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2011/11/18 第179回国会 参議院 参議院会議録情報 第179回国会 東日本大震災復興特別委員会 第5号
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2011/11/18 第179回国会 参議院

参議院会議録情報 第179回国会 東日本大震災復興特別委員会 第5号

#1
第179回国会 東日本大震災復興特別委員会 第5号
平成二十三年十一月十八日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十七日
    辞任         補欠選任
     池口 修次君     大久保 勉君
     広田  一君     小見山幸治君
     岩城 光英君     岩井 茂樹君
     山下 芳生君     大門実紀史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         増子 輝彦君
    理 事
                岡崎トミ子君
                小西 洋之君
                藤原 良信君
                米長 晴信君
                愛知 治郎君
                佐藤 信秋君
                森 まさこ君
                谷合 正明君
    委 員
                大久保 勉君
                大久保潔重君
                金子 恵美君
                小見山幸治君
                行田 邦子君
                斎藤 嘉隆君
                田城  郁君
                田中 直紀君
                谷岡 郁子君
                轟木 利治君
                平山 幸司君
                藤原 正司君
                赤石 清美君
                岩井 茂樹君
                上野 通子君
                岡田  広君
                川口 順子君
                熊谷  大君
                佐藤 正久君
                高階恵美子君
                長谷川 岳君
                牧野たかお君
                山田 俊男君
                石川 博崇君
                渡辺 孝男君
                小熊 慎司君
                桜内 文城君
                大門実紀史君
                藤井 孝男君
                吉田 忠智君
                亀井亜紀子君
   委員以外の議員
       発議者      片山さつき君
       発議者      西田 実仁君
       発議者      荒井 広幸君
   衆議院議員
       修正案提出者   近藤 洋介君
       修正案提出者   橋本 清仁君
       修正案提出者   小里 泰弘君
       修正案提出者   谷  公一君
       修正案提出者   大口 善徳君
   国務大臣
       国土交通大臣   前田 武志君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        平野 達男君
   副大臣
       財務副大臣    藤田 幸久君
       経済産業副大臣  牧野 聖修君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        大串 博志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       内閣府東日本大
       震災事業者再生
       支援機構設立準
       備室長      大森 泰人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案
 (第百七十七回国会本院提出、第百七十九回国
 会衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(増子輝彦君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、岩城光英君、池口修次君、広田一君及び山下芳生君が委員を辞任され、その補欠として岩井茂樹君、大久保勉君、小見山幸治君及び大門実紀史君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(増子輝彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案の審査のため、本日の委員会に内閣府東日本大震災事業者再生支援機構設立準備室長大森泰人君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(増子輝彦君) 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案を議題といたします。
 本案は、第百七十七回国会で本院において修正議決の上、衆議院に提出いたしましたが、衆議院において継続審査に付され、この度、修正議決の上、本院に送付されたものであります。
 つきましては、本案の趣旨説明の聴取はこれを省略いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次に、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員近藤洋介君から説明を聴取いたします。近藤洋介君。
#7
○衆議院議員(近藤洋介君) ただいま議題となりました株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案に対する衆議院における修正部分につきまして、その趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 まず、本修正の趣旨について申し上げます。
 参議院を通過した法案は、いわゆる二重ローンに苦しむ被災事業者を救済するための機構について定めるものですが、既に各県において二重ローン問題に対処するための産業復興機構の設立も進められていることから、機構は産業復興機構と相互補完しながら業務を執行していく必要があります。また、機構の運営に伴う国民負担や機構の持続可能性にも配慮する必要があります。
 これらの観点から、より実効性ある形で、被災事業者を救済していくために、本修正を行ったものであります。
 次に、その主な内容について申し上げます。
 第一に、機構の行う業務について、資金の貸付けをつなぎ融資等に限定するとともに、担保財産の取得等の規定を削除することとしております。
 第二に、債権の買取価格について、支援決定に係る事業再生計画その他の個々の実情を勘案した「適正な時価」を上回ってはならないこととするとともに、迅速かつ適正な買取価格の算定が可能となるよう買取価格の算定方法に関する指針の作成等について、政府及び機構に対して努力義務を課することとしております。また、債権の買取りに当たっては、機構に二次ロスが生じた場合の損害担保契約を関係金融機関等と締結することができることとしております。
 第三に、債務の一部免除及び弁済猶予については、「することができる」こととし、対象事業者の保証人等の負担軽減に資する措置については、努力義務としております。
 その他、機構の業務に係る不動産取得税の非課税、産業復興機構や産業復興相談センターとの連携、政策金融機関による資金の貸付けの努力義務等の規定を整備することとしております。
 以上が、本修正の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#8
○委員長(増子輝彦君) 以上で衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○大久保勉君 民主党の大久保勉でございます。
 私の持ち時間十五分ということで、早速質問に入りたいと思います。また、答弁者の皆さんはできるだけ簡潔にお願いしたいと思います。
 まず、修正案に関して大口衆議院議員に質問したいと思います。
 旧法におきましては、二重ローンの債務者救済というよりも銀行若しくはJAを救済しているんじゃないかと、こういった批判がありました。といいますのは、買取り価格が時価よりも大幅に高くて、いわゆる時価と買取り価格の差額が銀行に対する若しくはJAに対する隠れ補助金であると、こういった批判がなされました。
 今回の修正案に関しましてこの点が改善されたと聞いております。具体的には、買取り価格と債権放棄義務規定が変わっております。この点に関して、どのように変わったか、大口衆議院議員に質問したいと思います。
#10
○衆議院議員(大口善徳君) 大久保委員にお答えをいたします。
 まず、大久保委員から隠れ補助金という御指摘がありましたが、我々は、参議院の原案もまた一貫して適正な時価ということで、そういうものがないように心掛けてきたつもりでございます。しかし、大久保委員も三党協議で頑張って、かんかんがくがくいろいろ議論した結果、この買取り価格、二十三条、そして二十七条の債務免除の義務規定、これを変えたわけでございます。
 それで、二十三条の方は、元の参議院の案では、被害状況に応じて一定率掛け目を掛ける、それを支援基準にしていくということでございます。しかし、被災事業者の業務の性質だとかあるいは規模、あるいは復興の見通し等、個別事情がありますので、一律にその掛け目を掛けるというのはなかなか実務上難しい、こういう議論もございましたので、元々自公案にありましたこの二十三条の今回一項という中で、事業再生計画、それから被災地域の復興の見通し、また再生支援を開始した後における対象事業者の経営状況の見通し、そして担保の対象となっている財産の価格の見通し等、これを勘案した適正な時価を上回ってはいけないと、こういう形に規定したわけでございます。
 ただ、この参議院の修正では、なぜ一定の掛け目を掛けるかというと、大量に迅速に処理しなきゃいけないと、こういう趣旨でありました。その趣旨はやっぱり生かしていかなきゃいけないということで、今回、その附則の三条で、これにつきましては、時価の算定については、迅速かつ適正な買取り価格の算定が可能となるよう、買取り価格の算定方法(簡易な方法による算定を含む。)に関する指針の作成その他必要な措置を講ずるよう努めなければならないという形で迅速な措置を手当てをした。厳格なデューデリをやって、そして詳細な事業計画から将来のキャッシュフローを算定するというようなことではなくて、過去の実績から割り出していく、そういう簡易なものというものをやるということになります。
 また、債務の免除につきましては、特に買取り価格と簿価の差額について、免除の義務規定であったものを、できる規定にしました。あるいは、保証人に対しても、義務規定を努めるという形に努力義務にしたわけでありますが、これにつきましては、この機構の持続可能性という観点からいろいろ議論がありました。
 私ども、これは、この一条に、元々機構は何のためにつくったかという、一条には明確に書いてありますように、これは被災事業者の債務の負担の軽減をしつつ事業を再生をする、こういう目的がありますから、基本的にはその機構がこの買取り価格と簿価についての差額等は免除をするようしなきゃいけないですし、また、十五年という期間塩漬けにするということも、これはそういう目的に合ったものでございますけれども、例えば、事業が非常に再生がうまくいってそしてその企業の価値が上がったということについてまで差額を一律免除というようなのはモラルハザードの問題もあるということでこういう規定になったわけでございます。
 これは、復興担当大臣も、衆議院においても、やはりこの機構の目的というものをしっかりこれは運用に生かしていくと、こういう答弁もございました。
 以上でございます。
#11
○大久保勉君 ありがとうございました。非常によく分かりました。
 今回、私ども民主党は、旧法に関しては反対の立場、新法に対しては三党協議の結果しっかりと賛成すると、こういうことです。そのポイントとしましては大口先生がおっしゃった点であります。やはり迅速、しかし適正な時価、これが肝要だと思っております。
 続きまして、この機構は五千億円まで買取り枠がございます。しかし、実際のローンの買取り簿価といいますのは五千億円以上であるということを是非片山参議院議員に伝えてもらいたいと思います。考え方としましては、例えばローンの時価が五〇%でしたら一兆円まで買い取ることができるということです。十分な買取り金額である、このことを是非確認したいと思います。
#12
○委員以外の議員(片山さつき君) 大久保委員とは今年の六月の二重ローンに係る三党協議からずっともう何十回となく議論を重ねさせていただいて、今日この場に至ったことをもう本当に感謝申し上げておりますが。
 御指摘のとおり、債務者が抱えるローンの額面というのは当然その買取り価格より大きいわけですから、これは今何%ということが決められればこんなに価格の条文でもめることはなかったんで、当然その債務者の信用状態の毀損状態の程度ですとか、あるいは、今般国税庁が発表しましたように、その土地がどのぐらい水浸しで使えないのかの毀損度合い、マイナス八〇からマイナス二〇、そういうものがもう一定の数字で出てきて、そういうものを恐らく数値化していくことによって決まるんでしょうが、それが仮にある債権だったら、全体の五〇%であるのであれば、それを全部に掛ければ一兆とか、元々の抱えるローンとして引き取れる額は買い取れる五千億の相当上回るということは確実でございますので、私どもも当面はこの五千億円でやっていけるというふうに判断して三党合意に至っております。
 ありがとうございます。
#13
○大久保勉君 ありがとうございます。
 続きまして、今回の支援機構は誰を支援するか、もう一度確認したいと思います。
 これはあくまでも二重ローンの債務者であります。場合によっては、貸し手の金融機関は融資をそのまま支援機構に売って縁切りをする、もう一切関係なしと、新規の融資は出ないといったら、何のために誰のために支援するか分からないということです。ですから、今回、片山先生が筆頭に作られましたこの法案に関しては、新規の融資を確認するということになっております。
 ただ、問題は、十億円の融資を売って新規ローンというのは僅か一千万円と、こういうふうになってしまったら縁切りですね。さらに、十億円の融資を売却しても十億円新規融資を出す、しかし十億円は信用保証協会に保証されていて、事実上は信用リスクを取っていないと、こういう縁切りもあります。こういうふうになったら誰のためか分かりません。これは金融機関のためになります。
 そういうことを防ぐためにどういうふうな方策があるか、このことを質問したいと思います。
#14
○委員以外の議員(片山さつき君) 最初に、七月にこの議論を参議院のこの会でしたときの状況よりも悪くなっておりますのは、預金は増えているんですよ、地域の金融機関は。そして、全く貸していないどころか引き揚げているんですよ。その状況は、地域の金融にとっても日本の経済回復にとっても復旧にとっても全て全く良くないというか、所期の逆なんですね。
 ですから、貸さなければいけない、貸させなければいけないという目的がより強く出る上で、私どもは、ですから新規融資を行って、その融資によって二重ローン状態になるんだけれども、その事業者の再建ができるということを条件とするような法律の組み方をいたしまして、さらに今、大久保委員からいただいたような御指摘がありましたので、それにロスシェアリングの規定を民主党の御指摘を受けまして入れさせていただいたと。それによって一定の部分を負担することができるという契約、この契約を結ぶことによって場合によっては適正な価格が多少は上げることもありますので、そうなると買取りの進むというインセンティブにもなるので、その契約を活用することもあるだろうという大久保委員の御指摘を受けてそのようにいたしましたので、これらの効果が相まって必ずやきちっとした必要な融資が出されて、それによってこの法律が生かされるというふうになるというふうに思っております。
 ありがとうございます。
#15
○大久保勉君 ちょっと不明確な部分がありますが、新規融資がどのくらい出ることを確認する必要があるかということです。十億円の融資を売却する場合、少なくとも十億円、同じ程度は金融機関に出してもらいたいと思いますが、それでよろしいんですか、理解は。
#16
○委員以外の議員(片山さつき君) 金融界というか貸し手側の建前上の理由を考えると、恐らく今の状態では余りにも経済やその地域の復興状態が見えなくて、あるいは担保の壊滅によって、今は金融庁のお許しをいただいて正常債権になっているものが危険債権なので貸せないということを言うわけですよね。ですから、その危険債権が正常債権に戻るまでの間は債権を買い取って事実上猶予して、劣後債化することによって正常債権化するだけの部分を買い取ってやらなければいけないし、その後、事業継続に必要な融資というのは全て新規でプラスしなければならないので、当然かなりの割合になると思います。
 ですから、それを今後、この法律は議員立法ですから、大久保委員も含めて立法者意思ですので、政令、省令それから業務報告を作っていく上で話し合って、所期の目的が達せられるようにきちっと見ていかなければならないとは思っております。
#17
○大久保勉君 続きまして、債務免除に関して質問したいと思います。
 実は、債務免除を義務化した場合にこういう現象が出てきます。例えば融資、十億円の融資を例えば機構が五億円で買い取ってすぐに額面と買取り価格の差の大半を債権放棄しようと思ったら、実際の額面が減りますから、事実上この融資というのは更に半分になってしまいます。それを想定しましたら、最初から支援機構は五億円のやつを二億五千万とかそれ以下でしか買えません。金融機関にとりましては七億五千万以上の損失が出るから、なかなか売りたくても売れないといった問題があります。ですから、今回は努力規定にすべきだということを主張しました。
 さらに、債権放棄をするといいますのは、やはり三年とか四年、ある程度この企業が業績が確定して、それで支援のめどが立った段階で債権放棄をして支援するべきじゃないかということを主張したんですが、このことに対して片山発議者の御意見を聞きたいと思います。
#18
○委員以外の議員(片山さつき君) 確かに、具体的な支援の案件に入っていきますと、大久保委員の御指摘になったようなケース、インセンティブの生じ方はあると思います。
 ただ、この臨時異例の戦時下のような状況に対して、特例法を作る目的、国の特殊会社をつくる目的は債務者の負担を軽減することによって事業再生ができるようにするということですから、その趣旨を踏まえた上でということで私どもは修正に応じましたので、つまり買い取った額以上を取り立てるような債権回収機関ではないということはこれは譲れない一線としてあるということを前提にして、そういうある程度融通の幅を持った方が逆に事業再生ができるという考え方があるということももちろん理解させていただいた上でこういう修正に相なったと思っております。
#19
○大久保勉君 続きまして、支援機構の将来に関して質問したいと思います。
 例えば、機構が五千億融資を買い取ると。で、例えば十五年後にその回収価格が三千億にとどまったといった場合、二千億の損失が発生しますが、この二千億はどういう形で処理されるか、質問したいと思います。
#20
○委員以外の議員(片山さつき君) これもこの七月の委員会でもいろいろ議論になったんですけれども、損失が生じた場合はその一部又は全部を国が負担することができるという、今までたくさんつくってきたこのタイプの特殊会社と同様の条文を置いておりますが、この機構は、五年間の買取り期間の後、まあ一年の延長はできることになっておりますが、しないとして十五年ですから二十年ですね、そのときに締めるわけです。そのときの債務超過額が幾らで、それをどういうふうに決定するかというのは、これは二十年後の国会の御判断でございます。
 ちなみに、その特例法を書いて別のところから資金を持ってくる方法を取ったこともあります。国が補助したこともありますし、利益が出たこともあります。大久保委員ほか民主党の皆様の御心配がありまして、ロスシェアリングの規定ですとか、かなりそういうことは厳しめに修正されましたので、二次ロスが出る可能性は減ったのではないかというふうに思っております。
#21
○大久保勉君 時間が参りました。一言だけ。
 国会の方でもこれだけのことをやっておりますから、是非金融庁もこの二重ローンに対してコミットしてもらいたいと思います。特に、人材若しくは様々な支援をしっかりとやっていく、このことをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
#22
○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。本日はこの機会をいただきまして、大変ありがとうございます。
 何せ、参議院での法案の作成、それから審議、そして、衆議院に回りまして、三党の長い協議、そして衆議院の修正案の作成ということで、関係の皆さん大変な御尽力をいただきましたことを本当に厚く御礼を申し上げます。
 私も三党協議の事務局の一員としましてかかわらせていただきましたが、国会議員が現下のこういう状況の中でどういう形で法案を作り上げていくのか、その経験を、皆さん、ベテランの先生方、それから事務局を引き受けてくれたそれぞれ内閣官房や金融庁を始めとする皆さんと一緒に作り上げてくることの経験をさせていただいたことの意味は大変大きかった、こんなふうに思います。
 ただ、残念ながら、もうちょっと早く審議を進めて成案を得ることができなかったのかということだけは大変残念でありますが、ここまで来たわけでありますから、きちっと成立させまして被災者の期待にこたえていくと、大変大事なことだと、こんなふうに思います。
 さて、参議院の審議から衆議院の修正に至るまでの一番のポイントは、要は、債権の買取り価格をどんなふうに評価するかということでありましたし、さらにまた、債権の買取り価格に関連します担保の扱い、どうしても付随してきます担保の扱いをどんなふうに扱うかということで相当の議論があったというのが実際であります。
 そうなりますと、先ほど大久保委員がおっしゃいました、要は、金融機関の隠れ補助金という形をどうするかということが議論になったというのであれば、それはなかなか、問題の本質といいますか、この法律を定めて被災者をきちっと救っていくと、そのための法律なんだという趣旨を正確に見たことにならないんじゃないかという心配をするわけであります。
 そこで、私はこの債権の買取りの考え方につきまして提出者の谷公一先生に質問申し上げたいわけでありますが、担保の評価をきちんと行わないと支援機構による金融機関の債権の買取り価格が適切なものにならない。すなわち、担保の評価が低いと当然買取り価格も低くなるわけですね。とすると、金融機関の負担が大きくなるし、それから、元々被災者の借入れを解消するという本来の目的が達成できない。だから、金融機関がきちっと支援機構に持ち込んでくることが基本になるわけですね。持ち込んできて、そして被災者の希望にこたえていくということが必要になる。金融機関が、これは持っていっても役に立たないなと思ったら持っていきませんよ。持ってこなかったらもう被災者にそのまま負債が残ったまま二重ローンの解消は全く進まないということになってしまうわけで、それじゃ問題解決にならないんじゃないかというのがこの法案の趣旨であったというふうに思います。
 そうなってきますと、これは、この構造をしっかり踏まえてこの支援機構が役割を果たすためには、担保の評価がポイントになるということであります。ですから、衆議院の修正案におきましても、将来の復興により評価が高まることを見通すという、そういう観点をしっかり入れているということだと受け止めておりますが、このことについていかがでございますか。
#23
○衆議院議員(谷公一君) お答えをいたします。
 まず冒頭、山田委員お話がございましたが、ここまで掛かった、大変時間を要しました。私も当事者として、いろいろございましたけれども、ここに至ったということは、それこそ与党の度量と我々野党の良識が実を結んだものだと思っておりますが、ただ時間が掛かったのは残念です。この法律、公布されてから三か月掛かりますから、来年の二月、三月、一年を待たなきゃならないという意味では、大変私自身も残念という思いであります。
 今御質問にございました、買取り価格は大変大事だ、現実に金融機関が持ってこなければ、言わば五千億も、当面の五千億の規模も絵にかいたもちになるという山田先生の御指摘はそのとおりだと思います。
 衆議院において修正いたしました二十三条一項では、債権買取りの際には、被災地域の復興の見通し、あるいは債権の担保の目的となっている財産の価格の見通し、そういったものをも勘案した適正な時価で買い取ることになっているところであります。先生、山田委員の思いと我々修正者の思いというのは全く同じだというふうに思っているところであります。
 なお、担保の土地の取得について、業務規定で、削除したということがございましたけれども、言わばこれはあらぬ誤解を受けぬために削除したのであって、この法人が債権を買い取るわけでございますから、買い取れば当然、担保物件であればそれらの土地も併せて取得するということは疑いようのないことですし、そのことは与野党間で十分確認しております。形式的には削除したということをどうか御理解を願いたいと思います。
#24
○山田俊男君 今、谷先生からお聞きしたとおり、きちっとこの法第一条の狙いに沿ってこの大事な部分を運用していくんだよということをおっしゃっていただいたというふうに思います。どうぞよろしくお願いします。
 さて、これは内閣府にお聞きしたいんですが、買取り債権の金融機関における税務会計上の扱いについてなんです。
 担保の評価に関連して、調整率がそれぞれ、被災地路線価の調整率ですね、公表されています。津波地域は〇・三、福島の原発地域は〇・〇ということであります。ちなみに、阪神大震災のときは〇・七五から一・〇だったわけですね。結局、低い調整率は、相続税等の減免措置としてはいいけれども、債権の買取り上は問題が生ずる可能性があります。これらの復興の見通し、今、谷先生からおっしゃってもらった復興の見通しも踏まえた適正な価格で評価することが求められるわけで、機械的な調整率の評価でなく、復興によって価値が適正に戻ってくるという見通しを踏まえたものにすべきだというふうに思うんですが、その点についてお答えをお願いします。
#25
○政府参考人(大森泰人君) お答えいたします。
 担保の評価に関連した調整率として、先生御指摘のあった先般国税庁が公表したものは、震災発生直後の価格を算定するための調整であって、震災後の社会インフラの復旧あるいは地域経済の回復状況などは加味されておりませんので、これが支援機構による債権買取りの担保評価に適用される性質のものではないと考えておりますが、今後、早急に支援機構の業務全般の検討を進める中で実務が円滑に遂行されるよう検討してまいる所存でございます。
#26
○山田俊男君 どうぞ、機械的な調整率の評価でなくて、何度も言います、復興によって価値が適正に戻ってくるというこの見通しですよ、これをきちっと踏まえたものにしてもらわないと本当に復興進まないからね、是非お願いします。
 二つ目は、二次ロスの扱いと関連した税務会計上の扱いなんです。
 支援機構による担保価値等を勘案した債権の買取り価格と債権の簿価との差額は、金融機関の債権放棄となるというふうに思います。
 ところで、十五年後になるんですか二十年後になるんですか、復興ができてどういう担保評価になるかによって二次ロスが出るということであります。この二次ロス部分を支援機構と金融機関で一定の負担割合で負担するという仕組みになっているわけですね。
 ところで、この部分は、この十五年ないし二十年間、債務者の再生にとっても重荷になるし、金融機関にとっても、会計上どういう扱いにするのか、極めて不安なんですよ。だから、このことについて、運用上どういう手だてが考えられるのか。私は早く方向を出さないと、また、これ金融機関がちゃんと支援機構に持ち込んでこなきゃ駄目なんだから、そのためにもこのことが必要だというふうに考えますが、この点につきましてどうですか。
#27
○政府参考人(大森泰人君) お答えいたします。
 債権買取り後に二次ロスが生じた場合、持ち込む金融機関から支援機構にロスの一部を補填することになるわけでございますが、その税務会計上の扱いについては、契約当事者の置かれた状況、あるいは契約の具体的内容に応じて判断されるものと承知しております。
 ただ、御指摘のとおり、支援機構の業務全般の検討を今後早急に進める中で、ケース・バイ・ケースで現場が混乱するといったことがないよう、御指摘の論点についても実務が円滑に遂行されるように検討してまいる所存でございます。
#28
○山田俊男君 この点につきましては、それこそこの法案作成に本当に御尽力いただきました近藤先生、片山先生、谷先生始め、皆さん一生懸命にちゃんと見ておってくれるというふうに思いますけれども、どうぞ内閣府、この点スムーズに、きちっと進むように、不安のないように進めてもらいたいと、こんなふうに思います。
 さて、本日は、大変忙しい中、前田国交大臣にお見えいただきまして、大変ありがとうございます。
 元々これ議論したときに、被災者は、ともかく津波でみんな流されて、残ったものは借金だけだという状況だったんですね。毎朝、田んぼへ出てみて、そして瓦れきとそれと水につかった農地等を見て愕然としている、希望も湧かないと、こう言っているわけです。だから、ここにどう、ちゃんと処理するよ、新しい事業再生のためにこういう形で手だてを講ずるよということが見えてきて初めて具体化するわけです。
 ですから、この担保になっている、借金の担保になっている水につかった農地ですね、これをしっかり復旧するなら復旧する、それからさらにはどういう活用の仕方をするか、そのことによって、何といいますか、希望を見出していくという取組が物すごい大事なんです。もう八か月も九か月もずっと見ているんですから、それを。この悲しみたるや大変なものだというふうに思います。
 ところで、だから私は、この支援機構が抱えた、買取り債権と一緒になってくるこの担保を支援機構がどういう形で有効に活用できるかというのは物すごい大事だというふうに思っていたんです。だから、支援機構が、それを町全体の復興計画やそれから町づくりにこんなふうに活用できますよ、農業の再建にこんなふうに利用できますよという手だてを早く示してやらなきゃいかぬわけですね。
 ところで、今、新聞報道等や現地の事情を聞いてみますと、被災者が自宅を、もう待っておれないから、高台にある農地を活用したり土地を活用したりして建てているという事情があります。それ、みんな心配していまして、どんどん出ていますから。とすると、心配しちゃって、これだと、ちゃんと高台移転をして防災の法律に基づいて町づくりをちゃんとやると言っているこの全体の仕組みを展開することも必ずしもうまくいかないんじゃないかという心配があるわけです。
 どうぞ、国交大臣、一体、こうした高台に農地を買って高台移転するという事例や頻度がどの程度あるということと、それと、この実態をどう受け止めておられて、今後、津波防災地域づくりや復興整備計画作りに支障が出るんじゃないかという心配がありますから、本当にどう考えられてこれを進めようとされているかお聞きして、被災者に、ちゃんと待って我慢して、そして支援機構も助けてくれるんだから、だから町づくりにつながるぞというふうに言えなきゃいかぬと思いますので、どうぞ大臣の所見をお聞きします。
#29
○国務大臣(前田武志君) 山田委員の御心配、確かにもっともなことでございます。
 今、被災地において、もうほぼここまで来て、かなりのところが復興の具体的な、その地域地域に合った各種計画、町づくり計画というのが出てまいっております。八割近くが今年中には出そろうと、要するに議会の承認まで経てできるようにしていきたいということでやっております。
 その中で、防災集団移転事業というのがいわゆる議員御指摘の高台移転でございますが、元の土地というものは、これは課税の評価とはもう全然違います。この土地というのは、自治体がその計画に従って、今やっている計画に従って買い上げます。買い上げると建築基準法による制限が加わって、そしてその土地について自治体が将来の利用計画というのも立てます。その利用計画に従って将来の計画が実現したときの価値をはじいて、それを現在価格に引き戻しますから、そうむちゃくちゃな安い値段にはなりません。この前御紹介しましたが、八割から六割程度じゃないかというふうに、現在価格のですね、というふうに考えております。
 なお、もう時間が来たようでございますが、個々の地域においてどういうふうに虫食いに建っているかというところまでは調査が行き届いておりませんが、全体の土地取引から見ておりますと、それほど大きな心配はまだ要らないんではないかというふうに思っております。
#30
○山田俊男君 大変ありがとうございました。被災者の悲しみにこたえるべく、復興、再生に向けて全力を挙げましょう。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#31
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 東日本大震災事業者再生支援機構法案、いわゆる二重ローン救済法について質問いたします。
 まず、発議者、また修正案提出者の皆様の御尽力に敬意を表したいというふうに思います。
 この法案は、七月に参議院に野党側が提出をいたしまして、修正決議の後、衆議院において実務者協議を踏まえて再度修正されております。先ほど、時間が掛かったと、遅いという話もございました。これからも、遅い、時間が掛かったことを挽回して、いち早くこの新しい機構が立ち上がるように、ここは政府に要請する部分かもしれませんが、政府においては万全な体制を整えていただきたいということをまず申し上げたいと思います。
 そこで、衆議院において修正されている部分がございます。まずこの点を中心に先に確認をさせていただきますが、何といいましても、被災地の再生には中小企業の再生、雇用の場確保、それには二重ローンの解決が必要不可欠であると。更に申し上げれば、事業再生には新たな事業資金、ニューマネーの提供も欠かせないわけでございます。
 今回、機構が行う融資、つなぎ融資ということが盛り込まれておりますが、このつなぎ融資等に限定されるということになっております。その範囲をどのように考えておられるのかという点について、まず大口議員に確認をさせていただきたいと思います。
#32
○衆議院議員(大口善徳君) 谷合委員にお答えいたします。
 とにかく旧債務の買取り、これは大事なんですけれども、もう一つは事業の再開のためにニューマネーの提供、これがやはり一番大事なことでございます。御指摘のとおりでございます。
 それで、十六条には、それこそ出資あるいは保証というものもできるんですね。それに貸付けということもできる規定になっているわけです。ただ、このニューマネーの提供につきましては、貸付けについては、これは民間の金融機関が当然新規のマネーを提供するということとともに、この機構におきましても、今回は限定されたわけでありますが、対象事業者の事業の継続に欠くことができないものに限るということで、つなぎ資金、当面の運転資金、そして事業の継続に不可欠な資金、これは機構で提供するということになったと、これは広くできるだけ解釈をすべきであると、こう思っておるところでございます。
 また、ニューマネーの提供ということでいえば、政策金融機関、これがしっかりこれは提供しなきゃいけないということで、六十二条の三項にしっかり規定をさせていただきました。政策金融機関は、これはこの機構の要請を受けて、資金の貸付けに係る審査を行い、対象事業者の事業の再生に必要な資金の貸付けを行うよう努めなきゃならないという形にさせていただきました。
 信用保証協会もしっかり、今大体、信金、信組聞いてみますと、信用保証協会の保証があって、それで代位弁済して求償権を信用保証協会が持っていると。ですから、これは機構がその買取りを積極的に働きかけて買取りをすると。とともに、求償権がある間は求償先である事業者に対して保証できないんですが、これ、買取りをすることによって今度保証できるようになります。これをしっかりやっていくということで、今回、衆議院において附帯決議も付されたところでございます。
 こういうことで、ニューマネーの提供については全力を挙げていきたいと、こう考えております。
#33
○谷合正明君 このニューマネーの提供について今回衆議院のこの修正というのは極めて重要な意義もあるというふうに認識をさせていただきました。
 それで、もう一度旧債務の話に戻りますけれども、買取り価格の問題でございますが、参議院におきましては迅速かつ適正に算定するために修正が行われておりました。この部分が衆議院において再度修正されております。質問が重なりますけれども、この衆議院の修正で、参議院の修正の趣旨、迅速かつ適正に算定していく、この趣旨がどのように反映されて、それがどのように今後実行されていくことが担保されていくのか、この点について確認させていただきたいと思います。
#34
○衆議院議員(大口善徳君) 参議院におきまして迅速性をやれと、大量にこの処理をしていかなきゃいけないということで、被害状況に応じて一定率の掛け目、これを支援基準にすべきと、こういうことであったわけでございます。しかし、被災事業者の事業の性質ですとか規模ですとか、あるいは復興の状況でありますとか担保価値でありますとか、様々個別な事情がありまして、なかなか一律にこの掛け目の率、これを決めるということが実務上難しい、こういうことがあって今回のような再修正になったわけでございます。事業計画、それから復興の見通し、そして経営状況の見通し、また担保物件の価値の見通し、こういうものを総合的に判断をしてやるということになったわけです。
 ただ、迅速性ということ、これはもう参議院で御提起されたことでございますので、これは附則の三条にこの買取り価格の算定に関するガイドライン、これを作ると。そして、中小企業再生ファンドのような、産活法の中小企業再生ファンドのように厳格なデューデリをして、そして詳細な事業計画を立ててそこから将来のキャッシュフローを算出するということではなくて、過去の実績を基に簡単な形で将来のキャッシュフローを算出する、それもしっかり簡便なものを作っていくことによってこの迅速性を担保しようと、こういうことでございます。
#35
○谷合正明君 もう一つ、修正部分でございますけれども、新たな新機構が立ち上がっていくわけですが、従前にあります産業復興相談センターと産業復興機構との連携協力、これを図るということが盛り込まれております。
 ただ、被災者、被災事業者から見ますと、どこが主体であろうと、我々の、私たちの二重ローンの問題を救済していただけるかどうかという観点、いち早く適正にやっていっていただけるかどうかの観点でございます。
 現場で混乱が起きないのかどうか、こうした懸念もあるわけですけれども、ここをどのように今回この役割分担を整理されたのかという点について確認させていただきたいと思います。
#36
○衆議院議員(大口善徳君) お答えいたします。
 十一月十一日に岩手県におきましては産業復興機構というのが設立されました。そして、産業復興相談センター、これも各県に設置するということでございます。それと今回の支援機構とのすみ分け、これは重要な論点であったわけでございます。しかし、被災事業者からしますと非常にその辺りの目安ということが大事であるということと、ただ、やはりこの相談窓口を工夫して、たらい回しにならないようにしていかなきゃいけないと思います。
 そういうことを前提にいたしまして、この法律におきましては、この支援機構というのは、条文上、大企業又は第三セクターは対象とならないということであるわけであります。その上で、重点的には、小規模事業者あるいは農林水産事業者あるいは医療福祉事業者等を重点的にやると。それから、各県の産業復興機構による支援の対象とすることが困難なものということにつきましては、産業復興機構、産活法に基づくものでありますけれども、大体五年ぐらい継続して一定のキャッシュフローということを見込んでおります。ですから、そういうものが見込めないようなもの等々について対象にし、特に重点的には、今述べましたような小規模事業者等、農林水産事業者等あるいは医療福祉事業者等を重点的に対応していくということでございます。
#37
○谷合正明君 今の整理でございますけれども、政府が六月十七日に策定した二重債務問題への対応方針、これに基づきまして、今、先ほど出ましたが、産業復興相談センター、産業復興機構、これがあるわけですけれども、実際に現時点ではこれはほとんど買取りが進んでいないという状況でございますけれども、今日は経産省から副大臣に来ていただいていますけれども、現在の状況についてどうなっているのか、どうしてこれが今、当初九月に産業復興機構が金融機関が持つ事業者向け債権を買い取るというふうにしていたわけですけれども、どうしてこれまで遅れてきているのか、こうした点についての説明、いただきたいと思いますが。
#38
○副大臣(牧野聖修君) お答えをさせていただきます。
 二重債務問題につきましては、私どもといたしましては、各県に産業復興相談センター及び産業復興機構を設立して、それこそ本当に、早期に債権買取り等による被災事業者に対しまして支援を実現すべく、県や地域金融機関と精力的に本当に調整してきたところであります。
 岩手県におきましては、九月三十日に岩手県産業復興相談センターが設立されて、十月七日から相談受付が開始されて、十一月十七日の時点では延べ二百九十二件の相談が今寄せられております。さらに、十一月十一日には岩手産業復興機構が設立をされまして業務が開始されたところでありまして、近々債権買取りが進められると、このように思っております。それから、茨城県におきましては、十一月一日に茨城県産業復興相談センターが設立されまして、十一月七日から相談業務が開始をいたしまして、また、宮城県におきましては、十一月十一日に宮城県産業復興相談センターが設立されまして、十一月十六日から実際の相談業務を開始をして、翌十七日の時点では延べ十三件の相談が今寄せられているところです。また、茨城県、宮城県とも、産業復興機構につきましては、現在、早期設置を目指して県と地域金融機関との間で調整中であります。
 遅々として進まない点もあろうかと思いますが、当省としては本当に、引き続き、各県における産業復興相談センター及び産業復興機構を通じた被災者、被災事業者の再生支援に一生懸命取り組んでまいりたい、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#39
○谷合正明君 どうしてこれが遅れてきたのかという認識がもう全く今欠けておったと。
 まず、私がこれ聞いたのは、この機構を立ち上げていくわけですが、じゃ、その法案成立後ですけれども、早期に買取り等の業務を開始できるように設立手続とか体制整備を図る必要があるわけですけれども、これを政府としてどのように取り組んでいくのかと。また時間が掛かって、来年の三月十一日までどうなるのか。いや、もっと早くやらないといけない、年明け早々にはやらなきゃいけない、この辺の政府間の認識というのがどうなっているのか。今回の新しい機構の方の担当は平野復興担当大臣されますけれども、今後政府としてどのように取り組んでいくと考えているのか、また業務開始時点に必要な人員の見積りとか確保方法、こうした点について今どう考えているのか、お示ししていただきたいと思います。
#40
○国務大臣(平野達男君) 政府の方は、震災直後から金融機関に対しまして、被災者の厳しい状況に照らしまして返済猶予等の条件変更に弾力的に対応するよう再三要請しまして、金融機関においては多くの債務者に対して約定弁済の一時停止、さらに条件変更契約を締結してきております。
 しかし、そろそろもう復興が始まっておりますので、これから新規マネーの需要が出てくると思います。としますと、この二重ローン問題は今まで以上に大きな課題になってくるというふうに考えておりまして、まずは当面、産業復興相談センター、それから産業復興機構、これと連携してしっかりとした対応をしなくちゃならないと考えておりますし、この今審議いただいている法案に基づく支援機構の法案が成立しましたら、こちらの方もできるだけ早く立ち上げまして、この産業復興機構と支援機構が相まって事業者の再生支援ができるように後押しをしていきたいというふうに思っております。
#41
○谷合正明君 最後にもう一度大臣に確認しますけれども、機構の政府保証枠については当面五千億円とされております。これ早期に予算総則に盛り込む必要があると考えます。政府の方針についてどう考えているか。
 また、今後、先ほど需要が、これから二重ローンの、ニューマネーの需要が伸びていくという話ですが、必要に応じてこの政府保証枠の拡大も検討する、そうした考えはあるのか。この点について伺います。
#42
○国務大臣(平野達男君) 五千億につきましては、三党間の協議の中でもそれだけの枠は必要だということが言われております。支援機構設置に合わせて、いずれ仕事をしなくちゃならない、そのための事業枠五千億、これはしっかり確保していきたいというふうに思っています。
 一方で、産業復興機構につきましては、御案内のとおり、もう二千億の枠を確保しておりまして、合わせて七千億円の枠が確保できるということで、まずは当面、この枠の中で事業再生支援をしっかりやっていくということになるかというふうに思います。
#43
○谷合正明君 時間になりましたので私の質問は終わりますけれども、これまでの遅れを挽回して、しっかりと被災者のために役立つ機構をつくっていただきたい、つくってまいりたいと思っております。
 以上です。
#44
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城です。
 本日は、衆議院での修正を行われた近藤議員に主にお聞きいたします。
 今回のこの法案の目的、趣旨ですけれども、もう言うまでもなく、震災に遭われて、そして二重債務に苦しむ、そういった被災地の皆さん方を救済するということにあります。そのためにも、当法案の第一条に目的として債務負担の軽減という文言も入れておるところでございます。
 そもそも、この時期まで、震災発生後八か月既に経過しておりますし、私は、そもそもこのスピードの遅さというのはもう耐え難いものだというふうに感じております。
 そもそも、この法案を参議院で可決する際に、ここにいらっしゃる民主党の議員さんは皆反対されております。さらには、今回、衆議院でこのような修正を行っていらっしゃいます。この修正を行うことによって、特に二十三条、二十七条、私どもみんなの党は、特に買取り価格及びその後の買い取った後の債権の管理、処分方法につきまして、より買取りが進み、そして被災地あるいは被災者の救済に資するような条文にしておったんですけれども、これを修正されました。
 何か一つでも被災者の救済に資する点が今回の修正であるのか、それについてまずお尋ねいたします。
#45
○衆議院議員(近藤洋介君) 桜内議員にお答えをいたします。
 二十三条、二十七条の点でどういう、何か一つでもいい点があったのかと、こういう御質問でございましたが、まず、被災者の事業者の方々というのは、置かれた状況というのは千差万別なわけであります。したがって、この買取り価格の算定については、実務上、個々の被災事業者の方々の実情に即して算定すべきであるということから修正をさせていただいたということであります。
 例えば、一定の掛け目を事前に定めて算定する、こうなりますと、その掛け目よりも低い債権のみが金融機関から持ち込まれる可能性があると。そうなりますと、結果として高い価格で買い取られて、これは、先ほど来議論がありますように、金融機関への補助金と言われかねないと。被災者、事業者にとっての借金は変わらないわけでありますから、結果として金融機関への補助金になりかねない、そしてその最終的なロスは国民負担になってしまうと、こういうことから適正な時価という形で修正をさせていただきました。
 ただ、委員御指摘のとおり、迅速かつ適正な算定を目指すというこの趣旨は極めて重要でございますから、その旨の附帯決議を付させていただいたところであります。
 また、支援機構の持続的な維持ということを考えた場合に、支援当初から一律に免除や弁済猶予を行うのではなくて、これまた事業者の現状に応じて個別具体的に対応することが望ましいということから、一定期間の後、対象事業者の債務の一部を免除することができる規定にしたわけであります。
 ただ、委員御指摘のとおり、この目的規定には、支援機構はできる限り被災した事業者の方々の債務負担を軽減するということはこの法の趣旨でございますから、当然、この買取りの債権の管理及び処分に当たっては、法の目的を十分に踏まえた行為を行うことはこれは当然のことでございます。
#46
○桜内文城君 全く質問に答えていないと思います。私が尋ねたのは、今回の修正によって、そんな国民負担の話だとかあるいは維持可能性の話じゃなくて、被災者を救済するという点において何か一つでもメリットがあるのかというふうにお尋ねしたはずです。
 先ほど来、今回の修正の趣旨として、国民負担ですとか、あるいは機構の維持可能性、そして金融機関に対する隠れた補助金をできるだけなくすということをおっしゃっておりますが、既に銀行に対して補助金が支出されております。この震災以降、金融機能強化法に基づいて、仙台銀行、筑波銀行、それぞれ三百億円、三百五十億円の資本注入がなされているにもかかわらず、一件たりとも政府案のこの復興機構での債権買取りがいまだなされていない。
 復興機構に関していえば、二次補正で、もう既に成立して三か月たっております。二次補正で予算が付いているにもかかわらず、今に至るも一件も買取りが進んでいない。何やっているんですか。
 さらには、このように法案を、改悪の修正をわざわざ与党民主党のあなたが行う。私は、一体何のために、今この民主党が、あるいは民主党政権がこのように被災者の救済には全くならないような法案修正を行ったのか、全く私は理解できません。このことを指摘しておきます。
 何か反論があれば、どうぞ。
#47
○衆議院議員(近藤洋介君) 桜内先生にお答えをいたします。
 まず、一件も買取りが起きていないということで御指摘がございますが、これは政府の仕事でありますけれども、我々としても、迅速に、しかも素早くこの業務ができるようにということは督促をしてまいりました。十一月の十一日に岩手において復興機構が設立をされたわけでありますけれども、十一月の十六日の参議院の予算委員会において枝野経産大臣も、近々に買取りが進むのではないか、こういうことも答弁されております。我々としても、近々に、十一月十一日に岩手において設立をされましたけれども、買取り実績ができるということを期待をしておるところでございます。
 また、一点申し上げれば、やはり被災者のことを考えるというのは桜内議員も我々も同じなわけであります。
 金融機関の機能強化法というのは、あくまでこれは金融機関がより損切りをしやすいような形を促すために資本注入をしたわけであります。このことは、すなわち損切りをすれば、その分被災事業者の方々の借金が減るわけですから、これはプラスになるわけですね。ところが、高値で買い取られても、今回のことを一律で仮に高値で買い取っても被災者の借金は減らないわけでありますから、被災者にとっては私は金融機能強化法による損切り促進の方がプラスではないかと、このように考えます。
#48
○桜内文城君 全く回答になっていないと思います。反論にもなっていないと思います。
 隠れた補助金というものをこれほど嫌っていながら、一方で六百五十億円の補助金、既に出しているじゃないですか。にもかかわらず、損切り云々も全くなされていない、債権買取りも一件も進んでいない。
 そもそも、この二重債務問題というのは日々の事業者の資金繰りに関するもので、一日遅れればそれで一日損をして、そして資金繰りがうまく回らずに倒産するところが増えるわけですよ。八か月もたっているんですよ。被災地のことを考えているような修正と言えるんですか。全く私は理由がないというふうに考えます。
 ここは国会の場ですので、是非これを議事録に残して、民主党及び民主党政権は、被災地の救済よりも自らのメンツや、あるいは独立行政法人と中小機構のこういった余り金を何とか官僚の手元に残しておきたいという意思でこのような修正をわざわざやっていただいたと。
 そもそも、この八月の参議院通過のときに、民主党の皆さん反対しているんですよ。そこから何か月たっているんですか。衆議院で、それもようやく可決したとはいえ、何か月も掛かって、そもそも政府案の法律は要らないと言っていたのは何ですか、一件も進んでいないじゃないですか。この点を明らかにしておきます。
 内容面で全く評価できる修正案ではないということを今いろいろと申し上げました。手続面について一言申し上げます。
 私自身、みんなの党としては、この参議院での可決した法案の提出会派であります。ただ、残念ながら、衆議院の修正段階においては協議にすら入れていただいておりません。その一方で、議員立法であるにもかかわらず、提出会派を排除しておいて役人を入れる、これは一体何なんですか。憲法四十一条、唯一の立法機関、これは何を考えてこんなことをやっているのか。
 先般、衆議院の復興特で、十四日ですけれども、我が党の議員からこの点について近藤議員に質問がありましたけれども、そのときの答弁、執行に責任を持つのは政府だから役人が入るのは当たり前だというふうな開き直りをされておりますけれども、これ、議員立法で提出会派を入れずに役人を入れるというその意味が分からないんですけれども、一体何やっているんですか。その理由をお尋ねします。
#49
○衆議院議員(近藤洋介君) お答えをいたします。
 この参議院通過法案について、自民、公明、民主、三党間の国対委員長の確認に基づいて実務者協議を進めてまいりました。その三党間の国対委員長の実務者協議に基づいて、私ども民主党としては、連立与党、相手方である国民新党さんとは適宜連絡を取り合いながら協議を進めてきたわけであります。みんなの党さん及び野党各党との関係においては、自民、公明、実務者担当者の方が御担当ということですので、その子細について私が述べる立場にはないかと思います。
 そういう形で進めてきたわけでありますけれども、役所を入れるということは、ある程度の議論が進む中で、三党がそれぞれ合意をして、実務を進めるに当たって、制度設計するに当たって行政側の意見を聴取したということでございますから、これは責任ある立場の政党としては、実体のある法案を制度する意味では当然のことかと考えております。
#50
○桜内文城君 民主党の言う政治主導ってこんなものなんですか。これは是非、国会議員のみならず全国民に知っていただきたいと思います。何が政治主導ですか。
 先日の近藤議員の衆議院での答弁の中で、大変失礼な発言がありました。私が、役所の説明がその協議の中でミスリードのものであった、要は、私も大蔵省の出身ですので、大蔵省の役人がなるべくお金を使わない、その方が出世するわけですよ、だから立場として言うのは分かるけれども、けれどもですよ、うそをついてまでそのようなことを主張してはいけないということを申し上げたわけです。それに対して近藤議員は、役所の方がミスリードしたといった風評といいましょうか風説を私が主張したというふうな意見を言っておりますけれども、これ曲解ですよ。
 申し訳ないんですが、新聞記者をやっていらっしゃったといいますけれども、自らの読解力や日本語能力を棚に上げて、国会の場で答弁を曲解して他の議員を国会の場で誹謗中傷するというのは一体どういうことなんでしょうか。別に答えなくていいですけれども、この点は、大変失礼な発言があったということはこの場で指摘しておきます。
 再び中身についてお尋ねいたしますけれども、今回のこの修正案通ったとして、これまで復興機構と併存させる、あるいはすみ分けという言葉を使われておりますが、二つが併存することにどれだけの意味があるんですか。あなたの修正によって、買取り条件あるいはその後の債権の管理の方法、全く復興機構と同じにしてしまったわけですよ。
 二つが併存して、まあ併存するのは別に悪くはないんですけれども、こんなものをつくって一体何を民主党は、そして近藤議員は守ろうとしてこのような修正を行ったのか、私は本当に不思議でしようがないです。教えてください。
#51
○衆議院議員(近藤洋介君) 桜内議員におかれましては、私も議員が財務省時代にいろいろ議員の書かれた本を読ませていただいたり、お話を聞かせていただいたり、大変見識の高い方だと、このように思っております。
 しかし、その上で、あえて前段のところでございますが申し上げますと、議員は、役所側からミスリードの説明がなされたと聞いておりますと、株式会社が利益を上げちゃいけない等々という御答弁をされております。このことについて、一度私のところに来られて、そういう事実はないですよと申し上げたにもかかわらず、またどういう事実をもってか分かりませんがおっしゃったので、明確に否定をしたということでございます。
 二つの併存についてのメリットでございますが、中小企業に加えて小規模事業者、農林漁業者、医療関係といったところを中心に重点的に支援をすることでより相互補完をして分厚い支援が行われるものと、このように期待をしているところでございます。
#52
○桜内文城君 全然かみ合っていないんですが。私が尋ねていないことを勝手に答えないでください。
 一言申し上げておきますと、私は直接その役人に確認をして、このような説明をしたということを述べたまでですよ。あなたがそれにだまされたとは言っていませんよ。勝手にだまされたということはないなんて、ここで言わなくてもいいんですよ。
#53
○委員長(増子輝彦君) 時間が過ぎておりますので、桜内君。
#54
○桜内文城君 じゃ、これで終わります。
#55
○大門実紀史君 日本共産党の大門でございます。
 まず、今回の法案をまとめられた与野党の関係議員の方々に敬意を表しておきたいというふうに思います。御苦労さまでございました。特に、今もありましたが、与党の大変後ろ向きな意見をはね返しながら、骨抜きにさせないように努力された野党の先生方に、本当にその努力は十分理解しているところでございます。
 ただ、今もあったとおり、三党だけに知恵があるわけではございません。むしろ三党以外の方があるという場合もあるわけですから、本来なら全党でこういう問題ですから協議をした方がもっといい中身になったのではないかという点は申し上げておきたいと思います。
 そういう立場で、時間の関係もありますので幾つかに絞って、今日の議論も含めて、これから政省令あるいはいろんな指針を作るということがありますから、是非各党の意見をそこに反映してもらいたいという意味で具体的に質問いたしますけれども。
 問題は、一日も早くこの機構を設立して事業を開始させることでございます。私、政府の産業復興機構の方にはいろいろかかわらせてもらって、いろいろ意見も言って改善もしてきてもらって、結構中身も知っているんですが、先ほど指摘があったように、別にサボっているわけでもなくて、中小企業庁は本当に頑張って、担当職員は、本当、休みも取らずにやってきました。それでも時間が掛かっていると。間もなく第一号が発表されると思いますけど、買取り案件の、そういうふうに大変時間が掛かったわけでございます。今度の再生支援機構の方は、産業復興機構は少なくとも今までのいろいろなスキームがありましたけれど、無から有をつくる、しかも規模は大きいということで更に時間が掛かるというふうに思います。
 現実的なスケジュールとしては、この機構の設立をするには出資金を払い込まなきゃいけない、出資金を払い込むには予算措置をしなきゃいけないと。予備費から出すか、補正予算を組むかとありますが、これがやっぱりひとつ時間が掛かります。しかし、もっと時間が掛かるのは買取り価格の具体的な算定の指針を作る問題。国会では適正な時価とか言っていれば済みますけど、実際にはどうするかというところがやっぱり時間が掛かります。
 もう一つは人の問題で、恐らく五千億円規模の買取り機構となると専門家集団だけでも相当の人数を集めなければならないんではないか、何百人という規模の弁護士さんや金融マンが必要ではないかと思います。中小企業庁がやったのは人集めに相当時間が掛かっておりますので、何百人を集めるには相当大変だということもありますし、事務職員もどうするのかとありますけれども、少なくとも本店といいますか本部のところで数十人の事務職員が配置されなきゃいけないし、支店をつくるということになると、そこに数人ごと置くとすると、これも相当の職員配置、これをどこから持ってくるのかということもありますから、いずれにしても相当時間が掛かると思うんですよね。これ、しかし、掛けるわけにいかない、早くやらなきゃいけないというわけですね。
 私、この半年その中小企業庁の方にかかわってきて、経験なんですけれども、最大限急ぐとしても、一番大事なのは、ここで法案を通して国会としては、政治家としては、もう終わりじゃなくてスタートするまで、スタートするまで国会がかかわり続けて急がせないと、投げちゃうと財務省の意向がまた働いてきたりいろんなことが起きますので、私は、設立まで国会がきちっと責任を持つ、あるいはそういうメンバーも国会の中でつくって、ちゃんとウオッチング、チェックするということが必要だと思いますが、一生懸命頑張ってこられた片山さつきさん、いかがお考えでしょうか。
#56
○委員以外の議員(片山さつき君) 大門委員には、震災が起きた直後からの予算委員会でこのような機構の必要性を指摘されてこられて、私どもも先生の御意見を立法する上で大変参考にさせていただいて今日に至っておりますが、スケジュールでございますが、この機構が法的に設立されるのが一年たった三月十一日を越えるということは、これは許されないことでございます。
 それ以前に、金融機関あるいはJA、JF等も含めた広い意味での金融機関がどう動くかがこの機構の実務が回っていくかのキーポイントになるんですが、ほとんど今、預金取扱機関は自己査定をしております。この自己査定の作業が十二月なんですよ。十二月までの自己査定にある程度織り込めるような形でもう法律は可及的速やかに成立して、できるだけ早くルール作りの話合いを始めて、どのぐらいの債権をじゃ自分たちがここへ持ち込もうという腹積もりの算段を十二月中には全関係金融機関にしていただくことですね。そして、三月末までに実際の移転を行うということになればかなりの件数の第一次案件が出てくると。そういうことでないと、先送りが行き過ぎてしまって、非常に日本の金融としても被災地の金融としても良くない状態になることは確実です。
 今、不良債権がこの状態で、ほとんどの金融機関において増やしていないんですよ。それは、我々もそれはある程度それでいいだろうというふうに三月から言ってきましたが、三月末が終わって九月末が終わって次の三月末もこれでは、日本は欧州の金融機関のことを言えなくなりますよ。
 ですから、十二月の自己査定に入れることが一つの最初のリミットですから、これをやらないと、さっき御指摘があったように、公的資金を数百億、三百億、三百億、六百億入れても、引き当てを積んだだけで全く動いていない。これは我々が住専問題から悪戦苦闘してきたことなんですよ。
 引き当てを積んで、公的資金も入れてもらって、そのままフリーズして実質処理が何にも進まないから債務者は苦しんだまま経済は復興しない。これを変えるために新会社をつくるんですから、ここを動かすような指導を政治と行政が一体となってやらなければいけない。そのためには、議員立法の趣旨を生かして我々がウオッチし続けることは不可欠と思っておりますので、頑張ってまいりましょう。
#57
○大門実紀史君 今度室長になられた大森さん、なかなか優れた方でよく知っておりますけれども、本気だなと、政府の方も本気になってきたなというのは分かるんですけれども、やっぱり国会できちっと支えるという意味も含めて、引き続き何らかのそういう形を考えていく必要があるということを、今日はその点だけ申し上げておきます。
 もう一つは、次に最大のポイントは、早く買い取るということですね。この機構がスタートしても、買取りにもたもたもたもた掛かっていると進まないわけですね。そのポイントが、先ほども言いました買取りの具体的な算定の指針を作るというところですけれども、往々にして、さっきも申しましたけれども、国会では適正な時価とかいろんな言葉で幾ら言うのはもう勝手なんですけれども、実際には、買い取る、買い取らないは金融機関と機構のところで、そこは民民の判断みたいなところがあるわけですね。強制的に買い取るとかできないわけです。
 したがって、ここは非常に重要になるわけですけれども、これもこの半年間、産業復興機構の方にかかわってきた私の経験でございますが、産業復興機構が買取りの、まああれもいいのかどうかとあるんですが、少なくとも折り合いを付けるのに一、二か月掛かっております、金融機関とのですね。これまた同じようなことを繰り返していると相当時間が掛かるので、ここの最初の段階できちっとしたものを決める必要があると思うんですけれども、簡単に言いますと、一つ一つもめているような場合ではない、早く買い取らなきゃいけないということですね。
 今回、二次ロスシェアリングという考え方が入りました。これ、私、活用次第で使えるなと思っております。被災地の金融機関ほとんど回りました、地銀も信金もですね。いろんな意見交換したんですけれども、もちろんいろんな意見が出ました。できるだけ高い価格、簿価で買い取ってほしいとかいろいろありましたけれども、その中で、ちょっと名前は出しませんが、ある地銀の担当部長がそういう金融機関と国が買取り価格でもめているのをもういいかげんにすべきじゃないかという自分たちの判断として言ってくれたのが、まず一定のルール、これは先ほど近藤先生ちょっと誤解しておっしゃっていましたけれども、何か何割で買えみたいなそんな乱暴じゃなくて、幾つかの検討は必要ですけれども、そうはいっても、一定の何かのルールを作って早く買い取る、まず買い取ると。その後で被災者の再生の状況とか担保の状況とか、後で最終的に、免除額を最終的に決まったところでロスシェアリングをやる、国の負担、金融機関の負担と。そうすれば、例えば先ほど一定の割合で買っちゃうと金融機関に対する補助金になるなんて何も現場を知らない意見がありましたけれども、そうじゃなくて、最終的にロスシェアリングすればちゃんと金融機関にも負担させるわけですから、そういうことは起こらないわけですね。だから、早く買い取ってこの二次ロスのシェアリングという考え方を入れて、最終的にはきちっと金融機関にも負担してもらうという形を取れば早く買取りは進むということになります。
 私は、いろんな金融関係者の意見を聞いて、半年たって、これが一番被災した中小企業を早く救う方法だというふうに私は思っております。これ工夫次第ですので、これから算定指針を作るということになりますから、是非一つの考え方として、有力な考え方として検討すべきだと私は思うんですけれども、片山先生、いかがお考えですか。
#58
○委員以外の議員(片山さつき君) 金融機関側にとっては全部査定があるわけですよね。それを後で金融庁が確認しているわけですが、正常債権のままだと、もう正常債権のままにフリーズしておけではなくて、正直に査定しろと言ってもまだ正常債権のままだというならば、その債務者になぜ事業再建資金が貸せないのかは、彼らは理由がないわけですよ。ですから、もうこの十二月からもうそのフリーズは終わりで、それでもまだ正常債権だというところにはもう貸してくれと、お金は十分あると全ての金融機関が言っていますよ。で、預金に至ってはもう増えていますよ。
 ですから、正常債権のままだと言い続けるのならそうであり、まあ実質的にはやはり要管理あるいは危険債権であるというのならば、今までは担保カバーされていない分の要管理債権は二、三割の引き当てを積んでいます。つまり、それだけ減価しているということです。これがもう破綻懸念だ、もうかなりの債務超過だと。全部担保が水没している、あるいはもう原発二十キロ以内だということだったら、それは五割から六割の引き当てを積んでいるから、まあ半分以下の査定額だということです。それに更に担保価値がありまして、先ほど山田委員がおっしゃったように、もう復興をするんだという方針が立っていると、この地域の農地あるいはこの地域の工業団地については、十五年あるんだから復興の見通しを入れろということで二十三条があるわけですね。
 ですから、担保カバー分についてはそのルール、アンカバー分については金融機関と金融庁、そして準備室が真摯に話し合って引き当てをどうするのかを考えて、それと一致させるという作業を早急にすればいいんで、それができない限り金融監督なんかできないですよ。金融監督は何やっていたんだということになります。まあそれを私は八か月言い続けましたが。
 それとともに、今回はもう商工会とかJA、JFといった、もう倒れるんだ、何とかしてくれという窓口、そこに事実上の支店を全部我々は置きたいということでやっていて、それは大門先生も同じ気持ちで、遠くまで行けないですよ、県庁所在地とか。それは余り意味がない。
 また、大きいものしか見ていない中小診断士を五百人集めても意味ないと、中小企業診断士自身が私に言っていました、呼ばれて東北の零細地域に行って私何するんでしょうと。ですから、ふだんその人たちの相談に乗って見ている人たち、そしてその人たちにお金を貸していてどうすればいいか分からなくなっていらっしゃる担当者、これを全部一堂にそろう形をつくっていくことで、いたずらに人件費の高い人を何百人も集める必要はなくなるし、実務的にもなる、スピードアップもできるというふうに思っております。
#59
○大門実紀史君 いや、いろいろお聞きした、それは勉強になっていいんですけど、その買取りのところでこの二次ロスシェアリングという考え方を用いて、もう少し早く、早く移す、その工夫は十分この法案の中でできると思うんですけど、その点いかがですかね。
#60
○委員以外の議員(片山さつき君) 産業復興機構がなかなか進まない理由はたくさんあるんですけれども、大門委員もおっしゃっているように、投資ファンドのマネージングがあるということを考えると、収益還元、難しいキャッシュフローの計算をせざるを得ないですから、それがほとんど回らない世界にこの戦時状態ではなっているということが一つあるのと、初めに出資させるということを前提とすると、その出資が絶対に正常債権に分類されるような出資にならないと金融機関は出さないんですよ。だから、日本の不良債権処理は進まないんで、それを言ってちゃ駄目だよと我々は政府にずっと言ったわけですが、後から二次ロスシェアをするのであれば初めに暫定価格を決めて後から精算ですから、日本の金融機関のビヘイビアとしてやりやすいんですね。
 これは、金融というのは一種の慣行ですから、それは確かに二次ロスシェアリングはそういう促進措置として使える部分があると思っていますし、条文に入った以上はそういう形で活用していただきたいと思っております。
#61
○大門実紀史君 もう一分なので次の質問はやめますが、一番大事なその算定指針を作るところにやっぱり国会議員がかかわって、変な経済合理性とか通常の判断ではなくて、これは救済のスキームですから、そういうところにも国会議員がかかわっていい指針を作るという点でお互い努力していきたいということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#62
○藤井孝男君 私からも、今度の衆議院におけるこの修正案ですね、ようやくというかやっとというか、なぜこんなに時間が掛かったんだろうと。本当に、政権取っておられる民主党の皆さん方、また政府の皆さん方、このやっぱり現実、この間でも相当な倒産だとか、もう本当に苦しんでいる方々が多いのにかかわらず今日まで延びてきてしまったということは本当に残念でなりません。しかし、発議者の皆さん方、原案の皆さん方、そしてまた衆議院に、修正にかかわった皆さん方に対しては、この努力に対しては心から敬意を表したいと思います。
 そこで、修正案、私も読ませていただきましたけれども、時間が限られておりますので絞ってちょっとお伺いしたいんですが、原案発議者の一人である荒井議員にお伺いしますけれども、要するに、今度また衆議院に送りましたね、参議院で修正可決して、それで衆議院で修正してきたという、幾つか修正点があるんですが、考え方によってはちょっとこれは後ろ向きになって後退しているんじゃないかと私自身ちょっと個人的に印象を受けているのは、先ほど趣旨説明にありましたように、衆議院における修正の中で、機構が債権の買取りを行った場合の債務の一部の免除ですね、これが義務規定から、免除しなければならないという規定から免除することができるという努力規定に変わりましたね。この点について、私、ちょっとこれは少し後退したんじゃないかという印象は否めないんですけれども、この点について、荒井議員、御意見があればお伺いしたいと思いますけれども、どう思われているか。
#63
○委員以外の議員(荒井広幸君) たちあがれ日本、藤井先生にもお世話になってここまで来ております。
 今お話がありましたように、若干今までの議論の中でも経緯がやり取りとしてございました。まさにそのできる規定のところでございますけれども、ここが後退ではないかと、こういうことです。この点は、参議院において七月二十九日、全野党が賛成をして衆議院に送ったわけですが、その際、みんなの党からのこの提案というものを受け入れたのがここのところでございます、義務規定、努力義務でございます。
 ここが後退したのではないかということでございますが、私としては、みんなの党さん、参議院での修正というものに大変私も賛同しておりました。そういう意味で藤井先生も今のようなお気持ちになっているんではないかというふうに思いますが、問題は目的でございます。この目的は、もうきっちりと変更なく政府・民主党も受け入れていただいているわけです。
 何ゆえにこの法律があるか。これはもう本当に、この三県を含めて人口流出が止まらない。この止まらない人口流出を止めるためには、雇用の場をつくることであるし、もう出稼ぎのような地域にしてはならない。再生していくためには、債務を負った中小企業、農家、そして様々な事業者がもう一回頑張るんだということを、これをやるために債務を免除して、そしてもう一回再生していただくんだと。そこに雇用が生まれるんだ。
 こういうことですから、その点は、残念ではありますけれども、附帯決議でその精神をきちんと残していただいたということでございまして、ここを我々はしっかり、この復興特を含めて国会として監督して実効あるようにさせていくと、こういうふうに考えているところでございます。
#64
○藤井孝男君 まさにこの法案の趣旨ですね、これを忘れてはならないと思うんです。本当に今度の被災された個人あるいは事業者の皆さん方、大変広範囲で、もう千差万別のこの苦しい状況を何とか、ふるさとを守ろう、もう一回再生をしよう、そして債務はあるけれども何とかそこからまた立ち上がろうという、そういった方々に対する思いやりのある、そういった法案であるということをもっとしっかりと自覚していかなければならないと思っていますから、私もちょっと今残念だと思うのは、これ附帯決議でそこはカバーするという、附帯決議も大体まとまったようですが、そういったことでその精神をしっかり生かしていかなきゃならないと思っております。
 そこで、実際にこの法案が成立した場合、支援機構が創設されるわけですね。現在ある産業復興機構と相互に補完しながら業務を遂行していくという形になるんですが、今後は、支援機構ができるだけ多くの事業者に再生の機会を与えるという今申し上げた本法案の趣旨に沿って被災事業者の支援に関する業務を行っていくことが重要と考えておりますけれども、原案提出者におかれては、この支援機構の業務遂行に当たり、これやっぱり実際は政府がかんできますから、今日、平野大臣、ありがとうございます、後ほどお伺いいたしますけれども、政府に対して原案提出者から何か思いがあれば、こういうことはもうしっかり気を付けてもらいたいということがあれば率直におっしゃった方がいいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#65
○委員以外の議員(荒井広幸君) 先ほどからも一番直近値が出ておりましたけれども、牧野副大臣からは、実際上、政府の言ってみれば法律ではなくて、予算を伴う一つのやり方として二重債務を救済していこうということであったわけですが、一番先にスタートした岩手県でも二百九十二件は申込みされているけれども、実際として動いているというものがまだないと、このように聞いておりますし、そういう意味で、なぜなかなか実効がないのかなというふうに思うと、つくりに問題が多少はあるんじゃないかと、こういうふうに思うんです。その意味で、これが、今度の法案ができるということになって支援機構ができてまいりますと、これはかなりの部分救済されていくだろうと、こういうふうに、先生方と同じように間違いなく私もそう思っております。
 そういう意味で、当時、できたころは二百ぐらいが、民間の機関の説明では二百件ぐらい倒産しておりました。現在もう五百を超えているというような状況ですから、やっぱり救済するためにはとにかく早期にこの支援機構をつくっていただくということなんですが、時間が掛かりそうだということであるならば、既に政府の方で用意したいわゆる相談センターがありますから、ここを、もうどんどん入ってもらって、そこに相談していただいて、いろいろな振り分けなどのような形をしていただくなんというようなことも一つかなと、このように思っております。
 いずれにいたしましても、迅速性を重視して政府はしっかりやっていただきたいと思いますし、私たちもこの復興特を含めてしっかり監督をしていく、こういうことが大切だと思いますので、政府には、法の精神、先ほど申し上げました精神をしっかり体して救済をして人口流出を防ぐ、そういうことを考えていただきたいと思います。
#66
○藤井孝男君 今答弁の中にありましたように、この法律が成立しても、実際、支援機構が発足するのは年明けてからになるんだろうと思うんですね。そういった点のこれからまだかなりタイムラグといいますかね、この間にも倒産が出てくるでしょうし、だから、一刻も早くこの救済法案が、これに、再生しようという事業者に対して効率的に、いかに効果的に、いわゆる相談センターと今おっしゃいましたけれども、相談センター、既存の、それと今度新しくできる支援機構との効率的な効果的な運用というのが必要になってくるんだろうと思うんです。
 そこで、今日は平野防災担当大臣にお越しいただいておりますけれども、今申し上げたように、これだけのタイムラグが出てしまった、これについてやっぱり政府にある程度の責任がこれはあるのではないかと思うんですよ。防災担当大臣として、復興大臣として大変活躍をされておるのは分かるんですけれども、こういった問題一つ取って、この辺の落差、これが結局、被災した地域から見れば、政府は一体何をやってくれているんだ、こうした二重問題についてもまだ何一つ進まないじゃないか、一体何か月間何を国会でやっていたんだ、こういう意味において、いかに議員立法といえども、やはり実際は政府が、内閣が、またそして防災担当大臣がこれをしっかり遂行していかなきゃいけない、そういった責任が非常に重いと思いますが、その点についての所見があればお伺いしたいと思います。
#67
○国務大臣(平野達男君) ちょっと背景の説明を若干させていただきたいと思います。
 先ほど谷合委員の御質問の中にもちょっと答弁させていただきましたけれども、まず、震災直後から政府の方は金融機関に対して返済猶予等の条件変更に弾力的に対応するよう再三要請しまして、金融機関の方もこの点に対してはかなり協力的でございまして、多くの債務者に対して約定弁済の一時停止、さらに条件変更契約を締結してきています。それから、政府はこれまでこの間の事業者の運転資金などが円滑に供給されるように東日本大震災復興緊急保証の創設等の金融対策も一応実施をしてきたということであります。
 しかし、これから復旧復興、本格化しますと、新たな資金需要が生まれてまいります。それから、約定弁済の一時停止も、あくまでも一時停止でございまして、これもいつまでも続けるわけにはいかない。そういう中で、先ほども申し上げましたように、二重ローン問題というのはこれからいよいよもって大きな問題になってくるんだろうというふうに思っております。
 そこで、まず当面の措置としては、産業復興機構、相談センター、これは先行するわけでございますけれども、ここと十分連携を取って二重ローン問題の対応に当たっていくということと、それから支援機構、今法案を審議いただいておりますけれども、この法案が通った際には、法律の内容が、これまでの本法をめぐる議論等を踏まえまして、現地のニーズをもう十分に踏まえつつ、支援の基準や買取り指針等を含む機構の具体的な組織、業務について早急に検討を進めてまいりたいと考えておりまして、既に準備室は復興本部に置いてございます。
 そうしたものを進めまして、できるだけ早く支援機構を創設しまして、産業復興機構と相まって事業者の支援に全力を挙げていきたいというふうに思っておりますし、引き続き国会議員の皆様方にも、特に支援機構については議員立法でできた機構でございますから、いろいろなアドバイス等々をいただきたいというふうに思っております。
#68
○藤井孝男君 防災大臣、まさにそのとおりでして、今までいろいろ政府としても、現在ある相談センターあるいは復興機構等々でいろんなことを、地元の被災者の皆さん方、それから再生しようとする事業者等々の皆さんに対していろんな配慮をやっていることは今答弁で分かります。
 しかし、この法案が成立しますと、支援、いわゆる支援機構が設立されるわけですね。そうすると、今現在、相談センターというのがある、復興機構というのがある、そこと補完し合ってということを、言葉では簡単なんですけれども、これ非常に効果的、効率的にやるには、まずこういう問題について、例えばこういう問題についてはこれ相談センターで扱おうと、これについてはもうできるだけ多く、先ほど荒井議員も言っていましたけれども、できるだけこの支援機構に任せるという、事前に、この法律が成立した場合に地元の皆さん方に理解してもらえる、そして、ああ、助かったな、これならもう一回やる気起こすなということについての事前に交通整理というのが私は必要じゃないかなと思っているんですよね。
 その点について、大臣の所見を伺いたいと思います。
#69
○国務大臣(平野達男君) 全く委員の御指摘のとおりだと思います。
 大事なことは、産業復興機構、支援機構、これが相まってとにかく事業者が使い勝手のいい形にするということが大事だというふうに思っておりまして、これからワンストップサービスするためにはどの窓口が責任持ってまず対応するか、それからその再建については復興機構、支援機構、どのように連携してやっていくかと、こういったことについてもしっかり詰めて、繰り返しになって恐縮ですけれども、事業者が使い勝手のいいシステムにするということを徹底して追求していきたいというふうに思っております。
#70
○藤井孝男君 是非よろしくお願いいたしたいと思います。
 というのは、衆議院の修正の段階で、たしか第六十四条ですか、産業復興相談センターと産業復興機構も国のその他関係者との連携や協力に努めなきゃならない旨が追加されておりますね。ここが一つのポイントだと思うんですね。
 ですから、そういう意味では、今度この法案が成立しまして、まず、いち早く産業復興相談センターで支援機構設立を前提とした、今大臣も交通整理についてお答えいただきましたけれども、そういったことに十分政府も支援できるような体制を是非つくっていただきたい、このことを申し上げて、私の質問を終えたいと思います。
 ありがとうございました。
#71
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 本日まで御尽力をいただきました参議院発議者の皆さん、また、修正に御尽力をいただきました、修正は皆さんで努力をされたわけですが、衆議院の修正案提出者の皆さんに心から敬意を表します。
 社民党はこの修正案に賛成でございますが、より実効性を確保するために五点ほど確認の質問をさせていただきます。時間の制約がありますので簡潔に答弁をお願いしたいと思います。
 まず、金融機関等との損害担保契約についてでございます。
 修正案では、再生支援機構と金融機関等との損害担保契約の締結が規定をされておりますが、金融機関にロスシェアリングを求めるにしても、将来の回収不能額の負担の上限が明らかでなければ金融機関等は再生支援に乗り出せないおそれが高いと考えられます。条文上は不明確な将来の回収不能額の負担上限について、下位の規則で回収不能額の二割を上限と明記するなど明確化をして予測可能性を保障すべきと考えますが、いかがですか。
#72
○衆議院議員(橋本清仁君) 吉田忠智議員の質問に簡潔にお答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、金融機関がどれくらい負担をしなければならないか明確でない場合、金融機関が債権に係る損失の大部分を負担するような損害担保契約も考えられ、金融機関が債権買取りの申入れをちゅうちょしてしまっては問題でございます。このことから、御指摘のとおり、損害担保契約における金融機関の負担割合の上限は明確にすべきと考えており、関係金融機関等の負担につきましては、各県で設立される産業復興機構と横並びの負担を求めることを想定しているところでございます。
 具体的に申し上げますと、政府と関係金融機関等の負担割合は八対二、つまり関係金融機関等の負担割合は二割を上限とすることになります。その旨を契約ひな形等で明確化することが望ましいものと考えております。
#73
○吉田忠智君 次に、債権の管理及び処分についてでございますが、参議院通過法案では、債権額と買取り価格の差額についての原則免除義務規定、一定期間の弁済猶予義務、保証人に対する負担軽減義務がありました。修正の結果、これらは任意とされたわけであります。
 二重ローンに苦しむ被災者の債権の負担を軽減しつつその再生を支援するという法の目的に照らして考えれば、再生支援機構に対しては依然として差額相当ないしそれ以上の額の債務免除や買取り後一定期間の弁済猶予、保証人に対する負担軽減措置などが強く求められると考えてよろしいでしょうか。
#74
○衆議院議員(大口善徳君) お答えをさせていただきます。
 先生もうおっしゃるとおりでございまして、この機構自体、この一条にありますように、被災事業者の債務の負担の軽減もしつつその事業再生をするということでございますから、債務の負担の軽減をするということが目的でございます。
 そういう点で、今回確かに、簿価と買取り価格の差額について、これを免除する義務規定であったのを、できる規定にしました。あるいは、この保証人に対しては努力義務にしたわけでございますけれども、ただ、目的に照らしまして、これは通常はこういうものについては免除をする又は猶予をするということになりますし、また保証人に対しても請求しないということになります。
 ただ、再生が非常にうまくいって、それで価値が非常に高くなった場合についても一律にこれを免除するのかというモラルハザードの問題もありまして、こういうできる規定にしたわけでございます。
 そういう点では、衆議院の附帯決議におきましても、この目的に沿った形で処理をする、また、平野担当大臣も衆議院においても、その目的の趣旨に沿って運用すると、こういうふうに答弁をしておることも御報告させていただきます。
#75
○吉田忠智君 続きまして、買取り価格についてでございますが、東北地方では多くの事業者が二〇〇八年九月のリーマン・ショック以後赤字に陥っており、そこにこの三・一一の震災が襲いました。債権の買取り価格の決定方法は、附則第三条により、指針に定めるとされています。被災事業者に広く再生のチャンスを提供するという法の趣旨に鑑みて、対象事業者について例えば五年間程度遡って業績を評価すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#76
○衆議院議員(大口善徳君) 先生、この点もごもっともでございます。過去の実績を踏まえて将来のキャッシュフローを出す、そしてそれを割り引いて現在化する、これで買取り価格を算定するということでございますが、この過去の実績が、二〇〇八年の九月のリーマン・ショックによって非常に企業の、何といいますか、価値が下がっていると、どうしてもキャッシュフローも算定も低くなってしまいます。ですから、過去三年ですとそうなりますので、過去五年にするということは、当然しかるべきでございます。そういうことでございます。
#77
○吉田忠智君 大変明快な答弁をいただきまして、前向きな答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 次に、貸付けについてでございますが、被災事業者に広く再生のチャンスを提供するという法の趣旨に照らしてということは先ほども申し上げましたが、貸付けについても、対象事業者の事業の継続に欠くことができないものに限るという文言は私は狭く解釈すべきではない、そのように考えておりますが、いかがでしょうか。
#78
○衆議院議員(大口善徳君) 先生、本当にこのニューマネーの提供というのは、これは一番大事なことでございます。この再生には不可欠のことでございます。
 そういう点で、今回、その十六条では、保証やあるいは出資のほかに貸付け、ここが修正されたわけでございます。これにつきましては、対象事業者の継続に欠くことができないものに限ると、こういう文言になったわけでございますけれども、これは、民間の金融機関等の融資もこれが前提になっておるわけでございますけれども、それまでのつなぎの運転資金もそうでありますけれども、とにかく事業の継続に不可欠なものということで広く解釈すべきであると、こういうふうに考えております。
#79
○吉田忠智君 ありがとうございました。
 相当簡潔に答弁していただきましたので、時間もまだありますけれども、五点目、機構の業務範囲について質問をします。
 復興には新規融資は欠かせません。修正案では、対象事業者の事業の継続に欠くことができない貸付けだけができまして、あわせて、政策金融機関が再生に必要な資金の貸付けを行う努力が求められるということになりました。
 そこで、債務の負担を軽減しつつその再生を支援するという機構の目的に照らせば、機構や政策金融機関による新規貸付けが確実に実行される、言い換えれば、機構か政策金融機関かどちらかからは確実に新規融資が実行されると、そのように考えてよろしいですか。
#80
○衆議院議員(大口善徳君) 先生、本当にポイントをついた御質問をしていただきましてありがとうございます。
 とにかくこのニューマネーの提供、これが大事でございます。本当に今、これは陸前高田の市長さんもおっしゃっていましたが、ただ単に既往の債権の買取りというだけでは、これは地域の復興には役立たないんだと、ニューマネーの提供ということ、これをしっかりやっていただかないと結局事業の再開というのはできないんだと、こういうことでございました。
 そこで、参議院で可決した案におきましては、長期の貸付けもこの機構で行うということになっていたわけでございますけれども、政策金融機関もある、信用保証協会もあるということで、そういうものを最大限活用するということから、この機構におきましては事業継続に不可欠なつなぎの融資を行う、そして出資あるいは保証も行うと。それとともに政策金融機関、ここがしっかりこの融資をすべきだ、こういうことでございまして、六十二条の三項に、政策金融機関は対象事業者に対し、これは民間の金融機関も行うわけでありますけれども、それによって事業の再生に必要な資金が確保できない場合は、むしろ協調して融資をするという意味からも、政策金融機関が機構の要請を受けて、資金の貸付けに係る審査を行って、そして対象事業者の事業の再生に必要な資金の貸付けを行うよう努めなければならないと、こういう形で規定をさせていただきまして、機構の要請によって政策金融機関がしっかりこれは融資を行うということが一つございます。
 それからもう一つ、大体、今、信金、信組さんにお伺いしますと、信用保証協会の信用保証が付いている。大体、信用保証協会が代位弁済して、求償権を持っているのは信用保証協会だということでございます。ですから、何千万円というものを信用保証協会が求償権として持っている。これを買い取ることによりまして、要するに、そしてそれを塩漬けにするということとともに、そうなりますと保証ができますから、しっかり信用保証協会の保証ということも積極的に活用してニューマネーを提供するということで、これは附帯決議、衆議院の附帯決議でございますけれども、入れさせていただきました。
#81
○吉田忠智君 最初の参議院で提出された当初案から、様々先ほども御議論がありまして、後退しているんではないか等々ありましたけれども、与党の皆さんも入っていただいて、それから政府の意見も取り入れてできたものでありますから、これから細目を詰めるに当たって、いかに実効性を確保するのか、そういう視点で、私は五点申し上げましたけれども、まだいろんな課題があると思います。是非、そういう立場でこれから所管をされる準備室長も是非取り組んでいただきたい、関係の皆さんも協力していかなければならない、そのように思っています。
 率直に申し上げて、被災地からは一刻も早くしてほしい、遅いというお叱りもいただきました。私も現地に行ってそのようなお叱りをいただきました。もう最後にお願いしますが、特に政府におかれては、常に債務の負担を軽減しつつその再生を支援するという法の原点に立って再生支援機構の実務に当たっていただくようお願いを申し上げまして、いつも時間オーバーしますので、今日は早めに切り上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#82
○亀井亜紀子君 国民新党の亀井でございます。
 今回の修正案には国民新党は賛成をいたします。けれども、この法案の作成段階にかかわっておりませんし、やはりいろいろ懸念もございますので、今日はその点について質問させてください。
 元々与党側におり、そして、中小企業庁などが今のねじれ国会の中で新しい法案を可決させるのには時間が掛かるので既存の仕組みでやらせてくださいということだったので様子を見ておりましたけれども、政府の対応が遅いということも事実ですから、この法案をもって少しでも被災者のためになればそれは良いことだと思っております。
 そこで、最初の質問なんですけれども、これは修正案に入ったものではなくて元からの仕組みとしてあるものですが、その再生支援機構の支援決定の条件として、被災企業の債権買取り後にこの当該企業に対して金融機関が貸付けなどの支援をすることが買取りの条件となっております。
 これは、例えるならば、一億円元々既存債務があったとして、相談の上で八千万円金融機関が債権放棄をし、じゃ、二千万円買い取ってもらうとします。この債権放棄をしたところで、もうそれだけ協力をしているわけですけれども、この金融機関が更にこの企業に対して援助をしなさいと、それを確認をしないといけないという仕組みなわけですけれども、実際に、つまり二重目のローン、新資金が提供されるものなのだろうかということに疑問を持っております。これでは金融機関が支援に二の足を踏むんじゃないかと懸念しているんですけれども、なぜこのような仕組みにされたんでしょうか。
#83
○委員以外の議員(片山さつき君) 今被災地で起きている問題は、実際に貸したい、まあ長いお付き合いだから、この地域の中小企業なり農家なり水産加工会社、建設業者、貸したい、だけれども、担保金融の日本では、担保、これが普通の何ら法的措置を加えない悲惨な時価評価だと、どこの会社も大幅な債務超過になっていて金融ルール上貸せないという状態に陥っているので、金融機関は預金だけ増えて、額面上、全く正常債権ではあり得ないものを正常債権のままとしながら貯蓄金庫になっている、経済は何にも動かないという状態です。
 それで、もう一回ローンをどこかから借りようとしても借りられないんだけれども、借りると前の債務も残っており今度の債務もあってとても負担ができない、だから二重ローンだという問題を解決するための機構ですから、まず二重目のローンが必要であり、その意欲もあり、金融機関としてこの津波や原発による担保の壊滅という異常な状態がなければ貸せた人に対して貸すという状況のためですから、やはり新規融資を、こういうふうに買取りによってこの債務者を実質債務超過ではなく貸せる状態にしていただけるなら貸しますということがない限りはこの法案の適用の意味はないと。
 つまり、今委員がおっしゃったように、金融機関自身が一億の債権を八千万円放棄するというのは、これは実質上破綻先でございまして、破綻懸念先というか実質破綻先でございますから、そこに貸すということになると、これは一遍民事再生なり特定調停を経た後でないと難しいというふうになりますので、逆に言うと、そこの手当てはもう法的にあるというふうに考えて、今回二重ローン救済法ではこのようなスキームを取っております。
#84
○亀井亜紀子君 もし金融機関がある企業をどうしても救いたいとして、その買取りが成立したとします。そうなったときに、二重目の資金が出ていくわけですけれども、これ金融庁にお伺いしたいんですけど、そのような被災地の企業に対して実質破綻先としない、そのような区分をすることは可能でしょうか。
#85
○大臣政務官(大串博志君) お答え申し上げます。
 今の御質問は、今回この支援機構が成った暁に支援機構に債権の買取りに上ってくると、その事業者の方々がその後どういうふうな債務者区分としての取扱いになっていくかということでございますし、実質破綻先ということになるとニューマネーがなかなか出ていかないじゃないかと、これを実質破綻先としないような取扱いが決めてできるのかというふうな質問だったというふうに思います。
 この支援機構法案によって機構が債権買取りを行った事業者に関して、この法律上は、経営状態等を考慮した上で事業計画を作ってもらって、その上で債務の一部免除とか弁済猶予を行うことができると、こういうふうにされています。これが想定される行き道だというふうに思います。
 一般論で申し上げますけれども、こういった債務の一部免除やあるいは弁済の猶予というものが行われるということになりますと、これは当該事業者の皆さんのキャッシュフローが、その後想定されるものが改善されるというふうな流れになっていきます。一般論として申しますと、今委員から指摘のあったようなこのような状況に関しては、債務者区分を逆にこれ引き上げる方向に、要因に働くということになると私は理解しています。
 ただ、これは債務者区分というのはなかなか一律には判定できませんものですから、事業者の財務状況とかあるいは資金繰りとか将来の収益力とか、こういったものを個々に勘案するものですから、一律に例えば実破にしませんよとかなかなかできにくいものではあることは御理解いただきつつ、今申し上げたように、一般論としては、債務免除あるいは猶予等を通じてキャッシュフローを改善すれば債務者区分は好転する方向の要因になっていくということを御理解いただけたらというふうに思います。
#86
○亀井亜紀子君 ここの部分、ニューマネーを提供するという意味で非常に大事ですので、御配慮をいただきたいと思います。
 では、次の質問ですけれども、二次ロスについてです。先ほど、ロスシェアリングの考え方が入れられたその背景について多少法案提出者から御説明もいただきましたけれども、再度御質問をいたします。
 今回の修正案は、やはり二次ロスの可能性を抑制したいという志向が少し強いように思うんですけれども、損害担保契約を入れた理由はどういうことなのでしょうか。そして、先ほどロスシェアリングの金融機関にとっての上限、八対二というような数字も出てまいりましたけれども、これはその修正の中で、例えば財務省とのやり取りですとかいろいろな中で、なぜこの損害担保契約というのが出てきたのか、そしてこれを結ばない金融機関の債権は買い取らないという趣旨なのでしょうか。この点についてもお伺いいたします。
#87
○衆議院議員(小里泰弘君) お答えをします。
 被災地の被災事業者の事業再生のためには、債権買取り後も金融機関がしっかりと最後まで被災事業者を支援していくということが当然重要になってまいります。その縁をつなぐ、被災事業者と金融機関との縁をつないでいくためにこの損害担保契約があると認識をいただきたいと思います。言い方を変えれば、この損害担保契約によりまして最後までしっかりと被災事業者を支援していこうと、そういうインセンティブを金融機関に与え得るものになっていくと認識をしております。
 ただ、御質問の中で、これは義務規定であるかというような御質問の趣意であったと思いますが、これは義務規定ではありませんで、損害担保契約を締結することができるとしたものであります。あくまで被災事業者と金融機関との縁をつないでいくという、その目的を達成するためにこれがあると。その趣旨を踏まえてしっかり運用を図っていく、もって法全体の目的を達成をしていくことが大切だなと改めて考えているところであります。
#88
○亀井亜紀子君 これは始めてみないと、その被災企業にかかわり続けるというインセンティブになるのか、それとも二の足を踏むことになるのか分かりませんので、やってみないと何とも申し上げられませんけれども、一応背景についてお伺いをいたしました。
 次は、国民新党の考え方なんですけれども、やはり二〇〇〇年以降、自己資本比率が厳しく求められるようになって、地方で貸し渋りが起きている。国際的なメガバンクでもないのに同じ基準で自己資本比率を掛けるということに大いに疑問がありますし、これをやっている限り、恐らくもう支援に限界があるんだと思います。ですから、ただでさえ貸し渋りがあったところに、二〇〇八年にリーマン・ショックがあったと。それ以降、企業の収益率が悪化して粗利が非常に少なくなっています。
 その中で起きていることは、つまり、今まで設備投資の借入れが大体七から十年ぐらいであったものが、それでは済まなくなっているので、今だと二十年ローンになってしまう。金利を入れると二十五年ローンになってしまう。そうすると、地元の金融機関がやはりそこまで先は見通せないので貸せない、つまりニューマネーが出ていかないというのが実際に起きていることなんですね。
 そこで、まず金融庁にお伺いしますけれども、被災地に対して同じ基準を、この自己資本比率を課すということがそもそも間違いなのではないかと思いますけれども、この点御配慮いただけないでしょうか。
#89
○大臣政務官(大串博志君) お答え申し上げます。
 自己資本比率でございますけれども、預金取扱機関に関するこの自己資本比率は、その金融機関の健全性を担保する一番ある意味大きな柱の信頼のよりどころとなっているわけでございまして、国際行と国内行と分けてでありますけれども、ですから、メガバンクのような国際行とは違った形で国内行、地域金融機関等々に関しては、その性質にも応じながら、若干低い基準で置いているわけでございます。
 ただ、これはあくまでも預金を集めて貸付けを行うという本源的資金を取り集めるためのベースでございまして、これを被災地の金融機関ということで違った取扱いというのはなかなか難しいところがございまして、ただ、おっしゃるとおり、被災地においては特殊な状況があるというのは間違いない事実でございますので、この自己資本比率規制というベースは維持しながらも、今回、金融機能強化法を改正して、例えば銀行においては責任追及を行うということなしに資本増強できるとか、あるいは信用金庫、協同組織形態に関しては預金保険機構のお金を使って資本を整理できるとか、こういったことも加えながら、資本の増強の部分に関して政府がアシストをするという方向で対応をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。
#90
○亀井亜紀子君 ここがやはり金融庁の限界なんですよね。ですので、なぜ自己資本比率があるかというと、それは預金者の保護のためにあるわけなので、つまり預金者から預かったお金で支援するという限界というのは恐らくあるんだと思います。ですので、今その被災地の金融関係者から上がってきた一つの案を御紹介したいと思います。
 これは意味あるかもしれないと思っておりますが、東日本復興銀行構想というのが出てきております。これは、例えば政府が五千億使って中小企業支援をするのであれば、それを元手に基金にして、そのお金で復興銀行をすると。大体二、三十人規模で考えているらしいんですけれども、この人たちが地域の金融機関と代理店契約を結んで、金融機関が救えない人たちをどんどん紹介してもらうと。そして、いわゆる設備投資に係るローンのところはこの復興銀行が二十年ローンなどで組み、当座の運転資金の部分、人件費ですとか、そういうお金の部分は地元の金融機関が貸し出すという形で回せば、例えば八百屋さんや豆腐屋さんや美容室や、そういう小さいところも助かるのではないかという、そういう案が出てきておりまして、私は一考に値すると考えておりますけれども、この構想についてどのようにお考えでしょうか。
#91
○副大臣(藤田幸久君) 亀井委員にお答えをいたします。
 私も茨城の出身で、ニューマネーが中小企業にとって非常に重要だと。つまり、津波とか地震で全壊したんじゃなくて、継続的な企業が重要でしたので、かなり早い時期からそのニーズを感じておりました。
 今回の修正案においても、第六十二条の三項で、民間の金融機関の方からその事業者に対して十分な支援ができない場合には政策金融機関がそれを支援をするということになっております。既に、大震災関連の資金繰りでは日本政策金融公庫の方で制度を拡充しまして、十月末までに一・六兆円を超える融資をさせていただいておりますし、第三次の補正予算におきましても復興特別貸付けというようなことを御議論していただいておりますので、まずはこういう形で、政策金融の方で、民間の金融機関の方でなかなかニューマネーに関する支援ができない場合にはできるだけ全力でそちらを措置したいというふうに考えておりまして、そういう形で全力で取り組んでいきたいというふうに思っておる、取りあえずはそんな形でさせていただきたいというふうに思っております。
#92
○亀井亜紀子君 では、時間ですので質問を終わります。
 ありがとうございました。
#93
○委員長(増子輝彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#94
○桜内文城君 みんなの党を代表して、ただいま議題となっております株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案に関して反対の立場で討論します。
 みんなの党は、当初から被災者の余りにも過酷な二重債務の負担を国の責任で抜本的に軽減するため、思い切った政策を求めてきました。そして、参議院段階では、この支援機構による債権買取りに当たって、買取り価格を適正な時価によるが、震災直前の債権価額に被害状況に応じて支援基準で定める割合を乗じて得た額を基本とすると、金融機関が機構に対し債権を手放しやすくすることで被災事業者の再生を促進する二十三条の条文を盛り込むことができました。
 加えて、二十七条では、機構による買取り債権の管理、処分に当たり、買取り価格が債権額を下回る場合、その差額部分の債務を免除するなど、第一条の目的規定にある債務負担の軽減の観点から非常に踏み込んだ条文を盛り込んだわけです。
 このときの我々の視点は、常に被災者の救済にありました。被災事業者の迅速な再生を図り、被災地の復興を第一に考えた修正でした。しかし、今、目の前にある衆議院で可決された修正法案はどうでしょうか。参議院可決法案に比べて何一つ被災者の救済に資する点がない。特に、さきに挙げた二十三条買取り価格や、二十七条買取り債権の管理、処分について、今も全く機能していない政府案の産業復興機構と同じ条件とされてしまいました。このような形で新たな支援機構をつくったとしても、政府案の復興機構と同じように機能せず、被災事業者の救済にならないのではないでしょうか。
 このように、参議院可決法案と全く懸け離れた骨抜きの内容に修正されたと言わざるを得ません。なぜそうなったのでしょうか。
 結局、債権買取りや債務免除が進んで財政負担が膨らむのを恐れる財政当局の利害を優先し、被災者、被災事業者の二重債務の負担軽減を後回しにした、これが民主党政権の言う政治主導の実態です。これでは誰のための法案修正なのか分かりません。
 今まさに被災して苦しんでいる方が目の前にいるのです。我々国会議員が復興の道筋を付けないで、ほかに誰ができるのでしょうか。このことをしっかりと考えていただき、さきの通常国会では共に提出会派だった自民党、公明党ほか野党の皆さんには大変申し訳なく、また極めて残念に思いますが、本修正案には反対させていただくことを申し上げて、討論を終わります。
#95
○委員長(増子輝彦君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#96
○委員長(増子輝彦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、森まさこさんから発言を求められておりますので、これを許します。森まさこさん。
#97
○森まさこ君 私は、ただいま可決されました株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・無所属の会、公明党、たちあがれ日本・新党改革、社会民主党・護憲連合及び国民新党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全の措置を講ずるべきである。
 一 本支援機構と各県の産業復興機構とのすみ分けに関し、各県の産業復興機構は各県が実情に応じて支援対象を決めており、その整理を尊重すること。また、支援機構の債権(リース債権及び信用保証協会等の求償債権を含む。)の買取業務の対象は、各県の産業復興機構による支援の対象とすることが困難なものとするとともに、小規模事業者、農林水産事業者、医療福祉事業者等を重点的に対象とし、各県の産業復興機構と相互補完しつつ、支援の拡充を図ること。
 二 本支援機構と各県の産業復興機構の運用については、ともに、被災した事業者の事業の再生を確保するために十分な措置を講ずるとともに、被災事業者の支援、両制度の利用しやすさを第一に考え、業務運営における密接な連携等を確保すること。
 三 支援機構は、被災した事業者の支援に万全を期すため、各県の信用保証協会等が対象事業者の債務の保証に基づき取得した求償権についても、積極的に買取りに努めること。
 四 信用保証協会等は、支援機構による買取り申込み等の求めに応じるよう努めること。また、当該対象事業者に対する新たな資金の貸付けについて、民間金融機関が自らの責任でも貸付けを行う際には、当該対象事業者への資金の供給が円滑に行われるよう、当該対象事業者の資金の借入れに係る債務の保証を行うよう努めること。
 五 支援機構は、被災した事業者の債務の負担を軽減しつつその再生を支援するという本法の目的を十分に踏まえ、適切な担保の評価なども踏まえた債権の買取り並びに当該債権の管理及び処分(債務の免除、弁済の猶予等を含む。)を行うこと。
 六 支援機構の本店所在地については、本法の対象事業者が東日本大震災によって過大な債務を負っている事業者であり、これら事業者の債務の負担の軽減と事業の再生の支援が早急に求められていることに鑑み、これら事業者にとって利便性の高い地域となるよう検討すること。
 七 支援機構は、本法の適切かつ円滑な執行が可能となるよう、必要な体制を整備すること。あわせて、政府においても、支援機構の行う業務その他の二重ローン問題への対応の重要性に十分配慮した定員の確保及び業務処理体制の実現に努めること。
 八 政府保証枠を含む予算措置については、支援機構の成立までに、予備費の活用などにより責任を持って対応すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#98
○委員長(増子輝彦君) ただいま森まさこさんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#99
○委員長(増子輝彦君) 多数と認めます。よって、森まさこさん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対して、平野内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平野内閣府特命担当大臣。
#100
○国務大臣(平野達男君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。
#101
○委員長(増子輝彦君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(増子輝彦君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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