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2012/06/15 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 本会議 第16号
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2012/06/15 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 本会議 第16号

#1
第180回国会 本会議 第16号
平成二十四年六月十五日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十六号
  平成二十四年六月十五日
   午前十時開議
 第一 劇場、音楽堂等の活性化に関する法律案
  (文教科学委員長提出)
 第二 死因究明等の推進に関する法律案(衆議
  院提出)
 第三 警察等が取り扱う死体の死因又は身元の
  調査等に関する法律案(衆議院提出)
 第四 東京電力原子力事故により被災した子ど
  もをはじめとする住民等の生活を守り支える
  ための被災者の生活支援等に関する施策の推
  進に関する法律案(東日本大震災復興特別委
  員長提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、寛仁親王殿下薨去につき弔意を表する件
 一、裁判官訴追委員辞任の件
 一、裁判官訴追委員等各種委員の選挙
 一、日程第一より第四まで
 一、国立国会図書館法の一部を改正する法律案
  (衆議院提出)
 一、国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関
  する調査の中間報告
 一、原子力規制委員会設置法案及び地方自治法
  第百五十六条第四項の規定に基づき、産業保
  安監督部及び那覇産業保安監督事務所並びに
  産業保安監督部の支部並びに産業保安監督署
  の設置に関し承認を求めるの件(趣旨説明)
     ─────・─────
#3
○議長(平田健二君) これより会議を開きます。
 寛仁親王殿下には、去る六日薨去せられました。誠に痛惜の極みであり、哀悼の念に堪えません。
 同殿下に対しましては、議長は、既に弔詞を奉呈いたしました。
 ここにその弔詞を朗読いたします。
   〔総員起立〕
 大勲位寛仁親王殿下には にわかに
 薨去あらせられました まことに
  哀悼に堪えません
   参議院はここに恭しく
  弔意を表し奉ります
     ─────・─────
#4
○議長(平田健二君) この際、お諮りいたします。
 松野信夫君から裁判官訴追委員を辞任いたしたいとの申出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ─────・─────
#6
○議長(平田健二君) この際、欠員となりました
 裁判官訴追委員一名、またあわせて
 国土開発幹線自動車道建設会議委員一名の選挙
を行います。
 つきましては、これら各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 裁判官訴追委員に轟木利治君を、
 国土開発幹線自動車道建設会議委員に池口修次君を、
それぞれ指名いたします。
     ─────・─────
#8
○議長(平田健二君) 日程第一 劇場、音楽堂等の活性化に関する法律案(文教科学委員長提出)を議題といたします。
 まず、提出者の趣旨説明を求めます。文教科学委員長野上浩太郎君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔野上浩太郎君登壇、拍手〕
#9
○野上浩太郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会を代表して、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 本法律案は、文化芸術振興基本法の基本理念にのっとり、劇場、音楽堂等の活性化を図るため、劇場、音楽堂等の事業、関係者並びに国及び地方公共団体の役割、基本的施策等を定め、もって心豊かな国民生活及び活力ある地域社会の実現並びに国際社会の調和ある発展を期するものであります。
 以下、本法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、劇場、音楽堂等の関係者並びに国及び地方公共団体の役割を明らかにし、これらの関係者等は相互に連携を図りながら協力するよう努めるものとするとともに、国及び地方公共団体は必要な助言、情報の提供、財政上、金融上及び税制上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとすることとしております。
 第二に、基本的施策として、国際的に高い水準の実演芸術の振興等、国際的な交流の促進、地域における実演芸術の振興、人材の養成及び確保等、国民の関心と理解の増進並びに学校教育との連携について必要な施策を講ずるものとすることとしております。
 第三に、文部科学大臣は、劇場、音楽堂等を設置し、又は運営する者が行う劇場、音楽堂等の事業の活性化のための取組に関する指針を定めることができることとしております。
 以上が本法律案の趣旨及び主な内容であります。
 なお、本法律案は文教科学委員会において全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。
 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#11
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#12
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#13
○議長(平田健二君) 日程第二 死因究明等の推進に関する法律案
 日程第三 警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律案
  (いずれも衆議院提出)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長芝博一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔芝博一君登壇、拍手〕
#14
○芝博一君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、死因究明等の推進に関する法律案は、我が国において死因究明及び身元確認の実施に係る体制の充実強化が喫緊の課題となっていることに鑑み、死因究明等の推進に関する施策について、その在り方を横断的かつ包括的に検討し、及びその実施を推進するため、死因究明等の推進について、基本理念、国及び地方公共団体の責務並びに施策の基本となる事項を定めるとともに、必要な体制を整備することにより、死因究明等を総合的かつ計画的に推進しようとするものであります。
 次に、警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律案は、警察等が取り扱う死体について死因又は身元を明らかにすることを通じて、死因が災害、事故、犯罪その他市民生活に危害を及ぼすものであることが明らかとなった場合において、その被害の拡大及び再発の防止その他適切な措置の実施に寄与するとともに、遺族等の不安の緩和又は解消及び公衆衛生の向上に資し、もって市民生活の安全と平穏を確保するため、当該死体について、調査、検査、解剖その他死因又は身元を明らかにするための措置に関し必要な事項を定めようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、提出者衆議院内閣委員長荒井聰君より趣旨説明を聴取した後、刑事訴訟法を含めた見直しの必要性、警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律に基づく調査等の実施状況の国会報告、解剖を実施する以前に行うべき捜査の徹底等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、順次採決を行った結果、死因究明等の推進に関する法律案は全会一致をもって、警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律案は多数をもって、いずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両法律案に対し三項目から成る附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#15
○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 まず、死因究明等の推進に関する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#16
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#17
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十八  
  反対               一  
 よって、本案は可決されました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#18
○議長(平田健二君) 次に、警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#19
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#20
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百三十  
  賛成            二百十九  
  反対              十一  
 よって、本案は可決されました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#21
○議長(平田健二君) 日程第四 東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律案(東日本大震災復興特別委員長提出)を議題といたします。
 まず、提出者の趣旨説明を求めます。東日本大震災復興特別委員長玉置一弥君。
    ─────────────
   〔議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔玉置一弥君登壇、拍手〕
#22
○玉置一弥君 ただいま議題となりました法律案につきまして、東日本大震災復興特別委員会を代表して、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故により大量の放射性物質が放出され、広範囲にわたる環境汚染の被害が発生いたしております。放射性物質が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分に解明されていないこと等により、一定基準以上の放射線量が計測される地域に居住し、又は居住していた被災者及び政府による避難指示により避難を余儀なくされている被災者は、常に健康上の不安を抱えるとともに、事故前の生活の継続が不可能になり、苦痛を強いられております。中でも、子どもたちは、汚染された環境で子どもらしく生活をすることができなくなっております。
 そのため、子どもに特に配慮して行う被災者の生活支援等に関する施策を推進することにより、原発事故によって事故前の生活基盤を損なわれた被災者の主体的な生活再建を実現していくため、本法律案を提案することとした次第でございます。
 次に、本法律案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、被災者生活支援等施策は、被災者一人一人が支援対象地域における居住、他の地域への移動及び移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行うことができるよう、被災者がそのいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならないこと、被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、被災者に対するいわれなき差別が生ずることのないよう適切な配慮がなされなければならないこと、被災者生活支援等施策を講ずるに当たっては、胎児を含む子どもが放射線による健康への影響を受けやすいことを踏まえ、その健康被害を未然に防止する観点から、放射線量の低減及び健康管理に万全を期することを含め、子ども及び妊婦に対して特別の配慮がなされなければならないこと等の、被災者生活支援等施策の基本理念を定めております。
 第二に、国は、原子力災害から国民の生命、身体及び財産を保護すべき責任並びにこれまで原子力政策を推進してきたことに伴う社会的な責任を負っていることに鑑み、被災者の生活支援等に関する施策を総合的に策定し、被災者に提示し、及び実施する責務を有するものといたしております。
 第三に、政府は、被災者生活支援等施策の基本理念にのっとり、その推進に関する基本的な方針を定めなければならないものといたしております。
 第四に、国は、東京電力原子力事故に係る放射性物質による汚染状況の調査結果を踏まえ、放射性物質により汚染された土壌等の除染等の措置を継続的かつ迅速に実施するため必要な措置を講ずるものといたしております。
 第五に、国は、支援対象地域及び支援対象地域以外の地域で生活する被災者、支援対象地域以外の地域から帰還する被災者並びに避難指示区域から避難している被災者の主体的な生活を支援するため、食の安全及び安心の確保に関する施策、子どもの学習等の支援に関する施策、就業の支援に関する施策、家族と離れて暮らすこととなった子どもに対する支援に関する施策等必要な施策を講ずるものといたしております。
 第六に、国は、東京電力原子力事故に係る放射性物質による健康への影響に関する調査について、子どもである間に一定の基準以上の放射線量が計測される地域に居住したことがある者に係る健康診断については、生涯にわたり実施されることとなるよう必要な措置が講ぜられるものといたしております。
 第七に、国は、被災者たる子ども及び妊婦が、東京電力原子力事故に係る放射線による被ばくに起因しない負傷又は疾病を除いた医療を受けたときに負担すべき費用について、その負担を減免するために必要な施策、その他被災者への医療の提供に係る必要な施策を講ずるものといたしております。
 以上が本法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 なお、本法律案は、昨十四日、東日本大震災復興特別委員会において全会一致をもって起草、提出したものであります。
 何とぞ速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#23
○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#24
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#25
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十八  
  賛成           二百二十八  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#26
○議長(平田健二君) この際、日程に追加して、
 国立国会図書館法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長鶴保庸介君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔鶴保庸介君登壇、拍手〕
#28
○鶴保庸介君 ただいま議題となりました法律案につきまして、議院運営委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、インターネット等を通じて発信される図書又は雑誌に相当するオンライン資料が出版物と同様に重要な文化財としての地位を占めるに至っている状況に鑑み、国立国会図書館が私人の提供するオンライン資料を収集するための制度を設けようとするほか、原子力損害賠償支援機構の設立に伴い、国立国会図書館への出版物の納入義務等に関する規定の整備を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(平田健二君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#30
○議長(平田健二君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#31
○議長(平田健二君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成           二百二十九  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#32
○議長(平田健二君) この際、国際・地球環境・食糧問題に関する調査会長から、国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査の中間報告を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。国際・地球環境・食糧問題に関する調査会長藤原正司君。
    ─────────────
   〔調査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔藤原正司君登壇、拍手〕
#34
○藤原正司君 調査会長の藤原でございます。
 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会の中間報告につきまして、その概要を御報告申し上げます。
 本調査会は、国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関し、長期的かつ総合的な調査を行うことを目的に、一昨年の十一月十二日に設置されました。第二年目も引き続き水問題を取り上げることとし、今期の調査テーマである「世界の水問題と日本の対外戦略」の下、今後、水問題が最も懸念される地域の一つであるアジアを中心に六回にわたって調査を行ってまいりました。
 調査会におきましては、まず、タイでの洪水被害とその対応について調査を行い、その後、アジアの各地域ごとに、計十七名の有識者への質疑を行ったほか、委員間の意見交換を行いました。また、自治体や大学、民間企業による取組に関する実情調査のための委員派遣や、水災害に関する研究開発と人材育成の実情把握のための視察なども行いました。
 参考人質疑では、海外進出企業の洪水リスク管理、防災協力における技術の積極的活用とハード及びソフト両面の防災パッケージの重要性、水ビジネスの海外展開の在り方、深刻化する中国の水問題と日本の取組、国際河川であるメコン川流域管理と日本の役割、水分野における日本のODAの在り方等について論議が行われました。
 また、委員間の意見交換では、水問題への取組に当たっての基本的な考え方、援助ニーズを的確に把握した国際協力の取組、水ビジネスの海外展開における総合的な推進体制の整備、国際協力・ビジネス等の取組における技術の活用と支援、食料生産と水とのかかわり等について意見が表明されました。
 水は、あらゆる生命に欠かせないものであると同時に、洪水被害等我々に脅威を及ぼすものでもあります。また、石油などと同様の戦略物資であり、世界的に希少性が高まっている水資源をいかに有効に活用するかが今日問われております。
 今後、アジアが持続的な経済成長を維持するためには、こうした多面性を有する水の問題の解決や、災害の予防・監視体制の確立と軽減措置が不可欠であり、我が国の優れた技術や経験と知見、資金を活用して水問題の解決に寄与することは、アジアのみならず、我が国の繁栄の上でも最も重要な課題であります。
 最終年におきましては、世界や日本自身の水問題などについて調査を進めるとともに、水問題の解決のための戦略や今後取り組むべき諸施策、水分野の国際協力や水ビジネスのための国内体制の在り方等について掘り下げるなど、多角的に調査を行う所存であります。
 以上、御報告申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
#35
○議長(平田健二君) これにて休憩いたします。
   午前十時二十九分休憩
     ─────・─────
   午後二時一分開議
#36
○議長(平田健二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 原子力規制委員会設置法案及び地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所並びに産業保安監督部の支部並びに産業保安監督署の設置に関し承認を求めるの件について、提出者から順次趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○議長(平田健二君) 御異議ないと認めます。衆議院環境委員長生方幸夫君。
   〔衆議院議員生方幸夫君登壇、拍手〕
#38
○衆議院議員(生方幸夫君) ただいま議題となりました原子力規制委員会設置法案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 本案は、平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災に伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故の深い反省に立ち、原子力の安全に関する行政の体系の再構築を行おうとするものであります。
 本案は、衆議院環境委員会におきまして、本日、委員会提出の法律案とすることと決し、衆議院本会議で可決されたものであります。
 次に、その主な内容を申し上げます。
 第一に、新たな原子力安全規制組織として、環境省に、独立性が高い三条委員会の原子力規制委員会を設置することとしております。
 第二に、原子力規制委員会の事務局の全ての職員に、原子力利用の推進に係る事務を所掌する行政組織へのノーリターンルールを適用することとしております。
 第三に、平時における原子力防災対策のうち、関係機関の調整等を行う組織として、内閣総理大臣を議長とする原子力防災会議を設置することとしております。
 第四に、原子力安全のための規制や制度の見直しとして、シビアアクシデント対策の強化などの原子炉等規制法の改正を行うこととしております。
 第五に、原子力災害対策本部長である総理の緊急事態応急対策の実施に係る指示の対象事項から、原子力規制委員会がその所掌に属する事務に関して専ら技術的及び専門的な知見に基づいて原子力施設の安全の確保のために行うべき判断の内容に係る事項を除くこととしております。
 以上が、この法律案の提案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、速やかに御賛同いただきますよう、お願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#39
○議長(平田健二君) 国務大臣細野豪志君。
   〔国務大臣細野豪志君登壇、拍手〕
#40
○国務大臣(細野豪志君) 地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所並びに産業保安監督部の支部並びに産業保安監督署の設置に関し承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 この度国会において提出されました原子力規制委員会設置法案において、原子力安全・保安院が廃止されることに伴い、現在、産業保安に関する業務を行う組織として原子力安全・保安院に設置されている産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所並びに産業保安監督部の支部並びに産業保安監督署を経済産業省の地方機関として設置することについて、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づく国会の御承認を求めようとするものであります。
 以上が本件の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#41
○議長(平田健二君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。安井美沙子君。
   〔安井美沙子君登壇、拍手〕
#42
○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子です。
 ただいま議題となりました原子力規制委員会設置法案について、会派を代表して質問させていただきます。
 昨年の三月十一日、東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所の事故は、レベル七、すなわちチェルノブイリ並みの史上最悪の原発事故となりました。二度とこのような事故を起こさないためにも、安全の確保は至上命題であり、規制組織の責任は一層大きくなっていると考えます。
 本法案の詳細に入る前に、まず、今国民が最も関心を寄せている政府の取組について、二点ほど確認させていただきます。
 原発の再稼働問題について総理にお尋ねします。
 政府は、明日にも福井県の大飯原発再稼働を正式に決定すると聞いております。現在停止中の大飯以外の原発の再稼働について、政府は今後どのような方針や手続で対応していくおつもりでしょうか。一基一基の原子力発電所の安全確認に最善を尽くすことは当然のことながら、間もなく発表される予定のエネルギー基本計画との整合性が求められると思いますが、総理の御見解を伺います。
 次に、瓦れき広域処理の進捗状況について環境大臣にお尋ねします。
 政府は、宮城県と岩手県で被災により発生した瓦れき約千六百八十万トンのうち、一四・七%に当たる二百四十七万トンを広域処理の対象とし、全国の自治体に受入れを要請しています。私の地元愛知県も既に受入れを表明したものの、具体的な処理施設をめぐって合意が見られず、実現にはまだ時間が掛かりそうです。
 平成二十六年三月末までに処理を終えることが政府の目標となっていますが、進捗状況は必ずしもはかばかしくないと伺っております。現況をどう受け止められていますか。
 それでは、本法案の具体的な内容についてお尋ねします。
 今回の原発事故について、政府や国会などが行った調査によって従来の我が国の原子力行政のずさんさが次々と明らかになってきています。そこで、まず、これらの調査結果をどう受け止められたのか、そしてそれが本法案にどう生かされたと思われるのか、総理にお尋ねします。
 福島原発事故では、危機管理の権限、機能が各省庁にまたがっていたことなどが迅速な対応を妨げたとの批判がありました。中でも、放射能の拡散状況を示すSPEEDIは、原発事故発生直後の被曝を最小限に食い止めるために決定的なシステムであるにもかかわらず、所掌が分散されていることから有効に使われなかったとして、批判が集中しました。今回の法案では、ばらばらだった機能がどう一元化されているのか、そしてその効果をどう期待できるのか、法案提出者に伺います。
 衆議院の審議の中で、与野党の最大の対立点は、新設の組織の独立性をどのように担保するかという問題でした。
 これまで原子力発電の規制に当たってきた原子力安全・保安院は経済産業省の内部組織でした。今回の事故を受けて、当初政府案では原子力規制庁を環境省の外局として置くことにしていましたが、与野党協議の結果、本法案では更に独立性を高め、公正取引委員会同様、委員長及び委員を国会の同意を経て総理大臣が任命する、いわゆる三条委員会となっています。あえて三条委員会にした理由について、法案提出者に伺います。
 官房長官にお尋ねします。
 三条委員会の委員長及び委員の選任には国会の同意が必要なので、法案が成立してもすぐに委員会が立ち上がるわけではありません。
 委員長の人選においては、国民の生命を預ける人と言っても過言ではないことから、専門的知識や経験だけでなく、高い見識と、何より国民を守るんだという使命感、コミットメントを有し、さらには組織運営能力をも兼ね備えた人物でないと困ります。
 かつて、原子力安全委員長においては、国民の生命、財産を守るという、その職責の重さを自覚しているとは到底受け止めにくい発言が相次ぎ、憤りさえ覚えました。非常時においては、国民は委員長の発する一言一言に一喜一憂するのですから、人格者でないととても務まらない任務です。今後の原子力行政の要である委員長の選任に際し、政府としてはどのような点に留意されますか。
 原発事故を受けて、世界が注目しているにもかかわらず、日本の原子力行政、ひいてはエネルギー政策の全容が現時点では明らかになっていません。本来であれば、再稼働の判断を迫られる前に政府としての方針を明らかにする必要がありました。規制組織の発足が当初の予定より三か月も遅れてしまったことも遺憾です。
 この際、与野党が審議を尽くすことによって、本法案が将来世代に対し、責任ある原子力行政の道筋を付けるべく成立することを願い、代表質問を終わります。(拍手)
   〔衆議院議員近藤昭一君登壇、拍手〕
#43
○衆議院議員(近藤昭一君) 法案提出者の衆議院議員の近藤昭一でございます。
 原子力規制委員会を三条委員会としたその理由について、お答えをさせていただきたいと思います。
 これまでの原子力規制においては、原子力発電の推進を担う経済産業省とその規制を担う原子力安全・保安院とが一体となっていたため、独立した規制上の判断と決定が担保されず、安全規制がゆがめられる事態が生じておりました。
 新たな規制組織をどのようなものとするかについて、政府案は環境省の外局として原子力規制庁を設置するものでありましたが、本法案では原子力規制組織を独立行政委員会、すなわち三条委員会として設置することとし、十分な権限、人事及び予算が担保された上で、原子力事業者のみならず、他の行政機関や政治部門からも独立して職権を行使することが可能な組織となっております。
 以上でございます。
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#44
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 民主党、安井美沙子議員の御質問にお答えをいたします。
 私には二問のお尋ねがございました。
 まず、原発再起動に関して、今後の方針や手続と安全性確保との整合性についての御質問をいただきました。
 政府としては、安全性について約一年以上の時間を掛けて専門家による議論を通じて対策や知見を積み上げ、これを前提に整理した判断基準を整理したところでございます。
 大飯三、四号機以外の再起動についても、当面大飯同様に、引き続きこの判断基準に基づいて丁寧に個別に安全性を判断をしてまいります。
 今般、御審議いただいている法案では、新しい原子力規制組織や原子力安全規制が盛り込まれているところでありますが、本法案が成立すれば、独立性を有した原子力規制委員会が設置され、原子力発電所の安全性の評価はここで行われることとなります。
 また、原子力発電を含む今後のエネルギー政策については、中長期的には原子力への依存度を最大限引き下げていくという方向で検討を行い、八月をめどに取りまとめる予定でございます。新たなエネルギー基本計画で示される原子力発電の位置付けがどのようなものであるかにかかわらず、個々の原子力発電所の安全性の確保については最優先で取り組んでまいります。
 続いて、今回の原発事故に関する調査に対する受け止めと法案への反映についてのお尋ねがございました。
 東京電力福島原子力発電所の事故を受けて、国会や政府に設置された事故調査委員会において精力的な調査が進められていることと承知をしています。そこで得られた教訓を踏まえ、二度とこうした事故を起こさないように、しっかりとした組織と制度を速やかにつくることが重要であります。これまでの調査や検証で得られた重要な教訓として、例えば、規制組織の独立性を確保することが必要であることや、緊急時に迅速かつ適切に対応する組織が必要であること、継続的な原子力の安全性向上の取組が必要であることといったものが挙げられます。
 こうした教訓を踏まえて、当初、政府より提出した法律案では、規制と利用の分離を徹底して環境省の下に独立性の高い組織を設置することや、緊急時に迅速に意思決定し、政府一体となって対応できる組織体制をつくること、重大事故対策や最新の知見を踏まえた基準の導入等の規制強化を行うことなどの改革を行うこととしていたところであります。
 この度、衆議院環境委員会より提出された本法案においても、これらの点について適切に対応がなされているものと認識をしております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣細野豪志君登壇、拍手〕
#45
○国務大臣(細野豪志君) 瓦れきの広域処理の進捗状況についてお尋ねがございました。
 災害廃棄物処理は復興の大前提であり、平成二十六年三月末までに終えることが目標であります。岩手県、宮城県の両県においては、三十一基の仮設焼却炉の設置、稼働を進めるなど、最大限の県内処理を進めております。それでもなお両県で最大約二百四十七万トンの広域処理が必要であり、先月二十一日にも両県から環境省に対して改めて広域処理への協力依頼があったところであります。
 多くの方々の御協力をいただきまして、青森県、秋田県、山形県、群馬県、東京都、そして静岡県の一都五県において既に本格受入れを実施していただいております。また、その他にも、埼玉県、そして福岡県の北九州市において試験焼却を終了しております。被災地の方々の努力、そして全国の協力によりまして約二割のところまで処理が進んでまいりました。
 今後、更に広域処理を加速をさせていくために、環境省は、四月二十三日に両県に示した広域処理の推進方針に従い、最優先で広域処理の実現を図る自治体について、廃棄物の種類ごとによりきめ細かな調整を行っているところであります。
 今後とも、一刻も早い被災地の復興に向け、政府一丸となって広域処理を含め災害廃棄物の処理に全力で取り組んでまいります。
 皆様の御協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣藤村修君登壇、拍手〕
#46
○国務大臣(藤村修君) 安井議員からは、原子力規制委員会委員長の人選について御質問をいただきました。
 新しい原子力規制組織は、国民に信頼される原子力の規制を実施しなければならないという極めて重い責務を負うこととなります。
 この法律に定められている原子力規制委員会委員長は、その最高責任者として、原子炉の安全規制の執行に当たり、専門的な見地から科学的合理性を持って適切な意思決定を行うとともに、万が一の危機対応時に冷静な分析と迅速かつ的確な判断を行う能力が必要だと考えます。そうした専門的知識に裏付けられた能力に加えて、今回の事故を深く反省し、規制の在り方などを熟慮するという真摯な姿勢や、専門家から成る組織を力強く統率する力量が求められると考えており、幅広い人材の中から慎重に選任することが重要だと認識しております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#47
○議長(平田健二君) 北川イッセイ君。
   〔北川イッセイ君登壇、拍手〕
#48
○北川イッセイ君 自由民主党の北川イッセイでございます。
 私は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表して、原子力規制委員会設置法案について野田総理に質問をいたします。
 まず、エネルギー政策についてであります。
 我が国は、東日本大震災、福島原発事故によって原発依存からの脱却を余儀なくされています。さらに、世界が我が国に課している温暖化対策についても考え直さなければなりません。
 原発事故以来、既に十五か月が過ぎようとしています。少なくとも、鳩山元総理が国際公約をした二〇二〇年に一九九〇年比二五%温室効果ガス削減ということは撤回する必要があると考えますが、いかがでしょうか。いや、そうではない、あくまでも公約を守るということであれば、世界に対してその方策、具体策を明確に示さなければならないのではないでしょうか。野田総理にお答えをいただきたいと思います。
 福島原発事故では、近隣諸国に対して多大の迷惑を掛けました。一方、世界の国々からは心温まる支援をいただきました。日本政府と私たち国民は、その支援に対して誠意を持ってこたえなければなりません。
 その一つは、地球環境の保全のためにいかに誠実に取り組むかということであり、福島原発事故の教訓を生かして、人間がつくったものは完璧ではないということを前提にした日常の管理システムと危機管理システムをつくって世界に示すことだというように思います。
 その意味において、今回提案された、我が党と民主、公明が三党合意に達した原子力規制委員会設置法案は、世界の原発管理、そして危機管理の先駆けともいうべき手本となるものであってほしい、そういうように願うものであります。
 法案の内容について質問します。
 原子力規制委員会は、当初の政府案のような八条委員会ではなく、独立性の高い三条委員会という位置付けになりました。これは極めて当然のことであり、当初の政府案がいかに不十分なものであったか、政府は見通しの甘さを十分に反省すべきであります。
 法案では、委員会の技術的・専門的判断に対する総理の指示権、指示する権限を制限する規定も置いていますが、これは福島原発事故の際、菅総理の過剰な介入によって事態が悪化した、いわゆる菅直人リスクを防ぐ条項であります。
 この菅直人リスク防止条項の対象となる専門的・技術的判断とはどのようなものでしょうか、お教えください。また、総理がそれに違反して指示を行った場合はどうなるのでしょうか、御説明をください。
 次に、ノーリターンルールについて伺います。
 原子力規制庁の職員は、原子力推進官庁には戻らないというノーリターンルールも、当初の政府案は極めて不十分なものでしたが、最終的に全職員が対象となりました。
 しかし、この規定には、やむを得ない事由がある場合にはその限りではないという例外が書いてあります。運用によっては例外が広く認められてしまうおそれもあります。そうならないよう、例外の範囲がどこまでか、これをはっきりさせておく必要があると思います。この場で明快に御説明ください。
 次に、情報公開について伺います。
 福島原発事故以降、原子力行政に対する国民の強い不信を招いている大きな原因は、政府や東京電力の情報公開が余りにも不十分であることです。不十分というより、隠蔽と言った方がよいでしょう。
 今後、原子力規制委員会は、国民に対する情報提供、情報公開をどのように改善していくのでしょうか、御説明ください。また、政府として、各電力会社に情報公開をどのように改善させるのか、併せて御説明ください。
 最後に申し上げます。
 本法案は、当初の政府案が余りにも不十分だったため、ここまで審議が遅れてしまいました。政府においては、そのことを深く反省すべきです。原子力発電の必要性を認めておられる国民も大勢いると思いますけれども、そういう人たちですら、現状のような危なっかしい民主党政権には任せられませんと言っておられます。そもそも、民主党には、原子力発電を規制する能力はないのですから、原子力規制庁が発足するまでには政権の座を降りて、その能力がある政権に交代していただくことを強く求めます。
 以上で私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#49
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自由民主党、北川イッセイ議員の御質問にお答えをしてまいります。
 まず最初に、今後の地球温暖化対策についてのお尋ねがございました。
 今後の地球温暖化対策については、原子力発電を含むエネルギー政策と一体的にエネルギー・環境会議において検討を行ってきており、先週八日、同会議において選択肢についての中間的整理を行ったところでございます。今後、政府として、選択肢を提示し、国民的議論を経た上で、八月を目途に革新的エネルギー・環境戦略を決定することとしております。
 北川議員御指摘の二〇二〇年の削減目標についても、まずは、国民に選択肢をお示しし、国民的議論を経ていくことが必要であると考えております。
 続いて、緊急時の総理の指示権を制限する規定についてのお尋ねがございました。
 衆議院環境委員会の委員長提案法案では、改正原子力災害対策特別措置法第二十条第三項において、原子力災害対策本部長の指示は、原子力規制委員会がその所掌に属する事務に関して専ら技術的及び専門的な知見に基づいて原子力施設の安全の確保のために行うべき判断の内容に係る事項については対象としないとされております。
 当該条項に基づく技術的及び専門的知見に基づく判断の内容とは、例えば、事故の鎮圧に際してベントや原子炉への海水の注入等を行うべきか否かについて、技術的知見に基づいて判断することなどが想定されるものと認識をしております。
 なお、同条第二項においては、総理の指示権について、特に必要があると認めるときは、その必要な限度において必要な指示をすることができると規定されており、その範囲内で指示権が抑制的に行使されるものと理解をしております。また、この規定に反するような指示を行わないのはもちろんのこと、万が一そのような指示が発せられたとしても、それは有効なものではないと認識をしております。
 続いて、ノーリターンルールの例外の範囲についての御質問をいただきました。
 今回の法案では、原子力規制庁の職員については、原子力利用における安全の確保のための規制の独立性を確保する観点から、原子力利用の推進に係る事務を所掌する行政組織への配置転換を認めないこととされております。ただし、この法律の施行後五年を経過するまでの間において、当該職員の意欲、適性等を勘案して、特にやむを得ない事由があると認められる場合はこの限りでないとされております。
 このやむを得ない事由としては、例えば、規制業務を遂行する能力が十分でないことや、原子力規制庁の組織文化になじめないことなどが挙げられますが、こうした事情がある場合には、法律の趣旨を踏まえつつ、当該職員の意思などを考慮し、人事面で慎重かつ丁寧な対応が必要と考えます。ただし、例外が認められる五年間においても、強い意欲と専門能力を兼ね備えた職員を一人でも多く確保できるよう、人材育成や処遇の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
 最後に、国民に対する情報提供、情報公開についてのお尋ねがございました。
 御指摘のとおり、新たな規制組織において国民に対する情報提供、情報公開をしっかりと行い、透明性を確保することは重要な課題であります。
 新たな規制組織の意思決定プロセスは、国民から見て透明性のあるものにすべきと認識をしております。具体的には、種々の安全基準の策定等について、できるだけそのプロセスを公開していくルールを設定する必要があると考えます。
 また、原子力事業者においても情報公開を徹底していくことは重要と考えます。今回の法案では、原子力事業者が自ら原子力発電所の安全性評価を実施し、その結果を公表する義務を課すこととしており、事業者による情報公開の促進にも配慮されているものと理解をしております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#50
○議長(平田健二君) 荒木清寛君。
   〔荒木清寛君登壇、拍手〕
#51
○荒木清寛君 公明党の荒木清寛です。
 私は、公明党を代表し、ただいま議題になりました原子力規制委員会設置法案について質疑を行います。
 本法案が先ほど衆議院から送付されたばかりで急遽の審議入りとなったのは、百五十日間の会期末を目前とした中で、総理出席の下での本会議の日程が極めて厳しくなったことにあります。これはひとえに与党・民主党の国会運営の稚拙さが原因であると指摘をし、質疑に入ります。
 公明党は、東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、今こそ原発に依存しない、安全、安心なエネルギー社会への移行に取り組むべきと考えております。
 一方、既存の原発につきましては、甚大な原子力災害が二度と起こらないよう、高い技術的専門性や公平中立性の観点から、原子力施設の安全規制が図られることが最重要課題です。
 福島原発事故は、原子力を推進する経済産業省に規制を担う原子力安全・保安院が置かれていることにより、規制機関の独立性が狭められ、安全規制が軽んじられたことの延長にあると考えております。この反省に立ったとき、原子力安全規制組織をどうすべきかは、次の世代に対する責任からも極めて重要です。
 当初、政府が国会に提出した法案は、原子力規制庁を環境省の外局として設置するものでありました。しかし、原子力規制庁長官を始め、人事や予算面において環境省の影響が懸念され、他の行政機関への勧告権も原子力規制庁自体にはないなど、国際原子力機関、IAEAの安全基準も満たさず、組織の独立性に大きな問題がありました。このため、我が党は、自由民主党とともに、独立性の高い三条委員会である原子力規制委員会を設置する法案を衆議院に提出したところであります。
 そこで、まず総理にお尋ねします。
 民主党は、インデックス二〇〇九において独立性の高い原子力安全規制委員会の構想を掲げており、また、過去には原子力安全規制委員会設置法案を国会に提出した経緯もあります。今回、原子力の安全規制を三条委員会に所掌させることについて、どのような認識をお持ちなのか。また、原子力規制委員会の発足に向け、失墜した内外の信頼を取り戻すため、どのような決意をお持ちなのか、お尋ねします。
 原子力の規制と利用の分離を徹底するためには、独立性をいかに担保するかが問題です。このため、国会同意人事の対象となる委員長や委員以外の職員の人事や予算措置が重要となります。
 原子力規制委員会には事務局として原子力規制庁が置かれるところ、その発足時には経済産業省や文部科学省などから職員を配置転換せざるを得ません。規制と利用の分離の観点から、元の推進側の組織に戻らないノーリターンルールを徹底することや、業界への再就職も規制する必要があります。また、将来的には、英国などのように独自の財源を確保しておくことも重要です。
 こうした課題につきまして、法案ではどのように取りまとめたのか、法案提出者にお尋ねします。
 内閣府に置かれている現在の原子力委員会は、原子力の利用に関する政策等について審議、決定を行う組織であり、福島原発事故を受けて、原子力政策大綱の見直し作業を行っておりました。こうした中、原子力委員会が事業者を含めた秘密会議を開き、核燃料の再処理に有利となるように報告書原案を書き換えたと指摘されております。事実であればゆゆしき事態です。
 失墜した原子力の安全規制への信頼を取り戻すためには、新組織の中立公平性、透明性の確保が重要です。原子力規制委員会が、事務局である原子力規制庁も含め、推進側の行政組織や事業者の意向に左右されずに、中立公平で高い透明性を保つために法案においてはどのような措置が盛り込まれているのか、法案提出者にお尋ねします。
 また、指摘をされている原子力委員会の問題も踏まえ、新組織の中立公平性、透明性の在り方について、環境大臣の見解をお尋ねします。
 緊急時の対応につきまして、自公案では、原子力災害対策本部長である総理の原子力規制委員会への指示権を認めないことにより、オンサイト対策に関する原子力規制委員会の専門的判断を担保するとしておりました。一方、政府においては、総理の指示権は緊急時の最後の手段であるとして、衆議院での与野党三党協議においても調整が困難であったと承知をしております。
 そこで、法案提出者にお尋ねします。
 総理の指示権も含め、緊急時における原子力災害対策の体制はどのようになったのか。また、衆議院での審議では、平時のオフサイト対策を原子力規制委員会が所掌するとの自公案に対し、その実効性を懸念する意見もありました。最終的に、与野党三党協議の結果、平時におけるオフサイト対策について新たに原子力防災会議を設けることで合意し、法案提出となったところです。
 そこで、原子力防災会議での原子力規制委員会が果たすべき役割について御説明ください。
 福島の被災地について質疑いたします。
 今、福島では除染がようやく始まり、避難指示区域の見直しが行われるなど、復旧・復興に向けての取組が行われています。しかし、実際に現地に赴いてみると、同じ原発の被災地であっても、避難指示区域であるか否かで国の支援に大きな違いがあるなど、数々の切実な訴えをお受けします。
 具体的には、税や医療費、介護サービスの利用者負担の減免措置や高速道路の無料化など、避難指示区域であったか否かを問わず、市内同一の支援策とするべきです。また、国の方針に従って警戒区域の解除を受け入れた自治体が不利益にならないようにする必要があります。
 こうした要望について、総理の見解をお尋ねします。
 福島第一原発四号機は、使用済み核燃料がプールに大量に貯蔵されているところ、地震による損傷からプールの耐震性が懸念されております。地元のみならず、国民全体が廃炉プロセスの加速化を求めております。さらに、本法案においては、四十年運転期間制限制度が導入されているところ、その趣旨を確実に生かすことが重要です。
 一方で、今回の原発事故の対応策が定まらない中で、大飯原発の再起動を進めようとする政府の考えは全く理解ができません。政府は、ストレステストについて、現時点での最大限の知見を反映した安全の判断基準により行うものと説明しておりますが、行政指導にすぎないことから、違反があったとしても法律に基づき事業者を処分することはできません。このような中で原子力規制委員会を発足させても、国民の信頼は回復できるのでしょうか。
 国民は、独立性の高い原子力規制委員会に期待をしております。新たな組織において、新たな安全規制の下、福島原発の廃炉、既存の原発の再起動を判断することが脱原発に向けた我が国の新しいエネルギー政策の第一歩であると考えます。
 以上について総理の見解をお尋ねし、質疑といたします。(拍手)
   〔衆議院議員江田康幸君登壇、拍手〕
#52
○衆議院議員(江田康幸君) 衆議院議員の江田康幸でございます。
 公明党の荒木清寛議員から質問をいただきました。
 最初に、原子力規制委員会の独立性の担保についてお答えをいたします。
 原子力安全規制のための組織に関しましては、IAEA基準に示されておりますように、その独立性をいかに担保するかが重要でございます。IAEA基準によれば、独立性とは、十分な権限、人事、予算が担保された上で、政治状況や経済条件に関する圧力、原子力事業者や政治各部門からの圧力に左右されない判断と決定が確保されることを意味しております。
 この法案では、原子力規制委員会を独立性の高い、いわゆる三条委員会として設置することとしておりまして、その事務局組織である原子力規制庁の職員の人事については原子力規制委員会が行うことになります。そして、原子力規制委員会の独立性を確保するために重要なことは、原子力安全規制にかかわる者が原子力推進官庁や原子力事業者に属する者から組織を超えてその人間関係に基づく影響を受けることのないように制度的に担保することでございます。そのための措置が、いわゆるノーリターンルールの設定であります。これを全職員に適用することにより、原子力規制庁の職員は原子力事業者や原子力利用の推進官庁から不当な影響を受けることがなくなるものと考えます。
 また、例えば、新組織に配属後に退職を迎える者が、原子力関連以外も含めた出身官庁の関係団体や関係企業に再就職するようなことを認めるのであれば、これは出身官庁からの影響を免れないことになります。そこで、原子力規制庁の職員につきましては、その職務の執行の公正さに対する国民の疑惑又は不信を招くような再就職も規制することとしているところでございます。
 さらに、予算の面からの規制機関の独立性を確保し、中立公正な立場で職権を行使できるようにする趣旨から、附則第六条第一項第五号において、政府に対して、原子力規制委員会の人的又は物的な体制を図るための財源の確保及び勘定区分の導入を求める旨を明記しているところであります。
 次に、原子力規制委員会の中立公平性と透明性の確保について御質問をいただきました。
 まず、原子力規制委員会の中立公平性の確保につきましては、委員長及び委員に対して、原子力事業者等からの寄附の制限に関する規定を設けておるところでございます。これは、委員長及び委員が専門的知見に基づいて中立公正な立場で独立して職権を行使することを担保するために、いわゆる原子力村から寄附金等を受けて中立公正な立場に対する国民の信頼を揺らぐことを防止するために公開制度を創設し、国民による監視を図るためのものであります。
 次に、透明性の確保につきましては、原子力規制委員会は、国民の知る権利の保障に資するために、その保有する情報の公開を徹底することにより、その運営の透明性を確保しなければならない旨の規定を置いております。
 原子力事故やトラブルについては、その規模にかかわらず、国民に対して情報の公開を徹底することが原子力行政に対する国民の信頼を守るために重要なものであると考えております。
 次に、総理の指示権を含めて、緊急時における原子力災害対策の体制について御質問をいただきました。
 緊急時の原子炉鎮圧、いわゆるオンサイト対策につきましては、原子力規制委員会がその所掌に属する事務に関して専ら技術的、専門的な知見に基づいて原子力施設の安全の確保のために行うべき判断の内容に係る事項については、原子力規制委員会に委ねるべきであり、その判断の内容、当否を素人である政治家が口を出すべきではないと考えました。
 そこで、非常時における総理の指示権におきましては、原子力規制委員会が行うオンサイト対策の専ら技術的・専門的判断については総理の指示権が及ばないということで整理をしております。
 平時におけるオフサイト対策と原子力防災会議での原子力規制委員会が果たすべき役割について、最後、御質問をいただきました。
 この法案では、内閣に原子力防災会議を新設することとしておりまして、原子力規制委員会委員長も副議長として会議に加わることになっております。この原子力防災会議は、原子力規制委員会が策定する原子力災害対策指針にのっとって平時のオフサイト対策に係る事務を遂行するものであります。原子力災害対策指針は、原子力災害対策として実施すべき措置に関する基本的な事項、そして原子力災害対策の実施体制に関する事項、原子力災害対策を重点的に実施すべき区域の設定に関する事項、そのほかの原子力災害対策の円滑な実施の確保に関する重要事項をその内容とするものでありまして、平時のオフサイト対策におきましても、原子力規制委員会の果たすべき役割というのは非常に重要なものとなります。
 今後は、原子力規制委員会と原子力防災会議とが緊密な連携を取って、政府全体として取組を進めていくことが重要であると考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#53
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党の荒木議員の御質問にお答えをいたします。
 まず最初に、原子力を三条委員会に所掌させることについてのお尋ねがございました。
 原子力の安全規制を適切に実施するためには、規制と利用の分離が最重要であります。そうした意味において、原子力の安全規制を三条委員会が担うことは独立性を確保する上で有効な方策であると考えます。
 一方、今般の事故の反省点を踏まえ、大規模な原子力事故に際しては政府の総力を結集して俊敏に対応することが重要なことから、当初の政府案では環境省の外局としての原子力規制庁を設置することとしておりました。その後、政府案と自民党・公明党提出案に関し、与野党で活発な議論が行われた結果、専門的知見を十分に活用しながら、緊急時にもしっかり対応し、また、安全規制を行う上での独立性も確保する案になったと理解しております。
 今後も、一日も早く原子力規制委員会が発足し、人と環境を放射線から守る規制制度と機動的な原子力防災体制を整え、内外の信頼を取り戻していくことが急務と考えております。
 続いて、福島の被災地からの要望に対する対応についてのお尋ねがございました。
 福島県においては、県の全域において、自治体、住民の方々が大変な御苦労をされております。今年の三月に成立させていただいた福島復興再生特別法に基づき、福島県全県の復興再生に取り組んでまいります。
 避難指示区域の見直しも鋭意行ってきたところですが、議員から御指摘があったように、避難指示を受けていない区域の住民の方についても、住民の皆様方が放射線に対する不安を感じられるなどの課題があります。このため、県民健康管理調査や各種の心のケアへの取組、自主避難者への損害賠償基準の策定などの対策を講じているところであります。また、警戒区域が解除された自治体については、一年以上にわたり居住できない状況であったことから、地域の復興再生を図る必要があり、解除後も特段の取組を行ってまいります。今後とも、福島の復興のため、万全の措置を講じてまいります。
 続いて、原子力規制委員会の下での大飯原発再起動についてのお尋ねがございました。
 政府としては、安全性について、約一年以上の時間を掛け、IAEAや原子力安全委員会を含め、専門家による四十回以上にわたる公開の議論を通じて、対策や知見を積み上げてまいりました。これを前提に整理した判断基準に基づき、大飯発電所三、四号機の安全性を確認をしております。
 こうした安全性を前提に、今夏の電力需給や電力価格の高騰による影響を踏まえ、国民生活を守るために再起動が必要であると判断をいたしました。もちろん、安全にこれで絶対というものはありません。最新の知見に照らして常に見直しをしていかなければならないというのが、東京電力福島原発事故の大きな教訓の一つであります。
 また、今回の原発事故により、原子力安全行政に対する国民の信頼は大きく損なわれました。国民の不安にこたえるためには、今後、新しい原子力規制組織の下で、最新の知見に基づいた原子力施設の安全規制をしっかりと行い、国民の信頼を回復していくことが重要であると認識をしております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣細野豪志君登壇、拍手〕
#54
○国務大臣(細野豪志君) 原子力規制委員会の中立性、透明性について御質問をいただきました。
 原子力規制機関の中立性につきましては、原子力利用を推進する機関からの独立が何よりも重要であり、その意味で原子力規制委員会が環境省の下の三条委員会として設置されることは大きな前進と考えております。
 加えて、原子力規制委員会の委員が、規制対象となる原子力事業者との関係で利益相反が生じず、中立的な立場で職務にかかわることが極めて重要であります。
 委員の適格性を判断する際には両議院の同意をいただくことになりますが、その際、寄附金の受領状況などを積極的に公開することが重要だと考えておりまして、候補者を選ぶ際の一定の基準をガイドラインの形で明らかにすべく、その具体的な内容を検討してまいります。
 また、原子力規制委員会が情報公開を徹底し、業務の透明性を確保することは、国民に信頼されるためにも不可欠であります。委員会の公開などについても一定のルールが必要であると考えておるところであります。(拍手)
    ─────────────
#55
○議長(平田健二君) 松田公太君。
   〔松田公太君登壇、拍手〕
#56
○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
 本日、私は十二の質問を用意しております。番号を申し上げて一つ一つお聞きしますので、御答弁なさる方も飛ばさないように、明確に何番の問いに答えますと言ってからお答えいただければと存じます。
 野田総理。野田総理が命を懸ける、政治生命を懸けるとまで言ってのけた消費増税、現在、今回の国会のトピックはその消費増税一色のようになっておりますが、この原子力規制委員会の法案も、原発事故から日本が立ち直るために非常に重要な法案であるということに違いはありません。むしろ、命を懸けるなら、国民の生活と命を守るという観点からも、規制委員会を最高の組織にするためにこそ命を懸けてもらうべきではないかと私は思っております。そのように重要な法案がこのような形で出てくることに私は強い憤りを感じております。
 昨夜、木曜日の夜になって突如、本日金曜日の午後に参議院の本会議が開かれ、原子力規制委員会設置法案の趣旨説明と質疑が行われることが決定しました。民自公の三党は修正協議の中で内容が十分にアップデートされているので問題はないかもしれませんが、今やっとできましたと私が法制局から最終案を受け取ったのは今朝の十時です。二百六十五ページにも及ぶ法案です。
 私も国会議員の端くれですから、大政党の皆さんほどではないかもしれませんが、暇なわけではありません。今朝も午前中の本会議や法案の提出など様々なスケジュールがある中で、二百ページ以上もの法案を読み込み、質問を考えるなど、しっかりとまともにできるわけがございません。
 つまり、今回の法案に関する無理なスケジューリングも、ここ最近ずっとそうであるように、民自公三党が勝手に決めれば、ほかの野党は黙って従え、そのような考えの表れであるとしか思えません。この非常に重要な法案をブラックボックスで決め、あとは短時間の国会審議であっという間に通してしまえというのは、国会軽視で、完全な国民軽視です。
 まずは、この点について、民自公の三党の猛省を促したいと思います。
 さて、原発を稼働している間におきましては、原発をしっかり規制する組織が必要なのは言うまでもありません。しかし、大変理解に苦しむのですが、なぜ、わざわざ日本の憲政史上初と言われる国会事故調査委員会なるものをつくって、そこに十五億円もの予算を付け、行政組織の在り方の見直しということまでを依頼しておきながら、その報告書が提出される前に原子力規制委員会をつくろうとしているのでしょうか。
 あと一年や二年掛かると言っているわけではありません。早ければあと二週間、遅くとも七月の上旬にはでき上がると聞いております。なぜそれを待つことができないのでしょうか。国会が閉会するかもしれないから、その前に通さなくてはいけないという偽りの大義名分の下に、本音としては、国会事故調から厳しい提言が出てきて、組織の在り方を大幅に見直さざるを得なくなってしまったら問題だから、その前につくってしまえという意図が働いているとしか思えません。これもまた安全を全く念頭に置いていない、国会と国民を愚弄する話であります。
 例えば、原子力規制委員会が設置された後に国会事故調の報告書が上がり、その中に緊急対応時の総理の介入は完全にやめるべきと原子力災害特別措置法の一部改正を定めた本法案附則五十四条と違う内容のものが明記されていたらどうするのでしょうか。改正の手続を取っていただけるのでしょうか。これは一番目の質問ですが、野田総理、お答えいただければと思います。
 また、黒川委員長は国際的にも著名な方で、この調査はジャパン・フォー・ザ・ワールド、つまり日本だけではなく世界のためにもやるんだという発言をされたこともあり、世界中が国会事故調の成果や原発事故後の日本の変化を固唾をのんで見守っております。もし原子力規制委員会が事故調の報告書ができる二週間前に無理やり拙速に素人の集まりによってつくられてしまったということが知れ渡ってしまったら、やはり日本は何も変わっていないと思われ、大きく信用を失うことになってしまうでしょう。
 これについて野田総理はどのように思われますか。日本の国際的な信用の低下につながると思われますか、それとも影響がないと思われますか。低下すると思うか、思わないか、どちらかで明確にお答えいただければと思います。これが二番目の質問です。
 環境省の外局として原子力規制庁を設置しようとしていた政府案と比べ、三条委員会にしたのは、私も当初から経産委などで提言していたこともあり、前進だと思っております。しかし、より中立性の高い組織にするのであれば、最初から環境省よりも中立な内閣府の外局にするべきだと思います。細野大臣は、そのような疑問に対し、環境省はエネルギーの安定供給に対して責任を持たないから問題ないと答弁されておりますが、実際にはCO2の削減などに関して責任を負う省であるため、やはり原発推進に偏ってしまう危険性があるのではないでしょうか。
 細野大臣、今だけでなく、細野大臣が替わった後だとしても、今後とも原発推進に傾くことは絶対にない仕組みになっていると言い切れますか。これが三番目の質問です。
 東京電力福島原発の事故に際し、国の原子力災害対策本部などが議事録を残していなかったという、あり得ないような問題が発覚しましたが、アメリカの原子力規制委員会、NRCは、同事故に関して三千ページもの会議録を開示しています。国民の信頼を得る委員会となるためには、議論のプロセスも含め、極力全て開示するのがあるべき姿だと思っております。実は、日本では今まで公表もされなかったようなINESのスケールで言うと、ゼロや一程度の事故は世界中で頻繁に起こっていると言われておりますが、そのような低レベルの事故情報に関しても、公開しなかったり、隠蔽したり、そのような場合に対処するため、明確な罰則規定を置くべきだと思いますが、いかがでしょうか。この四番目の質問も細野大臣がお答えください。
 独立性を担保するため、規制委員会の委員の選定は非常に重要です。法案の第七条七項三号に、原子力関係の仕事に従事する者などは委員長や委員になれないとありますが、もしそれまで働いていた者であったとしても、例えば辞めてしまえば委員長や委員になれるのでしょうか。もしそうだとしたら、辞めてからどのくらいの期間を置けばよろしいのでしょうか。具体的な月日でお答えいただければと思います。この五番目の質問は野田総理にお願いいたします。
 六番目の質問ですが、委員の人選として、原発推進派、脱原発派の比率はどうあるべきだとお考えでしょうか。これも野田総理にお願いいたします。
 注文の中には、原子力規制委員会が寄附に関する開示義務を負うことが書かれています、法文の中に。失礼いたしました。そもそも、私は、公平性の観点からも、寄附を過去にもらっていた者は委員会に入れるべきではないと思っておりますが、それについてはどのように思われるか、野田総理、お答えください。それが七番目です。
 次は、原子力規制庁の職員人事についてです。事故の犯人捜しをするわけではありませんが、今回の事故について責任を取るべき人が安全委員会や保安院の中に間違いなくいると思います。社保庁のときは五百二十五名は整理解雇となりましたが、今回は、見せしめ的に、退職金も二割増しで更迭された事務次官、保安院長、そしてエネルギー庁長官の三人以外は一人もいません。特に上官の中で実質的に責任を取るべき人がまだまだいるはずだと私は思っておりますが、そのような職員も含めて、何のおとがめもなしで、調査もなしで、新しい組織に横滑りするということになるんでしょうか、お答えください。そもそも、今回の原発事故の検証を行った結果、責任を取って退職した官僚はほかにいるのでしょうか。この八番目の質問は枝野大臣にお聞きしたいと思います。
 原子力規制庁の職員はノーリターンとされておりますが、当面五年間は例外とされています。しかし、新組織にとって最も重要なのは最初の五年間です。その時期に関与した人たちがリターンできる現行案であれば、経産省の影響力が強く残ってしまうことになり、意味がないと思います。やはり最初からノーリターンにするべきだと思いますが、枝野大臣、いかがでしょうか。これが九番目の質問です。
 アメリカのNRCの職員は、担当する原発の近くに家族とともに在住することとなっております。つまり、NRCの職員は、体を張って家族とともに地域住民の安全のためにコミットしております。日本の原子力規制庁でも同様の仕組みを取り入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。この十番目の質問は野田総理大臣にお願いいたします。
 第四条の二号に、原子力規制委員会は原子炉に関する規制や再処理及び廃棄の事業などを掌握事務としておりますが、具体的に最終処理場を決める若しくは廃炉を決定するのは原子力規制委員会ということで間違いないですね。現在、原子力規制委員会には四つの審査会や審議会があります。それに加えて、廃炉審査会のようなものもつくる必要性があると思いますが、いかがでしょうか。この十一番目の質問は法案提出者にお願いいたします。
 原子力規制委員会が設置されたとして、新しい安全基準ができるまでに一年程度は掛かると言われております。その間は、新たな原発の再稼働はないということでよろしいのでしょうか。これは野田総理にお願いいたします。十二番目の質問です。
 さて、以上で十二件の質問をさせていただきましたが、そもそも、根本的な話として、今の政府の原発に対する考え方は本当におかしいと言わざるを得ません。
 本日、みんなの党は、大飯原発再稼働の白紙撤回を求める決議案を参議院に提出させていただきましたが、本来、政府が取るべきプロセスは、まず第一に、国会事故調の報告を受け、それを基に原子力規制委員会を設置し、そして最後に、その基準を満たしたならば大飯原発やその他原発を再稼働させるという流れであるべきです。
 どうも、東京電力福島原発事故後のメルトダウン隠しやSPEEDI情報隠しの件もそうですが、民主党政権は、国民の安全よりも自分たちが情報をコントロールし、隠す、開示しないということに重きを置いているような気がしてなりません。なぜなのでしょうか。政治や経営に限らず、どんな組織においても、創業者の理念や精神は基本的なバックボーンとなり、非常に重要なものであると私は考えております。もし仮に、昨日発売の雑誌に書かれているようなことが事実で、民主党の共同創業者が、国民のことをそっちのけで自分のことしか考えず、放射能汚染の情報をこっそり一人で入手し、逃げ回っていたということが本当にあったのだとしたら、その理由もうなずけてしまいます。
 そのようなDNAを色濃く引き継いでいる今の民主党には国民の命は守れません。即刻、解散ではなく、清算していただき、ゼロからやり直していただきたいと思っております。
 以上で私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔衆議院議員近藤昭一君登壇、拍手〕
#57
○衆議院議員(近藤昭一君) 法案提出者の衆議院議員近藤昭一でございます。
 十一番目の質問にお答えをさせていただきたいと思います。
 質問通告がございませんでしたのでありますが、廃炉の審査会というのは重要なことだと思っております。私は、そういう意味では、廃炉庁まで必要だと思っております。
 以上であります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#58
○内閣総理大臣(野田佳彦君) みんなの党、松田議員の御質問にお答えをいたします。
 項目をなるべく落とさないように、ただ、ちょっと順番は多少順番どおりじゃないかもしれません。済みません。
 最初の一番目、国会事故調との関係でのお尋ねがございましたけれども、立法府において設置された国会事故調査委員会、政府が閣議決定により設置した事故調査・検証委員会においては、これらの検証結果を適切に組織、制度の在り方に反映させていくということの重要性は、これはもう言をまたないというふうに思います。
 今回提出されている法案においても、国会事故調の報告などを踏まえ、見直しを行う旨の規定が規定をされていると承知をしています。したがって、国会事故調での検証結果等を踏まえて、規制組織や安全規制の在り方の見直しに取り組んでまいりたいというふうに思います。
 それから、二番。これは国際的信用との関連でのお尋ねでございました。
 昨年八月に閣議決定して以来、しっかりとした検討を経て、国会で新しい制度、組織の改正が行われれば、そのことにより、世界から日本に寄せられる期待にしっかりとこたえることになるというふうに思います。これは、日本の国際的な信用の向上につながることはあったとしても、低下することにはならないと認識をしております。
 それから、番号のこれは七番ですかね。済みません。原子力規制委員会の人選にかかわるお尋ねがちょっと幾つかあったんですけれども、原子力規制委員会の委員が、規制対象となる原子力事業者との関係で利益相反が生じず、中立的な立場で参加することがこれ基本だというふうに思います。加えて、このために、委員任命の同意について国会で御審議いただく際には、寄附金の受領状況などを委員の候補の方に自己申告をしていただいた上で、その情報を積極的に公開することが重要であると考えております。
 候補者を選ぶ際の一定の基準は、ガイドラインの形で明らかにすべく、その具体的な内容を検討してまいりたいというふうに考えております。
 また、原子力事業の従業者等は委員になることができない旨の規定が入っているということも付記させていただきたいと思います。
 それから、これは六番になります。新しい原子力規制組織は、国民に信頼される原子力の規制を実施しなければならないという極めて重たい責任を負っております。このため、原子力規制委員会委員は、原子炉の安全規制の執行に当たりまして、科学的合理性を持って適切な意思決定を行うこととともに、万が一の危機対応時に冷静な分析と迅速かつ的確な判断を行う能力が必要であります。
 こうした専門的知見に裏付けられた能力に加えて、今回の事故を深く反省し、規制の在り方などを熟慮するという真摯な姿勢や、専門家から成る組織を力強く統率する力量、そして豊かな人間性が求められると考えており、幅広い人材の中から慎重に選任することが重要であると認識をしております。
 続いて、これは十番です。
 新たな安全規制組織においても、原子力発電所の近くに駐在し、施設内にも行き来する検査官等の職員を配置することとしております。この職員は、発電所の近隣に在住し、地域コミュニティーの一員として生活するとともに、万が一の災害時には二十四時間直ちに駆け付けられるような体制を取るとしております。
 今後も、現場での対応を強化充実すべく、こうした職員の能力の向上、地域との対話への対応なども進めていきたいと考えております。
 次に、十二番の質問でございます。これは大飯原発以外の原発再稼働ということでございました。
 政府としては、安全性について約一年以上の時間を掛けて専門家による議論を通じて対策や知見を積み上げ、これを前提に整理した判断基準を整理したところでございます。大飯三、四号機以外の再起動についても、当面、大飯同様に、引き続きこの判断基準に基づいて丁寧に個別に安全性を判断をしてまいります。
 なお、今般、御審議いただいている法案では、新しい原子力規制組織や原子力安全規制が盛り込まれているところでありますが、本法案が成立をすれば、独立性を有した原子力規制委員会が設置され、原子力発電所の安全性の評価はここで行われることとなります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣細野豪志君登壇、拍手〕
#59
○国務大臣(細野豪志君) 松田議員からは私には二問御質問をいただいております。
 まず一点目は、原子力規制委員会、さらには原子力規制庁を環境省の下に置くことについての三番目の質問でございます。
 両組織につきましては、二度と事故を起こさないという決意を持って原子力規制行政に取り組む観点から、これまで原発を中核的に担当してまいりました経済産業省から、さらには文部科学省から完全に分離をし、環境保全を任務とする環境省の下に置くと。規制と推進を完全に分離をするという、そういう形になっております。
 環境省は、現在、昨年の事故を受けまして、それにより生じました放射性廃棄物の除染、さらには放射性廃棄物の処理、まさに事故の教訓を最も身をもって感じる立場で今業務に当たっておりますので、原発に対する厳しい姿勢を職員一人一人が持っているということを申し上げたいと思います。その上で、地球温暖化に関しましても、現在、中央環境審議会で様々な議論が行われておりますが、この環境省の下での議論の中で、原発の比率について環境省として検討したり推進をするということは一切いたしておりません。こういう仕組みをしっかりとこれからも維持することによって、松田議員の御懸念のようなことがないように環境省として取り組んでまいります。
 次に、事故情報を隠蔽をする、そういったことについての対応について、四番目に御質問をいただいております。
 今回の事故における情報公開につきましては、昨年十二月末に取りまとめられました政府の事故調の中間報告においても、以下のような厳しい御指摘をいただいております。どのような事情があったにせよ、急ぐべき情報の伝達や公表が遅れたり、プレス公表を控えたり、説明を曖昧にしたりする傾向が見られたことは、非常災害時のリスクコミュニケーションの在り方として決して適切なものであったとは言えないと、こういう指摘であります。この指摘を我々は、これはしっかりと身にしみて痛感をすると同時に、対応する必要があると考えております。
 原子力安全・保安院が本年四月に取りまとめました広報・広聴活動に関する報告書におきましても、情報収集、さらには分析評価能力の不足、官邸等関係機関との間の連携不足、広報官及び広報担当スタッフの能力不足の課題が示されております。
 今後の方針といたしましては、職員、組織の技術的対応能力の向上、意思決定と広報機能の一体化による広報の迅速化、広報に係るマニュアルの整備や広報官の育成等の取組を通じまして、事故に関する情報を迅速かつ正確に国民に伝える体制をつくっていく必要があるというふうに思っております。
 罰則についても御指摘がございました。
 原子炉等規制法には申告制度というのがございます。いわゆる内部通報であります。そして、この内部通報に対して、それを不利益な取扱いをするような場合には罰則も設けられております。公明党の皆さんからもそれを更に強化をするということについての様々な積極的な御提案もいただいておりますので、この制度を更にしっかりとこれからも充実をさせていくことによりまして、事故情報隠しというようなことが絶対にないような組織をつくっていかなければならないと考えております。(拍手)
   〔国務大臣枝野幸男君登壇、拍手〕
#60
○国務大臣(枝野幸男君) 私には二問のお尋ねをいただきました。
 まず、八番目の質問にお答えをいたしたいと思います。
 今回の事故については、組織としての保安院として深く責任を感じ、その反省を踏まえ、新組織発足までの間、原子力安全の確保に取り組んでいるところでございますが、個人として責任を取って退職をした職員はおりません。
 新組織の職員につきましては、まさに、この法律に基づき、新組織においてどういった者を採用するかをお決めいただくものでございまして、経済産業省の側でこの人をどうしても採ってほしいというようなことをするつもりはございません。そうしたことの中で、原子力安全という観点から、適切でない者がおれば採用をしないことになろうというふうに思っております。
 九番目の質問でございますが、ノーリターンルールについてでございます。
 今回、当初の政府案と異なりまして、ノーリターンルールについての適用範囲が更に厳格になったというふうに承知をいたしております。
 もとより、新しい組織が原子力発電所の利用にかかわる経済産業省との間の関係をしっかりと区分をすることが今回の法改正の最大のポイントの一つであり、新組織の中に経済産業省の影響力が残ってしまうというようなことがあってはならないというふうに思っておりまして、幹部職員を始めとしてノーリターンルールを徹底しているところでございますが、どうしても、幹部以外の皆さんのところでは、スタート当初、実際には現実として経済産業省から移籍をされる方、少なからずいらっしゃると思いますが、適性その他、どうしても新規制機関において仕事をさせることが適切でないなどの特別な事情があった場合に、本当に例外的に限ってまさに認められるということが法の趣旨であるというふうに承知をしております。
 この法律が成立をいたしましたら、この法律の規制に加えて、もし、この規定の例外規定に基づいて経済産業省から規制庁の職員になった者がごく少数経済産業省に戻ってくる場合がもしあったとしても、原子力やエネルギーに関連する部局にはその者を充てないということを内規でなりなんなりの形でルールとして決めたいというふうに思います。(拍手)
#61
○議長(平田健二君) ただいま理事が協議中でございます。しばらくお待ちください。
 答弁の補足があります。内閣総理大臣野田佳彦君。
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#62
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 五番目の答弁のところで、例えば辞めてからどのくらいの期間を置けばいいかとか具体的な月日というお尋ねのところを、お答えをしたつもりなんですが、ちょっと五番とか言っていなかったところもあったかもしれません。
 改めて申し上げたいと思いますが、そういうところも含めまして、候補者を選ぶ際の一定の基準はガイドラインの形で明らかにしていきたいというふうに思っておりますので、その中でその具体的な内容を検討させていただきたいと思います。(拍手)
#63
○議長(平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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