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2011/12/06 第179回国会 参議院 参議院会議録情報 第179回国会 国土交通委員会 第4号
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2011/12/06 第179回国会 参議院

参議院会議録情報 第179回国会 国土交通委員会 第4号

#1
第179回国会 国土交通委員会 第4号
平成二十三年十二月六日(火曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     白  眞勲君    はた ともこ君
     前田 武志君     田城  郁君
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     植松恵美子君     舟山 康江君
     長沢 広明君     石川 博崇君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡田 直樹君
    理 事
                池口 修次君
                友近 聡朗君
                佐藤 信秋君
                吉田 博美君
                谷合 正明君
    委 員
                植松恵美子君
                大河原雅子君
                田城  郁君
               はた ともこ君
                平山 幸司君
                藤本 祐司君
                藤原 良信君
                舟山 康江君
                室井 邦彦君
                米長 晴信君
                岩井 茂樹君
                大江 康弘君
                小泉 昭男君
                伊達 忠一君
                中原 八一君
                渡辺 猛之君
                石川 博崇君
                上野ひろし君
                藤井 孝男君
                吉田 忠智君
   国務大臣
       国土交通大臣   前田 武志君
   副大臣
       国土交通副大臣  奥田  建君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       津島 恭一君
       国土交通大臣政
       務官       室井 邦彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       消防庁審議官   高倉 信行君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    山崎 史郎君
       国土交通省総合
       政策局長     中島 正弘君
       国土交通省都市
       局長       加藤 利男君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        関  克己君
       国土交通省港湾
       局長       山縣 宣彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○津波防災地域づくりに関する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
○津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う
 関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(岡田直樹君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、白眞勲君、前田武志君及び長沢広明君が委員を辞任され、その補欠としてはたともこ君、田城郁君及び石川博崇君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岡田直樹君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 津波防災地域づくりに関する法律案及び津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に消防庁審議官高倉信行君、厚生労働省社会・援護局長山崎史郎君、国土交通省総合政策局長中島正弘君、国土交通省都市局長加藤利男君、国土交通省水管理・国土保全局長関克己君及び国土交通省港湾局長山縣宣彦君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岡田直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岡田直樹君) 津波防災地域づくりに関する法律案及び津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○渡辺猛之君 自由民主党・無所属の会の渡辺猛之でございます。
 本日は、津波防災地域づくりに関する法律案及びその関係法律の整備等に関する法律案ほかについて、数点質問をさせていただきたいと思っております。
 私の持ち時間二十分でありますので早速質問に入らせていただきますが、いわゆる津波防災地域づくり法案、本法案では、国が基本指針を定める、そして都道府県が津波浸水想定を設定をして、市町村が推進計画を作成となっております。四方を海に囲まれた我が国では、いつどこで大地震やあるいは津波が起きても不思議ではありません。私は、本法案を最初に読ませていただいて率直な疑問を感じました。例えば、本法案の成立によって全国で津波の被害を最小限に食い止めようとする努力がなされた後、今回の東日本大震災で何度も使われた言葉でありますけれども、いわゆる想定外の津波が発生をして、もしそれで被害が出てしまった、そう仮定をいたしましたら、果たして責任は国、都道府県、市町村のどこにあるのかという率直な疑問を抱いたわけであります。
 そうならないためにも、本法案における国、都道府県、市町村、それぞれの役割、責任の分担を整理しつつ、例えば浸水想定の策定やあるいは推進計画の作成に国はどう関与していくのか、まずお聞かせいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(前田武志君) 渡辺委員御指摘のとおりでございまして、とにかくあの東日本大震災というものの反省、あるいはそこからどういう教訓を学び取らなければならないかということから始まっております。
 結論的に申し上げれば、社会資本整備審議会において、災害に上限なしということと、そして命が、人命が第一だという、この二つの方向性を基に、これからの防災あるいは社会資本整備というものを考えていかなければならないということであります。
 委員御指摘のように、国と都道府県あるいは市町村それぞれが一体となって、想定外とかいうことではなしに、最大級の最悪の津波が来た場合でも、この三者がそれぞれの役割をしっかり受け持った上で一体となって減災を図る。そこにはハードと、そしてハードだけに頼るのではなしにソフトという観点を入れてやっていく。
 その場合に、今までどちらかというと、こういった防災施設、あるいは河川の堤防なんかも、あるいはダムなんかもそうなんですが、これで大丈夫だよと、余り不安を流域あるいはその沿岸の方々に与えるようなことはなきように万全のものをやるんだという考えが強過ぎて、いざというときに実はソフトというかその警戒心が薄れてしまっていたというようなことがあります。そういう反省も含めて今回のこういう法案を提出させていただいていると、こういうことであります。
#8
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 本法案でも記されておりますように、防災対策の実施に当たりましては、基本的には地方自治体、基礎自治体の責任で行うのが筋だと思っておりますけれども、今回の法案でいわゆる準備段階で自治体との協議はどのようにされたのか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
#9
○政府参考人(中島正弘君) 法案の作成に当たりまして自治体の意見をどのようにというお尋ねでございます。
 作成過程はまさにその復興の過程でございまして、そのプロセスを通じまして、被災地の自治体から様々な要望とかお考えを聴取する機会を得ました。また、その他の団体からも、地震、津波の被害が想定される自治体から様々な要望をいただきました。法案の作成過程ではそれらの御要望を踏まえて検討を進めたところでございます。また、地方六団体がございますので、法案の内容につきましてはあらかじめ六団体に事前に照会いたしまして、意見のやり取りなどをして法案の成案を得たということでございます。
#10
○渡辺猛之君 先ほどの前田大臣の御答弁にもありましたが、国、都道府県それから市町村という基礎自治体がそれぞれの役割を分担をして責任を果たしていこうということでございました。
 ところが、今地方の財政状況というのは非常に厳しゅうございまして、それはもう皆さん方御存じのとおりだと思っておりますが、私も地方議会に十五年在籍をさせていただきましたので地方の実情というのを分かっておりますけれども、今は確かに東日本大震災や、あるいは今年も台風に伴う豪雨災害等々あったものですから、防災という観点に対して非常に住民の方の意識って高いと思うんですね。ところが、これがどんどんどんどん時間がたってしまいますと、災害は忘れたころにやってくるという言葉に象徴されるように、どうしても住民としては目先の、例えばここの道路を直してほしいとか、ここの側溝を直してほしいとか、渋滞解消してほしいとか、そちらの方に流れてしまいがちであります。
 そのようなところで、防災対策というのは長期的な視点から取り組んでいかなければならないと思っておりますが、防災インフラの整備について国としてその長期的な視点を持って予算面も含めてどのようにサポートをしておられるのか。もう国としては、やっぱりこれ必要なこと、将来長い期間にわたって必要なことだという視点を持ってどうサポートされるのか、お尋ねをしたいと思います。
#11
○政府参考人(中島正弘君) 今御質問ありましたように、防災のためには遠い将来に備えて粘り強い努力、不断の努力が欠かすことができないと思っております。そのために、まず予算面としましては、三次補正はもちろんでございますけれども、それ以降、各年度の予算において、当面被災地では復興交付金がございますけど、それ以外の地域につきましては、社会資本整備総合交付金などの活用を通じまして、施設の整備あるいはソフトの事業について私どもとしてもその都度都度、自治体の御要望も聞きながら粘り強い支援を続けてまいりたいと、このように思っております。
#12
○渡辺猛之君 今御答弁をいただきました。その一方で、公共事業費というのがどんどんどんどん削られていっております。そういう意味では、防災対策の観点から必要な公共事業費というのはしっかりと確保していく努力もお願いをしたいと思っております。
 続きまして、一言で津波災害と言いましても、今回の東日本大震災に伴うあの大津波のように家やビルを丸ごとのみ込んでしまうような大変大きな津波と、その一方で、床下浸水ぐらいの程度でとどまる津波とでは、その被害の大きさというのは結果的に格段の違いが出てまいります。財政面も考慮いたしますと、ある程度までの浸水は許容すべきじゃないかというような意見もあるように聞いておりますけれども、津波の浸水深の違いに応じた防災対策について、本法案でどのような見解に立ち、どのような対策を考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#13
○政府参考人(関克己君) 津波の浸水深、津波の規模に応じた対策ということでございます。
 まず、大きな枠組みで御説明させていただきますと、これは内閣府の中央防災会議で九月に出された、専門調査会でございますが、出されたところでございまして、まず津波、地震の規模を、いわゆる千年に一度、あるいは五百年に一度と言われる、巨大、最大クラスの津波、それからもう一つのレベルを、数十年から百数十年に一度起こる、これは東北でありますと明治三陸あるいは昭和三陸といった規模でございますが、この二つのレベルを想定し、まず海岸堤防等によりまして、数十年から百数十年のものについては海岸堤防等で安全を確保していこうと。その上で、それを超える最大クラスの津波につきましては、ソフトとハード、こういったものを動員し、とにかく人命第一という観点から多重防御という考え方で取り組んでいくということでございます。
 さらに、その上で、この本法案では、こういった最大クラスの津波を基に浸水想定というものを行いまして、その上で、地域の避難の計画、あるいは土地利用に関して災害警戒区域を、設定を通じた避難計画あるいは避難の体制と、それから地域によっては特別警戒区域といったようなことを設け、ソフトとハードを組み合わせながら対応していくと、そういった考え方で進めようとしているところでございます。
#14
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 今回の法案の中身にもその趣旨が入っていると思いますが、津波だけではありません。多分、防災対策の基本というのは、まずはやっぱり命を守るということに尽きるんだというふうに思っております。そういう意味ではしっかりと、予算には限りがありますので限界はあるかもしれませんけれども、まずは命を守るという視点で今後とも取り組んでいただきたいと思っております。
 少し細かい質問をさせていただきますけれども、今回の東日本大震災でも見られましたように、津波ということに関しますと、河川を遡上してきた津波の対策、基本的に、陸地と違いまして波を遮るものがないものですから、どんどんどんどん遡上をしてそれがあふれてくるというような被害が今回の東日本大震災の津波でも見受けられました。河川を遡上した津波への対策についてどのようにお考えなのか、説明してください。
#15
○政府参考人(関克己君) 御指摘のように、三月十一日に発生いたしました東日本大震災では、海岸のみならず河川を遡上した津波が堤防を越えて沿川の地域に被害をもたらしたということがございます。またさらに、地震発生から津波到達までの時間が短かったということから、水門操作を行うことができなかったと、こういった例がございます。そういう意味で、河川における津波対策も極めて重要であると認識しているところでございます。
 このため、河川堤防をこういった津波も踏まえた形でのかさ上げを行う。あるいは、水門の自動化あるいは遠隔操作、耐震性と、こういったものも実施するとともに、操作規則の見直し等を検討し進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 また、こういった水門の自動化、遠隔化等につきましては、日本海溝、千島海溝から東海、東南海、南海という、北海道から九州に至る太平洋岸につきましては、今回の三次補正によりまして、全国で約百二十六の施設についてこういった必要な自動化、遠隔化等についても進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#16
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 今御答弁をいただきました水門の遠隔化、自動化のお話でございますけれども、今回の三次補正によって、全国で百二十六施設という今御答弁をいただきました。今回の津波防災地域づくり法案、基本的に、先ほども申し上げたように、四方を海に囲まれている我が国でございますので、その津波の危険性というのは沿岸部は基本的にどこも持っているということであります。
 そこで、今御答弁のありました水門の遠隔化、自動化につきまして、全国的に見た達成目標割合やあるいは目標年限、工程などは今考えておられるんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
#17
○政府参考人(関克己君) 現在、進めているところでございますけれども、できるだけ早くということで進めておるところでございます。
 また、国が管理するもの、それから都道府県が管理されるものもございまして、都道府県が管理するものにつきましては、現在、把握を始めたところでございまして、今回の補正予算の整備計画書、こういったプロセスを通じながら都道府県が管理するものについても把握をし、計画的に進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#18
○渡辺猛之君 先ほども申し上げましたように、今意識の高いときですので、多分人々の気持ちというのはそちらに大変意識が行っているところなんですけれども、やっぱり時間とともにだんだんだんだん薄れていってしまう、これはもうしようがないことだと思っています。しかし、そこを忘れないようにやっぱりしっかりとした目標年限あるいは工程などを作って対応をしていただきたいと思っております。
 今の御答弁の中で少し出てまいりました都道府県管理の河川の水防施設について少しお尋ねをしたいと思っております。
 基本的に、今、都道府県も非常に財政状況厳しい中で、本法案の成立によって津波への対策を取っていかなければならない場面が想定をされますけれども、都道府県管理の河川の水防施設について国はどのように把握をしておられるのかという点を一点聞きたいですし、もう一つは、今後、状況調査とか整備などを、都道府県管理河川と直轄河川との連携、ここをどうやって取っていかれるのか、この点についてお尋ねをしたいと思います。
#19
○政府参考人(関克己君) 都道府県管理につきましては、先ほども申し上げましたが、まだ全体を把握するというところには至ってございませんが、できるだけ把握をした上で計画的に進めてまいりたいというふうに思っております。
 さらに、地域で見ますと、海岸あるいは都道府県管理の河川、国が管理する河川、一体的に検討し、進めていく必要がございます。そういう意味では、現地で、それぞれの地域で国あるいは都道府県との事業調整あるいは計画調整、こういった場を設けてございますので、そういった場におきまして一体的に進めるような、そういった仕組みも更に強化してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#20
○渡辺猛之君 ありがとうございました。しっかり取り組んでいただきたいと思っております。
 さて次に、今年は三月十一日の東日本大震災という未曽有の大災害に続いて、夏から秋にかけては台風十二号それから台風十五号のゲリラ豪雨の災害が起きました。実は、私の地元の八百津町は昨年も豪雨災害によって尊い人命を失っております。その昨年の災害につきましては、国土交通省さんの方で激甚災害の指定要件の緩和をいただきまして、地元としては大変喜んでおります。改めてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 昨年の豪雨災害を経験をした後に、土地の古老の人たちも、こんな雨は今まで経験をしたことないと。そして、多くの人たちに言われたのが、百年に一度の雨だということを言われました。百年に一度の雨だったはずなんですけれども、実は八百津町を中心とする私どもの地域というのは今年もゲリラ豪雨の災害にやられたわけであります。百年に一度と言われる豪雨が二年連続でやってまいりました。これを見ても分かるように、最近のゲリラ豪雨というのは、もう全国どの地域でいつ起きてもおかしくない。今回も近畿地方や中部地方で大きな被害が出ておりました。
 そこで、近年頻発をしておりますゲリラ豪雨の対策について、具体的にどのようにこの対策を考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#21
○政府参考人(関克己君) 御指摘のように、ゲリラ豪雨は、近年、非常にいろんな、多くの地域で頻発してございます。例えば、時間雨量百ミリといったもう極めて激しい豪雨というものも頻発しているところでございます。こういった百ミリを超えるような雨は、現在、中小河川で目標としております時間雨量五十ミリ、こういったものを相当大きく上回っているということでございます。
 こういった状況を踏まえまして、国民の皆様が安心していただくという観点から、これまで進めておりました河川や下水道等の公共施設の整備を引き続き推進していくということと併せまして、ソフト対策を地方公共団体あるいは住民の方々と役割分担しながら進めていくことが大事だというふうに思ってございます。
 具体的に申し上げますと、流域全体での公共施設の整備ということと併せまして、地域において分散型で水をためていく雨水貯留浸透施設、こういうふうに呼んでございますが、そういったものも進めていくと同時に、精度の高いレーダー雨量計、こういったものを導入してございまして、広域的にどこでいつどのぐらいの雨が降っているのかということをより正確に、そして迅速に把握し、地域の皆様あるいは水防にかかわる皆様方等に提供をし、避難等の対応に役立てていただくと、こういったことも強化して進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#22
○渡辺猛之君 ありがとうございました。
 今、時間雨量百ミリというお話がございましたけれども、恐らくこの時間雨量百ミリというのは今まで想定をしていなかったぐらいの雨だというふうに思います。このゲリラ豪雨を経験をされた方は誰もがおっしゃいますけれども、本当に雨が降るだけ、それを怖いと思うという、そのようなことをよくおっしゃられますけれども、そういう意味では、やっぱりこの想定を超えたゲリラ豪雨対策、これから全国各地でしっかりと進めていただきたいと思っております。
 特にゲリラ豪雨につきましては、今年、昨年の豪雨のときもそうでありましたけれども、一つの市町村の中でも、本当に時間雨量百ミリを超えるような雨が降っている地域と、あるいは少し離れるとそれほど強い雨じゃないという、まさにスポット的に大変な量の水が空から落ちてくるという状況でございますので、そういう特徴を踏まえてしっかりと対応をいただきたいとお願いを申し上げたいと思います。
 最後に一点質問をさせていただきますけれども、このゲリラ豪雨対策というのは、基本的に川上から川下まで眺めて、河川の流量等々を検討していただきながら、流域全体としてとらえる必要があると思っております。広域的視点を欠かすことはできません。
 そこで、この広域的視点、川上から川下までということで、地方整備局の果たす役割、これはもうゲリラ豪雨への対策についても私は非常に大きいというふうに考えております。改めて、出先機関改革についての見解、方針を前田大臣にお尋ねしたいと思います。
#23
○国務大臣(前田武志君) 委員御指摘のように、例えば木曽川、長良川、あるいは利根川、淀川といったその地域のブロック全体にかかわる河川の統合的な管理であるだとか、あるいは基幹を成す国道一号線であったり、そういった広域の道路等、こういったことを地方整備局が担当しておるわけでございまして、この地方整備局が持っている現場力、そして統合力、特に東北地方のあの大震災において、あるいは十二号台風においては、全国の地方整備局の技術陣が結集されてテックフォースなんかが編成されて直ちに対応をしてくれたおかげで何とか安全が保てたかなというところが、あるいは東北の場合にはその後の交通が確保できたというようなところがあります。というわけで、この整備局の広域的な総合力、そして現場力、統合力というものを大事に、あるいはむしろ強化していく必要があると思っております。
 その上で、既に閣議決定をされている出先機関の改革、要するに地方主権推進の肝になるこの改革のテーマであると思いますが、これはアクション・プランに沿って今検討を政府が進めているわけでありまして、この改革を前に進めるための議論には積極的にかかわってまいりたい、このように思っております。
#24
○渡辺猛之君 終わります。
#25
○中原八一君 自由民主党の中原八一でございます。
 この度の法案は、東日本大震災からの復旧復興に役立つことはもちろんでありますけれども、今後想定されます東海・東南海・南海地震等の大規模地震に伴う津波への備えとしても大変重要であり、ハード、ソフトの対策が早期に進むように期待をいたしております。
 当面は、地域的にはこうした太平洋側の対策というものが最優先であると思いますが、これを全国に津波に強い地域をつくっていくということだというふうに思っております。
 私の出身は新潟県でありますので、日本海側では、一八三三年に庄内地震、そして一九六四年に新潟地震で津波が観測されましたけれども、かなり前のことであり、だんだんと記憶に残っている方が少なくなってきております。今回の被災地や東海地域などの太平洋側に比べ、どうしても日本海側の地域は津波に対する危機意識という点においては薄いと言わざるを得ません。こうしたことは、日本海側だけではなくて他の地域においてもあることだろうと思います。当然、地域によって意識の差があって当然だと思いますけれども、だからといって津波に対する防災対策をおろそかにしてはならないということは改めて言うまでもありません。
 このように、津波に対する危機意識が低い地域においても想定以上の災害が繰り返す近年でありますので、津波防災地域づくりを進めていかなければならないと思いますが、この法律の趣旨であります津波防災地域づくりを全国に広げてどのように進めていくのか、まずお考えをお伺いしたいと思います。
#26
○国務大臣(前田武志君) 先生御指摘のとおりでございますが、昭和三十九年だったですかね、新潟地震で大きな津波があって、それまで余り、津波の経験から遠ざかっていたために犠牲者を出したということがございました。そんなことからすると、御指摘のとおり、東海だとか東南海と違って余り危険性が身近に感じられないというところがあるかも分かりません。
 しかし、今回の法案が成立したら、これはもう全国にやはりこの東北大震災の悲劇を踏まえてその教訓を生かしていくということをやっていかなければなりません。したがって、全国の地方公共団体に対して、本法律の趣旨など、津波防災地域づくりの重要性について周知徹底を図ってまいります。そして、もちろんこれは都道府県において浸水想定の設定を行っていただきますし、地域の自治体や住民に津波のリスクを正確に認識していただくことにより危機意識を一層高めていくということが必要であります。
 行政といいますか我々のサイドにも、先ほどの渡辺議員のときにもちょっと申し上げましたが、反省が必要です。要するに、ちゃんと安心な堤防を造るぞだとか、ちょっと任せておけというような、そういう、何といいますか、余り危機意識をあおるのはいかがかというような感じが今まであったのではないかと思います。
 このような国土の中で自然と折り合いを付けて生きていくんだということをやっぱりもう我々三・一一の反省で受け止めているわけでございますから、そういった意味で先生御指摘のような周知徹底を図っていきたいと、このように思います。
#27
○中原八一君 大臣おっしゃいましたように、危機意識を余りあおり過ぎて住民の人たちを不安にしてはならないと思いますけれども、今回の法律の策定によりまして危機意識というものを全国の沿岸部の住民の皆さんが共有をして、全国各地に防災地域づくりに取り組んでいただきたいと思います。
 次に、先ほども渡辺委員からお話がありましたけれども、東日本大震災においても、また今年発生した水害や台風においても、想定を超えた、あるいは想定外という言葉が何回も使われました。ほとんどの災害が過去に例を見ない大規模なものであったことは事実であります。しかし、一方、想定外ということを言い訳にして、あるいは想定外という言葉を免罪符にしているようなことも私は多いように感じています。
 今、国民の間では想定外を許してくれないような状況になっているのではないかと思います。これからの災害対応には、想定外を軽視するわけにはいかず、想定外というものもやはり考慮する必要があるのではないかと私は思いますが、この度の法律案の中には想定外ということがどのように反映されているのか、伺いたいと思います。
#28
○国務大臣(前田武志君) 津波防波堤であるだとか、こういった施設を造るときには、やはりそれこそ外力というものを想定しなければ施設というものはできないわけですから、そういう意味においての想定というものは計画上、前提となるわけです。しかし、それを超えて今回のようなことがあり得るということを教訓として学び、何としても命を守るということを前提にすれば、例えば警戒避難体制の整備を始めとするソフトの施設を適切に組み合わせた、いわゆる多重防御という考え方を導入しているわけであります。そういった措置を盛り込んだ法案にしているというのが一つの特徴ではないかと、こう思います。
#29
○中原八一君 昨年の六月に、自民党、公明党が、チリの大地震を受けまして津波対策の推進にかかわる法律案を提出しましたが、残念ながら一度も審議されることなく継続審議になり、今年に入りまして、大変不幸なことでありますけれども、三月十一日、東日本大震災が発生し、地震と巨大津波で甚大な被害を受けてしまいました。もしその法律が成立していれば、多くの人命を救って津波被害も軽減できたのではないかと多くの先輩の議員の皆さんが指摘されるのはまさにそのとおりで、私も同感であります。
 その意味におきまして、この度の津波防災地域づくりに関する法律案による国の基本方針、それから都道府県の津波浸水想定、市町村の推進計画を早急に策定することが大事だと思いますけれども、お考えを伺います。
#30
○国務大臣(前田武志君) 委員御指摘のとおりだと思います。
 この法案が成立して公布されるというのが、近々のうちにそういうふうに是非国会の方でお運びいただくことを期待しているわけですが、それを受けて政省令の制定、法律の施行ということになってまいりますが、これは二か月以内にこれをやると。そして、それを受けて国土交通大臣による基本指針の策定。基本指針の策定ということになると、パブリックコメントであるだとか、関係省庁との協議であるとか、社会資本整備審議会への意見聴取という各手続があります。
 しかし、こういったことに余り時間を要するわけにはいかない、まさしく明日にも起こるかも分からないということでございますから、こういった手続を並行してやらせていただいて、とにかくこの政省令の制定、法律の施行時にはなるべくそれに間に合うぐらいのつもりで、それからやらなければいけない手続を前倒しでやらせていただこうと。そして、これを基にして都道府県による津波浸水想定を設定していただき、市町村の様々な計画、制度設計といったようなこともスピーディーにやっていただくように努めてまいりたい、このように思っております。
#31
○中原八一君 次に、今ほどお話がありました津波浸水想定について伺いたいと思います。
 都道府県知事が基本指針に基づき津波浸水想定を設定し、公表すると定められておりますけれども、今回の法案が通った際には、津波浸水想定は、平成十六年に策定された津波・高潮ハザードマップマニュアルに基づいた津波浸水想定の見直し等が活用できるというふうに聞いております。その意味では、早期に再検討がなされれば早くできるのではないかと思いますけれども、その際にも、都道府県任せではなくて、基礎調査や情報提供などは国としてもバックアップが必要ではないかと思いますが、国としてのバックアップ体制についてお伺いしたいと思います。
#32
○政府参考人(関克己君) 御指摘のように、平成十六年に津波・高潮ハザードマップマニュアルというものが作成されまして、今後についてもこういったハザードマップマニュアルが踏襲され生かされていくというふうに考えているところでございます。
 さらに、津波浸水想定、そしてさらにハザードマップ等の速やかな策定、公表といったものが重要だというふうに考えております。特に、ハザードマップの基ともなります御指摘の浸水想定につきましては航空レーザーによる測量等、地形データあるいはこういった広域的な基礎調査、こういったものは国が実施することで都道府県を支援をしてまいりたいというふうに思っております。
 また、さらには、都道府県知事が実際に設定しようとする場合には、大体どういったクラスの津波を対象とするのかというようなことも含め、あるいは必要なこれ以外の情報提供あるいは技術的助言といったものも含めて支援をさせていただき、速やかな浸水想定の設定が図られるよう努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#33
○中原八一君 津波浸水想定というのは、最大クラスの津波に基づいて波源域を設定し、さらに詳細な地形データに基づく津波のシミュレーションによって行われるそうでございますが、それだけでなく、いろいろな過去の歴史、例えば仙台市若林区荒浜地区にある波分神社は、貞観地震の際に押し寄せてきた津波を白馬にまたがった海の神が波を鎮めた地と言われているそうでございます。思い掛けないところまで津波が襲ったことが判明しておりまして、こうした過去の歴史に学ぶということも大事なことだと思います。
 こうした可能な限り過去の被害状況を調査し、そこに現代の最新技術であるシミュレーションを組み合わせまして、より精度の高い津波浸水想定を作っていくことが肝要だと思います。津波想定の深さは、単にシミュレーションだけではなくて、そのような既往の津波堆積物跡の調査などをしながら随時見直しするような計画にするべきだと考えますが、いかがでしょうか。
#34
○政府参考人(関克己君) 御指摘のように、津波浸水想定を行う上で様々な調査あるいは研究といったものが極めて重要であるというふうに考えております。
 具体的には、今御指摘のございました痕跡の調査、あるいは歴史の記録、文献、こういったものも可能な限り収集し、踏まえていくことが重要と考えています。
 またさらに、現在も大学や研究機関等、各種機関によって調査や研究が行われているところでありまして、こういったものもできるだけ取り入れ、最新の調査研究の成果を踏まえた上でこういった想定を設定していくということに心掛けていく必要があるというふうに考えているところでございます。
#35
○中原八一君 次に、津波災害特別警戒区域についてお伺いしたいと思いますが、津波災害特別警戒区域は、知事が開発行為及び建築を制限すべき土地の区域を指定することになっていますが、地元の意向を酌みつつ津波災害特別警戒区域に指定するためにはどのように進めていくお考えか、伺いたいと思います。
#36
○政府参考人(関克己君) 津波災害の特別警戒区域につきましては、人的被害を防止するという観点から、警戒避難体制を整備する津波災害警戒区域のうち、その内数として、津波から逃げることが困難である特に防災上の配慮を要する皆さん方が利用する一定の社会福祉施設あるいは学校、医療施設等の建築等を制限するという考え方で、都道府県知事がまさに地域の選択として指定するというふうに考えてございます。
 またさらには、地域の選択によりまして、この中でも、市町村の条例によりまして、津波が発生したときに利用者が円滑かつ迅速な避難をすることが難しい、困難だというものに対して、条例で例えば住宅等を対象に追加することもできると、そういった仕組みとしているところでございます。
 津波のこの特別警戒区域の指定に当たりましては、都道府県知事が地域の安全度あるいは危険度、こういったものを理解いただけるよう、あらかじめ指定の案の縦覧、あるいは住民の皆様への、利害関係者の方からの意見の提出、あるいは自治体、市町村からの意見の聴取、こういったものを踏まえて進めるということとしてございます。またさらには、ハザードマップあるいは市町村の地域防災計画について住民の皆様にも参加をしていただきながら作成するといったことで、こういった津波災害への理解も深めていただいた上で進めていくということが重要だというふうに考えているところでございます。
#37
○中原八一君 特別警戒区域に指定されることは、対外的には危険な地域と受け止められ、当該地域のイメージが低下して地価の下落を招くという、こういう指摘もあります。地元の意向を踏まえるというふうにおっしゃいますが、地元は簡単に了解してくれないのではないかというふうに思っております。
 今ほどお話がありましたように、特別警戒区域の中で住宅等を規制するときは市町村の条例で規制することになっていますけれども、国から県、県から市町村へだんだんと責任が重くなっているような気がいたします。責任の所在でいうとこれは逆ではないかと、このように思うわけでありますが、国が国民の生命と財産を守る最終的な責任者でなければならないのではないかと考えますが、お考えを伺いたいと思います。
#38
○政府参考人(関克己君) 先ほども申し上げましたが、最大クラスの津波に対して、命、人命第一ということで進めていく中では、国、都道府県、市町村がまさに連携協力して、ハード、ソフトを総動員して進めていくということが基本であるというふうに考えております。
 そういった中で、国がまず責務として津波防災地域づくりの基本的な考え方あるいは枠組みを示させていただき、そして、地域の実情をよく把握しておられる都道府県、市町村が推進計画あるいは警戒区域の指定などを、具体的な施策を講じていただき、これを国が支援していくということを考えているところでございます。
 御指摘の特別警戒区域等につきましては、まさに地域の皆様方によくその状況について御理解をいただき、理解していただくということを踏まえた上で進めていくというようなことが必要であります。こういったことにつきましても、国としても都道府県あるいは市町村を支援させていただき、こういった区域の指定ができるだけ速やかに進めるよう努力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#39
○中原八一君 次に、全国で津波防災地域づくりを進めていく上で、国にしても市町村にしても、一定の目標が必要だというふうに考えます。
 やはり目標とする期限は必要ではないかと思いますが、ハード面の整備目標は予算の制約もあり難しいかもしれませんけれども、県が作る津波浸水想定や市町村の計画作りのソフトはいつまでという目標を掲げて進めるべきではないかと考えますが、お考えを伺いたいと思います。
#40
○政府参考人(中島正弘君) この法律では、とりわけ市町村の推進計画は地域の自主性を尊重する観点から義務付けも一切しておりませんし、市町村の作成の計画の期限を国が定めるということは今の時点で考えておりませんが、先ほど来お話がありましたように、速やかな市町村レベルでの推進計画の策定が強く期待をされます。
 そのためには、まず私どもとしてするべきこと、法の施行のための政省令を準備し、基本方針を速やかに作るというところに取りあえずは全力を挙げて、さらには、都道府県が浸水想定を策定するというのがこれまた前提でございますので、このための必要な知見の提供などに当面は全力を挙げて速やかな市町村の推進計画の策定が促進されますように努めてまいりたいと、このように考えております。
#41
○中原八一君 鉄は熱いうちに打てではありませんけれども、やはり熱いうちに打っておかないと津波被害が風化してしまうと私は思います。この度の大震災を教訓にして早急に全国で津波対策が強化されるよう願っております。
 最後の質問でありますけれども、衆議院の国土交通委員会で、この度の法律によりまして様々な制度の創設や堤防や防護施設が整備されることに関しまして、防災に名を借りた無駄な事業や乱開発が進むのではないかと、こういう委員の指摘に対して答弁をされております。
 こうした無駄な事業が行われてはまずいと思いますけれども、こうした懸念についてはどのようなお考えがあるのか、お伺いしたいと思います。
#42
○政府参考人(中島正弘君) 衆議院でもそのような趣旨の御質問がございまして、私どもとして、この法律の施行によって現在直ちにそのような乱開発が進むというような具体的な心証を持っているわけではございません。
 ただ、そういう懸念を持たれる方もいらっしゃるという御指摘がございましたので、そういうことのないように、この法律で直ちに開発に関する規制が緩和されるわけではございませんので、法律の施行が乱開発に結び付くという直接的な因果関係はないわけでございますけれども、津波という、安全、安心に名を借りた不必要な事業とか、あるいは一部乱開発というのが行われることのないように、市町村、都道府県と十分意思疎通、連絡を取りまして、市町村推進計画の適切な策定に努めてまいりたいと、このような趣旨の御答弁をしたという記憶がございます。
#43
○中原八一君 この度創設されることになります津波防災住宅等建設区制度の創設だとか拠点市街地の整備に関する制度など、また津波防護施設など、やはり将来の津波の危険に備えたものであり、私は乱開発や無駄な公共事業ということには決して当たらないというふうに思っております。
 岩手県の普代村の十五メートルの防潮堤が高過ぎると、こういう批判がありましたけれども、これはかつて村長が造ったというふうに言われていますけれども、今回、三千人の人命が救われたと、こういうふうに言われているわけであります。
 是非とも、今後の防災対策事業が国民の皆さんから公共事業の無駄であるというようなことにならないように、やはり効率的に執行していただきたいと思いますけれども、改めて大臣に御答弁をお願いしたいんですけれども、これからの堤防あるいは防潮堤、それから防護施設等をこれから整備をしていくわけでありますけれども、あくまでも既存の施設に、新しいものを造るものもありますけれども、既存の施設に少し付け加えてという面もありますけれども、こういうことを整備することは公共事業の無駄では私はないと思いますが、お考えを伺わせてください。
#44
○国務大臣(前田武志君) 今回の教訓で、やっぱり多重防御というものが非常に重要だなということ、これは特にこの当委員会においては現地も視察されて御報告の結果を聞かせていただいたりしておりますと、あの例の仙台東道路でしょうか、高速道路を盛土で造っておったところ、あの仙台のあの大津波をそこで二番堤のような形で止めたというようなことがございました。もちろん、だけれども、開口部等を通じては中に浸入するところもあったわけですが、こういったものをいかに効率的に使って二重、三重の多重防御を施すか、これは非常に重要なことだと思っております。
#45
○中原八一君 ありがとうございました。
#46
○大江康弘君 ありがとうございます。今日は質問の機会を与えていただきましたことをお礼を申し上げたいと思います。
 同時に、大臣にまず今日はお礼から入ります。年を越すんじゃなかったかと言われた和歌山県の田辺の土砂ダムですけれども、おかげさまで、本当に国交省、とりわけ近畿地方整備局、よくやっていただきました。あれから連絡も密にしていただきまして、年を越えると言われておったこの警戒区域の解除というものが、この十二月の三日におかげさまで解除になりまして、住民がやっと自宅に帰れた、正月準備ができるということでありまして、心からお礼を申し上げたいと思います。
 ただ、一つ宿題として、前回、大臣所信のときにも申し上げましたけれども、やはり警戒区域の指定解除というのは大変やっぱり市町村長が重いものを担わされます。これは、それぞれ住民から選ばれた政治家ですからこれは当然でありますけれども、やはり前提として情報のお互いの、やはりいろいろと意思疎通も含めた形の中での万全な体制というのも私は課題に残ったというふうに思いますので、まあどうぞよろしく今後お願いを申し上げたいと思います。
 本来、これで終わったらすっといいんですけれども、少し言わせていただきたいと思います。
 津波というのはもう世界語になったわけであります。この六月に津波の法案、あるいは基本法なんですかね、後でまた聞きますけれども、今回、その関連として二つ津波という名前の付く法律ができ上がった。実は、先週、エチオピアの副首相が来られましてお会いをしたときに、津波ということを片言の日本語で言われておった。先ほど言いましたように、まさにこれ世界の言葉になったんだなということを実感をしたわけでありますけれども、少しこの六月の法案を作った、またそれを受けて今回法律を国交省が作り上げたということに関して、私は、一生懸命頑張っていただいた皆さんの名誉のためにちょっと前段にこの質問をさせていただきたいのは、実は十一月の三日に朝日新聞に、なぜ十一月五日が津波の日なのかという記事がありました。これ、大臣見られたかどうかは分かりませんけれども、今も御意見が、質問の中にもありましたけれども、私はやはりこの中で非常に残念なのは、この十一月の五日というまさに稲むらの火ですよね、これは十一月の四日に実は災害対策の委員会があって、私はその日に、ちょうど前日に出た新聞でしたから平野大臣にも聞きました。本当に、民主党の皆さんの中で議論があるように、この十一月の五日というのは意味のない日なのか。そういう議論をされたということを前提に、実はこの朝日新聞が、この野呂という記者が、こんな私に言わせればおかしな、ばかな社説を載せておるわけですね。
 それで、何で私は名誉のためにということを申し上げたかといいますと、こんな記事があるんです。「自公案を中心になってまとめた自民党の二階俊博・元経済産業相の選挙区は、安政南海地震で被災した地元だ。その発生日を津波の日にすることで、津波対策の公共事業を拡大し、利益誘導を図るのが狙いではないのか。こんな思いが民主党にあったからだという。」、大臣、これどう思いますか。
#47
○国務大臣(前田武志君) 歴史に学ばにゃいかぬと思うんですね。
 この稲むらの火というのは、かつて私も国民学校というところに入ったんですね。戦争中に小学校に入りました。そのころはまだ一年生のときですから習わなかったわけですが、そのころの小学校の検定教科書にたしか載っていたというようなお話もどこかで聞いたことがあるんですね。
 それから、その後、この稲むらの火のことはアジアの防災センターか何か、随分とこういったことがスマトラのあの津波以降、こういった歴史の経験、世界で共有しようというようなこともあったというふうに聞いておりまして、そういう意味では非常に意味のある日だと、このように思います。
#48
○大江康弘君 今いみじくも、歴史に学ぶという、先ほども中原先生からもありました。やはり賢者は歴史に学ぶ、愚者は経験に学ぶという言葉がありますけれども、まさに歴史に、この法律を議員立法で出された先生方が、苦労された先生方がやはり歴史に学んだわけですね。ですから、三月十一日、日本人というのは、こういう大きなことが起こったらまた何かそっちにすっと流れて、やっぱりこれを記念の日にすべきだ何だと、そういう意見が出やすい民族性ですけれども。
 私は、今大臣のお言葉を聞かせていただいて少し安心したんですが、本当に民主党の中で、そういう歴史を元に戻すような議論がもうなくなったのかという。当時、この災害対策特別委員会で法案を担当しておった民主党の筆頭理事の中根康浩さんという方は、復興法案を通すためには二階法案に反対というわけにはいかなかったと、非常に内心じくじたる思いの中で賛成をしたというような、こんな言い回しがありますけれども。
 私は、大臣が民主党御出身だからということを乗り越えて、最近、国交省の皆さんに聞けば、非常にやはり意思の通りやすい大臣が来ていただいて、皆さんが風通しが良くなったということを聞いております。元々建設省御出身でありますから、しっかりとやっぱりそういうことを私は経験をされて今大臣という重職を担っていただいておるんだということを非常に感謝をしておる一人でありますけれども。
 私ははっきり言うと、やっぱり大臣、今回、後で聞きますけれども、なぜ国交省が津波というこの大きな法案を担当して出されたかということもちょっと後ほど聞かせていただきたいんですけれども、この十一月の五日という、まさに議員立法の十五条で制定をするということ、このことに関しては全く異論ありませんね。もう一度ちょっと確認しておきます。
#49
○国務大臣(前田武志君) 私としては異存はございません。
#50
○大江康弘君 ありがとうございます。
 まあお互い議員がそれぞれこの歴史を学んでいただいて、やはりこの稲むらの火というのはまさに成功事例なんですね。今年のあの大震災のような大きな被害がなかった。しかし、その成功事例という歴史に学んだということが、やはりこの今審議しておる法律を作り上げる前段の私は議員立法を作り上げたというふうに認識をしておりますので、ひとつどうぞまた今日御出席の委員の皆さんもやっぱりその歴史というものを認識をしていただけたら大変有り難いと思っております。
 そして、この中で少し関連するんですけれども、今回、なぜ国交省がこの法律を担ったのかということ、なぜなのかという、ちょっとそこを聞かせてください。
#51
○国務大臣(前田武志君) この津波浸水想定の作成、安全、安心な町づくりに資する制度、あるいは浸水被害の防止、軽減するためのハードの施設、津波防波堤であったり水門であったり堤防であったり、それから町づくり、当然一定の開発行為、建築行為の規制なんかが津波警戒区域等ではあるわけですから、そういったことはかなりの部分というか、ほとんどの部分が、施設面については、都市、建築、水防などいずれも国土交通省が担当する行政分野に属するものですから、この法案を作るということになれば、もちろん防災担当の内閣府というのがありますが、国土交通省で法案を作成する方が具体的なものになるだろうということで国土交通省が担当したと、このように理解をしております。
#52
○大江康弘君 全国で海岸を有する市町村って幾つあるか知っていますか。中島さん、知っている。
#53
○政府参考人(中島正弘君) 六百三十九だったか、そのぐらいであったか、済みません、正確な数字は。
#54
○大江康弘君 御明察です。
 その六百三十九だけを対象にしたこれは法律ですか。
#55
○政府参考人(中島正弘君) 沿岸を持っているのは六百三十九ということでございまして、当然、浸水が及ぶ地域が対象になりますので、市町村を越えて浸水が及ぶという地域が想定されればその地域も対象になると、このように理解をしております。
#56
○大江康弘君 そうなんですね。
 今、市町村が全国で千七百余りある。その中で海岸を有する市町村が六百三十九がある。まさにその六百三十九だけの私は対象ではないというふうに実は思って今確認をさせていただいた。
 なぜこういうことを申し上げるかというと、非常に今回の、大臣、やっぱり法律というのは重いんです、これ。それを国交省が私は出したということは意義があるんですよ。これは私は、経験もあればそういういろんなノウハウもある、また技術者の皆さんもおられるということで、私はやっぱりそういう意味では非常に間違った選択ではなかったと思うんです。内閣府という全部を統合するところよりも、むしろ細部にわたって行き届いたということになれば、もちろん今申し上げた経験だとかやっぱりそういうものの積み上げというのが必要であります。
 ですから、六百三十九という単に海岸を有するこれだけの市町村の数だけではないわけですね。ですから、私はその重みをしっかりと受け止めていただけたら、いただけておるんかなということが、実はその次に質問させていただくことになるわけです。
 民主党政権は、昨年十二月に閣議決定で、要するに出先のいろんな施設あるいは権限やそういうものを移譲してやっていくというこの方針を出されたわけですね。例えば今回、和歌山県、私の地元なんかは台風十二号で大変な被害に遭った。そんな中で、非常にやはり、先ほども言いましたが、整備局の皆さんというものが日ごろからやっぱりそこに、地域に根付いておるから、日ごろから住民の皆さんと、あるいは市町村の役場は言わずもがなですけれども、そういう皆さんと絶えず接触をしている。人を知る、地域を知る、まさにそういう積み重ねがあったから、私は意思の疎通がうまくいったと思うんですね。
 ところが、今、民主党政権が出されておられるこの方向性というのは、例えば近畿に限定をしたら、何か広域圏にこの出先機関を移譲させる。佐藤先生もこの間ですか、少し触れられておられましたけれど、時間の関係で余り突っ込んだ質問されませんでした。
 同じ共通の思いを持つ者として今日は聞かせていただきたいんですが、なぜ私はこの大事な法案をあなた方が出されたかということ、それだけの覚悟があって皆さん出されたわけでしょう、これ。未曽有だとかあるいは想定外だとか、今年の流行語になるような、あるいは教訓だとか、そういうことを我々が今年随分と学ばせてもらった。そんな中で、この大事な重要な法案、これから先、要するに、何を想定にこれ選定したんですか、この法案を出す。何をベースに、要するに、何をベースにというのは、東北のあの大きな津波の高さをベースにされたのか、何をベースにこの法案でこれから皆さん方がやっていこうとしたのか。まずその基本となる、まさにベースにしたものは何なんですか。ちょっと教えてください。
#57
○国務大臣(前田武志君) 非常に本質論のところかと思いますが、あの大震災を教訓として、やはり災害には上限がないんだと。そして、何としても命を守るというその方向性の中で、比較的頻度の高い、ということは、確率的に言うと、百年前後に一回とかいうようなものについてはハードの施設でしっかり守り切る程度のそういう施設はやっていきますよと。しかし、それを越えることはあり得るんだと。そういうことを踏まえて、幾らまたハードの設備があったとしても、人命を何とか救うと、どうしても人命を救うということになってくると、避難であったり、ふだんからの周知徹底といいますか、訓練も含めてそういうソフトが必要でございます。多重防御も必要でございます。
 そういった観点が今までの防災的な施設には余りなかった、必ずしも十分でなかったというところの反省を踏まえて、多重防御、ハードとソフトの組合せ、そういったことで、それを、先ほど御指摘のように、沿岸部の六百三十九だったでしょうか、それのみならず、日本の新しい災害防御、津波を中心とする防災まちづくりというような観点から提出させていただいたわけでございます。
#58
○大江康弘君 ちょっと私の質問の仕方が悪かったのか。
 大臣、要するにこれだけの、皆さんが大きな法案を国民の皆さんに提示をして、今日我々が審議をしている、衆議院でも審議をした。そんな中で、片一方では現場から撤収をするという話をされているわけですね。私なんかは、関西広域連合なんて、ぬえですよ、これ。そんなはっきりとした受皿のない中で、皆さん方がこれだけ大事な法案を出して国交省は頑張るんだと言いながら、片一方で現場から撤収をして、撤退をして、そして何か訳の分からぬ受皿の中に任せてそこでやらすんだというようなことを進めておられるということに私はそごがあるんじゃないかと、責任逃れじゃないかというんです。
 そして、もう一つ聞きたいのは、大臣の地元の奈良県が入っていないじゃないですか、この関西広域連合。おかしいですよ、これ。百歩譲って、きっちりと、これ鳥取県入っているんです。まあ鳥取県、日本海、悪いと言いませんよ。しかし、なぜ関西なのかと、私よく分からないんです、本当に分からない。まあ、橋下、今市長になったあの方の勢いを借りて、こんなものがばあっと乗っかって、知事も訳の分からぬ間に、ああいいことだ、仲よくすることは。
 仲よくすることはいいことなんです。我々もずっともう近畿は一つだと言ってきた。しかし、幾ら近畿は一つだと言ったって、現実問題突っ込んでいったら、何か近畿は一つずつになるんですよ。だけど、私は、大臣の御地元の奈良県が入っていない段階で、これおかしいですよ。もっと説得して、本当に広域連合圏に移譲をし権限を渡すということで皆さん方が撤収してやるというんだったら、もっとしっかりした受皿をつくることがまず第一段階、この第一歩じゃないかということを私は思うんですね。だから責任逃れじゃないかということを私は言っているんです。ちょっと、大臣。
#59
○国務大臣(前田武志君) この地方整備局の持っているパワーといいますか力の源泉は、私は統合力だと思っているんです。その統合力のベースにあるのが現場力であります。
 言わば、先生方の前に、答弁側に委員として本省の局長さん方が来られております。しかし、地方整備局長というのはある意味現場の全ての責任を持っているんですね。さらに、その先の事務所長というのは、私どもも地元に戻ると、その地域の根幹的な施設の計画等については事務所長さんにいろいろと教えてもらったりというような、頼ったりというところがあるぐらいの、むしろ分権的な性格というところがこの整備局のすばらしいところでもあるんです。権限はきちっとそれぞれ持って、そして地方整備局長が統括している。その統合力というのが力の源泉ですから、今議論が政府においてなされておりますが、その現場力、統合力というのは、強めこそすれ弱めるような形というのは国損になりますよということはしっかり申し上げております。
 その上で、丹羽委員会、自民党内閣のころからの地方分権改革の中で出てきた、要するに、地方の疲弊、日本の国のこの今の状況を改革していくにはやはり地方がもっともっと力を持つ必要があるという中から出てきた議論なんですね。
 そういう中で、この地方整備局を含めてほかにもいろんな支分局がありますが、そこが持っているパワーというのを強めて、日本の国益にかなうような、地方主権といいますか、そういったものが可能になるならば、それは私は進めるべきだと思っておりまして、そこはまあ閣議決定、アクション・プランに沿って議論はさせていただいて、あくまでもこの現場力、統合力、これをしっかり強めていって初めて大きな、この近畿全体についても東北全体についても貢献するんですよということを申し上げております。
#60
○大江康弘君 災害後、大臣、恐らく国交省、まあ今は民主党政権になってどんな陳情の仕方になったのか分かりませんけれども、要するに市町村長は残してくれと言っているんですよ。大臣は今、私の感想ではまともな答弁をしていただいたと思いますから、少なくても、ビフォー、アフターという言葉があるように、要するにアフターの今、やはり私は、考え方というのは変わってもいい、まさに変わるべきだというふうに思うんですね、今の内閣が進めようとする方向は。むしろ変わることが私はしっかりとしたものをつくり上げるというふうに思うんです。
 ですから、いたずらに地元の皆さんに心配をさせるような、こういう広域連合に組み込まれて、まあ大臣は地方に主権だとかいわゆる地方への分権だとかって、私は余り好きな言葉じゃないんですけれども、何か私は、今この広域連合へ組み込まれようとされておるということは、大きく言えば国交省のこの形というものがなくなっていくんじゃないか、国交省のこの姿というものが私は見えなくなりつつある中でもう消えていってしまうんじゃないか。これ、私に言わせれば、これは国交省、責任放棄ですよ、こんなことを本当に認めて。
 だから、少なくても大臣は、今回の教訓として本当にしっかり体で学んでいただいているんだから、私は一度立ち止まって、やっぱり現場力ということを言われた、非常に大事な言葉を私は言われた。まさに今地元が求めておるのはそれなんですよ。現場力なんです。現場に行っていただいて、そして地域の皆さんとの日ごろの積み重ねの意思疎通なんです。お互いの信頼関係なんです。
 私は、最後に聞きますけれども、大臣、この今の広域、よその地域は少し勉強不足で分かりませんが、少なくても関西、近畿というものに特化をさせていただいたら、今、関西広域連合というような訳の分からないこの受皿に全てを委ねて、国の形さえも、国交省の形さえも、これだけ大きな法案を出すんだといって胸を張った皆さん方がそれを認めるということは、まさに責任放棄じゃないですか。作って魂入れずで、あとは野となれ山となれ、こんなことにしてしまうんじゃないんですかということを私は非常に危惧をしておる一人であります。大臣、どう思われますか。
#61
○国務大臣(前田武志君) 先ほど来申しておりますように、そういうようなことになれば国損でございます。地域も疲弊する。日本の国にとってもとんでもないことになります。そうではなしに、国としても、そして分権が言われて久しい、その中で地域が大きく発展するその中核になり得るなら、それはそれで大きな機能を果たしてもらえるし、そして、要するにビフォー、アフターと言われましたが、アフターのことはまだ決してその議論を具体的にしているわけでも何でもありません。
 更に言えば、この統合力というのは全地方整備局が一つになってということも期待しているわけでございまして、あのテックフォースなんというのも、全地方整備局からよりすぐりの技術者が寄ってチームをつくってくれたから、東北もあるいは十二号も対応できた。
 更に言うと、この間、タイの水害で中部地方整備局からポンプ車が十台派遣しております。あの水害を見たときに、国交省の中でこれは国交省でできることは何だと直ちに考え始めて、そして送ったんですね。結果としては非常に効果的な成果を上げてくれました。中部地方整備局には、ちょっと時間超えますが、十台のポンプを送ったんですが、あれよりもまだもっと大きな容量のポンプ車もあるんです。しかし、あれはぎりぎりホースを手で持って動かせる一番大きなポンプ車で、その十台そろうと一分間で二十五メートルのプールを空にする能力を持っているんですね。そこにちゃんとその整備局の人員と水資源機構の専門家も付いて送りまして大きな成果を得て、あの工業団地から更に次の団地、さらにはアジア工科大学の方でも成果を上げてくれると聞いております。こういうのはもうまさしくオールジャパンの統合力が成果を発揮したというふうに考えております。
    ─────────────
#62
○委員長(岡田直樹君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、植松恵美子君が委員を辞任され、その補欠として舟山康江君が選任されました。
    ─────────────
#63
○谷合正明君 公明党の谷合正明です。
 質問に先立つ前に、昨日、我が党の冬柴鐵三前衆議院議員、突然の訃報に接しました。安倍、福田両内閣で国土交通大臣の要職を務められてまいりました。特に、道路特定財源を議論した当時の国会においては、大臣として議論の矢面に立って命の道路の必要性について真剣に訴えられている姿を、私自身、忘れることができません。ここに、改めて御冥福をお祈り申し上げたいと思っております。
 それでは、津波防災地域づくりに関する法律案に関して質問をさせていただきたいと思います。
 まず初めに、通常国会におきまして、津波対策の推進に関する法律、議員立法でありますが、これが成立をいたしました。この議員立法には、津波の観測体制の強化及び調査研究の推進、津波に関する防災上必要な教育及び訓練の実施、津波対策のために必要な施設の整備そのほかの津波対策を推進するために必要な事項が定められております。
 今回の法律案との関係、また連携の在り方についてどうなるのか、まず明らかにしていただきたいと思います。
#64
○大臣政務官(津島恭一君) お答えを申し上げたいと思います。
 ただいまの御質問でございますが、議員立法で制定されました津波対策の推進に関する法律は、これは津波対策を総合的に、かつ効果的に推進するために幅広い施策の実施について政府や地方公共団体の努力義務を定めた、いわゆる津波対策に関する基本法、理念法としての性格を持った法律と認識をしております。また、津波防災地域づくりに関する法律案は、ハード、ソフトの両面から、基本法である津波対策の推進に関する法律の理念を確実に実施していくための具体的な施策や制度を定めたものであります。
 国土交通省といたしましては、津波対策の推進に関する法律を十分に踏まえ、津波防災地域づくりに関する法律案に基づくハード、ソフトの施策を総動員することで、今後の津波防災地域づくりを全国において積極的に推進してまいりたいと考えております。
#65
○谷合正明君 基本法の趣旨を十分に尊重していただいて、今後、国土交通省としても、ハード、ソフト両面にわたって具体策を進めていくという回答でございました。是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 それで、この法律案の中に津波防災住宅等建設区の制度の導入が入っております。この建設区の制度の導入ですけれども、まず、これが一般の土地区画整理事業あるいは集団移転促進事業とどう違うのか。そして、津波防災住宅等建設区のこの制度を導入する理由、目的について簡単に説明していただければと思います。
#66
○政府参考人(加藤利男君) お答えを申し上げます。
 お尋ねの津波防災住宅等建設区の制度でございますが、これは津波による災害の発生のおそれが著しい地域において、津波による災害の発生を防止、軽減することを目的に、通常の土地区画整理事業における原位置での換地、これは区画整理事業の場合、一般的に照応の原則と言われておりますが、この照応の原則の例外に当たるものとして、申出による換地を特例的に認める地区を区画整理事業の施行地区内に定めることができる制度として創設したものでございます。
 これによりまして、区画整理事業によりまして、市街地の整備を行う場合に、住宅及び公益的施設を防災性の高い市街地に集約することが可能になる、集約化に資する制度であろうというふうに考えております。
 また、土地区画整理事業と集団移転促進事業との関係についての御質問をいただきましたが、まず、集団移転促進事業につきましては、移転先の用地の整備に際しまして、移転先の、宅地と言ってもいいわけでございますが、その整備に際しましては、公共施設の整備に必要な用地を含めまして用地買収方式により整備をするのに対しまして、土地区画整理事業の場合には、同様の整備を換地手法により行うという点において、手法において差があるということでございます。
#67
○谷合正明君 続いて、この法律案の中に津波災害警戒区域を指定するということが入っております。
 ところで、会計検査院が平成二十二年度決算検査報告をまとめておりますが、その際に、土砂災害警戒区域等の指定等に関する基礎調査の活用というのがあるんですが、なかなか警戒区域の指定が行われない理由について四分類で理由を挙げております。
 例えば、建築物の構造規制が厳しくなるなどのために地元住民等が反対しているだとか、住民説明会の日程を調整するということもまた大変であるとか、あるいは市町村の要望に基づき地区単位で一括指定するなどしていると様々な理由が述べられておるんですが、今回の津波災害警戒区域の指定でも同じようなことが起きるのではないかと思われますが、国土交通省としては今後どうされていくおつもりなのか、お聞かせください。
#68
○政府参考人(関克己君) 御指摘のように、平成十三年になりますが、土砂法の法律の施行に基づきまして、土砂災害の警戒区域の指定が始まったところでございます。さらに、御指摘のように、会計検査院の二十二年度の決算検査報告でも四つの指摘をいただいたところでございます。
 これにつきまして、私どもとしても、振り返ってみますと、実は平成十三年、指定当初はなかなかこの指定が進まないという状況にございました。そういった中で、この指定を土砂災害に関する警戒区域の指定を進めるべく、地域の皆様に御理解をいただくために、先進事例の紹介をする、あるいは仕組みそのものをよく理解していただくような取組を進める、こういったことを進めてまいりました結果として、平成十八年から相当程度進むようになりました。
 数字で申し上げますと、これはイエローゾーンと呼んでいます警戒区域の方で申し上げますと、十七年は一万四千だったものが十八年には四万三千、あるいは十九年には八万五千、二十一年には十七万、そして二十二年末には二十二万というような形でこの指定が進むようになってきております。更に今後も進めていかなきゃならないということはもちろんでございます。
 こういった土砂災害警戒区域におきます地域の皆様への理解をいただくための工夫、こういったものをノウハウとして、今回の津波災害警戒区域につきましても、地域の皆様にできるだけ御理解をいただき、必要な地域においてはこういった区域の指定が進むよう自治体に対して支援をさせていただきたいと、こんなふうに考えているところでございます。
#69
○谷合正明君 自治体が矢面に立つことがあるでしょうから、是非、自治体に対する情報提供、御助言等もきめ細やかにやっていただきたいと思います。
 法案第五十五条につきましては、住民に対する周知のための措置としていろいろ書いてあるんですが、要するに、津波ハザードマップの作成、推進ということがうたわれております。この津波ハザードマップの作成状況は今どうなっているのか、また、今後国としてどのようにこれを推進していくのかについてお尋ねいたします。
#70
○大臣政務官(津島恭一君) お答えをさせていただきます。
 中央防災会議専門調査会が取りまとめました基本的な考え方におきまして、東日本大震災のような最大クラスの津波に対しまして、命を守るということを最優先に、住民等の避難を軸に、避難施設や土地利用などを組み合わせた総合的な津波対策の確立が必要とされました。これを踏まえまして、本法案第五十五条におきまして、津波浸水想定に基づく津波災害警戒区域が設定された市町村においては津波ハザードマップを作成しなければならないとしております。
 これまでも、全国六百三十九沿岸市町村のうち三百六十一市町村において津波ハザードマップが作成されてきておるところでありますが、今後とも、東日本大震災のような最大クラスの津波を対象に津波ハザードマップの充実強化を図っていく、このことが重要と考えております。国におきましても強力に支援をしてまいりたいと考えております。
#71
○谷合正明君 最後に、六百三十九の自治体のうち三百六十一の自治体ででき上がっているということでございました。
 今後の、どうでしょう、目標というか、いつまでにそれを全部全て完了させるといったようなスケジュール的な目標が持ち合わせていらっしゃるんであれば教えていただきたいんですが。
#72
○政府参考人(関克己君) 今後、できるだけ早くということで進めてまいりたいと思います。
 そういう意味では、この進捗状況を見ながら、御指摘のような計画的な進捗というものを更に図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#73
○谷合正明君 津波ハザードマップにつきましては、私たち委員会が視察しました釜石の命の道路という、道路の中で、想定にとらわれない避難ということで多くの人命が助かった、とりわけ中学生が小学生を引っ張るような形で避難していったわけで、その際の教訓というのは、まさに想定にとらわれないと、ハザードマップの情報にとらわれ過ぎないということが一つのエッセンスであったかと思っておるんですね。
 そういう意味では、住民の自主的な避難なんかを、それもまさしく津波防災教育等で推進していくということも大事だと思うんですが、そういうことも含めて、この津波ハザードマップの情報の作り方だとか伝達の仕方というのを今後工夫してやっていくと、やり直していくという理解でよろしいでしょうか。
#74
○政府参考人(関克己君) 御指摘のとおりでございまして、今後更にハザードマップを進めていくに当たりましては、最大クラスの津波、しかも、さらに最悪の状況というものを踏まえながら、地域で具体的に使っていただけるということを考えていかなきゃいけないというふうに思っております。
 そういう意味では、ハザードマップの策定過程から地域の皆様にも参加していただき、いかに避難をしていくのか、こういったことも踏まえた形で策定していくということを考えていきたいというふうに思っているところでございます。
#75
○谷合正明君 次に、災害時の要援護者の避難体制の在り方について、これは厚生労働省でしょうか、お尋ねいたします。
 災害時の要援護者につきましては、名簿作りについては内閣府の方で取りまとめているところでございますが、実際に避難して、さらにまたその先に避難するとかいう段階に入るときに、今回の東日本大震災におきましては、最初の津波から難を逃れたものの避難した後に生命の危機にさらされるという状況が、そういう被災者が少なからず存在をいたしました。特にそうした傾向が強かったのは孤立集落ですとかそういったところがあるわけですが、二次的被害を防ぐためにも、被災地域のみの対応では限界があるのではないかと。医療、福祉、保健の専門分野の連携であるとか、ドクターヘリを活用することであるとか、様々な広域的な避難体制の推進を今後今回の東日本大震災の教訓を踏まえて検討すべきであると考えますけれども、見解を伺いたいと思います。
#76
○政府参考人(山崎史郎君) お答えを申し上げます。
 御指摘の高齢者や障害者等のいわゆる災害時におきます要援護者、この避難対策が大変重要だと認識してございます。
 今回、厚生労働省としましても、避難支援ガイドラインというものがございますが、これに沿って平素から福祉及び保健、医療の連携を進めること、さらにお一人お一人に避難支援プランを作成すること、こういった点を進めてまいりました。その上で、御指摘がございましたように、避難以降、避難所での更なる医療、福祉等の継続的なサービス体制、こういった観点からの連携も更に推進してまいりたいと、このように考えている次第でございます。
 また、御指摘のドクターヘリでございますが、今回の東日本大震災におきましては、全国から十六機が被災地の方に参集しまして、患者の搬送等に大変な大きな成果が上がったというふうに認識してございます。今後、機動性の確保を含め、こういった点についても十分検討してまいりたいと、このように考えている次第でございます。
#77
○谷合正明君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 次に、水門について通告をさせていただいたんですが、既にもう質問が出ておりますので、これは割愛させていただきたいと思います。
 なお、今回の東日本大震災では、消防団の方が、現役の消防団、若い方も含めてですが、多くの方が水門を閉じるために戻って犠牲になられた。二百人近くの方が犠牲になられております。そうしたことで、一つの対策として遠隔操作ができる水門をということが課題だと思うんですが、まだまだ整備が遅れておるということですので、ここはしっかりと、予算措置も含めてしっかり整備を推進していただきたいということを要望させていただきたいと思います。
 そして、もう一つ、避難施設の整備の在り方についてですが、九月二十八日に公表されました中央防災会議、ここで東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会報告が出されました。津波避難ビルの在り方につきましては、以下のように書いてあるわけですね。「地域の実情を踏まえつつ、できるだけ短時間で、津波到達時間が短い地域では概ね五分程度で避難が可能となるよう、避難場所・津波避難ビル等や避難路・避難階段を整備すべきである。」とあります。
 この五分というのは非常に、何というんですか、大変もう、これを本当に整備しようとなるともう相当なストックを用意しなきゃいけないんだと私は思うんですけれども、実際問題として、そうしたこの避難施設を整備していくことが可能なのかと。また、国土交通省においては、高台に避難する通路であるとか避難ビルといったハードの面についての財政支援というのをどれだけ後押ししていく覚悟があるのか、この点について大臣の考えを聞かせていただきたいと思います。
#78
○国務大臣(前田武志君) 最初に、冒頭、谷合議員から元国土交通大臣の冬柴先生に対するお言葉があったわけでございまして、私も実は細川内閣のときから冬柴先生には随分と御交誼いただき御指導を受けました。謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
 今御指摘の件でございますが、この避難路、避難施設、これはもう誠に重要でございまして、五分以内ということになりますと、まあ町の形態あるいは規模にもよるかと思いますが、かなりの施設を確保する必要があるかと、こう思います。というわけで、東北の現地におきましては復興交付金を大いに活用していただきたいと思いますし、そしてまた全国展開においては社会資本整備交付金等を大いに活用をしていただきたいと、このように思っております。
#79
○谷合正明君 続いてですが、今回の東日本大震災を教訓にしまして、首都直下型地震あるいは東海・東南海・南海地震、三連動地震、様々な対策を今練っているところでございますけれども、一つ、この東海・東南海・南海の三連動の地震が起きた際にどのくらいの被害想定なのかというと、三メートル以上の津波に見舞われるおそれがある自治体というのは一都二府二十県、五百六の市町村に及んでいると。この地域の人口というのは四千三百万人を超えておりますし、これは全国の三四%です。それから工業製品の出荷額というのは百六十四兆円にも達しておりまして、これは全国の約半分であります。
 これは、今日、地図はお渡ししていませんけれども、例えば、東京からずっと東海地方、それから近畿含めて、四国も入りますけれども、三連動の地震の場合、瀬戸内海も沿岸地域全部これ浸水区域に入ってくるわけですね、九州まで含めて。ところが、その瀬戸内海にはコンビナートがかなり多く立地しておりまして、私は、このコンビナート防災というのがどうなっているのかと。従来は火災を防ぐということを想定していたわけですが、今後津波を想定したコンビナート防災というのをしっかりやっていかなきゃならないと思うんですが、まずこのコンビナート防災の見直しの進捗状況についてお伺いしたいと思います。
#80
○政府参考人(高倉信行君) 津波を想定いたしましたコンビナート防災の見直しの状況についてお答え申し上げます。
 御指摘のとおり、東日本大震災におきましては石油コンビナート等の特別防災区域において津波による施設や資機材の被害が生じてございます。東北地方から関東地方にかけての太平洋側にある七か所の特別防災区域でございます。また、火災や石油の流出も発生しております。
 このため、消防庁におきましては、本年五月からでございますけれども、東日本大震災を踏まえた危険物施設等の地震・津波対策のあり方に関する検討会を開催しております。この中で、具体的には、被害状況の実態調査の分析結果を踏まえまして、例えば、消防車両へ給水するためのポンプ設備等の浸水防止の措置でございますとか、あるいは屋外タンク貯蔵所の緊急遮断弁の在り方、また従業員などが避難する際の緊急停止措置等の対応、こういった石油コンビナートの津波対策について検討していただいているところでございます。
 この検討会につきましてはこの年内に提言を取りまとめていただく予定でございまして、消防庁におきましては、この提言を踏まえ、速やかに必要な措置を講じていくこととしておるところでございます。
#81
○谷合正明君 最後の質問ですが、その三連動地震を想定いたしますと、日本の大動脈が機能麻痺をすることが想定されるわけですね。特に物流、ロジスティックの面で極めて大きな影響が与えられると思うんです。
 こうしたことを考えますと、救援物資であるとか、実際に人の動きであるとか、輸送であるとか、このルートの確保というのをしっかり検討していかなきゃならぬであろうと思います。例えば、日本海側のルートをどう確保していくのか、整備していくのか。それこそ広域的に、北海道から沖縄まで広域的にどういうバックアップ体制整えていくのかと、そんなことも検討しなければならないんだと思うんですが、ここは国土交通省としてどういうビジョンに基づいて今後その防災体制を構築していくおつもりなのか、最後にお伺いしたいと思います。
#82
○国務大臣(前田武志君) 東北大震災においても、実際上は太平洋岸、三陸沿岸がこれはもう全て施設等やられて機能麻痺に陥ったのを、日本海側から東へというような形でバックアップしたという実績もございます。当然、高速道路のミッシングリンクの整備、これによる交通・物流ネットワークの多重性、代替性を確保せにゃいけませんし、もちろん事前に物流業者と災害協定の提携等も結ぶといったような、そういう対策も必要かというふうに思います。
 災害に強い物流システムを構築していく、あるいは東京圏の中枢機能といったものをどこかでバックアップするというようなことも必要だと思います。この辺は確かに、震災後、四国あるいは九州の自治体の特に知事さん方にお会いすると、非常に危機感を持っておられます。先生の御指摘のとおりだと思いますので、多重性あるいはバックアップといったようなことをキーワードにして施策を進めてまいりたい、このように思います。
#83
○谷合正明君 津波防災地域づくりが、実効性あるそうした政策が今後なされますよう、しっかりと要請、要望させていただきまして、質問を終わらせていただきます。
#84
○上野ひろし君 上野でございます。時間が限られておりますので、早速法案についてお伺いをしたいと思います。
 まず、これまで我が国でどのような津波防災対策を取ってきたのかということをお伺いをしたいと思います。
 従来から、津波防災対策を含めた防災関係予算が手当てをされております。その中には、ハードそれからソフトも含めた予算というのが確保されていたのではないかと思います。また一方で、この委員会でも議論させていただきましたけれども、そういった防災関係の予算が随分減額をされてきたという経緯もございます。
 東日本大震災の発生、大変津波での被害も大きかった、それを踏まえてこれまでの政府の対策というのをどう評価をされて、またそれを踏まえてどういう理念で今回この法律を作成をされたのかということについて、まず最初にお伺いしたいと思います。
#85
○国務大臣(前田武志君) やはり今までは、どちらかというとハードに重点を置いた対策であったと思います。
 今回の大震災の反省を踏まえて、ただしハードで、それこそ災害に上限がないわけでございますから、施設というものについては、ある程度の頻度で起こり得る災害について、そこはハードでしっかり守るよと。恐らくその生起確率といいますか、そういうものが大体百年前後ぐらいを想定しているというような感じでございますが、それを超えるものがあり得るわけでございますから、そういうことについて、ふだんからソフトを交えて、避難であったり、あるいは地域における防災教育等も含めてソフトで対応していく、さらには二重防止といいますか、そういった防御施設といったものも考えていくといった多重性を重んじてやっていくということになるかと思います。
#86
○上野ひろし君 ありがとうございます。
 ハードの重要性というのも認識をされた上でうまくソフトと組み合わせて国民の皆様の生命、財産を守っていくということなんだと思います。
 中身について幾つかお伺いをさせていただきます。
 まず、津波浸水想定についてであります。浸水想定の設定に当たっては、どういった津波を想定するのかといったことも含めて、技術的な面というのが非常に大きいのではないかと思います。先ほどもシミュレーションという話もございました。
 実際に、都道府県でこれを設定されるということでありますけれども、どういう作業が想定されるのか。また、技術的な面が大きいということであれば、なかなか個別の都道府県で設定をされるということについての困難な面もあるのではないかと思いますけれども、国として一律に何らかの手当てをするといったことも含めてどういうことを考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#87
○副大臣(奥田建君) お答えいたします。
 津波浸水想定の設定に当たっては、どのような津波を想定するのかという、そういう基本的な考え方の方は国の方で基本指針に定めるということにしております。そして、今回の場合、最大クラスの津波を想定して行うということになりますけれども、その津波とともに、地殻が動くといいますか地盤が動く、この断層の動き、こういったちょっと高度な想定というものも国の方において検討させていただきます。
 そして、これらの国の基本的な想定というものに基づきまして、都道府県の方では基礎的な調査、この基礎的な調査というのは、地形的なもの、あるいは市街地の分布状況、あるいは土地の特性、森林であるとか農地であるとか、そういった部分を基礎的な調査事項として都道府県の方に落とし込むというか、示していただくということになります。
 そして、問いかけの一つにありましたシミュレーションに関してですけれども、今年の七月に平成二十三年東北地方太平洋沖地震による津波対策のための津波浸水シミュレーションの手引きというものを国交省において公表させていただいております。広域的な見地から必要とされる事柄、航空測量なども含めて、こういったことは国が実施し、先ほど申しました基礎的調査、地域的な要素を落とし込んでのシミュレーションというものは都道府県の方でやっていただくという考え方をしております。
#88
○上野ひろし君 都道府県で設定をするということでありますけれども、しっかりと国の方でサポート、技術的な支援をしていくということが必要なのではないかと思います。しっかりお願いをしたいと思います。
 次に、推進計画の作成でありますけれども、こちらは市町村が作成をするということであります。各地域ごとにいろんな地形の条件があったり、またそれによって、例えば堤防でありますとか同じような津波を防ぐ施設の効果というのも随分変わってくるという面もあるのではないかと思います。また、地域によってどこに住民の方々が住まれているのか、いろんな条件がある中で、何らかの例えばルールでありますとかガイドラインがないと、なかなか市町村の方で作成を進めていくにも困難な面があるのではないかと思うんですけれども、その辺りをどう対応されるのか。また、そういったものがないと、結果として市町村ごとに安全性にばらつきが出てくるということにもなりかねないのではないかと思うんですけれども、その辺りの考え方を併せてお伺いをしたいと思います。
#89
○副大臣(奥田建君) 推進計画の作成、今回の法案の十条を中心に書かれておりますけれども、こういった推進計画の作成、地域による違いというものが存在いたします。これらの対応については、地域の実情を最もよく把握している市町村が中心となって検討していただくということが本法案の基本的な考え方ということにさせていただいております。
 国は、基本指針というものにおいて推進計画の作成についての基本的な考え方を示すということとともに、この市町村の作成します推進計画、このことに積極的に参画いたしまして、そのことによって市町村による過度なばらつきというものがないように努めてまいりたいというふうに思っております。
#90
○上野ひろし君 ありがとうございます。
 次に、今回の法律の制定に伴って、地方自治体の方では、例えば津波浸水想定の設定、それから推進計画の作成、また津波災害警戒区域、特別警戒区域の指定といったことで、かなりな事務的な負担が生じてくるのではないかと思います。その辺りについて、どのように支援、サポートを行っていくのか。また、あわせて、特に被災地について申し上げますと、復興特区法案、こちらでも様々な計画策定がなされるという法の立て付けになっていると思います。その辺りの関係をどう整理されているのか、お伺いいたします。
#91
○政府参考人(中島正弘君) 今御指摘ございましたように、この法案の措置を具体化するに当たりまして市町村の役割というのは非常に大きいものがございます。これはやっぱり地域の実情によく通じられておる意味で市町村の頑張りに期待をするわけでありますけれども、一方で市町村はある意味では非常に厳しい判断を非常に厳しい状況でしなきゃいけないという局面がありますので、それを支える環境を私ども是非つくっていきたいと思っております。
 法案では、基本指針において大きな方向性を国が示す、あるいは浸水想定の設定や推進計画の策定に当たって必要な情報提供や助言を行うこととしております。とりわけ、作成に当たって市町村は協議会を組織できるようになっておるんですね。その協議会に我々国の現場も参加できるようになっておりますので、その協議会を通じて市町村に様々な知見の提供をしてまいりたいと思っております。
 最後に特区法との関係でございますが、本法案の推進計画につきましては、被災地におきましては復興整備計画を定めることによって本法案の推進計画を策定しなくても特例を受けられると、そんな規定を置いて連携を図っておるところでございます。
#92
○上野ひろし君 ありがとうございます。きちんと対応されて、地方自治体に負担のないように是非お願いをしたいと思います。
 次に、土砂災害防止法についてお伺いしようと思っていたんですが、先ほど谷合委員の方から御質問がありましたので、しっかり警戒区域、特別警戒区域については、指定に当たって法の目的に従って円滑に進むように是非御配慮をお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、市町村と都道府県との連携ということで一点お伺いをしたいんですけれども、市町村が先ほど申し上げたように推進計画を策定をされる、都道府県が津波災害警戒区域、また特別警戒区域の指定をされるということでございます。
 その際、市町村、都道府県がきちんとした連携を取って対応されるということが必要なのではないかと思うんですけれども、条文だけ見させていただくと、推進計画に定めるべき事項の中にはその警戒区域に関する事項というのは盛り込まれていないというふうにも見えるんですけれども、どういうまず法律の考え方になっているのか、また、実際の指定、また推進計画の作成に当たって、きちんと市町村と県が連携を取れるような体制になっているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
#93
○副大臣(奥田建君) 市町村が作成する推進計画と、そして都道府県が指定するという津波の災害警戒区域の関連ということについての御質問かと思います。
 推進計画と津波災害警戒区域、そしてまた特別警戒区域、この指定を整合的かつ効果的に組み合わせるためにこれらの関係を推進計画の記載事項ということにさせていただいております。そして、その中で都道府県と市町村の間で必要な調整を図られる仕組みとなっているものと考えております。
 条文につきましては、十条関連の質問をずっといただいておりますけれども、十条の三項の二というところで、土地利用及び警戒避難体制の整備に関する事項というところ、そしてまた五項のところで書かせていただいております。委員御指摘のように、特別警戒区域、警戒区域という文言で条文の中には書かれておりませんけれども、またそこについて都道府県と連携を図るということを示させていただきたいと思います。
#94
○上野ひろし君 この二つの制度がきちんと連動して、連携をきちんと取られて地域の津波防災対策の構築を図られるということが大事だと思いますので、しっかりその辺りは国土交通省としても対応をお願いをしたいと思います。
 時間がないので、最後に一点、水防団についてお伺いをしたいと思います。
 今回、水防法の改正をいたしまして津波に関する規定というのが明記をされるということだと思います。
 一方で、実際の水防団の状況を聞きますと、例えば人数が減少している、また、高齢化が進んでいるといった話も指摘をされているところではないかと思います。これは消防団についても同様だと思うんです。
 今回の東日本大震災の発生を踏まえまして、震災対応ということで、消防団、また水防団の持つ役割というのは大変大きなものがあるということを我々は改めて認識をしたわけですけれども、法律の中にその役割を規定をするということのみならず、実際の水防団の体制でありますとか、実際に今人数が減っている、高齢化といった中には、例えば待遇の問題を含めたいろんな労働環境の問題もあるというふうに聞いておりますけれども、そういった面もきちんと対応していく、改善をしていくといった実態面での対応というのが必要なのではないかと思いますけれども、その辺りをどうお考えなのか、きちんと対応されるのかどうかといったことを最後にお伺いしたいと思います。
#95
○副大臣(奥田建君) 先日も水防団の功労表彰がありまして、東日本で、そしてまた今年起きました各地の水害の最前線で体を張っていただいた皆さん方の表彰をさせていただきました。東日本で亡くなられた消防団の方々には、皆様とともに心から御冥福と、そしてまた感謝と敬意を表したいというふうに思います。
 御指摘の水防団の団員数ということですけれども、十年単位で比較をさせていただきますと、統計的には平成十二年と二十二年を比較させていただきますと、約一五%の減少ということになっております。現在の水防団としての登録は全国で一万五千人ということになっております。
 高齢化という点におきましては、同じ十年間の比較で六十歳以上の方が一〇%増えて三九%ということになっております。ということは、六十歳以下の方は一〇%減っているということで、高齢化も進んでいると。いま一つの悩みが、被雇用者という形でサラリーマン化している、そういったサラリーマンの団員が多いということもまた悩みの一つとなっております。
 しっかりとこの水防団の活動の支援というものも訓練の支援だとかそういった形でやってまいりますけれども、委員御指摘の待遇改善ということに関しましては、消防審議会の方で東日本大震災を踏まえた大規模災害時における消防団活動のあり方に関する検討会といったものが国土交通省も参画して行われておりまして、消防団員そして水防団員の待遇も含めた議論を、審議を行っていただいているところでもあります。年度内に中間報告を予定しておりますし、十月二十八日には、この審議会からの提言を基に消防庁長官より全国の自治体に対して消防団の処遇や装備の充実といったことを要請する通知を行わせていただいております。
#96
○委員長(岡田直樹君) 上野君、時間が参っております。簡潔にお願いします。
#97
○上野ひろし君 はい。
 法律を制定をされて津波防災対策を進められるのは本当に大事なことだと思うんですけれども、是非、今の消防団、水防団の話もそうですけれども、実効性が上がるような対応というのを併せてお願いをして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#98
○藤井孝男君 質問したいことをもういろんな各党の委員が大分質問をしていただいたので、私も簡潔にお伺いいたしたいと思いますので、答弁も簡潔によろしくお願いいたしたいと思います。
 津波防災地域づくりの法案が出ましたけれども、津波という言葉自体がもう世界的な共通用語ですから、この問題についてはもういろんな意味で、国土交通省、いろんなこれまでのノウハウ、蓄積を持っていると思っております。
 ただ、やはりそこで、もうこれは釈迦に説法のような話なんですけれども、やっぱり災害に強い国土づくりという、これはもう国土交通省の大きな基本の柱だと思いますけれども、そのためには、こういう災害が起きたときに、やっぱり責務と申しましょうか、それはやっぱりそれぞれの被災地域の自治体のいろんな考え方を尊重することも大事ですけれども、やっぱり第一の責務は国の責務だという認識を持って、是非、今後ともこうした災害に対しての中心的な存在である国土交通省、前田大臣始め皆さん方、よろしくお願いいたしたいと思います。
 そこで、今回の法案について早速ちょっと質問をいたしますが、総則の第四条なんですが、ここに地方公共団体の責務としてということで、民間資金、経営能力の在り方、要するに民間活力をしっかりと活用しなさい、配慮をしなさいよということが書いてありますが、これは国としてどういう民間の活用、そしてとりわけ資金面についてどういうことを想定しているのか。まず、この点についての基本的な考え方を答弁いただきたいと思います。
#99
○政府参考人(中島正弘君) 法律の想定のことを簡単に申し上げます。
 御指摘の四条で民間の資金、経営能力、技術の活用に努めること、また十条でも市町村が推進計画の中に民間の資金、経営能力、技術能力の活用に関することと、こういうふうになっております。
 具体的に私ども想定しましたのは、一つは市街地の整備事業が必要になるだろうと、町づくりの関係でですね。その施工を民間の事業者、民間の活力を使ってやる場合があるだろうというのが一つ。さらに、避難施設などの防災施設につきましても、公共的な施設でありますが、この整備、確保について、PFIでありますとかあるいは指定管理者制度、こういったものの活用も想定できるだろうと。さらにもう一つは、避難ビルとして民間のマンションなどを民間の救出そのものに使うと、こういうことも想定してこのような規定を置いたということでございます。
#100
○藤井孝男君 幾つかの具体的なことを答弁いただきましたけれども、要するに民間の企業の持っている地域のノウハウとどう組み合わせていくかということなんですが、そこで、一方では、正直ちょっとお聞きしますけれども、民間資金の活用というのもありますよね。これ、ちょっと具体的に今局長答えられなかったんですけれども、要するに国も、今、地方自治体も財政が非常に厳しいということですよね、一言で言えば。
 だから、そういう意味で民間の活用、資金も、今PFIだとかいろいろおっしゃいましたけれども、必要だと思いますが、これも大変結構なことだと思うんですけれども、これもちょっと野放しにするよりちゃんと規制をしながら、自治体のいろんな意向を聞きながらどう活用していくかということですけれども、これ、ややもしますと乱開発とか、そういった要するに津波という防災地域づくり、市街地づくりという名目でいて、結果的には乱開発、結果的にこれは一体何のために民間活用したのかと、こういうあつれきは生まないために何かその点についての規制といいますか、そういったことの認識はありますか。
#101
○政府参考人(中島正弘君) 私ども、現時点でこの法律の施行によって具体的な民間事業者による乱開発というふうなことが起きるという想定を具体的に持っているわけでありませんけれども、御指摘の点も踏まえれば、市町村の推進計画でいろんな事業を位置付けることになりますので、その推進計画の策定の中に都道府県も、あるいは私ども国の機関も、場合によってはこれは市町村の御判断ですけど地域の方も民間の方も参加できる仕組みになっておりますので、その場でしっかりした議論をしてしっかりした計画を作ると、そういうふうなことが間接的に委員おっしゃるようなことの歯止めになるのではないかと、このように考えております。
#102
○藤井孝男君 先ほど局長言われたようにPFIってありますよね。これ、大分前からもうこのPFIをいろいろ地域によって活用しています、いろんな形の中で。だって、これ、PFIという名を借りて余り結果出していないこと結構あるんですよ。だから、民間活用と簡単に一言で言いますけど、そういう意味で私、今日お聞きしたんですよ。まだこれからそういったPFIだとか民間の避難ビルをだとかという、いろいろ考えていらっしゃるけれども、その点について、何となく民間活用すると何かもういい方向にみんな行くんじゃないかと思いがちなんですけれども、結構これなかなか役割の、うまく効率的にやっているかというとそうでもないところがあるものですから、あえてお聞きいたしました。
 それからもう一つ、先ほどから、どなたかの委員からも質問ありましたけれども、私は復興特に、メンバーに入っていますけれども、この復興特区法案、いわゆるこの内閣府が中心になって取りまとめた法案と、この津波、この今度国交省が出した法案、この整合性といいますかね、要するに、例えば今度の法案を踏まえて質問しますけれども、地方公共団体に対して助言や一部の費用負担などの定めはありますけれども、実際、積極的な財政支援については規定されていないんですよね、これね、この法案は。国民の生命、財産、安全確保は国の責務であるということを冒頭に申し上げましたように、要するに津波の防災地域づくりの推進に当たっては、いわゆる地方公共団体に対する国としての積極的な補助金あるいは交付金というものが私はあるべきだと思いますが、この点について、被災地域である場合には復興特区法案の中で交付金とか大変使いやすい、大変な配慮をしていただいておりますけれども、この被災地以外ということになると一体どういうことになるのか、そこのところの、津波対策に限っても結構ですから、そこのところの整合性、どういうふうに我々区分けしていけばいいのかどうか、その点について御説明いただけますか。
#103
○政府参考人(中島正弘君) 委員から今お話ありましたとおり、被災地、何としても事業を進めますので、被災地につきましては復興交付金というある意味では非常に手厚い措置が講ぜられて、それ以外の地域はどうなのかということでございますけれども、これは私どもとしましては、今ある制度でございますけれども、社会資本整備総合交付金という制度がございますので、これを活用して被災地における防災地域づくりに財政面からも粘り強い支援を続けていきたいと、こんなふうに考えております。
#104
○藤井孝男君 第三次補正だとか、総理は第四次補正についてもちょっと発言しているようですけれども、被災地以外のところについてはそういった補正とか、また来年の予算、いずれ出てくるんでしょうけれども、そういったことで配慮してもらうんだろうと思いますけれども、どうも目が、もちろんこの東日本大震災、そういう被災地域、被災を受けたところを一日も早く復旧復興というのは大事なんですけれども、やっぱりそれ以外、先ほど台風十二号の大変被害を受けた和歌山県あるいは奈良県であるとか、岐阜県も台風十五号で大きな被害をいろいろ受けましたけれども、そういう意味ではこの津波という防災地域づくりについてもやっぱり被災地以外のことについてどういうふうにこれからスケジュールを組んでいくか。
 その点、基本的な考え方について、これは津島政務官ですかね、お答え、どなたでも結構ですけれども、今後の防災地域づくり。自分の言葉で答弁していただければ有り難いと思いますが。
 いや、それは遠慮しなくても、あなたどうぞ答弁してください。
#105
○大臣政務官(津島恭一君) やはり、これはまず、今委員御指摘のように、東日本の、これの復興というのは大変なことだと思っております。加えて、今、三・一一以降でありますけれども、全国からいわゆる防災、それから、いざというときのためにいろいろな施策を求められているのも事実でありますので、総合的にしっかりと対応していきたいと、こう考えております。
#106
○藤井孝男君 いや、いじめ的な突然質問をしたわけじゃありませんので。
 先ほど、あなたはほかの委員の答弁のとき、非常に官僚答弁みたいなことをずっと読んでいったものですから、むしろ津島さん、あなたの政治的能力というのは私も高く評価していますので、是非今後ともこの法案についてのリーダーシップを発揮してもらいたいと思いましたので、今質問させていただきました。
 最後に、いろんなこれからのスケジュールを組んでくると思うんですが、仙台の東部道路、高速道路を含めてですね、防潮機能というのは非常に効果あったという、これも非常に苦い、大変な災害の経験なんですけれども、そこからやっぱり、経験から、今後のその津波対策、地域づくりについてこういうのをやっぱり生かしていく。そういう意味においては、盛土といいますか、盛り土というか、そういった機能を積極的に、私は、今度の苦い経験からそれを生かしながら防災地域づくりをするべきだと思いますが、いかがでございましょうか。
#107
○国務大臣(前田武志君) 藤井委員の御指摘のとおりでございまして、仙台東道路というのは、ああいう東日本の大震災を、大津波を想定して造っていたわけではございませんが、結果的には非常に大きな効果を、機能を発揮したわけであります。それを教訓として、これから鉄道であったり道路であったり、いろんな施設についてそういう多重的な防御の機能を持つように考えて配慮していくべきだと。
 したがって、例えば仙台東道路に例を取れば、くぐっているアンダーパスの道路みたいなところに樋門といいますか、ゲートみたいなのをこしらえるだとか、そういった配慮をしていけば多重防御の機能を発揮できるのではないかと、このように思います。
#108
○藤井孝男君 これも、先ほど各委員からも質問がありましたように、今、大臣の答弁に大変心強く思っていますが、要するにハードとソフト、これをうまく組み合わせて、ハードだけではやっぱり対応し切れない部分をソフト、そしてこの苦い経験を生かしながらこの津波対策あるいは防災地域づくりにこれからも努力をお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#109
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 本法案は、この度の千年に一度とも言われる大津波を教訓としまして、津波災害から国民の生命、財産を守るために、ハード、ソフトの施策を組み合わせたまさに多重防御による津波防災地域づくりを推進するものでありまして、我が党としても賛成の立場でございます。
 質問も後の方になりますと重複する点もありますけれども、確認の意味で、また少し角度を変えて質問をさせていただきます。
 本法案、基本的には賛成でありますけれども、幾つかの懸念もございます。津波災害防止を名目に防潮堤の建造などの大規模公共事業が乱発されればゼネコン救済にはなるでしょうが、環境、景観破壊のデメリットもありますし、維持管理に莫大な費用が必要となることも考えますと、およそ持続可能な国土整備とは言えないわけでございます。
 さきの衆議院の委員会審議の中でも、国土交通省は答弁の中で、一方では東日本大震災クラスの被害、浸水を想定していると答弁をしながら、海岸堤防の高さなどは、今回のような巨大津波ではなくて、比較的発生頻度の高い明治三陸それから昭和三陸、チリ地震などの数十年から百数十年に一度という規模の津波を想定して高さを設定していると答弁をされておられます。
 二つの答弁の関係をどのように理解すればよいのでしょうか。津波防災の名の下に大規模公共事業が乱発されることはあってはなりませんし、一方で効果がない施設ではどうにもならないわけでありまして、津波防災の基本的な考え方ということにもなるかと思いますが、その点についてまずお伺いします。
#110
○国務大臣(前田武志君) ゼネコン云々のお話がございました。吉田委員の御心配の向きというのを想像するに、大規模公共事業の、何といいますか、乱発とは言いませんが、そういうことになりゃせぬかということですが、一つは、基本的に、議員御指摘のように、五十年から百年ちょっとぐらいの想定される津波についてはしっかりした施設で防御すると。その防波堤とかいうのはやっぱり海の近くでやる施設でございますから、かなり高度の技術の要するところは確かにそういうゼネコン的なところが対応するということも必要でしょう。
 しかし、そのほか、多重防御の考え方でやる施設というのは、これは地元の避難体制、避難路、多重防御、地元と一体となってソフト、ハードを組み合わせて対応していただくわけですから、ずっとそこで生き続ける言わば地元の建設会社だとか、そういったところがちゃんと受注できるように、これはある意味発注側の見識に懸かっていると思うんですね。そこの地域をちゃんと守っていくような業者でないと受注はできませんよというような特別の仕様を出せばいいと私は言っておるんですが、ちょっとそこまで、ここで言い過ぎかも分かりませんが、そういう、本当に地元と一体となって守っていただかないと本当の効果は発揮できないだろうと、このように思います。
#111
○吉田忠智君 ありがとうございました。その点、是非また御留意をいただきたいと思います。
 この法律の実効性を担保するためには、法施行後の基本指針の各地域での実施に関するロードマップ、それと進捗状況のフォローアップが必要ではないかと、ロードマップの作成と進捗状況のフォローアップが必要ではないか、そのように思いますけれども、その点についてのお考えを伺います。
#112
○政府参考人(中島正弘君) 本法案を実施するためには、法が施行されまして、その後、私どもが基本方針を作り、都道府県が浸水想定をし、市町村が実行計画を作って動いていくと、こういう仕組みでございます。
 まず、市町村の推進計画、失礼しました、推進計画のフォローアップ云々の前に、私どもがやることがたくさんありますので、それを急ぐのがまず第一でございますけれども、その後は、市町村の推進計画の策定に当たりまして協議会が設置できることになっておりまして、その協議会にいろんなメンバーが、県も私どもの現場も参画いたしますので、その協議会の運用を通じて、あるいは避難訓練などを行いますので、その知見も踏まえて、そういう協議会の場を活用してフォローができていくのではないかということを期待をしております。
#113
○吉田忠智君 今回の法律の中で、これからこの法律をどのように具体化して実効あるものにしていくかという意味で、ちょっとそこの踏み込みがやっぱり足りないように私は感じております。是非その点は、これからの政省令に委ねられる部分もあるのかも分かりませんが、しっかりこれからそういうところも踏み込んで作っていただきたいと思いますし、各都道府県あるいは自治体にもその点で是非しっかりした支援を行っていただきたいと思っております。
 続いて、先ほど会計検査院の検査報告で、土砂災害防止法に係る警戒区域等の指定に関する報告について触れられました。
 基礎調査で警戒区域の条件を満たす地域として出された二十万か所のうち二万三千か所以上が二年間も指定が行われていないというのはやっぱり問題でありまして、やっぱりこれは大きな教訓としなければならない、そのように思っております。
 そこで、大臣にお伺いをしますが、津波防災地域づくり、特に津波災害特別警戒区域の指定による土地利用や住宅等の規制に当たってどのように住民参加を保障していくのか、また、町づくりには住民による合意形成が大前提となりますが、住民の合意形成に向けてどのように調整をしていかれるのか、その点について伺います。
#114
○政府参考人(関克己君) 先生の方から、津波災害特別警戒区域の指定に当たりまして、住民の皆様の参加、いかに理解を得ていくかという点について御指摘をいただいたところでございます。
 特にこの津波災害特別警戒区域につきましては、指定に際しましては、都道府県知事が、この地域の安全度、危険度、こういったものを地域の皆様に理解されるよう、地域の皆様に、対象とした縦覧、あるいは意見の提出の手続、さらには市町村長の意見の聴取を行うということで定められております。
 こういった地域の皆様方の意見を踏まえた上で進められるという仕組みとなっておりますが、さらに、今御指摘のように、土砂災害防止法におきまして、地域の皆様方に理解をいただくということがいかに重要かということも明らかになっております。
 こういった経験を生かしまして、地域の皆様により理解をしていただき、あるいは情報を共有化して、そういった上で、結果としてこの警戒区域の指定が進みますよう、地方公共団体に対し、国としても積極的な支援を進めてまいりたいというふうに考えております。
#115
○吉田忠智君 先ほど関局長にもお答えいただきましたので、大臣にもこの点に、重要な点ですから、是非お答えいただきたいと思います。
#116
○国務大臣(前田武志君) 局長から御答弁させていただきましたが、確かに地元との意思の疎通であり、そして透明性を持って住民が参加できるような仕組みを是非バックアップしてまいりたいと、このように思います。
#117
○吉田忠智君 次の質問に移ります。
 今回の大震災の復興に当たりまして、高台移転など新たな町づくりに積極的な被災者の方々と、津波被害を受けたけれども経済的な理由からその場所に住み続けざるを得ないという、移転に消極的な被災者の方とで既に被災地にあつれきが生じる兆しも見られておりまして、調整が全体的に難航している状況もございます。
 コミュニティーが分断されるような不幸な事態は何とか避けなければなりません。その一つの対策として、仙台市では防災集団移転促進事業に上乗せをして、津波被害を受けて移転対象となった沿岸部の約二千世帯に対し、集団移転先の市有地の借地料を一世帯当たり最大で一千万円免除したり、対象区域外の世帯にも約二百万円を上限に盛土などの防災工事費を助成する方針だと報じられております。
 自己負担分の軽減は、被災者の生活再建のみならずコミュニティー単位での移転を後押しをして町づくりを進める上で有効であると考えます。国としても、こうした動きをしっかりと支援すべきではないでしょうか。
 この仙台市の取組について国としてどのように評価しておられるか、伺います。
#118
○政府参考人(加藤利男君) お答え申し上げます。
 お尋ねのように防災集団移転事業の実施に際しては、被災者の皆さん方の個人負担を軽減することが非常に重要であるというふうに考えております。こうした観点から、三次補正に伴います制度改正で、東日本大震災の被災地で実施される事業につきましては、移転先での宅地の購入ですとか住宅購入を支援する様々な制度の活用によりまして、極力移転者の負担が軽減されるように措置をしているところでございます。
 一方で、この事業は地方公共団体が事業主体ということになるものでございますので、御指摘いただきましたように仙台市での取組を始めまして、公共団体におきまして地域の実情を踏まえた創意工夫がいろいろ行っていただくということも非常に重要であるというふうに考えております。
 仙台市の取組のほかにも、例えばですが、例えば災害公営住宅を活用することによって地代相当額を含む家賃負担を軽減することができるといったようなこともございますので、そうしたことを通じて被災者の負担を軽減することも一つの方法ではなかろうかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、防災集団移転促進事業の運用方法ですとか、あるいは他の事業との組合せ、そういうことを分かりやすい形で実際に使っていただく市町村にお知らせする、例えば運用指針といったようなものを作成いたしましてそれで周知を図る、あるいはその具体の使い方についていろいろアドバイスできるように専門的な知識を有する職員を現地に派遣するといったようなことを通じまして、被災地の一日も早い復興の支援を強力に支援してまいりたいというふうに考えております。
#119
○吉田忠智君 これは復興特別委員会でも議論になっているところでございまして、やっぱり個人の負担が重いためになかなか集団移転事業なり土地区画整理事業の調整議論がなかなか進まないという点もありまして、国土交通省にこれ以上言ってもなかなか、これは復興対策本部の判断もございます。そういう問題、是非国土交通省としても一緒になって負担軽減に向けたこれからの御努力はしっかりしていただきたい、そのように思います。
 最後の質問ですが、水防団員のことについては先ほどもございました。この度の東日本大震災による津波災害でも地域の水防を担う消防団員の皆さんも多くの犠牲者を出しました。被災三県で死亡者が二百四十二人、行方不明者十二名にも上っているわけであります。こうした悲しい事態は二度と繰り返してはならない、そのように考えております。
 今回の関連法案では、水防団員の安全確保に配慮する旨が規定をされましたが、具体的にはどのような措置がとられるのでしょうか。
 津波防災に関しては、既存の河川改修事業との連携等も必要と考えますが、どのような取組が可能か、お答えをいただきたいと思います。
#120
○政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。
 御指摘のように、今回の東日本大震災では、津波時の水門の閉鎖あるいは避難活動ということを通じまして、多くの水防団、消防団員の方々が犠牲になられました。水防活動に従事する皆様方の安全の確保は極めて重要な課題だというふうに認識しているところでございます。
 このため、今回の水防法の改正の中におきましても、都道府県等の水防計画が、津波発生時に水防活動に従事する皆様方の安全確保に配慮しなければならないということとしているところでございます。
 御指摘のように、具体的にはどのようなことを想定しているのかということでございますが、まず、それぞれの地域の具体的な水門、樋門、こういったものの配置あるいは避難行動、こういったものを踏まえまして、一つの水防団あるいは水防団員の皆様方が受け持つこういった施設の数、こういったものをどのように考えて実際の活動ができるのかというようなことを見直していく、あるいは活動時に通信機器の携帯あるいは携行、あるいはライフジャケットを着用、こういったことを明確化して、より安全が確保できるようなことを進めてまいるというふうに考えております。
 もちろん、当然のことながら、先ほど申し上げましたように、水門の遠隔化、自動化、こういったものも併せて進めていくと同時に、海岸に沿って、あるいは海岸から入ります河川に関しても一連のものとして取り組んでいく必要がございますので、御指摘のように、河川改修等との連携も十分踏まえながら進めていくということとさせていただきたいというふうに考えております。
#121
○吉田忠智君 ありがとうございました。終わります。
#122
○藤原良信君 藤原良信でございます。
 限られた時間でございますので、私も簡潔に御質問させていただきますので、御答弁もよろしくお願いいたします。
 また、日ごろは、前田大臣を始め政務三役、そして政府委員の皆様方の御尽力、御努力に敬意を表したいと思います。
 今いろいろ御審議をされまして、重複するところもあると思いますけれども、見解を改めてお聞きする場面もあると思いますので、よろしくお願いいたします。
 大臣、冒頭なんですけれども、これ、今回の法律案の提案の理由の説明をいただきまして、その冒頭、今も御議論ありましたけれども、今回の法律案でございますけれども、ハード整備を今までは中心にやってきたと、ハード、ソフトをということは書いておりますけれども、これを組み合わせて、そのほかいろいろ組合せをしてやっていくんだと、これはよくよく理解をいたします。それから、今の御審議でもそうだったんですが、大臣の答弁の中で、ハードを重点にやってきたけれども、それを超えるようないろんなことが出てくる場面、よって多重防御をしていくんだと、これも理解いたします。
 ただ、重要なこととして改めて御見解をお示しをいただきたいんですが、今吉田先生からもお話ございましたけれども、懸念材料は懸念材料としてなんですが、私はハードは基本だと思うんです。基本でございます。このことが前提で進まないと、私は防災の町づくりには行かないと思います。
 といいますのは、私は毎週地域へ行っていますが、例えば具体的には釜石市の市長あるいは大船渡市の市長、久慈市の市長もそうなんですが、これは被災をいたしました。これからの復興計画、町づくりを今発表をしつつございます。基本は、防波堤を造って、防潮堤を造って、それから町の高台移転とか、いろんなことを組合せをして、これが初めて町づくりになっていきますということなんです。防波堤、防潮堤がない海沿いの町というのはとても始まりませんと言うんですね。
 ですから、この法律の中で、否定はしていないんですけれども、あたかもハードが良くないというような形にとらわれるような出だしのようにどうしても思われて仕方ないんですよ。ですから、私は、監督官庁の最高責任者として前田大臣の御見解をお示しをいただきたいんですが、基本は社会資本の整備です。
 先ほど来、谷合委員が、今いませんけれども、命の道路のお話ありました。釜石市の鵜住居地域で、小学校、中学校があったんです。地震が来まして、子供たちが五百名ぐらい逃げるんですね。私の隣の地域ですから。それで、ある福祉施設までたどり着くんです。で、そこからもうちょっと上に逃げようということで逃げたそうでありまして、たまたまなんですが、三陸自動車道が一週間ぐらい前に一部分開通していたんです、たった一部分。そこに逃げて全員助かったんです。四十五号線を逃げていたら全部死んでいましたよ。
 ですから、ましてや沿岸沿いは御案内のとおり四十五号線一本だけなんです。今まで、こういうことがなかったら、不便だけれども我慢をしてやってきた地域の一つであります。もう仕方ないんだろうと、そう思ってそこで生活してきていたところの一つなんです。私はそこの人間でございますから、よくよく分かります。今回の津波だけじゃなくて、一旦災害が起きたならば、区間が止まったらどこにも逃げられないです、もう。
 今回、国交省が発表をいたしまして、八戸から仙台まで七年間で三陸自動車道を完成をいたします。大変いいことだと思います。基本は社会資本の整備なんです。私はそう思います。この津波法案というのは、いろんなことを組み合わせていくことはいいけれども、しかしながら基本を忘れては絶対あってはならないと思いますが、御見解を賜りたいと思います。
#123
○国務大臣(前田武志君) 藤原委員の御指摘のとおりだと思います。
 私ども国交省としましても、まずは基本はハードの施設をしっかり造ることですね。特にこの津波の場合には、想定しているのは百年前後に一度程度の、そういう百年に一度、二度あるようなものに対してはしっかりハードで守れますよというような施設を前提にした上で、災害に上限はなし、命第一という教訓を受けて今回のこの法案を提案させていただいているわけでございまして、そこに多重防御、ソフトとの組合せという、順番はそういうふうになっておるわけでございまして、この辺の考え方は今までの国会における御討論の中でほぼ共有している考え方ではないのかなと、こういうふうに思っております。
 更に申し上げれば、先ほどの釜石の例でございますが、私も釜石市のあの上空を飛びました。あの沖合の防潮堤というんですかね、防波堤、ああいうものが実際には機能をしていたという評価も承知をしております。更に言えば、子供たちが逃げおおせたのは、群馬大学の教授だったでしょうか、ずっと地域を挙げて防災教育を施してきた、その訓練の成果があったというようなことで、こういったことも大きな参考にして、多重防御、ハードとソフトとの組合せ、こういった法律の基本になっておるわけでございます。
#124
○藤原良信君 ありがとうございます。そういう方針でおられるということは、改めて安心をするものであります。
 改めて申し上げますけれども、これは全国どこもそうだと思いますけれども、人口の集積地帯ほど、これはいろんな環境整備ができ上がっております。ですから、人口の薄いところというのは当然、これは今までのルール上、BバイCとか様々なことのハードルの中で後回しにされてきたこと、これは事実でございます。
 これはいろんな意味で考え方を、どこに生まれようと、そこで居住をしていきたいという人が同じように居住できるような環境づくりをするのは国家の責任であると思いますので、そういう観点で今後とも対応をしていっていただきますよう申し添えておきたいと思います。
 あわせてなんですけれども、やっぱりその中で東北は、関東と東北の境に白河という、一昔前に関所がございました。白河以北一山百文と言われておったわけであります。宮城県の河北新報はそれに怒りを持って名前を付けた新聞社であります。河北新報であります。
 要は、関東から東北を見た場合に、その関所から北の方は一山百文の値打ちしかない、あるいはそれぐらいの人しか住んでいないところなんだという言い表し方をされてきて今日まで来ました。よって、いろんな意味で社会資本の整備が圧倒的に遅れているんです。遅れているんです。ですから、今回の震災で、私は三陸自動車道等が完全にでき上がっていたならばもっと助かったと思いますよ。
 なおかつ、釜石市の例を取りますと、釜石市長、会うたびに言われますが、釜石で防波堤があったからここまでで止まりましたと、被害がここまでで食い止めることができましたと、なかったら、まあ地名で言うと甲子という地域になりますけれども、新日鉄釜石があったところからずっと上の方です、その上まで被害が及んでいたであろうと、そうビデオを眺めながら何度も言われました。
 大船渡市長からも、私は大船渡市の出身でございますが、私の事務所は盛町というところにあったんですが、屋根まで津波が来ております。半分盛町は被害を受けましたけど、大船渡の防波堤も壊れましたけれども、なかったら全部やられておったと思います。いかに、だから、私は最低限のハードというものは、防波堤、防潮堤は重要であるかということを如実に示した今回のケースではなかったかと思いますので、この点についても改めて、その必要性について御見解を賜りたいと思います。
#125
○国務大臣(前田武志君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれど、防波堤、防潮堤があの大きな津波にやられて壊れた現場を上から見たんですね。結局は、ああいう、壊れはしましたが、それが第一線で撃力を低減させたということが、その後、土木学会等の専門の学術機関による解析によって証明されたということもお聞きをいたしました。そういった面では委員御指摘のとおりだと、こう思います。
#126
○藤原良信君 そこでなんですけれども、この法律案に入らせていただきますけれども、この法律案をずっと拝見をいたしますと、基本的に、一言で言うと、これ、できる規定の法律なんです。できる規定なんです。
 そこで、そうしますと、実効性ということをこれは一方では求められると思いますけれども、必要性と重要性からいってのことにも関係してまいりますけれども、それが、必要性と重要性が確かにあるとすれば、このできる規定の法律の趣旨にしていったその理由というのをお示しをいただきたいと思うんですが。各論で触れても結構でございますけれども。
 じゃ、若干各論で触れますけれども、例えば、推進計画策定のことでございます。これは法案の第十条の規定でございますが、これは市町村、義務化をされておりません。推進計画を市町村は策定することができるという規定になっております。これは、明らかに甚大な被害が想定される市町村においてもこの義務化をされていないという、その理由はいかがなのかということでございます。
 いわゆる国の存在感にもつながってきますので、この性格的な性質のこの今回の法律について、これは是非御説明をしていただくことが必要であると思いますので、御質問いたします。
#127
○政府参考人(中島正弘君) この法律で規定します津波防災地域づくりを推進する上では、推進計画の策定は非常に有効でありますし、非常に中心的な役割を果たしております。したがって、非常に重要な役割をこの計画、担っているわけでありますが、ただ、具体的に考えますと、津波があった場合に想定される浸水の区域、水深、これは地域によって様々でございます。あるいは、それによって種々災害の防止に必要な施策、これも地域ごとに様々でございます。やはり推進計画の策定はその有無も含めまして地域ごとに判断いただくことが適当だろうということから、作成は義務とせず、地域の自主性を尊重することとした次第でございます。
#128
○藤原良信君 尊重することは大いに結構でございますし、ある意味での地方分権という流れも、これございましょう。ただ、移行期でございます。ですから、御提案されている法律は、国家国民のために必要であるという法律という趣旨で、必要性と重要度でこれ出されていると思うんですね。であれば、私は、それを、実効性を、いかにこれを方向付けるかということはある意味で重要なことであると思うんですが、どういうような目安で、限られた時間でございますからこのことだけでの御議論はこれは避けますけれども、そのことを懸念をするものでありますが、御見解をいただければ改めてお願いしたいと思います。
#129
○国務大臣(前田武志君) 委員の御懸念というのは、地方公共団体、市町村ができる規定になっているではないかというところに尽きるのかなと思うんですが、ここはちょっと、例えば特別警戒区域等というのは、これは規制等も伴う厳しいものになるわけでございますから、もちろん国が指針を示して、都道府県知事が浸水区域というものを推定して、その後、個々の市町村においては、集落ごとに地形も違えば個性がもう全然違うわけでございますから、ここはやはり地域においてここだけはちょっと指定せにゃいかぬというような、あるいは重要度に幾つか順序を付けるかも分かりませんし、そんなことも含めて、やはり地方自治体の主体性というのを大事にしながらも国そして県でバックアップをしていくと、こういうことになろうかと思います。
#130
○藤原良信君 今の大臣のお話、御答弁いただきましてありがとうございます。
 その点について、じゃ、少し触れさせていただきますけれども、これは法案第七十二条でございます。第七十二条、津波の災害特別警戒区域に関連をしたお話になりますけれども、例えば、こういうことが出てきます。岩手県では今回の震災に当たって建築基準法第三十九条の適用を関係市町村に求めましたが、実際、条例を制定した市町村は私は聞いていないんです。ないようでございます。このことは、建築制限を伴う条例を制定することはそんなに容易でないということを僕は示しているんじゃないかと思うんですね。
 先ほども御議論があったわけでありますが、例えば本法律案に制定されているいわゆるレッドゾーンの設定に当たっても同様のことが考えられないでしょうか、と思うんですね。レッドゾーンに設定する場合における既存不適格建築物への対応方針、これ出てくると思います。そういうようなことについての懸念材料についてお示しをいただきたい。対処の仕方についてでございます。これ、例えば、なぜかというと、資産価値が僕は下がるんだと思うんです。土地の値段も下がるんじゃないかと思うんです。だから、合意形成に持っていくのに非常に厳しいことが想定されるんじゃないかと思うんですね。
 それを含めて、済みません、私、四十五分までなものですから、あと質問をそんなにできないと思いますので、よろしくお願いいたします。
#131
○国務大臣(前田武志君) 具体的には、今の段階で御懸念のところは多々あると思います。
 実際には、この津波防災地域づくり法、あるいは特区法もあれば、あるいは個々のツールとしての区画整理法であったり、しかもその運用面において今回の震災地域を対象に相当の運用の緩和ということもやっております。実際のその計画を作る市町村にとってみたら、もちろん初めてで、恐らくこんなことは二度と経験したくないことでありますから、これは実はどういうふうにいろんな制度を選択すべきかということも含めてなかなか未知の分野だと言ってもいいと思うんですね。だから、そこは国交省を挙げて専門家も送り込みますし、そしてまたそういう町づくりの専門家というようなことも是非一緒になってその計画を作っていく、その中で町の価値が将来にわたってむしろ強化されるような町づくりを一緒に考えていくということを是非やらせていただきたいと、こう思っております。
#132
○藤原良信君 ありがとうございます。
 その実効性について、じゃ、もう一点だけお尋ねをさせていただきますけれども、今回の法律ですが、復興特区法案との関連性なんでございます。これは二十三年度、今度の第三次補正予算との関連で、拠点市街地の整備に関する制度と予算関連法案とされております今回の法律案でございますが、どのようなリンクをしていくかということの見地からのお尋ねとなりますけれども、これは予算面では、今回の津波法案は拠点市街地の整備に限定をされるというふうに見られます、限定をされると。私、先ほど来指摘をいたしました実効性とも関係してくると思うんですよ。この点で限定です、これ、予算面では拠点市街地です。ですから、そういう意味でのお尋ねをいたします。どうぞ。
#133
○副大臣(奥田建君) 的確なお答えになるかちょっと自信もございませんけれども、今、法案、条文の中では、委員の御指摘の一団地の津波防災拠点市街地形成ということで述べられております。ただ、被災地の方で言わせていただければ、復興交付金というものがその地方の財源の中心ということになってまいりますし、ほかの整備という形で、今大臣からお話のありましたように、高台移転や土地区画整理事業、あるいは避難施設の整備といったものを推進していただくという形で、また三次補正の中では復興交付金と、それに絡んだ法律の一つであるということで御承知をいただければと思います。
#134
○藤原良信君 いろいろありがとうございました。まだ通告した質問ございましたけれども、時間となりますのでやめさせていただきます。
 ありがとうございました。どうぞこれからも御奮闘いただきたいと思います。
#135
○委員長(岡田直樹君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより両案について討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 まず、津波防災地域づくりに関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#136
○委員長(岡田直樹君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#137
○委員長(岡田直樹君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、小泉昭男君から発言を求められておりますので、これを許します。小泉昭男君。
#138
○小泉昭男君 私は、ただいま可決されました津波防災地域づくりに関する法律案及び津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・無所属の会、公明党、みんなの党、たちあがれ日本・新党改革及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    津波防災地域づくりに関する法律案及び津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、両法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 両法の施行に当たっては、本年六月二十四日に施行された、津波対策に関する基本法ともいうべき「津波対策の推進に関する法律」に定められた施策が推進されるよう十分配慮すること。
 二 東日本大震災の被災地の復興及び東海・東南海・南海地震など津波による大規模な被害の発生が懸念される地域における津波防災地域づくりを促進するため、本法に基づく政省令、基本指針等を早急に制定するとともに、関係者及び国民に対して本法に基づく制度を周知徹底すること。
 三 本法に基づき、地域ごとの特性を踏まえたハード・ソフトの施策を組み合わせた津波防災地域づくりを推進する中で、海岸堤防の整備も着実に推進すること。
 四 市町村が津波防災地域づくりの推進のための事業を実施するに当たっては、地域の実情に応じた自主的な取組が可能となるよう、市町村の要望を踏まえ制度の弾力的な運用に努めるとともに、情報の提供、技術的な助言その他必要な支援措置を積極的に講ずること。
 五 津波浸水想定の設定に当たっては、国が責任を持って、都道府県に対し、情報の提供、技術的な助言その他必要な支援措置を積極的に講ずること。
 六 津波災害特別警戒区域の指定に当たっては、地域住民の意向を十分に踏まえるとともに、地域の現況や将来像を十分に勘案すること。
 七 津波避難建築物の容積率規制の緩和を行った際には、要件とされている用途に利用されていることを随時確認するとともに、法律違反があれば、立入検査等を含めて適切に対応するよう、特定行政庁に対し、明確な運用基準を示すこと。
 八 津波による人的災害を防止・軽減するため、避難施設・避難路等の確保を積極的に支援するとともに、夜間における情報伝達体制や避難経路の確保に十分配慮すること。
 九 津波による浸水が想定される地域の住民の円滑な避難を確保するため、津波観測体制の整備を図るとともに、住民のより迅速な避難につながる津波警報の在り方について検討を行うこと。
 十 国土交通大臣が実施する特定緊急水防活動が設けられた趣旨を踏まえ、一層の水防団員の確保に努めるとともに、水防団員の安全性の確保、財源の確保など所要の措置を講ずること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#139
○委員長(岡田直樹君) ただいま小泉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#140
○委員長(岡田直樹君) 全会一致と認めます。よって、小泉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、前田国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。前田国土交通大臣。
#141
○国務大臣(前田武志君) 津波防災地域づくりに関する法律案及び津波防災地域づくりに関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の質疑内容や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝申し上げます。
 誠にありがとうございました。
#142
○委員長(岡田直樹君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(岡田直樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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