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2011/10/27 第179回国会 参議院 参議院会議録情報 第179回国会 経済産業委員会 第2号
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2011/10/27 第179回国会 参議院

参議院会議録情報 第179回国会 経済産業委員会 第2号

#1
第179回国会 経済産業委員会 第2号
平成二十三年十月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     柳澤 光美君     難波 奨二君
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     難波 奨二君     柳澤 光美君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         前川 清成君
    理 事
                高橋 千秋君
                轟木 利治君
                姫井由美子君
                関口 昌一君
                牧野たかお君
    委 員
                直嶋 正行君
                難波 奨二君
                藤原 正司君
                増子 輝彦君
                安井美沙子君
                磯崎 仁彦君
                岩城 光英君
                末松 信介君
                二之湯 智君
                松山 政司君
                脇  雅史君
                松 あきら君
                松田 公太君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   枝野 幸男君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣)     山岡 賢次君
   副大臣
       経済産業副大臣  牧野 聖修君
       経済産業副大臣  松下 忠洋君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       北神 圭朗君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      竹島 一彦君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田  宏君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局参事官     氷見野良三君
       外務大臣官房審
       議官       武藤 義哉君
       文部科学省高等
       教育局私学部長  小松親次郎君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   妹尾 吉洋君
       厚生労働大臣官
       房審議官     篠田 幸昌君
       経済産業省通商
       政策局長     佐々木伸彦君
       国土交通大臣官
       房官庁営繕部長  澤木 英二君
       環境大臣官房審
       議官       関 荘一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (電力需給対策に関する件)
 (円高対策と産業空洞化の防止に関する件)
 (環太平洋パートナーシップ協定交渉への参加
 に関する件)
 (福島原子力発電所事故の収束と放射線被害へ
 の対処に関する件)
 (公正な市場競争に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(前川清成君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日、柳澤光美君が委員を辞任され、その補欠として難波奨二君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(前川清成君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総務企画局参事官氷見野良三君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(前川清成君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(前川清成君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○高橋千秋君 民主党・新緑風会の高橋でございます。経済産業委員会では初めて質問をさせていただきますので緊張をしておりますが、よろしくお願いしたいと思います。
 今日は三十分しかございませんので、私の方は、所信で大臣からお話をされた四つの柱について総論めいた話を聞かさせていただいて、後ほど姫井さんと轟木さんがそれぞれに詳しい話を聞かさせていただくという形にさせていただきたいと思います。
 まず冒頭、電力の問題について、原発の問題は後でお二方から聞かさせていただきますが、この夏、どこへ行っても真っ暗で、経済産業省行ったら本当に営業しているのかどうか分からないぐらい真っ暗な状態でしたが、省エネということが当たり前になって、一生懸命皆さん省エネに対して御協力をしていただきました。
 特に、多くの工場ではシフトを変えて土日に操業をして木金とかに休みを取るという形で、地元では最初戸惑いの声も随分ありました。やっぱり子供と休みが合わないとかいろんな問題があって、地域の活動にも出れないとか、それぞれに戸惑いはあったんですが、後半は随分慣れてきて、逆に平日に同じ部署の者でコンペに行けるとか、結構まあ発想によって随分違うものだなと改めて思いましたけれども、この夏、辛うじて乗り切れたというふうに思うんですが、既に今度の冬について様々な省エネの対応が言われておりますが、この夏の反省、そしてこの冬に向けてどうしていくのか、その辺を大臣にお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(枝野幸男君) この夏の節電については本当に国民各界各層の皆さんのに御協力をいただきまして、ありがとうございました。
 これについてのまとめは十月十四日に公表をいたしているところでございますが、まず、東北それから東京の管内の大口需要家に対して電力使用制限令を伴った措置をお願いをいたしました。こうした地域については、実は目標以上の節電が行われたものでございます。
 ただ一方で、生産活動、産業活動に大きな支障を及ぼすということもございましたし、今の休日シフトについても大変いろいろなところに御無理、御苦労をお掛けをしたと思っておりまして、そうしたことも含めた相当なコストが生じたものでございます。
 自主的な数値目標を提示した関西電力管内でも、ピーク電力削減など目標に応じた節電の効果があったものと認識をいたしております。また、各家庭においても、おおむね無理のない範囲で一定の節電が行われたものと承知をしております。
 この冬に向けては、現在、需給バランスの更なる精査の最終段階を行っているところでございますが、この夏の総括を踏まえ、電力使用制限令を回避しつつ、また、できれば産業用の電力について、経済活動、生産活動に影響を及ぼすことがないように、また、休日シフトなど非常にコストの大きな御協力ということをお願いしないで済む範囲で何とか乗り切ることができないだろうかということで、きめの細かい対策を取りまとめたいというふうに思っているところでございます。
#8
○高橋千秋君 予想以上に皆さん御協力をしていただいて省エネということには進んだと思うんですが、やっぱりどうしても、事務所では暑いのを我慢できても、家へ帰って夜寝るときはもう、ちょっとやっぱり我慢できないとかで、どうしてもやっぱり個人については目標どおりにはなかなかいかなかったというふうに聞いているわけですけれども、今後の対応として、やっぱり個人の省エネについてどうしていくのか、ここの対応をもし考えておられるのであれば教えていただけますでしょうか。
#9
○国務大臣(枝野幸男君) 実は、御家庭においては、東京電力、東北電力、関西電力、いずれの管内においても、月間の電力使用量総体で見ますと昨年に比べて一七%という節電を行っていただきました。
 ただ、ピーク時がこれはやっぱり一番問題でございまして、ピーク時の節電率は実は目標に達しておりません。そうした意味では、冬場は夏に比べて、夏は暑い時間帯の昼間の一か所が大きなピークになりますが、冬は朝と夕方になだらかなピークがあると。ここをどうするかということが大変重要になってまいります。この需要の構造の違いなどにも留意をしながら、節電メニューについてよりきめ細かく御提示をする。それから、この冬にどこまで間に合うか、最大限やっていきたいと思っておりますが、いわゆるスマートグリッド等の節電の見える化を進めると。これをするとかなり意識的に、特にピーク時などを意識した節電に積極的に御協力いただけるという傾向も出ておりますので、こうした部分と組み合わせてできるだけきめ細かくお願いをしていく。
 意識としては、節電に協力していこうと、ある程度の節電ならば我慢できるというような声もいただいておりますので、そうした皆さんの声に対応できるようなきめの細かいメニューを提示したいと努力をしているところでございます。
#10
○高橋千秋君 今スマートグリッドのお話が出ましたけれども、スマートグリッドについては随分経産の方でも頑張っていただいていますが、今回の震災を受けて、この電力不足の問題それから再生可能エネルギーの更なる加速ということを考えると、このスマートグリッド、スマートコミュニティーの事業については私はもっと加速をしないといけないのかなというふうに思うんですね。
 今、原発の事故以降、メガソーラー等の計画もあちこちで発表されておりますけれども、やっぱりこれをやっていく上では、このスマートグリッドを更に安定的に技術として確固たるものにしていかないといけないと思うんですが、今のままでいくとなかなか、それも予算の問題も当然ありますが、進まないんじゃないかなという心配をしております。
 その意味で、このスマートコミュニティーについて更に加速をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#11
○大臣政務官(北神圭朗君) おっしゃるとおり、スマートコミュニティーというのは極めて大事な日本の技術を生かせる事業だというふうに思っておりまして、御案内のとおり、既に四か所実証事業というものをやっております。北九州市、豊田市、京都府、京都府のけいはんなの方ですね、あと横浜市、この四か所でやっておりまして、これは自治体とか地域の住民の皆さんや業界の皆さんから協力をいただいて推進をしているところでございます。
 委員御指摘のように、更に加速していかないといけないということで、これだけじゃなくて、例えば農村漁村に適しているようなスマートコミュニティーの在り方とかあるいは電気バスとか、そういった事業にも拡大をするような取組も今推進をしているところでございます。
 いずれにせよ、予算面でもしっかり対応してまいりたいというふうに思います。
#12
○高橋千秋君 このスマートコミュニティーについては予想以上に中国も進んでおりますよね、特に大胆にもうスマートシティーを郊外にばっと大きなものをつくったりとか。日本はこの面では世界一の技術を誇っていると思いますけれども、あっという間にこういう部分も抜かれてしまう可能性があって。
 実は、私がある経営者、まあ誰とは言えないんですけれども、が、ある電気会社に対してスマートメーターの見積りを、百三十万台で隣で電話で見積りを取っているのに遭遇したことがあるんですね。そうすると相手からは、実は中国からは二千万台の見積りが来ていますと言われたと。当然、企業とすればそっちを優先しますよね、そっちの方が大量発注ですから。だから、そういう状態にあるわけで、日本とすればやっぱり技術力を維持するということも考えると、もっとこれはやっぱり加速すべきだと思いますので、これは意見として述べておきたいと思います。
 それから、資源の確保についてであります。この電力の問題も含めてLNGの確保、これ大変難しい話だと思います。
 私がある国際会議に出たときに、ロシアのセーチンさんという副首相が私のところに寄ってきて、デイリーヨミウリの一面のカラー写真をコピーして私どもに持ってきたんですね。それは、震災直後にLNGのタンカーをロシアから出すというような、そういう写真だったんですが、それを私のところに持ってきて幾らでもLNG協力しますと言ってきたんですが、まあ実際のところは売り込みですよね。一方で、カタールは無償で提供してくれたりとかいろいろありますけれども、この資源確保という問題は、大変、日本にとってもこれ生命線だと思います。その意味で、今後、中国が非常に活発な動きをしていて、アフリカなんか行くと本当にびっくりするほど中国は活動をしています。
 御存じのように、アフリカの諸国ではもうかなりの人数の中国人の方々が住み込んでそういう対応をしている中で、日本は同じようなことできないですよね。人口も当然違うし、それだけのお金もありませんし、なかなか難しい。一方で、日本らしい資源の確保ということを考えていかなきゃいけないと思うんですが、この面についてどういうふうにお考えなのか、お聞きをさせていただければと思います。
#13
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員の問題意識は、天然ガスにちょっと限ってお答えしたいというふうに思いますが。
 当然、原発が止まって火力発電の稼働というものが、需要が増加をして、天然ガスというのは非常に重要な、元々そうですけれども、特に緊急的に必要になってきていると。そういう中で、第三次補正予算でもこのいわゆるガス田の権益確保のために第三次補正予算でお願いしているところでございますが、大体二百二億円ぐらい盛り込んでいるというところでございます。
 あと、おっしゃる資源外交、中国も非常に活発にして、なかなかその彼らの水準にまでは至ってはいないと思いますが、それでも両院のお許しをいただいて政務三役が先頭に立って資源外交に取り組んでおります。
 簡単に申し上げますと、枝野大臣の方ではインドネシアとかカタールとかアラブ首長国連邦などで、日本企業の権益延長とかあるいは我が国への安定供給について働きかけてきていますし、松下副大臣はガス田の発見が最近相次いでいるモザンビークの方のマラテ駐日大使と会談をして関係強化に向けて意見交換をしてきたと。あと、牧野ここにいらっしゃる副大臣は、先日、米国においてチュー・エネルギー省長官と会談をして、アメリカのシェールガスの発見が、あるいは技術開発が進んでおりますので、その関連のLNGの輸出について働きかけて、こういった面でできるだけ資源外交にも力を入れているという現状でございます。
#14
○高橋千秋君 中国の場合、今は五十四にアフリカの国、数はなりましたが、国会議員と言っていいのかどうか分かりませんけれども、人民代表というか、そういう方々が大体一つのアフリカの国に三人から五人ぐらいの国会議員がもう必ず年に数回行くというのは決まっているんですね。まあ数千人いますから、日本と比較はできませんけれども、そういうのが決まっていて、向こうからすると、国会議員が年に何回も中国から来ると、日本はまだ一度も来たことがないというのはよく言われることがありますよね。だからやっぱり、さっきの政務三役の外交は当然でありますけれども、私は、与野党問わず国会議員をもう少し活用していただくようなこともこの資源外交については考えていただいたらどうかなというふうに思います。
 特に、レアアース、レアメタルについては、これ日本の本当に技術、誇る技術力を売り込んでいくためにはレアアース、レアメタルというのは本当に欠かせないものなんですが、今中国にあのような状態を取られていて大変厳しい状況にあると思いますが、この点については進展状況はいかがでしょうか。
#15
○国務大臣(枝野幸男君) レアアース、大変重要な課題であると思っておりまして、国内的にできる努力としてのリサイクル等の努力を進める一方で、中国に対しても安定供給と価格高騰の是正を要請してきているところです。私自身、過日、中国広州で温家宝国務院総理それから陳徳銘商務部長と面会をした折にも直接強く要請をしたところでございます。
 一方で、供給国を分散をさせるということが重要でございますので、昨年改正いただいたJOGMEC法に基づき、今年の三月にはオーストラリアのレアアース鉱山の権益を確保することができました。それから、昨年十一月にはレアメタルのうちニオブについて我が国の鉄鋼メーカーがブラジルの鉱山権益を確保することができました。また、高橋委員には大臣政務官としてベトナム、ボリビアについて特にこのレアアースの問題で御訪問いただいたと承知をいたしておりますが、ベトナムについても、来週ズン首相が訪日をされますが、ここに向けて、ドンパオ鉱山の具体的な開発に向けて最後の調整をしているところでございます。ボリビアのリチウム開発については、昨年、菅総理とモラレス大統領との間で共同声明を行いましたが、それを踏まえた地熱発電所へのODA供与それから抽出技術の共同研究、人材育成等の取組を進めておりまして、より具体的な段階に進めていきたいということで努力をしているところでございます。
#16
○高橋千秋君 こちらについても早くやっていかないと、やっぱり競争激しいですし、中国に思うようにやられてしまうということが発生してまいりますので、ボリビアなんかも私も息絶え絶えで行ってまいりましたけれども、大変なところにみんなレアアースでもレアメタルでもありますから、これは確保をしていただく、まあ関係者にとっては大変な作業だと思いますが、是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 円高対策とグローバル化についてお聞きをしたいと思います。
 円高については、昨日も七十五円ということで、史上最高値をまだ更新をし続けております。これについては枝野大臣が官房長官のときにも私と直嶋先生と一緒に申入れに行かせていただいたことがありますが、なかなかこの円高を日本側だけで介入して操作できるという今状況にないのはもうみんな分かってはおりますが、これはいろいろな企業からはもう本当に悲鳴が上がっております。もう我慢も限界が来ているというようなことをあちこちで聞くんですね。これはやっぱり、確かにいろいろな難しい部分はあると思うんですが、本当にこれ、目に見える形で何かをやっていかないと、今、日本で頑張っていただいている企業にとってはこれはもう本当に大変なことになってしまうと思うんですが、この円高対策について、それぞれ様々な政策は打ち出していただいているんですけれども、やはりもっと大胆にやっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#17
○国務大臣(枝野幸男君) 現在の円の為替の水準は本当に我が国として危機感を持って対応せざるを得ない状況にあるというふうに思っております。十月二十一日の金曜日には円高への総合的対応策を閣議決定をしたところでございます。経産省としては、第三次補正等を活用しまして、国内立地補助金の抜本拡充などの守りの対策と、それから円高メリットを活用した海外企業の買収や資源確保の支援等の対策を講じているところでございますが、さらに政府全体として、為替市場の動向を注視しつつ、あらゆる措置を排除せず、必要なときには断固たる措置をとること、それから日本銀行に対して、政府との緊密な情報交換、連携の下、適切かつ果断な金融政策運営によって日本経済を下支えするよう期待をすること等、総合的にこれに対応していくという方針の下に今努力をしているところでございます。
#18
○高橋千秋君 今、TPPの議論がずっと出ている中で、私はTPPのことも大変重要な問題だと思いますが、やっぱりこれは一番は円高を克服しないと、いかに例えば法人税を下げようが、いろんな問題あろうが、輸出そのものができなくなってくる中で、私は毎週末、地元の企業とかを回りますと、特に部品のようなものを造っている小さな企業なんかで今まで絶対に海外に出ないって職場で職員に宣言をしてきたんだけれども、もういよいよ出ざるを得ないというような企業の社長に遭遇をいたします。
 その意味で、もし海外へ出ていって企業が発展してもらうのはそれはそれで構わないんだけれども、基本的には国内で雇用を確保できなくなる。それぞれの、特に地方にはそういう製造業のちっちゃな工場も多いわけで、そういうところで働いていただくところがなくなってくるということになると、本当にこれ地方の経済も大変なことになってくるわけで、国内にどうやってその企業が残り続けて国内の人たちを雇用を続けていただけるのかというのは大きな問題だろうと思うんですが、今、その意味で国内に残り続けるというインセンティブがないんですよね。
 企業の経営者に言わすと、日本に残るということが一番のリスクだというふうに言う方がいるんです。もうこれではやっぱり我々は困るわけで、何とか日本に残り続けていただきたいんですが、やっぱりそこのインセンティブを明確に見せていかないといけない。それは円高を是正するということも大変重要なことなんですが、そのほかについてどのようにお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
#19
○国務大臣(枝野幸男君) 大変深刻な状況でございます。それに対しては、先ほど少し申し上げましたが、三次補正で立地補助金を抜本的に拡充するというような対応策を進めているところでございます。
 ただ一方で、今般、海外にいろいろと出張させていただいた折に、できるだけ現地に進出している中小企業の経営者の皆さんと懇談する機会をつくらせていただいたんですけれども、これは中小企業白書にも出ておりますが、実は海外に進出して成功すると、国内においても五年ぐらいたつと実は進出前よりも雇用の数が増えていると。それを裏付けるように、やはり苦しくなって海外に出るということですと、そうすると、国内の方を空っぽにして外に出るというやり方では外に出てもなかなか成功しない。国内にしっかりと足下を置きながら積極的に外に出ている中小企業は海外でもうまくいき、結果的にそれは国内にも波及すると。
 そういった意味では、今のこの緊急的な円高の状況でもうまさに逃避的に海外に出るということは、恐らく日本経済の空洞化になると同時に、進出した企業もじゃ外でうまくいくのかというと、なかなかうまくいかないケースが過去の例を見ると少なからずあるというか、むしろそちらが多いと。こういった状況や実態をしっかりと踏まえて国内に足下をしっかり残しながら、なおかつ、いろんな為替や国際関係を踏まえた中で国外において前向きの攻めの部分のところでリスクを分散するとか、そういったことについてきちっと全体構造として、空洞化ではなくて海外に進出するというような形の中で円高にもうまく対応しながら、しかし雇用も残していけると。こういったことについてはもっと知恵を絞っていかなきゃならないし、支援もしていかなきゃならないだろうというようなことを思っています。
 それからもう一つは、やはり日本の国内において内需でもっと伸びる余地がある部分のところが少なからずあります、高齢化の中のヘルスケア産業を始めとして。こうした部分のところを国内でよりスピーディーに育てていくことで、そうすると、これに関連する様々な部品その他のところで新たな納品先といいますか取引先を拡大していくことで、輸出関連のところで苦しくなっている分をこちらで補えるというようなことも、単に守りだけではなくて、攻めのところももっとやっていかなければならないというふうに思っています。
#20
○高橋千秋君 大臣おっしゃるように、苦しくなって海外に出るということになると、もう日本国内の工場を完璧に閉めて出ていくという場合が結構あります。私の地元でも、あるモーターの会社が、百人ぐらい従業員いたんですけれども、完璧に閉めて中国だけに工場を造るということになって、結果的に中国へ行くか辞めるかどっちかを選択しなきゃいけないというようなことになりました。
 ただ、企業にとっては、中国とか、中国に限らず、そういう賃金が安いところに行く場合は、経営者の一番悩むところは、何人日本人を少なくできるかというのが、またこれはコストの問題でそういうことも出てくると、結果的に海外に行って企業が元気になったとしても、日本人がどれだけ雇用できるのかというのは大変難しい問題で、早くその手当てをするということが大変重要になってくると思いますので、是非その辺についても対応をお願いをしたいと思いますが。
 その先ほど私が申しました、今まで絶対に海外に行くことはないと宣言をしていた社長さんが先週末私のところに相談に来られたのは、そういうふうに宣言していたものだから、海外、とにかく飛行機に乗るのも嫌だというふうな方だったんですけれども、東南アジアにどこかに出せと親会社というか関連会社から言われたと。ということで、ベトナムかタイかインドネシアかと言われたんですが、インドネシアは人口は多くて消費地としては非常に魅力的だけれども、まだまだ日本の方が住むには大変だしイスラム教だしというようなこともあったりとか、それから、ベトナムはベトナムで真面目な従業員が多いしいいけれども、まだまだサプライチェーンはきっちりできていないとか、それで、タイはサプライチェーンはあるんだけれども、今回の洪水の問題が発生したりとか、非常に海外に行くとリスクという問題が当然あります。
 特に今回のタイの洪水については、経産省でも早速対応していただいていると思いますけれども、そういうリスクに対応する姿勢というのを、日本はちゃんと政府が前面に出ていって海外に出ている企業も応援していますよというところを見せるというのがやっぱり国内にいる国民から見ても安心感につながると思うんですけれども、その辺についてどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
#21
○大臣政務官(北神圭朗君) 今回のタイの洪水については、日系企業が相当な被害を受けていると、そして、まだまだどのぐらいこの洪水の被害というものが続くのか非常に不確定な状況でございます。そういった中で、委員おっしゃるように、政府としても対応をしっかりしないといけないということで、去る二十五日に総理から指示がありまして対策本部みたいなのを立ち上げました。
 そして、今現在やっていることにつきましては、当然資金繰りが非常に問題であるということで、これ日本政策金融公庫などを活用して、親会社を通じてその現地の子会社に資金を融通するということもやっておりますし、あるいは、リスクの対応の話がありましたのでそれについて申し上げますと、日本貿易保険によって保険金の支払、迅速的確にするということと、現地の日系企業による取引再開を支援するために、民間損保会社との協力によって現地日系企業の販売リスクを貿易保険によってカバーをしたとか、そういったこともやっております。あと、生産ラインを今タイでは使えないということで、日本に一時的に移すというときに、タイの技術者もこっちに呼ばないといけないと、そういったときにその研修も併せてするということについても支援をしているところでございます。
 いろんな方法で政策を動員して、この事態に対して対応していきたいというふうに思っております。
 以上です。
#22
○高橋千秋君 終わります。
#23
○姫井由美子君 皆様、おはようございます。民主党の姫井由美子です。
 まず、質問に入る前に、冒頭に、先ほど高橋委員も言われましたけれども、タイの洪水に当たりましては、大変心からお見舞いを申し上げますとともに、数多くの日系企業が被災されております。先ほど対応についてお話も伺いましたけれども、支援の取組、更に検討していただきたくお願いを申し上げまして、質問に入りたいと思います。
 まずは、今、最も緊急かつ重要な決断の一つであるTPPについてお伺いしたいと思います。
 十一月にハワイで開かれるAPECまでに、大枠合意に向け、交渉参加決定を検討しているところです。米国など九か国は、現在ペルーで会合を開催し、大詰めの協議に入っているとも伺っています。野田総理もAPECでの参加表明を目指しているとのことですが、党内外でTPP参加には慎重に対応すべきだという意見も根強いのが現状でございます。
 この国論を二分している状況というのは、様々な情報が錯綜していることに起因しているのではないかと私は思います。例えば、交渉に参加しないとルールメーキングにタッチできないと言われています。しかし一方、参加すれば、日本の国益に合致したルールメーキングが可能なのか、ここで何がメリットで何がデメリットなのか、まず国民に向けてきちんとした説明が必要不可欠ではないのかと思っております。
 そこで、大臣には、今回参加しなければならない理由、参加しなかったときのデメリットは何か、また参加した後、予想されるデメリットはないのかなど、分かりやすく端的に意見を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#24
○国務大臣(枝野幸男君) 世界的に、二国間あるいは地域におけるマルチのいろんな経済連携がこの間進んできております。特に、日本を含むアジア太平洋地域において、そういった動きの一番先行しているのはこのTPPの交渉であります。
 これは、多国間で関税を始めとして様々な貿易に関するルール作りをしていると。このルールが、当然のことながら、ある例えば包括的な経済連携のルールができれば、それが一つのモデルになって、例えば日本はASEANプラス6なども積極的に進めたいということで努力をしているところでございますが、どうしても先行したルールというものがその後の交渉であるとかその後のルール作りについて大きな影響を与えていくことになります。こうしたときに、このルール作りのところに、我が国としての意見、立場というものを反映することなしに、一つの枠組みとしてのルールができ上がってしまうということがあり、それが、そこにとどまって終わってくれれば、それは日本は入りませんということなら入りませんでいいんですが、じゃ、この日本が進めていくASEANプラス6などについて影響を及ぼさないのかといえば、必ず影響を及ぼしていきます。
 こうしたときに、じゃ、ある程度のルールができ上がっているところに、いや、我が国はここについてはこういうルールでないと困るというようなことを後から言っていって、じゃ、我が国の主張や国益をどれぐらい通せるのか。じゃ、これから先々、アジア太平洋地域における経済連携、包括的な経済連携に我が国がコミットしないで我が国はやっていけるのかということを考えれば、これはこのルール作りのところに我が国としての意見、立場というものをしっかりと主張し反映させていくということが重要だと思っています。
 その中で、特に米国との関係がありますが、これはいろんな交渉を二国間でやるケースよりも、このTPPの交渉は九か国、つまり米国以外の八か国あります。つまり、アメリカほど大きな、例えば資源もたくさんある国ばかりではない、日本のように資源のない、あるいは面積も小さい国も含まれている。様々な国がある中でのマルチの交渉でありますので、我が国としての国益を守るために、ここのところはこの国と意見一致するからこれでぎりぎり押そうとかと、こういう交渉がこうした多国間の場合にはやりやすいと、こういうメリットがあるというふうに思っています。
 一方で、もちろん関税を中心として、関税を例えば下げていく、原則ゼロの方向に向けていくということになれば、当然よく言われている農業の分野を始めとして、そのことによる直接的な影響ではマイナスになるところが少なからずあるのは間違いないというふうに思います。ただ、そのことについては、じゃ、TPPなり何らかの経済連携を進める進めないにかかわらず、我が国として、国内問題として、しっかりとそういった産業分野を育てる、強化をするという取組はいずれにしろ必要であると。その取組とどう組み合わせていくことによってデメリットなくメリットを享受することができるのか、このことの議論と判断をしっかりとしていかなきゃならないと、こういうことだと思っております。
#25
○姫井由美子君 ありがとうございます。
 二国間よりも多国間の協議の方がより我が国にはメリットだという部分は分かったような気もいたしますが、先ほど、直接的に影響を受ける農業関係があると言われました。まさにその農業関係は、昨日も、また今日も、ずっといろいろな私たちに対する反対の要請、あるいは各地元でも行われていると思いますけれども、やっぱり一番最も懸念されるのがこのまずは農業関係だと思います。
 私はこのとき、二十年前のウルグアイ・ラウンドのときの状況をつい思い出してしまいますけれども、農産物の自由化が議論され、米開放が叫ばれました。そして、このときやっぱり同時にそれを救済する策というものが私はもっともっと強く取られなければならなかったのではないかと思っています。これのために多くの農家が疲弊したのも事実ではないかと思っております。
 民主党政権になって、戦略作物への作付け転換を促し、食料自給率の向上、農業の多面的機能の維持を目指して、戸別所得補償制度というものを導入いたしました。農業経営の安定と国内生産力の確保を図っているところではありますけれども、農産物自由化で農家の負担増が見込まれるのであれば、もっと早期にこのような制度をセットしておくべきではなかったかと思いますけれども、ただ、今回のTPP参加交渉で考えられるデメリット、特に農家につきましては長期的な視点の下でこのデメリットに対する対策というものは何かお考えでしょうか。
#26
○国務大臣(枝野幸男君) 過去のことを申し上げれば、ウルグアイ・ラウンドのときのいろんな対応策にとどまらず、残念ながら今、日本の農業は後継者が少ない、非常に高齢化をしてしまっているということの中で、TPPのいかんにかかわらず、例えば自給率を維持して高めていくということに向けて、これは農業をやっていただく方がいなければ例えば農地があったとしても食料生産できないわけでありますから、いずれにしても、これまで残念ながら結果としてそうした後継者、つまり若い人たちが積極的に参加したいと多くの方にも思っていただける状況になっていなかったということ、これを抜本的に変える、これはTPPいかんにかかわらず我が国として不可欠なことだと思っています。
 一つには、所得補償というような形で、特に中山間地など、産業としての農というよりも、例えば国土を守ったりコミュニティーを守ったりという側面の農をしっかりと支えていく上では、こういった所得補償という仕組みをより早くより強力に進めていく必要が大きいだろうと思っておりますし、またさらに、例えば先日私は神奈川県の秦野というところでドーム型の野菜工場を見てまいりましたが、日本の農業以外の物づくりの様々な最先端の技術をうまく組み合わせて活用すれば、農業の生産性は非常に大幅に向上します。
 例えば、ハウスで栽培をしていたときと比べると、円形のドームになると燃料の効率が、面積、体積が小さければ小さいほど少ない燃料で例えばハウス等ができるわけでありますから、こういったことについて技術をうまく組み合わせることで大幅にコストを下げているというようなこと。こうしたことをもっともっとやれますし、それから、日本から海外に農産物、安全でおいしいということについて、原発事故の影響があって心配をしておりましたが、先日、シンガポールや中国に行ったときにも、いろいろとまだハードルはあるけれども、しかし日本の食べ物のおいしさと安全性についてはやはり高い評価をいただいていることを改めて認識しました。そうしたことでむしろ打って出るものもたくさんある。
 こうしたことを総合的に組み合わせることによって、日本の農業はしっかりと国際的に競争し、なおかつ日本の国土と食料自給は守れると、そこに対しては相当強力な支援を進めていこうということで、食と農林水産業の本部で先日その方針を固めたところでございます。
#27
○姫井由美子君 ありがとうございます。
 農商工連携につきまして、私が参議員になったときには、経産省、農林水産省で百億、百億、二百億あったのが今は四分の一ぐらいになってしまっているのを大変私は心配しております。是非、産業として戦略的な農産物、この世界への売り込みにつきましても経産省として力を入れていただきたいと思っております。
 そして、先ほど、特にこのTPPにつきましては、対米関係、これを意識しないではいられません。対米との交渉については、二国間よりも多国間ということで今入っていく方がいいのだと言われました。このTPPというのは、各国の制度を標準化し、規制を緩和しようというものという言い方でもまとめられるのではないかと思っておりますけれども、それぞれ各国には歴史的背景や文化に応じた独自の制度があります。
 例えば、これは所管ではないかもしれませんが、もう一つ懸念されているものに保険制度というものがあります。日本は国民皆保険制度に対しまして、アメリカでは医療費が高く、健康保険は高齢者や低所得者には別の公的な保険がありまして、ほとんどは民間の保険で賄っている。そして、大変この医療に関しては格差がある。このTPPの各国の制度を標準化することによって、日本に合わすのではなく、例えばアメリカ型に合わせてしまうと、日本のせっかくのいい制度が崩れてしまう。あるいは、アメリカではこれまで保険診療と自由診療を併用する混合診療というようなものがありまして、日本に対する解禁というものに対しても強く申入れをされておりました。また、病院の株式会社導入につきましても求めてきていました。こういった医療分野でも大変心配されている声がございます。
 こうした本当に多国間で日本が協議に参加することによって主張を明確にはっきりと打ち出し、そしてアメリカの二国間よりもいい成果を受けることが本当に可能なのかという部分について、大臣のもう一度決意と御意見を伺いたいと思います。
#28
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘いただいたような危惧はあるということは十分承知をしておりますが、まずこれは経済連携の話でありまして、例えば医療保険制度であるとか、医療をどういう水準でどういうふうに例えば医師の免許を出すのかとか、こういった話は経済連携の話とは違います。
 それは、今交渉参加している九か国の中でもそれぞれ国によって全く事情が異なっています。そして、その中には先進国もありますが、途上国もあります。先ほど申しましたとおり、面積の小さな資源のない国もあります。そうした国々が合意ができる経済連携の話を九か国で今進めているわけでありまして、もちろんアメリカにはアメリカの国益と主張がありますから、いろんな思いはあるのかもしれませんが、しかしどう考えても、今の九か国だけを考えても、今危惧をされたような問題が合意ができるというような環境にはないというのは私ははっきりしていると思っております。
 そうしたことの中で、さらにそうしたルールメーキングのところにしっかりと我が国が直接入っていくことがもしできれば、より直接的に情報収集した中で、我が国としてこれは譲れない、こんなことはあり得ないというようなことについて明確に万が一議題に上ったとしても主張することができますので、そこについての危惧は私は当たらないというふうに思っております。
 むしろ、今のようなことについては九か国でも進むとは全く思いませんが、様々な貿易関係のルールなどについて、九か国で固められてから、バイで、あるいは日本についてどうするんだと迫られるようなことに遭ったときの方がより最悪のケースとして危惧しなきゃならないんじゃないかと思っております。
#29
○姫井由美子君 ありがとうございます。
 今日、難波委員もおりますけれども、郵便貯金など我が国に根付いた制度やサービスが排除されるのではないかという、そういった懸念もございますので、そういったことがないようにしっかりと防御、主張していただきたいと強くお願いしておきます。
 そして、先ほど、二国間よりも多国間の方がいいということにまた戻りますけれども、今我が国でも既に二国間の交渉あるいは発効済みのものもあります。TPP交渉参加国のうち六か国とは既にFTAが発効済みであり、あるいは署名済みであり、オーストラリアとも二国間交渉が続いていると伺っております。FTA、EPAあるいはWTOなどそのほかの枠組みではなく、やはりTPPである必要性、今大臣は何度もこれがいいというふうに言われましたけれども、これをやはり国民全体に分かりやすく、TPPとかEPAとか、こういうふうに英語が並ぶものですから、どれがどう違うのかって非常に分かりにくくなっております。
 経済産業省の部門会議でも、このTPP交渉への参加を表明することでEPA全体の推進につながるからいいんだというメリットの説明があったんですが、ここもよくちょっと分からなかったものですから、是非こういった意味でも、そのそれぞれの違い、そして、でもその中でもこれがいい、あるいはこれをすることによってこうなるという部分が本当にどうなのかという部分を最後にもう一度お伺いしたいと思います。
#30
○国務大臣(枝野幸男君) もちろん、日本と今既に二国間での自由貿易協定がある国、あります。それから、今後もそういった努力を進めていきます。
 ただ一方で、現状でも九か国という、しかもアメリカを含むアジア太平洋地域においては、かなりまとまった形での多国間のルールが今作られようとしているわけです。このルールができ上がれば、すぐに例えば、日本が入っていなかったとしてですよ、その九か国のどこかと二国間のFTAがすぐに変わるわけではありませんが、まさにここで作られたルールが共通ルールの一つのモデルとして定着をもししていくことがあれば、当然、今後の日本がやろうとしている二国間の話とか、あるいは既にある二国間の話について今後の例えば改定作業のときに、当然こうしたことがベースになった議論ということになりかねない話ですから、そういうルール自体が、我が国がしっかりとコミットした形で、我が国の立場から見ておかしなものにならないようにしっかりコミットしておきませんと、既にあるFTAにも将来的には影響しかねない話であります。
 さらに言うと、ほかのマルチの交渉についても、いろいろ進めていく上で、もしTPPがどんどんどんどん前に進んでいく、そうしたことの中で、例えば日本もそこでちゃんと物を言っていくというようなことであれば、他の国の立場からすれば、日本やアメリカや、そしてそのほかの、今八か国がということでルールメーキングが進んでいくんだとすれば、自分たちの国も、あるいは自分たちの他の枠組みの包括的な交渉についてもむしろ取り残されて、自分たちの意見がルールメーキングに反映されないというようなことになってはいけない。これはもうどの国もそういう立場だと思いますので、そうしたことに対して影響を与えていくことになるだろうというふうに思っています。
#31
○姫井由美子君 本日の大臣の説明から、やっぱり今入っていかないと今後日本は取り残されてしまうというやっぱり懸念というものが一番に最も重要だということが分かりました。
 しかし一方で、それに対して強く反対を示しているところに対しては、やっぱり粘り強く納得がいく分かりやすい説明というものを続けていただいて、国民の総同意で進めていただきたいということを強く望みまして、次の質問に移りたいと思います。
 先日、十月十四日、私はチェルノブイリで長年にわたって被災地の医療支援に携わっていました長野県松本市の菅谷市長の講演を聴く機会がございました。菅谷市長は、子供たちを放射能から守るためには、放射能を正しく知って、正しく怖がる、このことの大切さを説かれました。
 今、先ほどのTPPも同じなんです。情報の錯綜から、この放射能につきましても、いろいろな情報が錯綜して非常に恐怖心だけをあおっている部分も懸念されております。また、参議院では、十月十八、十九と福島県におきまして研修会を重ねまして、そして福島市内の視察等もいたしました。それも含めまして質問したいと思っております。
 私は、飯舘村というところ、全村疎開されている、村長さんにお会いしました。飯舘村というのは、日本で最も美しい村というフランス等がつくりましたその制度に入っている、そこに認定されている村でもあります。私たち岡山県にも新庄村というところが日本で最も美しい村というところに認定されておりまして、岡山県の新庄村と福島県の飯舘村とがもう相互に交流があるということで大変懸念をしておりました。
 何にも、津波も地震も今回は被害に遭っていない、村は何にも変わっていない、なのに住めないというこのジレンマというものが相当大きいというふうに聞きました。村長は、全村民が、全員がやっぱり必ず村に帰るためにも、除染というものは山も含めてやはり最後まで徹底的に行ってほしいということで、飯舘村除染計画書を見せていただきました。住環境は二年、農地は五年、森林、山を含めましては二十年を掛けて村全体の除染に取り組むという強い決意が示されておりました。
 しかし一方で、IAEAの報告等で山に関して等は、それだけの費用対効果があるのかというようなことも出されておりましたけれども、特にこの除染につきましては枝野大臣の直接的な所管ではないかもしれませんけれども、ふるさとに帰りたいという真摯な思い、願いに対して、経産省として民間活力などの支援についてはできるのではないかと思いますので、お考えをお伺いしたいと思います。
#32
○大臣政務官(北神圭朗君) 経済産業省直接の所管じゃなくても、極めて除染というのは大事であって、我々も首長の皆さんからこれに真っ先に取り組んでほしいという要望もしっかり受けているところでございます。
 大規模な除染を効率的にかつ効果的にやるためには、当然民間の力というものはもう不可欠でございまして、経済産業省としては、これは経済産業省直接じゃないんですが、内閣府として十一月中にモデル事業ということでいろんな除染の、特に警戒区域とか計画的避難区域において除染の実証的な事業をやると。そこでどういう、こういう地域にはこういう手法が適切だとか、そういったことを検証するわけでありますが、このモデル事業においても民間企業の参加を今得てやろうとしているところでございます。
 あともう一つは除染の技術、この技術開発も極めて大事なんですが、これも原子力災害対策本部の委託事業において実証試験の公募をやっているところでございますが、これもできるだけ優れた技術を発掘するために民間企業等を対象にして行われているところでございます。
 こういった方法を通じて、民間企業にも積極的に参加していただいて、この除染というものをできるだけ早く、かつ効果的に進めてまいりたいというふうに思います。
#33
○姫井由美子君 是非、やはりそこに帰りたい。
 私は、ちょうど南相馬市、学校が校庭を全部表土を除去して除染をして、これから学校に帰ってきてもらうというその前の学校を視察いたしました。よく小学校の校庭にはタイヤがあったり、馬跳び、跳び箱などとしてタイヤが埋まっていますけれども、そのタイヤが見えなくなるぐらいまで本当に目いっぱい新しい土を入れてふかふかになっておりまして、先生方も張り切って机を入れておりましたけれども、でも伺いますと、百四十七人いた生徒で帰ってきたのは二十七名だと聞きました。半分が県外に、半分は県内の違うところで帰ってこないと聞きましたので、やはり徹底した除染と安全宣言というものをどう打ち出すかということが必要ではないかなと思いました。
 あわせまして、やはり市民団体ももう政府がするまでも待っていられないということで、福島市内の商店街の中に市民放射能測定所というものを開いておりまして、ホール・ボディー・カウンターが置かれてあったり、あるいは食品のいろんな線量が測れるものとかがございまして、二十歳未満はホール・ボディー・カウンターを無料で、二十歳を超えると三千円とか有料でということでしておりました。
 そこで、こういった被曝から子供たちの未来を守る生活手帳というものが販売されておりましたので興味深く思いました。福島県も、健康管理調査ということで行動調査等を行っていますけれども、それだけではなくて、これは三月十一日以降、何を食べたか、当日の天候、子供たちの様子、何時間外にいたか、大変きめ細やかなので面倒くさいかもしれませんけれども、でも実はこれが五年あるいは十年後にもしかすると効いてくるのではないかなと私は思っております。これは本当に、有料で売られているものですから、ごくごく、ごく一部の福島県民の手にしか渡らないと思いますので、是非こういったものは政府の方でも作ってはいかがと思いますが、どうでしょうか。
#34
○大臣政務官(北神圭朗君) その生活手帳を作るということですか。
#35
○姫井由美子君 はい。
#36
○大臣政務官(北神圭朗君) そういった、まあ当然、今、福島県では放射能の影響で、子供たちの健康について、母親のみならず父親も含めて、みんな大変心配をしているという状況だと思います。
 こういうところで、生活手帳というものを、今後そういうことも可能かどうか検討してまいりたいと思いますが、我々も政府として支援をしているところでございまして、平成二十三年度の二次補正予算において、これは県が主体的にやっている県民健康管理調査とか、こういったものに対しても九百六十二億円の予算を措置して県の方をしっかり支援しているところでございます。
 特に子供さんについては、甲状腺の超音波検査を十八歳以下の全ての方を対象にして実施することとしておりますし、おっしゃったホール・ボディー・カウンターとか、こういった手法の検査や子供に対する個人線量計の貸与なども実施をしていると。
 ですから、今委員がおっしゃったことも含めて、いろんな方法で最大限子供たちを守ると、そして住民の安心を得るように取り組んでいきたいというふうに思います。
#37
○姫井由美子君 是非よろしくお願いをいたします。
 先ほどその市民放射能測定所というところではモニタリングもしていると言いましたけれども、そこは市民が持ち込む野菜やお米などの食品、沃素、セシウム134、セシウム137、カリウム40のガンマ線を計測をしておりました。当初はカンパでしたが、今は一検体について三千円で計測しているということです。
 私たち参議院の方の視察では、福島県農業総合センターでの農産物のモニタリングの様子も見学いたしました。本当に多くの人たちが、一度使った用具はやはりうつってはいけませんから全部使い捨てするということで、こんなカッターナイフで細かく肉とか野菜を切って、ほとんどが派遣社員で、その人件費のコストを掛けてしておりましたけれども。
 一方で、先日の院内の勉強会の中で、内部被曝防止のためにはやはり食の安全が何よりも重要である。東大の児玉教授によりますと、島津製作所がよくMR等に使うそういった装置を少し活用、あるいはそれを研究開発をして、流れ作業、ベルトコンベヤー方式で世界最高感度のGBO検知器を開発中だというようなお話もされました。
 これからそういった分野につきまして日本でもいろいろな開発がなされるのではないかと思いますけれども、機械ができたとしても、性能がいい機械だけではなく、その測定方法や測定技術、人の技術が精度が高くならないと計測結果にはばらつきができてしまう。機械を正しく使うための経産省の取組についてもお伺いしたいと思います。
#38
○大臣政務官(北神圭朗君) おっしゃるように、被災地だけじゃなくて、全国の国民の不安を払拭するためには、正確に放射線汚染の状況を把握することが大事だと。そして、委員御指摘のように、その計測のやり方とか、計測器の維持管理というか、どのように扱ったらいいのかとか、こういったことが非常に重要だというふうに考えております。
 経済産業省としては、本年の四月に計測の測定機器メーカーの業界団体であります社団法人日本電気計測器工業会というものがあるんですが、その知見を生かして、放射線測定の適切な測定方法について、普及するための方策について検討をお願いしたところでございます。
 それに対して、今申し上げた業界団体は、ガイドラインを本年五月に策定をし、発表していただきました。工業製品の放射線汚染を確認するための一次的な測定方法のガイドラインというものでございまして、内容を簡単に申し上げますと、放射線測定器に求められる最低要求仕様について、あと二つ目が適切な測定方法について、三つ目が汚染の有無の判断基準を示したガイドラインということで、こういった取組もしていただいているところでございます。
 経済産業省としては、今後もこのガイドラインを一つの参考として、適切な放射線測定方法ができるだけいろんな分野で普及するように期待をしているところでございます。
#39
○姫井由美子君 ありがとうございます。食品については厚生労働省、そして家畜等については農林水産省ということで省庁が違うんですけれども、是非。
 もう、福島県の保護者の方々はみんな持っているんですよね。いつもそれを持ち歩いていて、この谷間はいつも高いとか、ここは低いとかって、自分なりのもう持っているんですけれども、ただ正しい測り方というもの、先ほどの工業会では、少なくとも建物から一メートル離してとかいろいろな条件とか設定があるんですけれども、それすらも知らないで、つまり、今そういった測定器というものは日本のメーカーよりも外国のものが多いですから、説明書も余り親切ではなくて、その数値だけを信じて、安心したり不安に思ったりという繰り返しなんですね。そういったやっぱりばらつきというものもどこかでしっかりとガイドライン、あるいは周知をして、正しい情報、最初に言いましたように、菅谷市長は、正しく知って、正しく怖がる。余計に不安をあおるのではなくて、そこに私はやっぱり徹底して政府は力を入れていただきたいなと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 続きまして、放射能被害からの精神的な被害についてお伺いしたいと思います。
 住民の精神的な影響被害は実は放射能の直接的な被害よりも大きいと指摘しているのは、一九九一年にIAEAが、チェルノブイリ原発事故の精神的影響は生物学的なリスクに比べ非常に大きかったとの結論を公表しているのと同じではないかと思っております。私も、本当に何年後かにがんが発生するかどうかよりも、今受けている精神的被害が将来の子供にどう影響を及ぼすかということのリスクというものの方が、私は今最も大事ではないかなとも思っております。そして、国連のチェルノブイリ・フォーラムの、事故の最大の影響は住民の精神的健康面に認められ、健康にもたらすリスクに関する情報が適切に提供されなかったことによって被害は更に深刻になったと述べています。この点は福島原発事故にも全く同様であると私は考えています。
 今我が国日本では、残念ながら年間自殺者が十三年間連続三万人を超えている状況でございます。民主党政権になり、政府・与党を挙げて自殺予防対策を講じて、実は昨年は一昨年に比べて自殺者数が千二百八十五人減少したという、こういった少し明るい報告も出ているわけです。
 住民の精神的な影響被害を少なくすることは自殺予防の観点からも極めて重要であると思いますけれども、特に大臣は官房長官でいらっしゃいました。官房長官時代に毎日毎日テレビに出ていたのを、私たちの東日本大震災あるいは福島原発事故の顔というものは、やはり大臣の顔を皆さん思い浮かべます。直ちに健康被害が出るおそれはないと繰り返し述べられておりました。あの言葉で福島の大多数の人たちは、放射能への防御をするべきか、しなくてもいいのか、つまり、放射能が心配だと口にも出せず、動けず、でも一方では心配でたまらず、そういった精神的なストレスが実は相当大きくあったという話を先日伺ってまいりました。
 そういったことも含めて、この精神的被害の影響についてお伺いしたいと思います。
#40
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり原発事故の当時官房長官という職にありまして、先ほどお話ありました飯舘村には私も避難の前の段階で入らせていただいて、本当に美しい村で、何とか早くあの村に皆さんお戻りいただけるように最大限の努力をしなきゃいけないと、一個人としても強く感じているところでございます。
 その上で、今のお尋ねでございますが、本当に正しい情報をしっかりと認識をしていただいて、正しい情報に基づいていろいろとお考えをいただくということは大変重要であります。それがないと、大変精神的なプレッシャー、御負担というものがむしろ心身に悪い影響を与えるというこの問題も大変大きいと思っております。
 現に、既にもう多くの不安を抱えておられる皆さんに対してできるだけ客観的かつ科学的にいろんな情報をお伝えをするということで、政府として直接という形では、特に小児、子供の甲状腺被曝調査の結果に基づいて本年八月に説明会を開催をいたしましたが、そのほかに、福島県内の市町村が実施をしている放射線の健康影響等に関する住民説明会、既に三十回以上開かれていると承知しておりますが、こちらに政府としてしっかりと説明に参る、それから独立行政法人放射線医学総合研究所が直接的に全国で二百回以上の講演、説明を行っているという状況でございますが、これ更にこうした頻度を増やすと同時に、より、ああ、これは間違いないんだなということを確信していただけるように、IAEA等の国際機関あるいは海外の専門家の皆さんの意見等と、主に専門家ということでは放射線医学総合研究所が一番適切かなと思っておりますが、そうした皆さんのところに集約をして、我が国で、特に政府の関係者が言っているだけではなくて、国際的にこういうことなんですよということをきめ細かくお伝えできるように更に努力をしてまいりたいと思っております。
#41
○姫井由美子君 ありがとうございます。飯舘村の件もよろしくお願いいたします。
 続きまして、自主避難の方への支援と精神的影響をちょっと一括してお伺いしたいと思うんですけれども、特に原子力災害対策特別措置法に基づき避難指示等がなされた地域以外のいわゆる自主避難と言われている人たちについてです。
 その自主避難者は、やっぱり多くは小さいお子様のいる家庭なんですね。将来の世代への健康影響へのおそれというものは、特に親が子供に対して健康被害のリスクを回避するためには、私はこの自主避難という選択も正当な選択として認めてあげたいと強く思うものです。こういった自主避難の方々に実は精神的影響が、被害の影響が出ているのは明らかで、非常に、自分たちだけ逃げてしまったという、そういった自分たちを非難するという部分も非常にあるというふうに聞いております。こういった自主避難者に対する損害賠償、これもどういうふうに考えているかお伺いしたいと思います。
 そしてまた、二十四日に福島県知事の佐藤知事の方から東電に対しまして、今回の住民の精神的影響被害に対する損害賠償の対象については、例えば、子供あるいはその親、妊婦等は年間一ミリシーベルト、そのほかの者は年間五・二ミリシーベルトを超える地域の住民に損害賠償を求めるという意見があるという、こういった線引きに対して、こういうふうに被曝量の年間一ミリシーベルトか年間五・二ミリシーベルトというふうに線引きするのではなく、福島県民全員をホットスポットとして、地域住民全員を是非対象にしてほしいというような要望が出されたとも聞いておりますけれども、こういったことは福島県民からも強く受けております。こういった線引きされることで、非常に自分たちは疎外されたという感もあると言われております。実は、その自主避難者にも線引きをしないで、県民であった者全員にというのが私の要望でございます。
 本日、ちょうどこの委員会がお昼休みの十二時から、参議院会館においては、福島県原発事故区域外の避難者への支援、つまり自主避難者への支援と完全賠償を求める院内集会というものを開催されると聞いております。そして、今日、傍聴席にもTOSSNETの方々がいらっしゃいますけれども、こういった災害の支援を法律家、まあ私と同僚の司法書士を含め、大臣と同じ弁護士等の法律家を中心として、災害支援していた方々が中心となってこういった集会等を開いているんですけれども、是非この精神的被害について線引きをしないで、自主避難も含めて福島県民全員をというところでお願いしたいと思うんですけれども、大臣の御意見をお伺いしたいと思います。大臣じゃないかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
#42
○副大臣(牧野聖修君) 今の先生の御質問に対して答弁をさせていただきたいと思いますが、先生の御主張とお気持ち、全く同感でございまして、問題意識といろいろな現状認識につきましては私ども共有していると、こういうふうに思っております。
 その上で答弁をさせていただきますが、御趣旨は二点あったかと思いますが、一つは自主的避難者についても東京電力による損害賠償の対象とすべきではないか、まず一点でありましたね。これについてお答えをさせていただきますが、自主的避難をされた方々の賠償につきましては、現在、原子力損害賠償紛争審議会においてその実態を踏まえつつ今議論が行われていると聞いております。そして、損害項目が中間指針に示されていない場合であっても、原発事故と相当の因果関係が認められれば東京電力は賠償金の支払を行うべきものと承知しており、東京電力に対し、被害者の方々の御主張、実態等をしっかり聞いて、被害者の方々の立場に立った賠償を行うように指導をしていく所存でございます。
 いずれにいたしましても、今回の原発により被害に遭われました方々に対する賠償が迅速かつ適切に行われるよう万全を期してまいりたいと、このように思っております。
 そして、もう一点の御質問でございましたが、精神的損害に係る損害賠償の現状の範囲について確認をさせていただきながら、その上で賠償の対象範囲を福島県民全員とホットスポットに指定された住民の方々全員に広げて東京電力に賠償させていくべきだという、そういうお考えでございました。
 その点についてもお答えをさせていただきますが、原子力損害賠償紛争審査会におきまして、精神的損害に関する東京電力による損害賠償の範囲は、政府が指定した避難等対象区域から避難を余儀なくされた方々とされております。しかしながら、中間指針で対象とされなかったものが直ちに賠償の対象とならないというものではありません。避難等対象区域外の福島県民の方々やホットスポットに指定された住民の方々につきましても、本件事故による精神的苦痛に関し、個別の事情によっては相当因果関係があるものとして賠償の対象として認められ得ると、そのように思っております。中間指針においてもそのように記されているところであります。
 今後とも、被災者の方々の実態を踏まえつつ、このような指針の考え方に従って迅速かつ適切な賠償金の支払を東京電力に促してまいりたいと、そのように考えておりますので、よろしくどうぞお願いいたします。
#43
○姫井由美子君 先ほど言われましたけど、これから自主避難に対しては指針が出る、出されるということですので、今の福島県民の気持ちを本当にしんしゃくした指針であるかどうかというものに関しましては、やはり私たちも意見を言える、大臣もしっかりと意見を言っていただく、そんな環境を是非つくっていただきたい。そして、中間指針では、それだけに限らないと言われましたけれども、もう全員をでいいじゃないですか。それを是非こちら側からも強く言っていただきたい。それは福島県民全員の声だと思います。どうぞよろしくお願いをいたします。
 そして最後に、今回大臣の所信の中で、省エネ強化、再生エネルギーの抜本的導入、スマートコミュニティーの構築等、どれも重要な取組であると思います。しかし、国民の中で意見が分かれるのが原発の再稼働、ストレステストです。
 点検済みのものは地域住民などの理解を前提として判断すると述べられましたけれども、地元の同意が得られるかどうか、あるいは点検のためのストレステストの内容や評価についての情報公開が大前提であると考えられますが、まずもってこのストレステストとは何なのかということも本当に全く知られていないんですね。是非、大臣の考える原発の再稼働についての条件とは何か、そして我が国全体のエネルギー政策について、大臣の考えをお伺いしたいと思います。
#44
○国務大臣(枝野幸男君) まず、ストレステストでございますが、従来の、従来のといいますか、その何というか安全指針は、ある線をクリアしているのかどうか、マルかバツかということで、もちろんバツであったら駄目なわけで、ある線を超えています、クリアしています、マルですということが全部そろったらオーケーということなわけですが、ストレステストは、何かの事故、事態を想定をして、それに対してどういうふうに安全性が確保されるのか、それを数字で、つまりクリアされるぎりぎり、安全確保されるぎりぎりを一・〇として、もちろん一を超えていないといけないことになりますけれども、どれぐらい余裕度があるのか。
 具体的に言いますと、設計上の想定を超える地震や津波、あるいはそういったものが一緒に起こった場合、あるいは全ての電源が喪失をしたり冷却機能が喪失をした場合、あるいは炉心損傷や格納容器の破損等が実際に発生してしまった場合、どういうふうな安全対策が取られて、それがどれぐらいの余裕度のあるものなのかということをシミュレーションしてお示しをするというものでございます。
 どうした事態のときにどれぐらいの余裕度があるのかということを、当然のことながら、これ各、今、事業者が行っているストレステストが報告をされましたら国民の皆さんに見ていただき、専門家の皆さん含めて、それに対してもしかすると、いや、こんな想定じゃ駄目だとか、この余裕度の見方は良くないんじゃないかとかいろんな声があり得るんだろうというふうに思いますが、そうしたことも含めて保安院において内容を確認をするということ、そしてその上で最終的には原子力安全委員会が確認をしていただくということで、ダブルチェックをそこに対しても掛けていくと。このプロセスにおいて国民の皆さんの前に対する透明性、公開性をしっかりと確保していくということを進めてまいりたい。
 そうした透明性、公開性を持ってどれぐらいの余裕度を、どういう想定にどれぐらいの余裕度を持っているのかということを国民の皆さんに共有をしていただいた上で安全性について信頼をお寄せをいただけると。これについてはまさに何か機械的に判断できるものではありませんので、最終的には政府として政治レベルでその国民の皆さんの持っておられる安心の側面について判断をさせていただいて、安全と安心が確保されたものが出てくれば再稼働すると、こういうことであります。
#45
○姫井由美子君 是非、国民の理解を得て進めていただきたいと思っております。
 そして、先ほどの損害賠償につきましてですけれども、原賠審の委員についてはこれは枝野大臣の所管ではありません。しかし、その委員の中は法律家ばかりに偏っていて、精神的な影響の被害に対する専門家、あるいは放射線、医学、精神保健、自殺対策の専門家等、そういった様々な分野の方が入っていないと聞いておりますので、是非もう一度見直していただきたいとも思っておりますので、この委員会ではありますけれども、強く要望しておきたいと思います。
 それでは次に、公正取引委員会の今回の出ている所信につきまして竹島委員長の方にお伺いしたいと思いますが、独占禁止法の一部を改正する法律案、これは前回の常会、継続審議になっておりました。公平性に関する批判を解消する観点からと書いてもありますように、今回、審判についての改正、審判手続の適正化を含めて改正が出ています。ジャッジとプレーヤーが一緒でいいのかというような問題意識というものをよく言われておりますけれども、竹島委員長の方には、本当にこの審判制度を公取から切り離すことで適正かつ公平な日本の取引になるのかということも含めて、あるべき審判制度について率直な御意見をお伺いしたいと思います。
#46
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 公正取引委員会の審判制度、これは一般の裁判、何といいますか、紛争処理の手続では日本の場合は三審構造になっておりまして、地方裁判所、高等裁判所、最後は最高裁ということになっているわけですが、公正取引委員会の行政命令に対する取消し訴訟、これにつきましては地方裁判所の代わりを公正取引委員会がやるということに当初から、昭和二十二年の発足以来されておりまして、これは独立行政委員会たる公正取引委員会、準司法機関というふうにも評価されているわけですが、それの一つの象徴的な機能であるということでずっと来ておりました。
 ところが、実態は、公正取引委員会、一旦その調査をして、これは違反行為であると、何条違反であるという結論に達して命令を出すわけでございます。それは、言ってみると、検事の役割を事実上果たしている。それに対して不服のある企業側は同じ検事にもう一回不服申立てをしたって、それがまた裁判官役を同一の機関がやるということにもなるので、これはフェアではないと、廃止してほしいという御意見が経済界からかねてからあります。
 特に平成十七年の独禁法の強化改正によって、課徴金も上がるし、それから強制捜査の権限も入るしということで、ペナルティーが非常に強くなったのでますますその手続の不公正さというものについては直してほしいという御意見がございました。それで、数年議論をしてきたわけでございますが、民主党政権になられて、政務三役の当時の御決断もありまして、これは廃止しようということになりまして、昨年の通常国会に審判制度の廃止を内容とする改正法案を出させていただいて、残念ながら五回、御審議いただけずにこの国会に継続審査をされております。是非、これはそういうことで基本にかかわることでございますが、それゆえに長いこと宙ぶらりんの状態というのは非常にまずいと思っております。
 経団連も最近、改めて再度早急に通していただきたいということを先生方にお願いしておられると思いますが、私どもも、この際、そういうことで、地方裁判所から争えると、その代わり、公正取引委員会の命令についてはより一層慎重にして、無駄な争いにならないように、何が争点かということが明らかになるような、それに対してはこういう考え方なんだということが更に明らかになるようなことも、我々自身もやりますし、企業側にも命令を出す前に事前説明手続でその点は丁寧に説明をして、その後でもなお不服のある場合はもう裁判所に行っていただくと、東京地方裁判所に行っていただくと、こういう内容でございますので、これで関係者の御理解はいただけるものと、是非そういうことで制度の安定を図っていただきたいというふうに思っています。
 それから、審判制度はそういうことで廃止されます。しかしながら、私どもは独立行政委員会として、強化された独禁法、これは将来においてもなお必要があれば改正をして、きちっとこの独占禁止法の執行力というものはこれからもきちっと達成していきたいし、その判断は独立した委員会がやるということの公正性、中立性ということが非常に大事だと思っていますので、そういうものとして努力していきたいというふうに思っております。
#47
○姫井由美子君 ありがとうございます。
 つまり、まあ検事役が裁判官役両方というのはどこかで限界があったということでございますね。私たちもしっかりと審議していきたいと思っております。
 そして、今回、この七月、公正取引委員会はフランチャイズ・チェーン本部と取引に関する調査報告書、非常に丁寧な報告書を出していただいております。この報告書は、フランチャイズ一万店舗を対象に、回答数は千九百三店、特にコンビニ等が九〇%近く回答しているということで、そしてほとんど、コンビニとそれ以外のフランチャイズをちゃんと分けて、分かりやすく分析をしているという意味で私は非常にいい調査だと思っておりますので、是非、また経済産業委員の皆様にも配付していただけたらと思っておりますけれども。
 これを見ておりますと、今回、コンビニを含めて、震災で大活躍をされたんですけれども、しかし一方では、まだまだ募集の段階でも本部が開示した内容と実際の内容は違っていたとする加盟店の割合が高い。そして、本部から契約書が提示された時期が契約当日だったというのが半分以上。また、商品の仕入れについては、加盟店が必要と考える量よりも多く仕入れて、売れ残った数を評価をして、たくさん売れ残った方がいい評価点が付くというような評価基準をしている本部。そして、商品の廃棄については、これは廃棄を、見切り販売等をすることによって評価が下がったり、あるいは契約を解除、不利益な取扱いを、見切り販売は優越的地位の濫用ということで排除措置命令も出たにもかかわらず、まだそれに関しては非常に強くできない状態であるということ。そして、最後には新規事業の導入、加盟店の承諾もなく協議もなく新たにいろんな事業が導入されていく。例えば、公共サービスあるいは公共事業等ですね、そうしたことに対するもので、たくさん細かく出ております。
 これに対応いたしまして、公正取引委員会は、本部の経営指導員に対する講習、あるいは既に公取が持っているフランチャイズのガイドラインの周知徹底等を更なる強化、自主的取組ができるような要請をしていきたいというふうに言っておりますけれども、ただ、この経営指導員の資質についても大変差がありますので、本当にこれだけでいいのかというふうに思っております。
 本当にせっかくのいい調査ですので、この調査を踏まえて、取組に対して講習会であるとか周知徹底、業界における取組の要請、こういったことだけでいいのかということをお伺いしたいと思います。
#48
○政府特別補佐人(竹島一彦君) 公取のフランチャイズチェーンの関係の調査について御評価いただきまして、ありがとうございます。
 私ども、こういう調査なりフランチャイズのガイドラインの徹底、これも認知度も十分じゃないということも分かっておりますので、特に関係団体、具体的には、社団法人日本フランチャイズチェーン協会を通しましてその加盟各本部に対してきちっと徹底するようにということを再度お願いをしておりますし、それから業種別の講習会ということで、経営指導員を含めまして二十三年度に、九月、十月に合計九回各地で講習会をやっております。
 これからもできるだけフランチャイズのガイドラインが普及徹底されるように努力をしていきたいと思っております。
#49
○姫井由美子君 是非お願いをいたします。
 私自身としては、新しい法整備も必要ではないかと思っております。そこは竹島委員長とは少し考えが違うかもしれませんけれども。しかし、公正取引委員会もやはり限度がありますよね。先ほど審判制度がとうとう廃止になるかもしれないという、自分たちができるところも限度があるかと思います。
 下請につきましても、今回、下請代金遅延防止法で指導を受けた件数は、昨年は四千二百二十六件と過去最多になりました。今年、震災の影響でもっと増えるかもしれません。これも私たち民主党では下請いじめ防止法案というものを二年前のマニフェストでは掲げておりました。やはりこれから起こってくるものを未然に防ぐためにも、新しい法整備というものも視野に入れていただきたいと思っております。
 公正取引委員会は竹島委員長に、肩に掛かっていると言っても過言ではありませんけれども、日本の公正な取引をこれからしっかりと適正かつ円滑にしていくためには、やはり私たちみんなで分け合って、そして必要であれば新たな法律を作ってでもしっかりと産業が公正な取引になるためにも頑張っていかなければいけないということで、私はこれからもそのために尽力をするということの決意も申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#50
○轟木利治君 同じく民主党の轟木利治でございます。
 私も当委員会での質問、初めてでございますので、よろしくお願いしたいと思います。そしてまた、高橋筆頭理事また姫井理事とも同じような質問が若干かぶるところありますけれども、議論の展開として必要と認識しておりますので、よろしくお願いをしたいと思っております。
 私の方は、まず当面のエネルギー需給安定対策についてお伺いをしたいと思っております。まず、現状の評価について大臣にお伺いをしたいと思っております。
 新成長戦略実現会議の下に設けたエネルギー・環境会議は、当面三年間を目標期間として、当面のエネルギー需給安定策として中長期に向けた革新的エネルギー・環境戦略の基本方針を策定することとしております。
 ここではまず、この安定化策と戦略の基本方針について、策定の基本的な姿勢についてお聞きしたいと思います。
 まず、当面のエネルギー需給安定策について、足下の状況、すなわち今年の夏の電力需給対策についてどのように評価されているのか、お聞きしたいと思っております。
 数値目標は全体として達成されているものの、大口需要家に著しい負担が掛かり、小口需要家の業務部門、家庭部門における取組は不十分とは言わないまでも改善すべき点があったのではないか、また地域間の融通についても改善すべき点があったのではないかと思いますが、こういった点についてお聞きをしたいと思っております。
#51
○国務大臣(枝野幸男君) この夏の電力需給対策については先ほど高橋委員からの質問にもお答えをいたしました。大変な皆様に御協力をいただきましたことに感謝を申し上げます。
 そして、御指摘いただきましたとおり、今回は大口の皆さんにかなり御無理をお願いをしたと、そのとおりでございます。震災が三月十一日で、きめの細かい節電についての対策といいますか、お願いをすることが十分にできずに、大きなところが一番効果があるということでかなり御無理をお願いをしたというのが率直なところでございます。ただ、結果的にといいますか、それは当初から危惧していたわけでありますが、産業用の電力、まさにかなりの部分が電力消費が生産量と比例的な関係にある部分のところで電力を節約する、あるいは休日シフトなど働き方の側面からも非常に御無理をお願いをしているというようなこともございます。
 したがいまして、何とかこの冬、そして来年の夏に向けての節電をお願いをするに当たっては、よりきめ細かく、特にそういった意味では影響の小さな部分のところでより節約をしていただくということで、家庭部門あるいは業務用の部分のところでは、電力消費が直接、何というんでしょう、経済活動であるとか生活の質に影響を及ぼさないで節約をしていただける部分の余地があるというのもこの夏の一つの総括でございますので、そういったところにより大きな御協力をお願いをして、産業用の部分のところについては、日本経済に与える影響も考えて、御無理なお願いをしないで済むような中での計画とお願いをしていくべく、今最終段階の整理をしているところでございます。
 また、地域間の融通については、特に東北電力や関西電力における地域間の融通については一定の効果を上げて、東北では東北だけでは大変危ない時期がありましたけれども、ここの融通で何とか乗り切ることができたということがございます。この冬、来年の夏に向けても、電力会社ごとに若干のゆとりのあるところとマイナスが見込まれるところとございますので、ここにより効果的な融通ができるように、そして実は将来的には、東西で分かれているという問題があります。これは一気には解決できない問題でありますが、この問題も中長期的な課題としては検討していきたいというふうに思っております。
#52
○轟木利治君 ありがとうございます。
 私が特に厳しめで見た業務部門そして家庭部門というところで申し上げさせていただくと、多分個人の家庭でいくと節約の限界がこのレベルではないのかなという気はしております。当然、今回の目的はピークカットでございますので、総電力量ではございませんけれども。
 というのは、これまでいろいろ地球温暖化の議論をしてきた中で、CO2の排出という面では一九九〇年単位でいけば業務部門、家庭部門が非常に増えたんだと、そこにやはり対策を打たなきゃならないんだということで政策を打ってきたことだと思います。そして、その対策として、直近ではエコポイントですとか、それから住宅パネルの補助金ですとか、こういうことをやってきたわけですが、果たしてその効果がしっかりこの数字として出てきているのかどうか、こういったところも含めて検証しなきゃならないと思いますし、これがもしまだ不十分だとするならば、これをどうまた改善していくのか、こういったところも今後の課題かと思っておりまして、そういったところも是非御指導のほどよろしくお願いしたいと思っております。
 次に、同じく大臣に御質問をさせていただきたいと思いますが、政府は、今年の冬の需給については拮抗すると、来年の夏は原子力発電所の全てが定期点検を迎え、そのまま再稼働しない場合、ピーク時に約一割の電力不足になるという見通しを示しております。
 この見通しが物語るのは、来年の夏に向けた短期的な対応ということでは、電力の安定供給のために原子力発電が不可欠ということであろうと思います。その安全性が確認された発電所において、国の責任を明確にした上で稼働すべきと考えますが、見解をお聞きしたいと思います。また、基本的な認識は同じだとしても、地元自治体、住民の合意を含めてどのように具体的に進めていかれるのか、お聞きしたいと思っております。
#53
○国務大臣(枝野幸男君) 地元住民の皆さんを始めとして、国民の皆さんに原子力発電所の安全について信頼をいただいて再稼働ができるとすれば、まずは、客観的、科学的な安全性について、透明性を持って公開のプロセスの中で専門家の皆さんにしっかりと御評価をいただくということがまず重要であろうというふうに思っております。
 したがいまして、ストレステストを含めて透明性と公開性の下でチェックをしっかりと行い、なおかつ透明性を持った形で原子力安全・保安院に、政治性を持たず、科学的、客観的にまずは評価をいただく、そして、それを更に独立性の高い原子力安全委員会においてチェックをしていただくというまずプロセスをしっかりと踏んでいただくことが重要だろうというふうに思っております。
 そうしたところで、透明性を持ったプロセスで科学的に安全性が確認された場合には、政府として、国民の皆さん、周辺住民の皆さんに対してそれについて御信頼をいただく、御評価をいただくためにしっかりと直接責任を負って対応していかなきゃならないというふうに思っております。
#54
○轟木利治君 安全性が確認され、地元が合意ができれば稼働をさせていくというのが政府の方針であると、こういった理解をさせていただきたいと思いますが。
 もう少しこの原子力についてお聞きしたいと思いますが、原子力発電のその発電量を火力に代替した場合の見通しについてお伺いをしたいと思っております。
 全ての原子力発電所の発電量を火力に代替した場合、燃料コストが年間三兆円以上かさみ、それを価格に転嫁すれば電力料金は約二割上昇すると言われています。また、温室効果ガスは一割以上増加するとも言われております。このことは、経済的効率性、そして環境対策といった観点では、原子力発電の発電量を全て火力に代替することは困難であることを示していると思います。この点についての見解をお聞きいたします。
#55
○大臣政務官(北神圭朗君) 火力発電に切り替えた場合の話ですが、一般論として申し上げますと、当然、原子力から火力に切り替えると燃料コストというものは上昇すると。ただ、御案内のとおり、燃料費というのは原価の中に含まれておりまして、それでもって料金を引き上げるかどうかというのは、すぐれて経営的な判断であるということであります。
 仮に、その申請、料金引上げの申請があった場合に、役所としては厳格にこれ審査せざるを得ないと。いろんな総合的な、いろんな合理化とかいう努力をしているかどうかというものを総合的に判断して厳格に審査をするということになります。これが一点目。
 二点目の温室効果ガスについてですが、これも当然、火力に切り替えれば増えるということはおっしゃるとおりでございます。
 これについては、石炭とかあるいはLNG、これ、高効率化というものを全力的に推進をしていっているところでありますし、これからも推進をしなければいけないと。ただ、それでもっても当然温室効果ガスというのは出るということは、これ、あくまで一般論として申し上げたいというふうに思います。
 委員の多分質問の趣旨は、全てを切り替えるという話でありますが、これについては、御案内のとおり、エネルギー・環境会議で今まさに議論をしているところでありますし、経済産業省の中では総合エネルギー調査会というところで議論しているところであります。
 これについても、今当然、この福島の原子力の事故を受けて安全の観点というものがいろいろ言われております。これももちろんエネルギー政策にとっては大前提の話でありますが、依然として電力というのは生活の基盤でもありますし、昔から産業の米と言われる重要なインフラであります。ですから、その上で、環境にも配慮しないといけないし、コストの面、やっぱり電気料金が余り高いとこれは空洞化を更に加速させてしまう、こういった観点も大事ですし、エネルギーの安全保障の観点も大事ですし、安定供給の観点も大事だと、これについてはエネルギー・環境会議でもちゃんと踏まえて議論をしているところだというふうに考えております。
#56
○轟木利治君 御答弁いただきましたけれども、結論からすれば、いろんな議論を今やっているところだと、方向性を今きちっとは言えないということだろうとは思いますけれども、それでは大変困る話になると思いますので、今の円高含め、そしてこの電力問題、そしてTPP問題も含めて、今、日本の産業がどう動くべきかということが岐路に立たされていると思いますので、早めの結論を、方向性をしっかり出していただきたいと思っております。
 同じその方向性について大臣にお聞きしたいと思いますが、エネルギー需給安定行動計画についてお聞きしたいと思っております。
 政府は、エネルギー需給安定行動計画を策定するとしております。そこでは、具体的な対策として、需要構造の改革、供給の多様化に着手、電力システム改革に着手などの対策が挙げられております。いずれもエネルギーの需給の構造的な改革は着手という表現にとどめられております。
 構造改革はこの三年間の工程の中で、強い政府の意思とそれに基づく実績を上げることが重要であると思っております。そうした意味で、短期と中長期を単純に切り分けるのではなく、中長期の構造改革に向けた時間軸をはっきりとさせ、その上で具体的な施策等、周到に積み上げていくことが必要であります。この短期と中期の政策の関係についてお聞きしたいと思います。
 その上で、三年間の具体的な対策としては、徹底した安全対策を行い、安全性を確認した原子力発電所は活用ということに大きく依存すると考えます。先ほど、来年夏に向けて原子力発電の安全性確認については方向性をお聞きしました。では、今後三年間で原子力発電の活用をどのように図ろうとされているのか、お聞きしたいと思います。
#57
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、エネルギーの問題については、短期だけで物事を決められる話ではなく、むしろ中長期の視点の中で短期を考えると、まさに御指摘のとおりだというふうに思っております。
 エネルギー・環境会議でも、今後三年間の短期と二〇二〇年を目指した中期、そして二〇三〇年又は五〇年を目指した長期と分けて一体としてこれを検討していくというのが基本線でございます。
 ただ一方で、電力需給の逼迫に対する国民、産業界の皆さんの大きな不安の中で、とにかくこの冬どうなるんだ、来年の夏どうなるんだと、そういったことに対してそれぞれの企業の投資とも関連をしてまいりますので、まずは短期のところを具体的にお示しをしませんと、その不安による産業の空洞化等という不安もございますので、中長期のことをしっかりとにらみながらも、短期のところをまずは具体的にできるだけお示しをするということで進めさせていただいているところでございます。
 そして、この中で原子力発電所の再稼働をどう位置付けるのかということでございますが、これはまさに周辺住民の皆さんを始めとする国民の皆さんが安心をして再開やむなしなのかオーケーなのかということで御理解をいただけなければ再開はできません。そのためには、まずは政府としては、科学的に、政治性を帯びずに、科学的に安全性をしっかりとチェックをしていただく、そのことを国民の皆さんにも見ていただくということをまずしっかりとやることが重要でありまして、例えばこの三年間でどれぐらい再稼働できそうだとかいうその見通しをお示しをすれば、当然のことながら、そうしたいんだろうと、そこに向けて誘導するのではないかという誤解が生じれば、私は国民の皆さんから安心、信頼を得ることは逆にできなくなるのではないかというふうに思っております。
 そうした意味では、あらゆる可能性を考慮した中で短期の需給の見通しをしっかりと立てていく、その中において特に産業の空洞化につながることのないような電力の供給と価格についてしっかりとした見通しをお示しをしていくと、このことが重要だと思っております。
#58
○轟木利治君 方向性には理解をいたしますが、多分、ストレステストもまだ結果が上がっていないような状態ではないかなと思っております。
 ただ、それを待って動くということだけでいいのかどうか。やはり政府としての方向性があるのであれば、地元の方々といろんな問題点含めて不安をされていることについて耳を傾けると、こういった行動も必要なのではないのかなと思っております。ですから、出た結果を待って、そこから判断します、国民に、皆さんに公表してやりますということプラスアルファで、そういった地元対策を含めて、それは稼働させるさせないじゃなくて、地元の方が不安を持っていることを払拭させる、そして理解を求める、こういったことが必要だろうと思いますので、よろしくお願いしたいと思っております。
 今度は、中長期のエネルギーまた環境戦略についてお聞きしたいと思っております。
 まず、原子力対策の総合的な検証についてお聞きしたいと思っております。
 中長期のエネルギー・環境戦略について、年末に基本方針を決めるとされておりますが、エネルギー基本計画の白紙から見直しの上で新たなベストミックスがうたわれております。その下では、原発への依存度低減のシナリオを具現化するということが強調されております。原子力政策の総合的な検証を行うとしておりますが、原発への依存度低減とはいいながら、この三年間の電力供給では、今の状況では原子力への依存度が大きくなるのではないかと。さらに、中長期の視点で見ると、バックエンドの問題や核燃料サイクル政策、そして次世代の原子力技術開発をどうするのか、大きな課題がございます。
 これらの課題は、原発への依存度を低減したとしても、どうするのか意思表示が必要であります。それを政策として明示しなければならないと思っております。つまり、原発の依存度を低減するにしても、原発を即ゼロにすることができないのであれば、原発の将来像を示すことなくして具体的な政策は成らないと思っております。
 そこで、決定的な問題は、原発を担う技術や人材の確保と計画的な育成であります。これらの点についてお伺いをしたいと思っております。
#59
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員おっしゃるとおり、依存度を低減するといっても、引き続き原子力の安全性というのは極めて大事であると。特に、福島の事故を受けて更にそういう意識を強くしているところでございます。
 それで、具体的には技術と人材の面ですが、これも先ほど申し上げたエネルギー・環境会議の中で七月二十九日に中間取りまとめをしまして、その中で、原子力政策の総合的な検証を行って、新世代の原子力技術開発をどう扱うかというのが論点になっております。あともう一つは、世界最高水準の安全性の実現や、現存する原子力発電所の安全確保を担う技術や人材の確保、維持をどう図るかと、こういったことも併せて明らかにしていくということになっております。
 経済産業省としては、既設の原子力発電所の安全に万全を期すために原子力施設の維持管理業務を行う現場技術者の育成とか、あるいは原子力発電所の安全性向上等に資する技術開発を行ってきておりますし、これからも予算的にそういった面にも力を入れていきたいというふうに思っておりますので、今後については、エネルギー・環境会議の議論を踏まえて、しっかり技術や人材の確保、育成を図っていきたいというふうに思っております。
#60
○轟木利治君 人材のところはよく理解をいたしました。
 少しちょっとバックエンドの問題だとか核燃料のリサイクルの問題に余り触れていただけなかったので残念でございますけれども、そういったところも本当に国としてどう考えていくのかを含めて、もし御答弁いただけるのだったらいただきたいとは思いますが。
 いずれにしても、原子力が仮に稼働を停止したとしても、その後処理含めて全て残るわけでございますし、片や、経済産業省は大変努力していただいて、ベトナムなんかのインフラ輸出で原発の方向性も出ているわけでして、まだたしかベトナムはキャンセルしていないと思いますが、そこにやはり日本の技術というものを信頼性を持って、今回の福島事故も必ず克服してくれるだろうと、こういった思いがあろうと思っております。そういったところも非常に大きなポイントですが、もしあればお願いします。
#61
○大臣政務官(北神圭朗君) バックエンドについては、もうこれは既に今現時点でも、この見直しの前の時点でも当然一つの課題であって、これについては引き続き行っていくということになると思います。
 今後、提言をする中で、もちろんそういうバックエンドの処理の問題が更に増えるという問題もありますし、核燃料サイクルをどうするのかという課題もありますが、これは本当申し訳ないんですが、今まさにエネルギー・環境会議の中で中長期的にどうするかという検討をしておりますので、これが決まらない以上はなかなかそれに対する方針も我々としては言えないという状況でございます。
#62
○轟木利治君 是非よろしくお願いいたします。
 午前中の最後の質問にしたいと思いますが、大臣にお聞きしたいと思います。我が国のエネルギー安全保障についてお聞きしたいと思っております。
 これまでのエネルギー計画でもエネルギー安全保障が強調されてまいりました。世界の環境変化の下で実態はむしろ脆弱になっております。そして、エネルギー価格の高騰やエネルギー安定供給への懸念は我が国産業の国際競争力を弱体化させ、成長戦略にも影を落としております。今回のエネルギー基本計画の見直しは原子力発電所事故を契機にしておりますが、ここで根本に立ち返ってエネルギー安全保障ということをじっくり議論してはどうでしょうか。
 これまで世界の資源制約が強まる中で、エネルギーの対外依存度の低減戦略が取られてきたと思いますが、その実績を冷静に評価することも必要であります。エネルギー安全保障は国の存立基盤そのものにかかわる問題であるにもかかわらず、時々の情勢に左右されてまいりました。このことについて基本的な認識をお伺いをしたいと思います。
#63
○国務大臣(枝野幸男君) 我が国は、残念ながら資源小国でございます。したがいまして、エネルギーの安全保障を確保することは国の根幹を支える重要課題であるというふうに思っております。
 この間、特に第一次オイルショック以降、石油依存度の低減や省エネの推進ということに努力をしてきまして、一九七三年に七五%であった一次エネルギーに占める石油依存度が二〇〇九年には四二%まで低減する、また省エネについても、同じく一九七三年から二〇〇九年までの間でGDPが二・三倍になっているにもかかわらずエネルギー消費量は一・三倍にとどまっているということで、努力の成果は上がっておりますが、なお我が国のエネルギー自給率は国際的に見て極めて低いという状況でございます。
 そして、これから新興国が、いろいろと紆余曲折はあるにしても急速に成長していくというこのトレンドというのは変わらないだろうと。そういたしますと、世界全体としてのエネルギーの需要というものが急速に増え続けていくという、この構造は変わらないだろうと。そういたしますと、このエネルギーの供給、特に石油や天然ガスなどの供給が世界経済にとっても成長の最大の阻害要因、あるいはその価格というものが成長の最大の阻害要因になるという、こういう時代が二十一世紀であるというふうにとらえるべきだろうと思っております。
 そういたしますと、我が国としては、特に自給率が低いということの中で、これをどうやってリスクヘッジしていくのかということが大変重要な課題であります。当然のことながら、今回のエネルギー・環境会議での議論、あるいはその枠組みの中で進めていく総合資源エネルギー調査会におけるエネルギー基本計画の見直しの議論、一つは、原発事故を受けた原子力の在り方ということが一つの大きな議論の柱でありますが、同時に、この二十一世紀の様々なエネルギーの制約要因ということの中で安全保障をどうやって確保するのかということが重要なテーマとして全体的にきちっとした議論がなされる必要があるだろうというふうに思っておりますし、総合資源エネルギー調査会は私が諮問をしてお願いをしている立場で、民間の皆様に御議論をいただいているわけですが、そこにおいてもこうした視点はしっかりと御議論いただきたいということはお願いをしたいというふうに思っております。
#64
○轟木利治君 是非、国民の皆さん、そして産業の皆さんが安心してもらえるような結論が出していただけるよう要望をしておきたいと思います。
 午前中はここで終わらせていただきます。
#65
○委員長(前川清成君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#66
○委員長(前川清成君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、難波奨二君が委員を辞任され、その補欠として柳澤光美君が選任されました。
    ─────────────
#67
○委員長(前川清成君) 休憩前に引き続き、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
#68
○轟木利治君 午前中に引き続き、質問を継続させていただきます。
 時間の関係もありますので、若干一問飛ばさせていただきまして、再生可能エネルギーの導入拡大について御質問をさせていただきたいと思います。
 再生可能エネルギー特別措置法についてお伺いをしたいと思います。
 再生可能エネルギー特別措置法については、一定の条件を満たす電力多消費産業に対する負担軽減措置が盛り込まれ、成立いたしました。この法は大震災前から検討されてきたものでございますけれども、再生可能エネルギーの導入拡大は、固定価格での買取りによる供給力の拡大が基本で、それに要するコストは電力料金への上乗せという形で国民負担に転換される仕組みとなっております。RPS法の下では、エネルギー開発に対して国の補助金がセットになっていましたが、今回の制度では、固定価格を軸とする市場原理に大きく委ねられようとしております。
 再生エネルギーの導入拡大を図ろうとするならば、国として明確な意思と後押しが必要と考えますが、この点についてお聞きしたいと思います。
#69
○大臣政務官(北神圭朗君) 今後、エネルギー政策を見直す中で、再生可能エネルギーについては極めて重要な位置を占めるというふうに考えております。これは、エネルギーの供給確保のみならず、地球温暖化対策、環境関連産業育成の観点からも導入拡大が必要だというふうに考えております。
 そのため、委員がおっしゃった固定価格買取り制度の導入だけではなくて、第三次補正予算、二十四年度予算における導入支援、さらには研究開発の予算措置、さらには規制制度改革と、こういうものを総合的に政策動員をして、再生可能エネルギーの発展のために最大限努力を重ねていきたいというふうに考えております。
#70
○轟木利治君 是非、国の方もしっかり支援していくという方向性を打ち出していただきたいと思っております。
 関連いたしまして、その法律の中身の中にある電力多消費産業に対する対策についてお伺いいたします。大臣にお伺いしたいと思います。
 この法律では、電力多消費産業に対する負担軽減措置が盛り込まれました。具体的には、売上高に占める電力購入量が一定の値を超える事業所についてはサーチャージの減免が行えるというものであります。売上高に占める電力購入量という外形基準として判断されるために、制度と電力多消費産業の実情との間に乖離が生まれることが懸念されます。
 制度の導入後の運用状況や産業の実態を踏まえた見直しも必要になるかと思われますが、この点についてお聞きしたいと思います。
#71
○国務大臣(枝野幸男君) 電力多消費型産業への賦課金の減免措置が設けられておりますのは、まさに電力料金負担増による産業空洞化等への懸念ということでございます。
 したがいまして、この制度が適切に運用されることが重要であると思っております。もちろん、まずは現行法に基づいた枠組みの下で運用してまいるわけでありますが、施行後には実態把握に最大限努めてまいりたいと。法律上も、少なくとも三年ごとに必要な措置を講ずるとされておりますので、この減免措置についても、導入後の運用状況等を踏まえながら、適切な見直しが必要である場合には対応してまいりたいというふうに思っております。
#72
○轟木利治君 来年の七月が実際の実施時期になろうかと思っておりますので、それまでにいろんな検証をしていただきたいと思うんですが、法律で書かれている中で、若干私、個人的に懸念しますのは、売上げという一つの指標を使います。このときに電力使用量との対比になるわけでございますけれども、売上げというのが、その企業の扱っている製品によって、同じ電力使用量でも原価の高いものと安いものではその比率が変わってくるということになりますので、そういったところが若干懸念されますので、今後ともまた検証のほどをよろしくお願いしておきたいと思います。
 それから、具体的な再生可能エネルギーで地熱発電についてお伺いをしたいと思います。
 地熱発電は、発電時のCO2排出量がほぼゼロであり、環境適合性に優れております。他の再生エネルギーと比べても設備利用率が格段に高く、我が国は世界有数の地熱資源を有しているなど大きなメリットを有しております。しかし、規制やコスト面からも制約が多く、地熱発電による電力供給量は日本全体の総発電量の一%にも満たない状況でございます。
 そこで、課題と対応は明確でございまして、自然公園法、温泉法などの地熱開発にかかわる規制の緩和、地熱の地表調査や調査井の掘削など初期の投資コストの負担の軽減、発電所の建設費用の資金調達などがあります。つまり、固定価格買取り制度は、地熱発電コスト高をカバーする制度であっても、そこに持っていくための調査段階の支援という面では無力でございます。
 かつてRPSの下では地熱の調査段階に対しては補助金が支給されていましたが、今はなきに等しい状況でございます。地熱発電はベース電源にもなり得る性格を持っており、それを抜本的に拡大するためには国としての支援措置が不可欠であると思います。
 この点についてお伺いしたいと思いますし、また、東北地方は我が国の中で地熱発電の宝庫であり、特区構想も含めて、この地熱開発を東北復興プランの中に位置付けてはどうかと思いますが、その見解をお聞きしたいと思います。
#73
○大臣政務官(北神圭朗君) まず地熱発電については、委員おっしゃるとおり、潜在力がある一方で、相当民間事業者にとってはリスクもあるし、初期投資の段階で大変コストがかさむという状況でございます。そういった意味で、開発初期のリスクを軽減するために、おっしゃっていた地表あるいは掘削調査に対して補助制度というのを抜本的に拡充をしようということで、平成二十四年度の概算要求に百二・五億円、今要求をしているところでございます。これ、しっかりやりたいというふうに思っています。
 あともう一点は、地下の熱源が確認された地域において、事業化に向けたリスクもございますので、この点については、JOGMECは普通は対外的な事業にかかわるんですが、この地下の地熱については日本の国内の民間事業者にも出資をし、債務保証を行う制度を創設、今回しました。八十億円を平成二十四年度財政投融資要求に盛り込んでいるところでございます。
 こういった政策を動員して、地熱発電の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
#74
○国務大臣(枝野幸男君) 地熱発電の東北地方における可能性というのは大変大きいものがあると承知をいたしております。
 それは、復興計画の全体の中でどう位置付けるかというのは平野復興担当大臣ともよく御相談をしたいと思っておりますが、いずれにしても、そうした可能性を最大限生かすことが東北の復興にもつながっていくという問題意識を持って、今、北神政務官から御紹介を申し上げました様々な施策組み合わせて後押しをしてまいりたいと思っております。
#75
○轟木利治君 大変前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 若干、嫌みじゃありませんけれども、今年度の予算のようなことのないように是非お願いをしておきたい。来年度はちゃんと積みますという意見をいただきましたので、有り難く思っております。
 あと、東北の復興に関しても、今の日本の地熱発電所の立地でいけば、東北地方か九州地方という、こういうやはり工業地帯でないところに今なっておりますので、是非そこら辺りもしっかりやっていただきたいと思いますし、先ほど御説明の中で、海外へのインフラ輸出でも地熱というのが大変多く挙がっておりますので、やはり日本で実証をしない限りそういった技術も確立されていかないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そして、次に洋上風力発電についてお聞きをしたいと思います。
 我が国の風力発電は、今後、洋上風力として発展していく可能性が大きくなっております。ヨーロッパでは陸上から洋上風力へのシフトも起きており、我が国の風力発電の技術も日本を差しおいてヨーロッパで実用化されております。我が国は浅瀬が少ないなど地理的な制約があることは事実であろうと思いますが、浮体式風車では様々な形式があり、我が国にも十分適合するものと考えております。また、漁業権などの利用規制についても課題の克服は可能であろうと思っております。とりわけ東北復興の観点では、特区構想の中で洋上風力発電を東北復興のプランの中で位置付けることも可能かと思っております。
 そういったことに対しての見解をお聞きしたいと思います。
#76
○大臣政務官(北神圭朗君) 御指摘のとおり、日本の地理的条件には洋上風力発電というのは、今後、非常に潜在力があるというふうに考えております。ただ、陸上式に比べると費用が掛かるとか実用化に向けて技術がまだ成熟していないとか、そういった課題がございます。こういった点を踏まえて、本格的な洋上風力発電について事業化に向けて最後の実証事業を行う必要があるというふうに考えているところでございます。
 具体的には、経済産業省では、第三次補正予算でこうした洋上風力発電の実証事業を世界最先端となる、おっしゃる浮体式の技術を用いて福島県の沖の方で実施をしたいというふうに考えております。これも東日本の復興の象徴として、何とか実証事業を成功裏に収めて世界一の浮体式洋上風力発電の事業化を早期に実現できるように、本事業に全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。
#77
○轟木利治君 ありがとうございます。
 風車というのはいろんな部品が非常に多くて、これは日本がかかわっている部分も非常に多いわけですので、是非積極的に進めていただきたいと思います。先ほど福島で実験設備をやるということも聞いております。これまた実は環境省も五島の方で実験をやっておりまして、それぞれでなくて、うまくそこの、ミートさせて、やはり早めにその浮体式の洋上風力を確立させるということに努力いただきたいなと思っております。
 それから、次にCOP17に向けて御質問をさせていただきたいと思っております。
 まず、大臣に御質問させていただいて確認をさせていただきたいと思っております。
 地球温暖化対策の国際的な枠組みについてでございますが、気候変動に関する包括的な枠組みに向けて、我が国としては全ての主要国が参加する公平かつ実効性ある国際的枠組みを構築することが最終的な目標であるとしております。これを直ちに実現することは困難であるとしても、引き続き努力する姿勢に変わりはないものと思います。その下で、京都議定書第二約束期間については、我が国はこれに加わらないとの立場に変わりはないと考えておりますが、まずこの基本的な認識でよろしいか、お聞きしたいと思います。
#78
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、京都議定書で現在削減義務を負っているのは世界の約三割に満たない状況でございます。したがって、この京都議定書発効、結んだときには一定の意義があったものだというふうに思っておりますが、この京都議定書の第二約束期間を設定するということは地球規模での排出削減にはつながりません。したがって、これには賛同できません。
 日本としては、これまでどおり米国や中国を含めた全ての主要排出国が参加する公平かつ実効性のある国際的枠組みの構築を目指して、これが直ちに実現することは確かに困難が多いのは間違いありませんけれども、引き続き粘り強く交渉に当たっていくという立場でございます。
#79
○轟木利治君 確認をさせていただきました。
 私は昨年のCOP16に参加してまいりました。やはりこれは国の利害が絡む議論になっているというのはもう実態でございます。我々議員団も数か国とバイ会議もやりました。そのときでは、最初に言われたのが、日本は京都議定書を潰す気かということから議論は入ってまいりました。我々はそうじゃないんだと、コペンハーゲン合意を重視するんだと、したがって世界の枠組みをつくらなきゃ駄目なんだということを、これはもう自民党さんも一緒に行っていただきましたけれども、これは日本としてそういう姿勢を貫き通しました。彼らは、それは正論として分かるが今は無理だろうという言い方でございました。しかし、それを最後まで日本政府も貫き通していただいて、大変評価が高かったと思います。
 そして、日本は今、原発事故で、今後エネルギーを含めてどうなるのか、この二五%として挙げた基本法はまだ成立しておりませんが、この方向性をどうするのかと、こういったところは海外は非常に注目をしていると思います。その中で大変厳しいCOP17の会議になるかと思いますが、先ほど大臣がおっしゃっていただいた方針をきっちり貫いていただきたいと思います。
 次に、それにかかわるエネルギー基本計画と地球温暖化対策の関係について大臣にお聞きしたいと思います。
 エネルギー基本計画の見直しに当たっては、原発安全性を高めつつ依存度を下げていくとしておりますけれども、新たなエネルギーのベストミックス戦略の策定と今後の地球温暖化対策は表裏一体で進められていくものと考えております。温暖化対策の観点からは、再生エネルギーの固定価格買取り制度やグリーンエコノミーなどの観点が強調されております。しかし、エネルギー基本計画の見直しと地球温暖化対策との関係は表裏一体とは言われながら、エネルギー基本計画をしっかりとしていくことがまず問われ、再生エネルギーは多様なエネルギーの選択肢をしっかり持つという意義もあり、地球温暖化対策も国の存立基盤との関係で地に足の付いたものにすべきだろうと思っております。
 この点についての見解をお聞きしたいと思います。
#80
○国務大臣(枝野幸男君) エネルギー基本計画を見直すに当たっては、地球温暖化対策との関係性というものは大変避けては通れない課題であります。これについても、しっかりと地に足の付いた議論を、しかもエネルギー基本計画の策定作業としっかりと連携する形で進めていかなければならないと。
 こうした観点も含めて、エネルギー・環境会議という形で、全体としてのエネルギー計画と環境対策、温暖化対策というものをトータルでしっかりと連携させながらじっくりと議論をするという場を組み立てているものでございまして、こうした場を通じて、国民の皆さんにも十分に御理解をいただけるような形での議論を進めてまいりたいというふうに思っております。
#81
○轟木利治君 大臣の答弁で地に足の付いた議論をすると言っていただきましたので、しっかりそこのところをきっちり覚えておきたい、記憶しておきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 それから、画期的な技術革新への支援についてお伺いしたいと思います。
 CO2の更なる削減に向けては画期的な技術革新が大切であります。その際に、省エネルギーにつながるものは民間ベースも注目をされております。CO2を削減するという点では、画期的なものではなかなか実用化されにくいものがございます。例えば、CCSによるCO2貯蔵、また環境調和型製鉄プロセスの技術開発などでございます。また、資源開発についても、メタンハイドレートの開発やシェールガス開発など、画期的な資源開発を国として支援していく必要があると思っております。これらの画期的な技術革新の支援の展望についてお伺いをしたいと思います。
#82
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員おっしゃるとおり、中長期的にCO2を削減していくためには、既存の技術ももちろん洗練化していかないといけないんですが、一方で、おっしゃる革新的な技術の開発、何よりもその実用化が極めて重要だというふうに考えております。委員がおっしゃっていたCCS、いわゆる二酸化炭素回収、貯留の技術については二〇二〇年の実用化に向けて実証事業や研究開発を着実に推進しようとしておりまして、平成二十四年度の概算要求では約百二十億円要求をしているところでございます。
 また、最近日本の近海に相当量の賦存が推定されているメタンハイドレートについては、平成三十年度を目途に商業生産に必要な技術を確立することを目指して研究開発を進めておりまして、これについても平成二十四年度の概算要求において約百五十三億円要求しているところでございます。
 あと、もう一つが、近年の技術革新で米国とかカナダで商業生産が可能となったシェールガスについては、我が国企業によるシェールガスを含む石油・天然ガス権益の獲得を支援するために、平成二十四年度の概算要求で約五百三十億円要求しているところでございます。
 経済産業省としては、これらの民間企業だけでは取り組むことが困難な革新的な技術については、その開発、実用化について今後も積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。
#83
○轟木利治君 積極的な御答弁いただきまして、ありがとうございます。
 メタンハイドレートなんかでも日本の近海にあるということも言われておりますし、そのための船も造設していただきました。そういったものも含めて積極的にやっていただきたいと思いますし、ただ、心配するのは、このCO2の削減の革新的技術が若干今回の日本のこういった状況において、先行き本当にしっかり支援をしていただけるのか、確立していただけるのかを心配をしております。
 というのは、もう一つは、このCCSにしても水素還元の製鉄プロセスにしても、省エネ技術ではございません。逆に、企業にとってみればコストがかさむ形になっているわけでございます。ただ、CCSでいうと、EUは新たな火力発電所を付ける場合はもう義務化するとか、そういった方向にもなっております。
 今、CCS、二〇二〇年で確立するんだということで御答弁いただきましたけれども、分離する技術はもう日本は持っております。要は、埋め込む技術、埋め込む場所、こういったことが実証されなきゃならないということになっていますので、そういう意味では、逆に言えば、CCSの技術を世界の国際標準としていくことができれば、これは日本のビジネスチャンスが非常に広がるわけでございますし、世界で二社ぐらいしか商業化されておりません。その中に日本の企業が入っております。そういったことを含めると、いかに早く実証し、日本で実証できなければ、私は、インドネシアなんかとも協力して、要は石油が出た跡のところに埋め込むという形の技術の確立もあろうかと思っております。
 そういったことも含めてしっかり支援をしていただきたいと思っておりますので、逆に言えば、日本がこれ技術確立することによって経済と環境の両立ができる、そして日本の国益にもつながると、こういった確信を持っておりますので、よろしくお願いをしたいと思っております。
 次に、二国間のオフセット・クレジット制度についてお聞きをしたいと思っております。
 地球温暖化対策において、我が国の低炭素技術、製品サービス、インフラ提供を通じて相手国におけるCO2の排出削減、吸収への貢献を適切に評価し、それを日本の削減目標達成に活用することは極めて重要でございます。これを二国間のオフセット・クレジット制度と呼んでおりますが、その実証評価と今後の展望についてお聞きしたいと思います。
#84
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員がおっしゃる二国間のオフセット・クレジット制度ですが、これはおっしゃるように、我が国の低炭素技術を途上国に移転をして、そこでCO2の削減というものに対する貢献度合いですね、これを適切、柔軟に評価をすると、そして日本の削減量として認定をするという制度でありますが、政府としてはこれはしっかり構築を目指しているところでございます。昨年十月には、インドとベトナムとの間で二国間のオフセット・クレジット制度の構築について首脳級で合意をしておりまして、現在、これらの国々を含むアジア中心、東南アジアの国々を中心に政府間協議を行っているところでございます。
 これと同時に、平成二十二年度からは、我が国の技術、製品を生かした排出削減プロジェクトの発掘、組成に向けたフィージビリティースタディー事業を実施しておりまして、これまでにインドやベトナムにおける高効率石炭火力発電の導入など、合計八十件のプロジェクトを採択し、推進をしているところでございます。
 この制度を推進するためには、国連における交渉やワークショップを通じて、先進国を含む幅広い国々に我々の取組の趣旨を御理解いただくことが極めて重要だというふうに思っておりますので、引き続き関係省庁と連携して本制度の構築に積極的に取り組んでまいりたいというふうに思っています。
#85
○轟木利治君 ありがとうございます。
 是非積極的にやっていただきたいと思いますし、この仕組みというのも、成立はしておりませんけれども、地球温暖化の基本法にこの内容というのは網羅されております。それを先取りしていただいて、経済産業省、一部環境省もこの事業にかかわっておりますし、先ほど八十件のオーダーがあるということも言っていただきました。
 問題は、先ほど言っていただきましたように、これを、先ほどの革新的技術もそうですが、国際標準として認めてもらわなきゃならないわけでございます。
 先ほど、私が昨年のCOP16に参加したときに発言したのは、端的に申し上げますと、京都議定書のCDMは問題が多いと、だからこれから二国間をしっかりやるべきだという発言をいたしました。そうしますと、即アフリカの諸国からは反対だという意見が言われました。EUからは一つの方法として検討に値する制度だということを言っていただきました。
 そういった意味で、日本のこの制度でお互いがギブ・アンド・テークでお互いに利益をもたらす形を国際的には確立すべきだと思いますし、そのパートナーをしっかり選ばないと、私は、なかなか日本一国で、そして今東南アジア、そしてアフリカ等といろんなオーダーで提携をされているとは思いますけれども、そこが本当にその国際的なルールを作るときに全面的なバックアップしてくるかどうか、これはまだまだ不透明なところがあろうと思います。
 したがって、私個人的には、この国際ルールを作るためにはやっぱりアメリカ等をうまくパートナーとして選んでいってはどうかなと思っております。アメリカも昨年のCOPまでは中国なんかのCO2の排出の基準をしっかりチェックできるようなシステムをつくるべきだということも訴えておりますので、そういったところを含めてこの課題を是非実現していただきたいと思いますし、私は、これが経済と環境の大きなポテンシャルでございますし、今ある日本の技術でこれは勝負ができる話でございますし、日本の経済産業省として世界に貢献する、十三億トンを削減するんだと、このことも基準となるのは日本の最新鋭の火力発電所を世界に普及した場合こういったことができるといったことが示された数字の根拠になっているはずでございますので、是非ここをしっかりやっていただければ、この大きな民主党が挙げている二五%という数字も、ここがやれるかどうかで日本の国内の真水がどうなるかということが左右されるわけでございますので、是非、若干今年は予算を多めに取っていただいて、実質はなかなかいろいろ問題があったみたいでございますけれども、来年もしっかりこれが実用化されるようにお願いをしておきたいと思います。
 いずれにしても、今回のエネルギー問題、いろんな課題がございますけれども、一番心配するのはやはり日本の産業の空洞化でございます。円高、そしてエネルギー、この二つが非常に大きなウエートを占めていると思います。まず政府として、安心をしてもらうメッセージをしっかり早急に早めに提示していただくと。このことが日本の産業の経営者にとって安心して国内で事業を営むということが一つの安心感になるかと思いますので、そういった面も含めて、今後とも、私も含めてまた努力させていただきますけれども、大臣含め経済産業省の皆さんの御指導をお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
#86
○関口昌一君 自民党の関口昌一でございます。
 大臣、埼玉県民として大臣が就任されまして、会派は違って選挙ではいつも戦う立場でありますけど、県民の一人として期待をしておるわけであります。
 ただ、私も経産委員会に所属して一年になりますけど、大臣がこれで四人目ということで、最初は大畠大臣でありました。私は、大畠さんの大臣の所信を聞いて、そしていろんな考え方、結構共有するところあるなと思ったところであります。TPPの問題も含めてそうでありましたけど、その大畠大臣は国交大臣の方へ替わられちゃったということで、私も残念なことがあったわけであります。
 そして、次は海江田大臣。海江田大臣は、私、見てきて、やっぱり今日委員会でいろいろ原発の再稼働の問題も出てきたわけでありますけど、これはもう皆さん共通の認識であるかと思いますけど、原子力の依存はどんどん下げて、最終的には下げてという気持ちはみんな持っていると思います。
 ところが、現実的な対応をした中で、来年五十四基全部止まっちゃうような状況を考えた中で、安全を確認できるものは、再稼働できるものはしなければいけないという認識の中で、佐賀県の玄海の原発に対して海江田大臣はああいう行動を取ったんであろうかと思います。その海江田大臣もお辞めになっちゃったと。そして、鉢呂大臣は、私は大臣所信を期待しておったんでありますけど、聞く前にお辞めになっちゃって、枝野大臣ということでありますが、少しでも長くやれるように、いや、後ろにもう直嶋元大臣がいていつでも替われるような体制があると思わないで頑張っていただきたいと思うところであります。
 もういろいろ質問を今日は用意してあるものでありますけど、総花的な質問にまずさしていただければと思いますけど、エネルギーの政策の抜本的な見直しというのは、これは三・一一後の流れの中でこれは抜本的に見直さなければいけないということであります。
 今までエネルギー基本法というのがあって、これは法律に基づいて、そしてエネルギー基本計画を策定していくということでありましたけど、菅内閣になってエネ環会議というのができて、二つの場でエネルギー政策を議論するような形になったわけであります。この二つの場でエネルギーの政策が議論されるというのは、国民から見て非常に分かりづらい状況である。今まで経産省がしっかりと取り組んできたものをまた別のものが入ってきて両方で議論してという話であるわけでありますけど、そもそも、それぞれで議論を行うようになった理由を御説明をいただきたい。さらには、政府全体としていつごろまでに結論を出すのかということ、お伺いいたします。
#87
○国務大臣(枝野幸男君) 同じ埼玉というよしみでもあって御激励をいただきまして、ありがとうございます。頑張ってやってまいりたいと思っております。
 このエネルギー・環境会議でございますが、エネルギーの問題は、今、温暖化対策を始めとする環境戦略、環境対策などともう密接不可分な状況にあります。従来も当然、経済産業大臣と環境大臣などが連携をしっかり取りながら進めてきたものというふうに思っておりますが、国民的な関心も原発事故等あって高い中で、しっかりとこの環境の側面から、そしてエネルギーの側面から全体をしっかりと包括して考えながら物事を進めているんだということを目に見える形で進めていった方がいいのではないかと、そういったことで、エネルギー・環境会議という場で環境大臣も、それから経産大臣も含めて、そして、これはまさに安全保障ともかかわる大きな国家戦略でございますので、国家戦略担当大臣も含めてきちっと全体としての大きな枠組みについて物事を進めながら、エネルギーということについてはまさに法律に基づいて総合資源エネルギー調査会の意見を伺いながら私のところで決めさせていただくと、こういう位置付けになっております。
 したがいまして、全体をより包括的にエネルギー・環境会議のところで議論をしながら、その大枠を踏まえつつ総合エネルギー調査会でエネルギー基本政策を見直すと、こういう位置付けになっております。
 そして、年内に一つの方向性といいますか、を示しながら、来年の夏をめどにして全体としてのエネルギー・環境についての戦略と、そしてエネルギー基本計画の見直しというものを来年の夏にはセットでまとめることができればということで今作業を始めているところでございます。
#88
○関口昌一君 今大臣からも出てきたんですけど、総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会を設置して、ここで検討は行われるという話であります。これ、私も新聞記事見てちょっとがっかりした部分もあるんですけど、委員の人選については原発の推進に強く反対している方も含まれると、これはいろいろ御意見もあると思います。
 そこで、大臣が記者会見で、多様な意見をできるだけ網羅的に出していただけるようなメンバー構成をしたと説明しております。また、いろいろこういう流れの中で意見がまとまらない可能性も指摘された点について、大臣は、無理やり一つの意見にまとめることが適切でない場合が少なからずあると答えております。
 しかし、私は思うんですが、自らの審議会に対する諮問に対して最初から両論併記もあり得るような所管大臣が発言するというのは、私は本当に無責任な部分があるなと思いますが、経済産業大臣として意見の取りまとめに対しての決意を伺いたいと思います。
#89
○国務大臣(枝野幸男君) エネルギー政策基本法では、エネルギー基本計画の案を作成するに当たって、この案を作成するのはあくまでも経済産業大臣となっております。総合資源エネルギー調査会は、関係行政機関の長と並んでこの私が、経済産業大臣がエネルギー基本計画の案を作成するに当たって意見を聴くという場でございます。したがって、今回特にエネルギー政策のゼロベースの見直しということを踏まえて、まずは委員の皆さんの多様な御意見にしっかりと耳を傾けるということが必要であり、また重要であるというふうに思っております。
 もちろん、そこで本当に、既に二回開催しておりますが、大変熱心な御議論をいただいておりまして、御議論の結果として、いろいろな様々なメンバーのいらっしゃる皆さんの総意として一つの御意見をいただければ一番それが望ましいと思いますし、そこについてはまさに委員の皆さんの主体的な御議論の結果としてどういった御意見をいただけるのかというのを私はそれを受ける立場でございまして、どういった形で御意見をいただいた場合であっても、それを踏まえつつ、最終的には私の責任でエネルギー基本計画の案を作成したいというふうに思っております。
#90
○関口昌一君 結局、エネルギー買取り法の施行が来年七月一日かな、そして、これは私はもう前々から言っていたんですが、まずしっかりとしたエネルギー基本計画があって、買取りの方に進むべきだという話があったんですが、ちょっと政局にされちゃったものですから、買取りの方の法案の方が先に成立したというような状況でありましたけれども、我が方の松村議員も前の委員会で、当時、海江田大臣でありましたけれども、できるだけ施行前に基本計画ができるように努力をしてほしいという話で、そういう取組をするというような発言もいただいたわけでありますけれども、どうも、いつごろまでに結論を出すという話の中で、来年の夏という話でありますが、この結論は七月一日の前になるような状況になりますか、どうですか。
#91
○国務大臣(枝野幸男君) 端的に申し上げまして、夏というのを具体的にいつかというところまで今決め切れている状況ではございません。ただ、御指摘のとおり、来年の七月一日というのがエネルギーに関して一つの大きなポイントになっているということは十分認識をさせていただいておりますので、そのこともしっかりと頭に入れながら、もちろんこれは地に足の着いた、じっくりときちっとした議論をすることが大事であると同時に、できるだけ迅速に結論を出すことも大事だと思っておりますので、特に御指摘の七月一日はしっかりと認識をしながら議論をお願いしていきたいと思っています。
#92
○関口昌一君 しっかりと議論して、議論に時間を掛けてというのも大事なことだと思うんですけれども、もう政府・与党として決めて実行するという責任もあるわけでありますので、最終的には大臣が結論を出すという形になるわけで、いろんな意見が出てくるわけでありますけれども、左から右にいろんな意見が出てくるかと思いますけれども、しっかりとした与党としての責任を持って、多少の批判は恐れずに早く結論を出していただきたいと思っております。
 次に、原発の稼働についてなんですけれども、先ほどちょっと触れさせていただきましたけれども、ほかの議員の方からも質問がございましたけれども、現在、五十四基あるうち稼働しているのが十基ということ、来年の春には定期検査に入るということで、この再稼働が一体どのくらい稼働できるのかということがみんな不安に思っているわけであります。そうした中で、発電の電力総量の中で約三割を原発が占めているわけでありますので、これは万が一稼働ゼロというような状況になったら大変な状況になるということでありますけど、現在の状況の推移する中で、最終的に来年の春までには大体稼働できる原発は何基ぐらいが想定されるか、質問させていただきます。
#93
○国務大臣(枝野幸男君) 電力の需給という関係からすれば、一定の見通しをできれば早くしっかりとお出しをする必要、ニーズがあるということは十分承知をしているつもりでおります。ただ一方で、原発事故を踏まえて、原発の周辺の皆さんを中心に国民の皆さんには、原子力の安全性について、あるいはそれに関する様々な情報や取組について、率直に言ってまだまだ御不信が大きいのは間違いないというふうに思っております。
 そうしたことの中で、安全性をしっかりチェックし、なおかつそのことについて御理解をいただくためには、まずは客観的、科学的に安全性を独立性を持ってチェックを十分にする、そのプロセスを含めて住民の皆さんにしっかりと見ていただくと、そしてその上で、安全性が確認をされた段階で、これは政府の責任として、住民の皆さんに御理解をいただくことについては前面に立って丁寧に説明していく必要があると思っておりますが、ただ、あらかじめいつごろまでに何基開けられそうだとか、開けたいとかということを申し上げますと、その結論ありきで安全性をないがしろにして安全だ安全だと言っているのではないかという御不信をいささかでもいただきますと、これは結果的に、もし安全が確認されたものがあっても、住民の御理解をいただけずに再開ができないということになってしまうかというふうに思っております。
 もちろん、今の段階からも様々な原子力に関連する情報や、それから再稼働に向けたストレステストを始めとして、こうした状況、情報については、特に周辺の自治体の皆さんに対してより丁寧にきちっとお伝えをして、プロセスについて不透明さがないように、こういった努力は更に強化をしようということを先日も政務三役会議で確認をしたところでございますが、そうしたことを進めながら、まず安全性について第三者的、客観的にどう出てくるのか、予断を持たずに進めさせていただきたいというふうに思っております。
#94
○関口昌一君 今の現状を見たときに、どうも私、ちょっと大臣が力強さが足りないなと思うところは、経済を考えた、国民生活を考えたときに、原発の安全性というのはもうみんな思っているわけでありますけど、安全が確認できて再稼働できるものは喫緊に取り組まなければ大変な電力不足に陥るということ、それが経済また国民生活に跳ね返ってくること、そこを十分認識をしていただきたいと思うところであります。
 決断を下すとなると反対のいろんな声も出てくるかと思いますけど、今喫緊の課題としては、どのぐらいな電力不足になってくるのかと。今、関西地方は冬に向けて一〇%以上の節電を協力するとか、九州は五%以上というふうな話がありますけど、もうそれでは足りないような状況に、五十四基が動かなくなると大変な状況になってくるということも、是非そこは危機感を持っていただきたいと思うところであります。
 それを安定をさせて、最終的に原発の依存をなくしていくという考えはみんな共通することでありますが、喫緊の課題として、五十四基止まる、また、一基、二基しか稼働できないような状況になったときにどういうふうな状況になるかということを認識していただいて、そうなった場合には、経済に対して、また国民生活に対して、国民に対して、それ大丈夫ですよと、国としてはこういう政策を打ち出しますからということも併せて対応しなければいけないと思っておりますので、これは強く大臣に要望させていただきたいと思います。
 今の何か大臣の答弁を聞いていると、来年の春までに再稼働が本当にできるのかどうか。今、立地自治体じゃなくて周辺自治体も稼働に対して反対が出てきているような状況であるわけでありまして、なかなか厳しい世論になってきているわけであります。これは強く要望させていただきたいと思います。
 だんだん時間がなくなってきちゃうのであれなんですが、電気料金の見通しについてでありますが、これは轟木議員もちょっと今日指摘されておりましたけど、原発の電力を火力に依存した場合に約三兆円ぐらい膨らむということ、福島原発の賠償金についても全て電気料金に転嫁されるというわけではないと思いますけど、二年間で約四兆五千億ぐらい掛かるということ、さらには、先ほど言ったCO2二五%削減の話の中で、国際約束の中でマイナス六%削減しなければいけないというようなことで、この今の現状になるとなかなかマイナス六が厳しいということで、排出枠を海外から買ってこなければいけない、こうした費用の上乗せもあるわけでありますけど、大体これ幾らぐらいになるというような、はっきりしたこと言えないかと思いますけど、電気料金がどのぐらい上がるような状況になるか、その見通しを。
 難しい質問じゃないんで、余り、違ったからといって後で責めませんから。
#95
○大臣政務官(北神圭朗君) ありがとうございます。
 委員おっしゃるとおり、原発を火力に切り替える場合には単純に言えばコストが上昇するということでございますが、仮の計算として一定の仮定を置いて試算をすれば、年間で燃料費用が約三兆円超増加をすると。これ、電力会社九社単純平均をすれば、キロワットアワー、大体三・四円ぐらい増えるということになっております。
 また、おっしゃった原子力の損害賠償費用については、各電力会社がいわゆる一般負担金というものを拠出しておりますが、これも原価に含まれますので、これも料金の上昇圧力になるということです。
 委員がおっしゃる見通しなんですけど、電気料金の、これは御案内のとおり電力会社が原価全体を見て申請するかどうかという経営判断事項であります。ですから、我々が、実際に上がるかどうかというのは、今の時点ではなかなか言えないということでございます。
 いずれにせよ、仮にそういう認可申請があった場合には、最大限の経営合理化の努力というものを当然の前提として厳正に審査をしていきたいというふうに思っております。
#96
○関口昌一君 国民がやっぱり知りたい、また企業も含めて、事業者も含めてですが、やっぱりそういう不安があるわけですよ、いろんな要因があってね。で、この見通しというのはなかなか出しづらいところあるかと思いますけど、結局それがある日突然ぽんと出てきて幾らぐらい値上げになったというと、全て政府の方の批判につながるわけでありますので、しっかり対応していただきたいと思っております。
 再生可能エネルギーの買取り法についてですけど、買取り価格等については第三者委員会の意見等によって決定されるということであります。この価格決定に中心的な役割を担っております第三者委員会の委員はいつごろまでに決定するのか、伺います。
#97
○国務大臣(枝野幸男君) 今候補者案の検討を進めているところでございます。
 これについては国会の御同意が必要な案件でございますので、できればこの国会で御同意をいただけないだろうかということを視野に、その場合、当然国会の方に御迷惑掛けないように一定の時期のめどがあろうかなと思っておりますが、まだちょっとそこまで確定はしておりませんが、そういったことを視野に入れて検討をしているというのが状況でございます。
#98
○関口昌一君 結局、この買取り価格が幾らかということが早めに決まらないと、事業者も含めて、いろいろ年度末、三月末までには価格がある程度決まっていないと事業計画も立てられないような状況になるかと思いますので、早く選考していただいて、これは国会で同意を得るということでありますけど、もう七月一日施行ということでありますので、急いで対応すべきだと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そして、買取り制度の開始と補助金の存続についてなんですけど、太陽光発電の、再生可能エネルギーの導入に係る補助金については、大臣も頑張ってこられた、事業仕分によって、指摘によって再生可能エネルギーの導入支援のための制度は、買取りに一本化していくような方向で結局補助金を少しカットしてきたというような状況であります。ところが、菅総理が五月のOECDのスピーチで、一千万戸の家庭に太陽光パネルを設置するんだというような話が出てきたわけでありまして、買取り制度だけでは足らずに高額な初期投資の負担を緩和するための料金も大変補助金も重要になってくるわけであります。何かばらばらの方向性を持った施策が政権から打ち出されているような私は感じがしてならないわけでありますけど、戸惑いを感じている方々も多いかと思いますけど、再生可能エネルギー導入に係る補助金について、大臣はどのような方針を持っておられるか伺います。
#99
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、一昨年の事業仕分で支援策は固定価格買取り制度へと集中させるべきという指摘を受けまして、買取り制度の対象となる分野での事業者向けの設備補助事業については、平成二十三年度以降について新規案件の採択を停止をしているところでございます。
 やはりめり張りを付けて効果のあるところに集中的に資源を投資した方がいいということはありますので、買取り価格について基本的には初期投資分を含めて価格が決められるというふうに法律上規定をされておりますので、そうした意味では、買取り価格制度に集中した形でのインセンティブが十分に確保されているものと思っております。
 ただ一方で、先ほども御指摘がありましたその前の段階の実証研究とか、こうした再生可能エネルギーの本格普及に向けては様々なフェーズがあります。そうしたところの中で、例えば実証研究みたいな部分のところは、この買取り価格制度ではなかなかフォローできないし、すべきではないだろうというふうに思いますので、どの分野にどういうふうに補助金という制度を使うことが一番効果的かということは、事業仕分の指摘も踏まえつつ、一番実効性のある形を組み立てていきたいというふうに思っております。
#100
○関口昌一君 事業仕分での指摘もいいところと悪いところもあるわけでありますんで、余りこだわらずに。
 やっぱり補助金がだんだんカットされてきたということは、これから設置して再生可能エネルギーでどんどん取り組んでいこうという家庭の方々に対しても、私は、市町村や都道府県でも設置に対して補助金を出しているところもあるわけでありますんで、ここは是非そうしたことが国の支援として充実できるようにしていただきたいと、要望をさせていただきたいと思っております。
 次に、TPPについてなんですけど、今回、大臣の所信を聞いたんですけど、TPPという言葉が入ってなかったですね。触れられたのは大市場国との高いレベルの経済連携を着実に実現するとありましたけど、これは現在交渉中の国々との連携強化をうたっているのか、それともTPPを示しているのか、大臣に伺います。
#101
○国務大臣(枝野幸男君) 政治的にといいますか、あるいはメディア的にはTPP協定交渉への参加をするのかどうかということだけが注目をされておりますが、今我が国として行わなければならない高いレベルの経済連携ということでは、私が所信で申し上げた中には交渉中の豪州あるいは韓国とのEPAの推進、それから交渉開始を目指している日本とEUとのEIA、日中間のEPA、それからASEANプラス6という東アジア包括的経済連携構想、こうしたことと、そしてTPP協定への交渉の参加の是非についての検討といったことを全て包括的にまとめて申し上げたつもりでございます。
#102
○関口昌一君 要は、TPPという言葉を使いたかったけど、ちょっと刺激があるんで控えたというようなことであるかと思います。
 今日、午前中の大臣の答弁聞いていて、ちょっと私もえっと思ったんですけど、二国間で進めているEPA、FTAのためにもTPPの参加は有利になるとか、またASEANプラス3、ASEANプラス6においても、TPPに参加することが決してマイナスではないような発言があったわけでありますけど、そもそもTPPに参加している国を見ると、ASEANにおいては十か国のうち四か国、ASEANプラス3においては中国、韓国もTPPには参加しておりません。プラス6においても中国、韓国、インドも参加していないということであるわけでありまして、ASEANに関してのプラス3、プラス6は、アメリカはもちろん参加しておりません。
 そうした中で、この議論を深めるともう時間もなくなっちゃうんであれなんですが、今、党の方から、例えば前原政調会長、これはまずテーブルに着くことだと、途中不利な場面があったら撤退もあり得るような発言をされております。玄葉外務大臣、私は、玄葉さんは良識的な話をしているなと思ったんです。私も外務政務官を経験させていただいたんですが、やっぱり国際交渉の中で同じテーブルに着いて、途中不利だから撤退ということは現実的に考えて困難だということ。こういうお二人のお言葉を大臣はどのようにとらえているか。大臣は、テーブルに着いた場合撤退できるか、また撤退は困難じゃないか、どういうふうにお考えか、お聞きいたします。
#103
○国務大臣(枝野幸男君) これはなかなかどこかの側面だけを切り取ってお話をするのが難しい話だと思っておりまして、まず一般論として、外交交渉でございますので、いろんな交渉をしたけれども交渉がまとまらないケースも一般論として多々あります。現にポスト京都議定書の議論はなかなかまとまらないでずっと来ていますし、それからWTOの議論もなかなかまとまらないで来ております。外交交渉ですから、まとまる場合もあるし、まとまらない場合もある、一般的にそうだと思います。
 ただ、もし交渉に参加する場合には、成功裏にまとめようという意思を持って参加をしなければほかの交渉参加国に対して失礼であります。その上で結果としてどうなるのかというのは、何度も申し上げますがいろんなケースがあり得るということだと思っております。
#104
○関口昌一君 私の性格だったら、どっちだと言うとこっちだと言うんですけれども、大臣はどうもそこが欠点であり、何か訳が分からないですが、そこが政治家として力強さが足りない部分で、同じ埼玉県民として指摘をさせていただきたいと思うところであります。
 そして、TPPに関して、大臣はTPPに対する誤解が払拭されていないと発言されております。その誤解というのはどのようなことを考えているのか、その誤解が払拭されれば直ちに交渉に参加すべきと考えておりますか、伺います。
#105
○国務大臣(枝野幸男君) 誤解を全て網羅的に挙げることは難しいかなというふうに思っておりますが、例えば公共調達について、これTPPで取り上げられると、日本が、いろんな他の国から日本の公共事業にたくさん入ってきて大変じゃないかというような意見を時々伺いますが、実は、今の九か国と比べても日本の公共調達に対する公開度は一番と言っていいぐらい既に公開をされておりまして、むしろ他の国がちゃんと、それぞれの国の公共調達について我が国の企業が入れるように公開をする方向でのもし議論があるとすれば、そういう方向であるんですが、どうもそうした部分のところを十分に認知をしていただいていない。
 こうしたことはいろんな分野についてあると思っておりまして、それをできるだけ、現状がこうなっていると、そして、したがってこの交渉の見通しとしてこういう方向になる、そうした場合、日本にこういうプラスがあってマイナスがあってと、相当きめ細かく、ただ、きめ細かくやろうとすると非常に複雑になってきて分かりにくいという御指摘もいただくということのジレンマを感じながらも、できるだけ丁寧に一個一個、今の交渉の状況について知り得ること、そしてこれからの見通しについてしっかりとお伝えをしていく必要があろうと。
 ただ、何をもって参加するかどうかということを決定できるかというのは、これはもう最終的には、総合的に一定の国民の皆さんの理解を得られたかどうかということについて、これは総合的に判断するしかないことだろうというふうに思っております。
#106
○関口昌一君 私自身は、TPPの参加については、もう突然TPPというのが出てきましたので私もびっくりしたんですけど、それ以来、自民党においてもいろいろ会合を開いたり、いろんな団体から話も聞いて、民主党さんよりももう先駆けてずっとやってきたと思うんですけど、いろいろ心配を重ねれば重ねるほどやっぱり不安の方が大きくなると。政府・与党の中でもいろんな今意見が出ているかと思いますけど、恐らく正確な情報が把握できない。正確な情報を把握するために、じゃテーブルに乗ればいいんだという話がありますけど、もうテーブルに乗ったということ、途中離脱というのはなかなか難しい話でありまして、カナダやメキシコが参加したくてもできなかった、どういう理由があるかということも含めて検証されているかと思いますけど。
 私は、これは今農業の問題だけがいろいろ議論されておりますが、二十四分野にわたる様々な要因があるわけであります。日本にとっても、例えば自動車も含めて関税も大分下がってきている、生産拠点が海外に移っている部分も多いわけでありまして、一般の国民の方々は分かりませんので、自動車の輸出が全部関税が取っ払えてどんどん輸出が増えていいんじゃないかと思っている方もありますけど、そう効果的なものはないということ。
 さらに、このような状況の中でなかなか今、企業がもう海外へ、先ほど大臣は、海外へ出ている企業は、日本で足下がしっかりしている企業が海外へ出ればそれがまた海外でしっかりと蓄積して日本にもそうしたものが反映できるという話だったですけど、今企業や会社が考えていることは、もう日本でやっていられないから海外へ出ざるを得ないというような状況。ここへ来て、こんな厳しい状況の中で本当に今早急にこのTPPの参加に突っ込んじゃっていいのかと私は思っているところであるわけでありますけど。
 これを始めるとずうっとになっちゃいますので、ほかの委員の質問時間にもかかわってきますのでまた次の機会に譲りたいと思いますが、是非ここは慎重に対応していただきたいと思っております。それこそ、よく大臣が言うように、いろいろな形で議論して時間を掛けてということ、これはもっともっと十一月のいつぐらい、十日ぐらいですか、までになんて結論を焦らずにしっかり議論を重ねていただきたいと思っております。
 とにかく、大臣、どうも弁護士さんなんで、余り言葉じりを取られたくないとか安全な答弁に心掛けようなんて思っているのかもしれないですけど、やっぱり自分が思っているのはこうだということをはっきり打ち出して、議論も大事ですけど、与党になって、与党の大臣としては今度は結論も出さないし批判も受ける立場になるわけでありますので、しっかり取り組んでいただきたいと思っております。
 ずうっとこの委員会で大臣に質問ができるように、間違いのないように県民としては思いますけど、我々は野党ですので、もう一日も早く、先ほど補助金が来年上乗せできればいいなという轟木さん、話がありましたけど、我々の政権で上乗せできるように頑張りたいと思いますので。
 以上であります。
#107
○牧野たかお君 自民党の牧野たかおでございます。関口筆頭のように優しくないものですから、ちょっと意地悪な質問をするかもしれませんが。
 午前中から原子力行政に関する質問が相次いでおります。私も、先ほどの轟木委員の質問の中身伺っていて、考え方は全く一緒ではないかと思っております。
 それで、所信の中から幾つか選んで質問させてもらいますけれども、まず、エネルギー政策について、現下の状況、原発が、先ほどお話にありましたように、福島第一の一号機から四号機を入れなければ五十基ですけれども、現在十基しか動いていないと。こういう状況が、今私は電力の供給が非常に不安定になっていてメーカーも節電をしなきゃいけない、フル操業ができない、そういったことがかなりの影響を及ぼしていると思っておりますが、大臣はどのように今この状況が産業界に影響を及ぼしているというふうにお考えでしょうか。
#108
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員おっしゃるように、この夏については基本的には節電対応で乗り越えてきたわけでございます。幸い猛暑にならなかったということもよかった原因の一つなんですが、そういった中で、当然、企業にも、自家発電の機械を買ったり、あるいはその燃料のコスト増というものを負担してもらったり、そういった犠牲も払っているというふうに思いますし、また働く人たちにとっても、土曜日や日曜日に仕事をしなければいけない、それによって地域の自治会活動とか行事とかそういったものに行けなかったとか、家族サービスができなかったとか、そういった犠牲もあるというふうに我々は把握をしております。
 今後については、七月のエネルギー・環境会議の取りまとめによれば、今年の冬は予備率が電力九社合計でマイナス〇・七%になると。この数字はまだ精査をしているところでありますが、今年の夏の経験を踏まえて、できるだけこの電気事業法第二十七条、要するに強制的に電力使用制限をする法令を回避しつつ、経済活動に可能な限り影響が及ばないように、各部門、各種ごとの実情に応じた、きめ細かい、めり張りの利いた対策でできるだけ早期に皆さんにお示しをしたいというふうに考えております。
 あと、料金については、これは先ほどの話、各電力会社の経営判断事項でございますので、実際に電気料金が上昇するかというのは今の時点では何とも言えないということです。
#109
○牧野たかお君 まだ後で聞こうと思った質問の答えを先に言われても困るなと思っていますが。
 それで、先に今そういう話が出たものですからちょっと順番を変えて言いますけれども、藤原先生の御出身の関西電力は原発が五〇%弱ぐらいが全ての発電の電力のうちの割合だと思いますけれども、今年中に、元々関電は十一基原発を持っていますけれども、今動いているのは四基、そのうち三基がもう年内で定期点検に入ります。そうすると、十一基のうち取りあえず正月越えて動いているのは一基しかありません。今申し上げたみたいに、関電というのは五〇%弱が原発の発電ですので、今のままいくと私は大変なことになると思っております。
 私のところの管内は、管内というか、電力を供給しているのは中部電力ですけれども、中部電力も御承知のとおり浜岡原発が止まって、まず自分のところの管内の電力をとにかく賄うのが精いっぱいで、とても関西電力に供給する電力はないと言っています。恐らく北陸電力もそうでしょうし、中国電力もそうだと思いますけれども。
 これで、今の現時点での試算でいっても、来年夏、関電は恐らく二〇%、電力需要から比べるとマイナス二〇%しか供給ができないというふうに試算が出ていますけど、今の状態で本当にこれで何とかなるというふうに見ているんですか。
#110
○国務大臣(枝野幸男君) まず一つは、原子力発電所の再稼働問題については、安全性のチェックがどういうふうにいつできるのか、これは政治的に決められることではなくて、科学的、客観的にチェックをしていただいた上で出てくる話でありますので、率直に申し上げて、今の段階でいつどういうことになるかということを政治的に申し上げられる話ではないというふうに思っております。
 そうしたことの中で、来年夏の電力需給、もし原発の再稼働がなかった場合というケースを想定して、様々な今精査をしているところでございます。そして、そのときに、特に電力消費量と相関関係が強い産業用の電力、経済力との関係を見据えたときに、日本の経済、産業に影響を与えずに乗り切ることができるのか、来年の夏が一つのポイントだろうと思っておりまして、エネルギー・環境会議で精査をしているところでございます。
 現段階での見通しについては、そう遠からず、早ければ今月中にも一つの見通しがお示しをできるのではないかというふうに思っているところでございますが、これは乗り越えられるかではなくて乗り越えなければならないというふうに思っております。
#111
○牧野たかお君 お答えによってちょっと順番をどんどん変えていきますけれども、今の御答弁ですけれども、実は、この間そのエネルギー・環境会議が出した試算ですと、全ての原発が止まると三・二兆円燃料費が上がるという数字が出ています。ところが、その時点で、五月のLNGの価格と現在の直近の価格を比べると一二%も上がっているんですよ。LNGがどんどんどんどん今上がる傾向にあって、需要に対して供給量が少ないということなんでしょうけれども、そう考えていくと、どんどんどんどん上がっていけば、電力会社の燃料費の負担というのはこの間の試算よりもっと増えちゃうんですよ。
 その上で、これは枝野大臣は兼任なさっておりますけれども、原子力のこの間の事故の賠償の支援機構法の中で、要はほかの電力会社九社とあと二社の十一社が一般負担金という形で賠償の一般負担金を出しますよね。それが来年の四月以降から一般負担金が発生していくわけですよ。それで、質問しても幾らを想定しているかとお答えを多分しないでしょうから、今耳に入っている話だと、東電を除いて二千億ぐらいじゃないかと言われております。それはその業界の方に経産省の方から話が行っていると思いますけれども、それを計算すると、関西電力のことばかり言って申し訳ないですが、関西電力の負担金は、多分さっき申し上げたみたいに五〇%を原発に頼っていますんで、恐らく、二千億を十一社で割れば平均は二百億ぐらいですけれども、その数倍負担金が関西電力は多分しなきゃいけないと思うんですよ。
 それと、燃料費のアップと、要は火力発電にスライドしていくと燃料費がアップしていくというと、電力会社の経営、別に電力会社の私は味方じゃありませんけれども、どう考えても要は電気料金もう上げざるを得ない。それも、さっき数字出ていましたけれども、二〇%で恐らく収めることができないような、そういうことが想定されてしまうわけですよね。
 そうすると、それがどこに行き着くかというと、円高で苦しんでいる日本のメーカーに打撃を与えて、要は国内の生産をやっぱりもうできないと、本当にもうぎりぎりのところに来ているのに、それを最後のもうとどめを刺すようなことになりかねないというのが私は今の状況だと思っているんですよ。
 だから、それについて大臣を始め経産省、政府は本当にこの当面の危機をどうやって乗り越えるかというのをやっぱり示さなければ、これは本当にそこに、今目の前に私はそこにある危機だと思っておりますが、それを先ほどは乗り越えられるか乗り越えられないかじゃなくて乗り越えるようにやるといっておっしゃいましたけれども、とにかくそれをやるための、やるということの国民なり企業なり、私たちに安心させるだけの要は工程表みたいなものが全くないから誰も安心できないですよね。それを早く私は示すべきだと思いますが、いかがですか。
#112
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、電力の供給量と同時にその価格が産業に与える影響というのは大変大きなものがあるわけでございまして、特に今の円高等で大変厳しい状況の中で電力料金が上がることになれば、日本の経済に更なる大きな打撃を与えると。したがって、いかに電力料金の上昇を抑えながら、なおかつ供給量を確保してこの局面を乗り切るのかということに最大限の努力をしなければいけないというふうに思っております。
 たしかに、一般負担金については現在の総括原価方式での原価に含まれますし、それから燃料コストのアップも原価に含まれます。それから一方で、東京電力に対する経営・財務検証委員会の報告では、東京電力にとどまらず、現在の電力料金の原価に共通する様々な問題点が指摘をされております。これについては、総括原価方式をどうするのかというのはこれは軽々に結論を出せる話ではないと思っておりますので、少し時間を掛けた議論が必要だと思っておりますが、現行の制度の中において、今回経営・財務委員会から指摘を受けた原価が高いのではないか、高い評価がされているのではないかという点については、これは省内に有識者による検討チームを立ち上げまして、これはまさに電力供給との問題との見合いもありますので、年内には一定の方向性を出していただきたいということで、今鋭意作業をしていただいております。
 したがいまして、そうしたことも含めた経営努力、電力会社の経営努力と合わせることによって、いかにそれが吸収できるのかということを最大限努力をしてまいりたいと。ただ、そういったことも含めて工程表、今後の見通しについてできるだけお示しをすることがそれぞれの企業経営等における経営の見通しに対して影響を与えることも間違いございませんので、できる限り今後の見通し等についてお示しをできるように努力をしてまいりたいと思います。
#113
○牧野たかお君 だから、大臣のここでの答弁も、またほかのところで伺っている御発言を聞いても、理路整然として、聞いていれば、うん、なるほどなと一瞬思ってしまいますけれども、しかし、私は思うんですが、ちょっと非常に失礼な言い方かもしれませんが、この所信の表明、文書でもらっていますのでそのまま読みますけれども、原発の再稼働については、点検済みの原子力発電所については、地元住民などの御理解を前提として、その再稼働について判断することとしておりますという文章なんですよね。
 先ほど答弁聞いていると、これとはちょっと違っていることをおっしゃっていますけれども、要するにこの文章を読むと、何かそれこそ第三者機関みたいな話で、地元住民などの御理解を前提としてというのは、前提として判断するんじゃなくて、さっき大臣おっしゃったみたいに、その安全規制、安全基準を見直すなら早く見直して、そして国がその原発の安全性をちゃんと責任を持って担保をして、その上で地元住民に再稼働をしてくださいと、住民だけじゃなくて、そこの県知事なら県知事にお願いするのが私は経産省であり、経産大臣の仕事ではないかと思いますけれども、この文章を見ていると、何か人ごとみたいで順番が逆じゃないかと思うんですね、この文章そのものが。だから、そこが私はどうも、今のお立場からすると、何というんでしょう、私たちも国内の産業も国民も、原発の再稼働を考えていないんじゃないかというふうに私は取られてもしようがないような気がするんですよね。
 だから、さっき午前中御答弁されて、その後もそうですが、やはりその言葉の方が私はここの文章、元々所信で述べられた文章よりも立場としては正しい言葉だと思いますけれども、少なくともこの所信の言葉は、私は経産大臣としてお使いになるのはちょっと本当は違ったんじゃないかなと思いますけれども、いかがですか。
#114
○国務大臣(枝野幸男君) 午前中から申し上げていることでございますが、住民の皆さんに御理解をいただけるとすれば、それは、まずは安全性についてはまさに中立的、客観的、科学的に確認、チェックがされるということが大前提であります。
 事実かどうかは別としても、少なくとも国民の皆さんの受け止めとして、従来は経済産業省や、あるいは経済産業省の下の機関である原子力安全・保安院まで含めて、原発は稼働させたいという、何というんでしょう、そういった方向で様々なことを組み立てていたというふうに受け取られていると思っています。その結果として、本来保安院は、原発を稼働させたいとかさせたくないではなくて、安全かどうかということを中立、客観的に判断しなければならないところまでが、安全性をないがしろにしてチェックをしていたのではないかという疑念を持たれているという状況に客観的に私はあると思っています。
 来年の四月からは切り離して、経済産業省から切り離しますが、少なくとも現時点で、形式的には保安院も経済産業省の機関として私の下にあります。その私が原子力発電所を再稼働させたいという方向での動きをするということは、原子力安全・保安院もさせたいという方向で、安全よりも再稼働を優先してチェックをするのではないかという誤解を招きかねないと私は思っております。
 ですから、とにかく保安院が安全性をチェックすることについては、させたいともさせたくないとでもなく、客観的、中立的、科学的に安全性がどう担保されているのかということについて、とにかくできるだけ中立的な立場でチェックをすると。そこで結論が出たら、科学的な結論が出たら、そこで安全だという結論が出たら、それについて安全だという結論が出ているのでそれを御理解いただきたいということについては、経済産業省としてあるいは資源エネルギー庁として周辺住民の皆さんに御理解をいただくための努力は先頭に立ってやっていかなければならない、こういうことでございまして、そのことを所信のところでは今のようなところまで全部お話を申し上げることできませんでしたので、非常に省略した結果、もし誤解を与えることがあったとすれば、今のような趣旨で考えているということでございます。
#115
○牧野たかお君 今の御答弁聞いてもまだ私は納得できないというか、政治家枝野さんとしてはいいのかもしれないけれども、経産大臣として今の御答弁聞いていると、まず自分のところの保安院、自分の部下である保安院、組織である保安院が疑義を持たれているような、確かにいろんな報道もあったし、それと、そういう世の中の批判もあるのは承知しておりますけれども、でも大臣である以上、そこの組織をもしそういう疑義を持たれているんだったら、その疑義を持たれないようにちゃんと指導した上で科学的、客観的、そういう安全性が判断できたらということでしたら、それをどういう手順でいつまでにやるかというのを、それはどこの原発を再稼働いつまでにさせるという意味じゃなくて、原発の安全性の確認までの工程をはっきり示して、そこでその時点で判断しますよと。それで安全性を担保できたら、確認できたら、その上で原発を持っている、立地している県知事やそこの市町村長やそして住民に対して誠心誠意を持って稼働をお願いしていくというなら私は分かりますけれども、何か御答弁聞いていると、中立というか、何か第三者機関の長のような、私はそういう発言に感じましたけれども。
 とにかく、科学的な要するに安全をちゃんと確認するというならば、それをどういう形でいつまでにやるつもりでいるんですか。それがはっきりしなければ、要するに来年の夏までに原発は動かせないのか、もう止まったままでそのままいってしまうのか、まずはそこが、安全確認をするための手順とその時期を決めなければ私は何も前へ進まないと思います。
 それで、この間の国家戦略室が出した要は当面のエネルギー需給の安定政策なるものを見ても、原発の項目は入ってないんですよ。だから、原発を再稼働させる、再稼働させるというか、再稼働するためのその安全確認の工程というのはやっぱり示さなければいけないと思うんですけれども、それについて示すお考えはありますか。
#116
○国務大臣(枝野幸男君) これについては、改めてより分かりやすく、特に事業者からストレステストの結果等についての保安院への報告がなされた以降の手順、段取りについて整理をしてお示しをしなければいけないかなと、今御指摘をいただいて改めて認識をしておりますので、そこはしっかりとお示しをしたいと思っております。
 まずは、大前提は各事業者が、電力会社がしっかりと自らチェックを行って、そして特にストレステストについて自らテストを行ったものを提出していただきませんと、保安院の手続に入れません。そして、これについては、率直に申し上げると、この間もっと早くできるのかなと思っていた部分がありましたが、その前段階で電力会社から提出をされていた安全に関する書類の中に幾つもの間違いが見付かって、その間違いの原因までちゃんと遡って訂正していただくというようなプロセスがありましたので、当初想定したよりも時間掛かっております。今後もしっかりとした、まず事業者の内部における手順、手続をしっかりと踏んで、いつこれで再開お願いしますという話が各事業者から来るのか、これは逆にこちらでは決められませんので、その上で、そこから先のプロセスについては、最初に申しましたとおりもうちょっと分かりやすく整理をして、多くの皆さんに御理解できるような工夫をちょっとしなければいけないと御指摘いただいて感じました。ありがとうございます。
#117
○牧野たかお君 その件はここで終わりますが、とにかく、経産省の大臣でいらっしゃいますので、産業をどうするかというのが最終的な私は経産省の役目だと思っておりますので、産業の振興を図る、そして国内の経済成長を図っていくというのが経産省の私は役目だと思っておりますので、その大臣としてこれからいろんな課題に取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
 次に、もう時間が余りありませんが、これも所信の中で述べられておりますけれども、資源・エネルギーの安定供給確保に万全を期すというふうに大臣は述べられましたけれども、その資源・エネルギーの部分でいきますと、二〇〇八年に日中で共同開発が合意された東シナ海のガス田の白樺の問題ですが、大臣が、先ほど関口委員がおっしゃいましたように、替わるたびに私質問していますけれども、現実問題として中国側が試掘を行っているという疑いがずっと指摘されておりますが、その後、日本政府はどういう対応をしているのでしょうか。
#118
○国務大臣(枝野幸男君) これについては、経産大臣はこの間替わっておりますが、私、違う立場でこの問題について、危機管理の担当でもありましたので十分経緯承知をしているつもりでございます。
 御指摘のとおり、中国側による採掘の可能性はあるというふうに見られておりますし、見ておりますが、現在これを断定できる状況にはないということでございます。状況を注視し、必要に応じて外交ルートを通じて事実関係の確認、申入れを行っていきたいと思っておりますし、また、実際に掘られているのではないかということについて、より何らかの形でチェック、確認ができないかという努力も更にしてまいりたいというふうに思っております。
#119
○牧野たかお君 ちょうど一年前に、大畠大臣のときにこの質問をして、今のところやっていることは何かって聞いたら、航空自衛隊へ頼んで、海上自衛隊かな、航空機から写真撮影をずっと続けていると。どうも聞いたらその写真がもう山のようにたまっているらしいですけれども、それだけじゃ私はらちが明かないと思うんですが。それで、ほかに本当に調査の方法がないのか、それとか、中国側にそれこそ立入りを申入れするとか、何らかやらないと、もう既成事実としてどんどんどんどん進んでいるだけで、簡単に言えば、日本政府は手をこまねいて見ているだけというのが簡単に言えば今の状況だと思いますけれども、これを改善するというか、とにかくどこかに打開策を見付けないと、これ、本当にこのままだともう既成事実になっちゃうと思いますけれども、何か具体的にその打開策は考えていらっしゃいますか。
#120
○国務大臣(枝野幸男君) 掘っている疑いがある、断定できないという状況というのが長く続くということは、我が国の国益にとってはもとよりでありますが、二国間関係にとっても決していいことではないというふうに思っております。そうした意味では、より確実な事実関係を判断するための調査ができないかとか、あるいは外交交渉において様々なことができないかという御指摘は私も同感でございます。
 ただ、実際に、じゃ我々がどういう調査能力を持っているのかということについては、相手のあることでございますし、また外交的なやり取りについては、これも相手のあることでございますので、今の段階で詳細を申し上げることはできませんが、問題意識は共有させていただいていると、そうしたことの中でできる努力は進めているということの答弁にとどめさせていただければと思っております。
#121
○牧野たかお君 そういう答弁にならざるを得ないのかもしれませんけれども、自民党政権の最後のころ、亡くなられた中川先生が、日本として、もう自分たちでプラントを造って対抗手段を取るというところで残念ながら政権が替わってしまいましたので、そのままになってしまいましたけれども、ある意味、そこまでの強い姿勢を示さない限り、多分私は打開なんかできないと思います。是非強い態度で臨んでいただきたいというふうに申し入れまして、私の質問を終わります。
#122
○末松信介君 自民党の末松信介です。お疲れのことと存じますけれども、しばらくの間お付き合いをいただきたいと思います。三時十分に山岡大臣がお越しになりますので、磯崎委員が後ほど厳しい質問をされるので、それまでに終えるようにということであります。
 それでは、質問に入りたいと思います。
 十月の十七日と十八日と東北三県を回ってまいりました。実は被災地に参りましたのは五回目でございます。二日目は、岩城先生、隣におられますけれども、岩城先生が是非、福島の県内、大熊町と広野町と見て回って、その後、最後の調査地として、郡山市内で福島県全私立幼稚園協会の方々と懇談をしてほしいという、そういう御要望を実はちょうだいをしまして意見交換をいたしました。
 随分核心に触れる、中身のある話合いであったわけでございます。関理事長さん、そして志賀副理事長さん、十名の方とも話をしたわけなんですけれども、特に冒頭に話をなさった双葉郡富岡町の学校法人堀内学園の富岡幼稚園の副園長さんであります堀内恵梨子先生の話、訴えが、大変我々重く受け止めて、印象に実は残って、今日質問をさせていただきたいと思います。
 今回の原発事故によって避難されておられる方々の気持ちというのはもう大変なものでありますし、各先生方も、議員各位もみんな同じようなつらい思いをなさっておられると思います。それで、堀内先生がおっしゃるのは、まず先の見通しが立たないということ、これは企業の方も一緒だと思うんですけれども、先の見通しが立たないということ。そして、将来のプランがだから立てることができないということ。補償金が幾らもらえるかということも実は分からないということ。三月十一日以降、日本という国を信じていいのかどうか分からないという、そういう訴えなんです。この国を信じていいのかどうかということ、このことがやっぱり一番こたえた言葉でございます。
 富岡幼稚園は、今、会津若松市の方に仮移転をされて、そこで間借りをしているわけなんですね。生徒さんは百十五人なんです。今、会津若松市内の幼稚園に何人おられるかといったら三人でございます。三人なんですよ。それでも、この授業料は無料で被災地の子供たちのために行っておられます。職員は十九人であると。そのうち、十九人のうち十二人は休業扱いで災害雇用保険の適用を受けていますから、これはまあ一応給料は休業扱いでもらっておると。でも、これも六十日、六十日と延長、延長、延長ですから、いつ切られるか分からないという不安が一つございます。
 それと、園児の数によってこれはプラスされますから、補助につきましては。だから、園児がいなくなってしまったら園は成り立たないわけですよ。ですから、今はどうしてやっているかといったら、自分のところにある内部留保を、預金を崩して経営をなさっておられるという、そういう実態がございます。ですから、会津若松の間借りをしている家賃も払うこともいずれ困ってくるということは明らかなんです。
 福島県の私学課にも相談に行ったんです。先ほど、十二名は災害雇用保険の適用を受けていますけれども、残りの七名は、これは二分の一は県費で補助を受けていると。経常費に対する補助ということで通常補助です。これは私学課の方へ今後どうなりますかという相談に行きましたら、今年度の補助はしますけれども、その後のことについては東電と相談をしてほしいと言うんです。東電と話し合ってほしいということを言うんです。それは直接、これ幼稚園が東電と交渉することも必要かもしれませんけれども、私は県とかもっと国が前に出てやるべきだという、そういう考え方を持っています。
 一つ大きな問題があるのは、東電、これ大臣が恐らく指示をされて分かりやすくしたと思うんですよね。こういうご請求簡単ガイド、個人さまということ、法人につきましてもここにあるんですけれども。幼稚園の問題点というのは何が問題かといったら、利益を上げてはならない、利益が上がることはないわけなんです。だから、逸失利益というのは出てきませんから、通常のフォーマットでもって請求を起こすことができないわけなんですよ。だから幼稚園はどうしているかといったら、協会でもって弁護士さんを雇ってそのフォーマットを作って東電に持っていこうという、こういうようなことをやっておると。これ、国としてきちっとやってきたかどうかということは私は非常に大きな疑念を感じています。
 社会福祉法人も恐らく同じ扱いじゃないかということを思うんです。飯舘村のいいたてホームにも行ってまいりましたけれども、向こうは、もう職員の方が避難地からわざわざ飯舘村役場の隣の特養へ行って、危険を顧みず、放射能を浴びることも顧みず一生懸命働いておられるという姿があるんですけれども、これについてどのように対処されるのかということ。
 私は、ちょっと国は冷たいと思うし、うっかりミスだったら過ちが大きいと思うんですよ。これについて私びっくりしたんです、このことについて。そういう漏れがある法人があったんだと。請求書回せないところがあったんだということに気が付きまして、この点についてちょっとまず最初にお伺いします。
#123
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、東京電力による賠償についていろいろなところで至らない点が多々あり、そこについて経済産業省として指導が十分でないことについてはおわびを申し上げたいというふうに思っております。
 まず、根本的な私は認識のずれが東電にもあるのかなと思って、ちょっとびっくりをしているんですが、原子力損害賠償紛争審査会が賠償の指針を出しております。ただ、これは、これに基づいて賠償をすればいいということで東電に対して示しているのではなくて、いわゆる典型的な被害については、これに基づいていれば、様々ないろんな立証などを行わなくてもこの補償だけはまずはちゃんと払いますよという意味であって、これに、こういった定型的なパターンに入らないものが多々あるということが大前提になっているものでありますが、東京電力、十分認識しているはずなんでありますけれども、この審査会の指針がこうだから、これに基づいてやりますという姿勢に、残念ながらある時期まで非常にそういう強い姿勢が感じられました。
 これは全くそういうものではありませんので、指針に含まれないような、まさに幼稚園であるとか社会福祉法人など、それ以外にも様々あり得るわけでございまして、そうした皆さんに対しては、それぞれの個別の事情に応じて、実態に即した形で、相当因果関係のある損害についてできるだけ速やかに賠償を行っていくということが必要であります。
 これについては、今日も御質問いただきましたが、改めて東京電力に対して強く指導してまいりたいと思っておりますし、また、これは原子力、今回の支援機構ができて、支援機構がそういったことを、チェックをかなり緻密な形でやっていただける形ができました。あるいは、紛争になったときに、裁判所に持っていかなくてもそこでADR機能を果たしていただける機能も設けることができました。
 さらに、先日、総理が福島に参りましたときに、いろんな皆さんが、私も弁護士ですが、弁護士から見れば、ああ、ここはこうであるのになと思っていることをちゃんと御助言を差し上げる、しかも被害者の立場で御助言を差し上げるチーム、きちっと国の責任で、県と一体となってそういうチームをつくって、御相談をしていただきながら、適切な賠償ができるだけ迅速かつ簡易にできるような体制を更に強化したいというふうに思っております。
 幼稚園との関係についても、これ幼稚園の団体としてお話をいただいていると聞いておりますので、そこはしっかりとスムースな議論が進んでできるだけ早く対応できるように、この件についても個別にも東京電力に対して指導したいと思います。
#124
○末松信介君 枝野大臣から非常に誠意のある御答弁であったと思います。そのことを信じたいんです。
 ただ、スピードが求められますので、スピードが、このことを是非まず要望としたいと思うんです。仮払金というのは、法人が二百五十万円ですか、で、個人が一世帯で百万円と。その後、これ二回目の補償金については個人、家族一人三十万当たっているということでありますから、多いところでも、三人家族だったら百九十万と。とてもやっていけるような金額じゃないわけですから、東電に対しての請求というのは非常に大事な問題でありますので、これについては誠意を持って、しかもスピード感を持って対応いただきたいということをお願いしたいと思うんです。
 付け加えて申し上げたいことは、一体、この幼稚園を会津若松市内でやっておるというこの状態、いつまでこれ待てばいいのかということ。学校法人の預金はどんどん減少していっていると。いつかは底をつくわけなんですよ、底をつくと。
 園の経営者の方々は、企業の方もそうだと思うんですけれども、新たな人生の設計をする必要があることが、もうそのことが政府が分かるんだったら、半径何キロ以内ですよ、人生の選択肢を用意してほしいと言っているんですよ。実に、今電話があったんですけどね、もう福島県外に出てもええと。公設で幼稚園をもうやらないところがあって、もう民間に委託したいところがあったら、東京都でも神奈川県でも、行けと言ったら検討して、そういう選択肢も我々考えますと言っているんですよ。
 こういったことについてどう答えられます、大臣は。
#125
○国務大臣(枝野幸男君) できるだけ早く、戻れるのか、戻れるならいつごろ戻れるのかという見通しをお示しをしなければならないと、そのことについては強い問題意識を持っております。
 一方で、早くいつ戻れるのか戻れないのかを示してほしいという御要望と、一方では、戻りたいんだから、とにかく徹底した除染をして、その除染の効果の中で判断したいとおっしゃる方もまたいらっしゃるという。率直に言って、両方の御意見、どちらもごもっともなことだと思っております。
 したがって、除染をすれば、いつごろまでにどうした地域がどう戻れるのか。そして、その場合、戻る場合の基準になる放射線量はどういう形で設定をするのか。これは今、専門家の皆さんを含めてかなり集中的な議論と、それから様々なモニタリングを進めているところでございます。
 本当に、一刻も早く示せというお気持ち、全くそのとおりだというふうに思っておりますが、同時に、これ帰れそうもありませんよと言ったんだけど、実はよく調べてみたら帰れますとか、逆の場合はもっとつらいかもしれません、戻れそうだと言っていたのに、よく調べてみたら、やっぱり思ったよりも五年ぐらいは時間が掛かりますとかって、こんなことになってしまった、これまた余計に御負担をお掛けをすることになりますので、かなり確実性の高い見通しを、これも半年先とか一年先とかではなくて、できるだけ早くお示しをするべく、これ細野大臣と連携をして進めてまいりたいと思っております。
#126
○末松信介君 公立の幼稚園は、これは地域は福島の市内もひっくるめてでしょうけれども、表土を削っているこの費用は、当然自分たちもやりますけれども、一応公費でできるんですよね。ところが私立の場合は、これどなたかにお願いした場合、その費用は自分たちで立て替えているという実態があるんです。払ったまま、まだお金をどこからももらえていないという、そういう話が実はあるんですよね。
 ですから、私は、今日文科省来られているのですけれども、御答弁は今日はしないということですかね。いや、御支援の答弁いただけますか。後ほどでいいです。
 それで、公私の格差ということについて、できるだけないようにこれ支援をしてやってほしいということが我々の強い気持ちでございます。もし支援策があれば御答弁いただきたいと思うんです。
#127
○政府参考人(小松親次郎君) 私立幼稚園関係の支援策等について御質問ございました。お答え申し上げます。
 原発事故の関係で私立幼稚園にも様々な影響及んでおるわけでございますが、特に今お話のございました園児がいなくなるというのは大変維持していく上でも深刻な影響であるというふうに理解しております。
 これに対する支援といたしまして、一つは、もとより福島県において私学助成ございますので、これに対しては文部科学省が都道府県に応援をいたしますが、一つは先ほどのスピード感ということもございますので、執行について特例的に早めまして、今現在までに相当額を執行して応援をしております。
 これに加えまして、今現在第三次の補正予算の作業をやっておるわけでございますけれども、この中で幼児等の今の転出、例えば百人以上いた方が三人ぐらいしかいなくなった、こういうような部分につきましては、その学納金の収入の減収分というものを考慮して、言わば被災私立学校の復興の特別交付金というものを要望しているところでございまして、これは例えば基金方式を取って、この後も少し時間掛かってくると思います、今年の補正だけの、今年だけの執行というわけにいかないと思いますので、それらを含めた形でできるだけ見合った支援ができるように、特別の措置を講じてまいりたいと思っています。
 この二つを通じて、その幼稚園が立ち行くように精いっぱいやっていきたいというのが私どもの方策でございます。
#128
○末松信介君 松先生から今御指摘があって、除染についてもしお答えできたら、お願いいたします。
#129
○政府参考人(小松親次郎君) 除染でございますけれども、例えば園庭等につきまして、これは公立と私立の間ではその補助の制度には差があるわけでございますけれども、第二次補正で放射線低減事業の一定の補助ができるような制度をつくらせていただきましたので、これと、それから従来からある私学助成における配慮と、その二つを併せまして、事実上は校庭、園庭などの私立学校の除染等につきましては公立とそんなに違わないような水準で支援ができるようにしたいというふうに考えております。
#130
○末松信介君 これは与野党で協議をしなきゃいけないんですけれども、公私の格差というのは、教育は機会均等の場であります。もちろん私学は建学の精神がありますから、私学が本来やるべきだという意見がありますけれども、私たちは公私格差がゼロということを前提に考えてほしいという、そういう個人的な要望を持っています。今経営的にしんどくなってきていますので、こういった激変についてはきちっとした交付金対応をやるべきであるということは、これは地方議員もみんな同じことを考えていますよ。これは強くあなたに要望を、小松部長に要望をいたしておきます。
 それで、大熊町に行きましたとき、牛が五頭徘回していたりとか、洗濯物を干しているんですね。人住んでいるじゃないかと思ったら、これ、避難したときのまま、慌てていたんでしょうね、洗濯物を干したままなんですよ。もうそういうような状況で。それと、オフサイトセンターへ行きました。三月十三日七時ということをホワイトボードにマジックで書いて、その日のやるべきことを書いていたんです。相当やっぱり慌てて皆さん避難されたということはよく伝わってまいりました。
 私、その大熊町、いずれ皆さんが戻ってきて住まなきゃならないんですけれども、住宅地周辺とか道路際とか、そういったところというのは除染を当然やっていくと思うんですね。
 各役所に行きましたら、放射線の話ということで、幼児、小学生用、保護者用と三枚作っておられるんです。この中にきちっと、放射性物質があるのはこんなところですと、草むら、芝生の上、側溝、木の根元、水たまり、雨どいというようなことで書いているんですよ。保護者のパンフレットになるほど、より詳しく書いておるということなんですけれども。
 私、気になりましたのは、山の除染というのは一体どういうようにやっていくのかと。これ、子供たちはやはり里山の中へ入っていって遊びますし、人々もキノコ狩りをしたりする。また、今後、植栽をして、やはり木を育てていくということも大事ですし、あれ、植えて実際木を伐採して製材していくにはやっぱり五十年ぐらい掛かりますので、どういうように木の、山の汚染、木の根っこにある除染というのはやっていくのか。できますか、これ、簡単に。その方法を教えてください。
#131
○政府参考人(関荘一郎君) 森林区域の除染につきましては、森林の面積が大変大きいということと、腐葉土を仮に剥ぐような除染方法でございますと膨大な土壌が発生することになりますし、また災害防止の観点からも森林の多面的な機能が損なわれる可能性があるということから、慎重に対応することが必要であるということがございます。
 したがいまして、除染に当たりましては、まずは住居等の近隣に位置する森林について落ち葉や枝葉等の除去による除染を実施することとしておりまして、森林全体をどういうふうに扱っていくかというのは、先ほどのような問題もございますので、今後の検討課題であると現在考えておりまして、環境省といたしましては林野庁等ともよく相談して対応してまいりたいと、こう考えております。
#132
○末松信介君 私も素人なんですけれども、そうしたら大熊町へ人々が戻ってきて、山だけ入ってはいかぬという、そういうようなことがあり得ますか。
#133
○国務大臣(枝野幸男君) いろんな避難の指示の解除に当たっては、今御指摘いただいたとおり、森林については、どうしても遅れるのは残念ながらやむを得ない状況だろうというふうに思っています。もちろん環境省において林野庁とも御協議いただいて、できるだけ早く効果的にやる方法をさらに模索、努力をしていただく必要があると思っていますが、それにしても遅れることは間違いないと。
 そうしたことの中で、そこによる影響がじゃ住宅地のところでどの程度あるのかないのか。それから本当に、例えば特に小さなお子さんなどが入ってしまってというようなリスクがあるのかないのか。こうしたことについては、やっぱり地元の自治体の皆さんともよく御相談をしながら避難の解除ということをやっていかなければならないというふうに思っておりまして、御指摘いただいたのは大変重たい、かつ非常に困難な課題であるという認識をいたしております。
#134
○末松信介君 長く時間を取るわけにまいりません。最後にこの件で一つ。
 原発地域から二十キロ圏内は警戒区域として立入禁止でございます。八月に原子力災害対策本部が出した除染実施に関する基本的な考え方によりますと、住民の帰還が実現するまで国が主体的に実施をすると、今お話をいただきましたように。そして、年間二十マイクロシーベルト以下の移行を目指すとあります。具体的目標として、二年後までに年間被曝線量を五〇%減少した状態を実現することを目指すということになっています。これ、裏を返しますと、今現在四十マイクロシーベルト以上ある地域は二年間帰れないということになると思うんですけれども、解釈は間違っていませんか。
#135
○政府参考人(関荘一郎君) 八月に政府でお示ししました緊急実施方針におきましては、現在の被曝量が一ミリから二十ミリシーベルトの地点におきまして避難する必要がないところにおきましては、先生御指摘のように二年間で一般公衆に対して五〇%ということにしておりまして、二十ミリシーベルトを超える現在避難されておる地域につきましては段階的にレベルを下げると、こういうふうなことになってございます。
#136
○末松信介君 ちょっと私、単位間違えましたね、これ四十ミリシーベルトです、済みません、千倍ですね、これは話として。
 今の、じゃ私がしたこの質問ということについては間違いか間違いでないか、もうちょっと確認で。
#137
○政府参考人(関荘一郎君) 緊急実施方針につきましては、例えば先生御指摘の現在四十ミリシーベルト年間線量がございますところについては、具体的には何もその方針については述べていないと。できるだけ段階的に線量を下げていくということを述べたものでございます。
#138
○末松信介君 どうもこの指針についてはちょっと私、理解が誤っているというか、住民、我々正しい理解をしていないということなんですね、これは、そうしたら。そういう伝え方はどうなんですかね。
#139
○政府参考人(関荘一郎君) 指針に合わせて政府全体で現在、高線量地域、例えば四十ミリシーベルトというような高線量地域でございますので、どういうふうな除染方法がいいか等につきまして今年度中にモデル事業を今準備して実施するようになっておりまして、その結果を待ってどういう手法でやればいいのか、あるいは作業員の方の被爆をどう防止するか等々が明らかになりませんと、なかなか本格的な除染というのが始まりませんので、八月の段階でははっきりした見通しが示せていないと、こういうものでございます。
#140
○末松信介君 そうしましたら、私が現在四十ミリシーベルト以上ある地域は二年間戻れないという解釈は誤りであるというように理解をしておきます。いいですか。はい、じゃ分かりました。とにかく、頑張って御対応いただきたいというように願っております。
 次は、TPPのことでございます。大臣から朝、幾つかの質問にお答えになられましたので、もう重複は省いていかなきゃいけないと思うんです。
 先週金曜日に、JAの中央会、兵庫県の中央会からTPP即時撤回、交渉することについてその意思表示を撤回するようにということの請願書をいただいておりまして、金曜日が締切りだったんです。随分悩みました、私は。しかし、結局は請願にサインをして提出をいたしたわけなんです。
 TPPそのものに対して反対というよりも、私は何が反対かといったら、政府がきちっと具体的な情報を出しておられると思えないんです、私は。雑誌や新聞や、あるいは党の勉強会からの情報であって、政府から、これに参加することによってこういうように国の形が変わっていって、これが国益につながるとか不利益になるといったことがどうも具体的に示されていなかったと、私はそのように思っているんです。
 民主党政権の悪口を言うわけじゃないんですけれども、私は民主党の政治手法というのは、大臣、大変恐縮で申し訳ありません、一つは、まず結論ありきですよ、この普天間基地移設の問題にしても、子ども手当の問題にしても、全部。日本航空の問題処理なんかは一転二転三転しましたけれども。結論ありきから、スケジュールどうしようか、制度設計どうしようか、財源どうしようかと、こういうやり方が去年の参議院選挙の格好の標的になったことはたしかなんです。国民はみんな分かっているんですよ。TPPも私はその類いだと思っているんですよ。
 まず、大臣はTPPの交渉に、来月APECありますから、これに参加するお考えが正しいと信じておられますか。
#141
○国務大臣(枝野幸男君) 民主党政権全体としては結論ありきと受け取られている傾向があるということは真摯に受け止めなければならない一方で、先ほど関口先生からは、結論をはっきり言わないとお叱りを受けたところでございまして、またお叱りを受けそうでございますが、参加のメリットは多々あるというふうに思っております。
 その一方で、国内に様々な御意見のある中で、そうした御意見を踏まえた中で、国として最終的にどういう結論を出すべきかということについては、まさに今鋭意検討しているところでございます。
 したがいまして、参加をすべきであるかどうかということよりも、今申し上げられるのは、交渉に参加をすることのメリットがあるとは私は認識をしているというのが今日の段階のお答えでございます。
#142
○末松信介君 メリットはあるということですね。
 ルールメーキングのお言葉を使っておられたんですけれども、九か国の国々はそれぞれ特性があると、だから熱心に話し合うことによって、やはり理解を進めることによってこのTPPというのは参加して良かったなということになる、そのための模索を今やっていかなきゃいけないというお話だったと、私は大臣、理解しているんですけれども。
 だったら、カナダはこれ乳製品を除外してほしいということを言っただけでTPP参加は拒絶されたんです、交渉について。これについてどう思われますか。
#143
○国務大臣(枝野幸男君) 余りこの手の話で仮定のお話を申し上げるべきではないのかもしれませんが、まさにこれ国際交渉でございますので、仮に例えば日本が交渉に参加をしたいと言ったときに、じゃ交渉に参加を認めるかどうかというのはこれ九か国が決めることでございますので、それから、日本が交渉に仮に参加した場合でも、じゃ日本を含めた十か国で交渉がまとまるのかどうかも、これも国際交渉ですから、うまくまとまることを目指して参加する場合にはするわけでしょうが、これも分からないわけでございます。
 そうしたことの中で、確かにカナダの例というのは我が国が一つ参考に、視野に入れて参考にしなければならない例であるというふうに思っておりますが、それはいろんな事情がいろいろ複雑に絡み合っておりますので、各国ともこれだけは絶対譲れぬというようなことをおっしゃりながら九か国それぞれ交渉しているという、こういう側面もあるのは間違いないというふうに思っております。
#144
○末松信介君 こういう小論文を読んだことがあるんですよね。以前、外務官僚の頂点を極めた方の小論文なんですけれども。
 環太平洋の経済圏という構想は、大平総理、それと大来佐武郎元外務大臣が考えられて、これが実はAPECへとつながっていったわけでございます。東アジアの首脳会議、EASもASEANプラス3も、これは中国がある面強く台頭してくる。悪い言い方ですけれども、牛耳ろうとする。これに対抗してEASも日本がインドや豪州を引き込んでつくったものであると。
 日本の外交というのは、米国を引き込んで環太平洋やアジア太平洋という枠組みで戦略を立てて、こうしたときに成功して、東アジアの覇権とか米国の排除ということを考えたときに必ず失敗してきたという、そういう書き方をしているんですよね。これは恐らく戦前から全部見てきた場合だと思うんですけれども、この教訓を忘れてはならないと。
 TPP構想を戦略的観点から眺めれば、日本が乗るべきバスであることは自明である。ここでも乗り物を例えに使うんですよ。衰退した農業問題を、これを克服するため、国内政治の痛みは新生日本を生み出すための痛みであると。菅総理は歴史の分水嶺という言葉をよく使うと。分水嶺は正しい方向に沿っていかなければならないというように書かれていたんです。
 私は、やっぱり思うのは、この論文に不足しているのはどこかといったら、歴史的な経緯だけで決断せよというのは私はちょっと誤りじゃないかというように思っております。もっと国民にとって、このTPPが生活にどういう影響を与えてどういう国益をもたらすかということについて判断しなきゃならないと思うんですよね。
 まさかアメリカの参加する構想が日本人を不幸にするはずがないというような発想とか、普天間基地移設問題で失点を上げてしまったということ、これに配慮してTPPに参加しようという、そういうことがあるんじゃないかということを思う国民がおられますけれども、大臣の御見解を、外務大臣じゃないんですけれども、お答えいただきたいと思います。
#145
○国務大臣(枝野幸男君) 今御紹介をされた考え方というのはどなたなのかなと大体想像しておるんですが、かつてそういった意見を耳にしたときに、私は、歴史の評価としてはあるんだろうけれども、それに基づいて先のことを考える、決断するというのは大きな間違いをもたらすものだというふうに今御紹介いただいた論調に対して強く思ったところでございまして、今もその考えは変わっておりません。
 もちろん、日本にとってアメリカとの関係というのは大変貴重であり、重要な外交の基軸となる関係であるということは間違いありませんが、そのことが新たにこれから何かしていこうということについて、だから全てアメリカと一緒にやるのだということではあってはならないというふうに思っております。きちっと一個一個、我が国の国益を考えて、プラスに働くのかどうかということをしっかりと判断をしなければならないと。
 ましてや、普天間の問題、これは安全保障の問題として大変重要かつ深刻であり、沖縄の皆さんに大変な御迷惑をお掛けをしておりますが、何かそちらのことをTPPでというような関係にはあり得ませんし、恐らくアメリカの側から見ても、それが何か関係をするということなんというのはあり得ないというふうに思っております。
#146
○末松信介君 声に出して、言葉に出してしまったら外交というのはうまくいかないところもあると思うんです。腹同士で話さなきゃいけないと。
 でも、ヤイターさんという方、北神先生はよく御存じだと思うんですけれども、ヤイターさん、これ、レーガン政権の通商代表でして、ブッシュ政権では農務長官を務めた方なんですね。レーガン政権の通商代表時代のヤイターは、日米半導体協定とか米加、アメリカ、カナダの自由貿易協定の締結を手掛けた方なんですけれども、ところが、この米加自由貿易協定について、後にこう語っているんですね。カナダ国民は何に調印したのか分かっていないと、彼らは二十年以内にアメリカ経済に吸収されるであろうというような乱暴なことをおっしゃっておられるようでございます。私が聞いたわけじゃないんですよ。
 したがって、この前ヤイターさんはこの国へ来られた、日本に来られたはずなんですけれども、そのときにヤイターさんはこうおっしゃっておられると聞いているんです。国や世界をより良い場所にするために、指導者には危険を冒し、厳しい決断が必要なときがあると菅首相に助言、来年のある時期までに日本が決断できねば列車は日本を残して走り出すと決断を促した。大臣、このお話聞いておられますか。
#147
○国務大臣(枝野幸男君) そういった趣旨のことをおっしゃっている方がいるというのは報道で拝見をしております。
#148
○末松信介君 もっと質問をしたいんですけれども、山岡大臣の登場でございますので、この辺りで私の質問は終えさせていただいて、次回また質問させていただきたいと思います。
 お付き合いいただきまして、ありがとうございました。
#149
○磯崎仁彦君 自由民主党の磯崎仁彦でございます。
 私からも一昨日の枝野大臣、それから山岡大臣の所信につきまして質問をさせていただきたいと思います。
 まず、山岡大臣におかれましては、いろいろ担務が重複されている中で、今日も委員会ふくそうしている中でお時間をいただきましたことを最初に御礼を申し上げたいと思います。
 それでは、時間の都合もありますので、まず山岡大臣の方に最初に質問をさせていただきたいというふうに思います。
 大臣は公正取引委員会の事務を担当される大臣ということでもありますし、消費者及び食品安全の特命担当大臣でもあられるということで、私は、公取関係ということでもありますし、両面にわたるようなことについてちょっと重複した質問になろうかと思いますけれども、お許しをいただきたいというふうに思います。
 まず大臣に質問するのは、非常に初歩的な質問で恐縮でございますけれども、独占禁止法につきましては、これはどこの官庁が所管をされておりますでしょうか。
#150
○国務大臣(山岡賢次君) 消費者庁でございます。──公正取引委員会です。後ろが違うこと言うもんですから、済みません。
#151
○磯崎仁彦君 そうですね、独禁法はもちろん公取でございます。
 それでは、不当景品類及び不当表示防止法、いわゆる景表法、これはどちらでございましょうか。
#152
○国務大臣(山岡賢次君) 消費者庁でございます。
#153
○磯崎仁彦君 そういった意味では、どちらの法律につきましても、今、山岡大臣が所管をされているということでございます。
 それで、いわゆる景表法につきましては、これは今は答弁いただきましたとおり消費者庁の所管でございますけれども、二年前ですか、消費者庁が創設されたときにそれまで公取の方で所管をしておったこの景表法が従来の公取から消費者庁の所管になったということは御存じのとおりだと思います。
 景表法につきましては、一つ目的としまして、消費者の適正な商品選択、これが妨げられないようにするためにきちんとした表示を求めていくということですので、これはもちろん消費者の視点というものが当然あるわけでございます。他方で、景表法にはもう一つ景品についての規制というのがございます。この景品につきましては、いわゆる過大景品による不健全な競争を防止すると、いわゆる競争防止の観点というのがございますので、これは消費者の観点ももちろんございますけれども、事業者の観点という観点もあるわけでございます。
 そういった意味では、二年前にこの景表法が公取に残るということではなくて、消費者庁ができたときに消費者庁で扱われることになった、これはいろいろ議論があったようでございますけれども、これについてはこの二年間の評価も踏まえましてどのように御評価をされておりますでしょうか。
#154
○国務大臣(山岡賢次君) 確かに移行はされたんでございますが、全面的に全て権限も実行も消費者庁で行うということは現実にはしておりませんで、例えば景品表示法につきましては消費者庁には、所管はしておりますけど、調査権限は公正取引委員会に委任をしているわけでございまして、両省、両省というか両者が協力しながら、三位じゃありませんが、二位一体でやっております。
#155
○磯崎仁彦君 この二年間期間があったわけでございますけれども、そういった意味では、消費者庁と公取、今、三位じゃなくて二者ということで言われましたけれども、この連携というのはきちんと取られているというふうに御認識されておりますでしょうか。
#156
○国務大臣(山岡賢次君) 普通は部門間というのは対立図式ということが間々ある場合もありますが、この件に関しては極めて連携がスムーズでございまして、対立するところもありませんし、消費者庁としても公取の判断を仰いで進んでいっている面もたくさんあります。たまたま私が両方の責任を負っているものですから、今後ますますスムーズにいくように、先生の御期待に沿えるように進めてまいりたいと思います。
#157
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
 もう一つ、これも御存じかと思いますけれども、景表法に関しましては、公正競争規約という制度がございますけれども、これについては大臣、御存じでございましょうか。
#158
○国務大臣(山岡賢次君) この規約のことですか。
#159
○磯崎仁彦君 ええ。規約というのを、まず存在を御存じでございますか。
#160
○国務大臣(山岡賢次君) 知っています、はい。
#161
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
 この公正規約につきましては、事業者又は事業者の団体が、表示又は景品類に関する事項について自主的にまず自らの業界のルールということで設定する、こういう制度でございます、これは御存じのとおりかと思いますけれども。これにつきましては、まさに先ほど、公取と消費者庁、これが連携してというのが競争政策にもあるというふうなお話ありましたけれども、この公正競争規約につきましても、消費者庁の長官及び公正取引委員会両方の認定を受けるということになっておりますが、この点については御認識ございますでしょうか。
#162
○国務大臣(山岡賢次君) おっしゃるとおりでございまして、実際にも、消費者庁としては、主に消費者の正確な知識に基づく商品選択を可能にするという観点から取り組んでおりますし、公正取引委員会としては、主に事業者間の公正な競争が行われているかどうかのチェックという観点で行われていて、両者併せて認定をしていくと、こういうものでございます。
#163
○磯崎仁彦君 今まさに大臣の方からお話ありましたとおり、どうしても消費者庁というものは消費者の立場というのをまず前提に考えるということですので、消費者についてどうメリットがあるかというのが基本的な考え方になろうかと思います。他方、公取委員会につきましては、やはり競争がきちんと行われるようにという観点になりますので、若干その観点が違っているところがあろうかと思います。
 そういった意味では、公正競争規約につきまして、消費者庁長官と公取の両方の認定を得なければいけないということで、消費者の方に重きを置くのか、それとも事業者の競争を制約するというか規制する、そっちの方に重きを置くかによって、その認定ということについて若干その観点が変わってくるところがあろうかと思いますけれども、ここについては、この二年間も含めて、どういうその認定が行われているか教えていただけますでしょうか。
#164
○国務大臣(山岡賢次君) 今御指摘のとおりで、元々合併したばっかりで生い立ちも違うわけでございますが、それぞれの違うところはあるわけでございますけれども、認定業務に当たりましては、消費者庁と公正取引委員会がしっかりと連携を取っておりまして、情報の共有と問題意識の共有を図って、この適切な対応をしていると認識しております。
#165
○磯崎仁彦君 この消費者庁ができてから二年間あるわけでございますけれども、この二年間の公正競争規約のこの認定ということにつきまして、特に現実問題として、公取と消費者庁、この意見がずれたとかそごがあったとか、そういう事実というのは特にございませんか。
#166
○国務大臣(山岡賢次君) 今までなかったということでございますし、私自身もそういうことは聞いておりません。
#167
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。
 それでは、ちょっと観点を変えまして、山岡大臣の方にお伺いをしたいと思いますが、今、御存じのとおり、韓国の企業というのは非常に勢いがあるのは御存じのとおりでございます。他方、日本の企業は、やはり一つの業界の分野につきましては非常に会社の数も多い、企業の数も多いということですので、これは私は以前のこの経済産業委員会の中でもお話をさせていただきましたけれども、よく言われますのが、日本企業というのはグローバルな競争をする前に国内競争の中でかなり疲弊をしてしまっているという、そういうことがよく言われます。
 そういった意味では、韓国は通貨危機があった後にかなり国家がいわゆる戦略的に統合といいますか、集約といいますか、そういったことをやって、今はその業態ごとに一社若しくは二社という、非常に寡占と言ってもいいような、そういう状況になっているかと思いますけれども、他方、日本はなかなかこのような国の状況でございますので、国がリードを取って一社にする、二社にするというのはなかなか難しい状況にはあろうかと思いますけれども、ただ、今合併政策等々を見ますとなかなかやはり合併が難しいというふうな現状もあろうかと思います。この現状につきまして、山岡大臣はどのように御認識をされておりますでしょうか。
#168
○国務大臣(山岡賢次君) 合併が難しい……
#169
○磯崎仁彦君 合併、韓国と比べて、今のこの日本の状況を踏まえて、競争的にどうかということでございます。
#170
○国務大臣(山岡賢次君) 最初にそもそも論を申し上げて恐縮でございますが、釈迦に説法ですけれども、元々独占禁止法政策というのは、この競争政策が公正かつ自由な競争の促進と一般消費者の利益の確保、国民経済の民主的で健全な発展の促進を目的としているというものではあります。
 しかし今、委員のおっしゃったとおり、この規模が拡大をしていったり、その合併等については独占禁止法では競争を実質的に制限することになるということもありますが、そういう、実質的にそのことが競争を制限するということのみを禁止するということであって、グローバル競争の進展とか経済実態を踏まえつつ、企業結合ガイドラインの見直しを行うなど適切に法運用を行っていると認識をしております。
 もう一度申し上げますと、そこの部分をなくしちゃうというわけにはいきませんけど、そこの部分はちゃんとやりますが、逆に言えば、何でもかんでも制約されているようなことにならないように、むしろ本当の意味での法の趣旨にのっとって適切に運用するようにと、また分かりやすくするようにと、こういうふうにして対応をしております。
#171
○磯崎仁彦君 分かったような分からないような今御答弁でございましたけれども、国内の市場を考えるのか、まさに今もうグローバルな競争の社会ですので、グローバルな国際的な市場でいわゆる占有率というのを考えるか、これは非常に大きいところがあろうかと思いますけれども、そういった意味では、何といいますか、今このグローバル競争という中で市場をどうとらえていくのかということも含めて、従来の結構狭く考えるという考え方ではなくて、グローバル競争という中でもっと市場の在り方を考えるとか、そういった考え方がもっとあってもいいんじゃないかというように思いますけれども、それについてはいかがでございますか。
#172
○国務大臣(山岡賢次君) そのことに対しては、時代の要請に対応して適宜適切なものをつくっていかなきゃならないということはよく心得ておりますので、しかし、公正取引委員会というものの存在意義というものを、それはまた取引委員会の存在のためじゃなくて国民の利益を守ると、そういう観点を失わないようにしながら、時代の要請にできるだけこたえるように、運用においても進めてまいりますし、またそういう観点でこれから検討をしていかなくてはいけないと思っております。
#173
○磯崎仁彦君 是非、大臣の指導力を期待をしたいと思いますが。
 もう一つ、環境の変化という意味で、独禁法というのはもう戦後できた法律ですので、改正は経ておっても基本的な考え方というのは恐らく変わっていないんだろうというふうに思っております。以前は、例えば製造業であればメーカーがいわゆる価格決定力を持って、それがカルテルをすることのないように例えば規制をするということがあったかと思います。また、いわゆる代理店とかの系列の縦の中で規制をしていくということがあったかと思いますけれども、今は例えばもうどこに行っても、例えばテレビを買おうと思っても、じゃメーカーがその価格の決定力を持っているかといえば、流通がもう価格の決定力を持っているということで、そもそも日本の経済の在り方というか、仕組み自体が大きく変わってきていると。
 こういった変わった中で、従来どおりの競争政策というのをいつまでも持っているということになると、やっぱり世の中の流れと非常に乖離したような法律になっているということもあり得るかと思いますけれども、こういった世の中の流れに対して、今現状が、それについてどう思われているか、またそれに対してどう対応していくべきだというふうに、大臣、お考えでございましょうか。
#174
○国務大臣(山岡賢次君) 委員の御指摘のとおり、市場環境は刻々と変わっているわけでございまして、二十二年に独禁法が制定されたときとはかなり様子が変わっているのは委員の御指摘のとおりでございます。そして、御指摘の流通の購買力の問題、これがもう当時には考えられなかったことでございますが、優越的地位の濫用を課徴金の対象に加えるなど、独禁法の改正が行われたところであります。
 公正取引委員会においては、優越的地位の濫用に関するガイドラインの作成をしたり、同違反行為に対する厳正な対処により、時代に対応して適切に対応していきたいと思っております。
#175
○磯崎仁彦君 是非とも今の世の中がどういう状況にあるのかということを踏まえて、法律をいつまでも不磨の大典ということではなくて柔軟な見直しをしていただきたいというふうに思います。
 最後に、わざわざこちらの委員会に来ていただいて大臣にとっては非常に耳の痛い話をさせていただくことになりますけれども、お許しをいただきたいというふうに思います。
 九月の二日の大臣の就任の記者会見のときにも記者からもいろいろ質問があり、また予算委員会なり、ほかの委員会の中でも恐らく同じような御指摘を受けられておるかと思いますので、もう既に耳にたこができている話かと思いますけれども。記者の方からは、ネットワークビジネス推進連盟に関して、マルチ業者も入っておって、そこから政治資金の提供を受けているということについて、記者の方からは御自身の中でどう整理を付けられているのかといったような質問があったかと思います。
 これについて事実関係がどうかということもちょっとお尋ねをしたいと思いますが、私は、野田総理大臣がやはり今回の九月二日の組閣に当たりましては、大臣、適材適所で選びましたということをおっしゃっているわけでございますけれども、私は先ほど来、この公取なり消費者の担当の大臣ということに山岡大臣が就かれたことについては、消費者の利益を守るということからすれば、非常に厳しい言い方をすれば、最もふさわしくない担当に大臣が就かれているのではないのかなというふうに私自身思っているわけでございます。
 山岡大臣は一昨日の所信の中で、先ほども優越的な地位の濫用という言葉がありましたけれども、そういったことの取締りの強化なり未然防止に努めるというお話もございましたし、また独禁法のコンプライアンスをきちんと遵守しなければいけないんだというお話もございました。
 私は、企業におりましたときに、コンプライアンスというのは単に法令を遵守するということではなくて、社会の要請なり社会の期待あるいは国民の要請なり国民の期待にどうこたえていくのか、これが本当の意味でのコンプライアンスだということを学びましたし、会社の中でもそういう教育をしてまいりました。
 そういった意味では、是非とも大臣におかれましては、そのコンプライアンス、あるいはその遵守ということについて、法令がある、それを遵守するということではなくて、是非とも国民の意見がどういうことなのか、国民の目が山岡大臣にどういうふうに向いているのかということをきちんと把握をされて、これから是非とも対処をしていっていただきたいというふうに思いますけれども、何かこのことについて大臣の方からありましたら、一言お願いしたいと思います。
#176
○国務大臣(山岡賢次君) この問題は三年前の私が国対委員長をやっていたころに自民党さんから随分取り上げられたことでございますけれども、今回そのことに対して申し上げる機会をいただいておりますが、元々これは、私は自分の後輩議員から頼まれて、一時的に臨時に会長を引き受けておいてくれと、その後すぐ別な人を探すからということで、実際そうであったわけでございまして、たまたま、でもそういうことがあったので確かに政治献金は受けましたけれども、しかしそのことは、私も相手の方も別に違法をしているわけではないわけで、あえて申し上げるまでもなく、これはもう特定商取引法に関すると、例えば訪問販売、電話勧誘販売、流通販売、特定継続、これは言うなれば家庭教師、学習塾、パソコンとあるんですけど、そして、これの御指摘の連鎖販売、あるいは業務提供誘引販売、難しく書いてありますけど、この商品を買えばこの仕事がやれると、そういう取引についての一部であって、それなりにこういうことはしてはならないと。例えば不実を告げてはならないとか、あるいは書面を取り交わさなきゃいけないと、そういうことが法に定められて、合法的にやっている皆様とのお付き合いであって、この法に違反するとか非合法の皆様とお付き合いしたわけではないんですが。
 しかし、こういう立場に立った以上、私自身の問題として、そういう大臣としての仕事がやりやすいように、特に消費者担当大臣として、いただいたものは私の意思で相手には謝りながら全額お返しをしているところでございますので、したがって、私はそういう誤解を受けないように今自分の仕事をきちっとやっていきたいと、こういうふうに思っております。
#177
○磯崎仁彦君 まさに今大臣の方から違法なことはやっていないと。私は、まさに先ほど申し上げたように、コンプライアンスというのは、違法なことはやらないというのは、これは当たり前でございます。ただ、やはり国民がこういう方にきちんとした消費者行政ができるのかどうなのかと、まさにその期待なり信頼なりというものがどうなのかということをきちんと受け止めるのが、私は国民の期待であり、国民の要請であり、社会の要請であり、社会の期待であるというふうに思っておりますので、是非ともこれ、見解の相違ということだと思いますけれども、国民の皆様から見てきちんとした消費者行政が行われるということについて、是非とも今後の中でお願いをしたいと思います。
 今日は時間がふくそうしている中で、ありがとうございました。ここで結構でございますので。ありがとうございました。
 それでは、枝野大臣の方に話を移していきたいと思います。
#178
○委員長(前川清成君) 山岡大臣におかれましては、ここで御退席いただいて結構でございます。
#179
○磯崎仁彦君 先ほど来、午前中からTPPの問題が出ておりますので、一点だけ私の方から再度、重複するところもあろうかと思いますが、確認をさせていただきたいと思います。
 先ほど来、関口委員の方からも話ありましたけれども、今回の交渉参加をした中で、撤回なり離脱なりというのがいろんな方から発言があるということが出ておりました。
 枝野大臣も、私ちょっと古い新聞を見ますと、九月にシンガポールを訪問された際に、いわゆるTPP構想の生みの親であるゴー・チョクトン前首相ですか、に助言をお願いして、その中で、一旦交渉に加わった上で、結論が厳し過ぎたら離脱する手もあるという秘策を伝授されたと、これについてはとても参考になったという、そういう発言をしたという報道がある中で、実際、大臣自体、先ほどお話がありましたので、外交というのはなかなか入っていろいろあるという話もございましたけれども、一旦交渉に入った後の離脱、撤退ということについて、再度、現実問題、今のこの日米関係等々を考える中で、一旦入って本当に離脱、撤退ということが現実問題としてあり得るというふうにお考えになっているのかどうなのか、その辺を大臣の見解としてお伺いをしたいと思います。
#180
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、九月の二十三日にシンガポールでゴー・チョクトン前首相、現在上級相と会談をさせていただきました折のゴー前首相の御発言として記者の皆さんに御紹介をしたものでございます。私自身の認識等をそこで語ったものではございません。
 そしてその上で、先ほど来申し上げておりますとおり、外交交渉でございますので、外交交渉が全てまとまるわけではないし、まとまらないこともあるし、まとまることもある。ただ、参加するに当たっては、もし参加するならば、成功裏にまとめようという意思を持って参加するのは当然でございますので、成功しなかった場合どうするのかということをあらかじめ申し上げるのは控えた方がいいんじゃないかと思っております。
#181
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
 その中で、私、いろんな方が発言をされている中で、日本の国益にかなうのかどうなのかと。私は、この国益というものについて、やっぱり人それぞれいろんな考え方があるんだろうというふうに思っております。先ほど末松委員の方からありましたとおり、何となく今回のTPPが出てきたタイミングとか、今、最近の動きを見ますと、どうしてもやはり、先ほど大臣は否定をされましたけれども、普天間の問題等々があって日米関係というのはどうしてもぎくしゃくしていると、やっぱりそれを糊塗するというのが何となく日本の国益にかなうということではないかということが何となく見え隠れするというような、これは国民の皆様も同じように思っていることではないかなというふうに思っております。
 確かに日米関係というのは非常に重要ですので、それが国益に反しないということでは私は思いませんけれども、やっぱり今回のTPPについて判断をするときの国益というのは、もっと日本の国の形というか、そもそもこれまで日本の国というのはどういうことで来たのかということも踏まえた中でのきっちりとしたやはり国益というものを考えるべきだというふうに思いますけれども、これについてはいかがでございましょうか。
#182
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘は全く同感でございます。
 普天間のことがあったからという誤解があるようでございますが、特にこのTPPについて参加するかどうか検討しようということを言い出す時期から、これはやっぱり国内的にそう簡単にみんなが、じゃ是非交渉に参加しようということになるようなテーマではないということはみんな十分承知をしているわけでございまして、もし前向きのことを言いながらなかなか結論が出ないということになれば、むしろ日米関係について必ずしもプラスではないということは初めから分かっていることでありまして、ということが普天間があったから日米関係良くするためにということのテーマになり得ないというのは、逆に言えば最初からみんなそういうほとんど認識ではないかと。今になって、後になってみると何かそういう見え方するかもしれませんが、日米関係を良くしたいということであるならば、こういうテーマを使うということは逆に考えられないというのは御理解いただけるんじゃないかというふうに思います。
#183
○磯崎仁彦君 是非そういうことであってほしいというふうに思います。
 それでは、もう時間が限られておりますので次の質問に移らせていただきたいと思いますけれども、電力問題につきまして、原発が今このような状況でございますので、まさに三月十一日の震災後、やはり火力発電所を再開、再稼働させるために私は火力の現場の方というのは非常に大きな努力をしていただいたというふうに思っております。非常に感謝をしなければいけないなというふうに思っております。
 他方で、やはり原子力から火力の依存が今非常に高まっている状況でございますので、火力に依存することによるリスクということも考えなければいけないと。先ほど来、LNGの供給の問題、あるいはその価格の問題等々がございましたけれども、もう一つは、老朽化したものを今再稼働をさせているという状況があろうかと思いますので、その老朽化火力への負荷の問題というのは当然出てくるんだろうというふうに思っております。このウェッジという雑誌で、この十一月号でまさにその同じことが語られておりまして、老朽化したタービンへの負担というものがやっぱり懸念されるということで、九月の三十日現在で、今年度に入って、理由はいろいろあろうかと思いますけれども、十六件のやはり何らかのトラブルが生じているという話も出ております。
 そういった意味では、老朽化した火力のタービンへの負担ということについて、これがもしやっぱり今後頻繁するようなことになれば、まさに原子力の代替ということで火力になっておりますので、火力も止まるということになればますます電力が逼迫するということになろうかと思いますので、その点についてどのような見解をお持ちでございましょうか。
#184
○大臣政務官(北神圭朗君) 委員おっしゃるとおり、今原発が一部停止している中で、火力発電所の現場の皆さんにも大変お力添えをいただいておりますし、そういう中で、発電所の安全性というか、その老朽化、古い新しい関係なしにちゃんと動くということは大事なことだというふうに思っております。そういった観点から、既に今までもいわゆる技術基準への適合とか定期事業者検査、こういったものを義務付けているところであります。
 ただ、これも釈迦に説法ですが、こういうことをしていながら計画外の停止というものはなかなか完全に回避することは難しいことでありまして、今年の夏も九電力合計で一日平均約五百十万キロワットの火力発電所が計画外に停止をしたと。これは全体の需要の大体三%ぐらいで、実は例年に比べてもそんな特別多いというわけではないということは是非御理解いただきたいというふうに思います。
 ただ、こういったこともありますので、こういう計画外停止による供給力低下のリスクに備えて、需要量に応じて常に一定規模以上の供給力、供給予備率を確保していくことが重要であるというふうに考えております。
 このために、各電力会社による十分な供給力の確保を図るとともに、需要が低い春とか秋、今ちょうどそういう時期ですが、しっかりと補修作業を行うなど、引き続き着実に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#185
○磯崎仁彦君 ありがとうございます。
 これは特に事前に通告をしてなかったんですけれども、先ほど来、電気料金の話が出ておりまして、それについてちょっと本当にそうなのかということを一点確認したい点がありましたので、北神政務官にお伺いをしたいと思うんですけれども。
 先ほど来、原子力から火力発電ということで、全てその五十四基が原子力に代わった場合にはコストで三兆円強の負担が掛かると。それが電気料金に転嫁された場合にはという話がありましたけれども、やっぱり今、電気料金が上がる要素というのは、再生可能エネルギーのサーチャージの問題もあり、賠償の問題もあり、この火力への転嫁ということもいろんな要素があろうかと思いますけれども、私はこの原料についての、何といいますか、原料費がアップすることによってコスト、原価が上がると、これについては今電気の、あるいはガスもそうですけれども、原燃料費調整制度というのがございますよね。
 これについて、最近の新聞にも電気料金は十か月連続して上がっているというのがありましたけれども、私は今回のこういった原材料が上がることによって、電気料金については、先ほど来のその御説明からすると、きちんとやっぱり経営努力をしているのかどうなのか、これを見極めた上で認可申請があれば認可するのかどうなのかという、そういうお話を先ほど来しておられるかと思いますけれども、今はもう自動的に上がるような仕組みができておりますので、これは恐らく今もそうなっているかと思いますので、賠償等々については、これは経営努力があるのかどうなのかという、そこを見極める点はあろうかと思いますけれども、LNGの価格が上がる、あるいは原油の価格が上がることによって、電気料金はこれはもう今の制度の中で自動的に上がるということになっているんじゃないかと思いますので、ここにもし誤解があれば、国民の皆様も、自動的に上がるのか、いや、やっぱり認可でちゃんと見るんだということでそごがありますので、その点についてちょっと御答弁をお願いしたいと思います。
#186
○委員長(前川清成君) 時間が参っておりますので、答弁は簡潔にお願いをいたします。
#187
○国務大臣(枝野幸男君) これは御指摘のとおり、一定の幅の範囲内では燃料代にリンクして上がるということが認められておりますが、ある線を超えれば改めて認定を得なきゃいけなくなりますので、その範囲を超えるような大規模な値上げにはならないと、そのときはチェックがなされると、こういうことでございます。
#188
○磯崎仁彦君 まだまだありますけれども、時間がありませんので、これで終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#189
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。
 枝野経済産業大臣、就任されてから当委員会で初めて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ここまで来ますと、今日は法案審査ではないのでまだいいんですけれど、もうここの時間まで来ますとほとんど申し上げようと思っていたことは出尽くしたという感がございまして、通告をしておりましたことでももうさんざん出ちゃったりなんかしますので、ちょっと順番変えたり方向変えたりするかもしれません、あるいは重なるかもしれません、どうぞお許しいただきたいと思います。
 先ほどから私いろいろ聞いておりました。先週も福島にちょうど私も行っておりました。本当に口では言い表せない、皆様の御苦労でございます。これは福島県全体です。原発事故、近いところ遠いところ関係なく、本当に苦しんでいらっしゃいます。
 原発経済被害担当大臣でもいらっしゃいますので、私、東電の被害の申請書、これ六十ページ、それから説明書が百五十ページというのを、これはちょっと「TVタックル」という番組で持っていきました。皆さんから、もうこんなの全然分からない。東電でも一応努力はしてくださって、ブースなどをつくって、来てください、説明しますからとは、そういうのを設けているんですけれども、もう多くの皆様が書けないと、何だかさっぱり分からない。で、持っていって見せました。そうしたらそれ、後でもアップになっていまして、そうしたらそれから大分たってから、四ページに減ったというから喜んだんですね。ああ、やっと分かってくださって申請書が四ページになったんだなと思ったら、違うんです。説明書の百五十ページが四ページになっただけで、申請書は相変わらず六十ページあるんですね。
 ですから、本当に、これ書こうと思うと、今日は持ってきていないんですけれども、申し上げるつもりはなかったんですけれども、本当にこういうふうに、もう種々苦労をしながら、被害を受けている方が遠慮をしながら、もう本当にどう書いたらいいか分からないという思いで一生懸命出している、あるいはもう出せないような状況があるということを是非担当大臣にもお分かりいただいて、これなどももう少し努力をして少なく、六十ページなんかじゃなくて六ページぐらいにすべきだと私は思っている次第でございます。
 いろいろあるんですけど、何からやろうかなと、こう思っておりますけれども。
 IEAの閣僚理事会に大臣は行かれたわけでございます。大臣は、各国からの支援に謝意を示されて、会合後の記者会見で世界最高水準の原子力安全の技術、知見を世界に提供したいとお述べになりまして、原発輸出を推進する姿勢を強調したと報道がされているわけでございます。しかし、脱原発に向けた具体的な言及はなかったと報道されているわけでございます。
 私はいささか違和感を覚えますのは、菅前総理は、脱原発、脱原発、脱原発と、まあ脱原発で解散もしかねないような状況でございまして、御党の皆様、大変心配されたんだと思います。そのときの官房長官が枝野大臣でいらっしゃるわけでございます。
 今、脱原発は国民の総意になりつつあるのかなという思いでございますが、私自身は卒原発、卒業の原発というふうに思っているんですね。
 実は、これも、最近福井に参りました。仕事で行きましたら、ある方が、松さん、ついにあなたの公明党も脱原発という宣言されたんですねと、こうおっしゃられて、いや、宣言とかじゃないと思うんですけどと申し上げたんですけど。あのね、原発はみんな怖いですよ、私たちだってそう思っている、しかもこの間の事故ですから、だけど、私たちの町は八割が原発で生活をしているんです、こういう現実があるのにそうやすやすと脱原発と言わないでいただきたいと、こう言われたんです。
 私は、本当にありがとうございますと。まさに命懸けで誘致をしてくださった、設置をしていただいた皆様に、私も十年間与党でございましたし、感謝を申し上げますと。もう最大の、もうこれでもかというぐらいの、いつも申し上げておりますけれども、安全性ですね、安全の確保、もう何から何までやった上で、もちろん地元の皆様のお気持ち、これが一番大事でございますけれども、私自身は、原発に代わる安全でクリーンなエネルギーを安定供給できればそれは一番いいんです。でも、そう簡単に五年や十年ではそうはいかない。ですから、そこに行き着くまでの卒原発であろうかと私自身は思っておりますと、その方にも申し上げたんです。
 ですから、そう簡単にはいかない。ましてや、先ほど来出ております、トリプルじゃないんです。再生可能の全量買取り、それからもちろん原発に関する料金値上げ、そして化石燃料、石油石炭の税金も上がる可能性がある。四重にこれ電気料金が上がると。前から申し上げているように、電気料金というのは税金と同じで、うちは要らない、うちは付けませんというわけにはいかないんですね。
 ですから、後で申し上げようと思っていましたけれども、これは産業にも大きな関係があると私は思っていまして、卒原発、私の卒原発、これもきれい事ではいかないんですよ。だから、こんな私、ちっぽけな私でも苦しむわけです、その中で。ですから、私は、大臣が原発輸出の推進を明確にされた点は私自身は評価を申し上げたいと思いますが、この脱原発という、さんざん今まで、まあ菅さんもおっしゃっていた、これとの整合性、整理、これについて大臣はどういうふうにお考えか、お聞きしたいと思います。
#190
○国務大臣(枝野幸男君) 原子力への依存度をゼロを目指して限りなく、できるだけ早く下げていくという方針で、そしてそれのためには、今御指摘いただいたとおり、これに代わり得るエネルギーというものの開発と普及を急がなければならないと。特に経済産業省、その新エネルギー、代替エネルギーを普及させる大きな役割を持っておりますので、最大限これを加速させていくことで、原発に依存しないで済む状況をできるだけ早くつくっていくということに努力をしていきたいというふうに思っております。
 そのことと国際的な協力との関係でございますが、まず一つには、原発の輸出をするとかしないとかという以前の問題として、世界の国々では今後も少なくとも予想される当面の範囲では原子力を使う国が少なからずあることは間違いありません。そうした国々に対して、私たちの国がこの間蓄積してきた原子力に関する技術や知識、今回の事故を踏まえて得られた教訓、こうした情報や知識を提供する。これはもう責任としてしっかりとやっていかなきゃならないことだと思っています。
 その上で、じゃ、いわゆるプラント輸出的な形で原子力発電所を日本から買っていただく、あるいは日本の企業から買っていただくということについては、一つには、まずいろんな外交的な積み重ねがございます。三・一一以前から、日本から買おうと、むしろその時点では日本から売り込んで是非買ってくれというオファーがあって、それに対して、じゃ日本から買おうかというようなことで、いろいろ計画を立てたり準備をされておられる国がいらっしゃいます。そうした国の皆さんが、今回の事故があっても、日本の原発の安全性について御評価をいただいて、引き続きその延長線上で取引をしたいという御要望があることに対して、これはやはり外交的な責任も含めてしっかりと対応していくことが必要であるし、その責任、しっかりと果たしていくということでございます。
 そのことと、じゃ国内の原発依存度を下げることと矛盾するかということなんですが、実はやはり原子力は人間のやることですから一〇〇%の安全はあり得ません。一定のリスクがあります。そのリスクをどうコントロールするのか、あるいはそのリスクをどう受け止めるのかということについては、やはり、例えば日本は地震や津波が世界の中でも圧倒的に多いという客観的な関係が他の国と違いがあります。あるいは国土の面積、人口の密度、あるいは国民の皆さんの様々な受け止め、そういったことなどをトータルでこの原子力が抱えているリスクについてどう判断するのかというのは、これはやっぱりそれぞれの社会、それぞれの国家ごとに判断をされることだろうというふうに思っています。
 私たちの国は、今回の三・一一を受けて、まさに福島の皆さんを中心に大変な影響を受けて御苦労をされている。そして、ああ、これだけ津波や地震の多い国なんだということを改めて再認識して、そのことを踏まえるならば依存度を限りなく下げるけれども、そうしたリスクも含めて、社会の中でそれを受け止めて、しっかりとリスクマネジメントするんだという国が日本の技術を使いたいと言っていただくことに対して御協力するのは、私は矛盾をしない。
 ただ、今はまだゼロベースのところに、こちらから是非買ってください買ってくださいということを今後やるのかどうか、これは全体のエネルギー政策の見直しの中で改めて議論をする必要があるだろうと、こういうふうに思っています。
#191
○松あきら君 ありがとうございました。
 少し分かった気がいたします。大臣、そういうことをしっかりおっしゃった方がいいと思います。私のように、今まで脱原発の官房長官だったのにどうなっているのって本当にいろいろなところから声が聞こえておりまして、今やっと私はそういうことかと。それならば私と少なくとも個人的に違いはないなという思いでございましたので、やはり御自分の言葉でそうおっしゃっていただきたい。やはり、日本は最高の技術と、教訓も含めて輸出ということだというふうにおっしゃったということを理解をさせていただきました。
 次に、政府は原発事故の発生で外国から損害賠償請求された場合に対応するための国際条約に加盟する方向で調整に入ったという、これは過日この報道がされたわけでございます。今まで加盟について検討しているということは聞きましたけれど、しかし海外から巨額の請求をされるおそれがあるからなのかなというようないろんな意見がございました。
 政府がこれまで加盟を見送ってきた理由というのは、原発事故というのは海外で発生して日本側が被害を受けるケースを、これを主に想定してきたんだと思うんですね。条約に加盟して裁判を相手国に委ねた場合、その国の基準で低い賠償を受け入れざるを得なくなる、そういうことを懸念していたんではないかというふうに思います。方針を転換したとしたらば、やはり今回の事故発生によりまして国内の原発事故で海外から巨額の賠償を求められる可能性がもしかしたらあるのかもしれないという、こういうことですね。
 例えば、原発事故による海洋汚染で漁業被害が近隣国に及んだ場合でも、その国が条約に加盟していれば賠償関連の裁判を日本に集約できることはいいんです。そして、条約には賠償支払に関する相互支援の枠組みも盛り込んでおりますけれども、事故発生国に一定のルールで資金を拠出、これもあるんですね、加盟国には。しかし、この制度は今回の福島第一原発の事故には適用されないということであります、これ、まだ加盟していなかったわけでございますから。
 現在のこれの条約についての外務省に状況と今後の見通しについてお伺いをしたいと思います。そして、その後、それに対する御見解、御感想を大臣にお伺いしたいと思います。
#192
○政府参考人(武藤義哉君) お答えいたします。
 原子力損害賠償に関する条約につきましては、パリ条約、ウィーン条約、それからCSC、三つの系統が存在いたします。これらの条約は、例えば裁判管轄権の集中にかかわる問題、あるいは国内法の整備など検討すべき様々の内容を含んでいますので、このような種々の論点について我が国にとっての利益それから不利益を十分に精査、検討して対応ぶりを判断していく必要があると考えてございまして、関係省庁と早急に検討を進めているところでございます。
 そのような検討として、具体的には、原子力損害賠償に関する条約の解釈の確認、あるいは我が国の法制度との関係の整理、原子力損害賠償に関する条約への諸外国の対応についての調査等、様々な作業を行っているところでございます。
#193
○国務大臣(枝野幸男君) 今、報告をいたさせましたとおりの状況でございます。
 いずれにしろ、こうした国際条約がしっかりとルール化をされるということは我が国にとっても国際社会にとっても必要かつ重要なことだというふうに思っておりまして、これは実は私が官房長官時代に官房長官として指示をしまして、関係省庁の政務官レベルで会合も持っていただき、それは新内閣に対しても申し送りがされている状況でございます。
 ただ、若干悩ましいのは、今もありましたとおり、パリ条約とウィーン条約とCSCと三つに分かれているという状況の中で、例えばアメリカはCSCですので、日本に対して、先日、チュー長官とお会いしたときにも是非CSCに早く入らないかというような声をお掛けをいただきましたが、そういった状況の中で、我が国の国益と、それから世界全体としてどういうふうに発展していくのかということを見据えながら、しかしできるだけ早く我が国がどこかに加盟するということは決断をすべきではないかという、その視点で議論を進めてまいりたいと思っています。
#194
○松あきら君 ありがとうございます。私もこれはいずれ加盟をせざるを得ないというか、した方がいいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 時間がなくなってまいりました。最後の質問でございます。
 私は、ちょうど第二次補正予算の代表質問でも申し上げました。電力不足に備えるため、政府は、そのときですね、東京電力、東北電力管内の大口需要家に対し、三十七年ぶりとなる電力使用制限令を発動いたしましたということで、例の被災地における本当に事業の継続がこの節電命令によって非常に大変な状況になっていると。ですから、このときはかまぼこ業界のお話でしたけれども、別にかまぼこ業界の話を私がしたわけではなくて、そうした被災地における各主要企業の工場が、多数サプライチェーンもあるわけで、立地をしている地域でもありまして、こうした地域や企業に対してはやはり何らかの特別な措置をしてあげることが大事ではないかという思いで、心ある政治主導をというふうに申し上げたんですね。
 そうしましたら、海江田元大臣になるんでしょうか、ある会合で、松先生と私の肩をたたいて、あの件ですけれども、次の大臣にしっかりと申し送りしましたからと、こうおっしゃって、ありがとうございますと申し上げたんですけど、次の大臣ってもしかして鉢呂さんのことかななんて思ったりして、枝野大臣にちゃんと申し送りされて、きちんとこれ対処できているのかどうか、それをちょっとお伺いしたいと思います。いかがでございましょう。
#195
○国務大臣(枝野幸男君) 私の前任は海江田元大臣ではございませんが、先ほどの本会議のことを私も違う立場でお聞きをしておりまして、内閣官房としてもしっかりと経済産業省と連携してやらなければならないとそのときも思ったものでございまして、そのときからこの問題について海江田大臣と当時は官房長官という立場で一緒に協力してやってきておりますので、直接的な引継ぎ、申し送りの関係ではございませんが、海江田大臣がお約束をした思いというものを共有をさせた上で、特に東北地方の被災地の皆さんにもうこれ以上は電力不足での御心配を掛けないように努力をしたいと思いますし、また、この冬については例えば制限令のようなことを掛けずに東北地方の皆さんについて対応できる見通しが今のところ立っております。
#196
○松あきら君 ありがとうございます。是非、この冬、特に被災地の皆様にそうした制限が出ないようによろしくお願い申し上げます。
 あと二分でございますので、質問ではありません、申し上げるだけです。
 今回、本当にこの夏、大変な状況でございました。企業あるいは家庭の皆様が本当に御努力いただいて、昨年比一八%減ですか、こういう状況になったというふうに思います。しかし、これは、政府はゆめゆめ皆さんが努力をしてくれればこういうふうになるんだよなんて思わないで、本当に休日のシフト、これはもう家庭崩壊になるのでこれは困るというふうに企業がおっしゃっております。こういうふうに認識がありますので、しっかりと皆さんの犠牲の上に成り立ったということを御認識いただきたいことと、今石油ストーブが全国的に売れているんですね、夏に扇風機が売れたように。これはもちろん電力需要に左右されない暖房器具で、いざとなれば煮炊きもできると、こういうことで、とってもすばらしいとは思うんですけれども、生活の知恵だと思うんですけれども、密閉性の高い住宅が増えております。ですから、換気に十分に注意しないと事故につながる。これは是非、所管の部門からその注意喚起をお願いしたいと思います。それをお願いしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#197
○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
 後半になると質問がされてしまって大変だとおっしゃっていた松あきらさんにも質問をされてしまって、私、七つ質問を用意していたんですけれども、三つしかちょっとしたい質問が残らなかったものですから、ちょっとゆっくりめにお話をさせていただくのと、もしかしたら通告していないかもしれませんけれども、それに関連するような質問もさせていただくことがあるかもしれませんが、御了承いただければと思います。
 枝野さんは、本当に大変な時期に官房長官をされていまして、本当は少し休みたかったんじゃないかなというふうに思いますけれども、間髪を入れずに経済産業大臣になられまして、本当に大変だと思いますが、是非今は日本のために頑張っていただければというふうに思っております。
 大臣所信の中で、政策、第一の柱として、原子力事故の早期収束というものを挙げていらっしゃいます。ステップ2の目標は、一番大きく掲げられているのは、安定的に冷温停止状態を維持すること、それが重要だとされておりますけれども、それはどのような状態で、どのような意味があるものなのか、教えていただければと思います。
#198
○国務大臣(枝野幸男君) 原発事故の収束に向けた道筋において、冷温停止状態は三つの要件、圧力容器底部、底の部分の温度がおおむね百度以下になっていること、格納容器からの放射性物質の放出を管理し、追加的放出による公衆被曝線量を大幅に抑制していること、敷地の境界において一ミリシーベルト・パー・年以下にすることを目標とする、そして、これら二つの条件を維持するため、循環注水冷却システムの中期的安全を確保していることということで、これによって発電所の敷地外への放射線の影響を大幅に抑制をできるようにしたい、それが冷温停止の定義であり、目標であります。
#199
○松田公太君 ありがとうございます。
 御存じだと思いますが、冷温停止という用語は、通常の壊れていない原子炉、これに使われている言葉なんですね。現在のように中がもうぐちゃぐちゃになってしまっていて、もう正直どうなっているか分からないという状態では余り意味がないんじゃないかなと。つまり、問題解決の大きなマイルストーンの一つでないんじゃないかなというふうに私は感じております。私は逆に、冷温停止という安心感を醸し出してしまうような言葉を使うことによって、例えば安易に緊急時の避難準備区域、これを解除することなんかにつながってしまっているんではないかなというような危惧もしております。
 これはちょっと通告しておりませんが、私の中で、やはり冷温停止という言葉を頻繁に、先倒しで、でき始めたんだというタイミングと、避難準備区域を解除するというタイミングが何となく合っているような気がしたんですが、これについてちょっと関連性があったのかどうか教えていただけますか。
#200
○国務大臣(枝野幸男君) 少なくとも直接的に関連性を持って何か議論をしたということではございません。確かに、一般的に冷温停止という表現使うのは普通の状態の原子力発電所の場合でありますので、全くイコールではないというのは御指摘のとおりだと思います。
 ただ、一定の安定的な状況、もちろん普通の原発とは違うわけですけれども、一定の安定的な状況としての目標を先ほど申し上げた三つの要件で設定をすることについて何かこれに名前を付けるとすれば、やはり壊れた原子力発電所についての冷温停止状態であるということで、余りそんなに議論なく、自然な形で冷温停止という呼び方を使ったというのが私の記憶であります。
#201
○松田公太君 是非、皆様のお手元に配らせていただきましたこの図、この絵の方の図@を御覧になっていただきたいんですけれども、(資料提示)私が危惧している一つに、このように、上の方ですね、図@というのは、メルトスルー例えばしてしまったその燃料が、本当に氷山の一角のように、水面上には本当に一部しか露出していないことも考えられるんじゃないかなというふうに思うんですね。一部しか露出していないということであれば、水温が百度以下に抑えられている状況、これも発生してしまうんじゃないかなというふうに思っております。だからこそ冷温停止状態だという言葉はちょっと今の段階で使うべきじゃないかなというふうに思っておりますし、冷温停止状態のような形になっていたとしても、それが一つステップをクリアして安心だと言えるものではないんじゃないかなというふうに思っているんですね。
 いずれにせよ、中がどうなっているのか分からないので判断のしようがないというのが多くの専門家の意見でもありますので、私が感ずる重要なことというのは、廃炉へ向けたプロセスというのを早急に開始するべきじゃないかなというふうに思っています。そのためには、やはりできる限り現状把握、これをするように努めることじゃないかなと思いますが。
 それについて、この図Aの方に書かせていただきましたが、ちょっと簡単に御説明させていただきますと、例えばこの外壁。外壁に沿って例えば地面、地下に向かって穴をどんどん掘っていただいて、例えば十メーター、十二メーターぐらいのところから、今度は格納容器の方に穴を掘っていくと。そして、その穴ができた段階で、放射能の測定器と温度の測定器を入れて、五十センチなのか一メーターなのか、これは議論するところだと思いますが、徐々にその測定器を中心に向かって入れていく。そうすることによって、放射線量の増加具合とか温度の上昇具合によって、今、メルトダウンしている、もしかしたらメルトスルーしているかもしれない、その燃料がどのような状況になっているかということが把握できるんじゃないかなというふうに思うんですね。例えばこのようなことをやって現状が見えてきた段階で初めて次のプロセスを話し合うべきじゃないかなと、計画を作るべきじゃないかなというふうに私は思っております。
 昨日、内閣府の原子力委員会の方から、廃炉が三十年掛かるんじゃないかと、そのような計画が出てきましたが、実はその廃炉の計画というのはスリーマイルのことを参考にされているような気がするんですけれども、実際は中が見えていないので全くスリーマイルと別物の状況になってしまっている可能性もあると思うんですね。
 これは以前、事故直後に、まだ政府がメルトダウンを認めてなかったときだったと思いますけれども、私は海江田大臣に提案したことあるんですけれども、これ以上例えば水を使って冷温停止を目指すよりも石棺化、そういったことを含めていろんなオプションを考えるべきじゃないかと、そのような御提案をさせていただいたんですね。
 つまり、溶解した燃料を冷やすために水を入れ続ければ入れ続けるほど汚染された水を作っていることになっているわけですね。それが海洋の方にどんどん流れ込んでしまったという実態もありますけれども、その水は今はそう流れていないと私は信じておりますが。その水はどう処理されているかというと、フィルターを通じて除染されていると、セシウムを吸着されているという状況だと思うんですけれども、最終的にはその水、除染されたとしても、今度はそのフィルターが放射性廃棄物としてたくさん今たまってきてしまっているという状況なんですね。視点を変えてみると、もしかしたら本当は中で収まっている放射能を外部に何か持ち出してしまっているような、そのようなことも考えられるんじゃないかなというふうに思います。
 枝野大臣、是非このような積極的な攻めのストラテジーとでもいうんでしょうか、こういったことを是非御検討いただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
#202
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘の@のような状況になっていた場合であっても、一応今想定されている状況では、格納容器の温度あるいは放射線量等から見て、何というんでしょう、高い温度で高いエネルギーを出している状況であるという可能性は非常に小さいというふうに見ています。
 したがって、むしろ原子炉容器の中の温度のところで百度を下回る状態が安定的な状況になれば、全体としての発熱という部分のところについてのリスクは安定したと見ていいのではないかというのが今報告を受けている状況でありますが、こういった問題については様々な、いろんな二重、三重に見ていくということが重要でございます。
 御提起いただいたこのAの方法というのが、実現の可能性については専門家に判断させなければいけないことだと思いますが、直接の所管は今の時点ではこれは細野大臣ですので、細野大臣にも伝えて、こういった視点も含めて、もし外に放射性物質が出ている、燃料が出ている場合に備えたチェック、確認ということについて検討をできないか要請してみたいと思います。
#203
○松田公太君 ありがとうございます。是非、積極的に考えていただければというふうに思います。
 続きまして、原子力の安全規制について、規則についてお聞きします。
 所信の中で大臣は、原子力安全を担う新たな機関の設立とおっしゃっていましたが、それは原子力安全・保安院と原子力安全委員会をくっつけた原子力安全庁、このことを指していらっしゃるという認識でよろしいでしょうか。
#204
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおりでございます。
#205
○松田公太君 それでは、そのメンバーというのは、まだちょっと時期尚早かもしれませんけれども、どのようにしようと思っていらっしゃいますか。その新しくつくられる原子力安全庁のメンバー。
 例えば、今準備室のメンバーというのがいらっしゃるというふうにお聞きしましたが、今現在三十七名で構成されていて、保安院と環境省と民間からのミックスだというふうに聞いているんですね。そのメンバープラス現状の保安院や安全委員会の職員がそのままその中心メンバーとなってシフトするようにお考えでしょうか。
#206
○国務大臣(枝野幸男君) 現実問題として、これ一定の専門的な知識を持った皆さんに、特に安全性のチェック、保安院が現場でやっているような作業についてはやっていただかなければいけません。そうした意味では、かなりの人間が原子力安全・保安院から移籍をするという形になるのが自然な形であろうというふうに思っています。
 ただ、従来、経済産業省の下で利用する側の資源エネルギー庁と一体であったということが一つ今回指摘を受けていることでありますので、この場合は経済産業省や資源エネルギー庁との交流人事のような形で行ったり来たりするようなことがならないようにしなければいけないと。
 それから、ここは細野大臣が担当でございますので、細野大臣が最終的にいろいろとお考えになって御相談をさせていただくことになりますが、そういった技術関係の専門家以外の職員についても、もちろんこれは片道切符で移籍、これはやっぱり経産省からある程度の人間が行くということは十分想定できると思っています。その上で、例えば民間から来ていただくとか、特に幹部の部分のところをどうするのか。新しい組織が国民の皆さんから信頼をされるためのいろいろな工夫は細野大臣が中心になって検討されますが、私もそれについて御協力できることは御協力していきたいと思っています。
#207
○松田公太君 個人的には、やはり原発の安全基準作りのところで失敗をされてしまった保安院、安全委員会、そしてまた事故発生直後の対応でも失敗してしまって、そして事故の後の復旧の作業でも、例えば除染なんかも含めてそれほどの指導力を発揮できていない、その委員会や保安院の方々がそのまま何のおとがめもなしで横滑りで原子力安全庁の職員になるというのは、特に幹部メンバーになるというのは私はおかしいんじゃないかなというふうに思うんですね。ですから、今おっしゃっていましたように、民間のメンバーも含めて、私はなるべく民間の人、人材を多く考えていただきたいなというふうに思っているんですが、是非前向きにそれも御検討をいただければと思います。
 あともう一点、その件に関してなんですが、そもそも、いろんな議論があったと思いますけれども、環境省の外局として設置するのは私はちょっとおかしいんじゃないかなというふうに思っているんですね。
 先ほども大臣はダブルチェックのことをおっしゃっていましたよね、保安院と安全委員会でと。保安院も安全委員会も省庁内にあるということなんで、私は、ダブルチェックをしてもトリプルチェックをしても基本的に何ら意味がないんじゃないかなというふうに思ってしまっている。特に国民の信頼というところにおいてはやっぱり信頼されないんじゃないかなと。結局、中の人たち、ミスした人たちがやっているだけじゃないかということになってしまうんじゃないかなと思うんですね。
 ですから、これは是非お願いなんですが、まだ何も遅過ぎるということはないと思いますので、やはりこの新しい原子力安全を規制するその組織は完全に独立させてもらいたいなというふうに思うんです。いかがでしょうか。
#208
○国務大臣(枝野幸男君) 実は、これは仮称原子力安全庁という案にまとめるプロセスでは政府内においても様々な議論がございました。完全な独立性を持った場合、いわゆる三条委員会的な機関にするというのも一つの案として、有力な案として検討をいたしました。
 ただ、実際に今回の事故対応を直接、間接に担当させていただいた立場からは、ほぼ共通した認識は、原子力安全委員会の皆さんが個々には非常に御苦労されて御努力をいただいたと思っているんですが、ここがいわゆる合議機関であるということで、迅速に、本当に日にち単位どころか時間単位やら分単位で事態が変わっていく状況の中で、本来の安全委員会という合議機関としての仕事というのはなかなか、全部後追いになってしまうということを経験をいたしました。
 もちろん事故が起こらないようにするわけでありますが、事故が起こった場合にどうそれを小さく収めることができるのかという、この危機管理対応を考えますと、例えば、今回のことでも避難その他については自衛隊や警察の皆さんにいろいろと御協力をいただいて行いましたので、そことの連携性とか、あるいは、合議体ではなくて、一種、危機管理についてはトップダウンで行わなきゃいけないとか、そういったことを考えると、完全な独立委員会的なやり方よりも、しっかりとした責任大臣がいて、責任大臣の下でトップダウンで物を決めていくと。
 ただ、専門家による外部からの知見についてしっかり意見を聴くということについては、その原子力安全庁の周辺にしっかりとした第三者性を持った専門家のチームをつくると、こういうやり方が実際の今回の事故対応を経験した者の間ではほぼ共通の認識でございまして、結果としてこういった形の案にまとまったということでございます。
#209
○松田公太君 実は私、先日、復興特別委員会のメンバーを中心に形成されたスリーマイル島の視察に参加させていただきまして、今日いらっしゃる中で荒井さんも一緒に行きまして、スリーマイル島に行った後はNRCを訪問させていただきまして、いろんな意見交換をさせていただいたんですね。非常に有意義な時間だったというふうに思っているんですけれども、非常に驚いたのは、そのNRCの一階にお土産屋さんがあって、このNRCと大きくマークが書かれたペン、これを売っていたので、これを私何本か購入して、一本実は枝野大臣にプレゼントさせていただいたんですけれども、受け取っていただけましたでしょうか。
 実は、その意味合いというのは、私は、NRCは全部が全部いいというふうには思いませんし、アメリカがやっていることも、いいところもあるしマイナスもあるというふうに思っていますけれども、完全にやはり独立した組織であるがゆえに、いろんな点でしっかりした安全規制、これができているんじゃないかなというふうに思うんですね。そういう意味合いを持って実はこれをプレゼントさせていただきましたので、是非独立した組織というのを、私は諦めずにこれからも訴え続けていきたいと思いますので、引き続き御検討をいただければというふうに思います。
 時間がないので、最後の質問とさせていただきますが、これは日本の風評被害払拭についてお話をしたいと思います。
 枝野大臣はチェルノブイリの事故があったときお幾つだったか覚えていらっしゃると思いますけれども、私はちょうど大学生で、非常にインパクトがやっぱりあったんですね、当たり前ですけれども。世界中の人たちがもうすごくあの事故によってインパクトを受けまして、これ正直申し上げますと、その事故の後何年たっても、あれだけ広大な土地のソ連から、当時はソ連ですから、ソ連から取れた農産品というのはやっぱり積極的になかなか買いたいという気持ちが全く起きなかったんですね。今でも正直、例えばチェルノブイリ市で取れた野菜ですよとか牛乳ですよと言われたら、それを積極的には買いたいというふうに思う人は正直余りいないんじゃないかなと。もう二十五年たったにもかかわらずそういう状況になっているんですよ。
 経産省の例えば来年度の概算要求などを見ていますと、例えばクール・ジャパン、国外への発信などあるんですけれども、残念ながら私はクール・ジャパンを訴えているような時期ではないと思っていまして、むしろセーフ・ジャパンという言葉を使って、日本は安全なんだという部分、風評被害を払拭するために積極的に動くべきじゃないかなというふうに思っているんですね。
 枝野大臣は先ほどお話の中で、シンガポールや中国に行かれて、思っていた以上に、原発の事故の後だったとしても、日本の食品の安全については高い評価を得ていたというふうにおっしゃっていましたが、私はそれは違うと思うんですよね。それはやっぱり政府の方々とお話をされているんでそういう建前上の話が出てくるんじゃないかなと思いますけれども、私はやっぱり一般市民、国民はそういうふうに全く思っていないと。
 実際、私海外でずっと長く生活をしてきて、つい最近もシンガポールに何年か住んでいましたけれども、当時はやはりシンガポールでは日本の農産物、農水産物というのは非常に高い評価だったんですね。最近どうだということを聞いたり連絡したりしますと、やっぱり誰も買いたくないと。日本食品コーナーが置かれているところはどんどん品目がなくなっていって、本当にもう売れていない状況なんだという話を聞きます。私、非常に危機感をこれは感じています。
 ですから、例えば、これも資料としてお配りしましたけれども、これ参考製品と書かせていただいておりますが、これは実は私、海江田大臣にこのお話もさせていただいたんですけれども、そのときにはまだこういう機械が明確になかったんで、この機械については具体的に言いませんでした。私はこの会社とは全く何の関係もございませんが、あくまでも参考として出させていただいておりますけれども、このような機械、食品放射能測定システムというものが、ベルトコンベヤー式で測れるものが出てきていますんで、これ一台大体五百万円ぐらいだというふうに聞いています。
 これ、ちょっと計算したんですけれども、これを例えば三十台、四十台あれば、福島県で年内で生産されるお米四十五万トンですね、約、これが全てフル稼働すれば約百日で全量の検査ができちゃうんですね。
 このようなものを積極的に導入していただいて、経産省の所管じゃないというふうに思われるかもしれませんけれども、これは風評被害、海外につなげるということであれば、私は海外の主要なポートにこういったものを配置しても、無料配布してもいいんじゃないかなというふうに思っているんですね。そのぐらい積極的に、日本は安全なんだと、どうぞこの機械を使って検査してくださいというぐらいのことを発信していかなくちゃいけないんじゃないかなと。そうしないと、チェルノブイリのように、もう何十年たった後でも日本の農産品は買えないと。非常に私、これを恐れています。
 特にTPP、私、元々推進したいというふうに思っているんですけれども、なぜ推進したいと思っているかというと、さっき言いましたように、日本の農水産物は積極攻勢に出て世界に売れるというふうに思っているからなんですね。でも、今のままじゃ、それはできないんですよ、やっぱり輸入規制されていますから。是非、このような動きをしていただきたいと思います。
 ちょっと時間になりましたので、何か一言もしあれば言っていただければと思います。
#210
○委員長(前川清成君) 時間が参っておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
#211
○国務大臣(枝野幸男君) 大変重要な御指摘いただいたと思っております。
 この機械のことも含めて十分に検討させていただいて、できるだけ具体的な積極的な対応を努力してまいります。
#212
○松田公太君 どうもありがとうございました。
#213
○荒井広幸君 荒井でございます。まず大臣にお尋ねをいたします。
 十月六日の復興特別委員会で、一つの事例として、私たち、この原発の被災者の問題では業種、業態とかエリアで一つの、何といいますか、区分をしておりましたけれども、弱者という視点でもう一回見詰め直していくと、人工透析をされている方々が抜け落ちていると、こういう事実が分かったものですから、大臣に十月六日に、透析患者の皆さんを救済するべきだと、賠償するべきだと、こう申し上げましたところ、透析のような患者さん、これは賠償されなければいけない、東京電力によって賠償されなければいけないと思っておりますと。同時に、その賠償する手法としては、福島県に議員立法でつくった基金をつくっていただければお金を入れることになっているわけですね、国から。これを活用したらいいんじゃないかと申し上げた関連で、基金についての対応は必要があれば対応させていただきますと、こういうことでございました。そこで、今日は大臣に、確認をしてくださいとお願いしたわけです。
 この議員立法による基金の創設、七月二十九日にできております。福島県は、これは必要としているのか必要としていないのか、御回答をお願いしたいと思います。
#214
○国務大臣(枝野幸男君) 事務方に指示をいたしまして福島県の意向を把握するよう指示をしたところでございまして、今、福島県と鋭意御相談をしているところでございます。現時点では、原子力損害賠償紛争審査会の議論の推移や東京電力の対応を見極めながら、基金の設置、あるいは、それは設置されれば当然のことながら国から補助を出すわけでありますが、それについての具体的な要望を検討する意向であるというふうに承知をしております。
#215
○荒井広幸君 これは菅原局長が内堀副知事と話してそのようなことになっておると、こういうことなんですね。
 では、そこでお尋ねをします。国という政府機関、国会ではありませんよ、政府と、県という自治体、機関が全てを把握しているということもないわけですね。被災者に聞けばいいわけです。困っている人たちの実態を調査していただきたいと厚生省にお願いしておりますが、この透析患者の皆様方の、今賠償を含めてどんな状況になっていますか。
#216
○政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。
 透析の患者の方々でございますけれども、発生直後、数百人単位で福島県では十分な透析が受けられないということがございましたので、遠隔の県、例えば東京とか新潟とかというところに治療を受けに一時的に転居をされたということがございました。その後、関係者の御努力によりまして、福島県内の医療機関、一部復旧してまいりましたので、現在はほとんどの方が福島県に戻られていると。警戒地域等いろいろ若干例外的なところはございますけれども、ほぼ戻られているというふうに聞いております。
#217
○荒井広幸君 では、お尋ねします。分からないなら分からないでいいですよ。
 三十キロ圏内の方と三十キロ圏外の人でも、患者さん方は透析避難と言っています。三十キロ圏内の方は、普通の方と同じように賠償の対象なんですよ、国が指定していますからね。ところが、じゃ、透析というのは命の綱ですから、それほどの危機にありながら一般の方と同じような例えば対応をしているわけです。精神的苦痛という欄に書くわけですよ。
 じゃ、三十キロの外の方々が避難されたという実態は御存じなんですね。三十キロ以外の方々が、病院がなくて、あるいは、大量の水を使いますから、そこに放射線が、放射能があったら大変だということで透析避難をされたという実態はつかまえていらっしゃいますか。
#218
○政府参考人(篠田幸昌君) 承知をいたしております。
#219
○荒井広幸君 おととい初めて、昨日でしたかね、おとといでしたかね、岡部さんという方が、県腎協の事務局長さんなんですが、この間の大臣と私たちでやって、大臣からも指示があって、福島県にも私も電話を掛けまして、福島県から初めて二本松というところにある県腎協の事務所に岡部さんを訪ねられたと。やっとスタートなんです、実は。
 ですから、そうなってまいりますと、東電が補償をするというようなのを待つとか見るとかという話でもないんですよ。つまり、私たちが基金をつくった理由は、ここに皆さんいらっしゃいますけれども、野党の皆さんいらっしゃいます。与党にも衆議院では御賛成をいただきましたけれども、そういう方々に対して手を差し伸べるということなんですよね。
 ですから、福島県も実態を知っていないんです。六回行ったんですよ、この岡部さんたち事務局の方々が。福島県に行った。国会では私が六月とか何回もここで申し上げているんです、枝野さんではありませんでしたけれども。みんな置き忘れたんですよ。
 こういう課題があるんですから、私は、当たり前のことですけれども、救済をする、賠償も含めて、精神的なものも含めて、三十キロの外の方はですよ。内の方も同じ扱いですから。
 これは代表例を言っているんです。そういう病気の方のみならず、弱者の皆さんに対して同じように配慮をしなくちゃいけないんじゃないかと、このように考えておりますが、大臣として簡単に、現実はまだ補償されていないんです。しっかりやっていただくようにお願いできませんか。
#220
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘の透析を受けていらっしゃる皆さん始めとして、先ほど幼稚園のお話もございましたが、この原子力事故によって被害、影響を受けておられる方には、あえて言えば定型的なパターンとしてこういう被害ですねということで大くくりの中でいろいろとお話ができて、ある程度それによって支援、救済が対応できるケースと、そうしたそれぞれの個別の事情をしっかりと把握をし、個別の具体的な対応が必要な皆さんと、両方があるわけですが、残念ながらやはり後者のことについて、この間十分な対応ができていなかったということは大変申し訳なく思っております。
 したがいまして、先ほども申しましたとおり、これ例えば賠償の話についても、指針が出ているのは典型的なパターンについて最低限こういう賠償がありますということであって、それ以外にいろいろなパターンでより緊急性の高い様々な賠償が必要な方がいらっしゃるということを十分に東京電力も踏まえて賠償していただくように更に指導をしたいと思いますし、また基金等の使い方についても、今のような御指摘も踏まえながら県の方としっかりと御相談をさせるように指示いたします。
#221
○荒井広幸君 下の部分、本当に良識的に言っていただいていると思うんです。それを、少なくとも国の責任というのは、政府の責任と国会の責任があるわけです。少なくとも野党の皆さん、共通してその実態を知っていたんです。ですから、この緊急基金を立てて、福島県が基金をつくることによって予算を入れて救済するという仕組みなんですよ。七月二十九日にできているんです。それを要らないと言う福島県の私は気持ちが分からない。
 だから、おととい、福島県の担当者が県腎協の事務局に初めて訪ねていっているという現状なんですよ。国も機関とか自治体とばかりやらないで、その意見は大切な意見であるし、集約された意見もありますが、やっぱり根本は、国民目線とおっしゃっているんですから、実態をどうぞ弱者というくくりで総洗いしていただきたい。大臣、お願いしておきます。
 そして、この基金を今すぐ活用することです。これも大臣が検討するということでしたが、その当事者の意見を聞いてください。お願いしておきます。
 次に、スリーマイル、視察に参りました。先ほども松田さんからお話をいただきましたが、ビンガマンという米国のエネルギー上院委員長がいるんです。NRCにも参りました。ボーチャード運営総局長、原子力規制委員会ですね、お会いしてきました。
 お二人に私申し上げたことは、九月三十日に福島は二十から三十キロ圏を解除しました、帰っていいですよ。一週間後の十月七日、ここにございますけれども、いわゆる米国における日本に関する渡航警報の発表について、トラベルアラートというものです。英文で三、四ページです。何と書いてあるか。妊婦、子供及びお年寄りの方には福島第一原発から三十キロ圏内での居住は回避すべきであると。帰っていいですよ、住めますよ。アメリカは、居住は回避すべきである。県民の皆さんは非常に困惑しています。
 そこで私が申し上げたのは、簡単です、なぜIAEAやICRPで統一基準を作らないんですかと。日本が世界に貢献すると大臣がおっしゃった、その貢献の具体的な形がこういうところなんです。相変わらずアメリカは八十キロのところ、やっと解除しましたけれども、風向きで五十キロまで飯舘村に行ったという頭がありますから、アメリカの方が正しいんじゃないかと思っている人もたくさんいるんですよ、政府は信用ならぬと言って。二十から三十の皆さん、どうしたらいいでしょうね、政務官。
 こういうところを統一しろという方がTPPより先なんですよ、共通のルールならば。こういうところを是非、IAEA、天野さんいるんですから。そして、国際機関でバックデータを基に統一基準を作って、現実に被災住民の皆さんが路頭に迷わない、心の不安にさいなまれないように積極的に、大臣、働きかけをお願いしたいと思います。統一ルールを作ってください。いかがでしょう。
#222
○国務大臣(枝野幸男君) 今回の我が国としての、我が政府としての避難区域の解除については、国際機関であるICRP、国際放射線防護委員会の示した基準に基づいて、つまり国際基準に基づいて対応しているものでございます。したがいまして、米国が出されたアラートは、このICRPの国際基準とは異なる御判断をされているということになります。したがいまして、我が国政府として、我が国の政府が国際基準に基づいてしている対応にそろえていただいた方が望ましいということは努力をしたいというふうに思っております。
 ただ、これ、例えば、我が国の政府は我が国のことについて一番詳細に分かっているわけでございますから、しっかりと基準を適切に当てはめて行っているわけでありますが、他の国の政府はより防御的になるという傾向があるというのは、これは逆の立場を考えたときに若干やむを得ないところがあろうかと思います。
 今、タイで洪水が起きておられます。タイの政府も国民の安全のためにきちっとした基準と判断の下にいろいろされると思いますが、日本政府の立場からは、タイに出ていらっしゃる日系企業や日本人の皆さんに対して、より、何というんでしょう、保守的に対応をお願いをするということは、やはり国際社会の中ではあり得ることだろうというふうに思っています。
 こうしたことについての理解も、国内的にもお願いをしていかなきゃならない。と同時に、米国、特に同盟国でありますので、米国に対しては、我が国が国際基準に基づいてきちっとやっていることについて、できればそろえていただきたいというお願いはしてまいりたいと思います。
#223
○荒井広幸君 先ほどおっしゃったように、それぞれの国が、例えばルール、基準があってもそのように防御に走るということなんです。
 来年、世界の指導者が替わります。アメリカもその例ではありません。スーパーパワーと言われたアメリカが、リーマンの失敗も受けて反省も多少しているのかなと私は思っていましたけれども、どうもそういうところがないんですが、そのビッグパワーになってしまったアメリカに他国を、多少譲ろうという今までのような私は力がないと思っているんですよ。
 そこでTPPに移りますけれども、TPPの問題は、私は、ああ、郵政問題がここに来たなと、その当時から言っておりました。これは一つの市場原理主義でありますし、グローバリズムの行き着くところでありますから、郵政の一里塚がいよいよ農業に来、そしていずれ労働や医療、そういう分野に行って、日本人の心まで侵食されるおそれがあるなというふうに思っているんです。
 ですから、先ほど来から大臣が経済連携でということで言っていますが、それで看過できない大きな問題を含んでいるというふうに考えていますから、戦略性を持ってこれについてどう当たるかということが必要だろうと、こういうふうに思っているんです。
 その戦略性を持つときに、何を私申し上げるかというと、果たして、こうやって内向きになっているアメリカも含めて、アメリカに行ってまいりましたけれども、それはもうアメリカだってデモが起きて、いろんなデモですよ。なかなかもう抑え切れなくなっている。それは強く出ますよ。
 そこで、私はちょっと質問を、昨日もあれしておりますから事務方で結構ですけれども、今は医療の方は議題になっていないということでいいですよね、簡単に言えば。労働の方も議題になっていませんよね。それはなぜでしょうね、大臣、なぜでしょう。政務官もなぜでしょう。非常に簡単に言います。日本が参加すれば、新しくそれはテーマになるんですよ。ならないという保証はないですね。政務官、どうですか。
 日本が交渉に加われば日本との関係をどうしようかというのはもちろんマルチでやるけど、日本の様々なルールや関税に対しての話になるんだから、新たな品目やサービスやテーマというのは、なるということは否定できませんね。
 政務官、どうですか、大臣ですか。
#224
○国務大臣(枝野幸男君) ここは荒井議員と私、認識共通だと思うんですけれども、私はいっときグローバルスタンダードという言葉がはやったときに、それはグローバルスタンダードじゃなくてアメリカンスタンダードじゃないかと。決して世界の共通標準ではない。アメリカ標準が世界共通標準だという幻想と誤解の下に我が国が様々な対応をしたことについて、その当時から私は反対でございますし、今も反対でございます。
 したがいまして、もし仮に交渉参加をすることがあったとしても、このTPPの場を通じて今議題に全く上っていないようなことについて、しかもアメリカンスタンダードをグローバルスタンダードであるかのように押し付けるようなことがあれば断固拒否をいたします。
#225
○荒井広幸君 大臣と私は非常に一緒なんですよね。
 つまり、我々が越えてはならない一線を国民に見せないと、今何かどんなことが話し合われて、事実を教えろ、そんな話ばかりなんですよ、誤解がある、違うんですよ。どんな状況でも我が国はこの一線を、例えば二十四分野なら越えてはならないというものを見せていただかないと、今後どんな展開になるか分からない駆け引きに入っていくというのは、先ほど来からも出ていますけれども、これは武器輸出解禁も含め、普天間も含め、お土産を持っていっているとしか言いようがないんです。つまり、専ら民主党の政治が負をつくったために、その負を消すためにアメリカのいわゆる交渉の手のうちに乗っているんじゃないかという心配なんですよ。だから、非常に時期として私は一番不適当なときに参加表明をするのかなというふうに思っているんです。
 同時に、私はもう一つ必要なのは、なぜ中国に行った後に表明しないんですか、するならば。
 お手元に皆さんに簡単に資料Aをお渡ししましたけれども、中国とインド、あるいは今回は違いますがブラジル含めてどんどんと大国が経済的に出てきているわけです。そのときに、中国、これは簡単に言えば、私は今回はアメリカとのFTAだと思っていますから、極端に言って。そういう観点でいって、ブロック化していくというところにそのほかの方々も入れていくんですよ。これは、あえて中国、歴史問題では我々と溝がありますが、中国という現実的に我々の経済と結び付いて、これからも付いていくでしょう。農業の売手としては、大臣も皆さんも中国を挙げた。その中国が入らないんですよ。少なくとも総理が中国に行くのが暮れというんであれば、少なくとも中国に我々はこういう考えをしているという、事前に話するぐらいの配慮がないと、結局はアメリカに追随して、そして戦争のあの悪夢ですよ。結局ブロック経済で、日本はまさに海洋国家、貿易国家、その国があえてがあっと排他的ブロック主義に入っていくということじゃないんですか。それで日本の本当の力というのは発揮できるんでしょうか。
 私は、この中国に訪問することとAPECに行くことを含めて、この手順一つ取っても非常に心もとないと申し上げます。
 そして、時間がありませんから、最後に一方的に申し上げて申し訳ありませんが、エクソン・フロリオ条項というのをアメリカ持っているんです。私、この委員会で何遍も言いました。我が方は、外為法で危なくなったら買収でもストップできるっていうやつですが、アメリカは国益に合わないとなれば、ちょっとその行為をやめてくれと、こう言えるんですよ。それで時間稼げばもう撤退していきます。そういう一つの安全弁も持っていないで私は入っていくということに二重の不安を覚えているわけです。
 どうぞ、米国目線ではなくて、国民目線になっていただきたい。そして、米国も本当に原発もどんどん何にも変わらずにやろうと言っているんですよ、行ったらびっくりしましたけれども。何の私は、何か私の三月十一日以前を見ているような感じでした。もう少しこの福島を見て、ためらいやちゅうちょという心がないのかなと思ってきたんですよ。
 同じように、どうぞ大臣には、そういう意味で、世の中がもう価値観を含めて変わらなきゃいけない、リーマン・ショック後、経済でも。そして、この原発でもそういうことを我々は、文明史の中で、世界史の中で今起きているこの事故ですから、我々がそういうことを言っていくべきじゃないんですか。同盟国日本、アメリカと同盟国ですが、私はそれを支持しますが、どうぞ戦略を持って当たっていただきたい。世界を啓蒙するという意味でTPPも考えていただきたいということで、ゆめゆめ間違った判断をしないように慎重であっていただきたいと申し上げて、時間ですから終わります。
#226
○委員長(前川清成君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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