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2012/03/28 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 農林水産委員会 第4号
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2012/03/28 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 農林水産委員会 第4号

#1
第180回国会 農林水産委員会 第4号
平成二十四年三月二十八日(水曜日)
   午前十時二十一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     徳永 エリ君     相原久美子君
     青木 一彦君     丸川 珠代君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     相原久美子君     徳永 エリ君
     丸川 珠代君     青木 一彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 勝也君
    理 事
                金子 恵美君
                郡司  彰君
                野村 哲郎君
                山田 俊男君
    委 員
                岩本  司君
                今野  東君
                外山  斎君
                徳永 エリ君
                中谷 智司君
                松浦 大悟君
                青木 一彦君
                加治屋義人君
                鶴保 庸介君
                長谷川 岳君
                福岡 資麿君
                白浜 一良君
                横山 信一君
                小野 次郎君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
   副大臣
       農林水産副大臣  岩本  司君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤田 一枝君
       農林水産大臣政
       務官       森本 哲生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       厚生労働大臣官
       房審議官     篠田 幸昌君
       農林水産省生産
       局長       今井  敏君
       農林水産技術会
       議事務局長    藤本  潔君
       林野庁長官    皆川 芳嗣君
       水産庁長官    佐藤 正典君
       国土交通省土地
       ・建設産業局次
       長        塚本 和男君
       環境省水・大気
       環境局長     鷺坂 長美君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成二十四年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成二十四年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成二十四年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (農林水産省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(小川勝也君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房審議官篠田幸昌君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小川勝也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小川勝也君) 去る二十一日、予算委員会から、本日一日間、平成二十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 鹿野農林水産大臣から説明を求めます。鹿野農林水産大臣。
#5
○国務大臣(鹿野道彦君) 平成二十四年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 平成二十四年度における農林水産予算の総額は、関係府省計上分を含めて二兆三千二百八十四億円となっております。
 まず、東日本大震災からの復旧復興対策に係る予算として千五百五十七億円を計上しております。
 被災した拠点漁港の流通・防災機能強化、農地の復旧や農業水利施設の耐震性強化、農林漁業者の経営再開に向けた取組への支援、海岸防災林の再生などの被災地の復旧復興対策、農地、森林等の除染技術の確立や農林水産物等に対する放射性物質の検査の実施及びその結果の消費者への適切な情報提供などの原子力災害対策について、万全を期すこととしております。
 次に、基礎的財政収支対象経費に係る予算として二兆一千七百二十七億円を計上しております。その内訳は、公共事業費が四千八百九十六億円、公共事業費以外の経費が一兆六千八百三十一億円となっております。
 農林水産予算の編成に当たっては、既存予算の徹底した見直しを行うとともに、我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画に基づく施策に予算の重点化を図ったところであります。
 以下、予算の重点事項について御説明いたします。
 第一に、安定的な農業経営を継続できる力強い農業の実現です。
 農業者戸別所得補償制度は、意欲ある農業者が農業を継続できる環境を整える基礎的な制度であり、引き続き、本制度の安定的な実施に努めてまいります。
 また、各地域において、人と農地の問題を解決し、安定的に農業を継続できる体制を構築するため、農業者の徹底した話合いによる人・農地プランの作成を推進するとともに、就農前後の青年に対する給付金の給付や法人雇用を進めてまいります。さらに、農地の規模拡大に対する加算措置や農地集積に協力する人への協力金の交付、生産基盤整備を通じた農地の大区画化や汎用化を進めることにより農地集積を加速化してまいります。
 第二に、農山漁村の六次産業化です。
 地域の資源を活用し、農山漁村の活性化を図るためには、六次産業化の推進が不可欠であると考えております。このため、国及び民間の出資によるファンドの創設等により、六次産業化に取り組む農林漁業者等に対する資本の提供と経営支援を一体的に実施します。
 また、既に六次産業化に取り組んでいる人や、輸出、観光の専門家による個別相談を実施するなど、農林漁業者等へのサポート体制を強化します。
 第三に、エネルギー生産への農山漁村資源の活用促進です。
 農山漁村には、土地、水、風、生物資源等のエネルギー資源が豊富に存在しています。こうした資源を地域が主導して活用し、農山漁村の活性化を図るため、再生可能エネルギーの供給モデル構築のための施設整備等への支援や、小水力等発電設備の導入に係る調査設計、実証等への支援を進めてまいります。
 また、六次産業化と同様に、再生可能エネルギーの導入を行う農林漁業者等に対してファンドによる資本の提供及び経営支援を行います。
 第四に、森林・林業再生です。
 本年の四月に改正森林法が全面的に施行されます。本改正法に基づく森林経営計画に即し、路網を整備しつつ、直接支払制度により搬出間伐を進めるとともに、集約化施業に必要な活動を支援してまいります。
 また、フォレスターや森林施業プランナー等の人材育成、公共建築物等における地域材の利用拡大を推進してまいります。
 第五に、水産業再生です。
 計画的に資源管理に取り組む漁業者に対する収入安定対策と、燃油価格等の高騰に備えたコスト対策とを組み合わせた資源管理・漁業所得補償対策を引き続き講じます。
 また、漁船漁業の収益性の向上や、漁業現場での長期研修等による人材の確保、育成を推進するとともに、流通拠点漁港における高度衛生管理対策や複数県連携による漁場整備を進めてまいります。
 次に、特別会計については、食料安定供給特別会計等にそれぞれの所要の予算を計上しております。
 最後に、財政投融資計画については、農林漁業の成長産業化のためのファンドへの出資のほか、日本政策金融公庫等による財政融資資金の借入れなど総額二千二百三十三億円を予定しております。
 以上で、平成二十四年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
#6
○委員長(小川勝也君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○野村哲郎君 自由民主党の野村哲郎でございます。
 今日は委嘱審査でございますので、今御説明をいただきました内容についていろいろと質問をさせていただきたいと思いますが、その前に、予算とは直接関係ないわけでありますが、まずTPPについてお伺いしたいことが二、三ございます。
 TPPにつきましては、私どもも、これは国民の皆さんもそうでありますが、なかなか情報が入ってこない。可能な限り私ども自由民主党、そしてまた民主党の慎重に考える会の皆さん方との情報交換もいたしておりますけれども、政府側から的確な情報が入ってこないということでありますが、ただ、民主党さんのPTの方で先般説明があったということで、これは私どもは、農業新聞で今月の二十三日の一面に記載されておりましたので、何だこれはと思ったのが一点あります。
 それは、七年以内に全ての関税を撤廃するという見出しがありました。私どもは、やっぱりそうかという思いと、これはまた大変だという思い、複雑な思いをいたしました。やはり、政府の方では、例外品目についても、これは交渉次第だと今まで伺っておったんですけれども、しかし事前協議の内容を見ると、ほとんどの国が七年以内に関税撤廃ということで意見が出されているということであります。
 こうしますと、仮に日本が交渉に参加していきますと、全品目の関税撤廃が必ず求められてくるということでありまして、私どもがやはり心配していることが段々現実味を帯びてき出したなという思いが一つあります。
 それから、もう一つ気になる、情報が少ない中で、これも新聞でしか見ておりませんけれども、三月の二十四日、農業新聞に載りました翌日でありますけれども、野田総理が都内の講演で、TPP参加について事もあろうにビートルズを例に出して、日本はポール・マッカートニーだ、ポールのいないビートルズはあり得ない、しかし米国はジョン・レノンだと。この二人がハーモニーを合わせることによってすばらしいTPPができ上がる。
 こういう言い方だったのかどうか分かりません。まあ、これは例え話にしましても、それこそ日本の国の形が変わるようなTPPの問題とビートルズを一緒にする、(発言する者あり)もう解散しましたよね。だから、もうTPPも解散した方がいいと思うんですけれども。
 要は、一国の総理がこういう軽い発言、とんでもない発言で、例示が大変これは悪いと思うんですけれども、こういったような事の重大さを総理自身が本当に考えているのかなという危うさを、実はこのことで覚えました。
 そこで、私は非常に気になることがもう一つあります。こういった状況を見ておりますと、五月の十八日から十九日にかけてG8がありますよね。このG8に行くについて、私は、野田総理がTPP参加を表明してしまうんじゃないのかという、大変危機感を覚えております。これは、APECのときもそうですけれども、大変総理は前のめりな方でございますので、何かまたやっぱりG8に土産を持っていかないとという思いがあるのではないかという気がしてならないわけです。
 これまで各地で説明会やシンポジウムを開いておられますけれども、これで国民にも情報はきちっとつないだ、国民の理解も得られたという思いで錯覚を起こして参加を表明されるというようなことがあっては、これはもう大変なことであります。
 これは私の杞憂にすぎないのかどうか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#8
○国務大臣(鹿野道彦君) 野田総理自身の発言等々につきましては、過般、当委員会の紙委員の方からも言及があったわけでございますが、基本的に、五月の段階でG8における総理自身がどういうような姿勢で臨んでいくかというふうなことにおきましては、全く今の段階で私ども決まったというふうなことは承知しているところではございません。
 そういう中で、総理自身も私どもも、政府として申し上げているところは、関係各国がこのTPPに関しまして我が国にどういうことを求めてくるのかというようなことを、しっかりと情報を提供して国民的にも議論をしていただいて判断をしていくと、こういうふうなことに、言わば総理自身も私どもも申し上げているところでございます。
 そういう中で、過般、二十二日でございますか、今、野村先生からお話のとおりに、二十一分野におけるところのこれまでの協議の内容につきまして情報というものを公表させていただいたということでございます。
 そういう状況を踏まえて、言わばお話のとおりに、関税の市場アクセスのことについては、品目でございますけれども、九〇から九五%のところは関税撤廃、そして残りの品目については七年以内に撤廃をすると、そういうふうな考え方を言っている国が多いというふうなことも公表されているところでございます。
 そういう状況の中で、これから特にアメリカ等々が、まだ協議が具体的な形で示されていないところもございまして、そういう国々が我が国に対して明確にどういうふうなことを求めるかというふうなことを受けて、当然のことながら、議論をして判断をしていくということでございますから、私どもといたしましては、具体的な形で、このTPPに対する我が国の政府としての基本的な姿勢というものについて、まだ言及する段階に至っていないものと、こういう認識に立たせていただいているところでございます。
#9
○野村哲郎君 今の大臣の御答弁では、今からもう議論しながらそのことを判断していくんだということでありますが、事前協議の中身が少しずつ明らかになってきておりますよね。そうしますと、やはり、どこかの時点で判断をしなければならないわけでありますが、要は、どういう判断基準を持っておられるのかということが今後大変重要になってくると思います。
 私どもの党でも賛否両論ありました。しかしながら、党の機関決定として、先般、交渉参加の判断基準というのを明確に打ち出しました。これは六項目あるわけでありますが、一つは、農業関係だけでいきますと、聖域なき関税撤廃を前提にする限り交渉参加には反対すると、それからもう一つは、食の安心、安全の基準を守ること、こういうことがなければ私どもは参加は絶対反対だと、党としてこれは正式に機関決定をした内容であります。
 これまでの予算委員会においての総理の発言の中身は、守るべきは守るとか、国益を照らして守るべきは守るんだとかって、こういう非常に抽象的な言い方をされておりまして、何を守るのか、何が国益なのか、これは委員会でもいろいろ、予算委員会でも出ましたし、この委員会でも出ているわけでありますが、非常に抽象的なんですね。
 私どもは、先ほど言いましたように、聖域なき関税撤廃には絶対反対なんだという、そういう一つの基準を明確に実はいたしております。ですから、そうしないと、これから事前協議といっても、もうある程度の交渉なんだと思いますけれども、その中に判断基準が、物差しがなければ、これはどうするかというのは明確に出てこないと思うんです。
 私どもが与党時代にWTOがありました。そのときに、若林大臣、甘利経産大臣、ジュネーブに行かれたわけでありますが、そのときに、我が日本では五品目、米、麦、それから乳製品、牛肉、甘味資源、この五つが守られなければ絶対に日本はこれはもう拒んでくるということで、大変な若林大臣が苦労されて、最後まで身を挺してこのことをやり遂げてこられました。
 ですから、例えば何を守るんだという、そういう基準がなければ、私はこれから事前協議に入ったって、今入っているわけでありますが、特にアメリカ、あるいはオーストラリア、ニュージーランドとやるときに、これはもう言いなりになってしまって、関税撤廃というのを当然受け入れざるを得ないと、こういうことになってこようと思っているんですが、鹿野大臣はどのような判断基準をお持ちなのか。
 先ほど言いました、我々自民党では六項目の判断基準を示し、これに合致しないときにはもうこれは絶対反対すると。それからもう一つは、先ほどのWTOで申し上げました、重要品目とはこの品目とこの品目なんだというのをさっと判断する基準を掲げて、まあこれは交渉だったわけでありますが、臨んでいったわけでありますね。
 今、鹿野大臣がお考えになっている判断基準とは、国益を守るとか、あるいはその守るべきは守るとかそういう抽象的なものじゃなくて、きちっとした物差しをお持ちだと思うんですが、お伺いしたいと思います。
#10
○国務大臣(鹿野道彦君) いわゆる政府といたしまして、このTPPに関しましては、TPPの交渉参加に向けて協議に入りますと、こういうふうなことを昨年の十一月に総理が表明したわけでございます。それに基づきまして、関係国といろいろと協議をしながら、我が国に対するどのような基本的な考え方を持っているかというふうなところを言わばできるだけ情報を把握すると、こういうふうなことで取り組んできたわけでございまして、この協議に向けてあらかじめ判断基準を設けるというような、そういう考え方に立つということではなしに、相手の国が、関係国が我が国に何を求めるかというふうなことの中からできるだけ情報をしっかりと把握して、そしてそのことを国民の皆様方にも提示しながら、国論が二分されているという非常に重要な問題だけに、国民の人にも議論していただいて、そして判断をしていく、こういうような考え方に立っているわけでございまして、私自身もそういうふうなことを踏まえて今後対処していかなきゃならないと、こう考えているところでございます。
#11
○野村哲郎君 大変不満足な答弁でありまして、お立場がお立場ですから、なかなかそこまでは踏み込んで御答弁ができない立場も分かります。だけれども、もう今年の十一月とかいろいろ言われているわけでありますので、今度の五月の十八、十九にG8に総理が行かれる、その前にある程度の腹構えといいますか判断基準がないことには、今後どういった形になっていくのか、あくまでも事前協議で相手から何を求められているとかそういうものだけで、非常に主体性が私はないと思うんです。
 日本は、先ほど私ども自民党が判断基準を示しましたように、このことは絶対譲れないと、何を守るかというものを明確に出しておかないと、国民の皆さん方も分からないですよ。それは農業だけの問題じゃありません、これは医療にしても、あるいはほかの分野にしてもいっぱい、二十一項目あるわけですから。だから、この部分については絶対に日本はもう譲れないと、でなければもう事前協議も打ち止めだというぐらいの腹構えがないと、ただ事前協議でいろんなものを、相手が何を求めるかをまず情報収集して、それで考えますというんじゃ、非常にこれは主体性がないというふうに思います。
 それともう一点、大臣という立場でお答えにくいのかもしれませんし、また私はほかの党の話を言うことについてちょっと言うべきでないというのは思うんですけれども、民主党の中にも慎重に考える会というのがありまして、大変な議論をされております。そして、アメリカに行ったり韓国に行ったりいろんなところ、私もこのバッジを付けておりますけれども、徳永先生がお作りになったバッジでございますけれども、これを私は付けさせていただいてやっております。そういう民主党の中にも大変な議論がある中で、本当にこのまま前のめりで行かれるのかというのがあります。
 大臣は、党の中の御意見あるいは考え方というのを尊重されるおつもりですか。そのことをお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(鹿野道彦君) 基本的に、TPPに関しまして、第一次産業に対して市場アクセスの分野におきましては大変大きな影響を受けると、このようなことから、第一次産業を思う気持ちの中でいろいろと御議論をいただいておると、こういうふうなことに対しましては、私どもも承知をさせていただいております。
 当然のことながら、党内の意見、議論というふうなものは私どもしっかりと受け止めていかなきゃならない、こういうふうなことは、私もそういう認識に立たせていただいているということでございます。
#13
○野村哲郎君 もう時間がありませんので、そろそろTPPについてはやめたいと思いますけれども、これは仮の話で、もし関係閣僚会議があって、そして仮に参加が決まるというときに、これは先般の委員会でも山田委員から大臣に質問がありました。私は今日はもう、先般の答弁で大臣のお考えは分かりました。分かりましたというよりも仮の話だということだったと思いますけれども、今日は副大臣、政務官がお見えになっておられますので、副大臣と政務官に、仮に参加が決めたというときに、副大臣、政務官はどういう御判断をされるのか、お伺いをいたしたいと思います。
#14
○副大臣(岩本司君) 野村先生の経験豊富な、また真摯な御質問、本当にありがとうございます。
 ただ、仮の話でございまして、先ほどからも大臣も申し上げているとおり、まだ、特に米国や豪州やニュージーランドとは協議はもう継続どんどんしていかなきゃいけませんし、関係各国も一回一巡した状況でございますので、もっともっと関係各国との情報を収集していかなければならないと思っております。そして、先生もお感じだと思いますし、国民的議論が本当になされているのかと。私は、今の段階ではまだなされていないと。私も同じ思いであります。
 今後とも、今までの、地方に足を運んで今ある情報を提供するというのも、それは当然しなきゃいけないことでございますけれども、もう新聞ですとかいう広報を使って、もっともっと国民の皆様に現状を知っていただいて、それで徹底した国民的議論をしていただくために、私は国民の皆様の土台となる覚悟でございますので、徹底的に情報収集と情報提供に努めてまいる決意であります。
#15
○大臣政務官(森本哲生君) 重大なことだというふうに認識をさせていただいております。
 私も、今立場上参加をいたしておりませんが、慎重に考える会のメンバーでもございました。そのことも踏まえながら、今は農林水産の責任者として、やっぱり大臣の下で自分の使命をしっかり果たしていく、そのことに尽きるというふうに考えております。
#16
○野村哲郎君 まだ仮の話でありますのでなかなか御答弁はできかねるということだろうと思いますけれども、ただ、私は、政務三役の皆さん方は政治家としての意思は必ず通していただくと、そういうふうに確信をいたしておりますので、是非そのことは皆さん方も行動で表していただきたいなというふうに思います。
 そこで、いよいよ今日の委嘱審査の中身の御質問をさせていただきたいと思いますが、先ほども大臣が御説明いただきました、農水省が十二月二十四日に発表されました基本方針・行動計画に関する取組方針、そしてその前の十月二十五日には食と農林漁業の再生本部で決定されました基本方針と行動計画、この二つを見比べてみました。比較してみました。微妙に違うんですね、微妙に違う。どこが違っているかといいますと、私は昨年の十月の二十七日のこの委員会で、基本方針・行動計画は、今まで政府・与党の農業政策を大転換するものであると、こういうふうな御指摘をさせていただきました。
 その理由は、一つは、第一には、政府・与党の農業政策の一丁目一番地であります農業所得補償制度のこの御旗を下ろして、平地で二十から三十、中山間地で十から二十ヘクタール、こういう経営体が大宗を占めるというふうに書かれておりました。これは、まさしく我々自公時代の品目横断、その後の水田・畑作経営安定対策ですが、そのときに私どもは四ヘクタールを出して、そしてさんざん皆さん方から批判を受けて、そして選挙でも大敗をいたしました。
 このときには、先般も福岡議員が、私も久しぶりに見ましたけれども、選挙のときに出された民主党のチラシであります。まあ皆さん方は余り思い出したくないんじゃないかと思うんですけれども、あのチラシで、小農切捨てだと、農業を続けたい人は民主党、農業をやめたい人は自民党と、こういうチラシで、さんざん私どもはたたかれました。だから、これは、二十から三十とかというようなのを、規模を出しておられましたんで、これは小農切捨てそのものだということをまず指摘させていただきました。
 それから二つ目は、これは二十二年の三月に閣議決定した食料・農業・農村基本計画があります。この中には、二十ヘクタールだとか三十ヘクタール、一切書いてありません。ですから、もし大転換を図るならば、これは基本計画を見直すべきだと、もう一遍議論をし直すべきだ、修正すべきだということ、この二点を実は申し上げました。
 しかしながら、十二月二十四日、農水省が発表されたこの取組方針を見ますと、びっくりすることに、最初のこの基本計画、行動計画には、それこそ、平地で二十から三十の土地利用型を目指すとか、何か所も二十から三十ヘクタールという言葉が出てくるんです。この資料だけでも三か所出てまいります。一方のこの取組方針を見ますと、一か所も数字は出てまいりません。多分これは、うがった見方をしますと、二十から三十とか、あるいは中山間地で十とか二十とか出すと、これは自民党の二の舞するぞという思いだったのか、あるいはまた、こういう方針を受けてやろうとするけれども、本当に実現性があるのかどうかという、私は省内で相当議論があったんだろうと思うんですね。
 この方針の中には、あるいは、この基本方針・行動計画をお作りになるときには大臣も当然メンバーとしてお入りになっている。それから、今日お見えになっておりませんけれども、筒井副大臣は幹事会の座長として、また岩本副大臣はこのメンバーとしてお入りになっている。この本部で十月二十五日に決められたこの基本方針・行動計画を基にこちらはお作りになったと、こういうふうに話になっているんですけれども、全然整合性が取れないじゃないですか。なぜこんなに違うんですか。
#17
○国務大臣(鹿野道彦君) 二十三年の十月に、お話しのとおりに、食と農林漁業の再生の基本方針・行動計画を出しました。二十三年の十二月にその取組方針を出したわけでありますけれども、実質的に、この取組方針というものは、基本方針・行動計画を地域で実際に進めるための具体的な取組の考え方を示したものでありまして、基本方針と行動計画が当然のことながら前提となっているところでございます。
 ゆえに、取組方針の中におきましても、基本方針で示された規模の経営体が五年後に耕地面積の大宗、八割程度を占める構造を目指すと、こういうふうに明示をいたしているところでございますので、基本的には、この取組方針というものは、この基本方針・行動計画に沿って今後取り組んでいくというふうな考え方であるということを申させていただきたいと思います。
#18
○野村哲郎君 昨日、質問取りにお見えになった役所の方もそういうお話をされました。当然この中には書いてあることは私は分かっておりましたから、今大臣がおっしゃいましたように、基本方針で示された規模の経営体がということで、言葉を濁してあるんですよ。こっちの方では三か所も四か所も二十から三十とか明確に出しながら、こちらでは基本方針で示されたという。これは、全く意図的にこういうことを書かなかったのではないかと。だったら、正々堂々と基本方針で示された平地では二十から三十、中山間地では十から二十の経営体が五年後に云々と、こういうふうに普通だったら書くべきですよ。一番強調されたのは、私はその分野だったと思うんです。こういう囲みで二十から三十ということを明確に打ち出しながら、この基本方針では、一方の取組方針ではそのことをごまかされているんじゃないか、うがった見方ですけれども、そう思うんです。
 ですから、私は、やはり皆さん方が本当にこの方針どおりにやるぞという強い決意があるのならば、やっぱり二十から三十というのは数字として入れるべきだったのではないかと思いますが、もう一遍、このお作りになった、三役がこれお認めになった方針でしょうから、大臣と、それから副大臣にお伺いします。
#19
○国務大臣(鹿野道彦君) 重ねて申し上げますけれども、この十月の基本方針・行動計画というものに沿って取組方針をやっていくと、こういうことでございますから、その基本方針・行動計画というものが前提になっているものでございまして、言わば、ぼかした形で云々というようなことではございませんで、この基本方針・行動計画に沿ってこれからも五年間、真摯に取り組んでいきたい、こういうふうな考え方でございますということを重ねて申させていただきたいと思います。
#20
○副大臣(岩本司君) 野村先生にお答えいたします。
 これ、基本方針ですから、これは絶対、先日もお答えしましたけれども、同僚議員にですね、現実、一ヘクタールですとか二ヘクタール取り組まれている方に、絶対これはもうすぐに、五年後にはやらなきゃいけないと、これ強制ではございませんので、これは一ヘクタールでも〇・五ヘクタールでも、それは取り組んでいただける農家の方々には本当に感謝でいっぱいで、本当に有り難い話ですから、それを絶対こうしなきゃいけないということではなくて、ある意味では、これを取組方針にまたこれ入れると、何か絶対これやらなきゃいけないという誤解を招いてもいけませんし、言葉が先走りして、これはもう絶対だなとか思われても困るわけでありまして、それは、繰り返しになりますけれども、一ヘクタールでも二ヘクタールでも〇・五ヘクタールでも取り組んでいただける方にはもう本当に感謝でいっぱいで、できる限りの農林水産省といたしましては支援をする覚悟でございますし、また、平地で二十ヘクタールから三十ヘクタール、中山間地域で十から二十ヘクタールの規模の経営体を、何というんですか、基本的な方針を策定したときにも、これは私もう聞いておりますけれども、当時は私も副大臣じゃなかったですけれども、いろんな関係団体にも相談して、例えば全農さんですとかいろんな、幅広く御意見を聞いて、それで方針を策定しております。
 ただ、もう何度も何度も繰り返しになりますけれども、これ、絶対ということではございませんので、方針でございますので、それは全国、北海道と先生の御地元の鹿児島や私の地元の福岡とか、それはもう規模が始めから違うわけでございますので、それは、一ヘクタールでも〇・五ヘクタールでも取り組んでいただける方には本当に感謝でいっぱいで、鹿児島や福岡だけではなくて、そういう取組を進めている方々には全力で農水省としては支援をさせていただく決意であります。
#21
○野村哲郎君 時間がなくなりますので、御答弁の方は少し簡潔にやっていただきたいと思います。
 そこで、先ほど農政の大転換じゃないのかということも御指摘させていただきましたけれども、それでは、皆さん方が、一丁目一番地でありました戸別所得補償制度、これと今回の取組方針、これとのどういう位置付けにこの戸別所得補償制度はなるのか。
 先ほど大臣の方から御説明の趣旨説明の中でありましたけれども、本当は私は、民主党の皆さん方は、戸別所得補償制度を中心にして、そしてこれからの農業あるいは農村を進化させていくんだ、ど真ん中に据えるんだということじゃなかったのかと。それがいつの間にか、戸別所得補償は隅に追いやられて、何だか新しい基本方針だ、行動計画だ、取組方針だというのが矢継ぎ早に出てきて、戸別所得補償はもうなくなったのでないかなと。といいますのも、この取組の方針の中で、今の戸別所得補償制度というのは一か所だけですよ、言葉が出てくるのは。しかも、それは農地集積の推進の項でちょこっと書いてあるだけです。
 私は、皆さん方は、農政のど真ん中にこの制度を入れ込んで、そしてこれから日本の農業を変えていこうと、自民党の農政では駄目だったんだということを盛んにおっしゃったわけでありましたから、それが何でこんな、まだ二年七か月しかたたないのに、戸別所得補償制度が隅に追いやられたのか。やっぱりこれは自信を持って進めている政策ではないのではないかと、こういうふうに、このことにも後で聞きますが。
 ただ、私は、戸別所得補償制度と今回の取組方針、これは両輪にもなり切れないし、逆にアクセルとブレーキになっちゃうというふうに思いますよ。それを今から申し上げますけれども、皆さん方が今回出されました人・農地プランの中で、もう大変なこれは問題を抱えている私は施策だというふうにまず冒頭申し上げたいと思います。
 それは何かといいますと、規模拡大の協力金制度を作っておられて、〇・五ヘクタール以下は三十万、あるいは二ヘクタールは七十万、あっ、以上は、まあ真ん中に五十万というのがありますけれども、こういうことでどんどんどんどん、私どももこのことは着目しまして、出し手にやっぱり助成することの方が農地集積は進むんじゃないかということで、私どもの政権時代に三千億を計上して、そして皆さん方の政権に交代して、一発でこれは三千億を切られました。今回も予算措置をされておりますけれども、金額の多寡云々は別なんです。
 私は、この仕組みを本当にいいのかというのが、今から申し上げますけれども、戸別所得補償制度をずっとこれも続けるよという思いがおありだと思うんですけれども、戸別所得補償の岩盤分と言われている一万五千円、二ヘクタールの農家で想像してみてください。そうしますと、一万五千円の二ヘクタールですから年間三十万です、農家に支払う交付金は。これを十年間続けたならば三百万ですよ。だけれども、今回のこの農地の協力金というのは、二ヘクタールでは五十万ですよ。一回ぽっきりですよ、一回ぽっきり。どちらがお得ですかと考えたときには、十年間三百万もらった方がずっと得じゃないですか。これで出し手が出ますか、五十万で。私だったら出しませんよ。それは、年を取ってどうにか金もらえるならば、作業委託でもして営々とやっぱり続けた方がいいというふうに計算ができますよ。子供でも計算ができますから。五十万と三百万、どちらがお得ですかといったときに。
 ですから、私は、戸別所得補償制度を続ける限り、皆さん方が今回の取組方針で出された農地の集積というのは、非常に、アクセルとブレーキを一緒に踏んでしまったと。だから、これは私は農地集積は絶対進まないと思いますよ、これは戸別所得補償制度をずっと継続する限り。だから、このところは非常に真逆の政策を同時にお進めになるような気がしてならないんです。
 どうですか、大臣。
#22
○国務大臣(鹿野道彦君) まず、二つの点だと思います、今御指摘いただきましたのは。
 農業者戸別所得補償制度というのは、明確に申させていただきますけれども、農業政策の柱であるというふうなことを位置付けしてこれからも続けていきたいと、こういう考え方であるということを申させていただきます。それからもう一点は、いわゆる戸別所得補償というふうなものがこれからも継続されていくと、集積というふうなことにおいて出し手というふうなものがむしろ出しにくくなるんじゃないかと、こういうふうな御指摘でございます。
 そのことにつきましては、元来いろいろと議論がございましたけれども、この出し手、言わば協力していただくというふうな立場の方々の考え方からいたしますと、二つあると思います。一つは、米作りから別のものに転換をしたいと、野菜作りなら野菜作りに転換したいというふうな考え方の人、それからもう一つは、やはり高齢化というふうなところから、しっかりと受けてくれる人がいるならばもう任せたいと、こういうふうなことで、私どもは、それじゃ自分自身のそういう農地を出しましょうと、こういうふうな考え方であるというふうな、この二通りがあると思います。
 そういう中で、今日の農業の実態、農村の実態、実情というものを考えますと、やはり高齢化というふうなところが相当進んできておるというふうなところから、やはり自分の、この長い間農業にいそしんできたところを信頼できる人に任せてみたいというふうな方々が相当いらっしゃるんじゃないかと、そういうふうなことで、できるだけそういう地域社会の中において話合いをして、そして協力をしていただくというようなことでこの集約を進めていきたいと、こういうふうに考えておりますので、私どもとしては、そういう意味では、この戸別所得補償制度というふうなものを継続することによって集約化が困難な状態になるというふうな、そういう考え方に立つということではありませんということを申させていただきたいと思います。
#23
○野村哲郎君 何だか大臣、いつものような歯切れの良さがなくて、苦しい答弁をされたと私は受け止めましたよ。いや、真逆の政策ですよ。
 一方、今言いましたように、お金だけでいえば、戸別所得補償制度にずっと乗っかっていた方がいいですよ、農地を出すよりも。さっき言いましたように、十年間なら十年間という、今度、今から申し上げますけれども、協力金の要件は十年間の白紙委任ですからね。十年間という期間で見たときには、戸別所得補償の方が三百万、一方は五十万です。ですから、農家はどう判断するかというのは、これはもうもちろん農家の皆さんが判断する話ですけれども、金目だけでいえば、私はこれはうまくはいかない。まさしく真逆の政策を同時進行で進めていかれるのかなと。
 それからもう一つ、これは、大臣あるいは副大臣、政務官、三役でこのことを御存じだったのかな、あるいはどういう議論でこういう結果になったのかなというのが一つあります。それは、この集積協力金の要件を見ますと、まず、先ほど申し上げましたように、十年間は白紙委任ですよ、これは相手を指定しないんですよというのが一つありました。それから、これからが問題だと思うんですが、十年間は土地利用型農作物の販売はやらないんですよ。あるいは、今後十年間の農作物の販売はしないんですよ。そして、農業機械は廃棄処分しなさい。トラクター、田植機、コンバインについては一台ずつ三台を廃棄することと。何ですか、これは。農家をやめろと、こういうことですよね。
 私は、農家というのは、いつも申し上げているように、金目だけでの問題ではなくて、生きがいでやっぱりやっておられる方々が多いんです、私の地元も。その方々から手足をもぎ取って、十年間はおまえたちは農産物を販売するな、持っている農業機械全部廃棄処分しなさい。これは三名の、鹿野大臣、非常に農家に対する思いやりの深い三役だと思うんですが、こんな冷酷な冷たい仕打ちを農家にするんですか。私は、三役がいらっしゃって、それは事務方はこういう厳しい要件を付けたのかもしれませんけれども、これがもう公になっているんですよ、公になっている。今朝の農業新聞で見ました。北海道から今日とあした、皆さん方に提言をしに来るというのが今日の農業新聞に出ていますよ。これは要件を見直さないと、これはもう受け入れられ難いと。
 それからもう一つ言わせてもらいますと、もう時間がありませんので、水田だけが対象、戸別所得補償制度に乗っている人たちが対象ですよと。大臣ももう御存じだと思いますけれども、全国の耕地面積の五二%が水田、あとの四六%、七%は畑作ですよ。半々ですよ。畑作の人たちは農地集積しなくていいんですか。これでは不公平ですよ。私どもの鹿児島でもしょっちゅう言われます。それは今日北海道からお見えになる方々も、何だ俺たちは対象じゃないのかというお話ですよ。何でこれだけ、水田だけを環境保全しているとか、あるいは多面的なそういった機能を有しているのは水田だけじゃないですよ。半分は畑地ですよ。樹園地であり牧草地なんです。
 ですから、そのことを何でこういうような政策で、戸別所得補償制度に加入していることが条件ですって、畑作の人たちは細々やんなさいよって、酪農も細々とやんなさいよって、こんな感じですよ。こんな冷たい仕打ちをやっているということと、不公平な政策だということを申し上げたいと思います。
 もう時間がありませんので、もう答弁は要りません。もう指摘だけをしておきます。
 そこで、最後、青木先生、済みませんね、あと二、三分、これだけは言っておかないといけませんので。非常にマイナーな話になりますけれども、先般大臣にも、私ども自民党として要請をいたしました。サトウキビの問題です。
 今日の資料にも実は出してございますけれども、鹿児島と沖縄のサトウキビがもう大変な減収であります。これはもちろん日照不足があったり、あるいはまたメイ虫という害が発生した、あるいは台風、これはもう常襲地帯ですからいつものことなんですが、しかし沖縄においては復帰後最悪の状態です。それから、私ども鹿児島は過去最低の収量。それから、糖度もそうです。鹿児島を見ていただきますと、糖度が相当下がっております。これは〇・一度で百円ですから、一度下がりますと千円、価格が下がるわけです。大体六トン取れますから、一反歩当たり六千円のマイナスになるんです、糖度が一度落ちるごとに。
 それで、皆さん方からは七億円のいろんな対策費も打っていただきましたし、まだ予算上がっていませんけど、それから、機械リースのために四億計上していただいております、今。これでは足りません。これを議論していただくときには、多分相当収量が落ちる、あるいは害虫が発生をして大変なことになるということだったんだろうと思います。だけれども、これでは足りません。ですから、先般、大臣に直接お願いしました。
 なかなか役所の方からは具体的な対策というのがその七億と四億以外に聞こえてまいりませんし、ただ、苗が足らない、当面の対策として苗が足らないんです。ですから、それについては役所の方でもいろいろ手配をしていただきまして、今年の植付けには、春植えには何とかクリアできるのではないかと思いますが、ただ、今年をクリアしてもサトウキビというのは二年、三年この影響が続くんです。ですから、大臣の方から当面対策とこれから二年、三年の間の対策、いろいろ私どもは書いてございますから、これを具体的に指示を出してください。もうこの場で指示を出しますということを明言していただければ有り難いと思います。
#24
○国務大臣(鹿野道彦君) 三月六日の日に野村先生始め自民党の主なる先生から御要請をいただきました。そのときに、私が頭の中にあった思いよりもやっぱり相当被害の影響というものが大きいのではないかと、こういうふうなことから、事務方に対して状況がどうなっているかということをしっかりつかむように指示をいたしました。
 その結果、春の植える苗の絶対量が不足している、あるいはまた製糖工場に対して既に一部実施しておりました製糖用のサトウキビの苗用の転用について、あるいは県に対して株出しの延長をせざるを得ない地域における株出し管理の徹底等について、それぞれ文書で協力要請をしました。
 そういう中で、当然この予算を執行するというふうなところに準備を急がせるというふうな指示もいたしているところでございますけれども、この二十三年産のサトウキビの製糖も終盤を迎えておりますので、これから次の畑作農作業が本格化していくことから、県や生産団体ともよく連絡を取って、今の状況が生産者や製糖工場などにどれほどの負担増になっているかというものをよく見極めながら、現場の実情に応じた対応を検討するようにというふうなことを指示をいたしているところでございます。
#25
○野村哲郎君 これで終わりますけれども、要は、確かにおっしゃったように、春植えについては役所の方でもいろいろ骨を折っていただきましたし、また県も動いております、あるいはまた団体も動いておりまして、何とか苗不足ということにはならないと思うんですが。ただ、このことは、例えば、株出しももう一回しなさいというと、これは大体六割ぐらいしか収量上がってこないんですよ。ですから、来年、再来年にまた影響する話ですから、そこのところの対策を今後のことも含めて、事務方に是非、大臣の方から御指示をいただくようにお願いしまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#26
○青木一彦君 自民党の青木一彦でございます。
 先ほど野村先生からも御質問がありました。これは本日の審査には関係ございませんが、やはりTPP、これからの国の形をどういうふうにするのか、そしてこの農林水産委員会でも最も大きなテーマであると思っておりますので、まず初めに質問させていただきます。
 先ほど野村先生、そして先般予算委員会においてはこの委員会の紙先生も質問していらっしゃいました。
 三月付けでTPP協定交渉の分野別状況というものが役所から出されております。やはりこの中で、多数の国が九〇から九五%即時撤廃、そして、アメリカを除く八か国の多くの国は残る関税については七年以内に撤廃すべきであるとはっきり明記されております。そして、センシティブ品目については除外を求めている国はないということが書かれておりますが、これは事実でございますか、お伺いいたしたいと思います。
#27
○国務大臣(鹿野道彦君) そのようなことでございます。
#28
○青木一彦君 もしこれが事実だとしたら、この事実をどのように受け止めていらっしゃるのか、大臣にお伺いいたしたいと思います。
#29
○国務大臣(鹿野道彦君) 非常に厳しい、一つの交渉参加に向けて各国といろいろ話合いをしておる中で、厳しい状況であるなというふうなことは、当然私も頭の中にあります。
 そういう中で、特にアメリカ等々におきましては、過般、御承知のとおりにパブコメを掛けまして、それを受けてアメリカとしても分析をしながら我が国に対してどういうふうなことを求めるかというふうなことをやっていくと、こういうふうなことでございますので、そのようなアメリカあるいはその他の国々が今後の協議の中で我が国に対して更に詳細にわたっての考え方を示してくると、こういうふうに思いますので、それをしっかりと情報を提示しながら国民の皆さん方にも議論していただいて判断をしていかなきゃならないと、こういう考え方に立っておるところでございます。
#30
○青木一彦君 先ほどのビートルズのお話もございました。多分、野田総理もかなり前のめりなのではないかと私自身は思っております。
 そして、もしセンシティブ品目、これ除外であるとすれば、例えばお米、大臣、どのようにお考えなのか。対策どうするのか。もしTPPに参加すれば、これは甚大な被害を被るのは間違いございません。そこで、もしするのであれば、先ほどの話であれば、何か対策を当然のことながら既に考えていらっしゃるというのが私は普通だと思います。一般論で、それは仮定であるのでと、もう私は仮定であるのでという言葉を言う時期ではないのかなと、そういう思いもいたしておりますが、対策等については省の中でお考えなのかどうなのか、お伺いいたしたいと思います。
#31
○国務大臣(鹿野道彦君) 正直なところ、弁明、弁解というふうに受け止められるかもしれませんけれども、現実、交渉参加をするかどうかというふうなことはまだ政府としても決めたわけでもございませんし、また、我が国としてどういうふうなものを、例えば除外品目として求めるかというようなこと等々を明確にすることが、今後のいわゆる外交というものを考えたときに、プラスになるのかマイナスになるのかというふうなことはなかなか難しい判断にもなってくるわけでございまして、私どもとしては、今の段階におきましては、しっかりと各国が我が国にどういうことを求めるかというふうなことの中から判断をしていくというふうな段階でございますので、今私から対策について云々というふうなことについては控えさせていただきたいと思っておるところでございます。
#32
○青木一彦君 大臣ちょっと今気になることをおっしゃったと思うんですが、プラスになるのかマイナスになるのか、重要品目に関してですね、そういうふうに私おっしゃったように聞こえたんですが、とにかく……(発言する者あり)ええ、そのように聞こえました。その点について、もう一度お伺いいたしたいと思います。
   〔委員長退席、理事郡司彰君着席〕
#33
○国務大臣(鹿野道彦君) いわゆる除外品目、例外品目というふうなもの、いわゆるセンシティブ品目というふうなものを、こういうふうなことを考えていますというふうなことになってくると、明確になってくるわけですよね。それが果たして外交、これからの交渉事についてプラスになるのかどうかと、こういう意味でございます。
#34
○青木一彦君 TPPについてはこの辺で終わらせていただきたいと思います。
 それで、今回、東日本大震災から一年が経過いたしました。この震災で最も被害を受けたのは沿岸部であり漁業であるという私は認識を持っております。本日御臨席の皆様方も同じだと思います。そして、そこで、一年たった今、被災地の現状を確認するとともに、これから復興に向けてどういうお考えをお持ちなのかを順次質問していきたいと思います。
 東北地方における漁業や養殖業のまず特色、そしてこれらの地域の漁業や養殖業の日本全体に占める割合はどの程度のものなのか、まず初めに、これ皆さんお分かりだと思いますが、お尋ねいたします。
#35
○大臣政務官(森本哲生君) この被災、特に三県以外にも北海道から千葉は非常に大切な漁場だというふうに認識をいたしております。
 数字的に申し上げるならば、ここで特に被害が多かったこの三県の沖は、サンマですと全国の三割というような、そして漁業生産量でも全体で全国の一割を占めるというところでございます。そして、養殖につきましては、ワカメについては何と七割、そしてカキについては全国の三割というふうに、随分ここのところはシェアは大きいと言えます。
 ですから、それだけではなしに、沖合遠洋漁業の拠点でもございますし、こちらの方は漁船が水揚げをするとともに補給機関としても、油と水、そうしたところでも重要な位置を占めておるということが言えると思います。
#36
○青木一彦君 今おっしゃったとおりだと思います。ということは、東北の復興なくしては日本の漁業の先行きは私は暗いということだと思います。
 その中で、現在、漁業、漁船、漁場、それで養殖業、水産加工の被害についてどのように考えていらっしゃるか。これ、簡単でいいです、数字述べられなくてもいいですから、大体どういう認識なのかということだけお伺いいたします。
#37
○政府参考人(佐藤正典君) 今委員御指摘のとおり、東日本大震災に伴います津波におきまして、北海道から千葉まで七道県、あるいは全国で大きな被害が発生しております。特に、三県において大変大きな被害がありまして、沿岸部でほぼ全域にわたりまして壊滅的な被害を被ったところでございます。
 漁船につきましても二万八千六百十二隻というようなことで、また養殖業でも一千三百三十五億円、また水産加工業におきましても千六百三十九億円、漁港で三百十九か所、被害額八千二百三十億というようなことで、大変大きな被害を受けているところでございます。
#38
○青木一彦君 一次から三次まで補正予算、我が党も協力した上で補正予算組ませていただきましたが、これ予算額、どれぐらい水産の方で取られたのか、お伺いいたします。
#39
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明をいたします。
 二十三年度の一次から第三次までの補正予算におきまして、合計で七千二百九十三億円を計上しているところでございます。
#40
○青木一彦君 これは大変な数字だと思います。しっかり私、御尽力されたなという、敬意を表したいと思いますが、予算は執行されなければこれ意味がありません。現在の執行状況をお伺いいたします。
#41
○政府参考人(佐藤正典君) 三月末までの執行見込みは割当て内示で五千六百三十一億円ということで、全体の七七・二%でございます。未執行分につきましては、予算を繰り越した上で四月以降も引き続き執行する予定にしているところでございます。
#42
○青木一彦君 養殖業について伺いますが、養殖業の場合は収入を得られるまでに数年程度掛かるものがあります。当然のことながら、一年でできるものもあれば、何年間か掛かるものもあります。養殖業に対する支援策についてお伺いいたします。
#43
○大臣政務官(森本哲生君) これは養殖の施設、災害復旧事業を活用をさせていただいておるわけでございます。
 ここにつきましては、先ほど御指摘ありましたように、人件費、燃油費等の生産に必要な経費、そして赤字になった場合はその一部を支援するがんばる養殖復興支援ということで、第三次補正予算で措置をさせていただいております。ですから、この前段の人件費、燃料費については水揚げ金額から返還をしていただくという、またその差額を支援するということがございますので、ここのところしっかりとやらせていただきます。
   〔理事郡司彰君退席、委員長着席〕
#44
○青木一彦君 大量の瓦れきが発生しました。漁港や漁場における瓦れきの撤去、今どの程度進んだのか、お教えください。
#45
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明を申し上げます。
 被災地の漁業再開におきましては、瓦れきの撤去、大変な重要な課題でございます。漁港の航路、泊地の瓦れき撤去につきましては、漁港の災害復旧事業によりまして査定前着工ということで応急工事、これをフルに行いまして、昨年の十二月の中ごろまでに瓦れきの撤去が必要な二百三十二漁港の全てで完了しているところでございます。
 また、漁業者や専門業者によります漁場の瓦れき撤去の取組を漁場復旧対策支援事業によりまして支援をいたしまして、三月二十六日現在で、定置漁場九百五十八か所のうち八百八十一か所、養殖漁場八百四か所のうち七百三十五か所の瓦れき撤去が完了しているところでございます。また、二月十三日からは底引き網漁船等によりまして広域的な瓦れき撤去を開始しておりまして、二十四年度末までに被災した漁場の瓦れき撤去を完了させる見込みでございます。
#46
○青木一彦君 続いて、漁港、これも壊滅的な被害を受けました。漁港の復旧はどの程度進んでいるのかお伺いいたします。
#47
○副大臣(岩本司君) 東日本大震災により被災しました三百十九漁港につきましては、漁業の早期再開に向けて緊急に復旧を要する漁港から災害審査前に着工が可能な応急工事をフルに活用いたしまして、二百五十三漁港におきまして、航路、泊地の瓦れき撤去や岸壁のかさ上げ等の工事を実施をいたしております。
 第一次及び第三次補正予算におきまして、漁港の復旧復興の経費といたしまして二千八百五十七億円を計上いたしまして本格復旧に取り組んでいるところであります。これらにより、二月末時点でほぼ全ての漁港、三百十漁港、約九七%におきまして、部分的にではありますけれども水産物の陸揚げが可能となっております。
 また、全国的な拠点となる漁港の復旧に当たりましては、市場施設等の流通、加工機能の強化や地震、津波対策などの災害に対する安全性の向上を図りまして、地域の拠点となる漁港の復旧に当たっては、周辺漁港の機能の一部を補完するために地域の実情に応じて漁港施設の集約、強化等を推進しているところであります。
#48
○青木一彦君 今、瓦れきそして漁港、これ進展状況、かなりの割合で進んでいると、お話お伺いしまして安心をいたしました。これであればもう水揚げ、かなりできます。
 私、一番危惧していましたのは、これが遅れることによって、漁業の就業者、これかなり年齢が高い方が漁業に就労をしていらっしゃいます。そして、就労者もどんどん減っている。これが遅れることによって、やはり漁業に直接携わる人がどんどん少なくなってしまうんじゃないか、そうすると、例えば漁村そのものの存在そのものがなくなってしまうんじゃないか、そういうことを危惧いたしておりましたが、今の話聞いておりまして安心をいたしました。
 私も資料を見せていただいて思ったのは、そこまではうまくできております。しかし、水産業の復旧復興のためには、漁業だけではなくて、やっぱり加工業など関連産業との一体的な復旧復興が必要だと思いますが、どのように取り組んでいるのかお尋ねいたします。
#49
○副大臣(岩本司君) 被災地におきましては、地域経済の核となってきました漁業と、その関連産業であります水産加工業等の一体的な取組による再生が極めて重要であると認識をいたしております。
 このため、三次にわたる補正予算によりまして、共同利用の水産加工施設の修繕、新設や機器の整備を支援しているところでありまして、現時点では、岩手、宮城、福島の三県の被災した水産加工施設のうち約五割が復旧をいたしておるところであります。
 また、水産加工業協同組合等が緊急的に遠隔地から加工原料等を確保する際の掛かり増し経費も支援しているところであります。これ分かりやすく言いますと、例えば宮城県の塩釜魚市場水産加工業協同組合が県内で仕入れたブリの原料確保が困難となり、鳥取県の流通業者から仕入れた際の運搬料について例えば支援しているですとか、さらに東日本大震災復興交付金、これは復興庁の予算ではありますけれども、民間事業者の水産加工施設の支援も盛り込まれております。これも、例えば岩手県の普代村では、この復興交付金を活用しまして、民間の水産加工施設の整備とともに、村として行う地域水産物の販路拡大、販売促進の取組、これもキャンペーンを打ったり、あるいは販売所、直売所を設けたり、そういう取組を計画しているところであります。
 こうしたきめ細かな支援策を通じまして、今後とも水産加工施設の復旧に早急に全力で取り組んでまいる所存であります。
#50
○青木一彦君 あと、気仙沼あるいは石巻の漁港においては地盤沈下がこれ著しく発生いたしております。
 水産加工団地等の用地のかさ上げが必要だと思いますが、地盤沈下対策についてお尋ねいたしたいと思います。
#51
○副大臣(岩本司君) 平成二十三年度の一次補正予算及び三次補正予算におきまして、漁港等の復旧復興の経費といたしまして二千八百五十七億円を計上いたしまして、岸壁、臨港道路等の本格復旧の中で、地盤沈下に対応した漁港のかさ上げに取り組んでいるところであります。
 また、漁港区域内の水産加工場用用地等民有地のかさ上げに当たりましては、合意形成が得られた区画から段階的に工事を実施するとともに、岸壁等の復旧に先行して用地のかさ上げを行うなど早期の事業実施を図り、水産業の早期再建に努める考えであります。
#52
○青木一彦君 今お話聞いておりましてもかなりの進捗状況だと思っておりますし、一生懸命水産庁さん、努力していらっしゃると私は大変評価をいたしております。
 その点で、ちょっと私が問題になるかなと思ったのは、この度放射性物質に対する食品の新基準というものを定められました。水産物の放射性物質検査にどのように取り組まれるのか、お答えをいただきたいと思います。
#53
○大臣政務官(森本哲生君) この点については四月一日から厚生労働省が中心にやっていただいておりますが、私どもとしても、お茶や乾燥食品なども含めて、やっぱりこうした生産、流通、魚も含めたこの基準値は、適宜、この基準値は厚生労働省にしっかり私どもも示しながら協力をしていかなければならないというふうな、そんな考え方をいたしております。
 特に、食品衛生法の規制値を超えるものは流通させない、このことが大事であるわけでありまして、ここのところは十分、厚生労働省、今日も来ていただいておりますが、連携を取ってやっていくということで私どもは考えさせていただいております。
#54
○青木一彦君 これ、基準値、かなり厳しい基準値になっております。これ、検査をすると、新基準値を受けて、もし基準値に引っかかるとなると、やはりこれ、心配されるのが風評なんですよ。それとの風評との関係。当然、基準値以上のものが出る、それをマスコミが取り上げる、そうすると、またそれから風評が広がる、私はこういう図式だと思います。
 今いろんなところでお話を聞いておりましたら、一応今回の基準値というものは、安全プラス安心ということで基準値を付けられた。そして、いろんな方にパブリックコメントを求めた中で、一層厳しくしてほしいと答えた人が七七%に上った、厳し過ぎると答えた人は三%だと。そういうことを考慮して今回の基準値を作られたんじゃないかなというふうに思っておりまして、安全プラス安心、私、安全というものは科学的根拠を持ってやっぱりやるべきものですが、安心というものは個人によって差があります。この辺が、余りに厳しい基準値付けられ過ぎたのかなと私は思っておりますが、このことが風評につながらなければいいというふうに今思っております。
 例えば、当然のことながら、安全を守る厚労省さんの立場からすれば、先ほど言いましたように、安心を増すためには厳しい基準値付ければ、当然、安心は増します。これは当たり前のことです。ただし、農作物あるいは漁家を守らなきゃいけない農水省の立場からすれば、余り基準値が下がり過ぎるのはこれはどうかなというふうに私は考えますが、そこで、今回基準値を作るに当たり、農水省さんと厚労省さん、しっかりと話をされたのか、議論されたのか、その辺を伺いたいと思います。
#55
○大臣政務官(藤田一枝君) 新基準値の設定に関しては、農水省の皆様を始め、関係府省の皆様と緊密に連携をしながら対応をしてきたところでございます。
 検討段階から協議を重ねてまいりまして、先ほど御答弁もございましたけれども、実態の情報等の提供もちょうだいをしてまいりました。そして、その上で、五ミリシーベルトから一ミリシーベルトに基準値を下げた場合の食料供給への影響であるとか、経過措置の対象となる食品の内容と期間、あるいは乾燥魚介類などの加工食品への基準値の適用の考え方、こうしたことについてそれぞれ協議をさせていただいて決定をさせていただいたところでございます。
 その際、農水省さんとの協議の中で、もちろん、今御指摘がありましたような一部の魚介類あるいはキノコ類について限定的な影響が出るということは当然御指摘いただいて、そういうデータもちょうだいをいたしましたが、我が国の供給上大きな影響はないという、こういう見解もちょうだいをいたしたところでございます。
#56
○青木一彦君 これは、しっかり安全というものと安心というものをやはり分けて考えていただきたいと、そのことを厚労省さんにも強く希望をいたしたいと思います。
 最後に、燃油高騰、これ、イラン情勢がどうなるか分からない中で、燃油高騰しますと、国全体の漁業に関して非常に厳しい状況が今後予想されます。そして、当然、高騰する可能性もあると思います。
 極端に例えば値上がりした場合ですね、燃油が、今の燃油高騰水産業緊急対策で対応できなくなったときに、万が一、何か対応策があるのか、お伺いいたしたいと思います。
#57
○政府参考人(佐藤正典君) 御説明いたします。
 燃油高騰、高止まりというような感じございますけれども、その制度を見直しまして、支障が起こらぬような形で改正をしてきているつもりでございますが、今後の燃油等の動向につきましてはしっかり注視してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#58
○青木一彦君 いずれにせよ、被災地の漁業を営む皆さん方、一生懸命頑張っていらっしゃいますので、これからもしっかり、先ほどお話を聞きました限りにおいては、水産庁さん、本当一生懸命やっていらっしゃいます。これからも同じ姿勢で頑張られますことを心からお願いを申し上げまして、質問を閉じたいと思います。
 ありがとうございました。
#59
○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。質問をさせていただきたいと思いますが。
 同僚議員の横山議員が本委員会では何回も質疑をしているわけでございますが、その中で何回か御指摘を申し上げた点で、いわゆる牛ふんの堆肥の処分問題ですね、いわゆる福島第一原発の影響を受けたですね。それが、議事録を見る限り、余り明確な方針がないと、こう思うわけでございますが、現在、いわゆる畜産家に保管されているというか、どのぐらいあるんですか。
#60
○政府参考人(今井敏君) 農家が保管しております牛ふん堆肥の把握の状況のお尋ねでございますけれども、牛ふん堆肥につきましては、昨年の八月八日に検査方法を定めまして、十二月まで掛けて対象農家の検査をやってまいりました。その結果、福島県におきましては、約千六百戸の農家に牛ふんの堆肥で暫定規制値を超えているものが保管されております。そのうち、八千ベクレルを超えるものも若干存在しているという実態でございます。
 なお、保管している数量の方につきましては、汚染部分の分別等を確認しながら引き続き調査をしているという実態でございます。
#61
○白浜一良君 これ千六百戸今あるとおっしゃいましたけれども、これどんどん増えていく一方ですよね。今の段階で措置されていることというのは、ブルーのシートですか、それを掛けるぐらいの措置しかされていないわけでしょう。これどんどんどんどん堆積されていくのはどこまで見ていらっしゃるんですか、これ。いつ、この処分方針を決められるのか、言ってください。
#62
○国務大臣(鹿野道彦君) この牛ふんのことにつきましては、本当に私どもといたしましても重大な関心を持って取り組んでおるところでございますけれども、既に焼却等最終処分を終えた県もございますけれども、とりわけ福島県におきましては当面一時保管を行うと、こういうふうなことで対応しておるところもございます。
 そういう意味で、とにかく、今先生から御指摘のいつまでというようなこと等々につきましては、基本的に五つの市町村、福島県の五つの市町村では一時保管のいわゆる実施、実証を行っておるわけでございますけれども、さらに二月の下旬からは、この県の基金というふうなものにおいて対応が着実に行われるように環境省にも私の方からも働きかけをいたしまして、現在、市町村との直接の協議も始めまして、三月の二十七日までには十二の市町村でこういう協議も実施いたしているところでございます。
 そういう意味で、御指摘のこの汚染牛ふん堆肥の処分というふうなものがこれからもできるだけ早く進むように、政府全体としても県と市町村とも連携を取って取り組んでいかなきゃならない、これからも国の農林水産省からも職員も出向いて取り組んでいかなきゃならないと、こういうふうなことで対応を指示しておるところでございます。
#63
○白浜一良君 経緯は、そういうことなんか知りませんけれども、大臣、瓦れきの処理もそうなんですよ。それは、自治体に任せて進むわけないじゃないですか。だから、国が責任持ってそういう道筋を付けるのは当たり前じゃないですか、それ。もう一年以上たっているんですよ。そのままほったらかしじゃないですか、これ。
 畜産家の皆さんは大変ですよ、どのぐらい広い敷地を持っていらっしゃるか知りませんけれども、どんどんどんどん積んで、もう二メートル超えているところあるようですよ。暖かくなったらそのにおいもひどくなるでしょうし、二次的ないろんな災害が起こるじゃないですか、皆さん。そんなことが分かりながら、何で明確な処方箋を国が関与してきちっと作れないんですか。おかしいんですよ、これ。市町村がやむを得ず話し合うというのは、それは当たり前ですよ。市町村だけで解決できないから、今までほったらかしになっているんじゃないですか。それずっと一年間見たままですか。これ本当に、明確な処分の仕方を国が責任持って関係省庁と打合せして、大臣、ちゃんとやりますとはっきり言いなさいよ。
#64
○国務大臣(鹿野道彦君) 今日までも、今先生御指摘のことの考え方に立って、環境省とも連携を取ってやっているところでございますけれども、現実的に、今申し上げましたとおりに、直接市町村の協力というふうなものが必要になってくるわけでありますので、そういう意味で、私どもと市町村の直接の話合い、協議というふうなものがなされてきておりますということを申し上げたわけでありますが、更に具体的に環境省に対しても、また取組というものを私どもとも連携を密に、更なる密にやって、そして現実的な形でその成果が上がるようにしていきたいと、こういうふうにこれからの取組について申し上げさせていただきたいと思います。
#65
○白浜一良君 余りそういう厳しくだけ言うつもりは私ございませんけれども、じゃ、要するに畜産家のところに堆積されているものと、一時的な仮置場に蓄積されているもの、どのような比率になるんですか、千六百戸のうち。分類分かりますか。
#66
○政府参考人(今井敏君) 大半は、現時点におきましては畜産農家の敷地内で保管されているというふうに承知しております。
#67
○白浜一良君 もうこれ以上言いませんけれども、それが実態なんですよ。それで、平然とあなたはしていらっしゃる。あなた、担当者でしょう、仕事は。神経分かりませんね、私は。今大臣もおっしゃったので環境省が主管かも分かりませんけれども、環境省に怒ったって環境省は結論出ませんよ、こんなの。畜産家を抱えているのは農水省じゃないですか。もっと主導して、リーダーシップを発揮してやっていただかないと。このことだけ申し上げておきたいと思います。
 それから、除染が大きく問題になってございまして、当然、住宅地域、住宅、これが先行するのは当たり前でございますけれども、一番最後に残るのはどこか知りませんが、これ森林の除染が大変難しい。環境省来ていただいて、環境省ですか。要するに、どういうふうに除染をこれからしていかれる、ロードマップがあるのでしたら教えてください。
#68
○政府参考人(鷺坂長美君) お答えします。
 国が直轄で除染を実施する区域につきましては、除染ロードマップというのを一月二十六日に公表させていただいておりまして、そこで除染の進め方の基本的な考え方をお示しをしております。
 現在、そのロードマップを踏まえまして、個別の市町村ごとに除染実施計画を策定すべく関係自治体等と協議、調整を進めているところでございます。できるだけ早く各地域の具体的な除染実施計画を策定して、本格的な除染につなげていきたいと考えております。
 また、市町村で除染をしていただく地域につきましては重点調査地域ということで指定をさせていただいておりまして、鋭意、今、もう幾つかできているところもございますけれども、市町村の方で除染の実施計画を策定いただいているところでございます。
 今御質問ありました、その中で森林の除染ということでございます。この点につきましては、今、政府の基本方針においては、まず人の健康の保護の観点から、必要である地域について優先的に除染を実施すると、こういうことにしておるところでございまして、具体的には生活圏といいますか住居等の近隣におけるところで、住居等に影響があるような部分については最優先に行おうということで、住居等近隣二十メートルについての森林の除染を行うように進めているところでございます。
#69
○白浜一良君 当然、そういう住居地域から優先している、それはそれでいいんですが。森林は大変手が入りにくいと、難しさがあるわけでございまして。
 今日は、私、問題にしたいのは、それをどうしていくかということもあるんですけれども、それよりも、時間が掛かれば掛かるほど樹木もいわゆるセシウムを吸収するということなんですね。今はそれは葉っぱとか落葉とか、そういうところにたくさん濃度が濃いセシウムがあるんでしょう。それを除去すればいいということだけならそれは簡単なんですが、ほうっておけばほうっておくほど樹木そのものがセシウムを吸収すると。私、専門家じゃないのでよく分からないんですけれども、カリウムとよく性質似ているみたいですね。だから、樹木がそういうセシウムを吸収してしまう。
 チェルノブイリの例でも、樹木のそういうセシウムの濃度というのは十五年後がピークだったと、そういうデータもあるぐらいでございまして、ほうっておけばほうっておくほど樹木がそういうセシウムを吸収していくので、私が申し上げたいのは、当然、いわゆる警戒区域にあるようなところは当然一切問題ないんでしょうけれども、計画区域もございますし、それ以外のところも放射能を浴びた森林ございます。そういうところの樹木はどんどんどんどんセシウム吸収して、当初よりも濃い、そういうセシウム濃度になってしまうという。それがもし伐採されて市場に回ったら、非常に放射能汚染された木材を一般が使ってしまうということになるわけですよ。
 だから、ここをどうするかということで、先日もあれがありましたですよね、石ですか、石材、石材が非常に放射能を浴びて、それを流通して使ったら大変高濃度の反応をしたということで、いわゆるその石材は、私伺いましたけれども、出荷基準が一キロ当たり百ベクレル。そういう砕石の基準決めたみたいに、だから、私は木材もいろいろそういうホットスポットみたいなところで被害を受けたところもあるわけでございますから、木材の出荷もこういう基準を決めるべきじゃないかと。このことを今日は申し上げたいんですが、いかがでしょう。
#70
○副大臣(岩本司君) 白浜先生の御質問にお答えいたします。
 先生の御指摘は本当ごもっともなことでございまして、木は根っこから放射能を吸収する、あるいは光合成をしながら葉っぱから吸収するんじゃないかと、そういう意見もあります。まだ、これ研究者の方々の結論は出ておりませんけれども、現在のところは木材製品につきましては樹皮を剥いだり表面をかんなで削ったりしますと放射性物質はほとんど取り除かれるという、こういう特徴がございます。そして、木材製品にするということはもう先に切っていますから、もう木の生命は絶たれているわけですね。ですから、吸収することはないわけです。ですから、そこのもう切った段階でしっかり放射能の濃度をチェックして、安全なものは製品にしていくと。
 これ三次補正予算ですけれども、森林・林業・木材産業に関する放射性物質緊急調査事業、これで五億九千百万円計上しておりますし、これは新規でございます、二十四年度の概算でございますが、これ三千万円、森林内における放射性物質実態把握調査事業。さらに、これも新規でございます、二十四年度の予算で計上しておりますけれども、お願いしておりますけれども、安全・安心な木材製品等生産技術検証・開発事業、これが五千五百万円を計上しておりまして、徹底的に汚染された材木、木材製品が流通しないように対策を取っているところであります。
#71
○白浜一良君 今、岩本副大臣、大事なことをおっしゃったんですよ。切ったら吸収しません、そのとおりです。それで切って、切ったときに木材にするということですが、そのとき測ればいいとおっしゃった。測って、ではこれ数値以上は駄目だと、測るまではよろしいですよ、だから基準が要るんちゃいますかと。測って何ベクレル以上は駄目ですよと。その基準がないんじゃないですかと私言ったんですよ。私そのことを言っているんですよ。分かりますか。
#72
○副大臣(岩本司君) これは基準に関しては現在のところという意味でございまして、先日もたしか衆議院でも自民党さんですか、質問、この点について大臣に質問があったと思います。
 ただ、砕石に関しましては、これはたしか計画的避難区域内の放射線量が年間百ミリシーベルトを超える砕石場から出荷された砕石があったことですね、先生御指摘の点でございますけれども。その結果、福島県二本松市の集合住宅等で屋外の空間線量率を超える高い数値が測定されまして住民等の不安を招いたことを背景に行ったものと理解をいたしております。
 一方、木材製品につきましては、放射性物質は基本的に樹皮に付着しておりまして、繰り返しになりますけれども、剥いだりかんなで削ったりすると汚染されないと。しかし、先生、これも本当重要な点でございます。これは、今のところは木材製品に基準を設定することは考えておりませんけれども、研究者の方とも議論を重ねましてこれは考えていかなければならない重要な問題だろうというふうに認識をいたしております。
#73
○白浜一良君 大臣、もう時間もないので、大臣のお答えだけ欲しいんですけど、今岩本副大臣がおっしゃったことは大事なことで、例えばチェルノブイリでも、樹皮がベクレルが高いというのはそれは当たり前なんですよ。ただ、チェルノブイリでも木材の基準値決めている。樹皮もレベル、それから建設用木材は三百七十ベクレルと。チェルノブイリでも、きちっとした、樹木を木材として出荷する場合のそれぞれの基準値決めているんですよ。こんなの検討するのは、私、当たり前だと思うんです。だから、これ専門家の意見も要りますけれども、当然農水省としても検討されるべきじゃないですか、大臣、いかがですか。
#74
○国務大臣(鹿野道彦君) 検討いたします。
#75
○白浜一良君 よろしくお願いしたいと思います。
 それから、話題は変わりますが、今、日本の貴重な森林、特に水源地が外国資本によって買収されているところがあるという、こういう報道もございます、実態もあろうかと思います。ただ、土地の売買というのは、当然、外国人には売らないというのは、そういう規定もできないわけで、そういう面で、日本の今ある制度として第一義的に大事なのは、保安林制度というのがありますね。保安林も幾つも種類があるんですけれども、いわゆる水源涵養保安林というんですか、こういう項目があって、主要な水源地がこういう保安林のきちっと網が掛かっていたら、その地域の樹木の伐採もできませんし、開発しようと思うとやっぱり許可が要ると、こういうことになるわけで、そういう面でいいましたら、やっぱり主要なそういう水源地をきちっと保安林として指定するという、こういうことがまず第一義的に大事じゃないでしょうか。誰でも結構です。どうぞ。
#76
○大臣政務官(森本哲生君) 今の御指摘は重要な部分だと私も思っています。
 今、国土交通省と我々農林水産省になるんですけれども、今回の法案の森林法の改正で、ここのところの購入に対しての、オープンで一ヘクタール以上というところから小さいところの分野まで、今チェックできるようになるんですけれども、委員おっしゃるように、やっぱり大きな規模の中で、特に水源涵養保安林は非常に大事な部分でございますので、そこのところは非常にこれから我々としてもしっかり考えていかないと、ましてや、今、山林の単価がもう本当にただ同然のような、むしろ売りたいという雰囲気でございますので、ここのところは重要な視点だと考えております。
#77
○副大臣(岩本司君) 平成二十三年の七月に全国森林計画を見直しまして、ダムの集水区域また主要な河川の上流に位置する水源地の周辺等、新たに保全が必要な箇所につきまして一層計画的に保安林を指定することとしたところでございます。先生おっしゃるとおりに、具体的には、平成二十三年三月末時点で千二百二万ヘクタールの保安林を平成三十六年の三月末時点で千二百八十一万ヘクタールまで増加させる計画であります。
#78
○白浜一良君 大臣、私なぜこういうことを申し上げるかといいますと、都道府県でも非常にこれは大事だということでそれぞれ取り組んでいらっしゃるところがあって、北海道は三月の二十三日ですか、埼玉が三月二十六日、もうつい最近の話でございますが、それぞれ条例を作っているんです。条例を作って、今の法律の体系では、そういう保安林の指定でない限り、一般の森林という意味で言っているんですよ、は、契約したら事後報告でもいいんですよ、それをちゃんと事前に報告をするようにという、北海道も埼玉もそういう条例を作ったんですよ。やっぱり、どこか訳分からない人に売買をされているというのは事後報告では困るということで、だから、そういう意識のある北海道にしても埼玉にしても、先行してそういう条例を作って貴重な水資源を確保するという動きをされているわけで、だから私は、都道府県にもそういう動きはあるんやから、国がもっと先行して、保安林の指定すべきは指定する、保安林の指定まで行かないところはこういう形で水源地を守ると、そういう明確な処方をつくられるべきだと、これは国の責任だということで今日はあえて問題提起をさせていただいたわけでございますが、大臣、いかがでしょう。
#79
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、副大臣から答弁させていただきましたけれども、必要な箇所について計画的に保安林を指定すると、こういうふうなことを申し上げましたけれども、今先生おっしゃるとおりに、それぞれの都道府県が条例を作ってまで守っていきたいというようなそういう取組もしておるということも、現実、ちょっと私自身も確認をしながら、どういうふうな指定の在り方がいいのかというふうなことについて勉強していきたいと思っております。
#80
○白浜一良君 しっかりお願いをしたいと思います。
 それで、もう一点、今日は国交省からも来ていただきまして、これはもう抜本的な話なんですが、もうこれは何回も国会でも取り上げられていますけれども、いわゆる一般の土地は境界線というのは非常に明確になっているんですが、山間地の場合は境界も分からなければ所有者もよく分からないという、そういうところもたくさんあるわけで、地籍そのものが非常に明確になっていないということもこれは度々指摘されていることだと思いますけれども、急にできるわけじゃございませんが、これは少なくとも、まあ国交省の意見聞きましょうか、まず。
#81
○政府参考人(塚本和男君) まず最初に、林地の地籍調査の現状ということでお話し申し上げたいと思います。
 地籍調査の進捗状況、二十二年度末で全国四九%で、そのうち林地の進捗率というのは四二%ということになっております。この地籍調査を計画的に進めるために、現在六次の十箇年計画というのを作っております。この計画の最終年度でございます平成三十一年度までには、全国の進捗率は五七%、林地につきましては五〇%までに引き上げるという計画でおります。また、二十四年度の予算案、現在御審議いただいておりますものにつきまして、地籍調査の実施に必要な経費としまして前年度比で一七%増の百四十七億円を計上しておるところでございます。
 特に林地につきましては、地籍調査の前段部分ということで、地元によく詳しい方の立会いによって境界情報を保全するような調査、これを国直轄で行うなど取組を進めることといたしております。
#82
○白浜一良君 こういう状況で、急にはできません、時間が掛かることだと思いますが、結局森林の有効利用、地籍そのものは国交省の所管でございますけれども、森林の有効活用という面で見ると、これは農水省も大いに関係がある話でございますから、こういう地籍の問題も、大臣、十分注意を払って関係大臣ともお話合いをしていただきたいと、このことを要望しておきたいと思います。
 最後に、今年のこの予算の中に、藻がバイオ燃料、油になるという、こういうことで少し予算が組まれております。私も全く知識がなかったんですが、循環経済新聞というんですか、この週刊新聞に渡邉先生という筑波大学の先生の記事が出ておりまして、こんな油の取れる藻があるのかというのを初めて知ったんですが。よく分からないんですが、ボトリオコッカスとかオーランチオキトリウムとか、これは大変有望な藻だというふうな、先生が御指摘されているんですが、これ、諸外国のいわゆる研究状態も含めて今どういうレベルにあるか、ちょっと報告してください。
#83
○政府参考人(藤本潔君) 藻類によるバイオ燃料についての御質問でございますけれども、藻類によるバイオ燃料開発は、近年の急激な原油価格の上昇や気候変動リスクの高まりといったことから国内外共に現在進展しているという状況と承知をしております。
 諸外国の例でございますけれども、例えば米国、アメリカにおきましては、エネルギー省が二〇一〇年にこの藻類の研究、実証に投じた金額、これをお聞きしておりますが、一億八千万ドル、今の為替にして百五十億円程度ということでございますけれども、そういうふうに聞いているところでございます。このほか、オーストラリア、イスラエル、中国、インドなど世界各地で微細藻類の研究開発また実証が行われるというふうに承知をしているところでございます。
 一方、我が国でございますけれども、農林水産省では、微細藻類について平成二十四年度予算として、油、油分でございますが、油分の有用物質を低コストで回収利用するための技術研究開発に約三億円を計上しておりますほか、採算性等を明らかにするための事業化、可能性の調査、こういったものに支援措置を行うことというふうにしているところでございます。
#84
○白浜一良君 大臣、今報告の中になかったですけれども、エクソンモービルが六億ドルを投資を決めている。大変なお金を投資して研究に当たろうとしているわけでございますが、残念ながら、二十四年度予算は、今話ございましたが、三億弱とおっしゃいましたが、二億八千七百万円、いわゆる研究に対して予算が組まれたと。大変少ない。
 いろんな農水省も予算あるでしょうから、重点配分というのは大変だとは思いますが、私は問題意識を持ってやってもらいたいなと思っておりまして、できれば、これも最後に伺いたいと思うんですが、この渡邉先生のお話を聞きますと、研究室の実験はできるんですね。ところが、やっぱり実証プラントを造るのが大事だとおっしゃっている。これ、コストですから、どれだけコストを安くつくれるかということが大事なんで、そのためには実証プラントを造ることが大事だとおっしゃっているんで、これは明年度の予算案、この研究費を使いながら、私は、できればこの大変な地震災害に遭われた東北の地にこういう実証プラントを造るというような方向性も含めて前向きに検討をしていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。これで質問を終わりたいと思います。
#85
○国務大臣(鹿野道彦君) 藻類につきましていろいろと今、事務局長の方からも報告をいたしたところでございますけれども、二十四年度の予算案におきましても、僅か、少な過ぎると、こういう御指摘もございますけれども、今後一定の成果、いろいろな取組の中で一定の成果がありますので、どうやって採算性というものを明らかにすることができるかという調査も含めて産業化に向けて取り組むというふうなことについて、私ども重大な関心を持って取り組んでいきたいと思っております。
#86
○白浜一良君 終わります。
#87
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。
 春といえば花粉症の季節でもあります。私の得ている情報では、鹿野大臣も若干花粉症があるという話ですが、症状を感じておられる方と感じておられない方では全然この話題受け止め方が違うので、是非、一緒に考えていただきたいと思うんですけれども。
 この問題、私取り上げるのは、前、衆議院議員だったときに平成十九年の春に一回取り上げて、去年は予算委員会で菅総理にもお伺いしたことがあります。三回目なんですけれども、ああ花粉症かってみんな知っているようにおっしゃるんですけれども、今日は特に杉花粉症について話をさせていただきますが、篠田審議官にまず知識の整理という意味で、この杉花粉症の現状、特に日本中でも地域の大分格差というか、ばらつきがありますので、その話と、また外国との比較についてお話しいただければと思います。
#88
○政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。
 花粉症、我が国における花粉症の患者数でございますけれども、これは社団法人日本アレルギー学会というのがございますが、そちらの推計によりますと、平成二十年における花粉症の有病率二九・八%というふうに推計をいたしております。なお、平成十四年にアレルギー協会が実施をいたしました杉花粉症による初めての大規模疫学調査の結果では、全国平均の推定有病率は一九・二%ということでございます。近年増加している傾向にあるのではないかと考えられるところでございます。
 また、地域別のお話でございますが、日本アレルギー学会、国内における地域差につきまして推計をしておりますけれども、都道府県別に見まして有病率の高い県、順番に申し上げますと、山梨県、高知県、栃木県、埼玉県という順番というふうに承知をいたしております。それから、反面、低い都道府県でございますけれども、北海道、沖縄、その次は宮崎というふうに、推計でございますが、出ております。それから、海外はどうなのかというお話でございますけれども、杉というのはほぼ日本の特有の樹木でございますので、杉花粉症が問題になっているのはほぼ日本に限定されるのではないかというふうに考えておるところでございます。
#89
○小野次郎君 最後の部分が私の理解では、特に外国にはない、日本特有と言ってもいい症状なんですね。
 審議官にもう一度伺いますけれども、五年前に伺ったときは一割を超える国民がというふうに資料にもなっていた、当時は。今伺ったら、二割という数字が今度三割という数字になってきているんですが、今の日本のいろんな数字って大体右肩下がりのものが多い中で、どうしてどんどんどんどん調べるたびに大きい数字になってくるのか。何か実態が明らかになってきているということなのか、それとも本当に増加しているという印象なんでしょうか。どちらなんでしょうか。
#90
○政府参考人(篠田幸昌君) 正直申し上げまして、どういう理由でと申しますか、どういうメカニズムでという点になりますと、まだ不明確な点が多かろうと思います。
 今申し上げました数字も一定の調査に基づく推定でございますので、どの程度の信頼性か、問題もございますけれども、ただ、一般的な感覚から申し上げますと、先生もおっしゃいましたように、杉花粉で悩んでいらっしゃる方はよく最近特に目に付くという状況かというふうに考えております。
#91
○小野次郎君 議事録を資料に付けるというのも何か余りセンスのいい話じゃないんですが、議事録を二枚付けさせていただいておりますけれども、五年前に取り上げたときにも、松岡、当時の農水大臣が、痛いほど分かるということで、今までもやってきていないというわけじゃないけれども、林野庁としてもしっかり力を入れていくという話をされていただいているんですね。
 つまり、その時点までは結構世の中は、今日も篠田審議官は厚労省から来ていただきましたけれども、アレルギーという話の中で、厚労省が対策を取っていただいているという認識が多かったと思うんですけれども、やはりこの杉花粉症に関しては、発生源対策、やっぱり杉が多いところ、あるいは杉の花粉が飛んでくる向きの地域に杉花粉症が多いということは、またこれは外形的な事実なんですね。ですから、それ以外の大気汚染とかいろんな要因を僕は否定する専門家でもありませんけれども、ただ、外形的に言えば、杉花粉が飛んでくる地域に杉花粉症が多いということも事実なので、この発生源対策が特に大事だと私は思っています。
 十九年の三月にこの問題を取り上げさせていただいて、林野庁では早速十九年の四月に花粉発生源対策プロジェクトチームというのをおつくりいただいて、それから本格的に取り組んでいただいているわけです。もう今年で五年になるわけですが、この花粉発生源対策プロジェクトの内容、取組の状況についてお伺いしたいと思います。
#92
○副大臣(岩本司君) 農林水産省といたしましては、平成十九年四月に花粉発生源対策プロジェクトチームを設置いたしまして、同年八月に花粉発生源対策を取りまとめまして、十年後に期待される成果といたしまして、首都圏等への杉花粉の飛散に強く影響を与えると推定される杉林、約九・五万ヘクタールでございますが、これについて花粉の少ない少花粉杉林や広葉樹林等への転換を進めまして、おおむね五割減少させる。また、少花粉杉苗木等の供給量を平成二十九年度におおむね一千万本に増大させるとの報告を行ったところであります。
 これを受けまして、少花粉杉等への転換を強力に推進するために、平成二十年度予算及び二十一年度の補正予算におきまして基金を造成しまして、平成二十二年度までの間、杉林を伐採して少花粉杉等を植栽した森林所有者等に対しまして協力金を交付する事業ですとか、少花粉杉苗木等の供給体制を整備する事業などに取り組んだところであります。
 これ、少花粉杉は約百三十五品種ございまして、これ無花粉杉も植えております。無花粉杉は約二品種でございますけれども、そういった事業に取り組んだところであります。
#93
○小野次郎君 副大臣、せっかくお触れいただいたんで皆さんにもお話しいただきたいのは、首都圏の花粉に非常に影響の強い地域って幾つか例示でも挙げていただければ、今お触れになったんで聞いているんですが、お分かりにならなきゃ私の方で言いますけれども、厚労省あるいは農水省でいろいろお調べいただいて、首都圏が圧倒的に多いんですね。まあ、あと関東地方と言っている。どこから飛んでくるやつかというと、一つは秩父、それから青梅、それから山梨県の上野原辺りに物すごい固まりがあって、もう一つは天竜川の両側、それから富士川の両側、そして伊豆の西伊豆の方面と房総半島と五か所、南風、海風のときはそっちから来て、西風のときは山の方から来るということで、何かこう、今はDNAか何か見るとどこから来た花粉か分かるらしいんですが、そんな実態が明らかになっています。
 五年前に伺ったときは、今の無花粉杉はまだ実験段階に近い段階でした。少花粉杉の方は、数が間に合わないというお話でしたけれども、そういったその後、広葉樹に植え替えた方がいいという話もあるんですね。やはり、山の形を里山みたいな形に戻そうという、あるんですが、その進捗状況もう一度、さっきざっとお触れになりましたけれども、お話しいただければと思います。対策は大分、内容的には進んでいるんでしょうか。
#94
○副大臣(岩本司君) 先ほどは通告になかったものですから、今は、なかったんですけれども、我々把握しておりまして、秩父ですとか多摩ですね、本当に被害を受けるということは承知をいたしております。
 花粉の少ない森林への転換や少花粉杉等の苗木の生産体制の整備等、花粉発生源対策に取り組んでおりまして、このうち、平成二十一年度の補正予算等におきましては基金を造成しまして、花粉の少ない森林づくりを推進したところであります。しかしながら、木材価格の低迷等により採算性が悪化しまして、森林所有者の林業への意欲が大きく減退している状況におきまして本基金を活用した取組は極めて少なかったところであります。
 現実、報告申し上げますと、平成二十年度予算で基金額がこれ二十三億円だったんですが、返納額が二十二億円、また、平成二十一年度の補正予算では基金額が百億円でございますが、返納額が九十八億円とほとんどが返納されたと、これが実態であります。一方、少花粉杉等の苗木の生産体制の整備等に取り組んだ結果、少花粉杉等の花粉症対策苗木の生産量は平成十七年度の九万本から平成二十二年度は百十八万本と、約十三倍に増加したところであります。
 また、昨年七月に閣議決定しました森林・林業基本計画におきましても、針葉樹と広葉樹の混在した森林への誘導等によりまして、花粉の少ない森林への転換を促進するとしたところであり、引き続き花粉の少ない森林づくりに全力で取り組んでまいる所存であります。
 これ、先生御指摘のとおり、今から私どもは路網整備を徹底的に実行しまして、それで材木を供給しやすく、そして、要は国産材を使っていただかないと木は切れませんので、そうやって減らしていって、将来も花粉症という病気で悩むような方がいなくなるように全力で取り組みたいと思っております。
#95
○小野次郎君 この五年間の間に政権交代というのがあったわけですけれども、その二十一年の補正予算のときは百億規模まで基金積み増したんだけれども、別に、結果的には、政権交代のせいではなくて、どうも一つは周知徹底というか、みんなに知られていないということと、一つは採算の問題もあるんだと思うんですが、大半が使われないままになってしまっていたという非常に残念なことだと思いまして、それで、去年また菅総理にお伺いしたら、菅総理も花粉症があるということで、最後のところに見ていただくと、小野さんに提案いただいても、いや、提案いただかなくてもしっかり力を入れてまいりますというふうにお答えいただいているんですね。
 これはもう本当に政党に関係なく取り組むべきテーマだと思うし、またこれは、納税者の感覚としても、この問題に結構お金つぎ込むことについては林業に関係ない方も是非やってくれというテーマですから、あとはいかに林業に関係している方たちに知ってもらうかということと、少しビジネス的なインセンティブ、何かそのことでメリットがあるというものを農水省の方でお考えいただいて、それが山に手を入れる動機になれば、それ以外の林業の発展のためにも有効じゃないかと思うんですね。
 是非、今後とも力を入れていただきたいと思いますが、二十四年度にはどういう対策を特にお考えですか、新年度には。
#96
○副大臣(岩本司君) いずれにいたしましても、今までの返納額がもう多くて、もう余り効果がなかったというか、把握されていなかったことも深く反省しまして、この反省の上に立ちまして、平成二十四年度は大きく二つ。少花粉杉等花粉症対策苗木の生産体制の整備、これが具体的に、花粉症対策、これ細かくまた更に申し上げますと、これ、三千六百万円を花粉症対策品種開発技術高度化推進事業に、そして六億二千三百万円をミニチュア採種園等緊急整備事業、これ内数ですね、失礼しました、内数。そして、これ、二千八百万円を森林環境保全総合対策事業のうち森林再生に向けた優良種苗供給の促進に、これに充てております。これが、繰り返しになりますけれども、少花粉杉等花粉症対策苗木の生産体制の整備であります。
 それともう一つが、花粉の少ない森林への転換の促進、これが一千七百万円。森林環境保全総合対策事業のうち、杉・ヒノキ花粉発生源地域推定事業、このような取組を行っております。平成二十四年度概算決定額はトータルで八千百万円、内数では六億二千三百万円でございます。
 以上でございます。
#97
○小野次郎君 大臣、最初の話に戻りますけれども、例えば杉を、林野庁の方針と言っちゃいけないかもしれません、とにかく日本全体として杉を植えましょうといった終戦後に、統治権がなかった沖縄なんかにはないんですよね。沖縄には杉花粉症の軽減ツアーという、旅行で行って、一週間もそこにいると花粉症が楽になるというようなツアーもあるぐらいなんです。
 ですから、今更どこの誰が責任あると言うつもりありませんけど、やはりそういう、今、五十年、六十年たってもう花粉がいっぱいの木になっている、しかも、山に手を入れるのが減っているために、もう目いっぱいの花粉が飛ぶような状態になっているということについては、やはり行政全体としても改善について大きな責任があるんだと思うし、さっき厚生労働省の審議官のお話でも、有症率というか、症状出ている人がどんどん増えている状態ですから、本当にここは力を入れていただきたいと思います。
 そして、私の政治活動の本拠地を置いています山梨でも、林業関係者に会ってこの話をしても、まず知らない。もう一つは、多少、交付金というか協力の援助、支援があっても、今更山に手を掛けるという意欲がないんですよね、皆さんもう高齢化しているし、今更何か手を掛けてどうかするという意欲がないんで。
 認識は、多分農水省も私なんかと同じ意識をお持ちだと思うんですけれども、そういう仕掛け、仕組みについてもうちょっと林業関係者がやる気になるような魅力的な施策に変えていただけないかなと、御工夫いただきたいと思います。
 それで、最後の質問になりますが、大臣、じゃ、杉の花粉が全くなくならなければ症状が出なくならないのかというと、そうじゃないみたいなんですね。これ、もし間違っていたら篠田審議官に御指摘いただくかもしれませんが、私の理解では、人間の体には一定の受容量というかお風呂のおけみたいになっていて、それをあふれるほど花粉を受けると症状がばっと出るらしいんですね。ですから、花粉の量が二割も減れば五割近くの人の症状が軽減すると。花粉の量が半分になれば、ほとんどの重症の人はいなくなると言われているんです。ですから、是非、全く実現可能性のない目標ではなくて、二割削減、五割削減ということができれば、首都圏で重症の症状の方が見られなくなるということは非常に大事なことだと思います。
 今、電車に乗ってみても本当にマスクの方が多いですよね。私は、非常に何とかしなきゃいけないと思うので、是非、杉花粉症をお持ちの大臣から、改めてこの対策に力を入れるという御決意を伺いたいと思うんです。
 私は、個人的なことになりますけれども、菅総理に去年お伺いする直前には、熊本へ行く用事があったものですから、松岡元農相のお墓参りもしてまいりました。というのは、松岡農相のその思いが入ったまたプロジェクトでもあるんですね、これは。是非、与党、野党関係なく、これについては引き続きというか、もっと目に見えた成果が上がるところまで力を入れていただきたいと思うので、大臣から御決意を賜りたいと思います。
#98
○国務大臣(鹿野道彦君) 常々小野先生が花粉症対策について重大な関心を持って取り組んでいただいているということに対して、罹患の一人として本当に有り難いなと思っております。
 私も、かつて、白マスク春の喜び遠くなり、なんていうふうなお粗末な句を詠んだこともあるくらい、この時期になるとどこか春の喜びなんか吹っ飛んでしまうような状況が毎年続いているわけでありまして、やはりこの杉花粉対策というものをしっかりと取り組んでいかなきゃならないと、こういうことでございます。
 そういう中で、今までも議論がございますとおりに、言わば今日までの取組というのは発生源対策というふうなものが最も重要でありますゆえ、木を切るということと新しくそれに代わる広葉樹に切り替えるというふうな事業がなされてきたわけですけれども、採算性の問題等々でうまくいかない点もありましたし、しかし一方では、新しく苗を植えるというふうな事業はどんどんかなりの本数も増えてきておるということでございますから、基本的に、やはり先生御指摘のとおりの発生源対策というものを急ぐというふうなことにおいて農林水産省としても取り組んでいかなきゃならないと、こう思っておるところでございます。
#99
○小野次郎君 これで終わります。ありがとうございました。
#100
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 最初に、ちょっと質問の順番を変えます。それで、最初に有明海の漁業と諫早干拓事業についてお聞きしますけれども、今日は、是非、大臣の考えをお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 それで、まず漁業被害についてなんですけれども、去年から今年にかけて養殖ノリ、カキ、タイラギ、クツゾコなど、大きな被害が出ています。それで、ノリ養殖は、ひどい県では枚数、金額とも前年の約六割とか前年の三割とかいうところもあります。それから、カキなんかは昨年の三割とか、タイラギなんかも全域で非常に減っているということになっているわけです。
 それで、ちょっと大臣、見てほしいんですけれども、このノリ、ちょっと大臣、済みません、見てください。これ、通常のノリですよね。色落ちという形で、こうなると等級が物すごく下がるわけですよね。こういう影響が出ていて、この被害の現状について、どのように認識をされているかどうか、まず、大臣にお聞きします。大臣に。
#101
○副大臣(岩本司君) 先に失礼します。
 ノリ養殖につきましては、今年度当初、海水温の低下の遅れや降雨のために大変な不作で始まりましたけれども、全般的には豊作であった昨年度の八割程度まで生産が回復しつつあるものと承知をいたしております。ただし、地域によっては昨年度の三割から六割程度に収まっているところもあるところであります。
 一方、貝類につきましては、タイラギは昨年六月以降、サルボウは昨年の十月以降に大量へい死が発生しておりまして、これらは貧酸素水や冬期の低水温、春先のプランクトンの発生不足による身入りの低下などが原因ではないかと考えられているところであります。
 このような漁業生産の変動に対しましては、有明海及び八代海等を再生するための特別措置に関する法律により設置されております有明海・八代海等総合調査評価委員会における議論等を踏まえつつ、今後とも必要な措置を講じてまいる所存であります。
#102
○紙智子君 短くお願いします。
#103
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、紙先生から言われたこの状況というものを、我々、私といたしましてもしっかりと把握をして、なぜこういう状況になったのかというふうなことも含めながら、今後必要な措置というふうなものについても取り組んでいかなきゃならないと、こういう認識を持っているところでございます。
#104
○紙智子君 いつも八割方回復とかという話するんですけど、平均的に言わないでほしいんですよね。やっぱり個々それぞれの地域で全然差がありますし、その漁業者の皆さんの被害状況を是非御覧になっていただきたいと思うんですよ。
 それで、昨年改正された有明海などの特別措置、第二十二条、漁業被害に係る損失の補填その他必要な措置を講ずるという規定がありますけれども、この救済措置を発動すべきじゃないかというふうに思うんですけれども。
#105
○副大臣(岩本司君) これは紙先生、重要な御指摘でございます。
 有明特措法第二十二条に規定する赤潮等による漁業被害者への救済措置につきましては、赤潮等による自然災害に係る損失補填等を行う漁業共済制度によって対応することとしているところであります。
 御指摘の漁業被害の大きかった漁業者の方々につきましても、この措置による支援が可能か検討してまいりたいわけでありますけれども、他方、有明特措法第二十一条では、必要な資金の確保や漁業被害を回避するために必要な措置等による漁業被害者への支援も規定されていることから、これらを併せて支援の可能性を検討してまいる所存であります。共済だけではなくて、共済に入っていない方もいらっしゃいますので、全力で取り組ませていただきます。
#106
○紙智子君 可能性については、今ずっと検討されているということでよろしいんですか。共済制度だけじゃなくて、やっぱり実際被害出ているわけですから、それは今検討されているということでよろしいんでしょうか。
#107
○副大臣(岩本司君) ありとあらゆる対策を練って頑張っております。
#108
○紙智子君 この法律そのものが議員立法で出されているわけですよね。それで、昨年の赤潮発生時にとられた措置を踏まえてということになっていますから、そういう意味では、有明海、そして八代等における赤潮対策、養殖に対する再建支援の緊急対策ですとか、それから地域活性化の交付金による補填ということが示されていて、それで、ノリ被害については、ひどい組合では前年の三割ということですから、実際上がっている声も、こんなにひどいのは初めてだという声が上がっていたり、あるいは、ノリは機械整備にお金が掛かる、だから利益が全く出ない、これから家族をどうやって養っていっていいか分からないと、こういう声も出ています。それから、漁師としての仕事が成り立たなくなっていると、こういう声もあるわけです。当面の生活費や運転資金がない事態だと。やっぱり、融資ではなくて、被害に苦しむ漁業者を何とか支えていかなきゃいけないということなんですね。
 そういう点で、是非この法律を使っていただきたいと。発動して、検討して、されている途中なんだけれども、ということをちょっと大臣からも一言おっしゃっていただきたいと思います。
#109
○国務大臣(鹿野道彦君) この法律の二十一条では、必要な資金の確保や漁業被害を回避するために必要な措置等による漁業被害者への支援も規定されていることから、これを併せて支援の可能性というものを検討していきたいと思っております。
#110
○紙智子君 是非対応するようにお願いしたいと思います。
 それで、やっぱり、これに続いてなんですけれども、この潮受け堤防の問題をお聞きしたいと思うんですね。それで、この潮受け堤防の排水門の予算についてなんですけれども、農水省は来年の十二月までに開門する義務を負っているわけです。全開門に必要な予算が一千億円というふうに試算されていますけれども、来年度の予算として計上しているのが約四十億円と。これ、四十億円のみですよね、計上しているのは。これは開門に伴う影響の予測評価のケース三の二に該当する予算だと思うんですけれども、このケース、制限開門を固定化されるということになるんではありませんか。
#111
○大臣政務官(森本哲生君) 二十五年の十二月までには、平成の、開門すべき義務を負っておりますので、万全の対策を講じる。
 三の二でございますが、全体は八十二億のうち四十億を計上して、あと調査費が八億四千万を計上しておるわけでございますので、二十四年度の予算についてはケース三の二に基づいて我々は進めていくと。
#112
○紙智子君 固定化することにならないかと聞いたんです。
#113
○大臣政務官(森本哲生君) ここのところは地元調整、五年間の開門義務を課せられておりますので、この予算の執行と工事に今のところ全力を尽くすということでございます。
#114
○紙智子君 これは絶対固定化することがあってはならないというふうに思っております。
 それで、そのことについても原告団の皆さんに、固定化させないということなのであれば、きちんとこの全開門に向けた取組を説明すべきだと思いますけれども、いかがですか。
#115
○大臣政務官(森本哲生君) 副大臣が今その話を、原告団とは調整をしていただいております。
 この三の二に決定ということではございませんで、それを基本に今進めておるということでございますので、御理解をいただきたいと思います。
#116
○紙智子君 冒頭のところで申し上げましたけれども、大臣のお考えを是非お聞きしたいと思っておりまして、私は原告団が求める協議に応じてほしいということで要求をしているわけですけれども、大臣はなかなか応じられていないと。それで、どうしてなのかなというふうに思うわけですよ。まだ現地に行って直接お会いしていないですよね。そうですよね。
#117
○国務大臣(鹿野道彦君) 過般、委員会におきまして福岡先生からもこの点について言及がございました。私自身、佐賀県の知事からも、また原告の弁護団の方々からも是非佐賀にも来るようにと、こういうお話がありましたので、それについては時期的には検討しておるところでございますと、こう申し上げたところでございまして、重ねてそのことを申させていただきたいと思います。
#118
○紙智子君 ですから、佐賀にももちろん行ってほしいと思っているんですけれども、原告団の皆さんと直接会って、現地に出向いてお会いしていただきたいと言ったんですけれども、それはなさっていないと。それで、私は、やっぱり原告団に真摯に向き合う考え方、あるいはそれをちゃんとやっていく体制そのものに問題があるんじゃないかというふうに思わざるを得ないわけです。
 それで、九州の農政局でこの諫早干拓事業を担当しているのが農地整備部です。農林水産省本省でこの諫早干拓事業を担当した職員が農地整備部に在職しているというふうに思うんですけれども、現在の肩書と本省時代の肩書について説明をしていただきたいと思います、簡潔に。
#119
○大臣政務官(森本哲生君) ここのところはしっかりと読ませていただきますが、現在の九州農政局長が本省の元農村振興局長、平成二十一年一月から二十三年八月。現在の九州農政局整備部長が本省の元農村振興局農地資源課長、平成十八年の四月から二十一年の七月でございます。現在の九州農政局農地整備課長が本省の元農村振興局農地資源の課長補佐、平成二十年四月から二十二年の三月。これらの職員は諫早湾干拓事業の推進や訴訟業務にかかわった者であるが、平成二十二年十二月の福岡高裁判決の確定により、国は開門の義務を負っていることを十分承知しており、その実現に向けて今尽力をしているところでございます。
#120
○紙智子君 今お話ありました現在の九州農政局長は、本省で諫早干拓事業を担当する農村振興局長だった人物ですよね。福岡高裁の判決の後、昨年夏に九州農政局長に赴任をしたわけです。つまり、農林水産省で諫早干拓を推進して、裁判で争った当事者が、現在、九州農政局において諫早干拓事業を扱う部署の幹部を占めているわけです。
 次に、もう一つ聞きますけれども、長崎県の農林部政策監は、これは農林水産省からの出向者ではありませんか。
#121
○大臣政務官(森本哲生君) さようでございます。
#122
○紙智子君 長崎県で農村整備、諫早干拓を担当する農林部政策監は、農林水産省本省の農村振興局の整備部出身の出向者だということです。こういう布陣で、福岡高裁の判決を本気で履行する気があるのかと、こういう疑問の声が上がっているわけです。
 農林水産省がケース三の二を決めたときに、先に説明したのは長崎なわけです。今年二月に原告団と協議していますけれども、この連絡を入れたのは前日だったと。こういう対応をしたら、やっぱり疑問の出るのが当然だというふうに思うんですよ。そういうふうに思われませんか。
#123
○大臣政務官(森本哲生君) この人事についてはあくまでも人事交流でございますので、その点については、やっぱり職務に精励をしっかりやっておるというふうな認識を私自身は持っております。
#124
○紙智子君 結局、諫早湾の問題をめぐって、これずっと歴史的に長い問題があるわけですよ。それをめぐって裁判での判決が下されたと。それを本当に履行するというときに、ずっとこれまで要するに干拓の事業を進めてきた人たちが、判決を受けながら、またそこに同じメンバーが行ってやるという構図になっているわけですよ。だから、結局、諫早干拓を推進した官僚が仕切っているんじゃないのかと、こういう声も出ているわけです。
 それで、私は昨年、大臣は、長崎県三回行って、そこと、県とは会っているんですけれども、どうして原告団が求める協議に応じないのかというふうに質問しました。大臣は、真摯に対応しますというふうにおっしゃったわけですけれども、まだ協議には応じていないと。政治主導ということで、民主党政権になって政治主導と言ってきたわけで、やっぱり官僚任せにするんじゃなくて、鹿野大臣自らが、大臣のやっぱり誠実さが問われているというふうに思うんですね。大臣自らが考えて、速やかにこの原告団が求める協議に応じるべきではありませんか。
#125
○国務大臣(鹿野道彦君) 紙先生から申された件につきましては、私どもも真摯に検討していきたいと思っております。
#126
○紙智子君 この福岡判決の履行をするためにも、一日も早く原告団が求める協議に応じていただきたいと思いますし、やっぱり農業も漁業も両方が成り立つように何とかしなきゃいけないという思いは、みんな同じに持っているわけですよ。ですから、是非、そこのところを求めておきたいというふうに思います。
 それじゃ、次に、東日本大震災からの復旧復興の問題で質問いたします。
 東日本大震災から一年がたちました。それで、復興庁が二月に発表した二〇一一年度の補正予算の執行状況ですけれども、農林水産省の執行率は四四・三%にとどまっています。
 実は、私は、岩手県の宮古市、それから山田町などを訪問しまして、水産予算の執行状況を聞いてきたんですけれども、三月に年度末を迎えて申請をしたいんだけれども、間に合わないという意見も出されたわけです。予算には繰越手続もあるんですけれども、それでお聞きしますけれども、県や市町村がこの補助事業の申請をして交付決定を受けた場合は県や市町村がこの繰越手続を行うわけですけれども、市町村ではこの技術者だとか民間の建設業者の確保が難しいということもあって申請したくてもできないケースが出ていると。ですから、本省の段階でもこれ明許繰越しの手続を行って、安心して予算が使えるようにすべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#127
○国務大臣(鹿野道彦君) 漁港なり農地等の災害復旧事業や共同利用漁船等の復旧支援対策事業などは、年度内におきまして支出が終わらない可能性のある事業に係る経費につきましては翌年度に繰り越して使用ができるように、補正予算におきましてもいわゆる繰越しができる事業としての予算として計上いたしているところでございます。
#128
○紙智子君 本省でもやれるということでよろしいですね。本省でもやれるということで。
#129
○国務大臣(鹿野道彦君) そのとおりでございます。
#130
○紙智子君 それじゃもう一つ、船の問題になるんですけれども、どういうふうに船を確保するかというのも引き続き大事な問題です。それで、これはちょっと要望にしておきたいと思うんですけれども、漁船保険で修繕はしたんだけれども、ところが実際に海に出したんだけれども操縦が利かずに漁ができなかったというケースがあります。使用不能ということですね。
 それで、被災船の整備状況を見ますと、これ漁船保険で整備した船が圧倒的に多いわけです。七千二百ぐらいやっていて、五千三百が漁船保険で整備をしていると。ところが、修繕して使えるものだと思っていたんだけれども、これが使えないということが判明しているところがあるわけですね。そういう場合に共同利用の漁船復旧支援事業、これを活用するとか、とにかく何らかの手だてを打っていかないと、再びそれをまた新しくということになってくると大変な負担が起きるということもあって、これはちょっと今日は質問まではしませんけれども、要望ということにとどめておきたいということなんですけれども、よろしく御検討いただきたいということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
#131
○委員長(小川勝也君) 以上をもちまして、平成二十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#132
○委員長(小川勝也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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