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2012/02/28 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 法務委員会 第2号
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2012/02/28 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 法務委員会 第2号

#1
第180回国会 法務委員会 第2号
平成二十四年二月二十八日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十七日
    辞任         補欠選任
     小川 敏夫君 ツルネン マルテイ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         西田 実仁君
    理 事
                中村 哲治君
                松野 信夫君
                森 まさこ君
                桜内 文城君
    委 員
                有田 芳生君
                石井  一君
                江田 五月君
                田城  郁君
                谷  博之君
            ツルネン マルテイ君
                松下 新平君
                丸山 和也君
                溝手 顕正君
                山崎 正昭君
                魚住裕一郎君
                井上 哲士君
   衆議院議員
       修正案提出者   黒岩 宇洋君
   国務大臣
       法務大臣     小川 敏夫君
   副大臣
       内閣府副大臣   中塚 一宏君
       法務副大臣    滝   実君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  谷  博之君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局人事局長   安浪 亮介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        田村 公伸君
   政府参考人
       金融庁証券取引
       等監視委員会事
       務局長      岳野万里夫君
       法務大臣官房司
       法法制部長    小川 秀樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
 法律案(第百七十七回国会内閣提出、第百八十
 回国会衆議院送付)
○検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
 法律案(第百七十七回国会内閣提出、第百八十
 回国会衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(西田実仁君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、小川敏夫君が委員を辞任され、その補欠としてツルネンマルテイ君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(西田実仁君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に金融庁証券取引等監視委員会事務局長岳野万里夫君及び法務大臣官房司法法制部長小川秀樹君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(西田実仁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(西田実仁君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○田城郁君 民主党・新緑風会の田城郁です。よろしくお願いをいたします。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 まず、小川法務大臣、大臣の御就任、大変おめでとうございます。大臣は、裁判官、検察官そして弁護士と法曹三者全てを経験をされております類いまれな国会議員であり大臣であるというふうに思っております。豊かな経験、知見を遺憾なく発揮されて、この間も社会を騒がせている検察問題に対しても、あくまでも法と証拠に基づいた適切な取調べを含めた合法的な検察運営、検察改革を実現してほしいと強く思っておりますし、同時に司法制度全般の改革についても力を発揮されることを強く望みます。
 さて、極めて厳しい我が国の財政事情と三・一一の国難ともいうべき東日本大震災に対処するために、政府は国家公務員給与の減額支給措置を決定し、国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案を提出しました。同時に、裁判官、検察官についてもこれに準じた措置を行いました。そこで、政府提出原案の裁判官及び検察官の報酬等について減額支給措置を講ずる理由について、改めて大臣の御説明をお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願いします。
#7
○国務大臣(小川敏夫君) まず、田城委員から過分なるお褒めのお言葉をいただきましてありがとうございます。しっかりと検察の信頼を回復するように、また司法制度の改革、様々な点に全力を挙げて取り組んでまいります。
 今お尋ねいただきました裁判官、検察官の報酬、俸給の引下げでございますが、今回の改正でございますが、委員も今御指摘をいただいたとおり、一般職につきまして、国の厳しい財政状況、そして未曽有のこの東日本大震災という大災害の復興ということによりまして、公務員の一般職の方々に給与を減額してこれに協力いただくということが決まりました。そうしますと、裁判官、検察官もやはり公務員の一員として例外ということにはならないんではないか、やはり一般職の公務員がそのような形で給与が減額になれば裁判官、検察官においても同じように減額を考えるべきではないかと、このような観点から今回の引下げの法案を提出させていただいた次第でございます。
#8
○田城郁君 ありがとうございます。
 次に、衆議院修正の意義、修正という形を取った理由、それについて修正案提出者の黒岩先生、よろしくお答え願います。よろしくお願いします。
#9
○衆議院議員(黒岩宇洋君) 今、田城委員から政府案の修正という形が取られたその理由についての質問をいただきましたけれども、従来、裁判官の報酬については、司法権の独立の趣旨に鑑みまして、最高裁判所から法務省に対する立法依頼の手続を経て、そして政府提出の法律案により改定がなされていると承知をしております。このような経緯を踏まえますと、今般の改定についても政府提出の法律案を尊重すべきであると考えたことから、新たな議員立法によらず、政府案の修正という形を取ることとしたということでございます。
 また、検察官の俸給につきましても、従来から裁判官の報酬に準じる取扱いとされておりまして、今般の改定におきましても同様の取扱いとすることが相当であると考えられることから、同様に政府案の修正という形を取ることとしたものであると、このように承知をいたしております。
#10
○田城郁君 ありがとうございます。よく理解できました。
 御退席なさって結構でございます。どうもありがとうございました、お忙しいところ。
 大臣にできればメッセージをお願いしたいんですが、この措置によって国家公務員の皆さんは、特に若い方は苦しい生活が強いられるのではないかと思います。一方で、士気を保ちつつ、引き続き震災からの復興を始めとした重要な職務に全力で取り組まなければならないという重要な職務も担っております。
 法務大臣より公務員の皆さんにメッセージ、激励のお声などお掛けいただければと思います。よろしくお願いをいたします。
#11
○国務大臣(小川敏夫君) 今回の措置は、決して公務員の評価が低いからとか、働きが悪いからとか、そういうことは一〇〇%ないわけでございまして、この国が抱える財政問題、そして未曽有の東日本大震災というこの危機に対応するために、国家公務員はこの日本を支えているんだと、そしてこの困難な日本を率先して先頭に立って切り開いて将来を明るくする、そうした日本を築くのがまさに公務員の役割なんだと、こういう自覚を持ってしっかりとして頑張っていただきたい。この困難なところに協力をいただくということは、大変に私どもも始め国民も感謝してくれているはずだと、このように理解しております。
#12
○田城郁君 ありがとうございます。
 給与のお話ですので、関連して最高裁の方にお伺いをいたしますけれども、裁判官の昇格について、実際どのように運用されているのでしょうか。また、昇格は裁判官会議で決められるというふうにお聞きしておりますけれども、平成十六年から人事評価制度が導入をされて、人事評価の項目は、事務処理能力、部等を適切に運営する能力、裁判官として職務を行う上で必要な一般的資質・能力とされております。昇格においてはそれ以外の能力も勘案されるのでしょうか。さらには、地裁、家裁所長による人事評価結果はどのような形で生かされているのか、お聞かせください。
#13
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。
 裁判官は、多くの場合、司法修習を終えてすぐに判事補として任官いたします。判事補で十年の経験を積んだ後、判事に任命され、再任という機会がございますけれども、基本的には定年に至るまで勤務をし、その間徐々に給与も上がってまいるということになっております。私ども裁判所では、この給与を上がることを昇給というふうに申しておりますので、以下、昇給というふうにお話をさせていただきます。
 裁判官の昇給につきましては、委員今御指摘のとおり、最高裁におきまして決定をしております。裁判官に任官いたしましてから約二十年の間は、同じ時期に裁判官になった人はおおむね同時期に昇給するという運用を行っております。これは、裁判官の職権行使の独立を給与面から担保する必要があるということと、全国均質の裁判を実現するため、全国様々な裁判所に異動して裁判官としての職権を行使するということ、担当事務も様々であって、比較して差を付けるということは困難ということから、こういう裁判官の職務の特殊性などからこのような運用を行っているものでございます。
 それから、先ほど人事評価の点についてお尋ねがございました。委員御指摘のとおり、事務処理能力、それから部などを適切に運営する能力、裁判官として職務を行う上で必要な一般的資質・能力といった三項目につきまして評価をしております。裁判官が職責を果たす上で求められる資質、能力というのはこの三つの項目でおおむね網羅することが可能ではないかと考えておるところでございます。
 それから、地裁、家裁所長による人事評価の結果がどのように生かされているのかという点でございますけれども、裁判官の人事評価の目的というのは、そもそも裁判官の公正な人事の基礎とするとともに、裁判官の主体的な能力向上に資するということにあります。具体的な人事におきましては、適材適所の配置をするために、裁判官がどのような適性を有するかを知るための資料や再任の際に不適格な者をチェックするための資料として主に用いられているところでございます。
 以上でございます。
#14
○田城郁君 ありがとうございます。
 元裁判官の方あるいは弁護士の方とお話をしたり、法学部の大学の教授の皆さんの著した本などを読みますと、こういうことが書いてありますね。
 要約いたしますと、裁判官は為政者や最高裁の意向ばかりを気にする体質になっている、上の方しか見ない、見ることができない、そういう意味でヒラメ裁判官という言葉が生まれている。これは、朝日新聞の二〇〇四年の十月十八日付け、最高裁の長官自身が新人の判事さんの前で、上級審の動向や裁判長の顔色をうかがうヒラメ裁判官がいると言われるが、私はそんな人は歓迎しないというふうに訓示で述べておられます。そういうことからも、そういう言葉があるんだなということが推察をされるわけであります。
 また、裁判官は国民から遮断されており、裁判官は団体行動や市民的自由を含むあらゆる自由のない状態に置かれ、身分保障の前提となる自己の評価について、その理由も開示されることなく、また不服申立ての手段もない、言わば内部的な侵害に対しては無権利状態に置かれているというようなことも書かれております。
 裁判官が人事や上層部の評価ばかりを気にして萎縮して、あるいは政治的圧力で証拠のないところを推論で補い、判決がゆがめられるなどということがあってはならないと考えておりますが、現状どうなっているのでしょうか、最高裁の御見解をお願いいたします。
#15
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。
 個別の判決における判断内容や結論の当否そのものを人事評価に反映するということは、裁判官の独立を侵害するおそれがありますので、あってはならないことであります。実際の人事評価に当たりましては、裁判官の独立を侵すおそれのないよう、今後とも慎重な運用を続けてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#16
○田城郁君 人によると、地方回りと上に行く方で億単位の生涯賃金の差も出てくるなどということも書かれています。それが事実かどうかは私は分かりませんけれども、今おっしゃられたことをしっかりと裁判の中で実践をしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 同様に、検察についても、村木さんの冤罪事件を機に信用がどん底に落ち、主権者たる国民注視の中で検察改革を進めているさなかに、またもや捜査報告書の偽証、検察審査会へその偽証報告を抜粋して使用する等、あってはならない取調べの問題が報じられております。
 本来は、公益の代表としてあくまでも法と証拠に基づいて判断することが求められる検察官が、人事や上層部の評価、政治的圧力に萎縮して、捜査や起訴、不起訴の判断がゆがめられることはあってはならないと思いますが、検察官の独立を保ち、本来の役目を果たせる環境をつくるために法務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
#17
○国務大臣(小川敏夫君) 委員から御指摘いただいたとおり、検察官が事実を捜査の上、正しく把握してそれに関して適正な対応をするというのが本来の役割でありまして、まさに委員が言われたように、法と証拠に基づいて判断するということでございます。それが、証拠を改ざんする事件があったり、それに対する報告が事実と異なる報告がなされたということは、これはあってはならないことでございますが、しかし、あってはならないことが起きたと、あったということは、これは大変に重大なことでございまして、こういうことが決してあってはならない、これから今後は絶対に繰り返さないという検察にしなければならないというふうに考えております。
 では、具体的にどうするか。これは、捜査報告書の件に関しましては、まだ裁判が係属中でございまして、判決目前ということでございますので、法務大臣という立場からは差し控えさせていただく部分もあるんでございますが、郵便不正事件の方は既に終了しております。
 この事件の反省に立って様々な検察改革に取り組んでおるところでございますが、やはり大事なことは、検察官一人一人がその職務の重要性、これをしっかりと認識して適正な検察権を行使すると、そのことにしっかりと留意していただきたい。委員が言われるように、上層部におもねたり、気に入られたりということを目的とするようなそうした捜査ではなくて、あるいは検察権の行使ではなくて、やはり法と証拠に基づいた正しい検察の在り方を求めた検察権の行使をするという、この一人一人の検察官の意識の涵養、そしてその意識の涵養を支える検察の体制というものをしっかり築いていきたいと、このように考えております。
#18
○田城郁君 固い決意のこもった御答弁で安心をいたしました。
 最後に、冒頭にも述べましたが、法務大臣の裁判官、検察官、弁護士と、法曹三者全ての経験、知見を生かして、検察官の独立、裁判官の独立を回復し、あくまでも法と証拠に基づいた民主的な取調べと裁判が行われるよう改革に尽力をいただくことを御期待申し上げまして、質問を終わりにいたします。
 ありがとうございました。
#19
○森まさこ君 自民党の森まさこでございます。
 小川大臣、御就任おめでとうございます。
 先ほどから当然のようにこの法案の質問がなされていましたけれども、これ、おかしいんですね。この国会中継をインターネットで御覧になっている国民の皆様に申し上げたいんですけれども、これは非常に異例なことでございます。新しい大臣がお就きになったんですから、本来は大臣所信というものをお述べをいただいて、そして、それに対して私どもが御質問をするというのが筋でございます。これをまずなぜ最初にできないのかということ、間に合わないからこの法案を先にやるということでございますが、これについては苦言を申し上げたいと思います。
 なぜならば、国会が昨年閉じていなければ、こういったことをきちっきちっとできた。民主党さんが決断しなければならないことを決断できない、これが一番の原因なんですよ。それで私たちが聞きたい大臣所信も聞けないという事態になっている。これは、私たちが聞けないということは国民が聞けないということですので、ここは私、大きな声で申し上げたい。
 そもそも、十二月九日に国会が閉会をしてしまいました。私の最後のこの法務委員会での質問は十二月一日でございます。今日は二月二十八日ですから、およそ三か月ぶりの質問ということになります。その間、法務行政でも重要な問題がたくさんございました。法務行政以外でも、私ども福島県では、国会が閉じている間に警戒区域の三分割や収束宣言でステップ2が完了したなんということを発表されて、それに対して国会で異議を唱えようと思っても、質問しようと思ってもできないという状態が続いてきたわけでございます。
 ここで、国会でやはり新しい大臣の所信表明をしていただいて、このような国家の一大事に法務行政をどのようになさっていかれるのか。あの震災の直後のときに治安が大変乱れて、いわき市と相馬市から裁判所と検察庁が逃げてしまって、そして警戒区域内の空き巣被害は昨年比の三十倍にも上っていると、こういうことに対する御姿勢もただしたかったのに、大変残念でございます。
 前の大臣は平岡大臣でございました。平岡大臣に、大臣御就任おめでとうございますと申し上げたのはほんの四か月前でございます。私、そのときにも、予言ではないですけれども申し上げたんですけれども、民主党政権になって大臣何人目の大臣ですかとお伺いしたんです。
 ちょっと伺ってみましょうか。小川大臣、何人目の法務大臣ですか。
#20
○国務大臣(小川敏夫君) 六人目だと思います。
#21
○森まさこ君 六人目でいらっしゃいますね。平岡大臣のときにも、民主党政権になって二年ちょっとで五人。計算すると、お一人の就任期間が半年にも満たないということで、私は平岡大臣に、半年と仮定いたしましても、就任してから所信表明するまで二か月もたっていたら遅いじゃないですかということを申し上げました。
 小川大臣も、就任期間が半年にも満たない平岡大臣と、例を挙げると、四か月だと仮定いたしますと、今もう就任してからどのぐらいたったでしょうか。ちなみに、就任はいつでいらっしゃいますか。
#22
○国務大臣(小川敏夫君) 一月十三日と記憶しております。
#23
○森まさこ君 一月十三日からもう一か月半がたっているんです。今日ここで所信表明に対する質問ができなくて、一体あといつになるのか、三月なのか、四月なのか。やはり私は大変そのことについては大きな苦言を呈して、民主党のこの国会運営に対しても猛省を促したいと思います。
 そこで、小川大臣、先ほど民主党の質問者が小川大臣のことを褒めちぎっておられました。検察官、裁判官、弁護士を全て歴任した類いまれな逸材でいらっしゃるということで、全て短く辞めていらっしゃるとも言えるとは思いますけれども、私も、全てを見ていらっしゃったということで、民主党の質問者が、この世間を騒がしている問題についてきちっと対処していただけるだろうということをおっしゃいました。
 ところが、御自身も二月十六日の週刊文春ですか、世間をにぎわせていらっしゃいます。「小川法相 七千三百万円 弁護士報酬「違法請求疑惑」」ということで出ている。今日は法案の質問ということでございますから、私はこれについては長くは質問いたしません。またしっかりと時間を取って御質問したいと思いますけれども、一問だけお伺いします。
 七千三百万円というのは、私も弁護士ですけれども、弁護士報酬としては非常に高額でございます。この非常に高額な弁護士報酬について、この記事によれば、弁護士報酬契約書や見積書がないというふうに書かれています。もしそうであれば大変不自然なことだと思いますので、事実確認だけさせてください。
 小川法務大臣、この週刊誌に載っている七千三百万円の弁護士報酬については契約書はございますか。
#24
○国務大臣(小川敏夫君) まず、私自身が違法とか言われておりますけれども、実際にその委任契約、委任を受けて訴訟行為を行ったというその仕事は実際に行っておるわけでございます。
 報酬ということでございましたが、これは訴額でいいますと十八億円、これは固定資産税評価額ですから十八億円ですが、実際に売買を行った一つの売買契約のトラブルからきておるわけでございますが、四十億円の時価でございます。こうした訴額が高ければ弁護士の報酬も標準規定によってパーセントで高くなるわけでございまして、十八億円を基準にしましても三%なら五千四百万円、時価の四十億円を基準にするならば一%でも四千万円になるわけでございます。それが一審と二審でございますので、弁護士の標準報酬規定からいいますと、ごく標準的な報酬の計算でございます。
#25
○森まさこ君 大臣、今日は私の大臣に対する初めての質問でございます。聞いたことにきちんと答えていただきたいと思います。今何も答えていらっしゃらない。私は、弁護士報酬の契約書があるかないかを聞いたんです。訴額が幾らだとか仕事があったとか、そんなことは聞いていないんです。契約書があったかないかを聞いているんですよ。
 この法務委員会では、民主党の法務大臣が六人いらっしゃいました。その中にはいろんな大臣がいらっしゃいました。きちんと法的な議論をできる大臣もいらっしゃいましたけれど、二つしか言葉を話さないという大臣もいらっしゃいました。やり取りができないと質問にならないんです。今後ずっとこの法務委員会で御答弁いただくので、聞いたことにきちんと答えてください。弁護士報酬契約書はあるんですか、ないんですか。
#26
○国務大臣(小川敏夫君) まず、報酬に関する債務弁済契約書、これは作成しております。第一審の着手時点において、いわゆる委任状の交付は受けましたが、委任契約書という契約書、それから報酬金額を定めた契約書、これは作成しておりません。
#27
○森まさこ君 いや、ないということだと思いますが、弁護士の世界では極めて異例ですし、大変不自然だということを申し上げておきます。
 先ほど、検察官、裁判官、弁護士の全てを歴任した逸材だというふうな民主党さんのお話がありましたけれど、常識をちょっと欠けるようなお仕事ぶりで、この問題についてはまた時間をじっくり取って質問をさせていただきたいと思います。
 それでは、今日の法案の質問に入りますけれども、組合との関係についてお伺いをしたいと思います。
 国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案と、それに準じて今回の裁判官と検察官の給与の法案がございますけれども、これと国家公務員に労働協約締結権を付与するための法律案については同時成立ということで、政府と連合系の労働組合との間に合意があったと言われております。このようなバーター取引の問題点についてもこれまで自民党は国会において指摘をしてまいりました。
 例えば、十一月一日、昨年のですね、に我が党の参議院幹事長の溝手顕正議員の代表質問において、このように質問をしています。「政府は、公務員給与を引き下げる代わりに公務員の労働協約締結権を認める法案を提出しております。このバーター取引は、政府が連合系の労働組合と合意したものだとされています。もしそうだとすれば、この合意自体がやみの労働協約ではありませんか。事実だとすれば大きな問題であります。削減法案と労働基本権に関する法案は、セットで考えるのではなく、全く切り離して対応すべきではないでしょうか。」と質問をしました。これに対して、野田総理大臣がこれについては、切り離して考えるべきではないでしょうかという質問に対して、切り離すべきという答弁はしてないんです。同時期に提出した大変重要な法案ですので、いずれもできるだけ早く成立させていただきたいと考えますという答弁をしているんですね。
 この点について、法務大臣の御見解を伺いたいと思います。
#28
○国務大臣(小川敏夫君) 公務員の労働基本権、これについて付与すべきではないかという意見がございます、あるいは憲法上議論すべきではないかという点がございますが、これまでのところ、基本的には公務員の給与につきましては労働交渉ではなくて人事院勧告によっておったわけでございます。
 今回、その仕組みを改めて、公務員においても基本的にそうした労働交渉によって決めるという方向性を示したものだというふうに考えております。
#29
○森まさこ君 模範答弁、ありがとうございます。
 次の質問に行きたいと思いますけれども、民主党マニフェストとの関係を質問したいと思います。
 民主党は二〇〇九年の衆議院議員選挙マニフェストにおいて国家公務員の総人件費の二割削減を掲げていますけれども、この二割削減するとした国家公務員の総人件費には裁判官、検察官の人件費も含まれるという理解でよろしいですか、法務大臣。
#30
○国務大臣(小川敏夫君) 含まれるという理解でございます。
#31
○森まさこ君 そうしますと、大臣、マニフェスト達成のために裁判官、検察官の人件費を削減する、そうなると、人件費を削減すると、方法としては人数を減らすか、それとも一人一人の単価を下げるかということになります。
 しかし、まず人数の方については、裁判官、検察官の数については、司法制度改革を実施して以降、一貫して増員する方向で来ております。平成二十四年度においても、裁判官は三十人、検察官は十九人の増員を予定しておりますね。大臣、そうですね、よろしいですか。
#32
○国務大臣(小川敏夫君) その法案も提出する予定でございます。
#33
○森まさこ君 他方、それではこの一人当たりの単価ということを考えますと、裁判官、検察官の報酬、俸給は憲法や法律により減額に一定の制限が課せられています。
 こういう状況を踏まえた上で、政府としては、裁判官、検察官の増員とそれから人件費の削減ということを二つ掲げておられますけれども、その二つの関係をどのように考えてとらえておられるのか、そして、今後その双方に、先ほどの司法制度改革のその在り方を含めて、どのように取り組んでいくおつもりなのか、法務大臣の御見解をお聞かせください。
#34
○国務大臣(小川敏夫君) 民主党のマニフェストの中に言う公務員の総人件費二割削減という中のその公務員の総人件費の中には裁判官、検察官の報酬、俸給も含むということでございますが、ただ、これは全体としてできた形の中で裁判官、検察官も含むという話でありまして、裁判官、検察官も含むから、裁判官、検察官、特に裁判官をお尋ねですが、裁判官の報酬そのものを、裁判官の人件費そのものを二割削減するということを意味するものではありません。裁判官も含めた公務員全体の中で総人件費が、ですから一人一人の給料も下がる、あるいは公務員の数も減る、あるいは退職金もといった公務員に関する様々な総人件費を含めて二割を削減するということでございますので、必ずしも裁判官という枠の中で裁判官についても人件費を二割削減するという意味ではないということを御理解いただきたいと思います。
#35
○森まさこ君 それでは、大臣、その二割を削減していく、裁判官、検察官も含めて。法務大臣の所管では裁判官、検察官を特に人件費を削減する。増員ということを含めると一人一人の減給をしていくということになりますけれども、それをしていく理由は何ですか。
#36
○国務大臣(小川敏夫君) いや、ですから、公務員の総人件費を二割削減というときの公務員の中には裁判官、検察官も入ると、こういう理解でございますが、しかし、全体として二割削減という話でありまして、裁判官、検察官だけを取り出して、裁判官、検察官においてもその裁判官、検察官の枠の中で二割を削減しろという話ではございません。
 ですから、公務員全体の二割削減の中で、やはり裁判官に関しては憲法上の問題、特に司法の独立という問題、憲法上減額ができないという規定がございます。そうした様々な観点を含めて裁判官に関してはどのようにするかということを考えるわけでございますが、このどのようにするかということを考えて出た結論が、ほかの公務員の場合の人件費の減額措置と併せて全体として、公務員全体として二割の削減という約束でございます。ですから、裁判官あるいは司法の分野だけでも、その司法の分野だけ、裁判官だけで独立してその裁判官人件費を二割削減と、このような内容のマニフェストではございませんです。
#37
○森まさこ君 それでは、全てを含めて二割とおっしゃいました。二割でなくても、今回はこれで減給措置をとるわけですね。裁判官と検察官も減給措置をとる、その理由は何ですか。
#38
○国務大臣(小川敏夫君) 減給をするのは、やはり現下のこの厳しい財政事情、これを考えなくてはならないということでございます。
 ただ、裁判官につきましては、やはり司法の独立を害さないということの大きな原則がありますので、この前提に立った上での減額を考えるということでございます。
#39
○森まさこ君 なかなか納得ができないまま時間が参りましたので、あとの質問は同僚の丸山議員に譲らしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#40
○丸山和也君 自民党の丸山和也です。
 たった二十分しかありませんので、つまらないといえばつまらない質問になりそうなところを何とか頑張ってやりたいと思っていますが、小川法務大臣は私とくしくも弁護士、司法研修所同期ということで、片や法務大臣、片や無冠の法務委員ということで気持ちよく質問できるので、非常にこの機会を有り難く思っております。
 ところで、まず裁判官、検察官に適用される初任給調整という手当ということについて簡単にお聞きしたいと思うんですけれども、これは、初任給で月額八・七八万円も上乗せされているという、この趣旨は、そもそも法曹三者の中で弁護士等の所得とも比較した上で、裁判官、検察官、低くあってはならないというようなところから上乗せされた理由かとも聞いているんですが、そのとおりなんですか。そうだとすれば、その根拠の妥当性ということについてお聞きしたいと思います。これはどなたでも結構ですけれども、大臣、じゃ。
#41
○国務大臣(小川敏夫君) やはり司法修習を経てそれぞれが裁判官、検察官、弁護士と法曹の道を歩むわけでございますが、弁護士の場合に、修習を終えた直後の初年、一年目の弁護士の収入水準、所得水準というものを勘案しますと、裁判官、検察官の初任給は低いと。
 最近の調査ですと、大体旧司法修習終了一年目の弁護士の年収が七百八十万円、しかし、検事二十号、裁判官も初任は同じでございますが、大体およそ五百七十万円ということで、二百十万円程度の差があるわけでございます。裁判官、検察官、給料だけで進路を決めるということはないんでありましょうけれども、やはりいい人材を裁判官、検察官になっていただくためには、やはり弁護士のその一年目の所得に余り懸け離れているということがないように調整して、初任給を加算して、いい人材をしっかりと裁判官、検察官になっていただきたいと、このような趣旨であると考えております。
#42
○丸山和也君 そのような趣旨のようなんですけれども、その趣旨がおかしくないかということで私は質問をさせていただいているんですけれども。
 何も法曹三者といっても仕事は全く違いますし、それから将来に関しても、かつては弁護士というのはいわゆる自由業ですよね。大臣が一つの事件で七千八百万円ですか、所得される方もあれば、いや、そうじゃなくて、いわゆる軒弁と言われる、最近では仕事に就けない人が三割もいるとか。それから、給料は要らないから事務所だけ貸してくれという人もおられるし、しかも、最近では弁護士になっても食えないからロースクールへ行くのをやめようかというような、時代は大きく激変していますんですね。
 しかも、元々違う職業ですよ。違うというか、やることが、法曹三者と言いますけれども、実際は生活実態は全然違う。それをあえて横並びにするという発想自身が既にもうやっぱり時代からふさわしくないんじゃないかと思うんですが、いまだにこれを見直そうとしていないというところにやや問題があるんじゃないかと思うんですが、その点について簡潔に、どう思われますか、大臣。
#43
○国務大臣(小川敏夫君) やはり裁判官、検察官にいい人材が来ていただきたいと、その必要性がまだ十分あるのかなと思っております。
#44
○丸山和也君 その理由だけで上乗せをしていくということについては是非見直していただきたいということを言って、私のこの件に関する質問は終わります。
 それから、今日はメーンであります金融庁の方においでいただいているんですが、いわゆる昨今非常に問題になっております為替デリバティブについてお聞きしたいと思います。
 二〇〇四年ごろからいわゆる金融機関、メガバンク等を中心にしていわゆる為替デリバティブ取引というのが行われまして、今これが円高に振れた結果、非常に被害が続出しているということで、金融ADRを使ってこの申立てが、かなりもう解決もされつつあるんですが、潜在的にもかなりの、数兆円と言われる金額高の被害総額があると言われておりますけれども、これについての金融庁は実態をどのようにとらえておられるか、またどういう指導というか、されようとしているのか、総括的にちょっとお伺いしたいと思います。
#45
○副大臣(中塚一宏君) 今先生から御指摘のございました為替デリバティブに関するADR、今全銀協が指定ADR機関となっておりますけれども、平成二十三年度の第三・四半期ですけれども、申立て件数が三百三十九件で、そのうちのデリバティブが二百四十六件ということになってございます。
#46
○丸山和也君 と見ますと、数字だけ見ても圧倒的にというか、為替デリバティブに関する申立てが多いことですね。それで、これについてはこれから更に大きな問題になると思うんですけれども、その前に、そもそもいわゆる為替デリバティブの金融機関を通じた販売総額というのは分かるんでしょうか。分かるのであれば、どのくらいの額を販売したのか。
 これは一説によると、いわゆる金融機関に対する公的資金投入がありまして、それの返済をするために金融機関はこぞって、早く返済した方が有利な金融機関だと見られるということで、無理やりとにかく販売したということがあるようなんですけれども、どのくらいの販売総額になるんでしょうか。
#47
○副大臣(中塚一宏君) 申し訳ありません、ちょっと遅くなりました。
 私ども、額ということについては今手元に資料がございません。ただ、契約数というのはございまして、輸入業者向けが五万九千五百、輸出業者向けが四千二百ということで、合計は六万三千七百ということになっております。
#48
○丸山和也君 六万件を超える契約数がありまして、私の調べたところによりますと、この金融ADRの中で結構解決するケースが多いと、一般のケースに比べましてね。その理由は、むしろ、端的に言いますと、余りにもむちゃくちゃな販売をした金融機関が、ということについての、自負心からといいますか、あるいは早く解決して世間の批判から免れようというか、ある意味じゃとにかく早く処理してしまおうという、まあいいような悪いような傾向がありまして解決率が非常に高いと言われているんですけれども、それでも恐らく、これは正確な統計は難しいんですけれども、さらに金融機関全体としては二兆円ぐらいをやっぱり損害賠償額といいますか解決額として払わなきゃならないだろうと、少なくともそれくらいとも言われているんですが、そこらは実際、まあ見込みになるんですけれども、どういうふうに把握されておりますか。
#49
○副大臣(中塚一宏君) その見込みというのも非常に推計するのは難しいわけなんでありますけれども、主要行等が中小企業に対して販売をいたしました契約のうちの集計可能なものという数字が今手元にございます。通算利益で三千七百億円、通算損失で五千百億円ということで、差引きでいきますと千四百億円のマイナスということになっています。
#50
○丸山和也君 千四百……
#51
○副大臣(中塚一宏君) 千四百億円ですね、億円の、利益が三千七百、損失が五千百ですので、差引きで千四百億円のマイナスということになっております。
#52
○丸山和也君 今日ここで質問させていただく意図は、やっぱりあれですね、これまあ若干円高、まあちょっと止まっていますけれども、八十円前後になったということで、かつて百円、百十円ぐらいで販売して、これ三十円近い円高に振れたということで、もうこれを買っている、結構中小企業が多いんですね、優良な中小企業が、資金に余裕があった、ここらが本当に悲鳴を上げているんですね。それで、いわゆるコールオプション、プットオプションというのがあって、買いに対して金融機関の売る権利が大体三倍になっておりまして、もうとにかく地獄の日々を毎日味わっているようなんですね。
 それで、これはよくよく考えてみますと商品そのものに欠陥があるんじゃないかと、あるいは詐欺商品ではないかとも言われている。それで、元々これは円高になるであろうと分かっていながらその事実を告知せずに、むしろ円安になってもうかりますよというふうなことで、あるいは金融機関と取引するためには、これ若干のしがらみも併せて強引に、とにかく知識のない、こういう為替取引をする必要もないような国内取引だけをやっているような中小企業に対してまで強引に売り込んだという結果がこのような事態を招いていると思われる節があるんですね。
 それからこれは、ですから恐らくこういう商品を販売するに当たっては、事前に金融庁にこれこれこういうのを今後販売したいと思うんですけれどもという届出はあったわけですよね。その点はどうなんですか。
#53
○副大臣(中塚一宏君) これ商品については届出であるとか認可であるとかいうことはございませんで、金融商品取引法について定めておりますところでいきますと、例えば禁止行為、販売時の禁止行為でありますとか適合性の原則ということについては定めさせていただいております。
#54
○丸山和也君 ですから、商品の個々の、こういう商品ということじゃなくても金融商品取引法に違反していないかどうかという審査といいますか、そういうのは事前にされていたんじゃないんですか。
#55
○副大臣(中塚一宏君) 今申し上げましたとおりでございまして、販売のときの禁止行為とか適合性原則ということについては、まず法律で定めた上で、さらに監督指針等で周知徹底を図っております。契約時点できちんと説明をする、例えば最悪のシナリオを想定した損失でありますとか解約清算金というものについても説明をするということでありますとか、あと事後のフォロー等についても説明をするように監督指針に盛り込ませていただいておるところであります。
#56
○丸山和也君 よく金融商品取引法の三十八条、四十条とか、それから適合性の原則とかこういうことが書いてあるんですけれども、これらにも適合性の原則にも反しているようなケースがいっぱいあるように思われますし、まず、それから事前の説明とかそういうことに関して、三十八条とかそれから四十条、それから、説明しなかったとか、必ずもうかりますよというような断定的な表現をしているとか、よくあることですけれども、そういうのがいっぱい見受けられているんですね、これ、今になってみると。だから、非常に金融庁の監督も甘かったと言わざるを得ないと私は思って、それを指摘したいと思うんですが。
 もう一点、ADRで非常に合意が形成する率が多いというのは、これ、翻って見れば、やっぱり金融機関が非常に乱暴な販売をしたと、法に反した、あるいはすれすれの行為を繰り返したと、こういう反省から自ら和解に応じているという結果じゃないかと思うんですけれども、そこら辺についてはどのように思われますか。あるいは、金融庁が近時、強引にというか強力にそういう指導をされているのかどうか、ここらも含めて。
#57
○副大臣(中塚一宏君) 今御指摘のとおりで、ADRに持ち込まれておりますデリバティブ事案については、和解が成立したものは七割を超えております。全体で六割ちょっとでありますから、そういう意味で、デリバティブについて和解が成立をする率が相対的に高いというのはまさにそのとおりでございます。
 ただ、その高い理由につきましては、もう弁護士の先生でいらっしゃいますのでよく御存じと思うんですけれども、これは両者の話合いの中で決まっていくことでございます。更に申し上げると、金融業界といたしましても、本業が堅調であるにもかかわらずこのデリバティブ問題を契機にその企業が破綻をしてしまうといったようなことがあってはならない、そういう問題意識の下でこのADRにも臨んでいると、そういうふうに伺っておるところであります。
#58
○丸山和也君 和解率が高いということは非常に結構だと思うんですけれども、若干、これは真実かどうか分かりませんけれども、金融機関側で、今まで余り調子よく和解に応じ過ぎたと、また責任の度合いを認め過ぎたと、これからはもうちょっと厳しくやろうかというような、ここまで譲歩することもないんじゃないかというような意見もちらほら出ているというようなことも聞きましたんで、そうなると、またこれ厳しい態度に出るとなかなか、今まで七割いっていたのが五割あるいはそれを切るとか、あるいは内容的にも厳しくなってくると、これまた紛糾も継続しますし、解決を進めるというADRの趣旨からもそぐわないと思う。若干、だからこれは非常に政治的な要素が含んでいると思うんですね。
 ですから、そういう意味で、社会全体の問題としてこの問題を早期にできるだけ妥当な解決を目指すということは、これ単に個々の企業を救済するということだけじゃなくて、金融機関の在り方もそうだし、それから国民経済全体に対する影響も非常にあると思いますので、基本的に積極的にADRでの解決を促進させるというような観点から、是非金融庁としても、監督官庁としても懸命な御指導をしていただきたいということをお願いしておいて、この件に関しては私の質問を終わります。この件に関してというか、その観点からね。
 それからもう一つ、これいわゆる証券取引等監視委員会から告発したということは一件もないそうなんですね。ただ、これ、やはりよく個々のケースを見て、余り悪質なものについてはそういう観点からの告発ということも是非考えるべきではないかと私は思っておりますので、ADRの自主的申立て任せだけではなくて、そういう点についても御留意いただきたいと、このように申しておきます。
 それからもう一つ、先ほど森委員から、やみの労働協約ではないかということをおっしゃって、私もぴんときたので、ヒントを得たので、ついでと言ってはおかしいんですけれども、一番大事な問題についてお聞きしたいんでありますが、いわゆるやみの指揮権発動ということですね。
 小川大臣が、同期でもありますし、法曹三者を経験された大臣でありますので、いわゆる指揮権発動ということを軽々しくやっていいのかどうかと、それから、やみの指揮権発動って一体どういうものかと、ここについてちょっとお聞きしたいんです。
#59
○国務大臣(小川敏夫君) 指揮権発動は、やはり慎重にというふうに考えております。
 そのやみの指揮権発動というのがどういう定義なのかちょっと分かりにくいんですが、ただ、日常的にいろいろ意見交換などを、検察とはやらないんですが、法務省とやるときがあるわけですが、それが、何というんでしょう、ただ、それはあくまでも情報交換なり、そうした通常の業務の範囲でやっているわけで、決して指揮権の発動じゃないとは思うんですが、ちょっとそのやみの指揮権の発動という、そのちょっと言葉の定義といいますか、そこがちょっとまだ確定していないんで議論しづらいんですが。
#60
○丸山和也君 それは失礼いたしました。
 やみの指揮権発動というのは、一昨年有名になりました尖閣諸島の事件に関して、中国人船長を法に従って粛々とやると。要するに、逮捕、起訴、裁判、それから強制送還ということも想定されますけれども。ところが、突如として、九月二十四日、一昨年の、那覇地検検事が釈放会見をやったと、これですよ。もう日本中、あるいは世界も含めてだと思いますが、びっくり仰天したということがありました。
 このような重大な、三権分立にもかかわる根本的な行為を、一地方の検事が独断で、国際関係を考慮してと外交官みたいなことを発言してやるはずがないし、またやれるわけもない。こんなことをやり出したら国家崩壊しますよ、法秩序が。だから、逆に言うと指揮権発動があったわけですよ。時の法務大臣は余りにも有名な方だから名前出しませんけれども、要するに、時の官房長官仙谷由人なる男がこれを事実上指揮してやったと断ぜざるを得ない。そういうことがありますから、指揮権ということは大変もう大きな問題です。だから、これをいわゆるやみの指揮権ということでニュースも報道していた、やみの指揮権発動と。
 ゆめゆめあってはならない、やるなら堂々と法務大臣を通じてやるべきだと思うんですが、これについて、まさか法務大臣はこれが軽々しい問題だと思われていないでしょうね。一言お聞きしたい。
#61
○委員長(西田実仁君) 時間過ぎておりますので、小川法務大臣、手短に。
#62
○国務大臣(小川敏夫君) ちょうど、当時私、副大臣をしておりましたが、私の見ている範囲では法務大臣が指揮権を発動したという事実はございませんでした。
 それから、現場の検察官がそのような判断をするわけでは、そんな重大な判断をするはずがないじゃないかというお尋ね、御意見でしたが、やはり現場の検察官は事件を受けた以上、これは起訴する、起訴しないという意味、終局処分をどうするかという意味も含めて、それがやはり重大であっても、これは処分の決定をしなきゃならない立場にあるわけでございますから、現場の検察官がそうした判断をするということは私は異常なことだとは思っておりません。
#63
○丸山和也君 終わります。
#64
○国務大臣(小川敏夫君) 委員長、済みません。一点だけ、済みません、訂正だけお願いします。
#65
○委員長(西田実仁君) 法務大臣。
#66
○国務大臣(小川敏夫君) 先ほど、森委員の質問の中で、裁判所職員定員法、これから出すというふうに私答弁いたしましたが、既に提出済みでありますので、そのように訂正させてください。
#67
○魚住裕一郎君 公明党の魚住裕一郎でございます。
 この給与関係につきましては、去年の六月に法案出されまして、その後、九月三十日ですか、人事院勧告があって、その後、十月の二十八日、この人事院勧告を実施しないという、そういう閣議決定がなされたと。与野党協議をずっとやって、いわゆる自公案、衆議院の方で、去年の十二月ですよね、出して、協議されて、今月の十七日、二月十七日に与野党合意になったと。新聞報道では自公案の丸のみというような形になったわけでございますけれども。
 そこで、この人事院勧告をどういうふうに考えておいでになるのか、法務大臣として、内閣の一員として大臣にお聞きをしたいんですが、これ、この十月二十八日には、いわゆる人事院勧告は平均〇・二三%減額するということであるけれども、閣議の方では、いわゆる〇・二三%は内包しているんだと、そういう表現でしたよね。だけれども、やっぱり人事院勧告というのはそもそも憲法に保障された労働基本権の代償であると、そしてまた、国家公務員法に定める情勢適応の原則に基づいて官民給与の均衡を図るということに、そういう趣旨にあるわけですよね。だから、当然ながら、人事院総裁は、臨時特例の趣旨と人事院勧告とは両者全く別物だと、そういうふうに検討されるべきだという談話を発表したわけですよね。
 それで、今般、この二月十七日、与野党協議の中で、第一項目め、平成二十三年度人事院勧告を実施し、さらに七・八%までという、前文というか、第一項目めに出てきているわけでございます。そうすると、政府として、また法務大臣として、この人事院勧告というのはどういうふうに理解しているのか、また、両者全く別なんだけれども、内包しているという、判断したその理由をお聞かせをいただきたいと思います。
#68
○国務大臣(小川敏夫君) やはり人事院勧告は公務員の労働基本権を制限したということの一つの代償措置としてあるものですから、これはやはり大変に重要な問題だというふうに認識しております。
 それで、内包しているという点でございますが、これは、八%下げる、人事院勧告が〇・二四でしたか……
#69
○魚住裕一郎君 〇・二三。
#70
○国務大臣(小川敏夫君) 失礼しました。〇・二三下げると。そうすると、その八%の中に含んでいると考えていいのではないかと。それを二つ分けて引き下げるということではなくて、一つの手続の中で引き下げようと。
 ただ、この八%引き下げるというのが二年間の時限措置でございますので、そうすると、内包しているといっても、二年間の時限措置が終われば完全に元に戻るとすると、内包しているはずの人事院勧告の措置がなくなるわけでございますから、恐らくこれは、時限措置が終わる二年後にこの内包していた人事院勧告の部分についてどのように扱うということの議論が、あるいは措置が必要だったのではないか、むしろ措置をとるということを前提とした意味で内包しているということではなかったのかと思っております。
#71
○魚住裕一郎君 それはおっしゃっている意味は分かりますけれども、しかし、マイナス七・八の中に含まれるということだけで、もう少し、はっきり言って発想がずさんといいますかね、そんな気がしてならないわけでございますけれども。
 しかし、内包していても何でも、人事院勧告を実施しないとなれば、これ、今大臣御答弁あったように、代償措置なわけでしょう、憲法の労働基本権の。それを実施しないということになれば、幾ら内包しようと何だろうと憲法上の疑義が出てくるんじゃないですか。その点はどういうふうに御判断をされたんでしょうか。
#72
○国務大臣(小川敏夫君) その内包しているという言葉ですけれども、それは人事院勧告をやらないということではなくて、やるということの、やる形がすなわちこの中に含んでおるんだという意味でございますので、やらないということではなくてやる形が内包していると、このように理解いたしておりますが。
#73
○魚住裕一郎君 そうはいっても、協議の途中、内包型じゃなくて外枠付けといいますか、七・八プラス〇・二三やるんだというふうに民主党の政策責任者がおっしゃったわけですよね。だから、ちょっとそれは違うんじゃないんですか。結果的には内包型といいますか、この人事院勧告を実施し、さらに七・八%まで深掘りするという形になったわけですよ。だから、その辺の扱いが、十分この内包という意味内容を政府としてやっぱりきちっと考えていなかったんではないのかなということでお聞きしておるんですけれども。
 今回、こういう形で、実施した上で更に深掘りという形になりましたけれども、そうすると、去年の十月二十八日の、この実施しないという閣議決定というのは無効になったということですか、これ。だから、閣議決定が非常に軽いというか、どんどんどんどん吹けば飛ぶような形になってきちゃったのかなというふうにちょっと危惧をしておるんですが。
#74
○国務大臣(小川敏夫君) 内包しているというのは、七・八%に内包しているんではなくて、八%の中で内包しておったわけであります。
 それが、今回、衆議院の方に提出をいただきまして、与野党三党合意いたしまして、八%に内包しているという中で、人事院勧告の措置とこの臨時措置とを含めて八%で一括しておったわけでございますが、これを内包しないということで別建てしましたので、まず人事院勧告を先に行った給与表を作って、〇・二三%を削減した給与表を作って、その給与表を基に七・八%を削減すると、減額すると。そうすると、当初言っていた、二つまとめて、両方まとめて八%削減するというのと数字的には同じになるかなという意味だというふうに思っております。
 それで、八%、その政策変更ということではなくて、やはり八%の中に人事院勧告の実施というものも含めておったわけですから、人事院勧告をやらないという、決めておったものをやるというふうに政策変更したのではなくて、人事院勧告を実施する方法が、八%の中に含めておったものが、今度は八%の中に含めないで別建てして、初めに人事院勧告の削減をして、その削減した給与表を基に七・八%を今回の臨時措置で減額するというように変えたということでございます。
 人事院勧告の措置をいずれも実施するという点においては一致しておるので、政策変更はなかったと、このように私どもは考えております。
#75
○魚住裕一郎君 いや、もうなかなか、お話を伺ってもきちっと理解できないなという感じがします。
 つまり、この七・八%の中に〇・二三が入っているというふうにおっしゃっていた。いろんな経過の中で、いや、七・八とは別に〇・二三を引く、だから合わせて八・〇三だと、平均ですよ、そういうふうに言ったわけですよね。言い出し、何とかというふうに言っているかもしれないけれども。そして、最終的には、この〇・二三実施した上で深掘りして七・八まで持っていくというふうになったわけで、ちょっと説明が納得できるものではないというふうに言わせていただきたいと思います。
 それでは次に、裁判官報酬の減額につきましてお聞きをしたいと思います。よろしいですか、大臣。
 大臣、裁判官の報酬を下げるのは過去にもありました。あのときは、この人事院勧告の完全実施をすると、伴って公務員の給与全体が引き下げられるような場合は、この裁判官の報酬も同様に引き下げても司法の独立を侵すものでないことから憲法に違反しないというのが裁判所の、裁判官会議の議論だと思うんですね。憲法で、七十九条六項、また八十条二項に、報酬は、在任中、これを減額することができないというふうに、司法を本当に分厚く三権分立の趣旨でやっているわけでございますけれども、この裁判官の給与を下げる場合、この今の言い方、こういう理解であれば、人事院勧告の完全実施に伴うということが憲法に違反しない、そういう要件のように聞こえるというか、読めるわけですね。この点はどのように判断するのか。今回、深掘りするわけですから、その点いかがなのかなというふうに考えております。お問合せしたいと思っておりますし、また、もしその人事院勧告だけではなくして更に深掘りをして、今回そうでございますけれども、憲法に違反しないというためにはどういう要件があれば許されるのか、この点についてお聞きしたいと思います。
#76
○国務大臣(小川敏夫君) 憲法の裁判官の報酬を在任中は減額しないという規定は、やはり報酬を減額するというこの対応によって、個々の裁判官あるいは司法全体に対して圧力を加えるということによって司法の独立が侵されてはいけないと。ですから、そういうことがないように、司法の独立を守るためにこの給与の保障という規定があるんだというふうに前提に立ちますと、そうした意図がない場合、国家的な要請、あるいは国民の経済あるいは賃金水準、経済状況等によって、司法の独立を害するというようなおそれがない、そのような事情がある場合にはこれは許されるのではないかと。
 ですから、あくまでも、客観的基準をといって具体的に個々羅列するのは難しいんですが、基本の姿勢は、やはり司法の独立を害することがない状況においては許されるのではないかと。司法の独立が害される形での報酬減額は認められないと、このように考えております。
#77
○魚住裕一郎君 いや、だから、最初の方は、人事院勧告の完全実施に伴いということは要件ではないということですね、最初の方です。
#78
○国務大臣(小川敏夫君) 要件でないといいますか、これまでは、人事院のその趣旨に鑑みて、一般職公務員の給与水準が変わればそれに準じて裁判官も変わるということでございました。しかし、今回の特例法は、その人事院勧告に基づいてということではなくて、まさに我が国の国家の財政が大変厳しい状況にあると、それから未曽有の大災害による復興というものの財政出動も大変必要であるという、この緊急の国家的な要請に基づきまして行っているということでございます。
 ですから、人事院勧告に基づいたものではないという意味では人事院勧告に基づいていない。したがって、人事院勧告に基づかなくても司法の独立を害さない客観的、合理的な理由があれば許されると、このような観点に立っておるわけでございます。
#79
○魚住裕一郎君 かつて、平成十四年のときに当委員会で江田五月委員が質問に立っておいでになっておりまして、そのときに、また人事院勧告に基づいて給与を削減するということだったんですね。そのときの言い方は、給与についての格差、それについての客観的な調査、人事院勧告で一律に下げる、同程度のものを裁判官についても下げる、これは最高裁の検討がある、相当額を下らない、こういうような要件を挙げて、当時の森山眞弓法務大臣、そのとおりでございますという御答弁だったわけですが、新たにといいますか、そういうのを関係なくといいますか、だけど、国家財政厳しいって、一千兆円あるみたいなことを言っていると、ずっと下げるという話になってしまうんじゃないのかなというんで、ちょっと危惧をするところでございます。
 次に、最高裁にお聞きをしたいと思っておりますが、去年の六月三日にこの両法案が提出されました。最高裁判所においては、裁判官会議が開かれて報酬の改定についても議論をし、その後に法務省に立法依頼がなされるというふうに承知をするところでございますが、今回の政府原案の提出に当たって裁判官会議は開かれたのか、また、開かれたとすればこの減額措置についてどのような議論がなされたのか、どのような結論に至ったのか。特に、人事院勧告に基づかないといいますか、もちろん、人事院勧告は九月ですけど、この法案は六月ですよね。だから、人事院勧告はそもそもないわけでございまして、その点はどのような結論に至ったのか、お示しをいただきたいと思います。
#80
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。
 昨年の六月三日に政府の方の裁判官報酬法改正案が出されました。それに先立ちます六月の一日に最高裁の裁判官会議が開かれました。この裁判官会議におきましては、憲法論も含めましていろんな観点から議論が行われまして、それを踏まえた上で、政府におきます国家公務員の取扱いに沿った形で裁判官の報酬についても所要の措置を講ずるという方針に立って対処していくという点につきまして了承がされたものでございます。
 なお、裁判官会議につきましては非公開とされておりますので、議論の詳細についてはお答えすることを差し控えさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
#81
○魚住裕一郎君 最高裁としては、この裁判官の報酬の減額措置とこの報酬の減額を禁じた憲法との規定についてはどのように考えているのか、その裁判官会議の中でもどのような議論がなされたのか、お示しいただきたいと思います。
#82
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 憲法上、裁判官の報酬につきまして保障規定が置かれているというその趣旨及びその重みについては私どもも十分承知しておりまして、常に慎重に検討してまいっておるところでございます。委員今お尋ねの点につきましても、あくまで司法行政事務に関します最高裁としての裁判官会議が決定したというところでございます。
#83
○魚住裕一郎君 答弁しないということでございますが、もう一点。最高裁として減額が憲法違反しないための要件、どういうふうに考えているのか。特に人事院勧告、今回人事院勧告なしで法案出したわけですから、どのようにお考えでしょうか。
#84
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。
 平成十四年の事務総長コメントの中身につきましては、先ほど委員御紹介されたとおりでございます。人事院勧告の完全実施に伴い国家公務員の給与全体が引き下げられるような場合に、裁判官の報酬を同様に引き下げることは憲法に違反しないと、こういうコメントを出したところでございます。
 ただ、一般的に裁判官の報酬減額が許される合憲性の要件というのをなかなか申し上げるのは困難でございまして、その時々の情勢を勘案して決定していくことになるのではないかと考えておるところでございます。
#85
○魚住裕一郎君 次に、人勧制度廃止ということが去年の六月三日、国家公務員制度関連四法案が提出をされました。それで、今回もそうですが、人勧にのっとってといいますかね、それで給与を改定をしてきたわけでございますが、それがなくなったら、じゃどうやって裁判官とか検察官の報酬、俸給を決めるのかということでお聞きしたいと思います。
 既に一昨年、平成二十二年十一月二十五日、この当委員会で木庭健太郎委員が当時の小川法務副大臣にこの点について指摘をし、また御答弁をいただいているわけでございますが、そのときの小川副大臣の御答弁は、その点についてしっかりと検討してまいりたいと。あれから一年以上、一年半ぐらい近くたっているわけでございますが、この人事院勧告制度を廃止した後の報酬、俸給の改定方法についてこれまでどのような場でどのような検討を行ってきたのか、御答弁をいただきたいと思います。
#86
○国務大臣(小川敏夫君) 検討しなければならないという意味で検討する考えでおりますが、今日まで具体的にどのような検討をしたかという、その状況はございません。検討しなくてはいけないなということの認識を確認した程度でございます。
 それから、誠に申し訳ございません。先ほど、政府が人勧の実施について路線を変更したのではないかという趣旨の御質問をいただきまして、私、少し思い込みで間違った答弁をいたしましたので、謝って訂正させていただきます。八%が人事院勧告分を内包しているというふうに申し上げましたが、これは私の勘違いでございまして、やはり委員御指摘のとおり、七・八%の中で人事院勧告分を内包しているということでございます。これが三党合意の下で修正がありまして、人事院勧告分を深掘りした後、やはり七・八%を今回臨時に削減するということでございます。
 したがいまして、委員が、人事院勧告分内包しているといったものが今度外出しして、なかったものがあったようになったのではないかという御意見をいただきました。そういう御指摘もあるのかなというふうに思いますが、政府としては、やはり内包しているという考えの下で、人事院勧告はやらないという考えではなかったというふうに答弁を訂正させてください。申し訳ございませんでした。
#87
○魚住裕一郎君 いや、だから、そういうふうに訂正されると、じゃ、去年の十月二十八日の閣議決定はどういうふうな扱いになるんですかという質問なんですが。もう一度。
#88
○国務大臣(小川敏夫君) その時点では、内包しているからいいというふうに考えておったということでございます。しかし、三党合意の結果、それを、内包しているという形ではなくて、きちんとそれを別に措置しようということになったということでございます。
#89
○魚住裕一郎君 ますます閣議決定が軽くなっていくなという、そんな感じがいたします。
 質問戻りますけれども、まだ具体的に検討を行っていないということでございますが、しかしこの六月三日にですよ、去年の、今私が質問したのはおととしの十一月二十五日、で、具体的にやっていない。しかし、人事院勧告制度を廃止するぞという法案を出したのは六月三日ですよ。あれから九か月ですよ。当然予想されるのは、裁判官、検察官、どうやってこの報酬を決めていくのと。労働組合つくれないでしょう。
 そういうような、九か月一体何やっていたんですかということでございますが、何か具体的に改定方法を想定しているものがあればお示しをいただきたいと思いますが。
#90
○国務大臣(小川敏夫君) まだ具体的にこういうふうにという案があるわけではございませんが、裁判官の報酬につきましては、裁判官会議の方でもこの素案を受けて作って、それで、それを私ども法務省の方に法案提出依頼というものがあって法案を提出するという作業の中でございますが、この裁判官の報酬をどうするのか、裁判官会議が裁判所で独自に決めた案を作る、そして私どもの方に持ってくるのか、そうではなくて、やはり政府の方でこれをどうするか、人事院勧告に準ずるようなものを作るのかとか、様々な考え方がございます。
 まだそれにつきまして、誠に申し訳ございません、具体的な案を出して検討しているというわけではございませんが、ただ、人事院勧告制度がなくなれば裁判官はどうするのか、労使がない中で裁判官がどうするのかという問題意識は持っておりますので、これは、やはりそうした人事院勧告が実際になくなるというまでには間に合う形で検討しなくてはならないと、このように思っております。
#91
○魚住裕一郎君 最高裁判所、そういうような何か検討機関みたいなのは考えておるわけですか。
#92
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。
 現時点では特別なことを検討しているという状況にはございません。一般の国家公務員の給与改定の状況、内容を含め、改定の時点におきます具体的な諸情勢などを踏まえつつ、裁判官の職権行使の独立性に影響を及ぼすことがないかなどを慎重に検討し判断していくべきものだと考えております。
#93
○魚住裕一郎君 裁判官だけじゃなくて、検察官も司法に準ずるといいますか、独立に準じて俸給をしっかり下げないようにしなきゃいけないなとは私も思っておりますけれども、やはり人事院勧告がなくなってしまえば、この改定をどうするのかということも考えなきゃいけません。
 法務大臣は有識者等も入れて独立性のある検討機関を設けてというようなことも御答弁されているようでございますが、それはどういうようなことを想定しているのか、もう一度ちょっと具体的に、草案があるんであればお示しをいただきたいと思います。
#94
○国務大臣(小川敏夫君) 検察官ですと、裁判官と違いまして団結権それから労働協約締結権まで認められるわけでございますので、裁判官とはまた違った対応が必要でありますけれども、しかし一方で、同じ資格、同じ養成課程を経た裁判官と検察官が違っていいのかと、検察官は労使で決めて裁判官はじゃどうやって決めるのかとか、いろいろ難しい問題がございます。ですから、そうした難しい問題を含めてこれから検討をさせていただきたいというふうに思っております。
#95
○魚住裕一郎君 まあ、でも実際には検察官が労使交渉するわけにはいかぬでしょうと思っておりまして、しかし、もし何かこの有識者を含めて独立性のある検討機関みたいな形になってくると、第二の人事院をつくるような、そんなことになるんじゃないのかと。そうすると、その人事院制度を廃止するという、何かはちゃめちゃな政策転換になってきたなというような、そんなふうに思うところでございまして、三権分立の趣旨をしっかり踏まえながら、更に議論を深めていきたいと思っております。
 以上、終わります。
#96
○桜内文城君 小川大臣、御就任おめでとうございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 まず一つ目が、今回議題になっておりますこの給与法の関係についてお尋ねいたします。
 いろいろ今も議論があったところですけれども、憲法二十八条の労働基本権、団結権、団体交渉権、団体行動権、これらを国家公務員に、基本的には団結権を除き認めないという、ある種、憲法の例外的なものとして、国家公務員法三条二項による人事院勧告制度及び三条以下の人事院の制度があるわけですけれども、これを今後どう変えていくかというのはさておき、今回の法律は、その人事院勧告を含むかどうか別として、それを超えて、法律でもって平均七・八%削減をしていくという内容になっております。
 言わば、人事院勧告も従来から必ずしも全て守られてきたわけじゃないとしても、これほど大きく深掘りするということが可能とすれば、そもそもこの人事院勧告制度を、実質的にはもう意味を成さなくなってきたんではないのかなというふうに解するものですけれども、そうだとすれば、逆にこうやって国家公務員及び裁判官等につきまして、法律でもって、例えば今回のように人事院勧告を大幅に超えて七・八%の削減ができるということであれば、むしろ民主党のマニフェストでありましたように二〇%の総人件費の削減というのもまさに法律でもってやれば済む話ではありますけれども、民主党が政権を取ってこの二年半の間、ようやく一歩を踏み出したとも言えるのかもしれませんけれども、やればできる話でして、一言で言えばですね。それを、二〇%の削減を、やればできるのにやらない理由というか、それについて法務大臣にお伺いしたいということと、それから、もちろん今回衆議院で修正がなされておりますので、提出者の黒岩議員にお伺いしたいと思います。
#97
○国務大臣(小川敏夫君) まず、民主党のマニフェストの二〇%削減でございますが、これは一人一人の公務員の給与を二〇%削減するということではなくて、公務員全体の総人件費として二〇%ということでございますので、個々の公務員の給与を引き下げるということのほかに、定員を削減するとか、あるいは公務員の構成を高給者よりも若い給与の低い人を増やすとか、あるいは退職金に、これを減額するとか、そうした様々な措置全体を含めて二〇%というのがマニフェストでございます。
 そうしますと、今回、給与は七・八%で二〇%いってないではないかという御指摘だと思いますが、この給与だけで二〇%という約束ではないということで御理解いただきたいと思います。
#98
○衆議院議員(黒岩宇洋君) 議員修正においてなぜ二〇%の削減を行わないのかという御趣旨だと承りましたけれども、あくまでもこの裁判官の報酬と検察官の俸給に関しましては、一般職の国家公務員の給与に準じて同様の措置を講ずるものという考え方で、今回基本的には七・八%ということにさせていただいていると。
 当然、党といたしまして、今大臣の方からも御答弁ありましたけれども、国家公務員の総人件費の二割を削減するということはこれからも目指しておりまして、今般の法案はそのための努力の一環であることと理解をしていただきたいと思っております。
#99
○桜内文城君 ありがとうございます。
 黒岩議員、これで質問は終わりですので、退席していただいて結構です。
 先ほど小川大臣の御答弁にもありましたけれども、例えば、先ほども議論になっておりましたけれども、裁判官、検察官につきましては定員を増やすという方向に既になっておるわけでありまして、そうすると、総人件費の話をしますと、もちろん、裁判官、検察官だけではない、公務員全体の話ではありますけれども、やはりこの給与の削減というものは避けて通れないことだと考えます。
 また、先ほど申しましたように、言い方は悪いんですけれども、既に人事院勧告というものは実質的にもう役目を終えたといいますか、それを超えて法律でこのように給与を定めることができるという前例をつくってしまったわけですので、やる気になれば、もうこれ本当、やる気の問題としか言いようがないと思うんですけれども、二〇%、公約どおりやっていただくことが、民主党としても、また政権としても重要なことではないかなと考えますけれども、これについてもう一言、大臣の御所見をお伺いいたします。
#100
○国務大臣(小川敏夫君) やはり、一般職の公務員の場合、憲法で保障された労働基本権というものがあるわけでございますので、労働基本権がこれまで制限されてきたという、この代償として人事院勧告制度があったわけでございます。
 したがいまして、労働基本権というものをこれから認めていく中では、やはり人事院勧告の制度というものは役割を終えるのかなというふうに思っております。
#101
○桜内文城君 今お尋ねしたのは、その役目を終えた、実質的に終えていると、今回の法案でもってですね、ということが言えるのではないのか。その場合、この二〇%削減というのはやる気の問題で、法律として出せば済む話ではないのかというのをお尋ねしているんですけれども、それについてです。
#102
○国務大臣(小川敏夫君) なかなか厳しい御指摘でありまして、今回は国の厳しい財政状況、それから未曽有の大災害の東日本大震災に対する復興という緊急の要請があるという中で、人事院勧告に基づかない、しかしまだ労働基本権が付与されていないという、言わばそのはざまの中で行った措置でありますので、大変委員の御指摘のとおり厳しい点があるわけでございますが、しかし今回人事院勧告に基づかないで下げた、一方でまだ労働基本権を認める法案が成立していないという状況の中で今回臨時措置を行ったから、だから今後もこの人事院勧告も要らない、労働権の付与もないままどんどん引き下げていいということにはならない。あくまでも今回は、この国家の非常事態という中での特例的な対応だというふうに御理解いただきたいと思っております。
#103
○桜内文城君 次の質問に参ります。納得しているというわけじゃないんですけれども、次に行きます。
 特に裁判官の報酬という点について、次はお尋ねしたいと思います。
 先ほどから指摘されておりますけれども、三権分立の観点、憲法でいえば七十九条六項ですとか八十条二項、こういったものがありまして、先ほどまさに大臣がおっしゃったとおり、その趣旨は司法権の独立をどう守るのかという制度的な一つの保障だと考えております。
 そこはそれで結構なんですけれども、これまで三権分立に配慮して、常に裁判官会議を最高裁で開いて立法の要請を政府に対して行うという大変重要な、僕はこれ憲法慣行としてもうほぼ確立されているんではないかと。憲法習律といいますかね、憲法上の文言ではないけれども、三権分立に配慮したそういった手続というものが確立している中、今回非常に異例なことになっておりまして、先ほど最高裁の人事局長がいらしたときに、裁判官会議が昨年六月一日に行われたという御回答がありました、御答弁がありました。また、政府の方針に従って対処するという従来どおりの方針が決まったやに先ほど答弁されていますけれども、今回の法案、残念ながら政府案そのものではありませんで、政府とはまた別に衆議院の修正が加わっております。そういった意味では、この修正を、まさに三権分立の観点でいえば、国会が行っております。
 そういった意味では、やはり裁判官会議とか、今回、その後開かれていないそうなんですけれども、手続上いかがなものかというふうに私は考える次第ですけれども、大臣として、政府側としてこの件についてどのように解釈し、かつお考えになるのか、評価されるのか、その点についてお伺いいたします。
#104
○国務大臣(小川敏夫君) 確かに委員御指摘のとおり、政府案そのものにつきましては裁判官会議において了承いただいておるわけでございますが、今回、議員提案で修正というものがございまして、この修正部分につきましては、委員御指摘のとおり、裁判官会議の了承というものがないのではないかという点、そのとおりの事実経過でございます。
 したがいまして、これもやはり従来の例からいえば異例のことだとは思いますが、やはり政府提案ではなくて、審議の過程の中で出てきた議員提案という形で国会が示した案であるということ、あるいはその内容も政府案を基本として、その大勢にはそれほど、それほどと言ってもあれですが、大勢には大きな、根本的な点においての変更点まではないというようなことを考えまして、憲法上許される範囲にあるのかなと、このように考えております。
#105
○桜内文城君 むしろ大臣に御答弁いただきたいのは、これを前例としないと、今後はこのような異例なやり方は取らずに、過去確立してきた憲法慣行というか習律をできるだけ遵守していきたいという決意を述べていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
#106
○国務大臣(小川敏夫君) 法務省提案、政府提案という形においては、これまでも裁判官会議の了承はいただいておったわけでございます。むしろ法案提出の要請を受けるという形をつくって行ってきたわけであります。
 今回は国会における審議の中で議員提案ということで出ておりますので、そうすると、これは、議員提案はあくまでも国会の意思でございますので、国会の方で、政府案が提出される際には、これまでどおりきちんと裁判官会議の合意というものをしっかりと踏まえていきたいと思いますが、国会の審議の中になりますと、むしろそこをどうするこうするというと、政府の立場としては申し上げにくい。国会の審議での対応で、検討といいますか、そこの点を踏まえていただきたいと、このように考えております。
#107
○桜内文城君 政府と国会といいましても政権与党でいらっしゃいますので、そこはうまくすり合わせ等をしていただければというふうに要望いたします。
 次の質問に移ります。
 ちょっと細かい点が多いものですから役所の方にお答えいただければと思うんですけれども、昨年も当委員会におきまして、私、法テラスの会計処理についてお尋ねしたことがあります。ちょっと今日はその続きということもありまして御質問をさせていただきます。
 前回も指摘したところなんですけれども、現在、法テラスの会計処理として、特に貸倒引当金の積み方というのが、ほかの独立行政法人あるいは通常の会社あるいは弁護士法人と比較しても見られない非常に特異な会計処理をされております。
 一番最新の財務諸表を私、持っておりますけれども、これによれば、平成二十三年三月三十一日現在の貸借対照表によれば、破産更生債権等という資産が九十五億幾ら幾らとありまして、それが全て、全額ですね、貸倒引当金が積まれておりまして、全額そこでゼロという形で資産計上されているわけでございます。その年の損益計算書によりますと、貸倒引当金繰入額、これ費用ですけれども、あるいは損金といいますか、それに当たるわけですけれども、これが六十四億円あります。一方で、この年のキャッシュ・フロー計算書によりますと、運営費交付金収入、キャッシュインフローが百五十五億円余りとなっておるところでございます。
 結局、じゃ、運営費交付金、どうやって算定しているのかというと、基本的には、損益計算書をちょっと加工したような行政サービス実施コスト計算書というのがございまして、そこの業務費の中に貸倒引当金繰入れが入っておりまして、もろもろこの行政サービス実施コスト計算書の収支じりが百五十億円強という形になって、それが運営費交付金にほぼなって入ってきているという資金繰りの状況になっておるんですけれども、ここで問題としたいのは、貸倒引当金、積み過ぎじゃないのかと。逆に言えば、運営費交付金、その分出し過ぎじゃないんですかということでございます。
 前回、昨年の当委員会におきまして質問したときに、会計処理の在り方についていま一度検討したらどうかというふうに御提案申し上げたわけですけれども、その後どういうふうに検討がなされ、会計処理を改める方向なのかどうなのか、現状についてお尋ねいたします。
#108
○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、法テラスでは、監査法人の了解の下で、破産更生債権等、これ、経営破綻又は実質的に経営破綻に陥っている債務者に対する債権をいうというふうに独法の会計基準上されておりますが、こういったものを、一年以上償還のなかった債権は破産更生債権等に当たるという運用をしてございます。また、独法会計基準に従いまして、計上された破産更生債権に対応する貸倒引当金を計上しているところでございます。また、独法の会計基準に従いまして、貸倒引当金の額につきましても、担保などがございません関係上、全額を計上するという運用でございます。
 このような会計処理につきましては、毎年監査法人の監査を受けて適正であると認められているものでございます。資力の乏しい方を対象といたします立替え償還制を取る民事法律扶助制度と、不良債権の計上に関する今申し上げました独立行政法人会計基準のルールの下ではこのような取扱いとなること自体はやむを得ないのではないかというふうに考えてございます。
 なお、一般の弁護士法人との比較の点も御指摘ございましたが、法テラスは法人税法上の公共法人に該当し、法人税を納める義務はないとされるなど、弁護士法人とは取扱いを異にする点がございますので、やはり法テラスの性質上相違点はあり得るのではないかというふうに考えておるところでございます。
 昨年の十一月の御質問の後、監査法人等に相談してみたところでございますが、取りあえず以上のような現状でございます。
#109
○桜内文城君 独法会計基準を盾に取っておっしゃっていますけれども、私、以前この独法会計基準を設定する審議会の専門委員をずっとやっておりました。その者から見ても、独法会計基準には、確かにここまで厳しい、ほかの弁護士法人と一緒にやれと、そこまでは書いていないわけですよ。
 また、法人税法上も、別に独法の場合、国が設立した法人ですので法人税払う必要はないのでとは言いますけれども、しかし弁護士法人と違うって、どこが違うんですか。同じような業務をやっているじゃないですか。一般の弁護士法人であれば損金に計上できない、そのような貸倒引当金の積み上げをしていって、かつそれがこの行政サービス実施コスト計算書上、費用として積み上がっていって、それを基に運営費交付金が計算され、国から支出されているということですよ。
 やはりこれは、一般の弁護士法人との違いを強調するのではなく、むしろ同じようなこういった法律サービスを市民に提供していくという意味でいえば、せめて会計処理はほぼ同等のものにしていただいて、かつそれによって運営費交付金を少しでも減らしていくなり、そういった努力が必要だと思うんですけれども、いかがなものでしょうか。私は先ほどの御説明では納得いきません。
#110
○委員長(西田実仁君) 小川司法法制部長、時間でございますので、手短にお願いします。
#111
○政府参考人(小川秀樹君) お答えいたします。
 やはり民事法律扶助事業というのは、元々資力の乏しい方に対して弁護士費用などの立替えを行うものでございますので、事業の運営の結果として、法テラスが資力の乏しい方に対する立替金債権を取得し、そのうちの一部が破産更生債権としての評価を受けるということは、法人の性質上、そこは弁護士法人とは違いがあるのではないかということを改めて申し上げておきたいと思います。
 以上でございます。
#112
○桜内文城君 この件についてはまた改めて御質問させていただきます。
 以上です。
#113
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 裁判官の報酬、検察官の俸給を減額するこの二つの法案は、国家公務員の給与削減法案と一体のものであります。国家公務員の給与を平均七・八%も下げるということは、地方公務員そして独立行政法人など約六百万人に波及いたしますし、民間の賃下げにも影響して、日本経済を悪化させ、財政破綻もひどくすることになります。しかも、国家公務員の労働基本権を憲法の定めに反して制限をしたままで、その代償措置である人勧をも、勧告さえ無視をするという点で、二重の意味で憲法に反すると言わざるを得ません。
 しかも、これは民自公三党の密室協議で突然議員立法として持ち出されまして、労働組合の代表の意見さえ聴取をしておりません。そして、参議院でいいますと、衆議院でまだ予算の審議がされている最中に閣法を審議するというこれまでにないやり方が行われておりまして、内容的にもやり方についても重大なものであります。
 まず大臣にお聞きいたしますが、副大臣時代の二〇一〇年十一月二十五日の当委員会で、人事院は労働基本権制約の代償措置だとした上で、人事院勧告を仮に無視してそれよりも引き下げるとなりますと、憲法上公務員も含めた労働者に与えられている労働基本権を制限していいのかという議論が当然出てくると、こういう答弁をされておりますが、この答弁からしますと、今回のこの給与削減というのは憲法に反するということになるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#114
○国務大臣(小川敏夫君) 確かに、人事院勧告によらないで公務員の給与を引き下げるということになる、その一方で労働基本権をまだ付与していないとなりますと、やはり憲法上これは議論する必要があるというふうに思っております。今回の措置も、そうした議論する必要があるが、一方で国の財政、東日本大震災の復興という大変に大きな国家的な要請があるという状況も踏まえて、例外的な措置として行ったものであるということでございます。
 労働基本権の問題として議論する必要があるというこの必要性は、私は依然としてあることは当然の前提として、なおその上に立って、やはりそれを超える大きな国家的な必要性が生じておりますので、二年間程度の、二年間ですね、時限立法として、例外的な対応として行わさせていただいているということでございます。
#115
○井上哲士君 国の財政や大きな震災があったからといって基本的人権をじゅうりんしてもいいということは憲法のどこにも私は書いていないと思うんですね。
 そういう大きな問題を持つこの国家公務員の給与削減法案を土台にして裁判官の報酬を削減するというのが今回の法案でありますが、最高裁はこの政府の法案についてどのような説明をいつ受けて、そして立法依頼をされたのか、改めて確認したいと思います。
#116
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。
 昨年の六月の裁判官報酬法の改正案につきましては、六月の一日の裁判官会議に諮っております。したがいまして、政府案につきましてはその前に承知しております。
 それから、今回の議員修正に係る部分でございますけれども、これは、先週になりますか、先週の初めに法務省を通じまして概要を承知いたしました。それを踏まえまして、最高裁の中でも検討したという次第でございます。
#117
○井上哲士君 修正部分について裁判官会議で確認をしたのは正確にはいつなんですか。
#118
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 裁判官会議を開きまして、最高裁の裁判官方に御説明を申し上げましたのは二月の二十二日水曜日でございます。
#119
○井上哲士君 午前ですか、午後ですか。
#120
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 午後でございます。
#121
○井上哲士君 衆議院の委員会で採決をされたのが午前中でありまして、その後追認をしたという形になっているんですね。
 初めて裁判官の報酬を引き下げた二〇〇二年当時の最高裁事務総長のコメント、先ほども紹介ありました。人事院勧告の完全実施に伴い国家公務員の給与全体が引き下げられるような場合に、裁判官の報酬を同様に引き下げても司法の独立を侵すものではないことなどから、憲法に違反しない旨確認したという裁判官会議の結論であります。
 大臣は、副大臣時代にこの趣旨について、単に公務員の給与全体が引き下げられるというような場面ということではなくて、一番大事な点は、人事院勧告完全実施に伴うという点も憲法に違反しないための要件と考えてよいかという質問に対して、私としても同じ考えだという答弁をこの場でされました。
 今回は完全実施じゃないわけですね。三十四倍引き下げるわけであります。大臣の当時の答弁に照らしますと、これは要件だということを同じ考えだと言われているわけでありますから、今回、やはり憲法に違反しないための要件を欠いているんではないでしょうか。
#122
○国務大臣(小川敏夫君) 確かに、人事院勧告を踏まえるという大原則は私は変わっていないというふうに思っております。
 ただ、これからこの労働基本権付与の法案の審議という、その労働権付与に至る前のはざまのことでございます。そのはざまのことの中で例外的な時限立法として行う措置、そして、先ほども申し上げましたように、国家的な財政の問題、復興財源というこの緊急課題という状況の中におきましては、例外的な対応として許容されるのではないかというふうに思っております。
#123
○井上哲士君 東日本大震災からの復興というのは、確かにこれは社会的要請だと思うんですね。しかし、その財源をどうやって確保するかというのが、これは極めて政治的な問題なんですね。
 公務員給与の削減というのは、内需を冷やして税収を悪化させる、復興財源確保にむしろ逆行するという指摘もあるわけですよ。そういう中で、あくまでも公務員を削って財源に充てるというのは、これは政府の政治的、政策的判断なわけですね。政府から独立した中間機関である人事院が官民較差について客観的な調査をして、その是正のために行う勧告とは全く性格が違うと思うんですね。
 ですから、時の政権の政策に沿って裁判官の報酬を引き下げるということはまさに司法の独立を侵すことになるんじゃないですか。
#124
○国務大臣(小川敏夫君) 裁判官の判断が政権に都合が悪いからこれを引き下げるとか、あるいは司法全体に対してこれを政権に都合のいいような方向に向かせようというような意図であるわけではなくて、これはやはりそうした裁判官の判断、これはイコール司法の独立が担保されるという意味での司法の独立だと思うんですが、この司法の独立にかかわるような事情とはまた別の事情で今回例外的に行うわけでございますので、司法の独立を保障した憲法の趣旨には違反しないものと考えております。
#125
○井上哲士君 やっぱり、時の政権の政策に沿って報酬を引き下げるというのは私は司法の独立を侵すと思うんですね。
 もう一つ、先ほどの最高裁裁判官会議のコメントからいいますと、人勧の完全実施に加えて憲法違反でないとする要件として挙げられたのが、国家公務員の給与全体が引き下げられるような場合と、こうなっているんですね。
 今回は、自衛隊については東日本大震災での労苦に特段に配慮するということで先延ばしになっております。ですから、全体の引下げではないんですね。しかし、震災の復興、救援というのは国家公務員全体が取り組んできました。自衛隊の派遣命令はもう解除されまして、被災地からはもう撤収しているわけですね。一方、震災復興での一般公務員の対応というのは長期にわたります。特に、司法とか法務に関する仕事というのはこれからむしろ増えていくわけですね。だから、どっちが救援、復興に貢献しているかなど比較できない問題だと思うんですよ。にもかかわらず、なぜ自衛隊だけはそういう措置をするのかと。
 大臣は、自衛隊員と比べて法務省の職員の労苦というのは配慮する必要がないと、こういう御判断でしょうか。
#126
○国務大臣(小川敏夫君) 確かに、委員御指摘のとおり、公務員全体がそれぞれの持ち場持ち場、それぞれの役職について、別に法務省にかかわらず、全ての公務員がしっかりと職責を果たしておるわけでございまして、これは大変に皆評価されるべき仕事をしているのだと思いますし、またこの震災復興に当たりましてもそれぞれの持ち場において努力をしているというふうに考えております。
 ただ、自衛隊員の場合には、やはり復興の現場に、まさに震災発災直後からその被災地の現場におきまして本当に体を張った大変な御苦労を自衛隊員の任務として行っていただいたということについて、特にその点についてはしっかりと対応すべきではないかという観点から行ったものだと承知しております。決して、ほかの公務員がその職責を果たしていないという趣旨では決してありません。
#127
○井上哲士君 これは被災地の職員の方にも削減になるんですね。これ自体、私、復興に逆行すると思いますし、公務員給与の削減法案によりますと課長級以上は一〇%の削減になっておりますけれども、これは大体懲戒処分の水準なんですね。そういう懲戒処分の場合でも大体二ないし三か月だというふうにお聞きしました。今回は二年間削減するわけですね。
 人事院によりますと、例えば飲食後に部下にタクシー内でセクハラ行為をしたと、こういうケースでも十二か月の減給一〇%カットなんです。それを上回るような削減を行うということで、私は本当に法務省の職員の皆さんがこれからもっと頑張っていこうというモチベーションを保てるのかと大変疑問なんですけれども、いかがでしょうか。
#128
○国務大臣(小川敏夫君) 確かに、それぞれの公務員の方におきまして、やはり生活の糧の給与が下がるということは大変につらいものだということは重々承知しております。また、理解しておるところでございますが、しかし一方で、やはり国の財政の問題、大変厳しい状況にあるというときに、やはり公務員が先頭を切ってそうした財政問題に協力しよう、対応しようという姿勢も示していただけたら大変有り難いというふうに考えております。
#129
○井上哲士君 労働組合との話合いも、この三党提出法案についてはされておりませんし、合意もしていないわけですね。にもかかわらず、こういうことをやる。いずれにしても、いろんな議論がある中で自衛隊だけは削減を先送りしたというのは、これもまた政府の政策的、政治的な判断によるものなわけですね。
 そこで、最高裁にお聞きしますけれども、今回の裁判官の報酬の引下げは、先ほどの紹介した二〇〇二年のときの事務総長のコメントで述べている人事院勧告の完全実施、それから公務員給与全体が引き下げられると、憲法に違反しないためといって挙げられた二つの要件をどちらも満たしていないと思います。そして、中立機関である人事院の判断とは違って、震災財源の在り方についても、それから一部の削減を先送りするということも時の政権の政策的、政治的な判断なわけですね。それに沿って裁判官の報酬を引き下げるということは、私は司法の独立にとって大変重大な問題だと思いますが、裁判官会議では、この点についてはどのような議論をし、結論を出されたのでしょうか。
#130
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) お答えいたします。
 裁判官の報酬が憲法上保障規定が置かれているというその趣旨及び重みについては、私どもも十分承知した上でこの間対応してまいったところでございます。
 今回の議員修正に係ります裁判官の報酬の引下げの問題でございますけれども、政府における国家公務員の取扱いに沿った形で裁判官の報酬についても減額支給措置、それから人勧に伴う引下げ、これらを講ずるということにつきましては、了承がされたものでございます。
 これは先ほども申し上げましたけれども、あくまで司法行政事務に関する意思決定機関としての裁判官会議での結論でございます。憲法論も踏まえた上での検討の結果でございます。
 以上でございます。
#131
○井上哲士君 よく分からないんですね。私、前回とは明らかに違うと思うんですが、そのことに対して真剣な検討がされたのかと。
 問題はこれにとどまらないんですね。今回の公務員給与の削減は、震災復興財源のためとされてきました。ところが、先日閣議決定をした社会保障・税の一体改革、この第二章で、「政治改革・行政改革への取組」として、消費税の引上げまでに、国民の納得と信頼を得るために以下のとおり政治改革、行政改革を目指すとした上で、衆議院の議員定数の八十の削減と、この給与臨時特例法案の早期成立を図ると、こういうふうに明記されているわけですね。
 つまり、公務員給与削減の法案というのは消費税増税の地ならしだと、国民の理解を得るためだという位置付けがここでされているんです。これは、昨年六月に給与削減法案を閣議決定したときとは違う中身が付け加えられているわけですね。こういうことになっているということは、法務省として最高裁にちゃんと説明をされたんでしょうか。
#132
○国務大臣(小川敏夫君) 法案そのものは六月に閣議決定した内容でございます。その閣議決定した内容をしっかりこれを実現、実行することが消費税増税に対する一つの一里塚だという趣旨であると思います。
#133
○井上哲士君 ですから、消費税の増税の地ならしのために公務員給与を削減をするということがこの閣議決定なんですよ。これに連動して裁判官の報酬を引き下げるということは、公務員の給与も下げました、裁判官の報酬も引き下げました、だから消費税の増税に理解してくださいと、こういうキャンペーンを張るんでしょう。
 これは、消費税増税というのは与党の中でも反対ありますよ。まさに国論を二分するような、まさに時の政権の政策、政治的判断ですよ。そのキャンペーンのために裁判官の報酬を引き下げると、こんなことで司法の独立守れるんですか。最高裁、いかがですか。
#134
○最高裁判所長官代理者(安浪亮介君) 今、議員お尋ねのところは裁判所の所管することとは違いますので、ちょっとお答えは差し控えさせていただきます。
#135
○国務大臣(小川敏夫君) 消費税の増税の地ならしのために今回のこの臨時的に給与を引き下げるんではなくて、昨年六月の段階でこうした例外的な対応として公務員給与を引き下げるという約束をした、そうしたことをしっかり行っていくことを約束したわけでありまして、消費税増税のためにこの引下げをやるということではなくて、特例的に引き下げるという約束をしたことをしっかりと実行するという趣旨でございます。ですから、ちょっと地ならしというのとはニュアンスが違うなと思っております。
#136
○井上哲士君 しかし、この大綱の中に、消費税引上げまでに、国民の納得と信頼を得るためにこれをやるんだと書いているじゃないですか。だからあれでしょう、こんなまだ衆議院で予算の審議をしている最中に法務委員会開いて閣法を議論するなどという、今までやったことがないような強引なやり方でやっているのはこのためなんでしょう。これに基づいて裁判官の報酬を引き下げるというのは、私は、まさに司法の独立を侵すものでありますし、六月の説明には何もそんなことはなかったはずなんですよ。それを今になってこういうのを後付けをして、裁判官も下げたんだからと、これは私は絶対に許されないと思います。
 時間ですが、最後一点聞きますが、三党修正の関係で、先ほど答弁がありましたけれども、もし三党修正で裁判官を下げることができることになりますと、今回は横並びでしたけど、裁判官だけ更に引き下げるということも理屈上はあり得るという話になると思うんですが、これは私は、まさに一般公務員以上に削減するような修正が仮に行われるようなことがあったら、これは憲法に抵触すると思いますが、その点、いかがでしょうか。
#137
○国務大臣(小川敏夫君) そうした観点から慎重な議論が必要だというふうに思います。
#138
○井上哲士君 私は、やはり憲法上の重大な問題がある国家公務員の給与の大幅削減と一体で時の政権の政策や特定政党の協議に基づいて裁判官の報酬を引き下げるということは更に憲法違反を重ねるものであって、到底容認できないということを申し上げまして、質問を終わります。
#139
○委員長(西田実仁君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#140
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております裁判官報酬法及び検察官俸給法の両法の改正法案に対する反対討論を行います。
 反対の第一の理由は、両法案は、日本経済を悪化させる上、二重の憲法違反である国家公務員給与削減法案と一体のものだからであります。
 国家公務員の給与を平均七・八%も大削減することは、民間労働者にも大きな影響を与えるなど、国民全体の所得減少の悪循環を招き、内需を冷え込ませ、財政の悪化をもたらします。さらに、東日本大震災の被災地の国家公務員からも例外なく給与を削減することは、復興に逆行するものにほかなりません。
 また、国家公務員の労働基本権が憲法の定めに反して制約されたままで、その代償措置としてとられた人事院勧告制度さえ無視して一方的な不利益を国家公務員に押し付けることは、二重の憲法違反にほかなりません。しかも、民主、自民、公明三党による密室協議による議員立法として持ち出され、労働組合の意見も全く聞かずに衆議院で強行されました。労働基本権の全面的な回復こそ、今、国会がやるべきことであります。
 第二の理由は、裁判官の報酬を時の政権の政策に沿って減額をするものであり、憲法七十九条、八十条に反するものであるからであります。
 これまで、裁判官報酬の減額について最高裁は、人事院勧告の完全実施に伴い国家公務員の給与全体が引き下げられるような場合は憲法違反でないとし、小川大臣も副大臣時代に、一番大事な点は人事院勧告完全実施に伴うという要件だと答弁をしてきました。
 しかし、本法案では、憲法の下で初めて人事院勧告を超えて三十四倍もの削減を時の政権の政策に沿って行うものであります。しかも、政府は、税と社会保障一体改革大綱の中で、公務員給与削減を消費税増税の地ならしと位置付けました。
 両案は、これと連動して裁判官の報酬も減額するものであります。まさに政策実現の手段として裁判官の報酬を引き下げるものであり、司法の独立を揺るがす極めて違憲性が強いものであり、到底賛成することはできません。
 以上、反対の理由を述べて、私の討論を終わります。
#141
○委員長(西田実仁君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#142
○委員長(西田実仁君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#143
○委員長(西田実仁君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(西田実仁君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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