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2012/03/13 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 予算委員会 第7号
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2012/03/13 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 予算委員会 第7号

#1
第180回国会 予算委員会 第7号
平成二十四年三月十三日(火曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     小西 洋之君     安井美沙子君
     斎藤 嘉隆君     友近 聡朗君
    はた ともこ君     那谷屋正義君
     世耕 弘成君    三原じゅん子君
     宮沢 洋一君     赤石 清美君
     草川 昭三君     白浜 一良君
     山本 博司君     木庭健太郎君
     大門実紀史君     山下 芳生君
     荒井 広幸君     舛添 要一君
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     一川 保夫君     江崎  孝君
     安井美沙子君     田城  郁君
     白浜 一良君     山本 香苗君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井  一君
    理 事
                植松恵美子君
                川上 義博君
                武内 則男君
                徳永 久志君
                有村 治子君
                礒崎 陽輔君
                山本 一太君
                浜田 昌良君
                小野 次郎君
    委 員
                石橋 通宏君
                一川 保夫君
                江崎  孝君
                大塚 耕平君
                金子 洋一君
                田城  郁君
                谷  亮子君
                谷岡 郁子君
                外山  斎君
                友近 聡朗君
                那谷屋正義君
                林 久美子君
                姫井由美子君
                広田  一君
                牧山ひろえ君
                安井美沙子君
                蓮   舫君
                赤石 清美君
                猪口 邦子君
                片山さつき君
                片山虎之助君
                川口 順子君
                佐藤ゆかり君
                末松 信介君
                西田 昌司君
                丸山 和也君
               三原じゅん子君
                山崎  力君
                山田 俊男君
                山谷えり子君
                木庭健太郎君
                白浜 一良君
                竹谷とし子君
                山本 香苗君
                中西 健治君
                山下 芳生君
                吉田 忠智君
                舛添 要一君
   国務大臣
       内閣総理大臣   野田 佳彦君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      岡田 克也君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、地
       域主権推進))  川端 達夫君
       法務大臣     小川 敏夫君
       外務大臣     玄葉光一郎君
       財務大臣     安住  淳君
       文部科学大臣   平野 博文君
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      枝野 幸男君
       国土交通大臣
       国務大臣     前田 武志君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       行政))     細野 豪志君
       防衛大臣     田中 直紀君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 藤村  修君
       国務大臣
       (復興大臣)   平野 達男君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        松原  仁君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        自見庄三郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策、科学技
       術政策))    古川 元久君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」、防災
       、少子化対策、
       男女共同参画)
       )        中川 正春君
   副大臣
       財務副大臣    五十嵐文彦君
       財務副大臣    藤田 幸久君
       文部科学副大臣  奥村 展三君
       農林水産副大臣  筒井 信隆君
   大臣政務官
       財務大臣政務官
       復興大臣政務官  吉田  泉君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    江利川 毅君
       内閣法制局長官  山本 庸幸君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十四年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十四年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成二十四年度一般会計予算、平成二十四年度特別会計予算、平成二十四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。
 一川保夫君の関連質疑を許します。武内則男君。
#3
○武内則男君 おはようございます。
 参議院における予算の審議も二日目を迎えました。昨日の審議を拝見をしておりまして、冒頭ではございますが、経産大臣と環境大臣に少し規制庁設置のことについてお聞きをしたいと思います。
 経産大臣は、三・一一そして福島第一原発の事故以降、官房長官としてその責任ある立場で陣頭指揮を執られてまいりました。今回の規制庁の設置、私はそもそも地方自治体にいましたので、ある意味でいうと、推進をする分野とあるいは規制をする分野が同じ部署に存在をし、そこで物事が完結されていくというのはある意味で非常にいびつで、早く解消するべきだという思いはずっと持っております。
 今回の規制庁の設置について、改めて経産大臣とそして環境大臣の方にその内容についてお伺いをしたいと思います。
#4
○国務大臣(枝野幸男君) 今経済産業大臣を仰せ付かっている立場からは、今回の事故を事前に防げなかった原子力安全・保安院、経済産業省全体について大変な責任を感じているところでございます。
 やはり、その原因、背景として、電力需給に責任を持ちエネルギー政策を所管するという経済産業省資源エネルギー庁と、それから安全規制をする原子力安全・保安院が一つの省の中にあった、一人の大臣の下にあったということは、やはり大きな原因であるというふうに思っておりますし、今現にも仕事をしながら、当然現状ではエネルギー需給よりも原子力安全を優先するということで非常に割り切って仕事をさせていただいておりますが、しかし、だからこそ、ではエネルギー需給のことを優先して考える役所や省庁、大臣がなくていいのかというようなことについては若干疑問を持ちながらも、しかし今、安全規制を最優先してやっているところでございますから、ですから、将来的に原子力安全規制をどういう形にするかという中長期的な姿はともかくとして、一刻も早く経済産業省と原子力規制を切り分けていただくことは、こんなことはあってはいけませんが、まさにいつどこで何が起こるか分からないわけでありますので、できるだけ早く規制を切り離していただくことが原子力安全のための最優先の課題であると思っておりますので、是非よろしくお願い申し上げます。
#5
○国務大臣(細野豪志君) 私の立場からは、今回の事故を受けまして、原子力規制そのものをやはり強化をしなければならないという思いがございます。したがって、これまで法制化されてこなかったシビアアクシデントを法制化したいと考えております。また、高経年化についても、これまではなし崩しで延長されてまいりましたが、これを四十年というところでしっかり定めたいと思っております。そうした取組をしっかりとするというのが今我が国政府が果たすべき役割ではないかと考えております。
 それに加えまして、極めて緊急性の高い課題といたしまして、東京電力の福島第一原発の規制が従来の規制をそのまま引きずった形になっておりまして、これは放置はできません。福島の皆さんの本当の復興を考えれば、あそこに厳しい規制を課していくことは必要不可欠だというふうに思っておりまして、それをできるだけ早くやりたいと思っております。
 そして、二点目といたしまして、防災の地方自治体の活動が今ままならない状況になっております。EPZの範囲をしっかりと変えて、そしてそこについて法律に基づいた防災計画を作るという、そういう体制を早急に整備をしなければならないと思っております。
 そして最後に、危機管理の問題でございます。
 現行体制においてこの危機管理については強化を目指してはおりますが、私はまだ課題があると考えております。新しい原子力規制庁には警察庁であるとか防衛省からも人を出していただくべく準備を進めてまいりました。ほぼ準備が整いました。核セキュリティーなどの課題を考えたときに、私はこれはできるだけ本当に早く、猶予がないテーマだというふうに思っておりますので、危機管理体制を整備をする意味でも是非早期に成立をさせていただきたいと、そう思っております。
 中長期的な課題については、先ほど枝野大臣からも御発言がありましたとおり、様々御提案があったことについては、当然国会事故調というのは重い委員会でもございますので、それについてはしっかりと耳を傾けて、更なるいい組織をつくってまいりたいと、そのように考えております。
#6
○武内則男君 ありがとうございました。
 改めて、早急に分離をし、まずはできることからしっかりとやっていただくということが最も重要だというふうに思っておりますし、しかしながら、国会事故調、あるいは政府事故調、IAEA、それぞれからきちっと出されてまいります。そのことはやっぱり福島第一原発の事故の検証というものはしっかりとやり抜いた上で、その出てきた検証結果については十分尊重して、そのことに対応し得る組織として早急に立てていただきたい、そのことを求めておきたいというふうに思います。
 もう一点、瓦れきの処理でございます。
 昭和五十二年、私、高知の市役所に土木の技術屋で入りました。その当時、宇賀清掃工場という建設に携わりました。こういう清掃工場を建設するに当たっては、地域住民の理解を得ることは当然のことながら、大変厳しい交渉を地元の方たちとして、そして毎日膝を突き合わせて理解を求めて工場を建設をしていきます。今現在、高知市は二百トンのストーカー炉三基を設置をして処理をしています。そして、出てきた焼却灰を最終処分する、あるいは可燃できないごみはそのまま最終処分場で処理をしていくと。その最終処分場の延命措置についても、各自治体大変苦労してやっているのが現状です。
 そうした中で、この瓦れきの処理を地域住民の了解、理解をいただきながらしっかり進めていくためには、私自身は、国家行政とそして政治を総合動員をして、地域住民の理解を得る努力というものもこの国会に求められているというふうに思っています。何よりも地域住民の理解を求めなければなりません。そこには自治体が相当な汗をかかなければならないという状況になっていきます。その辺について、その御認識と環境大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(細野豪志君) 現場でまさに交渉に当たってこられた武内委員の方からお話がございました。
 今回、廃棄物の処理をするに当たりまして、自治体の担当者の皆さんともお話をさせていただく機会がございまして、それぞれの皆さんの御苦労というのは、お話を聞くと改めて本当に大変なものがあったということを感じてまいりました。
 だからこそ、そういったところをお借りをするわけですから、例えば処分場について減価償却する部分については国がしっかりと負担をしていかなければならないと思っております。さらには、最終処分場というのは本当に貴重な、もう虎の子の処分場ですから、そこをお借りをするからには、減った部分はきちっと拡充について国が責任を持ってやっていかなければならないというふうに思っております。
 そうした皆さんの思いを決して無駄にすることなく国がそれに対して対応をするという、そういう役割を改めて果たしていくという決意を述べさせていただきたいと思います。
 国有林についても、有効活用を考えていきたいというふうには思っております。
 ただ、国有林の活用については、八千ベクレルを超えたものについて国が責任を持ってやるという意味で、今全国的にいろんな準備を進めております。一方で、八千ベクレルを下回って、岩手県、宮城県のような通常の処理ができるものについてまで全て国有林ということになってしまいますと、実際の処理が進まないということにもなってしまいます。したがいまして、国有林の有効活用はさせていただきながら、安全性が確認できているものについては、何とか自治体の御理解をいただいて、その御苦労をしっかりと受け止めた中で、最終的に日本全国で処理をするという形を取ってまいりたいと考えております。
#8
○武内則男君 ありがとうございました。
 相当の苦労があろうかと思いますが、是非、私が言うまでもないかも分かりませんが、総務省等ともしっかりと連携をして、基礎自治体の御理解とそして地域住民の御理解を得られる努力を我々も精いっぱいやっていきますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、国家公務員制度改革関連四法案についてお伺いをいたします。
 国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律案が二月の二十九日、この参議院本会議において可決、成立をいたしました。そして、来月からは平均で七・八%の職員の給与が削減を行われます。改めて、職員にとって最も厳しい課題である給与引下げについて、その削減原資を、本来であれば不可能な措置を、東日本大震災という戦後最大規模の災害の下、この原資を復旧復興財源に活用するという職員等関係組合の英断に対して心から敬意を表したいというふうに思います。
 また、しかし現時点で、自民、公明、民主の三党政調会長会談で合意をされました審議入りへの合意形成、そうしたことが合意をされてきているわけですが、いまだに審議が行われていないという状況にあります。
 今回の公務員制度改革は、いわゆる橋本行革まで遡ることができるというふうに思います。具体的には、橋本総理自らが会長として平成九年十二月三日に最終報告がなされた行政改革会議において、公務員の労働基本権の在り方については幅広く専門的な検討を行う重要性があると指摘をしています。同時に、十二年十二月一日に閣議決定をされた行政改革大綱において、平成十三年一月六日、いわゆる橋本行革と言われた時期ですが、を期して行われる中央省庁新体制の発足に鑑み、公務員制度の抜本的改革を行うとされています。そして、以来十数年に及ぶ経過を踏まえ、今日、国家公務員制度改革関連四法案に帰結していることは、政治的そして社会的にも厳然たる事実であるというふうに承知をいたしております。
 そこで、このような経過と現状を踏まえ、国家公務員制度改革関連四法案の国会提出に至るまでの公務員制度に係る経過に関する政府の認識をお伺いをいたします。
#9
○国務大臣(岡田克也君) まず、国家公務員制度をどういうふうにつくるかということは、私は国の基本にかかわることであって極めて重要なテーマであると。こういう問題について、大いに議論は必要でありますが、やはりきちんと結論を出していかなきゃいけない問題であるというふうに考えております。
 委員の御質問にお答えをさせていただきますと、委員も御指摘の平成九年の行政改革会議最終報告のほか、平成十九年十月十九日の行政改革推進本部専門調査会、公務員の労働基本権のあり方についてという報告においても、一定の非現業職員について、協約締結権を新たに付与するとともに第三者機関の勧告制度を廃止するというようなことが明記されているわけでございます。こういった公務員制度については歴代内閣において様々な改革の取組が行われてきており、労働基本権についても協約締結権の付与などについて幅広く議論され、先ほど申し上げたような結論が今まで出されてきているところでございます。
 今回の国家公務員制度改革関連四法案は、これまでの長い取組の一つの集大成として提案しているものでございます。その基になっております国家公務員制度改革基本法におきましても、自律的労使関係制度の措置を含む法制上の措置を同法の施行後三年以内をめどとして講ずるものとされているところでございます。こういった流れの中で、我々四法案を提案させていただいているところでございます。
#10
○武内則男君 この後少しお伺いをしようというところについて担当大臣から触れていただいたんですが、いわゆる公務員制度改革については、自公政権時代から様々な取組が行われてまいりました。民主、自民、公明三党による、そうした中で共同修正を経て、先ほど答弁がありましたように、平成二十年六月に成立した国家公務員制度改革基本法において、労使関係制度の措置を含む法制上の措置を三年以内に講ずるとされてまいりました。そうした中で、その基本法との関係についてお伺いをしたいというふうに思います。
 基本法第十二条についてです。政府原案は、政府は、国家公務員の労働基本権の在り方については、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に示してその理解を得ることが必要不可欠であることを勘案して検討するとされていました。これに対して、政府は、協約締結権を付与する職員の範囲の拡大に伴う便益及び費用を含む全体像を国民に提示をし、その理解の下、国民に開かれた自律的労使関係を措置するものというふうに修正をされたものと承知をしています。
 また、これに係る法案審議において、具体的には二十年六月三日の参議院内閣委員会において、当時の渡辺行革担当大臣は、今回の基本法すなわちプログラム法の核心は、公務員制度に係る制度の課題について明確に期限を定めるところにございます、五年以内を目途に何らかの成果を得るべく検討を行うこととなります、また、法的な措置が必要なことについては三年以内を目途に法制上の措置を講ずることになりますというふうに答えております。さらに、労働基本権については、修正後の条文で、自律的労使関係制度を措置するとしております。この措置には当然、法制上の措置が含まれるものと考えられます。したがって、法の第四条に従い、三年以内を目途に法制上の措置を講ずる、すなわち法案を提出することが政府の責務であるはずです、との政府見解を明らかにしております。
 こうした経過を踏まえ、基本法と国家公務員制度改革四法案の自律的労使関係制度の確立と関係に係る政府の認識を明らかにさせていただきたい。また、同時に、国家公務員制度改革基本法第十二条は、便益及び費用を含む全体像を国民に提示をし、その理解の下にと規定しているところについて、これまでの政府の対応と認識をお伺いをいたします。
#11
○国務大臣(岡田克也君) この四法案の提出に至る過程におきましては、基本法十二条を踏まえて、国家公務員制度改革推進本部の下に設置された労使関係制度検討委員会における議論なども参考にしつつ検討を重ねたところであります。その上で、自律的労使関係制度構築の目的、制度の概要、便益・費用等を盛り込んだ自律的労使関係制度に関する改革素案を公表し、パブリックコメントを実施しております。その上で、法案に定める主な事項を盛り込んだ国家公務員制度改革基本法等に基づく改革の全体像について国家公務員制度改革推進本部において決定し、公表したところでございます。
 こういった国民に開かれたプロセスを踏んだ上で法案を国会に提出しているところであり、基本法十二条の規定に沿った対応をしているものと考えております。
#12
○武内則男君 私自身は、この間、十二条に基づいて政府としては法案を提出し、様々な取組がされてきたと思います。資料としても、昨年の五月の交渉以降、法案提出以降も、それからそれまでの様々な取組についても資料として付けさせていただいています。そうした十二条に基づく、やっぱり国民に提示をし理解を求めるということは、私は不断にこれからも続けていかなければなりませんが、少なくとも、政府としてしっかりやってきたんだというところについて是非御認識をいただいた上で、そこで今回、行政制度の基盤的性格を有する公務員制度、そして自律的労使関係制度について、今後の行政運営に資するための労使関係の改革の効果に関して、官房長官、政府の見解をお伺いしたいと思います。
#13
○国務大臣(藤村修君) 今回の国家公務員制度改革関連法案による自律的労使関係制度の措置というのは、国家公務員の勤務条件の決定を第三者機関である今日までの人事院による勧告制度に依存する現状を改めて、労使交渉を通じて労使が勤務条件について自律的に決定し得る仕組みに改めるものであります。
 新たな制度の下では、労使双方が当事者意識を高め、真摯に向き合い、限られた資源の中で行政の運営を行う、国家公務員が持てる力を最大限発揮するよう、人事・給与制度の見直しを行うことも可能になると考えております。
 また、給与、勤務時間等の勤務条件についての労使交渉を通じて、公務を取り巻く環境や課題に対する認識を共有することになる。そして、自らの働きぶりに対する国民の理解の下に勤務条件を決定する、決定を下すということでありますので、これは、国民の皆さんの視線を一層意識して職務を遂行するとともに、労使双方が効率的な業務の進め方について考え、更なる改善を図っていくようになると、このように考えております。
 このような自律的労使関係制度の措置は、効率的でより質の高い行政サービスの実現に資する重要な行革であると思っております。
#14
○武内則男君 ありがとうございました。
 本当に、職場における公正なルールを始め、しっかりと公務員が自律的労使関係制度の確立によって働きがいを持って国家、国民のためにしっかり働いていける、やっぱりそういう当たり前のものをつくり上げていくべきだというふうに思っておりますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 次に、総理の方にお伺いをいたしたいというふうに思います。
 これまで担当大臣並びに官房長官と議論をさせていただきました。
 平成二十年の五月に衆議院の内閣委員会で、ここも渡辺行革担当大臣が、費用と便益という言葉は金銭換算できるものではない、限定したものではないと思うというふうに答弁もされております。同時に、森政権の行政改革大綱以来、現在の野田総理で八人目の総理大臣、開かれた国民的議論という観点からの審議会やあるいは研究会等が六つ、そしてILOからの勧告、報告は六回、法案の廃案が三法案という経過を踏まえて、なお改革は達成をされていない。一つの法制度がこれだけの時間と経過の下に変わらない、変えられないという例がほかにはないだろうというふうに思っています。
 平成二十一年二月十四日、当時の麻生内閣の甘利行革担当大臣は毎日新聞のインタビューに、今の公務員制度は制度疲労を起こしている、二十一世紀型に変革しないと日本が世界から取り残される危機感があるというふうに答えています。まさに、我が国の国際競争力の確保とグローバル化への対応は近々の課題であると認識をされていたものと私は理解をいたします。そして、これまでの経過において、特にILOから六回にも及ぶ勧告、報告に対していかに対応するのかという問題が明らかになってきています。
 そこで、改めて、国際機関からの六回に及ぶ勧告、報告に対する総理の認識と、これを実現するという立場からの総理の決意をお伺いをいたします。
#15
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おはようございます。
 武内委員からは、ILO勧告に対する私の認識と国家公務員制度改革関連四法案の成立に向けての決意というお尋ねでございました。
 平成十四年以降、御指摘もございましたけれども、ILOからは六回、日本政府に対する勧告がございました。公務員への労働基本権の付与などの論点について関係者と協議をすることなどを求めているものと認識をしています。
 国家公務員制度改革関連四法案は、ILO勧告も参考にしながら、自公政権下において成立した国家公務員制度改革基本法を踏まえて検討を進め、昨年の六月に国会に提出しているところでございますので、その早期成立に向け最大限の努力を行ってまいりたいと思います。
#16
○武内則男君 総理の御決意を私もしっかりと承りました。
 その上で、総理、著書の中で、「民主の敵」でこう述べられている。民主党が政権を取ったら天下りは根絶です、それとセットで、労働基本権を認めながら定年まで勤められるような公務員制度にしていくことが重要だと思いますというふうに著書の中で述べられておりますが、済みません、改めて御決意をお伺いをいたします。
#17
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 著書でもそういうふうに書いてございますので、その書いてあることを忘れずに今国会に臨んでいきたいというふうに思います。
#18
○武内則男君 ありがとうございました。
 特に、今回七・八%という本当に国家公務員の皆さんには大変な血を流していただきます。それも、東日本大震災という戦後最大規模の災害に対応するために国家公務員の皆さんが御英断をいただいたものだというふうに思っています。我々政治に携わる、今は政治を預かる我々国会議員もどうあるべきなのかということについても各党御議論が進められていっていると思いますので、是非そちらの方も精力的に進めていただけるよう御要請をしておきたいというふうに思います。
 次に、防災・減災対策についてお伺いをいたしたいと思います。
 最初に、このパネルを御覧をいただきたいというふうに思います。(資料提示)パネルの中で表示されていますが、これは中央防災会議で検討対象とした大規模地震の状況、図面でございます。見て分かるように、首都直下型が三十年以内に七〇%、そして東海地震は八八%、東南海・南海に至っては、東南海が七〇、南海地震が六〇%という非常に高い確率で大規模地震が発生をするということが中央防災会議の中で検討をされております。
 東日本大震災発生後の東海・東南海・南海地震に対する政府の検討状況について、防災担当大臣の方から御答弁お願いします。
#19
○国務大臣(中川正春君) 御指摘のように、今回の東日本の大震災、これを契機にしまして日本列島周辺の地下の応力状態というのが非常に変化をしてきているということが専門家によって指摘をされておりまして、それだけにこの南海トラフとそれから首都直下型、あるいは火山活動、これが切迫感を持って迫ってきているということ、これが今基本認識だというふうに思っております。
 それを踏まえて、今回はあらゆる可能性を考慮した最大クラスの巨大な地震、津波を想定をして対策を検討していくということ、それから防災ということについては、東日本の今回の経験、この原点に戻った検証、これをやって、その上でできることから時間を掛けずに防災計画を見直していくという、今そういう体制に入ってきております。
 具体的には、昨年の八月に、理学、工学の専門家から構成されます南海トラフの巨大地震モデル検討会、これを内閣府に設置をしまして、昨年の十二月には、想定の震源域、それから想定津波波源域の設定の考え方などを中間取りまとめとしてやらせていただきました。このときに、これまで前提としていた範囲よりも相当広がっていくというふうな中間報告がなされたということであります。
 さらに、中央防災会議の中での今回のいわゆる専門家による対策ということについては、三月中に、南海トラフの巨大地震による最大クラスの震度分布と、それから津波高の推計結果をまとめて公表していきます。これは、津波についても十メーターメッシュでそれぞれ地域で即に対策が取れるような、そういう形のものになっていくという予定であります。
 それに加えて、中央防災会議の防災対策推進検討会議の下に南海トラフの巨大地震対策の検討ワーキンググループを設置をいたしまして、これでトータルな防災計画を見直していくということになっておりまして、これが夏には一つの方策として発表できる段取りに今なってきております。経済被害の推計なども踏まえて具体の対策の検討を進めまして、その夏の中間報告から冬にかけて最終的な南海トラフの巨大地震対策を取りまとめていって全体像にしていきたいというふうな工程で今やっております。
 以上です。
#20
○武内則男君 ありがとうございました。
 この大規模地震の図面を見ていただいても分かるように、東海、東南海、南海トラフと東海地震、非常に広範囲に災害が発生をするという、今これに日向灘や土佐湾沖を含めて五連動までが言われるようになってきています。
 こうした中で、東日本大震災を受けて、五月の九日に高知市の方で、実は、東日本大震災から学ぶという、現地に視察にも行きボランティアで参加をした元高知県議会議員の高野光二郎さんを始め中谷衆議院議員や我々、行政と政治が一緒になってシンポジウムも開催をしてきました。四百人ぐらいの県民がお集まりをいただきましたが、ある意味、本当に住民の、地震、津波、そしていかにして人の命を守っていくのか、いかにして自分の命を守るのか、そういう行政の役割あるいは個人が持つ様々な啓発を含めて、自分自身の心構え、いろんなことのやっぱり考え方が多く、関心が高まってきています。
 三月中に公表して八月には取りまとめて出されるということですが、できるだけ早く、それを基にいろいろと自治体は計画を立ててまいりますので、早い公表をお願いをしたいというふうに思います。
 そこで、港湾における防災対策の交通審議会港湾分科会防災部会中間取りまとめというのが昨年の七月に出されています。この津波対策におけるその後の公表以降の検討状況について、国土交通大臣にお伺いをいたします。
#21
○国務大臣(前田武志君) 御指摘のとおりに、昨年の七月にこの港湾分科会防災部会で中間取りまとめが出されました。
 委員が一番熱心に取り組んでおられるように、港湾というのは、輸出入貨物の流通の窓口であったり、あるいは物資の流通、さらにはそこに倉庫群等があって、サプライチェーンの拠点でもあります。さらには、エネルギーであったり発電所であったりセメント工場であったり、そういう産業の基地でもありますし、その奥の方には高知のように大きな拠点都市が広がっているという、いずれにしろ、この港湾というのは日本の経済、社会、都市、その一番拠点になっているわけでございますから、ここが万一のことがあるととんでもないことになります。
 昨年の被災地の十三港湾においては、地方整備局と関係自治体が連携協力して、港湾における諸施設の具体的な復旧方針や津波対策などを盛り込んだ産業・物流復興プラン、申し上げたような機能を持っているものですから、産業・物流復興プランを八月に策定をいたしました。そして、現在、当該プランに基づいて被災地の港湾の復旧復興作業、これを着実に進めております。復旧においてはもう概成に近づいているかなと、こう思います。
 さらに、最大クラスの津波も視野に入れて、全国の地方整備局に設置された地震・津波対策検討会において、各地域の港湾の特性に応じた避難対策、防護方針の検討も進めております。要するに、ハード、ソフト両面において対応をしていく。それから、委員御指摘のように、首都直下型の地震が来た場合にどういうようなことになるか、あるいは東海、南海、これ連動とも言われているわけでございますから、そういったときにおける状況なんかもある程度推定して、どういう対応を取るかというようなことの検討も始めております。
#22
○武内則男君 ありがとうございました。
 次に、二十四年度の予算編成に当たって、港湾局及び水管理・国土保全局の白パンに大規模災害津波対策検討調査という記載がされました。海岸省庁で実施をする大規模地震・津波対策等、検討調査の概要についてお伺いをいたします。
#23
○国務大臣(前田武志君) 沿岸部の津波による被害に対処するため、平成二十四年度予算案において、委員御指摘のように、農林水産省と共同で大規模地震・津波対策検討調査を実施することといたしております。
 この本調査の中で、湾口部の津波防波堤や湾内の護岸などの海岸保全施設の整備について、湾域の地形条件等に応じて全国の代表的な海岸を抽出し、これらの海岸における効率的、効果的な津波対策の検討を実施してまいります。
#24
○武内則男君 それでは、少し先ほどの地図を見ていただきますと、例えば静岡や三重・和歌山南紀を始め、徳島そして高知、宮崎、大分といった、そういう太平洋側に面した様々な港湾等で大変な被害が想定をされるということが、その被害に対してどう対応していくのかということが今後大きな課題になってまいります。
 大変申し訳ありません、高知県選出なものですから、少し高知の状況を取り上げさせていただきながら、海岸部における対策を少しお伺いをしたいというふうに思います。
 図面で見ていただきましたように、見ていただけたらお分かりになるんですが、これは高知県における浦戸湾、東海・東南海・南海地震が発生をしたときに、高知県高知市が最も死者数が多く、そして浸水区域が広範に及ぶということが既に想定をされています。こうした浦戸湾の湾の周囲をいわゆる全て堤防だとか護岸で防護するというよりも、この入口のところに赤く印をさせていただきましたが、いわゆる開口部を防護した方が効率的な湾に対する津波対策が実施をされるんだろうというふうに思っています。既に和歌山県の下津港で津波防波堤を建設中でございますし、来年度は海岸省庁で大規模地震・津波対策検討調査を実施をするというふうに承知をいたしております。
 現在、技術的な様々な検討というのは、右側に載せさせていただきましたように、いわゆるフラップゲート式防波堤、通常は止めていたものを地震と同時にそのフックを外して自然的に起き上がるという方法を始め、直立浮上式という、地震と同時にエアを送り込むことによって海底部から上がってくる。これは相当、先行工事含めて大変な大工事にいずれにしても両方なるわけですが、こうした対策をすることが私はこの湾内における災害や様々なことを防災、減災することができる最も効果的な方法だというふうに思いますが、このような津波対策の今後の検討状況について大臣の御見解をお伺いします。
#25
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
 今までも、開口部の海水の流入を減少させるというようなことで、湾口防波堤というのと防潮堤というのを組み合わせてやっているケースは幾つかあるようでございます。委員の御指摘はそれを全部閉めちゃえというようなことだろうと思います。
 一つの考え方で、効果が発揮できればこれは随分いいんだろうと思うんですが、ただ、まだちょっと実績がないものですから検討をしていかにゃいかぬということで、大規模地震・津波対策検討調査会において地形条件等に応じた津波対策を検討していくこととしておりまして、この調査結果を踏まえて、より効率的、効果的な、今和歌山のケースも御指摘されましたね、その検討結果を踏まえて対処をしてまいりたいと、こう思っております。
#26
○武内則男君 本当に津波によって、今回一平米当たり百トンと言われる荷重が人や建物を襲ったというふうに言われて、私承知をしています。一つあの大型のテトラポッドが八十トンです。あれを勝るものが飛んでくるという大変な津波が発生をしたのが今回の東日本大震災です。
 そうした中で、今回、こういう入口のところでしっかり防ぐことをなぜ私が提言するかというと、実は資料の一を見ていただいたら分かりますが、右下の方に、いわゆる県内の石油製品の九割を扱うタナスカ製油所というところがこの湾内にございます。震災後、資料二、三、四で示させていただきましたが、東北を中心とした各製油所や基地となるところが使用不可能になったり機能停止を起こしたり、様々な事態が発生をいたしました。そうしたことに対してしっかり減災をしていく、防災をしていくということは、ある意味今後の復旧に大きな役割を果たしていくんだろうというふうに思います。
 事が起こってからお金を使うということはよく行政はやるんですが、その前にしっかり投資をしていって、その効果をきちっと検証しながら事前に投資をしていくということになかなかやっぱり行政というのは踏み込むのが大変厳しいです。しかし、そうしないと駄目だということを私は東日本大震災が教えてくれたというふうに思っています。
 ですから、是非こうした、いわゆる石油基地等を抱える、エネルギー拠点を持つ、そうしたところに対する防災対策について、検討状況について、国土交通大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。
#27
○国務大臣(前田武志君) 委員御指摘のとおりでございます。特にこの太平洋岸、浦戸、四国も含めて、戦後の経済成長の拠点になったところは、こういう石油基地であったり電力であったり、随分あるわけでございます。
 製油所、火力発電所等の地震・津波対策については原則として事業者が所要の措置を講ずることとなっており、海岸保全施設等、背後地域を一体的に防護することが効果的な場合には、関係者と協議の上、海岸管理者等が海岸保全施設を整備しているわけでございます。
 しかし、まさしく委員御指摘のとおり、この震災の体験を踏まえて、やはりもっと全体をしっかり防御するというそういう制度を導入しなければならないなというふうに思っておりまして、これは経産大臣等とも、また総務大臣等とも相談の上、こういう基本的な対策というのを考えてまいりたいと、こう思います。
#28
○武内則男君 ありがとうございました。
 次に、パネルを替えさせていただきましたが、湾岸部における対策についてお伺いをいたします。
 パネル三の資料を見ていただきたいんですが、実は東海・東南海・南海地震対策、先ほどの地震の予測図面で示されたのと同時に、この図面の上にありますように、こういう湾岸部はほとんどミッシングリンクの状態になっているという、とにかく和歌山や徳島、高知始め多くのところで海岸部はミッシングリンクになっている。同時に、高規格道路整備により期待される効果として、左の上の方に国道五十五号線を書かせていただいていますが、これらは全部もう使用不可能に津波になったらなっていきます。
 そうした中で、やっぱり人の命を守り、そして救急との連携、そしてこのミッシングリンクを解消していく上での、これまでのような経済効果だけではなくて、河北新報の記事を掲載させていただきましたが、盛土、盛土が全ていいとは私思いません。非常に地震に対して切土とは相当強度が違ってまいりますので、この強度を確保するためにはいろんな工法、コストも掛かります。しかし、そのことによって大きな減災効果を現したり、あるいは右の図面でも見れるように、高速道路に逃げることによって自分の命が救われたという例もございます。
 改めて、地震発生時の迅速な救援活動を行う救急輸送路が分断されないためにも早期の整備が必要でありますし、可能な場所は高規格道路を避難場所に指定をしていくということも、そういう付加価値というものをしっかり付けていくべきだというふうに思っておりますが、高規格道路の整備について大臣の御見解をお伺いします。
#29
○国務大臣(前田武志君) 委員が御指摘のように、東日本大震災において例えば仙台平野の大津波を、仙台東道路といいましたかね、あれが結果的に防潮堤に、津波堤になったということやら、あるいは釜石において三陸道路が避難場所になっただとか、それから十二号、紀伊半島の大水害のときにも高規格の道路が実は救援道路になったりということで、大きな実証的な結果が出ております。ということで、ミッシングリンクについては高規格道路の整備というのを防災という観点からも積極的に進める必要があると、こう思っております。
#30
○武内則男君 ありがとうございました。
 是非我々も、とにかく今は本当に東日本の震災からの復旧復興に我々も全力で、よく環境大臣がお言葉を出しますが、寄り添って、被災地に、しっかりと我々も頑張っていかなければならないというふうに思っています。
 そうした震災で、いわゆる発生直後の道路だとか港湾、私、東北自動車道も自分で運転して走ってきました。航路の啓開等の救援、復旧に東北地方整備局はもちろん全国の整備局が応援に駆け付けました。改めて、そういう整備局の果たした役割は大きいし、これからも東海、東南海を含めて大変重要になってくると思いますが、最後、国土交通大臣の御決意をお伺いをしたいと思います。
#31
○国務大臣(前田武志君) 地方整備局は現実に、こういう道路であれ河川であれ、海岸、港湾を含めまして実際に直轄事業等をやっておりますから、そういう現場力を持っているわけですね。その現場力と、またいろんな分野の専門をやっておりますから、その統合力というのがあります。
 さらには、それを統合して、東北震災のときに東北地方整備局が直ちに対応して、一日中に大幹線を開いて、そして四、五日中に横断する海岸に至る道路を開き、言わばくしの歯作戦というのを成功させたような、そういう即応力といいますか、そういうものを持っております。被害があったときには直ちにリエゾンという専門家を自治体の中に、県庁であったり市役所に送り込む。そして、どういう対応をしたらいいかという作戦を立てて、そしてテックフォースという全国から各分野の専門家をよりすぐったチームを投入して、そして進めていく。そういう即応力がございます。
 この現場力、統合力、即応力というものがそういう大災害のときの大きな救援、復旧復興の力になると思いますので、これはしっかり強めていかないかぬと、こう思っております。
#32
○武内則男君 終わります。
 ありがとうございました。
#33
○委員長(石井一君) 以上で一川保夫君、武内則男君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、那谷屋正義君の質疑を行います。那谷屋正義君。
#34
○那谷屋正義君 おはようございます。民主党の那谷屋正義でございます。
 質問に先立ちまして、冒頭、被災一周年ということの中で、私の方からもこの間亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、そして、今でも不自由な生活を余儀なくされている皆さんに心からお見舞いを申し上げておきたいと思います。
 そして、それだけでなくて、やはり与党の一員として、一刻も早く被災地の復旧復興に向けて全力で取り組んでいくことをお誓い申し上げたいと思います。
 今日は最初に、来年度予算の執行に向けて、どれも大事なことを盛り込んでいるわけでありますけれども、その一部分について各大臣の御決意と、そしてこの機に、やはり切っては切れない社会保障と税の一体改革、これについて触れていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、シベリア等強制抑留者に係る特措法というのがございますけれども、これが二年前の通常国会のまさに最終日に成立をし、そして長い間、もう六十年以上も、何とか自分たちの身の置場を国で面倒見てくれと、責任取ってくれというふうに言われた方々にとって大変画期的な成立であったというふうに思います。
 戦後、シベリア、モンゴルの非常にマイナス二十度、三十度というそういう寒さの厳しい中で、寒さと飢えとそして余りにも過酷な労働、しかしその労働に対する対価が全く支払われなかったという、こうした状況の中で、国会が与野党の枠を超えて、今こそここでしっかりと国がその責任を取るべきだという、いわゆる立法府の良識、良心に基づいてこの法案が成立したものであります。
   〔委員長退席、理事川上義博君着席〕
 この法、この制度の骨格は、一つは、その労働の対価に十分値するかどうかということはともかくとして、特別給付金を支払うということでございます。これは、この三月で受付を締め切るわけでありますけれども、その執行率というのは大変すばらしいものでございまして、約七万人を想定していたところ、既に六万七千人の方々が申請をし、ほぼそこで認定をされ、支給がされているということであります。
 二つ目の柱として大変重要なのは、この法案の中にありました第十三条、基本的方針というところでございます。この基本的方針の中では、いわゆる抑留の実態解明ですとか、あるいは遺骨、遺留品の積極的な収集、そして次世代への継承などがうたわれているわけでございます。
 この基本的な方針にいかに魂を入れるかということが今求められているわけでございますけれども、予算の方も、概算要求では二億六千三百万円という額でありましたけれども、今回のとられた措置が二億六千万円ということで、政府の方でも本当に御理解をいただいたというふうに感謝を申し上げたいと思います。あとはこの予算をいかに有効に使うかということでございます。
 なお、対象となる方々は平均年齢がもう九十歳という高齢でございます。これは当事者の方々が言われておりましたけれども、冥途の土産としてやっと戦友、仲間に報告ができると、このようにして大変喜んでいらっしゃるわけでありますけれども、この方々がいわゆるその御報告というものにいかに確信に満ちたものにできるかということがここで問われているのではないかと思います。
 関係するという意味では、やはり厚労大臣にその御決意をお伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員御指摘のように、戦後、シベリアの極寒の地で強制労働などによって五万五千人もの方がお亡くなりになっています。心から哀悼の誠をささげたいと思います。
 そして、委員御指摘のいわゆるシベリア特措法、これが平成二十二年の六月に成立をいたしまして、この法律の柱の一つであります強制抑留の実態調査等に関する基本的な方針、これを昨年八月に閣議決定をしています。厚生労働省といたしましては、この基本方針に基づいて、戦後七十周年に当たります平成二十七年度に向けて、民間団体などの協力もいただきながら、関係省庁と連携をして、抑留中死亡者の特定のための資料調査、そして抑留中死亡者の御遺骨の帰還、これに積極的に取り組みたいと思っています。
 これも御指摘いただいたように、来年度予算は今年度を大きく上回る予算も計上いたしました。施策を実施するに当たりましては、抑留者の皆様の、本当に今御指摘の御高齢になっている皆様の声をしっかりと反映をし、また有識者の御意見も伺い、民間団体等の協力もいただきながらしっかりと進めていきたいというふうに考えています。
#36
○那谷屋正義君 ありがとうございます。
 民間の知見等もしっかりと利用してというか、そういうふうに御協力を得てということでございますけれども、最も大事なのは当事者の気持ちだろうと思います。先ほど申し上げましたように、九十歳ということで、どこでもいろいろと飛んで歩くということはできないにしても、当事者としてどういう気持ちでいるか、何を求めているのかということについては、是非それを生かして実践していただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
 次に、公立学校の施設整備額というのが、これは特別会計を含めて千二百四十六億円が措置をされています。
 全国の小中学校の施設の耐震化、昨年四月現在では八〇・三%、来年度予算の執行ができればここで九〇%にまで達するということで、相当速いスピードでこの部分については進行、進捗しているということだと思います。そして、二〇一五年までには一〇〇%を目指すという文科省の狙いがあるというふうにも聞いておりまして、是非これを実践していただきたいというふうに思うわけであります。
 ところが、学校施設というのは防災拠点となる公共施設の約四割を占めるわけでありますけれども、その約七割がもう築後二十五年以上を過ぎているということで、いわゆる老朽化が目立つわけであります。そして、その老朽化に加えて、天井材あるいは照明器具、内外の装材など、非構造部材の耐震性という部分についてはおぼつかない状況であることが明らかになってきています。
 お手元にお配りしました資料を御覧ください。テレビを御覧の皆様にはこのパネルを見ていただきたいと思います。(資料提示)
 上の方が、東日本大震災における非構造部、いわゆる体育館の天井が、宮城県栗原市立高清水中学校での様子でありますけれども、このようにして天井板がもうがあんとおっこってしまっています。もしこの下に避難住民がいたらばどれだけ大変なことが起こったかということ。その下は宮城県大崎市立鹿島台中学校の教室の様子でありますけれども、これも照明器具の鉄枠がおっこってきているところでございます。
 実際に栃木県の中学校では体育館の天井材、鉄製の照明具が崩落をして女子生徒が八針を縫うけが、あるいはほか十九人が打撲というような報道もなされました。さらには、東京の九段会館では、崩落した天井材の下敷きになって二人が亡くなった、二十人以上のけがをしたということでございます。
 先ほど武内委員の方からも予想される大地震についてのお話がございましたけれども、首都直下型地震、それから東海・東南海・南海地震への不安というものがここのところますます大きくなってきているわけでありますけれども、資料二の方をお願いいたします、パネル二の方をお願いします。
 まさに大震災その日というものに備えた対策が急務になっているということは当然のことだと思います。震度六以上が想定される地域ということの中で、ここにありますように、首都直下型地震あるいは東海・東南海・南海地震において震度六以上が想定されているということの中で、青い棒グラフ、これは耐震化でございます。つまり外側の建物の話でありまして、さすがにこの部分については全国平均をほぼ上回るところが多くなっているわけでありますが、ここで注目しなければならないのは、非構造部材、全国平均が二九・七%、とりわけここ東京においては、いわゆる耐震化、学校の建物の耐震化については九五%ぐらいになっているわけでありますけれども、非構造部材についてはまだ二九%行くか行かないかという、平均にも届いていない、そういう状況であります。このような状況であっては、いわゆる子供の日々の学習が、その安全が守られるのかということ、それから、いざというときに避難をされてきた地域住民の方々の生命が守られるのかという大変危機的な状況にあるのではないかというふうに思うわけであります。
 この非構造部材の耐震化の速やかな進捗を図るためにも、地方負担の軽減につながる方策等にも是非総理の指導力を発揮していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#37
○国務大臣(平野博文君) 議員の御指摘、パネルを含めていただきました。特に公立学校施設の非構造部材の耐震化に関する御指摘でございます。特に公立学校施設は、子供たちの安全の確保はもとより地域の避難所にもなると、こういう観点で、建物の耐震化とともに、天井材などの非構造部材の耐震化を進めなきゃならないと、こういう認識でございます。
 文科省としては、これまでも必要な予算を確保し、自治体の御要望にはこたえてきたところでございますが、委員御指摘のように、非構造部材の耐震化については、建物の耐震化という観点と相対的な観点から見ますと、遅れているということについては認識をいたしているところでございます。
 非構造部材の耐震化につきましても、平成二十年度からの補助事業と、こういうことで、これ三分の一の補助でやってきたというこういう経過がございます。二十四年度におきましても、自治体の要望については全てやる方向でやっておりますので、委員の指摘を十分踏まえて、これからもよりパーセンテージを上げていかなければ同じことになりますから頑張っていきたいと、かように考えているところでございます。
#38
○理事(川上義博君) 委員御指定の野田総理大臣。
#39
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 那谷屋委員御指摘のとおり、平成二十四年度予算が成立をした暁に執行させていただければ、公立の小中学校の耐震化は九〇%まで行くんです。ただし、今御指摘のとおり、天井から何か落ちてきたらこれは危ないわけで、子供たちの安全のために、あるいは避難所として活用するためにもその安全を確保するためには、今文科大臣が発言をされた非構造部材の耐震化も進めなければなりません。
 地方の要望については、二十三年度の三次補正と二十四年度予算でこれ満額回答しています。予算措置していますが、引き続き、このスピードアップ、加速をするために努力をしていきたいというふうに思います。
#40
○那谷屋正義君 是非、財政が厳しい中ではありますけれども、やはり国民の生命を守るということは大変重要なことでありますので、今の総理の決意をこれからも一緒になって協力していきたいというふうに思っているところであります。
 次に、社会保障と税の一体改革に関して質問をさせていただきたいと思います。
 一体改革の大綱が二月十七日に閣議決定をされたわけでありますけれども、この改革の目的、一体何なのかということについて、なかなかいろんな報道がされる中で国民に十分理解されていない部分が残念ながら多いなということで、党としてもいろいろと車座集会とか工夫をさせていただいているところでありますけれども、それでもなかなか追い付いていかない状況もあるということでありまして、今日はひとつテレビ中継でもございますので、その一部を国民の皆様に御理解をいただけるような、そんな場にできたらというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 ここで重要なのは、いわゆる今の社会保障がやはり制度疲労を起こしているということになっているんだろうと思います。少子高齢化ということの中で社会保障が毎年一兆円ずつ伸び続けてしまっている。そして現役世代に負担が大変偏っている。そこで、民主政権の取組としては、まず無駄遣いを削減しようということでいろいろなことをしてまいりました。事業仕分、特別会計の見直し、独法の見直し等いろいろやってきたわけであります。しかし、十分に取り組めていないというふうに受け止められている部分も実はございます。つまり、あの総選挙のときに全ての総予算の組替えということで国民にお約束したんですが、そこができていないじゃないかと、それをしない中で消費税を上げるというのはどういうことなんだというふうな御指摘もあるわけでありますけれども、そういったところを少し明らかにしていかなければいけないというふうに思います。
 そして、社会保障の給付の面でいうならば、これは高齢者だけでなく若者や低所得者層にも目を向ける、いわゆる世代間公平を目指しているということでありますので、首相が掲げられております分厚い中間層、まさにこれが具体化するものでなければならないというふうに考えているところであります。
 そこで、今の労働者の実態というものについて、委員の皆様方にも資料を配付してございますけれども、パネルの方もお願いいたします。
 パネルにはございませんが、資料一の方を見ますと、雇用者全体のうち、年収二百万円未満の労働者の割合は年々増えているということ、そして一千万人を既に超えている、これが何年も続いているという状況がございます。そして、給与所得者のうち年収二百万円以下の者の推移として、年間を通じて全体の二三%を推移しているということであります。こちらのパネルを見ていただくとお分かりかと思いますが、そのうち、この黄土色の部分が女性、薄い緑の部分が男性ということでございますけれども、女性が大変多い、約男性の三倍ぐらいになっているということでございます。
 お配りした資料の方には、実はこの二百万円未満の収入の人たちというのがどういう方たちかというと、世帯主である方が一八・一%もいらっしゃる、世帯主が二百万円未満であるということ、それから正社員は、正社員の中でも二二%がこの二百万円未満であるということ、あとは、パート、アルバイトということで五一・三%というふうになっておりますけれども、資料にはございませんけれども、このほかにも失業者が百二十万人を超えているということの中で、セーフティーネットの機能が不十分であったということが言えるのではないかというふうに思います。今や、働く人の三人に一人が非正規雇用ということでございます。
 この原因として考えられるのは、教育も含めて時代の変化に制度、政策が追い付いていない、終身雇用制度ということの中で労働者の暮らしの安心を支えてきた企業が産業構造の変化で期待される役割を果たせなくなってきているんではないかということでございます。その中で、いわゆる消費増税。非正規やいわゆるワーキングプアの多くは、苦しい生活の上に増税分のみがいわゆるのしかかってしまうというそういう結果になってしまいます。現役世代が安心できる暮らしの再構築と経済成長との両立ということの中で、まさにこの社会保障と税の一体改革を成功させなければいけない部分だろうというふうに思いますし、その意味を今こそ国民に理解をしていただかなければならない。
 いわゆる分厚い中間層という意味では、日本のいわゆるこの独特というか、特有の職能集団としてのミドルスキルワーカーを再生するということが大事ではないかと。特に、工業デザイン、電気工事、製造、ケア、保育、医療等の手に職を持って技術を提供するこの職能集団の再生に直結する教育方策の具体化が大切ではないかというふうに思います。
   〔理事川上義博君退席、委員長着席〕
 ところが、経営効率一辺倒で廃止されてきたいわゆる夜間主コースというのがございますけれども、それがやはり今どんどんなくなっていっていますから、その再整備をするなど夜間・定時制教育の拡充強化が今は鍵だろうというふうに思います。
 私の事務所に夜間コースの教育に御奮闘されている前橋市立前橋工科大学の先生から報告がございました。二月初旬、本学の夜間主コースである総合デザイン工学科の合格発表がありました。五十二名の受験生のうち三十三名が東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手県の高校生でしたが、合格者は二十八名のうち二十名が岩手県の高校生が占めました。本学科は四十名の定員であり、いかに岩手県からの夜間主に対する需要があるかが分かっていただけると思います。そんな折、岩手県立高校の校長先生でいらした方がここに来て、夜間主コースがあって本当に岩手県の高校生はとても助かっているというふうに伝えられたようであります。その先生は、大学進学率が最下位層にあり、経済的にもさほど恵まれていない岩手県にとって夜間主は本当に重要であり、他県でもそういう需要があるんではないかとも言われました。
 一体改革大綱でうたわれた、手に職を付け就業につなげるための教育・訓練環境整備、教育の質と機会均等を確保するための方策、特に生計が困難でありながら一生懸命頑張っている学生等への支援を強化するということが中間層の復活の最高の切り札であり、これにどう具体的な目標と投資を行っていくか、総理大臣に決意をお聞きしたいと思います。
#41
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 全世代対応型へと転換をする社会保障制度の改革を踏まえ、次世代を担う子供や若者の育成を進めていくために、手に職を付け就業につなげるための教育・訓練環境整備、生計困難でありながら好成績を修めた学生等への支援など、教育の質と機会均等を確保するための方策を強化することは、那谷屋委員御指摘のとおり、分厚い中間層の復活の観点からも極めて重要と考えております。
 このため、政府としては、幼児期の教育から高等教育に至るまでの体系的なキャリア教育や産業界等と連携した専門人材育成など実践的な職業教育の推進、高校授業料の実質無償化に加え、大学生に対する所得連動返済型の無利子奨学金制度の創設など奨学金の充実や、高校、大学における授業料減免への支援など低所得世帯に対する負担軽減、小学校一、二年生の三十五人以下学級の推進など、教育の質の確保に向けた教育環境条件の整備などの取組を推進をしているところでございます。
 今後とも、全ての意思と能力ある子供や若者が安心して教育を受けられる仕組みの構築や、将来の日本を支える人材を育てるための教育の質の向上などに全力で取り組み、そして挑戦を担う人づくりへの投資の強化を図ってまいりたいと思います。
#42
○那谷屋正義君 文科大臣から是非、この前橋工科大学の夜間主コースを始めとする全国の教職員へエールを送っていただけたら有り難いと思いますけれども、よろしくお願いします。
#43
○国務大臣(平野博文君) 今総理の方からも具体的なところまで触れていただきました。
 私、改めて、前橋工科大学を始めとして、全国の夜間主コースで頑張っていただいている、特に、昼間と夜と非常に交代交代をしながら頑張っていただいている教職員の皆様方に本当に心から敬意を表したいと思いますし、特に、我が国の産業基盤を支える技術や専門性を身に付けた人材は、やっぱり社会にとって本当に必要でございます。
 そういう意味では、先ほど委員指摘のように、社会が求めているニーズと人材を送っているところのやっぱりギャップがあるんではないか。そういう意味では、多様化した社会に、しっかりとしたそういう受皿に沿うように夜間でも頑張っていただくと、こういうこと。さらには、財政が非常に厳しい中でも、こういう主コースをつくって頑張ってやっていただいている学校並びに教職員の方々に心から敬意と感謝を申し上げます。ありがとうございます。
#44
○那谷屋正義君 そこで、文科大臣に提案がございますけれども、夜間・定時制教育とか職業教育などというのは、実は文科省の中でも部局がばらばらになっているということで、スキルを育む教育を強力に推進する体制をやはり整えなければいけないのじゃないか、また、年内にも出されると言われる新しい教育振興基本計画でも、中間層の拡大ということについて新しい教育の大きな目標に掲げるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#45
○国務大臣(平野博文君) 分厚い中間層の復活と、こういうことで、文科省の中でもしっかりと、学校段階を通じて確かな学力、キャリア教育や職業教育の充実、中核的専門人材の育成と、こういうことで、今現在、中教審を含めてそういう議論をいただいております。
 特に、中間層を拡大すると、こういうことでは四つの教育行政の方向性を出させていただいております。社会を生き抜く力の養成、未来への飛躍を実現する人材の確保、学びのセーフティーネットの構築、きずなづくりと活力あるコミュニティーの形成と、こういうことで今、中教審の方でもしっかり議論をしていただいておりまして、二十五年度の第二期教育振興計画の中にこの考え方、また、議員の御指摘のところについてもしっかりと中間層が拡大するような指針をその中に込めたいと、こういうふうに思っていますので、よろしく御指導いただきたいと思います。
#46
○那谷屋正義君 大変力強い決意、ありがとうございます。
 人生前半の社会保障と言われるこの教育にもやはり、言ってみれば現物給付という形になるかもしれませんけれども、それを保障するということが今は大変求められているということでございます。
 社会保障といいますと、ともすると、いわゆる高齢者にとっての年金、医療、介護、この三経費にどうしても集約されてしまう傾向がございますけれども、しかし、今の教育、そして現役世代においては、いわゆる、先ほど仕事のない方たちが百二十万人いるということでございますけれども、そうした方にもやはり恩恵が当たらなければいけないというふうに思うわけであります。働く意欲がありながら技能向上の機会、環境に恵まれない方々への支援というものが必要だろうと、このときこそ公的職業訓練機能の充実強化というものが大変重要になってくるのではないかというふうに思うわけであります。
 利潤追求を第一義としない公的職業訓練機能の充実強化ということが求められていると思いますけれども、厚生労働大臣の見解をお願いいたします。
#47
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃいますように、やはり意欲のある人が能力を生かして精いっぱい働くという、これ、全員参加型社会ということで今回の社会保障改革の中の現役世代への政策の柱の一つにしています。
 今言われましたように、介護、子育てといったような福祉ですとか情報通信など、これから必要とされる成長分野を中心に、ここは民間教育訓練機関などを活用した職業訓練を行っていますし、あわせて、今御指摘の物づくり分野などを中心に、独立行政法人ですとか都道府県が設置をした公共職業能力開発施設、ここでの職業訓練に力を入れていきたいと思います。そのことによりまして、皆さんが精いっぱい能力を発揮して働ける、その現役世代への社会保障ということにもなりますし、分厚い中間層を取り戻すということにもこれがつながるということで力を入れていきたいと思っています。
#48
○那谷屋正義君 全世代型の給付を受けられる社会保障ということで、これまでとまた違った形で改革がされていく、あるいはしていくということで、私も微力ながら全力を尽くしていきたいというふうに思いますけれども。
 ちょっと細かな質問になりますけれども、社会保障制度の安定と充実というものについて、済みません、突然ですけれども、総理、どのようにお考えでしょうか。何のためにこれをやるというふうにお考えでしょうか、社会保障制度の安定と充実ということに。
#49
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まずは、いわゆる安定の部分ですと、年金、医療、介護、いわゆるこれまで高齢者三経費と言われてきた部分についても、基礎年金の国庫負担の問題もこの国会でも随分と御議論いただきましたけれども、二分の一と三六・五%の間を、これ、今まではワンショットのお金を何とか都合して充ててきましたが、苦労しているし、社会保障、毎年これは自然増で一兆円という状況です。そこは、既存の制度を維持する上でも、やっぱり安定化をさせていくためにはどうしても安定財源が必要になってくるということと、それからもう一つ、充実の部分においては、先ほど委員が御指摘をいただいているとおり、人口構成が大きく変化をしてきている中でこれは全世代対応型にしていかなければいけないという状況になりました。
 というのは、これは、先ほども委員がお話しになりましたけれども、給付は高齢世代中心、負担は現役世代中心という状況が持続可能なものかどうかということなんです。そうすると、やっぱり現役世代についても、子ども・子育ての問題であるとか教育の問題、就労の問題、お話ございましたけれども、そういうものにもしっかりと光を当てていかなければ社会保障の制度として持続可能性がなくなっていく。だからこそ充実しなければいけない分野が出てくる。
 そういうことで、いずれの問題も、充実の問題も安定の問題も待ったなしの状況に来ているというふうに認識をしているので、そのための今御議論をお願いをしているところでございます。
#50
○那谷屋正義君 ありがとうございます。
 今総理がお答えいただいたこと、私も全く同感でありまして、そのほかにといいますか、別の側面からいえば、社会保障制度が安定をすると、あるいは充実するということは、そのことによって需要と雇用がまた創出されるということがある。そして、そのことによって、安心して暮らすということの中で消費が活性化するということも考えられるんではないかというふうに思います。そうすると、いわゆる内需立脚型へのいわゆる体質改善ができるのではないかというふうな状況がございます。
 それにしても、やはり安定した財源ということの中で今総理が言われる消費税の問題が当然出てくるわけでありまして、この使い道について、今私が質問をさせていただいたように、教育や雇用問題にも配分されるという全世代型に及ぶもの、つまり年金、医療、介護、子育て、教育、雇用を含めた社会保障をいわゆる現物給付中心に整備することが大切ではないかというふうに思いますけれども、総理、もう一度お願いいたします。
#51
○国務大臣(岡田克也君) 今回、消費税五%引上げを含む社会保障・税一体改革であります。このうちの一%は制度の充実に、四%はむしろ現在の制度の維持のために必要だというのが基本的な考え方でございます。
 その中で、今委員の御指摘の点でありますけれども、例えば地域の実情に応じた保育等の量的拡充や幼保一体化などを推進する子ども・子育て新システムの創設、それから若者、女性、高齢者、障害者など働く希望を持っている全ての方に対する就労促進策の強化、手に職を付け就業につなげるための教育・訓練環境整備や、教育の質と機会均等を確保するための方策、特に生計困難でありながら好成績を修めた学生等への支援の強化などにも取り組み、全世代を通じて必要なサービス、支援が適切に行われる社会保障制度を目指したいと考えているところであります。
#52
○那谷屋正義君 社会保障制度の安定と充実ということによって、今のこの日本の中で国民の皆さんが思っている不安、そういったものをまず払拭できるような制度というものをしっかりと説明を果たしていかなければいけないというふうに思いますし、そのためにはやっぱり一定、国民の皆さんでその負担を分かち合うというふうなことなんだろうというふうに私は理解をしているところでありますし、とりわけ年金改革は焦眉の急であります。基礎年金二分の一の国庫負担の安定的な財源措置というのはやはり大切でありますから、この改善には当面全力をやはり傾注すべきだろうというふうに思っております。
 そうはいうものの、やはり日本経済が大変な岐路にあるということの中で、震災復興や雇用改善、物づくり日本の背骨となってきた中小企業対策等も大変重要ではないかというふうに思うわけであります。増税感だけが募ってしまうようなことではやはりいけないということの中で、経済も同時に活性化をしていかなければいけない。この大変難しい選択をここに来て野田内閣は勇気を持ってそこに果敢に取り組もうということなんだろうというふうに思います。
 この社会保障と税の一体改革に向けて、再度、総理の方から、この場をお借りして国民に是非理解をしていただきたいことも含めて御決意をいただけたらと思います。
#53
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の一体改革は、一つは社会保障を安定させ充実させることが待ったなしの状況になっているということ。
 改めて申し上げますけれども、さっき給付の面で高齢者中心で、いわゆる働き盛りの世代が余り恩恵を感じられない今の社会保障制度では駄目であるので、この世代間の公平を図っていくことが持続可能なものにしていくということ。そのためにも、それは負担の面においても、これは全ての世代に負担をして分かち合っていただくという意味において消費税、これも世代間の公平につながるという形の社会保障を支える安定財源を考えているんです。
 これは、さっき申し上げたように、社会保障改革も待ったなしでありますし、人口構成もまさにピラミッド型から逆ピラミッド型へという大きく変化をしている中で、これは早く持続可能な制度をつくらなければいけないという状況もあるということと、これから、あえて申し上げますと、欧州の債務危機等もあるので、きちっと社会保障を支えるけれども財政の規律も考えなければいけないと、そういうあらゆる待ったなしの状況が今来ているということであります。
 一方で、那谷屋委員御指摘のとおり、中小企業対策がそれでおろそかになってはいけないわけでございますので、今回も事業費規模では三十兆円という形の中小企業金融対策をずっと講じてまいりました。そういうこともしっかりと対応していきたいというふうに考えております。
#54
○那谷屋正義君 今お話をいただいたとおりだろうというふうに思いますけれども、いろんなことが同時に報道されますと、どうしても国民は混乱をしてしまう部分が多いのではないかというふうに思っております。
 これは、私も与党にいながら時々自分の中でおやっと思うことがあるんですけれども、例えば五%から八%、一〇%に上げると言っているそばから、いや、最低保障年金を例えば保障するにはもっと必要になってくるというふうなところがぽこっと数字が上がってきたりとか、これはそういうことが事実だとしても、やはりタイミングというのがすごくあるんだろうというふうに思うんですね。
 ですから、昨日、自民党の委員からも御指摘がありましたけれども、この最低保障年金の部分というのは、私はまたもう少し時間をずらして、今の制度が本当に充実、安定したものだということになったならばそれをまた議論していくということが国民には分かりやすい話になってくるんだろうと。今、五%から一〇%に上がる段階の中で更に十何%まで上げなければならないというふうになると、ちょっとこれは国民をやっぱり混乱させてしまうなということになるのではないかという懸念をしております。
 さらに、現物給付というものを今お話ししましたけれども、現物給付をした上で、例えば四十年後とかという話を今ここでするんではなくて、そのときには現物給付が国民に行き渡っているならば、本当に最低保障年金が七万円なのか幾らなのか、幾ら必要なのかということについてはそのときの国民のニーズ、望みというものがあると思いますので、そのときにやはり検討するということも大変重要ではないかと。
 一遍に何かをぼこっと出そうとすると大変でございますけれども、できる部分について皆様方と一緒に頑張っていくことをお誓い申し上げまして、もし最後、感想がありましたら、岡田副総理、よろしくお願いいたします。
#55
○国務大臣(岡田克也君) 是非そういうことも党の中で御議論いただきたいと思います。
 私が申し上げているのは、年金制度について、我々は抜本改革が必要であるというふうに考えております。(発言する者あり)
#56
○委員長(石井一君) 静粛に願います。
#57
○国務大臣(岡田克也君) そのことと、しかし、野党の皆さんは現行の年金制度の改善でやっていけるというふうに考えておられる。だから、そのことを、両案を机の上に並べてしっかりと国民の前で議論し、より良い制度を考えていくべきだというふうに申し上げているところでございます。
 党の中ではいろんな議論があるということは承知しますが、来年度新しい抜本改革の法案を出すということが党の方針であり大綱にも書かれていることでございますので、そういったことも含めて御議論いただければというふうに思っております。
#58
○那谷屋正義君 終わります。
#59
○委員長(石井一君) 以上で那谷屋正義君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次に、友近聡朗君の質疑を行います。友近聡朗君。
#60
○友近聡朗君 民主党の友近聡朗でございます。
 本日は、夢のあるお話、夢をテーマに少し総理とも議論させていただけたらと思っております。
 夢があるから、私は人は強くなれるんだと思います。総理に、これ質問通告していないんですが、大変ぶしつけな質問になるかもしれませんが、是非、総理の夢について語っていただきたいと思うんです。
 実は私、被災地で小学生くらいの女の子と約束したことがありました。お話を聞いていると、どうも御両親と離れ離れになったような印象を受けました。名前も住所も分かりませんけれども、総理大臣の夢というのを聞いてみたいんだというようなことを言われていました。
 その子との約束を果たすためにも、是非この場で総理の夢をテレビを通して被災地の子供たちに送っていただきたいと思います。
#61
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今、友近委員が会ったお子さんのような人たちも含めて、全てが夢が持てるような社会をつくることが私の夢です。この日本に生まれてよかった、福島に生まれてよかった、岩手に生まれてよかった、宮城に生まれてよかったと思っていただけるような環境整備をすることが政治の役割であり、その役割を達成することが私の夢でございます。
#62
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 それでは、議論に入らさせていただきたいと思いますが、夢のテーマ、最初はスポーツについてお伺いしたいと思います。
 今年はオリンピックイヤーでもあります。昨日はマラソンの代表の発表もございました。そして、昨年は、なでしこジャパンの歓喜に日本中が沸きました。先週開催されたなでしこの試合、平均視聴率が二一・七%、瞬間最高が二八%、国会中継もこのぐらい注目されるようにならなければと私も思っておりますが。明日には、明日、三月十四日ですが、国立競技場で男子のサッカーのオリンピックの決定が、引き分けか勝ちで決定いたします。今年の夏にはロンドンから明るいニュースが届くと思います。
 スポーツで大きな夢を持っている子供たちも多いかと思いますが、南アフリカでアパルトヘイトを撤廃へ導いたネルソン・マンデラさんは、スポーツについてこのような発言をされています。スポーツには世界を変える力があります、人々を鼓舞し団結させる力があります、人種の壁を取り除くことにかけては政府もかないません。私は、スポーツの力を信じています。
 昨年六月、全会一致でスポーツ基本法が、スポーツ振興法が五十年ぶりに改正されて、スポーツ基本法が成立しました。この成立を受けての平成二十四年度のスポーツ予算の概要について、文部科学大臣、御説明をお願いいたします。
#63
○国務大臣(平野博文君) 友近議員、本当にスポーツに対して強力に進めていただいている、このことに関して本当に感謝を申し上げます。
 つい先日も私、トレセンに行きましたら、そこで明日サッカーがやられるその練習をやっておりましたので、心ばかしの激励をしてきたところでございます。そういう中にあっての平成二十四年度のスポーツの予算の概要と、こういうことでございます。
 二十四年度スポーツの予算案につきましては、大変厳しい財政の中でありますが、過去最高となる二百三十八億円を計上をさせていただいておるところでございます。
 具体的には、メダル獲得が期待される競技に対する多面的支援や女性アスリートの戦略的サポートということで二十七億円、メダル獲得の潜在力を有するアスリートを育成するシステムの構築ということで五億円、国立競技場の改築に向けた調査費を一億円等々、スポーツに関する施策を総合的、計画的に推進するための必要な経費を計上させていただいているところでございます。
 スポーツは、議員御指摘のように国民に夢と感動をもたらす、社会や経済への活力を与え、さらに国際的な交流や貢献をするものであり、昨年皆さんのおかげで成立をいたしましたスポーツ基本法の趣旨も踏まえ、今後ともスポーツの一層の推進に努めていきたいと考えております。
#64
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 大変厳しい財政状況の中で十億円増えたということでございます。改めまして、総理を始め財務大臣、文部科学大臣に感謝の気持ちを表したいと思います。
 ただ、文化庁の予算は一千億円程度あると認識しております。文武両道を言うのであれば、私は文武平等であるべきだとも思っております。更なる予算の獲得に向けまして、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
#65
○国務大臣(平野博文君) 後ろで財務大臣がどういう顔をしているか分かりませんが、委員御指摘の、やっぱりスポーツというのは夢を与える、これは今まさにこの日本に一番大事な、感動を与えるという大事なことだと思っていますから、私の全力を挙げて頑張っていきたいと、かように考えております。
#66
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 先ほど大臣から御報告がありました、来年度の予算の中に国立競技場の改築に向けた予算が一億円調査費が計上されています。現在の正式名称は国立霞ケ丘競技場でございますけれども、昭和三十三年にできて五十年以上が経過しています。最新の国際規格にも合わなくなってきています。かねてから老朽化が指摘されておりました。二〇〇二年のFIFAワールドカップも基準に満たないということで使用がされませんでした。
 二〇一九年には日本でラグビーのワールドカップも開催されます。そして、スポーツ基本法の中では、国際競技大会の招致、開催のために必要な施策を講ずることが国の役割であるということが明記されています。昨年十二月には二〇二〇年の東京オリンピックを招致しようということで閣議了解もされております。さらには、二〇一九年あるいは二〇二三年にサッカー女子のワールドカップを招致しようというような声も上がってきております。
 これらの招致を実現するためにも国立競技場の改築が急務だと思っておりますが、先週三月六日、国立競技場将来構想有識者会議が開かれておりますが、その内容、報告、決定事項等につきまして、文部科学副大臣、御報告をよろしくお願いいたします。
#67
○副大臣(奥村展三君) 友近議員におかれましては、Jリーガーとして、スポーツの振興に、そしてその経験を生かされて昨年のスポーツ基本法につきましても大変な御尽力をいただきました。この場をお借りいたしまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 ただいま御質問いただきました国立競技場の有識者会議でございますが、三月六日に行われました。十四名の皆様方から構成をされまして、これはスポーツ振興センターの主催で行われました。私も出席をさせていただき御挨拶をさせていただく中で、今、友近議員がおっしゃったように、二〇一九年ワールドラグビーの大会、そして閣議決定もいただきました二〇二〇年の東京オリンピック招致につきまして、半世紀以上たった国立霞ケ丘競技場を何とかして改修をさせていただきたいということで、今お話しのように、この予算にも一億円を計上させていただき御審議を賜っているところでございます。
 そうした中で、その議論の中で三つのワーキングチームができました。建設をするワーキングチームには安藤忠雄先生に設計の経験を生かして一つのチームをつくっていただき、そしてスポーツの分野におきまして、使用する分野におきましてはサッカー協会の小倉会長にそのワーキンググループの責任を持っていただくことにいたしました。そして、今後、競技場全体、文化や音楽やいろんな分野にも使用できる、そういう分野におきましては作曲の都倉先生にその担当をしていただいて進めていただくようになりました。是非積極的に御議論をいただいて、すばらしいものができ上がるように期待もさせていただいているところでございます。
#68
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 国立を改築する上でやはり財源の問題があるかと思います。私は、スポーツ振興くじ、いわゆるtotoというのがありますが、この活用ができないものだろうかと考えております。
 副大臣、totoのスタートから現在までの売上げ状況、あるいは当せん金、スポーツ振興助成諸経費、国庫納付等の御説明をいただきたいと思います。
#69
○副大臣(奥村展三君) お答えをいたします。
 御案内のとおり、これは平成十三年からスタートをいたしました。当初は六百四十三億円売上げがあったわけでございます。私も当初この議員立法にかかわった一人として、いろんなコンサルや金融機関等は、当時は二千億売上げができるというような桁違いのことも予想されておったわけでございますが、実際にスタートしたときは、今申し上げた六百四十三億円でございます。そして、十八年になりましてBIG、つまり六億円くじと言われるものでございますが、これがスタートをいたしました。その関係で一昨年の、二十二年度の数字を見ますと、八百四十八億円実は売上げをしているわけでございます。
 その半分は当せん金でございますから払戻しをするわけですが、その残りの五〇%で運営費、そして国庫納入、そしてスポーツ振興というように進めているわけでございますが、大体、当初進めましたときに運営費が四〇%から五〇%、実はいっておりまして、実際に皆さん方にお返しするその金額も、あるいはまたスポーツの振興に対しても、十六年辺りは一億円しか実はなかったという状況でもございました。ですから、今申し上げた十八年度からBIGがスタートしたわけであります。
 そういうように考えますと、現在二百四十二億のうち百八十一億円をスポーツ振興に、地域のスポーツ、そしてスポーツ団体に使わせていただいております。そして、八十一億円を実は国庫に納付させていただいておるという状況でございます。
 今後、我々といたしましては、振興センターを通じてこの売上げが伸びるようにいろんな知恵を出し合って進めていきたいというように思っているところでございます。ただ、余りにも経費が、運営費がかさんでおりますので、ここを何とか圧縮をしなければ、もっともっと地域のスポーツ振興のために使っていただくお金が増えないということで、今後努力をしていきたいというように思っているところでございます。
#70
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 昨年、スポーツ基本法といういわゆるtotoの法律の上位法ができました。totoの法律はその下に位置付けられております。私は、スポーツ基本法の理念を実現するためにtotoの法律を改正してもいいのではないかと考えております。
 この法律の附則第三項には、「施行後七年を経過した場合においては、この法律の実施状況に照らして、スポーツ振興投票制度の在り方について見直しを行うものとする。」と明記されています。totoも実施から十二年目を迎えました。当初危惧されていた子供たちへの悪影響というような声もほとんど聞こえてまいりません。積極的な方向への見直しをしてもいいのではないかと思います。
 現行、totoの改善として大きく私は二つあると思っております。まずは一つ目ですが、サッカーのオフシーズン、約三か月はくじの販売がされておりません。そして二つ目、くじの対象競技はサッカーとなっており、またその試合もJリーグに限定されています。スポーツ基本法の中では、スポーツをする人、見る人、そして支える人の協働でスポーツを振興していこうというふうになっております。私はJリーグの出身ではありますが、サッカー以外の競技にも広く目を向けていただきたいと思っております。
 この法律が議員立法であるということは承知しておりますけれども、ほかのスポーツへの対象拡大、あるいは海外試合の販売、法律で開催機構を限定するのではなく省令での対応等、スポーツ振興くじの在り方について法律改正の見解を、文部科学大臣、お伺いしたいと思います。結果としてtotoの売上げにつながり、国庫納付にもつながるのではないかと思います。御見解をお願いします。
#71
○国務大臣(平野博文君) 議員御指摘の点の部分については、理解はいたすところでございますが、このtotoの立法の趣旨等々を十分踏まえて検討をしていかなければならないと思います。特に、他のスポーツへの対象拡大、こういうところにつきましては、海外試合の販売とか開催機構の拡大等、こういうところも含めて、しかし、やっぱり利害関係を含めていろんなところに波及する可能性ありますので、委員の御指摘はごもっともだと思っておりますが、そういう点で立法の趣旨を踏まえて検討していきたいと、かように思います。
#72
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 先月、二月にIOCに二〇二〇年のオリンピックの申請ファイルが提出されました。その中で、国立改修につきまして一千億円が見積もられております。今年のスポーツ予算は二百三十八億円です。厳しい財政状況の中、財源を捻出するというのは非常に厳しいことだと思います。例えばtotoの国庫納付金、財務大臣、一定期間時限付きで国庫納付の割合を下げられないか、そういうのを国立競技場の改修に回せないかと私は考えておりますが、御見解をお伺いしたいと思います。
#73
○国務大臣(安住淳君) 日本の財政も非常に厳しいものですから、国立競技場はとてもきれいな競技場ですから、今のものを本当に有効に活用していただきたいとは思いますけれども、将来のオリンピックに目指してのそういう調査費を付けられたということですから、そうした推移を見守りたいと思います。
#74
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 国庫納付の部分をお答えいただきたかったんですが。
 それでは、パネルを見ていただきたいと思います。(資料提示)
 BIG、toto、宝くじ、LOTO6の比較の表でございますが、最近、テレビで赤い覆面をかぶったBIGマンという人が盛んにtotoの宣伝をしているかと思います。このBIGというのは、宝くじに非常によく似た性格の商品であります。発売単価も三百円で同じで、自分で予想を立てるわけではありません。運によって一等が決まります。しかし、一等の金額、売上額、あるいは販売経路、市場規模等が異なって、宝くじとうまくすみ分けがされている状態にあります。
 ここには表示しておりませんが、当せんの確率から見ますと、理論値で、BIGが約四百八十万分の一、宝くじが一千万分の一でございますので、半分、二倍以上の確率で宝くじよりもBIGの方が六億円が当たる確率が高いということが分かる、皆様にも御案内させていただきたいと思います。
 そこでですが、総務大臣にお伺いしたいと思います。
 報道等によりますと、宝くじの根拠法律である当せん金付証票法の一部を改正する法律案が今国会に提出されるというふうにお伺いしています。当せん金額を引き上げて、インターネットの販売も解禁になるとお伺いしています。似た性格を持つ商品が更に同じような商品になるように思います。
 ただ、totoには、一番下の段ですが、十九歳未満の購入禁止がありますが、宝くじにはそれがありません。一方は年齢制限があって青少年への影響を考慮しているのに対し、一方は何もないというのはいかがなものかと思いますが、この点につきまして、政府としての対策等お考えがございましたら、御見解をお伺いしたいと思います。
#75
○国務大臣(川端達夫君) 一番初めのものの、この法律の年齢制限が付いている付いていないの違いの考え方は、BIG自身は自動的に組合せを決めている仕組みにはなっていますけれども、結果は勝ち、負け、引き分けの結果によって決まるというものであります。宝くじは完全にくじ引でありますので、どういう結果にもかかわらずに番号だけで決まるという背景で、未成年あるいは十九歳以下というものと、そういう制限を加えないという背景があることは御理解いただきたいと思うんですが、現実には子供さんが親の了解も得ずに多額のものを買うということはやはり良くないであろうという考えの下に、現在は発売団体において自粛ということで売らないようにということをしておりまして、総務省としてもその方向は基本的に了といたしまして、そういうことをちゃんとした方がいいということを我々としても助言をしております。
 そこで、今法律を出して、衆議院では御可決いただき、今参議院に送っていただきましたけれども、この法律の中でインターネットへの取組が決められております。
 そういう意味で、宝くじの発売団体では、現在、インターネット販売の導入を研究、検討しておられますけれども、この中では未成年者への販売を自粛することにしようということで、インターネット販売の申込みのときに銀行口座等の登録をする必要があります。この登録情報のときに年齢確認を行って未成年者に販売しないようにする仕組みを導入を今予定しておられると聞いております。
 以上です。
#76
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 是非、参議院での審議の中で附帯決議等の対策も必要かと私自身は思っておりますので、御検討をしていただければと思います。
 総理にお伺いしたいと思います。
 総理が度々語られる「三丁目の夕日」の世界があります。戦後の復興の象徴として東京タワーができて、新幹線や高速道路が開通してオリンピックがやってきました。私は、生まれる前の話ですので、実感としてなかなか湧いてきません。今の時代背景や経済情勢は全く異なりますけれども、今年スカイツリーができて、そして四月には新東名高速道路が開通します。そしてまた、今オリンピックを招致しようとしています。もしかしたら、今年が後世の世に東日本大震災からの復興の象徴的な年と、象徴的な出来事と語られるかもしれません。
 そのためにも、先ほどから議論させていただいております国立競技場の改修というのは必須だと思っておりますが、この改築に向けて総理の御決意、あるいは閣議決定をしようというような、国家の意思として国民に夢を与えていこうということを明言していただけないでしょうか。
#77
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 東京オリンピック、幼児体験で覚えています。いまだにアベベとかチャスラフスカとか、記憶に残る人たちがたくさんいます。確かにあれは日本の大きな夢になったと思います。今オリンピックの誘致等を行おうとしておりますが、その際に、国立競技場がかなり老朽化をして、その収容人員であるとか設備などから考えると大規模な国際大会を誘致することは困難になっているというふうにこれは私も承知をしています。
 その上で、国際競技大会の招致などのため、その改築などを行うに当たっては、都市計画や事業手法、資金計画等の諸課題に対応しなければなりません。そうしたことを含めて、ほかの大規模競技場との関係も踏まえて考える必要があるというふうに思いますが、今回、予算では新規に国立競技場の改築に向けた調査費を計上させていただきました。
 こうしたことを踏まえながら判断をしていきたいと思いますが、友近さんのような御提案含めて、先般は石原知事が官邸へ来られましてオリンピック招致に向けての御要請もございました。そういうことも踏まえながら検討させていただきたいというふうに思います。
#78
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 それでは、次の夢のテーマは地域の夢について皆様と議論をさせていただけたらと思います。
 農林水産物の輸出についてお伺いいたします。
 ここには地域の夢が詰まっていると思います。三月三日、香港で開催されました日本美食博覧会を視察された鹿野大臣、今日はいらっしゃっておりませんけれども、輸出一兆円という目標について次のように発言されています。目指しますというだけの机上論ではもう済まされない状況にあると、このように言われています。
 昨年の農林水産物の輸出額は四千五百十三億円で前年に比べて八・三%の減少。原発事故や円高の影響も大きいというふうにも思いますけれども、こういう状況の中で、農水省は輸出一兆円の目標達成時期を二〇一七年から二〇二〇年に変更しています。農水省のホームページを見て私は愕然としました。原発事故にかかわる各国・地域の輸入規制強化への対応、昨日現在、規制措置を完全に解除したのはカナダ、ミャンマー、チリ、そしてメキシコの四か国だけです。いまだ四十を超える国と地域は依然として何らかの形で輸入規制を継続しています。
 人口減少を迎えた日本において、世界市場へ輸出していくということは大変重要なことだと認識しておりますが、輸出促進に懸ける決意を改めてお伺いしたいと思います。
#79
○副大臣(筒井信隆君) 先生のおっしゃるとおりで、先生と同じ気持ちでございます。
 農林水産業と農山漁村の再生、振興に農林水産物の輸出、これは不可欠だというふうに思っております。日本の産品は価格的には強い競争力を持っているとは言えません。しかし、品質の点、安全性、食味の点、この点では世界第一位でございまして、強い国際競争力を持っている、こう思っております。
 ただ、それが、今先生が言われました原発事故によって、特に安全性の面が揺らいでしまいました。この点で、今、各国政府や各国大使館に対する詳しい情報提供を継続的に行って、科学的知見に基づいた冷静な対応をお願いをしている。さらには、今先生も言われました各地域における展示会をこれも多数回開催をいたしまして、各国国民に理解を求めているという状況をやっているところでございます。その結果、今四か国、正式な形では、手続的には四か国でございますが、いろんな動きも出てきております。
 先日、中国に対してでございますが、薫蒸なしの米、それから口蹄疫以来輸出が禁止されておりました粉ミルク、少量ですが、輸出が認められました。その際、放射能適合証明書はなくて、北京空港において放射能検査をすることによってそれが輸出が認められました。これは、中国の北京で今予定をしております五千平米の大規模な常設の展示販売館、ここに向けての輸出品でございました。
 少しずつそういう動きも出てきておりますので、これを更に拡大をして、まさに先生がおっしゃった日本の地域の夢、日本の食品の輸出の大幅な拡大、一兆円目標のなるべく早い達成、これを実現したい、官民一体となって、官民協力して挙げて取り組んでいるという状況だというふうに思っております。
#80
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 実は、輸出へ向けては原発事故の放射能の影響以外にも大きな障壁があります。パネルを見ていただきたいと思います。
 中国での商標登録出願の例でございます。日本の地名や地域ブランドなどを第三者が抜け駆けで出願する事例、いわゆる冒認出願問題であります。
 パネルの左側が日本の商標、右側が盗まれたであろう商標です。上からですが、今治タオル、これ九十度横に倒しただけです。これを申請している中国企業は、実態としてタオルをほとんど生産していません。二段目は青森、これは森という木のところが水になっています。そして一番下の松阪牛、これ三重ですね、大阪の阪という字が上り坂、下り坂になっています。まさかです。本当にこのような事例が全国でたくさん見付かっているんです。
 皆様にお手元の資料を見ていただきたいと思うんですが、地域団体商標のマップの資料があるかと思います。昨年六月までに、全国で四百七十八件の登録がされています。私の地元愛媛でも、真穴みかん、西宇和みかん、菊間瓦、西条の七草、今治タオル、道後温泉、宇和島じゃこ天、戸島ぶりなど八つが登録されています。この全国の四百七十八件の中にも冒認出願の被害に遭っているものがありますし、都道府県や地名が登録されている事例というのもあります。
 先日は、沼津港というのも発覚しました。あるいは有田焼、森伊蔵、そして地名では香川県という地名も申請されていたようですが、これは何とか商標登録が却下されたようです。この登録がもし認められていたら、香川県は本当にうどん県にしないといけなかったかもしれないというような状況もあったかもしれません。決して皆さん笑い事ではありません。
 そして、驚くべき事実として、中国表記の越える光、「越光」、そして「秋田小町」、「一目惚」、これも現地では実は使えません。本家の日本産が中国で漢字の品種表示ができずに、新潟県産とかあるいは宮城県産と表示して販売されています。
 中国でのイベントを開催する際にも権利問題が発生しています。漢字圏の日本は格好の標的になっているというのが現状です。日本企業あるいは地域にとって事業展開の大変な大きな障壁になっていると思います。
 冒認出願問題への対応、あるいは現状認識と今後の対応について、総理の御見解をお伺いしたいと思います。
#81
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のように、中国によるこれは冒認商標出願問題というんですけれども、大変ゆゆしき事態であるというふうに思っております。政府としても、中国政府に対してこの制度と運用の改善を継続して働きかけを実施してきているところであります。最近ですと、昨年十二月に、北神経済産業政務官から中国の商標を担当する国家工商行政管理総局に対して商標についての厳格な審査を要請したところでございます。
 こんなものがまかり通っているとしたら、国家としてのプライドの問題じゃないかというふうに思いますので、プライドないのかと言いたいところでございますが、こうした働きかけの結果、若干ではありますが、日本の地名等について厳格に審査することを約束するなど、若干ではありますけれども姿勢が変わりつつあるところでございまして、引き続き厳しく中国政府に対して厳格な運用を求めてまいりたいというふうに思っているところでございます。
   〔委員長退席、理事川上義博君着席〕
 また、国内的にも、地名などであればすぐ分かりますけれども、日本の商標などについての件は個々の企業に対応を直接的にはしていただかなければなりませんので、中国における登録商標の検索や法的対応に関するマニュアルを作成、提供したり、状況を定期的に調査をすると。あるいはジェトロの北京センターに相談窓口を設置して、商標を冒認されている事業者の皆さんの相談に応じる等の対策を今取っているところでございます。
#82
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 次のパネルを見ていただきたいと思います。
 特許庁が行った調査でありますが、日本の企業にアンケートをした模倣被害調査です。棒グラフの上が二〇〇九年、下が二〇一〇年です。権利別に見た被害の割合は、商標が五七%で、商標の被害率が最も高いということが分かるかと思います。そして、二〇一〇年度、右側のグラフですけれども、海外において模倣被害を受けた国・地域のうち、中国が六八%、次いで台湾、韓国と続きます。
 政府の方では、今、枝野大臣から御報告がありました、こうした商標被害の撲滅に向けて冒認商標出願対策への支援をしているというふうに思いますが、その取組の現状、成果について農水省からも御説明をしていただきたいと思います。
#83
○副大臣(筒井信隆君) 今、経産大臣の方から説明がありましたようなこういう取組を特に中国に強くしているところでございまして、そのために、先生が今出された資料のうち、青森のこの商標は異議申立てが認められまして、今もうこれは中国の方で使用不可能になっています。それから、松阪牛の方は、そもそも日本の働きかけの一つの成果だと思いますが、登録が認められませんでした、中国において。そして、今治のタオルの方は今異議申立て中だというふうに聞いております。
 それ以外にもありますが、これらの働きかけを農水省としても、まさに農林水産物にかかわるものが非常に多いわけでございますから一生懸命取り組んでいるし、これからも取り組んでいく、こういう方針でございます。
#84
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 先ほど枝野大臣がおっしゃられたとおりであると思います。日本としてここは強い姿勢を示していかなければいけないと思っております。今後、日本企業や団体が外国で商標出願をするケースが私は更に増えてくると思っております。
 政府は、これらの事前の対策として大きく二つのことを挙げています。まず一つ目が、中国での早期の商標出願をするということ、先に届出、登録をしなさいということです。そして二つ目が、事業展開を行う商品だけではなくて、分類ごとに出願、登録をしておくことが望ましいというふうなことも言われています。ただ、分類ごとに出願するといっても、四十も五十もたくさんあると言われています。食肉、魚、アルコールあるいは被服、化粧品、履物、日用品など、これは中小企業にとっては非常に負担が大きいかと思います。
 代理人に委任の手続費用なども必要になってくると思いますが、現行の商標の場合、中小企業支援センターを通じた助成が上限が六十万円とお伺いしておりますが、例えば現行の補助の上限を引き上げるなどして事前対策の一層効果が期待される措置を講ずる必要があると思いますが、経産大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#85
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、中小企業の海外展開に当たって、商標権をちゃんと確保するための費用は、弁理士費用や翻訳費用など含めて大変大きいということで、現在まで都道府県等の中小企業支援センターを通じて海外出願に係る手続の一部を補助するという仕組みをやってきております。
 今、一件当たりの上限額の話がございましたが、実は平成二十四年度予算では予算総額を倍増させまして、たくさんの中小企業の皆さん、今後ますます海外展開、特に中国の関係増えていく状況にありますので、総額を倍増するということでお願いをさせていただいているところでございます。
 一件当たりについてということについては、今のところこれを上げるということの方針にはなっておりませんが、御指摘も踏まえて、今後の中国の対応状況を含め、しっかりと状況を注視して、必要に応じて対応を取ってまいりたいと思っております。
#86
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 是非とも個別の助成についても対応の検討をお願いしていただけたらと思います。
 私たちの政権は、農林水産業の六次産業化を進めてまいりました。いわゆる生産、加工、販売までを一貫して行うということであります。六次産業化法の完全施行からちょうど一年がたちました。今、農村部では六次産業への取組が高まっているかと思います。
 そこでですが、この六次産業に取り組む際に、農水省や経産省の支援で是非、先ほど枝野大臣からも少し触れられましたが、弁理士の皆様との連携についても後押しできないかと考えております。知的財産保護を確実にするための施策を盛り込むことで、地域のブランドを育てて、そして輸出を手掛ける際の安心にもつながるというふうに思います。
 弁理士の皆様との連携の在り方や今後の知的財産保護への取組についてお伺いしたいと思います。
#87
○国務大臣(枝野幸男君) 大変貴重な御指摘をいただきました。今、中小企業支援のために、税理士さん、公認会計士さん、弁護士さんなどには様々な形で具体的な御協力をしていただいていますし、弁理士さんにも様々な形でやってはいただいていますが、きちっと更に明確に位置付けて、弁理士さんの力を発揮をしていただくように、今の御提言を踏まえて対応してまいりたいと思います。
 貴重な御提言ありがとうございます。
#88
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 是非前向きに御検討をいただけたらと思います。
 では、農林水産省にもお伺いいたします。
#89
○副大臣(筒井信隆君) 六次産業化はまさに付加価値増大を目指すものでございますから、先生がおっしゃられた弁理士さん等々の協力関係が必要でございまして、六次産業化のプランナーとかサポート人材に既に弁理士さんになっていただいております。まだ少人数でございますが、これを更に増やしていって、弁理士さんの専門的知識をまさに生かしていただいて、先生がおっしゃったようなそういう仕組みを更に拡充していきたいというふうに思っております。
#90
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 テレビを御覧の皆様には弁理士さんというのが少しなじみのない方もいらっしゃるかと思いますが、産業の財産権、いわゆる実用新案や商標、意匠など、この権利化に力を発揮するプロフェッショナル、法律と専門知識に精通したのが弁理士さんということでありますので、是非とも、枝野大臣そして副大臣御答弁いただきましたが、積極的な連携をしていただければと思っております。
 それでは、地域団体商標というのがございますが、今、農林水産省の中で地理的表示の導入というのを検討しているというふうにお伺いしております。その地理的表示の重要性及び検討状況についてお伺いしたいと思いますが、既存の地域団体商標との関係についても簡単に分かりやすく御説明いただけたらと思います。
#91
○副大臣(筒井信隆君) 地理的表示の保護制度は、地域のブランド品の促進のために極めて重要な手段だというふうに考えております。食と農林漁業の再生基本方針・行動計画、これが政府の方針として決定されましたが、その中でもこの地理的表示保護制度の創設、これが明記されているものでございます。
 今それに向けて、法制化を含めて農水省において検討中でございますが、その際、今先生が言われました地域団体商標制度との調整等々の問題がございまして、その商標制度とまた違った形での保護制度の仕組みをつくらなければいけないというふうに考えているところでございまして、なるべく早急にその保護制度を打ち出していきたいというふうに考えております。
#92
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 こうした地理的表示の導入においても、日本の知的財産を是非守るような制度を農林水産省の方でも力を入れて取り組んでいただけたらと思っております。
 それでは、この輸出の関係とTPPのことについて少しお伺いさせていただけたらと思います。
 TPPの検討に当たりまして、国内農林水産物の権利を保護するために国が全面的にバックアップする必要があるというふうに考えております。様々な経済連携に関する協定で商標侵害を防止するための規定等を設けることの必要性があると思いますが、国産農林水産物について知的財産という権利をしっかり結び付ける取組が期待されると思いますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#93
○国務大臣(玄葉光一郎君) 質問ありがとうございます。
 TPPでのこの知的財産の扱いというのは現状どうなっているかということでありますけれども、WTO・TRIPS協定というのがございます。これは、つまり知的所有権の貿易関連の側面に関する協定でありますけれども、これをどの程度上回る水準にするかということで今議論が行われているということであります。
 他方、我が国が主導してきたACTA、偽造品の取引の防止に関する協定、このACTAそのものについて、私が去年十月署名、偶然といいますか、立場上いたしましたけれども、このACTAというのはWTO・TRIPS協定の水準を上回る保護を規定をしているということでありますので、仮に我が国がTPP交渉に参加をして、TPP協定においてACTAと同水準の内容が盛り込まれるということになったとすると、今お触れになられたように、ブルネイとかマレーシアとかベトナムなど、ACTAにまだ参加してない、そういう国々でTPP交渉には参加している、そういったところの知的財産権保護の制度の強化、改善がなされて、我が国企業の有する、農産物も含めてだと思いますけれども、知的財産権の保護が促進をされるというふうに考えています。
#94
○友近聡朗君 今、玄葉大臣の方からACTAの御説明ございましたが、中国はACTAにも参加しておりません、ACTAへの参加を促すことも必要と考えますが、御認識をお伺いします。
   〔理事川上義博君退席、委員長着席〕
#95
○国務大臣(玄葉光一郎君) 先ほどの御指摘、大変重要な指摘であるというふうに認識をしています。
 商標の話も、日中首脳会談、これは知的財産権ということで、あるいは日中外相会談でも取り上げています。また、これから閣僚級の日中の経済のハイレベルの会議がございますし、次官級もございます。今、友近委員が指摘してくれたこの点などを踏まえながら、そういったことに臨んでいかなければならないというふうに思っています。
 これも指摘のとおり、ACTA、中国が参加をしていないということ、これについて働きかけを強めていかなければならないというふうに思っていまして、今参加を呼びかけていっているところでありまして、昨年の日中の知的財産権ワーキンググループの場でも中国にこのACTAについて説明を行いました。これから改めて強く働きかけをしていきたいというふうに考えております。
#96
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 是非とも強く働きかけをしていただきたいと思います。
 今年は日中国交正常化四十周年に当たります。商標の問題等で被害を受けている皆さんの声は、国と国との問題なのだから日本国として解決してもらいたいというような現場の声がございます。改めて経産大臣、外務大臣、農林水産副大臣に、より効果的な解決のための政治レベルでの働きかけも一層行っていただきたいという御決意をお伺いしたいと思います。
#97
○国務大臣(枝野幸男君) 公正な貿易ルール、商業ルールという下で国際間で様々な取引をしていくと。特に、日本にとって中国との特に農産物などの関係、大変これから重要でございます。総力を挙げて中国に対して厳しく迫ってまいりたいというふうに思っております。
#98
○副大臣(筒井信隆君) 先ほどの質問とも関連しますが、あらゆる経済協定の交渉の際に、知的財産権の保護、これをその俎上にのせることは格好の場所だというふうに考えておりまして、それらを今まで農水省としてもやってきているところでございます。
 それから、UPOVという条約がございますが、植物の新品種の保護でございますが、これもそれらの経済協定の中で位置付ける、この努力もやっているところでございます。
 それから、先生も御存じかと思いますが、農林水産知的財産保護コンソーシアム、この団体もつくって、今、さっきの商標登録の問題を含めて、各国の、特に中国の監視体制を強めて、それらの実際に違反があったら直ちに権利者の方に通告をする、これらも制度的に今取り組んでいるところでございまして、引き続いて日本の農林水産物の知的財産権の保護のために必要なことは全てやっていく、こういう決意で取り組んでいきたいと思っています。
#99
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 様々なチャンネルで取組をしていただいていると認識しておりますが、今御案内のありましたコンソーシアムも有効かと思いますが、これも民間委託の事業であります。国家の意思として、是非国の中で解決できるような体制をつくっていただきたいというふうに私は思います。
 総理に今までの議論についてお伺いしたいと思います。
 政府はTPP交渉の参加に向けた関係国との協議に入っているというふうにお伺いしておりますが、農林水産省が一昨年に公表しましたいわゆるTPP試算では、関税を撤廃した場合に農業の生産額は四・一兆円もなくなってしまうという、まさに農業関係者に衝撃を与えました。先ほど、玄葉大臣もお話しされましたが、中国はACTAにも参加しておりません。農林水産物の輸出に関しては非常に、本日取り上げました原発事故の問題、商標被害など、非常にハードルが高いということが明らかになっているかと思います。
 このような現状を踏まえて、総理の御認識、御見解をお伺いしたいと思います。
#100
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 去年ですか、農水省が出した試算というのは、全ての農産品自由化して何もやらなかったときという相当な前提を置いた試算でございますので、今回、TPPのいわゆる関係国との協議に入っておりますが、これは何度も申し上げますが、あくまで国益の観点に立って、国民的な議論を踏まえながら対応していきたいというふうに思います。
 センシティブな品目については、従来から申し上げているように、センシティブな品目に配慮しながら対応していくということでございますので、その基本線を押さえながら関係国との協議を続けていきたいというふうに思います。
#101
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 先ほどの地域団体商標マップ、地域で皆様の県にもいろんなブランド品が育っているというのが御認識できると思います。こういった地域の皆さんの力を、日本国内はもとよりですが、海外の皆様へ展開できるように、是非とも政府として一層の御支援をお願いしたいということを改めて申し添えたいと思います。
 それでは、続きまして、社会資本整備のことについて少し触れさせていただけたらと思います。
 平成二十四年度の予算の中、公共事業の予算の今後の在り方についてでございますが、民主党政権が発足して公共事業関係費の削減が進められてまいりました。いわゆるコンクリートから人へというようなスローガンも出てまいりましたが、政権交代前の平成二十一年の予算、七兆七百一億円と、一般会計の支出の約八%を占めています。そして、主な支出項目である文教予算五兆三千億、防衛予算四兆七千七百億をしのいでおりました。これは政権交代前の数字でございます。
 一方、平成二十四年度の予算は、復興枠を除いた公共事業費の予算が四兆五千七百三十四億円と、一般会計歳出の約五%に相当します。そして、文教予算が五兆四千億、防衛予算が四兆七千億ですので、これを下回る規模まで縮小しております。予算配分を見直すという点については一定の目的を果たしているのではないかと私は考えます。
 先ほどから地震あるいは災害対策の議論がされておりましたけれども、私の地元愛媛でも、東南海、南海、そして東海地震三連動、そして日向灘を含めて四連動の地震が起こるのではないかというようなことが危惧されています。そして、高度成長期に集中的に整備された社会資本の維持管理、これも重要な課題だと思っております。これ以上公共事業関係予算を減少させるということは、国民の安全、安心を確保する観点から非常に国民の不安を招きかねないのではないかというふうに私は思っておりますが、公共事業予算の在り方を見直すべきではないかと思いますが、財務大臣の見解をお伺いいたします。
#102
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおり、七兆だったものを今四兆五千億にしております。公共事業一本ずつをやはり精査をして、必要なものについては、今委員御指摘のようにこれからも予算措置はしていきたいと思っております。
 それで、東日本大震災ありまして、今御指摘ありました緊急を要するような防災対策事業については、与野党の理解を得まして復興会計の方でこれ全国防災事業としても盛り込みますので、そうした点では喫緊の問題についても十分対応していきたいと思っております。地域の中での要望、ニーズというものを十分踏まえながら対応させていただきたいと思います。
#103
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 見直すべきだと私自身は思っておりますので、是非とも来年度の議論の中で公共事業予算の在り方を議論させていただいて、増やしていかなければいけないと思っております。
 それでは、最後に総理の御見解についてお伺いしたいと思います。
 総理は、就任後の所信表明演説の中でこのようにおっしゃられています。「政治とは、相反する利害や価値観を調整しながら、粘り強く現実的な解決策を導き出す営みです。議会制民主主義の要諦は、対話と理解を丁寧に重ねた合意形成にあります。」と述べられております。
 今、税と社会保障の問題、消費税の問題、与野党そして党内でもいろんな議論がございます。今の状況で、どのような手続を経てあるいは党内の合意形成を図るのか。粘り強く、総理がまさにおっしゃられましたとおり、粘り強く解決策を導き出すお考えがあるかどうか、お伺いしたいと思います。
#104
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社会保障と税の一体改革、これは先送りのできないテーマであります。したがって、粘り強く合意形成を図っていかなければいけないと思っております。
 政府・与党内においては、去年一年掛けて成案を合意形成をし、そして一月六日に素案を決定をいたしました。その素案に基づいて大綱を閣議決定をいたしました。この間、相当な時間を掛けて多くの皆さんのかんかんがくがくの議論を経ながら、民主的なプロセスを踏まえながら、私は丁寧な議論を行ってきたというふうに思っております。
 なお、いろんなまだ御意見があるかとは思いますけれども、今度は、次は法案提出に向けての準備でございますが、引き続き丁寧な議論を進めながら成案をまとめていく、法案を提出をしていく、そして与野党の、野党の皆さんとの協議も丁寧にやっていきたいというふうに考えております。
#105
○友近聡朗君 ありがとうございます。
 今日は夢をテーマに幾つか議論をさせていただきました。でも、現実としまして、総理が今おっしゃられた税と社会保障の一体改革の合意形成をしていかなければいけないという現実もございます。国民の生活が第一という私たちの理念を、これからも更にふるさとの皆様にこたえられるように、私も党の一員として全力を尽くしてまいることをお誓い申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。
#106
○委員長(石井一君) 以上で友近聡朗君、民主党・新緑風会の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#107
○委員長(石井一君) 次に、白浜一良君の質疑を行います。白浜一良君。
#108
○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。
 まず、総理にお伺いしたいと思うんですが、一昨日であの大震災から一年がたちました。私どもも、この一年という時の重さをかみしめて、そして被災地への復興支援の決意を固めるために、実は一日前でございますが、十日の日に福島県の郡山市に全国の県代表が集まりまして、そして、いわゆるこの一年の重みを本当に全員でかみしめて、尊い命をなくされた皆様に本当に哀悼の誠をささげて、いまだ被災されている皆様には心よりのお見舞いを申し上げたわけでございます。
 大変お忙しい中、実は福島県の佐藤知事が来ていただきまして、短時間でございましたが御挨拶をいただきました。私も大変心に残っている言葉がございまして、それは、風評被害で大変困っていますということが一つ、もう一つは風化していくことが心配なんです。
 大変深い、重みのある発言を私ども受け止めたわけでございまして、それで、全国の県の代表が集まっていますから、少なくとも、今、瓦れき処理で困っていらっしゃるわけでございますが、全国の都道府県でいわゆる広域処理を力を挙げて支援しようということを全員で決意し合いました。そして、人が足りないということで、全国の自治体からも応援できるものにはもう全面的に応援しようということも決意し合ったわけでございまして。
 と同時に、苦渋の決断でいわゆる県外に出られて、四十六都道府県に避難生活されている方がいらっしゃいます。それぞれ地元では真心の応対をしようということをいわゆる決意し合った会議を行ったわけでございまして、私どもの山口代表も、最後に、被災地の再建なくして日本の再建はないと、そういう呼びかけで会を終えたわけでございますが、役人の書いた原稿じゃなしに率直に、総理、この一年を迎えてどういうふうに思われていますか、また、どういう決意をされていますか。
#109
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御党からいつも被災地の声を踏まえたいつも前向きな御提言をいただいていること、まず感謝申し上げたいと思います。
 おとといがちょうど大震災発災から一年ということで、追悼式もさせていただきましたけれども、この一年というのは、復興という、集中復興期間が五年、復興が完了するのは十年ですが、まだこの一年というのは一里塚だと思います。
 何よりも大事なことは、先ほどの佐藤知事の言葉もございましたが、風化させないことだと思うんです。風化させないということは、今回の経験というものをずっと語り継いでいくことが、これ最大の鎮魂だと思います。そういうことがまずマインドとして、精神としては大事だと思います。
 私どもは政府ですから、やるべきことというのは復旧復興。これまで被災地の皆さんからは遅い、あるいは行き届いていないという御批判がございました。そういうことに真摯に耳を傾けて、御党の御協力も得ながら、野党の皆様の御協力もいただきながら、復興交付金であるとか復興特区であるとかあるいは復興庁といった制度や組織をつくっていただきましたので、そういうものをフル稼働させながら復旧復興に向けての取組を加速をさせていくということであります。
 被災地いろんな事情がございますけれども、この後、具体的に広域処理のお話等々あるかもしれませんが、特に福島については、やっぱり福島の再生なくして日本の再生なしと私も申し上げてまいりました。特に、やはり賠償、除染、それから住民の健康管理、こういうものを柱にしっかりと対応していかなければいけないと考えております。
#110
○白浜一良君 そこでお伺いしたいんですが、この二十四年度の予算案と同時に、八日の日にいわゆる福島特措法が参議院に、本院に回ってまいりまして、その件に関しまして御質問したいわけでございますが、民主、自民、公明の三党で協議をいたしまして、修正可決して参議院に送られてきたわけでございますが。
 確認のために総理の御発言いただきたいんですが、要するに、福島県が健康管理調査、これをやりたいと、こういうふうに決まった場合はこの基金を使ってできますね。
#111
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 三党における協議によって、これ第七章というものが新設をされました。福島の復興、再生に必要な諸施策については国が必要な財政上の措置等を講ずるものとするとなっています。これを十分踏まえて適切に政府は対応していきたいと思いますが、今の御質問の福島が行う健康管理調査については、これは福島県に造成されている福島県民健康管理基金を既に活用して実施をしております。その基金を活用して実施することについては、福島特措法の修正案において明確に位置付けられているものと承知をしております。
#112
○白浜一良君 と同時に、当初から佐藤知事が要望されていた十八歳未満の皆さんの医療費の無料問題、これにも使えますね、これ。
 こういうときに総理が答えなきゃ駄目だよ。メッセージにならないんだよ、あなたが言わないと。
#113
○国務大臣(平野達男君) 福島再生特別措置法の担当を総理から命じられてやっておりますので。
 委員もう既にかねて御承知のように、十八歳以下の医療費の無料化、佐藤知事が熱心に要請してきた事項でございます。このことについては関係閣僚で何回も熟慮を重ねましたけれども、国の施策としてこの医療費を無料化するということは、医療制度の根幹にかかわるということで難しいという結論になりました。それを受けまして、福島県の方では、国と東電からのお金に基づいて創設されましたこの健康管理基金、この健康管理基金を活用して県の施策として十八歳以下の医療費無料化をやるというふうに決めたところであります。国としましては、この動きを見ながら、しっかりフォローアップしてまいりたいというふうに思います。
 いずれにしましても、放射線被曝の低減や健康管理対策等を通じ、引き続き福島の将来を担う子供の健康について最大限の支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
#114
○白浜一良君 総理、一周年を迎えられた発言というのはされている、記者会見もされたと。私がなぜあえて冒頭にこの総理の発言を求めたかというと、それが要するに全国民に響くかどうかなんだ、特に被災された皆様に届くかどうかなんですよ。だから、一番福島県が真剣に地元から訴えている問題は、担当大臣もいいですけれども、そういう心情から言うたらあなたが言うべきじゃないですか。もう一遍言いなさい。
#115
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 福島県が十八歳の医療費無料化に向けて基金を使いたいという御意向があるということは承知をしております。政府は、今回の修正を踏まえた上でどのような支援があるのか、その在り方も含め、基金の状況についてフォローアップをさせていただきたいというふうに思います。
#116
○白浜一良君 だから、そういう役人が書いた文章を読まれても響きませんよ。響きませんよ、福島県の皆さんには。だから、国の制度としてできないけれども意思としては尊重しますと、そう言うべきじゃないですか。なぜそういう簡単な答弁ができないんだ。
#117
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 経緯はもう先ほど担当大臣お話ししたとおりで、国として検討させていただきましたけれども、国がストレートにはできない。
#118
○白浜一良君 分かっているよ、それは。
#119
○内閣総理大臣(野田佳彦君) できない。で、県が強いそういう御意向があって、基金を活用されるということの御意向は十分踏まえてフォローアップをすると申し上げているのであります。
#120
○白浜一良君 もっとやっぱり本当に被災された皆さんが分かりやすいように、今日はテレビで中継しているので絶好の機会なんですよ。そういう意味でちょっと発言を確認させていただいたわけで。
 それで、重ねて経産大臣にお伺いしたいんですけれども、福島県の県民の皆様の心情としても、電源開発の促進税制、それに伴ういわゆる税の配分を福島県はもらっておりましたけれども、二十六億六千万円ですか、当然廃炉を目指していらっしゃるわけで、もう辞退されたと。これは当たり前だと思う。だけれども、県の予算にとりまして、二十六億六千万、大変な額なんですね。
 だから、私、経産大臣、この場で、この電源開発促進税制による財源ではあるけれども、しかし、廃炉を決めていらっしゃる、原発の廃炉を決めていらっしゃるそういう福島県としても、もう多様な形でこれは使ってくださいと、一番そういう県の、県民の皆さん、町の意向も含めて、そういう発言ができませんか。
#121
○国務大臣(枝野幸男君) まず、廃炉、一号機から四号機が仮に廃炉になっても、これは規則改正でできますので、これ立地市町村からは要請、要求来ていますので、申請出ていますので、必要額も予算計上しておりますので、御要望のある市町村に対しては出します。
 それから、県からの御趣旨も、まさに御趣旨としてはまさにごもっともだというふうに思っておりますし、特措法の附帯決議も付けていただいておりますので、どういうやり方をすれば一番いいのかというところはちょっと検討させていただきたいと思いますが、県の要望を踏まえて柔軟な対応をしてまいりたいというふうに思っております。
#122
○白浜一良君 当然、県民の皆さんのやっぱり心情というものもあるわけで、当然そういうものを踏まえた上で、貴重な財源であることに違いないわけで、使いやすいようにそういう示唆される私は責任があると、そういう意味で確認させていただいたわけで、よろしくお願いしたいと思います。
 同時に、先日、復興交付金の第一回の配分、平野大臣、されまして、それで、何回もこの国会で議論されておりますが、私が確認したいことは、この発表されたときに、村井知事が、宮城県の、大変もう感情的になられて、復興庁じゃないと、査定庁だということで、まあ宮城県は五七%しか認可されなかったと、採用されなかったということ、それもあったんでしょう。その後、話をされて、お互いに理解し合ったと、こういうふうに私は聞いております。
 しかし、私は、発表したときに現地の村井知事がそういうふうに受け止めたということが大事だと思う。全然説明されていない。こういう経緯はどうですか。
#123
○国務大臣(平野達男君) 村井知事とは、その後に一番最初にお会いしたときに冒頭私が申し上げたのは、説明不足がございましたねということで申し上げまして、この点についてはコミュニケーション不足ということでおわびを申し上げますということを申し上げました。村井知事も、私が申し上げたかったのはその点でございますということで、そのコミュニケーション不足、これからお互いの努力で解消していきましょうということで合意をいたしました。
 あとは、今回の一連のその交付金の配分の考え方等々について項目項目ごとにお話をしまして、そういった事項についても知事に納得いただいたというふうに思います。
 その中で、やはり重ね重ね確認されたことは、今回、復興庁の職員も慣れないという面もあったと思いますが、丁寧に説明するというところが若干欠けていたということでございまして、この点については、復興庁の職員にも是正するように私の方から昨日も再度指示をしたところであります。
#124
○白浜一良君 私が平野大臣に申し上げたいのは、復興庁、また出先の復興局にしても支所や支局にしても、要するに五省庁の四十事業のそういう紹介役じゃいかぬということです。要するに、その被災地に、そちらに身を寄せて、どうしたらその地元が求める事業ができるかということを、そのアドバイスをしてあげるのが復興庁だと私は思うわけでございまして。
 ですから、私が申し上げたいのは、今回採用されなかった事業も、やっぱり地元から必要だと思って出てきている案なんです。そうしたら、それがどうしたらできるかと、内容面でも。いわゆる内容的に詰めが足らなかったこともあるんでしょう。それはいろいろ理由はあると思います。しかし、必要だからこそ出てきているわけで、そういうことに関しまして、やっぱりこうしたらいわゆる採用できますよと、そういうアドバイスをしてあげる復興庁にならなあかんと違いますか。
#125
○国務大臣(平野達男君) おっしゃるとおりでございます。
 今回の復興交付金は、特に津波、地震等で大きな被害を受けた地域の復興ということを念頭に置いて制度設計されておりますが、現地において被災されたものについてはどういう形かで復旧復興させなければなりません。ですから、その必要な予算は必ず措置いたします。
 今回、なぜこういうことになったかといいますと、この事業費を積むという予算要求をする段階で、被災自治体もマンパワーの不足と、やっぱり非常に職員も疲れているということもありまして、計画自体がやや練れなかった、練れていなかった部分もございます。あるいは、個々の事業で見たときには単価が非常に高かった部分もございます。
 こういったものは、査定と称してばっさり切ったということじゃないんです。これを切ったことによってもう付けないということではないんです。もう一回議論しましょうと、もう一回議論して、その計画がある程度練れたら、そのときは次、第二回。これからまだまだ一兆八千億の予算を用意していますから、その熟度に応じて適宜付けていくと。付けて、要は、計画を自治体と復興庁の職員、それから関係省庁の職員で一体で作っていきましょうという、そういう姿勢で臨むということでございます。
 その点についての十分な説明を若干欠きまして、第一回交付をちょっと急がせたということで、宮城県の方からはそういう苦情が出たというふうに私は承知をしております。
#126
○白浜一良君 だから、今の大臣の答弁でもう理解はできますけれども、採用されなかった事業も、中身の詰めを含めて、単に採用します、採用しませんじゃなしに、中身を詰める作業まで復興庁の尽力をお願いしておきたいと、このように思います。
 それともう一つは、どうしても五省庁四十事業に当てはまらない事業もあろうかと思うんですね。だから、地元からいえば自由に使えられるそういう財源が欲しいというふうになるわけで、それを大臣は、効果促進事業という裁量の範囲があるんだと、こういうふうに表現もされているわけでございますが、そういう四十事業じゃない事業も前向きに必要な事業は予算化するんだと、そういう姿勢も含めて私は取り組んでいただきたいと、このことを要望したいと思います。
#127
○国務大臣(平野達男君) さっきの答弁に補足をさせていただきますと、今回の復興交付金事業、使い勝手が悪い悪い悪いと言われている背景の一つには、例えば学校の耐震化等々の要望がございます。これは、地震、津波で大きな被災を受けた市町村の学校の耐震化は、できるだけ復興と併せてやっていくべきものだというふうに思っていますが、例えば内陸の、家が数軒地震で被災をした、あるいは道路が若干被災した、しかし公共施設については大きな被害がない、しかしこの際だから耐震化をしたいという、そういう要望も出てきています。
 これは、耐震化は重要でございますから耐震化は進めなくちゃなりません。ただ一方で、今日の那谷屋さんの議論にもございましたけれども、関東では首都直下型の地震が予想されている。東南海の三連動もある。こういった地域でも全部学校の耐震化が急務であります。こういう部分についての耐震化については、これは復興交付金という特別交付税を使って市町村の負担をゼロにするような制度ではなくて、これはやはり日本全国で考えて、その優先順位でやるべきだということも言っております。
 それから、先ほど言われた道路とか、道路の希望も非常に多いです。これは、長年希望していたんだけど今まで認められなかったから、今回復興交付金でやっていただきたいと、そういう要望もございました。しかし、優先すべきは、その道路よりもまずは住宅じゃないですか。住宅だと。それから、あと産業再生だと。特に市町村自体もマンパワーが不足していますから、大量のものは事業の予算取ったとしても発注できません。発注するという意味においても、まず産業復興と住宅ということでやった方がよろしいんじゃないですかという意見のすり合わせをやりながらやっているということであります。
 できるだけの被災自治体の要望は受け取っていきたいというふうに思いますけれども、いずれ、要望されている事業の中身によっては、国全体としてのバランスを考えなければ、やらなくちゃならないというものもあるということも各被災自治体と話をしながら進めているということも、是非御理解をいただきたいというふうに思います。
#128
○白浜一良君 学校の耐震化というのは従来から文科省で取り組んでいらっしゃるわけで、それはそれでいいんですよ。
 ただ、地元から見れば、そういうことも必要だから上げてきているわけで、あなたがそうおっしゃるならば、そういう個別の事業だって、復興庁から文科省にこれは正規の一般の全国的事業でやってくださいと、そういうふうに申し送りしなさいよ。要するに、いわゆる地元から要請のある事業をさばくのがあなたの仕事じゃないんですよ、道筋を付けるのがあなたの仕事なんです。
#129
○国務大臣(平野達男君) そのとおりでありまして、ですから、そういった学校の耐震建設につきましてはこちらの予算がありますので、これは政府としても全体として調整していきますということを言っているわけです。それから、道路につきましても、これは国交省の制度がありますから、もし我々がこれは優先順位が高いとなれば国交省の方に働きかけると言っているわけです。ただ、今の全体の議論の中では、交付金制度という、復興交付金制度という独自の制度設計されたものがございますから、その運用はその運用でやらせていただくということでやっているということでございます。
 委員の御指摘は、とにかくそういった全体の被災自治体の要望についての総合調整役をやれという御指摘だと思いますけれども、そのつもりでやっています。
#130
○白浜一良君 いわゆる五省庁の四十事業をつかさどる、そういうところの権限の範囲もあるんでしょうけれども、地元から見れば事業が進むことが大事なので、ちゃんと調整しますという発言されているから、今後の事業の進展度合いは必ずチェックします。腹決めて取り組むべきだということだけ申し上げておきたいと思います。
 それから、瓦れき処理の問題で、これも何回も国会で議論されておりますが、細野大臣、一生懸命されているのは分かりますけれども、でも、あなた、錯覚がある。それだけ指摘をしておきたいと思います。
 環境省で作られたパンフレットございますね、パンフレット。これを読んで全国で受け入れてやろうというのは、市町村は難しいですよ。前提が間違っている。なぜかというと、要するに、今回の原発事故に関する経緯を見たら、国民の方に政府の言っていることに対する疑心暗鬼がある、まずベースに。だから、このとおりですとパンフレット作ってまいたって、本当かいなと、こう思うわけです。そこを前提に取り組まにゃあかんわけですよ。
 ですから、例えて申し上げますと、普通、一般のごみを燃やしても、いわゆるセシウムというのは千ベクレルから二千ベクレルぐらいあるというんですね。じゃ、その範囲だったら何ぼでも受け入れますと、そういう市町村もあると聞いています。ところが、このパンフレットを見たら、八千ベクレルまで大丈夫だと書いてある。そこの説明は地元の市町村ではできないんですよ、言われたら。その基準作っているのは環境省じゃないですか、政府じゃないですか。そんな説明を市町村はできますか。
 要するに、住民にいろんな不安がある。ですから説明会をやる。地元の役所の人間が答えられますか。そこに事業が進まないすき間があるんですよ。そこをどう埋めるかということを考えなければ、法に基づいてやるとかなんとか言っていますけれども、受け入れられませんよ、これ。
 だから、私が申し上げたいのは、そういう地元がやっている日常の業務の範囲、そういう範囲の中でまずこなせる分はこなす、それを上回る分は政府が責任を持って住民を説得する、こういう基本方針に立たなければこれ進みませんよ。どうですか。
#131
○国務大臣(細野豪志君) 広域処理につきましては、公明党の皆さんに本当に力強い御支援、そして具体的な働きかけも行っていただいておりまして、本当に感謝申し上げます。本当にありがとうございます。
 昨日の時点で処理できたこの量というのが六・七%という、そういう数字でございますので、結果が出ていないということに関しては、これは全て私の責任であると、そう考えております。
 今御指摘の基準でございますが、これは専門家に相当議論をさせた上で八千ベクレルという基準を作っております。したがいまして、この基準は一貫して言ってきておりますので、これからも変えることは考えておりません。
 ただ一方で、今先生が御指摘のとおり、それぞれの地域のごみに近いものであれば受け入れることができるという、そういうことをおっしゃる自治体の方が多うございまして、ですから、例えば、被災地のごみを測ったものとその地域で出ているごみを測ったものが同じであれば、皆さん安心をされるわけですね。ですから、そういう現実的な対応も既にしております。
 その確認も、政府が、いや、こういうことですよということでデータをお知らせをしても、これは我々のこれまでの至らなさがあって信用していただくことができないケースがございます。そういう場合は、自治体で測っていただいたり、さらには自治体の住民の皆さん、特に心配をされている方に自ら測っていただいて、自分のときのごみとまあ同じであるということを確認をした上で受け入れていただくという、そういう方法も取っておるところでございます。
 もう本当に、政府を信用していただけないというのは本当に我々の至らなさだというふうに思っておりますが、是非各党の皆さんにも、そして国民の皆さんにも申し上げたいことは、政府のためにということでは全くなくて、被災地のために、政府の目標というのは、これは我々が決めたものでありますので責任はありますが、それに対するこだわりではないんです、一刻も早く、被災地の住宅の近くとか、住宅から少し離れていますけれども、住民の見えるところからあの瓦れきを取り除きたいわけです。そのために何とか力を貸していただきたいというふうにお願いを申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。
#132
○白浜一良君 そういう趣旨はもうよう分かっているんですよ。どうして具体的に進めるかということを私は申し上げているわけで、きめ細かく個別的に手を打たなければ、何か役所から、政府から徹底すれば当然受け入れるべきだというような発想でいたら進みませんよということを私は申し上げているわけで、細かくやらにゃ駄目です。
 そういう面で申し上げますと、焼却灰の処理、これをきちっとできる、そういう自治体はいいですよ、そういう施設もあるようなところ。でも、ないところもいっぱいあるわけです。そういうところも、私は、まず国が責任持ってやりますと言った上で、じゃ、例えば神奈川県ならどういうことを考えられるのかと、そこに対しても政府が出向いてきちっと手を打つ、そういうことまでやらないと、何か打合せだけして徹底だけしたら進むというような錯覚では進みませんよ。どうです。
#133
○国務大臣(細野豪志君) 今の御指摘はおっしゃるとおりだと思っております。私もかなりの自治体で個別に説明をさせていただきましたが、全国の地方環境事務所の所長を始め、それぞれの担当者がそれぞれの地域を歩いております。それぞれの地域事情に合わせて処理場の使い方、さらには焼却の仕方も含めて対応しております。
 ですから、既にやっておるんですが、恐らく至らない点がまだまだあろうかというふうに思いますので、そこは更に徹底をしてまいりたいというふうに思います。
#134
○白浜一良君 総理、もう午前中これで終わりなんで最後に一言聞きますが、これ環境省だけじゃ無理です。だから、もう総務省も、場合によっては文科省も挙げて、どうしてやっぱりその市町村に快く受け入れてもらえるかということを政府挙げてやるべきです。そういう手を打っていないから、これ進まないんですよ。一言。
#135
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御指摘のとおりだと思います。今日も関係閣僚会議やりました。それぞれの省庁でしっかり取組を進めることと、あわせて、政府全体一丸となって広域処理をお願いをし、具体的に推進をしていきたいと考えております。
#136
○委員長(石井一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#137
○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十四年度総予算三案を一括して議題として、質疑を行います。白浜一良君。
#138
○白浜一良君 午前中に引き続いて質問をしたいと思いますが、グループ補助金のことに関しまして経産大臣に確認をさせていただきたいと思いますが。
 実は、昨年の秋の臨時国会で、地元からグループ補助金の要請がたくさんあって、千六百億以上の要請があって、予算が百億単位にしか組まれていなかったということで、安住大臣に私、直訴しまして、当然一千億単位でやるべきだということで、その後、予備費から千二百四十九億円ですか、支出を決めていただきまして、今総額二千億以上の事業規模になっているわけでございますが。
 私ども、岩手県からいろいろな要請を受けていまして、これは整備が進まない、土地利用計画も進んでいないのに、事業を始められない。ですから、補助金ももらったけれども事業が始まらないということで、是非ともこれを延長してほしいということで要請を受けておりまして、実は金曜日に私、質疑通告をいたしましたので、当然役所も分かっているわけでございますが、なぜか昨日この繰延べを決められたと、何か皮肉な話でございまして。
 ただ、これ、実際心配されている方もたくさんいらっしゃると思いますので、枝野大臣、きちっとこの利用者の皆さんに納得できるような説明をしてあげてください。
#139
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、グループ補助金について、もちろんできるだけ早く使っていただいて復興していただきたいんですが、被災地の状況によってはどうしてもスタートが遅れてしまうということあり得るわけで、また、そういうところほど実はこういった補助金が必要なケースが多かったりするということもあり得るわけでございますので、制度上も二十四年度への繰越しが可能となっていますが、既に支払が行われた金額を除いて、その他の全額を繰越しする対象とすることで手続を進めております。
 御指摘もあったことも理由かもしれませんが、改めてその趣旨を昨日各県に通知をしたというところでございます。
#140
○白浜一良君 本当に地元でうまく使われるように見守っていただきたいと、このように思うわけでございます。
 それで、次に経済対策につきまして、総理、ちょっと議論をしたいんですが、率直に申し上げまして、民主党政権というのはこの経済対策がないなと率直に申し上げたいわけでございまして、実際、円高・デフレというのがずっと続いているわけでございますが、私はやっぱり政府が、また金融政策という面では日銀も一体になって明確な指針を出せばそれなりの効果はある、必ずある、このように思うわけでございまして。
 実は、二月三日の日でございましたが、我が党でいわゆる総合経済対策を党としての案をまとめまして、政府にも御提案申し上げました。いろんな中身ございますが、今日は代表的な二つだけ御紹介をしたいと思うんですが。当然、金融政策という面から考えましても、いわゆる円高・デフレをどう阻止するかということは大きなテーマでございまして、そのためには、まずやっぱり物価の安定目標を具体的に明確に決めるべきだということが一つ。それから、やっぱり市中にお金を流すために、日銀がいわゆる資産管理、資産を買い入れるための基金を持ってございますが、それが五十五兆円という枠だったんですが、それを思い切って我が党の案は三十兆円ぐらい上げて八十五兆円に、そのぐらいに拡大しろと、こういう御提案をしたわけでございます。
 これが効果があったかどうか知りません。日銀が独自で二月の十四日、いわゆる物価目標というか、それは一%、初めてです、そういう目標をきちっと決められたのは。それから、資産の買入れ基金も十兆円増やされて六十五兆円にされた。これだけが効果があったとは思いません。しかし、ヨーロッパの金融危機もございますし、欧米社会の経済状況もあるのは間違いないですが、しかし、日銀がこういうふうにきちっと決めてからいわゆる円安にずっと振れている。それまでは七十六、七円でございましたけれども、一ドルが、今は八十一円から二円ぐらいにこうなっているわけでございまして、大きな前進が結果的にあった。
 こういう事実関係を踏まえて、財務大臣、この動向をどういうふうに受け止められますか。
#141
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のように、二月十四日に日銀の行ったいわゆる措置は、市場の結果を踏まえれば非常に時宜を得たものであったというふうに私も思っております。
 六十五兆へ十兆円買入れを増やしたということが、やはり同時にいわゆる目標を、めどを一%に置いたということでいえば、先生御指摘のように、強い政策的な日銀の意思というものは伝わったんではないかなと思いますので、やはりこの国会でもそうした議論が再三なされた、そうしたことも日銀は十分受け止めて対応してくれていると思っております。
#142
○白浜一良君 それと、もう一つはやっぱり需要政策も必要なんですね、総理ね。金融政策だけではそういうデフレというのは克服できないわけでございまして。そういう面で、やっぱり大きなアピール力のある施策というものを打ち出された方がいいということで、我が党は、これだけいわゆる防災に関する国民の意識が高まっている時期でございますから、防災・減災のニューディールをやってはどうかということを訴えているわけでございます。というのは、戦後復興でいろんな、道路も橋梁も含めて、いろんな施設を戦後復興で建てましたけれども、もう六十年を過ぎているわけでございまして、老朽化している、そういう設備がいっぱいございます。
 政府も、実は私ども、自公政権時代の最後でございましたが、平成二十一年に社会資本の重点計画というのを打ち出されて、そういう長寿命化をする計画をきちっとそれでは作ろうということで取り組まれているわけでございますが、現在の状況はどうなっていますか。
#143
○国務大臣(前田武志君) 先生が今御指摘になった平成二十一年三月の閣議決定ですね。社会資本整備重点計画において、この社会資本の長寿命化、老朽化対策に関する指標を掲げて、平成二十四年度に目標達成するということになって、長寿命化計画の策定が今推進されているところです。現状を申し上げますと、二十三年度でほぼ七割から八割ぐらいの計画策定見込みで、二十四年度にはほぼ目標値を達成し得るものとして今鋭意進めております。
 先生の御指摘になったこの防災・減災ニューディール、まさしくその方向で私どもとしても持続可能な地域づくり、持続可能な国づくりという面で、橋梁であったり下水道であったり、こういった社会資本を更新し、維持管理していく。しかし、高齢化だとか社会構造、人口構造、経済構造もどんどん変わってきているわけでございますから、それに合ったような施設の長寿命化あるいは更新、維持管理をやっていくという意味で、先生もここで御指摘になっているような、言わばPPPなんかも含めてアセットマネジメントというような考え方で不断に検証、そして計画の更新を続けていきたいと、こう思っております。
#144
○白浜一良君 この間、本会議でも我が同僚議員、西田議員が質問をして総理が答えられて、今の国交大臣の答弁と同じでございますが、しかし私がもらった資料では、下水道の計画というのは二十二年度では二四%ですよ。これ本当に、おおむね七割とおっしゃったけれども、実際これ計画そのものが全部まとまりますか。
#145
○国務大臣(前田武志君) もう少し申し上げますと、橋梁の長寿命化計画の策定率が二十二年度で六三%、下水道が二四%、港湾等の計画策定率が七〇%。二十三年度ではこれが、橋梁等が大体七割から八割、下水道が七割、港湾設備の計画率がほぼ八割と、こういうところまで来ております。
#146
○白浜一良君 来年度まででできると、こういう、まあそうしましょう、それはそれで進めていただくと。
 で、ここからが総理、大事なんですよ。計画だけではならないんで、これをきちっと長寿命化する事業にせなあかん。これだけ設備が老朽化して、段階で、やっぱり国がめり張り付けてそういう施策を講じるというのが大事なんで、これだけ防災が大変国民の意識高い時期でございますから、こういうもの全体をその計画に基づいて、五年、十年できちっと事業化するという、そういうめり張り付けた施策をした方がいいというのが我が党の考えなんですけれども、お考えは。
#147
○内閣総理大臣(野田佳彦君) こういう大きな災害に遭った後でございますから、防災機能の強化等を含めてめり張りを付けながら、限られた財源でありますが、めり張りを付けながら事業を進捗させていくという御提起はそのとおりだというふうに思います。
#148
○白浜一良君 しっかり取り組んでいただきたいと、このように思うわけでございます。
 それから、経済対策のもう一つの今後の大きな問題として、電力料金ございます。
 これはもう枝野大臣御存じのように、今までは、まあ安易にと言えば失礼な言葉かも分かりませんが、コストが上がれば全部電力料金に転嫁していくという、そういう方式で今日まで来ているわけでございます。しかし、もう円高・デフレという構造下、いかに日本の産業が大変かと、これはもう御存じのとおりでございます。給料も上がらないという面では家庭の負担も大変でございます。ですから、どこまでいわゆるこの電力料金の値上げを抑制するかということも大事な要素でございまして、少なくとも私は、やってもらいたいことは、必ず経営の合理化と、透明化して、そして情報公開して国民が納得できるような形にしていただきたい。これが一番大事です。
#149
○国務大臣(枝野幸男君) ありがとうございます。
 御党からは三月七日にも電力料金に関する緊急提言をちょうだいをいたしました。いろいろと貴重な御提言いただいておりますが、まさに御指摘のとおり、一番は徹底した合理化をすること、それも自己満足で終わらせずに、ユーザーの皆さんにそれを公開して、こういう努力をしているんだから申し訳ないということがしっかりと伝わるようにすること。これについて、東京電力については、これ損害賠償支援機構との絡みで、二月十三日、私から強く指示しているところでございますが、今回、御党からもそうした提言いただいたということで大変心強く思っているところでございます。引き続き、厳しくそういった姿勢で東京電力に対して対応してまいりたいと思っております。
#150
○白浜一良君 それで、ちょっと具体的なことを何点か申し上げたいんですが、一つは、経産省の有識者会議でも答申されているんですが、いわゆる原価を算定するのに一年単位で今は見られているんですね。だから、原料がわあっと上がったらどうしてもわあっと上がってしまうわけでございます。それを三年ぐらいのスパンでいわゆる原価計算すべきだという、こういう有識者会議の提案がされているわけでございますが、これはもう当然でしょうね。
#151
○国務大臣(枝野幸男君) これについてはパブリックコメントを取っているところでございまして、まだその最終形はできておりませんが、これについてはおおむね御理解がいただけているというふうに思っておりまして、こういう方針で年度内には決めたいと思っております。
#152
○白浜一良君 それから、これは御提案なんですが、最低限ここまで上げざるを得ないと国民の皆さんが納得できる形で決まったとしても、実際、いわゆる鋳造業なんかは、もう本当に売上げの一割が電気料金やいうんですよ。安い今深夜に作業されているんですが、その深夜の料金が四割上がるというんです。だから、とてもじゃないけど、今でも本当に薄利なのに、もう全部業界は赤字になってしまうと、こういう深刻な声もございまして、ですから、私は、これは提案なんですけれども、少なくとも最低限圧縮して、値上がりした分は、すぐいわゆる支払いするんじゃなしに、その分は景気の動向を見て、二年、三年繰り延べて払えると。売上げ上は、東電やったら東電に計算していただいて結構です、しかしキャッシュフローは少し時間を置いて払えばいいというぐらいの、そういう猶予した措置をされるべきだと私は思うんですけれども、いかがですか。
#153
○国務大臣(枝野幸男君) まず、特に深夜などに大量の電力を使っている方、定率で上げようという最初計画でございましたので、物すごくそういったところにダメージが大きいということで、節電の割引のプランなどについてもっときめ細かくやれと。一度、案出てきておりますが、これもユーザーの皆さんの反応を見ながら更に深掘りできないかということを指示してまいりたいと思っておりますし、御指摘いただいたいわゆる延べ払いについては大変貴重な御提言だと思います。御承知のとおり、自由部分については直接私の方から決めることができませんが、こうした声も踏まえて、柔軟かつ現実的な対応をするように東京電力に対して促してまいります。
#154
○白浜一良君 それからもう一つ、東電以外の八電力も大変燃料費が上がって困っていらっしゃるんですが、だからといって電気料金を安易に転嫁されては困る。そういう意味で、大臣御存じのように原価変動調整準備金、こういう制度が今あって、お金が積み上げられています。また、別途積立金、それらの積み上げられているものがあるわけですね。そういうものを切り崩してでも、できるだけここは急場をしのぐために電力料金を抑制すべきだと、このように思いますが、いかがですか。
#155
○国務大臣(枝野幸男君) これも御指摘のとおりだと思っております。
 原価変動調整積立金、そして別途積立金、まさにこういった事態のために積み立てられているわけでございますので、各電力会社も自主的に、まずはこの取崩しと自主的な合理化努力によって、東京電力以外は今のところ値上げという具体的な話は来ておりませんが、いずれにしろ原発の停止状態が続けばそういったことに追い込まれていきますので、しっかりこうしたところを活用して、値上げをできるだけしないようにということは促してまいります。
#156
○白浜一良君 それと、この電力料金に関連するんですが、いわゆる地球温暖化対策で、いわゆる石油石炭税が少し上積みされてしまうわけでございますが、これは法律がもう成立しているわけで、今年の十月から三分の一上がるんですね。それで、二十六年四月から残り三分の一、二十八年四月から残り三分の一と、三段階に分かれてこれが上がっていくようになっている。
 しかし、今の電力料金が上がるということを前提にすれば、この税率がまた上がったらまた負担になるということもあるので、石油がいわゆる値段が上がっていることもあって、その石油石炭税そのものが増収になっているんですね。だから、私は、今年の十月からこれを転嫁するとなると、またこれ製造業はもう大変だろうと思うわけで、これを少し先送りするような方法はございませんかね、これ。
#157
○国務大臣(細野豪志君) こうした温暖化対策ということで御負担をお願いをするのは、大変、本当に国民の皆さんには御負担をお願いするという意味で確かにつらい面もあるわけですが、一方で、これから、災害があって化石燃料がかなり増えておりますので、そういった中で、やはり抑えていくためにどうしても導入が求められてきたという経緯も何とか御理解をいただきたいというふうに思っております。
 その上で、実際に上がってきた税収については、これから長い意味で電気の電源となるような再生可能エネルギーの、できるだけ地産地消型の地元で御理解をいただけるようなものに使ってまいりたいというふうに思っております。三年半というこの時間の中で、段階的に、できる限り御負担がないようにという形では取り計らってまいりたいというふうに思っておりますので、是非御理解をいただきたいというふうに思っているところでございます。
#158
○白浜一良君 まあ原則論をおっしゃったわけで、私は実体経済の方が大事だと。今日は時間がないのでこれ以上議論しませんが、いかに日本の産業を守るかということも大事な視点なんです。
 だから、いわゆる燃料費が上がっていますから、石油も天然ガスも。だから、そんな無駄遣いをするような日本の企業は余裕ないんですよ。本当に合理化は各企業がやっているわけですしね。その上で、その努力が実るような方法を政府として考えるべきだということだけ指摘をしておきたいと思います。
 最後に、防災教育についてちょっと総理に御質問をしたいんですが、実は昨日、私、小学校の先生とちょっと懇談する機会がございまして、一昨日の一周年の追悼式の式典をテレビで御覧になっていたそうでございます。率直な感想を聞きました。国歌を歌うときは腕は真っすぐ伸ばすべきだと。要するに、総理はグーをして歌っておられる。というのは、小学校で要するに気を付けという、教えるのは、指先まで真っすぐ伸ばすと教えているんですって。ですから、いわゆる国歌を歌うときに、要するに教育というのは真剣勝負だということです。そういう細かなところまでやっぱり子供の目は注がれているということなんです。
 ということで、私、直接それを見ていませんので何とも言えませんが、そういうところまでテレビを通して見られているということをどう思いますか。
#159
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 気を付けたいと思います。
#160
○白浜一良君 気を付けるだけじゃ駄目だと思います。本当にそういう価値観を持っていただかないと。
 それで、私は最後に申し上げたいことは、釜石の奇跡というのは聞かれていると思います。あれは実は、いわゆる防災教育の要するにモデル事業として、群馬大学の片田先生が釜石に行って小中学生に直接、防災とは何か、どうするかということを教えられたんです。だからほとんどの小中学生は救われたんですよ。大事な体験なんです。
 私が申し上げたいのは、このプログラム事業、モデル事業の予算を二十三年度に打ち切られたのが民主党政権ですよ、これ。知っていますか、これ。総理、知っていますか。
#161
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いや、それはちょっと知りませんでした。
#162
○白浜一良君 だから先ほどの、私は子供の視線というのを言いましたけれども、本当にそういうモデル事業で助かったという事実があるんです。だから個々の一つ一つの政策というものはそのぐらいに真剣に取り組んでもらわなければいけないということを私は申し上げているわけで、最後に、今、本年度の補正予算、三次補正にも少し組まれて、今審議している二十四年度予算にも少し取り入れられていますが、だけれども打ち切られたという事実は残っているわけでございまして、このいわゆる防災教育というものに対するそういう総理の姿勢を伺って、私の質問は終わりたいと思います。
#163
○内閣総理大臣(野田佳彦君) あの釜石の奇跡は、私もいろんなエピソードを聞いております。年少の子供を引っ張っていったり、あるいは大人を高台に促したりとか。やっぱり日ごろからの防災教育とそして避難訓練の徹底というのは大事だということを証明していると思いますので、今回はモデル事業は二十四年度の予算でも措置させていただきましたし、こういう防災教育を徹底していかなければならないということを今回の大震災を教訓としてしっかり取り組んでいきたいというふうに思います。
#164
○委員長(石井一君) 関連質疑を許します。木庭健太郎君。
#165
○木庭健太郎君 公明党の木庭健太郎でございます。
 まず、東日本で、あの大震災で被災した事業者の二重ローンの救済へ、東日本大震災事業者再生支援機構が今月五日ようやくスタートしました。私たち参議院にとってみると、野党が議員立法をして可決して、衆議院では与党にも御協力いただきまして成立したという経過がございまして、ようやくこれで中小零細企業、さらには農林水産事業者に対する二重ローンの本格的救済が始まります。是非いいものにしてもらいたいと、こういう願いがございますが、総理はこの事業開始にどんな思いをお持ちでしょうか。
#166
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 野党の御提起もあってできました東日本大震災事業者再生支援機構、これは御指摘のとおり、小規模事業者、農林水産事業者、医療福祉事業者など、様々な事業者に対して債権の買取りを通じて事業の再生を行うということでございますので、その果たすべき役割は極めて大きいと思っております。
 このため、支援機構には、各県の産業復興機構と相互補完しつつ、被災地域の金融機関や企業とともに事業再生の方策を考え、再生を支援するパートナーとして取り組んでいただくことを強く期待をしております。
#167
○木庭健太郎君 今総理がおっしゃったもう一つの機関がこの産業復興機構、十一月から立ち上がっているわけです。各県にもそれぞれ機構が被災県に設置されました。今この産業復興機構がどんな状況なのか、御報告ください。
#168
○国務大臣(枝野幸男君) まず、産業復興機構のところで相談窓口になっております産業復興相談センターには、三月二日時点で七百三十五件の事業者の相談に対応しているところでございます。そのうち、岩手、福島、宮城の被災三県においては六百六十九社の相談に対応しており、各種制度の説明等や助言によって対応を完結できたものが二百八件、窓口相談を継続しているものが四百六件、債権買取りや条件変更に向けて検討中のものが三十九件、センターの調整により金融機関と条件変更について合意したものが九件、復興機構において債権買取りを決定したものが七件となっております。
#169
○木庭健太郎君 そのとおりです。決定しているのは七件です。相談は七百三十五件。一%ですよ。これ、どういうことなのか、なぜこんなに少ないのか。理由を大臣、説明してください。
#170
○国務大臣(枝野幸男君) これについては、事業者の再生の可能性をしっかりと判断をすること、それから不動産の鑑定等が必要になります。そして、何よりも大変なのが債権者間の調整が必要であります。こうしたことのためにある程度の時間が必要という点については御理解をいただきたいと思いますが、できるだけ迅速な対応をするように更に徹底をしてまいりたいと思っております。
#171
○木庭健太郎君 私は、結局これどうなってしまっているかというと、金融機関と復興機構が共にやっぱり損しないようにということで両方がせめぎ合っているわけですよ。結局、二重ローン救済というのはこの目的なんですよ。その目的の部分が薄れているような気がしてならないんですよ。
 これ、ここがこれだけ少ないとどういう影響が出るかというと、せっかくこれから支援のための別の機構ができるわけですよ。でも、中小企業や零細企業の皆さん、個人経営者の皆さん、どう感じているか。行ったって全然成立していないじゃない、新しい機関だって無理じゃないかって諦めてしまっているところがあるんですよ。
 だから、是非、私は今度の支援機構というのは今の産業復興機構とまた機構が違います。柔軟にいろいろ対応できるシステムもあります。対象も幅広いです。是非皆さんに、いろんな方々が利用できるんだ、二重ローン救済のために利用できるんだ、このことの周知徹底をまずやっていただきたいし、そして何より救済という視点でこの問題に取り組んでいただきたいと、こう思いますが、担当大臣、どうですか。
#172
○国務大臣(平野達男君) 支援機構、三月の五日にスタートをいたしました。
 支援機構は、国会の附帯決議も踏まえまして、仙台に本店を設置しております。そして、各県の産業復興相談センター、これは産業復興支援機構と同じ仕組みになりますけれども、センターになりますけれども、このセンターや支援機構の東京本部においても相談を受け付けることにしております。
 支援対象となる被災地域を、原発事故による農林水産物の出荷制限等に係る地域を含む十四都道府県、二百八十五市町村としまして、被災前とは別の地域や業種で事業再生を図る事業者を支援するとともに、債権買取り価格につきましては最長十五年というかなり長い期間にわたる、これは公明党さんあるいは自民党さんなんかの意見もいただいての価格決定の方式でございますけれども、最長十五年にわたる事業再生の見通しや担保不動産価値の見通しを踏まえた価格算定を行うことを可能にするなど、できる限り多くの事業者に再生の機会が与えられることとなるよう最大限配慮することとしておりまして、この旨、まず周知徹底に努めたいというふうに思います。
 それから、一方で償還の繰延べがまだ認められているところもありまして、これはもう半年ごとに延長するかどうかということを決めるわけですが、そろそろ年度末でございまして、この節目に来ていると思います。
 それから、現地では土地利用調整が徐々に、だんだん進み始めていまして、そろそろ動き出そうかという個人事業者、企業も多くなってくるというふうに思いまして、この支援機構、産業復興機構と相まって、これからいろんな仕事、要請というのが今まで以上になされてくるというふうに思いますので、その要請に的確にこたえられるように私どももしっかり叱咤激励、状況を見詰めてまいりたいというふうに思っております。
#173
○木庭健太郎君 実は、今御説明あったとおり、この二つの機構ができるんですが、相談窓口は一つなんです。相談窓口は一つなんです。産業復興相談センターでまず相談を受けるんです。その後、どちらに振り分けるということになっていくわけです。したがって、やはり両方がきちんと機能していないとこれはなかなか今後の救済という面では難しいところがあるし、もう既にどんな声が出ているかというと、振り分けられるときに差別されるんじゃないかとか、分かりにくいとか、買取り価格が変わってしまうんじゃないかとか、二つの機構で、いろんな心配の声が上がっているのも今事実なんです。将来的にはこれ機構そのものも一本化した方がいいのかどうか、いろんな問題があると思います。
 経産大臣、是非そういったことも含めて、含めてきちっとこれ見守っていただいて、将来、その一本化という問題が出るかもしれない。そんなことも含めて検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
#174
○国務大臣(枝野幸男君) この法案の附帯決議においても、窓口を共通にしろというだけではなくて、業務運営における密接な連携を確保することというふうに御指摘をいただいているところでございまして、まさに、こっち行ったら損だ、こっち行ったら得みたいなことになってはいけませんし、現場が混乱をしないようなまずは運用上の努力を最大限、復興庁や支援機構とともに進めてまいりたいというふうに思っておりますし、また、将来的にはもちろん現場での運営についてしっかりと把握をしながら、今後のことについても常により使い勝手のいい復興に資する機関となっていくよう努力をしてまいります。
#175
○木庭健太郎君 安住大臣にお伺いします。
 高校無償化に伴って特定扶養控除が見直されて、実質負担増となる世帯が何十万世帯も出る可能性があるよという問題、衆議院で富田議員、うちの議員ですが、何回も指摘しました。その対策の一つとして打ち出されたのが、高校生修学支援基金を活用して、所得連動返済型の奨学金といいます。つまり、三百万円ぐらいの収入が確保できるまで、その奨学金を借りた人が返済を猶予できるという仕組みを創設するということになりました。大変いい制度ですから、でも、しかもこれ都道府県事業なんですね。
 安住大臣はこれについて、富田さんに対して、この事業が二十二県で実際に行われるようになったんで前向きに前進したと、政府としてはやりましたと、こう答弁されました。確かに文部科学省の資料を見ると、この制度を実施予定というのは二十一あるんです。検討が二十六、実施せずがゼロでした、確かに。しかし、私たち、いろんなところからデータが来たら、何と実際決定したのは僅か六県しかないですよ、六県しか。どこからこの二十二とか二十一とかという数字が出てきているんですか。お答えください。
#176
○国務大臣(安住淳君) 先生の方からも富田さんからも給付と貸与の問題で、この問題は公明党の皆さんからも再三取り上げていただきました。年末の予算編成のときに、中川当時の文科大臣から御提案をいただいて、給付はなかなか制度上、今先生お話しのように、都道府県の事業なものですから難しいと。そこで、今御指摘ありましたように所得連動返済型奨学金、つまり一言で言うと出世払いと。卒業して三百万以上の所得が得られたら返してくださいよというふうな形で、貸与といってもかなり御指摘をいただいた方向で改善はできたのではないかと思うんです。
 ただし、富田議員からも御指摘がありまして、じゃ、県はこれを、実際、都道府県がどれだけ導入しているのかということで御指摘をいただいたことは事実でございます、昨年の秋から。
 それで、おわびをちょっと申し上げますと、私どもの方で、確かに私、二十二県と言いましたが、正確には二十一県でございます。そのうち、やりますと正式に決めたのは七県で、残りの十四県については、府県なんですが、これは実施の意思を持って検討に入っておりますと、そしてそれを足すと二十一府県は実施予定で結構でございますという御返答をいただきました。
 残りの二十六についても、三択で聞かせていただきまして、実施予定、検討中、実施しないという三択で聞きましたところ、この二十六県のうち全てがこれは検討いたしますと。つまり、しないというところはありませんでしたので、更にこれを早い段階からやっていただくように整備をしたいというふうに思っております。
#177
○木庭健太郎君 二十二と答弁されたので、実はこの連動型、是非全県へ広げたいと、うちの各県会議員がずうっと県議会でも質問しておるんです。鹿児島で質問したら、しかも二十一ぐらいやるんだから鹿児島でもやりましょうとやった。鹿児島県もさるものですよ、これ全部担当に、四十六都道府県全部調べている。調べたら、実際は六県しか実施決定していない。何考えているんだという話ですよ。
 今予定とおっしゃいましたね。予定とおっしゃいましたね。じゃ、是非、安住大臣、予定じゃなくて、おっしゃった二十一県が、府県とおっしゃいました、来年中に絶対できると、そこまでやってください。文科省と連携してやってください。そして、全県に広がるのが一番いいんですから、是非全力で取り組んでいただきたいと思いますが、いかがですか。
#178
○国務大臣(安住淳君) 公明党の県議会の先生方からそれぞれ御指摘をやっていただいたことは、厚く御礼を申し上げます。
 ちゃんとマル付いていますので、どの県がどうかというのは。これを進捗を文科省と一緒になりましてやって、やはり苦しい環境の中で進学しようと思っている子供たちに対して都道府県は温かい手を差し伸べてもらいたいと。そのためのスキームつくっておりますので、これは実施をしなければ、むしろそういうところは私は名前を取り上げさせてもらうぐらいの気持ちで、実施を是非していただきたいと思っております。
#179
○国務大臣(平野博文君) 今議員から言われましたように、文科省としては、条例の改正とかいろんな時間軸の遅れはあると思いますが、全力を挙げて実施をしていただくように働きかけをしてまいります。
#180
○木庭健太郎君 安住大臣、もう一つあります、もう一つ。何かというと、この特定扶養控除見直しによる負担増に対応するため政府はPTを立ち上げたと、PTを。で、今もPTでこの負担増の問題、必死になって検討しているんだという答弁だったんですよ。調べたら、もうPT終わっているんですよ。どこも検討するところがなくなってしまっているんですよ。これ、どういうことですかね、これも。
#181
○国務大臣(安住淳君) それで、いや、実は一万三千人ほど、一万三千人問題といったら、まあ先生は分かっていますけど、テレビの皆さんはちょっと分からないかもしれないので、つまり中学校で、その後進学もしなかったり、いわゆる就職もなさらなかった方々に対する手当ての問題を公明党の皆さんから御指摘をいただいたわけです。
 それで、この一万三千人の皆さんに対する税制上の対応があり得るかどうかということで立ち上げたPTだったものですから、そこでPT自身は終わったんですけれども、なぜ終わったかというと、実際にこれは就学をしていただく環境づくり、それから就職をしていただく環境づくり、言わばニートとか引きこもりという最近やっぱり大変指摘される問題が起きてきて、これに対する施策をもうやらなければならない段階に入ったということだと思うんです。
 ですから、税制上の措置のPTは一旦幕を引きましたけれども、やはり具体的にこの一万三千人の方々に対して施策として何ができるかということを、これも衆議院で富田先生からも再三言われて、その後も私、富田さんとも話はさせていただきましたけれども、やはり何らかの就業、就職の対応というものをしていきたいというふうに思っておりますので、是非またお知恵がありましたら拝借をさせていただきたいと思います。
#182
○木庭健太郎君 今おっしゃったとおり、一万三千七百十六人、この方が特定扶養控除の見直しで結局負担増になっちゃったということなんです。確かに、おっしゃるように進学の問題、いろんな問題で対応する、大事なことだと思います。
 是非、安住大臣にお願いしたいのは、もう一回PTを立ち上げていただいて、今度は税制だけでなく、そういった福祉的観点の問題、もしかしたら激変緩和で税制のその問題にもやっぱり当面の期間取り組んだ方がいいかもしれない。いろんな形があると思います。是非もう一度政府としてこの取組を明確にしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#183
○国務大臣(安住淳君) 税制の問題に限らず、総合的にどうするかというのは何らかの対応をさせていただきたいなと私も思っておりますので、どういう形があるかは是非私の方で預からせていただきたいと思います。
#184
○木庭健太郎君 社会保障と税の一体改革を議論するとして、総理にまず、現在の年金制度をどう認識されているか、改めてお聞きしたいと思います。
 野党時代の民主党は、今の年金制度がすぐ破綻すると、だから新しい年金制度が要るんだと、そうおっしゃっていた方が数多くいらっしゃいました。それは国民の年金への不信を増幅もし、今でもあと数年で年金終わるよと、こう言う方いらっしゃるわけです。総理は現在の年金制度はすぐ破綻するとお考えですか。現在の年金制度に対する認識を総理に伺いたい。
#185
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 確かに、選挙前にいろいろと言葉過激に言った嫌いはあったかもしれませんが、現在の年金制度があと数年で破綻するとかということはございません。マクロ経済スライド等を導入することによって安定化を図っておりますし、平成二十一年の財政検証でも将来にわたり年金財政の給付と負担の均衡が図られていることは確認をされています。
 ただし、国民年金制度が五十年前と比べて大きく変容をしているということ、加入者が例えば非正規の方が増えた分不安定になってきている、将来の年金給付どうするかということが大きな問題になっていること、あるいは未納、未加入、これは選挙前から大きな問題でありましたが、依然としてこの問題は解決されていません。その未納、未加入の問題は無年金、低年金の問題にもつながるという、そういう問題をどうやって解決していくかということは当然課題として残っているということでございます。
#186
○木庭健太郎君 そこで、総理はいつも、その新しい年金制度というのは自分たちの考える山の頂だと、そのアプローチの仕方がいろいろあるんだということをおっしゃる。でも、私は、この公表された試算ですね、まだ正確な案にはなっていないんですが、あの民主党の新年金案というのをやっぱり何か理解できないんです。
 というのは、新たに七・一%の消費税引上げが最大限必要になるわけでしょう。さらに、最低保障年金というのを七万円ですか、完全に支給されるまでは四十年間掛かるわけですね、四十年後。さらに、年収四百二十万円以上の人は現在より年金が少なくなると。また、加えて自営業者、国民年金の方々ですよ、今もし民主党の新年金案になると保険料が三倍以上になるケースも現実には起きてくると。これだったら、何か山の頂というより谷底に落とされるような感じですよ、私に言わせれば。いや、本当にそう感じるんです。
 何を言いたいか。しかも、この大綱の中には、国民的合意に向けた議論や環境整備を進め、二十五年の国会に提出するとありますよ。こんなので国民的合意ができますか。私はやっぱり、総理も現行制度への認識はきちんとお持ちのようですから、是非ここは新年金案は撤回されて、現実的な議論を是非させていただきたいと思いますが、いかがですか。
#187
○国務大臣(岡田克也君) まず、現在の年金制度に対する認識、今総理述べられましたが、私も全く同じ思いでございます。
 特にマクロ経済スライドに対して私自身もかなり厳しく言った時期がございますが、これは人口構成の変化を調整する仕組みで、それ自身なかなか厳しいものでございます。そういったものに対して正当に評価すべきであったというふうに今は思っているところでございます。
 そこで、我々の制度は、しかし、先ほど総理も述べられましたように、特に所得の少ない方、国民年金加入対象者の方々でなかなか保険料が負担できない、したがって年金が十分に受けられない、そういったことに対してどう対応していくべきかと、そういう問題意識からスタートしたものでございます。
 今委員いろいろお述べいただきましたが、例えば国民年金の保険料が三倍以上になるケースもある、確かにそういうことはあるかもしれません。しかし、そのときには、国民年金ではありませんので、当然年金の額も増えているわけでございますので、一方的に今の年金の額が固定されて保険料だけが増えるということではございません。
 我々、先ほど言いましたように、やっぱり所得の少ない方に対して最低保障の年金というものを考えて、これを税でやるというふうに考えておりますので、ここをどのぐらい大きくするかによって必要な財源は変わってまいります。党で一年前に試算した、試みの算ですが、試算した数字では確かに七・一という数字も出ておりますが、これはまた現在もう一度計算をし直しているところというふうに聞いております。そして、七・一%引き上げるときには、現行の制度でも我々の計算ではやはり三%以上引き上げないと賄えないと、これ五十年後の話ですから、そういうことにもなっているわけでございます。
 したがって、我々の案、いいところと悪いところがあるというふうに私は認識しておりまして、そういったことについて、私はテーブルの上に、現行案を改善するそういった御党の考え方と、それから抜本的に変える考え方と、それぞれテーブルにのせてそして冷静に議論する、それが一番重要なことではないかというふうに思っております。
 私が代表のときに、年金と社会保障制度協議会だったと思いますが、衆参合同でつくりました。もう一度あのときの思いに立ち返って各党間でしっかり議論する、そのことが求められているのではないかというふうに思っております。
#188
○木庭健太郎君 ちょっと残念だなと私は思います。
 今おっしゃった現行制度の見直しということについても民主党でお考えのようでございます。私たち公明党も従来から、例えば最低保障年金の機能強化の問題であるとか加入期間の短縮の問題、また一方で被用者年金の一元化の問題、また短時間労働者の拡大の問題等、いろいろあります。これらの裏付けとなる法案をこの政権はいつ提出されますか。
#189
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員がおっしゃいました、御党もずっと御主張いただいていた低所得者への増加ですとか加入期間の短縮とか、こうしたものは今整っているんですが、今最後の調整を進めているのが、短時間労働者につきましてもできれば併せて出したいというふうに思っておりますが、そこの調整と、それから被用者年金のことにつきましては、御承知のとおり、新三階をどうするかということについて多少時間が掛かっております。でも、まとめられる部分については税制改正の法案と一緒に出したいと思っておりますし、そのほかのもの、短時間労働者については、もしそこが間に合わなくても、そう遅れずに出したい。被用者年金についても、今、岡田副総理の下でなるべく早くまとめるように検討を進めているところでございます。
#190
○木庭健太郎君 そうすると、最低保障年金の機能強化と加入期間の短縮は、多分税制改正の法案と一緒、短時間労働はちょっと遅れるかもしれない、更に遅れるかもしれないのが、これは被用者年金の一元化ですか。ちょっとばらばら過ぎませんか。で、新年金を二十五年出されるんでしょう、もう、新年金は。
 これだけ年金だけでもばらばらだったら、一体改革と言われてもどう議論をしていけばいいんでしょうか。一体改革とは言えなくなってしまうんじゃないでしょうか。
 総理にここは聞きましょうか。
#191
○国務大臣(岡田克也君) 多少時間ずれますが、基本的に四月初めまでに被用者年金の一元化、ただし三階部分は別にして、そこまでは出てまいりますので、ほぼ同じ時期に御議論いただけるということだと思っております。
#192
○木庭健太郎君 年金やり合ってもこんなばらばらなんですよ。
 もう一つ、やっぱり社会保障の一つの大きな柱は医療とか介護でしょう。この改革になると、法案化作業ってもっと遅れていますよ。大綱を見れば確かに格好いいことが書いてある。医療から介護、入院から在宅医療、在宅介護、こういう方向性は示しているけれども、具体的な方策やビジョン、全くありません。
 総理も現場、自分でも高齢化の現場ということで御自身お回りになられて、やっぱり地域を巻き込んだ地域包括ケアシステムぐらいは、これは大事だということはもう痛感されたと思いますよ、現状から。でも、じゃ、一体どうやってやっていくのか、制度改正をどうするか、法改正をどうするか、介護でも。何もないですよ。どうされるんですか、この辺も、介護について。
 例えば、昨年度の介護保険法改正とか、今回の介護報酬改定だけで十分対応できると、こうお考えですか。
#193
○国務大臣(小宮山洋子君) 地域包括ケアシステムは、やはり住み慣れた地域で在宅を中心にしながらしっかり医療、介護、それから予防などが受けられるということで、このため四月から、まず介護保険制度改正や介護報酬改定で介護予防のためのリハビリとか機能訓練の重視、それから訪問介護と訪問看護が連携した二十四時間対応の定期巡回ですとか、随時対応サービスの創設、それから日常生活支援の推進、それから高齢者住まい法に基づいたサービス付き高齢者住宅の制度化、そして地域ケア会議の普及など、この地域包括ケアシステムの構築のために必要な制度、できるものはまず四月からやっております。
 今後とも、こうした施策の普及とか定着状況を踏まえまして、認知症対策の推進ですとか、ケアマネジメントの在り方の検討、処遇改善など、この地域包括ケアシステムの実現に向けて取組を進めていきたいというふうに考えています。
#194
○木庭健太郎君 今おっしゃっていただいたように、やれるものはやると、今後も課題はあるかもしれないと、これらについてはこれから検討しますと、いつもこの繰り返しになってしまうんですよ。
 少なくとも、大綱で書いてあるのに、何が書いてあるかと、介護保険について。少なくとも六十五歳以上の加入者の保険料の低所得者軽減、介護納付金の総報酬割導入、これは二十四年度通常国会に法案提出するようにやると、こうなっていますが、このとおりでいいんですか、提出されるんですか。
#195
○国務大臣(小宮山洋子君) 介護の一号保険料の低所得者保険料軽減ですとか、介護納付金の総報酬割の導入、これについては、今まだちょっと法案提出ができない状態でございますが、この通常国会への法案提出に向けまして、関係者の意見を聞きながら今検討を進めているところでございます。
 この介護納付金の総報酬割の導入については、高齢者医療制度の見直しでも支援金の総報酬割導入が検討課題となっていますので、その状況と併せて考えなければいけないということがございます。
 一号保険料の低所得者保険料軽減強化、これはこれからの高齢化の進行に伴います保険料水準の上昇ですとか消費税引上げに伴う影響に対する措置として、これは是非必要なことでございます。このことを踏まえて、軽減対象や三年に一度見直すことになっている保険料との関係の整理など、必要な検討を進めていきたいというふうに考えています。
#196
○木庭健太郎君 まあ、検討、検討です。
 介護保険のもう一つの大きな課題は、介護人材の確保の問題であります。介護人材、本当に給料が安い。したがって、私たち自公政権のときもこの処遇改善のために処遇改善交付金というのをつくらせていただいて、月額一万五千円でしたが、アップする方法を取りました。今回、民主党政権は、介護報酬改定一・二%というのをおやりになる。この方法でどうにか同額は維持できると思いますし、そのことは評価はいたします。
 ただ、介護現場回ると、私たち何と言われるかというと、四万円アップは実現しますかと聞かれますよ。何がこの四万円アップは実現しますかと聞かれるかというと、これは民主党のマニフェストでございます。月額四万円アップと明確に書いてあります。
 介護職員に代わって私が尋ねます。四万円、本当にやるんですか。
#197
○国務大臣(小宮山洋子君) これはマニフェストでお約束をしたことでございますので、これを目指して今努力をしております。
 今回は、今委員もおっしゃいましたように、処遇改善交付金から、これは毎年毎年、この先がどうなるか見通しが付かないと施設の方からも言われておりますので、これを介護報酬の方に盛り込むことで安定的にしたというところまでしか、申し訳ありませんが今年はできませんでした。今年はそれを安定的にして一万五千円を確保したということで、これは前からの取組を足しますと二万四千円上がったということになりますので、残りの一万六千円につきましては、まだ任期があと一年半ございますので、その間になるべくそこへ近づけられるように最大限努力をしていきたいと考えております。
#198
○木庭健太郎君 お待ちしましょう、本当に約束違反にならないかどうか。
 ただ、本当は財源が厳しいなら厳しいと言う、実際政権を取ってみたらいろんなことが分かったと、改める点は改めるとはっきり言うことも必要だと思いますよ。変な期待を抱かせるだけというのが政治に対する不信を私は招くと思います。
 さらに問題が大きいのは高齢者医療制度の見直しであります。後期高齢者医療制度の廃止、これは民主党がさきの衆議院選マニフェストで声高に主張された問題です。二十四年通常国会に大綱でも廃止に向けた見直しのための法案を提出すると明記されています。一体いつ廃止法案を出されますか。見直し法案をいつ出されますか。新しい高齢者医療制度の骨格の説明も求めます。
#199
○国務大臣(小宮山洋子君) この後期高齢者の医療制度、これにつきましては、関係者の理解を得た上で平成二十四年通常国会、ですから、この国会に後期高齢者医療制度廃止に向けた見直しのための法案を提出するべく今調整を進めているところでございます。
 この高齢者医療制度の見直し、これは国民生活に直接影響を及ぼす重要な課題であり、また運営責任を担う保険者等が事務処理等を円滑に実施できるよう、この理解を得ていくということが必要です。厚労省としては、できる限り早くこの関係者の理解を得た上で、この国会に法案を提出できるように更に今調整を進めているところでございます。
 この新しい高齢者医療制度の骨格というお尋ねですが、厚生労働大臣主宰の高齢者医療制度改革会議で取りまとめられました新制度の骨格、これは、後期高齢者医療制度を廃止をして被用者等は被用者保険に加入をすることにし、地域保険は国保に一本化をする、そして国民健康保険の運営について、まず七十五歳以上について都道府県単位の財政運営とし、その後、全年齢について都道府県単位化をする、こういう内容になっております。
#200
○木庭健太郎君 これ、今おっしゃったように、実際に廃止法案が出せるかどうかまだちょっと不明確なんですね。一番問題になるのは何かというと、新しい高齢者医療制度、私から言わせれば何かちょっと、ほとんど後期高齢者医療制度と変わらない面があるんですけれどもね。看板の書換えみたいな気もするんですが。
 それはそれとして、新しい高齢者医療制度は、その中心を担うのは都道府県になっていくんです。だから、国と地方の協議がどこまでできるかということが一番大事なんです。今、この国と地方の協議ですか、どこまで検討をされているんですか。例えば全国知事会はこの新しい医療制度についてどう受け止めているんですか。お答えください。
#201
○国務大臣(小宮山洋子君) 今申し上げましたように、高齢者医療制度改革会議の最終的な取りまとめでは、後期高齢者医療制度廃止後の新たな制度での国保の運営主体の在り方について、市町村による広域連合ではなくて、都道府県が担うことが適当という意見が大勢でございました。それで、この取りまとめに対しまして、今委員御指摘のように、全国知事会の方からは、市町村国保の構造的な問題について議論することなく単に財政運営を都道府県に移しても、巨大な赤字団体をつくるだけで問題を先送りするだけというような意見が出されております。
 こうしたことも踏まえまして、今厚生労働省としては少しでも早く取りまとめができるように調整を進めているところでございます。
#202
○木庭健太郎君 具体的めどがないんです。知事会なんかもうひどいですよ。何と言ったか。現行制度の廃止法案の提出を断行しようとすることは暴挙としか言わざるを得ず、断じて認めることはできないというふうな、こういう声明もあるということはもうもちろん厚労大臣御存じの上で御発言されたんだと思います。その意味ではこれ、まとまらないんです。出せない、法案。
 何を言いたいかというと、全体通じて、年金の問題言いました、介護の問題を言いました、医療の問題言いました。大綱自体がまずどうなっているかというと、税制改正に比べて社会保障改革はほとんど検討、検討、検討と書いてあって、具体的内容がないんですよ。しかも、今ずっと議論したように、それを具体化する法案がいつ出るかも明確ではないわけです。これでは私は、やっぱり社会保障と税の一体改革ではなくて、社会保障を置き去りにして消費税増税改革だと、こう言わざるを得ないと思いますよ。
 総理、私が言いたいのは、まず社会保障について明確なビジョンと、せめて法制化のめどですよ。これはきちんと示してくださいよ。これが最低限不可欠です。これがなければ単に消費税だけを取るという、これでは国民は納得しないと思います。いかがでしょうか。
#203
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 大綱の中には、例えば第二章で、子ども・子育て、年金、医療・介護等々の社会保障の全体像を明らかにしています。その全体像を明らかにした上で、その上でそれぞれの改革項目を実施時期等々の工程表も併せて載せております。順次この法律については提案をしていくということで、検討として書いてあるものについても、法案化したものはその検討がだんだん消えていくんですね。ということで、全体像を示していますので、まさにこれは税制と併せての一体改革でございます。
 既に税制については年度内に提出をする運びでありますが、先ほど副総理からもお話がありましたとおり、既に社会保障関連で法案提出したものもありますし、税制と併せて提出するものもありますし、若干遅れるのもありますが、そういう形で順次提案するということが全体像の中で明記してございますので、これはまさに一体改革でございます。
#204
○木庭健太郎君 やっぱりちょっと私は無理があると思います。せめて、じゃ、検討じゃなくて、いつにこの法案が出てくる、いつに出てくる、せめてプログラム法ですよね、それぐらいもない。やっぱりこれ、私は一体改革とはとても思えないと、こう申し上げざるを得ないと思います。
 政治と金の問題を少しお伺いしたいと思うんです。政治と金の問題というのは、うちの場合は個別的事案ではなくて、自民党さん、済みません、やっぱり政治と金の問題に対する改革というものをこれやらなくちゃいけないと思うんですよ。そうしないと国民の信頼の回復ってできないと私たちは思っている。
 公明党は今どういう提案をしているかというと、政治家の監督責任というものをきちんと強化すべきだという法案を出して、もう何回も何回も総理に対して質問をしているんですが、今年の参議院本会議でうちの山口代表がこの法案の成案への協力を求めたところ、総理何とおっしゃったかというと、民主党提案の企業・団体献金禁止の法案と併せて協議してもらいたいというふうに答弁されたんです。何か他人事のようにちょっと聞こえました。
 総理はもうやる気があるんですかね。成立させたいわけですよね。是非今国会中にこういったものが形になるように、私たちも最大限努力しますが、総理としても是非、今国会中のこの政治改革法案成立へ向かって尽力をしていただけますか。
#205
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御党からは政治家の監督責任を強化するという、そういう御提案が出ております。我が党からは、企業・団体献金の禁止を含む政治資金規正法、こういう考え方を持っています。これ、大本を絶つためには、企業・団体献金廃止というのは、私どもはこれは自分たちの自説としてこれ堅持していきたいというふうに思っておりますが、両方成立するように、いわゆる政治資金規正法が成立できるようにお互いに協力し合えればいいなというふうに思います。
#206
○木庭健太郎君 企業・団体献金の全面禁止という問題、私たちもずっと公明党としても取り組んだ問題なんです。
 総理おっしゃるように、民主党もこの二〇〇九年マニフェストで企業・団体献金の禁止、掲げています。そして、現在もその企業・団体献金の受取は自粛するというふうにうたっていらっしゃいます。
 でも、見ていると、ちょっと、おっと首かしげるんです。二〇一〇年だけで、民主党の各政党支部です、政党支部がもらわれた企業・団体献金って幾らあるかというと、約八億七千万円ありました。民主党の政治資金団体の国民改革協議会は約六百三十万円もの企業・団体献金を受けていらっしゃいました。これで企業・団体献金の禁止って本当におやりになれるんですか。聞いておきたいと思います。
#207
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 民主党、先ほど申し上げたような制度改正を提案をしておりますので、現行法令が認めているものについては禁止する措置は講じていませんが、党本部は二〇一〇年を含めまして過去二年間、企業・団体献金を受け取っておらず、パーティー開催も自粛をしております。
 一方で、今御指摘いただいた八億七千万というのは、これ政党支部におけるものでございますが、これは政党支部には自粛を要請をしておりません。というのは、政治資金というのは一つの制度の下で全政党、政治家が一律的に法令によって等しい対応をすることが必要であると思いますので、特に各選挙区においては各党が競い合っている状況の中で、我が党の支部のみが自粛することは現実的ではないということでございますけれども、企業・団体献金を廃止するという制度改正の方針に変更はございません。
#208
○木庭健太郎君 是非、この改革法案、本当に努力しますから、今国会で成立するようにお互い努力したいと思います。
 最後に、カネミ油症というものについてお伺いしておきたいんです。
 カネミ油症というのは、猛毒のダイオキシン類が混入した食用油です。これを食べた人が食中毒になって西日本一帯に被害者が二万人を超えた事件です。被害発生から既に四十年経過しましたが、今なお患者さんはダイオキシンが抜け切れず、根本的治療もないまま苦しんでいます。
 民主党はさきの衆議院選挙で、この油症患者に対して、医療費の自己負担分や健康管理手当に取り組むということを明記しています。さらに、最近はダイオキシン除去の環境省所管の法律使って取り組むという提案もありましたが、その後音さたなしです。どうなっておりますか、お聞かせください。
#209
○国務大臣(細野豪志君) 今、木庭委員が御指摘をされたのは政策インデックスというものでございまして、これは、それぞれの国会中にどういったことをやったのかということについて民主党の取組を取りまとめた実績集でございます。そういう政策について取り組みましたということを国民の皆さんにお知らせをするものでございます。
 御指摘のPCBの廃棄物特別措置法は確かに環境省が所管をしておりまして、超党派で議員連盟をおつくりになって、それで取り組むというようなことを今御提案をいただいている、検討されているというふうに伺っております。ただ、このPCBの廃棄物特別措置法というのは、廃棄物をどう処理するかというための法律でございまして、この法律そのもので患者の皆さんの救済に活用するというのはやはり困難ではないかと考えております。
 国全体で申し上げますと、カネミ油症事件につきましては、厚生労働省において事件発生当初から被害の拡大防止措置であるとか再発防止対策を講じますとともに、今年度は九州大学の研究者を中心とする油症研究班が行う研究、検診、相談事業に対して補助金を交付をしているという状況でございます。
 こうした取組を進める中で、患者の皆さん、被害者の皆さんに対応できるところをできるだけしっかりと取り組んでまいりたいと、そのように考えております。
#210
○木庭健太郎君 総理、国政という大きな目から見れば、それはカネミ油症って僅か二万人程度の小さな問題かもしれない。でも、ダイオキシンで人体、健康被害に遭ったというのはベトナム戦争の枯れ葉剤とこのカネミ油症しかないんです。世界中でダイオキシンで苦しんでいるという人が存在するのは日本とあのベトナム戦争の後、これしかない。その人たちが治療費もないまま、本当に苦しんだままいる。
 私は、何かやろうとすればできるというふうに思っています。特に、例えば難病の問題。これは、研究事業、研究ということに視点を当てて、その研究ということをテーマにしながら、患者さんの医療費の一部を負担できるような仕組みを難病対策ではつくっているんですよ。
 何かこういったことを是非私は検討すべきだと思いますが、総理から答弁を求めて、質問を終わります。
#211
○内閣総理大臣(野田佳彦君) お気持ちは、何とかしなければいけないというのはよく分かるんですが、ただ、難病とこれはちょっとやっぱり違うというのは、原因のある企業があると、等々あるんです。だから、そこをどう乗り越えるかということをちょっとよく研究させてください。
#212
○木庭健太郎君 終わります。
#213
○委員長(石井一君) 以上で白浜一良君、木庭健太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#214
○委員長(石井一君) 次に、小野次郎君の質疑を行います。小野次郎君。
#215
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。
 早速質問に入りますが、岡田副総理、再来年度、二〇一三年の国家公務員の採用について、二〇〇九年比で政府の行革実行本部は四割、あなた自身は七割以上の大幅削減を指示したと伝えられていますが、それは事実ですか。
#216
○国務大臣(岡田克也君) 私自身は、昨年、一昨年と比べて更に大幅な削減ということを行革実行本部でお願いしております。具体的な数字を申し上げたことはございません。
#217
○小野次郎君 質問通告していませんが、今朝のことですけれども、総務大臣、あなたは閣僚懇談会で同じようなことを各省に要請しているんじゃありませんか。
#218
○国務大臣(川端達夫君) 副総理の指示の下に、今も御答弁されましたけれども、今までの規模を大幅に上回る規模で削減をしたいということが確認をされまして、その趣旨に沿って各省庁と今どれぐらい減らせるかということを調整協議をしている途中にあります。
#219
○小野次郎君 お二人の答弁を聞くと、四割とか七割以上というのは全く事実無根だということですか、その数字は。
#220
○国務大臣(岡田克也君) 先ほど言いましたように、一昨年が四割弱、そして昨年が三割弱であります。それらを大幅に上回る削減という言い方をしております。
 多分、新聞に出ておりますのは、総務省の方で各省と具体的な交渉に入っておりますので、そのときにいろいろな数字を各省ごとに投げておられる、そういうものを一部メディアが知って、それが全体像であるかのように伝えているということではないかと想像しております。
#221
○小野次郎君 これ、べらぼうな話だと思いますよ、四〇%とか七〇%以上なんというのは。
 小宮山厚労大臣、通告していないんでお答えできる範囲で結構ですが、この不景気の時代に若者に雇用を確保するということは、国全体で取り組まなきゃいけないテーマじゃないですか。こんなことを、国家公務員の方で四割だとかそれ以上とかという大幅削減したら、民間の雇用にどんな影響があるとお考えですか。いや、小宮山さんですよ。
#222
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、閣僚の間からも、やはり若い人の雇用に影響を与えないこととか、私の方からも、例えば復興に対して今ハローワークとか応援が入っているとか、各省いろいろなこともあります。ただ一方で、公務員の人件費削減ということもございますので、そこでやはりめり張りの利いた改革が必要だということを発言をしているところでございます。
#223
○小野次郎君 多大の影響が、民間にも悪い影響があると思います。そしてまた、私たちは去年震災を経験し、その後、自衛隊、警察、消防、海上保安庁、あるいはあらゆる防災部門、民生部門の皆さんが公のために働いている姿、かえって評価は私上がっていると思いますよ。こういうときに何を考えているのかと私は憤りを感じます。
   〔委員長退席、理事川上義博君着席〕
 公務員改革を私たちは一生懸命訴えていますけれども、それは既得権を打破しろと言っているんですよ。天下り、高過ぎる給与、退職金、年金の三階部分、こうしたものを批判しているのであって、それでもなお、そういう批判を受けてもなお、公のために働きたいと言っている若い人たちが公務員希望があるのに、それを四割カットしろ、七割以上カットしろ、天下の愚策じゃないですか。副総理、そう思いませんか。
#224
○国務大臣(岡田克也君) 委員、先ほど申し上げましたように、一昨年既に四割弱カットしているんですね。ですから、今回初めて何かやっているような印象を委員は受けておられるかもしれませんが、我々、政権交代して以降、四割弱、三割弱と、これは二十一年度比ですが、平成、やってきているということでございます。それは、もちろん若者にしわ寄せをしているわけではなくて、できることはあらゆることをやるということです。
 委員は今いろいろな既得権と言われましたが、たしか御党も公務員の数を減らすということについても言及しておられたんではないでしょうか。その数を減らしていく中で、そういった新人についても数を削減するということは、私は一つの手段として考えられるということでございます。
#225
○小野次郎君 そういうふうに言うんじゃないかと思いました。私たちは、給与、退職金、年金について見直すと言っています。天下りを禁止しろとも言っています。これらは全て既得権ですよ。既に公務員労組、公務員という身分をもらって安住している人たちにその特権をなくしてくださいと言っているんです。今からそういう厳しい公務員の労務環境であっても、勤務環境であっても公のために働きたいという人に門戸を閉ざせなんて言っていませんよ、私たちは。一人の高給取りがお辞めになれば、二人、三人の若い公務員雇えるじゃないですか。意味を履き違えないでください、副総理。
#226
○国務大臣(岡田克也君) 私の聞き間違いでなければ、先ほど、災害に対して公務員は一生懸命働いていると、そういう公務員を減らすことはとんでもないという趣旨のことを言われました。別に新人に限らず委員は先ほど言及されたんじゃないんですか。
#227
○小野次郎君 まあ開き直りとしか私には聞こえません。そういう姿を見て公務員になろうという若者がたくさんいるじゃないかと言っているんですよ。それに対して四割カットだ、七割カットだというのは天下の愚策だと私は申し上げているんです。
 総理に伺います。確認していただきたいんです。是非、この急激な採用の大幅削減なんてしないと是非約束してください。
#228
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国家公務員試験を目指して日夜頑張っている若い人たちにとっては恐縮でございますが、厳しい国難の状況、財政状況であるということを是非御理解をいただき、今回、行革実行本部の中で今までよりも大幅に抑制することは私も含めて確認をし合っておりますので、この方針どおり進めていきたいというふうに思います。
#229
○小野次郎君 もう何か続ける意欲が出てきませんが、今日はたくさん聞かなきゃいけないことがあるので先に進みますけれども。
 総理は、二月七日の私に対する答弁で、国家公務員の人件費削減はむしろ復興財源としてお願いしているものでございますと言っています。これは復興財源なんですか、それとも消費増税の前に実現する身を切る改革の一環なんですか。もう一遍聞かせてください。
#230
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国家公務員の給与マイナス七・八%、削減は、これはもう法律的にも位置付けは明確でございまして、復興財源、まさに臨時異例の措置でございますが、公的セクターにかかわっておる皆様にこういう形で御負担を復興のためにお願いをするというのが趣旨でございますので、したがって期限は二年間ということでございます。
 それが身を切る改革とどういう関係があるかというお尋ねだと思いますが、したがって、社会保障と税の一体改革をお願いしてますが、これは安定財源は消費税に求めています。財源をこの公務員の人件費カットで充てるということではございませんけれども、一方で、国民に御負担を求める以上、身を切る改革、自分たちも身を切るのか、政治家定数削減やるのか、公務員の人件費減らすのかということは国民の大きな関心事でございますので、それにこたえる意味もあるというふうに思っております。
#231
○小野次郎君 身を切る改革の意味もあるんであれば、当然、それは僅か二年の暫定措置ではなくて恒久的な措置とすべきなんじゃないですか。御党の中からもそういう意見出ているじゃないですか。
#232
○国務大臣(岡田克也君) まず、政府として今公務員制度改革について四法提案させていただいているところでございます。この法律が成立をいたしますと、今後の給与水準については労使交渉の中で決まってくるということになります。ですから、この二年間、今回の震災復興のための削減があるわけですが、その後のことはまさしくその法律に基づいて労使交渉の中で決めると、こういうことになります。
#233
○小野次郎君 そんな曖昧なことを言っているから次々と波及するんですよ。御党の中で、議員歳費の削減、我が党も賛成ですよ、だけど、それも二年の暫定措置じゃないかって言っているじゃないですか、代議士会で樽床さんが。そういうふうになっていくんですよ。この二年の暫定措置というのは復興財源なんですか、身を切る決意なんですか、どっちなんですか。
#234
○国務大臣(岡田克也君) この趣旨は各党間で御議論をいただくことだと思いますが、私が昨年、幹事長のときに、この三百万ということについて、今年度について決めさせていただきました。その趣旨はやはり大震災の復興財源を出すということでございました。今回、更に二年間というのは、そういう趣旨の中で出てきた話だと私は理解しております。
#235
○小野次郎君 総務大臣に伺いますけれども、人事院調査で出ている官民較差、給与の較差、僅か〇・二三%だと本当にあなたも認識しているんですか。
#236
○国務大臣(川端達夫君) これは、国家公務員の給与の水準については、人事院が毎年官民較差を比較するということで、同種の同等の民間企業従業員の賃金の実態を調査して比較するということでございますので、これらに基づいて給与を改定するという勧告がなされるということでありますので、一応これ、政府の立場として申し上げれば、これが水準を是正する部分でありますから、今年度においては〇・二三%でございます。
#237
○小野次郎君 不思議ですよね。同じ去年の九月、平成二十三年九月に人事院勧告は〇・二三%だと。ところが、同じ時期に、国税庁の民間給与実態調査、民間の平均給与四百十二万、公務員の方は六百三十七万。それが国民の生活感覚に近いと思いますよ。五四%の格差があるんですよ、官と民で。だから、〇・二三が、川端大臣、あなた自身もそういう認識ですかって聞いているんです、私は。
#238
○国務大臣(川端達夫君) 違う基準で調査、別の目的で調査された部分は、一概に比較してどうこうということは当たらないというふうに思っております。
 例えば、今お触れになりました国税庁の調査は、これは給与支払の事業者が払った総額を受け取った人の総数で除したものでございます。これは、源泉徴収票を発行したという意味で、対象の人数は名寄せをしておりませんので、複数カウントされているということでありますので、一概にその意味で単純比較できないことが一つと、同時に、労務構成がかなり異なりますので、例えばこの十年間で、いわゆる民間は、非正規雇用者と俗に言われる人たちが、短期の人たちの比率が二六%から三四%に急増しておりますが、国家公務員の場合、そういう劇的な労務構成の変化がございませんので、そういう部分で調査目的が違うということと、実態の比較が同等同種と先ほど申し上げました、その比較でないグロスでありますので、一概に比較はできないというふうに思っております。
#239
○小野次郎君 あなたはそう感じていますかって、三回目ですよ、同じ質問、大臣。
#240
○国務大臣(川端達夫君) この場で感じで申し上げることはできません。数字に基づいた、調査に基づいたことしか申し上げられませんので、私としてはこれが、私の、総務省の立場でいえば、これが、人事院勧告が唯一の根拠でございます。
#241
○小野次郎君 これももう何か手を打つ手がないな、この内閣はと私思います。
 地方自治体について、人件費削減、これは自主的かつ適切に取り組むべきものだと附則の第十二条にも書いてございますけれども、私は、少なくとも国自体、地方に対する国の人件費負担は、当然削減された後の、七・八%カットした後の国家公務員給与の水準を基準にすべきだと思いますけれども、まず最初に、文科大臣に教員給与国庫負担金についてお伺いします。
#242
○国務大臣(平野博文君) 今議員の御質問でございますが、義務教育費国庫負担金の取扱いについてと、こういうことでございますが、政府全体の地方公務員給与の取扱いの検討を踏まえ、適切に対処すべき問題であると考えております。
#243
○小野次郎君 答えがよく分かりません。
#244
○理事(川上義博君) もう一度、平野文科大臣。
#245
○国務大臣(平野博文君) 義務教育費、今の総務大臣の部分でありますが、そこから続けていきますと、特例法の附則十二条のとおり、同法の趣旨を踏まえて、地方公共団体において自主的に適切に対応されると、こういうことでございます。
#246
○小野次郎君 私の質問の趣旨が分かっていないみたいですね。最終的に条例で地方自治体が給与を決めるのは自治体が自主的に決めるんでいいんだと思うんですよ。だけど、国は、一方で国家公務員を雇っている立場にあって、一方で地方公務員の人件費の一部も負担しているのであれば、給与モデルは同じレベルでなければいけないでしょうということを言っているんです。(発言する者あり)
 じゃ、ちょっともう一度。
 つまり、国が地方の人件費の一部負担している、その部分についての給与モデルは七・八%カットしたものをモデルと考えなければ、直接雇っている公務員には下げて、地方の方には前の給与の水準でいいですよと言っているのは矛盾していませんか。
#247
○国務大臣(平野博文君) ですから、私先ほど申し上げましたように、政府全体の地方公務員給与の取扱いのことを踏まえて適切に対処すると、こういうことだと思います。
#248
○小野次郎君 それでは総務大臣に伺いますが、地方交付税の人件費相当分についても、基準財政需要のときに、国家公務員にはモデルを下げていながら地方公務員の計算のときにはそれを下げないというのは矛盾していませんか、総務大臣。
#249
○国務大臣(川端達夫君) 地方自治法に基づいて自主的に決めるということはもう当然御存じのことでありますが、その中で、先般、附則十二条も出ました。地方公務員法と今回のこの法律を踏まえて適切に対処するようにということでございました。それを踏まえて、地方公務員の給与については、総務省からは各地方公共団体に対して、こういう法律の趣旨が出ましたことで対処していただくように期待しますという文書は出しました。
 しかし、今回の国家公務員に係るこの時限的な削減額を、同様の措置を実施することを要請することとか強制することは考えておりません。ということは、今お問いの地方財政計画の策定に当たりましては、給与臨時特例法に定める給与削減措置と同様の措置が一律に実施されることを前提とした給与関係経費を計上した上で、それに基づいて地方交付税における人件費を算定するということは考えておりません。
#250
○小野次郎君 総務大臣、大変丁寧にお答えいただいて、そうなんですよ、暫定措置だからなんですよ。あくまでも復興財源で考えているからそうなっているんで、現に地方交付税の別表第一にはそれぞれの人件費の単価というのが表に書いてあるわけですよ。そこをなぜ七・八%下げないのかと聞いているんです。
 地方公共団体が直接お支払いになる給与の額を条例で決めるのは自主的に決めればいいですよ。だけど、国が地方に支払っているときにこの基準の方を下げていないのは不公平じゃないですか、
#251
○国務大臣(川端達夫君) 繰り返しになりますけど、この議員立法でできました法律の趣旨、附則の部分でも、十二条に「地方公務員の給与については、地方公務員法及びこの法律の趣旨を踏まえ、地方公共団体において自主的かつ適切に対応されるものとする。」と書いてあります。
 したがいまして、総務省としては、自主的かつ適切に対処されるときに、交付税措置等々でこの額を割り当てるというふうなことを含めて強制することは考えていないと申し上げたところでございます。
#252
○小野次郎君 強制なんかしていませんよ。国が自ら定めている地方交付税法の別表第一の人件費の単価を同じ率で下げるべきじゃないかと言っているんですよ。それを自治体が条例で幾ら給与を支払うかは自治体が自主的に決めればいいんで、今、何遍も引用されている附則第十二条と何ら矛盾しませんよ、私の言っていることは。
#253
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 地方公共団体の自主的な対応としてこの給与をお決めになるということの改定の動向を踏まえて、所要の給与関係経費を計上するということにしておるわけですから、初めからそれを見越して計上するということをしないと申し上げているところでございます。
#254
○小野次郎君 甚だ不満ですけれども、次の論点へ移りますけれども。
 退職金の官民の大幅な格差をなくすべきだと私は申し上げたいと思います。このパネルを見てください。(資料提示)
 つい数日前に人事院調査結果が出ました。各報道機関ほとんどの、全て大きく取り上げていますけれども、それを見ていただくと、あっと気が付いたのは、まず、実際に支給される共済年金の職域加算というのはこの公表されているデータの約二倍ぐらいあるんじゃないかと思うんですが、人事院お見えになっていますか、お答えいただきたいと思います。
   〔理事川上義博君退席、委員長着席〕
#255
○政府特別補佐人(江利川毅君) 共済の職域部分ですが、それは、国の方の支払とそれから公務員の保険料の支払と両方あるわけでございます。
 今回は退職金の関係の調査ということで、企業年金も国の方の支払も全部事業主負担、公務員でいえば国が支払っている分だけを集めまして比較したものでございます。
#256
○小野次郎君 続けて伺いますけど、共済年金の職域加算部分を退職時に一時金で受け取ることというのはあるんですか。
#257
○政府特別補佐人(江利川毅君) 実際どう支払われているかということにつきましては、制度を直接所管しておりませんので、私の方ではその支払の実態は分かりません。
#258
○小野次郎君 共済年金の職域加算部分を退職時に一時金で受け取ることはないんじゃないですか。
#259
○国務大臣(安住淳君) ちょっと急な質問でして、基本的にはないと私は思っております。ないと思っています。
#260
○小野次郎君 つまり、金額は、というか、そもそも一時金で受け取らないものを、しかも金額を半分にしてこの二百四十三万というのを棒グラフで乗っけてるということなんですよ。バーチャルなものなんですよ、実際にあることじゃなくて。
 続けて聞きますけれども、企業年金がない企業とか退職金制度がない企業から見たら、こんな比較自体が極めてリアリティーのないものではないかと思うんですけれども、これ人事院ですかね、人事院にお伺いします。そう思いませんか。
#261
○政府特別補佐人(江利川毅君) 退職金は、一時金で支払うケースとそれを年金のように分割して支払うケースと、それぞれ企業の判断でやっているものでございます。
 今回は、いずれも企業が負担するものについて、一時金は一時金、企業年金は企業年金、それを企業が支払う分を一時金的に換算して比較をしたものでありまして、退職を契機にして支払われるものという意味では、トータルではこういう整理ができるんではないかというふうに思っております。
#262
○小野次郎君 これは人事院にもう一遍聞きますけれども、退職金の官民調査のときに、この退職金あるいは退職手当と企業年金、職域加算というのをそれぞれ二階建てにして比較するようになったのは何年からですか。
#263
○政府特別補佐人(江利川毅君) 退職金そのものの調査は人事院の、何というか、所管事項ということでは必ずしもないんですが、企業の実態をいろいろ調べるノウハウを持っている関係で、今回でいえば財務大臣、総務大臣からの要請を受けて調査をしたわけであります。
 五年前に同じような調査をしておりまして、これは内閣官房長官からの要請を受けて調査をいたしました。そのときは、公務員の三階部分の職域部分の年金の在り方も議論をされておりましたので、その関係でそこを調査したものでございます。
#264
○小野次郎君 私が調べたところでは、確かに去年の調査そして二〇〇六年のときに、今人事院総裁がおっしゃったように職域加算部分をこの棒グラフに乗っける調査にしましたけれども、それ以前の調査では、退職金は一時金の退職金と退職手当だけを比較してきたんですよ。なぜかというと、これは私の推測ですけれども、二〇〇一年以降、公務員の退職金を下げるべきだという議論が政治家の間から出てきて、そしたら出てきた調査は、今度、企業年金と職域加算を両方乗っけたやつを比較してどうだこうだという議論になって、何かどっちが多いか分からないような話になってしまったんです。
 今回、四百二万と、どんな新聞の大きな見出しも四百万の格差と言っていますけど、是非皆さん見てください、この退職手当と退職金を比較すると、実は二倍以上、千六百六十五万六千円の格差があるというのが市民感覚だと私は思いますよ。もらえないような職域加算を退職金と同じように加算する。しかも、それは実際は倍もらっているんですからね。それをバーチャルなもので計算して四百万だと言っていますけど、実感としては二倍以上公務員の方が退職金をもらっているというのが正しい姿だと私は思いますけれども、総理大臣、そう認識しませんか。
#265
○国務大臣(岡田克也君) 私も公務員の待遇については厳しく見なければいけないという基本的立場に立っております。
 ただ、今委員のおっしゃるのは、私は見解を異にしております。つまり、会社であれ、公務員の場合は国ですが、最終的に辞めたときにどれだけ払うかということは、それはやはり退職金と、そしてその企業なり国が負担する年金額を一定の、今回は一定の割合で置き直しているわけですが、やっぱりそのベースで比較するのが本来ではないかと。一方だけ取り出して多い少ないと言っても、他方がその逆であればやっぱり比較に意味がないわけで、私はこの人事院の調査についてかなり詳しく聞きましたが、まだまだ多少もう少し詰めたいところはあるんですが、基本的な考え方として、退職金と年金を一定の割合で合算して比較するという考え方は私は間違っていないというふうに思っております。
#266
○小野次郎君 企業年金がない企業とか退職金制度がない企業、これ増えているんですよ、今、この景気の中で。そういった方たちから見たら、こういったバーチャルなものとして積み重ねていって、最も恵まれた民間の方と比較して四百万の差がありますと言っていますけれども、実際に退職金でもらうのはどれぐらいかという議論を普通はするんですよ。それは倍以上差があるということですよ。これは現実ですから。
#267
○国務大臣(岡田克也君) 確かに、今回の場合、対象の企業はたしか五十人以上……(発言する者あり)ええ。ということですから、それ以下のところは含まれていないということは一つ指摘できるかと思います。
 ただ、例えば年金がない、そういう企業も、企業年金がない企業はございます。しかし、そういうところは退職金が多く出ているかもしれないと。したがって、そういった年金を一定の割合で引き戻して、そして全体の平均値を出したのがこれでありますから、この中には企業年金がない企業も入っているし、あるいは企業年金が非常に多くて退職金が少ない企業も入っている。全体をならしたものがこれであると、そういうふうに私は理解しております。
#268
○小野次郎君 総理にお伺いしますけれども、これだけ大きな官民格差、早期に是正される覚悟はおありですか。
 総理に聞いていますよ。もう総理に、まとめですから、もう総理に。
#269
○委員長(石井一君) それじゃ、もう一度、岡田公務員制度改革担当大臣。
#270
○国務大臣(岡田克也君) これは、我々、従来から平成二十四年度中の法案提出を目指すというふうに申し上げております。といいますのは、被用者年金一元化の検討の動向を踏まえて、この共済年金の職域加算部分をどうするかという議論がございます。それと併せて二十四年度内に提出をしたいと。もちろん、なるべく急いで結論を出していきたいというふうに考えております。
#271
○小野次郎君 年金の議論をする際にこの公務員の職域加算について議論をするというのは私も必要だと思います。でも、今日聞いているのは、総理、退職金として受け取る金額がこれだけ官と民で違ってしまっている、この官民格差の是正を早急にすべきだと思いますが、総理のお覚悟をお聞きしたいと思います。
#272
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 職域加算については今副総理からお話ございましたが、官民の格差を縮小する方向でしっかりいろんな議論をしていきたいというふうに思います。
#273
○小野次郎君 話題を変えます。
 岡田副総理にまた伺いますが、先月もお伺いしました。沖縄返還密約の存在を岡田副総理は三十数年後に国民の前に明らかにされたわけですけれども、その真意を改めてお伺いしたいと思います。
#274
○国務大臣(岡田克也君) 外務大臣の折に、四つの密約ということについて徹底調査を行って事実関係を明らかにしたものでございます。
 これは、岸内閣のときの日米安保条約改定、そして佐藤内閣時の沖縄返還、それぞれ二つずつ密約と言われるものがございまして、合計四つについて明らかにいたしました。外務省の中の徹底調査と、それからそれを踏まえた有識者の調査、そのことについて、少し前になりますが、発表させていただいたところでございます。
#275
○小野次郎君 今、テレビで「運命の人」というドラマ、続けてやっています。これが西山事件をモデルにしたものだと多くの人は思っているわけですけれども、先月、岡田副総理は、この問題について私から質問したところ、密約の報告を受けながら、歴代総理、外務大臣が国会の場で否定してきたことは許し難いと。新聞には、珍しく感情をあらわにしたとまで書かれているんです。
 もう一度、国民の前にこの密約の存在を明らかにしたときの真意を確認したいと思います。
#276
○国務大臣(岡田克也君) この四つの密約ですけれども、やはり私は、やっぱり外交というのは国民の信頼があって初めて成り立つものだというふうに考えております。しかし、多くの国民がこれは事実じゃないんじゃないかと思うようなことを、歴代の総理大臣、外務大臣が、いや、そういう密約はございませんと言い続けてきたというのがこれまでの歴史で、これはどこかで断ち切る必要があったと。なかなか政権が続いている中では、それは前任者がないと言っているのに新しい大臣が、あるいは総理大臣が、いや、実はあったんだというのは言いにくかったかもしれません。そういう意味では、政権交代したあの時期にこそチャンスである、そういう考え方で密約の解明に取り組んだところでございます。
#277
○小野次郎君 今日は、この問いは次へ進むための前提としてお聞きしたんですが。
 官房長官、尖閣の事件のときと代が替わっておられるので、大変失礼なんですけれども、尖閣事件のビデオの公開、大変当時の内閣は拒みました、最初。当院が再三にわたって公表してもらいたいと言っても出していただけなかったわけですが、最後に少なくとも国会に対しては公開していただいた、六分五十秒のビデオですね。その後は数時間のバージョンも提供いただきました。
 最終的にこの公開を受け入れた理由を、官房長官、どのように認識されていますか。
#278
○国務大臣(藤村修君) 小野委員には、この問題について言わば政府の情報公開という立場からずっとフォローをしていただいておりまして、ありがとうございます。また、官邸にもいらっしゃったということで、政府の情報公開がどういうふうにされているかという、そのこともよく御存じの上でお尋ねをいただいていると思います。
 今のお問いに対しては、これ、最終的にといいますか、昨年八月、参議院予算委員会理事会から海上保安庁に対し、その前の年、一昨年九月に発生した中国漁船衝突事件の映像記録のダイジェスト版の提出要求がなされたということで、これでダイジェストにした十二分間のものが提供されたというふうに聞いております。
 これは、海上保安庁において、当時の参議院予算委員会においての中国漁船衝突事件の映像記録に関する議論が繰り返し行われてきた、もちろん衆議院でも行われておりましたが、そのことを踏まえ、そしてその上で、海上警備取締り活動への支障などを考慮する必要性が小さいと判断した場面を抽出してダイジェスト版にして、これ十二分だったそうです、を昨年八月十一日に参議院の委員会理事会に提出したと、このように資料で見ております。
#279
○小野次郎君 官房長官、私が伺いたかったのは、公開する必要、公表する必要があるだろうという認識を最終的に内閣がされた理由をもう一遍お伺いしたいと思います。
#280
○国務大臣(藤村修君) まず、公表できない理由が多分あったと思うんですね。それは、これは海保庁、海上保安庁の、あるいは一般的にもそうなのかもしれません、政府の側では、例えばこれは、海上保安庁の理由としては海上警備あるいは取締り活動に支障があると。つまり、巡視船による追跡、規制、捕捉に係る一連の方法、あるいは機材ですよね、これは防衛省においても同じかと思います、その種類や取扱いの方法に関する情報をこれは秘匿する必要があると、そのように考えていらっしゃったと。それからもう一つは、海上保安官の顔が出る、あるいはプライバシーの問題にかかわると、こんな御判断であったということだと思うんですが、それら、ずっと相当の期間を掛けてやり取りする中で、全体では多分十六時間ぐらいの全てのビデオの中で、さっき申しましたように、これら支障を考慮した上で、考慮する必要が小さい場面、これをダイジェストにしたことによって公開できるようになったと、このように聞いております。
#281
○小野次郎君 当院は最終的にその十数時間のビデオも見ましたけれども、ほとんど支障がないというのが私たち国会議員の認識でございました。
 私が聞きたかったのは、やはり国民の知る権利、国会で議論するためにも事実は必要だと、そのことを内閣も認識いただいたのでそういう選択をされたんだろうと私は理解しています。
 このビデオについては、皆さん御存じのとおり、ユーチューブに流した海上保安官がいたんですね。私はそのときに一番頭に置いたのは、岡田副総理、西山さんのような事件を再びつくってはいけないということでした。
 ですから、当院の予算委員会が時々テレビ中継ができなくなったときがあったんです。それは、早くビデオを公開してほしいと、そうしないと、厳罰に処すべきだと言っていた閣僚も中にいたんですからね、前の内閣には、そういうことをすればまた新たな事件をつくってしまうじゃないかということで、私は大変このことには気を遣いました。
 結果的には、内閣の方で、まあちょっと遅過ぎたと私は思いますけれども、そういう措置をとっていただいたためにこの事件というのは事件でなくなった、刑事事件としては立件しなかった形に終わりましたけれども、この知る権利を守る、その裏腹には、国家権力がまた、それを先走って出した人は犯罪だと、こういうふうにまた言うのが裏腹にくっついているわけですよ。だから、私はこの問題は大変重要だと思っています。
 この原発事故関係会議の議事録が作成されていなかった件について岡田副総理に改めて伺いますけれども、作成、復元を急げと指示された趣旨を伺います。
#282
○国務大臣(岡田克也君) これは、原発の問題だけではなくて、この東日本大震災にかかわる様々な行政組織、その中には一時的につくられたものもございましたが、全体について記録が十分にそろっていないのではないかということで調べた結果、確かにそういうものがございました。
 やはり、これだけ大きな災害ですから、後に政府の対応についてしっかり検証を行い、もし失敗があるとすれば同じ失敗を繰り返さないようにしなければいけないと。そういう意味において、公文書管理法もございます。公文書管理法では、行政組織の意思決定の過程、実績について文書作成を求められているわけでございます。特に大きな大震災であっただけに、よりそういったものが求められる。残念ながらそのことが十分なされていなかったということで、事後的にはなりますが、その復元をお願いしたところでございます。
#283
○小野次郎君 その指示は大変私は適切だったと思います。数日前からいろんな議事概要とか議事録ということで私たちは知ることができるようになった事実がたくさんございます。
 例えば、昨年七月二十日の閣僚級の会合だと思いますけれども、複数の閣僚が原発再稼働をあの時点で強く主張している、そしてそれを主管の海江田経産大臣は有り難いお言葉と応じたと、そんなことも明らかになっています。内閣が替わり、大臣もほとんどいなくなっちゃって、今ごろそのことが分かったわけです。あのころにそういう事実が出ていて、これ国会で議論にならなかったわけないじゃないですか。ところが、その議事概要、議事録が作られていない、あるいは公開されていないために、私たちは、もうなくなってしまった内閣の、いなくなった大臣のこの話をどう受け取るかという何か過去談になってしまった。大変私は遺憾だと。やはり、秘密のものはあるかもしれない、しかし作るものは作るべきだし、公開できるものは公開すべきだというのがこの民主政治の大原則ではないかと思います。
 総理大臣、御認識をお伺いしたいと思います。
#284
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 東日本大震災、原発事故等、その過程でどういう意思疎通、意思決定があったのか、あるいはどんな実績があったのか、そういうことを基本的にはタイムリーに国民の皆様に明らかにして、そして国民の皆様の議論に供することということは大事なことだと思います。
 その意味では、阪神・淡路大震災のころからも議事録作っていなかったということはありましたが、特に昨年は公文書管理法も施行されていたわけでございますので、その意味では、深く反省をして、今後こういうことのないようにしなければいけないと思っております。
#285
○小野次郎君 重ねて総理に伺いますが、総理、こういう言葉を御存じですか。サラリーマンに無礼講なし、政治家の発言にオフレコなし。その言葉、御存じですか。
#286
○内閣総理大臣(野田佳彦君) そういう言葉、知りませんでした。初めて聞きました。
#287
○小野次郎君 部長が、今日は無礼講だから何を言ってもいいよって、飲んで言うと、翌日出勤すると、君、随分いろんなこと言っていたねというのを、サラリーマンに無礼講と言うけど無礼講なんかないんだと。政治家はもっと責任重いですよ。オフレコだからといって書いたのがいけないみたいに言うのは、基本的に私は間違えた認識だと思うんです。
 オフレコ失言、幾つもありました。松本防災大臣、鉢呂経産大臣、そして、事務方ですけれども、田中沖縄防衛局長。いつもその後に、私は今この中身のことを言おうとしているんじゃないんです、いつも出てくるのは、松本さんの場合には画像も撮られていましたよね、書いたらその社は終わりだぞと。はっきり音で聞きました。鉢呂さんのときも、オフレコを報道するとは何だというのが、失礼だけど与党内から意見があったというのは出ていますよ。それから、田中防衛局長のときも、これは地方紙なんです、沖縄の、それが書こうとしたら、オフレコを報道するなとその防衛局は迫った。これも報告に出ています。
 こういう発想、認識、基本的に改めるべきだと思いませんか。
#288
○内閣総理大臣(野田佳彦君) オフレコ取材というのは、これは日本新聞協会等々も一定の背景を知る意味で認めている話であって、諸外国を見ても、ホワイトハウスを含めてこういうオフレコというやり方は取っています。
 ということで、存在するということは前提でありますが、ただし、そこでしゃべることについては報道されることもあり得るという緊張感を持って対応しなければいけないというのが、ここ最近の私は戒めだというふうに思います。
#289
○小野次郎君 大体御理解いただいているように思いますけれども、例えば使ってはいけない言葉を使うとか、あるいは考え方そのものが一端が出て、その考え方が批判を受けるような内容だったという場合には、オフレコだから書くなとかというのは通らないですよ、政治家の場合は特に。そう思いませんか。
#290
○内閣総理大臣(野田佳彦君) だから、その意味では、小泉元総理は余りオフレコ取材を受けなかったと聞いています。私も余り受けませんが、まあ受けてもいいんですけれども、相当やっぱり気を緩めてはいけないということは間違いないということでございます。
#291
○小野次郎君 総理が気を緩めてはいけないのも当然ですけれども、閣僚の方々にも是非それを趣旨徹底していただきたいと思います。
 続いて、これまた総理なんですが、二〇〇七年にも福田総理と小沢当時の民主党代表の突然の会談がございました。御記憶にあると思いますけれども、このときには事後に双方とも会談の概要を少なくとも認めているんですね、それぞれの場で。このときの対応に対する御認識を伺いたいと思います。
#292
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 覚えていますが、あれ、大連立のお話をされたときだと思います。そのお話をされた後に当時の小沢代表は、党の役員を党本部に待たせておりまして、そこでそのお話の御報告をされました。御報告をされたということは当然、だから外に出るということは当然だったというふうに思います。
 そういうことで、党の役員会で、私も広報委員長で参加をしておりましたけれども、その議論には参加をさせていただきましたということでございます。
#293
○小野次郎君 報道では、もちろんこのときに当時の代表は、幹部会、役員会の方にはこの内容は厳に外部に漏らさないようにとおっしゃったそうですけれども。
 二回会談がございまして、その間に実は党首討論の予定があったんです。そうしたら、党首討論は延期して、実施されなかったんです。当然でしょうね、話合いが進んでいる途中で党首討論をやれば、まあ言葉は悪いですけれども、八百長になっちゃいますからね。二人で別のところで会って話をしている途中で、間に党首討論をやってガチンコで討論しているように見せたら、それは正直じゃないからということじゃないですか。このとき、一旦延期になっているんですよ、この二回の会談の間の党首討論は。それは、両方の政治家が、私は小沢先生については直接存じ上げませんけれども、二人のいわゆる大物の政治家が、それがやっぱり国民に対する誠実な態度だろうとお考えになったんだと私は思いますよ。
 そこで、消費増税への協力を非公式にいずれかの政党代表に働きかけたことはございますか。
#294
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公式、非公式って、ちょっと難しいんですが、いろんな機会にお願いをしています。例えば、国会の審議、これは公式でしょうね、党首討論も。そういう場でお願いすることもあります。(発言する者あり)非公式というのは難しいんです。例えば、多くの皆さんが集まっている例えば新年会の会場で呼びかけたこともございました。その種の呼びかけは非公式なんだと思うんですが、そういうのを含めて、いろんな機会でお願いをさせていただいております。
#295
○小野次郎君 総理は、そこのところを使い分けているんですね。裏は裏で通すということですかと言っていますね、あるテレビ局で。裏と表、使い分けているという意味ですか、今のは。
#296
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 使い分けてはいないつもりですが、公式、非公式、いろんな機会、お会いする機会というのは一般論としてはあってしかるべきじゃないでしょうか。特に私どもは与野党協議をお願いする立場ですので、いろんな機会にお願いするということはあると思います。
#297
○小野次郎君 総理は、裏で会ったら裏のままということでしょうかと言っているんですね。裏で会ったら裏のまま、表に出さない、そういう趣旨でおっしゃったんですか。
#298
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 裏のままと言ったんですか、私、どこかで。(発言する者あり)ああ、そうですか。多分それは非公式と公式の意味で申し上げたつもりでございますが、いろんな機会で一般論ではお会いしてお願いをする私は立場だというふうに思っております。
#299
○小野次郎君 今日は、手元に資料を配らせていただきました。天知る地知るという故事ですけれども、天知る地知るの、これに続く下の句を総理、御存じですか。
#300
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いえ、分かりません。
#301
○小野次郎君 資料を下まで読んでいただくと分かるんですが、子知る我知る、つまり、あなたも知っていますよね、私も知っていますということなんです。
 何が言いたいかというと、この二月二十五日、話題になっています首相動静は、十一時五十分、東京虎ノ門のホテルオークラ、日本料理店山里で藤村官房長官と食事となっています。ところが、日本の政治の中では、永田町だけでなく多くの国民は、このときに自民党総裁とお会いになった、そういう認識を持っちゃっている。事実ですよ。それに基づいて御党の中でもいろんな動きがある。自民党、それ以外の政党の中でもそれを踏まえた対応が議論されるようになってしまっている。
 私は、今、天知る地知る子知る我知るということを総理にもう一遍かみしめていただきたいと思います。
 なぜかといえば、一つは、自民党総裁、言わば昔でいえば政権を奪い合う相手ですよ。相手と、それぞれ、会っていません、会っていませんと話をもし約束しているんだとしたら、それは大変なあなたは弱みをつくっていることになりますよ。藤村官房長官と食事した、これが本当でなかったら大変なことですよ。私は秘書官でいましたけれども、総理と官房長官というのはできるだけ、何というんですか、緊張関係があった方がいいんです、同じ飛行機に乗るとか同じ料理食べるとかは避けて。なぜかといえば、どちらかが、人事不省、事理弁識能力なくなったときにはどちらかがそれを認識して代わらなきゃいけない立場、その二人がもし一つの事実を、君もないしょだよね、僕もないしょだよねと、こういう関係になっていたら、それはそういう判断ができなくなるということですからね。天知る地知る子知る我知るというのはそういうことですよ。誰も見ていないから二人だけの話というのは、一国の宰相には私は通らないと思いますよ。
 さらに、この料理屋の店員の方は見ておられる、警護官の方も見ておられる。警護官の人は決して政治的なことは発言しないと思いますけど、でも、この人たちの任務は身辺警護なんですよ。だけど、有権者なんですよ、この人たちだって。総理がうそをついているとしたら、決して誰にも言わないかもしれないけど、あなたは、子知る我知る、まさにそのことをかみしめなきゃいけないんじゃないですか。
 その意味で、これだけ日本中があなたと谷垣総裁がお会いになったことを前提に政治的にも動いているわけですから、この会談について、国民に対して白か黒か証拠がないだろうでは通らないだろうと私は言いたいわけですよ。あなたの方からそういう事実について説明責任が大いにあると私は思いますよ。そう思いませんか。
#302
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 二月二十五日にお会いしたのは藤村官房長官であります。一緒に食事をいたしました。それは官房長官と総理が一緒にいるのはおかしいというお話でありますが、ちょうど沖縄訪問前でございましたので、沖縄関連の関係閣僚会議を束ねておるのは藤村さんであります。その後、被災地から高校生が公邸に来られることになっていました。それは藤村さんの出身母体のあしなが育英会の関係が御尽力いただいたもので、その御説明もございました。ということで、必要な情報交換をやったわけでございまして、谷垣総裁とはお会いをしておりません。
#303
○小野次郎君 じゃ、もう一度聞きますけど、消費増税への協力を非公式にいずれかの政党代表に働きかけた事実はないということですか。
#304
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 非公式というのはなかなか先ほど難しいと申し上げましたが、あらゆる機会に自民党総裁にも公明党代表にもその他の方にもお願いをしていることはあります。
#305
○小野次郎君 まあ今日はその故事をお渡しして、是非総理に、別にこの場でどうこうではないけど、しかし、一国の宰相たる者、たとえどなたに対してでも、この人は真実を言っていないと思われてはいけないんじゃないかということを私はあえて申し上げておきます。
 次に、消費増税を公約に掲げないで政権に就いた民主党内閣が増税法案を提出する場合には、速やかに解散・総選挙で国民の信を問うというのが筋道ではないでしょうか。総理。
#306
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 総選挙の直前の民主党の多くの問題意識というのは、任期中、政権担当期間中に消費税を引き上げることはしないと。もちろんマニフェストには書いておりませんでしたが、その上でもし引き上げるような事態になれば、その前に国民に信を問うというのが共通認識だったと思います。そういう言動を私もしてまいりました。
 さりながら、政権を預かる立場になって、国民生活と国家財政、そして社会保障の持続可能性に責任を持たなければいけないという状況の中で、今回一体改革のお願いをさせていただいております。一体改革を皆様に御理解をいただいて成立をさせていただいた暁には、そのことも含めて、やるべきことをやり抜いた上で、解散については適切な時期に判断をしたいというふうに思います。
#307
○小野次郎君 話題を変えますが、東京電力の電気料金の値上げについて、多くの事業者は反対しています。そして、昨日、埼玉県の上田知事からも、県としても納得できないという意見が恐らく同僚議員のところにも届いていると思います。
 こうした国民の感覚の中で、この東電の電気料金値上げ、まあ自由化された部分だということは制度的には私存じ上げていますけれども、政治的に政府の責任において中止させるべきではないですか。経産大臣にお伺いします。
#308
○国務大臣(枝野幸男君) 東京電力の自由化部門の料金については、御指摘のとおり、まさに自由化部門でございますので、上げさせないという権限は私にはございません。
 ただ一方で、東京電力に対しては原子力損害賠償支援機構が総合特別事業計画等を作らせるというような関係がありますので、内閣府特命担当大臣としては、この総合特別事業計画の認定等に当たっては、最大限の経営合理化の努力と、それに対するきちっとしたユーザーの皆さんに対する説明がなされているということを前提にしなければ、認可するつもりはございません。
#309
○小野次郎君 この値上げの権利があるなんていうふうに言っている東電の社長の言葉には、国民は憤っています。その電力料金の値上げは、原発の事故で生じた賠償、その様々な負担を利用者の方に転嫁するものじゃないですか。経産大臣、そう認識しませんか。
#310
○国務大臣(枝野幸男君) ここはそうではありませんで、賠償については別枠で、国会の議決に基づいて賠償機構で税金を一時的に使っていただいて、賠償に遺漏なきをやっていただいております。
 それから、もちろん今後廃炉等について費用掛かってきます、将来的にはございますが、今回東京電力が示しております値上げの理由としては、原子力発電所による発電がなされずにその分を火力で代替をしていると。もちろん、本当のコストがどうなのかということについて原子力発電所についてはございますが、従来原子力発電所のコストとされていた金額と火力のコストでは大きく違いますので、原子力の分を火力をフルにたいているということではコストは掛かるということが理由である、このことは間違いございませんが、そのコストの増えている分を他の合理化努力で最大限吸収するようにということを内閣府特命担当大臣として強く促しているところでございます。
#311
○小野次郎君 平野復興大臣に伺いますけれども、放射能の汚染地域で最優先の課題は、私は前から言っていますけれども、元の場所に戻ることができるか、集落ごと移住に加わるか、あるいは新天地で生活再建するか、原発事故の被災者一人一人に完全なる自由な選択肢を保障することが政府の責任ではないかと私は思います。
 帰宅すれば賠償額が減額されるんじゃないかと心配している人がいる一方で、避難先を期限切って締め出されるんじゃないかと、特に役場が再開したような町から出てきている人の場合には避難場所を今度カットされるんじゃないかという不安、様々な不安は耳にするわけでございますけれども、もう一度元の場所に戻るか、集落ごとの移転に参加する方もいるでしょう、新天地で生活を再建したいという方もおられるわけで、自由に選べるように是非御配慮いただきたいと思いますが、覚悟をお伺いしたいと思います。
#312
○国務大臣(平野達男君) 昨年の原発事故で半ば強制的に避難を命ぜられた方々は約十一万人おられます。その十一万人の方々をどうやって帰還していただくか、あるいは新たな生活を始めていただくか。
 これは基本的には、委員から今御指摘があったように、自由な選択肢というよりはいろんな、例えば賠償はこのようなことを考えております、それから雇用対策はこういうことを考えております、それから帰る場合にはこういう住居を用意します、あるいはもし帰らないという場合にはこういう対策を用意しますといった、そういった様々なケースをきっちり政府の方で詰めまして、それを避難者の方々に、そして関係の町村に提示をいたしまして、最終的にその避難者の方々に最も自分がやりたい、こういう方向に行きたいという選択をしていただくという、実はこの選択というのは大変つらい選択をお願いすることになると思います。
 そのつらい選択をお願いするに当たって、できるだけの分かりやすい、そして理解のしやすい、そういった施策をお示しする、今そのための準備を進めているということでございます。
#313
○小野次郎君 健康、安全にかかわることなんですから、いろんな人の事情に応じて、新天地で生活を再建したいと思われる方がたくさんいることも事実ですから、その方たちが差別的な扱いを受けることがないように、是非政府全体で取り組んでいただきたいと申し上げまして、私の質問を終わります。
#314
○委員長(石井一君) 以上で小野次郎君、みんなの党の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#315
○委員長(石井一君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。山下君。
#316
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 今日は、憲法と日本の民主主義の根幹にかかわる問題について質問します。
 初めに総理に伺います。憲法十九条には「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」とあります。この条項は戦前の深い反省の上に立って明記された大変重いものだと思いますが、総理の認識を伺いたいと思います。
#317
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 山下委員御指摘の憲法十九条、思想及び良心の自由は、一般に、内心について国や地方公共団体が制限し、又は禁止することは許されないという趣旨であると理解をしております。これを含め、憲法で保障された基本的人権は大変重要なものであると認識をしています。
#318
○山下芳生君 総理も重要だとお認めになりました。
 そこで、具体的な問題に入ります。先月、大阪市において全職員三万数千人を対象に労使関係に関する職員のアンケート調査なるものが実施されました。このアンケート調査に対して、日本弁護士連合会、大阪弁護士会などから、憲法十九条が保障する思想、良心の自由を侵害するものであるとの批判が広く起こっております。総理、御存じですか。
#319
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今資料でもお配りをいただいておりますが、大阪市において労使関係に関する職員のアンケート調査が行われて、今御指摘のあったような日弁連会長などの声明が出されているということは承知をしております。
#320
○山下芳生君 私、これは一地方の問題ではないと思うんですね。国会が見過ごすわけにいかない民主主義の根幹にかかわる重大な問題だと思っております。
 これが大阪市のアンケート調査そのものですけれども、(資料提示)ここには、あなたは組合活動に参加したことがありますかとか、あなたは特定の政治家を応援する活動に参加したことがありますかなど、個々人の思想や考え、心の中にまで踏み込む調査項目がたくさん含まれております。しかも、答えたくなければ答えなくてもいいという調査ではないんです。
 このパネルは、アンケート調査に付けられている橋下徹大阪市長名の文書です。直筆のサインがあります。「このアンケート調査は、任意の調査ではありません。市長の業務命令として、全職員に、真実を正確に回答していただくことを求めます。正確な回答がなされない場合には処分の対象となりえます。」と、こうありますね。職員は、自分の氏名と職員番号と所属部署を記入した上でこれに回答しなければなりません。
 私たちは、大阪市の幹部職員と労働組合の一部には、率直に言って、ただすべき問題点があると考えております。実際、我が党の大阪市会議員団は、例えば市長選挙での市役所ぐるみの選挙運動、あるいは特定団体と一体となった不公正、乱脈な同和行政、さらにはやみ年金の問題などを厳しく追及してまいりました。こうした問題はただされなければなりません。しかし、だからといって全ての職員の思想や考え、心の中まで市長が業務命令と処分で強制的に調査することなどあってはならないと考えるものであります。
 二月二十二日、大阪府労働委員会はこの問題で大阪市長に勧告書を出しました。厚生労働大臣、間違いありませんね。
#321
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘の件につきましては、今おっしゃったように、平成二十四年二月二十二日付けで大阪府労働委員会の会長から大阪市長などに対して、労働委員会規則第四十条の規定に基づき、審査の実効確保の措置として勧告されたと承知をしています。
 なお、この勧告書は不当労働行為の審査に先行して出された仮の救済です。現在、大阪府労働委員会で不当労働行為の審査手続が進められていると承知をしています。
#322
○山下芳生君 労働委員会とはどういう組織ですか。
#323
○国務大臣(小宮山洋子君) 労働委員会は、労働組合法に基づいて設置された独立の行政委員会です。労働組合法、労働関係調整法に基づいて、組合員であることを理由とした不利益な取扱いなどの不当労働行為の審査や労働紛争の調整などを行う組織でございます。
#324
○山下芳生君 つまり、使用者としてやってはならない行い、不当労働行為があったかどうかを審査するのが労働委員会であります。
 では、大阪府労働委員会の勧告書は大阪市のアンケート調査にどんな問題があると指摘していますか。
#325
○国務大臣(小宮山洋子君) 勧告書では、アンケート項目の中には組合加入の有無を問う項目など、過去の判例ないし命令例に照らして支配介入に該当するおそれがある項目が含まれていると言わざるを得ないということ、また、本件アンケート調査は、被申立人の業務命令として回答が義務付けられ、また正確な回答がなされない場合には処分の対象となり得ることが明記されている、こういったことなどが指摘をされています。
#326
○山下芳生君 今紹介された勧告書の一部をパネルにいたしました。
 ここにある支配介入とは何か、憲法との関係も含めて説明してください。
#327
○国務大臣(小宮山洋子君) 支配介入とは、不当労働行為として禁止されている行為でございます。労働組合法第七条第三号では、使用者は、労働者が労働組合を運営することを支配し、又はこれに介入してはならないと規定をされています。
 なお、労働組合法第七条で規定されている不当労働行為制度は、憲法第二十八条による団結権等の保障を実効あるものにするための制度であると考えられます。
#328
○山下芳生君 要するに、このアンケート調査は、憲法二十八条が保障する労働者が労働組合をつくったり加入したりすることへの不当な干渉に当たるおそれがあるということであります。しかも、このアンケート調査が続けられ回答内容が誰かに見られてしまったり集計されたりしたら、もはや救済の意味がなくなる、取り返しの付かない事態になるおそれがあると大阪府労働委員会が判断したということであります。
 ところで、この勧告書は橋下徹大阪市長に対して出されたものですが、その理由についてどう述べていますか。
#329
○国務大臣(小宮山洋子君) 勧告書では、被申立人、これは大阪市、橋下徹大阪市長等ですが、被申立人は、本件アンケート調査を当面の間凍結したとするが、当委員会は、救済の基礎の確保並びに労使紛争の拡大防止という観点から、審査の実効確保の措置として、この事件で当委員会が本件申立ての当否につき判断を示すまでの間、アンケート調査の続行を差し控えるよう勧告するといったことなどが指摘をされています。
 いずれにせよ、この勧告書は、不当労働行為の審査に先行して出された仮の救済です。先ほど申し上げたように、現在、大阪府労働委員会で不当労働行為の審査手続が進められていると承知をしています。
#330
○山下芳生君 パネルの下の部分に当たります。要するに、こういう調査を委託し業務命令を出したのは大阪市長なんだから、大阪市長の責任でアンケート調査を止めるよう勧告したということであります。責任は大阪市長にあるということなんですね。ここがポイントです。一般の民間の誰かが任意でやっているんじゃありません。市長が公権力を使って、処分で脅しながらこういう調査をしている。ここに重大性があると私は思います。
 さらに、このアンケート調査には大きな問題があります。日弁連などが指摘しているように、憲法十九条が保障する思想、良心の自由を侵害するものになっているという点であります。
 このパネルは、アンケート調査の中にある設問の一つです。「あなたは、この二年間、特定の政治家を応援する活動(求めに応じて、知り合いの住所等を知らせたり、街頭演説を聞いたりする活動も含む。)に参加したことがありますか。」と聞いています。特定の政治家を応援したことがあるかどうかや、街頭演説を聞いたことがあるかどうかまで何で答えなければならないのか。
 総務大臣、一般論として聞きますが、地方公務員法は、自治体職員が勤務時間外に一市民として街頭演説を聞くことまで禁止するのを目的としているんですか。
#331
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 地方公務員法三十六条は職員の政治的行為を制限しておりますけれども、この規定は職員の政治的中立性を確保することを目的としております。
 個別の具体的な行為が三十六条に禁止されている政治的行為に該当するか否かについては、具体的な行為態様、状況等、事実関係の中で判断されるものでありますけれども、一般的に申し上げれば、職員が勤務時間外に単に街頭演説を聞くことを禁止するものではないと認識しております。
#332
○山下芳生君 今あったとおり、公務員の政治活動の規制は限定的なんですよ。それ以外は自由にできるんです。街頭演説を聞くことは規制されておりません。自由です。野田総理の街頭演説を公務員は聞いちゃ駄目だなんということにはなっていないんですね。それから、街頭演説を聞いたこと、あるいは聞かなかったことを人に言わないのも自由なんですね。ところが、この調査は、それを業務命令で言わせる、正確に回答しなければ処分の対象としているわけであります。これだけでも大問題だと言わなければなりません。
 しかも、この問いは、幾つかの選択肢の中から回答させるやり方になっております。青い線を引いてあります。自分の意思で参加したのか、組合から誘われたので参加したのか、それとも組合以外の者から誘われたので参加したのか、あるいは参加していないのか、全職員がこの中から選んで回答しなければならないんです。これでは、見る人が見れば、回答した職員がどの政党や政治家を支持しているか、あるいは政治にどの程度関心あるかまで全部分かってしまいます。まさに思想調査そのものですね。こういう調査を公権力を使ってやることが許されるのか。
 総務大臣、たとえ地方自治体の首長であっても憲法や法令に抵触する職務命令を出すことはできないと考えますが、間違いありませんね。
#333
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 地方公務員法三十二条は、職員の要するに職務遂行義務を課しておりますけれども、この職務命令は適法でなければならないのは当然でございまして、各地方団体において発出される職務命令については、関係法令に基づき適切に判断の上、対処されることが肝要であると思っております。
#334
○山下芳生君 首長が憲法や法令に抵触する職務命令を出せないということは確認いたしました。ですから、憲法が保障する思想、良心の自由を踏みにじる思想調査など、誰であってもやることは絶対に許されないんです。
 加えて、この思想、良心の自由には、言いたくないことは言わない自由、いわゆる沈黙の自由も含まれます。ところが、驚いたことに、大阪市の調査には沈黙の自由がないんですね。職員は職場のパソコンで回答を入力するんですが、答えたくないと思った項目を飛ばそうとすると次に進めない仕組みになっております。回答を強制される仕組みになっているんですね。そうやって、心の中が回答すればするほどあぶり出されるような仕組みになっております。まさに現代の踏み絵だと私は思いました。
 もう一つ、この調査には看過できない深刻な問題があります。それは、思想調査の対象が市の職員にとどまらず全ての市民と国民に向けられているということであります。
 もう一度パネルを見ていただきたいんですが、あなたは、この二年間、特定の政治家を応援する活動に参加したことがありますかと聞いて、職員本人が参加したかどうかとともに、誘った人は誰か、誘った人の氏名まで回答することを求めております。誘った人は大阪市職員に限定されておりません。一般の市民、国民までが対象とされております。
 それから、これは別の設問ですが、あなたは、この二年間、職場の関係者から、特定の政治家に投票するよう要請されたことはありますかと聞いて、これも、職員本人が要請されたかどうかとともに、要請した人は誰か、その氏名まで回答することを求めております。職場の関係者とありますけれども、これ職員に限定されません。例えば、市役所あるいは病院、あるいは保育所など、市の施設に出入りしている人はみんな関係者、対象となり得るということであります。
 つまり、一般の市民が大阪市役所の職員に街頭演説に行きませんかとか、誰々に投票してくれませんかと声を掛けたら、声を掛けた市民の氏名を報告せよというものであります。一般の市民や国民が演説会に誰を誘おうが、誰に投票をお願いしようが、全くの自由であります。相手が公務員であってもこれは自由であります。ところが、それを三万数千人の大阪市職員を通じて報告させ、市民を監視する網の目を張り巡らせようとしていると。これは非常に重大だと言わなければなりません。
 私は、こんなことが通ったら、本来市民の福祉のための組織であるべき市役所が市民を監視するためのまるで秘密警察のような組織に変質させられてしまうと感じております。
 総理、こんなことは憲法十九条、思想、良心の自由に照らして、日本国内のどこであっても絶対に許されないと思いますが、総理の認識を伺いたいと思います。
#335
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 本件は個別の地方公共団体内部の事案でありますので、当該地方公共団体において、憲法、法律、条例等に基づき適切に判断し対応されるべきものと考えております。
#336
○山下芳生君 個別の問題として私は逃げちゃ駄目だと思うんですね。これは日本の民主主義の根幹にかかわる問題であります。総理として、憲法十九条に照らして、この大阪市のようなやり方が許される、何も問題ないと考えるのか、もう一度はっきりお答えください。(発言する者あり)
#337
○委員長(石井一君) 静粛に願います。
#338
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 繰り返しの答弁になりますが、当該地方公共団体において、憲法、法律、条例等に基づき適切に判断し対応されるべきものと思います。
#339
○山下芳生君 許される、問題ないということですか。
#340
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 同じ答弁になります。当該地方公共団体で判断されるべきものと思います。
#341
○山下芳生君 こんな問題に全く物が言えないというのは極めて情けないんですが、しかし、何度聞いても総理も、大阪市の調査が憲法十九条に照らして許されるとか問題ないということは言えませんでした。当たり前だと思います。
 今の憲法の下で、民主主義の日本で、こういう思想調査を行い、空恐ろしい監視社会をつくることは絶対に許されません。私はこの場で、大阪市が思想調査で集めたデータを即時廃棄すること、職員と社会に対して謝罪することを強く求めたいと思います。
 日本共産党は、今年創立九十周年を迎えます。戦前の暗黒時代から今日までどんな弾圧を受けようとも自由と民主主義の旗を下ろさなかった党として、民主主義を守る一点で国民の皆さんと力を合わせて奮闘することを申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#342
○委員長(石井一君) 以上で山下芳生君、日本共産党の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#343
○委員長(石井一君) 次に、吉田忠智君の質疑を行います。吉田君。
#344
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 東日本大震災、巨大津波、東京電力福島原子力発電所の事故から一年が経過をしました。私も、三月十一日、政府主催の一周年追悼式に出席をさせていただきました。改めて、犠牲となられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、今なお困難な生活をされておられる方々に寄り添って、そして迅速な復興が進められるように微力を尽くす、そうした思いを共有したところでございます。
 そこで、総理、今日総理も言われておりましたが、一年が経過をして、震災の復興、遅い、不十分という指摘があると、そのように言われておりました。その原因はどこにあるのか、そのことをどのように思われているのか。そして、これからの復興、そして原発事故の収束、復旧に向けて総理の御決意をまずお聞かせいただきたいと思います。
#345
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 大震災発災からちょうど一年というこの節目は、一つには追悼、鎮魂の思いをもう一回私たちは再確認するということ、そのことは午前中も申し上げましたけれども、やっぱり今回の大震災を風化させてはいけない、しっかりと教訓とか知見も含めて後世に語り継いでいくということがあると思います。
 それからもう一つは、この一年というのは、更に復興に向けての取組を強化をする、そういう元年にしなければいけないということでございまして、残念ながら、被災地の皆様からお寄せいただく声の中には、遅い、行き届いていないという御意見もちょうだいをしております。そうした声を真摯に受け止めながら、多くの党の御理解をいただいて、復興庁、復興交付金、復興特区、新しい制度や新しい組織をつくっていただきました。こうしたものをしっかりとフル回転をさせて、復興への加速に向けて全力を尽くしていきたいというふうに思います。
#346
○吉田忠智君 総理のそうした思いをお聞きした上で質問に入らせていただきますが、先ほども議論がありましたけれども、復興庁は二日、復興交付金の初回配分額を公表しましたが、配分額は各県の要望の六割、三千八百九十九億円の。そして、宮城県の配分額は五七%、要望の五七%であったと。宮城県知事は、復興庁ではなく査定庁だと強く憤っておられたという報道がございました。
 先ほど平野復興大臣から、事前の説明が足りなかったということで御理解いただいたということですが、そういうことではないのではないかと思うんでありますが、総理はそのことについてどのような御所見をお持ちですか。
#347
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 若干、丁寧な説明が足りなかった、コミュニケーションの不足があったということは平野大臣も今日反省として言われていましたが、そのことだろうと思うんです。
 被災地の皆さんを査定するつもりではなくて、今日の大臣の答弁の中にもありましたけれども、一月末に出していただいた計画、全ては認められなかったんですが、それでもこの後採択される可能性のものもあるわけです。加えて、全国防災等、ほかの予算とかほかの制度で対応できるということもあると思うんです。
 そういう切り分けをうまく御説明をして、基本的には被災地の御要望にしっかり耳を傾けて、そして御要望をどう実現するかということに寄り添いながら対応するというのが復興庁であると思いますので、そのコミュニケーションの在り方については反省をしながら、これからはしっかりとコミュニケーションを取って、そして被災者の皆様の信頼とそして納得を得られるように努力をしていきたいというふうに思います。
#348
○吉田忠智君 被災者、自治体が困惑している事例も幾つか報告されておられますが、その具体例を取り上げたいと思います。
 パネル、そして資料にもございますが、(資料提示)宮城県道十号線、これは津波に襲われた宮城県の沿岸部を縦断する県道でございますが、この路線でございます、ピンクの線。それから、ピンクの地域は津波に襲われた地域、浸水した地域でございます。この宮城県道十号塩釜亘理線のかさ上げが交付金事業とならなかったことであります。県道十号を六メーターかさ上げをして津波からの多重防護を図るものでありますが、ここがストップしますと町づくり全体が進みません。
 仙台市は、復興庁との協議の結果、対象事業に該当なしとの判断から一次申請を保留をしました。名取市は、閖上地区の土地区画整理事業がまとまっておらず、復興庁が不採択を決定。岩沼市では、ネットワーク道路であるので国交省の交付金で対応するよう復興庁が指示しているということで、いずれも頓挫をしています。復興庁は早急に自治体と協議して採択すべきと考えますが、総理の御所見を伺います。
 また、こうした事態は被災地にとって、自由度の高い一括交付金という復興交付金、ワンストップの復興庁という趣旨に反するのではないかと考えますが、お考えを伺います。
#349
○国務大臣(平野達男君) この地域は、もう委員御案内のように津波で大きな被害を受けた地域でございます。
 これから復旧復興の作業に入っていきますが、委員、多分御案内のとおりかと思いますが、まず、この地域は大きな海岸堤防のかさ上げをします。その裏側に今度は防潮林を、これもかさ上げをして木を植えるという、これは、これから林野庁と農水省と環境省の方で制度設計していきますが、そして更に道路でかさ上げをするという、いわゆる多重防御でありまして、これを六メートルのかさ上げにするかどうかということについては、基本的には、そこをまず今議論の最中であります。
 ペーパーに、ここに書いてありますけれども、仙台市は一次申請は保留。名取市は、これ多分、用地を生み出すときに、換地の手法というのを使いまして用地を生み出すということで土地区画整理事業を入れているんだろうと思います。それはまだ計画がまとまっていない。それから、岩沼市は、ここはちょっと私承知しておりませんが、一本の道路で市町村の事情が全部違っているということがあります。
 こういうことになりますと、まず土地をどうやって生み出すのか、かさ上げをどうやってやるのかということについてのまず計画をしっかり作った方がいいですねということになると思います。このことを復興庁の職員は各自治体とやっているはずです。それで、この計画をしっかり作ったら、次の交付申請のときには是非交付申請してくださいという形で、そこで計画が、これはいける、発注できるということになるとこの路線は採択になるというふうに思います。
 ただ、私、このペーパーを今初めて見ましたので、六メートルのかさ上げがいいかどうかも多分、ひょっとしたらあるいは議論になっているかもしれません。つまり、津波というのは、繰り返しになりますけれども、海岸堤防、そして防潮林、それからもう一本、この地域では高い何か土堰堤を造るという四重の計画になっていましたので、ここの一つの全体の計画の中ではちょっと議論になっているということも承知はしております。
 以上であります。
#350
○吉田忠智君 様々な調整を要することは承知をしておりますし、復興庁がしっかりその調整役を担わなければならない。そういう意味で、一例として申し上げました。是非そうした立場で、是非復興庁が大きな役割を果たしていただきますように要請をして、次の質問に移ります。
 先ほども議論がありましたグループ補助金、中小企業グループ施設等復旧整備補助事業、県から認定を受けた場合に、施設等の復旧に必要な費用の二分の一を国が、四分の一を県が中小企業グループに補助をして被災地の産業復興を促進しようとするもので、中小企業の再建に貢献をしておりますし、大変効果の上がる事業だということで評価をされております。
 被災三県だけでも延べ八百八十六グループ、総額六千四百六十二億円の申請に対して、百七十二グループ、総額二千六十四億円、額にして約三分の一しか採択されておりません。被災地のニーズにこたえ切れているとお考えでしょうか。また、財源としては、本年度の補正、それから予備費合わせて千五百四億円、来年度の予算でも五百億円を積み増すということですが、財源の積み増しが必要ではないかというふうに考えますが、お考えを伺います。
#351
○国務大臣(枝野幸男君) 多分、これは経産大臣としてになるかと思います。
 御指摘のとおり、実は、一次、二次、三次という公募を掛けておりまして、足し合わせると八百八十六グループ、六千四百六十二億円の申請なんでございますが、一次で入らなかった方が、若干、グループを組み替えてというか、二次に申請をしている、あるいは三次に申請をしている等がありまして、大変申し訳ありません、その実態としてどれぐらいの方が申請したのに受けられていないのかということを正確にちょっと今、相当細かく詰めないと計算できないという状況でございます。
 ただ、二十四年度の予算案五百億円については、こうした執行の状況を踏まえて、なおかつ各県と御相談をした上で五百億円という計上をしております。一次、二次、特に二次、三次などの申請を認可したものがいよいよ執行、具体化がどんどん進んでまいりますので、そうしたことも踏まえ、なおかつこの新年度予算におけるグループ補助金等、まずはこの五百億円で最大限対応させていただくということで、その後はまた地元の皆さんとも御相談をさせていただきたいと思っております。
#352
○吉田忠智君 執行状況も見ながら必要に応じて、来年度五百億で足りなければしっかり、予備費もそうでありますし、必要な補正もまた考えていただきたいと思っています。
 これ、四分の一の自己負担分がネックとなって事業者が申請をちゅうちょしているケースもあると報道されていますが、こうした中小企業の方に対しては高度化スキームによる無利子貸付制度があり、より少ない自己資金で再建をスタートできる制度になっていると、そのように聞いております。これはどのような制度でしょうか。そして、今現在、審査段階も含め百億円程度しか実績がないと聞きますが、周知は十分なされているのでしょうか、伺います。
#353
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘の高度化貸付制度は各県の支援機関より無利子の貸付けが行われるということでございまして、グループ補助金が交付決定された場合、自己負担分四分の一について無利子で、これを活用すれば、調達をしていただけば資金的な手当てができると、こういう制度になってございます。
 御指摘のとおり、これまでの申請件数が百十億円、貸付決定六十一億円ということになってございますが、これまさに順次、グループ補助金が交付決定され、それに基づいて資金調達を具体化をする中でこの制度を使っていただくということでございますので、事業の進捗に伴い更に申請が増加していくものと考えておりますし、これについては、もちろんしっかりとした査定はいたしますが、できるだけ有効に活用してもらいたいと思っております。
 それに向けても確かに周知徹底、こういう制度がある、使えるということを徹底していくことが重要でございますので、この御質問の通告もいただきましたので、昨日、改めて各県に対し事業者への周知と積極的な相談をお願いをしたところでございます。
#354
○吉田忠智君 是非積極的に進めていただきたいと思います。
 これらのことと併せて、今後どのように被災地の中小企業の再生に取り組んでいかれるのか、伺います。
#355
○国務大臣(枝野幸男君) 今のグループ補助金を始めとして、この間国会で御承認をいただいた様々な中小企業の支援ツールについていよいよ現場で実行できる、例えば地域としての復興計画などがまとまって、じゃ、いよいよこの場所でできるとかということがかなり具体化をしてまいります。したがいまして、例えば新年度分の先ほどのグループ補助金の五百億円にしても、そうした進行状況に合わせてできるだけスピーディーに、スムーズにということが重要になってくると。そうした意味で、ツールは用意をしていただいたと、あとはこれをいかにきめ細かくスピード感を持って実行していくのかということがまずは当面の重要なことだろうと思っております。
 それからもう一つ、同時に、恐らくやはり人が散り散りになっているという状況の中で深刻なのが商店街の活性化であろうかというふうに思っています。商店街になかなか、人がばらばらになってしまっている、戻ってくるのに若干時間が掛かるという中では、商店街そのものをダイレクトに活性化するための施策に加えて、地域産品の販路の開拓であるとか、こういった形で全国の皆さんが被災地を何とか支援をしたいと思っていただいているそのお気持ちを生かしながら、地域の中小企業を支えてまいりたいというふうに思っております。
 これは、恐らくこれだけやれば地域の中小企業が良くなるという特効薬があるわけではなくて、様々な手法をきめ細かく付け合わせていくということが大事だと思っておりますので、今後も是非、現場において不都合が生じていること、あるいは何かいいアイデアがありましたら積極的に御提起をいただければというふうに思っております。
#356
○吉田忠智君 町づくりが進みまして産業が復興して初めて雇用の再生が見込まれるわけでありますが、被災三県の沿岸部を対象にした失業手当の再延長措置は順次打ち切られております。厚生労働省に聞きましたら、二月段階で三千五百十名。今後も相当数の方が給付切れになると見込まれます。
 今後、こうした被災地の皆さんをどのように雇用に結び付けていこうと考えているのか。その中で、被災地のハローワークはどのような取組をしていくのでしょうか、伺います。
#357
○国務大臣(小宮山洋子君) 失業給付につきましては、御承知のように、震災特例で百二十日延長した後、被災三県のうち特に被害が大きかった沿岸部は更に九十日延長いたしました。ところが、それが一月から順次切れ始めている。
 これからは、やはり失業給付の手当てというよりは、生活再建のための雇用をしっかりとつくり出して結び付ける、そちらに重点を置くべきだということで三次補正で予算を付けましたけれども、地元の旧来からあるような地場の産業、あるいはこれから新しくつくり出していかなければいけない福祉関係の雇用とか産業と一体になって、例えば、先ほどの経産大臣からありましたグループ補助金と結び付けて雇用の面で厚労省が支援をする。これは、正規に三年間雇っていただきますと一人当たり最大二百二十五万円を支援をするという仕組みなどを使って産業と一体になってやるということ。また、特に職に結び付きにくい高齢者とか女性、障害をお持ちの方のモデル事業を市町村が企業やNPOに委託をしてできるような仕組みもつくっていますので、こうしたことでしっかりと仕事をつくり出して一人一人に結び付けたいと思っています。
 結び付けるに当たりましては、ハローワークで、求人情報が一つ来ますと、それを複数の方に紹介をして結び付けていくということ、就職会をまた開くということ、それから心のケアもしておりますし、あと担当者制で一人が十人ずつぐらいを担当してきめ細かに対応しています。また、求職者支援制度を始め、職業訓練に就いていただいて、求職者支援制度ですと月十万とか支援ができますので、訓練していただいたことがしっかり仕事に結び付くように、そのようなことで仕事をさせていただいているところです。
#358
○吉田忠智君 今、小宮山大臣から取組を説明をいただきましたが、その最前線で仕事をしているハローワーク、とりわけ被災地のハローワークでは、自らも被災された職員の方が、文字どおり身を粉にして一人でも多くの被災者の方に雇用の場を提供しようと奮闘をされています。被災した中小企業の事業再開へ向けた相談も受け、就労先を開拓する一方で、求職者のカウンセリングに応じながら就労に結び付けていくという、平時にも増して熟練に基づくノウハウが要求されていると言えるわけでありますが、このパネルのとおり、被災地のハローワークでは、この間の行革、行政改革で非常勤職員の方の割合が七割を超えております。全国が六四・四%ですが、岩手、宮城、福島がいずれも七〇%を超えています。これが福祉行政の最前線の現状なんですね。まさに、非正規の皆さんに多く担っていただいているんですよね。
 被災地など、雇用失業情勢が深刻な地域のハローワークについて、私はやはり正規職員を増員をして体制を強化すべきと考えますが、総理のお考えを伺います。
#359
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 東日本大震災発生後、雇用保険や雇用調整助成金の特例措置の実施などによりまして、被災地のハローワークの利用ニーズが急激に拡大をしております。
 このため、昨年の四月十日以後、被災三県に対して全国の労働局、ハローワーク職員による応援派遣を実施をいたしました。また、平成二十三年度第三次補正予算によりまして、原発災害に伴い今もなお多数の避難者がおられる福島県のハローワークに正規職員二十人を増員をいたしました。さらに、平成二十四年度予算案でも、復興関連として、被災三県のハローワーク、正規職員二十人の増員を計上をしております。
 今後とも、厳しい財政事情を踏まえつつ、被災地のハローワークを始めとして、雇用情勢に応じた必要な体制の確保を図っていきたいと考えております。
#360
○吉田忠智君 国にあっても、この間の行政改革で大きく影響を受けていますが、私は、やっぱり大きく影響を受けている分野の一つがこのハローワークであり、雇用関係ではないかと、そのように思います。厳しい状況の中ではありますけれども、実態改善に向けての特段の御努力を求めたいと思います。
 次に、公務員の労働基本権の問題について質問をします。
 午前中、そして先ほども議論がございました。国家公務員給与削減法が成立をいたしました。公務員については、このパネルにも分かりやすく書いておりますが、憲法二十八条で保障された労働基本権を一定程度制約する代償措置として人事院が存在するというのがこれまでの最高裁判所の判例であり、憲法解釈でありました。先般、震災復興の財源を捻出するという目的があるにしても、この労働基本権の回復なしに人事院勧告制度を無視して大幅に給与を削減する今回の法改正は、憲法違反の疑いの強い暴挙であると言わざるを得ません。
 労働基本権の回復、自律的労使関係制度の措置については、国家公務員制度改革基本法に明記されております。午前中も議論がございました。三年以内の必要な法制上の措置が求められているわけであります。基本法は、当時の与党である自民党、公明党、そして民主党が提案して成立しており、三党の言わばこれは公約であります。そして、大変これは重たいものであります。
 改めて、公務員制度改革関連法案の成立に向けて、協約締結権の付与に向けて、総理の御決意をお伺いをいたします。
#361
○国務大臣(岡田克也君) まず、二つほど申し上げたいと思いますが、第一は、憲法二十八条、国家公務員法二十八条違反であるかどうかという点は若干私は見解を異にしております。
 その上で、国家公務員制度改革関連法案は、先ほども申し上げましたが、国家公務員制度改革基本法を踏まえて、自律的労使関係制度を措置し、効率的で質の高い行政サービスを実現するためのものであり、その早期成立に向けて最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。
 是非基本法を、共に作り上げました自民党、公明党の御協力についてもお願いしたいというふうに考えております。
#362
○吉田忠智君 是非、この違憲状態、違法状態を一刻も早く解消するために総理を始め政府の皆さんにも御尽力いただきたいと思いますし、言わば公約としてあるわけですから、野党の皆さんにも是非御理解と御協力をいただきたい、そのように思います。
 次の質問に移りますが、地方公務員の給与については、自民、公明の修正案に基づいて、附則の十二条で地方公共団体において自主的かつ適切に対応すると規定されました。
 この法改正を受けて、地方公務員給与についてどのように考えておられるのか、改めて総理に答弁を求めます。
#363
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 地方公務員の給与は、地方公務員法に基づいてそれぞれの地域で自主的に条例によって定められるということでございます。先般成立しました臨時特例法の附則の第十二条の規定を踏まえて、引き続き国民、住民の理解と納得が得られるように情報公開を徹底するなどして自主的に取組を進めて、適切に決定していただくことが肝要であると思います。
 したがいまして、地方公務員の給与について総務省から、国から各地方公共団体に対して今回の国家公務員に係る時限的な給与削減措置と同様の措置を実施するように要請することや強制することは考えておりません。
#364
○吉田忠智君 総務大臣から今答弁がありまして、衆議院でもそういう非常に慎重な言い回しに徹してこられたと思います。
 ところが、じゃ、どうして二月二十九日に総務副大臣名で通知を出さなければいけないのか。都道府県知事等に、地方公務員の給与については、地方公務員法及びこの法律の趣旨を踏まえ、自主的かつ適切に対応されるよう期待すると、あえて対応を求めるようなものとなっているわけであります。
 これは事実上の圧力ではありませんか。このような中央集権的な手法はいやしくも地域主権を掲げる今の政権に許されるものではないと、そのように考えます。この副大臣通知、撤回すべきと考えますが、いかがですか。
#365
○国務大臣(川端達夫君) これまでにも、公布された法律が地方公共団体の行政運営に関連する場合には、地方公共団体に通知を出して周知を図ってきております。
 今回の総務副大臣通知は、地方公務員法及び地方自治法の規定に基づいて総務省として技術的助言を行ったところでありまして、副大臣通知において期待とあるのは、何度も出ておりますけれども、地方公共団体において自主的かつ適切に対応されることを期待という、十二条を期待する趣旨でありまして、地方公共団体に対して、今回の公務員に係る時限的な、先ほど申し上げた給与削減措置と同等の措置を実施するよう要請するものではございません。
 最近の例でも、地方公共団体の行政運営にかかわる法律が改正されたときには必ず総務省から通知は出しておるということに従ったところでございます。
#366
○吉田忠智君 技術的な助言と言われますが、これは国家公務員の給与にかかわる法律が通ったから、それを踏まえてその内容をお知らせするために出した、そのことにすぎない、そういう内容であるというふうに受け止めていいわけですか。
#367
○国務大臣(川端達夫君) 各都道府県、市長、政令市、議会含めてですね、に対して「国家公務員の給与の改定及び臨時特例に関する法律の公布について(通知)」ということで、こういう趣旨の法律ができましたということをお知らせし、本通知は地方公務員法第五十九条及び地方自治法二百四十五条に基づくものですということで通知をいたしました。また、それぞれの都道府県内の市区町村に対しても併せて周知されるようお願いいたしますということでお知らせをさせていただきました。技術的助言でございます。
#368
○吉田忠智君 単なる通知であるというふうに理解をいたしました。
 以上で終わります。
#369
○委員長(石井一君) 以上で吉田忠智君、社会民主党・護憲連合の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#370
○委員長(石井一君) 次に、舛添要一君の質疑を行います。舛添君。
#371
○舛添要一君 今日は、社会保障と税の一体改革について総理と御議論したいと思います。
 この一体改革なんですけれども、何か消費税増税論議ばかりになって、ちょっと矮小化されてきているような気がしてなりません。そして、たしか今月いっぱいに閣議決定なさるという御決断でしょうけれども、民主党の中にも反対派がいる。この一体改革の進捗状況、そして今のような状況について、総理はどういう御認識をお持ちになっておられますでしょうか。
#372
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まさに一体改革でなくてはいけないと思っておりまして、今、舛添委員から御指摘のとおり、どうもちょっと国民の御負担をお願いする部分だけがクローズアップされておりますけれども、何のための改革かというと、これは社会保障改革が待ったなしの状況である、その改革をやるために安定財源を確保して社会保障を持続可能なものにしていくということがメーンなんです。
 特に、まあ社会保障の考え方はいろいろあるかもしれませんが、この国会でも御議論いただいている基礎年金の問題含めて、なかなかその財源確保に苦労していて、もうワンショットでは駄目だという状況に来ているということ、それから社会保障の安定化の話と、加えて、やっぱり全世代対応型、特にこれまで人生前半の社会保障が手薄でございましたので、そちらの働き盛りの世代、若い人たちにも社会保障の恩恵を感じてもらえるようにしていくこと等々の改革をやり遂げるということが一番のこれはベースにあります。
 それを支えるために、これは全ての世代にとって公平な消費税において対応しようというのが今回の趣旨でございますので、これはあらゆる機会にそのことをしっかりとお伝えをしていくことが大事だと思います。
 現状は、今、進捗状況のお話ございましたが、去年成案を作り、そして一月六日に素案をまとめ、そしてその素案を閣議決定をして大綱までにしました。大枠は基本的に変わっておりませんので、基本的にはそれに基づいて法案の提出を年度内にしたいというふうに考えております。
#373
○舛添要一君 総理の御意図はよく分かるんですけれども、あえて言うとアブ蜂取らず。つまり、税制と社会保障、二つ課題ありますね。もっと言うと、二兎を追う者は一兎も得ずみたいな状況になっているんではないかと。この予算委員会の議論でもありましたけれども、じゃ、具体的にどういう社会保障制度をきちんと構築するのか、医療でも介護でも年金でも、それもちょっと突っ込みが足りない。
 それから、財源の確保についてですが、せっかく政権交代したわけですから、民主党政権というのはどういう税制改革の全体図を持っているのか。私が見る限りは、自公政権のほとんど延長線上のように見えてならないんです、両方の改革についても。そういう点について、これは総理でも担当の副総理でも構いません、どういう御認識を持っていらっしゃいますか。
#374
○国務大臣(岡田克也君) この社会保障・税一体改革ですけれども、確かに委員が厚労大臣を長く務められたその間にも議論されてきたことだと思います。そういう意味では、これは続いている話、政権交代してがらっと変わった話ではなくて、かなり共通性を持ったものでございます。そういう社会保障制度の改革でございます。なるべくこれは今の野党の皆さんも御理解もいただきながら、与党、野党を超えてしっかりと合意に達したいと、そういう思いの中でつくってきたものでございます。
 税についても、消費税以外についても、例えば我々は所得税の最高税率を上げたり、相続税の最高税率を上げたり、そういうことも今回の改革の中に入っておりますけれども、最も大きいのは確かに消費税の五%引上げ。ここも、そういう意味では自民党、公明党が与党だった時代からの延長線上であるということも言えるかと思っております。それゆえにといいますか、だからこそ、当時の与党だった皆様の御理解も御賛同もいただいて、是非この待ったなしの改革を前に進めさせていただきたいというふうに考えております。
#375
○舛添要一君 総理、副総理、今私が厚労大臣時代の話が出ましたけれども、私はこういうふうに思っているのは、小泉改革のマイナス点が出てきました、福田内閣のときに、これは少し是正しないといけない、しかしやっぱり国民に御負担をお願いする以上はいい社会保障制度をつくる、つまり社会保障制度をより良きものにするための、もっと言うと目的税的な、社会保障目的税的な消費税議論であろうと、それでスタートしたんです。
 ところが、その後のこの最近の経過を見ていますと、むしろ私は一体改革は成功させないとと思っていますから、だからこそ分離して議論した方がいいような気がしているんです。いかがですか。
#376
○国務大臣(岡田克也君) 分離して議論するということの意味が、どういう趣旨でおっしゃっているのか分かりません。
 我々、今後、この社会保障・税一体改革、関連法案たくさんございます。税制だけではございません、もちろん社会保障についての法案がございます。これをどういう形で議論していくかというのはこれからの国会での御相談ということだと思います。
#377
○舛添要一君 なぜそういうことを言うかといったら、全部消費税の話になっちゃっているんですよ。つまり、消費税上げる、消費税上げることがまずありき。じゃ、理由付け。年金大変だろう、介護大変だろう、医療大変だろう、こうなっちゃっている。私はこれは順番が逆だと思っている。社会が変わってきた、少子化の時代になってきた、高度成長できなくなった、そうすると社会保障全体を変えないといけない。
 それから、私は、野党時代に皆さんがずっとおっしゃってきた税制改革案に相当賛成なものがあるんです。例えば、控除から手当へ、源泉徴収制度、こんなものナチの、政権を取るためにナチスがやったやつですよ、年末調整まで含めてやっているような制度は先進国にない、やめるとおっしゃったでしょう。
 例えばこの二つについてどういう税制案を、民主党政権になったんだからこうだと。それを別々にやって、お金要りますよ、社会保障制度やるんだったら財源要りますよ。だから、別々にきちんと提示して、それでリンケージやった方がいいんで、今はもう全部消費税増税が先にありきと、そういうように思っていますから、厚労大臣でも財務大臣でも、今私が二つ、三つのことを言いましたけれども、答えられることがあったら答えてください。
#378
○国務大臣(安住淳君) 源泉徴収制度は昭和十五年に月給取りの人から取り始めたことは事実ですけれども、ナチスの例を例えたのかどうかはちょっと分かりませんけれども……(発言する者あり)ナチスですか。ところが、もうちょっとひもとくと、日清戦争が終わった直後に国債の利子から徴収している事実があるそうですから、導入はもしかしたら我が国が最初の可能性もあるということなんですが、ただ、いずれにしても、先生おっしゃるように、世界各国を見ますと、アメリカが一番いい例ですが、納税意識を高めるために申告制度を取っていると。しかしほかでは、やっぱり徴税しやすいと言ったら語弊があるかもしれませんが、源泉徴収手法になっていると。
 私も昔、月給取りだったころは、当時、二十数年前ですけれども、お見合いすると何か手取りは幾らだというふうなことを、だから手取りというのは、要するに給料分の手取りが入ることばっかり当時のサラリーマンの人はみんな何か意識していた、つまり取られる税金のことに対する自覚がなかったと。しかし、それは、いや、私の例ではなくて、そういう……(発言する者あり)そうですか、はい。
 ですから、舛添さん、これは、源泉徴収にはいいところと悪いところがあるので、こういうことを是非国会でも私は議論するのは重要なことだと思っております。
#379
○舛添要一君 だから、財務大臣になってそう変わっちゃ駄目ですよ。だって野党のときはやるって言っていて、だから、そこがマニフェストがうそつきだということになる。
 小宮山大臣、どうですか。
#380
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員がおっしゃいました控除から手当へという考え方、御賛同いただいてありがとうございます。これは民主党の税調でずっと言ってきたことで、高所得者に有利な控除から、必要な人に社会保障の手当てとしての手当に変えていく、その第一弾として子ども手当をやったわけですけれども、ちょっといろいろな財源の見通しなどがまだまだ付かない部分があってお約束どおりいっていない点は大変申し訳ないと思いますが、考え方としては、複雑な控除をなるべくスリム化をして必要な手当にすると、そういう考え方でやっているところで、それは今も変わらずやっております。
#381
○舛添要一君 ただ、その一体改革の大綱を見てもちゃんと答え出ていないんですよ。人的控除、特定控除、それから給与所得控除をどうするか。だから、国民が民主党に期待持って、こう変わると、それが見えてこないんで、それは財務大臣でもいいですから、控除から手当へとなったらどういうふうに変わって、どういう我々が元気になるんですか。誰か答えられますか。
#382
○国務大臣(岡田克也君) 子ども手当については、今厚労大臣言われたように、これはもう既に一部実現しているということでございます。
 やはり所得が、どうしても控除制度というのは所得の多い方に有利、特に税額控除じゃなくて所得控除になればそういうことでございます。それに対して手当というのは、基本的に同じ額が所得の多寡あるいは所得税を納めているいないにかかわらず行き届くということで、そういう意味で非常に意味のあることだと思います。我々は今、給付付き税額控除ということを一つ申し上げているわけですが、そういった話もその延長線上にあることでございます。
 ただ、今回の社会保障・税一体改革は、やっぱり野党の皆様の賛同もいただきながら成立させなければいけませんので、我々としても、どこまで民主党が従来考えていたことを盛り込むべきなのかと、そこは相当逡巡しながら今の姿になっているということでございます。
#383
○舛添要一君 今苦しい答弁なさいましたけれども、要するに、控除から手当だったら、控除に貧富の多寡がないわけですから、差がないんだから、手当付けちゃいけないとおっしゃいましたね。じゃ、何で子ども手当、所得に応じて変えるんですかということになるんです。
 ですから、そういう原理原則をしっかり守りながら、いや、それは与野党のねじれ国会だから云々というのは分かりますよ。だけど、それを言い出すと、何のために政権交代して、何のためにマニフェストを掲げたか分からなくなるので、もう一遍やっぱり原理原則に戻った方がいいように思いますが、総理、どうですか。
#384
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 税制については、私は、基本的には自分たちの考え方は一貫してきていると。その実現度についての評価はいろいろあるかもしれませんが、いろんな考えがあると思うんですが、私は、人類が命懸けで獲得した価値は自由と平等だと思うんです。時折、自由という右足を出さなければいけないときもある。今は格差の是正とか貧困対策って重要になってまいりましたので、左足の平等を出さなければいけないときだと思います。これ私はバランスよく二足で歩行をしていくというのが英知だと思うんですが、その意味では、税制については、所得もあるいは資産等々も、これはどちらかというと再分配機能を強化するという方向で税制改正やろうとしています。控除から手当というのもその理念の一環でございますので、これは是非基本的には貫徹をしていきたいと思います。
 加えて、消費税については、これは消費税についてはですよ、これはやっぱり社会保障は給付の面においても世代間の公平を図っていかなければなりません。負担の面においても世代間の公平を図ると。そういう視点から社会保障については消費税をお願いをすると。これは給付と負担と一貫した論理でこれを説明する必要があるというふうに思っております。
#385
○舛添要一君 そうすると、全世代型、世代間公平ということをおっしゃいますね。ならば、例えば、公的な支出で高齢者向けと若者向け、簡単に言うと一対七ぐらい、高齢者の方が多いんです、日本。北欧だと一対二ぐらいですね。だから、じゃ具体的に、大綱の中でいろいろ若者向けの投資についておっしゃっているんだけれども、具体的に踏み込んで、この一対七を一対二ぐらいに縮める方策というのはどういうふうに具体的におやりになるんですか。それが見えないんですよ。
 だから、例えば窓口に行って、現役が行くと三割払いますね、病院に行ったときに病院の窓口で。御高齢になると一割です。この差を論理的にどう説明するか。こういうことを含めて、明確にどちら向きに、全世代型と言葉だけなんですよ、その具体性をもっと書いてくれないと社会保障の新しい像にならないと思いますが、いかがですか。
#386
○国務大臣(岡田克也君) 今委員御指摘の一割、三割の話というのは、確かに、一見それは現役世代により負担が重くなっているように受け取られるかもしれませんが、私は必ずしもそうは考えていないんですね。
 つまり、やはり一人当たりの医療費ということで見れば、高齢者は圧倒的に多い。病気にかかりやすいし、治りにくい。そういう中で、同じ一割の負担、三割の負担といっても額でいうとかなり違うわけですから、そこのところも考慮し、同時に、やはり所得の多寡、現役世代と高齢者でですね、高齢者ももちろん所得の多い方もいらっしゃるけれども、多くの方は所得が少ないわけですから、そういう意味で私は、一割、三割というのは合理性があるというふうに思います。もちろん、その間、二割をどうするかという問題は残ります。
 あと、我々が今回の社会保障・税一体改革で強調しているのは子ども・子育てで、ここには、消費税五%のうちの実は四%は維持のために使うということで、一%は新しいことのために使う、その一%分のうちの七千億は子ども・子育てのために使うということで、ここは、今までにない、社会保障三事業から四事業へ、年金、医療、介護プラス子ども・子育てということで強調させていただいているところでございます。
#387
○舛添要一君 今窓口の話に、ちょっと問題小さくなりましたけれども、受益と負担ということを考えたときに、それは高齢者の保険制度、先ほど議論に出ましたけれども、全部高齢者が出しているわけじゃないですよ、ほとんど現役が出していますよ。
 だから、それは私が大臣のときに皆さん方がどういう批判をしてきたか。もうとにかく後期高齢者医療制度、こんなにひどいものはないということで、メディア含めて言ってきましたね。しかし、そのときにほとんどのお金が現役から来ているという前提を置けば、それは窓口一割、三割の話じゃないと思いますよ。こういうことをしっかり受益と負担の関係をしない限りは、社会保障の全体像が明確にならないんですよ。
 そこは、これは厚労大臣でもいいですよ、そこは総理、どう考えられますか。
#388
○国務大臣(小宮山洋子君) それは委員がおっしゃるとおりだというふうに思います。
 ですから、今回、二〇一五年までの第一歩という形で改革を出しておりますけれども、まだその全体像が、今回一歩のところで幾つかの改革を出していることの効果がどう出るかということも含めて、それは、先ほどからおっしゃっていること全てと言っていいほど私はそのとおりだと思っておりまして、ただ、社会保障給付費は高齢者と子供が七対一ではなくて十七対一なんですね。
 ですから、そこのところを今、本当に一%のうちの僅かですが、そのうちの三分の一近くを子供に入れることによってまず一歩を踏み出したいということでございまして、そういう意味では、御高齢な方でも所得がおありの方にはもっと負担をしていただくとか、今回切り込み不足と言われているところもたくさんございますので、ここはしっかりと検討をして進めていきたいというふうに思います。
#389
○舛添要一君 一対七とか一対十七というのは統計の取り方なんで、私が取った統計では七・三倍ぐらいだということを申し上げておきたいと思います。
 それから、全世代型の公平云々ということを、ないし世代間だけじゃなく世代内の公平も考えますと、総理、やっぱり私は冒頭に原理原則から議論し直しましょうと。それが実は与野党協議ができる前提だと思うんです。例えば、もう本当、当たり前のことなんですけれども、保険か税かと、こういう議論をやり直さないといけないですよ。社会保険料は貧しい人にとっては物すごく重いですよ。金持ちであったって貧しくたって介護保険料変わりませんから。そうすると、民主党が政権取ったんならば、社会保険料、社会保険という形ではなくて、できるだけ税に近づけていく。もっと言うと、保険原理でいくのか所得の再配分原理でいくのかというようなことを議論しないといけないですけれども。
 じゃ、最低保障年金というのはどっちの原理に立つんですか。
#390
○国務大臣(岡田克也君) 最低保障年金は税でございます。私は、委員の言われることはよく分かりますし、私もほぼ同じような考え方。ですから、この今回の改革の後、より根本的な改革というのは私、これは本当に議論しなきゃいけないんだと思うんです。
 つまり、税と保険というものをもう少しきちんと役割を分けて、我々のこの年金制度というのは、実は最低保障年金というのは税でやり、そして所得比例年金は保険料ということで、そういう考え方をある意味では先取りしているわけですが、やっぱり現役世代からたくさん保険料を取ってそれを高齢者に回すというやり方が果たしていいのかどうかと。それは、本来税が担うべき分野ではないかというようなことも含めて、私はまだまだ大きな改革論議というものはやっていかなければいけないと。
 しかし、時間は待ってくれませんから、まずは今回、この消費税を五%引き上げさせていただく中で四%分を持続可能のために、そして一%を、小さな一歩かもしれませんが、新しく子ども・子育てという今までにない踏み出しをさせていただいていると、こういうことだと思います。
#391
○舛添要一君 やっぱり順序が逆のように、今のおっしゃり方だとね。五%引き上げるということをまず最初におっしゃった。そうじゃなくて、かくかくしかじかなことをやるから、五%だったら十三兆円ぐらいこれが必要ですとおっしゃっていただければ分かるんですね。
 それから、この一体改革の大綱についてこういう言葉があって、私がちょっと引っかかったのは、その今の消費税、消費税収については、その使い道を明確にし、官の肥大化には使わず全て国民に還元し、社会保障財源化する。だけど、よく物事を考えないでこういうことをすっと書いていいんですか。
 というのは、要するに、セーフティーネットの役割というのは戦後の繁栄した高度経済成長時代は会社が担っていたわけですよ、特に大企業であれば。ところが、それができなくなっているから官が担わないといけない、政府が、地方、中央を問わず。そうすると、官が担うんなら、言いたいことは分かりますよ、官で無駄なことを、役人の無駄を省けということを言っているのは分かるけれども、すっとこういうところに官の肥大化といって、全て国民に還元し、全て国民に還元する中で、それは厚労大臣分かると思いますけれども、厚労省の役人なんて、それはもうもっと欲しいですよ、数が、労働だって何にしたって、医療だって。
 だから、そういうことを考えれば、セーフティーネットの役割を国がしっかりやるんだと、したがってその財源は税金ですよと。そのときに、そこから先はお金持ちに、せいぜい四〇%を四五%、五%を五千万円以上に上げただけじゃないですか。もっと言うと、それは八割大金持ちには掛けますよぐらいのことを、極端に言えばですよ、であれば政権交代の意味は分かるけれども、じゃ、なぜ消費税なのかという議論も十分じゃないと思うし、今私が言ったような問題点でセーフティーネットをきちんとやる、しかし受益と負担の関係をしっかりするために保険原理もちゃんとやる。この二つをきちんと整理していただきたいと思いますが、いかがですか。
#392
○国務大臣(岡田克也君) 今回のこの社会保障・税一体改革、その前提として、今委員が言われたことにも共通するわけですが、一つはやはり、従来この社会保障をある意味で担ってきた企業だとか地域社会とかあるいは大家族とか、そういったところが従来より残念ながら弱くなってしまった。そこは、代わるものはやはり国であります。あるいは公と言ってもいいかもしれません。そこがもう少し前面に出なければいけないと。
 それからもう一つは、経済のグローバル化もその大きな原因の一つだと思いますが、やっぱり貧富の格差が広がった、同じ世代の中でもその格差が拡大していると。そこにしっかりと、特に貧困対策といいますか、そういったことをしっかりやらなきゃいけない。そういった問題意識があって我々の社会保障・税一体改革は成り立っていると。確かに取組としてはそれは十分とは言えないかもしれませんが、かなりそういったものは出ているわけです。
 例えば年金にしても、我々は最低保障機能を充実させるということを申し上げているわけで、所得の多い方からは、少なくとも年金の中の税金部分、これは少し削らせていただいて所得の少ない方の年金にそれを使わせていただくということも我々の改革案の中に入っているわけです。あるいは保険料などについても、介護とか医療の保険料についてもこれを軽減する措置も考えていると。そういったことで所得が、格差が広がったことによる弊害を埋め合わせる、そういったことも我々の改革案の中に入っているということでございます。
#393
○舛添要一君 総理、私は、民主党がずっと主張なさったことにもいいこともたくさんありますから、きちんと自信を持って国民のためにこうするんだということを示してくだされば、むしろ協議に乗れますよ。だから、何でもいいからただ通さないといけない、消費税上げないといけないから議論だではちょっとおかしいなという気がしますので、そのことを申し上げて、時間が大分迫ってきましたので、ちょっと外交について議論をしたいというように思います。
 普天間基地の移設の問題、私も何度も沖縄に足を運んでいますけれども、大変難しい状況になっています。それからもう一つ、北方領土問題、プーチンさんが大統領に返り咲きということで、これは普天間もリンケージを、辺野古移設とその他の基地機能の移設を、それから海兵隊の移転というのをリンケージ取り外した。いいシナリオを書けば、そのことによって雰囲気も良くなる。三千億円の一括交付金もプラスになる。
 それから、北方領土について言うと、恐らくプーチンさんは二島返還で来ると思いますね、それと経済協力。しかし、そういうことを始めることによって最後は我々の目標である四島を取り戻す、そういういいシナリオを書いていく努力をしないといけないと思いますけれども、そのためにはしっかりとしたリーダーシップがないといけないと思います。
 この今二つ例を挙げましたけれども、こういう現実的外交について、総理の御所見をお伺いします。
#394
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 普天間の問題については、御指摘のとおり、今回パッケージを外して、在沖海兵隊のグアム移転とそれから嘉手納以南の土地返還の問題、切り離しながら進めるということで、むしろ具体的な沖縄の負担軽減が目に見える形で具体化していくことは、辺野古への移転を御理解をいただける環境整備になると思いますので、これは日米とも、あるいは沖縄ともきちっとコミュニケーションできる関係にはなってきたと思いますので、そのことを好機としてしっかり前進できるようにしたいと思います。
 それから、プーチン氏には大統領選挙当選確実となったときにお電話をいたしまして祝意を申し上げましたが、その前に外国プレスとの会見の中で非常に領土問題について意欲的な発言をされています。ただ、真意は分かりません。
 これは本人とお会いしてみないとよく分からない部分がありますが、恐らく舛添委員の御指摘のようなことではないかと思いますが、でも少なくとも、これは従来から余り膠着状態で進んでいなかった議論でありますけれども、彼も柔道をやります、私もやります、舛添先生もやられますが、同じ畳に上がって始めという合図を掛け合うような空気にはなっていると思いますので、彼の思っている引き分けはちょっと我々にとっては引き分けではないと思っていますが、英知ある解決を目指して議論ができる環境はできたと思いますので、これも好機としてとらえていきたいというふうに思います。
#395
○委員長(石井一君) 舛添君、時間の余裕がありますから、やっていただいていいですよ。
#396
○舛添要一君 はい、ありがとうございます。
 中国について聞きます。尖閣の問題、それから最近の海洋調査、軍拡、いろいろ問題ありますが、四十周年、国交回復の記念すべき年ですから、何とか日中関係良くしないといけないと思います。
 例えば、温家宝さんが福島来られて、東北来られて、子供たち招待するんだけど、どうもそれ日本政府動いていない、こういう問題もあります。
 この点についても、日中関係どうするか、お答え願います。
#397
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いつも私、中国の首脳とお会いするとき申し上げている言葉があるんです。中国の発展は我が国にとってチャンスであると、チャンスである。それが前提であるんですね。
 この両国の関係を強化するということは、まさにこれは戦略的互恵関係、この間、呪文のようにという言葉を使って怒られましたけれども、これはやっぱりしっかり言葉をかみしめながら、何度も繰り返しながら、お互い大局観に立っていろんな問題をクリアしていこうということは常に確認し合った方がいいと思います。
 そういう関係で、日中間だけではなくて、地域の問題、グローバルな問題についても腹を割って話せるような関係に是非していきたいというふうに思います。
#398
○舛添要一君 子供の招待。東北の子供の招待。
#399
○委員長(石井一君) もう一度どうぞ。
#400
○舛添要一君 温家宝総理が東北に来られて、子供たちを招待したいと言ったのにこれが実現しないというクレームが来ていますが、いかがになっていますか。
#401
○国務大臣(玄葉光一郎君) 恐らくそれは震災直後のお話でしょうか。それについてはちょっと今手元に資料がございませんので、調べさせていただければというふうに思っております。
#402
○舛添要一君 中国はやっぱり引っ越しできないお隣ですから、いろんな問題があるんですけれども、民間の交流も含めて少しきずなを強くしないといけないというように思っています。問題があるときはしっかり問題を言えるということが必要だと思っています。
 今日のような国会の議論を通じまして、私は被災地に何度も足を運びましたけれども、国会何やっているんだ、政治何やっているんだ、瓦れきの山を見てくれと。私は今こそみんなで力を合わせて前に進めるべきときだと思いますから、批判すべきは批判する、今日のような問題の指摘はいたします。しかし、やはりきちんと議論をする上で、これは与野党協力して一刻も早く日本の復興、そして日本の再生を図らないといけないと。そのためにも是非野田総理にしっかりとしたリーダーシップを取っていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#403
○委員長(石井一君) 以上で舛添要一君の新党改革の質疑は終了いたしました。(拍手)
 第一日の午前が終わりましたとき六十五分の遅延がございましたが、各委員の御協力によりまして今日は予定よりも四十分前に委員会が終了をする。片道の運営がいかに難しいか、委員長がいかに神経をとがらすかということを申し上げておきたいと思います。参議院の委員会は今後延々と続きますので、たまにはこういうときもあってもいいと思いますから。
 本日はこれにて閉会することとし、次回は明十四日午前九時五十五分から開会することとし、これにて散会いたします。
   午後四時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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