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2012/02/24 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 本会議 第5号
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2012/02/24 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 本会議 第5号

#1
第180回国会 本会議 第5号
平成二十四年二月二十四日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第五号
  平成二十四年二月二十四日
   午前十時開議
 第一 国務大臣の報告に関する件(平成二十二
  年度決算の概要について)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(平田健二君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(平成二十二年度決算の概要について)
 財務大臣から発言を求められております。発言を許します。財務大臣安住淳君。
   〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(安住淳君) おはようございます。よろしくお願いします。
 平成二十二年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書、国の債権の現在額総報告並びに物品増減及び現在額総報告につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、平成二十二年度の一般会計の決算につきましては、歳入の決算額は百兆五千三百四十五億円余、歳出の決算額は九十五兆三千百二十三億円余であり、差引き五兆二千二百二十二億円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、財政法第四十一条の規定により、既に平成二十三年度の一般会計の歳入に繰り入れております。
 なお、平成二十二年度における財政法第六条の純剰余金は一兆四千六百五十一億円余となります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額九十六兆七千二百八十三億円余に比べて三兆八千六十一億円余の増加となります。この増加額には、前年度剰余金受入れが予算額に比べて増加した額三兆九千四百三億円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、歳入の純減少額は一千三百四十一億円余となります。
 一方、歳出につきましては、予算額九十六兆七千二百八十三億円余に、平成二十一年度からの繰越額三兆九千四百三億円余を加えました歳出予算現額百兆六千六百八十七億円余に対し、支出済歳出額は九十五兆三千百二十三億円余であり、その差額は五兆三千五百六十四億円余となります。このうち平成二十三年度への繰越額は三兆二千百十五億円余であり、不用額は二兆千四百四十八億円余となっております。
 なお、歳出のうち、経済危機対応・地域活性化予備費につきましては、その予算額は九千九百九十六億円余であり、全額を使用しております。
 また、予備費につきましては、その予算額は三千億円であり、その使用額は一千六百四十九億円余であります。
 次に、平成二十二年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は十八であり、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算のとおりでございます。
 次に、平成二十二年度における国税収納金整理資金の受入れ及び支払につきましては、同資金への収納済額は五十一兆三千八百五十九億円余であり、一般会計の歳入への組入額等は五十兆七千二百二十二億円余であります。
 次に、平成二十二年度の政府関係機関の決算でありますが、その内容につきましては、それぞれの決算書のとおりでございます。
 次に、国の債権の現在額につきましては、平成二十二年度末における国の債権の総額は二百六十四兆十四億円余であります。
 次に、物品の増減及び現在額につきましては、平成二十二年度末における物品の総額は十一兆五千三百九十五億円余であります。
 以上が平成二十二年度の一般会計歳入歳出決算等の概要であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(平田健二君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。川崎稔君。
   〔川崎稔君登壇、拍手〕
#6
○川崎稔君 民主党・新緑風会の川崎稔です。
 私は、会派を代表して、平成二十二年度決算について質問いたします。
 今、国民は、政府・民主党に厳しい目を向けています。多くの国民は、消費税増税について、その実施時期はともかく、厳しい財政事情を考えると仕方ないと比較的冷静に受け止めています。しかし、私たちが忘れてはいけないのは、国民が政権交代に期待していたのは歳出改革、すなわち税金の使い方を変えてほしいということでした。だからこそ、鳩山政権の発足直後に行った事業仕分等の取組に国民は期待し、声援を送ってくれました。
 今の政府に対し国民が感じていることを率直に言えば、事業仕分も一巡し、無駄遣いにメスを入れるのはもうやめたのか、あるいは、税金の使い方を変える努力は小手先だけで、大胆な改革には踏み込まないのではないかという割り切れなさであり、大きな不満ではないでしょうか。
 参議院は決算重視であり、税金の使い方に鋭くメスを入れていくという思いを党派を超えて共有しています。野田政権として、こうした国民の不満をどのように受け止めているのか、思い切った歳出改革に最優先で取り組む意思があるのかどうか、総理の考えをお聞かせください。
 歳出改革への取組が不十分であることは、会計検査院が行った二十二年度決算の検査報告を見ても分かります。そこで指摘された問題点は金額ベースで四千億円以上に上っており、これは過去二番目に多い水準です。また、その中身を見ても、例えばエネルギー対策特別会計の周辺地域整備資金六百五十七億円が完全な余裕資金と指摘されるなど、国の資金が有効に活用されずに眠ったままとなっているケースが目立っています。
 また、決算の検査を行う前に会計検査院が国会に提出した随時報告を見ても、平成二十年度から二十一年度にかけて国庫補助金等により都道府県に造成された基金が二十二年度末で約二兆円も使い残されている事態などが明らかとなっています。このように滞留している膨大な資金の有効活用について、総理の見解を伺います。
 次に、特別会計の問題について伺います。
 特別会計については、近年の改革において様々な取組がなされてきました。しかしながら、特別会計が抱える問題、すなわち、一般会計に比べて予算規模が大きい割に監視の目が行き届きにくい、あるいは、毎年度多額の剰余金を計上し、その大部分がそのまま翌年度に繰り越されているなどの点は依然として未解決のままです。
 今回の二十二年度決算を見ても、特別会計の歳出額は約三百四十五兆円と、一般会計の三倍以上となっています。また、剰余金四十二兆円のうち三十七兆円がそのまま翌年度に繰り越されており、一般会計に繰り入れられているのは三兆円弱にとどまっています。
 政府は、特別会計改革の基本方針を先月、閣議決定しました。この改革により、特別会計を現在の十七から十一へ削減することとなっていますが、先ほど申し上げましたような特別会計の問題点は解消されるのでしょうか。単に、特別会計の帳簿の数は減ったけれども、帳簿の中身の数字は変わっていないということにならないでしょうか。
 今回の特別会計改革が国の財政の仕組みを本気で変えるものなのか、また、具体的にどれだけ歳出削減効果があると考えているか、総理の所見を伺います。
 以上、歳出改革に関して伺いました。
 次に、歳入の問題について伺います。
 今回報告のあった二十二年度一般会計の決算を見ると、歳入については、税収額は約四十一兆円と、過去二十年間で二番目に少ない水準にとどまっています。税収が歳出全体の半分すら賄っていないという財政構造は、ある意味で異常だと思います。
 なぜこれほど税収が少なくなってしまったのでしょうか。多くの国民は、日本経済の低迷や少子高齢化の進展がその原因だと思っています。しかし、我が国の税収不足はもっと構造的な要因を抱えているのではないでしょうか。
 例えば、二十二年度決算で、一般会計の所得税の税収額は十二・九兆円です。この水準は、何と二十四年前の昭和六十一年度の所得税の税収額十三・一兆円よりも少ないのです。では、この間の日本経済が全く成長していないのかといえば、決してそんなことはありません。経済の規模を示すGDP、国内総生産は名目ベースで約四割も拡大しているのです。経済規模が一・四倍になっているのに税収が全く増えていない理由は、現行の税制に何らかの問題があるのではないでしょうか。
 我が国は、過去の税制改正において、税の累進性を大幅に弱め、フラットな税率に変えてしまいました。昭和六十一年の所得税率は十五段階に細かく刻まれ、最高税率は七〇%でした。それが、現在の税率は僅か六段階に簡素化され、最高税率も四〇%にすぎません。これほど累進性を弱めてフラット化し、高額所得部分の大幅減税を行えば、経済が拡大しても、かつてのように税収が増えないのは当然といえば当然です。
 我が国の税収が増えない要因の一つに、こうしたフラット化という構造的な要因がビルトインされているとすれば、消費税増税だけではなく、こうした面にも手を加えなければ国民の納得は得られません。今回の社会保障と税の一体改革では所得税も一部見直す内容となっていますが、この点について総理の御所見を伺います。
 次に、欧州の債務危機との関係で質問します。
 二十二年度一般会計決算における歳入のうち、公債金収入は四十二・三兆円、新規国債発行額としては戦後二番目に多い水準でした。この結果、二十二年度末の普通国債残高は六百三十六・三兆円と、税収の十五年分以上に相当する額に上っています。こうした借金に依存する財政状況は、来る二十四年度予算の政府案を見ても変わりありません。
 これまでのところ、日本の長期国債利回りはおおむね一%程度と低利で安定的に推移しています。しかし、ギリシャを端緒としてヨーロッパの債務危機が深刻化し、ギリシャやポルトガルなどの各国の国債利回りが大幅に上昇するという事態を見ていると、我が国としても決して対岸の火事ではありません。日本の国債に対して市場の信認を確保する上で何より重要なのは、財政再建にしっかり取り組むという国家の意思を市場に対して発信し続けるということだと思います。
 私たち民主党は、前回の総選挙におけるマニフェストで、任期中の四年間は消費税増税は行わないと約束をしました。このため、社会保障と税の一体改革で消費税増税を取り上げるのは公約違反ではないかとの御批判を受けています。
 これに対し、総理は、実際に増税を実施する時期は前回選挙の衆議院議員の任期四年の後であり、公約違反には当たらないと説明されています。理屈では確かにそうですが、国民の目線でいえば、やはり詭弁に聞こえてしまいます。むしろ、政府・与党としては、欧州の金融危機、ソブリンリスクが深刻化する中で、議論を急ぐ必要に迫られたと真正面から堂々と説明をした方が理解を得られるのではないでしょうか。もちろん、実際にいつ増税をするのかは、景気に及ぼす影響を十分見極め、かなり慎重に判断する必要があります。
 繰り返しになりますが、何よりも大切なのは、財政再建に懸ける政府の断固とした姿勢を市場に示すことであって、今すぐ増税しろということでは必ずしもないと思うのですが、この点について総理の所見を伺います。
 最後に、与野党間の協議について申し上げたいと思います。
 社会保障と税の一体改革を始め、郵政改革法案、公務員制度改革法案などの重要課題について、私は野党の皆さんとの事前協議が非常に重要だと思います。
 こうした事前協議について、野党の皆さんからは、談合は良くないとか、議論は国会の場で行うべきという声が出ています。しかし、これらの政策課題は我が国が自公政権のときから抱えてきた懸案事項ばかりです。ですから、長年にわたって政権を担ってこられた自民党や公明党の皆さんにも共に知恵を出してほしいということであります。
 今、国民が政治に期待しているのは党派を超えた建設的な議論です。そういう意味で、事前協議により政治をどんどん進めていくというのも一つの方法ではないでしょうか。
 実際に、幾つかの懸案事項には与野党で答えを見出してきました。更なる協議の進展に向けた総理の期待を伺って、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#7
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おはようございます。
 民主党、川崎稔議員の御質問にお答えをいたします。
 まず最初に、歳出改革についてのお尋ねがございました。
 御指摘の歳出改革がまだ不十分ではないかという国民の皆様の思いは、しっかり受け止めなければならないと思います。政権交代以降、歳出削減については事業仕分の活用などにより大いに取組を進めてきており、平成二十四年度予算においても、提言型政策仕分の提言を適切に反映させ既存予算を見直すとともに、公務部門における定員や庁舎建て替えなどには特に厳しく対応しております。
 無駄の根絶、歳出削減の努力に終わりはありません。今後とも不断に取り組む決意であります。
 続いて、国の資金の有効活用についてのお尋ねがございました。
 平成二十二年度決算検査報告において多くの指摘を受けたことは、政府としてこれを真摯に受け止めております。
 エネルギー対策特別会計の周辺地域整備資金については、会計検査院の指摘を踏まえ、平成二十四年度予算において、東京電力福島第一原子力発電所一号機から四号機に係る交付金等に充当するため、四十九億円を取り崩すこととしたところであります。今後、エネルギー・環境会議における原子力政策見直しに係る議論等を踏まえつつ、引き続き周辺地域整備資金の見直しを検討してまいります。
 また、平成二十年度及び平成二十一年度の補正予算により造成された基金については、震災後のニーズの高まり等に応じて引き続き活用することとしているものでありますが、会計検査院の指摘を踏まえた検証、見直しを徹底し、使用見込みのない基金については国庫返納させるなど、有効活用を図ってまいります。
 政府としては、引き続き国の資金の有効活用に努めてまいります。
 続いて、特別会計改革についての御質問をいただきました。
 今回の特別会計改革は、全ての特別会計及び勘定についての見直しを行い、区分経理の必要性が乏しくなったものを廃止、統合し、国全体の財政状況の総覧性を高め、財政のチェック機能の強化、透明性の向上を図るものであります。会計数を十七から十一に減少させるとともに、全体の勘定の数もおおむね半減させます。
 この改革の結果、一般会計による財政のチェック機能が高まり、川崎議員御指摘の帳簿の中身についても、更なる無駄の排除や対象事業の柔軟な見直し等を通じ、財政資金の効率的な活用が可能となるものと考えております。
 また、特別会計の剰余金等については、これまでも毎年度の予算編成において最大限活用してまいりましたが、改革の方針に沿って、今後も可能な限り一般会計に繰り入れることとし、有効に活用してまいります。
 続いて、税収が減少した理由及び所得税の税率構造についての御質問をいただきました。
 税収の推移を申し上げますと、平成二年度は六十・一兆円でしたが、その後、バブル後の景気低迷により五十兆円前後で推移し、さらに、平成二十年度以降は世界同時不況の影響により大幅に減少し、平成二十二年度決算では四十一・五兆円となっております。また、累次の減税を含む制度改正を行っており、こうしたことも税収の減少に大きく影響しているものと考えております。
 所得税については、税率構造の大幅な累進緩和を含む減税措置を行ってきた結果、所得再分配機能や所得税の負担水準が低下してきておりますが、今回の消費税率の引上げや復興特別所得税による負担増等をも併せ考えますと、幅広い所得層に対して負担増を求めることは慎重に考える必要があります。
 このため、今般の社会保障・税一体改革大綱では、特に高い所得階層に絞って、格差の是正及び所得再分配機能の回復を図る観点から一定の負担増をお願いすることとし、課税所得五千万円超について最高税率を四五%に引き上げることとしております。
 続いて、社会保障と税の一体改革の必要性等に関する御質問をいただきました。
 民主党が前回総選挙時に国民に対して約束したことは、衆議院の任期中には消費税の引上げは行わないということでありました。この方針は今でも変わりありません。
 その上で、社会保障と税の一体改革は、人口構造の急速な高齢化、社会経済状況の変化、欧州の政府債務問題に見られるグローバルな市場の動向を踏まえれば、どの政権であっても先送りできない待ったなしの課題であり、先般、社会保障・税一体改革大綱を閣議決定し、その決意を表明をしたところであります。
 この一体改革の意義や内容を分かりやすく伝えていく努力を重ねつつ、日本という国は財政規律を守る国であるということを内外に行動で示してまいりたいと考えております。
 最後に、政党間協議についてのお尋ねがございました。
 まず、政党間協議については、昨年来、大震災、原発事故との戦いを始め、国家公務員給与臨時特例法案など、大きな成果を上げており、各党のこれまでの御協力に深く感謝を申し上げます。
 また、政府として、協議の結論を尊重し、誠実に対応してまいったと考えております。この事実は、子どものための手当、農家戸別所得補償、高校無償化の問題、さらに郵政改革、政治改革など、国民が期待する課題について、実りある建設的な協議によって今後も合意を得ることが可能であることを示しております。
 そして、既に社会保障・税一体改革についても、その内容について真剣な議論が重ねられ、議論がかみ合いつつあります。
 与党も野党も、国民の皆様のために存在をしております。熟議によって必ず国民の皆様の期待にこたえられるよう、国会内外における与野党協議を追求し、必ずや改革を実現をさせていく決意であります。(拍手)
    ─────────────
#8
○議長(平田健二君) 伊達忠一君。
   〔伊達忠一君登壇、拍手〕
#9
○伊達忠一君 自由民主党の伊達忠一です。
 私は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表して、平成二十二年度決算について質問いたします。
 質問に先立ちまして、天皇陛下におかれましては、先日、無事に手術を終えられましたことを心からお喜びを申し上げますとともに、一日も早い御回復をお祈りいたします。
 それでは、質問に入ります。
 先立ちまして、本日の新聞に細野原発大臣が事故調の黒川委員長に接触したとの報道がありました。これは法律で禁じられていることでありますので、このことについて、まず総理大臣にお伺いをいたします。
 野田内閣は、支持率は、調査によっては、二五%、二九%と、三〇%を割って、発足以来最低になっております。逆に、野田内閣を支持しないという人は過半数を超えています。これは、野田内閣が発足してから半年、目に見える成果を何も出していないことが原因ではないでしょうか。閣僚の失態が相次ぎ、党内をまとめることも、連立与党と協調することも、野党と誠実に話し合うこともできずに、何も前向きな成果を上げていません。
 このような何もやらない内閣、何もできない内閣が居座っていることによって、国民の政治への信頼がどんどん失われているのです。これは、単に民主党の支持率が下がるというだけの問題ではなく、我々政治家全てにかかわる大きな問題であります。
 無党派層が過去最高、調査によっては七割近いという状況は、今の政治への不信と失望の表れにほかなりません。総理、政治家としての誇りをお持ちなら、もっとやる気を出して成果を上げるべきです。私は一政治家として申し上げておきます。
 総理、内閣支持率の低下についてどのようなお考えか、お聞かせをいただきたいと同時に、その責任をどう感じているのか、お伺いをいたします。
 次に、田中防衛大臣の失言について伺います。
 田中大臣は、先日、沖縄で仲井眞知事と会談をされました。会談は、大臣の希望によって、冒頭以外は非公開とされました。失言を恐れたためでしょう。しかし、今回も失言を抑えることはできなかったのです。嘉手納基地のことをカネダと言ったりハネダと言ったりという、初歩的な間違いを犯しているのです。
 このような閣僚を任命することは、総理の沖縄問題に対する誠意のなさの表れで、沖縄県民に対して失礼であり、県民を侮辱しています。田中大臣の任命をどうお感じになっているのか、お伺いをいたします。
 さて、平成二十二年度決算の質問に移ります。
 二十二年度本予算は、民主党が初めて編成したものであり、新規国債発行額が税収を上回るという極めて異常な予算となりました。民主党がマニフェストで華々しくうたった十六・八兆円の無駄削減どころか、本予算としては戦後最大の九十兆円台という歳出。マニフェストで約束したばらまきを実現するために、そうせざるを得なかったのでしょう。
 税収より国債の方が多いというこの状況は、二十四年度予算案に至るまで変わってはおりません。民主党のばらまき体質が改善していない証拠です。国債発行が税収を上回るという今の状況はいつ改善されるのか、総理に伺います。
 次に、二十二年度決算の内容ですが、史上最悪だった二十一年度決算に次ぐひどい内容です。歳出額は二十一年度に次いで史上二番目となる九十五兆円、会計検査院による無駄の指摘額は四千二百八十三億円、法令違反等の不当事項が四百二十五件となっています。民主党政権になってから、二十一、二十二年度と二回続けて最悪の決算です。猛省を求め、二十二年度決算をどう総括するのか、お伺いします。
 また、今回の決算報告の内容を二十四年度予算にどう反映されているのか、併せてお聞かせをいただきたいと思います。
 平成十九年度決算から、我々の強い要求により、会計検査院が指摘してきた不当事項への対処状況が検査報告に記載されることになりました。検査院が昭和二十一年度から平成二十一年度までに指摘した不当事項のうち、是正措置が済んでいないものがいまだ五百七件、百三十一億円に上っています。これらについて、政府は一刻も早く是正すべきでありますが、財務大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
 国の債務も積み上がる一方です。二十二年度末の国の債務残高は九百八十九兆円と、一千兆円が目前です。国と地方の長期債務残高はGDP比で一八〇%、主要先進国で圧倒的に多い数字です。このような状況を増税で乗り切ろうとしているのが野田総理です。
 しかし、単純に増税すれば増収になるというものではありません。
 かつて自民党は、鈴木善幸内閣時代に、土光敏夫氏の第二次臨調を中心に増税なき財政再建を唱えてまいりました。その思想は中曽根内閣以降にも引き継がれ、数々の行政改革として成果を上げてきたのです。
 今の野田内閣がやろうとしていることはこれとは全く正反対で、数々の無駄遣いを続けながら増税を強行するという姿勢では、財政再建なき増税です。これでは、国民や企業の負担が重くなるばかりで、前向きな経済成長など望めません。
 総理は、財政再建と経済成長の関係をどう考えているのか、成長戦略のない増税で財政再建が可能だと考えているのか、お伺いをいたします。
 政府は最近、銀行で長期間使われていない休眠口座の預金まで活用を検討しているようです。人のお金に手を付けてまでばらまきを続けようというのでしょうか。なぜそこまでして財政のやりくりをする必要があるのか、財務大臣にお伺いをいたします。また、これは財産権の侵害ではないでしょうか。見解も伺います。
 次に、決算の早期審査についてお伺いいたします。
 本院は、二院制の下、予算の先議権、優位性を持つ衆議院に対して、独自性を発揮するため、これまで党派を超えて決算審査の充実に取り組んでまいりました。その結果、平成十三年度から十九年度の決算まで、七年連続で通常国会の会期中に審査を終えてきました。
 特に、十五年度決算以降、本院の要請と会計検査院や政府の努力により、毎年、国会開会中であれば十一月二十日前後に決算が国会に提出されています。
 これを受けて、参議院では、決算審査の内容を翌年度の予算編成に反映するための決算審査サイクルを確立をしてまいりました。年内に本会議で質疑を行い、決算委員会で全閣僚出席の全般質疑を行い、翌年の通常国会内に政府に対する厳しい警告決議等を付して決算審査を終えるというスケジュールです。
 しかし、平成二十年度、二十一年度決算は、二年連続で第一党である民主党の不可解な国会運営により、通常国会で決算の議決をすることができませんでした。民主党政権が決算審査サイクルを壊してしまったのです。
 野田総理には、参議院の決算重視の姿勢を重く受け止め、決算の早期審査に取り組んでいただきたいと思います。御見解を伺います。
 また、更なる決算審査の充実のためには、毎年十一月二十日前後である決算の国会提出を更に前倒しする必要があると考えます。これによって、決算審査により時間を掛けることができ、翌年度の予算編成にも審査結果を更に反映しやすくなります。決算提出時期の更なる前倒しができないか、見解を伺います。
 次に、二十二年度決算では、北教組の不適切勤務の問題も指摘されました。北教組の幹部が、民主党の小林千代美前衆議院議員に違法に選挙資金を提供し、政治資金規正法で有罪となったのは記憶に新しいところです。団体としての北教組も罰金刑を受けました。
 この事件を機に、会計検査院が勤務時間中の組合活動などを検査した結果、北海道の教職員延べ六百四十七人に三千三百九十二時間の不適切勤務が発覚したのです。勤務時間中の組合活動のほか、夏休み中に図書館で校外研修をしていると届け出て、実際には図書館が休館日だったという例など、不適切な勤務実態が明らかになりました。会計検査院は計二百三十四万円の国庫支出金の返還を要求しています。
 これは組合とのなれ合い、もたれ合いから生じた不祥事です。北海道選出の私といたしましても、誠に情けない話であり、強い怒りを覚えます。こうしたことが日常化しているのは北海道だけではありません。同時に調査をした沖縄県でも同様の不適切勤務が明らかになっています。
 全四十七都道府県で速やかに同様の調査をして、不適切な給与は国庫返納すべきと考えます。いつまで調査をし、結果を公表するのか、対応をお伺いいたします。
 政府は、今月十七日に社会保障と税の一体改革の大綱を閣議決定いたしました。民主党内にも連立与党内にも異論がある中での強引な閣議決定です。このまま強引に進めれば、必ずやこの先、審議に禍根を残すでしょう。国会審議の前に与党内の意思統一ができるのでしょうか。総理に伺います。
 また、本来、増税は歳出削減や社会保障改革の全体像、経済成長戦略と併せて議論すべきものだと考えますが、御見解をお伺いいたします。
 最近、政府は、一体改革について国民に理解を求めるためと称して全国で対話集会を開いています。しかし、第一回は、全国四会場のうち三会場で定員が十五人。富山県会場では、応募者が八人しかおらず、県知事に人集めをお願いをしたということです。参加者がこの時期に集まらないのは、野田内閣への不信の表れだと思います。また、参加者は一人数分ずつしか発言できず、対話集会になっていないという批判が上がっています。
 このような形ばかりの対話集会で国民の理解が得られるなどと本気でお考えでしょうか。見解をお伺いいたします。
 先日、年金の受給者から過大に源泉徴収を行い、約七万人分、十七億円の年金額が本来よりも少なかったというミスが報道されました。七万人分の入力を忘れたということです。年金は老後の貴重な生活の糧なのですから、支給額を間違えるなんていうことは絶対あってはならないのです。
 どうも民主党政権になってから、無責任な閣僚の下で、職員までもがたるんでいるのではないでしょうか。二度とこのようなことが起きないよう、関係者を厳しく処分し、再発防止に向けた徹底的な措置をとるべきと考えます。
 関係者の処分と再発防止について、政府の対応をお聞きいたします。
 最後に、念願だった政権交代して以降、民主党はおごり高ぶっているのではないでしょうか。おごれる平家も久しからずと言います。次の選挙が民主党にとって壇ノ浦の合戦になることでしょう。そう申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#10
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自民党、伊達議員の御質問にお答えいたしますが、まず最初に、細野大臣と黒川委員長を始め、国会事故調の皆さんとの接触についてお尋ねがございました。
 細野大臣から、二十日に国会事故調の黒川委員長、ほかの方々に会って説明をしたと報告を受けております。これは、原子力組織制度改革法案の内容と趣旨を説明したものと聞いており、事故調の独立性に影響を及ぼす趣旨や内容ではなかったものと認識をしております。
 いずれにしても、国会事故調の調査は非常に重要でありますので、その調査にしっかりと協力し、報告や提言等が出された際には、これをしっかり受け止めていきたいというふうに考えております。
 続いて、支持率についてのお尋ねがございました。
 世論調査における国民の声は叱咤激励として真摯に受け止め、身を引き締め、さらに、「正心誠意」なすべき課題に取り組んでいきたいと考えております。
 野田内閣の使命は、大震災の復興、原発事故との戦い、日本経済の再生、そして社会保障と税一体改革と併せての行政改革と政治改革であります。国民の皆様の声を真摯に受け止め、被災者の皆様、また国民の皆様から御評価いただけるよう、初心を忘れず全力を尽くしてまいることが私の責任であると決意をしております。
 次に、防衛大臣の任命責任についてのお尋ねがございました。
 閣僚の任命に当たりましては、政治家としての経験と蓄積、政策能力などを勘案し、それぞれ適格であるとの判断に基づき任命してまいりましたことは、これまでも申し上げてきたとおりであります。その上で申し上げれば、田中大臣につきましても、外務政務次官、そして参議院の外交防衛委員長の経験を持ち、また、緊張して職務に邁進していると考えております。
 そして、私自身も、国会のお許しをいただいて、二十六、七日に沖縄を訪問し、これまでの経緯についておわびを申し上げるとともに、日米間の協議による早期の負担軽減に向けた取組や沖縄の振興のための取組を御説明をしたいと考えております。
 防衛大臣、私も含めまして、野田内閣一丸となって今後も全力を尽くしてまいることに御理解を賜りたいと思います。
 次に、新規国債発行額と税収の関係についての御質問をいただきました。
 政権交代直前の平成二十一年度一次補正予算後においては、既に公債発行額が四十四・一兆円程度となっておりました。
 その後、リーマン・ショックに伴う経済状況の悪化により、税収が更に大幅に落ち込み、平成二十一年度の予算における税収見込額は、政権交代前には四十六兆円程度であったものが、同年度の最後の補正予算である二次補正予算後には三十七兆円程度と、九兆円程度落ち込むこととなりました。そして、平成二十一年度決算ベースでの公債発行額が税収の額と逆転する状況となりました。
 民主党政権下では、中期財政フレームを定め、社会保障の自然増なども飲み込みつつ、公債発行額を四十四兆円台に抑制しているところであり、また、国債発行額が税収を上回っている額は、二十一年度決算では約十三・二兆円であったところ、二十四年度予算では約一・九兆円となっておりますが、いずれにせよ、歳出歳入両面にわたる努力等により、こうした異例の状況を速やかに改善していかなければなりません。
 現在のような特に厳しい歳入状況は、リーマン・ショックを受けた自公政権末期から始まり、民主党政権でも継続しているのは事実であり、こうした構造からの転換を図る観点からも、社会保障と税の一体改革を推進していくことが重要であると考えております。
 次に、二十二年度決算の総括と二十四年度予算への反映についてのお尋ねがございました。
 平成二十二年度決算の歳出額九十五・三兆円については、社会保障関係費の自然増や二十年度決算において生じた不足の補填の繰戻し分など、やむを得ない増加要因もありました。
 平成二十二年度決算検査報告においては、前年度の件数、指摘金額を下回っているものの、なお多くの指摘を受けたことは、政府としてこれを真摯に受け止めております。
 会計検査院報告を受け、個別の事務事業ごとに必要性や効率性を洗い直し、その結果を予算に適切に反映するよう取り組んだ結果、例えば、独立行政法人住宅金融支援機構に対する政府出資金の規模の見直しなどを行い、総額四百五十二億円を平成二十四年度予算に反映をさせたところであります。
 続いて、財政再建と経済成長についてのお尋ねがございました。
 財政健全化と経済成長は、車の両輪として同時に進めていかなければならない課題であると認識をしております。経済成長については、既に作成している新成長戦略の実行を加速するとともに、日本再生戦略を年央までに策定をし、官民が一体となって着実に実行するなど、日本経済の再生に全力で取り組み、中長期的に持続的な経済成長につなげてまいります。
 他方で、欧州の政府債務問題を見ても明らかなように、悪化した財政を放置すれば、安定した経済成長を実現する上で大きなリスクになりかねないため、財政健全化も着実に進めていく必要があります。その際、経済成長や歳出削減のみでは毎年一兆円規模になる社会保障費の自然増などへの対応は困難であり、消費税率引上げを含む社会保障と税の一体改革の実施により、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を図っていく必要があると考えております。
 続いて、決算の早期審査についてのお尋ねがございました。
 財政状況が厳しい中、決算の重要性はますます高まっており、参議院が決算の審査に重点を置いていただいていることは心から敬意を表し、また、感謝を申し上げます。政府としては、参議院の決算重視の姿勢を重く受け止めており、決算をできる限り速やかに国会に提出することを含めまして、早期審査にできる限り協力をしてまいることを表明をいたします。
 決算の国会提出の前倒しについて御質問をいただきました。
 決算の国会への早期提出については、決算の十分な審議をお願いするため重要であると考えており、参議院からの御要請も踏まえ、平成十五年度決算から原則十一月二十日前後に国会に提出してきているところであります。
 決算の早期提出については、決算事務の電子化を進め、会計検査院とも協力を行うなど取り組んできたところであり、引き続き努力をさせていただきたいと思います。
 続いて、不適切な給与の国庫返納及び教職員の服務規律に関する全国調査についての御質問をいただきました。
 義務教育費国庫負担金の不適切な給与支給分については、国庫返還を求めることは当然であり、現在、文部科学省において返還に向けた手続を進めているところであります。
 公立学校の教職員の服務規律の確保については、各教育委員会の権限と責任において徹底すべきものであり、現時点で勤務実態に関する全国的な調査を行うことは考えておりませんが、今後とも、各教育委員会に対し、教職員の服務規律の確保を図るよう指導をしてまいります。
 次に、与党内の意思統一についての御質問をいただきました。
 社会保障・税一体改革につきましては、昨年六月の成案、今年一月の素案、そして先般の大綱の閣議決定まで政府・与党一体で熟議を尽くし、議論の手順を踏んできております。大きな改革を行うとき、議論があるのは当然でありますが、政府・与党において議論を尽くして決定したことについて、その責任をしっかり果たしてまいります。
 社会保障・税の一体改革は、どの政権でも避けることのできない課題であります。補正予算、そして来年度の予算審議においても真剣かつ建設的な議論が重ねられつつあり、与野党の一致点は必ず見出せるものと確信をしております。与野党の議論を通じて、政府としての責任を持って法案を提出してまいる所存であり、国民の皆様の御期待にこたえる協議を改めてお願いをいたします。
 次に、消費税率引上げと歳出削減、社会保障改革、成長戦略との関係についての御質問をいただきました。
 施政方針演説を始め、国会において再三申し上げてきたとおり、消費税率の引上げを含む社会保障と税の一体改革は、経済再生、自ら身を切る政治・行政改革とも一体で、まさに包括的に進めていかなければならない大きな改革であると考えております。歳出削減、無駄遣いの根絶については、国民の皆様に御負担をお願いをする以上、不断に取り組んでいかなければなりません。
 社会保障改革の全体像については、一体改革大綱において、社会経済情勢の変化に対応した全世代対応型の社会保障制度の構築を目指し、子ども・子育て、年金、医療・介護など、その改革の全体像を示しております。
 経済再生については、新成長戦略の実行を加速するとともに、日本再生戦略を年央までに策定し、官民が一体となって着実に実行するなど、日本経済の再生に全力で取り組み、中長期的に持続的な経済成長につなげてまいります。
 一体改革の対話集会についてのお尋ねがございました。
 御指摘の「明日の安心」対話集会は、一体改革についての政府の説明が不足しているという声を踏まえ、これに真摯に対応したいとの考えから、国民の皆様と副総理、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣を中心とした政務三役が直接向き合って対話をし、一体改革の意義について皆様の理解を深めていただくために開催をしております。
 その運営方法については、実績等も踏まえ、改善の余地がないか、不断に検討してまいりますが、参加した関係閣僚からは、参加者の皆様から率直な御意見をいただき、双方向の対話を行うことができて大変有意義であったと聞いております。
 今後も、一体改革の意義について国民の皆様の理解が深まるよう、国民の皆様の声に耳を傾けながら、政府一体となって様々な方法で積極的な情報発信に努めてまいります。
 次に、年金支給に係るミスについての御質問をいただきました。
 先日、二月十三日、日本年金機構より、委託業者のミスにより所得税を多く取り過ぎ、年金の二月定期支払に際し、本来よりも少ない年金額が支給されることになる旨の公表をしております。
 公的年金に対する国民の信頼回復に努めている中、機構でこのような事務処理誤りが発生したことは大変遺憾であります。
 年金額を誤って少なく支給した受給者にはおわび状をお送りし、本来額との差額を速やかにお支払いするよう機構に取り組ませております。機構内では、原因を究明するとともに、再発防止策を講じることとしており、二度とこのようなことが起こらないよう再発防止を徹底をさせてまいります。
 日本年金機構としての管理監督責任についてもしっかり検証させ、対処させます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(安住淳君) 伊達先生から不当事項の是正と休眠口座の問題について御指摘をいただきました。
 会計検査院からの御指摘のあった不当事項の是正については、まず、会計検査院の決算検査報告におきまして、昭和二十一年度から平成二十一年度の過去の不当事項について指摘された事案のうち、いまだ是正されていないものがあることは、行政に対する信頼を取り戻す観点からも私も問題があると認識をしております。
 今後とも、是正措置が円滑に行われるよう、各省庁において、債務者の所在調査や返還金の督促を行うなど、より一層努力を続けていく必要があると私も考えております。
 次に、休眠口座の活用の在り方を検討をして、また、その財産権との関係はいかなるものであるかという御質問でございました。
 休眠預金の活用につきましては、新たに設置された閣僚級の成長ファイナンス推進会議において、あくまで成長マネーの供給強化、資金の有効活用のための一方策として議論されることになったところと承知しております。ただし、その活用につきましては、時効の援用がない限り預金者は要求すれば払戻しを受けることができるという取扱いを担保することが前提と理解をしております。
 先生からの御指摘の財産権の問題や管理体制、コストといった点も含めて、今後、同会議において、様々な論点について慎重に検討が深められるものと認識をしております。
 以上でございます。(拍手)
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#12
○議長(平田健二君) 西田実仁君。
   〔西田実仁君登壇、拍手〕
#13
○西田実仁君 私は、公明党を代表して、ただいま議題になりました平成二十二年度決算について、総理大臣並びに関係大臣に質問をいたします。
 民主党政権による実質的に初の決算である平成二十二年度決算には、成長を犠牲にして分配を優先した現政権の財政運営の失敗が如実に示されています。
 平成二十二年は、世界経済がリーマン・ショックから回復し、正常な回復軌道に回帰した年でありました。にもかかわらず、日本経済のパフォーマンスの悪さが目立ちます。
 その背景に、リーマン・ショック後に誕生した現政権が、世界経済危機の最中にもかかわらず、無謀にも予算を抜本的に組み替え、成長から分配に財政運営を大転換したことがあります。
 現政権は、成長に資する二つの投資予算を大きく削減してしまいました。すなわち、経済活動の基盤であるインフラ投資、そして人的資本に対する投資の削減であります。公共事業費は過去二十年で最低となり、一般歳出に占めるその比率は一九九三年度の二九%から一〇%へと大幅減、人的資本に対する投資である文教及び科学振興費も九一年度の一四%から一一%へと低下しています。
 経済成長は、日本全体の付加価値額が増えることです。その六割は法人企業から生み出されます。にもかかわらず、現政権では法人企業への財政支援を大きくそぎ落としました。一般会計の公共事業費、経済協力費、中小企業対策費、エネルギー対策費の合計でそれを見ると、平成二十二年度決算では八兆円余りと、リーマン・ショック前の十九年度決算から一割強、二十一年度決算から四割弱削減をしております。
 その結果、法人企業の付加価値額はリーマン・ショック前の水準に至っていません。米国の法人企業の利益がリーマン・ショック前のピークを上回り、税収の回復で財政赤字が昨年四月以降縮小に転じているのとは対照的であります。
 仮に、法人企業の付加価値額がリーマン・ショック前の水準を回復し、法人税収が、二十二年度決算の九兆円ではなく、十九年度決算の十四・七兆円に回復していれば、新規の国債発行額も基礎的財政収支の赤字もそれだけ改善をします。
 成長を犠牲にして分配を優先しても、個人消費の拡大効果や教育投資、農業の活性化など、パイを拡大する効果は一向に見えません。それが平時の理屈にすぎないからです。反対に、現政権の発足後から今日まで、公共投資と企業設備投資のゼロ成長が続き、産業空洞化は進行、経済停滞からの脱却が困難な事態に陥っています。一刻も早くこうした誤った経済財政運営を改めるべきと考えますが、総理の認識を問います。
 一部の報道によれば、平成二十三年度の第一次から第四次までの補正予算の執行が著しく遅れているとされています。被災地の復旧・復興のためにと我々野党も予算の早期成立に協力してまいりましたが、これでは何のためか分からなくなります。震災関連予算の早期執行に向けた体制づくりについて、総理にお聞きをします。
 過去二千年のデータによれば、東日本太平洋側のマグニチュード八以上の地震四例中四例とも十年以内の首都圏直下型地震と連動しており、また、四例中三例は東海・東南海・南海地震と連動しております。早急な防災・減災対策を取らないと、日本国家の存続そのものが危機にさらされかねません。
 そこで、公明党では、二月三日に発表した総合経済対策に関する緊急提言の中で、震災関連予算の早期執行とともに、防災・減災ニューディールの必要性を訴えました。地域の意見や要望等を十分に踏まえた上で、社会インフラ等の老朽化対策を含む災害に強い町づくりのための工程表を作成し、計画的かつ大胆な集中投資を行うべきと提言しております。
 現政権では、コンクリートから人へという誤った方針の下、求められている防災・減災対策にも遅れが生じているのではないかとの懸念が拭い切れません。
 具体的にお聞きをします。
 荒川では、二百年に一度の洪水に対する治水施設等の整備率がいまだ五〇%程度です。一方、地形等の条件が異なるとはいえ、米国のミシシッピ川では五百年に一度の洪水に対する整備率が九四%、イギリス・テムズ川では千年に一度の洪水に対して一〇〇%の整備率。日本の安全度や治水施設等の整備率の低さが目立ちます。にもかかわらず、現政権によるいわゆるダム検証等により、法律に裏付けられた河川整備計画はいまだに作成されていません。
 同計画はいつまでに作成するのでしょうか。今後十年の間に荒川の治水施設等の整備率は何%まで引き上げられるのでしょうか。また、河川管理施設の耐震性は大胆に前倒しをして強化すべきと考えますが、国土交通大臣の所見を伺います。
 会計検査院の指摘によれば、国庫補助による基礎調査の結果が長期間活用されず、土砂災害警戒区域等の指定を行っていないケースが間々見受けられます。この際、政府においては、検査院が指摘するような滞った防災・減災対策がないかどうか、総点検を指示すべきと考えます。総理の所見を伺います。
 コンクリートの寿命は早くて五十年と言われます。日本では今後、この五十歳を迎える社会資本が激増します。閣議決定された平成二十四年度までに、橋梁や下水道等の長寿命化策定作業は終わるのでしょうか。また、その後の事業の実施に向けた予算の確保について、総理の決意をお聞きします。
 会計検査院では過去三年、四十七都道府県と十八政令指定都市を調査し、いずれの自治体でも空出張や業者への預けといった不正な経理による裏金づくりが見付かっています。この度の決算検査報告でも、一部の大学など研究機関において、補助金に関する不正経理が発覚しています。
 検査院から繰り返し指摘されてもなおなくならないこうした不正経理を防止するため、公明党が提案し、自民党とともに国会に提出し、今も継続審議となっている不正経理防止法などの法整備が不可欠です。
 平成二十二年二月の本院決算委員会では、我が党の議員の質問に対して、当時の菅財務大臣が、是非立法を検討していくべきだ、民主党としても協力を申し上げてまいりたいと答弁。野田総理、総理が財務大臣を務めておられた平成二十二年十月の本院決算委員会でも、この不正経理防止法について、関係機関とともによく検討させていただきたいと言われています。随分と長い間検討されているようですが、検討の結果はどのようになっているのでしょうか。
 こうした不正経理の背景には、国からの委託費の問題があることはこれまでも指摘してまいりました。
 委託契約に係る不正経理は、れっきとした法律違反にもかかわらず、当事者にはその自覚はほとんどありません。会計法違反には罰則もなければ懲戒対象にもなっていないからです。国民の皆さんから徴税する際には厳しい罰則規定が設けられながら、その公金を扱うルール、すなわち会計法が余りにずさんです。
 そこで公明党は、会計法について抜本改革すべきと提案してまいりました。平成二十一年十一月三十日の本会議場にて、私は当時の鳩山総理に会計法令に関する抜本改革の必要性を訴えました。その際、総理は、御指摘の点も含めて、今後とも制度面なども含めまして十分に検討してまいりたいと答弁されています。
 指摘したのは、財務省の予算執行の適正化を図るための監査、報告徴求の形骸化や会計法上の罰則規定の欠落など、五つの問題点ですが、それぞれ十分にどのように検討されたのか、それをお聞きして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#14
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党を代表しての西田実仁議員の御質問にお答えをいたします。
 まず最初に、成長と分配についての考え方についてお尋ねがございました。
 成長を通じて経済全体のパイを拡大することは、被災地が確かな復興の道を歩み、将来に繁栄を引き継いでいくとともに、社会保障を支えていく上でも重要であると認識をしております。
 このため、平成二十二年六月に策定した新成長戦略においては、グリーンイノベーションやライフイノベーションの推進により内需を創造するとともに、アジアを中心とする世界の活力の取り込みなどにより外需をつくり出し、成長の実現を図っていくこととしております。
 今後、新成長戦略の成果目標の実現に向け、その実行を加速するとともに、新産業の芽を育てていくことなどに重点を置きつつ、日本再生戦略を年央までに策定し、官民が一体となって着実に実行をしてまいります。
 このように、成長を通じてパイを拡大することと同時に、成長の果実を広く国民が享受できるよう分配の視点も重要であると考えております。具体的には、社会保障と税の一体改革を通じた社会保障の充実は分配に資するものであり、また、所得税や資産課税の見直しを通じた分配機能の強化を図ってまいります。あわせて、労働市場への参画が重要であると考えており、求職者支援制度など、第二セーフティーネットの整備を進めてまいります。
 続いて、震災関係予算の早期執行に向けた体制づくりについての御質問をいただきました。
 一次、二次補正の合計予算額約五・一兆円に対し、一月末現在における執行額は約三・九兆円、執行率は約七六%。さらに、三次補正まで含めた合計予算額約十四・三兆円に対し、一月末現在における執行額は約七・八兆円、執行率約五五%となっております。各府省とも、復旧・復興事業の速やかな執行に鋭意取り組んでいるところであり、補正予算の執行額は日々増加をしております。
 これまで、省庁合同支援チームの被災自治体への派遣による復興計画の早期策定、災害復旧の査定前着工の周知徹底、復興交付金における事業の交付前着工など、早期着手に向けた工夫も行っているところであります。
 今後とも、復興庁に新たに設置した支所等を活用し、現場の状況をきめ細やかに把握し、事業計画と工程表に基づく進捗管理を行うなど、各府省に対し、確実な事業遂行を促してまいります。また、他の地方自治体の職員の更なる応援派遣などにより、復興事業の迅速な実施の支援も行ってまいりたいと考えております。
 続いて、土砂災害警戒区域等の未指定、防災・減災対策の総点検についての御質問をいただきました。
 東日本大震災、そして、その後も相次いだ台風被害、大雪災害等の教訓をしっかりと生かし、今までの想定を大きく上回る規模の災害についても防災対策の充実を図ることが喫緊の課題であります。
 御指摘の土砂災害警戒区域等の指定が行われていない場合の理由といたしましては、地域住民が土砂災害警戒区域等の指定に対して反対していること、市町村の要望に基づき地区単位で一括指定するなどしているため、同一地区内の残りの地点の基礎調査の完了を道府県が待っていること、地域住民への説明等に時間を要していることなどがあるものと承知をしております。
 政府としては、区域指定の進捗状況について広く周知するとともに、先行事例の紹介や住民の理解を深めるための取組を支援し、土砂災害警戒区域等の指定が促進されるよう努めてまいる所存であります。
 今後とも、政府では、災害に強い国づくりを進めていく上で適切かつ効率的な防災・減災対策が行われているか、しっかりと目配りをし、適切に対処してまいる所存であります。
 続いて、社会資本の長寿命化対策についての御質問をいただきました。
 高度経済成長期に集中的に整備された社会資本が今後急速に老朽化することから、社会資本の長寿命化対策は重要な課題であると認識をしております。このため、平成二十一年三月に閣議決定した社会資本整備重点計画において、社会資本の長寿命化・老朽化対策に関する指標を掲げ、平成二十四年度の目標達成に向け、長寿命化計画の策定推進等に取り組んでいるところであります。
 平成二十三年度末の達成率は、道路の橋梁で約七から八割、下水道施設で約七割、港湾岸壁で約八割程度と見込んでおり、平成二十四年度末にはおおむね目標を達成するよう努力をしてまいります。
 長寿命化計画が作成された施設については、計画に基づく適切な点検、補修等を効率的に推進するため、コスト縮減や施設管理者に対する技術支援など、必要な対策を講じてまいります。
 次に、不正経理防止法案についてのお尋ねがございました。
 公務員等の不正経理の防止の徹底を図り、会計検査院の機能を向上していくことは重要な課題であると認識をしています。御党及び自民党から提出された不正経理防止法案は、前国会から継続審議となり、今国会に引き継がれているところであり、民主党においても検討がなされているものと承知をしております。本法案については、今後、政党間において御議論がなされることを期待をしており、政府としては、これらの議論も踏まえ、より一層の予算執行の適正化と不正経理の防止に向けて積極的に取り組む所存でございます。
 次に、予算執行の適正化や会計法令に関する改革の検討内容についてのお尋ねがございました。
 予算執行の適正化の問題については、平成二十二年度から各府省に予算監視・効率化チームを設置し、予算執行の効率化計画の策定、実施状況のチェック、効率化の実績及び更なる改善方策の公表や、いわゆる官製談合防止法の趣旨を踏まえた談合に関与した者に対する厳正な対処など、政府としても取組を進めているところであります。
 会計法に関する御指摘については、会計法が言わば国の会計機関に対する訓令的法規であること、不正経理を行った会計担当者に対しては、民法上の賠償責任や刑法などの適用があることはもちろん、国家公務員法に基づく懲戒処分の対象となることを踏まえる必要があると考えております。
 今後も、予算が国民の税金等により賄われていることを十分踏まえ、運用面、制度面について不断の見直しを重ねてまいりたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせていただきます。(拍手)
   〔国務大臣前田武志君登壇、拍手〕
#15
○国務大臣(前田武志君) 西田議員から、荒川水系の河川整備についてお尋ねがありました。
 荒川は、東京都心を貫流し、その流域は我が国の中枢機能が集中する社会的、経済的に重要な地域であり、流域の関係者の利害も複雑になっております。このため、流域に位置するダム事業の検証の進捗を見ながら、多くの関係者の理解が得られるような河川整備計画の検討をできる限り速やかに行ってまいる考えであります。
 関東平野を流れる荒川は、直轄管理区間のほとんどが築堤区間となっていますが、堤防の高さや幅が一部不足している区間があるものの、中流域にある広大な河川敷を活用した遊水地の効果と併せて、近年発生した洪水に対応するために必要な堤防はおおむね整備されている状況です。
 しかしながら、中枢機能が集中している重要な流域を守る必要があることから、より大きな洪水にも耐えられるよう、はんらんした場合に発生する被害が大きい区間を優先しながら、所要の高さや幅を持った堤防の整備や強化対策を更に進めてまいります。
 河川堤防等の耐震化については、これまでも対策を進めてきましたが、東日本大震災では東北地方や関東地方において液状化等による著しい被害が発生したことも踏まえ、液状化対策等を強化して耐震性の向上に一層努めてまいります。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#16
○議長(平田健二君) 柴田巧君。
   〔柴田巧君登壇、拍手〕
#17
○柴田巧君 柴田巧です。
 私は、みんなの党を代表して、ただいま議題となりました平成二十二年度決算に関し、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 さて、民主党は、さきの総選挙で、マニフェストに掲げた政策を増税することなく実現できると国民に約束して政権を獲得しました。しかし、天下りはむしろ巧妙に拡大され、税金の無駄遣い撲滅はパフォーマンスに終わり、予算を組み替えることもできずに政権交代三年目を迎えています。
 そして、あろうことか、自らのばらまきによる歳出の肥大化の後始末、民主党政権の失政のしり拭いを消費税増税で賄うべく、現内閣は、その発足以来、まさに増税一直線で突き進もうとしています。
 私たちみんなの党は、増税の前にやるべきことがあるだろうというのが変わらぬ政治信条ですが、今政治に求められているのは、安易に増税に頼るのではなく、まずは具体的で実効性のある税金の無駄遣い削減の仕組みづくりだということを改めて申し上げます。
 そういう中で、平成二十二年度決算は、鳩山内閣の下で予算が編成され、鳩山、菅両内閣で執行した結果であり、政権交代後、民主党政権そのものに対する真の評価、通信簿であります。
 ところが、会計検査院による決算検査報告によれば、指摘金額は四千二百八十三億円と、過去二番目に多い金額であり、しかも、独立行政法人や特別会計に多額の余剰金が判明するなど、依然、国の事業の無駄や不正が後を絶たないのが実情です。これは、民主党政権の税金の無駄遣い切り込みが余りにも弱く、取組の不十分さ、やる気のなさを如実に表しています。
 このような決算が出ること自体、政権交代後、財務副大臣、財務大臣、そして総理大臣として一貫して政権の中枢におられる総理は最も反省すべきお一人だと思いますが、総理の御見解をまずお伺いをしたいと思います。
 次に、独立行政法人並びに特別会計改革についてお聞きをします。
 さきに政府は、独法の数を百二から四割削減して六十五法人に、特会を十七から十一に削減することを柱とする改革案をまとめました。これは、消費税増税をにらみ、行革への取組をアピールするのが狙いなのでしょうが、マニフェストの財源を生み出すはずだった独法、特会の改革が、マニフェストには書いてなかった増税の地ならし的な役目を担っている現実は、全くの皮肉としか言いようがありません。
 そして、その中身はといえば、例えば独法改革では、法人の統合が大半で、廃止や民営化などの純減が少ないがゆえに、目標としていた半減には及んでいません。これでは、法人の頭数をたとえ減らしても、組織的な実態は生き延びる可能性が大で、天下りポストが温存されることになりかねません。
 とにかく、取って付けたような数合わせや看板の掛け替えでは、国民の理解は到底得られないでしょう。
 しかも、最も肝心の改革による財源捻出に関しては、今国会で我が党の議員がその額について質問しても、総理や関係大臣から、幾らか定量化できないとの答弁が続いています。
 民主党は、積年の税金の無駄遣いを一掃して予算を組み替えれば、マニフェストの実現に必要な財源を捻出可能と訴えて政権を獲得したわけですから、また、マニフェストに独法・特会改革等により六兆一千億円と数値目標を示したわけですから、今回の改革案で支出額を示さないのでは、その本気度が伝わりません。
 そこで、政府の独法・特会改革案でどれだけの財源が捻出できるのか、予算削減効果があるのか、まずその試算を出すべきでありますが、総理にお尋ねをいたします。
 独法改革は、単なる数合わせよりも中身、質の改革こそ求められます。しかし、この点においても政府の改革案は生煮えだと言わざるを得ません。
 我が党の渡辺喜美代表は、かつて行革担当大臣の際に独法の整理合理化計画、いわゆる渡辺プランをまとめましたが、総理は先般、今回の政府の改革案にもいかにもそのプランも取り入れたかのごとく答弁をされました。しかし、独法を各省の子会社から国民共有の財産に変えるという渡辺プランの根底にある基本思想が全く見られません。
 まず、各省庁に従属する子会社という現在の独法の位置付けを抜本的に改めたり、内閣によるガバナンスや人事を一元化するなど、徹底した改革を断行するという強い意思が感じられません。また、技術系の研究所を省庁の壁を越えて合併するような発想が皆無であり、省庁縦割りの枠内で改革案を策定しています。これでは、まさに官僚主導で、改革のまね事にすぎません。
 本当にこんな改革案でいいのですか。総理の御所見をお伺いをします。
 次に、政府調達改革についてお聞きをします。
 政府調達については、これまでも問題が発生するたびに対策が講じられてきましたが、従前の取組は対処療法が中心で、問題の背景にある調達契約制度や調達の実施体制には触れず、本質的な問題が解決されてきませんでした。このため、今こそ抜本的、根本的な改革が必要です。
 まず、政府調達の問題は、一言で言えば透明性と競争性が極めて乏しいことにありますが、その代表例がいわゆる少額随意契約です。我が国では、製造、工事の場合二百五十万円、物品購入の場合百六十万円、そして物件借入れの場合は八十万円以上なら入札になりますが、それ未満の場合は発注者が競争の方法によらず随意契約にしてよいとされています。
 この少額随契は、我が事務所の独自の調査によれば、平成二十二年度の場合、各府省の全契約約百九十九万件のうち九二%を占めており、金額にするとおよそ三千二百七億円と推計されますが、実際の取引状況、契約状況はやみの中にあります。
 というのも、これまでは公開の義務がなく、その総額、中身を把握し網羅的に一覧する官庁会計システムも未整備ゆえです。それゆえ、システムを早期に整備することが求められます。また、そのことが予算執行と決算の透明性を高め、外部の監視などが容易になり、職員側も自発的に経費節減に努めるようになる効果が見込めるものと思います。
 安住財務大臣は、システムの開発を急ぐ旨の答弁をされていますが、いまだでき上がってはおりません。いつまでも不透明な取引状況を放置していることは、政府調達改革においても民主党はやる気がない証拠だと言わざるを得ません。
 そこで、少額随意契約の取引実態を明らかにするために早急に官庁会計システムを構築すべきでありますが、いつまでに開発するのか、安住財務大臣にお伺いをします。
 政府調達の見直しを図るには、調達に関する政府全体の政策を企画立案し、その確実な実施に責任を負う人材と組織が必要です。このため、民間からの登用も含め、専門的な人材の育成や府省を超えて一元的に改革を実施する組織、つまり司令塔が求められます。このことにより、予算の節減だけでなく、政府調達の質の向上や、新しい技術を取り入れてイノベーション促進の手段とすることも可能になります。
 総理は、さきの決算委員会でも、私の質問に答え、調達改革を進めるに当たり、司令塔の必要性は認められました。だとするならば、その設置に向けた取組方法とスケジュールを明確にすべきであります。
 そこで、どのように、そしていつまでに調達改革の司令塔を設置するのか、総理にお尋ねをいたします。
 いずれにせよ、口だけで行政の無駄遣いを一掃と言ってみても、それを実現する仕組みをつくらなければ現実のものになりません。
 そこで、調達改革を推進するには、明確な戦略、方針の下、具体的な改革プログラムの策定や数値目標の設定を行い、そして、それらを義務付けるなど、無駄遣いの撲滅に向けて実効性のある仕組みづくりを進めるべきでありますが、どのように取り組むのか、総理にお伺いをいたします。
 最後に、総理のお父様のふるさとは私の地元である富山県でありますが、その西部地方はドジョウのかば焼きの産地として有名であります。総理がドジョウの政治を標榜されて以来、おかげさまで富山のドジョウのかば焼きの売行きは大変好調であります。
 このことは結構なことでありますが、しかし、御存じのように、ドジョウは都合が悪いと泥の中に潜ってしまうものであります。どうやら総理にもその傾向が見えているのではないでしょうか。しかも、あのサギが喜んで食べる大好物がドジョウであります。鳩山、菅両内閣で民主党のマニフェストは詐欺であったと言われておりますが、このままでは野田ドジョウ内閣もサギの腹の中に入ってしまうのは、もはや時間の問題です。そうなりたくなければ、増税の前にやるべきことをやれということをいま一度申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#18
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 柴田巧議員の御質問にお答えをいたします。
 ドジョウのかば焼きが売れているということ、何よりであります。
 まずは、税金の無駄遣い根絶への取組についての御質問をいただきました。
 平成二十二年度決算検査報告において多くの御指摘を受けたことは、政府としてこれを真摯に受け止めております。政権交代後、事業仕分や提言型政策仕分の実施、予算監視・効率化チームの設置など、新しい手法を導入して、その結果を予算に反映させてきたところであります。今後も引き続き、無駄を徹底して排除し、国民の信頼を得るべく努力をしてまいります。
 続いて、独立行政法人改革と特別会計改革による財源の捻出についてのお尋ねがございました。
 政権交代後、独立行政法人に係る予算を削減をしており、これまで約二兆円の不要資産が国庫納付されることとなったほか、国からの財政支出も政権交代前と比較して約一割の削減となっております。
 今回の独立行政法人改革は、法人の政策実施機能とガバナンスの強化を主な目的として新たな制度、組織を構築しようとするものであります。大胆な統廃合と機能の最適化により、法人数を約四割弱削減をいたします。予算削減効果を定量化することは難しいものの、この改革により、法人の統合等による間接経費の削減が見込まれるほか、一層効率的な業務運営が確保され、従来発生していた無駄を未然に防止することを通じ、将来的に国の財政負担の軽減に寄与していくものと考えております。
 また、今回の特別会計改革は、全ての特別会計及び勘定について見直しを行い、区分経理の必要性が乏しくなったものを廃止、統合し、国全体の財政状況の総覧性を高め、財政のチェック機能の強化、透明性の向上を図るものであります。会計数を十七から十一に減少させるとともに、全体の勘定の数もおおむね半減をさせます。この改革の結果、予算の削減効果について定量化は難しいものの、一般会計による財政のチェック機能が高まり、更なる無駄の排除や対象事業の柔軟な見直し等を通じ、財政資金の効率的な活用が可能となるものと考えております。
 特別会計の剰余金等については、これまでも毎年度の予算編成において最大限活用してまいりましたが、改革の方針に沿って、今後も可能な限り一般会計に繰り入れることとし、有効に活用してまいります。
 今回の独立行政法人改革について更なる御質問をいただきました。
 今回の独立行政法人の改革は、現行の制度と組織の在り方を抜本的かつ一体的に見直すものであり、これにより、最適なガバナンスが構築され、法人の政策実施機能が最大限発揮されるものと考えております。
 制度面では、具体的に、一貫性、実効性のある目標、評価の仕組みの構築、監事機能の強化など法人のガバナンスの強化、役員任命に当たっての公募の活用や法人から関連会社等への再就職の規制など人事管理の適正化等を図ることとしております。また、組織の在り方についても、政策実施機能の強化等の視点から、既存の枠にとらわれることなくゼロベースで見直しを行ったところであります。
 今後、法制化に向けて更なる検討を行い、国民から信頼される新たな法人制度を構築をしてまいります。
 続いて、政府調達改革の司令塔についてのお尋ねがございました。
 政府調達改革に関しては、これまでも、内閣官房や内閣府が中心となって随意契約の見直しなどの取組を行ってきたところでありますが、単なるコスト削減ではなく、抜本的な改革を推進するに当たっては、御指摘のとおり、司令塔となる人材や組織を検討する必要があると考えます。
 こうした考え方の下で、行政刷新会議公共サービス改革分科会が昨年四月に取りまとめた公共サービス改革プログラムにおいては、調達に関する戦略の策定や情報の集積、実績の評価、人材育成等を行う司令塔的な体制について研究することとされており、諸外国の事例等も参考に研究を深めた上で、その取組方法やスケジュールの検討を進めてまいりたいと考えております。
 政府調達の改革に向けた具体的な計画の策定等についてお尋ねがございました。
 公共サービス改革プログラムでは、戦略的な調達を実現するための基本方針と調達を改善するための具体策が提言をされています。これに基づき、今年度から競り下げの試行や共同調達の拡大などの取組を進めているところであります。
 また、単なるコスト節減ではなく、より良い調達を行うには、中長期的な目標の設定とPDCAサイクルの策定が重要であり、まずは、その目標の設定に向けて、各府省の調達の実態を検証する必要があることから、各府省において調達改善計画を策定することとしています。
 今後とも、納税者の視点に立って、より良い公共サービスを提供するため、このプログラムに掲げられた方向性に沿って調達改革を進めてまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(安住淳君) 柴田先生にお答え申し上げます。
 少額随意契約の取引実態を明らかにして、そしてシステム構築をするようにと、これは以前、決算委員会でも御指摘をいただいておりました。
 少額随意契約の取引実態を明らかにするための取組は、政府全体の取り組むべき課題であるということは認識をしております。内閣府等との連携の下、現在検討を進めております。
 官庁会計システムは品目、単価等の情報を共有していないこと、これは先ほど御指摘もありました。少額随意契約の取引実態を明らかにするシステム構築には、政府全体のシステムの調整が必要といった課題も存在することから、今、財務省においてはできるだけ早くこの検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#20
○議長(平田健二君) 田村智子君。
   〔田村智子君登壇、拍手〕
#21
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 民主党政権が自ら作り執行した初めての決算である二〇一〇年度決算。この審議では、政権交代に託した国民の期待は何だったのか、それにこたえる政治は行われたのかが問われなければなりません。
 二〇一〇年度から始まった高校授業料の無償化は、期待にこたえる最初の一歩でした。ここから更に教育費負担の軽減をさせることが求められていました。ところが、やっと踏み出した高校無償化さえ、民主、自民、公明の三党によって見直されようとしている。子供や教育にかかわる政策の行方が一部政党間の協議に左右されるなど、断じて許されません。
 昨年十二月、遺児と母親の全国大会に藤村官房長官が出席し、野田首相のメッセージを代読されました。父親や母親を亡くし、経済的な困難に直面する若者たちに、未来に確かな希望が持てるよう、全力で取組を進めていくと明言された。ならば、この大会でも強く要求された給付制奨学金の創設、私立高校授業料の無償化、そして、国連人権規約に基づいて、大学を含めた段階的な教育費の無償化に踏み出すべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
 少子化の下で社会保障をどう支えていくか、今国会の焦点の一つです。私は、少子化なればこそ、若者たちが安定して働き、社会の担い手となることが切迫して求められていると考えます。
 現状はどうか。先日発表された労働力調査では、政権交代以降、正規雇用の労働者は五十万人減り、一方、非正規は八十三万人も増え、働く若者の半数以上が非正規雇用となってしまいました。非正規雇用の労働者、その七割以上は年収二百万円以下、三か月や半年という雇用契約でいつ仕事を失うか分からない。これでどうして税や社会保障、経済、産業の担い手となれるのか、結婚や出産に希望が持てるのか。このままでは日本社会の基盤が崩れかねません。
 総理、この現状をどう考えますか。税と社会保障の改革というならば、この問題にこそメスを入れるべきではないでしょうか。一体、この二年半、非正規雇用の増大に歯止めを掛けるために民主党政権は何をやってきたのか。日本経団連や大企業に足を運び、リストラをやめ、内部留保を生かして正規雇用を拡大するよう求めたことがあったのか、明確にお答えください。
 今国会では労働契約法の改定が行われようとしています。これは、事実上、有期雇用の上限を五年とし、五年を超えれば強制力をもって期限の定めのない雇用にするというものですが、大企業の現状を見れば、五年を前にして雇い止めが横行することは火を見るよりも明らかです。これで正規雇用が増える保障がどこにあるのか。やるべきは、使い捨て雇用に歯止めを掛けること、そのために合理的な理由のない有期雇用を厳しく規制する法改正ではありませんか。総理の見解をお聞きします。
 最低賃金の引上げも待ったなしです。国民所得の底上げこそ、景気も税収も健全に回復する確かな道です。民主党は全国平均千円の最低賃金を目指すとしていますが、いまだ七百円に達しない都道府県は三十二県もあります。また、賃金引上げのための中小企業支援策は余りに不十分。来年度はその予算さえ減らそうとしています。なぜ中小企業支援の予算を減らすのか。賃金の底上げを図るために全国一律千円の最低賃金に踏み出すべきではないのか、お答えください。
 人間らしい雇用を保障してこそ、若者たちは自分たちの力を社会の中で遺憾なく発揮でき、それこそが日本社会発展の力となるでしょう。そのための政策に全力を尽くす決意を述べ、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#22
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 日本共産党の田村議員の御質問にお答えをいたします。
 まず最初に、給付型奨学金、高校授業料など教育費の無償化についての御質問をいただきました。
 全ての意思ある若者が教育を受けられる仕組みを構築することは大変重要であると考えております。このため、奨学金については、所得連動返済型の無利子奨学金制度の創設や高校生修学支援基金の三年間の延長など、高校、大学における実効性のある奨学金制度の充実、授業料負担の軽減については、公立高校生は授業料不徴収、私立高校生等は低所得世帯に手厚い高等学校等就学支援金制度による高校実質無償化、また、都道府県や大学による授業料減免への支援などの施策を進めているところであります。
 政府としては、国際人権規約の趣旨も踏まえつつ、今後とも全ての意思ある若者が教育を受けられるよう努めてまいります。
 次に、非正規雇用問題への認識と対応、有期雇用についてのお尋ねがございました。
 非正規労働者は、正規労働者と比べ、雇用調整の対象となりやすい、相対的に低賃金であり有配偶率も低いなど、雇用や生活が不安定であると認識をしています。
 このため、ハローワークにおける就職支援や各種助成金の支給により正社員としての就職や処遇の改善を支援するとともに、労働者派遣法改正案を国会に提出しているところであります。また、急激な円高の下、昨年十月には厚生労働大臣から主要経済団体等に非正規労働者への配慮を要請をしております。さらに、社会保障と税の一体改革でも、就労促進やディーセントワークの観点から、非正規雇用問題に横断的に取り組むことが重要と認識をしており、そのための総合的ビジョンを年度内に策定をし、政労使の社会的合意を進めつつ取り組んでまいります。
 次に、有期雇用の問題については、有期労働契約が五年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより無期労働契約に転換させる仕組みなどを柱とする労働契約法改正案を今国会に提出をする予定であります。
 五年手前での雇い止めへの懸念については、雇い止めを制限する判例法理である雇い止め法理も併せて法制化する等により、五年手前での雇い止めに一定の歯止めを掛けつつ、無期労働契約への円滑な転換を促してまいります。
 最低賃金について、最後にお尋ねがございました。
 最低賃金の引上げについては、平成二十二年六月に策定した新成長戦略において、二〇二〇年までの目標として全国最低八百円、全国平均千円を掲げており、この目標を達成するためにも中小企業への配慮は欠かせないものと考えています。
 今後とも、最低賃金の引上げにより最も影響を受ける中小企業に対してはしっかりと配慮しながら、最低賃金の引上げに着実に取り組んでまいります。(拍手)
#23
○議長(平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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