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2011/11/30 第179回国会 参議院 参議院会議録情報 第179回国会 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 第1号
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2011/11/30 第179回国会 参議院

参議院会議録情報 第179回国会 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 第1号

#1
第179回国会 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 第1号
平成二十三年十一月三十日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員氏名
    会 長         藤原 正司君
    理 事         大島九州男君
    理 事         平山  誠君
    理 事         島尻安伊子君
    理 事         山田 俊男君
    理 事         加藤 修一君
    理 事         松田 公太君
                大石 尚子君
            ツルネン マルテイ君
                外山  斎君
                友近 聡朗君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                藤末 健三君
                舟山 康江君
                有村 治子君
                岸  信夫君
                熊谷  大君
                佐藤 正久君
                野村 哲郎君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                石川 博崇君
                紙  智子君
                中山 恭子君
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十日
    辞任         補欠選任
     岸  信夫君     若林 健太君
 十一月二十九日
    辞任         補欠選任
     大石 尚子君     徳永 久志君
     松田 公太君     桜内 文城君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         藤原 正司君
    理 事
                大島九州男君
                平山  誠君
                島尻安伊子君
                山田 俊男君
                加藤 修一君
                桜内 文城君
    委 員
            ツルネン マルテイ君
                外山  斎君
                徳永 久志君
                友近 聡朗君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                藤末 健三君
                舟山 康江君
                熊谷  大君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                若林 健太君
                石川 博崇君
                紙  智子君
                中山 恭子君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        宇佐美正行君
   政府参考人
       経済産業大臣官
       房審議官     五嶋 賢二君
       経済産業大臣官
       房審議官     川上 景一君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       次長       日原 洋文君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事  新井  泉君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○派遣委員の報告に関する件
○国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する
 調査
 (「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、
 アジアの水問題(タイにおける洪水被害とその
 対応)について)
    ─────────────
#2
○会長(藤原正司君) ただいまから国際・地球環境・食糧問題に関する調査会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 本院議長西岡武夫君は、去る五日、逝去されました。誠に哀悼痛惜に堪えません。
 ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表して、御冥福をお祈りしたいと存じます。
 どうぞ御起立をお願いします。黙祷をお願いします。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○会長(藤原正司君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ─────────────
#4
○会長(藤原正司君) 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、岸信夫君、大石尚子君及び松田公太君が委員を辞任され、その補欠として若林健太君、徳永久志君及び桜内文城君が選任されました。
    ─────────────
#5
○会長(藤原正司君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○会長(藤原正司君) 異議ないと認めます。
 それでは、理事に桜内文城君を指名いたします。
    ─────────────
#7
○会長(藤原正司君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査のため、本日の調査会に経済産業大臣官房審議官五嶋賢二君、経済産業大臣官房審議官川上景一君及び国土交通省水管理・国土保全局次長日原洋文君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○会長(藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#9
○会長(藤原正司君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査のため、本日の調査会に独立行政法人国際協力機構理事新井泉君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○会長(藤原正司君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#11
○会長(藤原正司君) 派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。
 第百七十八回国会閉会後に本調査会が行いました委員派遣の報告書につきましては、本日机上に配付させていただいておりますとおり、これを本調査会の調査の参考に資するため、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○会長(藤原正司君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#13
○会長(藤原正司君) 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査を議題といたします。
 本日は、「世界の水問題と日本の対外戦略」のうち、アジアの水問題に関し、タイにおける洪水被害とその対応について政府から説明を聴取し、参考人から意見を聴取した後、質疑を行います。
 本日の議事の進め方でございますが、まず国土交通省から十分程度及び経済産業省から五分程度説明を聴取し、参考人から五分程度意見を聴取した後、午後二時五十分ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願い申し上げます。
 なお、御発言なされる方は着席のままで結構でございます。
 それでは、初めに国土交通省から、タイにおける洪水被害の全般状況と今後の見通しについて説明を聴取いたします。日原国土交通省水管理・国土保全局次長、お願いします。
#14
○政府参考人(日原洋文君) それでは、恐縮でございますが、お手元の資料を御覧いただきます。クレジットが付いてなくて申し訳ありません。「タイの洪水について 平成二十三年十一月三十日」と書いた横紙の資料でございます。
 一枚おめくりいただきますと、利根川とチャオプラヤ川の比較ということで、まず、タイの水害の前に、チャオプラヤ川がどういう河川であるかということを簡単に御説明いたしたいと思います。
 表がございます。利根川とチャオプラヤ川を比較いたしますと、流域面積で約十倍、それから河川延長で約三倍の長さを持つ大河川でございます。大きな特徴は、河床勾配と書いてあるものでございますけれども、下流からほとんど勾配がない、要は平べったい土地であるというのが一番大きな特徴になってございます。
 それとも関連いたしますが、川における洪水流下能力というのが非常に小さいということで、観測史上最大流量というのが書いてございますけれども、チャオプラヤ川の場合には約六千トン、下流の方ですと、表の外に書いていますが、三千トンぐらいしか流れないということで、非常に平べったいところに大きな雨が降ると、そこにたまったままなかなか水が抜けないと。逆に言うと、洪水もじわっと増えてじわっと減っていくと、そういう地形になっているということでございます。
 それともう一つ、上流にダムがございまして、二つの大きなダムで、合わせて二百三十億トンのダムを持っております。左下に日本のダム書いてございますが、利根川の全ダム合計して八億トン弱でございますから、約三十倍。あるいは、日本の全部のダムを合計したものの三分の二の規模をダムで持っておりますが、先ほど申しましたように、なかなか水が引かないものですから、そういう意味において洪水調節としてそもそも機能しなかったということがございます。後でその辺は補足させていただきます。
 二ページ目を御覧ください。
 航空写真でございますけれども、この青い部分が、右側の図の青い部分が水がつかった湛水域の部分でございます。上流から下流に向けてじわじわと移動しているのがお分かりいただけるかと思います。左側が標高の図でございますけれども、極めて低い標高に大きなエリアがあるということがお分かりいただけるかと思います。
 三ページでございます。
 今年は、非常にチャオプラヤ川流域、雨が多かったということでございますが、チャオプラヤ川に限らず、メコン川の流域においても非常に雨が多かったということで、これは、そういう意味ではカンボジアあるいはミャンマーの方でも非常に雨としては多いわけですけれども、要は農業的土地利用がなされているということで大きな話題になっていないということでございます。
 四ページを御覧いただければと思います。
 これは、チャオプラヤ川流域における降雨量の比較ということでございます。ちょっと見にくいですが、細い赤の線でかいてある部分がチャオプラヤ川の流域を示しております。その中に累積降雨がどのようになっているかというのを色別に分けておりますが、二〇一一年は非常に赤や黄色の部分が多いということがお分かりいただけるかと思います。数字が書いてございますが、これが七月から九月の累積の平均降雨量でございます。平年に比べて約五割増しの雨が降ったということがお分かりいただけると思います。
 五ページが、具体の被害でございます。
 お手元の資料は十一月十八日時点ということで、一番騒ぎが大きかった時点の数字を入れてございます。死者につきましては五百九十四名、行方不明者二名となっています。最近の情報では死者六百名を超えたというような情報も一部の報道でなされているところでございます。退避区域が、ここに書かれているような非常に広い区域において退避が行われたということでございまして、図の中に色の塗ったところが洪水被害が起きた区域ということでございます。
 特に交通機関で、ドンムアン空港、旧国際空港でございますが、今は国内線中心になってございますが、そちらが閉鎖されたということで、特にここには被害者救済センターが置かれていたということもあって、大変大きな話になってございます。それから、国鉄など長距離鉄道はかなり影響を受けてございます。そのほか、交通等においても種々被害が生じたところでございます。
 六ページを御覧いただければと思います。特に日系企業への影響というものを書いたものが六ページでございます。
 七つの工業団地におきまして洪水が発生しておりまして、そのうち、特に上から二つ目、ロジャナ工業団地には日系企業が百四十七社、その次のナワナコン工業団地は日系企業百四社ということで、大変日系企業が多かったということから様々な問題が生じたところでございます。
 それから、七ページを御覧いただければと思います。
 そのうち、ロジャナ工業団地というところでございます。ここはニコンなどの日系企業が入っているところでございます。チャオプラヤ川の流域におきましては、大体流域全体では、治水の安全度といいますけれども、何年に一遍ぐらいの洪水に耐えられるように河川整備が行われているかという考えでいうと、大体十年に一遍ぐらいの雨に耐え得る程度しか現在整備が進んでおりません。
 したがいまして、工業団地としては独自にもう少し整備を、安全度を高める必要があるということで、五十年に一度の洪水に耐えられるような高さということで、二・五メートルの防水堤というものを工業団地の周囲に巡らしまして対応しておったわけでございますけれども、ここに書いてございますように、十月中旬には水深が二・八メートルに達したということで、工業団地の中も外も区別なく、エリア全体が水没したという状況になったわけでございます。
 その後、タイ政府からの要請を踏まえまして、十一月五日の日に政府として国際緊急援助隊を派遣いたしまして、国土交通省が所有します排水ポンプ車十台を現地に送り、十九日から排水作業を開始したところでございます。
 現在は、ロジャナ工業団地につきましては排水作業を完了いたしまして、その後、六ページの図をちょっと御覧いただければと思いますけれども、右側に工業団地の位置図が書いてございますが、真ん中のやや右上というんでしょうか、ロジャナ工業団地というのがやや右上のところにございます。そこが最初に排水作業を行っているところでございまして、その後、そこが終えたということで、左下の方に移ってまいりまして、ちょうど真ん中辺りですけれども、ナワナコン工業団地、それから、その更に下の方にバンカディ工業団地というところの排水作業を今行っております。あわせまして、ナワナコン工業団地のすぐ近くにアジア工科大学という大学がございますので、そこの排水作業を行っているという状況でございます。
 八ページでございます。
 後ほど経済産業省さんから詳しくお話あるかもしれませんが、タイの水害が日本のサプライチェーンに影響したということで、特にソニー、ニコンというデジタルカメラの主力工場が被害を受けたということで、全世界の生産が影響が生じていると。あるいはトヨタ、ホンダという自動車メーカーにつきましても、様々な部品等におきまして影響が生じているということでございます。
 九ページでございます。
 バンコクの洪水対策がどうなっているかということでございます。
 この赤のラインで引いたものが、キングスダイクと呼んでおります、王の堤防という意味だそうでございますけれども、一九八三年に大きな洪水がございまして、それを踏まえまして、バンコク市内を守るということからこの堤防整備を進めてまいりまして、二〇一〇年に完成した堤防でございます。
 バンコクというか、タイの治水につきましては、先ほど申しました、基本的に元々農業圏でございましたので、市街地だけをこの堤防で守って、それ以外は水があふれてもしようがないというか、ある意味では水があふれることによって農地が肥沃になるという面もあって、それを許容していたわけでございますけれども、それが今回のようにだんだんだんだん市街地が進んでくると、その辺がなかなか難しくなってくるということでございます。
 それで、十ページは政府における国土交通省の取組ということでございます。
 まず最初に、洪水に関します専門家、それから排水に対します専門家を現地に派遣いたしたところでございます。それから、国際緊急救助隊ということで、空港施設の関係の専門家あるいは鉄道施設の専門家、それから先ほど申しましたような排水の専門家というものを派遣いたしまして、それぞれ必要なアドバイス、あるいは具体の排水作業等を行ってきているということでございます。
 それから、十一ページは同じように排水の関係でございます。
 それから、四番のところなんでございますけれども、今後、タイ政府等の状況を踏まえまして、産学官併せました調査団を派遣して、今後の対応策を講じていきたいというふうに考えてございます。
 ちょっと残り僅かな時間でございますけれども、今回の水害の特徴を四点ほど申し上げさせていただきたいと思います。
 一つは、上流にダム群がある、ダムが二つあると申しましたけれども、いずれのダムもかんがい及び発電を目的としたダムでございまして、洪水調節を直接の目的としていなかったということでございます。もちろん雨季に関しては容量を空けておりましたけれども、そうはいっても、完全な意味での洪水調節というものは持っていなかったというのが一つの特徴でございます。
 二つ目の特徴は、先ほども何回か申しましたけれども、元々農業的土地利用であって、洪水はあふれさせることを当然と考えていた中に、工業団地でありますとか空港でありますとかそういった都市的な機能が生じたということで、そこの問題が生じているということでございます。関連いたしまして、このキングスダイクの中と外、あるいは運河の水門を開ける閉めるということで上下流の対立というものも生じているということでございます。
 それから、情報の管理で、洪水が上から下流に向けて流れてくるわけでございますけれども、いつ、どのタイミングでどれぐらいの洪水が来るかという情報がきちんと流されていなかった、あるいはハザードマップそのものができていなかったということで、それぞれ避難体制が十分取られなかったということがあろうかと思います。
 最後に、治水に関しましての担当部局が王立かんがい局、天然資源環境省、あるいは首都圏の首都圏庁排水下水局等々、あるいは内務省の災害軽減局と分かれておりまして、水系一貫とした河川管理が行われていなかったために、どのタイミングでどういうふうな行動を起こすかということがきちんと行われなかったということがあろうかと思っています。
 そういった点も踏まえまして、先ほどの十一ページの一番最後に書いてございますけれども、防災パッケージという形で日本の国際貢献の一環として今後こういったものも、ハード、ソフト含めた全体的な防災の在り方というものを我が国として国際貢献として図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
 以上でございます。
#15
○会長(藤原正司君) どうもありがとうございました。
 次に、経済産業省から、タイの洪水による日系企業等の被害状況と我が国の対応について御説明をお願いします。五嶋経済産業大臣官房審議官。
#16
○政府参考人(五嶋賢二君) 五嶋でございます。よろしくお願いいたします。
 お手元にタイの洪水と書かれました縦長の二枚のペーパー、それからカラーの資料が二つございます。これを基に御説明をさせていただきます。
 まず、洪水被害の状況でございますが、工業団地七か所の中には日系企業四百四十九社がございまして、これらの企業が被害を受けました。タイにおきましては日系企業千八百七十九社ございますので、日系企業の中で冠水によりまして直接に被害を受けた企業の割合が約二割強ということでございます。
 一方で、十一月半ばを過ぎまして、洪水そのものにつきましては収まりを見せつつあるというふうに聞いております。工業団地の中でも排水が完了したところもございますし、また、まだこれからというところもございますが、いずれにいたしましても、水が引いた後でも機械設備等々、相当のダメージがございまして、実際に工場が復旧をするにはまだかなり掛かる、二、三か月又はそれ以上掛かるのではないかというふうに見られております。
 日本政府の対応に行きます前に、まずはタイの政府の最近の対応について若干御説明をさせていただきます。
 インラック首相が緊急対策、短期的対策、長期的対策という形で全体的なパッケージを発表いたしました。また、タイの投資委員会の方で輸出向け製造に対する原材料、部品の免税制度の下で輸入した原材料等をタイ国内で廃棄する場合にも免税制度を適用する、その他、製造工程の全部又は一部を外部に委託する場合にも許可をタイ投資委員会が行う等々の決定をしているのと併せまして、タイの労働省の方でも、一定の条件の下で労働者一人当たりに対しまして月二千バーツ、約五千円になりますが、雇用補助を実施する等々、対応をしているところでございます。
 日本政府の対応でございますが、カラー版の横長の一枚の紙を御覧いただければと存じます。
 去る十月に内閣官房長官から、邦人の保護、タイの経済産業の復興対策、タイに対する支援、三点をまとめた対応策を発表をいたしました。このうちのタイの経済産業の復興対策、これは経済産業省が取りまとめておりますが、これについてこの一枚紙でまとめております。短期的な対応策、中長期的対応策併せまして、特に短期的対応策の中では資金の調達、生産体制の再構築、法務・労務・税務等の対策、こういうようなパッケージとして対応を今進めているところでございます。
 この中で二重丸が付いておりますが、これらが今回新しく対応を作ったところでございますが、これを中心に最近の動向を御説明させていただきます。
 まず、生産体制、中ほどのところにございますけれども、洪水が発生しましてタイにある日系企業の中で物が作れないんですが、そういう中で、タイの従業員の方を我が国に受け入れて、日本の中で生産をして補完をするという対策がございます。この受入れを発表するとともに、十一月十五日に実際にタイの従業員の人の我が国へ受入れをするためのビザの発給を開始いたしまして、その後、実際にタイの従業員の方が日本に来ているところでございます。
 あわせまして、設備長期資金、運転資金のところでございますけれども、日本政策金融公庫等の方で金融支援制度を拡充をし、要件緩和をしました。ということで、運用を既に開始しております。数件の実例も出ているところでございます。
 また、一番上、短期資金のところでございますけれども、去る十一月二十八日に日銀がこの短期運転資金の調達に資するための、タイの中央銀行が日本国債を担保として受け入れるため、このための口座を日銀の中に開設をいたしました。こういうような形で、日本政府としても全体として今対応を進めているところでございます。
 簡単ですが、以上でございます。
#17
○会長(藤原正司君) どうもありがとうございました。
 次に、独立行政法人国際協力機構新井理事からタイの洪水被害に対する我が国の支援と今後の方向性について意見を聴取いたします。
 新井国際協力機構理事、お願いします。
#18
○参考人(新井泉君) 新井でございます。
 お配りしております資料は、一枚の紙の「タイ洪水への対応について」というのと、それから、カラーも入れました参考資料という二つのセットでございます。
 洪水被害の状況につきましては、もう既に詳しく御説明あったところでございます。先週末現場に行ってまいりまして、バンコクの中心部、それからその周りについては大分水が引いてきていると。また、工業団地も、先ほどの御説明にありましたように、先週末の段階で一番大きいところが排水、おかげさまでできたということでございます。
 それで、全体というか、バンコクの周辺のところはどうなっているのかということをちょっと見ていただくために、三ページ目、色刷りの資料の三ページ目を御覧いただきたいのでございますが、これは青いところが、これが水でかぶっているところでございまして、十一月十日時点、これが相当厳しい時期でございました。それで、現在どうなのかというのは、次のページ、四ページを御覧いただきますと、十一月二十八日時点の浸水状況ということで、大分このキングスダイクと、先ほど御説明のあった内側については排水が終わりつつあると、ドンムアン空港はまだ水がかぶっていると、こういう状況でございます。
 それで、工業団地についてはもう御説明がありましたので省略いたしますが、今バンカディの工業団地というのが、このドンムアン空港のちょっと近くにあるところなんですけれども、そこの周辺の、工業団地だけではなくて、住宅地の排水作業等も行っております。
 それで、次に「JICAの対応」というか、これまでのODAでの協力の状況につきまして、一枚の紙の方に戻っていただきたいんでございますが、緊急支援ということでいろんな国が協力をいたしました。ただ、一番、日本の協力の特徴は、物資だけではなくて技術者を送って適切なアドバイスをしたと、またポンプ隊のような形で、目に見える形での協力をしたということでございまして、現在、緊急対応だけではなくて復興の青写真を描くといったところにも協力をしてほしいということで来ておるところでございます。
 それで、具体的な対応について、緊急対応のところはここに書いてあるところでございまして、浄水器等の対応をしております。それから、専門家チームは、先ほど空港、地下鉄というところについては御紹介がございましたが、上水道につきましては大阪の広域水道企業団の専門家の方に行っていただきまして、バンコクの大体七割ぐらいの水を供給するバンケン浄水場というところがございまして、そこの浸水を防いで、ともかくライフラインを確保するということで大きな貢献をしていただきました。
 それから、次の、裏側といいますか、次のページでございますが、短期的対応ということで今やっておりますのは、次の雨季というのが五月ぐらいに始まる、普通であれば、ということでございます。したがいまして、当座の洪水対策、公共施設のリハビリ、どういったニーズがあるのかというのを調べております。
 また、チャオプラヤ川の洪水対策のマスタープランというのを一九九九年に作っておりますので、それを見直して、抜本的な洪水防御施設整備への技術的な支援、また、必要とあらば資金的な支援というものも検討していくということになるんではないかと思います。
 「その他」というところで二番目の丸のところに書いてございますが、タイ政府は、中長期の対策ということで、一つは水資源管理戦略委員会、こういうのをつくりました。この委員長がキティラット副首相でございまして、月曜日に来日されまして、総理、経産大臣、それから経団連などを訪問されております。
 また、同行された復興開発戦略委員会の委員長であるウィラポン元蔵相でございますが、その後、民間企業、保険会社等を訪れ、今日の午前中でございますが、私どものJICA緒方理事長を訪問され、いろいろ懇談をされております。今後の復興についての御説明をされたということを御報告しておきます。
 以上でございます。
#19
○会長(藤原正司君) どうもありがとうございました。
 これより質疑を行いますが、本日の質疑は、それぞれまず会派ごとに一名ずつ質問していただいて、あとはフリーということにさせていただきます。
 また、できるだけ多くの皆さんに質問していただきたいので、一人の質問は三分程度に抑えていただきたい。答弁の方もよろしくお願いします。一人三分でも、全部の方にお答えくださいというのと一人に答えてもらうのと時間が全然違いますから、その辺りをよろしくお願いしたいと思います。
 それぞれ私が手を挙げられると指名しますので、どなたに質問されるかということを明らかにされた上で質問をお願いします。
 各省庁の御出身の方もその辺に御協力をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、質問を始めます。
 白さん。
#20
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。
 今日は、お忙しいところお越しくださいまして本当にありがとうございます。また、いろいろ勉強になるようなお話をお聞かせいただきまして、本当に感謝しております。
 まず、国土交通省さんに一点お聞きしたいんですけれども、今回、タイがこういう大変な状況になったと。でも、タイの皆さんは日本の地震のときにも本当に応援に来てくださったということを考えますと、やはりこういった災害については本当に我々としても誠意を持ってこれからも協力をしていかなきゃいけないというふうに私も思っているわけなんですけれども。
 そういう中で、今もじわじわと、だんだん進んできたという中で、ニュースでも相当このタイの洪水、もっとこれ中心部に向かって来ているぞという話はあったんですけれども、もちろん、その水がかぶった後の協力も重要かもしれませんけれども、水がかぶらないようにするための協力というのが本当にできなかったものなのかなと。
 その辺りについて、今の話は、十一月五日にタイ政府から要請があったという話を今ちょろっと聞いたんですけれども、十月中旬ぐらいにはもう洪水で日本企業もひどい目に遭っているわけですから、何かその辺りの協力というのができなかったのかどうかを一点ちょっとお聞きしたいということであります。
 それと、国際協力機構さんに一点お聞きしたいんですけれども、今回こういう事態になりまして、この水が引いた後の対応という部分においては、ちょっと資料にも感染症対策ということが書いてありますけれども、相当衛生状態の懸念というのは、これだけ特に大きい災害になった場合に、本当にどこまでタイ政府でやっていけるか。そこに我々として協力できるものは一体何なんだろうかという部分、この部分をしっかりやっていかなきゃいけないんではないんだろうかというふうに思っているんですけれども、その辺についてのお話を聞かせていただければと思います。
 以上です。
#21
○政府参考人(日原洋文君) それでは国土交通省の方から、御質問の点でございます。
 まず十ページをちょっと御覧いただければと思うんでございますけれども、十一月の五日というのはポンプ車の話でございまして、それまでに専門家を十月の半ばから派遣いたしています。タイ政府との関係もあります。
 それと、洪水がどの程度、どういうふうに広がっていくかという予測は国交省の方でも作っておりまして、その辺の情報提供はタイ政府の方にも行っておるところでございます。
 それと、もっと早くにポンプ車を送り込めなかったのかということもあるかもしれませんが、先ほど申しましたように、エリア全体が二・八メートルの水位になっているような状況ですと、ポンプ車そのものが機能しない。要するに、周りの水位が下がらないとポンプ車は役に立たないものですから、その辺も見計らいながら送ったという状況でございます。
 今後とも、努めていきたいというふうに思っております。
#22
○参考人(新井泉君) 十一月二十七日の時点でお亡くなりになった方あるいは行方不明の方いらっしゃいますが、タイ保健省の被災地域での疾病発生動向の調査、これは専門家もおりますので、そこを通じて入手しておりますが、幸いなことに、感染症等の大規模な流行は現時点では認められておりません。
 ただ、これから食中毒であるとか下痢であるとか、あるいは結膜炎、それからレプトスピラ症というんでしょうか、ドブネズミなどの関係で感染するような、熱が出るような病気ですね、ここら辺については一応今は保健省の方で対応しているということでございますけれども、具体的な御要望があれば、それに対して緊急な対応というんでしょうか、専門家を出していったり、そういったことをやりたいと思います。タイについては、何か薬をたくさん緊急援助で出すというのよりは、相当高いレベルの国でございますので、やはり当面は技術協力ということだと思います。
#23
○会長(藤原正司君) どうもありがとうございます。
 では、山田先生、お願いします。
#24
○山田俊男君 私の方は、経済産業省にお聞きしたいというふうに思います。
 タイはアジアの仲間として、我が国にとり大変重要な国であるというのは言うまでもないと思うんですね。ところで、経済産業省はどちらかというと、最近はどうもTPPの方ばっかり向いているから、アメリカばっかり向いているんじゃないのかという気がするんだけれども、ここ、この極めて重要なアジアのタイの国に対して、ましてや進出企業もいっぱいいるわけで、多分太鼓を鳴らして応援したんだと思うんだ、進出するとき。ところで、こうした事態になったことについての応援の仕方として考えると適切だったのかどうか。どうも、終わってから見に行っていますみたいな話じゃないかという気がするので、その点、お聞きします。
 それから、二つ目は、韓国はどうだったのかと。経済産業省は、それはもう韓国に負けるぞと、早く、とんでもない話だなんていって、これもさんざん今大宣伝しておきながら、韓国はタイのこうした事態に対してどんなような対応をしていたのか。僕は多分、我が国経済産業省はしっかり、これ韓国に負けているんだというふうに思うんだよ、だからそこの情報は知っているのかどうか。
 総じて、経済産業省としてタイに対してしかるべき対応をちゃんとやったのかということを聞きたいと。そのことは、もちろん国交省の対応だって本当に十分だったのかどうかということがあるわけで、それはまあ国交省はこの次に置いておいてもいいけれども、洪水の対策技術なんというのは日本は物すごく経験があるはずなので、もっと早い段階から、それから場合によったらODAの活用も含めて、手の打ち方がいっぱいあったはずなんだというふうに思うんだよね。取りあえず経済産業省、お聞きします。
#25
○会長(藤原正司君) 経済産業省。
 また、最後の方で国土交通省の方もよろしくお願いします。
#26
○政府参考人(五嶋賢二君) お答え申し上げます。
 経済産業省からは、このタイの洪水の被害が出始めました十月のかなり早い段階で担当の管理職を含めまして、あと関係の団体を含めまして、タイに行ってまいりました。現在状況の把握、それから対応策、タイの政府関係者との意見交換等、やってございました。ということで、早い段階から状況把握をし、どういう対応が日系企業との関係でもできるかというところに努力してきたところでございます。
 あわせまして、枝野経済産業大臣が、キティラット副首相兼洪水対策の責任者でもございます、併せまして商業大臣でもございますキティラット大臣とハワイでのAPECの際にバイ会談を行い、また今週、先ほどもお話ありましたけれども、キティラット副首相・商業大臣、日本に来ております。タイの洪水被害からの復興に向けた我が国からの最大限の協力その他、日本から見た懸念事項を伝える等々、対応をしているところでございます。
 韓国のタイへの支援等々につきましても、これも種々やっているというふうに把握をしております。
#27
○政府参考人(日原洋文君) 日本国として、浸水に関します様々な情報を提供できるということはタイ政府の方に伝えておりましたけれども、直接日本国から情報提供することになりますと混乱を招くということで、タイ政府の方にその辺は扱いを預けておいたということであります。
 そして、そもそもの治水計画をどうするかということについては、かねてからODA等を通じまして、タイの治水計画については必要な情報提供とか協力はしておったわけですけれども、先ほど申しましたように、治水の責任がはっきりしていないということもあって、なかなか思ったように計画が実現していないという部分は否めないのかなと思っています。
 その辺も含めまして、政策パッケージとしての支援というものを今後強化していきたいというふうに考えているところでございます。
#28
○会長(藤原正司君) 石川さん。
#29
○石川博崇君 公明党の石川でございます。
 私からは経産省さんに三点お伺いしたいと思います。
 まず一点目は、日系企業の今後の動向ですけれども、今回こういう形で大規模洪水で被害を受けて、一旦今のところ鎮静化しているようではありますが、また治水対策、タイ政府の取る長期的な取組というのがどれぐらい掛かるのかという見通しがなかなか立たない中で、果たして今後事業を続けていけるのかどうかという不安の思いも多数あるかと思います。
 今、現地にある千八百七十九社、そのうち四百四十九社が影響を受けた中で、撤退しようという動きがどの程度、概算で、大体のパーセントで結構ですが、今後の動向というものをどの程度把握されているかというのを一つお伺いしたい。
 二点目ですけれども、タイ人の従業員の受入れを表明していただいて査証発給進めておられますが、私地元大阪でいろんな企業訪問をしておりまして、やっぱり今回の被災を受けた企業さんもたくさんおられます。よくお伺いするのが、従業員の受入れを表明していただいたのはいいんですけれども、入管の作業に物すごく時間が掛かっていて、実際にその受入れの作業が進んでいないということをお伺いします。
 そこでお伺いしたいんですが、具体的に何人ぐらい受け入れる予定なのか。それで、実際に受入れが始まったのが何人ぐらいいて、これは法務省の話なんですけれども、入管当局にその人員の増加とかそういった要請をされているのかどうか、お伺いしたいと思います。
 三点目は、今回のタイの洪水におきまして、やはり日本の企業がここまでグローバル化した中でのサプライチェーンの維持ということが非常に重要だと、東北の東日本大震災でも明らかになったところでありますけれども、やはり経産省としても、しっかり今後このグローバル化したこのサプライチェーンの災害からの防災といいますか、そういう検討というのを進めていった方がいいんではないかと思いますが、今後の中長期的な取組について何かお考えがあれば教えていただければと思います。
#30
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 経済産業省、お願いしますが、一部、法務省に係る部分でも答えられる部分があったらできるだけ答えていただきたいと思います。それでは、経済産業省の方。
#31
○政府参考人(川上景一君) 経済産業省の川上でございます。
 第一の点と第三の御質問についてお答えを申し上げます。
 まず、日系企業でございますが、先ほど多数の企業の工場が実際に冠水をするという被害を受けたということを御説明申し上げました。この被害を受けた企業もそうですし、被害を受けていないところも被害を受けた企業が止まったことによって操業ができなくなるといったような影響も生じておるところでございますけれども、ただ総じて、私どもが把握しているところによりますと、まだようやく水が引き始めた、排水が終わったところもあるという、まだこれからのところもあるというような状況で、まだまだ復旧はこれからでございますけれども、できるだけ迅速に排水をしていただいた後は、水につかった機械を入れ替え直すとかそういったようなことをできるだけ早く進めて、再度事業を再開をしたいというふうに総じて考えておられるというふうに承知をしております。
 サプライチェーンの件につきましては、これは東日本大震災のときに部品の調達を一社に集中して依存をしていたといったようなことによって大きな影響を受けたという事態が発生をしたところでございますけれども、これからそういったような教訓を踏まえて、サプライチェーンをできるだけ調達を多様化するなどの手段によって、生産に影響をできるだけ少なくするという取組を進めてまいらなければならないというふうに考えております。
 タイの洪水によりましても、やはりこれだけの規模の洪水でございますので、タイだけではなくて外国にも、日本を含む外国にも影響が生じているところでございますが、その影響をできるだけ少なくしていくということに取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#32
○政府参考人(五嶋賢二君) 第二点の点につきましてお答えさせていただきます。
 まず、タイの従業員の受入れについて、これからどのくらい人数の受入れの予定かということでございますが、これは個別の企業のいろいろな予定の積み上げということで全体の詳細な数字は把握しておりませんが、現状に鑑みますと相当数の従業員の受入れをする可能性もあるのかもしれないというふうに考えております。
 また、どれだけ受け入れたかという点につきましても、これも法務省の方の統計ということでございます。手元にございませんが、例えばということで、第一陣が十一月の十八日金曜日に到着いたしました。報道によれば、このときにタイの技術者七人が到着をしたということ、それからその後も別の会社で、これも報道によりますと約百三十人受け入れた会社がある等々、幾つかの情報がございます。
 今、手元にありますのは以上でございます。
#33
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 桜内さん。
#34
○桜内文城君 みんなの党の桜内文城でございます。
 まず一つ目に、国土交通省にお尋ねいたします。
 大変大きなダムも上流に二つもあると先ほど御説明あったところなんですけれども、かんがいあるいは発電の目的だということではあるんですけれども、もうちょっと上手に運用をすることはできなかったのかなというふうに素人ながら考えるところなんですけれども、運用によってはある程度コントロールできたものなのか否か、その辺についてどのようにお考えになっているのかというのをお尋ねしたいと思います。
 それから次に、経済産業省に対しましては二つお尋ねしたいんですけれども、我が国の対応策ということで一枚紙で御説明いただいたところなんですけれども、例えば先週、三次補正がようやく通ったりしたところなんですけれども、そういった補正予算の中で対応している部分があるのか、あるいは何か大きなことをやろうとすると結局来年度予算になってしまうのか、その辺、どう対応されているのかというのが一つ。
 そしてもう一つが、今回の工業団地の浸水といいますか、確かに自然災害とも言えなくもないと思うんですが、お聞きしていますと、堤防が非常に低いですとか、やや人災に類するところもあるかと思うんですけれども、損害賠償といってもタイにするわけにもいかないかもしれないんですけれども、もうちょっと堤防ですとかきちんとやるようにきちんと政府間で協議するなり、工業団地を整備して、かつ、日系企業がこれだけたくさん行っているわけですので、何かしら損害賠償とは言わないまでもタイ政府としてもきちんと対応するようにこれから言えないものなのか、その辺についての見通しをお尋ねしたいと思います。
 そして最後に、JICAにもお尋ねしたいんですけれども、円借款あるいは海外投融資をこれから検討して実施するかどうかということなんですけれども、なるべく早くこういったものは対応すべきだと思うんですけれども、資金的な規模ですとか、いつごろどういうふうに円借款を出せるのか、どういった対象事業になるのか等々について、これも補正予算が三次補正が終わったところですけれども、来年度に向けてになるかもしれませんが、その辺の見通しについてお尋ねいたします。
 以上です。
#35
○会長(藤原正司君) 桜内さん、経済産業省とJICAでよろしいでしょうか。
#36
○桜内文城君 最初に国土交通省。
#37
○会長(藤原正司君) 国土交通省、よろしくお願いします。
#38
○政府参考人(日原洋文君) 国土交通省からダムの関係でございます。
 御案内のように、タイの場合は雨季と乾季とはっきりしておりますので、基本的に乾季にダムの水位を下げ、雨季にダムをためるという形になっております。その中でも、ダムの上限下限を一応決めてその中で運用をしておりまして、実際、八月一日から十月一日までの二か月間で約六十億トン程度の水をためた形になってございます。
 そういった意味では、それなりの洪水を抑える役割を果たしたわけでございますけれども、もっと積極的に、例えば雨が降りそうなときには水位を下げるとか、今は大丈夫だから下流の水位を見ながらダムを放流するという、そういったような運用まで行われているわけではないので、そういったことが可能かどうかということを今後よく現地に入っていって調査してまいりたいというふうに思っております。
#39
○政府参考人(五嶋賢二君) 二点お答えいたします。
 まず、金融措置その他について、補正への対応又は来年度予算での対応ということでございますが、現時点での復興対策のパッケージにつきましては、金融対策も含めまして、基本的には、既存の予算、既存の事業に対しましてその運用を変更する等々というような措置でございますので、補正の予算等の要求は今のところしておりません。今後については、またこれから状況も見ながら検討することになるかと思っております。
 二点目でございますが、タイの堤防の高さ、その他いろいろと損害が発生しているということでございますけれども、恐らくは、まず第一義的には損害保険でどう対応するかということかと思います。その上で、今後につきまして、こういう工業団地の安全、それから損害をどう防止するかということにつきまして、政府間でも議論できる可能性はあるのではないかというふうに思っております。
 以上でございます。
#40
○参考人(新井泉君) まず、円借款等の資金的な協力についての可能性というか、また先方の要望ということについてお答えしたいと思うんですが。
 当座のところの対応というのは、タイ政府についていいますと、やはり自分たちの財政的な枠組みの中でやっていきたいというのが強いようでございます。ただ、中長期的な対応ということになりますと、先ほど私申し上げましたように、例えばマスタープランの見直しをして大規模なある種メジャーを取っていかなきゃいけないということになりますと、これは技術と併せて資金を日本から期待するということが出てくるんじゃないかと思います。
 それから、海外投資について申し上げますと、これは基本的には民間ベースでの御要望に対してどうこたえていくかという部分かと思います。これから進出されている日系企業等の様々なニーズに対してこたえることができれば考えていきたいと思いますが、まだそういうところまで来ておらないという状況でございます。
#41
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 紙さん。
#42
○紙智子君 まず初めに、この度のタイの洪水被害を受けた方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 それで、同時に、復旧復興に向けての生活を支える物資の支援やあるいは医療面での援助など、国際機関やNGOなどとも協力しながら進めていくことや日本の技術を生かすことも重要だというふうに思っています。
 それで、その上でなんですけれども、今日、アジアの水ということがテーマでありまして、これまで調査会でもいろいろ議論してきたわけですけれども、それとも関連しながらお聞きしたいんですけれども、特に経済産業省とJICAにお聞きしたいと思います。
 それで、海外で水道事業なんかも展開して果たして利益は生まれるのかという議論や、あるいは海外に進出したときのリスク管理をどうするかと。トラブルや事故や災害が起こった場合どうするのかということですね。誰がそのリスクの負担をするのかということなんかも含めて聞いてきたわけです。
 それで、経済産業省にお聞きしたいんですが、日本の特に大手の企業なんかの場合は、日本で人件費などのコストが高い、税金が高いということで、低コストで集中生産体制を求めて海外に進出をしてきているわけです。その一方で、日本の国内では産業の空洞化という事態が進んでいると。技術の継承が困難になったり、下請の単価の買いたたきやワーキングプアの問題などが社会問題化しているわけですよね。ですから、改めて企業の社会的責任が問われる状況があると。特に自動車、電機メーカーは、海外の安い労働力に依存して、企業内で国際分業するグローバル戦略ということで、部品や在庫を持たないようなかんばん方式ということが進められてきたわけです。
 この最初お配りしてあった資料を読んで、中にありましたけれども、河田関西大学の教授は、今度のタイの洪水被害を受けて、日本企業はこれまでリスクマネジメントにきちんと取り組んでこなかったと、海外の進出に当たっても、コストを幾ら軽減できるのかという点だけに注目して決断してきたということを述べられているわけです。
 今回の洪水被害からこれは教訓にしなきゃいけないというふうに思うんですが、グローバル戦略として海外に出ていった企業のリスクは、やっぱり自らの力で対処するのが基本じゃないのかと、税金から簡単に投入するんじゃなくて。大企業には十分なやっぱり内部留保もあるし体力もあるわけで、そういう立場で対策を進めているのかどうかということがまず一点。
 それからもう一つ、JICAにお聞きしたいのは、この間の洪水で食料の問題というのは相当大変な事態になっているんじゃないかと。それで、米でいえば、収穫量は前年で一三・七%下回るとか、カンボジアも洪水が水田で三十三万ヘクタールとなっていますし、ラオスもそうですよね。
 だから、こういったことに対して、JICAのこの対策の中に、その他の支援の可能性の中に農業の問題ちょっと触れているんですけど、これらについてどういう支援が考えられているのかということを御紹介いただきたいと思います。
#43
○会長(藤原正司君) 経済産業省とJICAの方、よろしく。
 まず、経済産業省、よろしく。
#44
○政府参考人(川上景一君) 昨今の国際経済情勢の下で、企業が海外での市場を開拓をする、あるいは獲得をするというようなことで、現地生産を含めてグローバル化が進んでいる、あるいは昨今の円高のような状況でどのようにその収益を確保していくかというところを苦心をしているというのは、これは大企業、中小企業問わず企業が置かれている環境であるというふうに認識をしております。
 そのような中で、先ほど御紹介いたしましたように、千八百社を超える企業がタイに、製造業がタイに進出をしているというような状況があったわけでございますけれども、いずれにしましても、そのような事業をする上でどのようにリスク管理をしていくのか、事業継続を何かの不測の事態が起こったときに可能にしていくにはどうしたらいいかというところは、基本的には企業の側でお考えになっておられるというふうに考えております。
 以上でございます。
#45
○参考人(新井泉君) 洪水の関係で農業生産等もかなり打撃を受けているんじゃないかということで今実は調べているところなんですが、既に公表されているいろいろな資料を見ますと、例えばFAOの推計ですと、米の生産、当初の予測より、これは七%という、若干前に出ている数字なんで楽観的なんだろうと思います。先生の御指摘になった数字というのは、現時点での恐らく最新の数字であったり、あるいは次の作付けがまたダメージを受けるとそういうことになるんじゃないかという数字だと思いますが、今のところ確定しているような数字というのは七%とか百六十万トン、あるいはタイの米輸出業協会というのは二百万トンの被害と言っています。
 それで、JICAの協力でございますが、今FAOの方とも話をしているんですが、一つは、被害を受けて洪水、水でつかっているところについては家畜の問題が非常に大きいんですね。それで、飼料を、これはまあ大した金額じゃないと言っては申し訳ないんですけれども、適時に提供してあげるということが非常に重要だという話になっていまして、今FAOの方とまさにそれをどういうふうにやっていくのか一緒にやっているところでございます。まだ具体的にバッグを担いで持っていくというところまでいっていないんですけれども、状況を把握してやっていこうと。
 それから、もう一つは、やはり高床式の住居で、基本的にはタイの農村地帯、普通の水が出るだけだったら次の作付けの種もみみたいなものはカバーされるんですけれども、今回、それを大きく上回るような形で水が出てしまって流されちゃったというような話も聞いております。ですから、そこについても状況をまず確認するということで、そのしかる後にタイの農業省等と話をいたしまして対応を考えていきたいと考えております。
#46
○会長(藤原正司君) 中山さん。
#47
○中山恭子君 貴重なお話ありがとうございました。
 国交省のところで、この地域が農業地であったという御説明がありました。洪水というものも自然の動きとして受け入れられていたというこの地域、そういった地域だということで、それを人間の力で住居とか工業団地に変えていっているというところにいろんな手を打つのがまだ足りていないという状況なのであろうと思いますが、日本のダムを始めとして治水の技術というのは日本に非常に大きな技術があると思いますので、もちろんタイの国の状況にもよりますが、やはりタイが望むのであれば力を、日本の技術を入れていくという方向で、これまでにも非常に良い関係のある国ですので、思い切った形で協力していけたらいってもらいたいと思っています。
 タイの問題ではないんですが、いつも想定される、これは予算の関係でしょうか、想定されると、その想定の限界のところで、例えば堤防の高さなどもまだ日本はその高さしか、最低必要、最小必要とされる高さの堤防しか造ってきていないと思うんですが、国内でも。想定されるものの例えば一・五倍とかという堤防を造っていくという考え方を日本の方針として、日原さんの担当ではないとは思いますが、国交省の考え方のところで考え方を切り替えていく必要があるのではないかと思っています。福島の原発も想定の一・五倍で造ってあれば今回のようなことにはならなかったわけで、ぎりぎりの線で造っていくというところに問題があるのではないかと思っております。
 タイで治水計画を作っていくときにも、その辺り十分考慮していただけたらと思っています。その辺りの考え方をお願いいたします。
 それから、経済産業省、お伺いしたいのは、引き続き多分日本の企業はタイでの経営というのを行っていくという方向と考えてよろしいんでしょうか。例えば、そのときにもやはりいろんな想定をしなければいけない。こういう農業地帯に造るのであれば、まさに先ほどのお話のあった高床式の高い形のものを造るとか、いろんなアイデアを日本企業にも要求しておく必要があるのではないかと考えますが、そういったことについて、それを考えた上でこの進出を続けていってもらいたいという、そういう気持ちでございますが、いかがでしょうか。
 それから、国際協力機構の中で今農業セクターの問題、保健医療セクターの問題、それから農業の中に入るんでしょうか、家畜の問題出ていますが、子供たちに対してやらなければいけないことというのがいろいろあるのではないかと思っていますが、教育にしても協力できる分野がたくさんあると思いますが、その辺りいかがでしょうか。
 ありがとうございました。
#48
○会長(藤原正司君) 国土交通省から経済産業省、JICAと順番にお願いします。
#49
○政府参考人(日原洋文君) それでは、まずタイの今回の水害に関して、どういう今後対応を取れるかということでございます。
 短期的には来年の水害に向けてどうするか、洪水期に向けてどうするかというのはありますけれども、中長期的には、先ほどから防災パッケージということは申し上げておりますが、その意味するところは、一つはハードでもちろん対応していくということもありますが、それだけではなくて、防災情報をどういうふうに提供していくかとか、あるいは警戒避難体制をどういうふうに取っていくかとか、あるいは土地利用規制も含めた整備をどういうふうにしていくか、あるいはそもそも、先ほどもちょっと申しました水系全体を一貫して管理するようなシステムをどうやってつくっていくかというのは、そういった、私ども自身もまだ取組途上ではありますが、取組途上とはいいながら、いろんな経験持ってきておりますので、そういったものをうまくパッケージとしてお伝えしていけないかということを考えておるということでございます。
 それから、治水の水準についてもっと非常に高い安全度を求めるべきではないかというお話はごもっともだと思いますけれども、先ほど、日本の場合でも、想定される水害に対してこたえるというよりは、もうちょっと手前の段階でやっているという状況になっています。
 それはなぜかというと、特に河川の場合には、上流から下流に流れ、それから左右岸の問題ありますので、どこか一か所だけ急に丈夫にするとほかに波及するものですから、全体をじわじわと安全度を高めるという、そういう整備の仕方を取っておりますので、そういった意味では一気に上がるというよりは段階的に安全度を高めていくという方法を取っているというところでございます。
#50
○政府参考人(川上景一君) 日系企業の操業継続でございますが、これから復旧をしていって操業を継続をするという際に、やはりその工業団地の安全が確保されるということは非常に重要なポイントになると考えております。タイの政府の方もその辺はよく認識をしておると思いますので、これからの復旧、それと再発防止といったような対策の中でその安全が確保されるということを私どもとしても期待をしていきたいというふうに思っております。
 ちなみに、なぜこれだけ日系企業がタイに集積をしたかという背景を少しだけ申し上げますと、タイ政府は非常に外国からの企業誘致を熱心に行ってきておりまして、それで、今私の手元に正確な数字ございませんけれども、たしかこの工業団地、面積のイメージを持っていただくと、大きなものはたしか山手線の半分ぐらいの規模の工業団地と、そのくらいの大きな工業団地を整備して、かつその進出した企業には例えば法人税を減免するとか、そういったようなことも含めてやってきた結果として、このような企業集積、これは日系企業だけじゃございません、他の国も含めて企業集積ができ上がっていると。
 そういう状況でございますので、タイ政府としても、やはり問題の大きさというのはきちんと認識してくれるのではないかというふうに期待をしておる次第でございます。
#51
○参考人(新井泉君) まず、タイという途上国の中に占めるレベル感というのがございまして、相当高いところまで来ているということがございます。したがって、初等教育、中等教育等については、周辺国であるラオスとかカンボジアと、こういったところは基本的にまだまだ力を入れている、あるいはアフリカであるとかというのは、と思うんですが、タイの場合は、やはり社会的な脆弱な方々、社会的な弱者に対する支援というようなものが一つの、教育というのかどうか分かりませんが、柱でございます。
 それと、あと防災に関連いたしましては、やはり防災の教育というのが重要でございまして、これは今回のチャオプラヤ川というよりも、むしろ南側の、フラッシュフラッドというか、それが発生するようなところについては、防災コミュニティーの育成、そういうことをやるときに、当然子供たちにも、そういう水に巻き込まれる、洪水に巻き込まれるというようなことがないようにするとか、そういった教育を行うというようなことが今主流になっております。
#52
○会長(藤原正司君) それでは、一応会派一名ずつ回りましたので、あと自由に御質問いただきたいと思います。
 それでは、徳永さん。
#53
○徳永久志君 民主党の徳永です。簡単に質問をさせていただきます。
 まず、経済産業省ですけれども、先ほど来お話がありました日本企業が受けた損害についての補償について云々というお答えがございました。今後議論する可能性があるのだということでした。
 補償という概念はちょっとしんどいのかなと思いますが、ただ、事業再開に向けた支援を強く求めていくということはやっぱり政府として強力に働きかけるべきだろうという考えの中で、今後は工業団地の安全性が図られなければならないということでした。
 そこでいくと、先ほど来のお答えの中にも、やはり海外進出する企業は自らまずは第一義的にはリスクを管理すべきだということであるならば、こうした世界各地に出ている日系企業が入っている工業団地等々についてのそういうリスク的な情報というのは、どの程度政府やあるいはその進出企業と共有をされているのかと。例えば、中国の深センにもかなり行っていますよね。あそこも洪水の多発するところだと言われていますよね。だから、その辺りのこともしっかりと踏まえた上で彼らは出ていっているのかどうか、対策が取られているのかどうかについて一点お聞きしたいと思います。
 それから二つ目。これ、ちょっとごめんなさい、お答えができる方で結構ですけれども、今ずっとインフラパッケージの海外展開ということを政府を挙げてやっていて、タイは高速鉄道、レッドラインといいましたっけ、ああいうのも今一生懸命やっているし、メコン地域全体で連結性の強化ということで鉄道や道路とかというのをやろうとしていますよね。
 今回のメコン地域全体でのこういう水害ということについて、こうしたプロジェクトに対する信頼性というのかな、何か、どうなんでしょうか、影響というのは今後どうなるというふうにお考えかというのをお聞かせ願いたいと思います。
#54
○政府参考人(五嶋賢二君) まず、一点目の工業団地のリスク、タイに限らず世界についてということでございますが、まず企業が海外に進出することに当たりましては、これは大企業も中小企業も第一義的には企業の情報収集と企業の判断で進出をされているというふうに理解をしております。
 その上で、政府なり国がどういう情報提供が今できているかというところにつきましては、例えばということでございますが、ジェトロといった公的の機関が世界のいろいろな投資環境その他について情報を提供するようなウエブサイト等もつくっております。工業団地の具体的な情報がどのくらいどういうところに載っているかというのは今手元にはちょっとございませんけれども、海外に進出するに当たりまして、大企業、中小企業含めまして基礎的な情報提供に努めているという状況でございます。
 それから、二点目のインフラ整備、メコン地域も含めました整備ということでございますが、これも先般以来、ASEANとの協議、東アジア・サミットの中でもいろいろと議論がございましたが、ASEANとその周りの国、特にメコン地域も含めまして、国を越えたインフラの整備というのをこれからも日本も協力して進めるという対応を取っております。
 そうした中で、バンコクを通過します、例えば南部回廊等々と申しておりますけれども、カンボジアからタイ、さらに西に向かってインドも視野に置きながらという通路を造る、整備するというのも非常に大事だと思っております。
 今回のこういうバンコクにおける洪水というのも踏まえまして、これはまたタイ政府とも議論しながらということになるかと思いますが、そういった回廊を整備するのを視野に置きながら、改めていろいろな整備をするのに当たって、日本政府なり日本企業も協力できるように支援をしていきたいというふうに考えております。
#55
○会長(藤原正司君) それでは、次に質問のある方。加藤さん。
#56
○加藤修一君 国土交通省にお尋ねしたいんですけれども、説明いただいた十一ページの関係ですけれども、今ドイツ辺りが相当の渇水被害ということで、ライン川とかエルベ川、ドナウ川、記録取って以降、物すごく河川の水が少なくなったという日照りの現象が起こっていて、一方、インド洋ではダイポールモード現象、太平洋でラニーニャの現象があって、タイの大集中豪雨という話になっていると思うんですけれども、そういった意味では二十一世紀は気候の変動の、これに対する安全保障をどう考えるかというところに当然つながってくるんですけれども。
 二十一世紀はそういう意味でも災害の世紀にならざるを得ないを思っていまして、それで国土交通省の十一ページの防災パッケージの世界各国に対する提供ということで、これ非常に、中身は私、詳しくは知りませんが、すばらしい内容じゃないかなと思いますね。防災情報、警戒避難体制、インフラ、土地利用規制等々、あるいは制度・体制を含むということですから、ハード、ソフトに関係する中身になっておりますので。
 私はそういった中に、例えば地域全体での農業災害保険をどうするのかとか、あるいはJICA、JBIC、ジェトロ、それから保険、貿易保険ですよね、そういう、NEXIですか、それから宇宙情報、宇宙から見た地球の情報ということでJAXAの関係、そういう日本が抱えている機構をうまく使っていくことが大事ではないかと。ある人は、日本は世界の警察じゃなくて世界の消防になれと、そういう提案もしているわけなんですけれども。
 一つは、質問は、世界各国に提供している内容をもう少し具体的に話してほしいということと、今の世界の消防になれという提案がありますけれども、そういうことについてはどうお考えかなと。
#57
○政府参考人(日原洋文君) 気候変動等によって、大変乱暴なと言っては何ですが、乱暴というのは変ですけれども、防災の関係者と話していると、とにかく気候が乱暴になったなという話がしょっちゅう出ているのは事実でございます。
 そうした中で、この防災パッケージということにつきましては、実は本日の国家戦略会議でも議論として取り上げられることになっておるんですけれども、ここに書いてあるように、もちろんハード整備は重要でありますけれども、それと併せてそういったソフトウエアについてもきちんとした対策というものを用意して、それを、まあ相手の国ごとに違いがありますから、その国ごとにそういった対応を計画し、提供していくということがある。
 もちろん、それにつきましては国交省が単独でやる話じゃございませんので、日本政府全体として、外務省さん、JICAさんも含め、あるいは先ほど話したJAXAのようなところも含めて、全体としてそういった取組をしていこうというふうに思っております。その中では、ユネスコとかも一緒になって取り組んでいこうということを考えているところでございます。現にアジアでも、パキスタンには洪水予測情報なども提供しているということでございます。
 それともう一つ、世界の消防になれというお話でございます。
 今回、国内ではテックフォースというものを私どもつくっておって、災害があるところにそういった人を派遣しておるわけでございますけれども。今回もタイの方に専門家を何人か派遣いたしましたけれども、うちの大臣からも、テックフォースの国際版みたいなものを考えなきゃいかぬなということを言われておりますので、そういったものを取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#58
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 では、次の質問を受けます。マルテイさん。
#59
○ツルネンマルテイ君 私はツルネンマルテイです。
 私は、直接質問というよりも、私が感じたことに対するコメントというか、反応というか、一応JICAの方に聞きたいと思いますけれども。
 今日の報告よりも、このタイの洪水についての日本のマスコミの報道ぶりというか、それをちょっと私は気になっているところがあるんですね。もちろん全てを聞いたわけではありませんけれども、どっちかというと、日系企業に集中しているんですね。もちろん、最初のうちにはバンコク全体にもどのぐらいの被害が及んでいるかということはありますけれども、最近でも、日系企業をどうやって私たちは支援できるか、政府もそうですけれども、タイの全体に対する日本の支援というのは、ここでも、いろんな形で行われているということは、JICAの方でもあるいは恐らくNGOの方でもやっていますけれども、これはどういうわけか、少なくともテレビの番組では余り報道されていないんですね。だから、日本人は日本人のことばっかりを気にしている。これは大切でしょう、企業は大切ですけれども。
 やはり、恐らく東大震災のときも向こうはもう一生懸命いろんな形で日本を応援したんですけれども、やっぱり、でも、これは決してJICAとか政府のせいでもありませんけれども、こういう問題をほかの人はどう感じたか、あるいはJICAの方では同じようなことを感じているかどうか、それをちょっとお聞きしたいと思います。
#60
○参考人(新井泉君) お配りした資料の八ページというのを開いていただきますとちょっと写真が載っているんですが、これは先ほど御紹介いたしました首都圏の水道公社、ここに機材を供与したということでございます。排水ポンプ、エアレーター。それで、先ほど大阪の方の企業団の方のサポートでやったと。これは、左側に写っているのがインラック首相で、右側にJICAの専門員の竹谷専門員、それから真ん中にいらっしゃるのが小島大使ということなんですが、非常にインパクトのある、生活に密着した、バンコクの市民の生活に密着した協力を行ってくれているということで、これは非常に大きく報道をされております。ちょっと、東京というか、日本の方でどうだったのかというのは分からない、残念なんですけれども。
 ですから、やはり今はバンコクにどちらかというとみんなの関心が集まっているのですけれども、JICAとしては、もちろん日系企業のいろんな活動というのを、例えばアユタヤで支援するというようなこともやりますけれども、それだけではなくて、大きくタイの国民といいますか市民の生活に結び付くようなものをやっていきたいと思っておりまして、そういった観点から、今ようやく水が地方でも引いてきたので、農業関係のところはスタディーというか調査をできるようになりましたので、そこら辺についてはこれからもっと力を入れてやっていきたいと思っております。
#61
○会長(藤原正司君) よろしいですか。
 藤末さん。
#62
○藤末健三君 参議院の藤末でございます。
 私は、JICAの新井さんと、あと経済産業省にそれぞれ一つお聞きしたいことがございまして、新井理事の御説明をお聞きしますと、やっぱりJICAというのは基本的に何か要請主義をまだ続けているんであろうなというふうに思っておりまして、ただ、先ほどツルネンさんの御質問ありましたけれども、私は恐らく、要請主義でいくとやはり生活のレベルの話からまず始まってくるんではないかなと私は思います。
 ですから、もし可能であれば、例えば、工業団地が復活すること若しくは維持することというのは地元の雇用につながる話でもございますし、また税収にもつながる話でございますので、やはり我が国から、日本企業のためということではなく、現地の雇用を守るためにもこうすべきではないかという提言をすべきではないかと思いますので、その点、御意見いただきたいと思います。
 そして、二番目にございますのは経済産業省に、いろいろ今まで同僚委員の方からも話がございますが、やはり今、日本の企業がどんどん国際展開を強めていく中、恐らく今年の海外投資はすさまじい金額になると思うんですよね、来年も、円高プラスアルファいろんな要素がございますので。私が知っているだけでも相当の企業が海外に進出している中、紙先生からもお話がございましたけれども、三つございまして、一つは、まず企業が海外展開するときのリスクをきちんとマネジメントするという枠組みを提供できているかどうかという。
 中小企業の方々が今もう本当に海外に出始められていまして、もう聞いていると、分からないけれども行くしかないということをおっしゃるんですね、どの国でどのようなリスクがあるか。今回、タイではこういう洪水、彼らは想定しなかったリスクがあるとかいう中で、そういう企業の方々にどういうふうに考えていただくか。
 そしてまた、石川先生からも話がございましたけれども、国際展開した企業をどう支援するかということをやっぱり検討を深めていただきたいと思います。
 徳永委員からもお話がございましたが、深センでもリスクがあるだろうし、私、ベトナムの工業団地も同じようなリスクがあると。そして、何よりも政治リスクもあると思います、私は。そのようなリスクが出たときに、じゃどのようなことをするんですかと、国として、ということをちょっと深く考えていただきたいなと思います。
 最後に、その一部でございますが、私は、個人的な経験で言うと、JICA、ジェトロ、大使館というふうに現地でオフィスが分かれていることについて非常に不具合があるんではないかなと思っております。例えば、中国の工業団地で北京のオリンピックがあったときに停電が起きたんですね。そのちょうど後に行ったんですけれども、アメリカとヨーロッパが入っている工業団地は停電していないんですよね。日本の団地と韓国の工業団地が停電していると。韓国政府は中国政府にクレームを入れたけれども、日本政府は入れてくれなかったと。私自分で書きました、手紙を、地元の政府に。
 やはり、そういうことも併せて、これからどんどんどんどん産業を国際展開する中、経済産業省の方から国の海外の機関、どういうふうに連携するか、私はJICAも連携していただいた方がいいと思います、はっきり申し上げて。
 JICAもやはり産業であり、それに海外に行った日本人のこともやはりある程度スコープに入れて活動していただくことが必要だと思いますので、そこら辺もまた検討していただきたいと思いますので、以上、両方ともお願いでございます。
#63
○会長(藤原正司君) それでは、最初にJICA、次に経済産業省、お願いします。
#64
○参考人(新井泉君) それでは、相手の要請を待ってちょっとゆっくりと出ているんじゃないかという御懸念だと思うんですが、実は、一般論としてどうなのかというのはともかくとしまして、今回のタイのことにつきましては極めて、要請を待ってということではなくて迅速に行っているということを感じております。
 添付いたしました資料にも、十月の半ばぐらいから、例えばASEANの緊急アセスメントチームなんかにも、これは要請がというよりも参加して、これはタイだけではなくてカンボジアなんかも含めた形で見ていくとかですね。
 それから、あと現場のニーズということでいいますと、被災工業団地へのニーズ確認調査というのも先週終えております。いろいろなニーズがあって、その中で、プライベートで、プライベートセクター自身がやる、あるいはリスクを取るというところもあるかもしれませんけれども、それだけではなくて、周辺のいろんなインフラとか、そういったことについていいますと、それは相手国政府がやるのを我々が助ける形になるのか、あるいは我々自身もサポートしていくのか、このところの判断は分かれますけれども、やはり何らかの形でそのニーズに沿ったものをやっていかなきゃいけないということで、これは御要望がある、要請を受けるというよりはむしろこちらの方から発掘していくということで考えております。
#65
○政府参考人(五嶋賢二君) 三点お答えいたします。
 進出を考えております中小企業も含めた企業へのリスクに関する情報も含めた情報提供につきましては、やはり中小企業も含めましてできるだけ、例えばジェトロからの無償の情報提供、その他いろいろな形で内容も深め、幅を広げて情報提供にこれから努めていくのが必要ではないかと思っております。
 あわせまして、海外に進出した企業の方への支援ということでございますけれども、例えばですが、先ほどお配りしましたタイの洪水の中にもございますけれども、ここにございますように、例えばNEXI、日本貿易保険が、これは民間の損害保険会社と協力をして現地の日系企業の国内それから国外の販売の代金の回収が難しくなった場合にはそのリスクをカバーするような措置を新たにとるとか、いろいろな形で、進出した後の企業の活動をできるだけ可能な範囲で支援できるような仕組みをこれから引き続き考えたいというふうに思っております。
 それから、ジェトロ、JICAも含めましてですけれども、大使館、オフィスが分かれているところに課題があるのではないかという御指摘でございました。
 恐らくは、通常の、平時の場合には、例えばジェトロはビジネスの関係者がカウンターパートでいろいろと来ていただく場所でありまして、大使館の方からは政府との交渉ということで相手が違うこともございますが、先生御指摘のように、いろいろな場面でむしろもっと連携をし、情報交換を密にするという場面も多々あるかと思います。そういう状況のときには連携をもっと深めていくと、そういうことが大事ではないかというふうに思います。
#66
○会長(藤原正司君) いいですか、今ので。
#67
○藤末健三君 よろしいですか、追加でちょっとお願いします。
 アメリカの大使館もそうですし、ドイツの大使館もそうなんですけれど、何があるかというと、ジェトロみたいにビジネスのサポートをする機能というのは大使館に入っています、これ間違いなく。調べていただきたいと思うんですよ。
 かつ、例えばアメリカで、駐日のアメリカ大使館の例えば商務アタッシェ、基本的に例えば企業のいろんなそこを支援する方々は期間任用なんですよね。彼らはどういうミッションでどういうことをしなきゃいけないかという評価をされて、五年に一回契約をしているという、それがアメリカですし、ドイツも同じです。
 そういう中で、なぜ大使館なんですかと聞くと、大使館員であるから入れるんだって、ビジネスに、サポートできるんだって、政府なんだって。それが僕は国際標準だと思いますので、これだけ企業が国際展開する中で、ジェトロに行けばいいのか大使館に行きゃいいのかと。大使館に行ったら、ジェトロに行ってくださいと言われるわけですよ、今。そういう状況をいつまで続けるかということは、本当に今考えていただくすごいいい機会だと思いますので。
 国際的な企業の展開のリスクマネジメントも中小企業に対してやるとおっしゃっていますけれども、僕はできていないと思いますよ。中小企業の社長たちは、自分でリスクを取って、分からないけれども飛び込んでいるんですね。ジェトロが何をしているのかというのを僕はお聞きしたいです、ここで、はっきり言って。一回深く企業の方々の声を聞いて、そして海外の人たちの声を聞いて、根本から僕見直す機会にしていただきたいと思いますので、是非御検討ください。お願いします。
#68
○会長(藤原正司君) よろしいですか。簡単に。
#69
○政府参考人(五嶋賢二君) 今の点に関しまして、中小企業の海外展開が非常に大事であるということは、私どもも、又はジェトロの方針の中でも一番ということなので、その方向で対応させていただきます。
 また、例えば、国によりましてこの大使館とジェトロに相当する機関、いろいろな場所があるのかと存じます。例えば、アメリカというお話ございましたが、アメリカの方では、国の対応はワシントンで行い、ビジネスの対応はニューヨークが中心ということもございますが、いろいろな国が、パターンがあるかと思いますが、できるだけ連携を深めるようにこれから検討させていただきたいと思います。
#70
○会長(藤原正司君) 水落さん。
#71
○水落敏栄君 自由民主党の水落です。藤末先生が大変高尚な今お話をしまして、私はごく簡単に申し上げたいと思っているんですが。
 バンコクはちょくちょく洪水があるんですけれども、こんな大洪水は初めてで、大変な被害が出ていますが、水没したホンダの車がようやく見えてきたというふうなことで、大変な被害なんですが、そうした中で、資料によりますと、水田が一四%近くも被害が受けていると、タイの水田の全体の一四%。したがって、その輸出価格も、米の輸出価格は一トン当たり資料によりますと六百二十五ドルにアップだと。
 そうなりますと、島尻先生いらっしゃいますけれども、タイの米で造っているのがあの沖縄の泡盛なんですね。そうしますと、泡盛が高騰するんじゃないかなと思うんですね。これは価格が上がるんですよね。そういう対応をどうするのか。これは財務省いないんで答えられないかも分かりませんが、例えば特別措置を講じていますね、五年間酒税を国内よりも下げているわけですね、沖縄は。それが来年で切れるんですよ。これを例えば来年からも引き続き下げるとか、そういうことをしないと大変高騰してしまって庶民の皆さんが苦しんでしまうということがあります。
 また、私、居酒屋さんが好きでよく行くんですが、焼き鳥なんか、日本の今居酒屋さんの焼き鳥はほとんどタイの鶏なんですよね。それから、子供さんの好きな、大人も好きな人もいますけど、エビなんかもほとんどタイから輸入しているわけですね。これが値上がりするんじゃないかなと思いますが、こうした見通しと、今後の対応をどうしていかれるのか、経済産業省にお聞きしたいなと思います。
#72
○政府参考人(五嶋賢二君) お答えいたします。
 お酒それから食料品そのものにつきましては直接の担当でございませんので正式な答えということにはならないかもしれませんけれども、いろいろな影響、これから製造業、サービス業以外にもあり得るというのは私たちも認識しております。注視していきたいと思っております。
#73
○水落敏栄君 ちょっと、ただそれだけ。
 どういう対応をするのかはまだ全然考えていないんですか、その値上がり、物価の高騰、そうした食料品の高騰等については。
#74
○会長(藤原正司君) ありますか、経済産業省。
#75
○政府参考人(五嶋賢二君) 状況をよく見て対応を考えたいと思っております。
#76
○会長(藤原正司君) ほかにございますか。
 それじゃ、島尻さん。
#77
○島尻安伊子君 済みません、一問だけ。簡単に一問だけお聞きをしたいと思っております。
 我々、この調査会で、水というテーマでいろいろ調査をさせていただいておりまして、これまでも水に関する日本の技術というのをいろいろと見させていただいていたわけなんですけれども、今回このタイの洪水があって、これはJICAさんにお聞きした方がいいのかと思うんですけれども、いろいろと支援、検討中の支援、それからもう既にやっていますという支援、いろいろ書いてあるわけでありますけれども、タイの政府もいろいろなマスタープランの見直し、あるいは長期的対策を打ち出しをしているわけでありまして、今後、日本の政府とタイの政府といろいろとこれからも協力関係の中でやっていくんだろうというふうに思うんですけれども。
 せっかくなので、日本のこの水の技術、いろいろと汚水をきれいにしていくだとかいろんな技術を我々見させていただいたわけなんですけれども、そういう技術をどんなふうに生かしていけるのかというところでお答えいただけますでしょうか。
#78
○参考人(新井泉君) 先ほど冒頭申し上げましたときにも、向こうの復興開発委員会の委員長、今朝方、緒方理事長と面談されまして、長期的な戦略を立てていくと。その中で、やはり日本の、これは水の質の改善という技術だけではなくて治水の技術なんかもそうですけれども、特にマスタープランを見直していく過程でいろいろと日本の協力をしてほしいという話がございました。
 それで、やはりこれまで先方が期待しておりましたのは、どちらかというとバンコクの中の水を出すというところで、例えば日本のポンプのメーカーさんなんかもいろいろ頑張っていらっしゃったというのがあるわけですが、今回はもっと大規模になってしまって、上流の方でいろいろあるということなので、恐らくこれから期待される技術というのは、ちょっとその水の質の技術というよりは、上流から下流まで全体の科学技術的なシミュレーションみたいなものとか、そういったものが恐らく期待されるんだろうと思います。
 それで、調査室の方から配付された資料の中にも東大の生産技術研究所のペーパーがありましたけれども、まさにこの、今、東大の生産技術研究所のペーパーは、ペーパーというかその研究所は、JICAの方の、これはJSTとの連携のスキームですけれども、そこで、元々の水、特に気候変動等の関係でどういった影響が出てくるのかというところをシミュレーションするようなことをやっておりますけれども、それを更にどういう対応を取るのかというようなことで、日本の科学技術的なところ、そこは非常に期待されてくるというふうに考えております。
#79
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 ちょっと私の方から二点質問したいんですが、一つは経済産業省。
 今、タイの洪水に関して、いろんな支援をするとかしないとかというのはあるんですが、この国際化の中で、特に日本のように現在空洞化が進んでいる中で、こういうものが起きることに関して、海外に子会社だとか工場立地した場合はそのリスクもお金に換算して、コストに換算して用意すべきというのが私の基本的な考え方。だからそれを、コストを下げようと思えば誘致する国が用意する、コストを下げようと思えば。それが基本であって、正しい、そのお手伝いはどうするかというようなことは別の問題としてあるんですが、こういう考え方はどうなんでしょうというのが一つ。
 それから二つ目。
 今回のチャオプラヤ川というのは動水勾配が非常に小さいと。数十キロで一メーターぐらいしかないと。私の住んでいる兵庫県の北部、豊岡市という町がある円山川という川も動水勾配が少ない。だから、雨が降ると洪水ということで断面積をカバーするしかないというところなんです。
 そこで、今、国際化の中で工場、いろんな形で海外展開している地点が、こういうタイ以外に似たようなところがあるのか、同じようなリスクを持ったところがあるのかどうか。それからもう一つは、チャオプラヤ川はそうなんですが、隣の大きな国際河川であるメコン川はどうなんでしょうと。だから、動水勾配が非常に低い川の上流で雨が降ると洪水起こしているわけですけれども、そういう懸念があるのが、この我々のサプライチェーンという面で考えた場合に、近くにそんな国々あるの。
 二点、経済産業省と国土交通省。
#80
○政府参考人(五嶋賢二君) 一点目についてお答えいたします。
 海外進出に当たりましてコストをどう下げるか、又はどこの国に進出をすると安いコストで、もちろんリスクを踏まえた上でということかと思いますけれども、コストを下げて進出が可能かというところについては、一義的にはいろいろな情報を集めて企業の判断ということだと思いますが、先ほど冒頭でも御説明申し上げましたように、タイにつきましては、そのコストを下げるために、いろいろな税制その他、また優遇措置等々ございます。そういう制度をつくっている国もほかにもあります。そういうのが今世界での現状ではないかと思います。
 あわせて……
#81
○会長(藤原正司君) いや、私が申し上げているのは、リスクのコスト化をして、それを承知で海外展開している人におしりを押す必要がありますかと、基本的に。
#82
○政府参考人(五嶋賢二君) 海外進出をするのは、そこはそれぞれの判断ということだと思います。日本政府がそこは、やれるのは、海外進出ができる企業に対しまして、進出した先で難しい状況にならないように政府の間でもいろいろ協議をするとか、あとはFTA、EPAの議論を通じましていろいろな支援をしていく素地を整えるということかと思います。
#83
○政府参考人(日原洋文君) チャオプラヤ川と同じような流況の河川がほかにもあるかという御質問でございますけれども、基本的に東南アジアの河川は、多くは非常に広い流域面積と緩い勾配を持っておって雨が流れにくい構造を持っている。そういう意味では、カンボジアにしろベトナムにしろ、あるいはパキスタン、バングラデシュ、いずれも同じような状況にあります。ただ、それは一般論でございますので、個別の地形でもって、ここは地形的に高いから大丈夫とか、そういう部分はあろうかと思いますけれども、一般論では同じような状況であるということでございます。
#84
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 山田さん。
#85
○山田俊男君 いや、恐縮です。
 皆さんに質問というわけではないんですが、会長にお願いしてみたらどうかなと思っただけで。
 政治が介入する話じゃないかもしれませんけれども、タイの皇室と日本の皇室というのは特別な関係にもずっとありますので、果たしてここまでの間に日本の皇室からタイの皇室をお見舞いされたかどうか。もしもされていないようであれば、いい機会見て、訪ねていただいたらいいですね。天皇陛下でなくても、皇室でいいですからね。是非、会長、頭へ入れておいていただいて、いい機会あれば……(発言する者あり)なるほどね。
#86
○会長(藤原正司君) メッセージをね。
 では、紙さん。
#87
○紙智子君 時間がまだありそうなので。
 これを読んでいて疑問に思ってちょっとお聞きしたいんですけれども、六十七ページにあります日経新聞の記事なんですけれども、タイは頻繁に洪水災害に見舞われていて、治水対策の必要性が長年にわたって指摘されていたと。一九九〇年には日本のJICAがチャオプラヤ川の流域で治水調査をやって、ダムの管理強化や堤防のかさ上げや放水路や排水ポンプの整備などを含む包括的な計画を策定してタイ政府に提案した、ただ、計画の大半は実行されなかったとなっているんですけれども、これはどうしてだったんですか。JICAさんに。
#88
○参考人(新井泉君) まず、これ、九〇年というよりも九九年なんですね。一九九九年に、この配付いたしました資料に付いている十二ページのマスタープランというのを提案しております。
 それで、御存じのとおり、九七年というのがアジア通貨危機があって、そこからの回復の途上にあったという時期であったり、あるいはまた政治的な問題があったりというようなこともありまして、やはり時間が掛かってしまったということだろうと思っております。
 ただ、この中で指摘されている具体的なもので、例えばバンコクの中での排水をするとか、あるいは、そうですね、いろいろな遊水地のところの整備をしていくとかという、そういったことは部分的には実施をされておるんですけれども、この中の目玉というのが、アユタヤから、この地図で見ますと赤い線でダイバージョンと書いてございます。これ、言ってみれば、水路を引いて、とてもチャオプラヤ川だけでは水がはき切れないときにそれを転流させるという構想なんですけれども、これはタイの中では随分検討されたんですけれども、その後まだ実現に至っていないということで、こういったことも含めて今度見直しをしたいというのが先方の考えているところでございます。
#89
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 ほかに質問ございませんか。よろしいですか。
 それでは、ちょっと早いかもしれませんが、予定の時刻よりちょっと早いですが、政府及び参考人に対する質疑はこの程度にさせていただきたいと思います。
 今日はどうもありがとうございました。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後二時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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