くにさくロゴ
2011/12/08 第179回国会 参議院 参議院会議録情報 第179回国会 厚生労働委員会 第5号
姉妹サイト
 
2011/12/08 第179回国会 参議院

参議院会議録情報 第179回国会 厚生労働委員会 第5号

#1
第179回国会 厚生労働委員会 第5号
平成二十三年十二月八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月七日
    辞任         補欠選任
 ツルネン マルテイ君     牧山ひろえ君
     高階恵美子君     古川 俊治君
 十二月八日
    辞任         補欠選任
     丸川 珠代君     上野 通子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小林 正夫君
    理 事
                梅村  聡君
                柳田  稔君
                石井 準一君
                中村 博彦君
                渡辺 孝男君
    委 員
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                大島九州男君
                川合 孝典君
                津田弥太郎君
                辻  泰弘君
                西村まさみ君
                牧山ひろえ君
                赤石 清美君
                石井みどり君
                上野 通子君
                衛藤 晟一君
                大家 敏志君
                古川 俊治君
               三原じゅん子君
                秋野 公造君
                川田 龍平君
                田村 智子君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
   副大臣
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       藤田 一枝君
       厚生労働大臣政
       務官       津田弥太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       厚生労働省健康
       局長       外山 千也君
       厚生労働省医薬
       食品局長     木倉 敬之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に
 関する特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(小林正夫君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、ツルネンマルテイ君及び高階恵美子君が委員を辞任され、その補欠として牧山ひろえ君及び古川俊治君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(小林正夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省健康局長外山千也君外一名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(小林正夫君) 特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○古川俊治君 初めに、自由民主党古川俊治の方から質問をさせていただきます。
 大臣、私も外科医でございまして、消化器外科をやっておりますので、今までもB型、C型を問わず肝炎の患者さん、特に肝臓がんになられた患者さんの手術をたくさん担当してきました。また、残念ながら多くの患者さんもみとってきました。我々は医療従事者でございますので、同時にB型及びC型の感染のリスクも大変高いものがございまして、私の大変懇意にしていた友人の医師は、B型肝炎の患者さん、これは肝硬変になりましたけれども、その方が吐血をされたと。そのときに血を大量に浴びて、劇症肝炎になりまして三日後に亡くなったという友人がおります。大変今でも残念な、非常に優秀な人でしたので残念に思っておりますし、また、私の同僚の医療従事者にも、患者さんからうつってしまった、B型及びC型の肝炎になられて今でも苦しんでいる、そういう人が数人もおります。
 ただ、私どもは、それはその当時、医療の中でB型及びC型の肝炎というものが、実態は、B型は私が医師になったときは分かっておりましたけれども、C型については私が医師のときはノンAノンBという形で習っておりまして、まだ発見されていなかったですね。検査方法ももちろん見付かっていなかった。ですから、それはやはり医療の中でまだ発見されていない未解決の問題として受け入れてきたんですね。
 私は、そういう医療の実態、中にいまして、実際患者さんを今までずっと見てきた、そういう中におきまして、残念ながら今回の法案は本心では賛成できない、そういうふうに思っております。そのことをまず最初にお話をして質問に入らせていただきます。
 本年一月二十八日の厚生労働大臣の談話、細川大臣のときだと思いますけれども、政府は、昨年の五月に和解協議の席に着いて、一月十一日に札幌地方裁判所からの和解に向けての見解が示されて、これについて検討を加え、その受入れと全体解決のための枠組みづくりをパッケージとする対応案を取りまとめたところであるという談話が載っているんですね。
 なぜこの札幌地裁の見解を受け入れることにしたか、和解に応じることにしたか、この点について御説明をお願いします。
#7
○国務大臣(小宮山洋子君) B型肝炎訴訟につきましては、御承知のように、先行訴訟が平成元年に提訴をされて、平成十八年の最高裁判決で五名の原告について集団予防接種によりB型肝炎に感染したことについて国の責任が認められました。その後、平成二十年三月以降、先行訴訟と同様の状況にあるとして集団訴訟が提起をされ、平成二十二年三月に今おっしゃった札幌地裁により和解協議に入るか否か検討を求められまして、五月に政府として和解協議の席に着くことを表明をいたしました。政府としては、裁判所の仲介の下、誠心誠意和解協議を進め、今年一月と四月に札幌地裁の所見が示されたところです。
 政府といたしましては、札幌地裁の所見を真摯に検討をした結果、この件を早期かつ全面的に解決をする、そういう観点から所見を受け入れたところです。
#8
○古川俊治君 私は、なぜ裁判所のを受け入れることにしたかと。真摯に検討したということですけど、その内容を教えてください。裁判所が受け入れろと言えば何でも受け入れるんですか。そうじゃないでしょう。
#9
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員おっしゃったように、いろいろな見解があることは承知をしておりますが、今申し上げましたように、これは非常に多くの方に精神的、身体的、そして経済的苦痛をお与えしたということで、これが連続注射によるものだということはやはり国の責任があると考えておりますので、これは早期に、そして非常に幅広いので、全面的に解決するためにはこうした方がいいということでこのような決断をいたしました。
#10
○古川俊治君 個別に解決していくという道も当然あるわけですよね。個別に因果関係をしっかり判定していくというのが通常の訴訟のことだと思いますけれども、何でこれを集団で解決することにしたんですか。
#11
○政府参考人(外山千也君) 先生御案内のように、このB型肝炎というのは、今回の原告だけじゃなくて、推定ですけれども、全国に四十五万人程度の感染者及び患者さんがいらっしゃるということでございまして、今回の原告団の背後というか、バックといいますか、そういったことで非常に広がりの大きい事案だということでございまして、そういった方々のことも踏まえて全体解決を図るために合意し、今回の法案を提出したわけでございます。
#12
○古川俊治君 それでは、これから先も、広域にたくさん苦しんでいらっしゃる患者さんがいらしていると、そういう状況であればこれは和解に応じるんですね、国は。
#13
○国務大臣(小宮山洋子君) それはそれぞれ個々のケースでしっかり検討していきたいと思います。
#14
○古川俊治君 それでは、個々のケースの判断があるわけですよね、なぜこのB型肝炎訴訟の場合は和解をしたんですか。
#15
○政府参考人(外山千也君) 先ほど大臣が御答弁いたしましたように、平成十八年の最高裁判決で、このB型肝炎、集団予防接種における注射器の連続使用によって感染したということで、国の過失がもう認められたわけでございます。そういうことが背景にございまして、類似の、この先行訴訟と同様の状況にあるということで全国各地で訴訟がなされ、それが集団訴訟となったということを踏まえまして対応したわけでございます。
#16
○古川俊治君 最高裁の中では因果関係を一つ一つ判断していますよ、ですからそれはそれでいいんですけれども。
 これ以上、水掛け論になりますから次に行きますけれども、では、この全国B型肝炎訴訟原告団とそれから弁護団ですか、基本合意書はなぜこの二つの団体と結んだんでしょうか。
#17
○政府参考人(外山千也君) この基本合意書は、集団訴訟について和解する場合に、利害関係を共通にする多数の原告につきまして同様の要件、内容で速やかに和解を行う必要があるために、和解解決のための手続や内容等の基本的事項につきましてあらかじめ原告団、弁護団と合意するものでございます。
 和解協議は主に札幌地裁で行われましたけれども、原告側は全体的解決を求められ、一貫して全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団として対応されたこと、それから、本件の基本合意書は、札幌地裁が他の裁判所も含めた同種訴訟につきまして広く適用されることを想定して示した所見を当事者双方が受諾して締結したものであることから、全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団を相手方として基本合意書を締結したものでございます。
#18
○古川俊治君 私が申し上げているのは、基本合意書を結ぶ相手方として適格かどうかということを申し上げているんです。法的な話なんです。おっしゃってください。
#19
○政府参考人(外山千也君) お答えいたします。
 平成十八年の最高裁判決の原告と同様の状況にあるとして、平成二十年以降集団訴訟を提起した方々が各地域に原告団を結成されたと。この全国B型肝炎訴訟原告団は、各地域の原告団を統括する組織として結成されたものでございまして、法的性質としては、法人格はございませんけれども、権利能力なき社団と考えられております。
#20
○古川俊治君 権利能力なき社団の場合、契約書を結ぶことは恐らくあるとは思います。しかしながら、最高裁の昭和三十九年十月十五日によりますと、権利能力なき社団と言い得るためには、団体としての組織を備え、そこには多数決の原則が行われ、構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続し、しかしてその組織によって代表の方法、総会の運営、財産の管理その他団体としての主要な点が確定しているものでなければならないと、これが最高裁の趣旨なんですね。
 この団体では、今言ったように多数決の原則が行われていて、そして総会の運営、財産の管理その他の団体としての主要な点が確定しているんでしょうか。
#21
○政府参考人(外山千也君) 先生が御案内のように、民事訴訟法におきましては、法人でない社団又は財団で代表者又は管理者の定めがあるものは、その名において訴え、又は訴えられることができるとなっておりまして、そういうことに照らしまして相手方として対応したということでございます。
#22
○古川俊治君 権利能力なき社団としての、今のおっしゃった内容の、そのための要件が今私が申し上げたような権利能力なき社団の要件なんです。だから、この点を確認しているかということです。民訴法二十九条の団体たり得るためにこの要件が必要だということを申し上げているんです。
#23
○政府参考人(外山千也君) この和解協議につきましては、厚生労働省のみならず、関係各省、特に法務省とよく協議いたしながら進めてきたところでございまして、札幌地裁におきましても、裁判所の方でも当事者として認めているということでございますので、そのように対応いたしました。
#24
○古川俊治君 団体として訴訟に応じた場合の法的な効力はその構成員に及ばないというのが法的な考え方でありますけれども、これ、各構成員の方々、原告の皆さんにこの判決文が及ばないで意味があるんですか、この基本合意書は。
#25
○政府参考人(外山千也君) 当然、我が方は基本合意書を尊重いたしますし、原告団の方もそれを尊重するということでございまして、当事者がサインしたものでございます。
#26
○古川俊治君 これは、裁判は国と当事者の患者さんの皆さんで起こっているんですよ。原告団で起こっているわけじゃないでしょう。
#27
○政府参考人(外山千也君) この基本合意書というのは、集団訴訟について和解する場合に、利害関係を共通にする多数の原告について和解を行う必要があるための一定の手続についての契約でございます。国と全国弁護団・原告団との間で締結したものでございますけれども、ここに記載された手続、内容を全国の弁護団が関与する事件に及ぶ前提で締結しているものでございます。
#28
○古川俊治君 今起こされているじゃ訴訟に限定してもいいでしょう。その原告の皆さんは全てこの団体に加入しているんですか。全て同意をしているんですか、この内容に。弁護団の方はどうなんでしょうか。
#29
○政府参考人(外山千也君) 個々人が全て合意しているかどうかは分かりません。恐らく個々人はしていない方もいらっしゃるかと思います。
#30
○古川俊治君 その方々は何でこの内容に拘束されなきゃいけないんでしょうか。
#31
○政府参考人(外山千也君) もしどうしてもこの合意に従わないという方でございますればその旨裁判されると思いますけれども、そういったケースにつきましては個別に対応したいと思っております。
#32
○古川俊治君 今後、国がやっていく中、今その基本合意書を作りましたね。ところが、これからやっていく訴訟って相手方もまだ決まっていないんですよ。そうですね。これから訴えられるかもしれない患者さん、誰が相手方になるか、その方々が国を訴えるかどうかも分かりませんよね。その場合に、何でこの基本合意書にのっとってやるわけですか。国はもう最初からその訴訟において、何で今からこの訴訟契約を守らなきゃいけないんでしょうか。当事者が決まっていない間に何で先にこの基本合意書ができているんですか。
#33
○政府参考人(外山千也君) 今申し上げましたように、この基本合意書というのは、この集団訴訟において和解する場合に、利害関係を共通にいたします多数の原告についてやったわけでございまして、恐らくといいますか、これからはこういった要件に該当する方につきまして、今の原告団の下でほとんどの方が裁判所の方に認定を求めていくという形になろうかと思いますけれども、そうでないケースもあると思います。それはそれで個別に対応するわけでございます。
#34
○古川俊治君 あなたね、集団訴訟、集団訴訟っておっしゃっていますけど、民訴法の根拠はこれ共同訴訟でしょう。共同訴訟ですね、民訴法上のね。それって、今実際に行われている訴訟って共同訴訟になっているんですか。
#35
○政府参考人(外山千也君) 現在のその訴訟については民事訴訟法上の共同訴訟だというふうに認識しております。
#36
○古川俊治君 今七百件ぐらい起こっているって先ほど御説明ありましたけれども、それが全て共同訴訟になっているわけですね。
#37
○政府参考人(外山千也君) 全てではございませんで、ほとんどだということでございます。
#38
○古川俊治君 その共同訴訟になっていない部分について、この基本合意書がなぜ拘束力を持つんですか。私は、この基本合意書が今後の国の全ての訴訟において基準となるということについておかしいんじゃないかということを申し上げているんです。
#39
○政府参考人(外山千也君) 私どものこの基本合意書というのは、同種の訴訟について速やかに和解を求めるというか、全体解決のために行ったものでございまして、そのように対応したいと思っております。
#40
○古川俊治君 あなたがどう考えるか別としまして、これ、訴訟の中で一対一で決めていくんですよ、原則を。そして、そこで初めて拘束力が生まれてくるんです。これが訴訟の原則ですよ。最初から決めて国はこうするんだと言っていって、別にこれから先に拘束される理由もないんですね、国側は。一つ一つやっぱり私は因果関係を判断していくべき事例だったと思います。まあこれは皆さんがそういう解決をされたということでありますから、本来はそうやるべきだったと私は考えているということでいいです。
 今回、この全国B型肝炎訴訟原告団に対して、既存訴訟に係る問題の解決のために五億円が支払われることになっているんですね。この五億円というのはどういうふうに算定したんでしょうか。それから、この五億円がどのように使われるか国の方は確かめますか。
#41
○政府参考人(外山千也君) 基本合意書におきましては、被告は全国B型肝炎訴訟原告団代表者の方に対しまして既存訴訟に係る問題の解決のため五億円を支払うということでございまして、これは、この団体加算金の金額につきましては今年四月に札幌地裁の方から示されました所見に従ったものでございまして、そういうふうに私どももそれに同意したということでございます。
#42
○古川俊治君 その使い道について確認しますか、国の方は。そのことを聞いているんです。
#43
○政府参考人(外山千也君) 個々の使途については確認いたしません。
#44
○古川俊治君 五億円を出しなさいと裁判所から言われたからって、それは理由を聞かなかったんでしょうか。
#45
○政府参考人(外山千也君) まさに理由は、先ほど申し上げましたように、既存訴訟に係る問題解決のためというふうに裁判所の方でおっしゃっておりまして、我が方も他の裁判の例を考えましてそれを受け入れたわけでございます。
#46
○古川俊治君 今回、合意されたということで、それは我が党もそのときにはその内容でそういう合意があったということは認めます。ですから、これは多くの国会議員の判断だったことはそうだと思うんですね。しかしながら、こうして全面的な和解という方法を取ってそれぞれについてしっかり考えていかないというのは、私は方法論としてどうだったのかなと、一つそれだけは申し上げておきます。
 今回、そして一・一兆円の五年間の試算というので今後の出費が見込まれているわけですけれども、そのうちの当初の案では七千億円を増税で賄おうという考え方でしたね。一千億円を厚生労働省の遊休資産や余剰金を支出ということでそれを出すという予定だったんですけれども、この点、七千億の増税について、和解に当たり国民への説明はしたんでしょうか、大臣。
#47
○国務大臣(小宮山洋子君) これは政府の方の税制調査会の方でもそういう議論をいたしまして、そこでこういう形で盛り込むということは国民の皆様に御説明をしていると思いますし、厚生労働省としても説明をしていると思います。
#48
○古川俊治君 何月何日にどのような形で説明をしたんでしょうか。
#49
○政府参考人(外山千也君) このB型肝炎の訴訟については、やはり広く国民の理解と協力をいただかなきゃいけないということでございまして、和解協議の過程で随時御説明申し上げておりまして、昨年十月には各病態ごとに国の提案それから原告の提案、それぞれ必要となる費用額を公表しております。それから、一月の札幌地裁の見解受入れ等、それから六月の基本合意締結の際に全体解決に要する費用の額を公表しております。それがさっき大臣が申し上げた。それから、七月の末の閣議決定に際しても、財源について政府の方針として公表しております。
#50
○古川俊治君 国民からの意見は聴取しましたでしょうか。
#51
○政府参考人(外山千也君) 個々の日付はちょっと覚えておりませんけれども、随時マスコミの方々に説明会を開きまして、そして広報をしていただく中で、直接は国民の方からの意見を聴いておりませんけれども、そういう形で広く周知し、図ってまいりました。それから、当然国会の中でいろいろ御議論いただいたところでございます。
#52
○古川俊治君 国民の皆さんが合意しているということはどうやって確証を取ったんですか。これ、発表があってから突然七千億の増税というのを発表されたように私は記憶しているんですけれども。
#53
○国務大臣(小宮山洋子君) 今局長の方からも御説明をしたように、随時可能な限り説明をしてきていると思います。突然ではなくて、今申し上げたように、昨年の十月、そして今年の一月、六月、そして今年七月の閣議決定のときにも政府の方針は公表をしておりますし、メディアの皆様にもそれを伝えてもらうような努力をしてまいりました。そういう意味では、必要となる費用とか財源についてその都度国民の皆様に公表をしながら進めてきたと思っておりますし、また昨年十一月の衆議院厚生労働委員会で参考人質疑も行いまして、国会でも御議論をいただいておりますし、そういう報道もなされているというふうに思います。
#54
○古川俊治君 これ、来年度に、結局本年度は補正予算で五十億ですか、ある分だけしか予算が手当てできませんでしたので、これから一・一兆円を五年間分で来年度にやるというのが修正の内容になっていますけれども、この点、厚生労働省は、一・一兆円についてですけれども、裁量的経費の削減とか、あるいはそのほかの剰余金等で、税外収入でこれをどの程度賄う見込みがありますか、大臣。
#55
○国務大臣(小宮山洋子君) 今年の七月に閣議決定をしましたとおり、当面五年間で必要な経費について、税制上の措置と、今言われたように厚生労働省での基金の返納ですとか資産の売却などによって必要な財源を確保する方針です。
 政府としましては、その修正された財源確保規定に基づきまして平成二十四年度に必要な措置を講じることになりますが、平成二十四年度予算に当面五年間で必要な費用の全額を計上するという趣旨ではございませんので、当面二十四年度につきましてはしっかり財源を確保しているというふうに考えています。
#56
○古川俊治君 来年度は何ですか、それは。どれが財源ですか。
#57
○政府参考人(外山千也君) 今、ちょっと補足いたしますけれども、今回、二十三年度の補正で、厚生省が自腹で準備すべき一千億円のうちの四百八十億円を補正予算で出させていただいたところでございます。したがいまして、残りは厚生労働省の方で五百二十億円、これを五年間で手当てするということでございますし、それから閣議決定上は税制上の措置で七千億円ということになっていますけれども、二十四年度においておおよそこういった財政上、税制上の措置にめどを付けるということでございますけれども、具体的に二十四年度に幾らを積むということにつきましては、目下、今予算編成最中でございます。
#58
○古川俊治君 法律には、来年度中に二十八年度までの税制、財政上の措置を講じることになっているんですよね。この点はいいですね。来年中にやるんですね。
#59
○政府参考人(外山千也君) 平成二十四年度に必要な措置を講ずることになっておりますけれども、ということでございまして、二十四年度に全て全額耳をそろえて計上するということではございません。
#60
○古川俊治君 できる限り裁量的経費も削って、厚生労働省の内部の問題から出てきたものですから、その点で処理していただきたいと思います。できる限り、復興のこともありますから、税金に頼らないようにお願いしたいと思っています。
 平成十六年の高裁判決においては、国の方は昭和二十六年度において既にツベルクリンにおける、予防接種における注射針、それから注射筒の使い回しによってウイルス性肝炎が起こるということが分かっていて、国内で知見が形成されていて、ところが、この通知が出たのが昭和六十三年になってからだったということですね。昭和六十三年の通知を見ますと、昭和六十二年にWHOが予防接種の実施において注射筒も取り替えるようにしなさいということを、意見を出したからだとされているんですけれども、小宮山大臣、この通知が出すのが遅れてしまったのはどういう理由だと思っていますか。
#61
○国務大臣(小宮山洋子君) 今のその六十二年のWHOに関してでしょうか、今問われているのは、通知が遅れたというのは。
#62
○古川俊治君 私が申し上げているのは、六十二年の通知が出たから六十三年に通知を出すことにしたんですね。だけど、実際は、裁判所の認定では、昭和二十六年にはもう医学的知見が集積されていたと、だからそこで指導を徹底するべき義務があったって認定しているんですよ。そこで長期間遅れてしまったと。
 この高裁の認定についてどう考えるか、それから遅れてしまった理由についてどう考えているか、その二点、お願いします。
#63
○国務大臣(小宮山洋子君) 日本で予防接種の行政の中で、予防接種法が施行されました昭和二十三年に注射針を一人ごとに消毒をすること、また二十五年にはツベルクリン反応検査とBCGについて、昭和三十三年に予防接種についてまた注射針を一人ごとに交換すること、さらに昭和三十四年からは予防接種後の異常があれば報告することなどという対応はしてまいりましたが、今委員が言われたように、二十六年にそうした指摘があったのであればもっと早く対応をした方がよかったということは私は事実だと思っています。
 また、その後、昭和六十三年に、今おっしゃったWHOの勧告を踏まえて注射針と注射の筒、これを一人ごとに交換することを指導するなど、その時々に可能な限りのことはしてきたと思いますが、今からそのときのことを言うのは、後になれば分かるということもあるかと思いますが、もっと早くに対応すれば防げたのではないかということは、私もそのようには思います。
#64
○古川俊治君 医学上の知見が確立しているのにやっていないことなんて山ほどあるんですよね。御存じのように、ワクチン行政においては、HPVだってまだ定期接種化していませんよね。Hibもやっていないし、肺炎球菌もやっていないんですよ。それから、そのほかにも、例えばアメリカの薬が今日本に入っていないとか、事業所では今、分煙化しなさい、大臣はやっていらっしゃいますけど、この分煙化も完全には行われていませんよね。これだけ医学上の知見がもう形成されているのに徹底していないと。この同じ論理でいったら幾らでもこれは厚生労働省の責任にされるんですけれども、これ、高裁の認定について正直にどう思われますか。
#65
○国務大臣(小宮山洋子君) 平成十八年の最高裁の判決では、遅くとも昭和二十六年には、集団予防接種等の際、注射針、注射筒を連続して使用した場合にB型肝炎ウイルスの感染の危険性について認識すべきだったとされていまして、また、昭和二十六年から昭和五十八年までの間に予防接種やツベルクリン反応検査を受けた五人に対して国の責任が認められているところでございます。
 今委員が前段おっしゃいましたように、国の予防接種行政が非常に各国に比べて遅れていると、そういう認識は私も持っております。今、予防接種部会で今言われたようなHib、肺炎球菌、それから子宮頸がんなどのワクチンをなるべく定期接種化する方向で検討しているところでございますが、そうしたことは、やはり日本の国民の皆様にとっていろいろ与えられるべきメリットが与えられていないということについては重く受け止めて、しっかりと対応していきたいと考えています。
#66
○古川俊治君 今おっしゃったように、高裁判決では、私はこの判決の内容はちょっと行き過ぎじゃないかと思っているんですけれども、まあそれはさておき、昭和二十六年には、高裁の認定では、医学的な知見が国内で形成されてとなっているんですね。今回の和解内容では、昭和二十三年の接種当時からの患者さんが含まれていると思います。この昭和二十三年から昭和二十六年までの接種者が今回の給付対象になるのはなぜですか。
#67
○政府参考人(外山千也君) 平成十八年の最高裁の判決では、昭和二十三年当時の欧米の最先端の医学論文やその論文を我が国に紹介いたしました昭和二十六年の論文などが存在することを踏まえて、遅くとも昭和二十六年には予防接種によるB型肝炎ウイルスの感染の危険性について認識すべきだったとされたところでございます。
 国といたしましては、国の責任を認めた平成十八年最高裁の判決を重く踏まえまして、欧米では昭和二十三年当時に注射筒、筒ですね、の連続使用で肝炎に感染することが論文で報告されたことを踏まえまして、基本合意書では昭和二十三年からの責任について認めることとしたものでございます。
#68
○古川俊治君 欧米での知見が確立されると、その瞬間に、そのときに厚生労働省が何か国内で指導や規制を行うという義務化はするんでしょうか。
#69
○政府参考人(外山千也君) ただいま申し上げましたように、平成十八年の最高裁判決で昭和二十三年当時の欧米の最先端の医学論文を踏まえて昭和二十六年の論文の存在を御指摘されたということでございますので、そういった最高裁の判決の趣旨を十分踏まえたわけでございます。
#70
○古川俊治君 そうすると、今でも、欧米の論文で、最新の論文で発表されたら、その瞬間に何か策をやるということですか。今おっしゃっているのはそういう内容ですよ。
#71
○国務大臣(小宮山洋子君) 必ずしもそういうことではないと思います。今回はその欧米の論文を基にした判決、今回の判決でこういうものが出たので、それを重く受け止めて基本合意に基づいてやっているので、一つ一つのものが全てそのことで対応するというものではないと、個々のケースでしっかりと対応したいと思っています。
#72
○古川俊治君 私が申し上げているのは、国の方に、我が国の裁判所で取られた考え方は、二十六年には医学的な知見が国内でできていて、だから国の方は義務があるという判断をしているんですね。
 その間、厚生労働省内で、この二十三年から二十六年の方々の接種に関することは話題にならなかったんでしょうか、少なくとも検討はされなかったんでしょうか。
#73
○政府参考人(外山千也君) 省内におきまして検討いたしまして、今回、最高裁の判決のこの趣旨を踏まえて基本合意に至ったわけでございます。
#74
○古川俊治君 昭和二十六年というのは、これはサンフランシスコ講和条約の年なんですよね。その三年前ですから四八年ですか、戦後三年後、あるいは三年前は、この議員の中だとまだ生まれていない人も結構いるんじゃないかと、私もそうですけれども。
 これは正直申し上げて、平成十六年の判決、その当時から、昭和二十六年からしてももう五十三年たっているんですね。その昭和二十三年からすれば五十六年ですよ。裁判官でさえ生まれていない可能性の方が高いですよね。生まれていたってまだ物心は付いていないですよ。別に高裁や最高裁の裁判官といったって、それこそ世間知らずの人たちですから、私から見ますとですね、普通の人ですから、その人たちが判断をしているんですね。その人たちが果たして、まあ世間知らずは言い過ぎました。だけど、一部のものしか見ていないですよ、確かにね。それは本人たちも認めています、割とたくさん知っていますけど。そういう中でやっていて、果たして五十三年前や五十六年前の社会的な認知というものが普通に判断できるのか。それは裁判官だから判断しなきゃいけないんですけどね。
 これに私は残念ながら引きずられてはいけないと思っています。本当に、国の方もこれ主張していますけど、昭和四十年当時でさえ、医療機関だって使い回しをずっとやってきたんですね。これは未消毒です。大体、昭和二十六年当時で、国もお金がない状況で、アルコール消毒とか、あるいは煮沸滅菌が普通だったんですけど、残念ながら、B型肝炎ウイルスというのは、煮沸滅菌よっぽど徹底しない限り駄目なんですよね。効果はないんですよ。
 そういう状況を、残念ながらこの判決が、患者さんを救うためにというのはよく分かります、それはそうさせたのは私は立派な法的判断だと思いますけれども、だからといって、いきなり国の方も認めてこういう判断をしていいのかどうかというのは、これは事例として私は本心賛成できないと。これは薬害C型肝炎救済法案のときもそうだったんですけれども。
 こういうことで、実際は、こういうのは残念ながら、私どもは、医者というのは、医療は不確実なものですよ。だから、その不確実性があって成り立っているものです。だけれども、その不確実性があっても、今ある病気を乗り越えたいから新しい治療法に挑戦するんですよ。本来は、残念ながらそういうことをやっていって、その中で患者さんに受忍していただかなきゃいけない部分も私はあると思っております。そういう中で、全てお金を給付していくのか、私はその点には大変疑問があるわけですよね。
 そういう中で、こういった事例は、これ実際は、今無過失という考え方出ていますけれども、関連するのはこの医療の無過失補償という考え方なんですね。私は、残念ながら、患者さんが悪い結果になってしまった、一生懸命みんながやってきたけれども残念だった、そういう結果になったときに、全てに給付すべきかどうか。これは政府部内で既に検討が始まっているようですが、この点についての大臣の考え方をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#75
○国務大臣(小宮山洋子君) 無過失補償制度についていろいろな問題があることは、私も議員のときにも取り組もうとした経緯もございまして、よく分かっているつもりでございます。
 この無過失補償制度については、ほかの分野に先駆けて、産科の分野で平成二十一年の一月から、分娩に関連して発症した脳性麻痺を対象とした産科医療補償制度が開始をされています。また、今年四月の閣議決定では、今年度内に保険診療全般を対象とする無過失補償制度の課題などを整理し、検討を開始するとされました。これを踏まえまして、今年の八月から、医療の質の向上に資する無過失補償制度等のあり方に関する検討会、ここで無過失補償制度の在り方ですとか課題について今検討を行っているところです。引き続き、この検討会で関係者の御意見を幅広く伺いながら検討していきたいと、そのように考えています。
#76
○古川俊治君 この無過失補償についてはもういろんな論点があるんですね。どういった疾患を対象にするか、それから医療行為との因果関係はどのように判定していくか、これもうそういった審議をやるだけで物すごい労力が要るんですね。残念ながら、それはあの検討会の中の様子もちょっと見ましたけど、ほとんどまともな議論になっていないですよ。
 実際は、この無過失補償、そこに、薬害ではやっていますけれども、それは薬剤の方の出費で何とか一部やっているんですけれども、本来は、やっぱり治って患者さんが元気になること、そこに医療の本質があるんですね。残念ながら亡くなってしまった人たちに、そこにこの厳しい財源の中お金を使っていては、やっぱり治る人も治らなくなっちゃうというのが実際です。その点をよくよくお考えいただいて、本当に医療の中で日本が限りある資源を使っていくか、その点よく考えていただきたいと思っております。非常に難しい制度設計で、本当に限られた部分で限られた運用にしなければ無理だと、その点は認識をしていただきたいと思います。
 今回のこのB型肝炎訴訟が問題になりました。しかしながら、これ、実を言うと、国が問われていたのは、B型肝炎が発見されたのが昭和四十八年のことですから、昭和二十六年から、あっ、四十三年ですね、十七年後に発見されたわけですね、義務と言われたときからですね、だから到底分かるものじゃないんですけれども。実際は、国が言われたのは、注射針や注射筒を使い回すと肝炎が起こるということを認識しなきゃいけなかったと。ウイルスは何か分かっていないんですね。ということは、実はB型肝炎よりも同じ、あるいはもっと多いかもしれない、患者さんが。実は、国の行わなかった、裁判所の言う過失によってC型肝炎の患者さんもたくさんつくっているんですね、実際は。それは明らかになっていませんが、C型肝炎の実際もその当時は分かっていなかった。
 残念ながら、このB型肝炎は、因果関係がかなりはっきりしてきたのは、使い回しをやめたらB型肝炎の患者さんが減ってきたという事実があるんですね。ところが、C型肝炎の場合は、ちょうど使い回しをやめたのが昭和六十三年ですね。発見されたのが昭和六十三年なんですよ。だから、その時期がちょうど同じで、そこから供血者が急に検査するようになったから血清肝炎のときと見分けが付かないと思うんです、今からやってもですね。
 ただ、私が申し上げたいのは、これからは第三者機関をつくって検証されるということですから、是非このC型肝炎の感染についても検討を加えていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#77
○国務大臣(小宮山洋子君) 現時点では、C型肝炎ウイルスへの感染について、集団予防接種の際の注射器の連続使用によるものという科学的な因果関係は証明されてないと思っています。これから、今、第三者機関をどうするかということを検討しているところですけれども、今おっしゃったような視点もその中で検討をしていくことに入るものと考えています。
#78
○古川俊治君 何でそれが科学的にあり得ないと思いますか。だって、C型肝炎って針刺しで起こるんですよ。C型肝炎の保菌者から当然使い回しをすれば起こるでしょう。お願いします。
#79
○政府参考人(外山千也君) 現在、C型肝炎患者の方が一名、大阪地裁に提訴されておりますけれども、先生御案内のように、C型肝炎ウイルスとB型肝炎ウイルスでは、どう言いますか、感染力に相当の差があるということでございまして、そうしますと、今回の最高裁、B型肝炎につきましては、こういったところで、B型肝炎の感染力の強さに着目して、こういった要件があれば蓋然性が高いと認められたわけでございますけれども、C型肝炎につきましてはそういったまだ科学的証明がなされていないということでございます。
#80
○古川俊治君 C型肝炎は、ですけれども、感染力はあってもうやっぱり針刺しでうつっているんですよ、実際。それは認めざるを得ないですね、どうですか。針刺しでうつらないんですか。
#81
○政府参考人(外山千也君) 針刺しでうつったかどうかというのは、ちょっと私、今資料を持っておりませんけれども、少なくとも予防接種の様態を考えますと、それから、今までの感染力、相当程度、今一々細かな数字は申し上げませんけれども、相当程度の感染力の差があるということも考えながら対応してまいりたいと思っておりますし、さらには、いろんなそういう科学的知見があるのであれば勉強したいと思っております。
#82
○古川俊治君 針刺しで実際起こるというのは事実なんですね。それが予防接種のレベルで起こるかどうか、これは是非検討していただきたいと思います。
 お約束いただけますか、大臣、C型肝炎も含めて検討するということで。
#83
○国務大臣(小宮山洋子君) 今その第三者機関をどういうふうにつくるかということを、B型肝炎とC型肝炎と今ちょっと違った仕組みで動いておりますのを一緒にした方がいいのではないかという御指摘は衆議院の方の委員会でも受けておりますので、その在り方の検討も含めて検討をしていきたいというふうに思っています。
#84
○古川俊治君 感染力は違いますけれども、実際に感染はするわけですね。それはもう医療の現場を見れば明らかですよ、患者さんあるいは保菌者からの針刺しによって起こっていますから。
 それで、今ずっと輸血をしてきて輸血の肝炎が起こってきた、あれだけC型肝炎が広がってきたというのは、これは二次感染がかなり青年になっても慢性肝炎に移行する率が高いので、C型肝炎の場合は、非常に広がりが広かったわけですよね。
 ただ、これ実際、その検証を通して見ると、この国のもしかするとこうした予防接種によって広げられたことによって、かなりの程度がもしかするとこの国の過失行為に起因していたかもしれないですね。
 私は、そういった意味でも、今B型肝炎とC型肝炎が違ったところで動いているというんですけれども、これは同じ原因だったかもしれないんですよ。それは可能性の問題で分かりませんけれども、十二分に科学的な推論としては成り立つ話ですから、これはしっかり検証する必要性があると思いますよ。B型肝炎だけで終わっては、これは残念ながら全体像の証明にはなりませんよね。
 その点で、是非、大臣、もうちょっと勉強をして、C型肝炎についても勉強して認識していただきたいと思います。どのように伝播をして、どういう可能性があるのか。この点は、これはB型肝炎の場合は、青年期の二次感染はこれは一〇%あるんですよ。一〇%あるんですけれども、裁判所はそこはないものと見て小児期の感染で見ていますけれどもね。
 厳密なことを科学的な知見と比べて、この本当に使い回しによってどの程度増えていったのか、これはもう是非認識していただきたい。だから、こういうことで申し上げますと、最終的にB型及びC型を撲滅しないと私は政府の本当の意味の責任というのは晴れないと思うんですよね。
 そういう意味で、今後、肝炎の研究開発に是非、大臣、手を貸していただきたいんですけれども、その点について御意見をいただきたいと思っています。
#85
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるとおりだと思っておりますので、B型のみならずC型についてもしっかりと検討をし、さらに研究も進めていくようにしたいと思っています。
#86
○古川俊治君 B型はまだインターフェロンの効果が十分じゃない。ただ、それでも三〇%程度の奏効は認められるようになって、これからいよいよ様々な薬もトライされていますし、遺伝子治療も始まります。遺伝子治療ですと、直接にこれは反対側の遺伝子を封入をして治療ができるということで、これはかなり期待が高いわけですよね。
 C型肝炎の方は、幸いなことに今はいろんな薬が出てきまして、C型肝炎のインターフェロンの奏効率も、今はリバビリンとの二剤併用でかなり高くなりましたね。さらには、今後、更に酵素剤の付加によってもう八割近くが治癒するという報告も受けております。
 最終的には、これは今考えられる範囲の中でも、かなり医療技術の発達によっては実は治せる可能性がある病気なんですね。ですから、そこは是非御支援をいただいて、最終的にこれを撲滅することによって、我々医療従事者として、政府の、共にですけれども、責任はあると思っています。
 ちょっとあと時間一分ありますので、この点、使い回ししたというのが、仮に医学的な知見が確立したとすれば、使った医師の責任問題もあるんですよね。本来、私はそうだと思っています。この点、求償するかどうかというのを今お聞きしようと思ったけど、時間がないんですけれども、本来は医学的な知見が確立していたんであれば、医師が自ら注射筒を替えるべきだったんですね。その点もあります。ですから、これは是非我々としてもしっかり取り組んで、肝炎を治すために頑張っていきたいので、是非、小宮山さん、よろしくお願いします。
 以上です。
#87
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますよう質疑に入ります。
 まず、除斥期間の取扱いについて伺いたいと思います。
 衆議院の附帯決議には、不法行為の損害賠償請求権は、不法行為のときから二十年を経過すると消滅するが、そのような除斥期間を経過した集団予防接種等によるB型肝炎ウイルス感染者に対しても、真摯に対応することとありますが、この附帯決議を受けて、どのように対応されるおつもりでしょうか。
#88
○国務大臣(小宮山洋子君) 除斥期間を経過しました肝硬変とか肝がんの患者さんたちの取扱いにつきましては、基本合意書を締結する過程でも議論をされていないため、その基本合意書には示されていません。ですから、今回はその基本合意書に基づいて作ってありますので、この法案には規定をしてございません。
 ただ、今後、仮に除斥期間を経過した肝硬変、肝がんの患者さんたちが提訴をされた場合には、基本合意書の趣旨に照らして、裁判所の仲介の下で誠実に協議をしていきたいと考えています。
#89
○秋野公造君 法制審議会で除斥期間の規定について見直しが行われているという話も伺いますが、これ、もしも見直しが行われたら、どう対応されますか。
#90
○政府参考人(外山千也君) 民法第七百二十四条のいわゆる除斥期間の取扱いにつきましては、現在法制審議会におきまして債権関係の規定の全体的な見直しの中で検討が行われているところでございまして、現時点で結論が得られているものではないというふうに聞いております。仮に法制審議会の議論を経まして除斥期間の規定について改正することが決定されれば、その際に検討することになると考えております。
#91
○秋野公造君 どうかこれも真摯に検討していただきたいと思います。
 対応方針によりますと、今回の事例、四十万人を超える、先ほど外山局長、四十五万人とおっしゃいましたけれども、感染被害を生じた可能性がある大変大きな広がりを持つという認識でありますけれども、この法律の精神は、被害者の方々に対応するということはもちろんではありますが、そもそも自らの感染さえ知らない方がいらっしゃるという現状においては、この法律の趣旨を正確に伝えるためにはしっかり検査体制を整えていただく。例えば、無症候性持続感染者の方々は検査をしないと自らの感染を知るすべはないわけでありますから、そういうことであれば、国民全体に対して肝炎のことをよく知っていただく、検査の体制を整えていく、そして患者さんが受けていただく医療の体制を整えていく、こういう一般対策を強化していくということもこの法律の精神に入っていると、そういう認識でよろしいでしょうか。
#92
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃったとおりだというふうに思います。今後提訴される方々への対応も含めた迅速で全体的な解決を図るために、今回法案を提出をさせていただいていると思っています。ですから、これを一刻も早く成立をさせていただいて、全面的な解決を目指したいと思っています。
 それで、おっしゃったように、自分がまだそうだと分かっていない方々に対してしっかり検査をしていただくということも必要ですので、そのための費用もつくるということをこの法案の中に盛り込ませていただいていますし、国民の皆様に正しい知識を知っていただくということ、それから検査の促進、肝炎診療体制の整備、こうしたことを柱とする肝炎総合対策に平成二十年度から取り組んでまいりました。
 さらに、昨年一月に施行されました肝炎対策基本法ですとか今年五月に策定をされました肝炎対策基本方針、こうしたことに基づきまして、委員がおっしゃったことも含めてしっかりと取り組んでいきたい、強化をしていきたいと思っています。
#93
○秋野公造君 私は、このB型肝炎を含め肝炎のこと、まだまだ国民の方は十分に御存じないと思っています。そういう意味で、国民の皆様によく知ってもらうということが非常に重要になってまいりますが、感染予防に努める観点から、我が国で今把握をしていますB型肝炎の感染経路の中で一番多いものは何になりますか。
#94
○政府参考人(外山千也君) 感染症法に基づく発生動向調査によりますると、平成二十一年に届出のあった急性B型肝炎についての感染経路は、六割以上を性的接触が占めておりまして、これが最も多くなっております。
#95
○秋野公造君 ということは、若い人たちに知ってもらわないといけないということになりますが、今後の一般対策というものは若い人たちへの普及啓発が中心になるかということでよろしいですか。
#96
○政府参考人(外山千也君) 御指摘のとおり、性行為の感染経路を踏まえた若い人たちを対象とした感染予防対策の実施は重要だと考えております。
 本年五月に策定いたしました肝炎対策基本指針におきましても、肝炎の予防のための施策として、ピアスの穴空けや性行為等、感染の危険性のある行為に興味を抱く年代に向けた普及啓発、それから医療従事者等の感染のリスクの高い集団に対するB型肝炎ワクチンの有効性、安全性等に関する情報の提供、それから集団生活が営まれる各施設における感染予防ガイドラインの作成に向けた研究等に取り組むこととしております。
 新たな感染を防止する上で肝炎に対する知識の普及というものは有効な手段の一つだと考えておりまして、今後も、こういった若年層も含めまして、幅広い年代や集団に対する普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
#97
○秋野公造君 ということであれば、一つ提案をしたいと思いますが、平成二十二年五月のWHO総会で世界肝炎デーの実施が決議をされました。我が国において、来年の七月二十八日が第一回の肝炎デーになるかと思います。
 今日、私、肝炎のバッジも付けてまいりました。見渡しますと、今日は誰も付けていないようで、私一人しか付けていないようでありますが、まだまだこういった普及も必要かと思っておりますけれども、来年の七月二十八日、日本で第一回目の肝炎デーにおいては、エイズ対策とか献血対策で行われているような、積極的に、若年層を対象とした言葉に説得力のある方々の協力も仰ぎながら、あらゆる世代の国民が肝炎に対する正しい知識を持つための普及啓発のための大きなイベントも打っていただいてはいかがでしょうか。
#98
○政府参考人(外山千也君) 肝炎対策基本指針を踏まえまして、来年度から毎年七月二十八日を日本肝炎デーといたしまして、WHOが昨年制定いたしました世界肝炎デーや、それからウイルス肝炎研究財団が実施する肝臓週間とも連携いたしまして、普及啓発の充実に取り組むこととしております。
 平成二十四年度予算概算要求におきましても、普及啓発について新規事業を含めた増額要求を行っておりまして、日本肝炎デーに合わせまして、先生御指摘のような説得力のある人に協力を得た形も含めまして、効果的な普及啓発を精いっぱい実施したいというふうに考えております。
#99
○秋野公造君 肝炎ウイルス検査体制の強化について伺いたいと思います。
 平成二十三年五月十六日にまとめられた肝炎対策の推進に関する基本的な指針、この二ページのところには、「全ての国民が、少なくとも一回は肝炎ウイルス検査を受検する必要があると考えられる。」、こういった記載がありますけれども、少なくとも肝炎ウイルスを一回受けただけでいいようにとらえられるのは、これは、B型肝炎ウイルスについては少なくとも違うと思います。例えば、リスクの高い行為の後には検査の受検勧奨を行うように改めるべきではないでしょうか。そのことが予防に対しても一番の普及啓発になるかと私は思いますが、御見解、伺いたいと思います。
#100
○国務大臣(小宮山洋子君) 肝炎ウイルスの感染経路というのは非常に多岐にわたりますので、過去に感染リスクが高い状況にあったとしても、その御本人が自覚をしていらっしゃらないことが多いというふうに承知しています。このため、肝炎対策推進協議会での御議論などを踏まえまして、今年五月に策定した肝炎対策基本方針の中で、まずは少なくとも一回はその肝炎ウイルス検査を受けていただく必要があるということで、国や地方公共団体などが優先的に取り組むべき事項として掲げているところでございます。
 一方、感染している人の血液に触れるなど、感染の可能性がある場合にはその都度肝炎ウイルス検査を受けていただくことが重要ですので、こうしたことも含めて正しい知識の普及に努めていきたいと。
 なお、患者さんを見付けるための検査というのはこの法案では規定してございませんので、見付けるための検査というのは肝炎一般対策の中で対応していきたいと考えています。
#101
○秋野公造君 ということは、検査を拡充していくということでよろしいですね。となると、健康増進事業だけでなく、若者などそういった方々がアクセスすると思われる特定感染症検査事業、こちらの強化が今後特に必要になってくるかと思います。
 そういったときに、残念ながらこれは感染率を取っておりませんのでこれを施策に反映させるのが非常に困難だと思いますが、全体の感染率だけではなくて、例えば年齢や性別や感染経路、こういったものを追加して解析することによって今後の肝炎対策に反映させるべきであると私は思いますが、見解を求めたいと思います。
#102
○国務大臣(小宮山洋子君) 性別ですとか年齢別などの詳細なデータを適宜施策に反映するということは大変重要だと思っています。今後、各自治体との密接な連携の下で、国としても実態を把握をして効果的な肝炎対策の推進につなげていきたいと思っています。
 なお、感染経路別のデータにつきましては、受検者の多くが感染の機会、それがどこだったのかを自覚していないので、検査の陽性率を感染経路別に把握するということは困難だと思っています。感染症法に基づきます感染症発生動向調査、こうしたものなども活用いたしまして、肝炎の実態把握に努めまして施策を充実をさせていきたいと考えています。
#103
○秋野公造君 しかしながら、感染経路をしっかり解析をしておくということは、性感染症だけではなくて、例えば、言わば様々な麻薬とかそういった問題等もありますので、私はここは是非御検討をいただきたいと思います。
 そして、例えばエイズ検査だと、これは五年後の検査を二倍に増やすと、こういった国家目標もUNAIDSの方に提出をしているわけで、今それに向けて、実現に向けて努力をしていらっしゃると思いますが、肝炎についてもこういうことが必要であるか、そういった状況を見ながら進めていただきたいと思います。
 次に、B型肝炎の治療について伺います。
 先ほど古川委員からもありましたけれども、B型肝炎は核酸アナログ製剤により慢性肝炎の進行を止めることができ、肝硬変の改善にも効果があるとの認識でよいか、厚労省の見解を伺いたいと思います。
#104
○政府参考人(外山千也君) 核酸アナログ製剤はB型肝炎ウイルスの増殖を抑制する作用がございまして、国内外の臨床研究により、慢性肝炎から肝硬変の進行の抑制、それから肝硬変の進展予防や組織学的な改善、それから発がんの抑制等に有効であると報告されております。
#105
○秋野公造君 残念ながら、この情報さえも国民の皆様には十分伝わっていないと思います。治らないから、やっても余り変わらないから病院に行かないというような方がいらっしゃるのであれば、これは非常にかわいそうなことでありますし、特定B型肝炎ウイルス感染者の皆様方には、絶対に医療にしっかりアクセスをしていただいて、病状の進行を止めていただくということも非常に重要になってまいるかと思います。
 そういう意味では、今治療ができるような状況になっているということも含めた、医療に関する、しっかり医療にアクセスをしていきましょうという普及啓発も必要であると思いますが、見解を求めたいと思います。
#106
○政府参考人(外山千也君) 御指摘のように、この核酸アナログ製剤など効果の高いB型肝炎治療方法があることから、先ほど申し上げましたように、全ての国民に少なくとも一回は検査を受けていただきまして、この症状に応じて適切な医療を受けていただくことが非常に重要であるというふうに考えております。
 厚生労働省といたしましては、本年五月に策定いたしました肝炎対策基本指針に基づきまして、出張型の検診、それから個別勧奨等によりまして肝炎検査の受検を促進する、それから拠点病院を中心といたしました肝疾患の診療体制の構築、それから陽性の方を適切な医療に結び付けるための人材の養成等に取り組んでいるところでございまして、今後も、感染を自覚していない感染者、患者の方を早期発見、早期治療につなげることができるよう、普及啓発も含めまして全力を尽くしたいと思っております。
#107
○秋野公造君 局長、少なくとも一回の検査ではなく、リスクの高い行為の後には受検を勧めていただきたいと思います。
 菅前総理のブログによりますと、B型肝炎が治癒できる薬などの開発を強く求められ、早速その場で厚生労働大臣に指示を出しましたというくだりがありました。前総理から創薬の、あるいは研究の強化を行うよう指示があったようでありますが、現在の進捗状況、教えていただきたいと思います。
#108
○政府参考人(外山千也君) 創薬研究は中長期的なビジョンの下で計画的に推進する必要があることから、肝炎治療戦略会議におきます専門家の御議論を踏まえまして、新たに策定する予定の肝炎研究十か年戦略に明確に位置付けまして推進することといたしております。
 それから、必要となります予算につきましても、日本再生重点化措置枠のライフイノベーションの一体的な推進事業として現在要求しているところでございます。
#109
○秋野公造君 研究費も増額をするということでありますので、例えば欧米型のB型肝炎ウイルスのそういった研究も進めていただきたいと思いますし、自治体が行う検査事業になりますので、自治体でうまいこと検査が推進することができるような、そういう連携を進めていくような研究についても強化をお願いしたいと思います。
 さて、和解の対象となっている無症候性持続感染者の対応についてはどのようになりますでしょうか。
#110
○政府参考人(外山千也君) 今回の法案では、無症候性キャリアの方に対しまして給付金を支給するとともに、一つには定期検査、それから母子感染防止のための医療、それから世帯内感染防止医療に係る費用などにつきまして国が支給することとしております。
 その内容につきましては、定期検査は、無症候性キャリアの方が慢性肝炎や肝がんを発症していないかどうか確認するための受診する検査、それから母子感染防止医療は、無症候性キャリアである母親に対する血液検査や、そのお子さんに対する血液検査やワクチンとグロブリンの投与、それから世帯内感染防止医療は、国と和解成立後に新たに同居されました御家族に対する血液検査とワクチンの投与でございます。
#111
○秋野公造君 家族に対するワクチンの接種を前提として法案が作られているということであれば、国民全体にワクチン接種を進めていくときではないでしょうか。
 まず伺いたいと思いますが、B型肝炎ウイルスユニバーサルワクチンを行っていない国はどこになりますか。
#112
○政府参考人(外山千也君) B型肝炎ワクチンにつきまして新生児期のユニバーサルワクチンを導入していない国といたしましては、WHOの資料によりますと、イギリス、オランダ、スウェーデンなど、我が国と同様にHBs抗原陽性の母親から出生した児等のハイリスク群のみに接種している国や、それから、アイスランドなど接種を全く実施していない国などがございます。
#113
○秋野公造君 ちょっと不確かかもしれませんが、イギリスやオランダでは間もなく始まるのではないかという話も聞いたりしていますと、いよいよ日本だけが取り残されているような感があります。日本だけでB型肝炎が広がる、ウイルスが広がるようなことがあってはいけないと思いますが、このユニバーサルワクチン、大急ぎで積極的に検討すべきではないでしょうか。
#114
○政府参考人(外山千也君) 先生御案内のように、このB型肝炎ワクチンなども含めまして、七つのワクチンの予防接種法上の位置付けを含めまして、現在、予防接種制度の見直しにつきましては、昨年より厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会で議論を進めているところでございます。こうした議論を十分踏まえまして、今後の取扱いを検討していきたいというふうに考えております。
#115
○秋野公造君 ちょっとそれるかもしれませんが、私は、このB型肝炎ワクチン、これ定期接種に位置付けることができれば、国民の血中の抗体価は高まることによって、そのワクチンを打った後の方々がもしも献血に行ったりしていただくと、国産のB型肝炎の特殊免疫グロブリンをちゃんと国内自給を達成することができるんじゃないかということを個人的に思っているんですけれども、B型肝炎対策として、母子感染予防、医療従事者の注射器の針刺し事故の感染予防に抗HBsヒト免疫グロブリン製剤を使用していますが、先ほど申し上げたとおり、非常に国内自給、低い状況であります。
 概算要求で抗HBsヒト免疫グロブリン製剤の国内自給の推進に関する事業が要求されているようでありますが、大変興味があります。事業内容、どういう内容でしょうか。
#116
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、今の血液法におきましても、国内で使用される血液製剤は原則として国内献血によって得られた血液を原料とすることということが規定をされ、求められているところでもございます。
 一方で、今例に挙げていただきましたように、特殊な製剤、特に抗HBsヒト免疫グロブリン製剤等一部のものにつきましては、極めて国内自給率が低い状況にございます。
 その中で、今、予算の今の状況を挙げていただきましたけれども、このような特殊な血液分画製剤の国内自給率を向上させるために、来年度の予算概算要求としまして、特にB型肝炎の母子感染、あるいは医療従事者の方々の注射器の針刺し事故等の感染予防、そういうふうなものに効果のありますこの抗HBsヒト免疫グロブリン製剤、これを確保するために、医療従事者の方々に御協力を求めましてワクチンの追加接種を受けていただく、それでB型肝炎に対します抗体価を上げていただきまして、その高い方々の献血をお願いをいたしまして、それを元にしましてこの製剤を作っていく、それで国内自給を計画的に整備をしていくという体制整備をしたいということで、初年度の事業としまして、この接種あるいは協力者を得るような事業につきましての予算要求を行っておるところでございます。
 このような事業の充実につきまして、血液法の基本理念、国内自給向上に努めてまいりたいというふうに考えております。
#117
○秋野公造君 国内自給の精神は薬害を起こしてしまったその反省に基づいてのことでありますので、どうかこれ実現していただきますようにお願いをしたいと思います。
 どうか、特定B型肝炎ウイルス感染者が困りませんよう、また感染経路を問わず肝炎対策強化をお願いをして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#118
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 まずは、今回の法案では、この慢性肝炎について、発症時から除斥期間を経過したか否かで給付金額の差別があり、これは許されないことです。
 今年の七月二十九日の閣議決定では、除斥期間を経過した慢性肝炎患者を含む現在の患者が約四万五千人だとされており、十二月二日の衆議院の厚労委員会での政府答弁では、現在の患者の内訳として、死亡五千人、肝がん、肝硬変重度二千人、肝硬変軽度二千人、慢性肝炎三万七千人と推計しています。そうすると、閣議決定された今後五年間で必要となる現在の患者分等の費用である六千億円の内訳は、死亡五千人、三千六百万円で一千八百億円、肝がん、肝硬変重度二千人掛ける三千六百万円で七百二十億円、肝硬変軽度二千人掛ける二千五百万円で五百億円ですから、慢性肝炎は残りの二千九百八十億円ということでよろしいでしょうか。
#119
○政府参考人(外山千也君) 現在の患者分の費用のうち慢性肝炎患者に必要な費用は、患者等の費用の総額でございます約六千億円から死亡、肝がん、肝硬変の重度、肝硬変軽度の患者等に必要な費用を除いたものでございまして、その額は正確には二千八百億円と算定しております。
#120
○川田龍平君 衆議院の厚生労働委員会の政府答弁では、除斥期間を経過した慢性肝炎患者は一万九千人と推計されています。
 他方で、厚労省は、基本合意前の昨年十月の原告、弁護団との交渉時に、感染被害者であり提訴可能な慢性肝炎患者数は、一次感染者が約二万一千人、二次感染者が約三千人とする試算を出していました。
 そうしますと、閣議決定の前提となる慢性肝炎患者三万七千人のうち、これらの合計二万四千人が除斥期間経過前だとすると、千二百五十万円掛ける二万四千人で三千億円となり、それだけで慢性肝炎全体に必要な二千九百八十億円を超えてしまい、除斥期間を経過した慢性肝炎患者に対する給付金の費用が足りなくなってしまいます。
 また、衆議院厚生労働委員会の政府答弁である除斥期間を経過した慢性肝炎患者の推計一万九千人と先ほどの厚労省の試算である二万四千人を合計すると四万三千人となってしまい、やはり前回の政府答弁にあった慢性肝炎三万七千人との推計と合いません。これでは、いかなる推計や根拠に基づいて費用予測をしているのか全く分からなくなります。
 閣議決定の前提となっている慢性肝炎患者三万七千人という推計とこの慢性肝炎に対する費用二千九百八十億円との整合性が付く慢性肝炎患者の内訳、すなわち給付金千二百五十万円である除斥期間を経過していない者、三百万円である除斥期間を経過したが核酸アナログ製剤等の治療を経た者、百五十万円である除斥期間を経過したが核酸アナログ製剤等の治療を経ていない者、それぞれの推計人数とそのように推計した根拠をお示しください。
#121
○政府参考人(外山千也君) お答えいたします。
 政府といたしましては、原告以外の方にも同様の対応ができるよう、最大限どの程度の方が救済対象となり得るのかという観点から、一定の仮定を置いて対象人数を推計してきたところでございます。
 慢性B型肝炎患者につきましては、国の試算では、医療行政の基礎資料として広く活用されています患者調査を基礎資料といたしまして、予防接種による感染した可能性のある一次感染者について算定しております。
 具体的な手順といたしましては、現在、慢性肝炎である患者のうち、国の責任が認められた期間に満六歳以下であった者の数を算定し、それから医学文献を基に仮定した母子感染者の数を除きまして、そして、厚労省が実施いたしましたアンケート調査を基に、接種痕や母親、それから兄、姉の血液検査結果等の証拠の提出により、予防接種による感染と推認される者の数を見込むという手順により対象者数を算定しております。
 また、二次感染者の数につきましても、先ほど算定いたしました一次感染者の対象者数を基に医学的な知見を踏まえまして、子供が感染する割合について一定の仮定を置きまして対象者数を推計しております。
 それで、和解協議中の昨年十月時点では、国としては、過去に慢性肝炎を発症しましたけれども現在は肝炎が鎮静されていらっしゃる方につきましては慢性肝炎としての和解金を支給しないことを想定したため、推計上もこうした方を除くことを前提に二万四千人と算定したところでございます。なお、肝炎を発症する年齢についての医学的知見などを基に推計いたしますと、このうち一万五千人が除斥期間を経過した慢性肝炎患者でございます。
 その後、本年一月に示されました裁判所の所見におきまして、こうした肝炎が鎮静化している方については慢性肝炎として和解金を支給するとされまして、こうした裁判所の所見を受け入れたことを踏まえまして再度対象者数を算定した結果、一万三千人が増加し、慢性肝炎患者数は三万七千人となっております。
 なお、肝炎を発症した方について、その症状が鎮静化する割合や肝炎を発症する年齢についての医学的知見を基に推計した結果、一万三千人のうち九千人が除斥期間を経過していない慢性患者の方、四千人が除斥期間を経過した慢性肝炎患者の方でございます。
 このような算定の結果、あくまで一定の仮定を置いた推計値でございますけれども、給付金一千二百五十万円が支給される除斥期間を経過していない慢性肝炎患者は一万八千人、それから給付金三百万円が支給される除斥期間を経過した慢性肝炎患者で現在も慢性肝炎の状態にある方等は一万五千人、それから給付金百五十万円が支給される除斥期間を経過した慢性肝炎患者で現在は治癒されている方は四千人と算定しております。
#122
○川田龍平君 衆議院の厚生労働委員会の質疑では、これだけ多くの除斥期間を経過してしまった慢性肝炎患者がいるのは、予防接種の際の注射器の連続使用による感染被害の責任について政府が十七年間も裁判で争い、平成十八年最高裁判決で国の責任が明らかになった後も被害者に関する調査や救済措置を怠ってきた国の態度が原因であるとの柿澤議員の質問に対し、最高裁判決までは国の責任は明らかでなかった、最高裁判決後も五人の原告だけでは救済の一般的基準が明らかにならなかったので仕方がなかったとの答弁がなされました。
 しかし、厚労省は病態別の感染被害者数の合計が四万五千人もいるとの推計をしているのであるから、この方たちを具体的に救済するための行政的措置を検討すべきだったのではないでしょうか。救済の一般的基準が最高裁判決では明らかでないというなら、自ら救済制度とそれのための救済の一般的基準を検討すればよかったのではないでしょうか。
 なぜ検討しなかったのか、辻副大臣、お願いいたします。
#123
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘をいただきました平成十八年の最高裁判決におきましては、集団予防接種により感染したとするための要件が示されたところでございますけれども、個々の感染経路を医学的、疫学的に特定することは非常に難しく、具体的にどのような証拠があればその要件に該当するのかということは、平成十八年の最高裁判決の五人の原告の方々のケースだけでは一般化できなかったところでございます。この点について、今回の和解協議におきまして対象者の要件が争点となり、今回の和解協議によって初めてその決着が付いたものでございます。
 このように、本年、国と原告との間で基本合意書が締結されるまでは、感染被害者やその遺族の方々を認定するための要件が明らかではなかったものでございまして、被害者の救済措置を講じることは困難であったと考えているところでございます。
 なお、御質問にございました感染被害者数が四万五千人であるということは、和解協議の結果、対象者の要件が決まった上で、本年六月の時点で算定をした数字でございまして、平成十八年最高裁判決の時点で算定していたものではないことを付言しておきたいと思います。
#124
○川田龍平君 このB型肝炎の全国訴訟が始まって、三年もたってようやく基本合意に至ったわけですが、その基本合意の内容を一般化するために本法案の成立が期されているとの趣旨説明でした。
 しかし、そうであれば、厚労省は救済すべき被害者が数万単位で存在することは分かっていたけれども、全国の患者がこの病気を抱えながら裁判に立ち上がり、何度も厚労省前での座込みを行い、国との闘いの中で基本合意を勝ち取るという必死の努力がなされなければ、現在でも厚労省は被害者を救済するための本法案のような制度を検討しなかったということなのでしょうか。もし何らの救済手段の検討もしてこなかったのだとしたら、そのこと自体、大臣は謝罪するべきだと思います。
 私自身、薬害エイズの裁判で厚生省と闘ってきて、このような被害が二度と起こらない社会の仕組みをつくるために、この国の仕組み自体を変えなければいけないと決意して国会議員になりました。この長い長い裁判を闘わなければ国が動かないということで、このままで大臣はよいと考えるのでしょうか。私は、この長期にわたる裁判の和解後にやっと国が対応を検討することで、結果的に多くの除斥期間の被害者を生み出したということに対して、今日も多くの原告の方が傍聴席に見えられていますけれども、それにきちんと誠意ある謝罪をしていただきたいと考えますが、小宮山大臣、いかがでしょうか。
#125
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるとおりだというふうに思います。
 政府としましては、国の責任を認めた平成十八年の最高裁判決、これを重く受け止めまして、裁判所の仲介の下、誠意を持って和解協議に応じ、原告の皆様と基本合意書を締結をいたしました。
 私といたしましては、御指摘あったように、長年にわたって本当に患者の皆様やその御家族に精神的、肉体的、また経済的な御負担をお掛けしたことを心からおわびを申し上げたいと思います。そして、原告の皆様と締結させていただいた基本合意書、これを誠実に実施をしていくことをお誓いをしたいと思います。
 この基本合意書の内容に沿った給付金の迅速、確実な支払をしていけるようにこの法案を早期に成立をさせていただきまして、一刻も早く本件の全面解決を図っていきたいと思っておりますし、また、今後、仮に除斥期間を経過した肝硬変、肝がんの患者の皆様方が提訴をされた場合には、基本合意書の趣旨に照らしまして、裁判所の仲介の下で誠実に対応をなるべく迅速にさせていただくことをお約束したいと思っています。
#126
○川田龍平君 私も是非やっていただきたいと思います。本当にこういう患者、病気の問題については、感染経路やそういったことで区別されるべきものではなく、本当に病気に対する治療のやっぱりしっかりとした研究開発ですとか、そういった薬については本当に早くやっていただきたいと思いますし、それから、こうした問題について、やはり二度と引き起こさないということをしっかりと厚生省の方で反省していただいて、是非とも、この予防接種についても今これから話合い、いろんな問題で出てくると思います。そんな中でも、やっぱり是非こういったB型肝炎の問題も踏まえてしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 さらには、本当にこの時間の問題、本当に十年、これからまだ更に、提訴した人もこれから和解を合意するに至るまでに更にまだ時間が掛かると言われています。本当にそれだけのやっぱり体制をしっかりと組んでいただきたいと思います。本当に早く、一日も早く患者の方たちが救済されるような制度、仕組みにしていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。質問を終わります。
#127
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 北海道で五人の原告が提訴をしてから二十二年、ようやくB型肝炎救済法にまでたどり着こうとしています。これはひとえに、様々な苦しみを抱えながら政府や政党に声を上げ続けた原告の皆さんの力によるものだと思います。心からの敬意と、除斥問題解決への決意を込めて質問をいたします。
 法案では、肝がん、肝硬変死亡者について、発症から二十年を超えた被害者を救済の対象から外しました。政府は、こういう方が提訴した場合、基本合意に基づいて真摯に対応すると述べています。しかし、過去を見ますと、HIV訴訟で、血液製剤による感染が確認された方が、提訴が除斥期間を四日超えたからと国は和解に応じないで、解決まで六年も掛かったという事例があります。こういうことを繰り返すのは絶対に許されません。是非、反省に立って真摯にかつ迅速に、内容もその御苦労の重さを踏まえたものになるよう、まず冒頭、求めておきたいと思います。
 質問をしたいのは、この除斥とは別に、このままでは救済の枠組みに入れない方々のことです。
 この法案の救済対象は、一九四八年以降、乳幼児期に集団予防接種を受けた方、そして基本合意によれば、母子感染ではないということを証明する必要があって、お母さんやお兄さん、お姉さんの血液検査を求めています。しかし、お母さんが亡くなられている、お兄さんやお姉さんはおられない、そういう方は多数いらっしゃる。血液検査による立証が物理的に不可能だという方をどうするのか、お答えください。
#128
○国務大臣(小宮山洋子君) 集団予防接種による感染であることを証明する方法につきましては、一年以上にわたる和解協議の結果、原告の皆さんと締結をした基本合意書で詳細に規定されています。現在、裁判所の仲介の下でこの基本合意書に沿って認定手続を進めているところでございます。
 今御指摘があったように、この基本合意書で定められた要件を満たさず和解金の支給が受けられない方については、感染経路を問わず全ての肝炎患者を対象とする肝炎総合対策で実施をしております医療費助成ですとか医療提供体制の整備などを通じて支援を充実させていきたいというふうに思っています。
#129
○田村智子君 従来の肝炎対策で救済する、それでいいのかということを問いたいと思うんです。
 北海道での最初の訴訟は今までも質問にありました一九八九年、国の責任を認めた最高裁判決は二〇〇六年。それでは確認したいんですが、この判決を受けて、予防接種での注射針、注射器の使い回しによるB型肝炎感染について、被害者救済のための調査、国民への注意喚起などを行ったという経緯はあるのでしょうか。
#130
○政府参考人(外山千也君) 既にこういう、まず、原因となりました注射器の連続使用につきましては昭和六十三年に通知を出しているということでございますし、それから、肝炎対策につきましては、感染経路はいろんなものがありますから、肝炎対策全般の中で進めてきているところでございます。
 ただ、平成十八年最高裁判決におきまして集団予防接種により感染したとするための要件が示されましたけれども、具体的にどのような証拠があればその要件に該当するかということはこの五人の方のケースだけではなかなか一般化できなかったということでございまして、今回の和解協議で初めてその決着が付いたので、そういったことも含めて、そういった要件に該当する方についてはどうぞ申請してくださいと、対応しますというふうな形で今広報も行っているところでございます。
#131
○田村智子君 私は、原告が五人だったからという答弁が確かに衆議院でも参議院でも続いているんですけれども、これ、人数の問題ではなかったと思うんですね。集団予防接種で感染の事実が確認をされたと。そうである以上、大規模に同じ危険にさらされた方、感染した方がいると、こう考えるのは当然のことだったというふうに思うんです。
 私、やっぱりこの二〇〇六年の最高裁判決を厚生労働省まともに受け止めてこなかった、五人だけ解決すればよかった、こういうふうにしてきたことが、結果、救済をずるずると遅らせることになったと、こう言わざるを得ないと思うんです。そのことは、これは過去の問題じゃない、私、現政権の問題でもあると思っているんです。
 象徴的に示したのは、昨年十月二十八日、参議院財政金融委員会での当時の岡本厚労大臣政務官の答弁ですよ。これ、正確を期すために読み上げます。
 「昭和二十年代、注射針の話が、国は危険性を認識しておきながら六十三年まで放置をしていたという話ではありましたけれども、この点は若干事実関係は違うと思っておりまして、昭和三十三年の段階で少なくとも注射針については使用しないことを通知しておるわけですね。ただ、シリンジ、筒の方についての使用について、予防接種というのは採血と違いますから、接種する、少量ずつ接種するわけですから、基本的にシリンジの中に血液が入るということを想定をしておらなかったということも是非御理解をいただきたい。」、わざわざこういう答弁している。要約すれば注射針の使い回しをやらせない責任を国は昭和三十三年に果たしているんだと。とても御理解などできない答弁をされているわけですよ。
 二〇〇六年最高裁判決は、昭和四十四、五年以降もツベルクリン反応検査では注射針、筒とも連続使用され、その他の予防接種では筒が連続使用されたと事実確認を判断をしている。そして、国は注射針、注射筒の交換等を各実施機関に指導してB型肝炎ウイルス感染を未然に防止すべき義務があったと、札幌高裁の判断、これを是認しているんです。
 注射針の連続使用も昭和三十三年以降続いていた、国の指導責任があった、この最高裁判決をちゃんと同じ立場で受け止めるのか、それとも岡本前政務官が言うように認識が違うという立場なのか、これはっきりさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。政務官、お願いします。
#132
○大臣政務官(藤田一枝君) ただいま委員の方から御指摘がございました答弁については、昭和六十三年通知の発出以前の国の対応や認識についての事実関係を御説明するという趣旨で行ったものでございまして、昭和三十三年に予防接種について注射針を一人ずつ交換するよう省令により措置したことについて申し上げたところでございます。
 先ほども御議論がございましたが、過去の我が国の予防接種行政においては、昭和二十三年に注射針を一人ごとに消毒すること、二十五年にツベルクリン反応検査及びBCGについて、そして三十三年に予防接種について注射針を一人ごとに交換すること、また三十四年からは予防接種後の異常があれば報告をすること、そして昭和六十三年にはWHOの勧告を踏まえ注射針及び注射筒を一人ごとに交換することを指導するなど、その時代の社会情勢や医学的知見に応じた指導を行ってきたものと考えています。
 しかし、こうした経過も含めて、平成十八年最高裁判決において、遅くとも昭和二十六年には、集団予防接種の際、注射針、注射筒を連続して使用した場合にB型肝炎ウイルスの感染の危険性について認識すべきであったとされ、国の責任が認められたわけでございます。この最高裁判決を重く受け止めまして、そしてこの基本合意書を締結したところでございます。
#133
○田村智子君 重く受け止めてというのは同じ立場であるんだということを、うなずいていらっしゃるのでそれを私確認したいと思うんですよ。
 この二〇〇六年の最高裁判決を当時真剣に受け止めて、国民一人一人への注意喚起を行ったり救済策の検討を行っていれば家族の血液検査で母子感染を否定することができたと、こういう方は多数おられたと思うんです。それを行わず、集団訴訟も三年以上も争って救済策ずるずると遅らせた、それがために救済への道を閉ざされた被害者にどういう責任を果たすのかと。これは、従来のこれまでつくってきた肝炎対策があるからいいでしょうと、これでは済まされないと思うんですよ、この経緯を考えれば。
 私は、せめてどういう責任を果たすのかということでやっぱり検討していただく、せめて恒久的な肝炎対策がこのままでいいんじゃなくて拡充をする、肝硬変、肝がんへの医療費の支援に踏み出すなど検討すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#134
○国務大臣(小宮山洋子君) 平成十八年の判決後すぐに対応していればという委員がおっしゃることも考え方としてはあるというふうには思います。ただ、それを重く受け止めて和解の協議をその間してきたということは御理解をいただきたいと思っています。そこで締結いたしました基本合意書に基づいてしっかりとこれから対応をしていくということは先ほど来おわびとともにお約束をしているところでございますので、なるべく早くその全面解決をまずこの点について行うことに御協力をいただきたいと思います。
 今おっしゃった従前の肝炎対策だけでは足りないという御趣旨も分かりますが、今は基本法に基づいて今年五月に策定されました肝炎対策基本方針に基づいて、医療費の助成ですとか検査やら研究の促進も、先ほどほかの委員の御議論にもございましたが、新しい薬を開発するように一層努めていくことなど、研究開発も含めて全体として取り組んでいきたいと考えています。その対策、一層強化をしていくということはしっかりと努めていきたいと考えています。
#135
○田村智子君 基本合意になった裁判だって三年以上争っているわけですから、その間にお母さん亡くなられた方だっていっぱいいらっしゃいますよ。そういう反省をしっかりと政策で示していただくことを重ねて強く要望したいと思います。
 関連して、私、ちょっと急を要する事態でもあって質問したいのは、ポリオワクチンのことなんです。二〇一一年、経口ポリオワクチン、生ワクチンの接種率、これ、全国と関東ブロックの前年比確認したいんですが、いかがでしょうか。
#136
○政府参考人(外山千也君) 生ポリオワクチンの接種者数につきましては、今年四月から六月までの接種者数を前年の同時期と比較いたしますと、全国では一七・五%の減少、関東では二二・四%の減少でありました。
#137
○田村智子君 これは大変重大な事態なんですね。これ、東京ではもっと多いだろうと、半数ぐらいが受けていないんじゃないかというふうに言われているんです。
 一方で、政府も注意喚起をしていますけれども、中国、これ新疆ウイグル自治区での集団感染が原因と思われますが、十一月三十日時点で十八人のポリオ発症を確認しています。発症せずに感染しているという方はもっと大勢いるはずで、北京在住者の中にも感染者が報告をされています。現在、成田―北京の航空便は一日十便以上、羽田―北京でも五便はあるんですね。となりますと、日本で感染が広がるという危険性を軽視をできないんです。
 確認もう一つしたいんですけど、現在単価ワクチンとして導入が検討されているサノフィパスツールのワクチン、これ承認をされたのは世界ではいつになるんでしょうか。
#138
○政府参考人(外山千也君) サノフィパスツール株式会社によりますると、同社の不活化ポリオワクチンは一九八二年にフランスで初めて承認されたというふうに聞いております。
#139
○田村智子君 二十八年前に承認をされて、既に先進国で不活化ワクチンを使っていないのはもう日本だけと。これはこの委員会でも何度も取り上げられてきました。私は、以前の本委員会でも不活化ワクチンの特例承認を求めました。薬事法に定める特例承認の要件は、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある疾病の蔓延その他の健康被害の拡大を防止するため緊急に使用されることが必要な医薬品、また当該医薬品の使用以外に適当な方法がないこと、そして外国で販売が認められているものなど、安全性が確認されているものですね、こういう要件があります。
 現状を考えれば、ポリオの不活化ワクチンはこうした要件を私は満たしているんじゃないだろうかというふうに思うんです。これまでの経緯はいろいろあると思うんですけれども、特例承認について、これは緊急に検討していただきたい。これまた検討をずるずると遅らせて予測できたその被害を日本の中で起こしてしまうと、こういうことを繰り返すのは絶対に許されないと思うんです。大臣、いかがでしょうか。
#140
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員が御指摘のとおり、生ポリオワクチンから不活化ポリオワクチンへ変えようという切替えの決断が遅かったと私も思っています。その決断をしてからは鋭意その生産を奨励をするなど努めているところですが、今月末から順次薬事申請が出される予定です。これは四種混合について。また、不活化ポリオ単独のワクチンについても申請が出される予定でございますので、可能な限り早くやっていく必要が、今御指摘のように中国などアジアでまた出ているということもありまして、不活化ワクチンがしっかり使えるようになるまでの間は生ポリオワクチンを是非接種してくださいということは再三お願いをしているんですが、それでも保護者の皆様の気持ちは分かります。
 そういう意味で、私どもも、今までその申請が出てから承認するまで一年掛かっていたんですが、来年度の終わりごろというのは私も遅いと考えまして、何とか、これは春と秋に接種することが多いので、来年度の秋には間に合わせるように今督励をしているところでございます。ただ、先ほどから御議論があるように、安全性はしっかり確認をしなければいけない。それをした上で、なるべく早くに承認ができるようにということで今進めているところですので、御理解をいただきたいと思います。
#141
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 この委員会は、C型肝炎について法案を成立し、そして本日、B型肝炎についての法案の審議です。C型肝炎のときにB型肝炎の問題があるということを委員会としても認識しながら、その成立がC型肝炎に比べて遅れたということは本当に残念で、厚労省の責任と国会の責任も大きいと思っております。
   〔委員長退席、理事梅村聡君着席〕
 今日も原告団そして弁護団の皆さんも来ていらっしゃいますが、この間、座込み、多くの集会、そしていろんな交渉や話合い、もう本当に病気を押してやってこられた皆さんに心から敬意を表し、今後も肝炎根絶のために、救済のためにも国会が全力で頑張るべきですし、私自身も頑張っていきたいと思っております。
 大臣、これは細川大臣からの引継ぎというか、細川大臣も手掛けられていたことで、小宮山大臣の下でこの法律が成立をする予定でございます。小宮山大臣のやはりこのようなB型肝炎を起こしてしまった厚労省の責任についての謝罪と今後の決意についてお願いいたします。
#142
○国務大臣(小宮山洋子君) これはおわびというのは衆議院のときから何度もさせていただいているところですが、本当に長年にわたりまして精神的、肉体的そしてまた経済的な御負担を患者の皆様にお掛けをし、また本当に、言われるように体も非常にきつい中で長年にわたって訴訟を起こしてこられた皆様方に心からおわびを申し上げたいと思っています。
 だからこそ、これだけ時間を掛けて作りました基本合意書、これは誠実に実施をしていく、実行をしていくということをお約束をしたいと、そのように思っております。
#143
○福島みずほ君 感染者の給付金については、第六条で感染者の区分に応じて定めております。六条の二項においては、そのどれに該当するかについての判断を厚生労働省令で定めるとあります。
 基本合意書で定められた症状の判断基準が省令によって定められることで基本合意書の内容より狭い基準に限定されることはないのか。政省令の行方によってはそうなり得るわけで、政省令の中身が極めて重要です。
 基本合意書の内容に従って規定され、狭い基準になることはないということを確認したいと思います。どうでしょうか。
#144
○政府参考人(外山千也君) 政府といたしましては、一年以上にわたります和解協議の結果、原告の皆様と締結いたしました基本合意書の誠実な実施をお誓い申し上げます。
 したがいまして、厚生労働省令では、病態等の基準につきまして基本合意書の内容に従って規定することにしております。
#145
○福島みずほ君 基本合意書では、慢性肝炎にかかっているとの判断基準として、ある肝機能値の異常が六か月を超えた時点で確認されることが挙げられております。しかしながら、実際は、患者さんの皆さん等聞きますと、実際は必ずしも六か月継続する患者さんばかりではなく、治療薬などの服用によっては異常値が出ない患者さんもいると聞きます。
 例えば、ある肝機能値の異常が六か月を超えた二時点で確認されることという基準を満たさない場合でも、裁判所において慢性肝炎に罹患していると判断されている場合はあり得るというふうに考えます。この場合は救済されるということでよろしいんでしょうか。
#146
○政府参考人(外山千也君) 御指摘のような場合でありましても、基本合意書に沿って、医療記録に基づきまして医学的知見を踏まえた総合的な判断を行った結果、慢性肝炎と認定された場合は和解金が支給されます。
   〔理事梅村聡君退席、委員長着席〕
 厚生労働省令では、病態等の基準につきまして基本合意書の内容に従って規定することとしておりますことから、基本合意書で慢性肝炎と認定され和解金が支給される方につきましては、特措法の下におきましても救済されることになります。
#147
○福島みずほ君 これはしっかり救済をされるように、救済を狭めることがないようにお願いをいたします。
 衆議院の附帯決議におきまして、給付金等の支給を円滑かつ確実に行うため、必要な安定的な財源を確保し、毎年度、所要の予算を計上することというのが付いております。このことについての決意をお願いいたします。
#148
○国務大臣(小宮山洋子君) しっかりと予算が確保できるようにやってまいりたいと思っています。
#149
○福島みずほ君 除斥期間についてお聞きをいたします。
 これについては、長く苦しんでこられた方が逆に救済をされないということになれば、それは本当におかしいというふうに思います。衆議院の附帯決議でも、これは、不法行為の損害賠償請求権は、不法行為のときから二十年を経過すると消滅するが、そのような除斥期間を経過した集団予防接種等によるB型肝炎ウイルス感染被害者に対しても、真摯に対応することとあります。
 これは本当に真摯に対応する、救済をしていくということでお願いしたいと思いますが、どうですか。
#150
○国務大臣(小宮山洋子君) これはまず、第一歩としてこの間の基本合意書に基づいてまずこの法案で対応させていただき、そして除斥期間が過ぎた方がまた提訴をされた場合には、その対応を速やかにできるように真摯にやってまいりたいと思っています。
#151
○福島みずほ君 その答弁で、除斥期間が過ぎた人たちを異なって取り扱わないように、この法律ですとそこがどうしてもネックになっておりますので、改めてその点についての決意をお願いいたします。
#152
○国務大臣(小宮山洋子君) それはしっかりと対応させていただきたいと思います。
#153
○福島みずほ君 患者さんに対して、救済されるということをきちっと伝えていくことが必要だと考えます。どのような方策が取られるんでしょうか。
#154
○政府参考人(外山千也君) 感染者の救済に関する広報につきましても、現在も、B型肝炎訴訟の手引きを厚生労働省ホームページに掲載するとともに、肝疾患の診療を行う拠点病院の連絡協議会で医療機関の担当者にB型肝炎訴訟について周知をしております。また、B型肝炎訴訟に関する電話相談窓口を厚生労働省に設置し、さらに政府広報も行っておりまして、法案成立後も、救済の要件を満たす方が給付を受けられないことがないよう、引き続き周知、広報に取り組んでまいりたいと思っております。
 また、肝炎対策基本法の基本理念や、本年五月に策定いたしました肝炎対策基本指針を踏まえまして、現在、政府広報それから厚生労働省ホームページ及びリーフレットを活用した普及啓発活動や、それから各都道府県で実施いたします普及啓発活動への財政支援、それから肝炎ウイルス患者に対する偏見や差別の実態を把握し、その被害の防止のためのガイドラインを作成するための研究を今年度より実施するなどによりまして、差別や偏見の解消に向けた取組を行っているところでございます。
 今後とも、不当な差別を招かないよう、国民に対して肝炎に対する正しい知識を持っていただくよう努めてまいりたいと考えております。
#155
○福島みずほ君 患者さんへの救済の広報も必要ですし、今おっしゃいました国民の皆さんにいろんな正確な知識をきちっと広報していくことも必要です。患者さんたちからは、やっぱり差別を受けるとかそういう話を本当に聞いております。
 これからそれは検討会を開いてやっていくんでしょうか。もう少し早く、的確に、学校の教材でやるかどうかは別にしても、いろんな形で国民一般への広報を早くやっていただきたいと思いますが、どうですか。
#156
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、衆議院の方の審議の中でも、学校教育の中でしっかりとこうしたことも人権の問題を含めてやるべきだというふうに言われましたので、私の方からも文部科学省としっかり連携をして取り組むように指示をしているところです。
#157
○福島みずほ君 指示を出されたということで、国民の皆さん一般に対しての啓発、周知もお願いいたします。
 基本合意書において、第三者機関における検証の場の設置ということが挙げられております。このような独立した検証機関の設置は絶対に必要なわけですが、今後どのように検討されるのか、お願いをいたします。
#158
○国務大臣(小宮山洋子君) 御指摘のように、基本合意書に基づきまして、第三者機関による検証の場を設置して感染被害の真相究明や検証を行うことにしています。現在、原告、弁護団の皆様などとも相談をしながら人選そのほかの作業を進めておりまして、準備が整い次第開催をしていきたいというふうに考えています。
#159
○福島みずほ君 この第三者機関については、今までも設置されたものもありますが、どうしても、小さかったり、あるいは効力がどうかとか、本当に独立機関なのかとか、権限のこともありますので、今度はしっかりそれをやっていただくようお願いをいたします。
 また、B型肝炎、C型肝炎ということだけでもなく、薬害も含めたいろんなものを検証する第三者機関が必要だと思います。私もせっかく厚生労働委員会に籍を置いておりますので、薬害も含めた、病院で起きるといいますか、そこで起きる、要するに制度の不備で起きるこういう病気、問題をとにかくどうやって根絶するのか、早くキャッチをするあるいは予防することも含めて、第三者機関が必要だと考えますが、どうでしょうか。
#160
○国務大臣(小宮山洋子君) それは私も委員と同じ問題意識を持っています。
 今、薬害肝炎検証検討委員会での最終提言を基に検討をしているんですが、本当にB型肝炎、C型肝炎だけではなくて、薬害全体についてどのような第三者機関をどこに置けばよいのか。厚生労働省の中だとどうしても第三者性がないという御指摘もございますし、その置く場所ですとか、また新たな審議会はつくれないという今規定になっている中で、どういう仕組みをどこに置いてどのようにすれば一番第三者性のあるしっかりしたものができるのか。是非、これは国会の中の議員の皆様方にもお考えいただきたいことでございますので、望ましい在り方を共に検討していければいいというふうに思っています。
#161
○福島みずほ君 大臣から極めて前向きの答弁がありました。私たちも全員、その薬害を含めた仕組みや、病院のあるいは医療制度の問題で起きる病気を、本人の全く責めでないそういう病気をどうやって根絶するかというのは、本当に必死でやっていきたいと思っております。
 ですから、そのための是非検討会、新しく審議会を設けることはできないとおっしゃいましたが、第三者委員会を設けて、やはり小宮山大臣の下で薬害、薬害等になるかもしれませんが、根絶に向けて一歩大きく前進したという事態をつくっていただきたいと思います。
 それなどの関係で、がんなどについても抗がん剤が副作用被害制度の対象となっていないなど、その充実が必要だと考えます。現在、検討会にて検討中ということですが、現在の議論の状況と、今後どのようなめどで副作用被害制度が充実されるのか、明らかにしてください。
#162
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 抗がん剤の副作用被害救済についてでございますけれども、現在の医薬品の副作用被害救済制度では、その医薬品が適正に使用されたにもかかわらず副作用で健康被害を受けた方に対しての、製薬業界の拠出金を財源としての救済制度でございますけれども、当初から抗がん剤は、その使用に当たりましては相当の頻度である程度重い副作用の発生が予想されるものだと、その使用が避けられないものだというようなことから、給付対象から除外をされた形で法律ができておるということでございます。
 一方で、この抗がん剤の副作用被害救済を制度として検討すべきという御指摘もあり、先ほど御指摘のありました薬害肝炎事件の検証のあり方検討委員会の最終提言の中でも、この救済制度、抗がん剤等のこの制度における取扱いについて検討をする必要があると御指摘を受けました。
 このために、今年六月以来、有識者から成ります検討会におきまして開催をお願いしておりますが、これまでの議論の中では多くの論点が挙げられまして、例えば抗がん剤だけ救済するのは不公平だという御指摘がある一方で、しかし放射線治療、手術なども行う場合に、どのような公平性を持って抗がん剤だけについての認定ができるのか、あるいはそれらの因果関係が認定できるのか、それから適正使用についても問われることになりますと、抗がん剤の医療の行為そのものが萎縮するおそれはないのか、あるいは研究開発が遅れるおそれはないのかというような様々な論点が挙げられております。
 これらの論点につきまして、この検討会の皆様といたしましては、年内にこのような論点について一応の中間的な整理を行った上で、更に個々の論点について引き続き検討を続けていきたいというような状況にございます。
#163
○福島みずほ君 是非これは進めていただくよう強く要請をいたします。
 予防接種における注射筒の使用に関する厚労省の通知が昭和六十三年まで遅れたということで、今回の事故の検証を通じて最新の保健医療上の知見が速やかに医療現場への情報提供及び指導につながるような体制整備が必要だと考えますが、どうでしょうか。
#164
○政府参考人(外山千也君) 先ほどの古川議員の御質問とちょっと逆な立場というか、もあるわけでございますけれども、全世界これだけ日進月歩、科学技術、しているわけでございますから、そういった点では、国民の生命と財産、安全を守る厚生労働省といたしましては、常に最先端の科学的知見を収集いたしまして、国民に不利益がないように万全を期したいと思っております。
 ただ、それが政策としてどの程度の段階で一般化するかというのはまた別途議論があるところだと思っておりますが、頑張りたいと思っております。
#165
○福島みずほ君 サリドマイドのときもC型肝炎のときもBのときもそうなんですが、もっと早く日本政府が、もっと早く日本の厚労省が取り組んでくれてたらこんな被害は起きなかったのにと思う方も多いと思うんですね。外国ではもうとっくの昔に取り組んでいたということなので、予防という観点はやはり前向きに取り組んでいくということですので、是非積極的に行っていただくようお願いし、これからの厚労省のしっかりした取組をお願い申し上げ、私の質問を終わります。
    ─────────────
#166
○委員長(小林正夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、丸川珠代君が委員を辞任され、その補欠として上野通子君が選任されました。
    ─────────────
#167
○委員長(小林正夫君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 本案の修正について川田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。川田龍平君。
#168
○川田龍平君 私は、ただいま議題となっております特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案に対し、みんなの党を代表して、修正の動議を提出いたします。
 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。
 これよりその趣旨について御説明申し上げます。
 政府は、集団予防接種等の注射器の連続使用によるB型肝炎ウイルスの感染被害の迅速かつ全体的な解決を図るため、本特別措置法案を提出しました。
 その内容は、本年六月、国側と原告側が調印した基本合意書に即したものとなっており、裁判上の手続によって認定された感染被害者に給付金等を支給する制度を創設するとともに、その財源措置等を講ずるものとなっております。
 しかし、国がB型肝炎ウイルスの感染被害の拡大を防止し得なかったことの責任を認めたとしても、本法案には、除斥期間に関して看過できない問題点があります。たとえ、政府は基本合意書の内容を重く受け止め、法制化したのだと金科玉条のごとく言い募っても、発症後二十年を経過した被害者の救済に差を付けることは、国自らB型肝炎患者に対して生命の線引きをしたことにほかなりません。札幌地裁の裁判長も、基本合意は当事者が譲り合って成立したものでベストではない、改めて国会その他の場で討議をしてより良い解決をしてほしい旨の所感を述べたといいます。立法府において、これを修正せずして何の意味がありましょうか。みんなの党は、このような観点から本修正案を提出いたしました。
 修正の要旨は、次のとおりであります。
 第一に、B型肝炎ウイルスに起因して、肝硬変、肝がん若しくは慢性B型肝炎に罹患し、又は死亡した者に係る特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の額について、その肝硬変、肝がん若しくは慢性B型肝炎の発症又は死亡のときから二十年を経過した後にされた訴えの提起又は和解若しくは調停の申立てに係る者に係る額を、それ以外の者に係る額と同等にすること。
 第二に、平成二十四年度から平成二十八年度までにおける交付金の財源に関する規定を削除すること。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#169
○委員長(小林正夫君) ただいまの川田君の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から修正案に対する意見を聴取いたします。小宮山厚生労働大臣。
#170
○国務大臣(小宮山洋子君) 参議院議員川田龍平さん提出の特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案に対する修正案につきましては、政府としては反対でございます。
#171
○委員長(小林正夫君) これより原案及び修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#172
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案及びみんなの党提出の修正案に賛成の討論を行います。
 注射針や筒の使い回しがB型肝炎ウイルスの感染を広げる危険性があると国が認識したのは、遅くとも一九五一年、最終的な使い回しの禁止通達が出されたのは一九八八年、国の責任を問う先行訴訟の提訴は一九八九年、そして原告勝訴が確定した最高裁判決は二〇〇六年、これらの経緯を振り返れば、国がB型肝炎感染被害の実情を調査し、対策を検討し、その救済策を取る機会は過去幾度となくあったはずです。
 長年にわたる国の不作為が、母子感染ではないという立証が不可能な被害者を広げ、多くの被害者を除斥期間に追いやった。その責任は余りに重大です。全国訴訟の提訴から三年以上の年月を経ての和解、そして基本合意、ここでも国は救済範囲を狭めようと除斥期間による線引きに固執し、原告の皆さんは身を引き裂かれるような苦渋の選択での合意となりました。
 司法では超えられない限界を立法によって乗り越えてほしいという原告の要求にこたえる責務が私たち立法府に課せられています。本法案は、残念ながら除斥期間での線引きを残しました。また、発症後二十年を過ぎた重症患者を対象としないという基本合意を後退させた内容を含んでいます。除斥期間による差別を是正するとしたみんなの党の修正案を盛り込み、本法案を成立させるべきと考えます。
 また、B型肝炎感染被害救済の財源のためには所得税増税が必要とする議論は、被害者と国民を分断し、社会的な偏見、差別を助長しかねず、断じて認められません。
 予防接種によるB型肝炎感染被害の全面救済への第一歩として原案に最低限賛成はいたしますが、被害者の人権を最大限尊重した更なる救済策、肝炎対策の抜本的な拡充を求めて、討論を終わります。
#173
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 私は、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案、みんなの党提出の修正案の全てに賛成の立場から討論をいたします。
 本案は、発症後二十年がたった被害者に対して大きな差を設ける内容となってしまいました。ハンセン病入所者や薬害C型肝炎被害者についても一律救済となっているにもかかわらず、B型肝炎被害者についてはこのような差を設けたことは大きな問題です。ですから、みんなの党が提案した除斥規定を設けず一律救済とする案が本来あるべき救済であると考えます。
 札幌地方裁判所の和解協議期日において、裁判長は、基本合意はベストのものではなく、救済の範囲、額、方法、とりわけ除斥の問題については改めて国会その他の場でより良い解決をいただければと思いますと述べています。この提起にこたえられなかったと言わざるを得ません。
 ウイルス性肝炎は、潜伏期間が長いため、多くの持続感染者は感染を知らされないまま放置されているのが現状です。今後は、検診体制の強化、病気が発見された際のサポート、特に医療や生活の支援、周りの皆さんの理解を進めること、患者さんに国からのサポートがあることなどの周知徹底をするなど、政府は誠実に支援を続けていただきたいと思います。
 C型肝炎やB型肝炎のような形で厚生労働省と一定の合意ができた問題のみならず、他の様々な薬害などについても問題が検証され、再発を予防できるような仕組みについても検討していくことが必要だと考えます。また、他の国々の制度を調査し、薬害や副作用に対してきちんと補償し、支援をするための制度づくりも求められます。
 厚生労働省は、B型肝炎弁護団とともに今回の問題の検証をする第三者機関を設置する議論を始めたとのことです。このような問題が二度と起こらないよう問題を明らかにする、これもまた厚生労働省の重要な責任であります。また、その結果を受けてきっちりと対応していくことを求めます。
 最後になりますが、政府に対して、今後もB型肝炎の患者さんたちを誠実に支援することを再度求めて、賛成討論といたします。
#174
○委員長(小林正夫君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案について採決に入ります。
 まず、川田君提出の修正案の採決を行います。
 本修正案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#175
○委員長(小林正夫君) 少数と認めます。よって、川田君提出の修正案は否決されました。
 それでは、次に原案全部の採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#176
○委員長(小林正夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、中村君から発言を求められておりますので、これを許します。中村博彦君。
#177
○中村博彦君 私は、ただいま可決されました特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・無所属の会、公明党、みんなの党、日本共産党及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、不法行為の損害賠償請求権は、不法行為の時から二十年を経過すると消滅するが、そのような除斥期間を経過した集団予防接種等によるB型肝炎ウイルス感染被害者に対しても、真摯に対応すること。また、今後、除斥期間を経過した肝硬変、肝がんの患者等の感染被害者が提訴した場合には、基本合意書の趣旨、本委員会における厚生労働大臣の答弁等に照らし、裁判所の仲介の下で、誠実に協議するよう努めること。
 二、適正かつ迅速な和解の実現のため、厚生労働省における和解手続が迅速に行われるように、必要な人員の確保・拡充をはじめ、事務処理体制の整備に努めること。また、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金の支給関係業務が迅速かつ円滑に行われるように、社会保険診療報酬支払基金の事務処理体制の整備を図ること。
 三、感染被害者を含む肝炎患者等が、不当な偏見・差別を受けることなく安心して暮らせるように、集団予防接種等によるB型肝炎ウイルス感染被害者が相当数に及んでいることを含む情報の提供、ウイルス性肝炎に関する正しい知識の普及など、国民に対する広報・啓発に努めること。
 四、集団予防接種等によるB型肝炎ウイルス感染被害者の救済手続に関する国民への周知、集団予防接種等の際の注射器の連続使用を含む様々な感染可能性を明示した上での肝炎ウイルス検査の勧奨、肝炎医療の提供体制の整備、肝炎医療に係る研究の推進、医療費助成等、全ての肝炎ウイルス感染者に対し、必要な恒久対策を引き続き講ずるよう努めるとともに、とりわけ肝硬変及び肝がんの患者に対する医療費助成を含む支援の在り方について検討を進めること。
 五、給付金等の支給を円滑かつ確実に行うため、必要な安定的な財源を確保し、毎年度、所要の予算を計上すること。
 六、予防接種における注射筒の使用に関する厚生省の通知が昭和六十三年まで遅れたことに鑑み、今回の事故の検証を通じて、最新の保健医療上の知見が速やかに医療現場への情報提供及び指導につながるよう体制整備を図ること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#178
○委員長(小林正夫君) ただいま中村君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#179
○委員長(小林正夫君) 全会一致と認めます。よって、中村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対して、小宮山厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小宮山厚生労働大臣。
#180
○国務大臣(小宮山洋子君) ただいま御決議いただいた附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重して努力いたします。
#181
○委員長(小林正夫君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(小林正夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト