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2012/03/23 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 本会議 第8号
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2012/03/23 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 本会議 第8号

#1
第180回国会 本会議 第8号
平成二十四年三月二十三日(金曜日)
   午後零時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第八号
  平成二十四年三月二十三日
   正午開議
 第一 東日本大震災の被災者に対する援助のた
  めの日本司法支援センターの業務の特例に関
  する法律案(衆議院提出)
 第二 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置
  法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 第三 鳥獣による農林水産業等に係る被害の防
  止のための特別措置に関する法律の一部を改
  正する法律案(農林水産委員長提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派
  遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等
  の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 一、北朝鮮による「人工衛星」の打ち上げ発表
  に抗議し強く自制を求める決議案(鶴保庸介
  君外十名発議)(委員会審査省略要求)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(平田健二君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。厚生労働大臣小宮山洋子君。
   〔国務大臣小宮山洋子君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(小宮山洋子君) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 労働者派遣制度については、労働力の需給調整を図るための制度として創設されましたが、雇用の規制緩和という大義名分の下に行き過ぎた規制緩和が行われた結果、日雇派遣など社会的に問題のある形態が生じてしまいました。
 また、平成二十年以降の日本の雇用情勢の急激な悪化に伴って社会問題化したいわゆる派遣切りで、常時雇用する労働者でない人の労働者派遣についてはその雇用の不安定さが、また、製造業務派遣については技能の継承の問題が指摘されました。こうした問題に的確に対応した措置を講ずる必要があるため、常時雇用する労働者でない人の労働者派遣と製造業務派遣を原則として禁止するなど、労働者派遣事業に関する制度を整備する措置を講ずることにし、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の主な内容について説明いたします。
 第一に、派遣労働者の雇用の安定や保護を図るため、常時雇用する労働者でない人について、雇用の安定等の観点から問題が少ないいわゆる専門二十六業務への労働者派遣などの場合を除き、労働者派遣を行ってはならないことにしています。また、平成二十年以降のいわゆる派遣切りで、製造業務に従事する派遣労働者の雇用の不安定さが問題となったことから、製造業務については、雇用の安定性が比較的高い常時雇用する労働者を派遣する場合を除き、労働者派遣を行ってはならないことにしています。
 第二に、雇用管理上問題のある派遣形態を禁止し、派遣労働者の雇用の安定や保護を図るため、日々又は二か月以内の期間を定めて雇用する労働者について、その適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがないと認められる業務以外の業務については、労働者派遣を行ってはならないことにしています。
 第三に、派遣労働者の賃金等の待遇の確保を図るため、派遣元事業主は、派遣労働者の賃金等について、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者との均衡に配慮しなければならないことにするとともに、労働者派遣に関する料金の平均額と派遣労働者の賃金の平均額の差額が労働者派遣に関する料金の平均額に占める割合等の情報を提供することを義務化することにしています。
 第四に、違法派遣の是正に当たって、派遣労働者の希望を踏まえつつ雇用の安定が図られるようにするため、禁止業務に従事させた場合、無許可事業主等から派遣労働者を受け入れた場合、派遣可能期間の制限に違反した場合、常時雇用する労働者でない人を派遣労働者として受け入れた場合又はいわゆる偽装請負の場合については、その行為を行った時点で、派遣先が派遣労働者に対して、労働契約の申込みをしたものとみなすことにしています。
 このほか、法律の題名を労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律に改めるとともに、所要の規定の整備を行うことにしています。
 最後に、この法律の施行期日は、公布の日から起算して六か月を超えない範囲内で政令で定める日としています。常時雇用する労働者でない人についての労働者派遣や製造業務への労働者派遣の禁止については、公布の日から起算して三年を超えない範囲内で政令で定める日から施行することにし、常時雇用する労働者でない人についての労働者派遣のうち、雇用の安定に大きな支障がない等の一部の業務については、その労働者派遣の禁止を、さらに二年を超えない範囲内で政令で定める日まで猶予することにしています。
 政府としては、以上を内容とする法律案を提出しましたが、衆議院で次の五つの事項を主な内容とする修正が行われています。
 第一に、いわゆる登録型派遣の原則禁止規定を削除すること。第二に、物の製造業務派遣の原則禁止規定を削除すること。第三に、労働者派遣が禁止される日雇労働者とは、日々又は三十日以内の期間を定めて雇用される労働者をいうこととし、あわせて、日雇派遣労働の禁止の例外として雇用機会の確保が特に困難であると認められる労働者の雇用の継続等を図るために必要であると認められる場合等を追加すること。第四に、違法派遣の場合の派遣先の派遣労働者に対する労働契約申込みみなし規定の施行期日をこの法律の施行日から起算して三年を経過した日とすること。第五に、政府は、この法律の施行後、いわゆる登録型派遣、物の製造業務派遣等の在り方について、速やかに検討を行うものとすること。
 以上が、この法律案の趣旨です。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(平田健二君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。大家敏志君。
   〔大家敏志君登壇、拍手〕
#7
○大家敏志君 自由民主党の大家敏志です。
 私は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表して、労働者派遣法を改正する法律案について、厚生労働大臣に質問いたします。
 まずは、現在の雇用情勢についてお伺いします。
 三月十九日、官邸で雇用戦略対話が開催されました。小宮山大臣も出席されていたと思います。そこで報告された資料によると、昨年の大卒者の就職率は過去最低の水準だったそうです。
 今年、来年と、経済の回復に伴って就職率も改善していくものと期待していますが、政府の見通しはいかがか、大臣に伺います。
 また、民主党政権の震災の対応の遅れによって本格的な復興も遅れていますが、就職率も、本来ならばもっと早く、そしてもっと大きく改善したはずではないでしょうか。大臣の見解を伺います。
 さらに、雇用戦略対話の資料には、もう一つ大事なことが書かれています。非正規雇用の若者四百十四万人のうち、正社員を希望する人が百六十六万人、希望しない人が二百四十八万人だということです。つまり、非正規雇用の人の六割は、自ら柔軟な雇用形態を望んでいると言えそうです。
 しかしながら、民主党政権の政策は、年金も保険も給与もその他の待遇も、非正規雇用をできるだけ正規雇用に近づけようというものであり、マニフェストを見ればそれは明らかです。そうした政策は、正社員になりたい四割の人を強調する余り、残りの六割の人の声を正確にはつかみ得ていないのではないでしょうか。現状の非正規雇用のままでいいという人の声をどう考えるのか、大臣の考えをお聞かせください。
 次に、労働者派遣法改正案についてお伺いします。
 この法律案は、自民、公明、民主三党合意により現在の形になっていますが、元々の政府案は、登録型派遣や製造業務への派遣を原則禁止するという、現状からは懸け離れた内容のものでした。
 企業、労働者のどちらにとっても選択の幅を狭める、そんなことにどんなメリットがあるんでしょうか、全く理解できません。資本主義社会では、労働者には働き方を選ぶ権利がある、企業にも雇い方を十分選択する権利がある、これが大前提です。その上で、基本的な人権を守るセーフティーネットがあることは言うまでもありません。
 しかし、民主党の労働政策、雇用政策は、この大前提を理解していないように思えます。政府が決めた範囲内でしか働いたり雇ったりしてはならない、そういう発想が先にあるように思えます。働き方を選ぶ権利、雇い方を選ぶ権利は最大限尊重されるべきであり、派遣という働き方、雇い方もその中の一つであります。民主党にそういう基本認識があるのか、小宮山大臣の見解をお伺いします。
 民主党の言っていることは、派遣を禁止すれば雇用問題が全てうまくいく、最低賃金を上げれば高い給料がもらえる、そんな単純な発想に思えてなりません。しかし、そのようなことは、かつての社会主義のユートピアでしかあり得ない、おとぎ話だと思います。
 現実の企業の皆様は、厳しい国際競争にさらされ、身を削って勝負をしておられます。派遣が禁止されれば雇わない、最低賃金が高くなれば雇うことをためらう、その果てには、もっと安い海外に移転する、それが現実です。
 実際に、OECDのデータでは、労働者の保護が強い国ほど失業期間が長くなっています。企業が人を雇いにくい社会なのです。政権交代する直前の二十一年の七月、経済財政白書にはっきりそう書いています。民主党は、選挙に忙しくて誰も読んでいなかったのではないでしょうか。
 企業が人を雇いにくくするという民主党の政策は、雇用を減らし、失業を増やす、さらには、国の競争力を奪い、空洞化を加速させるものであります。まさに、亡国政策のそしりを免れないと言われても仕方のないようなものであります。小宮山大臣、もし反論がおありなら、おっしゃっていただきたいと思います。
 労働者派遣に関しては、二十六業務の見直しも大きな問題です。誰が見ても時代に合わなくなっている二十六業務とその他の業務で派遣期間の制限が変わってくる、この不自然な制度をいつまでも続けるわけにはまいりません。大臣は、衆議院の委員会で、二十六業務の見直しを検討すると答弁されました。いつまでに、どのような手順で見直しを行うのか、お聞かせください。
 今回の改正案には、派遣会社のマージン率等の情報公開も含まれています。これは派遣事業を透明化するもので、大いに推進すべきです。労働者と派遣先企業の双方にとってメリットがあります。
 こうした点を含め、今回の改正案は、衆議院において、良い部分を残しつつ、民主党案の非現実的な部分が是正されたおおむね妥当な内容であると評価できます。
 本法案の附則では、登録型派遣や製造業務への派遣の在り方について速やかに検討を行うとされていますが、政府・民主党におかれては、これらを禁止するなどという現実離れした案を二度と持ち出すことがないよう強く求めて、私の質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣小宮山洋子君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(小宮山洋子君) 大卒者の就職率についてですが、新卒者の就職環境が非常に厳しい中で、全国の新卒応援ハローワークでジョブサポーターによるきめ細かな就職相談、職業紹介を実施しています。今年一月からは、文部科学省、経済産業省とも連携し、未内定の学生生徒のための卒業前最後の集中支援を実施しています。
 こうした取組などにより、大学生の二月一日時点の就職内定率は、過去最低となった前年同期よりも三・一ポイント改善しました。四月一日時点の就職内定率も昨年を上回るように引き続き全力で新卒者の就職支援に取り組んでいきます。
 被災地の新卒者対策についてですが、一人でも多くの新卒者が就職できるよう、文部科学省、経済産業省と連携し、東北新卒者就職応援プランを実施しています。具体的には、ハローワークと学校等が連携し、ジョブサポーター等による被災地の地元求人を開拓、県外で就職を希望する新卒者のために首都圏のハローワークが求人を確保、被災地等での就職面接会の積極的な実施などに取り組み、被災三県の高校生の内定率は全て昨年を上回っています。また、北海道・東北ブロックの大学生の内定率も昨年を上回っています。引き続き、新卒者の就職支援に全力で取り組んでいきます。
 非正規雇用を希望する人への対応ですが、非正規雇用には雇用や生活が不安定であるという問題があります。このため、近年、増加傾向にある正規雇用を希望する非正規雇用の労働者については、できる限り正規雇用につなげていくことが重要です。同時に、柔軟な働き方を求めて非正規雇用で働く人についても、公正な処遇を確保し、非正規雇用に伴う問題を解消していくことが重要だと考えています。このため、ハローワークの就職支援、各種助成金の支給などにより、正社員として就職支援を進めると同時に、非正規雇用の労働者の処遇の改善も支援しています。
 今後とも、こうした施策の実施により、非正規雇用の労働者の雇用の安定と公正な処遇の確保に全力で取り組んでいきます。
 労働者派遣という働き方、雇い方に対する基本認識についてですが、働き方、雇い方の選択は、労働者、企業それぞれにとって重要であり、労働者の働き方や企業での雇い方の自由を尊重するべきだと認識しています。一方、労働者派遣については、平成二十年秋のリーマン・ショック以降、いわゆる派遣切りが多発し、派遣労働者の雇用の不安定さ、低い待遇が指摘をされました。このため、労働者派遣という働き方、雇い方を認めつつ、労働者の雇用の保護と安定を図る観点から、現在の労働者派遣法を改正することが必要だと考えています。
 民主党の雇用政策についてですが、労働者の生活を安定させることは、分厚い中間層を復活させ、日本経済を再生させるために大変重要なことだと考えています。このため、派遣労働者の保護と雇用の安定を図るための労働者派遣法改正案の速やかな成立を目指しつつ、あわせて、最低賃金の引上げに取り組むことにより、労働者の生活を安定させることが日本経済の再生に資すると考えています。
 いわゆる専門二十六業務の見直しの検討についてですが、いわゆる専門二十六業務の在り方については、様々な御意見があり、国会審議でも御指摘があったことから、必要な見直しを検討します。この見直しの検討の時期については、今回の労働者派遣法改正案の施行に伴う政令等の改正後、速やかに検討を開始したいと考えています。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(平田健二君) 川田龍平君。
   〔川田龍平君登壇、拍手〕
#10
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 会派を代表して質問いたします。
 労働者派遣法成立から四半世紀、そして派遣法の抜本改正を公約に掲げた政権交代から二年半、三人目の野田政権下で今抜本改正の柱が全て抜かれた修正案が急遽出され、衆議院の厚生労働委員会で採決、十分な審議なしに採決をされようとしています。みんなの党は、参議院でも衆議院と同じように国会での議論を尽くすべきだとし、この拙速な採決を拒みました。このような徹底した審議のない拙速な採決によって国会を軽視することの危険性を小宮山大臣はどうお考えですか。
 今国会でも十分な審議なしに採決をされようとしており、みんなの党は、ここ、本会議での質疑の必要性を訴えました。その結果、本日、このような質疑の場を与えられたことに感謝申し上げます。ありがとうございます。
 本題に行きます。
 率直に聞きたい。今回の派遣法改正は、一体何のためにするのでしょうか。十三業種に限定されていた制定時の派遣法は、中間搾取の脱法的状況を転換するために制定されたものでした。多様な業務の正社員と違い、専門性を生かせる、間接雇用によって派遣元から社会保障が受けられ、働き方や生き方に自由を与えられるものだとうたわれました。しかし、その結果、現状はどうでしょうか。
 同時期に成立した法に男女雇用機会均等法があります。女性労働者は総合職と一般職という形に分けられ、女性用事務職となった一般職はすぐに派遣の事務職に取って代えられ、合法的な女性差別を生み出しています。その後も派遣の対象業務はどんどん拡大され、女性だけでなく、男性も正社員から派遣社員を始めとした非正規労働に移行する比率が急激に増えました。その結果、労働者側にとっては、自由な生き方どころか、その日暮らしも難しい、人生の選択肢を奪う状況になってしまっています。正社員の解雇規制の厳しさが派遣を始めとする非正規労働の比率を更に押し上げている。日本の経済を根本から活性化するには、正規労働の硬直化と派遣を始めとする非正規労働の不安定化の両方を克服し、労働者が生活の不安なしにスムーズに流動化できるシステムが必要です。
 そのために政府ができることがもっとあるはずです。例えば、派遣元が労働者の生活保障をするように指導する、企業への就労の垣根を低くする、どんな働き方であってもまともな生活が成り立つような支援、これは、憲法が保障する国民の生存権を守るために政府がすべき責務ではないでしょうか。
 派遣労働者の均等待遇をうたったILO百八十一号に日本が批准して十二年、一体そこを改善せずに何をもって批准などと言えるのでしょうか。
 みんなの党は、働き方の自由を損ない、雇用を奪う派遣法改正には一貫して反対です。同時に、同一労働同一待遇、同一労働同一賃金の実現を至上命題に挙げています。今、日本に必要なことは、頑張れば報われることを信じられる社会をつくることです。正規・非正規社員の間の流動性を確保し、格差を固定しない雇用形態を今こそつくらなければなりません。
 全ての労働者が自分の仕事に誇りを持ち、幸せを感じる上で経済が成長していく社会、そうしたビジョンがないままに小手先の改正をするのではなく、官僚だけに依存するやり方から、民間の自由な発想に基づく経済活動ができる土壌をつくることが必要なのです。全ての労働者の権利が守られるように、労働組合による正社員の既得権益保護の体制を打破し、派遣労働という非正規労働が正規労働と同等に評価される、そうした社会をつくるべきです。
 はっきり言って、この度の改正案は、労働者の権利が守られた上での改正ではありません。同一労働同一賃金が適用されないだけでなく、時間を割けるだけ割いて懸命に働く派遣で雇用される人への健康管理にも十分なケアがされていないのです。万一、体を壊したとき、正社員と同じ権利を享受できない彼らは一体どうしたらいいのですか。
 自殺者が十四年間連続で三万人を超えています。自殺する多くの人は、働き盛りで職場でのストレスが原因であることも多いのです。私の生涯の目標である、命が最優先される社会の実現と逆行する悪法であると断じざるを得ません。
 政府は、昨年、労働安全衛生改正法案を閣議決定しています。この法案はまだ審議入りしていませんが、この法案には労働者の精神衛生を守るための規定が盛り込まれています。過労による自殺を防ぐために、産業医にメンタルチェックを求めたものであり、同時に、産業医に精神医学の習得を促す内容です。
 野田政権は、こうした精神衛生を保全し、労働環境を改善させるような法案をたなざらしにする政権です。労働弱者である派遣労働者こそが、こうした精神保健を図る政策の恩恵にあずからねばならないのに、そうした法整備を促す法案を放置したままでこの派遣法を通すおつもりですか。小宮山厚生労働大臣にお伺いいたします。
 また、派遣労働者も含む労働者への自殺対策、メンタルヘルス対策をどのようにしていくつもりなのか、中川自殺対策担当大臣にお答えいただきたい。
 命が大切にされ、未来に希望が描ける社会をつくりませんか。生きるって楽しいと心から思える社会を。三・一一であんなにもたくさんのものを失いました。希望の描ける、希望の未来を描ける創造的な復興が今必要です。小宮山厚生労働大臣、そうした社会を共につくっていくとお約束いただけますか。いただけないのであれば、政権の座を直ちに降りてください。
 政治にしかできないことがあります。私たち国会議員が本気になれば、それは実現するんです。繰り返しになりますが、私は生きている限り、命が最優先される社会の実現を決して諦めません。この議場にいる全ての議員の皆さんに力をお貸しいただきたい。皆さんとともに、命が最優先される社会を実現する、それを目指すことを改めてここに誓い、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣小宮山洋子君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(小宮山洋子君) 労働者派遣法改正案の参議院での審議についてですが、労働者派遣法改正案については、平成二十二年四月の国会提出以来、六度の継続審議となり、この間、衆議院で審議していただきました。この間、大震災、円高、欧州債務危機など、改正法案をめぐる環境が大きく変化したことも踏まえ、民主、自民、公明三党の提案による修正が行われた上で、三月八日に衆議院を通過しました。労働者派遣法改正案は、派遣労働者の雇用の安定を図るために極めて重要な法案であることから、参議院でも精力的に御議論いただき、速やかな成立をお願いしたいと考えています。
 労働者派遣法改正案の目的についてですが、労働者派遣法改正案は、日雇派遣の原則禁止、労働契約申込みみなし制度の創設、均等待遇の確保などを通じて労働者の保護と雇用の安定を図るための極めて重要な法案です。このため、参議院でも精力的に議論していただき、速やかな成立をお願いしたいと考えています。
 派遣労働者の均等待遇についてですが、派遣労働者については、正社員と比較して年齢による賃金の上昇度合いが低い実態にあるなど、正社員との格差の存在が指摘されています。このため、今回の労働者派遣法改正案では、派遣元事業主に対し、派遣先の労働者との均衡を考慮しつつ賃金の決定等を行うよう配慮することを義務付けています。
 労働者派遣法改正案が成立した際には、まずは、改正案の規定に従って派遣労働者と派遣先の労働者の均衡が確保されるよう、派遣元事業主に対する改正案の周知等に努めていきます。
 派遣労働を正規労働と同等に評価すべきということについてですが、正規雇用と同様に派遣労働者の待遇を確保するとともに、雇用の安定を図ることが重要と認識しています。このため、労働者派遣法改正案では、派遣元事業主に対し、派遣先の労働者との均衡を考慮しつつ賃金の決定等を行うよう配慮することを義務付けています。また、有期雇用の派遣労働者について、希望に応じ、無期雇用の労働者への転換措置を派遣元事業主に対し努力義務化するなどの措置を盛り込んでいます。
 派遣労働者の健康管理についてですが、派遣労働者の人も含め、働くことにより労働者が健康を損なうことはあってはならないのは当然のことです。このため、厚生労働省では、時間外・休日労働時間の削減、年次有給休暇の取得促進、長時間労働者に対する医師による面接指導の実施を始めとした労働者の健康管理に関する措置の徹底などの総合的な対策を派遣労働者も含めて実施しています。派遣労働者でも、業務により健康を害してしまった場合には、労災保険から必要な給付がなされます。
 労働者派遣法改正案と労働安全衛生法改正案についてですが、労働者派遣法改正案は、派遣労働者の保護と雇用の安定を図るために極めて重要な法案であることから、参議院でも精力的に議論していただき、速やかな成立をお願いしたいと考えています。
 一方、労働安全衛生法改正案についても、メンタルヘルス対策の強化等を通じて、労働安全衛生対策をより一層充実するための法案であり、この法案についても国会で精力的に議論していただき、速やかな成立をお願いしたいと考えています。
 雇用について希望が描ける社会についてですが、雇用について希望が描ける社会をつくっていくことは、もちろんこれは重要なことだと考えています。こうした観点から、日本再生の基本戦略や社会保障・税一体改革を踏まえ、全員参加型社会やディーセントワークの実現、重層的なセーフティーネットの構築を図っていきます。また、例えば、非正規雇用問題に総合的に対応し、労働者が希望する働き方を実現するための望ましい働き方ビジョンを作成し、その実現を図るなど、力を尽くしていきたいと考えています。(拍手)
   〔国務大臣中川正春君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(中川正春君) 御指摘のように、日本の自殺者数は高いレベルに推移をしております。昨年、平成二十三年の自殺者数は三万六百五十一人となっておりますが、これはしかし、前年に比べて三・三%減少をしております。そのような中で、被雇用者あるいは勤め人の自殺者数も四・二%減少しておりますが、そのうち、二十歳代以下の若い世代を見ると、二・二%増加をしております。若い世代では非正規雇用の割合が高く、労働者としては弱い立場にある人が多いことが懸念をされます。
 政府としては、派遣労働者も含む労働者のメンタルヘルス対策の充実強化等を図るための労働安全衛生法改正案を国会に提出しているところであります。同法案の早期成立を目指していきたいというふうに思っております。同時に、弱い立場にある方々を始め、一人でも多くの方の命を救うべく、国、地方公共団体、民間団体等連携をしまして、相談体制の強化などを図ってまいります。(拍手)
#13
○議長(平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#14
○議長(平田健二君) この際、お諮りいたします。
 鶴保庸介君外十名発議に係る北朝鮮による「人工衛星」の打ち上げ発表に抗議し強く自制を求める決議案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 よって、本決議案を議題といたします。
 まず、発議者の趣旨説明を求めます。鶴保庸介君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔鶴保庸介君登壇、拍手〕
#16
○鶴保庸介君 ただいま議題となりました民主党・新緑風会、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会、公明党、みんなの党、国民新党、新党改革及び新党大地・真民主の各派の共同提案に係る北朝鮮による「人工衛星」の打ち上げ発表に抗議し強く自制を求める決議案につきまして、発議者を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 それでは、まず案文を朗読いたします。
    北朝鮮による「人工衛星」の打ち上げ発表に抗議し強く自制を求める決議案
  去る三月十六日、北朝鮮は四月十二日から十六日の間に人工衛星を打ち上げると発表した。
  北朝鮮は、二〇〇九年四月にも人工衛星の打ち上げと称して弾道ミサイルを発射している。今回、北朝鮮が発表したような発射が強行されれば、弾道ミサイルの発射又はその技術を使用した発射の禁止や弾道ミサイル計画に関連する全ての活動の停止を規定した国連安保理決議第一六九五号、第一七一八号及び第一八七四号に違反し、国際社会の意思を再三無視した挑発的行為の繰り返しとなる。
  我が国は、北朝鮮による弾道ミサイルの発射は、我が国のみならず北東アジア地域の平和と安定を損なう行為として断じて容認できないことから、発射予告に対して断固たる抗議の意思を表明する。
  本院は、政府が発射に備えて万全の体制を構築し、あわせて米国や韓国を始めとする世界各国、国際機関と連携して、北朝鮮に対して発射の自制を求める働き掛けを継続強化するとともに、北朝鮮が国際社会の声に真摯に耳を傾け、発射を自制することを強く求める。
  右決議する。
 以上であります。
 何とぞ皆様方の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 本決議案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#18
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#19
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、本決議案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#20
○議長(平田健二君) ただいまの決議に対し、内閣総理大臣から発言を求められました。内閣総理大臣野田佳彦君。
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#21
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ただいまの御決議に対しまして、所信を申し述べます。
 今回北朝鮮が予告した「人工衛星」と称するミサイルの発射は、北朝鮮に対して弾道ミサイル技術を用いたいかなる発射も実施することなどを禁じた国連安保理決議第千六百九十五号、第千七百十八号及び第千八百七十四号に違反するもので、地域の平和と安定を損なうおそれがあり、強行されれば遺憾です。また、対話を通じた諸問題の解決に向けた取組も後退させかねないと懸念しています。
 政府としては、ただいま採択されました御決議の趣旨を体し、北朝鮮が発射を行わないよう強く自制を求めていきます。引き続き、米国及び韓国を始めとする関係国や国際機関との緊密な連携に努め、事態を注視しつつ、冷静かつ適切な対応を取ってまいります。(拍手)
     ─────・─────
#22
○議長(平田健二君) 日程第一 東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律案(衆議院提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長西田実仁君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔西田実仁君登壇、拍手〕
#23
○西田実仁君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、衆議院法務委員長提出によるものでありまして、東日本大震災の被災者が裁判その他の法による紛争の解決のための手続及び弁護士等のサービスを円滑に利用することができるよう、日本司法支援センターが、総合法律支援法に規定する業務のほか、東日本大震災の被災者について、その資力の状況にかかわらず、訴訟代理、書類作成、法律相談等に係る援助の業務を行うための特例を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、衆議院法務委員長代理大口善徳君より趣旨説明を聴取した後、法テラスの会計処理方法、対象を東日本大震災の被災者に限定した理由、長期借入金の規定を盛り込んだ理由等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#25
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#26
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十八  
  賛成           二百二十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#27
○議長(平田健二君) 日程第二 特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
 日程第三 鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告及び趣旨説明を求めます。農林水産委員長小川勝也君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔小川勝也君登壇、拍手〕
#28
○小川勝也君 ただいま議題となりました両法律案のうち、まず、特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、特殊土壌地帯における治山、河川改修、砂防、かんがい排水、畑作振興等の対策事業を引き続き実施するため、平成二十四年三月三十一日をもって失効する現行法の有効期限を更に五年延長し、平成二十九年三月三十一日までとするものであります。
 委員会におきましては、提出者の吉田公一衆議院農林水産委員長より趣旨説明を聴取した後、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会を代表して、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 鳥獣による農林水産業の被害については、平成十九年に制定された鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律に基づき、農林水産大臣による基本指針の策定等により、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための施策が推進されております。
 しかしながら、農山漁村では鳥獣による農林水産業の被害が拡大しており、これが農業者の営農意欲を減退させ、耕作放棄地を拡大させるなど、農林水産業の衰退と地域の荒廃につながりかねない事態が生じております。そして、そのような事態が更なる鳥獣の増加と被害の拡大を招くという悪循環が生じております。また、人の居住地域への熊、イノシシ等の進入が頻発し、人の生命、身体への危険も現実のものとなっております。一方で、鳥獣の駆除の担い手である狩猟者は減少、高齢化が進んでおり、鳥獣の捕獲等にかかわる人材の確保が急務となっております。
 この法律案は、このような現状に鑑み、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止に関する施策の効果的な推進に資することを目的とするものであります。
 以下、この法律案の主な内容を御説明申し上げます。
 第一に、市町村の被害防止計画において定める事項として、対象鳥獣による住民の生命等に被害が生じ、又は生じるおそれがある場合の対処に関する事項を加えることとしております。
 第二に、市町村長は、市町村が行う被害防止施策のみによっては被害を十分に防止することが困難であると認めるときは、都道府県知事に対し、必要な措置を講ずるよう要請することができることとしております。
 第三に、国及び都道府県が講ずる財政上の措置として、被害防止施策の実施に要する費用に対する補助を明記することとしております。
 第四に、国及び地方公共団体が講ずる措置として、捕獲した鳥獣の食品としての利用等を図るため、必要な施設の整備充実等を明記することとしております。
 第五に、国及び地方公共団体は、農林水産業等に係る被害の原因となっている鳥獣の捕獲等にかかわる人材の確保に資するため、狩猟免許及び猟銃所持許可を受けようとする者の利便の増進に係る措置等を講ずるよう努めることとしております。
 第六に、鳥獣被害対策実施隊員等について、銃砲刀剣類所持等取締法の技能講習に係る規定の特例を設けることとしております。
 以上が、この法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 なお、本法律案は農林水産委員会において全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。
 何とぞ速やかに可決いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
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#29
○議長(平田健二君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十八  
  賛成           二百二十八  
  反対               〇  
 よって、両案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
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#32
○議長(平田健二君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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