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2012/08/27 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 決算委員会 第8号
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2012/08/27 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 決算委員会 第8号

#1
第180回国会 決算委員会 第8号
平成二十四年八月二十七日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月二十二日
    辞任         補欠選任
     佐藤 正久君     熊谷  大君
     島尻安伊子君     丸川 珠代君
     小熊 慎司君     柴田  巧君
     山内 徳信君     又市 征治君
     谷岡 郁子君     舟山 康江君
 八月二十三日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     石橋 通宏君
     外山  斎君     森 ゆうこ君
     井上 哲士君     田村 智子君
 八月二十四日
    辞任         補欠選任
     石橋 通宏君     斎藤 嘉隆君
     大河原雅子君     田城  郁君
     又市 征治君     福島みずほ君
 八月二十七日
    辞任         補欠選任
     大野 元裕君     白  眞勲君
     田城  郁君     大河原雅子君
     藤川 政人君     中西 祐介君
     森 ゆうこ君    はた ともこ君
     舟山 康江君     亀井亜紀子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                大島九州男君
                今野  東君
                小泉 昭男君
                中川 雅治君
                二之湯 智君
                加藤 修一君
    委 員
                有田 芳生君
                小川 敏夫君
                大河原雅子君
                大久保潔重君
                大野 元裕君
                金子 恵美君
                斎藤 嘉隆君
                白  眞勲君
                安井美沙子君
                青木 一彦君
                熊谷  大君
                塚田 一郎君
                中西 祐介君
                野村 哲郎君
                藤川 政人君
                森 まさこ君
                若林 健太君
                横山 信一君
                主濱  了君
               はた ともこ君
                森 ゆうこ君
                柴田  巧君
                田村 智子君
                福島みずほ君
                亀井亜紀子君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      岡田 克也君
       財務大臣     安住  淳君
       文部科学大臣   平野 博文君
       厚生労働大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(少子化
       対策))     小宮山洋子君
       経済産業大臣   枝野 幸男君
       国土交通大臣   羽田雄一郎君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 藤村  修君
       国務大臣
       (復興大臣)   平野 達男君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、地
       域主権推進))  川端 達夫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       行政))     細野 豪志君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策、科学技
       術政策、宇宙政
       策))      古川 元久君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        松原  仁君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」、防災
       、男女共同参画
       ))       中川 正春君
   副大臣
       外務副大臣    山口  壯君
       外務副大臣    山根 隆治君
       財務副大臣    藤田 幸久君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        園田 康博君
       厚生労働大臣政
       務官       藤田 一枝君
        ─────
       会計検査院長   重松 博之君
        ─────
   政府特別補佐人
       人事院総裁    原  恒雄君
       内閣法制局長官  山本 庸幸君
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        工藤 政行君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       少子化・青少年
       対策審議官    伊奈川秀和君
       内閣府大臣官房
       審議官      杵淵 智行君
       宮内庁次長    山本信一郎君
       警察庁刑事局長  舟本  馨君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       土屋 定之君
       厚生労働省医薬
       食品局長     木倉 敬之君
       厚生労働省労働
       基準局長     金子 順一君
       経済産業大臣官
       房審議官     後藤  収君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴木 繁治君
       会計検査院事務
       総局第二局長   藤崎 健一君
       会計検査院事務
       総局第三局長   小林 誠治君
       会計検査院事務
       総局第五局長   川滝  豊君
   参考人
       沖縄振興開発金
       融公庫理事長   譜久山當則君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十二年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十二年度特別会計歳入歳出決算、平成二十二年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十二
 年度政府関係機関決算書(第百七十九回国会内
 閣提出)
○平成二十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百七十九回国会内閣提出)
○平成二十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百七十九回国会内閣提出)
 (皇室費、内閣、内閣府本府、厚生労働省、消
 費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の部)
○会計検査の要請に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(山本順三君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、小熊慎司君、佐藤正久君、島尻安伊子さん、谷岡郁子さん、山内徳信君、井上哲士君及び外山斎君が委員を辞任され、その補欠として柴田巧君、熊谷大君、丸川珠代さん、田村智子さん、森ゆうこさん、福島みずほさん及び亀井亜紀子さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山本順三君) 平成二十二年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、皇室費、内閣、内閣府本府、厚生労働省、消費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算について審査を行います。
    ─────────────
#4
○委員長(山本順三君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#6
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#7
○委員長(山本順三君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○有田芳生君 民主党・新緑風会の有田芳生です。
 今日は、北朝鮮による拉致問題を解決するために私たちに何が必要なのか、特に拉致関連予算について、その執行と問題点、その課題は何なのかということについて、外務省からは山口副大臣、そして我らが松原大臣にお聞きをしたいというふうに思っております。
 その前に、予算執行の問題をうまく前に進めていくという前提として、やはり北朝鮮の現状がどうなっているのか、正しい行動のためには正しい認識が必要だと思いますので、まず、今の金正恩第一書記の新体制についてどのように認識しているのかということについてお聞きをしていきたいというふうに思います。
 御存じのように、〇九年の北朝鮮の憲法改正によって、先軍政治、つまり社会、政治の中核に全て軍が存在をして、それを指導思想に行くという改正が行われました。しかし、それ以降、金正日総書記が亡くなり、金正恩第一書記の新しい体制になる下で経済改革が近く行われようとしております。言わば、先軍政治の旗を下ろすことなく、しかし、中身としては先民政治、つまり、分かりやすい言葉で言えば人民のための政治を行っていくんだと、そういう体制に今変わりつつあるだろうというふうに私は考えております。
 翻ってみますと、拉致被害者である蓮池薫さんが日本に戻ってきてから、何で私たちは日本、祖国に帰ることができたんだろうかということを振り返ったときに、やはり一九九〇年代の北朝鮮経済が非常に大変な状況になり、苦難の行軍というものを乗り越えて、そして経済改革をしなければいけない。
 だから、今から十年前の九月十七日に小泉元首相の訪朝がありましたけれども、実はそもそも小泉訪朝というのは、今から十年前の九月ではなくて七月に準備をされていたんですよね。その七月に同じく北朝鮮は経済改革をやりましたけれども、しかし保守派の反対によって失敗してしまった。それから十年がたちました。拉致問題、なかなかうまく進んでおりません。
 しかし、今、金正恩第一書記の新しい体制の下で、人民の生活が第一と、そのような方向に行こうとしておりますけれども、そういうときに、聞いたことのあるような言葉を金正恩第一書記も訓示とか演説でやっているんですけれども、そういう下で、やはり今がチャンスの一つの局面であろうというふうに思っております。
 経済体制が厳しい状況の下で、何とかそれを立て直さなけりゃいけない。そのときに、外国の援助を得たいということで、張成沢部長などが北京に行って胡錦濤国家主席あるいは温家宝首相などにも会ってきましたけれども、やはり経済改革を進めなければいけないというときに、拉致問題を前に進める一つのチャンスだというふうに思っているんです。
 そういう新しい体制について、まず山口副大臣から、どのように認識をされているか、お答えいただきたいと思います。
#9
○副大臣(山口壯君) 今委員御指摘の背景はこういうことだと思うんです。
 まず、二月の二十九日に米朝で合意があったにもかかわらず、約二週間程度で人工衛星の発射、我々から見てミサイルの発射というものをやって、対話の機運というのがまず一回途切れました。もちろん金正恩さんに替わってから、我々、どういうふうに拉致の問題の突破口があり得るか、それはずうっと状況を注意深く見ていました。その中で、四月十三日の金曜日にミサイルの発射がされて、じゃ、次は核実験かなということで見ていました。私自身は、もしも、北朝鮮にいろいろ事態の打開を望む人がもしもいるのであれば、私はいるかもしれないと思っていますけれども、いるのであれば、ひょっとしたら核実験はしないかもしれない、もしもそうであれば一つのメッセージたり得るから、我々としては状況をよく把握して、前向きなメッセージがあれば受け取るようにということを言っていました。
 その中で、遺骨の返還ということを赤十字同士で話をして、そして、それが今度は政府の関与を求めようかという中で、我々としたら、じゃ、もろもろの懸案ということで言ってみたらどうだということを言ってみたところ、向こうがオーケーしてきたと。それからは委員の更なる御質問があろうかと思いますから、背景としてはそういう中で進んでいます。
 ただし、我々は非常に警戒心を持って見ています。というのは、西側のメディア等で、ひょっとしたらこれがゴルバチョフであるのかどうかという議論もあります。特に、夫人が出てきたり、あるいはにこやかにスマイルを持って出てきたりということで、ひょっとして今までとスタイルが違うなということはあり得るんですけれども、慎重に警戒心を持って我々としては対応していく、その中で一つの切り口、糸口を見付け出したいなと思っています。
#10
○有田芳生君 今お話がありましたように、北朝鮮の新しい体制の下で、例えばモランボン楽団というような、ロッキーのテーマが流れたり、ミッキーマウスやくまのプーさんのような人形が出てきたり、言わば文化大革命ならぬ文化小革命なるものが進んでいるようにも見えますけれども、それに対してやはり水害などで本当に大変な苦労をなさっている北朝鮮の人たちから見れば、軍も含めて一体どうなるんだ、これでいいのかという思いが当然出てくるというふうに思っておりますけれども。
 そういう動きがある中で、皆さん御承知のように、金正日総書記の専属料理人である藤本健二さんが七月二十一日から二週間にわたって北朝鮮平壌を訪問いたしました。十七人の食事会の中で、藤本さんは手紙を書いたものを隣にいるさくらという通訳に読み上げてもらった。このさくらというのは日本人ではなくて、当然北朝鮮の女性の通訳なんですが、金正日総書記がフーテンの寅さんの映画が好きで、それを訳したことによってその通訳の方はさくらというふうに向こうでは呼ばれているんですけれども、そのさくらさんが藤本健二さんの書簡を読み上げて、その書簡を後に藤本健二さんは金正恩第一書記に手渡しているんですよね。そこの中にこう書かれている。
 これ、松原大臣にお聞きをしたいんですが、こう書かれている。一部です。敬愛する金正恩将軍、お願いです。横田めぐみさんたちを日本に帰国させてあげてください。全ての日本人は横田めぐみさんたちの一日も早い帰国を願っています。政府もこの問題を専門に担当する大臣を置いているくらいです。その後で松原さんとの出会いがテレビだったということを書いて、松原大臣は横田めぐみさんたちの帰国問題で共和国と話し合いたい、そして一定の解決がされれば、国交正常化に先立って世界のどの国にも負けない人道支援もできるようになると強く話しています。松原大臣の言葉にうそはないと思いますし、信頼できると思います。
 これがその食事会の場で藤本健二さんから金正恩第一書記に伝えられ、それを黙ってうなずいて聞いていた。その後、日本語で書かれた手紙も本人に渡っているんですが、ここで読み上げられた松原大臣の気持ちというのはそのとおりで正しいんでしょうか。
#11
○国務大臣(松原仁君) 藤本健二氏の話でありますが、情報収集を含め北朝鮮との接触の具体的内容については申し上げられませんが、一般論として、いかなる機会をも貪欲に活用し接触を図ってきており、今後もその意思で継続をしてまいります。
 藤本氏と最高指導者との面会は日本のメディアでも取り上げられ、北朝鮮の担当部署もその内容を承知するものと思われます。そうした観点からも、拉致問題担当大臣の私としては、藤本氏が北朝鮮の最高指導者に拉致問題を提起したことは極めて重いと考えております。
 なお、御質問の点でありますが、この拉致問題の解決というもの、それに関して、関係者が、例えば家族会や救う会や、また議連の皆様もおられるでしょう、そういった皆様が一定の解決というふうに認められる、進捗と認めるようなことになったときには、当然この問題に対し一定の解決が図られたということの中で、そういった人道支援というものは可能になるという認識は持っておりますし、また北朝鮮に対して、私は三つの原則を言ってまいりました。つまり、拉致は風化をしない、家族が生きている間こそ解決のタイミングであると。そして、二つ目には、北朝鮮が仮に死んでいたという拉致被害者が生きていたといっても、それを批判的に見るのではなくて前向きにとらえていきたい。三点目は今言った内容になるわけであります。
#12
○有田芳生君 松原大臣は長く拉致問題にもかかわっていらっしゃって、大臣に就任されてからも、少なくとも六つの線で様々なルートを使って努力をされているというふうに私は認識しておりますので、これからもそういう努力を是非ともしていただきたいというふうに思います。
 もう一点、外務省と松原大臣にお聞きをしたいんですが、これからの日朝交渉を進めていく上での原点は何なのか。そのときに、今から十年前の二〇〇二年九月十七日、小泉元首相と金正日総書記との間で、軍事委員長ですけれども、結ばれた日朝平壌宣言、それを今の時点でまだ有効だとお考えなのか、その判断についてお聞きをしたいというふうに思います。
#13
○副大臣(山口壯君) 十年前の九月に小泉当時の首相とそれから金正日さん、総書記、この日朝両首脳が署名をしたということの政治的な意味は大変重いものだと受け止めています。したがって、我々としても全体として、この平壌宣言を引き継いでいるつもりです。
 その中で、我々としては、日朝平壌宣言というものが拉致、核、ミサイル、こういう諸懸案を包括的に解決していく、その中でその不幸な過去を清算して国交正常化を図るということがこの北東アジアの平和と安定に不可欠なんだと、そういう趣旨に立ったこの平壌宣言ですので、全体としてこれを大事な政治的な意味を持ったものとして引き継いでいくつもりです。
#14
○有田芳生君 私は、今後の日朝交渉の原点として、もう一度やはり日朝平壌宣言を両者が再確認をする、そこから出発をすべきだというふうに考えておりますけれども、その日朝の交渉というのがあさってから北京で予備会談が、日朝の予備会談が行われるということになっております。
 先ほど成田から全国清津会が遺骨収集のために北京に飛び、あしたから平壌に入りますけれども、その遺骨収集の問題を含めて、あさってからの北京での日朝予備協議について、そのテーマについてはどういうことが準備されているのでしょうか。
#15
○副大臣(山口壯君) 委員御指摘のとおり、遺骨の返還ということで、赤十字間の話を経て、そして今度は政府の関与を求めていこう、両者において求めていこうという中でこの話が来ているわけですけれども、我々の方から、遺骨のみではなく諸懸案について協議をしませんかということを言いました。どういう返事が返ってくるのかなと思いましたけれども、オーケーですということです。
 諸懸案の中には拉致の問題が入るかどうか、これをあさっての日朝の予備協議、小野課長、北東アジア課長がこちらから行きます。先方からどういう人が来るか我々まだ分かりませんけれども、そういう中で議題を決めていく。我々としては諸懸案の中には拉致が入るものだと思っています。これは二十九日の協議で確定していくものだと思っています。
#16
○有田芳生君 先日の官房長官の記者会見では、この日朝の予備協議について、最初、これは局長級会談にしたいということで杉山晋輔アジア大洋州局長の名前が出ておりましたけれども、二十四日の玄葉外務大臣の記者会見では、その予定があったんだけれども、いや、課長級にしてくれと北朝鮮が言ってきたので、そこから出発したいということになったと認識しておりますが、局長級を準備していたんだけれども課長級になったその理由についてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
#17
○副大臣(山口壯君) 御指摘のとおり、大使館ルートで、要するに、北京に向こうの大使館もありますし、こちらの大使館もありますので、北京の大使館ルートで協議をやっていました。先方の方から課長級でやりたいということを言ってきたわけですけれども、私はこのことは特に後ろ向きに取る必要はないかなと思っています。議題を確定する大事な話ですけれども、それは課長できちっとやって、そして本協議に持っていけばいいと思っています。先方がどういうつもりで言ってきたかは必ずしも分かりませんけれども、いろんな事情、ある意味で必ずしも後ろ向きの事情じゃないことばっかりかなということが思いますので、そのままやらせていただきたいと思っております。
#18
○有田芳生君 ドイツのゲンシャー元外相は、外交の要諦、極致、大事なところというのは、やはり自分たちの主張を八割相手に理解させることであるということをいろんなところで語っていらっしゃいますけれども、日本側として、今後、日朝予備協議から本協議になるときに、特に私たちが絶対に忘れてはいけない、解決をしなければいけない拉致問題、その原点については、どこを今私たちは出発点にしなければならないとお考えでしょうか。
 これ、外務省も、もし松原大臣もよろしければ、何を原点とすべきかというところについてお聞きをしたいと思います。
#19
○副大臣(山口壯君) これから協議、予備協議を踏まえて本協議に行けるかどうかというタイミングです。先方もいろいろ報道等を見て承知している部分もあるかもしれませんけれども、私としては、今ちょっと、どういうふうな段取りでどういうふうなことを言って、先方に認めさせたらどうなるというのは、ちょっと済みません、具体的な点についてここでお答えすることはちょっと、申し訳ないんですけれども。
 ただ、従来の経緯、それは四年前に、二〇〇八年の六月に予備協議、そして本協議ということがありました。そして、二〇〇八年の八月に再調査の合意ということが、金正日さん、当時の金正日さんの合意がありました。残念ながら、二〇〇八年九月に、こちらの方で政権が替わったというタイミングで、向こうから一方的にちょっとあれはなしにしましょうということを言われたんですけれども、ただ、そこを我々も念頭に置いて話ししていきたいと思っています。
#20
○有田芳生君 福田政権時代の、今から四年前の二〇〇八年の六月と八月の日朝協議の合意、そこが原点になるべきだと私も考えております。つまり、北朝鮮の側からいえば、拉致問題の再調査を行う、それに見合って日本側としても、人的往来あるいは航空チャーター便の規制解除、そのことも考えていく、そこからがやはり再出発になるだろうというふうに私は考えております。
 そういう大事な局面において、ここからは松原大臣にお聞きをしたいんですけれども、拉致対策予算というものが、皆様にもお配りしてありますけれども、政権交代が起きてから二倍に増えた、特に安否情報の確認、情報収集、分析について四・五倍に予算が増えたと認識しておりますけれども、松原大臣、その事実関係はそれで正しいでしょうか。
#21
○国務大臣(松原仁君) 御答弁の前に、今の日朝協議について私からも一言触れておきたいと思います。
 九月十七日で小泉訪朝から十年目を迎えるに当たり、北朝鮮側も日朝平壌宣言を実行するために、日朝間の諸懸案の解決に向け、膠着した事態を打開しようとする意思があるというふうに私は感じております。
 しかし、その一方で、仮に北朝鮮側がこうした諸懸案として遺骨問題か日本人妻等の問題のみを取り上げ、拉致問題を取り上げないとすれば、我々はそれは到底受け入れることはできないという基本的な立場を申し上げておきたいと思います。
 その上で、この予算の問題でありますが、拉致問題対策本部事務局の予算は、平成二十二年度予算において、情報関係予算を中心に大幅に拡充し、前年度倍増の十二億四千万円となりました。二十三年、二十四年においても同額の予算を確保しておりますということであります。
#22
○有田芳生君 その具体的中身なんですけれども、前政権と替わって予算はとても増えた。特に、安否情報を獲得するための情報収集、分析は四・五倍にも増えたという、これは評価されるべきだと思うんですけれども、じゃ、前政権時代と比べて中身は何が変わったんでしょうか。具体的にお答えいただきたいんですが。
#23
○国務大臣(松原仁君) この情報収集に関して、その中身に関してはなかなかこれはこの場で申し上げることができないわけでありますけれども、この拉致問題の解決に向かって有効なものに関して、これはお金を使ってそして情報を取るということを続けているところであります。
#24
○有田芳生君 私の認識では、これまで朝鮮中央通信とか労働新聞とか、そういったものを日本語に訳す、そこにお金がかなり使われていたのが、政権が替わってから、例えば脱北者から話を聞いていく、そういう努力がされたというふうに思っているんですけれども。
 しかし、それでも予算が増えればいいのかといえば、そこで万歳をしているわけにはいかなくて、その実効ある使われ方というのがなされているのかどうか。それは端的に中身は言えないかも分かりませんけれども、じゃ、執行率はどうなっているでしょうか。拉致情報の分析、収集、そして全体の執行率というものはどのぐらいですか、お教えください。
#25
○国務大臣(松原仁君) 平成二十二年度及び二十三年度の予算全体の執行率は、いずれも約三〇%となっております。予算執行率が約三〇%となった理由は、情報関係予算の執行残が多かったためでありますが、そもそも、情報関係予算は使い切りを想定しているものではなく、必要なタイミングで必要な情報を得るために執行する予算であります。こうした観点から、情報関係予算については、その都度、その必要性、有効性などを確認しながら執行してまいりました。
 今後とも、情報関係予算を含む拉致問題対策関係予算については、必要性、有効性等を勘案しつつ、最大限有効に活用してまいりたいと思います。
#26
○有田芳生君 平成二十二年度だけではなくて、平成二十三年度も七割が未執行なんですよね。せっかく予算が増えて、それこそ命を懸けて拉致問題を解決しなければならない。それは、大臣も含めて超党派で取り組まなければいけないんだけれども、せっかく予算が増えたとしても、それがこれだけの未執行では、何をやっているんだという強い批判の声が、拉致被害者家族だけではなくて国民からも出てもおかしくないというふうに思います。ですから、この点を本当これから強化していただきたいという点で、松原大臣がとても大事なことを今年やってくださいましたので、その点についてお聞きをしたいと思います。
 政府認定の拉致被害者は十七人ですけれども、その周りに特定失踪者という、北朝鮮によって拉致された可能性が高いということで特定失踪者会などが本当に苦労をして調査をされておりますけれども、その中の一人、藤田進さん、昭和五十一年の二月七日に川口市から行方を消しました。新宿でガードマンの仕事に行くんだと言って、そのまま帰ってこない。そして、関係者が新宿にあるガードマン会社を全部調べたけれども、そんな話は一切ない。川口市からも何人もの拉致被害者の疑惑のある人がいらっしゃると同時に、これまでも原敕晁さんを始めとして、仕事をあっせんするからということで北朝鮮に連れていかれたという可能性の高い人がいらっしゃる。実際に、脱北者の中で藤田進さんによく似た人を見たという証言もあれば、写真まで日本に来て、それを専門家が照合したところ、これは藤田進さんだと。
 何でこういう人を政府は拉致被害者と認定しないかというのは、私は強い疑問を持っておりますけれども、しかし、そういう状況の下でも、松原大臣が、今年の七月九日から十四日に、スイスのジュネーブで国連人権理事会強制的失踪作業部会、そこに藤田進さんの弟さんの隆司さんがどうしても行って訴えたいんだと、だけどお金はない。そのことを拉致対策本部に相談したんだけれども、ちょっと難しいんじゃないかというときに、松原大臣に相談をしたら、行ってこいと、行ってきてくださいということで旅費も出してくださったし、そして担当者も付けてくださった。これはこれまでにない画期的な行動だというふうに思いますけれども、そこの経過と現状について端的にお話しを願いたいと思います。
#27
○国務大臣(松原仁君) 特定失踪者藤田進さんの弟、藤田隆司さんによる今回のジュネーブ訪問については、藤田さんの強制的失踪作業部会の委員との面会日程に合わせ、藤田さんに特定失踪者問題を含む拉致問題について国際社会への理解促進を図るための事前調査を政府としてお願いしたものであり、それに伴い渡航費等を支出したものであります。もちろん、その判断に当たっては特定失踪者問題への取組の強化を求める声にも配慮したものであります。
 藤田さんからは、ジュネーブに所在する国際機関、政府機関、NGO等を訪問し、特定失踪者の問題について説明するとともに、有効な広報啓発活動を実施するための聞き取り調査等を行ったとの報告を受けております。その後、作業部会から、藤田隆司さんが申し立てたその事例について受理し、日本政府に対して調査及び情報提供を要請する旨の連絡がありました。
 政府としては、藤田進さんに関する事案も含め、北朝鮮当局による拉致の可能性が排除できない事案、つまりこれは特定失踪者の事案でありますが、についても関係府省と綿密な連携の下、捜査、調査を進めているところであります。今般の作業部会からの情報提供要請等を重く受け止め、更なる調査、捜査に進めてまいりたいと、このように思っております。
#28
○有田芳生君 今、松原さんからお話があったように、藤田さんがジュネーブまで行って訴えて、それが八月十五日に受理をされた。これは、北朝鮮によって拉致された可能性があるから、だから日本政府からもきちんとした情報を出してくれという経過をたどって、これは北朝鮮にもこれから問合せを国連の機関がするわけですよね。
 だから、こういう方についてはやはり拉致認定を是非とも進めていただきたいということと同時に、特定失踪者の方々はもう本当に大変な思いをして、お兄さん、お姉さん、御家族の行方を捜していらっしゃいますので、そういうところにもしっかりとした予算の執行というものをこれから進めていただきたいと心からお願いをしておきます。
 もう一つ、やはりこれから日朝の交渉を進めていくときに、情報というのは武器だというふうに思うんですよね。北朝鮮と交渉をするときに、正確な情報をつかんでおいて、それを武器として北朝鮮と交渉をしていって拉致被害者を取り戻す、そういう努力がこれから本当に切迫して必要になってくるというふうに思います。
 前原外務大臣の時代に横田めぐみさんの生存情報があった。私はそれはちょっと違うだろうと思っていたんだけれども、わざわざアフリカのある諸国まで行って、その情報の真偽について確認をしに行かれた。結果的に、残念ながら、私たちの言葉で言うガセ情報、事実ではなかったんですけれども、お金は無駄になるかも分からないけれども、そういう生存情報などにかかわるものについては、結果的に無駄になったとしてもちゃんと使うという、そういう努力で解決に向かっていただきたいというふうに思うんです。
 五月八日、永田町の黒澤という日本料理店に野田佳彦総理が各新聞社の編集委員六人の方を集めて懇談をされました。その懇談の中で、ある拉致被害者について野田総理は生きているというふうに語っていらっしゃいます。そのことについて、私は調査をした結果、脱北者の情報だということが分かりましたけれども、私が認識しているのでは、その生存情報を確認するために韓国から脱北者を日本にまで呼んできて聞き取りをしたというふうに認識をしておりますけれども、そういう事実があったかどうかというのは聞いてもお答えできないでしょうから、そういう脱北者情報についても、これからきっちりと予算を執行する中で確認をしていくという、そういう決意を持っていらっしゃると理解してよろしいでしょうか。
#29
○国務大臣(松原仁君) 担当大臣として、その情報収集を含め、あらゆる接触のあらゆるチャンスを貪欲に使ってやっていくと、全てを使うということでこれからも取り組んでまいります。
#30
○有田芳生君 拉致被害者の御家族の方は本当に皆さん、御承知のように、もうどんどんどんどん年を取っていらっしゃいます。今、拉致被害者の御家族の中で御両親が積極的に活動ができる方というのはもう四人しかいらっしゃらないんです。横田滋さん、横田早紀江さん、そして有本恵子さんのお父さんである明弘さん、お母様である嘉代子さん。横田滋さんは今年の十一月で八十歳です。早紀江さんは今七十六歳です。有本恵子さんのお父さんの明弘さんは今八十四歳です。嘉代子さんは八十六歳です。それでもいろんな集会にもう積極的に無理を押して出ていらっしゃるんですよね。
 あさってからは大阪の高島屋で横田滋写真展、めぐみさんが十三年暮らしてきたその写真が、東京の高島屋には初日に松原大臣も来てくださいましたけれども、今度の大阪の写真展には橋下市長もいらっしゃる予定ですけれども、そこにも横田滋さん、早紀江さん、有本明弘さん、嘉代子さん、出ていらっしゃるんですよね。だけど、本当に体の調子も健康だということを十分に言うことができないような現状があります。時間がありません。だからこそ、本当に私たちが、日本の国家主権にもかかわる、そして人命にもかかわる、人権にもかかわるこの大事な問題を超党派で頑張って進めていかなければいけないというふうに思っております。
 「めぐみへの遺言」という横田滋さん、早紀江さんの最近お出しになった本の中で、政治家の中には本気でやれば解決できるという人も何人かはいらっしゃるけれども、やらない方がいいという人の方が多いんじゃないか、波風立たない方がいいんだと思っていらっしゃる人がいるんじゃないかと、そのように早紀江さんおっしゃっております。生きている間にせめて一時間でもいい、日本に帰ってきてほしい、これが自由なんだと思わせてやりたいという横田早紀江さんのめぐみさんへの思いです。その思いを本当に私たち超党派で心にとどめて、拉致問題解決のために進んでいきましょう。
 そのために、松原大臣にも外務省の方にも頑張っていただきたいということを主張しまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#31
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。斎藤嘉隆君。
#32
○斎藤嘉隆君 民主党・新緑風会の斎藤嘉隆です。
 国民の暮らしに大変大きな格差と困難が広がる中、私たち民主党政権がまず大きな目標として掲げたことが社会保障といういわゆる命のセーフティーネットを張り直す、このことであったかというふうに思います。
 その象徴として、政府が真っ先に取り組みました前政権で廃止された生活保護の母子加算の復活、これがあるのではないかと思います。また、児童扶養手当の支給対象に父子家庭も含めていくといった改革も行ってまいりました。死別ですとか離婚ですとか、あるいは未婚での出産等々、親一人で子育てをせざるを得ないという状況に至る理由は様々ございます。こうした家庭が仕事と所得をしっかり得て、未来を担う子供たちをきちんと育てていく、家庭の中で育てていく、そのように支援をしていくことは本当に重要なことだと考えています。これは、子ども手当あるいは高校無償化等とも通じるチルドレンファーストの基本的な理念に私は基づく施策であったと理解をしています。
 この二十二年度の決算の審議をするに当たり、こうした民主党政権の下で行われてまいりました一人親家庭支援のための施策がどのような効果をもたらして、さらに、どのような今後対策が更に必要とされているのかを明らかにしていくことが必要だと考えています。
 そこで、小宮山大臣にお聞きをさせていただきたいと思います。
 五年ごとに実施をされています全国母子世帯等調査、昨年実施をされたと聞いています。この調査結果に基づく直近の実態を踏まえ、現在の一人親家庭の生活や就業の状況がどうであるのか、前回調査からの改善等が認められるのか、是非お聞かせをいただきたいと思います。
#33
○国務大臣(小宮山洋子君) 昨年実施しました平成二十三年度の全国母子世帯等の調査につきましては、今集計中ですのでまだデータが出ておりませんけれども、依然として一人親家庭の暮らしが厳しい状況にあるというふうに考えています。
 今手元にあるデータとしましては、前なんですけれども、平成十八年度の同じ調査では、母子家庭の母の八五%が就業していますが、臨時・パートがそのうち四四%と多くなっているということ。また、平成二十二年の国民生活基礎調査によりますと、平均年間所得が二百六十二・六万円とかなり低い水準にとどまっています。これに対しまして、父子家庭の父については、平成十八年度の調査で九八%が就業をしていて、常用雇用がおよそ七二%、そして年間の平均収入が四百二十一万円というふうになっています。
 ずっと言われていますように、母子家庭の母は本当に収入が低くてダブルワーク、トリプルワークをしなければいけないということがありますし、それから、父子家庭の父につきましても不安定な就業をしている人もいるというふうに考えています。
#34
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 ただ、この調査、今集計中だというふうに大臣からありましたけれども、去年の十一月にこれ調査は終わっておりまして、もう既に九か月が経過をしているわけで、まさに概算要求のこの時期に、少しスピード感に欠けるのではないかなというふうにも思っています。六年前の調査結果を基に今お話をいただきましたけれども、極力早期に最新のデータをおまとめをいただきたいというふうに思います。
 私自身の感覚、本当に肌感覚でいいますと、この百二十万世帯に上る母子家庭の所得というのは依然としてかなり低い状況にとどまっているというふうに思います。今まさに大臣から御説明をちょうだいをしましたけれども、母子世帯の平均所得、児童がいる世帯全体の、これ十八年度の調査ですけれども、先ほどあったように三〇%台という状況でございます。これもう生活保護基準にほぼ近い水準に張り付いていると言えるかと思います。半数は貧困状態にあると言っても過言ではないと思います。
 選挙区を回ってこうした方々にお話を聞くこともございますが、やはり状況はまだまだ改善をされていません。私、かつて教員をしていた経験がございますけれども、教え子の中にも大勢、母子家庭の母をしている者が大勢いらっしゃいますけれども、就労がやっぱりなかなかかなわずに生活が安定しないといったことを、訴えを聞いています。
 児童を抱えた母親が安定をした収入を得ていくという、そういう仕事に現在なかなか就くことができないということなんですけれども、このような中で、実は厚労省として、人材が不足をする分野、例えば看護師などの資格取得をこういった母子家庭の母親に促すための高等技能訓練促進事業というのを行っていらっしゃるというふうに認識をしていますが、どのような成果がこれ上がっているのでしょうか。
#35
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員がおっしゃいました高等技能訓練促進費の事業実績、これは平成二十二年度では修学、これを学ぶことを修了した人が二千三百一人、そのうち資格を取った人が二千百十四人、就職をした人が千七百十四人で、そのうち常勤で就職をした人が千五百十九人ということで、資格を取得することによって常勤の就職に結び付く割合が非常に高く、これは母子家庭での自立支援に大きな効果を上げている事業だというふうに考えています。
#36
○斎藤嘉隆君 今大臣からお話しいただきましたように、この制度、資格を取って就職をする方の割合が大変高いんですね。私はすばらしい制度だと認識をしていますけれども、ただ、これも今ありましたように、資格の取得者が二千人余りです。母子世帯全体の数と比較すると、余りにも規模が小さいなと思います。
 もう一個の課題として、これ資格を取る二年とか三年の期間、実は全ての期間が当初からその促進費給付の支給対象となっているわけではないんですね。これは期間のいわゆる二分の一が支給対象となっていて、残りの半分は実は毎年毎年安心こども基金の積み増し、これを補正で対応をしているという状況であります。
 これ、やっぱり期間全体を支給対象とするような予算措置を私すべきだというふうに思いますけれども、厚労大臣としてのお考えで結構ですので、いかがでしょうか。
#37
○国務大臣(小宮山洋子君) それは財源がたくさんあれば、私も、委員がおっしゃるとおり、きちんとした安定的な財源を確保したいと思っています。
 ただ、厚生労働省、本当に、御承知のようにお預かりをしている分野が広くて、なかなか当初予算だけでは予算繰りが付かない。そうしたことで、子供にかかわるところということで、安心こども基金で毎年そこの残りの部分をつないでいるという状況ですので、今私からお答えできるのは、来年度の予算編成過程でも、これは非常に今申し上げたように実績も上げていますので、しっかりと予算が確保できるように最大限努力をするというところまでしか、申し訳ありませんが、お答えができません。
#38
○斎藤嘉隆君 私も是非、少しでもそういった形、実現するように、御支援を申し上げたいというふうに思います。そのための裏付けとなる一つの方策として、やっぱり法整備のことがあろうかというふうに思います。
 平成十五年に母子家庭の母の就業を支援するための特別措置法、こういったものが制定をされています。児童扶養手当などの支給方法を見直しをして自立支援の促進に重点を置く、そのような、いわゆる議員立法でこれは制定をされたものだというふうに聞いています。ただ、五年間の時限立法であったために、二十年に失効しているというものであります。
 先ほどの御答弁にもありましたけれども、母子家庭の就業支援等の課題はますます重要、切迫しているというように思いますけれども、施策の裏付けとなる法整備、不可欠な課題だと私は認識をしています。これ、今各党間で法整備に向けた様々な調整が続いているとも聞いていますけれども、所管をされる大臣として、この法整備に対するお考えをお聞きをしたいと思います。
#39
○国務大臣(小宮山洋子君) 母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法、今委員から御紹介いただきましたように、超党派の議員立法が五年の時限で平成二十年三月に失効したものを、今改めてまた議員立法でという形で御検討いただいていると承知をしています。
 今お話あったことも含めまして、これは母子家庭にも父子家庭にとりましても、就業支援など非常に重要な課題ですので、厚生労働省としてもその超党派の議員立法の議論を注視をしながらしっかりと対応をしていきたいというふうに考えています。
#40
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。
 それでは、少し話題を変えさせていただきまして、古川宇宙開発担当大臣にお聞きをしたいというふうに思います。全くちょっと話が変わりますので、よろしくお願いします。
 二〇一〇年の六月だったかと思いますけれども、大変話題になりました小惑星探査機の「はやぶさ」、こちらがイトカワからのサンプルリターンという大変大きな成果を上げました。本当、世界中の注目を浴びたわけでありますけれども、また今年は、金環日食のことですとか、大臣も随分愛読されているとお聞きをしたことがありますが、「宇宙兄弟」という漫画のヒットなんかもありまして、子供たちに天文や科学などへの興味を大変かき立てるような一年であったかというふうに思います。
 政府も、こうした機運の中、懸案でありました宇宙政策の司令塔ということで宇宙政策委員会、宇宙戦略室を立ち上げました。大臣は担当として、私も拝見をしましたけれども、年頭にすばらしいこういったことに関するスピーチも御披露をされているかというふうに思います。
 改めて、宇宙政策のこの司令塔を内閣府に設置した意義をお聞かせをいただきたいと思います。
#41
○国務大臣(古川元久君) お答えいたします。
 宇宙というのは、これは人類に残されている大きなフロンティアの一つだというふうに考えております。野田総理も常々、宇宙は海洋などと並んで日本にとってもフロンティアであると、この宇宙の開発利用を進めていくと。これは極めて重要なことであります。
 例えば、これは、今委員から御指摘があった「はやぶさ」のような惑星探査だけじゃなくて、それこそ将来的にエネルギーの問題などでも、今JAXAなどでも研究していますけれども、宇宙で太陽光発電なんかができますと、地上で太陽光発電するよりも物すごく効率が良くて、そういうものが実用化をすればもう再生可能エネルギーだけで必要な電力を賄うことできるという、そういう夢もあるわけでありまして、そういう実利用という点から考えても、宇宙の開発利用の促進というのは大事なところだというふうに思っています。
 これが、これまでは幅広い省庁にまたがる、今申し上げたようにまたがるんですけど、各省庁がばらばらでやってきたところがありました。やはりそれを今回の法改正におきまして、これは野田総理なども中心になって超党派でまとめた宇宙基本法の理念に基づいて、宇宙空間の開発利用を戦略的に推進するための司令塔機能というものを、これ内閣府に設けさせていただいたわけでございます。このことによりまして、宇宙政策について一体的にこの宇宙戦略室が中心となって開発利用に係る施策を総合的かつ計画的に推進をしていく、そのことが日本にとっても人類にとってもフロンティアを切り開いていくことになるというふうに考えております。
#42
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。
 もう一点、これ、今審議されているこの二十二年度の決算、「はやぶさ」のいわゆる後継機、「はやぶさ2」と言うんでしょうか、この計画が実はこのときの予算に初めて明示的に計上されています。当初は僅か三千万であったかというふうに思いますけれども、二十三年、二十四年と三十億円ずつの予算が計上されているというふうに考えています。実はこの「はやぶさ2」ですけど、二十六年が打ち上げの計画となっていまして、その打ち上げまでに総額で二百八十九億円の予算が必要だと、そのような計画であると認識をしています。
 ということは、二十五年、二十六年で更に二百億円以上の予算計上がこれ必要になってくるわけでありますけれども、そうした中、ちょっと私気になる記事を見まして、宇宙戦略室が先日発表した平成二十五年度の宇宙開発に関する経費の見積り方針といったものがありまして、この中で、この「はやぶさ」の後継機「はやぶさ2」についてこのように書かれてあるんです。対象とする小惑星への軌道投入時期等も考慮しつつ、探査機の開発や打ち上げなどの今後の進め方について検討を進めるべきであるというような、このようなコメントを発表されています。この方針が、どうやって読んでも私には大変分かりづらいものだと映ります。
 二十六年度の実は「はやぶさ2」、多くの方が御存じないと思いますけれども、二十六年度に打ち上げができなければ、実は次の打ち上げ機会は、この目標とする小惑星、1999JU3と言うんですかね、この小惑星の軌道から考えると実は十年先になるんですね。十年後になってしまうんです。初代「はやぶさ」から続く一連のこの研究が私は挫折することにもなりかねない、この打ち上げ時期を逃すと、そのようにも思いますけれども、その中でこのように余り前向きとは思えないような見積り方針を出された、宇宙戦略室が。このちょっと真意を、分かりかねるんですが、大臣にお聞かせをいただきたいと思います。
#43
○国務大臣(古川元久君) 委員から御指摘ございましたように、「はやぶさ」はまさに日本の宇宙開発の技術の高さを世界に対して示すものではあったと思いますし、将来のやっぱりこの宇宙などはこういう研究分野に入ってくるような、子供たちにも大きな夢を与えたと思っています。そういった意味でも、小惑星探査機の「はやぶさ2」につきましては、これは私は重要なプロジェクトだというふうに考えております。また、命の源となりました水や有機物の起源の解明であるとか、確実に宇宙探査を行える技術の獲得と、こういった意義もございますので、これは宇宙探査の分野の重要なプロジェクトの一つであるというふうに位置付けております。
 だからこそ、今まで予算も付けてこれまで進んできているわけでございまして、今御指摘のございました見積り方針については、そこでも書いてありますように、当然、今委員からも御指摘があった、小惑星への軌道投入時期等も考えた上でここまで予算を付けているということも含めて、これは打ち上げの実現に向けてやはり進んでいくべきものだというふうに思っておりまして、これは文部科学省、平野大臣なども前向きなお話も答弁でもされておられます。
 こうしたことも踏まえ、文部科学省とも調整をした上で、打ち上げ実現に向けて進めてまいりたいというふうに考えております。
#44
○斎藤嘉隆君 ありがとうございました。
 ややもするとこの宇宙開発が、先ほど大臣のお言葉にもありましたけれども、実利を伴うものでないと意味がないんだというような考え方に陥ってしまうようなこともあるのかもしれないんですけれども、私はやっぱり、例えば夢とかロマンというような、今のお話にもありましたけれども、子供たちに例えばそんな夢を与えるようなものであってほしいと思うし、これからは例えば宇宙で太陽光発電をしていこうというようなことを想定をしていったときに、そのまさに基礎となる技術、それを培うための例えば「はやぶさ」の計画だというふうに思っていますから、真に成長に資する、長期的な視点でですね、ためには何が必要かという、是非そんな観点から御議論、また御検討をいただくことを最後にお願いを申し上げて、時間参りましたので、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。
#45
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。塚田一郎君。
#46
○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎です。今日はよろしくお願いいたします。
 今日は大勢の大臣にお出ましをいただいております。順次質問が終わった時点で、御退室をいただけるかどうか委員長に御判断をいただきたいと存じます。
 まず初めに、震災関連の政府会議における議事録等の未作成について御指摘をさせていただきます。
 東日本大震災後の対応に当たり、菅内閣は、当時、平成二十三年三月以降、緊急災害対策本部や原子力災害対策本部、被災者生活支援チームなど十五組織で会議を開き、対応策の協議を行っておりました。しかし、二十四年一月時点で、このうち十組織では会議の議事録が作成されておらず、また上記の三組織では会議の要点をまとめた議事録概要等の記録さえも作成されていなかったことが政府内部の調査で明らかとなっております。しかも、一部の組織においては、二十三年五月時点で不備を認識していたにもかかわらず、その後も記録を作成せずにいたという報道もあります。極めて問題だというふうに我々は指摘をさせていただきたいと思います。
 まず、岡田副総理に伺いますが、震災対応の政府会議の議事録等を作成していなかった事態について、政府はどのように認識をして、このことについて対策を講じているのか、御説明願います。
#47
○国務大臣(岡田克也君) まず、東日本大震災、こういった我が国にとって未曽有の国難であり、国民の関心、社会的影響が非常に大きな事案について、議事録といいますか、記録の作成がなされていなかった、議事内容の記録が一年近く未作成であったということは誠に遺憾であるということを私も何度も申し上げているところであります。
 このため、本年一月に各大臣に対して、議事内容の記録が未作成であった五つの会議体につきまして、速やかに議事内容の記録を作成するよう指示し、本年三月にはこれらの会議全てについて議事内容の記録が公表されているところであります。
 一方、私の方から、なぜこういったことが起きたのかということで、公文書管理の専門家から成る公文書管理委員会に対して原因の分析及び改善策について検討を依頼し、本年四月に取りまとめが行われたところであります。
 同委員会においては、各会議の担当部署のヒアリングなどを受けて、議事録等の作成に対する認識全般が甘かった、議事録作成の確認体制、事後作成の期限が不存在である、それから、内閣府においても作成状況の調査や作成の要請を行わなかったことなどが原因分析の結果として挙げられたところであります。
 こういう事態を踏まえまして、二度とこういうことを起こしてはいけないということで、この委員会でも御議論をいただく中で、国民の生命、身体、財産に大規模かつ重大な被害が生じ、又は生じるおそれがある緊急事態、これを歴史的緊急事態というふうに定義付けまして、公文書管理を担当する閣僚がその該当性について判断した上で、きちんと政府全体として、この歴史的緊急事態においては発言者及び発言内容を明記した議事録、議事概要を作成することとしたところであります。そして、その期限についても原則三か月以内に行うということを明確にしたところでございます。
 今後は、この決定に従って、二度と、何といいますか、大きな後世記録を残すべき重大な出来事があったにもかかわらずその記録が残っていないということは避けられるというふうに考えているところでございます。
#48
○塚田一郎君 岡田副総理は今、遺憾であるというふうに述べられました。しかし、副総理自身、一月の記者会見で、議事録を作ると会議そのものが形骸化しかねないという趣旨の発言もされているんですね。
 どうも何か、今遺憾であるという御発言とその当時の御発言というのは食い違っているとしか思えないんですが、真摯に反省をしているというふうには思えない発言に聞かれますが、議事録を作成するべきでないという趣旨でこれ言っていらっしゃるんですか、議事録を作ると会議が形骸化しかねないということは。どのような趣旨でこれは発言されているのか、御説明願います。
#49
○国務大臣(岡田克也君) まず、公文書管理法上要請されているのは議事録ではございません、記録であります。したがって、詳細な議事録そのものを作るということは法律上求められていないということをまず申し上げたいと思います。その上で、しかし、こういう歴史的な事態についてはきちんと作らなければいけないということで、プラスアルファしたそういった仕組みをつくり上げたということでございます。
 委員御指摘の私の発言、どういう場面での発言かは私承知しておりませんが、一般論として言えば、記録の細かい議事録を作るということは必要だということは言えますが、しかし、そういった議事録が早期に明らかにされることで、結局、議論の場が違うところに移ってしまうということはあり得ることで、そこは現実的に考えていかなければいけない問題。
 例えば、今、閣議あるいは閣僚懇の記録をどうすべきかということを議論を始めております。今まで、日本に内閣制度がスタートして以来、閣議あるいは閣僚懇についての議事録は作成してきませんでした。しかし、果たしてそれでいいのかと。私はやはり作った方がいいのではないかということで検討をお願いしているわけですが、しかし、それが直ちに発表されるということになると、これはやはり、じゃ、そこの場以外のところで本当の議論はしようかということにもなりかねない。そういったことのバランスをよく考えていかなければいけないということであります。
#50
○塚田一郎君 いや、それはおっしゃっていることはそのとおりかもしれませんが、それはですからルールで定めればいいことであって、議事録そのものが必要ないということには私は当たらないと思います。
 自由民主党の政権下でも経済財政諮問会議というのがありました。これは、概要を直後に発表した後、四年後に議事録を公開すると、そういう一定のルールを設ければいいんです。外交上の問題でもそうですけれども、そのときは公開できなくても、後に明らかにするということは諸外国も取り入れている制度でありますから。
 そういった観点で、じゃ実際に、今回の東日本大震災を受けての議事録、原発事故も含めて、どのような作成、保存、公開のルールを今考えていらっしゃるのか、少し具体的に御説明願いたいと思います。
#51
○国務大臣(岡田克也君) 委員の御質問が、既にあった東日本大震災に関してのことだということであれば、それは既に、事後的になりますが、いろいろな記録を当たって、既に本年三月に、五つの会議について議事内容の記録が十分ではなかった、未作成であるということになったわけですが、本年三月にこれらの会議全てについて議事内容の記録を公表しているところであります。
#52
○塚田一郎君 それでは、今後こうした災害対応も含めてルールを作っていく際に、例えば災害などの対応を、公開のルールとかというのを定めるのは、それはどこが、どの大臣が所管をするというふうな理解でよろしいんでしょうか。
#53
○国務大臣(岡田克也君) これは災害に限らず、そういった物事を決める、そういった会議体の所掌する大臣が責任を持って記録を残すということになっております。
#54
○塚田一郎君 例えば、災害時の対応については防災担当大臣が今副総理がおっしゃった対応をするということでいいんですか。
#55
○国務大臣(岡田克也君) 防災といいますか、何かそういった災害があったときの対応として各省庁の中で完結しているものもございます。そういったものはもちろん、国土交通大臣とか、その他の大臣が当然責任を負うと。しかし、防災担当全般に横断的にある災害について対応すると、そういう会議を開いた場合には災害担当大臣がその責任を負うということになります。
#56
○塚田一郎君 結局、その都度その大臣が存在するかどうかという問題もあるわけですから、やはり内閣が一元的にこういうルールを制度化するという方向に持っていかないと、外交であれば外務大臣なのかもしれませんが、結局こういったルールが決まらないまま次の状況が生じるようなことになる可能性があると思うんですが、その点はいかがお考えですか。
#57
○国務大臣(岡田克也君) これは公文書管理法という法律があって、その法律にそういった所掌のところできちんとするということになっているわけであります。
 東日本大震災の場合には、委員も御指摘になりました新たな会議が設けられて、それを果たしてどこが所掌しているのか、実ははっきりしていたわけですけれども、当事者にその認識がなかったり、それから、余りにも厳しい事態の中でそこまで記録を残すということについて思い至らなかったり、それは恥ずかしいことではあると思います。
 しかし、残念ながら、公文書管理法ができるまではかなりずさんな、そういった記録を残すことについてのずさんな対応もありましたので、意識そのものがまだ十分変わっていなかったというところもあると思います。
 そういったところについて、今回の反省に基づいてしっかりと記録を残すことを進めていかなければいけないというふうに思っています。
#58
○塚田一郎君 これはどの政権ということではなくて、やはり今回の教訓を受けてきちっとしたルール作りを早期にやっていただくということが大事だということを御指摘させていただきます。
 岡田副総理の方は以上でありますので、委員長の御了解があれば、御退席いただいて結構です。
#59
○委員長(山本順三君) 岡田副総理におかれましては退出されて結構でございます。
#60
○塚田一郎君 次に、ITの調達価格の高止まりと情報共有体制の不備について、古川担当大臣にお尋ねをいたします。
 政府のIT予算は毎年度一兆円程度と大変な額に上っておりますが、経費抑制に向けた努力が十分ではないということは私は見過ごせないと思っております。
 ITの調達については、実は参議院の決算委員会でも平成十七年六月に検査要請を行うなど、以前から関心が持たれております。当時の検査結果と今回、二十三年十一月に会計検査院から提出された随時報告を比べると、随意契約は減少していますが、依然として一者応札が半数以上を占めていると。そのため、平均落札率には変化が見られず、全体で九割以上が高止まりをしていると。
 改善が見られないということでありますが、IT調達の価格が一者応札で高止まりしている状況を政府としてどのように認識をしているのか、古川大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
#61
○国務大臣(古川元久君) IT調達の在り方については、委員御指摘のように、やっぱり私も様々な問題点があると思っております。
 この点については、それこそ政権交代以来、行政刷新会議における事業仕分等でもいろいろチェックもしてきておりますけれども、しかしまだまだ不十分であるということはこれはおっしゃるとおりでございまして、この点については、これはIT調達どういう形で適正化していくかと、これについては相当強力な体制をつくっていかなければいけないと思っています。
 そういうことも踏まえ、先日、八月に政府CIOというものを設置をいたしました。今回、リコーで会社の中でITのそういう改革に取り組んでこられた遠藤さんに政府CIOに就任をいただいて、今、遠藤CIOの下、各府省のCIOなども、まあ遠藤さんは全員個別に面談をする、問題があればもうそれは人を替わってもらうという話もおっしゃっておられます。
 この点は、IT調達の適正化は、もちろんこれは適正な、最も最適なITのシステムを組むことによって行政を効率化そしてまた円滑化をさせると同時に、行政改革の視点からも非常に重要なことだと思っていますので、次の通常国会のときには是非政府CIOはこれは法案を提出したいと思っておりますが、それまでの間は、これは私とあと行政刷新担当の岡田副総理、この二人が政務としての政府CIOである遠藤さんを強力にバックアップする形で行っていきたいというふうに思っておりますけれども、この遠藤政府CIOを中心にして、IT調達の適正化についてはこれからしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#62
○塚田一郎君 会計検査院は、IT調達の経費が高止まりしている背景は、見積書や予定価格の算定内訳等の有用な情報が政府全体として共有されていないことがあるというふうに指摘をしております。ここから、このような状況を改善すれば、逆に言えば調達価格の合理化につながるということが推定されるわけですが、政府全体における調達情報の共有に当たって現存の調達事例データベースの活用が必要だと思います。しかし、その実態は情報の登録が進んでおらず活用も低調になっているということです。
 このような情報の活用について、政府全体の調整等を、今大臣おっしゃっているとおり、やはりリーダーシップを取って内閣官房がやるということが私は適切だと思いますが、その辺も含めて、その共有についてどのように考えられていますか。
#63
○国務大臣(古川元久君) 今御指摘ございましたように、これは、まさに前政権時代にこれ、政府の情報システムに関する政府調達事例データベースというものを作って、各府省間の情報共有とか国民、事業者への情報提供に努めてきたわけでございますけれども、しかし、これが昨年十一月、会計検査院から登録すべき案件の一部が登録されていないではないかと、そういうところの御指摘をいただいております。こういう指摘を踏まえまして、各府省に対しましてこのデータベースへの登録徹底を行うようにということを文書により指示をして、十分な情報共有が図れるような取組を進めております。
 これについても、先ほど申し上げました政府CIOの下でしっかり情報共有、そしてまた国民の皆さんへの情報提供というものも進めてまいりたいというふうに思っております。
#64
○塚田一郎君 この問題は以前から指摘をされていますけれども、やはりもう大臣もおっしゃっているとおり、いつまでも同じような状況を繰り返しているわけにいかないわけで、早期に結論を出していただきたい。しかも、結果が出るように最善の努力を図っていただきたいということをお願いを申し上げます。
 古川大臣は、以上質問終わりますので、御了解があれば退席いただいて結構です。
#65
○委員長(山本順三君) それでは、古川大臣、どうぞ退席してください。
#66
○塚田一郎君 次に、厚生労働省の関連で、今のシステムの関係にも関係があるわけですけれども、健康監視システムと通常検疫業務システムの調達についての問題について指摘をさせていただきます。
 平成二十二年度の決算報告によれば、厚生労働省において八億円以上を投じて導入した健康監視システムと通常検疫業務システムについて、そもそも必要な性能等を適切に検討していなかったため、完成したシステムの一部が業務上の使用に耐えないものであり導入後全く利用されておらず、結局、現場では市販のソフトウェアを利用するなどして業務を実施しているということが判明しております。
 さらに、これらのシステム契約については、事実と異なる書類を作成し、平成二十二年二月末の、システム関連の機器が納入されたとしていたが、実際に納入されたのは六月下旬であったと。にもかかわらず、実際には機器がなかった三月から六月の期間において、機器の運用や保守に係る契約金額を支払っていたなどの事態も明らかになっていると。極めて問題だというふうに指摘をさせていただきます。
 市販のソフトウエアで対応できるような業務に関するシステムの開発等に多額の国費を投入して、完成したものも使わないということで、この通常検疫業務システムに至っては全ての機能が一度も利用されていないという、極めて不適正な経理処理が行われているというまさに前代未聞の状況でありますが、厚生労働省はこの二システムの調達に関する一連の事態についてどのように考え、またその処置状況、今後の再発防止策についてどのように考えられているのか、小宮山大臣に御説明をいただきたいと思います。
#67
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員から御指摘の検疫所の健康監視システム、これは新型インフルエンザ発生時に検疫所が確認した健康監視対象者に関する情報、これを都道府県などに迅速に送付するためのシステムで、これと通常の検疫業務のデータ管理などの機能も追加をして導入をしたものということです。このうち、通常の検疫業務機能について十分利用されていないという指摘を会計検査院から受けています。
 各検疫所に対しまして、空港の業務ではこれは使えるものなので十分利用するように指示をしています。一方、船舶に対する業務では、これは空港のシステムをそのまま導入をしてしまったため、これは利用に耐えないという大変申し訳ない結果になっておりまして、この機能を改修するには更に多額の経費が必要ということなので、この船舶に対する業務は利用を休止するように指示をしています。これを導入する際、御指摘のように、しっかりと精査をして必要なシステムを導入すべきだったということで、この辺は大変申し訳なく、またこういうことがないように反省をしたいというふうに思います。
 また、健康監視システムの調達につきまして、契約の履行が十分に確認されないまま契約金額が支払われたという指摘も受けたことから、これは確認方法を改善をし、また研修などによって会計法令などの遵守について更に徹底を図り、再発防止に努めたいと考えています。
#68
○塚田一郎君 これは極めて問題な事案だと思います。本当にこんなことでいいのかということでありますので、しっかりとした対応策を講じていただいて、絶対にこういう税金の無駄遣いが起きないようにやっていただきたいということを御指摘をさせていただきます。
 厚労省はこれで結構でございます。ありがとうございます。
#69
○委員長(山本順三君) 厚労大臣、どうぞ御退席ください。
#70
○塚田一郎君 次に、内閣官房、そして後ほど松原大臣にじっくりと御質問をさせていただきたいと思いますが、まず三菱電機による過大請求事案について藤村内閣官房長官にお尋ねをしたいんですが、平成二十四年一月、防衛・宇宙関連の調達において起きた不祥事でございます。
 防衛省と内閣衛星情報センター、宇宙航空研究開発機構は、地対空ミサイルや情報収集衛星の契約において、三菱電機株式会社が費用を水増しして請求していたとして指名停止などの処分を行っております。今般の過大請求事案については、非常にこれは問題が大きいわけですが、どのように政府は受け止めて、実態解明及び再発防止に向けてどのような取組をされているのか、官房長官から御説明を願いたいと思います。
#71
○国務大臣(藤村修君) 今御指摘の三菱電機株式会社による過大請求事案につきまして、情報収集衛星、それから防衛装備品の契約について、工数の付け替え等による過大請求が行われたと、同社からのこれは報告を受けて、関係する内閣官房内閣衛星情報センター、それから防衛省、さらに独立行政法人宇宙航空研究開発機構、いわゆるJAXA等において同社を指名停止処分とするとともに、早速に事実関係の全容解明ということをスタートさせました。これ、なかなか複雑な中身でございまして、今現在も細かい調査を行っているところであります。
 今後の対応につきまして、引き続き事案の全容解明を行うとともに、過大請求に係る過払い金等の返納を求める、それから徹底した再発防止策を講じる必要があると考えておりまして、厳正に対処していく所存でございます。
#72
○塚田一郎君 本件については、多分、今御質問をしてもこれ以上のことは得られないと思いますので、委員長に御要望でありますが、第三者的な立場から実態を解明し、発注側の監査が十分であったか調査をして再発防止を図る必要性があるという認識から、当決算委員会において会計検査院に対し検査を要請すべきと考えますが、委員長に御判断、取り計らいをお願いしたいと存じます。
#73
○委員長(山本順三君) 後刻理事会で協議をいたします。
#74
○塚田一郎君 ありがとうございます。
 それでは次に、東日本大震災の復旧復興予算の執行の遅れについて、同じく官房長官に御指摘をさせていただきますが、平成二十三年度の東日本大震災復旧復興関係予算の執行状況について、六月に復興庁が発表した資料によると、全体予算十四兆九千二百四十三億円のうち、翌年度繰越額が四兆七千六百九十四億円、不用額が一兆一千三十四億円と多額に上っており、予算の執行率は六〇・六%にとどまっております。各省庁別に見ると、とりわけ復興庁所管の経費一兆三千百四十一億円のうち、一兆三千百一億円が執行されずに繰り越され、二十三年度における執行率は実に〇・〇二%という極めてずさんな状況になっているわけであります。
 今日は復興委員会等も開かれているということで官房長官にお尋ねをいたしますが、復旧復興予算の執行状況は、当初の計画に比べて実際どれぐらい遅れているのか。また、予算の執行率が低かった事業は見積りが適切であったのかということの検証も必要だと思いますが、被災地支援に本当に必要な予算が行き届くように的確に予算に反映させるべきだと考えますが、見解をお尋ねいたします。
#75
○国務大臣(藤村修君) 御指摘をいただきました平成二十三年度の予算で、これはまず一次、二次、三次の補正ということで、その際には、何より復旧復興に早急に着手するという観点と、それから万一にも予算が不足することで復興事業に支障が出ることがない、これら観点から被害状況等を基に推計した所要額を計上したというところでございました。それは相当余裕を持ってという、そういう考え方があったと思います。予備費、一次から三次の補正の合計が十四・九兆円でありました。
 この復興予算の二十三年度末の執行状況、今御指摘をいただきました、六割程度、九・一兆円でありました。その背景として、今申し上げたような補正予算編成の際の、復旧復興に早急に着手するために被害状況等を基に推計した所要額を計上したというところがありました。結果として、実際の事業費が下回る場合があったこと等により不用が生じた。不用額は一・一兆円でございました。
 復興計画の具体化のための調整、それから地元住民の皆さんとの合意形成、これらに相当時間を要したということは御承知のとおりかと思います。そして、それがすなわち二十三年度中に執行することができずに二十四年度に繰り越すこととなった経費、これが四・八兆円ございました。
 政府としましては、引き続き、今年の二月に復興庁ができ、ワンストップサービスの充実あるいは被災自治体への人的支援など、着実かつスピード感を持って事業が進んできております。そこで、例えば、今の繰越額の約三割を占めていたんですが、この復興庁関係、復興交付金というのが、地元の復興計画との調整が相当進み出し、三月に第一回分二千五百十億、五月に第二回分二千六百十二億、そしてこの八月に第三回分一千四百三十五億円、これらを執行しました。
 引き続き、適切な交付金の執行を通じて被災地の速やかな復興、地域づくりの支援を進めていきたいと考えております。
#76
○塚田一郎君 官房長官、これ、真に必要なところにお金が本当に回っているのかという検証をされる必要があるんじゃないですか。本当に予算が有効に支出されているか、予算見直しそのものをやるということの作業が必要だと思いますが、いかがですか。
#77
○国務大臣(藤村修君) それら、一体この繰越額、どういう内容だったのかということを検証をし始めておりまして、繰越額の主なものとしては、先ほど申しました復興庁の復興交付金でありました。それから次に多かったのは、いわゆる災害復旧等事業費、これは国交省計上のものであります。次に多かったのが災害復旧等事業費で、農林水産省関係でありました。それから、次に多かったのが廃棄物処理の事業などでありました。ほか、ずっと順に来ます。
 それから、不用額の主なものとしては、これは災害復旧事業費で公共土木、国交省関係、これが多かったのと、それから公営住宅の整備事業、これも国交省なんです。これも高台移転などなかなか進んでいないということもございました。それから、これは見積りより相当少なくなったというのが学校・社会教育施設等災害復旧費で、これは当初の想定した額よりは相当少なかった。それから、災害復旧等事業費、農水関係で、これも土地利用計画など決定の遅れがあるという。
 これら項目とそれからそれぞれについて、どういうことかということは分析しているところではございます。
#78
○塚田一郎君 是非予断を持たずに見直し等もやっぱりちゃんと行っていただいて、適切な形で予算が執行されるようにやっていただきたいということを強く要望をさせていただきます。
 残りの時間は、拉致問題の関連で御質問をさせていただきたいと思います。
 先ほど有田委員の方からも様々な視点で質問がありましたけれども、今、外交問題というととかく我が国の領土問題が前面に今出ているという状況でありますが、実は拉致問題についても極めて今重要な局面を迎えているというふうに認識をしております。なぜかといえば、二日後に、二十九日に予備協議が開催をされるという状況に今あるわけであります。松原大臣にもこの間ずっとこの議論をさせていただいているわけですが、二日後に、二十九日、北京で四年ぶりとなる日朝の政府間協議が開催されます。
 今年は、実は二〇〇二年九月の小泉訪朝で北朝鮮が拉致を認めてから十年の極めて重要な節目の年であって、家族会、救う会は今年を勝負の年と位置付けているということは松原大臣もよく御承知のとおりでありまして、二日前の二十五日には、新潟県で拉致被害者の救出を訴える県民大集会が約二千名の参加で開催をされまして、大臣わざわざお出ましをいただいて御挨拶をいただけましたことには本当に感謝を申し上げます。
 その中でも決意を大臣語っていらっしゃいましたが、この大会の決議では、日朝予備協議において拉致問題を必ず取り上げるよう強く主張し、これを北朝鮮に認めさせ、拉致問題解決につながる具体的な行動を取り続けることを要求するというふうに宣言をしております。
 改めて、松原大臣に今回の日朝協議に臨む決意をお聞かせをいただきたいと思います。
#79
○国務大臣(松原仁君) 日朝間の諸懸案の中には当然ながら最重要の課題として拉致問題があり、この点が今回の予備協議において確認され、来るべき日朝政府間協議において拉致問題に具体的な進展が得られることを強く望むところであります。
 北朝鮮の新体制が拉致問題について具体的な行動を取ることを期待しており、引き続きこれを求めてまいります。さらに、北朝鮮側の対応いかんによって我々としても具体的な行動を取ってこたえていくことになろうと考えております。
#80
○塚田一郎君 松原大臣、決意ですから、そんな役所の文章を読まないでいただきたいですね。この間、同志としてこの問題に取り組んできたその熱い思いで、大会でもおっしゃったじゃないですか、ここで勝負を懸けなければならないと。もう少し御自身の言葉で決意を語っていただきたいと思います。
#81
○国務大臣(松原仁君) 塚田さんとはワシントンも複数回一緒に行かせていただいて、同じ思いを持つ同志であります。四年ぶりのこの政府間協議に我々はもう極めて期待をしておりますし、また北朝鮮はそれを裏切ることがないようにきちっと対応してほしいと強く思っております。
 以上です。
#82
○塚田一郎君 是非、松原大臣には私は本当に期待をしております。この間、民主党政権になって数多くの拉致担当大臣がいらっしゃったわけですが、松原大臣には本当に我々同志も期待をしておりますので、その熱い思いを是非政府内できちっとした形で実現をしていただきたいと思っているわけですが、しかし、どうもこの今回の予備協議、始まる前から危ういのではないかと思わざるを得ないような状況が多々散見をされるわけです。
 そもそも、お伺いをしたいんですが、何を根拠として今回の日朝政府間協議の予備協議を開催をするということを官房長官はお決めになったんですか。それは遺骨問題は大事だと思います。しかし、拉致問題という最重要課題をコミットできるという確証を持ってそういう判断をされたんですか。
#83
○国務大臣(藤村修君) まず、八月九日と十日でいわゆる両赤十字間のやり取りがございました。これに対しても実は十分に政府も把握しながら、かつ、その後にそれぞれの赤十字からそれぞれの政府に関与をするべくということで、実態的にそれからの政府間の非公式なやり取りが行われたということであります。
 日本人の遺骨問題については、日朝の政治、政府レベルで当然協議をしていくということになりますし、さらに、日朝間にこの問題に限らず様々な懸案があるところであり、我々日本側として特に当然のことながら、この拉致問題というものは最大の関心というよりは最大のやっぱりテーマであると考えております。そういうことで、ここ、このタイミングをとらえて日朝政府間の協議を、当然我々、拉致問題を含む協議をしたいということでのやり取りをしてきたところでありました。
 政府としては、日朝平壌宣言にのっとって拉致問題を含む諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交、その先の話ですが、国交正常化を図るべく努力するとの従来からの方針の下でこれは本当にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
#84
○塚田一郎君 どうもはっきりしないですね。
 山根副大臣、今日お越しいただいていますが、この予備協議の事前の協議の段階で、日本としては拉致問題ということは必ずコミットしてもらわなければ困るんだということを具体的に交渉されているんですか。
#85
○副大臣(山根隆治君) 今官房長官の方から御答弁ございましたように、日朝の赤十字間で様々な議論が八月の九日、十日行われたと、そして、今度二十九、三十日にかけて予備協議が行われると、こういうことでございますけれども、この中では様々な議論が行われておりまして、当然私たちは、拉致の問題については、これは幅広いという文脈の中で御理解いただきたいと思うんでありますけれども、拉致の問題をしっかり当然取り組んでいくと、そういう思いで認識を持っているところであります。
#86
○塚田一郎君 日本側が拉致問題は含まれると考えるのはこれは当たり前のことであります、国家の最優先課題でありますから。問題は、それに対して北朝鮮がどこまできちっとしたコミットメントをこの予備協議の中でしてこれるか、してこなければ困るわけで、そうでなければ、じゃどうするんだというのが一番重要な点でありますけれども、改めてお伺いするべくもないわけですが、仮にこの諸懸案の議論をしていく中で拉致問題ということを北朝鮮がテーブルにのせないということになった場合に、官房長官、どうされるんですか。
#87
○国務大臣(藤村修君) これは二十九日に始まる予備協議の話でありますので、今この時点で何か予断を持って、その先こうだからこうだということを今お話しすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#88
○塚田一郎君 先ほど有田議員の質疑の中で、予備協議の政府代表として課長級で最初は対応するということになったというような御説明がありましたが、副大臣、それで間違いないでしょうか。
#89
○副大臣(山根隆治君) 先方からの申出によりまして、課長級で協議するということになっております。
#90
○塚田一郎君 よく北朝鮮がやる時間稼ぎに乗ってはいけないということなんですね。
 課長級で協議をすると、何をテーブルにのせるかも含めて時間はどんどんたっていくわけでして、やはり本来であれば杉山アジア大洋州局長が直接交渉に当たる、向こうもそれなりの人を出してきてくれと言うべきだと思いますが、いかがですか。
#91
○副大臣(山根隆治君) これは新聞報道等にありましたけれども、特別最初から局長級でと、こういうことでコンクリートが必ずしもされていたと、こういうことではございません。ただ、これで、これに課長級でスタートするということによって局長級の協議が行われないということではございませんで、協議の経過の中で局長級会議というものが当然開かれる事態、展開ということになってくるだろうというふうに思っております。
#92
○塚田一郎君 山根副大臣にお伺いをしたいんですが、今回のこの日朝の交渉に入るということについて、我々の同盟国であるアメリカ等にそういったことの事前の了解を取られているのでしょうか。
#93
○副大臣(山根隆治君) アメリカの理解得られるかということでございますけれども、政府の方から米韓両政府に対して連絡を取って、緊密な連携を取っているということでございます。
#94
○塚田一郎君 今の状況で韓国とどういう外交的なやり取りがあるかまではお尋ねしてもお答えいただけないでしょうけれども、日米韓の連携というのは、従来、この拉致問題解決には非常に重要だということでありまして、その辺りのところも含めてきちっとした協議をやっていただかなければならないわけですが、官房長官は先ほど、これから協議だから予断を持ってというのは分かりますが、じゃ、仮に拉致問題がテーブルにのらない中で協議が進んでいったとして、取りあえずそのことがテーブルにのらなくても、ほかの議題でこの協議は二十九日以降も進めていくという理解でよろしいんですか。
#95
○国務大臣(藤村修君) それも予断を持って言えない部分がありますが、我々としては、拉致問題について、従来からの我が方の考えに基づいてしっかりと対応していくという確固たる姿勢を持って予備協議にも臨むつもりでございます。
#96
○塚田一郎君 本来、拉致問題がメーンだということであれば、こうした予備協議で拉致問題を主題として協議が行われてくるという形で外交上スタートするのが本来の姿ですね。ところが、この遺骨問題から入らざるを得ないということが我々としては非常に懸念をされると。しかも、この遺骨の問題だけ向こうが自分たちのペースで話を進めて、遺骨を返すのに幾らお金が掛かりますとか、そういうことをビジネスでやりかねない国でありますので、そういったことになりかねないということについて我々は非常に懸念をしているわけです。
 ですから何度も、この拉致問題についてきちっとコミットができないまま議論が進むということはあってはならないと私は申し上げているわけで、松原大臣、この点についての御自身の認識をお聞かせください。
#97
○国務大臣(松原仁君) 遺骨の問題というのは、人道上の問題として、これはこれできちっと、戦後長い時間が掛かっておりますから、解決をするべき問題だと思っております。
 その一方で、この遺骨問題が中心になって議論が進み、今、塚田委員がおっしゃったようなことまで踏み込むことになったときに、結果として拉致問題が置き去りにされてしまうのではないかということは多くの方々が従来から指摘をし、心配をしてきたことであります。
 したがって、私の立場からは、この拉致問題は今回の政府間交渉で必ずテーブルにのらなければいけないし、のせるために、北朝鮮と日本はバイで出てくるわけですから、日本も半分の発言力は当然あるわけでありますから、そこはもう断固としてのせていただきたいと。所管は外務省ということかもしれませんが、基本は政府間交渉ということですから、そのことはきちっとやってもらいたいし、そのことを私もきちっと見させてもらいたいと思っております。
#98
○塚田一郎君 よもや政権浮揚のためにこうしたことが取り上げられているとは思いたくありませんけれども、非常に今、時期的に、この拉致問題の十年の節目ということは大きなタイミングでありますし、九月二日には全国の国民大集会も開かれるわけですから、ただ協議に入りましたと、しかし進展はないまま何となく協議をやっているということでは断じて私は許されないということを改めて政府に強く申し上げさせていただきたいと思います。
 松原大臣、先ほどの質疑の中で、将来の我が国が北朝鮮に対する支援に関して一定の解決があればと、可能性があるんだという趣旨の答弁をされましたけれども、その一定の解決というのはどういうことを意味していらっしゃるんですか。
#99
○国務大臣(松原仁君) 先ほど申し上げたように、家族会、救う会、特定失踪者調査会、また、このことにずっと携わってきた関係者の皆さんの中で、これをもって一つの進捗とするということがお互いの相互の理解の中で共感できる部分が一つの進捗であると思っております。
 実際、その拉致問題は、認定被害者以外も含め、例えば、先ほど藤田さんの議論がありましたが、特定失踪者がどこまで拉致をされているのか拉致されていないのかを含めて、極めて全体像はこれ分かりません。そうした中において、やっぱり一定の進捗というものがあって、そこを一つのけじめにして当面の目標とするというのは現実的な判断だろうと思って申し上げたところであります。
#100
○塚田一郎君 松原大臣よく御承知のとおり、我が国の拉致認定被害者以外の特定失踪者というのは数百人の規模と言われております。その中でどれだけの人が本当に拉致をされたかということは、残念ながら明らかにはなっていないのが状況で、それで一定の解決をどうとらえるかというのは極めて難しい、しかし重要な問題だと思うんですね。
 実際大臣になられて、この間、救う会あるいは家族会、特に被害者家族の皆様と大臣は何度も御面談をされていると思いますが、具体的に、こういう一定の解決ということのどういうことを具体的に考えているのかという議論をされたことはおありになるんですか。
#101
○国務大臣(松原仁君) この場で細かく申し上げることは控えたいと思いますが、例えば、日本から拉致された方が北にいて、戻ってこられたのは蓮池さんやまた地村さんといった、要するに、結婚したケースでもお二人とも日本から拉致された方が戻ってきているわけであります。そうでないケースというものも想定されます。何をもって一定の解決とするかというのは、様々なバリエーションで、様々な事柄を相互に考えて、全体の中での一つの認識の共有化を図るということが必要になってくるというふうに思っております。
 以上です。
#102
○塚田一郎君 大臣は大変御家族の皆様と密接にこの間コミュニケーションを取られているんで、是非そういったこともきちっと大臣として議論をしていただきたいと思いますし、これは非常に重要で大きな問題だということを指摘をさせていただきます。
 先ほども藤本健二氏の話が出ておりましたが、実際、政府として藤本氏というのはこの何らかのパイプとして認識をされている、そういう方なんですか。
#103
○国務大臣(松原仁君) 情報にかかわることはこの場では申し上げることはいたしませんが、先ほどから申し上げておりますように、全ての可能性、全ての接触の可能性は、それを貪欲なまでに求めていきたいというのは私の今までの活動でありましたし、これは続けてまいります。
 その上で、北朝鮮の今の最高指導者と彼が直接会って、また、横田めぐみさんという個名を挙げて議論をしたということは、やはりそれは一つの重みのあることだろうというふうに承知をいたしております。
#104
○塚田一郎君 藤本氏自身は、大臣とテレビを通じて面識を持ち、この拉致問題について話し合ったと、しかも、それについて第一書記にメッセージを伝えたというふうにおっしゃっているわけですが、実際にお会いになったことはお認めになりますか。
#105
○国務大臣(松原仁君) 拉致の問題、私もこの十年以上にわたって扱っているわけでありますから、テレビ局でお会いすることも含め、お会いしたことはあります。
#106
○塚田一郎君 分かりました。それ以上はお話しになれないということでありますけれども、あらゆる手段をというふうにおっしゃっているわけですから、全ての選択肢を含めてアプローチをしているというふうに理解をいたします。
 問題は、私は非常に懸念をしているのは、今回、この藤本健二さんという方が帰国をされて、テレビにも出演をされ、あるいはこういった週刊誌での長時間のインタビューにお答えをされているということが国内で非常に大々的に報道されているんですね。御本人はその中で、金正恩第一書記について非常に好感を持ったというようなことも発信をされているわけで、この方がどういうメッセージを持って今こういったことをされているのかなということを、私は非常にある意味慎重に判断をしなければいけないなというふうに思います。
 日本国においてこの拉致問題ということの解決が国民にとってどれだけ重要かということを当然北朝鮮も認識をしているでしょう。それに対して、世論に対して何らかのアピールがもしなされているとすれば、非常にそこは注意をしていかなければならないということを、大臣よく御承知のとおりだと思いますが、ですから、利用されることのないように、きちっとしたやはり外交交渉という中で、日朝間の協議を通じてこの問題の解決を図ると。どこかから誰かが出てきて、その人が何か北朝鮮の首脳に近いとかいうことで私は安易に交渉するべきではないというふうに思います。そのことは御指摘をさせていただきたいんですが。
 そもそも、では今、日朝協議がこの拉致問題も含めて進むような外交環境にあるのだろうかという点がもう一つ大きな問題であります。日韓の今の状況は言うに及ばず、残念ながら、こうした外交上の我が国を取り巻く環境を考えたときに、いわゆる北朝鮮が本当に今の野田政権と交渉をし成果を出そうというコミットをするのであろうか。
 総理は、近く解散して民意を問うと、近いうちにということもおっしゃっているわけです。そうすれば、当然、その政権そのものの今後の存続も含めて、外交の交渉の相手としてどうなのかということがあるわけでありまして、そうした状況下でも成果を出せるというふうに松原大臣は思っていらっしゃるんでしょうか。
#107
○国務大臣(松原仁君) 委員御指摘がありましたが、いわゆる小泉訪朝から十年を経過しているわけであります。この間、政府間交渉は途絶えていたわけでありますが、こうやって赤十字というものがあった上で、遺骨の問題ということが第一義的に出てきましたが、政府間交渉をしようということを北朝鮮側が決意をしたということも事実であって、私は、この小泉訪朝十年に向けて北朝鮮が何らかの形で日朝関係を打開していきたいという思いがあると。ただ、彼らはそこに拉致を入れたくないという思いもあると。しかし、日朝関係を打開したいという思いがあるならば、我々は拉致が入らなければ打開できないときちっと言うと。
 そういったことが今求められているし、向こうの、北側がこの段階でそういう日朝の交渉を、今課長級ということでありますけれども、進めようとしている事実は一つの事実だというふうに認識をいたしております。
#108
○塚田一郎君 それでは、具体的なこの拉致問題解決に向けての協議のベースは何かということを再度確認をいたしたいんですが、民主党政権になってから何度か私はこの問題について拉致問題特別委員会等で質問をさせていただきました。岡田外務大臣の時代も前原外務大臣の時代も御質問をしているわけですが、当時は二〇〇八年六月と八月の日朝実務者協議の合意というものを踏襲するという趣旨の答弁をされているわけですが、官房長官、そういう理解でよろしいですね、今回の協議についても。
#109
○国務大臣(藤村修君) 福田政権の終わりの八月のときに、これはその後の一か月後ですか、再調査については、もう向こう側からそういうものがないということなので、一旦私はそこで御破算になっていると、拉致問題について。それから四年間ですか、政府間での協議がなかったということでありますので。
 ですから、先ほど来強調しているように、今回の政府間で協議をするからには、当然のこととして拉致問題というものが議題になるということを、それ、確固たる我々の考えを述べていきたいと考えているところです。
#110
○塚田一郎君 今の御答弁だと、その二〇〇八年六月、八月の協議を必ずしも前提としていないと、新たな協議をするというふうにも取れるわけですが、どちらなんですか、はっきりお答えください。
#111
○国務大臣(藤村修君) 当然のこととして、平壌宣言以降、十年になるわけです。その間に様々、非公式なものもあれ、やってきたわけで、当然、二国間の外交というのは全てをやはりベースに置いていくわけですが、ただ、再調査という問題については一旦御破算になっていると、このように考えています。
#112
○塚田一郎君 今の御答弁だと、北朝鮮側が再調査をするということについては一旦白紙になっていると、そこから再度スタートをするということなんですか。ちょっと御説明の趣旨がよく分からないんですが。
 そもそも今までは、民主党政権になってからも、基本的にはこの二〇〇八年六月、八月の日朝実務者協議の、そこの合意があって、その後政権が替わって、北朝鮮側が一方的にそれをほごにしてきたと言っていますけれども、そこに戻って協議をしていくというふうに我々はこの間理解をしているわけですが、それを変えるということですか。
#113
○国務大臣(藤村修君) 政府間において拉致問題に関する全面的な再調査を求めるのかと、そういう御趣旨であると思いますが、これは現時点、今の時点でその協議の対応ぶりについて必ずしも予断を持ってお答えするのは適当でないと考えておりますが、ただ、外交ですから、今日までの平壌宣言以降のこの十年の間の様々な非公式のものも含めたやり取りというのは、その積み重ねの上にあるとは考えています。
#114
○塚田一郎君 それ、全面的な再調査を求めるというのがスタートでなければ、どういうスタートを新たに考えられるんですか。拉致被害者はもういないと言う北朝鮮に対して再調査を認めさせたことにこの二〇〇八年の六月、八月の協議の意義があるわけで、それ以外の、じゃ、どういう視点からこの協議を進めるというのは私よく理解できないです、説明してくださいよ。
#115
○国務大臣(藤村修君) 再調査ということについて今、一旦向こうではその再調査はやらないということがあったわけですから、当然再調査も含めた、とにかくこの拉致問題というものを今回きちっと政府間での協議のテーブルにのせるというのが我々の姿勢であります。
#116
○塚田一郎君 いや、私は理解できないのは、協議のテーブルにのせるということは、再調査をまずさせなければ、そこから物事はスタートするんですから、そこ以外にないはずなんです。それを別のことをまだ想定をしているとおっしゃるから理解ができないと言っているので、何を、じゃ具体的に、じゃ、拉致の議論をするといっても再調査はしないというのであれば、何らこの問題の解決に進んでいかないじゃないですか。どういうことをおっしゃっているんですか。
#117
○国務大臣(藤村修君) ですから、それは先ほど申しましたように、今、あさってですか、行われるいわゆる政府間の四年ぶりの協議において、その対応ぶりというのは、再調査からやらねばならないなどというだけでなしに、それは、その中身について今ここで予断を持って言えないということを申し上げているわけで、今委員のおっしゃることもよく分かりますので、それは当然腹に持っていくわけですが、今、実態としてこの政府間の協議が行われる手前の段階で、何か予断を持って、これをなければならないとかこれを必ずやるということを全て申し上げるわけにはいかないと、こういうことであります。
#118
○塚田一郎君 まあ交渉のスタンスも非常にはっきりしないと、しかも状況も不安定な状況で、私は非常に残念ながら今の答弁を聞いて不安に思っております。
 もう時間もありませんので、松原大臣に最後に御質問いたしますが、松原大臣はインタビュー等で、一定の進捗がない状況になったとき、今回の交渉で、様々なことを考えないといけないと、けじめを付ける必要があると発言されていますね。けじめを付けるということは、結果が出なければ、どういうけじめを付けるかということですが、外交上であれば私は追加制裁をやるぐらいのきちっとした対応を我が国が取るという認識だと思いますが、いかがですか。
#119
○国務大臣(松原仁君) けじめを付けるとはけじめを付けるということでありまして、この段階では、久しぶりの政府間交渉で、遺骨ということでスタートをするわけですが、当然拉致も入ると。そのことを予断なく見詰めていき、きちっと解決に向かって話が進むようにこれは見るということですね、そのことがまずあると。ただし、そのことの結果、我々が再び裏切られるようなことがあれば、それはけじめを付けなければいけないと申し上げているわけであります。
#120
○塚田一郎君 再度お尋ねをします。
 そのけじめの中には、政府としての追加制裁も含まれるという理解でよろしいですね。
#121
○国務大臣(松原仁君) あらゆる可能性からけじめを付けるということであります。
#122
○塚田一郎君 とにかく、そのことを私は強く最後に申し上げたいのは、四月の北朝鮮のミサイル発射実験以降、我が国独自の北朝鮮措置ということが実施されないままにこの間来ているんです。圧力がなければこの北朝鮮に対する拉致問題が解決しないことは大臣よく御承知のとおりで、暗にこの協議に乗っても私はうまくいかないということを御指摘をさせていただいて、大臣も含め、政府が毅然とした対応を取るという覚悟を示して初めてこの問題が動くということを再度御指摘をして、今日の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#123
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。熊谷大君。
#124
○熊谷大君 自由民主党の熊谷大です。
 本日は六十分間という時間をいただきまして、本当にありがとうございます。
 本日は、省庁別審査、私は被災地宮城県の代表でございますので、厚労省関係、テーマは被災者の生活再建、医療、介護、そして雇用について、それに伴う被災地での状況、そして展開を質問をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
 まず、質問に先立ちまして、御礼を述べさせていただきたいと思います。
 小宮山大臣と震災復興特で質疑をさせていただいて、みなし仮設、民間の仮設住宅で期限が決まっていますということ、それで非常に被災地、被災者が困っていますということを質問をさせていただいて、何とか延長していただけませんでしょうかというふうに質問をさせていただいて、大臣の御英断によって一年間の延長が認められたわけでございますが、それを聞きまして、地元、被災地、そして被災者の皆さんは非常に留飲が下がったと、非常に安堵又は希望が見えたということで大変喜んでおりましたので、それをお伝えすると同時に御礼を述べさせていただきたいというふうに思っております。ありがとうございます。
 何か、大臣、コメントがあればお願いします。
#125
○国務大臣(小宮山洋子君) 法律上は期限が決まっていますけれども、それはやはり今回のような未曽有の大震災の場合に、なかなか次のステップへ行かない中で少しでも被災された方が不安なくお過ごしいただくために、これは御指摘もいただきましたので延長させていただきましたので、その間に何とか次に住む場所をしっかりと確保するように努力をしていきたいというふうに考えています。
#126
○熊谷大君 ありがとうございます。
 大臣が今おっしゃったように、次のことを考えますとまた新たな課題が大変多うございます。そうしたことを質問をさせていただければというふうに思っております。
 さて、今ほど申し上げましたように、厚労省には、被災地又は被災者が大変期待を寄せている省庁でございますので、話題を変えさせていただきながら質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 大臣、処暑を過ぎても暑さが収まりません。四季に恵まれた我が国ではありますが、最近の常軌を逸した暑さはゲリラ豪雨などとともに、一昨日の沖縄方面の未曽有の台風も来ておりますが、日本全体を苦しめております。
 大臣は、今年どれくらいの数の方々が猛暑のために、もしかしたら節電の夏でございますので対処が取れずに、病院に搬送された又は犠牲になってしまわれたかという数を把握しておられますでしょうか。
#127
○国務大臣(小宮山洋子君) 申し訳ありません、全体の数としては正確には把握していません。
#128
○熊谷大君 これはとっても重要なことだと思いまして、厚労省のホームページからちょっと取り寄せました。今年、五月二十八日から八月七日の搬送者は、何と二万七千三百六十六名でございます。犠牲になられた方は四十九名にも上っているということです。ここ二年、猛暑が続きましたのでもっとすごい数字なんですけれども、平成二十二年では死者、何と一千七百三十一名、平成二十三年では九百二十四名であります。徐々にいろいろな対策が取られたのでしょう、民間のいろいろな対処もあったのでしょう、数は減少してきているとはいえ、大変な数だと思っております。
 大臣、私は、この夏の熱中症に対する問題、最近は災害が日本全国猛威を振るっておるのでございますが、この夏の暑さ、どんな自然災害よりも多くの死者数を出しているという事実があると思うんですけれども、大臣はこの事実に危機感は抱いておられますでしょうか。
#129
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、この夏特に暑いということも予想されていましたので、それに対する対応は大変重要だと思っていまして、これは各省庁取り組んでいますけれども、厚生労働省といたしましても早い時期から、やはり、もちろん節電はしていただきたいわけですけれども、最低限度のクーラーなども使って、特にお年を召した方、病気の方、お子さんなどについては、温度の管理をするということと水分小まめに取ってくださいとか、最近は熱中症情報などのところで、天気予報の中でももう運動はやめてくださいというようなことまで言うようにしたりとか、今それは、政府、いろいろな省庁で可能な限りの注意喚起はしているつもりでございます。
#130
○熊谷大君 その基本認識に立っていろいろな対策を取られているという、基本認識に立っていただいて、質問に移らせていただきたいと思います。
 先日の二十一日に復興庁から東日本大震災に係る震災関連死の発表がございました。大臣、当然、内閣の一員としてその数を記憶していらっしゃると思いますし、それに対する危機感も十二分にお持ちだと思いますが、改めてその御認識、数、数値ですね、とともに御認識をお聞かせいただけたらなというふうに思います。
#131
○国務大臣(小宮山洋子君) 震災関連死というのは、どこまでを関連死と見るかというのもいろいろ定義の仕方があるかと思いますけれども、一般的に見て、震災をもとにしたことによって様々な心身のいろいろな受けた影響によりまして亡くなられた方ということで、その把握はしっかりしなきゃいけないと思いますが、特に御通告していただいていなかったので、今正確な数字は持ち合わせておりません。
 ただ、そのことに関しましては、特に震災後すぐのいろいろの避難のときの状況ですとか、あとは医療関係者がきちんとその対応をできたかどうかとか、そういう医療関係などにつきましてはDMATの方々に大変活躍していただきましたが、DMATから今度JMATに引き継ぐときにうまくいかなかったとか、あるいはお薬の手帳とかそういうのも用意していないと、データが全部失われて、次々とボランティアなどでも来ていただいた専門家の皆様方が基本的なデータがないために適切な対応ができなかったとか、そうした厚労省関係のものについては問題意識を持って把握をし、どのように今後対応するかということは検討させていただいています。
#132
○熊谷大君 済みません、事前に通告しておくべきだったんですけれども、大臣、一都九県で、数字を是非覚えておいていただければ、今年三月末現在、一千六百三十二人です。最も犠牲者数が出てしまったのは福島県でございます。続いて、私、代表の宮城県は六百三十六人でございます。この数値、非常に大きなそして大変重要な数だというふうに思っておりますので、是非大臣には内閣の一員として把握しておいていただければなというふうに思っております。
 関連死とは、今ほど大臣がおっしゃったとおり、震災の直後で犠牲となられた方々、また長引く避難所生活の疲労、震災による精神的ショックにより体調を崩して亡くなられてしまったケースを指しております。そうした体調を崩されている方々が多い中、福島県の方では、目的がちょっと違うんですけれども、これは被曝した方々に対する調査でございますが、福島県では県民健康管理調査というものを行っております。これは目的が全然違います。被曝をされた方々に対する調査でございますが、そろそろ、こうした熱中症なんかもあります、また、これから冬も迎える、そして復興庁ではもう一千六百人を超える震災関連死が報告されているということで、仮設住宅に住まう皆様又はみなし仮設に住まう皆様に対して、被災地全体に健康管理調査をそろそろ厚労省も本腰を入れて対策としてしていかなければならないというふうに思うのですが、大臣の御見解をお聞かせください。
#133
○国務大臣(小宮山洋子君) 特に、環境省の方などが中心になって今そうしたことも内閣として検討をされているというふうに聞いていますけれども、当然、医療に関することもあると思いますので、厚労省も可能な限り協力をして、これは内閣としてきちんとした対応を取っていくことが必要だというふうに考えています。
#134
○熊谷大君 今御紹介にありましたように、どうしても、一般の住民の方、みなし仮設や仮設住宅に住まわれている方々に対する健康調査というのはなくて、内閣府所管、後々に環境省に移るということで原子力被災者生活支援チームがそれを担当したり、あとは、厚労省では労働者、働く方々に対する安全衛生ということでどうしても対象になっているということなんですけれども、やはりこれだけ、政治家の仕事は国民の生命と財産を守ることですね、その生命が日々刻々と失われているという現実を目の当たりにして、しっかりとした、しかも国民の健康を所掌する厚労省が抜本的な対策に乗り出していかないと、国民は何を信じていったらいいのかということが分からなくなってしまいますので、是非とも大臣からここで強い決意をお願いします。
#135
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、被災者の皆様方の健康管理ということは厚労省として心して当たらなければいけないことだと思いますので、どういう形であることが一番良いのかということも検討させていただければと思います。
#136
○熊谷大君 そうした体調を崩されている方々が多い中、先ほど我が党の塚田委員からもございましたが、二〇一一年度の復興予算の執行率が非常に残念な結果でありました。六割、しかも四・七兆円が未消化に終わっているというふうにあります。これをどのように、被災地だけではなく日本全国のみんなが、不信感というか、どうとらえたらいいのかということを、がっかりしたのか、言葉にならなかったんではないかなというふうに思いますが、その未執行の部分が多かった。
 また、これは厚労省も八六・何%は執行しておりますが、一〇〇%執行なわけではないわけですので、大臣の御所見をお伺いしたいというふうに思います。
#137
○国務大臣(小宮山洋子君) これは、復興大臣の方からもお話伺ったことありますけれども、当初は、復興のために必要だと思われることはありとあらゆることに予算をとにかく付けましょうと。付けた結果、なかなか、例えば厚労省でいいましても、病院を再建をするといっても、そこの地域全体の復興計画が定まらないとなかなかどこに病院を造るというところまで至らないので、その期限の間の、今までの間にはそれが着手ができていないと。
 ただ、それは先々計画が実施されるようになれば使っていくというようなものもあるかと思っていますので、また、その二期目、更に先にわたってもっと現実の実現性のある形に近づいていくということだと思いますけれども、可能な限りそれは付いた予算が執行されて、少しでも被災者の皆様に役立つ形のものが目に見えて実現をするように努力をしていきたいというふうに思っています。
#138
○熊谷大君 ありがとうございます。
 ちょっと話は戻りますが、その仮設住宅に関するちょっと暑さ対策というものも真剣に取り組んでいかなければならないんではないかなと思っています。主にプレハブ仮設でございます。
 今年の、ここ数年尋常でない暑さの中、仮設住宅というのは基本的にプレハブなわけでございますので、この仮設住宅での暑さ対策、厚労省としては施している政策があるのでしょうかということをお伺いしたいんですけれども、この仮設住宅での暑さ、もう尋常ではありません。
 夏は暑く、冬は冷たい。冷たい冬の方では、仮設にあるお風呂の追いだき機能を強化するとか、追いだき機能の付いた風呂がまにするなんということも予算案を検討されていたようでございますが、私は、その追いだき機能の設置にはちょっと反対の立場でございます。
 というのは、追いだき機能を付けてほしいというふうな被災者の方も確かに多いんですけれども、一方で、その追いだき機能を全部付けちゃうと二百億とか二百五十億円の予算が必要になってくると。それだけの予算があれば、早く災害公営住宅を造ってくれと。それこそ大臣がおっしゃったような、次の施策にそのお金を回してほしいと。もう仮設は仮設なんだから、もう次の本宅とか、又は本当の政策、住宅政策の方に回してほしいというような声も数多く聞かれることも事実でございます。
 なので、この暑さ対策、もし厚労省で行われているのであれば、全ての仮設住宅にもう一個エアコンを付けろとかそういうことではなくて、光熱費に何らかの補助というのも必要なんではないか。つまり、もう義援金がそろそろ底を、一年五か月がたって義援金が底をついて、確かに仮設住宅ですから家賃は払わなくてもいいんですけれども、光熱費は毎月二万とか三万はどんどん飛んでいくわけですね。そういった補助の政策があっても、私はこの猛暑、尋常ならざる猛暑の中で、健康管理、衛生管理ということであってもいいんではないかなというふうに思うんですけれども、何か政策があればお聞かせください。
#139
○国務大臣(小宮山洋子君) 暑さ対策というのは、各戸ごとにクーラーを付けているということをやっているだけというか、やっているわけですけれども、光熱費については、冬の場合にも、追いだき機能がない中で、また入るたびに沸かすと光熱費が掛かるというようなお話もありました。そういう中で、やはり、これは復興庁中心になるんでしょうか、それは政府としてどのような形で、今御提案があったことも含めて対応ができるのかは検討をするということだというふうに思っています。
 それから、御質問直接じゃありませんけれども、その追いだき機能については、本当に国会の各委員会で多くの党派の議員の皆様方から、是非これは必要だということで、こんな形もある、こんな形もあるという御提案もたくさんいただいた中で、希望される方には、本当は二年ぐらいの間に復興住宅ができればいいんですけれども、なかなかできない中で、三回寒い冬を越すとなると、私も仮設、もう何回か行かせていただいていますが、一番御要望強いのが追いだき機能だったんですね、実は。今回、希望される方には付けるという形にいたしました。
 ただ、そのことと復興住宅を早く造るということは、また別というか、そのことはもちろんきちんとやるということだというふうに考えています。
#140
○熊谷大君 大臣、確かにおっしゃるとおりなんですけれども、猛暑で犠牲になる方、本当にたくさんいらっしゃいます。仮設、特に多いというふうにも聞いておりまして、数値でも出ておると思います。この震災関連死でも、犠牲になられる方は皆お年寄りの方ですよね。お年寄りの方ということは、震災弱者又は本当に社会的に見ても弱者なのかもしれません。これから何か生活再建していこうというふうに考えても、もう年金暮らしでお金どういうふうに調達したらいいのか分からないというような、なかなか希望を見付け出せないような方々も多いというふうに私は仮設住宅を回っていて認識しておりますので、是非、寛大な措置をしていただければなというふうに思っております。
 震災復興の先の見通しがなかなか見えてこないという中で、体力もこの暑さの中で奪われていく、そして精神的にも参っているところに、また追い打ちを掛ける形でいろいろ政治、国政の方でもどたばたが繰り返されると、私も被災地代表の者として、国会議員は一体国会で何やっているんだというふうに率直にクレームというか、批判というのを承るんですけれども、私は自民党出身ですので、全部民主党さんが悪いんですということで言い逃れをしているんですけれども、この場をお借りしてそれは報告をさせていただきます。
 もう大臣がおっしゃったとおり、震災直後はDMATさんの活躍なんかで何とか急場をしのげたというふうなこともあったんでしょうが、最近は本当に、それこそ大臣も危機感を持っていらっしゃったように、見守り又は見回りをしてくださる方が、やっぱり極端に仮設住宅では減っているというふうに聞きます。
 さらに、みなし仮設に至りますと、なかなか所在が分からない。行政はもちろん分かっているんですけれども、もっと民間レベルの方で、今いろいろ友達とか知人なんかが、やっぱり連絡先が分からなくなっているということで、いや、まあ行政の方にはいろいろ相談できるんですけれども、本当に心の打ち解けた、じゃ、相談とか支援体制がなされているかというと、なかなか難しいんではないかなというふうに思っております。
 こういった意味でも、ハードに、まあハードと言うと何になるかというと、ここではちょっと言い回しを避けるんですけれども、もっとソフトですね、人に対するお金を、予算というか、を付けて、見回り事業でありますとか又は見守り事業にお金をもっと投資していくべきではないか、又はPDCAサイクルではないんですけれども、そういった結果が今は数多く出されているんではないかなと思います。
 大臣、人にもっと投資していくという考え、どのようにお考えでしょうか。
#141
○国務大臣(小宮山洋子君) 今おっしゃったような面からと、あと、生活再建するためには必ず仕事があって雇用がないと再建ができないという意味からしても、厚生労働省は「日本はひとつ」しごとプロジェクト、ここは大変力を入れてお金も付けてやっていますが、その中で今のような、その見守りとか見回りとか、これを、地域のNPOの皆様などに力をお借りしてやるような事業も、これは市町村が使い勝手いい形でやっていますので、そういう意味では、厚生労働省は人にお金を投じているというふうに思っています。
 おっしゃったように、必要な仮設とか、みなし仮設はおっしゃるように点々としていてまとまった仮設住宅ではないので、これは地元の自治体ともいろいろと情報を共有しながら、そうした皆様にも、アウトリーチを待っているのではなくて、行っていろいろと伺えるような形も取りたいと思っていますし、心のケアも含めて、各被災県、市町村とも連携を取りながら、今可能な形は取っているつもりでございますし、おっしゃるように、そのソフトの部分、人については厚生労働省はしっかりと対応してきているつもりですので、また足りないところがありましたら具体的に御指摘をいただければというふうに思います。
#142
○熊谷大君 後ほど、あと、雇用と心のケアについてもちょっと言及をさせていただきたいというふうに思っております。
 ちょっと災害救助法の関連で質問をさせていただきたいと思います。
 災害救助法の応急修理制度、これ、大変被災した皆さんには助かる政策だったんですけれども、まあ残念と言うと語弊があるかもしれないんですけれども、今年の三月三十日にその申請が締切りになりました。しかし、締め切られた後に、例えば石巻管内では数百件の、もっと再開をしてくれと。仙台市でも六百件ぐらいが、もっと延長はないのか、再開の有無はどうなんだという問合せが続々入ってきているんですね。
 というのは、これもお年寄りからよく聞くことなんですけれども、当時は、本当に震災直後なんかは、ずっと市役所でも町役場でも行列だったんですね。役場の人も役所の人たちも、まだどのように対応していったらいいのか、どのように申請を受けて許可をしていったらいいのか、申請を受けたらいいのかというのが手探り状態の人たちが多かった、もうお互いですね、双方、多かったものですから、なかなか時間が、申請してから許可が下りるまで時間が掛かったということが混乱期にありました。そういった意味では、お年寄りは、やっぱり立って並んでいるのはきついということで、この申請が一段落したら申請しに行こうというような人たちが多かったようです。
 さらに、三月十一日の沿岸部の津波の被害、もう映像は皆さん御覧になったとおり、あの衝撃で沿岸部の被災はひどいということが喧伝されて、又はマスコミでも取り上げていただいたんですけれども、実はその後、四月七日、御存じのとおり四月七日に最大級の余震がありました。内陸部では大分、四月七日の最大余震で被害を被った人たちがいます。
 そういった中で、二回の被害を受けて、またもしかしたら大きな余震が来るのではないかと、もしかしたらそのときまた申請に行かなければいけないんではないかということで、日々の雑事とか思い煩いが多くて、申請の締切りまで間に合わなくて行かなかった、又は、いろいろな応援部隊の人たちが入ってきてくれたものですから、人によってその査定の仕方がばらばらというかちょっと基準が曖昧なところがあって、不服を申し立てているうちに締切りが終わってしまったというような方々も非常に多く、意見として私のところにも、又は意見書としても出てきております。
 そういった意味で、この災害救助法の応急修理制度の延長というのを是非考えてみてはいかがかということを提案させていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#143
○国務大臣(小宮山洋子君) 災害救助法による住宅の応急修理制度、これは、災害のために住宅が半壊以上の被害を受けて、その破損箇所を修理すれば日常生活を営むことができる場合に必要最小限度の修理を行うもの、これは救助の実施期間は元々は災害から一か月と規定をされているものなんですね。ただ、東日本大震災の場合は被害が非常に大きかったため、応急修理の申請に時間が必要だと。そのため、県と協議をした上で、ほとんどの市町村では昨年の八月あるいは十二月まで延長しまして、特別事情のある仙台市などは今年の三月末まで延長をしてきたという、経緯がずっとあって延長してきたものです。
 この制度の目的としては、個人資産としての住宅の損害補償をするというのではなくて、応急救助として実施をしていますので、この再開というのは残念ながら難しいというふうに考えています。
#144
○熊谷大君 大臣のおっしゃることは本当に重々よく理解しているつもりなんですけれども、やっぱり苦しんでいるのはお年寄りとか災害弱者。つまり、車で役所の方に行きたくてもなかなか行く交通手段がなかったとか、かなり離れたところに住んでいる、役所からかなり離れたところに住んでいて、なかなか申請したくても足がなかったなんという方々も結構いらっしゃいますので、是非そういったところも寛大な処置をお願いできたらなというふうに思っております。
 続きまして、被災地の弱体化した医療制度の立て直しについて質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 今回、地域医療再生臨時特例基金、これが、会計検査院の指摘でも、二十二年度末での執行率一二・一%、二十三年度末時点でも執行率が一八・九%という、非常に低迷をしている状況でございます。これが、この基金は二十五年度で終了予定でございますので、こうしたことを考えますと、しっかりと執行をしていかないといけないんではないかなという立場で質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 今、宮城県内の事情でございます。もう大臣、重々御存じだというふうに思っておるんですけれども、石巻圏内では現在お産が、いわゆる子供を産むということですね、これがなかなか難しい状況になってきております。これは被災地だけでなく日本全国大変厳しい環境でございますが、被災地は特に震災後、従来も非常に厳しい医療環境だったわけでございますが、更に被災各地では苦境に立たされているというふうに、私のところにもいろいろな問合せが入ってきております。
 例えば、石巻の医療圏内におきましては、赤十字と市内の四診療所が、皆分けながらそれぞれ担当をしておったんですけれども、そのうち二つの診療所が今回の津波で閉院に追い込まれました。このため、大きな赤十字病院に殺到して、赤十字病院では出産が震災前の倍の百件にも上る、急増している状況でございます。もちろん、理由は津波によってその二つの診療所が閉院になったということもあるんですけれども、仮設住宅で暮らす親御さんを励まそうということで、宮城県外に出ていた子供世代の人たちが里帰り出産をするということでも増えているというデータがございます。
 こうした沿岸部での病院の事情が悪化している状況に対して、大臣、どのような施策を取られているのか、取組をお聞かせください。
#145
○国務大臣(小宮山洋子君) 各県に対して支援を行っていますけれども、例えば宮城県に対しましては、平成二十二年度の補正予算ですとか二十三年度の第三次補正予算で、今御指摘のあった地域医療再生基金として合計五百十四億円を交付していまして、被災地での医療機能の回復に向けて支援をしています。
 この地域医療再生基金につきましては、宮城県が策定をした地域医療再生計画や医療の復興計画、これで使途を定めているということで、今後その事業を具体化するに際しまして、全壊した医療機関の建て替え整備、先ほど申し上げたように、どこに行うかということなどについて、公営住宅などの近くにというような御希望もあるかと思いますので、その地域の町づくりの構想と一体になって一番良い形でできるように検討する必要があると思っています。
 また、そこでの、先ほどおっしゃった産科のことについては、全国的にこれは産科とか非常に診療科のお医者さんが少ないということもありますので、そうした人手を確保するためにもこの再生基金は使えるようになっていますので、地域の実情を伺いながら、その計画に基づいて一番良い形で使えるように厚生労働省としてもバックアップをしていきたいというふうに考えます。
#146
○熊谷大君 大臣おっしゃるとおり、実情に沿いながらということでありますと、東北大学が行った宮城県沿岸部での調査では、二〇一一年の二月から十月に出産した母親を対象に行った調査では二〇%以上が産後うつの疑いが出ているという結果も出ています。これは通常だったら一〇%から一五%なんですけれども、それを上回った結果になっていると。これは妊産婦のケア、後ほど心のケアということは言及させていただきますが、かなりそのケアが遅れているというような状況も指摘をさせていただきたいというふうに思っております。
 これ、宮城県内の病院の仮設診療所又は移転をしたというのがこれ五十一件でございまして、従来より医療体制が脆弱なのに加えて、医師、そして看護師の確保が大変困難な状況でありまして、また内陸の方に偏在していたり、より深刻な状況を迎えているのはもう大臣も御存じだというふうに思っております。
 そうした被災した医療施設の復旧状況、そして予算状況も芳しいものがありません。その原因と究明、厚労省の方でしっかりと、先ほど市町村に任せて、又は計画が出るまでというふうなお話だったんですけれども、やっぱりちょっとこれは、先ほどの震災関連死が一千六百人以上出ているという中で、任せているというだけではちょっと心もとないような気がしますので、国として何らか取組があるのかということをお聞かせください。
#147
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほども任せていると言ったつもりではないので、それは言い方が悪ければ改めて申し上げますけれども、地域の実情に合わせてやらなければ一番いい形では進まないので、実情をよく伺い、そこで立てられた計画をちゃんと尊重しながら、厚生労働省としても連携を取って協力しながらしっかり取り組んでいきたいという意味でございます。
 今の御質問ですけれども、被災地で必要な医療が提供されるには、医師ですとか特に看護師さんが足りないということもありますので、そういう医療従事者の確保ということが大変重要なので、今、厚生労働省としては、全国の医療関係団体で構成をする被災者健康支援連絡協議会、この協力はもう被災直後からこの協力を受けているんですが、そこの協力を得て、医療機関ごとのニーズに合わせた医師などの派遣調整を一つ行っています。
 それから、先ほども御紹介したような地域医療再生基金、宮城県には五百十四億円交付していると申し上げましたが、それは県の判断で医師とか看護職員の人材確保支援に活用できるようにしています。
 また、地域医療支援センター、これを各県造っていただくようにしているんですが、宮城県には今年の四月に、国の補助を受けて医師確保の支援などを行うための地域医療支援センター、これを設置をいたしまして活動を始めているところですので、今後ともその地域の取組と一体となって厚生労働省も力を入れていきたいというふうに思っています。
#148
○熊谷大君 大丈夫です、ちゃんとしっかりと大臣のおっしゃることは聞いておりますので。
 その実情に沿ったというところで、ちょっとこれは指摘しておきたいんですけれども、仮設診療所というのはあくまでも、大臣、仮設ですよね。しかも、診療所でございますので、入院用のベッドはありません。これ、やっぱり沿岸部に住んでいる方というのは、まだ残っていらっしゃる方というのは、やっぱり高齢者世代の方も多いし、若い世代でもしゃかりきに一生懸命働いて何とか地域を一日でも早く復興させようといって無理に無理を重ねている人たちが多いものですから、仮設診療所があることは大変有り難いことなんですけれども、やっぱりどうしても入院施設というものがないと、ベッドがないとなかなかつらいんではないかなというふうに私も見ていて思うし、またその現地の方もそのような趣旨のことをおっしゃります。
 その仮設診療所というのも、そういった意味で、災害時直後、すぐにDMATさんの、それのちゃんと仮設診療所が付いたもの、さらにポスト有事という形でも、ちゃんと拠点になるようなベッドを含んだそうした仮設病院のような仕組みも制度も、国としてしっかりと制度設計していくべきではないかというふうに思いますが、その点、いかがでしょうか。
   〔委員長退席、理事中川雅治君着席〕
#149
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員がおっしゃったように、一つの考え方としては、その仮設診療所をそういうときに役立つような仮設の、仮設ではあってもきちんとした病院にするという考え方も一つあるかと思いますし、また、先ほどから申し上げているように、その地域の復興計画の中できちんとした病院を造っていくということと、どこに優先順位を持ってお金を使っていくということかと思いますので、おっしゃるように仮設診療所はあくまで仮設診療所ですから、少しでもきちんとした入院のベッドもある施設を早く造らなければいけないということは確かなことですが、そのやり方についてはまたそれぞれの御希望がその地域にあると思いますので、それに沿う形でとにかく早くきちんとしたものができるように協力をしていきたいというふうに思います。
#150
○熊谷大君 先ほど大臣が少しちらっと言及していただきましたが、集団移転に伴って災害公営住宅がこれからどんどん各市町村造られていく、何か所にもわたって造られていくというふうに考えております。それに伴って、どうしても災害公営住宅に移られるという方は高齢者の方が多いというふうに思っております。又はそのようなアンケートも出ております。
 そうしたお年寄りの方に対して、集団移転するのはいいんだけれどもちょっと心に引っかかるところがあるというふうなようなことを言われることがあります。それで、何かを聞くと、大体災害公営住宅というのは広い敷地が必要ですので、そういう広い敷地があるところは元々何もなかったところで、もしかしたら田んぼしかなかったところかもしれないと。そういったところに行って、じゃ、買物するときどうなんだと。つまり、買物難民になってしまうんじゃないかと。じゃ、本当に安心をするために病院ってなければなかなか、私、持病持ちだからちょっとつらいよねと。又は、今まで通っていた病院にどうやって通えばいいのか、公共交通機関、足がないとなかなか行けないと。又は、災害公営住宅、これ厚労省さんに言うあれではないんですけれども、災害公営住宅、どうもエレベーターが付かないと。エレベーターが付かないんで、どうやったら一日の上り下りをするかということ、そういった本当に細々としたこと一つ一つを取っても、集団移転に対する心の引っかかりというのが出ていくんですね。
 先ほど、大臣、ちょっと本当に言及していただきましたが、そういった災害公営住宅、何もなかったところに対するそういった診療所をそういった基金なんかで造っていく、そういった柔軟な方法を取ることができるのかということを見解をお伺いしたいと思います。
#151
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員がおっしゃったとおりのことを私も伺っています。本当にどこかにきちんとした住宅が欲しいけれども、そこの周りが何もないところだと、特にお年を召した方は仮設などで今までよりも歩くことができなくなって更に介護度が増した方とかも増えていらっしゃるので、そういう意味では、地域の中で町づくり構想をどう持って公営住宅を造るかということに懸かると思うんですけれども、その際に、やはり地域医療再生基金、これを使って病院、全壊した医療機関の建て替えをするという場合に、それは御指摘の災害公営住宅も含めた、今後の地域全体の町づくりの中でその構想と一体的にそれを進めるということが一番いいというふうに考えていますので、必要な協力は厚生労働省としてしていきたいというふうに思います。
#152
○熊谷大君 是非具体的な協議会をつくって、その取組に積極的になっていただければと思います。
 続きまして、仮設住宅の入居の長期化に対して、要介護認定者に対する支援の策についてお尋ねをしたいというふうに思います。
 仮設住まい、もう一年五か月、短い人でも一年三か月とか四か月だというふうに思って、まあ平均して、もう震災があって直後ですから、かなり長い期間住まうことに伴って要介護認定者が非常に増加しているという現実がございます。被災したデイサービスの復旧もなかなか進んでいない状況下、現場では施設も介護職員の人材確保も、需給の乱高下というふうにとらえてもいいと思うんですけれども、そのこともあって上手に進んでいないというのが現状でございます。
 この要介護認定者の急激な増加に対して妥当な施策は取られているのかということを質問させていただきたいと思います。
#153
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほども申し上げたように、特に仮設などで、前が砂利道で押す車が押せなかったりとかで歩けなくなったりで要介護認定が上がった方も増え、介護人材の確保というのが、全国的にもそうなんですが、特に被災地で需要が高いということはよく認識をしています。
 その確保のために、福祉人材センターですとかハローワークで就職フェアを実施をしたり、福祉人材のコーナーをつくりまして、その分野に就職を希望していらっしゃる方、担当者制できめ細かくしっかりとその就職に結び付くような支援をしているということ、それから、求人の事業者のニーズの把握と求職者のマッチングのための取組を行ったり、あと、また公的な職業訓練などの実施で介護分野の人材を育成をすること、そうしたことを推進しているところです。
 また、平成二十三年度の第三次補正予算で、被災によって介護福祉士の養成施設の学費などの支払が困難になった学生に対しまして、修学資金の貸付けに必要な原資、十七億円ほどですけれども、それを確保しました。
 それから、宮城ではないんですけれども、福島県では、県の社会福祉協議会を始めとした関係団体と厚生労働省で構成をします福島県相双地域等福祉人材確保対策会議、これを設置をいたしまして、応急的な措置として、近隣の県などから三か月程度の短い期間での応援職員を募集をして、今働いていただいているところです。
 これからも、介護サービスをちゃんと確保していくためには人材確保が必要ですので、その養成も含めて取り組んでいきたいというふうに考えています。
#154
○熊谷大君 本当に手厚い取組だと思うんですけれども、なかなか現実、その対策で現場のニーズに追い付いていくのかというのが非常に心配なんですね。というのは、四十二市町村の認定者、被災地ですね、二〇一二年の三月末、岩手県で一万五千三百五十五人、これ前年比で九・二%増加、宮城県で六万三千二百七十四人、これ一三・四%です。福島県では二万八千八百三十八人、これも前年比一三・一%増加です。とんでもない急増なんですね。これに対して派遣応援していただいた数が、岩手県で二百八十九人、宮城県では一番多くて九百九十九人、福島で百四人の合計一千三百九十二人なんですけれども、どうしてもまだまだ足りないし、これこそスピード感を持ってやっていっていただかなければ、なかなか長期化に伴う彼らのニーズには追い付いていかないのではないかなと。
 全体で見ると、数だけでいうとちょっと具体的にぼけてしまうんですけれども、例えば女川町というところ、デイサービス、三か所、震災前ありました。それが二か所被災してしまいまして、一か所しかなくなってしまったんですね。そうしたら、一か所に集中せざるを得なくて、もうにっちもさっちもいかない状況なんですね。こうした町、小さな町がたくさんあるということを是非大臣にも御理解いただいて政策を取っていただきたいなというふうに思っております。
 続きまして、雇用について質問をさせていただきます。
 先ほど大臣もおっしゃったように、ミスマッチが相変わらず多い、そして大きな課題でございます。そして、そのミスマッチの対象となるのは、大体、本当によく聞くんですが、これは大臣、ジェンダーの何とかがあるということでとらえないでくださいね、よく聞くのは、高齢者、大体六十代以降の、しかも男性の方がどうしても求職から漏れてしまうというふうなことを聞きます。私も仮設を回っていて、どういう職業が応募されているんですかと聞くと、もう大体、瓦れき処理とか、いわゆる何の資格もなくてできるような清掃とか、そういう雇用はもう終わってしまって、大体、何か有資格、専門家とか技術者とか、そういった人たちの就職が求められている、雇用が求められているということで、どうしてもなかなか六十代以降の男性の求職者の就職がままならないということを、就労支援員なんかの方々にも数多く意見を聞きますと、そういった結果が出ています。
 厚労省の皆さんからもレクをしていただいたんですけれども、いろいろ、給付付き訓練とか、先ほど大臣がおっしゃったように、資格が取れるということもあるということも、政策は取られているんですけれども、そういった政策も全員が全員受けられるわけじゃないんですね。必ずそこから落ちてしまう人たち、そういった人たちが大体六十代以降の男性だというふうな意見を聞くんですが、そういった方々に対してどのように救済策を持っていくのか。ちょっと難しいと思うんですけれども、大臣、お聞かせください。
#155
○国務大臣(小宮山洋子君) やはりなかなか、長年働いていた職場がなくなって、いろいろ転換もしにくい、また年齢で切られてしまうということもあって、高齢な男性の方が職がないということは私も直接お話も伺っています。
 ハローワークなどでのニーズに基づいて、例えば職業訓練でも、情報通信分野の訓練とかそれから建設機械の運転技能ですとか、そういう特別訓練コースをつくったり、あるいは高齢の方が受講しやすい住宅リフォームの技術科ですとか造園科、こういうような多様な訓練コースを今積極的に設定をしながらやっているところです。
 それからまた、高齢な方を積極的に活用するなど雇用面でモデル的な事業で自立によって雇用創出が期待される事業、これを自治体がNPOや民間企業に委託して実施をする、これも「日本はひとつ」しごとプロジェクトの中の市町村の使い勝手いいものという形でやっているので、その対象にも高齢な方はしているところです。
 また、ハローワークでも、私が行ったところでも、担当者制で一人が必ず寄り添ってやるというようなこと、一つ求人が来れば複数の人に対してそれをちゃんと紹介をして必ず誰かに結び付けるようにすることなど、なるべくきめ細かに高齢な男性の方にも仕事に就いていただけるように努力をしているところです。
 まだまだミスマッチがあって成果が十分上がっていないということもよく承知をしていますので、更に力を入れたいというふうに思います。
#156
○熊谷大君 そのミスマッチなんですけれども、私もやっぱり複雑だなと思ったんですけれども、働き口があるから、そのまま、じゃ働けるから働くかという、そういう段階でもないんですね、一年五か月たって。
 非常に皆さん御努力されて、御尽力されているというのは重々理解しているんですけれども、というのは、心理職、後で言及しますと言ったんですけれども、やっぱり被災地に行って聞いてみると、どんどん復旧は遅いけれども一歩一歩前に進んで、普通の状態にだんだんなってくればなってくるほど考えなくてもいいことを考え始めるとか、余りいい表現ではないかもしれないけれども、余計なことを考え始めるということも、又は先々のこと、生活のことを考え始めるとなかなか一歩前に踏み出せないという、非常な複雑なやっぱり被災者の心理状態も反映されているのがそのミスマッチの現状なのかなというふうに思っています。
 そういった意味で、私は文科関係なものですから、よく子供たちにはスクールカウンセラーを、スクールカウンセラーをという話をしたんですけれども、どうもスクールカウンセラーを派遣しても、そのスクールカウンセリングを受けた子たちも家庭に帰るとまた同じような心理状態になって学校に戻ってくるというんですね。というのは、親御さんがやっぱり失業状態であったり又は複雑な状況であったりすると、やっぱり根本的な解決にならないと。
 そういった意味で、そういった家庭を、又は失業された皆様を励ます、又は話を聞いてあげる、カウンセリングしてあげるという心理職の皆様の派遣、増派ですよね、もっと増加して、もっと本腰を入れてやっていかなければいけないというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#157
○国務大臣(小宮山洋子君) これもおっしゃるとおりだと思います。そういう広い意味での心のケアですね、これが必要になることはもう震災が起こった直後から分かっていましたので、子供たちの面も含めて、そうしたことはなるべく各県などとも話をしながら、どういう形があるか、また、心のケアなどに取り組んでいらっしゃるNPO、民間の方もたくさんいらっしゃいますので、そういう方の知恵もいただきながら検討をいろいろさせていただいてきています。
   〔理事中川雅治君退席、委員長着席〕
 平成二十三年度の第三次補正予算で二十八億円を確保しまして、これで岩手、宮城、福島の三県に心のケアセンターを造りました。各県の心のケアセンターでは、保健師、看護師、精神保健福祉士のほかに今おっしゃったような臨床心理士が配置をされています。こうした専門職が、保健所ですとか市町村と連携をしながら、被災者の御自宅ですとか家庭、仮設住宅などを訪問してアウトリーチという形でやってきているので、必要に応じて職員を増員をして、心のケアの充実を今図っているところです。
 ただ、日本全体でこういう専門職というのはもうずっと少な過ぎるという問題点が、これはもう子供の虐待にしても何にしてもずっと指摘されてきましたが、相変わらずやはり少ない中で、今、臨床心理士三十人いるんですけれども、このうち十一人が厚生労働省が募集をしたものに応じて行っていただいている方たちなので、少ない中でもその心理職、これは心理職などを養成をするということも一方で必要だと思いますが、今いらっしゃる方で募集を掛けて、少しでもケアができるようにということで今努力をしている最中でございます。
#158
○熊谷大君 専門家が少ないということは、本当に実感として認識しております。そこで、それを一気に解決するようなところを私ちょっと視察をしたんですね。
 というのは、瓦れき病院というふうに言われているところがございまして、私、我が党の自民党の青年局でチーム・イレブンというのを今組織しております。そのチーム・イレブンというのは、小泉進次郎青年局長が中心になって毎月十一日に岩手、宮城、福島の被災地を訪問させていただいて、そこで繰り広げられている施策であったり試みであったり、そういった、又は仮設に住まう人たちの実情や内情というのを全国発信していこう、又はこうやって委員会で質問をしていこうということでやっているんですけれども。
 今月八月十一日は宮城県の東松島市というところに視察に入らせていただきました。そこは瓦れきの仮置場がありまして、そこの、大体、今まで瓦れき処理というと大手ゼネコンさんにお願いしていたりして、なかなか資金が地域に落ちなかったり、地域の雇用に回らなかったりしたところがあるんですね。その東松島市は、地元の建設業界の協会の会長が音頭を取ってピラミッド式の組織をつくって、全て建設業協会が音頭を取って瓦れき処理をしているというところなんですね。
 それで、何がすごいかというと、地元の人たち、大体千二百人から千五百人を雇用して、七〇%近くがその土地の人たちだというんですね。日給八千円を払って、手作業で仕分をしてもらうと。結局、機械でやれるところを手作業で行って、それで雇用を創出して、地元にお金を落としていきましょうという仕組みなんですね。
 これは建設業界の会長に聞いたら、やっぱり阪神・淡路大震災の反省があると。阪神・淡路大震災も、復興バブルというふうに言われていて、三年、四年は建設業界は非常に景気がいい期間が続いた。しかし、大手ゼネコンさんが手を引いたら、地元の工務店さん、建設会社さんは皆、軒並みつらい立場に陥ってしまったというところの反省を踏まえて、全て自分たちでできるところは自分たちでやろうというふうに、平成十五年に北部地震というのを経験した経験から、その教訓からも、いろいろなことを応用して試みているところなんですけれども。
 そこに行って驚いたのは、被災者の皆さんが、その仕分している、おばさんたちが多いんですけれども、非常に明るいんですね。なぜ明るいかというと、そこの職場に行けば給料も出るし、被災した自分たちの状況とか実情なんかをお互いに共有できるというんですね。ああ、あなたもそういう津波を経験しましたか、あなたもですか、ああ、あなたはおばさんを亡くして、私は身内をこういうふうに亡くしてと、そこでいろいろな話ができるんですね。自動的に、そこに行けばもうカウンセリングをしている、交流すればそういった自分たちの人生を共有できるという場がつくられて、非常に効率よく、又は被災者の心にとっても非常に有効的な政策が取られているんですね。
 そこに働きに来ている人は、津波で壊滅的な状態にあった水産加工業者に勤めていた人なんですね。なので、その人たちがその瓦れき処理、仕分をしなければ、そのまま生活保護に行っていたかもしれないんですね、失業保険が切れたら。そういったことを防ぐためにも、その瓦れき処理でお金を落としているということで、非常に私は先進的な取組だったなと。その建設業界、東松島市長も東松島市方式という話をしておりましたが、これは今後とも非常にいい政策になるな、又は雇用政策だなと思います。
 さらに、ちょっと提案なんですけれども、これからどんどん地元にお金を落としていかなければいけないということは言をまたないと思うんですけれども、被災者の心のゆとりを生むという意味では、地元の美容師さんとか床屋さんとかも非常に大きな役割をしていて、もう床屋さんに行ってきれいになって、心にあったわだかまりも全部吐き出して、心もすっきり、精神もすっきりして帰っていくなんということもよく聞かれることです。なので、そういった人たちにも雇用、ちょっと難しいと思います、どのような方法があるか分からないんですけれども、もうお金をどんどん、理容師の人たちとか美容師の人たちにもお金を落としていくというのも非常にいい方法だと思います。
 さらには、語り部、これは全員できるんですね。震災を経験した方々にどんどん語り部になってもらう。こういった方たちに観光業としての、まあ行く行くですね、先々の、もしかしたらたくさん被災地に、被災の現場はどうなっているのかというふうに見に来てもらえるかもしれない、そういった人たちに対する語り部をするという、経験を教訓としてお伝えするということでも、これ十分な雇用につながっていくと思うんですね。
 さらに、もう一点だけです。語り部もありますし、美容師さんもあるんですけれども、さらに、これから西日本ではもしかしたら大きな地震とか津波が来るかもしれない。これよく言われることなんですけれども、体育館での、又は公民館での避難所の運営ってどうやられたんですかというふうに聞かれることが多いんですね。一気に、小学校とか中学校でも、今までになかったように千人とか二千人規模で避難してくる人がいるんですね。そういった方たちがどのように避難所を運営していったのかという、これも非常に経験則として、被災地に住まわっている、仮設に住まわっている人なんかはよく理解していて、又は動ける人たちなんですね。そういったことを経験として西日本の人たちに共有していくということも、非常に大きな、これは日本のために、災害列島と言われる日本のためになるのではないかなというふうに思っております。
 そういった柔軟な雇用政策という、これは難しいと思います、難しいと思いますが、柔軟に雇用政策をしていくというのも重要になってくると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#159
○国務大臣(小宮山洋子君) 具体的に幾つかの御提案をいただきましたので、どのようにしてそれがうまく組み込むというか、やっていけるかというのは、またお知恵もいただきながら検討をさせていただきたいと思います。特に、理容、美容というのは、もう本当にそこがきれいになっただけで、今高齢社会の中でもすごく福祉的な面も見直されているところですので、そうしたこととか語り部のこととか、是非またお知恵もいただきながら検討させていただければと思います。
#160
○熊谷大君 以上です。
 大臣の柔軟な姿勢をよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#161
○委員長(山本順三君) この際、委員の異動について御報告をいたします。
 本日、森ゆうこさんが委員を辞任され、その補欠としてはたともこさんが選任されました。
    ─────────────
#162
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。加藤修一君。
#163
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 今、〇%とか一五%、あるいは二〇から二五%等々含めて、原発の関係について国民的な議論が深まっていると考えております。あるいは、討論型の関係についても進んでいるやに聞いております。
 我々公明党も、原子力の政策については、やはり原子力に依存しない社会を目指す、あるいは新増設を行わない、あるいは法律で原則的に四十年の寿命でありますので、最終的に、前に言った二つの件も含めて論理的にはゼロ基になるということでありますので、寿命四十年ということになってきますと、二〇五二年というかなり遠方のお話になってまいりますが、ただ我々としてはやはり五年でも十年でも早くというふうに言っております。
 この延長で考えていくのは、やはり十五年でも二十年でも早くということで考えてまいりますと、二〇三〇年には場合によってはゼロ基ということも考えられなくはないというふうに思っております。その理由の一つは、やはり我々の政策の中では、再生可能エネルギー、これを二〇三〇年には三〇%というふうに考えておりまして、ただ、これは大規模な水力含んでいないわけですので、それを入れますと三九%、かなり大胆な数字でありますけれども、約四〇%という話になってまいります。
 それで、その引き算をしますと、一〇〇から約四〇を引くわけですから六〇%という話になってまいりますと、政府が出されているこのシナリオの二〇三〇年の姿の中で、現況の二〇一〇年、火力発電所は六三%ですから、そうなりますと、六〇%と六三%という意味を考えてまいりますと、代替的なエネルギーとして火力発電を考えるということを、残りの四〇%というふうにそのような条件で考えた場合には、二〇三〇年にゼロ基になるというのが政策の中身だと私は実は理解しております。
 こういう議論が各党でなされていると思いますし、せんだって古川大臣は閣議後の発言で、原発ゼロ基ということについても共有をしていると、そういう趣旨の報道がありましたけれども、この辺についてはどのようにお考えか、お示しをしていただきたいと思います。
#164
○国務大臣(古川元久君) 昨年の福島の原発事故を受けて、多くの国民の皆さん方が原発に依存しない社会をつくっていきたいというふうに思っている、私もそういう思いを共有をしていると。これは、閣議後の会見で申し上げたのはこの前のときでありますけれども、既にそうした私自身の個人的な思いというのは自分のホームページなんかでも原子力発電に関する考え方として述べさせていただいております。そうした私の個人としての思いというものを述べさせていただいたものであります。
#165
○加藤修一君 それはそれなんですけれども、私は早期に廃炉にやっていく、それをインセンティブを付けてやっていかなければいけない背景の一つとしては、やはり核のごみですよね。高レベルの放射性廃棄物、これについてはなかなか明確な示し方がされていないと。どこに具体的にそういうものを処分するということについても、法律は作られておりますけれども、その辺が明確になっていないということであります。
 これは、せんだってNHKでも報道された話でありますけれども、日本学術会議が、この関係については原子力委員会の方から委託を受けた調査内容でありますけれども、地震や火山が活発な日本で数万年以上に及ぶ長期にわたって安定した地下の地層を確認することは現在の科学では限界があることを自覚すべきだと、そういうふうにレポートの中に書かれているようでありますが、それから、高レベル放射性廃棄物を数十年から数百年程度、地上や地下に暫定的に保管し、猶予期間を利用して技術の開発や国民的な合意の形成をすべきだと主張しているというふうに書いてございます。これは、要は根源的な課題で行き詰まっている、やはり、この処分場の候補地選びは難航している、捨てる場所は決まっていない、国の方針に転換を迫る一方、問題の解決を先送りするような内容になっていると。こういう報道ですね、あくまでも、報道があるわけでありますけれども。
 私も、先ほど申し上げましたように、やはり早期に廃炉に追いやるというのはこの面の部分が全く解決ができていないということが私が考えている範囲でありまして、高レベル放射性廃棄物の関係については、人が近づくと十数秒程度で致死量に達するレベルの極めて強い放射線が出ている、その円筒の入れる入れ物の関係でありますけれども、その影響は数万年以上に及ぶということですので、十万年ぐらいは人から隔離されたところに入れておかなければいけないという話なわけですけれども、こういう問題についてやはり政府は積極的に進めていかなければいけない部分も責任としてあると。しかも、今後、使用済燃料棒のことを考えてまいりますと、十年ぐらいでもう原子力のサイトの中は満杯になると、そういう話も当然ございますので、ここはやはり国の責任、役割というのを明確にしなければいけない。もちろん、我々、政党政治家ということについてもここは明確にしなければいけない。
 であるならば、やはりそれはなるべく早く止めることができるならば、そういうものがどんどん流され続けてどんどん積み上がっていくという、そういう事態を避けなければいけないということは私は自明の理だと思っておりますが、古川大臣、この辺について所感があればお聞きしたいと思っています。
#166
○国務大臣(古川元久君) 先ほど御指摘がございました学術会議の報告書に関しましては、これは学術会議が原子力委員会からの依頼に基づいて今委員会を設置して審議中であるわけでございます。この中身についてはまだ私も承知をいたしておりませんので、今コメントするという状況にはないというふうに思っております。
 ただ、一般的に申し上げて、今お話が挙がった使用済核燃料をどうしていくのか、また高レベル放射性廃棄物に関してどうするのかと、このことについては、これはやはり考えていかなければいけない問題をずっと先送りするというわけにはいかない問題ではないかというふうに私個人としては思っております。
#167
○加藤修一君 私の趣旨は、要は制約が厳しくなってきているということなんですね、原発立地の制約が厳しくなってきていると。しかも、それは稼働させていくための制約が厳しくなってきているので、できるだけ早期に廃炉にすべきであるというのが私の主張の一つであります。
 それで、高レベル処分法案の仕組みをつくったのが高レベル処分問題懇談会ということも一つの役割であったというふうに理解しておりますが、当時、電気事業連合会会長の荒木浩東電社長、当時でありますけれども、原子力を始めた当初は高レベル廃棄物は一生使っても豆粒一つぐらいと思っていたと、電気事業者でありながらこんなに大変な問題であることを初めて知ったということを開陳しているわけでありますけれども、そういう認識が電気事業者に当時あったとしたら大変な話だと思うんですよね。
 私は、当時、半世紀前に原子力がスタートしたころと状況はかなり変わっていると、一変していると、こういうふうに言わなければいけないなと思っております。それはなぜかといいますと、当時は日本の経済どうやって上向きにさせるかということで、そのアキレス腱になるのがエネルギー問題であるということでありましたので、そういった観点も含めて原発を推進していかなければいけないということだったと思うんですよね。
 それと同時に、放射性廃棄物の関係も、先ほど電事連の会長の話を紹介いたしましたけれども、三十年、四十年たてば科学技術でそういった問題も解決できるだろうと、そういう節があったように、私はいろいろな調査をしていく中で気が付きました。
 しかし、今その状況は一変していると思います。もちろん、まだまだエネルギーの安全保障上の問題というのは日本の大きな課題でありますけれども、しかし一方で、足下に未利用のエネルギーが相当大規模で残っている、眠っていると、そういうことでありますし、それに対応する形で実はもう再生可能エネルギーの技術が相当進んでいることを考えてまいりますと、状況が一変しているというのはこういうことでありまして、やはり足下のエネルギーをいかに活用するかということが極めて重要なテーマに私はなっておると思いますので、まさに今政府が進めようとしておりますグリーンシフトということを大々的に更に一層積極的にやっていくことだと私は強く思っております。
 質問通告しておりませんが、古川大臣、この辺、どうでしょうか。
#168
○国務大臣(古川元久君) お答えいたします。
 この点に関してはまさに委員と私ども認識は共有をいたしておりまして、原発からグリーンへと、原発の依存度は下げて、その代わりのやっぱりエネルギーは基本的に再生可能エネルギーであるとかあるいは省エネやあるいは蓄エネと、そういったものを進めて、環境にもCO2を排出しないような形でのやっぱりそうした方法を進めていく。だからこそ、日本再生戦略でもグリーン成長戦略を最重要の成長戦略とも位置付けております。
 この分野においては、私どもは、大きなエネルギー分野は可能性のある、経済成長という視点からも可能性のある分野だというふうに考えておりますので、そこのところはフルスロットルで促進をしていきたいというふうに思っております。
#169
○加藤修一君 そこは非常に共有できる部分でありますので、もう積極的に更に進めていただきたいと思います。
 それで、先週も実は取り上げたわけでありますけれども、これは三・一一の事故によって放射性物質が放出された、飛散したと、全国エリアあるいは世界的にもこういったものが流れたということは事実でありますので、この関係で福島特別立法、法律がありますけれども、福島県人だけが健康調査等ということについては、私はそうはあってはいけないんではなかろうかということで、今日、皆さんのお手元に三枚の紙が配付をさせていただいておりますけれども。
 一つは、これは法律案のいわゆるポンチ絵と言われているものでありますけれども、周辺住民等の不安解消あるいは継続的な健康管理を図ると、そのために平成二十三年東京電力原子力事故に係る健康調査等事業の実施等に関する法律案ということを、これは六つの野党で共同提出をこの参議院で提出し終わっております。これは、国の役割、責任を明確にすると、そういった意味では法定受託事務にすべきであって、自治事務ということはけしからぬと、そのように私は考えておりまして、せんだって細野大臣に聞いたときも、この辺の関係については極めて分かりづらい答弁の繰り返しでありました。
 どういうことかというと、例えば、国も加えていただいて一緒に健康管理調査をやるとか、様々な県で取り組んでいただけるということであれば、私どもとしてもそれに対して様々な情報提供なども行ってまいりたいと。あるいは、各県の検討状況や取組について適切なアドバイスあるいは人を様々な面で派遣をするとか協議をすると、そういったことについてはこれしっかりと積極的にかかわってまいりたいという話になっているんですね。
 これは非常に国の役割、責任を逃げているような表現だと私は思っておりまして、昨年来からの国会における我々の質問に対して、国は全面的にこういう役割、責任については果たしてまいりますよと、そういうことにもかかわらず、今日の二枚目、三枚目の図にありますように、このぐらい広がっているわけですよね。
 福島県県境を越えてあちこちに飛散をしておりまして、例えば、三枚目の図でありますけれども、〇・五マイクロシーベルト・パー・アワーの関係を考えてまいりますと、奥州とか平泉、一関、これは〇・五ですよ。〇・五というのは年間に直しますと四・三八ミリシーベルトを超えるという話ですね、四ミリシーベルトを超えると。あるいは群馬県の川場、沼田とか、そういったところでも〇・五というのを見かける。あるいは千葉県の柏等々含めて、こういう広域に飛散している放射性物質の関係についてどのように考えているかというのが非常に私は大事だと思うんですね。
 それで、これは内閣府原子力被災者支援チーム医療班にこの辺の考え方についてお聞きいたしました。そうしますと、こういう答えが返ってきました。福島県民以外の健康被害が軽微であることからその対策の必要性がないとの判断に立っており、各県の要望に応じて健康調査等を実施する体制が適切であると考えていると。各県の要望ですよ。私のところの要望というのは、県民、いろんな県境を越えたところからの県民からの要望が強くあるわけですよ。あるいは都民からもありますし。
 ですから、私は、答弁であったように、国の責任、国の役割、これを明確になっていない内容になっているわけですから、そこは明確にすべきであるというのが先日来からの私の主張なんですよね。是非ここは対応を広げてやっていくべきだと、このように考えております。
#170
○国務大臣(細野豪志君) 非常に重要な御指摘だと思います。そこは誤解なきように申し上げておきたいんですが、福島健康管理調査は福島県からの御要望があって県が主体でやるという話になったわけです。ただ、私の方で強く申し上げてきたのは、これは国も直接関与すべきだと、是非担当者として入れてもらいたいということを再三お願いをしてまいりました。その中で、皆さんからも法律を通していただいて、環境省がその主要な役割をやらせていただけるということになりましたので、正規のメンバーとして九月からは入れていただけるということになったわけです。したがって、福島県民の皆さんの不安にできるだけこたえられるように、国としてまさに責任を持ってやるという体制ができたということであります。
 福島県に特段限定しているわけではありません。宮城県であれば、丸森町のように宮城県と福島県の県境で、例えば飯舘村なんかのすぐ近くのそういう地域もあるわけですね。私も直接そういう御要望もいただいてまいりましたので、宮城県と調整をしながら、そういう地域については様々な健康の問題について取り組むことについても一緒に努力をしてきたという経緯がございます。
 したがって、そういう中で、自治体でそれぞれいろんな思いを持たれますので、国として責任を持ってそうした声に対応していくというのが我々の取るべき姿勢であるというふうに考えております。
#171
○加藤修一君 私は不思議に思っていますのは、健康被害が軽微であることと言っているんですね。これは明確に確認しております、我々は。これ、福島県民以外の健康被害が軽微であることからやらないと。しかも、各県からの要望があるなしで判断しているという話になっているんですね。
 国がここは積極的にやるというふうに何回も国会で答弁しておきながら、こういう私は逃れ方はいけないのではないかなと思いますけれども。
#172
○国務大臣(細野豪志君) 決して逃げてはおりません。例えば、宮城県であれば丸森町が一番心配なので、まずそこをやろうということになりましたのでやらせていただきました。それぞれの地域でいろんな声がありますから、必要があればしっかりとそれにこたえていくという、そういう考え方でございます。
 お示しをいただいた表なんですけれども、例えば〇・五マイクロシーベルトという場合に、我々の計算の仕方では年間の積算線量でプラス二という、二ミリシーベルトぐらいの計算になります。ただ、実際にその地域でどれぐらいの放射線量を浴びるかということを計算をしてみますと、実際には、例えばその半分とか半分以下ということになるわけですね。
 例えば、年間積算線量で一ミリ多いということがどうなのかということに関しますと、我が国の一年間の大体外部の線量という、外で浴びる放射線というのが一・五とかその程度ですが、世界的な平均でいうと二・五ぐらいですから、この一ミリの差というのは、これはまさに健康という意味では問題がないと言えるレベルにあるわけですね。
 ですから、そういうレベルにあるものだから、例えばそれぞれの都道府県が、県がこれならば健康に問題がないという判断をしていること自体は妥当な判断でありますから、あとは住民の皆さんの不安にどのようにこたえていくことができるのか、様々な声がありますので、それに対してできる限りしっかり対応していくというのが政府の取るべき姿勢であると考えております。
#173
○加藤修一君 私は、今の大臣の答弁の中で、問題がないということは逆に私は問題だと思いますよ、そういう発言というのは。
 なぜかならば、ICRPの関係を含めて、この百ミリシーベルト以下の関係については、皆さん御承知のように、これは原子力規制委員会設置法の附帯決議の中でも、この部分についてはまだまだ論争的であるという言い方をしているんですよ。ここは知見を積み重ねて最終的な結論を得るような形にしなければいけないというふうになっているにかかわらず、その部分については全く問題がないというような発言というのは、私は言うべきではないと、撤回すべきだと思いますよ。
#174
○国務大臣(細野豪志君) 加藤先生、私が申し上げたのは、一ミリシーベルトというレベルのことは、これは健康には問題がないということで申し上げたんです。低線量、百ミリ以下については、疫学的な検査をしますと他の要因にこれは隠れてしまいますので、これまでの疫学的な調査でいうならば、これは全く影響がないとか何もないとかいうことは言えません。
 ですから、そこは我々として最大限対応すべく、二十ミリというところで線を引いて、二十ミリでも、これはもっと低い方が望ましいですから対応しておるわけですね。そして、いろんな意味で御心配がある地域については、健康管理のリスクについてこれはしっかりと政府として対応するということもやっております。したがいまして、何も問題がないとは申し上げておりません。
 ただ、私が申し上げたのは、例えば一ミリから二ミリとか、そういうところでまで全て何か心配をしてしまうと、これはもう本当に、かえって非科学的なことになってしまうので、そのレベルであれば健康に問題がないという、このことについて申し上げたわけであります。
#175
○加藤修一君 私が紹介した図表というのは、これかなり広い範囲で、スケールが大きいという話、大きいというのか、逆に小さいと言ったらいいんですか、要するにホットスポットの問題も当然あるわけで、住民の皆さんはかなり克明にそういった面については調べているわけで、その判断の下に何とか健康調査等についても要望があるわけですと、ですからそれに対して対応してくださいというのはあるわけですよ。
 だから、そういう要望がある中について、国の方で窓口が開いていないと。これは、窓口が開いているのはある意味では福島県民のみですよ、簡単に言いますと。それ以外について要望があることについて、どう対応しているのかという、そこの部分が欠落しているということを私は申し上げておりますので、ですから、国として昨年来相当強く皆さんも答弁されて、国の責任、役割を明確にするというこの関係について、そういうふうに何回も言ってきているわけですから、それはそれに対応した形の法律というのが作られてしかるべきだと私は思っております。是非考えてください。
#176
○国務大臣(細野豪志君) 窓口はしっかりといつでも開けておかなければならないと思っております。再三丸森の例を出して恐縮ですが、私も、地元に来てくれという御要望もありましたので、去年の恐らくこの時期だったと思うんですが、伺って御要望もいただきました。それを受けて、宮城県ともいろんな調整をして様々な取組をいたしました。
 ですから、窓口としては、法律を改正をしていただいて、環境省が健康管理のことについて対応するということになりましたので、体制をしっかりと強化をして、様々な皆さんの声にしっかりと常に門戸を開いて対応していきたいと考えております。
#177
○加藤修一君 窓口はしっかり開けておくというふうに言ったわけですから、それはユニバーサルな言い方だと私は思うんですね。そういう意味では、やはり法律で決めてやっていくことは非常に望ましい話でありますので、私は、もう一度そこについては法制化も含めて是非検討すべきだということを申し上げておきたいと思います。
 それから、これ、環境省がこういった健康調査等について主体的に行うと。従来は、もうなくなりましたけれども科技庁がやったり、経済産業省がこういった事故後の健康調査等はやってきたわけですよね。
 その前に、財務副大臣にお願いしたいんですけれども、これ、特別会計によって財源が決められています。特別会計に関する法律、これ、エネルギー特別会計の交付の在り方について、ちょっとその辺の仕組みについてお願いいたします。
#178
○副大臣(藤田幸久君) 御質問の点でございますけれども、エネルギー特会の法律施行令第五十一条第一項十九号についてという御質問だろうと思いますけれども、平成十一年、東海村でジェー・シー・オーの臨界事故がございました。その翌年の平成十二年に、当時の電源開発促進対策特別会計法、この施行令に追加をされたという経緯でできております。
#179
○加藤修一君 その関連で、原子力緊急事態を発生させた原子力発電施設等又は加工施設の設置がその区域内において行われていた都道府県に対して行うと書いてあるんですね。その区域内において行われた都道府県に対して行うというのは、福島の件をとらえると、施設がその県の中にあるからその県だけは対応しますよという、そういうふうに読み取るのが普通ですけれども、そうでよろしいですよね。
#180
○政府参考人(後藤収君) お答え申し上げます。
 特会法五十一条第一項十九号におきまして、今先生が述べられたように、原子力発電施設又は加工施設の設置があるその区域において行われた都道府県で行うということになってございます。
#181
○加藤修一君 そうすると、例えばの話でありますけれども、福島県と茨城県をまたいで原子力施設がある場合はどうなります。
#182
○政府参考人(後藤収君) 今の御質問でございますけど、施設が設置されているということでございますので、両県にまたがっている場合は両県になるというふうになると思います。
#183
○加藤修一君 今の答弁にありますように、要はその県の中にある施設の関係の話になってくるんですよ。だから、県を越えたことについては余り関心がないという施行令の話になっているんですね。つまり、これは、原子力敷地内でしか事故がある意味では起こらないというような想定なんですよ。今回のような事故のように県境を越えて飛散する、拡散するということは想定していないという、そういう対応なんですよ。だから、これは変えるべきなんですよね、こういうことについては。
 だから、三・一一前に作った原子力行政にかかわる法律というのは、原子力安全神話に基づいて作られているということになるんですよ。だから、原子力災害対策特別措置法もそうですよ。結局、こういう大変な事故が起こって、深刻なことが起こって初めてあたふたやっているんですよ。それは、十分政省令で対応してこなかったということが今回の事故が極めて深刻なことに膨れ上がったということになっているというふうに言わざるを得ないんですね。
 ですから、ここの部分については、私は、これは閣議決定で直せる話ですから、是非ここは直してください。誰に言ったらいいんですか。誰が答えたらいいんですか、これは。
#184
○政府参考人(後藤収君) 先生の御指摘がございましたので、これはまた財政当局と、各当局とも、環境省も含め、検討させていただきたいというふうに思います。
#185
○加藤修一君 時間がなくなってしまいましたが、要は、そういう面の関係については、これは国会事故調の中でも提言の中で、原子力行政にかかわる様々な法体系については抜本的な見直しをしなければいけないと、こういう提言があるわけですよね。だから、政府はこういった面についてしっかりと対応できるようにしなければいけないと、このように考えておりますけれども、時間がありませんが、細野大臣、最後に一言お願いいたします。
#186
○国務大臣(細野豪志君) 御指摘のとおりだと思います。
 先般御議論いただいた原子力に関する安全規制の部分についての大改正がございますので、それで対応できている部分はかなりございます。ただ、まだ足らざるところが環境関係の部分も含めてございますので、つまり、サイトの外に放射性物質が出るということをこれまで想定をしておりませんでしたが、今回大量に出ましたので、そういった部分での法律という意味でもまだまだ十分ではない部分がございます。そこについては、御指摘を踏まえて、しっかりと政府として対応していく必要があると考えております。
#187
○加藤修一君 だから、県境を越えての放射性の汚染の関係についてそういうふうになっているというのは、そこに依存するわけですよ。幾らいろんなことを、別のことを話ししてもかなわない話で、そこを改正しなければ財務省も動かないと私は思っております。
 ともかく、そういう面も含めて、これは抜本的な改正をしていかなければいけない様々な点がございますので、是非とも政府は積極的に対応していただきたいことを最後にお願いして、質問を終わります。
 以上です。
    ─────────────
#188
○委員長(山本順三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤川政人君が委員を辞任され、その補欠として中西祐介君が選任されました。
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#189
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。はたともこさん。
#190
○はたともこ君 国民の生活が第一のはたともこでございます。
 違法ドラッグ、脱法ハーブの取締りの強化について質問をさせていただきます。
 違法ドラッグ、脱法ハーブの問題は大きな社会問題となっております。今年に入って脱法ハーブによると思われる死亡事案が少なくとも四件起こり、大阪市福島区の商店街では乗用車暴走事件も起こりました。また、米国ではマイアミゾンビ事件という、通称バスソルト、日本でも、八月三日施行で麻薬に指定されたMDPVないしはメフェドロンを吸引した全裸の男がホームレスの男性の顔にかみつき、顔の大部分を食いちぎるという猟奇的な事件が発生したとの報道がございました。このMDPVは、日本でも広島市内で、白い粉、メリケン粉に似ていることからメリーちゃんの隠語で呼ばれ、使用者が爆発的に広まっておりました。
 私は薬剤師でございますので、この問題には以前から強い問題意識を持ってまいりました。関係当局の皆様も指定薬物の追加ということなどで努力をされていらっしゃるとは思いますが、相変わらずイタチごっこで、取締りが十分にはできていないのが現状でございます。特に、この問題は厚生労働省、警察庁、消費者庁、内閣府など各省庁がそれぞれに対応しており、連携が十分ではございません。
 本日は時間が限られておりますので、特にインターネットによる違法ドラッグ、脱法ハーブ販売の取締りの強化について質問をいたします。
 まず、小宮山大臣に伺います。厚生労働省ではイタチごっこ状態脱却のために指定薬物の包括指定を検討しているということでございますが、この制度はいつごろスタートするのか、包括指定の見通しと包括指定に対する大臣の御決意をお聞かせいただきたいと思います。
#191
○国務大臣(小宮山洋子君) その包括指定につきましては、今も新規物質の指定というのはなるべく早くやっていきたいと思うんですけれども、一つやってもまた似たもので新たなものが出てきてしまいますので、そういう中で特定の物質群を指定薬物として包括的に指定することにしまして、秋に向けて科学的な根拠も含めた技術的な検討を今進めているところです。
#192
○はたともこ君 小宮山大臣、薬事法第七十七条では、指定手続の特例として緊急指定ができることとなっております。必要な場合にはこの緊急指定も積極的に行うべきではないかと思いますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
#193
○国務大臣(小宮山洋子君) このこととか、また麻薬取締員が今取締り権限がないことなども含めまして今法改正ということも考えていますが、緊急指定ということも必要に応じてどのようにできるのかということも考えてみたいとは思います。
#194
○はたともこ君 次に、松原大臣に伺います。
 消費者安全法第十七条、第十八条は、消費安全性を欠く商品等による重大事故等が発生した場合、原因を同じくする重大事故等を防止するために事業者に対する勧告、命令あるいは譲渡等の禁止又は制限をすることができるという内容の条文ですが、消費者庁は過去にこれらの条文を違法ドラッグ、脱法ハーブ取締りのために適用することを検討したということですが、既に死亡事案等の重大事故例が何件も発生をしているわけですから、私は松原大臣の強いリーダーシップでこの消費者安全法第十七条、十八条を適用すべきだと思いますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
#195
○国務大臣(松原仁君) 委員御指摘の違法ドラッグ、脱法ハーブの取締りの強化の必要性については理解をするところであります。
 消費者安全法は、消費者の消費生活における被害を防止することなどをその目的としており、消費生活の場面において被害が生じた事故、すなわち消費者事故への対応を規定するものであります。違法薬物又はそれに類するものの使用は、社会通念上消費生活の一場面とは言えず、当該薬物の吸引等によって吸引者の生命、身体が被害を受けたような場合は、本法によって法的に保護されるべき消費生活の一場面には当たらないものと考えられ、消費者事故に該当しないことから消費者安全法による対応は難しいと考えられております。
 なお、いわゆる違法ドラッグ、脱法ハーブの使用が国民の健康や安全の観点から重大な影響を及ぼすことから、関係省庁と連携しつつ、全国の消費生活センターに寄せられた情報を販売業者の取締りに積極的に活用されるよう関係機関へ提供することや消費者の情報提供、啓発を実施するなど、消費者行政として取り得る手段を最大限活用してまいります。
#196
○はたともこ君 厚生労働省に伺います。
 資料のAを見てください。私は消費者庁から、平成十七年二月二十五日付け、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課課長通知、いわゆる脱法ドラッグに対する指導取締りの強化についての中に、いわゆる脱法ドラッグについては、使用目的に係る標榜ぶりいかんにかかわらず、事実上、経口、吸入、塗布等、人体への摂取を目的として販売されていると判断される場合には、薬事法上の無承認無許可医薬品に該当し、取締りの対象になるとあり、これで取り締まるのが筋であると消費者庁から説明を受けたのですが、この通知に基づく薬事法上の無承認無許可医薬品として脱法ドラッグを取り締まった事例はあるのか、なぜ無承認無許可医薬品として取り締まらないのかを教えてください。
#197
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、今の薬事法上は、無承認無許可の医薬品ということで、使用目的を示しまして使われる、人の体に影響を与えるものとして使われる場合、これは無許可無承認医薬品として取締りをすることができるということで、従来から厳正に取締りをしてまいっております。
 一方で、指定薬物制度、これは新たに薬事法に十九年から追加をされた規定でございますけれども、これにつきましては、目的性を持たさずに、そういう人の体に影響を与えるものについて一個一個の物質を指定するということをやっております。
 そこで、従来より、明らかに人の体に使われるものにつきましては厳しく取締りをするとともに、その販売の形態におきまして、例えば暗示するようなもの、パイプを同時に売っておるとか、紙巻きたばこのような形でそういうものと一緒に売っておるとか、そういうふうなことを共に販売をするというようなものにつきましては、まだ指定薬物に指定されておりませんでも、元々の無承認医薬品として規制をすることができるということで、各都道府県と情報を共有いたしまして、無承認無許可の医薬品として厳しく指導等を行ってきておるところでございます。
#198
○はたともこ君 では、小宮山大臣に伺います。
 資料の@を見てください。私が厚生労働省から説明を受けた違法ドラッグ(いわゆる脱法ドラッグ)対策と題する資料でございます。右下の真ん中の警察と連携した違法ドラッグ販売者への監視指導の項目に、監視指導、販売自粛要請と書いてあるわけですが、違法ドラッグ販売者を指導、自粛要請するという表現は一体どういうことなんでしょうか。私は全く納得できません。違法ドラッグ販売者は、指導、自粛要請するのではなく、薬事法上の無承認無許可医薬品販売者として取り締まるべきだと思いますが、小宮山大臣、いかがでしょうか。
#199
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 先生お示しのこの資料、私どもが各都道府県との会議で使用したものでございますけれども、この監視指導といたしましては、まずもって指定薬物に指定されているもの、あるいは目的性を持って医薬品として疑いを持って売られているもの、それがないかどうかということを都道府県の薬事監視員が調査をするために監視指導に回ります。そのお店等におきまして、まずもって疑わしいものがあった場合に、これについて買上げ等をして、検査をして、分析をして、明らかに指定物質が入ったとなればそれで取締りを行うと。
 あるいはそうでなくても、先ほど申し上げましたように、売り方として医薬品のような目的性を持って売っている場合にはその取締りをやるということをやっていますが、その前にも、まずもって疑わしいものがある場合において、この春から特に警察庁の御指導も受けまして、各都道府県警察とともに、立入りした場合に、疑わしいものについて販売を自粛をしてほしいということを要請書を渡し、このような売り方はしませんという確認を取った上でまず改善を見ております。その上で、本当に改善されない場合には、分析を掛けて、その物質について取締りの規定に進んでいくと、こういう手順を踏んでおるところでございます。
#200
○はたともこ君 次に、警察庁に伺います。
 一点目です。本年発生した脱法ハーブによると思われる四件の死亡事案について。そして二点目。これらの事案について関係省庁との連携はどのようになっているのか。以上二点について説明してください。
#201
○政府参考人(舟本馨君) お答えいたします。
 委員御指摘の死亡事例につきましては、本年二月愛知県名古屋市内で発生した事例、それから四月に神奈川県横浜市内で発生した事例、五月に東京都渋谷区内で発生した事例、そして八月に神奈川県横浜市内で発生した事例を指しておられると思いますが、いずれも、現場の状況、また関係者の事情聴取などによりまして、死亡者が何らかの薬物を吸引等していたのではないかという疑いが認められましたので、これら四件の事例につきましては、いずれも犯罪に起因する可能性を視野に入れまして司法解剖を実施いたしました。そして、死亡者が所持していた、また植物片等の試料も鑑定をいたしまして、死亡者の薬物使用の有無、また死亡と薬物との因果関係の解明に努めてきたところであります。
 関係機関との連携ということにつきましては、四件の事例のうち、解剖の所見から薬物中毒の疑いが認められるなどしました三件につきましては、県警本部から知事部局の担当部署に情報提供がなされたというふうに報告を受けております。
#202
○はたともこ君 では、厚生労働省に伺います。
 事前の説明では、厚生労働省監視指導・麻薬対策課は、これらの死亡事案について警察から情報提供を受けていないということでございましたが、これらの事案はいずれも死亡者の周りからいわゆる脱法ハーブの商品等が発見されています。情報提供をただ待っているだけではなく、積極的に情報収集すべきだと思いますが、いかがですか。
#203
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 今御指摘のように、違法ドラッグの所有によります死亡事例等、重大事故が起きております。私ども、警察庁共々、先ほど申し上げましたように、まずもって、事前にも監視指導にしっかり共同で進めたいと思っておりますが、重大事故が起きた場合に、その身体あるいは周辺からその物質が特定をされた場合におきまして、私どもの方においても速やかに使用規制の対象にしていくということにつきましての取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
#204
○はたともこ君 では次に、内閣府政策統括官共生社会政策担当の薬物乱用対策の担当の方に伺います。
 平成二十三年八月の政府の薬物乱用対策推進会議の第三次薬物乱用防止五か年戦略(薬物乱用防止戦略加速化プラン)フォローアップという文書の三十四ページに、違法ドラッグ、いわゆる脱法ドラッグについてはインターネット広告の監視をすると書いてあるわけですが、これについて、どの省庁のどの部局が具体的に何をするのか、説明してください。
#205
○政府参考人(杵淵智行君) お答えいたします。
 無承認無許可医薬品や指定薬物の監視として、厚生労働省で行っていると承知しております。
#206
○はたともこ君 厚生労働省に伺います。
 違法ドラッグ、脱法ハーブのインターネット販売のあるサイトでは、アロマハーブ、アロマパウダー、新作アロマバスソルト、どこまでも突き抜けて、また別のサイトでは、超上級者向け超絶ハーブ、更なる高みを目指す超上級者向け合法ハーブ、さらに別のサイトでは、香りを楽しむ以外にもいろいろな楽しみ方があるなどの記載があり、また、いずれのサイトも、製品はお香、人体への吸引、摂取は行わないでください、二〇一二年七月施行の薬事法に対応、日本国内で違法となる成分は含まない、購入後の使用については購入者の自己責任などの記載がございます。
 典型的な違法ドラッグ、脱法ハーブ販売だと思いますが、厚生労働省監視指導・麻薬対策課は、指定薬物あるいは麻薬等の規制薬物が検出されない限り取り締まることはできないとおっしゃるわけですが、資料のAの平成十七年二月二十五日課長通知を引き継いで作られたという本年四月の課長通知、これについては資料要求しても見せてもらえないわけですが、この通知に基づいて薬事法上の無承認無許可医薬品として取り締まるべきではないかと思いますが、いかがですか。
#207
○政府参考人(木倉敬之君) 今御指摘のようなインターネットによる監視、これはそのインターネットの関係事業者の協会とともに、協力をいただきまして従来から進めてきておるところでもございます。
 無承認無許可、使用目的をうたった広告を打っていらっしゃる、販売方法を取っていらっしゃる場合には見付けやすいということはあるわけでございますが、今御指摘のような、逆に否定をしながら、使えませんよと言いながらもそれを使うことをあたかも期待しているような広告の事例が見られます。これにつきまして、私ども、都道府県に対しましても、私ども共々インターネット上の広告も常に監視をするように今促しておりまして、まだ取組が十分ではございませんけれども、その中で、逆に否定をしながらも使うことを暗示するかのようなものにつきましても、まずは監視指導に入る、それで、必要があれば買上げ検査等にかけてこれまでの指定物質に指定されたものはないかということを確認をする、あるいは販売の現場においてその使用を暗示するような売り方をしていないかということを確認をするということで取締りを強化してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#208
○はたともこ君 厚生労働省は少なくともインターネット上の削除あるいは送信防止依頼をすべきだと思いますが、いかがですか。
#209
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員御懸念のように、インターネットは若い人たちもよく使いますので、しっかりと監視をする必要があるというふうに思っています。
 指定薬物とか無承認無許可医薬品など薬事法に違反する製品の販売は、当然のことながら国や自治体が連携して監視し指導を行っているところです。具体的には、無承認無許可医薬品については、平成二十二年の三月から、自治体又は厚生労働省の職員がサイトのプロバイダーなどに対して警告メールを送るということなどによって製品を販売しないように要請をしています。さらに、違法ドラッグについても今年の六月から監視を始めています。
 薬事法上の監視指導ではありませんけれども、明確に薬事法に違反していると言えないような製品に対しましても、ネット上での違法ドラッグの販売を抑制するために、プロバイダーに対する注意喚起など更に効果的な方法を検討していきたいと考えています。
#210
○はたともこ君 では、松原大臣、お聞きいたします。
 厚生労働省の対応はお聞きのような状態であるわけなんですけれども、違法ドラッグ、脱法ハーブのインターネット販売を防止するために、インターネット上の削除あるいは送信防止依頼を消費者庁としても積極的に行うべきではないかと思いますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#211
○国務大臣(松原仁君) 現状において、特商法上の通信販売規制については、違反が確認された場合、インターネットサービスプロバイダー事業者に対して違反事業者との契約を解除するよう依頼しているところであります。脱法ドラッグ通信販売サイトについては、同様に、特商法違反が確認された場合には同じくインターネットサービスプロバイダー事業者に対して通報することを今後検討してまいりたいと思います。
#212
○はたともこ君 では、消費者庁に伺います。
 消費者庁には、PIO―NET、全国消費生活情報ネットワークシステムというものがあって、そこには違法ドラッグ、脱法ハーブに関する通報例もあるということでございますが、むしろ積極的に違法ドラッグ、脱法ハーブ通報システムを設けて、寄せられた情報を適切、迅速に関係省庁に伝えるべきだと思いますが、いかがですか。
#213
○国務大臣(松原仁君) いわゆる脱法ドラッグに関してこれまでPIO―NETに寄せられた情報は、平成二十年度以降平成二十三年度までの間、年平均十件程度ではあります。しかしながら、これらの情報にはいわゆる脱法ドラッグの販売業者や販売所についての通報も含まれていることから、いわゆる脱法ドラッグを国民の手の届くところから排除するためにはこのような通報を迅速に取締り当局と共有する必要があると考えております。
 このため、関係機関と連携し、いわゆる脱法ドラッグに関する販売情報を全国の消費生活センターの協力を得ながら迅速に関係機関と共有する仕組みを早急に構築することとしたいと思っております。
#214
○はたともこ君 厚生労働省に伺います。
 監視指導・麻薬対策課でも違法ドラッグ、脱法ハーブについてのホームページを立ち上げるということでございますが、それはいつできますか。また、コールセンターについては通報システムを設けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#215
○政府参考人(木倉敬之君) お答えをいたします。
 この違法ドラッグ、それから個人輸入等で海外から取り寄せられるようなものの中にも偽造医薬品というものもたくさん見られております。これらによります健康被害というようなことも多々見られております。これらにつきまして、健康被害情報を一元的に国民の皆様に知っていただく、あるいは医療機関等の専門の皆様にもこういう重大な健康被害を事前によく知っていただくということが必要であると思っております。
 そこで、これまでの厚生労働省あるいは警察庁共同で監視指導してきた事例、あるいは都道府県が入手した事例、こういうふうな違法の事例、さらには悲惨な健康被害の状況につきましても分かりやすく国民の皆様に見ていただく、そういうふうなホームページの準備を今進めておりまして、年内にはこれを立ち上げたいと。これは民間に委託する形を取りたいと思っておりますが、その中で、このコールセンター、被害情報等につきましても通報をきちんと受け付ける、それをまた整理をして提供をしていくというようなこと、未然に皆様に正しい情報を持っていただくと、興味本位でそれに手を出すことがないようにというような取組を進めてまいりたい、これを年内にもスタートしたいということで今準備しておるところでございます。
#216
○はたともこ君 では、小宮山大臣に伺います。
 この資料の@、これは厚生労働省が作成をした資料でございますけれども、先ほど私が指摘をいたしました指導、自粛要請の文言を除けば、十分ではありませんが、必要なことだと私も思っております。
 改めて、この問題に対する大臣の御決意を伺いたいと思います。
#217
○国務大臣(小宮山洋子君) これは、違法ドラッグの問題は、委員の問題意識と同じように、やはり薬物に入っていってしまう入門ドラッグみたいな形になってしまうということなので、これは、御指摘のように省庁縦割りではなくて、消費者庁などとも連携を取りましてしっかりと、取り締まる方の対応と、それから今回、夏休み前に若い方たちについても注意喚起のための取組もいたしましたので、ホームページなども通しましてしっかりとその危険性を周知を図っていきたいというふうに考えています。
#218
○はたともこ君 是非、小宮山大臣そして松原大臣には、この違法ドラッグ、脱法ドラッグ撲滅のための音頭をしっかりと取っていただきたいと思っております。私も薬剤師でございますので、国会の場でこの問題の先頭に立って頑張っていきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#219
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。柴田巧君。
#220
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
 今日は科学技術政策についてお尋ねをしていきたいと思いますが、改めて申し上げるまでもなく、天然資源の乏しい我が国が何とか今日までやってこれましたのも、また、この厳しい現実を打開をして未来に向かって新たな飛躍、発展を期していくためにも、科学技術の振興は不可欠であります。
 そういう意味でも、科学技術は我が国の生命線と言っても過言ではないと思っておりますが、そういう中で、昨年、第四期科学技術基本計画もまとめられました。そして、今年度も科学技術関係予算は増えるということにはなっているわけで、過去十年間見てみますと、平均して科学技術関係予算四・三兆円ほどになるんでしょうか。これは、公共事業が五・七兆円、防衛費が四・七兆円と言われていますので、それに迫るほどの巨額な予算になってきているというのが実際のところです。
 したがって、この量の確保、規模の確保ももちろん大事なんですが、その中身、質の向上、あるいは、いろんなある意味で重複されたテーマの下で研究がなされているのではないかといったような観点からのチェック等々をしていく必要があると思いますし、国家戦略として何よりも科学技術政策が推進できる体制をどうつくっていくかということが何よりも大事なことだろうと思っています。
 そういう中で、いかに司令塔をつくるか、司令塔をしっかりさせるかというのはこれまでも大きな課題としてあったわけですが、今の総合科学技術会議は、あるはあるわけですけれども、残念ながらいろんな省庁の調整の場になっていたり本来の役割を果たしていないということであり、またそのことによって、省庁縦割りというのは色濃く残っておりますから、一旦決定された予算が各省庁に固定されて研究テーマの新陳代謝が起こりにくいとか、あるいは研究開発の評価方法が曖昧なために十分なチェックが機能しないといったことなどなどが起きてきたわけであって、評価の結果がしたがって新たな政策に反映されていないというような問題などなどが指摘をされてきたわけです。
 科学技術の政策を展開をしていく上で、戦略と資金と配分と実行という四機能があるわけですが、何よりも大事なのはそういう意味でも戦略だ、頭脳だということになるわけでありまして、しっかりとした司令塔をどうつくるかというのが科学技術政策を遂行していく上で一番大きなやっぱりテーマになるものと思います。
 民主党は、かねてから総合科学技術会議を改組して科学技術イノベーション戦略本部をつくるんだということでマニフェストにも明記をされ、政権交代、まあ三年もうたとうとしているわけですけれども、作業を進めておられるんだろうと思いますが、いまだにその改組に向けた具体的な作業がまだ見えてこないと、関係の改組するための法案がまだ出てこないということでありまして、まさに今の政権の科学技術政策に対する本気度を疑うものでありますが、大臣も、前にも予算委員会でも質問させていただきましたが、今国会には早急に出したいということをおっしゃっておられましたが、いまだにこういう状況であります。今国会はもうあと僅かになってきておりますが、どうするおつもりなのか、まずお尋ねをしたいと思います。
#221
○国務大臣(古川元久君) 御指摘の科学技術政策の司令塔につきましては、昨年末、私の下に有識者研究会を開催をして、科学技術とイノベーションを一体的に実施する体制の構築に向けた検討を行い、報告書を取りまとめさせていただきました。それを受けまして法案の検討をいたしているわけでございます。
 この現在検討しております法案では、予算等の資金配分だけでなくて、規制改革や需要創出といった研究開発の成果を発展、活用するための方策について総合的に推進するため、戦略の企画立案機能、各省の取組の調整機能、政策助言機能を強化し、これによりまして関係府省と連携して政府の施策を総動員できる体制を実現したいというふうに考えております。
 この法案を是非まとめて国会にも提出をしたいというふうにも考えておりますけれども、今まさにその作業を進めながら、そして国会の方の、これ、提案をするとなると内閣委員会ということにもなってまいります。そういった意味では、内閣委員会等の審議の状況、そういうものも踏まえて、これはできるだけ私どもとしても、状況が整えば出せるような状況に準備をしていきながら、それは国会の審議との関係も踏まえて考えてまいりたいというふうに思っております。
#222
○柴田巧君 今ほどあったそのたたき台となる報告書も年末にはまとめられているわけですね。それからもう九か月近くたつわけで、なぜこれだけ作業が遅れるのか。これは、どうなんでしょう、大臣そのものが軽く見られているからでしょうか、それとも科学技術政策が今の政権の中で軽んじられているからでしょうか、どちらなんでしょう、大臣に御見解をお聞きをしたいと思います。
#223
○国務大臣(古川元久君) もうこれは、私どもとして科学技術政策、これを強化をしていかなければいけないということで、できればこれは法案も、法律も成立させてそうした司令塔をつくっていきたいというふうにも思っております。
 ただ、先ほど申し上げましたように、法案のこちらで作業していることと、あと国会の中での内閣委員会等での審議、ほかの法案等の状況もございます。そういう中で、これはどういう形で科学技術政策についての司令塔機能を強化していくかということは考えていかなきゃいけないというふうに思っておりますので、私どもはまだ法案は提出をさせてはいただいておりませんけれども、今の体制の中でも強化をしていく、昨年まとめていただいた研究会の報告書に従ってイノベーションと科学技術の研究開発などを一体的に行っていく、そのためのイノベーション推進協議会というようなものはつくって、今回の、来年度の予算に向けてのアクションプランを始めとする、そうしたものを今作業は行っております。
 そういった意味では、できることは法案が、法律が成立しなくても進めていきたいというふうに思っておりますし、そういうのも受けまして、国会の状況等も勘案をしていきながら法案作業というものも引き続き進めてまいりたいというふうに考えております。
#224
○柴田巧君 先ほど申し上げましたように、日本のこれからに大きく影響を与え、また、目下の最大の関心事というか、この東日本大震災からの復興を果たしていく上でも、やはり科学技術政策が極めて重要なわけで、期待が掛かっているわけで、その司令塔をしっかりつくれないということは本当に遺憾なことだと思います。これはまさに政権の本気度だと思いますので、あと、近いうちにそれこそ総選挙もあって政権におられるのかどうか分かりませんが、もうここまで来てできないというのは、本当にこの問題についてのいかに不熱心かというのを如実に表していると思うんですね。
 新しい、約束をしていたその改組にもなかなか手が着けれない。じゃ、今あるものをしっかり動かしているのかというと、これは前、予算委員会でもお聞きをしましたが、残念ながら、今の民主党になって、総合科学技術会議の開催回数は少なくなり、所要時間も短くなって、しかも持ち回りで行われているということであって、これだけ重要な政策課題を審議するところが形骸化している。今あるものは形骸化させておいて、皆さんがつくろうと言っているものには手が着かないという一番悪い状態になっていると思いますので、ここら辺は十二分に反省をしていただきたいものだと改めて申し上げておきたいと思います。
 大臣おっしゃったように、たたき台はできているわけでありますが、このたたき台も、このベースとなるものもいろいろ見てみると大変問題ありだなと正直言わざるを得ないと思います。大体がこれ、学界、経済界はもちろん、日本のそれこそ将来に大きくかかわる政策変更に言わばなるわけでありますが、にもかかわらず、この報告書は、研究会というのは僅か十一月から十二月の一か月余りで、回数は五回開かれておりますが、一か月余りで極めて拙速に議論がされて、初めから官僚主導で結論ありきというようなところがどうも見受けられて仕方がないんですね。しかも、これだけの大きな政策変更を伴う問題がパブリックコメントを実施をしていなかった、しなかったということも非常に不透明感があって問題だと言わざるを得ないと思います。
 やはり科学技術政策そのものの信頼性を得ていくためにも、こういったものはやっぱりパブリックコメントをしっかり実施をして、その上で作り上げていくべきものではなかったかと思いますが、何でこんなに急いで、そしてパブコメもしないで行ったのか、その理由を大臣にお聞きをしたいと思います。
#225
○国務大臣(古川元久君) そもそも、この有識者の研究会というのは、私の大臣の下で、私に対して助言をしていただくと、そういう提言をしていただくことを目的にして設置をしたものであります。ここでの議論、委員、拙速で官僚主導だと言われますが、これ全て中身を御覧になられたかどうか。是非、これ公開をいたしておりますし、資料とか議事録も発表いたしておりますので、見ていただいた上で御判断をいただきたいと思いますけれども、私どもは公明性とか透明性の確保をしながらこの研究会を行ってまいりました。
 そういった意味では、最初に申し上げましたように、これは別に、政府として意思決定をする、その中で有識者の皆さん方に、私が責任を持って体制をどうやってつくっていくかということを検討する前提として有識者の皆さん方から御意見をいただいたというものでございますから、そういった意味では、政府としてこれはパブリックコメントを求めなければいけないという性格のものではございません。
 しかし、実際に、じゃ、広く皆様方から意見をいただいていないかといえば、この研究会の報告書を公表して以降、これを受けて様々な意見交換というものもなされて、またそれに対して経済団体等からも御意見などもいただいております。そういった意味では、この報告書はそういう意味で公にさらされているわけでございまして、そうした公の、さらした上でいろいろな御意見もいただいている、そういうものも踏まえて、私ども今、法案も含めて鋭意検討作業を行っているというところでございます。
#226
○柴田巧君 今大臣いろいろおっしゃいましたが、そうであるならば、本来、それをベースにもっと早くいろいろなものができてきてしかるべきだと思いますが、まあそれはそれとして、いずれにしても、これだけ大きな変更を伴っていくものであるならば、このパブコメを求めるなど、そういったことがあってしかるべきだったと思います。
 それから、いろいろこの提案をしている中身を見ると、本当にこれでイノベーションにつながっていくものだろうかどうか、あるいは予算のいろんな無駄遣いを排除できるものになっているかどうか、大変疑問を感じざるを得ないと思うんですね。
 やはりリーダーシップのある、いろんな関係府省を束ね、ほかに研究独法であるとかあるいは大学なども含めて関係のものを束ねていく、戦略性を持って、国策として科学技術政策を展開できる、そういう司令塔をつくるためには、何よりもやはり頭脳の一元化というか機能の一元化ということをしなきゃならぬと思うんですね。
 つまり、現在は、総合科学技術会議と、文科省は文科省でその設置法によって科学技術基本計画の企画立案というふうにうたわれているわけでありまして、これがゆえに、これまでも双方で例えば科学技術基本計画をそれぞれに審議するといった場面などなどがあったわけで、そういう意味でも、真の司令塔をつくるためにはそこら辺を大きく見直して、今文科省にある企画立案機能やシンクタンク機能というものをこのイノベーション戦略本部、今皆さんがおつくりになろうとしている、そういったところに移していくと。
 そういった機能の一元化や法的付与をするということが何よりも欠かせないと思いますが、そこら辺はどのようにお考えになっているんでしょうか、お聞きをします。
#227
○国務大臣(古川元久君) この点に関しましては、有識者研究会の報告書におきまして、科学技術基本計画策定事務及び科学技術に関する関係行政機関の経費の見積りの方針の調整等の調整事務の科学技術イノベーション政策の司令塔への移管ということが提言をされておりますので、こうした提言も踏まえて私ども今検討しているということでございます。
#228
○柴田巧君 大臣自身のお考えでは、そこら辺はどうなんでしょうか。その法的付与をする、文科省からそういった機能一元化を図るという考え自体については、どういう基本的なお考えでいらっしゃいますか。
#229
○国務大臣(古川元久君) 司令塔として必要な権限というものは、これはやはりきちんと一元化をしていかなければいけないというふうに考えております。
#230
○柴田巧君 そして、何よりも司令塔として大事なのは、やはり今の法的付与、機能の一元化と併せて予算の配分権限をやっぱり強化するということだと思うんですね。その予算編成プロセスの省庁縦割りのこれまでの、それを大きく見直さない限り、単に名前が変わっただけの、看板の単なる掛け替えや掛け声倒れになってしまうおそれが多分にあると思っています。
 今のところ、その報告書によれば、予算編成の方針への勧告権まではあれですが、これまで同様、予算配分の権限までには踏み込まないというような書き方になっておったかと思いますが、これでは、今ほど申し上げたように非常に物足りないと。今、それぞれ、例えば文科省や経産省や厚労省がそれぞれ独自に研究テーマを抱えて、しかし実際はよく似通ったようなのだって結構あるわけですね。したがって、非常に重複が見られるし、それぞれに評価基準を持っているので、本来中止すべきテーマも安易に継続されるという事態が今生じているわけで、こういった無駄を排除をしていくためにも、やはりその司令塔には予算配分権限を強く持たせるべきだと思います。
 お隣の韓国も、この司令塔の在り方をこの数年議論してきました。これまでは予算編成の勧告権だけでしたが、昨年大きく変えて、予算配分権限を持たせるようにして、約七割は、今あちらは国家科学技術委員会と言っておりますが、その科学技術の司令塔に持たせるようになっているわけで、やはりこういったことをしなければ科学技術政策、国家戦略として一体的に遂行できないと思いますが、この予算配分権限の考え方、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#231
○国務大臣(古川元久君) 予算配分の在り方、見直しについては、これは別に科学技術政策だけじゃなくてほかの政策でもこれ全く同じことが言えるんだと思います。
 そういった意味では、今、来年度予算編成について概算要求の組替え基準というものをまとめました、決めました。さきにまとめました日本再生戦略の中でも、予算の重複とかいうものをやっぱり横串でチェックするような、そういう予算配分の仕方を行っていこうと。それによって予算全体の組替え、効率的な配分を行っていくということを定めております。まさに科学技術政策についてもそういう予算編成の在り方全体の中でやはり考えていかなきゃいけない部分というのはあるんじゃないかと思っております。
 今現在のところは、これは総合科学技術会議におきまして、アクションプラン等を用いて各省庁の予算編成を誘導するということにいたしております。
 来年度予算につきましては、医療イノベーションの部分とグリーン成長戦略の部分については、これは医療イノベーションにつきましては、私の下にあります医療イノベーション推進室と科技の部局とが一体となって、これは省庁横割り的に、横串を刺してこの予算についての大きな方向性、それに従って各省庁が予算要求をするのか、あるいはチェックをしていくという、そういうチームをつくって今既に作業を行っておりますし、グリーン成長戦略についても、これは科技の部局からも、これは国家戦略室が中心になりますが、そこの下にチームを置いて、そこに科技の事務局からも人を持ってくるような形で、予算の横串に行っていきたいというふうに思っています。
 そういった意味では、医療イノベーションにかかわる部分、そしてグリーン成長戦略にかかわる部分は、従来のような各省ばらばらというやり方から、司令塔機能を持たす形で、そこに科学技術部局も座って、一緒になってやっていくという形を取っております。
 このような形で予算編成の在り方を大きく変えていく作業というのに今着手しているわけでございまして、やはりそういう大きな流れの中で今委員から御指摘のあったようなことも今後は検討していく、そうした一つの問題ではないかというふうに考えております。
#232
○柴田巧君 もう時間が来ましたのでこれで終わらせていただきますが、いずれにしても、科学技術政策、まさにこれからの日本の命運を決めていくものであり、予算も増える中でいろんな推進体制をしっかり見直さなければならないと思います。今の予算配分権限、あるいはさきに申し上げた法的付与や機能の一元化などをしっかり行って、真の司令塔をつくれるように、あと国会も残り少なくなってきておりますが、是非大臣には頑張ってほしいと言うべきなのかどうか分かりませんが、これが非常に重要だということを改めて申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#233
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。田村智子さん。
#234
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 我が国の財政危機の大きな要因に国内経済の長期低迷、縮小があり、国民所得の急激な落ち込みがあると思います。やはり景気の回復には内需の拡大が不可欠で、そのためには、雇用の安定、個人所得の回復が待ったなしで求められていると考えます。
 ところが、今、パナソニック、ソニー、NEC、シャープなど大手電機メーカーでのリストラ計画が相次いで発表されています。産業別労働組合である電機・情報ユニオンの集計では、二〇一一年以降、公表された計画だけでも実に十二万人を超える人員削減の計画となっており、これは当該企業の社員数の一割を大きく超える、そういう規模です。労働者の生活はもちろんのこと、日本社会全体に大きな影響を及ぼすこの大規模リストラ、政府として、日本経団連や電機産業界、あるいは計画を発表した大企業に対して計画の見直し、これ求めることも必要だと思うんですけれども、そのような計画見直しを求める、要請するというようなことを行ったことがあるのかどうか、確認をいたします。
#235
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘の、企業のリストラなどに伴う雇用調整の情報を得た場合には、管轄する労働局やハローワークから本社などを速やかに訪問しています。そこで、情報収集に加えまして、雇用の維持とか労働組合などとの話合い、企業自身による再就職援助などについて要請を行ってきています。また、地域経済、雇用への影響が懸念される場合には、関係自治体、地域経済団体などと連携協力をして、離職者の受皿確保などに取り組んできました。
 これからも企業についてはできるだけ速やかに情報提供を求めまして、雇用の維持、再就職に取り組むようにしたいというふうに思っています。
#236
○田村智子君 これは、再就職支援をどんなにやっても、どんどんリストラされたら、これはやっぱりもとを何とかしなくちゃいけないという事態だと思うんです。
 私、日立、東芝、パナソニックなどが相次いで撤退をした千葉県茂原市の状況を視察いたしました。茂原市は、今、人口も税収も急激に減少していて、離職による国民健康保険の加入届出数が急増すると。市内の三つの商店会がなくなる。ハローワーク茂原は求職相談者が狭いスペースにあふれていて、個人情報保護どころか、ボード一枚で仕切った窓口で相談せざるを得ないという状態です。有効求人倍率は現在〇・四、今後〇・二程度まで下がる可能性があると、そういう話も聞きました。
 これだけ深刻な影響がありながら、撤退をした各企業、千葉県や茂原市とリストラ計画決定過程での協議はもちろんやっていないと。それどころか、いつどれくらいの離職者が出るのかという情報開示さえ県などが求めても行わなかったといいます。これ、大変地域経済や社会に対して無責任なやり方だと思いますけれども、大臣の見解をお聞きいたします。
#237
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほども申し上げましたように、今御指摘のように、地域経済に対してもいろいろな大きな影響がありますので、なるべく早くその情報の提供ということは求めてきています。
 この大手電機企業のリストラなどはその地域の個々の事業所ごとに行われてきていて、また事業部制なども取っているため、雇用確保の要請など労働局ごとに行ってきていまして、本省としましては、全国的に影響を与えることが懸念される場合に必要に応じてまたやっていきたいというふうに考えています。
#238
○田村智子君 私、今もうこういう事態ですから、リストラ計画そのものが妥当なものなのかどうかということを、労働行政の側からも物を言うときだと思うんです。
 パナソニックの茂原工場は、県と市から合わせて三十三億八千万円にも及ぶ補助金を受けていた企業です。こういう補助金は、当然地元の経済や雇用の活性化をやってほしいというための補助金であって、それなのに撤退ということを考えるのであれば、そういう結論を出す前に県や市と協議するというのは、こうした経緯に照らして当たり前のことだというふうに私思うんですね。
 これフランス見てみますと、自動車メーカーのプジョー社、八千人のリストラ計画に対して、政府が、経営難といいながら株主への配当を行っているのはなぜなんだと経営上の問題について説明を求めて、企業への支援は行うと、その代わり、その条件としてリストラ計画を見直しなさいと、こういうふうに物を言っているんです。
 それからオランダ。三菱自動車のオランダ工場の合理化計画、オランダ政府や地元自治体との協議が実際に計画段階で行われています。その結果、この工場をたった一ユーロで地元のバスメーカーに譲渡をする、そしてそのバスメーカーで地域の雇用の維持を図るんだと、こういう手だてが取られているわけです。
 一方、パナソニック茂原どうかと。撤退するパナソニックが多額の補助金を受けていたというだけじゃないんです。その工場を買い取って新たに起業するジャパンディスプレイ、これは国策で産業革新機構から二千億円規模の出資を受けると、こういうことになっているんです。ところが、パナソニックからの雇用継続も地元の新規雇用の規模なども何の条件も求めていない。私、これでいいのかというふうに思いますね。
 せめて、行政が関与する、補助金受ける、出資を受けると、こういう場合、その条件として、もしも人員削減とか工場の譲渡や撤退と、こういうことがある場合には、計画の段階で地元自治体との協議を約束させる、こういうことも必要ではないかと思うんです。これ是非、厚生労働大臣から政府全体に問題提起していただきたい、そう思いますが、いかがですか。
#239
○国務大臣(小宮山洋子君) 現在の制度の中でも経済産業省の企業立地補助金などは雇用要件を設定をしていまして、企業再生支援機構の支援に当たっても、労使協議を要件とするなど、雇用への配慮を要件とする立地支援制度ですとか公的な再生支援制度というのは現在もあります。ただ、御指摘のようないろんな状況の中で関係機関といろいろと連携をして取り組んでいきたいと思いますが、今委員からも御提案があったようなことも含めて、どういうことが可能なのかは検討させていただきたいと思います。
#240
○田村智子君 これは、立地するときには様々な条件付けていると思うんですね。ところが、撤退のときには本当にもう好き勝手なんですよ。これはこのままでは私いけないと思います。
 この大規模リストラの中で起きている具体的な問題を取り上げます。
 この人員削減の多くは希望退職という形で進められていますが、実際には希望とは名ばかりの過酷な退職強要が行われています。NEC、正社員二千人、非正規雇用五千人、海外で三千人、合計一万人の削減の方針を打ち出して、このうち正社員については、幾つかの部署で、四十歳を超えた労働者を対象にして、七月に希望退職を募って九月末に退職をさせるという計画、これが今進行中なんです。
 具体的に何が起きているかと。これ、五月末から個別の面談始まりました。労働者は希望退職に応じないと明確に表明をしても、業務命令だといって二か月間で六回、七回、中には十回以上も面談が繰り返されているんです。六回目の面談が終わりました、残ろうなんて絶対考えるなと毎回言われています、もう死にたいです、今座席で手を切ろうかなと考えていますと。これ、電機・情報ユニオンにこうした声がメールなどで数十人から寄せられています。
 中には、入院中の労働者のその入院先の病院に行って希望退職の説明をするとか、うつ病で自宅で療養中の労働者を二度にわたって喫茶店に呼び出して一時間にわたって希望退職の説明をする、説得をすると。本人が断っているのに、今度は自宅に一時間に及ぶ電話を掛けて説得をすると。それでも断れば、その後も繰り返し電話をして面談に応じなさいと求めると。うつ病の人に対してこんなことまでやられているんです。私、これ聞いたとき、背筋凍りましたよ。この方、何起きるか分からないですよ、こんなことやられたら。
 大臣、これは常識的に考えて、希望を募るという範囲を超えているんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#241
○国務大臣(小宮山洋子君) 退職勧奨につきましては、全体として被勧奨者の自由な意思決定が妨げられる状況だった場合には違法な権利侵害となると述べました最高裁判例があります。この判例では、被勧奨者の家庭の状況、名誉感情等に十分配慮すべきとも述べられています。こうした観点から見まして、行き過ぎた勧奨が行われた場合は違法な退職の強要と判断される場合もあるというふうに考えています。
#242
○田村智子君 これ、NECは、こうした多数回の面談を繰り返すに当たって、こういうやり方は退職強要に当たらないと当局に確認をしていると労働者に説明までしていると。
 労働基準局長に確認をしたいのですが、労働局や労働基準監督署がNECからの問合せを受けて、多数回の面談が退職強要には当たらないと、こういうお墨付きを与えた事実があるのかどうか、お答えください。
#243
○政府参考人(金子順一君) 一般的なことで答弁をさせていただきますが、労働局や労働基準監督署で、今言ったような退職勧奨の面接を何度も行うことが問題かどうかというようなことを企業などから相談があった場合には、通常、裁判例等の紹介を行うことにとどめまして、それで問題がないなどという断定的な回答を行うことはないものと考えております。
#244
○田村智子君 これ、私も厚生労働省に問い合わせたんですけれども、NEC本社のある三田労働基準監督署にも東京労働局にも、そもそもNECからの問合せはなかったという回答なんですね。先ほど最高裁判例を示していただきました。労働局や監督署が六回、七回にも及ぶような面談にお墨付きを与えるはずがないんですね。
 厚生労働省は、先ほど大臣が紹介いただいた最高裁判例も示して、二〇〇九年四月には企業向けに、厳しい経済情勢下での労務管理のポイントというパンフレットを出していて、その中でも、違法な権利侵害に当たる場合があるんだと、自由な意思決定妨げてはならないということを注意喚起しています。
 実は、この最高裁の判例を周知徹底するという意味で、二〇〇〇年二月には、神奈川労働基準局長が日本鋼管京浜製鉄所に対して助言文書も出しております。今日、資料でも配付をしましたので見ていただきたいんです。
 この中では、具体的には次のような場合には退職勧奨の許容される限界を超えるものと判断しているとして、これは私の方で番号を振りますけれども、一つには、出頭を命ずる職務命令が繰り返される場合。二つに、被勧奨者がはっきりと退職する意思がないことを表明した場合に、新たな退職条件を提示するなどの特段の事情がないのに執拗に勧奨を続ける場合。三つ目、勧奨の回数及び期間などが退職を求める事情の説明及び優遇措置などの退職条件の交渉に通常必要な限度にとどまらず、多数回、長期間にわたる場合。四つ目、被勧奨者に精神的苦痛を与えるなど、自由な意思決定を妨げるような言動がある場合。五つ目、被勧奨者が希望する立会人を認めたか否か、勧奨者の数、優遇措置の有無などについて問題がある場合。具体的に、数えれば五つの場合を示して、これ実際に二〇〇〇年のときには日本鋼管に対して助言を行っているんですね。
 これ、こういう事実があったと思いますけど、労働基準局長に確認をいたします。
#245
○政府参考人(金子順一君) お示しいただきました文書は、退職勧奨に関する裁判例の考え方につきましては下関商業高校事件と呼ばれる最高裁の判例がございます。これに基づいて助言をしたものでございます。
#246
○田村智子君 これ、労働基準監督署が具体にこういう助言を出しているという事実があるわけですね。私、こういう中身をいま一度ちゃんと企業に徹底するべきだと思います。
 これに照らせば、先ほど私が挙げたNECでの事例は明らかに退職強要です。勧奨ではありません。NECでは、今、希望退職の募集期間過ぎた、退職に応じなかった労働者を今度は別室に移してこれまでの仕事を取り上げるなど、見せしめ、パワハラとも言えるやり方まで始まっています。退職強要に当たらないと労働局がお墨付きを与えたかのような虚偽の説明までして、辞めると言うまで労働者に圧力を掛け続ける、こうしたNECの退職強要の実態は直ちに調査をしてやめさせるべきだと思いますが、いかがですか。
#247
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほど御紹介したような最高裁の判例もございます。都道府県労働局や労働基準監督署では、退職強要を疑われる事案についての情報の把握に努めまして、企業の方に出向いたりして、事実関係を確認した上で関係法令や裁判例を説明するなどの啓発、指導を実施をしていくことにしていますので、このNECの例につきましても、出向いて、どのようなことがあるか調査をして必要な指導をするということが必要かというふうに思います。
#248
○田村智子君 是非お願いしたいと思います。
 私が今回NECの事例で取り上げましたけれども、これ、一企業の問題ではありません。例えば、一万四千人のリストラを計画しているルネサス、この九月に希望退職を募ろうとして、今まさに面談が始まっています。これ、これまで私、厚生労働省にお聞きしたら、個別に相談があったら個別に応じますということを言っているんですけど、個別じゃないんですよ、組織的に行われているんです。組織的に行われていることに対しては、やはり労働行政が組織的に対応する、これ必要なことだと思います。これはNECだけでなく、例えば複数の労働者から退職強要が疑われるような事例が相談があった場合、直ちにこれは組織的にやられているということを疑い、同じように調査し指導すべきだというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#249
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員が御指摘のように、例えば一つの企業の複数の労働者から相談が寄せられたような場合は、やはりこちらから企業に出向いて事実関係を確認をして、必要な指導をする必要があるというふうに思います。
#250
○田村智子君 是非ともその旨を各県の労働局とそれから各労働基準監督署にも徹底をしていただきたいというふうに思います。中には、NECの労働者が労働基準監督署に相談に行ったのに、うちでは受け付けられませんといって労働局にたらい回しをするという事例まであったんですね。これでは駄目です。労働基準監督署でワンストップでちゃんと相談を受けて、そして組織的な対応ができるようにということを是非やっていただきたいと思いますけれども、これは労基署でもワンストップでちゃんと相談応じる、確認したいと思いますが、いかがですか。
#251
○国務大臣(小宮山洋子君) これまでも労働紛争に関する相談、全国の都道府県労働局とか労働基準監督署などの総合労働相談コーナーで相談を受け付けています。それで、受け付けた場合には、案件ごとに必要な対応部署を紹介をして、きちんとたらい回しにするようなことなく対応するようにしているんですが、今委員から御指摘のあったようなことがないようにしっかりと徹底をしていきたいというふうに思います。
#252
○田村智子君 これは事が起こる前に、私は、先ほど示した五つのような場合というのをできれば分かりやすいパンフレットにして、相談のあった労働者にも示すし、企業に対しても具体的に示す、具体的に示すということが今本当に求められていると思うんです。
 ルネサスやパナソニックのこの大規模リストラを見てみますと、海外の企業に負けたからだと、仕方がないんだと、倒産させないためにやむを得ないことであるかのような報道もされています。しかし、現場でいろいろお話をお聞きすると、これまで企業が時間も掛けて技術者も育てて、日本の中で開発をした技術を目先の利益で大企業がどんどん海外に流出をさせてしまう。自ら大企業が、経営判断の言わば誤りで日本の中の工場を潰さなければならないような事態というのを自らつくり出しているんですよ。その経営者の責任というのが何にも問われずに、労働者にだけそれがしわ寄せが行くと。一生懸命技術開発やってきた、一生懸命いい製品作ってきた、その労働者をいとも簡単に切り捨てていく、精神的に追い詰めて辞めると言わせる。これは、私は日本の中の物づくり、あるいは日本の経済、企業の在り方を根底から駄目にする重大な事態だと思っています。
 是非労働行政の積極的な助言や指導を求めて、質問を終わります。
#253
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。福島みずほさん。
#254
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、平成二十二年度の補正予算で組まれた住民生活に光をそそぐ交付金についてお聞きをいたします。
 執行状況が九七%などとても高く、また私はこれはとても評価をしております。DVや弱者対策、自殺や児童虐待や図書館など、今まで現場でなかなか予算が付かずに細々と善意に支えられて実施されてきた支援事業に公的な予算が付いたと、これは本当に大事なことだったというふうに思っております。しかし、これがその後、このような交付金がなくなっております。こういったところにきちんと予算措置をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#255
○国務大臣(川端達夫君) 今御指摘のように、この住民に光をそそぐ交付金というのは、平成二十二年の補正予算で臨時的に一千億円措置をされました。
 これもお触れいただきましたけれども、地方消費者行政、DV対策、自殺予防等の弱者対策、自立支援、住民生活にとって大事であるけれども、今まで光が十分に当てられなかったということに対して行う取組を支援するものでありまして、平成二十二年度当時の実施計画、要望ベースで、二十二年度に約八百十五億円を活用して、加えて、二十四年度まで約二百四十六億円を基金として活用するものとされていまして、基金分については、その後、自治体に対する調査によると、平成二十四年度末までの執行見込額は二百三十三億円と回答をいただいているところであり、順調に執行は進んでいるものと考えております。
#256
○福島みずほ君 今後、この光を当てる、光が当たらないところに光を当てる政策を是非しっかりやっていただきたいと思います。
 次に、地方における消費者行政の支援強化についてお聞きをいたします。
 地方消費者行政活性化基金によって相談員が三年間で五百五十五名増員されるなど、大きな前進がありました。しかし、この基金は平成二十四年までであることもあり、消費者問題の複雑化する中で、地方からも地方における消費者行政の更なる支援を求める声が大変強いです。
 今後も予算化して地方における消費者行政の強化を図るべきと考えますが、大臣の決意をお願いいたします。
#257
○国務大臣(松原仁君) 地方消費者行政については、消費者にとって身近な相談窓口の充実を図っていくことが重要な取組であることから、これまで地方消費者行政活性化基金を活用して充実強化を推進してまいりました。
 一方、小規模な自治体は基金への依存度が高く、自主財源の確保が困難な状況にあり、今後も持続的な消費者行政の充実を図っていくためには、基金終了後の地方消費者行政の財源の確保が大きな課題であります。
 平成二十五年度以降においても、地方消費者行政に積極的に取り組む地方自治体を引き続き支援し、自治体における基礎的な取組の下支えができるよう財源の確保を最大限努力してまいります。
#258
○福島みずほ君 次に、国庫補助金等により都道府県に設置された基金の執行状況についてお聞きします。特に、地域自殺対策緊急強化基金です。
 国庫補助等により都道府県に設置された基金の執行状況を見ると、平成二十一年度までの執行率が三五・八%、平成二十三年度までで五四・六%です。しかし、自殺に対する取組は本当に必要です。本基金は二〇一二年、二十四年度までとありますが、自殺対策はまさに始まったばかりです。今後もしっかりと予算を付けていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#259
○国務大臣(中川正春君) この自殺対策については、平成二十一年度の補正予算も含めまして、当面の三年間で百億円を交付をしてあります。
 自殺者数を見ると、依然三万人を超えている厳しい状況がありまして、平成二十五年度以降の本基金の取扱いについては、平成二十六年度までの各年度の予算編成過程で判断をするということにしておりまして、都道府県においては本基金の期限の延長を踏まえつつ、基金に基づく事業を実施しているというふうに理解をしております。中身の使い方も含めて、更に充実した形でこれを積み上げていきたいというふうに思っております。
#260
○福島みずほ君 地方消費者行政や自殺についての基金、今後の取組について、予算の面も含めて是非よろしくお願いします。
 八月十二日までエネルギー選択に関するパブリックコメントが実施をされました。総数八万九千百二十四件、その八一%が即時原発ゼロを求める内容でした。各地域で行われた意見聴取会、とりわけ福島の中ではとても切実な意見もたくさん出ております。これらの意見はどう反映されるのでしょうか。
#261
○国務大臣(古川元久君) お答えいたします。
 今般、新しいエネルギー社会をつくっていくと、これまでの一部の電力会社、大手の電力会社がほとんどの電気をつくって供給する仕組みから、一人一人の国民の皆さん方が、時には自分で電気をつくり、あるいは節約したりためたり、そういう形の小規模分散ネットワーク型の新しいエネルギー社会をつくっていくと。そのためには、やはりこれは国民の皆さん方の参加が不可欠になりますので、これまでのようなエネルギー政策、専門家の皆さん方に集まって決めていただいたエネルギー政策について、御参加をいただくやっぱり国民の皆さん方の御意見も踏まえて決めていただきたいということで、国民的な議論を行って、今お話がありましたパブリックコメントや意見聴取会、あるいは討論型世論調査というものも行わせていただきました。それ以外にマスコミ等でも各種の世論調査等も行われておりますので、そういうものを集約いたしまして、それを検証する検証会合というものを先週、そして今日も開催をさせていただきました。ここには、パブリックコメントであるとか世論調査、こういうものの専門家の先生方にお集まりをいただきまして、各種調査の特性を踏まえた分析を行っております。
 こうした分析を踏まえまして、今後、国民的な議論を踏まえた総括を行った上で、政府として責任を持って革新的エネルギー・環境戦略を作成してまいる予定でございます。
#262
○福島みずほ君 八万九千百二十四件も来て、八一%が即時原発ゼロであると。とりわけ私は、福島での意見聴取会のそれぞれのコメントに本当に心を打たれました。これほどやはりみんながもう原発やめてほしいと思っているということを思いました。是非、この国民の声を生かしてくださるよう、心からお願いいたします。
 次に、原子力規制委員会委員長及び委員に関する人事案についてお聞きをいたします。
 細野大臣、私は、六月十八日、環境委員会で質問をしております。大臣は、「原子力村から選ばないということであれば、それはもちろん大前提として心掛けていかなければならないところだというふうに思います。」と答弁をされています。
 ところが、委員長として提示されている田中俊一さん、彼は、日本原子力研究開発機構副理事長時代には「もんじゅ」の推進を行い、原子力委員長代理時代には原子力事業者との秘密会合に出席をしております。また、現在、高度情報科学技術研究機構にいらっしゃいますが、ここは、日本原子力研究開発機構からの事業収入が七三%、高度機構は原子力機構の関係法人であり、実質的に一体であります。まさに原子力村の住人であり、この方を、田中俊一さんを原子力規制委員会の委員長にすることはまさに不適格だと思います。
 この人事は、細野大臣が環境委員会で答弁を私に対してされた、まさにこのことに反する、「原子力村から選ばないということであれば、それはもちろん大前提として心掛けていかなければならないところだというふうに思います。」、これにまさに反していると思いますが、いかがですか。
#263
○国務大臣(細野豪志君) まず事実関係として申し上げますと、田中氏は「もんじゅ」の推進には直接かかわっておりません。また、原子力委員会の委員長代理は確かにされていましたが、当時は原子力政策大綱について更新という議論にはなっておりましたので、秘密会にもこれは出席をしておりませんし、そういったものは当時はなかったということでございます。そのことは私の方から事実関係として申し上げたいと思います。
 その上で、この原子力規制委員の人事なんですけれども、法律的な欠格要件に当たらないということだけではなくて、三年間は原子力事業者等の従業員であった者を外すということで、そこの、事業者との距離をしっかり保つという形での判断にいたしました。
 仮に、原子力研究開発機構の旧原子力研究所というところも完全に排除するということになってまいりますと、これはまさに原子力についての研究の機関ですから、例えば同じく炉規制法の対象になってくる東京大学や京都大学も外すという議論まで行き着いてしまうわけですね。そうしますと、そもそも原子力というものに直接かかわっていない人が委員長になるという、このこともやはり技術的、専門的に判断をしなければならないというこの原子力規制委員会の言うならば宿命から考えれば、現実的にはなかなかそういう形にはならないということでございます。
 既に政府として閣議決定もさせていただきましたので、是非こうした経緯を皆さんに分かっていただいて御賛同いただければ大変幸いでございます。
#264
○福島みずほ君 私は、田中俊一さんが、三・一一前、原子力推進をすることの論文も随分読まさせていただきました。大臣が言っていた原子力村からの起用であり、これは認めるわけにはいきません。大臣の答弁と違反していますよ。
 それから、日本弁護士連合会は、とりわけ更田豊志さんと中村佳代子さんが、原子力規制委員会設置法七条七項三号に該当する、違法であるという声明を出しております。
 これは、七条七項三号、原子炉、再処理を行うということにまさに更田さんが属している機構が該当するわけですから、まさにこれに該当します。これに関しては、辞めるからいいんだというのが答弁です。回答は、委員を引き受けるときに更田さんは辞職するからいいんだと。しかし、御存じのとおり、この規制委員会設置法は兼職禁止を決めていますし常勤です。全ての人は委員長か委員になるときは辞めざるを得ないですよ。それだったら誰だって、誰だって、どんな人でもこの七条七項三号に当たらないということになります。
 そして、細野大臣は、七月三日、記者会見で、これは国会でずっと環境委員会で議論があったので、ガイドライン、原子力事業者に関して三年間遡ってそれはさせないというふうにおっしゃっています。これには何の留保も付いておりません。三年間遡るというガイドラインをあなた自身が記者会見で、七月三日、言っているじゃないですか。だから、その点でいえば、更田さん、そして中村さん、問題です。
 とりわけ更田さんはまさに原子炉を扱う機構ですよ、「もんじゅ」ですから、再処理を扱う機構ですよ。どうしてその人が引き受ける前日に辞めるからいいんだとなるんですか。まさに原子力村からの、機構じゃないですか。「もんじゅ」を扱っていた機構の人が「もんじゅ」の廃炉を選べるわけないじゃないですか。
 少なくとも、国民に対する、分離をやるんだという原点で、こういう人を委員にしたら駄目ですよ。少なくとも、日弁連が違法であると言っている人間を国会同意人事で認めることはできないです。裁判をやれば必ず、設立許可、そして再稼働、違法な委員が関与したと裁判では争われますよ。七条七項三号に明確に該当するじゃないですか。
#265
○国務大臣(細野豪志君) 七条七項の三号というのは、まさに今、福島委員がおっしゃったとおり、兼職はできないということについて定めた規定であります。したがいまして、更田氏もここには該当しません。
 ただし、それだけでは十分でないと考えましたので、原子力事業者からはしっかりと独立をさせるという意味で三年間というガイドラインを作ったわけです。そこに該当するかどうかというのが、多分、福島委員の問題意識だと思います。ただ、福島委員の問題意識をそのまま徹底をするならば、例えば東京大学も京都大学も原子炉の施設を持っていますから、そこも該当するんですね。
 それで、原子力研究開発機構でいうならば、旧原研と動燃というのがあって、動燃は「もんじゅ」の側が推進をしていることはよく御存じだと思いますが、そこは、研究機関としての旧原研の部分まで排除してしまうとあらゆる専門家を排除することになってしまいますから、そこは分けて考えていただきたいということでございます。
 最後に一言だけ、いろいろおっしゃいましたので申し上げますと、恐らく福島委員も田中氏と何度かお会いになったことがあると思います。除染について話をしたことがあると思います。あらゆる専門家が今回に関しては事故について一定の責任を感じて、それで過去についていろいろ反省をしているところがあるわけですね。その中で、田中氏は一番現場に行って福島を除染をして、それで福島委員にも除染はこういうふうにするんだということを説明したということもおっしゃっていました。
 そういったことも含めて、この反省に立って、厳しい規制をするということに関して明確に自覚を持った人にやっていただかなければ、この安全規制がこれはもう動かないということになってしまいますので、そこは是非ともこうした経緯を御理解をいただきたいというふうに思います。
#266
○福島みずほ君 いや、余りにでたらめですよ。七条七項三号に該当するわけでしょう、「もんじゅ」のこの機構は。辞めるからいいんだったら、誰だってなれるじゃないですか。常勤なんですよ。前の日に辞めるんだったら誰だってなれますよ。この欠格要件は全く意味がない規定になるじゃないですか。
 だから、あなたは、七月三日、記者会見で三年遡ると言ったんですよ。三年遡って認めない、兼職禁止の規定ではないんだと、三年遡ると言ったんですよ。だから、原子力事業者に当たるじゃないですか。だって、現在今やっているんですよ。三年遡ったらまさに当てはまるじゃないですか、中村さんも、とりわけ更田さんも。どうですか。
 ところが、その後は、今度は八月に新たな政府の見解を言って、七条七項三号が言う原子力事業者とそれからガイドラインが言う原子力事業者は範囲が違うと、ガイドラインが言う原子力事業者はメーカーなどに限定すると言っているんですよ。そんなの全く二枚舌の詭弁ですよ。七条七項三号に「もんじゅ」やっている機構は当たるんですよ。そこに今やっている人間が何で委員がやれるんですか。全くそれはでたらめですよ。後から後出しじゃんけんで要件変えないでくださいよ。原子力事業者の要件がガイドラインと法律で違うなんていうのは通用しませんよ。
#267
○国務大臣(細野豪志君) 原子力規制委員会設置法の七条七項三号には原子力事業者という言葉はありません。個別にそれぞれの業務の中身が書いてあって、それに該当するかどうかということであります。ですから、法律で言っている欠格要件と我々がお示しをしたガイドラインというのはこれは元々別のものなんです。仮に全て、それこそ炉規制法に言うような全ての規制対象を対象にしてしまうと、原子力研究開発機構の旧原研ももちろんですが、何度も申し上げますが、東京大学も京都大学も、かかわった人は全員規制できないということになってしまうんです。
#268
○福島みずほ君 いいじゃないですか。
#269
○国務大臣(細野豪志君) いや、それは、そういう御意見もあるかもしれません。ただ、そこは、実際に原子炉の中のことが分かって、私は今回原発の事故を経験しましたから、中の原子力の例えば燃料がどこの場所にあるかとか、そのときにどういう対応できるのかということについて本当の専門家で分かった人が極めて少ないということも私経験したんですね。更田氏というのは、いろいろ御批判があるかもしれないけれども、シビアアクシデントの専門家で、燃料がどの場所にあるかという専門家なんです。「もんじゅ」とは全く関係ないんです。
 ですから、実際に危機に対応するにはどういうメンバーが必要なのかということについて、国会というのは責任ある場所でございますので、是非そういった、実際の危機にどう対応できるのかということについて御判断をいただければ大変幸いだというふうに思います。
#270
○福島みずほ君 いや、インチキですよ。七条七項三号には原子炉、再処理、書いてありますよ。そして、あなたが、細野大臣が七月三日にやった記者会見、そのときのペーパーには原子力事業者の見解について違う見解を取ることなど一切書いてないんですよ。同じに解釈するのが当たり前じゃないですか。
 そして、なぜ七条七項三号があるのか。それは、原子炉等やいろんなことをやってきた人間は規制をするときにやっぱり影響を受けるからでしょう。私たちは福島原発事故を経て、利用とそれから規制を分けるんだって、そのことを決めたんですよ。にもかかわらず、なぜ今まで原子力で飯食ってきた人たちが、機構のまさにど真ん中が、七条七項三号に該当するって政府が答えているじゃないですか。その人間が、あした私が委員になる、今日までやっていても委員になるとき辞めていればいいんだなんていう理屈は通らないですよ。誰も、誰も、誰もこの要件に当たる人がいなくなっちゃうじゃないですか。誰だってなれるんですよ。そんなふざけたことはやめてください。七条七項三号に明確に当たるんです。ガイドラインを作るときに何の留保も付けなかったじゃないですか。それを今ごまかさないでください。
 原子力に携わった人で、石橋克彦さんや田中三彦さんや国会事故調に入った多くの人たち、この人たちは三・一一前から原発の危険性を言ってきた。すばらしい学者はたくさんいます。原子力が安全だと言い、核はコントロールできると田中さん言っているんですよ。できないというのが福島じゃないですか。福島がそれを明らかにしたのに、ヒアリングで原子力をコントロールしなければならないと言っているんですよ。原賠審で最後まで自主的避難者に対する賠償に反対したのが田中俊一さんなんですよ。だからみんなが反対しているんです。
 でも、私が今日一番言いたいのは、七条七項三号に明確に反するということなんです。今日辞めればあした委員になれるというそのふざけた政府の見解はどこにも通らないですよ。違法な人間を国会に提示して、国会が違法な人間を選ぶことはできないんですよ。五年間居座ることができるんですよ。五年間たたりますよ。五年間、違法な人間を選んだといって、あらゆる政府の原発政策が違法性を帯びると裁判で争われることになるんです。こんな人事を許してはならない。そのことを申し上げ、私の質問を終わります。
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#271
○委員長(山本順三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、大野元裕君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君が選任されました。
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#272
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。亀井亜紀子さん。
#273
○亀井亜紀子君 みどりの風の亀井亜紀子でございます。
 今日は、内閣府に対して異なるトピックで質問がございますが、まず領土問題から始めたいと思います。それは、連日、竹島問題について、また韓国側の対応が刻一刻と変わってきているからです。先ほどネットニュースを見ましたら、韓国政府が従軍慰安婦の問題について仲裁委員会の設置を提案するというような情報も流れておりました。ですので、領土問題から入りたいと思います。
 竹島問題について、こんなに日本全国の注目を集めるようになるとは思っておりませんでした。ついこの間まで竹島が島根県だということを御存じない方が多かったのではないかと思います。島根県民は、この竹島問題をせめて北方領土問題並みに扱っていただきたいということをずっと要望してまいりました。北方領土については、国が北方領土の日を定め、式典を行い、総理が参加する、そして北海道の担当大臣がいて、対策室もある。それに対して、竹島については何の対応もしていただいていない。ですから、きちんと北方領土並みの対応をお願いしたいということを申し上げてきました。
 そこで、初めに北方領土問題についての決算の内訳、式典の費用ですとか、資料作成、研究費等をお教えください。
#274
○大臣政務官(園田康博君) お答えを申し上げます。
 平成二十二年度の決算額の内訳でございます。先生御指摘のように、式典と広報資料、調査研究ということでお伝えをさせていただきたいと思います。
 まず、式典でございますが、毎年二月七日、北方領土の日でございますけれども、北方領土返還要求全国大会に係る経費は七百六十四万七千九百三十五円。そして、広報資料経費でございますが、三百八万六千百四十八円。そして、調査研究経費でございます、これが一千三百五十六万七千五百円などとなっておるところでございます。
#275
○亀井亜紀子君 竹島問題についてはまだ対策室がありませんから、もちろん予算も付いていないわけですけれども、この点について官房長官、先日、対策室について検討をされるという前向きな御答弁がありましたけれども、もう一度、この対策室についての対応と、それから領土の担当大臣を置いていただきたいのですけれども、御見解をお伺いいたします。
#276
○国務大臣(藤村修君) 今月の二十一日に竹島の領土問題に関する関係閣僚会合というものを開きました。それで、そこで野田総理からは以下の指示があったんですが、その中に一つ、竹島の領土問題に対する政府の体制を強化することという、総理大臣指示という形でこの二十一日に受けたところであります。
 そこで、政府の方では、関係省庁と今後協議をしながら、御指摘のような政府の体制の強化ということを含めて、竹島問題の平和的解決を図る上で有効な方策をこれ引き続き考えてまいりたいと考えています。沖縄北方は担当大臣が今いるということ、そういうことももちろん踏まえながら今後検討していくと、そんなに時間を掛けずにということはありますが、検討させていただきたいと思います。
#277
○亀井亜紀子君 担当大臣と対策室の件、両方前向きに急いで検討をお願いいたします。
 竹島問題について、この機会に、島根県は大分研究が進んでおりますので、背景について少しだけ御説明をしたいと思います。
 島根県の竹島問題研究会に多くの有識者がかかわっておりまして、その中に拓殖大学の下條正男教授がおられます。彼がいろいろな発表をしていますけれども、最近分かってきたこととして、なぜ居住に適さない竹島を韓国があの時期に不法占拠したのかということ、いろいろ発表をされ始めました。それは、サンフランシスコ講和条約が発効して日本が国際社会に復帰し、韓国に対して国交が正常化したときに、財産の請求がされないように何かしらの外交カードが必要だったということが背景にあるようです。
 ですから、まだ講和条約が発効していない、日本が物を言えないときに不法占拠をして、そして李承晩ラインを引いた。そして、このラインの韓国側で漁業をしていた日本人を拿捕して、この数が二千七百九十一人おります。六五年までの間に拿捕された人たちです。この人たちが、長い人で三年ほど釜山近郊に抑留されていました。彼らを人質に、言葉は悪いですけれども、人質に使うことによって、日本が韓国に持っていた財産権の請求の放棄、それから日本にいた在日韓国人の法的地位を要求したんですね。こういうことがあるんです。
 これは韓国側は余り触れてほしくない歴史でして、こういったことをなるべく表に出したくない。それで、竹島問題を持ち出すと従軍慰安婦の問題を持ち出してきて、人権、人権と言うわけですけれども、一方で、日本側は、拿捕された漁業者の人権、これも求めておりませんので、解決済みのことを持ち出してくると両方が収拾付かなくなりますから、事実は事実として韓国側に主張し、毅然とした対応をお願いしたいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。青年の交流事業についてお伺いいたします。
 未来志向で考えれば、このような領土問題を解決するためには、次世代に対する教育と、やはり国際交流が大事になってくると思います。
 ところが、先日、岡田副総理が会見をされまして、青年国際交流の予算を半減するとのことでした。この中に世界青年の船の事業も含まれておりまして、これは私が以前参加したことがあるんですけれども、大変多くのことを学びました。内閣府の行政事業レビューが行われて、そのときに担当の方が、なぜ船でなければいけないかという、その説明にかなり時間を取られておりまして、船がいけないというようなことで予算がばさっと切られるようなことであったんですけれども、ここでお伺いいたします。
 航空機の派遣事業、航空機による交流事業、それから船の事業、両方持っていると思いますけれども、参加した青年たち、これは青年に対する投資ですから、この人たちが何十年かにわたって活動、日本で活動あるいは帰国した先の国で活動していただかないとこの交流事業の成果というのは生まれてこないんですけれども、船に参加した人と航空機事業に参加した人と、その後の参加青年OB、OGの組織率ですとか活動実績、また日本の在外公館とのかかわりにおいて差はありますでしょうか。
#278
○政府参考人(伊奈川秀和君) 今お尋ねのございました事後活動組織の関係でございますけれども、例えば東南アジア青年の船でございますと、ASEAN加盟国十か国において事後活動組織がつくられております。また、世界青年の船の関係でも、これまで交流相手国六十三か国のうち四十五か国において事後活動組織が発足しているところでございます。
 これらの事後活動組織、例えば直近でございますと、東日本大震災の際の災害、あるいは貧困に対する国際的な支援、そしてあるいは国際交流などなど、様々な活動を活発に展開をしているところでございます。また、日本大使館との関係でも、いろいろな行事に参加、協力をしていただくといったようなことでございまして、これまで参加された方の中には、叙勲や、あるいはいろいろな表彰を受けておられる方もいるところでございます。
 一方、航空機事業といっております事業、幾つかございますけれども、例えば国際青年育成交流事業、あるいは日中、日韓との間の親善交流事業といったようなものの中で、こういった事後活動組織という点では、例えば韓国で韓国青少年国際交流会、KIYEOといったようなものが発足しておりますけれども、そのほかの国ではまだまとまったものはできていないというのが現状でございます。
 航空機事業についてもいろいろな事後活動ということについて取り組んでいきたいとは考えているところでございます。
#279
○亀井亜紀子君 事業に参加した後の青年の活動については、船の事業の方が組織されていて活動が活発であるということは、これは今の御答弁からも明らかかと思います。
 それでは、世界青年の船ですが、東南アジア青年の船のように、もう少し各国共催の形、その寄港地での費用を相手方の政府に出していただくとか、そういう道というのはあるのでしょうか。
#280
○政府参考人(伊奈川秀和君) 東南アジア青年の船の場合でございますと、これはASEAN諸国との共同事業という形でやっております。そしてまた、国も固定されているところでございますので、そういった点でいきますと、これまでの世界青年の船の関係については、国が年によって変わってくるといったような事情があるところでございます。
 ただ、世界青年の船事業につきましても、我が国のこういった交流の意義ということは認めていただいて、そして寄港した際にはいろいろな形での、例えばレセプションであるとか、いろいろな式典であるとかといったような形で各国からも協力をいただいているところでございますけれども、実際のところ、そういったものの金額といったようなことについては把握はしておらないところでございます。
#281
○亀井亜紀子君 その辺の金額を把握をして、二十五年やってくれば何度も寄港している国があるわけですから、もう少し協力をいただけるように努力をしていただきたいと思います。
 次の質問に移ります。
 自殺対策についてです。自殺対策というのは、私は防止というのが大事なのかと思っていたのですけれども、最近、自死遺族の方とお会いしました。自殺者の遺族の方というのは自殺と呼びませんで、自死、自分で死ぬという言い方をしますけれども、その自死遺族の方の被害について伺いまして驚きました。確かに自殺があるとその不動産の価格が落ちる、その部屋が貸しにくくなるということはあるのかもしれませんけれども、そのことについて、リノベーションの費用ですとか法外な値段を遺族の方が請求されるということが実際に起きているそうです。
 ですから、悲しんでいる暇もなく何百万という請求が来るというような被害について聞いて驚いてしまったのですけれども、このようなことを認識されていますでしょうか。また、対策は取られているんでしょうか。
#282
○大臣政務官(園田康博君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、自殺の要因といいますか、様々な観点がございます。予防から、そしてまた現に発生したときの対応、そして事後対応ということで、様々な観点から総合的に取り組んでいく必要があるということは私どももしっかり認識をさせていただいておりまして、今般、今ちょうど次期の自殺総合大綱の見直しを行っているところでございまして、そこの中で、やはり御指摘の自死遺族への支援の充実、さらには、心理的な瑕疵物件をめぐる損害賠償の請求の事案等々も含めて、今そういったところを総合的に取り組んでいく必要があるということで盛り込んでいく、そしてしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#283
○亀井亜紀子君 それでは、厚労省にお伺いいたします。
 地域医療についてですけれども、地域医療支援のための基金があったかと思いますけれども、その残額が今どれほどか、どのように使用されたのか、そして、これは積み増しをしてほしいという要望がかなり上がってきているんですけれども、その必要性についてお伺いいたします。
#284
○大臣政務官(藤田一枝君) 地域医療再生基金についてのお尋ねでございます。
 委員御承知のように、この基金については平成二十一年度と二十二年度の補正予算で合計四千四百五十億円を措置して都道府県に交付をいたしました。その活用については、様々に利用されているわけでありますけれども、特に医師免許取得後一定期間、地域の医療機関で勤務することを条件とした医学生に対する修学資金の貸与などの医療従事者確保対策、あるいは夜間休日急患センターの施設整備や必要な医療機器の整備などの救急医療対策、そのほかにも様々な事業について活用をされているところでございまして、大変都道府県の皆様からいろんな御要望も寄せられているところでございます。
 現在、この基金の残額でございますけど、平成二十三年度末で都道府県全体で三千四百八十二億円となっております。なお、この交付額についてはそれぞれの地域医療再生計画の内容に基づいて決定をしておりますので、基金の終期である平成二十五年度までには原則として全額が執行される予定と、こういう運びでございます。
 その後の更なる積み増しということでありますけれども、現時点ではまだ考えてはおりませんけれども、しかしいろんな御要望もございますので、今後の地域医療再生基金の事業の成果や政府全体の動き、こういうものを見ながら必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
 以上です。
#285
○亀井亜紀子君 研修医になる手前の医学生の教育のところにその基金が使われていたりするので、突然打切りとなると非常に困りますので、積み増しを是非よろしく御検討ください。
 時間ですので、終わります。ありがとうございました。
#286
○委員長(山本順三君) 他に御発言もないようですから、皇室費、内閣、内閣府本府、厚生労働省、消費者庁及び沖縄振興開発金融公庫の決算についての審査はこの程度といたします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#287
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。
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#288
○委員長(山本順三君) この際、御報告いたします。
 平成二十二年度決算審査措置要求決議案については、理事会において協議の結果、お手元に配付いたしましたような案文とすることに意見が一致いたしました。
 本決議案を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#289
○委員長(山本順三君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、関係国務大臣から発言を求められておりますので、順次これを許します。安住財務大臣。
#290
○国務大臣(安住淳君) ただいまの特別会計における剰余金の縮減と効率的活用に向けた取組について、特別会計の積立金等の適正規模等に関する情報開示の改善について及び国庫補助金等により都道府県等に造成された基金の有効活用等についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいる所存であります。
#291
○委員長(山本順三君) 平野文部科学大臣。
#292
○国務大臣(平野博文君) ただいまの日本原子力研究開発機構におけるもんじゅの関連施設の未活用と経費支出の透明性確保等についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいる所存でございます。
 以上でございます。
#293
○委員長(山本順三君) 枝野経済産業大臣。
#294
○国務大臣(枝野幸男君) ただいまの日本原子力研究開発機構におけるもんじゅ関連施設の未活用と経費支出の透明性確保等について及びエネルギー対策特別会計電源開発促進勘定の周辺地域整備資金の有効活用についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、今後とも適切に対処してまいる所存であります。
#295
○委員長(山本順三君) 羽田国土交通大臣。
#296
○国務大臣(羽田雄一郎君) 大規模な治水事業における事業の計画及び実施の適時適切な見直し等についての審査措置要求決議につきまして、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいる所存であります。
#297
○委員長(山本順三君) 平野復興大臣。
#298
○国務大臣(平野達男君) ただいまの東日本大震災復旧・復興関係経費の迅速かつ円滑な執行の確保等についての審査措置要求決議につきましては、御趣旨を踏まえ、適切に対処してまいります。
#299
○委員長(山本順三君) 以上をもちまして関係国務大臣の発言は終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#300
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。
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#301
○委員長(山本順三君) 会計検査の要請に関する件についてお諮りいたします。
 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、会計検査院に対し、お手元に配付のとおり、東日本大震災からの復興等に対する事業の実施状況等について及び東京電力株式会社に係る原子力損害の賠償に関する国の支援等の実施状況について会計検査を行い、その結果を本委員会に報告するよう議長を経由して要請いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#302
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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