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2012/09/03 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 決算委員会 第9号
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2012/09/03 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 決算委員会 第9号

#1
第180回国会 決算委員会 第9号
平成二十四年九月三日(月曜日)
   正午開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月二十七日
    辞任         補欠選任
     田村 智子君     井上 哲士君
     福島みずほ君     又市 征治君
 八月二十八日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君     大野 元裕君
     中西 祐介君     藤川 政人君
    はた ともこ君     外山  斎君
     亀井亜紀子君     舟山 康江君
 八月三十一日
    辞任         補欠選任
     大久保潔重君     江崎  孝君
     丸川 珠代君     佐藤 正久君
     主濱  了君    はた ともこ君
 九月三日
    辞任         補欠選任
     江崎  孝君     大久保潔重君
     塚田 一郎君     牧野たかお君
     藤川 政人君     石井 浩郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山本 順三君
    理 事
                大島九州男君
                今野  東君
                小泉 昭男君
                中川 雅治君
                二之湯 智君
                加藤 修一君
    委 員
                有田 芳生君
                江崎  孝君
                小川 敏夫君
                大河原雅子君
                大久保潔重君
                大野 元裕君
                金子 恵美君
                斎藤 嘉隆君
                安井美沙子君
                青木 一彦君
                石井 浩郎君
                熊谷  大君
                佐藤 正久君
                塚田 一郎君
                野村 哲郎君
                藤川 政人君
                牧野たかお君
                森 まさこ君
                若林 健太君
                横山 信一君
                外山  斎君
               はた ともこ君
                柴田  巧君
                井上 哲士君
                又市 征治君
                舟山 康江君
   国務大臣
       総務大臣     川端 達夫君
       法務大臣     滝   実君
       外務大臣     玄葉光一郎君
       財務大臣     安住  淳君
       文部科学大臣   平野 博文君
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
       経済産業大臣   枝野 幸男君
       国土交通大臣   羽田雄一郎君
       環境大臣
       国務大臣     細野 豪志君
       防衛大臣     森本  敏君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 藤村  修君
       国務大臣
       (復興大臣)   平野 達男君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        松原  仁君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(科学技
       術政策))    古川 元久君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        中川 正春君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        松下 忠洋君
   副大臣
       財務副大臣    藤田 幸久君
       文部科学副大臣  高井 美穂君
       経済産業副大臣  牧野 聖修君
       国土交通副大臣  奥田  建君
       国土交通副大臣  吉田おさむ君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        大串 博志君
       財務大臣政務官  若泉 征三君
       文部科学大臣政
       務官       城井  崇君
       厚生労働大臣政
       務官       津田弥太郎君
       農林水産大臣政
       務官       森本 哲生君
        ─────
       会計検査院長   重松 博之君
        ─────
   事務局側
       事務総長     橋本 雅史君
       常任委員会専門
       員        工藤 政行君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        村木 厚子君
       警察庁交通局長  石井 隆之君
       文部科学省初等
       中等教育局長   布村 幸彦君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  小松親次郎君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        久保 公人君
       厚生労働省健康
       局長       外山 千也君
       農林水産省消費
       ・安全局長    高橋  博君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     深野 弘行君
       中小企業庁事業
       環境部長     加藤 洋一君
       海上保安庁長官  鈴木 久泰君
       防衛大臣官房審
       議官       鈴木 英夫君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴木 繁治君
       会計検査院事務
       総局第二局長   藤崎 健一君
       会計検査院事務
       総局第四局長   太田 雅都君
       会計検査院事務
       総局第五局長   川滝  豊君
   参考人
       独立行政法人日
       本原子力研究開
       発機構理事長   鈴木 篤之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十二年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十二年度特別会計歳入歳出決算、平成二十二年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十二
 年度政府関係機関決算書(第百七十九回国会内
 閣提出)
○平成二十二年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百七十九回国会内閣提出)
○平成二十二年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百七十九回国会内閣提出)
○会計検査の要請に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(山本順三君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、田村智子さん、福島みずほさん、亀井亜紀子さん、白眞勲君、中西祐介君、丸川珠代さん、大久保潔重君及び主濱了君が委員を辞任され、その補欠として井上哲士君、又市征治君、舟山康江さん、外山斎君、大野元裕君、藤川政人君、佐藤正久君及び江崎孝君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山本順三君) 平成二十二年度決算外二件を議題とし、本日は准総括質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○大島九州男君 民主党の大島九州男でございます。
 質疑に入る前に、過日、八月二十九日に野田総理の問責が決議をされた後にこの決算委員会准総括質疑が開かれるということは、大変意義のあることだと私自身は考えているところであります。御尽力いただきました委員長、そしてまた両筆頭、そして各党の理事の皆さん、そして国対の皆さんに心から感謝を申し上げて、これ自身、先例として、やっぱり参議院は決算の参議院と言われる、決算重視と言われる院でございます。もうこの決算委員会については特段の御配慮をいただいて、あわよくば総括質疑もという思い、皆さんの思いは一緒であるというふうに思っておりますので、皆さん御協力をいただければと思います。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 まず、理科教育についての質問でありますけれども、平成二十二年度決算に関して文部科学省にお伺いをしたいと思います。
 経済協力開発機構、OECDは、各国政府等の政策的検討に資することを目的として、加盟三十四か国の協力を得て国際教育指標の開発を行っておりまして、その成果の一部として「図表でみる教育」を一九九二年からほぼ毎年公表しております。最新版は昨年の九月十三日に公表されましたが、我が国が抱える教育に関しての問題点が浮き彫りとなっております。例えば、日本の在学者一人当たりの教育支出は初等中等教育段階が八千三百一ドル、高等教育段階では一万四千八百九十ドルでありまして、共にOECD平均を上回るものの、教育機関に対する公財政支出の対GDP比は前年と変わらず三・三%で加盟国中最下位と、我が国の教育に関しての公的財政支出が少ないことを証明しております。
 そこで、近年の子供の理科離れに的を絞って質問したいと思いますが、観察や実験に対しての補助予算で理科教育等設備整備費補助等がありますが、この事業は義務的補助金で、平成二十二年度の執行額は二十九億円であります。まず、この予算の執行率はどれくらいで、あわせて、教育現場の先生方から理科教材の質と量について満足をいただいているのかということについて御質問させていただきます。
#5
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 理科教育設備等整備費補助金は、理科教育振興法に基づき国が定めた設備基準を充足するまでの設備整備費の二分の一を補助する仕組みでございます。補助事業者である地方公共団体や学校法人が、それぞれの事業計画に基づきまして補助金の交付を申請いただいております。
 先生御指摘のとおり、平成二十二年度の予算につきましての執行率は九七%という実態にございます。現実に、各年度の申請額は補助金の予算額を上回っており、申請額から減額をして補助金を交付しているという実態になります。補助事業者の要求に十分こたえられていないというのが現状でございます。
#6
○大島九州男君 今の答弁にもあるように、要求額がたくさんあるにもかかわらずそこに予算を付けられていない、それが理科離れ、そしてまた理科の興味を失っているんではないかという懸念がされていたわけでありますけれども、平成二十四年度全国学力・学習状況調査で子供の理科離れについて明確になったと、こういう報告、報道がされておりますが、理科が初めて今回調査項目に加えられた、その結果を見てそういう報道が出たと思うんですけれども、その結果、文部科学省はどのようにとらえられているのかということについてお聞かせをいただきたいと思います。
#7
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 平成二十四年度の全国学力・学習状況調査におきまして、理科が初めて科目として実施をいたしました。その結果におきまして、理科の勉強が好きという割合は他の教科に比べ高いという実態でございますけれども、理科の授業の内容がよく分かるという割合が中学校で大きく落ち込むという結果でございました。具体的には、小学校で理科の内容が分かるという割合が八六%が中学校では六五%と二一ポイント下がるという実態で、国語、算数などに比べると高い割合になりました。
 この要因につきましては様々なものが考えられますけれども、この実態調査の結果では、観察・実験に関しまして、仮説を基にした実験の計画の立案や結果の考察や振り返りを行うという児童生徒ほど平均正答率が高いというデータが得られております。このため、観察・実験活動の充実は理科教育の重要なポイントであるというふうに考えているところでございます。
#8
○大島九州男君 今、話にもありました。私も学習塾で子供を、数学と理科を教えておりましたが、基本的に、子供たちがやっぱり興味を引く、そしてその興味を引いたところから子供たちはどんどん伸びていくわけですね。
 民間の学習塾が理科実験教室というような形で実験の理科教室を整えて、そしてそれを実践する、そこには多くの子供たちがやってきて、そこで理科実験を体験するということがもう今は一般的になってしまった。これも、月謝を払ってその塾に行ける子供はそういう体験ができるけれども、悲しいかな、なかなかそういった予算が家庭から支出されない家庭の子供は経験ができない、こういうことが往々にしてあるわけであります。
 そういったことがないようにするためにも、しっかりとこの学校の予算を付けていただかなくてはならないんですが、先日も学校の先生からお話を聞きましたら、百円ショップに行って先生が自腹でいろんなものを買い集めて、そして実験をやっているという、そういう涙ぐましい努力の陰に教育が支えられているということではやはりよろしくないんじゃないかと。
 先ほどの最初の私の質問にもありましたけれども、日本が国に関する公的財政支出の少ないところ、ここのところを、城井政務官、どのようにお考えになっているのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#9
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 今御指摘いただきました、具体的には理科教育設備整備費等補助金というところが当該の予算になるかと思いますけれども、今年度の予算は従来に比較してもやはり低い額にとどまっているという状況であります。この理科教育設備基準に照らした各学校の整備率というところでも改善が進んでいないと、その結果、今御指摘がありましたように、各学校の教員の方々の自助努力というところにかなりよっているというところもあるというふうにも認識をいたしております。
 こうした状況は、我が国が目指すところ、特に科学技術創造立国をある意味で目指している我が国としては、決して好ましい状況ではないというふうに言わざるを得ないというふうに思っています。
 この子供たちの理科離れを食い止め、また学力の向上を図るためには、児童生徒の理科に関する興味、関心を高めるために、この内容の理解を深めるためにも、観察・実験活動の充実を中心に理数教育の充実を総合的に取り組む必要があるというふうに考えています。
 このために、観察・実験等を重視し、そして思考力、判断力、表現力等を育成することを目指す新学習指導要領に基づく教育を一層推進するとともに、例えば、いわゆる観察や実験授業の質の向上を図るための環境整備の推進、また中核的な役割を担います教員の資質の向上、そして大学や企業等で活躍する専門家から理科や科学技術と実社会との関係を学ぶ機会、こうしたものを増やしていくということ、また科学の甲子園、またあるいは科学の甲子園ジュニアということも今検討いたしておりますが、科学好きの生徒の裾野を広げて切磋琢磨する場の充実、こうしたこと、学校の内側にとどまらず、学校の内外を通じた取組の戦略的な推進に向けて、平成二十五年度の概算要求も含めてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 どうぞ御支援をよろしくお願いいたします。
#10
○大島九州男君 今、城井政務官から説明を聞きました。
 文部科学省は、私は、日本をリードする、そしてまた日本の将来を左右する大切な省だというふうに考えております。まさに教育が日本を変えていく、そして未来をつくっていくという、そういう文部科学省で政務を担当する城井政務官、文部科学省の職員の皆さんと一生懸命頑張っている、先頭に立っている中での城井政務官に、今回の教育予算に対する増額を、まあ省の中でも頑張っていただいているんでしょう、そしてまた、普通は文部科学大臣や財務省に聞くんですけれども、ここはやはり一体となって頑張っている政務官が現場の声を代表して、是非予算に向けての決意を一言いただければと思います。
#11
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 国の財政厳しき折ではあります。筋肉質な国の形が求められており、また国民の皆さんから預かった税金の使い道に対しての厳しい目が相当に注がれているということはしっかり我々も意識しなければならないというふうに思っておりますが、それと同時に、未来への種まきを、学びのときがそのときにしかない子供たちにとって必要なことを、できる限り我々が汗をかき工夫をして、来年度の予算等も含めまして、ここは腹をくくってしっかり頑張ってまいりたいということは、私ども政務のみならず、文部科学省も一体となってこの点は是非頑張らせていただきたいというふうに思っております。
 今後とも御指導と御支援をよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
#12
○大島九州男君 ありがとうございます。是非、我々も一体となって日本の未来と子供たちの笑顔のために頑張りたいというふうに思います。
 次に、寄附について伺いたいと思いますが、民主党政権になってから新しい公共という概念が生まれました。その中でも、個人が公益性の高い団体に寄附をすることにより社会を支えていこうとする仕組みが整備され、例えば寄附金控除の対象となる認定NPO法人は、国税庁のデータによると、平成二十二年一月に百十一だったものが、今年八月十六日現在では二百六十七法人に急増しております。
 そこで文部科学省に伺いたいと思いますが、私立学校においても個人からの寄附を受け入れ、教育や研究を充実させていくことが重要だと考えておりますけれども、平成二十二年度において学校法人が受けた寄附の状況と寄附促進のためどのような税制があったのかを御答弁いただきたいと思います。
#13
○政府参考人(小松親次郎君) お答えを申し上げます。
 まず、平成二十二年度時点における学校法人への寄附の状況でございますけれども、これにつきましては、日本私立学校振興・共済事業団が決算書を基に調査を行っておりまして、これによりますと、全て合わせましておおむね千九百億円でございます。ただ、二十二年の調査は二十三年に行われておりますので、ちょっと震災等の関係がございまして、若干丸めた数字で申し上げさせていただきます。
 それから、これに関係をいたしまして、学校法人への寄附促進のためにこの平成二十二年度に実施されておりました税制上の優遇措置はいわゆる所得控除と言われるもので、個人が学校法人に対して寄附をいたしました際に、その寄附金額からもちろん適用の下限額、これ二千円でございますけれども、これは差し引いた上で、この寄附金額につきまして所得税額の算定の基礎となる所得から差し引くという形での税制優遇制度がございました。
#14
○大島九州男君 平成二十三年度税制改正で税額控除制度が導入をされて、ここは一定の評価をされたところではありますけれども、その対象となるのは、寄附金収入が経常収入の二〇%以上又は三千円の寄附者が年平均百人以上というこういうパブリックサポートテストというのがあって、ハードルが高いんだと、学校法人への個人寄附にかかわる税制、控除制度は改善すべきではないかというような、こういう意見もあるんですね。
 先ほどの質問にもありましたけれども、国の予算に頼って付けていただかなくちゃならない義務的経費もあります。こういう形の寄附というものについて、これがどんどんどんどん醸成されることによって、やはり子供たちが学ぶところに国民が寄附をする、それをもっとしやすいような状況をつくるということはすごく大切なことだというふうに考えているわけですけれども、ここの部分のハードルをどんどん下げていって、本当に教育に寄附をするというものは全てもう無税と、税金掛からないというようなことをしていくようなことが必要だと思うんですが、その点はどのように考えているのかと。
#15
○大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。
 今委員からも御指摘がございましたけれども、いわゆる寄附をいただく方、あるいは学校現場側の取り扱いやすさという点に着目すべきという点は認識を一にするところであります。
 特に、現在までの間、個人が学校法人に寄附をした場合には、平成二十二年度までの所得控除制度に加えまして、平成二十三年度からの新たな税額控除制度が導入をされて、寄附者がより有利に優遇を受けられるような制度を選択できるようになったということであります。この税額控除では、多くの寄附者にとって所得や寄附金額の多い少ないというところにかかわらず減税効果は非常に大きく、また、学校法人にとってもより幅広い関係者から少額の寄附金を受けやすくなるなどの大きな効果が期待できるということがあります。
 ただ、御指摘ありましたように、この税額控除の対象となる寄附実績の要件でありますけれども、学納金等が主な収入源であります学校法人では寄附金収入の割合が限られておりましたり、また、幼稚園、小中学校のみを設置している小規模な学校法人も多いということで、現在の要件に照らしますとこの要件を満たすことがなかなか難しいといった実態もある、そうしたお声も多くちょうだいしているところであります。
 ただ、しかしながら、学校法人というものが公共性が高いということ、また、厳しい認可申請を受けて設立される法人であると、そうした手続の部分もありまして、文部科学省としても、過去の寄附実績にかかわりなく税額控除対象法人となることが望ましいというふうに考えておりまして、昨年もこの要件の撤廃を求める税制改正要望を行ってきたところであります。その結果、平成二十四年度の税制改正大綱におきましては、各法人の規模や特性を踏まえた要件等の見直しについて検討を行うと、こんなふうにされたところであります。
 文部科学省といたしましても、この制度が今後更に定着をし、学校法人の多様な財源確保に資するとともに、我が国の寄附文化の醸成にもしっかりつながっていきますように、この要件の撤廃の要望を含めて、この点はしっかり着実に是非検討を進め、取組を進めさせていただきたいというふうに思っております。
#16
○大島九州男君 財務大臣、通告してないんですけれども、今からちょっと言うことをよく聞いていただいて御答弁いただきたいんですが、今、寄附という、個人が寄附をしていく、喜んで自分の浄財を世のため人のために使っていただく。これ、私、経団連が税制改正要望を毎年毎年する中で、法人税を下げてくれ、研究開発税制をもっと優遇しろ、日本は法人税が高いから自分は外国に本社を移すんだなんという、そういう話があるわけですが、基本的に企業というものは、社会に貢献して、そしてこの国のための発展にと、この国にどれだけ税金を納めているか、この国にどれだけ寄与しているかということが株価を左右するような、そういう国にならなきゃいけないと、僕はそういうふうに思うんです。
 今、一番この日本が厳しい状況になった状況の一つに、株主の配当をするために、会社の利益を上げるためにリストラをして、そして従業員の雇用を守らずして、そして自分たちの利益を、これを株主に配当することによっていい社長だなんて言っているような人たちがいて、そういう人たちがこの日本の経済を動かしているという、ここがやはり日本の衰退の大きな原因の一つであるのではないかと、私はこう思うわけです。
 だから、今まさに日本、一人一人の国民の皆さんが世のため人のために自分の浄財を喜んで寄附をしていくという寄附税制のこの気持ちが根付いていったときに、最終的には、企業経営者である人たちや国民、投資家がこの国にどれだけ税金を納めているか、社会にどれだけ貢献しているかということで株価が左右される、こういう国を目指すためにも、今文科省が考えているような、少額の寄附をすること、このことが本当に尊いことである、そしてまた税制優遇もされるというような、そういう国にしていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、財務大臣、どのようにお考えか、よろしくどうぞ。
#17
○国務大臣(安住淳君) 急な質問でございましたので、ちょっと何点かにわたっていますけれども、一つ問題なのは、やっぱりグローバル経済ですから、日本の中で勝っても世界の中で勝てるかといえば、そう甘くない中でやはり経営をしていかなければならないと。すると、やっぱりコスト削減で短期間で結果を出していくというふうなところに走ってしまう傾向というのは世界的にあると思います。
 ただ、ちょっと一例を申し上げますと、今日、実は五十嵐副大臣から報告を受けたんですが、APECからイギリスの方に回ってもらいまして、消費税等のことで視察をしてきていただきました。そして、そういう報告もあって、同時に財務官にも出張に行っていただいたんですけれども、実は財務官の報告を聞きますと、今イギリスでは、日本の失われた二十年の研究が非常に盛んであると。それは何のところで着目をしているかというと、あれだけの構造不況があったにもかかわらず、失業率の変動がほとんどなかったのは何ぞやと。失業率が大きく変動しないということは、日本の企業や社会は、日本のメディアや政治家や国民が思っている以上に実は世界では安定した社会を維持をしているという認識を持っておられるというんですね。そこは、私は、今から注目をされ、評価をされるところはあると思います。
 その結果、財政赤字も増えましたし、非常に硬直的な行政運営を迫られましたけれども、結果的には、まあ窓際族なんて悪い言葉で表現することもありますが、アメリカ、欧米の企業と違って、従業員を一方的に企業から放出をして、そして一気にリストラを図って業績を回復するというやり方も必要かもしれませんが、日本の企業は、私は言われるほど、何というかそういう意味じゃ冷たくなくて、やはり抱えるだけ頑張って、労使も一体となって、給料は減らすけれどもやっぱり失業者を出さないということでやってこられたと思うんです。それは、意外と世界の標準から見れば、経営の在り方としては決して合理主義だけに走っているわけではないというふうに見られているのではないかなと思いました。
 その結果としては、現在も失業率が四%台の前半で推移をしております。私は、これはよくテレビ等で大学生の就職がないのはもう政治が悪いんだと言わんばかりの特定のものをピックアップしてやっていますが、実は就職に関して言えば、世界的に見れば、この不況の波の中でも比較的安定状況を維持しておりますから、そうした企業の在り方というのは私は評価はされるべきだと思います。
 大島先生の御指摘は、しかし、そうはいってもこれから新しい公共という考えはもっともっと強くしていくべきであると。今以上に言わば少額の寄附をしたりしたことに対して控除等をやったらどうだということで、政権交代後、新しいこの少額寄附に対する税制は様々な法人に限らず学校運営等についても行い始めてきましたから、そうした流れが定着をすることによって、パブリックな思考、考え方がそのまま政策に反映をできるような社会というものをなお加速をしてつくっていきたいと思います。
#18
○大島九州男君 ありがとうございました、急な質問にもかかわらず。中小企業もそこの、失業率をしっかりと守っている、寄与しているということを是非また今度のときにはお答えに入れていただきたいというふうに思います。
 それから、高校就学支援金の関係について簡単に聞きますが、まず、この高等学校の就学支援金の効果、一点挙げるとしたらどこがありましたかというとどれか、教えていただければと思います。
#19
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 就学支援金制度の政策効果ということでありますけれども、文部科学省としてはということでありますが、まず一つには、制度を導入した平成二十二年度の経済的理由による私立高校の中退者数が前年度に比べまして三八%の減少、十八年度に比べて六〇%の減少ということを始めといたしまして、低所得世帯の私立高校生等に対する経済的支援についても全ての都道府県において制度開始前と同水準か手厚くなっていること。また、制度導入前に比べまして希望に応じた進路を中学生が選択できるようになったということ。例えば、青森県や愛媛県、大分県等の市町村にアンケートを取ったわけでありますけれども、この中では希望に応じた進路を選択できるようになったという市町村が約七割ということでありました。また、家庭が負担する学校教育費が減少したといったところなどが効果として挙げられるというふうに考えております。
#20
○大島九州男君 資料を提出させていただいておりますけれども、経済的理由による高等学校中途退学者数、平成十八年度から比べまして二十二年度までは実質六割減、これは大変いい効果だったというふうに認識をしております。
 それでは、次の質問になるんですが、手話通訳についてなんですが、昨年三月十一日の東日本大震災を機に、聴覚障害者の皆さんから感謝の言葉をいただくことが度々あります。それは、三月十三日の夕方から現在まで続く官邸記者会見の手話通訳なんです。内閣府に確認したところ、この手話通訳は、平日二回行われる官房長官会見と随時行われる総理会見において必ず実施されており、全国に三十万人いらっしゃるとされている聴覚に障害を持った方々に政府の情報を的確に伝えられる手段となっております。
 そこで、国会においてこうした取組がなされているかを確認をさせていただきたいというふうに思いますが、平成二十二年度では、参議院の本会議や委員会などで手話通訳がどのような形でされていたのか、教えていただければと思います。
#21
○事務総長(橋本雅史君) お答えいたします。
 本院における聴覚障害者の会議傍聴に関しましては、平成十七年の議院運営委員会理事会の申合せにより、本会議及び委員会等を傍聴する際に、手話通訳者又は要約筆記者を同伴できない場合は、あらかじめ申し出ていただくことにより、本院において手配しているところでございます。
 先生お尋ねの平成二十二年度の手配につきましては、本会議が一件、委員会が二件、計三件でございました。
 以上でございます。
#22
○大島九州男君 是非、これは予算委員会や決算委員会、テレビ入り、そして本会議の部分についても、そういった手話通訳、要は、来年四月から障害者総合支援法がスタートして、同時に障害者差別禁止法に向けた議論が始まっております。手話通訳に限らず、あらゆる障害に対応したコミュニケーションの整備が必要になるわけですね。まさしく、テレビを通じてこの国会の議論をあらゆる人に聞いていただく、これはもう当然だと思うんです。そういう意味では、この国会が率先して、あらゆる部分でコミュニケーションを取れるような、そういう努力をすることが必要だと思います。
 まさに、国会にかかわることでございますので、これは議運のマターになると思いますが、是非決算委員会の理事会で御協議をいただいて、各、いろいろな委員会ともお話をしていただいて、各党間も協議をしていただいて、是非そのような形でこの国会の中継その他が多くの人に聞いていただけるような措置を講じていただける努力をしていただきたいと思うんですが、委員長、いかがでしょうか。
#23
○委員長(山本順三君) 大変いい提案だと思います。決算委員会で後刻理事会で協議いたしますが、各委員会との調整もまた取っていきたいと思います。
#24
○大島九州男君 ありがとうございます。
 最後に、私いつも話をする中小企業の交際費課税の特例についてということについて、また意見したいんですが。
 中小企業の交際費の課税の特例に関しては、現在六百万の定額控除額となっている状況でありますが、一社当たり幾ら使っているかというと百四万ぐらいしか使っていないんだと、だから六百万に上げても意味がないということを常におっしゃるんですけれども、それは、中小企業は最初から一〇%も引かれる、そういうお金は使えないんです。借りる利息だって、コンマ何%低い利息を借りようかという、特に中小企業はそういう厳しい状況下にある中で一〇%も最初から引かれる経費というのは想定外なんです。
 だから、最初から、百万、二百万、三百万と上限を上げていってもいいですから、全て損金算入できる、そういう交際費をつくる必要がある、まさにそれをやっていただきたいということは毎年お願いしているんですけれども、いや、六百万の上限にしているけど百四万ぐらいしか使っていないからそれは意味がないという、そういう議論で終わっているんですね。だから、少なくとも三百万まではまるっきりゼロにしてみると、そしてそれで百四万しか使っていないんだったら分かりますよと。
 だから、まずは三百万まで無税にしてみて、そしてそれが本当に二百五十万、三百万使っているんだったらそれは意味のあることだと思うんですけれども、最後、財務大臣、今の件について一言お願いします。もう時間がないものですから、済みません。
#25
○国務大臣(安住淳君) 様々な問題があって一〇%ということになっておりますけれども、この九〇%を損金算入できる特例が設けられていますが、先生はなお改善が必要だという話でございます。
 確かに、企業にとってこれが潤滑油になったり様々な経済的な効果もあったという意見もありますが、しかし一方で、透明性を確保していきながら経営をしていただきたいという趣旨もありまして、こういうところに現在落ち着いております。
 ですから、その効果、それから今の九〇%の中でどういうふうな状況が起きているのか、しっかり検証しながら慎重に検討していきたいというふうに思います。
#26
○大島九州男君 以上で質問を終わりますが、文部科学省においては、さっきの寄附税制の問題、国民意識の高揚、その他教育に関する部分についてはこれまで以上に頑張っていただくことを要望して終わります。
 以上です。
#27
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。安井美沙子さん。
#28
○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子でございます。
 本日は、国の食育事業についてお伺いします。
 私は、議員になる前から食料安全保障や食の安全、そして食育といったこと、食をライフワークとして研究調査に取り組んでまいりました。そして、議員になった直後の党内事業仕分におきまして農水省を担当し、国の食育事業を検証する機会を得ました。その際は、事業仕分ですから主に予算の使われ方の妥当性について検証したわけですけれども、そのときにも事業内容についてもちょっと気になるところが幾つかありました。それから二年余りがたったわけですけれども、食育事業として国が何をやってきたのか、このことについて今日はこの決算委員会の場で検証させていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 さて、食育関連事業は、今申しましたその事業仕分、平成二十二年の事業仕分に始まりまして、平成二十三年、二十四年の行政事業レビューなどを通じて激減しました。平成十七年に食育基本法が制定されて以来、現在までの食育関連予算の推移を教えていただきたいと思います。内閣府、よろしくお願いいたします。
#29
○政府参考人(村木厚子君) 御答弁申し上げます。
 内閣府で取りまとめた食育関係の関係各省庁の予算でございますが、平成二十四年度食育関連予算額、約十八億円でございます。府省別の割合といたしましては、農林水産省四七%、厚生労働省三三%、文部科学省一四%、内閣府が六%というふうになっております。
 食育関連の事業が始まりました平成十八年度の予算額が八十七億円でございますので、これと比較いたしますと約六十九億円、七九%の減となっているところでございます。
#30
○安井美沙子君 推移を教えていただきましたけれども、その省庁別の割合についてもかなり変化があったことと理解しております。
 さて、平成二十二年の事業仕分の際に食育関連事業が幾つか対象になったと思うんですけれども、このときに仕分人が予算削減という判定をしたこの主な理由は何だったのでしょうか。大串政務官、お願いいたします。
#31
○大臣政務官(大串博志君) お答え申し上げます。
 今お話がありましたように、平成二十一年十一月、事業仕分の第一弾でございました。そのときに、食育関連の予算としては、内閣府そして文科省、農水省の食育の推進に関する事業が取り上げられました。そこで、結果としては予算要求の縮減という評価結果が出た、今お話しのようにあれはそういう評価が出たわけですけれども、内容としては、文科省、農水省、内閣府、厚労省の四府省で重複しているのではないかというような意見、あるいは重複があるのでそれぞれの役所の縦割りである事業を整理するべきではないかというような意見、この整理する際に、内閣府というのは食育担当全体の横串の担当でございますので、そこで内閣府が本来の各府省をよく調整するという機能を発揮すべきではないかといった意見、こういった意見があって、最終的には予算の要求の縮減という評価結果になったというふうに承知しています。
#32
○安井美沙子君 確かに私が党内仕分で検証したのは農水省だけなんですけれども、その農水省の個別の事業を検証している中でも、どうしても横串的に見るという自然な発想で重複事業があるんじゃないかなという感じはいたしておりました。
 それでは、今の御指摘も踏まえまして、食育事業の実態について、中身について質問させていただきます。
 まず、国は、こういった各省の各種の食育関連事業があるわけですけれども、これを通じて何を実現、達成しようとしているのか、お伺いしたいと思います。その中で、食育事業の対象は全世代だというふうに各種白書などにも書いてあるわけですけれども、全世代といいましても、国の事業としてある程度世代間の優先順位などもあるんではないかと思います。また、世代によってアプローチも違うと思います。その辺も含めて、国の食育事業に対する戦略を教えてください。
#33
○国務大臣(中川正春君) 今日は非常に重要な点について御指摘をいただくんだろうというふうに思っております。
 食育の推進というのは、食をめぐる環境の変化の中で、国民の食に対する考え方を育てて、そして健全な食生活を実現をしていくということでありますが、子供たちはもとより、全ての国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むことを目的とする、これは法案の中のフレーズであります。
 御指摘のように、更に具体的に戦略性を持って予算を使っていくということ、これは非常に必要なことだと思います。ただし、どの世代に重点を置くかというところまでその戦略性という議論はまだ進んでおりませんで、体系的には、国民の食生活においては、栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加など、全世代にわたって食をめぐる課題は様々であって、地方公共団体や関係団体とともに生涯にわたる食育の推進を図っていくということになっております。ただし、私自身も、これを基本とはしながらも、その中にもう少ししっかりとした戦略性を入れていく必要があるというふうに思っております。
#34
○安井美沙子君 大臣の思いも伺わせていただいてありがとうございます。
 世代間のプライオリティーといいますか、優先順位、こういうところについて私、私見があるんですけれども、実は中学生、高校生がキーではないかと思っているんです。大学生も含めてでしょうか、ごめんなさい、高校生、大学生ですね。なぜかといいますと、義務教育が終わって自立に向かっていくときなんですね。学校や家庭のコントロールが利きにくくなる。買い食いや外食、こういったものが非常に楽しい時期でございまして、本当にコントロールが利きにくくなる世代だと思っています。
 私も中学生と大学生の息子がいるんですけれども、小さいときに一生懸命栄養とか考えて育てたのに、今部屋に炭酸飲料とかジャンクフードの残骸が散らばっているのを見てがっかりするんですね。一生懸命教えてきたのにこれは何だろうと思うんですけれども、ちょうど彼らはそれが楽しい時期なんですね。ただ同時に、非常に体をつくる、あるいは気持ち的にも、心も食に対する基本的な価値観を形成する時期でもあると思っていまして、ここに少し力を入れられないかなと個人的には思っています。
 さて、それでは、食育事業が複数の省庁によって行われているということが分かったわけですけれども、そして内閣府がこの取りまとめを行っているというふうに理解しておりますけれども、各省庁の役割分担、主な事業内容、それから予算規模、食育関連予算における大体割合は先ほど村木担当官からお知らせいただきましたけれども、さらに、他省とのアプローチの違いとか、分かりやすくその辺を御説明いただければと思います。各省庁の担当の方、お願いいたします。
#35
○政府参考人(久保公人君) 失礼いたします。
 文部科学省の役割でございますけれども、学校教育や家庭教育の中で子供たちに食に関する正しい知識や望ましい食習慣を身に付けさせるという観点で施策を実施しているところでございます。
 予算といたしましては、栄養教諭が中核となって学校の食育を推進する事業、小学校向けの学習教材の作成、配布、地場産業を活用した学校給食用のメニュー開発や調理講習会の実施、それから子供の生活習慣づくりを推進する啓発事業など、総額二億五千九百万円となっているところでございます。
#36
○政府参考人(外山千也君) 食育基本法及び食育推進基本計画における厚生労働省の役割は、国民の健康の増進を図る観点からの食育の推進であります。このため、生活習慣病予防のための食生活の改善や、そうした活動を実践する管理栄養士や調理師等の専門職の人材育成などを担っております。
 厚生労働省におきます平成二十四年度の食育関連予算額は六億二百万円であります。主な事業内容といたしましては、健康づくりの具体的な目標を盛り込んだ健康日本21の推進、それから国民の身体状況や食生活等の状況を明らかにする国民健康・栄養調査の実施、それから最新の科学的根拠に基づく食事摂取基準の策定などを実施しているところであります。
#37
○政府参考人(高橋博君) 食育基本法におきましては、食に関する体験活動等によります食への理解の深化、食文化、環境と調和しました食料生産等への配慮などが基本法の基本理念といたしまして掲げられております観点から、農林水産省といたしましては、食料の安定供給、農林水産業の発展、農山漁村の振興を担う立場から、生産から消費にわたる段階についての対策を講じております。
 二十四年度におきましては、第二次食育推進基本計画でうたわれております生涯にわたります食育の推進の観点から、生涯食育社会の構築に向けました食生活改善の啓発手法の調査、検討、普及等の事業について約一億一千万強、それから、食料・農業・農村基本法の基本理念でもございますと同時に、食育基本法でございます理念であります食料自給率向上、この関係の予算といたしまして、国産農産物の消費拡大に向けました国民運動の展開の事業、七億一千八百万円等の事業を推進しているところでございます。
#38
○政府参考人(村木厚子君) 内閣府は、関係各省の総合調整ということが役割でございますので、今御説明があったような施策も含めまして、全体の食育推進基本計画の作成でございますとか、年次報告書、白書の作成などを担当しております。また、自治体独自の計画を作っていただくというような個別の官庁ではやりにくい仕事なども内閣府が担当しているところでございます。
#39
○安井美沙子君 事業仕分や行政事業レビューを経て、各省庁が重複がないように配慮していただいていることはお話を伺っていて分かります。今度は、重複ではなくて、いかに連携できているか、こちらに着目したいと思うんです。
 食育基本計画にいろいろな数値目標があります。この数値目標の達成に向かって各省庁は各種事業をやっているはずなんですけれども、この数値目標の達成状況をお知らせいただきたいと思います。もちろん数値目標いろいろありますので、全てではなくて典型的なものを挙げていただければと思います。そして、その中で特に数値目標の達成に効果的だったと評価がある事業があれば教えていただきたい。これ、食育推進会議事業評価委員会というのがあるということですけれども、そこの評価なども含めて教えていただければと思います。
#40
○国務大臣(中川正春君) 第一次の基本計画では、大体九項目、それぞれ目標を作っております、数値目標を。ざっくり見ておりますと、その目標自体への達成というのはなかなか思ったように進んではいませんが、しかし、前よりも改善をした部分というのはそれぞれに見られるということが大枠じゃないかと思います。
 例えばなんですが、これ十八年度から二十二年度までの計画期間なんですけれども、内臓脂肪症候群、メタボリックシンドロームでありますが、これを認知をしている国民の割合というのが指標になっていまして、計画策定時では七七・三%だったんですが、これは平成二十二年度にはそれが八九・四%と上昇をしておりまして、これは目標を達成をしています。それから、食育に関心を持っている国民の割合というのもありまして、計画策定時の六九・八%が、平成二十二年度、これは本当に僅かなんですが、七〇・五%と上がっていますけれども、目標は九〇%まで行くということだったわけでありまして、これも足らなかった。それから、朝食を欠食とする子供の割合というものですが、計画策定時で四・一%だったんですが、平成十九年度には一・六%と減少したということです。これは目標としては〇%まで行くということが目標になっておりました。
 こうした目標値九つのうち、達成したのが二つ、未達成が七つということであります。こうした点も踏まえて、今第二次の食育推進計画に入っております。新たな目標を掲げて、引き続き食育の推進に全力で取り組んでいきたいというふうに思います。
#41
○安井美沙子君 今、食育基本計画の中で挙げられている数値目標というのはなかなか抽象的なものも多うございまして、対面調査やアンケートで、食育を意識しているかとか、そういったことを、国民の意識を聞いても、これが様々な省庁の事業の結果によるものなのかどうなのかというのはなかなか測り難く、いかんとも言い難いものを感じないでもありません。
 食育基本計画で定めたこの数値目標を実現するために、省庁間の連携をどのように図っていらっしゃるでしょうか。複数の省庁にこの事業がまたがっている、分散しているときに、数値目標達成の責任の所在というのはどうなっているんでしょうか。
#42
○国務大臣(中川正春君) この食育を推進をしていく政府の体制としては、食育推進会議というのを設置をしております。これは内閣総理大臣を会長としまして、内閣府、文部科学省、厚生労働省、農林水産省等の関係大臣及び有識者ということで構成をされております。この会議においては、食育推進基本計画というのを作って、さっき御指摘のあった数値目標の達成状況を含む計画の進捗の状況というのをここで評価して、チェックをしていくという体制になっております。
 形の上では、こうした形で全省庁それぞれの役割分担の中でチェックをしていくということになっていますが、実質、さっき御指摘いただいた点も含めて、その中身についてはしっかりと見直していく必要があるというふうに思っています。
#43
○安井美沙子君 実は、今回、この質問を準備するに当たって、内閣府の食育推進室の方々が窓口になって調整をしてくださったわけですけれども、その数値目標達成のための責任体制とか、それから目標達成のためのPDCAサイクル、この辺を何度も確認したんですけれども、なかなか明確なお答えがいただけなかった、このことがまさに責任の所在が曖昧になっている証左ではないかと私は感じてしまいました。これでは、国として食育事業を本気でやっているのかどうかと、この辺疑われてもちょっと仕方がないのではないかと厳しいことを言わせていただきます。
 食育基本法がもう制定されて七年になります。そろそろ目に見える成果が出てもいいのではないかと思いますし、その数値目標の設定自体ももう少しありようがあるのかなと思いますし、責任体制についても見直しが求められるかと思います。
 これは御参考までなんですけれども、日本再生戦略の四本柱の一つでありますライフイノベーションというのがありますけれども、ここではやはりたくさんの省庁がかかわっておりまして、基礎研究の段階、それから臨床を含む開発段階、事業化段階における各省の役割分担と連携の在り方というのが明確に規定されています。内閣官房内にある医療イノベーション室が五か年戦略を着実に前に進めるべく調整を図っています。こういうふうに、どんどん縦割りを廃すという民主党のやり方がどんどん深化していると思うんですね。こういうところも参考にしていただければなと思います。
 では、この辺は今後見直していただくとしましても、食育事業の在り方については根本的な見直しが必要だと思っています。食は個人個人の問題と思われがちなんですけれども、実はこれがいろいろな社会問題にも関連しておりまして、国の在り方にも関係する、国家の大問題と私はとらえています。そして、先ほど大臣からもお考えをいただいたように、健全な心身と豊かな人間性を育むための大事な事業だと考えています。
 そのやり方には幾つか工夫の余地があると思っているんですけれども、まずは、幾つか事業を拝見しましたけれども、全国画一的な事業よりも現場現場に適した事業というのを重視するべきではないかと思っています。もちろん、全部が画一的だと言うつもりはなく、いろいろな工夫をしていらっしゃるのは存じておりますけれども、その現場現場に適した事業という方が各地元の自主性が促されますし、それから創意工夫が生まれるのではないかと思っているんです。
 二十四年度の食育白書というのがありますけれども、ちょっと見ていて、これ資料で本当はお配りしたかったんですけれども、食育推進のキャラクターというのがたくさん全国であるわけですね。私の地元の愛知県だけでも十一キャラクターがあります。例えば、大府市のおぶちゃんとか、刈谷市のしょくまるファイブとか、安城のアン・ジョー・米太郎、ハートン、ダイヤン、みつばちゃん、西尾市ですね、知立市のかっきーなどなど、山のように愛知県だけでも十一あるわけです。
 これ、全国的にこういう食育推進キャラクターというのが活躍しているようなんですけれども、これは全国でこういうキャラクターを山のように作る意味が何なのだろうとちょっと思ってしまったりするわけですけれども、通告しておりませんけれども、内閣府統括官、いかがですか。
#44
○政府参考人(村木厚子君) 食育については、国全体の取組とそれから自治体の取組、相まってやる必要があるというふうに思っています。
 一般論で言えば、新聞やテレビを使った広告のようなこと、これは中央で一本でやった方がかなり財政的には効率的だと思います。それから、各省別々にやらずにということで、そういったことはできるだけ国あるいは内閣府がやるということですが、地元でそれぞれの方が参画をして自分が主体になってやるという、そういう動きの中でキャラクター作りというようなものが出てくるということなので、そこの辺りの自治体の自らやるという、発案してやるというところの取組は私どもも大事にしていきたいというふうに考えております。
 そういった自主的な取組を各自治体でやっていただくことを大事にしながら、基本的な自治体の計画作り、そこはどの自治体でもお願いをしたいというふうに今各自治体にお願いをしているところでございますので、両方うまくミックスをさせながら施策を進められればと考えているところでございます。
#45
○安井美沙子君 自主的と言いながら、みんなが同じようにキャラクターを作らなければいけないというところがちょっと矛盾しているような感じもいたします。
 そして、まさに広告とか、その辺御言及いただいたんですけれども、今度、私が一番気になっていた農水省の事業に、AKBをテレビコマーシャルなどに起用しためざましごはんキャンペーンというのがありました。これ、一世を風靡するAKBですからもちろん世間の耳目を集めるわけですけれども、いかにも一過性なものに億円単位の国費が使われるということ。これ、たしか事業仕分で廃止となったというふうに、記憶が間違っていたら申し訳ないんですけれども、今は小林幸子さんに替わってまだこの事業は続いているようなんですけれども、こういった事業についてはどういうお考えでされているんでしょうか。
#46
○政府参考人(高橋博君) 御指摘の米の消費拡大でございますけれども、確かに食育の関連予算という位置付けもしておりますが、一方におきまして、我が国の食料自給率向上の一番基幹である米の消費拡大ということで、これは御承知のとおり、米の消費自体はパンの消費額の方が多くなっているような形で御指摘を受けているわけでありますけれども、やはりこれを拡大していく、食生活の面からも我が国農業生産の面からも非常に重要なことでございますので、これは従来からやってきたものでございます。
 ただし、その手法につきましては、御指摘のとおりタレントを使うというようなこともございましたし、現に今も御指摘の小林さんにお願いしているものもございますが、私どもといたしましては、二十二年度の事業仕分以降、いわゆる費用、コストを掛けて出演をお願いする、出演料、御依頼するという形はもう既にやめております。今回の小林さんの場合にも、ボランティアという形で、雪国新潟の米の消費拡大ということが非常に重要だということで、私どもの消費拡大の理念に御賛同いただいてボランティアの形でお願いをしたところでございますので、従来型の御指摘はもう既に直しておるところでございます。
#47
○安井美沙子君 伺っておいてよかったです。
 それにしても、私は、テレビCMなどの受動的なものよりも、むしろもっともっと参加型のものを増やしていただきたいと思っているんです。
 例えば、私の地元、愛知県の西尾市では抹茶が非常に有名なんですけれども、中学生、小学生、もう今大人の人たちも子供のころから毎年毎年お茶摘みをしていたと。自分の地元の名産品として非常に誇りを持っています。こういった体験も食育関連事業で多くされていると思いますけれども、全国的にこういうのは広げていただきたいなと思っています。
 また、私は給食というのは非常に効果てきめんだと思っています。食育に関する小冊子を読むよりも、実際に五感で体験できる給食を通して食育を身に付ける、これこそが子供に向いていると思うんですね。食育しながら自給率も上げて、子供の栄養状況を改善することもできる、こういう意味では一石三鳥の施策ではないかと思っております。
 私は、先ほどから申しておりますように、子供たちが直接恩恵を受けるような、子供たちの健全な心身を育むような施策に国が投資をすべきではないかと思っていますので、広告代理店に血税を使うよりは、是非その受益者に直接行くような施策を強化していただきたいと思うんです。
 食育関連予算をこのままずるずるずるずる私は削減していくことに余り意味を感じないんです。むしろ、その事業の中身を精査していただきたいこと、それから責任体制をきちっとつくって、意味のある数値目標に向かって、あるいは数値目標でなくてもいいのかもしれません、国として何が必要なのかを見極めた上で事業を構築していただきたいと思うんですけれども、最後に大臣の考えを伺います。
#48
○国務大臣(中川正春君) こうしたプロジェクトを推進していくというのは、法律でぱっと縛りながら強制的に枠組みの中へはめていくような事業と違って、本当に身近なところで事業展開をしていって初めて面的に広がっていくということだと思います。
 そういう面では、恐らく御指摘をいただいたんだろうと思うんですけれども、市町村あるいは県、この地方自治体のレベルで魂が入って、それで事業化されて本物になっていくんだろうというふうに思うんですね。国がやっているのは、それを醸成するための環境整備みたいなところでとどまっているわけですが、本気でやろうと思うと、その市町村をどう動かすかというところにしっかり目を向けていかなきゃいけないと思うんです。
 そういう点では、今この食育推進計画をそれぞれ各自治体で作るようにということは法律の枠組みであるんですけれども、市町村においては、残念なことに五八・二%の策定の実績しかないということ、こういうところにも問題があるというふうに思いますし、また、それに魂を入れて、その中で実行してチェックをしていくというところ、そのシステムをつくっていくということが大事だと思います。
 更に努力をしながら、この問題についても深掘りをしていきたいというふうに思います。
#49
○安井美沙子君 たかが食といっても、されど食でございまして、私は日本の将来を左右する、ひいては食料安全保障、今エネルギー安全保障の問題が大きく言われていますけれども、食も将来の非常に大きなキーファクターになっていくと思いますので、是非国も国家戦略の一つとして、軽んじないでしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。是非よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#50
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。佐藤正久君。
#51
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。
 まず最初に、尖閣諸島問題について伺います。
 官房長官、尖閣の国有化は目的ではなくて手段です。大事なことは、いかに尖閣諸島の管理強化、これを行っていくことだと思います。しかし、野田政権にはやる気が見えない。淡々と、粛々と、これは中国には通用しないと思います。
 八月十九日、総理の要望で都知事が官邸で総理と会いました。しかし、政府は、公式会談ではないのでというへ理屈で石原都知事の要求への回答をいまだしておりません。これは極めて失礼だと思いますが、いかがですか。
#52
○国務大臣(藤村修君) まず、尖閣の国有化あるいはその利活用という問題を今取り上げていただいたと思います。
 政府の立場でいいますと、尖閣諸島というものを、引き続き東京都の購入に関する計画の具体的内容もこれ把握に努めるということと、それから、何より今、政府が賃借しておりますこの尖閣諸島を平穏かつ安定的な維持管理を継続すると、こういう観点から様々なレベルで地権者あるいは東京都ともお話をして、総合的に今検討しているというところであります。
 都知事との面談の件ですが、これはある意味では非公式な面談でありまして、その中身については両者しか知らないということが事実でありますので、何か正式に東京都から御提案をいただいているというレベルでは今ないと、そのように認識しています。
#53
○佐藤正久君 それが失礼なんですよ。総理から自ら都知事を、来てくださいと官邸で会っているんですよ。それについて回答もしていない。その理由が、公式ではないと。こんなの通るわけないじゃないですか、交渉事やっているわけですから。信頼関係も何にもなくなってしまいますよ。
 今、都知事は、避難港や船だまり等の日本の漁民が安心して漁ができるようにしてほしいというふうに要望しております。ただ、私は無人での避難港や無人状態での船だまりは危ないと思っています。南シナ海では、わざと船を岩礁にぶつけてそして居座る戦法も取っています。無人状態での避難港は、しけを理由に中国漁船が居座り、その保護の目的で中国の公船がやってくるという可能性はあると思います。
 ゆえに、有人化を図って、警察等を常駐させて不法行為を取り締まる体制をつくりながら避難港を整備する、そういう回答を私は都の方にすべきだと思いますが、いかがですか。
#54
○国務大臣(藤村修君) 報道で、石原知事が様々ないわゆるアイデアといいますか、利活用に関する御意見をおっしゃっているというのは十分に承知をしております。
 ただ、政府として、先ほど来申し上げるとおり、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理という、今日までこれは歴代政府もそういう形でしてきた、そのことをまず今何よりの目的として、しかし、今後のことは総合的に検討していくというのは事実でもございます。
#55
○佐藤正久君 やっぱり事態認識が非常に甘いと思いますよ、野田政権は。
 都知事は、国がしっかり避難港等を造ってくれるんだったら、都の購入は諦めて、義援金十四億円も国に寄附してもいいということまで言っているんですよ。にもかかわらず、余りにも中国に配慮のし過ぎ。丹羽大使と同じですよ、本当に野田政権は。余りにも気を遣い過ぎ。逆に管理強化をやろうと思っている東京都の上陸調査まで妨害している。本当、ひどいと思いますよ。
 中国の要求、上陸しない、調査しない、開発しない。まるで中国の要求をそのまま忠実にやっているのが野田政権じゃないですか。国有化しても何もしなかったら、これはまさに中国の思うつぼで、これは、地権者の思いにも、八重山漁民の思いにも、国民の思いにも、私は合致しないと思います。これほど挑発行為をこの数年間で行われて、それで何にもやらない。今の状態をほっておくのは、まさに中国の思うつぼですよ。管理強化をする、私は当たり前だと思います。
 なぜここまで非常に中国の方に気を遣っているのか、見解をお伺いします。
#56
○国務大臣(藤村修君) 今、私は何一言言っておりませんが、ある国に気を遣っているということをしきりに委員はおっしゃいました。
 ただ、日本政府として、これ、歴代政府の態度としても、要は、結局、平穏かつ安定的な維持管理といういつものその言葉ですが、これはすなわち、尖閣諸島をめぐる無用の混乱を避けたい、そういうものを生じることを避けて、我が国の尖閣諸島の有効な支配が妨げられないようにすると、このことがやっぱり何より最低限基本的な考えで進めてきたと、こういうことではございます。
#57
○佐藤正久君 そこは、だから自民党政権と野田政権の大きな違いなんですよ。今のままでいい、今までのままでいいと。去年、おととし大丈夫であったから、今年、来年も大丈夫だろう、これでずっと失敗してきたのが民主党政権なんですよ。備えあれば憂いなしが、憂いなければ備えなしになっているんですよ。
 この数年間の挑発、半端じゃないですよ。例えば、中国の海洋進出、もう挑発行為どんどんエスカレートしている。例えば、国交大臣所掌ですけれども、五つのドラゴンってありますよね、五つのドラゴン。特に、海監とか漁政あるいは海警、物すごい増強ですよ。例えば、海監だけでも、二〇二〇年までにその人員を九千名から一万五千名にすると明言しています。現在二百六十隻の巡視船は倍増の五百二十隻、外洋で行動可能な六百トン以上のもの、これを四十七隻を今建造中で、更に今後三十六隻を建造すると。半端な数じゃないですよ。今から手を打たなくてどうするんですか。
 しかも、五つのドラゴンだけではなくて、漁師も脅威です。日本の漁師の数は二十万人と言われています。中国の漁師、八百万ですから。また、民兵の資格を持っている漁師の方も多い。先般も、中国の漁民が韓国の海洋警察官を刺し殺しました。十月、早ければ今月にも多くの中国の漁船が尖閣周辺にやってくるというふうなうわさもあります。仮に五百隻を超える大漁船団が尖閣に来た場合、当然、漁政や海監も付いてくるでしょう。
 国交大臣、海保はどうやって対応いたしますか。
#58
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。
 海上保安庁では、尖閣諸島周辺海域において、平素から大型巡視船を常時配備するとともに、定期的に航空機による哨戒を行い、広域的な監視警戒を実施しているところであります。同諸島の周辺の我が国領海内への不法な侵入等を試みる外国船舶に対しましては、海上保安庁が関係省庁と連携しながら、情勢に応じて警備体制を強化するとともに、必要に応じて所要の追加勢力を応援派遣するなどにより、当該船舶の領海内への侵入を阻止するとともに、領海内に侵入した場合には速やかに領海外へ排除するなど、必要な警備を厳正かつ適切に実施するということにしております。
#59
○佐藤正久君 今の国交大臣の答弁を聞いた国民はみんな失望していると思いますよ。そんなので本当に対応できますか。
 今、南シナ海ですごく大漁船団いますよね。あれが尖閣の方に振り向けられただけでも大変ですよ。海上保安庁の巡視船、全部で百二十一隻しかないんですよ、百二十一隻しか。この前の一隻が来ただけで、十数隻で対応してもあのような状況ですよ。何百隻もの漁船が来る、あるいは海監とか漁政の巡視船が来る。対応できるわけないじゃないですか。今、更に増強する、ほかの自分の守りもあるわけですよ。だから、今からいろんな手を打っておかなければ私は駄目だと。まさに憂いなければ備えなしが民主党政権なんですよ。
 さらに、今回非常に危惧しているのは、何かあったらすぐ自衛隊にお願いしようという人がいます。ただ、基本的に中国海軍が出てこないと自衛隊は出られません。民主党の前原氏が、二年前の尖閣事件の際に、米国の国務長官から尖閣は日米安保五条の対象だと回答を得て喜んでいましたけれども、私はどうかなと思いますよ。曖昧なままの方が私はよかったと思っています。
 なぜならば、政府答弁では、竹島は日米安保五条の対象外だと言っています。だけど、尖閣は対象だと。その理由は、施政権が及んでいるからだと。これは、逆に言えば、施政権がなくなれば日米安保の対象じゃないということを公にしちゃったんですよ。非常にこれ、私はまずいと。だから、非常に、中国にとっては、日本から施政権を自衛隊とか米軍が来ない状態で奪えばいいわけですよ。すなわち、非武装の漁民とか警察力で施政権を奪えばいいと普通に考えますよ。だから、中国は日本政府に圧力を掛けて現状維持のままという形にしておいて、どんどん民兵を増強する。海監、漁政を今物すごい増強しているんですよ。今でさえ非対称戦が、もっと大きな意味合いで非対称戦が生起してしまう。私はこれ、自民党だから言っているわけではなくて、本当に今からやっておかないと、自衛隊が出られない段階でいかに警察力で対応するかという部分がこれからの鍵ですから。その段階で何にもやらない。私は考えられないと思います。
 防衛大臣、非武装の漁民相手に自衛隊が出動できますか。また、海監や漁政の巡視船は公船です。公船には外国船航行法も適用できません。中国の非武装の漁民とかあるいは中国の公船が尖閣諸島付近に遊よくした場合、これは自衛隊で排除できますか。
#60
○国務大臣(森本敏君) 国交大臣が今御答弁になったような対応というものであっても、なおかつ、今、佐藤先生が御指摘になったような事態で、到底対応できそうにないような多数の船が来た場合、これは、自衛隊はもちろん防衛出動なんというようなことはありませんけれども、それ以前の警察活動としての海上警備行動を、治安出動は状況によっては法的措置をとって取り得るということだと思います。あくまでこれは警察活動としての活動にとどまるべきと、そういうことではないかと思います。
#61
○佐藤正久君 まともに警察活動では対応できないんですよ。
 国交大臣、例えば、向こうの公船が魚釣島のそばにいてとどまっていると。どうやって排除しますか。
#62
○国務大臣(羽田雄一郎君) あらゆる手段というのは外交手段も含めてしっかりと取っていかなければならないというふうに思っておりますが、そういう意味では、警告をし、そしてその後、放水規制や、また接舷規制というような状況になるのかどうかと、こういうことはその現場でなければ判断はできないわけでありますけれども、しっかりとした体制を取って対応したいというふうに思っております。
#63
○佐藤正久君 大臣、全然分かっていませんよ。普通の外国の漁船とかじゃないんですよ。公船ですよ。公船に対してそんなことをやったら大変じゃないですか。国際海洋法上できないんですよ、公船が来たら、今の海洋法上。だから非常に困るわけですよ。だからそこを向こうは狙ってきているわけですよ。だからいろんな面で、今から有人化、管理強化をしておかなければ、本当怖いんですよ。それを全然やろうとしない。石原都知事の危機感というのを本当に分かっていない。
 私、二年前の尖閣事件でも船長を処分保留のまま釈放してしまった。また、丹羽中国大使も東京都の尖閣購入に難癖を付ける。こんなに中国に気を遣ってくれる政権ないですよ。
 しかも、今の野田政権の体力では、竹島と尖閣、両正面の対応ができるもう力はありません。ましてや、北方領土が来たら、もうこれはお手上げ状態ですよ。私、だからこそ、こういう場合についてはしっかり与野党で協力すべきだと前から言っているわけで、もう無理ですから、体力的に。みんなでこれを考えないといけない。
 そういう中で、今回の八月十五日の尖閣事件が起きたんですよ。あの対応が本当に良かったかと。私はどうかなと思っている人間の一人です。上陸阻止をできなかった。
 官房長官、今回は初めから、活動家を魚釣島に上陸をさせて入国管理法違反で強制送還させる、そんなシナリオがあったわけではなく、あくまでも海保による洋上での上陸阻止、これが方針だった。間違いありませんね。
#64
○国務大臣(藤村修君) そのとおりでございます。
#65
○佐藤正久君 ということは、海上保安庁は、一隻の抗議船に十数隻の巡視船とヘリコプターが出動したにもかかわらず、領海侵犯をされ、上陸阻止作戦も失敗したという理解でいいですか、官房長官。
#66
○国務大臣(藤村修君) まず、この前の案件の方針ということで、概要だけ申しますと、抗議船等の海上での排除にまず全力を尽くすこと、これが第一であります。不法上陸体制についても万全を期すこと。それから、銃刀法違反、公務執行妨害等の犯罪が敢行された場合に我が国の法令に基づいて厳正に対処すること。それから、もう一つありますね、外交ルートを通じた抗議というものを適時適切に行う。これらが基本的な姿勢であったと、こういうことです。
#67
○佐藤正久君 失敗したかどうか聞いたんです。
#68
○国務大臣(藤村修君) これら基本的な方針に従って行った結果としての、今、失敗か成功かという判断は、これは歴史的な判断になろうかと思います。
#69
○佐藤正久君 それは、歴史的な判断って、言い過ぎでしょう、官房長官。笑っていますよ、そんな。上陸阻止があくまでも方針だったけど、結局できなかったわけでしょう。
 羽田大臣、島の近くには少なくとも三隻以上のボートに乗った海保の隊員がいました。ビデオにも出ています。活動家が船からはしごを降ろして泳いで上陸しました。活動家が海に入った無防備な段階で、そのボートに乗った隊員が逮捕すればできたじゃないですか。なぜやらなかったんですか。
#70
○国務大臣(羽田雄一郎君) なぜやらなかったかということでありますが、現場が判断をしてしっかりと対応していたというふうに思っております。そういう意味では、失敗したか失敗していないかということでありますが、活動家の漁船の場合、魚釣島に接舷するような状況で直進して突っ込んだという、座礁も辞さない覚悟で突っ込んでいったということで、ほとんど泳ぐような状況ではないような場所まで行っていますよね。
 ですから、そういう意味では、対応としてしっかりと対応をしたというふうに思っております。
#71
○佐藤正久君 誰が見ても、上陸阻止の方針があったら現場はやりますよ。日本の海上保安庁はそんなレベルが低くないですよ。普通に考えれば、何が何でも上陸阻止ではなく、活動家が上陸を強行するなら入国管理法違反で捕まえて強制送還のシナリオがあったと考えるのがやっぱり自然ですよ。だって、三隻のボートがいたわけですよ。もうみんなその泳ぐところを捕まえれば捕まえられたのに捕まえないと。それを御丁寧にビデオでもそこを海上保安庁は紹介していますから。
 要は、そこを捕まえようとすると、上陸前でしょう、抵抗しますよ。抵抗したら公務執行妨害罪で捕まえないといけなくなってしまう。だから、船が接岸に、近づいたらボートはわざと離れて上陸をさせたというふうにしかあのビデオを見たらやっぱり考えられませんよ。
 しかも、今回物すごく解せないのは、海保担当の吉田副大臣、今回の活動家の行動、船舶法第三条に抵触すると私は思います。
 魚釣島には入管とか検疫の施設はありません。すなわち不開港です。そこに抗議船の乗員を降ろした。これはまさに船舶法第三条に抵触し、船長を現行犯逮捕できるんではありませんか。
#72
○副大臣(吉田おさむ君) 船舶法第三条の御指摘でございますが、今回の場合は一時的に海岸に乗り上げたものということで、不開港場への寄港に当たらないと判断をしたというふうに報告を受けております。
#73
○佐藤正久君 かなり苦しいですよ。
 だから、今回、いろんな面で嫌疑というものはやっぱりあるわけですよ。それを、嫌疑があったら六十五条は適用しない。にもかかわらず、今回、公務執行妨害もいろいろへ理屈をくっつけて適用しない。暴行罪も適用しない。あのビデオ見ても分かるじゃないですか。上に海上保安官がいた。それを、侵入をしてれんが投げているじゃないですか、届きませんでしたけど。相手を、侵入をしてれんがを投げる、これは当たろうが当たるまいが暴行罪ですよ。その嫌疑が十分ですよ。それは船に当たったから関係ではなくて、その人に対して狙って当てているわけですから、届かなかっただけで。
 さらに、今回の立入検査拒否にしても非常に理解がしにくい。例えば、今回は、国交大臣、活動家は尖閣に上陸をして灯台を壊すということを宣言して魚釣島に向かっていましたよね。これは大臣も承知のとおりです。全世界に流れていますから。であれば、その犯罪を抑止するためにどんな破壊工具を持っているか、立入検査を行うことは海保の通常の任務ですよ。
 だからこそ、いろいろ警告をやって、放水をやって、そして接舷規制をやる。で、立入検査をやろうとした。でも、それをできなかった。向こうは停船を命じても立入検査を拒否した。そのまま島の方に向かっていった。これはどう考えても立派な立入検査拒否罪ではありませんか。違いますか。
#74
○国務大臣(羽田雄一郎君) 今回の事案は、今委員が言われたように、接舷規制までして、あの状況、委員もビデオを見られたと思いますが、波が高くてなかなか接舷規制するのも危険な状況であったというふうに報告を受けておりますし、ビデオを見れば一目瞭然だというふうに思っておりまして、そういう中で、直線的に魚釣島に座礁覚悟で強行したというのが現状であります。そういう中で、警察、入国管理官、また海上保安庁の職員がしっかりと待ち構えている中で、順を踏んで対応したということであります。
#75
○佐藤正久君 大臣、全然理解していません。立入検査忌避罪ですよ。それは、波が高かったから立入りができなかったんではなくて、向こうが停船に応ぜずに、そのまま向こうはそれを拒否したということが忌避罪なんですよ。大臣、全然分かっていない。
 なぜこう言っているかというと、次があるからなんですよ、次が。しっかりここで対応を取っておかなければ、みんなこうやって、立入検査忌避罪も使えない、暴行罪も使えない、船舶法三条も使えない。どんどん自分でこれ、官房長官、狭めているんですよ、自分で。今回の事案、全部六十五条でやったということは、すごく狭めているんですよ。
 だから、どう考えたって現場の隊員かわいそうですよ。目の前に泥棒がいる。捕まえることができたのに捕まえられなかった。上からの指示があったと考えるのが普通です。
 警察もやっぱり不思議なところがありますよ。ただ、今回は魚釣島には警察がいました。でも、その三キロ離れた北小島、南小島には警察官いなかったんですよ。なぜか。警察というのは想定外を物すごく嫌います。私も自衛官だからよく分かります。であれば、魚釣島ではなくて、その三キロ離れた南小島、北小島に行く可能性は十分ありましたよね。そこに警察官が配置していなかった。これ、誰が考えたっておかしいですよ。警察の組織文化にも合わない。
 東海大学の山田教授は、テレビ局が撮ったビデオを見たら、どう見ても海保が抗議船を魚釣島の警察がいる地点に誘導したように見えると。実際にあの船が達着したところは、いっぱいサンゴ礁がある中で、あそこしかないという場所なんですよ。確認しました。あの地点しかない場所なんですよ。そこにうまく接舷している。ほかじゃ間違いなく座礁していますよ。
 しかも、松原国家公安委員長、今回、警察は魚釣島で旗を振ることまで許したんですよ。上陸した時点でもう捕まえることができたのに捕まえなかった。逮捕するまでに約二十分掛けているんですよ。すぐ逮捕できるのに逮捕しなかった、旗を取り上げることができたのに取り上げなかった。これは誰が考えても、向こうが上陸をして、旗を振らして、彼らが満足するまで待っていて、それから捕まえた。途中で彼らがその様子をビデオに撮るまで、テレビクルーがテレビ撮るまでやらなければ、向こうは抵抗する、暴れる、公務執行妨害罪になるというふうにやっぱり考えますよ。
 海上保安庁長官も嘆いていましたよ。海上保安庁のビデオ、とても活動家が警察官の脇で旗を振っているあの映像は出せませんでした、だから今回の三十分ビデオにはそれはカットしましたと、海上保安庁長官は自ら言われていましたよ。
 大臣、この旗を振らせた反省点はありませんか。しかも、やっぱり今回はすぐ上陸した時点で捕まえられたわけですから、領海侵犯しているわけだから。海上保安庁があそこまでやっていた、すぐ旗を取り上げるべきだったと思いませんか。
#76
○国務大臣(松原仁君) 警察、沖縄県警においては、八月十五日午後五時三十五分ころ、活動家の一部が魚釣島に上陸したことから、上陸した活動家に対し、魚釣島への上陸行為が違法行為に当たることを認識させるため警告を発し、同日午後五時五十分ごろに活動家五人を出入国管理法及び難民認定法違反と認め、現行犯逮捕をしたところであります。
 以上です。
#77
○佐藤正久君 反省点ないの。
#78
○国務大臣(松原仁君) 申し上げたように、警告を発し、そして逮捕したところであります。
#79
○佐藤正久君 だから、そこ、松原大臣ね、警察も反省しているんですよ、縦割り過ぎたと。今回、海上保安庁が領海であそこまでやっているわけですよ。その場でもう不法行為やっているから、すぐ逮捕できたんですよ。できたんですよ。警察官もこれは認めています。これを今回、縦割りで、もう七名のうち二名を船に戻れと言ってしまった。戻す必要ないんですよ。おかしいと思いませんか。
#80
○国務大臣(松原仁君) 委員の御指摘も様々ありますが、申し上げましたように、警告をし、逮捕をしたと、この時系列であります。
#81
○佐藤正久君 誰が見てもやっぱり不思議なんですよ。海保の方は、ビデオを公開しています。警察は、一時間弱の実はビデオを撮っているんですよ。やましいことがなければ、やっぱり正々堂々とそれも公開していただきたい。いかがですか。
#82
○国務大臣(松原仁君) ビデオは捜査上の必要から録画していたものであり、その公開については、関係法令の規定や今後の捜査活動、警察活動に支障がないかを慎重に検討した上で判断するということが必要だと思っております。
#83
○佐藤正久君 これ、幾ら何でもそこは、同じ、海保がビデオを出せて警察が出せない、これはやっぱり隠蔽と思われますよ。モザイクを掛けてもいいし、いろんな手段はあるわけですよ。
 大臣、公開、約束してください。
#84
○国務大臣(松原仁君) 今申し上げたように、諸般の警察活動等の支障がないかを慎重に検討した上で判断するということでございます。
#85
○佐藤正久君 何か松原大臣らしくないですね、全然。国旗に対しての思いもない。しかも、このビデオについても普通なら出して当たり前でしょう、幾らでも修正はできるわけですから。それについても、それは言えない。まさに本当に、配慮、配慮、配慮。何か情けなくなりますよ。
 入管もやっぱりおかしいんですよ、入管も。実際、入管の職員の方が活動家を取調べできるのは、その事務所がある石垣とかあるいは那覇でしょう。にもかかわらず、海保の船に乗っていたり、魚釣島にあらかじめ入管の職員が待ち構えている。今回、嫌疑があれば、入管の方には行かないんですよ、活動家は。にもかかわらず、初めから魚釣島にいる、あるいは海保にいる、異様ですよ。これは、初めからある程度シナリオがあったというふうに考えるのが私は自然だと思います。
 私は、前回もこの決算委員会で言ったように、悪いと言っているんじゃないんですよ。それは、方針があったら方針があったという形でやればいいと私は思っている。入管、やっぱりおかしくないですか。これからずっと、こういうたびに入管は海上保安庁の船やあるいは尖閣諸島で待ち構えるんですか。大臣、いかがですか。
#86
○国務大臣(滝実君) 不法上陸のおそれがあるという事態があれば、当然入管職員は現認をする必要がございますので、待ち構えているということは当然あり得るわけです。前回の平成十六年のときも、実は入管職員は石垣島で待機をしておりました。しかし、余りにも早く上陸したために間に合わなかったという実態がありましたので、今回はそれを考えて、あらかじめ皆様方と言わば海上保安庁の船に乗って待ち構えていたというのが実態でございます。
#87
○佐藤正久君 ただ入管の人が船に乗っていたって、そこで何にもできないんですよ。入管の職員が海保や警察の取調べのところに立ち会うこともできないわけですから、意味ないんですよ。単なる三省庁の縄張争いの結果としてそこに行ったというふうにしか思えません。
 ただ、るる言いましたけれども、やっぱりどう考えても、日本の主権にかかわる事項をこの入管法の六十五条で対応する、これはやっぱりおかしいと思います。しっかりと違う法律というものを作って私は対応すべきだと思います。
 玄葉大臣、いかが考えますか。
#88
○国務大臣(玄葉光一郎君) 入管法、たしか六十五条を詳細に読めば、今おっしゃった委員の問題意識を全く理解しないというわけではございませんけれども、今回、まさに入管法六十五条で対処したということは、私は妥当な対応であるというふうに考えております。
#89
○佐藤正久君 やっぱり、不法上陸を標榜してくる、しかも灯台を壊すということまで言ってくる、テレビクルーも一緒に同乗させる。官房長官、これ普通、入管法六十五条の不法滞在者を外に出す、この趣旨とはやっぱり違うと思いますよ。しっかりこの部分については、与野党超えて、一緒になっての法案をやっぱり整備する、私は必要だと思います。いかがですか。
#90
○国務大臣(藤村修君) 今回の案件、やはりきちんと現場が公務執行妨害がないという判断をしています。警察の現場もそうでありました。そして、それらを総合的に、これは内閣総理大臣の方に報告がされ、そして六十五条の適用という判断、総合的にはしたところであります。
 ただ、今おっしゃったように、今後様々な事態に対して、これ今後いろんな法律が、今、佐藤委員は必要だという御意見ですが、これはやはり今後検討する課題であるというふうには受け止めます。
#91
○佐藤正久君 待ったなしなんですよ、どんどんどんどんやっぱり野田政権の足下を見てきますから、周りの国は。しっかりとこの整備あるいはその管理強化、私は進めるべきだということを指摘しておきたいと思います。
 次に、南西諸島防衛の議論を移ります。
 資料一を見てください。これを見ますと、これ大陸側から日本列島を見た地図なんですけれども、これ見ると台湾の地政学的価値が非常に分かります。まさに、東シナ海、太平洋、南シナ海、三つの海を押さえる日本のシーレーン、この防衛でも非常に重要な場所に台湾があります。仮に台湾が中国に併合されたら、日本の防衛にも大きな影響が出ると思います。
 防衛大臣、台湾防衛と南西諸島防衛、地政学的にも日米安保五条、六条との関係でも、同一地域にある台湾防衛と南西諸島防衛、切っても切れない不可分の関係だと思いますが、いかがでしょうか。
#92
○国務大臣(森本敏君) 日本の南西方面の安全保障を守るという観点からいうと、台湾というものが、特に台湾の安定というものが特に日本の安全保障に重要であるというのはまさにその御指摘のとおりだというふうに思います。
#93
○佐藤正久君 防衛大臣、じゃ、台湾空軍は御存じのように訓練空域が限定されております。日本の訓練空域を一時的に借りることはできないかとの要望もあります。台湾の防衛力強化は、まさに今大臣が言われたように、日本の南西諸島防衛にも大きく寄与することになるということを勘案した上で、やっぱりこの台湾の要望というものを日本の防衛ということからも検討する価値はあると思いますが、いかがでしょうか。
#94
○国務大臣(森本敏君) 先生御承知のとおり、日本のADIZといいますか防空識別圏というのは台湾の防空識別圏と重複しているというか、重なっておりますので、従来からいろんな公式、非公式に話をしておりますけれども、お互いに、双方に自分の領域の安全を維持するためにどういうADIZが一番良いかということについてできるだけ現実的な手段を選ぼうとして今まで協議をしてきて、今の日本と台湾のADIZの在り方は妥当なものなのではないかというふうに考えます。
#95
○佐藤正久君 今大臣の方から、公式、非公式で台湾とこの訓練空域について調整をしているという話がありましたけれども、やっぱりこの問題というのは、これから中国を考えた場合、まさにこの地図を見たら非常に大事な私は要素だと思っています。引き続き検討をお願いしたいと思います。
 また、台湾の隣に日本の西端の与那国島があります。人口約千六百人。前回の町長選挙、自衛隊誘致派の外間氏が約百票差で勝利しました。六名の町議、このトップ当選も百七十票でした。
 防衛大臣、現在自衛隊の配備に向け努力中ですけれども、将来外国人地方参政権が認められた場合、防衛上何か懸念事項ございませんか。
#96
○国務大臣(森本敏君) 与那国島は当然のことながら我が国の領土なので、そこに現在自衛隊を配備するためのいろいろな計画を進めておりますけれども、いわゆるここに周りの国々から人が入ってくるとか、あるいはここに住んでおられる方々の参政権というのはこれは日本の法律の中で担保されているので、今の段階では特段に我々は懸念を持っておりません。きちっとこの与那国島のいわゆる警戒監視機能を強化することによって、尖閣諸島を含む周辺地域の安定をより安全に維持するということが重要であるというふうに考えて、我が国は自衛隊の配備を進めているということでございます。
#97
○佐藤正久君 この外国人地方参政権の問題は非常に大きな問題で、国政に関係ないから地方の参政権を与えると、これは慎重な議論が私は必要だと思っています。目の前に十三億の民がいて、約百票差で首長が替わるわけです。町議会六名のうちトップが百七十票で、その六位の方が百四十票ということです。そういう段階においては非常に私はこれは慎重に考えるべきだということを指摘させてもらいます。
 また、与那国島は大事な国境離島ですが、海上自衛隊の護衛艦が入れる港もありません。また、与那国空港も、距離はあっても滑走路の地耐力が弱いためにP3C等の航空機の連続離発着もかなり難しいというものがあります。これは、安全保障上の観点からも私は直ちに整備すべき課題だと思っています。
 自民党は、次の臨時国会等に特定国境離島保全・振興法を出します。そういう国の安全保障上大事だと思う部分は、市町村に任せるんではなくて、国がやっぱりそういう港や空港を整備すべきだというふうに思います。那覇の滑走路もそうです。那覇空港は、今一本の滑走路、これを陸海空の自衛隊や海上保安庁、そして県や民間航空会社が共用し、かなりの過密状態です。中国の今の進出によってスクランブルの回数も増えています。それが結果として民間の離発着にも影響を与えている。これは、某国の民間機がわざと滑走路で故障したら、スクランブルできないんですよ。そういう状況なんです、今。
 だから、そういう意味でも、やっぱり安全保障上の観点も、あるいは経済活性化の観点からも、第二滑走路、防衛大臣、これは早急に整備すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#98
○国務大臣(森本敏君) 一般論として申し上げれば、滑走路が複数あるという場合に、滑走路が一本しかない場合に比べて事態に対して対処する部隊の能力というのが向上するというメリットがあることは当然でございます。
 現在、那覇基地には戦闘機部隊あるいは哨戒機の部隊というのがおりますけれども、一本の滑走路を前提としてこれは配備されていて、那覇基地というのは民間及び自衛隊の航空機の離発着回数が多くて大変忙しいといいますか、ふくそうした状態であることは確かでありますけれども、今のところは海空の自衛隊がこの一本の滑走路でそのまま任務を遂行できるということだと思います。
 他方、先生が御指摘のように、この滑走路、二本目の第二滑走路の建設というものについては、これは、民航機の需要増加に対応するために国土交通省所管の空港整備事業として進められているという前提に立って我々はこの問題を考えていて、それに必要な財源の確保は国土交通省を中心に検討していただいているものと、このように理解しております。
#99
○佐藤正久君 防衛大臣、やっぱり逃げちゃ駄目です。これ、国交省も当然予算要求やるでしょうけれども、一緒にやらないと。これ、安全保障上非常に大事な空港なんですよ。
 ただ、財務大臣、今財源確保、非常に財務省が渋っているようです。これ、実はアセスも済んで、来年から一部着工もできるような状況になっています。野田総理も、実は沖縄の方で復帰のセレモニーのときに、もう来年からの着工を約束しているんですよ、総理自身が。だけれども、非常に財務省が渋っていて、今国交省は非常に苦労しているんです。
 これは防衛省と国交省併せてやっぱり要求して、これは非常に今沖縄の方からすると、普天間は動かない、基地返還も全然外務大臣の思うようには進んでいない、しかもオスプレイがやってくる。やっぱりそういうときに、この第二滑走路の着工というのは物すごくいいメッセージなんです。安全保障上も経済上もいい。官房長官、これはひとつやりましょうよ、本当に。いかがですか。
#100
○国務大臣(藤村修君) おっしゃるとおり、今那覇空港がもう年間でこれは多分十三万回ぐらい以上の発着回数ということで、需要が大きく伸びているという、知事からもいつもそういう陳情を受けます。
 それで、この滑走路建設事業に向けて、今おっしゃったように、平成二十五年度前半、来年にはその環境影響評価というものも出てくるということであります。一方、沖縄振興基本方針というのが平成二十四年五月十一日に内閣総理大臣決定において、環境評価法に基づく手続が完了した後は、ここで重要なことは、適切な財源の確保を前提とした第二滑走路の整備を図るとされています。
 今財務大臣が後ろにおりますが、いわゆる第二滑走路の事業に約千九百億円ぐらいというふうに見積もられていて、現時点でこれは事業全体の財源のめどというのは立っていない。今おっしゃるように、安全保障上のという、これも新たな当然加味していく課題でありますので、これは財務大臣とよく調整をしていくという課題であると思っています。
#101
○佐藤正久君 財務大臣、元防衛副大臣もされていましたよね。やっぱりこれは本当に安全保障上非常に大事なんですよ、これは南西諸島防衛考えても、ずっと尖閣やっているように。一言お願いします。頑張ってください。
#102
○国務大臣(安住淳君) はい。
 アプローチを外に出して、それで滑走路を造ると。直接私も多少かかわりましたから、沖縄の基地全体が戦闘機の離発着も含めて民間航空のすき間すき間でやっているという状況は十分認識しておりますので、関係機関とよく検討しながら、できるだけニーズにこたえられるようにしていきますが、巨額なものですから、どういうふうに調達するか、頑張りたいと思います。
#103
○佐藤正久君 来年から着工するのが大事なんですよ、メッセージとして。トータルは千五百とか千九百掛かるかもしれませんけれども、そこが大事ですから、是非ともよろしくお願いします。
 続いて、日韓関係について御質問いたします。
 官房長官、竹島のICJへの提訴、当然裁判で勝利をし、日本が竹島を韓国の不法占拠から取り返すために行うものだと私は理解しています。違いますか。
#104
○国務大臣(藤村修君) 韓国政府に対して、竹島問題を我々としては国際司法裁判所に合意付託する等の提案を行いましたが、これは、我が国の竹島の領有権の正当性を、これ、堂々と国際社会に訴えていくという目的もございます。
 我が国としては、このような取組に加えて、米国を含む国内外の有識者やメディアも活用、利用をさせていただきながら、引き続き、我が国の竹島をめぐる領有権の正当性というものを、これ、国内外に積極的に示していきたいと考えています。
#105
○佐藤正久君 やっぱり、ICJで勝つ自信があるならば、韓国出てこい、出てこいと国際社会にどんどん訴える必要があるんですよ。
 ただ、外務大臣、アメリカは、尖閣諸島はセンカクスと書いています。尖閣諸島についてはセンカクスという表現をしています、アメリカはですね。だけれども、竹島については、アメリカの機関、地名委員会はドクトと表記し、韓国領としています。これについては、抗議し、改めさせるべきではありませんか。
#106
○国務大臣(玄葉光一郎君) 米国は、御存じのように、一九五一年のサンフランシスコ平和条約の中で、いわゆる放棄すべき日本の領土としてあのときに語ったのは、韓国との関連ではいわゆる済州島、巨文島、鬱陵島なんですね。当時、韓国は竹島も含めてほしいと言ったにもかかわらず、竹島はまあ言わば日本の施政下にあるのであるということで、それを拒否したという経緯がございます。
 そして今、領有権の問題については、これは平和的に紛争を解決してほしい、そういうことを言っている、そのこと、ある意味そのことのみであるというふうに私は承知しています。
#107
○佐藤正久君 外務大臣、迫力ないんですよ。そういうふうに一応国務省が言っても、実際に米国の一政府機関が違う表現をしている。これはやっぱり、幾らICJで訴えても、肝心のアメリカの政府機関がこれでは迫力ないんですよ。そして、中国はどうか。中国も竹島と書いてくれていませんから、御存じのとおり。ロシアも違います。
 であれば、やっぱり、我々の反省踏まえて言いますと、やっぱり各国がどういうふうに竹島を表現しているんだ、領有権をどう考えているんだということを、アジアとかヨーロッパを含めてこれ調査をして働きかけをやらないと、今官房長官がお題目言いましたけど、何の意味もないんですよ。国際社会へ訴えますと言ったって、現状把握ができていないわけですから。それに対するアプローチもまだやっていないんですよ。
 官房長官、これは早急に、各国がどういうふうに竹島を表記し、領有権についてはどうやっているかというものを調査をした上で、やっぱりそれを改めさせる努力、これをやるのが私は大事だと思います。いかがですか。
#108
○国務大臣(藤村修君) 今の佐藤委員のお話、ごもっともなお話だと思います。
 一方で、我々の方、この竹島問題について、パンフレットも議員の皆さんはお持ちだと思います。これを、十言語、十か国語で作成して、当然、これは日本以外様々なところでの供与をして閲覧していただいているということと、それから、総理の指示もございまして、一番最近では官邸のホームページでも、これ英語とあるいは日本語の竹島問題についてのコーナー新たに設けたところということで、これ、今後更に努力していく必要があると思います。
#109
○佐藤正久君 パンフレットを配るだけでは駄目なんですよ、これ。だから、実は外交防衛委員会でも言いましたけれども、やっぱりそれを、議会班とか、いろいろ含め、広報文化とか、今までと違った発想で、ただ紙まいたって意味ありませんから、これは真剣にやっていただきたいというふうに思います。
 次に、財務大臣は、日韓の通貨スワップ協定に関して日本から韓国にお願いしたことはないと、韓国の事実歪曲に抗議をいたしました。
 ただ、今度は、韓国政府は、防衛大臣、九月七日から軍を投入して竹島で訓練を行うということを発表しています。我が国の領土で軍事訓練を行う。
 防衛大臣、これは防衛チャンネルでも韓国の国防部長官に訓練を中止するよう抗議すべきだと思います。財務省はしっかりやりました。防衛省もしっかり防衛チャンネルで言うべきことは言う、まだやっていないのであれば、これから速やかにやっていただきたいと思います。いかがですか。
#110
○国務大臣(森本敏君) 韓国が竹島周辺でこの種の訓練をやるというのは、誠に我が国にとって遺憾であり、先生の御指摘のとおりであります。外交ルートで従来やっておりますけれども、我が方もいろいろな交流がありますから、その交流の場できちんと日本として抗議をする、当然のことだと思います。
#111
○佐藤正久君 今、非常に前向きな答弁をいただきました。当たり前なんですよ。だから、ICJでこれを裁判をやるときは、そういうものについてはいろんなチャンネルで抗議をしないと、それは証拠になりませんから。積み重ねが大事ですから、いろんな省庁、チャンネルありますから、外務省だけではなくて、こういう裁判で勝つためには、軍には軍、あるいは経済は経済、金融は金融でやっていかないと、やっぱり私はいけないと思います。
 ましてや今回は、官房長官、海兵隊が参加するんですよ、海兵隊。海兵隊が逆上陸する。これは、仮想敵国は誰が考えても日本ですよ。外務省の担当も、海兵隊が参加する、これは強い抗議が必要だというふうに言われていました。これも、官房長官とか総理、いろんな場面でやっぱり、竹島で軍事訓練をやるだけではなく海兵隊がやる、これは普通、防衛じゃなくて逆上陸ですから、海兵隊の一般的な運用は。これはやっぱり厳しく私は抗議すべきだと思います。
 いかがですか、官房長官。
#112
○国務大臣(玄葉光一郎君) おっしゃるとおりなんです。たしか昭和二十年から竹島での訓練はあるんですけど、マリーン、海兵隊の着上陸というのはありません。ですから、大使レベルも含めて、今あらゆるレベルで訓練の中止を申入れをしているというところでございます。
#113
○佐藤正久君 テレビでとか新聞では報道していませんけれども、海兵隊の参加というのは非常に大きな意味を持つんですよ。今までと違うレベルの今回活動をやっている。非常にやっぱり、日本もICJに言う以上は、ここは強い抗議をしないと私は迫力がないというふうに思います。
 次に、時間の関係で、福島の復興組織について質問をいたします。
 資料三を見てください。恐らく玄葉大臣、この資料、この写真、何だか多分分からないでしょう。この写真、何か分からないでしょう。分からないと思いますよ。これは、実は復興庁の復興局が入ったビルなんですよ。看板も表に出ていないんですよ。中に入って、エレベーターの前にちっちゃな看板があるだけ。しかも、その復興局はこのビルの七階に入っているんですよ。福島の人もほとんど知らないんですよ、復興局がどこにあるか。あれだけお金を掛けてやっているのに、PR効果がほとんどない。逆に言うと、隠れて何かやっているようなイメージすらあると。姿が見えないんですよ。
 しかも、今度、資料四、これを御覧ください。こうなると、環境大臣、御存じのように、国の出先、これはばらばらなんですよ。福島以外は復興局でワンストップになっています。福島はやっぱり放射能の関係があるから、経産省の出先の現地対策本部は福島県の自治会館、復興局はこの旧長崎屋のビル、環境省はまた別なビルなんです。しかも環境省の入っているところも七階なんですよ。看板は表に出ていますけれども、ちっちゃなもの。これはなかなか分からないですよ。要は、ワンストップといいながら、実際はワンストップに物理的になっていないんですよ。
 であれば、やっぱり福島の方々がそこに行ってワンストップで調整できる、しかも実際、出先の国家公務員の方々もやっぱり顔を見ながら調整する、私は、いろんな意味で一か所にこれをまとめる。例えば、福島には土地がありますから、そこに大きな平家のプレハブを建てて、外からここで福島の復興をやっているんだということを見せる大きな看板を立てる、この方が予算的にも私は非常にいいと思いますけれども、環境大臣の所見をお伺いします。
#114
○国務大臣(細野豪志君) 私も現地対策本部に何度も足を運んでおりますし、また福島の環境再生事務所はもちろん私の所管でございますので、何度も足を運んでおります。
 確かに一ところにあるということも極めて重要なんですけれども、特に現地対策本部に関しましては、県庁であるとかそういう主要な機能と一体となってやるということが重要でございますので、コントロールタワーとしてどうしてもこういったところに必要だということであります。あとはスペースの問題もありますので、この現地対策本部、そして復興庁を中心に環境の事務所もその全体の統括の下でしっかり動くという体制でやってまいりたいと考えております。
#115
○佐藤正久君 実際、この区割りは、帰還困難区域とか、あるいはそういうものはみんな現地対策本部がやるんですよ。その後の除染は環境省がやる、その後の復興は復興局が各出先と、河川事務所とかいろいろ調整しながらやっていく、賠償については文科省が間に入る場合もある、にもかかわらずみんなばらばらなんですよ。一か所の自治体に行くときもみんなまとまって今行っていますけれども、事務所がばらばらだと非常にやっぱり手間が掛かっているんですよ。
 さらに──復興大臣、今聞きますから。さらに、福島の場合は、出先の支所、これが浜の方にしかないんですよ。でも、実際に風評被害、これは実は会津の方もすごいんですよ、聞いているように。と考えれば、やっぱり風評被害対策という観点からも会津の方にも私は支所を置いてもいいはずなんです。いかがでしょう。
#116
○国務大臣(平野達男君) この三つの事務所が分散しているという問題につきましては、佐藤委員から何回か御指摘を受けまして、政府部内でもかなり私の方から強い指示を出して検討をさせました。
 結論からいいますと、先ほど環境大臣からも御答弁がございましたけれども、原子力災害現地対策本部等々につきましては、これは県庁と隣接していなくちゃならないという、そういう制約がございます。あと、福島環境再生事務所につきましては、情報環境プラザ、これは駅前にございまして、その一体性の問題があって、何とか近くに一か所という場所で探させたんですが、現段階では見付かっておりません。
 引き続き、この問題については詰めたいというふうに思っておりますが、いずれ、委員の御指摘のように、除染、賠償、それから帰還指示、全部一体でやります。こういった意味において、現地の体制もきちっとした一体の体制で取ることが大事だというふうに思っております。
#117
○佐藤正久君 会津は。
#118
○国務大臣(平野達男君) 会津ですか。そのことについてはちょっと検討をさせていただきたいと思います。
#119
○佐藤正久君 やっぱり会津の方にもないと、全然出先がないんですよ。物すごい、風評被害対策が今求められているんです。しっかり考えていただきたい、強く求めます。
 最後に、オスプレイの安全対策について質問いたします。
 この資料を見てください。防衛大臣、これは防衛省の方々からの意見を聞きながらまとめたものです。
 今、アメリカ、日本、両方ともモロッコあるいはフロリダの事故調査報告や分析評価をやっている。そのアウトプットは、それぞれが安全対策を打ち出して、それを日米合同委員会でかけて、それで日本における安全対策はどうやるんだということを日米合同委員会でしっかり確立をして、日米で、しかもその後、日本側としてそれがしっかりその安全対策がなされているかどうかということを実際に確認をして担保を取った上で試験飛行開始というふうに伺っていますけれども、この流れ、間違いありませんか。
#120
○国務大臣(森本敏君) これは基本的に我々が作業しているシークエンスとほとんど同じなので、先生がきちっと整理をされているのは私にとっても大変助かりましたが、少しだけこのイメージについてコメントがあるとすれば、二か所です。
 一つは、日米合同委員会をつくる前に、例えば地元、あるいは低空飛行訓練をやりますので各地方の御意見をできるだけ取ってから合同委員会での合意に持ち込みたいということと、最後に状況を確認するというのは、確認をしてから飛行をさせるということもありますけれども、飛行させた後、実際に合意をしたことが守られているかどうかということを絶えず確認しないといけないので、そのサイクルをやりながらやっていくということだと思います。
#121
○佐藤正久君 まさに今この流れ図、これは物すごく大事で、当然、これ簡略化しましたので、この辺のサイクルは当然やるのは当たり前ですけれども、私も陸幕で訓練班長やりました。事故担当のまさに所掌で、大体訓練事故の九割以上が人的ミスなんです。機材のミスはほとんどありません。だから、その人的ミスはどうやってやっていくか。今回のアメリカの報告書、班長の許可も下りないような薄っぺらいものですよ。例えば、風向きの、あるいは風力が、コーパイロットが分からなかった。それは意味がなくて、何で分からなかったのという部分を書いてなければまた事故起きちゃうんですよ。そういう深掘りをやらないと意味がない。
 しかも、今回非常に日米の合同委員会が大変なのは、このアメリカの安全対策、例えば三項目と書かせてもらいましたけれども、日本側は慎重ですから日本でやる。自衛隊だと当然十項目ぐらいの安全対策出しますよ、間違いなく。これをいかに日本が考える十をアメリカの方にのませるか、これが日米合同委員会のやっぱり肝ですから、防衛大臣、これは何としても日本側の安全対策、これを担保させる。これは職を賭してもやる。でなければ、首長は納得しないと思いますよ。これは明言していただきたいと思います。
#122
○国務大臣(森本敏君) いや、全く先生のおっしゃるとおりで、これはオスプレイ二つの事故、つまりフロリダとモロッコの事故の原因というものを究明して、それだけでは実は足りませんで、日本で飛行するときにどのような飛行の安全性を確保できるかというのをトータルできちっと日米の交渉、これは外務省と密接に連携して、合同委員会は外務省にやっていただいているので、我が防衛省としても、防衛省と外務省と一緒になってアメリカ側と、要求するべきものをきちっと要求して、国民の方々に安全をきちっと理解していただくものにならなければ我が方は飛行の安全をアメリカに許可しない、その基本的な考え方に変わりはありません。
#123
○佐藤正久君 外務大臣、これは本当にアメリカ側はタフだと思いますよ。でも、タフでもこれはやらないと、乗り越えないと安全確保できませんから、一生懸命真剣に、リーダーシップを持ってやってください。
 以上で質問を終わります。
#124
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。二之湯智君。
#125
○二之湯智君 自民党の二之湯智です。
 まず、私は、警察庁に冒頭質問をしたいと思います。
 交通安全対策特別交付金という制度があるわけでございますけれども、これは各自治体の信号機の設置だとかガードレールだとか安全の標識だとか、そういうことに使われているわけでございます。ここ数年、七百億円台で推移しているわけでございますけれども、このほとんどの、一〇〇%の財源が交通反則金、いわゆる交通違反、そのお金で賄われているわけですが、私はいつもいつもそれを疑問に思っているんです。警察庁は、全国の交通違反を減少させる努力をするのか、ある一定の違反はないとこの反則金の財源を賄えない、したがって、無理やり交通違反を摘発しているんじゃないかと、そういう印象を持つんですが、この点について、まず御意見をお伺いしたいと思います。
#126
○政府参考人(石井隆之君) 最初に、交通安全対策特別交付金制度でございますが、交通安全対策特別交付金制度は、道路交通法に違反した者の納付する反則金について、国の収入としつつ、地方公共団体の行う交通安全施設等の整備を安定的、計画的に推進するため、反則金収入相当額を交通安全対策特別交付金として国から都道府県及び市町村に交付する制度であり、昭和四十三年から導入されたものでございます。
 交通違反の取締りが反則金を確保するためなのか、それから交通違反の防止が目的なのかという御質問がございました。
 交通指導取締りは、交通の秩序を確立し、安全で円滑な交通環境を実現するための不可欠な警察活動でございます。交通指導取締りは、違反行為の未然防止に努めるとともに、交通事故の発生実態、取締りに対する国民の要望等を踏まえ、悪質性、危険性、迷惑性の高い違反に重点を志向して実施しているものであり、反則金収入を得るためを目的としているものではございません。
#127
○二之湯智君 かつてモータリゼーションが日本に到来したときに交通戦争というのがございましたですね。大体、交通事故の死者が一万人ぐらい超えるということで、最近、私は、事故で亡くなった方の詳細知りませんけれども、恐らく半減ぐらいはしているんじゃないかと、このように思うんですね。
 しかし、交通違反は相変わらず一定の数を維持しているというのは、ちょっと無理やりな交通取締りがあるのではないかと、このように思うんですが、その点、いかがでしょうか。
#128
○政府参考人(石井隆之君) 交通事故の死者につきましては、ピーク時、一万六千人を超えておりました。昨年などは、ほぼ三分の一以下の四千人台になっております。
 交通事故の取締りにつきましても、取締りだけではなく、交通安全活動に対する指導、教育、それから交通安全施設整備等を通じまして、交通違反そのもの、取締り件数そのものも大分減ってきております。
#129
○二之湯智君 違反件数が減っても、反則金が高くなったからつじつまが合っているのかも分かりませんけれども。
 特に、私は観光地京都なんですね。五千万人ほど観光客が、幾らマイカー拒否宣言していても、やはり皆さん方、ついつい車で京都市内に入ってこられるんですね。京都は非常に道が狭い。だから、駐車禁止だとか一方通行だとか進入禁止、まあ進入禁止は一方通行と一緒ですけれども、一旦停止とか多いんですね。
 よくやられているところを見ていますと、右折禁止。右折禁止は、禁止したところで、右折、曲がったところで警察官待っているんですね。右折する前に、ここは右折禁止ですよと旗でも立ててあげたら、これ、右折禁止をしなくてもいい。一旦停止でも、一旦停止のところで、ここは一旦停止ですよといって旗を振ってあげたらいい。一旦停止を車が横断したところで、はいとばかりにカモが来たような形で警察官がひょっこり出てきて、これであなたは違反ですよと。そうすると、観光地辺りは、中年御夫婦が運転して、そういう方、あるいは子供連れのそういう観光客が乗った車がやられているわけですね。私は大変気の毒だなと、これでは観光地のイメージが非常に悪いと、このように思うんですね。
 それと、私は、やるべきところをやらない。何であんな繁華街で車が堂々と止めているんだと。あるいは駐停車禁止のところでも、もう最近は非常にぞんざいになってきたと。ある一定の地域は、これはもうほとんど警察は手を付けないでおこうと、こういうことの地域もあるわけですね。そういう面で、非常に市民から見たら公平性に欠けるのではないかと、こういう印象を持つわけです。
 したがって、警察官はずるい、警察官は意地悪だと、こんな警察官のイメージを払拭するためにも、もう少し交通違反の取締りに私は工夫をすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#130
○政府参考人(石井隆之君) 交通事故を防止するためには、国民一人一人が常に自発的に交通ルールを守り、交通事故を起こさないように、また交通事故に遭わないように行動することが大切でございます。
 交通指導取締りを行う場合には、警察官の姿を見せて取り締まる場合と、警察官の姿を見せずに取り締まる場合がございます。限られた警察力で効果的に交通秩序を維持するためには、警察官の姿を見せない取締りも一般的抑止の観点から必要な場合があると考えております。
 それから、もう少し工夫した取締りをしてはどうかというふうな御指摘もございました。
 警察庁では、限られた警察力で交通事故の抑止に真に効果のある指導取締りを実施するため、組織的な取締り管理について全国の警察に指示しているところでございます。具体的には、各警察署単位において、交通事故の発生実態、住民からの取締り要望等を分析し、署長を始め幹部による組織的な検討を経た上で、重点を志向した交通指導取締りを実施して、その結果についても交通事故抑止に効果を上げているのかの検証を行っているところでございます。
#131
○二之湯智君 分かりました。警察庁の答弁はそのとおりでしょう。
 次に移りたいと思います。(発言する者あり)
 もうちょっとですか、御要望ではありますけれども。特に一旦停止の場合、最徐行して左右を見て、そしてこれで行こうと思ったけれども、それを取り締まっている警察官は、あなたは止まっていなかったと。いや、私は必ず止まりましたと、左右見ましたと。こうやって押し問答になるんですね。そうすると、ちょっと弱気な人は警察に負けてしまう。そして、まあ強情な人間というか、気の強い人間は、警察官がまた、それじゃもう、どうぞ行ってくださいと、こうなるんですが、あの判断は非常に難しい。
 これは、余り警察官が勝手に一旦停止を自分の裁量で決めてしまっておると、私はそう思うんですが、その点、どうでしょうか。
#132
○政府参考人(石井隆之君) 一旦停止を始めとする交通違反の取締りにつきましては、警察官が違反をしっかりと現認することが必要でございます。取締り現場におきましても、警察官がしっかりと現場で交通違反が行われたことを現認した、自分の目で確認したものについて取締りを行っているところでございます。
#133
○二之湯智君 次に、文部科学省に移りたいと思います。
 今年から中学校で武道が取り入れられてまいりまして、いろいろと、一学期が済んだわけでございますけれども、どういう武道が多く選択されたのか。そして、現場ではいろいろと指導者の確保、あるいはこの施設の整備等で御苦労があったと思うんですが、この一学期間を振り返ってどういう問題点があったのか、お伺いしたいと思います。
#134
○政府参考人(久保公人君) この四月から必修になりました武道に関しまして、どういう種目が多く実施されているかということにつきまして、公立中学校を対象に抽出調査を行いました。その結果、六四%の学校で柔道が選択されておりまして、次に剣道が三七・六%、その次は相撲三・四%という結果でございました。
 具体的な武道の実施に当たりましては、三月に安全点検を十分実施していただきますように通知を出すとともに、柔道に関しましては手引を出して、それらを基に具体的な計画を立てて各学校で準備を続けていただいております。
 全国の中学校を対象に具体的な実施時期等、それから点検内容につきまして調査を行いましたところ、柔道を実施する多くの学校では、十月あるいは十一月の二学期以降に授業を実施しているところが多うございまして、各学校においてはその実施までに十分な安全施策を今講じておられるところでございます。
 その中身でございますけれども、指導の体制につきまして、例えば指導者につきましては一定の指導歴を持った教員が指導に当たることができるようになっているか、あるいは外部指導者の協力を得ているかどうかという点について、具体的な整備を行っておられます。
 それから、指導計画については、学習段階や個人差を踏まえた段階的な指導を行うといった計画になっているかどうかということを点検して、不十分なところを整備を今行っておられます。
 さらに、施設設備等、用具の安全が確保されているかどうか、それから事故が発生した場合の応急処置や緊急連絡体制などのシステムが整備され、あるいは関係者間で合意が図られているのかどうかというような点について、今鋭意取り組んでおられるところでございます。
 文部科学省といたしましては、今後の対応も含めまして、本年七月に都道府県教育委員会等の担当者との情報交換を行いまして具体的な整備状況についての意見交換を行いました。二学期以降の本格的な実施後におきましても、柔道を始め武道の授業の実施後の課題等について情報収集しまして学校等の課題対策に努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#135
○二之湯智君 続いて、高校授業料無償化、いわゆる朝鮮高校の授業料無償化についてお尋ねしたいと思います。
 これは、二〇一〇年八月に専門家会議で無償化の方向に決定をされたわけです。その後、いわゆる北朝鮮の韓国に対する砲撃事件があって菅総理がストップされた。その後また、菅さんが辞められる直前に再び専門家会議に諮問されて今審議中だと、こういうことですね。
 これ、もうそれから一年以上たっておるんですが、まだ結論は出ないと。実際、それでメンバーがどなたかさっぱり分からない。会議をしているのかしていないのか、それも分からない。いつ結論が出るのか、その点についてお伺いしたいと思うんです。
#136
○副大臣(高井美穂君) お答えいたします。
 御指摘の経緯をたどりまして、今、朝鮮学校の審査につきまして、審査基準、手続等に関する規程に基づいて厳正に審査を行っているところでございます。なので、現時点におきましては、具体的な審査の終了の時期についてはまだ詳細に述べられる段階ではございません。
#137
○二之湯智君 全国に何百、何千とある朝鮮学校ならそういう答弁もいいんですが、対象は十校ぐらいじゃないんですか、十一校ですか、そういう対象の高等学校にこれだけの時間を掛けてその中身を調査しなければ分からないのかというのは、ちょっと一般的な国民感情からしたらおかしいなと、こう思うんですがね。
 私からしたら、恐らく、こういうナーバスな問題だからできるだけもう避けたいと、こういう意向があるのか分かりませんし、さらに、最近、日朝協議が再開されました。こういうことがこの朝鮮高校授業料無償化の問題について影響を与えはしないかということについてお伺いしたいと思います。
#138
○副大臣(高井美穂君) 外国人学校の審査というものに関しましては、外交上の配慮などにより判断すべきものではなく、あくまでも教育上の観点から客観的に判断することというふうにしておりまして、朝鮮学校につきましては、現在、この規程に基づく厳正な審査を実施している最中でございますので、今の段階ではそこまでしか申し上げられません。
#139
○二之湯智君 小田原評定というような言葉がありますけど、何遍会議を繰り返しても結論が出ないと、こういうことでは困りますね。できるだけ早く結論を出してもらいたいと思います。結論は、私の方は余りやるべきでないという結論なんですよ。
 次に、八重山地方における中学校の公民教科書の採択問題についてお伺いしたいと思います。
 いわゆる、八重山は、石垣市、与那国町、竹富町で一つの教科書の採択地区協議会を結成しているわけでございます。そして、教科書無償措置法では、ある一定の地域で同じような教科書を使いなさいと、こういうことで、一市二町が協議して育鵬社の教科書に決定したと。しかし、竹富町はその決定に従わず、今東京書籍の教科書を使っていると、こういうことですね。
 この問題について、私は、その金銭の多寡というんじゃなくて、やはり一旦決めたルール、事前に決めたルールにのっとって一定の方向が決まった場合にそれに従うというのがやはり大事なことじゃないかと。まして、教育現場で、後の方でまた違うルールをつくって違う教科書を使っているというのはどうも教育的配慮から見ておかしいなと、こう思うんですが、これについてどのようにお考えですか。
#140
○副大臣(高井美穂君) 義務教育諸学校における教科書につきましては、無償措置法第十三条四項に基づいて、先生御指摘のとおり、同一採択地区内の市町村の教育委員会は、協議して種目ごとに同一のものを採択しなければならないことというふうにしております。
 文部科学省として、沖縄県教育委員会に対し、この八重山採択地区内の市町村教育委員会が同法十三条四項の協議の結果に基づいて同一の教科書を採択してほしいということで、このように指導するように繰り返し求めてきたところでございます。
 現在、竹富町教育委員会における公民教科書の採択はまさに無償措置法に反した状態となっているということは、私どもにとっても大変遺憾でありますし、また先生の御指摘のとおりであろうかと思いますので、今後、まさに全国において同様の事態が起きないように引き続き指導に努めてまいりたいと思っております。
#141
○二之湯智君 やはりルールを守るということは大事なことですから、是非その点について気を付けていただきたいと思うわけでございます。
 十年前は地球温暖化だ、最近は三・一一以降はいわゆる活断層だとか、この地球を取り巻くいろんな問題点が一気に出てきたような感じがするわけでございます。さらにまた、原発に代わって自然エネルギーだとなりますと、地熱だとか風力だとか、私たちのこの地球を取り巻くいろんな問題がますます深く知らなきゃならぬというようなことになってきたわけでございます。
 さらにまた、最近では、資源小国の日本だと言いながら、いやいや、この日本領海内には大変な資源が眠っているんだと、新潟沖には中東油田に匹敵するような油田が眠っておるとか、天然ガスがあるとか、あるいは日本海側にはメタンハイドレートがもう山のようにあって、百年は絶対に安全だと、こういうことに言われているわけでございます。
 そういうことを思いますと、もっともっと我々の地球あるいは宇宙を知ることが非常に大事ではないかと思うんですが、その学問の基盤はやはり地学ということに言われておるわけでございますけれども、この地学が、高等学校ではほとんど専門的に教える先生が少なくなってきた、理科の先生が地学を教える、地学の新規採用もほとんどないと、こういうことなんですが、私、これはもっともっと本当に深くこの地学というものを高校時代から関心を持たせて、大学に入って更に深めて、そういう多くの研究者を育てていく必要があると思いますが、今日の地学教育の現状についていかがお考えですか、お伺いしたいと思います。
#142
○副大臣(高井美穂君) 先生御指摘のように、まさに地震のメカニズムを始めとした地学分野について学習することというのはとても大事ですし、ある種、夢もロマンもあることだと思っています。
 高等学校の理科教員の養成課程において、まさに地学分野について必ず学ぶということとされておりますが、私もこの間、先生の御指摘を受けて調べてみてびっくりしましたが、やっぱり教員採用において大変少ないということは事実でございます。
 やはり、これがセンター試験の科目の選択の関係があるのかどうかというふうに思うんですけれども、基本的には、教員採用というのは各都道府県教育委員会において生徒の履修状況などを総合的に勘案して実施されているわけでございまして、引き続き各教育委員会において理科教員が適切に確保されるよう促してまいりたいと思いますが、改めてこの点も、地学教育の大事さというのを私もこの間認識はしておりますので、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。
#143
○二之湯智君 せんだっても、古典の日をちなんで書道というものをもう少ししっかりと学ばせたらどうかとか、今日、やはり私たちの地球をもっと深く知るということにおいても、地学の勉強にもっと力点を置いていただきたい。つまり、受験科目に、受験に振り回されないような、そういう文部行政であっていただきたいと思うわけでございます。
 次に、昨今、少子化ということもありますけれども、あるいは景気が悪いということですが、なかなか、大学の進学者も減ったり、あるいは特に地方の大学では定員割れと、せんだっての新聞でも四六%ほどが定員割れということで、これもうほとんど地方の大学ですね。私は、地方の教育のレベルとかあるいは文化の水準の維持だとか、こう考えますと、地方の大学がどんどんどんどん閉校に追い込まれるということは、日本全体の文化を維持するという意味において大変危機的な感じを持つわけでございますけれども、この点についてどのような問題意識を持っておられるか、大臣にお伺いしたいと思います。
#144
○国務大臣(平野博文君) 先生から、特に大学の持っている役割と時代の変化にどういうふうにこたえていっているのかと、こういうことだと思っております。
 私どもとしては、国公私含めて規模の大小を問わずそれぞれ特定の分野に特化している部分、あるいは多様化した特色ある人材を輩出すると、こういうことでそれぞれの役割を担っていただいていると思っております。そういう意味では、小規模であろうと大規模であろうとそれぞれの地域の中においても十分機能していただいている、また、していただかなければならないと、かように考えているところでございます。
 そういう意味におきまして、いろんな大学の関係者に常に意見を聞きながら大学改革をやっぱり進めていくということが大事でございますし、それぞれバランスよくそれぞれの意見を聞いてまいりたいと、かように思っておりますし、つい先日も先生の御地元の方からもそういうお声が私の方に御要望として届いておりますので、しっかり対応してまいりたいと、かように思っております。
#145
○二之湯智君 東京とか関西の大きな私大は、文部省の各種の審議会の委員として参加して発言の機会があるわけでございますけれども、なかなか小さな大学の先生が、あるいは経営者が文部省の各種審議会の委員になって、そして小さい大学のいわゆる実情を述べる機会が非常に少ないと、こういうことも伺っております。
 私は、そういういろんな委員会の中に中小の大学の切実な声が反映できるように、委員会にもそういう大学の関係者を登用していただきたいと、このように思うんですが、大臣、いかがでしょう。
#146
○国務大臣(平野博文君) 基本的には先生御指摘のとおりでございまして、例えば中央審議会の大学の分科会並びに大学の設置・学校法人の審議会にも地域的バランスあるいは規模のバランスを含めて対処しておりますし、特に小規模といえども特色を持ってやっておられる大学はありますから、そういう大学の経営者の方々の御意見、御要望をお聞きするということは大変重要なことだと思っていますし、先生御指摘のとおり、そこをしっかり踏まえて対処したいと、かように思っております。
#147
○二之湯智君 次に、国土交通省にお伺いしたいと思います。
 先ほどの佐藤さんのように私は専門家ではありませんけれども、しかし、日本は小さな国ですけれども海岸線が長くて領海の面積は非常に大きいと、だから、したがって、海上保安庁が警備しなきゃならぬそういう海域は非常に長いんですね。
 そこで、佐藤さんのいろんなお話を聞いておって、今の人員、装備で十分なのか、その辺、率直なことを、私は素朴に思うわけでございますけれども、その点、いかがでしょうか。
#148
○政府参考人(鈴木久泰君) お答えいたします。
 海上保安庁では、その時々の情勢に応じ哨戒体制を強化するなど、我が国周辺海域における監視、警戒を厳正かつ的確に実施しておりますが、それの基になる巡視船艇、航空機の整備、要員の拡充に従来より努めておるところであります。
 特に、巡視船艇、航空機の整備につきましては、平成十八年から緊急かつ計画的な老朽船、老朽機の代替整備を進めておりまして、これは単に代替整備するだけではなくて、高速化や夜間監視能力の向上等高性能化を図りまして、監視能力の強化に努めておるところでございます。
 また、定員面におきましても、大型巡視船における運用司令科の増設、巡視艇における複数クルー制の拡大等、海上保安体制強化のための所要の増員を行っております。
 今後とも、緊迫する国際情勢等を踏まえまして、海上保安体制の充実強化を努めてまいりたいと思っております。
#149
○二之湯智君 国際情勢が緊迫して、あしたから船を増やしましょうかとか人を増やしましょうというような質の海上保安庁じゃないわけですね。やはり一隻造るのに三年、四年と、こういう時間が要るわけですね。相当な費用も掛かりますね。だから、こういう内外情勢非常に厳しいときに、来年度は是非ともこういう整備充実のために財務大臣にも努力をしていただかなきゃならぬと、こういうことでございます。
 そこで、私、鈴木さん、大変、長官いる前で言いにくいんですが、海上保安庁の長官というのは、イメージ的には、私ども、現場のことを何もかも知って、そして現場からたたき上げてきて、最後、保安庁長官になると。例えば、警察庁でも、都道府県の課長を経験したり署長を経験したり部長を経験して、最後、警察庁長官になると。消防庁長官は、ちょっと変わりまして、しかし、これは自治体消防がしっかりしているので、そこの消防局長なり消防署長がしっかりしているので、まあこれはいいでしょう。
 ただ、これ、国土交通省の人事の一環として一年ほど海上保安庁長官を務めるというのは、日本の海上保安庁の覚悟を示す意味においても、あるいは隊員、いわゆる保安庁職員の士気の面からいっても、私は、現場を経験して皆さん方と一緒のかまの飯食った方が長官になるべきだと思いますが、国土交通省から来られて大変恐縮でございますけれども、その辺についてお伺いしたいと思います。これは大臣ですな。
#150
○国務大臣(羽田雄一郎君) 鈴木長官おられますので、名誉のために言っておいた方がいいのかなというふうに思いますが、鈴木長官、しっかりやっていただいておりますし、国土交通省の海事局の総務課長も務められ、また海上保安庁長官になる前には海上保安庁の次長を務められて、その後長官として三年間務めていただいているということでございます。
 そういう中で、海上保安庁長官には、現場における様々な事案への対処のみならず、国内外の海上保安をめぐる諸情勢を大局観を持って把握をしていただくということ、また、必要な方針や施策を立案するということも大切でありますし、官邸を始めとする関係機関との調整も行いながら、その実現を図ることができる資質が求められているというふうに考えておりまして、海上保安庁の長官の任命に当たっては、こうした点を踏まえ行う所存であります。
#151
○二之湯智君 まあそういう答えが返ってくると思いました。
 しかし、国交省も、この方は将来海上保安庁長官に抜てきしよう、これはなかなか胆力もあると、そういう方はやはり若いときから海上保安庁に出向させて、そして現場を経験させて、そういう面からの隊員とのやっぱり共通の認識を持つと、こういうことも私は非常に大事でないかと、このように思うわけでございます。
 何か大臣。
#152
○国務大臣(羽田雄一郎君) 複雑かつ多様化する事案に的確に対処するというためには、海上保安、この現場の状況を言われたようによく知っていることも大変重要だというふうに思っておりまして、そういった面も踏まえて、人事運用、これを検討していきたいというふうに考えます。
#153
○二之湯智君 海上保安庁にもう一つ聞きたいんですが、ちょっと時間ありませんのではしょります。
 次に、関西国際空港と伊丹国際空港のいわゆる合併で新関西国際空港株式会社というのが立ち上がったわけでございます。今、関空は一兆二千三百億円の負債を抱えておる。そして、この新しい会社によってこの事業運営権を譲り渡す、これコンセッション方式というんですかね。
 ところが、果たして今の関空と伊丹の状態で一兆二千三百億円の負債を返済し切れるのか、あるいはそれだけのお金で買ってくれるところが、まず見付けるのが大変でしょうし、たとえ一兆二千億で買った会社がうまく将来的に運営できるのかどうかということは大変難しい問題ですね。しかも、橋下大阪市長が知事のときに、いずれ伊丹は、つまり今の新しい会社のドル箱、稼ぎ頭の伊丹国際空港を廃止の方向に持っていけと、こういう方針になっているんですね。
 果たしてこんなことでやっていけるのかどうか、私は大変心配なんですが、その点、いかがでしょうか。
#154
○副大臣(奥田建君) 御承知のとおり、七月一日に関空と伊丹の新しい経営統合の体制がスタートを始めました。新関空会社が発表した経営戦略におきましては、平成二十六年度における二つの空港での発着回数を三十万回にするという、今の三〇%アップという意欲的な目標を示されているとともに、LCCの拠点化、そしてフェデックスの貨物ハブ化という新しいまた動きも始まっております。新関空会社では、民間の自由な経営判断と明確な責任の下で両空港の事業価値の増大を積極的に推進し、可能な限り早期にコンセッションの実現を図ることとしております。
 国土交通省としても、この新関空会社の経営判断を尊重するとともに、またその支援をしていきたいと思います。一言で言えば、今のところ順調なスタートを切らせていただいているということを御承知ください。
#155
○二之湯智君 順調と言われても私はかなり将来的に厳しいんじゃないかと、このような思いをするわけでございます。
 時間もございませんので、ちょっとあとの質問ははしょります。
 今年は局地的に、また観測史上初めてと言われるような豪雨が西日本の方、そして東日本の方は極端に今度は雨が降らないということで農作物に影響があるということなんですね。
 今年の各地に大きな被害をもたらした発生状況とその対応についてお伺いしたいと思うんです。
#156
○国務大臣(中川正春君) 御指摘のように、それぞれ記録的なと言われる集中豪雨であるとか、あるいは大雪、あるいはまた竜巻ということで重なってきています。四月から把握しているものでいきますと、人的被害では死者が四十名、それから行方不明者が四名、建物の被害としては合計で二万七千棟を超える被害が生じています。
 国としてこれに対応していく具体的な思いというのは、一つは、甚大な被害が生じたときには、状況をつぶさに把握するために政府調査団をまず現場に派遣をするということ。京都府の宇治市などについても、私自身も現地に行ってつぶさに現状を把握をさせていただきました。
 それから、梅雨期の災害に対しては、被災地の早期復旧を支援するために全国を対象にした激甚災害の指定を長く取る。今回は七月三十一日に次いで八月十日に閣議決定をいたしました。これも梅雨が終わってからの激甚の発表としては非常に早いペースでやらせていただいております。
 それから、国土交通省は、テックフォースを始め様々な技術指導に当たっておりますが、それだけではなくて、ポンプ車等の災害対策用資機材、これを配備するということで、これを更に充実をさせていくということであります。
 総務省については、普通交付税の繰上げ交付というのをやっておりまして、これも適切にやっておるというふうに把握をしております。
 迅速でかつ弾力的な運用をしていくようにということで、絶えず指揮をしながら頑張っていきたいというふうに思っております。
#157
○二之湯智君 大臣にあと二つ質問をしたかったんです。いわゆる防災の主流化、これからの公共事業には防災という視点を忘れないで、それは、日本は積極的に世界に広く広めていくというか、リードしていくということ、そんなことを、とにかく防災、減災の視点を持って、これからいろいろな、全国のどこにこのごろ被災が、被害が及ぶか分かりませんから、各都道府県にも点検を指示して、ひとつ防災という観点でやっていただきたいと、このように思うわけでございます。
 済みません、厚労大臣、次の方の質問ありますので。京都の関西文化学術研究都市の私のしごと館、これ平成十六年でしたか、そして二十二年に閉館になったわけですね。もう僅かの期間に結論を出してしまって、これ終わりだと。これは大臣がやられたわけじゃないですけれども、前の渡辺みんなの党の今の党首が大臣のときにやられたわけでございますけれども、ここ、今京都府がこれを、ほかの団体が、自治体が無償譲渡してほしいと言われておりますけれども、この状況についてお伺いしたいと思います。
#158
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘の旧私のしごと館につきましては、関西イノベーション国際戦略総合特区で、京都府を始め関西特区の関係自治体から、スマートグリッド等の研究拠点施設として活用するために、国からの無償譲渡のための特例措置、それに関する提案が行われています。
 この特例措置の提案につきましては、今回の事業の内容が国際競争力の強化という総合特区事業としてふさわしいものかどうか、これを検討する必要があると考えておりますので、現在、京都府を始め関西特区の関係自治体との間で、旧私のしごと館を活用した研究事業の内容ですとか施設、研究の運用体制などについて協議を進めているところでございます。
#159
○二之湯智君 今はまだ厚労省の国有財産ですね。せんだって地元の議長と町長に会ったら、二之湯さん、あの周囲が草ぼうぼうでみっともないと、あれ何とかならぬかと、こういうことを言っていましたので、私は決算委員会で厚労大臣に質問するので、それよく言っておきますと言っておきました。ひとつきれいにしておいてください。あれはなかなか景観が、大事にしている地域ですから、私のしごと館がもう閉館になったら草ぼうぼうで、いかにも関西文化学術研究都市のシンボル的な建物でしたから、ひとつ是非ともよろしくお願いします。
 それと、生活保護に関しまして厚労大臣は、つまり、何というか、いわゆる親族の扶養義務ということについて言及されておりますけど、私はこれは確かにそれも一理あるなと思いましたけれども、ところが、今、親子の関係も兄弟の関係も、ましていとこなんかの関係も、人間関係が希薄になりましたね。もう親と子は口も利かぬと、兄弟は他人の始まりだと、こういうことになりつつあるときに、窓口で、あなたはお父さんいらっしゃるじゃないですか、お母さんいらっしゃるじゃないですか、あなたには御兄弟いるでしょうと、いとこさんもしっかり商売してはるじゃないですかと言われて、窓口で拒否されるということになるかも分からない。
 だから、この辺はちょっと考えなきゃならぬのじゃないかと、こう思うんですが、最後にこれをお聞きしたいと思います。
#160
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるとおりだというふうに思います。ですから、全てにそれをすると言っているのではなくて、受けなければいけない方には当然受けていただく。それは扶養義務ということが、それが前提ではございませんので。
 ただ、前回いろいろな事例があったように、この人はまあ間違いなく扶養ができるだろうと思われるケースについて、その説明責任を課すような法律が検討できないかということをやっておりますので、御趣旨はしっかりと踏まえてやりたいと思っております。
#161
○二之湯智君 終わります。
    ─────────────
#162
○委員長(山本順三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、江崎孝君が委員を辞任され、その補欠として大久保潔重君が選任されました。
    ─────────────
#163
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。森まさこさん。
#164
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。よろしくお願いします。
 冒頭、枝野大臣に、通告していないんですけれども、週末、福島県民にとって気になるニュースがありましたので、事実関係だけ御確認させていただきたいと思います。
 第一原発の冷却水の注水量が低下をしたということが三十一日に東京電力から発表をされました。三十一日、東京電力は、第一原発一から三号機の原子炉への注水量が低下傾向にあり、弁を更に開いて注水量を増加させたと発表をしております。それに対して、何が原因か絞り込む決め手はなく、流量が回復するかは未知数というふうに東電の松本純一立地本部長代理が説明をしております。その後も一日、二日と注水量の低下は改善しておりませんで、私が調べたところ、本日の午前十時の段階で東電のホームページに書いてある情報ですと、有意な変化は見られておりませんとなっております。
 福島県民からは非常に心配の声が寄せられておりますので、枝野大臣の方で把握しておられる現在の状況と今後の見通しについて御答弁いただきたいと思います。
#165
○国務大臣(枝野幸男君) この件では、福島の皆さん始め、御心配をお掛けをしていることを大変遺憾に思っております。
 ちょうどこの委員会の前に最新の状況の報告を受けたところでございます。
 まだ原因を確定できる状況ではございませんが、二つの要因から、泥のようなものが循環している水の中に少し入ってしまっていて、それが、何というんでしょう、引っかかりになって、バルブで開けた量よりも実際に中に入る量が少なくなっているということが原因ではないかと。その理由になっているのは、一つは、流れている水をフィルター掛けてそこに引っかかっているものが従来のものと違って、それが、パイプを仮設のものからより恒久性の高いものに換えた直後から流量が減っているという状況が起きていますが、したがって、そのパイプの中に泥みたいなものがあって、それが原因じゃないか。
 それから、流量を増やすと、一旦バルブを開けると、一旦水がたくさん流れると、どうもそうやってたまったものがバルブみたいなところから流れて、そのことによって一旦水量が回復するというような変動の状況などから見て、それが原因ではないかというふうに推測ができる状況になっています。
 ただ、この手のものは推測だけで判断してはいけませんので、他の要因がないかどうかも引き続きしっかりと検討すると同時に、それが原因であるとすれば、水を勢いよくある時期流して、同時に、それでどこかに引っかかっているものを流したものをフィルターのようなもので取るということで回復できる可能性がありますので、その試みをしながら、更に他の原因がないかどうかは慎重に見てまいりたいと思っております。
#166
○森まさこ君 大臣、ありがとうございました。
 原子炉の水量につきましては汚染水漏れなど何回もトラブルがありまして、現地では大変心配をしたりほっとしたりの繰り返しであります。また、最近、帰還区域が発表されたこともありまして、今回のニュースで、こんなところに帰還させるのかと、とてもできないという不安の声も寄せられました。
 そもそも、野田総理が年末に収束宣言をしたんですけれども、我々はやはり収束したというふうに受け止めてはおりません。何回もいろんな委員会で総理に対して収束宣言の撤回を求めてまいりましたが、撤回はしていただけず、大変不満ではあります。やはり県民の不安をしっかりと受け止めていただいて、またこの原子炉の状況をしっかりとお取り組みいただきたいというふうにお願いをしておきます。
 それでは、本日の質問に入らせていただきますけれども、まず、経産大臣、枝野大臣に対して警戒区域内の財物補償についてお尋ねをしたいと思います。
 政府は、本年七月二十日に公表した避難指示区域の見直しに伴う賠償基準の考え方の中で、土地や住宅などの不動産については、事故発生前の価値を基に賠償額の算定を行うなどとしています。
 しかし、避難指示区域内の多くは不動産価格が比較的低い農村地域であり、建築後相当の年数がたった住宅が多いという事情もあります。したがって、事故発生前の価値を基準として賠償を行った場合は、移転先での不動産取得に要した費用をとても賄い切れないというケースが続出するというふうに意見が多く寄せられています。
 避難指示地域の住民の皆さんは、ここが一番大事なんですけれども、自ら望んで避難をしているわけではない、自ら望んで移転をしたわけではない。国から避難指示命令を出されて、国策である原子力発電所の事故によって避難をしたということでありますから、賠償額の算定基準を考えるに当たっては、通常の損害賠償の考え方ではなくて、私はやはり再取得価額、一般的、平均的な避難先の再取得価額を基準として考えるべきではないかと考えておりますが、枝野大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#167
○国務大臣(枝野幸男君) 今回の事故で、特に避難を余儀なくされている皆さんの生活をできるだけ事故前の状況に近い形でやっていただく、あるいは戻していくということについては、賠償だけでできるものではないし、ましてや賠償の中の一部である財物賠償だけでできるものではないというふうに思っております。
 これは、御承知のとおり、賠償ということについて特化して言えば、これは加害行為によって生じた損害を補うという性質のものでありますので、これは損害賠償法理上、事故前の価額を補うというのが、これが、何というんでしょう、原理原則でありますので、したがって、確かに財物賠償の価額だけ見れば、これでは生活再建にならないじゃないかという御指摘があり得ることは、ある意味当然だと思っています。
 したがって、財物賠償、もちろんこの財物賠償についても、政府が関与することで損害賠償法理の中で最大限高く評価をするということで、その今回の基準を出させていただいていますが、それに加えて財物以外の賠償もあります。更に言えば、賠償以外のところでの住環境の整備、医療、福祉、教育、雇用、様々な課題、施策を総合的に行っていくことの中で、避難をされている皆さんの生活を支え、なおかつできるだけ事故前の状況イコールにはできないということ、大変申し訳なく思いますが、できるだけそれに近い状況を取り戻すということを総合的にやってまいりたいというふうに思っております。
#168
○森まさこ君 その総合的な考え方が避難者に対して示されていないと思います。
 それぞれ、財物補償は財物補償で示されておりますし、それ以外の賠償といっても、例えば所得に対する賠償であるとか、精神的損害に対する慰謝料というものであろうと思いますが、家、住宅というものに注目した場合、そちらの所得や慰謝料は無関係だと思います。ですので、今小さな仮設住宅や借り上げに家族がばらばらになって住んでいる、福島県の外に、またおじいちゃまやおばあちゃまが介護施設に行っている、そのばらばらな状況を元いたように、同じ家に住めるような、その程度のものを再取得できるような価額を補償していただきたいというのが避難している方々の要望です。
 総合的に考えていくというのであれば、総合的なプランをお示しいただきたいと思いますが、いかがですか。
#169
○国務大臣(枝野幸男君) 総合的に様々な生活再建に向けた施策を同時にお示しをすることが望ましいし、我々もそうしたいというふうに思っています。ただ一方で、全ての総合的な施策がそろうのを待っていたのでは、様々、例えば今後の生活をどう立てていくのかということについて、例えば実際にこの財物賠償の賠償基準が出る前の段階では、とにかくこれだけでも早く示してほしいという声も少なからず受けておりました。そうしたことの中では、全体像が同時並行で示されていないではないかという御指摘は甘んじて受けなければならないというふうに思っていますが、同時に示せるところ、できるところからお示しをしていくということの必要性といいますか、やむを得ないという側面も御理解をいただければというふうに思っています。
#170
○森まさこ君 迅速性ということを優先して、それぞれ個々の政策を示していただくことはやむを得ないと思います。ただ、それを一つ一つ実行していった結果、最終的にとんでもない状況になったと。結局、家族ばらばらで、財物補償もこれだけで、それ以外の総合的なプランも示されず、あるいは示されたとしても、それを全部足していっても避難先で家族が元のように住むような状況にはならなかったという、その最低の最悪の状況を皆さんは心配しているわけです。
 ですから、ここで経産大臣が答えられる事柄かどうか分かりませんが、政府として総合的に、避難をしている皆様が、原発事故さえなければ、もう古い家ではありましたけれども大きな家で十人家族で、そこがついの住みかであったということを考えれば、そこまで大きなおうちでなくても家族一緒に暮らせるような、そのようなゴールを目指しているんですと、総合的に最終的にそこに持っていきたいんですということを御答弁いただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#171
○国務大臣(平野達男君) 森委員のおっしゃること、そのとおりだと思います。
 今、賠償ということは賠償、それからあと区域の見直しは区域の見直しということで、どちらかというとパーツパーツ、パーツというか部分部分で対応しているというふうに見えるかもしれません。しかし、この先に各市町村ごとの帰還計画、復興計画、これを策定すべく今、我々と各市町村、準備中でございます。その計画を策定するに当たっての避難者の方々の意向の調査、特に長期避難の方々に戻っていただくまでに、どのように生活をしていただくか、これをどのような住宅を提供できるか。
 それからあと、委員の御指摘にもございましたけれども、中にはもう移住をしたいという方がおられます。その移住をしたいという方々がどれだけの、どういう形で賠償されるのかということについて、自分でこれから生活設計を立てていかなければなりませんが、賠償だけで本当に十分なのか、不十分なのか、その中で国としてどのような支援ができるか、そういったこともパッケージとして総合的な計画、これを策定して、これを避難者の方々に提示をしていくということが大事だというふうに思います。
 その過程の中で、これだというふうに決めるのではなくて、こういう案で出します、こういうことでどうでしょうかという、何回もこれもやはりやり取りが必要ではないかというふうに思っておりまして、そのための体制についてもきっちり構築をしてまいりたいというふうに考えております。
#172
○森まさこ君 ありがとうございます。
 今一番足りないのは希望です。先が見えないものですから、人生の目標が立てられないでいるんです。私ども福島県民も決して無理な要求をしようと思っているわけではありませんが、全く先の見えない状況で心までも被災をしているような状況でございます。
 政府が、今おっしゃったようなグランドデザインやパッケージを提示していただいて、それが完璧なものとも思っておりません、それを住民との対話の中でいろいろと意見交換をしながら進めていただきたい。このグランドデザインは決してそんな夢のような実現不可能な、あるときの民主党のマニフェストのようなものを決して私たち望んでいるわけではないんです。ですから、ここまでですというものを示していただいて、そして住民との間で、いや、それでは不満だからもう少しちょっととか、いや、期限をくれとかいうことをしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次の質問ですけれども、中間貯蔵施設です。
 政府は、先般、中間貯蔵施設の調査候補地十二か所を発表しました。この候補地の選定に当たって、地域住民の皆さんに十分な説明がなされなかった。なされなかったというふうに受け取られていることは、大変残念でなりません。しかし、中間貯蔵施設はいずれはどこかに建設しなければならないと私は思っています。早く決定しなければいけないとも思っています。
 その現実を踏まえた上で特に申し上げたいのは、施設を設置する際、地域住民の皆さんへ丁寧な説明を行うとともに、皆さんの苦しみと悲しみに寄り添い、十分な補償を行う。先ほどの枝野大臣の、担当分野でもパッケージにもなるという部分があると思いますが、それを御提示をしながら説明をしていただきたいということでございます。この部分は先ほどおっしゃったような通常の損失補償で済む話ではないと思っています。
 今までの政府のやり方は、まず決めて、こう決まったからどうですか、もう納得してくださいというような話合いだったんですけれども、特にこの地域の住民の皆さんは、地震や津波により被災しただけでなく、原発事故で大切なものを多く失って、想像できないほどの苦労を経験された方ですから、その方々に対して更に中間貯蔵施設の建設のために立ち退き等をお願いをするということの重みを十分に認識して、特別な補償等の対策を立てていただきたいと思うんですけれども、細野大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#173
○国務大臣(細野豪志君) 中間貯蔵施設につきましては、地元の皆さんに大変な御負担をお願いをするというものでありますので、今御指摘があったような丁寧な説明、さらには、そうした施設をお願いするに当たりましては、しっかりとした経済的な部分での手当てというのは、もうこれは極めて重要であると、そのように考えております。
 今回お示しをしました地域というのは、一方的に国が場所をもう決めているということではなくて、できればそこを一度調査をさせていただけないだろうかという、そういうお願いでございます。したがいまして、機会をいただけるようであれば、地元の住民の皆さんにも様々な場面で説明をさせていただきたいというふうに思っております。
 悩ましいのは、その説明をするときに、なかなか、現地調査をさせていただいて、実際にやれるかやれないかということも調べてみないと十分な説明ができない部分があるのではないかということを懸念をしておりまして、今は佐藤知事がこうした問題を一回お預かりをいただいておりますので、福島県、さらには双葉郡の町村の皆さんの方から何らかのまずは御回答をいただくのをお待ちをしているという状況でございます。
 もちろん、経済的な部分についての補償、さらにはそれを更に上乗せをする部分というものの必要性はよく承知をしております。ですから、それはこちらから一方的に押し付けるということではなくて、しっかりと皆さんのお話を聞かせていただいた上で、しかるべきタイミングで御提示をさせていただきたいと考えております。
#174
○森まさこ君 そうですね、やり方が乱暴であるという意見が多い、私もそう思うということを申し上げておきます。
 次の質問に移らせていただきます。
 森林除染の話です。これについてですが、八月三日に私、復興特で質問をしました。結果、八月二十九日に環境回復検討会で地元のヒアリングをしていただいたことは評価をしたいと思いますが、何でそれまで分からなかったのかなということが残念です。
 福島県は県土の七〇%が森林で占められておりますので、森林自体が生活なんです。森林イコール生活なんです。しかし、原発事故の影響で今、森林になかなか立入りできませんので、どんどん森林が荒れておりまして、それによる自然災害も増加をしていますし、林業の衰退等も懸念されています。森林除染を速やかに行う必要も高いんです。
 そのような中で、環境省が環境回復検討会、これで森林除染に関する検討を行ってきたようですが、七月に森林の除染が不要というような意見が出て、放射性物質が森林外に流出、拡散する割合は小さいとか、森林全体を除染する必要性は乏しいなどの見解が示されたということで地元では大騒ぎになったわけです。私も八月三日に復興特別委員会で質問をしたわけです。
 地元からは、住宅を除染をしても雨が降ったら放射線量がまた戻ると。例えば福島市の渡利地域、後ろに弁天山があります。雨が降ったら元に戻る、又はもっと高くなるんです。細野大臣は何回も福島県に来ているんですから、そのような声はお耳に入っていたはずなんですが。原発事故から一年半をたとうとしている今現在になって、細野大臣の下にある環境回復検討会でこのような意見が出て、その翌月にも中間取りまとめが出るという事態になっていたこと自体が私には大変信じられない思いなんですけれども。
 地元の県も細野大臣のところに行きました、文句を言いに行きました。市町村も行きました、組合も行きました。そこで、八月二十九日にヒアリングをしていただいて、そしてまたがらっと何か意見が変わって森林除染はやりましょうというようなふうに新聞記事には載っているんですが、細野大臣の、現在、この森林除染についてどのように考えておられるのか、御見解をお伺いしたいと思います。
#175
○国務大臣(細野豪志君) 福島県の場合には、県土の約七割が森林ということは私も承知をしておりますし、その中で、森林の近くで生活されている方は特に大変な御不安を持たれているということは私も承知をしております。そういった意味で、いろんなこの除染についてもうやらないのではないかというような不安を持たれた方がおられたことについては、大変申し訳なく思っております。
 ただ、是非ここは申し上げたいんですが、方針を決めたということではなかったんです。御指摘の環境回復検討会というのは、当初は自由に意見を言ってもらえるようにクローズにしておったんですが、決定のプロセスも含めてオープンにした方がやはり透明性も確保できるし、皆さんにどういう経緯でそういう方針を示したのかということも分かっていただけるだろうということで、フルオープンにいたしました。
 そうしますと、研究者の皆さんからの検討の中身として、例えば山に放射性物質があったとしても流れ出てくる量はこれぐらいであるとかいう結果が出てくるわけですね。それは客観的な結果ですので、そうしますと、直接的な生活環境に放射性物質が出てきて生活に支障を及ぼすことではないという、そういう意見が出されるということで、それを、そんな意見はおかしいじゃないかというわけにもこれはいきませんので、それをお示しをしたというか、そういう意見があったということでお示しをしたということであります。
 したがいまして、改めて八月の末に福島県の皆さんの話も聞かせていただきまして、申し訳ございませんが若干長期戦になりますが、森林の除染には取り組ませていただきたいというふうに思っております。山の整備と併せてやるという方法も検討すべきだというふうに思っておりますし、優先順位を付けて、人に影響があるところをしっかりとやって、長期的に取り組むべきところと少しずつ優先順位を分けて考えていくという、そんな方法もあろうというふうに思います。そういった意味で、福島の皆さんの不安にこたえることができるように努力してまいりたいと思います。
 最後の方に一言だけ申し上げますと、私も川内村に一泊しまして感じましたことは、皆さん本当にお水を飲んでいらっしゃるんですね、沢水を。飲んでいる方からすると、天気が悪いときは大丈夫だろうかとか、果たして将来的にどうなんだろうかということを不安を持たれるのはよく分かります。したがいまして、我々環境省の職員も専門家の皆さんにも、できる限り、福島で生活をするという立場からするとどうなのかという観点から物事を考えて方向性を出していく、そのことをこれからしっかりと心掛けていきたいと考えております。
#176
○森まさこ君 細野大臣、では追加で質問しますけれども、今御答弁なさって、長期戦になりますが森林除染には取り組んでいきますと御答弁いただきました。それは、環境省の除染ガイドラインにその旨を追加すると、そういう意味でしょうか。そして、追加するとしたら、その時期は、環境回復検討会の中間報告を待って追加するんでしょうか。それともその前に、もう大臣の今御見解出ているわけですから、すぐにもガイドラインに追加していただけるんでしょうか。
#177
○国務大臣(細野豪志君) ガイドラインというのは、例えば市町村などで除染をしていただいたり事業者の皆さんにやっていただくときの一つのやり方のまさにガイドラインとしてお示しをしているものでございます。したがいまして、森林の除染ということについて、やり方が確立した部分は確かにガイドラインにお示しをできるというふうに思うんですが、やり方が確立していないことについて長期的にどうするかということを全てガイドラインに書くのは、もうこれは率直に申し上げまして難しいと思うんです。
 したがいまして、まずはこの環境回復検討会でしっかりとまず中間取りまとめという形でやらせていただいて、その中で反映できるものから順次ガイドラインに落とし込んでいきたいというふうに思っております。
#178
○森まさこ君 それでは、その中間取りまとめ、いつごろになる見通しでしょうか。
#179
○国務大臣(細野豪志君) できるだけ早くさせていただきたいというふうに思っておるんですが、余り生煮えで出すわけにもいきませんので、今まさに省内でどのタイミングで次回行うか日程調整をさせていただいているところでございますので、できるだけ早く、しかし生煮えではなくて、できるだけ具体化できるところはお示しをできるようにということで調整をしてまいりたいと考えております。
#180
○森まさこ君 時間がないんですが、大事なところですのでもう一問この関係で質問したいんですが、一年半たって今ごろこの森林の除染やるのかやらないか、それも、これからまた中間報告いつ出るか分からないという状態なんですが、先日の復興特でも農水大臣と議論したんですけれども、農水大臣はこの必要性よく分かっていらっしゃる。恐らく復興大臣も分かっていらっしゃるんですけれども、この環境回復検討会、除染の関係については環境省の担当なのでお任せするしかないというような答弁でずっと来たわけなんですよね。これがやはり縦割り行政の弊害ではないかと思うんですけれど、除染を環境省が担当するのは結構ですが、生活全体がやはり森林とかかわって暮らしている。私の住んでいるいわき市だって、水道がなくて井戸水の地域たくさんあるんですよ。
 そういったことをやはり復興庁が司令塔となって関係各省で検討するという体制が組めないものでしょうか。環境大臣、復興大臣、お願いします。
#181
○国務大臣(細野豪志君) 重要な御指摘だと思います。
 除染に関していいますと、比較的連携がうまくいきましたのは常磐自動車道、今環境省で本格的な除染に入るべく準備をしておりますが、あれは除染をすることが目的ではなくて、工事を再開をして早期に開通することが目的です。浜通りの皆さんが本当に切望されていることであります。
 したがいまして、そうした声を直接聞かせていただきましたので、国交大臣ともしっかりと直接話をさせていただいて、環境省と国交省で連携をして、ほぼこのぐらいの時期には開通できるのではないかというめどを付けることができました。除染をしてから道路をもう一度造るのではなくて、除染をしながら道路も造っていくという、そういう一貫した体制が組めたと思っております。
 除染につきましても、森林の管理をしている農水省とそこはもうまさに共同歩調を取っていく必要がございますので、復興大臣の大きな様々な判断の下でしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。
#182
○国務大臣(平野達男君) 東日本大震災からの復旧復興、津波、地震、それから原発からの復興、いずれもそうですけれども、あらゆる施策を総合的に推進するということが大事だというふうに思います。したがいまして、除染に、復興庁としては、どの省で今どういう事業をやっているのか、どういう検討をしているのか、これについては幅広く見ているつもりであります。そして、その中で、各省庁の中ですき間ができないように、先ほど細野大臣から常磐道の話がございましたけれども、国交省と環境省との話合いの場、これは復興庁の方でこれをセットした形でやっています。
 それからあと、これから帰還計画を作る。帰還をしていただくためには、除染、それからインフラの整備、それから賠償、こういったことは、先ほどの質問にもございましたけれども、ばらばらという形では住民の方々からこれはなかなか御納得いただけない面がございます。こういったものにも十分配慮しながら、相互間の各種施策の連携を図りながらこれはしっかりやっていくことが大事だというふうに思っております。
#183
○森まさこ君 それでは、次の質問ですけれども、復興予算の執行の遅れに対する措置要求決議への対応について平野大臣にお伺いします。
 私は、先般の七月三十日の省庁別審査で、二十三年度の復興予算に多額の使い残しがあったという問題を指摘し、改善を求めました。特に、一兆円もの不用残があったということは大変問題だと思っています。そして、それを受けて、去る八月二十七日の本委員会において、この質疑を踏まえまして、決算委員会として政府に対し東日本大震災復旧・復興関係経費の迅速かつ円滑な執行の確保を求める措置要求決議を行ったところです。あわせて、会計検査院へも検査要請をいたしました。
 先ほどの指摘した措置要求決議、これを受けて平野大臣は、趣旨を踏まえて適切に対処すると答弁されましたが、今後、どのような具体的な対策を講じていくか、お答えください。
#184
○国務大臣(平野達男君) まず、津波地域の中では、一番大事なのは、何回も御答弁申し上げたかと思いますが、高台移転等々の土地利用調整あるいは合意形成、これ今各自治体が本当に一生懸命取り組んでいます。これに対しての体制支援、それから一度決まった後の手続の簡素化、これはより徹底していかなければならないと考えております。それから、発注業務をできるだけ軽減するためにCM方式という、これは国交省の方で検討していただきまして、これまでにない制度も導入いたしております。
 いずれ、そういった形で地元の被災自治体の取組がスムーズに進めるような支援をこれまで以上に強化するという、こういう姿勢で臨んでいきたいというふうに思っております。
 一方の福島につきましては、もうこれは委員も御指摘のとおり、特にこれから帰還ということに向けての様々な仕事がございます。この中では、先ほど申しましたけれども、インフラの整備等々、これはどちらかといいますと、被災自治体でこれを実施してもらうという中には、特に旧警戒区域は様々な問題がございますから、代行制度等を利用しまして瓦れきの処理等々については環境庁が中心に取り組んでいただくとか、国、県がどちらかというと前面に立ちながら仕事に取り組んでいくという、こういうことも打ち出していきたいというふうに思っております。
#185
○森まさこ君 先般、復興委員会でも私、全体のテーマとして御指摘させていただいたのがこの復興予算の使い残し。これは、一言で言えば、被災自治体の、特に基礎自治体である市町村が必要としている予算又は復興計画と、国の方が、政府が考えている復興計画とその予算又はその執行、それがミスマッチであるというところが大きな原因ではないかと思います。
 一つ、具体的に佐藤信秋委員が指摘していましたが、例えば事務費の問題ですね。これが不足しているんですが、基礎自治体にそれを求めても新しい事業の事務費出ませんので、今までずっと削減してきて、かつかつです。そういうものを国が併せて予算立てをしてあげないと、中心部分の予算だけ与えられても事業が進まないということが起こっていると思います。
 関連して、国土交通大臣に質問しますけれども、被災地における生コンクリートが不足をし始めています。福島県でもなかなかこの復興予算がミスマッチで、復旧復興工事が、そのつち音が聞こえてこなかったのが、最近になってやっと工事のつち音が聞こえてまいりましたが、ここへ来て生コンクリートの不足が問題となっています。
 これは、今、平野大臣が指摘した避難地域の、帰還が許された地域のインフラ整備にも必要な道路、港湾、堤防等の工事に不可欠な材料ですけれども、生コンは作り置きができず、遠方からの運搬が困難であるため、今後、復旧事業が本格化した際、生コン不足が深刻化して、政府が立てている工程表どおりに復旧復興事業が進まないのではないかということが指摘をされております。
 国交省は、この件に関して、東北以外の地域から原料を船で運び、船上で生コンを製造するなどの緊急対策に乗り出したというふうに報じられていますが、この程度では不十分だという地元からの私陳情を受けておりますけれども、国交大臣、この緊急対策によって状況が改善されるんでしょうか。また、今後、年度末に向けて工事件数が大幅に増加をしていきますけれども、その場合、この応急措置以外に深刻な生コン不足を回避する何か方策を御検討中であるかどうか、羽田大臣の御所見をお伺いします。
#186
○国務大臣(羽田雄一郎君) お答えをさせていただきます。
 今、委員言われたように、生コンクリート、この需給の逼迫傾向が見られているというのが現状でございます。こうした動向を踏まえて、国としては、公共事業の発注者、建設業団体、また資材団体等が参加する建設資材対策東北地方連絡会等を開催し、資材の需要と供給の見通しの共有を行うとともに、今後不足が懸念される資材について情報の収集を行っております。
 今言われた今後の対応ということでありますけれども、生コンクリートについては関係者が連携をしていただきまして、新たな生コンクリート工場の設置、不足する骨材等の原材料の地域外からの調達、また運搬車両の増強など供給力対策に取り組むとともに、需給が逼迫していない資材への置き換えなど、需要側においても抑制対策に取り組んできたところであります。
 今後とも、供給量の不足が懸念される資材について情報収集を行うとともに、関係者間で安定的な供給のための必要な対策を講じていきたいというふうに思っております。
#187
○森まさこ君 何か官僚が書いた優等生答弁を読んでいただいたんですけれど、私の質問は、その答弁を超えて、それで本当に十分なんですかということを、私、この週末も地元で聞いてきたんですけれども、原材料は砕石とか砂利とかですよね。これは今までずっと、原発、震災前ですよ、震災前は需要がどんどん、工事の需要がないですから、この業界ではずっと規模を縮小してきたんですよ。人員も削減してきたし、機械も減らしてきた。だから、今頑張れと言われても無理なんです。今は二倍ぐらいまで供給していますけれども、二倍がもう限界です。これ以上やるんだったら、人を増やすとか機械を増やすとかしないといけないけど、この震災需要だけのために、一時的な需要のために増やして、その後お仕事なくなったら大変ですから、皆さんしませんよね。
 そういうことを国が、そこまで何か補助策を考えているのか。今おっしゃったような、地域外から持ってきますとか、不要なところをちょっと回しますとかいうことでは、これから本当に大規模な範囲での震災の復旧復興工事の生コンは足りないです。ですから、それに対して、もし本当に対策を、規模拡大の対策を取るのか、事業者の規模拡大のための補助策を取るのか。取れないんだったらば、もう工程表を見直すしかないですよ。もう本当に甘い夢を与えておいて、例えばこの原発避難地域にいついつまで帰れますと、又はもう今帰れますとなったところ、今からインフラ整備入るわけじゃないですか。これがやるはずなのが一年たっても二年たっても始まりもしないという、そういう悪夢のような状況が想定されるわけです。
 こういうことを見越して大臣の方がどんなお考えでおられるのかということをお伺いしたんです。大臣、それから復興大臣もお答えいただきたいと思います。
#188
○国務大臣(平野達男君) 今回の復興に伴いまして、資材の不足それから作業員の不足、例えば作業員につきましては、型枠工、鉄筋工、これは随分減っておりました。こういったことの手当てをどうするか。それからあと、今委員からもありましたけど、コンクリート、特に砂の問題等々があります。
 こういった問題につきましては、これからのマクロ需要というのをきちっと把握しまして、そのほかに、土をたくさん必要とします。盛土するための土、これをどこから持ってくるか。一つのネットワークというものをつくりながら、そこの資材をできるだけ不足が起きないように、これは今国交省が一つ一つのパーツパーツで見ていただいておりますが、国交省だけではなくて、農水省も入りまして、県も入りまして、その全体の需要を見ながらどこから引っ張ってくるか。これは、こうやります、こうやりますということを今の段階でなかなか決められるものではありません。やりながら考えなくちゃならないというものでもあります。
 いずれ、委員の御指摘、非常に重要な御指摘でございます。そういった全体を見ながら、復興の中で進める上で労務者不足、資材不足、こういったことが起きないように、できるだけ起きないように万全の体制をつくっていきたいというふうに思っています。
#189
○森まさこ君 時間ですので終わります。
#190
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。加藤修一君。
#191
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 本日は平成二十二年度決算の准総括質疑を行っておりますが、本日、このように決算委員会が対政府質疑を行っていることは、私は大げさではなく歴史的な意義のあることだと確信しております。私は、本日は、平成二十二年度決算にとっては従来行われてきた准総括質疑ですが、決算重視を進めてきた参議院の歴史にとっては極めて重要な意義を持つものである、このように言い切っても過言ではない状況下における審議、そのように思っております。
 現在、遺憾ながら、国会は八月においても言論の府としては極めて不正常に揺れてきた状況にあります。その原因の一つは、国民注視の中で結ばれた総理大臣と野党党首との約束はますます不鮮明になり、公党間の信義は一体どこへ行ったのかということであります。また、加えて、代表民主制の根幹にかかわる選挙制度改革法案の与党単独での強行採決、十一野党の幹事長、書記長等による本会議上程への抗議にもかかわらず採決という、与党の暴走的な国会運営等にあることは言うまでもありません。
 この国会運営の暴挙を含めて、我が参議院は、八月二十九日、野田内閣総理大臣に対する問責決議を行ったのであります。
 改めて言うまでもなく、本院の内閣総理大臣問責決議は衆議院における内閣不信任決議に相当するものであり、院として野田内閣とは今後交渉を絶ち、決別するとの最も重い意思表示をしたのであります。したがって、内閣総理大臣問責決議が成立すれば、野党は全て国会審議に応じないのが常でありました。過去、福田、麻生総理に対する問責決議案が可決された後も対政府質疑の委員会が今回のように質疑が開催された、開会された例はありません。
 内閣総理大臣への直接の質疑は問責決議を提出したことから自己否定的になるものの、本日、ここにこうして平成二十二年度決算の准総括質疑が与野党出席のうちに行われております。これは決算重視の参議院の歴史の中でも特筆すべき出来事であります。
 参議院においては、昭和四十六年の河野議長時代の参議院改革から、決算審議の充実と早期審査、そして審議成果の予算への反映に向けた取組が積み重ねられ、四十年を経過し、今日に至って定着してはおります。このように、歴史と伝統を踏まえて考えるならば、参議院決算委員会は、時々の政局に左右されず、与野党の対決によって国会運営が困難な中にあっても着実に審議を行い、参議院は、予算案に明確かつ有効に反映させ、より一層の存在意義を示すべき委員会とすべきであります。
 本日の委員会開会は、山本委員長の指導性を含めた理事会、委員会メンバーとの固い信念と志、そして各党各会派の協力により実現した画期的なものであります。まさに、長き参議院改革の積み重ねの結果が大きく現れたというべきものであります。この姿勢を更に深めつつ、問責決議案が可決しても准総括まで審議を行った今回の決断の意義の下、今後の国会審議に大いに役立つようにすべきであり、同僚の委員から先例とすべきとの要望があったように、今回だけで終わらせるものではありません。本日の決算委員会の開会は、参議院の歴史と伝統に新たな一ページを加え、十分役立つことになっていくようにすべきであり、また、私たちはそうなるように継続して努力すべきことをここにおいて確認したいと思います。
 最後に、本日の委員会を開会に導いていただきました山本委員長に御感想をお願いいたします。
 また、財務大臣は、このような状況と参議院の強き意思に基づく審議継続であることに心して政府は審議に対応すべきであり、このような重大な判断によるものであることに対し、国会議員であり内閣を構成する安住財務大臣に所感を求めて、私の質問といたします。
 よろしくお願いいたします。
#192
○委員長(山本順三君) 加藤委員からは、私に対しまして感想を述べる機会をちょうだいできましたことを心から感謝を申し上げます。
 加藤委員の御意見には私どもも賛同するところでありますけれども、振り返りますと、この委員会がスタートして、全般的質疑そしてまた省庁別の審議が順調にスタートをいたしましたけれども、残念ながら、その後の様々な状況によりまして省庁別審査が進まない事態が長らく続きました。果たして省庁別審査を最後までやり切れるのかどうか大変心配をいたしておりましたけれども、各理事、そしてまた決算委員会の委員の皆さん方の御協力によりまして、ようやく省庁別審査をやり上げることになりました。この夏の皆さん方の御協力、御尽力に心から委員長としても感謝をする次第であります。
 そこで、またもう一つ大きな案件が起こりましたが、いわゆる問責決議案、それも総理の問責決議案の可決、成立ということでありました。
 この准総括をどうすべきかということについて腐心をいたしましたけれども、先ほど加藤委員からお話がございましたとおり、決算の参議院という自負を持って我々は今日までやってまいったという重い重い現実、それからもう一点は、その参議院での決算審査を次年度の予算に反映していく、少なくとも警告決議あるいは措置要求決議、さらには会計検査院に対しての検査要請、こういったことを踏まえて、我々はその責務をしっかりと果たしていかなければならない、その気持ちというものが全委員の心で私は通じ合ったものだというふうに思っておりまして、その流れというものが、各国対を始め各党の皆さん方の御理解もいただいて、問責決議が成立した後にあえて准総括までやるというようなお互いの合意ができたことは、私は、先ほど加藤委員がおっしゃいました、参議院の歴史と伝統に新たな一ページを加えというような、そういった文言で表現されましたけれども、それに心から賛意を示し、そして、最後になりましたが、皆さん方の御協力に心から感謝を申し上げて、私の感想に代えたいと思います。(拍手)
#193
○国務大臣(安住淳君) 問責が出て政局が流動化をして、一部メディアの中には本当に心ない批判を国会に浴びせるところもありますけれども、そうした中にあって、今、加藤先生から御指摘がありまして、こうして決算重視で参議院として政府を招いていただきましてこの決算審議を行わせていただくというのは本当に画期的だと思っております。国会に身を置く者の一人としても、国民の負託にこたえるためにもこうした取組というものがまた歴史に大きな一ページを残すのではないかと思います。
 そうした意味では、山本委員長を始めそれぞれ各理事の皆様、委員の皆様に本当に大きな決断をしていただいて今日質疑が行われていることを改めて感謝を申し上げたいというふうに思っております。
#194
○加藤修一君 大変立派な答弁をいただきました。ありがとうございます。
#195
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。横山信一君。
#196
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 格調高い質疑から現実にまた戻りますけれども、平成二十二年度の決算検査報告によりますと、大学などの研究機関の公的研究費、この約四千二百万円が、業者に架空取引を指示し、そしてまた虚偽の納品書を作成させるなどの不適正な経理が行われておりました。また、厚労省では約三億円の厚労科研費、これが補助対象外の経費に支払われる。そしてまた、文科省では四十機関で約七千八百万円の預け金が判明をしたりしております。
 公的研究費にかかわる補助金の不適正経理につきましては、本委員会におきまして平成十七年度決算審査措置要求が決議をされております。これを受けて政府は平成二十年度までに改善措置をとったにもかかわらず、このような現実になったということは極めて大きな問題だというふうに思っております。
 今後、どう対応していくのか、文科、厚労両大臣にお聞きをいたします。
#197
○国務大臣(平野博文君) 横山先生御指摘のように、平成二十二年度の決算検査報告で不適正経理が指摘されている、このことについては承知いたしておりまして、平成十七年度に決算審査の措置要求が決議をされている、こういうことでもございます。
 特に、私は、公的研究費の不適切な処理につきましては国民の信頼を揺るがしかねない重大な問題であると、こういうふうに認識をいたしております。問題の背景には、研究者のモラルの欠如といった意識の問題に加え、研究費の使用状況の組織的なチェックの不十分さがあったと認識をいたしてございます。
 そういう意味で、文科省としましては、平成十七年度の措置要求の決議を踏まえ、平成十九年の二月に公的研究費の管理に関するガイドラインを策定し、各研究機関に研究費の執行体制の整備を要請をしてまいったところでございます。特に、現地の調査、分析結果の報告書の作成、検収等、周知を徹底をしてまいったところでございます。
 そういう意味で、平成二十年度以降、不適切な経理につきましては十九年度以前に比べて減少傾向にあると、こういうふうに思っておりまして、措置要求に対しましてのガイドライン等々で不正経理が減少を、一定の効果はあったと、こういうふうには認識しておりますが、その後も不正経理が生じているということについては極めて私どもとしては遺憾であると、こういうふうに思っておりまして、それについては厳正な対処をしてまいりたいと考えております。
#198
○国務大臣(小宮山洋子君) 厚生科学研究費補助金の経理につきましては、平成二十二年度決算検査報告での指摘を受けまして、平成二十四年、今年三月に研究を統括している研究代表者等に対しまして適正な執行をするように通知を出しています。
 また、研究費の管理や経理の透明化を図るため、研究者が所属する機関の長に管理や経理の事務を委任するように併せて求めています。さらに、不正経理が発覚した場合は、原則として研究費の交付決定を取り消し、返還をさせた上で、一定期間研究費を交付しない措置をとっています。
 今後もこの取組を徹底いたしまして、発覚した事案には厳正に対処をしていくことで不正経理をなくすよう努力をしていきたいというふうに考えています。
#199
○横山信一君 研究者のモラルというか、そこのところに問題を絞り込んでいくと、この問題というのはなかなか解決するのが難しいのではないかというふうに思うわけでありますけれども、やはり制度的な問題はないかということも含めてしっかりと検証しながら、措置要求に対してしっかりと対応していただきたいというふうに思うわけであります。
 今取り上げた事態以外にも、最近では京都大学の物品調達をめぐる汚職事件がございました。逮捕された元教授が業者に預け金などの不適正経理を行っていたということであります。先ほど述べました文科省の調査結果の中には、京都大学のこの件というのはリストの中になかったんですね。そのことについては、高井文科副大臣が八月二日の記者会見で、京都大学からの問題はないという報告があったから三月時点で分からなかったと、そういうふうに答えられております。
 この京大の汚職事件をめぐる一連の報道内容についてどのように認識をされているのか、そしてまた、こうした経緯を含めて考えていくと、表面化していないそうした問題も実はあるんじゃないかというふうにも思うわけでありますけれども、もう一度厳格な調査を行う必要はないのか、改めて伺います。
#200
○国務大臣(平野博文君) 先ほど先生に御答弁しまして、こういうことが起こっている、このことについて極めて遺憾と、こういう流れの中で、京都大学の事案が改めて発生をいたしました。大学及び研究者の信頼を失墜させるものだと、こういうことで、改めて不正経理に、この事例を重く受け止めて、七月の二十六日に、文部科学省所管の全ての研究機関に公的研究費の管理・監査体制について更なる整備充実を要請を再度いたしました。
 さらに、この問題、今先生御指摘のように、報告だけ求めても本当にそれが退治できるのかと、こういうこともございましたので、有識者会議の御意見を踏まえつつに、一斉に調査した結果、不適切な経理があったというところはもちろんでございますが、そこについては重点的にフォローアップしてしっかりと体制をしてもらうということと同時に、何もなかったというところについてもサンプリングをして、常に監視、チェックをしていくと、こういう体制で臨んでまいりたいと考えております。
#201
○横山信一君 よろしくお願いいたします。
 このような不適正経理の問題に対しましては、我が党公明党ではいち早く対策に取り組みまして、平成二十一年に議員立法として不正経理防止法案を提出をいたしました。しかし、残念ながらこの法案、まだ審議が行われておりません。
 今の質疑の中でも明らかにしてきたように、こうした問題が繰り返されているという状況の中にあって、やはり不正経理防止法案、これは一刻も早く成立を目指すべきだというふうにも考えるわけでありますけれども、ここは財務大臣のお考えをお聞きしたいんでありますが、議員立法ですから確かに各党の協議というところに政府としては答弁を収めてしまいがちでありますけれども、この法案の必要性、これについて財務大臣の御所見を伺います。
#202
○国務大臣(安住淳君) 御党及び自民党から提出されております不正経理防止法案の趣旨のとおり、公務員等の不正経理の防止の徹底を図ることは私も大変重要だと思っております。前国会からの継続審査となっていて今も引き継がれているということでございますが、これは総理も、今般、公明党の荒木先生へのたしか答弁、本会議でしたか、でもお答えをさせていただいておりますけれども、政党間で議論を是非していただいて一定の結論を出していただくようにということを申し上げております。
 そこで、民主党のことではございますけれども、民主党としては、公明党さんからアプローチがあった場合はこれはもう前向きに政党間で議論を是非したいということで、これの問題の座長にその一任を取り付けているというふうに聞いておりますので、そこまで進んでいるのであれば、是非、公党間で私は協議をしていただいて成案を得るということは立法府として非常に大きな成果を残せるのではないかなと期待をしておりますので、是非そのことは、政府としてもそうした政党間の動きというものを注目してまいりたいというふうに思っております。
#203
○横山信一君 これがなかなかしっかりと進んでいないという現状でございますので、与党の皆さんも是非協力をお願いしたいというふうに思うわけであります。
 次、質問を変えますけれども、八月二十九日に中央防災会議から南海トラフ巨大地震の被害想定が発表されました。最悪の場合死者三十二万人という、東日本大震災をはるかに上回る、そういう被害想定がされたわけであります。
 昨年の震災を踏まえて、陸上交通の遮断、そしてまた指揮命令系統の混乱と、そうした反省を踏まえて第三次補正予算で災害時多目的船の検討会が設置をされました。その報告書の中では、もう改めて言うまでもありませんけれども、海からのアプローチの重要性ということが指摘をされたわけでございます。
 この指摘を受け、五月十八日、これは議連ですけれども、要望書が提出をされました。この要望書、今年度の補正予算でということで要望がなされたわけでありますけれども、今現在、様々な動きがございます。私の身辺でもございまして、カタマラン型双胴高速船ということで、国内では唯一、二隻しかないのでありますけれども、一隻は何か売却が決まっているそうでありますが、残り一隻ということで、通称ナッチャンというふうに呼ばれているんですけれども、こうした船の活用を含め、この船を防災演習で活用できないかという、そうした動きが今あるようであります。
 そうしたことも踏まえて、この議連が要請をした予算上の措置を含め、今現在の検討状況についてお伺いしたいと思います。
#204
○国務大臣(中川正春君) 横山委員には、それこそ議連だけではなくて、具体的なナッチャンという船も含めて、熱心にこの問題に取り組んでいただいておりまして、感謝を申し上げたいというふうに思います。
 現状は、中央防災会議の下に設置がしてあります首都直下地震対策とそれから南海トラフ巨大地震対策のそれぞれのワーキンググループという専門家の検討集団があるんですけれども、そこで改めて議論をしております。中間報告においては、災害応急体制の充実強化を図るに当たり、海からのアプローチについてこれも言及をされておりまして、こういうことも踏まえて、政府としては、災害対応上の海からのアプローチ、特に高知だとか、それから和歌山からも地元の対応の手段として考えてほしいという話も出ていまして、そういうことについて、応急対策要領であるとか、あるいは活動内容に係る計画、具体的なその使い方としての可能性というのを更に深めて考えていきたいというふうに思っております。
#205
○横山信一君 この問題がなかなか前に進んでいかない理由の一つに、誰もが必要だということが分かっていながら、どこが持つのかというところが、ここが決まらないわけでありまして、今内閣府に御検討をいただいているわけでありますけれども、要するに押し付け合っているという、言葉は悪いかもしれませんけれども、そういう状況があってなかなか進んでいかないと。
 そこで、これは国境なき医師団が採用している方法として、シビルリザーブという方法があるんですね。これは民間の船をいざというときに入札なしで使用できるようにあらかじめ予約をしておくという、そういう方法でございますけれども、要するに、所管官庁が病院船を持つ、災害時多目的船を持つということではなくて、使いたい省庁が使いたいときに使えるようなシステムを作り上げておくという、そういう方法でありますが、こうした方法も含めてこの災害時多目的船、目に見える形で前進している姿を是非見せていただきたいと。そういう意味では、このシビルリザーブなども検討してはどうかというふうに思うわけでありますけれども、防災担当大臣の御意見を伺いたいと思います。
#206
○国務大臣(中川正春君) 先ほど御指摘のように、どこの省庁が持つかということもあるんですが、同時に、平常時にどういうふうにそれを使っていくか。あるいは、具体的に災害の中で、東日本でもちょっと指摘がされたんですけれども、病院船というよりも船をワンポイントの基地として使って、そこへ一旦出してきた被災者を今度はヘリコプターで各病院へ向いて運び込んでいく、その場合には新潟や何かの広範囲の中で運び込めるものですから、そういう使い方の方がいいんじゃないかとかいろいろ指摘されておる点がありまして、そういうのを整理した上で、実質的に役に立つものをつくっていきたいというふうに思っているんです。
 その上で、先ほど御提起いただきましたシビルリザーブですか、この民間の船、いざというときに入札なしで使えるような協定みたいなものだと思うんですが、そういうものもあるということで、十分にこれも選択肢の中に入れながら、いいシステムをつくっていきたいというふうに思っております。
#207
○横山信一君 改めて建造するとなると様々なハードルがありますので、既に、船の名前を出しましたけれども、ナッチャンという船は防衛省も転地訓練で使っておりますから、各省庁が使おうという部分では、そういうのをシステムをつくり上げておけば、これは災害が発生したときに使えるという、そういうシステムになるということで、是非積極的な御検討をお願いしたいというふうに思います。
 質問を変えますけれども、ビート黒糖について伺います。
 この件は、私も昨年、予算とか行政監視委員会とかあるいは質問主意書で度々取り上げてきた問題でありますけれども、改めて、御存じない方もいらっしゃると思いますので復習をいたしますと、これは北海道の網走市にてん菜を原料としたビート黒糖という、そういうものを開発した業者がございました。それを開発して製造販売に取り組んでいる企業がありまして、そこで作られた天才ビートくんという商品は第十回の北海道加工食品フェアにおいて最優秀賞を受賞すると、高い評価を受けてきました。また、平成二十年七月にはこの企業の事業計画が中小企業地域資源活用促進法に基づく認定を受けております。
 ところが、消費者庁は平成二十二年に食品表示に関するQ&A変更して、黒糖と表示できるのはサトウキビ由来の製品だけというふうにいたしました。もちろん、これは加工黒糖あるいはざらめに糖蜜を混ぜた再製糖が黒糖として販売されていた、そうした実態があって、消費者に誤解を与えるということで変えたということでありますけれども、しかし一方で、平成十八年には既にこのてん菜から黒糖を精製し製品化していたと、たった一社でありますけれども。こうした、しかも、その取組は非常に地域資源を活用し、また地域の中で頑張る企業として非常にモデルケースとして取り上げられていた、そうした企業がこの食品表示に関するQ&Aの変更でそうした努力が無駄になるというか、そういう取組が台なしになるような事態になっていったわけであります。
 改めて、国の解釈変更が地域で頑張っている企業に深刻な影響を及ぼした、この表示規制の変更がどの程度の影響を及ぼすのかを調査せずに変更したのはなぜなのかと、このことを伺います。
#208
○国務大臣(松原仁君) 黒糖の表示については、JAS法の解釈通知において、平成二十二年三月に黒糖の定義を、また十一月に加工黒糖の定義を明確化し、さらに二十三年三月に黒糖の原料原産地表示の義務付けを告示したところであります。この過程で消費者や事業者から多くの意見等を聞いており、平成二十二年三月の原料原産地表示に関する意見交換会において、ビート黒糖についての意見を聞いているところであります。
 消費者庁としては、黒糖の表示の基準に関する業務を行うに当たって、対象となる商品数や企業数まで具体的に把握しているものではないものの、どのような影響が事業者等に及ぶかについては理解しつつ、消費者の合理的な商品選択に資する情報提供の重要性に鑑み、表示の適正化を図ったところであります。
 しかし、今委員がおっしゃった部分は、やはりひとつ受け止めていかなければいけないとも思っております。
#209
○横山信一君 私の出した質問主意書に対しての答弁は、今大臣おっしゃったような実は答弁ではなくて、調査はしていなかったという実は答弁だったんですよ。まあ、それはいいです。
 そのビート由来の黒糖とサトウキビ由来の黒糖で実際に消費者の誤認があったのか、この点について伺います。
#210
○国務大臣(松原仁君) JAS法の加工食品品質表示基準は、内容物を誤認させる文字の表示を禁止しております。黒糖は、一般にサトウキビの搾り汁をそのまま煮詰めたものであると消費者に理解されているので、その内容物に黒糖を全く使用していない製品に黒糖を含む文字が表示すれば、商品の表示と中身に差異が生じることになります。
 したがって、個々の消費者が実際に誤認したかどうかを問うまでもなく、このような文字を用いた表示は消費者を誤認させるものであると考えているところであります。
#211
○横山信一君 この黒糖表示の問題の根拠になっているところなんですね、これは。誤認を与えると。確かに、再製糖と黒糖というのは誤認を与えていたわけです。奄美の加工場を中心として、それは大きな影響が出ていたと。まあそれは非常に正しい判断だと思うんですね。
 ところが、ビート黒糖というのは全く別物だったわけです。だから、ビート黒糖と黒糖との消費者の誤認というのはなかったはずですよ。これは地元からもそういう要望書が上がってきていますし、ないという事実を踏まえれば、こうしたこのJAS法の改正というのはおかしいんじゃないかという。だから、地元からはもう、北海道を始め、これはもう消費者協会からもこの要望が上がっています、おかしいですという、そういうことなんですね。
 ちょっと時間がないので先に進みますけれども、これは中小企業庁にお聞きをいたしますが、これは地域資源を活用した食品作りのモデルケースとして進んできたわけであります。しかし、消費者庁が表示基準を唐突に変更したので、行政の対応の不一致というふうに見えてしまうわけですね、地元では。地域活性化のモデルケースとして進んできた、それを消費者庁の表示変更で地域活性化としての取組が頓挫してしまった、今後もこういったことというのは起きる可能性があるわけです。
 この地域活性化の芽を摘まないようにするにはどうしたらいいのか、この辺も含めてお伺いいたします。
#212
○副大臣(牧野聖修君) お答えさせていただきます。
 経済産業省としては、地域の中小企業、商店街、いろいろな皆さんを一生懸命支えて活性化のために努力していこうと、その事業の一環としてこれもやらせていただいたわけですが、食品表示等でそごがあって御迷惑を掛けたなと、こういうふうに思っておりますので、いろいろ支援していくときにもっと情報をしっかりと把握して、関係省庁ともしっかりと連携を取ってこれからも振興策進めていきたいと、こう思っております。
 それから、全国の商店街とか中小企業の皆さんと三十六か所で話合いさせていただきましたが、その中で、コンサルタントについての体制を経済産業省としてもしっかりつくって我々を支援してほしいという意見がありましたので、その要望にこたえるように努力をして、先生の御指摘に対応していきたい、そのように思っています。
#213
○横山信一君 農水省にもお聞きをしたいんでありますけれども、この地域特産のビートを用いたもの、農産物であります、これは、今これから進めようとしている六次産業化、そうした方向性に極めて合致をしているということでありますから、そうしたことを考えると、これも、こうした表示の問題が、これから進めようとしている六次産業化に大きな影響が出てくるかもしれない。そういう意味では、今後どうしようとしているのか、伺います。
#214
○大臣政務官(森本哲生君) 横山委員には、平素大変御指導いただいておりまして、ありがとうございます。
 今日、このことも議論を大分させていただきました。こういうことを二度と起こしてはいかぬというような話もさせていただいたんですけれども、こうしたタイムラグのある場合に、ここのところはしっかりと連携をしてやっていかないと、消費者の皆さんに信頼される政治というふうにならないというふうに私自身も認識をいたしておりますが、ただ、消費者の皆さん方にとってはやはり適切な表示というものがこれは大前提になってまいりますので、ここの議論は非常にこれからも多く議論されるというふうに私自身認識をいたしておりますので、消費者庁とも十分ここのところは連携を取ってこれから対応する、そのことを今日は申し上げて、答弁とさせていただきます。
#215
○横山信一君 この問題は、私は非常に悔しいと思うんです。背景に、何度も何度も取り上げさせていただいていて、絶対におかしいという声が上がってきている、それでも変えようとしないと。何か地方の企業が一社二社潰れてもいいんじゃないかみたいな、そういう何か感覚が感じられてしまうんですね。
 そうじゃなくて、やはり地域活性化への悪影響、あるいはまた消費者が受け取ることとして本当に誤認があるのかないのかという、そうした事実判断も含めて考えれば、このビート黒糖の表示というのはあって当然だというふうに考えるわけでありますけれども、最後にもう一度、消費者担当大臣の御所見を伺います。
#216
○国務大臣(松原仁君) 一般に表示規則を実施するに当たっては、原案を提示し、パブリックコメントを行ったり意見交換会を開催するなど、消費者や事業者の意見を広く求めてきたところであります。寄せられた意見を検討し、表示の基準の見直し等が事業者にどのような影響を与えるかについて把握した上で規制を実施してきたところであります。今回の黒糖等の定義の明確化等に当たっても同様に取り組んできたところでありますが、御指摘を踏まえ、今後、より広い情報収集に努め、食品表示の行政に取り組んでまいりたいと思います。
 なお、委員御指摘のビート黒糖については、消費者の誤認を招かないようにすることと地域活性化等が図られることが両立できるよう、消費者庁としては、これまでも北海道庁と連携しつつ、ビート黒糖に代わる新しい商品名案の提示等をさせていただいているところであり、今後とも事業者及び地元北海道と相談してまいりたいというふうに思っております。
#217
○横山信一君 零細企業ですから、変えるというのは大変なことなんですよ。そんな簡単にいかないんだということを是非、これはもう明らかに消費者庁の行政ミスです、そのことを御指摘して、質問を終わります。
    ─────────────
#218
○委員長(山本順三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、塚田一郎君が委員を辞任され、その補欠として牧野たかお君が選任されました。
    ─────────────
#219
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。柴田巧君。
#220
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
 今日は、准総括質疑ということもあり、これまでこの委員会で議論してきたことを踏まえ、更にいろいろと質問をしたいと思いますが、まず初めに科学技術の問題を取り上げたいと思います。
 改めて申し上げるまでもなく、新たな発展をこの国が期していくために科学技術の振興は極めて重要なものであるということは言うまでもありません。先般も申し上げましたが、既にこの科学技術関連予算は公共事業やあるいは防衛費に匹敵するような巨額なものになりつつあるわけで、その規模の確保といいますか額の確保もさることながら、効率的なやっぱり執行、あるいは国家戦略として推進をしていく上でどういう体制が望ましいかということをしっかり議論すべきときに来ていると思っております。
 何よりも、そのためにも司令塔となるものが必要でありますが、現在の総合科学技術会議は残念ながらその役割を果たしていないというのが多くの皆さんの見るところであり、この見直しがかねてから議論されてきたわけであります。
   〔委員長退席、理事中川雅治君着席〕
 総合調整ということは担ってはいるが、なかなかそうはならないと。それがゆえに、省庁縦割りの壁が残っているがゆえに、一度決定された予算が各省庁に固定されて研究テーマの新陳代謝が起こらないといったようなことが発生をしているわけで、この見直しは不可避ではありますが、民主党はそういう考えでこの科学技術イノベーション戦略本部をつくるべく準備をされてきたわけですが、残念ながら今日に至るまでその法案は出てこないということであります。
 であるならば、あるいは変えるまで、本当に改組するまではやはり今あるものをしっかり動かすというのが基本原則だろうと思いますが、これも他の委員会でも指摘を申し上げたとおり、残念ながら、政権交代後、この総合科学技術会議、内閣府設置法で設置をされていますが、回数が政権交代してがくっと減っております。平成十八年には十一回、十九年には七回、二十年には六回、二十一年には七回開かれておりましたものが、今や二十二年度には四回、そして昨年度は三回、今年度はまだ今のところ二回ということであります。しかも、政権交代前はほとんどと言っていいほど持ち回りというものはありませんでした。政権交代後、その多くが持ち回りになっている。
 今年も二回のうち一回は持ち回りだということでありますが、さきに古川大臣もいろいろ震災対応などで忙しかったからということも言っておられましたが、こういう最重要な会議はやはりしっかりフルメンバーで議論をすべきものと思いますが、いずれにしても、改組していくことは大事だと思いますが、今あるものをしっかり動かすというのが基本だと、しかも、そうやって持ち回りではなくて、多くの有識者の皆さんもそろった中で、総理も出席の下開くのが原則であり、是非そういうふうに元に戻していただきたいと思いますが、どのようにお考えか、お聞きをしたいと思います。
#221
○国務大臣(古川元久君) お答えいたします。
 先ほど委員から御指摘がございましたように、確かに持ち回りとか回数が減っているということは事実ではあります。これには様々な事情があることも、先ほど御指摘もありましたけれども、例えば、菅内閣でやっぱり持ち回りが多かったのは、東日本大震災への対応というのがありまして、なかなか総理を始めとする関係者、これは科学技術会議はやっぱり総理が議長でございますので、総理出席ということじゃないといけないものですから、そういう物理的な事情がございました。
 それ以前の鳩山政権では、実はこれ、やることはかなりやってはおったんですね。その後、野田政権になっても、できるだけやりたいというふうに私ども考えておりますけれども、一つは、実は昨年の臨時国会で任期満了を迎えた有識者議員の後任人事できなくて、今年一月から三月の二か月間は、形の上での総合科学技術会議というものを開催することができないという、そういう期間もございました。そういった意味では、物理的な様々な事情もありまして、なかなか本会議が開けなかったとか持ち回りになったところはあります。
 ただ、有識者の皆様方には実は毎週お集まりをいただいておりまして、そこには政務の科技の部局の三役の誰かが出て実質的な意見というものはやっております。またさらに、今年に入りましてから、科学技術イノベーションを強力に推進するため、産学官を始めとして幅広い関係者が連携、協働するプラットホームとして科学技術イノベーション戦略協議会というものを設置をいたしまして、そこで議論を重ねております。
 そういった意味で、総合科学技術会議そのものの回数というものは減っておりますけれども、議論というものがやられていないのではなくて、むしろ前にも増していろいろな方々を含めて、科学技術をイノベーションにつなげ、そして実際の実社会で新たなビジネスとかそういうものにつなげていく、そういうための取組というものはかなり積極的に行っておりまして、そういう実質的な議論は進んでいるということでございます。そこでまとまったものを会議で決定をしていくという、そういう手続になっておりますので、そういった意味では、本会議の開催が少ないからといって議論がなされていないとか有識者の方々が会っていないということではなくて、実質的なところは行われておりますが、会議という形での開催というものが少なくなっているということでございます。
 今後とも、できる限り私としても会議は開催をするように努力はしていきたいと思っておりますが、そういう意味では、形だけじゃなくて実質のところも是非そこは御覧をいただければというふうに思っております。
#222
○柴田巧君 いずれにせよ、今この国がまさに科学技術を重要視して、これからの日本の発展の起爆剤にしていくんだというものがやはり隅々まで伝わるようなやり方というものはあると思いますし、先ほどから申し上げてきておりますように、新しいのを、改組していくというのは結構なことでありますが、なかなかそうならないのならば、というか、その前にはしっかり今あるものを動かしていくというのが原則だと思いますので、そういう観点に立ってしっかり取り組んでいただきたいものだということを改めて申し上げておきたいと思います。
 先般も古川大臣とは、じゃ、あるべき司令塔はどうあるべきかということを議論もさせていただきましたが、この予算配分権限については若干大臣とは意見を異にしたと思っておりますが、機能の一元化といいますか、法的権限の付与はあってしかるべきだというお考えだったかと思いますけれども、いずれにしても、強力なリーダーシップを持てる司令塔にしていくことが、いろんな同種の研究が省庁によって分かれている、そういったものを省いていく、あるいは研究開発の評価方法が曖昧なために今チェック機能が果たせないということを脱していけると思うわけで、そういう意味でも、しっかりとした司令塔をつくっていくということはこれは不可避だろうと思います。
 そのためには、立派な器をつくるということはもちろん重要ですが、やはり大事なのはそれを担う人材の問題だろうと思います。今の総合科学技術会議は、ややもすると学長であったり公的研究機関のトップの皆さんの次の上がりポストみたいになっているところが否めないと思いますし、イノベーションを目指していこうとするならば、やっぱり産業界からの議員の割合というものを増やしていく必要があるのではないかと思っています。
 したがって、従来型の学会の上がりポストということではなくて、やはりこのイノベーションをやっていく上でふさわしい人あるいは研究開発の前線にいろいろいた方といったものを議員にしていく、そしてその選出のプロセスを明確にしていく、透明性を高めていくということが新たな司令塔に対する信頼を高める、科学技術政策に対する信頼を高めることになると思いますが、そこら辺のお考えはどうか、お聞きをしたいと思います。
#223
○国務大臣(古川元久君) 現在におきます総合科学技術会議の有識者議員につきましては、まさに国会で御議論いただいて、そして国会の同意をいただいて総理が任命をするというふうにされておりますので、そういった意味では、新たにつくるようなときにも、基本的にはそういうやっぱり国会の皆様方にもチェックをしていただくような形というのは必要じゃないかというふうに考えておりますけれども、その際には、それは今委員からいろいろな御指摘にも、そういうものにもやっぱりちゃんと堪え得るような方を選んでいかなければいけないというふうには思っております。
 そういう意味では、これから体制を検討していくその中で、有識者議員をどういうふうに選んでいくかについては、委員の御指摘も踏まえて考えていきたいと思っておりますけれども、現在でも、先ほどちょっと申し上げました、科学技術イノベーション戦略協議会の方にはかなり若手の研究者であるとかあるいは産業界の皆さんでばりばりにやっている方々、そういう方々に入っていただいています。
 今回、総合科学技術会議で決めたアクションプランなどは、まさにそういう科学技術イノベーション戦略協議会という若手の方々が入っている中で御議論いただいて、そこでまとめていただいたものをベースにして、総合科学技術会議でアクションプランとして決定をさせていただいておりますので、そういった意味では、既にこれから目指す方向を先取りをしてやっている部分はございますので、是非その点は御理解をいただければというふうに思っております。
#224
○柴田巧君 それと、あわせて、やはりこの機会に、新たな戦略本部ですか、司令塔の事務局体制というものを大きく見直す、あるいはその体制の強化を図ることが必要だと思います。
 やはりここにも官民からの優秀な人材が結集するような仕組みにしていく必要があろうかと思いますが、現在はいわゆる出向官庁から二、三年来て元に戻っていくということになっているのが大半ですが、そうではなくて、やはりプロパーの職員を増やしていくということが、事務局員の専任化ということですが、必要であろうと思いますし、また民間からのそういう優秀な人材を積極的に受け入れる、あるいは幹部への登用というものを考えていくということが必要だと思います。
 この専任化するということは、いわゆる出向元との関係を、利害関係を排除していくということにもなると思いますが、いずれにしても、この事務局体制の強化ということについてはどのように考えておられるか、お聞きをしたいと思います。
#225
○国務大臣(古川元久君) この点につきましては、私の下で開催をいたしました科学技術イノベーション政策推進のための有識者研究会の報告書におきまして、新たな司令塔や科学技術イノベーション顧問が機能を発揮するためには、これらを支える事務局について、組織の肥大化を避けつつ多様な人材から構成されるべきであるというふうにされております。具体的には、若手研究者の登用のほか、事務局に在籍する行政官のキャリアパスの在り方について、出向元との関係や大学及び産業界からの人材の登用等について明確なルールを整理することが必要であるというふうにされております。
 こうした御指摘も踏まえながら、私も、これやはり最終的には、有識者議員も大事でありますけれども、やはり事務局の体制というのは極めて重要だというふうに思っております。どうこの事務局が独自性を発揮して、幅広い研究者の皆さん方の声とかあるいは産業界の声とか、そういうものを反映できるような形で運営されていくかということは、まさに新たにできる司令塔の一番肝になってくる部分ではないかというふうに考えておりますので、今後は、この司令塔機能の強化と併せて、事務局機能をどうそのような形で強化させていくということについてはしっかり検討してまいりたいというふうに考えております。
#226
○柴田巧君 是非そういう方向でよく考えていただきたいと思います。
 それで、前から議論にもなっておりますように、今の総合科学技術会議を改組していくこの法案のたたき台となるその有識者研究会の報告書を見ると、科学技術イノベーション戦略本部にいろんな付加的な会議体、役職が極めて多いというふうな感じを受けるわけです。
 例えば、首席科学技術イノベーション顧問、科学技術イノベーション顧問会議、科学技術イノベーション諮問会議等々、よく似た名前の付加的な新たな会議体が提案されています。震災の後も同じような会議体をよく民主党の皆さん立ち上げられたということを想起させるわけですが、こういう複数の会議体の乱立というのは意思決定のプロセスを複雑にするということは十分考えられるわけでありますし、それがある一種の隠れみのとなって各省庁のまたいろんな利害が絡み合うというか、そういうことにもなるのではないかと思われますが、正直、何でこういうものが必要なのか余り意味が分からないと思われますが、いずれにしても、こういった複雑な意思決定プロセスにしない方がやはり望ましいのではないかと考えますが、大臣の御所見をお伺いをしたいと思います。
#227
○国務大臣(古川元久君) 委員はこのイメージ図、御存じでしょうか。これ見ていただければ、そんな複雑なものじゃないということは一目瞭然だと思います。まさに科学技術イノベーション戦略本部で決定をするに当たって、どういう形で言わば情報を集約していって、最終的にここで意思決定するかと。そこに最低限必要な会議というものを設けるという形で、研究会からは研究会の報告書で提案をされているというふうに考えておりますので、そういう意味では、そんな何かやたらめったらに会議を立てるということではなくて、必要最小限のこうした戦略本部で最終的に意思決定をまとめることに当たってのプロセスの中で必要な集まりを行うべきじゃないかと、そういう御提案がされていると思っておりますので、そうした御提案をベースにして考えてまいりたいというふうに思っております。
#228
○柴田巧君 そうおっしゃいますが、これが一つそういうのを認めていくと、いろんな形でそういう会議体というのはでき得る可能性も多分あると、かなりあり得ると思います。したがって、極力そういうややこしいといいますか、余り必要性のないものはないにこしたことはないと思いますので、是非そこら辺はよく再検討していただきたいものだと思います。
 いずれにしても、あるべき司令塔づくりというのは、本当はもうここに、この国会で出るということでありましたが、こういう状況であるのは極めて遺憾だということも申し上げ、科学技術政策がしっかり政府、今の内閣としてやっているその本気度が十分伝わってこないということを改めて申し上げておきたいと思います。
 古川大臣にはもう結構でございますので、ありがとうございました。
 続いて、文科省の方に時間は少なくなりましたがお聞きをしたいと思いますけれども、先ほど公明党の横山先生からも御指摘ありましたが、私もこの公的研究費の問題を何度も取り上げさせていただいたところであります。そして、京大でああいう事件が起きたのは極めて残念なことでありますが、いろんなガイドライン等々も作ってこられました。されど、それが本当にどこまで浸透しているのかというのは、やっぱり、先ほどもお話ありましたが、分からないところも多々あると思っております。
 いずれにしても、とりわけこの預け金の問題、かねて指摘されて、今回もこれが事件の一つのある意味核心の部分になっているわけですが、この預け金の在り方、かねてからいろいろ言われておりますが、やっぱりこの機会に、こういう問題が発生しないように、その防止策の強化、まあ先ほどと重なる部分もあるかと思いますが、特に預け金ということに即して、大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。
#229
○国務大臣(平野博文君) 柴田議員には、もう他の委員会におきましても、特に我が国の資源のない国としての人材の開発についてしっかりやれと、とりわけ科学技術の問題について御指導をいただいていることに感謝を申し上げます。
 先ほども御答弁いたしましたが、やっぱりそれだけに公的資金についての透明性とこの不正経理というものはあっちゃならないと、こういうことでございます。
 文科省としても、先ほども答弁しましたが、ガイドラインということを設けましたけれども、設けて、なければそれでよしとするのではなくて、常にチェック体制を取っていきたいと思っております。特に競争的資金、資金の管理等々を含めて、防止策につきましてやっぱり規制を強化をすると、こういうことでやっていきたいと思います。
   〔理事中川雅治君退席、委員長着席〕
 ただ、規制を強化することが研究開発の柔軟性を損なうことではあってはいけないと思っておりますので、やっぱり研究者のモラルを高めていくと同時に、公的資金であると、このことをしっかり理解をさせるような取組をこれからも進めてまいりたいと思っております。
#230
○柴田巧君 是非その不正防止の徹底を図っていただきたいと思うんですが、今回の問題は、この京大にとどまらず、どこで起きても不思議じゃないところが正直あると思われます。
 平野大臣にお聞きをしたいんですが、いろんな手だてはやっていかなきゃならぬと思いますが、そのうちの一つとして第三者による検証というもの、こういったものも取り入れていく必要があるのではないかと思いますが、その点はどういうふうなお考えでしょうか、お聞きをしたいと思います。
#231
○国務大臣(平野博文君) 個別の案件で第三者委員会にかけるということよりも、こういう公的資金、研究基金を含めた資源のものについてはどういうふうにすれば一番ベストなんだろうということは、有識者会議等々を開きながら常にいいアイデアをいただいていくつもりでおります。
 しかしながら、自浄能力がやっぱり高まらない、こういうことになりますならば、やっぱり文科省としてもそれに対する対応策は考えなきゃならない、その一つとしては第三者ということがあるかもしれません。
#232
○柴田巧君 是非、先ほども冒頭に申し上げましたが、科学技術関連予算は増える傾向にあります。と同時に、その質や中身の向上、あるいは何よりもその科学技術に対する、政策や予算に対する信頼を失ってはならないと思われますので、どうぞ不正防止に向けていろんな手だてをまた講じていただきたいものだと思います。
 時間的に最後になるかと思いますが、iPSの細胞の長期研究支援についてお聞きをしたいと思いますが、御案内のように、これは同じ京大でもこっちの先生のは、立派な先生というか、世界的に高い評価を受けておる山中先生の開発によってiPSの細胞のいろんな研究が進んできておりますが、その実用化に向けては、やはりこれは一年や二年で成果の出るものではありません。外国でも、こういった類いのものはやっぱり十年単位で長期的な支援をやっていくということであります。
 残念ながら時間が来たのであれですが、資金を確保するために山中先生自身がマラソンを走らなきゃならぬというのは、こういうのはやっぱりあってはならないことだと思っておりますが、いずれにしても、落ち着いた、研究に集中できることをしていくためにも、十年単位の長期支援が、iPS細胞研究、世界の今トップを走っているわけですから、是非そういう形での支援が必要だと思いますが、最後に大臣にお聞きをして、終わりたいと思います。
#233
○委員長(山本順三君) 平野文科大臣、時間が来ておりますので簡潔にお願いします。
#234
○国務大臣(平野博文君) はい。簡潔に答弁いたします。
 もう御案内のとおり、iPS細胞につきましては、世界に冠たる我が国から発する画期的な成果になると思いますし、これから具体的な成果が生まれてくると承知をいたしております。したがいまして、短期の予算ということよりも、より長期的な視点に立った予算確保はしっかりと国として、また文科省としても支援をしてまいりたいと、かように考えております。
#235
○柴田巧君 ありがとうございました。
#236
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。はたともこさん。
#237
○はたともこ君 国民の生活が第一のはたともこでございます。よろしくお願いいたします。
 まず、枝野大臣に質問をいたします。
 配付資料の@、A、Bは、いずれも資源エネルギー庁に作成していただいた資料でございます。これらの資料によりまして、今年の夏、関西電力自身が設定した節電期間、七月二日から九月七日の平日のうち、現段階、データで示されております八月三十一日までの間は、大飯原発三号、四号が再稼働しなくても関西電力に電力不足は起こらなかった、すなわち、大飯三号、四号を再稼働させなくても常に供給力が需要を上回っていたことが示されていると思いますが、枝野大臣、そのとおりですか。
#238
○国務大臣(枝野幸男君) これは、実際の再稼働の問題が議論されているときから申し上げてきておりますが、結果的にどうなるかという話ではなくて、電力は一瞬たりとも不足をさせてはいけませんので、様々なリスクというものを考慮に入れて、それでも電力不足を起こさせないようにするということで準備をしなければならないものであると。
 そうしたことの中では、今回は特に火力発電所の計画外停止が昨年の夏あるいは例年と比べてもこれは非常に少ない。これは、ここについては私、電力会社に厳しいことを言っていますが、これについては相当頑張っていただいたんだろうというふうに思います。
 それからもう一つは、雨が多くて水力発電がフルに近い形で力を発揮できたということ。それからもう一つは、やはり節電の御協力。これも、御協力のお願いをしてもどの程度やっていただけるのかということについてはかなりの幅を持って見なければならないということの中で、期待どおり一〇〇%とは申し上げませんが、お願いをした水準にかなり近い水準で節電に御協力をいただいたということで、結果的にその需給の数字を見れば御指摘のとおりのことになっているということであると思っております。
#239
○はたともこ君 改めて数字を確認したいと思います。
 資料の@で示されておりますように、関西電力のこの夏のピーク需要は、現在までのところ、八月三日の金曜日の二千六百八十二万キロワットでございます。
 この資料のAを見ていただきたいのですが、八月三日の関西電力の供給力は二千九百九十二万キロワットで予備率、三百十万キロワット、一一・六%の余裕があったわけですが、仮に大飯三号、四号、合計二百三十六万キロワットが止まっていた場合は、真ん中のAの表に示されておりますように、供給力は二千七百五十五万キロワット、予備率は七十三万キロワット、二・七%、予備率三%未満の電力需給逼迫警報レベルに達するということになる。
 しかし、下の段のBの表には、実際には利用可能だけれども、燃料費が高いなどの理由で運用上意図的に停止をさせている、すなわちバランス停止させている発電所を動かせば、供給力は二千七百九十二万キロワット、予備率、百十万キロワット、四・一%になり、しかも、その日、同じ六十ヘルツで応援融通が可能な中西日本では予備率、九百一万キロワット、一〇・三%となることが示されていますが、枝野大臣、そのとおりですか。
#240
○国務大臣(枝野幸男君) まず、火力のバランス停止、これは燃料代がどうこうということよりも、全体の需給の前日等の見通しに基づいてやっているものでございます。
 それの停止分を上乗せをするということは当然あり得ますが、一方で、供給力の方には@、Aの図の@とAの違いのところの、関西電力大飯の供給力を単純に引いた場合ということでおっしゃられているわけですが、実は単純に引くだけでは済まなくて、実は発電所の再稼働、原発の再稼働によって揚水の供給力、夜のうちに水を揚げておくということがフルで使えるようになっていますので、実はこの分四十七万キロワットを考慮しなければならないということになるということは御理解いただきたいというふうに思いますが、その他の数字そのものは御指摘のとおりであります。
#241
○はたともこ君 この資源エネルギー庁の資料により、今年の夏の現段階でのピークである八月三日に大飯原発三号、四号が稼働していなくても関西電力には百十万キロワット、四・一%の余裕があり、中西日本五社からは、中西五社の予備率三%を確保したとして六百万キロワット以上の応援融通が可能な状態にあったことが明らかになりました。この上に更に東京電力からも百万キロワット以上の応援融通が可能だったわけですから、大飯原発三号、四号の再稼働は全く必要なかったことが証明されたと思います。
 今週の金曜日、九月七日、関西電力の節電期間が終了をいたします。枝野大臣、必要性が全くなく、暫定的な安全性しかない大飯三号、四号は速やかに停止させるべきだと思いますが、いかがですか。
#242
○国務大臣(枝野幸男君) このまず夏について、繰り返しになりますが、結果的に、先ほど申しましたとおり火力の故障等がなかったりとか雨が多かったりとか、あるいは期待どおり節電に御協力をいただいたということがあったために、結果的にその数字だけ見れば再稼働しなくても電力足りたのではないかということでありますが、しかし、もうまさにこれ、故障がいつ起こるかというのはまさに予測できないわけでありますし、雨等についても事前に予測できないわけでありますし、これ何年か積み重ねていけば節電の御協力についての見通し立てられるかもしれませんが、関西地区で数値目標言うのは昨年からでありましたので、これも事前には十分ゆとりを持ってやらざるを得ないということの中では、私は需給という観点だけから見ても、今年の春先、需給の見通しを立てた時点での判断はこれは間違っていなかったと。
 逆に言いますと、何があっても供給が足りなかったということには絶対しないということで、それは経済産業省も各電力会社も、それから節電等御協力ということではユーザーの皆さんも全力を挙げた結果として、その絶対にしてはいけない電力が足りないという状況をつくらずに済んだということだというふうに思っております。
 その上で、夏の節電期間が済んだらということについてのお尋ねでございますが、これはいろんなこと繰り返し申し上げませんが、安全性について丁寧に確認をしてきた上で電力需給が一番注目をされましたが、電力需給のみならず電力価格や雇用への影響など、総合的な観点から必要性についても丁寧な確認を行い、再起動することを政府として判断をしたところでございまして、夏場の短期的な電力需給だけの観点から判断をしたものではございません。
 なお、安全性については、規制委員会が発足をしましたら、これについては大飯に限らず、あらゆる原発について改めて独自の観点から本当に安全なのかどうかもう一度再確認していただくことになろうかと思っております。
#243
○はたともこ君 では、次に細野大臣に伺います。原子力規制委員会人事、人事案件についてでございます。
 私たち国民の生活が第一は、今回の原子力規制委員会人事については五名全員の任命に反対の立場でございます。私たちの第一の基本政策は、原発ゼロへ、エネルギー政策の大転換で十年後をめどに全ての原発を廃止するというものですが、今回の人事は、いわゆる原子力村の中心人物の一人である田中俊一氏を委員長とし、ほかにも原子力村の住人である方々を委員とする、明白な原発推進人事となっております。
 さらに、私は去る八月二十日の行政監視委員会における質疑で、七月三日付けの政府文書、資料のCでございます、原子力規制委員会委員長及び委員の要件については、政府が日本語を捏造したでたらめ文書であることを明らかにいたしました。このようなでたらめな政府文書に基づく人事は白紙撤回すべきです。
 そこで、改めて細野大臣に伺います。
 配付資料Cの七月三日付け原子力規制委員会委員長及び委員の要件についてという文書は、細野大臣の責任で出された文書ということでよろしいでしょうか。
#244
○国務大臣(細野豪志君) 原子力規制委員会の委員長及び委員につきましては、先般御議論いただきました原子力規制委員会設置法におきまして次のような規定がございます。「人格が高潔であって、原子力利用における安全の確保に関して専門的知識及び経験並びに高い識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。」ものとされております。また、原子力規制委員会が強い独立性を保ち、国民からの信頼を確保するためには、その委員長及び委員の中立公正性、透明性の確保を徹底することが重要であります。そういう考え方に基づいて法律上の欠格事由というのが定められております。
 それに加えまして、今御指摘の七月三日付けの文書というのは、更にそこに加えまして新たな欠格要件を付与し、さらには、任命に際しましては情報公開を求める旨を規定をしておりまして、この文書については私の責任において整理をし、公表したものであります。
#245
○はたともこ君 この文書の2、委員長及び委員の要件の考え方の(1)に、中立公正性確保に関する法律上の欠格要件として、原子力事業者及びその団体の役員、従業者である者と書いてありますが、この原子力事業者の中に独立行政法人原子力研究開発機構、JAEAは含まれますか。
#246
○国務大臣(細野豪志君) 御指摘があったのは、済みません、ちょっと、2の(1)のところということですか。
#247
○はたともこ君 2の(1)です。
#248
○国務大臣(細野豪志君) これは、法律の規定を引いたものをここで表したものでございます。そこで言っております原子力事業者というのは、原子力規制委員会設置法の第七条の七項の三号、すなわち原子力に係る製錬、加工、貯蔵、再処理若しくは廃棄の事業を行う者、原子炉を設置をする者、そのほか、全て読みませんけれども、原子力事業者全般、つまり原子力事業者の中でも大学や研究機関も含めた全てのものが法律ではっきり明記をされておりますので、それを定めたのがここで言っているものでございます。定めたというか、そこで言い表しているのはこの条文に当たるところでございます。
#249
○はたともこ君 JAEAは含まれますか。
#250
○国務大臣(細野豪志君) JAEAですか。
#251
○はたともこ君 はい。
#252
○国務大臣(細野豪志君) 研究機関も全て含まれます。すなわち、JAEAも含まれますし、資料でいいますと五枚目で書いていただいておりますが、原子炉設置者であります東京大学や京都大学、近畿大学などの、この全ての機関が含まれるということになります。
#253
○はたともこ君 では、(2)を飛ばしまして、(3)の任命に際して情報公開を求める事項の@、Aにある原子力事業者等という文言は、八月二十日の質疑におきましても、政府参考人櫻田準備室副室長は、これは委員会の決議に相当するものと答弁されましたが、細野大臣、そのとおりですか。
#254
○国務大臣(細野豪志君) 委員会の決議というのは、これは議会の方で御議論をいただいて出していただいたものでございますので、私、今もちろん議会にも籍を置いておりますが、行政府の側から答弁をするという立場からは、私自身が解釈を申し上げるべき立場にはないというふうに思っております。
 ここで言っております原子力事業者等というのは、これは電力会社、さらには電力会社から距離を置くという意味で、電力会社や、それの子会社、さらにはメーカーを含むものをこの原子力事業者等という形で表しておりまして、そのことは何度か委員会でも答弁をさせていただいているとおりでございます。
#255
○はたともこ君 櫻田準備室副室長は、これは委員会の決議に相当するとおっしゃったわけでございます。この国会の附帯決議に基づく(3)の@、Aの原子力事業者等にはJAEAは含まれますか。
#256
○国務大臣(細野豪志君) 済みません、ちょっと聞き取れなかったんですが、国会の決議の方ということですか、決議の解釈ということでよろしいんですか。済みません、もう一度お願いします。
#257
○委員長(山本順三君) はたともこさん、もう一度お願いします。
#258
○はたともこ君 (3)ですね、(3)の@、Aについて、行政監視委員会で櫻田準備室副室長は、これは委員会の決議に相当するものと答弁されました。すなわち、国会の附帯決議に基づくものであるということでございまして、この(3)の@、Aに書いてあります原子力事業者等にはJAEAは含まれるかということでございますが。
#259
○国務大臣(細野豪志君) 済みません。大変失礼いたしました。
 国会の決議は決議として、それはもうまさに議会の方で御議論をいただいてお作りになったものですので、私が答弁する立場にはございません。
 このガイドラインで示しておりますこの(3)の@、Aの情報公開の部分でございますよね。この部分については、これはまさに欠格要件に、(2)でお示しをしておりますものと同様のものでございますので、こちらについてはJAEAは含まれないと。ちなみに、大学も含めて含まれないということであります。
 是非御理解をいただきたいんですけれども、はた委員が、御主張が、そういうあらゆる原子力機関を全て排除をするということになりますと、大学関係者、さらには研究機関、全て排除をしなければならないということになります。そうしますと、専門性やいわゆる技術の面におきまして安全についての様々な判断がどうしてもやはりできないということにもなりかねませんので、そういった方々については、電力事業者からしっかりと距離を置けているということを一つの前提といたしまして、欠格要件には入れないという形で我々考えております。是非御理解をいただければというふうに思います。
#260
○はたともこ君 済みません、もう一回確認します。
 この(3)の@、Aの原子力事業者等にはJAEAは含まれないと今おっしゃったわけですね。
#261
○国務大臣(細野豪志君) はい。これは(2)と同じですので、これは(3)でもJAEAは含まれません。
#262
○はたともこ君 では、今大臣は(2)と(3)には含まれないということをおっしゃったということでございます。同じこの一枚の政府文書の中で、(1)は含まれるが、(2)、(3)は含まれないというようなことでございまして、日本語として全く成立をしていないと思います。このでたらめな日本語の政府文書は撤回をして、この文書に基づく人事案件も白紙撤回すべきであると私は思いますが、細野大臣、いかがですか。
#263
○国務大臣(細野豪志君) 法律の欠格要件の中で書かれているのは、個別に一つずつ例示がしてあります。これは研究機関であっても、それはもう安全性についてチェックをする立場になりますので、現職の方についてはやはりやっていただくことはできない、そういった形で辞めていただいて入っていただくということであります。
 遡って、この欠格要件としてガイドラインでお示しをしましたのは、これはやはり電力事業者との関係がいろいろとこれまで言われてまいりましたので、その部分についてのやはりけじめを付けられるということでガイドラインとしてお示しをしたものでございます。
 したがいまして、様々な御議論があるのは承知をしておりますけれども、是非とも御理解を賜れればというふうに思っております。
#264
○はたともこ君 では、配付資料のFの附則第二条第五項の規定を使って、今国会閉会後に委員長及び委員を総理が任命するとの報道がございます。国会の同意を得ずに本当にそういうことができるのか、できるというのであれば、どういう場合にどういう理由でできるのか、細野大臣、説明してください。
#265
○国務大臣(細野豪志君) 御指摘は恐らく附則の第二条第五項においての規定をお引きになっているというふうに思います。この法律の施行後最初に任命される委員長及び委員の任命につきまして、国会の閉会又は衆議院の解散のための両議院の同意を得ることができないときは、内閣総理大臣は、委員長及び委員を任命することができる旨規定をされております。
 確かにこういう規定はございますけれども、私どもとしては、今国会に同意人事を提出させていただいておりますので、会期が徐々に短くなってはおりますけれども、何とか御承認いただきたいというふうに思っておりますので、それがもうとにかく、我々が今お願いをしていることでございます。
#266
○はたともこ君 では、さらに、仮に国会閉会後、国会の同意なしに総理が任命をした場合、配付資料のGの附則第二条第六項によって、国会の事後承認は必要ないとの報道もあります。本当にそういうことができるのか、できるというのであれば、どういう場合にどういう理由でできるのか、細野大臣、説明してください。
#267
○国務大臣(細野豪志君) 原子力規制委員会設置法附則の第二条第六項におきまして先ほどのような規定がございます。さらになお、原子力緊急事態宣言がなされている場合であっては、その旨を国会に通知したときについては、事後の承認は原子力緊急事態解除宣言がなされた後速やかに行うこととされております。この規定は、まさに今回のような事故を受けまして、全く空白ということが許されない状況というのがあり得ますので、そのときのために置かれた条文ということでございます。
 こういう規定はございますけれども、私どもとしては、今回国会に提出をさせていただいておりますので、是非とも御承認をいただきたいと。国会の議決を経て、御承認をいただいた上で、総理に指名をという形を是非お願いをしたいと考えているところでございます。
#268
○はたともこ君 では、時間が来ましたので終わりますが、ちょっと全く納得のできない説明でございました。
 いずれにいたしましても、でたらめな政府文書に基づく現在の人事案は即刻白紙撤回すべきであるということを強く申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#269
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。外山斎君。
#270
○外山斎君 国民の生活が第一の外山斎です。
 まず、領土問題に関してお尋ねいたします。
 過去に当委員会でも日本青年会議所の領土・領海検定シートを使って質問をさせていただいておりますが、これは高校生対象で調査をしているんですけれども、余りにもこの正解率が低いんです。私も、今JCのメンバーとして、この我が国の領土領海に関する意識の低さに大変驚いていると同時に心配をしているんですが、同じJCのメンバーと聞いております城井政務官に、この領土領海に対する正解率の低さ等についてどのようにお考えなのか、お聞かせください。
#271
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 今委員からも御指摘ありましたけれども、私自身も今メンバーでありますし、また、この領土・領海検定シートを使った運動に携わっておった中心のメンバーが私の仲間でもあるということでありますので、この報道及びこの検定シートの中身、その取組ということについては十二分に存じております。また、大変意義深い取組だというふうに受け止めておりますが、ただ、実際に高校生の自国の領土に関する理解が必ずしも十分ではなかったと、言えなかったという結果は、やはりここは看過できないと、本当に残念であるけれども、看過し難いというふうに感じております。
#272
○外山斎君 お答えありがとうございます。
 まあ高校生の場合は、確かにカリキュラム等の問題で、地理を選択していなかったり、歴史を選択していなかったりという問題があるとは思うんですけど、ただ、やはり小学校、中学校でこの領土に対する教育というものをしっかり文部省の方でも取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 そこで、質問を移らせていただきますが、先日、予算委員会の方で私の質問に対して、私の河野談話に対する質問に対して松原大臣から、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかったということも踏まえて、閣僚間で議論すべきということを提案することを考えていきたいというふうに申し上げておりますという力強い御答弁をいただきましたが、玄葉大臣、松原大臣の方からはその後何か御提案はありましたでしょうか。
#273
○国務大臣(玄葉光一郎君) まだ、いわゆる閣僚間でそういう議論を、松原大臣から提起があり、行ったということはありません。ただ、私は、松原大臣がそういう問題意識で提起をされる、そのこと自体を私は否定すべきではないというふうに考えております。
 ただ、歴代政権がそうであったように、野田政権として河野談話というものを踏襲するということと、やはり私は、女性の尊厳というものを傷つけたということに対する私は、何というんですか、心を寄せていくという、そういう姿勢は大切なことだというふうに考えています。
#274
○外山斎君 お答えありがとうございます。
 私が質問をさせていただいてもう数日、結構たっているんですけど、私はてっきり、質問通告をさせていただいた時点で、松原大臣が何らかの御提案をされているんだとばかり思っておりました。ただ、今、玄葉大臣の御答弁を聞くと、何ら行動を起こされていないということが分かったわけですけど、松原大臣、いつ、どのような場で提案をされるおつもりでしょうか。
#275
○国務大臣(松原仁君) 八月二十七日の予算委員会における委員の御質問に対し、私は、いわゆる河野談話について、談話発表当時の官房副長官であった石原信雄氏による平成九年の発言や、平成十九年の閣議決定された答弁書の内容など踏まえつつ、今後、閣僚間で議論すべきということを提案することも含め考えてみたいという旨のお答えをいたしました。
 事実関係としては、現時点ではこの提案は行っていないわけでありますが、当該提案については我が国の誇りの懸かった重要な問題にかかわるものであり、早期にかつ適切に実施するという方向で考えております。具体的にどうするかということについては様々に熟慮しているさなかにあり、この場で申し上げることは差し控えます。
#276
○外山斎君 熟慮ということでありますから、いつか提案されるんだというふうに思いますが、ただ、これはもう我が国でも問題になっておりますし、そしてまた韓国の方でも問題になっているわけであります。だからこそ、もし問題意識を大臣が持たれているのであれば、いち早く行動をしていただきたいというふうに感じております。
 質問を、それで、大臣から別の大臣の方に移らせていただきますが、この強制連行を示す資料というものはなかったというふうにこの間の委員会でも官房長官の方からいただきました。ただ、以前、石原信雄氏は、慰安婦の強制連行の資料を全て焼却したことはあり得ないというふうに言っておられますが、それに対して河野洋平氏は、処分されたと推定できるというふうに述べられております。
 河野談話を作成されたお二人のこの資料に対して見解が全く逆になっているわけであります。政府として、河野洋平氏が言うように、処分されたから証拠資料がないというふうに考えられているのか、お聞かせください。
#277
○国務大臣(藤村修君) まず、平成五年のこの河野談話が出るに当たっては、平成三年十二月から平成五年八月までいわゆる関係資料の調査、それから韓国における聞き取り調査等を行い、これらを全体として判断されたと、当時の内閣ですね、というふうに伺っております。
 それで、いわゆる慰安婦問題についての政府の基本的立場というのは、この河野官房長官談話というものを現政権もこれまでの内閣と同様に考え方は受け継ぎ、この立場に変更は今ないということです。
 じゃ、河野当時官房長官がその後のインタビュー等で今おっしゃったような内容のことをお話しだというふうには聞いてはいますが、これはインタビューのことで、そのときに河野元官房長官がどうお答えになったかというのを今、政府でコメントする立場にはないと思います。
#278
○外山斎君 いや、別に河野長官がその後インタビューで答えたことに対してどうのこうの言っているんじゃなくて、証拠は焼却されたからないんだというふうに受け取っているのか、それとも、探したけど本当にないんだというふうな立場を取られているのか、それを私は聞きたいんです。
#279
○国務大臣(藤村修君) 今の立場はずっと引き継いでいる立場ということで、さっき申しました河野談話に先立つ日本政府による調査において、軍や官憲による組織的な強制連行を直接的に示す公文書等が発見されなかったということを認定し、引き継いでいるということです。
 一方で、強制的な連行があったとする、これは証言等については既に存在していたところではありました。
#280
○外山斎君 河野談話を作成したお二人のその後の見解というものが異なっているわけですから、私はこの河野談話の作成過程をやはり検証する必要性があるのではないかというふうに感じております。
 そこで、委員長にお願いがありますが、当委員会においても、河野洋平氏と石原信雄氏の参考人招致を求めます。
#281
○委員長(山本順三君) 後刻理事会で協議をいたします。
#282
○外山斎君 先ほど官房長官の方からは、慰安婦の方からの証言があったということを言われておりますが、この慰安婦の証言に関しては官房長官はお読みになられたのでしょうか。
#283
○国務大臣(藤村修君) 私はつぶさにその証言等を読んではおりません。ただ、政府は代々、歴代、この強制的な連行があったとする証言等も存在していたというこの事実は引き継いできたわけでありました。
#284
○外山斎君 野田内閣として河野談話を踏襲されるということですが、ただ、そこの一番重要な部分というのは慰安婦からの証言だというふうに何度も言われております。ただ、その証言を見ていないのにこの河野談話を踏襲するというのは、私はちょっとおかしいのではないかなというふうに思っておりますが、官房長官は何も思われないでしょうか。
#285
○国務大臣(藤村修君) 政府というのはやはり継続性ということで、政権が替わろうとも内閣の官房長官談話というものは大変重いわけであります。
 そして、その周辺のことといいますと、今申しましたように、その当時の政府において、これは相当政府でもたくさんのところを動かしたわけであります。警察庁、防衛庁、法務省、外務省、文部省、厚生省と労働省、国立公文書館、国立国会図書館、それからさらに米国国立公文書館など、様々な調査をされたことも事実、それは事実であるというふうに引き継いでおります。
 その中で、各種証言による記述と、それから韓国における聞き取り調査を含めて、河野談話というのは、それらを総合的に勘案した結果、甘言、強圧等による本人の意思に反して集められたケースもあったということがそこでは証明されていたと、それを引き継いでいるということでありました。
#286
○外山斎君 お答えありがとうございます。
 私は、日本と韓国において、この慰安婦に関する事実認識というものが全く異なっているんではないかなというふうに思っております。先日の予算委員会で私の質問に対して野田総理が、強制連行の事実を文書で確認できず、日本側の証言もなかったが、慰安婦への聞き取りからできたと答弁しただけで、韓国政府から深い失望というふうに言われております。
 その中で、やはり私は、挺身隊イコール慰安婦というふうに思われている部分もありますが、日本政府としては挺身隊は慰安婦だったというふうに考えられているのか、それだけ最後にお答えください。
#287
○国務大臣(藤村修君) それは違います。
 河野談話というのは、その後に、これ、平成十九年に出てきた政府答弁でもお出ししているように、関係資料の調査及び関係者からの聞き取りを行い、これらを全体として判断したということであります。何かを特定したわけではありません。
#288
○外山斎君 以上で終わります。
#289
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。井上哲士君。
#290
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 まず、原子力発電所敷地内の活断層の問題について聞きます。
 この間、原発の敷地内で活断層の存在の疑いが次々と明らかになってきたという問題についてただしてまいりました。改めて基本的問題を確認いたしますが、この活断層の上に原発の施設が建設できない理由、そして建設できない旨が明示されたのは、いつ、どういう文書になっているでしょうか。
#291
○政府参考人(深野弘行君) お答えをいたします。
 地表に活断層が現れている、そういった真上に構築物を設置いたしますと、その活断層の将来の活動によりまして地盤の支持性能に重大な影響を与える断層変位が生じて構築物が損壊する可能性が否定できません。
 こういった考え方に立ちまして、原子力安全委員会の、了承という形ではございますけれども、平成二十二年十二月に策定されました発電用原子力施設の耐震安全性に関する安全審査の手引きというものの中で、耐震設計上考慮する活断層の露頭が確認された場合、その直上に耐震設計上の重要な建物を設置することは想定していないということが明示されたものでございます。
#292
○井上哲士君 一方、八月二十四日の保安院の専門家の意見聴取会で、原子力発電所敷地内の破砕帯の評価に当たっての検討の考え方という文書が提示をされました。この中で、敷地内の破砕帯の評価について、主断層、副断層、弱面という三つが示されております。これについて、新たな安全評価基準の導入であり、活断層に弱面という新たな分類を作ることになるのではないかと。それによって、これまでは活断層と評価される可能性があった一部の断層について、原発の直下にあっても、ずれの量が小さく、原子炉建屋などに影響が生じないと評価をされれば、原発の運転継続も可能にするものではないかという懸念の声が広範囲に上がっております。
 専門家からも、解体直前の保安院が駆け込みで廃炉逃れの理由を考えているように見えるという指摘もされておりますが、こういう懸念、指摘にどのように答えるでしょうか。
#293
○政府参考人(深野弘行君) お答えいたします。
 今御指摘のございましたこの考え方、私どもが示した考え方でございますけれども、これにつきましては、敷地内の破砕帯について評価を行うに当たって意見聴取会を開いて検討を行っておりますけれども、そこでの検討の進め方の考え方について取りまとめ、八月二十四日の意見聴取会で提示をしたものでございまして、その内容は、原子力安全委員会の先ほど申し上げた手引きの考え方に従ったものでございます。
 保安院としてこの破砕帯の評価の在り方について新たな見解を示すものではなく、また、原子力発電所の運転の可否の判断基準といったものでもございません。具体的には、この原子力安全委員会の手引きにおきまして示されている考え方に基づきまして、活断層か副断層か、あるいはこれらには該当しないとしても地盤に変位を及ぼし得るものかを確認するための検討項目などを示したものでございます。
#294
○井上哲士君 この考え方の文書に図表が示されているんですが、これを見ますと、主断層、副断層、弱面という三つに分けて示しておりまして、活断層をこの三つに分類をしているようにも受け取れるわけでありますが、今の答弁でいいますと、活断層と認められたものがあれこれ理由を付けて弱面に分類をされると、こういうことはあり得ないということでよろしいんでしょうか。
#295
○政府参考人(深野弘行君) 御指摘のございました図面でございますけれども、三つのケースを書いてございまして、主断層、副断層、弱面と書いてございます。主断層というのは、これは自ら活動するいわゆる活断層でございます。副断層というのは、活断層が活動したときにそれに引きずられた形で動くものでございまして、これが先ほどの手引きにも活断層と同様に扱うというふうに書かれているものでございます。それ以外のものについて弱面ということで、これについても、ずれが生じないかどうかということについてはきちんと評価をする、そういう考え方で整理をしたものでございます。
#296
○井上哲士君 つまり、活断層と分類されたものが弱面に分類されることはあり得ないということでよろしいんですね。
#297
○政府参考人(深野弘行君) 先ほどの手引きの考え方に沿いますと、主断層、活断層と弱面というのは別のものとして取り扱われているということでございます。
#298
○井上哲士君 三十日も意見聴取会が行われまして、そこで保安院として破砕帯等の調査について指示をしております。これは今後新しい規制委員会に引き継がれるということになるんでしょうが、私、先日の質問でも国会事故調の報告書を引用して指摘をいたしましたが、新たな安全基準とか新たな知見が出ても、既存の原子炉の運転に支障にならないようにということで事業者と保安院が落としどころを探るというとりこの関係にあったという指摘も紹介をいたしました。だからこそ、今回の問題も新たな規制逃れをしているんじゃないかという疑問の声が上がるわけですね。
 先ほど規制委員会の人事についても質問がありましたけれども、原子力推進の側にいた、そういう中心人物では駄目だ、白紙撤回すべきだと、こういう声も上がっております。政府は再考することなく任命という形で考えているという報道もあるわけでありますが、とんでもないことでありまして、改めてこの点では白紙撤回を求めておきます。
 そこで、経産大臣にお聞きいたしますけれども、前回、この原発敷地内の活断層、破砕帯等の調査については第三者の研究者の立ち会う再調査を行うということも求めました。原発の下の断層破砕帯が活断層と認められた場合は原発の運転、設置は認められないという、こういう基準は堅持をされていくと、こういうことで確認してよろしいですね。
#299
○国務大臣(枝野幸男君) 御承知のとおり、今般、国会で原子炉等規制法を改正いただきました。これによって、最新の知見を技術基準に取り入れ、既に許可を得た施設に対しても新たな基準への適合を義務付ける、いわゆるバックフィット制度が導入をされております。新たな基準へ適合しないと認めるときは、原発の使用停止や設備の改造など必要な措置を命ずることができるようになりました。
 現在の原子力安全委員会が、先ほど保安院長からお話をした手引きに基づけば、主断層、それから構造的に関連する副断層という断層にとどまらず、弱面であっても影響を及ぼす場合についてはこれに対応するということでありますので、現行の審査の手引きに基づき、このバックフィット制度が導入されれば、当然のことながらこれに該当するものは廃炉ということになるというふうに思っております。
 ただ、これは、間もなく規制委員会発足をして、規制委員会が具体的な審査の在り方や運用についてやるということになりますので、特に経済産業大臣の立場からそれを拘束するようなことは申し上げるべきではないかというふうに思いますが、常識的に考えても、これを緩めるということを規制委員会がなされるということは考えられないだろうと思っております。
#300
○井上哲士君 次に、防衛調達の水増し請求問題についてお聞きをいたします。
 まず、三菱電機とその子会社など五社の水増し請求が発覚をいたしました。本年一月に防衛省はこれらの企業を指名停止とする処分を発表しておりますが、事件の概要と現在までの対応について述べてください。
#301
○政府参考人(鈴木英夫君) お答え申し上げます。
 昨年秋、防衛省などに対して、部外より三菱電機においてコストの水増しを行っているとの情報提供がございまして、当省が同社に対する抜き打ち検査を一月十七日より開始いたしました。
 この調査を受け、一月二十七日、同社より工数等の付け替えが存在することが判明した旨の報告があったことから、当省では同日から指名停止の措置をとっております。また、その子会社四社、三菱プレシジョン、三菱スペース・ソフトウエア、三菱電機特機システム、太洋無線からは、二月二十四日に同様に工数等の付け替えがあった旨の報告があり、同日、指名停止の措置をとったところです。
 指名停止措置以降、三菱電機等に対し特別調査を実施していることから、現時点において具体的な調査状況についてお答えできる段階にはなっておりませんけれども、事実関係の全容が解明され、過大請求に係る過払い金が国庫に納入されるとともに、再発防止策が報告されるまでの間、この五社に対し指名停止の措置をとることとし、真にやむを得ない場合を除き契約を行わないこととしております。
#302
○井上哲士君 水増しの総額というのは現時点では確定できていないんでしょうか。
#303
○政府参考人(鈴木英夫君) 現在調査中でございまして、まだ確定しておりません。
#304
○井上哲士君 続いて五月には、住友重機械工業とその子会社である住重特機サービスも過大請求が発覚をし、指名停止となっておりますが、この概要と対応について述べてください。
#305
○政府参考人(鈴木英夫君) お答え申し上げます。
 住友重機械工業において水増し請求を行っているとの部外からの情報を踏まえまして、五月八日より装備施設本部が抜き打ちで調査を開始し、併せて同社による社内調査の実施を要請いたしました。
 調査の結果、同社が見積資料として防衛省に提出した資料において、直近の同種契約に係る工数を実際に発生した工数よりも水増しして記載していたということが判明いたしました。また、同社による社内調査の結果、子会社である住重特機サービスにおいても、修理契約における代金を確定させる際に、実際に発生した工数よりも水増しして申告していたことが判明いたしました。
 これらを受け、五月二十五日、住友重機械工業及び住重特機サービスにより工数を過大に申告をしていた旨の報告があったことから、当省では同日から指名停止の措置を行っているところでございます。
 指名停止措置以降、同二社に対し特別調査を実施しておりますが、現時点において具体的な調査状況についてお答えできる段階ではございませんけれども、事実関係の全容が解明され、過大請求に係る過払い金等が国庫に納付されるとともに、再発防止策が報告されるまでの間、同二社に対し指名停止の措置をとることといたしまして、真にやむを得ない場合を除き契約を行わないこととしております。
#306
○井上哲士君 この水増し請求など、防衛調達にかかわる不正というのは自民党政権時代からも繰り返しありましたけれども、今年も相次いで発覚をしている。やはり私は、これは構造的な問題があると思います。
 防衛省から今年の四月に提出を受けた資料によりますと、三菱電機など五社とは指名停止期間中であるにもかかわらず、その時点までに一千百億円を超える契約が行われておりました。指名停止中に公然と契約を重ねるという、自民党政権以来のあしき慣行が防衛省では全く収まっていないということが示されております。
 以来、四か月以上経過いたしましたけれども、改めて、この指名停止期間中に現在まで行われた五社との契約について、金額と件数を会社別及び五社合計それぞれ明らかにしてください。
#307
○政府参考人(鈴木英夫君) お答え申し上げます。
 指名停止措置以降、指名停止企業との契約を行う場合には、先ほど御答弁申し上げましたとおり、代替の調達手段がなく、かつ自衛隊の任務遂行に重大な支障が生じるおそれがある場合に限定し契約をしておりますが、七月末までに三菱電機と百五十九件、約一千百十九億円の契約を締結しております。また、子会社である三菱プレシジョンとの間では三十件、約二十六億円、三菱スペース・ソフトウエアとの間では一件、約百六万円、三菱電機特機システムとの間では二十七件、約三億二千万円、太洋無線との間では一件、約二千四百万円の契約を締結しております。したがいまして、この合計額で申し上げますと、二百十八件、約千百四十九億円でございます。
#308
○井上哲士君 委員からもへえという声が上がっておりますが、指名停止といえば、普通は指名されないんですよ。真にやむを得ないなどとしてこういう巨額の契約をすることは到底受け入れられるものではありませんし、さらに、いただいた契約状況を見ますと、年度末の三月末に相当集中しております。予算の使い切りの駆け込み契約とも取れるような状況にあるわけで、しかもほとんどが随意契約なんですね。もう開いた口がふさがらないと思いますが。
 そこで、防衛大臣にお聞きいたしますが、防衛調達のこのような契約の在り方に国民が納得すると思われるでしょうか。防衛省だけは特別でも国民は共感すると、このようにお思いでしょうか。
#309
○国務大臣(森本敏君) 確かに先生御指摘のように、今回、三菱電機ほか四社とそれから住友重機及び住重特機サービスによるこの過大請求事案というのは誠に深刻な事態で、この事態はもう極めて遺憾であります。
 お尋ねの指名停止を行っている会社と随意契約を行う場合というのは、先ほど説明申し上げたように、代替品あるいは代替会社の有無を精査した結果、代替の調達手段がなく、かつ指名停止会社との契約を行わなければ自衛隊の任務遂行に重大な支障が生じるおそれあるという場合に厳密に限定しております。
 しかしながら、このような事態が起こるということは実に深刻でありますので、今後とも慎重に代替会社の有無について精査を行い、真にやむを得ない場合を除き指名停止会社と随意契約を行わないということをすることによって、我が国の防衛に重大な支障が生じないように今後とも対応してまいりたいと、このように思います。
 いずれにしても、今回のこの事態というものが深刻な内容を含んでおるので、この種の事態が起きないように今後とも厳重に事態を鑑みて処理をしていきたいと、このように考えます。
#310
○井上哲士君 真にやむを得ないものというふうに繰り返されるんですが、本当にそうなのかということなんですね。
 例えば、停止期間中の契約には技術支援契約というのがあります。いわゆる労務借り上げというふうに言われてきたものでありますが、これは防衛省の技術研究本部が装備品の研究開発の試験や設計を行うときに、高額な日当を支払ってその軍需企業側から技術者や職員を受け入れるというシステムなんですね。企業からしてみますと、多額の支払を受けながら試作品の試験などに行って技術力を付けることができると。ですから、事実上研究費の一部の補助を受けているようなものに等しいわけです。そして、その後、量産段階で受注ができる、こういう仕組みになっております。
 三菱電機は、今回の指名停止期間中に十二件、約一億七千二百万円余りの技術支援の契約を行っております。計算してみますと、この四月以降の平均の技術支援の日当は一人当たり十三万五千円余りという契約になっております。こういう契約が真にやむを得ない契約と言えるのかと。つまり、まだ全く試験や設計の段階なんです。その段階で企業側から人を受け入れて、それを手伝いをさせると。
 こんなことが指名停止期間中の半年とか一年とか行われなくたって、私は何ら任務遂行に重大な支障が起きるようなものではないと思います。何でこんなものまで契約しているんですか。
#311
○政府参考人(鈴木英夫君) 技術支援契約につきましては、三菱電機株式会社が実際に研究開発本部で受注をしている研究開発プロジェクトに関して、実は防衛省はその製造能力がありませんものですから、具体的な試作や研究開発する場合に民間企業の力を借りざるを得ないという面がございまして、そういった観点から三菱電機にこの契約を依頼しているものでございます。
 したがいまして、三菱電機との契約に基づいて遂行している継続プロジェクトについて行っているものでございまして、先ほど御指摘がありましたけど、基本的に現在行われている契約は全て、既に現在、新しいプロジェクトじゃなくて継続プロジェクト、これについて実際に契約をしないと自衛隊への支障や将来の装備品の開発計画に大変重大な支障が生じるということでございまして、真にやむを得ない契約として契約をしているものでございます。
#312
○井上哲士君 つまり、続いているものはそのままやっているということなんですね。将来のことがと言いますけれども、現に今使うものがどうしても調達できないということが百歩譲ってあったとしても、そういうものには全く当てはまらないんですよ。ですから、指名停止を受けても実際には契約が取れていると。防衛企業の側はこれをよく承知しているんですよ。ですから、指名停止処分に実質的な意味や効果がないという事態になっているんですね。
 ところが、防衛省はこの過払い請求事案に関して刑事告発をしたことがありません。今回の事案についても、どれだけの被害があるかまだ分からないと。そういうことがやっぱり調査できないわけですから、これは私は刑事告発するべきだと思いますが、防衛大臣、いかがですか。
#313
○国務大臣(森本敏君) 仮に行政機関として告発するかどうかということについて判断していくためには、まず、できるだけ事実関係を解明してその全体像を明らかにすべきであると、もう当然のことだと思います。このため、現在この事案については特別調査というものを厳密に行って徹底的な調査を実施し、事実関係の全容の解明に努めている途中であります。
 なお、事実関係の全容が明らかになった場合には、当然のことながら、全容解明の結果を踏まえて、関係省庁と相談しながら更なる再発防止策について検討してまいりたいと、このように考えております。
#314
○井上哲士君 全容解明はやってください。しかし、そうやって刑事告発もしないという姿勢が事件の根絶を妨げているんですよ。
 三菱電機は二〇〇六年にも別の理由から指名停止を受けたことがありますが、このときも、半年間の指名停止中に五十六件、約十七億八千百万円の契約が行われました。一方、同社への防衛省からの天下りは指名停止期間中は行われませんでした。その年、〇六年度は六人で、前年よりも天下りは減りました。ところが、その翌年度は十六人に増えているんですね。結局、その年は十年間で最高の天下りになりました。
 指名停止期間中は天下りをやめても、翌年増やして確保していると。今回も同じことになるんじゃないかと私は思っているんですが、こういう癒着体質が違法を温存していると、こうお思いになりませんか。
#315
○国務大臣(森本敏君) 指名停止会社というのは、他の事業者と異なっておって、競争入札には参加させず、また、やむを得ない事情があると認められる場合を除き随意契約の相手方としないということや業務の一部を指名停止会社に請け負わせないということとしております。
 このことによって指名停止期間中に契約の相手方及び下請先から原則として排除されているということもありまして、しかし、いずれにしても、このような事態というものを防ぐために、我々として、この調査をした結果を踏まえて厳密に対応していきたいと、このように考えております。
#316
○委員長(山本順三君) 井上哲士君、時間が来ておりますからおまとめください。
#317
○井上哲士君 時間ですから終わりますが、全く厳密な対応がされておりません。
 私、過去にもこの問題を追及したことがありますが、当時、自民党政権時代の石破大臣は、ほとんど取引停止の効果が出ていないと答弁をされました。福田総理は、私も理解できません、国民も理解できないと思いますとまで言われました。ところが、全く改まっていないわけでありまして、天下り問題も含めて徹底的な是正をすることを強く求めまして、質問を終わります。
#318
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。又市征治君。
#319
○又市征治君 社民党の又市です。
 参議院で野田総理の問責決議が可決された下で、その内閣の閣僚の皆さんと質疑をすることの是非の論議があるところですけれども、二十二年度の決算審査結果を来年度の予算編成に何としても生かそう、こういう立場で、与野党の使命感から本日の准総括質疑となりました。したがって、各大臣におかれては、その意を酌んで真摯に対応されるように、まず初めに申し上げておきたいと思います。
 そこで、まず安住大臣にお伺いをいたしますが、先日、一部マスコミが、財務省は総務省を通じて地方公務員の給与削減を求める方針を決めた、こんなふうに報道しております。この報道、事実でしょうか。
#320
○国務大臣(安住淳君) そうした権限は財務省にはございませんから、事実ではございません。
#321
○又市征治君 先日、総務委員会で私は川端大臣に地方公務員の給与決定の在り方について見解をお尋ねをしたところ、地方公共団体において、それぞれの時点での状況を踏まえ議会で十分に議論の上、条例で定めていただくものでございまして、各地方公共団体において、引き続き国民、住民の理解と納得が得られるよう情報公開を徹底するなど、自主的な取組を進めながら適切に決定することが肝要であると思っております、総務省は、今回の国家公務員に係る時限的な給与削減措置と同様の措置を実施するよう要請することや強制することは考えておりません、こういう旨の答弁をなされました。
 既に多くの自治体が以前から独自の削減措置を講じてきていることは踏まえられた見解だというふうに理解をしておりますが、この川端大臣の答弁と今、安住大臣のスタンスは同じ、こういうふうに理解してよろしいか、お伺いします。
#322
○国務大臣(安住淳君) 基本的には同じでございます。私ども財務省には地方公務員の給与水準等について助言を行う権限はないわけです。
 ただし、国家公務員人件費については、御存じのとおり、七・八%の削減をする内容の法律が議員立法によって成立をしておりまして、公的部門全体でいろんな意味で取り組まなければならないのではないかという意識を我々は持っております。
 このことについては、実は八月七日に行政改革に関する懇談会というのを、政府部内にありますが、その中で次のような整理が行われております。今般の一体改革における引上げ分の消費税収の一部は地方の財源となり、その意味で行政改革の必要性は国、地方とも変わらないと、国における取組を参考に、定員や給与水準等に関して更なる行革の実行が必要とされております。
 言うまでもありませんけれども、地方公務員法や給与改定特例法の趣旨を踏まえて、地方公務員の給与について、地方団体において自主的かつ適切に対応されるということは当然でありますし、そうしていただくことを期待をしております。そういう意味では、地方公務員給与に関する地方財政措置の在り方については、今後の予算編成過程において、今のような基本方針に基づいて適切に対処してまいりたいと思います。
#323
○又市征治君 川端大臣と基本的には同じだとおっしゃいながら、今年は国家公務員の場合は東日本大震災の財源、今度は消費税増税、こんな理屈が付いているというのは全く納得できない。
 問題は、労働基本権回復しないまま政府や国会が一方的に公務員の賃金の削減を行うことは、まさに違憲や違法のそしりは免れないわけであって、これは、自公政権時代だってこんなことはやらなかったわけですよ、少なくとも。公務員労働組合に約束しておきながら、本来これが通らないんなら、むしろ減額は中止すべきなのが論理なんですよ、これは。同じことを地方公務員に対しても、例えばこの間も北海道へ行ってきました。北海道なんか、一〇%、随分長い間から削っているわけですよね、御存じのとおり。そういうことに対して、様々そういう理屈を付けてやっぱり何らかのことをやってほしいみたいな話にはならないように、是非強く求めておきたいと思います。
 次に、特別会計における予備費の問題を伺います。
 予備費に関する先日の討論でも私触れたんですが、特別会計の予備費について、二〇一〇年度の十七の特別会計の予備費総額が一兆八千四百九十七億円余りですけれども、実際の使用額は二十九億六千八百万円、もう随分と乖離があるわけですね。内容は、農業共済再保険の不足を補うために必要な経費だけで、予備費総額に占める割合は〇・二%というわけですね。
 特別会計の予備費はどんな基準で一体計上されているのか、改めてお伺いしておきましょう。
#324
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおり、これは先生と何度もここでやらせていただきましたけれども、一・八に対して約三十弱ですか、これを、予備費の使用を平成十年度からずっと見てみますと、大体平均でパーセンテージでいうと〇・二ぐらいの使用割合であることは事実であります。
 ただ、これには様々な、政府として転ばぬ先のつえといいますか、そういう不測の事態に備えておくということと、もし不用が出た場合は先生御存じのような処理はしておりますので、決して無駄にやっているわけではないんですが、ここまでの乖離があるという問題意識についてどうなんだということについては、予見し難い不足に充てるという、ここのところをどう読むかということになるので、個々の会計別はちょっと時間がないので申しませんが、例えば保険事業特会なんかは、やっぱりそれは急に入り用になるときも出てくることは先生御指摘いただいたことがあると思いますが、あるので、そういう意味ではその乖離があるということですが、なお個々の特会についてのこうした状況を踏まえての改善というのが望めるのであれば、それは検討していきたいというふうに思います。
#325
○又市征治君 安住さん、全部知った上で長々答弁なさっているけれども、平成元年度以降の各特別会計に計上された予備費の総額とその使用状況を見ると、使用割合は最も多い年で約一〇%なんですよ。使用実績がゼロという年もある。総じて使用割合、非常に低いわけであって、そして、登記特会だとか労働保険特会などは二〇〇七年度までの十年間で使用実績全くない、こういうものもあるんですね。
 だから、特別会計予備費は、その使用実績を踏まえて計上額の更なるやっぱり圧縮を進めるなど見直しをすべきだと私は何回か申し上げてきたんですよ。だから何回もやりましたと、こうおっしゃるわけだが、全然改まっていない。
 そういう意味で、この予備費の不用額はそのまま結局は特別会計で繰り越しているわけでしょう。一般会計に繰り入れていないわけですよ。こんなばかな話ないじゃないか。もう少し、予見し難い不足に備えるということをおっしゃるけれども、こうした実績をしっかり踏まえながら、もっと圧縮は十分に可能だと、このことの徹底した見直しを求めておきたいと思いますが、その点やられるかどうか、簡潔にお答えください。
#326
○国務大臣(安住淳君) 御指摘、傾聴に値する部分、実はあるなと思ってずっと聞いておりました。
 ただ、それぞれの特会における今までの額を非常にそのまま踏襲してきているということもあったものですから、ちょっと奥歯に物の挟まったような言い方をしましたが、適切な予算の計上になるように配慮してまいります。
#327
○又市征治君 いずれにしても、今二つのことを申し上げたので、剰余金がそうやって出ているのをそのままその特会に繰り越し、繰り越し、繰り越してたまっていくなんて話じゃなくて、一般会計に繰り戻すぐらいのことを、やっぱりしっかりそれも含めて取り組んでいただきたい、このように申し上げておきたいと思います。
 次に、拉致問題対策関連予算について伺いますけれども、先日の委員会で松原大臣は、関連予算の執行率が低いことに関して、平成二十二年度及び二十三年度の予算全体の執行率はいずれも約三〇%となっております、その理由は情報関係予算の執行残が多かったためでありますが、そもそも情報関係予算は使い切りを想定しているものではなく、必要なタイミングで必要な情報を得るために執行する予算でありますという答弁をされておりますね。
 しかし、拉致問題対策関連予算の内訳を見てみますと、内閣官房一般行政に必要な経費の予算額が二億四千万円に対して決算額は九千万円、また、帰国拉致被害者等に対する支援策経費は、予算額三千六百万円に対して決算額九百万円にすぎないわけですね。
 つまり、さきにおっしゃったように、情報関連予算で使い切りを予定しているものじゃないとおっしゃるけれども、それ以外のものの執行率も非常に低いんです。どのような事情でこうなっているのか、改めてお伺いします。
#328
○国務大臣(松原仁君) 平成二十二年度の情報収集関連予算以外の拉致問題対策本部事務局の予算の執行率は、拉致問題理解促進経費を含む内閣官房一般行政に必要な経費で約三七・五%、帰国拉致被害者等に対する支援策の実施経費で約二五%となっております。
 執行残が生じた主な理由としては、内閣官房一般行政に必要な経費については、拉致被害者等が帰国した際に必要となる交通費や宿泊費等が不要となったことや、公共交通等における広報経費の執行が少なかったことによるものであります。また、帰国拉致被害者等に対する支援策の実施経費については、拉致被害者等が帰住した際に必要となる未帰国家族分を予算計上しているためでもあります。
 もとより拉致問題対策関係予算の執行に当たっては、必要性、有効性等を勘案しつつその有効活用に努めているところでありますが、予算計上においても執行状況を踏まえ、適宜見直しを行いながら所要額の確保に努めてまいります。
 以上です。
#329
○又市征治君 何か長々とおっしゃったけれども、余り納得できないんですよね。
 執行残、随分と毎年毎年出ているのに予算額増やしていくと、こんな格好でしょう。何か形だけ、この拉致問題に取り組んでおる皆さんからのそういう声にこたえて何か予算だけを多くしておくと、こんな格好になっているのが歴年の状況ですよ。もうちょっとやっぱり真摯に、金がない、金がないといいながら、この点は絞り込んでもらいたい。その点は申し上げておきます。
 問題は、この拉致問題を何としても早期に解決を図らなきゃならぬということは誰もが共通認識であるわけですが、問題は、解決に向かってどのような手を打つか。
 これは玄葉大臣にお伺いをしてまいりますけれども、先般、遺骨収集問題に絡めて日朝協議が先週行われました。いいことだと思います。これも政府が調査のための代表団の北朝鮮訪問を容認したことを契機に開催に至ったんだと思いますが、しかし、更に遡れば、日本の調査団を受け入れる北朝鮮側の判断もあるだろうと思います。つまり、お互いに交渉の窓口を開くということが重要であって、どちらにボールがあるかないかとか、あるいは経済的に追い詰めて交渉に引きずり出すとか、あるいはやたらに情緒的な反北朝鮮感情をあおるようなことでは問題解決しないというのは、これまでの経緯はもう明らかだと思うんですね。
 日朝の懸案事項については、もうこの九月の十七日になれば日朝平壌宣言結ばれて十年ですよね。そういう意味で、あれは中身としては大変立派な中身だ、私はこのように思いますけれども、それに基づいて胸襟を開いて交渉する、それに向かって信頼関係を助長する外交がまず大変大事なんではないのか、このように思いますが、玄葉大臣の御見解を伺います。
#330
○国務大臣(玄葉光一郎君) 又市先生おっしゃったとおり、先日、二十九日から三十、三十一と、これは課長級であったんですけれども、実務的で言わば率直かつ突っ込んだ協議が、予備協議ということではありますが、できたところでございます。
 次は、より高いレベルで日朝の政府間協議をできるだけ早い時期に北京で開催をするという方向で調整をする、そして、議題は双方が関心を有する事項ということにいたしたところでありまして、幅広く協議を行っていきたいというふうに考えておりますし、我が方として最も重視している拉致の問題についてもしっかりと対応したいというふうに思っています。何とか政府間協議で前進を図りたいというふうに考えているところでありますし、あわせて、先ほど幅広くというふうに申し上げました。これは遺骨の問題もそうでありますし、様々な問題、安全保障にかかわる問題も含めて協議をしたいというのが私たちの考えであります。
 日朝平壌宣言について、大変立派だというお話がございました。基本的に、この日朝平壌宣言というのが生きていて、拉致、核、ミサイル、包括的に諸懸案を解決をして、不幸な過去を清算して、まさに国交正常化を図るということで全力を挙げたいというふうに思っています。私は、機会の扉が開いたらば全力を尽くすということが非常に大事でございますので、何とか扉をこじ開けていきたいというふうに考えております。
#331
○又市征治君 先ほども申し上げましたが、十周年ということでもございますし、そういうことはお互いに、アジア人というか、そういう記念すべき年ということもあると、そういうことを契機に、前進させていくという条件、お互いにつくり出せることでもあるんだろうと思います。是非しっかりと取り組んでいただくようにお願いしておきます。
 次に、生活保護制度問題について伺ってまいりたいと思います。
 厚生労働省の調査では、一〇年度中の生活保護の不正受給分が〇・四%ということで発表されております。不正受給はもう許されてはならぬことですから、不正受給防止対策、当然必要だと思います。
 ところで、厚生労働省は、二〇一〇年に生活保護基準未満の低所得世帯数の推計についてという統計、発表されましたですね。この推計を行った理由と、その結果に基づいて厚労省はどのような対策を取られたのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
#332
○国務大臣(小宮山洋子君) お尋ねの推計は、最低限度の生活水準を示す指標を検討するために厚生労働省が開催をいたしましたナショナルミニマム研究会、ここで生活保護の捕捉率はどの程度かとの意見を受けて行ったものです。
 生活保護の捕捉率というのは、生活保護を申請すれば受給が可能な人のうち実際に生活保護を受給している人の割合をいいますけれども、生活保護を申請すれば受給可能であっても、申請されない限りはその保有する資産ですとか稼働能力の有無などを福祉事務所が把握することはできないために、正確に推計することは難しいと考えています。このため、それに代わるものとして、生活保護基準未満の低所得世帯のうち生活保護を受けている世帯の数の推計を行いました。
 推計は、二種類の統計調査、全国消費実態調査と国民生活基礎調査を基にそれぞれ行ったんですが、例えば住宅ローンの有無や保有する資産を正確に把握できないので正確に推計することは難しく、一定の仮定を置いて推計を行った結果、大幅に二つ異なる結果が出てしまったということです。この結果は、一定の仮定を置いて推計したので、評価することは大変難しいと考えています。
 このことは、その評価することが難しい数字はおいておいてといいますか、今後、とにかく、必要とする人にはしっかりと保護を実施するという生活保護の基本的な考え方でしっかりと対応していきたいというふうに考えています。
#333
○又市征治君 数字をおっしゃいませんでしたけれども、簡単に言うと、平成十九年の国民生活基礎調査を基に低所得世帯数に対する被保護世帯数の割合を計算すると、所得のみだと一五・三%、資産を考慮しても三二・一%ということなわけですね。言い換えれば、本来生保を受けられる世帯の一五・三%ないし三二・一%しか生保を受けていないという可能性があるということにも取れるわけですね。
 これは大変な数字で、受給する権利があるにもかかわらず受給できていない世帯数を減らす対策というのは大事だ、そのことは今最後におっしゃったことだと思いますけれども、その施策に言及することなく不正受給のみを取り上げるというのは福祉政策としてはバランスを欠く、こう言わざるを得ません。
 先般の報道によりますと、厚労省は全銀協との間で生活保護申請者及び不正受給の疑いのある者に対して金融機関本店等への一括資産調査に関して協議し、準備を進めているということであります。
 これで問題だと思われるのは、不正受給が疑われる者も調査対象になっている。じゃ、一体全体、不正受給が疑われるというのはどういう場合なのか、これ厚労省はどういう基準を設けておられるのかということが問われるわけですね。
 同時に、調査には本人の同意を必要とするようですけれども、役所から言われたらこれは同意せざるを得ないというのが金を受け取っている側ですから、当然そういうことになりますよね。また、場合によっては口座の有無、残高の確認以上の情報の提供を銀行に求めるようですけれども、これは明らかに行き過ぎになるんじゃないかと、銀行にそんな権限があるのか。人権侵害になりかねないような調査を行ったり、真に生活保護を必要としている国民が資産調査ではねられてしまうような危険性を高めることよりも、私は、保護を真に必要としている、最後におっしゃった、国民に保護を行き渡らせるようなその努力の方が厚労省の任務じゃないのか。
 何か、こんな怪しいことをやって、これ、人権侵害などで訴えられるようなことが起こってくる可能性を持っている、このことをどうなさるのか、この点、お伺いをしておきます。
#334
○国務大臣(小宮山洋子君) 恐らく委員がおっしゃりたい、本当に保護を受ける必要な人が受けられないことにならないようにという、そのことは基本中の基本でございますので、しっかりやりたいと思います。
 ただ、一方で、不正受給があるということは、これだけ生活保護を受ける人も多くなっている中で、やはり国民に信頼される生活保護制度ということからしても問題があるので、そういう意味で、各支店ごとだとなかなか資産の把握ができないので、これは本店に集めてそこで分かるようにするということで、それが人権侵害で訴えられるようなことにはならないようにしっかりと注意をしながらやりたいと思いますが、不正受給の防止ということは一方で知恵を出さなければいけないと。
 ただ、生活に困窮していらっしゃる方々がお困りにならないように、この秋をめどに生活支援戦略を立てて、生活困窮者、社会的孤立者の早期把握ですとか、初期の段階から、待ちの姿勢ではなくて出て行ってやる訪問型の支援なども含めたことをNPOの皆さんや民間の力も得ながらやろうと、そこは総合的にやる中でしっかりと取り組んでいきたいというふうに考えています。
#335
○又市征治君 是非、保護を受けるべき人が落とされることのないように、しっかりとお願いしたいと思います。
 最後に、時間がなくなってきたので、松下大臣、まとめてやりますが、先般、あおぞら銀行の公的資金の返還問題について私も尋ねました。この問題について、公的資金の未返済があるあおぞら銀行が純利益の三一・四%という高い割合を普通株の配当に回すというのは問題だというふうに前回も申し上げた。つまり、そんなに経営状態悪くないんではないのかという私は認識で申し上げたんですが、この度、金融庁は公的資金の事実上の返済期限を十年間延ばして、二〇二二年の六月まで先延ばしするという報道がありました。
 この事実関係どうなっているのか、こういうものが次々出てきた場合にどう対処していくのか、その認識だけ最後にお伺いしておきたいと思います。
#336
○委員長(山本順三君) 時間が来ております。松下金融担当大臣、簡潔にお願いいたします。
#337
○国務大臣(松下忠洋君) 御指摘のことは報道で承知しておりまして、これは事実でございます。
 今後、しっかりと預金保険機構におきまして検討を進めてまいりますし、当庁としても銀行の取組は評価しています。返済原資をしっかりと確保した上で、そして公的資金返済に入っていくということは評価しておりまして、そうこういう事例がたくさんあるわけではございませんが、今後もありましたら、返済のための三原則、これ、預金保険機構でつくっていますので、そこにしっかりのっとってやっていきたいと、こう思っています。
#338
○又市征治君 時間がなくなりましたので、これは改めてまたの機会にお伺いしていきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#339
○委員長(山本順三君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、藤川政人君が委員を辞任され、その補欠として石井浩郎君が選任されました。
    ─────────────
#340
○委員長(山本順三君) 質疑を続けます。舟山康江さん。
#341
○舟山康江君 みどりの風の舟山康江です。よろしくお願いいたします。
 まず一点目ですけれども、確定申告時の赤字会社に対する預金利子の源泉税還付につきまして質問をさせていただきます。
 この件に関しましては、四月十三日の決算委員会において指摘をさせていただきました。すなわち、控除税額がない、つまり赤字会社などで法人税額がない場合の還付に係る事務経費、削減する努力をもっとするべきではないかという質問をさせていただきまして、残念ながら財務大臣御出席いただけなかったので、財務副大臣から御回答をいただきましたけれども、鋭意検討して努力をしていきたいというお話でありました。
 具体的にどのような取組をしているのか、検討しているのか、その点につきまして、財務大臣、総務大臣、お答えいただきたいと思います。
#342
○国務大臣(安住淳君) 御指摘の話は、赤字会社でも利子所得や預貯金の利子に対して源泉税が掛かると、それが戻っていくわけですね。その額が例えば何十円単位であっても還付をすると。これが国で一五で地方が五。これを委員は、大変行政経費からいって無駄じゃないかというたしか御提案だったと思います。
 私どももそういう認識は持っております。ですから、副大臣にも四月十三日に答弁をしていただきましたけれども、少額なお金にもかかわらず国税、地方税が別々に還付されるということで、これを何とか一本化をするなり行政経費の削減をすべきだという提案は、私どもとしても大変そういう意味では説得力のある御指摘だったと思います。
 そこで、先般もお答えしましたが、十九年度の税制改正において、後で総務大臣からお話あると思いますが、均等割を導入して相殺をするということにいたしました。ですから、あれは最低課税額が二万円ですから、そういう意味では、均等割が浸透すればかなりの件数が、これ利用をすれば行政コストの削減にもつながっていくと思うんですが、ちょっと数字は正確じゃないかもしれませんが、大体今五十万ちょっとぐらいの利用で、たしか百三、四十万のうちのそれぐらいですから、これをやっぱりいかに浸透をして、周知をさせていただきながらこの均等割の御利用をしていただくということが非常に重要ではないかというふうに思っております。
 引き続き、そういう点での徴税事務の効率化というものに対しては私どもも積極的に取り組んでいきたいというふうに思います。
 あっ、百三十四万件です、失礼しました。百三十四万件に対して五十六万件ということでございますので、引き続き、広く周知をしていただいて、この均等割をすれば行政経費かなり削減ができるというふうに思っておりますので、そうした努力を続けていきたいと思います。
#343
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 あらかた財務大臣がお答えされたんですが、税金の種類が違いますので、制度的に一本にするというのはなかなかいろいろな議論があるところでありますが、法人県民税においては、いわゆる還付ということ以外に、赤字企業であっても納めていただく均等割というのがあります。そういう意味では、それは払っていただく、こちらは還付するというのは手間でありますから、これは平成十九年、今財務大臣おっしゃいましたように、平成十九年度の改正において、均等割の部分を減らすという手続を取れば、均等割を減らして納めるということで相殺するということができるようになりました。
 ただ、余り、周知徹底がちょっと欠けているんではないかということで、今、数字申し上げましたけれども、全体で還付件数は二十二年度で百三十四万件なんですが、この制度、使われた部分が五十六万件にとどまっているということであります。使っていただければ全額ここの中に収まりますので、還付しなくて減らすだけで済むということでありますが、使っていただいていないということでありますので、呼びかけをしっかりやって使っていただくようにしたいということでありますので、全国の各ブロックで開催されている都道府県税制担当課長会議等の場において各都道府県にこの旨をもう既に要請しておりますし、今後とも機会あるごとに働きかけを強めてまいりたいというふうに思っております。
 以上です。
#344
○舟山康江君 ありがとうございます。
 今お話しいただきましたけれども、この地方税につきまして、充当制度が大体四割ぐらいしか利用されていないということです。これの周知徹底ももちろんですけれども、一つの考え方といたしまして、例えば、今、選択制で充当できるという形になっていますけれども、もう、何というんでしょう、選択の余地なくというか、必ずこういった場合には充当すると。充当し切れないものは当然返さなきゃいけないんですけれども、つまりは、二万円以下の還付の場合には全て充当できるという形にすると、手元で試算いたしましたところ、一億円以上、今までのお話からすると非常に少額かもしれませんけれども、一億円以上のコスト削減になるという試算もございます、百五十円ぐらいの手数料掛かるとして。相当の金額になりますので、やはりこれは選択制ではなく強制適用のような形は考えられないんでしょうか。
#345
○国務大臣(川端達夫君) 考え得ると思いますので、ちょっと検討させていただきたいというふうに思います。
#346
○舟山康江君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 また、国税につきましてはそういった均等割というものがないのでなかなか難しいかと思いますけれども、例えば繰越欠損金という形で何年間か赤字計上できるような制度がありますよね。その期間は例えば国税の還付についても少し、何というんですか、プールしておくということも検討できるのではないかと、まだまだ検討する部分はあるのではないかと思っていますので、より一層の行政コスト、これは、人的にもそうです、お金もそうですし、人的コスト、いろいろまだ削減の余地があると思いますので、是非御検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、高速増殖炉「もんじゅ」について質問をさせていただきます。
 「もんじゅ」につきましては、平成二十三年、昨年の十二月九日にトラブルの続発と通報の遅れに関しまして警告決議を行って、その措置を六月に国会報告をいただいております。
 そして、今日この後、財務大臣から報告があるかと思いますけれども、この報告の中では、一昨年の十一月に情報連絡ルートの複数化を行ったと、また、昨年の一月に作業手順を改善する等の安全管理の強化を実施したとありますけれども、繰り返しになりますけれども、この決議が出ましたのは昨年十二月なんですね。ここの報告の中にあるのは、警告決議が出された以前の対応策が二点書かれておりますけれども、こういう場合には通常は、決議が出た後、何をやったのかということを報告いただくべきではないのかなと思っております。
 昨年十二月以降に何らかの措置が講じられたのかどうか、お答えいただきたいと思います。文部科学大臣でしょうか、お願いします。
#347
○国務大臣(平野博文君) 舟山先生にお答えいたします。
 特に、決算での警告決議に対してどういう対応をしたんだと、こういうことでございますが、一つには、トラブル発生時の迅速な通報体制の確保ということで、平成二十二年の十一月に情報連絡ルートの複数化等による改善措置がとられたと。すなわち、どういうことかといいますと、そこにおる当直長に連絡をして連絡責任者に行くというところですが、担当者は所属課長にもしっかり伝えて複線ルートでしっかりすると。そのことは、一時間半も遅れたじゃないかと、こういう御指摘の下に改善をしてきたところでございます。
 したがって、昨年十二月以降におきましても、安全管理の強化活動の一環として、作業手順の改善や管理職による現場の監視徹底等、措置を講じているというふうに私どもは伺ってございます。
#348
○舟山康江君 そうであれば、この警告決議が出された以降、どんな対応をしたのかということをしっかりと御報告いただくのが筋ではないかと思います。しっかりとそのことも御報告いただきたいと思います。
 それから、続きまして、昨年の十二月十二日、これ、警告決議を出した数日後、三日後なんですけれども、この日に実は制御棒駆動機構が不具合だということになっていたと聞いております。日本原子力研究開発機構はこのトラブルに関する公表を翌月である本年一月二十日に行っております。
 いろいろ調べてみますと、実は原子力研究開発機構はこの不具合、トラブルが生じて直ちに原子力安全・保安院と文部科学省には報告したというようなことであるようでありますけれども、正式に表に公表されたのは一月二十日でありました。そして、しかもこの一月二十日というのは、実は本決算委員会が山本委員長以下で「もんじゅ」を視察した僅か二日後だったんですね。「もんじゅ」視察が一月十八日です。つまり、恐らくそのときには当然こういった事態は分かっていたと思いますし、報告の準備もできていたのではないかと思います。
 トラブル発生から公表に至る経緯、それから公表が翌月となった理由、なぜ情報開示が迅速に行われていなかったのか、また、参議院から正規の手続によって派遣された決算委員会の調査団の視察時に何ら説明がなかったのかについて、まず、これは文部科学大臣でしょうか、お聞きしたいと思います。
#349
○国務大臣(平野博文君) 確かに、先生から時間軸で御指摘されますと、そういうふうになぜ遅いんだと、こういう御指摘受けるかも分かりません。特に駆動機構の不都合というのは、昨年十二月の十二日及び二十日に行われました定期点検の一環での動作不調が確認されたというふうに私も承知をいたしております。
 それぞれ、当日十二日、翌日二十一日に保安検査官には連絡した上で、福井県及び敦賀市のプレスに対しては、原子力機構の事故・トラブル公表要領というのがありまして、これについてはこういうふうにするという手順書に基づいて公表したと。こういうことで、機構が毎週行っているプレスへの説明の際にその問題については御報告を申し上げております。
 しかし、決算で視察されたときに報告ないじゃないかということの指摘に対して、通常のトラブル、不都合と、こういうことでそのときに、この決算委員会での視察に報告をしなかったものというふうに私は理解をしております。
#350
○舟山康江君 それは、重要度が低いということで公表しなかったということなんでしょうか。その判断はどなたがされるんでしょう。
#351
○国務大臣(平野博文君) 重要度という判断もありますが、トラブルにおける公表区分というのがありまして、公表時期、公表方法というのがあります。トラブルの情報については法令報告、さらには保全品質情報、これについてもございますし、その他の情報トラブルと。その他の情報トラブルという概念の中で判断したものと、原局で、原局というか機構ではそういう判断をしたものと私は理解いたしております。
#352
○舟山康江君 今日は機構の鈴木理事長にも来ていただいておりますけれども、この機構の対応をお聞きしたいと思います。
 このトラブルがあったときに、どのような対応を取ったのか、どういう公表をされたのか、お聞きしたいと思います。
#353
○参考人(鈴木篤之君) お答え申し上げます。
 ただいま文科大臣から御答弁いただいた内容と重複いたしますが、まず、昨年の十二月の十二日、これ、制御棒には何種類かございまして、全部で十九本ございます。そのうちの六本は後備炉停止系と呼んでいまして、専ら原子炉を止めるために用意されている制御棒でございます。そのうちの一つが、理由は分からなかったんですが、動かなくなったと。これは点検中でございますので、私どもは、制御棒は非常に重要な機器でございますが、トラブルが生じないとは思っておりませんで、トラブルが生じることを前提に考えなきゃいけないと思っています。したがって、点検することは非常に大事です。点検の過程で、たまたま動かないということが分かりました。
 そこで、これを調べたわけですが、起きた段階で、原因が分からないままなんですが、大臣がお答えくださいましたように、保安検査官あるいは県、市、あるいはその週の、週報といいまして一週間分の「もんじゅ」の状況についてプレスの方々に御説明するんですが、そのときに口頭でそういう事実があったことを御説明申し上げています。
 それで、それにつきましては、実は十四日にもう一度動かしてみたらそれは正常に戻っていたということで、これまだ、なぜ一遍動かなかったのかが分かりませんので、それだけでは不十分なんですが、機能は回復しておりました。その後、更に一号と同じようなことがほかの制御棒でもあるかどうかを確認しなきゃいけませんので、確認中に、二十日に別のもので似たようなことが生じました。したがって、これについてもその週の週報を公表する際に口頭でプレスの方にその説明を申し上げ、また、二十日に起きたのは夜中の十一時ぐらいだったものですから、翌日、保安検査官にも御報告し、県や市の方にも御報告していると、こういう状況でございます。
 よろしいでしょうか。
#354
○舟山康江君 この事例は、私、幾つかの重要な論点を含んでいるのかなと思うんですね。
 今の御説明のように、確かに運転中の事故ではない、判断によってはさほど重要ではない、点検中に見付かったことだから口頭で報告をし、プレスにも口頭で説明をしたということかもしれませんけれども、ただ、きちんと文書でプレスリリースをすべき、公表すべきものとそうでないものをどこがどう判断するのか。一義的にこれは事業者なのか、それとも所管する文科省なのか、若しくは安全性を監視する保安院なのか。この辺の関係が大変不明瞭なのかなと思っています。
 実は、今回この質問をさせていただくのに文科省、経産省、両方にいろいろお聞きしたところ、いや、これはうちではない、いやいや、あっちだということで、相当その所管がよく分からないというような状況がありました。結果的にたまたまこれは大きな話ではなかったかもしれませんけれども、私はこういったものがいろんなところにつながっていくんじゃないかと思います。
 今回の警告決議に対する政府の対応も、情報連絡ルートを複数化する、しっかりとやっていくんだと、情報漏れがないようにきちんと伝達できるようにするという対応を取ったと言われていますけれども、今回のように公表が、結果的にですね、結果的に一か月遅れているということになっています。これは、やはり一般の国民からすると、また情報隠しではないかというように受け取られても仕方がないんじゃないのかなと思っています。
 しかも、先ほど申し上げましたけれども、その公表の二日前には、まさに正式に参議院から派遣されている決算委員会が視察をして、鈴木理事長も自らおいでいただいて御説明をいただきました。そのときに、こういうものがあって、それこそ重要でないにしても、口頭で説明するぐらいは十分できたと思うんです。我々は、まさかそのときにそういう問題を抱えていて、そのたった二日後に公表されて、その後の改善、報告をするような指示を受けていると、保安院が出して、そういったことを受けているということも全然知りませんでした。
 そういった、きちんと情報開示、報告というものを今まで以上にしっかりとやっていただかなければ、まさにこの原子力に対しての国民の不安、不信というのは本当に今高まっておりますので、そこは心してしっかりと対応していただきたいと思いますけれども、安全性を担当する保安院の方でのこの件に対する見解はいかがでしょうか。
#355
○国務大臣(枝野幸男君) まず、公表していなかったというのは私の承知している限りでは違って、口頭であるのがいいのかどうかという、そこの評価はあるかもしれませんが、情報自体は原子力機構が十二月十六日と一月とに、二十二日ですか、それぞれトラブルがあったこと自体は報道機関を含めて公表はされているというふうに承知をしております。
 安全を管理する保安院の見地からは、先ほど来のお話ありますとおり、これは作動試験中の不都合、不具合ということでございまして、このことが安全性を直接的には脅かすものではないということの中で、これ、したがって法令上の報告義務のある事案ではないということであります。であるにもかかわらず、当然保安院にも報告をいただきましたが、まさに作動試験中の一環ということでありますので、様々な不具合について試験を行って、それを安全性を高める上で生かしていくための試験でありますから、その報告が、試験全体の報告が一月二十二日にあったと。
 その試験終了の報告の中で、不都合、不具合があったにもかかわらず原因究明がなされていないということでありましたので、この報告では駄目だということで原因究明と再発防止の対策を指示したと、こういう段取りになっております。
#356
○委員長(山本順三君) 鈴木理事長に申し上げます。
 今ほど舟山委員の方から、我々決算委員会が「もんじゅ」を視察したときにその報告がなかったということについては、非常に重い指摘でありますので、しっかりと受け止めてもらいたいというふうに私の方からも申し上げます。
#357
○舟山康江君 原子力安全・保安院から経緯の報告いただきましたけれども、ずっと説明内容について連絡を受けるという大変受け身の表現なんですね。十二月十六日連絡を受ける、十二月二十二日連絡を受ける、一月六日説明内容について連絡を受ける、非常に受け身だと思います。
 やはり保安院としても積極的に対応をしていくという姿勢が非常に薄いんではないかと思いまして、さっき言いましたように、どこが対応してもいいですけれども、抜け落ちることがないように、しっかりとやはり軽微なものであっても情報開示をすることが信頼回復につながっていくんだということを指摘させていただきたいと思います。
 ちょっと時間がなくなってきましたので、少し飛ばさせていただきます。
 この「もんじゅ」に関しましては、運転をしていないにもかかわらず、非常に維持費、研究開発費、大変大きなお金が掛かっております。高速増殖炉全体でいえば三百億という大変な金額でありまして、光熱費も、光熱費等で年間十八億円、一日に換算すると四百九十三万円という大変な金額が掛かっておりまして、これはやはり今電力不足が叫ばれる中で、大変無駄ではないか。動いていないにもかかわらず、電気代だけを食っているというのは大変無駄ではないかと思いますけれども、これについて、文科大臣、簡単に御答弁いただきたいと思います。
#358
○委員長(山本順三君) 時間が参っておりますので、簡潔に御答弁願います。
#359
○国務大臣(平野博文君) 現実に「もんじゅ」は運転はしておりませんけれども、より安全確保、安全管理、維持管理ということでコストが掛かっていることはもう先生も御案内のとおりだと思います。
 したがいまして、できるだけ、動いていないと、こういう状況でございますので、二十四年度の「もんじゅ」の予算は百七十五億円、そのうち維持管理が百四十億円と、設備等々を含めてそういう予算を計上させていただき、お願いをいたしているところであります。電気代につきましては、維持をしていく上においては十一億八千万円が掛かっておると、こういうことは事実でございます。
#360
○舟山康江君 活断層の存在も指摘されており、また、各国が高速増殖炉から撤退をしているという状況の中で、しっかりとこの在り方そのものも御検討いただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#361
○委員長(山本順三君) 他に御発言もないようですから、本日の審査はこの程度といたします。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#362
○委員長(山本順三君) 速記を起こしてください。
 次に、平成二十一年度決算に関する本院の議決について政府の講じた措置及び平成二十一年度決算審査措置要求決議について政府の講じた措置につきまして、財務大臣から説明を聴取します。安住財務大臣。
#363
○国務大臣(安住淳君) 平成二十一年度決算に関する参議院の議決について講じた措置につきまして御説明申し上げます。
 不適正な公費支出の防止及び是正につきましては、平成二十一年度の決算検査報告を受けまして、直ちに内閣総理大臣及び財務大臣から各大臣に対して適正な会計処理の徹底などについて要請するとともに、各種の会議や研修等を通じて、予算の適正な執行及び指摘事項の周知徹底、再発防止の指導を行うなど、予算執行の適正な処理に努力しているところであります。
 さらに、各府省に設置された予算監視・効率化チームが予算執行の効率化に向けた計画を定めるとともに、その実施状況をチェックし、年度終了後に効率化の実績及び更なる改善方策についての公表を行っているところであります。
 今後とも、これらの措置を講ずることにより、不適正な経理の再発防止に努めるとともに、予算の無駄を排除し、効率的な使用に努めてまいる所存であります。
 次に、東京電力福島第一原子力発電所それ自体につきましては、専門家による緻密な検証作業を経て、原子炉が冷温停止状態に達したことを確認したことから、平成二十三年十二月、東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋のステップ2が完了したことを宣言したところであります。
 また、ステップ2完了後の、廃炉に向けた取組につきましては、平成二十三年十二月に設置された政府・東京電力中長期対策会議におきまして、東京電力株式会社福島第一原子力発電所一号機から四号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップを決定し、これに基づき、政府と東京電力が一体となってその着実な実施に向けて全力で取り組んでいるところであります。
 被害者に対する救済につきましては、東京電力による損害賠償が遅延することなく、迅速かつ適切に支払が進むよう、東京電力に対する原子力損害賠償支援機構を通じた支援等を行っており、今後とも公正で円滑な賠償に最善を尽くしてまいる所存であります。
 原子力施設の安全対策の見直しにつきましては、原子力安全・保安院におきまして、設備面を中心に技術的知見に関する工学的な検証を実施し、今後の原子力安全規制に反映すべきと考えられる事項として三十の対策を取りまとめ、公表したところであります。
 現在、事故調査・検証委員会等で調査、検証が行われておりますが、これに積極的に協力していくとともに、その結果につきましては真摯に受け止め、新たな知見が得られれば、その都度、各原子力発電所の安全対策に反映するなど、原発事故の再発防止に万全を期してまいる所存であります。
 次に、内閣府職員の会計検査における不適切な対応につきましては、内閣府において、平成二十二年十一月に、請負者による耐震計算書の提出の義務付けや、国による耐震計算書の記載内容の確認を仕様書で明確に定めるなど、監督、検査の厳格化を図るとともに、職員に対し会計事務手続の適正化について周知徹底を行ったところであります。
 関係職員に対する処分につきましては、会計検査院との間での本件中央防災無線網設備の耐震強度の評価についての議論の結果を踏まえた上で実施することとしております。
 今後とも内部統制機能を確保し、再発防止に万全を期する所存であります。
 次に、高速増殖原型炉「もんじゅ」におけるトラブルの発生防止につきましては、「もんじゅ」の設置者である独立行政法人日本原子力研究開発機構におきまして、平成二十三年一月に作業手順を改善する等、更なる安全管理の強化活動を実施したところであります。
 トラブル発生時の迅速な通報体制の確保につきましても、平成二十二年十一月に情報連絡ルートの複数化等の更なる改善措置を行ったところであります。
 「もんじゅ」の在り方を含む原子力政策の在り方につきましては、内閣府原子力委員会に設置された新たな原子力政策大綱策定のための会議等で議論が行われているところでありますが、その議論に資するよう、「もんじゅ」に関する情報開示に努めてまいる所存であります。
 次に、バイオマスの利活用に関する施策につきましては、バイオマス活用推進基本計画において基本方針や平成三十二年に国が達成すべき目標などを明確化し、関係府省が連携して取り組んでいるところであります。
 平成二十四年度予算では対象の絞り込みや一部事業の廃止などの重点化や見直しを行うとともに、平成二十四年二月に外部有識者から構成されるバイオマス事業化戦略検討チームを設置し、事業や施設の効率性の改善等の観点から、原料生産から収集・運搬、製造、利用までの各段階における課題の整理と事業化に向けた戦略の検討を進めているところであります。
 今後とも、関係府省が連携し、バイオマス利活用に関する施策の効果的な推進に取り組んでまいる所存であります。
 次に、原子力発電に係るシンポジウム等における不適切な関与につきましては、経済産業省に設置した原子力発電に係るシンポジウム等についての第三者調査委員会の報告書を受けまして、平成二十三年十月に経済産業大臣から事務次官等に対し、再発防止に向けて取り組むよう職務命令を発出するとともに、関係職員を処分したところであります。
 また、再発防止のため、原子力安全・保安院と資源エネルギー庁は、それぞれ行動規範を策定し、その行動規範への助言、広聴・広報の在り方の検討、シンポジウム等の運営に関するチェックを行うため、外部有識者から構成されるアドバイザリーボードを設置するとともに、職員に対する訓示や研修を実施したところであります。
 今後とも、再発防止に努め、国民の信頼回復に万全を期してまいる所存であります。
 以上が、平成二十一年度決算に関する参議院の議決について講じた措置であります。
 政府は、従来から、決算に関する国会の審議議決、会計検査院の指摘等に鑑み、国費の効率的使用、事務事業の運営の適正化、不当経理の発生の防止等について特に留意してまいりましたが、今後とも一層の努力を続けてまいる所存であります。
 次に、平成二十一年度決算審査措置要求決議について講じた措置につきましては、「国家公務員に対する天下り規制に係る実効性の確保について」等七項目に係る措置につきまして、お手元に配付してありますとおり御報告をいたします。
 以上でございます。
#364
○委員長(山本順三君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 なお、平成二十一年度決算審査措置要求決議について講じた措置につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#365
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#366
○委員長(山本順三君) 会計検査の要請に関する件についてお諮りいたします。
 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、会計検査院に対し、お手元に配付のとおり、三菱電機株式会社等による過大請求事案について及び裁判所における会計経理等の状況について会計検査を行い、その結果を本委員会に報告するよう議長を経由して要請いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#367
○委員長(山本順三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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