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2012/08/20 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 決算委員会 第6号
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2012/08/20 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 決算委員会 第6号

#1
第180回国会 決算委員会 第6号
平成二十四年八月二十日(月曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月一日
    辞任         補欠選任
     田城  郁君     有田 芳生君
     行田 邦子君     舟山 康江君
 八月二日
    辞任         補欠選任
     相原久美子君     大河原雅子君
 八月三日
    辞任         補欠選任
     舟山 康江君     谷岡 郁子君
 八月六日
    辞任         補欠選任
     谷岡 郁子君     舟山 康江君
 八月十七日
    辞任         補欠選任
     舟山 康江君     谷岡 郁子君
 八月二十日
    辞任         補欠選任
     丸川 珠代君     高階恵美子君
     横山 信一君     秋野 公造君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                大島九州男君
                今野  東君
                小泉 昭男君
                中川 雅治君
                二之湯 智君
                加藤 修一君
    委 員
                有田 芳生君
                小川 敏夫君
                大河原雅子君
                大久保潔重君
                大野 元裕君
                金子 恵美君
                斎藤 嘉隆君
                安井美沙子君
                青木 一彦君
                熊谷  大君
                高階恵美子君
                塚田 一郎君
                野村 哲郎君
                藤川 政人君
                森 まさこ君
                若林 健太君
                秋野 公造君
                主濱  了君
                外山  斎君
                柴田  巧君
                井上 哲士君
                又市 征治君
                谷岡 郁子君
   国務大臣
       財務大臣     安住  淳君
       文部科学大臣   平野 博文君
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
       農林水産大臣   郡司  彰君
       経済産業大臣   枝野 幸男君
       環境大臣     細野 豪志君
       防衛大臣     森本  敏君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    古川 元久君
   副大臣
       財務副大臣    藤田 幸久君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  稲見 哲男君
       文部科学大臣政
       務官       城井  崇君
        ─────
       会計検査院長   重松 博之君
        ─────
   事務局側
       事務総長     橋本 雅史君
       常任委員会専門
       員        工藤 政行君
   裁判官弾劾裁判所事務局側
       事務局長     石川 隆昭君
   裁判官訴追委員会事務局側
       事務局長     杉若 吉彦君
   国立国会図書館側
       館長       大滝 則忠君
   政府参考人
       内閣官房総合海
       洋政策本部事務
       局長       小野 芳清君
       内閣府政策統括
       官        倉持 隆雄君
       原子力安全委員
       会委員長     班目 春樹君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       清木 孝悦君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       土屋 定之君
       経済産業大臣官
       房総括審議官   北川 慎介君
       資源エネルギー
       庁長官      高原 一郎君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     深野 弘行君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院首席統括
       安全審査官    山本 哲也君
       特許庁長官    岩井 良行君
       気象庁長官    羽鳥 光彦君
       環境大臣官房長  谷津龍太郎君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    梶原 成元君
       環境省地球環境
       局長       鈴木 正規君
       環境省水・大気
       環境局長     小林 正明君
       環境省自然環境
       局長       伊藤 哲夫君
   説明員
       会計検査院事務
       総局次長     斉藤 邦俊君
       会計検査院事務
       総局事務総長官
       房審議官     堀部  貢君
       会計検査院事務
       総局第三局長   小林 誠治君
       会計検査院事務
       総局第五局長   川滝  豊君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十二年度一般会計経済危機対応・地域活
 性化予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(第百七十七回国会内閣提出、第百八十回国
 会衆議院送付)
○平成二十二年度一般会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その1)(第百七十七
 回国会内閣提出、第百八十回国会衆議院送付)
○平成二十二年度特別会計予算総則第七条第一項
 の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管
 経費増額調書(その1)(第百七十七回国会内
 閣提出、第百八十回国会衆議院送付)
○平成二十二年度一般会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(その2)(第百七十七
 回国会内閣提出、第百八十回国会衆議院送付)
○平成二十二年度特別会計予備費使用総調書及び
 各省各庁所管使用調書(第百七十七回国会内閣
 提出、第百八十回国会衆議院送付)
○平成二十二年度特別会計予算総則第七条第一項
 の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管
 経費増額調書(その2)(第百七十七回国会内
 閣提出、第百八十回国会衆議院送付)
○平成二十二年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十二年度特別会計歳入歳出決算、平成二十二年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十二
 年度政府関係機関決算書(第百七十九回国会内
 閣提出)
○平成二十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百七十九回国会内閣提出)
○平成二十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百七十九回国会内閣提出)
 (国会、会計検査院、経済産業省及び環境省の
 部)
    ─────────────
#2
○委員長(山本順三君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、行田邦子さん、田城郁君及び相原久美子さんが委員を辞任され、その補欠として有田芳生君、大河原雅子さん及び谷岡郁子さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山本順三君) 平成二十二年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、平成二十二年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)、平成二十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成二十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二十二年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上六件を一括して議題といたします。
 まず、財務大臣から説明を聴取いたします。安住財務大臣。
#4
○国務大臣(安住淳君) ただいま議題となりました平成二十二年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書外二件及び平成二十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外二件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、平成二十二年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費予算額九千九百九十六億円余について、平成二十二年六月十八日から同年九月二十四日までの間に全額その使用を決定いたしました。その内訳は、優良住宅取得支援事業に必要な経費等の六十二件であります。
 次に、平成二十二年度一般会計予備費予算額三千億円のうち、平成二十二年五月十一日から同年十一月八日までの間において使用を決定しました金額は九百六十一億円余であり、その内訳は、水俣病被害者の救済に必要な経費等の十一件であります。
 次に、平成二十二年度特別会計予算総則第七条第一項の規定により、平成二十二年七月六日から同年十二月七日までの間において経費の増額を決定しました金額は九百十二億円余であり、その内訳は、社会資本整備事業特別会計道路整備勘定における防災・震災対策に係る道路事業に必要な経費の増額等三特別会計の十二件であります。
 次に、平成二十二年度一般会計予備費予算額三千億円のうち、平成二十三年三月十四日から同年三月三十日までの間において使用を決定しました金額は六百八十七億円余であり、その内訳は、災害対策費として、東北地方太平洋沖地震による被災地域の緊急支援に必要な経費等の五件、その他の経費として、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の不成立に伴う参議院議員通常選挙に必要な経費の一件であります。
 次に、平成二十二年度各特別会計予備費予算総額一兆八千四百九十七億円余のうち、平成二十三年二月四日から同年三月十八日までの間において使用を決定しました金額は二十九億円余であり、その内訳は、農業共済再保険特別会計農業勘定における再保険金の不足を補うために必要な経費等一特別会計の二件であります。
 次に、平成二十二年度特別会計予算総則第七条第一項の規定により、平成二十三年二月二十二日から同年三月二十九日までの間において経費の増額を決定いたしました金額は一千五百二十億円余であり、その内訳は、交付税及び譲与税配付金特別会計交付税及び譲与税配付金勘定における地方譲与税譲与金に必要な経費の増額等一特別会計の二件であります。
 以上が、予備費使用総調書等についての概要であります。
 なお、先ほど申し述べました東北地方太平洋沖地震による被災地域の緊急支援に必要な経費とは東日本大震災への対応に係る経費でありますが、予備費を使用した時点において東日本大震災との名称が確定していなかったため、東北地方太平洋沖地震との名称を使用しております。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
 以上でございます。
#5
○委員長(山本順三君) 以上で説明の聴取は終わりました。
    ─────────────
#6
○委員長(山本順三君) これより平成二十二年度決算外二件のうち、国会、会計検査院、経済産業省及び環境省の決算並びにただいま説明を聴取いたしました平成二十二年度予備費関係六件を一括して議題とし、審査を行います。
    ─────────────
#7
○委員長(山本順三君) この際、お諮りをいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#9
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#10
○委員長(山本順三君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○大久保潔重君 こんにちは。民主党の大久保潔重です。
 私は、環境省所管ということで質問をさせていただきます。
 昨年の三月十一日、東日本大震災が発災をいたしました。本当に広範囲にわたる地域の廃棄物、いわゆる災害廃棄物ですね、いわゆる瓦れき、この処理から、特に福島においては福島第一原発、この事故の収束に向けた対応等、細野大臣始め関係の皆さんが常に自分の気力を奮い立たせながら職務に当たられているということにまずもって敬意を表したいと思います。その上で、限られた時間でありますけれども質問をさせていただきたいと思います。
 まず、東日本大震災にかかわるその災害廃棄物、この処理にかかわるいわゆる平成二十二年度並びに平成二十三年度の予備費、それから、昨年には補正予算というのも第四次補正まで組みましたけれども、いわゆる二十二年度、二十三年度の予備費と、それから補正予算、これの使用状況についてまずお尋ねしたいと思います。
#12
○政府参考人(梶原成元君) 廃棄物・リサイクル対策部長の梶原でございます。
 平成二十二年度と二十三年度に係ります予備費並びに災害廃棄物処理に係る補正予算の使用状況についてお尋ねがございました。
 まず、予備費の点についてお答えしたいと思います。
 まず、例年、災害等廃棄物処理事業費の補助金といたしましては、当初予算で二億円ほど準備を、計上させていただいているところでございます。東日本大震災に係る災害廃棄物処理事業につきましては、後ほどちょっと御説明申し上げますが、二十三年度につきましては一次と三次の補正で対応したということで、東日本大震災に関しましては、平成二十二年度、二十三年度共に予備費は一切使用していないというところでございます。それと、東日本大震災以外の災害につきましては、二十二年度につきましては、通常の予算の方で二億円の部分で対応できたため予備費は使っておりませんが、二十三年度におきましては、二十三年八月の末からの台風十二号を始めとした災害の関係で、予備費からは二十三年度十三億円ほど措置させていただき、そのうち十二億円が執行され、約六千万を次年度に繰り越しております。
 次に、補正予算についてお答え申し上げたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、東日本大震災に係ります災害廃棄物処理事業につきましては、その事業費補助金につきましては第一次及び第三次の補正で対応しておりまして、第一次補正予算では三千五百十九億円、第三次補正では三千百三十億円、合計六千六百四十九億円計上し、執行させていただいております。それで、二十三年度の執行状況でございますけれども、二千六百七十六億円が執行され、三千七百二十三億円が次年度に繰り越して平成二十四年度に執行しておるというところでございます。
#13
○大久保潔重君 予備費については、二十二年度は当初予算の範囲内で落ち着いたということですね。昨年は三月にああいう東日本の震災がありましたけれども、夏にはやっぱり台風十二号ということで近畿圏を中心に大規模な被害が生じましたので、その分はかなり対応していただいたということですね。
 それで、東日本大震災に関しては、昨年の補正を組んで、一次、三次補正予算で総額六千億を超える予算規模で対応されているということでありますが、その執行は、約六割程度ですか、繰り越しているということでありますね。これは十分な予算額という認識でおられますでしょうか。
#14
○政府参考人(梶原成元君) 災害等廃棄物処理事業費の予算要求に当たりましては、昨年度の三次の補正予算のお願いをするときに見積もりました処理経費のうち、大体その六割程度を二十三年度に執行すると、二十四年度は三割程度、残り、二十五年度を一割程度処理するという考え方で予算要求をさせていただいたところでございます。
 現在、いろんなデータが、廃棄物のデータあるいは廃棄物の必要処理量のデータとか、あるいは実際に処理が始まってきておりますので、一部見直しというのもこれからやっていく必要があると思いますけれども、私どもとしては十分な措置ができていたというふうに考えてございます。
#15
○大久保潔重君 目標が二十六年度の三月に向けて災害廃棄物の処理をしていくという計画でありますから、そういう中で十分な予算措置をされているという認識だと思います。
 そういう中で、ちょうど一月ぐらい前ですか、これ、新聞報道等でこの被災三県などの瓦れき処理が二割を超したということで、大臣の岩手県でのいろいろ発言なんかも少し問題になったかと思うんですが、現在、二割超であるというこの処理率、これは順調に進んでいるというふうにお考えなのか。それから、先日のその発言の中で、いわゆる広域処理というのを余り積極的にもう進めなくていいというような考えでおられるのか、お尋ねしたいと思います。
#16
○国務大臣(細野豪志君) この災害廃棄物の処理というのは復興の大前提でございまして、非常に多額の予算をこうして確保していただいておりますので、しっかりとやりたいということでこの一年間、私が環境大臣という意味でいうならば、この一年間取り組んでまいりました。
 現段階で、被災三県でおよそ二割強という、こういう数字になるわけでございますが、順調かどうかということで申し上げるならば、今年の年初のことを思えば随分前進をしたという、そういう印象を持っております。これは、民主党はもちろんですが、各党各会派の皆さんに大変な御協力をいただいて、さらには、被災地はもちろんですが、広域処理についても各自治体の皆さんに大変御協力をいただいた結果だというふうに受け止めております。
 ただ、まだ課題もございまして、特に広域処理の部分でございますけれども、大々的に全国に改めてお願いをするという段階ではなくなったと考えています。ただ一方で、具体的な、手を挙げていただいて調整をさせていただいている自治体が、これが前に進まないということになると、また先に延びるということにもなりかねません。
 したがって、ほぼ、どこの自治体に受けていただけるのかという見極めができてきますから、これからはその個別の調整を最後までしっかりやり切ることによって、処理を確実に進めていく段階に来たというふうに認識をしております。
 先日、そういった状況も踏まえまして、工程表を報告を閣僚会議の方でさせていただきました。その中で、中間的な目標といたしまして、平成二十四年度末における処理、処分の割合を約五九%というふうに定めまして、これは岩手県、宮城県の沿岸部ということでありますが、この工程表に基づいた進捗管理を行うことで確実な目標達成を果たしてまいりたいと考えております。
#17
○大久保潔重君 民主党の中にも議員連盟が発足をして、広域処理を進めていこうということで、我々も地元で、特に長崎というのは距離的には一番離れているわけでありますし、特に、そういう被曝性のごみには非常にセンシティブな地域でございますけれども、そういう中で地方議会を通して協力を仰いだりもしましたけれども、なかなか実現には至っていないという事実がございます。
 そういう中で、一歩前進であると、そして二十四年度末には五九%超の目標を掲げているということでありますが、やはりとにかく一日でも早い瓦れきの処理をするということがもう復旧復興の第一歩であるというのは、これはもう間違いのないところでございますので、是非それは進めていただきたいと思います。
 そういう中で、現地にいろいろ仮設の焼却炉が造られたり、あるいは復旧をした例えば岩手県の大船渡の太平洋セメントのいわゆるセメント焼成炉を活用したごみの処理というか、焼却というか、進められているというふうにも聞きます。
 そういう災害廃棄物のいわゆる処理施設、セメント工場、あるいは仮設の焼却炉を含めたその稼働状況、それから、どれぐらいその効率が上がっているのか、そういった認識も含めてお尋ねしたいと思います。
#18
○国務大臣(細野豪志君) まず岩手県でございますけれども、県内のセメント工場のセメント焼成炉に加えまして、市町村等が所有しておりますその他の既存の処理施設十四施設で処理を行っております。さらに、仮設の焼却炉二基を設置をいたしまして処理に取り組んでいるという、こういう状況でございます。
 特に、大船渡のセメント工場というのは、もう本当に初期の段階から非常に大量の処理を進めてくださいましたので、これ非常に助かりました。関係者の皆さんに改めて心よりこの場を借りて感謝申し上げたいと思います。
 次に、宮城県でございますが、こちらはやはり元々量が多いということもございまして、仮設の焼却炉を二十九基整備することとしております。このうち既に十五基が稼働中でございまして、六基が試運転を開始をしているという状況でございます。
 その中で、どうしても東北の場合には、沿岸部で非常に平地が面積としては少ない地域がございまして、なかなかこの仮設の焼却施設を地元で御理解をいただいて設置をできなかった地域というのがございまして、まだ幾つか、八基ほど、今設備を造ったり準備をしたりして稼働していないというものがございますので、これをできるだけ早く稼働させることで被災地での瓦れきの処理を加速化をさせていきたいというふうに考えているところでございます。
#19
○大久保潔重君 やはりこのごみの処理、緊急を要しますから、そういう地形的な要件等も勘案しながら機動的に仮設を設置してやっていくというのも非常に大事なことだろうと思います。
 一方で、セメント工場が東北にも数軒あるわけでありまして、基本的に仮設の焼却場とセメント工場の大型焼成炉とどう違うかというのは、仮設の焼却場は処理が済めばもうこれは要らなくなりますから、当然解体撤去しないといけなくなりますね。これは、もう仮設の焼却場はその瓦れきを燃やすだけであります。しかし、セメント工場で焼却するということは、いわゆる可燃ごみの九割は熱利用で使えるし、一割はこれセメントの材料になるわけですね。完全なこのリサイクルができるということも含めますと、さらにですよ、太平洋セメント一号、五号キルンで一日七百五十トンも処理ができるという物すごいこの処理量だと思います。
 そういうことを考えれば、以前から私も度々提案をしておりますけれども、セメント工場の大型焼成炉、これを是非国が積極的にお願いをして活用するべきじゃないかというふうに思っておりますが、再度いかがでございましょうか。
#20
○国務大臣(細野豪志君) 御指摘のとおり、セメント工場の処理量というのは非常に大きなものがございまして、しかも燃やすだけではなくてセメントの原料としても使えるという、二回活用できるという意味でも非常に効率的であるというふうに思っております。そうしたこともございましたものですから、被災地で復興復旧事業にかかわる入札制度というのがございますが、その中でそういう瓦れきを使ったことに関してはポイントを、これをしっかりと確保することで、そういうものが有効に活用できるような仕組みを導入をいたしました。
 そういったことも含めて、特に今回の東北でのこの瓦れきの処理についてはセメント工場が非常に大きな役割を果たしたというふうに思っております。これは非常に大きな教訓ですので、これからもしっかりとそういったものを生かす方法についても検討が必要であるというふうに思います。
#21
○大久保潔重君 今、細野大臣からありましたように、いわゆるこれ公共工事、セメント原燃料に瓦れきを使用するということで入札の優遇ということを与えていただいたということは、非常に私は評価されることだと思っております。そういう手段をフルに活用できるようなインセンティブの掛け方というのも是非国として支援をしていただければ幸いでございます。
 それから、今日は、皆さんのお手元にも配付をしておりますけれども、一方、一般廃棄物ですね、全国の一般廃棄物、その過去十年間の当初予算の推移ということで、これ表にしたものを配付しております。二枚目には、これは平成一年からのいわゆる一般廃棄物処理と浄化槽に係る補助金・交付金の支出額というものを棒グラフにしておりますが、今現在、一般廃棄物というのは、これは自治体事務で自治体がやるようになっております。それに対して環境省がこういう補助金あるいは交付金という形で支援をしているというふうに思いますけれども、これずっと見ていますと、金額がずっと減ってきていますよね。もう約十年で三分の一ぐらいに減ってきております。
 環境省全体の予算の中でこの廃棄物リサイクル対策全体の予算額も減ってきているし、うち、こういう全国の一般廃棄物の処理施設なんかを支援するための整備費予算というのも減ってきております。これは、どうしてこのように大きく減少しているのか、お聞きしたいと思います。
#22
○政府参考人(梶原成元君) 公共事業としての一般廃棄物処理施設の整備事業に関する予算でございます。
 大久保先生、今御紹介ありました紙の特に二枚目のグラフになっているものをちょっと御覧になっていただければと思いますけれども、まず、予算につきましては、一番ピークになっているのが実は平成十三年でございますが、この平成十三年のころにつきましては、いわゆるダイオキシン対策ということで、一般、いわゆるごみ処理施設、ごみ焼却施設の建て替え、近代化が極めて緊急な要請がありまして、そのときの建て替えのピークがこの年でございます。この平成十三年の二千七百四十九億円を境にして、実はずっと減ってきているということでございます。
 最近の例でいきますと、例えば平成二十年度につきましては、これは環境省の予算でありますと六百二十ぐらいでございますけれども、他省庁計上部分も入れますと大体七百十億円という予算を確保していたわけでございますけれども、例えば、この段階では建て替え需要が一段落したということもございまして、この年度に三〇%ほどの不用を出したということもございまして、その後、縮減をしつつ来ております。
 ただ、こういったような一方で、平成二十三年度、昨年度でございますけれども、昨年度につきましては、当初予算では必ずしも市町村の御要望を全部おこたえできなかったということもございまして、結構、予算の逼迫というものがあるという現状でございます。
 二十四年度につきましては、公共事業費の削減ということで平成二十三年度比八八%の四百十二億の計上になってございますけれども、東日本大震災への対応ということで広域処理の必要性及び被災地区の処理能力の向上という観点もございまして、東日本大震災復興特別会計において百八十六億円を新たに計上させていただきまして、二十四年度については合計五百九十八億円の予算を確保させていただいたところでございます。
 先ほど、平成十三年、ダイオキシン対策のためのごみ焼却施設の建て直しのピークであると申し上げましたけれども、今後、その建て直したものが更に老朽化をして建て直す必要があるといったような事態も生じてくるんではないかと考えてございます。市町村が一般廃棄物処理施設を整備していく上において、本交付金によって十分対応できますように、引き続き環境省としては予算の充実をお願いしてまいりたいと、そういうふうに考えてございます。
#23
○大久保潔重君 二枚目の資料に平成十三年度、これがピークだということでありますが、遡れば平成元年から徐々に増えてきているんですね。十三年はダイオキシン対策ということで大型の焼却炉を国は勧めたんですね。ちなみに、私の地元長崎県諫早市はかなり広域で組合をつくってやっておりますけれども、やはり国が勧めたメーカーの、市町村合併もちょうどその時期ありましたので合併特例債を使って大型の焼却炉を造りましたけれども、思うように稼働ができないということで、これは訴訟まで起こしているような状況でありまして、実は全国の私も二百ぐらいの自治体、全部これはヒアリングをしてきましたけれども、国の財政もきついんですよね、これ。そして、二十四年、ちょうどもう平成元年から二十年ぐらいがたって、古いものはもう耐用年数が過ぎてくるから、じゃ、新しいのにしましょうかといったって、それは地元がとてももう負担をできないという状況であります。
 要望額はこれ赤線でこう増えていますけれども、これだけ国の財政も圧迫している状況の中で、どうやって環境省としてこの予算を確保するのかというのが非常に疑問であります。国も地方も財政がきついときに、今までのやり方で、これ多分、自治体はもう耐用年数過ぎてもだましだまし使いながらやると思うんですよね。そういう厳しい状況下の中で、私は、この一般廃棄物の処理も大きな政策転換がこれは必要になってくるんじゃないか、このように考えておりますが、細野大臣、いかがでございましょう。
#24
○国務大臣(細野豪志君) 御指摘のように、この廃棄物の処理に関しての予算要望というのは全国から非常に幅広く上がってきておりまして、それについてはできる限りしっかりと予算を確保できるようにということで努力をしてきたという経緯がございます。
 単純に、確かに予算額を比較をしていただくと、若干この平成十三年の辺りの金額というのは突出しておりまして、これは、かなり当時ダイオキシン対策を徹底してやりまして、そのときのダイオキシン対策がしっかりできていたから、例えば今回のような瓦れきの処理についても対応できたという面もありますので、そういう特殊事情はあったというふうに思っております。
 これからも、とはいいながら、要望にできるだけこたえていかなければなりませんので、その予算としては、これまで活用してまいりました循環型社会形成推進交付金による支援を行うであるとか、さらには平成二十四年度当初予算額の中でいいますと、一般会計で四百十二億円、東日本大震災復興特別会計で百八十六億円と、これを合わせますと五百九十八億円という予算を確保していただいておりますので、こうした予算をしっかりと確保することで地元の要望にできる限りしっかりとこたえてまいりたいというふうに思っております。
#25
○大久保潔重君 私が申し上げたいのは、その旧来のやり方で一般廃棄物処理をまた今後も更にこれから十年間進めていこうとなれば、また新たな施設を造り、二十年たったらまた造り替えをしということで、国も地方も大変厳しいんですよね、財政が。だから、新たな政策転換が必要ではないですかということを申し上げているわけであります。
 そういう意味では、実は、全国に非常にいい具合に、ブロックのポイントに大型のセメント工場があります。そして、ほとんどのセメント工場が幾つかキルンを持っていますけど、ほとんどが一つか二つ、もう休ませている状況なんですよね。そういったのを活用すれば非常にいい具合で処理ができるんじゃないか。東日本のこの瓦れき処理でもしっかりとした成果を出しているわけでありますから、是非、より広域化によるごみ処理の民間委託の推進という新たな政策にシフトしていくべきではないかなという提案を最後に申し上げまして、終わりたいと思います。
#26
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。金子恵美さん。
#27
○金子恵美君 民主党・新緑風会の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。
 東日本大震災発災から一年五か月、そして二度目のお盆を迎えられまして、復興を目指すふるさとで、あるいはふるさとから遠く離れた避難先でそれぞれの御家族と過ごされた皆様方は、改めてふるさと再生への思いを強くされたのではないかというふうに思います。
 復興というゴールに向かうためには、まず第一番目に重要なステップとして、災害廃棄物の処理があるというふうに思います。そこで、まず、大久保議員からの御質問もありましたけれども、重複している部分もありますが、私は被災三県の災害廃棄物の処理状況についてお伺いしたいと思います。
 先ほども既にありましたが、今現在の状況というのは二〇%強程度での瓦れきの処理がなされているということではありますけれども、実際に、七月三十一日に沿岸市町村の災害廃棄物処理の進捗状況を環境省で取りまとめまして、そして公表しているところであります。
 この数字を見ますと、被災三県で合計が千八百十一万トンに達していると、そして、処理量は四百七万トン、率にして二二%にとどまっているということです。二月の二十日現在で公表された数字では実は処理率は僅か五%でありましたので、そこから見ますと五か月間でこの処理の促進はされていたということではないかと思います。細野大臣におかれましても本当に御尽力いただいているなと、そういう印象はあります。
 しかし、一方で、先ほど細野大臣からも、大久保議員の質問に対しての答弁でありましたけれども、新しい中間目標というのを設置され、それが平成二十五年の三月末までに六割という処理を目指すということではありますけれども、まずは二十六年の三月までに全量処理とするその目標というのは同じであろうかと思います。
 現在のこの二二%という進捗率に関しての御認識というものと、そして改めて、先ほどはその処分見込みについてお答えいただきましたが、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。お願いいたします。
#28
○国務大臣(細野豪志君) まず現状ですけれども、二二%という数字そのものは本当に関係者の皆さんの御努力の結果でございますので、ここまで本当に皆さんにお世話になってきたなという、そんな思いでございます。
 今年度中に約六割と、そしてその更に一年後までには処理を終えるということでございまして、単純にグラフをこのまま積み上げていくと何とかぎりぎりいけるのではないかというような、そういう数字にはなります。
 ただ、できるだけ、やはり被災者の皆さんの前から瓦れきが早くなくなることというのは望ましいわけですね。完全に処理を終えるのは一定の時間が掛かりますが、そこは、今年の夏は本当に皆さんに御負担を掛けています。生活の中でほこりが舞っていたり、例えば悪臭があったり、一部ハエが発生をするというようなことも今年もやはりどうしてもあったわけですね。そのことを考えると、来年の夏にはできれば随分変わったなという状況をお見せをしたいなと思っています。そして、その中で、処理そのものもできるだけ早く終わるように加速化をさせていくことがこれから政府としてやらなければならないことではないかと考えているところでございます。
#29
○金子恵美君 是非しっかり進めていただきたいのですが、実はその処理の前に仮置場への移動ということがありまして、それについて次にお伺いしたいと思いますが、そもそも平成二十三年五月に策定されました東日本大震災に係る災害廃棄物の処理指針、マスタープラン、これを基本としていろんな工程表ができているということでありますが、この段階ではこの瓦れきの仮置場への移動というのは二十四年三月末を目標としていたということでありました。その後、これは達成することは難しいということになりまして、二十三年十一月に出されました東日本大震災復興対策本部の復興施策の事業計画と工程表の中では個別の目標が付け加えられまして、実際にこれらの個別の目標については遅くとも平成二十五年三月までを目途に完了させるということになっております。この仮置場への搬入計画の遅れというのがあると思いますが、この遅れというものが全量処分計画へも影響していると考えるところもあります。
 現在はこの瓦れきの仮置場への搬入率は三県においては八二%となっているということですが、これは遅くとも来年の三月末までには搬入完了ということです。そしてまた、今回一年遅れとなりましたその搬入計画の影響、これがどのような状況になっているのか、御認識をお伺いしたいと思います。
#30
○国務大臣(細野豪志君) 今、金子委員が御指摘をされたように、この仮置場への搬入ということに関しますと、当初予定をしておりましたのが今年の三月末ということでありますから、そこからすると確かに遅れております。
 私が環境大臣になりました直後に、どうもこの二十四年の三月末までには難しいのではないかという話になりまして、なぜ難しいのか、それが全体計画にどのような影響を及ぼすのかということについて、もう随分担当者と議論をいたしました。その中で私が、遅れ自体はやむを得ないけれども、最終的な処理はしっかりとこれは守りたいというふうに考えまして、そういうプランを出させていただいております。
 なぜ遅れたのかということなんですが、これは解体をしなければならない家屋が主に遅れたということでございます。
 当初は、比較的単純に、もう瓦れきになった家屋は三月までに解体ができてそれを運び入れる、そして、そうでない家は再建をしていただくなり所有者の皆さんにきちっと管理をしていただくというようなことを考えておったんですが、かなりグレーゾーンというのもございまして、所有者の方が解体をするのか、それともその家で住み続けられるのかという辺りで判断が非常に難しくて、なかなか御判断されないというようなことも多かったわけです。これはもう私有財産ですから、やむを得ないところもやはりあったというふうに思っております。したがって、そうした判断というのは最大限尊重しながら、いずれかの段階で判断をしていただいて、解体したものについてはすぐに仮置場に移動するということで進めてまいりました。
 したがいまして、確かに数字は八二%ということでありますけれども、その辺に瓦れきが野積みになっているということではなくて、解体をできていないものですから、建物として一部若しくはかなりの部分が残っているので、数字として出ていないということであります。
 そうした状況でございますので、その実情に応じてしっかり解体をして仮置場に運び処理をするということを考えておりますので、処理工程を三年以内にということに関しましては目標をしっかりと守りたいと考えているところでございます。
#31
○金子恵美君 そこで、私の地元の福島についてお伺いしたいと思うんですが、原発の問題とそして放射能の汚染によって最も厳しい中にあると思います。
 福島県内の災害廃棄物の処理というのは大変難しい問題がいろいろあるというふうに思いますが、その進捗状況についての御認識と、そして今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
#32
○国務大臣(細野豪志君) 大変これはもう恐縮でございますが、被災主要三県ということで申し上げるならば、福島県の処理が遅れております。
 沿岸部につきましては、七月の三十一日現在で一二・三%の処理が終了しているという、そういう状況でございます。この沿岸部につきましては、原発の事故の影響というのもございますので、大半の地域については国による直轄、若しくは直轄になっていないところについても代行という形によりまして処理を国が現地で進めているという、そういう状況でございます。
 国が直轄で処理を行う汚染廃棄物対策地域内の災害廃棄物につきましては、その総量およそ四十七万四千トンというふうに想定をしております。
 また、災害廃棄物の処理方法につきまして各自治体と調整を現在まさに続けているところでございまして、本年六月十一日に南相馬市、楢葉町等の二市五町三村につきましては計画を公表いたしました。これらの計画に基づきまして、現在、各自治体の協力を得ながら仮置場の設置を進めているところでございます。
 今後は、仮置場が設置をできた自治体から順次収集、運搬を開始をし、仮置場以降の処理につきましては、既存の焼却施設の活用及び仮設の焼却炉の設置も検討いたしているところでございます。
 昨日、実は双葉郡の皆さんと協議をしてまいりまして、この廃棄物の処理についても協議をしてまいりました。その中で、当初は、例えば浜通りですとブロック単位で処理をすることなどが、集約をするという意味でいいのではないかというようなことも考えたんですが、やはりほかの市町村の廃棄物がどこかに移動するということに関して、移動して持ってこられるということに関して、なかなかそれは受け入れ難いという、そういう意見というのがございました。
 したがいまして、余り国のやり方をとにかく推し進めるということにこだわるのではなくて、そこは市町村でそれぞれ納得をいただけるということなのであれば、この仮設の焼却施設をできるだけ個別に造ることによって処理を進めていくということも並行して行っているところでございます。
#33
○金子恵美君 いろんな工夫をしながら、そして地元とのやり取りをしながら進めていただいているということでありますが、福島県においては災害廃棄物が減少していく様子が本当になかなか見えない状況ではあります。
 そしてまた、その一方で増え続けていくものもあります。それが除染から出た廃棄物であります。
 私も、地元福島です。そして、除染活動をしている方々と意見交換をさせていただきました。今行っているその除染が、この方法が本当に効果が出るのだろうかという、そういう不安感をお持ちの皆様方や、地域が一体となって除染をしているけれども、その除染から出た廃棄物の対応がしっかりできていないということ、つまりは仮置場の前の段階の仮置きの状態なんです、仮置場を見付けることすらできませんと、そういう不安な言葉を私にぶつけてくださいました。なかなか自治体の姿勢が見えない、国の姿勢が見えない、そういうお言葉もありました。
 また、最近では、環境省が環境回復検討会に森林全体の除染は不要という、そういう考え方を含めた方針案を示したということで、この方針案については見直しを求める要望が福島県始め各団体からあり、これらの要望を受けて大臣は、十五日の段階でしょうか、見直す方向、そういう意向を示されたと報道されているところではありますが、このような今回のことで、本当に国は福島県の除染をしっかりとやろうとするその努力をしているのだろうかという、そういう福島県の皆さんの不安感というのを増幅させてしまったのではないかというふうに思っているところでございます。
 十九日には双葉八町村の皆様に対して中間貯蔵施設の設置場所の候補地というものをお示しなさったということも聞いているところでありますが、今現在は本当に、その除染が進まないのは仮置場が見付からないから、仮置場が見付からないのはもちろん中間貯蔵施設が見付からないからであるという、そういう福島県民の声は大きくなっていますが、大変この件についても本当に悩ましいことだというふうに思っております。
 大変大きな重大なことを決定していかなくてはいけないということでありますので、ある意味、本当に地元の皆様とのやり取りをしっかりとこれからも重ねていっていただきたいという思いでおりますが、大臣はこの除染についての進捗状況についてはどのような御認識をお持ちでいらっしゃいますでしょうか、お伺いしたいと思います。
#34
○国務大臣(細野豪志君) 除染は、これは国の責任でありますし、特に環境省が中心的な役割を担いますので、非常に責任の重さを痛感をしておりまして、十分に地元の皆さんの期待にこたえることができる状況にはまだなっていない、むしろ課題の方が非常に多いということを感じております。
 先ほど御発言を聞きながら思い出しておりましたのは、去年の何月だったでしょうか、秋ごろだったかと思いますが、伊達市の方に伺って除染を、私、初めてあれ現場を見たときだったんですが、金子委員も来ていただいて一緒に土を削ったことをふと思い出しました。
 ですから、ああいうことを進めることによって地元の皆さんを勇気付けるという面もありますし、また、それができないことによって地元の皆さんが本当にがっかりされているという状況もありますので、その責任の重さを痛感をしておりまして、しっかりととにかくこたえていきたいと、そんな思いでございます。
 森林除染については、あれは環境回復研究会、全てオープンでやっておりまして、その中で出てきた一つの知見といたしまして、森林の中に放射性物質があってもそれが外に簡単には出てこないというようなデータがあったものですから、それを紹介をする中で、若干、我々としては、報道を通じてそれが思わぬ形で受け止められたということがございます。森林をやらないということを言っているわけではありません。
 いかにこの問題は福島の皆さん方の立場に立てるかだと思うんですね。つまり、水には出てきませんとはいっても、それを毎日飲んでいらっしゃる方々からすると、天候によって出てくるんじゃないかという不安を持たれたりされるわけですから、そこはしっかりと、地元の皆さんから考えたときに森林の除染が重要なので、やり方は難しゅうございますが、何とかそこを探ってやっていくという、そういう覚悟で、地元の皆さんからまずしっかり声を聞かせていただいて、その上で取りまとめを行ってまいりたいというふうに思っております。
 いろいろと申し上げましたけれども、除染をすることで地元の皆さんが頑張ろうと思っていただける本当に大きなきっかけにもなるのではないかというふうに思っておりますので、まだ幾つか計画ができていない町村というのはございますので、そこはできる限りしっかりと協議をさせていただいて、早期に計画を作って、各地域で除染が面の形で広がっていくように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
#35
○金子恵美君 森林の除染につきましては、林野庁が発表した森林における放射性物質の除去及び拡散抑制等に関する技術的な指針というのがあるんですが、これを環境省の除染関係ガイドラインに組み込むことも考えてほしいという福島県等からの要望もあるようでございますので、しっかりと林野庁との連携等も含めて、そしてまた地元の福島環境再生事務所、ここもしっかり機能できるようにお願いしたいと思います。
 この除染という大きな課題でありますけれども、そもそもこの原発事故がなければ私たちが対応する必要もなかったことということであります。今、十六万人の県民の皆さんが避難を余儀なくされているという状況でありますので、福島の復興のためには本当に乗り越えなくてはならないたくさんの課題があるということであります。口をそろえて言うのは、原発事故さえなければ、そして原発さえなければということであります。
 その中で、福島の問題から学んだその教訓をしっかりと生かしていただきたいという、そういう思いでいるわけですが、現在、エネルギー・環境会議では脱原発依存のエネルギーについての議論が進められているところでもあります。先日、議長であります古川国家戦略担当大臣も福島入りされまして、第一原発を視察され、そして富岡町、川内村の皆さんと意見交換をされました。そして、その後、将来は原発のない社会を目指し、着実に原発への依存を低減させていく旨を述べられました。
 今、国民の皆さんは、我が国のこの新しいエネルギー政策について大変な御関心をお持ちだというふうに思っております。また、これまでの原子力に依存するエネルギー政策についても、改めてもっと情報が欲しいと、そうおっしゃっている方々も多くいらっしゃいます。
 そこで、核燃料サイクル事業、これについて質問させていただきたいと思いますが、今年の一月に東京新聞が「もんじゅ」を含めた核燃料サイクル事業全体のその総費用は四十五年間で約十兆円に上っていると報道しました。東京新聞が独自に調査をした積算であるようでございますが、この記事によりますと、国は総費用についての集計は行っていないということでございました。
 そこでお伺いさせていただきたいんですが、今まで、これまでの核燃料サイクル事業に係る総事業費の公表は本当に行っていないのか、行っていないのであればなぜ行ってこなかったのか、そして、時間に制限がありますので次の質問をさせていただきたいと思いますが、これからこの公表について今後の方針、どのようなお考えをお持ちか、お伺いしたいと思います。
#36
○政府参考人(倉持隆雄君) お答え申し上げます。
 核燃料サイクル事業に関する事業費のお尋ねでございます。今、核燃料サイクル事業は民間事業者も行っているわけでございますけれども、御指摘のとおり、民間事業者の過去に支出した総額を含む核燃料サイクル事業に関連するこれまでの経費の総額を集計し公表したものはないというふうに承知しております。
 国の予算につきましては、原子力委員会におきまして、法律に基づきまして、毎年、関係行政機関における原子力の研究開発及び利用に関する経費の見積り等を企画、審議、決定し、その結果を公表しているところでございます。ただ、御指摘の核燃料サイクル事業だけをくくり出したという予算の整理は行われておらず、このため、そうした形での公表もさせていただいていない状況にございます。
 国の予算のうち核燃料事業に係る総事業費について、今まで毎年毎年原子力委員会で公表している原子力関係経費に関する資料を基にどういうふうに対象を整理できるかと。御案内のとおり、核燃料サイクル、ウランの確保から、核燃料サイクルを回し、再処理して、FBRを回す、そういったことが、いろんな事業が入っているものでございますから、その辺のどのような集計が可能かどうか、今検討を進めているところでございます。
#37
○金子恵美君 この原子力に係る関係、そしてまたその核燃料サイクルに係る総経費、事業費等、しっかりとオープンにしていって、そして、その公表をしていくことによって国民の議論が更に深まるということだというふうに思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 そこで、公益財団法人の原子力環境整備促進・資金管理センターでは、核燃料サイクルに係る再処理事業に資するため、再処理等積立金を管理しているところであります。平成二十三年度末におけるこの積立金残高、二兆七千億円に上っていると伺っております。エネルギー政策の見直し、結果によってはこの多額の積立金の使途が宙に浮くことになるのでしょうか、お伺いさせていただきます。経産大臣、お願いいたします。
#38
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘の積立金は、まず、法律に基づいて積み立てられておりますので、何か別の使い方をしようと思えば法改正が必要になりますが、それ以前の問題として、仮に今後再処理を行わない場合であっても、既に建設をした再処理工場建設費の借入金の返済、それから再処理を行わないということの判断をした場合には、この工場の解体その他の費用が掛かります、見込まれます。現在積み立てられている二兆七千億円は大変巨額である一方、こうした費用の全体には足らない状況であろうというのが見込まれているところでございまして、もし再処理について最終的な方向性が出れば改めて精査をしなければなりませんが、なかなか別の使い方をするというのは困難ではないだろうかというのが現状の見通しでございます。
#39
○金子恵美君 一言で言えば、多分この積立金では足りない、もし再処理を止めた場合にもまた更なる費用が必要であるということだと思います。その金額はどれほどだか分かりますか。
#40
○国務大臣(枝野幸男君) 再処理を引き続き続けた場合の費用については、今具体的な話はございません。今のお尋ねを踏まえて、やめた場合であっても、少なくとも今後必要となる費用が二・三兆円、未償却の建設費用が一・三兆円で、むしろ二兆七千億円に対して九千億円程度の、やめた場合でも資金不足であると、こういうことでございます。
#41
○金子恵美君 つまり、再処理を止めた際にも今後二・三兆円のお金が必要になるということなんですが、六ケ所再処理工場を止めて廃止にしても、廃止に必要な廃棄物の処理施設等の建設が必要になったり、その後にも廃止するその措置費用も掛かるということで、どこまで行っても多額の費用が掛かるということで、そもそも原子力エネルギーというのは費用負担が莫大であるんだということ、そしてまた、そもそもこの一方で安全性を確保できていない、そういうエネルギー政策を私たちはつくり上げてきてしまっていて、そして最も安い、クリーンエネルギーと称されていたものは、これは本当にうそであったかのように、それと全く懸け離れたものであったということではないかと思います。
 今回、十七日に来年度の予算概算要求の基準が閣議決定されました。再生可能エネルギーは重点政策とされております。是非、新エネルギーの開発を急ぐべきだというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 せっかくなんですが、文科大臣、おいでいただいておりまして、二十二年度予備費についてであります。
 この予備費の中で、学校施設の耐震化等の促進に必要な経費として約百六十億円の使用が二十二年九月に閣議決定されておりましたが、そのうち百五十三億円は繰越金となっております。まず、その率については九五・五%もの繰越額ということでありますので、この状況についてしっかりとした御説明をしていかなくてはいけないと思っておりますが、レクを受けまして、この件についてはしっかりと自治体には届いていたというふうに私は伺っておりますので、その部分については割愛させていただきまして、実際に平成二十三年五月に施設整備基本方針を改正して、二十七年度末までに公立学校施設の耐震化を完了させるという、その目標をお持ちでありますので、今の進捗状況と、そしてまた、さらに、実際に今問題になっておりますのは、体育館の天井落下などの非構造部材の問題であります。
#42
○委員長(山本順三君) 時間が参っておりますので、おまとめください。
#43
○金子恵美君 ですので、それについてお伺いしたいと思います。
#44
○国務大臣(平野博文君) 先生からの御指摘は、公立学校の耐震化に関する進捗状況と、こういうことでございますが、私どもとしては、昨年五月に基本方針、特に施設整備の基本方針ということで、その考え方を改めまして、二十七年度までにできるだけやるということで目標を明確にいたしてまいりました。特に、学校施設の耐震化というのは、特に防災等々を含めて、ここがやっぱり防災の拠点になり得ると、こういうことから、各設置者の実施する耐震事業については切れ目なく対応してきたところでございます。
 そういう中で、二十四年度四月現在では、公立学校の耐震化率につきましては、対前年比については四・五ポイント増の八四・八%、耐震性のない建物につきましては四千四百棟が減少しておると、こういうことでございます。したがいまして、二十三年度の三次補正並びに二十四年度の予算の執行後には約九〇%になるということで、順次進んでおると、こういうことでございます。
 しかし、先生御指摘のように、ところどころ、なかなか行っていないところがやっぱり各地に見られるわけでございますので、五〇%に達していないところが約六十五設置者がございます。これにつきましては、私、大臣名におきまして、なぜできていないのか、こういうことで積極的に対応するようにしてまいりたいと、かように思っています。
 それと、もう一つの質問でございますが、非構造部材の耐震化、これについても同じような考え方で今後できるだけ早く進めてまいりたいと、かように思っております。
#45
○金子恵美君 質問を終わります。ありがとうございます。
#46
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。藤川政人君。
#47
○藤川政人君 自由民主党、藤川でございます。
 それでは、まず冒頭に、竹島、尖閣含め、今この国を取り巻く状況、非常に難しいものがあるというのは承知をしております。昨日も、中国二十四都市ですか、反日デモが発生し、日の丸が焼かれ踏まれている状況に対して本当にじくじたる思いをしておりますけれども、枝野大臣にも政府の一員としてしっかりとした対応をまず御要望、お願いを申し上げると同時に、従来、政冷経熱、まさに政治は冷えても経済としての日本というのは対外的に力を入れてやってきた、そこはいつも熱かった、その熱い活動の中でこの国の経済も支えられていたというのはもう間違いないことかと思いますが、先般もマスコミ等々で大臣もいろんな関係で御発言もされていると思いますが、政冷経冷、それがやはりこれから大変危惧されていると私は思うんです。
 その中で、多くの中国や隣国に労働者として日本人も出かけているわけでありますが、まず労働者、海外で働く皆さん方がそういうつらい思い、怖い思いの中で、果たしてこの国を支えるべき経済を他国でしっかり行っていけるかというのは非常に心配であります。
 政冷経冷にならないように大臣はどのような対応をするべきか、まず考えを冒頭お聞かせをいただきたいと思います。
#48
○国務大臣(枝野幸男君) 我が国としては政冷経冷にならないことを期待をしております。
 ただ、これはひとえに中国側がどういう対応をするのかと。まあデモのようなものも起こっているようでございますが、そうしたことに対してどう毅然として対応されるのか。あるいは今回不法入国を、これは香港でございますから北京政府直接ではありませんけれども、どうした対応をされるのか。ひとえに、これは中国政府が歴史的事実と国際法に基づいて、我が国固有の領土の問題でありますし、領土問題にすらなっていない問題であります、対応していただくことが重要なことであると思っております。
 我が国としては、当然ながら、中国等におります邦人の安全確保については厳しく中国政府に求めてまいりたいというふうに思っておりますし、また、あえて申し上げれば、中国が我が国の主権に対して適切な対応を今後しっかり取っていただけない場合に備えて、私自身も直近でベトナムに行ってまいりましたが、中国との関係に依存しない経済関係をつくっていくためにこの一年間も私自身努力をしてきたつもりでおりますし、今後更にこれを強化していかなければいけないと思っております。
#49
○藤川政人君 よろしく力強く進めていただきたいと思います。
 それでは、まずもって知的財産に関する質問を若干させていただきたいと思いますが、特許庁の情報処理システムの開発中断についてお伺いをしたいと思います。
 特許庁は、平成十八年から業務・システム最適化計画に基づいて特許庁情報処理システム開発プロジェクトを進め、東芝ソリューション株式会社に開発を委託をし、契約額は九十九億二千五百万ということであります。
 平成十七年度以降、同プロジェクトに約五十五億円が支出されております。しかし、開発に大幅な遅れが見られたことから、特許庁に外部有識者で構成をする特許庁情報システムに関する技術検証委員会が設置され、開発状況の検証が行われたところであり、平成二十四年一月、同委員会は、プロジェクトを継続した場合、予定どおり二十六年一月に完成する見込みがなく、一旦中断し、対応策を講じた上で再開することが妥当とする検証結果を取りまとめたところであります。
 これを受けて、特許庁は新たなシステムの開発計画を検討しているということでありますけれども、特許庁が予算を投入して情報処理システムの開発を進めてきたにもかかわらず、開発の中断をこれは余儀なくされております。システム開発が中断に至った経緯及び原因を明らかにするとともに、システム開発の失敗について、まず御認識を伺いたいと思います。
#50
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、平成十八年からスタートした情報処理システムの開発プロジェクトは予定どおりに進行せず、外部有識者委員会からの技術的な検証を踏まえて、一旦中断し、対応策を講じた上で再開をするということで対応をさせていただいているところでございます。
 昨今の特許出願数の急増あるいは中国など諸外国の技術文献の対応等、環境変化の対応が遅れるおそれがありますので、優先度の高い施策を逐次実現できる新たなシステムの開発を急ぎ検討するよう私の方から指示をいたしました。従来の平成十八年の予定である一括開発方式ではなく、優先度の高い政策を逐次遂行できる段階的開発方式に基づき、新たなシステムを開発する準備を進めております。広く外部のITベンダーなどの知見や外部有識者による技術的検証を受けながら、こうした方式に基づく開発計画を急ぎ策定しているところでありまして、今後この計画に基づき、パブリックコメントなどを経てこの秋には外部公表できるように準備を進めております。
 一方、これまでのこのプロジェクトについては、予定どおり、つまり契約どおりしっかりとした技術をもって契約どおりの仕事をしていただけなかったわけでありますので、この契約関係については契約書と関係法令にのっとり厳正に対処してまいりたいと思っております。
#51
○藤川政人君 大臣、これは事実上の中断ということが述べられていますけれども、実際にはこのプロジェクトに対しては、今言った日本語検索システム等々、課題がたくさんあります。待ったなしの状況でありますが、一旦このソリューションに対して委託業務をした内容というのは中止ということでとらえてよろしいんでしょうか。
#52
○国務大臣(枝野幸男君) これから契約書に基づく対応を当該事業者との間でしなきゃなりませんので、正確には、どういうふうに申し上げたらいいか非常に微妙な問題でございますが、一旦中断をして新たなやり方でできるだけ迅速に対応する、そのもう作業を進めているということでございます。
#53
○藤川政人君 大臣の率直な御意見ももう一点伺いたいんですが、大臣が一月二十四日にこの概要を記者会見されておりますが、平成十八年スタートのプロジェクトでございますが現時点の大臣として大変申し訳なく思っております、まさにそのとおりだと思うんですよ。十八年、これは自民党政権下の契約行為でありますので、それに対して率直に何が悪かったのか。正直、この東芝ソリューションたる会社がここに行き着くまでの、例えば経歴書含めて、過去の経緯書含めてやはり十分精査が足りなかったのか、この国が取るべき、本当に中国からの特許申請含め、日本語に対する検索システム含め、あらゆる知的財産を守っていく、また特許を出願する、またこれから日本がどういう形でこれから海外に対応していくかということに対しても十分整理がされない上での契約であったんでしょうか、これは。どう大臣思われますか。
#54
○国務大臣(枝野幸男君) 技術的なところをどれぐらい私が説明し切れるかどうか自信ありませんが、私が承知をしている範囲では、やはり特許の検索システム全体を新たにつくり替えようと、それで全体のシステムを一気に構築しようということで当初スタートをさせたようでございますが、なかなかそうすると大変非常に広範な複雑な仕組みで、むしろコンピューターの世界は、何というんですか、できるところから一個ずつ積み重ねて、それを適切にネットワークするという方が、何というんでしょう、システムも構築しやすくてトラブルも起こりにくいにもかかわらず全体を包括したシステムをつくろうとしたと、ここにかなりの無理があったのではないかという説明を受けておりますし、また、にもかかわらずそれができますということで、業者も安易に契約に手を挙げてこられたというようなところにも問題があったのではないかと思っておりますので、常に最先端の外部の専門家の皆さんの声をできるだけ幅広く聞く中で、現在、次のステップのための対応を急いでおりますが、そこについても進めているところでございます。
#55
○藤川政人君 そうしますと、この件について、新たなシステムをしっかりとした形で新たな契約になるのかどうか、と同時に五十五億という国民の税金が支出されたということに対しては、やはりしっかりとした、大臣は当時の契約大臣ではないですけれども、説明責任とまた新しい計画についての御説明をいただきたいと思います。
 吉野家の牛丼だろうがコシヒカリだろうが、中国に行くとみんな商標を取られている。iPadどころかaPadからzPadまで全部中国人は押さえているという今状況ですので、その意匠部分とかデザインに対してやはり何らか、日本は独自ということと同時に、今ヘーグ協定に対する加盟ということも言われていると思うんですけれども、その辺についての考えをお聞かせください。
#56
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘の点、大変重要なことだというふうに思っております。条約加盟の件も含めて、それから国内でできるだけ、特に御指摘いただいた中国を始めとする情報を適切に集めて、適切に速やかに対応するということについて、これは特許庁においても優先度の高い課題として取り組ませていただいているところでございます。
 率直に申し上げて、当分はモグラたたきのようなことかもしれませんけれども、そのモグラたたきを迅速、的確にやることによってこうした流れを変えていかなければいけないというふうに思っております。
#57
○藤川政人君 先ほどの反日デモもそうですし、今回の商標登録のことでもそうですけれども、日本人はやはり、みんな善人だと思いたいのが第一なんですけれども、どうもそれは国際標準では通用しないということもよくよく感じるときがありますので、今の件についてもしっかりと進めていただきたいと同時に、これは経産所管の話題だけではなくて、やはり教育始め、物づくりだけでなく農業でも、全てにおいて日本人の持つ技術、財産、それは守るべきところがあると思いますので、それは経産省のみならず政府としても一元化して、横断的な対応でしっかり進めていただきたいと思います。
 それでは、次の質問で、今年の三月、私は、本当、地元中の地元に工作機械のヤマザキマザックさんが本社を構えておられます。この工作機械は、複合加工機、四軸加工機、五軸加工機といって、あらゆるところから工作ができるものが売りなんですけれども、今F1の技術、そしてこれが行く行くは軍事転用も可能という技術でありまして、三月にマザックの情報漏えい、これは不正競争防止法違反で摘発はされておりますけれども、四月には新日鉄の韓国のポスコの提訴等々、これもう挙げたら枚挙にいとまがないぐらいの日本の大切な知的財産、情報が他国に流れているということは、もうあらゆるところから出てきます。
 若干時間もありますので、簡単にこのヤマザキマザック、よくよく、もう十数年来、会社にも行きますので、若干聞いてきました。
 三月十二日に中国人が突然退社をすると言った。何か怪しい動きもあるものだから、会社としたら十六日に、四日後に愛知県警に相談をした。愛知県警もすぐ動いたわけですよ。そうしたら、十九日に家宅捜査をもうしちゃったんです。そうしたら、何と航空券を用意していたという情報があったから十九日に家宅捜査をしたら、やはり情報が若干残っていたということで、パスポートを押収して、中国に逃げられなくて、これは未然に押さえられたということなんです。
 私は、今ヤマザキマザック、新日鉄さんという名前も挙げたんですが、社としたら、経産省にも報告をして褒められたと、よくぞ言ってくれたと。基本的にそれはどういうことですかといったら、二〇〇九年の経産省の調査だと、約二割の企業が情報漏えい、情報を持っていかれた経験を持つというこれ統計が出ているんです。でも、いろんな話を聞くと、そんなのは氷山の一角で、会社イメージを守ることがまず大切だからまず表に出さない、泣き寝入りをするというのがやはりほとんどの企業の実情だということを聞いて、今回も経産省の方からはよくぞ言ってくれたと褒めていただいたと。また、愛知県警も初動がやっぱり早かったということで、私はこれはこれですばらしかったんだろうなと思います。
 その自己防衛策をじゃどうするかということも、当然、それぞれの民業として、会社として、事業所として必要になってくると思いますが、これも愛知県にある会社なんですけれども、二〇〇七年、デンソー、これは愛知県刈谷市に本社がありますけれども、中国人エンジニアの情報持ち出しで懲りたと。その後、何を行ったかというと、パソコン本体をチェーンで固定しまして、データの受渡しはUSBは会社指定のものしか使わせないと、USBとハードとソフトを全て押さえたと。まあそれも何か限界がある作業だと本当に感じるわけでありますが。
 今後、営業秘密、この問題について、やはり国としてなかなか民間企業の情報までいろいろ物を言うというのは難しいと思うんですが、不正競争防止法の範疇、そして特許法、あらゆることがいろいろ課題にはなってくると思うんですが、大臣、この件についてどのようなお考え、御認識をお持ちでしょうか。
#58
○国務大臣(枝野幸男君) 営業秘密をしっかり守る、技術流出をそれでおかしな形でさせないということは大変重要なことだと思っております。
 そうした観点から、直接、行政権の行為としては、この間、不正競争防止法の累次の改正において営業秘密侵害罪を創設してこれを強化をしてきているところでございますが、今御指摘いただいたヤマザキマザックさんのように個々の企業が適切な対応を取っていただくことが何よりも重要なことだろうというふうに思っておりまして、そうした観点から、知的財産推進計画二〇一二、これは今年の五月に知的財産戦略本部で決定をしたものでございますが、営業秘密に対する意識の向上や営業秘密管理の課題を具体的に改善するための支援が重要であるというふうに位置付けております。
 現在、製造業を中心に約一万社程度に対して国内アンケート調査を実施をするとともに、さらに、その詳細を把握するための企業ヒアリングも予定をしているところでございます。こうした各企業で行っておられる対応、取組や、あるいは過去の残念な例などの蓄積の上に、学識経験者や弁護士等で構成される委員会を設置し、流出を防ぐための企業の取り得る対策等について整理をして、そして周知を図るということで、それぞれの企業の皆さんにも御尽力いただき、愛知県警さん、大変迅速に対応を取っていただいたということでございますが、警察当局などともしっかりと連動して、知的財産権をしっかりと守っていけるような対応強化をしてまいりたいと思っております。
#59
○藤川政人君 これは本当にこの国を挙げて、大臣中心で率先垂範して行っていただきたいと思いますが。
 これはマスコミにも出ていない話で、県警関係者からちらっと聞いたら、ほとんどのデータ履歴、通信履歴は消されていたそうなんですよ。ただ、その中で、中国外交部との情報があったと。これはここで言うべきことじゃないかもしれぬけれども、そういう情報までやはり、未確定な情報の範疇で申し上げるのはいけないかもしれないんですが、やはり向こうは国家戦略として情報を集めたい、集めなくちゃいけないということがありますので、是非、日本としても、国家として、国として守るべき情報、知的財産をしっかり守っていただきたいと強く要望させていただきます。
 次に、原発に関して質問させていただきたいと思います。
 独立行政法人原子力安全基盤機構、JNESが行う原子力施設の検査において、電力会社の資料の不備を見落とし、一部実施しなかった問題、機構の検査ミスを電力会社に指摘されるまで気付かなかった問題など、検査ミスが相次いで発覚をしております。また、機構が検査対象の事業者の作成した書類を丸写しにした検査手順書を基にして検査を行っていた問題など、業者依存の不適切な検査が明らかになってきています。
 総務省政策評価・独立行政法人評価委員会が平成二十三年十二月に取りまとめた独立行政法人の主要な事務及び事業の改廃に関する勧告の方向性では、原子力安全基盤機構について、繰り返される検査ミスにより失墜した国民の信頼を回復し、原子力の安全性を確保するため、検査等業務を抜本的に見直すことが必要不可欠であると指摘をされています。
 この件についてはあらゆる新聞、メディア等々でも紹介をされておりますが、丸写しにしなかったら日が暮れてしまうとか、都合悪い研究はしないとか、お弁当を食べて帰っただけだとか、自前で作ったらまた日が暮れるとか、もうそんな、何か情けないこれは記事ばかりですよね。
 こういう中で、これまでの機構における相次ぐ検査ミス等の事態について、経産大臣の認識を伺いたいと思います。
#60
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、過去に検査ミス等の問題があり、また、これについて総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会からも事務及び事業の見直しを行うよう大変厳しい御指摘をいただいているところでございます。
 また、全部ではないにしても、報道されているようなことが受け取られるような事態が、それは全くなければ火のないところに煙が立たない種類だと思いますので、そうした取組姿勢そのものについても大変遺憾に思っているところでございます。
 御承知のとおり、JNESについては、今般国会でお決めをいただいた原子力規制委員会設置法の附則において、法制上の措置を講じた上で可能な限り速やかに原子力規制委員会へ統合することとされておりますが、それまでの間においても、こうした指摘をしっかりと踏まえて、昨年、私の方から外部有識者による検査業務についての第三者委員会の設置を指示し、ここでの提言、外部の第三者の提言を踏まえて、現在、内部規定等の改善や検証プログラムの強化等を行わせているところでございます。
 同時に、第三期中期目標においても検査業務を行う部門を再編していくことなどを規定し、主体性と独立性のある検査業務の実施を求め、規制委員会への統合までの間もしっかりと御指摘を受けて体質改善されたという姿が皆さんに示せるように厳しく指示をしてまいりたいと思っております。
#61
○藤川政人君 この機構の第三者調査委員会、本年一月に検査業務等についての調査報告書をまとめて、大臣の方にも報告をされていると思いますが、大臣、率直的に、これはやはり人的判断、もちろんそこでやっていかなくちゃいけない中ですけれども、何がやっぱり一番問題だったと思いますか。やはり、天下り、いろいろ問題ありますよね。本当に国としての機関として出ていた人間がじゃ何人いたのかと、そういうこと、いろいろそのもとにはあると思うんですよ。大臣は率直にそれは何が問題だったとお考えでしょうか。
#62
○国務大臣(枝野幸男君) やはり原子力についての専門的な技術を持っている人ということで、原子炉のメーカーの出身者であったりとか、それから電力事業者出身の方、それからそうしたところからの出向者が中心を占めている、特にメーカー出身の方が大変多いという状況でございます。
 もちろん技術の専門性という観点からはそうした経験、知見のあることは重要なことであると同時に、ともすると自分たちの仲間が造ったものだから大丈夫だろうとか、出向者であればやはりいずれ戻ることを想定しているわけですから、そこへの配慮とかそこへの信頼とかということがどうしても背景になってしまうと。独立をして検査を厳しくするのが自分たちの仕事なんだということについての認識の共有が必ずしも十分ではなかったのではないだろうかというふうに思っております。
 そうした意味では、出身者を排除するとなかなか技術的な専門性難しいところございますけれども、出向者については基本的にはやめていくという方向でもうスタートしていますし、出身者についても、自分がかつて所属をしていた企業等と直接結び付くところについてはやらせないといった対応を進めておりますが、そうした形式的なことよりも、やはり意識が重要であろうかというふうに思っております。
#63
○藤川政人君 それでは、大臣、本年一月の閣議決定の中で、独立行政法人の制度及び組織の見直しの基本方針において、原子力関連の独立行政法人の将来の統合等も含めた在り方について検討することが求められています。
 新たに発足する原子力規制庁、原子力規制委員会、委員長の件で今いろいろまだもめておる最中かと思いますが、この機構業務の抜本的な見直しを行うに当たって、経産大臣の手元を離れた中でこれで委員会を行っていくわけですけれども、どういう形で引き継ぐのか、今大臣の言った思いを、どういう形でそこに参画していくのか、単純に丸投げではこれいかぬわけですし、ましてや環境省なりが中心になっていくということになっても、今までやはり安全・保安院を含め経産省が持ってきたノウハウなり知識なり、それはやはり今以上に強くしていかなければいけないと思うんですが、そういうような横断的な組織をつくっていく中で、今言った機構の大切な仕事をどのように引き継がれていくべきか、お考えを伺いたいと思います。
#64
○国務大臣(枝野幸男君) 実は、規制委員会の発足に向けて、特に中心部分は、原子力安全・保安院が廃止をされて、その仕事の大宗を規制委員会が今後引き継ぐということでございますので、保安院の方には既に私の方から指示をいたしまして、特に今回の原発事故を踏まえて、民間を含めて三つの事故調などで従来の保安院の行政の問題点等を指摘をされていることに対し、保安院の間にできたことはどこまでなのか、まだできていないことはどういうことなのかといったことをきちっと整理をして、それを規制委員会の方にお渡しをして、それを踏まえて対応できるようにという、この準備、既に進めさせていただいておりますが、御指摘のとおり、JNESも規制委員会が発足をしますと経済産業省を離れて規制委員会の下で統合までの間やっていくわけでございますので、今の御質問、御指摘踏まえて、JNESについても同じような意味でこれまでの問題点をしっかりと文書で整理をさせて、私もしっかりとチェックをした上でそれを規制委員会の方に引き継ぎたいというふうに思います。
#65
○藤川政人君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、原発の再稼働をめぐっては大飯原発の件がまだまだ大きな大きな動きになり、しかし、今の関西地域の皆さん含め、電力補完をしなくちゃいけなかった各電力、それぞれの地域についても、今日の生活は維持をされている、問題なく来ているというのはこれは間違いないことだと思います。
 毎週金曜日には国会の周辺は騒がしくて、元の総理大臣がそこに参加されたり、何か家族席が設けられているとか、もういろんなうわさだけは出ておりますけれども、大飯原発の稼働について、大臣、今それに対する自分なりの評価といいますか、お苦しい立場であったと思いますし、私は将来の安全はもちろん大切です、明日の安全も大切です。でも、生きるために今のこの決定をされたと思いますが、いま一度、再稼働された、その決定をされた、そのことに対しての思いをお聞かせをいただければと思います。
#66
○国務大臣(枝野幸男君) 福島の事故の反省と教訓を踏まえて、中長期的には原発依存からの脱却が私自身の思いでもありますし、政府の方針でもございます。その一方で、まさに昨年の三月十一日まで我が国は原発に依存をして社会を成り立たせてきたものでございます。そうしたことの中では、将来的にはその依存体制から脱却を目指すにしても、現下においては例えば中小零細企業で電力が不可欠な事業者の皆さんいらっしゃいます。あるいは医療関係の皆さんも電力が不可欠の方が少なからずいらっしゃいます。そうした皆さんのところに例えば計画停電であったり、あるいは突然の停電などということをもたらせば、大変な御負担、御苦労をお掛けをするということになるわけでございます。
 したがいまして、安全性について、これも福島の教訓として、安全に絶対はないということでございます。ですから、絶対安全ですということは言えません。しかしながら、福島の教訓を踏まえて、取り得る最大限のことをなされているという意味での安全性が確認できたものについては、地元の皆さんを始めとする御理解を得て稼働をさせていただいたということは、これはやむを得ないということだというふうに思っております。
 なお、繰り返しになりますが、このことは決して原発依存からの脱却という大きな方向性を変えたものでもありませんし、むしろ依存から脱却するまでの間ということでお願いをしているものだというふうに位置付けているものでございます。
#67
○藤川政人君 了解いたしました。
 それでは、民主党マニフェストについて若干振り返ってみたいと思いますが、二〇〇三年衆議院マニフェストによると、原子力発電というのは過渡的なエネルギーだ、太陽光、風力発電への転換が必要なんだと。まさに今言われている、大臣が答弁をされた、二〇〇三年のマニフェストに戻られた感じがする答弁であると思います。二〇〇七年に、慎重に推進をするとした、その同じ二〇〇七年三月、安倍政権下において、積極的に原子力エネルギー推進については取り組むと、これは自民党の政権が言っています。二〇〇九年の民主党マニフェストでは、自然エネルギーでは原発の発電量を賄うのは無理として、原子力利用について着実に取り組むと、これは一歩出た表現だと言われたところなんでしょうね。
 そして、二〇一〇年六月、震災の九か月前ですか、そのときに菅総理の下で閣議決定、新成長戦略、原発の輸出拡大を国家戦略プロジェクトとしてベトナム、トルコと交渉します。ベトナム政府とは、三・一一後も開発計画に変更はないものとして、政府筋も、福島原発に比べ新型機の原発は安全面でもかなり強化をされている。先ほど大臣がちらっと述べられたベトナムとのことは八月十四日ですよね、それを原子力の賠償制度と協力をして原発輸出を円滑にするという今、日本は流れになっていると思います。
 今日は一つ資料を、これも地元の、私は中部電力の地元の愛知でありますので、ちょっと伺ってきました。これは私が耳で聞いてメモを起こして了解を得て今日出させていただいた資料なんですが、二〇一一年、平成二十三年三月三十日、緊急安全対策の実施指示、これは海江田大臣から出ております。その後、四月二十日に緊急安全対策に対する報告をいたしております。五月六日に菅総理から運転停止要請が掛かりました。その前日に海江田大臣と細野現大臣が浜岡に入っているわけです。その緊急安全対策の実施指示に対するそのときの現状を見て、その夜のうちに停止要請に至ったということであると思います。五月十二日に四号機、五号機が停止をいたしました。それで、経産大臣への助成的なところも含めて要請書が出されております。そして、七月二十二日に津波対策の策定がされております。これは、震災後に政府から出た暫定安全基準十五メーターを基にして津波対策を中電が作ったわけでありますが、十八メーターの防潮壁を造る、一千億の工事費で造ります。そして、若干金額が増えて、今度は一千四百億円で変更するということで、三月二十一日、今年になって出しております。
 そうしましたら、内閣府の中央防災会議検討会で三月三十一日に、ちょうどこの間なんですけれども、津波は浜岡には二十一メーター来るとその後出したわけですよ。そして七月三十日に、今度は工期を一年延ばしますということが国の方に中部電力から出されております。これは再稼働を非常に希望している浜岡原発、中部電力の思慮だと思います、考えだと思います。ただ、今の状況で一年延びました。
 鳩山元総理が国連でCO2二五%、一九九〇比、二〇二〇年までに二五%下げる、二五%にすると言ったのが二〇〇九年九月二十三日ですね。大臣、このときに各電力会社は日本の原子力依存度を何%とはじかれたと思いますか。
#68
○国務大臣(枝野幸男君) 済みません、ちょっと数字は余り得意じゃないんですが、五割ぐらいがたしか三・一一以前の原子力についての将来見通しだったと認識しています。
#69
○藤川政人君 さすがです。五三%です、五三%。そうすると、少なくとも日本にあと何基原発を造ろうという、これは公のところで出た数字じゃありませんから今ここで大臣にどうですかとクイズをするつもりもありませんが、十四基だそうです。
 愛知は原発依存度が非常に低い、電力会社、中部電はそうですね。だから、一番大きなのは三重県にある川越火力です。三重県にもう一度原発を造らなくちゃいけないという動きをされていたときにこれが起きたということです。一基止めると一日に三億円だそうです。ですから今、四号、五号止まって、検査中の三号機が止まっていますから、一日当たり九億円、これを三百六十五日、あとは歩合をちょっと掛けたとして約三千億近い金が年間にこれは消えていくそうです。
 その中で代替エネルギーに替えていく。そうすると、大臣、日本中の電力会社で大体、代替エネルギー、化石エネルギー始め、どれほどのお金が今想定されているか。これは公表されていますので、大臣、御存じだと思いますが。
#70
○国務大臣(枝野幸男君) 済みません、本当に数字の記憶が余り得意じゃないんですが、足下のところで三兆円ぐらいの費用が、コストが掛かるということだったと記憶をしています。
#71
○藤川政人君 本当、三兆円がこの国から全て消えるわけじゃなくて、やはり代替エネルギーを購入する場合に約三兆円の経費が必要になってくる、増額になってくることだとこれは出ております。燃料調達のための内部留保もいずれ枯渇をしていくだろうと。だから、これで値上げ等々の話が出てきます。また、この値上げについては後ほどの質問でもちょっと取り上げさせていただきますので、多くは述べませんけれども。
 ここで、大臣、みんなで考えましょうということで私はいいと思うんですよ。代替エネルギーに替えていくと、これは化石エネルギーに関しても間違いなくこれは契約行為ですよね。だから、その会社の持ち得る信用で何年契約が結べるのか。例えば、ロシアから将来的にできるにしてもパイプラインに対してどれだけの投資を持つ会社が相手方にいるのかというのは、これはもうやはり世界標準で考えなくちゃいけないことだと思うんですよ。
 先ほど言った十八メーターで造りましょう、政府の暫定安全基準が十五メーターと出たからまあ十八メーターでいいでしょうと。そうしたら、その間に増額四百億円して頑張りますと言って、国と話し合ったら、経産省と話し合ったら、内閣府が今度二十一メーターと出したんですよ。そうしたら、どうしようどうしようと言っているうちに一年間延ばしたんです。そこで何が起きたかというと、株価が落ちるんです。株価が落ちるというのは、企業体が唯一海外から見られる、判断をされる場合の信用力の低下に間違いなくつながると思うんですよ。
 ですから、脱原発、確かに我が国はそれを目指すべきなんだと思いますよ。ただ、あしたの生活や今大臣おっしゃられたように医療とか、本当に命を守るためには最低限の電力はこれは国全体として確保しなくちゃいけない。だから、代替エネルギーを、その中止要請がいきなり来たものですから、カタールとの原油の取引というのは、これは国が入らない、中でも中電というのは昔から老舗でやっていたから、そういう信用で次の日からのガスが枯渇せずに多分エネルギー、火力が維持できたと思うんですけれども。
 今、そういうことで信用が下がってくるということが非常に私は大きな問題だと思うんですが、値上げをしなくちゃいけない、代替エネルギー買わなくちゃいけない、そうすると企業としての力が弱くなっていく、そういうことを、大臣、総括的にどういうふうに判断されますか。
#72
○国務大臣(枝野幸男君) 大変重要な、そしてなかなか今まで指摘をされていないポイントを御指摘いただいて、大変有り難いというふうに思っております。
 原発依存から早期に脱却をする、そして足下においても安全性の確認できない原発は稼働させないということをやれば、特に近い時期ほど化石燃料に依存せざるを得ないと、これはもう明白でございます。この化石燃料について、その燃料を調達をするというのは、量的にも価格的にもしっかりとした交渉力を持ってやらなければなりません。従来、それが弱かったのではないかと言われていることを強くしていかなきゃならない状況の中にあります。
 政府としても、今まで以上にこれは積極的に関与をして、より安価で安定的な燃料の調達できるように、例えばJOGMECの活用なども進めているところでございますが、そうした際に、調達をする企業の信用性というものは当然契約において相手方が見るところでございますので、そうした意味からは、電力会社が一定の安定性を持って結んだ契約を将来にわたって守れるという信頼を諸外国から、諸外国の企業から受けなければならない、でないと原発依存からの脱却も、安全性が確認されない原発を止めるということも困難であると。ここはしっかりと肝に据えて、なおかつ、そうしたことについてできるだけ多くの国民の皆さんに認識、御理解をいただけるように努力をしなければいけないというふうに思います。
#73
○藤川政人君 そういう中で、今代替エネルギーをどういう形にするのか、アメリカのシェールガス、確かに希望は持てるところでありますが、アメリカの内部だけでもまだ十分それを輸出するまでのものに今論も詰まっていないのが現状だと思いますが、そういう中で、中部電力と大阪ガスがアメリカのフリーポート社とこの前、契約合意に至りましたね。あれは、基本的に製品を積んで、タンカーに積んで日本に持ってくるわけじゃなくて、現地のガスを日本のプラントで向こうで精製して製品にして日本に持ち込むということですから、大体十六分の十で四割強安くなるという中でありますけれども、それは私は、電力会社、エネルギーを供給する側としてより安価に、今ある限界の中でこれ多分やられた契約行為だと思うんです。大臣、その件についてどのように評価されていますか。
#74
○国務大臣(枝野幸男君) できるだけ上流から権益を確保するということ、それから、今の御指摘、お話ですと、電力会社とガス会社が協力をして、あるいは電力会社同士などが協力をしてということでできるだけ交渉力を持ち、安価に安定的に取っていくということ大変重要で、この間、経産省も更に努力をしなければいけないと思っていますが、関係エネルギー関連企業も既に着実にそうした努力を加速をしていただいているということで、高く評価をしております。
 引き続き、まあアメリカの場合ですと民民のところでかなりの部分できますが、他の国との関係では政府がしっかりと関与をしないと進みにくい部分もありますので、関係事業体ともこの点についてはしっかりと連携をして、できるだけ上流で安定的に安価で権益が確保できるよう努力をしてまいります。
#75
○藤川政人君 二〇一七年にそれを事業開始をしたいという目標であるんですけど、そこで一つ問題なのは、非FTA国向けの輸出許可制限をアメリカは掛けていますので、非常に悩ましい問題が出てくると思いますが、大臣、その件について。
#76
○国務大臣(枝野幸男君) この件については、私も経産大臣就任以来約一年になりますが、アメリカの関係者と会談をする折には最優先事項として要請をしてきているところでございます。
 相手方の国内の事情や手続等もございますので、どこまで申し上げていいのかなかなか難しいところでございますが、これについてはアメリカも我が国の状況、事情等について十分認識、理解をしていただいておりますし、また大変大事な二国間関係、同盟国として適切な対応をしていただけると、楽観的と言うと言い過ぎでありますけれども、十分な理解を得ていると思っておりますので、順次手続を進めていただけると思っておりますし、引き続きそれについては強く働きかけてまいります。
#77
○藤川政人君 是非、大臣、TPP賛成、反対、そういう論議に巻き込まれることなく、この件についてはやはり日本とアメリカ両国の中でしっかりとした話合い、日本人の生活のために頑張ってきていただきたいと思います。
 続いて、エネルギー対策特別会計における周辺地域整備資金の状況について伺いたいと思います。
 この勘定においては、電源立地の進展に伴い、将来発生する財政需要の財源に充てるため、基金が設けられています。これは、電力供給で開発が示された十四基全ての原発施設を対象として積み立てられておりますけれども、六百五十七億円は圧縮可能な余裕資金と認められ、会計検査院は着工済み三基のみ積立対象にして整備資金残高を圧縮させるとともに、需要額の算定方法を改めて積立目標額を見直すなどの方策に検討するよう求めています。その後、整備資金については四十九億円を取り崩し、二十四年度予算で福島第一原発に充てる交付金とされました。
 経産省としては検査院の指摘にどのように対応しているのか、整備資金残高の更なる圧縮の見直しを行う予定なのか、伺いたいと思います。
#78
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘の会計検査院の指摘踏まえて、今御質問の中にもありましたとおり、二十四年度予算では四十九億円を取り崩したところでございますが、この会計検査院の指摘、それから提言型政策仕分においてもこの件については指摘をいただいておりますので、こうした指摘を踏まえながらも、一方で、今エネルギー政策全体の見直しの議論をしております。将来の原発がどうなっていくのか、どうしていくのか、それに合わせてこの交付金の在り方というのも見直しが必要だろうというふうに思っております。そのことで何か積立金の見直しを遅らせるということがあってはいけないと思っておりますが、その全体のエネルギー政策の位置付けの中で会計検査院の指摘等を踏まえた対応ができるようにしていきたいと、こういうふうに思っております。
#79
○藤川政人君 大臣おっしゃられたとおり、適正な運用、運営、進めていただきたいと思います。
 この電源立地のことについて論をちょっと進めていきたいと思いますけれども、電源立地地域対策交付金の見直しについてちょっと伺いたいと思います。
 エネルギー対策特別会計の電源開発推進勘定における電源立地地域対策交付金は、発電地域、周辺地域における住民の福祉向上に資する公共用施設の整備など、地方公共団体が実施する事業に対し交付される交付金であります。同交付金は平成二十四年度予算に九百八十五億円、昨年は一千百十億円交付されております。福島原発事故や原発建設の遅延を踏まえ、交付金の必要性を精査するとともに、事故対策や防災安全対策を拡充する仕組みを検討するとの意見が今出されております。
 経産省は昨年十二月、交付金について防災や安全対策にこれを活用できるということでされておりますが、この電源立地交付金、今日はもう一枚資料を付けさせていただいたんですが、これ、平成十九年の普通交付税不交付団体、平成二十四年の普通交付税不交付団体の一覧表です。
 たった五年前は百八十六団体、都道府県においては二十三区から資産税が徴収できる東京都、そして大規模償却資産の固定資産税しか入らないけれども法人税が多分良かった愛知県、県は二つだけです。市町村においては百八十六団体、都道府県入れて百八十八団体。そして五年たったら五十五団体ですよ、今。これを見ていくと、北海道泊村、青森県六ケ所村、宮城県女川町、福島県大熊町、ずっと見ていくと、もちろん、おおい町、そして愛知、三重でいくと川越町、そしてもちろん佐賀の玄海町、宮崎の木城町ですか。ここは調べたら水力発電所の集積地であるということです。正直、電力を山盛り頑張って生み出す町と、その電力を山盛り使う工場がいっぱいあるところしか不交付団体は今ほとんどないんです。
 そこで、今日は総務省からも政務官お越しだと思いますけど、物の本によると、不交付団体というのは独自で生活のできる優等生と、優等生にふさわしい団体と表現されるときが多いんですけど、優等生なんでしょうか。お聞かせください。
#80
○大臣政務官(稲見哲男君) 交付税というのは、先生御案内のとおり、基準財政需要額の方が基準財政収入額より上回った場合に交付をするというようなことになっておりまして、先ほど御指摘がありましたように、一番不交付団体が多かったのが昭和六十三年で百九十三団体、それが平成十二年に七十八団体まで下がって、もう一度十九年に百八十八になり、御案内のように二十四年に五十五団体になっておると、こういうことであります。
 国税五税の一定割合を交付税として支給をしているわけでありまして、これはそれぞれの自治体に財政の格差がある、それの調整、それから、どこでも同じような基準財政需要をしてもらうという形でのその保障ということでありまして、恐らくこれは地方税ということを国が代替をして徴収をしていると、こういうことでありますから、優劣というよりはそういう性格のものであると。
 当然ながら、不交付団体が増えるということは好ましい状況ではありますが、優等生というふうなことでは言えないんではないかというふうに思っております。
#81
○藤川政人君 では、関連でもう一問伺いたいんですが、今のこの状況を見ると、三千三百近くあった市町村が現在千八百を切る自治体数になっています。これは、合併が行われて、地方分権や地域主権という、その受皿としての機能強化にそれぞれ自治体が努めた結果だと思います。ただ、どうしてここの町や村は合併せずに残っているんでしょう。政務官、どうお考えですか。
#82
○大臣政務官(稲見哲男君) 先ほどありましたように、原発を含めて、立地自治体の場合は、固定資産税の特に償却資産が非常に多いということで、そういう形の中で不交付団体になっているというふうなことだと思います。
 それから、電源立地の交付金につきましては、先ほど申し上げた基準財政収入額にはこれ特定財源でありますので入れていないという、それもまあある意味、財政の豊かさというふうなことになっておりまして、そこで、おっしゃっているような状況になっているんじゃないかと思います。
#83
○藤川政人君 今、特定財源だから基準財政収入額にはカウントをしませんと、それはそのとおりだと思います。ただ、電源立地交付金についてはそれぞれ市町村に、その周辺市町村にもこれは出ますよね。ただ、それに伴う、企業が置かれた、今、大規模償却資産というのはその町にしか下りないわけですよ。今回の震災を見渡すと、やはり、例えば火力だったらその点に限っての災害対策ができるから、そういう償却資産もある程度の一定数量があればこれは県税に吸い上げられますよね。一・六以上の自治体については、大規模償却資産は県税の固定資産税になりますよ。
 ただ、それが県としてできる以外のものについては、それは市町村としての、償却資産としての固有税になりますよね。今回のように、原子力災害のように、山を越えて、海を越えて、川を越えて被災をする場合に、果たしてその、電源立地はそれぞれの地域に対しての、私は、これも今後の行方なり考えを大臣に是非お伺いしたいですけれど、果たしてその資産税がそこだけに、固有のところだけにあるべきものなのか、不交付団体の基になる、まさにその根っこですよね。
 私の地元も不交付団体です。小中学校へ行くと、全部冷暖房完備ですよ。床暖房もありますよ。トイレはウォシュレットが付いています。果たしてそれがいいかどうかは私は言いません。愛知県に財政力指数が二を超える自治体があります。小中学校は一体の校舎ですよ。修学旅行は海外ですよ。公立高校ですよ。それも自治体の実情なんです。それは自治体の独自財源であるからこそ、そこに回せるんですよ。
 でも、これからやらなくちゃいけないというのは、いざ、そういうお金があっても、近隣地域に放射能災害が及ぶ可能性が高いということをもう少し、これは電源立地交付金を出す側の経産省と、例えば財政調整を第一の仕事とする総務省がもっともっと話合いをしていかないと、点だけに資産税は落ちます。電源立地はその周りにもある程度行きますと。でも、それで防災安全対策が近隣のままいくのかと。未来永劫、このままの数字が私は出るとは思いませんけれども、何らかやはり課題が私はあると思って、今日この数字を出させていただきましたので、また総務委員会の席で御質問させていただきたいと思います。
 もう最後になってきましたけれども、大臣、今後の電源立地交付金の在り方、考え方、それをどう思われるのか。そして、電源立地交付金の財源は何ですか。それをひとつ教えてください。
#84
○国務大臣(枝野幸男君) 財源はいわゆる電促税でございますので、やはりこれは電源立地の促進といいますか、そういったことに、広い、少なくとも広い意味で使わせていただくという趣旨の法制度だというふうに思います。
 今後は、まさにエネルギー政策全体の見直しの中でどうあるべきかということは、今御指摘の点も大変重要な指摘であるというふうに思いますが、一方で、特に原発立地地域の皆さんには国策で御協力をいただき、また三・一一の原発事故という、それを踏まえた国の政策として原発依存からの脱却という国策の変更ということで地域が影響を受けられるということでございますので、政策変更の結果として、当該立地地域の皆さんに従来約束されていた、期待されていたものを少なくするということは、これは責任としてできないんだろうなというふうに思っています。
 と同時に、御指摘いただいた原発のない周辺地域が万一の場合影響を受けるのに、そこには固定資産税その他のプラスがないといったことを含めた総合的な視点が必要だろうと思っておりますので、全体のエネルギー政策の方向性を固めた上で、その上で、またこの問題自体も相当大きな議論をしないといけないというふうに思っております。
#85
○藤川政人君 去年の十二月の防災、安全面での支出も、もちろん是として、これから安全対策も電源立地の関連の法案の中でどんどんどんどん拡充をしていく形に私は間違いなくなると思います。そして、大臣言われたように、電促税のことについても、これはひとつ、大臣、徴収方法はどうなっています、どういう形で徴収しますか。
#86
○国務大臣(枝野幸男君) これはたしか電気料金に併せて、まあ電力会社にお預かりをいただいて納めていただくという形だったと思います。
#87
○藤川政人君 基本的に電力料金に上乗せなんですよね。ですから、先ほど来言うように、化石燃料への転嫁、いろいろ考えても、どこかで矛盾が来てしまう。みんなに、地域に安全対策をしてもらおうと思えば、電力料金に上乗せをして電促料を取って電源立地に回すという、じゃ、そういうやはり何か矛盾を感じるところが必ず出てくると思いますので、しっかりとした電源立地対策を含めて安全対策を進めていただきたいと思います。
 終わります。
#88
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。若林健太君。
#89
○若林健太君 藤川議員に続いて、自由民主党、若林健太でございます。一時間の質疑をさせていただきたいというふうに思います。
 今回、私は、予備費についてと、それから環境省関連、さらには会計検査院についてということで質疑をさせていただきたいというふうに思います。
 まず最初に、予備費について質疑をさせていただきたいと思いますが、予備費については憲法八十七条に定められ、当初予算作成段階では予見し難い不足に充てるため、国会の議決に基づいて設けられ、内閣の責任によって支出することができると、こういうものであるというふうに理解をさせていただいております。
 本来、こうした予見し難い不測の事態、こういう事態が行ったときというのは、原則的には臨時会を開いて、そして補正予算を組む、そういうふうにするべきだというふうに思うんですけど、臨時会を召集するには時間的な余裕がないとか、あるいはそれほどでもない軽微な予算不足の場合に予備費によって対処する、これが予備費の本質的な性格ではないかなと、このように思うんですね。本来は国会の予算審議権、こういうことが基本であるとすれば、予備費のように使途を明確にせずにあらかじめ国会の審議を受けずに内閣の責任によって支出をするというものは極めて限定的に運用しなければいけないと、このように思います。
 さて、今回のこの審議の対象となりますが、菅内閣、平成二十二年の九月に経済危機対応・地域活性化予備費というのを予備費の中から支出をされました。一兆円近い予算、九千百七十九億円を景気対策として一気に支出をされたわけでございます。
 先ほどの要件を考えれば、この予備費として一兆円近いお金を支出をする、それについては臨時会を開く、それにも待てないほど緊急、火急な事態があった、こういうことだと思いますけれども、果たしてそういう事態は何かあったのか、財務大臣にお伺いしたいと思います。
#90
○国務大臣(安住淳君) 経済予備費の考え方については、私も一議員としては若林先生の御指摘について同じような考えを持っております。ただ、考えなければならないのは、リーマン・ショック以降のやっぱり経済危機がそれだけ深刻だったということは言えると思います。
 ですから、麻生政権下で二十一年度に初めて経済緊急対応予備費を設けまして、一般予備費と言われる三千五百億円にプラスして一兆円を積み増した、その延長で、菅内閣は更にこの一兆円を二十二年度予算で、これは地域活性化予備費というふうなことで追加をさせていただいたわけでございます。
 ですから、そういう意味では、リーマン・ショック以降、今日、二十四年度は九千百億円ですから、この額を見ますと、やはり平均で割ることはできませんが、その以前は委員御存じのとおり三千五百億円程度で、これは、今御指摘のように、国会と国会の開けるような状況でないときの緊急に支出をしなければならない額として大体それぐらいの額を見込んでやっておりましたけれども、リーマン・ショック以降、麻生政権以来、四年連続で今私が申し上げたような状況になっていたということでございます。
 その中で、それでは菅内閣で、あの当時、二十二年度、この緊急の予備費の支出に必要性があったのかという御指摘でございますけれども、このときのことを振り返りますと、八月の実は六日に通常会が閉会をしまして、十月の一日が第百七十六の臨時会でございましたから、言わばその間のすき間で経済対策を打ったときにこの予備費を使ったということなんですが、このときはやはり経済状況が決して良くないのと、円高対策等に緊急に対応するものとして、主に挙げればやはり住宅エコポイントの延長を、これを考えなければならないということで、これが非常に大きかったと。これは底を尽きかけてきた資金だったので、これに追加資金を充てたと。それから、低炭素型雇用創出産業立地支援の推進等、その投資の基盤づくりもやりましたと。それから、雇用の対策についての支出をし、都合で九月二十四日の閣議決定において九千百七十九億円の使用の閣議決定を行ったというふうなことになっております。
#91
○若林健太君 今大臣がおっしゃったように、実は一兆円近い予備費の執行、景気対策としてこうした対策を行ったのは、リーマン・ショック後の、直後の麻生内閣でも行ったんですね。しかし、このときは、麻生内閣は、予備費を取り崩して改めて補正予算を編成をして、予算執行前にきちっと国会審議をやっているんですね。それが、今回のこの私が御指摘を申し上げている菅内閣での予備費の支出との大きな違いだということであります。
 予備費の使用決定は、この平成二十二年九月二十四日の閣議決定で行われました。今大臣から御説明いただいたように、臨時会は十月一日に召集されたんですね。その閣議決定は九月二十八日。たった四日です、四日。この四日を惜しむ、補正予算をやらないで何としても緊急でやらなきゃいけないと、そういう必要性は本当にあったのかどうか、もう一度御答弁いただきたいと思います。
#92
○国務大臣(安住淳君) 円高・デフレ対策の緊急総合経済対策を策定したのが実はこの月の十月の八日でございます。それに基づいて、実は五兆円規模の補正予算を編成をしまして、国会に提出したのが十月の二十九日でございまして、成立が十一月の二十六日の成立ということになっておりますから、そういう点では、確かに、国会が始まったのは十月の一日でございますが、補正予算を組んでその執行となりますと、年末近くになってしまったと。そういうことから考えると、円高対策や経済対策について、住宅エコポイントも年末に切れるというふうな状況でございましたので、今から考えれば委員のような御指摘もあると思いますが、九月の時点で、言わば三段構えの経済対策のファーストステップとしてこの執行に閣議決定をして踏み切ったということだと思います。
 切れ目なく景気、雇用の悪化のリスクに対して対策を講じる必要があったということで、この経済予備費の活用ということをいたしたと当時は思います。その後、補正予算ということで第二弾、本予算で第三弾ということになったわけでありますけれども、様々検証をし、その予備費の使われ方の適正化が果たしてどうだったのかと、これだけ一兆円近い大きなお金であれば補正を組んでしっかり議会の中で審議をしてから組むのが筋ではないかという御指摘だと思いますが、私も国対委員長を含め議会で長くいさせていただいて、委員の考え方というのは十分理解しております。
 また、額に決まりはないわけでありますけれども、三千五百億円程度でずっと来たわけですから、これを一兆更に積み増したということは、先ほどから申し上げましたように、それをこれからも長くずっと私はやるかどうかということについては議論があるところだと思いますから、巡航速度に乗せれば、本来のやっぱり私はありようというものに戻していくのが一つの考え方ではないかとは思いますけれども、リーマン・ショック以降引きずってきた経済危機の中で切れ目ない対応をするためにこうした措置はやむを得なかったというふうに、今の時点で私判断しております。
#93
○若林健太君 リーマン・ショック直後の麻生内閣の経済対策、同じ額の一兆円で予備費から支出をしました。何度も申し上げているように、そのときには補正予算をしっかり組んだわけでありますね。このとき、実は私も初めて初当選をしたあの参議院選挙の年だったんです。七月十一日に参議院選挙が行われ、特別国会をすぐ閉じて、そして大幅な空白期間を置いて臨時会を召集をする。そもそもやる気がなかったと、こういうことなんじゃないのかと、私はそう思うんですね。
 本来、一兆円規模の予備費を使う、それもしかも景気対策で行うということであれば、原則にのっとって補正を組んで、そして国会審議を経て堂々とやる、こういうのが筋ではないかと、こう申し上げていますが、いかがでしょうか。
#94
○国務大臣(安住淳君) 私も何度も申し上げておりますが、内閣として使える額が無尽蔵にあるということはあってはならないことだし、予備費というのはあくまでもやっぱり予備費であるということは、もう私も委員と全く同じでございます。この議会において国民の代表たる衆参の先生方に対してきちっとお示しをして、承認を得てやっぱり予算というものは執行していかなければならない。
 ただ、やはりリーマン・ショックがあって言わば二年目、これは麻生、菅両内閣におけるGDPを見ても、経済は決して上向きな状況ではなかったということは事実であります。そういう中で、住宅エコポイント等が経済の下振れを支えてきた、それが非常に思った以上に早い消化があって、十二月までどうもその額全体がやっぱり枯渇をするおそれもあると、こうしたことから九月に執行を決めたと。しかし、政治状況は様々、今委員から御指摘ありまして、私もちょっと思い出しましたけれども、国会が始まるのが十月の一日でしたから、そういう意味では二か月の空白があったということだったと思います。
 そういう中で予備費使用に踏み切ったわけでありますが、ただ、九月の二十六日に執行を決めて、十月の一日から国会は始まっておりますから、承諾を得ることは今日遅れておりますけれども、審議の中でこの予備費の使用等についても十分国会での議論はあったと思いますので、その点では議会のチェックというものも私は、一週間後に国会は始まっていますから、そういう点では働いたというふうな考えは持っております。ただ、議会でのこの執行について質疑は十分あったと思いますから、そういう点では、全く議会に対して、この執行のことについて、その後も例えば一か月も二か月も放置していたというよりは、一週間後には国会が始まりまして、論戦の中でこのことは議論になっておりますので、そうした点ではある意味でのチェックというものは働いていたのではないかというふうに思っております。
#95
○若林健太君 私、ここで余り時間を費やすつもりはなかったんですが、しかし、今の大臣のおっしゃり方は極めて法治国家として許し難い御発言だというふうに思うんです。
 というのは、予算審議権というのは、あくまでもこの国会においてきちっと審議をし、そして可決をし、そのことによって内閣は免責をされて執行できると、こういうことなわけでありまして、予備費を審議もかけずに流用して、それは国会でも話したんだからそれでいいじゃないかと、こんなことではこれは法律の議論にはならないのじゃないかと、このように思います。
 そして同時に、この予備費そのものの性格ということを先ほど来お話をさせていただいておりますが、あくまでも限定的に使わなければならない、国会の予算審議権を侵すようなことがあってはならない、これは憲法で保障されていることだと、こういうことを申し上げているわけで、その意味で今回大変問題があると、こういう御指摘をさせていただいているんです。
 景気がなかなかうまくいかないから、前はちゃんと補正予算やりました、次の景気対策もやりました、真ん中はちょっと忙しかったから予備費で流用して一兆円使いました、そんなことが許されるでしょうか。民主主義は、あくまでも法律にのっとって、ルールに基づいて運営をしていかなければならない。そういう意味でいえば、やはりここは反省があってしかるべきだと、このように思います。
 くどいようですけれども、もう一言お願いしたいと思います。
#96
○国務大臣(安住淳君) 憲法に定められた予備費については、八十七条において、予見し難い予算の不足に充てるため、議会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができるとなっております。事後の国会の承諾を得なければならないことも規定しています。
 私は、若林さんとほとんど同じ考えを持っています。ですから、三千五百億円で、予期せぬ災害等を含めて予備費というものは今までずっとそこでやってきて、言わば予算の中で一定の本当に割合で緊急に必要なものが支出できるようにということでやってきました。
 ただ、リーマン・ショック以降今日に至るまで、日本経済が非常に不安定な状況の中で、これにプラス一兆円前後を継ぎ足して、これは予算で承認は得てきましたけれども、今、若林委員が御指摘のように、果たしてこれぐらいの額で、この先も議会の承認を得ないままで、例えば執行可能な予備費の額が適切かどうかということに関しては、私もやはりそこは、今憲法で私は読みましたけれども、それにプラスして言えば財政法においても二十四条で予備費の規定がありますので、こうしたことを考えると、やはり不測の事態で経済的な危機だったからこそ、こうした額やこうした予算の使い方はある程度やむを得ない部分はあったかもしれませんけれども、本来の経済が巡航速度に乗って予算の執行というものをやっていくという場合においては、十分今後検討しなければならないというふうに私は思っております。
#97
○若林健太君 今後はこういうことを改める、あのときはしようがなかったじゃないかと、こういう今の御答弁だったと思うんです。そのときのことをあえて否定をすることができないから、まあぎりぎりのお答えだと、こういうことなのかもしれません。
 しかし、私はあえて、これをやめたいと思いますけれども、民主党政権になって、こうした原理原則に基づいた、あるいは法治国家として取るべき行動ということをないがしろにして便宜主義に走る、そういう政権運営が非常に目に余るというふうに言われております。私もそういうふうに思っておりますが、これも一つのその類型ではないかなと、こんなふうに思うんです。
 一兆円近い予備費の支出ということを、そのときの経済状態が悪かったからと。だけど、最初にどかんとあった、そのときのリーマン・ショックの対策はしっかり対応をしているわけです。それは麻生政権のときでありました。そして、第二段階のときはまたそれはそれで補正予算も組んでいるけど、これだけ実は予備費流用で国会審議を経ずに使ってしまった、このことは大変に猛省を促したいと、このように思うわけでございます。
 さて、そういう状況で国会審議を経ないまま使われた経済危機対応・地域活性化予備費でありますけれども、実は多額の不用額が発生をしております。不用額の比率の多いものからこの内容についてお伺いしたいと思いますが、まず九九・七%不用、〇・三%だけ使いましたと、こういう予算項目がございます。新卒者等企業実習推進事業、これは何で不用になったんでしょうか。厚労大臣にお伺いしたいと思います。
#98
○国務大臣(小宮山洋子君) 二十二年三月の大卒の内定率が調査開始以来ワーストツーという中で、二十二年の九月に経済危機対応・地域活性化予備費、これを使用して多様なメニューを用意をいたしました。その中には、新卒応援ハローワークですとか、それから新卒者などの支援を専門に行うジョブサポーターを抜本的に増員をしたこと、また三年以内の既卒者のトライアル雇用の奨励金など、非常に就職に結び付いて役立ったものもございますが、御指摘の新卒者等企業実習推進事業、これは雇用に直結するジョブサポーターの支援ですとか、三年以内の既卒者のトライアル雇用などに新卒者などのニーズが集中をしたため、雇用に直結するということではないこのインターンシップの事業というのが、余りニーズが生じないでこの活用が進まなかったということだと認識をしています。
#99
○若林健太君 そうなんですね。三年以内既卒者トライアル雇用推進奨励金、こっちの方を企業の皆さん使っちゃったので、こっちは余り使われませんでしたと、実は事業が重複していたんじゃないのかと、こういう疑いがあると思うんですね。
 さらに、同じように不用額八三・七%、新卒者就職応援本部の設置に必要な経費、あるいは八三・六%、これ全部不用の方です、使ったお金じゃありません、不用の金額が八割を超えていると、こういうことでありますが、臨床心理士等による相談の実施に必要な経費。この予算、それぞれ、なぜ八割以上も不用になってしまったのか、引き続きお答えをいただきたいと思います。
#100
○国務大臣(小宮山洋子君) この臨床心理士等による相談の実施に必要な経費、これは就職面接会の実施経費ですけれども、これにつきましては、就職面接会ごとの臨床心理士の確保が困難だった場合などがあり、それで使われなかったということで、これは委員がおっしゃりたいとおり、もう少しそういう実際に使えるかどうかをチェックした上で付けるべきものだったというふうには思います。(発言する者あり)
#101
○委員長(山本順三君) いいですか。じゃ、もう一回、若林健太君。
#102
○若林健太君 済みません、今二つお聞きしまして、今お答えいただいたのは臨床心理士等による相談の実施に必要な経費、もう一つは、新卒者就職応援本部の設置に必要な経費、こっちが八三・七%の不用と、こうなっていますが。
#103
○国務大臣(小宮山洋子君) 失礼しました。
 これは新卒応援ハローワークの周知広報について、民間で大学生などの就職支援を実施する就職支援サイトとも連携をして、このサイトを活用して無料で広報を実施していただくなどの対応も図り、その経費の削減に努めました。それで、このうち二十二年度の実績を踏まえて二十三年度の予算では削減を図っておりますけれども──ここは、これは今のは何か説明になっていないですね、うまく。申し訳ありません。
 ここは、結局、新卒者就職応援本部の設置に必要な経費、これについては緊急対策として使いましたけれども、なかなかそこの活用がうまく、ほかのものとのダブりなどもあって進まなかったということかと思います。
#104
○若林健太君 実は、それは今大臣のお答えは半分正解、残りもうちょっと足りなくて、ほかのリクナビや何かを利用したということによってコスト削減した、残りのものは当初予算で対応したからもう要らなくなっちまったと、こういう話、私はレクでそういうふうに伺っております。
 これら事業、本当に緊急性あったんでしょうか。いやいや、もちろん大切なことですよ。新卒者の就職何とかしなくちゃいけない、これは大変なものでしたけれども、しかし、さっきの話じゃないけれども、臨時会開催をする三日前に閣議決定して予備費で流用してばんばん使っていくというほど必要なことだったんでしょうか。一か月あるいはしっかり検討をしてやれば、こんな不用額なんか出なかったんじゃないのか、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
#105
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほどおっしゃるように、確かにもっと精査をした方がよかった内容も含まれていたと私も思います。
 ただ、先ほど申し上げた、例えばこのジョブサポーターによる支援などで二十二年度末までに五万九千九百三人、そして就職者数は二万人を超えるというように、こういう成果を上げているものもございます。また、新卒応援ハローワークも、これも若者の利用が進まないハローワークを若者に向けてつくったということで、ここでの就職者の数も三万人を超えまして、利用者は二十二万人を超えるなど、きちんと機能しているものも多様なメニューの中には幾つもあるんですね。
 ただ、そのときは本当にきつい状態だったので、あらゆる政策を組み合わせて多様なメニューを用意をしたということで、その中で御指摘のような不用額が多く出てしまうように、もっと精査が必要なものもあったというふうには認識をしています。
#106
○若林健太君 もっと精査をすればよかった、このときはたまたま予算を使わなかったと、こういう御説明でございました。
 しかし、実は、先ほどの新卒者等企業実習推進事業、これはこの年限りで打ち切っています。要は必要なかったということを認めたということだと思いますし、臨床心理士等による相談の実施に必要な経費、これも翌々年の平成二十三年度限りで実は事業を打ち切っているんですね。要は、国会の審議もしないで、予備費流用でぼんと大盤振る舞いやりましたと。だけれども、不用額どんどん出て、やらなくなっちまった事業がこんなにありますと、こういうことなんじゃないでしょうか。
 改めて、このときの予備費の使用、一兆円近い経済対策を国会審議も経ずにやったことのまさにゆがみがこうしたところに出ているのではないかと、このように思います。
 その点について、今度は財務大臣からもう一度コメントをいただきたいと思います。
#107
○国務大臣(安住淳君) 景気対策をやる中で、景気が落ち込んでいく中で、各役所としては、例えば今、ダブっているんじゃないかというような御指摘もありましたけれども、雇用対策等ですね、本当にそういう意味では即効性のあるものとして考えて予算要求をしてきたんだとは思います。しかし、結果的にはその中で使われなかったメニューもあったということでありますから、それから、今委員も御指摘のように、しっかりと、例えば、十一月二十六日に私補正予算が通ったと言いましたけれども、そちらの中で審議をしながらチェックをちゃんと国会でしてやっていく予算もあったのではないかということについては、私も先ほどから申し上げているとおり、やはり国会での承認をいただいて執行するべきものも中にはあったのかもしれないと思います。
 ただ、やはり、何度も言いますが、リーマン・ショック以降の経済の下振れの中で、雇用対策やそれから住宅建築の下振れに対して緊急な対応が必要だったということで当時はこの予備費を活用させていただいたというのも現実にあったと思いますので、今後、こうした予備費の使い方というのは、先ほどの財政法や憲法に基づいた考え方を私基本的なことは申し述べましたけれども、やはりこれまでのこの何年間かにわたる一兆円近い額をここに寄せざるを得ないような経済の状況というものを、私はこのまま言わばこの先も続けるということではやはり少し問題があるのではないかと思っておりますので、本来のあるべき予備費の姿から、言わば、に少しずつ戻していくというのも今後考えなければならないと思います。
#108
○若林健太君 本来の予備費の在り方に、したがって、ということは、今回のこの経済対策として使った予備費の在り方は本来でなかったと、こういうことを認めていただいたということだと思います。そのことは今後の反省に是非生かしていただきたいというふうに思います。
 事は、これだけ要するに不用額が出ている、しかも一期だけで事業をやって、もう全然お金使わなくてやめちゃいましたと、あるいは二年ちょっとやったけれども同じような事業がほかにもあったからやめましたと、こういうような事業があるわけです。しっかりと国会審議を経て一兆円近いこの経済対策をしっかりやればこんなことなかったのではないか、そもそもルールにのっとらずに政権運営をやっていることがこのゆがみの原因であると、こういう御指摘を申し上げさせていただきたいと思います。
 それでは、ちょっとお手元に近年の予備費の審査の状況という資料がございますが、それを御覧になっていただきたいんですが。
 政権交代をしてから、民主党が国会運営の主導権を取って、予備費の審議というのが実は大幅に遅れております。自民党政権下では、参議院に例年五月には送付されていたわけですね。ところが、政権交代以後、二十年度の予備費の送付は十一月、二十一年度の予備費は十二月、今回は七月と、こういうことになっているわけであります。この予備費の送付が遅れることによって決算審議が実は遅れるという大変大きな、まあ連動しているわけですね、影響を受けていると、こういうことでありまして、今の政権運営では決算や予備費の審議を軽視しているのではないかと、このように思わざるを得ないと思うんですけれども、この表を見て大臣はどう思われるか。
#109
○国務大臣(安住淳君) その前にちょっと、先ほどの話だけ付け足しを一分だけいいですか。九千億が全部間違いだというような、私ちょっと印象を持ったので。
 確かにダブっている部分はあります。しかし、九千億の全体を見ますと、当時、実はゲリラ豪雨で、そうした災害対策で一千六百億で、その後、家電エコポイントや住宅エコポイント、フラット35の大幅な金利引上げが四千五百億円ほど使っているんですね。ですから、若林委員の御指摘のあったところの新卒者の雇用の緊急対策でいうと、ジョブサポーターなんかの問題でいえば十七億、それから三年以内の既卒者のトライアル雇用奨励金というのは六十五億とか、そうしたことについては確かにいろいろな議論あるかもしれませんが、私が申し上げたいのは、やっぱりやむを得ざるような経済状況でこうしたものが付いていたということがこの四年間だったということなものですから、そこは是非分かっていただければ有り難いと思います。麻生内閣以来、こうしたリーマン・ショックのやっぱり危機的な状況を乗り越えるために、政府としてはこの一兆円近い予算というものをここに充てさせていただいているということだけ申し上げさせていただきます。
 今委員から資料を提出していただきましたものを見ても私も思いますが、六百日近く、二十年度の、二十一年度の参議院の送付までの期間のことを御指摘がありました。もう少し早く、しっかりと国会の承諾を得るための手続を踏んだらどうだということでございます。
 私も、それは政府の側から申し上げますと、国会における予備費の審議日程については、当然、それはそれぞれの院の御判断ではありますけれども、政府としても、引き続き早期にやはりこうした審議をさせていただくためのこの提出、予備審査等のですね、予備費使用調書等については引き続き早期の提出というものをやっぱりやって、皆様方の御審議に付さなければならないというふうに私も思っております。
#110
○若林健太君 もう先ほどのことですから言うつもりもありませんが、一分だけということでお話をいただきましたので。
 私はやっぱり納得いかないんですよ。全体の一兆円の割合が低いからこの程度はいいじゃないかと、こういう話じゃないんです。民間から考えれば大きいお金です。もっともっと緊張感を持って財政運営をしなきゃいけないということですよ。同時に、原則を外していると、予備費の流用についてですね。そのことを御指摘しているわけで、本質の議論をずらしてもらっては困ります。
 私は、この予備費については昨年の決算委員会の中でも実は御提案をさせていただきましたが、今、予備費というのは、国会に提出されるのは通常二回に分けてということで、その一というのを年度末、その二が五月に提出をされると、こういうことであります。
 先ほど来お話ししているように、憲法八十七条、予備費の措置というのは、あくまでも緊急的、例外的処置ということでありますから、国会の予算審議権ということを考えれば限定的に運用するべきであると。そして、内閣がもしこの限定された範囲の中で使用した場合には、速やかに国会の中で事後審査、承認を得て、内閣の責任が解除されると、こういうことが望ましいというふうに思います。
 したがって、できれば国会開会の都度、こうした予備費の審議というのをやるべきではないか。このことは前回も提案させていただきましたが、今回改めてそうしたことを提案させていただきたいと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#111
○国務大臣(安住淳君) 財政法の三十六条の三項で、次の常会において国会に提出しなければならないという旨が定められていると。その一として、四月から一月ですね。その二として、二月、三月分を今出しているような状況であります。
 昨年から、若林委員のお話は、四半期ごとにしっかり出してやった方が国民にも分かりやすいし、透明性もあるのではないかという御提案です。私は一つの提案だと思います。
 ただ、問題は、例えば十月から十二月の時期をどういうふうに判断するかと、四半期でもしやった場合ですね。この時期というのは予算編成時期に重なっていますし、多分、四半期ごとに出さなければならないとなりますと、この時期の多分書面の提出が相当政府としては大変になる可能性があると思います。ですから、そういう点では、四半期ごとにやった場合にも様々な課題があると思います。
 今の現制度において、とにかく私どもとしては、早い機会の御審議に資するよう、先ほど申し上げましたけれども、国会に対する提出を、早期の提出に努めていかなければならないと思いますが、四半期ごとにやるとなった場合の様々な課題がありますので、やはりいろいろ考えなければならないのではないかと。これは、昨年来、政府として先生に答弁をしてきたラインから、大変恐縮ですが、外れておりませんので、御了解をいただければと思っております。
#112
○委員長(山本順三君) 若林君、ちょっとお座りください。
 この予備費の関係については、実は、政府の提出が遅いこともさることながら、衆議院側から参議院側への送付が極めて遅れているという現状があるんです。そのことについては今、理事会で随時協議を継続しておりまして、近いうちにその結論を出して、そしてこの予備費が参議院、決算の参議院という、そういう立場でありますから、早くに来るような対策を講ずべく対応しているところでございますので、その点は御報告を申し上げたいと思います。
 若林健太君。
#113
○若林健太君 是非、理事の皆さん、先生方の御見識で院としての申入れをしていただきたいと、こんなふうに思います。
 財政法についてはもちろん承知しています。四半期にすれば大変だと、そういうことだと思います。しかし、民間会社は今、四半期ごとに決算やっているんですよ。あれ導入するときも、民間会社は皆さん、大変だ大変だと言っていました。でも、やれば何とかできるんですね。
 むしろ大切なことは、この予備費というものの性格がどうあるのか、そして、内閣が国会の審議も経ずに支出したものに対してその責任を解除する、それはなるべく早い方がいい、国民の知る権利も併せて考えれば、そういうことが趣旨ではないのかということを申し上げているわけでありますし、本来あるべき姿ということをよくお考えいただきたいというふうに思います。
 さて、ちょっと違う話題に入りたいと思いますが、災害廃棄物についてお話をお伺いしたいと思います。
 先ほど、大久保議員、金子議員も取り上げておられましたが、東日本大震災において、大規模な津波によって多くの災害廃棄物が発生をいたしました。お手元の資料に、六月末段階で沿岸市町村の災害廃棄物処理の進捗状況と、表が公表されておりまして、お配りをさせていただいております。三県合計で千八百八十万トン、大変な量であるわけであります。この処理については、先ほど来お話がありますが、ベースとなるのは、平成二十三年五月のマスタープランというものであるというふうに思います。お盆前にリニューアルしたものも出ましたけれども、大筋の線はそれに沿っていると、こういうことであります。
 そこで、この表を見ていただきますと分かりますけれども、今現在、この災害廃棄物の処理というのは、震災から一年四か月たった六月末時点で、岩手県で一二%、宮城で二五%、福島一二%、全体で二〇%と、なかなか進んでいないという実態がございます。
 この表の前のところに仮置場の搬入状況というのがございますが、この仮置場の搬入状況も三県合計でいきますと、現状が八三%、まだ二割弱残っているんですね。マスタープランによりますと、本来は平成二十四年三月、この三月には仮置場への搬入終わると、こういうふうに目標を立てておりましたが、現状は八割しか終わっていないと、こういう事態について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#114
○国務大臣(細野豪志君) 御指摘のとおり、当初、仮置場への移動につきましては平成二十四年三月末までをめどにするということを計画をしておりました。ただ、現実的には、自治体によりまして、家屋などの解体量というのは極めてこれが大量にあるという、そういう市町村がございまして、所有者の意思確認というものも、人によっては使いたいという方もおられるし、解体をすることを迷っておられた方などもおられまして、そのことに調整も含めて多大な時間を要したということでございました。
 そのため、平成二十三年十一月、これは私が環境大臣に就任をした後でありますけれども、こうした自治体について解体のめどが立たないのであれば、これはしっかりとそれはお示しをすべきだろうということで目標を個別に定めまして、遅くとも平成二十五年三月末までをめどに仮置場への移動を完了させるとしたものでございます。
 この表をお見せをするときに、常に御説明をしなければならない、若干舌足らずなところがあるなと思っておりますのは、災害廃棄物というと、もう野積みになっているものをイメージをされるケースが多いんですが、実際には解体前の家屋がかなりの部分含まれておりますので、その部分がまだできていないということは、これはできるだけ皆さんに正確にお伝えをしながら、三年以内の処理ということについては期限を守ってやってまいりたいと考えているところでございます。
#115
○若林健太君 これ見ると、なかなか市町村によって大きくばらつきがあるんですね。例えば、岩手県山田町というんですかね、山田町というのか、山田町は五六%と極端に低くなっているんです。その理由はお分かりになりますか。
#116
○国務大臣(細野豪志君) この山田町というのは、私の地元である静岡県が瓦れきの受入れもしているところでございますので、状況については承知をしております。
 山田町、大槌町というこの二つの町がそういう対象になっているんですが、あの地域というのは海岸線がもう本当に完全に津波でやられておりまして、そういった中で、この解体をした建物の基礎のコンクリート部分というのが土地の境界の確認に利用できるのではないかという考え方を特に山田町の場合は取られているという事情がございます。したがって、それを取ってしまうと、どこからどこまでがどの人の所有物か分からなくなりますので、それを確認をした上でこれを解体をして仮置場に搬入する予定となっているというふうに承知しております。
#117
○若林健太君 国が、やっぱり市町村任せにしないで、しっかりと指導力を発揮して対処していっていただきたいと、このように思います。
 広域処理について先ほどもお話がありました。六月二十九日に大臣名で、可燃物と木くずについての受入先の見通しが立ったと、こういう宣言がされました。
 しかし、この中に不燃物について入っておりませんけれども、この不燃物についての広域処理、見通しはどうなっているのか。最終処分場について県内以外の対応というのはなかなか難しいと思うんですけれども、どんな状況だかお聞きしたいと思います。
#118
○国務大臣(細野豪志君) 今年の年初、さらに去年からということでいうならば、できるだけ多くの自治体に手を挙げていただきたいという、そういう状況でございました。そうした中で、かなりの自治体が動いていただいて、現段階においては、個別の、例えば宮城県や岩手県のこの地域のこの種類の廃棄物をどういうふうに処理をするかという、そういう調整の段階に入っておりますので、そのことをお知らせをすべく皆様にお伝えをしたということでございます。
 その中で、不燃物につきましてはまだ課題が残っております。コンクリートくずであるとか、アスファルトくずであるとか、津波堆積物などというのは、これは比較的再生利用は容易でございまして、その全量を各県内での復興資材として活用するめどが既に立っております。一方で、めどがなかなか立ちませんのがいろんなものが混ざった不燃混合物の処理でございまして、これを今、いかにして公共事業などに活用できるのかということについて各省で調整をしながら取り組んでいるところであります。
 今の段階では、ちょっと処理の仕方についてもまだ問題がございますので、どんどん県外に出すというよりは、まずはそれぞれの県内で、どのように分けるべきものは分けて再生利用するかについての詰めの調整をしておりまして、かなりの部分は被災地で処理をできるのではないかというふうに考えているところでございます。
#119
○若林健太君 お盆前のマスタープランの見直しを拝見していると、岩手県については、不燃物、ある程度県内の方で対処していくというふうなことが記載されていたと思うんですけど、宮城については広域処理も含めて検討が必要だと、こういうふうに書いてあったと思うんです。その辺はどうですか。
#120
○国務大臣(細野豪志君) その宮城県のいわゆる混合のものについては、まだ若干微妙な状況が残っております。ですから、広域処理の可能性も完全にこれは我々として捨てているわけではないんですけれども、実は混合この廃棄物の処理というのは、どういったところで処理するにしても非常に非常に難しい問題がありますので、今の時点でとにかく県外でというよりは、まずは県内で処理できるものについては処理をしようということで努力をしているという、努力を特に地元でしていただいているという状況でございます。
#121
○若林健太君 大臣の努力あるいは地元の御努力については本当に多とするところでありますけれども、しかしながら、今お話を伺っていれば、不燃物についての想定される全体の災害廃棄物の量、それぞれの処置の仕方について実は不確定なところがまだ残っていると、こういうことだと思うんですね。
 そういう中で、現状、災害廃棄物の処理はまだ二割しか終わっていない、あと八割残っていると。確かにお盆前に、急加速度で、二十六年三月には終わりますよというそういうグラフは出ておりましたけれども、本当に実現可能ですかと、まだ、だって不燃物についての不透明なところはたくさんあるじゃないですかと、こう思うところがありますが、いかがでしょうか。
#122
○国務大臣(細野豪志君) 可燃物であるとか木くずなどは、きちっとやればできるというふうに思っております。一方で、不燃物については、御指摘のとおり若干不確定要因がございます。ですから、そこは自治体に任せるということではなくて、再生利用というのは、公共事業、国も相当やりますから、我々が前面に出ることで実現することができます。特に、国土交通省などにも相当の努力を今してもらっているところでありますので、それをしっかりとやることによって、この混合物、不燃物についても目標の中でしっかりとやり切りたいと思っています。
 まだ、しっかりこの時期にこれと、全部がめどが立っているわけではありませんが、かなりしっかりと取組が今できている状況にはなってきておりますので、私は、実現できると、しなければならないという思いで努力をしてまいりたいと考えております。
#123
○若林健太君 しっかりとしたロードマップを作って、やっぱり、今確定していること、そして確定していないことを明らかにして、そして確定していないことを期限内にしっかりと処置していくということが大切だと思います。災害廃棄物の処理というのは、震災復興へ向けてやっぱりみんなの気持ちを前向きにさせるためにも大変重要なことだと思いますから、引き続き頑張っていただきたいと、このように思います。
 さて、アメリカのアラスカ州等にボールが漂着をして、名前がありましたと、感動的なお話がありました。私ども感動したわけですが、しかし、この漂流する廃棄物について、今年の秋以降本格的にアメリカの西海岸中心に漂着するんではないかと、こういうことが言われています。先日はオレゴン州に桟橋が、百五十トンもするようなのが漂着をしたと、こういうことであります。
 国際的な協定がないからこれはいかんともし難いと、漂着を受けた国で何とかしなくちゃいけないというのが今国際のルールだと、こういうふうに承知していますが、しかし本当にそれでいいのかと。昨日の産経新聞の記事によりますと、既にアメリカ側では、各州ごとに五万ドルずつ五つの州で予算を支出することを決めたというようなことも報道されているわけであります。
 私どもは果たしてこれについてどう対応したらいいのか、今大臣として検討していることがあれば教えていただきたいと思います。
#124
○国務大臣(細野豪志君) 今、若林委員が御指摘のとおり、法的な責任は、これは各国がいろんな事情を抱えていますので、これはそれぞれの漂着をした地域のその国なり自治体でやっていただくということになっております。
 ただ、特にアメリカ大陸の西海岸ということになると、大変な今回支援をいただいた米国がほとんどということになるわけですから、その米国との例えば関係ということを考えたときに、我が国政府として何もしなくていいのかということには私はならないのではないかと、これは道義的な意味でですね、そのように感じております。
 既に、環境省と非常に協力関係にございますNGOに現地に行っていただいて、それぞれの地域でどういったことができるのかということについて協議をしていただいておりますが、米国政府などともいろんな連携をしながら、どういったことがやり得るのかということについて、今詰めのいろんな事務的な作業をしているところでございます。
 方針が明確になりましたら改めて報告をさせていただきたいと、そのように考えております。
#125
○若林健太君 大臣、それは予算的措置も含めて検討しているということでしょうか。
#126
○国務大臣(細野豪志君) これは財務大臣に答えていただいた方がいいかもしれませんが、そういったことも含めてしかるべき対応が必要ではないかということで今協議をしているということであります。
#127
○若林健太君 NGO等を通じて検討をやっているということは存じております。
 また、私も、今大臣がおっしゃったように、未曽有のことだから米国政府とすれば問わないという姿勢でいるということもお聞きしていますが、ここは道義的に誠意ある対応をすることも必要ではないかと、このように思います。
 次に移りたいと思います。だんだん時間がなくなってまいりましたので、急ぎたいと思いますが。
 去る六月二十九日、エネルギー・環境会議において、二〇三〇年、エネルギー・環境に関する選択肢としてゼロシナリオ、一五%シナリオ、二〇―二五%シナリオという三つのシナリオが提示されました。この根拠となる数字について何点かお伺いしたいと思うんです。
 まず、このエネルギー・環境会議、この三つの選択肢の前提となる経済成長率、よく言われていることでありますけれども、二〇二〇年まで一・一%、二〇三〇年までは平均〇・八%と、こういうふうに言っております。一方、政府は、日本再生のための基本戦略において、名目成長率三%、実質二%を目指すと、こういうふうに言っているわけで、政府の出している経済成長率、極めて重要な基本的な数字ですが、この数字が、それぞれの施策、検討する施策によって違ってしまっているんではないのか、こういう指摘がありますが、この点についてお伺いしたいと思います。
#128
○国務大臣(古川元久君) お答えいたします。
 今回の選択肢の提示に当たりましては、政府の慎重シナリオを用いるべきか、この慎重シナリオは、ほかの財政運営戦略などでもそういうものを持ち寄っておりますけれども、また、これよりももっと低い成長率を用いるべきではないかと、そういう議論が、総合資源エネルギー調査会とか中央環境審議会で相当な議論がございまして、それを受けて慎重シナリオを前提として選択肢を提示することといたしました。
 経済成長率の見込みに関しましては、より慎重に見るべきだという、そういう御意見、これまでの国民的議論の中でも出ております。一方で、経済界を中心に、現実の成長率が上振れすればエネルギー消費が想定よりも増えてエネルギーが不足すると、そういった点に懸念が表明されている、そういったことも承知をいたしております。
 したがいまして、成長率につきましては、様々、これが高過ぎるというところと低過ぎるという意見がございますので、成長率が異なる場合の試算につきまして、今現在、政府の方で試算をやっているところでございます。
#129
○若林健太君 慎重シナリオ、積極シナリオによって数字が違うんですと、こういうお話でありますが、経済成長率をどう見るのかというのは、これは施策をする一番基本のところだと思うんですね。この数字を幅を持たせて、そしてその都合によって、これは環境問題を考えれば、経済成長率低い方がいいわけですね。大きくすれば、それはCO2でかく出ちゃうわけですから。
 だから、そういうような幅を持たせて施策によって数字の選択をする、これは非常に分かりにくいことだというふうに思います。民間企業が長期経営計画を立てるときに、極めて重要な基礎的数字について幅を持たせるような計画は作りません。きちっとした議論の上で、この数字をベースにして計画を立てると、こういうことをやっているわけでありまして、今政府がやっているような、それぞれのテーマごとに基礎数字を選別するというやり方は大変誤解を招く、非常に問題だと、こんなふうに思います。
 この今回のシナリオで出された数字の中には、〇%、一五%、二〇%それぞれについてCO2排出量が大体これぐらいになるだろうと、こういうのが出ております。お手元の資料にも示されておりますけれども、二〇二〇年を見ますと、ゼロ%の場合にはCO2削減量は七%削減、一五%の場合には九%、二〇%から二五%の場合には一〇パーから一一%削減と、こういうふうになっているわけですね。
 CO2削減については、これ以外にも排出量の購入だとか森林吸収源というほかのやり方もあります。しかし、そのほかのやり方で実現できるのは大体五%ぐらいと、こう言われているわけですね。してみますと、この三つのシナリオをどう、どのシナリオを選択しても、実は二〇二〇年、二五%というのはもう実現不可能だということをこのシナリオでうたっている、いや、明らかになっていると、こういうことではないかというふうに思うんです。
 今、政府・与党から温暖化対策基本法というのが提出をされております。二五%、これは鳩山総理が国際公約を、何の根拠だか分かりませんけれども、してきてしまった数字でありますけれども、既にこの数字の根拠はなくなっていると、こういうことではないかと思いますけれども、その点についてお伺いしたいと思います。
#130
○国務大臣(細野豪志君) 温室効果ガス排出量の九〇年比二五%の削減というのは、こうした見通しなりシナリオというもの一つ一つを見てまいりますと、やはり非常に困難になったと言わざるを得ないと考えております。
 その一方で、二〇三〇年ということに関しますと、それぞれ、ゼロシナリオの場合には二三%削減、一五%の場合も二三%、二〇から二五の場合で二五%。高い目標を掲げておりますのは……(発言する者あり)分かりました。これは人類にとって大事なことなので、我々は意欲を失っていないということをしっかりとお示しをするという、そういう意味がございます。
 したがいまして、この二〇二〇年をこれから最終的にどのような数字にしていくのかというのは、エネルギー政策とこれは必ずセットの議論でありますので、そういう中でしっかりと我々としての現実的な姿をお示しをし、そしてそれに基づいて計画をやはり作っていかなければならない、そういう時期に来ているというふうに考えております。
#131
○若林健太君 これは法律なんですね。しかも、日本が国際公約をした数字でもございます。それを、人類の目標だからと言って放置をしておくことが本当にいいのかどうか。もう既に実現不可能であるとすれば早い段階で修正を掛けていく、あるいは法案ですから、政府として責任を持って法案提出しているわけですから、そのことについてやっぱり取り下げてもう一度検討すると、こういうことが必要なんじゃないでしょうか。どうですか。
#132
○国務大臣(細野豪志君) 本年度いっぱいで、よく御承知だと思うんですが、地球温暖化対策推進法に定める京都議定書の目標達成計画の計画期間が終わるという形になりまして、来年度以降は長期目標に向かって対策を計画的に進めていく必要がございます。そういったことを考えますと、法的な根拠がこれ全くなくなるというのは、これは避けなければならないというふうに思っておりまして、そういう中でこの法案についての取扱いを政府内で様々検討しているという状況でございます。
 どのような法制度が必要なのかということについては各党各会派いろいろな御議論があろうかと思いますので、政府としても国会の議論を見極めながら、しっかりと対応してまいりたいと考えております。
#133
○若林健太君 基本法については、その根拠をもう既に失っていると、こういうふうに思うんです。
 実際、だって今、この約束期間最終年度の六%すら実は達成が非常に難しいということを大臣自身が会見の中でおっしゃっておられるわけでありますから、だから、この点についてはもっと迅速に政府として責任ある対応をするべきであるということを申し上げたいというふうに思います。
 さて、時間がもう既になくなってまいりまして、最後に一言だけ委員長にお願いをしておきたいことがございます。全く違う議論でございますが、済みません。
 会計検査院について、今回、原子力賠償支援機構が公的資金一兆円と、こういうことで、東京電力、第三者割当てを引き受けるということで実質国有化をしたと、こういうことになりました。従来、原子力事故賠償支援機構は必要的検査対象であったと、こういうことでありますが、東京電力が国有化をされることによって選択的検査対象になったと、こういうことでございます。東京電力のこれからの行方、そして電力の需給をどういうふうに見ていくのか、これは国民経済にとって大変重要なことだというふうに思います。
 会計検査院が、選択的検査対象になるということは大変いいことだと、こういうふうに思いますが、あえて、その会計検査院の検査、これを後押しする意味でも、国会がこの決算委員会から会計検査院へ検査要請をこの点について行うということが必要ではないかと、こんなふうに思いますが、委員長の、あるいは理事の先生方のお取り計らいをお願いしたいと思いますが。
 お願いします。
#134
○委員長(山本順三君) 他の案件もございます。一緒になって後日理事会で協議いたします。
#135
○若林健太君 ありがとうございました。
 今回ちょっと多岐にわたって御質問させていただいて、既に時間がなくなってまいりました。予備費については大臣と真摯な議論をさせていただきました。しかし、私の主張は変わっておりません。是非御検討いただきたいというふうに思います。
 また、震災瓦れきについては本当に大変なことだと思います。実現可能性があるのかということの御質問をさせていただきました。そのことは多分、私だけじゃなくて国民の多くの皆さんが疑問に思い、そして期待を込めながら注視をしていることだと思います。情報開示をしっかりしていただいて、できることと今できていないこと、それをはっきりした中でしっかりとした取組をしていただきたい、このように思います。
 そのことを申し上げて、持ち時間終わりましたので、私の質問を終わらさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#136
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。加藤修一君。
#137
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 昨年の三月十一日に、東京電力の福島第一原子力発電所、これ事故を起こしたわけでありますけれども、メルトダウン等を含めて大変な事故であったわけでありまして、放射性物質が放出されたと、相当量の放出があったという話であります。
 そういった意味では、福島県にも当然これが拡散して被曝をした方も相当数いらっしゃる、あるいは近辺においてもそうでございます。もちろん、地球全体の中でもこれが、放射性物質が巡り巡って汚染に拍車を掛けたというふうに理解することは決して間違ってはいないと、私はそう思います。
 それで、昨年の国会でも何回かこの問題について取り上げました。とりわけ健康調査等については、やはりこれは国が責任を持って国の役割を明確に果たすべきであると、このように申し上げてきたわけでありまして、その中で、政府答弁は、それは国が責任を持ってしっかりやると、こういう答弁を何回か我々はいただいているわけであります。
 そういった中で様々な法律ができてきたことは確かでありますけれども、私は、この福島特別立法の関係についてはそこが明確になっていないと。何が明確になっていないかというと、国が、多県にわたってですよ、福島特別立法は福島県人を対象にしているわけでありますので、この放射性物質の関係については、茨城県、あるいは私が住んでおります群馬県においてもこれは相当数拡散したわけであります。あるいは、ある調査によれば長崎県まで、これは放射能雲という形で、プルームの関係で伝わったという、そういう報告もあるくらいなわけであります。
 そういったことを考えてまいりますと、福島特別立法だけで福島県だけに限るような形であってはいけないなと。私は、法律の作り方というのは、法の下において平等であるべきだと、国がそういった面についての責任、役割を明確にすると、そういうふうに国会で答弁している以上はそれに対応する法律を私は作るべきだと、このように考えている次第であります。
 それで、今年になりまして、我々、野党六党でありますけれども、平成二十三年東京電力原子力事故に係る健康調査等事業の実施等に関する法律案、これを提出をさせていただいている最中でございます。これはやはり国が明確に責任を果たすための法律でありまして、これは福島県人に限らない、多方面にわたって、多県にわたって対応するような中身になっているわけであります。
 私は、こういう形の法律を閣法で出すくらいの在り方があっていいんではないか、このように考えておりますけれども、政府の答弁、お願いいたします。
#138
○国務大臣(細野豪志君) 御指摘のとおり、今回の事故ということを考えると、健康管理の問題というのは極めて重要でありまして、当然、政府の責任というのは極めて重大であると考えております。
 先般、この参議院でも御議論をいただきました原子力規制委員会設置法によりまして、この法律の制定によりまして環境基本法も改正をされております。その中で、放射性物質による環境汚染の防止のための措置をこの同法の対象から除外をするという従来の規定が削除されました。したがいまして、この法改正によりまして、今回の放射性物質による環境汚染にかかわる一般住民の健康管理というのは環境省本省の業務として取り組む体制をつくってまいりました。これは加藤委員からも再三御指摘がございましたが、やはりこの健康管理の問題について責任の所在が不明確で十分対応できていないのではないかという御指摘を踏まえて、政府として体制をつくったということでございます。
 福島県ということでありますけれども、健康管理調査の検討委員会というのがございまして、これは県がやっている事業ということで、国はオブザーバーとしてこれまでは参加をしてまいりました。しかし、こういう体制をつくりますので、今後はその正規のメンバーとして国も加えていただいて一緒に健康管理調査をやっていくという、そういう体制をつくりたいというふうに思っております。
 もちろん、これは福島県以外についても、様々な県で取り組んでいただけるということであれば、私どもとしてもそれに対して様々な情報提供なども行ってまいりたいと思っているところでございます。
 御指摘の東京電力原子力事故に係る健康調査等事業の実施等に関する法律案というのを提出をされているということは承知をしておりますが、その立法の必要性等につきましては、これはまさに立法府の御議論でございますので、それを注視をしてまいりたいと考えているところでございます。
#139
○加藤修一君 大臣が今最後にお話ししておりました法律案については、もちろんこれは国会で議論する話でありますけれども、こういう法律が提出されていることについては十分認識していただきたいと思うんですね。
 それから、体制を整えると、健康調査等について福島県民以外の関係についても体制を整えるというふうに言ったわけでありますけれども、これは予算措置が当然必要なわけで、そこをしっかりと担保しなければいけない。これは二十年、三十年、五十年という続くような内容でありますので、こういった面についてはどうお考えですか。私は、やはり閣法を出すぐらいの、そういう分かりやすい方法を取るべきだと思っていますが。
#140
○国務大臣(細野豪志君) まず、法的な部分につきましては、先ほどの答弁で御説明をさせていただいたように、既に環境省でそういったことができる形になっておりますので、それでしっかりとやってまいりたいと思っております。
 福島県については先ほど申し上げたような話でございますが、他県につきましては、各県がそれぞれ主体となりまして、例えば有識者会議のようなものを開催をされ、様々な検討がなされているというふうに承知をしております。そうした中で、例えばそうした各県の検討状況や取組について適切なアドバイスをするであるとか、また人を様々な場面で派遣をするであるとか協議をするであるとか、そういったことについてはこれはしっかりと積極的にかかわってまいりたいと考えております。
#141
○加藤修一君 こればかりやっていられないんですけれども、ただ、福島特別立法の関係については、これは健康調査等ができると、できる規定になっているわけでありまして、これ、自治事務なわけですよね、そういった意味では。だから、国がこれは将来にわたって相当長期間にわたって対応できるような形になっていないといけないと私は思っています。
 そういう意味では、やはり明確にその担保ができるようなことを私は、先ほど体制をつくると言いましたけれども、この我々が出しているような法案の中身に対応するぐらいのしっかりとしたやつをつくっていくべきだと私はあえて再度申し上げますけれども、その辺についてもう一度答弁ください。
   〔委員長退席、理事中川雅治君着席〕
#142
○国務大臣(細野豪志君) 今回の原発の事故というのは、これは影響という意味においては非常に広範囲に及びます。したがいまして、健康管理の問題も、その場その場で場当たり的に対応するのではなくて、まずは、特に福島県内ですね、できるだけ多くの皆さんに基礎調査にも応じていただいてベースとなるデータを集めてしっかりと、リスクを個人で取るのではなくて、政府としてそれをしっかりと見ていく体制をつくらなければならないというふうに思っております。
 そのためには、当然政府の側の体制もできるだけしっかりしたものにしなければならないというふうに思っておりまして、既に環境省の中での組織という意味では、大幅に拡充してその体制をつくっている状況でございます。十分な体制かどうかということについては、不断の検証をして、国会で皆さんに御議論いただいたときにこれならばと思っていただけるような状況をつくりたいと考えております。
#143
○加藤修一君 それでは、次の質問に参りますけれども、八月六日、これは広島、原爆が投下された、九日が長崎でありますけれども、それ以外に被曝という意味では、まあヒバクシャという、片仮名でいうヒバクシャというのは非常に意味が深いと私は思っていますけれども、この二つの原爆の被爆以外に、第五福竜丸、この被曝もある。これは一隻が被曝したわけじゃなくて、調査によると一千隻近くの被曝があった、しかし、それはある力が働いて報道ができなかったという話もありますが、その後に今度はジェー・シー・オーの被曝の関係もありますね。二人の人が亡くなっているということを含めて、被曝に関しては、日本はそれ相当の、昨年の関係も含めて大変な経験をし、またそれの中から経験を踏まえて教訓をしっかりと取り出していかなければいけないというふうに考えているわけでありますけれども。
 この原爆投下、それから原爆実験ということがあります。これ既に二千数百回行われていたわけでありまして、この放射性物質が、大気圏での原爆の関係について考えてまいりますと、相当拡散した可能性が十分考えられると。環境汚染あるいは健康被害につながっている、そういう可能性も十分考えられるわけでありまして、ある調査によれば、二千三百七十九回、半世紀の間にそのぐらいの実験がされた、そのうち大気圏内は五百二回だというふうに言われているわけでありますけれども、そのエネルギーをTNT換算で五百三十メガトンと。広島へ投下されたリトルボーイの、これエネルギー換算でありますけれども、三万五千発以上、これが核実験されたという話になっているわけで、特に一九六二年には年間百七十八回だというんですね。大変なことだと私は思います。
 それで、この一九六二年の東京の計測でありますけれども、これは約五十六万ミリベクレル・パー・スクエアメーターということです。東京は、そういう意味ではあの一九八六年のチェルノブイリ事故、これでも当然被曝しておりますし、今回の福島第一事故でも被曝されているということで、これは五十六万ミリベクレル・パー・スクエアメーターということでありますけれども。
 こういう、過去のことでありますけれども、相当汚染されているということも含めて、これは、どういう量が排出されたかということも含めて、あるいは環境汚染にどういう形でつながっているか、自然放射量のうちどの程度がどういう影響の量として残っているのか等々を含めて、これはちょっと、こういう意味での調査とか、あるいは国際社会でこういうことについても取り組むとか、こういうことが非常に私は大事なように思いますけれども、政府としてこういうことについて取り組んだらどうでしょうか。
#144
○政府参考人(土屋定之君) 御説明いたします。
 先生御質問の過去の核実験等による調査につきましては、文部科学省において一九五七年度から我が国の環境放射能水準に関する調査を継続的に実施してきておるところでございます。その一環として大気中に含まれる放射性物質の調査等も実施しておるということでございますが、この調査によりますれば、例えば大気からの降下物に含まれる放射性セシウムにつきまして、一九六〇年代前半、一日の平均値は一平方メートル当たり数十ベクレル前後と、全国的に比較的高水準にございました。これは、主として同時期に行われておりました米国、ソ連、中国等による大気圏内核実験で生成した放射性物質による影響というふうに考えてございます。
 また、一九八六年にはチェルノブイル原子力発電所事故の影響によりまして一時的に高いピークが顕著に見られたということでございますが、その後は全体的に低減傾向にございまして、今回の東京電力福島第一原子力発電所事故の前では、一日の平均値は一平方メートル当たり一ベクレル以下の水準というふうに低減化しておったところでございます。
 以上でございます。
#145
○加藤修一君 いずれにしても、こういう核実験による影響というのはいろんな議論がなされているというふうに私は聞いておりますので、そういった点も含めてしっかりと調査をすることについて提案をしておきたいと思います。
 それでは次に、先ほど来からも話がありましたように、エネルギーの関係であります。
 原発に依存しない、脱原発依存という政策を政府が取っているわけでありますけれども、これは、代替エネルギーを考えていった場合には、省エネルギー、あるいは再生可能エネルギー、あるいは高効率のいわゆる化石燃料に基づく発電等々を含めて、いろいろエネルギーについてはあるわけでありますけれども、これは、優先順位は政府はどのように考えていますか。
#146
○国務大臣(枝野幸男君) 省エネルギーとそれからいわゆる再生可能エネルギーの普及拡大ということは、これは二本柱であると思っておりまして、どちらが優先という話ではない、どちらも最優先でやっていくということだと思っております。その上で、やはり火力に一定程度、特に足下では頼らざるを得ないという側面ございます。したがって、それについてもできるだけ環境への影響が少ない、CO2の排出の少ない効率化を図っていくと、こういう位置付けかというふうに思っております。
#147
○加藤修一君 昨年、エネルギー・環境会議のレポートの中では、優先順位は、省エネルギー、次に再生可能エネルギー、次に高効率の云々という話、そういう順番だったわけですよね。それで、エネルギー・環境に関する選択肢、この概要で、今年の七月に国家戦略室から出された中には「原発からグリーンへ」と書いてあるんですね。どの程度のコストを掛けてどこまでと、再生可能エネルギーや省エネを拡大するかどうかという話であります。表現の仕方をちょっとけちを付けるわけじゃないですけれども、明らかに変わってきているんですよ。再生可能エネルギーを優先して、次に省エネという話なんですね。
 私は、次のページにも書いてありますけれども、原発依存ということと化石燃料依存度、これをどんどん下げていくという話でありますけれども、その中でも再生可能エネルギーを上に書いてあって、下に省エネルギーというふうに書いてある。あるいはクリーンエネルギーへの転換と書いてあるんですね。ですから、これ、クリーンエネルギーですから、例えば、代替エネルギーのうちの再生可能エネルギーとか、あるいは省エネルギーと、そういうふうに私は理解しておりますけれども、その辺はどうですか。
#148
○国務大臣(枝野幸男君) 済みません。御質問の御通告をいただいて、また今のお尋ねもいただいて、いろいろ若干表現はもうちょっと気を付けなきゃいけなかったかなと反省もいたしております。
 あくまでも、昨年の時点のものも省エネが先に書いてあるかと思いますが、どちらが優先ということよりも、やはり省エネも最大限やる、再生可能エネルギーも最大限やるという位置付けであったと私自身は認識しておりますし、現在お示しをしているのも、全てどちらも最大限やる、最優先という位置付けのつもりでおりますが、確かに、クリーンエネルギーへの転換といったときには省エネは入ってないのかと誤解をされかねない表現であったかと思いますし、更に表現ぶり、誤解を招かないように徹底をしてまいりたいと思いますが、趣旨としては、省エネ徹底してやった上で、そしてその必要なエネルギーについても再生可能エネルギーを最大限やるという趣旨でございます。
#149
○加藤修一君 前政権のときに私は違和感を感じていたのは、クリーンエネルギーの中に原発が入っていたんですね。今のお話を聞いている限りにおいては、私は、クリーンエネルギーへの転換という意味合いというのは、このクリーンエネルギーの中には原発は入っていないと、そういう理解でおりますけれども、確認したいんですけれども、どうですか。
#150
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおりでございまして、原発依存度を限りなく低減する、脱原発依存を目指すということの中でのクリーンエネルギーへの転換でございますので、原子力は含みません。少なくともここで表現しているクリーンエネルギーには原子力を含みません。
#151
○加藤修一君 もう一つ確認は、原発からグリーンへという、そのグリーンの中には原発は入っているのか入ってないのか。
#152
○国務大臣(枝野幸男君) 当然、ここでいいますグリーンには原発を含んでおりません。
#153
○加藤修一君 そういった意味では、前政権で違和感があったことについては払拭されたなというふうに私は理解しております。
   〔理事中川雅治君退席、委員長着席〕
 それで、今回の二〇三〇年のシナリオの三択肢の関係ですけれども、先ほど話がありましたように、〇%、一五%、二〇から二五%ですか、三つの選択肢でありますけれども、これはそういうやり方もありますけれども、政府が脱原発依存政策を打ち出している以上は、どこかでゼロになる、そういうシミュレーションをやるべきだと思うんです。例えば二〇二〇年、二〇三〇年ゼロ、二〇四〇年ゼロ、二〇五〇年ゼロと。その場合に、そこをゼロにしたときにどういう要件が考えられるかというふうに考え、そういうことも含めてシミュレーションをすべきだと思うんですね。だから、時間の流れに沿ってゼロをどこで置くかというふうに、そういうシミュレーションこそ私は議論を深めるんでないかなと、そのように思っている次第です。
 だから、二〇二〇年だと非常に早いと、早過ぎるから原発の、何ですか、資金の回収ができないと。だから、債務になってしまう可能性も十分考えられる。しかし、そうはいっても安全性を検討して削るものは削らなければいけないという話になってきますけれども、私は、そういう意味では、時間の流れに沿った形でゼロのシミュレーションを作るべきだと考えておりますけれども、これは一つの提案ですけれども、どうですか。
#154
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおりだと思っております。
 今回、国の方からお示しをした選択肢は、ある時間の軸の中、時点における原発の依存度ということでお示しをしましたが、実際これを踏まえての国民的な議論の中においても、むしろ時間軸について多様な御意見も実際にいただいているところでございまして、そうした国民の皆さんからいただいている御意見も踏まえた中で最終的な整理をして、国民の皆さんの声を踏まえた政府としての方針を示したいと。それに当たっては、今の御意見も十分に参考にさせていただきたいと思います。
#155
○加藤修一君 省エネの方にちょっと戻りますけれども、三択肢の中で、電源ベースでは省エネルギー率一〇%、私は非常に小さい数字だと思っているんですね。それから、最終消費エネルギーということで、いわゆる原油換算で二〇%前後というふうになっております。これも非常に小さいなと思っております。私は、最終消費エネルギーを考えた場合は、三〇%ぐらいは行くような政策的な展開をしっかりやっていくべきだと思っておりますけれども、この辺はどうです。
#156
○国務大臣(枝野幸男君) 今回お示しした選択肢では、二〇三〇年に省エネ全体で二〇一〇年比約二割減、省電力で二〇一〇年比約一割減ということの見通しをお示しをしています。これについては、総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会など政府の会議体でも、幅広い皆さんの下で多様な御議論をいただいた下でおおむね一致をいただいたということでお示しをしたものでございますが、これについても、今の先生の御指摘も含め、今回、国民的な議論の中でもっと深掘りできるのではないか、もちろん逆方向の意見もありますが、もっと深掘りできるということについてのより具体的な提案を含めた御意見もいただいていると承知をしております。そうしたことを踏まえて、もちろんこれについては実現可能な範囲内で最大限深掘りしたいと思っておりますので、そうした御意見を踏まえて今精査をしているところでございます。
#157
○加藤修一君 政府の出している資料で省エネルギー技術戦略二〇〇七年、まず冒頭の一番肝要な部分を見てまいりますと、二〇三〇年を目指して省エネルギーの一層の推進を行い三〇%以上のエネルギー消費効率を考えると、こういう形で出ているんですね。世界一の省エネ国家を目指すと、こういうふうになっております。二〇〇八年もそういうふうになっております。二〇〇九年も同じようなテンションで書かれております。
 それで、先ほどのエネルギー・環境会議のアウトプットの話になってまいりますけれども、省エネルギーを優先にすると言っている政権が、一番新しい省エネルギー技術戦略二〇一一年、これ今年の三月に出された資料でありますけれども、その中には全く、その三〇%を超える省エネをやっていくという中身にはなっていないんですよね。これはどういうふうに考えたらいいのか。
 だから、先ほどのシミュレーションともちょっと異なった話になってくるんですけれども、省エネはもっと深掘りできる、そういうふうに主張する人もいるというふうに言っているようでありますけれども、政府の方針が物すごく変わっているなという感じが私はしておりますけれども、どうですか。
#158
○国務大臣(枝野幸男君) 済みません、例えば二〇〇六年の新・国家エネルギー戦略では三〇%以上の省エネを図るべきということに確かになっております。新・国家エネルギー戦略の目標が二〇〇三年比で二〇三〇年に三〇%以上の消費効率改善でありますが、今回のエネルギー・環境会議の選択肢の省エネ想定も二〇〇三年比に当てはめますと約四〇%の消費効率改善ということでございまして、基準年、基準時点との違いで若干何か後退をしているかのような印象を与えてしまっているとすれば本意ではございませんが、省エネについては最大限やるというこの意思自体は間違いございませんので、引き続き様々な御指摘いただいて、誤解を与えたりしないようにしっかりやってまいりたいというふうに思います。
#159
○加藤修一君 省エネは私は本当に優先すべきであって、省エネをやった分例えば電気料が安くなるということになって、それが初期投資に対応して回収できるという話に当然なってまいりますので、それはもっともっと積極的にやっていくべきだと思います。
 LEDなんかも、一〇〇%導入する、家庭にも企業にも導入するということを通して、これはある研究機関の試算によれば、電気ベースで九%近く削減できるという非常に大きな数字でありますけれども、精査が必要だとしても原発十数基分に相当するという話もあったりします。
 あるいは、あるコンビニでありますけれども、五十万個のLEDを導入して、それで初期投資は十八億円だと、しかし一方で電気代が年間五億円安くなると。ですから、三年ぐらいで回収できるという話でありますから、そういう回収効果がうまくできるようにしていくということも非常に大事だと私は思います。
 そういう意味では、政府の補助金等を含めて支援措置が非常に大事になってくるわけでありますけれども、私はまだまだ省エネはもっとできると思っておりますので、いわゆる省エネに対するバリア、いわゆる阻害要因、これは政府はどのように考えていますか。
#160
○国務大臣(枝野幸男君) 幾つか大きなポイントがあると思っています。一つは、今先生御指摘のとおり、省エネ投資をいたしますと、そのことによって電気代等が少なくて済むということで、投資した分は数年で回収できるというようなケース少なからずあるわけでありますが、どれぐらい投資をすればどれぐらい電気代が安くなって何年で回収できるのかということについて、なかなか十分な情報も、正直言って把握ができ切れていない部分もありますし、周知をされていないという部分もあろうかと思います。
 それから、もう一つは、やはりなかなか初期投資のところは大きなコストが掛かりますので、大きな事業者さんであれば何年か先に回収できるという見通しでできますけれども、やっぱり個人や中小零細企業であるとなかなかそれができないということでございますので、ここについては今後、融資その他の制度をしっかりと補強していかなければいけないだろうというふうに思っております。
#161
○加藤修一君 いや、まさにそのとおりで、やはり初期投資にかかわる資金調達能力ですよね、ここの部分が非常に、中小企業は特にそうだと私は思っていますので、相当ここの部分についてはしっかりと対応を進めていただきたいと思います。
 それで、時間がなくなってまいりましたが、環境大臣にお伺いしたいことは、クレジットですね、CO2削減に絡んでクレジットの話。経済産業省もそういう制度を進めてきた、あるいは環境省もそういう制度を進めてきたと。この度、統合化を考えているということなんですけれども、どういう統合化を考えているのか、その辺のところについてちょっと教えてください。
#162
○国務大臣(細野豪志君) 環境省がやってきましたのはJ―VER制度というものでございまして、これは森林の吸収源などについても積極的に吸収の問題についても取り組んできたという意味で、大体これがこれまでで百六十三件の実績というのがございます。一方で、経産省を含めた各省で一緒に取り組んできたのが国内クレジット制度というものでございまして、こちらは件数としては九百八十四件ということで、これだけの実績を積み上げてきたということでございます。
 両制度は二〇一二年度で一旦終了することになっておりますので、これを契機といたしまして、両制度の優れた点を取り入れた新たなクレジット制度を二〇一三年度から開始をすることとしております。新しい制度に基づくクレジット創出事業者により多くの資金が還流をし、環境投資の一層の拡大につなげていくためにクレジットの需要拡大を図り、その市場価値を高めていくということが極めて重要であるというふうに思っております。
 環境省でやってまいりましたJ―VER制度では、オフセットラベルの付与であるとか、カーボンマーケットのエキスポの開催などをやってまいりましたので、そういったいい部分については是非この新制度でも継続をしていく形でクレジットの一層の需要の拡大に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#163
○加藤修一君 これ、クレジットの拡大という話を発言をされましたけれども、これは市場化ということが非常に大事だと思うんですね。市場化をしていくときにはクレジットが発生するように、つまりクレジットを購入しなければならないと、企業等が。しなければならないというふうにした場合には、やっぱりこれはキャップを掛けるというのが望ましいと私は思うんですね、そういう意味でのキャップ。
 ですから、東京がやっているような排出量取引制度、非常に成果を上げているわけでありますけれども、せっかく地球温暖化対策推進基本法を出しながら一切今は審議をしていないという、これは先ほどの三択問題と絡んで考えてまいりますと、本当は法案を下ろさなければいけない状況ですよね、あれだけの成果を出そうとしているということを考えていくならば。まあそれはそれとして、要するに制度としてどういうふうにオープンな市場を広げていくかというところの部分、これが非常に見えにくいなと私は思っておりますけれども、そこはどうお考えですか。
#164
○委員長(山本順三君) 細野環境大臣、時間が来ておりますので簡潔にお願いいたします。
#165
○国務大臣(細野豪志君) はい。
 国内の排出量の取引制度につきましては、一昨年末に政府方針が出ておりまして、その中では地球温暖対策の柱として認識を示しつつ、産業に対する負担等を見極め、慎重に検討することとされております。
 この産業に対する負担という意味では、環境問題がこれだけ重要になっておりますので、これはもう状況は大分変わってきたということは言えるのではないかと思いますが、あとはどういう効果的な制度が導入可能なのかということについて様々な議論をすべき時期に来ているというふうに認識しております。
#166
○加藤修一君 いずれにしても、野党の我々公明党も出しているんですね、その関係の法律は。気候変動対策基本法という法律を出しているわけですけれども、一向に政府・与党は審議のやる気がないというふうに我々は見てしまっております。やはり自信を持って閣法を出したんでしょうから、閣法の審議についてはやはり責任を持って進めるべきだと私は思っておりますので、そういった面については重々検討していただきたいと思います。
 以上で終わります。
#167
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。主濱了君。
#168
○主濱了君 国民の生活が第一の主濱了でございます。私は被災地岩手県選出でございます。
 早速、質問に入らせていただきます。まず、地球温暖化防止についてお伺いいたします。
 京都議定書の約束期間は二〇〇八年から二〇一二年、今年、今年度いっぱいと、こういうことになっております。平成二十二年度、二〇一〇年はちょうど京都議定書約束期間の真ん中と、こういうことになります。最近は大震災あるいは原発、さらには消費税問題がクローズアップされておりまして、地球温暖化防止、CO2削減、この問題がとんと忘れられているのではないだろうかと、こういう印象を持っております。
 もちろん、今最優先で進めなければならないのは、六百年に一度あるいは千年に一度と言われます東日本大震災からの復興であります。一万九千人を超える犠牲者あるいは六千人を超えるけが人、さらには三十五万戸を超える半壊以上の家屋喪失、こういったような震災からの復興が第一番だと、これはもう重々承知しておりますけれども、あえてこの地球温暖化防止について質問をさせていただきたいと、このように思っております。
 まず、CO2削減六%、これは皆さん御承知のとおりですが、このCO2削減の六%目標の達成状況についてお伺いをいたします。
 この中身を見ていきますと、森林吸収源、先ほど来お話が出ておりますが、森林吸収が三・八%、それから京都メカニズムが一・六%、その他が〇・六%、このその他というのが、日本があるいは国民が汗をかく分であろうと私は思っておりますが、この目標別にまず状況をお伺いいたしたいと思います。そして、そのうち、そのその他の分、日本が汗をかく分について、これはエネルギー関連であるとか産業関連であるとか運輸関連であるとか民生部門であるとか、様々な部門があると思うんですが、その部門ごとにもお知らせをいただきたいと、このようにお願いします。
#169
○国務大臣(細野豪志君) 京都議定書の第一約束期間は二〇〇八年度から二〇一二年度までになっておりまして、五年間の平均で九〇年比六%削減することをお約束をしております。既に数字が出ておるのが二〇一〇年度までの三年間でございまして、この間の平均で一〇・九%減というふうになっております。
 したがいまして、残された二〇一一年度、まだこれ数字出ておりません、それと今年の二〇一二年度、ここでどこまで頑張れるかと。状況は確かに前の三年と比較をすると厳しいのは明らかでありますけれども、これをしっかりとやり抜くことで何とかこの目標達成をしたいというのが私どもの今考えているところでございます。
 数字で分野別に御紹介をしますと、最新のものが二〇一〇年度でございますので、その数字で申し上げますと、温室効果ガスの総排出量は十二億五千八百万トンになっております。その内訳というのは、産業部門が四億二千二百万トン、これが一二・五%の削減となっております。運輸部門が二億三千二百万トン、六・七%のプラスになってしまっております。業務その他部門が二億一千七百万トン、こちらは三一・九%増になっております。家庭部門が一億七千二百万トン、三四・八%プラスになっています。エネルギー転換部門が八千百万トン、一九・三%となっておりまして、産業部門は削減が進んでおるんですが、それ以外の部門がプラスになっているという、こういう状況でございます。
 これを京都議定書の目標達成計画に掲げられている排出量の目安というものと比較をいたしまして実績がどれぐらい上回っているのかというのを見てまいりますと、上回っているのが、まず業務その他部門、これはオフィスなどになるわけですが、これが七百から九百万トン実績が上回っているということでございますので、目標から上振れということですね。家庭部門が三千百万トンから三千四百万トン上振れ、そしてエネルギー転換部門が千五百万トン上振れということでございますので、そこに課題があるということでございます。
 このほか、森林吸収源対策の吸収量というのは約四千九百九十万トンになっておりまして、御指摘のとおり三・九%という形になっております。加えて、京メカの部分が、これが平成二十四年四月二日現在で九千七百五十六万トンということで、取得すべき量をほぼ手当て済みという、そういう全体像になっているということでございます。
#170
○主濱了君 最初に申し上げましたとおり、その他の〇・六%削減分がまさに日本が、日本人が汗をかく分であると、それがもう全く達成されていないというふうに私は思うわけであります。特に民生の三四・八%ですか、それから業務その他部門、三一・八%増ですよね、増。これ全く、努力をしていないというふうなことは、ちょっとそこまでは言えないと思いますが、増えているという状況。今後、こういう部門をどうやって減らしていくのかと、これが一つの課題であるというふうに思っております。
 まず、この考え方をお伺いしたいのと、それからもう一つ、最近、電力の削減、要するに電力の供給に合わせた、何といいますか、節電というふうなスタイルがあります。それから、私どもの生活そのものを変えていく節電というものもあるというふうに思います。大臣のこの節電に関する考え方、これも併せてお伺いしたいと思います。
#171
○国務大臣(細野豪志君) 家庭部門の電気が増えて、消費量が増えているというのは、これは、例えばトイレの便座であるとかIT関係の機器であるとか、もうどんどん新しいものが出ます。それを当然皆さん御利用されるわけでありますから、そういった部分で増えてきたという、そういう背景がやはりあろうかというふうに思います。
 その中にあって、昨年からの省エネ、節電の動きというのは、これは新しい動きとして私は注目がされるべきだし、そしてそれを更に進めていくことが我が国の効率的な社会にもつながるし、こうした環境問題に向き合っていくということでも重要ではないかというふうに考えております。
 今大事なことは、そういった意味では一層の省エネルギーの推進、さらには再生可能エネルギーも、これも例えば太陽光パネルに代表されるような家庭が貢献をしていただける部分もかなりございますので、そういったことも含めて民間の皆さんに家計部門でも御努力をいただけるような、そういう仕組みを積極的に導入していく必要があるのではないかと思っております。
 また、民生部門におきましては、例えばエアコンの設定温度を下げるであるとか照明を切り替えるなどの取組が国民の皆さんの間で昨年からかなり定着をしてきております。また、今年の夏は、環境省ではクールサマー二〇一二というのを推進をしておりまして、その中で、あかり未来計画という形でLEDを始めとした効率的な節電に取り組むための診断事業なども行っております。
 そうしたことによって生活スタイルを変えていただきたい、そのことが節電、省エネにつながり、そして温暖化の問題にも向き合うことになると同時にエネルギー問題の解決にもなるということで、積極的な国民への呼びかけというのは恐らくこれから最も重要になってくるのではないかと考えているところでございます。
#172
○主濱了君 次に、予備費についてお伺いをいたします。予備費、様々議論したいことを掲げたわけなんですが、予備費について一点だけお伺いをいたします。
 これは内閣府特命大臣にお願いをいたしたいんですが、平成二十二年度の経済対策では、予備費の使用も含めまして都合六兆円投入されたというふうに聞いております。都合六兆円投入されたわけですが、実際効果はどうだったのか、こういう問題です。投資の状況、そして円高等の景気下振れに好影響が、効果があったのかどうかという問題。それから、デフレ脱却の基盤になったかどうかという、こういう問題です。
 今現在においても円高、デフレは厳しい状況にあります、続いております。これ、いかがなっていますでしょうか、お願いします。
#173
○国務大臣(古川元久君) お答えいたします。
 平成二十二年には二回にわたって、委員から御指摘がございましたように、約六兆円にわたります経済対策を行いましたが、この経済対策が策定された当時の経済状況を振り返ってみますと、円高や海外経済の減速等の景気下振れリスクが高まっておりまして、当時、我が国の経済は足踏み状態となっておりました。そうした認識は月例経済報告の中でも示しているところであります。
 しかしながら、こうした経済対策の効果もございまして、平成二十三年初めには足踏み状態を脱して景気は再び持ち直しに転じました。そういった意味では、こうした動きの背景といたしまして、景気下振れリスクに先手を打って対応した二つの対策というものが一定の効果を上げたものというふうに認識をいたしております。
 また、デフレ脱却の基盤が整ったのかという御指摘、御質問がございました。デフレの要因の一つといたしましては、マクロ的な需要不足というものが指摘をされるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたが、対策の効果もございまして、二十三年度初めには景気が再び持ち直しに転じたということは、需要不足状態の改善という意味でもこれは一定の効果があったものというふうに認識をいたしております。
#174
○主濱了君 私は、今、消費税増税が着々と進められておりますけれども、これら円高対策あるいはデフレ対策、これ、もっともっと進める必要がある、そちらの方が先であると、こういうふうに思っているものでございます。
 次に、時間がなくなってきましたので、TPPについて農水大臣にお伺いをしたいと思います。
 菅前総理が平成二十二年十月一日の所信表明演説において、突然、TPPの推進を表明をしたわけであります。また、野田総理大臣は、二十三年の十一月、昨年の十一月に、オバマ大統領にTPP交渉参加に向けた協議に入る旨、伝達をしております。国民に十分かつ安全な食料を供給できるかどうか、できない国はもう廃れてしまう、私はこういう観点から次の質問をさせていただきたいと思います。
 まず、米の内外価格差と関税についてお伺いをしたいと思います。
 米は日本の主食であるとともに、まさに日本文化の根源であると、私はこのように思っております。しかしながら、大きな内外価格差が存在をするということでございます。日本の米の二十三年産米、これ、一万五千六百円前後であります。これに対して米国産の米は八千五百八十円と、こういうことになっております。米国の八千五百八十円というのは国産米の五五%にしかならない、約半分であると、こういう状況になっているところでございます。
 こういう状況の中にあって、日本の米、農業を守っているものの一つが私は関税である、一キログラム当たり三百四十一円、六十キロ当たり二万四百六十円の関税が日本の米を守り、そして農業を守っていると、こういうふうに思っているわけであります。この例外なき関税ゼロのTPPに参加すれば安い米が流入します。そして、日本の米生産は崩壊必至であると、このように思っております。
 まず、この点について、農水大臣、いかがお考えなのか、お願いいたします。
#175
○国務大臣(郡司彰君) 主濱委員から御指摘をいただいた関係でございますけれども、お米だけではなくて、日本の状況から考えると、なかなか関税そしてコストの面からいって太刀打ちできないという作物は多いのかというふうに思っております。その中で、お米の関係、今、先ほど二十三年の比較をなさいましたけれども、比較的単価が高かったということからすれば、平均をするとやはり三倍ぐらいの価格差というものがあるのではないかなというふうに思っております。
 したがいまして、今の状態でそのまま関税が撤廃をするということになればお米に対して大きい影響が出るというのは、これはそのとおりであろうというふうに思っておりますし、一昨年でありますけれども、TPP、特別ということではございませんが、全ての国に関税がもしなくなったらば、そして私どもの国が何らの対策を取らなかったならばと、こういう前提でございますけれども、試算をいたしましたときには、お米についても大変大きな影響が出るだろうというような試算も出ているところでございます。
 したがいまして、今の状況の中で、私どもからすれば、TPPにかかわらず、今後、日本の農業が立ち残っていけるためには何をしなければいけないかということについても一生懸命考えなければいけない時期に来ていると、そのように思っております。
#176
○主濱了君 今いろいろなことを考えていると、考えていかなければいけないと、こういうふうなことになっておりますが、昨年十一月に食と農林漁業の再生本部がまとめました我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針、これにまとめられております。この主な目標、そして主な施策というのは、端的に言いますと規模拡大である、それも二十ヘクタール、三十ヘクタールのところにずっと規模を拡大しましょうと、こういうふうな内容になっていると私は思っております。ただ、これだけでは日本の農業は救えないと私は思います。まずは、今の日本の経営規模というのは二ヘクタール前後ですよ、それを二十ヘクタールに、あるいは三十ヘクタールに上げる、なかなか厳しい目標であると、こう言って差し支えないと思います。
 それから、米の生産平均コストであります。これは、一万六千円を現状では超えております。じゃ、十五ヘクタール以上の、規模十五ヘクタール以上のコストはどうかというと、やっぱり一万一千五百三十一円ということで、結構高い、かなり高い、こういう状況であります。
 こういったようなことから、この今取りまとめた基本方針に従ったとしても、私は、日本の農業は救えない、米は救えない、このように考えるのであります。これは、日本全体が急峻で農地が狭隘だと、こういったようなことで、全体として農業の生産不利地と、こういうふうなことからだというふうに思っております。
 また、加えて申し上げますと、WTOの時代に、日本はG10という中で、関税削減の例外である重要品目を全品目の一〇%、こういうふうに主張しているんですよ。この主張というのは、今、野田総理が考えている例外なき関税ゼロではないと、こういうことなんですね。守るべきことは守るということであれば、例外なき関税ゼロではいけないと私は考えますが、農水大臣、いかがお考えでしょうか。
#177
○国務大臣(郡司彰君) いろいろと御指摘をいただきました。
 まず、規模の関係でございますけれども、確かに、例えばオーストラリアとの関係でいえば、平均的な日本の耕地面積とオーストラリアの場合には千三百倍ぐらいの差があります。それからまた、一番比較として、例えばヨーロッパの場合でも八倍を超えるような差があります。その中で、しかし、国内で目を向ければ、二・二ヘクタールぐらいの平均的なものと、例えば北海道などは二十ヘクタールを超えるような平均的な耕作面積になっておりますけれども、十五ヘクタール以上とそれは〇・五以下というような形で見れば、やはり平均しても三割ぐらいコストが安くなるということはございますが、しかし、それは国内の中の努力の数値ということになりまして、対外的な関係からいうと、御指摘のようになかなか厳しいというところを抜け出すまでには至っていないのかなというふうにも思っているところでございます。
 そういう中で、私どもも、しかしながら国内の中においても年齢が高くなっている、あるいは後継者を探さなければいけない、そして後継者を探すためには所得を上げていかなければいけない、そのためにはやはりコストを下げるということの努力は、それはそれでしっかりやっていくべきことだ。しかし、WTOの一〇%、全品目の一〇%を重要品目という形にしておりました。最終的なところでは、まだ交渉まとまっておりませんが、日本は八%というような最低の歯止めラインというような話もしてきたというふうにも思っております。
 いずれにしましても、各国が抱えるセンシティブな品目と各国の事情に応じた貿易のシステムというものをこれまでも築き上げてきたというふうに思っておりますので、それはそれとして私どもも重要に考えていかなければいけない、今後ともそのように思っております。
#178
○主濱了君 いずれにせよ、例外なき関税ゼロではやっぱりやっていけないと、私はこれを何回も言わせていただきます。食料自給率三九%、動かずと、こういうことでありますし、それから今、地球上の人口、これが毎年毎年五千万人ずつ増えているわけであります。それに追い付くような食料をきちっと生産をしていかなければいけない、そういう中にあって日本がどうすればいいのか。やはり自国の食料は自国で生産するべきであると、このように思っているところでございます。決してこのTPP前のめりは良くないと、このように思っております。
 この六月下旬に、メキシコ、カナダがTPP交渉への参加が認められました。そして、日本も近いうちにTPPへの参加表明があると、こういう見方もあります。六月に就任された郡司大臣は、全ての関税撤廃が国益にかなうと判断するのは難しい、また、八月三日の記者会見では、今月中に政府が判断する状況ではないと、国益全体を判断するような情報開示や国民的議論、合意に至っていないと、こういったような発言をしているところであります。
 日本の食に責任を持つ郡司大臣は体を張ってTPPを阻止してくれるものと私は信じているところでございます。このTPP交渉参加の阻止に向けた郡司大臣の決意をお伺いしたいと思います。
#179
○国務大臣(郡司彰君) それぞれ私の発言も引用をしていただきました。もちろんのことでございますけれども、私が話をする場合には農林水産大臣としての立場ということがございます。国全体として、全体のそのメリット、デメリットというものも判断をされるところもありましょう。
 私自身は、農林水産という立場からいえば、先ほどお話がありましたような形で、今現在の入ってきている情報、あるいは国民的な議論の推移からすると、まだ十分にその判断をすべき状況にはないだろうと、このことは同じ考えでございます。
 今後はやはり、例えばアメリカと関係の深い、先ほど言いましたカナダやメキシコが加入ということになりました。これはもう御存じのように、NAFTAという関係の中で、カナダなどを取りましても圧倒的にアメリカとの輸出入というものが占める国でございます。
 したがいまして、TPPに入る入らないにかかわらず、カナダとしての選択の幅というものは当然あったんだろうというふうにも思いますけれども、私どもからすれば、例えばアメリカというところの加入によって随分と変わってきたという話をされます。確かにアメリカは、自国の例えば砂糖などについては、今関税が掛かっていることについてそのままのような状態で多分進むというような話が聞こえてもきております。
 ならば、どなたかがおっしゃるように、あるいはこれからの交渉の中で、今前提としてされましたような関税が完全に撤廃されるのか、それとも交渉の余地があるのか、その辺のところについてもまだ十分に判断をすべきではないというようなことの材料の一つでございます。
 しかしながら、私どもの農業は、残念ながら、ここしばらくの間に所得が減少をする、高齢化に歯止めが掛からない、新規就農という形がまだ先が見えない状態の中での自給率向上を目指そうということ、そして先ほどありましたように、世界的に見れば人口の増加と食料難というものが当然見えてくるわけでありますから、自分の国の中において最大限自分の国の自給率を高めるということの趣旨とも併せてもしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
#180
○主濱了君 今日は農業に焦点を当ててお話をさせていただきました。このTPPというのは、農業のみならず日本の国民の生活全てに影響を及ぼす、保険の問題であり、自動車の問題であり、様々幅広い悪影響を及ぼすと、私はこのように思っております。すぐさま撤回をするように、この参加はしないと、こういうふうなことで前向きな姿勢を撤回するように求めまして、私の質問を終わります。
    ─────────────
#181
○委員長(山本順三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、横山信一君及び丸川珠代さんが委員を辞任され、その補欠として秋野公造君及び高階恵美子さんが選任されました。
    ─────────────
#182
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。柴田巧君。
#183
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
 まず最初に、先ほども自民党の藤川先生の方から取り上げられましたが、エネルギー対策特別会計の周辺地域整備資金のことについてお聞きをしたいと思います。
 質問の趣旨は先ほどの藤川さんとほぼ同様だったので答弁をお聞きをしておりましたが、残念ながら非常にがっかりしたというか、この三月九日だったと思いますが、やはりこの決算委員会の全般質疑で、あのときは又市先生、舟山さんだったか、ちょっと記憶が定かじゃありませんが、やはりこの問題を取り上げられました。
 大臣は、この会計検査院の指摘をしっかり受け止めて縮減を更に図っていくんだと、また安全対策等に使っていくんだという趣旨の発言をされていたと思っておりますが、先ほどの答弁を聞く限り、更にこの縮減を図ろうという何か意欲というか熱意が感じられないというか、ほとんどもう答弁が変わらないようなものでございまして、正直がっかりして聞いておったのでございますが。
 改めて申し上げるまでもありませんが、あの原発事故も受けて、この原子力関係予算あるいは資金というものは、これまで同様の規模や中身でもはやあってはならないわけであって、不要不急の資金はやっぱり削減を可能な限りしていくと、また一層の有効活用を図るということが何よりも大事だと思っておりますが、改めて大臣の、この問題にどう取り組んでいくか、先ほどの答弁以上のものを期待したいと思いますが、よろしくお願いをしたいと思います。
#184
○国務大臣(枝野幸男君) 後ろ向きと受け取られたらちょっと本意ではございません。
 会計検査院から御指摘いただいたとおり、不要不急の積立ては減らすべきであるということ、まさにそのとおりだと思っておりますし、それからその使途についても、より幅広く、特に安全対策等に使えるようにということの趣旨、徹底するべくやっているところでございます。
 ただ、若干後ろ向きに聞こえたとすれば、このまさに原発、電源立地そのものを進めるということの趣旨でこの交付金あったわけでございますが、今、エネルギーの考え方について、国民的議論を踏まえて政府としての方針を固めようとしているところでございます。原発依存からの脱却を目指すという方向ははっきりしているわけでございますので、新たな原発立地のためにという趣旨は変わらざるを得ないというか変わっていくという方向だと思いますが、どういうこれからのエネルギー政策を取っていくかによって、これまで原発立地を引き受けていただいた地域の皆さんに対する責任をどう果たしていくのか等、この交付金やこの交付金を取り巻く様々な問題についても抜本的な検討が必要だろうというふうには思っておりまして、これについては御理解いただけるんじゃないかと思います。これも早急に行っていく中で、同時に会計検査院の指摘は積極的に対応していくと、こういう趣旨でございます。
#185
○柴田巧君 いろいろ、新たなエネルギー政策、計画の議論が遅れているということもあって、なかなか明確に前に進んでいないようなところがあるとは思いますが、しっかり検査院の指摘を受けて、まあ検査院の指摘を受けるまでもなく主体性を持っていろいろとまた取り組んでいただかなきゃならぬと思いますが。
 また、先ほどの質問の中でといいますか、会計検査院は、その縮減と同時に、この整備資金の需要額の算定方法も改めて、この積立目標額を見直すと、その方策を検討せよということも求めているわけであります。
 この点についても、先ほど特に大臣は明確な言及がなかったやに聞いておりましたが、やはりこういう事態になるのも、これまでの算定方法にやっぱり問題があると言わざるを得ないと、これは会計検査院も指摘をしているところでありまして、もはや、なかなか現実、原発が立地をしていくという状況ではありませんから、これまでのように十四基全てを対象にするということではなくて、例えば会計検査院も指摘をしておりますが、原子炉設置申請を着工の確実性の指標とするなど、需要額の算定対象の原子力発電施設を選定するということなども含めて、やはりこの見直しといいますか、算定方法の見直し、あるいは積立目標の規模の見直しというものをやっぱり取り組んでいかなきゃならぬと思いますが、そこら辺、いろいろ議論の過程で難しいところもあると思いますが、この点についてはどうか、お聞きをしたいと思います。
#186
○国務大臣(枝野幸男君) むしろ、会計検査院の指摘より更にどう踏み込めるかということで検討というか抜本的な議論が必要だという状況という位置付けでとらえております。率直に申し上げて、十四基どころか、今後の新増設どうするのかということ自体、そもそもゼロベースでも議論をしなければならないという状況でありますし、まさに全体としてのエネルギー・環境戦略がまとまりましたら、それに沿った線で十四全部やるということ、これはとても考えられないというのは当然でございます。
 それ以上言いたいところですが、これからいよいよ決める直前でございますので、予断を与えるようなことは余り踏み込み過ぎない方がいいと思いますが、そういうことでございますので、当然、算定方法といいますか、これから何基造りそうだからというこの想定自体が抜本的に議論をするということでございますので、会計検査院の指摘は当然のこととして更に検討していくということでございます。
#187
○柴田巧君 いずれにしても、需要が見込まれない資金を滞留させないと、不要不急の資金をためないということが何よりも大事だと思います。その観点でしっかり取り組んでいただくように強く要望しておきたいと思います。
 次に、公益法人等の関係についてお尋ねをしたいと思いますが、この公益法人については、ここで申し上げるまでもなく、政府からの支出などが国家公務員出身者の報酬の財源になっているのではないかといったことなどなど、いろんな指摘がされてきて、改革もなされつつあるというところもあるわけですが、いろんな問題が今もあるわけであります。
 そういう中で、総務省はこの前、七月にこの公益法人についての調査をまとめまして、一者応札、一者応募となっているもの、あるいは競争性のない随意契約を締結しているものや複数年度連続で同一の法人が受注しているものを中心に、二十一年度から二十三年度の上半期ですかね、第一・四半期かな、までの調査をしたわけであります。その中で経産省が件数そして支出額とも実はトップになっておりまして、平成二十一年から二十三年の三年間で三百二十一件、金額でいうと千二百四十七億円の支出があったということであります。こういうことからも、これまでの何といっても競争性、透明性を高めていくということが大事であるわけですが、この取組はやっぱりしっかりやっていかなきゃならぬと思います。
 枝野大臣は行政刷新担当大臣を二回もおやりになって、公益法人の改革や調達改革などに熱心に取り組んでこられたと思っておりますが、今回のこの総務省の指摘をどのように受け止めておられるのか、また、今後の契約等について一層の競争性や透明性を確保する必要があると思いますが、どのように取り組んでいかれるのか、経産大臣にお尋ねします。
#188
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、私自身が行政刷新大臣として公益法人との、省庁との関係については大変重要なポイントであるとして取り組んでまいりましたので、この調査の結果が二十三年度第一・四半期と、私が就任する前の調査結果であったことですから個人的にはほっとしておりますが、だからこそしっかりとこの勧告を受けて対応しなければならないと思っています。
 十分な公告期間の確保、これは当然の前提でありますが、不十分な点が若干あったようでございます。それから、過度な実績要件の排除ということをしっかりやってまいりたいというふうに思っております。さらに、より効果的な改善策が実施できないかということについても不断に検討してまいりたいというふうに思っているところでございます。
#189
○柴田巧君 経産省はこの三月に調達改善計画などもまとめておられますが、御本人もおっしゃいましたように、行政刷新担当大臣もしてこられたわけでありますので、是非、いい模範を示していただけますように、しっかりお手並みも拝見し、またある意味では期待もしたいと思いますので、頑張っていただきたいと思います。
 枝野大臣にはこの後特に質問はあれですので、もしよろしかったら退席されて結構でございます。
#190
○委員長(山本順三君) それでは、どうぞ退席してください。
#191
○柴田巧君 次に、先ほどからも自民党の若林先生からも取り上げられましたが、予備費の問題をお聞きをしたいと思います。
 先ほど若林さんがまさにおっしゃったとおりというか、まさに同感でありまして、この予備費の在り方というのは極めてやはりいびつなものになっているんじゃないかと私も考えるものであります。
 先ほどからも財政法、憲法の話も出ましたが、やはり事前にこの国会で議決するというのが本筋であって、それがいろんな事情でできないとすれば、補正予算を臨時会を開いてやっていくと。しかし、それでも緊急なもの等あるいは軽微なもの等については予備費が認められているわけですが、先ほども若林さん御指摘になったように、したがって、予備費は予見し難い事由による予算の不足に充てるもので、予算の不足の事由はその予算作成後に生じたものでなければならないというのが原理原則だと思うんですね。
 ところが、そういう大きな予備費を作っていく、持つということは、後で国会承認が必要とはいえ、政府にフリーハンドをある意味では与えてしまうようなことになる。それが国会審議の軽視や形骸化や政府の裁量の拡大、安易な歳出の拡大、そしてひいてはやっぱり税金の無駄遣いにつながっていくものと思いますので、この予備費の計上というのは最小限にとどめるのがやっぱり本来の在り方だと思っております。
 私が非常に不思議だなと改めて感じましたのは、二十一年度のときに、これは自民党政権下で経済緊急対応予備費一兆円計上されましたが、先ほどもお話あったように、最終的には補正予算の中に組み込まれました。そのとき野党であった民主党の皆さんはどう言っておられたかというと、若林さんや私が今言っていることを主張されていたわけで、こういう巨額の予備費を持つことは財政民主主義の観点からも極めておかしなことだとおっしゃっていたわけです。まあ名前を挙げて言ってはあれですが、参議院では郡司大臣もそうでした。前川さんもそうでした。森ゆうこさんもそうでしたが、いろいろで言っておられました。そして、二十一年度の予算案の反対討論の理由にそのことも挙げておられたわけですが、いざ政権交代になって民主党さんが政権を取ると、何か事情が変わったのか、立場によって言われることが変わるのか、随分言っていることとやっていることが違うと。えらい御都合主義だなと思いますが、まず、大臣、そこら辺はどういうふうにお感じになっておられますか、お聞きをしたいと思います。
#192
○国務大臣(安住淳君) おっしゃるとおりのところがあって、私はやっぱり事前承認主義こそ民主主義国家における財政の基本だと思います。ですから、そういう点から考えますと、今、柴田さんからお話がありましたように、補正を組んで対応する、若しくはそれに全く間に合わない緊急事態において支出できるそこの範囲の中で予備費というものはあるべきであると。財政学のいろんな本を読んでも、これは巨額な予備費を作るとこれは本来の原則から反するのではないかというのが通説だとは思います。
 そこで、今の経済状況をどう考えるかという議論に先ほどもなったわけでありますけれども、今御指摘のように、リーマン・ショック以降の経済的な危機があって、それで総選挙等も挟みましたから、そういうことの中で、もし急に何か変動があった場合に備えてということで本来の三千五百億に更に一兆円を積んで、この四年間ですか、二十四年度まで来たというのが現実であります。
 額についての規制は確かにありませんけれども、やはり予期せぬ変動や国会での事前審査等々を踏まえると、これが私は恒常化することは決して好ましいものではないと思っております。ですから、そういう点では、経済を軌道に乗せて、経済危機対応の予備費がなくてもいいような状況にまずしっかりして、その上で必要があればそれぞれに通常予算プラス国会の事前審査が必要となる補正予算等の対応をやるというのが私は基本だと思っております。
#193
○柴田巧君 まさにそういう観点を堅持をしてもらいたいものだと思いますが、この二十二年度に始まって、二十三年度、二十四年度、一兆は切っていますが、八千億、九千億予備費を組んでおられます。また、二十三年度の二次補正に至っては、ちょっと今日の議題とは離れますが、約二兆弱の補正予算の額の八千億、約四割を予備費にするというようなことも編成をされました。大臣はそうおっしゃいますが、どうも危なっかしさというか、原理原則をかなり逸脱したものになっていやしないかということを心配をし、改めてこれは指摘をしておかなきゃならぬと思います。
 そういう中で、先ほどもありましたが、いずれにしても予見困難かどうかというのは一つ大事なことなんだと思います、予備費の。ただ、使われている中身は、先ほどもありましたように、この経済危機対応・地域活性化予備費の多くはまさに経済対策そのもので、これは中身は時間がないので事細かに申し上げませんが、自公政権時代からやってきた経済対策の一種の延長に属するものだと、予見困難なものではないと思いますが、だから、予備費の使用の在り方としては非常にやっぱりこれも逸脱したものだと思いますが。
 先ほどの質問と重なる部分もあるかもしれませんが、大臣の御見解を改めてお聞きをしたいと思います。
#194
○国務大臣(安住淳君) 経済危機対応、それからポツで地域活性化予備費ということで予算を置いております。そういう中で、予算総則においては、使用できる項目については、今委員御指摘のような批判もありますから限定列挙をして、それ以外はある意味では使っては駄目だというふうなことはしているわけですね。
 そういう中で、今御指摘がありましたように、社会資本の整備、住宅対策、それから物流・交通対策、さらに雇用機会の創出に資するものということで雇用対策とか中小企業対策、さらに、これは国民生活の安定に資するということで、実は文教の設備費等もあります。
 これは実は、多分夏休み中にどうしても耐震化の工事等もやらなければならない部分もあってこの項目の中で対応させていただいた部分もあると思いますから、決してやみくもに何かに使っているのではなくて、項目はきちっと列挙したものに準じては対応しておりますけれども、原則に戻りますと、私も、議員としてもこれは思いますし、財務大臣としても、やっぱり予備費というものはあくまで予備費であって、先ほどから申し上げているように、この異様な経済、リーマン・ショック以降の経済状況を早く脱することによって、そうした疑念を持たれないように、また、予備費が巨額になって、これが本来の予算の項目の使い方と言わば同じじゃないかという指摘を受けないような対応をしなければならないというふうに思っております。
#195
○柴田巧君 その中身でおかしいなと思うのはもう一つあって、今もちょっと触れられましたが、八百十八億、この公立学校施設整備費に充てられています。
 学校の安心、安全を図ることは極めて大事だということは私も認めますが、これは予見困難というものではなくて、地方自治体からこの推進を図ってくれということはもう何年も前から国に対して意見書も出ているわけで、その問題も政府としては認識をしておられた問題であって、予見困難という範疇に基本的に入るものではないのではないか。やはりこういうものは当初予算の中にしっかり入れて計画的に事業が執行できるように、早期に、先ほどの、今九〇%近くまで来るということですが、一〇〇%になるようにやっていくというのが本筋だと思いますが、大臣、どう考えておられますか、お聞きをします。
#196
○国務大臣(安住淳君) 減災それから防災の話が社会保障と税の一体改革の委員会でも随分出ました。この中で、今御指摘のように、学校の耐震化は、これは私は急いでやろうということでコンセンサスは得ていると思います。ただし、これを予備費でやるのが適正かどうかという御指摘でございます。
 このときの背景を申し上げますと、二十二年度の当初予算において、実は概算で一千八十六億円を概算要求あったのに対して、一千三十二億円の措置をいたしました。ただし、その後に文部科学省による調査があって、すると、耐震診断の進捗やこの耐震化の意識が高まったことも背景にあって、額を積み増して工事をしなければならないところが八百十八億円不足が出てきたと、これを予備費で夏休み中の工事等もあるので対応させてもらったということですが。
 先ほども申し上げましたけれども、地域活性化予備費というものを、この学校設備等も一応列挙している部分の項目に入るということでありますので今回こうしたものに予備費を充てましたけれども、御指摘のことはよく分かります。もっと計画をしっかり立てて、それで当初予算や補正予算の中でやっていくようにということでありますから、そのことについては、予備費対応よりはそちらの方がもしかしたらそれはオーソドックスでいえば多分考え方としては正しいと思いますので、それは今後、関係省庁、それから市町村、都道府県、そういうところからしっかり計画を上げてきていただいて本予算等で対応できるようにしたいというふうに思います。
#197
○柴田巧君 もうおおよそ時間が来ましたのであれですが、いずれにしても、先ほど指摘いたしましたように、予備費の在り方がここ数年非常に原理原則から離れたものになっている、それがいろんな意味でこの無駄遣いになってはいないかということを心配をするわけで、まあ大臣もお認めになりましたが、本来のあるべき姿に早急に戻るように是非また大臣も頑張っていただきたいと思いますし、我々も注意深く見守っていきたいと思います。
 城井政務官に来ていただきましたが、時間がなくなりましたので、また文科委員会でも質問させていただきたいと思います。
 これで終わります。ありがとうございました。
#198
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。井上哲士君。
#199
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 原発と活断層に関する国の審査の問題について質問いたします。
 七月十日の予算委員会で、大飯原発直下のF―6破砕帯が活断層である可能性を専門家が指摘をしている、そのことを示してこの破砕帯の再調査を求めました。やっと調査が始まったわけでありますが、これはボーリング主体ではなくて、ちゃんとトレンチ調査をするということを求めたい。
 そして、問題になっているのは、当時、事業者が行った、活断層ではないと、こういう調査結果を妥当と評価した原子力安全・保安院の審査が間違っていたのではないかという問題であります。今回幾ら再調査をしても、同じ体制で審査をするならば同じ疑念を生じるわけでありまして、保安院の専門家だけではなくて、例えば活断層学会等が推薦をする第三者の研究専門家を立ち会わせると、このことを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
#200
○国務大臣(枝野幸男君) あの三・一一の教訓を踏まえて、安全、安心の審査の経過については公開性を高めているところでございます。
 御指摘の大飯原発の破砕帯の活動性を確認する現地調査についても、一方では、地面に深い溝を直接掘って断層の性状等を確認するものでありますので、地盤の崩落等の危険もありますから現場での安全確保に万全を期する必要がありますが、だから一般の方々の立入りを無制限に認めることは困難でありますけれども、専門家の方が実際に立会い等の御要望があれば、安全対策をきちっと講じることが前提となりますが、立会いが可能となるように具体的に検討してまいりたいと思っております。
 ちなみに、本年四月に敦賀発電所の敷地内で浦底断層の調査を行いました。この場合は、報道機関からお求めがありましたので、安全対策を取った上で公開をいたしました。
 今後とも、調査の状況を国としても適切に監視をすると同時に、情報の公開に努めて、また調査の結果に係る評価は公開の意見聴取会で行うなど、透明性を確保してまいりたいと思います。
#201
○井上哲士君 専門家の方が現に求めていらっしゃいますので、これは是非きちっとやるように求めたいと思います。
 そして、これが活断層だということになりますと原子炉の廃炉という必要性も出てくるわけでありますから、私は改めてこの調査中について稼働中止をするということを求めておきたいと思います。
 この活断層の評価が間違いだということが指摘されているのは大飯だけではありません。志賀原発の一号機の原子炉建屋の真下を通るS―1破砕帯が活断層であるという可能性が高くなって、今再調査が行われております。
 この破砕帯は、一九八七年の一号機の原子炉許可申請書の中にも登場しておりますけれども、活動性が問題となるわけではないとされておりました。続いて二号機の設置の際の申請書にもありますけれども、同じ結論でありました。この二つの申請書は当時の通産省と安全委員会のダブルチェックを受けているわけですが、いずれも妥当とされました。そして、二〇〇九年のバックチェックの際も問題にされなかったわけであります。
 ところが、今年の七月の十七日に保安院が開いた専門家の意見聴取会では、この過去の調査資料に基づいて議論をされた際に、出席した専門家からは、典型的な活断層が炉心の下を通っている代表的な例だと、よく審査を通ったなとあきれていると、活断層の専門家に見せたら唖然とするだろうと、全く理解ができないと、厳しい意見が相次いだわけでありますし、地元からは、一体国はどんな審査をしていたんだと、ずさんではないかという声も上がっております。
 保安院と安全委員会、それぞれ来ていただいておりますが、当時どのような審査を行ったのか、そしてなぜこの典型的な活断層が許可申請のときもバックチェックのときにも擦り抜けてしまったのか、この点についてそれぞれお答えください。
#202
○政府参考人(深野弘行君) お答えをいたします。
 まず、この安全審査の際でございますけれども、この昭和六十二年の安全審査、一号機でございますが、この際に七本の破砕帯、これが確認をされております。これにつきまして、比較的長く原子炉建屋の基礎底面に認められる破砕帯がS―1というものでございまして、この性状について直接確認をするためにトレンチ調査を行っております。そのトレンチ調査を行った結果、破砕帯は確認し、またその破砕帯の上部が若干段差が付いたような形になっていることは確認しておりますけれども、その上に更に地層が堆積をしておりまして、当時の評価としては、この上位に堆積した地層が十二、三万年程度古いものであり、かつ変位、変形が認められないということを当時評価をしております。この評価は、平成九年の二号機の安全審査に際しても覆されていないということでございます。
 それから、バックチェックでございますが、この際は、これはバックチェック中間評価でございまして、この際審議のポイントというのを定めて評価を行っているんでございますが、その審議のポイントの中にこの破砕帯の活動性というのは含まれておりませんで、破砕帯については、むしろこの破砕帯があることによる地盤の安定性についての評価だけが行われております。したがって、この中間評価では、この活動性についての審議は結局行われなかったということでございます。
#203
○政府参考人(班目春樹君) まず、一号機の安全審査でございますけれども、今、深野保安院長から答弁がありましたように、トレンチ調査を実際に行って確認してございます。安全委員会の方では、原子炉安全専門審査委員会の下に部会を設けまして、地質の専門家複数を含めた上で、現地調査も行った上で、当時の通商産業省の判断は妥当だというふうにしてございます。
 それから、二号機のときも一号機と全く同じでございます。
 それから、バックチェックにつきましても、今、深野院長の方から話がございましたが、このバックチェックについては、直接的にはこのS―1の活動性については記載がございません。しかしながら、地盤の支持力、支持性能という意味においては特段問題ないということで、我々としては承認したということでございます。
#204
○井上哲士君 とても納得できる答弁じゃないんですね。判断がいろいろあるということではないんですね。
 先ほど七月十七日の専門家の意見聴取会での発言を引用いたしましたけれども、典型的だと、これを活断層でないと思っている人がいたらその人に委員を務める能力はないと、こういうことを言っておられる専門家もおるわけですね。それを当時調査をしてもそれが分からなかったと、そして一旦そのときにもう活動性がないという判断をしたら、バックチェックのときにはもう対象にもなっていないわけですよ。この下で全くこれが擦り抜けになっていた、なぜこれがチェックできなかったのか、今の話で私さっぱり分からないんですね。
 経産大臣、そこでお聞きしますけれども、私は、今回の問題は事業者の報告や国の審査がいかにずさんだったかということを示している、そういう点では非常に保安院や専門家の責任も大きいと思っております。なぜ当時の審査で典型的と言えるものがチェックをできなかったのかと、当時の審査の内容や体制を洗い直すべきだと思いますし、これからの調査については、先ほどと同じように第三者の研究者の立会いを行うべきだと思いますが、その点、いかがでしょうか。
#205
○国務大臣(枝野幸男君) 三・一一以前の原発の安全性のチェックについては、結果的に福島の原子力発電所が津波によってこうした大きな事故になったわけでありますので、適切でなかった部分があるということはこれは間違いないことだというふうに思っております。
 なぜ今、御指摘いただいた志賀の件などについて今改めて専門家の皆さんに御意見を伺うとそうした指摘を受けることになっていたのかということは、今後も不断の検証をしていかなければならないと思っておりますが、間違いなく言えることは、一つは、やはり安全神話というものが三月十一日までこの国の原子力行政あるいは原子力にかかわる人たちの間を覆っていたということが背景にあったことは間違いないだろうというふうに思っております。
 それからもう一つは、やはりこの安全性のチェックなどについての様々な審査、議論のプロセスの透明性が欠けていたのではないだろうかと。当時の例えばどういう材料でどういう審査をしたのかということが十分に資料が残っていなかったり、あるいは専門家の皆さんが、どなたがどういう御意見を述べられたのかといったことについての資料が残っていないということでありますので、専門家の皆さんも、自分の発言したこと、評価が事後になって間違っていたということになるおそれがあれば責任を持った御発言があるだろうと思いますが、もちろん、そうでなくても専門家の皆さんは専門家の矜持として自分の信念に基づいて御発言されていたと思いたいですが、しかし、それを検証する手段がないといったことがやはり背景にあるというふうに思っておりまして、こうした点についてはできるところから改善をしているところでございます。
#206
○井上哲士君 第三者研究者の立会い。
#207
○国務大臣(枝野幸男君) そういった意味では、まさに公開性、透明性ということで、先ほど申しましたとおり、大飯についても、あるいは志賀についても、当然、こうした検証をするに当たって専門家の方から御要望があれば、安全確認の上でしっかりと透明性を確保する手段については取ってまいりたいと思っております。
#208
○井上哲士君 当時適切でない部分があったというふうに言われました。そういう下に今の原発があるということは本当に私は重大だと思うんですね。
 この間、原発周辺の活断層について過小評価だったということが次々に明らかになっております。例えば、島根の原発は南側を東西に走る宍道断層が問題となってきましたが、中国電力は当初、周辺には問題となる活断層はないと言っておりましたけれども、九八年に八キロの活断層、この宍道断層を設計上考慮する活断層と認めました。その後、〇六年に研究者が現地調査に基づいて指摘をしたのを受けて中電は二十二キロというふうに評価をするようになりました。どんどんどんどん伸びていったわけですね。なぜこういう過小評価がやられてきたのかと。
 気象庁に来ていただいておりますが、ホームページのQアンドAの中で、「ある場所で過去に大きな地震が発生していたとしても、地表に痕跡(活断層など)が残らないことがあります。このため「この場所は大きな地震が絶対ありません」と言えるところはありません。」というふうにしておりますが、地表に痕跡が残らないというのは、これはどういうことなんでしょうか。
#209
○政府参考人(羽鳥光彦君) お答えします。
 気象庁のホームページの記述につきましては一般的なお話として書いてございまして、具体的には、マグニチュード六程度の地震が発生した場合におきまして、多くの場合、その断層のずれが地表面に現れません。このため、通常はマグニチュード六程度の地震では地震の痕跡を地上で確認することはできないと考えてございます。一方、マグニチュード七程度の地震の場合にはその断層のずれが地表に現れることが多いということですが、場合によっては痕跡を明瞭に確認できない場合もございます。
 以上でございます。
#210
○井上哲士君 つまり、過去に大きな地震があっても、地表には活断層として残らない場合があると、これは活断層評価については常識なわけですね。ですから、地表では切れているように見えても、地形などから判断すればつながった長い活断層があると。ところが、こういう常識とも言えることが実際には原発の安全審査では無視をされてきたのではないか。つまり、意図的に活断層の値切りが行われてきたという問題であります。
 例えば、能登半島地震を引き起こした海底活断層は全体では約三十キロの長さがあるとされておりますが、当時は三つに分断して個々の長さを十キロ程度としておりました。柏崎刈羽でも海底の活断層について東電は認定をしておりませんでしたけれども、変動地形学の専門家は、地層の褶曲や変動地形の連続性から海底に二十キロ超える断層があるということを指摘をしていたわけですね。こういうものが全部認定をされない下で、中越でも能登半島でも基準地震動をはるかに揺れる大きな被害がありました。
 問題はなぜこういうことになってきたのかと。やはり保安院の審査に中立性や専門性に疑義のある専門家が、特定の専門家が長く関与をしてきて、こういう値切りをしてきたんじゃないかという指摘が各方面からされております。
 旧通産省の研究機関の出身で、電力業界が集まる日本電気協会の土木構造物検討会の主査を務めた学者でありますが、国に原発申請をする際に書類作成を指導する業界団体の主査が保安院でそれの審査をすると、これで本当に中立的な審査ができるのかということなわけですね。この専門家は、活断層の過小評価が問題になっている敦賀、大飯、美浜、高浜、「もんじゅ」、柏崎刈羽、志賀、島根の審査にいずれもかかわっております。
 こういう特定の専門家に担当させ続けて、今活断層の過小評価が次々と問題になっていると。このことについて大臣はどうお考えでしょうか。
#211
○国務大臣(枝野幸男君) まさに先ほど申しましたとおり、御指摘もあったので、当時のその活断層評価の資料等どうなっているのかを確認いたしましたが、顧問会というところでやっていたようでございますが、専門家の皆さんの意見聞くのは非公開で行われ、審議資料も公開していなかった、また議事録は残されていないということで、どなたがどういう知見をお示しになられたのかということが後から検証できないという構造になっているわけでございます。したがって、今のような疑義を持たれるということが生じ得る仕組みであるというふうに思います。したがって、今回、三・一一を受けて、議事や資料の公開をしていくということで今進めさせていただいているところでございます。
 また、同時に、その申請のお手伝いをした方が審査に回るということについては、済みません、事前の通告でそこまで御指摘ありませんでしたので詳細承知をしておりませんが、やはり一般論として、申請をする側の助言、指導、協力をした方がその申請されたものの審査をするというのは、これは一人二役で許されることではないというふうに思っておりますので、現在の仕組みの中でそういったことが行われていないかどうかは確認したいと思いますし、そうしたことは許されるべきではないと思います。
#212
○井上哲士君 私は専門家の責任は重大だと思いますが、同時に重大なのは、国会の事故調が報告書で、規制当局が電気事業者のとりことなっていると、こういうことを指摘している中で起きている問題だということであります。
 手元に事故調の報告書の一部を抜粋したものを配っておりますが、電気事業連合会の資料から、電事連の原対三役と当時の保安院長との意見交換の生々しいやり取りが紹介をされております。実はこの前のところで、耐震設計審査指針の改定の際に電気事業者の要望をそのまま受け入れて、既存の原発には影響がないようにするということと、バックフィットじゃなくてバックチェックにして、かつ猶予期間を与えるということが行われたということがずっと展開をされた上でこの話です。
 これはシビアアクシデント対策についての話なんですが、保安院長からの具体的なコメントというのが電事連の資料に残っています。事業者の立場や事実関係は承知している、現実に既存炉が到達できないことを要求するつもりはないと。お互い訴訟リスクを考慮に入れて慎重に考えていきたい。基本は耐震指針改定のときと同じように対応できればいいと思っている、つまり既存原発には影響ないようにしたいと。そして、最後、結びの以下のコメント、悩みどころは一致していると感じた、年明けから公式な検討会を設置するかもしれない、その前にお互いに着地点を見出したいと。電気事業者と保安院長がこういう会話をしていたということ、生々しい電事連の資料としてこの報告書出ているわけであります。
 こういう下でこういう事態が起きたんではないか。その点、大臣、どのようにお受け止めでしょうか。
#213
○国務大臣(枝野幸男君) 国会事故調のこうした指摘というのは真摯に受け止めなければいけないだろうというふうに思っております。
 なかなかその現場の実態や情報をしっかりと把握をしなければ行政できないという側面はあります。したがって、電気事業に携わっている者と経済産業省などが一切接触しないということは難しい側面もありますが、事安全規制などに関したところについて、しかも規制を行う側と規制を受ける側が非公式にこうしたやり取りをしていたとすれば、やはりそのこと自体適切な行政の対応ではないと私は思います。規制をする側とされる側の関係については、もちろん情報交換や意見交換が必要であれば、それはオープンの場で議事録も残るようなところでやるべきであるというふうに思いますし、特にここで出てきている公式な検討会を設置するかもしれないなら、その公式の検討会で意見交換をすればいい話であります。
 こうした関係というものを断ち切ることが今回の事故の教訓として大変重要だと思っておりまして、そうした方針に基づいて原子力規制委員会設置法の整備をいただいたところでございますが、設置法の施行までの間も保安院においてはこうしたことの起こらないようにということで、規制を受ける側との関係については私の下では厳しくやらせているところでございます。
#214
○井上哲士君 先ほど、当時必ずしも適切でなかった部分があるということも言われました。そして、こういうとりこというような関係もあったわけですね。そういう点でいえば、当時行われた一連の審査について改めて総点検をすることが必要だと思います。その点、最後お聞きをして、質問を終わりたいと思います。
#215
○委員長(山本順三君) 時間が参っております。簡単にお答えください。
#216
○国務大臣(枝野幸男君) 三・一一の知見、教訓も踏まえて、現在、保安院では原発周辺、敷地周辺の断層の活動性、連動、海溝型地震や津波の評価の見直しを進めてきておりまして、全国の原発の敷地内の破砕帯についてこれまでの評価を見直しているところであり、この見直しに当たっては、先ほど来申し上げている公開性を持って専門家の意見聴取をしながら進めているところでございます。
#217
○井上哲士君 終わります。
#218
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。又市征治君。
#219
○又市征治君 社民党の又市です。
 最初に、環境大臣にお伺いをいたします。
 復興庁の資料によりますと、環境省の復旧復興予算は昨年の第三次補正までで一兆一千七百億円余りですけれども、執行率は六月時点で四七・八%、繰越率が四九・三%であります。復興における環境省の主要な事業は瓦れき処理と除染作業ですから、予算の執行率などはこの事業の進捗状況の反映だろうと、こう思います。
 そこで、最初にこの瓦れき処理の状況を伺いたいと思うんですが、瓦れき処理は町の再建の前提でありますけれども、その広域処理の中に放射能汚染されたものが含まれれば、放射能のまさに拡散、放射能汚染の拡散でありまして、市民の安全、安心な生活が脅かされかねない、こういう危惧が広がっていることは御承知のとおりであります。
 環境省は、六月の二十九日付けで災害廃棄物の広域処理の調整状況についてという文書を関係自治体に送付されておりますけれども、現状での広域処理の進捗状況はどうか、併せて県内処理の状況もお伺いしておきたいと思うんです。
 また、一月に国の直轄で行う除染工程表も公表されましたけれども、実際には森林地域における除染の困難も指摘をされておりますが、この除染の進捗状況も併せて伺いますけれども、もう一つあるのは、何かたくさん一遍に聞いて申し訳ありませんね、一部報道によると、福島のこの除染作業を受注しているのは圧倒的に大手ゼネコンだ、こういうふうに報道されている。除染は市町村が直接責任を負うものですけれども、被災で疲弊している地域の再建に向けて、地元企業の育成も当然必要なことだと思うんですが、現在の発注状況についてもどうお考えなのか。
 以上、お伺いしたいと思います。
#220
○国務大臣(細野豪志君) 非常に重たい質問を三問同時にいただきましたので、ちょっとお時間をちょうだいいたします。
 まず、災害廃棄物でございますけれども、これが復興の大前提でありまして、環境省としては最重要事業というふうに位置付けまして取り組んでおります。
 八月七日に開催をされました第四回の災害廃棄物の処理の推進に関する閣僚会合におきまして、私の方から処理工程表についての報告を行いました。その中で、被害の大きかった岩手県、宮城県、福島県の沿岸市町村においては、七月の末の時点で総量の約千八百十一万トンのうち約四百七万トン、約二二%が処理済みという状況でございます。
 広域処理でございますけれども、岩手県では約四十二万トン、宮城県では百二十七万トンの広域処理の実施に向けまして、現在きめ細かく調整を行っているという、そんな状況でございます。
 広域処理については、御指摘のとおり安全性が最優先でございますので、そこについては徹底的なモニタリングをして、地元での広域処理を行っていただく自治体にも説明会を重ねまして、その中で御決断をいただいたところについては実施をしているという、そういう状況でございます。
 東北域内の三県、すなわち青森県、山形県、秋田県、さらには関東でいいますと東京都が一番初めにやっていただいて、茨城県であるとか群馬県でも既に実施をされております。埼玉県もあと一歩というところまで参りました。そのほか静岡県、そして現在調整中なのが大阪市や北九州市、そして北陸地域でも今調整中でございまして、そうした現在調整中のところでやっていただければ、当初の目標である三年以内ということの処理が可能なのではないかということで鋭意取り組んでいるという、そういう状況でございます。
 繰り返しになりますが、安全性は最優先でありますので、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。
 次に、除染でございますけれども、こちらも地元の自治体に御努力をいただいて、なかなかスムーズにというわけにはまいりませんが、現在取り組んでおります。
 本年一月にロードマップを策定をしておりまして、そのロードマップに基づきまして本格的な除染を是非やりたいと思っておるんですが、そこは各所有者の皆さんの同意を取り付ける必要がございますので、すぐにというわけにはなかなかまいりません。そこで、役場などの公共施設の先行的な除染、さらには常磐自動車道というのが、これは中核的な道になりますので、そこでのモデル事業を昨年度から行っているという状況でございます。
 その中で、国の直轄で除染を実施をする市町村に関しましては、十一市町村のうち六つの市町村について計画を策定をいたしまして、今順次事業に移っているという状況でございます。賠償についても少しずつ前進をしておりますので、その中で除染をやろうという自治体が増えておりますので、これまで十分にスピードアップしてこなかったところを取り返すべく現在全力で取り組んでいるところでございます。
 そして最後に、地元の事業者の皆さんへのメリットがないのではないかという御指摘がございました。二つの方法があるというふうに思っております。
 それは、一つは、直轄事業で除染をする場合に地元の雇用に配慮して様々な取組をしていただくというやり方。実際に入札の評価項目におきまして地元の雇用への配慮を加えておりますから、ある程度そこで反映をしてやっていただいている事業者も存在をするというふうに承知をしています。
 もう一つのやり方は、一つの例が飯舘村なんですが、飯舘村のように村でこの除染を事業者の皆さんと協力をしてやっていきたいというような、そういうお申出がございます。そこはいわゆる一般的な入札というやり方ではなくて、部分的にそこについてはやっていただけるような仕組みを現在導入をしておりまして、今その準備が進んでおります。村議会において委託業務を受入れに関して決議もいただきましたものですから、そういった形で村にお渡しをして、村の中で事業者の皆さんが集まっていただいてやっていただく、これ一つの私はモデルケースになるのではないかと思っております。
 幾つかの町村の方からそういう御要望もございますので、そういう業者による発注という形式だけではなくて、村が直接関与して除染に取り組んでいただくことで福島の皆さんが復興に向かって意欲を持っていただける面があろうかと思いますので、そういった形で是非取り組んでいきたいと考えているところでございます。
#221
○又市征治君 大変御努力いただいているわけですが、いずれにいたしましても、復興は安全、安心の再建でなきゃならぬということでありまして、県内、県外において汚染の拡大といった事態が生まれないようにしっかりと取り組んでいただきたい、このことをお願いしておきたいと思うんです。
 次に、経産大臣にお伺いをいたしますが、多くの省庁で復興予算執行率が低いわけですけれども、経産省は非常に高いんですね。八四・六%となっておるようです。
 その中で大きな反響を得ているのが、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の各県を対象とした中小企業等グループ補助金だそうで、昨年度分の約一千五百億円、本年度の五百億円、合計約二千億円が予算計上されております。一部地域では完了していないようですけれども、既に七月の末の段階でおおむね消化をされたと、こんなふうに聞いていますが、これだけを見ればニーズのある交付金制度ができてよかったということなんですが、しかし、この交付金への申請件数、延べ一千三百二十九グループ、補助総額が九千五十七億円に対して、実際に採択されたのは二割強の二百八十七グループ、補助金総額にすると三分の一弱の二千八百十一億円ということになりますと、これで本当の意味で適正であったのかどうか。
 経産省は、もう事前にこの補助金への需要予測はできなかったんだろうとは思いますけれども、このように多くの申請件数があった要因をどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
#222
○国務大臣(枝野幸男君) 大変、このグループを形成して復興していこうということの取組に多くの皆さんが積極的に対応していただいたこと、大変有り難いというふうに思っているところでございます。
 見通しがどうであったかという御意見はあろうかと思いますが、本当に、これは東日本大震災が類を見ないほどの広範囲、甚大だったことを踏まえた極めて特別なケースとして創設したものであり、迅速な対応が求められる中で、正確な被害状況の把握、困難な状況がありました。にもかかわらず、各県にも御相談をさせていただき、御協力いただいて、可能な限り被災地の状況把握に努め、必要な予算を計上させていただいたというふうに認識をしております。その後においても、被災地のニーズの把握に努めるとともに、過去の申請状況等を踏まえて、今御指摘のとおり、累次にわたる予算措置で対応してきているところでございます。
 なお、引き続き地元から強い要望、申請があるケースがたくさん残っておりますが、現時点では、グループの共同事業としての熟度が低いなど、まだ採択のレベルに達していないものも正直言って多いのが実態でございます。
 そこで、私の方から八月十日に、グループ補助金の制度趣旨に照らして、熟度の高い事業となるよう、地元に対して一層の支援、協力を行うこと、そして共同事業の熟度が高まった案件について対応が可能となるよう準備を行うことという二点について指示をしたところでございます。
#223
○又市征治君 被災地の復興にとって、地場産業の再建、雇用の確保が不可欠、確保というか創出ということも含めて、地域再建に取り組む中小企業経営者の目線に立って更なる支援を強めていただきたい、このことはお願いしておきたいと思います。
 次いで、もう一度環境大臣にお伺いしてまいりますが、水俣病の救済問題について伺います。
 水俣病の患者さんの最終解決を目的とした救済申請が七月の三十一日に締め切られました。この救済策の締切りは現地に多くの怒りを巻き起こしていることは報道で御存じのとおりです。我が党も、七月三十日に細野大臣に、熊本、鹿児島、新潟各県での申請者は約五万八千人にも及び、月に一千人を上回るペースで増え続けていることを踏まえて、この申請期限七月三十一日を撤回するように申入れをさせていただきました。
 政府は、特措法における救済措置の開始後三年以内を目途に救済措置対象者を確定し、速やかに支給を行うよう努めなきゃならぬというこの条文をもって七月三十一日を申請期限の締切りの根拠にされたようですけれども、まさに日弁連の意見書などに述べられているように、早期にあたう限りの救済を果たす見地からこの条文を解釈すべきであって、機械的な、この三年なら三年の七月三十一日をもって最終目標と考えるべきじゃないと、私たちはそのように思います。
 平成七年の第一次政治解決においても申請期限は六か月と区切られたわけですが、今回、既に五万人以上が新たに申請をしていることから分かるように、拙速な申請打切りというのは、まさにあたう限りの救済という特措法の精神に背くんだろうと思うんです。
 改めて申請期限の撤回を求めたいと思いますし、今後新たに申請する方がいた場合どうなさるのか、まさか門前払いはされるわけじゃないだろうと思うんですけれども、そこのところの見解を伺っておきます。
#224
○国務大臣(細野豪志君) 特措法の三年の期限というのは来年の四月でございます。そのときまでに、そのときをめどに被害者の皆さんの数を、これをしっかりと確定をするというのが法の趣旨でありまして、七月末にいたしましたのは、申請をしていただいてから確定をするまでに慎重に見ると一年ほど掛かるんです。ですから、そういった意味では四月までに間に合わない可能性があるわけですね、再申請される方がいる場合は。ただ、そこは機械的にやるのではなくて、まさに法の趣旨に基づいてできる限り柔軟にやるべきだろうということで、ぎりぎりの期限で七月の末に設定をさせていただいたという経緯がございます。
 あたう限りの救済を実現をすべく、環境省としてはこれまで経験をしたことがない、やったことがない広報活動を展開いたしました。私もメディアのできるだけ協力をいただいて情報発信をするようにいたしましたし、街頭にも職員一同立ちまして全国でビラ配りもいたしました。したがいまして、申請者の数が増えたこと自体は、これは広報活動の結果という面が、これは我々だけではなくて自治体も含めてあったというふうに考えております。
 ただ、申し上げたいことは、特措法の申請期限をもって水俣病が終わったわけではないということであります。特に胎児性患者の方、私も何名かの方にお会いをいたしましたが、本当に皆さんまだお若くてお元気でいらっしゃいますので、そういった方々のこれからの生活なりお住まいであるとか、そういったことについてしっかりとやっていこうということで、今ふんどしを締め直しているところであります。
 それだけではなくて、認定患者全体の皆さんのケアというのもこれから重要になってまいります。それに加えまして、特措法の申請受付期限が過ぎた後につきましても、健康の御不安の方については柔軟に健康管理の事業のできるだけ対象にしていくということも、現在、自治体と協議をしながら進めているところでございます。
 したがいまして、いろんな御意見があることは私も承知をしておりますが、これが水俣病の幕引きだということが言われることがないように、政府としてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思いますので、何とぞ御理解をいただきますようにお願いを申し上げます。
#225
○又市征治君 大臣の今の決意、しっかり受け止めたいと思うし、本当にこれで幕引きにしてもらっちゃ困る。例えば、そもそも特措法の救済対象を地域的、年齢的にも限定をされておって、これ自体がやっぱり問題だと思うんですね、私は。
 六月二十四日に水俣病被害者団体と医師団などでつくる不知火海沿岸住民健康調査実行委員会が沿岸六会場で一千三百九十四人の方を検診した結果、救済策で指摘された地域、年齢を超えて一千二百十六人の方に水俣病特有の感覚障害が認められて、疫学条件も併せて水俣病患者だと診断をされているわけですね。
 だから、政府自身も、むしろそういう意味では、何か今までの見方は、健康調査を行っても水銀暴露と症状の因果関係がはっきりしないというふうに考えてきた、こういう節があるわけですけれども、むしろ、この人々が行っているように、あたう限りの救済を言うのならば、不知火海沿岸全域の住民健康調査を実施をしてでもやっぱり救っていく、こういう構えこそが必要だと思うので、そのことだけもう一遍改めて強く求めておきますから、これは答弁は要りません。先ほどの大臣の見解はほぼ一致するんだろうと思いますから、そういう立場で努力をいただきたい、このように思います。
 時間がなくて、最後に予備費の関連で、平成二十二年度一般会計予備費(その1)にソマリア沖等における自衛隊の海賊対処の支出が計上されている問題について、防衛大臣に来ていただきましたので、お伺いをしておきたいと思います。
 我が党は、ソマリア沖の海賊対策のために、自衛隊ではなく必要ならば海上保安庁がその任に当たるべきだと、こういうふうに当時主張をしてまいりました。そもそも武力で海賊を根絶するなんてことは無理があるわけでありまして、ソマリアを始め周辺諸国の政治的、やっぱり経済的安定に日本が寄与することが求められる、このことを指摘をしてまいりました。また、この自衛隊派遣に当たって任務遂行のための武器使用が認められたわけでありまして、これは警察権の行使を名目にして自衛隊の武器使用が定着する可能性に道を開くという立場からも私たちは反対をしたわけであります。
 そこで、防衛大臣に伺うんですが、自衛隊はソマリア沖の海賊の対処活動のためにジブチに活動拠点を建設をされた。自衛隊が海外に初めて恒久的な基地を建設したと、こう言われているわけですが、そもそも海上の安全と秩序を守る責務は、先ほども申し上げたように、海上保安庁というふうに私たちは考えるわけですけれども、また同時に、海上保安庁もその能力の向上に努めてきた経緯がある。ある意味、一時的な支援とも言える自衛隊が恒久基地を設置をするというのは大変おかしい、こういうことなんですが、そこでお伺いするのは、ソマリア沖における海賊事案の発生件数は低下傾向にあるようですけれども、どのような状態になれば自衛隊をソマリアから撤収させるお考えなのか、その条件を伺っておきたいと思います。
#226
○委員長(山本順三君) 森本敏防衛大臣、残り約一分でありますから、手短にお願いいたします。
#227
○国務大臣(森本敏君) はい。
 先生御承知のとおり、国際社会における海賊行為には一般的に警察機関である海上保安庁が対応するということになっておりますけれども、他方、ソマリア沖・アデン湾における海賊行為については、相手方の装備が非常に、ロケットその他重武装であるということもあって、国土交通大臣より海上保安庁では対応することが困難であるという判断が示されたこともあり、平成二十一年より自衛隊の部隊が当該海域において海賊対処行動を実施しておるわけでございます。
 先生の御指摘のように、確かに発生件数は減少傾向にあるんでございますけれども、二〇〇九年二百十八件、二〇一〇年二百十九件、昨年は二百三十七件、今年は六月末までに約七十件と、確かに減ってはおりますけれども、依然として高い水準で推移しておりまして、引き続き予断を許さないという状況の中で、我が国はこの海賊に対する対処行動を引き続きやらなければならないということで、今年七月、一年間この海賊対処行動を継続するという必要があるという判断をしたところでございます。
 したがって、海賊対処行動の是非については、海賊行為の発生状況や、国際社会あるいは我が国の経済社会に対する影響などを総合的に判断をして、まだこの海賊対処行動を引き続きやらなければならないという状況にあるものと判断しているわけでございます。
 以上でございます。
#228
○又市征治君 時間がなくなりましたので、これはまた改めて外交防衛委員会等でこの件についてはもう少し深く質疑をさせていただきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#229
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。谷岡郁子さん。
#230
○谷岡郁子君 みどりの風の谷岡郁子でございます。長い審議になっていると思いますけど、もうしばらくお付き合いをいただきたいと思います。
 まず最初に、経産省に伺いたいと思います。
 経産省の事業費のうち政策課題対応型予算というのは幾らぐらいあって、そのうちコンサル、代理店あるいはシンクタンクと呼ばれるようなところに払われている金額というのは幾らぐらいで、その割合はどのくらいでしょうか。
#231
○政府参考人(北川慎介君) お答え申し上げます。
 経済産業省におきます、例えば平成二十一年度の調査、広報を含めました委託費等の総額は二千四百十億円でございます。このうち、支出総額の大きいシンクタンクなど、こういったものに出したものが九十一億円、全体の三・八%。二十二年度におきましては、これは千九百六十四億円。同じくシンクタンク等に出したものは九十九億円、全体の五%でございます。
#232
○谷岡郁子君 ところが、今おっしゃったのは全体の事業費の中で、私が申し上げたのは、政策課題型の研究費は幾らかということで、これは経済産業省がお出しになった決算書のこの概要の中に出てまいります。そこの金額というのは、二百五十九億二千八百二十四万円と書かれているんです。
 そして、今日資料にお示しいたしました、実は最後のページが最初になってしまって大変申し訳ないんでありますが、皆さんに御覧になっていただければ分かると思いますが、これ、トップの十社を選んで書いております。このトップの十社、それは合わせてどのくらいになりますでしょうか。
#233
○政府参考人(北川慎介君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたトップの十社につきましては、二十一年度が九十一億円、あるいは二十二年度が九十九億円となってございます。
#234
○谷岡郁子君 総額二百五十九億円の政策課題型の事業のうちの、今申し上げましたように九十億円と、それがちょうど一億円違いでほぼ同じところに、そしてこの十社見ていただけるとお分かりになりますように、ほぼ同じところに似たような順位で入っているんですね。
 なぜこういうことができてくるのか。この質問を私がしたいと思っていますのは、この会計検査院の方から出ております今年の平成二十二年度決算経済産業省についての検査の概要に関する主管局長の説明、会計検査院というところの一ページ目を開けていただきますと、業務委託契約において、実績を大幅に上回る単価に基づき人件費を算定するなどしていたため、委託費の支払額が過大になっていたものでありますということが書かれているということであり、しかも、その二百五十九億円のうちの九十億円というものが上位の十社で占められているということであり、そこがほぼ変動していないという事実があるんです。
 これは、先ほど来ずっと議論にもなっております原発事故における業者とそして経産省、保安院といったところのとりこの関係というところに言わば近いそのとりこの関係というものが、これは原発問題だけではなくてひょっとすると出てきてしまってはいないのか。これは天下り等の関係もこれから調べてみないと分からないことなんですけれども、果たして経済産業省は、保安院が自ら力がなくて業者に頼らなければならない、あるいはメーカーに頼らなければならなかったように、本当に今、自らが国家の最大のシンクタンクとしての機能というものを維持しているのかどうなのかということに、これはひょっとすると新たなとりこの関係というものがあり得るのではないかと思ってしまうからなんですけれども、そのことにつきまして大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#235
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、特に経済産業省は人が財産、予算も余りございませんので、しっかりと知恵を使ってこの国の経済産業を活性化していくという役所でございます。間違っても、シンクタンクに丸投げして、何かそちらの知恵がないと物が動かないというような役所になってはいけないというふうに思っております。ただ、一方では、いわゆる市場調査的な調査ですとか、それから特に特殊な専門的な知識の分野のところなどについては外部委託をする方が効率的であるという側面もございます。
 先生からこうした大変貴重な御指摘いただきましたので、特に政策立案に関連する部分での委託事業について、どういう部分を外に出して、どういう部分はちゃんと中でやっているのか、決してとりこの関係にならないようにやっていると思いますが、しっかり確認させていただいて、問題があれば適切に対応したいと思います。
#236
○谷岡郁子君 そこで、上位十社についての重立ったリストというものを全部出していただきました。調べさせていただきました。この十社については、例えば医療関係のところが、大きなものなんですけど二社別々のところに出ていたりとか、エネルギー関係のところがあちこちに出ていたりと、実は専門性と言われるようなものがはっきりしておりません。むしろはっきりしているのは、約三割以上、三分の一という、この上位十社の取り分というものが明らかなんですね。これは、やはり何らかの形で、言わばもう慣行になってしまっているということが考えられます。
 そして、その一方で、今回付けさせていただきました資料のうちの一ページ、二ページ目の方には、私の方で調べさせていただきました、例えば原子力関係の特会予算、これに関しましてのものを付けさせていただきました。
 そして、安全についてどのくらいのお金が出ていっているのか、あるいは人材養成についてどのくらいのお金が使われているのか。この人材養成は大学だとか外部、いっぱいその他を含んでいるわけなんですけれども、この青のところが安全予算、全体の中での安全予算でありまして、赤の部分がその人材養成の部分なんですね。
 なぜ保安院がとりこの関係になったか。人材を育成するということについて、実はこの程度しかお金が使われていなかったという事実がそこにあるからなんです。やはりそのキャパシティービルディングというものをしっかりやっていかないと、これは、やはり能力というものがシンクタンクに勝てるというふうには思いません。
 同時に、それは、国会などでこういう委員会の質問をやりますと十数人の方がわんさか質問取りにいらっしゃいます、そして廊下でお待ちいただきます。若い職員がそういうことばかりに走り回っていて、国会対策要員になってしまっていて、一番勉強してもらいたいときに実は勉強できているんだろうか、そしてその勉強するための必要な研修の時間であり、環境であり、またその費用であるというものはしっかり使われているんだろうか、そうでなければとりこの関係になってしまうのではないかという強い危機感がございます。
 その点について大臣の御見解をお聞きしたいと思います。
#237
○国務大臣(枝野幸男君) 特に原発の安全規制に関して、まさにこれは国会の事故調からも厳しい御指摘いただいたところであり、実際に、特に専門性非常に高いということなどもあって、保安院の中にも十分知見持って、すばらしい能力持っている人間もいること知っておりますが、どうしても業者頼みになっていた、これはもう否定のできない部分があると思います。こうしたことは新しい規制委員会の下で抜本的に改善していただけると思っております。
 それ以外の部分のところについて、御指摘のとおり、職員は国会対応を始めとして様々な分野で頑張って活動してもらっております。そうした中で、専門性であるとか、様々な研修、そういったことで能力を高めるということは、ここは私も、一年前に初めて経済産業省に来まして大臣務めさせていただいておりますが、とにかく予算がない役所でございますので知恵で勝負するしかないということは、これはいい意味での通産省以来の伝統として経済産業省の中にはしっかりと生きていると、ここは自信持って一年間の経験でお伝えさせていただけると思っておりますが、こういったもの、ともすると、積み重ねるのは時間掛かりますが、駄目になるのは早うございますので、先ほどのシンクタンクとの関係始めとして、しっかりと、特に若い職員が自らの力を高める人材として、日本の国家のシンクタンクとして力を発揮できるように更に努力をしてまいりたいと思っております。
#238
○谷岡郁子君 この問題は、また天下りの人たちがこういうところにどのくらいいるかとか、あるいはマージン率がどのくらいになっているかとか、マージンが一定絞れれば、十分本当に、本を買ったり、留学をしてもらったり、海外に研修行かせたり、経産のいわゆる若手官僚自身をしっかり育てるようなことというのは私はできると思っていまして、やはり国家の官僚が優れた仕事ができると、そのキャパシティービルディングというものをしっかりやっていただくということがないと、やはりとりこの関係というのはどこででも出てくるものだと思います。
 そこで、次は環境省にお聞きをしたいんですけれども、環境省にも同じお尋ねをいたします。この政策課題についての費用というものがどのくらいを見込んでいて、コンサル、代理店、シンクタンクと呼ばれているところ、どのくらい払われているんでしょうか。
#239
○政府参考人(谷津龍太郎君) 御説明申し上げます。
 お尋ねの環境省の調査業務、役務でございますが、こういった調査業務の契約の総額でございますが、平成二十二年度におきまして約六百四十六億円でございました。このうちシンクタンク等に対します支出額でございますが、上位十社の合計額を算出いたしましたところ、約五十六億円、全体の比率が約八・七%という実態でございます。
#240
○谷岡郁子君 この委託費の中には、いろんな調査費とかとほかのいろんなものも本当に入ってしまっているんで、純粋に政策課題型ということで絞るとぐっと小さくなるということをまず申し上げておきたいと思います。
 そして、その五十五億円、五十六億円と、その二十二年と二十一年度になっていて、ほぼ変わりません。これ、一億円の違いというのは経産省も同じなんです。そして、上位十社が変わっていないということは、この資料の三枚目を見ていただきますと、これも一つの会社が違っているだけでございまして、あと九社は同じなんです。そして、一位、二位と、三位、四位と、五位、六位がそれぞれに入れ替わっているだけで、同じところが同じような形で並んでいるということがはっきりすると思います。
 これにつきまして、細野大臣、見解をお伺いいたしたいと思います。
#241
○国務大臣(細野豪志君) 実は私もかつてそういう仕事をしておりまして、私がおった会社は五位にランキングしております。したがって、どういう構図になっているかというのは身をもって、役所の仕事もしましたのでよく分かっています。
 枝野大臣もおっしゃったんですけれども、研究員を大量に抱えていますから、専門分野である程度まとめて仕事を任せた方がいいものが出てくる分野もあるんですね、特に特化した分野の場合は。ただ、一方で、これはちょっと丸投げじゃないかという経験も私しましたし、また、ちょっと予算のこれは消化プロジェクトで、年度末にばたばたと来るような仕事も経験をしました。ですから、そこは本当に中身を精査をして必要なものをやるという姿勢が必要ではないかということを身をもって感じてまいりましたし、環境省の中でそういったことに接したときには、そういうことは注意をして言ってきております。
 役所の仕事の場合は、特に私がやっておったのが、シンクタンクの場合は、そんなにおいしくて、うはうはもうかるようなことはほとんどなかったですね。むしろ、非常に労働集約的な仕事が多くて、もう少し余裕を持ってできたらよかったなというようなこともありますけれども、そうでない部分も多分あるんだと思います。
 ですから、そこはまさに中身の問題で、しっかりと中で専門的な能力を身に付け、必要なものについてのみ外注するという、そういう体制をつくる必要があるというふうに思っております。
#242
○谷岡郁子君 放射能あるいは原子力の安全の分野も引き受けられるということになりますと、環境省の職員の本当にレベルアップ、キャパシティービルディングというのは今後重大な課題になっていくと思いますし、仕事が増えていくと。その割にはその人員の数というものは定員が大きく増えているわけではないということだと思います。
 その中で、私は、繰り返しませんけれども、今、枝野大臣にお願いをしたと同時に、やはりとりこの関係にならないためには、官僚自身のレベルというものが太刀打ちできるレベルでなければいけない、あるいは凌駕するレベルでなければいけないということの中で彼らを育てるために頑張っていただきたい。
 そして、例えば質問取りなんというのは、たった一人か二人来ていただいたら、あと、省に帰ってから情報共有をするということ、みんながそれぞれそのパーティションで、これは君の問題、これは私の問題じゃない、これはそっちの省の問題といつもやり取りしていますけれども、それをやっている限りは総合的な、全体的な視野というようなものは築けないと思います。ですから、それをできるだけ人数を絞っていただいて、むしろ省で必要な研究、そして自分自身のキャパシティービルディングのための時間を使えるような体制というものを是非つくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#243
○国務大臣(細野豪志君) その面においては、効率性も含めてもう少しきちっと、それぞれの職員が能力を高めることにもっと時間をつくる体制をつくりたいというふうに私も思ってまいりました。
 谷岡委員の方からは具体的な、特に原子力や環境の分野において人材育成の考え方も御提示いただいておりますので、これはもう本当に貴重なものだと、まさにプロフェッショナルでいらっしゃるので、しっかりと御提案については受け止めさせていただいて、人材育成をしっかりとできるような、そういう環境省にしてまいりたい。また、原子力規制委員会についても、これは新しい委員の皆さんがお決めになることでありますけれども、人材育成に是非努めていただきたいというふうに思っているところでございます。
#244
○委員長(山本順三君) 谷岡郁子さん、時間が来ておりますので、まとめてください。
#245
○谷岡郁子君 はい。
 今申し上げましたように、私は、国家の官僚というものが、本当に国が最後のよりどころになる国民の思いというものを受けて、そして国家の大計というものは、官僚自身が大きなロマンを持って、そして抱負を持って入ってきて頑張っている。矮小化された仕事ではなくて、やはり彼らが当初考えていた仕事というものをしっかりできるように、そして使命感を持って仕事に取り組めるように、是非その環境をつくっていただきたいということをお願い申し上げて、私の今日の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#246
○委員長(山本順三君) 他に御発言もないようですから、平成二十二年度決算外二件のうち、国会、会計検査院、経済産業省及び環境省の決算についての審査はこの程度といたします。
 平成二十二年度予備費関係六件につきましては、質疑を終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#247
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより平成二十二年度予備費関係六件を一括して討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#248
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
 私は、平成二十二年度予備費関係六件のうち、一般会計経済危機対応・地域活性化予備費については承諾に反対、その他については賛成の立場から討論を行います。
 経済危機対応・地域活性化予備費について反対の理由の第一は、巨額の予備費は財政民主主義に反するからであります。
 国民から預かった税金は、国民に選ばれた国会議員、国会があらかじめ議決して、何に幾ら使うか事前に議決をして使用するのが財政民主主義の基本です。しかし、いかに当初正確に見積もられたとしても、予算を実行するに当たって不足を生じたり、年度途中に発生した不測の事態により新たな経費を支出する必要が生じたりする場合があります。このような場合、財政法第二十九条により、臨時会を召集して追加の補正予算を提出し、国会の議決を受けるのが適切な対応でありますが、臨時会を召集する時間的余裕がない場合にはこの方法は実際には取り難く、また時々に発生する軽微な予算の不足に対してもこの方法を要求することは適当でない場合があるので、予備費制度というものが設けられているわけであります。
 つまり、予備費は予見し難い事由による予算の不足に充てるものであり、予算不足の事由は予算作成後に生じたものでなければなりません。したがって、予見できないからという予見困難性を理由に予備費が拡大していくことは、財政民主主義の観点からも望ましくありません。支出には原則事後の国会承認が必要とはいえ、予備費の増加は、国会審議の軽視、形骸化、予算支出の政府の裁量拡大、安易な歳出拡大につながるため、税金の無駄遣いにもなりやすく、これゆえ予備費の計上は最小限にとどめることが求められます。
 ところが、経済危機対応・地域活性化予備費は、地域経済の活性化、雇用機会の創出又は国民生活の安定に資するための経費に係る予見し難い予算の不足に充てるために設けられ、九千九百九十七億円使用されていますが、予見困難性を理由に政府にフリーハンドを与えるような、事前議決の原則を没却するような巨額の予備費の計上は、憲法の趣旨に反するものと思われます。
 次に、反対する第二の理由は、使用された中身が予備費としてはふさわしくないからです。
 新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策におけるステップワンとして活用されているように、予備費というよりも経済対策と言っても過言ではありません。例えば、国土交通省の優良住宅取得支援事業に二千二百三十五億円、総務省、経済産業省及び環境省のエコポイントの活用によるグリーン家電の普及事業に約八百八十五億円など使用が決定されていますが、これらは自公政権時代から経済対策として行われてきた事業です。
 さらに、この経済危機対応・地域活性化予備費では八百十八億余りが公立学校施設整備費に充てられましたが、この事業は、学校の耐震化及び老朽化対策事業を推進し、子供たちの安全、安心の確保を図るために地方公共団体がかねてから強く求めていたものであり、本来予備費ではなく当初予算の中に計上し、計画的に事業が執行されるべきであります。
 以上の理由で、私どもみんなの党は、この経済危機対応・地域活性化予備費に関しては承諾をいたしません。
 なお、その他の五件については、おおむね妥当な内容であり、賛成をいたします。
 最後に申し上げます。
 我がみんなの党は、三年前の結党当初から増税の前にやるべきことがあると主張し続けてきましたが、残念なことに、先般、消費税増税法案は可決をいたしました。しかし、今回の増税がいかに拙速で、また税金の使われ方が極めておかしく、まだまだ税金の無駄遣いが多いかということをこれからも国会審議を通じて国民に強く訴えていくことを改めて申し上げ、私の討論を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#249
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、二〇一〇年度の予備費関係六件について、一般会計経済危機対応・地域活性化予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)の三件を承諾することに反対、外三件については承諾することに賛成の立場から討論を行います。
 経済危機対応・地域活性化予備費は、急激な円高が進行する中で菅内閣が新成長戦略の実現に向けた三段構えの経済対策の一環として決定したものであります。その中身は、自民党時代に追加の経済対策に使われた経済緊急対応予備費と同様、大企業支援が中心で、仕事の激減に苦しむ中小企業の危機的状況を打開するものではなく、また、雇用対策の目玉も企業への一時的な奨励金にすぎず、正規雇用を拡大し、家計の消費を増やすものではありませんでした。本予備費は、景気対策の名によるばらまき財源となっているものであり、特別会計への繰入れのための積み増し分を含む特別会計の増額調書と併せて承諾することはできません。
 一般会計予備費は、東日本大震災での初動対応、公害被害者の救済、行政訴訟の和解金、選挙費用など、当然必要と認められる施策のための経費がその多くを占めているものの、自衛隊のPKO派遣とソマリア沖・アデン湾における海賊対処のための派遣経費を含んでいるものであります。本来、海賊対処は現地の地域的努力への支援と周辺国の海上警備能力の向上への財政的・技術的支援によって行われるべきであり、派遣のための経費使用が含まれる使用調書(その1)を承諾することはできません。
 以上、討論を終わります。
#250
○又市征治君 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、平成二十二年度予備費に関し承諾を求める件について討論を行います。
 平成二十二年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書は、需要の前倒し、先食いにしかならなかった住宅エコポイント、家電エコポイント関係もありますが、新卒者雇用緊急対策やパーソナルサポート、中小企業金融支援、地域の耐震化、ゲリラ豪雨対策等は妥当なものと考え、これには賛成をいたします。
 平成二十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)は、水俣病被害者の救済に必要な経費や家畜伝染病対策も含まれてはいますが、憲法違反のソマリア沖海賊対策に関する経費が含まれていることから、これには承諾できません。
 平成二十二年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)は、問題の多い公共事業も含まれていますが、防災・震災対策を考慮し、賛成やむなしとするものであります。
 そのほか三件については、災害対策費や農業共済再保険の予算不足の補填、さらに、交付税及び譲与税配付金特別会計交付税及び譲与税配付金勘定における地方譲与税譲与金に必要な経費の増額等であり、賛成をいたします。
 最後に、特別会計の予備費予算総額一兆八千四百九十七億円余と実際の支出二十九億円との間には余りにも乖離が大きく、計上の在り方等の再検討を強く求め、討論といたします。
#251
○委員長(山本順三君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#252
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、平成二十二年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書について採決を行います。
 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#253
○委員長(山本順三君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、平成二十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)について採決を行います。
 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#254
○委員長(山本順三君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、平成二十二年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)について採決を行います。
 本件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#255
○委員長(山本順三君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 次に、平成二十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)、平成二十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書、平成二十二年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上三件を一括して採決を行います。
 これら三件について承諾を与えるべきものと議決することに賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#256
○委員長(山本順三君) 全会一致と認めます。よって、これら三件は全会一致をもって承諾を与えるべきものと議決されました。
 なお、これらの案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#257
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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