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2011/12/01 第179回国会 参議院 参議院会議録情報 第179回国会 厚生労働委員会 第3号
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2011/12/01 第179回国会 参議院

参議院会議録情報 第179回国会 厚生労働委員会 第3号

#1
第179回国会 厚生労働委員会 第3号
平成二十三年十二月一日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                梅村  聡君
                柳田  稔君
                石井 準一君
                中村 博彦君
                渡辺 孝男君
    委 員
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                大島九州男君
                川合 孝典君
                津田弥太郎君
                辻  泰弘君
                西村まさみ君
                牧山ひろえ君
                赤石 清美君
                石井みどり君
                衛藤 晟一君
                高階恵美子君
               三原じゅん子君
                秋野 公造君
                川田 龍平君
                田村 智子君
   衆議院議員
       厚生労働委員長  池田 元久君
   国務大臣
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
   副大臣
       内閣府副大臣   後藤  斎君
       文部科学副大臣  奥村 展三君
       厚生労働副大臣  牧  義夫君
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤田 一枝君
       厚生労働大臣政
       務官       津田弥太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       少子化・青少年
       対策審議官    伊奈川秀和君
       警察庁刑事局長  舟本  馨君
       厚生労働省医政
       局長       大谷 泰夫君
       厚生労働省健康
       局長       外山 千也君
       厚生労働省医薬
       食品局長     木倉 敬之君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   小野  晃君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    岡田 太造君
       厚生労働省老健
       局長       宮島 俊彦君
       厚生労働省保険
       局長       外口  崇君
       国土交通大臣官
       房審議官     渡延  忠君
       国土交通大臣官
       房審議官     坂   明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (若年者の歯周疾患対策の推進に関する件)
 (子宮頸がん予防ワクチン等の接種事業の充実
 に関する件)
 (年金の物価スライド特例水準の見直しに関す
 る件)
 (歯科診療報酬の在り方に関する件)
 (胃がん対策の拡充に関する件)
 (生活援助に係る介護報酬の見直しに関する件
 )
 (受診時定額負担導入の是非に関する件)
○国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を
 改正する法律案(第百七十七回国会内閣提出、
 第百七十九回国会衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 本院議長西岡武夫君は、去る十一月五日、逝去されました。誠に哀悼痛惜に堪えません。
 ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表しまして、御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 御起立をお願いいたします。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(小林正夫君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ─────────────
#4
○委員長(小林正夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省保険局長外口崇君外十名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(小林正夫君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題として質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○石井みどり君 おはようございます。自由民主党・無所属の会の石井みどりでございます。
 本日は、厚生労働関係だけでなく学校歯科保健についてもお伺いしたいので、文科省からお出ましをちょうだいしました。ありがとうございます。
 実は、今、日本の経済状況非常に悪くなって、そのことが子供たちにも大きな影響を及ぼしております。親の経済格差が子供たちへの経済格差にもつながり、そしてそのことが大事な子供たちの健康格差にもつながっている、健康をもむしばむことにつながるというような、そういう問題が起こっております。
 先生方も学校時代は健診を受けられたと思うんですが、その中に歯科健診もあったと思います。今、口腔の二大疾患としては齲蝕と歯周病がよく知られているところでありますが、特に歯周疾患に関しては、成年期以降の歯を失う大きな原因になっていまして、特に四十歳以降はそれが著明になってまいります。ところが、歯肉炎に関しましては、幅広い、若い年齢層、小学生に至ってまでこれが認められるということが学校歯科健診によって明らかになっております。
 私が臨床で働いておりましたのは既にもう六年前になりますが、そのときの臨床の感覚としても、非常に子供たちに、硬組織の疾患だけでなく、いわゆる歯周組織の疾患が広がっているという実感を持っておりました。これは、やはり生活環境が大きく変わって子供たちの食生活も変化をしてきている、そういうことが原因だろうと思っております。
 直近の歯科疾患実態調査といいましても二〇〇五年度でありますが、これによりますと、五歳から十四歳の子供においては何らかの歯周病の所見が見られる者が四三%に上るとされています。そして、十五歳から十九歳では五%の者が、これちょっと専門的になるんですけど、四ミリ以上の歯周ポケットを有する歯周炎を生じているとされています。歯周ポケットというのは、健全な歯周組織であればほとんど一ミリぐらいしか歯と歯周の間にすき間がないんですが、それが四ミリの深さになるというのはもう中等度に歯周炎が進行したという状況でありますが、既に十五歳から十九歳で五%の子供たちがそういう中等度の歯周炎に罹患しているというデータが出ています。
 広島大学の調査では、歯周病所見が見られる生徒の割合が歯科疾患実態調査における数字よりもはるかに大きく、実際には若年層における歯周疾患の状況が歯科疾患実態調査が示すよりも深刻なのではないかというデータが示されています。
 若年世代における歯周疾患の実態、また最近の傾向についてどのように認識をされておられますでしょうか。これは厚生労働省の方にお願い申し上げます。
#8
○副大臣(辻泰弘君) 若年層における歯周疾患の実態についての御質問をいただきました。
 一般に歯周疾患は中高年層に多く見られる疾患だと認識されているところでございますけれども、厚生労働省が六年ごとに実施しております歯科疾患実態調査によりますと、平成十七年の歯肉に所見のある者の割合は、十五歳から十九歳で六六%、二十から二十四歳で七六%となっておりまして、低年齢層からの罹患が認められるところでございます。また、平成十一年と平成十七年の調査結果を比較すると、いずれの年齢階層におきましても歯肉に所見のある者の割合はおおむね増加しているところでございます。
 このような現状を踏まえ、厚生労働省といたしましては、八〇二〇運動推進特別事業などを通じまして歯周疾患予防のための歯ブラシ指導等を進めているところでございまして、今後も国民の歯科保健の向上に努めていきたいと、このように考えているところでございます。
#9
○石井みどり君 ありがとうございます。
 そういう認識でおられるということは大変有り難いと思っておりますが、今お答えいただいたように、若年層における歯周疾患の多くは、今広がっていっているわけでありますが、多くは歯肉炎でありまして、そしてその歯肉炎から歯周炎に移行するということが様々なデータで出ております。ただ、歯周疾患あるいは歯周病はいわゆる自覚症状が乏しいんであります。痛みがなかったりとか、そして自覚症状が出たときには既に相当程度重度に進行しているということがありまして、そのために歯周疾患に関しましては予防のための保健活動、歯科保健活動が大変重要でありまして、それも若年期からの予防、そして早期発見、早期治療、そしてその後の自己管理ということが大変重要であると考えています。
 また近年は、これ以前は若年性歯周炎と呼ばれていたんですけど、アメリカの歯周病学会では侵襲性歯周疾患という言い方をしているんですが、これが非常に特異な歯周疾患でございます。これは若年世代にのみ多発して、しかもいわゆる第一大臼歯とか前歯部で限局して非常に高度に進行する歯周疾患でありまして、骨の破壊があったり、若年層、十代の高校生のような人たちであっても骨の破壊があるような歯周疾患がございます。こういうこともございますので、やはり早期からの予防が重要だろうというふうに考えています。
 この歯周疾患全体はもちろん各世代ごとの予防が大事だと思いますが、特に若年世代に対しても早期の予防、発見が特に重要であると考えておりますが、その辺り、厚生労働省としてはどういうふうにお考えでいらっしゃいますか。
#10
○副大臣(辻泰弘君) 委員から御専門のお立場から御提言をいただいたところでございますけれども、予防というものが非常に大事だと思っておりますので、御意見もしっかりと受け止めさせていただいて今後とも対応していきたいと、このように考えております。
#11
○石井みどり君 ありがとうございました。
 そうしますと、やはり、早期発見と申しましたが、これは学校での集団健診、ここが非常に有効になるかと思います。現行の学校保健安全法の制度下では、学校歯科健康診断の結果に基づいて、学校長の名において齲蝕や歯周炎に対する治療勧告が行われていると理解しております。学校保健安全法上の就学支援制度の運用状況について具体的にお教えいただければと存じます。これは文科省の方へお願いします。
#12
○副大臣(奥村展三君) 石井先生から専門的なお話も聞かせていただいて、そしてまた現場で苦労されてきたことも聞かせていただきました。
 今仰せのとおり、学校保健安全法におきましては、いろいろとその分野において進めてきておりますが、現在、正直申し上げまして歯周病の問題については、齲歯に対して、虫歯に対してはいろいろあるんですけれども、歯周病等に対しましては今日までその要望等におこたえすることができなかったと思っております。
 特に、この学校保健安全法、先生も御承知のとおり昭和三十三年にでき上がった法律ですね。ですから、もう時代は変わっておりますし、今おっしゃったように、やっぱり八〇二〇運動等も歯科の先生方いつも言われるんですが、私の近所にも県の歯科医師会の会長がおいでになるんですが、いつもその八〇二〇運動のお話をなされるんですが、やっぱり小さいときからしっかりした、虫歯を予防したり、あるいは今の歯周病に対してもしっかり認識を持って教育をしていかないかぬぞということを御指導いただいているんですが、その点につきましても、今御指摘いただいたように、歯周病につきましても今後その学校保健安全法の中に取り入れていくように検討してまいりたいというように思っているところでございます。
#13
○石井みどり君 何か結論を先にお答えいただいたようなんですが、就学支援制度の運用状況をお尋ねしたんですが、これは通告が出ていないんでしょうか。──分かりました。
 ただ、もう結論をおっしゃっていただいたので、大変奥村副大臣、前向きな御答弁ちょうだいしたので、何かこれから質問するのがちょっと後先になるかと思いますが、今副大臣がおっしゃったように、学校保健安全法の施行令第八条に列挙される項目においては、齲歯は含まれるものの、歯周疾患は含まれておりません。ということは、現行法上は準要保護世帯の児童生徒については、仮に学校健診において歯周疾患が発見されても、援助の対象になることが法的に担保されていないという理解でよろしいんでしょうか。
#14
○副大臣(奥村展三君) 今の要保護家庭におきましては二分の一の補助をさせてもらっております。その中身につきましては、今御指摘をいただきましたように、歯周病に対してもそういうことをやっているのが現状でございます。
#15
○石井みどり君 ちょっと済みません、もう一度ちょっと。何か今分かりにくかったんですけれども。済みません、もう一度、ごめんなさい、お答えください。
#16
○副大臣(奥村展三君) 要保護の児童生徒に対しましては二分の一の補助をしているところでございます。
#17
○石井みどり君 準要保護の……
#18
○副大臣(奥村展三君) あっ、準要保護。
#19
○石井みどり君 はい。要保護の児童生徒に対しては、保護世帯あるいは母子保健上の母子家庭とかは、これは補助があるんですが、準要保護の世帯の児童生徒については、これは市町村の教育委員会の判断になろうかと思いますので、援助の対象が法的に担保されているかどうかというところをちょっとお聞かせいただきたかったんです。
#20
○副大臣(奥村展三君) 失礼をいたしました。
 要保護につきましては全員にやっております。準要保護につきましては二分の一ということでやっております、現在。
#21
○石井みどり君 二分の一でよろしいんですか。三位一体改革で財源移譲して市町村へのあれになったんじゃなかったですか。二分の一でいいんならいいんですけど。
#22
○副大臣(奥村展三君) 国は二分の一です。
#23
○石井みどり君 そうですね。分かりました。
 残るところが、結局は、要は市町村の判断ということになるわけで、ですから、全て要保護世帯のように経済的な負担がないというわけではないんですね。そこを確認をしたかったんです。ありがとうございます。
 要保護世帯というのは、さっき申し上げましたように、生活保護の申請とか、あるいは一人親家庭というのは母子保健法によって原則として医療費の自己負担はないというふうに思っておりますが、他方、今二分の一であるところの地方自治体の権限のところでありますが、ここは独自に地方自治体が資格要件を定めておりまして、これが準要保護世帯ですので、要保護に準ずる程度の経済困窮があるにもかかわらず、非常にそこのところのばらつきがございます、市町村によって。
 それによって、学校健診では、歯肉に所見がある、歯肉炎であるという、こちらとしては健診に出向いた学校歯科医は指摘をするわけですね。そうすると、必ず学校からは治療の勧告というか事後措置というのが出ます。そうしたときに、自らが、検査、治療に自己負担が出てくるわけですね。十分な要保護世帯のような経済的な補助がないわけですから、そこが私は問題だというふうに思っています。
 生活保護あるいは一人親世帯に準じる程度困窮している準要保護世帯の児童生徒が同様に援助を受けられないのは、私は明らかに不均衡だと思っておりますが、いかがお考えでしょうか。
#24
○副大臣(奥村展三君) 確かに、地方自治体におきましてアンバランスがあるというのは事実です。これは、先生も御承知のとおり、平成十七年度で国の補助の廃止がなされております。そして、税源移譲あるいは地方財源措置が行われてきたんですが、御指摘いただいたように、地方の公共団体で格差があるというのは事実でございます。
 ここらにつきましても、要保護の対象になるような流れをつくれるように我々も今後努力をしていきたいというように思っておりますが、先ほど御答弁申し上げましたように、二分の一が国が持たせていただいて、そしてあとの二分の一が自治体ということでございます。これは要保護の場合でございますが、準要保護につきましても、自治体が二分の一、そして自己負担が二分の一と、今御指摘いただいたようなことでございます。できるだけそういうものに準ずるような流れになるように今後努力をしていきたいというふうに思っております。
#25
○石井みどり君 学校保健安全法施行規則第三条第九号において、歯周疾患は健康診断の際の検査項目に含まれております。ですから、学校歯科医は学校健診の際に所見があれば必ずそれはきちんと記入するわけですね。にもかかわらず、この補助の対象から外れている、いわゆる学校病の指定から外れているというのは、これは法的にそごを来しているんではないんでしょうか。検査でそこを記入しなければいけないにもかかわらず、学校病の指定がないわけでありますね。
 しかも、冒頭、辻副大臣からお答えいただいたように、いわゆる歯周の疾患が低年齢から今増加の傾向にあります。そして、年齢を経るに従ってそれが更に増加をしていく傾向にあると。そういう状況において、ここの学校病の指定に歯周疾患が入っていないというのは、これは非常に法的なそごがあるんではないかと思うんですが、いかがお考えでしょうか。
#26
○副大臣(奥村展三君) 確かに、今御指摘をいただきましたように、学校保健安全法の施行規則の中の三条にございます。これには齲歯とそしてまた歯周病疾患ということは入っているわけでありますが、一方、今申されましたように、六項目は入っておるんですが、齲歯は入っておりますけれども、歯周病は入っておりません。
 これを御質問いただくということで私も調べてみましたら、昭和三十年代から変わっていないわけですね。ですから、やはりアトピー性の皮膚病とか、いろいろなものが時代が変わっています。歯周炎も、歯科医の先生方にお聞きすると、いろんな家庭の事情だとか、食生活が変わっているとか生活様式が変わっているということで、やっぱりそういう問題もしっかり受け止めるべきだということも御指摘をいただきましたので、是非学校病の中に、今六項目しかありませんが、そういう問題もしっかり今後とらまえて、御指摘いただいたこの歯周病につきましても検討してまいりたいというように考えております。
#27
○石井みどり君 今の御答弁は、この見直しを図るというふうに受け止めてよろしいんでしょうか。指定の見直しを図る、学校安全法施行令第八条のところ、法の第二十四条で定める疾病がさっきおっしゃった六項目あると。しかし、時代の変化、そして食生活の変化、子供たちを取り巻く環境の変化によって疾病が変わってきている、口腔環境の疾病も変わってきているわけですね。そこをとらまえて見直すというふうに受け止めてよろしいんでしょうか。
#28
○副大臣(奥村展三君) 検討させていただきたいと思うと答弁をさせていただきましたが、私といたしましてはしっかりと見直していきたいというふうに思っております。
#29
○石井みどり君 前向きな御答弁、ありがとうございました。
 私の方は文科省に対する御質問は以上でございますが、この後は厚生労働省に。
#30
○委員長(小林正夫君) 奥村副大臣、御退席、結構です。
#31
○石井みどり君 ありがとうございました。
 続いて、今後は厚生労働省の方にお答えいただきたいと思うんですが、早いもので、国会へ来させていただいて五年目に入りました。もう残る任期があと一年八か月ということでございまして、思い起こせば四年前、初めて当選して、十月に初めてこの厚生労働委員会で質問させていただいたんです。そのときに、実はその前年に診療報酬の改定がございまして、大変厳しい改定を歯科は受けたわけであります。マイナス一・五%という、まさにその前年に不祥事がございまして、懲罰改定ともいうべき非常に厳しい改定を受けたのであります。そのことを私はこの厚生労働委員会で御質問させていただいたんですが、そのときのことをちょっと思い起こしながら、昨年、診療報酬改定がございました。それのデータが様々出てまいりましたので、やっとこの昨年の診療報酬改定について少しお伺いすることができるかというふうに思っております。
 診療報酬改定の前に、済みません、ちょっと通告した順番どおりいきます。ごめんなさい。順番変えようかと思ったんですが、済みません。
 実は、今も全国、土日を中心にして回っておりますが、十月に入って各地で、本当にもうどこと言わず、四国であろうと、中国地方であろうと、九州であろうと、東海、信越であろうと、東京であろうと、もうあちこちで大変多くの苦情といいますかクレームを先生方からちょうだいしました。それは何かと申しますと、医療提供体制推進事業というのがございます。その中に歯科保健医療対策事業の実施要綱に基づいて、在宅歯科診療設備整備事業というのがございます。これに関して、もう本当に、二桁の先生からもう大変な、厚生労働省のやり方が余りにもひどいということを言われておりますので、その辺の実態をちょっとお聞かせいただかないといけないと思っております。
 今申し上げました医療提供体制推進事業費補助金に基づく事業のうち、歯科保健医療対策事業実施要綱に基づいて実施される在宅歯科診療設備整備事業の趣旨、概要、またこれまでの実績についてお教えいただけますでしょうか。
#32
○大臣政務官(藤田一枝君) 事業の概要、そしてまた実施状況についてのお尋ねでございます。
 この事業は、歯の健康力推進歯科医師等養成講習会を受講された歯科医師の方々が所属する医療機関に対して在宅歯科医療に必要な機器等の設備の整備に必要な経費を補助する事業として、平成二十年度に創設されたものでございます。
 この間の実施状況といたしましては、平成二十年度は四県、二十一年度は二十二都道府県、そして二十二年度は二十八都道府県、今年度は二十七都道府県に交付を予定をいたしているところでございます。
#33
○石井みどり君 今の御回答ですと、この在宅歯科診療設備整備事業による補助金の交付というのは、その歯の健康力推進歯科医師等養成講習会を、これを受講すること、受講して修了するということが条件になっているというふうに理解しましたが、それでよろしいんでしょうね。
#34
○大臣政務官(藤田一枝君) そういう形になっております。
#35
○石井みどり君 この講習会のちょっと概要をお教えいただけますでしょうか。
#36
○大臣政務官(藤田一枝君) 主な講習内容といたしましては、口腔ケアと口腔機能の維持向上、また口腔と全身の関係について、あるいは在宅歯科医療に関する全身管理について、そして歯科治療時の救急処置と救急蘇生法、そのほかには医科歯科連携、こういったことについての内容となっております。
#37
○石井みどり君 何日間にわたる講習なんでしょうか。
#38
○大臣政務官(藤田一枝君) 五日間でございます。
#39
○石井みどり君 この講習会、五日間、開業医が、勤務医であればまだしも、あるいは親子、夫婦でされていれば余裕があるかと思いますが、一人で診療所を開設して運営をしている開業医が五日間休んで受ける講習会ですね。これは歯科衛生士も受講できるとなっておりますが。
 そして、この講習会を受けました、そしてその後、どういうふうにこの補助金の申請をしていくんでしょうか。
#40
○大臣政務官(藤田一枝君) 補助金の流れにつきましては、補助の対象である歯科医療機関が都道府県の方に事業計画を提出をし、そして都道府県において個々の事業計画を審査した後、厚生労働省にその書類を提出していただきます。そして、厚生労働省が更に事業計画を審査をさせていただいて、予算額の範囲内で採択することで、各歯科医療機関に補助金を活用していただくという形で交付をさせていただいているところでございます。
#41
○石井みどり君 その補助金の割合をお教えください。
#42
○大臣政務官(藤田一枝君) 国、都道府県、そしてまた病院・診療所開設者、それぞれ三分の一という形になっております。
#43
○石井みどり君 先ほど申し上げました、今全国回っていて、本当に多くの先生から、厚生労働省にだまされた、詐欺に遭ったと、こういうことをお聞かせいただいているんですね。
 これは、例えば昨年この講習会を受けられた方が何名おられるか、把握されていますでしょうか。
#44
○大臣政務官(藤田一枝君) 詳細はあれですので、大体五百名というふうに把握をしております。
#45
○石井みどり君 この講習会、日本歯科医師会に委託をされて、そして日本歯科医師会が全国各地、ブロックで講習しているので、昨年は五百十六名が受講しております。この方々が、今年度、補助金の申請をするということになっているんですね。ですから、昨年、診療所を五日間休んでこれを受講されている。
 ところが、この養成講習会を修了した先生方が、今回、補助金の内示がとんでもない内示が来たと。例えば、これあっちこっちから、もう本当に、ヒアリングしたらもうあっちこっちから、ひどいところはゼロ%とか、一番ひどいところが、今回は補助金の話はないと答えた県もあるんですね。
 東京都の福祉保健局から来た内示ですと、補助率一二・九八%だというんですね。ある先生は、申請を出された方は、様々、御自分の診療の設備の状況によって、例えばもう既に二十年ぐらい訪問診療しているから、この事業を利用して今度はデジタルのポータブルのレントゲンを用意しようとか、あるいは、もうそういうものも持っているから超音波のスケーラーを用意しようとか、ちょっと専門的な話になって恐縮なんですが、その金額も、いわゆる上限のところまでじゃなく、様々あるんですね。全てそれが、本来なら三分の二が補助として出て、残り三分の一を自己負担であったと、そういう認識で皆さんは講習を受けた、にもかかわらず、一二・九八%というのが東京の方は出ているんですね。
 これ、はっきり申し上げますが、詐欺ですよ。厚生労働省、こういうことをやっていいんですか。大臣。
#46
○国務大臣(小宮山洋子君) 石井委員のおっしゃることはもっともな部分がかなりあると私も認識をいたします。
 というのは、この在宅歯科診療設備整備事業、これは、おっしゃったように、ポータブル歯科診療機器などの整備に対する支援を行う事業ですけれども、先ほどからるる御説明いただいたように、講習を受けてこれを申請された方が、予算額をかなり上回る申請があったということで、この設備整備事業は、今年度五億二千万円を用意していたところ、四十億という、八倍近い申請がございました。
 ですから、私も、おっしゃるように、これからの歯科の在宅診療というのは大変健康の面で重要だと思っておりますので、また予算額をしっかり確保しないといけないということは事務方の方に指示をしておりますが、今年はやはりその枠の中で、医療提供体制推進事業費補助金、これは予算額の中でというふうになっておりますので、このうち設備整備事業だけではなくて、この補助金について都道府県の判断で、それ以外の救急医療関係、看護職員確保関係など各事業間で融通できる仕組みにしているというのが現状でございまして、御指摘はもっともな点がございますので、何とかその御希望にこたえられるように、予算獲得にもこれから努めてまいりますし、中での融通などでできる限りのことはさせていただきたいと思っております。
#47
○石井みどり君 大臣から、とても前向きな優しい、温かい御答弁ちょうだいしたんですが、前提がちょっと違うと思うんですね。
 東京都から来ているこの通知は、さて、この度、国の事業の見直しにより、この事業費、この医療提供体制推進事業費は大幅に減額され、設備整備に関する統合補助金は事業計画額の約一三%との国の内示がありましたと。
 説明としては、申請が多かったから、その枠を超えたからじゃなくて、震災があったりいろんなことで、要は予算を減額するから九割カットだということを、各県、都道府県にそういう通知が厚生労働省から来たというのが、これが歯科医師の先生方が各県から聞いている話なんですね。申請が多かったからじゃないんです。震災があってお金が足らないから、だから九割カットなんだと。五日間休んで受けたけど、受けないとこの補助金を申請できないというので皆さん熱心に訪問診療をしようとしてそれで受けたにもかかわらず、九割カットだと。
 こういう書き方なんですよ。このことに伴い、平成二十三年度におきましては、例年の取扱いとは異なり、内示予定額をお示しした上で事業を実施する意向の有無について再度お伺いすると。お金が少ないから、取り下げてもいいんですよ、あるいは三百万を予定していたのをもっと安いものでやりなさいよといって、何度もこれ聞いているんですね。
 まさに詐欺ですよ。九割カットだというのは東京だけじゃない、各県、私がヒアリングしたところは、国から九割カットになったという説明を聞いているんですね。どっちが本当なんですか。
#48
○国務大臣(小宮山洋子君) 厚生労働省の方から、この医療提供体制推進事業費補助金の交付についてということで、厚生労働省の医政局医療経理室長から出している通知というのは、先ほど私が御説明したように、今年度においては補助所要額が予算額を超過していることから、交付申請に当たっては、必要に応じて、内示額の合計を上限として個々の対策事業間で融通して申請することも可能とするので、事業計画の見直しに際し勘案していただくようお願いをするというこの一通のみというふうに聞いておりますので、私が答弁をしたとおりだというふうに思っております。
#49
○石井みどり君 そうですか。私が聞いたところは、補助金の九割カットというのが、そして県によっては、大変温かい県がございまして、今年、県の歯科保健条例が成立したので、国からは九割カットと言われたけれども、それだと講習受けられた先生方に気の毒だから、県が自分のところの予算で三分の二まで見ましょうという温かい県が一県だけありました。私も随分あちこちヒアリングして聞いたんですけれども、押しなべて国が九割カットだと。申請額が多いからじゃなくて、今回は震災関連で予算が減額されたということを皆さんお答えになっているんですけれども、真相はやぶの中でしょうか。
#50
○国務大臣(小宮山洋子君) そんなことはございませんで、先ほどから私が答弁をしているのが正しいものでございますので、もしその辺りいろいろ連携のそごがあれば、そこはしっかりと徹底をして正しい情報を都道府県にもお伝えをするようにしたいと思います。
#51
○石井みどり君 こんなことがあると、今厚生労働省は在宅医療を大変推進されています、地域包括ケアとか。それに対して、やはり訪問に行くということは、自分の外来を休んで行くわけですね。余りお金のことは申したくないんですが、診療所を休んで、五日間休んで行ったら、そのお金でこんな機器は買えるんですよ、はっきり言って。それを詐欺みたいなことをするから怒り狂って全国の先生方から私のところへクレームが来るんですね。厚生労働省をただしてくれと。
 これは、今おっしゃったように、厚生労働省の方も調査をしてお答えいただけますでしょうか。今ここでやっても水掛け論になりますので。
#52
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、御指摘のような点はしっかり調査をさせていただきたいと思っています。
 ただ、私が答弁をしたとおり、予算額が今回足りなかったと、それで、医療提供体制推進事業費補助金全体は二百五十九億ありますので、先ほど申したように、ほかの事業間で融通することは可能ですというお知らせを出させていただいています。
 最初に御答弁をしたとおり、これから在宅医療が必要なことは私どもも重々承知をしておりますので、予算の獲得を含めてしっかりと対応ができるように努力をしていきたいというふうに思っております。
#53
○石井みどり君 では、大臣のお言葉を信じまして、是非御努力をいただく、そしてまた調査をしたことを御報告をいただきたいと思います。決して大臣を困らせようと思って言っているわけではございません。在宅医療を推進したいという思いから言っているわけでありますので、そこはよろしくお願い申し上げたいと思います。
 先ほど申し上げました診療報酬改定、昨年の診療報酬改定に関してちょっとお聞きをしたいと思います。
 四年前に、舛添厚生労働大臣でした、私はそのときに、さっきちょっと申し上げた懲罰改定のような平成十八年の診療報酬改定、このことをただしましたが、そのときに、保険局長の、水田保険局長だったと思いますが、が、診療報酬改定後の改定率と医療費の、医療費動向の評価については御答弁いただいたんですね、そのとき保険局長から。その考え方をちょっと御確認をしたいと思います。
 そのとき、医療費の総額と改定率を比較するのではなく、医療費総額を一日当たり医療費と受診延べ日数に分解して考えるんだと。そして、この一日当たりの医療費の伸びと改定率を比較するのが妥当であるという考え方をそのときお示しをされたんですが、この考え方にお変わりはないでしょうか。
#54
○政府参考人(外口崇君) 御指摘のように、一日当たり医療費で検証する方が一番実態に合っていると思っております。
#55
○石井みどり君 そのときに、また十一月に再度私、御質問したんですね。非常に歯科の医療というのは特殊性があって、いわゆる硬組織というのは一旦欠損すると自然再生できないから代替のもので治療していくわけで、補綴していくわけですね。そのときに、今金属を使っているわけです。この歯科用金属の価格の変動によって大きく影響を受けるわけですが、そのときに歯科用貴金属の告示価格の改定による歯科医療費への影響についてどう考えているのかということも再度四年前に伺ったんですね。
 昨年の診療報酬改定、これのときの一日当たりの医療費の伸びと、それと金属の価格による影響等、どういうふうに分析をされているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#56
○政府参考人(外口崇君) 前回の診療報酬改定の影響でございますけれども、まず診療報酬改定率の方は、これが技術料本体に当たるわけですけれども、これが二・〇九%でございます。その当初の歯科材料料の引下げは、これはマイナ〇・〇八%と推計しておりましたけれども、それを検証する今御指摘だと思いますけれども、歯科用貴金属の告示価格は、これは御案内のように二十一年四月が六百三十八円、金銀パラジウム合金ですけれども、パーグラム、それが二十二年四月が六百十九円、二十二年十月が八百二円となっております。
 この影響を加味する必要がございますので、それの影響を見ますと、二十二年四月から九月は約マイナス〇・一%の影響、二十二年十月から二十三年三月がプラス〇・九%の影響。したがいまして、二十二年度の影響ということにすると約〇・四%の影響があるというふうに分析しております。
#57
○石井みどり君 そうすると、一日当たりの医療費の率は幾らとお考えですか。
#58
○政府参考人(外口崇君) 二十二年度改定で見れば、これはもちろんある程度誤差はあるかとは思いますけれども、この二・〇九と別の数字として〇・四%が必要だと、そういう数値になると思います。
#59
○石井みどり君 それは金属の、今おっしゃったあれでしょう。じゃなくて、一日当たりの医療費です。水田さんはあのとき、一日当たり医療費と受診延べ日数に分解するんだよとおっしゃったんですね。この二・〇九を分解されたんじゃないんですか。
#60
○政府参考人(外口崇君) 一日当たり歯科医療費がその伸び率の近似値になっているわけでございます。それで、一日当たり歯科医療費で見れば、診療報酬改定のときの本体の改定率が二・〇九%でしたから、それがそのまま想定されるわけですけれども、先ほど〇・四%と申し上げましたので、これを別途加えた数字が一日当たり歯科医療費の伸びとして出てくると。
 ただ、その場合に、計算するときに、今までの、例えば二十一年度の伸びも勘案する必要がありますので、二十二年度を考えるときには。それを、差引きを考える必要がありますので、先ほど御指摘の一日当たり歯科医療費の、こちらの方で検証しますと、一日当たり歯科医療費は、二十一年度が対前年度比でマイナ〇・三%、二十二年度がプラス一・八%となっておりますので、二十二年度改定による影響は約二・一%の伸びとなっているわけでございますが、今申し上げましたような貴金属材料費の影響が二十二年度は〇・四%あるわけでございますから、その分は下回っていると、そういう分析になると思います。
#61
○石井みどり君 済みません、メディアスのデータですと、一日当たり医療費の伸び率は一・八というふうになっているんですが、今お答えいただいた数字とはちょっと違うんですけれども、どっちが本当なんですか。
#62
○政府参考人(外口崇君) 二十二年度のメディアスの一日当たり歯科医療費の伸び率はプラス一・八%、今御指摘のとおりでございます。
 ただ、改定の影響率を見るときには、その二十一年度の伸びがどうだったかということも加えて判断しておりますので、それを加えると二・一%になるということでございます。だから、二十二年度単年度だけでは一・八%ということでございます。
#63
○石井みどり君 そうですか。
 私どもは、二十二年度の伸び率が一・八%あったというふうに思っておりましたので、そうすると、改定と関係のない、いわゆる金属の、このものですね、それが今おっしゃった〇・四ですね。とすれば、一日当たりの伸び率は私は一・四というふうに計算したんですが、じゃこれは間違いということですか。
#64
○政府参考人(外口崇君) 間違いじゃないと思います。恐らく二つのことを私が言っていて混乱してしまって申し訳ないと思うんですけれども、二十二年度の対前年度比はメディアスは一・八%なんです。その中には貴金属材料費の影響が、さっき言った〇・四%が入っていますので、それを引けば確かに一・四%なんですよね。失礼しました。一・八%から〇・四を引けば一・四%になるわけでございます。それは、その数字はそれでいいんです。
 ただ、改定の影響がどうかということを見るときには、その前の二十一年度がプラス傾向にあるときも、前年度がプラス傾向になるときもマイナス傾向になるときもありますので、そちらも差引きのときには判断上計算しているので、それでやると二・一になるわけですけれども、ただ、いずれにしても、先生御指摘の貴金属分の今回の変化が当初想定した歯科診療報酬の本体の改定率と比較すると、その貴金属分のを考慮すると、本体の改定率が最初想定したときよりも低いのではないかというその御指摘は事実でございます。
#65
○石井みどり君 二・一とします。そうすると、金属の影響というところを引きますと、じゃ一・七ですよね、実質ね。そうしますと、改定率としてちょうだいした数字は二・〇九%、この差が〇・三九あるわけですね。私が初めて国会へ来た翌年の診療報酬改定のときに、本当にやっと、やっとプラス改定をいただいたのが〇・四二%だったんですね。その改定率にも匹敵するぐらいの誤差が今回出ているんですね、昨年の診療報酬改定。
 今日資料をお出しするつもりだったんですが、出ていないですね。
 先般、中医協の医療経済実態調査が出ましたが、歯科は収益差額がとうとう百万を切ってしまったんですね。非常に、大変歯科の経済状況、厳しい状況が続いているんですが、更に厳しくなった。収支差額が百万を切ってしまいますと、やはり安全な、そしてきちんとした医療管理ができるような、そういう設備投資の内部留保も厳しいというぐらいの状況なんですね。
 この二十年の改定率に匹敵するぐらいの乖離、数字の差があった。そこは何が原因とお考えですか。
#66
○政府参考人(外口崇君) 改定率を設定するときは、社会医療診療行為別調査、これを基にしております。この場合、単月の抽出調査でありますので、どうしても統計上一定程度の誤差が出てしまうという、これが多分一番の原因だと思います。そのほかには、診療報酬改定後の診療行動の変化、これもあると思いますけれども、大きいものは社会医療診療行為別調査、これ、抽出が七十分の一ぐらいになりますので、標準誤差が歯科の場合だと二%ぐらい出てしまうわけですね。それが多分一番の原因じゃないかと思っております。
 ちなみに、二十年度は、この一つ前の改定ですけれども、逆に上ぶれをしておりまして、やはりある程度の誤差が出てしまうのは、我々できるだけ少なくしようと努めておるんですけれども、結果として大変迷惑を掛けているのは申し訳ないと思っています。今後、電子レセプトとかそういったものが取れるようになってくると、もっと精緻なデータが取れるとは思っております。
#67
○石井みどり君 誤差が出て当たり前だなんて、そんなことはゆめゆめおっしゃっていただきたくないんですね。さっき申し上げたように、二十年のときの改定率に匹敵するぐらいの推計誤差が出ているんですね、この誤差が出ているんですね。これ、大変大きいんですね。
 今、本当に日本の歯科医療、もうもたない。私、四年前も申し上げましたけど、更に疲弊してきているんですね。このことを十分重く受け止めていただいて、簡単に考えないでいただきたい。皆さんは非常に賢くて、この治療行為を一つやったらどれぐらい、何億回になるから幾らだって緻密な計算をして出されているはずなんですね。それがそんな大ざっぱな、推計ミスが出るなんて、そんな答弁では私は納得いたしません。
 時間が来ましたので、またこのことは次回でも聞かせていただこうと思います。
 ありがとうございました。
#68
○三原じゅん子君 自由民主党の三原じゅん子でございます。
 小宮山大臣、連日の御公務、御苦労さまでございます。本日は様々な、ワクチンについて等、御質問させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 私が本委員会で質問させていただきました昨年の、平成二十二年の十月二十一日ですか、小宮山大臣に対して子宮頸がんの予防ワクチンへの取組についての質問をさせていただきました。そのときに小宮山大臣は、諸外国で行っているような、公費で子供たちが子宮頸がんにかからないようにやっていければいいなと、なるべくいい形で一人でも多くの子供たちが受けられるようにしていきたいと、このような御答弁をいただきました。私も、自分ががんのサバイバーでありますし、同じ仲間たちあるいは数多くの全国のNPOの方々と一緒に、この子宮頸がんのワクチンあるいは検診の重要性というのを訴えるような活動をしておりました。そういう中で、大臣にこういう御答弁をいただきまして、非常に心強く、有り難かったなと、そのことは今でもはっきりと覚えております。
 大臣、今もそのお気持ちはお変わりないと思ってよろしいでしょうか。
#69
○国務大臣(小宮山洋子君) 三原委員には、議員になられる前からこの問題ずっと取り組んでこられたこと、敬意を表したいと思っております。昨年お答えをした気持ちは今ももちろん変わっていません。
#70
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 この子宮頸がんから女性の命を守るということは、これは党派を超えていろんな先生方も御賛同をいただけた事業だと思っております。それで、二十二年の十一月二十六日の補正予算で子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金事業というのが開始されました。これはもう中学一年生から、一、二年、三年、高校一年生まで四学年の女の子たちが、希望する女の子はこのワクチン接種を受けられるという、国と地方の自治体が助成をするという仕組みができ上がりました。
 そこで、私も今、全国いろんなところを回っていて、皆様方からこの事業に対して非常に好評である、関心も高いという、そういう実感を得ております。しかし、これが公費助成となったということで一気に皆さんが予防接種をされたということで、何と翌年ですね、三月の八日にはこのワクチンが供給不足という形になってしまいまして、厚生労働省から初回接種の差し控えという通知が出されたと思います。それも大々的に報道されまして、皆さん当然、あらあら、接種できなくなっちゃったんだわというような御意見をちょうだいいたしました。そして、しばらくたって接種が再開されたんですけれども、大臣、いつだったか御存じでしょうか、再開されたのが。
#71
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員が御指摘いただいたのは、子宮頸がん予防ワクチンの一つのサーバリックス、これがワクチン製造販売業者から供給が逼迫しているということで、今年の三月から、大変申し訳ないんですが、一時的に一部の対象者の方に接種の制限を行いました。供給量が確保できた段階で順次再開を行いましたので、四月から、そして六月、七月と順次再開をして増やしてきているというふうに思っています。
 この接種の制限、再開につきましては、自治体を通じて医療機関などへの周知を依頼し、またホームページで周知を図っているところですが、こういう事態になったことは、混乱を招いたことは申し訳なかったと思っていますが、できる限りの対応はしていきたいと思っています。
#72
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 いや、そうなんです。これ、大臣、ややこしかったんですよ。接種の再開に関する通知が高学年から順次に、段階的に出されていったんですね。最初、六月一日に事務連絡にて、六月十日から高校二年生への接種がまず再開されたわけです。そして、六月十日から六月三十日、七月十四日という形で学年ごとに段階的にこの接種再開が通知がされたということで、これ各自治体も私は対応に困ったんではないかと思っております。
 そして、その時期がまた夏休みに重なってしまったということで、と同時に、二価ワクチンが今まであったわけですけれども、四価ワクチンというのがまた導入されたのもその時期なんですね。八月の二十六日に行われて、九月の十五日から公費助成の対象となったんです。ですから、これ中高生の方々あるいは保護者の方々にも周知徹底されていなかったのではないかなと、非常にそう思うところが強くございます。
 と同時に、この事業が二年間の時限措置だということもございまして、もうそのまま終了しちゃったんじゃないか、そんなふうに思っている方がたくさんいらっしゃるんですね。私のところにもそういう声も入ってまいりましたし、議員の先生でさえも、あの事業はもう終わったのと言っている先生もいらしたぐらいで、全くもって周知徹底がなされなかったのではないかと思っております。
 こういう状況について、大臣、ちょっといかがお思いになられますでしょうか。
#73
○国務大臣(小宮山洋子君) そういう意味では、供給量の実態に合わせてしたことだとは思いますけれども、おっしゃるように、そういうことを聞きましたら保護者としても大変混乱をするということは私も思いますので、そこは申し訳なかったと思っていますし、これからはもっと分かりやすくしっかりと徹底ができるような周知の方法を考えたらと思っております。
 今おっしゃったワクチンの新たなというのは今年九月にガーダシルから入ったものだと思うんですが、これにつきましてもリーフレットとかQアンドAなども使いましてなるべく周知をするようにしておりますので、おっしゃるように、確かに混乱を来したことは申し訳ない、もっと工夫をしなきゃと私自身も思います。
 そして、これがおっしゃったように基金の事業で当面やっているので、ここで切れるのではないかという声はたくさんいただきますし、委員会でも御質問をいただいておりますけれども、せっかく始めたこの予防できるワクチンを、もちろん検診と併せてですけれども、それを切るということは決してないようにしていきたいというふうに思っています。
 今、厚生科学審議会の感染症分科会予防接種部会でこれを定期接種に位置付けるかどうかを議論をしておりますので、その中で、定期接種に位置付けてずっとやれるようにするのか、また、それの決める時期が間に合わなくて間が空いてはいけませんので、そこは基金でつなぐのかどうか、そのことはしっかりと議論の経緯も見ながら、決して途切れることのないように対応していきたいというふうに思っています。
#74
○三原じゅん子君 ありがとうございます。
 本当にそういう心配する声が非常に多くございました。これ、恒久化しなければ本当に意味がないことだと思います。是非子宮頸がんを撲滅するという考え方で何としてでも続けていただきたい、そのように思っております。
 今大臣おっしゃっていただいたように、例えばお姉さんがワクチンを接種できたのに妹が接種できないというようなことがないというように、と同時に、地方への負担というのがまた増えてしまうようなことがないようにということで、皆さん本当に混乱しております。私のところにいろんな声が届いておりますけれども、改めてもう一度決意を是非大臣にお伺いしたいと思います。
#75
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほども申し上げましたように、この子宮頸がんワクチンの導入については、私自身も議員のときからいろいろNPOの皆様とともに活動をしてまいりましたので、その意味合いはよく分かっておりますので、決して途切れることのないようにつないでいきたいというふうに思っております。
#76
○三原じゅん子君 是非よろしくお願いしたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、ロタウイルスについてお伺いしたいと思います。
 五種類の任意接種ワクチンのうちに、本年七月、ワクチンが承認されたロタウイルス性胃腸炎のワクチン、これまでのところ、予防接種部会における定期接種化の対象疾病、ワクチン評価の議論というのも行われておりません。ロタウイルスワクチンはロタウイルス性胃腸炎の予防効果が高いということは、もう既にワクチンを導入している諸外国のデータにより明らかになっておりますので、もう大臣も御承知のことと思います。
 ロタウイルス性胃腸炎の罹患率というのはもう非常に高くて、日本でも発症者数が年間百二十万人、外来受診数が年間七十九万人、入院が七万八千人にも上ると言われておりますこのロタウイルス性胃腸炎について、是非定期接種化への評価というのを早急に開始すべきではないかと私は考えておりますけれども、これについて、大臣、いかが思われますか。
#77
○国務大臣(小宮山洋子君) 現在、任意接種となっています主なワクチンにつきまして、厚生科学審議会の感染症分科会予防接種部会でその医学的、科学的な評価などを踏まえまして今予防接種法上の位置付けなどの検討を行っているところですが、御指摘のロタウイルスワクチンにつきましては、今年の十一月二十一日に発売されました新しいワクチンですので、こうした新しいワクチンの、これまで具体的な検討にはですからまだ入っていないんです。こうした新しいワクチンの取扱いにつきましても、おっしゃるように、専門的な評価を行うことも含めまして今後検討していきたいと思っております。
 ただ、聞いているところでは、先進国でも余りまだそういう例がないというふうにも聞いておりますので、しっかりとその専門的な評価を行って検討を進めていきたいというふうに思います。
#78
○三原じゅん子君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、続きましてポリオのワクチンについてお伺いしたいと思います。
 今話題となっておりますこの不活化ポリオワクチン、生ポリオワクチン打ち控えというのが、大臣も、いろんな報道等で読ませていただいておりますけれども、これは非常に問題だというふうにおっしゃっておられるかと思います。神奈川県の黒岩知事も独自で不活化のポリオワクチンの接種に取り組むということを表明してございます。
 これ、もうそもそも二十年間にわたるワクチンギャップというのがありましたのでこういうことを生み出してしまった、それが厚労省なのかどこなのか、その不作為というのが非常に原因ではないかとは思いますけれども、CDCが二〇〇〇年の一月一日から生ワクチンを推奨していないんですね。CDCが発行したポリオワクチンに関するステートメントには、もし医師が生ワクチンを処方しようとした場合は、CDCが発行したポリオワクチンに関するステートメントを見せて不活化ワクチンを使うように頼みなさいとまで記載されております。
 この不活化ポリオワクチンについては、これまでもほかの先生方からもいろんな質問が多分出ておると思います。大臣も国内で不活化ポリオワクチンが早くても平成二十四年度末に導入されるというようなことをお答えいただいておりますけれども、これ早くても平成二十四年度末ですよね。来年の末、これちょっとやっぱり長いですよね。もっと早く流通するようにというのは当然誰もが考えることだと思うんですけれども、私も友人のお母さん方からどうしても生のポリオワクチンを打ち控えをしてしまうということを伺うと、この感染が広がるということは当然見過ごすわけにはいかないなと思っております。
 そこで、改めて大臣に伺いたいと思います。国内で開発されている不活化ポリオワクチンの導入を早めるということがまずできないのかどうか、それと、国内の不活化ワクチンを導入するのと諸外国から緊急輸入するのとどちらが早いのかということは、大臣に取りあえずお伺いしたいと思います。
#79
○国務大臣(小宮山洋子君) この不活化ポリオワクチンを早く導入すべきだということについては、今委員もおっしゃったように、もう二十年ぐらい前から言われているのに日本の取組が非常に遅かったという認識は持っております。それで、これを早く導入をすることにするということは、私も昨年、副大臣だったときにも答弁をさせていただいておりまして、それから最速のスピードで今やっているのが現状だというふうに思っておりまして、これはなるべく早く切り替えていくべきだということは私自身もそのように思っています。
 国内で不活化ポリオワクチンを含む四種混合ワクチン、この開発をしていまして、今年、二十三年の末ごろから順次薬事承認が申請される予定です。また、海外からの単品のこの不活化ポリオワクチンの申請も来年には出るというふうに聞いています。
 これは、なるべく早くこの審査を行うようにということは私の方からも言っておりまして、ただ、安全性がきちんと確認できないこととの兼ね合いなんですが、二十四年度末が一番早いと言っているんですけれども、私の方からは、可能な限り、安全性はもちろん担保しながらも、少しでも早く承認ができるように、そして、やはりこれは秋の予防接種の時期に間に合うようにということを今私の方からは督促をしているところでございます。
 ただ、繰り返しになりますが、そこは安全性をなるべく最速でチェックをしてということでございまして、ただ、緊急輸入については、やはり国内の臨床試験データ、十分集積していないためにその有効性とか安全性が確認できていないということから、少しでも早く不活化ポリオワクチンの承認申請をしっかりと承認ができるようにしていくというのが私が今取り得る最善の方法ではないかというふうに考えているところです。
#80
○三原じゅん子君 非常に難しい問題だと思いますけれども、何にしてもやはり保護者の皆様のお立場になってもう一度考えていただきたいと、是非そのように思うところでございます。
 それでは、小児がんについてお伺いしたいと思います。
 もう大臣もちろん御承知のことと思いますけれども、小児がんというのは子供の病死の原因の第一位であるにもかかわらず、国のがん対策推進基本計画というところではこの小児がん対策が今まで盛り込まれておりませんでした。平成二十四年度概算要求で初めて盛り込まれたのではないかというふうに思っております。
 その中で問題なのが、小児がん拠点病院整備費ということで予算が付く予定となっております。しかし、日本はやはり海外の主要国に比べて小児がんの一病院当たりに症例が少ない、散ってしまっているというんですかね、そういうことがありますので、なかなかデータがまとまらないとか、そういうこともあると思うんですけれども、是非継続的、これ継続するということがやはり一番大切なことだと思います。継続的そして長期的に集約を進めていただいて、さらには臓器別の小児がんの拠点病院、拠点施設というのを整備するということ、これが必要なのではないかというふうに思いますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
#81
○国務大臣(小宮山洋子君) この点も委員がおっしゃるとおりだというふうに思っています。
 私も、小児がんの保護者の方とかあるいはお医者様からもいろいろお話を承っておりますが、おっしゃったように、非常に全国に散らばっているために一つの病院で症例が集まらないと、そのことが取組が遅れている大きな原因だというふうに聞いておりますので、来年度予算でおっしゃるように拠点化をして、そこでしっかりと対応をするための小児がん拠点病院の機能強化ということで今予算要求をしているところでございます。
 順次、おっしゃるように、様々な、それぞれの類型、種類によってまた研究も進むように、これは本当に子供たちがかかる病気の中で非常に亡くなる率が高いという、それなのに、集まっていないからこれまで余り取組が進んでいなかったものだということは強い認識を私も持っておりますので、これは継続して取り組めるようにしっかりとやっていきたいというふうに思っております。
#82
○三原じゅん子君 ありがとうございます。是非取り組んでいただきたいと思います。
 そして、小児がんの年間の患者数というのも、もちろん御承知のことと思いますけれども、改めてお話しさせていただきますと、二千五百人もいらっしゃる。そして、残念ながら約五百人の方が毎年命を落とすという、本当に恐ろしい病気でございます。と同時に、やはり罹患すると、お子様ですから、当然、保護者を含めた家族の方々のサポートということが大変なことになってくると思います。多くの方々が、お子さんだけじゃなく家族も含め皆さんがこの小児がんという病気と闘っているんだと思っております。
 この小児がんの症状を完治あるいは緩和するということで、現在、そして将来にわたってのやはりマンパワー、これが回復するということでも、小児がん対策というのは将来への貴重な投資というような考え方をしていただいて是非取り組んでいただきたいと心からお願いしたいと思います。
 それから、平成二十四年度の診療報酬改定においてですけれども、報道等で読ませていただきましたけれども、小宮山大臣、小児科の分野を手厚くするというふうにお話しされていると伺っております。
 小児がんの領域の診断や治療、特に放射線治療について、これ成人の方に比べてやはりより精度の高い機器、こういうものが必要になってくる、そういうふうに思っております。診療報酬の加算というのも是非再検討すべきであり、小児がんの対策でプラスの改定というのをされるのはいかがかなというふうに考えておりますけれども、大臣、いかがお考えでしょうか。
#83
○国務大臣(小宮山洋子君) これは小児科の、今重点的にちゃんと力を入れなきゃいけないという診療科の偏在の中でも取り組んでいますけれども、全体に小児科は手が掛かる割に診療報酬の評価などが低いということもその原因の一つだという認識は持っています。
 小児がんについては、治療法、必要な支援がこれは当然大人と違うために、現在、診療報酬の中で現在でも一定の評価は行っております。例えば、外来化学療法の加算一というところで、成人の場合は五百五十点のところを十五歳未満は七百五十点としておりますが、これで本当にまだ十分かどうかということも検討しなければと思っております。
 小児がん、お話にあったように、小児の病気による死亡原因の第一位ということでもございますので、これからも中央社会保険医療協議会などで専門家の御意見も伺いながらしっかりと対応していきたいというふうに考えています。
#84
○三原じゅん子君 ありがとうございます。是非この小児がんについて取り組んでいただきたい、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
 続きまして、今いろいろな報道等で問題になっております脳脊髄液減少症について大臣にお伺いしたいと思います。
 この問題につきましては、衆議院の厚生労働委員会等でもいろんな先生方がお話しされているかと思いますけれども、今ブラッドパッチ療法、これの保険適用について、前向きではあるがすぐには難しいというお答えがあったかと思います。しかし、先進医療として保険診療との併用を認めることについては積極的に進めていくという答弁をいただいているかと思います。患者さんたちにとってはやっと救済の道が開けたというところだと思いますので、是非一日も早く対応していただきたいと思っております。
 しかし、今回の厚労省の研究班の中間報告によりますと、脳脊髄液減少症の存在というのは認められましたが、その診断基準、これはもう脳神経外科学会が出した基準だと思うんですけれども、これは画像による診断であります。それで、これによりますと、子供の場合は非常に診断が付きにくいと言われております。また、首から漏れるということはあっても、腰はじゃどうなんだと、これは考えにくいとする今回の診断基準がありました。もうこうなりますと、多くの患者さんがやはり明らかな画像データがあっても脳脊髄液減少症ではないと診断されてしまう可能性があるということでございます。
 大臣、このことについてはどのようにお考えでしょうか。
#85
○国務大臣(小宮山洋子君) 今二つ、前段と後段とあったかと思いますが、前段の方につきましては、今後、ブラッドパッチ療法など、その治療法の有効性を確認をして、その治療法の確立に向けて今研究を研究班の方で実施をしていますが、それを待ってはいられないということがございまして、先進医療の申請に向けた準備が行われていますので、申請が行われた場合には、専門家の意見を聞きながらですが、保険診療との併用の可否についてこれは検討を速やかに行いたいと、それは前段の方、御紹介いただいたとおりでございます。
 ただ、脳脊髄液減少症の診断、治療法、これを確立するために、脳脊髄液減少症の診断、治療法の確立に関する研究ということで、平成十九年度から厚生労働科学研究費の補助金で助成を行ってきています。平成二十二年度の研究報告では、診断ガイドラインの作成に必要な症例数、百症例を得て診断基準案を策定をしています。また、この診断基準案は、日本神経学会など関係する八学会の了承を得て、今年十月十四日の日本脳神経外科学会のシンポジウムで診断基準として正式に発表をされました。
 御指摘の腰の部分ですとか、これは脊髄から液を取ったりしたときの穴とその区別が付かないとか、いろいろ難しい診断の中身があるというふうには聞いていますし、また子供の事例もなかなか難しいというふうなことは聞いておりますが、研究班によりますと、確かに画像による診断が困難な事例もありますけれども、これまで発症原因や病態などについて専門家の意見が分かれてきたこの疾患につきまして一定程度の先ほど申し上げたような基準が示されたということは第一歩ということは言えると思っていますので、また厚生労働省としても、こうした研究が円滑に進んで、少しでも治療に役立っていくように努めていきたいというふうに思っております。
#86
○三原じゅん子君 是非こういう病気にも光を当てていただきたいと思っております。
 それでは、予防接種法の抜本改正、この理念についてちょっとお伺いしたいと思います。
 二〇〇九年、新型インフルエンザが世界的に大流行いたしました。これで日本の予防接種行政の脆弱さというのが顕在化して、その後厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会というのが新設されまして、予防接種、抜本改正に向けた議論が進められているというのは皆様御承知のとおりだと思います。
 そして、この第一回の予防接種部会で、上田健康局長が、我々としても不退転の決意で大改正に取り組むというふうに述べられたということで、これが話題になったというのがございました。私も、いよいよこの二十年にわたる日本のワクチンギャップというのが解消されるのかなと非常に期待をさせていただきました。
 ところが、最近の予防接種部会の議論を拝見しておりますと、どうもこの局長のお考えが何か引き継がれていないのではないかなと疑ってしまうような内容に変わってきつつあるように思っております。
 世界の医学の潮流の一つは予防の徹底化だと私は思っております。これは、WHOあるいはCDCが中心となって推進もしております。そこで大臣に、この予防接種制度のあるべき理念というものについて、ひとつお伺いしたいと思います。
#87
○国務大臣(小宮山洋子君) 今おっしゃったとおり、予防というのは本当に医療の中で最もこれから重要視をしていかなければいけない部分だという認識は私も持っておりますし、予防接種について全体に先進国に比べて日本が遅れてきたということも事実だと思っております。
 その予防接種制度の見直しについての方向性の検討案というのが今おっしゃったように後退をしているものであるかどうかは、ちょっと私もまたよく中身をチェックしたいと思いますけれども、そういうことはあってはならないと思っておりますので、今対象疾病の見直しを七つのワクチンについてやっているとかいうことは前進する部分だと思いますが、考え方の部分も含めてしっかりと私もフォローをしたいと思っています。
#88
○三原じゅん子君 予防接種に関する評価・検討組織についてでございますが、九月二十九日の予防接種部会で配付された資料を見ますと、現在の予防接種部会を機能強化し、厚生科学審議会の中に設置するということとなっております。これでは閉鎖的な厚労行政に屋上屋を重ねるような結果になるのではないかと私は強く危惧しております。
 原子力行政の組織的な欠陥として、経産省の中に原子力安全・保安院というのが置かれていたということで必要な牽制が働かなかったということが私は広く指摘されていたんではないかと思います。これ、予防接種行政でもこういう原子力行政と同じような失敗を私はしないためにも、予防接種の評価・検討組織というのは、やはりACIPと同様に独立した検討組織であるべきなのではないかなというふうに考えております。
 予防接種の評価・検討組織というのはどうあるべきか、そして、特にこの組織の独立性とか公正性というものについて大臣はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
#89
○国務大臣(小宮山洋子君) 予防接種の行政全体について総合的、恒常的に評価、検討を行う専門的な機関がきちんと位置付けられるということは大変重要なことだと思っています。
 今委員は原子力行政の話をされましたけれども、原子力行政の場合は、そこを推進する者とそれからチェックをしてどちらかというと止める側とが一緒にやるのはおかしいということなので、それがイコール予防接種に当たるかどうかというのはちょっと違うのかなという感じは私は持ってはいますけれども。
 きちんとその行政が行われているかどうかをどうチェックするかというのは日本の全体の仕組みの中で大変難しい問題で、オンブズパーソン的なものをどこにつくったらいいのかみたいなこともずっと検討をされているかと思うんですけれども、今この予防接種につきましては、専門的な組織の在り方について厚生科学審議会感染症分科会の予防接種部会で議論を進めているところで、部会の委員の方からも組織の位置付けとか委員の構成あるいは開催頻度とか事務局体制の在り方などについていろいろ御意見をいただいているところですので、また委員の御意見も参考にさせていただきながら、どういう形で位置付けるのがよいのかを検討していきたいと思っております。
 先ほどちょっと言いかけましたけれども、例えば消費者行政のときに、消費者庁と消費者委員会、私どもは消費者権利院のようなオンブズパーソンの組織が必要だという主張をしてまいりましたけれども、今の全体の行政の組織の中でチェックをしなければいけないものはいろいろあるんですが、それをどのように位置付けるのか、各省の中できちんとできるようなところをつくるという場合と、内閣府が今度は今肥大し過ぎてしまっているので、内閣府、内閣官房のところに何をぶら下げるかどうかということは、行政全体の中で見直さなきゃいけない問題でもあるかというふうな認識は持っております。
#90
○三原じゅん子君 検討あるいは評価ということに関しては、やはり独立性とか公正性というものをしっかりと考えていくということがやはり新たな試みになるのではないかなと、私はそのように感じております。
 それでは、トラックドライバーの方々の過労死の問題についてお話しさせていただきたいと思います。
 今でも震災復興のために毎日物資などの運送、輸送のために各方面、いろんな方面へトラックを日々走らせている運転手の方々がたくさんいらっしゃると思います。昨今より、雇用問題、いろんな問題がありますけれども、そういうことが取り上げられることも多くございますけれども、本日は逆に、ワーキングプアというか、一生懸命働いて、その結果、余り、収入は少ないけれども、仕事はあるけれども非常に労働時間が長いんだ、つらいんだというような方々の過労死というような問題についてお聞きしたいと思っております。
 現在、トラックの運転手の方々というのは全国に百三十万人強いらっしゃるということでございます。私、運輸物流改革議員連盟というのの事務局長もさせていただいております。その中で、やはりこの過労死というのの割合が圧倒的にこの業種の方々が高いんだということ、これは大きな問題である、看過できない問題であるというふうに思っております。
 そして、この過労死についてなんですけれども、貨物自動車の運転者のうちトラックの運転者に限って見ますと、平成二十一年度ではその占める割合というのが一七・九%にも上っているというふうに報告が出ております。これは従事者数などから見ると本当に高い割合になっているのではないかと思っております。当然、厚生労働省からは検査あるいは調査、指導というものが行われているかとは思いますけれども、それだけではどうしようもならない構造的な問題点というのも挙げられているのかなと思っております。
 まず、大臣、このことについて、この過労死問題についてどのようなお考えをお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。
#91
○国務大臣(小宮山洋子君) 過労死の問題につきましては、私も放送局の解説委員をしていたときからずっと過労死の問題は取り上げてまいりまして、過労死で夫や家族を亡くされた皆様、家族の皆様が、命より大切な仕事って何ですかという手記をつくられまして、そういうことにもかかわらせていただいていたので、過労死というのは本当に、海外でもローマ字でKAROSHIと書いて日本の特殊なひどい働き方のことが言われているような現状があることはよく認識しておりますので、ここはしっかりと取り組まなければいけない問題だという認識は持っております。
#92
○三原じゅん子君 それで、元請企業が下請企業に低運賃で、丸投げという言い方をするんですけれども、丸投げして、それでまたその二次下請、三次下請というような多層構造化というような形になってしまっているんですね。そのために、末端で実際にトラックを走らせている、実運送企業というんですけれども、その方たちの基準運賃というのが非常に低下している、それでもそのまま走り続けているんだというのが現状でございます。
 私も、議連では、長時間労働の抑制、年次休暇の取得の促進、あるいは企業においての健康管理の徹底、このようなこともいろいろと要請してまいりました。しかし、全国の労働基準監督官が必要な事務所への臨検監督を行って労働基準法違反などの是正に努めているとは思いますけれども、有給休暇を取る余裕すら現場にないというのが私は実情なのではないかなというふうに考えております。実際、朝出ていって九州へ行っていたと、次の日は千葉だと。走っていって走っていって、家にも帰ることもできない、それで月々手取りが二十五万円程度であると。これ時給に換算しますともう約七百円とかそういうことになってしまう。
 それで、よくドライバーの方たちとお話しさせていただくんですけれども、よく幻覚を見るそうです、高速道路を走っていて。で、休憩所でドライバー同士がお会いすると、今日どんな幻覚見た、自分は道路が壁になっている、そういうのを見たよ、いや、僕はこういうのを見たよと、そういう話が実際にドライバー同士の中でお話しされていると。それぐらい恒常的に追い詰められているんだという、こういう現状があるというふうに伺っております。
 労働基準監督署で指導しても、削れるところはもう削り尽くしている、これが末端の企業は改善の余地すらないのではないかと思っております。で、そのしわ寄せというのがトラック輸送での労働者の賃金に掛かってきている、ゆえに長時間労働をしなければならない、そして過労死の実態というふうになっているのではないかと思っております。
 厚生労働省として、問題意識を深く持って実態も調査していくというお話もありましたけれども、大臣、こういうことについて率直な御意見、お聞かせ願えますでしょうか。
#93
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘いただいたように、バス、タクシーも非常にやはり過労死とかが多いんですけれども、中でもトラックについて非常に厳しい労働条件であるという認識は持っています。
 厚生労働省としても、労働基準監督機関で労働基準法や改善基準告示、これはトラック、バス、タクシーなどの自動車運転手の労働条件の向上を図るために、その拘束時間や休息時間、運転時間の基準を定めた大臣告示なんですけれども、こうしたものの遵守の徹底を図るように、トラック運転手を使用する事業場に対して重点的に監督指導を実施をしています。
 また、最低賃金法や改善基準告示などの遵守徹底を図るために、労働基準監督機関と地方運輸機関との合同の監督、監査ですとか、法令違反などについての相互の通報などを国交省と連携も取ってやっている。合同監督、監査の件数というのは、平成二十二年にトラック事業場九十九件で行っていまして、相互通報の件数というのが、平成二十二年にこちらの労働基準監督機関から地方運輸機関に通報した件数が七百八件、その逆に国交省の方からこちらへ来た通報が四百八件ということで、今、国交省との連絡会議も通じまして、運転手の方の労働条件改善、運送の安全について意見交換とか情報の共有を図っています。
 御指摘を委員がされましたように、トラック運転者の労働条件につきましては、やはりトラック運送業に関する規制ですとかトラック運賃などの下請取引の状況とか、そうしたことも密接に関係していると思っていますので、今後ともそうした部分も含めて国交省とも連携を取りながら体制を強化をして取り組んでいきたいというふうに考えています。
#94
○三原じゅん子君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 そこで、昨年、我が議連で要望しまして、国土交通省が実施したトラック輸送の実態に関する調査、それとトラック運送事業の運賃・原価に関する調査、これの報告書が夏にまとめられたと思っております。これ、目を通してみまして、余りに現実と乖離する結果に私は驚いたんですけれども、国土交通省としてこの報告を今後どのように生かされていくおつもりなのか、具体的な方針というのを是非お聞かせいただきたいと思います。
#95
○政府参考人(坂明君) トラック事業の規制緩和後、トラック事業も厳しい競争環境の下にありまして、現在、規制緩和後の課題とされております適正運賃収受のための取組や最低車両台数の在り方等について関係者によるワーキンググループを設置して検討を進めているところでございます。
 ワーキンググループにおきましては、課題解決に向けた検討のため、全国八千事業者を対象とするトラック輸送の実態に関する調査等を実施いたしまして、調査結果を本年九月に公表をさせていただいているところでございます。この調査によりまして、各事業者が設定しております運賃体系が多岐にわたっていること、車両規模と営業収支率に相関が見られることなどが判明しております。
 これらの調査結果を活用いたしまして、今後、更にワーキンググループを開催いたしまして、これまでの議論について論点整理を行いまして、輸送の安全確保、また適正な労働環境の維持という観点も含めまして、適正運賃収受のための取組、最低車両台数の在り方に関してどのような施策が必要か、しっかりと検討を深めてまいりたいと考えております。
#96
○三原じゅん子君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、最後に、先ほどまでずっと子供たちの命の話をさせていただきましたけれども、今度は高齢者の方々の、高齢者の肺炎球菌ワクチン、このことについて大臣にお伺いしたいと思います。
 テレビのコマーシャル等で最近よく見かけるこの高齢者の肺炎球菌ワクチンのことなんですけれども、現在、自治体でいろいろと公費助成がされていると聞いております。六百五十七、約三分の一の自治体が今何らかの形で公費助成してくれていて、そして、日赤でも何と被災地にこのことで助成をしていただくということだと聞いております。それでもまだ推定接種率というのは約一一・八%、まだまだ受けている方が少ない。
 当然、これを、自治体で公費助成されているところでは接種率は高くなっているということは、やはり希望する方々にこのことを国がしっかりと助成していくということが必要なのではないかと思いますけれども、このワクチンに関して、大臣、いかがお考えでしょうか。
#97
○国務大臣(小宮山洋子君) 成人用の肺炎球菌ワクチンにつきましても、先ほどお話をしていました予防接種部会の方で、新たに予防接種に位置付けるかどうかを検討している七つのうちの一つになっています。それでまた、厚生科学審議会感染症分科会の予防接種部会の下にワクチン評価に関する小委員会、これを設けまして、成人用肺炎球菌ワクチンなどについて、その効果ですとか安全性に加えて医療経済的な評価を行っていただきまして、今年三月の十一日に報告書を取りまとめていただきました。その報告書では、成人用肺炎球菌ワクチンについて一定の仮定の下で医療経済的な比較分析を行ったところ、年間およそ五千百二十億円の費用低減効果があるというふうに推計をされています。
 このワクチンの評価につきましては、医療経済的な分析だけで行えるわけではないので、効果ですとか安全性など総合的に考えていく必要がございますので、引き続きこれはしっかりと検討を進めていきたいというふうに考えています。
#98
○三原じゅん子君 是非、高齢者の方々、これだけ医療費というのが問題になっているわけですから、六十五歳、今大臣がおっしゃったように、五千百二十億円ですか、医療費が節減できるというのであれば、何としてでも、インフルエンザのワクチンとこれ一緒に打っていただくとより効果が上がるということでありますので、是非このことについてもしっかりと取り組んでいただきたい。子供も高齢者も女性もしっかりと命を守っていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#99
○大島九州男君 民主党の大島九州男でございます。
 今日は三つ課題を質問させていただきますが、まず一番最初に、新聞報道で、年金減額、民主党も了承、特例の払い過ぎ分ということで、こういう記事が出ておりました。
 過去の物価下落時に年金が特例で据え置かれ、本来より高い額が払われている問題で、民主党の年金作業チームは二十九日、年金を減額して本来の水準に戻すべきだとの意見をまとめた。政府側も来年度からの減額に前向きで、関連法案が来年の通常国会に提出される公算が大きくなった。可決されると、来年度の年金は、今年の物価下落に伴う減額分も加え、更に下がる。年金は毎年度、物価の変動に応じて支給額が増減調整されている。しかし、自公政権が二〇〇〇年度からの三年間、物価下落にもかかわらず減額を見送ったため、現在の年金額は本来より二・五%分高くなっている。政府の行政刷新会議は二十三日、来年度から払い過ぎを解消するよう提言。小宮山洋子厚生労働相も前向きな姿勢を示すと。
 こういうニュースがありますけれども、この件について少しちょっと分かりやすく御説明をしていただければと思います。
#100
○副大臣(辻泰弘君) まず、現在の制度を申し上げたいと思いますけれども、年金の物価スライドは、物価上昇率に応じて年金額を改定することによりまして、物価の変動にかかわらず、年金受給者の購買力を維持するために行われているものでございます。現在支給されております年金額は、過去の物価下落時に特例的に年金額を据え置いたことから、法律上、本来想定している年金額と比べまして二・五%高い水準となっているというものでございます。
 六月三十日決定の社会保障・税一体改革におきましては、急速な少子高齢化が進行する中で、将来の現役世代の負担が過重なものとならないよう、給付水準を本来の水準に戻し、年金制度の長期的な安定を確保する必要があるという観点から、御指摘のいわゆる特例水準の解消も含めて、デフレ経済下における年金財政安定化方策の在り方について検討することとされたところでございまして、その改革案を受けて、現在、社会保障審議会の年金部会、また与党内の議論などが行われているところでございます。
 政府といたしましては、できる限り早期にこの特例水準の解消を図る必要があると考えているところでございまして、年金部会等の議論も踏まえながら速やかな実施に取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
#101
○大島九州男君 私も地元、いろんなところを回りますと、お年寄りから、また年金下がるの、何とかしてよというふうに言われて、ちょっと簡単に説明したんですけれども、こういう制度があってと、元々特例で二・五%高くなっているんですよと。でも、それはなかなかおじいちゃん、おばあちゃんには理解されないんですよね。
 だから、元々のこの年金の制度の周知というものができていないということも一つ大きな問題であるんですが、現実問題を見なくてはいけませんから、当然その二・五%の是正を何年掛けてやるのかによってもまた違ってくるでしょうし、そのときの物価の変動によっても違ってくる。これはもう非常に難しい計算にはなると思うんですけれども、仮に今の物価水準が変わらないとして、そしてこの年金の二・五%の差額を三年なのか五年なのかで埋めるのかというような形になったときに、一つの例で結構ですから、年金が大体幾らぐらい変動していくのかというものを、ちょっと分かれば教えていただきたいと思います。
#102
○副大臣(辻泰弘君) 仮に特例水準を三年間あるいは五年間で解消するとした場合の数値を示すべしという御質問をいただきました。
 まず現状から申し上げますと、平成二十三年度の老齢基礎年金の額は、満額で月額六万五千七百四十一円となっているところでございます。そして、仮に物価、賃金の変動がないものとして、特例水準の解消に向けて年金額を毎年度一定の率で引き下げることとした場合の年金額の推移について機械的に計算をいたしますと、まず、二・五%分を三年間で、例えば最初の二年間に〇・八%分ずつ、三年目に〇・九%分を解消することとした場合には、初年度の年金額は月額六万五千二百八円、二年度目は月額六万四千六百七十五円、三年度目は月額六万四千六十六円となります。また、五年間で毎年〇・五%分ずつ解消することとした場合には、初年度の年金額は月額六万五千四百八円、二年度目は月額六万五千七十五円、三年度目は月額六万四千七百四十一円、四年度目は月額六万四千四百円、五年度目は月額六万四千六十六円になると、このような数値になります。
#103
○大島九州男君 新聞報道では、三年掛けて解消する案でいくとというふうにして、値段が約六百六十円、月下がるというような、そういうふうな書き方がされてありましたけれども、これは仮に今の景気が変わらない状況でという前提ですから、私は今日は何が言いたいかといいますと、この物価スライド、今非常に景気が悪いということですからこういう状況ですけれども、逆に物価が上がれば年金が上がるわけですよね。だから、ここの部分をもうちょっと、やはり我々としては前向きに、お年寄りに希望と夢を与えるという意味でも、しっかりと我々みんなが頑張って物価を上げていく、景気を上げていくというような、そういう気持ちを共有する一つの材料にしなくちゃいけないんだなという、そういう思いで受けたわけですよ。
 仮に、これが三年で今言う六万四千六十六円に下がるのか、五年で六万四千六十六円に下がるのかというそのタイムラグでいくと、この三年で景気が上がっていけば一番いいわけですけれども、そういう意味では、五年という一つの緩やかな少しはカーブがいいんではないかという、そういう考え方を持っているんですけれども、これ今議論されているということなんですが、見通し的には三年、五年というのはどういう感じなんでしょうか。よかったら、じゃ、大臣、お答えになりますか。
#104
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員がおっしゃったように、本当に御高齢な方で年金だけで生活していらっしゃる方が六割いらっしゃると。その方への生活への配慮が必要なことはもちろんなんですけれども、ただ、このままでいきますと、将来の、今度は、私どもの社会保障改革は、現役世代あるいは子供の支援も含めて全世代型にすると。将来のやはり担い手の皆さんの年金がこのために先細っていってはやはりまずいので、そういう意味で今回その特例水準はなるべく早く解消をしなければというふうに思っているところです。
 先ほど、物価が上昇すれば上がるんですよねというお話がございまして、本来水準が物価や賃金の上昇に応じて引き上げられる結果、特例水準を上回って年金額が引き上げられるということはあるんですけれども、ただ、持続可能にするために、マクロ経済スライドが特例水準を解消しますと発動いたしますので、そうすると、特例水準を平均的に〇・九%以上上回ったときに上がっていくということになるので、なかなかこれもまた複雑な制度ですので説明の仕方が難しいと思うんですが、この年金のことだけではなくて全体の、超少子高齢社会の中での持続可能な、みんなが安心できる制度にするためにはそれぞれどうしたらいいかというところまでなるべく併せて説明をしていただけるように、間もなく社会保障改革の全体像をお示しをしたいと思っていますので、その骨格になるようなものを、それを分かりやすくお話しいただけるような材料もしっかりと用意をしたいと思いますので、なかなか地元で説明をされる苦労というのは分かりますが、全体のためにやはりこの特例水準というのは、三年か五年かは今まだ党の方も審議会も協議中でございますので、全体的な、ここだけではなくて全体のバランスを見ながらしっかりと検討していきたいというふうに考えています。
#105
○大島九州男君 この年金の問題については持続可能という一つ大きなテーマがありますので、小泉さんのときにマクロ経済スライドというのが入るときに、本当に大丈夫かいなというふうな思いをした記憶があるんですが、結局、今回の、二〇〇〇年のときに、そのときに素直に物価スライドしておけばこういう問題にはなっていないんでしょうけれども、やはりそのときの政権も、お年寄りに配慮だとか、そういった部分で下げられなかった部分は僕は大いに理解はできるんですね。
 だから、そういった意味で、今非常に厳しいときに、ぎりぎりの状況になってこの政権でそういう厳しい選択をしなければならなくなったというのもこれも一つは仕方がないことといえば仕方がないことでありますけれども、やはり二・五%を上回る、そしてまた年金スライドのマクロ経済スライドの部分も上回るぐらい日本の景気が上回ることを願ってやみません。
 とにかく、今回のこの件については非常に厳しい選択でありますけれども、やはり若い人たち、若年層の人たちにも夢のある年金として生まれ変わるためには抜本的な改革が必要でしょうから、真摯な議論を進めていきたいというふうに思っております。
 それでは、次の質問に移ります。
 先日、障害者雇用に関する統計が発表されましたけれども、この点、ちょっと簡単にどういう状況だったかというのを御報告いただければと思います。
#106
○委員長(小林正夫君) どなたでしょうか。
#107
○大島九州男君 ちょっと質問の仕方を変えます。
 障害者雇用促進法で、今回、定められている雇用義務の一・八%に及ばなかったというふうなことになっておりますけれども、ここの部分、民間企業の努力によって八年連続で障害者の雇用数が増加していると。これは数字のマジックじゃないですけれども、結局、働く人、パートの人の短時間労働者も含めてそれを分母にし、そして障害者の数を分子として計算するとこの一・八%に及ばなかったという状況はあるんですけれども、現実的には障害者の雇用の実数は増えているという、そういう理解をしておりますが、それはそういう理解で間違いないんですよね。
#108
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘のとおりだと思いますけれども、本年六月一日の民間企業の規模別の障害者雇用率は、中小企業の五十六から百人未満規模で一・三六%、百人から三百人未満規模で一・四%と低調な状態になっているということでございます。民間企業の雇用状況、実雇用率一・六五%、法定雇用率達成企業割合四五・三%と、そういう状況でございます。
#109
○大島九州男君 今日は何が言いたいかといいますと、ちょっと資料でお配りをしていると思うんですが、障害者雇用納付金制度と。ここには、雇用率未達成企業、常用労働者が二百人超えの企業から納付金を徴収して、雇用率達成企業などに対して調整金、報奨金を支給するとともに各種の助成金を支給している。これはこれで大変すばらしい制度だとは思うんですけれども、中小企業と大企業というものを一律に見ていくのはどうなのかと。
 やはり、私ども、中小企業といいますと、すぐ私の頭に来るのはもう超零細、例えば五人、十人、そういったところの中小企業と、今言う常用労働者が二百人とか百人とかいうような中小企業とでは大きく差があると思うんですね。だから、そこを考えたときに、大企業のその雇用の義務の率と、当然、中小企業の雇用の率というものについては大きく差を付けてもいいんじゃないかと。そしてまた、助成の仕方、中小企業に対するその助成金額とかそういったものについても段階的に区別をしてもいいんじゃないかという、そういう考え方を持っているんですけれども、そこら辺を、どういうお考えかというのを聞かせていただければと思います。
#110
○副大臣(辻泰弘君) これまでも中小企業にはハローワークによる助言、指導や特定求職者雇用開発助成金などの中小企業に配慮した助成金を通じまして雇用促進を図ってきたところでございますけれども、今後ともそうした支援を充実していく必要があると、このように考えているところでございます。
 また、平成二十二年三月の特別支援学校卒業生のうち二四%が一般企業に就職されておりますけれども、今後とも、教育と雇用分野との連携を強化し、障害者雇用を更に進める必要がある、このように考えているところでございます。
 こうした中小企業への支援や、教育から一般就労への移行の更なる加速という課題について今後の取組を検討するために、先月、教育、福祉、雇用の関係者などを委員とする研究会を立ち上げさせていただきまして、地域の就労支援の連携の在り方などについて議論を開始したところでございます。
 今後、この研究会での御意見を踏まえ、一人でも多くの障害者が働くことを通じて社会参加を実現できるよう、課題解決に向けて取組を、検討を進めていきたい、このように考えているところでございます。
#111
○大島九州男君 大変その考え方は有り難いことでありますけれども、具体的には、やはり特に地元の小さい企業が近くの作業所やいろんなところで働いている障害者の人を雇用するというのはなかなか現実的には難しい状況にあるわけですから、そういった地元の企業で本当に身近な障害者を雇用するというようなことに対して中小企業が積極的に一歩でも二歩でも足を踏み出せるような、そういう具体的な制度をつくっていただくということを常に願ってやみません。
 やはり障害者をお持ちのお母さん、お父さん又は家族は、その障害者が、自分たちがいなくなったときに本当にその子が笑顔で暮らすことができるのかということを常にお考えになられている。やはりそういった意味で自立という部分、その子が本当に自分で一人で働いて生きていけるんだろうかという、そういう思いを常に抱かれているという中では、やはり特に、特別支援学校に通い、そしてそこを卒業して、それから働く場所があるかないかというのは大変将来にわたって非常に大きな問題になるところであります。そしてまた、なかなか都会の大きな企業だとかそういうところに行ける人は非常に少ないんじゃないかと。だから、地域の本当に身近な中小零細企業にお世話になることができるような、そういう具体的な支援をつくっていただくことを、具体的に是非進めていただきたいということを要望して、午前中の質問はこれで終わりますので、午後は統合医療をやらせてもらいますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
#112
○委員長(小林正夫君) それでは、午後一時に再開することとして、休憩をいたします。
   午前十一時五十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#113
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題として質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#114
○大島九州男君 大島でございます。
 それでは、午前中に引き続きまして、鳩山総理が誕生したときに、統合医療ということで所信表明演説にもありました、この統合医療の普及促進をする議員の会といたしまして事務局をさせていただいております中で、ここの部分については東大の渥美先生からいろいろ御指導をいただいておりまして、渥美先生から東日本大震災の特徴ということで、今回、東日本大震災では統合医療は大変大きく貢献したという、そういう発表を先生がされていらっしゃいます。
 大きく言われていることは、今回の大震災で電気、水、ガスなどのライフラインが断たれたときに、近代西洋医学では十分に能力を発揮できなかった部分について、統合医療の要素である相補代替医療の漢方、はり、ヨガ、マッサージ、アロマテラピー、音楽療法などは被災者の癒やしに大いに役立ったと、そして、東日本大震災では医療が大きく変わったというふうに発表されていらっしゃいます。エネルギーを消費しないエコ医療へと、治療中心から予防、健康中心へと、そして、自分の健康は自分で守るセルフケアへということを先生は提言をされていらっしゃっておられます。そして、今後は、この東日本大震災を受けて、医療が大きく変わっていかなくてはならない一つのきっかけにもなったというようなこともおっしゃっていらっしゃいますが。
 この統合医療という部分については、よく玉石混交だというようなことで言われており、なかなか国民の皆さんにもそこの部分は周知をされていないというところがあるわけですけれども、やはりその玉石混交と言われる免許のない部分、当然、よく言われるリラクゼーションマッサージだとか謎の整体師なんていってよく言われておりますけれども、そういう免許がない人たちとやはり国家資格をいただいている人たちの違いすらなかなか分かっていないということがあるんですね。
 実は、僕はよく例えるんですけれども、多くの国民の皆さんは車の免許を持っていて、その車の免許を利用して、活用してお金を稼ごうと思ったら二種免許を取りに行く、タクシーに乗るとかバスに乗るとかいうことでそういう免許制度が確立されているものですからそちらへ行かれるんですね。毎日料理をする、その料理をすることによって自分がそこでお金を稼いで商売をしようというふうになると調理師免許を取りに行くというようなことがあるんですが、この用手療法で言うマッサージ、当然国家資格のあるマッサージ師さんとリラクゼーションマッサージをするというそういう人たちは、これ免許みたいなのがないものですから、なかなか国民は分かりづらいということになっているのが現状じゃないかというふうに思うんですね。特に、国家資格のある鍼灸、あんまマッサージ師さん、そしてまた柔道整復師さんという、そういった世界の部分の人たちがいただいている保険の給付、この部分についても、療養の給付と療養費というふうに医科の場合とちょっと呼び方が違ったりしているところも非常に分かりにくくなっているんじゃないかと。
 ここでちょっと一つの質問としては、療養の給付と柔道整復師療養費や鍼灸、あんまマッサージ指圧療養費などのこの療養費の金額、今、平成二十一年度の国民の医療費が三十六兆円を超えて、年々増加するというふうに至っておりますけれども、この療養の給付と療養費の違いや、そしてまた今のこの推移、金額がどれぐらい動いているのかというのをちょっと簡潔に御説明いただければと思います。
#115
○政府参考人(外口崇君) 医療保険の給付対象としては、保険医療機関の医師による診察などに関して行われる療養の給付と、柔道整復師、はり・きゅう師、あんまマッサージ指圧師の資格者による施術などに対して払われる療養費があります。この療養費は療養の給付で果たすことのできない役割を補完するものであって、本来は、患者さんが費用の全額を支払った後で保険者へ請求を行い支給を受けることが原則となっております。
 平成二十一年度では、それぞれ医療費ベースで、柔道整復施術の療養費が四千二十三億円、はり・きゅうの療養費が二百九十三億円、あんまマッサージ指圧の療養費が四百五十九億円となっております。
 また、近年の伸びの状況ですけれども、柔道整復施術の療養費については、近年国民医療費の伸びを上回って増加している状況にあります。
#116
○大島九州男君 今お話にありましたけれども、お医者さんのところで補完するのが、今言う柔道整復師や鍼灸、あんまマッサージさんの療養費であると、この療養費の伸びが大変大きくなっているというようなことをお聞きしました。
 私どももそれをいろいろ調べてみると、どういうことで起こっているかというと、やはり、元々柔道整復師さんというのは、歯医者さんが昔抜き歯、差し歯というふうに言われたときの抜き歯、差し歯、骨接ぎというふうな形で言われていた人たちが国家資格になるときに柔道整復師というような形で発展をしていったと。もう昭和十一年ごろから受領委任払いというこの制度ができて、今お話にありましたように、元々償還払いをしなければならないそういう部分が、患者さんの利便性のためにという、特別にそういった支払をしていくことからだんだんだんだん広がっていき、専門学校も増えて、そして、専門学校三年で国家資格を取るとすぐ開業するというような状況になっていて飛躍的に増えていったというふうに、私どもはそれを理解しているんですね。
 だから、そこでいろんなそごが生まれている。それは何かと。整骨院、そういったものがどんどん広がっていくけれども、国民の理解は、今言うように、町のリラクゼーションのマッサージ屋さんと国家資格を持っていらっしゃる鍼灸、あんまマッサージの人、整骨院の違いもなかなか理解できていないというようなこともある。
 そうであれば、先ほど例に挙げましたように、二種免許のようなものをつくって、やはり国民の皆さんにより多く周知をする必要があるだろうと。そして、お医者さんのように、やはり国家資格を取って、臨床研修という何年間かしっかり研修を積んで、そしてそれから実際に開業をしていくというような、そういうやり方も必要ではないだろうかということを考えるわけですね。
 簡潔に言いますと、やはり国家資格を三年の専門学校で取得をし、取得をしというか勉強をして、国家資格の受験を受けて柔道整復師の資格を取りましたと。そうしたら、そこですぐ開業できるような形ではなくて、やはりそこにはお医者さんのように研修を積んでいただくというようなことがあって、その先にその療養費を扱える施術ができるような資格を一つプラスすることによって一つ大きな違いが出てくるんではないかというふうに思っているわけです。
 こういう話をしますと、いや、今、専門学校が昔十四校ぐらいだったのが今は百九校ぐらいになっているんですとか百十校を超えちゃったんですという話になるんですね。だから専門学校がやっていけないじゃないですかと言う人もいたので、いや、それは、私が先ほど言いましたように、二種免許のようなものをつくって、徒手整復というような形でお金を稼ごう、仕事として働こうという人は、専門学校へ行ってそういう技術を身に付けて資格を持って働きに行くというようなことが定着すると、国民の皆さんも、ああ、これは自分の自費で行くリラクゼーションだとかいうののマッサージだなと、そして、こっちはお医者さんの同意を得ていくマッサージ、それで療養費がもらうところだなとか、それとか、整骨院でやる治療というか施術であるとかいうような区別がある程度国民にも理解されていくだろうというふうに思っているわけなんですね。
 そこら辺、副大臣、考え方としてはどういうふうにお考えになられますか、御意見を。
#117
○副大臣(辻泰弘君) 大島委員がかねてよりお取り組みになって、専門的に考えてこられたお立場からの御提起を含めた御意見をいただいたところでございます。
 現状を申し上げますと、柔道整復療養費については、国民医療費の伸びを近年上回って増加している状況にあるわけでございます。同時に、会計検査院からも柔道整復療養費の支給を適正なものとするよう意見が表明されているという、これが現状でございます。
 委員から御指摘いただきました二種免許という表現であったと思いますけれども、ある面、卒後臨床研修みたいな意味合いもあるかもしれませんが、そのような考え方というのも適正な支給に向けた提案の一つであるというふうに考えるところでございますけれども、厚生労働省といたしましては、平成二十四年度に予定をしております療養費改定において適切に対応するとともに、施術者や保険者等の関係者からの御意見を伺いながら、柔道整復療養費の在り方の見直しについて検討を行っていきたい、このように考えているところでございます。
#118
○大島九州男君 私もいろいろこの問題、七年ぐらい時間掛けていろんな人から話を聞いて整理してみると、いろんな手当ては打たれたんですよね。いろんなことをやられているんですよ、皆さん。
 それで、前回、療養費の改定のときも領収書の義務付けであるとか、そういったこともいろいろやられているんだけれども、根本的な問題は、やはり保険を請求するときに、保険を請求する権利者が誰なのかと。基本的には、お医者さんの場合はお医者さんの責任でちゃんと保険請求していただくわけじゃないですか。ところが、この柔道整復師の場合は、請求権者は患者さんで、そして代理的にその柔道整復師の先生が請求をしていただいているという、こういうところに根本の問題があるんだというのが僕の認識なんですね。
 これは、患者さんの利便性のために当然入れられた受領委任払いというこの制度は私はしっかりと、厚労省が導入したときのイメージとしては大事なんですけれども、でも、私はそれをもっと進化させて、どういうふうにやるかというと、先ほど言いましたように、その国家資格を取って数年間研修を積まれた方が、仮称でありますけれども、例えば統合医療療養費保険制度みたいなのがあって、その先生たち、研修を積まれた先生がその保険の試験を受けられて、それに合格をした人が、これは当然国家資格として合格をした人が自分の責任で請求権者となって保険を請求するという、そこに責任を持っていただくことで間違えた請求やいろんなそごのあるような請求は極端に減るんじゃないかというふうに、私はそう思っているというのが一点。
 この柔道整復師の徒手整復という技術というものは、骨折、脱臼、骨接ぎという昔から言われたやはり柔道を通じて必要な技術として、やっぱりその場ですぐ治療して治していったという実績とその技術というのは大変すばらしいものがある。だから、こういう技術をしっかりとやっぱり認めて、お医者さんの中にも、自分はメスを使って外科手術をするけれども、いや、自分は徒手整復専門で骨を治すというお医者さんがいてもいいはずなんですね。
 だから、そういうふうへとしっかりと進化をしていくようなことも考えていかなくてはいけないでしょうし、そのためにもやはり保険の制度自体をしっかり抜本的に変えていかなければ、今の制度の中でいろいろ厚労省も取り組まれてきたり業界団体の皆さんも自助努力をされてきた中で有効な手だてが打てていないということを見たときに、先ほど副大臣がおっしゃった、やはり制度の在り方を抜本的に見直す時期に来ているんだというふうなところに行き着くと思うんです。
 新聞報道やいろんなものを見るといかにも悪いイメージを持つ報道がされますけれども、これは、例えはいいか悪いか分かりませんが、お医者さんの中にも、また警察の人にも、いろんな政治家にも、一部何か悪いことをする人がいるとその業界が全部そのようなイメージの報道をされてしまっておりますけれども、実はそうじゃない。真面目にしっかりやっていらっしゃる人たちがいらっしゃるわけですから、そうしたら、その技術そのものをしっかりと伝承していく。特に、日本の伝統的な施術的治療というか施術をしっかりと守っていくということもやはり厚労省はやらなければならない立場であると、私はそう思っているんですけれども、副大臣、そういった抜本的な制度の見直しについて前向きに御検討をいただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
#119
○副大臣(辻泰弘君) 厚生労働省といたしましては、国民の医療、健康を守るということが大事な私どもの対策の、行政の根幹にあるわけでございますし、それを担保する制度をどのようにつくっていくかということが根本に、私どもに課せられた責務でもあるわけでございます。
 委員の御提案は適正な支給に向けた提案の一つであると、このように考えるわけでございますけれども、私どもといたしましては、関係者の御意見も十分伺う中で柔道整復療養費の在り方について今後検討を行っていきたいと、このように思っているところでございます。
#120
○大島九州男君 ありがとうございます。
 我々もいろんなところで勉強させていただきますし、当然これはもう、医療、お医者さんの世界や保険者さんの世界やいろんな人たち等のやっぱり意見を聞いて、そして最後はやっぱり国民、患者さん本位のきちんとした制度をつくるべきだというふうに思っておりますので、その件については今後とも皆様方と一緒にいろいろ協議をしていきたいというふうに思っております。
 最後になりますけれども、それこそ事業仕分で、支払基金と国保連合会の件について、これ統合した方がいいんじゃないかというふうに意見が出たというのを聞いて、私自身も支払基金と国保連合会の仕事の役割の違いというのは認識しているつもりなんですが、これを今一気に統合することがいいのか悪いのかというようなことについてはいろいろ議論があると思うんです。
 まず、是非、支払基金と国保連合会の役割の違いとか、同じところもありますけれども、違いとかいうのも簡単に説明していただくと有り難いのですが。よろしくどうぞ。
#121
○副大臣(辻泰弘君) まず、現行制度について申し上げますと、現在の医療保険制度では、保険者が診療報酬を審査し保険医療機関に支払うことになっているわけでありますけれども、支払基金は、この診療報酬の迅速かつ適正な支払を確保するため、保険者の委託を受け、診療報酬の審査、支払の業務を行っているものでございます。一方、国保連は、市町村国保と国保組合が共同で設立した保険者の団体であり、診療報酬の審査、支払の業務だけでなく、レセプトによる高額医療費の共同事業や被保険者証の作成、医療費通知の作成など、市町村国保の共同事業を担っているところでございます。
 御指摘のように、統合を行った場合を考えますと、システムが一本化されることによるシステム更改の経費の縮減や事務所等の経費が削減されることによって、中長期的に見れば業務コストの削減が期待できるとの指摘もあるわけでございますが、一方で、国保連では、仮に審査の事務だけを取り出すことになった場合、レセプトを活用して行っている高額医療費の共同事業など、保険者の業務の実施に支障が生じるおそれがあるほか、競争を通じて質の向上とコスト削減を進めるということが困難になると、このような可能性も懸念されるところでございます。
#122
○大島九州男君 私どもも、この国保連合会のレセプトの審査だとかその他の業務と、それと高額医療の関係の相互扶助精神みたいな仕組みのシステムが担保されているという、その中でやられているということを、あの事業仕分をされている人とか国民の皆さんとかどこまで何かお分かりだったのかなという部分もあるんですね。
 確かに、二つのものを一つにすればコストは安くなるという感じはするかもしれませんけれども、多分、支払基金で使っているシステム、コンピューターソフトだとか、国保連合会でやっているシステムというのは多分絶対違うと思うんですよね。そうすると、そのシステム統合をしていくのにどれだけのお金が掛かるのかとかですね。
 実際、じゃ同じようにして、支払基金と同じように、支払のことに特化して国保連合会がそれをやりますよと言ったときに、さっき副大臣が言われたいろんな審査業務だとかそういうものがじゃ市町村に下りていくのかと。そうすると、何々村の何々役場の職員さんにこのレセプトの審査とかそういったものが業務としてまた入ってくるのか、いや、じゃこれはもうちょっと専門的な人を雇わなくちゃいけないからといって人を増やしていくのか、これまた行革に逆行するような部分にもなっていくでしょうし、そこまで市町村が専門的に人材を育成してその業務を引き取ることができるのかという、具体的な現実的な部分が非常にあるんじゃないかというのを私はその話を聞いて感じたんですね。
 だから、そこの部分はやはりきちんと数字を示して、そして役割の違いというものを示して、もし統合した場合はこうなりますと。ここで、今言った業務を出すときに、じゃもう一個、国保連がやっていた支払、審査の業務やいろんな部分をやる機構をもう一個つくって、それでなおかつこれを統合させるのかと。二つ足してもう一個できるんだったら、結局その効果がないわけですよ。それで、二つ足してそれがまた全市町村にその業務が入ってくるとなると、またこれ煩雑になるんですね。
 だから、国保連合会が生まれた経緯というものも当然あるでしょうし、今しっかりやっているその業務の違いというものをやはり明確に発信をしないと判断ができないというふうに思っておりまして、そこのところについては是非厚労省の方からもきちんとした情報を出していただきたいというふうに思っておるんですけれども、副大臣、そこのところの見解はどうでしょうか。
#123
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘いただきましたように、この議論、恐縮ながら、いささか統合ありきの議論になっている部分があるというふうに私は思っているところでございますが、やはりこれまで果たしてきた機能というもの、それらの現状を踏まえて今後の在り方を検討し対応していくべきものだと、このように思っております。
 いずれにいたしましても、支払基金と国保連の統合については、市町村を始めとする保険者の意向を踏まえるとともに、御指摘いただきましたような課題、論点も含めて検討していく課題だと、このように考えております。
#124
○大島九州男君 何でもかんでも合理的かと思ったら、実は併せたら不合理になったと、合理的じゃない部分というものも出てくるということを是非整理をしていただきたいというふうに思います。
 私ども、統合医療ということで、統合、統合ということはこっちで言いながら、こっちは統合するのはまずいという話をしているというように感じていらっしゃる方はいらっしゃらないと思いますけれども、どちらにしましても、先ほど言いました統合医療の中での分野については、やはり国民に分かりやすく示すという意味で、やはり国の役割は制度を明確にすることによってシステム的に国民の皆さんが理解をしていただく。
 もうしつこいようですけれども、車の免許を持っている人がお金を稼ぎに行こうと思ったら二種免許を取りに行く、料理を作っている人がそれでお金を稼ごうと思ったら調理師免許を取りに行く、これはもう国民の常識的なものになっていると。ということは、やはりこの徒手整復という用手療法というような部分の中も、国家資格のある人たちと国家資格がない人たちの余りにも差が激し過ぎて、非常にそこのところにそごが生まれやすい状況になっているということを鑑みたときに、やはりそういった二種免許のようなものをつくることによって、国民の皆さんにも理解が進んで、保険が利くものと利かないものの区別ができていくでしょうし、なおかつ、厚労省が療養費の支払をするその支払の、あっ、保険者がですね、保険者が支払をするときのその仕組みが、やはり厚労省としてしっかりと明確な責任がどこにあるのかというものをつくった仕組みをつくらないで今まで放置してきたことがここまでの問題になっていると、私はそういう認識をしていますので、是非、国民のためにも、またいろんな柔道整復師さん、皆さん、鍼灸、あんまマッサージさん、そういう国家資格を取ってそこに従事されている人たち、それから保険者の皆さんも明快にすっきり分かるような仕組みを是非つくっていただくことを要望して、終わります。
 以上です。
#125
○西村まさみ君 民主党の西村まさみでございます。
 大臣が衆議院本会議から時間より早くお戻りいただきまして、大変心から感謝を申し上げたいと思います。
 まずは、本年七月、本委員会から提出されまして八月に公布、施行されました、ようやく我が国で本格的な歯科の口腔保健施策を推進していく上での基本法が成立いたしました。改めまして、この法案成立に御協力、御尽力いただきました委員長、理事始め同僚議員の皆様、そして厚生労働省の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。
 しかしながら、この法律はあくまでも基本法であり、これからどのように肉付けをしていくかということが一番重要かと思います。
 早速ながらに、歯科口腔保健推進室を省内に設置していただきました。これから、すき間のない健診事業ですとか、お母さんのおなかの中にいるときから御高齢になられるまでの様々な事業、そして八〇二〇運動の推進とか様々ありますが、この推進室では、どのようなことをどのように具体的に、そしてどのような展望をお持ちになっているか、現在の進捗状況も含めましてお知らせいただければと思います。
#126
○国務大臣(小宮山洋子君) この法律の成立に大変尽力もされました西村委員からの御質問でございますが、今年八月に歯科口腔保健の推進に関する法律が成立しましたことを踏まえまして、厚生労働省では、今御紹介のあったように、省内に歯科口腔保健推進室を設置をいたしました。この推進室は、歯科疾患の予防などによる口腔の健康の保持を推進するという観点から、関係部局が実施する保健、社会福祉、労働衛生、教育その他の関連施策の連携を図ること、それを目的としています。
 また、この法律に基づく基本的事項の策定に向けまして、厚生科学審議会の地域保健健康増進栄養部会の下に、十月、歯科口腔保健の推進のための専門委員会を設置をいたしました。来週、一回目の会合を開く予定です。
 今後、この専門委員会で策定に向けた議論を進めまして、来年の春を目途に基本的事項を取りまとめてしっかりと施策を推進していきたいというふうに思っています。
#127
○西村まさみ君 是非積極的にそして前向きに、できるだけ早い時期に様々なことが国民の皆様にお伝えできるようにお願いを申し上げたいと思います。
 それから、あわせまして、平成二十四年度の予算概算要求の中に歯科口腔保健の推進四・六億円というのがあります。在宅療養者の健康の保持や向上を図るためということで付けている予算だと承知しておりますが、これは日本再生重点化措置の要望にも位置付けられています。しかしながら、今現在、四十七都道府県のうち四十四の都道府県では既に口腔保健センターなるものがあります。是非とも、この四・六億円というせっかくの大きなお金、是非とも柔軟な対応で運用できるように強く要望をさせていただきたいと思います。
 それから次に、診療報酬改定について様々今皆様からもあったと思いますが、来年はまさに六年ぶりの介護と診療報酬の同時改定であります。是非ともその中でお尋ねを申し上げたいのは、民主党は、過去、診療報酬ゼロ、マイナス改定が地域医療の崩壊ですとか疲弊を招いたという認識の下、医療費の対GDP比をOECD平均まで引き上げるということを掲げて政権交代いたしました。その一方で、先日の行政刷新会議の提言型政策仕分では、診療報酬の本体の改定について、据え置くですとか抑制という意見があったことを重く受け止めて対応されたいという評価が下されました。
 大臣は当初より診療報酬改定についてはプラス改定の意向を示されておりました。是非とも、今この事業仕分の中をお聞きして、大臣の今の御見解をお尋ねしたいと思います。
#128
○国務大臣(小宮山洋子君) この診療報酬改定につきましては、大臣就任以来、少しでもプラスにという形で申し上げてまいりました。ただ、今、西村委員もおっしゃいましたように、先日行われました提言型政策仕分、これは総理を筆頭に野田内閣として取り組んでいるもので、これも重く受け止めなければいけないものだと考えています。
 今御紹介あったように、この政策仕分では、診療報酬の本体部分について、六人の委員の方から据え置く、三人の委員の方から抑制という意見がございました。これは重く受け止めると、全体的に重く受け止めるということを申し上げているんですけれども、ただ、何のために診療報酬改定をするかというと、ずっと切り込まれてきた医療費の中で診療科も非常に偏在をしている、そういう中から昨年も、救急、産科、小児科、外科などその負担が多いところの医療従事者の方の負担を軽くするためにということですとか、それから地域の偏在をなくすとか、あるいは医療、介護の役割分担と連携の強化、それから在宅医療の充実、こうした必要な施策に取り組む予算はきちんと確保をしなければいけないというふうに思っております。
 政策仕分で言われた本体部分を切り込んでしまうということは、本体部分とあとは薬価の部分があるわけですので、薬価はジェネリックなどである程度下がると思われますから、それを切り込むということは今のような施策ができなくなるので、それはそういう形は取り得ないということを会見などでも申し上げています。
 ただ、政策仕分の結果を重く受け止めると言いながら、こっちは取るけどこっちは駄目というのもなかなか難しいので、プラスに、プラスに、プラスにと余り大きな声で言うことはなかなかちょっと難しくなるけれども、これは財務省との折衝の中では当然プラスを主張していき必要なものを取りたいという、そういう心だということを申し上げたんですが、ちょっと報道は余りそのように報道されていないというところもございますが、私の心としては今までと気持ちは変わっていません。ただ、交渉で実際に取り組むことと、日ごろから声を大にして言うことと、そこを少し区別をしたというだけのことでございます。
#129
○西村まさみ君 大臣のお心を信じてまいりたいと思いますので、是非ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、少し個別の問題についてお尋ねしたいと思います。
 今、要介護者の約四分の三ぐらいの方はお口の中、例えば虫歯であるとか歯周疾患であるとか、例えば入れ歯の調子が悪いとか、様々お口の中の疾患について歯科医師の診療が必要だということを訴えられています。
 しかし、残念ながら、実際に歯科医師の診療を受けたという者はその中の四分の一にしかすぎないということ、このような現実を考えたときに、私は一人の開業医として、資料にもお配りしました在宅歯科診療の写真なんですが、私たちが患者さんの下をお訪ねするときには、診療室とほぼ変わらないような診療ができるだけできるようにということで、様々な機械そしてスタッフを連れてまいります。しかしながら、一生懸命在宅歯科診療をすればするほど実は平均点数が非常に高くなってしまい、集団個別指導の対象となってしまいます。また、その診療方針を変えないで一年間過ごすと、またこの次、翌年には残念ながら個別指導の対象となってしまうという現実もあります。
 まさに、今後、在宅歯科診療を推進していく上には大変ここのところが足かせになっているし、大変おかしなことではないかということは以前にも質問をさせていただきましたが、まさに厚生労働省としてはその点のところをどのようにお考えになっていらっしゃるのか、また、地方の厚生局におかれましてはどのような指導等をされているのか、お聞かせ願いたいと思います。
#130
○政府参考人(外口崇君) 個別指導の対象となる保険医療機関の選定に当たりましては、公平で客観的な指標として、診療報酬明細書一件当たりの平均点数が高いことを選定理由の一つとしております。ちなみに、ほかの選定理由としては、情報提供ですとか個別指導の結果が再指導であったもの等がございます。
 急速な高齢化が進展する中で高齢者の生活を歯科医療の面から支える観点から、在宅歯科医療については診療報酬において手厚い評価を行っており、平均点数が高くなりやすい傾向にあることは承知をしております。このため、今後も在宅歯科医療を一層推進させることが重要でありますことから、この選定の在り方、その指導の在り方についても御指摘の点を踏まえて検討を行っていきたいと思います。
#131
○西村まさみ君 是非とも検討をお願いしたいと思います。
 これは、例えば在宅歯科診療に限ることではなくて、例えば障害児、障害者の診療を主に行っている歯科医療機関ですとか、例えば高齢になられた先生が地域で診療していく上で、なるべく近くの方が毎日のようにおいでいただいて入れ歯の調整をするとか、何か様々なことをしたときも同様のことが言えます。是非とも、今の指導の在り方ということを是非とも御検討いただくことを心からお願いを申し上げたいと思います。
 それから、歯科訪問診療に対する要件についてお尋ねを申し上げたいと思います。
 歯科訪問診療料は、いわゆる診療報酬点数表によると、在宅等において療養を行っている患者であって通院が困難なものということになっています。同様に、医科でも在宅患者訪問診療料があり、全く同じ要件であります。しかしながら、歯科の訪問診療料には、それにプラスして、通知で、常時寝たきり等の状態と、常時寝たきりという言葉が付いておりまして、医科の在宅患者訪問診療料と比べまして大変に要件が厳しくなっていると思います。
 実は、これは今回の東日本大震災の中で、第一次補正予算の中、巡回の歯科の診療車の予算を付けていただきまして、各県、被災県二台ずつ車が移動して診療するということをしています。しかしながら、被災された皆様のところへお邪魔して患者さんの診療を行うのにも、常時寝たきり等の状態でないとなかなか保険診療がうまくいかないということ、そんなお声も聞いています。
 おうちにいる方、施設にいる方、若しくは病院にいる方、そのときそのとき、その日その日によって様々状態が違う。例えば、元気なときは少し起き上がられたり少し家の中を散歩する、しかしながら外にまで通院することが困難という者もいるはずだと思います。
 是非とも、この辺についての、常時寝たきりという言葉の文言、そしてこの要件緩和についてどうお考えか、お聞かせいただきたいのですが。
#132
○政府参考人(外口崇君) 現行の歯科診療報酬では、歯科訪問診療料の対象者については、例示として常時寝たきりの状態等としてお示しをしております。
 ただいま御指摘ありましたように、現場の御意見としては、この歯科訪問診療料の対象者の要件として例示されている常時寝たきり等という要件が不明瞭である、あるいは必要以上に厳格に適用されているのではないか、こういう御意見もいただいております。このため、去る十一月十一日に開催された中医協においてもこの在宅歯科医療を論点の一つとして取り上げまして、対象者の要件についての議論を行っているところであります。
 歯科訪問診療料の対象者の要件を含めた在宅歯科医療の在り方については、中医協における議論を踏まえながら検討していきたいと考えております。
#133
○西村まさみ君 是非とも、この点も先ほどと同じように、在宅歯科診療、在宅医療の推進ということをおっしゃっている厚生労働省であるならば、前向きな検討を是非ともお願いを申し上げたいと思います。
 そして、もう一つ、在宅歯科診療と並んで今後充実が必要とされているのは、障害者歯科診療というものもあるかと思います。
 平成二十二年度の歯科診療報酬改定においても、障害者の歯科診療について評価の充実が図られました。そのことについては大変心から感謝を申し上げますが、障害者歯科診療の評価に関しては、著しく歯科診療が困難な障害者に歯科診療を行った場合に、基本診療料、いわゆる初診ですとか再診に加えて、障害者加算百七十五点という算定ができることとなっています。
 しかし、この対象者の要件というものも大変曖昧でありまして、例えば、三つの状態を例示しているんですが、脳性麻痺等で身体の不随意運動や緊張が強く体幹の安定が得られない状態、知的発達障害により開口保持ができない状態や治療の目的が理解できずに治療に協力が得られない状態、そして重症のぜんそく患者で頻繁に治療の中断が必要な状態というふうになっています。若しくはこれに準ずる状態にある者になっているんですが、なかなか、この三つの例示にとどまっているために、いわゆる診断の裁量権は歯科医師にありますが、自分たちがそう思って診療をしたとしても、今度は支払基金ですとか国保連合会の審査の段階、保険者の審査の段階に至ると非常にそこのところは統一化されていません。
 何としても、やはり障害者というものに対する物の見方というのもあるでしょうけれども、少しその辺のところをお考えいただくことをお願いすると同時に、もう一点、明細書の発行が実は事実上義務付けられた中で、患者さんにとりまして、障害者加算百七十五というのが出てきたときに、なぜ障害があると加算、いわゆる払う金額が高くなるのだろうかとか、先ほど言いましたぜんそくの患者さん、ぜんそくの患者さんは自分は障害者なんでしょうかとか、様々な質問をいただくこともございます。
 そもそも、この障害者というのは、元々障害をお持ちの方という意味ではなくて、歯科診療を行うのに当たって障害がある者という定義だというふうに思っていますが、この辺のところ、障害者加算という言葉、名称というものがどこかおかしいのではないかなと、私も患者さんに説明する一人の人間として、歯科医師として常に思っていました。
 特に最近では、実際にそういう状態にある患者さんでも、加算をすることで、明細書に障害者加算というのがあることを非常に気になりまして、算定要件を満たしていても算定していないという事実もあります。
 この辺について、この障害者加算という名称について厚生労働省はいかにお考えになられているか、是非ともお聞かせ願いたいと思います。
#134
○政府参考人(外口崇君) 最初に障害者加算のこの要件についてですけれども、加算を算定することができる場合は著しく歯科診療が困難という状態でありまして、御指摘のあったように通知において列記をしております。
 この加算の対象者のこれらに準ずる状態については、歯科医師の先生方が個々の症例に応じて患者の状態や著しく歯科診療が困難であるか否か等を総合的に勘案し判断されるものと考えております。
 ただ、これについては関係学会等からもいろいろ御指摘をいただいているところでありまして、十一月三十日の中医協の歯科診療報酬の議題の中でも御議論をいただいております。そして、これらに準ずる状態で判断されているその状態の明示等についての指摘を受けております。こういった要件についても、中医協における議論を踏まえながら検討していきたいと思います。
 また、名称についてでございます。この加算の対象者と名称についても、これも十一月三十日の中医協の議題の中でも御議論いただいておりまして、著しく歯科診療が困難な状態に着目した場合、加算の名称と対象者の要件が必ずしも一致していないのではないか、あるいはただいまの御指摘のような明細書発行の場合に配慮が必要ではないかと、こういった論点がございます。したがいまして、この障害者加算の名称の取扱いも含めまして中医協でよく議論していただいて対応を検討したいと思います。
#135
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 実は、十一月に行われました日本障害者歯科学会の医療保険委員会の中でも、私は呼ばれて意見の交換をしてまいりましたが、障害者加算を考えるということで本当に多くの開業医が集まりまして議論をさせていただきました。是非ともこれにつきましても名称等につきましての御検討をお願いをしたいと思います。
 それでは小宮山大臣に、私は常日ごろから委員会の質問に立つたびにお願い、そしてお尋ねをしてまいりましたが、児童虐待についてお尋ねを申し上げたいと思います。
 何度も申します。私も一人の子を持つ母親として、何としてもこの児童虐待というものを根絶ということを目指して頑張ってまいりたいと思う一人でありますが、何度も言いますが、歯科医師は早期発見に非常に役に立っていると自分は思っています。今日、資料にもお示ししましたように、学校歯科健診の中で私も学校歯科医として数例、数名の子供たちのお口の中を見て、これは普通の子供たちとは違うということ、見付けたことがあります。前にもお話ししたかもしれませんが、小学校一年生になった四月のまず春の健診のときに、まあ一回目ですからこういう状態なんだろうと思いました。しかし、夏休みを経て九月の秋の歯科健診のときに全く治療した形跡がなかったり更に悪化をしているとき、これはもしかしておうちの中で育児放棄、ネグレクトというものがあるのではないかという指摘をさせていただきまして、四月の春の健診でもしました。でも、そのときは学校側は何も行動しませんでした。しかし、秋のときは、実は夏の学童クラブの水遊びのときに脱いでみたら背中に殴られた跡ではなくて引っかかれた昔の傷跡があったと。そういったこと、両方向から来たから初めて学校側が少し対処をしたということがあります。
 しかし、大変残念な江戸川区の事例とか見て、歯科医師が発見できる側にいることは間違いがありませんので、是非とも、改めてお尋ねしますが、歯科医師がこの児童虐待について早期に発見するものということについての本当に重要性をお感じになられているか、またどのようにしていったらいいかという御見解がありましたら大臣からお聞かせ願いたいと思います。
#136
○国務大臣(小宮山洋子君) いつも児童虐待防止の観点から歯科医師としての御経験もいつも伺っているところですが、本当にやはり歯科医師の皆さんも児童虐待を発見しやすい立場にある、そういう方だと私も認識をしています。
 虐待が疑われる子供を発見した場合には児童相談所に相談をしていただくとか、西村委員の場合は学校の中でということですけれども、それから、医療機関から保健機関、そして児童相談所、市町村の児童家庭相談担当部署、ここに適切に情報提供が行われ、それを基にして支援をしていくということができるというふうに考えています。
 児童虐待に関係する府省庁や関係団体から構成されます国レベルの児童虐待防止対策協議会や、市町村が設置をする、関係医療機関が連携して虐待家庭などに対する支援を行うための子どもを守る地域ネットワーク、要保護児童対策地域協議会に、ここにも歯科医師会や歯科医師の皆さんの参画や御協力を求めているところです。
 厚生労働省としましては、今後とも、歯科医師の方々にも児童虐待について御理解をいただき、協力をいただきながら、児童虐待防止対策を推進していきたいと思っています。
 それと、今日はお尋ねにありませんでしたが、児童虐待防止法の中に歯科医師ということが入っていないということもいつも御指摘をいただいていますが、これは議員立法で作り、改正をしてきたので、これは議員の皆様の中で加えられるように御検討いただければいいかと思っています。
#137
○西村まさみ君 そのようにしたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、もう一点と思いましたが、時間が短い中でできるだけ多くのことをお尋ねしたいと思いますので、子ども・子育て新システムについては最後にお聞かせ願いたいと思いまして、次に移りたいと思います。
 私たちのチーム、仲間には歯科衛生士という存在があります。歯科衛生士は、歯科診療のアシスタントや例えば補助をするだけではなく、今、学校の年数も三年となりまして、様々な業務の拡大、またニーズの多様性ということにもおこたえできているかと思います。口腔ケアの充実、特に専門的な口腔ケアを担っているのは歯科衛生士という仕事だと私は思っておりますし、歯科衛生士の業務拡大のためには様々なことをこれからしていかなければならない、そんなふうにも認識しています。
 歯科衛生士は、例えば、今までは歯科診療所若しくは歯科病院若しくは保健所等で、歯科の口腔保健指導ですとか、いわゆるそういったことをやってきましたが、これからは、病院や施設に行って患者さんに直接口腔ケアをするとか、例えば介護をしている皆さんにブラッシング指導をさせていただくとか、様々な仕事の内容がある中で、今、昨今言われているのは、例えばがんの患者さん、白血病の患者さんが化学療法、放射線療法をする前に口腔ケアをきちっと専門的にすることによって、いわゆる在院日数の短縮ですとか、例えば痛みの長く掛かる口内炎の非常に痛い時期を少し短くしてさしあげられるとか、患者さんの負担を軽減するだけではなく、例えば御家族ですとか、若しくは待っていらっしゃる患者さんもまた次の病院に入れる機会が早くなるとか、様々なことがあるかと思います。
 歯科衛生士につきまして厚生労働省はどのようなお考えを持っているか、是非ともお聞かせ願いたいと思います。
#138
○政府参考人(大谷泰夫君) お答え申し上げます。
 質の高い医療を実現するために、多種多様な医療スタッフがそれぞれの高い専門性を活用して互いに連携、補完しながら患者の状況に的確に対応した医療を提供する、チーム医療ということはそういうことで今推進しているわけであります。
 このため、厚生労働省でチーム医療推進会議というものを設置いたしまして、ここで歯科衛生士の方々を含めて医療関係職種の協働、連携の在り方について検討してまいりました。この会議で、今年六月に、実は先進的な取組の事例集というものをまとめたわけでありますが、その中で、医科と歯科が連携して口腔ケアを提供していく、その中で歯科衛生士さんも含めた幾つかの事例というものを紹介しておりまして、義歯の調整や口腔ケアにとどまらない、栄養サポートチームへの参画とか摂食・嚥下障害への対応等々、これはさっきおっしゃった、院内、院外を問わず、在宅を含めていろんな事例が紹介されたところであります。
 こういったものを踏まえて、チーム医療の中でますます活躍いただくということが大事だというふうに考えておりますので、今後、こういった取組を通じて、そのサービスの安全性、効果性を実証して、またその活躍に入っていただきたいというふうに考えております。
#139
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 また、歯科医師にとりましてはもう一つチームの仲間であります歯科技工士に関しては、お願いを申し上げたいと思います。
 歯科技工士免許というものは、昭和五十六年に知事免許から大臣免許に移行いたしまして、歯科技工士は国家資格となっています。しかしながら、その後三十年が経過した今日もなお、いまだ実は全国統一、同一判定基準による国家試験ではありません。是非とも、質の高い歯科技工士の養成確保のためにも、全国統一の試験の実施についてお願いを申し上げたいと思います。これは要望でございます。
 それから、私は今、先ほど来、午前中からもありました予防接種について、ワクチンについてお尋ねを申し上げたいと思うんですが、平成二十二年度の補正予算において、子宮頸がんの予防ワクチン、Hibワクチン、それから小児用の肺炎球菌のワクチンの接種機会というものを幅広く提供するために促進事業が展開されているわけですが、残念ながら、この三つのワクチンについての補正予算事業というものは本年度末までとなっています。来年度以降、この事業をどうするのか、また予算についてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、厚生労働省のお考えを聞かせていただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事梅村聡君着席〕
#140
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘をいただきました子宮頸がん予防ワクチン、Hibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンの予防接種法上の位置付けを含めまして、予防接種制度の見直しについては昨年から厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会で議論を進めているところでございまして、こうした議論を踏まえまして、平成二十四年度以降の子宮頸がん予防ワクチン等につきましては、予防接種法に位置付けるか、あるいは現在のワクチン接種緊急促進事業を延長するかして、引き続きこうした予防接種が自治体で実施できるよう関係省庁とも調整をして進めてまいりたいと考えております。
#141
○西村まさみ君 やはり国民の健康を守るために、防げるものは是非ともしっかりと防ぐような手だてをすることも国の大きな役目だと思っています。特に、早期に三つのワクチンに関しましては定期接種にしていかなければならない法改正も必要かと思いますが、その辺についてはいかがお考えか、再度見解をお聞かせ願いたいと思います。
#142
○副大臣(辻泰弘君) 先ほども申し上げましたけれども、予防接種制度の見直しにつきましては昨年から厚生科学審議会予防接種部会で議論を進めておりまして、九月二十九日の予防接種部会におきましては、厚生労働省から子宮頸がん等ワクチンについて、平成二十四年度以降も円滑な接種が行えるよう、今後の定期接種への移行を視野に入れながら検討をするとした具体的な検討案をお示しをしたところでございます。
 引き続き、予防接種部会の検討状況も踏まえまして議論を進めていきたいと考えております。
#143
○西村まさみ君 是非ともよろしくお願いをしたいと思いますと同時に、先進諸国とのいわゆるワクチンギャップの問題など指摘されていますが、一層やはり予防接種政策の充実をしていくためには、アメリカにありますACIPなど、予防接種に関する評価、検討をする組織の必要性というものもあろうかと思います。
 それにつきましては、日本の予防接種行政の全般について専門組織の設置ということについては厚生労働省はいかがお考えでしょうか。
#144
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘いただきましたように、アメリカにおきましては、予防接種の実施に関する諮問委員会、ACIPにおきまして、新たなワクチンの導入など、予防接種政策について中長期的な観点に基づいた検討が行われ予防接種が実施されているところでございます。
 厚生労働省といたしましても、予防接種行政全般について総合的、恒常的に評価、検討を行うための専門的な組織の設置は必要であると考えているところでございます。その在り方につきましては、厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会におきまして、組織の位置付け、委員の構成、開催頻度、事務局体制の在り方などにつきまして活発な御議論をいただいているところでございます。
 これらの議論を踏まえ、また委員からの御指摘も踏まえつつ、専門的な組織の在り方について検討していきたいと、このように考えているところでございます。
#145
○西村まさみ君 是非ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、震災時、災害時における身元確認のためのいわゆる歯型記録のデータベース化についてお尋ねを申し上げたいと思います。
 大規模災害時による歯の照合というもの、それによる身元確認ですとか個人識別というものは、DNAや指紋による確認と比べて半分の時間で行うことができ、時間との闘いとなる身元確認作業の中では非常に有効ではないかと、そう思っています。我が国において歯科の受診率が大変高いということから、歯による身元確認、個人識別が我が国では特に有効であり、その活用について実は本年三月十日の予算委員会において私がお尋ねをしたところであります。
 しかし、不幸にして翌十一日に東日本大震災が起きまして、多くの尊い命が失われました。被災直後から多くの歯科医師が、日本全国の歯科医師が被災地に赴き、本当に様々な状況の中、大変な中、一人でも多くの皆様を早く御家族の元にお返ししたいという願いと思いから、様々な識別ですとか身元判明のお手伝いをさせていただいていましたが、今も、実は現在も宮城県警の方には歯科医師は行きまして協力をさせていただいています。
 そんな中で、いつも今まで、阪神・淡路大震災、中越沖地震というのは、地震によって建物が倒壊するとか、そのいるところというものが大体限定されていたり、歯科診療所自体もカルテというものをその瓦れきをどかしたところによって見付かるということがありました。しかし、今回は、御承知のように津波によって流されるということで、御遺体も御家族の元に返すのには本当に遠くまで流されていた場合もありますし、また歯科診療所自体も津波の被害でカルテそのものがなくなってしまっている。
 そんな中で、これから、患者さん、御家族、そして何よりも、せっかく得た歯科の情報、口腔内の所見というものをしっかりとしていくためにはデータベース化というものが必要ではないかと私は思っていますが、今現在、こういったデータベース化のことについては、迅速に行う必要はあるものの、しかしながら個人情報ですとか収集方法ですとか全国統一ですとか様々な問題があるにせよ、データベース化についていかにお考えかどうかをお聞かせ願いたいと思うのですが。
#146
○政府参考人(舟本馨君) 警察におけます御遺体の身元確認につきましては、身体特徴、所持品、指紋、DNA型鑑定はもとよりのこと、歯科所見の観点も踏まえて実施しているところでございます。
 今般の東日本大震災におきましても、委員お話しのとおり、多くの歯科医師の御協力を得まして、御遺体の歯科記録を作成をし、既存の治療データと照合するなどいたしまして身元の確認を行いまして、十一月十一日現在で歯科所見によりまして千七十六体の御遺体の身元が判明したところでございます。このように、歯科所見データは身元確認のために極めて有用であると考えております。
 現在、日本歯科医師会におきまして身元確認に資する歯科所見のデータベース化につきましての具体的方策が検討されておりまして、警察庁も、このデータベースを利用させていただくという立場から、この検討会に参加しているところでございます。今後とも、データベース化の実現に向け、日本歯科医師会に協力をしてまいる所存でございます。
#147
○西村まさみ君 ありがとうございます。
 しかしながら、本当にあのときは大変な状況と聞いております。もちろん私たち歯科医師だけではなく、現場にいらっしゃる例えば自衛隊の方、また消防団の方と言われていますが、警察官の皆様にも大変なお世話になったと聞いています。当初は大きな市場にどんどんどんどん、多いときでは一日に二千体もの御遺体が入ってきて、その御遺体の個人識別、身元確認、また口腔内の調査をするんですが、そういった大変過酷な環境の中、警察官の方は大変重いライトが私たち歯科医師が個人識別する口の中の奥の方まで照らせるようにしてくださった御努力に関しましては本当に心から感謝を申し上げますし、是非とも、この警察官というものの在り方というものを是非とも認識をもう一度新たにしていかなければならないということを私はこの震災を通じて感じさせていただきました。
   〔理事梅村聡君退席、委員長着席〕
 これからこのデータベース化をしっかり構築させることによって、決してこの東日本大震災というものが悲しい出来事だけではなく、次へ向かう一歩となるように、また、できるだけこのデータベースは使わなくていいことがいいにこしたことはありませんが、でも、やはり万が一というための備えとしてしっかりと構築をしていくように前向きな検討を国でもしっかりとしていかなければならないと思いますし、私も所属している日本歯科医師会もそのように感じていると思いますので、是非ともよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 最後に、済みません、戻ります、子ども・子育て新システムについて大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。
 同じく私は何度も副大臣時代から申し上げてまいりましたが、子供の育ちを支援するという観点から、この子ども・子育て新システムというものは大変重要なシステムだと思っています。ともすれば、これは幼保の一体化といったこととか学童保育の充実といったことだけに特化されていますが、実は大変大きな枠組みで、これからの子供たち、これからの日本の将来を担う子供たちのシステムとしては大変これから充実を図っていかなければならない。
 今回この法案提出についての是非とも大臣の具体的な目的をお尋ねし、併せてその財源確保についての御決意をお願い申し上げたいと思います。
#148
○国務大臣(小宮山洋子君) 事務方もおりますが、私、御指名でございますので、お答えさせていただきたいと思います。
 やはり、とにかく子供たちを、そして子育てを総合的に応援していきたいというふうにずっと考えてまいりまして、それで経済的な負担の子ども手当と、それからあと子供の居場所をつくるための今回の新システムで取り組んでいるようなこと、また働き方など、総合的に取り組む必要があると思っていますが、御指摘の子ども・子育て新システムは、待機児さんの問題とか、あるいは就学前の全ての子供に親の働き方にかかわらず質の良い学校教育、保育をするというようなことで、幼保一体化を中心とした取組、それからもう一つは、やはり三歳未満の方は御自宅で見ていらっしゃる方が圧倒的に多いので、そうした様々な地域の子育て支援拠点ですとかいろんな広場の事業とか、そういうところも今回はこども園給付という給付の形でいろいろ支援をしていくという形を取っていますけれども、一定の基準を満たしたところはそういう市町村やそれぞれのNPOが取り組んでいるところも支援の対象にするようなことで、それぞれ市町村が主体になって地域での子育て支援の多様な取組もしっかりと応援をしていきたいというふうに考えているところです。
 ですから、子ども・子育て新システムをつくることによって、子供たちが個性を生かして生き生きと育つことができ、今まだまだ子育てしにくい保護者の方たちが子育てを本当に安心して楽しくできるような、そんな環境整備ができればという思いで今つくっているところでございます。今、地方団体とか、あるいはそれぞれの幼稚園、保育所を含め、事業者の方だとか、いろいろなところで最後の詰めの作業をしているところで、通常国会に法案を提出をさせていただきたいと思っています。
 財源につきましては、これはやはり、先ほど社会保障全体の中で、今までの、とかく高齢者三経費、年金、医療、介護が社会保障と言われていたものを、やはり子育て支援というもう一つの柱をつくったというのが今回の大きな特徴だと思っていまして、そういう意味で、やはりこれからの超少子高齢社会の安心できる社会保障をこうつくりますということを御納得いただいた上で、社会保障目的税としての消費税をこの二〇一〇年代半ばに御負担いただくことを前提に、その財源で〇・七兆、ですから七千億、今までの予算などを加えまして一兆円を超える予算ということを盛り込んでございますので、そういう意味では、インセンティブを働かせて幼稚園と保育所の機能を持った総合施設に手を挙げていただく方が増えるようにとか、今申し上げた地域の様々な拠点事業を応援できるだけの財源がそれだけあれば確保できると、そういうふうに考えているところです。
#149
○西村まさみ君 ありがとうございました。
 私も、生後二か月から地域の保育園に入れて、三歳になったときから幼稚園と保育園と両方に、幼稚園に朝送っていって、途中で迎えに行って保育園へ行かせて、夜八時にまた迎えに行くという生活をしました。そして、小学校一年生になる三月三十一日までは保育園、四月一日からは学童クラブと、本当に苦労をしながらも何とかできたのは、やはり周りの環境ですとか社会全体が助けてくれたということが本当にあると思います。
 これから女性がもっともっと働く機会を持つと思います。その働く女性の働き方ですとか、親のあるなしとか、例えば経済的な問題とか関係なく、日本を助けてくれる、これからを担う子供たちがこの日本に生まれてよかったと思っていただけるようなシステムの構築を是非ともお願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#150
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますよう、質疑に入ります。
 本日、十二月一日は世界エイズデーの日であります。大臣始め皆様方がレッドリボンを付けていただいていますことを非常にうれしく思います。
 川田委員もいらっしゃいますから、私が申し上げるのは非常に僣越なことではありますが、かつて我が国では薬害エイズが起きました。しかしながら、和解後は、その被害者の方々のお声を聞いて取り入れていったもの、例えば医療体制などはほかの疾患の医療体制の整備の原型になったりしたものもあり、そういった形で国と被害者の方々が協調して我が国の医療体制を整えてきたという半面もあるかと思います。
 そういう意味では、和解の精神を考えますと、我が国においてHIVの感染が広がったり、またエイズを発症させるような方を増やすようなことがあってはならないと思います。どうか被害者の方々を大切にしていただきまして、被害者の声を最大限に聞いていただきながら、そしてこの国でHIVに感染する人が減りますよう、またエイズを発症する人が減りますよう、普及啓発を強めるとともに検査体制を強化することをどうか冒頭まずはお願いをしたいと思います。
 それでは、質疑に入りたいと思います。
 胃がん対策について伺いたいと思います。
 我が国では、二分の一の方ががんにかかり、また三分の一の方ががんでお亡くなりになるということでありますが、その中でも胃がんでお亡くなりになる方というのは非常に多いわけであります。一方で、そうはいっても、我が国の胃がんの五年生存率というのは圧倒的に高くて、例えば我が国の五年生存率は六〇%ぐらいでして、アメリカやフランスやドイツやイギリス、そういったところは一五%から二五%ということであります。この圧倒的に五年生存率が高い理由はどのように考えておりますでしょうか。
#151
○政府参考人(外山千也君) 我が国におきまして胃がんの五年生存率が高いことに関する根拠は明らかではございませんけれども、一般的には、上部内視鏡検査の普及などによりまして比較的早い病気の段階で早期発見がなされ、手術や内視鏡治療など国際的にも質の高い治療が行われていることによるものと言われております。
#152
○秋野公造君 医療機関における早期発見、早期治療が五年生存率を高めているのではないかという御答弁でありますが、そうはいっても、胃がんで亡くなる方というのは横ばいが続いているわけであります。医療機関において、そういう具合に医療機関の貢献というものが大きいのであるならば、いよいよ検診又は予防が大切ということになりますが、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染により慢性胃炎が起こり、その中から胃がんが発生をすると、そういうような考え方でよろしいか、見解を伺いたいと思います。
#153
○政府参考人(外山千也君) ヘリコバクター・ピロリ菌が胃粘膜に感染いたしますと、毒素などを排出することで胃粘膜の防御機能を低下させ、慢性胃炎を引き起こし、悪化すると胃潰瘍などが発生するメカニズムは既に国内外の様々な研究などから科学的根拠を持って解明されております。
 一方、ヘリコバクター・ピロリ菌と胃がん発生の関係性に関しましては、国際がん研究機関、IARCにおきまして高い発がん因子であることは示されておりますけれども、全てのピロリ菌感染者から胃がんが発生するわけではございませんで、特殊な発がんの環境が整って初めて発生するなどの諸説があると認識しております。したがいまして、ピロリ菌が慢性胃炎を起こし、直ちに慢性胃炎が胃がんを誘発するというものではないというふうに考えております。
#154
○秋野公造君 直ちに起こすとは私も思っておりませんが、ヘリコバクター・ピロリ菌が感染した萎縮性胃炎から胃がんが起きているというのは公知の事実であり、そのことをIARCも言っているんだと思います。
 そして、ヨーロッパの消化器内視鏡学会の診療ガイドラインが印刷中に入ったそうであります。ですから、もうすぐ表に出てくる形になるかと思いますが、情報によりますと、このヨーロッパ消化器内視鏡学会のガイドラインの中では、萎縮性胃炎と異形成に対してヘリコバクター・ピロリの除菌を行うということが盛り込まれる方向だと聞いております。この前がん病変、がんになる前の状態のものに対して、日本ほどヘリコバクター・ピロリ菌に感染をしていないヨーロッパにおいてこういう突っ込んだガイドラインができるということは、我が国においても考えなくてはいけないことだと思っています。前がん病変、検診でピロリ菌の除菌をヨーロッパも必要だと考えているようでありますが、我が国としてどのように対応されるおつもりか、厚労省の見解を伺いたいと思います。
#155
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員の方から印刷中ではないかというお話ありましたが、ヨーロッパでの診療ガイドライン、まだ発表されていない、こちらが入手ができていないので確認はできていませんが、既に国内の学会、日本ヘリコバクター学会が発表しているピロリ菌の診療ガイドラインで、萎縮性胃炎などに対する除菌が推奨されているということは承知をしています。
 ただ、これはあくまで診てくださいといって来られた症状のある診断をされた患者に対する治療ガイドラインですので、これが健常な方を対象としたがん検診にどう使えるのかとか、がん予防に対するピロリ菌の除菌の有用性、これは専門家の中でも様々な御意見があるかと聞いています。
 ですから、今後、年明けになるかと思うんですけれども、がん検診の在り方に関する検討会、これを設置をいたしまして、内外の最新の知見を踏まえてしっかりとした議論をしていただき、国民の皆様に対して命や健康を守るがん対策、これは大変重要ですので、この検討会の検討を基に進めていきたいというふうに考えています。
#156
○秋野公造君 ヨーロッパにおいても貴重な知見だと思いますし、確かにヘリコバクター・ピロリ菌、健常な人に全部するのかどうかはともかく、ヘリコバクター・ピロリ菌を、感染している人を見付け出すということは必要なことになるかもしれませんので、どうか専門家による検討をよろしくお願いをしたいと思います。
 そうはいっても、このヘリコバクター・ピロリ菌が慢性胃炎、萎縮性胃炎等に対して治療が適用できるようにしていく準備というのは一方で進めておく必要があるかと思っています。現時点においては適用とはなっていないわけでありますが、もしも、これはもちろん申請が出てきたらの話だとは思いますが、慢性胃炎に対する、あるいはこのヘリコバクター・ピロリ菌が陽性の慢性胃炎に対する適用拡大の見込みについて、厚生労働省に伺いたいと思います。
#157
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌につきましては、現在のやり方としましては、胃酸の分泌を抑えますプロトンポンプ阻害剤、これと抗生物質の二種類を併用しました三剤の併用療法による除菌の方法が一般的に行われていますけれども、この三剤の薬剤、この除菌の対象といたしまして今承認されておりますのは胃潰瘍あるいは十二指腸潰瘍というところにありまして、御指摘の慢性胃炎につきましてはまだ薬事法上の適用の承認が取られていない状況にございます。
 この適用の拡大をしていただきます際には、製造の企業の方から承認事項を変更していただく必要がございまして、一部変更承認の申請をお願いしなきゃいけないことになりますが、そのときに、その申請に当たりまして、慢性胃炎の患者さんたちを対象にしての投与の有効性、安全性を検証する治験のデータを出していただくことになるわけでございますけれども、この治験実施に当たりまして、今も臨床施設の方でいろいろと取組は進められているように伺っております。
 これらのものにつきまして、その治験を進めるに当たりましても、効率的に進めていただくような治験計画をきちんと作っていただくことがこれまでの実績を踏まえてできるんではないかと思っておりまして、その辺のところは、申請を踏まえて、相談をしながら効率的な治験計画を立てて進めていき、それを適切に審査をするという方向で臨んでいきたいというふうに思っております。
#158
○秋野公造君 どうかよろしくお願いをいたします。
 佐賀県で開催をされましたチャレンジドフォーラム・イン・サガという障害者のかかわる方々が参加をされる大会に参加をいたしました。民主党からも、そして自民党からも議員の方々が壇上に上がりまして、私も一緒にパネルディスカッションに参加をさせていただきまして、障害者に対する施策について意見交換を一時間半ぐらいさせていただいたものでありますが、ちょうどその際、特別支援学校関係者の方からお話を伺いました。
 それは、平成二十四年三月以降、特別支援学校を卒業される方々の就業がどうなっていくのでしょうかという不安の声でありまして、現在、地域に、もしも、この一般就労又は就労継続支援のA型事業所の雇用の場所が少ないところに対しては経過措置が定められているということでありますが、これが今後どうなっていくか見えないということであります。
 参加した佐賀市などでは、まだまだそういったAの施設とかは少ないような状況であり、全国的にも地域格差というのは非常に大きいんだと思います。B型に今まで就労できた人たちがもしもその経過措置がなくなって就労ができなくなりますと、これは社会参加という観点から大きく障害者施策が後退をしてしまうことになります。まだまだ格差があるうちには、このB型の利用に係る経過措置については、一般就労、そして就労継続支援A型事業者が足らない地域においては延長、継続というものが必要であると私は考えますが、厚生労働省のお考え、いかがでしょうか。
#159
○政府参考人(岡田太造君) 障害者の方々が地域で自立した生活を送るための基盤として就労は非常に重要な要素でありますので、就労を希望される方についてはできる限り一般就労していただくよう支援を行うことを制度の基本とさせていただいているところでございます。
 そのため、特別支援学校卒業者などの方については、まず就労移行支援事業を利用していただいて一般就労が可能かどうかを見極めていただいた上で、それが困難と認められる場合に就労継続支援B型事業を利用するという形を原則とさせていただいているところでございます。
 御質問の経過措置につきましては、一般就労であるとか就労継続支援A型事業による雇用の場が乏しく、また就労移行支援事業者が少ない地域におきまして、市町村の判断によりまして、就労移行支援事業によるアセスメントを経ることなく就労継続支援B型事業の利用を認めるということをやっているところでございます。この経過措置は平成二十四年三月末までとしていますが、来春の卒業生もこの経過措置の対象とさせていただいているところでございます。
 また、この経過措置の平成二十四年度以降の取扱いにつきましては、障害者制度全体につきまして、就労支援事業の在り方を含めまして制度全般の議論を現在行っているところでございますので、その結果を踏まえつつ検討することとさせていただいているところでございます。その際、先生御指摘のとおり、一般就労であるとか就労継続支援A型事業の雇用の場がどの程度確保できるのかといった地域の状況も踏まえつつ、特別支援学校の卒業生などが必要な支援が切れ目なく行われるようなことについて留意して検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#160
○秋野公造君 これ例えば佐賀県で、私が調べた範囲ですが、A型の就労継続支援は六か所しかありませんで、一方、B型は四十一か所ということでありまして、今とてもA型がその受皿となり得るような状況ではないと思います。どうか切れ目のない対応をよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、鹿児島県日置市のふきあげタウンというサービス付高齢者住宅、伺わせていただきました。非常にすばらしいところで、医療機関と二十四時間連携体制を取って安心して暮らせる場所ということで、オープンの日、内覧会の日にはたくさんの地元の方々が多く来られていました。そして、印象的だったのは、その地域の若い二十代前半だと思われるような方々が多く採用をされておりまして、二十代前半の若い方々が高齢者と一緒に生活をしていく、二十四時間ケア付きを保障しながら質の高いものができているというものを見ました。
 こういったものがやっぱり広がっていくことが非常に重要で、今、高齢者の単身そして夫婦の世帯が二〇二〇年には千二百四十五万世帯、すなわち四分の一は高齢者の単身又は夫婦世帯になっていくということを考えると、また特別養護老人ホームの待機者が非常に多いという現状を考えていきますと、この高齢者賃貸住宅、かつての、サービス付高齢者住宅制度というのは発展をさせていかなくてはいけないと思いますが、ちょっと私、説明書を見ますと、融資制度における担保条件が、借入対象の土地が第一の抵当権設定ということになっておりまして、定期借地権を利用した場合が困難なように見えるんですが、これは現状どうなっているんでしょうか。このままではちょっと進まないのではないかと思いました。
#161
○政府参考人(渡延忠君) お答えいたします。
 住宅金融支援機構においては、サービス付高齢者住宅の供給を促進するため、改正高齢者住まい法の施行に合わせてこの住宅の建設に対する融資制度を設けたところでございます。この融資制度においては、サービス付高齢者向け住宅の底地となる土地の所有権をお持ちの場合だけでなく、ただいまお尋ねのありました定期借地権の場合も、質権の設定等、一定の条件を満たしていただくことで対象となるようになっております。
 御指摘ありましたとおり、ホームページ等の記述におきまして、抵当権の設定のところが底地所有権の場合を前提とした書きぶりになっております。ただいまの点の改善も含めて広報の充実を図りまして、幅広い利用が実現するよう努めてまいりたいと考えております。
#162
○秋野公造君 確認ですが、書き直していただけるということになりましょうか、済みません。
#163
○政府参考人(渡延忠君) ホームページ上、明らかにしたいと考えております。
#164
○秋野公造君 よろしくお願いをいたします。
 これは何回か聞きましたが、高齢者支援施設を展開する中では、このケア付きの部分のケアの質の担保というのはやっぱり重要だと思っておりまして、例えばショートステイの機能を併設させていくようなことを促進するのであれば、二十四時間の見守り機能は担保されていくということを考えると、今後質を向上させていくようなときにはこういったことを検討していただきたいとお願いをしたいんですが、しかし、指定居宅サービスの事業の人員、設備、運営に関する基準については、特養や老健などの併設事業所では利用定員を二十人未満とすることができるようになっていますが、このように併設となっている理由について教えていただけますでしょうか。
#165
○政府参考人(宮島俊彦君) 二十人未満は併設で認めているというのは、特養の本体の方にいるお医者さんとか栄養士さん、機能訓練指導員とか調理員は、これはショートステイ部分の兼務も可能になっている、それから食堂や浴室なんかもショートステイ独自のものは要らなくて特養本体のものを使えばいいということで、だから二十人未満であっても経営は安定的であるしサービスも保障されると。
 ところが、単独型のショートステイということになりますと、それで必要な人員、設備を独力で確保しなきゃならないということなので、その単独の場合は利用定員は二十人以上でお願いしますと、こういう整理になっております。
#166
○秋野公造君 済みません、確認ですが、これ例えば医療法人や社会福祉法人等が、特養とか老健が近くにあるところが一体的な運用が担保できるのであれば、それは併設の中で認めていく、まあ地域の実情によりましょうが、という解釈でよろしいでしょうか。
#167
○政府参考人(宮島俊彦君) その一体というか併設の定義ですが、同一敷地内はもちろんですけれども、隣接する敷地ですとか、サービスの提供や夜勤の職員の配置、これが一体的にできるということであればいいわけで、具体的には都道府県が地域の実情で個々の判断を行っていただくと、そういうふうになっております。
#168
○秋野公造君 ありがとうございました。
 熊本県の難病団体連絡協議会の陶山副代表、それから熊本の脊髄小脳変性症・多系統萎縮症患者、家族会の手島明さんという世話人、代表の方とお会いをいたしました。非常に悩みが深い状況で、難病の方々が共々に助け合う体制というのはやはり非常に困難があると思いました。
 大きく二点悩みがあるようで、そのお声をお届けさせていただきますと、やはり一点目は、例えばこの陶山さんという方も医療従事者ではないわけなんですが、一疾患の担当者が様々多種多様な難病の相談に乗るというのは非常に困難もあるようでして、そういう意味では自分たちと同じような形で県の難病支援センターの格差というものが存在をするのではないかと。ホームページ等々で様々支援をしていただいて参考にはなさるようですが、なかなか口で教えてもらうのとはちょっと困難で、情報を、かなりすばらしいホームページだとは私も思っているものの、その病気にかかったことがない専門家でない人にとってはやはりまだ難しいところもあるようでして、なかなかそういった患者さんの声に、患者さん自身がほかの病気の患者さんの身の上になって御相談をすることができないという悩みでありました。
 もう一人の患者会の方ですが、その患者会の中心者自身が、自分自身もやっぱり励ましてもらいたいといったような状況の中で、様々なお考えがある患者会をどのようにまとめてどのように運営をしていくのか、そういったことを、これもまた病気によって異なりますことから、誰に相談をしてどのように円滑に運営をしていけばいいのかがなかなか分からないというようなお話もありました。本人を励ましてあげないと非常にかわいそうな状況でもありましたので、そういう意味では、この県の難病支援センターが専門的なことを相談できるような窓口みたいなものがあったらいいなと個人的にも思いましたし、また、患者会ももう難病によって各種多様でありますから、何かそういう患者会の運営について手助けができるような何らかの手段というものが考えられないかとそのとき思ったんですが、何か助ける方法ありませんでしょうか、伺いたいと思います。
#169
○政府参考人(外山千也君) 難病相談・支援センターの都道府県格差につきましては、先生御指摘されましたけれども、これは厚生科学審議会の難病対策委員会においても最近指摘されております。
 それで、患者会の運営に係る相談支援につきましては、これまで全国的な患者組織であるとか各都道府県の難病相談・支援センター等が対応してきましたけれども、体系的になされていないなどのいろんな課題もございました。それで、実は今年度から、難病患者サポート事業といたしまして、民間シンクタンクに委託しまして、全国の患者団体の運営管理に関する相談や研修等の支援を行い始めたところでございます。
 今後の難病対策を考えますと、難病相談・支援センターの地域による格差については、やはりこれは全国的な視点から底上げを図ることが必要だというふうに考えております。
 また、患者団体の自主的な活動もこれもまた大変重要なことでございますことから、先ほどの今年度から始めておりますサポート事業を通じまして、こういった小規模又は設立準備中の患者団体等にとって、団体の運営のノウハウであるとか、そういった細かな知識についても、相談先の充実であるとか研修会の開催等の支援の充実を積極的に行ってまいりたいと考えております。
 それで、こういった専門家や当事者から成る難病対策委員会、さらには省内で副大臣を中心とした難治性疾患在り方検討チームをやっておりますので、こういったところでもやっぱり制度的な議論もやっていきたいというふうに考えております。
#170
○秋野公造君 ありがとうございます。
 女性医師の離職対策につきまして質問を申し上げたいと思います。
 医師不足の一つの決定的な対策というのは、やはり女性医師が復職しやすい環境あるいは離職しにくい環境ということを整えていくということが非常に重要だと思います。女性ですから、やはりどうしても妊娠をしたり出産をしたり、そういったことは避けて通れない部分もあるかと思いますが、一番医師として成長しなくてはいけない時期に現場を離れてしまい、その現場を離れて失った勘を取り戻すことができないままに元に戻ることができない女医さんも少なからずいらっしゃいます。今後、女子医学生の卒業比率もどんどん高まってくるような状況の中で、女性医師がそういった妊娠や出産する、あるいは女性特有の問題というものを乗り越えることができないのであれば、医師不足対策というのはなかなか前に進めることができないと思います。
 だからこそ、厚労省としても様々な保育に関する施策を整えてみたり、あるいは研修に対する施策を整えてみたりなさっているわけでありますが、一つ申し上げておきたいのは、この研修を受ける、それがばらばらであったりしたときには、なかなか、復職したい人たちが研修を受けたいときに預けることができないような状況ではその研修施設に行くことができなかったり、保育だけが整っていて研修ができるようなところでなかったらそれは医師としての腕を上げることができないからまた復職できなかったりということを考えると、こういったものをやはり複合させて取り組む必要があるのではないかと思っています。
 研修の医療機関で実力を付けることができた女医さんは、また別のところで様々な機会を見付けて仕事を続けることができるようになると思います。そういったときに今まで打ってきた施策が生きるのではないかということを考えると、今の時点では、女性医師の確保、女性医師の復職、離職防止の支援のためには、研修とそれから保育の体制、併せて行うことが必要であると思いますが、厚生労働省のお考え、いかがでしょうか。
#171
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員が御指摘のとおり、全医師に占める女性医師の割合は年々増えていまして、平成二十三年度の医師国家試験の合格者は三二・五%が女性となっています。特に、小児科とか産婦人科とか、今非常に医師が足りないところに女性の割合が多いということも承知をしています。
 ですから、特に、ワーク・ライフ・バランスが女性医師の場合は非常にそこを保ちにくく、妊娠、出産というところで辞められる方が多いことも事実でございますので、御指摘のように、女性医師等就労支援事業として女性医師の復職研修の受入れを行うための経費を医療機関に助成をしていまして、平成二十二年度では二十二の都道府県でこの事業に基づく研修の受入れ体制が整備をされています。また一方で、病院内保育所の運営事業に対する支援も行っていまして、平成二十二年度では全国千百九十二か所に対して補助をしています。
 ただ、本当に、委員がおっしゃるとおり、やはり研修と保育とが一緒に有機的にできるようにということは必要だと思っていますので、こうした御提案も踏まえまして、女性医師の方々への支援をどう有機的に組み合わせられるかは検討させていただきたいと思います。
#172
○秋野公造君 大臣、ありがとうございます。
 若年者雇用対策について伺いたいと思います。
 昨日、国民生活・経済・社会保障に関する調査会で参考人質疑をさせていただきました。中小企業からはダイヤ精機株式会社の諏訪貴子社長、それから大企業からは株式会社ニトリホールディングスの似鳥昭雄社長、お越しになりまして、様々なお話を聞かせていただきました、委員長もたしか御一緒だったかと思いますけれども。
 私、そこでやはりすごく印象的だったのは、お二人とも、円高対策で本当はお話を聞いたわけでありますが、非常に印象的であったのは、人は宝であるということで、社員の教育に対して力を入れているということでありました。例えばニトリホールディングスでありますと、一人当たり年間二十三万円人材育成に掛けているそうで、多い人では二百万円ぐらい人材育成にお金を掛けているということでありました。また、中小企業のダイヤ精機においては、経験不問、経歴不問ということで、世界にどこもまねをすることができないような技術者に育て上げることができる体制というものも整えていました。
 そういうことを考えますと、これまで国が取ってきたこの職業訓練という制度というのは絶対に私は必要であると思っています。若年者の雇用問題が非常に深刻化する中で、即雇用につながるような若年失業者に対する職業訓練の充実強化を今こそ図るべきではないでしょうか。厚労省の見解を求めたいと思います。
#173
○政府参考人(小野晃君) お答え申し上げます。
 今委員御指摘のように、若年者を取り巻く雇用情勢は非常に厳しくて、若年者の方々に就職していただけるように効果的な職業訓練を実施していくということが非常に重要なことだと考えております。
 こうした観点に立ちまして、若年者を始めとする求職者の就職支援を図るために、一つは、企業と訓練生が雇用契約を結びまして、OJTとオフJTを組み合わせて訓練を行って正規雇用に結び付けると、こういうことを支援する有期実習型訓練というようなことも国として促進をしております。それから、離職者やあるいは新規学卒者の方を対象とする公共職業訓練を実施をしてきたところでございます。それから、この十月から求職者支援法が成立をして施行されているということで、この求職者支援制度に基づく訓練も新たに推進をしていると。あるいは、今回の三次補正でも、この公共職業訓練、あるいは求職者支援制度の訓練の規模を拡大して強化をしておりますので、今後とも、若者を始めとする方々の職業訓練というものを充実強化していきたいと思っております。
#174
○秋野公造君 私も、中小企業と大企業とそれから若者との間にミスマッチが起きていて、中小企業は人が欲しいのに人を募集する時間もそしてお金もないというようなことを考えると、中小企業におけるこの人材育成というものがやっぱり必要だと思います。
 そして、昨日も諏訪社長にも確認をしたんですが、中小企業の中で全くニーズが異なりますので、中小企業の中で受ける訓練、中小企業の中で徒弟制度のように行ってきた訓練というものも全く内容が異なるものでありまして、専門学校的な教育の仕方ではなかなか即戦力となり得ないということを考えると、中小企業の中で必要なニーズにこたえた訓練を行っていくことは即戦力に育っていくということはやっぱり無視できないと思います。
 振り返ってみますと、大卒新人の採用を一斉に四月に行うのも、ある意味では全く未経験の人たちを会社の中で一気にずっと訓練をしていくという我が国のいい伝統があったからでしょうし、そして中小企業の中では先ほど申し上げた徒弟制度というものがあったから様々な技術というのは残っていったんだと思います。
 そういった中で、今局長おっしゃいましたが、この有期実習型訓練というものが、私は、事業仕分に遭って少し減らされてしまったというものは、これはちょっと残念だったと思っています。我が国のずっと会社の中で人を育て上げるという体制あったればこそ物づくりとか様々な技術力を日本が高めていくことを考えたことを考えると、この有期実習型雇用訓練が、評価をもしも国がされないのであれば、それは日本の雇用文化さえも、日本の中の人材育成の文化さえも変えてしまいかねないことになるのではないかということを危惧しています。
 その意味では、一つ提案をしたいのですが、例えばトライアル雇用制度みたいなものを拡充して、そういったものに有期雇用実習型訓練をかぶせていくような、そういう形で社内の人材育成を強化していく、こういった提案、いかがお考えになりますでしょうか。
#175
○政府参考人(小野晃君) 委員おっしゃるように、中小企業を始めとして、企業のニーズに合わせて訓練をしっかりして雇用を進めていくということが非常に大事だというふうに思っております。
 今御提案ございました、非常に大切な御提案だったと思います。現在は、若年者の雇用対策として、若年者を一定期間試行的に雇用して、その適性、能力を見極めて正規雇用へ移行を図るトライアル雇用制度というものと、それから、先ほど申し上げました実践的な訓練を通じて能力開発を行って正規雇用を促進する有期実習型訓練というものを実施をしているところでございます。
 今御提案のように、企業は若者を試行的に雇用して、実践的な訓練を行いながら正規雇用を進めるインセンティブ、企業のインセンティブを高めていくということによって雇用を進めていくということで、トライアル雇用制度と有期実習型訓練の一体的な活用を可能とする制度改善を、今御提案ございましたので、検討していきたいというふうに思っております。
 こうした取組を通じて、企業のニーズに即した人材育成を支援をして若年者の正規雇用を促進していきたいと思います。
#176
○秋野公造君 どうもありがとうございます。
 最後に、協同労働組合について伺いたいと思います。
 十一月十五日に日本ILO協議会の主催でILO協同組合振興勧告採択十年というシンポジウムが開催されました。このシンポジウムには石橋委員ともたしか御一緒させていただきましたが、私も、協同出資・協同経営で働く協同組合法を考える議員連盟の、坂口元大臣が会長をしていらっしゃるわけですが、その代理で御挨拶をさせていただいたところであります。
 この協同労働の協同組合法の法制化について、大臣はこれまでその中心となって御尽力なさってこられましたので、私はこの大臣の法制化についてのお考え、少し伺ってみたいと思います。
#177
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員がおっしゃいましたように、御党の坂口委員の下でというか御一緒にというか、この協同労働の協同組合法、協同出資で協同労働をするというような働き方についての法制度が全くないんですね、今。今までのどの法制にも当てはまらないと。これは元々地域の中で高齢者の福祉のサービスとか配食のサービスとか子育て支援とか、そういうようなところからワーカーズコープさんとかワーカーズコレクティブの皆さんなどがなさっていることが多かったんですけれども、最近では、これだけ就業状況が悪い中で、農業ですとか建設業などでもこのような形態が取り入れられている。そういう中で、やはりきちんとした法整備が必要だという立場で議員連盟としてはやってきました。
 ただ、それについて今までの雇用関係の中で、それぞれ労働条件を獲得してきた立場だとかいろいろなところから、これは私はこういう法制はある程度性善説の中で作らないとできないと思うんですが、悪用されては困るというような御意見も強く、そうした中で非常に多くの議員の方が加入しておいでのこの議員連盟なんですけれども、いろいろと各党内でもいろんな見解がある、それぞれの立場によっていろんな見解がある中で、残念ながらまだ法整備ができていないということだと思っています。
 厚労省の答弁書からいきますと、今後の議論を関心を持って見守っていくということになっているんですけれども、私としては、そういう懸念がされている状況を払拭をしながら、やはり多様な働き方がないと、私どもが言っている新しい公共というような社会的な事業ということも含めていろいろと必要が出てくると思いますので、しっかりとした議論を各党でやっていただいて、やはりこういう法律は必要ではないかと私自身は考えています。
#178
○秋野公造君 私も、新しい働き方というんでしょうか、新しい労働の在り方というんでしょうか、そういう意味では非常に興味を持ちまして、それに対する期待を申し上げたとともに、ちょっと素人だったものですから、例えば組合を除名されることが解雇につながるときにその考え方というのはどうなるのかみたいな率直な疑問を挨拶の中でちょっと申し上げたりしたところ、ちょっと苦笑いをされるような場面もあったりしました。私も、一議員としてその議論の推移を見てまいりたいと思います。
 ありがとうございました。
#179
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 今日は国際エイズデーということで、先ほど委員からもお話がありましたけれども、エイズに大事な対策の四つあるんですけれども、小宮山大臣、ちょっと予告していなかったんですが、エイズ対策の四つ、何が大事だと思いますか。
#180
○国務大臣(小宮山洋子君) 川田委員に試験をされているようでございますけれども、先日も私、本日の国際エイズデーに向けたイベントなどに参加をしてまいりまして、まずは、一つは検診をしっかりと受けていただくということ、それから、やはりこれは性交渉によって感染をしますので、そういう意味ではコンドームをちゃんと使っていただくということ、それから、やはりエイズに対する正しい知識を持っていただくということが必要かと思っています。
 これが合っているのかどうか、申し訳ありません。
#181
○川田龍平君 是非、この予防のそのコンドームのことと、そしてやはり予防と教育にやっぱりしっかり力を入れていただきたい。そして、一つ目が予防で、二つ目が検査体制をしっかりやっていただくこと、そして三つ目に治療がありまして、治療がしっかり行き届いていけば感染させる力を弱めることもできるのが治療ですので、治療もしっかりやっていただく、そして四番目にケア、やはり相談事業ですとかそういったケアにもしっかり力を入れていただく、その四つをやはり是非エイズ対策としてしっかり、予防と検査と治療とケア、その四つをやっていただけるように是非よろしくお願いいたします。
 それでは、用意した質問に入らせていただきます。
 薬害肝炎検証委員会の最終提言を真摯に受け止めて実現を図ると小宮山大臣も表明されたと聞いておりますが、この提言の中で最も重要な医薬品行政を監視、評価する第三者組織の設立について、医薬品制度改正検討部会では厚生科学審議会に部会を新設するということで対応するとの方向性が案として示されました。これは独立性を担保された新たな八条委員会としての設置という提言とはならなくて、大臣官房に医薬品等監視・評価委員会議を暫定的に設置するなどの議論もなされていると聞いております。
 本当にこの最終提言の精神というものを生かしていただけるのかどうか、政府の見解をお聞かせください。
#182
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘いただきました薬害肝炎検証・検討委員会の最終提言におきましては、薬害の発生及び拡大を未然に防止するため、医薬品行政機関とその活動に対して監視及び評価を行う第三者組織の設置が求められているところでございます。また、最終提言におきましては、第三者組織の位置付けについて、中立公正な立場から厳正に医薬品行政と医薬品の安全性について監視、評価を行う第三者組織は厚生労働省から独立した組織であることが望ましいと考えられるとの指摘がなされているところでございます。同時に、一刻も早く監視、評価組織を実現するという観点から、第三者組織を当面同省に設置することを強く提言するという指摘もいただいているところでございます。
 現在、医薬品等制度改正検討部会におきましては、この最終提言を踏まえまして、第三者組織の在り方を含む医薬品等の承認時や販売後における安全対策の強化に関する事項や医療上の必要性の高い医薬品等の迅速な承認等に関する事項に対して必要な制度改正について議論をいただいているところでございます。
 その中で、第三者組織につきましては、平成十一年に閣議決定された審議会等の整理合理化に関する基本的計画では「審議会等は、原則として新設しないこととする。」と示されていることを踏まえまして、確実に第三者組織をつくることを優先するために既存の厚生科学審議会に新たな部会を設置することが望ましいのではないかとする案をお示しした次第でございます。
 しかしながら、この案に対しましては、最終提言で、第三者組織に求められている独立性等が担保されていないのではないかという観点から、既存の審議会とは別個の独立した審議会を新たに設置することを求める意見も出されているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、最終提言に示されたように、独立性等が担保された医薬品行政機関を監視、評価する第三者組織を設置することが国民の薬事行政への信頼回復のためにも重要な課題であると認識しているところでございまして、このような経緯を踏まえて、薬害の再発防止という観点に立って第三者組織の望ましい在り方について引き続き検討を進めていきたい、このように考えております。
#183
○川田龍平君 平成十一年以降のこの閣議決定以降も、八条委員会として、例えば、がん対策推進協議会ですとか肝炎対策推進協議会ですとか消費者委員会ですとか、そういった独立性のこういった協議会という形のものをつくって、委員会もつくってやっていますので、是非そういった、官僚主導にならないように、是非とも政治主導を発揮していただいてこの体制をつくっていただけるように、是非これは先送りするのではなく、しっかりとこの政務三役の人たちに、前回のこの委員会でもこの薬害をなくす決意をお聞きいたしましたが、是非本気に取り組んでいただいてしっかり政治主導を発揮していただきたいと思います。
 是非、いかがでしょうか、辻副大臣。
#184
○副大臣(辻泰弘君) 先送りせず政治主導で取り組むべしという御意向をいただきました。与党のサイドからもそのような御指摘をいただいておりまして、委員のお言葉も受け止めて進めてまいりたいと思います。
#185
○川田龍平君 ありがとうございます。
 次の質問に移ります。
 今日、先ほども話しました、十二月一日というのは世界エイズデーですが、厚労省のエイズ対策研究事業の調査では、男性同性愛者などの性的マイノリティーの方々の心の健康の問題が指摘されています。調査では、約半数がいじめられた体験を持ち、自殺未遂にまで追い込まれた方も一五%近くと非常に高くなっています。このようなメンタルヘルスの悪さが、自分の健康を自分で守るという意識の低さからHIVやそのほかの性感染症の罹患リスクを上げているというふうにも考えられています。また、この性同一性障害と診断された患者を対象とした岡山大学の調査でも、やはり高い自殺未遂率が認められたとの報道がされています。
 厚生労働省として、性的マイノリティーを始めとする方々の心の健康についてどのような把握をし、具体的にどのような対策を考えているのか、お聞かせください。
#186
○大臣政務官(津田弥太郎君) 川田委員にお答えを申し上げます。
 今申された性同一性障害というのは、生物学的な性と心理的な性、これが不一致をしているということで、それによって自らの性に対する不快感、嫌悪感、あるいは反対の性に対する強い同一感、あるいは反対の性役割を求めるという非常に葛藤があるということで、そのためにうつ症状とか不眠とか、そういう精神的な苦痛を伴っていらっしゃる方というふうに言われておるわけでございます。そして、そういう性同一性障害とか、あるいは同性愛者の方とか、両性愛者というような方々を総じていわゆる性的マイノリティーという言い方がされているというふうに承知をいたしているわけでございます。
 このいわゆる性的マイノリティーの方々については、対人関係や偏見に苦しむことが大変多いということで、先ほども言いましたように、うつ病あるいは精神疾患にかかることが多い、極めて精神面でのケアが重要になるというふうに認識をいたしております。
 当然、このうつ病の対策としては、早期発見、早期治療が何よりも重要であるというふうに思いますので、かかりつけ医を対象にしたうつ病に関する研修の実施、あるいは精神科医とかかりつけ医の連携強化、それからケースワーカーやコメディカルを対象としたうつ病に対する研修等を行うなど、治療体制の充実を図っております。
 悩みが大きくなったときには、御本人でも御家族でもよいので、抱え込まずに、できるだけ早く自治体の保健所のメンタルヘルス相談を利用したり精神科医療機関を受診をしていただきたいというふうに考えております。
#187
○川田龍平君 ただいまお答えしていただいたように、このうつ病対策に関しては早期発見、早期治療ということで、悩んでいる方が各地の相談支援機関につながりやすく、行く体制づくりに取り組んでいるということですけれども、一方で、この性的マイノリティーの場合、社会的な偏見を恐れてなかなか相談につながりにくいという実態があります。
 例えば川崎市などでは、この性的マイノリティーに関する相談に対応する相談窓口についてホームページに載せただけで、この情報提供を行った結果、年間での相談件数が数十件にも増えたという情報があります。
 悩んでいる当事者が相談機関につながることへの不安を減らすための施策として具体的に考えていることがあれば、是非お聞かせいただきたいと思います。
#188
○大臣政務官(津田弥太郎君) 川崎市のホームページを私も見させていただきました。この性同一性障害などの相談というのは自治体の精神保健福祉センターなどで対応が行われているわけでございますが、川田委員御指摘の川崎市あるいは鹿児島市などでは、性同一性障害について相談を行っているということを明確にして、ホームページに大きな見出しで書かれて相談を受け付けておられるというふうに承知をいたしております。
 悩んでいる方が相談しやすい体制は重要でありますので、相談しやすいということを、どういうやり方が一番いいのかというのは、既に実行されている自治体の皆さんの状況を見ながら、厚生労働省としても、一番いいやり方はどういうやり方かを更に研究してまいりたいというふうに思っております。
#189
○川田龍平君 是非、この自殺対策というのは、やっぱり本当にそういったマイノリティーであってもやっていくことが実は本当に自殺を少しずつでも減らしていくことにつながると思いますので、是非しっかりやっていただきたいと思います。本当に社会的な原因で起きている自殺対策をしっかり一つ一つ取り組んでいただきたいと思います。
 次に、介護報酬改定について伺います。
 現在、介護給付費分科会において、この介護報酬改定で厚労省から、生活援助について現行の三十分から六十分未満を四十五分未満に見直すとの案が出ていますが、もしそうなると、介護予防の観点から逆効果になる懸念があるだけでなく、介護労働者の細切れな労働が増え、離職者が増加する懸念もあります。そうした介護の現場から起きている懸念について、厚労省はしっかりと認識しているのでしょうか。また、制度としての信頼性を担保しないことには、利用者にとっても介護労働者にとっても不安が付きまとったままとなってしまいますが、政府の見解をお聞かせください。
#190
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘をいただきましたように、介護給付費分科会におきまして、訪問介護の掃除、洗濯、調理を行う生活援助サービスについて、サービスの提供実態を踏まえるとともに、限られた人材の効果的活用を図り、より多くの利用者に対しそのニーズに応じた生活援助サービスを効率的に提供するといった観点から、四十五分での区分を基本とした見直しを行うことについての議論が行われているところでございます。
 また、訪問介護員の関係団体からも、比較的短時間の生活援助のニーズも多いとの指摘もなされているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、四十五分の区分に変更した場合におきましても、適切なアセスメントとケアマネジメントに基づき、現在行われている六十分程度のサービスを行うことは可能であると考えているところでございます。
 この点の見直しにつきましては、現在、社会保障審議会介護給付費分科会におきまして議論が行われているところでございまして、その結果を踏まえて適切な介護報酬の設定をしていきたい、このように考えているところでございます。
#191
○川田龍平君 この洗濯のところですけれども、平均十六分ということなんですね。これ、全自動洗濯機でも十六分では回らないと思うんです。やっぱりここ、しっかり時間のところを、平均ということで出されても本当に実態に即していないということで、やっぱり是非この時間の問題をしっかり考えていただきたいと思います。
 次に、在宅医療における薬剤師の活用についての質問に移ります。
 患者さんのお宅に飲み残しの薬剤について非常に膨大な量があるのではないかということで、特にニュージーランドでは、ある薬局の薬剤師さんが自宅にある飲み残しのお薬を持ってきてくださいと呼びかけたところ、段ボール箱で四つを超える膨大な量の医薬品が集まって、こうした医薬品の無駄を省かなくてはならないという議論が始まったと聞いています。
 日本でも飲み残しのお薬というのはたくさんあると思うんですが、こうした飲み残しのお薬を軽減するために薬剤師を積極的に活用してはいかがかと思いますが、その質問なのですけれども、飲み残しの薬剤について厚生労働省はどの程度把握しているのか、お聞かせください。
#192
○政府参考人(木倉敬之君) お答えをいたします。
 この調査といたしましては、平成十九年から二十年にかけてですが、日本薬剤師会の方で、高齢者の方への服薬指導をよくやっていらっしゃる薬局あるいは病院の部門というようなことを対象にアンケート等で調査をしたものがございます。
 その結果を見ますと、ちょっとその対象の薬局等の数が少し少ないので粗い推計になりますけれども、在宅患者の医薬品の飲み忘れあるいは飲み残しというものは、七十五歳以上の患者の方々の状況で見ますと薬剤費の金額ベースで見ますと二割程度見られたということで、それを年間の高齢者の方々の薬剤費に置き換えてみますと約五百億円近くというようなことになります。また、その中では、薬剤師さんが服薬指導を在宅の患者さんにきちんとするということによりましてちゃんと飲んでいただけるかどうかということも調べられておりまして、そうしますと、やはり九割程度の方々はきちんと飲んでいただけるということでございます。そういうことをまたその五百億の中で考えますと、年間ではきちんと飲んでいただけるものは四百億ぐらいは見られるんじゃないかというふうな推計もございます。
 こういう中でも、やはり薬剤師さんの、先生御指摘のように、在宅医療の中での役割は大変大きいものがあると思っておりまして、そういう認識を持ってチーム医療の中で役割を果たしていただきたいと、そういう力を高めるための研修等も行ってまいりたいというふうに思っております。
#193
○川田龍平君 この五百億円というだけの規模が残っているということですので、本当に、中には自分の常備薬として家に置いてあるものもあるのでお守りとして持っていかなきゃならないという薬もあるかもしれませんが、必要な薬と必ずしも必要ではない薬というものをきちんと分けておくことができるように、もっと薬を賢く使っていくことが大事だと思います。
 政府でもチーム医療の議論をしていると思いますが、もっと薬剤師の活用をして、安心、安全な医療を提供して、もっと賢く医療を受けられるような世の中にしていくべきではないかと思います。概算要求には在宅拠点薬局などの整備で二十億というようなことも書かれていますが、この在宅拠点整備に限らず、後発医薬品の使用の促進や残りの薬の評価、保健指導などにも薬剤師などのコメディカルスタッフを活用できる政策を是非期待しております。
 最後に、災害対策法制の抜本的改正について伺います。
 東日本大震災から八か月半以上がたっていますが、また東海地方でも大地震も以前から予想されています。まさに今度こそ、日本全体の問題として、国が災害対策の法体系を一新して国が責任を持つということが必要です。
 現在、内閣府では災害対策法制のあり方に関する研究会が開かれ、中央防災会議でも防災対策推進会議が設置され、災害対策の抜本改正の議論が始まっています。災害救助法がせっかくあっても、通知や通達が大量にあるほか、「災害救助の運用と実務」という厚さ三・五センチ、八百六十一ページにもわたる冊子があり、この「災害救助事務取扱要領」というとても分厚い手引に基づいて運用がなされているということで、自治体の現場でも理解するだけでも大変であるだけでなく、本来の災害救助法の精神が全く生かされないという運用になっています。そのために多くの命が切り捨てられていると。
 一九五九年の、振り返ると、伊勢湾台風の大災害を教訓にして災害対策基本法ができ、さらにこの一部が移管された以外に、一九四六年の昭和南海地震の経験からできてきた、それ以来、阪神・淡路大震災後も議論だけはされていたにもかかわらず、いまだに大きな変更がなされていないというのが災害救助法なのです。
 その災害救助法を始め、多くの法律を省庁横断的に活用できるように、内閣府に全ての制度を一本化して活用していくような抜本改正を行うべきではないかと思うんですが、この改革のタイムスケジュールと、併せて内閣府の意気込みを伺いたいと思います。
#194
○副大臣(後藤斎君) 先生御指摘のとおり、三・一一東日本大震災以降、いろんな課題また教訓がたくさんあったと思います。そのうちの一つとして、先生御指摘のように、災害対策に係るいろんな法体系が実際の応急対策また救命にどう資したかと。
 今先生御指摘のように、京都大学の林春男先生を座長にして災害対策法制のあり方に関する研究会、今まで五回議論をし、来週の火曜日、六日の日に第六回目が行われる予定になっておりますが、およそ論点を来週整理をし、現在並行的に、これも先生の御指摘をいただいたように、中央防災会議の専門調査会として、官房長官が座長でありますけれども、災害担当大臣や厚労大臣、関係大臣が学識経験者の皆さんと一緒に防災対策推進検討会議というものも今開催をしています。
 これが最終的に災害対策に関する法体系をどうするかというようなことをこの有識者の研究会を議論を踏まえてまとめていきますが、来年の春に中間報告、夏には最終報告を取りまとめた上で災害対策全般の更なる充実強化ということを図って、順次法体系を整備していくということになっていくと思います。万全を尽くして対応をしていきたいというふうに思います。
#195
○川田龍平君 ありがとうございます。
 小宮山大臣、最後に。本当に女性のリーダーの活用ということもこの中には含まれていたかと思います。是非、この災害救助法や尊い犠牲を基にして成立した、議員立法で成立した災害弔慰金法などを所管する厚生労働省のリーダーとして今後の抜本改革に向けて是非、時間、最後ですけれども、どんな決意を持って臨もうと思っているのか、被災者の視点に立って、また全国民が被災者になり得る日本において皆が安心できる言葉を一言いただけないでしょうか。
#196
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃいましたように、女性の意見をもっと入れることですとか、例えば災害救助法で、仮設住宅に入るところまでは厚労省なんですけれども、それを建てるのは国交省であり、入った後の支援は今度は内閣府の方とか、本当に被災者の身になっていない部分がありますので、私もこの関係閣僚の検討会議のメンバーの一員でございますから、今御紹介あったところから上がってきた場合には、今後にしっかりと生かされるように取り組みたいというふうに考えています。
#197
○川田龍平君 是非お願いします。
 ありがとうございました。
#198
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 社会保障と税の一体改革の中で提案をされています受診時定額負担についてお聞きをいたします。
 これは高額療養費の負担軽減の財源だとして一回の受診ごとに百円、住民税非課税の方にも五十円という負担を今の医療費負担に上乗せして徴収しようとするものです。高額療養費については、もちろん負担の軽減は必要で、私たちも、月ごとの負担上限の引下げはもちろん、慢性疾患や難病のように長期にわたる医療費の負担はヨーロッパのように年収に応じて大幅な負担軽減策というのを取ることが必要だと、こういう提案もしてまいりました。しかし、そういう財源は公費で賄うべきだと考えます。
 お聞きしたいのは、そもそも日本の医療保険制度というのは病気やけがをしたとき治療に必要な医療費はみんなで分かち合おうと、これが原理原則になっていると思うんですね。ところが、受診時定額負担は患者同士だけで負担を分かち合えと、こう求めるもので、これは私たちの国の、この医療保険制度の原則に反するものではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#199
○副大臣(辻泰弘君) 言うまでもないわけでありますけれども、医療保険制度におきまして高額療養費の改善に必要な財源は、保険料、公費、患者負担のいずれかで確保しなければならないものでございます。高額療養費の見直しにつきましては、昨年も議論をしたところでございますけれども、厳しい経済状況の中で給付改善のために保険料の引上げを行うことには関係者の理解が得られず、見直しを見送った経緯があるわけでございます。
 御指摘をいただきました受診時定額負担は、こうした保険料負担の引上げが困難な状況の中で、給付の重点化の観点から一体改革成案に盛り込まれたものでございまして、現在、医療保険部会で議論をいただき、御指摘いただきましたような論点についても御議論があったところでございます。
 いずれにいたしましても、医療保険部会などにおきまして関係者の意見を十分聞きながら検討し対処していきたいと、このように考えております。
#200
○田村智子君 保険料の引上げはもう厳しいということだということですけれども、それはもちろんそうなんです。だから私たち公費で賄うべきだというふうに求めているんですけれども。
 厚生労働省からいただいた資料を見ても、二〇一五年度ベースの増額分、その高額療養費見直しの増額分三千六百億円、この中には本来公費で負担すべき一千二百億円、これも定額負担に入れるんだってなっているんですよ。保険料引上げの分だけじゃない、元々今の制度で公費で賄うべきものも定額負担で見てくださいよってやっちゃっている。小宮山大臣、これは私は全く説明が付かないというふうに思うんですよ。
 しかも、医療保険部会に提出された資料を見ますと、受診時定額負担の導入によって受診行動が変化をする、いわゆる長瀬効果を反映した数字が示されている。これは、定額負担を導入すれば新たにまた受診抑制が起こると、このことを想定した数字ではありませんか。
#201
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘をいただきましたけれども、医療保険におきましては、給付率が変化すると患者の受診行動が変化し医療費の増減の効果が生じる、いわゆる長瀬効果が生じることが経験的に知られているところでございます。
 受診時定額負担につきましても、給付率、患者負担が変化することになりますので、この影響を見込んだ形で財政影響を試算し、検討をさせていただいているというところでございます。
#202
○田村智子君 更に受診抑制が起こるということを認めているんですよ、これによって。今だって受診抑制が大変な健康格差までもたらしていると、こういう指摘がされています。
 今日、資料をお配りいたしました。これは口腔の状態、歯の状態を示した資料なんですけれども、全日本民主医療機関連合会が今年、無料低額診療事業に受診した患者さんの歯の状態を数値で示しました。DMFT指数というものなんですけれども、これを全国の平均値と比較して調査の発表をしています。
 この無料低額診療事業というのは、医療費の負担がゼロあるいは非常に低額で受けられる。その対象となり得るのは生活保護と同じか同水準の所得の方、いわゆる本当に低所得の困窮されている方ですね。この青い数字がその無料低額診療事業を受診した患者さん。比較したのは、虫歯を治療した歯、虫歯だけど治療していない歯、それからもう喪失してしまった歯、この合計なんです。明らかに全国平均と大きな乖離があるんです。世代によっては十本の差があると、こういう数値が示されてきています。この数値が何を示しているのか。
 今日、もう一つ資料を後ろに付けました。同じく、全日本民医連が二〇〇九年に歯科酷書、酷というのは残酷の酷です、こういう報告をまとめています。その抜粋です。
 劣悪な労働条件で治療の時間もない、お金もない、そのままほぼ全ての歯がなくなってしまったという三十代、四十代の男性、それから十九本も虫歯があっても治療中断を繰り返している十代の女性など、経済的な理由での受診中断が口腔崩壊、もう虫歯とかという段階じゃないんです、口腔崩壊をもたらしていると、こういうふうに告発をしているんです。
 受診時定額負担というのは、これ、低所得者の方にも負担を求めています。そして、低所得の方にほどその負担は重くのしかかります。そうなればこうした健康格差を更に深刻化させることになると思うんですが、大臣、こうした調査はどう思われますか。
#203
○国務大臣(小宮山洋子君) この受診時定額負担につきましては、先ほど辻副大臣から御説明したような財政の事情などから一体改革成案に盛り込まれて検討しているものですが、御指摘のように、やはり必要な受診ができなくなるようなことがないように、そのためにやはり低所得者への配慮ということは言って、定額の低減をするということも御提案をしているのですけれども、多くの方から、やはり病気の人が病気の人を助けるというのはおかしいじゃないかという御指摘もいただいておりますので、各方面の御意見を伺ってしっかりと検討していきたいと思っています。
#204
○田村智子君 低所得の方だけではないんですね。全国保険医団体連合会が昨年行った歯科医療に関する一万人市民アンケート、一万人を超える方から回答を寄せていただいた。治療せず放置している歯があると答えたのは三六%、うち三割が費用が心配という理由を挙げておられます。
 歯の疾患というのは自然治癒はあり得ないんですね。放置をすればどんどん悪くなっていく。それは口の中だけでなくて全身の健康状態にまで影響を与えてしまう。であれば、早期に歯を治療していれば口腔崩壊は避けられるし、内部疾患避けられる。これ、医療費増大を抑えることができるはずなんです。やはり早期の治療を保障するために、子供の医療費を無料化にするとか経済的に困難な世帯への医療費の負担の軽減という、これが社会保障の私は改革だと思うんですよ。まあ、そうじゃないかと求めても、ここで答えることは難しいと思います、定額負担には党内でもいろんな御議論があるということが報道されていますのでね。
 私、受診時定額負担、せめてこれは断念すると、医療費の負担を更に増やすという政策は、これは受診抑制を必ず生むんですから、これは将来にわたって選択すべきではない、そう思うんですが、大臣、もう一度御見解をお聞かせください。
#205
○国務大臣(小宮山洋子君) 今委員が御指摘のような問題点が提起されていることも十分承知をしておりますので、様々な御意見を伺いながらしっかりと検討をしていきたいと思っています。
#206
○田村智子君 本当は断念するとまで明言をいただきたいところですけれども、是非その方向で進めていくことを強く要求したいと思います。
 関連して、歯科の診療報酬についても取り上げたいと思います。
 私、さきの臨時国会で過去二十五年間一度も改定されなかった歯科診療の項目を質問主意書でただしましたところ、答弁書を見て大変驚きました。五十を超えていました。四半世紀一度も改定されていないと。この二十五年間、平均賃金で見ても一・三四倍、ところが歯科医療については人件費はずっと据え置かれているというふうに言えると思うんですね。窓口負担の軽減と診療報酬のまともな改定が行われなければ歯科崩壊だと、こういう声さえ起こっているわけです。
 この場では訪問歯科診療について私も取り上げたいと思います。
 政府は、在宅医療をこれから重視すると、こういう方向を示しています。ところが、歯科の訪問診療については、先ほど質問もありましたけれども、診療報酬の支払に厳しい条件が付けられていて、これが普及を阻む要因になっていると思います。
 例えば、それを受けられる対象、常時寝たきりの患者さんだけと、しかも二十分以上診療行為をしなければ駄目なんだと、こういう条件が付されているんですね。在宅医療を必要とする方が全て二十四時間寝たきりだとは到底考えられませんし、またそういう状態の悪い方が二十分間治療を受け続けるというのも、口を開けていなさいというのも大変困難なことだと思うんですね。
 現場からは実態に即した条件の見直しを求める声が大変強いです。検討が必要ではないでしょうか。
#207
○政府参考人(外口崇君) 歯科訪問診療料の算定要件につきましては、歯科訪問診療の実態等を踏まえて、中医協における議論を経て、これまでの診療報酬の改定において対象者の明確化や評価体系の見直しを行ってまいりました。
 なお、平成二十二年度の診療報酬改定においては、現場から算定要件が複雑であるといった御指摘等を踏まえて、評価体系を、どれほどの時間訪問診療を行ったか、対象患者が同一建物に居住するかどうかを基準として設定いたしました。去る十一月十一日に開催された中医協においても、在宅歯科医療の論点の一つとしてこの評価体系や対象者の要件についての議論を行っております。
 歯科訪問診療料の評価体系や対象者の要件を含めた在宅歯科医療の在り方については、引き続き中医協における議論を踏まえながら検討していきたいと考えております。
 それから、二十分の時間要件についてでございますが、これにつきましては、訪問先の種類に関係なく診療時間が二十分以上の場合に歯科訪問診療料の対象とするような改定をこれは二十二年度に行っております。これは、確かに現場の先生方から、これは短縮できないかとか、そういった御意見もいただいておりますが、基になったのは平成二十一年に実施した調査結果でございまして、この場合、自宅の場合患者の約八割が三十分以上、介護関連施設の場合患者の約八割が二十分以上と、こういう訪問診療に要する時間というデータがございました。
 在宅歯科医療については、更なる推進を図る必要があると考えております。一方で、適正な医療を提供する観点というのもございますので、実態や学会等の御意見も踏まえながら、中医協における御議論を経て検討してまいりたいと思います。
#208
○田村智子君 現場のお医者さんたちは、患者さんの負担にならないように治療時間を短くする努力をされているわけですよ。呼吸器を付けている方が、その呼吸器外して二十分なんていうのは大変なことです。腰の痛い方にずっと上体を起こしていなさいというわけにもいかないんですよ。認知症の方が二十分集中力を持たせて治療を受けるのも困難だと。体を押さえ付けなきゃいけないような患者さんもいらっしゃると。これを短くすると、患者さんの立場で短くすると、個人宅の訪問治療ならば八百三十点の診療報酬が四十二点、再診で四十二点にまでなっちゃうんですよ。人件費にもならないんですよ。
 大臣、是非一言いただきたいんです。現場の実態に即していただきたい。不適切な例があって厳しくした、不適切な例をちゃんと取り締まるということはもちろん必要ですけれども、そのために、一の事業を取り締まるために百人の善意の方に泣いてもらうというわけにはこれはいかないと思うんです。現場の声をよく聞いて、合理的な改定、これを行うと、そういう方向を是非検討していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
#209
○国務大臣(小宮山洋子君) この点は今日の審議の中でもいろいろ御指摘をいただいています。中医協で今検討しているところですけれども、御指摘も受けて、しっかりと対応できるように検討していきたいと思います。
#210
○田村智子君 最後に、介護報酬の改定についてお聞きをしたいと思います。
 先ほどの質問にもありましたけれども、来年四月の報酬改定に向けて、生活援助の基準時間六十分から四十五分への短縮というとんでもない案が提案をされています。私もホームページから取りまして見てみたんですよ。生活援助の行為ごとの組合せ時間なんという、こういうモデル図があるんですけれども、例えば準備に六分、洗濯十五分、掃除十五分で三十六分、こんなモデル図があるんです。これ、例えば、洗濯機回している間に掃除していたって、それだって三十分で洗濯機が全部回り終わって洗濯物を干せるなんということはないから、洗濯機回っているうちに洗濯物を取り出して干しなさいと求めているのと同じことなんですよ。こんなばかなことはないわけなんです。
 何でこんな変なものが示されるのかなと思ったら、どうやら、基になった調査というのに大変な疑義があるわけです。このモデルを示すような基になった調査、一体いつ、どこに対して、回答締切りいつということで求めたものか、簡潔に御回答ください。
#211
○政府参考人(宮島俊彦君) お尋ねの調査でございますが、これは厚生労働省の老健局老人保健課で、四十四都道府県を通じまして訪問介護事業所、地域包括支援センターなどに対して、本年三月の訪問介護の提供内容やケアプランについて、本年五月に調査票を配付し調査を実施したものでございます。
 具体的には、訪問介護事業者がサービス提供記録を基に記載するということで、一か月間の訪問介護サービスの提供回数、掃除とか洗濯などの生活援助の行為ごとの所要時間、その実績を把握したということでございます。要支援一から要介護五までの訪問介護サービス利用者三千人に対し調査票を配付し、九二%の回答を得ているということでございます。
#212
○田村智子君 ちょっと聞き取りにくかったんですけれども、三月に実施したサービスについて答えなさいということを五月十六日に都道府県に出しているんですよ。当然、そこから介護事業者の手元に届いたのはもっと遅いでしょうから、五月下旬とか六月初めに三月のことを思い出して、あなたは誰々さんに対してこういう作業を何分やりましたかって答えなさいと求めているんです。
 だけど、ホームヘルパーさんたちは例えば洗濯を何分やりましたなんという記録取っていないわけですよ。これこれこれこれのサービスを提供しました、トータル時間はこれだけですという記録しかないんです。それを、記録を思い起こして書きなさいって求めたもの。
 小宮山大臣、三月に、一か月半とか二か月前のことを、あなたはこの仕事を何分間掛けてやったかと答えられて、正確に答えられる、そう思われますか。大臣、いかがでしょう。大臣、どうぞ。
#213
○国務大臣(小宮山洋子君) ただ、その以前にも同じような調査をしておりまして、その調査の結果は似たようなものだったというふうには聞いております。ただ、調査の方法が本当に適切であるかはまた後ほどチェックをしたいというふうに思っています。
 ただ、全国ホームヘルパー協議会からの意見書などでも、もっと短時間のものがあれば更にニーズは顕在化してくるというような御意見もあって今回このようにしたということなんですね。
 先ほどの御質問でもお答えをしたように、アセスメントとかケアマネジメントによって必要とあれば六十分ももちろんできるようにしていますので、選択肢が増えるということでもあるかというふうに思っています。いろいろなところで総合的な観点からこういう形を取ろうとしていますけれども、使い勝手が悪くならないように、そこはしっかりとフォローをしていきたいというふうに考えています。
#214
○田村智子君 大体、時間を計測するタイムスタディーという、そういう調査だってあるんですよ。ところが、今回はそういう調査は全くやっていない。しかも、この調査というのは元々何のためにやった調査かというと、利用者の状態とか同居家族の状態と、どういうサービスを提供しているかということの調査であって、作業時間を計ることを目的とした調査でも何でもないんですよ。それで介護報酬の基になる生活援助の時間を四十五分を標準にするなんということを出されたら、これとんでもないことです。
 しかも、全国社会福祉協議会が二〇〇〇年に出しているその報告書を見ても、大体その生活援助というのは標準時間を出すことは困難だと。部屋の広さも違う、介護の状態も違う、それから買物に行くのだって、お店屋さんがどこにあるかというので全然掛かる時間は異なってくるわけですね。標準時間として示すことは困難だという指摘がされているわけです。
 また、介護事業経営実態調査、直近のものを見てみれば、平均の生活援助の時間はどうか。七十分だと出ているわけですよ。
 これは今、物すごく介護の関係者の皆さん、心配していらっしゃいます。この間ずっと介護報酬の改定でずっと生活援助の時間って切り縮められてきて、ヘルパーの皆さんは利用者さんと話すゆとりもない。コマネズミのようにくるくるくるくる仕事して、はいさようならと行かなくちゃいけない。これは利用者さんにとっても自分たちにとってもいいことは一つもないと切実な声を上げていらっしゃるんですね。
 少なくとも今のような記憶に基づく調査で標準時間を出すなんということは不適切だと、ここははっきりさせたいと思うんですけれども、もう一度だけ、大臣、お願いします。
#215
○国務大臣(小宮山洋子君) 今の委員のような御指摘も踏まえまして、今、介護給付費分科会で検討しているので、その際には、調査の在り方ですとかそれから内容、それから関係者からの御要望、様々な御意見も伺いながらここの中で結論を出していくということだというふうに思っています。
#216
○田村智子君 終わります。
#217
○委員長(小林正夫君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#218
○委員長(小林正夫君) 次に、国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。小宮山厚生労働大臣。
#219
○国務大臣(小宮山洋子君) 国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。
 基礎年金の国庫負担割合については、平成二十一年度と平成二十二年度には、臨時の財源を活用して国庫負担割合を二分の一に引き上げましたが、長期的な給付と負担の均衡を図り、年金制度を将来にわたって持続可能なものとするためには、この基礎年金の国庫負担割合二分の一を維持することが必要不可欠です。
 この法律案は、これを踏まえ、平成二十三年度以降の基礎年金の国庫負担割合について定めるものです。
 以下、この法律案の主な内容について説明いたします。
 第一に、国庫は、平成二十三年度については、三六・五%の国庫負担割合に基づく負担額のほか、この額と二分の一の国庫負担割合に基づく負担額との差額を負担することにしています。この差額に充てるための財源については、平成二十三年度第一次補正予算で、当初予算に計上されていた臨時財源が東日本大震災に対処するために活用された経緯を踏まえ、復興債の発行による収入金を活用して確保することにしています。
 また、国民年金保険料の免除を受けた期間について、平成二十三年度も、国庫負担割合二分の一を前提に年金額を計算することにしています。
 第二に、平成二十四年度から所得税法等の一部を改正する法律附則の規定に従って行われる税制の抜本的な改革により所要の安定財源の確保が図られるまでの間の基礎年金の国庫負担については、税制の抜本的な改革により確保される財源を活用して、国庫が二分の一と三六・五%との差額を負担するよう、必要な法制上、財政上の措置を講じることにしています。
 このほか、関係する法律の改正について所要の措置を行うことにしています。
 最後に、この法律は、公布の日から施行することにしています。
 なお、この法律案については、東日本大震災に対処するための財源を確保する等の観点から、平成二十三年度の差額負担のための財源に関する規定等について一度修正を行いましたが、この財源について、復興債の発行による収入金を活用することにしたことを受け、再度の修正を行っています。
 政府としては、以上を内容とする法律案を提出いたしましたが、衆議院で修正が行われています。
 以上がこの法律案の趣旨です。
 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
#220
○委員長(小林正夫君) この際、本案の衆議院における修正部分について、衆議院厚生労働委員長池田元久君から説明を聴取いたします。池田元久君。
#221
○衆議院議員(池田元久君) 池田でございます。
 ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案の衆議院における修正部分につきまして、御説明を申し上げます。
 修正の要旨は、平成二十四年度から税制の抜本的な改革により所要の安定した財源の確保が図られる年度の前年度までの各年度について、三六・五%の国庫負担割合に基づく負担額と二分の一の国庫負担割合に基づく負担額との差額に相当する額を必要な税制上の措置を講じた上で国庫の負担とするよう、必要な法制上及び財政上の措置を講ずるものとすることであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#222
○委員長(小林正夫君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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