くにさくロゴ
2012/07/11 第180回国会 参議院 参議院会議録情報 第180回国会 本会議 第19号
姉妹サイト
 
2012/07/11 第180回国会 参議院

参議院会議録情報 第180回国会 本会議 第19号

#1
第180回国会 本会議 第19号
平成二十四年七月十一日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十九号
    ─────────────
  平成二十四年七月十一日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機
  能の強化等のための国民年金法等の一部を改
  正する法律案、被用者年金制度の一元化等を
  図るための厚生年金保険法等の一部を改正す
  る法律案、社会保障制度改革推進法案、子ど
  も・子育て支援法案、就学前の子どもに関す
  る教育、保育等の総合的な提供の推進に関す
  る法律の一部を改正する法律案及び子ども・
  子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴
  う関係法律の整備等に関する法律案(趣旨説
  明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(平田健二君) これより会議を開きます。
 日程第一 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、社会保障制度改革推進法案、子ども・子育て支援法案、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案及び子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(趣旨説明)
 以上六案について、提出者から順次趣旨説明を求めます。国務大臣小宮山洋子君。
   〔国務大臣小宮山洋子君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(小宮山洋子君) ただいま議題となりました公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案と被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 まず、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案について説明いたします。
 国民年金制度の創設から五十年が経過し、少子高齢化の進展、産業構造の変化、近年の非正規労働者の増加等、公的年金制度を取り巻く社会や経済の状況が大きく異なってきています。
 このような変化に対応し、公的年金制度を、信頼され、将来にわたって持続可能なものとしていくためには、年金の最低保障機能の強化を図るとともに、働く意欲を抑制しない、働き方に中立的な制度としていく必要があり、こうした観点に立って現在の公的年金制度の見直しを行うことが必要です。
 特に、公的年金制度を将来にわたって持続可能なものとしていくためには、基礎年金の国庫負担割合二分の一の維持と恒久化が不可欠であり、税制の抜本的な改革により、安定した財源を確保して基礎年金の国庫負担割合を二分の一とする必要があります。
 このような状況を踏まえ、現在の公的年金制度の機能強化等を図るため、この法律案を提出いたしました。
 以下、この法律案の主な内容について説明いたします。
 第一に、公的年金制度の最低保障機能の強化を図るため、老齢基礎年金、老齢厚生年金等の受給資格期間を二十五年から十年に短縮するとともに、所得に関する一定の基準に該当する受給権者は、老齢基礎年金、障害基礎年金等の額の加算を請求できるようにすることにしています。この措置の導入と併せて、所得が一定の基準を上回る受給権者の老齢基礎年金について、その額の二分の一を上限に支給を停止する措置を設けることにしています。また、遺族基礎年金について、父子家庭にも支給することにしています。
 第二に、公的年金制度を将来にわたって持続可能なものとしていくため、安定した財源を確保して基礎年金の国庫負担割合を二分の一とする年度を平成二十六年度と定めるとともに、平成二十四年度の基礎年金の国庫負担割合を二分の一とするための差額分等として発行される国債の償還期間や手続等を定めることにしています。
 第三に、厚生年金保険と健康保険の被保険者の範囲を拡大することにし、一週間の所定労働時間が二十時間以上であり、かつ、報酬の月額が七万八千円以上である等の一定の要件に該当する短時間労働者についても、従業員が常時五百人以下の事業主に使用される者を除き、その被保険者とすることにしています。
 第四に、産前産後休業を取得する被保険者については、申出により、厚生年金保険と健康保険の保険料を免除する等の措置を講ずることにしています。
 第五に、こうした見直しについて、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法、私立学校教職員共済法等についても同様の改正をすることにしています。
 最後に、この法律の施行期日は、一部を除き、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律による消費税の第二段階目の引上げの日に当たる平成二十七年十月一日としています。
 政府としましては、以上を内容とする法律案を提出しましたが、衆議院で次の六つの事項を主な内容とする修正が行われています。
 第一に、低所得である高齢者等への年金額の加算に関する規定、高額所得による老齢基礎年金の支給停止に関する規定、交付国債の償還等に関する規定を削除すること。
 第二に、短時間労働者への厚生年金保険と健康保険の適用拡大について、拡大の対象となる者の月額賃金の要件と厚生年金保険の標準報酬月額の下限を七万八千円から八万八千円に改めるとともに、この改正の施行期日を平成二十八年四月一日から平成二十八年十月一日に繰り下げること。
 第三に、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日から、低所得である高齢者等に対する福祉的措置としての給付に係る制度を実施するため、同法の公布の日から六月以内に必要な法制上の措置が講じられるものとする旨の規定を追加すること。
 第四に、高額所得による老齢基礎年金の支給停止について、引き続き検討する旨の規定を追加すること。
 第五に、短時間労働者に対する厚生年金保険と健康保険の適用範囲を更に拡大する旨の規定について、平成三十一年九月三十日までに検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとすること。
 第六に、国民年金の第一号被保険者に対する出産前六週間と出産後八週間の国民年金保険料の免除措置について検討が行われるものとする旨の規定を追加すること。
 以上が、この法律案の趣旨です。
 次に、被用者年金制度の一元化等を図るための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について、説明いたします。
 被用者年金制度の一元化について、多様な生き方や働き方に公平な社会保障制度を目指す平成二十四年二月十七日の閣議決定、社会保障・税一体改革大綱に基づき、公的年金制度の一元化を展望しつつ、年金財政の範囲を拡大して制度の安定性を高めるとともに、民間被用者、公務員を通じ、将来に向けて、同一の報酬であれば同一の保険料を負担し、同一の公的年金給付を受けるという公平性を確保するため、厚生年金と三つの共済年金に分かれていた被用者年金各制度を厚生年金制度に統一することを柱とし、所要の措置を講ずるため、この法律案を提出しました。
 以下、この法律案の主な内容について説明いたします。
 第一に、厚生年金の被保険者範囲を拡大して公務員と私学教職員を適用対象とし、各共済組合法で共済年金に関する規定の削除等の所要の規定の整備を行うことにしています。また、共済年金にあった遺族年金の転給制度を廃止する等の官民格差の解消を行い、加えて、加給年金等について、民間企業の期間と公務員等の期間を通算して加算することにしています。
 第二に、保険料率について、平成二十七年から公務員と私学教職員の保険料率の段階的引上げを法律に位置付けた上で、公務員については平成三十年、私学教職員については平成三十九年に厚生年金の保険料率の上限である一八・三%に統一することにしています。また、民間被用者や公務員等を含む厚生年金制度全体の負担と給付の状況を、年金特別会計厚生年金勘定に取りまとめて計上することにしています。
 第三に、事務処理を効率的に行うため、共済組合等や私学事業団も厚生年金事務の実施機関として活用することにしています。また、共通財源である積立金に関する管理運用の基本的な指針の策定や、運用状況の公表、評価等は、厚生労働大臣が案を作成し、各大臣と協力して行うことにしています。
 第四に、共済年金にある公的年金としての職域部分は、この法律案により廃止することにしています。一方、附則で、廃止後の新たな年金については、平成二十四年中に検討を行い、その結果に基づいて、別に法律で定めるところにより、職域部分の廃止と同時に設けることにしています。
 第五に、国民負担を抑制する観点から税負担による追加費用を減額するため、恩給期間に係る給付について二七%引き下げることにしています。ただし、財産権への配慮から、給付額に対する引下げ割合の上限を一割とし、二百三十万円を下回る減額はしないといった措置を講ずることにしています。
 以上のほか、関係する法律の改正について所要の措置を行うことにしています。
 最後に、この法律の施行期日は、平成二十七年十月一日としています。また、追加費用等の減額については、公布の日から起算して一年を超えない範囲で政令で定める日としています。
 政府としましては、以上を内容とする法律案を提出しましたが、衆議院で、公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案、子ども・子育て支援法等に対する修正に伴い、必要な技術的な修正が加えられています。
 以上が、二つの法案の趣旨です。
 次に、子ども・子育て支援法案、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 子供は社会の希望、未来をつくる力であり、安心して子供を産み、育てることのできる社会の実現は社会全体で取り組まなければならない最重要課題の一つです。
 現在、子供や子育てをめぐる環境の現実は厳しく、核家族化や地域のつながりの希薄化によって子育てに不安や孤立感を感じる家庭は少なくありません。また、多くの待機児童が生じている地域もあることや本格的な人口減少社会が到来したことからも、国や地域を挙げて子ども・子育てへの支援を強化していかなければなりません。
 全ての子供に良質な生育環境を保障し、子ども・子育て家庭を社会全体で支援するため、幼保一体化を含め、子ども・子育て支援関連の制度、財源を一元化して新しい仕組みを構築し、質の高い学校教育、保育の一体的な提供、保育の量的拡大、家庭での養育支援の充実を図ることが求められています。
 子ども・子育て支援法案は、こうした状況に基づいて、現在の子ども・子育て支援対策を再編成し、市町村が制度を実施し、国と都道府県が重層的に支える一元的な制度を構築するために提出しました。
 この法律案の主な内容は、次のとおりです。
 第一に、市町村は、子ども・子育て支援給付と地域子ども・子育て支援事業を総合的かつ計画的に行うことにし、国と都道府県は、給付と事業が適正かつ円滑に行われるよう必要な各般の措置を講じなければならないことにしています。
 第二に、子ども・子育て支援給付は、子供のための現金給付と子供のための教育・保育給付とします。子供のための現金給付は児童手当の支給とし、子供のための教育・保育給付は、こども園給付費、地域型保育給付費等の支給とします。給付を受けようとする保護者は、市町村に対し、支給認定を申請し、その認定を受けることにしています。
 第三に、内閣総理大臣は、子ども・子育て支援のための施策を総合的に推進するための基本指針を定めることにし、市町村と都道府県は、国の定める基本指針に即して教育、保育の提供体制の確保等に関する計画を定めることにしています。
 第四に、子供のための教育・保育給付と地域子ども・子育て支援事業に必要な費用は市町村が支弁することを基本とし、国と都道府県は交付金の交付等の措置を講ずることにしています。
 第五に、内閣府に、この法律の施行に関する重要事項を調査審議するため、子ども・子育て会議を置くことにしています。また、市町村と都道府県は、子ども・子育て支援に関する施策の実施状況を調査審議する等のため、審議会その他の合議制の機関を置くことができるとしています。
 以上が、子ども・子育て支援法案の趣旨です。
 次に、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 この法律案は、子ども・子育て支援法と総合こども園法の施行に伴い、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律を廃止するほか、児童福祉法など五十六の関係法律について規定の整備等を行うとともに、所要の経過措置を定めるために提出しました。
 政府としては、以上を内容とする法律案を提出しましたが、子ども・子育て支援法案について、衆議院で次の十二の事項を主な内容とする修正が行われています。
 第一に、教育・保育施設の定義を置き、認定こども園、幼稚園及び保育所をいうものとすること。
 第二に、市町村が資産又は収入の状況につき、官公署に対し必要な文書の閲覧を求めること等ができる者を、小学校就学前の子供、子供の保護者又は扶養義務者に限定すること。
 第三に、市町村は、支給認定に係る小学校就学前の子供が、市町村長が確認する教育・保育施設から当該確認に係る教育、保育を受けたときは、保護者に対し、施設型給付費を支給するものとすること。
 第四に、市町村は、支給認定に係る小学校就学前の子供が、市町村長が確認する地域型保育事業者から当該確認に係る地域型保育を受けたときは、保護者に対し、地域型保育給付費を支給するものとすること。
 第五に、教育・保育施設の確認は、設置者の申請により、教育・保育施設の区分に応じ、小学校就学前の子供の区分ごとの利用定員を定めて、市町村長が行うこと。また、地域型保育事業者についても、教育・保育施設に準じて確認に関する規定を整備すること。
 第六に、地域子ども・子育て支援事業に、子供及びその保護者の身近な場所において、地域の子ども・子育て支援に関する各般の問題につき、子供又は子供の保護者から相談に応じ、必要な情報の提供及び助言を行うとともに、関係機関との連絡調整その他の内閣府令で定める便宜の提供を総合的に行う事業を追加すること。
 第七に、政府は、平成二十七年度以降の次世代育成支援対策推進法の延長について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
 第八に、政府は、幼稚園教諭、保育士及び放課後児童健全育成事業に従事する者等の処遇の改善に資するための施策の在り方並びに保育士資格を有する者であって現に保育に関する業務に従事していない者の就業の促進その他の子ども・子育て支援に係る人材確保のための方策について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
 第九に、政府は、公布後二年をめどとして、総合的な子ども・子育て支援を実施するための行政組織の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。
 第十に、政府は、教育、保育その他の子ども・子育て支援の量的拡充及び質の向上を図るための安定した財源の確保に努めるものとすること。
 第十一に、市町村は、児童福祉法第二十四条第一項の規定により保育所における保育を行うため、当分の間、支給認定に係る小学校就学前の子供が、確認を受けた民間立の保育所から保育を受けた場合は、保育費用を当該保育所に委託費として支払うものとするとともに、当該市町村の長は、保護者等から、当該保育費用をこれらの者から徴収した場合における家計に与える影響等を考慮して定める額を徴収するものとすること。
 第十二に、施行日に確認があったものとみなされる対象に、この法律の施行の際、現に存する認定こども園を追加すること。
 また、子ども・子育て支援法及び総合こども園法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案についても、衆議院でその全部を修正し、子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案とする修正が行われています。
 その内容は、子ども・子育て支援法及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴い、児童福祉法など五十五の関係法律について規定の整備を行うとともに、所要の経過措置を定めようとするものです。
 そのうち、児童福祉法の主な修正点について説明いたします。
 第一に、子ども・子育て支援法案に対する修正に伴う修正として、一、事業所内保育事業を、児童福祉法に規定するよう改正規定の整備を行うこと、二、国、都道府県又は市町村以外の者が家庭的保育事業等を行う際、市町村による認可制とすること、三、保育所及び家庭的保育事業等の認可について、社会福祉法人、学校法人以外の多様な主体が参入する際の基準を規定すること、欠格事由を設けること等の所要の整備を行うこと、四、保育所及び家庭的保育事業等の認可について、都道府県等が条例で定める基準を満たした施設について、その設置者が欠格事由に該当する場合及び供給過剰による需給調整が必要な場合を除き、認可するものとすること、五、その際、保育所の認可に当たっては、都道府県は、児童福祉審議会の意見を聞くとともに市町村に協議しなければならないものとするほか、家庭的保育事業等の認可に当たっては、市町村は児童福祉審議会その他児童福祉に係る当事者の意見を聞かなければならないこととすること。
 第二に、市町村が担う保育に対する責任に関する規定の修正として、一、児童福祉法第二十四条第一項に基づき、市町村は、児童福祉法及び子ども・子育て支援法の定めるところにより、保護者の労働等の事由により、児童が保育を必要とする場合において、次に定めるところによるほか、当該児童を保育所において保育しなければならないとすること、二、また、市町村は、認定こども園又は家庭的保育事業等により必要な保育を確保するための措置を講じなければならないとすること、三、市町村が行う保育の措置について、対象範囲を拡大し、あっせん、要請による円滑な利用ができない場合にも対応することで、保育の実施に関する市町村の権限と義務を強化すること、四、市町村が、待機児童が発生している場合に実施することとされている利用の調整、要請の事務を、当分の間、待機児童の有無にかかわらず実施することとすること。
 第三に、保育所の定義に関する規定を修正し、保育所を、現行どおり、小学校就学前の子供に保育を行うことを目的とする施設にすることなど、所要の規定の整備、修正を行うこと。
 以上、二つの法律案の趣旨について説明いたしました。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(平田健二君) 衆議院議員長妻昭君。
   〔衆議院議員長妻昭君登壇、拍手〕
#6
○衆議院議員(長妻昭君) おはようございます。
 ただいま議題となりました社会保障制度改革推進法案について、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。
 近年の急速な少子高齢化の進展等による社会保障給付に要する費用の増大や生産年齢人口の減少に伴い、社会保険料に係る国民の負担が増大するとともに、国及び地方公共団体の財政状況が社会保障制度に係る負担の増大により悪化をしております。
 このような状況に鑑み、所得税法等の一部を改正する法律附則第百四条の規定の趣旨を踏まえて安定した財源を確保しつつ受益と負担の均衡が取れた持続可能な社会保障制度の確立を図ることが求められております。
 そのため、社会保障制度改革について、その基本的な考え方その他の基本となる事項を定めるとともに、社会保障制度改革国民会議を設置すること等により、総合的かつ集中的に推進することとした次第であります。
 以下、本法案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、社会保障制度改革の基本的な考え方として、自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと、社会保障の機能の充実と給付の重点化及び制度の運営の効率化とを同時に行い、税金や社会保険料を納付する者の立場に立って、負担の増大を抑制しつつ、持続可能な制度を実現すること等を定めること。
 第二に、社会保障制度改革の基本方針を、公的年金制度、医療保険制度、介護保険制度及び少子化対策のそれぞれについて定めること。
 第三に、政府は、社会保障制度改革の基本方針に基づき社会保障制度改革を行うものとし、このために必要な法制上の措置については、本法施行後一年以内に、社会保障制度改革国民会議における審議の結果等を踏まえて講ずるものとすること。
 第四に、平成二十四年二月十七日に閣議において決定された社会保障・税一体改革大綱その他既往の方針のみにかかわらず幅広い観点に立って、社会保障制度改革についての基本的な考え方にのっとり、かつ、社会保障制度改革の基本方針に基づき社会保障制度改革を行うために必要な事項を審議するため、内閣に社会保障制度改革国民会議を設置すること。
 また、社会保障制度改革国民会議は委員二十人以内をもって組織し、委員は優れた識見を有する者のうちから内閣総理大臣が任命するほか、委員は国会議員であることを妨げないことなど、国民会議の組織に関する規定を設けること。
 第五に、政府は、生活保護制度に関し、不正な手段により保護を受けた者等への厳格な対処、生活扶助、医療扶助等の給付水準の適正化、保護を受けている世帯に属する者の就労の促進その他の必要な見直しなどの措置等を行うものとすること。
 なお、本法は、公布の日から施行することとしております。
 以上が、本法案の趣旨であります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
#7
○議長(平田健二君) 衆議院議員田村憲久君。
   〔衆議院議員田村憲久君登壇、拍手〕
#8
○衆議院議員(田村憲久君) ただいま議題となりました就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案について、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 本法案は、小学校就学前の子供に対する教育及び保育を必要とする子供に対する保育を一体的に行う幼保連携型認定こども園等に関する制度を拡充しようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、目的規定を改正し、幼児期の教育及び保育が生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることを明記すること。
 第二に、幼保連携型認定こども園は、学校としての教育及び児童福祉施設としての保育並びに保護者に対する子育て支援事業の相互の有機的な連携を図りつつ、義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとしての満三歳以上の子供に対する学校教育並びに保育を必要とする子供に対する保育を一体的に行うとともに、保護者に対する子育て支援を目的として、この法律の定めるところにより設置される施設をいうものとすること。
 第三に、幼保連携型認定こども園は、国、地方公共団体、学校法人及び社会福祉法人のみが設置することができるものとし、幼稚園の教諭の普通免許状を有し、かつ、保育士の資格の登録を受けた者である保育教諭等を置かなければならないものとすること。
 第四に、幼保連携型認定こども園の設備及び運営について、都道府県は条例で基準を定めなければならないものとすること。
 第五に、幼保連携型認定こども園について、国及び地方公共団体以外の者により設置され、都道府県の条例で定める基準を満たした施設に関して、その設置者が欠格事由に該当する場合及び供給過剰による需給調整が必要な場合を除き、認可するものとすること。その際、都道府県は、市町村に協議しなければならないものとすること。
 第六に、幼保連携型認定こども園以外の認定こども園の充実を図るため、都道府県の条例で定める要件を満たした施設について、その設置者が欠格事由に該当する場合及び供給過剰による需給調整が必要な場合を除き、認定するものとすること。その際、都道府県は、市町村に協議しなければならないものとすること。
 第七に、この法律の改正後の主務大臣を、内閣総理大臣、文部科学大臣及び厚生労働大臣とすること。
 第八に、この法律は、原則として、子ども・子育て支援法の施行の日から施行するものとすることなどであります。
 なお、附則において、政府は、幼稚園の教諭の免許及び保育士の資格等について、検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものといたしております。
 以上が、本法案の趣旨でございます。
 何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(平田健二君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。西村まさみ君。
   〔西村まさみ君登壇、拍手〕
#10
○西村まさみ君 民主党・新緑風会の西村まさみです。
 ただいま議題となりました公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律案外五件について、会派を代表して質問をいたします。
 社会保障と税の一体改革をめぐっては、政府と党の間で紆余曲折ありましたが、自民、公明両党との三党合意により修正案をまとめ上げ、三党の協力の下、衆議院を通過いたしました。しかし、国民の信頼を大きく失したことは政権政党として真摯に反省をし、一日も早く信頼の回復をしなければなりません。
 世代間及び世代内の公平性が確保された社会保障制度の確立は、現在の日本にとって最大のテーマでございますので、参議院におきましても徹底的に審議をし、適切な結論を見出してまいりたいと思っております。是非、丁寧かつ明確な御答弁をお願いしたいと思います。
 まず、社会保障制度改革の基本的な考え方についてお尋ねいたします。
 政府は、本年二月の社会保障・税一体改革大綱において、社会保障制度改革で目指すべき社会として、生き方や働き方に中立的で選択できる社会、誰もが居場所のある共生の社会等を挙げました。
 一方、社会保障制度改革推進法案においては、社会保障制度改革は、自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと等を基本として行われるものとするとされています。
 今後の社会保障制度の改革は、極めて険しい道のりを進まざるを得ません。こうした状況においては、単に社会保障費の削減を求めるだけではなく、多くの国民の皆様が共感できるような考え方を示しながら、それに基づいて改革を進めていく必要があります。
 そこで、野田総理大臣にお尋ねいたします。
 これからの社会保障制度改革において、どのような考え方に基づき、そして何を優先して進めていこうとお考えになっているのか、お聞かせください。
 次に、社会保障制度改革における予防医療について伺います。
 医療や介護の分野については、高齢者の方々が増え、医療を必要とする方、介護を必要とする方が増加する傾向にあります。これからの日本においては、予防医療を充実させることにより健康寿命の延伸を図ることが重要であります。
 先般、厚生労働省が発表した最新の人口動態調査の結果によると、今回、初めて死因の第三位が肺炎であるということが出されました。
 肺炎による死亡が増えた最大の原因は、誤嚥性肺炎の増加が考えられます。高齢者や介護が必要になった方、進行した認知症の患者さん等はお口の中をきれいにしておくことが非常に難しく、口の中の細菌を含む唾液などが摂食嚥下機能の低下により肺に入り、そして誤嚥性肺炎となるわけです。
 私は歯科医師でありますので、例えば歯科の分野でいえば、歯科衛生士等が専門的口腔ケアをしっかりすることにより誤嚥性肺炎を予防することができます。また、全身の健康と咬合の関係については、咬合を改善してしっかりとかむということが認知症の予防につながるという明確な調査結果も出ています。
 今回の改革では、予防医療をどのように組み込んでいくのかが我が国を健康長寿国にすることに大きく関係すると思いますが、野田総理大臣の御見解をお尋ねしたいと思います。
 社会保障制度改革推進法案骨子の五の医療保険制度において、二に、医療保険制度については、財政基盤の安定化、保険料に係る国民の負担に関する公平の確保、保険給付の対象となる療養の範囲の適正化等を図るとなっていますが、この保険給付の対象となる療養の範囲の適正化等を図るとは、具体的にどのような意味でしょうか。
 無駄な医療費を削減することは重要でありますが、必要な医療費の抑制や、保険免責制、ひいては混合診療全面解禁といった小泉改革の内容とは全く違うということを私は理解しておりますが、いかがでしょうか。野田総理大臣にお尋ねをいたします。
 次に、医療に関して、消費税法改正案についてお尋ねいたします。
 社会保険診療報酬には消費税が非課税となっておりますが、現行の診療報酬体系では、医療器具等に係る消費税分を賄うことができないため、医療機関が自ら多額の消費税の負担を強いられるという問題が常態化しております。
 三党の合意では、消費税が八%になる二〇一四年四月までに対策について検討をし、結論を得ることが確認されていますが、医療機関における消費税の負担がこれ以上増大することのないよう、また、患者さんである国民の負担増となり、受診抑制につながらないように、政府には消費税引上げまでに税、財政のあらゆる面での対策を講じていただきたいと思いますが、野田総理大臣の前向きな御答弁をお願いをいたします。
 続いて、社会保障制度改革国民会議についてお尋ねをいたします。
 本法案では、今後の社会保障制度の基本方針、特に高齢者医療制度及び公的年金制度について社会保障制度改革国民会議で議論することとしていますが、この会議の人選や審議内容、そしてスケジュールなどがいまだはっきりしていません。社会保障は先送りと言われないためにも、これらの点をできる限り詳しく御説明ください。
 また、三党合意の確認書では、今後の公的年金制度、今後の高齢者医療制度に係る改革については、あらかじめその内容などについて三党間で合意に向けて協議をするとなっていますが、この三党協議の結果と社会保障制度改革国民会議の結果とはどのような関係になるのか、どちらかに優先順位等があるのか、野田総理大臣にお尋ねいたします。
 次に、年金機能強化法案についてお尋ねいたします。
 年金機能強化法案に関連して、年金制度と生活保護制度の関係について、現在、四十年間国民年金を払い続けた方の年金受給額と生活保護の受給額には逆転現象が生じています。生活保護受給の方には、医療費を始め様々な扶助制度も設けられています。こういった点の不公平の是正を含め、年金制度と生活保護制度が対象とする範囲をもう一度整理し直す必要があると考えます。
 生活保護と年金の関係について、小宮山厚生労働大臣にお考えをお尋ねしたいと思います。
 次に、子ども・子育て関連三法案についてお尋ねします。
 安心して子育てができる環境、制度の整備は喫緊の課題です。政府原案では、従来から縦割り行政の典型とされてきた幼稚園行政と保育所行政の一元化、いわゆる幼保一体化の実現並びに保護者に対する子育て支援を行うことを目指して総合こども園を創設することとしていました。しかし、自民、公明両党との三党協議の結果、残念ながら総合こども園法案は事実上廃案となりましたが、認定こども園法改正案の条文を参照しますと、株式会社の参入等一部を除き、政府の総合こども園法案と非常に共通点は多く、子ども・子育て関連三法案は、民主党の従来の政策が十分に盛り込まれた修正を経て本院に送られてきたと考えています。
 民主党の主要政策の一つである子ども・子育て支援についてどのように反映されているのか、この政策には従来から取り組まれていらっしゃいました小宮山少子化担当大臣に御見解をお尋ねいたします。
 最後に、国民生活の安心を将来にわたって確保するためには、社会保障制度を抜本的に改革する必要があります。総理の強いリーダーシップに御期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#11
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 民主党・新緑風会を代表しての西村まさみ議員の御質問にお答えをいたします。
 まず第一に、今後の社会保障制度改革についてのお尋ねがございました。
 急速な少子高齢化、雇用や家族、地域社会の在り方が変化する中で社会保障を持続可能にするためには、給付は高齢世代中心、負担は現役世代中心という現在の社会保障制度を見直し、給付、負担の両面で世代間、世代内の公平が確保された制度とすることが必要であります。
 このため、今回の一体改革では、子供や子育てへの支援を強化するなど、人生前半の社会保障を手厚くし、全世代対応型へと転換をいたします。幅広い世代が負担する消費税の税率を引き上げ、社会保障の安定財源を確保いたします。こうして社会保障の充実、安定化と財政健全化の同時達成への第一歩として、安心で希望と誇りの持てる社会の実現を目指してまいります。
 またあわせて、デフレ脱却や経済活性化に向けて全力で取り組むとともに、身を切る政治改革、行政改革も包括的に進めてまいります。
 私としては、一体改革は待ったなしの課題であり、決断する政治の象徴的なテーマとして、何としてもやり抜かなければならないと考えております。引き続き国民の皆様の御理解をいただけるよう努力をしてまいります。参議院におかれましても、是非とも、早期成立に向け、真摯な御議論をお願いをしたいと考えております。
 次に、歯科医師としての御経験を踏まえて予防医療についての御見識をお示しをいただき、それを踏まえた御質問をいただきました。
 一体改革大綱には、予防接種、検診等の疾病予防や介護予防を進めることなどを盛り込んでおります。国民の健康寿命を更に延ばすため、予防医療に取り組むことは大変重要と認識をしており、御提言のあった歯科の分野も含めまして、しっかり取り組んでまいります。
 続いて、医療保険制度の保険給付についてのお尋ねがございました。
 お尋ねの改革推進法案の該当部分については、必要かつ適切な医療に対して保険給付を行うという医療保険制度の基本的な考え方を踏まえた上で、保険給付の対象範囲について必要な見直しを行う趣旨を規定したものと理解をしております。
 次に、社会保険医療に係る消費税についてのお尋ねがございました。
 今般の三党合意においては、消費税率の八%への引上げ時までに、高額の投資に係る消費税負担について、医療保険制度において他の診療行為と区分して適切な手当てを行う具体的な手法について検討し、結論を得る、また、医療に関する税制上の配慮等についても幅広く検討を行っていくとの方針が示されたところであり、政府としても、今後、この方針を踏まえて消費税率八%の引上げ時までに適切な対策を検討してまいります。
 次に、社会保障制度改革国民会議及び三党協議との関係についてのお尋ねがございました。
 国民会議については、改革推進法案の成立後、法律に基づき、委員の人選や事務局の設置等を行い、速やかに開催できるよう準備を進める必要があると考えております。また、国民会議においては改革推進法案に盛り込まれた基本方針に基づいて審議し、必要な法制上の措置については法施行後一年以内に審議の結果等を踏まえて講ずることとされております。
 今後の公的年金、医療、介護や子育て支援については、法案や三党合意に従って議論を深めていくことで、一体改革の趣旨に沿って、信頼され、安心できる制度を構築をしてまいります。
 なお、具体的な国民会議の人選等や三党協議と国民会議の関係については、法案の規定や参議院での御審議、提案された三党の御意見を踏まえまして対応していきたいと考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣小宮山洋子君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(小宮山洋子君) 西村議員からお尋ねの年金と生活保護の逆転現象についてですが、それぞれの役割や対象者、仕組みが異なりますが、そうした説明だけでは納得していただきにくい状況にあると考えています。
 このため、今年五月に立ち上げました社会保障制度の低所得者対策の在り方に関する研究会の中で、年金とのバランスで生活保護の額がどうあるべきかということを含めて、両制度の関係の在り方について総合的に検討を行うことにしています。
 なお、生活保護の基準につきましては、現在、生活保護基準部会で、五年に一度実施される全国調査データ等を用いて専門的かつ客観的な検証を実施して、今年末をめどに結論を取りまとめる予定です。
 二点目の子ども・子育て関連三法案についてですが、政府提出法案では、質の高い幼児期の学校教育、保育の一体的な提供、待機児童の解消、地域の子育て支援の充実などを実現するため、必要な仕組みの導入を目指していました。
 修正等を経ました現在の関連法案では、一つは、幼保一体化の先駆的な取組であります幼保連携型認定こども園について、二重行政という課題を解消するため、単一の施設として認可、指導監督等を一本化するということ、財政支援が少ないという課題については、こども園給付で充実をさせるということ、また、学校と児童福祉施設としての法的位置付けを持たせる、こうしたことから、幼児期の質の高い学校教育、保育が提供できる形になっています。
 そして、これは修正をされた点ですが、保育につきましては、市町村の実施義務を堅持をして、市町村と利用者の契約とすることになりました。また、指定制は導入をしませんが、認可制を前提としながら、これまで行われてきた裁量によって認可しないということがないように、基準を満たせば認可をする、そういう仕組みにすることによって、質を確保しながら保育等の量的拡大を図るということ、また、小規模保育、家庭的保育などの地域型保育、これは市町村の認可事業として財政支援を拡充することにしています。
 こうした取組によりまして、政府提出案によって目指していました子育て支援を充実するという、この方向性は与野党で共有をされるもので、三党で一つの結論を得て修正案が取りまとめられたということは、子供にとって最善の利益を実現するための大きな一歩であるというふうに考えています。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(平田健二君) 石井準一君。
   〔石井準一君登壇、拍手〕
#14
○石井準一君 自由民主党の石井準一です。
 私は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表して、社会保障制度改革推進案等について質問をいたします。
 野田総理、総理と私は、昭和六十二年に千葉県議会議員に当選した同期生でありますね。年も一緒、昭和三十二年生まれであります。当時の総理は、爽やかな若手政治家として、いつも未来を語っていたものであります。松下政経塾出身の衆目を集める政治家の一人として、大いに期待をされておりました。
 その後、総理は国政に進み、私は県議会議員を五期務め、現在、参議院議員として活動をしております。私は、同郷の同期生が総理大臣になったことを大変誇りに思っております。党派こそ違いますが、我々の政治家としての原点は同じだという思いからであります。
 しかし、総理になってからのあなたは、理想と現実との食い違いに大変苦しんでいるように見えます。そして、苦しんだ末に、理想よりも現実を選んだということなのでしょうか。最近は、総理の口から、かつてのように未来や理想についてのお話を聞くことがなくなってしまったように思われます。
 総理は、消費税増税に政治生命を懸けると繰り返されております。いつごろからそのような考え方になったのでしょうか。総理が政治家になられたときの理想は何だったのか、また、今、総理が現実に主張されていることはその理想と合致しているのか、お伺いをしたいと思います。
 次に、本日の議題になっております一体改革推進法案と、その基になった三党合意について伺います。
 法案では、自助、共助、公助が最も適切に組み合わされるよう留意すると書かれております。また、年金、医療及び介護においては社会保険制度を基本とすると書かれております。
 先日、衆議院の審議で我が党の谷垣総裁が主張したように、これは民主党のばらまき政策に歯止めを掛ける宣言にほかなりません。これまで民主党は、何でも社会で面倒を見ると言わんばかりに、社会保障分野に野方図に税金を投入するという政策を主張してきました。子ども手当も、最低保障年金も、生活保護の拡大もそうであります。
 今回、三党の共通認識として、そうした考え方は否定するという大原則を示したわけであります。総理は、民主党のこれまでの基本理念がこの法案で否定されたと正しく認識されているのでしょうか。総理の認識をお伺いをいたします。
 この法案では、民主党が主張した一体改革の中でも中心的な存在であった最低保障年金と後期高齢者医療制度廃止について、社会保障制度改革国民会議において検討し、結論を得るとなっております。我が党が国民会議に参加するならば、これを認める結論には決してなりません。つまり、実現は不可能になったということであります。このような認識でよいのか、我が党の法案提出者にお伺いをいたします。
 また、後期高齢者医療制度については、閣議決定の中で、平成二十四年通常国会に廃止のための法案を提出すると時期も明示をされております。しかし、そのスケジュールも実現不可能となりました。
 この法案が成立した後、社会保障制度改革国民会議が設置をされ、そこで議論が行われ、結論が得られ、国会に提出をされるわけであります。ここまでが今国会の会期中に行われるということは物理的にはありません。すなわち、内容面のみならず、スケジュールの面でも閣議決定は実現不可能になった、そういう認識でよいのか、我が党の法案提出者にお伺いをいたします。
 このように、政府が閣議決定した一体改革大綱は既に破綻をしております。政府においては閣議決定を撤回する若しくは修正する必要があると考えます。そのおつもりはあるのか、総理にお伺いをいたします。
 最低保障年金や後期高齢者医療制度廃止以外にも、今回審議をされている法案の中には明らかに閣議決定と違う結論になったものがあります。幼保一体化、低所得者への年金加算、交付国債などについては閣議決定とは完全に違う内容となりました。
 これらについては政府はどう対応するのでしょうか。これも閣議決定を撤回するほかないと考えますが、いかがでしょうか、総理にお伺いをいたします。
 さらには、こうしたもろもろの社会保障政策を含んだ民主党マニフェストの破綻も、今回の法案によってますます確実になってきました。誰がどう見ても、国民との約束違反であります。総理はこの責任をどう取るおつもりなのでしょうか。少なくとも、マニフェストを完全撤回し、国民に謝罪をすることが不可欠と考えますが、そのお考えがあるのかどうか、お伺いをいたします。
 次に、採決で造反をした民主党議員への対応についてお伺いをいたします。
 今回の法案は三党合意に基づいた内容になっているわけでありますから、法案に対する造反は、三党合意に対する造反にほかなりません。今回、民主党議員が大量に造反しましたが、これは民主党内の問題だけではなく、三党合意に対する造反なのです。我が党の谷垣総裁もそのことを明言をしております。
 我々は、三党合意の当事者として、造反者を厳しく処分すべきだと考えます。これは他党への干渉でも何でもありません。党と党との信頼関係の問題だからです。ところが、民主党は、離党していない造反者に対しては甘い処分をするに留めております。民主党議員の数が減っては困るから甘い処分にする、そんな考えだとすれば、許されることではありません。
 ここで甘い処分を許してしまっては参議院の採決にも悪影響が出ます。参議院で三党合意に対する造反を出さないためにも、造反者をより厳しく処分すべきだと考えます。その考えはあるのか、総理にお伺いをいたします。
 また、今回、政権与党の内部から、公党間の約束を破ったこれだけの造反者を出したことについて、総理の責任は免れないと考えますが、総理は御自身の責任をどう考えているのか、お伺いをいたします。
 さらに、総理には、今後の参議院での採決の際には民主党に残っている人は決して造反させないと約束していただきたいと思います。そうでなければ、民主党を信用することはできません。約束できますでしょうか、お伺いをいたします。
 冒頭に申し上げましたが、総理は、消費税増税に政治生命を懸けると何度もおっしゃっております。政治生命を懸けてマニフェスト違反する政策を実行するということでありますから、それ相応の覚悟はお持ちだと思います。
 総理にとっては、まさに苦渋の決断でありましょう。しかし、決断した以上はその責任を取るのがリーダーであります。この法案が成立したら、直ちに国民に謝罪をし、信を問うのが当然だと考えます。そして、国民に信任された新しい内閣、総理が社会保障制度改革国民会議のメンバーを選び、社会保障の将来像を描くのが筋であります。そうするお考えはあるのか、お伺いをいたします。
 西郷南洲遺訓に、過ちを改むるに、自ら過ったとさえ思い付かば、それにてよしという言葉があります。過ったときは、自ら過ったことを素直に認め、次の一歩を踏み出すことがよいという教えであります。しかし、民主党政権になってから、過ったにもかかわらず、それを認めず、言い訳を重ねる総理や閣僚が続出をいたしました。いち早く過ちを自ら認め、自覚してごまかさず、次の一歩を踏み出すこと、それがいずれも勇気の産物だと思います。両方が成立して初めて、あなたの好きな未来という言葉が開けてくるのではないのでしょうか。
 総理には、どうか、その最後の一人として名を連ねることがないようにしていただきたいと思います。同期生からの忠告であります。総理は、この法案が成立した後、潔く民主党の過ちを認め、次の一歩を踏み出すべく、直ちに解散・総選挙を行っていただきたい。
 それは恐らく、民主党にとっては最後の一歩となるでしょう。しかし、総理には政治家として新たな一歩を踏み出していただきたい。そのように強く求めまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#15
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自民党、石井議員とは同郷であり、同い年であり、そして二十代のころからの四半世紀を超えるお付き合いでございますが、こうして御質問をいただいたこと、大変感慨深いものがございます。しっかりとお答えをしてまいりたいと思います。
 まず最初に、一体改革に政治生命を懸けるという発言と政治家としての理想に関する御質問をいただきました。
 政権交代後、税収の大幅な落ち込み、東日本大震災、欧州の金融危機などに直面し、将来世代への負担の押し付けは限界に来ております。
 社会保障・税の一体改革を先送りする時間はもう残されておりません。そのような認識の下、私は昨年の民主党代表選挙において一体改革の実現を訴え、代表に選出をされ、内閣総理大臣に就きました。以来、その実現に政治生命を懸けて今日に至っています。
 また、私が政治家になったときの理想についての御質問もいただきました。
 私は大学在学中、ペンの力で政治を正していきたいという志を抱いておりましたけれども、卒業前に松下政経塾の第一期生募集の広告を見て入塾し、そして、松下幸之助さんの抱かれていたこの国の政治の在り方や財政に関する危機意識の深さに触れ、大きな影響を受けました。大震災からの復旧・復興、原発事故との戦い、経済金融危機への対応のみならず、社会保障、財政の持続可能性に対する危機を克服することや決められる政治をつくり上げることは、私が政治家を志したときの志、理想に向かう方針と大きく重なっていると申し上げておきたいと思います。確かに、厳しい政治情勢の中で理想を押し通すということはなかなか難しい局面があります。
 私は、尊敬する政治家の一人にジョン・F・ケネディの弟のロバート・ケネディがおります。そのロバート・ケネディの言葉の中で、理想だけ追いかけていたんでは政策遂行できない、現実だけを追いかけていたんでは政治に涙がない、ロマンがない、必要なことはアイデアリズム・ウイズアウト・イリュージョン、幻想なき理想主義、この言葉が今大変胸にしみているところでございます。
 次に、第二問は、民主党の社会保障の考え方についてのお尋ねがございました。
 今回の社会保障改革については、自助、共助、公助の最適バランスに留意し、個人の尊厳の保持、自立自助を国民相互の共助・連帯の仕組みを通じて支援していくことを基本にするというのが政府・与党の考え方であります。これに対して、野方図に税金を投入する政策を主張しているとの御指摘は当たらないと考えております。
 また、御指摘の子ども手当や最低保障年金など、民主党のこれまでの主張や提案についても、必要なセーフティーネットの機能強化を目的とするものであり、野方図に税金を投入するものではございません。
 今回、三党で合意された一連の法案修正案や改革推進法案、確認書の内容は、三党のそれぞれの主張や政策の下で、待ったなしの社会保障の充実、安定化のために国民の立場に立ってぎりぎり意見の一致を図る努力を行っていただいた成果であると認識をしております。したがって、三党合意や改革推進法案によって、いずれの政党の固有政策が否定されたとか、されないといった問題であるとは考えておりません。今回合意された枠組みの中で、信頼され、安心できる社会保障制度の構築を目指して、いずれの主張も排除することなく真摯な協議が行われることが重要であると考えております。
 次に、一体改革大綱の撤回、修正、幼保一体化、低所得者への年金加算、交付国債等に係る対応についてのお尋ねがございました。
 今後の公的年金制度、今後の高齢者医療制度に係る改革については、三党合意において、あらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議することとされており、政府としては、協議に先立って大綱を撤回したり修正したりするのではなく、協議の結果を踏まえて対応したいと考えております。
 また、三党合意に基づき衆議院で法案が修正された子ども・子育て支援や年金制度の改革については、政府としては、国会での御審議の結果に従って対応していくこととしており、改めて大綱の撤回又は修正の手続を取ることは考えておりません。
 なお、低所得者への年金加算については、三党合意により、新たな低所得高齢者、障害者等への福祉的給付措置を講ずることとされ、必要な法制上の措置を講ずることとなっております。
 また、交付国債については、三党合意を踏まえ、これに代わる基礎年金国庫負担の財源に関する所要の法的措置について検討を進めているところでございます。
 次に、マニフェストに関するお尋ねがございました。
 一体改革関連法案に係る三党の確認、合意によって民主党のマニフェストが破綻し、撤回の必要があるとの御主張でございますが、それには同意できません。
 三党合意には、各党の固有の政策を撤回するという文言は入っていないことは御承知のとおりでございます。公的年金制度や高齢者医療制度については三党間であらかじめ協議することになっております。また、推進法が成立した段階では、政府に国民会議が設置され、この場で幅広い観点に立って議論が行われることになっております。これらの議論の過程において、民主党は民主党としての考えを御説明をし、関係各位の御理解を得たいと考えております。
 マニフェストについては、少しでも多く実現できるよう努力し、国民の審判をいただく際には、できなかったことについてその理由を丁寧に御説明したいと考えております。
 次に、党内の処分と参議院採決について御質問をいただいております。
 一体改革関連法案のさきの衆議院採決における民主党内の反対、欠席、棄権者に対する処分が甘いのではないか、また、いわゆる造反者が出たことに対する私の責任、さらには、参議院における採決について御質問をいただいております。
 一体改革関連法案の衆議院採決に際しては、民主党から多くの反対者、欠席、棄権者が出たこと、また、多くの議員が離党を表明し、除籍処分としたことは、極めて残念かつ遺憾であります。党代表として、責任を重く受け止め、国民の皆様に深くおわびを申し上げます。また、国会日程等への影響も含めまして御迷惑をお掛けしたことにつきまして、自民党を始め各党会派の皆様にもおわびを申し上げたいと思います。
 御批判については真摯に受け止め、政府・与党として意思統一を固め、一致結束して、三党合意を踏まえつつ、参議院での一体改革関連法案の成立を期すことで私の責任を果たしていく決意であります。
 衆院採決においては、党内から反対者等が出ましたが、民主党は、公党間の確認、合意を誠実に守ったこと、また、党議決定違反者に対しては政党内のルールに基づき厳正に処分したことを御理解をいただきたいと思います。
 また、参議院においては、一体改革の意義と三党合意の意味するところについて、両院議員総会の開催、全国幹事長会議の開催等を含めまして意思統一を強め、参議院執行部とともに全議員一致結束して全力を挙げることを表明をいたします。
 次に、一体改革関連法案後の解散に関する御質問をいただきました。
 社会保障と税の一体改革を断行することが私の責務だと考えております。三党合意を踏まえ、関連法案の成立に向け、全力で取り組んでまいる所存であり、参議院における御審議と可決、成立に向け、是非とも御協力をお願いをいたします。
 社会保障制度改革国民会議につきましては、共同提案した三党の御協力もいただきながら、法案成立後、速やかかつ円滑なる設置を図ってまいりたいと考えております。
 なお、解散については、従来から申し上げているとおり、やるべきことをやり抜いた後で適切な時期に国民の信を問いたいと考えております。
 以上です。(拍手)
   〔衆議院議員鴨下一郎君登壇、拍手〕
#16
○衆議院議員(鴨下一郎君) 石井準一議員にお答えを申し上げます。
 三党合意の確認書では、今後の公的年金制度、今後の高齢者医療制度に係る改革については、あらかじめその内容等について三党間で合意に向け協議すると、こういうことになっております。また、社会保障制度改革推進法では、今後の公的年金制度については、財政の現況及び見通し等を踏まえ、社会保障制度改革国民会議において検討し、結論を得ると。さらに、今後の高齢者医療制度については、状況等を踏まえ、必要に応じて、社会保障制度改革国民会議において検討し、結論を得る、こういうことが盛り込まれております。
 民主党が提案する最低保障年金を含む新年金制度の扱いについても、あるいは後期高齢者医療制度の扱いについても、三党の合意及び改革推進法案の内容に従って適切に対応していくことになると考えております。
 ただ、石井議員からは、我が党が国民会議に参加する以上はこれらを認める結論にはならない、こういう御指摘でありますが、この認識は私も共有をしております。
 また、後期高齢者医療制度については、改革推進法案の中で必要に応じてとされておりますが、私どもとしては、今国会への法案提出は難しいと考えております。そのような状況になれば、三党間において国民会議で検討すると確認しておりますので、事実上、後期高齢者医療制度の廃止は難しいものと、こういうふうに考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(平田健二君) 橋本聖子君。
   〔橋本聖子君登壇、拍手〕
#18
○橋本聖子君 自由民主党の橋本聖子でございます。
 私は、自由民主党・たちあがれ日本・無所属の会を代表して、子ども・子育て支援法案等について質問をいたします。
 今回の法案は、三党合意によって政府案が修正され、基本的に自民党、公明党の案に沿ったものになりました。調整に当たった関係各位の御尽力に敬意を表します。
 同時に、これから制度を具体化していくに当たっても、これまで幼児教育・保育の関係者が積み上げてきた成果を大切にし、全ての子供たちが質の高い教育を受けられる制度にしていただくようお願いいたします。
 まず、法案の内容について伺います。
 三党合意に基づく修正案では、現行の幼稚園、保育所、認定こども園の制度を基本として、幼児教育・保育の充実を図っていくことになりました。同時に、これまでの文部科学省、厚生労働省に加えて、内閣府にも担当大臣や担当部局が設置されることになります。
 この体制は、見方によっては、幼児教育・保育制度が一元化ではなく三元化になってしまうという批判もあるかと思います。もちろんそういう趣旨ではないと思いますが、こういった批判に対してどう説明していくのか、我が党の提案者にお伺いをいたします。
 今回の修正で、当初の政府案にあった株式会社の参入がなくなったことは高く評価をしたいと思っております。既に特区では株式会社の学校教育への参入が行われておりますが、必ずしも順調にいっていない例も見られます。問題点が多いため、特区の全国展開は見送られることになりましたが、そういう状況にもかかわらず、学校教育の一環である総合こども園に株式会社の参入を認めようとした当初の政府案は、大変乱暴なものだったと言わざるを得ません。
 今回は幸いにも政府案は修正されたわけですが、今後とも、学校教育の一環としての幼児教育には株式会社を参入させるべきではないと考えます。今後も株式会社の参入は検討する予定はないと、文部科学大臣から明確におっしゃっていただきたいと思います。
 次に、保護者や子供にとっての新制度の意味について伺います。
 新制度は、当然、家庭教育を中心としながら、これまでより質の高い幼児教育を提供することを目指してきた制度でなくてはなりません。間違っても、単に子供を預けやすくする、親に楽をさせる、そういう制度であってはならないと考えます。
 そこで、我が党の提案者に伺いますが、新制度によって、親や子供の側から見るとどのような点が今よりも良くなるのでしょうか。新制度が教育、保育の質の向上にどのようにつながるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 次に、新制度の財源について伺います。
 新制度に必要な一兆円のうち、七千億円を消費税の増税で賄うとされております。しかし、残りの三千億円の財源については具体的に示されておりません。
 総理に伺いますが、この三千億円の財源はどのようにしてつくられるのでしょうか。ほかの教育関係の事業を削ってこれに充てるというようなことでは困りますので、少なくともそうではないことを明言していただき、また、どのように財源をつくるのか、具体的な方策をお聞かせいただきたいと思います。
 次に、新制度の周知について伺います。
 今回の制度改正によって、子ども・子育て支援の制度がこれまでよりも充実する一方で、これまでよりも複雑な制度になるという面もあります。また、三党合意で案が変わりましたので、更に分かりにくくなったことも否定できません。
 幼児教育・保育に携わっている関係者の方々からも難しいという声を聞くことがあるくらいですから、今まさに子育て中の一般の方、また、これから親になるという若い方々にとって非常に難しい制度だと思います。制度を十分に御理解いただくのはこれからの課題になるかと思います。
 そこで、特に子育て中の保護者を中心とする方々に対して、今後、新制度をどのように説明していくのでしょうか。総理に伺いますが、政府の具体策もお聞かせいただきたいと思います。
 子供にとって初めての教師は親であると思います。国や社会の役割は、全ての親が初めての教師の役割をしっかり果たせるよう見守り、支えてあげることが必要であると思います。
 これまで、我々自民党は、子供は家庭で育てるということを基本としてまいりました。それは、親を尊敬する心、人を尊敬する心の根幹を育てるのが家庭教育だからです。家庭教育こそが社会や国を支える根幹になると言っても過言ではないと考えます。
 民主党は、子供は社会で育てるという方針を掲げていましたが、もしそうなら、家庭教育の役割は何だとお考えでしょうか。子供が親を尊敬する気持ちはどのように育てるのでしょうか。総理と小宮山大臣の御認識をお聞かせいただきたいと思います。
 二十七日からロンドンにおきましてオリンピックが開催をされます。私自身、子育てをやりながら、子育てとスポーツは共通する部分が多いと感じてきました。
 オリンピックで活躍するスポーツ選手の姿は、人々に夢や希望、そして感動を与えます。しかし、そうした選手の活躍の裏には、人に見えない苦しい部分、見返りを求めない努力の部分があります。誰にも評価してもらえない、成果が出るか分からない、悩み苦しみながら黙々と練習をする、その長い年月があります。そうしたひたむきな努力の積み重ねがあるからこそ、成果が出たとき、目標を達成したときの喜びも大きくなり、見る人の心も動かすのだと思っております。
 子育ても同じで、親がひたすら努力し、献身している時間があるからこそ、子供は親に愛されていることを感じ、人を愛し、そして人から愛されることを学びます。そうした気持ちこそが親に対する尊敬を生むことになるのだと思っております。
 努力と献身は、時に苦労のように思えるかもしれませんが、そういう意味では、子育てには苦労があって当然であると思います。もちろん、過ぎた苦しみは国がしっかりと支えてあげなければなりませんが、子供は社会で育てるなどといって、子育ての苦労をなくし、親を楽にさせてあげるという政策は、親を尊敬しない子供をつくり、国家を衰退させる道にほかなりません。
 国家の未来に明るい展望が開けるには、まず、人々が、とりわけ子供たちが夢や希望や感動を持って暮らせることではないでしょうか。総理は、短時間であってもロンドンに赴いてオリンピック外交を展開したいとおっしゃっていただきました。子供たちが夢を持てる国づくりには、今回のロンドン大会のみならず、二〇二〇年の東京オリンピック、パラリンピックの招致も大変重要な国家戦略であると考えております。総理の意気込みをお聞かせいただきたいと思います。
 子供たちが夢を持てる国づくり、そして子育てから始まる教育は、国家百年、二百年の計であります。しかしながら、民主党の三年間は、国家百年の計に立った国づくり、教育とは程遠いものであったと思います。子供たちの未来のためにも総理には正しい道に進んでいただくよう強くお願いしますが、未来の展望が開かれないのであれば、解散・総選挙しかありません。総理には間違いないこの国の進むべき道を是非お考えいただき、そのことを強く要望して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#19
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自由民主党、橋本聖子議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、子ども・子育て支援法案の財源についてのお尋ねがございました。
 三党合意に、幼児教育・保育、子育て支援の質、量の充実を図るため、今回の消費税率の引上げによる財源を含めて一兆円超程度の財源が必要であり、政府はその確保に最大限努力するものとする旨が盛り込まれたことは大きな意義を持ちます。その三党合意を踏まえ、子ども・子育て支援法案の附則に、幼児教育・保育、子育て支援の質、量の充実を図るため、安定財源確保に努めるとの規定が追加をされました。
 財源については、今回の三党合意や法案の附則に基づいて、その確保のため最大限努力をしてまいります。
 次に、子ども・子育て支援制度の周知についてのお尋ねがございました。
 御指摘については、まずは、国会での御審議を通じて、国民の皆様に制度改正の内容についてその意義や仕組みを分かりやすく説明することが重要であると認識をしています。その上で、法案を成立をさせていただければ、制度の利用者や関係自治体など関係者に広く、かつ、できる限りきめ細かくやり方や媒体を工夫して周知するように努めてまいりたいと思います。
 続いて、子育て政策の理念についてのお尋ねがございました。
 家庭教育は全ての教育の出発点であり、基本的な生活習慣の習得、自立心の育成、心身の調和の取れた発達などに重要な役割を担っているものと考えます。御指摘の子供が親を尊敬する気持ちについても、こうした中で親自身の人生への向き合い方や人間としての生き方を示すことを通じて育まれていくものと考えます。一方で、家庭や地域を取り巻く環境の変化に鑑み、社会全体で子育てを支えていくことも重要となっており、家庭教育の重視と社会全体での子育ての支援とは共に大切な理念であると考えます。
 最後に、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピックの招致についてのお尋ねがございました。
 オリンピック・パラリンピックの開催は、御指摘のように、国民に夢と希望を与えるものとなり、東日本大震災からの復興を示すものともなります。政府としては、昨年制定されたスポーツ基本法や招致に関する国会決議も踏まえ、大会の招致を支援し、我が国での大会開催を是非とも実現させたいと考えております。招致活動に当たっては、東京都だけではなく、スポーツ界、経済界などが一体となって国民的な運動に高めていくことが大切と考えており、そのために政府としてもしっかり取り組んでまいりたいと思います。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣小宮山洋子君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(小宮山洋子君) 家庭教育の役割についてお尋ねいただきましたが、子ども・子育て支援法案では、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本認識に立っていることを明記しています。
 子供は親、保護者が育むことが基本で、また、家庭教育は子供が豊かな人間性を育むために重要な役割を果たしていると認識しています。しかし、近年の家族構成の変化、地域のつながりの希薄化などにより家族や地域の子育て力が低下していることを考えれば、社会全体で子育てをしっかりと支えていく新しい支え合いの仕組みを構築することは、時代の要請、社会の役割とも言えます。
 子供は家庭で育てるか社会が育てるかという二者択一ではなく、家庭を中心に、子供にとって最善の利益を考え、次の世代を担う子供たちが健やかに成長できるように子育てを社会全体で支援する環境を整える、そのことが重要だと考えています。(拍手)
   〔国務大臣平野博文君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(平野博文君) 橋本議員から、幼児教育への株式会社参入についてのお尋ねがございました。
 学校教育においては、教育基本法第六条において公の性格を有するとされております。その提供主体は、公共性、持続性、安定性を備えることが要請されておることから、国、地方公共団体、学校法人に限定をされております。
 政府提出法案では、学校と児童福祉施設の性格を有する総合こども園について、現行の保育所が原則として全ての総合こども園に移行するという特殊な事情にあることを鑑みて、株式会社の参入を認めることとしておりました。修正案では、これまでの国会審議等で示された懸念も踏まえ、株式会社の参入は認めないこととされております。
 文部科学省としては、参議院での御議論を踏まえて対応したいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
   〔衆議院議員田村憲久君登壇、拍手〕
#22
○衆議院議員(田村憲久君) 橋本聖子議員の御質問にお答えを申し上げます。
 議員の御質問の趣旨でございますが、当初、政府提出されておられました法案に関して、幼児教育と保育の一体化、一元化ということがうたわれておった。もちろん、自民党としてはそれすら三元化ではないかという御議論があったことは承知しておりますけれども、今回、修正を加えた法律案において、この一体化、一元化というものが三元化によりなったのではないかと、このような御質問の趣旨であったというふうにお伺いをいたしております。
 まず、新制度では、子育て施策に関しまして、地域のニーズに対応可能な多様な施設、事業、こういうものを用意した上で、幼保連携型の認定こども園に関しては単一の施設として認可、指導監督、これを一体化をいたしました。
 そしてまた、認定こども園、幼稚園、保育所、これに関しましての給付に関しましては一本化をいたしまして、施設型給付を創設をいたしております。
 また、内閣府に関しまして、一定の独立性を有した特別の機関として子ども・子育て本部、これを設置をいたしまして、認定こども園法と給付等を定める子ども・子育て支援法を所管をさせた上で、行政各部の統一を図る立場から内閣府が一元的に責任窓口を担うというようなことになっておりまして、そういう意味では使いやすい仕組みとなるように心掛けておるところでありますが、しかし一方で、保育所に関しましては、これは、認可、指導監督、給付を除いての部分に関しましては、これは厚生労働省でございますし、認定こども園に関しては内閣府でございますし、そしてまた幼稚園に関してはこれは文部科学省ということでございますので、そのような部分からすればこれは一元化ではございませんでして、今までどおり三つのそれぞれの省が所管をそれぞれしておるということになっております。
 なお、子ども・子育て支援法の附則には、総合的な子ども・子育て支援を実施するための行政組織の在り方に関して検討を加えることとなっております。ですから、法律が通った後で、成立した後でございますけれども、この子ども・子育て、これが一層充実をするためにはどのような組織体制がいいのかということをしっかりと検討した上で、その答えというものを実行していくということになろうというふうに思っております。
 以上でございます。(拍手)
   〔衆議院議員馳浩君登壇、拍手〕
#23
○衆議院議員(馳浩君) 橋本聖子議員にお答えをいたします。
 新制度が教育、保育の質向上にどのようにつながるのかという御質問でありました。
 まず、幼児教育の充実については橋本議員と同様の考えであり、国家の存立において極めて重要な政策であるという認識を持っております。平成十八年度に教育基本法を改正をし、幼児教育の充実を高らかにうたい上げ、平成十九年には学校教育法において、第一条において幼稚園の役割を明文化したところであり、極めて保育所における幼児教育も幼稚園における幼児教育も家庭における幼児教育も重要であり、そのための施策が推進されなければいけないという認識は同じでございます。
 その上で、修正後の関連法案では、地域住民にとって身近な市町村が地域のニーズ把握と計画的基盤整備を一元的に実施することで、必要な支援が必要な家庭に確実に届く仕組みとする。幼保連携型認定こども園の改善を図り、質の高い幼児期の学校教育、保育の一体的提供を行う。子育てに専念されている家庭に対する支援も含め、地域子ども・子育て支援事業を市町村事業として財政支援の対象とするなど、消費税の増税により安定的な財源を確保した上で、子ども・子育て支援を一層充実させ、教育、保育の質の向上も図られるものになると考えております。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(平田健二君) 木庭健太郎君。
   〔木庭健太郎君登壇、拍手〕
#25
○木庭健太郎君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました社会保障改革関連法案について、野田総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 本法案の衆院通過直後の記者会見で、国民に痛みを訴える野田総理に強い違和感を感じました。なぜなら、前回の衆議院選挙で民主党は、無駄遣いをなくし、予算を組み替え、毎年十六・八兆円を生み出すとか、増税の前にシロアリ退治だとか、公約は実行する、公約で言ってないことはやってはならないとか、消費税増税は議論の必要すらない、これは反対された鳩山元総理のお言葉であります。これだけのことを言っていたからこそ、マニフェストになかった消費税増税に民主党の衆議院議員すら造反する。まして、国民が納得するはずがありません。総理は、まず、マニフェスト違反を陳謝し、不明を恥じるところから始めるべきです。今後国民にどう理解を求めるか、見解を求めます。
 参議院では、どんなに遅くても六月中には審議入りするものと思っておりました。今日は七月十一日です。民主党内部の問題でずれ込み、本院の審議はようやく本日開始となりました。本来、審議を進められるべきは政府・与党です。党内の問題でいたずらに時間を費やす姿勢に、一体総理はやる気があるのか、真剣だったのは衆議院の採決までかとさえ感じます。まして、総理は政治生命を懸けると言われた、その決意に変わりないのか。まずは国民に対し誠心誠意の姿勢を尽くし、参議院における審議は心して臨んでいただきたいと思いますが、総理の見解を伺います。
 公明党は、消費税に関する考え方として、急速な高齢化の進展により社会保障の国の予算が毎年一兆円程度増加していく中で、年金、医療や介護などを守るためには安定した財源が必要、消費税を含む税制の抜本改革で社会保障の財源を捻出せざるを得ないと判断してまいりました。
 しかし、消費税率引上げの前提として、少なくとも五つの条件、一つ、社会保障制度の具体案を示す、一つ、景気回復を実現する、一つ、消費税の使い道を社会保障に限定する、一つ、税制全体の抜本改正を行う、一つ、行政改革を徹底する、このことを掲げ、訴えてまいりました。
 特に、社会保障について公明党は、新しい福祉社会ビジョンを発表し、年金や医療は現行制度を抜本改善し、例えば、厚生年金と共済年金の一元化、年金受給期間の短縮、低年金者への加算制度をまず実施すべきだと提唱いたしました。
 今回の三党合意の確認書では、今後の公的年金制度と高齢者医療制度の改革は三党で合意に向けて協議すると整理され、まず現行制度を踏まえた社会保障制度改革を具体化した上での消費税増税への道筋が明確になっております。社会保障制度抜きの消費税増税先行批判は私は全く当たらないと思いますが、総理の見解を求めます。
 この確認書により、民主党単独で新年金制度を国会に提出することはなくなり、三党での議論から始まると思いますが、総理に確認しておきます。
 また、後期高齢者医療制度の廃止法案の今国会の提出はなくなったと考えざるを得ませんが、厚生労働大臣から見解を伺います。
 現行の年金制度改革、年金法案の柱の一つが厚生年金と共済年金の一元化であります。野党時代は反対された民主党政権から法案が出された意義が大きく、国民にとっては年金の仕組みがより分かりやすく、公平性を担保するためにも必要不可欠な改革と考えますが、総理の見解を求めます。
 年金の受給資格期間は、私たちが新しい福祉社会ビジョンで掲げたとおり、二十五年から十年に短縮されます。この短縮は国民の強い願いであり、二十五年に満たず無年金になっていた方々への朗報でもあります。厚生労働省は、今回の短縮措置でどれだけの無年金者が救済されると推定しているか、また、申請主義である以上、これらの方々へどう周知徹底しようとされているのか、明らかにしていただきたい。大臣に伺います。
 三党協議で大きな論点となった低所得者への年金額加算については、公明党が主張した定率加算を参考に、福祉的給付にて対応することで合意しました。しかも、消費税率引上げまでに給付に関する新しい法律を作るとしています。新法案ができない限り、増税ができにくい。ここにも増税のみ先行への歯止めがあると思いますが、総理の見解を求めます。
 基礎年金国庫負担二分の一の財源について、三党合意では、交付国債での手当てを撤回し、別途政府が所要の法的措置を講じると確認されましたが、具体的にどう取り組むか、総理、明らかにしていただきたい。
 三党合意で新たに社会保障制度改革推進法案が提出されました。今後、年金、医療、介護、子育ての課題は、社会保障制度改革国民会議の議論を経て、消費税率引上げの前までに必要な法制上の措置を講ずるものとしています。増税前に社会保障の全体像を明確化させることを法的にも担保したことは、極めて重要と認識します。改めて、社会保障を置き去りにしない、税と社会保障の一体改革への総理の決意を確認しておきたいと思います。
 今回の社会保障制度改革は、年金、子育てについてはかなりの部分が具体化されていますが、医療、介護については、政府の社会保障・税一体改革大綱を見てもほとんどが検討、検討と、遅れが顕著であります。三党の更なる協議や社会保障制度改革国民会議の議論が始まる前までに政府・民主党としての基本方向を定めておくべきだと考えますが、ここも総理の見解を伺います。
 医療の分野では、高額療養費の見直しが避けて通れない課題だと思います。特に、医療費負担が日常的に重い慢性疾患の方々のためにも一日も早く実現を図るべきです。増税前の実現を強く望みますが、総理の見解を求めます。
 難病対策や総合合算制度の創設についても、具体的な内容は今後の検討課題となっております。早急に全体像を明らかにされるべきだと考えますが、厚生労働大臣の見解を求めます。
 次に、子育て関連法案について伺います。
 認定こども園については、私たち公明党の考えを取り入れ、現行制度を拡充することとし、文部科学省と厚生労働省による二重行政を排し、単一の施設としての認可、指導監督を一本化、財政的支援も拡充することとなりました。さらに、子育て関連で懸念のあった市町村が保育の実施義務を引き続き担うようにし、幼稚園教諭の免許と保育士資格の一本化や人材確保のための処遇改善策も検討していくこととなりました。総合的な子ども・子育て支援を実施するための行政組織の在り方が重要な視点となりますが、今後どのようなスケジュールで進めていくお考えなのか、少子化担当大臣の見解を求めます。
 同時に、待機児童解消を実現し、質、量共に充実した幼児教育や保育、きめ細やかな子育て支援を実施するためには、財源の確保が必要であると認識いたします。政府の試算でも消費税率引上げで確保される七千億円以外に三千億円が必要とされていますが、どのように担保されるおつもりか、また、三千億円の使途はどのように決めるのか、財務大臣の答弁を求めます。
 最後に、この度の法案の衆議院採決に当たって、民主党内には造反し反対する議員が出ました。総理、与党としての責任体制はどうなっているんですか。党代表としての責任をどう考えているのか。国民はこの党内騒動に辟易しています。民主党は、政権交代の意義を失ってしまった今、解散して国民の審判を仰ぐべきです。国民は迷走する民主党政権に、既にノーを突き付けております。早期解散、国民に信を問えと強く申し上げ、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#26
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党の木庭議員の御質問にお答えをしてまいります。
 まず最初に、マニフェスト財源と消費税引上げに関するお尋ねがございました。
 税金の無駄遣いを根絶することについては一定の成果は上げてきたものと考えますが、マニフェストに掲げた金額に及ばないことは事実であります。昨年夏の中間検証でも認めたように、財源確保の実現可能性についての見通しに甘さがあったことは事実であり、この点については率直に国民の皆様におわびをしております。
 また、社会保障・税一体改革の実施については、税収の大幅減、東日本大震災の発生、毎年度一兆円単位で増加していく社会保障の財源問題、さらには欧州におけるソブリンリスクの顕在化などを踏まえ、もはや先送りできないと判断をいたしました。消費税について衆議院選挙の時点で明確に方向性を示していなかったことについては、真摯に反省し、おわびをしながら、国民の皆様に御理解いただけるよう努力を重ねていく決意でございます。
 続いて、一体改革関連法案の審議に向けた決意についてのお尋ねがございました。
 一体改革関連法案の衆議院採決に際して、民主党から多くの反対者、欠席、棄権者が出たこと、関連して多くの議員が離党したことは極めて残念であり、党代表としての責任を重く受け止めて、国民の皆様に深くおわびを申し上げたいと思います。また、修正案を共にまとめていただいた公明党、自民党、法案に御賛同をいただいた各党会派の皆様に御心配をお掛けしたこと、国会日程等に影響を与えたことはおわびを申し上げたいと思います。
 政府・与党として意思統一を行い、一致結束して、三党合意を踏まえつつ、参議院での御審議に全力を尽くし、一体改革関連法案の成立に向け、「正心誠意」努力をしてまいります。一体改革関連法案の参議院における速やかな御審議と可決、成立に向け、是非とも引き続き御協力をお願いをいたします。
 次に、消費増税先行との批判や新年金制度についてのお尋ねがございました。
 今回の一体改革は、持続可能な社会保障の構築と、そのための安定財源の確保、財政健全化を同時に達成することを目指し、社会保障制度と税制を一体的に改革をするものであります。衆議院での審議や三党合意により、年金二法案による現行制度の改善や子育て支援法案による施策の充実について、税制改正による安定財源の確保とともに大きな前進を見ました。一部の増税先行批判は当たらないと考えております。
 なお、三党合意の確認書では、今後の公的年金制度、今後の高齢者医療制度に係る改革については、あらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議することとされており、この枠組みの中で民主党としての考え方に御理解を求めていきたいと考えております。
 次に、被用者年金の一元化についてのお尋ねがございました。
 今回の被用者年金一元化は、公務員や私学教職員も厚生年金に加入することを通じて、公務員等の保険料率を引き上げ、厚生年金に統一するとともに、共済年金のみに設けられている職域部分を廃止するものであります。本法案は、公的年金の官民均衡を図るとともに、働き方に中立的な制度を実現をし、年金制度への国民の信頼を高めるため必要不可欠なものであり、速やかな成立へ向けて御審議をお願いをいたします。
 次に、低所得者への福祉的な給付についてのお尋ねがございました。
 今回の三党合意による、新たな低所得高齢者、障害者等への福祉的な給付措置については、衆議院修正後の年金機能強化法案において、税制改正法の公布日から六か月以内に法制上の措置を講じることとされ、また、三党の確認書では、そのための法案は消費税率引上げまでに成立させるものとなっています。この点においても増税のみ先行批判は当たらないと考えておりますが、政府としては、これら方針に沿って、各党ともよく相談しながら、低所得年金受給者への対応を進めてまいります。
 続いて、基礎年金国庫負担の財源に関するお尋ねがございました。
 先日の三党合意を踏まえ、政府としては、交付国債に代わる基礎年金国庫負担の財源に関する所要の法的措置について、年金財政の安定を確保しつつ、財政規律も損なわないよう検討を進めているところであります。
 本件について成案を得るためには、三党合意をしていただいた公明、自民両党の御賛同をいただくことが必要であり、政府・与党として最大限の努力をいたしますので、御党にも御協力をお願いをしたいと思います。
 続いて、社会保障の全体像と一体改革への決意についてのお尋ねがございました。
 今回の一体改革関連法案は、税法と一緒に審議をお願いをしている年金制度や子ども・子育て支援の充実に向け、大きな一歩を踏み出すものであります。また、今後の公的年金、医療、介護や子育て支援については、改革推進法案や三党合意に従って議論を進めていくことで、一体改革の趣旨に沿って、信頼され、安心できる社会保障制度を構築をしてまいります。
 引き続き、社会保障改革を消費税率の引上げと一体的に行う、この改革の実現に向けて全力を尽くしていく決意でございます。
 医療、介護の全体像及び高額療養費の見直しについてのお尋ねがございました。
 今年三月に閣議決定した一体改革大綱においては、医療・介護サービスについて、二〇二五年に、どこに住んでいても、その人にとって適切な医療・介護サービスが受けられる社会を実現するとしております。このため、診療報酬や制度の見直しを通じて、病院、病床の機能分化、連携による入院医療の強化を図るとともに、在宅医療・介護を充実をしていきたいと思います。
 また、木庭議員御指摘の高額療養費については、一体改革大綱を踏まえ、まずは、所要の財源を確保した上で、年間での負担上限等の導入を目指し、さらに、抜本的な見直しに向けて必要な財源と方策を検討してまいりたいと考えております。
 最後に、与党としての責任と解散についてのお尋ねがございました。
 これは先ほども答弁をさせていただいたとおり、今回の一体改革関連法案の衆議院採決に際して、民主党から多くの反対者、欠席者が出たこと、また、多くの議員が離党を表明し、除籍処分としたことは極めて残念かつ遺憾であり、党代表として重く責任を受け止め、国民の皆様に深くおわびを申し上げたいと思いますし、国会日程等への影響を含めまして、公明党を始め、各党会派の皆様に御迷惑をお掛けしたことも重ねておわびを申し上げたいと思います。
 御批判については真摯に受け止め、政府・与党として意思統一を固め、一致結束して、三党合意を踏まえつつ、参議院での一体改革関連法案の成立を期すことで私の責任を果たしていく決意でございます。
 なお、解散については、やるべきことをやり抜いた後で、適切な時期に国民の信を問う方針に変更はございません。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣小宮山洋子君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(小宮山洋子君) 木庭議員からの御質問、まず、高齢者医療制度の見直しについてですが、三党合意の確認書では、今後の高齢者医療制度に係る改革については、あらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議することになっています。
 また、社会保障制度改革推進法案では、今後の高齢者医療制度については、状況等を踏まえ、必要に応じて、社会保障制度改革国民会議において検討し、結論を得ることが盛り込まれています。
 後期高齢者医療制度の扱いにつきましては、三党合意や法案の内容に従って対応していくことになると考えています。
 年金受給資格期間の短縮についてですが、年金機能強化法案では、現に生じている無年金者をできるだけ救済すると同時に、納付した保険料をできるだけ給付に結び付ける観点から、受給資格期間を二十五年から十年に短縮する措置を盛り込んでいます。この改正により、現在、四十二万人と推計されている六十五歳以上の無年金者のうち、およそ十七万人が年金を受給できるようになると見込んでいます。
 法律の成立後には、政府広報などを通じて広く制度を周知するとともに、短縮措置で新たに年金の受給資格が得られる人については、行政側で対象者の把握に努め、年金の請求手続の勧奨を行いたいと考えています。
 難病対策についてですが、社会保障・税一体改革大綱では、難病の医療費助成の法制化も視野に入れて検討するとともに、治験研究、医療体制、福祉サービス、就労支援等の総合的な施策の実施を目指すことを盛り込んでいます。
 これまで、平成二十二年四月に新たな難治性疾患対策の在り方検討チームを設置し、また、厚生科学審議会疾病対策部会や同部会の難病対策委員会を開催しています。八月には、疾病対策部会で中間報告を取りまとめていただく予定です。
 今後も、難病患者の皆様に寄り添いながら、できるだけ早く結論が得られるよう全力を挙げていきたいと思っています。
 総合合算制度の創設についてですが、番号制度の本格稼働、定着が前提となりますが、その導入に向けて、総合合算制度の対象となる制度の具体的な範囲、具体的な仕組み、簡素な給付措置、給付付き税額控除など総合的な再分配政策との関係、保険者・制度間での情報連携基盤の仕組みなどについて検討していく必要があります。
 このため、有識者による社会保障制度の低所得者対策の在り方に関する研究会を設置し、具体的な検討を行っています。
 二〇一五年度以降の番号制度の本格稼働、定着後速やかに制度を実施できるよう引き続き検討を進めていきます。
 子育て支援の行政組織の在り方についてですが、子ども・子育て支援法案の附則で、同法の公布後二年をめどとして、総合的な子ども・子育て支援を実施するための行政組織の在り方について検討を行い、必要に応じて所要の措置を講ずるとされています。これに基づきまして、その間に検討をしていきます。
 今回の法案では、制度の本格施行に合わせ、内閣府に、子ども・子育て支援法と改正認定こども園法を所管する子ども・子育て本部を設置することにしています。検討後、所要の措置を講じるに当たりましては、検討結果とこの本部の運用状況を勘案して、政府全体の組織の在り方も考慮した上で、子ども・子育て支援の一層の充実にとって望ましい組織体制の実現に向けて努力していきたいと考えています。
 なお、幼稚園教諭免許と保育士資格の在り方や人材確保のための方策など、関連法案の附則に盛り込まれた検討事項についても併せて今後検討を進めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(安住淳君) 木庭先生から、子育て支援のための財源の確保について御質問いただきました。
 今回の三党合意は、法案のまず附則に、幼児教育・保育、子育て支援の質、量の充実を図るため、安定財源確保に努めるものとする旨が追加されました。
 また、三党合意文書に、この部分に関しては、幼児教育・保育、子育て支援の質、量の充実を図るため、今回の消費税率の引上げによる財源を含めて一兆円超程度の財源が必要であり、政府はその確保に最大限努力するものとする旨が盛り込まれております。
 政府といたしましては、今回の三党合意や法律案附則に基づきまして、まずこの財源確保のため最大限努力をいたしまして、その使い道、使途についても今後しっかり検討してまいりたいと思っております。(拍手)
#29
○議長(平田健二君) これにて午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時一分開議
#30
○議長(平田健二君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 趣旨説明に対する質疑を続けます。広野ただし君。
   〔広野ただし君登壇、拍手〕
#31
○広野ただし君 新会派、国民の生活が第一の会長、広野ただしです。
 会派を代表して、議題となりました、いわゆる社会保障と税一体改革関連法案について質問いたします。
 まず、野田内閣の正当性について伺います。
 民主党は、二〇〇九年政権公約、国民の生活が第一を掲げて、総選挙において、国民の信任を得て歴史的な政権交代を果たし、鳩山内閣が発足しました。その後、菅内閣に替わりましたが、菅内閣は、参議院選挙で民主党のマニフェストにない消費税増税を口走り、惨敗しました。その政治責任も取られない中、二〇一一年、野田さんは、民主党の国会議員だけの選挙で海江田さんに次いで第二位であったにもかかわらず、二位、三位、四位連合の合従連衡で民主党代表に就かれ、総理になられたわけであります。鳩山さんから数え、民主党では第三代目の総理ではありますが、いまだ総選挙で国民の信任は得ていません。それなのに、マニフェストに書いていない消費税の大増税を行おうとしています。これは国民を裏切るものであり、民主主義に対する背信行為だと思いますが、総理の弁解をまずお聞きしたいと思います。
 野田総理は、マニフェストに書いていないことはやらないのです、マニフェストに書いてあることをやるのです、まずシロアリ退治ですと国民に約束されました。
 そこで、総理に伺います。
 マニフェストで民主党が国民に約束した、一つ、税金の無駄遣いと天下りの根絶、企業・団体献金の禁止、衆院定数八十人の削減はどうなっているのか、国民に対してお答えください。
 一つ、消えた年金をなくするための年金通帳は実現していますか。
 一つ、月額七万円の最低保障年金は社会保障改革国民会議送りになっていますし、自民党、公明党の反対で実現しそうにないように見えますが、国民に対して申し開きをしてください。
 一つ、後期高齢者医療制度を廃止し、医師の数を一・五倍にしますと約束していますが、これについても弁解をお聞かせください。
 一つ、年金保険料の未納を減らし、行政改革も併せて実現するため、歳入庁を創設すると約束していましたが、これも引き延ばしになりそうです。国民に対して申し開きをしてください。
 ほかにもありますが、まずは、以上六問について総理にお伺いします。
 消費増税は、何よりも東日本大震災の被災者の方々を苦しめます。
 被災地の復旧・復興は遅れに遅れています。瓦れきの処理も遅れています。間もなく暑い夏です。悪臭やハエ、蚊で悩まされます。瓦れき処理の状況、そしてもっと早くできないのかについて、細野大臣に伺います。
 野田総理は、昨年秋、福島の再生なくして日本の再生なしと、福島原発処理に取り組む決意を述べられました。しかし、福島原発のメルトダウンの対策及び処理は一向に進んでいません。いつになったらメルトダウンの対策ができ、住民の不安がなくなるのか、お答えください。また、廃炉はいつ始まって、いつ終了するのか、野田総理から住民、国民に対してお答えください。
 福島原発の処理を東電任せにしていては、福島の再生はどんどん遅れるでしょう。もっと国が前面に出て、アメリカ、フランス等の技術協力も得て、オールジャパン体制で取り組むべきと考えますが、野田総理の御意見を伺います。
 東日本大震災の復旧・復興は、現状から見ると、どんなに早くても三年以上は掛かるでしょう。しかし、消費増税は、被災地の方々や仮設住宅の方々にも容赦なく課税されます。
 古来、徳のある為政者は、天災や飢饉等のときは農民の年貢を軽くし、つまり、税を軽くして復旧・復興を助けました。しかるに、野田内閣は、苛斂誅求、あろうことか、増税によって被災地の方々を苦しめようとしています。自民党、公明党もぐるになって被災地を痛め付けようとしています。口では助けます、支援しますと言いながら、結果としては被災地を苦しめる、野田総理の非情とも言える被災地の方々に対する増税の仕打ちについて見解を伺います。
 野田総理は、社保・税の一体改革は待ったなしだとよく言われますが、新会派、国民の生活が第一は、被災地の方々の生活を守り、被災地の復旧・復興を加速すること、そして、福島原発のメルトダウンを一日も早く収束し、廃炉処理を迅速化することこそが待ったなしで、それに全力で取り組むことが被災地を救う現在の日本の最重要課題だと強く申し上げます。
 消費税の大増税は、直接的に国民を苦しめます。毎日の食料品、交通費、医薬品、医療費、教育費、電気代、ガス代、ガソリン代、下水道代等々が値上がりし、課税されます。豊かな方々にはそれほど影響はないかもしれませんが、中間層で年収三百万から四百万の方々は非常に厳しい生活を強いられます。私たちの試算では、一世帯当たり毎月二万円、三万円の負担増を強いられ、生活は苦しくなるばかりです。
 また、中小企業も現状より更に厳しくなります。現状でも、中小企業で、預かった消費税分を納められなくて、未納、延滞の人たちが一〇%ないし二〇%おられると聞いています。消費税が一〇%に増税されれば更に厳しくなって、それこそ、消費税増税倒産ということにもつながりかねません。
 消費税引上げに当たっての経済状況判断も法律上誠に曖昧で、野田総理も安住大臣も、現在のようなデフレ脱却もしていない厳しい経済状況でも消費税の引上げはできると国会で答弁しています。まず消費税増税ありきで、消費増税は相当厳しい経済状況下でも必ずやるということです。余りにもひど過ぎます。野田総理及び安住大臣の御意見を伺います。
 政治には、やはり原理原則がまず必要です。野田内閣は、決められない政治からの脱却だと、今回の三党合意による無原則な妥協を正当化しようとしています。
 しかし、二〇〇九年の政権交代時には、民主党は、消費税は上げない、まず徹底的に行政改革をする、政治改革をすると国民に約束したはずです。ところが、約束事を中途半端にしたまま、自民党、公明党と妥協の上、野合を組み、国民を苦しめる消費増税にひた走っています。
 しかも、重要な課題を社会保障改革国民会議での議論に先送り、棚上げしています。この国民会議は、名称は美しいが、国民からは全く遊離し、結局は役人主導で、そして役人のさじ加減で、また国民によく分からないうちに課税の軽減や給付等を行おうとするものです。
 また、政府原案では、消費増税分は全て社会保障に充当することになっていたものが、三党合意では、状況によっては成長戦略や事前防災や減災に充てることができるようになりました。そして、自民党は、これにより国土強靱化計画を推進できると意気込んでいます。
 妥協の産物は、無原則な政治、無責任な政治になりがちです。ですから、庶民とともに歩んだ世界の哲人ガンジーは、無原則な政治、ポリティクス・ウイズアウト・プリンシプルズを社会の七つの大罪のうちの第一番目の大罪にして戒めているのです。
 私たち新会派、国民の生活が第一は、まさに、国民の生活を守り、自立と共生の理念の下に、日本をすばらしい国にしていきたいと考えています。
 国会では、民主、自民、公明の大政翼賛会的野合の結果、消費増税法案は成立するかもしれません。しかし、私たちは、まさに本日夕刻、同志諸君とともに新党を立ち上げます。そして、国民との公約を破る消費増税の大増税反対の国民運動を展開し、来るべき衆議院選挙においては友党等と手を携えて必ずや政権に復帰し、この消費増税法案を葬り去ります。私たちは、政治を正しい政治に戻し、議会制民主主義を守り、日本の発展に貢献する所存であるとの決意を申し述べまして、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#32
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 広野ただし議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、マニフェストについて六つの御質問をいただきました。
 一つ目の、マニフェストと消費税率の引上げとの関係でございますが、社会保障・税一体改革の実施については、税収の大幅減、東日本大震災の発生、毎年度一兆円単位で増加していく社会保障の財源問題、さらには欧州におけるソブリンリスクの顕在化などを踏まえ、もはや先送りできないと判断をいたしました。
 消費税について衆議院選挙の時点で明確に方向性を示していなかったことについては真摯に反省し、おわびしながら、国民の皆様に御理解をいただける努力を重ねていく決意であります。
 本院で審議中の法案では、消費税率の引上げの実施時期は衆議院選挙を経た後となっており、やるべきことをやり抜いた後に適切な時期において国民の皆様の審判を仰ぎたいと考えております。
 二つ目の、マニフェストに掲げた税金の無駄遣い根絶については、政権交代直後から事業仕分などにより全力を挙げて取り組んでおり、一定の成果は上げてきたものと考えておりますが、マニフェストに掲げた金額に及ばないことは事実でございます。
 昨年夏の中間検証でも認めたように、財源確保の実現可能性についての見通しに甘さがあったことは事実であり、この点については率直に国民の皆様におわびをしております。
 天下りについては、政権交代直後の九月二十九日に省庁の天下りあっせんを禁止したところであり、その後は、組織改廃に伴う一部の例外を除き、民主党を中心とする連立政権において天下りのあっせんは行っておりません。
 企業・団体献金の禁止については、民主党としての提案をまとめましたが、いまだ各党の御賛同をいただくに至っておらず、今後に残された課題となっていると承知をしております。
 議員定数の削減については、一票の格差是正、選挙制度改革と併せて各党で御協議をいただいておりましたが、衆議院段階において協議が調わず、先般、民主党として各党の御主張にも配慮した法案を提出したとの報告を受けております。
 無駄遣いの根絶に向けた努力、行政改革、政治改革は不断の取組が必要であり、今後も引き続き全力で取り組み、政治家自らが身を切る努力を含めて成果を上げていきたいと考えております。
 三つ目の年金通帳については、厚生労働省の有識者検討会から、昨年十一月にインターネットを活用した形での実施に関する提言をいただいたところであります。現在、この提言を受け、納めた保険料や受け取る年金額をいつでも御自身で確認いただくためのものとして準備を進めております。
 四つ目の最低保障年金を含む新年金制度と、五つ目の後期高齢者医療制度の扱いについては、今回の三党合意や改革推進法案の内容に従って対応してまいります。この枠組みの中で、民主党としての考え方をしっかりと主張しながら、合意形成に向けて議論を深めていきたいと考えております。
 また、医師数については、医師不足に対応するため、平成二十年度から順次、医学部入学定員を千三百六十六人増員しており、平成二十四年度には過去最大の八千九百九十一人まで増加をしてまいります。
 六つ目の歳入庁については、先般、衆議院において可決された修正案において、年金保険料の徴収体制強化等について、歳入庁その他の方策の有効性、課題等を幅広い観点から検討し、実施するとされているところであります。政府としては、本法案が成立した場合には、この規定に基づき、年金保険料の徴収体制をどのように強化していくのか、歳入庁その他の方策について検討を進めてまいります。
 東電福島第一原発の事故処理に関するお尋ねがございました。
 東電福島第一原発一から四号機の廃炉については、中長期ロードマップに基づき、来年中に四号機の使用済み燃料プール内の燃料取り出し開始を当面の最優先課題としており、また、溶融した燃料の取り出し開始はステップ2完了から十年以内を目標としており、現在、建屋内除染技術、遠隔操作装置等の研究開発に取り組んでいるところであります。また、廃止措置の終了は、ステップ2完了から三十年から四十年までを主要な時期的目標としております。
 こうした取組は、これまで経験のない技術的な困難性を伴うことから、官民の協力の下、アメリカやフランス等を含め、国内外の英知を結集して必要となる研究開発を実施していくことが不可欠であり、現在、そのためのプロジェクトを進めているところであります。これまでに、溶融した燃料の取り出し準備の装置開発等に係る国際的ワークショップやシンポジウムを開催し、国内外の有識者、専門家の技術的知見を広く活用するとともに、発電所の状況について国内外に対し広く情報提供を行っております。
 今後とも、発電所の安全維持に万全を期しながら、政府と東京電力が一体となって、廃炉に至る最後の最後まで全力を挙げて取り組んでまいります。
 東日本大震災と消費税率引上げについてのお尋ねがございました。
 大震災からの復興は、この内閣の最優先課題の一つであります。復興庁が中心となって、復興交付金、復興特区制度を活用しながら、インフラの本格復旧を加速させるとともに、住宅再建等の本格的復興の促進に努めています。被災地の生活再建策に関して、これまでも様々な税制上の特例措置や被災者生活再建支援金、災害復興住宅融資等の様々な予算措置を講じています。
 その上で、今回の一体改革との関係では、法案の提出時に、消費税の税率引上げに当たっても、住宅を失った被災者の方々が恒久的な住まいを確保する際には、地域全体の町づくりを進める中で支援を行うなど、被災者の方々の負担緩和への配慮を行う、中長期的な視野を持って復興に取り組むため、福島県等における原子力災害や農産品等に対する風評被害を含め、復旧・復興の状況や被災地の要望も踏まえ、今後とも、必要な税制上その他の支援を実施するという方針を決定しており、この方針に沿って復興に向けて必要な支援を実施をしてまいります。
 消費税率引上げと経済との関係についてのお尋ねがございました。
 社会保障と税の一体改革は待ったなしであり、不退転の決意で臨みますが、それとともに、新成長戦略の加速や日本再生戦略の策定、実行を始め、デフレ脱却や経済活性化に向けた取組を全力で進めていく決意であります。
 また、消費税率の引上げは、その引上げ分は全額社会保障財源として国民に還元されるということ、したがって、社会保障制度には所得再分配機能があり、給付と負担の全体を見ると低所得者には負担を上回る受益があること、また、社会保障改革の中で貧困格差対策を強化し、きめ細やかな低所得者対策を講ずることも併せて考える必要があると考えております。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣細野豪志君登壇、拍手〕
#33
○国務大臣(細野豪志君) 災害廃棄物の処理の進捗状況についてお尋ねがございました。
 災害廃棄物の処理は復興の大前提であり、平成二十六年三月末までに終えることが目標であります。広野議員御指摘のとおり、処理がこれまで遅れておりましたが、被災地の努力、そして全国の御支援で、この目標を達成し得る状況になっております。岩手、宮城及び福島三県の沿岸部の災害廃棄物の処理の進捗状況につきましては、六月末の時点で発生推計量約千八百八十万トンのうち二〇・三%、三百八十二万トンの処理が完了しております。
 こうした災害廃棄物の処理の進捗によりまして、仮置場の解消も進んでおります。例えば、宮城県岩沼市においては、十一か所のうち十か所の仮置場の災害廃棄物について、六月末までに二次仮置場への移動を完了し、跡地が利用できる状況になりました。
 仮設焼却炉の設置、稼働も順次進めております。宮城県、岩手県両県におきましては、十七基が既に稼働中であります。今後、更に整備を進めるとともに、処理が一層加速することを目指してまいりたいというふうに思います。
 広域処理につきましても、現在、東京都、青森県、秋田県、山形県、群馬県、茨城県、そして静岡県、一都六県で受入れを実施中であります。さらに、北九州市や大阪市でも受入れ表明がされるなど、進捗が見られているところであります。
 暑い夏がやってまいります。被災地の復興のために災害廃棄物の一日も早い処理に全力で取り組んでまいります。是非とも御協力をお願い申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣安住淳君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(安住淳君) 消費税率の引上げと経済の関係についての御質問をいただきました。
 この点については、実は三党の実務者の皆様の話合いの中でも最も重視をした点でございますので、これを軽んじているわけでは全くございません。
 税制抜本改革法案の附則十八条に関しては、このため、三党による法案修正を行いました。その結果、第一項目にあります、この平成二十三年度から三十二年度までの十年間の平均において名目成長率三%程度、実質成長率二%程度の経済成長を目指すという政策努力の目標を示し、こうした望ましい経済成長の在り方に早期に近づけるための総合的な施策を実施する旨を規定する第一項とともに、今回新たに、税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する旨を規定する第二項が追加をされました。この第二項の追加を踏まえ、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認しながら、引上げに当たってはこうしたものを総合的に勘案しながら行うということを規定をしております。
 このように、政府といたしましても、三党としても、国民の生活に十分配慮しながら、デフレ脱却、経済活性化に向けた取組を全力で進めてまいりたいと思っております。(拍手)
    ─────────────
#35
○議長(平田健二君) 寺田典城君。
   〔寺田典城君登壇、拍手〕
#36
○寺田典城君 みんなの党の寺田典城でございます。党を代表して質問いたします。
 今は、当たり前のことが難しい時代になりました。かつては、親が子供を養い、子供が親を養うという社会が当たり前のことでありました。しかし、急速な少子高齢化や核家族化、女性の社会進出などにより、それまでの当たり前のことが維持できなくなりました。これこそが、子ども・子育てや医療、年金、介護の根本的な課題であります。
 子ども・子育て支援は、これまで、教育政策の下にある幼稚園行政と福祉政策の下にある保育園行政とが完全に縦割りとなってきました。さらに、幼稚園業界、保育園業界、それぞれの利害を代弁する国会議員などがその縦割りを助長してきました。
 サービスを受けるのは子供であります。しかし、大人の都合でサービスをゆがめてしまっています。こうした状況はおかしいという発想が幼保一元化の議論の始まりだったのではないでしょうか。
 私が、十二年間の秋田県政において子ども・子育て支援に取り組んだ原点は、幼稚園児と保育園児の間に、小学校入学時点で学力に格差が生じている状況をおかしいと感じたからであります。二〇一〇年の全国学力・学習状況調査では、小学六年生と中学三年生の国語、数学の正答率で、幼稚園出身者と保育園出身者の間に三%から六%の差があります。秋田県では、二〇〇四年に県の教育庁に幼保推進課を設置し、幼稚園・保育園行政を一本化、二〇〇六年に全国初の認定こども園の認定を受けました。
 今回の法案は、当初の政府原案にせよ、三党合意の修正案にせよ、明らかに不十分であります。しかしながら、将来の幼保一元化の出発点になるものだと私個人は評価しております。
 以下、幼保一元化を実現すべきとの観点から、野田総理、平野文科大臣、小宮山厚労兼少子化担当大臣に質問をいたします。
 第一に、今回拡充される認定こども園、特に幼保連携型が今後着実に増えていくのか、その見通しについてお尋ねいたします。
 政府原案では、幼稚園のこども園への移行を義務化せず、その後の三党合意の修正案では、保育園の移行も義務化されなくなりました。今後、幼保連携型への移行を促すために、財政その他のインセンティブを付けた手挙げ方式にするとの答弁を聞いております。果たして具体的な実効性があるのか、疑問に思えます。
 今年の四月時点で僅か九百十一件の認定こども園を今後いつまでにどの程度増やそうとしているのか、目標値をお示ししていただきますとともに、その実現に向けた方策について、小宮山大臣、具体的に御答弁ください。
 また、幼保連携型の認定こども園を増やすという観点に立つなら、例えば、全体の四割弱を占める市町村立の幼稚園や国立大学附属の幼稚園からの移行を義務付けることで、全体の呼び水とすることも考えられると思います。特に、国立大学附属の幼稚園は、教員養成の場として設置されております。保育もできる幼稚園の教諭を養成する上で、幼保連携型にすることが必要と考えています。この点について、平野大臣と小宮山大臣、それぞれ見解を御答弁ください。
 第二に、幼保連携型の認定こども園の設置主体に株式会社やNPO法人の参入を排除したことの影響についてお尋ねいたします。
 政府原案では、幼保連携型の総合こども園の設置に一定の要件を満たす株式会社やNPO法人の参入を認めておりました。しかし、三党合意の修正案では、民間参入を認めない形となり、明らかに後退してしまいました。この一連の動きの裏には、私立幼稚園団体の猛烈な巻き返しがあったのではないか、それに国会議員が乗せられてしまったのではないかと邪推しています。
 この修正によって、幼保連携型の認定こども園の増加に歯止めを掛けてしまうのではないでしょうか。この点について、平野大臣と小宮山大臣、それぞれ御見解を御答弁ください。
 第三に、従来型の保育園における教育の質の担保についてお尋ねいたします。
 先ほど、小学校入学時点で、幼稚園児と保育園児の間に学力の格差が生じている状況を指摘しました。これは何としても解消する必要があります。三党合意の修正案によって、幼保連携型の認定こども園に移行しない保育園は、そのまま保育園として残ることになります。こうした従来型の保育園における幼児教育の質をどのように担保し、高めていくつもりなのか、平野大臣と小宮山大臣、それぞれ具体的な方策を御答弁ください。
 第四に、今回の認定こども園改正法案、子ども・子育て支援法案の附則に含まれる検討・見直し条項についてお尋ねいたします。
 三党合意の修正案により、いわゆる子ども家庭省の設置、幼稚園教諭と保育士資格の一体化、処遇の改善や人材育成に関する検討・見直し条項が追加されました。論点はこれだけですか。
 例えば、二〇〇〇年に導入された介護保険制度は、三年から五年ごとの見直しを繰り返しながら、制度を熟成させてきました。介護保険法の見直し条項を見ると、問題意識があらかじめきちんと列挙され、検討することを明確に規定しております。
 制度を熟成させるためには、あらかじめ想定される論点をきちっと列挙し、かつ、必ず検討する見直し条項を規定すべきであると考えます。この点について、小宮山大臣、見解を御答弁ください。
 第五に、いわゆる子ども家庭省の設置についてお尋ねいたします。
 今回の関係法律整備法案によって、文科省、厚労省に加えて内閣府にも制度を所掌させるという、おかしな三元体制がベースになっております。
 子ども・子育て支援法案の附則には、法律公布後二年を目途に組織の在り方を検討するとあります。今回の子ども・子育て新システムの検討に携わった内閣府、文科省、厚労省のそれぞれの担当者に聞きますと、最初は省庁間であつれきがあったが、最後は皆同じ方向を向き、一緒に協力、連携できましたと言います。二年後と言わず、野田総理の強いリーダーシップがあれば、すぐにでも結論は出るのではないですか。野田総理、見解を御答弁ください。
 第六に、社会保障と税の一体改革の前提に行うべき、自ら身を切る改革についてお尋ねいたします。
 私は、昨年十二月七日、この場所で野田総理に対し、政治生命を懸けて自らの考えで決断し、この国を前に進めてほしいと申し上げました。今回の社会保障と税の一体改革を野田総理がぶれずに進めたことについては、一人の政治家として率直に評価したいと思います。
 ただし、国民に増税という痛みを負ってもらう以上、増税の前にやるべきことがあります。国民に約束した身を切る改革、議員定数・歳費の削減、公務員制度改革、地域主権改革はいまだに懸案として残されており、確実に目標と期限を定めて進めていく必要があります。
 野田総理、その意気込みをお聞かせください。任期中にやりますね。
 最後に、衆議院での法律採択をめぐって、民主党は分裂しました。それにより国会を二週間空転させたことについて、野田総理、率直に反省の弁を述べていただきたいと思います。
 しかし、社会保障と税の一体改革を進める人、党を割って出た人、それぞれが党利党略に走ったと後ろ指を指されないよう、信念を貫いてください。
 昨年三月の子ども手当つなぎ法案に、私自身、党の方針に反して賛成しました。今日の質問で子ども・子育て支援を一歩でも前に進め、実を取るために、あえて応援質問をいたしました。それも信念であります。これによって私も党を出なければならなくなるかどうかは、野田総理を始めとする閣僚の皆さんの答弁と、その後の対応が真摯になされるかに懸かっております。是非、実のある御答弁をお願いいたします。
 御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#37
○内閣総理大臣(野田佳彦君) みんなの党を代表しての寺田典城議員の御質問にお答えをいたします。
 まず最初に、いわゆる子ども家庭省の設置についてのお尋ねがございました。
 今回の子ども・子育て支援法案では、制度の本格施行に合わせ、内閣府に、子ども・子育て支援法と改正認定こども園法を所管する子ども・子育て本部を設置することにしております。その後の組織の在り方については、担うこととなる業務の範囲や内容、現在の教育行政、児童福祉行政との関係、諸外国の体制などを検討し、その検討結果と本部の運用状況、政府全体の組織の在り方も考慮した上で結論を出す必要があると考えております。
 民主党としては、これまで子ども・子育て行政の一元化を訴えてきたところでもあり、寺田議員からの御提案を重く受け止めてまいります。
 次に、議員定数・歳費削減、公務員制度改革、地域主権改革についてのお尋ねがございました。
 自ら身を切る改革については、二〇〇九年の政権交代以降、事業仕分や提言型政策仕分の実施、府省庁による再就職あっせんの全面禁止など、一生懸命取り組んできたところであります。御指摘の歳費削減については、二年間で五百四十万円の削減を国会において各党各会派でお決めをいただきました。議員定数の削減については、一票の格差是正、選挙制度改革と併せて各党で御協議をいただいておりましたが、衆議院段階において協議が調わず、先般、民主党として、各党の御主張にも配慮した法案を提出したところであります。
 公務員制度改革については、国家公務員給与の平均七・八%引下げを既に実施するとともに、昨年提出した国家公務員制度改革関連四法案を早期に成立させ、人事・給与制度の改革を早急に実現に移していくことが重要と考えております。さらに、全閣僚をメンバーとする行政改革実行本部を中心に、行政の無駄や非効率を排除し、総人件費改革を始めとする諸課題に取り組んでまいります。
 地域主権改革についても、義務付け・枠付けの見直しや、地域自主戦略交付金の創設など、政権交代以降、着実に成果を上げてきております。出先機関の原則廃止も含め、地域主権戦略大綱で示した工程に沿って、引き続き諸課題への取組を進めてまいります。
 このような改革については、社会保障と税の一体改革とともに、どちらが先ということではなく、まさに同時並行で、そして、消費税率引上げまでには多くの項目をやり遂げるべく、不退転の決意で取り組んでまいります。
 最後に、一体改革法案採決と国会日程に関する御質問をいただきました。
 一体改革関連法案の衆議院採決に際して、民主党から多くの反対者、欠席、棄権者が出たこと、また、多くの議員が離党を表明し、除籍処分としたことは、極めて残念かつ遺憾であります。党代表として責任を重く受け止め、国民の皆様に深くおわびを申し上げます。また、国会日程への影響を含めて、みんなの党を含めまして各党各会派の皆様におわびを申し上げます。
 御批判については真摯に受け止め、政府・与党として意思統一を固め、一致結束して、衆議院における修正可決を踏まえつつ、参議院での一体改革関連法案の成立を期すことで私の責任を果たしていく決意でございます。
 残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣小宮山洋子君登壇、拍手〕
#38
○国務大臣(小宮山洋子君) 寺田議員には、いつも子育て支援策、応援をしていただきまして、本当にありがとうございます。
 認定こども園の目標値とその実現に向けた方策についてですが、現在の認定こども園制度、これは幼保連携の先駆的な取組として、保護者ですとか認定を受けた施設から高く評価をされています。
 その一方で、二つ大きな課題があると言われてきました。一つは、幼稚園と保育所の制度を前提とした二重行政であること、また、財政支援が不十分であることです。こうした点を考慮いたしまして、新制度では、幼保連携型認定こども園の改善による認可、指導監督などの一本化、これによって二重行政をなくします。また、施設型給付の創設による認定こども園への給付の一本化、充実、こうしたことを図りますので、認定こども園の設置を妨げる要因、これは大きく解消できるというふうに考えています。
 また、幼保連携型認定こども園については、保育教諭の資格の経過措置や保育単価設定等によるインセンティブの付与によって、既存の幼稚園、保育所からの移行を促進をしていきます。今回、手挙げ方式にしますので、どういうインセンティブで手を挙げてもらうかが大変大切だと思いますので、是非また皆さんのお知恵も貸していただきたいと思います。
 認定こども園の件数につきましては、当面、これまで目標としてきた二千か所をできるだけ早期に達成したいと考えています。その上で、具体的な目標については、各市町村の事業計画を策定する際に、それぞれの地域の実情を考慮して、将来の教育、保育の提供体制の在り方を地方版子ども・子育て会議等の場で検討してもらい、地域のニーズにこたえられる体制を構築していきたいと考えています。
 次に、市町村立幼稚園や国立大学附属幼稚園から幼保連携型認定こども園への移行についてですが、市町村立幼稚園から幼保連携型認定こども園への移行は、基本的には設置者である各市町村で地域の保育ニーズなどの実情に応じて判断することになりますが、地域の幼児教育や子育て支援の中核的な役割を担う施設であり、積極的に検討してほしいと考えています。
 また、国立大学附属幼稚園については、先導的な教育・保育内容の研究や教員養成などの重要な役割を担う施設であることを考えれば、幼保連携型認定こども園に移行することが望ましいと考えています。この件については、文部科学大臣とも連携をしてしっかり取り組んでいきたいと思います。
 幼保連携型認定こども園に株式会社やNPOの参入が認められないことについてですが、三党協議に基づく修正案では、学校である幼保連携型認定こども園の設置主体は、国、地方公共団体、学校法人と社会福祉法人とされました。ただ、保育所型ですとか地方裁量型の認定こども園、また保育所は、従来どおり株式会社やNPO等が設置できます。地域によっては株式会社立等の保育所が現に大きな役割を果たしています。株式会社やNPOが設立する施設も、三党合意に基づく修正案を受けて、これまで以上にそれぞれの地域で質の高い保育、教育、これを提供する役割を果たしてほしいと思っていますし、そのような支援をしていきたいと思います。
 保育所での幼児教育の質についてですが、従来から保育所保育指針と幼稚園教育要領の整合性の確保を進めてきた結果、三歳以上児に関する教育の内容については既に相当程度共通のものになっています。今後とも、それぞれの保育所で保育所保育指針にのっとった教育が行われるよう指導を徹底することなどによりまして、保育所での幼児教育の質の向上に努めます。また、保育の質の一層の改善を図るため、職員配置基準の改善のほか、職員の研修機会の確保、処遇の改善などについても恒久的な財源を確保した上で、優先順位を付けながら取り組んでいきます。
 検討条項の規定の在り方についてですが、三党合意による修正案により設けられた検討事項は、衆議院での審議を勘案して、法案に規定された内容から、さらに、子ども・子育て支援について充実等を図るために特に検討が必要な事項として設けられたと理解しています。
 検討条項の追加に加え、衆議院では子ども・子育て関連三法案に対し附帯決議が出され、施行に当たって、検討の上、措置を講ずるべき点が示されていますので、検討が必要な論点については列挙されていると考えています。
 さらに、認定こども園法改正法案と子ども・子育て支援法案では、施行後五年をめどとして、施行の状況を勘案し、規定全般について検討を加えた上、検討結果に基づいて所要の措置を講ずることが規定されていますので、施行の状況によってはこれに従った検討も必要だと考えています。(拍手)
   〔国務大臣平野博文君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(平野博文君) 寺田議員から三つの質問をいただきました。
 議員におかれては、知事時代には全国で最初に認定こども園を設置されるなど、子ども・子育て支援に精力的に取り組まれたことに深く敬意を表します。
 まず最初に、市町村立幼稚園、国立大学附属幼稚園からの幼保連携型認定こども園への移行についてのお尋ねでございます。
 先ほど小宮山大臣の方からも御答弁申し上げておりますけれども、新たな制度におきましては、幼保連携型認定こども園の改善による認可、指導監督の一本化などにより、これまで指摘されてきました二重行政の課題を解消するものでございます。市町村立幼稚園の幼保連携型認定こども園への移行が更に容易になると、かように考えております。
 市町村立型幼稚園から幼保連携認定こども園への移行につきましては、基本的には設置者である各市町村で地域の保育のニーズなどの実情に応じて御判断をいただくことになると、こういうことでございます。地域における幼児教育の中核的な役割を担っていただく施設でもありますので、積極的に検討をしていただきたいと、かように思っております。
 また、国立大学附属幼稚園につきましては、教育と保育に求められる先導的な教育内容の研究や学生への教育の質の向上など、附属学校の果たすべき役割を考えますと、既設の附属幼稚園を幼保連携型認定こども園に移行させることが望ましいと、こういうふうに考えております。
 したがいまして、文科省としては、あらゆる機会を通じ、各大学に対して移行要請をしてまいりたいと考えております。これが第一点でございます。
 二点目は、幼保連携型認定こども園の設置主体の制限についてのお尋ねでございます。
 幼保連携型認定こども園は、学校及び児童福祉施設としての法的位置付けを有し、学校教育と保育を一体的に提供する施設であります。修正案では、これまでの国会審議等で示された懸念も踏まえ、株式会社やNPOの参入は認めないこととしたものであると承知をいたしております。
 しかしながら、修正案では、施設型給付の創設による認定こども園への給付の一本化、幼保連携型認定こども園の改善による認可、指導監督等の一本化などにより、幼保連携型認定こども園の設置を妨げる要因は大きく私は解消されると思います。幼稚園及び保育所からの移行が促進されると考えておるところでございます。
 最後でございますが、保育所における幼児教育の質についてのお尋ねでございます。
 修正案では、保育所についても、一定の要件を満たすことにより、幼保連携型認定こども園の認可を受け、学校と児童福祉施設としての法的位置付けを持つことを可能とするものでございます。
 今後、より多くの保育所が学校教育としての位置付けの下で教育を行うことができるよう、保育所から幼保連携型認定こども園への移行を促進していきたいと考えております。
 なお、従来から、保育所保育指針と幼稚園の教育要領の整合性の確保を進めてきております。三歳以上の児童につきましては、教育の内容につきましては既に相当程度共通のものとなってございます。
 幼保連携型認定こども園に移行せず保育所のまま残る施設につきましては、引き続きそれぞれの保育所で保育所保育指針に沿った教育が行われることから、文部科学省としては、保育所の基準の策定や財政支援を行う厚生労働省と連携をして幼児期の教育の質の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    ─────────────
#40
○議長(平田健二君) 田村智子君。
   〔田村智子君登壇、拍手〕
#41
○田村智子君 日本共産党を代表し、民主、自民、公明の三党合意による消費税増税と社会保障制度改悪を許さない立場で社会保障の基本的な問題について質問いたします。
 社会保障制度改革推進法案は、社会保障の目指す方向として、自助、共助、公助の組合せ、家族相互及び国民相互の助け合いを掲げています。これは、社会保障の土台を自助努力、家族などの助け合いに置き換え、憲法二十五条に基づく社会保障への国の責務、役割を縮小するものではありませんか。事実、法案では、医療、年金、介護は社会保険制度を基本とし、国や地方の負担は補助的なものとすることを明記しています。
 改革の基本方針を見ても、第六条、医療保険制度では、これまでの政府方針文書に必ず記されていた国民皆保険の文言はなく、療養の範囲の適正化とあります。日本医師会は、国民皆保険とは、医療保険加入だけでなく、医療の公的給付の範囲を守り、混合診療の解禁や営利企業の参入を許さないことだと本法案への懸念を表明しているではありませんか。
 第七条、介護保険制度では、給付の対象範囲の適正化、介護サービスの効率化、重点化を図るとしていますが、介護サービスを新たに取り上げるのでしょうか。生活保護についても、非正規雇用の増大、無年金・低年金問題など、貧困の要因はそのままに、給付額、給付対象の削減をあからさまに求めているではありませんか。
 提案者にお聞きします。国民皆保険、介護の社会化、最低生活の保障など、国民の努力で確立してきた原則が、なぜこの法案にはないのか、健康で文化的な最低限度の生活を全ての国民に保障するという国の責務はこの法案のどこに体現されているのか、お答えください。
 かつて、小泉政権も、持続可能な社会保障制度を掲げ、自律自助を強調し、二〇〇二年から八年間、社会保障費の自然増を毎年二千二百億円削減し続けました。医療費三割負担による受診抑制、介護サービスの取上げ、障害者自立支援法による一割負担導入などがどれほど深刻な事態をもたらしたか。同じような給付抑制を消費税増税と併せて行えば、国民にはこの比ではない激痛が襲いかかることは明らかです。
 総理及び三党の各提案者にお聞きします。この小泉政権の政策が日本社会に与えた影響をどう評価しているのか、この法案は同様の社会保障費抑制につながるのではないか、明確にお答えください。
 本法案は、社会保障の国と地方の財政負担は消費税及び地方消費税の収入を充てるとしています。これでは、社会保障に使っていた一般財源が他の支出に回され、国民は常に消費税増税か社会保障切捨てかを迫られることになります。そもそも、逆進性の強い消費税を社会保障財源とすることが問題です。社会保障財源は応能負担原則で賄うべきではないのか、お答えください。
 こうした改革の具体化は社会保障制度改革国民会議で検討するとしていますが、衆議院の審議では、三党協議の合意の努力の後に国民会議の中で更に詳細なことを決めていくとの答弁もありました。これでは、三党の協議、合意がまずあって、それに批判的意見を初めから排除することにはならないのか、国会軽視も甚だしく、これが国民的な議論と言えるのか、総理と提案者の見解を求めます。
 我が党は、消費税に頼らずに社会保障拡充の道があることを提案し、国民的な対話に取り組んでいます。三党のみの合意で消費税増税と社会保障大改悪の道筋を敷くなど言語道断です。法案を廃案とし、各政党が堂々と国民に日本の将来像を提示し議論すべきである、このことを主張し、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#42
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 日本共産党、田村議員の御質問にお答えをしてまいります。
 私には三問のお尋ねがございました。
 まず最初に、小泉政権の社会保障政策の評価と改革推進法案についてのお尋ねでございます。
 小泉政権における、いわゆる骨太方針二〇〇六により、社会保障関係費については、二〇〇七年から五年間で一・一兆円、毎年約二千二百億円の伸びの抑制が機械的に求められました。あわせて、制度の持続可能性を高めるため、自己負担増などの改革が行われる中で、セーフティーネット機能の低下、医療・介護サービス提供体制の劣化、少子化への取組の遅れといった問題が顕在化したと考えております。
 政権交代以降、このようなゆがみに対応してまいりましたが、今回の一体改革では、必要な社会保障の重点化、効率化と併せて、子育て支援の充実や現行年金制度の改善を行っています。今回の三党で合意した改革推進法案は、受益と負担の均衡が取れた持続可能な社会保障制度に向けて改革の基本方針等が盛り込まれたものですが、これが小泉改革と同様なものとは考えておりません。
 続いて、社会保障財源の在り方についてのお尋ねがございました。
 日本の社会保障制度では、サラリーマン等には所得に応じ御負担をいただく一方、自営業者等を対象とする国民年金等は定額保険料の負担をいただいております。この定額保険料は、低所得者に対する免除や軽減措置により逆進性を緩和をしています。また、社会保険方式を基本としながらも、税も財源として組み合わせています。社会保障費用が増加する中で、その負担を将来世代に先送りしている状況にあり、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を図ることが必要であります。その財源としては、世代を通じて幅広い国民が負担する消費税が適当と考えております。
 次に、社会保障制度改革国民会議についての御質問をいただきました。
 国民会議においては、改革推進法案に規定されているとおり、幅広い観点に立って、法案に盛り込まれた基本方針に基づいて審議することとしており、あらかじめ特定の意見を排除することにはなっておりません。
 なお、三党協議と国民会議の関係については、法案の規定や参議院での審議、提案された三党の御意見をも踏まえて対応したいと考えておりますが、いずれにしても、信頼され、安心できる社会保障制度の構築に向けて国民的な議論を深めていく必要があると考えております。(拍手)
   〔衆議院議員長妻昭君登壇、拍手〕
#43
○衆議院議員(長妻昭君) 田村議員にお答えをいたします。
 総理と同時に法案提出者に聞いていただいた質問もございますので、ダブる答弁もあるかもしれませんが、御容赦いただきたいと思います。
 まずは、第一問目としては、この推進法案が憲法二十五条に基づく社会保障に対する国の責務、役割を縮小するものではないかというお尋ねであります。
 今回、三党で提出した推進法案においては、社会保障制度改革の基本的な考え方として、自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していく旨が明記をされております。
 家族相互の助け合いとは、例えば子育てなどにおいて家族が果たすべき役割を指しております。国民の自立を家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じて支援するということは、自助、共助、公助の適切なバランスに留意しつつ、家族相互の助け合いを含めた自助を社会全体の連帯の仕組みである共助や公助によって支援するというものであります。
 他方、自助を引き出すための共助や公助を行うというスタンスは何ら変更がないことなどから、憲法二十五条に基づく社会保障に対する国の責務、役割を縮小するとの指摘は当たらないと考えております。
 次に、国民皆保険、介護の社会化、最低生活の保障について御質問をいただきました。
 この推進法の第六条には、医療保険制度に原則として全ての国民が加入する仕組みを維持するとともに、必要な改革を行うと、国民皆保険の維持を明記をしております。また、推進法案の第二条には、自民党、公明党にも大変な御理解をいただいて、協議の結果、自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつというような基本的考え方が明記をされております。
 御指摘の介護の社会化、最低生活の保障は、こうした改革推進法案の理念と軌を一にするものと考えております。
 そして、健康で文化的な最低限度の生活について質問をいただきました。
 この法案による社会保障制度改革の基本的な考え方はさきに述べたとおりですが、自らの収入や資産等、あらゆるものを活用してもなお生活に困窮する方に対する最後の安全網としての生活保護制度があります。
 この生活保護制度については、いわゆる貧困の連鎖を断ち切る取組、働ける人の就労の促進や不正受給対策の強化をする必要はあると考え、それを附則に規定していますが、こうした見直しを通じて制度に対する国民の信頼を維持するとともに、真に支援が必要な人に着実に支援を実施されるようにしていく考え方には変わりはありません。
 生活保護は、文字どおり最後のセーフティーネットであり、受けるべき人が受けられない場合には死が待っているとなりかねないことにも十分肝に銘じて取り組んでまいります。
 そして、次に、小泉政権の社会保障政策への評価について質問がございました。
 小泉政権における社会保障関係費、二〇〇七年から五年間で毎年二千二百億円を抑制をするというものであります。これは、毎年機械的に社会保障の伸びを二千二百億円ずつ定額で削減する手法には疑問があります。いわゆる医療崩壊と言われる医療サービスの低下を始め、様々な問題が生じたと考えております。
 政権交代後は、機械的削減をやめ、医療でいえば、診療報酬を十年ぶりにネットプラスにして医療崩壊に歯止めを掛けました。社会保障の適正化は必要ですが、細部や現場の状況をよく見て実施しなければならないと考えております。
 そして、この同様の小泉政権と同じような社会保障抑制にこの推進法案がつながるのではないのかと、こういう御懸念についての質問がございました。
 今回、三党で合意した社会保障制度改革推進法案は、社会保障の重点化と効率化を行いながら、受益と負担の均衡が取れた持続可能な社会保障制度に向け、改革の基本方針等を盛り込んでおります。その中では、必要な医療・介護サービスの確保や、子育て支援の強化等も行っていくことになっているところでありまして、機械的な抑制策につながるものではないと考えております。
 そして、社会保障財源の在り方についての質問がございました。応能負担原則で賄うべきではないのかという質問でございます。
 日本の社会保障制度では、サラリーマン等には所得に応じ御負担をいただく一方、例えば、自営業者等を対象とする国民年金等は定額保険料の負担をいただいております。この定額保険料は、現状でも低所得者に対する免除や軽減措置により逆進性を緩和をしております。また、社会保険方式を基本としながらも、税も財源として組み合わせております。社会保障費用が増加する中で、その負担を将来世代に先送りしている状況にあり、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を図ることが必要であります。その財源としては、世代を通じて幅広い国民が負担する消費税が適当と考えております。
 最後に、この国民会議についての御質問がございました。
 先ほど総理からも御答弁があったところでありますけれども、国民会議においては、推進法案に規定されているとおり、幅広い観点に立って、法案に盛り込まれた基本方針に基づいて審議することとしており、あらかじめ特定の意見を排除することにはなっておりません。
 なお、三党協議と国民会議の関係については、法案の規定や参議院での審議、三党の御意見も踏まえて対応したいと考えております。
 いずれにしても、信頼され、安心できる社会保障制度の構築に向けて国民の議論を深めていく必要があると考えております。
 以上、答弁を申し上げました。(拍手)
   〔衆議院議員加藤勝信君登壇、拍手〕
#44
○衆議院議員(加藤勝信君) 田村智子議員にお答えを申し上げます。
 三党提案者それぞれということで、自由民主党の提案者として答弁をさせていただきます。
 まず、小泉政権の社会保障政策への評価ということでございます。
 小泉政権においては、例えば、いわゆる骨太方針二〇〇六では、二〇一一年度のプライマリーバランスの黒字化を目指して、社会保障、そしてそれ以外の分野についても、全体の歳出歳入改革により財政の健全化を図ろうとしたところであります。社会保障分野では、全般にわたる見直しにより、社会保障給付費の伸びの抑制が図られたわけでありますが、こうした様々な取組の結果として、例えば、プライマリーバランスは二〇〇七年にはGDP比一・二%にまで、国債発行額は二〇〇七年には二十五・四兆円まで縮減するなど、改善が図られたところであります。
 他方、その間において、社会保障分野では、社会経済情勢の変化などの中、例えば、へき地医療や救急医療などでの医師不足に伴う問題など、喫緊に解決すべき課題も出てきたものと認識をしております。
 なお、社会保障制度改革推進法案についての御質問がございました。
 今回、三党で合意したこの法案においては、法文上もありますように、社会保障の機能の充実と給付の重点化及び制度の運営の効率化を同時に行いながら、受益と負担の均衡が取れた持続可能な社会保障制度の確立に向けてその改革を総合的かつ集中的に推進すると合意しているところでございます。(拍手)
   〔衆議院議員西博義君登壇、拍手〕
#45
○衆議院議員(西博義君) 田村智子議員にお答え申し上げます。
 公明党に対しまして二つの質問がございました。初めに、小泉政権の社会保障政策への評価ということで御質問がありました。
 小泉政権では、消費税増税を行わず財政健全化に取り組むという方針の下、社会保障分野でもその抑制が求められ、自己負担増による保険料負担の抑制など、社会保障制度の持続可能性を高める改革が行われました。その一方で、少子高齢化の進行などの社会経済情勢の変化を背景に、セーフティーネット機能、医療・介護サービス提供体制、少子化への取組といった面で新たな課題が出てきたことも事実であります。このため、今回の一体改革では、必要な社会保障の充実を重点化、効率化と併せて行うことにしており、具体的には、子供や子育てへの支援の強化、医療・介護サービスの保障の強化、貧困・格差対策の強化などを行うことにしております。
 続きまして、社会保障制度改革推進法案についての質問がございました。
 今回、三党で合意いたしました社会保障制度改革推進法案では、安定した財源を確保しつつ受益と負担の均衡が取れた持続可能な社会保障制度に向け、改革の基本方針等を盛り込んでおります。その基本方針の中では、必要な医療・介護サービスの確保や子育て支援の強化等も今後行っていくことになっているところでございます。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
#46
○議長(平田健二君) 吉田忠智君。
   〔吉田忠智君登壇、拍手〕
#47
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 会派を代表して、社会保障六法案について質問いたします。
 そもそも、政府案自体が一体改革とは名ばかりのばらばら改革であり、マニフェスト違反の消費増税の隠れみのにすぎませんでした。それすら、民自公の修正協議という密室談合でことごとく骨抜きにされ、消費増税だけが残るという無残な姿をさらしています。このような密室談合による修正協議に依存する総理の政治手法が国民の政治不信に拍車を掛けているという認識はお持ちですか。
 改革推進法では家族による自助が強調され、時代が逆戻りしています。社会保障は、個人や家族では支え切れないリスクを、社会連帯の思想の下、公的に支えていく仕組みであるはずです。本法案の基本的な考え方は、社会保障制度をゆがめるものではありませんか。
 改革推進法九条の社会保障制度改革国民会議にあっては、既往の方針のみにかかわらずと、民主党マニフェストの看板であった後期高齢者医療制度の廃止、最低保障年金制度の創設はあっさり放棄してしまいました。民主党のマニフェストというものはかくも軽いものだったのでしょうか。総理に伺います。
 同法附則には生活保護法の改正が盛り込まれました。生活困窮者は、DVや虐待など、親族関係に問題を抱えている人も多く、扶養を強制することは保護の間口を大幅に狭めるものであります。不正受給を強調し、あたかも制度全般、受給者を蔑視するかのような論調は問題です。なぜ附則に生活保護法改正を入れたのか、発議者の真意をお聞かせください。
 また、同法案においては、社会保険制度を基本とすると明記されました。我が国の年金制度は、現役が高齢世代を支える賦課方式です。高齢世代を支えたくても経済的に余裕のない、現役世代における非正規雇用、ワーキングプアの広がりに加え、保険料と受給の対価関係を意味する保険制度を強調することが、結果として、二〇一一年度五八・六%という過去最低の国民年金保険料納付率、世代間扶養を基本とする基礎年金の空洞化を招いているのではないでしょうか。基礎年金空洞化の要因と納付率アップの対策について、大臣の見解を求めます。
 年金、医療、介護、少子化の四分野の将来設計は、三党協議と国民会議に棚上げされましたが、曲がりなりにも政府案では、四分野に限らない貧困・格差対策やディーセントワークの実現などのトータルな社会保障改革が掲げられておりました。四分野とそれ以外の制度改革との整合性について、総理の見解を求めます。
 低所得者への年金額加算について、年金制度の枠外の福祉的な措置により、上乗せ給付されます。原案では年金の最低保障機能強化とされたものが、福祉的措置となったことで、全く意味不明な制度になり果てました。これは年金なのか。年金だとすると、保険制度の原則が貫徹しているのか。福祉だとすると、なぜ年金機構が事務を担うのか。発議者の明快な答弁を求めます。
 子ども・子育てでは、修正により児童福祉法二十四条の市町村の保育実施義務が残った点は評価できます。しかし、東京、沖縄、横浜市などで深刻なゼロから二歳児の待機児童対策は、消費税増税と新システムにリンクしてきたために結果的に非常に遅れています。その責任をどう考え、どう対処するおつもりか、大臣に伺います。
 現在、公立保育所の労働者の約六割がパート、非常勤などの非正規雇用です。子供との安定した関係づくりのためにも、まず正規化する、そのための人件費をきちんと手当てする必要があると考えますが、大臣の見解を求めます。
 その上で、支援法附則二条に盛り込まれた幼稚園教諭、保育士、学童保育指導員等の処遇改善についてどのように取り組んでいかれるのか、発議者の見解を具体的にお示しください。
 理念的にも制度的にも一貫性を欠く社会保障改革をなりふり構わず密室談合で決めた背景にこそ、消費税増税の強行と民自公に財務省を加えた大連立、現代版大政翼賛会があります。社民党はこれと対決することを表明して、質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇、拍手〕
#48
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社民党の吉田議員の御質問にお答えをいたします。
 まず、与野党協議に関するお尋ねがございました。
 与野党協議が密室談合であるとの御指摘については、そのような認識は全く持っておらず、同意できません。
 自民、公明両党におかれては、現在の国民生活に対する責任、将来の国民に対する責任を共有をしていただき、政治的には非常に困難な消費税率引上げという決断をしていただいたことに心より感謝をしております。
 社会保障制度改革には多くの国民の御理解が必要であり、いわゆるねじれ国会の中で政党が国民に対する責任を果たしていくためには、与野党が胸襟を開いて話し合い、合意を形成することが求められます。政府としては、衆議院における与野党協議の成果である修正可決を踏まえ、これを尊重しつつ、参議院での充実した審議にのっとり、一体改革の実現を期してまいります。
 改革推進法案の自助の考え方についてのお尋ねがございました。
 今回の社会保障改革については、自助、共助、公助の最適バランスに留意し、個人の尊厳の保持、自立自助を国民相互の共助・連帯の仕組みを通じて支援していくことを基本にするというのが政府・与党の考え方であります。推進法案での御指摘の箇所については、このような考え方とそごはないと理解しており、時代が逆戻りや社会保障制度をゆがめるものとの御指摘には当たらないと考えております。
 次に、社会保障制度改革推進法とマニフェストに関する御質問をいただきました。
 民主、自民、公明の三党で合意された確認書等においても、推進法案においても、後期高齢者医療制度の廃止、最低保障年金制度の創設など、民主党がマニフェストに掲げた政策を撤回するという文言は入っておりません。
 推進法九条では、社会保障・税一体改革大綱その他既往方針のみにかかわらず、幅広い観点に立って、社会保障制度改革を行うために必要な事項を審議することになっております。
 公的年金制度や高齢者医療制度については、今回の修正で合意した三党間であらかじめ協議する場面、あるいは国民会議での議論の過程において、民主党は民主党としての考えを御説明をし、関係各位の御理解を得たいと考えております。
 国民会議の議題となる四分野とそれ以外の制度改革との整合性についてのお尋ねがございました。
 改革推進法案では、年金、医療、介護、子育て支援の四分野について、必要な法制上の措置については、国民会議における審議の結果等を踏まえて講ずることとなっております。また、四分野に限らない貧困・格差対策やディーセントワークの実現などについては、引き続き、社会保障の全体像をお示ししている一体改革大綱や社会保障改革の工程表などに沿って取り組んでまいります。
 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手)
   〔国務大臣小宮山洋子君登壇、拍手〕
#49
○国務大臣(小宮山洋子君) 基礎年金空洞化の要因と国民年金納付率についてですが、平成二十三年度の国民年金保険料の現年度納付率は五八・六%となり、引き続き大変厳しい状況が続いています。背景としては、厳しい経済状況や非正規労働者の増加など、構造的な要因もあると考えています。
 今年度からは、納付率の新たな数値目標を設け、未納者の属性に応じたきめ細かな取組を一層徹底強化するよう、日本年金機構に対して指導しています。また、持続可能で若い世代を含めた国民が安心できる公平な制度を構築するため、今回、年金関連法案として、基礎年金国庫負担割合二分の一の恒久化、短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大、産休期間中の厚生年金保険料免除などの措置を盛り込んでいます。
 保育所の待機児童の問題についてですが、保育所の待機児童の問題に対しては、これまでも、待機児解消のための先取りプロジェクト等、国と地方自治体が協力して取組を進めてきています。新制度の下では、幼稚園の長所を生かしながら保育に取り組んでいただく幼保連携型認定こども園の普及のほか、保育所の増設や小規模保育等の多様な保育の拡充など、様々な施設、事業を組み合わせて対応することにしています。市町村は、地域の保育需要を満たすため、こうした多様な施設、事業を組み合わせ、計画的に学校教育、保育の整備を行っていくことになります。
 消費税による安定財源を確保し、こうした取組を総合的に行うことによって、速やかに待機児童を解消していくことができると考えています。
 保育士の処遇改善についてですが、平成二十二年の社会福祉施設等調査によれば、公営保育所の職員のうち、常勤職員が六八・四%、非常勤職員が三一・六%となっています。保育の質を確保しながら量的拡充を進めていく上で、保育士等の人材確保は重要な課題です。
 三党合意に基づく修正案では、保育士等の従事者の処遇の改善に資するための施策の在り方などについて検討規定が盛り込まれました。こうした法律の規定を受け止め、人材の確保とともに、職場への定着を図るため、職員配置基準の改善のほか、研修機会の確保、職員のキャリアアップや処遇の改善を含めた保育の質の一層の改善についても行っていきます。
 恒久的な財源を確保しながら、優先順位を付けて実施をしていきます。(拍手)
   〔衆議院議員長妻昭君登壇、拍手〕
#50
○衆議院議員(長妻昭君) 吉田議員からは二問質問をいただきました。
 生活保護制度についての質問でございます。
 社会保障制度の中の最後のセーフティーネットである生活保護制度に対して、不公平感や不正受給問題等が指摘されております。制度創設以降、六十年以上も抜本的な見直しがなされていない中で、生活保護制度に対する国民の信頼を取り戻して、真に必要な人に制度が行き渡るよう改善する必要があると考え、法の附則に規定しているものであります。
 また、附則では、保護を受けている世帯に属する子供が成人になった後に再び保護を受けることを余儀なくされることを防止するための支援の拡充を図るということも明記をされておりまして、これはいわゆる貧困の連鎖の問題にも取り組んでいくということであります。
 そして、もう一点でございますけれども、低所得者への年金額の加算の代わりに実施する福祉的な給付についての質問でございます。
 これについては、低所得、低年金に対する福祉的な給付を年金制度の中で行うか、年金制度の枠外で行うかは、三党協議で議論はあったところであります。協議の結果、低所得者に対する福祉的な給付は年金制度の枠外で行うことといたしました。その上で、年金額加算ではなく、低所得高齢者、障害者等への新たな福祉的な給付措置を実施するための必要な法制上の措置を講ずる旨を規定をいたしました。
 この給付措置は、現行制度の下で発生している低年金問題に対応するため、年金受給者を対象として給付額を保険料納付並み期間に応じて決定するほか、保険料免除期間がある低所得高齢者に対して保険料免除期間に応じた給付を行うこととするなど、年金制度をベースにした仕組みとしております。
 このことによって、低所得、低年金の五百万人以上の現行の受給者の方々が年金額を上乗せになりますし、障害者の低所得の方、百八十万人の障害者の方々にも年金額が上乗せになるということであります。このことから、日本年金機構において事務を行うことが効率的かつ適当であると判断をしております。
 以上、答弁申し上げました。(拍手)
   〔衆議院議員池坊保子君登壇、拍手〕
#51
○衆議院議員(池坊保子君) 社民党の吉田議員の御質問にお答えいたします。
 教育、保育の質を確保するとともに、量的拡充を図るためには、優秀な保育士と幼稚園教諭の人材確保は不可欠であり、そのための給与の引上げ等の処遇改善がなされなければなりません。優秀な人材確保と、その人たちに長く職場に定着してもらうためには、職員配置基準の改善、例えば、保育所では今二十対一ですが、それを十五対一にする、あるいはまた、幼稚園においては三十五人学級を三十人学級を目指すなど、そしてまた、教員の研修機会の確保、長く勤めている職員のインセンティブが働くようなキャリアアップと給与等の処遇の改善など、様々なことが考えられ、これらのことを実行を目指していかなければならないと思います。ですが、財源がなくてはこれらのことを可能にすることはできませんので、恒久的な財源を確保しながら、限られた財源の中で優先順位を付けて実施してまいりたいと思っております。
 また、放課後児童クラブの指導員の処遇改善も重要な課題ですので、保育士、幼稚園教諭とともに、恒久的な財源を確保していく必要があると思います。
 政府では、今回の法案で盛り込まれた検討規定をしっかりと受け止め、教育、保育、放課後児童クラブの人材確保策や処遇の改善について、真摯に積極的に取り組んでほしいと思っております。
 以上です。(拍手)
#52
○議長(平田健二君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト