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2012/03/21 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 本会議 第7号
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2012/03/21 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 本会議 第7号

#1
第180回国会 本会議 第7号
平成二十四年三月二十一日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第七号
    ─────────────
  平成二十四年三月二十一日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 特別会計に関する法律の一部を改正する
  法律案(閣法第三号)及び租税特別措置法等
  の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 第二 国務大臣の報告に関する件(平成二十四
  年度地方財政計画について)
 第三 地方税法及び国有資産等所在市町村交付
  金法の一部を改正する法律案及び地方交付税
  法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(平田健二君) これより会議を開きます。
 日程第一 特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(閣法第三号)及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 日程第二 国務大臣の報告に関する件(平成二十四年度地方財政計画について)
 日程第三 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 以上三件を一括して議題といたします。
 三件について、提出者の趣旨説明及び国務大臣の報告を順次求めます。財務大臣安住淳君。
   〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(安住淳君) おはようございます。よろしくお願いします。
 ただいま議題となりました特別会計に関する法律の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、特別会計に関する法律の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 本法律案は、昨年の第百七十九回国会において、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法の国会による一部修正により追加されました同法附則第十七条第一項の規定を踏まえ、東日本大震災復興特別会計を設置することとし、その目的、管理及び経理等について定めるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、この特別会計は、東日本大震災からの復興に係る国の資金の流れの透明化を図るとともに、復興債の償還を適切に管理するため、復興事業に関する経理を明確にすることを目的とすることとしております。
 第二に、この特別会計は、衆議院議長及び参議院議長等並びに内閣総理大臣及び各省大臣が、法令で定めるところに従い、管理することとし、復興事業を統括する復興庁の長である内閣総理大臣の委任を受けた復興大臣がこの特別会計全体の計算整理事務を行うことができることとしております。
 第三に、この特別会計は、復興特別所得税及び復興特別法人税の収入、一般会計からの繰入金、復興債の発行収入金等をもってその歳入とし、復興事業に要する費用、各特別会計への繰入金、復興債の償還金及び利子等をもってその歳出とすることとしております。
 その他、この特別会計の予算及び決算の作成及び提出に関し、必要な事項を始め、経理に関する必要な事項を定めることとしております。
 第四に、附則において、この特別会計は、復興庁が廃止されたときは、別に法律で定めるところにより、廃止するものとし、その際には、政府は、復興事業の進捗状況等を踏まえ、所要の措置を講ずることとしております。
 また、この特別会計の設置に伴い、平成二十三年度一般会計補正予算(第3号)において発行した復興債を承継するなどの必要な経過規定を設けることとしております。
 次に、租税特別措置法等の一部を改正する法律案について御説明申し上げます。
 本法律案は、国税に関し、新成長戦略の実現並びに税制の公平性の確保及び課税の適正化の観点から要請される特に喫緊の課題に対応するため、個人所得課税、法人課税、資産課税、消費課税、国際課税等について所要の措置を講ずるものであります。
 以下、その大要を申し上げます。
 第一に、個人所得課税について、認定低炭素住宅の新築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除制度の創設、給与所得控除の上限設定、勤続年数五年以下の法人役員等の退職所得課税の見直し等を行うこととしております。
 第二に、法人課税について、環境関連投資促進税制の太陽光発電設備及び風力発電設備に係る即時償却制度の創設、中小企業投資促進税制の拡充等を行うこととしております。
 第三に、資産課税について、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置の拡充、延長等を行うこととしております。
 第四に、消費課税について、自動車重量税に係る税率の見直し及び環境性能に優れた自動車に対する軽減措置の拡充、延長、地球温暖化対策のための課税の特別の創設等を行うこととしております。
 第五に、国際課税について、国税に係る徴収及び送達の共助に係る国内法の整備、国外財産調書制度の創設等を行うこととしております。
 その他、試験研究費に係る税額控除制度における試験研究費が増加した場合の特例の適用期限を延長するなど、適用期限の到来する特別措置の延長、既存の特別措置の整理合理化等の所要の措置を講ずることとしております。
 以上、特別会計に関する法律の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(平田健二君) 総務大臣川端達夫君。
   〔国務大臣川端達夫君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(川端達夫君) 平成二十四年度地方財政計画の概要並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成二十四年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 本計画の策定に際しては、被災団体が東日本大震災からの復旧・復興事業に着実に取り組めるようにするとともに、被災団体以外の地方団体の財政運営に影響を及ぼすことがないよう、通常収支分と東日本大震災分を区分して整理しております。
 通常収支分については、極めて厳しい地方財政の現状及び現下の経済情勢等を踏まえ、国の取組と基調を合わせつつ、経費全般について徹底した節減合理化に努める一方、社会保障関係費の増加や地域経済の基盤強化等に必要な経費を計上し、引き続き生じる財源不足については適切な補填措置を講ずることとして、地方交付税の総額を前年度に比して増額確保しております。その上で、中期財政フレームに沿って、地方の一般財源総額について、前年度の地方財政計画と実質的に同水準を確保することとしております。
 また、東日本大震災分については、復旧・復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等の全額を措置する震災復興特別交付税を確保するとともに、全国的に緊急に実施する防災・減災事業について、全国防災対策費に係る補助事業費、地方単独事業費等を計上しております。
 以上の方針の下に、平成二十四年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の総額の規模は、通常収支分については、前年度に比べ六千四百七億円減の八十一兆八千六百四十七億円、東日本大震災分については、復旧・復興事業が一兆七千七百八十八億円、緊急防災・減災事業が六千三百二十九億円となっております。
 次に、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 地方税に関し、新成長戦略の実現並びに税制の公平性の確保及び課税の適正化の観点から要請される特に喫緊の課題に対応するため、自動車取得税に係る環境への負荷の少ない自動車を対象とした税率の軽減等の特例措置について要件を変更して延長するとともに、土地に係る固定資産税及び都市計画税について住宅用地に係る据置特例を廃止しつつ平成二十四年度の評価替えに伴う税負担の調整を行うほか、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成二十四年度分の通常収支に係る地方交付税の総額について、十七兆四千五百四十五億円を確保するとともに、単位費用の改定を行うほか、平成二十四年度分の東日本大震災に係る震災復興特別交付税の総額について、六千八百五十五億円を確保し、あわせて、電磁的記録による当せん金付証票を導入する等の改正を行うこととしております。
 以上が、平成二十四年度地方財政計画の概要並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
    ─────────────
#7
○議長(平田健二君) ただいまの趣旨説明及び報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。難波奨二君。
   〔難波奨二君登壇、拍手〕
#8
○難波奨二君 民主党・新緑風会の難波奨二でございます。
 ただいま議題となりました平成二十四年度予算に関連する租税特別措置法、特別会計法、地方税法、地方交付税法等の改正案及び地方財政計画につきまして、会派を代表して質問をいたします。
 質問に入ります前に一言申し上げます。
 去る三月十一日、東日本大震災から一周年を迎え、天皇皇后両陛下御臨席の下、政府主催の追悼式が行われました。地震が発生した午後二時四十六分には全国で黙祷がささげられたところでございます。私は、改めて犠牲になられた方々に哀悼の誠をささげ、また、被災に遭われた皆様の御苦労に思いを致し、国会議員として震災復興に一段と力を尽くしていく決意でございます。
 さて、民主党政権は、平成二十三年度において、戦後混乱期以来六十年ぶりに四次にもわたる補正予算を組み、東日本大震災に対して緊急、必要な事業に取り組んでまいりました。九十兆円余りの平成二十四年度予算案は、いよいよ未来をも見据えた地域の再生に向けて言わば打って出る予算となっており、その様々な対策が盛り込まれております。
 予算案は、今月八日に衆議院を通過したため、ねじれ国会とはいえ、憲法上の衆議院の優越によって来月六日には自然成立する運びとなっています。仮に年度内成立しなかった場合、短期間とはいえ、新年度当初から暫定予算を組まなくてはなりません。その場合には、国民全体の士気も上がらず、景気への悪影響も懸念されることになります。
 そこで、復調の兆しにある現下の経済状況に鑑み、予算案の年度内成立に向けた総理の御所見をお伺いいたします。
 先週、日経平均株価が約七か月ぶりに一万円台を回復し、円相場が一時一ドル八十三円七十七銭前後と、約十一か月ぶりの円安ドル高水準になりました。国内消費も復調しつつあります。復興需要が本格化して、少しずつではありますが、景気は回復に向かっています。総理は、こうした景気動向についてどのように御判断されているのでしょうか。
 一方、来年度予算をめぐっては、景気の回復基調に悪影響を及ぼしかねない問題が出ております。本予算の裏付けとなる特例公債法案の成立の遅れでございます。残念なことではありますが、いまだ衆議院で採決に至っておりません。このままですと、政治の混乱として、景気回復の足を引っ張りかねない事態となってまいります。総理としてこの問題にどのように対処されるのか、御見解をお伺いいたします。
 次に、震災復興関連についてお尋ねします。
 未曽有の大震災からこの一年、被災者の方々、被災自治体関係者が復旧・復興に向けて懸命に取り組まれてきたことはもちろん、政府もこれまで様々な措置を講じてきたことは承知しているところであります。しかし、全体の六%程度しか終わっていない瓦れき処理の遅れや、約六万五千人もの人々が求職中と言われる被災地域の深刻な雇用問題、また、原発事故避難者の一日も早い帰還を実現するための放射性物質の除染作業など、まだまだ政府の責任においてやるべき仕事は山積をしております。
 これまでに政府は、復旧・復興事業費として、平成二十三年度の補正予算において約十四・五兆円を措置し、平成二十四年度予算においても復興特会として約三・七兆円の予算を組んでおりますが、まず、政府として、これまでの予算執行状況についてどのように自己評価されているのでしょうか。とりわけ、地域主導の復興という観点から、被災自治体の意向が最大限生かされ、スピード感のある施策実施となっているのでしょうか。また、被災地の実情や復興状況を踏まえつつ、今後とも必要な財政上の措置を講じていくべきと考えますが、具体的にどのように取り組んでいくお考えでしょうか。平野復興担当大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
 また、この際、訴えておきたいのは、瓦れき処理問題です。
 先ほども申し上げましたが、約二千二百万トンもの瓦れきが一年過ぎた今も被災地で無残な姿をさらしております。一部に放射性物質に汚染された瓦れきが含まれているのではないかとの危惧から、受入れ検討中の自治体であっても、地域住民の理解が得られず、結果、受入れに踏み切れないでいることが大きな要因の一つとなっております。
 野田総理は、三月十一日の記者会見で、瓦れきの広域処理で国は一歩も二歩も前に出ていかなければならない、日本人の国民性が試されていると強調され、御自身が先頭に立つ決意を示されました。また、関係閣僚会議を開かれ、昨年八月に成立した災害廃棄物処理特別措置法に盛り込まれた国の事業代行に積極的な姿勢を打ち出しました。この総理のリーダーシップは大いに評価されるものであり、その後、事態打開に向けた動きも出てまいりました。
 ただ、何よりも迅速にそれを実行することが肝要です。具体的に、いつまで、どのような方策で取り組んでいくのか、改めて総理の決意をお聞かせください。
 次に、地方交付税制度についてお尋ねします。
 平成二十四年度の地方財政対策において、地方交付税総額及び地方一般財源については、中期財政フレームに基づき、平成二十三年度と同水準が確保されました。また、その上で、僅かではありますが、臨時財政対策債の縮減と交付税特別会計借入金の償還が図られることは、地方の長期債務残高を抑制する観点からも評価できるものであります。
 しかしながら、地方交付税総額約十七・五兆円のうち、国税五税の法定率分は十兆円弱にすぎず、残りの差額は、地方の財源不足を踏まえた別枠加算や公庫債権金利変動準備金の活用など、臨時的な財源によって賄われているのが実情です。また、国と地方の折半ルールに基づく臨時財政対策債の大量発行も余儀なくされており、このままでは交付税制度そのものの持続可能性が危ぶまれることになります。
 そこで、野田総理にお伺いいたします。
 地方交付税制度の現状と持続可能性についての御認識並びに後年度の交付税総額確保に向けた政府の考え方をお聞かせください。
 次に、一括交付金の拡充についてお尋ねします。
 地域主権戦略大綱に基づき、平成二十三年度に地域自主戦略交付金が創設されました。まず、第一段階として都道府県を対象に投資補助金の一括交付金が実施され、市町村分については平成二十四年度からの実施とされていました。しかしながら、平成二十四年度は、市町村分については年度間変動や地域間偏在が大きいことから実施が見送られ、政令指定都市に絞って導入されることになりました。この年度間変動や地域間偏在の問題は今後とも変わらないと思われますが、次年度以降、市町村分について導入を目指す方針に変更はないのでしょうか。川端総務大臣の見解をお聞かせください。
 また、同じく、経常補助金については、平成二十四年度以降、段階的に一括交付金化を実施するとされていましたが、現状では対象となり得る補助金等が限定され、地方が求める地方公共団体の自由度の拡大や事業の効率化等に寄与しない可能性があるとして、地域主権戦略会議において、平成二十四年度の経常補助金の一括交付金化が見送られた経過にあります。
 では、平成二十五年以降の実施に向け、今回指摘された課題は解決され得るのでしょうか。今後の見通しについて、川端総務大臣の見解をお伺いいたします。
 次に、税制改正について安住財務大臣にお尋ねいたします。
 まず、平成二十四年度税制改正においては、車体課税の見直しが大きな焦点の一つになったと承知をしておりますが、我が党の重点要望では、自動車重量税と自動車取得税の廃止、抜本見直しを強く求めておりました。しかし、結局、これらの税の抜本見直しは見送りされることになりました。政府は与党の要望をどのように受け止めたのか、そして、なぜこのような形になったのか、改めて御説明をお願いいたします。
 また、平成二十四年度の税制改正大綱では、国、地方を通じた関連税制の在り方の見直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減、グリーン化の観点から、見直しを行いますとされています。自動車課税の簡素化に向けた抜本的見直しの際には、地方の意見もよく聞き、地方財政に十分な配慮を行う必要があると考えますが、安住財務大臣の御見解をお聞かせください。
 次に、固定資産の評価替えについて、川端総務大臣にお伺いいたします。
 今回の評価替えによって、固定資産税等が過去最大の減収見込みになると言われております。固定資産税は市町村の行政サービスを支える基幹的な税であり、その安定的確保は極めて重要であります。今回の評価替えに伴う大幅な減収見込みは、地方においてきちんとカバーされるのでしょうか、されるとしたら具体的にどのように措置されるのか、御見解をお伺いいたします。
 最後に、地域活性化と東日本大震災の復興財源に密接に関連する郵政改革について、野田総理にお尋ねいたします。
 激しい政治闘争の結果、二〇〇七年十月一日に郵政民営化が実施されました。この郵政民営化をめぐる争いは、多くの政治家の皆さんに、大変な苦悩の日々と、ある意味、政治生命を左右する結果を生じさせました。私は当時、労働組合の役員でありましたが、御苦労をお掛けし、申し訳なかったとの念を常に抱いてまいりました。国会議員となった現在も、その思いに変わりはありません。
 今国会においては、郵政グループ各社の業績が悪化している現状を直視するとともに、サービス水準の低下回復、株式売却による復興財源確保の視点から、各党各会派内で冷静な議論が進捗していると認識をしております。
 この際、総理に、改めて今国会における郵政改革実現への強い決意をお願いし、加えて、各党各派の御理解と政策的決断を心からお願い申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#9
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 民主党を代表しての難波議員の御質問にお答えをしてまいります。
 まず最初に、二十四年度予算の年度内成立についての御質問をいただきました。
 平成二十四年度予算は、東日本大震災からの復興や、日本再生重点化措置を始めとして、現下の経済社会状況に適切に対応する内容を盛り込んだものとなっております。
 したがいまして、政府としては、その一日も早い成立に向けて全力を尽くしているところでございますし、院におかれましても、年度内に成立するよう、是非御審議をお願いをしたいと考えております。
 続いて、我が国の景気動向についてのお尋ねがございました。
 我が国経済の現状は、海外経済の回復の弱さから輸出が弱含んでいますが、このところ、内需に上向きの動きが見られます。
 総じて見れば、我が国の景気は、東日本大震災の影響により、依然として厳しい状況にある中で、緩やかに持ち直しをしてきております。先行きにつきましても、復興需要の本格化を始め、各種の政策効果などを背景に、景気の緩やかな持ち直し傾向が続くことが期待されますが、他方で、欧州政府債務危機の影響等による海外景気の下振れや、原油価格上昇等の景気下押しリスクに注意が必要と考えております。
 続いて、特例公債法案に関する御質問をいただきました。
 特例公債法案につきましては、現時点において、野党の皆様に御賛同いただける状況にはないと承知をしております。
 このため、本法案の取扱いにつきましては、政府・民主三役会議において、まずは、野党各党の御理解をいただける道を与野党協議などにおいて時間を掛けて模索するとの結論に至ったものであります。
 本法案が成立しなければ、特例公債による三十八・三兆円の歳入が確保されず、円滑な財政運営に支障を来し、ひいては、緩やかに持ち直してきている景気の下押し要因になりかねません。こうした事態を回避するためにも、一日も早く衆参両院で野党の皆様に御理解いただけるよう丁寧な議論に努めてまいりたいと思います。
 次に、瓦れき処理の具体的な方策や見通しについてのお尋ねがございました。
 災害廃棄物の広域処理の推進に関し、三月十一日に私からお示しをした三つの新たな取組については、政府を挙げた迅速な対応が重要であり、既に具体的な取組に着手しているところであります。
 第一に、政府が一体となって取り組むための体制確立のため、早速、三月十三日に関係閣僚会合を開催をし、私から関係閣僚に対して、災害廃棄物の再生利用や各省政務三役による自治体への働きかけなどについて指示を行いました。
 第二に、民間企業の協力拡大について、三月十三日に、経済産業省から関係業界団体に対して協力依頼を発出いたしました。
 第三に、三月十六日には、私と環境大臣から、被災地を除く、まだ受入れを表明していない道府県及び政令市に対して、広域処理への積極的な協力を求めるため、要請文書を発出をいたしました。
 このような取組に加え、既に受入れを表明している都府県とその域内の政令市に対して、より具体的な形で要請文書を発出したいと考えています。
 今後も、様々な取組を全力かつ早急に進め、広域処理の受入れ拡大によって災害廃棄物の処理が加速するよう政府一丸となって取り組んでまいります。
 続いて、地方交付税制度について御質問をいただきました。
 平成二十四年度予算では、国の財政も極めて厳しい状況の中にあって、地方に最大限配慮する観点から、地方交付税の別枠加算や地方公共団体金融機構の準備金の活用等を行い、地方交付税総額を五年連続で増額することといたしました。あわせて、国と地方の折半ルールに基づく臨時財政対策債の発行などにより、地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源総額を確保しました。
 地方交付税の加算や臨時財政対策債の発行などによる対応とならざるを得ない状況が続いている構造的な要因は、国、地方共に歳出と税収のギャップが巨額に上っていることにあります。
 今後とも、財政運営戦略等に基づいて、まずは、国、地方の基礎的財政収支の改善を図ることにより、地方交付税の持続可能性を高めてまいります。また、地方交付税については、本来の役割である財源調整機能と財源保障機能が適切に発揮されるよう、地方税等と併せ地方の安定的な財政運営に必要となる一般財源の総額の適切な確保を図ってまいります。
 郵政改革実現に向けての御質問をいただきました。
 政府として提出させていただいた郵政改革関連法案は、郵政民営化によって生じた諸問題を克服し、郵政事業の基本的サービスが利用者の立場に立って郵便局で一体的に提供され、将来にわたりあまねく公平に利用できることを確保するものであります。また、法案が成立をすれば、郵政株式処分凍結法による処分の停止が解除され、結果として、政府保有義務が掛からない株式は売却が可能となり、貴重な復興財源となります。
 郵政改革については、現在、法案の取扱いも含め、全般的に与野党で協議を進めていただいているものと承知をしており、一日も早く協議がまとまることを期待をしております。
 内閣を挙げて郵政改革の今国会での実現に全力を尽くしていく決意でございます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣川端達夫君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(川端達夫君) 難波議員から三点お尋ねがありました。
 まず、市町村の一括交付金化についてお尋ねがありました。
 市町村分の一括交付金化については、市長会、町村会からの御意見、地域主権戦略会議での御議論なども踏まえ、平成二十四年度は、市町村のうち、規模も大きく都道府県に準じた権限を有する政令指定都市を対象といたしました。平成二十五年度以降の他の市町村への導入については、年度間の変動や地域間の偏在が大きいといった課題を踏まえつつ、地方からの御意見も丁寧に伺いながら、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、経常補助金の一括交付金化についてお尋ねがありました。
 経常補助金は、その大宗が社会保障、文教科学振興関係であるなど、現状では地方が求める地方公共団体の自由度の拡大や事業の効率化等に寄与しない可能性があります。このため、地方からの御意見も丁寧に伺いながら、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
 最後に、固定資産税の減収に対する財政措置についてお尋ねがありました。
 固定資産の評価替えの影響による固定資産税の減収については、普通交付税の算定上、基準財政収入額が減少することにより、適切に財政措置がされることとなっております。また、固定資産税の減収を含め、地方税収を適切に見込んだ上で、地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源総額については、平成二十四年度地方財政計画の策定を通じ、適切に確保しているところであります。(拍手)
   〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(安住淳君) 私には、車体課税の見直しとその地方への配慮という御質問でございました。
 車体課税につきましては、平成二十四年度税制改正において、これまでの税制改正大綱等や与党の重点要望、さらには自動車産業をめぐる状況、地球温暖化対策や国及び地方の財政状況などを踏まえて、簡素化、グリーン化、負担の軽減等の観点から今般見直しを行いました。
 具体的には、自動車重量税については、燃費等の環境性能に関する一定の基準を満たしている自動車には本則税率を適用するとともに、それ以外の自動車に適用される当分の間税率については、十三年超の自動車を除き、引下げを行いました。また、エコカー減税については、地球温暖化対策を推進する観点等を踏まえ、燃費基準等の切替えを行うとともに、特に環境性能に優れた自動車に対する軽減措置を拡充した上で三年延長することといたしました。
 今後、自動車取得税及び自動車重量税については、平成二十四年度税制改正大綱等を踏まえ、与党の重点要望に沿って、国、地方を通じた関連税制の在り方の見直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減、グリーン化の観点から見直しを行うこととしております。
 また、地方財政への配慮につきましては、自動車取得税及び自動車重量税の見直しに当たっては、御指摘を踏まえ、地方財政にも配慮しつつ、今後検討を行ってまいりたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣平野達男君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(平野達男君) 難波議員からは、私に二問、御質問をいただいております。
 まず、これまでの震災の復旧・復興に係る予算の執行状況と、これに関する政府の自己評価、さらに、復旧・復興施策における被災自治体の意向の把握について御質問をいただきました。
 一次、二次補正の復興関係予算額の合計五・一兆円に対しまして、実施計画の決定段階や内示済みという段階を執行済みといたしますと、一月末現在における執行額は三・九兆円でありまして、執行率は七六%となっております。さらに、三次補正まで含めた予算額の合計額約十四・三兆円に対しまして、一月末現在における同じく執行額は七・八兆円でありまして、執行率は五五%となっております。
 しかし、一方で、被災現場からは、まだまだ復旧・復興のスピード感がない、遅いという指摘を受けておりまして、このことについては真摯に耳を傾けていかなければならないというふうに考えております。
 なお、災害復旧事業につきましては、ほぼ査定が終了いたしまして、これから一定の計画に基づく着工が順次なされる状態になっております。
 復興交付金についても、第一回の配分の決定をし、順次、計画策定の状況に応じ、今後も配分計画を進めるなど、復旧・復興事業が速やかに執行できるよう支援してまいります。
 産業面においても、グループ補助金や仮設店舗・工場等の活用、漁港の復旧などにより、本格的な復興に向けた整備を引き続き鋭意進めてまいります。
 一方、復旧・復興にとっての最大課題の一つが住宅の再建であります。その柱となる住宅等の高台移転等につきましては、具体化に向けて各地域において取組が進められておりますが、避難者の合意形成、土地利用調整に様々な困難が伴うほか、時間を要することから、これをできるだけ円滑に進められるよう被災自治体を更に支援してまいりたいと考えております。
 政府としては、復興特区制度や復興交付金制度を活用し、今後とも、被災自治体からの御要望に耳を傾け、その意向を十分に反映しつつ、着実かつスピード感を持って復旧・復興施策に取り組んでまいります。
 次に、今後の必要な財政措置について御質問をいただきました。
 復興庁におきましては、東日本大震災からの復興に関する事業に関し、関係地方公共団体の要望を一元的に受理するとともに、当該要望への対応に関する方針を定め、これに基づき、事業に必要な予算を一括して要求し、確保することとしております。
 具体的には、復興局等現地の事務所を活用し、被災地のニーズをきめ細かに把握しながら、被災地の実情や復興状況を踏まえた必要な予算を確保してまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(平田健二君) 金子原二郎君。
   〔金子原二郎君登壇、拍手〕
#14
○金子原二郎君 自由民主党の金子原二郎です。
 自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表して、いわゆる復興特別会計設置法案等五法案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 先週の三月十一日で震災から一年がたちました。改めて、亡くなられた方の御冥福をお祈りいたしますとともに、被害を受けられた方にお見舞いを申し上げます。
 まず、震災からの復興についてお尋ねいたします。
 震災から一年もたってようやく被災自治体に対する復興交付金の配分が始まりました。しかし、余りにも遅いのではないでしょうか。まず総理に、なぜ復興交付金の配分までに一年も掛かったのか、もっと早くできなかったのかという点についてお伺いをします。
 復興交付金については、被災自治体から不満の声が上がっております。七県七十八市町村からの約三千九百億円の申請に対し、認められたのが約六割、五十九市町村の二千五百億円だというものであります。
 宮城県の村井知事は、これでは復興庁ではなく査定庁だと怒りを表明されました。仙台市長の奥山市長も、申請内容と比べ厳しい査定結果で、事務量も膨大だったとおっしゃいます。
 このことについて総理は予算委員会で、説明不足があった、反省したいと答弁されましたが、説明不足とは何でしょうか。復興交付金は使い勝手が悪く、査定も厳しいと最初から説明しておけばよかったというのでしょうか。説明すれば問題解決になるのでしょうか。一体どんな説明不足をしていたのか、総理から具体的にお答えをください。
 また、復興交付金の使い道について、もっと柔軟に使えるようにしてほしいというのが被災地の声であります。交付金の使い勝手や査定の厳しさに対しては、批判の声が多くありますが、改善するお考えはないのか、平野大臣にお伺いします。
 私も昨年十一月に被災地を回りましたが、被災した自治体はどこも人手不足で、復興交付金の申請にゆっくり時間や労力を掛けている余裕などありません。とにかく目の前の仕事を処理するのが精いっぱい、いや、それすら全く追い付いていないのが現状であります。
 被災自治体への職員の派遣も行われておりますが、まだまだ足りておりません。被災自治体への更なる人的支援について検討するお考えはないのか、平野大臣にお伺いします。
 次に、瓦れき処理の促進についてお伺いします。
 総理は、瓦れきの処理について国が前に出ると表明し、法律に基づいて都道府県に要請を行う方針を示されました。このこと自体は一歩前進でありますが、被災地からの悲鳴や全国的な厳しい声にようやく重い腰を上げたという状況で、対応が後手後手に回っている感は否めません。
 瓦れき処理は、復興の第一歩です。これが進まなければ、その後の復興も進みません。今後、各都道府県に対し、政府がどのような要請をし、どのような支援をするのか、具体的にお示しください。また、いつまでに瓦れきの処理を終わらせるのか、総理から明確な見通しをお示しください。
 次に、来年度予算案に計上されている地方への一括交付金についてお伺いします。
 そもそも、一括交付金は、二〇〇九年の民主党のマニフェストにおいて、国のひも付き補助金は廃止して、地方の自主財源に転換するとしたことを具体化するものであります。このマニフェストにおいては、さらに、インデックス二〇〇九の中で、地方向けの補助金等は、中央官僚による地方支配の根源であり、様々な利権の温床となっているとして、これらの補助金を全て廃止し、基本的に地方が自由に使える一括交付金に改めるとしております。
 こうした考え方に基づき、平成二十三年度は五千百億円余の一括交付金を創設し、平成二十四年度はその質、量を拡充し、八千三百億円を超える一括交付金を内閣府に予算計上しております。これにより、各府省の所管にとらわれず、地方公共団体が自主的に選択した事業に対して交付金が交付されるということであります。特に、地方公共団体が期待しているのは、平成二十四年度は前年度に比べて使い勝手を格段に良くする旨を総理が国会において説明されているからであります。
 しかしながら、現場の地方公共団体から、現在もなお、マニフェストで約束されたような自由度の高い交付金ではなく、使途や対象事業が限定されていることから、結局は、補助金の寄せ集めにすぎず、使い勝手が極めて悪いとの批判も多く寄せられています。
 さらに、平成二十四年度は、対象団体を市町村まで拡大すると言ったにもかかわらず、政令指定都市までの拡大にとどまった点や、総額についても一兆円に届かなかった点など、一括交付金は中途半端な改革と評価せざるを得ません。
 本来、民主党が提唱する地域主権改革は政策の一丁目一番地と位置付け、地域のことは地域に住む住民が責任を持って決められるようにする改革と位置付けるのであれば、曖昧な制度設計にとどまるのではなく、主張されることを着実に実現していくことが重要であります。
 目指すべきは、地方公共団体にとって自由度が高く、簡素な事務手続による一括交付金制度を設計していくことと考えますが、今後の一括交付金に対する総理のお考えをお伺いします。
 次に、地方債の元利償還金に対する交付税措置についてお伺いします。
 一番分かりやすい事例は、元利償還金の全額を交付税に算入することとされている臨時財政対策債であります。
 本来、臨時財政対策債は、地方交付税として総額を確保すべきものであるにもかかわらず、国の厳しい財政状況を勘案して、地方交付税の代替として臨時財政対策債を地方公共団体に発行させた上で、その償還について一〇〇%基準財政需要額に算入して、国が最終的に責任を持つとされるものであります。
 しかしながら、臨時財政対策債は平成十三年度から発行が始まり、平成二十二年度末の発行残高は三十一兆円を超えており、近年、雪だるま式にその残高が拡大しております。地方公共団体においては、こうした現状に危機感を抱いており、当初の約束どおり、最終的に国が責任を持つことができないのではないかという不安の声が上がっているところであります。
 そこで、地方交付税により措置することとした臨時財政対策債について、国の悪化した財政状況を理由に、約束をほごにし、地方公共団体に借金を付け替えるといったようなことはしないこと、すなわち、臨時財政対策債の償還については、最終的に国が責任を持つという明確な決意表明を総理にお願いしたく、お考えをお伺いします。
 国家公務員の給与削減についてお伺いします。
 先月末に、人事院勧告を実施した上で、東日本大震災からの復興財源を確保すること等を目的として、国家公務員の給与引下げを行う法律が成立しました。この法律の施行により、国家公務員の給与は、二年間、平均七・八%という大幅な引下げが行われます。この法律は、我が党と公明党、民主党の三党協議の結果を受けたものであり、昨年六月に政府から提出された閣法を基に議員立法で成立しました。
 しかしながら、国家公務員の給与については、本来、使用者である政府が責任を持つべき事項であり、閣法を修正すべきだと考えます。閣法を修正しなかったのは、政府の責任放棄ではないでしょうか。どうして閣法を修正することができなかったのか、閣法を修正しなかった理由とともに、使用者としての政府の責任について、総理の見解をお伺いします。
 また、今回の給与削減は復興財源の確保を目的にしておりますが、本当にそうなのでしょうか。これまで、国家公務員の給与については、労働基本権制約の代償として人事院勧告を踏まえて見直されてきました。今回、東日本大震災からの復興財源の確保が必要であるとして、極めて異例のこととして国家公務員に大きな負担をお願いすることになったわけでありますが、その前提となる閣法の目的について、政府の説明は最後まで一貫しませんでした。
 閣法が提出された当時の片山総務大臣は、平成二十二年十一月の段階で公務員の給与の引下げ方針は決めており、最初から震災の復興財源のためにやろうとしたわけではないと説明していたかと思えば、川端大臣は東日本大震災の復興財源であることを強調した説明をされてきました。その場に応じて法律の目的すら都合よく変えてきているのであります。
 しかも、民主党の前原政調会長は講演で、今回の法律による二年間の期限が切れた後の国家公務員の給与について、これだけひどい財政状況を考えれば元に戻せるはずがない、国民が許さないといった発言の報道がありました。また、安住大臣も給与削減継続の可能性を示唆したとの報道もありました。
 こういったことを見ますと、今回の公務員給与の引下げは、初めから震災復興を目的とした時限的なものではなく、国家公務員の総人件費二割削減という民主党のマニフェストを実現することが真の目的で、これはそのための第一歩でないのかと疑わざるを得ません。
 総理は、これらの発言についてどのようにお考えでしょうか。総理、率直に言って、今回の国家公務員給与の大幅引下げはマニフェストの実現目的であって、復興財源の確保はあくまでも名目だったのではないですか。総理の正直な答弁を求めます。
 これでは、給与を削減される国家公務員もやる気を失うのではないでしょうか。そもそも、ある程度の給与引下げはやむを得ないと考えますが、七・八%もの大幅な引下げは本来行われるべきではないものであります。国家公務員にも家庭があり、生活があります。そのことを考えれば、常識の範囲を超えた引下げは公務員の人生設計にも大きな影響をするのでないかと考えますが、このことについて総理はどのように考えているのでしょうか。総理の御見解をお伺いします。
 次に、給与カットの地方公務員の給与への波及についてお伺いします。
 今回の国家公務員の給与カットに際し、政府は、地方公務員の給与については自主的かつ適切に対応されるように期待するとの旨の通知を行っているところであります。
 一方で、地方公共団体においては、既に独自に定数の削減や給与カットなどの行革に積極的に取り組んできております。その実態を把握している総務省だけに、こうした地方独自の人件費削減の取組を踏まえて、地方公共団体への期待感にとどめた表現としているのではないかと推察されるところであります。
 そこで、政府としては、今後、地方公共団体の人件費への波及をどのように考えているのかということをより明らかに明示していただく必要があると考えます。すなわち、平成二十四年度の年度途中や平成二十五年度以降において、国家公務員への臨時特例措置と同様の措置を地方公共団体に対して要請や強制をすることは考えていないのか、また、地方公共団体に給与の削減を強制させるため、地方財政計画において地方交付税の総額の見直しを行うなど、財政上の措置をとることを考えていないのかという点について、総理と財務大臣のお考えをお伺いします。
 次に、国家公務員の採用削減についてお伺いします。
 最近、岡田副総理が、国家公務員の平成二十五年度の新規採用を平成二十一年度と比較して七割削減するという、各府省に要請したと報じられておりますが、これが事実だとすれば非常にゆゆしき事態だと考えます。既に各府省では、採用抑制が続いているところにより、中間管理職に比べて実動部隊である若手職員の数が少なく、アンバランスな人員配置が常態化しております。この状況で更に新規採用を七割削減すれば若手職員の負担が過重になり、通常業務さえ支障を来すおそれがあります。
 新規採用の七割削減というのは、こうした現場の実態を無視してマニフェストで掲げた人件費二割削減を無理やり強行しようとする愚策にほかなりません。それよりも、法改正が必要でありますが、各省で早期退職者を募集する、人手不足に困っている被災自治体に大量に職員を移籍させるなど、世代間のバランスを崩さずに人員を削減する方法を追求すべきでないでしょうか。岡田副総理のお考えをお伺いします。
 次に、市町村合併への支援策についてお伺いします。
 政府は、平成の大合併を強力に推進するために、交付税における合併算定替えと合併特例債発行の二つの優遇措置を用意しました。また、県が独自に合併に対して財政支援を行うなど、国と県が一体となって市町村合併を支援したことによって、全国三千二百三十二あった市町村が千七百二十七まで再編されたことは御承知のとおりであります。
 ところが、合併が始まるや、三位一体改革も同時に始まったために、交付税が増えるどころか、大幅に減少してしまいました。特に、政権交代以来、臨時財政対策債を組み合わせた交付税の増額措置がなされておりますが、そこで行われておりますのは、合併団体、非合併団体の区別のない増額であり、合併団体の努力が報われる支援とはなっていないのであります。
 その結果、市町村は血のにじむような努力をして合併したにもかかわらず、合併団体ほど厳しい財政状況に陥り、新しい町づくりどころか、更なる行革を取り組まざるを得なくなっているのが現状であります。合併してよかったという声が住民から聞こえてこない、むしろ、人口が減ったとか、周辺地域がひどく寂れたなどの声が聞こえてくる状況になっているのであります。
 合併に関する障害除去に関する措置である合併算定替えは、合併を推進する上で効果的であったと考えられますが、この財政上の特例措置も、十年間の特例期間を経過すると優遇措置が減少することとなります。同規模の団体同士を比較した場合に、合併をしなかった団体の方が合併した団体よりも地方交付税が多くなるといった事態が生じかねない懸念があります。
 合併特例債の発行期限延長法案がさきの臨時国会からの継続審議となっておりますが、合併算定替えについても、合併市町村が合併する際に計画した新しい町づくりを達成し、住民が合併効果を十分に実感できるまで延長するなど、合併市町村に対して財政的な支援があってしかるべきと考えますが、総理のお考えをお伺いします。
 最後になりますが、民主党政権となって二年半がたちました。民主党政権が予算を編成するのも、二十四年度で三回目となるわけでありますが、さきの総選挙で民主党がマニフェストに掲げた政策がもはや実現不可能であることは誰の目から見ても明らかであります。
 我が党が、財政面は無論、国民のニーズから見て、より効果的な政策に転換させるべく粘り強く協議した結果、高速道路の無料化や子ども手当などの政策の見直しは徐々に行われてきておりますが、一方で、国民に対する具体的な説明や謝罪はいまだに行おうとせず、既に破綻しているマニフェストに固執するがゆえに物事が前に進まない面があるのではないでしょうか。
 仮に、東日本大震災が発生しなかったとしても、そもそも、無駄の削減と予算の組替えで十七兆円もの財源を捻出することは不可能だったわけであります。見通しが甘かったことを国民の皆様に率直にわびた上で、前に進むべきではないかと思います。最後に総理のお考えをお伺いしまして、私の質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#15
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自民党、金子原二郎議員の御質問にお答えをいたします。
 まずは、復興交付金について御質問をいただきました。
 政府としては、当面の復旧・復興施策については、二十三年度一次、二次補正により機動的に対応するとともに、本格的な復旧・復興施策については、昨年七月末に策定した復興の基本方針に沿って対応することとしたものであります。
 面的な環境地域づくりを支援する復興交付金についても、復興の基本方針に基づき、十一月に成立した三次補正において当面必要な予算を確保するとともに、与野党協議を経て昨年十二月に成立し、施行された復興特別区域法において制度化されたものであります。これらを踏まえ、一月末に提出された復興交付金事業計画に対し、先日、第一回目の交付可能額の通知を行ったものであります。その際、今回は採択されなかった事業や市町村等が要望を取り下げた事業の中には、事業の進捗や検討の進展状況等により今後採択可能となるもの、全国防災等の別途の予算や制度による対応が可能であるものも含まれており、こうした点について、市町村や県に丁寧に説明を行うとともに、今後とも、被災地の要望をしっかりお伺いをしながら、復興交付金の速やかな配分に努めてまいる所存でございます。
 続いて、瓦れき処理の支援策と見通しについての御質問をいただきました。
 災害廃棄物の処理は被災地の復興の大前提であり、昨年八月に工程表として示したとおり、発災から三年後の平成二十六年三月末までに処理を終えることを目標としております。現在、今後の家屋の解体等に伴うものを除き、仮置場までの移動はおおむね完了し、被災地に仮設焼却炉の設置を進めているところでありますが、それでもなお被災地における処理能力は不足をしており、広域処理が必要であります。このため、三月十一日に私が公表した広域処理推進のための三つの新たな取組について、政府を挙げて迅速な取組を進めております。
 第一に、政府が一体となって取り組むための体制確立のため、早速、三月十三日に関係閣僚会議を開催し、私から関係閣僚に対して、災害廃棄物の再生利用や各省政務三役による自治体への働きかけなどについて指示を行いました。第二に、民間企業の協力拡大について、三月十三日に経済産業省から関係業界団体に対して協力依頼を発出いたしました。第三に、三月十六日には、私と環境大臣から、被災地を除く、まだ受入れを表明していない道府県及び政令市に対して、広域処理への積極的な協力を求めるため、要請文書を発出しました。
 このような取組に加え、既に受入れを表明している都府県と、その域内の政令市に対して、より具体的な形で要請文書を発出したいと考えています。また、被災自治体だけではなく、受入れ側の自治体に対しても、放射能測定支援を拡充することや、受入れに伴う処分場の建設、拡充に必要となる費用を支援することなどの財政支援を講じていくことにしております。
 今後も、様々な取組を全力かつ早急に進め、広域処理の受入れ拡大によって災害廃棄物の処理が加速するよう、政府一丸となって取り組んでまいります。
 続いて、一括交付金についての御質問をいただきました。
 国庫補助金等の一括交付金化は、国から地方へのひも付き補助金等を廃止し、地域の自由裁量を拡大するためのものであり、地域の特性を最大限に生かした活力ある地域づくりに寄与するものと考えております。
 平成二十三年度予算では、都道府県分の投資的な補助金を対象に、地域自主戦略交付金を創設し、五千百二十億円を計上いたしました。また、平成二十四年度予算では、対象を都道府県から政令指定都市まで拡大するとともに、対象メニューを拡大し、沖縄振興一括交付金も含め、前年度を上回る八千三百二十九億円を計上いたしました。
 一括交付金化は、地域主権改革の大きな柱を成す改革でございます。これまでの取組については、地方からも、従来の補助金等に比べ自由裁量が拡大したなどの一定の評価をいただいておりますが、更に使い勝手の良い交付金となるよう、制度を運用しながら発展をさせていきたいと考えております。
 続いて、臨時財政対策債の償還についてお尋ねがございました。
 臨時財政対策債の元利償還金については、毎年度の地方財政計画にその全額を計上することにより所要の財源を確保し、また、地方交付税の算定に当たっては、地方交付税法に基づき、その全額を基準財政需要額に算入しています。
 このように、各地方団体の臨時財政対策債の元利償還金については確実に財源保障をしているものであり、今後とも、地方財政計画の策定、地方交付税の算定等を通じ、確実に対応をしてまいります。
 次に、給与改定臨時特例法の成立と政府の責任についての御質問をいただきました。
 政府としては、使用者として職員団体と真摯に話合いを行った上、昨年六月、我が国の未曽有の国難に対処するため、国家公務員の給与減額支給措置を講ずる法案を国会に提出をいたしました。
 国会提出後、政府案についての民主、自民、公明三党による政党間の協議の結果、政府案の趣旨、内容を踏襲しつつ、自民党、公明党共同提出の議員立法を基本に修正を加え、新たに三党共同提案の法案として提出し、成立させることとなったものと承知をしております。
 御党を始め、各党の協力の下、成案が得られ、法律として成立したことに感謝申し上げますとともに、成立した法律については政府として責任を持って執行してまいります。
 次に、国家公務員の給与削減の目的についての御質問がございました。
 今般成立した給与改定臨時特例法は、我が国の厳しい財政状況と東日本大震災という未曽有の国難に対処するため、平均七・八%という臨時異例の給与減額支給措置を平成二十四年四月から二十六年三月までの二年間講じるものであります。
 今回の給与減額支給措置は、未曽有の国難に対処するための臨時異例の措置ではありますが、国家公務員人件費の二割削減という目標の達成に向けた努力の一環でもあるとも考えております。
 一方、社会保障・税一体改革の推進に当たっては、公務員人件費削減など自ら身を切る改革を行い、国民の納得と信頼を得た上で実施することが必要であり、こうした観点からも人件費の削減は重要な課題であると考えております。給与減額支給期間が終了する二年後の平成二十六年四月以降の国家公務員の給与については、引き続き、国家公務員人件費の二割削減という目標に向けて適切に対応をしてまいります。
 続いて、給与引下げによる公務員の人生設計への影響についての御質問をいただきました。
 先ほども申し上げたとおり、今回の給与減額支給措置は、厳しい財政状況と東日本大震災という未曽有の国難に対処するためのやむを得ないものであります。国家公務員が、震災からの復興を始め、日夜職務に精励していることは高く評価しています。一方で、今回の措置により、職員本人はもとより、その御家族の皆様にも少なからぬ御苦労をお掛けする面もあると思います。しかし、職員の皆さんには、この国難に当たり、全体の奉仕者たる国家公務員として率先して身を切ることについて、きっと理解してもらえるものと考えております。
 今後とも、国家公務員の皆さんには、持てる力を最大限に発揮し、国のため、被災地のため、全力で職務に当たってもらうことを期待をしております。
 次に、国家公務員給与の臨時特例措置の地方への波及についてのお尋ねがございました。
 地方公務員の給与については、各地方公共団体において条例で定められるものであり、給与改定臨時特例法附則第十二条の規定を踏まえ、自主的な取組を進めながら適切に対応されるものと考えております。
 平成二十四年度及び二十五年度以降の地方財政においては、必要な地方交付税総額を適切に確保することとしており、地方公共団体に対して、給与改定臨時特例法による国家公務員の給与の引下げと同様の地方公務員給与の引下げを要請することや強制することは考えておりません。
 次に、合併市町村に対する支援についてのお尋ねがございました。
 平成の合併により、合併した市町村はその一体的な振興を図ることができるよう、引き続き支援を行っていくことは重要であると考えております。御指摘の合併算定替えの期間については、合併算定替えの制度趣旨を踏まえ、合併を推進した平成の合併期間を除き、従来から五年としてきたこと、特例期間を終えた合併市町村や同規模の非合併市町村との公平性も考える必要があることなどを考慮すると、特例期間の更なる延長は難しいと考えております。
 いずれにしましても、合併団体を含めた個別の市町村の財政需要については、その実態を十分に踏まえ、地方交付税の算定において適切に対応してまいります。
 次に、マニフェストについての御質問をいただきました。
 マニフェストについては、実現しているものがある一方で、実現できていないものがあることも事実でございます。マニフェストが想定どおりに進んでいない理由はこれまで御説明をしてまいりましたが、その一つとして、財源確保に関する見通しが甘かったことも事実でございます。既に昨年の夏、党として中間検証を取りまとめ、実現できていないところは率直に認め、おわびをさせていただいております。御指摘のとおり、至らざるところは真摯に受け止め、また、残る任期内において一つでも多くの政策の実現に向けて努力をしてまいりたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(安住淳君) 金子先生からは、地方公務員の人件費への波及の問題について、私にも同様の趣旨の御質問がありました。
 今総理からのお話がありましたとおり、地方公務員、地方公共団体においてこの公務員の給与については条例で定められているものであり、その水準に係る要請や強制に関する考え方は、総理が答弁したとおりでございます。
 いずれにせよ、人件費については公的部門全体での取組が必要でございまして、地方公務員の給与につきましては、給与改定臨時特例法附則第十二条の規定に沿って、当該法律の趣旨等を踏まえ、地方公共団体において自主的かつ適切に対応されるものと期待しております。
 また、今般の国家公務員給与の引下げは復興対策に係るものであり、復興対策に係る地方財政措置については、諸般の状況を勘案しつつ、震災対応における国と地方の協力関係を整理して、今後の予算編成において検討し、適切に対処してまいりたいと存じます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣平野達男君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(平野達男君) 金子議員より、私には二問いただいております。
 まず、復興交付金の使い勝手や精査の在り方について御質問をいただきました。
 復興交付金は、従来の災害復旧事業制度では対応が困難な被災地域の復興地域づくりを支援するものであります。被災自治体の要望に対してはできる限り丁寧な対応を行ってまいりたいと考えております。
 先般の第一回の配分において配分対象とならなかったものの中には、全国防災等別途の制度による対応を検討いただくものだけではなくて、復興交付金制度の趣旨から配分対象となるものの、地元の調整が進んでいない、事業相互間の調整が進んでいない、そういった観点から事業実施のめどが立たないものや、単価や事業費が同種の事業と比べて著しく高く、精査が必要であったもの等が多くありまして、被災自治体と一体となって計画策定を進めながら、その進展等に応じて、今後適切に交付を行ってまいりたいと考えております。
 現在、第二回申請に向け、復興庁・復興局の職員が被災地を回っているところでありまして、被災地の要望の一つ一つを丁寧に伺った上で適切に対応してまいりたいと考えております。
 被災自治体への人的支援について御質問をいただきました。
 被災地の本格的な復興を進めていくに当たり、被災自治体におけるマンパワーの確保は必要不可欠と認識しております。一月時点で他の自治体から約八百人が派遣されておりまして、来年度も被災自治体から職員派遣の要請がなされております。このため、全国の自治体の協力を得ながら、被災自治体への職員派遣の支援を行うこととしております。また、私自らも、全国市長会会長及び全国町村会会長に直接支援要請を行っているところであり、今後、必要であれば引き続き行いたいというふうに思います。
 現在のところ、全国市長会・町村会の協力による派遣スキーム、いわゆる総務省スキームで三百五十四人、国土交通省のあっせんによる町づくり関係の職員で約百六十人の派遣申出があったところでございます。漁港関係についても、今、水産庁が鋭意取り組んでいただいております。
 なお、総務省において、地方自治法に基づく派遣職員の受入れ経費については、被災団体に実質的に負担が生じないよう、特別交付税により全額を措置することとしております。
 自治体においても、任期付職員や再任用職員の採用など、様々な努力をしていただきながら、被災自治体において、復興を進めるために必要な体制が確保されるよう努力してまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣岡田克也君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(岡田克也君) 私に対しまして、国家公務員について、世代間バランスを崩さずに人員削減をする方法を追求すべきではないかという御質問がございました。
 まず初めに、新規採用に関し私から要請しておりますのは、これまでよりも大幅な抑制ということでございます。七割という数字を申し上げた事実はございません。国家公務員の総人件費の削減を行うに当たり、その人数を抑制することが必要であります。今回、採用試験の時期も迫っていることから、まず採用抑制に取り組むこととしたものでございます。
 組織活力を維持する上で、年齢構成を適正なものとすることが重要であることは十分認識しております。このため、御指摘の希望退職制度の導入や、あるいは自発的再就職の支援方策などについて検討することとしているところでございます。
    ─────────────
#19
○議長(平田健二君) 谷合正明君。
   〔谷合正明君登壇、拍手〕
#20
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました国税、地方税及び地方財政計画に関する四法案一案件について質問をいたします。
 まず、本日になっても、平成二十四年度予算と表裏一体となった公債特例法案が参議院に送付されていない、その状況について政府の認識を問いたいと思います。
 民主党連立政権になって三年間、マニフェストで国民に約束した歳出削減、財源確保もできずに、税収を上回る国債を発行して穴埋めをしてきました。それにもかかわらず、その根拠法を成立させる責任すら政府は放棄しています。財政規律に対する責任感の欠如に対しては、あきれるばかりです。亡くなられた西岡参議院議長も、公債特例法案の審議切離しについて問題を指摘しておられましたし、平田議長も官房長官に抗議をされ、与党からも遺憾との声が出ております。こうした責任感の欠如は、法案の問題点を検討するという参議院の本来の役割を軽視するものであります。
 公債特例法案の審議の切離しが異例の二年連続となったことについて、野田総理はどのように責任を受け止めておられるのか、伺います。
 次に、租税特別措置法等の一部を改正する法律案と社会保障と税の一体改革についてお伺いします。
 今般の租税特別措置法改正案は、昨年来の与野党協議の中で積み残しとなっていた事項について、都合のいいところの先食い、つまみ食いで、これまでの税制上の各種の指摘に答えておりません。
 例えば、昨年度の積み残しである給与所得控除の見直しが改めて盛り込まれた一方で、昨年度見送られた成年扶養控除は、今般の改正にも、社会保障と税の一体改革にも盛り込まれておりません。また、控除から手当へとの主張で民主党が指摘してきた配偶者控除の見直しなどについても手付かずとなっています。税制抜本改革に当たって、人的控除の考え方を変えたのでしょうか。安住財務大臣の見解を求めます。
 また、配偶者控除を廃止し、子ども手当の財源にするなどといったマニフェストが完全に瓦解したのであるならば、率直にマニフェストは撤回し、国民に反省の意を示すべきではないかと考えますが、総理の見解を伺います。
 その上、行わないと言い切ってきた消費増税に手を付けました。消費税の引上げをお願いせざるを得ないのであれば、その後の社会をどう描くのか、社会保障の全体像を併せて説明すべきです。医療、介護における需要増加も含め、新たな年金制度を税と保険料共に考えなければ社会保障の一体改革とは言い難いのであります。ところが、民主党は、三年間掛けても最低保障年金と所得比例年金を柱とする年金抜本改革案についてさえ具体像を示せておりません。
 民主党案では、消費税率は一七%を超え、一部の人は年金として受け取る額はかえって下がり、最低保障年金がもらえるのは四十年先となるなどの数々の指摘に対し、どうお答えになるのか。実現性はあるとお考えなのか。具体像は一体いつまでに出されるのか。それができないのなら、執着を捨てて、きれいに公約を撤回すべきではないのか。総理に所見を伺います。
 自動車関係諸税や温暖化対策税の在り方についてお伺いします。
 公明党は、税制の抜本改革に合わせて、地方財政へ配慮しつつ、自動車取得税を廃止し、また、自動車重量税と自動車税を統合する形で負担の軽減を図っていくことを主張しておりますが、かつてガソリン値下げ隊までつくって暫定税率引下げを訴えてこられた民主党は、抜本改革にどのように取り組まれるつもりなのでしょうか。
 また、原発事故後の我が国のエネルギー事情に鑑み、単に温暖化対策税の導入だけではなく、エネルギー課税の在り方全体をもう一度検討し直す必要があると考えます。
 エネルギー関連、自動車関係諸税について、消費税引上げに先立ち、抜本的に見直す考えはないのか、財務大臣の見解を伺います。
 新成長戦略実現に向けた税制措置の大部分は、エコカー減税等に係るものにすぎず、これで成長戦略を牽引していくとは到底思えません。例えば、住宅ローン減税は、平成十二年度、二十一年度に実施した数千億円の拡充額に比べて、今般の拡充額は僅か六億円規模であります。この減税が一体どの程度の効果を上げることができるのか、大きく疑問を感じます。
 今般の税制改正案における住宅取得支援に係る措置がどの程度の経済効果を上げるものなのか、また、改めて真に我が国経済の成長に資する税制改正が必要なのではないか、総理の所見を伺います。
 次に、デフレ対策等の経済対策と税制抜本改革の前提となる、身を切る改革についてお伺いします。
 デフレ脱却のためには、税制だけでなく、金融政策、財政政策が一体となって取り組んでいく必要があります。公明党は、円高・デフレ脱却へ政府、日銀一体となった金融政策の強化や、国民の生命と財産を守るために真に必要な公共事業を集中的に進める防災・減災ニューディールなどを主張してまいりました。その中では、先月、日銀に対して資産買入れ等基金を八十五兆円まで拡大することなども提言しています。こうした私たちの主張を政府は積極的に取り入れ、デフレ脱却を確かなものとする責務があると考えます。総理の答弁を求めます。
 二十四年度の国家公務員採用試験は、多様な人材を確保するため、これまでのT種、U種、V種の体系を抜本的に変え、能力、実績に基づく人事管理へのスタートとなる年度と位置付けられています。
 ところが、岡田副総理は、昨年六月の閣議決定を深掘りし、新規採用数の上限について、二十一年度比で七割の削減を指示したとされています。実行をされれば、計画的な人材配置が行えず、現実の公務に支障が出る弊害が指摘されております。さらに、副総理は、自衛官を採用抑制の対象から外す考えを示されました。では、警察や法務、海上保安庁など治安に係る採用数はどうなるのでしょうか。身を切る改革と言いながら、声を出せない若い世代へのしわ寄せになるだけではないでしょうか。採用抑制による効果と目的について岡田行革担当大臣の所見を伺います。
 そもそも、消費税引上げを含む税制改革法案については、これがいつ提出されるのか、仮に法案が提出されても、野党として、その内容が真に与党の考えを取りまとめたものと信用していいものか、大きな懸念を持っています。提出に当たり、党内手続、閣議決定により、国民新党を含めた与党内の意見を取りまとめることが可能なのか、総理の見解を伺います。
 次に、国と地方の協議の場についてお伺いします。
 平成二十三年に法制化された国と地方の協議の場においては、協議対象事項として、地方行政、地方財政、地方税制そのほかの地方自治に関する事項も規定されています。しかし、実際には、社会保障と税の一体改革においては一定程度の活用が見られたものの、地方財政対策については、総務大臣及び財務大臣のコメントがあった程度であり、とても協議と呼べるものになっていません。また、税制改正については議題にもなっていません。
 協議の場において、毎年度の地財対策や税制改正について、より実質的な協議が行われるようにするとともに、税制抜本改革を行おうとする際には、協議の場の十分な活用を行うべきではないでしょうか。総理の見解を求めます。
 特別会計法改正案、復興特会関係について伺います。
 今回の特別会計法改正案は、昨年の三党協議の結果を受け、新たに特別会計を設置するもので、復興に向けた取組を進める上で、資金の透明性の確保の観点から重要です。一方、資金の縦割りによる無駄排除のため、資金の流れを全体的、一元的に管理、監視していくような体制を整備することも必要と考えます。政府は、別途、特別会計改革に係る法案も提出しておりますが、今般の復興特会設置を特会改革とどのように関連付けているのか、財務大臣の見解を伺います。
 さて、第一次の復興交付金配分を見ると、被災自治体が申請した事業について厳しい絞り込みが行われ、申請額に対し、交付額は六割にとどまりました。しかし、これは被災自治体が自ら策定する復興プランを支援しようという復興交付金制度の趣旨から見て問題があるのではないでしょうか。これでは復興庁ではなく査定庁だという宮城県知事の批判もあったところです。復興交付金制度の趣旨を確認するとともに、今回の交付金配分結果との整合性について総理の見解を伺います。
 被災地から出された意見、要望を踏まえ、今後どう対応するのか。復興庁が被災地とどこまで認識を共有し、被災地に寄り添えるか、今後の震災復興の行方にも大きな影響を与えると思いますが、総理の見解を求めます。
 最後に、寄附税制について伺います。
 昨年の超党派の取組によるNPO法の抜本改正や寄附金税額控除制度の創設は、大震災以降の義援金、寄附を集める上で大きな役割を果たしております。
 我が国の寄附文化がどのように変わったと考えているか、また、昨年度税制改正の効果、寄附の実績をどのように把握しておられるのか、総理の見解を伺います。
 さらに、寄附金控除を年末調整において処理できるようにすべきと考えますが、実現するに当たり、具体的にどのような課題があるとお考えなのか、財務大臣の所見を伺います。
 結びに、政治の信頼について一言申し上げます。
 私は、北欧のスウェーデンに留学した経験があります。周知のとおり、消費税二五%の高福祉高負担の国でありますが、加えて、政治に対する信頼度が高い国でもあります。地元メディアの調査によれば、二〇一〇年の国政選挙では国民の七〇%が政治家を信頼できると答えています。
 社会は政治に対する国民の信頼なくして成立するものではありません。消費税の引上げも、行き着くところ、政治の信頼がないと果たせない。国民の信頼を得ることは一朝一夕にはいきません。日々、国民に奉仕する政治活動を続けなければ、信頼は得られません。しかし、信頼は一瞬にして失われます。政治家が無責任な公約を掲げ、国民をだまし、責任を取らないとしたら、信頼は地に落ちます。信なくば立たずとの言葉に全てが帰着するということを野田総理に申し上げ、私の質問といたします。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#21
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党、谷合議員の御質問にお答えをさせていただきます。
 まず最初に、特例公債法案に関する御質問をいただきました。
 特例公債法案につきましては、現時点において野党の皆様に御賛同いただける状況にはないと承知をしております。このため、本法案の取扱いにつきましては、まずは、野党各党の御理解をいただける道を与野党協議などにおいて時間を掛けて模索するとの結論に至ったものであります。
 本法案が成立しなければ、特例公債による三十八・三兆円の歳入が確保されず、円滑な財政運営を行うことができないことは言うまでもありません。このため、一日も早く衆参両院で野党の皆様に御理解をいただけるよう、丁寧な議論に努めてまいりたいと思いますし、そのことによって責任を果たしていきたいと考えております。
 続いて、子ども手当など、マニフェストについての御質問をいただきました。
 子どものための金銭給付については、政党間協議において、次代の社会を担う児童の健やかな成長を目的に加え、支給対象を中学生まで拡大するなど、児童手当法の改正が合意されたと承知をしております。これは、チルドレンファーストを掲げた民主党の目指す方向とも合致するものと理解をしています。与野党の合意に御努力、御協力をいただいた各党各会派の皆様に心から敬意を表し、感謝申し上げます。
 また、控除の見直しについては、配偶者控除の問題を含めまして、今後も税制改革の課題として引き続き議論、検討を行っていくものと認識をしております。
 マニフェスト全体については、実現しているものがある一方で実現できていないものがあることも事実でございます。財源確保を含めまして、既に昨年の夏、党として中間検証を取りまとめ、実現できていないところは率直に認め、おわびをさせていただきました。御指摘のとおり、至らざるところは真摯に認め、また、残る任期内において一つでも多くの政策の実現に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
 一体改革の中での年金抜本改革案の具体像等についてのお尋ねがございました。
 民主党の新しい年金制度は、所得比例年金を基本として、所得比例年金の受給額が少ない方に対して補足的に税を財源とする最低保障年金を給付するものであります。最低保障年金に必要な財源規模や新制度下での給付水準については、最低保障年金の支給範囲や支給額といった新制度の設計によって変わり得るものであり、現時点で一概に申し上げることはできません。また、新年金制度への現行制度からの切替えには相当長期の移行期間が必要ですが、その具体的な制度設計については、平成二十五年の法案提出に向けて民主党内でも検討を始めており、与野党間でも真摯に相談をしていきたいと考えております。
 今回の一体改革大綱の中では、これまで民主党が掲げてきた年金制度の抜本改革や、それまでの間の現行制度の改善策など、社会保障の全体像を描いております。我々は、年金制度の抜本改革をゴールに見ながら現実的にどこからスタートするかという議論をしており、御党は、現行制度を前提とした改善をしていこうという立場であります。与野党間協議を行う前に民主党の掲げる抜本改革案を取り下げてしまうのではなく、胸襟を開いて、国民の立場に立って議論をしていきたいと考えております。
 住宅取得支援のための税制措置による経済効果等についての御質問をいただきました。
 平成二十四年度税制改正法案における主な住宅税制措置の経済波及効果については、国土交通省の試算によれば、省エネ住宅を対象とした住宅ローン減税の拡充により、特例期間の二年間で約二千億円の経済波及効果が見込まれており、また、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の拡充、延長により、特例期間の三年間で約二・七兆円の経済波及効果が見込まれております。
 また、同法案においては、新成長戦略の実現に向けて、住宅税制措置のほか、自動車重量税の当分の間税率に係る税負担の軽減及び環境性能に優れた自動車に対する軽減措置の拡充、延長、研究開発税制の増加型、高水準型の措置の適用期限の延長、再生エネルギー投資を加速させるための環境関連投資促進税制の拡充など、我が国の経済成長に資する税制措置を講ずることにしております。
 次に、デフレ脱却に関するお尋ねがございました。
 議員御指摘のとおり、長引くデフレを脱却するためには、あらゆる政策手段を活用して取り組んでいく必要があると考えており、日本銀行との一層の連携強化を図り、切れ目ない経済財政運営を行ってまいります。経済政策としては、新成長戦略の実行を加速するとともに、日本再生戦略を年央までに策定し、官民が一体となって着実に実行いたします。財政面でも、引き続き、これまでの四度にわたる補正予算を速やかに執行するとともに、三・八兆円規模の復興予算を確保した二十四年度予算の早期成立を図ります。
 なお、御党の御提言も踏まえ、二十三年度補正予算及び二十四年度予算の中では、全国防災事業を一兆円を超える規模で措置をしております。
 金融政策を行う日本銀行に対しては、引き続き、政府との緊密な連携の下、果断な金融政策運営を期待をしております。
 今後とも、防災・減災ニューディールなどの御党の御提言も参考にしながら、経済財政運営に万全を期してまいります。
 次に、税制抜本改革法案の提出時期などについてのお尋ねがございました。
 人口構造の急速な少子高齢化、社会経済状況の変化、欧州の政府債務問題に見られるグローバルな市場の動向を踏まえれば、社会保障と税の一体改革は待ったなしの課題であり、不退転の決意でこの改革をやり遂げる決意であります。
 これまでも、昨年六月の成案、今年一月の素案、二月の大綱の閣議決定と、政府・与党一体で議論を尽くし、議論の手順を踏んできたところであり、今回の法案の閣議決定に当たっても熟議を尽くしているところでございます。附則第百四条に従い、今年度中に法案を提出する方針に変わりはありません。
 次に、税制改正等における国と地方の協議の場の活用についてのお尋ねがございました。
 地方にかかわる様々な重要政策課題について、国と地方の協議の場などを通じ、地方団体の意見を反映していくことは重要と考えております。国と地方の協議の場については、昨年五月に法定化された後、本体会合を八回、分科会を四回開催し、協議を行ってきたところです。平成二十四年度の地方財政対策については、昨年十二月に開催した国と地方の協議の場において協議を行いました。地方財政対策の内容については、地方団体から、財源の確保にできる限りの工夫がされたことを評価するとの表明をいただいたところでございます。
 また、平成二十四年度税制改正については、昨年十一月に開催した税制調査会において地方団体との意見交換を行いました。さらに、国と地方の協議の場においても社会保障と税の一体改革について数次にわたり協議を行ったところでございます。
 地方財政対策や税制改正については、今後とも、できるだけ国と地方の協議の場などを活用して地方団体の意見をお聞きし、国の施策に反映するよう努めてまいります。
 次に、復興交付金についてのお尋ねがございました。
 復興交付金は、著しい被害を受けた地域が自らの復興プランの下に復興地域づくりを進める上で必要となる事業を幅広く一括化し、被災地の取組を支援するものでございます。
 一月末に被災自治体から提出された事業計画に対し、先般、第一回目の交付可能額の通知を行ったところでございますが、今後、被災者の生活再建等のため、速やかな対応が必要なものとして、当面必要と考えられる事業について配分を行ったところでございます。
 引き続き、復興庁において、次回の事業計画の提出に向け、被災自治体による計画策定の支援に取り組んでいくこととしておりますが、今回は採択されなかった事業や市町村等が要望を取り下げた事業の中には、事業の進捗や検討の進展状況等により今後採択可能となるものもあり、また、全国防災等の別途の予算や制度による対応を検討していただくものも含まれているものと承知をしております。
 いずれにしても、被災自治体に丁寧に説明していくことが重要であり、被災地の要望の一つ一つにしっかり対応してまいりたいと考えております。
 次に、NPO法、寄附税制の改正が復興支援に与えている影響、効果についてのお尋ねがございました。
 東日本大震災の被災地において、多くの団体が様々な支援活動を展開され、また、そうした活動に賛同する広範な方々から多額の寄附が寄せられているという事実は誠に尊いものであり、改めて敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 お尋ねの寄附の実績については、寄附金控除の利用状況など、確定申告の結果を待って把握することになりますが、寄附金の最大五〇%までが税額控除されるという税制改正は昨年六月から施行されており、震災以降の寄附の集まりを後押しをしているものと考えております。
 さらに、いわゆるNPO法の改正により、本年四月から寄附税制の適用対象となるNPO法人の認定基準が緩和されることで、寄附に対するインセンティブが強まり、多くの人々にとって寄附がより身近になることは、我が国の寄附文化の発展に資するものと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(安住淳君) 四点質問をいただきました。
 まず、人的控除の考え方についての質問でございますが、現行の所得控除制度は結果として高所得者に有利な制度となっていることを踏まえ、これまで控除から手当への取組を進めてきており、その結果、中低所得の子育て世帯については負担の軽減が実現されているところでございます。
 平成二十三年度税制改正大綱において見直すこととした成年扶養控除を含む扶養控除全体の在り方については、今般の社会保障・税一体改革大綱において、真に担税力の減殺に配慮が必要な方が対象となっているかとの観点や課税ベースの拡大等の観点を踏まえるほか、今後更に具体化される社会保障改革の内容や、給付付き税額控除の導入をめぐる議論も踏まえた上で検討することとしております。
 また、配偶者控除につきましては、社会保障・税一体改革大綱において、配偶者控除をめぐる様々な議論、課税単位の議論、社会経済状況の変化等を踏まえながら引き続き検討することとしております。
 今後の人的控除の在り方については、社会保障・税一体改革大綱に基づき、今申し述べましたような方向性を踏まえて検討してまいりたいと思います。
 次に、エネルギー関連、自動車関係諸税についての御質問でございました。
 車体課税については、社会保障・税一体改革大綱で示されました税制抜本改革の一環として、廃止、抜本的な見直しを強く求める等とした平成二十四年税制改正における与党の重点要望に沿いまして、国、地方を通じた関連税制の在り方の見直しを行い、安定的な財源を確保した上で、地方財政にも配慮しつつ、簡素化、負担の軽減、グリーン化の観点から見直しを行ってまいります。
 また、燃料課税については、同じく社会保障・税一体改革大綱において、地球温暖化対策等の観点から当分の間税率が維持されることや、二十四年度税制改正において石油石炭税の上乗せを行うことを踏まえて引き続き検討するとされており、これを踏まえて検討していくこととしております。
 次に、特会改革と東日本大震災復興特会の関連性についての御質問でございました。
 今回の特別会計改革は、全ての特別会計及び勘定についての見直しを行い、区分経理の必要性が乏しくなったものを廃止、統合し、国全体の財政状況の総覧性を高め、財政のチェック機能の強化、透明性の向上を図るものであります。特会の数としては、十七から十一に減少させるとともに、全体の勘定の数もおおむね半減させております。
 他方、復興特会は、昨年十一月の三党の政調会長による合意を踏まえ、復興に係る国の資金の流れの透明化を図るとともに、復興債の償還を適切に管理することを目的として設置するものであり、特別会計改革とは目的、趣旨が異なるものであります。
 なお、復興特会については、復興庁が廃止される平成三十二年度末までに廃止することを法案に明記をしております。
 最後に、寄附金控除の年末調整化についての御質問がございました。
 年末調整制度は、納税者の手続を簡便化し、納税のための社会的な費用をできるだけ小さくする観点から行われるものでございます。寄附金控除の年末調整対象化については、源泉徴収義務者にとって、寄附金控除の対象となる法人であるかどうかの確認、不正防止の観点からの厳正なチェック体制の整備といった負担が生じることをどう考えるかという課題があると思います。
 いずれにしましても、寄附金控除の年末調整対象化については、源泉徴収義務者等の意見を聴取しつつ、実務的、技術的な観点から実施可能であるかどうかについて検討を行う必要があると考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣岡田克也君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(岡田克也君) 国家公務員の新規採用につきまして御質問がございました。
 先ほども申し上げましたように、私自身が七割という数字を申し上げた事実はございません。ただ、平成二十二年度比で四割弱、三割弱と削減を続けてまいりましたが、今回はそういった過去の実績と比べてもより大幅な抑制をお願いしているところでございます。
 現在、総務省において、この方針に基づきまして各府省と採用上限数の調整を行っているところであります。その際、各府省の実情を踏まえつつ、一律ではなく、めり張りを付けながら行うことは当然必要であるというふうに考えております。
 新規採用抑制につきましては、税・社会保障一体改革において国民に負担を求めることに伴い、身を切る改革の一環として国家公務員の数を削減するために実施するものです。国家公務員順次削減は、財政や社会保障制度の持続可能性のためにも必要なことで、若い世代のためにも行っているところでございます。もちろん、その際に、国家公務員総人件費の抑制、削減に関して、新規採用抑制だけではなく、より幅広い観点から、あらゆることを行っていくことが必要であると考えております。
 是非、議員の御理解と御支援をお願いするところでございます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(平田健二君) 水野賢一君。
   〔水野賢一君登壇、拍手〕
#25
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 答弁内容によっては持ち時間の範囲内で再質問をする可能性もあることをあらかじめ申し上げます。
 税制改正の内容に入る前に、一点申し述べておかなければならないことがあります。
 本来、予算案と国税、地方税の改正法案、さらに赤字国債発行のための公債特例法案は密接に関連するものであり、一体として審議に入るべきものです。昨年に続いて公債特例法案を分離した上で予算案を参議院に送付するという異例の選択を政府・与党が取ったことに対し、猛省を促したいと思います。
 昨年を振り返ってみると、公債特例法案に加えて、この国税、地方税の法案さえも予算通過時に送ってきませんでした。予算の衆議院本会議での可決は三月一日でしたが、当時の西岡武夫参議院議長は、こんな予算の送り方をしてきてもすんなりと受け取ることはできないという姿勢を示され、丸一日受取を保留したため、受取日は翌三月二日になりました。
 ここで問題になるのは、予算の自然成立の起算日です。憲法六十条をよく読むと、自然成立についての書きぶりは、衆議院で可決して三十日ではなく、衆議院で可決して参議院が受け取って三十日なのです。もしそのまま三十日たったときには、起算日は一体どちらなのかという問題が起きたはずです。衆議院本会議で可決した日なのか、それとも参議院が受け取ったときなのかという点です。
 実際には、直後に起こった東日本大震災により予算審議は早く進んだため、この問題は顕在化しませんでしたが、今後再び議論になることも十分あり得るでしょう。
 そこで、総理にお伺いします。政府は、この起算日について、憲法六十条をどのように解釈しますか。
 法案の内容について伺います。
 国税改正の大きな柱が環境税、政府の言葉を使えば地球温暖化対策のための課税の特例の導入です。温暖化対策は重要です。そのための施策として炭素に着目して課税するという、その手法にも賛成です。しかし、なぜ税収を特定財源にする必要があるのですか。
 環境税の税収は、一般会計を経由するとはいえ、最終的にエネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定に入ることになっています。そして、その使い道はエネルギー起源CO2の排出抑制に限定される特定財源です。政府は、一方で特別会計、特定財源の整理合理化を掲げています。そうした中で環境税が特別会計に入るというのは明らかに特会の肥大化であり、言っていることと逆行しているのではないですか。環境税導入によってエネルギー需給勘定がどれだけ膨らむのかと併せてお答えください。
 税収を温暖化対策に使うと言えば聞こえはいいですが、特定財源にしていることによって、その温暖化対策の中でも更に一部分にしか使えないではありませんか。例えば、森林対策やフロンの回収、破壊は温暖化防止に幾ら有効であっても、この環境税を充てることはできません。使途が限定されているからです。結局は、経済産業省と環境省のごく一部の部局を、その予算を膨らませるだけではないですか。そんなことでよいのですか。
 こうした特定財源を擁護する論法として、政府は納税者の理解を得るためと言います。思い起こすのは、数年前の道路特定財源が廃止されたときの議論です。このときも、道路特定財源を擁護していた、いわゆる道路族の人たちが大義名分として掲げていたのが納税者の理解という言葉でした。特定財源を守ることがなぜ納税者の理解につながるのか、さっぱり分かりませんが、今の民主党政権は、まさにこの族議員と同じ論法に陥っているのではないですか。
 しかも、道路特定財源ならば納税者の多くは一般ユーザー、つまり国民一人一人でした。しかし、環境税の納税者とは誰ですか。石油業界や電力業界といった一部の業界ではないですか。こうした業界の理解を得ることと、無駄遣い撲滅のための一般財源化という方向とどちらが大切なんですか、経済産業大臣と環境大臣に伺います。
 この環境税は、昨年も政府は同じ案を提出をしています。そのときは成立しませんでしたが、今年、全く同じ案を再提出してきたわけです。違いは、施行日を一年ずらしただけです。その間に起こったのが東日本大震災です。状況は大きく変化しました。変化を受けて、法案の中身について何か変更を加える検討はしたのですか、それともしなかったのですか、お伺いします。
 状況に応じて検討すべき点は幾つもあるでしょう。例えば、環境税は化石燃料への課税ですから、火力発電の競争力は下がります。逆に、化石燃料を使わない発電の競争力は相対的に上がります。つまり、再生可能エネルギーが有利になるだけでなく、原子力発電も相対的に有利になります。原発による深刻な事故が問題になっている中、その競争力が高まるわけです。ならば、原発のウラン燃料にも国としても課税するなど、バランスを取ることを新たに考えないのですか。
 また、平成十五年度に石油や石炭の税率を上げたときには、同じエネルギー対策特別会計の財源となっている電源開発促進税を下げて、全体としては税収中立になるようにしました。原発立地のための対策費、言わば原発マネーの原資になっている電源開発促進税を減税することを今回は考えなかったのですか。
 免税措置について伺います。
 この改正で石炭の税率が二倍近く上がることになりますが、石炭といっても原料炭、つまり鉄鋼業界が使う石炭だけは免税になっています。鉄鋼業界が使う石炭は二酸化炭素を出さないのですか。そんなはずはありません。免税する理由として国際競争力などを挙げていますが、政治力のある特定の業界だけを優遇する手法には疑問があります。この免税措置によって鉄鋼業界が免税される金額は、全体でどれぐらいに上りますか。
 また、個々の製鉄会社若しくは業界団体から免税への依頼が政府や民主党にあったかどうかについても伺います。
 また、この環境税導入によって温室効果ガスの削減効果がどれぐらいあると見込んでいるのか、さらに、GDPへの影響はどれぐらいと予測しているのか、伺います。
 温暖化対策というならば、忘れてはならない問題もあります。フロンです。
 フロンは、オゾン層を破壊するとして二十年ほど前に問題になりました。その結果、現在、日本を含む先進国では、オゾン層を破壊するタイプのフロンは生産が規制をされ、間もなく全面禁止になります。代わりに作られているのが代替フロンと呼ばれるものです。
 確かに、これはオゾン層は破壊しません。しかし、極めて強力な温室効果ガスです。二酸化炭素に比べ、百倍から一万倍もの温室効果を持っています。しかも、フロンにせよ代替フロンにせよ、元々自然界には存在せず、人為的に生産されているものです。
 温暖化対策の重要性がこれだけ叫ばれ、今回、新税まで導入される中、一方でこうした強力な温室効果ガスをわざわざ人為的に作って、売って、もうけるというのが果たして倫理的、道徳的にも許されるのでしょうか。経済産業大臣と環境大臣に見解をお伺いします。
 しかも、パソコンのほこり飛ばしスプレーのように、放出することを前提としている商品さえあります。一体、国内でどの企業がこのフロン類を生産しているのですか。一石を投じるためにも、本会議で企業名を明らかにしてください。
 経済産業省は各社のフロンの生産量の報告を受けています。しかし、このうち任意に情報提供してもらっている部分については、その情報の詳細は外部に非公表にしています。十分な情報がなければ適切な対応策の議論ができないではないですか。公開を求めます。
 任意の情報提供だからといって非公表にする必然性は全くありません。現に、政府は今、国会に提出をしている情報公開法の改正案によって、任意の情報提供であっても公開を原則にしようとしているじゃないですか。この改正案では御丁寧にも、法人情報は過去に遡らないと、わざわざメーカー側に有利な規定を入れていますが、現行法でも、大臣が公益性があると判断すれば公開できるはずではないですか。そして、フロンについては公益性から考えて公表に転ずるべきと考えますが、いかがですか。
 また、フロンに関しては生産規制こそ本筋だとは思いますが、フロン税を課すことによって、使わない方が経済的に得をするという仕組みをつくることも一つの方法かと思います。諸外国でもそうした例があるはずです。政府の見解を伺います。
 次に、自動車関係の税について伺います。
 政府は、エコカー減税を三年延長、自動車税のグリーン化を二年延長する方針です。延長するということは、これまでの施策に効果があったと判断しているのだと思います。CO2排出削減という観点から見た場合、年間どれくらいの削減効果があったのですか。
 以上、十六問にわたってお伺いしてきました。真摯な答弁を期待して、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#26
○内閣総理大臣(野田佳彦君) みんなの党、水野議員から私には四問の御質問がございました。
 まず最初に、予算の自然成立に関する御質問をいただきました。
 衆議院が可決した予算案の参議院における取扱いにつきましては、国会内における議案の処理に関する問題でありますので、政府としてお答えすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
 次に、環境税とエネルギー対策特別会計についてのお尋ねがございました。
 地球温暖化対策として、我が国の温室効果ガスの約九割を占めるエネルギー起源CO2の排出抑制対策の抜本的強化が重要であります。その財政需要を化石燃料の使用について公平に御負担いただく観点から、石油石炭税に上乗せ課税を行うものであります。
 こうした課税趣旨を踏まえれば、その税収は、省エネルギー、再生可能エネルギー普及等のエネルギー起源CO2の排出抑制対策に確実に充てることが必要であり、受益と負担の関係も踏まえ、エネルギー対策特別会計エネルギー需給勘定に区分経理することが適切であると考えております。
 エネルギー対策特別会計については、現在、区分経理を行っているところでありますが、エネルギー関係予算全体の在り方については、受益と負担の関係、納税者の理解の観点を踏まえつつ、検討することとしております。
 なお、今般盛り込んだ地球温暖化対策のための課税の特例分として、平成二十四年度は三百九十一億円程度の石油石炭税の増収が見込まれております。
 続いて、環境税の使途についてのお尋ねがございました。
 先ほども申し上げましたが、今回の課税の特例の趣旨を踏まえれば、その税収は省エネの推進や再生可能エネルギーの普及促進など、エネルギー起源CO2の排出抑制対策に確実に充てることが必要であります。
 その具体的な対策として、例えば、二十四年度予算案においては、業種にかかわらず、省エネ効果の高い設備を導入する事業者への支援、家庭における再生可能エネルギー関係の設備の普及、住宅の省エネ化に向けた支援、農林水産分野における再生可能エネルギーの導入推進などの事業を盛り込んでおります。
 今回の課税の特例の導入により、対象業種を問わず、エネルギー起源CO2排出抑制対策として効果の高い事業にしっかりとその税収を充当していく考えでございます。
 続いて、地球温暖化対策のための税の震災後の検討についてのお尋ねがございました。
 東日本大震災後のエネルギーをめぐる状況や経済の状況等を踏まえ、地球温暖化対策のための税の在り方についても検討しましたが、省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの拡大など、エネルギー起源CO2排出抑制対策の推進は、引き続き重要な課題であるとの認識に至りました。
 また、地球温暖化対策のための税は、CO2排出量に応じ広く薄く負担を求めるものでありますが、経済への影響等に配慮する観点から税率の引上げを段階的に行うほか、地球温暖化対策に資する分野等には負担軽減措置等も講じることが必要であると考えております。
 こうした大震災後の状況等も踏まえ、政府税制調査会等で議論を行い、平成二十三年度税制改正法案で提案したものと同様に、地球温暖化対策のための税を平成二十四年度税制改正に盛り込んだものであり、地球温暖化対策を着実に進める観点から、その導入を是非とも実現する必要があると考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(安住淳君) 鉄鋼業界が使う石炭に係る石石税の免税額は幾らかということでございますが、地球温暖化対策のための税の引上げを前提として試算をすると、平年度で七百十億円程度と見込まれております。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣枝野幸男君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(枝野幸男君) 水野議員にお答えをいたします。
 石油石炭税に関する御質問をいただきました。
 我が国のエネルギー需給構造が他国と比べて著しく脆弱であること等を踏まえれば、我が国のエネルギー政策は、長期的視点から安定的財源に基づいて計画的に遂行することが不可欠であると考えます。
 その財源の一つである石油石炭税については、税収が確実にエネルギー対策に充てられるよう、受益と負担の関係も踏まえ、特定財源とされているものと認識をしております。最終的負担者である、エネルギーとしての石油や石炭の利用者の皆さんには、こうしたことを前提として、今回の増税分も含め、価格を通じて税負担を受け入れていただいていると承知をしております。
 なお、石油石炭税は、一旦一般会計に計上され、財政当局の査定も経て必要額のみ特別会計に繰り入れられる方式となっており、相当程度ガバナンスの効いた仕組みになっております。
 次に、ウラン燃料への課税に関する御質問をいただきました。
 地球温暖化対策のための税は、化石燃料に対して、薄く広く石油石炭税の上乗せ課税を行うものであり、発電コストの観点のみからは、結果として原子力発電が相対的に有利になることは御指摘のとおりであります。
 今回の事故を受けて、ウラン燃料に課税をして原子力発電の競争力についてバランスを取るという御指摘をいただいたと理解をしております。しかしながら、ウラン燃料に課税をすることなどにより原子力発電の優位性を下げたとしても、深刻な原発事故リスクが軽減するものではありません。
 原子力発電の利用については安全確保が大前提であり、これまでの安全神話を離れ、国は原子力安全規制を徹底的に見直し、また、事業者は継続的に安全性向上に取り組むことが何よりも重要だというのが今回の事故の教訓だと考えております。
 次に、電源開発促進税に関する御質問をいただきました。
 原子力政策については、現在、エネルギー・環境会議を中心にエネルギー政策全体の見直しを検討している中で、併せて議論されているところであります。こうした中、電源開発促進税については、国民の皆様による節電への御協力などによって結果として減収が見込まれる一方で、既存の原子力発電所の安全性向上や防災対策等の強化が必要であることなどを踏まえて、減税措置は盛り込んでおりません。
 次に、鉄鋼業界からの免税の依頼に関する御質問をいただきました。
 地球温暖化対策のための課税の特例による石油石炭税の上乗せについて、二十四年度税制改正に関する意見において、鉄鋼業界から当省に対して鉄鋼製造用の原料炭の免税の要望はありませんでした。
 なお、民主党に対して免税の依頼があったかどうかについては把握をしておりません。
 次に、地球温暖化対策のための税のGDPへの影響に関する御質問をいただきました。
 地球温暖化対策のための税の導入については、税率は足掛け五年程度掛けて段階的に引き上げること、燃料の生産・流通コストの削減などの支援策を併せて講じることなどにより、企業や家計、さらにはGDPへのマイナスの影響をできる限り小さくするよう十分配慮しております。一方、本税収を活用して行う、住宅用太陽光発電の導入支援、省エネ機器の普及、低炭素産業の国内立地推進などの諸施策は、新たな消費や設備投資を促し、GDPを増加させる側面もあります。
 本税のGDPへの影響については、税負担の価格転嫁の状況や各種支援策等の実施状況、さらにはそのときの経済状況によって施策の効果等も変わるものであり、具体的な試算をすることは困難であります。
 そもそも、本税は、省エネや再生可能エネルギーの普及促進などのエネルギー起源CO2の排出抑制対策を強化することを目的としたものであり、効果の高い事業にしっかりとその税収を充当してまいります。
 次に、フロン類の生産、販売に関する御質問をいただきました。
 現在用いられているフロン類は、エアコンの冷媒等としてフロン類のほかに利用可能な物質がない分野を中心に使用されてきたものです。しかしながら、できるだけ温室効果の低い物質を用いることが望ましいことは言うまでもありません。
 そのため、温室効果の低い物質への代替技術開発や温室効果の低い物質の利用を促す環境整備を進めているところです。また、更なるフロン類対策に取り組むため、環境省と合同の審議会の場においてその検討を進めているところです。
 次に、フロン類を生産する企業名の公表に関する御質問をいただきました。
 フロン類の生産メーカーの団体である日本フルオロカーボン協会によると、我が国でフロン類を生産している主なメーカーは、旭硝子株式会社、ダイキン工業株式会社、三井・デュポンフロロケミカル株式会社、セントラル硝子株式会社、メキシケムジャパン株式会社であると承知をしております。
 次に、フロン類の生産量の公表に関する御質問をいただきました。
 経済産業省では、日本フルオロカーボン協会より一部のフロン類の生産量の提供を受け、国全体の温室効果ガス排出量を算定し、国連に報告しているところです。このうち、任意で提供を受けているフロン類の生産量の情報の詳細については、開示に係る公益上の必要性と照らした上でも、公開しないことを前提に任意での提供を受けた情報であること、公開した場合、各社ごとの生産量が容易に推測され、競争上の不利益をもたらすおそれがあることから、公表を行うことは困難であると考えております。
 最後に、フロン税の導入に関する御質問をいただきました。
 いわゆる代替フロン等の三つのガスについては、冷凍空調機器の冷媒としての使用増に伴い、今後使用量が大きく増加することが見込まれます。これらの排出抑制に向けては、フロン税など経済的手法を含め様々な手法が考えられますが、今後、環境省との合同審議会において対策を検討してまいります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣細野豪志君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(細野豪志君) 水野議員から四問、御質問をいただきました。
 まず、地球温暖化対策のための税が特定財源とされていることについてのお尋ねでございます。
 地球温暖化対策のための税は、我が国の温室効果ガスの約九割を占めるエネルギー起源CO2の排出抑制を強化することが不可欠であることから、全化石燃料を課税ベースとする現行の石油石炭税の仕組みを活用し、CO2排出量に応じて広く課税するものであります。直接の納税義務者は石油業界が中心となりますが、価格転嫁を通じてその税負担を担うことになる国民各層の御理解を広く得るためには、価格効果と併せて、税収を再生可能エネルギーの推進や省エネルギー対策の抜本強化などの地球温暖化対策に確実に充て、CO2削減効果の高い効率的な事業にしっかりと活用することが重要であると考えております。
 次に、地球温暖化対策による税による温室効果ガスの削減効果についてお尋ねがございました。
 地球温暖化対策のための税による温室効果ガスの削減効果としては、主に課税による価格効果と税収の温暖化対策への活用による財源効果がそれぞれ期待されます。中央環境審議会に提示された研究者の試算では、これらの二つの効果全体として、二〇二〇年に一九九〇年比約一%、約千二百万トンのCO2削減の効果があるとしております。
 今後は、温室効果ガスの削減に向けてあらゆる政策手段を講じていく中で、地球温暖化対策のための税による価格効果、財源効果が最大限発揮されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 フロン類の生産、販売についてお尋ねがございました。
 大気中に放出されるフロン類のほとんどは冷媒として使用されているものであり、まずは、その排出を抑制することが必要です。このため、フロン回収・破壊法などによって、フロン類を冷媒として使用する機器の破棄時にフロン類を回収、破壊することを義務付けています。
 御指摘のとおり、フロン類の対策は地球温暖化対策としても重要であることから、現在、回収・破壊制度の強化に加え、機器の使用時におけるフロン類の漏えい対策の強化を経済産業省と連携して検討しているところです。また、温室効果の高いフロン類を温室効果の低い物質に転換するため、早期に代替物質の開発普及を図ることが重要であります。
 今後とも、関係省庁と協力し、効果的なフロン類対策に取り組んでまいります。
 最後に、エコカー減税などのCO2削減効果についてお尋ねがございました。
 御指摘のエコカー減税や自動車税のグリーン化特例のほか、同時期に実施されたエコカー補助金を含めた総合的な効果について、対象車種や走行距離など一定の仮定を設定した上で試算いたしました。エコカー減税等が実施をされた平成二十一年度から二年間で約百万トン、年間では平均約五十万トンのCO2削減効果があったと推計をしております。
 以上でございます。(拍手)
#30
○議長(平田健二君) 水野君から再質疑の申出があります。これを許します。水野賢一君。
   〔水野賢一君登壇、拍手〕
#31
○水野賢一君 二点について再質疑をさせていただきたいというふうに思います。
 一点目は総理に対してですけれども、予算の自然成立の起算日について改めて伺います。
 事実上答弁を拒否されたようですが、この問題ははっきりさせておかないと、今後、解釈に困る事態が起き得るわけです。もちろん、政府だけで判断できないというのは分かりますけれども、例えば衆参両院議長若しくは法制局等々などとも協議して、速やかに結論を得る努力を政府としても働きかけをすべきではないですか。
 二点目の質問は、特定財源に関して経済産業大臣に伺います。
 確かに温暖化対策は重要です。しかし、重要だからといって特定財源にしなければならないという必然性はありません。重要ならば、一般財源であってもそこには手厚く予算配分をすればいいだけです。予算というのは、必要だから予算を付けるというのが本来の姿です。しかし、特定財源の中では、税収があるから使い切るまで使うということに陥りがちなのが今までの傾向であり、無駄遣いの温床になるというのが実際の姿ではないですか。なぜ特定財源なのかをいま一度はっきりと説明を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
#32
○議長(平田健二君) ただいま理事が協議中でございます。しばらくお待ちください。
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#33
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 繰り返しの答弁になります。恐縮でございますが、衆議院が可決した予算案の参議院における取扱いにつきましては、国会内における議案の処理に関する問題でありますので、政府としてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣枝野幸男君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(枝野幸男君) 再質問でございますが、私の答弁は、重要だからということだけお答えしたのではなくて、エネルギーとしての最終的な石油や石炭の利用者の皆さんとの受益と負担との関係も踏まえて特定財源とされているということを申し上げました。
 なお、この納税者の理解の観点については、先ほど総理からも御答弁されておられますが、エネルギー特別会計全体について、その在り方について、受益と負担との関係、納税者の理解の観点を踏まえつつ、更に検討することといたしております。(拍手)
#35
○議長(平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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