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2012/04/12 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 農林水産委員会 第6号
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2012/04/12 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 農林水産委員会 第6号

#1
第180回国会 農林水産委員会 第6号
平成二十四年四月十二日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     福岡 資麿君     岩井 茂樹君
     白浜 一良君     魚住裕一郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小川 勝也君
    理 事
                金子 恵美君
                郡司  彰君
                野村 哲郎君
                山田 俊男君
    委 員
                岩本  司君
                今野  東君
                外山  斎君
                徳永 エリ君
                中谷 智司君
                松浦 大悟君
                青木 一彦君
                岩井 茂樹君
                加治屋義人君
                鶴保 庸介君
                長谷川 岳君
                魚住裕一郎君
                横山 信一君
                小野 次郎君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
   副大臣
       総務副大臣    大島  敦君
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
       厚生労働副大臣  西村智奈美君
       農林水産副大臣  岩本  司君
       環境副大臣    横光 克彦君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       神本美恵子君
       農林水産大臣政
       務官       森本 哲生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       林野庁長官    皆川 芳嗣君
       国土交通大臣官
       房審議官     井上 俊之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国有林野の有する公益的機能の維持増進を図る
 ための国有林野の管理経営に関する法律等の一
 部を改正する等の法律案(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(小川勝也君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、福岡資麿君及び白浜一良君が委員を辞任され、その補欠として岩井茂樹君及び魚住裕一郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小川勝也君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国有林野の有する公益的機能の維持増進を図るための国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、林野庁長官皆川芳嗣君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小川勝也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小川勝也君) 国有林野の有する公益的機能の維持増進を図るための国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○金子恵美君 民主党・新緑風会の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。
 法案の中身について質問する前に、森林の除染について質問させていただきたいと思います。
 原発事故を受けまして、私の地元の福島でも、あるいは東北、関東の広域にわたって森林の除染が大変重要な課題というふうになっております。この除染事業は環境省が主体で行われていますけれども、森林の除染についてはやはり林野庁が果たすべき役割というのは大変重要になっているわけでございます。国有林の除染業務については森林管理局が中心になって実施されておりますけれども、明日十三日には福島森林管理署内に森林放射性物質汚染対策センターが開所されることとなっております。この除染センターの要員規模、そして国有林の除染の見通しについて、まずお示しいただきたいと思います。
 そして、またさらには、民有林につきましてはなかなか除染作業が進まないということで、長期的な取組となるということを覚悟していかなくてはいけないと思っております。民有林の除染作業は、福島環境再生事務所、これは環境省の事務所ですけれども、これが実施することになっています。先ほど申し上げましたこの対策センターとの協力の在り方はどうなっていくのか、そして国有林がどのようにサポートをしていくのか、連携をどのように図っていくのか、お伺いしたいと思います。
#7
○大臣政務官(森本哲生君) 金子委員にお答えをいたします。
 金子委員につきましては、除染等につきまして大変御尽力をいただいておりますことに心より厚く御礼を申し上げます。
 今御指摘のありました、四月からなんですが、十名が関東の森林管理局、そのうち六名が福島に配置をするというふうに決定をいたしております。
 国有林の除染については、市町村の除染を行う除染実施区域に含まれる国有林のうち、住居等の近隣の森林について落ち葉等の除去や常緑針葉樹の枝葉の除去を行うというふうになっています。ですから、住居付近は二十メーターということは既に御存じだと思うんですけれども、そこのところをしっかりやっていくということと、そして特別地域、それから森林除染を行う環境省に対しては、森林施業等による放射性物質の拡散防止対策も含めた技術等の検証や開発、森林内における放射性物質の分布状況、分布調査等で得られた私どものそうした知見を提供させていただいて、ここのところをしっかり連携を取らせていただきたいということでございます。
 除去をされた土壌等の仮置場、ここのところにつきましては、国有林に積極的に要請があった場合には、ここのところの環境省と連携をして協力を積極的に進めていくということでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
#8
○金子恵美君 国有林だからといって、例えば福島環境再生事務所がそこに携わらないということではないですし、反対に、民有林だからといって林野庁のセンターがかかわらないということではない。これは一体となって除染をしていかなくてはいけないということは間違いないことでございまして、これについて言えば、民有林と国有林の一体的な整備や保全ということにももちろんつながっていくわけです。同じ考えで是非進めていただきたいと思います。
 この本法案の中でも、国有林と民有林の一体的な整備及び保全を図る仕組みを創設するとともに、特別会計から一般会計で実施する事業に見直すということとされているわけでございます。国有林の公益的機能を発揮し、国民の安全、安心な暮らしの実現に大きく寄与しているというような状況になっているわけですけれども、一方で、国有林を維持管理しながら木材供給を行ってきたこの国有林野事業は、累積債務の増大が問題となって、平成十年には抜本的な改革を実施しました。そして、今回の法改正によって特別会計を廃止し、そして一般会計で事業を実施することとなります。
 一般会計に移行することによってこの国有林野事業の在り方がどのように変わっていくのか、そしてまた国民にとってはどのようなメリットがあるのか、メリットがあるということを信じておりますけれども、鹿野大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
#9
○国務大臣(鹿野道彦君) 一般会計化することによりまして、今までの企業的運営というよりは、国有林野の有する公益的機能の発揮のための事業、いわゆる公益重視というふうな考え方、より顕著にというような考え方でございます。そして、民有林へのいろんな意味での指導なり支援なり、あるいは、木材の供給調整等の事業を林産物収入等の動向に左右されることなく一層計画的に実施できるようにするというところがポイントでございます。
 これによりまして、公益重視の国有林野の管理経営、森林・林業再生への貢献など、国民の期待にこたえることができるのではないかと、こういう考え方に立っているところでございます。
#10
○金子恵美君 是非その期待にこたえるべく頑張っていただきたいのですが、一方で、今回のことで一点確認をさせていただきたいところがありまして、累積債務の状況ということなんですが、これは引き続き国会報告が法定されているわけですが、でも、その収支というものが一般会計化する中で大変見えにくくなるという状況になっていきます。
 一般会計化後の国有林野事業について収支という、そういう概念が存在するかどうかというのは分かりませんが、林産物の販売収入、これに掛かる費用等を国民に明らかにすることによって、債務を国民の負担とはしない、林産物収入によってきちんと返済するのだということを示していく必要があると思いますが、お考えを伺いたいと思います。
#11
○大臣政務官(森本哲生君) 一兆三千億円でございますが、金子委員がおっしゃられるように、林産物、そしてこれをしっかりオープン、見えるような形でやっていくということがとても大事なことだと思っておりますので、ここのところはしっかりとやってまいります。
 一般会計から利子補給等も受けながらやっていくということでございますが、今後はやっぱりコスト、今の木材の価格ですと非常に返済は厳しいということをもう皆さん方はお感じになるかと思うんですけれども、ここのところは抜本的にいろいろな改革を進めながら施業等についても合理化を図っていくと同時に、できるだけ利益も上げていくというような方法の中で、ちょうど平成十年の抜本改革の際に見込みをいたしました。平成六十年に返済ということになっておるんですけれども、この間のいろんな状況というものもあろうかと思いますが、この十年の抜本改革を参考に債務返済をしていくと、そのような計画でしっかり進めていきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
#12
○金子恵美君 今おっしゃっていただいたように、しっかり進めるということですので、国民の皆様にも御理解いただけるものだというふうに思います。
 そこで、繰り返しになりますが、国有林が担っていくその役割というのはこれからどんどん重要になっていくという中で、もちろん国有林の存在意義というものも重要になり、そしてまた期待にこたえるべく進めていくということなのですけれども、一方で、国有林野事業に携わってきた人たちの労働力というのは縮小の一途をたどってきている状況にあります。国有林野事業は、四次にわたる改善計画や、先ほど申し上げました平成十年の抜本改革を行って大幅に機構縮小を行い、そして、職員についても改善計画前の十分の一にまで縮小されている状況になっています。地球温暖化対策として国有林に求められている役割というのもあります。職員一人当たりの間伐の面積が、平成十六年度に比べて平成二十一年度では二・八倍の業務ということで、効率化を図っているわけですが、またさらには、ポストの兼務率というのも増加していると伺っております。またさらに、海岸防災林の再生、これ津波の影響です、そしてまた森林の除染というようなこと、東日本大震災の復旧に関する業務も増加しているというような状況なんですけれども、こういった中で、組織、要員の削減というのはこれ以上されることは避けるべきだというふうにも思います。
 林政審の答申でも、現在の組織体制を基本とすべきというふうに言われています。また、職員について、今申し上げたように、経常の業務に加えて民有林との一層の連携、指導を行うこと、そして森林の除染、新たな業務の増大、繰り返しになりますが、これ以上の人員削減は行わず、そして一律の定員管理の対象とせず、国有林の特殊性というものに配慮すべきだというふうに思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#13
○副大臣(岩本司君) 金子委員にお答えをいたします。
 国有林に当たりましては、これまで定員削減の多くを背負ってきたところであります。先生御指摘のとおり、職員については激減している状況にありまして、現場では大変な御苦労をされていると認識をいたしております。
 国有林の適切な管理経営を図る上では、既に流域を基本とした最小限度の組織であり、厳しい要員状況になっていると、要は、もうぎりぎりでやっておると認識をいたしております。昭和四十二年から現在まで、林野庁職員はもう九割の削減をしております。本当に御努力をいただいております。
 一般会計化後の組織、要員につきましては、農林水産省としても関係府省に対し現場実態を詳しく説明し、今後の組織、定員要求時に国有林の重要性について理解が得られ、必要な組織、要員が確保されるよう努力してまいりたいと思っております。
#14
○金子恵美君 ありがとうございます。
 農水省としては組織や職員の確保に向けて努力をしていくという副大臣からのお言葉をちょうだいしておりますが、ここで、今日は総務省から大島総務副大臣、おいでいただいておりますので、お伺いしたいと思います。
 これまでの国有林の政府全体の定員削減への貢献に加えまして、今ほども申し上げましたように、今後、森林・林業の再生、そして東日本大震災の復興にしっかりと取り組んでいただくためにも、組織、定員の査定において十分な配慮が必要になってくるわけです。さらに、この一般会計化以降も、これまでの国有林野事業の使命、役割を発揮して、国民生活の安全、安心の確保を図るため、日本の森林、林業の先導的な役割を果たしていくことが極めて重要でございます。
 この職務に当たっている職員の労働条件等については問題が生じないようにしっかりと対処すべきだと思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#15
○副大臣(大島敦君) これまでの国有林野の定員削減の取組については、重々承知をしております。
 森林・林業の再生、震災復興などの今後の国有林野事業の果たす役割は、しっかりと認識をさせていただいております。
 一方、今後、政府全体としては厳しい行政改革に取り組んでいかなければならないことから、それぞれの所管官庁の行政需要等もお聞きしながら、組織、定員の査定を行う考えであります。その際、林野庁の実情についても十分お聞きをしていきたいと考えております。
 また、先ほど先生が御指摘になりました一般会計への移行後においても、国有林野事業の管理運営を行うことに変わりはなく、職員については今後とも適切な勤務条件が確保されることが必要と認識をしております。
#16
○金子恵美君 ありがとうございます。
 ただいま総務副大臣からの認識をお伺いさせていただきました。
 繰り返しになりますが、国有林の特殊性というものにしっかり配慮をしていただきながら、是非、適切な今後も勤務条件というものを確保されますように、是非お願いしたいと思います。ありがとうございます。
 実はこの特殊性という中には、国有林野事業では基幹作業職員という定員外の職員の方がいらっしゃいます。国有林の現場で山仕事に当たってきた、現場に最も精通している熟練した職人と言える人たちでございます。こうした基幹作業職員については、平成九年度から実は新規採用を行っていないという状況で、職員の高齢化が進んでいまして、またさらに、減少する中で森林管理技術の継承というものが危うくなっていると言えると思います。
 今後、新しい制度の下でも、地元の山に精通した山守的なその人材をしっかり確保し、これまでの職員の雇用を継続するとともに、地元の林業高校等から採用を行って人材を育成する中で現場管理機能を確保すべきというふうに考えますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#17
○副大臣(岩本司君) 現在の基幹作業職員の有する知見そのものは、一般会計化後の国有林の現場管理に極めて重要であることから、これらの知見を最大限生かし、雇用を維持することを前提としまして、職員の扱いや現場管理の在り方について関係府省とも相談しつつ検討していく考えであります。
#18
○金子恵美君 是非御検討いただきたいと思いますが、もう一つ、その人材育成関連でフォレスターについてお伺いしたいと思います。
 平成二十五年度から資格認定が開始される予定のこのフォレスターですが、市町村森林整備計画の策定支援を通じて地域の森づくりを支援するとされています。
 国有林野事業職員を始めとした林野行政に携わる職員がこのフォレスターの中心になると考えられますが、市町村森林整備計画の策定や森林経営計画の認定などについて、国有林野事業職員の技術支援を希望する市町村は非常に多いということが林野庁のアンケート調査でも分かりました。実態としては、市町村では林野行政の専門職員を十分に配置する余裕がないと考えられます。こうした国有林への期待にこたえるために、引き続き人材の育成を進める必要があると思いますが、今後の取組をお伺いします。
#19
○副大臣(岩本司君) 農林水産省といたしましては、市町村が作成する市町村森林整備計画策定の支援や民有林への指導、サポートを担う人材を育成するために、平成二十三年度から始めました准フォレスター研修に国有林野事業職員を参加させまして、市町村行政を支援し得る人材の育成に取り組んでいるところであります。
 また、昨年十二月の林政審答申、今後の国有林野の管理経営のあり方におきましても、今後、森林管理局・署が、森林・林業政策を地域で推進する役割を担う上では、林政全体の方向性を地域で実現できる現場の機能と能力の向上が極めて重要とされたところであります。
 今後とも国有林野事業職員につきましては、国有林の技術者として必要な専門的な知識や能力の向上になお一層努めるとともに、市町村行政支援のために必要な民有林施策に関する知識の習得、関係者合意形成のためのコミュニケーション能力の向上等を積極的に図る考えであります。
#20
○金子恵美君 繰り返しになりますが、市町村に対しての行政支援の面からは国有林野事業職員を適切な規模で確保していくということが重要であると思います。
 現行の定員内職員と、あるいは先ほど申し上げましたその基幹作業職員等の定員外職員、それぞれについて一般会計化後どのような扱いになっていくのか、規模の在り方についてもしっかりと御検討をいただきたいと思います。
 次の質問に行きますが、国有林に対して先ほど来お話をさせていただいていますように、技術レベルや民有林に対する支援に高い期待があります。一方で、一般会計に移行するに当たっては、職員について処遇がどのようになるとか、大変懸念もされています。高い意欲を持って仕事を続けられるように配慮することが必要であると思います。国有林野事業のその職員の方々の高いモチベーションを維持できるんであれば更に民有林も守ることができるというふうに私は考えます。
 そこで、給与についてお伺いしたいと思いますが、国有林野事業職員の給与については、給特法に基づいて関係省庁等との調整の下に決定されています。しかし、一般行政職の俸給表に一律に移行した場合、これまで制度化してきたことが生かされず、支障を来すと同時に不利益を生ずる職員が多数いるのではないかとも懸念されるところでございます。
 また、特に森林管理署ですけれども、国民の財産である国有林野の管理経営の出先機関でありまして、現場で指揮する署長は県などとの調整役を担い、広域にわたる事業地を管理していることから、現在、森林管理局の部長級を配置してきています。その署長のグレードが維持できなくなるということも考えられるのではないかと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
#21
○副大臣(岩本司君) 現在の国有林野事業に従事している職員は特労法の適用を受けている職員でありまして、給与等労働条件を、団体交渉を行い、労働協約によって決めてきております。一般会計への移行に伴いまして、国有林野事業の職員は給与法の適用を受けることになるわけでありますけれども、個々の職員で見れば、一般会計移行前と移行後では給与等に差が出てくるわけであります。
 これらのことから、給与等の労働条件や職務の級については、国有林野事業の特性を踏まえまして、法案成立後、人事院や関係府省に対しまして調整ができるよう対処する所存であります。
#22
○金子恵美君 是非お願いいたしたいと思います。
 ここで、西村厚生労働副大臣もおいででございますので、この間の説明では、会計制度が変わっても、国有林野事業の使命、役割、そして業務、一般会計移行後も変わらないというふうに認識をしておりますし、この件についても副大臣からも御認識を伺いたいとは思いますが。
 まず、国有林野は、企業特別会計制度の下で昭和二十七年に協約締結権が付与され、毎年度の賃金などは中央労働委員会の調停、仲裁に基づいて政府として取扱いを決定しているところでございます。特に、一般会計移行後も、この特労法適用に関する四要件の中での事業展開となるのではないかなと思われますが、先ほども触れたように、六十年にもわたるこの法制度の下で築いてきた歴史的な経過を踏まえ、職員の労働条件がこれまで同様に維持されるべきだというふうに考えますが、副大臣の御所見を伺いたいと思います。
#23
○副大臣(西村智奈美君) お答えいたします。
 金子委員の質問を少しなぞる形になるかもしれませんけれども、おっしゃるとおり、国有林野事業職員については昭和二十七年に協約締結権が認められまして、昭和二十八年以降、約六十年間にわたって労使間の団体交渉によって職員の労働条件を決定するという労使関係法制の下に置かれてまいりました。
 給与につきましては、民間賃金準拠という基本的考え方に基づいて、多くの場合、第三者機関である中央労働委員会の仲裁裁定によって決定されてきております。また、この仲裁裁定が、予算上、資金上不可能な支出を内容とする場合には、その実施について国会の承認を得るなどの手続を経てまいりました。このため、厚生労働省といたしましては、一般会計移行後でも、こうした経緯を十分に踏まえて国有林野事業職員の労働条件が定められていくことが望ましいと、このように考えております。
#24
○金子恵美君 ただいま西村副大臣からも、これまでの経緯を踏まえて、そして、職員の労働条件が定められていくことが望ましいということをおっしゃっていただきました。繰り返しになりますが、国有林が求められている今後のその役割というもの、そして期待というものにしっかりとこたえる、そういう状況を確保するあるいは維持していくというそのためには、やはりその職員の方々のモチベーションを下げないような労働条件というのをしっかりと確保しなくてはいけないというふうに思います。
 今日は限られた時間の中でございましたので、本来であれば更に深くこの法案について質問させていただくところではあると思います。なぜならば、私はこの法案は大変大きな改革だというふうに思っています。会計の中身が特別会計から一般会計に変わる、そしてまた、今まで以上に国有林と民有林の一体的な整備保全というものがなされていく。一言で言えば、この国土の七割は森林でございますが、この森林を守っていくということはこの日本の国土全体を守っていくわけですが、それを担う人々をいかに育てていくかということにもつながっていくのだというふうに思っています。
 その中で、先ほど農水副大臣からも若干お話がありました、今後、一般会計化される中で給与等に差が生じることがあるだろうという、そういう部分。もちろん、もしかすると上がる方もいるかもしれないけれども、給与が下がる方もいらっしゃるということ、そしてまた、森林管理署等の組織の位置付けというものもなかなか現時点では見えない状況になっていると。給与法上の位置付けによっては、森林管理署に勤務する職員の給与に大きく影響があるというふうにも考えられます。そうしないために、この国有林野事業の特殊性を踏まえた新たな俸給表というものをもって対応すべきであるとも思います。来年四月から円滑に移行させるために、農林水産省から人事院に申入れをすべきであるとも思います。
 いずれにしましても、組織、職員の雇用、そして労働条件等について、今後、法案成立後に関係省庁と調整がなされるわけですが、その際には、事業の特殊性を踏まえ、十分に調整し、そして国有林の使命、役割を発揮することができるよう大臣のリーダーシップで御対応を是非いただきたいというふうに願うところでございますが、最後になりますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#25
○国務大臣(鹿野道彦君) この法律案に基づきまして、国有林野の有する公益的機能を十分に発揮させる必要があると、こういうふうなことが一つでございます。それから、国有林野事業職員の職務及び勤務環境の特殊性というふうな、こういうところを人事院等の関係府省にしっかりと説明をいたしまして、職員の勤務条件に反映されるように今後対処してまいりたいと思っております。
#26
○金子恵美君 鹿野大臣の御決意も少し伺えたのかなと思いますが、是非その新たな俸給表というものについても御検討いただき、そしてまた、農水省としても声を大にしていただきたいというふうに思うところでございます。
 いずれにいたしましても、繰り返しになりますが、職員の皆さんの処遇が悪化することによって、国有林と、そして民有林の一体的な整備保全というものが進まなくなることが懸念されますし、先ほど来申し上げていますが、東日本大震災からの復旧そして森林の除染、こういうプラスアルファの様々な業務に対応するためにしっかりとした組織づくりを更に進めなくてはいけない中でございますので、是非、これまで議論をされてきたことについてはしっかりと御検討をいただきたいということをお願いをさせていただきまして、今日は総務副大臣、そして西村厚労副大臣もおいでいただきまして、それぞれ大島副大臣、西村副大臣からも、それぞれの省からも御意見をいただいたところですので、しっかりとこの部分については連携を取りながら、調整をしていただきながら、お願いしたいと思います。
 これで私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。
#27
○加治屋義人君 自民党の加治屋でございます。
 本題に入る前に、活発な火山活動を続けている桜島のことについてお伺いをしたいと思います。
 桜島は、御承知のとおり半世紀にわたって爆発を続けておりますが、昨年は九百九十六回の爆発、今年は既に三月末で三百七十七回、しかも、去る三月の十二、十三日は五十センチもの噴石を二千五百メーターの集落まで飛ばすという、そういう活動期にあります。
 活動火山対策特別措置法で降灰防除事業、降灰除去事業、防災営農施設整備事業など、それぞれ各省庁で取組をいただいておりますが、今日お伺いしたいのは、大量の降灰、火山ガスでの農作物の被害は全県下に及んでおりまして、特に南九州の食料供給基地を誇る大隅半島の被害は大変大きく、心配をいたしております。鹿児島県が助成をする防災営農対策事業の本年の要望数が、既に一昨年の一・六倍まで増えている状況にあります。鹿野大臣も鹿児島県からの強い要請もお聞きいただいているとは思いますが、現在の地域自主戦略交付金での対応ではもう追い付けない状況にあります。
 この制度の拡大、見直し、あるいは必要な予算を別途確保してほしいという要望に対してどう検討をしていただいているのか、まずお伺いしたいと思います。
#28
○大臣政務官(森本哲生君) 委員におかれましては大変御苦労をされておる、そのことは十分認識をさせていただいております。農地の保全等、食料関係もありますので、重要な課題ということで認識させていただいております。
 ただ、二十三年度からこの地域自主戦略について移行が、自主戦略、ある面ではこの制度は都道府県の裁量の下でやれるという特典もあるわけでございますが、その使い方というものが県によって違うということで、鹿児島の場合は非常にそちらのウエートが多く置かれなければならないんですけれども、その予算がなかなか少ないという御指摘だと思うんですけれども、それと、自主戦略の交付金と併せて、農業体質強化基盤整備促進事業、こうしたものと、それから農山漁村の活性化プロジェクト支援交付金、こうしたところがこの今のおっしゃられた対応に使っていただける予算になっておりますので、ここのところを併せて、地元の皆さんの意向も併せながら、県とも十分連携を取りながらこれに対応させていただきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
#29
○加治屋義人君 今の御答弁、よく分かるんですけれども、今の現状はその総体が不足しているということを申し上げているわけで、是非御検討いただきたいと思いますし、歴代の防災大臣、中井、松本、平野、現在の中川大臣には就任早々現地を視察をいただいておりまして、四大臣共に鹿児島県からのこれらの要望に対して大変前向きなコメントをいただいて、大変高く評価をしておりますが、しかし、その後の対応についてはコメントだけで終わっているような感じがしてなりません。
 多分、鹿野大臣のところにも届いているのかどうか、そこの辺りも分かりませんが、特に、私どもが大変気を遣っているのは、爆発、噴煙、降灰、これは自然災害なんですね。やはり東日本の災害、震災のことを思いますと、我慢をしようという気持ちも実際にはありますけれども、この農作物の被害だけは農家の生活そのものだと思っておりまして、国の支援がどうしても必要だと、不可欠だと思います。
 鹿野大臣、是非現地を一回御視察をいただいて、鹿野大臣の誠実な人柄はよく承知をしておりますだけに、この問題については是非誠実な対応を取っていただきたいと。いま一度決意をお願いいたします。
#30
○国務大臣(鹿野道彦君) この災害によるところの被害状況というのは、やっぱり農家の人でなければ分からないところが多々あると思います。我々も大変な実態だというふうなことは承知もさせていただいておりまして、いろいろとその取組につきましても、農林水産省としてもできるだけのことをやってきたところでありますけれども、今先生からのお話もございまして、もう一度事務方に、実情というものをしっかりと把握すると同時に、私も必要がありますならば現地に参りまして直接生の声も聞かせていただき、対処するところは対処していきたいと、こういうことにつきまして検討してまいりたいと思います。
#31
○加治屋義人君 ありがとうございます。
 それでは、森林・林業再生プランを具体化するとして、森林法の改正、また新たな森林・林業基本計画が示されました。森林施業の確保、施業の集約化、路網の加速化、人材の育成など、その実現に向けてスタートしたところであります。今般の国有林野事業の一般会計への移行は、これらの政策の実現に向けて国有林の使命、役割をしっかり果たすものだと理解をさせていただいております。
 関連して何点か伺いますが、多く要望のありました森林整備加速化と再生事業、このことは昨年の第三次補正予算で復興木材安定供給事業として千三百九十九億円を計上をいただきました。被災地の復興を考えますと大変重要な予算だと、このように理解をさせていただいております。しかし、よくよく考えてみますと、一方で本来のこの基金の目的というのは、森林・林業の再生という考え方に立ちますと、この予算が十分であったのか、いささか疑問を持たざるを得ないのであります。現に、この基金への各都道府県からの要望は、お聞きしますと一・四倍、この予算では今まで進めてきた計画を再考しなければいけないと、こういう声もあります。
 また、財源という視点では、毎年当初予算では計上できずに補正で辛うじて対応している現状は正常ではない、そのように思います。
 十年後の木材自給率五〇%の達成をしなければなりません。間伐、路網の推進などの再生プランを成功させなければなりません。そして、地球温暖化と森林吸収源対策、これはまさに表裏一体的なものだと、そのように思っておりまして、これらの財源を確実にどうしていくのか、私は最大の課題だと思っております。京都議定書の第一次約束期間も最終年度を迎え、森林の果たすべき役割は今後どのように位置付けられていくのかねと大変心配もいたしております。
 伺いますが、地球温暖化防止対策を着実に実施するには森林・林業目的の地球温暖化対策の税の導入を今考えるべきではないのかねと、私はそう思えてなりません。再生プランの実現と地球温暖化対策税を一体的に進めるという提案について、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#32
○国務大臣(鹿野道彦君) 加治屋先生から非常に重要なポイントにつきましてお話がございました。
 まさしく、私自身もこの立場に就任させていただきましてから森林の保全というふうなこと、また、まさしくCOP17でも議論されましたいわゆる森林吸収量ということにつきましても合意がなされた等々というふうなことからするならば、やはり具体的な形で森林吸収源というふうなものにおけるところの取組というふうなことがどうしても不可欠だと、こういうふうなことから、平成二十四年度の税制大綱におきましても言わば国全体としても財源確保を引き続き検討と、こういうことになっておるわけでありますけれども、引き続き検討というふうなことが毎年毎年そういう言葉でまた継続していくというふうなことならば本当の意味の森林吸収源対策にもならないと、こういうふうな私は思いを致しておりまして、何とかこの秋、とうとうもう具体的な形で実施されていくというふうなことになりますけれども、その温暖化対策等々の税の中にこの吸収源対策というものがきちっと位置付けされるように、とにかく一生懸命取り組んでいきたいというのが私自身の思いでございます。
 先生方の御指導を引き続いてよろしくお願い申し上げます。
#33
○加治屋義人君 ありがとうございます。大変強い決意をお伺いして、心強く思っております。
 今ありましたCOP17の結果として、我が国が京都議定書に代わる新たな枠組みへのステップとして全ての主要排出国を参加させるという道筋をつくっていただいたことは大変評価をさせていただいております。
 そこで、環境省にお伺いしたいと思いますが、この鹿野大臣のただいまの答弁も踏まえまして、二十五年度に向けてこのことについてどう考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
#34
○副大臣(横光克彦君) お答えをいたします。
 まず、地球温暖化問題でございますが、先般、COP17でも大変な論議があったわけでございますが、これはもう現在の我々全人類、そしてまた将来世代のためにも避けて通ることのできない大変重要な課題であるということは、これはもう申すまでもございません。
 そういった中で、先般、我が国におきましても地球温暖化対策税というものを成立させていただきました。本当にお礼を申し上げたいと思います。
 この税制は、地球温暖化対策を強化するとともに、エネルギー起源CO2排出抑制のための諸施策を実施していくためのものでございまして、本年十月から施行され、三年半掛けて段階的に税率が引き上げられることから、この形で着実に実行してまいりたいと考えております。
 また、一方、低炭素化の促進の観点からは、引き続き税制全体の一層のグリーン化を進めることが私たちは重要であると考えておりまして、そういった中で、環境にとってプラスとなる多様な税の形につきましては、環境面から公平かつ効果的な税制として国民全体の御理解をいただきながら様々な可能性をこれからもしっかりと検討するなど、取組を続けてまいりたいと考えております。
 今お尋ねの森林吸収源対策、二十五年度はどう考えているかということでございますが、地球温暖化対策というか、この森林吸収源対策は非常に重要な施策であるわけでございます。そういった中で、平成二十四年度の税制改正大綱における指摘、今大臣が述べられましたように、やはりこれは国全体としての財源確保を引き続き検討するということになっておりますので、それを踏まえて我々は検討がなされるものと考えておりまして、環境省といたしましても、農林水産省あるいはその他の関係省庁ともよく相談してこの問題は考えてまいりたいと、そのように思っております。
#35
○加治屋義人君 ありがとうございます。
 地球温暖化の問題、そして森林の大切さ、今、国民の意識というのは非常に高くなっておりますので、このことについては環境省、農林水産省、しっかり連携を取っていただいて進めていただきたいと、強く要請をしておきたいと思います。
 次に、国有林野事業の一般会計化についてお伺いをいたします。
 木材自由化など我が国の林業全体の採算性が低下して、累積債務三兆八千億に膨れ上がって、平成十年度の特別措置法でこの債務のうち二兆八千四百二十一億円を一般会計に帰属をさせて、残りの一兆四百五十四億円を事業勘定において負担することと承知をいたしております。八万いた職員も、先ほどお話ありましたけれども、集中改革期間も経て現在は五千人弱だとお伺いをしておりますが、同時に債務返済も始まったということであります。
 今回の一部改正では、国有林野事業特別会計を廃止して一般会計において実施することとなっております。つまり、国有林野事業は一般会計で国の責任で維持していくことだと思いますが、今あえて一般会計化する意義、必要性、そしてまた森林・林業再生に向けて国有林野はどのような役割をしていくのか、大臣の所信でお聞きしましたけれども、改めて具体的に御説明をいただきたいと思います。
#36
○国務大臣(鹿野道彦君) 森林というものにおきましては、先生御承知のとおりに、民有林そして国有林というものがあるわけでございますけれども、森林をどうやって今後しっかりと保全をしていくか、森林の持つ公益的機能というふうなものをいかにして発揮させていくかというふうなことは非常にこれからも重要なポイントになるわけでございまして、そういう意味ではまさしく、国有林野そして民有林というものが一体的な形でこの公益的な機能を発揮できるようにしていくというようなことが今回の一般会計化というふうなことにつながるものと思うわけでございます。
 そして、そういう意味では、この一般会計化によりまして、企業的経営、運営ということになりますでしょうか、そういうことよりは、国有林が有するところの公益機能というものをやはりきちっと発揮できるようにしていく、そして同時に、今申し上げましたとおりに国有林と民有林の一体的な取組ということからするならば、民有林へのサポートなりあるいは指導なりというふうなこと、そのことによって木材の需給調整等の事業も行う、そして、林産物収入等の動向に左右されることなく一層計画的にそういう事業が実施できるようにするというようなことが一つの今般のこの一般会計化というふうなことのポイントになるものと思っております。このことによって、公益重視の国有林野の管理経営、森林再生への貢献など、国民の求めるところの期待にこたえていきたいと、こういうふうな基本的な考え方に立っているところでございます。
#37
○加治屋義人君 環境省の副大臣、御退席いただいて結構でございます。
#38
○委員長(小川勝也君) 横光副大臣、御退席ください。
#39
○加治屋義人君 ありがとうございました。
 このことについてもう一点お伺いいたしますが、事業勘定で負担する一兆四百五十四億円の債務については林産物収入等で返済をし、新たな国民負担は生じさせないとして、暫定的な特別会計を設置することとされております。国有林野事業の特別措置法で、平成十年から五十年間を掛けて平成六十年度末までに着実に処理することとなっておりますが、既に十数年を経過して残り期間三十六年。現在、事業勘定で負担する債務はどうなっているのか、着実に返済できるのか、返済の実績と今後の見通しについて簡単に教えてください。
#40
○政府参考人(皆川芳嗣君) 委員御指摘のように、国有林野事業は平成十年に抜本的な改革をいたしました。その中で、事業勘定の方に一兆数百億が残ったわけでございますが、その後、早期退職等もやりまして、実は一兆二千七百九十六億円ということで借入金残高になっておったわけでございますが、平成十六年以降は新規借入金がなくなったということでございます。
 その後、債務の返済状況でございますけれども、平成二十二年度に十億円、平成二十三年度に二十一億円の返済をしております。また、二十四年度予算におきましては二十五億円の債務返済を計上しているというところでございます。
#41
○加治屋義人君 ありがとうございます。
 前から話あるとおり、今回の一般会計化以降については、従来どおりの公益機能はしっかり果たしていただかなければなりませんし、所有者との協定など地域との連携というのは大変大切だと思いますので、そのことも考えて進めていただきたいと要望をしておきたいと思います。
 次に、施業集約化の促進と森林組合、事業体の役割について伺いたいと思います。
 再生プランの最大の課題は施業の集約化と思います。まず、一つは森林の現況調査、二つ目には境界の確認、三つ目には施業の提案書の作成など、集約化施業の合意形成ができて初めて交付金が支払われることになっております。
 現場の声を聞きますと、一つには不在市町村森林所有者が非常に多い、所有者の高齢化が進んでいる、合意形成がなかなか進まず境界確定に大変苦労しているということをよく聞きます。この課題を解決するには、やはり森林整備の担い手の役割を持つ森林組合、事業体の関与が不可欠だと思っておりますが、今後の施業集約化の促進に向けて森林組合と事業体の果たす役割をどう位置付けた上で支援をしていくのか、そのことについて伺いたいと思います。
#42
○副大臣(岩本司君) 加治屋先生にお答えをいたします。
 森林所有者の協同組織であります森林組合は、地域の森林管理の主体として、森林の有する多面的機能の持続的発揮に貢献をいたしておりまして、その役割は非常に重要であると認識をいたしております。先生御指摘のとおり、森林組合が、民間事業体が実施しない山奥の採算性の悪いところもこの作業を請け負っておるわけであります。
 一方、昨年七月に閣議決定いたしました森林・林業基本計画におきましては、森林経営計画作成から実行までのそれぞれの段階で森林組合と民間事業体のイコールフッティングを確保することとされたところであります。これを踏まえまして、森林組合と民間事業体が切磋琢磨しながら、また連携しながら、森林整備が計画的かつ効果的に実施され、森林所有者の利益にも資するものとなることが期待をされているところであります。
 農林水産省といたしましては、森林組合と民間事業体それぞれの長所を生かしながら、林業の持続的かつ健全な発展が図られるように各般の施策を推進していく考えであります。
#43
○加治屋義人君 岩本副大臣には的確な答弁をいただきました。私が言いたかったのは、採算性の取れない多くの不便な山の管理をこの森林組合と事業体がやっているということを十分御理解をいただいているようでございますので、今後ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、路網整備について伺います。
 路網は林業の重要な生産基盤の役割を果たしています。直接支払制度の創設で急速にこの路網整備が進むと思いますけれども、しかし、開設を急ぐ余りいいかげんな建設は決して許されないと、そういうふうに思っておりまして、オペレーターの育成や安全指針をしっかり示すことが必要だと思っておりますので、路網整備の展開と方向についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#44
○副大臣(岩本司君) 間伐等の森林整備を推進するためには、林道、林業専用道の整備とともに、林業機械が走行できる森林作業道の整備が重要であると認識をいたしております。森林作業道の整備に当たりましては、経済性を確保をしまして丈夫で簡易な構造とすることが重要であることから、森林作業道作設オペレーターを対象といたしまして、統一的なカリキュラムにより丁寧な締め固めによる土工などの実習を中心とした研修を実施してきたところであります。また、この研修におきましては、森林作業道作設にかかわる安全教育を実施しているほか、現場への巡回指導に要する経費も支援しているところであります。
 本年度も、この研修によりまして、先生御指摘のオペレーターの育成を行い、作業員の安全の確保にも努めながら、丈夫で簡易な森林作業道の整備を推進してまいる考えであります。
#45
○加治屋義人君 ありがとうございます。
 再生プランに関連して何点か伺ってまいりましたけれども、これらをしっかり実現させることによって、このことが大切だと思っております。
 鹿児島県の例を一つ申し上げてみたいと思います。
 おかげさまで、加速化基金を活用して、鹿児島県が進める県産材利用促進事業の効果で機械化が非常に進んで、作設オペレーターの導入等で若い就業者が五年前よりも一・五倍に伸びた、そして生産も向上してきたと、こういう報告をいただいておりまして、改めて思いますのは、この加速化基金の効果が非常に大きいねと改めて評価をしておりますけれども、今後ともこの基金については継続して予算の確保ができるように努力をいただきたいと、そのことを申し上げておきたいと思います。
 本年七月一日から施行される再生可能エネルギーの固定価格買取り制度について伺いたいと思います。
 平成二十一年度の用材の国内生産量は約千八百万立方メートルで、木材自給率二八%になっております。その一方で、間伐しても、搬出・運搬経費などの採算性によって、毎年二千万立方メートルもの林地残滓が山に放置されている実情にあります。この二千万立方メートルの林地残滓を有効活用し、政府の進める森林・林業再生プランと歩調を合わせた木質バイオマス再生エネルギーへの期待は大変大きいと思っております。東日本大震災での原発事故や、いつ再稼働できるか見通しの立たない原子力、それに代わる代替エネルギー、石油や石炭等の化石燃料価格の高騰等、世界の情勢等を考えますと、こうした意味でも時宜を得て更にこのことが重要な課題になってくるんだろうと思っております。
 この再生可能エネルギーとしての木質バイオマスの取組についての現状、そして今後についてお考えを聞かせてください。
#46
○副大臣(岩本司君) お答えをいたします。
 我が国におきましては、平成二十二年の木材供給量約一千九百万立方メートルに対しまして、間伐材等の木質バイオマスは、収集・運搬コストが高いために、年間約二千万立方メートルが林地内に放置されている状況であります。
 農林水産省といたしましては、路網整備や森林施業の集約化などの取組によりコストダウンを図りまして木質バイオマスを安定的かつ効率的に収集するとともに、再生可能エネルギーとしての利用を促進することが重要と認識をいたしております。
 このため、森林管理・環境保全直接支払制度によりまして施業の集約化を進め、路網整備と搬出間伐を一体的に促進、これ平成二十四年度の予算は三百十三億円計上しておりますけれども、促進するとともに、森林整備加速化・林業再生基金等により未利用間伐材等を活用しました発電、熱併給施設等の整備を支援をいたしておりまして、木質バイオマスの効率的な供給、利用を積極的に推進してまいる考えであります。
 また、本年の七月から施行予定の再生可能エネルギーの固定価格買取り制度によりまして木質バイオマスの利用が推進されるよう、経済産業省としっかりと連携をいたしまして制度設計を行っていく考えであります。
#47
○加治屋義人君 ありがとうございます。
 この代替エネルギーという問題が一つ、そして、このことによって山の管理が非常にうまくいくと、そういうことも考えております。この固定買取り価格、買取り期間、そして既にこのことに手掛けている既存の木質バイオマス施設等々について、林野庁としても経済産業省としっかり連携を取って進めていただきたいと強く要請をしておきたいと思います。
 次に、木材の利用促進法の取組について伺いたいと思います。
 川上の生産体制の状況はどうですか。川下の木材需要の確保状況はどうですか。この利用促進法の法の施行後の国、都道府県、市町村の木材利用の状況とその推移、そして直近の木材価格の推移等についても御説明いただければ有り難いと思います。
#48
○政府参考人(皆川芳嗣君) 公共建築物等の木材利用促進法、これが二十二年五月に成立をいたしまして、同年十月に施行されてございます。
 その後でございますけれども、国の木材利用計画、また地方公共団体の木材利用方針というのをお立ていただいて、それで促進していくということになってございますが、まず各省庁でございますけれども、全ての省庁でこの利用計画というものが定められてございます。また、全都道府県におきまして、木材利用方針というものも策定をされているということでございます。
 なお、市町村のレベルの動きでございますけれども、この一月以降、かなりのスピードで市町村の木材利用方針の策定ということが行われておりまして、実は、今現在でございますけれども、約四百の市町村、千七百の市町村のうち四百の市町村で策定がされております。特に、中でももう全県下で行われているところが二県ございまして、秋田と徳島県は全ての市町村でこの利用方針ができていると。また、加治屋先生の鹿児島でございますが、半数の市町村でこの策定ができているということでございまして、これを年度内にはもう千以上の市町村での策定になるように私どもも精いっぱい努力していきたいというふうに思ってございます。
 国の施設でも様々な、私どもの森林事務所も当然でございますけれども、それ以外でも税関の支署とか国立公園の休憩所等、さらには内装等の木質化という面では、検察庁の庁舎といったようなところでも内装の木質化ということが行われてございます。地方公共団体におきましても、こういったものが、まさに利用方針ということに基づきまして積極的に推進されるように全力で取り組みたいと思いますし、また、それに向けての様々な技術開発、またその利用方法ということについても積極的に関係省庁と連携をいたしましてやっていきたいというように思っているところでございます。
#49
○加治屋義人君 積極的に取組をいただいておりまして、大変心強く思っているところです。
 関連して、国土交通省に伺いたいと思います。
 建築基準法の改正についてでありますが、国産材の拡大は住宅分野の需要が原点だと思っております。私も、今まで再三、この基準法の見直しが必要だということは申し上げてきたんですけれども、この取組はどうなっているのか、今後のスケジュールも含めて教えてください。
 もう一点は、過日、三階建ての木造住宅の燃焼実験がテレビで放映をされました。私も見させていただきました。技術的にも、耐火性のある加工木材もあると思いますけれども、そうした耐火、耐熱性のある木材も使用されたのかねとテレビを見ながら思いました。この燃焼実験結果をどのように分析し、見直しに向けてどう反映をされていかれようとしているのか、率直に教えてください。
#50
○政府参考人(井上俊之君) お答え申し上げます。
 建築基準法では、火災に対する安全性という観点から、建築物の立地でありますとか規模でありますとか用途に応じまして防火のための規制を行っていると、こういうことでございまして、当該規制の見直しには安全性が確保できるという検証が必要だというふうに思っております。
 過去は、御指摘ありました住宅に関しまして、特に共同住宅でございますけれども、二階建てしか建たなかったものを、実験をいたしまして、今は三階、場合によっては四階も建築可能というふうになっているところでございます。
 昨年成立しました、ああ、一昨年です、済みません、木材利用促進法において、木材利用の観点から建築基準の規制を見直すべきだということが規定の中に盛り込まれておりまして、また、その中で特に学校について御要望が多くて、現在は学校は耐火建築物ということで義務付けております。今の技術では、木造では耐火建築物の基準を満たすことはできない状況でございます。したがって、この耐火建築物としている規制を緩和するということになるわけでございますけれども、この見直しの方針といいますか、ことにつきまして、二十二年六月に規制・制度改革に係る対処方針の閣議決定の中に盛り込まれてございます。先ほど委員から御指摘いただきました火災の実験はこの動きに基づいて行わせていただいているものでございます。一昨年度、プレ調査を行いまして、二十三年度から二十五年度まで三か年の予定で火災実験をシミュレーションで安全性の検証をしていくという予定で、一年目の実験を去る二月の二十二日に行った、つくばの方で行ったということでございます。
 この実験は、燃えにくいものを木造で建てるというよりは、データをきちっと取ることを目的にいたしておりますので、むしろ内装も全て木造、木で張ったというようなことで造らせていただきまして、結果は御案内のとおりでございますけれども、十分以内に三階に延焼するなど、外見的には火の回りは非常に早いという、学識者の先生方もそういう印象をお持ちでございますが、一方で、倒壊までは一時間以上の時間を要しているというようなことも確認をされております。現在、膨大なデータをやっと整理できた段階で、分析はこれからでございます。
 今後、このデータを分析をいたしまして、どういう安全対策を取れば耐火建築物でなくて準耐火建築物、木造でも建築可能な準耐火建築物でも安全性が確保できるかということについてしっかり検証して、それを踏まえて基準の見直しを図ってまいりたいと、こういうふうに思っております。
 以上でございます。
#51
○加治屋義人君 非常に技術的に今進んでおりまして、耐火、耐熱性、いいものができているんです。あの実験をされる前に林野庁とそういうものを打ち合わせた上で実験をされたのか、いま一度お伺いしたいと思います。
#52
○政府参考人(井上俊之君) 林野庁とは日ごろからいろんな形で意見交換をさせていただいております。
 先生の御指摘のものは、例えば木の中に鉄を組み込んだハイブリッドの木材というのもございまして、こういうものでは既に耐火建築物の建築が可能なわけでございます。
 今回の実験につきましては、無垢の木で一応どこまでもつかということを検証したいと、こういうふうにやったものでございまして、この結果を踏まえてしっかりまた取り組んでまいりたいと思います。
#53
○加治屋義人君 あのテレビの画面だけを見ると、これは木材は駄目だなというのを直感したものですから、これからはしっかり国土交通省、林野庁とそういうものを協議しながら進めていただければ大変有り難いと思います。
 離島の森林の振興について伺いたいと思いますが、離島の森林の役割、これは外敵から国土を守る、数少ない水源の確保と同時に、離島の産業面でも大変大切な山だと思っております。
 鹿児島の奄美大島を例に取りますと、伐期を迎えた木も、島内に加工場もなくて、島内の木材需要は皆無、原木を出すにしても輸送賃が大変、本土に出すわけですから輸送料が高くてコストが合わない。ただ一つ、今日までこの経営を支えてきたのは何かと言いますと、チップなんですよ。木材チップで何とか経営をして山の管理をやってきた。ところが、輸入材のチップに猛烈に押されて、このチップすら行き詰まっている、そういう状況にあるわけですけれども、こういう状況になってきますと、全国、離島、相当な数あると思うんですけれども、整備もままならない状況になりつつあります。
 是非この状況を把握していただいて、離島という不利地域に対する支援を何か考えてほしいと思いますが、いかがでございますか。
#54
○副大臣(岩本司君) お答えをいたします。
 離島における森林は、林産物の供給だけではなく、国土の保全や貴重な生態系の保全など多面的機能を有しているところであります。一方、木材の生産活動を通じまして森林の多面的機能の発揮に寄与する離島の林業には、先生御指摘のとおり、生産コスト、流通コストがかさむという離島の不利な条件があるところであります。このため、離島振興法等に基づきまして、路網整備の補助率のかさ上げを行うとともに、造林、間伐等の補助事業につきましては離島の実態に応じまして都道府県が別途標準価格を定めることができるよう措置をしているところであります。
 離島におきます林業振興に当たりましては、地域材の利用促進のために木材の安定的、効率的な供給体制を整えていくことが不可欠であると認識をいたしております。森林・林業再生プランを踏まえまして、川上から川下に至る総合的な取組を推進していく必要がありまして、関係地方公共団体と連携しながら離島の実態に応じた森林・林業の再生を進めてまいる所存であります。
#55
○加治屋義人君 再生プランの直接支払も受けられないという、そういう現状では大変だと思いますので、何か離島に対する施策を考えていただかないと、森林組合も事業体ももう民有林を市町村にお返ししますよと、こういう声すら出ているんです。そういうことも一つ御理解をいただきたいと思っております。
 時間が来ましたので、先ほど話も出ましたけれども、東日本震災の海岸の崩壊ですね、これを契機にして日本列島の海岸の強化をすべきだと思いますので、これは要望に、あっ、お答えいただけば有り難いと思います。
#56
○大臣政務官(森本哲生君) 委員御指摘のとおり、今回のこの被災で随分防災林が効果を上げました。ですから、おっしゃるように全国的に展開することが必要だと思っておりますので、ややもすると海岸が少し目が届いておらなかったということも事実でございますので、これからは委員の御指摘のとおりしっかり対応をさせていただく、そういう予算も今用意をさせていただいておりますので、頑張ってまいります。
#57
○加治屋義人君 よろしくお願いしたいと思います。
 最後に、簡単に御答弁いただけば有り難いと思いますが、新潟、福島の豪雨、台風十二、十五号の紀伊半島の災害、三度にわたる奄美大島の災害、これらの現場を見てきまして、山地の深層崩壊、本当に目を覆うばかりでありました。近年の山地の深層崩壊の要因は何だった、何が原因だったのかねと、こういうことを思っておりますが、森林の間伐の管理不足があったのではないかと、私はそう感じているんですけれども、このことについてお答えいただきたいと思いますし、ただ、通告には復旧状況その他についてお聞きするつもりでありましたけれども、これは割愛をして、この崩壊の要因についてお尋ねします。
#58
○政府参考人(皆川芳嗣君) 私も奈良の十津川の深層崩壊の現場を見てまいりました。昨今の気象の状況でございますが、非常に豪雨の頻度が高まっているというようなことであろうかと思います。
 深層崩壊につきましては、当然森林の状況ということもあろうかと思いますが、またもう一つ、土質でありますとかその豪雨災の激烈さといったような様々な要因があろうかと思います。また、奈良県での状況ということにつきましては、この原因究明ということも併せてさせていただいてございます。
 ただ、いずれにせよ、こういった状況でございますので、森林の整備ということをより万全に図っていかないと、やはりこういった問題への対処ということもなかなかできないだろうということで、森林の管理ということについてますます緊張感を持って対応していきたいというように思っているところでございます。
#59
○加治屋義人君 ありがとうございました。
 終わります。
#60
○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。
 短い時間でありますが、本日は、山、森林、林野とは切り離せないシイタケ等キノコ類の放射性物質によります汚染の問題、この点について質疑したいということであります。
 木材生産は、これだけ山が多いんだから相当な金額に上っているんだろうというふうに我々思うところでありますが、木材生産の生産額は二千億を切っているわけですね。ところで、一方、キノコ類は二千億を超える金額になっています。一般的に、我々、農産物いろんなところで当然のこと接するわけですが、お茶は一千百億円、さらにサトウキビだと三百三十億円、それからミカンは千五百四十億円、リンゴは千三百二十億円。だから、キノコ類は、もう山で生産されているキノコ類はこれらをはるかに超える大変重要な農産物であるわけでありますが、林産物でもあるわけでありますが、ところが、そのことについて必ずしもどうも我々十分意識していないんじゃないかと。
 キノコの生産農家も、どちらかというと組織はそれぞれ、仲間で組織されてはおいでになるわけですが、全国的な大きな組織を持って活発に活動されているということもないということもあるんだろうというふうに思いますが、だからなかなか目立たない。
 しかし、今般のセシウムによります新しい基準値が設定されたことによりまして、そのことで物すごい困難に逢着しているわけで、多くの農家がもう生産をもうやめようかという悲嘆に苦しんでおられるわけであります。今、日々、日々それに苦しんでおられるというふうに思います。
 だって、一時期に収穫するだけの話じゃないんですから、毎日ハウスないしは露地で生えてくるんですから。それを収穫されている皆さん、そしてそれがセシウムの基準値を超えてしまう、それも、当初原木を導入したときは、洗浄もしながらちゃんとやって大丈夫だったと。ところが、途中で基準値を変えちゃったんだから。だから、原木は二年間使えるんです、二年間八回使えます、露地で使うほだ木になったものについては四年間使うと言っています。この間、基準値変わったわけだから、これはもう大変な苦労です。今までの大丈夫だった、出荷していたほだ木、もう一回使おうと思っていたものをしょせん廃棄せざるを得なくなった。みんなハウスの後ろ側に積み立てたままに、廃棄したままになっております。ましてや、それもすぐどこかへ持っていけるのかといったら、そうじゃない。庭先にちゃんと置いておかなきゃいかぬということになっているわけですから、悲しみは更に増すわけであります。値段はずっと低下のままであります。
 この状況をしっかり解決していかなければ絶対にもう駄目だということであります。もちろん、基準値を決めました厚生労働省、それから賠償請求の中間指針を作りました文部科学省、それぞれ役割はあるんですが、この大事な林産物についての扱いについて、やはり生産者の立場に立って仕事をちゃんとやるというのは僕は農林水産省だと思うんです。
 ましてや、基準値を決めるときのいろんな諸会議の中で、五百から百ベクレルにしても、まあ最近はずっと数値も下がっていますから大丈夫ですよということを農林水産省は言ってきたんじゃないか。議事録を何度も読みますと、厚生労働省の担当者は、各審議会委員の鋭い質問、すなわち、今この厳格な基準をわざわざ決める必要があるのか、世界的にも非常に厳しい基準を今こういう形で決める必要があるのか、安全、安心という名の下にそれで十分な説明もなく進めるのか、このままでいくと間違いなく生産の現場で大混乱を生ずるよということを、ずっと議事録の中で何度も何度も議論されていたし、そして、普通の審議会とは異例な形でちゃんと意見書も出されていたという経緯があるわけであります。
 このことについて、しっかりと農林水産省、対応が必要でありますが、今やまさに、生産者が出荷制限、出荷自粛、それから出したものの回収、さらには返金ということまで迫られているわけで、先に言いました、途中から汚染があるぞというふうに、新基準値の設定の中で出てきた原木の再洗浄、さらに廃棄、そしてまた、高騰している、値段が上がってきている原木の手配に苦労している。一方、福島は、原木の大産地だったんですが、今は原木を出せない。このことは、当然のこと、福島の大事な林業経営においても大変な困難に遭っているということであります。
 こうした現状を一体どんなふうに考えておられるのか、どう対処してきているのか、お聞きします。
#61
○政府参考人(皆川芳嗣君) キノコでございますが、委員御指摘のように、林業産出額の過半を超えているといったことでございまして、山村経済にとっても大変大きな役割を果たしてきたというふうに認識をしております。
 今回の放射性物質の問題でございますけれども、東日本中心といたしましたキノコ生産農家が出荷制限、出荷自粛といったような非常に厳しい状況に置かれているということで、多大な御苦労、御心配をされているということに大変に遺憾に思っております。
 林野庁といたしましても、生産農家の方々の御意見もよく最近聞かせていただいてございまして、まずは、風評被害を防ぐという意味でも、新しい基準値がいずれにせよできているわけでございますので、それに適合する安全なキノコが出荷できるような体制づくりということについて、厚生労働省とも連携しながら取り組んでいきたいというふうに思ってございます。
 また、当然、この問題は、新基準値に応じた原木の基準をどうするかという問題もまだ派生してございます。これについてもありますし、また、その原木の供給をどうするのかと、まさに大産地であった福島の原木に依存できなくなったということの状況がございますので、全国各地でどういったポテンシャルがあるのか、原木の供給可能性があるのかということと、またそれに向けての、原木を求めておられる方々とのマッチング、また、原木はそうであっても、それを除去しながら極力安定的に生産する技術がないのかといったようなこと、また委員御指摘の、まさに原木を廃棄しなきゃいかぬといった問題もございます。そういったものへの対処をどうするかということまで含めまして、極力生産者サイドに立ちまして様々な対策を講じることによりまして、この非常に大事な特用林産物、またシイタケの生産ということについて生産振興ができるように頑張ってまいりたいというふうに考えてございます。
#62
○山田俊男君 厚労省は、辻副大臣、お見えになっていただいております。この実態をちゃんと承知されているのかどうか、私は基準をもう一回見直していいと思うんですよ、実態に合わせて、審議会であれだけ意見も出ていたんですから。いかがですか。
#63
○副大臣(辻泰弘君) 食品中の放射性物質についての新たな基準値は長期的な状況に対応するため設定したものでございまして、より一層食品の安全と安心を確保する観点から、これまでの暫定規制値で許容していた五ミリシーベルト年間線量から年間一ミリシーベルトに基づく基準値に引き下げ、今年四月一日に施行させていただいたものでございます。新基準値につきましては、検討段階から、食料供給への影響や、経過措置の対象となる食品の内容と期間などにつきまして農林水産省と十分に協議を行わせていただいた上で、薬事・食品衛生審議会の多くの専門家の議論を踏まえて決定させていただいた次第でございます。
 現在、地方自治体の協力も得まして、計画的な検査の実施と、その結果に基づく出荷制限等の指示を行い、基準値を超える食品の流通防止を図っているところでございまして、食品の安全と安心を確保するためにも、一部の食品で基準値超過が出たことをもって基準値を見直す考えは持っておりません。
#64
○山田俊男君 どうも、小宮山大臣がおいでになればこの比で済まない、もっときっちり戦うべきところでありますが、本当に残念でありますけれども。
 農水省は移行係数の在り方について私は大きな間違いをしたんではないかと。これは私が言うだけじゃなくて、産地の多くの農家の皆さんからも、おい、これは間違っているんじゃないかと、農家にシイタケを作るなという原木の指標値を作ったことになってしまっているんじゃないかというふうに出ているんですが。ともかく、きちっと生産可能になる、出荷になる、それはきちっと安全なんだという対応の仕方があるはずなんですが、どんなふうにこの扱いされるんですか。
#65
○政府参考人(皆川芳嗣君) 原木シイタケでございますが、原木をまず使って、それからシイタケを作ると。
 シイタケについて、まさに新しい新基準値が適用されて百ベクレルということになったわけでございます。これにつきましては、原木の移行係数、まず、昨年の五百ベクレルのときから、私どもも原木の濃度と、それから出てきた生産物であるシイタケの濃度ということをデータを集めまして、これに基づきまして、移行係数、当初は三という形で設定をさせていただいておりました。ただ、これを、サンプルを少し増やしまして、今回二・〇という形の移行係数という形になってございまして、また菌床用培地につきましては移行係数を大分緩和をできた水準ということになっているのが今の実態でございます。
 ただ、それだけで万全なのかということになりますと、まだ、私どもの原木、さらには菌床培地、それから生産されたシイタケとの間の相関関係というものにつきましてはまだまだ知見の蓄積が必要な段階でございます。
 ただ、いずれにせよ、四月一日のこの新しい基準値に対応するためへの基準として設定をさせていただいたということでございますけれども、この夏に向けまして、まさに新しい原木を仕込むという時期に間に合うような中で、その移行係数につきましては極力妥当なものとなりますように、更なる知見の蓄積、また様々な関係者の方々の御意見もあるようでございますので、よく聞かせていただいた上で、この移行値の見直しということをさせていただきたいというように考えているところでございます。
#66
○山田俊男君 ともかく、皆川長官、もう急がなきゃいかぬ。みんな今本当にもうやめているんだから、やめようとしているんだから。僕は宮城県で原木シイタケの農家にお会いしましたが、もうほぼ私と同年齢。大変な苦労をして家族みんなで取り組んできたこの経営をもうやめざるを得ないのかと、もう泣くような印象だったですよ。こたえてあげなきゃいかぬですよ。それに移行係数や原木の指標値が影響していないとは限らない。このまま放置しておくわけには絶対いかないので、早急にやってもらいたい、こんなふうに思います。
 さて、これは神本政務官にお聞きしますが、損害賠償の私は中間指針、少なくとも、厚生労働省が基準値見直さないというんだったら、損害賠償の中間指針はしっかり見直して、そして、こうした形での基準値の変更に伴う様々な問題が出てきている、経費増であったり、価格の低下の問題であったり、回収に伴う代金であったり、こうしたことごとについての損害賠償をちゃんとやるという指針の見直しをやるべきなんです。
 それなのに、東電に言ったら、相当な因果関係があればやりますが、中間指針にないから対処できないなんて言っているんですよ。こんなことをあっちこっちで繰り返し言われていてやる気が起こりますか。これはみんな国に対する物すごい不満になって現れていますよ。言うけれども、キノコ類の生産額は木材の生産額より大きいんだよ。それほど多くの皆さんが努力しながら、山や森を大事にしながら、かかわっておられるんですよ。
 是非、中間指針見直すべきだと思いますが、いかがですか。
#67
○大臣政務官(神本美恵子君) 先生御質問の放射性物質、食品の新基準について、それに伴う賠償、中間指針を見直すべきではないかという御質問でございますが、今回の事故によって生じております原子力損害に関しましては、事故との相当因果関係が認められるものは全て原子力損害賠償法に基づいて適切な賠償が行われることとなっております。
 原子力損害賠償紛争審査会が策定しました中間指針におきましては、農林水産物及び食品の出荷、作付け等につきまして、政府が本件事故に関し行う指示等に伴う損害は賠償の対象とされているところでございます。
 今回の、食品の放射性物質の新基準が設定されましたけれども、当然、食品の放射性物質の新基準に基づく指示等に伴う損害についても同様に賠償の対象となる、現在の中間指針で賠償の対象となっておりますので、見直すつもりはないかという御質問でございますが、これにつきましては、中間指針で今申し上げましたように含まれておりますので、見直す必要はないものと考えております。
 また、東電の態度につきましては、私もこの間、損害賠償紛争審査会や円滑化会議、損害賠償が迅速、円滑に行われるようにと経産省や東電や賠償支援機構と一緒に会議を持っておりますけれども、その中でも再三、先生御指摘のように、中間指針にないからこれは対象にならないという、これは誠意ある態度ではないと、中間指針が求めているのはそういうことではないということを繰り返し要請をしてきているところでございますし、文部科学省、大臣を始め政務三役で東電においでいただいて、しっかりとそこは迅速に円滑に賠償が進められるようにと、中間指針をそういうふうに狭めて判断するものではないということも繰り返し指導してきているところでございます。
#68
○山田俊男君 ともかく、神本政務官が賠償円滑化会議で相当頑張っておられるという情報は聞こえてきますが、もうその比じゃなくて、もう神本さんのその勢いをもっとどんどん出して、徹底して東電にやらせなきゃいかぬですよ。
 ましてや、これは厚生労働省も、こうなったらよそのことだというふうに思っているかもしれない。しかし、低い基準値にしたでしょう、子供について五十ベクレルにしたでしょう。悪いとは言わないですよ、それはそれで一生懸命お考えになったということだと思う。下げたからNDでなかったらもう扱わない、そういうところがいっぱい出てきているじゃないですか。やっぱり審議会で議論されていたとおりなんだよ。
 だから、数字を安全に決めたからこれでいいんだなんていうことは言っておれないんだよ。これは本当だよ。各省もう一回、ちゃんとどんな方法があるか、どんな対策があるかということをしっかりやってもらわなきゃもう本当に駄目だということを申し上げておきます。
 さて、これまたこれで検査機器を、そういうことだから、NDでなくちゃいかぬのだということであらゆる段階で求められるから、どうなっていますかというふうに聞かれる、答えなきゃいかぬ。検査機器必要になるじゃないですか。検査機器を是非入れたいというふうに市長さんや国に言ったら、東電と交渉してくださいと言っているそうじゃないですか。林野庁もどうもそんなふうにおっしゃっているらしいじゃないですか。こんなことでは絶対駄目ですよ。ましてや、検査機器は厚生労働省の話ですなんて言ってたって駄目ですよ。
 検査機器の体制整備をしっかりやらなきゃいかぬ、いかがですか。
#69
○政府参考人(皆川芳嗣君) 当然に、そういった安全、安心の体制づくりのために、私どももやっていかなきゃいかぬことをやります。そういった意味で、検査機器の導入についても支援対策ということを私どももさせていただいておりますし、もしそういった観点で不十分な発言があったとすれば、もう一度私の方から徹底させていただきたいというふうに思います。
#70
○山田俊男君 もう時間がなくなりましたので、大臣の声を聞かないと眠れませんので、TPPの問題も、これありますから、もう大臣に頑張ってもらわなきゃいかぬので、ここでしっかり大臣の声を聞いておかなきゃいかぬのですが。
 山の除染対策をどうするか。これ、かなり長期的な課題だというふうに思います。先ほど金子委員からもお話がありましたけれども、一定の体制を仕組みながら試験研究も含めて研究開発をやります、試行的な実施をやりますということなんだけど、物すごい難しいというふうに思うんですよ。
 しかし、それは、長期的にもやることはやっていきながら……
#71
○委員長(小川勝也君) 時間、超過しています。
#72
○山田俊男君 はい。
 一方で、是非、原発の福島の地をどう自然再生エネルギーの基地として、かつ世界的な研究機関も誘致しておくということ、それからさらに、汚染された、抱えておられるセシウムの高い農産物等についても、これはエタノール化を進めるというような形での新しい再生を図っていくという構想が地元の福島から議論が出ているんです。その構想についてどんなふうにお考えになっているか、この除染の問題についての決意をお聞きします。
#73
○委員長(小川勝也君) 簡潔にお願いします。鹿野大臣。
#74
○国務大臣(鹿野道彦君) この森林におけるところの除染につきましては、まず生活圏のところの除染というところに重点を置きまして、二十メートル圏内というようなところで、落ち葉なり枝葉の除去というところに力を入れてまいりました。ある程度これは成果、効果があったと思っております。
 そういう中で、今後、森林全体ということを考えたときに、やっぱり例えば間伐する場合に放射性物質がどう拡散するかというふうなところもしっかりと検証しなきゃならぬわけであります。
 そういう中で、今、農林水産省としてもそういう問題に取り組んで、そして技術的な指針というものをやはりこの除染に取り組む環境省の方にも今月中に提供、提示してまいりたいと思っております。そういう中で、今後、いろいろそういうふうな技術的な問題も含めて、森林の除染をどうするか、環境省と連携をしっかり取って取り組んでいきたいと、こう思っておるところでございます。
#75
○山田俊男君 ありがとうございました。
#76
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 国有林野事業についてお聞きをいたします。
 改正案では、国有林の有する公益的機能の推進を図るため、国有林と民有林との一体的整備ということについて盛り込まれております。
 国は、民有林に対して一体的整備をすれば整備費を求めることになるというふうに思うわけですけれども、これについては通常の林業負担の場合と、あるいは民有林では十分に対応できない場合という二通りがあるというふうにも聞いておりますけれども、どのような形になるのか、まずお聞きをいたします。
#77
○大臣政務官(森本哲生君) 今回、国有林が主体となって民有林と一体的な整備、保全を実施するというものでございますので、森林所有者にもそれ相応の負担はいただくということになります。
 ただ、小笠原諸島のように、侵略的外来種であるアカギ等の駆除、こうした公益性の高いものについては、二十五年度予算編成でここは対応していかなければならないという認識をいたしております。
#78
○横山信一君 国有林が負担する場合もあるということですね。
 次に、累積債務の話に入りますが、現在、約一兆三千億円という累積債務の償還は主に立木を売って得た林産物収入を充てるというふうになっているわけですけれども、これは主伐と間伐と二つあるわけでありますが、この主伐、間伐の林産物収入の割合をどう考えているのか。
 また、間伐の場合は、伐採跡地への造林というのは当然ないわけでありますが、主伐をした場合は、通常は造林をするわけであります。一般的に言って、私有林の場合は採算性が厳しいので、伐採した後の造林というのは放棄されているというケースが非常に多いというふうにも承知しておりますけれども、この主伐後の造林をどうするのか、お聞きをいたします。
#79
○大臣政務官(森本哲生君) 御指摘のとおり、主伐、民有林の場合は非常に今の状況では難しいという判断しております。ただ、国有林はそれを許されませんので、ここのところをしっかりやっていく。そして、当面は五〇%、五〇%の主伐、間伐で対応していきたい。ただ、これがだんだん年数がたつことによって八〇%ぐらいまで主伐が増えていくだろうと、そのように私どもは考えておるわけでございます。
#80
○横山信一君 徐々に主伐を増やしてという、それは分かります。
 じゃ、実際にその返済のスキームのことについてちょっとお伺いいたしますが、平成十年から五十年後の平成六十年度までということで累積債務の返済がされるわけですが、今年度を入れて残り三十七年間ということになるわけですけれども、この林産物収入、平成二十二年のときは二百九億円ということで、単純に計算すると二百九億円の三十七倍ということで七千七百三十三億円ということですね。一兆三千億円には到底足りないわけであります。そのほかにももちろん収入はあるわけでありますけれども、この林産物収入というのを今後、年間幾らぐらいと見込んでいるのかということと、また、当然、売れば、その販売管理コストというのも掛かってくるわけでありますから、実際には収入というのは相当な、相当というか、かなり減ることも予想されるわけであります。
   〔委員長退席、理事郡司彰君着席〕
 林野庁の試算では、丸太の販売価格、これ平成二十二年の実績で一立米当たり九千二百円という、ここを前提に置いているというふうにも承知をしているわけでありますけれども、実際、素材価格というのは低落傾向にあるわけでありまして、そうしたことも含めて考えていくと、この債務返済の見通しというのは一体どうなっていくのか、この辺について伺います。
#81
○政府参考人(皆川芳嗣君) 今回の新しい一般会計化後の債務返済のスキームでございますけれども、まずは、一般会計から利子補給は継続的に受けていくということでございまして、森林整備の結果得られる木材の販売収入でこれを返していくということでございますが、その所要経費は控除した額を国有林野の債務管理特別会計の方に繰り入れて債務返済ということになります。
 このような仕組みの下でございますけれども、資源は非常に今後充実をしてくるということになろうかと思います。平成二十二年の林産物収入、まず当初、大体二百億台ぐらいであるわけでございますけれども、将来は資源の増強ということもございまして、平成五十五年から五十九年の五年間の平均では五百四十億円程度というところまで増加するだろうと見込んでございます。そういった意味では、六十年までの返済は可能ということでございます。
 じゃ、価格の想定ということでございますけれども、平成二十二年度の丸太価格というものがどういう位置付けにあるのかということになりますけれども、二十一年度に起こりましたリーマン・ショック後の、その水準に次ぐ低い水準の価格であったというところでございまして、そういった意味ではかなり堅めの数字で見込ませていただいているということでございますし、またFAO等々の統計でございますが、長期にわたっては木材需要が今後増大していくだろうといったような見通しもされているところでございますので、この堅めの見込みというものについては、長期にわたってこれを下回るという状況にはないんではないかということを前提といたしまして想定をさせていただいているというところでございます。
#82
○横山信一君 堅めというか、低いところに設定しているから大丈夫だというふうにおっしゃるわけですけれども、実際、その平成六十年までに返済できなかった場合、どうなるんでしょうか。
#83
○政府参考人(皆川芳嗣君) 返済のための計画的努力をするということの前提でございます。
#84
○横山信一君 分かりました。
 完済をしてもらいたいと、それは皆さん共通の思いだとは思いますけれども、非常に不安も一部にはあるわけであります。
 ちょっと話を外れまして、緑の雇用について伺います。
 林業就業者の減少、高齢化を受けまして、新規就業者の確保、育成というのは喫緊の課題になっております。この緑の雇用、それで平成十五年から実施をされているわけでありますが、以前はこの緑の雇用の予算、九十億円もあったわけでありますけれども、それが今や五十三億円にまで減少している、しかも事業仕分でという、そういったことがあったわけであります。
 しかし、この緑の雇用が果たしてきた役割というのは私は非常に重要だったと思っておりまして、七年間で約一万人が新たに林業に就業したというふうにも承知をしております。また、この事業、先日亡くなられた冬柴さんが尽力したという、そうした背景もあります。
 そういうこの事業でありますけれども、林野庁の緑の雇用、これによって新規就業者が増加したと、こうしたことをどのように認識をされているのか、そしてまた、今後、この緑の雇用についてどのように継続をしていくおつもりなのか、伺います。
#85
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生がお触れになりました緑の雇用につきましては、先生を始め公明党の先生方にも大変御支援をいただきながら、平成十五年度から開始されておるわけでございまして、お話しのとおりに、これまでも一万人以上研修を修了したところでございます。事業開始前に毎年二千人程度であった新規就業者が平成二十二年度には四千人を超えるというようなこと等々もございまして、大きな成果を上げているところでございます。
   〔理事郡司彰君退席、委員長着席〕
 農林水産省といたしましても、森林・林業再生プランに取り組んでいるわけでございますけれども、林業の担い手となる現場技能者を確保するというふうなこと、そして段階的かつ体系的に育成をしていくというようなことが大変重要になってきておるところでございます。こういうことから、平成二十三年度からは、新規就業者の確保、育成に加えまして、林業就業者にキャリアアップの道筋も示していくと、こういうことで、現場作業班の班長や複数の現場を統括する責任者を育成すると、こういう研修等の支援も実施いたしておるところでございます。
 このようなことも踏まえて、これからも引き続き森林・林業再生に必要な人材育成というところに着実に取り組んでいきたいと、こういう考え方を持っているところでございます。
#86
○横山信一君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 この定着率アップに向けてもう一つお聞きをしたいんですが、林業就業者については、先ほども質問がありましたけれども、労働環境は劣悪だということは指摘をされているわけであります。また、給料も月給制で受け取る人というのは一二%、これ平成二十一年ですか、大半が日給制だということもあって収入は不安定と。危険な上に収入が不安定ということでなかなか定着率が良くない、退職する者が多いというふうにも言われているわけですが、この林業就業への更なる定着を図るための労働環境の整備についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
#87
○大臣政務官(森本哲生君) 委員おっしゃられるように、確かに真夏の暑いときの下刈り作業とか、間伐、冬の寒い枝打ちとか、まあ非常に林業の作業は大変です。ここのところは十分認識いただいておると思うんですが、その中で事故も大体ほかの産業と比べて十倍から十五倍多いということございますし、私も山の中に入って木を切る作業をやったんですけれども、これもなかなか並大抵ではありませんし、その切り方は非常に熟練が要します。
 そうした中で、新規就業者に対しては、やはりその安全という面からしっかりと基本的な知識、技術をやっぱり習得させることがこれはもう大事なことでございます。そしてまた、作業現場でリーダーの養成というものも非常に欠いてはいけない、そのような問題があります。そして、やはり事業主の方が労働安全にどれだけの認識を持っていただくか、ここのところはしっかり巡回指導をしながら我々は徹底をしていかなければならない、そのためには都道府県等の関係機関とも十分連携を取ってやっていかなければならない大事な視点だというように考えております。
#88
○横山信一君 国産材の在り方というか、我が国の木材需要量というのは現在減少傾向にあるわけですが、国産材の供給量が変わらず自給率が上がったとしても、需要量は減っているわけですから、そういう意味では、木材供給量全体の中における国有林材というのは今後どういうふうになっていくのか、在り方をどう考えているのか、お伺いいたします。
#89
○大臣政務官(森本哲生君) ここのところが非常にポイントとしては重要なところになるかと思います。
 国有林がどんどん搬出をすれば、そこで価格破壊を起こしますから民有林が全く出てこないという、ここの調整が非常に、今回の集約化も一つの例は言えるわけでございますけれども、こうしたことと併せて国有林野の生産調整ということも非常に大事な視点。
 しかし、ここのところは、出口をしっかり我々は確保する。ここは皆さんのおかげで公共建築等の木材利用促進、これができましたから、国土交通省との連携は過去より随分強くなりました。ここは感謝を申し上げます。
 そうしたところと、これからエネルギーとしてのどう活用するかという視点が入ってまいりますから、ここでの出口というものも非常に開けてくる。
 まだ、もう一つ残念なのは、教育上やはり木材という、良さというものを我々少しPRをしてこなかったということと、私ども学生時代よりも今の若い人の方がここのところの教育を受けていません。ですから、山の重要性と木質の良さというものをもう少ししっかりと、いろんな、「葉っぱのフレディ」とか、いろいろやっていますけれども、もう少し大きな国民的運動にやっていくという、この三つの視点がとても私自身は大事だと思っておりますので、新たな需要も含めてここのところをしっかりやっていく、これが今委員おっしゃった一番最大のポイントかというふうに思っております。
#90
○横山信一君 よろしくお願いいたします。
 ちょっと国有林野を離れまして、岩本副大臣にお聞きをしたいんですが、先日、北海道にいらっしゃったということで、礼文島、稚内を訪れて海獣被害の視察をされたというふうに伺っております。そこで御自分の目でトドやゴマフアザラシの群れを御覧になって、また、漁協の組合長さんたちからも被害の実態を伺ってどのような感想を持たれたのか、お伺いいたします。
#91
○副大臣(岩本司君) お答えをいたします。
 三月の二十四日、二十五日の二日間、稚内と礼文島に行ってまいりました。礼文島では、本当に海獣と、トドですとかアザラシと戦いながら本当に体を張って国境を守っていただいている、本当に有り難いなという思いでいっぱいでございます。また、刺し網漁でございますので、現場の皆さんの意見聞きますと、魚が網に刺さりますですよね。そうしたら、その刺さったのを船に揚げている途中にトドがもう食らい付いてくるというような、そういう現実を聞かせていただいたりですね。
 我々もいろいろ対策を考えておったんですけれども、例えば、シャチの声を出して以前効果がなかったですとか、これはサウスアメリカでも余り効果がなかったということで、じゃ、実物大のシャチを作ったらどうかと。私も、それは大手の、何というんですか、三菱重工とか、ああいうところに頼んだら何億も掛かるわけでして、しかし、リモコンの会社ですとかおもちゃメーカー辺りでも今性能がいい、何キロ先までリモコンでできると、潜ったり上がったり、それは一体四、五百万でできるんじゃないかと。しかし、型枠代が掛かるので十、二十単位でとか、しかし、それが中国地方にあるので、それを運送するのに幾ら掛かるんだとか、そういうことも現実的にまだ調べている段階だったんですね、血を吐きながら潜ったりしたら逃げるんじゃなかろうかと。
 しかし、漁師さんの意見聞きますと、シャチが来ても、アザラシを一頭二頭食べるらしいですね。しかし、すぐ三十分後、一時間後にはまたアザラシが来るというんですよね。アザラシも、シャチが一回食べたら当分おなかいっぱいで襲わないという、そういう習性まで分かっていると。ああ、じゃ、これは、私もそうやって調べていたんですけれども、じゃ、もうこれはシャチとかそういう人形じゃもう駄目だなと、そういうことですとか、本当に勉強になりまして。
 それだけではなくて、あと、刺し網をガードする強化網ですね、これをもう少し軽量にして、これを早くしないと本当に漁師さんの、現場の皆さんにはもう申し訳ないなという思いでいっぱいで、急いで頑張ってまいりたいと思います。あとは、これは話せばもう何時間も掛かってしまいますので、感想はですね。
 しかし、そういう海獣のふんでもうすごく被害を、ふんで魚がもう戻ってこないというような状況もあるようでございます。
 いずれにしましても、しっかり取り組みたいと思っております。
#92
○横山信一君 現場に行っていただいて、大変お詳しく御報告いただいて、ありがとうございます。
 先月、私、この委員会でこの休漁補償共済、今、副大臣おっしゃられた特に刺し網の業者の救済措置が対象になってくるかと思いますが、今いろいろな試行方法も含めて御紹介いただいたわけですが、なかなか有効な方法がないという中で、休漁補償共済の仕組みを利用したらどうですかという御提案をさせていただいたわけですけれども、その折、副大臣は、消耗品で事故が起きやすいからということで掛金が高額になるという、確かに現行制度ではそういう御答弁にならざるを得ないというふうに思うわけですけれども。このトド被害の救済方法がほかにあるならいいんですが、今までもいろんなことを試していきながら実際に有効な方法が見付かってこないと。
 そういう中で、被害は毎年毎年かなりの額が上がっているという、そういう状況の中ですので、この休漁補償共済の仕組みを何とか、例えば海獣対策用にそういう特別枠をつくるとか、そこに国の支援の割合を少し多めに入れるだとか、何か新たな仕組みの検討はできないか、この辺についてもう一度お伺いいたします。
#93
○副大臣(岩本司君) これは、同じ答弁になろうかと思いますけれども、休漁補償共済は、漁船又は定置網の損傷により一定期間以上操業が制限された場合において休漁による減収額を一定の割合で補償するものでありまして、各共済組合がそれぞれ独自に取り組む地域共済事業として運営されているところであります。刺し網漁具被害を理由としました休漁をこの共済の対象とした場合には、刺し網漁具は消耗品的性格が強く事故が起きやすいことから、漁業者の方に高額な掛金負担を求めることになりまして、北海道漁業共済組合からも刺し網漁業を対象にしてほしいとの要望はこれまで受けていないと聞いております。
 また、平成二十三年度からは、資源管理・漁業所得補償対策によりまして不漁や自然災害のほかトド被害による生産金額の減少も含めまして漁業者の収入の減少を補填しているところでありまして、引き続き本対策への加入促進に努めてまいる考えであります。
#94
○横山信一君 先月と同じ答弁でございまして、ありがとうございます。
 この問題は、要するに今のやり方でいくと解決はしないわけです。
 先ほどの漁業共済を使ったのも補填はされるという話ですが、これも先月言いましたけれども、既にトド被害に遭っているところの漁業被害で算定されていきますので、実際のところは補填はほとんどないという、実際のその被害に遭っている額の補填はされないという現実があるわけですね。そういう意味では、このトド被害というのは、今の現状では何も対策が打たれていないと言っているに等しいという状況にあるんだということであります。是非ともこの休漁補償共済、御検討いただきたいというふうに思うわけです。
 ちょっと時間がなくなってきましたので先に進みますが、先日、釜石に行ってまいりました。釜石で、釜石の東部漁協からアワビの種苗センターの整備についてお話を伺ってきたんですけれども、この種苗センターは元々あった場所が地盤沈下をしてしまって、その元あった場所に再建することが非常に難しいと。別の土地を探して、代替用地を探してそこに造るとなると、その土地の造成費というのは通常でいけば釜石東部漁協の負担になるという、そういう仕組みになってしまうわけであります。
 今後どうしていくかということは、釜石も、それから岩手県も含めて今検討されているようでありますけれども、いい機会ですので改めて考え方を伺っておきたいんでありますが、仮に種苗センターを再開したとしても、今は都道府県の栽培関係予算というのは非常に減額、減少しております。そういう中にあって、この種苗センターを維持するための様々な支援が可能なのかどうか。
 そしてまた、実際にその漁協が所有をしているこうした種苗センターの維持ということに関して見ても、実際、魚価低迷の中で、漁業者のいわゆる受益者負担という部分についてはその能力が非常に低下をしてきている、そしてまた、燃油高も含めて放流種苗用の育成単価も増加をしていると。様々な状況を考えれば、この栽培漁業を取り巻く環境というのは非常に厳しいという状況にあるわけです。そういう中で、種苗センターを再開して果たしてやっていけるかという、そういうことがあるわけであります。
 そういう中で、第六次の栽培漁業基本方針の中で、全国の老朽化した種苗生産施設の更新について取組が盛られておりますけれども、今後の種苗生産施設の在り方をどうしていくのか、お伺いいたします。
#95
○副大臣(岩本司君) 済みません、横山先生、先に進まれましたけれども、私も現場に行きまして、ちょっとトドに戻していただきまして、私も漁師さんたちの御意見も聞いて、本当に何とかしたいという思いでいっぱいで、もう先生と同じ思いでございます。
 ですから、きめ細かな対応といいますか、いろいろまたありとあらゆる知恵を絞りまして、現場の漁師の皆様方のお役に立てるようにしっかり努めたいと思いますので、何とぞ、今後とも御指導よろしくお願いします。しっかり頑張ります。
#96
○国務大臣(鹿野道彦君) 今先生からの御指摘の、いわゆる種苗生産、放流というふうなものにおきましては、何とか沿岸資源の維持及び回復のためにより高い成果が得られるようと、こういうことで、国と都道府県、漁協等が連携を取ってこの問題に取り組んできました。
 平成二十二年に策定いたしました栽培漁業基本方針を踏まえて、全国の六海域に海域栽培漁業推進協議会というものが設立されたわけでありまして、広域種の種苗放流や種苗生産施設間の連携を強化していこう、そして大量放流によるところの効率化、あるいは対象の種の重点化等を実施すると、こういうふうなところできたところでございます。
 また、被災地におけるところの放流種苗の生産につきましては、水産復興マスタープランにおきまして、五年を目途に被災前の生産水準へ回復を目指す、そして被災した種苗生産施設の復旧を図っていくと、こういうふうな取組をいたしているところでございます。
 これからも関係者と連携を取りながら、種苗生産と放流の推進というふうなことによりまして沿岸漁業の振興に努めてまいりたいと思っているところでございます。
#97
○横山信一君 ありがとうございます。
 岩本副大臣も同じ思いでと言っていただきましたので、是非よろしくお願いいたします。
 最後の質問になろうかと思いますが、復興交付金による水産業共同利用施設復興整備事業というのが始まりました。その第一号ということで、岩手県の普代村に私もお話を伺ってきました。現地の期待が非常に大きいと。
 そもそも、これは、水産加工業が立ち上がってこなければ被災地域の水産業の復興というのはなかなか成り立たない。それは、今年度の水産基本方針の中でも、大臣が所信で述べられたとおりでございまして、加工、流通の大切さというのは、まさに一体的な取組の中で水産業が再生をしていくという、そういう位置付けになるわけですけれども、しかし、その水産加工についての支援が非常に手薄だったという実態もございます。そういう中で、この復興交付金を使っての施設整備は非常に期待が大きいわけであります。
 これで実際に動き始めますが、動き始めたときにやはりちょっと懸念をされるのが、まだ漁業そのものが、水産業そのものが復旧をしてこない、水揚げが十分にされていかないという状況の下で水産加工場が立ち上がってくれば、当然その原料魚は地先の水産物ではなくて、輸入水産物に替わってくるわけであります。そうすると、その輸入水産物を原料としたままで、このままいくと、実際には水産加工場が立ち上がっても地元の漁業の復旧にはつながっていかないという、そういう懸念があるわけでありますけれども、この被災地の漁業を守るためにどうされようとしているのか、伺います。
#98
○副大臣(岩本司君) お答えいたします。
 東日本大震災復興交付金の第一回目の交付に当たって、水産業共同利用施設復興整備事業の水産加工流通業復興タイプにつきましては、先生、先日現場に行かれたということでございますが、岩手県普代村等の七市町村が採択されているところであります。
 なお、交付金を受けました自治体が事業実施主体であります民間団体を公募する際の要件の特徴的な事例といたしましては、岩手県普代村では、地域住民の雇用が促進されること、宮城県塩竈市では、整備施設の稼働に際しまして新規雇用者が相当数確保されること、稼働一年後において同人数以上の雇用が維持されていることなどとなっております。
 東日本大震災復興交付金交付要綱におきまして水産業共同利用施設復興整備事業の実施要件が定められているところでありますけれども、被災しました市町村が策定する復興計画等に基づく水産加工流通施設の整備につきましては、事業開始から五年後までに、加工、販売する商品の原材料となる国産水産物につきまして、被災地域等から仕入れ金額の五〇%以上を安定的に調達することが実施要件とされているところであります。このため、先生御懸念のような、地元の魚が使用されずに地元の漁業が守れなくなる事態にはならないものと認識をいたしております。
#99
○横山信一君 以上で終わります。
#100
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。
 木を見て森を見ずという言葉がありますが、今日は専門家の森本政務官もお見えですので、是非木を見て森も見、さらには木を見て山を考える質疑をさせていただければと思います。
 最初に、政府参考人、林野庁長官にお伺いしますけれども、国有林野事業における民間委託の現状をお伺いしたいと思います。
 川上というんでしょうかね、苗を育成するところから、川下というんでしょうか、最後、伐採という、いろんな過程で民間委託の努力をされているようでございますけれども、その現状をお伺いしたいと思います。
#101
○政府参考人(皆川芳嗣君) かつて国有林野事業におきましては、まさしく苗を育てるところから、伐採をし、またそれを材木に加工をしてというところまでを含めて、直接雇用された労務職員を使っての作業ということをやっておったわけでございます。
 こういった時代を転換をいたしまして、平成十年以降の部分での抜本改革を踏まえまして、民間事業者に委託できる事業を極力委託するということを基本にさせていただいてございまして、現在、二十二年度におきます委託率ということでお答えさせていただきますが、伐採につきましては一〇〇%、人工造林及び主な保育作業である下刈りということにつきましては九九・八%というようになってございます。なお、苗木につきましては全量、民間から買って調達しているといったことでございます。
#102
○小野次郎君 ありがとうございます。
 次に、この国有林野事業、今回の法改正もそうですけれども、民有林も一体で整備保全を行うというコンセプトの拡大になるわけですが、今こうした民間委託もかなり進んでいるようでございますけれども、国有林野事業の地域単位というんでしょうか、地区単位でのいっそ民営化という可能性もあるのでしょうか。つまり、地域の地元企業みたいなところが農業との関連で、あるいはエネルギーとの関連の中で、この林野の整備保全も採算の中でやっていこうという企業とか組合があればそれを民営化しちゃうという可能性もあるのでしょうか、そこについてお伺いしたいと思います。
#103
○副大臣(岩本司君) お答えいたします。
 国有林野は重要な水源地域や希少な生物の生育、生息域に多く分布しておりまして、国土の保全や水源の涵養、生物多様性の保全等の公益的機能を高度に発揮させることが求められている状況であります。このため、今後ともより一層の公益的機能重視の管理経営に努めるとともに、その整備保全等は国が確実に行う必要がありまして、管理全般を民間に委ねることは適当ではないと認識をいたしております。
 なお、地域経済の振興や国産材の新規需要開拓の観点から、エネルギー源としての木質バイオマスを国有林から供給することにつきまして、公益的機能との調整を図りつつ積極的に対応する考えであります。
 また、今回の法案におきまして、地元市町村の住民等に対し国有林野での林産物の採取を認める共用林野制度において、地域住民が共同で利用する施設のバイオマスエネルギー源として利用する場合についてもその対象として追加をいたしたところであります。
#104
○小野次郎君 いろいろ御努力はしているようでございますけれども、ただ一つだけ指摘しておきたいのは、公益的機能というのは国が直接やらなければできないというものではないと私は思います。様々な法令の規定なりマニュアルなどによって、それを受託というか引き受けた民間が公益的機能を果たすことも可能だと思いますので、前段の副大臣がおっしゃったその、重要なことだから国が直接やらなきゃいけないんだというのは、にわかに私は受け入れ難いし、現に部分部分での民間委託というのはほとんど、ある段階では一〇〇%まで達するものもやっているわけですから、違いは採算ということを考えて民間企業が参入してくるということを受け入れるかどうかということだと思いますけれども、それも今申し上げたとおり、公益的機能を果たすということを条件付ける中で、可能であれば、地域によって、あるいは相手の事業体にもよると思いますけれども、別に絶対最初から食べませんみたいなものではないんだろうと思いますので、今日は指摘だけさせていただいて、今後の検討課題にしていただければと思います。
 次の問いに移りますが、国有林と民有林とを問わずの話ですけれども、これから利用期を迎える森林においては、水源地の確保、生物多様性の保全、さらには災害というんですかね、治山の観点からも、いわゆる尾根筋とか川筋とか急斜面などでは、伐採、植林の作業をする際には是非広葉樹林あるいは混交林の自然林に戻してほしいと私は思うんですけれども、そういうことを原則とすべきだという考えは結構山を守ろうという運動をされている方からもいろいろ要請もあることなんですけれども、その点について農水省のお考えをお伺いしたいと思います。
#105
○大臣政務官(森本哲生君) ここのところは極めて重要な、これから二十一世紀の森を考えるについて私は大事なポイントだというふうに考えております。
 今、針広混交林の話もされましたが、今、私どもは少し尾根筋とそして沢のところについては、私も十五歳ぐらいから植林をしました、ですから少し植え過ぎてしまったなという反省はしていますが、やっぱり経済林という中で植林というものが一つの国の大事な仕事でもあったということで、やはりもう少し昔の方の知恵を参考にすればよかったのかなという反省も実はあります。有害鳥獣の問題もそこから端を発しておりますから、これから持続可能な社会をどうつくっていくかという点では、もう委員からの御指摘はそのとおりでございますので、大事な視点でございます。
 林野庁としましても、そこのところの視点はしっかり踏まえながら計画を再生プランで打ち出しておりますので、ここのところをしっかり実行していくということが大事でございますので、どうぞこれからこうした動きをPRしていただきますように、私どももしっかりやっていきますので、お願いを申し上げます。
#106
○小野次郎君 是非、ドングリのできる山にしていただきたいと思います。
 次の質問、ちょっと順番変えますけれども、これはまた林野庁長官にお伺いすることになると思いますが、木質系の素材を積極的に使った住宅、私たち自身も、自分もあんな家がいいな、こんな家がいいなというときには、何かこう健康にいいとか、あるいは省エネ、節エネルギータイプだというふうに思っているんですけど、人に伝えるためには何か客観的な根拠がもっとこう、言いたいなと、言わなきゃいけないと思うんですが、あるいは農水省だけの調査研究ではないのかもしれませんが、知見を教えていただきたいんですが、この健康にいいとか節エネルギー、その客観的根拠を少しお話しいただければと思うんですが。
#107
○政府参考人(皆川芳嗣君) ありがとうございます。私ども、木質の推進ということを図る中で、やはり客観的な指標ということが非常に大事だというふうに思ってございます。
 例えば、住宅一戸を製造するに際して二酸化炭素をどのぐらい出すのかということでございます。これが、例えば木造を一戸建てるときと、それから鉄骨プレハブ、また鉄筋コンクリートということで比較いたしますと、木材は他の資材に比べましていわゆる製造過程における炭素の排出量が非常に低い、三分の一から四分の一だということでこれは計算をされるわけでございます。
 また、断熱性能ということにつきましては、熱伝導率が非常に低うございますので、例えば暖房を止めてからの、どのぐらい室温が変化するかということも調べてございますが、例えば二時間経過後においても、木材で囲われている部屋であればそう大きな変化がないと。一方で、鉄筋コンクリート等でありますと、床に近いところでは非常に急激な温度の低下があるといったようなことが言われてございます。
 また、健康という観点で見ますと、当然弾力性がございますので、例えば老人保健施設等でどういった内装を作るかというときに、非常に例えばコンクリートの床に比べまして転びにくいとか、あと膝に優しいといったようなことが言われております。
 また、オフィスで木質化をしますと非常に集中力が高まるということがございますが、こういった生化学的なといいますか生理学的な面につきましてはまだまだ知見の蓄積途上でございますので、データという意味ではなかなか難しい点もございますが、例えば私も保育園等で木質化したところを訪ねますと、保母さん方が、とにかく乳幼児の寝付きがいいということを明確におっしゃいます。
 そういった意味で、やはりこの木質化というのは非常に大事な点でございますので、今申し上げただけではなくて、この知見の更なる蓄積をいたしまして、また関係省庁、厚生労働省、文科省、また国土交通省等と連携をいたしまして、木材の更なる理解の普及ということと木質化の着実な推進ということに努めてまいりたいというふうに考えてございます。
#108
○小野次郎君 是非調査と検討を進めていただきたいと思いますが、前回質問のときに僕はペレットとかチップを各地で使えるように考えていただけませんかという話をした記憶があるんですが、今の長官のお話に加えて言えば、暖房に関しても、まきの暖房の家なんていうとリッチな、ぜいたくな家だなと思いますけど、ぜいたくなんじゃなくて、それがまたCO2の面でも非常に合理的なんだということを是非。ただ、それには素材が町に住んでいる人も入手できなきゃいけないんで、そういった是非ペレットとかチップとかが手に入るような、手に入りやすいような、そういうことについても御検討を引き続きいただければと思います。
 最後の質問になりますが、大臣、昨日も、スマトラ島ですかね、マグニチュード八・六の地震がありました。去年の東日本での地震、そして原発事故と、非常に大きな私たちに教訓を与えていると思うんですが、これ私の個人的な理解ですけれども、あの原発の事故がエネルギーの問題の深刻な状況に今なっておりますけれども、私は一つには、この原発という原因のものが原子力エネルギーだったということに限らず、中央集権的というのか、一点集中型というのか、何か巨大なものを造って、それを遠くまでエネルギーを伝えるという形のものだと、この地震なんか典型ですけれども、それ以外のテロだとかそういうものの場合にも非常に脆弱、弱いんじゃない、ひ弱だという感じを僕は持っているんです。去年以来特にそれを感じていまして、地産地消型というか、地域分散型のエネルギー構造にしていくべきだと。その意味では、自治体なんかにも是非もっと頑張っていただきたいと思っているんですが、この国有林野についても、私は地域に密着した形での貢献の可能性というのは、無限にと言ってはあれだけど、相当あると思うんですね。
 是非、その意味で、大臣から、この地域分散型あるいは地産地消型のエネルギー社会にしていくために、地域密着の国有林野の貢献の可能性について御見識をお伺いしたいと思います。
#109
○国務大臣(鹿野道彦君) 今回の、先生お話しのとおりに、原発事故によりまして、やはりこれからはいかに地域分散型エネルギーシステムをそれぞれの地域に定着させるか、非常に重要な課題であると思っております。その一つが、やはり木質バイオマス発電というふうなことにもなるものと私どもは思っております。
 今日までも、国有林におきましては、間伐材等の一部をバイオマス発電所やバイオマスボイラーなどに供給いたしまして、再生可能な資源である木材の地域におけるところのエネルギー利用に貢献をしてきたところでございますけれども、特にこの七月には再生可能エネルギーの固定価格の買取り制度が施行予定でありまして、バイオマス発電への国有林からの木材供給に期待が高まっているというようなことも事実であると思っております。
 こうした状況の下に、今後とも、路網整備等の推進を図りながら、これまで利用されなかった間伐材等の安定供給、この安定供給が非常に大事だと思っております、この安定供給に取り組みまして、地域におけるところの木質バイオマスの利用拡大を図ってまいりたいと、これが私どもの基本的な考え方でございます。
#110
○小野次郎君 最後に、一点触れさせていただきますけれども、今回も、法改正の中に、共用林野制度で、地域住民の共同のエネルギー源として国有林野内の立ち木を使用できるようにするという措置が入って、ありますけれども、これはこれで、これまでの利用者の方との調整がうまくいかないと、拡大するといってもまたそこでトラブルが起きてはいけませんが、是非、各地域ごとでのエネルギー源として国有林野がどんどん貢献できるように、地元の意見も聞いていただきながら工夫をしていただければと思います。
 私の質問を終わります。
#111
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 国有林野事業は、三大使命ということで、一つは国土の保全等公益的機能の維持増進を図るということ、それから二つ目は木材等林産物を持続的、計画的に供給する、三つ目は地域における産業の振興、住民の福祉に寄与するということを掲げているわけですけれども、これはますます重要で、そして本格的な実行が求められているというふうに思います。
 それで、法案では、国有林野事業を一般会計化し、約一兆二千八百億円の債務は帳簿を債務管理特別会計に移行し、国民負担でなく林産物収入で二〇四八年までの返済を目指すとしています。林野庁は、この利子補給を存置することで元本返済は可能だというふうにしているんですけれども、材価の変動という不確定要素というのもあるわけです。
 借金の返済のために、これまで以上に過剰な伐採ですとか林野、土地の切り売りが行われるんじゃないかという懸念があるわけですけれども、歯止め策を講じておく必要があるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか、大臣。
#112
○国務大臣(鹿野道彦君) 国有林の伐採、利用等は、法律に基づく地域管理経営計画等で明確に定めておりまして、債務の返済のために計画に基づかない伐採を行うということはございません。また、国有林野につきましては、原則といたしまして森林経営のための財産としての行政財産に位置付けられておりまして、売払いの対象とはできないものでございます。
 なお、債務の返済につきましては、計画的かつ効率的な事業の実施に努めることによりまして、平成十年の抜本的改革の際の見込みどおりに、先ほど来からの、私どもも申させていただいておりますけれども、平成六十年度までの債務返済というものは可能であると、こういうふうな見通しを持っておるところでございます。
#113
○紙智子君 計画があるんだということなんですけれども、計画内だったら大丈夫ということではなくて、例えば自然災害が起こったりすることもありますし、計画どおりにいかない場面というのは多々出てくる可能性もあるわけで、やっぱり現場の状況を見て、決して過伐にならないように柔軟な対応をしていただきたいというふうに思います。
 かつて一私人に売却した事例というのがあって、例えば日光の中禅寺湖の近くの国有林の温泉付きの一等地を売却するという事態もあったということがありますから、そういう事態は繰り返してはならないというふうに思います。
 次に、基本的に人工林を売却して返済に充てるというふうにしているんですけれども、人工林についても長期的な視野に立った資源の造成が必要だと思います。戦後、造林が集中したということもあり、現在の資源構成に偏りがあると。五十年先、百年先を見通して循環的に資源利用が進められるようにすることが大事だと思います。人工林もやっぱり皆伐は行わず、資源の平準化を図るために長伐期化を進めるべきじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#114
○大臣政務官(森本哲生君) もう紙委員のおっしゃるとおりなんです。ですから、この人工林は間伐収入でもって、中心に充てていくことになると思いますが、この抜き切り、ここのところ、主伐の中での抜き切りという考え方もあるんですけれども、そこの、いずれにしても皆伐というものは余り進まないだろう。
 ただ、先ほどおっしゃいましたように、資源構成ということを考えると、皆伐もしながらそこへ造林していくという、そうした考え方も必要でございますので、ここのところはバランスが大事だと思っておりますので、委員御指摘のとおりだというふうに認識しています。
#115
○紙智子君 表層崩壊の原因になりやすい皆伐、新植というか、新しくまた植えるわけですけれども、できるだけ控えるべきだというふうに専門家も指摘をしているわけです。それで、是非、長伐期化を進めていただきたいということ。
 それから、皆伐の状況を林野庁の資料で見ますと、例えば福島県内の国有林の二〇一〇年度の伐採量が四十一万九千立方メートルで皆伐率がこれ三六%なんですね。それから、茨城県内でいうと、十七万八千立方メートルで皆伐率としては三一%で、これの全国平均で見ますと、二〇〇八年で一六%、二〇一〇年は一七%ですから、これと比較しても非常に高いものになっているわけです。
 しかも、その中には天然林も一部含まれているわけです。材価が高くて、それで少量の伐採でも高い収入を得られるということで、この天然林の伐採をやめようとしないというのは問題だというふうに思っておりまして、やっぱり原生的な天然林について、これは伐採せずに残すべきだし、既にこれまでの天然林は過伐をしてきたということがありますから、当面は天然林についての伐採は控える必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#116
○大臣政務官(森本哲生君) 紙委員の御指摘の、やはり企業的経営の中で少し切ったということは私どもも認めるところでございます。ですから、今回こうした法案ができることによって、ここのところは公益的機能をより重視していくということの考え方の下で、紙委員のおっしゃるようなとおりの方向に進んでいくというふうに思っています。特に大事な天然林については、ここにつきましては保護林、これは保護をいたしていきます。
 ただ、民有林で供給できないものの杉、木曽ヒノキとか青森ヒバのところについては、ここの要望されるところにつきましては、ここのところにはどうしてもやっぱり希望に沿ってあげなければならないという現実もありますので、ここのところは御理解をいただきたいと思います。
 そして、もう一つ、大径木化してきますと少し体力が弱ると申しますか、虫の害に侵されやすいという現実も雑木の場合は現実にございますので、そこのところは虫に侵されない前に伐採をするという、こうしたところはあるということも御理解をいただきたいと思いますので、全体的には委員のおっしゃるとおり天然林をしっかり守っていく、そして人工林を間伐主体に行っていくということでございますので、御理解いただきたいと存じます。
#117
○紙智子君 言われるように、保護区域ということで指定もあることはあるんですけれども、それでも貴重な天然林伐採が止まらないということ自体がやっぱり問題じゃないのかと。ですから、生物多様性の保全ということも今まで言ってきているわけですから、是非そこは重ねて止めを、控えるべきということを要望しておきたいと思います。
 次に、国有林事業が地域振興に果たす役割の重要性という点で質問したいと思うんですけれども、今、国有林の造林・生産事業というのは一般競争入札が進んで遠隔地の事業体が受注する中で、問題点が現場からも指摘されているんです。
 一つには、ほとんどが事業地以外の地域からの雇用や下請で、外国人も入っているということなんですけれども、地域経済への還元性が低いと。それから二つ目には、現場代理人は複数の事業地を兼務していて作業員の指導がおろそかであると。三つ目は、受注してから雇用の確保で作業員が不足ぎみでいつも工期に追われていると。四つ目に、寄せ集めの作業員で熟練者が少ないと。五つ目に、これらの結果、出来形、まあ品質ですね、品質が悪くて労災の災害も多発すると。六つ目に、現場に精通していないということで作業区域の錯誤が多いなどなど、森林官を始めとする国有林職員の負担も多くなると。
 こういう実態を現場の森林管理署長が指摘しているんですけれども、これについてはどのように、これ、長官にお聞きします、認識されていますか。
#118
○政府参考人(皆川芳嗣君) 国有林野におきます造林、間伐等の事業発注でございますが、会計法等に基づきまして、まずは競争性を確保するということがございますので、平成十九年以降、一般競争入札により実施してございます。
 ただ、一方で、事業の計画的な発注、委員も御指摘されましたように、やはり現場への精通度といったようなものも大事だと、さらには地域産業の振興、さらには就労の場の確保といったことの地域振興の観点ということも大事でございますので、平成二十一年九月からは、価格だけではなくて事業体の技術力ですとか創意工夫、また、地域への貢献ということを評価できる、その価格だけではなくて、価格と地域貢献等の技術力といいますか、といったものを併せまして決定する総合評価落札方式というものを導入しているところでございます。
 そういった意味で、今の、二十三年度の事業発注の状況でございまして、二十四年の二月時点でございますけれども、契約金額の比率でいいますと、同一の森林管理局内の事業体が落札、受注している率が九九%ということで、おおむねその同一森林管理局内の管内ということになっているのが今の実態でございます。
#119
○紙智子君 遠隔地の業者は地域を大事にする地域振興を担う主体になりにくいというのが実態なんですね。
 それで、地元の事業体についてはどうかというと、この管理署長が指摘しているんですけれども、全て地元雇用で地域経済への還元性が高く、現地に精通していて案内なども必要ないと。地域の裏山などになるということでは、愛着を持って作業に当たるし、地域の目もあるので下手な仕事はできないということもあると。
 ですから、今、入札だとか技術の問題だとかもいろいろ評価してということがあるんですけれども、実態は、やっぱり端的に言って、外来の事業者、事業体というのはやりっ放しで、食い逃げというか、こういう側面もあって、品質にこだわらない低入札が続発するという事態があると。労働依存性の高いやっぱり造林事業における低入札ということは、これ、即、賃金が切下げになるということもあり、ますます山村の就労条件を悪化させると、こういう問題があるということを指摘をされているわけです。
 それで、管理経営基本計画にも、森林の整備を通じて地域産業の振興に寄与するということが掲げてありますので、こういう実態に歯止めを掛けるべきだということで、引き続きのこの署長さんの話になるんですけれども、地域限定を掛けた一般競争入札を行うべきじゃないかとしているわけです。
 せめて森林管理局内の事業所に限定するなど、この入札を検討すべきじゃないかという声が、要求が上がっているんですけれども、是非やるべきじゃないかと思うんですけれども。
#120
○政府参考人(皆川芳嗣君) 今、先ほども申し上げましたとおり、総合評価落札方式ということになってございますけれども、その意図でございますけれども、私どもとして、やはり公共的な工事を極力効率的にという観点で、やはり競争性の確保ということも非常に大事な観点でございます。
 ただ、一方で、紙委員の御指摘のように、やはり地元の精通度があるのか、さらにはそれ以外の様々な地域貢献ということも大事だということでございまして、この方式自体が、競争性の確保という入札制度の基本原則に加えまして、事業体の所在地ですとか地域防災活動への取組ということも地域貢献として評価する仕組みにしてございますので、今後とも、こういう両方の目的がございますので、そういった、それを兼ね備えた本方式を活用いたしまして、なるべく適切に、また、地域貢献の在り方等につきましては更によく、的確な設定ができるように努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#121
○紙智子君 やっぱり山村地域を本当に振興していくという国有林の役割というところを考えるならば、やっぱり本当にそこに雇用を生み、そこを担っていく人をいかに育てるかという観点から、やり方としてもしっかり検討する必要があるというふうに思うんですよ。そういう意味では、私はやっぱりきちっと地域を限定してやることが非常に大事だというふうに思っているので、是非やっていただきたいということを、検討していただきたいということを言いたいと思うんです。
 それで、法案では国有林と民有林の一体的整備が言われているんですけれども、今後、これまで民有林で森林組合や地元業者が担ってきた現場の業務が、どんどんこれ一般競争入札が広がって、遠隔地の業者ばかりが受注して地域に雇用が生まれないというような状況が生まれてはいけないというふうに思うんですよ。是非、ちょっと今度は大臣なんですけれども、この地域で限定する入札制度ということを是非考えていただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
#122
○国務大臣(鹿野道彦君) 林野庁長官から答弁をいたしたところでございますけれども、やっぱり基本的に総合評価落札の方式というものを二十一年から導入しました。これは、安けりゃいい、安いところに落とすというようなことではなしに、やっぱりいろんな技術力なり、あるいは創意工夫なり地域に対する貢献度というふうなものも総合的に判断してというふうなことでございまして、このことがまさしく地域の雇用にもつながっていっている面もあるものと思っているわけであります。
 そういう意味で、競争の制度の確保というふうなところ、そして地域におけるところの貢献度等々、その他のいろんなことも総合的に判断をしながらこの方式を活用していくということになりますけれども、今、紙先生の言われたやはり地域の雇用というようなことも大変重要なことでございますので、この点はいつも頭の中に入れておかなければならない点だなと、こんなふうに思うところでございます。
#123
○紙智子君 大日本山林会の会長さんがこういうふうに言っているんですね。地域の森林はその地域に何らかの恩恵を与えるものでなければならない、このことは森林所有者全ての責務であり、国有林であってもしかりであるというふうに指摘しているわけですよね。国有林経営はとりわけ山村地域の人々のより良い暮らしに極めて重要な役割を担っているということを改めて自覚しなきゃいけないというふうに思うんです。
 国民の共有財産である国有林の資源の状況や施業方針などを記した情報について、林野庁や各地の局ですね、管理署が保有しているわけですけれども、これどういう資料があって、それで国民には情報開示をしているのかどうか、これについてお答え願いたいと思います。
#124
○政府参考人(皆川芳嗣君) 国有林の持っております森林情報でございますけれども、国有林の管理経営を定めました地域管理経営計画というものがございます。また、個々の森林の状況について記載をしております森林調査簿、また諸計画、いろんな計画がございますが、計画に関する図面等を森林管理局それから署に備え置いているということでございまして、お求めがありましたらば、それに対して公開をさせていただいているということでございます。
 なお、今回、一般会計化ということでございまして、より国民に開かれた、一層国民の期待にこたえられるような管理経営ということが大事でございますので、当然、地域管理経営計画の作成過程を通じまして、様々な取組、実績、また現状を評価した結果といったようなことにつきまして、なるべく幅広くその情報の積極的な提示ということに努めていきたいというふうに思っております。それによって、幅広く国民の声を聞きながら管理経営をしていくということにさせていただきたいと思っているところでございます。
#125
○紙智子君 希少生物の情報以外は当然これ国民に全面的に開示すべきだというふうに思うんですけれども、なかなか現場の管理署では開示したがらないというのが出ているんですよ。道有林を所有する北海道なんかはすぐに基本的な基礎データを提出して自信を持って対応するんですけれども、最近の国有林は、研究者が要求しても出したくない姿勢だということが指摘されています。三十年前だったら営林署に一冊しかないような施業説明書なんかもすぐ出してくれた、説明してくれたということなんですけれども、それらと比べても、今おっしゃったこととちょっとここは差があるというのか、なかなか出したがらないという状況があると。
 ですから、そこは現場でやっぱり技術職員が実際減らされて、森林簿と実態が乖離しているから見せたがらないんじゃないかというような憶測も生むような事態があるわけで、情報公開はやっぱり現場の末端まで徹底するように指導していただきたいというふうに思います。これは答弁は要りません。
 最後になりますけれども、基幹作業職員の技術の継承という問題です。
 この間の合理化、機構改革で現場を一番よく知る定員外職員、基幹作業職員ですけれども、激減をさせられて、山守ですね、としての林業の技術の継承が危ぶまれているわけです。こういう林業技術の継承や山守の機能の職員を増やす必要性について、これは最後に大臣の答弁をお聞きしたいと。大臣というふうに。
#126
○副大臣(岩本司君) 済みません、よろしくお願いします。
 基幹作業職員制度は、造林や木材生産の実施行為を行う職員制度として、国会での議論を踏まえまして、関係省庁で昭和五十二年に発足をいたしました。現在、民間委託化の徹底によりまして造林や木材生産の実施行為の業務そのものは減少しておりますけれども、基幹作業職員は、これらの技術を用いた長年の現場での作業経験を通じて地域ごとの国有林の詳細な森林情報、施業履歴などに精通をいたしております。こうした情報を森林官等に提供することを通じまして、国有林の現場管理に大きな役割を果たしているところであります。
 一般会計化後の基幹作業職員制度の取扱いにつきましては、この制度が造林や木材生産を直営、直接雇用で実施し、事業収入を考慮して職員規模を設定するなど、企業特別会計を前提としていることから、本制度をそのまま一般会計に移行することは困難であります。
 一方、現在の基幹作業職員の有する知見そのものは一般会計化後の国有林の現場管理に極めて重要であることから、雇用を維持いたしまして、これらの知見を最大限生かすことを前提として、基幹作業職員制度の在り方について関係府省とも調整しつつ検討していく考えであります。
#127
○紙智子君 大臣にって最後言っておいたので、一言、ちょっと山守、大事な技術継承ですから、それに一言お願いします。
#128
○国務大臣(鹿野道彦君) 基幹作業職員の人たちが大きなこれまでに役割を果たしてきていただきました。そういう意味で、職員の雇用を維持するということを前提といたしまして、本制度の在り方につきまして、今後、関係府省とも連携を取りながら検討してまいりたいと思っております。
#129
○委員長(小川勝也君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 国有林野の有する公益的機能の維持増進を図るための国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#130
○委員長(小川勝也君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、長谷川君から発言を求められておりますので、これを許します。長谷川岳君。
#131
○長谷川岳君 私は、ただいま可決されました国有林野の有する公益的機能の維持増進を図るための国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する等の法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党、みんなの党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    国有林野の有する公益的機能の維持増進を図るための国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案)
  森林の有する多面的機能を確保するとともに、厳しい状況に置かれている林業を活性化することは、我が国の森林・林業にとって喫緊の課題である。また、我が国森林面積の三割を占める国有林を一般会計において管理経営するに当たっては、国有林の有する公益的機能の発揮を積極的に推進するとともに、森林・林業の再生、そして東日本大震災からの復興に一層寄与することが求められている。
  よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に努めるべきである。
 一 東日本大震災の被災地復興に向け、海岸防災林の再生、復興需要に応じた木材の安定供給、地域雇用の創出、森林の除染等について、国有林野事業の組織・技術・資源の積極的な活用に努めること。
 二 地球温暖化防止のための間伐等の森林吸収源対策や再生可能エネルギーの導入拡大に向けた木材・木質バイオマスの利用拡大を着実に推進するため、必要な安定財源を確保するとともに、間伐材の活用や公共建築物における木材利用の促進など国産材の需要拡大に全力を挙げること。
 三 森林・林業の再生に当たっては、森林施業の集約化、高性能林業機械の導入、効率的な路網整備、これらを担う人材の育成等について、国と地方公共団体・森林組合・林業事業体・森林所有者等が相互の連携を深めながら、着実な推進を図ること。
 四 森林の有する多面的機能を確保するため、水源林の保全や森林の整備を推進するとともに、そのために必要な地籍調査への取組を強化すること。
 五 最近の山地災害の頻発やその被害の増加を踏まえ、治山事業の確実な実施に努めるとともに、必要な予算の確保を図ること。
 六 スギ花粉症が都市部を中心に社会的な問題となっていることを踏まえ、少花粉スギ等の開発・普及、苗木供給体制の整備、広葉樹林化等の花粉発生源対策の充実・強化を図ること。
 七 国有林野事業債務管理特別会計が承継する債務の円滑な償還を図るため、間伐等の森林整備を着実に実施するとともに、国有林野事業の一層効率的な運営に取り組むこと。
 八 地域ごとの木材価格や需給動向を把握・分析し、価格安定に向けて供給調整を図ること。
 九 国有林野事業の一般会計への円滑な移行に当たっては、地域の森林・林業への支援及び国有林の有する公益的機能の維持・増進のため、必要な財政上の措置を講じるとともに、現場管理の実情を踏まえた適正な定員規模等の確保・組織体制の構築、人材の確保、技術の継承に努めること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#132
○委員長(小川勝也君) ただいま長谷川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#133
○委員長(小川勝也君) 全会一致と認めます。よって、長谷川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、鹿野農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鹿野農林水産大臣。
#134
○国務大臣(鹿野道彦君) ただいま法案を可決いただき、ありがとうございました。
 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、関係省庁とも連携を図りつつ、適切に対処してまいりたいと存じます。
#135
○委員長(小川勝也君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#136
○委員長(小川勝也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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