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2012/03/22 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 農林水産委員会 第3号
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2012/03/22 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第180回国会 農林水産委員会 第3号
平成二十四年三月二十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 勝也君
    理 事
                金子 恵美君
                郡司  彰君
                野村 哲郎君
                山田 俊男君
    委 員
                岩本  司君
                今野  東君
                外山  斎君
                徳永 エリ君
                中谷 智司君
                松浦 大悟君
                青木 一彦君
                加治屋義人君
                鶴保 庸介君
                長谷川 岳君
                福岡 資麿君
                白浜 一良君
                横山 信一君
                小野 次郎君
                紙  智子君
   衆議院議員
       農林水産委員長  吉田 公一君
   国務大臣
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
   副大臣
       農林水産副大臣  岩本  司君
       経済産業副大臣  牧野 聖修君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  中野  譲君
       財務大臣政務官  三谷 光男君
       農林水産大臣政
       務官       森本 哲生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       大杉 武博君
       警察庁長官官房
       審議官      田中 法昌君
       消費者庁審議官  神宮司史彦君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       三浦 公嗣君
       農林水産省消費
       ・安全局長    高橋  博君
       農林水産省生産
       局畜産部長    荒川  隆君
       環境省自然環境
       局長       渡邉 綱男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (平成二十四年度の農林水産行政の基本施策に
 関する件)
 (畜産物等の価格安定等に関する件)
 (畜産物価格等に関する決議の件)
 (鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止の
 ための特別措置に関する法律の一部を改正する
 法律案に関する件)
 (鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止の
 ための特別措置に関する決議の件)
○特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一
 部を改正する法律案(衆議院提出)
○議案の撤回に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(小川勝也君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官田中法昌君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小川勝也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小川勝也君) 農林水産に関する調査を議題といたします。
 まず、去る二月二十日及び二十一日に行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。郡司彰君。
#5
○郡司彰君 委員派遣の御報告を申し上げます。
 去る二月二十日及び二十一日の二日間、農業及び林業の実情を調査し、もって今期国会への提出を予定されている株式会社農林漁業成長産業化支援機構法案等の審査に資するため、岐阜県及び愛知県に委員派遣を行いました。
 派遣委員は、小川委員長、金子理事、野村理事、山田理事、徳永委員、長谷川委員、横山委員、小野委員、紙委員及び私、郡司の十名であります。なお、小見山幸治議員及び渡辺猛之議員が現地参加されました。
 以下、その概要について申し上げます。
 一日目は、まず、岐阜県恵那総合庁舎を訪れ、岐阜県、中津川市及び恵那市から、六次産業化、小水力発電、鳥獣被害対策及び農業者戸別所得補償制度の取組等について、また東美濃栗振興協議会及び株式会社恵那川上屋から、農商工連携の取組について説明を聴取しました。
 六次産業化の取組について、岐阜県は、もうかる農業を実現していく上で重要と考え、国の事業も活用しながら県として積極的に促進している、中津川市は、市単独事業による支援も行っているが、引き続き、国、県による支援を願いたい、恵那市は、地産地消の視点で進めているが、中山間地域では、国の事業の採択要件が厳しく利用しづらいため、小規模な事業への配慮を願いたいとのことでした。
 小水力発電の取組について、岐阜県は、水力発電に利用可能な包蔵水力が全国第一位という特徴を生かし、農業用水を活用した小水力発電の取組を推進している、中津川市は、エネルギーの地産地消を進めるため、小水力発電開発基本構想を策定し、積極的に取り組んでいるとのことです。
 鳥獣被害対策について、岐阜県は、農村地域を中心に野生動物による農作物被害が深刻化しており、重点支援地区において岐阜県オリジナルの防護柵を設置するなど対策のモデルづくりを進めている、中津川市は、県内で初めて鳥獣被害対策実施隊を設置し、また電気牧柵の設置等を行っている、恵那市は、電気牧柵の設置、モンキードッグの導入等を行うとともに、鳥獣を山へ帰すため、人工林を広葉樹林に樹種転換する実験を行っているとのことです。
 農業者戸別所得補償制度について、岐阜県は、申請状況が全国平均を上回っているが、集落営農の組織化を進めていることから、農作業受託で集積した面積を規模拡大加算の対象としていただきたいとのことでした。
 次に、農商工連携の取組について、東美濃栗振興協議会及び恵那川上屋は、地元産のクリで高品質な菓子を作るという考えの下、クリの栽培方法や選果・出荷規定を設け、規定をクリアした品質の高いクリを超特選恵那栗として地元生産者から高価格で全量買い取る仕組みをつくったとのことであり、六次産業化の支援は、補助金よりも出資の考え方が望ましいとのことでした。
 派遣委員からは、六次産業化における農協のかかわり方、六次産業化で農業者が十分に利益を享受するための方策、鳥獣被害対策実施隊の設置状況等について質疑が行われました。
 次に、中津川市において、ちこり村・バーバーズダイニングを訪れました。ちこり村は、チコリの栽培、商品の販売等により六次産業化に取り組んでおり、併設された農家レストランのバーバーズダイニングは、地元の女性により運営され、地元の野菜を使った料理を提供しております。
 次に、東濃森林管理署において、国有林野事業の現状について説明を聴取しました。
 東濃森林管理署の管轄地域は東濃ヒノキの産地であることから、人工林率が高く、人工林施業が盛んな地域となっております。
 東濃森林管理署の属する中部森林管理局では、森林・林業再生に向けた取組の中で、民有林と国有林との連携による森林整備の推進を図っており、平成二十二年に岐阜県との間で健全で豊かな森林づくりの推進に関する覚書を締結しました。覚書に基づき、民有林と国有林が一体となって路網の整備や間伐等の森林施業に取り組む森林共同施業団地の設定を進めているとのことです。
 派遣委員からは、現場要員の削減による影響、民有林と国有林との連携における課題、国有林の現状把握、フォレスター養成の現状、国産の林業機械導入に当たっての課題、国有林における鳥獣被害対策の取組等について質疑が行われました。
 次に、森の合板工場を視察しました。同工場は、民間合板企業と岐阜県森林組合連合会などでつくる森の合板協同組合が事業主体となって運営されており、国内初となる山間地の合板工場として昨年四月に本格稼働を開始しました。間伐材を中心に一〇〇%国産材を使用することにしているとのことです。
 二日目は、まず笠松競馬場を訪れ、岐阜県地方競馬組合から経営状況等について説明を聴取しました。
 笠松競馬の売上げは平成三年度以後減少傾向にあり、平成十六年には有識者から成る笠松競馬経営検討委員会から廃止の提言が行われましたが、税金を投入しないことを条件に存続が決まりました。その後、賞金、手当の節減等が行われておりますが、経営は大変厳しい状況にあります。その一因として、電話、インターネット販売の増加に伴う販売会社への手数料負担の増大が挙げられました。
 派遣委員からは、インターネット販売手数料の負担軽減策、競馬場来場者の増加策、来場者にとって魅力ある施設整備、競馬独自の魅力の創出等について質疑が行われました。
 次に、海津市を訪れ、有限会社レイク・ルイーズにおいて、地元産の米粉を利用した「べーめん」の製造工場を視察した後、海津市、JAにしみの及びレイク・ルイーズから、米粉用米の生産及び利用の取組等について説明を聴取しました。
 海津市は、市内のほとんどの地域で圃場整備が終了し、農地利用集積が進んでいることから大規模農業を展開できる状況にあり、二年三作で米、麦、大豆のブロックローテーションが行われているとのことです。
 JAにしみの管内では、米粉用米の生産量は少ないが、生産調整の取組として理解が得られているとのことです。課題として、急激な生産拡大による全国的な米粉価格の大幅な下落により販売が苦戦していること、米粉用米の支援制度が複雑であることが挙げられました。
 レイク・ルイーズは、米粉用米の利用に取り組んできたが、価格、調達が安定しており、実需者としては有り難い、一方、国内外で米粉製品の販路拡大を図っているが、大量生産ができない等の問題があるとのことでした。また、一昨年から岐阜県及び海津市と協定を結び、農業参入を果たし、主に中山間地で米粉用米の生産を行っているとのことです。
 派遣委員からは、米粉価格の大幅な下落への対応、農商工連携等における農協の役割、米粉製品輸出の課題、米粉の消費拡大に向けた取組等について質疑が行われました。
 次に、養老町を訪れ、養老町、株式会社笠郷営農センター及び畜産農家から、飼料用米の生産及び利用の取組等について説明を聴取しました。
 養老町では、早くから圃場整備が進められたものの、規模が小さく大型機械の導入が困難であり、また用排水路の施設が老朽化しているとのことです。近年は小麦、大豆、飼料用米等の生産に取り組んでおり、飼料用稲は西濃圏域の中でも一大産地となっているとのことです。
 笠郷営農センターは、経営面積三百四十ヘクタール、従業員二十三名の農業法人であり、飼料用米に取り組んでおります。戸別所得補償制度については、変えた方がいい部分もあるが、制度に則して大規模に土地利用型農業を営んでいる者にとり申し分のない制度であり、また経営支援の観点から、農業経営基盤強化準備金制度はこれからも続けてもらいたいとのことでした。
 飼料用米を利用した酪農経営を行っている臼井節雄さんは、飼料用米の給与について、最初はもみの破砕等に手間が掛かりうまくいかなかったが、その後、独自に破砕機を開発し、現在、地域の農家と連携しながら日量換算で約二百キログラムの米を処理して給与しているとのことです。しかし、八万円の助成水準が下がれば地域の連携を維持できるか分からないとのことでした。
 派遣委員からは、戸別所得補償制度の評価、飼料用米導入による生産コストへの影響、養鶏農家への飼料用米給与の現状、河川敷における牧草作付けの課題、雇用している従業員の待遇等について質疑が行われました。
 最後に、大垣市において臼井節雄さんの農場を視察しました。
 以上が調査の概要でございます。
 最後に、今回の調査に当たりまして御協力をいただきました方々に対し、厚く御礼を申し上げ、報告を終わらせていただきます。
#6
○委員長(小川勝也君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 次に、平成二十四年度の農林水産行政の基本施策に関する件及び畜産物等の価格安定等に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○徳永エリ君 おはようございます。民主党・新緑風会の徳永エリでございます。今日は御質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 本日、審議会が行われ、加工原料乳の補給金単価及び限度数量、肉用子牛の保証基準価格等が決まりますので、酪農畜産関係の御質問をさせていただこうと思いますが、その前に、豪雪被害とTPPについて御質問させていただきたいと思います。
 まず、今年は本当にいろんなところで雪が多くて、降雪、豪雪の被害が多発しています。北海道、青森県、秋田県、山形県、福島、東京、神奈川、新潟、富山、石川、福井、滋賀、京都、兵庫、鳥取、島根と大変に広範囲であります。ビニールハウス等の損壊、それからリンゴ等の枝折れ、野菜、花卉の損傷など被害が起きております。
 大臣も青森に行かれたそうで、リンゴの枝折れやビニールハウスの被害を現地視察なさったと聞いておりますけれども、実は、皆さんのお手元に資料を配付させていただきましたが、北海道も大変に大きな被害が出ております。
 三月に入って、北国、北海道もやっと少し春の気配を感じてきましたが、まだ積雪二メートル以上というところがたくさんあります。非常に寒い日も今年は続きました。記録的な大雪が降った地域も多く、ビニールハウスなどの農業施設に大きな被害が出ています。
 北海道の農政部で三月八日現在で調査を実施したところ、八十五市町村から報告がありました。全道でビニールハウスの倒壊や一部損壊が五千百棟、そのうち、ビニールを外した状態のハウスでパイプが曲がるなどの被害が約四千八百棟、畜舎やD型ハウスなどその他の施設の被害が約七百十一棟となり、被害総額は十九億三千四百万円に上る見通しであります。地域で見ますと、米の産地であります空知管内が四千七十六棟と、全道の被害の約八割を占めているんです。被害額は五億八千八百万円。
 しかし、皆さんも御存じのように、育苗に使う骨組みだけのハウスは農業共済の対象外です。ビニールで覆われたハウスの被害は三百四十四棟ですが、このうち百五十一棟は共済に未加入ということで、支払の対象にはならないんだそうです。
 さらに、今、北海道の道路をずっと走っていますと、白い雪の上に融雪剤がまかれているのが目にしますけれども、この融雪剤、昨年の倍ぐらいは必要なんではないかと言われておりますが、それでもなかなか雪が解けないんですね。雪解けも平年と比べると大きく遅れることが予想できますし、それから秋まきの小麦が平年以上に雪の下になる冬損、そして水稲の育苗や春まき小麦の播種作業が遅れる可能性が高いということから営農計画を見直したり、また、今年はもう育苗ができないと、転作しなきゃいけないなということで、転作超過も地域ではあり得るんではないかということも懸念されております。非常に残念なことなんですが、被害に見舞われた農家の方々の落胆は大きくて、自ら命を絶ったという方もいらっしゃるんです。
 被害農家の負担を最小限にとどめて前向きに営農ができるように迅速かつ手厚い支援策を講じていただきたいというふうに考えますが、何とか今できる手だて、支援策というのはないんでしょうか、大臣にお伺いいたします。
#8
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、徳永先生からお話がございましたとおりに、今年、昨年末からということでございましょうけれども、全国各地におけるところの大雪の被害というものは本当に深刻な事態を招いておると、こういう認識を持っております。
 そういう中で、農林水産省といたしましても、独自に省内に対策本部を設けまして、具体的な施策というものを講ずるべく、そのためには被害状況がどういう状況にあるかということをしっかりととらまえていかなきゃならないと、ましてや北海道等々、私の県もそうでありますけれども、まだ雪が解けていないという状況ですから、実態を把握できないこともございますので、そういうものを、今後の被害状況というものを把握しながら、できるだけ今御要請、御要望もありましたことも含めて万全の策を講じてまいりたいと、あらゆる努力をしてまいりたいと、こういう考え方に立っておるところでございます。
#9
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 昨日、農水省に伺いましたら、低利の融資があると、この融資を何とか使っていただきたいということですが、幾ら利息の低い融資があったとしても農家自身が引き受けなければならないという状況なわけですね。地域の農業経営に大きな打撃を与えることになりかねません。育苗のハウスなんかは百万ぐらいするんですね、平均でも。もっと高いものもありますので、それを自分で負担するとなると大変なことなんですね。
 これが更なる離農にもつながりかねませんので、何とか更なる御検討をいただきまして対策を考えていただきたい、万全の措置をお願いしたいと重ねて申し上げますが、いかがでしょうか。
#10
○大臣政務官(森本哲生君) 徳永委員が現地を回られて、その御苦労に本当に敬意を表する次第でございます。
 徳永委員も御存じのことでございますけれども、なかなか期間が限定されておるというようなことで共済も非常に入ってみえる方が少ないとか、その対応、ほかのハウス栽培ですといろいろな対策が打てるわけでございますが、ここのところがスポットのようになって確かにお気の毒な面がございます。
 今のところ私自身から申し上げるのは、やはり今申されました融資以外にはないということでございますので、こうしたことも今後踏まえて我々検討もさせていただきたいというふうに思っておりますので、どうぞ今日のところはこの答弁でお許しをいただきたい。起死回生のいいお返事がなかなか今はできないというような状況でございますので、融資以外には、申し訳ないんですけれども、お許しをいただきたいと思います。
#11
○徳永エリ君 御検討をいただけるというふうにとらえてもよろしいんでしょうか。
#12
○大臣政務官(森本哲生君) 私の方でまた事務方とも検討をしてまいりますので、またお返事をさせていただきたいと存じます。
#13
○徳永エリ君 だんだん作付けの時期も迫ってまいりますので、迅速な対応をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、続きましてTPPについて御質問をさせていただきます。
 先週の月曜日、火曜日、三月の十二日、十三日になるんですけれども、TPPを慎重に考える議員、慎重というよりは断固反対の議員なんですが、中心になりましてTPPを考える国際会議というのを開きました。米国からパブリック・シチズンの貿易担当のロリ・ワラック氏、それから医療品担当のピーター・メバードック氏、ニュージーランドからはラッセル・ノーマン議員、そしてオークランド大学の法学部教授でTPP研究者のジェーン・ケルシー氏、韓国からは民主労働党の権永吉議員、そして貿易が御専門の宋基昊弁護士ほかを招聘してのシンポジウムが行われました。このシンポジウムは十二日月曜日に行われたんですけれども、当日、私は進行役をさせていただきました。
 会場には全国から、農業関係者だけではなくて、例えば弁護士さんとか医療関係者とか市民団体の方、あと一般の主婦の方もいらっしゃいました。とてもTPPのことを勉強していらっしゃいました。それから、若い方々も、将来の日本を心配してこのシンポジウムを聞きに訪れていらっしゃいました。会場いっぱいの千三百人の方が集まりました。
 このゲストの方々からいろいろとお話を伺ったんですが、NAFTAやそれから米韓FTAをTPP交渉のモデルとして考えると、そうすると日本にどんな影響があるか、どれだけのデメリットが考えられるかということをしっかりとお話を伺いました。大変に多くの情報と貴重なアドバイスをいただきました。
 そのお話の中で分かったことは、TPPは貿易交渉ではないと皆さんおっしゃっていました。政府やメディアは国民に輸出促進のイメージを植え付けようとしているが、本当の目的は日本の国内法や制度をアメリカンスタンダードにすることであると。アメリカの企業は実はこの交渉のルール作りに参加することができるんです。アメリカの企業が日本から奪えるものは全て奪ってしまおうという恐ろしいものだというお話だったんです。関税よりも規制の緩和や撤廃が本当の目的です。米国産牛肉の月齢制限緩和によるBSEのリスクが増大します。残留農薬の基準の緩和、食品添加物の基準の緩和、植物検疫、ポジティブリストの緩和、遺伝子組換え作物の輸入。米韓FTAでは歯止め条項というのがありますが、この歯止め条項は、一度制度を緩和すると、どんなことがあっても元には戻せないんです。狂牛病が発生しても牛肉の輸入を中断できないなど、とんでもない要求をされかねないんです。
 さらに、参加九か国は協議を重ねルールメーキングを行っていますが、実は、日本がルールメーキングに加わると作業が遅れる、協議が面倒くさくなるということで、日本には参加してほしくない、ルールが全てできてから参加してほしいと考えているそうです。NAFTAや米韓FTAというモデルがありながら、ルールメーキングにも参加できず、言わばもう決まってしまったルールを押し付けられる、そういう形でのTPP交渉参加に対する政府の前のめりの姿勢が海外からいらした方々も全く理解できないとおっしゃっておりました。
 総理は昨年、世界に誇る日本の医療制度、日本の美しい伝統文化、美しい農村、そうしたものを断固として守り抜く、国益の視点に立って結論を得ていくとおっしゃっておりましたが、どのようにしてこういったものを守っていくんでしょうか。具体的にはいまだ何も示されておりません。そして、私たちもTPPの集会に呼ばれて、会場から手が挙がって質問されることは、国益とは何ですかと、どこに一体メリットがあるんですかと、どんな小さなことでもいいから説明してくださいと言われるんですが、正直お答えできませんと言うしかありません。
 大臣はこの総理の御発言を農林水産大臣というお立場からどのようにとらえていらっしゃいますか。大臣のお考えや大臣のお立場はとてもよく分かりますが、改めて聞かせていただきたいと思います。お願い申し上げます。
#14
○国務大臣(鹿野道彦君) TPPに関しましては国論が二分されておると、こういうふうなことであります。それだけに、大変重要なテーマであるものということは言うまでもないものと思っております。
 そういう中で、今委員から触れられましたとおりに、シンポジウムなりあるいは説明会というものが行われて、いろいろな形で国民の人たちにおいても関心が高まってきていると思うわけでありますが、そのことを考えれば考えるほど、委員のおっしゃるとおりに、市場アクセスの問題だけではなしに、二十一の分野にわたるいろんな問題についての交渉というふうなことになるわけでありますから、私は常々申し上げておりますけれども、それであればあるほど各国、関係国がどういうことを日本の国に求めてくるのかというふうなことを把握しながら、そのことをできるだけ国民の人に情報開示をして、そして国民の人たちの間においても議論をしていただいて判断をしていくということが大事なことではないかと、そういう基本的な考え方は今のこの時点においても私は変わっておりません。
#15
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 この三月十二、十三は、シンポジウムだけではなくて有楽町のイトシア前で街頭演説もいたしました。十一月に街頭演説をしたときには党派を超えて街頭演説をさせていただいたんですけれども、今回は国籍を超えて街頭演説をさせていただきました。本当に何千人という方々が集まりまして、TPP反対という声を上げておりました。さらに、その後、国会までデモ行進をしたわけであります。ここにも本当に多くの方が平日にもかかわらず参加していただきました。
 メディアにもこのことを投げてあったんですが、シンポジウムの際にもテレビカメラは一台も来ておりませんでした。しっかりと国民に今このTPPに関してどういう状況にあるのかということといろんな方々から聞いた情報を伝えなければいけないのに、全くメディアも取り上げないと。これは本当に大きな問題だと思います。
 それから、いろんな勉強会とか集会あるいはシンポジウム、いつも集まるメンバー一緒なんですね。別にシンポジウムは反対集会ではありませんので、推進派という方々もどんどん来ていただいて話を聞いていただく、こういう姿勢が必要だと思いますが、推進派の方々は全然勉強しようとしないんですね。これもとても大きな問題だと思いますので、しっかりこの辺はみんなで情報を共有してしっかりと議論していく、そういう形をつくっていかなければいけないなと思っています。
 このTPP交渉に参加しますと、地元の話で申し訳ありませんが、私の地元北海道の場合は農業の産出額が五千五百六十三億円減少するんですね。関連産業というのがありますから、この関連産業は五千二百十五億円、そして地域経済は九千八百五十九億円の打撃を受け、北海道のおよそ七割の市町村の地域社会が崩壊しかねないというふうに言われています。食料自給率、今北海道は二一一%あるんですよ。十勝なんかは二〇〇〇%ぐらいあるんですから。それが六四%に下がってしまうんです。農家の戸数は三万三千戸、約四五%減ると言われています。職を失う人はこの大変に厳しい状況の中で十七万三千人もいるんです。地方はますます疲弊するばかりなんですね。
 農家の方々も、一体いつまで農業を続けられるんだろうか、酪農家の方々も、フリーストールの牛舎などを造って規模拡大しよう、頑張ろうと思っても、九桁の借金、一億もの借金を背負うと、本当にこれ返していけるんだろうかと不安で一歩踏み出すことができないんですね。それから、後継ぎの息子さんが、おやじ、俺継ぐよと言ってくれても、果たしてこれ継がせていいものなのかどうなのか、これを皆さん本当に苦悩していらっしゃいます。それから、農業大学への進学率が落ちたとか、あとはヘルパーの応募が減ったとか、いろんな影響が出てきております。それから、先が見えないんだったら、いっそこのタイミングでやめてしまおうかという人も実はたくさんいるんです。
 このTPP交渉に参加するかしないかがはっきりしない限り、農家の方々は意欲を持って農業に取り組むことができないんです。幾ら民主党がすばらしい政策をつくって地元を回って皆さんにPRして歩いても、でもTPPがねと言われるんですね。
 大臣は地方の暮らし、それから農業者の方々の生活や思い、よく御存じかと思いますけれども、そんな不安の中で毎日厳しい仕事をしておられる農家の方々に対して、改めてもう一言、大臣の思いをお聞かせいただきたいと思います。お願い申し上げます。
#16
○国務大臣(鹿野道彦君) 今委員から触れられたこの農業者のあるいはまた第一次産業にいそしんでいただいている方々の思い、こういうふうなものは私どもはしっかりと受け止めていかなきゃならないと、このことだけは申させていただきたいと思っております。
#17
○徳永エリ君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 今日、朝、ワイドショーを見ておりましたら、MA米のことが取り上げられておりました。今、スーパーの店頭にMA米が並んでいます。中国産のお米も売られています。なぜか順調に売れているそうです。食べた人の感想を聞くと、そんなに味も大きく変わらないんじゃないかという声も出ているそうでありまして、関税を撤廃しても日本の国民は高くても安全、安心な農産物をきっと選ぶのではないかと、そういう楽観論がありましたけれども、この楽観論は私はこれは否定せざるを得ないと思っています。
 恐らく、今この格差の中で、所得の高い方は高くてもいいものを買って食べようとします。でも、ほとんど今所得が低くて厳しい状態の中にありますから、安心ないいものを食べたいなと思っても買えないという現実があるということをしっかり考えて、この関税撤廃というのも非常に大きな影響が出るということをしっかりと考えなければいけないと、そう思っております。
 それでは、酪農についてお伺いしたいと思います。
 今日の日本農業新聞の一面に加工原料乳十二円台、子牛補給金据置きと、こういう記事が載っておりました。この記事を見て、ひとまずほっとしたと言いますか、大変に頑張っていただいたなという感想を持っておりますが、結果は夕方に出るということでございますので期待して待っていたいと思いますが。
 さて、先ほども申しましたように、TPP交渉参加という大きな不安の中にある農家の方々に、今の段階で少しでも意欲を持っていただかなければなりませんが、酪農や、そして昨年は大変に苦労の大きかった畜産についてお伺いしてまいります。
 本日の十時三十分より、始まったところですね、食料・農業・農村政策審議会平成二十三年度第二回畜産部会が開かれております。加工原料乳の補給金単価や限度数量、そして肉用子牛の保証基準価格などが決まりますが、加工原料乳の補給金単価に関しましては酪農経営の生産コストなどの変化が重要な要素で、限度数量は需給の状況を見て算定するものと理解しておりますが、生産コストに関して、また東日本大震災の影響もある需給の状況によって今生産現場の皆さんがどういう状況にあるかということは御理解いただいていると思いますが、そのことが補給金単価や限度数量を決めることにどのように反映されていくのか、お伺いしたいと思います。
#18
○副大臣(岩本司君) 徳永エリ委員にお答えを申し上げます。
 加工原料乳生産者補給金単価及び限度数量の算定のまず仕組みについてお答えしますけれども、補給金単価は前年度の単価に生産コストの変動率を乗じて算定をするわけでございますけれども、配合飼料価格の上昇は生産コストの増加要因として変動率に適切に反映をされるわけであります。
 実際、本日諮問いたしました二十四年度補給金単価におきましても配合飼料価格を含む流通飼料費の上昇は六銭分の単価引上げ要因と試算されるところであります。
 一方、限度数量は生乳の生産事情や乳製品の需給事情等を考慮して算定されるわけでございますけれども、生乳生産の減少等による需給逼迫時には、積極的に設定することにより増産を促すシグナルとするわけでございます。本日諮問いたしました限度数量につきましても、現在低水準となっているバター在庫の状況等も踏まえて、酪農家の皆様に増産を促すことを旨として設定したところであります。
 また、限度数量の決定についてでございますけれども、平成二十四年度の加工原料乳生産者補給金につきましては、本日、食料・農業・農村政策審議会畜産部におきまして、単価につきましてはキログラム当たり十二円二十銭、限度数量につきましては百八十三万トンとして諮問し、御審議をいただいているところであります。
 単価につきましては、算定ルールに従いつつ、酪農家の副産物収入となるぬれ子価格の低下、配合飼料価格の上昇、原油価格の上昇に伴う光熱動力費の上昇等、直近の物価動向を適切に織り込み算定した結果、前年度に比べて二十五銭の引上げとなったところであります。
 限度数量につきましては、今年度の加工原料乳は限度数量百八十五万トンを大幅に下回ると見込まれておりますけれども、一方で、低水準となっておりますバター在庫の回復が喫緊の課題となっていることを考慮いたしまして、酪農家に増産を促す水準といたしまして百八十三万トンとしたところであります。
 今回の諮問案は、現下の経済情勢を適切に反映した補給金単価の引上げと積極的な限度数量の設定により、酪農家の皆様の経営安定や牛乳、乳製品の安定供給を確保できるものであると思料しております。
#19
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 諮問されている内容は、ほぼ現場の皆さんの要望ということで十二円二十銭、加工原料乳の補給金単価が十二円台に上るというのは初めてでございますから、本当に頑張っていただいたと思います。
 それから、百八十三万トンというのも、できれば現行維持ということでございましたけれども、小幅な削減ということで、ちょっとほっとしているところでございますが。
 更に申し上げますけれども、北海道では、プール乳価と生産費を比較すると、平成十七年から生産コストより支払乳価が下回っているんですね。震災の影響で本州での飲用乳の需要が増えましてプール乳価は上がったんです。しかし、北海道から本州へ、都府県へ飲用乳を運ぶのに一キロ当たり二十一円の運送コストが掛かるんですね。それは全て生産者が負担しているんです。利益があっても、結果的にはコストが利益を相殺しているということになってしまうんですね。
 さらに、北海道はここ数年、気候がすごく変わっているんですよ。
 夏に避暑に北海道に来た方は、避暑にならないという声が出るくらいに、湿度も高くて、真夏は本当に猛暑で、夜も寝苦しいぐらいなんですね。それこそ数年前までは、北海道はもう夕方になると真夏でも涼しくて、クーラーなんか全く要らないような状況だったんですが、今、もう午前中からクーラーをつけないと、出かける前に汗をかいてしまって出かけられないというぐらいに、いろんな方がもうどんどんクーラーをつけているというぐらい本当に気候が変わってしまったんです。牛は、御存じのように、暑さに非常に弱いんですね。ばててしまって乳量が減っているんです。
 また、この冬の気温は、地域によってはまた極端に低いんですよ。回復していない牛が、更に負担が掛かっているという状況になっているんです。
 また、酪農家の収入の柱の一つでありますぬれ子の価格が、先ほどもお話にありましたけれども、大きく下がっているんです。前年の同期比で三五%から三九%下がっています。昨年秋以降二万円台と低くて、ピークだった昨年六月の六万円の半値以下。
 さらに、酪農家の収入を時給にしますと、北海道では平均千三百十七円なんです。北海道の一般職の勤労者は二千六十八円ということですから、労働に対する収入がいかに少ないか、いかに大変かというのがこの数字からも御理解いただけるんではないかと思います。
 こういった現場の状況を踏まえて、農家の方々が希望や意欲を持てるように、経営を続けていけるように、先ほどの諮問の内容どおり何とかお願いしたいということを重ねて申し上げますが、いかがでしょうか。
#20
○副大臣(岩本司君) 乳用種の子牛につきましては、平成十五年度当時、生産コストを上回る水準まで補給金が交付されていたことから、ぬれ子導入価格を下げるためのインセンティブが働かずに、ぬれ子価格が子牛価格を上回る逆転現象が発生いたしております。
 このため、平成十六年度の畜産物価格について審議するために開催されました食料・農業・農村政策審議会畜産部会におきまして、乳用種子牛の保証基準価格の算定方式の在り方について検討し、適切な方式を導入することとの提言がなされたところであります。
 これを受けまして平成十六年度に、学識経験者、畜産関係事業者、消費者等によって構成される乳用種に係る肉用子牛生産者補給金制度の運用の在り方に関する研究会を設置いたしまして、乳用種の保証基準価格の算定方法を見直し、その結果、平成十七年度価格において約二万円の引下げを実施したところであります。
 平成二十三年度におきましては、乳用種の保証基準価格は十一万六千円となっておりますけれども、実際の生産費と大きな乖離はなく、これまでも再生産が確保されてきていると認識をいたしております。
#21
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 先日、北海道選出国会議員会から、補給金は現行以上に、そして限度数量も適切に決定していただきたいということ、そして肉用子牛の乳用種の保証基準単価も現行以上にしていただきたいという要望書を幹事長室に提出させていただきました。
 酪農家からぬれ子を買って半年ほど育て、そしてまた肥育農家に販売するという形態が育成農家でありますけれども、育てている半年の間に仕入価格と販売価格が大きく変わるので経営状態が不安定になるんですね。そういう事情もあって全体的に経営が悪い状態が続いているんです。
 先ほど、平成十六年から十七年にかけて乳用種だけ保証基準価格を二万円近く下げたという経過をお話しいただきましたけれども、この下げたということが今になって結構大きく響いているんではないだろうかという声もあるんですが、この辺りをどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
#22
○副大臣(岩本司君) 先ほど申し上げましたけれども、再度申し上げますけれども、ぬれ子導入価格を下げるためのインセンティブが働かずに、ぬれ子価格が子牛価格を上回る逆転現象が発生したわけでありまして、繰り返しになりますけれども、十六年度の畜産物価格について審議するために開催されました食料・農業・農村政策審議会畜産部会におきまして、乳用種子牛の保証基準価格の算定方法の在り方について検討し、適切な方式を導入することの提言がなされまして、これを受けまして、先ほども、本当、繰り返しで恐縮ですけれども、運用の在り方に関する研究会を設置しまして、平成十七年度価格において約二万円の引下げを実施をいたしたところであります。
 二十三年度におきましては、乳用種の保証基準価格が十一万六千円となっておりますけれども、実際の生産費と大きな乖離はなく、これまでも再生産が確保されてきているという認識であります。
#23
○徳永エリ君 そういう認識でおられるんですね。そのようには私も感じておりませんし、現場からも、やっぱりこれが大きく影響しているんではないかという声が大きく上がっているんですが、重ねて伺ってよろしいんでしょうか。いかがでしょうか。前の委員から突っ込みが入りましたので、よろしくお願いいたします。
#24
○副大臣(岩本司君) もっともっと私どもも現場に足を運びまして、皆様の御意見を聞かせていただいて政策に反映してまいりたいと思います。
#25
○徳永エリ君 副大臣が北海道にいらっしゃる予定があるということでございますので、是非現場に一緒に行って声を聞いていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 こういった育成農家の経営を支えていくためにも、保証基準価格を現行以上にしていただきたいことを強くお願い申し上げます。
 さて、生産コストについて伺います。
 配合飼料の価格なんですが、トウモロコシの国際価格は、欧州債務問題や価格高騰による需要の減退から低下して、平成二十四年一―三月期の配合飼料価格は、前期と比べトン当たり平均約二千三百円と値下げとなったんですが、四月―六月期の配合飼料価格は、国際相場がやや強含んで推移しているということに加え、為替の円安が進行していることから平均約千百五十円の値上げとなっています。
 今後の飼料価格の動き、大変気になるところなんですが、どのように見ていらっしゃるのか、お聞かせください。
#26
○副大臣(岩本司君) 配合飼料価格安定制度の財源の確保についての御質問だと思います。
 配合飼料価格安定制度の補填財源につきましては、補填財源に不足が生じないように、二十三年度第三次補正予算におきまして、異常補填基金の積み増しのために九十七億円を措置したところであります。また、二十四年度上半期に見込まれる通常補填基金の積み増し約九十億円を加えますと、次の七から九月期の補填財源は、異常補填基金約二百九十七億円と通常補填基金約百八億円を合わせまして約四百億円が確保される見込みであります。
 今後、配合飼料価格の動向等を見極めつつ、仮に通常補填基金が不足するような事態が生じた場合には、例えば異常補填基金から通常補填基金へ貸し付けるなどの対応を含めまして、生産者に対する補填が円滑に実施されるよう努めてまいる所存であります。
#27
○徳永エリ君 補填をしていただくのと補填の財源をしっかり確保していただくのはもう是非ともしっかりやっていただきたいんですが、下がったと思ってほっとしたらまた上がったという状況でありまして、見通しを伺いたいんですが、いかがでしょうか。
#28
○副大臣(岩本司君) 失礼しました。
 二十四年度の七月から九月期の配合飼料価格につきましては、原料調達が行われる四月から六月の国際相場や為替等の動向により決まるわけであります。今後の相場動向の見通しについては、確たることは申し上げられませんけれども、トウモロコシのシカゴ相場は今年の米国の作付面積が戦後最大と予測されるなど需給の緩和要因も見られること、また次に、為替につきましては、最近の急激な円安はやや行き過ぎ感もありまして、今後は日米金利差や欧米の債務問題等の材料にも影響されるため、一本調子で円安が進むとも言い切れないこと等にも留意する必要があるわけであります。
 いずれにせよ、今後の動向については十分注視していきたいと考えております。
#29
○徳永エリ君 委員の中からざわざわと、大丈夫かと、おかしいんじゃないかという声も上がっておりますけれども、しっかりと動向を注視していただくようお願いしたいと思います。
 北海道では、やはり気候の影響で湿害、雨もたくさん降りまして、自給飼料の作物の出来が非常に悪いんですね。栄養分も低くなる傾向があります。どうしても輸入に頼らなければならないという状況もあるんですね。ですから、そういうことも踏まえて、今後の価格動向を注視いたしまして補填財源の確保をしっかりと御対応をお願いしたいと思います。
 こういう中で、自給飼料基盤の強化ということもしていかなければならないんですが、自給飼料の生産への取組の支援、飼料生産振興の支援について伺います。
#30
○副大臣(岩本司君) 国産飼料の増産により飼料基盤に立脚した足腰の強い畜産経営を実現させることは、我が国畜産業の持続的な発展のために重要であると認識をいたしております。平成二十二年三月に閣議決定いたしました食料・農業・農村基本計画におきましては、飼料自給率を平成二十年の二六%から平成三十二年には三八%に引き上げる目標を設定いたしたところであります。
 とりわけ北海道は、寒冷地である一方で日本全体の三分の二を占める広大な飼料作物作付面積を有しており、自給飼料の生産拡大に向けた取組への支援が重要であると認識をいたしております。
 具体的には、二十四年度におきましては、草地基盤整備に係る予算といたしまして、戸別所得補償実施円滑化基盤整備事業等や農業体質強化基盤整備促進事業を措置したほか、飼料作物の生産性向上のための優良品種導入による草地の改良、飼料生産の効率化等のためのコントラクターやTMRセンターの育成等の取組を推進するための予算を措置するとともに、寒冷地などでも生産可能な品種の改良を引き続き推進をしてまいります。
 これらの予算措置等を活用しまして、国産粗飼料の生産の拡大を図ってまいる所存であります。
#31
○徳永エリ君 ありがとうございます。飼料生産振興の支援、しっかりとお願いをしたいと思います。
 続いて、燃油価格なんですが、ガソリン百六十円超えたそうですね。これ大変なことですよね。軽油も六・九%から九・一%、それから灯油は九・五%から一六・六%上がっていまして、大変にこれは大きな負担ですね。トラクターなんかは軽油を使うんですね。農家はちょっと出かけるにも車に乗らなければどうにもなりませんので、ガソリンもたくさん使うんですね。それから、北海道は寒いんです。五月のゴールデンウイークぐらいまではもう灯油は欠かすことができません。非常に生活の上で負担になってくるんですね。
 生産コストにも影響を与えてくると思うんですが、この燃油価格なんですが、高止まりした場合にその際の対策というのも迅速に対応しなければいけないと思っているんですが、どのようにお考えでしょうか、お聞かせください。
#32
○大臣政務官(森本哲生君) 今この問題につきましては、灯油、軽油、三銭分をこれに充てていくというような試算を今やっておるわけでございますので、今の上がり幅とそれから今後の動向も影響すると思うんですが、このことをやることによって少なくとも皆様方に僅かではありますが補填されるということになりますので、よろしくお願いを申し上げます。
#33
○徳永エリ君 今日私のところに生産者の方から連絡が入りまして、この燃油の高騰について迅速に対応してほしいと、これだけはしっかりと言ってくれというふうに言われましたので、よろしくお願いを申し上げます。
#34
○大臣政務官(森本哲生君) 迅速にということでございますので、この対応につきましてはしっかりやらせていただきますので、よろしくお願いします。
#35
○徳永エリ君 力強いお言葉をありがとうございます。しっかりと伝えさせていただきます。
 続いて、畜産、酪農の戸別所得補償制度についてのお考えを伺います。
 米そして昨年からは畑作の戸別所得補償制度が導入されて、今後、畜産、酪農の戸別所得補償制度はどうなるんでしょうかという声をこれも現場から聞きます。マニフェストにもあります。特に北海道は、乳用種という北海道の特別な事情がありますので、この戸別所得補償制度の導入、非常に現場の皆さんは気にされているようであります。
 一昨年の七月に、酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針が策定されました。戸別所得補償の本格実施に当たって、畜産、酪農については、畜種ごとの畜産経営安定対策の実施状況を踏まえ、畜産・酪農所得補償制度の在り方や導入時期を検討するということでありました。たしか昨年、この時期、公明党の横山議員がこのことを質問されておりまして、大臣の御答弁は引き続き検討してまいりたいということでしたが、現時点でのお考え、いかがでしょうか。
#36
○大臣政務官(森本哲生君) 委員おっしゃいますように、確かに各種ごとの特性に応じてこの対応をやっておる。そういう観点からは、マル緊につきましても一定期間というのが二十二年から二十三、二十四、ここのところは検討、ですから、二十四年にもう一度検討をしていかなければならないということで私どもは理解をいたしておりますので、来年度についてはこの改正をやっていかないということが結論でございますので、ですから、二十五年から新しい対応ということで検討をしたいということで御理解いただきたいと思います。
#37
○徳永エリ君 二十五年度からという時期をいただきましたけれども、大丈夫ですね。
#38
○大臣政務官(森本哲生君) 一定期間マル緊につきましては見直し期間ということになりますので、そこでどういった形であるにしろ見直しをするということになっておりますので、ここのところは皆様方のまた御意見も拝聴しながら進めていかなければならないというふうに思っております。
#39
○徳永エリ君 これに関しても、畜種別ということもありますし、現場の声をしっかりと聞きながら検討していっていただきたいと、前向きに検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、食品の基準値について伺います。
 四月から、食品の新たな基準値が設定されます。より一層食品の安全と安心を確保するという観点から、現在の暫定規制値で許容している年間五ミリシーベルトから年間一ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げますが、一般食品が一キログラム当たり百ベクレル、牛乳は一キログラム当たり五十ベクレルということなんですが、今までにモニタリング検査のデータがあると思うんですが、この新基準値の食品ごとの超過割合というのが気になるんですけれども、特に牛乳それから牛肉はどうなっているでしょうか。
#40
○政府参考人(三浦公嗣君) 食品中の放射性物質のことについてお尋ねいただきました。
 厚生労働省が定めましたガイドラインに基づきまして、各地方自治体でモニタリング検査を実施しているところでございます。検査結果については、毎日、厚生労働省において、検出されれば検出値、検出されなかった場合でも検出下限値を取りまとめて公表しております。
 今御指摘いただきましたように、新基準値は基本的に今年の四月一日から施行することとなりますが、牛肉については経過措置を設けておりまして、今年の十月一日から適用するということになっております。
 牛肉そして牛乳について、新基準値施行後の超過割合を現時点で見通すということは大変難しいことでございますけれども、この一月、本年一月から昨日三月二十一日までに報告された検査結果に基づけば、牛肉は検査検体が二万九千九十六件検査しておりますが、五十一件、割合でいいますと約〇・二%が新しい基準値である一キロ当たり百ベクレルを超えるということになりますけれども、これは農林水産省が取り組んでおられる飼料管理の徹底ということによりまして改善が見込まれるものと考えております。また、牛乳でございますけれども、八百四十三件検査しておりまして、新基準値でございます一キロ当たり五十ベクレルを超えるものは確認されておりません。
#41
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 新基準値によって、今まで出荷できていたものができなくなっては困るということで、生産者の方は大変心配しておりますので、モニタリングもしっかりと継続していただきたいと思いますし、それから、飼料ですね、飼料をしっかりと安全なものを食べさせるということは不可欠だと思いますが、家畜の飼料の暫定許容値の改訂について伺いたいと思います。
#42
○政府参考人(荒川隆君) お答え申し上げます。
 今先生お話ございました餌の方の許容値でございます。私ども、きちんとした餌を食べさせることで肉なり乳なりに移行しないということでございますので、食品の方の基準値の施行を待たずに、先般、二月三日に牛用の飼料の暫定許容値を従来の三百ベクレルから百ベクレルに改訂をさせていただいたところでございます。この改訂が農家の皆様方までしっかり届くように、市町村ですとか行政ルートはもとよりでございますが、獣医師さんですとか飼料メーカーさん、あらゆるルートを通じて周知徹底を図っておるところでございます。
 また、この基準値の、許容値の強化に伴いまして必要になります代替飼料の確保、こういったものに全力を尽くしておるところでございます。
#43
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 新基準値が適用されることで、全国にあるその検査機器なんですけれども、その多くは改良や使用法の変更をしなければならないということが新聞でも報じられました。
 ゲルマニウム半導体検出器と沃化ナトリウムシンチレーション検出器を使って検査をしているわけですけれども、スクリーニング法の改定で測定下限値が二十五ベクレル、キログラム当たり二十五ベクレル以下を満たすこととなっておりまして、ゲルマニウム半導体検出器は下限値が十ベクレルなんですけれども、沃化ナトリウムシンチレーション検出器は、機器によっては二十から五十ベクレルということで、検査測定できなくなるという機器もあるというふうに聞いています。
 まずは今まで、とにかくどんどん機器をそろえてしっかりモニタリングをやった方がいいという声が上がってきているんですけれども、三・一一以降、一体どういう機器を買って、それがどこにあって、どのように使われているのかというのが非常に分かりづらいんですね。
 農水省の補助制度では、輸出農産物等放射能検査対応事業というので、一次補正で一億三千三百万円、二次補正で五千二百万円、予算が付いていて、検査測定機器整備費及び技術者手当の二分の一以内の補助というのがあるんですけれども、今まで買ったその検査機器というのがどうなっているのか教えていただけないでしょうか。お願いいたします。
#44
○政府参考人(高橋博君) 農林水産省といたしましては、この食品の安全性を確保するためのモニタリング調査のために、厚生労働省が定めました検査基準に適応できるような検査機器の整備をこれまで行っております。
 今御指摘のございました、これは輸出用の検査のお話でございましたけれども、このほかに都道府県に対しまして、都道府県の検査の支援という形でゲルマニウム半導体の検出器を十九台、それから簡易型の検査器につきましては百七十台の導入支援をしております。さらに、都道府県の依頼に応じまして私どもの関係の検査機関への検査の紹介というようなことも行いまして、この検査計画に対する対応ということを行ってまいりました。
 なお、私ども農林水産省の整備のほかに、厚生労働省あるいは消費者庁、文部科学省におきましても、それぞれの行政現場に必要な検査機器の整備も実施しているところでございます。
#45
○徳永エリ君 今、ゲルマニウム半導体検出器が十九台、簡易のものが百七十台というふうにおっしゃいましたけれども、その中にはこのスクリーニング法の改正によって改良、使用法の変更をしなければいけないもの、あるいは使えなくなったものというのはあるんでしょうか。
#46
○政府参考人(高橋博君) 私どもが補助、助成をいたしました、ゲルマニウム半導体はもうこれはもう公定法にきちんと適応できるということで問題ございません。また、簡易型の検査器につきましても、この百七十台全て、ちょっと測定時間が少し従来よりは掛かるということはございますけれども、今回の新基準値にも十分対応可能となっております。さらに、一部の機種につきましては、これを若干バージョンアップをするということによりまして従前と同様の能力を持つということもございますので、現在、この性能向上のために必要な改修につきましても順次進めているところでございます。
#47
○徳永エリ君 それは食品の新基準値の改訂時期に間に合うようにしていらっしゃるということでしょうか。
#48
○政府参考人(高橋博君) それに向けてきちんと対応しております。今の検査機器でも、時間はちょっと掛かるんですが、十分に対応は可能でございますし、更に能力アップのための、バージョンアップのための整備もそれに合わせて今進めているところでございます。
#49
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 いずれにせよ、食品の安全、安心のためにはこのモニタリングが重要ですので、しっかりとやっていただきたいということと、それから、この検査機器なんですけれども、農林水産省、経済産業省、文科省、いろんなところでこの機材を買うのに補助しているということなんですけれども、本当に、どこにどんな機械があって、どう使われているのかということを調べるのがすごく大変なんですね。全体がなかなか把握できない。時期によっては増えたりもしているわけでありまして、やっぱりどういう機械を使ってどうなっているのかというのは、どこか一元化して、すぐ分かるような環境づくりをしていかないといけないなというふうに思いますので、省庁を超えてその辺を御検討、どこが一元化したらいいのか、ちょっと私も分かりませんけれども、復興庁なのか、これからできる規制庁なのかよく分かりませんけれども、一元化した分かりやすい情報管理というのをしていく必要があるのではないかというふうに思いますので、一言言わせていただきます。
 それから、輸入規制緩和問題についてお伺いいたします。
 牛肉の輸入規制緩和問題、昨年十一月のAPEC、日米首脳会談でオバマ大統領が輸入制限の撤廃を求め、野田総理はBSE対策全般の再評価を行うことを決定し、規制緩和に向けた手続を開始したと、大変に前のめりの回答をいたしました。厚生労働省は、BSE対策実施から十年経過したことを再評価の理由にしています。
 しかし、このことはやっぱり国民の命にかかわる問題です、ともすると。我々は政治的な圧力なのかなととらえているところもありますけれども、その政治的な圧力によるものではなくて、国民が十分に納得できるような検証が行われ、理解が得られるかどうかということが非常に重要になってくると思います。
 食品安全委員会プリオン専門調査会で審議が行われておりますが、安全、安心のためにも、現行の維持、緩和は行わないでほしいという声が非常に多いと私は理解しておりますが、この辺りはいかがでしょうか、お聞かせください。
#50
○政府参考人(三浦公嗣君) 先ほど、私、牛肉の検査の件数を二万九千九十六件と言ったようでございますが、二万九千九百九十六件でございます。恐縮でございますが、訂正させていただきたいと思います。
 今お尋ねいただきましたBSE対策でございますけれども、御指摘いただきましたように、我が国で対策を開始してから十年が経過し、国内、国外の双方におきましてリスクが低下しているという状況にございます。このため、国内の検査体制、輸入条件といった対策全般について、最新の科学的知見に基づいて再評価を行うということにいたしまして、昨年の十二月に食品安全委員会への諮問を行ったところでございます。
 このように、あくまでも科学的知見に基づいて対応するという問題であると認識しております。(発言する者あり)
#51
○徳永エリ君 ありがとうございます。そうなんです。なぜ今なのかなということと、それと、もし規制緩和となると、今後どういうプロセスをたどっていくということになるんでしょうか。
#52
○政府参考人(三浦公嗣君) これも委員御指摘いただきましたように、現在、食品安全委員会プリオン専門調査会で審議をいただいているところでございます。一月の十九日、二月の二十七日と、二回既に開催されておりまして、今月も二十三日に開催が予定されていると伺っております。
 食品安全委員会の今後のスケジュール、あるいは答申後の検討のスケジュールということでございますけれども、これは食品安全委員会、あくまで独立した委員会ということでございまして、厚生労働省として見通すこと、これは極めて困難だと思っておりますけれども、仮に国内外のリスク管理措置を見直すという場合になれば、関係者への影響を考慮するとともに、リスクコミュニケーションなどを通じて国民の皆様への説明を丁寧に行いたいと考えております。
#53
○徳永エリ君 もし規制が緩和されて問題が起きたら、風評被害によって更に牛肉の消費、枝肉価格が下落しかねません。科学的な知見に基づいてしっかりと安全を確認して国民に十分な理解を得た上でなければ輸入規制の緩和を行うべきではないというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
#54
○政府参考人(三浦公嗣君) 御指摘のように、国民の皆様の御理解というのが何よりも重要であることは間違いないと思っております。努力してまいりたいと思います。
#55
○徳永エリ君 時間もなくなってまいりましたので、最後に唐突ですが大臣にお伺いしたいと思います。
 酪農家の戸数、減少しています。北海道は昨年二百軒も減っています。高齢化と将来への不安ということなんですが、新規就農者を何とか増やさなければいけないんですね。この新規就農者、新たな担い手を育てていくための取組をしているわけでございますけれども、その施策について伺い、平成二十四年度以降毎年二万人の青年就農者の定着を目指すと具体的な数字目標も挙げているようでございますけれども、この新規就農者を増やすという取組に関しての大臣の決意を最後にお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
#56
○国務大臣(鹿野道彦君) 新規就農のいわゆる対策というふうなことにつきまして、平成二十四年度におきまして初めて予算措置を講じさせていただきました。今までは融資というふうなものが一つの基本的な施策の軸でもあったわけでありますけれども、給付というふうな形でやるということは初めてのことでございます。それだけに、今日の第一次産業を取り巻く状況というものは非常に後継者不足なりあるいは高齢化というふうなこと等々を踏まえて本当に深刻な事態にあるんだというようなことから、何としても二万人の新規就農者を確保していきたいという、そういう意欲をやはり示していくことじゃないかと、こう思っております。
 しかし、単なる意欲だけではこれは具体的な形につながっていきませんので、思い切った施策を講じて、しかし、施策を講じるという場合でもその施策が実質的に本当に新規就農者として定着していただくというふうなことでなければなりません。そのことを考えたときに、やっぱり農業あるいは林業そして言わば水産業、漁業という一次産業というふうなものに改めて若い人たちが人生を懸けてみようと、こういうような思いを持っていただく、そういう人たちに対しては思い切った施策を講じていきたい、こういうふうな思いで予算を計上させていただいたわけでございまして、いろいろ今後このことについての具体的な施策を行っていく場合は、やっぱり地域の人たちとよりよく話し合って、そして人・農地プランというふうなものを策定していただく中でしっかりとした新規就農対策に結び付けていきたいと、こう思っておるところでございます。
#57
○徳永エリ君 ありがとうございます。
 青年就農給付金、準備型と経営開始型、現場の皆さんから大変期待されております。ただ、実際使ってみるとちょっと使い勝手が悪いとかということも今後出てくるかもしれませんので、そこは柔軟に対応していただきながらしっかりやっていただきたいと思っております。
 今日はありがとうございました。私も北海道そして日本の農家の皆さんの元気のために頑張ってまいりますので、どうぞ皆様よろしくお願いいたします。今日はありがとうございました。
 以上、質問終わります。
#58
○松浦大悟君 民主党の松浦大悟です。
 今日は質問の機会をいただきましてありがとうございます。これから大臣所信に対する質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 震災から一年がたちました。被災地の復旧復興はまずは瓦れきの処理からという思いで、私も民主党の瓦れき処理推進議連に入らせていただき、何とか全国で瓦れきの処理が進むように今取り組んでいるところでございます。現在、徐々にではありますけれども、各自治体で理解が進んでいるように感じております。
 岩手県、宮城県、福島県の被災三県で発生した災害廃棄物の量はおよそ二千二百六十万トンと推計されていますが、これまで処理されたのはおよそ百五十万トンということで、これは全体の六・七%にしかすぎません。迅速な瓦れきの処理を行うためには、私は、例えば漁港におきまして地盤沈下した漁港のかさ上げにこれを使うことができないか、あるいは魚礁にコンクリートくずを使うことができないかというふうに思っております。現在、岸壁部分については漁港のほとんどで工事が行われているということは聞いてはいるんですが、漁港全体が地盤沈下しているわけですから、まだまだこの瓦れきを使う部分というのはあるというふうに感じております。
 農林水産省としての見解、それから今後の取組についてまずは聞かせていただきたいと思います。
#59
○副大臣(岩本司君) 松浦委員の御質問にお答えいたします。
 本日は二十五問も通告いただきまして、誠にありがとうございます。
 被災地に生じているコンクリートの瓦れきにつきましては、これを砕いた上で、津波により堆積した土砂等とともに、地盤沈下した漁港のかさ上げのための盛土材等に利用する予定であるほか、昆布やワカメを増やすための漁場施設に活用する実証試験を実施中であります。被災地の瓦れき処理を進めるためにも、漁港や漁場の復旧復興に瓦れきを積極的に有効活用してまいる所存であります。
#60
○松浦大悟君 ありがとうございました。こうした分野にもしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 それからもう一つ、この瓦れきの処理という点でいうと、海岸防災林にこの瓦れきを使うというのも大きな視点の一つではないかというふうに思っております。今回の森林・林業白書にもこの海岸防災林についてかなりのページを割いて解説がされておりますけれども、それを読みますと、海岸防災林は津波によって大きな被害を受けたわけでありますが、津波のエネルギーを減退させる効果があったということ、それから、津波が到達するまでの時間を遅らせる効果があったということ、さらには、津波が引いていくときにその防災林に人が引っかかって命が助かったというケースもあったということがこの白書には書かれております。
 次の災害に備えるべく、一日も早いこの防災林の復旧ということが望まれていると思います。津波により被災した海岸防災林の再生に当たりましては、災害廃棄物、これを無害化した再生資材を防災林の盛土材として使うということが大切な取組だというふうに考えています。
 今、青森県、千葉県では、瓦れきを盛土に使い防災林を造っているというふうに伺っています。宮城県でも一部入札済みで、五月には着工の見込みだと聞いています。ただ、まだ被災地ではこの瓦れきが十分に使われていない状況があるのではないか。例えば、宮城県では広域処理をするということで、その広域処理分が全体の二割だということ、それから、岩手県では一割が広域処理の対象だと聞いています。広域処理は広域処理でそれぞれ大切なんですが、でも、それだけでは早期に瓦れきの処理というのはできないというふうに思っています。
 農水省では海岸防災林の再生に関する検討会を設置して検討したということなんですが、この防災林に瓦れきをもっと使うべきではないかというふうに思います。現在、どれぐらいの距離の海岸線で使ったのか、また、どれぐらいの量の瓦れきを使われたのか、そしてまた、今後瓦れきを使った防災林の促進をどのように具体化していくのか、それぞれお聞かせください。
#61
○副大臣(岩本司君) 大量に発生しました瓦れきの処理に寄与するために、農林水産省といたしましても、海岸防災林の再生に当たり、無害化された再生資材を沈下した地盤の埋め戻し材、盛土材等として積極的に活用する方針であります。
 具体的には、昨年十二月に事業実施主体であります関係県及び森林管理局に対しまして、環境省とも調整して、再生資材の活用基準等に関する指導文書を発出いたしております。これを受けまして、関係県及び森林管理局は環境省東北地方環境事務所に対しまして事業箇所ごとに資材の必要性を情報提供するなど、再生資材の需要と供給のマッチングを開始をいたしております。既にマッチングの整った青森県、千葉県が実施する事業におきましては、盛土材等として再生資材を活用しているところであります。
 農林水産省といたしましては、環境省が定める災害廃棄物の基準等に基づきまして、瓦れきの再生利用を積極的に進めていく考えであります。
#62
○松浦大悟君 海岸線というのはまだまだ長いですので、十分に瓦れきを使っていただきたいというふうに思います。
 今私は民主党の中の日本の森を元気にする議員連盟というところに所属をさせていただいております。会長が今野東議員で、私が事務局長を担当させていただいておりますが、その議連に横浜国立大学の宮脇昭先生から、瓦れきを使った防災林についての御提言をいただきました。宮脇先生が取り組んでいる宮脇式というのはどういうものかというと、それぞれの地域の植生に合った植物を植えることで森を再生していく、それで全国の森を幾つも再生をしてこられた方です。その宮脇先生が言うには、瓦れきを盛土に使うと、根が伸びるときに土の中で根が瓦れきを抱きかかえるようにするので、津波だとか台風に強い防災林が育つんだということをおっしゃっています。実際にドイツやオランダなどでは、こうした瓦れきは廃棄をしたりしないで土と混ぜて緑地形成などに積極的に利用するようにという条例があるんだそうです。ミュンヘンでは、第二次世界大戦のときの戦災瓦れきを実際に使って都市林の再生を行っているということなんです。
 私はこれ、瓦れきというんですけれども、実際見てみると、住民の皆さんが生活した跡なんですよね。三輪車であったり家で使われていた家具であったり、そうしたものを今度は命と生活を守る森林につくり替えていく、こうしたことは大変意義の深いことであるというふうに思っていますので、是非ともこうした瓦れきを使った防災林の再生に積極的に取り組んでいただければというふうに思います。
 続きまして、被災地の復旧状況についてお伺いいたします。
 東日本大震災から一年がたちまして、現場の農業者の皆さんは一日でも早い営農再開ができるときを心待ちにしております。平成二十三年の十一月に改定されました農業・農村復興マスタープランでは、二十四年度までに営農再開を見込む被災農地を、岩手県、宮城県、福島県の三県全体で三七%、全体の三七%、七千六百ヘクタールと予定をしております。
 現在の進捗状況、それから、予定より遅れているのであれば、なぜ遅れているのか、その理由も併せてお聞かせください。
#63
○大臣政務官(森本哲生君) 今、完了と、それから実証をやっておるところが大体九〇%を超えておると思います。そして、今準備中は三百ヘクタールほどありますから、九六%程度はこれ今回いけるというふうに私どもは想定をいたしております。
 その中で、ただ、福島は除染を優先するところとか、岩手は大規模化という、そうした案が出ておりますので、そうした地域はいま少し時間を要するんじゃないかなというふうに私どもは考えておりますので、その動向を見極めながら対応させていただきたいというふうに考えております。
#64
○松浦大悟君 ありがとうございます。
 今おっしゃられた福島での除染の問題なんですけれども、放射性物質の除去方法の一日も早い確立ということが望まれているわけですが、例えば表土を剥ぎ取ると効果があると言われているんですが、農業者の皆さんからは、土の剥ぎ取りでは農地が痩せてしまうんじゃないかという懸念の声も上がっております。
 効果的な除染の確立と実施に向けて、どのように取り組んでいくのか、改めて聞かせてください。
#65
○副大臣(岩本司君) 農林水産省におきましては、これまで飯舘村、川俣町等での実証試験を通じまして、表土の削り取り、反転耕等、農地土壌の放射性物質による汚染レベルに応じた除染方法を提示してきたところであります。
 飯舘村の表土の削り取り後に水稲を試験的に作付けした結果では、削り取りの前後で同程度の水稲の収量は得られましたけれども、議員御指摘のとおり、地力低下を伴う場合があることは承知をいたしております。このような場合は、削り取りなどと併せまして、堆肥などの有機物やカリウム肥料の施用といった地力回復措置を実施すべきものと考えております。
 被災地の農業の復興に向けまして、今後とも現場の課題に応じて必要な除染技術の開発に取り組んでまいる所存であります。
#66
○松浦大悟君 ありがとうございます。
 農地を守りながらどうやって除染をしていくのか、みんなで知恵を出し合っていかなければならないというふうに感じております。
 続きまして、成長産業としての農業ということで伺わせていただければと思います。
 野田総理大臣が第百八十回国会の施政方針演説におきましてこの農業分野について、新たな需要を生み出し、二十一世紀の成長産業となる大きな可能性を秘めていると述べていらっしゃいます。民主党政権になりまして、この農林漁業を成長産業ということで位置付けているわけですけれども、ただ、成長産業というのが掛け声だけで終わらないためにいろんなことを考えていかなければならないのではないかというふうに思っております。
 この成長産業と言うときに、これまでの農林漁業の手法のどこに問題があったのか、何が足りなかったのか、そしてまた、新たに何を行うことで成長産業としていくのか、農林漁業者が希望を持って生産活動に取り組んでいくために是非具体的なお考えを聞かせていただければと思います。
#67
○副大臣(岩本司君) 農山漁村には、農林水産物を始めバイオマス、土地、水など様々な地域資源が豊富に存在をいたしております。このため、農山漁村の豊富な資源を有効に活用し、一次産業が生み出した価値を二次、三次産業と連携して六次産業化を推進することによりその価値連鎖を結合させて付加価値を高め、雇用と所得を生み出し、農林漁業を成長産業化することが重要と認識をいたしております。
 こうした認識に基づきまして、まず農林漁業者等が行う取組につきまして、六次産業化の先達であるボランタリー・プランナー等によるサポート体制の充実を図りつつ、加工、販売施設等の整備や新商品の開発、販路開拓、さらには農山漁村における再生可能エネルギーの利活用などを総合的に支援していく考えであります。
 また、事業の発展に取り組む農林漁業者等に対する資本力強化や経営支援を行うための官民共同ファンドを創設し、それを活用することによりまして高付加価値化を進めていく方針であります。このための法案を提出しているところであります。
 これらの対策によりまして、個々の農林漁業者の取組を大切にしながら農林漁業を成長産業として大きく育ててまいる決意であります。
#68
○松浦大悟君 ありがとうございます。
 先日、秋田県の佐竹知事と一緒に経産省の枝野大臣のところに行ってまいりました。実は、秋田県では秋田エルピーダメモリが破産をしました。それから、TDKが県内六工場の閉鎖を決めたんです。多くの方が職を失うことになりました。グローバル競争の中で、エルピーダメモリは、半導体の価格が国際競争の中で極端に下がってしまい、それに対応することができなかったと。TDKの場合は、タイの洪水の影響があって、秋田県の工場にもその影響が来てしまったということがありました。
 そこで秋田県は、この空き工場ですとか廃校となった校舎を活用して植物工場を造ろうということになったんです。ここで働いていた従業員の皆さんの受皿にしようということを今やっているところです。さらに、このTDKの海外での販売網を活用いたしまして、そこで作られた葉物野菜を輸出していこうという計画を立てているところなんです。
 今、聞くところによると、福島でもこの植物工場でやっていきたいという動きがあるというふうに聞いております。農水省として積極的なバックアップをやっていただきたいと思うんですが、成長産業としての農業というこの位置付けの中にこの植物工場ということも含めていただければということを思うんですが、今後の取組について聞かせていただければと思います。
#69
○副大臣(岩本司君) 以前、本委員会でも視察にたしか秩父の方にも行かせていただきました、私も委員として参加させていただきましたけれども。
 植物工場と言われるような温度や日照等の栽培環境を高度に抑制する先進的な施設を用いた農業経営は、国産農産物の安定供給の面でも、また新たな雇用の創出にもつながるという面でも、農業を成長産業として発展させる上で意義のあるものと認識をいたしております。
 このため、農水省といたしましては、植物工場の導入を検討している生産者に対しまして、全国六か所のモデルハウスにおきまして、コスト面や技術面での実証、展示や人材育成のための研修を行うとともに、強い農業づくり交付金等の補助事業の活用により植物工場の設置を積極的に支援してまいる所存であります。
#70
○松浦大悟君 ありがとうございます。
 枝野大臣からも、松浦さんを通して鹿野大臣にもしっかりお願いするようにということを言われてきましたので、是非ともこうした動きについて目を見張らせていただきたいというふうに思います。
 これまで工場で働いてきた方がなかなか農業をやるというのは難しいというふうに思いますけれども、この植物工場であれば、これまでの様々な経験の中から取り組むことができるのではないかと期待をしているところです。是非こうした分野にも今後積極的にかかわっていただければというふうに思います。
 続きまして、農林漁業の再生という観点から伺わせていただければと思います。
 鹿野大臣は平成二十三年の十月に、我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画を取りまとめられ、平成二十四年度予算を農林漁業の再生元年と位置付けられました。また、先般の当委員会の所信表明におきまして、農林漁業の再生が国政の真ん中に位置付けられるべきものとの考えを述べられました。大臣の並々ならぬ決意を感じるとともに、思い切った施策の進め方を私からも評価をさせていただきたいというふうに思っております。
 この農林漁業の再生におきまして大臣が考えておられるこの再生の姿について、いま一度説明を伺わせていただければというふうに思います。
#71
○副大臣(岩本司君) 私は大臣じゃないんですけれども、説明させていただきます。
 我が国の農林漁業は、所得の減少、担い手不足や高齢化といった問題に直面しておりまして、その再生は待ったなしの課題であります。こうした中、大震災を契機に、食料を供給する農林漁業が国民生活にとっていかに重要であるかが再認識されたところであります。また、農林漁業は二十一世紀の成長産業となる大きな可能性も秘めているところであります。
 こうした認識の下、昨年十月に策定しました食と農林漁業の再生の実現のための基本方針・行動計画に基づきまして、農地集積の加速化、青年新規就農の増大などによる持続可能な力強い農業の実現、六次産業化、成長産業化、再生可能エネルギーの供給促進など、七つの戦略を集中展開いたしまして農林漁業の再生に政府が責任を持って対応してまいる所存であります。
#72
○松浦大悟君 ありがとうございます。
 再生していくためには、風評被害にどう取り組んでいくのかということも大切だと思います。
 福島第一原発事故は、今もなお日本の食品産業、農林水産業に多大な影響を与えております。各国、輸入制限措置がとられているわけですけれども、この規制措置の完全解除は四か国にとどまり、依然として四十か国以上の国、地域が何らかの規制措置を継続していると聞いております。
 日本は、食品衛生法の暫定基準値を超えるものは市場に流通させないという措置を講じているわけですが、依然としていわれなき風評被害があるだろうというふうに思っております。
 農林水産省としてあるいは日本政府として国際的な信頼回復に向けてどのような行動を行っているのか、また、多くの国がこの規制措置を完全に解除できない理由というのは何なのか、日本が何をすれば完全解除に向けて取り組んでもらえるのか、伺いたいと思います。
#73
○大臣政務官(森本哲生君) 今、四十七か国でこうした規制が行われておるわけであります。委員も御指摘のように、我々は科学的根拠に基づいてしっかりこの対応をしていくということで各国には要請をしております。そして、政務が出張の際、いろいろな関係者の方にもお会いいただくんですが、そうした方々からもこうした私どもの考え方をしっかりお伝えをしていただいておるところでございます。大臣も、先般十月のASEANプラス3の会議、ジャカルタの際やら、先般、香港の方にも出ていただいて、大臣自らもそうした対応を行っていただいているところでございます。
 ただ、残念なのは、国会の日程等が今、私もこれは検討しなければならないと思うんですが、やはりなかなか大臣自ら海外へ出てこうした日本の今の窮状を伝えるというようなことができないような状況に今、国会があります。ですから、そうしたことも含めて、これからも更に大臣も積極的に出ていただきたい、そのことを私は個人的にということで思っておる次第でございます。
 私自身も、大臣に代わってドイツの大臣の会議等に参加させていただいたり、EUの事務局の方々ともお話しさせていただきました。ですから、そこのところで、やはり我々が動いていけば、この規制の、少しロットの検査の基準を緩めていただくとか、ここのところはこの春から成果も出ておるところでございますので、カナダ、チリ等につきましてもこの規制解除をされたということでございますので、対EUについても今申し上げたそうした緩和をしていただいておるところでございますので、ここのところは、日本のこうした信頼、信用というものは非常に高いものもあります。ですから、そこのところを根気よく丁寧に説明していくことがまず大事だというふうに認識をさせていただいておりますので、今後も引き続き頑張ってまいります。
 委員の皆さんにおかれましても、どうぞ、そうした、議員が動いていただいて海外に発信をしていただくということが非常に大きな効果があるということがございますので、是非よろしくお願い申し上げます。
#74
○松浦大悟君 ありがとうございました。
 これは、本当に与野党を問わず、全員野球でやっていかなきゃいけない話だというふうに伺わせていただきました。
 そこで、昨年の十一月に農水省主催による農林水産物・食品輸出戦略検討会が、農林水産物・食品輸出の拡大に向けてと題する報告書を取りまとめております。ここでは、ジャパン・ブランドを確立し、国際戦略的なマーケティング体制を構築し、輸出拡大を図っていくというふうにしております。
 ジャパン・ブランドについては、我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画の中においてもその取組を進めることが掲げられていましたけれども、これはどういったものなのか、それから農林水産省としてはどのような役割を担うのか、従来の輸出戦略とはどこが異なるのかというところを聞かせてください。
#75
○大臣政務官(森本哲生君) 大臣も力を非常に入れていただいて、輸出戦略、順調に伸びてまいりました。しかし、この三月十一日を起点として、大幅というよりも本当に徐々に減少傾向にあるということでございますので、このままでいけば目標達成にはおぼつかないと、そのような考え方の中で十一月に新たな戦略を立て直させていただいたところでございます。
 その一つは、やはり日本の私はおもてなし、日本の和食の文化をユネスコのこの世界登録という、ここのところにも全力を注いでいかなければならないと思うんですが、こうした細やかな日本の食というものは世界の中から非常に評価も同時に受けているところでございますので、ただ、放射能が非常にこの問題についてはシビアに評価をされますので、今後は、やっぱり先ほど申しました安全基準をしっかりやりながら私どもは努力していく。
 従来の戦略とは何が違うかということになりますと、今申し上げた、私どもが世界の無形遺産への登録を狙っていくということももちろん大事でもございますが、産地を超えたジャパン・ブランドとして、産地産地でやっていくんでなしに、オールジャパン、日本の、私のところですと、例えば松阪牛ということがあるんですけれども、やっぱりここのところはジャパン・ブランドの、日本の松阪牛というような、そうした全体の産地を超えたものでジャパン・ブランドとして売り出していかなければならないというふうに思っております。
 それと、ファンドを生かしたブランドにこれから確立、ビジネスとして輸出をしていただく方々に大いに支援をしていくという、そうした点が新しい考え方ということで御紹介をさせていただきたいと思います。
#76
○松浦大悟君 ありがとうございました。
 まさにジャパン・ブランドを確立し輸出を増やしていくためには、品質ですとか付加価値をどう付けていくか、価格面での競争力をどう有していくかということが必要であるというふうに思っております。
 続きまして、食品産業の将来ビジョンについて伺わせていただきたいと思います。
 我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画の中では、平成二十三年度中に食品産業の在り方や展開方向を示した食品産業の将来ビジョンを策定するとされております。
 そこで、この食品産業の将来ビジョンを策定する目的について伺わせてください。
#77
○大臣政務官(森本哲生君) 食品産業の将来ビジョンにつきましては、三月二十七日をめどにまとめさせていただきたいというふうに思っております。
 やはり、この産業のバリューチェーン、価値連鎖の形成に貢献というようなことで私どもも経済成長を牽引していきたいというような考え方を持っておるわけでありますが、やはり異業種との交流の中でこうした海外市場の開拓を進めていきたいというふうに思っております。そして、災害時に機能するサプライチェーンの構築や、食品中の放射性物質について早急に官民挙げて国内外の信頼を回復していくということもこの食品産業の将来ビジョンの策定については重要なポイントだというふうに考えております。
#78
○松浦大悟君 ありがとうございました。
 次に、鹿野大臣が所信表明の中で、大震災を契機に食料を供給する農林水産業が国民生活にとっていかに重要であるかが再認識されたと述べられました。食料の安定供給の確保は、政府のみならず我々政治家が国民に対して負っている基本的な責務の一つであるというふうに思っております。まさに今回の大震災は被災者、被災地域への食料の安定供給の困難さが顕在化した、そうしたことだったのではないかと思います。国内には救援物資が十分にあるにもかかわらず、流通網の被災により供給できなかったことがたくさんございました。
 改めて、この食料の安定供給には、食料生産だけでなく物流システムがいかに大切であるかということ、それからそのバックアップ体制の必要性についても必要であるということを考えさせられました。
 農林水産省の不測時の食料安全保障マニュアルの中では、国内の突発的な事件、事故等による農業生産や流通の混乱の場合への対応も想定されていますけれども、農林水産省、それから政府として、今回の流通ストップの経験を踏まえて、どのような対策を講じるのかということについて伺わせてください。
#79
○大臣政務官(森本哲生君) これはもう松浦委員おっしゃるとおりでございまして、今回、鹿野大臣を中心に、この三月十一日の大震災につきましては、本当に食品産業の事業者の皆さんから多大な御協力をいただいて、この方々なしには食料の供給はできなかったというふうに私自身も聞かせていただいております。
 ですから、いかにバックアップ体制が大事であるか、そこのことにつきましては、大臣から農林水産省の省内会議等で厳しくこのことについては対応を指示されておりますので、委員御指摘のとおり、これから我々はしっかりこの体制づくりを、この現状をしっかり認識しながら組織を確保していくということを申させていただいて答弁とさせていただきます。
#80
○松浦大悟君 ありがとうございました。
 少し時間が押してまいりましたので、質問を幾つか飛ばさせていただきまして、青年就農給付金についてお伺いしたいと思います。
 平成二十四年度におきまして、若者の就農支援対策として新たに青年就農給付金が創設をされました。これは、就農前の研修期間、それから経営が不安定な就農直後の所得を確保することを目的としたものであるということでございます。収入を補填するという、これ従来にない支援制度であると思いますけれども、導入理由をまず伺わせていただきたいと思います。
 それから、新規参入にどの程度効果を上げると見ていらっしゃるのか、それから、学生対象の奨学金制度のように後日返済する仕組みとせずに給付としたのはなぜなのか、また、これ、漁業者に導入しなかったのはなぜなのか、被災地を含め漁業者の後継者不足も深刻な状態であるということを伺っていますので、この点について聞かせていただければと思います。
#81
○副大臣(岩本司君) 現在、四十歳未満の若い就農者は一万三千人程度にとどまりまして、そのうち定着するのは一万人程度となっておりますが、我が国農業の高齢化が進展する中、持続可能な力強い農業を実現するためには青年新規就農者を大幅に増やしていくことが重要であります。
 これまでも新規就農者を対象といたしました無利子の融資を実施してきたところでありますけれども、新規就農者の場合、経営が軌道に乗るまでに数年掛かることもありまして、融資制度のみではなかなか新規就農が増大しないという状況であります。このため、青年の就農意欲を高めまして、就農後の定着を図ることにより青年新規就農者を大幅に増加させるため、平成二十四年度予算におきまして青年就農給付金を創設したところであります。
 なぜ、漁業者にはないのかという御質問でございますけれども、漁業におきましては、職場が海上でありまして、安全な船の渡航、漁場の選定、漁労技術、漁獲等の選別、鮮度保持など必要な技術が広範であることから、技術習得に比較的長期に、長期間技術習得に掛かるため、就業の初期段階では雇用されるケースがほとんどであるのがこの状況であります。
 このため、漁業につきましては、二十四年度におきましても、就業準備ですとか漁業現場での長期研修などの雇用も含めた新規漁業就業を推進するための支援策を講ずることといたしており、研修受入れ漁家に対しまして指導謝金といたしまして最大年間二百八十二万円を給付するほか、研修中の安全装備や損害保険も全額を支援をいたしております。受入れの皆様に対しまして支払われる指導謝金につきましては、研修生の労働の対価として研修生に支払われるという実態がありまして、実質的に農業と遜色のないものと考えております。
#82
○松浦大悟君 ありがとうございます。
 今回、若い世代の農業者を増やすという目的で新規就農給付金が創設されたということ、大変意義の大きいことだというふうに思っております。
 これは、フランスの営農給付金を参考にしたものだということで、フランスではこれを行ったことで若年農業者が物すごく増えたということが伝えられております。この制度の導入の結果、フランスの専業農家のうちの四十歳未満の農業者の割合が、一九七〇年代には一五%台だったものが、三十年後の二〇〇三年には二九%にまで増えたということであります。非常に私も今回のこの制度には期待をしたいというふうに思っております。
 続きまして、戸別所得補償制度について伺わせていただきたいと思います。
 農水省が発表しました農業経営統計調査によりますと、二〇一〇年の農家総所得が十四年ぶりに増加となりました。各新聞も、戸別所得補償制度がスタートし、米農家に交付金が支払われたことで、下がり続けていた農家の所得が増加に転じたというふうに報じております。
 今後、どんなに政権が替わっても、この戸別所得補償制度だけは私は農業政策の背骨としてしっかりと位置付けるべきだというふうに思っております。そのためには、これをしっかり法律の中に書き込んでいくことが必要なのではないかと。
 昨年、八月九日の三党の幹事長確認におきまして、平成二十四年度以降の戸別所得補償制度の在り方について、政策効果の検証を基に必要な見直しを検討とするというふうにされました。その後、三党による協議は仕切り直しということになっていると思います。
 政府としてはこの戸別所得補償制度をどのように自己評価しているのか、またこの法制化についての見通しを伺いたいと思います。
#83
○国務大臣(鹿野道彦君) 今委員がお触れのとおりに、我が国の国民に対する食料の安定供給というふうなものをこれからもきちっと確立をしていくということを考えたときに、やはり制度そのものが継続してこれからもずっとつながっていくと、そういうようなところから農業者の人たちにおいても安心して農業にいそしんでもらうことができるということになるわけでありますから、当然、そういう意味では、何とかこの戸別所得補償制度というふうなものの継続というふうなものが、アンケート調査等においても望んでおられるということもございますので、続けて継続していくというふうなことが望ましいんではないかと思っております。
 そういう意味で、当然、今後、三党の間におきましても、いわゆる合意の中でいろいろ検討していただいているものと思っておりますけれども、これからも是非、調整中という段階におきましても、これから三党で話し合っていただいて、そして合意に結び付けていただいて、そして、そのことが法制化につながっていくということになりますならば食料の供給の安定というふうなものにも結び付くものと思っておりますので、三党におけるところの話合いをまとめていただくというふうなことに対して是非お願いをいたしたいなと思っておるところでございます。
#84
○松浦大悟君 ありがとうございます。
 政権交代前、農家の所得は十五年前の半分にまで減ってしまったと。そうした中で、農家の跡を継ごうにも所得が安定しないので継げない、農家は高齢化し、耕作放棄地は増える一方という状況があったと思います。そうした中で、食料自給率が四〇%を切る状況にまでなっていった。これを何とかしなければならないということで始まったのが戸別所得補償制度ではなかったかというふうに思います。
 これは、国家安全保障上の観点からも大問題だというふうに思っていまして、一旦食料危機が起これば、どんな国であっても自国の食料の確保を優先させるのは当然だからです。だから、先進各国ではどの国においても、主食に関しては食料自給率を一〇〇%に近づけておくということが常識となっております。食料自給率四〇%を改善するためには、私は、規模の大小にかかわらず、農家の皆さんに安心して農業に取り組んでもらう必要があるというふうに思います。
 農業で飯が食えるということになれば、必ず若い人たちが、よし、自分も農業をやってみようと参入してくるようになる。そうすると、少しずつ世代交代が進んでいき、その中から新しい農業にチャレンジしてみようという人も増えてくるんだというふうに思います。
 今、農業従事者は六十五歳以上の方が四割と言われていますけれども、実際、秋田県などを歩いてみますと、七十代の方がもうほとんどという状況であります。こうした御高齢者の皆さんに、おじいちゃん、おばあちゃん、明日からイノベーションだってよって言っても、それは余りにもハードルが高過ぎる。十年、二十年掛けてゆっくりと世代交代をしていき、その中で農業改革を進めていくというのが私は最も現実的ではないかというふうに思っています。
 今、TPPの議論の中で、外圧を利用して急進的に農業を改革すべきじゃないかという声がありますけれども、それは余りにも現実を踏まえない議論だというふうに思っています。急進的な改革に付いていける人というのは僅かでありまして、多くの人たちはそれには付いていけない。必ず失敗すると思います。多数の農家を切り捨て、グローバルエリートだけが生き残るようなそんな改革は、私は農業の分野にはなじまないというふうに思っています。
 政策とは不断に効果を検証する必要があるということはもちろんではありますけれども、この戸別所得補償制度についてはしっかりと地方の実情を踏まえて検証していただきたいというふうに思いますし、規模拡大の加算ですとか再生利用の加算などについてはしっかり反映をしていただければというふうに思っております。
 農家の皆さんからは制度の安定化を望む声が強いわけでありますので、大臣の決意、それからこれからの戸別所得補償制度のあるべき姿について、もう一度大臣に伺わせていただければと思います。
#85
○国務大臣(鹿野道彦君) やはり重ねて申し上げますけれども、施策そのものの継続性というふうなものが求められると思います。そういう意味で、法制化ということできちっと形をつくっていくというふうなことが求められていると思いますので、三党の間において是非ひとつ話し合っていただいて、そしてそのことによって法制化につながっていただけばと、こんな期待も込めてお願いもさせていただきたいなと、こんな気持ちでございます。
#86
○松浦大悟君 ありがとうございます。
 これは三党協議ということになっておりますので、余り大臣は踏み込んで発言ができないということは重々承知をしております。
 どんなに政権が替わってもこの戸別所得補償制度が大きく変わることのないように、しっかり私たちも与野党で話合いをしていければというふうに思います。どうぞ皆さん、よろしくお願いをいたします。
 質問を終わります。ありがとうございました。
#87
○委員長(小川勝也君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#88
○委員長(小川勝也君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、平成二十四年度の農林水産行政の基本施策に関する件及び畜産物等の価格安定等に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#89
○山田俊男君 自民党の山田俊男であります。
 今日は大臣を中心に、大臣の所信に対しまして何点か質疑をさせていただきたい、こんなふうに思います。
 まず最初に、大臣の所信で、WTOについては各国の多様な農業の共存を基本にするというふうに明確に書いてあるし、おっしゃってもおられるわけです。ところが、TPPについては、御案内のとおり、大臣おっしゃっていますが、交渉参加するわけじゃないと、あくまで情報を得て、あとは国民的な議論に掛けて、その上で結論を得ていくんだと、こういう話でおっしゃっているだけであります。そのための国民的議論の一環として、共同通信に主催させながら、もちろん国が後ろにおいでになるわけですが、主催させながら各地域でシンポジウムを進めているわけですが、果たして情報をきっちり得てつなぐことになっているかどうか、国民的議論を続けていることになっているのかどうか。これ大臣、どんなふうに受け止めておられるかということをお聞きしたいわけです。
#90
○副大臣(岩本司君) 済みません、まず私の方から御答弁申し上げます。
 これまでの関係国との協議では、六か国、ブルネイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、ペルー、チリから我が国の交渉参加に向けて基本的な支持が得られている一方、米国はパブリックコメントで出されました意見を評価、分析中でありまして、豪州及びニュージーランドとも更なる協議が必要との状況であります。このように、関係国との協議を継続し、各国が我が国に求めるものについて更なる情報収集に努めていく必要がございます。
 協議を通じまして得られました情報につきましては、地域シンポジウムや都道府県説明会の開催等により幅広く国民各層に情報提供しているところであります。今後得られる更なる情報につきましても、適切な形で国民への情報提供に努めていく必要があり、その上で十分な国民的議論を踏まえ、TPP交渉参加についての結論を得ていくことが重要と考えております。
#91
○山田俊男君 岩本副大臣にしっかりおっしゃっていただいたわけですが、シンポジウムでどういう話になっているかと言った、その典型なんですよ、岩本副大臣の言いぶりといいますか、結局は。だから、出ておられますよ、石田副大臣、さらには古川大臣、出ておいでになるわけですが、結局は、もう本当に表座敷の形式的な話しか言っていない。だから、一体政府は何を情報を得てどんな説明をしているのか、よく分からないというのが多くの出席者の意見なんです。
 ただ、私はこれ、このことだけは、政府が開くよりも共同通信にやっていただいて地方新聞連合を共催の仲間に入れて、一番いいのは、要は賛成派、反対派のパネラーをちゃんと置いて、そしてやっていること。それから、出席者については手を挙げてもらって多様な発言をちゃんと得るという話になっていますから、この部分だけは私は悪くないというふうに思っているんですよ。
 ところで、やっぱり何ぼ何でも岩本副大臣、もうそういう話じゃないんですよ。情報で何を得ましたか。例えば国民皆保険制度については、これは手を付けないんだというふうにアメリカは言っていますから、いや、手を付けないんです、こう言っている。手を付けないと言っていても、内容的には医療機械や医薬品について様々な要求が来ているわけじゃないですか、様々なパブリックコメントもあるわけじゃないですか。とすると、そういう医薬品や医療機器について手を加えれば、ないしは規制緩和を求めれば、間違いなくこの我が国の大事な国民皆保険制度に何らかの影響を与えるわけでしょう。そういうことについてきちっと説明できない限りは駄目なんですよ。大臣ね、大臣まだ一度もお行きになっておられないかもしれませんが、それから副大臣もおいでにならないというふうに思うんですけれども、どうも今の進め方は全く納得がいかない、こんなふうに思います。
 ところで、鹿野大臣は、私が年末にこの委員会で質疑をさせてもらったときに、鹿野大臣もう明確に、山田さん、交渉に入ったわけじゃないんですよと、あくまで情報を得るために協議に入ったんですよというふうにおっしゃっておられたんですが、今のこの状況の中においても考えはお変わりになりませんか。
#92
○国務大臣(鹿野道彦君) 今日の段階は、過般来、私も委員会、その他の、予算委員会でも申し上げてきましたけれども、交渉参加を前提としたものではないと、こういう認識でございます。その考え方には変わりございません。
#93
○山田俊男君 そうしますと、大臣、野田総理が四月ないし五月に訪米されますね。そして、さらにはシカゴでサミットがある、G8ですか、サミットがあるということもあります。その場でそれぞれ首脳会談があるわけです。オバマ大統領から、どうだ、日本、入ってくれと言われたときに、もうぐずぐずっと妥協されるという可能性はないんですか。お聞きします。
#94
○国務大臣(鹿野道彦君) 野田総理がいつの時点でアメリカに、訪米するかどうかということは私も承知いたしておりません。
 そういう中で、自主的に、先生御承知のとおりに、アメリカとの話の中におきましても、アメリカはパブコメを掛けて、そしてそれを受けて今分析をして、そしてそういう中で分析をしたものを今度どういうふうに日本に対して求めるかというふうなことを言ってくると、こういうふうに私どもは承知をいたしておるわけでありますから、そういう段階がいつの時点かまだ定かでもございません。ましてや、野田総理自身がいつ行かれるかということも私自身も承知をいたしてないわけでありますので、今の段階でこの訪米の際に云々ということについては、私としては言及する段階ではない、こういうふうに思っております。
#95
○山田俊男君 そうしますと、事態がそういう形で分析も進んで、そしてアメリカ側から何らかの形で参加について打診があると、ないしは日本側が参加について考えてもいいという状況が来るか、ないしは場合によったらもう参加できないという判断もあり得るかもしれないわけですけれども、大臣、いつ何どきどういう形で決断するのかということを聞きたいんです。
 私、心配しているのは、ぐずぐずと行っちゃって、そしてもっと言うと、一昨年の十一月に、包括的な経済連携協定方針、これを決めておりますと。さらに、昨年の十一月に、APECの総会に臨むに当たって総理は記者会見をされていますと。その中で、今、岩本副大臣からも御説明のありました協議の上という話がされたわけでありますが、そこでそれぞれやっているから後は決定の必要ないんだと。しかし、言うなれば事態は進んでいるわけでしょう。大臣がおっしゃいますとおりだと、協議しているけれども、参加についてはもちろんしていないわけです。とすると、総理が参加するのか参加しないのかといったときに、判断するとき、ないしはおっしゃるときに、しかるべく閣僚会議、関係閣僚会議があるというふうに見ていいんですね。
#96
○国務大臣(鹿野道彦君) 政府といたしまして、今先生言われたとおりに、昨年の十二月でございますけれども、いわゆるTPP交渉参加に向けた関係国との協議に関する関係閣僚会合というものが設置されました。ゆえに、このTPPについての今後の意思を決めるというふうな場合は、この関係閣僚の会合というふうな下での必要な手続を経て政府としての考え方を示していくものと、こういう認識に立って私はおるところでございます。
#97
○山田俊男君 そうすると、もう一回確かめますけれども、大臣の姿勢ははっきり分かった。ところが、関係閣僚会議の他のメンバーも含めて、とりわけ総理の意向が強く働くかというふうに思いますけれども、関係閣僚会議は必要ないんだと、昨年決定しているから、方針を。何度も言うようですが、十一月にAPECに臨むに当たっての一定の方針を決定しているから、後はその閣僚会議必要ないんだというふうな話には絶対なりませんね。
#98
○国務大臣(鹿野道彦君) 関係閣僚会合はもう必要ないんだというふうな私自身は認識に立っておりません。
 ましてや今、情報を把握するべく協議を行っているわけでありますから、その考え方というものがまだ示されてないところも多々あるわけでございますので、ましてや市場アクセスのことだけではなしに、二十一の分野にまたがってのことでございますから、相当幅広いことに対してどういうふうなことを我が国に求めるかということにもなるわけでありますので、そういう中で情報を開示して、そして国民の間においても議論をしてもらって決めていくということでありますから。
 今申し上げましたけれども、この関係閣僚会合におけるところの議論というふうなものがやはり経緯として当然それをなされていくものと思っておるわけであります。
#99
○山田俊男君 そうしますと、そういう状況が至ったときには、大臣は必ず関係閣僚会議をちゃんと開けというふうにしっかりおっしゃっていただくということでいいんですね。
#100
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、山田委員がどういうふうなことから申されたか分かりませんけれども、いわゆる交渉参加に向けての今協議を行っている中で、交渉参加するかしないかというふうな判断をする場合は、関係閣僚会合というふうなものにおける議論というふうなものが不可欠であるというふうなことを求めていくんですねというふうな質問でしょうか。
#101
○山田俊男君 そうです。
#102
○国務大臣(鹿野道彦君) はい。そういう基本的な考え方を私は認識として持っておるところでございます。
#103
○山田俊男君 分かりました。大変心強い、しっかり御発言いただいたというふうに思っていますから、大臣のその姿勢に私は大賛成です。
 ところで、どうしても関係閣僚会議の決定が非常に中途半端なものであったり、大臣の意向にそぐわないものであったり、このときは、大臣、どんな御判断されるんですか。
#104
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、失礼しました、私、笑ってという意味ではないんですけれども、非常に真剣なんですけれども、昨年も同じような、同趣旨の質問もいただいたわけでございまして、同じ答弁になるわけですけれども、まだ具体的に交渉参加に向けて協議を行っている段階でありますから、今の時点で私がその予見を持ってどうこうというふうなところに至ってないと思っておりますので、そういうところの説明きり、私としては今の段階は申し上げることはできないものと思っております。
#105
○山田俊男君 総理の次に副総理が誕生しましたので、まあ、そうはいいましても鹿野大臣はナンバースリーの立場においでになるわけですから、どうぞその決意でもって関係閣僚会議できちっと大臣の思いを伝えていくということをやってもらいたいと、こんなふうに切にお願いするところであります。
 さて、自由民主党が、今日の資料にも出しておりますけれども、ニュースを出しております。その中身、御覧になったというふうに思いますが、明確に政府が聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加に反対すると、この姿勢でいるわけであります。もちろん、農業だけの問題がTPPではありませんので、その他についての項目も書いておりますけれども、ここの一番の聖域なき関税撤廃、これは農産物のことを言っているのは間違いないわけであります。
 大臣、自民党のこうした姿勢は大臣の大きな支え、しりを押す動きに私はなるというふうに思うんですが、大臣のこれ御覧になった上での感想をお聞きします。
#106
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、こうやって改めて見せていただきました。私どもも、聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加には反対するという自民党としての基本的な考え方をお示しになられたというふうなことは承知をしておったところでございます。
 そういう中で、いわゆる協議に先立って判断基準を設けるというような趣旨でお決めになったと思いますけれども、我が政府といたしましては、協議に先立って判断基準を設けることでなしに、情報をしっかりと把握をして、そして何を求められているかということの中を、考え方を国民の人にお示しをしながら議論を得ていただいて、そして判断をしていくということでありますから、私どもとしては、昨年の十一月、野田総理が交渉参加に向けて協議に入りますというふうなことの考え方に立って以来、この基本的な交渉参加に対する判断というふうなもののやり方につきましては、何らその後におきましても変わっていないというふうなことでございます。
#107
○山田俊男君 大臣、そうすると、結局は協議の場が大事ですし、さらにまた、どういう情報をちゃんと、どういう情報を外務省が把握して、その上で、もちろん農水省もそうですし、経済産業省もそうだというふうに思いますけれど、どういう情報を把握して、そして国民的な議論を進めていくんだということについて、ちゃんと丁寧にやっていかなきゃいかぬということがあるんだと思うんですね。それでいいですね。
#108
○国務大臣(鹿野道彦君) はい、非常に大事なことだと思っております。それだけに、私もいろんな機会を通してできるだけ、外交案件ですから全て何でもかんでもというわけにいかないときもあるかもしれませんけれども、できる限り、重ねて申し上げますけれども、非常に広い分野におけるところの交渉の内容というふうなことになっているものと思っておりますから、その中身について何を求めるかについては、できるだけやはり国民の人にも示していくべきじゃないかと、こういうふうなことを、私は基本的に考えておることは今も変わりません。
#109
○山田俊男君 その決意でちゃんと具体的な運営についてもどうぞ関与していただきたい、こんなふうに思います。
 さて、次に、放射性物質に関する新しい基準値、先ほども徳永先生からも話がありましたが、このことについて、どうも厚生労働省の、放射線審議会の各委員から、今何でこれだけ厳しい基準を定める必要があるんだという声がですね、どんどん出ていたんです。私は議事録全部読まさせていただきましたが、随所で何回にもわたって厚生労働省の担当者が発言しているのは、なぜこんな厳しい基準を決めるんだというふうになったときに、これは平常時なのか、それとも現に原発の事故があったときの数字なのかということも含めて質問があり、それに対して、いや、平常時の数値ですと。驚きですよね。今、事実、こういうことが起こっているときに何が平常時かというふうに言いたくなるぐらいです。
 ただ、安全、安心にやっぱり気を付けなきゃいかぬ、国民の要求に要望にきちっとこたえなきゃいかぬという点については私もそれは賛成であるし、そのとおりだと。でありますけど、それにしても、実態にきちっと沿わないような数字で規制値が出されて、苦労するのは、これは放射線審議会の委員も会長さんも明確に申し上げているんですけど、苦労するのは現場の生産者であったり流通業者であったりしているわけであります。
 その場合に何言われているかといったら、厚生労働省からは、農林水産省に聞いたら、農林水産省は数値はずっと低くなっていますし、影響ありませんということを申していますと。みんな、農林省へ、ぼおんと背中へ乗せられているんですよ。今日は、私は当委員会に厚生労働省を呼ばなかったのはそういうことでもあります。どうぞ、農林省の責任が物すごく重くなっている。
 具体的に、例えば百ベクレルになりましたが、しかし、六か月の猶予を置いてありますなんということを小宮山大臣はとうとうとおっしゃるわけだ。六か月の猶予を置いておいたって、この六か月、四月から十月までの間に、例えば米について百ベクレル以下のものが出たら、それは風評被害、間違いなく起こりますね。そして、百ベクレル以下のものが多く流通するという可能性が全くないわけではないわけです。
 農林水産省は元々、五百と百の間の米やその他のものについて、これは緊急買入れも含めてそれぞれ対策を講じておられるわけですけれども、それ以外に、除染をどうするか、それからさらには、言うなれば放射線を吸収ないしは抑制する対策をどうするか、さらには検査の体制をどうするか、それから出荷に当たっての注意、さらにはこの百を下回って風評被害が出たものに対する対策、そうでしょう、それをみんな農林水産省が背負わなきゃいかぬことになるんですよ。この点についてどんなふうに受け止めておられますか、お聞きします。
#110
○大臣政務官(森本哲生君) 委員おっしゃられるように、厚生労働省の新しい基準が決まった以上、これについては我々がしっかりそこに従っていくということが基準だと思っております。
 ただ、今のお話の中で、私どもが、農林水産省が大丈夫だというようなことについては、やはりここのところは少し認識が厚生労働省と我々とは違う部分がございまして、例えば夏以降百ベクレルを超える野菜はほとんど出ておらないということとか、その百ベクレル以上のところが単発的には出るにしろ全体的には収まっておるとか、そうした資料を基に厚生労働省が判断されたんだというふうに思っておりまして、私どもとしてはこの基準というものは非常に厳しいということで受け止めさせていただいておりますので、万全の体制を農林水産省としては取っていかないと、やっぱり風評被害、そして消費者の皆さんに信頼されない、そういう認識をしておりますので、ただ、ここの解釈をどうされたのかという問題は私自身も想像するところでございますので、私の見解としてはそのように申させていただきます。
#111
○山田俊男君 牧草とか、それから稲わら、それから最近多いのは干しシイタケ、こうした出やすいものについてちゃんと対策を取っていかないと大きな影響を与えるというふうに思いますし、それから、何度も言うようですが、百を下回ったものについても必ず風評被害が生ずるんですよ。だから、風評被害が生じたものに対する対策をどうするかということを考えていかないとそれはどうにもならないわけで、最終的には損害賠償をきちっとやると。そうすると、損害賠償のところへ持っていったら、いや、こっちの風評被害は出荷制限もされていないし対象じゃありませんみたいな話になったり、県がどうも離れていますから対象じゃありませんみたいな話をしていたのでは絶対救われないというふうに思います。
 どうぞ、この新基準値と、それとそれぞれ間における諸対策、そしてもう一つは損害賠償の仕組みをきちっと連動させてもらいたい、その役割をどうぞ農産物等については農林大臣始めとして皆さんにやっていただきたい、これをお願いします。
#112
○大臣政務官(森本哲生君) 山田委員、ありがとうございます。
 これはもうごもっともなことでございますので、ここのところはもう認識を一にしておりますので、しっかりここのところは頑張ってまいります。
#113
○山田俊男君 資料の四ページ目をちょっと御覧になっていただきますが、改めてこうして見てみますと、我が国の農業がいかに低迷しているかということがよく分かります。農業生産額も十三兆七千億あったのが九兆五千億に下がってしまっているわけですね。それからさらには、農業純生産、農業所得として見ていいのかというふうに思いますけれども、これももう半分に減っちゃっているわけです。だから、農業者が、農業生産の現場がいかに苦労しているかということをこれで見て取ることができるわけです。
 さて、その対策として、みんなそれぞれ関係者は苦労しているわけでありますが、戸別所得補償についてちょっと触れさせていただきたいというふうに思いますけれども、二十三年産の米価変動についてはまだ分からないわけです。しかし、そこに必要な予算については二百九十四億円、これは変動支払にかかわるものとして準備されたというのは承知しています。
 さて、二十四年産米、これから出てくる二十四年産米についての変動支払についての対策は取られていないわけです、一切取られていないわけです。そうですよね、二十五年の予算に手を打たなきゃいかぬわけですから、その対策がなされていないわけでありますけれど。
 一体、二十四年産米価が下がっていたときに二十五年できちっとした予算が準備できるんでしょうね、これ確認しておきます。
#114
○副大臣(岩本司君) 山田先生にお答えいたします。
 二十四年産に係る米価変動補填交付金は、二十五年度予算で措置することになるものであります。このため、二十四年度予算のPR版では、二十四年産も二十三年産と同じ仕組みで実施することを明記しているところであります。これ金額記載しておりませんけれども、二十五年度予算の金額につきましては今後概算要求までに検討することになりますけれども、米の価格動向等を見極めながら必要な予算額を確保してまいる考えであります。
#115
○山田俊男君 概算要求までに二十四年産の価格の動向を見ながら対策を講ずるという趣旨はよく分かりました。ありがとうございます。
 さて、大臣、御就任なされてからもう二期、大臣継続して実施されたわけです。二十二年産米の秋以降、本当に困っていたんですよ、値段が下がっちゃって。そして、もちろん変動支払の対象になったわけですよ。しかし、あれだけ米価が下がっちゃって、何だ、国から補填してもらえるから米価下げてもいいんだろうという形での取引がなされたんじゃないかというのはみんな思っているんです。やはり変動支払の在り方が大変私は問題だというふうに思います。
 大臣に就任された後、大臣がおやりになったのは、二十二年産米、過剰が市場に出回っているという中で、二十二年産米について大臣に手を打ってもらったんです。政府買入れ十万トンと、あと十七万トンの、言わば集荷円滑化対策で隔離していた部分の米を十七万トンに、処理いただいた。そのことによって二十三年産のスタートが始まるときにそれなりの適切な通常在庫のレベルに落とすことができたから、もちろん福島のこともありましたけど二十三年産の米価がかくのごとく水準を保って、それで変動支払の対象にならなくて済んだんですよ。
 大臣、変動支払で千五百億や千三百億の金を準備するよりも、そうした大臣がおやりになったあのときの豊作分の過剰対策になったり、それから過剰出回りの部分の対策をやっていただいたことが効果あったんですよ。私は、大臣、ちゃんと、米価下がったって構わないという姿勢じゃなくて、きちっといかに需給調整に役割を果たすかということを考えていただきたいというふうに思うんですが、いかがですか。
#116
○国務大臣(鹿野道彦君) 一つの基本的な考え方を今山田委員から申されたわけでありますけれども、この変動部分についてどう対処するかということにつきましては、いわゆる二十二年産の価格そのものが随分低くなったというふうなことについては前の年のいろんな問題等もかかわってきているわけでありますけれども、今後、この戸別所得補償制度というふうなものを継続してもらいたいという非常に強い要請、要望というふうなものを農業者なりあるいは各自治体の人たちのことを思いますと、三党においてこの戸別所得補償についてもいろいろと御検討していただいて、そして法制化につながっていけば大変安定した、いわゆる農業者にとっても経営にもつながるんじゃないかなと、こんなふうに思っておりますので、そういうことも含めていろいろと三党の間で御協議をしていただけばと、こんな思いは持っているところでございます。
#117
○山田俊男君 三党協議の経緯については大臣よく御存じだというふうに思いますけれど、自民党も公明党もちゃんとやりましょうということで動いて、かなり早い段階に回答を求めるという動きをしていたにもかかわらず、皆さんの方がなかなか動きが付かなかったということがあるということだけちゃんと頭に入れておいていただきたいというふうに思います。三党協議が必要だというんだったら、ちゃんとやりましょう。そして、一つ一つ、何が大事かということを議論させてもらおうじゃないですか。
 さて、人・農地プランを進めておられるんですよ。ところで、本日の資料を、出しました資料の二ページ御覧になってください。
 この資料の右側の方だけ、右の色が付いている方だけ見てもらえればいいんですが、これは水田・畑作経営所得安定対策、これは戸別所得補償が入る前の、自民党が与党のときにつくっていた仕組みであります。その際も、認定農業者プラス集落営農組織としていかに農地の利用集積をするか、それから地域に担い手をつくり上げるかということで、そして制度の対象にしていくかということで全力を挙げたんです。
 その際、出てきているカバー率、平成二十二年でありますけれども、認定農業者と集落営農組織でカバーしている割合が全国で三一・五%もあるんです。多い方で言うと、北海道なんかは八六%こうしてカバーしている。さらに、ずっと見ていきまして、山形や秋田も大変高い割合です。それから、新潟、富山なんかも高い割合。さらには、佐賀県、六七%。
 要は、こういう形の農地の利用集積や担い手づくりについて、大変な努力をしてきていたんです。これを評価しないで、新しく人・農地プランだといって、そして、さらにまた、育ててきた認定農業者の仕組みについて、どうも聞くところによって伝わってくるんですけれども、認定農業者制度を見直すと。大変、これまで努力してつくってきた皆さん、もう頑張れ、頑張れとやってきたのに、突然に認定農業者制度も、やめると言っていないのかもしれませんが、見直すとか、それも二十ないし三十ヘクタールの新しい大規模な経営体をつくり上げるためのステップにしていくんだと、みたいなような話で人・農地プランが進むということであれば、もう混乱するだけですよ、地方は。
 この点について、どんな問題意識をお持ちですかね、お聞きします。
#118
○副大臣(岩本司君) 今日の農業をめぐる状況を見ますと、高齢化、また後継者不足、耕作放棄地の増加などで、五年後、十年後の展望が描けない集落、地域が多数存在しているところでございます。こういった集落、地域の人と農地の問題をセットで解決していくことが極めて重要であり、このため、平成二十四年度から、集落、地域の関係者が話合いを行って、今後の中心となる経営体、これは個人、法人、集落営農、これはもうどこか、そこへどうやって農地を集めるかといったことを明確にした人・農地プランを作成していただいて、これをベースにして新規就農対策や農地集積対策を進めることとしているところであります。
 これまでに、集落地域の話合いによって集落営農の組織化を始め、地域の中心となる経営体を決めていただき、その地域であれば今回の人・農地プランの作成に当たってのこの手続は極力簡素化をしていく考えであります。
#119
○山田俊男君 どうぞ、簡素化と言ったらいいのか、それとも柔軟性を持って地域の実態を踏まえて対処していただくということだと思いますので、その点、こういう取組、汗かいてきた現場の実態があるんだということをよく頭に入れてもらって、そして進めてもらいたい、こんなふうにお願いするところであります。
 さて、米の先物取引のことについてちょっと触れたいわけであります。
 今日の新聞にも出ておりましたが、どうも東穀は経営破綻しかねないという状況の中で、米も含めて農産品の全てをほかの取引所に移管するというふうに社長が記者会見したように聞いておりますけれども、大臣、これはもう試験上場しましたよね。試験上場しまして、この一年間、ともかく、もう取引の実績が十分に出てこなくて、そしてもうここへ来てどうも解散だと、みたいなような話になったら、大臣、もう試験上場の認可、認可されたというのは、認可という行為がなくて、向こうが手を挙げたら駄目だと言わない限り進めることになった仕組みで進んだわけでありますけれども、もうこれはあれじゃないですか、もう今度はやめようというふうに言わなきゃいかぬのじゃないですか。いかがですか。
#120
○大臣政務官(森本哲生君) この件につきましては、まだ七か月というようなことで、試験上場というような形でやってまいっておりますので、社長のコメントもありますが、ここのところは私どもが今コメントをすることは差し控えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。(発言する者あり)
#121
○山田俊男君 野村先生からしっかり応援してもらっていますが、そのとおりでありまして、私の今日提出した資料の三ページ、もうこれ事業をやっている、取引やっているという実態じゃないじゃないですか。これは、先物の一日当たり取扱高ですよ、上の方は、これは東穀の。だって、形になっていませんよ、目標に比べて圧倒的に低くて。ましてや、関西商品取引所なんかの場合は、社長さんか理事長さんの会社がもう自己取引しているみたいな話でしか、形になっていないんですよ。だから、もう駄目ですよ。ましてや、その下にあります、これは東穀の米先物価格の推移だけ見ていますが、これはもう全然形になっていない。
 ましてや、東穀は苦し紛れだったのかどうか分かりませんが、私もよく分からないんですよ。米の先物市場に連動するeワラント、eワラント、意味分からないんですが、金融商品だそうです。これを、誕生するので、米先物市場と連動型の金融商品が誕生すると。だから、新たな形で米先物市場が注目される、金融商品を介して米先物市場へ流動性の供給が期待できる、市場の活性化につながることを期待していますと書いてあるんだ。これ、eワラントを出している会社が言っている話じゃ、宣伝文句じゃないんですよ。東穀の広報がこういう形で、他の金融商品が入ってくるからいやいや活性化するんだなんということを言っているんですよ。
 こんな世界に大事な主食の米を持っていきますか。だから、これはもう直ちに私は廃止すべきだというふうにおっしゃるべきだと思いますが、いかがですか。
#122
○大臣政務官(森本哲生君) 確かに委員御指摘のように、この件については低調で推移をしておるということは事実でございまして、今、現段階では存続、解散、市場移管など、その在り方、何らかの検討を出したわけでもございませんで、幾つかの選択肢で社長は申されておりますので、そのことをいま少しお待ちいただきたいと存じます。
#123
○山田俊男君 申請したのは東穀ですよね、そうでしょう。その東穀が仕事ができなくなったからといって、ましてや、しっかりやっているなら別だけれども、内容的に米の流通にやっぱり合わなかったのかもしれません。
 それで、東穀がやめちゃうから、今やっている試験上場、認可もらいながらやっているそれを、要はほかの業態にやらせますみたいな話は、これは要件にもとると思うんですよ。だから、これしっかり検討いただいて、対策を取ってもらいたい。
 もう米ができています。米始まります。出ます。場合によったら、先物取引で価格安定しようかなと思う人、場合によったらいるかも、おいでになるかもしらぬ。しかし、ましてや一回、このまま、このままずるずると、取引に上場だというふうにやったときにもうやめられなくなっちゃいますよ。だって、何月限月なのか、出来秋まで待っていなきゃいかぬかもしらぬということになるわけですから、早急にやはり対策を講じてもらいたいと、こんなふうにお願いしておきます。
 続いて、酪農の対策について申し上げたいというふうに思いますが、本日の畜審で若干の引上げということで大臣の諮問が出たと承知しておりますので、限度数量につきましては若干減ったようでありますけれども、しかし価格についてはきちっとそれなりの対策をお取りになったということで、私は評価したいというふうに思うところでありますが。
 申し上げますと、実は私は物すごいびっくりしたんですが、北海道の酪農経営というのは、都府県に住んでいる、何といいますか、若い青年男女の憧れの的。だから、北海道で酪農をやっておられる人の中で多くの人に出会いました。いや、自分は浅草の出身なんだとか、それから岐阜県の出身なんだとか言いながら、若いときにここへ来て、そして酪農の農家に魅入られて、そして酪農を継いだ、この大自然の中でこの仕事ができていて本当に良かった、こうおっしゃっておられるわけ。で、それなりに時代が進む中で、規模も拡大しながらやっておられる。ところが、もはや規模を拡大すれば拡大がさんざん迫られて、ヨーロッパの規模よりも大きい経営体ができてくる。また、大きい経営体をつくらなかったら採算が取れないという中でのもう競争をあおってきたかもしれないわけです。
 大変びっくりしているのは、そういう憧れの的であった畜産経営、酪農経営。北海道でも実は外国人研修・技能実習生が大変増えているわけであります。外国人の研修や技能実習生の数は、この十年で五倍に増えてます。平成十二年は千九百八十八人程度だった。ところが、平成二十一年の数字を見てみますと、十年後の平成二十一年は九千三百七十三人、もう十年で五倍に増えてます。そして、その酪農家が研修生なしにはもう成り立っていかないというふうに言っているんですよ。
 一体、何かおかしいと思いません、お聞きします。もちろん外国人の研修や実習生がいかぬということを言っているわけじゃありませんよ。だけれど、こういう形でしりをたたいてあおって、効率化をあおって、食べていけない経営をつくっていたんじゃ、本当にこの日本、そしてそれも北海道ですよ、北海道でそういう実態になっているということをどんなふうにお考えになりますか。お聞きします。
#124
○国務大臣(鹿野道彦君) 非常に、今、山田委員からの御指摘のとおりに、厳しい状況の中で酪農家の人たちが取り組んでいただいておるというようなことは私も承知をさせていただいております。そういうふうな意味で、今回、審議会の方に諮問をさせていただいたというふうなことも、やっぱり全国の酪農家の所得確保というふうなものをどうやって図っていくかというふうなところに一つの起点を置かさせていただいたというふうなことでございます。
 そういうふうなことから、私どもといたしましても、今後の取組というふうなものは、審議会での結論というふうなものを踏まえて、単価等々あるいは限度数量について決定をするということになるわけでありますけれども、いわゆる経営の安定というふうなことの実態状況というものをこれからも検証していくとともに、生産現場の意見というふうなものも十分踏まえながら取り組んでいかなきゃならない課題であるものと、こういう認識に立っているところでございます。
#125
○山田俊男君 最後の、資料の五ページに、北海道、都府県の酪農の経営状況を記しておりますが、農業所得、所得部分は平成二十二年で九百万円です。ところで、この九百万円ですが、働いている専業従事者、専従者、二・四一人です。一人当たりに割り算しますと、これは三百七十万円。一生懸命働いて、それで搾乳の頭数は六十七頭、だから大規模経営です。これに未搾乳という、いわゆる育成の牛も含めて考えれば百頭を超えていると思うんです。こういう経営をやっておられて、そして農業所得は一人当たりで換算すると三百七十万円ですよ、平均で。これじゃやっぱりちゃんと経営やっているというふうに言えるかどうかということです。
 これは北海道だけの数字じゃないものですから、全国で見ざるを得ないんですが、産業別に未婚率、結婚されていない率というのを見てみると、農業就業者の男性の未婚率は他の産業よりも圧倒的に高いです。そして、三十歳や三十四歳の区間で二人に一人が結婚していません。その上の三十五歳から三十九歳では三人に一人が結婚していません。そして、四十歳以上でも四人のうち一人が結婚していないんです。
 要は、こんなことでいいですかね。ここの部分について、やはりちゃんと生活できる、一人前の所得が実現できるという経営体にしてやらなきゃいかぬですよ。それが、規模拡大かっていったら、規模拡大目いっぱいやっていますよ。とすると、今の酪農経営に対する政策手段がこれでいいかということを考えなきゃいかぬ、場合によったらね。そういうことも含めて、どうぞ大臣、この国の農業、基本的なことは忘れないでおいて、そして元気になるように、そのために必要な手だてを講じていこうじゃないですか。そのために必要な、三党協議が必要だったら、幾らでも三党協議やろうじゃないですか。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#126
○福岡資麿君 自由民主党の福岡資麿でございます。今日は、大臣始め三役の皆様方と議論できること、大変うれしく思います。
 農林水産大臣所信、これ何度も読みました。一番最後のくだりに、農林水産業の再生が国政の真ん中に位置付けられるべきものとあって、そこに非常に意気込みが感じられるわけであります。当然、その真ん中にはということには、最重要課題という意味もあるんでしょうけれども、逃げも隠れもしないという意思も込められているというふうに思います。今日の議論も是非、正面から受け止めていただきたい、そのように思います。
 まず、今民主党さんの中でも大変もめにもめています消費税の問題について聞かせていただきたいと思います。
 二月の十七日に閣議決定されました社会保障と税の一体改革大綱において、二〇一四年四月一日より八%、二〇一五年十月一日より一〇%への消費税の引上げを行うというふうに書かれています。その際に、その中に単一税率を維持するというふうに書かれていますが、食料品などは税率を低くしたままにしておくべきじゃないかという声が大変多いことも事実であります。複数税率を求めるということについてお考えがあるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
#127
○国務大臣(鹿野道彦君) この消費税のことに関しまして、食料品等々に対する軽減税率をどうするかという議論は、いろいろもう以前から常に議論がなされてまいりました。
 そういう中で、いわゆる本年の二月の十七日に閣議決定された社会保障・税一体改革の大綱におきましては、基本的に、今先生が申されたとおりに、単一税率を維持するというふうな考え方に立ったわけであります。それは、高額所得者ほど負担軽減額が大きい、課税ベースが大きく侵食される、あるいは事業者の負担が増すというようなこと等々を踏まえて、この閣議決定においては単一税率を維持するというふうなことにいたしたというふうなことでございます。
#128
○福岡資麿君 三谷政務官、お越しいただいていますので、同様に見解を求めます。
#129
○大臣政務官(三谷光男君) 食料品等に複数税率を設けるつもりはないのかというお尋ねでございますが、今農水大臣お答えになられたことに付け加えまして、この食料品等に軽減税率を導入することについては、大綱策定に当たりましても議論がございました。
 標準税率の対象品目と軽減税率の対象品目との間の、どこに、どの品目に適用するのか、その合理的な線引きが大変困難であるということがございます。また、商品、サービス間でも、そのことにより不公平感が生じるおそれがあるということがございます。
 軽減税率のその線引きにつきましては、導入している諸外国の実際、論争をしている事例もございます。例えば、イギリスにおいては、温かいテイクアウト商品、例えばハンバーガーなどには標準税率の二〇%が適用されます。反面、冷たいお総菜、これは軽減税率〇%が適用されていて、外食産業からも強い反発の声が上がっているということもございます。
 また、適用税率ごとの区分経理や、またインボイス制度、複数税率を採用する場合には導入しなければならない必要があることから、事務負担の増加、この懸念がございます。実際に、中小・小規模事業者からは強い反対の意見もございます。
 さらに、付け加えて言いますと、諸外国において導入をされている事例、その適用している、導入している諸外国においては、標準税率そのものが、例えばフランスでは一九・六%、ドイツで一九%、先ほど紹介したイギリスで二〇%、スウェーデンで二五%というふうに、二〇%近いあるいはそれ以上の高い標準税率ということがございますので、これらの観点を踏まえ、今回の改革においては単一税率を維持することとしたところでございます。
 以上です。
#130
○福岡資麿君 確かに線引きが難しいという話であったり、インボイス制含めて、事務手続、非常に煩雑になるという問題があることは承知をしているわけであります。
 ただ、三谷政務官、今おっしゃられましたが、配付した資料の一を見ていただきたいんですが、もう先ほどおっしゃられましたように、フランスとかは標準税率一九・六%に対して食料品は五・五%、ドイツは一九%の標準税率に対して七%、そしてイギリスについては二〇%について食料品〇%ということでありまして、もし一〇%まで日本が一緒に上げていくとすれば、もうその時点で二〇%取っている海外の国よりも食料品については税率追い抜いちゃうということになっちゃうんですね。それが本当に妥当なのかどうか。
 特に、やはり財布のひもを握っている人は、実際食料品の価格が上がって、その分、低額者には現金給付するということをおっしゃっていますけれども、その分、じゃ財布のひもが緩むかというと、緩まないんです。そうすると、結局、生産者とかにしわ寄せが行ってしまうということが当然あるわけでありまして、そういった点からも、十分この食料品については私は配慮されなければならないと思っていますが、もう一度、大臣、その辺の思いを聞かせていただければと思います。
#131
○国務大臣(鹿野道彦君) 食料品等々に関しましては農林水産省の所管というふうなこともなってくるわけでありますので、いろいろ先ほども申し上げましたけれども、この消費税の導入の際から、三%から五%、上げる際におきましても、この軽減税率についても議論がありましたことも承知をしておりますし、またこの社会保障と税の一体改革の中でもどうあるべきかというふうなことのいろんな議論がなされたと、今政務官の方からもお話がありましたけれども、そういうことでございますが、基本的には、先ほど私どもから申し上げましたとおりに、単一税率でいきましょうと、こういうふうなことでありますから、いかにして基本的に円滑、適正な、転嫁に支障が来さないようにするというふうなことも大事なことでございまして、またいわゆる逆進性というような議論の中での低所得層の方々にどうするかというふうなことも別途検討もしていくというようなこと等々も議論がなされておるようでございますので、そういうことも含めて総合的に判断をしていかなきゃならないというようなことの中から、単一税率でいこうというふうに決めたものと思っておるところでございます。
 しかし、今委員からの指摘のとおりに、言わば外国での例というふうなことから考えると、やはりいろんな意味で軽減税率というふうなものの導入の必要性もあるんじゃないかというふうなことはやっぱり常に頭の中に入れておかなきゃならないことじゃないかなと思っております。
#132
○福岡資麿君 あくまでも単一税率で行くという話でありますが、先ほども言いましたように、農産物の価格というのはマーケットで決められるべきものですから、そこで買いたたかれて結局生産者の手取りが少なくなるということは、今農水省が目指している農家の所得向上と必ずしも相入れないものになってしまうことがあるということだけは十分踏まえて対応をお願いをしていきたいというふうに思います。
 もう三谷政務官、これで次の話題に移りますので、御退席ください。
#133
○委員長(小川勝也君) 御退席ください。
#134
○福岡資麿君 続きまして、諫早湾の干拓問題についてお伺いをしたいと思います。
 私は、鹿野大臣、大変誠実な方だと思っています。これまでもいろいろこの問題で頭を悩ましてこられて、その中で関係者の方々と誠意を持って話をさせていただくということを一貫して述べてこられました。その中で、私は佐賀県の出身でありますが、佐賀県としましても大臣の早期の訪問というのを望んでいるわけでありますが、いつごろ訪問される予定か、そういう思いがあればお聞かせください。
#135
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、福岡先生からのいわゆる御指摘の点につきましては、佐賀県の知事さんからも、また弁護団の方々からも佐賀の方に来るようにというような、そういう要請もございました。
 そういう中で、二月には副大臣にも行っていただきましたけれども、私自身が参るということについては今検討いたしておるところでございます。
#136
○福岡資麿君 確かに、長崎県が諫早湾がある当事者県ということは分かるんですが、今まで三回大臣足を運ばれています。そういったことのバランスということを考えても、やはり双方に耳を傾けていただくということが必要だというふうに思っておりまして、その点は是非認識していただいて、やはり片っ方の意見だけじゃなくて皆さんの意見を聞く姿勢、それを大臣自らが示していただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。
 また、大臣、大変多忙なのは分かるんです。これまで例えば事務的な話合いがどれだけなされたかということを聞いても、例えばアセスの中間報告があったとかそういう事務的なことはともかくとして、具体的に、じゃ、佐賀県どう思っているんですかということの事務方同士のヒアリングというのもほとんどなされていないというようなことを聞いておりまして、そういった意味でいうと、大臣も所信の中で、政務三役、農林水産省の全職員が一体となって積極的に現場の声を聞くとおっしゃっているわけですから、これを是非実施していただくように強く指示をしていただきたいというふうに思っております。
 御承知のとおり、福岡高裁の判決によりますと、平成二十五年の十二月までに開門をしなければならないという義務を負っているわけであります。ただ、十二月というのは、御承知のとおり、有明海というのはノリの最盛期なんですね。ですから、開門をしてしまうとどうしても不測の事態ということが起こり得ることを考えれば、関係者の方々からは、十二月に、まさにノリをやっている最中に開けるということは非常に好ましくない、だったら、やはりその影響のない夏ぐらいまでに遡って少なくとも開門すべきじゃないかというような声が多くあるわけなんです。とすると、もう来年夏ということでありますから本当に時間がないわけでありますが、その辺りの工程とかどういうふうにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
#137
○大臣政務官(森本哲生君) 地元で大変御尽力いただいておりますことに敬意を表します。
 実は、この日程が非常に難しいわけでございまして、今地下水の調査を私どもはやらせていただきたい、その予定で今進めさせていただいておりますが、なかなか現場のお許しがいただけないというようなことでございます。ですから、この用水を確保するということと、地盤沈下がどのように起こるかという、そうした工事をやりながら調査をするということができないということでありますと、やっぱり工法を変更しなければならないところに来る場合もありますので、そこのところがありますので、なかなか明確な工事の日程が示せない、そのことについてはおわびを申し上げたいと思います。
 そして、ノリの養殖については、諫早湾内にこの開門を、仮に三の二の開門をした場合に、私どもとしてはそれほど大きな影響は出ないんではないかという判断をいたしておりますので、地元の方々、そして委員の御指摘というものを十分踏まえながら我々も頑張ってまいりますが、今の我々のこれまでの経験上からしますと諫早湾内の被害にとどまるんではないかということを思っておりますが、ここのところは絶対ということがありませんので、私どもも慎重にこのことについても、全体、対応してまいります。
 いずれにしましても、粘り強く今大臣の指示の下で私ども農林水産省の職員が張り付いて説得にも回っておりますので、これからも全力でこの解決に向かって努力をさせていただきます。
#138
○福岡資麿君 今のお言葉、ちょっと本末転倒なところがあって、影響が出ない開け方やるって、どういう影響があるかを調べるために開けるわけですから、一番ちょこっと開けて影響出ないようにやるんだというのはそもそも本末転倒だということを申し上げさせていただきたいと思います。
 その上で、やはりさっき言ったように、地元との話合いもままならない、この後工事もやっていかなきゃいけないということを考えると、どう考えても逆算していってスケジュール緩い、緩いというか遅いんですね。そういう部分で、やはりもっと誠意を持って足しげく通っていただく、現場の声を聞いていただく、そういうプロセスが欠落しているんじゃないかということを申し上げさせていただきたいというふうに思っています。
 開門方法については、先ほど話がありました、三の二を基本にということをおっしゃっているわけであります。ただ、今回のこの有明海の原因を考えると、やはり潮流だったり潮汐、そういったものが非常に著しく減退しているということが大きな原因だと、それが漁業被害に何らかの因果関係があったんじゃないかというようなことが言われているわけであります。当然、いきなり全部開けて多大な影響が出てしまうと良くないわけですから、最初は少しずつ開けるということがあってもいいと私は思っています。ただ、五年間ずっと三の二で固定するかどうかというのは、開けてみた中でその状況を見ながら当然変化があってしかるべきだと思うんですが、その点について御意見をお聞かせください。
#139
○大臣政務官(森本哲生君) ちょっと言葉足らずがあったらお許しをいただきたいと思います。
 確かにこの三の二のケースでも生態系等に影響が出るということは、それはその可能性が十分あります。ですから、この五年間のお話も出ましたが、ここのところは五年間はその三の二で私どもは状況を見ていきたいというふうに考えております。
 それと、農林水産省の職員なんですが、また日報等をお見せできるといいんですけれども、非常に熱心に地元へは通ってくれております。逐次局長の方から、私、副大臣の方にも、大臣の方にも報告がありますので、ここのところは非常に私自身もこうした職員の苦労というものは涙ぐましいものがあります。どちらにしましても余りお褒めいただくというふうなことではございませんので、大変つらい仕事を私自身は命じておるというふうに思っておりますので、そこのところは手抜きなど全くなしで、もう局長以下、必死に今努力をいたしておりますが、なかなか御理解がいただくところに行っておらないということは、結果申し訳ないことでございます。
#140
○福岡資麿君 おっしゃっていることはよく分かりますが、基本的にその相手方、受け手がどう考えるかということが非常に大切なわけでありますから、そこはもっと努力を尽くしていただくべきだと思います。
 また、先ほど三の二で五年間という話がありましたが、今日、参考資料の二を、二枚目を御覧ください。これは、上告を断念した菅前総理のインタビュー記事であります。この一番下の段落の右から六行目ですか、まず、その少しから始め効果があれば次の段階に進めばいいというふうに述べてあるわけでありまして、これは当然三の二にこだわることなく将来は開けていくべきだという考えを菅さんが示されたものだというふうに思いますが、その点についていかがですか。
#141
○国務大臣(鹿野道彦君) この菅総理のインタビューでございますけれども、いわゆる、少しから始め効果があれば次の段階に進めばいいというようなことを述べておられますけれども、いわゆる、問題の本質は堤防内に海の水を入れるか入れないかだという発言もされておりますので、ケース三の二という制限開門によるところの開門方法が適当であるんだという趣旨でおっしゃっているんじゃないかなと、こう私は理解をいたしております。
#142
○福岡資麿君 この点については、もうそれ以上言いません。ただ、この記事をずっと読んでいただくと、もう明らかにおかしい表現って、いっぱいあるんです。
 例えば、この諫早湾干拓事業というのは、事業を実施していく中で時代の変遷にうまく対応できなかったことはあったかもしれないですけれども、当然目的があったことも事実なんです。でも、真ん中の辺りの段に、これは、この諫早湾干拓事業は、農水省の巨大利権の象徴的事業、我々から見れば事業そのものが目的だったと。この我々から見ればというのは、当時、菅総理から任命されて大臣を拝命されていたわけですから、こういう認識で大臣は受け止めていらっしゃるということなんですか。
#143
○国務大臣(鹿野道彦君) ここはちょっと、前総理と見解は違うということでございます。
#144
○福岡資麿君 あと、もう一つ、今行われているアセスというのは、環境にどのような影響を与えるのかというのをある程度客観的に見るべきものでなければならないと私は思っています。ただ、今までもケース一、二とあって、三が一、二と分かれているのはおかしいと思っていたんですが、ここも菅総理のインタビューからすると、当初の案にはなかったものを自分が指示して無理やり入れたみたいな、そういう書き方がされているわけでありまして、原発事故のときもそうでしたけれども、大した知恵もないのに、いきなり自分の指示でこれをこういうふうに書き換えろということで指示して物事が変わっていくというのが本当にあるべき姿なのかというのは、私は疑問に思うわけでありますが、この点についても、もし反論があればおっしゃってください。
#145
○国務大臣(鹿野道彦君) 別に先生、反論も何もございません。
 ただ、菅総理の、今このインタビューのそのものを見せていただいたので、どういう趣旨で前総理がおっしゃったかということも私も定かでないところがありますので、これ以上ちょっと、私としては申し上げるということは控えさせていただきたいと思います。
#146
○福岡資麿君 当初、アセスの中間報告公表された際に、二十三年度中を目途に手続を完了する予定というふうに示されておりました。その後のいろいろなプロセスの中で若干今遅れているというふうに承っていますが、今の状況についてお聞かせください。
#147
○大臣政務官(森本哲生君) 確かに、おっしゃるとおりでございます。
 この準備書を今、五月十一日に提出期限として今お願いをしておるところでございます。ですから、五月十一日から手続が始まっていくわけでございますが、九十日というその私どもの日程の中で大臣の意見というものがあるんですが、ここの九十日の中、ここでやはり最大我々は努力していく以外にはないのかなと、そのように私自身は考えております。
#148
○福岡資麿君 いずれにしても、先ほど申しましたように来年十二月というのがある、一方で、いろいろな手続、それは地下水の調査も含めてずっと遅れてきている、その中で答えを出していかなきゃいけないということは簡単な努力じゃなし得ないということを十分踏まえた上で対応をお願いしていきたいと思っています。
 話題を変えます。
 次に、農地集積について伺います。
 この度、我が国の食と農林漁業再生のための基本方針・行動計画を実施する一環として、人と農地の問題解決に向けた施策として、人・農地プラン、新規就農、農地集積が打ち出されたわけであります。元々、農政の政策の大転換ではないかという議論、これは後で時間があればやらせていただきたいと思いますが、基本的に、その農地を集積してやる気のある人に担っていただきたいという方向性については否定するものではないというふうに思います。
 その中で、まずその農地集積について伺っていきたいと思います。
 まず、今の農地集積の協力金、これは既に任意の集落営農組織に加入している構成員である個人については事業の対象にならないということでよろしいでしょうか。
#149
○大臣政務官(森本哲生君) そのとおりでございます。
#150
○福岡資麿君 先ほど山田委員からの説明の中にも、山田委員の資料の二にもありましたが、私の佐賀県というのは極めて集落営農の組織率が高い地区で、みんなでまとまって頑張ってやっていこうということを地域一体となってやっている地域なんですね。
 そこで今、地元ではこういう問題意識というのが出ているんです。それは、やっぱり今農業経営非常に厳しいので、いざこういう制度ができると、何とかそういう制度に乗っかって厳しい状況を少しでも改善したいと思うのは、もうそれは仕方のないことなんですね。そのときに、じゃ、今集落営農を組織しています、その組織している集落営農の組織員であればこれを受けられないのであれば、一回その集落営農組織脱退する、そして個人で戸別所得補償に加入し直す、その上で自分が再び農地を手放すということをすればその恩恵にあずかれるということでありまして、元々もう汗水垂らしてこれだけ集落つくってきたんです。それを抜けた方が何となくいいんじゃないかみたいなことを政策として打ち出すということが本当にあっていいものなのかどうかということをお聞きしたいわけであります。
 やはり、私、今日資料の三で配らせていただいていますが、例えばその集落営農、大きな組織の中でも中核的担い手とそうじゃない方があるわけでありまして、当然その中核的な農家に対して構成員間で利用権設定した場合は一定の支援が受けられるようにするとか、若しくはその集落営農の構成員が脱退した場合は一定期間その方は事業対象としないとかいうようなことも含めて、やっぱり抜けてすぐやればそっちの方がいいんだというやり方というのはどう考えてもおかしい制度ではないかと思うわけでありますが、その点、改善の余地あると思いますが、いかがですか。
#151
○国務大臣(鹿野道彦君) 私どもは、品目横断の施策において、先ほど山田委員からもお話がございましたけれども、集落営農という一つの経営体をつくるのにも地域の方々が大変努力をされたというふうなことは評価をいたしておるところでございます。ゆえに、政権交代によって政策転換なされたときも、この集落営農というものは大事にしていかなきゃならないというようなことだけはもう絶対忘れてならないと、こういうふうなことで、集落営農をいかにして維持していくかというふうなことにおいて力点が置かれたというふうなこともこれは御承知のとおりであります。
 そういう中で、農地の集積というふうなものを今後やっていく上において、いろいろとそれぞれの集落営農の実態、実情、そこに至る経緯も地区によって違う面もあるのかなと思っておるわけでありますけれども、せっかくつくられた集落営農というふうなものが、この組織化をこれからもいかにして失われないようにしていくかというふうなことは当然私どもも考えていかなきゃなりません。そういう意味で、集落営農を維持発展させていく上で、構成員の在り方というものも含めて地域でよく話し合っていただくというようなことを非常に重きを置いているところでございますので、そういう地域の実情というものを見極めながら丁寧に話し合っていきたいと思っているところでございます。
#152
○福岡資麿君 今の答弁の中で、地域で話し合っていただくということは、必ずしも全国一律で制度をがちっと当てはめるつもりではないと、まだ改善の余地が残されているというふうに判断してよろしいですか。
#153
○国務大臣(鹿野道彦君) それぞれの地域において具体的に集積化を進める、あるいは新規就農を進める上で人・農地プランというふうなものをそれぞれ策定していただく、こういうことでございますから、よく話し合っていただくという中で、どういうような状況があるかということも私どもしっかりとつかんでいく、そういう中で判断をしていかなきゃならないことだと思っております。
#154
○福岡資麿君 ちょっと質問の順番変えますが、今大臣答弁の中で集落営農を大事にしていかなければならないという強い思いを述べられました。この辺がちょっと農政の政策転換の部分につながってくるわけでありますが、私も、人間って負けたときのことってすごくよく覚えているんですね。私、二〇〇五年、郵政のときに衆議院に当選して、その後、二〇〇九年、政権交代の波にのまれて敗れたわけです。大臣もその郵政の波にのまれたときのことはいまだによく覚えていらっしゃると思いますが、この委員会でも何度も議論ありましたが、今日資料の六に、これ参議院選挙のときですけれども、民主党さんが作った政策のビラが添付をしてあります。この委員会でも何度も議論されました。この左のページの真ん中の方に、集落営農にすれば助けてやるみたいな書き方の中で、真ん中の、事実上できない集落営農を農家に押し付けてというような書き方、若しくはその下の方に、ソ連の協同農場・中国の人民公社の例にもあるように集落営農はいずれも失敗しということを書いてあります。
 私も鮮明に覚えているんですが、自民党の品目横断に対して小農切捨てだと、一部の方々に集約して小農を切り捨てるんだという、私たちは全員を対象にしますということの中で、一旦こういう集落営農を打ち出したものについては最初否定されていたんですね。それが、何かいつの間にか、少しずつ少しずつ、政策的に集落営農は大切だ、真ん中に位置付けられるべきものだというようなことをおっしゃってきている。でも、ずっとこれまで委員会の質疑聞いている中でも政策変更はなかったっておっしゃるんですが、余りにも不自然だと思うんですが、御答弁いただきたいと思います。
#155
○国務大臣(鹿野道彦君) 決して私、逃げるわけじゃございませんけれども、一つだけ事実関係申し上げますと、こういうものが作られたときに私、落選中でございました。実質的に私も復帰しましてからこの戸別所得補償制度というものを導入する際に、集落営農については、郡司先生なり座長なりおられますけれども、とにかくこれは大事にしていかなきゃいかぬということを私が積極的に、あのときの立場は予算委員長という立場でありましたけれども、私自身、農林水産関係の議員の懇談会でも事務方に対しても厳しくこの点を指摘したことを思い起こすわけであります。
 そういう意味では、私自身としてはこういうものを初めて見せていただくということでありますけれども、集落営農というふうなものの経営体を大事にしていくというようなことの考え方には、個人としては変わっていないというふうに申させていただきたいと思います。
#156
○福岡資麿君 まあ、作成当時は当事者の中にいなかったということで、うまく言われたわけでありますが、これは政党として打ち出された話でありますから、もうここで議論蒸し返しませんが、真摯に受け止めていただきたいというふうに思います。
 もう農地集積やるということでしっかり打ち出したのであれば、それはもうしっかりやっていかなきゃいけないわけであります。
 参考資料の四ページに付けさせていただいていますが、これ、ずっと前からやられていることですけれども、平成十九年以降、農地集積の促進のためにどういう政策が取られてきたかということを一覧で付けさせていただいているところであります。私がなぜこれを付けたかというと、本当に今回農地集積打ち出して、本当におっしゃっているような農地集積が進むだろうかって考えると、私はそうはいかないんじゃないかなというようなことを思うわけであります。
 当然、先ほど申しましたように、経営所得安定対策では相当いろいろな政策誘導をしたにもかかわらず、なかなか思ったように進まなかったというようなこともあるわけでありますし、今回のこの農地集積については、当然、農地集積に対して費用を出すということもあるわけですが、一方で小さな農家についても戸別所得補償でしっかりガードをされているというようなことがあるわけですから、そういう方々がしっかり農地の出し手となってもらえるかどうかというのは大きな問題だというふうに思っています。
 そもそも論で大臣にお聞きしたいんですが、この経営規模の拡大というのは、もう大臣御承知のとおり、もうずっと昔から、旧農業基本法のときから日本の農業の大きな課題として取り組むべきものだということでずっと政策進めてきたのになかなか進まなかった、これが現状だというふうに思うんです。その原因はどこにあると思われていますか。
#157
○国務大臣(鹿野道彦君) 私は、基本的には農地改革だと思っております、原点は。やっぱり農地改革によって、農地解放によって、戦後、改めて新たな農地というものの所有者になられた方々は、せっかくこういう大事な農地を与えられた限りはこの農地をどうしても守っていきたいと、そういうふうな思いは農家の方々に非常に強いものがあると思います。これは本当に農業をやっている人でなければ分からない面があると思います。それだけに、簡単に規模拡大だといって集約化するといってもなかなか難しいというふうなことは、私も、決して長くはありませんけれども、この農政に取り組んできて、実感として感じているところでございます。
 ただ、そういう状況の中でも、いわゆる高齢化ということで、そろそろ自分も農業を実質的にやっていく上においては限界だなという人たちも確かに多くなってきている今日の状況からすると、いい受け手がおれば、信頼する受け手がおれば、よし、俺は任せてもいいよというような感じになっていただいている、そういう考え方に立っていただいている人も多々出てきているんじゃないかと。そういう意味では、まさしくこれから数年間がこの集約化の一つの大きなきっかけのときを迎えているんじゃないかと、こんな思いで今回この施策を打ち出させていただいたというふうなことでもありますということを申させていただきたいと思います。
#158
○福岡資麿君 大臣の思いというのはよく分かるわけです。私の地域でも大変農家の方々、高齢化が進んでいますが、ただ一方で、七十代、八十代でも生きがいを持って一生懸命農作業をやられている方はいっぱいいらっしゃるんですね。
 さっきおっしゃった、自然に収れんしていくならともかく、農水省は五年という目標を打ち立てて、その間に二十ヘクタールから三十ヘクタールが八割を占める姿を目指すということは、あくまでもそこで政策誘導で引っ張っていく、要は、もうおじいちゃん、おばあちゃんやめなさいというようなことを誘導しようとしているということを同時に打ち出しているわけであって、そこは大臣のおっしゃっていることとちょっと矛盾するんじゃないですか。
#159
○国務大臣(鹿野道彦君) 決して矛盾するものではないと思っております。
 要するに、戸別所得補償制度の一律の施策をなぜ行っておるか、すなわち、集約化すればそれだけ個々の農家の人たちの収入が増えるんですよとインセンティブが与えられたわけであります。そういうふうなこの実質、実態というふうなものをよく理解をしていただいて、そういうふうなものを加味していただいて、これからの経営規模の拡大というふうなものにもつながっていっていただけばよろしいと思っておりますし、高齢者の方でも、八十歳でも九十歳でも、俺は農地を守っていくんだと、こういう人たちにおいては当然農業に頑張っていただくというふうなことでありますから、決して偏った考え方で私申し上げているわけじゃございませんということだけは御理解いただきたいと思います。
#160
○福岡資麿君 今おっしゃったように、集約化進めることは大事でありますが、いきなりその効果がすぐ現れるかというと、そんな簡単な話じゃないと思うんですね。そこはやはりしっかり、私は、今回こういうことをやるんだったら、政策の検証というのが必要ではないかというふうに思うんです。
 やはり今回そういった協力金を出すというようなこと、現金を渡すということですから、それは本当にそれだけの政策効果があったかどうかという検証がしっかりやられるべきなものだというふうに思っています。
 御承知のとおり、ウルグアイ・ラウンドのときに、平成六年度の補正から十三年度の補正まで国費で六兆百億円を投入しました。そのときに、結局、最終評価って行われなかったんです。それはなぜかというと、事業の目標に対する達成度合いにより事後的に評価を行うというふうに最初の仕組みのときからされていなかった、要は、それだけ巨額な費用を投入したのにしっかりその後の検証がなされない仕組みになってしまっていたということなんですね。
 やっぱり同じ轍を踏まないためにも、しっかりこういうことをやるんであれば、その検証をしっかり行っていく、そういうことをお約束していただきたいと思います。
#161
○大臣政務官(森本哲生君) 確かに御指摘のとおり、ウルグアイ・ラウンドでは本体よりもむしろほかに使われたというような、そんな私も記憶をいたしております。そんな中で、やっぱり行政事業レビューの方でしっかりとここのところはチェックしていくと、そのことをお約束をさせていただきます。
 そして、先ほど、委員は御理解いただいておるんだというふうに思っておりますが、準備書のことで言葉足らずがあったようでございます。関係各県からの意見を求めておるところということでございますので、分かっていただいておると思いますけれども、付け加えさせていただきます。
#162
○福岡資麿君 今、行政評価レビューというようなお話もありました。
 かつて、自公政権時代とかは、農林水産予算の概要というものの中で、そのそれぞれの政策の政策評価結果の反映ということで、それぞれの政策がおおむね有効だったか、有効性の向上が必要だったか、A、B、Cでランク付けをしていって、改善すべきものはどういうふうにしていくということがこの農林水産予算の概要という中で示されていて、その予算の内訳を見ると、今どういう状況にあるかというのがある程度分かるようになっていたわけでありますが、これが民主党政権になって、平成二十二年度から掲載されなくなったんです。
 代わりに政策評価調書というのがそれぞれの政策ごとに作られるようになったんですが、これ、よほどマニアックな人じゃないと、それぞれがどこにあってそれを突き合わせて予算との関連がどうなっているのかというのが非常に対比しづらくなった。悪意を持って言えば意図的に分からないようなところに持っていったんじゃないかというような見え方になってしまっているんですね。そこはやっぱりこの政策評価の在り方、予算にもしっかり結び付いていくものですから、改めるべきだと思いますが、いかがですか。
#163
○副大臣(岩本司君) 農林水産省におきましては、政策評価法に基づきまして主要な政策ごとにあらかじめ目標を設定いたしまして、その目標に対する実績を測定する政策評価を実施しているところであります。評価結果につきましては、翌年度の予算要求等に反映しているところでありまして、議員御指摘のとおり政策評価の結果を分かりやすく国民に提供することは大変重要なことであると認識をいたしております。このため、平成二十四年度から予算への反映状況が記載されている行政事業レビューシートと政策評価との関連が容易に確認できるように、分かりやすい情報提供に努めてまいる所存であります。
#164
○福岡資麿君 今後改めるということですが、一旦、何か分からないところに引っ込めるようなやり方をしたということはしっかり受け止めていただいて、やはり国民の皆さんにしっかり見えるところで政策評価を行っていくという姿勢だけは持ち続けていただくようにお願いをしていきたいというふうに思います。
 続きまして、新規就農について伺います。
 資料の五にも配ってありますが、給付要件を示してある中で、年間百五十万円を最長五年間支払うということで、これは志ある人が就農する際に背中を押す強力な施策になればいいと私も思います。ただ、その右下の給付の停止の要件がその表にも示されていますが、給付金以外の前年の所得の合計が二百五十万円を超えた場合は支給を取りやめるというふうに書かれているわけです。
 いきなりその二百五十万円超えるというのはそう簡単じゃないことは分かりますが、その一方で、頑張って二百五十万円超えた、二百五十一万円の所得をもらった人はもうそこで止められますから二百五十一万円なんですね。でも二百五十万円だった人はプラス百五十万もらって四百万円なんです。だから、頑張って稼いだところで止められてしまったら、一生懸命頑張ろうという思いがそこまで減退してしまうんじゃないかという思いもありまして、やはりそこは所得の向上度合いによって段階的に給付額減らすとか、やり方ってあると思うんですね。二百五十万、頑張ってちょっとでも超えたらゼロだというのはちょっとおかしいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#165
○副大臣(岩本司君) 経営開始型の青年就農給付金は、経営が不安定で所得も十分に得られず生計が安定しない経営開始直後の新規就農者の定着を図るために支援を行うものであります。このため、経営が安定して、そして青年就農給付金なしで一定の所得が得られるようになった場合は給付を停止する仕組みとしているところであります。
 所得に応じまして段階的に給付額を減らす仕組みも、これ現場に担当者が何度も足を運んで検討はいたしましたけれども、給付金の給付事務を担う、これ市町村の事務負担が大きくなりまして、制度を円滑に運用することが難しくなることから、これはもう導入をしなかったということでございます。
#166
○福岡資麿君 まあオペレーションの難しさがあるということは分かるんですが、ただ、さっきおっしゃっていた経営を安定させるという目的でいうと、安定したら支給を止めると、二百五十万円の人と二百五十一万円の人と何が違うんですか。そこでゼロになってしまう、そういうことが本当にうまい政策かということはもう一度検証をしていただきたいということを申し上げさせていただきたいというふうに思っています。
 もう時間も大分経過していますので、次の話題に移りたいというふうに思います。
 先ほどもちょっと議論をしましたが、今の農政の一貫性という意味でいうと、もう一度確認の意味で質問したいんですが、やはり戸別所得補償というのは小規模農家もしっかり光を当てるやり方だと。一方で、今回打ち出された食と農林漁業の再生のための基本方針ということは、その大規模集約化を図っていくということの中で政策誘導を行っていくということでありますが、御承知のとおり平成二十四年度の農林水産予算というのも前年度比減っているわけですね。だから、予算に限りがないんであればいろんなやり方できると思います。ただ、限られた中で効率いいやり方をしていかなきゃいけない。しかも、その目標として五年後には二十町歩から三十町歩が大宗を占めるということをおっしゃっている中で、一方で戸別所得補償で小農の方にもしっかりお金をずっと出し続ける、一方で政策誘導で手放す人にはお金付けていくということで、どっちにもお金どんどん出していくというやり方というのは、本当に農業政策考えていく意味で非常に非効率なやり方じゃないかと思うんですが、その点についてもう一度やはり御答弁いただきたいと思います。
#167
○国務大臣(鹿野道彦君) 何遍かこのことにつきましても議論をさせていただきましたけれども、基本的に私どももこの戸別所得補償制度を制度設計する際に、どこで仕切るかというふうなところは相当な議論になりました。そういう中で、やはり販売農家というふうなところに一つの具体的なところを置かさせていただきました。約二百三十万くらいの農家の方々、販売農家百七十万くらいと、こういうふうなことでございます。
 そして、そこでとどまるというようなことではなしに、やっぱり販売農家の人たちにおいても、いろんな事情から自分はもっと規模拡大してもできないという人たちもおられるわけでありますけれども、しかし、そういう中でお互いが理解し合って規模を拡大していくというようなことによってそれぞれの一人一人の収入というふうなものが増えていくんだという制度の仕組みにもなっておるわけでありますから、そういう形で規模拡大というふうなところにつながっていけばよろしいんじゃないかなと、こんな思いも二十から三十という一つの経営体を目指すというところにも結び付いているということを御理解いただきたいと思います。
#168
○福岡資麿君 大臣、これ何度も御答弁いただいているんですが、私、何回聞いてもすとんと腑に落ちないんですね。そこはやはりどう見ても政策的な立ち位置が変わったということが僕はあるんだというふうに思います。大臣は違うとおっしゃいますが、私はそれはあるというふうに思っています。
 私も、ずっと三十年以上剣道をやっているんですが、剣道というものの極意というのは、相手に気付かれないように動いていって打ち間に入っているということが極意なわけですが、行政としては、だまし討ちみたいな感じで、知らないうちに立ち位置がじわじわじわじわほかのところに変わっていたということでは信頼得られないわけですから、特に今後三党合意を目指していく中で、やはり過去のいきさつの中で悔い改めたところは、ここは違うんだ、違ったんだ、ここはこう改めたんだということをしっかり示していただくことが話合いの私は第一歩になるというふうに思っていますので、そういった点で是非今後も取り組んでいただきたいというふうに思っています。ちょっと、もう答弁は求めません。
 最後に、食の安全というような部分でお聞かせをいただきたいと思いますが、今日も、資料の一番最後のページでございます。TPPに絡む話でもありますし食の安全に絡む話でもありますが、これは東京大学の鈴木先生が示された新聞記事が、これ、二〇一一年の二月ですからもう大分前の記事なわけですが、今アメリカなどはウシ成長ホルモンというのを牛に打って、それで搾乳の量を増やしているというようなことであります。これ、事実関係は分かりませんが、下から二段目を見ると、当の米国では、この成長ホルモンが入った牛乳、乳製品を食べ続けると乳がんや前立腺がんの確率が有意に高まるというようなデータが出てきて、スターバックスとかウォルマートも販売拒否を打ち出しているというようなことなんです。この辺の事実関係、どう把握されているかというのが一点。
 そしてもう一つが、もしこういう危険性があるんだとすれば、やはり今、生乳はまだ国産品が多いですけれども、加工品というのはもうどんどん海外から入ってきていますから、そういうことに対して表示の在り方等も含めて工夫が必要じゃないかと思うんですが、その点について教えていただきたいと思います。
#169
○政府参考人(三浦公嗣君) 御指摘ございました牛の成長ホルモン、BSTと呼んでおりますが、これは牛が生体内でつくる天然のホルモンと同等の組換え型のたんぱく質ホルモンでございます。BSTを含めまして、一般に天然型のホルモンというものは、牛への使用時の投与量は少なく、またたんぱく質でございますので、人が口から摂取いたしましてもほとんど消化されてしまうと、人には影響しないと考えられているものでございます。さらに、このBSTにつきまして、FAO、WHOが合同で置いております食品添加物専門家会議、俗にJECFAと呼んでおりますけれども、これが一九九八年に健康への懸念がないということから、許容一日摂取量、一日に取ってよい摂取量でございますが、そのほか食品中の残留基準、これは設定する必要がないというような評価が取りまとめられているところでございます。
 このため現時点で特段の問題があるとの認識には至っておりませんけれども、食品の安全にかかわることでもございますので、御指摘のデータ等の詳細、不明な点のあることでございますので、まずは必要な情報を把握してまいりたいと考えております。
#170
○福岡資麿君 しっかり必要な情報を取っていただきたいと思いますし、もう時間がないので終わりますが、TPPについても、こういった食の安心、安全というのが日本の農業の生命線なわけでありますから、そういったところで妥協をするようなことが絶対あってはならないということを申し上げさせていただいて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#171
○長谷川岳君 自由民主党の北海道の長谷川岳です。
 最初に、質問通告はしていないんですが、これはちょっと重要な話でありますので森本政務官に伺いたいと思います。よろしいですか、政務官。
 政務官は、五か月前に私質問させていただきました、ハンターの入林に関して一括入林承認の仕組みを全体に拡大、そして各県と連携しながら道有林、県有林の入林手続の簡素化を進める、そして凡例のフォーマットの統一をしてホームページで公開するということを、前向きにやりますという話でありましたが、全く進んでおりません。これどうしてでしょうか。
#172
○大臣政務官(森本哲生君) お答えさせていただきます。
 平成二十三年度分については既に地図を配布済みであるため、二十四年度作成分から、御指摘のありました、ここちょっと遅れましたが、統一することを準備中でございます。
 地図のホームページの掲載については、道東の五森林管理署についてはホームページに掲載済みという報告を私のところには受けておりますので御確認いただきたいと。そしてほかの森林管理署の地図については平成二十四年度から掲載する予定ということで処理させていただいております。
#173
○長谷川岳君 つまり、その一括入林の承認の仕組みを全体に拡大するということはもう既に指示が出ているということでよろしいですか。
#174
○大臣政務官(森本哲生君) はい。これは指示を出しておりますので、北海道全域において取り組んでいくということでございます。
#175
○長谷川岳君 残念ながら、ハンターの皆さんあるいは現場の皆さんはそのような認識ではなくて、まだ何の動きも現場ではないという認識を持っております。もう一度、政務官はこれを確認してほしいと思います。というのは、今日は委員長の提案で鳥獣による特措法の改正もありまして、やはり鳥獣被害をいかに防いでいくかという前提として、こういったやはりハンター側への配慮、あるいはこういった農水省、林野庁の含めた努力によって変えられる部分たくさんあると思います。ですからこそ、こういうことについてできるだけ早急に分かりやすく皆さんに伝えるようにしていただきたいと思いますが、いかがですか。
#176
○大臣政務官(森本哲生君) 年度の端境期で大変御無礼が、御無礼というか情報徹底がなされていない点もあろうかと思いますので、そこのところ、私の方からしっかり申しますので、よろしくお願いします。
#177
○長谷川岳君 よろしくお願いいたします。
 それでは、酪農、畜産について今日は質問させていただきたいと、まずは質問させていただきたいと思います。
 北海道において、一昨年の夏の猛暑により思いどおり乳量が伸びずに、一方、今年の冬は大変厳しい冷え込み、マイナス二十五度、これ大臣、マイナス二十五度って経験していただいたら分かると思いますが、大体鼻毛が一つになるような感覚があります。それから、耳が、汗かいたところからすぐ霜焼けが出てきます。それぐらい厳しい、作業工程が非常に厳しい中で早朝から搾乳されているような大変な苦労の中で酪農家の皆さん頑張っておられます。
 ところが、北海道の酪農地帯における酪農家では、平成二十三年、この一年間の現金収支による農業所得というのは前年に比べて五%以上減っているという話を聞いております。それから、北海道では、平成十五年に八千三百戸の酪農家が約二割、六千七百三十八戸に減少しておりまして、八年間で千六百戸が離農している現状であります。昨年だけでも、十勝管内六十戸、そして道内では二百十二戸が離農されている。その要因は、やっぱり、一つ目に、酪農をやめて経営転換したというものと、あるいは高齢化と後継者の問題で離農した方、そして三つ目が、将来への不安、負債問題で離農したものが挙げられております。この先、酪農をしても明るい将来がない、所得も上がらずに投資もできない状況が続くなら、赤字になる前に見切りを付けた者、それから、国はTPPに参加するんではないかという形で、非常に前途に対して不安を持って離農した方、非常に切実な悩みを抱えておいでです。
 そこでお尋ねしますけれども、本当に飼料それから燃油の高騰の中で、今年の乳価で酪農家は離農せずに営農を継続し、規模拡大できると大臣としてはお考えでしょうか、お聞きしたいと思います。
#178
○国務大臣(鹿野道彦君) 平成二十四年の加工原料乳生産者補給金につきましては、単価につきまして十二円二十銭というふうな形で畜産部会に諮問させていただきました。そして、限度数量につきましては百八十三万トンということで諮問いたしまして、今議論していただいているところでございます。
 基本的に、私どもといたしましては、今先生が言及されたこと等々を、十分というふうなところまで、というところはいろいろな評価もあるところでございますけれども、相当私自身も踏み込んだ形で事務方にも指示をいたしまして、政務三役とも判断をしながら取り組んできたところでございまして、そういう中で、一気にそう簡単にというふうなことではないかもしれませんけれども、今回の諮問案というものは、現下の経済状況というふうなものをある程度反映させていただいたものでありますし、また、限度数量におきましても、相当空枠というふうなもののところもある中でも頑張っていただきたいというふうな思いを込めてこのような数字を諮問させていただいたというふうなことでございまして、何とか今回のこの考え方というふうなものが酪農家の経営安定というふうなもの、あるいは乳製品の安定供給に結び付いていっていただければなと、こんな思いで諮問案を出させていただいたということだけは申させていただきたいと思います。
#179
○長谷川岳君 補給金単価算定に当たって、トウモロコシのシカゴ相場が最近では徐々に値上がり傾向であると、それから為替相場が少しずつ円安傾向にあるようですけれども、こういった、これらの穀物市況がどのように補給金単価に反映されたのか、伺いたいと思います。
#180
○国務大臣(鹿野道彦君) いわゆる配合飼料価格を含む流通飼料費の上昇というのは、六銭分の単価引上げ要因と、このようなことで試算をさせていただきました。
#181
○長谷川岳君 不安定な中東情勢にあって、特に原油価格の高騰が続いておりまして、酪農、畜産農家が使用する軽油、それから灯油の価格も高騰しています。酪農、畜産農家の皆さんは、購入配合飼料に頼らずに、なるべく自給飼料を増やすように飼料面積を今増やしています。その面積をこなすためには、当然ながら、機械の大型化というのもありますし、それから使用する軽油の量も年々増えているという実情があります。この中で、軽油高騰というのは経営に非常に影響を与えているのをまずは認識していただきたいというふうに思います。
 しかも、今年の冬は平均に比べて雪が非常に多くて、しかも非常に寒い。日中の最高気温も本当に上がらない日が続きまして、牛舎での灯油使用量も増えている中での灯油高騰は非常に厳しい。これら灯油価格はまだまだ上がるということだと思われますけれども、この燃油高騰分が補給金単価にどのように反映されたか、伺いたいと思います。
#182
○国務大臣(鹿野道彦君) 軽油、灯油を含む光熱動力費の上昇というのは三銭分の単価引上げ要因と、このように試算をさせていただいたところでございます。
#183
○長谷川岳君 もう一つ、限度数量に関しては、前年比二万トン減少の百八十三万トンということでされておりますけれども、このような数字の理由も伺いたいと思います。
#184
○国務大臣(鹿野道彦君) 御承知のとおりに、先ほど申し上げましたけれども、空枠というふうなところが二十一万トンというふうな中で、そういう中でもできるだけ、とにかくバターの不足等々もございますので酪農家の人に頑張っていただきたいというような気持ちから、こういう百八十三万トンということを設定させていただいたと、こういうことでございます。
#185
○長谷川岳君 食料・農業・農村基本計画において、平成三十二年度の生乳生産量を八百万トンというふうに目標設定しておりますが、この目標設定に向けて、これは果たして本当に達成できるのか、どのような形で達成されているのかを伺いたいと思います。
#186
○副大臣(岩本司君) 平成二十二年三月に策定、公表されました食料・農業・農村基本計画におきましては、平成三十二年度の生乳の生産数量目標を八百万トンと設定をしたところであります。
 一方、生乳生産の状況を見ますと、近年、酪農家戸数や経産牛頭数が減少しているものの、飼養規模の拡大や一頭当たり乳量の増加により生乳生産量はわずかな減少にとどまっておりましたけれども、平成二十二年度以降の、先生先ほど御指摘の一昨年の猛暑や昨年の東日本大震災の影響もあり、一時的に生乳生産量の減少幅が拡大したところであります。
 昨年の夏以降、生乳生産は回復傾向で推移しているところでありますけれども、農林水産省といたしましては、生産数量目標の達成が図られるように、輸入チーズを国産チーズに置き換えるためのチーズ向け生乳の供給拡大ですとか、ヨーグルトやチーズを含めた学校給食における牛乳、乳製品の供給、また乳牛の改良、ヘルパー等支援組織の育成、活用等を推進してまいる所存であります。
#187
○長谷川岳君 それでは、より具体的に聞きます。
 例えば、全国八百万トンの目標のうち、北海道の目標設定四百三十三万トンになっています。一頭当たり八千九百キロ搾る目標設定になっています。毎年北海道で今二百戸減少している場合、この平成三十二年には五千戸を酪農家は切ります。経産牛の頭数も減少して酪農家戸数も減少している中で、酪農家戸数は何戸で、その頭数の規模はどのような姿を目指していますか、農水省としては。教えてください。
#188
○副大臣(岩本司君) 戸数の計算は出ませんけれども、現状を維持すると。先生御指摘のとおり、ちょっとこの設定目標が高過ぎるんじゃないかという御指摘でございますけれども、我々もこれの目標に向かって全力で取り組む決意であります。
#189
○長谷川岳君 もう一度繰り返しますけれども、やはり毎年酪農家の戸数は減っているんです。それから、経産牛の頭数も減少しているということからいって、これ一頭当たりが八千九百キロ搾る目標設定というのはやっぱり非常に高い目標設定なんです。ですから、それなりにやはり支援制度をつくっていただくことが私は必要だと思いますが、いかがですか。
#190
○副大臣(岩本司君) 先生御指摘のとおり、平成二十三年度には全国で二万一千戸の経営が存在しておりますけれども、毎年約千戸程度減少している状況であります。
 その中で、先生御地元の北海道におきましては、これは道庁の調査によれば、毎年二百戸程度が酪農経営を中止と。理由としては、畑作等への経営転換がこれは半数、約四三・一%を占めているものの、先ほど先生も御指摘ですけれども、高齢化、後継者難による廃業も約二六・七%、約三割程度存在するものと承知しております。
 これは繰り返しになりますけれども、こうした厳しい中で経営を継承しつつ生乳の生産基盤を支えるためには、法人化等により規模拡大を進めることと併せて、酪農家へ飼料を供給するTMRセンター、子牛育成施設の整備ですとか、あと、休日を確保するための酪農ヘルパー制度の推進などにより、比較的規模の小さな家族経営を支援することが重要と認識をいたしております。
 これは、なお後継者不足等で離農せざるを得ない牧場につきましては、強い農業づくり交付金におきまして、公社などが離農跡地ですとか後継者不在施設を新規就農者等に貸し付けるために必要となる整備、改修や乳用牛の導入等に対して支援を行う、いわゆる農場リース事業を実施しているところであります。
#191
○長谷川岳君 シンプルに伺いますが、平成三十二年の目標に向けて酪農家に対する支援制度の拡充をしていくという、そういう考え方でよろしいでしょうか。
#192
○副大臣(岩本司君) そのとおりでございます。
#193
○長谷川岳君 ありがとうございます。
 さらに、草地改良対策についても伺いますが、先般、岐阜の方にも行かせていただいて、こういった飼料米等も見させていただきましたが、なかなか北海道で飼料米が適用できるかという、なかなか難しい場所であります。
 こういった草地改良対策について、改良したくても予算が十分ない、今後やはり拡充していく予定はありますか。
#194
○副大臣(岩本司君) 平成二十二年三月に閣議決定しました食料・農業・農村基本計画におきましては、飼料自給率を平成二十年の二六%から、平成三十二年には三八%に引き上げる目標を設定をいたしております。
 これを踏まえまして、二十四年度予算案におきましても、大型機械化体系に対応した効率的な飼料基盤の整備を行う戸別所得補償実施円滑化基盤整備事業等に加えまして、これは、草地の整備を含む暗渠排水等の農地の整備を実施する農業体質強化基盤整備促進事業のほか、飼料作物の優良品種の導入により生産性の向上を図る草地生産性向上対策事業、これ六億円でございますけれども、推進するための予算を措置をいたしております。これらの予算を措置しまして、草地の基盤整備を図ってまいる所存であります。
#195
○長谷川岳君 拡充を図るということでよろしいですか。
#196
○副大臣(岩本司君) そのとおりでございます。
#197
○長谷川岳君 昨年も質問しましたけれども、飼料、燃油高騰により畜産、酪農家への影響が生じた場合には、やはり期中における価格改定等もするか確認をしたいと思います。
#198
○国務大臣(鹿野道彦君) 本日、配合飼料価格の改定につきまして諮問を行った補給金単価の算定につきましては、いわゆる配合飼料価格というものを適切に反映したものだと思っておりますが、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法等によると、特に必要があると認められたときは補給金単価等を改定することができると、こういうふうなことになっていることを十分私は承知をいたしております。
#199
○長谷川岳君 それでは、豪雪問題に移りたいと思います。
 先ほども徳永委員からも指摘がありましたが、豪雪による倒壊したハウスなどの資材の撤去、あるいは処理費用、再導入に対する支援を農水省として考えているかどうか伺いたいと思います。
#200
○大臣政務官(森本哲生君) 現段階では、共済、そして、今のセーフティーネット、農林漁業の施設資金等の長期の低利融資という以外に今のところは支援がないという現実でございます。
#201
○長谷川岳君 豪雪と低温が続いて融雪が遅れておりまして、農作業への影響が非常に発生しております。ビニールハウスで毎年米の播種作業等が行われておりまして、倒壊によって農作業は大幅な遅れ、作付けができないおそれもあると。
 その中で、現場の農家は大変不安に思っておりまして、中長期的な視点から収入減対策についてどのような対策を考えているのかお聞きしたいと思います。やはり、これはずばり言うと戸別所得補償の対象となるのか、あるいは共済で救済するのか、そういった点についても伺いたいと思います。
#202
○大臣政務官(森本哲生君) この辺りはやっぱり戸別所得補償、そして共済制度の少し充実というようなこともやっぱり考えていかなければならないと思っています。
#203
○長谷川岳君 これは併用、両方で考えるということでよろしいですか。
#204
○大臣政務官(森本哲生君) 検討してまいります。
#205
○長谷川岳君 次に、お手元の資料の新聞記事、西友の話は先ほど出てまいりましたが、お手元に配付の新聞記事を御覧になっていただきたいと思いますが、中国産のお米の販売が西友で五キロ千二百九十九円で始まったと。このことを大臣、どういうふうに見ていらっしゃいますか。──これはできれば大臣にお願いしたいんですが。
#206
○国務大臣(鹿野道彦君) いわゆる今日の状況の中で、低価格志向というふうなことの影響を受けておるんじゃないかなと、率直にそういう思いがいたします。
#207
○長谷川岳君 中国現地における同等のこの米の値段を伺いたいと思いますが、政務官、よろしくお願いいたします。
#208
○大臣政務官(森本哲生君) 少し資料を読まさせていただきますが、中国産米につきましては、吉林省及び遼寧省で生産されたジャポニカ米の北京における小売価格、一キログラム当たり十一から十五元でございますので、日本円にして約百五十円から百九十円で推移しております。
#209
○長谷川岳君 やはり私たちが懸念しているのは、昨年の三月十一日前は、日本の一次産品というのは安心で安全だと、だからこれから輸出も含めて攻める農業をやっていくんだという話が非常に大きな意見としてありました。しかし、去年の三月十一日以降、一次産品、国産品に対するやっぱり信頼というのが非常に消費者の皆さんが不安に思い始めた。しかも、こういう景気の状況の中で、安いものというものをやはり求める傾向がデフレの中で続いている中で、こういった安いということと安心というものがやはりこの中国を含めた輸入米につながっていくんではないかということを非常に懸念をしているわけです。特に、中国米の販売がこのように好調であれば、MA米のうちのSBSの枠を増やせという声が高まることにつながらないかと、私、非常にそれを懸念しています。
 そうなった場合に、ガット・ウルグアイ・ラウンドでMA米を受け入れた際の政府公約、主食用米の需給に影響を与えないということに反するのではないか、ここら辺は大臣としてしっかりメッセージを出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 大臣からメッセージをいただきたいと、お願いします。
#210
○大臣政務官(森本哲生君) はい、また、それでは。
 今の西友に続くものが出てくるかどうか、そして全体の流れというものは我々も注視していかなければならないというふうにそれは認識をいたしております。ただ、数量につきましては、また大臣からお話あろうかと思いますが、ここのところはやはりしっかり数量は守っていくというようなことを私どもは考えております。
#211
○国務大臣(鹿野道彦君) SBS米の枠を拡大するという考え方は持ってないだろうねというふうな、長谷川先生のそういう御質問だと思いますけれども、今日の状況の中ではこの十万トンという枠を拡大するという考え方には立っておりません。
#212
○長谷川岳君 やはりこういう生産者の皆さんが、これは消費者の皆さんから見るとこういう普通に見える記事かもしれませんが、生産者の皆さんから言うとこれも不安要素の一つです。やはり一次産業が安全だという信頼が崩れていく中で、デフレという状況も加わって、一次産業の皆さんがやはり不安に思っているということを十分農林水産省としては認識をしていただきたい、そのように思います。
 それでは次に、生食用の食肉について。
 昨年、非常に残念な事故が起きました。五月で一年を迎えるわけですけれども、やはり今問題なのは、私も北海道で現地調査をしてまいりましたが、このユッケの事件が起きてから、焼き肉店においてユッケの提供ができなくなったところにおいては売上げが平均で一五%下がっています。客の入りは、一か月一回の来店のところを二、三か月に一回というふうに来店の頻度も落ちてきているわけです。やはり、焼き肉のこういった販売が、あるいは来店が落ちるということは、消費牛肉が当然ながら落ちるということにこれは、直結するわけでありまして、やはり私、これから大切なのは、安全性の確保とそれから景気の向上、デフレ対策、これをやっぱり同時に解決するべきではないかというふうに思います。
 そこでお尋ねしますけれども、昨年、厚生労働省が食品、添加物等の基準の一部の改正を行いました。その際、生食用の食肉を扱う場合は、これは一般の焼き肉店もそうですよ、調理場を分けろと、そういう基準になりました。
 厚生労働省が今年の一月ですか、調査をしたところ、この法改正に適合している飲食店は全国で十八店舗しかありませんよね。本当に僅かです。できるわけがないんです、こんなの。こういった適合する店がほとんどなかったというふうに聞いております。
 食品の安全というのは最重要でありますけれども、安全性を確保した上での現実的な基準にこれはなっていると思われますか。厚生労働省に伺いたいと思います。
#213
○政府参考人(三浦公嗣君) 生食用の食肉の安全性につきましては、平成十年に示しました通知によりまして都道府県等を通じて適切な衛生管理を指導してまいったところでございますが、法的な強制力がないということもございまして十分に遵守されていなかったと認識しております。
 こうした中で、昨年四月に発生しました飲食チェーンでの食中毒事件によりまして五名の方がお亡くなりになると、大変痛ましい事件がございました。
 薬事・食品衛生審議会の下の部会などで議論を重ねまして、食品安全委員会の科学的評価を受けて食品衛生法に基づく規格基準を制定したというのは議員御指摘のとおりでございまして、これにつきまして、食の安全を確保する上で必要な規制だと考えているところでございます。
 現時点では、規格基準に適合している生肉を提供する飲食店等も出てきておりますので、引き続き規格基準の周知徹底を行ってまいりたいと考えております。
#214
○長谷川岳君 そこが浮世離れしているんですよ。全く違いますよ。もう一回言いますよ。全国で十八店舗しか適合していないのを適合し始めたと言うんですよ。そこの感覚が厚生労働省としては狂っているとまずは指摘をしたいと思います。
 安全性を確保した上で、現実的な基準になっているかどうかを聞いています。現実的基準ですか、これは。
#215
○政府参考人(三浦公嗣君) もちろん、食品の安全と、それからもう一つは、そういうものを召し上がりたいという国民の皆さんの声、この両立というのをどうやって図っていくかということは要件としてはあろうかと思います。その上で、大変痛ましい事件が起きたということを重く受け止めて今のような規格基準ができているということでございます。
#216
○長谷川岳君 例えばレアステーキはオーケーで、牛たたき、ユッケ、牛刺しはNG、これ、なぜですか。それから、屠殺四日とする根拠、不明です。例えば私たち店を回りましたけれども、通常は新しくて一週間から二週間、それから普通は一か月です。また中小の規模、店舗ではこれは調理場を二つ造ることが現実的に不可能です。だから、私はここら辺が現実的な基準に適合していないと、そういうふうに思いますが、いかがですか。
#217
○政府参考人(三浦公嗣君) 食品の安全につきましての科学的な評価に基づけば今のような状況になっているということでございますけれども、私どももこれで最終的に決して動かさないということではございません。関係団体とか、そういうところからの意見というものをいただいておりますので、そういうものを踏まえて、科学的な知見が認められた場合についてその条件というのを見直していくということもあり得ると考えております。
#218
○長谷川岳君 それでは、今後、現場の意見をよく聞いた上で、安全を前提にした必要に応じた修正をするという考えがあるということでよろしいですか。
#219
○政府参考人(三浦公嗣君) 既に私ども関係業界団体から幾つか要望をいただいております。それについて意見の交換も行ってきておるところでございます。その中で、国立医薬品食品衛生研究所の専門家の助言もいただきつつ、今相談、協議に応じているところでございます。
 今後、関係業界団体から、具体的な衛生管理の方法など、いろいろなアイデア、提示があった場合には、科学的観点からの妥当性の確認など、その内容を踏まえて検討したいと考えております。
#220
○長谷川岳君 現場の意見、やはり大事にしてください。
 私は、安全性というのは絶対だというふうに思いますが、全国で十八店舗しか適合する店がないのに、適合し始めたという認識を持つのは、厚生労働省としてはこれは狂っている、そういう認識でいてほしいと思いますが、いかがですか。
#221
○政府参考人(三浦公嗣君) 規格基準を決めまして、まだ時間的な経過がそれほどではございませんが、私ども、業界の皆さん方の中でもかなり努力をされている方もおられるというふうに認識しております。そういう中で、現在のまず規格基準というものについて広く周知を図っていくと同時に、今議員から御提案がございましたような、関係団体との話合い、そういうようなものも深めてまいりたいと考えております。
#222
○長谷川岳君 農林水産大臣にも伺いますけれども、BSEの問題が起きて、それから口蹄疫の問題が起きて、今回こういうふうに生食用の食肉の食中毒って、やっぱりこれ、畜産農家の皆さんにとってはトリプルパンチだと思います。その中で、やっぱり現実的な基準作りに対して大臣としても要請をしていただくということをお願いできませんか。
#223
○国務大臣(鹿野道彦君) いろいろ、食品安全委員会においての議論等々につきましては、農林水産省としては、現場の実態、実情というものをできるだけ情報を提示させていただいたというふうな経緯もございます。そういう意味で、今後ともこの現場の情報、状況というふうなものはさらに引き続いて提示させていただきたいと思っております。
#224
○長谷川岳君 よろしくお願いします。
 それでは、また話題を変えさせていただきます。
 福島県の放射能対策について伺いたいと思います。
 今日は林野庁の資料を、これ、再度配らせていただきましたので、もしよかったら御覧になっていただきたいんですが、現在、福島県の木材は、放射性物質が環境や健康に影響がない状況であるにもかかわらず出荷に影響が出ているという状況にあります。もっと、実はこれ、この資料を見ていただいて、大きな懸念が出てまいりました。
 昨年の大玉村、川内村、只見町で実験しました杉の吸収、移行調査では、線量の高い地域ではやはり放射性物質の吸収があるという結果が見て取れます。そして、杉に関しては葉からの吸収が多いという見解もありまして、線量の低い地域でも長期間セシウムが葉に付着したままでは吸収しないかどうかということが疑問視されているところです。もしも、時間的な要因も吸収に関係するのであれば、やはり早急に杉の枝打ちなどを行って移行を止めないと、数十年にわたって手入れをしてきた杉が、本当にごみになってしまうというおそれが出てまいります。
 これ、どのような対策を考えているかを伺いたいと思います。
#225
○大臣政務官(森本哲生君) 今、葉からの吸収、これは土からの吸収ということも考えられるんですが、あることは事実でございます。
 ただ、例えば、かんなで削って、表面を、のこぎりで切っていくわけでございますけれども、そんな中で、今、私どもの森林総合研究所で調査をしている資料、その数値的なものについては、まず大丈夫だろうという、そういう認識を今のところ持っています。ただ、個々の因子的、御指摘のところのこの中の部分については、もう少し時間を要することが必要でございますので、どの程度になるか私どもも、この今の委員の御指摘をしっかり我々、検討をしまして、なるべく早くそうしたお返事をさせていただきたいと。
 今のところ、その技術的にどう申し上げていいかということがまだ私のところでは分かりませんので、御指摘、十分理解をいたしておりますので、よろしくお願い申し上げます。
#226
○長谷川岳君 福島県の木材業者さんが非常に不安に思っていらっしゃいますので、説明会等なりをやっていただくことをお願いできますか。
#227
○大臣政務官(森本哲生君) これは、大臣から指名を私自身でもいただきましたら、私どもは積極的に対応させていただきます。
#228
○長谷川岳君 大臣、いかがでしょうか。
#229
○国務大臣(鹿野道彦君) 指示をいたします。
#230
○長谷川岳君 よろしくお願いします。
 もう一つ伺います。
 放射性物質の吸収抑制対策事業について伺います。
 私も月に二回ずつ福島県に通っておりますけれども、中通りの農村では、東日本大震災農業生産対策交付金の放射性物質の抑制対策のメニューで今、取組を行っております。
 ところが、平成二十四年から要綱の改正が行われる予定でして、空間線量の高い〇・二三マイクロシーベルト以下が対象になっていますが、こういった高い地域は対象とならないということになりました。それから、空間線量の高いところは反転耕や深耕といった方法が進められておりますが、基盤整備を行った圃場は、表土は二十センチしかありませんので、実際には全水田を実施できないという状況です。
 しからば、除染対策交付金を使えるのか。これ、除染対策交付金というのがあるんですが、これを使えるかといえば、こちらは工事が伴わない事業は対象外だと。
 福島県の本当の課題である、本来、この米から放射性物質のみを検出を行うには、やっぱりカリウムとかゼオライトによる吸収抑制というのは不可欠です。どんなに検査体制を強化したとしても、何もしなければ昨年以上に検出されるのは目に見えています。
 先日も緊急調査が行われて、郡山で新たに百ベクレルを超えるお米が出ているというのは報道のとおりでありますが、平成二十四年度の東日本大震災農業生産対策交付金事業につきましては、やはり原発事故の被災県である福島県及び地域の自治体が使いやすいものであるべきと考えますが、いかがお考えか。特に、こういう、こっちの事業にもこっちの事業にも入らないという空白スポットをつくっちゃいけないと思いますが、いかがですか。
#231
○副大臣(岩本司君) 放射性物質で汚染されました農地への対応についての基本的な考え方といたしましては、高濃度に汚染され、毎時〇・二三マイクロシーベルトを超える農地につきましては、先生先ほどおっしゃった反転耕等と併せて地力回復資材の施用を助成する除染事業により対応して、それ以外の地域では、農作物への汚染のおそれが比較的高い農地においては、カリ肥料等の吸収抑制資材の施用等を助成する吸収抑制対策、これは東日本大震災農業生産対策交付金でございますけれども、これによって対応することとしているところであります。
 しかしながら、除染事業の対象となる農地の中には、先生先ほどおっしゃったように、作土層が薄く反転耕等が困難なものもあるなどの声が上がっていることも承知をいたしております。このため、現場の実態を踏まえまして、吸収抑制対策による支援が画一的な運用となり過ぎないように努めてまいります。
#232
○長谷川岳君 じゃ、この話については、先ほども申し上げたように、制度、制度の間のすき間をつくらないという考え方で対応してくださるという考えでよいですか。
#233
○副大臣(岩本司君) しっかり前向きに議論を重ねて取組を進めてまいりたいと思います。
#234
○長谷川岳君 是非よろしくお願いをいたします。
 それでは、また話題を変えます。栽培漁業についてさせていただきます。
 我が国の栽培漁業に関する取組について伺いたいというふうに思います。
 平成二十二年度、我が国の周辺水域の水産資源に関する資源評価結果を見ると、全八十四系統群のうち栽培対象魚種以外の七十三系統群については、実に五五%は低水準にとどまっております。一方で、栽培対象種の十一系統群については、低位は一八%にすぎず、比較的安定した資源水準を維持している。
 このように、栽培漁業が資源回復に非常に大きな成果を上げておりますけれども、栽培漁業に係る国の支援制度をどのように今進められているかを伺いたいと思います。短めで結構でございます。よろしくお願いします。
#235
○副大臣(岩本司君) 短めということでございますけれども、議事録に残りますので、申し上げるところは申し上げなきゃいけませんから。
 栽培漁業による種苗放流の近年の実績は、アワビ、ホタテなどの地先種についてほぼ横ばいである一方で、ヒラメ、マダイなどの広域種については十年前に比べて減少をいたしております。
 栽培漁業につきましては、国が定めた基本方針の下、国、県、漁協等が役割を分担しながら推進しているところであります。
 特に、近年放流数が減少している広域種につきましては、平成二十二年十二月に国が策定しました第六次栽培漁業基本方針を踏まえまして、全国六海域に関係都道府県、漁業関係団体等により海域栽培漁業推進協議会が設立されるとともに、関係県の連携、調整による種苗生産・放流の効率的、効果的な推進に努めているところであります。
 種苗放流につきましては、平成十八年度からの三位一体改革の一環としまして、地方に税源移譲を行ったことから、現在、各都道府県において取り組まれているところであります。
 しかしながら、ヒラメ等の県の管轄をまたがる広域種を対象とする資源造成を支援するため、平成二十三年度から種苗放流による資源造成支援事業を実施しておりまして、集中的な種苗放流により資源造成を推進するとともに、関係都道府県による共同での種苗生産・放流体制の構築を推進するとしたところであります。
 さらに、広域種のみならず、アワビ等の地先種につきましても、水産資源の回復のための地方公共団体、漁業協同組合等の主要生産施設の整備等につきましては、強い水産業づくり交付金による支援を実施しているところであります。
#236
○長谷川岳君 副大臣、できれば簡潔に、時間が限られておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 つまり、この広域種以外の栽培魚種についても、やはり都道府県の財政、ちょっと質問を進めますけれども、都道府県の財政の逼迫によって栽培予算が非常に今大幅に減少しています。魚価の低迷によって漁業者の種苗経費負担も限界に達している中で、やはり今、全国二百四十か所の栽培漁業センター等の種苗生産施設も老朽化が著しいんです。
 やはりこれから、私は、国が責任を持ってこういう広域魚種、あるいは今言ったような種苗生産施設の老朽化も国が責任を持ってやっぱり応援していく、私は是非必要だと思いますが、これ、大臣、いかがお考えか、もしよろしければ伺いたいと思います。
#237
○国務大臣(鹿野道彦君) いろいろ勉強してまいります。
#238
○長谷川岳君 ありがとうございます。
 それでは、最後になりますけれども、TPPについて伺いたいというふうに思います。
 今日は内閣官房来ていただいていますが、事前協議が一巡しました。この中で政府としてのメリット、デメリットと言えるものを何か明確に出してほしいと思います。
#239
○政府参考人(大杉武博君) お答え申し上げます。
 TPP交渉参加に向けた関係国九か国との協議が一巡したところでございますが、メリットといたしましては、TPPは包括的で質の高い自由化を目指しております。高い関税が撤廃されるということで日本の輸出競争力が強化され、国内の雇用を増やすことが可能になるというところでございます。また、TPPはアジア太平洋地域における貿易・投資ルールを定めることにつながっていくものというふうに考えておりまして、具体的メリットといたしましては、模倣品、海賊版の拡販や技術流出を防止する仕組みをつくることで海外における日本の正規品の販売を促すほか、日本からの技術の輸出を確保することができると。また、投資、サービスに関する様々な規制の制限、禁止などにより日本企業のより自由な活動を確保することを通じて日本の所得収支が増大し、国内雇用の拡大に寄与するといったことが挙げられるというふうに考えております。
 他方で、農業再生に与え得る影響、あるいは公的医療保険制度との関係、投資分野におけるISDS手続などについて懸念があると、国民の間に様々な御議論、御意見があるということも承知をしております。
#240
○長谷川岳君 今みんなが非常に懸念しているのは、国民の様々なやっぱり懸念があります、心配事があります。それを一つ一つ丁寧に洗い出していって、そして、このことに対して国の方針はどうであるということをはっきりと示す必要が私は今あるんだと思います。そこが政府に対する信頼感の醸成だと思うんですね。ところが今、情報もありません、それから個別具体的な話はできません。ですから、情報もない、方針もない、一つ一つ丁寧な説明もない、これで国民の理解が得られると思いますか。
#241
○政府参考人(大杉武博君) 国民の皆様から情報提供が不足しているという御批判をいただいておりますが、これを真摯に受け止めておりまして、引き続き、地方におけるシンポジウムあるいは説明会、関係団体との意見交換などを通じまして、政府を挙げて国民の皆様への一層の情報提供にしっかりと努めていきたいというふうに考えております。
 今回の関係国九か国との一連の協議で示された各国の見解や得られた情報を踏まえつつ、引き続き我が国に各国が求めるものについて更なる情報収集に努めまして、十分な国民的な議論を経た上で、あくまで国益の視点に立ってTPPについて結論を得ていくこととしております。
#242
○長谷川岳君 情報がないだけじゃなくて方針もないということが国民に対する不信感を呼んでいることをやはりもう一回認識をしてください。
 それから、経済産業副大臣に伺いますが、当初TPP参加は日本におけるメリットがあると言っておりましたが、事前協議が一巡した状況で何も変わっていないのか、そこら辺の考え方を伺いたいと思います。
#243
○委員長(小川勝也君) 時間超過しております。
#244
○副大臣(牧野聖修君) おおむね一巡する前と今とは変わっておりません、認識としては。
#245
○長谷川岳君 外務政務官申し訳ないです、質問ができなくて。TPPとEPAどちらが優先されるか、最後それだけ伺って、質問を終わりたいと思います。
#246
○大臣政務官(中野譲君) 一般的にはTPPとEPAというのは枠組みが違いますので、今の状況で、もう委員御案内のとおりですけれども、TPPについてまだまだ情報収集が、私たちも努力はしているんですよ、ただ十分じゃない中で、どちらが優劣があるかとか、どちらが先に出る出ないという話というのは、まだ今の段階では申し訳ないんですけどお答えができないというのが現状だと思っております。
#247
○長谷川岳君 質問を終わります。ありがとうございました。
#248
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 まず、酪農畜産関係からお伺いしてまいります。
 昨年八月以来、私この問題、今回三回目同じ質問をするんですけれども、汚染稲わら、堆肥問題でございます。
 同じことを聞き続けるのには強い憤りを感じるわけですけれども、報道によりますと、稲わらは宮城、福島など八道県で約六千八百トンに上るというふうに今報道されております。放射性セシウムが八千ベクレル以下のものは通常の廃棄物と同様に処分できるということになっているんですけれども、これはもう御案内のとおりでございまして、近隣住民の理解を得ることが非常に難しいという状況にあって、いまだに各農家が保管をしている、畑の一部等に保管されているということであります。その畑の傍らに置かれているロールに巻かれた稲わらも、半年間太陽にさらされてビニールが劣化して、更にカラスがつついてという、そういう状況にもはやなってきているというふうにも伺っております。
 堆肥も同様でございまして、汚染堆肥が農家にそのままあるものですから、新しい堆肥と混ざってしまったりとか、結局使えない堆肥が増えているという非常に悪循環が続いているわけでありまして、これだけの時間があれば国有林を切り開いて仮置場でも造ることもできたでしょうし、あるいはまた、もう外部と完全に遮断した、もうがっちりした保管施設だって造ろうと思えばできるぐらいの時間はもうあったわけであります。
 これからでも遅くないと思いますけれども、どうでしょうか。
#249
○副大臣(岩本司君) 汚染稲わらは八県に約七千トン保有されていると推定されておりますが、これまで十万ベクレルを超える汚染稲わらにつきましては、住民の安全な生活にかかわることでもあり、農林水産省において隔離一時保管を実施しておりまして、全四十三戸のうち四十戸で作業を終了をいたしております。それ以外の汚染稲わらにつきましても、県や市町村において、保有農家の経営地内での隔離やパイプハウスによる共同隔離保管の取組が実施されておりまして、作業の進捗率は、処理済みが約二割、保管場所の確保済み及び隔離施設の設置作業中が約四割、全体で約六割という状況であります。
 そして、先生御指摘の汚染牛ふん堆肥につきましては、暫定許容値四百ベクレルを超えるものが十三件、約二千五百戸で確認をされております。うち、八千ベクレルを超えるものも若干、これは三%でございますけれどもありまして、その濃度等に応じて一時保管や焼却等処分が進むよう取り組んでいるところであります。
 また、保管後の処理につきましては、本年一月一日に完全施行された放射性物質汚染対処特措法等を踏まえ、環境省を中心として当省も含めて政府全体が連携して取り組んでいくこととしておりまして、両省で共同して現地に赴き、既存の廃棄物処理施設ですとか、あと仮設焼却炉による焼却等について提案、協議しているところであります。これ、二十三年の十一月から現在までの現地協議でございますけれども、十八市町村で延べ二十回開催をしております。
 今後とも、周辺住民の理解を得つつ、関係府省との連携はもとより、県や市町村等との連携を密にしながらしっかりと取り組んでいく所存であります。
#250
○横山信一君 努力していないとは言いませんけれども、しっかりと取り組んでいるというのであれば、こんな半年間も解決しないまま行くということはあり得ないわけでありまして、大変に難しい問題であるということは分かりますけれども、解決をするために、とにかく皆さんで知恵を出し合って頑張っていきたいというふうに思うわけです。よろしくお願いいたします。
 食品の安全基準が四月から変わります。百ベクレルに変わるわけでありますけれども、消費者は、じゃ、今まで食べていた五百ベクレルというのは何だったんだと、危なかったんじゃないのかと、大丈夫なのかという、当然のごとくそういう疑問は出てくるはずであります。また、乳業メーカーはこの放射性物質の少なさを競うような低数値競争になりかねないという、それがまた生産者にとって風評被害につながっていくんじゃないかと、そういう懸念もあるわけでありまして、生産者そして消費者双方に混乱が生じないようにしなければいけないわけでありますけれども、どのような手順でこの食品安全基準の適用を行っていくのか伺います。
#251
○政府参考人(三浦公嗣君) 現在の暫定規制値に適合している食品は健康への影響はないと一般的に評価されておりまして、安全は確保されているものでございますけれども、食品の国際規格を作成しているコーデックス委員会の指標で年間一ミリシーベルトを超えないように設定されているということ、モニタリング検査の結果で多くの食品からの検出濃度は時間の経過とともに相当程度低下傾向にあることなどを踏まえまして、より一層の食品の安全と安心を確保する観点から、現在の暫定規制値で許容している年間線量五ミリシーベルトから一ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げることにしたものでございます。
 今後とも、国民の皆様にこうした新基準値や暫定規制値の内容について関係省庁と連携して丁寧な説明を行い、必要以上に心配することなく安心して食生活を送っていただけることなどを十分に御理解いただけるように努めてまいりたいと思います。
 具体的には、これまで全国七か所で説明会を開催しまして、放射線の健康影響などについて周知を図ってきたところでございますけれども、今後の取組といたしまして、説明会を更に開催する、また政府広報や、動画チャンネルというものを厚生労働省が持っておりますので、そういう動画チャンネルにおいて新しい基準値について説明するビデオを作成する予定としています。また、リーフレットの作成の予定、あるいは地方自治体における広報誌などを通じた広報などについても各自治体にお願いを申し上げたいということでございまして、こういうことを通じて、生産者そして消費者の皆様方の安全、安心を提供していきたいと考えているところでございます。
#252
○横山信一君 五百ベクレルから百ベクレルになって、一番実は懸念をされるのは牛の餌でございます。これは、特に零細の繁殖農家。
 先日、福島に行ってまいりまして、繁殖農家の御意見も伺ってまいりました。いわゆる土手で自給飼料を栽培をして、それでそれを餌にしていたと。その分餌代は浮くわけでありますから、半ば、非常にかわいい、家族同様にして飼っている牛でありますから、非常に零細ではあるけれども、大事に大事に育ててきたと。自分の餌で育ててきているという、そういう思いもあると。
 しかし、その土手草というのは非常に線量が高い可能性がある、そういう餌でもあります。そうすると、この土手草を今度は使えなくなると。今までは自分たちで餌を作ったので餌代を浮かすことができたんだけれども、今度は購入飼料にしなくちゃいけない。もちろんそれは賠償請求できるんですけれども、ただ、今賠償というのは、後ほどまた言いますけれども、スムーズにはいっておりませんので、そうしたことも考えると、いわゆるその肉牛サイクルが回らなくなってくる可能性が出てまいります。
 そうすると、この餌の百ベクレルという基準によって何が起きるかというと、この肉牛のサイクルが回らなくなるということが非常に懸念をされていくわけですけれども、それについてどのような対策を講じるのか、伺います。
#253
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生のお触れのとおりに、新たな規制値の施行というふうなことを待たずに、私どもといたしましては、この飼料の暫定規制値を改訂いたしました。それが三百から百ベクレルと、こういうふうにしたところであります。
 そうしますと、当然、飼料のいわゆる確保というものが必要になってまいります。そういうことで、飼料の輸入業者への確保要請、あるいはまた国内におけるところの余剰飼料のあっせん等々というものを行っているところでございますけれども、その代替飼料の購入費についてはいわゆる賠償の対象となりますけれども、東京電力により賠償金が支払われるまでの間の畜産農家のいわゆる資金繰りというものを支援する必要がございます。
 そういう意味で、牧草のほか、土手の草などを利用していた場合も含めて、実質的に畜産農家の負担なしに代替飼料が供給されるように、八月の五日から農畜産業振興機構を通じて畜産農家に飼料の現物を供給する民間団体を支援いたしているところでございます。
#254
○横山信一君 是非、その周知を含めて、万全の対策で臨んでいただきたいと思います。
 マル緊制度についてお伺いいたしますけれども、この新マル緊、全国一律の仕組みになって分かりやすくなった反面、粗収益も生産費も全国平均となりました。その分、肥育農家にとっては経営実態に合っていないという一部不満も出てきております。この新マル緊の粗収益と生産費の算定に当たっては、枝肉価格の地域格差やあるいは輸送コストなどの産地や肥育経営の実態を踏まえる余地はないか、その点を伺います。
 福島に行ったときに、福島はちょっと特殊なんですけどね、そこはね。枝肉価格が非常に下落をしているという中で、東電の賠償請求をしたけれども、した結果が昨年の三月から十二月分までの賠償請求をしたと。ところが、支払われたのは三月から十月までの分の九割までだったということで、まだこの十月、十一月という年末分の大量に出している分がまだ来ていないと、それは今月出るらしいんですけれども。そういう、非常に遅れているという状況の中で資金が回らないと、そういう話もございました。そういう部分のつなぎ融資の現状も併せてお伺いをしたいというふうに思います。
#255
○副大臣(岩本司君) 平成二十二年度からの肉用牛肥育経営安定特別対策事業、新マル緊事業では、先生御指摘のように、マル緊事業と補完マル緊事業を一本化して、肉用牛肥育農家の経営安定対策として全国一律のシンプルで分かりやすい仕組みとしたところであります。これにより、低コストや品質向上等に努めている経営については、その努力に見合った所得の向上が図られるところであります。
 一方、枝肉価格につきましては、地域の取引実態を反映させるべきとの生産者サイドの要望も踏まえまして、平成二十三年度から、肉専用種について従来から利用しております全国二十八か所の食肉卸売市場の市場のデータに加え、地域の相対取引等のデータも利用し、適切な運用が図られるよう改善したところであります。
 なお、新マル緊事業で補填の対象としておりますのは、生産に要しました費用を対象とする調査に基づく生産費であり、流通のための輸送コストは補填金算定の対象外としているところでございます。
#256
○大臣政務官(森本哲生君) つなぎ融資につきましては、二十三年度一次補正予算、そして農業信用基金協会等による無担保・無保証人の債務保証を対象としているところでございます。今の各県の農業信用基金協会等によれば、約千三百七十件で四十七億円のつなぎ融資、これはランニングコストに畜産の場合はなるわけでございますので、三分の一程度の金額だと考えていただいたらいいと思います。
 そのように、借入れ希望にはきめ細かく対応するようにさせていただいておりますので、実績が多いか少ないかということもあろうかと思いますが、確実に実績は少しずつ伸びてきておる現状にあるということでございますので、引き続き現場の借入れ、そうしたことを十分に踏まえながら、適切に対応をさせていただきます。
#257
○横山信一君 このつなぎ融資に関しては、やっぱり現場に行くと資金が回らないと、つなぎ融資のことを余り知られていないというか、借りている方が少ないという現状があると思うんですね。ですから、実績があるかどうか分からないという正直な、率直なお答えだったと思うんですけれども、ここはやっぱりしっかりと、せっかくいい制度があるわけですから、使いづらいのかあるいは使わないのか分かりませんけれども、その辺も含めてしっかりと対応していただきたいというふうに思うわけです。
 老廃牛のお話にまいりますが、これは基本的には県の対応になるわけなんですけれども、稲わら問題が発生した直後から実はこの老廃牛問題というのは指摘をされておりました。食品安全基準が百ベクレルになったということで、改めて老廃牛がクローズアップをされております。
 先日、福島に行ったときにも、汚染稲わらに関連して、老廃牛、餌代を掛けて農家で飼育をしているというところもございました。稲わら問題で既に老廃牛が農家にいるということですね。ここで百ベクレルに基準がぐっと下がったと。仮に牛肉に百ベクレル以上のものが出てきたとしたら、今度は屠畜できない老廃牛が出てくる可能性があるわけでありまして、そうすると老廃牛の行き場所がまたなくなってくると。また、それは農家の庭先で飼い続けることになりかねないという、そういう悪循環というか懸念があるということでございます。
 そういうことで、老廃牛対策、講じる必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。
#258
○副大臣(岩本司君) 老廃牛として屠畜出荷される繁殖雌牛につきましては、一定期間放射性物質に汚染されていない飼料を給与して飼い直すことが必要であることから、岩手県、宮城県、福島県、栃木県を中心に農家段階での滞留が生じている状況であります。
 農林水産省といたしましては、これまで、先生、今御指摘のとおり、県を通じて給与する飼料の放射性セシウム濃度、給与量及び給与期間に応じた飼い直し期間の算定など、飼い直しの具体的方法について農家を指導するとともに、滞留しております老廃牛について共同の飼養場所で集中管理を行う取組の事例の紹介などを行ってきたところであります。
 このような中、各県では、生産者団体等と協力して、岩手県や宮城県では共同の飼養場所の確保、福島県や栃木県では廃用牛の肥育を行う専門の農家に移動しての飼い直し等について実施、調整を行っており、今後とも県と更なる協力をいたしまして廃用牛の滞留の緩和を図ってまいる所存であります。
 なお、廃用牛の飼い直し経費でございますけれども、追加的経費といたしまして、東京電力が賠償すべき損害と考えられることから、これまでも東京電力に対し働きかけを行ってきたところでありますけれども、今後とも県の協議会と連携して、迅速な賠償の実現に努めてまいる所存であります。
#259
○横山信一君 これは当然、賠償対象になって当たり前だと思いますので、是非実現をしていただきたいと思います。
 三浦安全部長については、もうこの先質問ございませんので、退席していただいて結構でございます。
#260
○委員長(小川勝也君) 退席してください。
#261
○横山信一君 チーズのお話でございますが、チーズ向け生乳供給安定対策事業ということで、二十四年度から、これは需給調整機能対策ということで八十八億円が措置をされております。これは生産者団体が自ら製造した乳製品を適時に放出する取組、あるいは不需要期の乳製品需要を創出する取組と、そういったものを支援するということになっているわけですけれども、この生産者が不需要期に需要を創出するというのはどういうものなのかということと、それから、それは生産者の出資次第になりますねということにもなろうかとも思うんですが、一体どれくらいの需要創出を見込んでいるのか、伺います。
#262
○副大臣(岩本司君) チーズ向け生乳供給安定対策事業は、生乳の中長期的な需給安定の観点から、需要の伸びが期待できるチーズ向け生乳に対しまして助成金を交付する一方、不安定化しております短期的な需給状況に対応するため、二十四年度より生産者団体が自ら乳製品を製造する取組を支援する生産者需給調整機能強化対策をメニューとして追加することとしているところであります。
 また、この生産者需給調整機能強化対策でございますけれども、需給緩和時には、保存性の高いバター、脱脂粉乳を製造することで需要を創出して生乳の減産を回避し、需給逼迫時には需要者ニーズの高いバターを始めとする国産乳製品をより安定的に供給することにより国産生乳需要を輸入品等に奪われないように確保をいたします。確保する取組を生産者団体が行う場合にその製造経費の一部を支援するものであり、需給状況によっては生乳でこれ最大六万トン分の需要の創出が期待されるところであります。
 なお、現在、事業実施に当たっての具体的な要件等につきまして関係団体の意見も踏まえながら調整しているところであり、本事業が有効に活用されるよう努めてまいる所存であります。
 また、先生におかれましても、御指導を賜れればと思います。
#263
○横山信一君 午前中、徳永委員からも質問があった、酪肉近からこの所得補償導入についての、これがどうなっていくのかという質問がございましたけれども。
   〔委員長退席、理事郡司彰君着席〕
 この、酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針と、昨年七月。この中では、所得補償制度の導入、そして自給飼料基盤に立脚した酪農及び肉用牛生産への転換ということが述べられているわけであります。ところが、その後に出た基本方針・行動計画では、具体的なこの飼養規模の拡大目標は示されておりません。
 そういうことで、この基本方針・行動計画の実施に取り組む中で具体的な飼養規模等を含めた畜産酪農対策というのはどのように進めていくのかを伺います。
#264
○国務大臣(鹿野道彦君) 昨年の十月に策定いたしました食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画というものは農業全般の施策を政府全体として決めさせていただいたということであります。一方、この畜産あるいは酪農の部門の展望につきましては、いわゆる平成二十二年七月に策定されました酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針において、今後十年間どういうふうな地域別の飼養頭数やあるいは生乳の地域別の生産数量の目標、一戸当たりの飼養規模を含む近代的な経営の基本的な指標を定めたと、こういうふうなことでございまして、施策の目標となっているところでございます。
 そういう線に沿って、具体的に六次産業化の取組、あるいは資源の循環型の取組、あるいはまた消費者ニーズにこたえた農畜産物の生産、加工、流通等、畜産に対する国民の理解の確保というような、そういう方向に即しつつ今後の我が国の畜産、酪農というものの振興を図っていきたいと、こういうのが基本的な考え方でございます。
#265
○横山信一君 では、次、トド対策に移りますが、近年、北海道を中心に海獣類による漁業被害というのは深刻さを増しております。定置網あるいは刺し網などを食い破って、漁具被害それから漁獲量の減少で漁業者の生活を脅かしております。ところが、この海獣類というのは絶滅危惧種を含む保護動物が入っているということで、漁業被害を抑えるほどの駆除あるいは個体数管理が非常に難しい、そういう野生動物でもございます。従来、花火弾とか超音波などの忌避装置がいろいろ試されてはきたんですけれども、効果が持続しないと。最初だけ効果があって、慣れてしまうと、頭のいい動物ですから慣れるともう全然相手にしなくなってしまうというのが現状でございます。また、様々な漁具も開発をされてきているんですけれども、操作性等のいろいろ問題があって普及をしていないという現状もございます。
 そこで、国はこの漁業被害の実態をどのように把握をしているのかということなんですけれども、漁具被害あるいは海獣類の来遊が多くてやむなく休漁に至る場合もあるわけですが、そういった休漁した日数とか、そういった実態を明らかにする必要があるというふうに考えるわけであります。
 そして、この漁具被害というのはいわゆる掛かり増し経費として考えることもできますし、そして休漁日数というのは遺失損益というふうに考えることができるというふうに思うわけでありますけれども、いかがでしょうか。
#266
○副大臣(岩本司君) 私も国対の了解が得次第、現地に行く予定ではございますけれども、トドの漁業被害の実態把握につきましては、北海道、青森県におきまして漁具の破損や食害といった被害の調査を行うなど、トドによる被害は深刻な道県において実施していると承知をいたしております。今後ともこれら道県と連携をしまして、トドによる漁業被害や休漁の実態把握に努めてまいる所存であります。
 なお、漁業者にとりましてトドによる漁具被害は漁業経費の増加を、また休漁の実施は利益の損失を意味するものと考えておりますが、いずれにしても、生産金額の減少につきましては平成二十三年度から実施しております資源管理・漁業所得補償対策により補填されることになりますので、本対策への加入促進に努めてまいる所存であります。
#267
○横山信一君 漁業補償所得対策はまた後ほど質問いたしますけれども、この海獣類の被害というのは、個体数管理が非常に難しいということもございまして、今後その被害を抑制できるほどの駆除は恐らくは難しいだろうと。そうなると、今後は海獣類と漁業が共存するという道を探っていかなくてはいけないわけであります。従来は対策ということで何とかその漁業被害を抑える、あるいはその海獣被害を抑えるということを考えていたわけですが、そうではなくて、共存という、ちょっと見方を変えるときに来ているのではないかというふうに思うわけですが、その共存に向けた漁業活動ということを模索する場合に、やはり多面的機能というのをどのように評価するかということが私は必要だというふうに思っております。これは、直接補償につながってくることでもございますし、また海獣類がどのような多面的機能があるのかという、そういった部分の調査もしていかなければいけないというふうに思うわけですけれども、こうした調査についてのお考えを伺います。
   〔理事郡司彰君退席、委員長着席〕
#268
○副大臣(岩本司君) 平成十五年の農林水産大臣からの諮問を受けまして、平成十六年八月に日本学術会議から地球環境・人間生活にかかわる水産業及び漁村の多面的な機能の内容及び評価についてという答申がなされたところであります。
 この答申の中では、直接海獣類との共存に関連した多面的機能については言及されてはいませんけれども、海獣類のような海洋生物との関係で考えられる多面的機能としては、水産業が持つ生態系の保全機能が挙げられているところであります。また、答申の中では、漁業者の方々の活動や漁業の実施が、藻場やそういう保全につながり、これらが持つ高い環境浄化機能、生態系保全機能が発揮されていると評価をされているところであります。
 今後、海獣類と共存する漁業、生態系の保全機能等の多面的機能との関係について、有害生物漁業被害防止総合対策事業で実施されておりますトドの生態調査などの知見を活用しつつ、研究を行ってまいる所存であります。
#269
○横山信一君 是非、そこは定量的な形に結び付けられるようにお願いをしたいというふうに思います。私も、これから繰り返し問わせていただきたいというふうに思っております。
 浜からは、当然のことでありますけれども、漁業者はトドやアザラシはいてほしくないわけでありまして、駆除してほしいというのが本音なんですけれども、ゼニガタアザラシなんかはもうレッドデータブックに載っているような絶滅危惧種でございますので、非常に難しいと。そうであれば、浜ごとに様々な活動をするわけです、例えば追い払い事業とかですね。個人ではなくて浜単位で追い払いをやったり、あるいは、みんなでもう今日は出るのをやめようと自主休漁をしたりとか、あるいは浜でハンターを、実施町村に、なかなかハンター、難しいですね、揺れる船の上から狙うということで特殊な技能が必要なわけですけれども、そういうハンターの講習会とか育成などを行う、そうした浜で行っている様々な事業を国の責務で支援する必要があるんじゃないかというふうに思うわけですけれども、これについてはいかがでしょうか。
#270
○副大臣(岩本司君) 農林水産省といたしましては、有害生物漁業被害防止総合対策によりまして、トドについて北海道等と連携しまして駆除、追い払い手法の実証試験、出現調査等を実施しているところであります。
 また、平成二十三年度から実施しております資源管理・漁業所得補償対策では、トドによる被害を避けるための自主休漁などによる生産金額の減少も補填されることになるので、本対策への、先ほども申しましたけれども、加入促進に努めてまいる考えであります。
 なお、トドの駆除を行うハンターの育成に関しましては、北海道において講習料等の免許取得に掛かる経費の助成を行っていると承知をいたしております。
#271
○横山信一君 零細の刺し網業者というのは、漁業共済に加入したとしても刺し網は消耗品ですから補償はされません。そういう意味では、刺し網業者を救済する場がないんですね。そこで、先ほど申し上げたような掛かり増し経費あるいは遺失損益ということの補償ということを考えていただきたいと思っているわけなんですが、休漁補償共済の仕組みを利用してこうした海獣被害に遭っている刺し網業者を救済することはできないだろうかと、この点についてはどうでしょうか。
#272
○副大臣(岩本司君) 休漁補償共済は、漁船又は定置網の損傷により一定期間、これ連続して十日間以上でございますけれども、十日間以上操業が制限された場合において休漁による減収額を一定の割合で補償するものであり、各共済組合がそれぞれ独自に取り組む地域共済事業として運営されているところであります。刺し網漁具被害を理由とした休漁をその対象とした場合、刺し網漁具は消耗品的性格が強く事故が起きやすいことから、漁業者の方に高額な掛金負担を求めることとなり、北海道漁業共済組合からも刺し網漁業を対象にしてほしいとの要望はこれまで受けていないと聞いております。
 また、海獣類の被害を予見しての休漁は、海獣類の被害を受けている地域が限られること、モラルハザードを防止することが難しいことから、保険設計が困難であり、休漁補償共済の対象とすることは現在のところは難しいと考えているところであります。
#273
○横山信一君 浜からこれからどういう要望が上がってくるか分かりませんけれども、今はないということでありますので、ただ、刺し網の救済する場がないというのは事実でございまして、この刺し網業者をどうしていくかというのをやはり考えていただきたいことであります。
 先ほど来出ている資源管理・漁業所得補償対策の話なんですけれども、これは我が党の同僚議員が衆議院の予算委員会でも大臣に答弁を求めて、是非加入を拡大していただきたいという答弁があったわけでありますけれども、従来からこのトド被害等は救済はできるわけなんですが、じゃ、だからといって加入が、トド被害に遭っている人たちが加入しているかというと決して多くはないですね、一部の浜は皆さん入っているところもありますけれども。いろいろ、理由はいろいろあると思うんですが、一つにはやはりこの算定基準の問題があろうかと思うんです。
 従来、五中三という形で、五年間の平均のうちの最大値と最低値を除いた間の三年間の平均値で算定基準を作るわけですけれども、この五中三のやり方では、トド被害に遭っている、既に遭ってしまっている期間から入っているのでほとんど補償されないという現実があるということで、そういったことがあってここに皆さん加入をしてこない。そうであれば、この算定基準をもっと引き延ばすことを考えてはいかがと。例えば八中六とか、それぐらい長い期間に思い切ってすることで加入拡大もできるのではないかというふうに思うわけですけれども、いかがですか。
#274
○大臣政務官(森本哲生君) 委員の御指摘でございますが、五中三を動かすということは、結論的にはなかなか難しいということを申し上げざるを得ないということでございます。
 共済の赤字というようなことも踏まえながら、そして漁業にはいろいろなタイプがあるということもあるんですが、全ての漁業種類に係るこの料率設計の全面的な見直しなど、やっぱり膨大な検討が必要になることでもございますので、この辺りはまた議論を深めていくということも当然考えなければいけないと思うんですけれども、今の時点で五中三を動かすということは非常に難しいということだけ答弁させていただきます。
#275
○横山信一君 海獣類との今後は漁業共存ということを考えていくとすれば、やはりどこかで補償というか、補償という言葉を使っていいかどうか分かりませんけれども、その所得を補填するような仕組みをやはり工夫をしていかなくてはいけないと思うんですね。そういう意味では、今日は最初の議論をさせていただいたというふうに思っておりますので、今後議論を深めさせていただきたいというふうに思います。
 次期水産基本計画について質問させていただきます。
 先日、大臣の所信を伺いまして、私も大変に感動いたしました。とりわけ漁業と水産加工業、流通の一体的取組によって再生していくことが重要ですというこの表現は、非常に力強く感じたわけであります。
 震災があって、水産加工施設の業務再開、いまだに五〇%ぐらいにとどまっております。産地市場も今は六五%程度の再開しかしておりません。それは、背景には地盤沈下等のかさ上げ工事が進まないということがあるわけなんですけれども、こうした水産加工施設が復旧をしてこないということが言ってみれば漁業が再開をしてこれない大きな理由にもなっているわけでありまして、まさに大臣がおっしゃられた一体的な取組によってということが今まさに求められているわけでございます。
 今後、今回の震災を経験をして、水産加工を水産政策の中にどのように位置付けていくのか伺います。
#276
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生からもお触れいただきましたこの漁業と水産加工、流通業の一体的な取組というものによる再生は、この東日本大震災からの復興に際しまして極めて重要だと思っております。
 そういう意味で、現在検討中の新たな水産基本計画におきましては、復興の実現に向けた施策といたしまして、水産加工業、水産流通業との、漁業者団体との連携、協力による地域水産業の一体的再生等の推進というものを盛り込む予定でおります。そういう中で、水産加工による付加価値の向上と販路拡大等についても盛り込む見通しとさせていただいておるわけでありますけれども、今後、このような考え方で関係者と連携を取りながら取り組んでまいりたいと思っております。
#277
○横山信一君 是非お願いしたいと思います。
 あと、燃油高騰についてもお伺いしたいんですが、昨年七月、当委員会で漁業経営セーフティーネット構築事業を取り上げました。その際、大臣から、燃油価格の高止まりに対してどう対処するんだという質問に対して、高止まりした場合でも漁業経営の安定を図るためにどういう具体的な対応が必要なのかは、今後詰めていかなきゃならないことだと思っておりますという御答弁をいただきました。まさに今、高止まりの状況が続いて漁業経営を圧迫しているわけなんですが、どのような対策を講じたのか、伺います。
#278
○大臣政務官(森本哲生君) ここのところは、五中三は非常に難しいことを申し上げたんですが、この四月から、二十四年度第一・四半期に七中五平均値がこれは一一五%ということでございますが、ここのところを一〇〇%まで段階的に引き下げていきますので、委員御指摘のことについては御満足いただけるんじゃないかと思います。
#279
○横山信一君 七中五にしていただいたということですね。有り難いというふうに思っております。
#280
○大臣政務官(森本哲生君) 一一五から一〇〇%、ここのところも大きいと思いますが。
#281
○横山信一君 一一五%が一〇〇%ですね。はい、そこも含めて評価をしていきたいというふうに思っております。
 東日本大震災で多額な保険金、共済金の支払を生じております。残念ながら被災地沿岸では漁業の再開を断念する漁業者も出てきているわけなんですが、この漁業者数が減少しているという今の現状の中で、被災前に加入していた漁船保険、この漁船保険の掛け方によって最大一八〇%の、新たに漁船保険を掛けようと思ったら掛金が必要になるという人も出てきているという、そういう話も聞いております。
 この漁船保険の確実な運営について、どうするのか伺います。
#282
○大臣政務官(森本哲生君) 御指摘の、事故、損傷が大きければ多額な保険料になるということでございますが、ここのところ、この本年四月から保険成績の等級ですね、上昇が緩やかになるように見直す、これ一から十三等級から六等級をアップをいたしますので、ここにつきましても、質疑をいただいたことは対応できるというふうに思っています。
#283
○横山信一君 対応できるということで、漁業者に安心をさせていただけるということでございます。
 それから、これも一昨年からの引き続きの確認でございますけれども、資源管理・漁業所得対策が始まったときに、その参入条件として適正養殖可能数量の設定というのがございました。今もあるんですけれども。この中で、北海道、東北地域で盛んな海藻養殖、昆布、ワカメ、海藻養殖、これは本来、数量削減には適当ではない代物でございます。
 漁場改善計画の取組として、ここはどういうふうになったのか、お伺いいたします。
#284
○大臣政務官(森本哲生君) ここのところは、昆布、ワカメ養殖については、過剰な養殖により適度な栄養塩が確保されず品質が低下する問題がある一方で、海中林の造成による多様な生態系の保全や、ウニ、アワビ等の地先資源の増大に寄与しているということは承知をいたしております。
 このため、食害対策としては、一定規模の藻類の養殖施設を設置した場合に、適正養殖可能数量の削減は求めないこととしたことでありますので、漁業関係者の皆様にもよく説明しながら本制度の適切な運営を図りたいということでございます。
#285
○横山信一君 よろしくお願いいたします。
 沖合遠洋漁業についてでございますが、船の高船齢化というのが進んで更新が進んでいないという状況にございます。現行の基本計画の下でも、もうかる漁業によって漁船の更新対策というのが進められてきたはずなんですが、漁船を省エネ化、効率化して、そして国際競争力のある経営体を育成しようということで進められ五年間やってきたわけですけれども、今五年たってみて、漁船の高船齢化というのが一つ大きな問題になっているということでありまして、この五年間のこのもうかる漁業の総括というのはどういうふうになっているのか、そしてまた、今後、この高船齢化に対してどう対処していくのかを伺います。
#286
○大臣政務官(森本哲生君) このもうかる漁業の創設支援事業につきましては、これまで五十三件の改革計画が策定をされております。具体的な事例といたしましては、巻き網漁業において、運搬船などを減らして燃料費や修繕費等を削減し収益性を向上する取組が行われ、そして、今回の震災における巻き網の代船に全面的に反映するなど、成果がここは得られたところだと考えております。
 他方、現時点においても、燃料価格の高止まりや魚価の低迷等、漁業をめぐる環境は依然として厳しいということは十分承知をいたしております。
 厳しいこの経営環境の中で、生産体制、操業を継続できる経営体への転換は、これはもう重要なことだと考えておりますので、二十三年度四次補正についてもこの事業につきましては積み増しをさせていただいて、支援につきましても、資金回転方式よる支援期間を平成二十八年度まで延長をさせていただくということでございます。
#287
○横山信一君 分かりました。
 多面的機能についてもう一回お伺い、もう一回というか、次期水産基本計画の中における多面的機能の考え方について確認をしておきたいんですけれども、案の中では、水産業、漁村の持つ水産物の供給以外の多面的な機能が将来にわたって発揮されるよう関係府省等が連携してと、こうあるわけであります。この多面的機能の評価というのは、一部、直接支払に直結をするものでございまして、現在のところ、離島交付金とそれから藻場、干潟の保全整備があるわけでありますが、今後、この多面的機能の発揮に向けてどのような取組があるのか伺います。
#288
○大臣政務官(森本哲生君) 委員御指摘のこの多面的機能は、国境監視そしてまた海難救助、非常に私は大事な役割を担っていただいておるんだと思っております。そして、今御指摘のありました離島の関係、そうした支援ももちろん行っておるわけでございますが、今回の、今、水産基本計画のお話もありましたが、ここのところにおいても、水産業、漁村の多面的機能を明確に位置付けるとともに、各関係府省と連携して、ここは総合的に支援するといたしておりますので、その方向でしっかり進めさせていただきます。
#289
○横山信一君 具体的なものが出てくるように是非お願いしたいと思うんです。
 次、TPPについても、私、伺います。
 去る一月でありますが、山田元大臣らがアメリカを訪問して、USTRのNGOの団体と意見交換をしたということであります。
 まず、鹿野大臣は、こうした与党のTPP慎重派の方たちの考えを米国に伝えに行くという、こういう動きをどうとらえているのか伺います。
#290
○国務大臣(鹿野道彦君) 議員レベルにおきましていろいろと各国と、関係国と意見交換を行うということは意義のあることだと思っております。そのことが国民的議論に結び付けば更にTPPについての国民的な議論にも盛り上がってくるのではないかと、こんなふうに思っております。
#291
○横山信一君 順番としては、まず与党内をまとめることだというふうに私は思うわけでありますけれども、一方で国民的議論を喚起するという意味では意味のあることだというふうに私も思います。
 その際、このパブリック・シチズンの方によりますと、オバマ大統領は、日本はルール作りには参加できないと、できたルールを守れと言っている、それなのになぜ日本は来ると言うのかと、こういうふうに言われたというふうに今報道されているわけであります。パブリック・シチズン、これはもう言うまでもなくアメリカでは四十年以上も活動している有力なNGOでありますから、その発言には重みがあるわけであります。
 ルール作りには参加できないということになっているのに、日本は何のために事前交渉に行っているのかということになるわけであります。しかも、昨年のAPECのホノルル首脳会議では既に大筋合意ができているということであって、総理の言う交渉参加に向けての協議という、そういうことは意味が全く分からないと。言ってみれば、この事前交渉の目的は一体何なのか、大臣はどうとらえておられるのか伺います。
#292
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生からのこのNGO団体からの発言というものは、詳細私も承知しておりませんけれども、言わば具体的にまだ交渉参加の意思を表明していないというふうなことにおきましては、オブザーバー参加なり、あるいは協定上の条文案の共有が認められないということも、これも私どもも認識をいたしております。
 しかし、これだけ国民の間においても国論が二分しておるというような非常に重要な案件については、やはりどういう内容であるかと、このTPPに関してどういうことが求められているかというふうなことをきちっとできるだけ情報を把握して、そして、それを提示して国民の間においても議論してもらうということが非常に大事でありますから、そういう意味では、交渉参加に向けて協議に入るということは私は一つの考え方であるものと、こういうふうに思っております。
#293
○横山信一君 客観的に見て、今大臣がおっしゃったように、オブザーバー参加には情報は伝えられないと。それは個別に交渉してどれぐらい情報が出てくるか分かりませんけれども、しかし公式的にはそういうふうになっている、原則としてそうなっていると。そしてまた、交渉参加にも当然加わることはできない、ルールメーキングには加われないという、そういう中でTPPのルールができ上がる。既に日本は何度も事前交渉と称して行っていると。そうすると、でき上がったルールを日本に押し付けられると。日本はそれを嫌だと言っても、もうずっと通い続けているから、これはもう受け取らざるを得ないという、そういう状況ができ上がってくるということでありまして、言ってみれば、この事前協議のために行くというのは、TPPに参加しますという意思表示を国として示しているというふうにこれは見えるんじゃないかと私は思うわけなんですが、これはもうこの事前交渉を進めれば進めるほど日本はもうTPPからは抜けられなくなると。抜けられなくなるというよりも、TPPに参加したくてしようがないということを言っているみたいなものだという、そういうふうに見えるわけであります。非常に僕は重要な時期に差しかかっているんだと思うんですね。
 そういう意味では、大臣は、やはり誰もがTPPに対して鹿野大臣の発言を待っているわけでありますから、この事前交渉をやめるべきときに来ているんじゃないかと私は思うんですが、いかがですか。
#294
○国務大臣(鹿野道彦君) 事前交渉というよりは事前協議ということでありまして、もちろん交渉参加を決定したわけではございませんので、情報を得るというふうなところにも限界があるということは当然承知した上での総理の判断でもあったと、こう私は思っております。
 そういう中で、ある程度結論的な形が国論の中においてもまとまっているというようなことでありますならば、一つの考え方としてあるかもしれませんけれども、やっぱりメリット、デメリットというふうなものがそれぞれの間で議論されている中で、やっぱり限られたものであるけれどもできるだけ情報を把握して、どういうものを求めてこられるのかというようなことをやはり提示していくということで、国民の間においても議論して、そして判断していくということも私は大事なことじゃないかなと、こんなふうに考えているところでございます。
#295
○横山信一君 以上で終わります。
#296
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。
 ヨーロッパでは、牛とか豚のお肉屋さんのことはブーシュリーというんですけれども、それとは別にどの町にもシュバリーヌという馬肉屋があるんですね。料理が好きな方、私も食べる方は好きですけれども、御存じのとおり、タルタルステーキという料理がありますけれども、生肉を使った料理ですけど、あれは牛じゃなくて馬を使うのが本来の料理なんですね。それで、このシュバリーヌというのがどの町にもあるんですけれども、それぐらい肉が傷まないというか、人に影響する伝染病が少ない、低カロリーだということで、最近ではヘルシーだというふうなことを言って大変好評でございます。
 日本の国内の畜産農家の話を聞いても、口蹄疫がないとかあるいは濃厚飼料を与える期間が牛なんかと比べても極めて短くて済むということで、肥育に関しても有利な点があるという報告もあります。
 実際に国内でも、全国とは言いませんけども、各地で馬肉を食す習慣というのはあったわけですね。だけども、スーパーなどで家庭向けの販売というのは逆にほとんど見られないと思います。それは全部のスーパーを見たわけじゃありませんけれども。他方で、飲食店、特に夜お酒飲むような飲食店では全国どこへ行っても意外と馬肉、馬刺しというのはあるんですね。このギャップの話なんですけども、つまり、聞いてみると大半は輸入品のようなんですね。産地のお店以外のところで全国で出ているものというのは輸入品が多いと、これも完全に調べたわけじゃありませんけども、そういう話を聞いています。
 そういう意味で、私は、全国に点在している生産拠点では、力の入れようによっては地域の特産に成長させることが十分に可能なんじゃないかと思っています。その意味で、農水省として、国産馬肉の生産、消費の拡大にちょっとは取り組むべきじゃないかなと、力を入れたらいいんじゃないかと思うんですが、御認識をお伺いしたいと思います。
#297
○大臣政務官(森本哲生君) 馬は私は走るものかなと思っておったんですけれども、こうした地域の特産としてこれ実際に山梨の方でもこうした生産、販売されているということでございますし、今の委員の御指摘のように、少し勉強させていただきますと、やっぱり低脂肪、低カロリーというような食べ物でございますので、私自身もこれから積極的に食べさせていただきたいなとは思っております。
 あと、こうした消費拡大は、六次化産業とも併せて是非この事業を御利用いただいたら有り難いというふうに思っておりますので、また、これは大臣の命でまたそうした振興も図っていただいたら我々はいかようにも頑張っていきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
#298
○小野次郎君 森本政務官、前向きにお答えいただいたんですが、なお満足できないのは、実際には全国のお店にあるんですよ。だけど、政務官もいみじくもおっしゃったとおり、走るものだと思っていましたという方もおられるんで、実際には、長野とか山梨とか九州のところだとかそういうところでは地のものがちゃんとありますけれども、ほかのものは、これ、どこなんだと聞くと、小さい声で輸入品だと思いますみたいに店員も自信なさげに言うんですけども、そういう消費の実態、売られている実態があるんであれば、もうちょっとちゃんとブランドというか、ラベルをしっかりとして積極的に売り出せば、まさに六次産業化として一つの目玉になると思うし、そのことは輸入で食べているんだったら何で国産のを食べないんだというのは誰でも思うことなので、もう一度、もうちょっと力を入れるという話をしていただければ有り難いなと思うんですが。
#299
○大臣政務官(森本哲生君) 私も、いただいておるのが輸入なんて思っておりませんで、その辺りだけでも認識不足はおわびを申し上げます。いただく際にはしっかり国産振興を目指すような、そうした行動も私自身取ってまいりますので、是非委員も頑張っていただきたいと存じます。私どももしっかり支援をしてまいります。よろしくお願いします。
#300
○小野次郎君 今日は問題提起ということでとどめさせていただきますけれども、是非、まずその実態を御検討いただいて、すごくこれ地域によって認識に差があるんですよ。そんなもの食べるんですかと、こんなこと言っちゃいけませんけれども、おっしゃるところもあるかと思うと結構昔から食べているところもあって、一つの理由が、さっきもヨーロッパの話もしましたけれども、国内でも、冷蔵庫や冷凍庫の機能がないころから、これは結構傷まないものなんだというふうに思われているということがあって、最近になって低カロリーでヘルシーだという評価も加わりましたけれども、是非検討の余地があると思いますので、御検討をいただければと思います。
 次の問いに移りますが、鹿とかイノシシ、これは後で出てきますけれども、鳥獣被害、有害鳥獣という言葉は余り使わないみたいで、鳥獣被害の対象でもあるわけですけれども、その意味でも、その消費という問題を考える必要があるだろうと私は思っています。鹿、イノシシ、あるいは野鳥などの、いわゆるジビエと最近レストランで言われていますけれども、この人気が我が国でも定着してきました。ジビエというと、本来は秋の、ヨーロッパでも狩猟の期間にお店の目玉料理で出てくるものですけれども、しかし同時に、ヨーロッパでは一年通じて一般家庭のようにスーパーでも買うことができるんですね。
 これらのジビエ食材の全国への普及、供給量の確保のためには、品質と安全衛生面の信頼を得るということが大事だと思うんです。物が物ですから、どこで誰が捕ったものかというのがちゃんときちっと証明してもらわないと、特にスーパー的な不特定多数の方が買うようにするためには安心感が得られないと思いますので、さっき有害鳥獣、鳥獣被害の対象でもあるものも含まれていますから、農水省としてこの品質管理と流通システムの整備というのをきちんとすれば、それは一挙両得というか、二つの目的にとって有効だと考えますけれども、この品質管理、流通システムの整備について農水省としてどのように取り組むお考えか、御説明いただきたいと思います。
#301
○副大臣(岩本司君) 小野先生にお答えをいたします。
 捕獲しました鳥獣の多くは、通常捕獲現場での埋設や焼却によって処理をされておりますけれども、こうした処理にかかわる経費や労力が鳥獣被害対策を進める上での負担となっている地域も多いことや、地域の資源として有効活用しようという地域も増えていること等の中で、農林水産省といたしましても、捕獲した鳥獣の食肉としての利活用を推進すべく補助事業のメニューに入れて支援をしているところであります。
 具体的には、捕獲鳥獣の処理加工施設の整備、捕獲されました鳥獣を用いた商品の開発、販売、流通経路の確立など取組を支援をいたしております。また、農林水産省では、捕獲鳥獣の食肉利用のためのマニュアルの策定、公表や技術研修を実施いたしまして、品質、安全衛生面での信頼確保に向けた取組を進めているところであります。
#302
○小野次郎君 その取組については、成果が上がるように私としても期待していますし、自分が伝えることができる人にはそういう料理の話と、それからそれが有効な効果があるんですよということもお伝えしていきたいと思っています。
 次の質問に移りますけれども、今日、実は後で鳥獣被害防止の特別措置法の議題がありますけれども、ちょっと後先になりますが、前々から私としては質問したいと思っていたことですのでお伺いしますけれども、狩猟人口のやはり高齢化と減少、低減の傾向というのは止まらないと思うんですね。全国的に鳥獣被害が深刻な現状では、捕獲に従事する人の育成と技能の向上というのが大きな課題だと思うんですね。これまでのようにスポーツとしての狩猟の問題ではなくて、社会の一つの果たさなきゃいけない業務というんですかね、社会的な事業として捕獲従事者の育成と技能向上というのが求められていると思うんです。
 ところが、社会的に必要な要員の育成及び技能向上を計画的に行う仕組みというのが一般的に社会に存在していないというギャップがあると私は思っています。それは、関係省庁が、取りあえず三つと思っていますけれども、いわゆる銃砲に関する行政を所管している警察庁と、それから動物環境というんですかね、自然環境、動物保護あるいは狩猟ということを所管している環境省と、そしてまた、肝心の目的になっています鳥獣被害対策を担当しておられる農水省がばらばらのままでは、この問題を解決の方向に向けていくことが難しいんじゃないかなと私は思っています。
 この鳥獣捕獲要員の育成、技能向上を図るために、是非関係省庁の今までの垣根というのを越えて共同で所管していただいてもいいと思うんですが、力を合わせて、私はハンター安全教育訓練機関みたいなものを整備するべきじゃないかと、その検討を少なくとも開始すべきだというふうに思っています。
 これについて、関係の警察庁と環境省からまずお伺いして、その後、農水大臣にも御質問させていただきたいと思います。
#303
○政府参考人(田中法昌君) お答えをいたします。
 警察では銃砲刀剣類等取締法というのを所管しております。この法律は、銃砲等による危害の防止という目的を一条に掲げておりまして、したがいまして、警察では猟銃の所持許可を受けた方々、受ける方々、両方ですが、に対しまして、猟銃による危害を防止するため、所持の目的を問わず一律に各種講習を受講していただいているところでございます。
 そこで、仮に今、ただいま議員が御提案されたような施策を検討するということになりますと、警察としては、猟銃による危害の防止という観点から、対象者の範囲、教育訓練の内容等について、環境省、農水省との間で十分協議をいたしまして調整を図る、このような必要があると考えております。
#304
○政府参考人(渡邉綱男君) 狩猟者の数につきましては年々減少の傾向にあります。昭和五十年には約五十二万人であったものが、平成二十一年には約十八万人となりまして、約三十年で六割ほど減少しております。また、狩猟者に占める六十歳以上の割合は六割を超えておりまして、高齢化が進んでいる状況にございます。こうした背景を受けて、捕獲の担い手の育成、そして技術向上といったことについて大変重要な課題だというふうに認識をしております。
 そうしたことから、平成二十四年度の予算案におきまして、新たに五億円を計上しております鳥獣保護管理強化総合対策事業のメニューの一つといたしまして、人材の育成というのを掲げております。一つに狩猟免許取得促進のためのセミナーの開催、第二に捕獲のノウハウを普及する講習会の開催、第三に捕獲の専門家によるサポート体制の整備、こういった取組を強力に推し進めていきたいというふうに考えております。
 今後、関係省庁との間の連携をより強めて、狩猟や捕獲の人材の育成の在り方について検討し、効果的な取組について積極的に進めていきたいというふうに考えております。
#305
○小野次郎君 大臣、例えば自動車教習所って公安委員会所管ですけれども、実際には、法規も習いますけれども、まず車の動かし方を習うわけですよね。ですから、銃砲の許可はもちろん前提ですけれども、実際に狩猟の仕方とか、その後の倒した鳥獣の処理の仕方とか、一体で教えるところがないと要員の育成と技能の向上というのはできないと思いますので、こういう問題というのは難しいということは私も役所にいましたから分かりますけれども、是非大臣からお声だけでも掛けていただいて、よく三省庁で相談しろと、何か共同のプログラムというかプロジェクトができないかということを御検討いただきたいと思うんですが、大臣の御認識を伺います。
#306
○国務大臣(鹿野道彦君) 小野先生おっしゃるとおりに、鳥獣被害は本当に深刻でございます。
 じゃ、どうやってその捕獲の体制をこれからつくり上げていくかという、その捕獲の担い手の一つとして猟友会がございますけれども、私のところの猟友会も実は会員数が減ってきて、高齢化ということで、なかなか具体的なことでお願いをしても、今までと同じような形にいっていないということも現実だと思っております。
 そういう中で、農林水産省としてもいろいろと鳥獣被害防止対策について取り組んできましたけれども、小野先生おっしゃるとおりに、これからのことを考えたときに、担い手の育成なりあるいは技能向上というふうなものを環境省とそれから警察庁と一緒に取り組んでいくということが非常に大事なことだと思っておりますので、私からも事務方に指示をしたいと思っております。
#307
○小野次郎君 ありがとうございます。
 最後の質問に移りますが、鳥獣被害の広がる地域では、私の活動の本拠地にしています山梨県なんかも、特に山がちの、山村地域というんですか、そこに入っていくと、鳥獣被害対策ということでどんどんどんどん電柵を整備しているんですね。
 二、三年たって行ってみたら、何か集落の方がどんどん、言葉は悪いですけれども、フェンスの中に囲まれてしまっているみたいな、そんなところが多くなっていて、私が、何か年配の方が手を振るから気が付かないで近づこうと思ったら、駄目だって、寄るなって、それ電気流れているぞというような、前はなかったじゃないか、こんなところというようなところまでどんどんできていますが、その集落や田畑をフェンスで囲んで被害防止を図るという今の方法をずっと続けていくと、何か多くの地域で高齢者とか独り暮らしの住民の方が何か一見すると、おりの中に入っちゃっているみたいな、そんな情景が増えてきているような気がするんですね。ますます増えてしまうんじゃないかと私は危惧しています。
 それで、我が国では、昔から栃木県の日光とか、それから奈良公園とか、この近くだったら不忍池とか、ああいうお寺とか神社、神社仏閣の周辺では殺生を禁止するということで、それで逆にその動物の環境が保護されているというような歴史もあるんですね、日本では。ですから、人と鳥獣の共存がそういう、宗教的な意味をここで今日言うわけじゃありませんけれども、結果として共存が図られてきたという歴史もあるわけですね、日本では。
 これまでの鳥獣捕獲というのは、先ほども副大臣がおっしゃったと思いますけれども、結局、銃砲を使う使わないにかかわらず、捕った後は殺生に直結して殺しちゃっているわけですね、多くの場合。
 そこで、私は、この周囲を、崖とか川とか自然の環境、あるいは足りないところは柵などを使って、狭い地域じゃないですよ、山一つとか沢全体を区切った一帯をあらかじめ鳥獣自然保護地域というような形で定めて、その周辺の地域で捕獲、網で捕獲したとか、わなで捕獲した鳥獣を殺さずに自然に帰す仕組みというのを各地につくらなければ、余り遠くちゃ意味がありませんから、域内に、各地に整備するという方策も考えたらいいんじゃないかと思うんですが、これに対する御認識を、これはどうも環境省の所管らしいんで、環境省にお伺いします。
#308
○政府参考人(渡邉綱男君) 鳥獣によります被害対策につきましては、生息環境の管理、そして被害の防除対策、そして捕獲による個体数の管理、この三つの取組を総合的に実施していくことが大変重要だというふうに考えております。また、議員御指摘のとおり、捕獲した鳥獣を積極的に有効活用していくということがやはり重要な課題というふうに考えております。
 一方で、現在非常に大きな被害を与えております鹿やイノシシなどの大型の獣類につきましては、繁殖力が非常に大きく、議員御提案の鳥獣生息地域を設定した場合に、捕獲した個体やその繁殖個体が十分に生息できる広さをその地域の合意を得て将来にわたって確保して管理をしていくということについて課題も多いのではないかなというふうに考えているところです。
 そうしたこともあり、まずは捕獲によって個体数を減らしていく、そしてその捕獲した個体の有効活用を積極的に図っていく、こういった部分について、農林水産省を始め関係省庁と連携協力してしっかり取り組んでいきたいというふうに考えております。
#309
○小野次郎君 この問題については、僕は、渡邉局長ですか、環境省の姿勢がどうもこう今のお話聞いてもはっきりしないんですよね。囲ったところに動物を放すことが動物愛護に反するんだということを言う系統の方もおられるし、今のお話は、どっちかといえば、過密になってそれがまたその地域の、それ以外の、例えば餌がなくなるとか、そういうことが問題だと言っているのか、どっちなんですか。
#310
○政府参考人(渡邉綱男君) 実際、かなり広い範囲について囲って、その中で鹿なりイノシシは繁殖もしていきます。数も増えていきます。そうしたときに、その囲われた中での森林の状況が荒れてしまうことをどう管理していくか、そういった点についても課題が出てくるのではないかなというふうに考えております。
#311
○小野次郎君 くどいようですけれども、つまり、その母体というか母数というのか、全体が千なら千ある中で人間が捕獲しているものが何百ってあるんだったら、それはそういうことになりますよ。でも、山全体に千いるところに捕獲しているのが十とか二十だったら、それを山に帰したって千十とか千二十になるだけですからね。どっちだとお考えなんですか。
#312
○政府参考人(渡邉綱男君) まず、私たちとして非常に重要なことは、今の鹿やイノシシの数を減らしていくことをしないと、この今動物と人の人間活動のバランスが壊れかけているところが課題が解決できない、まずは数を減らしていくことが重要だというふうに考えています。
 そのときに、捕獲した鹿やイノシシの一部を先生御提案のような広い範囲の地域に放獣をしていくという取組をしたときに、その広い範囲の中で放獣した鹿やイノシシは繁殖をしていきますので、その中で増えてしまっていったときに囲った地域の中の森林などの環境を荒れない形で保つことができるかどうか、そういった点が課題になるのではないかなというふうに考えております。
#313
○小野次郎君 一律に全国一斉にやれという考えではないんですけれども、是非、この戦いというか、人間と動物の緊張関係というのはこれずっと続くと思いますので、是非捕獲したものを殺さないで済む方法というのを、生殖というか、増えるのを、繁殖を減らすという政策も同時にあるのかもしれませんけれども、御検討いただければ有り難いなと思います。
 副大臣、お願いします。
#314
○副大臣(岩本司君) 時間がありますので。
 先ほども答弁を申し上げましたけれども、もう少し農水省の取組を詳しく申し上げますと、先生がおっしゃるとおりに、年間、鹿とイノシシ合わせて約五十八万頭を殺処分をしております。殺すんであれば、私も、動物大好きでございまして、一頭たりとも殺したくないという思いなんですけれども、しかし現場の農家の皆様の切実な悲鳴は、やっぱりこれは、せっかく作った農作物を、何か月も掛けて作ったらもう、食べようと思ったら食べられて、またもうやる気もなくなるような、新規就農をどんどんどんどん募集していっても、この世界に入ったら、作ってみたらもう鳥獣に被害されて生活できないという事態に、もうこれ深刻な状態になっていきますので、何とかしたいという思いで取り組んでおります。
 ですから、殺処分したらなるべく食べると。全国の小中学校でも地域でそういう、さっきジビエ料理のお話されましたけれども、そういう給食で出されている学校もあるようでございます。たしか私も取り寄せて食べたりしているんですけれども、確かに缶詰とかはにおいがないんですけれども、いろんな方に聞きますと、現場の……
#315
○小野次郎君 においもするんですよね。
#316
○副大臣(岩本司君) においもあります。ただ、ミンチとか、スパゲッティの例えばミートソースとかキーマカレーとか、そういうふうにミンチに細かくすれば子供たちも好んで食べていただけるんじゃないかなというふうにも思っております。
 それと、なるべく共存という意味では、愛護団体もかなりこの取組には関心を持っておりまして、今現在、年間に六万数千頭の捨て犬が殺処分されているんですね。それも、その犬の命も救えないかと、同時に、一石二鳥、三鳥のことができないかと私、今中心になって取り組んでおるわけでありますけれども。例えば、捨てられる犬をつなぐか、あるいは今ネットで張って、さっき電気のネットの話をされましたけれども、それよりも例えばいろんな取組をやっていまして、囲ってそこに犬を何頭か入れたらどうだろうかとか、あるいはロープをもう長くして、そのロープと犬の首輪をくくって、鳥獣、夜中とかによく来ますから、そういうふうに、要は、普通犬小屋で飼うそのロープをもう少し長くして囲ってやったらどうかと、二重三重にしたらどうかとか、そういう取組も進めております。
 ただ、これは、ドイツは犬の殺処分がもうゼロなんですね。やっぱりドイツのように日本も捨て犬の殺処分、もう子犬は使えないじゃないかという意見もあるんですけど、子犬ほどよくほえるともいいますし、やっぱりそういう犬も何か活用できないかと。
 それと、あとは餌代なんですよね。犬をそういうふうに使うとなるとやっぱり餌代が発生しますので、そうすると、じゃ餌をどうするかと。ドッグフード協会とかにはまだ私は働きかけはしておりませんけれども、期限切れのそういうものを使ったり、あるいは総菜屋さんですとかあるいは弁当屋さんでも消費期限とかいうのが切れて捨てているのがありますよね。そういうのを使えないかとか。じゃ、犬に使えないんだったら、例えば、今、鹿とイノシシの話をされていますけど、熊を群馬でじゃドラム缶に入れて捕まえた場合に、そういう現地からの要望もありますので、それをどこか熊を飼ったときの餌にできないかとか、何かありとあらゆる工夫も考えながら環境省ともしっかりスクラムを組んで、農水省がもう先頭になって取り組んでまいりますことを申し上げて答弁に代えます。
#317
○小野次郎君 大変丁寧にお答えいただいて、ありがとうございます。是非、農水省からリーダーシップというかイニシアを発揮していただいてこの問題に取り組んでいただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#318
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 畜産物価格の問題についてまずお聞きします。
 私ども日本共産党として三月の二日に大臣のところにこの畜産物価格問題について申入れをいたしました。それで、この中で、日本の畜産、酪農経営の現状が、飼料価格や灯油、軽油価格の高止まり、そして獣医、医薬品費等の上昇の一方で、初生牛そして子牛の価格の下落に直面するなど極めて厳しいものになっていると。北海道や東北などでの大雪による牛舎やあるいは堆肥舎の倒壊の続出ということで深刻な被害が広がっていること、そして民主党政権によるTPP参加に向けた事前協議の開始がこの畜産、酪農の長期的な展望を奪って相次ぐ離農を招く事態となっていることについて指摘をいたしました。これに対して大臣は、実情をよく把握して対処したいということで見解が述べられたわけですけれども、大臣としてどのように実情を把握されたでしょうか。
#319
○国務大臣(鹿野道彦君) 三月二日に紙先生始め共産党の議員の皆様方から御要請、御要望をいただきました。
 そういう中で、近年の飼料価格の高騰というふうなもの、あるいは原油価格の上昇等による生産コストが大変増加をしていると。そしてまた、景気の低迷によって、もう一つは昨年の東日本大震災によっての原発事故に伴う出荷制限等、あるいは風評被害におけるところのいろんな影響というようなことで枝肉価格の低下、そういう大変厳しい状況に直面しているという認識を持たさせていただいたということでございます。
#320
○紙智子君 畜産、酪農経営について見ますと、経営に直接影響を与える燃料の価格は、円高にもかかわらず、ガソリン価格でいうと、二〇一一年、去年の一月で百三十六・七円、それが今年三月で百五十・九円、かなり上がっているわけです。それから、軽油も同様に、百十七・三円だったんですけれども、百三十一・二円と。それから、灯油価格も八十三・二円から九十五・四円です。配合飼料の価格も高止まりということで、とても経営が維持できないというのが酪農家の皆さんの共通した声だったわけです。
 道北の方の酪農家の方で、乳牛で百二十頭、経産牛七十頭を飼っているんですけれども、この方の場合、配合飼料でいうと一日七百から八百キロ食べさせるわけですね。これ自体が年間の収益との比較でいうと四割を占めるんですよ、配合飼料の代金だけで。それで、一トン当たりの平均でも、もう前期と比較すると一〇ポイント上がっているということですからね。だから、もう本当に大変だから、是非とも加工原料乳の生産者補給金は大幅に上げてほしいと、そして限度数量は下げないでほしいということが強く要求されていて、先ほども議論になりましたけれども、是非そこを上げてほしいということで、特に何銭、何銭という単位じゃなくて、円という単位で上げてほしいと、これが率直な声なんですね。
 ただ、先ほど回ってきたペーパーを見ますと、既に加工原料乳の生産者補給金でいうと十二円二十銭ですか、というようなことで回っているわけですけれども。少し上がったということは、これはもちろんよかったんですけれども、ただ、満足かといえば、そういう状況ですからね、やっぱりまだまだ不測の事態であって、是非そこは大臣にお願いしたいんですけれども、何らかの形で是非工夫していただいて、上乗せできるようなことを考えていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#321
○国務大臣(鹿野道彦君) 私といたしましては、今申し上げましたとおりに、相当この飼料の状況あるいは原油の状況というふうなもの、そしてその他のいろんな風評被害等々、あるいは東日本の大震災の影響等々、そういうこの非常に厳しい状況を鑑みて、相当思い切った形で今日諮問をさせていただいたと、こういうふうに思っております。
 そういうようなことも踏まえて、とにかく畜産農家の人たちが、基本的に将来に向かって展望を持っていただくような、そういう今後畜産経営を行ってもらえるようにこれからも取り組んでいきたいと、こう思っております。
#322
○紙智子君 是非、途切れることなく、どういう形でやっぱり元気付けられるかということで工夫を考えていただきたいと思います。
 それから、大雪の被害の話は先ほどもありました。北海道を始め全国各地で深刻な被害なわけですけれども、被害金額で、北海道でいいますと全体で十九億三千四百万円ということです。畜産関係の施設についても、畜舎や堆肥施設などが百七十一施設がこれは倒壊するなどしているわけですよね。かつてない悲劇を被っています。これを機会にもうやめるかというふうに思っている酪農家もいます。
 それで、堆肥施設でいいますと、これやろう、続けていこうと思ったら、これ絶対なきゃいけない施設なわけですよね。ところが、壊れた状態のままにいると、法的に言うとこれちゃんとしないと罰則対象になってしまうということもあって、造り直さなきゃいけないということになると、いや、そのためにはお金が要るんだけれどもお金がないということになると、もうこれを機にやめるかという話にもつながってしまうんですね。ですから、この問題でいいますと、やっぱり今でさえも経営が厳しいわけですから、ここに対しての国としての支援措置というのはどうしても必要だと思います。
 是非、例えば堆肥の問題でいうと、直ちにその罰則の対象にならないということでちゃんと安心させてあげるだとか、それから、先ほど長期の低利融資という話があったんですけれども、やっぱり無利子の融資にしていただけないかなと。ちょっとこの辺のところももっと踏み込んで考えていただけないかと思いますけれども、いかがですか。
#323
○大臣政務官(森本哲生君) 畜舎等の損壊、九道府県で二百五十五、それで御地で百七十一、承っております。
 基本的にやっぱり任意加入の保険ということが救済になっておりますが、経営の継続観点から、今申されました農林漁業のセーフティネット、ここの長期、短期、長期の低利融資ということが準備をされておるわけでございますが、無利子ということにつきましてはなかなか今の状況では難しいような状況でもございます。
 我々といたしましては、現状をしっかり把握しながら、今後しっかり各団体、皆様とも十分情報交換をさせていただきながら現状復旧に努力をさせていただきたい、そのように考えております。
#324
○紙智子君 堆肥の施設。
#325
○大臣政務官(森本哲生君) 堆肥の施設についても、今の私どもの方ではこの対応ができませんので、道の方でこれ指導をされていくと思いますので、その道との連携は十分図らせていただきますので、よろしくお願い申し上げます。
#326
○紙智子君 とにかく、やっぱり壊れてしまったら罰則になってしまうと困ると、それはちゃんと。
#327
○大臣政務官(森本哲生君) ごめんなさい。
 罰則につきましては、ここのところはしっかり配慮しますので、よろしくお願い申し上げます。
#328
○紙智子君 是非徹底していただきたいと思います。
#329
○大臣政務官(森本哲生君) はい、分かりました。
#330
○紙智子君 それから、酪農家が心配しているのは、酪農ヘルパー事業の円滑化事業が、これ二〇一三年度で終了してしまうということなんですね。まだ間があるだろうというんですけれども、酪農家の皆さんにしてみたら、やっぱり非常に不安なわけです。
 それで、社会生活を営む上でヘルパーを必要としているわけですから、事業継続を是非続けていただきたいということを強く望んでおりまして、是非、大臣からこの事業継続の決断ということでお願いをしたいと思いますが、いかがでしょう。
#331
○副大臣(岩本司君) 酪農ヘルパーは、朝晩の搾乳等が欠かせない酪農家の休日の確保や傷病時の経営の継続といった点から酪農の生産基盤を維持していくために重要と認識をいたしております。
 酪農ヘルパー事業円滑化対策事業は、こうした認識に立ちまして、当初、平成二年度から五年度にかけて国と県等が一対一で運用型基金を造成し、その果実により各県における利用組合の立ち上げ等を支援してきたところであります。
 その後、経済情勢の変化等を踏まえまして、平成十六年度から、十年後の平成二十五年度を事業終期とした上で基金の取り崩しを認め、事業終了後の平成二十六年度以降に利用組合の自立的運営が可能となるように十年間を掛けて計画的に準備を進めていただいているところであります。
 こうした中で、乳量に応じて積立金を徴収する等利用組合の自立的運営の準備を進めている県、団体も現れてきており、もう既に例えば栃木県ですとかも現れてきており、国としては平成二十六年度までに各地域で自立的な取組体制が整備されることを期待をしているところであります。
#332
○紙智子君 自立的なという言葉があるんですけれども、実態は、本当に大変な中で結局基金を出し合ってやりなさいという話ですよね、自分たちで。だから、今取り崩してだんだんなくなっていったら後は、この後はもう自分たちで自立的にやりなさいという話だと思うんですけれども、そういうことでは、やっぱり実態はそうなっていないわけですよ。そこはちょっとよく考えていただいて、各県だとか道だとか含めて相談しながら、ちゃんと埋め合わせできるようなことを考えないといけないと思うんです。
 もちろん、自分が病気になったりとかというときの事業費は引き続き出るということなんだけれども、やっぱり家族でたまには休みを取ってやるとか何か社会的行事に出るとか、そういう際にお願いするヘルパーさんというのがやっぱり頼めないということになっちゃうと、社会活動そのものを疎遠にならざるを得ないということにもなりますから、やっぱりそういう意味ではきちっと考えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それから、酪農家が最も心配して、なおかつ将来展望が持てないとして離農にまでつながっていっている問題がTPP参加の問題ですよ。大臣は離農まで引き起こしているTPPをめぐっている問題については、この事態をどのように受け止めておられますか。
#333
○国務大臣(鹿野道彦君) どういうふうに受け止めているかというふうなことにつきましては、まさしく野田総理の昨年十一月の交渉参加に向けて協議を始めるというようなこと、それに沿って今各関係国から情報を把握すべく協議を行っていると、こういう認識でございます。
#334
○紙智子君 これは私は本当に責任が重いと思うんですね。そういう国としての取っている政策によってやっぱり展望を失わせているということの責任というのは本当に重いと思うんですよ。
 そして、三月八日の日本農業新聞で、これは外務省幹部が民主党経済連携プロジェクトチームの会合で、交渉に参加する時点では国益にかなうかどうか判断できない、交渉妥結後に国会で承認を得るかどうか判断してもらうという見解を明らかにしたというふうになっていますよ。私はこの外務省幹部が誰なのか知っていますけれども、とんでもない発言だなともう怒りを感じているわけです。これは、野田総理自身が事前協議参加表明のときに、関係各国との協議を開始しと、各国が我が国に求めるものについて更なる情報収集に努め、十分な国民的な議論を経た上で、あくまで国益の視点に立ってTPPについての結論を得ていくと、こういった方針さえもこれほごにするものですよ、この発言は。
 こういうなし崩し的なやり方でTPPに参加していこうということについては、これ農家が不安に思うのは当然だというふうに思うんですよ。大臣として、これTPPの参加撤回ということをやっぱり明確に今の時点で示すべきではないんでしょうか。
#335
○国務大臣(鹿野道彦君) 三月八日の農業新聞ですか、今先生から言及された外務省幹部が云々の話でありますけれども、私は外務省幹部がどういうことを発言したか、それは承知いたしておりません。正式に関係閣僚会合におきまして、等々でいわゆる外務大臣等々がこういうふうなことであったというふうなことならば、私も当然、閣僚の一員としていろいろと議論をするところでございますけれども、この新聞報道については私は何ら承知をいたしておりません。
#336
○紙智子君 承知していないということなんですけれども、民主党の中のPTの中でこういうことが議論されているわけですから、私はやっぱりこれ絶対許せないことだと思っております。ですから、この後の質問に移りますけれども、これはもう本当にはっきりさせていきたいというように思っております。
 次に、大臣所信に対する質問ですけれども、去年十月に農水省が取りまとめた我が国の食と農林漁業の再生のための基本計画、行動計画、その中の戦略にかかわってお聞きします。大臣が所信でも触れていますけれども、持続可能な力強い農業の実現ということで、土地利用型の農業については、平地で二十から三十ヘクタール、中山間地で十から二十ヘクタール規模の経営体が大宗を占める構造を目指すとしていることについてです。
 現在、水田で稲作をしている農家は百七十五万五千戸あります、これ〇五年の数値ですけれども。その面積でいうと二百万二千ヘクタールと。稲作農家の平均経営面積を三十ヘクタールにこの計画に沿ってするとしたら必要な農家戸数はどうなるかというと、水田面積を三十ヘクタールで単純計算しますと六万七千七百三十三戸です。だから、この六万七千七百三十三戸のところで三十ヘクタールの規模で稲作を作ればやれるんだということになりますと、差引きして残り百六十六万八千三百六十七戸、九六%になるんですけれども、これだけの農家というのは要らないことになってしまうわけですよ。つまり、九割以上の稲作農家が切り捨てられるということになるわけです。この方針では、農村の集落そのものが荒廃すると、それは避けられないんじゃないかということで、実は去年も私質問しました。そのときは森本政務官が答えられたんですけれども、今日は大臣に改めて、言ってみればいまだかつてやったことのない政策だと思うんですよ。これ、本当におやりになるつもりなんでしょうか。
#337
○副大臣(岩本司君) 我が国の食と農林漁業の再生のための基本……
#338
○紙智子君 大臣。
#339
○副大臣(岩本司君) 先にちょっとお願いします、基本方針・行動計画では、平地で二十から三十ヘクタール、中山間地域で十から二十ヘクタール規模の経営体が耕地面積の大宗をカバーする構造を目指すとしていますけれども、これは全国トータルの農業構造としての目標を掲げたものであります。
 したがいまして、個々の経営体が平地で二十から三十ヘクタールの規模にならなければならないというわけではないわけであります。〇・五ヘクタールでも有り難いわけですから、農業やって、一ヘクタールでも助かるわけですから、これはもう、そういうちょっと誤解があるようなものですから申し上げておきます。
 各集落、各地域において具体的にどのような経営を目指すかは、徹底した話合いの中で農業経営を安定的に継続できるようにしていくという観点からよく議論をしていただきたいと考えているところであります。したがいまして、一定規模を示してそれ以下を政策の対象から外すということは、これは全く、全く考えておりません。
 なお、一般論でありますけれども、土地利用型農業を行う小規模な農業者が多数存在し、地域の中心となる個別経営体がいない地域等においては、集落営農を組織化してその法人化を進めていくことも一つの方策と考えているところであります。そのために、各地域の実態も見極めながら丁寧に指導していく考えであります。
#340
○紙智子君 丁寧に話し合ってということで言われるわけなんですけど、ただ、大方針としてこういう方向で行きますよということになると、いずれやっぱり収れんされていってしまうということを避けられないんじゃないかと思うんですよ。
 それで、この間この委員会で六次産業化で頑張っているところ見に行きましたけれども、この対象になるところが全国でどれだけできるかということで考えると、今まだ本当数%というか、数少ないと思うんですよ。
 集落営農ということで見ても、その地域も限られているわけですよね。先ほどの一覧表ですか、山田さんが出された一覧表で見ても、集落営農でいうと七%ぐらいですよね。しかも、例えば岡山市なんかでいうと集落営農はゼロですよ。西日本に行くほど少ないですよね、それ御存じだと思いますけれども。中山間地でいうとどうかというと、十ヘクタールから二十ヘクタールに集約するというんだけれども、これ中山間地域でそれだけまとまった面積を確保するということ自体も、できるところもあるかもしれないけれども、多くのところは簡単にできないですよ。そんな確保なんてできないですよ。
 そういうことが実際上どうなのかということでいうと、やっぱり現実を見ていない、非現実的な計画じゃないのかと。もしこれやれるんだというのであれば、どういうところがやれるのか示していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#341
○副大臣(岩本司君) 先ほども申し上げましたけれども、これは一ヘクタールで作っていただいても有り難いわけでして、〇・五ヘクタールでも、これはもう繰り返しになりますけれども、一定規模を示してそれ以下を政策の対象から外すということはもう全く考えていないわけでありますし、二十から三十ヘクタールの規模にしなければならないということではないんです。もう、その誤解をちょっと解きたいと思います。
#342
○紙智子君 ただ、戸別所得補償の経営安定推進事業でやっていくということなんですけれども、ここでマスタープランを作成して農地の集約協力金を出して推進しようという話ですよね。
 それで、農地の集約協力金でいうと、ここは、例えば小さな〇・五ヘクタール以下のところ、ここは三十万円、〇・五から二ヘクタールのところは五十万円、二ヘクタール以上のところは七十万円ということで、こういうお金を渡して、言わば農家からは農地を出しなさいということなわけですよ。そして、農業用の機械まで廃棄処分を義務付けているわけですよね。それから、集約する経営体には無償譲渡ということで認められるけれども、中古の市場への売却というのは認めないと。だから、今まで持っていた機械なんかも、要するに排除しないと言うんだけれども、やっぱり集落の中でどこが中心的な農家になるのかと。周りの人たちは、じゃそこに向けて農地を出しなさいという話だとか、集落でしていくということになると、やっぱりどうしたって、大分年齢が行って自分の跡がいないから、それはしようがないから自分は出しますよという人も中にはいるかもしれないけれども、まだ頑張りたいと言っている農家も含めて、本当にそこのところがどんどんどんどんと進むということになると、やりたい人も置き去りにされていくということになるんじゃないのかというふうに思うんですよ。
 こうやって機械まで、何というんですか、義務付けとして廃棄処分を義務付けるというやり方というのは、もうまるで刀狩りのようなことだというふうに言ってももう言い過ぎじゃないと思うんですよね。こういうやり方というのは本当に今までやったことないことじゃないかと。とんでもないんじゃないかというふうに思うわけです。
 実際現場からはちょっと余りにもひどいんじゃないかという声も出されているわけですけれども、当事者からそういう声を聞き取っておられるんでしょうか。
#343
○国務大臣(鹿野道彦君) いろいろと現場の声からは当然出てくると思いますが、私どもとしては、強制的にこうだという押し付けでなしに、何遍も申し上げていますけれども、この集約化なりあるいは今後の新規就農の対策事業というものを行う際も、やはり地域においてよく話し合っていただいて、そして丁寧にこちらも説明をさせていただきながら、とにかく地域の方々の考え方というふうなものの中から今申し上げたような一つの経営体というふうなものに近づいていってもらえばと、こういう考え方であるということだけは申させていただきたいと思います。
#344
○紙智子君 よく話し合ってって、話し合うということをもう本当言われるんですけれども、でも実際に、結局は、その話合いの場に農水大臣が行ってそこで話合いに加わってやるというわけではなくて、やるのは市町村がその場を設定してやるんだと思うんですよ。結局市町村が言わば進めるとなると、国が決めたらやっぱり進めなきゃいけないから進めるとなると、どうしたって強制的にならざるを得ない部分というのは出てくるわけですよ。結局、あなたはもう本当に大変だしリタイアしませんかというようなことも含めて現場では行われてくることになるんじゃないのかと。そういうことを市町村にさせるのかということですよね。
 これは、つい、少し前ですけれども、自民党政権の時代にも品目横断的経営安定対策のときには、言わば集落をつくってやっていくんだと、法人化するんだということで号令を掛けたわけですよね。どれだけ現地で苦労したかということを私たちちゃんと覚えていると思うんですよ。
 地域回りましたけれども、大変な苦労をしながら、何とかこれに乗らないと、制度に乗らないとやっていけないということで、作文を作ってですね、一旦はそうやって制度に乗ってやっていこうということでやったけれども、しかしなかなか、やっぱりこう無理して、うまくいかなくてその後解散してしまったという例もたくさんありますし、そういう意味では、本当に集落が十分議論を踏まえて、そしてみんなの納得を得て、そして進み出すというんだったら別ですよ。だけどそうじゃなくて、やっぱり期限決められてそういう中に押し込められて、さあやらなきゃいけないということになったら、これはまたあの苦しみを、苦労を負わせることになるんじゃないかというふうに思うんです。そうならないと言い切れますか。
#345
○国務大臣(鹿野道彦君) とにかく基本的には、今の農業なり林業なり漁業をめぐるところの状況というものはそれぞれ、私どもだけではなしに、市町村においても同じやはり深刻な事態であるという受け止め方もされておりますし、また農業者、第一次産業にいそしんでいる人たちも果たしてどうなるんだろうかというふうな思いもあるわけでございますから、そういう意味では共通したこの認識というものを共有することによってお互いが話し合って、次の時代に向けてどうあるべきかというふうなことはより具体的な形で進んでいくというようなことに私どもとしては努力をしていくと。
 そういう意味では、市町村に任せるということでなしに、もちろん必要あらば本省からも、必要あらば地方農政局からも人を派遣して、そして話し合ってより具体的な形で説明をさせていただいて、お互いが理解し合った中でこの集約化なりというふうなものを進めていくという、これが基本的な私どもとしての考え方でございます。
#346
○紙智子君 私は、やっぱりこの政策というのは、大臣は、TPPに参加しようとしまいと関係ないと、農業の再生のためにやるんだというふうに言われてきたわけです。
 でも、この基本方針、基本計画、これを読みますと、初めにというところでは、我が国の貿易、投資環境が他国に劣後してしまうと将来の雇用機会が喪失してしまうおそれがあると、こうした認識に立ってということをわざわざ明記をしているわけですし、目指すべき姿というところでは、高いレベルの経済連携協定と両立し得る持続可能な農林水産業を実現するというふうに書いているわけですよ。それから、速やかに取り組むべき重要課題というところでは、開国による恩恵の分配メカニズムの構築ということまでわざわざ明記をしているということは、これTPP参加と文言としては書いてはおりませんけれども、実際にはTPP参加を前提とする方針なんじゃないんでしょうか。違いますか。
#347
○国務大臣(鹿野道彦君) TPP参加を前提とするものではございません。基本的には昨年の、一昨年ということになります、年明けたものですから、いわゆる包括的経済連携というふうなものをこれから推進する上におきまして、FTAAPというふうなものに対する道筋というふうなものを私どもとしては基本方針として打ち出しているわけでありまして、そういう中でその考え方が示されているというわけでありまして、TPPというふうなものの交渉参加を前提としているものではございませんということを申し上げたいと思います。
#348
○紙智子君 今全国でTPPに参加するなということでの運動が広がっています。
 例えば、日本医師会も三月十四日に記者会見をして、正式に日本が参加することについては全面的に反対するということでの発表をいたしました。それから、滋賀県では、九十二団体、二百七十九人が参加して県民会議がつくられました。これをやっぱり何としても止めていこうということですし、北海道も道民連絡会がつくられて、道民ぐるみの運動が今始まっているわけです。
 限られた情報で、徹底した情報提供と言いながら、実際には本当にかみ合う形での情報が出されていないということがあるわけですけれども、そういう中でも、農林水産業への打撃はもちろん、これがほかの分野にもわたって国民の暮らしや生活にも大きくかかわってくる、日本の国益にはならないということでの中身が知られるに従って反対の声が広がってきているわけで、そういう中で、私はきっぱりと断念を言っていただきたいということを最後に申し上げまして、最後、大臣の答弁を聞いて、質問を終わります。
#349
○国務大臣(鹿野道彦君) TPPは国論を二分すると言われておるわけでありますから、やっぱりそういう中でしっかりとした、関係国がどういうふうなことを求めるかということの情報を提示させていただいて、国民的な議論の中で判断していくということは大事なことだと思っております。
#350
○委員長(小川勝也君) 両件に対する質疑はこの程度にとどめます。
 青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木一彦君。
#351
○青木一彦君 私は、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会及び公明党の各派共同提案による畜産物価格等に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    畜産物価格等に関する決議(案)
  我が国の畜産・酪農は、配合飼料価格の高止まり、畜産物の消費と価格の低迷に加え、東京電力株式会社の原発事故に伴う風評被害の発生という情勢の中で、その経営の悪化、生産基盤の縮小など、未曾有の危機に陥っている。
  また、本年四月一日から食品中の放射性物質の新基準値が施行されることに伴い、適切な対応が求められている。さらに、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定への参加の検討やBSEに係る輸入牛肉の月齢制限等の緩和の検討に対して、懸念が広がっている。
  よって政府は、こうした情勢を踏まえ、平成二十四年度の畜産物価格の決定に当たっては、再生産を確保し将来に希望が持てる価格を実現するとともに、平成二十四年度当初予算で講じようとする関連対策について、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 EPA交渉及びTPP交渉参加に向けた関係国との協議に当たっては、我が国の畜産・酪農が今後とも安定的に発展できるよう、平成十八年十二月の本委員会の「日豪EPAの交渉開始に関する決議」及び平成二十三年十二月の本委員会の「環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉参加に向けた関係国との協議に関する決議」を十分に踏まえて臨むこと。
 二 BSEに係る輸入牛肉の月齢制限等については、科学的知見に基づいた検証を十分に行い、拙速な緩和は行わないこと。
 三 酪農家の生産意欲を喚起し、生産基盤の回復を実現できるよう、加工限度数量及び補給金単価を適切に決定すること。
 四 都府県酪農について、生産基盤の強化のための対策を講じること。また、放射性物質による汚染地域における安全な粗飼料の確保に向けた支援措置を継続すること。
 五 肉用子牛の保証基準価格等については、畜産農家が十分な所得を確保できる水準となるよう適切に決定すること。
 六 指定食肉の牛肉安定価格及び豚肉安定価格については、現行価格を基本に適切に決定するとともに、相場の下落時には機動的・弾力的に調整保管を発動すること。
 七 肉用牛肥育経営安定特別対策事業(新マルキン)の毎月払いの継続については、枝肉価格の状況等を踏まえて引き続き適切に決定すること。
 八 配合飼料価格安定基金については、配合飼料価格高騰時の補てん財源が不足することのないよう、異常補てん基金の活用などにより、生産者への補てん金を確保すること。
 九 飼料穀物については、東日本大震災の経験を踏まえ、災害発生時や飼料穀物の高騰など不測の事態や急激な環境変化の発生時に畜産・酪農家に配合飼料を安定的に供給できるよう、その弾力的な備蓄の在り方について検討を行うこと。
 十 原発事故に伴う放射性物質の影響により出荷できない老廃牛の滞留並びに汚染された稲わら、牧草及び堆肥の滞留について、一刻も早く対策を確立すること。
 十一 食品中の放射性物質の新基準値が本年四月一日から施行されることに伴い、必要な検査体制を確立するとともに、生産対策、風評被害対策及び東京電力による損害賠償が迅速かつ適切に行われるよう措置すること。
   また、風評被害の払拭に向けて、牛乳・乳製品や食肉等の消費拡大を推進すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#352
○委員長(小川勝也君) ただいまの青木君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#353
○委員長(小川勝也君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、鹿野農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鹿野農林水産大臣。
#354
○国務大臣(鹿野道彦君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨に従いまして、最近の畜産をめぐる情勢を踏まえつつ、十分検討してまいる所存でございます。
    ─────────────
#355
○委員長(小川勝也君) 次に、特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院農林水産委員長吉田公一君から趣旨説明を聴取いたします。吉田衆議院農林水産委員長。
#356
○衆議院議員(吉田公一君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法は、特殊土壌地帯の保全と農業生産力の向上を図ることを目的として、昭和二十七年四月、議員立法により五年間の時限法として制定され、以後十一度にわたり期限延長のための一部改正が行われました。これによりまして、今日まで六十年間にわたり、特殊土壌地帯における治山、河川改修、砂防、かんがい排水、農道整備、畑作振興などの事業が実施されてまいりました。
 これらの事業により、特殊土壌地帯における災害防除と農業振興の両面において改善がなされ、本法に基づく対策は地域住民の生活向上に貢献してきたところであります。
 しかしながら、特殊土壌地帯におきましては、近年、台風の来襲頻度や集中豪雨が増加し、大きな被害が発生していること、農業上不利な土壌や地形条件を有している中、地域の特色を生かした競争力のある農業振興を図る必要があることなど、今なお対応すべき多くの課題に直面しております。
 これらの課題に対応し、特殊土壌地帯の振興を図っていくためには、引き続き本法に基づく対策を強力に推進していく必要があります。
 こうした観点から、本案は、所期の目的を達成するため、本年三月三十一日をもって期限切れとなる現行法の有効期限を更に五年間延長して、平成二十九年三月三十一日までとするものであります。
 以上が本案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#357
○委員長(小川勝也君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#358
○委員長(小川勝也君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#359
○委員長(小川勝也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#360
○委員長(小川勝也君) この際、議案の撤回についてお諮りいたします。
 鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案(第百七十七回国会参第二三号)について、発議者野村哲郎君外二名から撤回の申出がありました。
 本案の撤回を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#361
○委員長(小川勝也君) 御異議ないと認めます。よって、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案(第百七十七回国会参第二三号)は撤回を許可することに決定いたしました。
    ─────────────
#362
○委員長(小川勝也君) 農林水産に関する調査のうち、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に関する件を議題といたします。
 本件につきましては、理事会において協議いたしました結果、お手元に配付しておりますとおり、草案がまとまりました。
 この際、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の草案の趣旨及び主な内容について御説明申し上げます。
 鳥獣による農林水産業の被害については、平成十九年に制定された鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律に基づき、農林水産大臣による基本指針の策定等により、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための施策が推進されております。
 しかしながら、農山漁村では鳥獣による農林水産業の被害が拡大しており、これが農業者の営農意欲を減退させ、耕作放棄地を拡大させるなど、農林水産業の衰退と地域の荒廃につながりかねない事態が生じております。そして、そのような事態が更なる鳥獣の増加と被害の拡大を招くという悪循環が生じております。また、人の居住地域への熊、イノシシ等の進入が頻発し、人の生命・身体への危険も現実のものとなっております。一方で、鳥獣の駆除の担い手である狩猟者は減少、高齢化が進んでおり、鳥獣の捕獲等にかかわる人材の確保が急務となっております。
 この法律案は、このような現状に鑑み、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止に関する施策の効果的な推進に資することを目的とするものであります。
 以下、この法律案の主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、市町村の被害防止計画において定める事項として、対象鳥獣による住民の生命等に係る被害が生じ、又は生じるおそれがある場合の対処に関する事項を加えることとしております。また、鳥獣被害対策実施隊員の職務として、市町村長の指示を受け、農林水産業等に係る被害の原因となっている鳥獣の捕獲等で住民の生命等に係る被害を防止するため緊急に行う必要があるものに従事することを明記することとしております。
 第二に、市町村長は、市町村が行う被害防止施策のみによっては被害を十分に防止することが困難であると認めるときは、都道府県知事に対して必要な措置を講ずるよう要請することができるとともに、要請を受けた都道府県知事は、必要な調査を行い、その調査の結果に基づき特定鳥獣保護管理計画の作成等の措置等を講ずるよう努めることとしております。
 第三に、国等が講ずる財政上の措置として、対象鳥獣の捕獲等に要する費用に対する補助その他被害防止施策の実施に要する費用に対する補助を明記することとしております。また、国等は、被害防止施策を講ずるために必要な予算の確保に努めるほか、都道府県は、狩猟税の収入につき課税目的を踏まえた適切かつ効果的な活用に配意することとしております。
 第四に、捕獲した鳥獣を無駄にせず、国産の貴重な食材として有効活用を図ることを通じ、新たな特産物や産業の掘り起こしなどにつなげるため、国等が講ずる措置として、食品としての利用等を図るため必要な施設の整備充実、食品としての利用に係る技術の普及、加工品の流通の円滑化を明記することとしております。
 第五に、国等は、農林水産業等に係る被害の原因となっている鳥獣の捕獲等にかかわる人材の確保に資するため、狩猟免許及び猟銃所持許可を受けようとする者の利便の増進に係る措置を講ずるよう努めるとともに、当該捕獲等への貢献に対する報償金の交付、射撃場の整備等の措置を講ずるよう努めることとしております。
 第六に、鳥獣被害対策実施隊員については当分の間、それ以外の被害防止計画に基づく対象鳥獣の捕獲等に従事する者については平成二十六年十二月三日までの間に、銃砲刀剣類所持等取締法の猟銃所持許可の更新等の申請をした場合には、同法の技能講習に係る規定の適用を除外することとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。ただし、第六については、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の草案の趣旨及び主な内容であります。
 それでは、本草案を鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#363
○委員長(小川勝也君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#364
○委員長(小川勝也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 金子君から発言を求められておりますので、これを許します。金子恵美君。
#365
○金子恵美君 私は、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党、みんなの党及び日本共産党の各派共同提案による鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします
    鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する決議(案)
  政府は、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。
 一 鳥獣による農林水産業等に係る被害を一層効果的に防止するため、鳥獣被害対策実施隊の設置を促進するとともに、鳥獣保護事業計画等に基づく捕獲隊その他の狩猟者の鳥獣被害対策実施隊への移行・加入を促進すること。
 二 猟銃の操作及び射撃の技能向上・安全確保を図るため、各都道府県における射撃場の整備・拡充を促進すること。また、鳥獣の捕獲に従事する者の育成及び技術の向上を図るため、必要な施策を検討すること。
 三 鳥獣の生息状況及び生息環境等に関する調査を徹底することにより、鳥獣の個体数等の正確な把握に努めるとともに、その調査結果を被害防止対策に活用できるようにすること。
 四 シカ・イノシシ等の鳥獣について、周囲の安全を確保した上で、夜間に駆除できる仕組みを更に検討すること。
 五 猟銃等の所持許可の運用について、厳に国民の安全の確保や危害の防止等に留意しつつ、実態に即した見直しを検討すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#366
○委員長(小川勝也君) ただいまの金子君提出の決議案の採決を行います。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#367
○委員長(小川勝也君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、鹿野農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鹿野農林水産大臣。
#368
○国務大臣(鹿野道彦君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重させていただき、関係省庁との連携を図りつつ、今後、最善の努力をしてまいる所存でございます。
#369
○委員長(小川勝也君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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