを見ても基礎自治体が一番住民に寄り添って対策をした、通常の行政でもまさにその住民の生活に直接面しているのは基礎自治体でございます。震災の対応の最終責任は国ですけれども、対策を実施するのはほとんどが基礎自治体であって県ではなかったのです。
 ですから、この広域連合に国の権限を移すという考え方そのものが何かちょっと勘違いをしているというか、地域主権という言葉が私は意味不明でございますが、その地域主権に資するものにもなっていないと思いますが、大臣、その辺はお考え、いかがでしょうか。
#130
○国務大臣(羽田雄一郎君) 国土交通省としては、地方整備局が果たしている役割、このことをしっかりと機能的に残していくということが必要だというふうに思っておりまして、これまで発揮してきた機能や根幹的なインフラの整備、管理など果たしている役割をしっかりとお伝えしていくということだというふうに考えております。
#131
○森まさこ君 大臣、質問に答えていただいていないんですよ。整備局が果たしている役割を伝えるだけではなくて、基礎自治体が果たしている役割についてどうお考えかということなんですよね。
 広域連合にその出先の権限と財源を移すというときに、じゃ、広域連合のトップはどのようにして決めるのか。この東日本大震災のときに岩手、宮城、福島というふうに被災していますけれども、その中で、じゃ、広域連合の長は宮城県というふうにしましたら、宮城県には原発の被害は一部しか及んでいないわけですから、宮城県の知事が原発対策に対して適切にリーダーシップ又は役割又は発信をできるとは思えないんですね。その辺についてのお考えを是非お聞かせ願いたいと思います。
#132
○国務大臣(羽田雄一郎君) 国土交通省としては、まあ何度も同じような形の答えしかできないわけでありますけれども、地方整備局が果たしてきた役割、発揮してきた機能、これをしっかりと維持することが重要であるというふうに思っておりますので、そのことをしっかりと伝えていきたいということです。
#133
○森まさこ君 大臣はこれ以上答弁ができないということなんでしょうか。
 この問題は、新たに中三階をつくることになり、屋上屋をつくるだけだと私は思っています。またさらに、希望するブロックから移管するということも非常に無責任な話であると思います。市長会が言っているように、十分な議論と効果の検証をして、拙速に決定をしないということが重要ではないかと思いますので、引き続き、大臣の方も基礎自治体そして全国市長会等の意見をよく聞いていただきたいということをお願いをしたいと思います。
 次の質問に移りたいと思います。
 次は、法務大臣にお伺いしたいと思いますが、今の議論と似たような議論でございますけれども、地方法務局の出張所を統廃合しようというふうに政府はしているわけでございます。もうとにかく国の出先機関をどんどんどんどんなくしていこうということで、法務省も地方法務局を統廃合する、しかも被災地である福島県の出張所をこの時期に統廃合するということをごり押しをしてきて、私は何を考えているのかということで言っているわけでございますが。
 そもそも、平成十一年に、法務局が多過ぎるんじゃないかということで、整理統合を当時の政府が決めました。このこと自体は、私、正しいことだったと思います。そして、その後、平成十七年度までに目標を定めたわけです。平成十一年に目標を定めて、平成十七年度までに今のおおむね半分にしようということを決めました。当時千か所あったものを、半分ですから五百か所です。そして、その目的は既に達せられているんですね。平成十九年の段階で四百七十六か所まで削減されたんです。ところが、その後も、どんどんどんどんどんどん出張所をなくしていっているわけでございます。
 数を答えていただきたいと思いますが、平成二十二年度に何件、整理統合いたしましたか。
#134
○政府参考人(原優君) お答えいたします。
 平成二十二年度におきましては、全国で十六か所の登記所を統合、廃止しております。
#135
○森まさこ君 そのとおりですね。平成二十二年に十六か所、平成二十三年の震災のあった年にも十一件、二十四年も既に二件が整理統合され、次は福島県の二本松と須賀川を廃止するということが申し渡されているところでございます。
 もう当初立てた目標をクリアしたのに、なぜ今になって、今もなおこの統廃合を進めるんですか。法務大臣、お答え願います。
#136
○国務大臣(滝実君) 今、委員が平成十七年以降の問題について御指摘がございました。
 基本的には、当時の広域市町村圏という地域割りがございましたので、広域市町村ごとに一つという格好で法務局を統合しようというのがそもそもの出発点でございまして、それが、今委員がおっしゃるように、一千か所であったものが四百七十三まで統合をされたからもういいんじゃないかと、こういうことでございますけれども、福島県はどちらかというと遅れていた、こういうことでございまして、その遅れをやはり少し取り戻したいというのが今の状況でございます。
 少し長くなりますけれども、この東日本大震災で、今のおっしゃったような二本松市の問題あるいは須賀川市の問題、これは、この二か所については東日本大震災で交渉が中断をいたしていたということでございまして、今それをもう一遍改めて継続させる、こういうような交渉過程にあるわけでございます。
#137
○森まさこ君 おかしな話なんです。この話、二十二年度にも私質問をしております、法務委員会で。そのときに御答弁をいただいたんですけれども、当時の法務大臣に、これは民事行政審議会の答申の基準に基づいて進めているんだと、目標を達した後もその基準に当てはまっていれば統廃合していくんだというお答えでした。その基準というのはどんなものですか。
#138
○国務大臣(滝実君) 基本的には、今委員がおっしゃいました基準は二つありまして、一つは広域市町村ごとに一か所に統合すると、こういうことでございます。それからもう一つは、登記の件数で一万五千件ぐらいのところまでに統合していこうと、こういう二つの基準を当時持ってきたと思います。
#139
○森まさこ君 少し私の方で補足させていただきますと、この基準二つございまして、一つが登記件数が年間で一万五千件未満、そしてもう一つは、隣接登記所への所要時間がおおむね三十分以内ということで、それで私、二十二年に、ちょっと待ってください、須賀川は一万五千件未満になっていないじゃないですか、しかも所要時間はもう一時間とか一時間半掛かるじゃないですか、郡山まで、というふうに言ったら、私が言ったら、一年間延期しますと言ったんです。もう本当にいいかげんで、基準にも満たしていないのにどんどんどんどん切っているんです。基準にまず満たしていないということが一つです。
 そしてもう一つは、震災が起きて、この須賀川、二本松の、福島県の中通りと言われる地域は地震の被害が甚大でございます。建物がいっぱい倒壊して、そして土地の境界もずれているんです。つまり、司法書士さんとか土地家屋調査士さんの登記業務が非常に増えているということなんです。まさに平成二十四年の今までの五か月の件数を、数字を出していただきました。それを一年にすると一万六千件以上の登記件数が見込まれる状況なんです。そんな震災後の登記業務が煩雑、しかも、震災や原発事故の影響で地元住民が平時とは異なる環境で多忙を極め疲弊状態にある、司法書士さんも登記だけやっていていいわけじゃなくて、東電への損害賠償請求の相談やいろいろな書類の相談などもたくさん来ている中で、非常に多忙を極めている中で、何で今統廃合なのかということを私は質問させていただきたいと思います。
#140
○国務大臣(滝実君) 今委員が一万五千件、あるいは三十分の基準をおっしゃいました。それはあくまでも基準でございますから、多少の幅はあると思います。現に私の選挙区は三か所にあった法務局が今一つもございません。それは交通、時間、距離にして三十分離れたところに全て統合される、こういうことを既に五、六年前にもう処理済みでございます。全国的にはそんな状況の中でこの統廃合が進められてきたという実態でございます。
 今なぜかというと、それは当然こういう災害の後でございますから、いろんな処理件数は当然、須賀川市にいたしましても、二本松にいたしましても、当然それは一時的に増えているだろうと思います。ただ、将来の方向として統合というものはやはり皆さん方にお願いをしていかないと、これはやはり財政的にも、加えてオンラインの問題もございますから、そういうところをにらみ合わせてこれまで統廃合の事業を進めてきたと、こういうことで御理解を賜りたいと思っているわけでございます。
#141
○森まさこ君 今、大臣が交通事情は三十分ちょっとぐらいじゃないかと言いましたけれども、須賀川出張所に入っている天栄村は郡山まで五十二分、石川町、役場があるところからですよ、一番端だったらもっとあるんですよ。天栄村五十二分、石川町一時間、玉川村は四十三分、平田村は五十五分、浅川町は一時間十七分、古殿町は一時間二十九分なんです。これ、グーグルマップで調べたところですよ。本当はもっといろいろな事情で、一番端からしたらもう二時間以上掛かるところもあるんです。だから、基準からしてもおかしいし、今の震災の特殊事情からしてもおかしい。
 これは福島県の司法書士会、土地家屋調査士会から悲痛な声が上がって陳情がされていると思いますが、先日、先月ですか、法務省からお達しがあって、問答無用、もう統廃合決まりましたということが言い渡されたということで、市長始め非常に遺憾に思っているということでございます。
 先ほどの復興住宅もそうですけど、復興予算、復興のための予算、復旧のための予算が全然執行されないで復旧復興のスピードは遅いのに、何でこの統廃合のスピードは速いんですか。非常に私は矛盾を感じます。変なところだけスピードアップしている。こんなことやっている暇あったら復旧やってほしいというのが福島県民の声であるということを申し上げまして、是非、法務大臣に見直しをしていただきたい、そしてこれは撤回していただきたいということを申し上げまして、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 次は、国家公安委員長とそれから法務大臣と両方御質問したいんですけれども、福島県の原発事故警戒区域における窃盗犯罪対策についてです。
 最新の統計によりますと、原発事故の警戒区域内での空き巣が前年比九九八%になったということでございます。全国的に刑法犯は減少傾向にあるんです。全国的に減少の中で、福島県では侵入盗だけが増加しています。特に、あの原発地域の警戒区域内では住民避難が続いているために、空き巣、スーパー、コンビニの出店荒らしが増加をしました。
 一般的に犯罪の成立には、動機の存在、そしてターゲットの存在、そして監視者の不在、この三つがそろったときに発生するという理論が言われておりますけれども、警戒区域内ではこの三つの条件が恒常的に存在をしているわけです。まずこの点について、警察当局のこれまでの取組について伺いたいと思います。
#142
○国務大臣(松原仁君) 警戒区域を含む地域を管轄する警察署における空き巣の認知件数は、昨年三月から本年二月末まで一年間で六百五十五件で、震災前一年間と比較すると五百八十五件の増加でありましたが、本年一月から六月まででは百五十九件で、前年同期比五十七件減少となっております。
 福島県警察においては、警戒区域における空き巣を含む各種犯罪を抑止するため、全国から応援部隊や緊急増員された特別出向の警察官を中心に、約五百十人の体制で警戒区域やその周辺でのパトロール活動や不審者に対する職務質問、犯罪取締り等の活動を実施しているほか、警戒区域の周辺における検問を実施しております。
 今後とも、現地の状況に応じ、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
#143
○森まさこ君 今、国家公安委員長が一生懸命やってきましたというような答弁をしていただいたわけですが、結果を見ますと、この九九八%という甚大な被害が生じているわけでございます。
 そして、これは被害届があった、認知された件数だけであって、水面下の潜在的な犯罪はもっとあるということです。私の聞いている限りでも、一時帰宅をするたびに物が取られている、だけど、もうこれ警察に言っても仕方ないから言わないという人がほとんどなんです。なぜかというと、一回目、空き巣がありました。そのときに警察に被害届を出しました。その被害届に基づいて現況を警察が現場検証をしていただける、それまでに大体どのぐらいの期間が掛かっているとお思いですか。
#144
○国務大臣(松原仁君) 手元に資料がないので、また確認してお答えいたしたいと思います。
#145
○森まさこ君 これは通告しておりませんでしたけれども、私が、ある方、これは高価なものを盗まれた方ですけれども、盗まれて届け出てから現場検証まで一年掛かっております。一年後に現場検証したって何も出てきませんよ。そういう状態ですから、そういったことを皆様方が漏れ聞いて、もう警察にも届けなくなっておりますから、この九九八%、この数字は本当に氷山の一角であった、一角であるということを申し上げたいと思うんです。
 コンビニのATMもターゲットになっておりまして、岩手県で二件、宮城県で十四件、福島県では三十件の被害が届けられております。届けられているだけでこの被害額、三県合わせておよそ六億六千九百万円に上がる、そして金融機関も狙われているということでございます。
 先日、私、スーパーひたちの中で話しかけられたんですが、その方も、警戒区域内の双葉町の方でございましたけれども、一時帰宅をするたびに家が空き巣に遭っているということで、一回目の空き巣は窓を割って中に入るわけでございます。ところが、それが二回目に一時帰宅をしたときに発見をするわけでございますが、その窓を修理をするために業者さんを頼んだりしなければなりませんが、警戒区域内ですから業者さんが入れないわけです。業者さんに頼みたいんだけれどもと言っても、これは当局に否定された、拒否されたということです。ですから、じゃ自分でガラスを持っていって直したいんだけれどもと言ったけれども、それもやめてくれと。やむなくガムテープで張るだけの補修です。
 そして、家の中にはいろんな財物があって、その方はお医者様でしたので、様々な医療機器等の簡単には持ち出せない財物がございます。それを持ち出せないで、一部持ち出して戻ってきたところ、また三回目に一時帰宅したときに、案の定、また盗まれていたということで、もう非常に精神的に不安になって、この空き巣被害の対策、これを何とかしてくださいよというふうに特急電車の中でわざわざ話しかけられてきたわけでございます。一時帰宅をするたびにそのような精神的なショックを受けて、非常に残念な結果になる場合も報告をされています。
 これについて国家公安委員長は、今までの取組を今御答弁なさいましたけれども、今後、この結果を踏まえて更にどういう工夫をなさっていくのか、お聞かせ願いたいと思います。
#146
○国務大臣(松原仁君) 警戒区域解除されたところで防犯対策、私も必要であるということで申し上げてきたわけでありますが、引き続き関係自治体と緊密に連携し、住民による防犯パトロール活動等の自主的な取組と有機的に連携を図りつつ、特別警ら隊、特別派遣部隊等によるパトロール活動を更に徹底し、機動捜査隊の初動捜査活動を更に活性化し、そして現在、今百二十二台、防犯カメラ等が設置されておりますが、こういったものをより強固にして住民の安全、安心の確保を図ってまいりたいと、このように思います。
#147
○森まさこ君 今の御答弁では、警戒区域内の方はとても安心することができないと思います。
 これに対して、法務大臣に私、今日御質問したいと思いましたのは、実際に空き巣被害に遭ったその損害賠償、これは誰に対してすべきものだとお考えになりますか。
#148
○国務大臣(滝実君) 基本的には、それは誰にという請求相手は、現在の法律の中では存在しないというふうに認識をいたしております。
#149
○森まさこ君 いや、そんなことはないと思いますよ、法務大臣。
 通常、窃盗をされたら、民法上ですよ、その損害賠償請求は誰に対してするんですか。
#150
○国務大臣(滝実君) 基本的には、犯人を逮捕したときにはその犯人に請求すると、これが原則でございますけれども、それ以外の法制がないということでございます。
#151
○森まさこ君 そういうことなんですね。犯人に対して損害賠償を請求するしかないんです。でも犯人はほとんど今捕まっていない。そして、これほどの甚大な被害が出ています。
 これ、そもそも先ほど三つの要件を私申し上げました。窃盗犯が出るための三つの要件を申し上げました。それは、そのうち一つは、これは国の命令によって存在するんですよ。犯人が狙うターゲットの存在です。これは、もしそこに居住をしていたならば、居住をしていたならば、自分で見張っておける、自分で壊された窓も直せる、自分で施錠しておける、居住者の責任でもって管理、防犯できるんです。ところが、今は国の避難命令によって嫌々避難をしている、やむなく避難をしていることによって、居住者は自分の財産を守る、防ぐ、盗難から防ぐ手だてを講じることができないんです。これを全て今の一般的な民法上のルールで、盗まれた場合には犯人に損害賠償を請求しなさいというのは酷に過ぎると思いませんか。
#152
○国務大臣(滝実君) ただいまの問題は、阪神大震災のときにもそういうことが随所で行われました。あのときも、津波のようなことはありませんでしたけれども、やはり大きな被害を受けた地域では、そこに立入禁止という地域を地区で設定をいたしたものですから、被災者が自分の家に帰れない、そんな中でかなり窃盗が横行したという事実がございます。それに対しても、やはりこれは災害ということもございまして、それについての法制を整備するには至っていない、これが阪神大震災のときからの経緯というふうに私は理解をいたしております。
#153
○森まさこ君 阪神大震災は自然災害なんです。しかし、今回のこれは原発事故であります。
 この間、国会事故調で人災という言葉も使われました。そのように、事故の原因が自然災害ではないということと、もう一つは国の規制で避難をしているということ、そして国家公安委員長が一生懸命やっている国の防災・防犯対策も思うような効果が出ていない。
 こういった点を考えますと、私は、国が一定程度の責任を負うべきではないか、それについて法務大臣も是非前向きな御検討をいただきたいと思うんですが、いかがお考えですか。
#154
○国務大臣(滝実君) 法務大臣として答弁するには大変大きな問題、即答はしかねる課題だというふうに思います。
#155
○森まさこ君 是非、縦割りではなく、このような複合的な問題については、法務大臣も、そして国家公安委員長も復興大臣の方に御提言をしていただいて、閣議で検討をしていただきたいというふうに思います。
 つい最近、警戒区域内の財物の補償について経産大臣から発表がされました。なぜ経産大臣が発表するのか、地域住民は首をひねっています。なぜなら、今までは第一義的には東電というふうに政府が言っていました。そして、補償については文科省の所管をしている紛争審査会のその指針に基づくというふうに言われていました。ところが、あの財物については経産大臣から発表がなされ、それも非常に納得のいかない低い金額、その金額では、今国によって強制的に避難をされている避難先では到底家を建てることができないような金額でございます。
 そのような中で、今私が言った、全般的に、総合的に考えてほしいというのは、そのような中で空き巣被害に対しても犯人に請求してちょうだいということで国に突き放されたのでは、被災者は今後の人生設計を立てることさえできないと思います。
 ですから、国交大臣も、復興住宅についてスピードアップということも先ほど申し上げました。復興住宅は基本的に家賃が掛かります。しかし、今のようなことをお聞きいただければ、家賃が掛かるということも非常に酷なことだということはお分かりいただけると思います。
 この震災については、復興庁がリーダーシップを取って総合的に進めていただけるというお話でしたが、現在そのようになっているとは被災者は誰一人感じておりません。是非、今日いらっしゃった大臣の皆様方のリーダーシップをもちまして、復旧復興、被災者の救済に更にスピードアップ、そして充実をしていただけますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#156
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。横山信一君。
#157
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 初めに、農水省からお聞きをさせていただきたいと思いますが、まず、食料・農業・農村基本法とその基本計画の関係でございます。
 これまでも随分この点については議論をされてきているわけですけれども、この基本法では、農業経営の規模の拡大その他農業経営基盤の強化の促進に必要な施策を講ずるとある一方で、基本計画の中には、兼業農家や小規模農家を含む意欲ある全ての農業者がと、こうあるわけでありまして、明らかに向かっている方向が異なっているわけであります。
 この矛盾を抱えたまま、二年度にわたってこの戸別所得補償制度が続いてきたと。要するに、道筋が見えない中で、日本の農政が一体どこに向かっていくのかというその道筋が見えない中で、いつまでこれを続けていくのかということであります。効率的かつ安定的な農業経営主体の農業にしていくのか、それとも兼業農家や小規模農家を含んだ多様な農業を選択していくのか、そのどちらに向かおうとしているのか、まず最初にお聞きをいたします。
#158
○国務大臣(郡司彰君) 委員の御指摘でございますけれども、私どもからすると、二者択一というようなことではなくて、最終的な経営の安定というもの、効率的な農業経営というもの、これについては大事にしていきたいなというふうに思っております。
 しかし、現在の状況が、高齢化でありますとか、あるいは小規模分散をしているとか、いろいろな形があるものでありますから、そこのところをどのような形で所得を安定をさせ、そしてまた若い就農者が意欲を持って行うようになれるか、こういうような形でとらえているということでございまして、経営体が地域農業の担い手として継続的に発展を遂げた姿としての先ほど言いましたような効率的、安定的な農業経営、そのようにとらえているというふうに思っております。
#159
○横山信一君 八方美人ではやっぱり困るわけですね、現場としても。ですから、どこに誘導しようとしているのかということがやっぱり明確になってこないと、それは後継者が幾ら出てきても、その後継者がこれから投資をしようとするときにやはり考えていくわけですよ。そういう意味では、どうしようとしているのかということをもうはっきりさせてもらってもいいんじゃないかと、そういう時期じゃないかというふうに思います。
 それを踏まえて、戸別所得補償の問題でありますけれども、我が党としては、この米の戸別所得補償制度について、いわゆる岩盤部分、これは続けてもいいんじゃないかと、単価の問題はおいても、制度そのものとしてはいいんじゃないかというふうに考えているわけですが、政府として、面積当たりの交付金のこの効果というのをどのように見ているのか、お伺いいたします。
#160
○副大臣(岩本司君) お答えをいたします。
 米の所得補償交付金につきましては、定額部分でございますけれども、単位面積十アール当たりの全国平均の生産費と販売価格の差、コスト割れ部分でございますが、これを計算しまして全国一律の面積単価で交付金を交付するものであります。
   〔委員長退席、理事中川雅治君着席〕
 このため、規模拡大等によりコストダウンに取り組めば、その分所得の向上が図られる仕組みとなっておりまして、規模拡大等を誘導する効果も持っているところであります。
 また、面積に応じまして支払われる仕組みがあることから、規模の大きい農業者ほどメリットが大きく、五ヘクタール以上層では九八%が加入しておりまして、また〇・五ヘクタール未満層では約六割が加入をいたしております。また、件数ベースでは一割程度にすぎない二ヘクタール以上層に支払金額の約六割を支払っているところであります。さらに、米の生産数量目標に従って生産する農業者に交付することから、平成二十三年度の米の過剰作付面積は二・二万ヘクタールとなりまして、制度導入前、これ二十一年度でございますけれども、四・九万ヘクタールから半減しているところであります。効果が上がっているというところでございます。
#161
○横山信一君 どちらにしても、規模拡大にも効果があるしと、小規模農家にもかなり支払われているということで、農家にとってはもらえるものは有り難いという話になるわけですが、一方で、先ほどの議論の中にもありましたけれども、農業農村基盤整備事業というのが大きく縮減をされているわけです。
 これだけ交付金を支払うわけですから、その決められた枠内の農業予算の中でどこを削るかという、犠牲になったのがここだったわけでありますけれども、このままこの制度を続けていくということは、さらにこの基盤整備事業、また縮減したままで続けていくのかと、今までのような補正予算対応でまたやっていくのかという、そういう不安も感じさせるわけであります。
 その上で、米価変動補填交付金の話でありますけれども、いわゆる農水省の政策の中で、この米を除けば、新マル金にしても、あるいは加工原料乳の補給金にしても、あるいは漁業の資源管理・漁業所得補償対策にしても生産者の出資というのがあるわけでありまして、言ってみれば、米だけが全額これが国費でなされていると。
 この状況に対して、この全額国費負担、やはり今のような制度を続けていくとどこかにしわ寄せが来るということを考えたときに、削るものは削っていかなきゃいけないと考えたときに、これをどうするのか、伺います。
#162
○国務大臣(郡司彰君) 横山委員は三党協議の中でもいろいろと御努力をいただいている委員の方でございますので、大変重い提案だというふうに受け止めさせていただいております。
 定額部分については、一定の数字的なものも出てまいりましたし、この部分はしっかり残していきたいという思いはございます。しかし、今言いましたように、その変動部分についてはどのような形がいいのかということでございますけれども、モデル事業として始まるときに現行のような形を取らせていただきました。
 近い将来は、検討した上で見直しをしておこうということが当初からの考え方でございましたけれども、その考え方の中で、今ありましたような例えば新マル金でありますとか、あるいは積立ぷらすというような形で一定の比率を御負担をいただくということが、消費者の方にも御理解をいただける道ではないかなというふうに思っておりまして、そのことについては私どもも、党の方も含めて検討をしていきたいなというふうに思っているところでございます。
#163
○横山信一君 削るところは削っていかないと、この先のこともありますので早くやっていただきたいわけでありますが、先ほども申し上げました農業農村基盤整備事業、これだけ、ここを削って所得補償をするわけですから、これは農業所得上がって当たり前というふうにも言えるわけであります。
 逆に言うと、それだけここのしわ寄せが非常に深刻な事態になっていると。二年続けているわけであります。辛うじて補正予算で平成二十二年度については二十一年度並みにしたという現状はありますけれども、二十四年度の当初予算ではもう二十一年度の四割しかないという、そういう現状であって、これは非常に厳しいと。
 農水省としては頑張っているというふうに言いたいんでしょうけれども、実際問題、当初予算で確保しないでいくということが、結局は、ああ、別に当初予算じゃなくてもできるんじゃないかと、補正でやれるんですねと、そういう見方になっていくと。先ほどの議論にもありましたけれども、当初予算で確保されなければ、それはやはり計画的に進めていけないという現状があるわけですが、これについて、今のこの当初予算でしっかりと、公共、非公共を含めてですけれども、確保していく、この基盤整備の予算を確保していく、これについてお伺いしたいと思います。
#164
○国務大臣(郡司彰君) 大変二十一年度に大きな削減をいたしました。その後、やはり必要な整備事業については行っていかなければいけないということで、一一三%、一一二%と、ほかの予算はシーリングも含めて大変厳しい査定をする中でそれなりの努力をしてきたつもりでございますけれども、まだ不十分だという声もいただいております。
 特に最初の年は、農政局のない北海道は大変に厳しい事業展開をされたということもよく理解をしているところでございます。また一方で、先ほど意見がありまして、考え方の若干の相違はありますけれども、交付金化したものもございます。それらについても十分な活用方をお願いをするということはありましても、私どもも、今言われた意見と同じように、当初の予算におきましてしっかりした額を確保するということは、これは大事なことだろうというふうに思っております。
 したがいまして、一一三、一一二と、ほかの予算に比べて増を図ってまいりましたけれども、二十四年度以降の予算につきましても同じような考え方で予算の獲得をしていきたいという思いでございます。
#165
○横山信一君 是非これは頑張ってもらいたいんですね。
 農業土木というのは、もちろん生産者にとっても非常に大事ですし、関連産業にも非常に効果があります。その上で、公共事業についての考え方がいろいろ、私の前にもありましたけれども、地方の今深刻なデフレ不況の中にあって、この農業土木の与える経済効果というのは極めて大きいわけでありまして、それをどんどん削られたということがどれほど地方にとっては深刻な状況になっているかという、そういうことも含めて考えていただきますと、これは単に農業だけにとどまらないと、地域振興全体にかかわってくる非常に重要な問題なんだというそういう意識を持って、是非ともここは当初予算で増額を確保していただきたいということであります。
 ちょっと話は変わりますけれども、今年の五月でありますけれども、北海道北部の死亡牛検査を所管しておりました家畜保健衛生所、ここが火事で焼けてしまいました。現在、緊急的な対応として近くに仮設施設を用意して検査を継続しております。北海道では、来年度、幌延町というところに施設整備を検討しておりますけれども、これに食の安全・消費者の信頼確保対策整備交付金という、これの活用が見込まれるというふうに思うんですが、これについて答弁をいただきたいと思います。
#166
○副大臣(岩本司君) お答えをいたします。
 議員御指摘の案件でございますけれども、北海道の留萌家畜保健衛生所のBSE検査室が本年の五月に火災により全焼したものと承知をいたしております。現在は仮設の施設で応急的対応を行っておりますけれども、北海道におきましては円滑な検査のため恒久的な施設の整備を検討しておりまして、その中で、御指摘の食の安全・消費者の信頼確保対策整備交付金の活用について、先般、これ先週でございますけれども、当省に対しまして相談がなされたところでございます。
 本交付金は、我が国における家畜衛生の水準を向上させるために、家畜保健衛生所の機能を強化する場合に必要な施設等の整備に対し支援するものであります。本案件に関しましては、今後、北海道からの事情をよく聞き取った上で、交付金の目途に即しまして、どのような対応が可能か検討してまいる所存であります。
#167
○横山信一君 しっかりと対応していただきたいというふうに思います。
 それでは、国交省に質問移らせていただきますが、最初に防災集団移転促進事業について伺いたいと思います。
 被災地域では、居住に適さない住民の集団移転を行う防災集団移転事業というのが実施をされております。本来、もっと早くにこうした事業ができたはずであったんですが、震災後の本格復興予算というのがもう御案内のとおり昨年の十二月からスタートしたという、非常に遅かったこともあって、自治体も詳細な復興計画を立てられずにいたと。そうした現状の下で、この集団移転についてのスタートが非常に遅くなったという現状がございます。
 被災者の側にすると、再起をしようにも仕事もないと、それから財産も失ったと、そういう状態の仮設暮らしの中で将来に希望がなかなか持てないということで、自治体の移転計画が出される前に引っ越してしまうと、新たな天地を求めてという人たちも多かったのではないかというふうに聞いております。
 そこで、こうした人たちに対してまず遡及を認めるべきなんではないかと。これは復興庁の方にお聞きをしたいと思いますが、いかがですか。
#168
○副大臣(末松義規君) お答えいたします。
 先生の御指摘、自助努力で災害危険区域設定前に御自分で移転された方、こういう方に対して国から何らかの支援できないかという御趣旨の質問だと思います。
 これ、実はよくよく突き詰めていきますと、そういう個人個人の住宅の再建、これに国はどこまでかかわって支援していくのかということになるかと思います。実は、その観点でいけば、阪神大震災のときにはなかったような仕組みで被災者生活再建支援法というものがございまして、それで三百万円まで全壊された方には出るわけなんでございます。そういった制度を活用していただいている。さらに、住宅再建について政策金融として災害復興住宅融資と、こういった制度もございまして、こういう低利でしかも五年間無利子と、こういう制度を使っていただくということにしておりますけれども、これ以上に更に国がどこで線を引いていくかということについて、ちょっとこれは慎重な考えが、議論が必要かと今考えているところでございます。
#169
○横山信一君 全体的な、もう少し全体的な、国としてはそこまで考えないという何か突き放したようなそういうことじゃなくて、もっと被災者の立場に立ってみたらもっと何かやりようがあるんじゃないかというふうに思うんですけれども、どうですか。
#170
○副大臣(末松義規君) 実はこれ、本来そういった個人から見たらこれ不公平だよなというのは、よく私も現地の対策本部長をやっていて分かって理解しているところでございますけれども、実は国がどこまで支援するかということについて、災害の危険区域を設定したと、こうなれば全員が立ち退きというか、そういう、何といいますか、強制執行の見返りという形で制度ができておりまして、さらに防災集団移転なんかもそうなんですけれども、実際みんながそろって五戸、十戸、まあ五十戸とかですね、行くと。そういうところで機能的な次の再建地が出てくるわけですけれども、これが個々ばらばらに行かれるとなかなか国も対応しようがないと。こういったところも考えて、それを総合的にやっていく中で、是非そういう形にはまってくださいという政策的な思惑もございまして、今そういう形になっているということでございます。
#171
○横山信一君 被災者の方たちが全て満足できるような形にするのは難しいかもしれませんが、しかし、この被災者の方たちが希望が持てるように何とか努力をしていただきたいというふうに思います。
   〔理事中川雅治君退席、委員長着席〕
 国交省にお聞きしますけれども、そもそもこの事業なんですが、私は、もうこれは完全に国の対応が遅れてこうなっているというふうに、今の時期にやっているんだというふうに思うわけです。ですから、被災者の方たちからすれば、もっと早くにやってくれれば、もっと早くに示してくれればそんな別天地を求めて行く必要もなかったと、そういう人たちもいると思うんですね。もうずっと待って待ってきたけれども、もうもう駄目だという、それで引っ越してしまったと、そしたらこの防災集団移転の促進事業から外れてしまったと、そういう人たちもいるはずなんですね。
 そういう意味では、やっぱり国交省は、そういう人たちも含めてやはりこの事業ということを考えていただきたい、やはり遡及ということを考えていただきたいんですが、どうですか。
#172
○副大臣(吉田おさむ君) 防災集団移転促進事業は、災害が発生した地域等において住民の居住に適当でないと認められる区域内にある住居の集団移転を促進する事業でございまして、既に移転された方に対して遡及して補助を行うということは本事業自身の目的を超えるものでありまして、適用することはできないということがお答えでございます。
 なお、既に自ら移転した方であられましても、防災集団移転促進事業の移転区域内に住宅の敷地等を所有している場合は本事業により当該宅地等の買取りを行うことは可能であると、そういうようなお答えをさせていただきたいと思います。
#173
○横山信一君 繰り返しになりますけれども、これはもう政府の対応の遅れでこうなってきているんですよ。そこをやっぱりちゃんと認識をしていただきたいんですね。だから、制度だから突っぱねてしまうと、もう救いようがありませんよと、それはもう個人がそれぞれ判断したことですからということになるんですが、今のこの被災の状況というのは、復旧復興の状況というのは、これはもうただただ対応の遅れによって様々な人たちの思いが出ているんだと、ここはやっぱり考えてもらいたい、是非もう一度再考していただきたいということを念を押させていただきたいと思います。
 では、次の質問に行きますけれども、新千歳空港の給排水事業のことについてでございます。
 これは一般公募をされました、今年度から。新料金は平成二十三年度に比べて給水で一六%、排水で一七%下がったわけであります。
 それでは、平成二十二年度から比べたらどれぐらい下がったのか、このことについて伺います。
#174
○政府参考人(長田太君) お答え申し上げます。
 先生御指摘の新千歳空港の水道料金でございますが、平成二十二年度と比較をいたしますと、給水で二九%、排水で三〇%下がっているところでございます。
#175
○横山信一君 ということで、言ってみれば、平成二十二年から二十四年度の二か年の中で給水単価は実に四五%、排水単価は四七%も実は下がっているということであります。
 平成二十三年度に単価が下がったというのは一つ理由がございまして、それは北海道議会でこの新千歳空港、北海道も利用しているところでありますが、非常にその給排水単価が高額だということが議会の中でも取り上げられておりました。そうしたことが問題があってこの単価が下がったと。二十四年度については業者が替わって下がったということであります。公募になって下がったということなんですね。
 こうした事実を踏まえると、これは国交省が所管をしている羽田空港、そして伊丹空港がございますけれども、ここはいまだに一般公募は続けていないわけです、随契のままでやっていると。新千歳の場合は、繰り返しますけれども、給水で四五%、排水で四七%で、半分下がっているわけですね。ということは、羽田空港からすると非常に高い単価をいまだに払い続けている、利用者が払い続けていると、そういう問題があるんだということであります。
 五月に私が提出をいたしました質問主意書では、東京国際空港については、新千歳空港において公募が先行的に行われたことを踏まえ検討するというふうに答弁をされているわけでありますけれども、検討の結果がどうなったのか、伺います。
#176
○副大臣(吉田おさむ君) 委員御質問のお答えですけれども、既に公募による事業者選定を実施した新千歳空港におけるその後の維持管理状況を踏まえまして、現在、東京国際空港においても公募の導入に向けた準備を進めておるところでございます。
 ただ、東京国際空港は、新千歳空港と比較いたしまして給水量が約八倍であるなど施設規模がはるかに大きく、また戦前から使われている空港であるということから、水道施設の老朽化の進み具合等、公募する上で必要となる事実関係の把握等に時間を要することが想定されております。このため、具体的な公募の実施時期をこの場で申し上げることはできませんが、可能な限り速やかに実施できるよう、鋭意準備を進めているところでございます。
#177
○横山信一君 国民の税金を支払っているわけですから、ここはできるだけ早く公募ができるようにお願いしたいというふうに思います。
 空港の津波対策等の現状について伺ってまいりますけれども、首都直下地震が発生した場合、年間六千万人以上が羽田空港は利用しております。この羽田空港ですけれども、地震災害よりも津波災害の方が被害が想定をされるわけであります。
 国では、昨年の十月から空港の津波対策の方針をまとめておりまして、検討してまとめられました。そこで、この羽田空港の地震・津波対策の現状について伺います。
#178
○政府参考人(長田太君) 先生御指摘の羽田空港でございますが、中央防災会議におきます計画の検討におきましても、羽田空港は地震災害発生後の救急救命活動あるいは緊急物資の輸送活動の拠点としての役割が高いということで、耐震対策に取り組んでいるところでございます。
 また、先生御指摘の津波対策でございますが、これも本年三月に津波避難行動計画というものを策定をしまして、津波発生時の人命保護に万全を期するとともに、津波による被害軽減のための緊急的対策として電源施設等の浸水対策等に取り組んでいるところでございます。
#179
○横山信一君 この「地震に強い空港のあり方」、これは平成十九年にまとめられておりますけれども、この中では触れられていないことの一つにフライトシミュレーターがあります。
 このフライトシミュレーターは一台十五億円もする高額で高度な精密機械なんですけれども、このフライトシミュレーターが被災をするとどんなことが起きるかというと、実は今パイロットの訓練というのは実機による訓練というのはほとんど行われておりませんで、ほとんどこのフライトシミュレーターでやっているわけです。ですから、定期訓練あるいは昇格審査というのがこのフライトシミュレーターで行っていると。そのほとんどが、国内のフライトシミュレーターのほとんどが今羽田空港に集積をしているという現状があります。
 そうすると、ここが例えば津波等で被災をしてしまうとこれはもう航空会社の全体の運航に非常に影響が及んでくることが考えられるわけですけれども、この国内のフライトシミュレーター、この防災対策をどう考えるか、伺います。
#180
○政府参考人(長田太君) 先生御指摘のフライトシミュレーターでございますが、基本的にはこれは航空会社が自らの事業計画に基づく施設でございます。それに関連してシミュレーターの場所を決めておるわけでございますが、先生御指摘のとおり、その多くが羽田空港の周辺に設置されていることは事実でございます。
 ただ、このシミュレーターでございますが、羽田空港といいましても結構地盤の高いところとか津波の受けにくいところにも分散をして設置をされておりますので、仮に津波が来た場合に全部のシミュレーターが一挙に壊れるかどうかというのは、これはよく分からないところでございます。また、羽田以外にも国内の他空港あるいは海外にもそれぞれエアラインが訓練のためのシミュレーターを持っておりますので、そうした場合にはそういうことを使うと。あるいは、定期的な訓練はしようがありませんが、例えば先生御指摘の昇格の訓練だとか型式移行の際の訓練につきましてはそういう大規模な災害が来た場合には若干遅らせて実施をすると。
 そういういろんなことをエアラインは考えながら配置をしているというふうに考えておりまして、例えばシミュレーターそのものについても耐震あるいは津波対策を実施をしているところでございまして、そうした総合判断の中でエアラインが対策を講じているというふうに認識をしているところでございます。
#181
○横山信一君 我が党の首都直下地震対策本部、本年の四月に発表いたしました緊急提言の中に、「首都機能の分散・移転によるバックアップ機能の強化を進めるべき」ということを提言をさせていただきました。さらに今、今月十日に防災・減災ニューディール推進基本法案の骨子を発表させていただきました。その中では、社会基盤施設等の耐久性また安全性の実情を明らかにすると、すなわち防災・減災総点検を実施するべきだということを訴えさせていただいたわけでありますけれども、この災害発生時の航空ネットワークの維持に向けたこうした総点検のことについて、最後に大臣にお伺いいたします。
#182
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。
 空港の地震対策につきましては、平成十九年四月に地震に強い空港のあり方検討会の報告を、航空の津波対策、これについては平成二十三年十月に空港の津波対策の方針を策定させていただいたところであります。これらに基づき、空港の災害対策として、発災後早期の段階から救急救命活動等を行うことができるように、また、発災後三日以内に物資輸送の拠点として機能するよう、滑走路の耐震化などを進めているところであります。
 空港が使用不能となった場合におきましては、東日本大震災のときに花巻空港、山形空港、福島空港の三空港を二十四時間運用可能とすること等により、代替の輸送拠点として役割を果たすようにしたところであります。近隣空港で機能を補完できるよう取り組んでいきたいというふうに考えております。
#183
○横山信一君 今日はお聞きをしませんでしたけれども、避難行動計画とか具体的に組まれているわけでありますが、職員等の周知はもちろんでありますけれども、利用者にも、例えば羽田空港の場合はターミナルビルの二階以上が標高十メートルになるとか、そうしたことが知識として何となく頭の中に残るような、そういう、あらゆる機会を通じて国民の皆さんに訴えていくことというのが万が一の災害に備えての非常に重要なことだというふうにも思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。
    ─────────────
#184
○委員長(山本順三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大野元裕君が委員を辞任され、その補欠として江崎孝君が選任されました。
    ─────────────
#185
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。森ゆうこさん。
#186
○森ゆうこ君 国民の生活が第一の森ゆうこでございます。
 昨日が七月二十九日、今日は三十日ということで、私の参議院選挙、二回とも七月二十九日が投票日でございました。そういう意味で、十二年目に入りますけれども、決算委員会で質問をさせていただくのは初めてということでございまして、委員長、よろしくお願いいたします。
 本日は、最高裁の公共調達等につきまして、主に裁判所から様々お聞きをしたいと思います。
 まず、最高裁の公共調達について皆様のお手元に資料をお配りしております。実は、これは最高裁から、過去二十一年、二十年、そして二十二年のものもあったと思いますけれども、最高裁の特にシステム調達について、システム経費の関連の公共調達についてまとめていただいたものでございまして、全部で十二ページございます。そのうちの一ページを資料として配付をさせていただきました。
 この黒いマスキングは私の方でさせていただきました。公共調達、この落札価格等、予定価格等が外部に漏れると悪いというふうなことでございましたのでマスキングをさせていただいたわけでございますが、少し見にくいと思うんですけれども、皆様、落札率の欄を御覧いただきたいと思います。
 九九%、一〇〇%、九二%、九四%、とにかくこの落札率は、特にこのページそうなんですけれども、軒並み非常に高いところに張り付いております。この点について、私は最高裁の経理局に対して、このような高い落札率というのは問題ではないかというふうに指摘をしてまいりました。
 最高裁に伺いますが、その後このような状況について、何か対策等、あるいは問題点等整理されて何かされましたでしょうか。
#187
○最高裁判所長官代理者(林道晴君) お答えいたします。
 今委員から御指摘の表で落札率が高いものが多いところでありますが、元々最高裁におきましては、システムの関連の調達におきまして、過去の調達の実績あるいは直近の市場価格を反映させるなどして予定価格を積算しております。これは他の官庁同様かと思いますが、そういう意味で、予定価格と落札率の間に基本的な大きな差が生じない形になり、結果的に高い落札率になっているかと思います。
 また、予定価格の積算の際には、業者から参考見積りの提出を受け、裁判所の積算額というのはありますが、これよりも業者の見積り、その参考見積りが低い場合には、その価格自体を予定価格として採用することがあります。その場合には、参考見積りを提出した業者が同じ額で落札した場合については落札率が一〇〇%になるということもありまして、予定価格、落札額、落札率についても、以上の点から見ると、適正な処理というのを心掛けてまいったところでありますが、今委員から御指摘のような点もありましたので、私どもで更なる努力は続けたいと思っておりますし、また、私どものこういう入札関係につきましては第三者委員会というのがありまして、そちらでいろいろと御意見をいただき、御批判をいただくというような努力もしております。
 そういう意味で、今年五月、その前にこういう御指摘をいただいておりましたので、五月の委員会でも、落札率というものが高過ぎるんではないか、あるいはその関連で一者入札が多いんではないかという問題についても御議論いただき、改善についての私どもの努力も御説明し、それなりの評価をいただいたところでありますが、引き続き努力はしていきたいと思っております。
 以上です。
#188
○森ゆうこ君 会計検査院に伺います。
 このような形で落札率が非常に高い状況というのは、会計検査院としても検査をするときに一つの着眼点として検査をされるというふうに思うんですけれども、このような高い落札率が軒並み並んでいるということについて、何か問題はございませんか。
#189
○説明員(鈴木繁治君) お答えいたします。
 システム関連の契約の落札率につきましては本院も関心を持って検査を実施しているところでございまして、裁判所を含めた二十五府省等の情報システムを対象として横断的に検査を実施して、その結果を平成二十三年十一月に国会に随時報告しているところでございますが、その中で契約方式による落札率の違いについて分析しており、一者応札の競争契約の場合は落札率が高くなり、実質的競争性が確保しにくい状況となっていることなどを報告しているところでございます。
#190
○森ゆうこ君 他の省庁の皆さんにもお聞きしたんですが、実際にその落札率を全部私の方で分析しているわけではないんですけれども、最高裁、まだこんなことやっているのかという感想をいただきました。どうも、やはり最高裁判所というのは三権分立の中で一つ独立した組織でございますので、何かアンタッチャブルになっているんじゃないかと、その中で規律が必ずしもしっかりと働いていないのではないかという疑問が湧いてきたわけでございます。
 それで、私の方で様々な観点から調査をいたしまして、さらには、市民オンブズマンの皆さんは地方自治体に限らず国の関係の支出に対しても情報公開請求を行って非常に細かく調べていらっしゃいます。大変すばらしい活動をしているオンブズマンがたくさんいらっしゃいます。そういう皆さんから情報公開請求をして得た資料も私はちょうだいをいたしておりますが、次の資料、次のページをおめくりいただきたいと思います。
 これは、検察審査会、検察審査会のハンドブックの印刷代でございまして、合計額は非常に少ないんですけれども、ここに書いてございます五十四万六千五百八十八円、合計額は少ないんですけれども、皆さんこれを御覧になって、この納品書、問題あると思われませんでしょうか、国会議員の皆さん。この納品書に日付がございません。
 それから、次のページめくってください。
 請求書、この請求書にも日付がございません。ここに判こは押してありますね。これは受領した側の最高裁の担当者の受領印でございますけれども、業者側が書いた日付ではございません。
 会計検査院、このような日付のない納品書、請求書というのはどのような問題が発生する温床となりますか。
#191
○説明員(鈴木繁治君) お答えいたします。
 会計事務の処理につきましては、適正な内容が記載された請求書、納品書等の会計書類に基づいて行われるべきものであり、日付の入っていない請求書や納品書により会計処理を行うことは望ましいことではないと考えております。
#192
○森ゆうこ君 済みません。今ちょっと水を吹き出しそうになってしまいましたが、望ましい会計処理の在り方ではないと、当たり前のことじゃないですか。一般社会では、日付のない納品書、そして日付のない請求書、普通の取引ではないんですよ、そんなことは。
 最高裁、何でこんな日付のない納品書、請求書を使っているんですか。
#193
○最高裁判所長官代理者(林道晴君) お答えいたします。
 今委員から御指摘のありました見積書あるいは納品書、請求書の日付欄、これは業者が記載する部分があるために日付がないものというのがあった事実はございます。また、委員から資料としてお配りいただいたものがそういうものであるということは間違いありません。
 そういうものについては、これも委員から御指摘いただきましたが、私ども、担当者の方で受領印、日付を明確にするために、提出日を明確にするために受領印を押すという処理をしておりましたが、この委員会の前の段階で委員からも御指摘いただきました、さらに先ほど会計検査院からお話ありましたが、これが望ましい会計処理かと言われてしまったら、それはいかがかという部分がありますので、委員の御指摘を踏まえまして、日付欄が空欄で出された請求書等については業者に対し窓口で記入を促す、さらに日付欄を記載していない書類が郵送で提出されたものについては、再度、日付欄を記載した書類の提出をお願いするということで、現在は日付欄が空欄のものはない形での運用をさせていただいています。
 以上です。
#194
○森ゆうこ君 私が指摘するまで、この納品書、請求書、見積書等々、日付のないそういうものを使って平気だったと。指摘されたから、委員会で追及されるから、やむなくそのような対策を取った、そういうことですか。
#195
○最高裁判所長官代理者(林道晴君) 元々、日付のないものにつきましては、先ほど御指摘ありましたように、提出日を明らかにするために受領印を押印するということを、対処はしておったわけですが、これは委員からの御指摘云々、もちろんそれが重要な契機であったと思いますが、委員会で追及される云々という問題ではなく、やはり望ましい会計処理の在り方というのを考えた場合には、これはいかがかなと思いましたので、運用を更にしっかりしたものに徹底したということであります。
#196
○森ゆうこ君 最高裁判所に対するチェックが私は甘かった、立法府にいる人間として非常に反省をしております。何か裁判所はほかから侵害されない独立なんだと、そういう何か思い違いしていらっしゃるんじゃないんですか。
 検査院にお聞きします。
 今、そういうふうに直させたからいいんだというような開き直った答弁ですけれども、決算の参議院というふうに言われております。先生方大変御努力をいただきまして、決算の参議院ということで、この決算委員会で十九年六月に地方自治体の非常に不正経理、話が問題になりまして、決算委員会として平成十七年度決算審査措置要求決議でありますとか様々な決議を行って、このような不適正な経理処理の調査について厳しく要求をいたしまして、それに基づいて会計検査院が検査を強化してきたという経緯がございます。私がちょうだいいたしました平成二十二年度決算検査報告書の八百六十九ページには、地方自治体の様々な不正経理に関していろいろ分析されて、とんでもない実態があったというふうに報告をされております。
 日付のない請求書、納品書、見積書、これはどのような、ここで御報告された、どのような不正経理の温床になるのか、具体的に、また簡潔にお答えください。
#197
○説明員(鈴木繁治君) お答えいたします。
 平成二十二年十二月に、都道府県及び政令指定都市における国庫補助事業に係る事務費等の不適正な経理処理等の事態、発生の背景及び再発防止策について国会に報告をしておりますが、その中で、都道府県等の不適正な経理処理の事態として、虚偽の内容の請求書等の関係書類を作成するなど、不適正な会計処理により需用費を支払っていたなどの事態を報告しております。
#198
○森ゆうこ君 つまり、請求書等が虚偽であったという、その虚偽の請求書を作ってそれを、まあ裏金といいますかプール金とか、いろんなことがあって、幾つかの類型があるんですけれども、その中の一つに、やはりこういう会計書類が偽造されていた、実際には取引が前の年あるいは次の年に行われていたんだけれども、まとめて一括して経理処理をしたとか、様々な類型が会計検査院の調査に御報告をされているわけです。
 ここで一つだけ確認しておきますが、会計検査院、このような請求書、納品書、あるいは、裁判所、後で聞きます、今日の資料にも付けておりますけれども、支払調書、裁判所でお金を使って、それが国庫から、例えば検察審査員でありますとか、そういう人たちに対してきちんと支払われましたという支払調書、こういう書類がそろっていたからといって、そういう会計処理がそのとおりに行われたとは限らないということを言わばこの報告書で報告しているというふうに私は思いますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。イエスかノーかでお答えください。
#199
○説明員(鈴木繁治君) 会計検査院といたしましては、そういう書類だけではなく、それを裏付けるものをしっかりと見るということでの検査をする必要があるということで対応してきているところでございます。
#200
○森ゆうこ君 いや、もうちょっとまともに答えてもらえませんか。
 つまり、支払調書があったからといって、あるいは請求書、納品書があったからといって、必ずしも記載のとおりの経理処理が行われていたとは限らない。あるいは、そういうものが納品されていた、あるいは審査員やいろんな仕事で裁判所の管轄で仕事をした人に対する謝金等がきちんと支払われていたとは限らない。つまり、こういう書類だけでは判断が付かない、そういう事例があったということでよろしいですね。
#201
○説明員(鈴木繁治君) そういう書類だけではなく、事実関係を十分に把握して検査をした結果というところでございます。
#202
○森ゆうこ君 どうも一々会計検査院の翻訳しなきゃいけないのかなと思うんですけれども。つまり、こういう書類があったからといってそういう取引が必ずしもそのとおりに行われたとは限らないと。書類も調べるけれども、実態の調査をしてみると、ここに報告されたように不正経理があった、架空の取引があった。そして結果として、こういう納品書、請求書等が虚偽のものであったということが分かったということなんですよね。そうですよね。いいです、また翻訳しなきゃいけないので。そういうことなんです。
 ということで、これ調べ始めると、私も何かどんどんはまってしまうぐらいいろいろ不思議なことがございまして、この資料、お配りいたしました最後のページを御覧いただきたいと思います。
 検察審査会の問題を端緒に私はこの最高裁の経理の問題にまでどんどんはまっていったというわけでございまして、これは何回か皆さんも予算委員会等で御覧になったと思いますけれども、東京第五検察審査会、平均年齢の奇々怪々ということで、起訴議決を行った十一人の検察審査会の平均年齢が最初、二〇一〇年の十月四日なんですが、三十・九歳というふうに発表されました。ところが、直ちに、直ちにというか、十月十二日にもう一回発表されました、三十三・九一歳。
 刑事局、最高裁、これは何で発表し直したんでしたっけ、なぜ再度計算しなければならなかったんでしょうか。
#203
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) お答えをいたします。
 このとき、一回目の計算をいたしましたときに担当した者が、十一名の方の年齢を足し上げて十一で割るべきところ、お一人の方の年齢を足し忘れまして、それを十一で割ったために三十・九歳という結果になって、これが一回目の報告でございます。二回目の報告は、そのことに気が付きまして、計算し直した結果のものが二回目でございました。
#204
○森ゆうこ君 何度聞いてもおかしいと思わざるを得ません。十一人足すべきところを十人しか足していなくて、そして十一で割ってしまった、一人足し忘れ。訂正を一回で済ませればいいものを、再度計算した三十三・九一歳を、今度はその次の日に、やはり間違っていた、就任日と議決日、間違っていましたということで、更に変更して三十四・五五歳。
 しかも、これが皆さん、もう一回思い出していただきたいんですが、私の指摘を。四月に行われた第一回目の起訴相当の議決と全く違う十一人なんですが、これはもう確率上あり得ないということは有田芳生議員も法務委員会で質問いたしましたけれども、十一人の全く別人の、別の人たちの集まりのその平均年齢が何と小数点第二位まで全く同じ三十四・五五歳。これ、もうあり得ない話なんですね。
 そこで私の調査が始まったわけですけれども、皆さんの資料をちょっと戻っていただけますか、二枚ほど戻っていただけると有り難いんですけれども、様々な資料を要求して私も調査をしてまいりました。ここに、検察審査員に対して、どの方に、どの口座に幾ら振り込まれたのかという書類があったり、あるいは当日検察審査員が書く請求書というものもございます。ほとんどマスキングがしてあって分からないんですけれども、結局、本当にこの人たちがいたのか、十一人の検察審査員がいたのかどうか、それさえも、うそではないかという国民から大きな疑問が寄せられているわけでございます。
 いろんな形で逆算をして、一回目が一人足し忘れて三十・九歳、再度計算して三十三・九一歳、そして就任日を議決日に変更したら三十四・五五歳、そういうふうになるその十一人の生年月日というのはどういうものなのかということも、何かいろいろ専門家は計算したらしいんですが、どうも分からないと、こういう数字になり得ないんじゃないかというふうに言われているんですね。
 先ほどもお話ししましたけれども、支払調書がある、銀行の振り込みをしましたよという役所のこういう書類があるからといって、これが本当に支払われたとは限らないということは先ほど私の方で説明をさせていただき、そういう状況も会計検査院から御報告をいただきました。本当にこの方たちいらっしゃったんでしょうか、最高裁。
 少なくともこの十一人の生年月日を開示していただければ、今言ったような私の疑問というのはすぐさま払拭されると思うんですけれども、十一人の審査員のそれぞれの生年月日、名前は結構です、住所も結構です、生年月日、教えてください。
#205
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) お答えをいたします。
 東京第五検察審査会では、議決に関与した審査員の生年月日につきましては非公表の取扱いをしていると承知をしております。それはなぜかと申しますと、検察審査員の生年月日を明らかにするということになりますと、審査員の方々のプライバシーの保護の観点から望ましくないというふうに考えて非公表の扱いにしているというふうに承知をしております。
#206
○森ゆうこ君 生年月日だけで何でプライバシーの侵害になるんですか。分からないんでしょう。個人特定できないですよ、生年月日だけだったら。そんな答弁納得できません。ちゃんと答えてください。
#207
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 恐縮でございますが、第五検察審査会では、氏名だけではなくて、生年月日につきましても個人を特定する情報と考えてそのような取扱いをしているというふうに承知をしております。
#208
○森ゆうこ君 何か東京第五検察審査会があたかも勝手にやっているような今のお答えですけれども、東京第五検察審査会の事務局長は、これはどなたが事務局長になるんですか。誰が任命するんですか。
#209
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 検察審査会の事務局長は、最高裁が任命をしております。
#210
○森ゆうこ君 誰の中から任命するんですか。
#211
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 裁判所の事務官の中から任命をしております。
#212
○森ゆうこ君 全部把握しているじゃないですか。何で答えられないんですか。
 最高裁の経理がこんなにずさんだというのをさっき私が全部示しましたよ。ここに支払調書があるからといって、本当にこの人たちは実在して、この人たちにお金が振り込まれたんですか。ちゃんと答えてください。生年月日を開示すべきです。
#213
○最高裁判所長官代理者(植村稔君) 検察審査会の方で生年月日については非公表ということにしておりまして、これは検察審査会がお決めいただくことでございます。したがいまして、私どもの方でどうこう言える立場ではございません。
#214
○森ゆうこ君 これ、私ずっとこの二年余り最高裁とやってきたんですね、実は。先生方もおかしいと思うでしょう。これ、決算の参議院なんですよ。こういうおかしなお金の使い方、不透明なことを追及するのが我々の、再考の府、良識の府として、特にこの決算委員会の私は役割だと思います。
 委員長にお願いをいたします。
 先ほど私が申し述べたように、様々な問題が提起され、そして決算委員会として決議をし、その審査の措置の請求をいたしました。是非、委員長の下で、理事会の先生方の御理解も得ていただいて、最高裁のこの経理処理に関して徹底的な審査をしていただくよう要求いたします。
#215
○委員長(山本順三君) 後日理事会で協議をいたします。
#216
○森ゆうこ君 ありがとうございました。
#217
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。柴田巧君。
#218
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
 まず最初に、就農支援資金のことについてお尋ねをしたいと思いますが、改めて言うまでもありませんが、いかなる産業であれ、広範な分野から、あるいは地域から、意欲のある、能力のある、そういう若い人たちが入ってくる、増えていくというのがその産業の未来を明るいものにし、成長産業化していくものだと思いますが、残念ながら、農業に関して言えば、御承知のとおり、この数年でも二割農業人口は減って、今二百六十万ほどになっておりますし、さらに、このままでは十年後には百万人も減るのではないかと予想する向きもございます。加えて、御案内のとおり、農家の平均年齢も非常に高いわけで、六十六歳に今達しておりますし、六十五歳以上の農業従事者の占める割合は六一%でしょうか。大体、ヨーロッパの国々が二、三〇%なのに比べても極めて高いということでありまして、そういう意味でも、この新規就農のいろんな支援策というのは極めて重要だということは論をまたないと思います。
 これまでもいろんな手を打ってきたわけですが、なかなか功を奏しない。また、そういう中で、後で触れますように、新たな給付金制度もスタートをするわけですが、これまでの在り方をいろいろ振り返り、反省もしつつ、これからの就農支援策の在り方をしっかりやっぱり考えていくべきだろうと思います。
 そういう中で、農水省においては、青年などの新規就農促進をするために、資金を無利子で貸し付ける事業を都道府県に実施をさせているわけです。その事業に必要な資金の一部を都道府県に貸し付けているわけですけれども、二十二年度決算の決算検査報告書によりますと、就農支援資金の貸付業務のために国が、農水省が貸し付けた資金の実績が低迷する一方で次年度への繰越金が多額に上っているなど、有効に資金が活用されていないということが指摘をされているわけです。
 お手元に資料を配付をさせていただきましたが、そこを御覧いただければお分かりのように、貸付実績が、これは十七年度から二十一年度を比較したものでありますが、十七年度に貸付実績額が三億八千九百二万円余りだったものが二十一年度には二億二千六百五十六万円になっていまして、四一%減少しております。四二%ですね。
 一方で、しかし貸付可能額はといいますと、十七年度には二十三億、二十四億近くありましたが、二十一年度には二十六億ほどになっておりまして、八・二%も増加しておる。加えて、翌年度の繰越金は、十七年度に二十二億七百四十六万円余りから、二十一年度には二十五億四千四百十二万円余り、一五・三%増加しているということでありまして、農水省が新規就農者を支援するために無利子で貸し付けた資金が、先ほど言いましたように、多くの都道府県のセンターに保有されているという今状態になっているのは非常に適切ではないと私も思うわけでありまして、どうしてこういう事態になっているのか、まず、農水省としてはどう分析をされているのか、お聞きをしたいと思います。
#219
○大臣政務官(森本哲生君) 柴田委員にお答えをさせていただきます。
 御指摘のとおり、この表から見てもかなりの金額が繰越しがあるということでございます。毎年、この金額の貸付実績が二億ということで、二十一年度、二億二千万ということになるわけでございますが、実は全体では毎年三十億円程度の貸付けがなされておるわけであります。ただ、やはり過去の実績と比べて大きな規模の貸付けということについては大体よく似た実績があるわけでございますが、やはり県としては不足額を、少し心配だということで、かなり多めに資金を申請をされるということもあるやに聞いております。
 そんな中で今のこの数字があるわけでございますが、全体的には確かに御指摘いただいておりますとおり三十億円ということになりますが、それ以上のまた残があるということでございますので、特にソフト事業についてはこの傾向が顕著でございますので、ここのところについてはもう少ししっかりと精査をして、会計検査院の指摘ということもございますので、その辺りは事務方ともしっかりと詰めさせていただきたいというふうに考えております。
#220
○柴田巧君 いずれにせよ、せっかくの財政資金が宙に浮いているというか有効に活用されないという事態をそのままにしておくというのはやっぱり決していいことではないわけで、そのためにも何らかの手を農水省としてもやっぱり打っていくべきだと思います。
 まずは、じゃ、どれだけが適切な規模なのかというものを算定基準などをやっぱり示して検討させるということが大事でありましょうし、また、それによってそれを、適切なものを、規模を超えるものについては、特に国が貸し付けた相当額については繰上償還を都道府県に求めるなど、やっぱりこの財政資金の有効活用を図るべきだと思いますが、どのように今取り組んでおられるのか、また、いかなる計画を持って今やっておられるのか、これは大臣にお聞きをしたいと思います。
#221
○国務大臣(郡司彰君) 今御指摘をいただいたような内容の検査院からの措置要求もいただいております。
 それに対しまして、昨年の十一月の二十九日でございますけれども、各都道府県に対しまして、保有をする就農支援基金の繰越金、有効活用を図るために適切な規模にまずすること、それから、適切な規模を超え、当面の貸付けに活用されないと見込まれる額のうち、国費相当分については国に繰上償還を行うこと等について発出させていただきました。じゃ、その適切な規模というのはどういうことなんだということでございますけれども、これについては一律にパーセント等ではなくて、個別具体的に各県ごとの内容によりまして農政局として査定を行うと、こういうことでございます。
 今後、当たり前のことでございますけれども、繰越金が過大とならないよう留意をしまして、制度の適切な運用を図っていきたいと思っております。
#222
○柴田巧君 是非都道府県ともよく協議をされ、こういう事態がこれからも続かないように、過大な繰越金が発生しないというようなことなどを留意していただいて取り組んでいただきたいと思います。
 そういう中で、今年度からはフランスの例に倣っていわゆる青年就農給付金が創設をされたわけでありまして、これによって新たな就農者が増えることを、また定着することを期待をするわけですが、御承知のとおり、当初の予想を上回る申請希望者があったということもあり、なかなかこれがスムーズに今スタートしていないというのが実態だろうと思います。
 こういう経過措置で、農水省としてもその間にいろいろと、高齢化が進む集落の希望者の人を優先にするようにといった指示も出されたやに聞いておりますが、そのことがかえって申請先の違いから異なることになりかねないわけでありまして、いずれにしても、こういう事態になったのもある意味で見通しが甘かった部分もあるのではないかと正直思いますが、就農支援を促進するためにつくった制度が、このままでは逆にやる気をそぐようなことになっては元も子もないわけで、万全なやっぱり予算の確保も含め、この制度が円滑にスタートを切れるようにやっていくべきだと思いますが、どのように取り組んでいかれるか、大臣にお尋ねをします。
#223
○国務大臣(郡司彰君) 今御指摘をいただいた点、大変大事なことだろうというふうに思っております。
 八千というような大枠で聞きましたところ、一万五千を超えるような数の申込みをいただきました。この分については、当初予算でございますので、四月の当初に予算の全額を配分をさせていただきました。問題は、今御指摘がございましたけれども、ちょっと各都道府県によってとらえ方といいますか取組の若干の違いがあって、その違いが結果としてもそのような形の人員の配分にもなったようなことがあったやもしれません。
 その辺のところの均質的な取組についてもこれからはやっていかなければいけないというふうに思っておりますけれども、いずれにしましても、給付主体であります都道府県、市町村等の準備が整ったところから受付をやっておりますけれども、せっかくできましたこの新規就農促進の機運が低下することがないように、現場の声をよく聞いてこれから一つずつ対応していきたいなというふうに思っております。
#224
○柴田巧君 こういう事態になったのは、やはり予算の百四億ですか、が十分じゃないということに一番のもとがあると思いますね。したがって、万全な予算を確保するというのが一番の大事なことだろうと思いますが、確認ですが、したがって補正予算あるいは予備費を活用して万全を期すという考えはおありでしょうか、大臣にお聞きします。
#225
○国務大臣(郡司彰君) 補正及び予備費について今、私の方で断定的に言及することは難しいことでございますけれども、もしも補正が組まれるということになれば、私は農林水産省としての重点的な考え方に今のことを入れていきたいというふうに思っております。
#226
○柴田巧君 是非、せっかく新しい制度がスタートをするわけで、しかも初年度でありますから、万全を予算面も含めて期していただきたい、頑張って努力をしていただきたいと思います。
 それで、大事なことは、今年百四億、恐らくこれが上回るんだろうと思いますが、このペースで考えると、数年後にはこの事業規模というのは五百億、六百億にも恐らくなるんだろうと想定がされます。心配をするのは、まあそういうことがあってはならぬわけですが、やってみたけども新たなばらまきだったということにならないように気を付けなきゃならぬということだと思うんですね。
 したがって、その新規就農者の経営状態というのを常に厳しくチェックすると同時に、資金だけではなくていろんな壁が新規就農者にはあって、土地であったり技術であったりするわけですから、総合的な支援を充実をさせて自立への指導をしていく。
 結果的にやっぱり新規就農者を増やして定着させるというのが一番の眼目でありますから、そこに向けて、新たなばらまきにせず、実質的に新規就農を促していくためにどのように取り組んでいかれるか、大臣のお考えをお聞きをします。
#227
○国務大臣(郡司彰君) 先ほど委員から御指摘があったように、一方で相当数減少をしていくだろうという農業者に対して、新規に就農していただいて担っていただける方を育てるというのは、これは大変な大きな事業だろうというふうに思っております。
 そして、その際には、経営が安定をするような営農の形態を取っていただくために、経営開始型について今進めておりますけれども、人・農地プランというようなところの問題をきちんととらまえた形で新規就農者を対象としていくように考えているところでございます。
 このことによりまして、市町村が要するに新規就農者を受け入れてしっかりとサポートをしてもらうようなことを期待をしていきたいというふうに思っております。
#228
○柴田巧君 是非、この制度がフランスのように数年後に大きな成果が上がるように、いろんな角度からまたチェックもしながら、また新たな手だても講じていただきながら、いい結果をもたらすように努力をしていただきたいと思います。
 さて次に、残りの時間、いわゆる育種研究のことについてお尋ねをしたいと思いますが、改めて申し上げるまでもありませんが、食料の安定供給、食料の自給率の向上や、農産物の地域、産地間競争の強化を図る上でも、育種あるいは新品種の開発、品種改良というのは農業の分野において非常に重要な部分を担っていると思います。
 これまでは、指定試験事業ということで数十年にわたってやってきたわけです。そして、多くの成果を上げてきて、ひとめぼれとかコシヒカリ等の水稲の新品種や、あるいは病虫害の根絶や地域に密着した地域農産物の振興などに大きな役割を果たしてきたわけですが、平成二十二年度にこれが、指定試験事業が実用技術開発事業に移行をするということになりました。
 後でまた時間があればお聞きをしますが、それによって今研究現場では、いろんな動揺が走っているというか、問題が今指摘をされているわけですけれども、いずれにしても、これで指定試験事業をやってきて、私の地元の富山県でもチューリップの新しい品種が三十一もこれによって作られて大きな貢献をしてくれているわけですが、これからも、温暖化に対応したいろんな水稲や果樹の新品種の育成とか、あるいは遺伝資源を活用した地域特産物の振興も欠かせないわけで、この優良品種の開発は農業政策の根幹だと思われますから、長期的かつ国際的視点に立って戦略的に推進をしていくということが大事だと思います。
 先般も、作物育種研究の今後の進め方というのはまとまりましたが、なかなか余り、ちょっとインパクトに欠けるんではないかと正直思いますが、いずれにしても、こういったことも踏まえてどのように取り組んでいかれるか、基本的なことをお聞きをしたいと思います。
#229
○国務大臣(郡司彰君) 今委員の方からの質問の中で、私どもの基本的な考え方そのものも述べていただいたのではないかなというふうに思っております。
 国内だけを見ると少子高齢という言い方をしますけれども、世界的には人口の爆発があって食料の増産をかなり行っていかなければいけない。私ども、先ほど言われたようなことだけでもなくて、パンや中華麺に適したような小麦の品種でありますとか、それからみずみずしさを長く保つためのバレイショでありますとか、いろんな研究をさせていただいています。アフリカで育ったネリカ米とか、そういうような形での国際貢献もしていきたいと思っています。
 それをどうするかというのは、先ほど言われましたように、本年五月に策定をいたしましたけれども、おっしゃったように、その内容をしっかりと長期的に戦略を持って行うという省の姿勢、国の姿勢が大事だろうというふうに思いますので、その視点に立ってこれからしっかりと進めていきたいというふうに思います。
#230
○柴田巧君 そういう中で、大変この実用技術開発事業に移行していろいろ心配、懸念をしますのは、大体、基本的にこういう研究開発とか品種改良、農業技術関係予算が民主党政権になってかなり削られているということなんですね。先ほどの農業土木、農業農村基盤整備事業もそうですが、目の前のことにきゅうきゅうとして、長期的に一番基となる、ベースとなるところを大変おろそかにされているという気がしてならないのでありまして、二十一年度に農業技術関係予算というのは八百七十一億ありました。今、これだんだん減って、二十四年度は七百二十六億しかありません。百五十億もダウンしているんですね。欧米の国々は二〇二〇年度までに倍増させようと、研究開発費を、農業の、しているのに比べると随分見劣りがするんじゃないかと思います。
 この実用技術開発事業も昨年度から始まりましたが、昨年度はまだ五十一億あったのが、今年度はもう三十八億。五十二億か、三十八億に大幅に減少していて、こんなことでは、これまでやってきたいろんな品種改良が本当にできるのかどうかというのは、非常に研究現場は大変心配、懸念しているということなんですね。
 育種研究は、一度中断してしまうと出るべき成果も出ないというのがこの世界の常識なわけで、元の水準には簡単には戻らないわけですね。したがって、こういうふうに大変削減されてきておるわけですが、本当に予定どおり育種研究がこれからも進むのかどうか。影響を与えるのではないかと心配ですが、お尋ねをしたいと思います。
#231
○大臣政務官(森本哲生君) この事業につきましては、委員御指摘のとおりでございます。
 そんな中、二十三年度採択した育種研究の課題については、やはり予算の効率化、そうしたことを精いっぱい図りながら、育種には一定の期間も掛かるということも十分考慮させていただいておりますが、引き続き頑張っていかなければならないというふうに思っております。地域の研究機関に対する影響が大きく出ないように、私ども精いっぱい頑張ってまいります。
#232
○柴田巧君 まあ、どう実際頑張られるのか、予算削られた中で、大変理解に苦しむ答弁でしたが。
 それと、やはりもう一つ、この指定試験事業から変わって、これまでにないのは、研究期間、成果を出す期間が、試験期間が五年から三年に短縮されたというのは、私はこれは大問題だと思うんですね。
 今年、例えばチューリップでいうと、赤い糸とか春の火まつり、今年認定されました。これらは二十年から三十年掛けて研究開発されてきたんですね。咲き方や病気への耐性とか試験などを積み重ねて商品化をするので、品種改良というのはそんな数年でなかなか目的は達成できません。したがって、やっぱり長期的に取り組まなければならない育種というのはあるわけで、そういったことからも、育種の特殊性やあるいは作物の特性を考慮した試験期間を担保した事業にやっぱりするべきではないかと思いますが、その点はどのように考えておられるか、お尋ねをします。
#233
○国務大臣(郡司彰君) 私もつくばでございますので、統廃合の現場も見てまいりました。できるだけ、管理部門その他のことで詰められるものについてはこれは詰めていっても仕方ないところがあるかもしれません。しかし、研究の部分については、今おっしゃったように、なかなか何年後に成果がありますよというような形での研究ではなくて、長い月日の中でいつか出てくるということもあって、しかしそれが大事だということもあります。
 私ども、しかし、今の考え方を受け入れる形で、国そのものとしての、総合技術会議の中などでもグリーンイノベーション、ライフイノベーション等がありますけれども、それはやっぱり農林水産業も大変関係をしているんだと、こういうつもりでしっかりと国全体の中での予算配分、そして、その中で私どもの省の中でもしっかりと考えさせていただきたいというふうに思っております。
#234
○柴田巧君 これで終わりますが、とにもかくにも、新規就農にしても、この育種研究、農業技術、研究開発にしても、農業をやっぱり成長産業化させていく上では大変重要な部分だと思いますので、安易に何もかも削ればいいということではなくて、十分そこら辺を踏まえて事業を展開していただきたいと思います。
 これで終わります。ありがとうございました。
#235
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。田村智子さん。
#236
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 社会保障と税の一体改革と称して十三兆五千億円も消費税を増税するという法案がこの国会でまさに審議中で、その中では、社会保障分野でも国民の更なる負担増はやむを得ないという答弁が繰り返されています。
 その一方で、政権交代後、一旦予算執行が停止された巨大公共事業が次々と息を吹き返しています。その一つが総事業費八兆円、残事業で三・三兆円の大都市圏環状道路整備事業です。この事業費用の相当部分を占める東京外郭環状自動車道、関越―東名間十六キロですね、この自動車道は一九六六年に計画をされましたが、地元自治体や住民の皆さんの強い反対で四十五年以上が経過してもなお道路の建設に着工できていないという、そういう高速自動車道路です。
 国土交通大臣にお聞きをいたします。消費税増税さえしようというときに、そして社会保障に必要な費用がこれから十数年間でピークを迎えようというときに、僅か十六キロの高速自動車道路を造らなければならないと。その理由は何か、お答えください。
#237
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをいたします。
 東京外環、関越から東名は、首都圏三環状道路を形成し、首都圏の慢性的な渋滞の改善、物流機能の向上、災害時の緊急輸送路として活用が見込まれるなど、首都圏の国際競争力の強化はもちろんのこと、その整備効果は首都圏以外にも広く波及するものと考えております。
 このため、平成二十一年五月に事業化し、これまで調査設計や用地買収を進めてきたところでありまして、引き続き整備の必要性や効果について国民の皆様に十分説明しつつ、併せて設計、工事の段階でもコスト縮減に努めながら整備を進めていきたいと考えているところであります。
#238
○田村智子君 渋滞の解消ということなんですけど、国土交通省の交通量調査でも、例えば二〇〇五年と比べて二〇一〇年、全国的に自動車の交通量というのは減少していると。東京でいっても、東京都は三環状道路のうち圏央道は通りました。首都高の環状線も通りました。これで相当に渋滞は解消されているという評価もしているわけですね。更にもう一本巨額の予算を使って造る必要があるのかと、こういう疑問の声が起こります。
 また、近年は災害対策だというふうに言われていますけれども、地下四十メートルよりも深いトンネルの高速道路なんですね。これは資料で今お配りしていますので見ていただきたいんですけれども、地下四十メートルですよ。これは大きな災害が起きたら当然進入禁止になるでしょう。それで避難に使えないと。しかも、地上の道路と違いますから、災害後も各地域、例えば避難所へのアクセス、この道路からやるということはほぼ不可能じゃないかと。これは私だけが言っているんじゃないんですね。馬淵元国交大臣が御自分のホームページの中で私と同じことを指摘をして、むしろ一般道路の沿道建築物の耐震強化、不燃化の方が重要ではないかと、こういうコメントも述べられていて、私、そのとおりだなというふうに思います。また、これをお聞きしても、また渋滞緩和だと、あるいは競争力の強化だと。もう東京の一極集中の方を解決するということが今最も重要な課題じゃないか、この問題提起はしたいと思います。
 もう一点お聞きしたいんです。
 実は、東京都は二〇二〇年に東京にオリンピックを招致する、このこととの関係でこの東京外環道路が必要だと、こういうアピールもしているんですね。都民の支持も十分に得られていないし、開催ももちろん決定していない。このオリンピックが道路建設の口実になるというのは、私はいかがなものかと思っています。
 そこで、確認をいたします。東京外環道は二〇二〇年の夏のオリンピック開催に間に合う計画なのか、完成予定は何年何月なのか、お答えください。
#239
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきたいと思います。
 東京外環、関越―東名は、首都圏の慢性的な渋滞の改善などを図る上で重要な道路であり、二〇二〇年、平成三十二年のオリンピック開催地に東京が立候補していることも踏まえ、でき得る限り早く完成させたいという思いはありますが、高速道路会社への事業認可では、工事完成予定を平成三十三年の三月三十一日としているところであります。工程的には大変厳しいというふうに分かっておりますけれども、東京都から強い御要望もいただいており、関係機関とも調整しながら、できる限り早くしたいというふうに考えております。
#240
○田村智子君 そうなんです。オリンピックに間に合わせようと思ったら、完成予定を八か月ぐらい前倒ししなきゃいけない。オリンピックに間に合うなんて保証は何もないわけですね。
 建設費用についてもお聞きをいたします。この東京外環十六キロ、六車線の巨大なトンネルを二本掘ると、こういうものです。総事業費は一兆二千八百億円、そのうち中日本高速道路株式会社及び東日本高速道路株式会社、NEXCOというふうに訳します、この負担分は二千四百六十億円、残る一兆三百四十億円は全て税金だとされています。
 この大都市圏の環状道路の整備事業ですけれども、同じように整備される新東名や新名神には税金の負担分はありません。なぜ東京外環だけ事業費のほとんどが税金の負担だというふうにされたのか、お答えください。
#241
○政府参考人(菊川滋君) お答え申し上げます。
 東京外環、地元の皆さん方から、いろいろ調整をいたしまして、住環境等に配慮をいたしました結果、全線が今お話がありましたように大深度の地下構造となりました。したがって、ほかの高速道路より高い事業費ではありますが、首都圏の慢性的な渋滞の緩和などの……(発言する者あり)何ですか。
#242
○田村智子君 何で税金で……
#243
○委員長(山本順三君) 答弁を続けてください。
#244
○政府参考人(菊川滋君) はい。
 首都圏の慢性的な渋滞の緩和に、それに大きいと考えております。
 税負担という関係でございますが、元々、平成二十一年五月に有料道路事業と直轄事業を併せた事業方式を前提として事業化しておりました。その後、利便増進事業を活用した会社施行方式という整備を提案いたしましたけれども、関連の法案が廃案となりまして、その後、高速道路のあり方検討有識者委員会で整備手法の検討を進めておりましたが、昨年の十二月の中間取りまとめにおきまして、この外環については有料整備を基本とし、不足分は、事業主体の責任を明確にしつつ、税負担を活用とされたところでございまして、これを踏まえて整備手法を決定したところであります。
#245
○田村智子君 これ、答弁聞いてもよく分からないんですけれども、私、国土交通省に自分が理解できるように何度もお聞きをしました。
 道路公団民営化の際、高速道路株式会社は、二〇五〇年九月までに料金やサービスエリアなどの事業収入と建設や補修などの支出とでバランスを取る。二〇五〇年、平成六十二年ですね、この九月の時点で黒字にも赤字にもしないと、こういうことが定められているということなんです。全国の高速道路で得られる料金収入や事業収入、今後二〇五〇年までの三十八年間分を充てても、東京外環道を造ると一兆円を超える赤字になってしまう、それを赤字にしないために税金を充てると。事業費がもし一兆二千、三千億ちょっとですか、これに収まらなかった場合、事業費膨らんだ場合も全部税金で負担する、こういうことになるわけです。
 実は政権交代前、こうしたやり方を民主党の議員、先ほど紹介した馬淵さんとかですね、これ厳しく批判していたんですよ。大臣、こんなやり方認めたら、NEXCOはこれから採算度外視してどんどん道路造れるようになっちゃうじゃないですか。赤字にしないために赤字分は全部税金で負担する、こんなやり方、私、モラルハザードだと思いますけど、いかがですか。
#246
○国務大臣(羽田雄一郎君) 従来のいわゆる合併施行方式は有料道路事業と公共事業の責任分担が曖昧であったことから、高速道路のあり方検討有識者委員会の中間取りまとめを踏まえて、ジャンクションの周辺など工事を有料道路事業、その他を直轄事業とすることを基本として、責任分担を明確化した上で事業を実施するということにした次第であります。
 あとは……
#247
○田村智子君 もういいです、答えられないならいいです。
 お答えになれないんですよ。一兆円ものお金を入れるんですよ。新東名や新名神は入れないんですからね。何で東京にだけそんな税金を入れるのかという話になると思います。
 私、東名ジャンクションの予定地の世田谷区の喜多見の地域訪ねて、住民の皆さんからも直接お話をお聞きしました。この東名ジャンクションのところからちょっと高いところに、すぐに成育医療センター、子供さんの病院です、これ見えます。このジャンクションに換気塔を造ると、ちょうどその排気ガスが出るところが成育医療センターと同じ高さになっちゃう。これで子供たちの病院の環境が守れるんだろうかと。あるいは、周辺、すぐそばに学校あります。ぜんそくの子供さん増えています。もっと環境が悪化するんじゃないかと、大変に皆さん心配をされていました。また、このジャンクション、野川が流れているんです。川が流れています。そこの遊歩道、ここは早朝にはカワセミなど野鳥に会える場所だと、これこそ子供たちに残すべき財産だと、こう訴える方も何人もおられたわけですよね。
 やはり、今こんな巨大高速道路を造って、わざわざ一兆円投じて東京の環境をもっと悪化させる、こんなことやるべきなのか。消費税の負担お願いしているときですよ。やっぱり、これは私、立ち止まって、事業の中止もこれは判断すべきときだということを強く要望したいと思います。
 今日は、あわせて、外環ノ2の計画についても是非お聞きをしたいと思っています。
 東京外環道、これ計画当初は地下ではなくて高架で造る予定でした。高架で造れば、そのたもと、その高架の下をどうするのかと、下にもこれは外環ノ2という道路を造ろうという、これが四十五年前の計画だったんです。しかし、本線は地下に変更されました。当然、地上部の道路計画というのは白紙になったと、これは多くの住民の皆さんが、圧倒的な住民の皆さんがそう思っていました。
 ところが、いまだにこの地上部の計画が残っていて、東京都は現在、武蔵野市、練馬区、杉並区で話し合いの会というのを持って、この地上部をどうするかというのを地域の住民や沿線の町会、商店会の皆さんなどから意見を聞いているところです。ところが、この話し合いの会をやっているさなか、この七月の十八日に突然東京都は練馬区大泉の一キロメートルについて事業認可申請を提出をいたしました。住民にとってはまさに寝耳に水です。一体何のための話合いなのかと強い抗議と怒りの声が上げられています。私、これは道義的にも反していますよ。住民に対する裏切りです。国は事業認可をすべきではないと思いますが、大臣、いかがですか。
#248
○国務大臣(羽田雄一郎君) 外環ノ2は、昭和四十一年に高速道路の外環本線とともに都内の都市計画道路ネットワークの一部として決定された延長約九キロメートルの都市計画道路であります。平成十九年に外環本線が高架方式から地下方式に変更されたことを踏まえて、都は、外環2の必要性や在り方について広く意見を聞きながら検討を進めてきたというふうに認識をしております。
 このうち、大泉ジャンクション地域の一キロ区間については、その整備により、当該地域の南北道路ネットワークの強化、良好な都市環境の創出、地域の防災性の向上等が図られることから、都は、今年三月に事業化について地元への説明を行い、整備に着手することとしたと聞いております。なお、残る八キロについては引き続き話合いを進めていくものと認識をさせていただいております。
 現在、審査を行っているというふうに聞いておりますので、認可の可否について申し上げる段階ではないということであります。
#249
○田村智子君 確認しますが、これは外環ノ2の道路の一キロ分として事業認可申請をしているわけですよね。
#250
○政府参考人(加藤利男君) お答えいたします。
 そのとおりでございます。一部でございます。
#251
○田村智子君 これ、話し合いの会には国土交通省も正式な構成員として参加をしているんですよ。何のための話合いなのか。東京都は、道路を造るための説明会やっているわけじゃないんですよ。計画に沿って道路と緑地を整備するという案、計画を縮小して車道と歩道を整備する、もっと狭い道路ですね、これを造るという案、そしてもう一つ、外環ノ2の都市計画を廃止するという考え方を示して話合いをやっているんですよ。まさにやっているんです。もうこれは話合い終わったということなんですか。外環ノ2は道路建設するということなんですか。どうなんですか、国土交通省。話し合いの会に出ているんですから、お答えください。
#252
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣から御答弁がございましたが、九キロのうち一キロについては、今申し上げたように……
#253
○田村智子君 外環ノ2ですよ。
#254
○政府参考人(加藤利男君) 外環ノ2ですね。外環ノ2の残る八キロについては、それをどうするかという議論には影響を与えませんものですから、それは引き続き話合いを継続していくというふうに認識をしております。
#255
○田村智子君 これは、皆さん、おかしいですよね。おかしいですよね。道路というのはつながって道路でしょう。たった一キロだけ事業認可して、あとは分かりませんと、どうなるか分かりません。こんな無責任な事業の申請のやり方もないし、これ認可するなんていったら、私は、国土交通省は何のために話し合いの会に入っているのかと、住民に対する裏切りを国土交通省自身がやるということになると思いますよ。
 実は武蔵野市議会は、これは事業申請を出す前ですけれども、東京都のこの動きに対して看過できないという立場で、話し合いの会の意見を尊重するよう求める、こういう意見書を全会一致で六月末にこれ議決をしています。
 私も、議員になる前ですけれども、地上部の道路建設の計画がある地域、全部見て回りました。ほとんどは閑静な昔からの住宅街です。子供たちが路地裏で遊ぶという日常がある、そういう地域なんです。小中学校もある、大学もある、湧き水の池や公園もあると。それらを潰して、あるいはどかして、今どき大きな道路をまだ都内に造ると、こんなこと考えられないです。
 これ、大きな道路を造られたら町が分断されてしまう、もう四十年以上掛けてつくってきた町を壊さないでほしい、なぜ地上部に新たな道路が必要なのかと、話し合いの会の中では住民の皆さんからそういう声がどんどん出されているさなかです。なのに、一キロの部分を事業認可すれば、当然ほかの部分の圧力になるじゃないですか。一キロ造ったんだ、つながらなかったら道路の役割を果たさないと、そういうことになってしまいますよ。東京都も、意見は聞いたけれども、決定するのは東京都だと。一キロ認可された、じゃ次のところ、次のところと。こういうやり方は、私これ認めるわけにいかないと思いますよ。
 大臣、国交省の立場じゃなくていいですよ、大臣の立場として、政治家として、こういうやり方はいかがなものかと思うんですけど、いかがですか。
#256
○国務大臣(羽田雄一郎君) 国土交通省としてもメンバーに入っているという話でありますし、現在その申請内容については、都市計画法に基づいて、都市計画への適合や事業施行期間等について審査をしていると、こういうふうに聞いております。このように審査を行っているところですので、認可の可否についてどうのこうのというふうに今言える状況ではありません。しかし、しっかりともう一度精査をさせていただきたいというふうに思っております。
#257
○田村智子君 実は、この東京外環道の建設をめぐっては、民主党の衆議院の議員の皆さんやあるいは都議会の皆さんですね、選挙のときには、こういう建設には反対だという立場を明確に表明されて選挙を戦って議員になられた方が何人もいらっしゃいます。地下だって造っていいのかどうかと、造ってほしくないという声がありました。地上部なんて絶対認められないというのが関係する市とそれから区のこれ総意だと思いますよ。武蔵野市からも正式にそういう意見書が上がっている。
 大臣、認可についての是非は言えないということなので、これだけは確認したいんです。話し合いの会やあるいは地元住民の皆さんの意見は尊重すべきであると、このことは明確にお答えいただきたいと思うんですが、いかがですか。
#258
○国務大臣(羽田雄一郎君) しっかりとお話を聞いていくべきだというふうに思います。
#259
○田村智子君 これ、是非大臣も、一兆円ものお金掛けるところですから、現地に行って見ていただきたい。どういう地域に道路を造ろうとしているのか。そして、今これだけ公共事業を次から次からとやって、で、消費税増税なんということをやったら、やはり消費税増税は大型公共事業をいよいよ進めるための増税なんだと言われても仕方のないような、そういう事態になると思います。
 私は、東京外環道の建設は今からでも中止をすべき、外環ノ2も即時これはやめるべきということを求めて、質問を終わります。
#260
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。吉田忠智君。
#261
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 タクシー事業の規制緩和対策について質問をさせていただきます。
 二〇一〇年四月に行われた新潟のタクシー運賃改定に関して、公正取引委員会は、昨年十二月、カルテル行為があったと認定し、新潟交通圏のタクシー事業者二十五社に対し排除措置命令及び課徴金納付命令を出しました。これに対し、十六社が不服として審判を申し立てる事態になっています。資料の一枚目に新潟日報の記事を掲載していただいております。
 規制緩和以降のタクシーをめぐる事業環境の悪化と、それに伴うタクシー労働者の賃金、労働条件の著しい低下を見たときに、今回の公正取引委員会の処分は甚だ疑問であります。
 二〇〇九年には、当時、国土交通委員でもあった羽田大臣も質疑、採決に加わって、タクシー事業適正化・活性化特別措置法が成立、施行されました。お手元の資料の二枚目に法律の概要を付けています。
 今回、新潟の事業者がカルテルと認定されたのは、この特別措置法の施行によって運輸局が定めた自動認可運賃の下限割れとなった状態を是正するために自動認可運賃の枠内に戻る努力を払った行為であります。特措法制定の国会の立法意思にのっとり、国交省の行政指導を尊重し、運輸当局が適正価格と認めた運賃の範囲に変更したものであります。これがなぜカルテルと指弾されなければならないのでしょうか。国土交通大臣の見解を伺います。
#262
○国務大臣(羽田雄一郎君) 公正取引委員会は、新潟交通圏のタクシー事業者二十七社のうち二十六社が平成二十二年の三月に実施した運賃の値上げについて独占禁止法違反であるとして、平成二十三年十二月二十一日、課徴金納付命令等を行ったものであります。事業者側はこれを不服として、運賃値上げはあくまでも運輸局の指導に従い各社個別の判断により行ったと主張をされており、本年二月に審判の請求を行ったという事案でありますけれども。公正取引委員会は職権行使の独立性が保障された独立性の極めて高い機関であり、国土交通省としては、公正取引委員会の独占禁止法の適用に関する個別具体的な判断に対して意見を述べることは差し控えたいというふうに思っておりますけれども。
 ただ、今回問題視されているのは複数のタクシー事業者による共同行為の有無であり、公正取引委員会もタクシー適正化・活性化法に基づく国土交通省の指導や個々の事業者による取組そのものを否定しているものではないということから、国土交通省としては、関係者に御理解と御協力を得つつ、引き続きタクシーの適正化、活性化は行っていきたいというふうに思っているところであります。
#263
○吉田忠智君 国土交通省は、この特別措置法に基づいて下限割れ運賃の事業者に毎月収支報告書等を提出を求め、過度な低価格競争を厳しく監視をしているわけであります。長年にわたる運輸行政の在り方を勘案すれば、タクシー業界としては、運輸当局が自動認可運賃の枠内に入るよう行政指導している、そのように受け止めるのは当然ではありませんか。
 国土交通省はなぜ過度な運賃競争を排除するために積極的に業界を指導したと言えないのでしょう。特措法や、大臣も御賛同になった同法の附帯決議に照らしてみれば、行政指導があっても何も問題はないはずだと考えますが、改めて大臣に伺いますが、いかがですか。
#264
○政府特別補佐人(竹島一彦君) お答え申し上げます。
 端的に申し上げますと、タクシー特措法というのは独禁法の適用除外法ではないということでございます。
 それで、具体的に申し上げますと、自動認可運賃というのがございますけれども、その下限を下回ることもあり得るという制度の立て付けになっているわけでございます。ですから、それを下回ればチェックが厳しくなるということになっていますが、それもありということでございます。したがって、それらの判断は各個別のタクシー事業者が自分で選択すべきものであるわけです。
 ところが、まだ係争中の事件で、今審判の手続に入っていることでございますので、余り詳しいことを申し上げるのはいかがかと思いますが、新潟の場合は、タクシー事業者が共同して自分たちはこれでいこう、小型はこれでいこう、大型はこれでいこうということを協議して決めたという証拠が我々にはあるわけでございます。これは独禁法のまさに違反でございますので、個々のタクシー事業者が自分の判断で選択したものではない、共同してあることを決めるということは、まさに独禁法三条の禁止するカルテル行為でございますので、これはタクシー特措法によって免責されるものではないということでございます。
#265
○吉田忠智君 公正取引委員長がそこまで具体的に言われるのであれば、じゃ、あえてお伺いしますが、この間の規制緩和によってタクシー料金の値引き競争して様々な弊害が出ていることについて、公正取引委員長としてはどのように思われますか。
#266
○政府特別補佐人(竹島一彦君) いわゆる規制緩和、規制改革というもののメリット、デメリットはあるというものは、私も同じように考えております。タクシーの場合も、その中では特に厳しいと、労働条件等々大変厳しいと、需給ギャップも大きいということも承知しております。そういうことを踏まえてタクシー特措法というのが制定されたということも知っております。
 しかしながら、そのことと、独禁法違反事件があるにもかかわらず、それゆえに法の適用を見合わせるということは、それはできないということでございます。
#267
○吉田忠智君 労働条件が厳しいと言われましたが、この三枚目の資料に付けていますけれども、最低賃金法の違反率の推移ですよ。左側が全労働者の違反率、右側がハイヤー・タクシー事業に係る最低賃金法の違反率の推移、もう群を抜いて高いんですよ。
 少なくとも、新潟のタクシー事業者の皆さんも、国交省のこの法律、特措法に基づく枠内でこうした労働者の賃金や勤務労働条件の実態改善をする努力をしようという中で、今回の料金改定でもある、そして国交省の指導の枠内であるというふうに私は認識しておりますけれども、その点、いかがですか、委員長。
#268
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 新しい自動認可運賃になりまして、さてどうしようかということになったわけでありますが、新潟の場合は、先ほどちょっと申し上げましたように、新潟ではこれでいこうということを共同して決めたわけです。
 具体的には、小型車については、新自動認可運賃における下限運賃、それで初乗り距離短縮運賃は設定しない、二つ目、中型車については下限運賃、三つ目、大型車については上限運賃、四つ目、特定大型車については上限運賃、これでいこうということを決めたわけでございます。これはまさに価格カルテルそのものであります。
#269
○吉田忠智君 今回のことを心配した新潟県の泉田知事が公正取引委員会へ、運賃改定は理解できる、カルテルに問うべきではない旨の意見書、これ四枚目の資料ですけれども、を出され、新潟市の篠田市長も同様の要望書を出されているわけです。新潟県民、市民の皆さん、つまり消費者も、今回の運賃改定は理解され、支持されているわけであります。
 公正取引委員会はこうした実情を認識されておられるわけですか。認識しているとすれば、それでも今回の処分に正当性があると考えておられますか。
#270
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 再三申し上げていますように、こういう御要望なり御意見が出ていることも、当然、私も読んでおります。
 ただ、そこで言っておられることは、その自動認可運賃に収まっているではないかという、その答えだけ触れておられる。それ以上のことは知事さんにしても市長さんにしても御存じないのだからしようがないと思いますが、ところが、我々には別な証拠があって、そういうことは自分たちでそれぞれ個別、独立に決めるべきものなんです。それを、タクシー業界、協会を舞台にして、その二十何名の事業者が、自分たちはこれでいきましょうと、それまではばらけていたものを今度はこれでいきましょうと、さっき申し上げた小型は幾ら、そういうことを決めるということが、これは独禁法違反であると。これはタクシー特措法と何ら矛盾するものではないと、そういう整理でございまして、結果が同じだからいいじゃないかということではないんです。その決め方の問題です。
 現実に、今まではばらつきがあったということなんです。ばらつきは新しい特措法の下でも認められているわけです。それはまさにそれぞれの事業者の判断。それを共同してこれでいこうということを、自分たちは下限にする、これは中型、大型は上限にしようと、自動認可運賃の、そういうことを共同して決めるというのがまさにカルテルだと。これは特措法が、これもいいじゃないかということを書いてあるわけでは全くありません。そういうものは書かれるはずもないものでございます。
#271
○吉田忠智君 この特措法の趣旨は、様々な規制緩和対策、様々な問題が出てきましたから、こういう最低賃金も含めて。それはやっぱり協議会をつくっていろんなことを話し合っていきなさいということも含まれているというふうに私は理解しているんです。その点は、国土交通省、どうですか。それに対する、公取の委員長に対して反論はありませんか。
#272
○国務大臣(羽田雄一郎君) 公正取引委員会は職権行使の独立性が保障されており、独立性の極めて高い機関であります。国土交通省としては、公正取引委員会の独占禁止法の適用に関する個別具体的な判断に対して意見を述べることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
#273
○吉田忠智君 私は、それではこの特措法の趣旨が生かされない、そのように思います。
 公正取引委員長の見解はそういうことかも分かりませんが、私は、これはやっぱり非常に、なかなか判断が難しいところじゃないかと思いますよ。やっぱりグレーに属するところじゃないかと思いますよ。やっぱりタクシーの規制緩和のために、一番労働者の中でタクシー運転手、労働者の皆さん厳しいわけですから、公正取引委員会としても、そういうところまで含めて私は判断すべきだと思いますが、その点いかがですか。
#274
○政府特別補佐人(竹島一彦君) せっかくの御指摘ですが、それは、いろんな独禁法違反をやっておる業界というのは、みんなそれぞれ苦しい、苦しいから、ある意味じゃ独禁法違反もやっちゃったということもたくさんあるわけでございまして、その情状酌量というような考え方、特にハードコアカルテルと言いまして、カルテル、談合というのは、日本もそうですが、諸外国においても、これは情状酌量の余地のないもの、当然違法というふうにされている一番独禁法において非難される行為なんです。
 したがって、お気持ちは分からないでもないですが、そういうことを我々が知らないわけでもないです。さりとて、具体的な違反の事実があって証拠もあるときにそれを見過ごすというのは、公正取引委員会が取るべきことではないということは御理解をいただきたい。
 それから、先ほどちょっと協議会のことを申し上げましたが、私の理解は、協議会は共同減車についての協議会であって、料金を幾らにしようかということを協議会で決めていいという立て付けにはなっていないと理解しております。
#275
○吉田忠智君 経営者が集まって話し合うときに、それはパッケージですよ、それは。それは減車もそうでしょう。減車も、何か台数を減らすのも公正取引委員会が注意したって聞いているじゃないですか。増え過ぎたから、規制緩和で、タクシーの台数は。これ悪いんですか、話し合って進めるのが。
#276
○政府特別補佐人(竹島一彦君) そういう計画を作ることはいいんですが、それを通り越して、A社は何台減車すべき、B社は何台という割当てをするということになりますと、これはタクシー特措法で認められるものではありません。独禁法で違反になります。
#277
○吉田忠智君 具体的に減車をしようと思ったら、そういう方法、それぞれ勝手に減車してくださいとかいうこと、話にならないでしょう、それは実際、減車をするのに。
 その点、大臣、減車の話ですが、いかがですか。
#278
○国務大臣(羽田雄一郎君) 平成二十三年十二月二十一日に課徴金納付命令等が発出された際に、各社ごとの減車割当て台数等について事業者間で繰り返し話し合っていた行為が認められたとして、独占禁止法違反となるような行為を今後行わないよう注意する旨の文書が発出されたということは承知をしているところであります。
 そういう中で、ただ、今回の問題とされているのは複数のタクシー事業者による共同行為の有無ということでありまして、公正取引委員会もタクシー適正化・活性化法に基づく国土交通省の指導や個々の事業者による取組そのものを否定しているものではないことから、国土交通省としては、関係者の御理解と御協力を得つつ、引き続きタクシーの適正化、活性化は着実に行っていきたいというふうに思っております。
#279
○吉田忠智君 私は、今回のことはタクシーだけの話ではないと思うんですね。いわゆるこの間の規制緩和が様々な面で影響が出てきています。バスもそうですよ。だから、公正取引委員会もそういうことも含めてやっぱり判断してもらわないと悪いと思うんですよ。
 その点はどうですか、公正取引委員会。答えはないですか。
#280
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 先ほどもお答えしたかと思うんですが、公正取引委員会はまさに独禁法を厳正に執行する役所でございまして、それ以外のことについては、やっぱりそれぞれの役所というのがあってそれぞれの政策が講じられているということでございます。
 したがって、さっき申し上げましたように、特にハードコアカルテルであるカルテル談合について情状酌量というようなことは、やっている国はどこにもありません。日本も同じです。
#281
○吉田忠智君 じゃ、公正取引委員長として、今回の特別措置法の趣旨が生かされるためにはどうあるべきだと思いますか、どうしたらいいと。
#282
○政府特別補佐人(竹島一彦君) そういう意味では、委員、今の特措法のフレームワークまだ緩いんではないかと、もっとぴしっと料金でも減車でもできるようにすべきだという問題意識をお持ちなのかと思いますけれども、そういうところからすると緩いのかもしれません。
 それはまさに政策判断の問題でございますので、公正取引委員会としては、この特措法のときに法案協議は受けておりますけれども、こういうことであれば了解いたしますということで我々も了解しているということでございまして、それが強いか弱いか、この法律の強制力といいますか、執行力がどうかというようなことは、これはまさにそれぞれのところで御議論をいただくべきことであるというふうに思います。
#283
○吉田忠智君 今日は、私が予想した以上に公正取引委員長、率直なお話をしていただいたと思っています。まだかみ合わないんですけれども、これからまたちょっと私もしっかり勉強して調べて、これからまた見解をお伺いをしたいと思います。
 また、大臣も是非、やっぱり法律を作った責任があるわけですから、そういうことも含めてしっかり踏み込んだ検討をされるように要請をしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
#284
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。舟山康江さん。
#285
○舟山康江君 先週発足したばかりの新会派、みどりの風の舟山と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 今日は、いよいよ質問の最終バッターということで、皆様お疲れかもしれませんけれども、是非最後までお付き合いいただきたいと思います。よろしくお願いします。
 増税の前にやるべきことの一つとして、国が十分に活用できていない国有財産というものがございます。例えば、これ財務省所管のものもたくさんありまして、例えば相続税の物納財産、これ五月三十一日現在の台帳価格でありますけれども、九百八十一億円あります。こういった国有財産の処分を早急に進めるということが是非とも必要ではないかと思いますけれども。
 この中で、国有農地等というものもあります。国有農地等というのは国有農地と開拓財産に分けられますけれども、国有農地、これは国が小作人への売却を目的として地主から、まあ半ば強制的に買収した農地、開拓財産は開墾して農地とする予定で買収した山林原野でありますけれども、これは基本的には買収して売渡しを目的としたものですけれども、まだ売渡しできずに国有地として残っているものが平成二十二年度末で四千三百四十三ヘクタールあります。実は、このうち全国平均で八六%、約九割が不動産登記も境界確定もされておりません。
 そもそも表示の登記というのは権利の登記とは異なりまして、必ず行われなければならないとされておりますけれども、まだ約九割がそういった登記も確定もされていない、要は、管理が十分でなかったということが言えるのではないかと思います。戦後六十数年たっていまだにこんな状況だと、ますます年数がたてばたつほど権利関係は複雑になりますし、大変困難を極めていくのではないかと思います。しかも、実はこれ、全国平均で、どうせ山奥の買手も付かないような山林原野だからというような御意見もあるかと思いますけれども、実は東京都、政令市の方が境界未確定、若しくは登記未了というものが多いという現状もあります。
 この現状につきましての大臣の御認識、これからの対応方向、現在までの進捗状況について、まずはお伺いしたいと思います。
#286
○副大臣(岩本司君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、平成二十二年度末で国が所有する農地のうち約三千六百七十ヘクタール、約九割が境界確定又は土地登記を終えていないところであります。こうした状況を鑑みまして、国といたしましては、処分の加速化を図るために、平成二十三年度から、国が自ら測量、境界確定及び土地登記を行う事業を創設いたしまして、平成三十一年度までに処分不能な国有農地をゼロにすることを目標として、現在取り組んでいるところであります。
#287
○舟山康江君 どうなんでしょう、その事業を進めていただいているというのは大変いい方向だと思いますけれども、例えば山林原野でもうほとんど買手が付かないような、正直、農業上の利用若しくは転用利用の可能性もないような、そういった土地についても果たして調査をすることの効果、費用対効果があるのか、こういった視点も十分考えていただかないと、とにかくお金を掛けて調査をしたはいいけれどもほとんど何の利用もないということでは、まさに財産の有効活用のための事業推進ということにならないと思いますので、是非そこもしっかりと考えた上で、計画的に今後の調査を進めていただきたいと思います。
 続きまして、この国有農地等については貸付けを行っているものも幾つかあります。貸付けには農耕貸付け、転用貸付けがあるんですけれども、この貸付けを行っている国有農地等の管理に当たって、例えば本来徴収すべき使用料が長期にわたって滞納されている事例、貸付条件違反をそのまま放置していた事例等がありまして、これにつきましては、平成二十年度の会計検査院の調査で改善するようにと指摘をされております。
 処理基準などは作成したようでありますけれども、当時、使用料の長期滞納約二億円、延滞金を含めますと三億円超の本来徴収すべき未納分があるということでありましたけれども、その後の対応はどのようになっているんでしょうか。こういった問題は解決に向けてしっかりと着実に動き出しているんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
#288
○国務大臣(郡司彰君) 今御指摘をいただきました国有農地のうち、耕作目的で貸付けを行っているのは百二十一ヘクタール、約三%に該当するようなものでございます。
 これは御存じのことだというふうに思いますけれども、昔の農地改革によりまして国が買収を行った当時からの貸付地ということになるわけであります。買収後直ちに借受人に売渡しを行うべきところでございましたけれども、自作農創設当時、法律ができ上がっておりまして、その下で経営規模が零細な借受人、例えば北海道では五反歩未満とかいろんなところの基準がありますけれども、売り渡せないこととされていたため、貸付けを行い、その後農地法の下で面積は変更をされたというものでございます。自作農というものをつくる農地改革の当時の考え方が継続をされてきて今に至っているということでございます。
 しかしながら、二十一年の農地法改正において、自作農創設目的に限らず売渡しができることになりました。したがいまして、国有農地の早期処分を進めることといたしておりまして、原則として借受人に対して買受けの意向確認を行うということをやっております。優先的にその方に売り払うことによりまして処分を促進をするということを今やっているところでございます。
#289
○副大臣(岩本司君) 平成二十一年度に農地法関係事務に係る処理基準について、これ事務次官依命通知でございますけれども、これを改正しまして、貸付状況について毎年情報を収集いたしまして、問題がある場合には貸付条件の履行を求め、また履行が不可能な場合には国有財産貸付契約解除通知書、これを送付しまして貸付けを解除するという解除基準を定めまして、国有農地の管理を委託している都道府県知事に対しまして周知をいたしたところであります。
 これらの取組を通じまして不適切な貸付事案の解消に努めてはいるところでありますが、平成二十一年以降に是正が図られたものは二十七件中八件に上っているところであります。
#290
○舟山康江君 やはり、違反してそのまま違反し得のようなことがあっては、これ絶対におかしいと思います。八件改善がされたというのは一歩前進かもしれませんけれども、やはりこういった違反案件につきましてはしっかりと、これ都道府県への法定委託事務になっておりますので、なかなか現場の都道府県がやはり前面に出て嫌なことはやりにくいというような思いも多分あるんだと思います。ですから、国が直接どこまで関与できるのか、そこも含めてしっかりと対応していただきたいと思います。
 それから、先ほど先に郡司大臣から次の質問のお答えも少しいただいたようでありますけれども、実は、農耕貸付地、適正に農業上の利用が行われている、善良に耕作が行われている貸付地というのもありまして、これについては、先ほどお答えいただきましたように、借受人が優先的に買い受けることができるようになっているということでありますけれども、実は、市街化区域内農地、東京二十三区ですとか市街化区域内農地については、これ借受人が買えないような状況になっております。
 いわゆる市街化を促進すべき地域だということで、結局、不要地認定をして、旧所有者若しくは一般競争入札でということになると思いますけれども、今都市農業の重要性が大分うたわれているような状況の中で、現況が農地でしっかりと農業上の利用がされているような土地につきましては、やはりしっかりともう一度位置付け直して、借受人が買えるような、若しくは利用し続けられるような、そういう仕組みを御検討いただくべきだと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
#291
○副大臣(岩本司君) 都市農業振興の在り方を検討するために、昨年十月に都市農業の振興に関する検討会を立ち上げまして、有識者、また都市農業者の参集を得まして八回にわたって議論をしたところであります。
 検討会におきましては、都市農業の役割に対する期待の高まりを踏まえまして、更なる国民理解の醸成や支援が必要である、また土地利用規制や税制といった制度面では関係省庁を含めて引き続き議論を深める必要があると、こういった意見が出されておりまして、現段階における議論を整理しまして、近く中間的な取りまとめを行う方針であります。
#292
○舟山康江君 一般論はよく分かりますけれども、このいわゆる国有農地についての扱いについてもしっかりともう一度再検討する必要があると思います。
 これは、ある意味では都市計画法上の位置付けと農振法上の位置付けをきちんと整理し直すと。総合的な土地利用法制をやはり作る必要というのもあると思いますけれども、そういう中で、市街化区域内の農地であってもきちんと農業上の利用がされているようなところについて、その耕作者、借受人がしっかりと耕作し続けられるような、やはり今、農地を農地としてきちんと守ることの重要性というのは今までにも増して大きくなっていると思います。そういう観点で、是非この都市地域の農地についてもしっかりとした対応をお願いしたいと思います。
 そして、転用貸付けを行っている、これは農耕貸付けと転用貸付け全然違いますけれども、転用貸付けを行っているものの中で、周囲の状況から既に農業上の利用がもう見込めないというところはたくさんあると思います。もう実際に住宅街に囲まれていたりとか、現況が既にもう農地ではなくなっているようなところ、そういうところについては、本当にこれ早急に売却手続をするべきだと思います。
 今、この農地の管理については簿価で行っていますけれども、やはり時価に直した場合には相当な金額、収入が見込めるものもあると思いますし、やはり土地の有効活用という観点でこれについても早急に売却手続を行っていただきたいと、これはお願いしておきたいと思います。
 続きまして、国有林野事業に絡めて、木材価格の低迷についてお聞きしたいと思います。
 最近、木材価格が随分と低迷をしているようでありますけれども、その実態と原因をどうとらえていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
#293
○副大臣(岩本司君) 七月に入りまして、一部の市場では丸太価格の値戻し傾向が見られているところもございますけれども、木材価格低迷の原因の背景といたしましては、木造住宅着工数は増加はしているんですが、一月から五月の対前年比で約四・三%増になっておりますけれども、大手ハウスメーカーに比べますと国産材を比較的多用する大工さんですとか工務店さんの受注が順調ではないこと、また、急激な円高の影響によりまして、外材を使用しました構造用集成材、これが伸びていることなどによる影響が考えられるところでありまして、引き続き情報の収集に努めまして、価格や需給等の動向を注視してまいりたいと思っております。
#294
○舟山康江君 なぜその辺をお聞きしたかというと、国有林野事業が来年度から一般会計化されることとなりました。この際、累積債務一兆円超ありますけれども、これについては国民の負担とせず、林産物収入によって返済するということになっております。材価低迷の中で債務返済に向けて、これ本当に計画的な債務返済ができるのかと、そういう疑問もあります。
 最近の動きを見ておりますと、人件費削減などの努力で随分と林野庁、内部でも頑張っていらっしゃるようでありますけれども、二十二年度末には十億円の償還があって、それでも一兆二千七百八十三億円という累積債務があります。
 私は、本当に林産物収入だけで返済ができるのか。ある意味で、価格の安定に向けて国有林が需給調整の役割も果たしながらしっかりと債務返済をしていく。それからもう一つは、やはり改めて今この林業の役割が、木材供給だけではなくて、多面的機能ですとか、それこそCO2削減とかいろんな役割があるという中で、やはりそれに対する一つの手当てとしてこの林産物収入だけで債務を返済するという考え方で本当にいいんだろうか、そういった多面的な役割に対する評価として何らかの補填等も考える必要があるんではないか、そんな思いもありまして、今後の債務返済に向けての措置、検討状況、お聞かせください。
#295
○副大臣(岩本司君) 委員御指摘のとおり、昭和四十二年から今日まで、林野庁の職員は九割を削減しております。これはもう自民党さんの御努力もあろうかと思います。
 国有林野事業につきましては、国有林野事業特別会計を廃止しまして一般会計に移管する一方、債務を国民の負担とせずに林産物収入等によって返済することを明確にするために、国有林野事業債務管理特別会計を設置いたしまして当該債務を継承することといたしているところであります。
 現在、木材価格が下落している状況も見られますが、世界的には木材資源需給の逼迫も懸念される中、我が国においては中長期的には国有林の資源の充実による収穫量の増加が見込まれるところであります。これに伴う林産物収入の増加と、森林・林業再生プランに掲げた路網の整備等を通じたコスト低減によりまして、平成六十年度までに債務返済に努めてまいる考えであります。
#296
○委員長(山本順三君) 時間が参っておりますので、まとめてください、簡潔に。
#297
○舟山康江君 ありがとうございました。
 国産材の利用促進というものを今まで以上に、やはり国を挙げて、地方公共団体も巻き込んで更に進めていく必要があるというふうに思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 終わります。
#298
○委員長(山本順三君) 他に御発言もないようですから、法務省、農林水産省、国土交通省、警察庁及び裁判所の決算についての審査はこの程度といたします。
 次回は来る八月一日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時七分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト