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2011/10/27 第179回国会 参議院 参議院会議録情報 第179回国会 財政金融委員会 第2号
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2011/10/27 第179回国会 参議院

参議院会議録情報 第179回国会 財政金融委員会 第2号

#1
第179回国会 財政金融委員会 第2号
平成二十三年十月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         尾立 源幸君
    理 事
                大久保 勉君
                田中 直紀君
                佐藤ゆかり君
                塚田 一郎君
                荒木 清寛君
    委 員
                大塚 耕平君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                川崎  稔君
                櫻井  充君
                広野ただし君
                藤田 幸久君
                水戸 将史君
                愛知 治郎君
                鴻池 祥肇君
                西田 昌司君
                林  芳正君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                若林 健太君
                竹谷とし子君
                中西 健治君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
   国務大臣
       財務大臣     安住  淳君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        自見庄三郎君
   副大臣
       内閣府副大臣   石田 勝之君
       内閣府副大臣   中塚 一宏君
       財務副大臣    五十嵐文彦君
       財務副大臣    藤田 幸久君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  三谷 光男君
       厚生労働大臣政
       務官       藤田 一枝君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       道盛大志郎君
       内閣府大臣官房
       審議官      水野 和夫君
       金融庁総務企画
       局長       森本  学君
       金融庁監督局長  細溝 清史君
       金融庁証券取引
       等監視委員会事
       務局長      岳野万里夫君
       総務大臣官房審
       議官       米田耕一郎君
       財務大臣官房総
       括審議官     佐藤 慎一君
       財務省主計局次
       長        福田 淳一君
       農林水産省生産
       局農産部長    今城 健晴君
       経済産業大臣官
       房審議官     五嶋 賢二君
       経済産業大臣官
       房審議官     川上 景一君
       中小企業庁次長  宮川  正君
   参考人
       日本銀行国際局
       審議役      渡邉賢一郎君
       株式会社東京証
       券取引所常務執
       行役員      静  正樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○財政及び金融等に関する調査
 (G7・G20財務大臣会議に関する件)
 (欧州債務問題に関する件)
 (円高対策に関する件)
 (震災復興財源に関する件)
 (二重債務問題に関する件)
 (たばこ税に関する件)
 (日韓通貨スワップ協定に関する件)
 (オリンパスに関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(尾立源幸君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官道盛大志郎君外十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(尾立源幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(尾立源幸君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行国際局審議役渡邉賢一郎君及び株式会社東京証券取引所常務執行役員静正樹君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(尾立源幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(尾立源幸君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○佐藤ゆかり君 おはようございます。自由民主党の佐藤ゆかりでございます。
 この度、自民党の筆頭理事を拝命いたしました。財金委員会の有意義な審議の実現に向けて、御協力をお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
 さて、私ども自民党ではこの目下の円高対策について大変懸念を有しておりまして、自民党の中でも円高と空洞化に対する対策を考えるプロジェクトチーム、PTを設立いたしております。私もその事務局としてかかわってまいったわけでございますが、この秋口にはG7やG20がございまして、もう安住財務大臣始め日銀総裁も既にこの会議には御出席をなされているわけでございますが、こうした国際会議の場で日本としてきちっとこの円高是正に向けた国際協調の雰囲気づくりをしてくる、そういうことが極めて大事であろうということを念頭に、私ども円高対策PTでは第一弾、第二弾の提言を既に政府に対して申入れをしているところでございます。実際、第一弾の提言では、九月七日にG7会議の前に五十嵐財務副大臣に提出をいたしまして、そして第二弾につきましては、十月六日にG20の会議向けに、安住財務大臣を始めとしまして藤村官房長官、石田内閣府副大臣へ提言を申入れしたところでございます。
 提言内容につきましては、七十六円台にオーバーナイトでは少し円安の方に振れたようでありますが、七十五円台にまで突入しているという、非常に歴史的な円高が進行しているわけでございまして、この歴史的円高の是正の必要について、協調介入の雰囲気づくりに努めるというのはもとより当然のことでございますが、より具体的な提言としてこの自民党PTでは、まず一番目に、各国経済の不均衡にかかわるIMFの相互評価プロセス、MAPプロセスですけれども、このプロセスにおいて、十月のG20に向けた事前準備の作業の段階で日本政府が是正措置の策定に向けて積極的に関与をしていくこと、これを求めております。
 そして、この相互評価プロセスというのは、昨年からG7やG20の会合に向けた大きな議題でございました各国の経済不均衡が世界経済を揺るがしかねない危機の発生の原因にもなり得るということで、各国の経済不均衡、経常黒字の肥大化ですとか外貨準備の肥大化、インフレ率の加速、そういったものを是正するための措置をG20がIMFに委託をする形で各国の不均衡の現状をIMFが調査分析をし、そしてこの秋口にG20、十月十四日、十五日に行われましたけれども、そこで大体の大枠を、見通しを立て、そして十一月初旬のカンヌ・サミットで各国に向けて策定された是正措置の採択に至ると、そういう日程で作業が進められていたわけであります。
 ですので、まさにこの秋口に要となるこの策定プロセスにおいて日本政府がどのように積極的関与を行ったか、私どもの提言に対して、その積極対応の中身を安住財務大臣に御報告いただきたいと思います。
#8
○国務大臣(安住淳君) 皆さん、おはようございます。これから大変お世話になりますので、御指導よろしくお願いいたします。
 佐藤先生には、竹本先生と十月六日にわざわざ私の方においでいただきましてありがとうございました。そのときにいただいた、今あったこの相互システムの強化や円高に対してしっかりと発言をしてこいというお話でございました。
 私も九月の七日、十月六日と二つの自民党からの提言も受けて大変共感するところもございましたので、G20は御存じのとおり中は事実上秘密会合で事務方も入りません。そういう点では、中央銀行の総裁と財務大臣で自由な意見交換を大体六時間、七時間とパーツを分けてやって、その中でコミュニケという形でこれを取りまとめて、今御指摘があったようにカンヌに向けてやっていこうというのが趣旨でございます。
 その中でどういうふうに主張を本当に盛り込むようなことができたのかという御指摘でございますけれども、ここに共同声明がありますけれども、一つには、この為替については、第三項目の一番最後のところで、これは我々のところで相当粘って事務方も含めて、最終的に私と日銀総裁でということで申入れをして、こういうふうな書き方になりました。強固で安定した国際金融システムが我々の共有する利益であること及び市場で決定される為替レートに対する我々の支持を再確認した、我々は為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済及び金融の安定に対し悪影響を与えることを再確認すると、この部分については、まさにこの日本の今の過度な円高等を含めた認識というものを共有をしてもらったんではないかというふうに思います。
 それから、もう一つ重要な点は、これは各先進国各国間のバランスをどういうふうに取っていくのかということでございますが、これについては第二項目のまず一のところの後段のところをちょっとよく見ていただきたいと思いますけれども、やはり経常黒字、経常赤字を持つそれぞれの国に対して、経常黒字を持つ国にはより内需に基づいた成長にシフトをさせるための政策の実行を求め、一方で経常赤字を持つ国に対しては、これは国民貯蓄を増加させるための施策をせよと。この前段には実は財政の健全化を達成しろという、これはまた後でまたいろんな議論があると思いますけれども、そうしたことも言われております。IMFの仕組みを使ってということというのは、やはりそういうふうに相互にそれぞれの言ってみれば特徴を持った国々が、国際的に貢献するために自らの今課せられている課題をしっかりとこなすようにということを、ここまでは声明で盛り込まれたんではないかと思います。
 なお、この声明に基づいて今後カンヌに向けて更にそれぞれの個別、各国別のアクションプランというものを今後求められるものですから、事務方の協議を積み重ねて我が国の国益に資するようなきちっとしたコミュニケにするように努力をしていきたいと思っております。
#9
○佐藤ゆかり君 今、過度の円高、為替の変動による経済不均衡の問題指摘がございまして、それに対して各国の認識を共有したという一つの結果を御報告いただきましたが、認識を共有するだけでは全く不十分なんですね。これは次にそれを是正するために何をアクションを取るかと、その是正措置の協議をしている場ですから、認識共有を今ごろしていてももう大変手遅れなわけでありまして、どういうアクションを取るか、その事前協議に日本政府がどのようにかかわっているかという御質問をさせていただいたわけであります。
 ですから、今の安住大臣の御答弁では、アクションプランには日本政府が逆に全くかかわっていないということを御答弁いただいたに等しいと私どもは受け止めるわけでありますが、それではやはり日本のこの経済界、そして国民生活を守ることはできない、大変不十分であると思われます。
 経常黒字の国については内需主導の政策に転換を求めていくと、そういう方向性というのも今報告をいただいたわけでありますが、それでお伺いいたします。
 十一月のカンヌ・サミットに向けまして具体的な各国向けのアクションプランを策定しなければなりませんが、その過程において、我が党自民党PTで提言を申し上げました二つ目の内容、これは具体的に中国人民元や韓国ウォンの最近の過小評価の問題に関して、管理フロート制からフロート制へ完全移行を加速するための不均衡是正措置について日本政府として着実な合意を得ることということを求めております。これについてはどのような進捗がありましたでしょうか。
#10
○国務大臣(安住淳君) 会議の中の個別の発言について何度も主要な蔵相、私も含めて、発言をしました。率直に申し上げて、中国の問題については激しいやり取りもありましたけれども、しかし、そのことを今この場で申し上げるのも、ちょっとルールに反しますので申し上げることはできませんけれども、為替の柔軟性を中国に求めるということについては共有をしております。
 しかし、中国側には中国側の考え方や言い分もあることも事実でございますので、率直に申し上げて共通のコンセンサスをまだ得られているという段階ではございませんけれども、しかし、この中で申し上げています、今先ほど私がちょっと申し上げたんですが、市場で決定される為替レートに対する我々の支持というところに委員の御指摘のものは私は含まれているというふうに理解をしていただければいいんではないかと思っております。
#11
○佐藤ゆかり君 この中国人民元と韓国ウォンの問題は、我が国日本経済の活動において極めて影響が肥大化してきているわけであります。公表、表にできないという御答弁でしたけれども、そうであるならば、十一月のカンヌ・サミットで不均衡是正措置が採択されたときにしっかりとした結果を出していただけるんでしょうか。
#12
○国務大臣(安住淳君) これは、基本的には多分、本当に中身のことは申し上げられませんが、アメリカも私どももそれほどそのことに、中国の問題について認識が違うとは私は思っておりません。
 つまり、一言で言えば、柔軟性を求めるということでございますけれども、しかし、二十か国ですから、先生、バイで話をしたりとは全く違います。新興国の代表もここにはもう入っておりますから、ここで共通の言わば考え方を中国にお願いをして、それを分かりましたという話まで前進をするというのは極めて至難の業でありますので、やはり市場のメカニズムというものが、何といいますか、為替においては重要だし、それは非常に我々にとっての言わば基本であるということを踏まえた上で、こういう取りあえずの文章になったということなんですね。
 ですから、この先、これを具体的に更にカンヌでどこまでやれるのかということはもちろん大きな課題でございますが、私どもとしてはより柔軟な対応というものを中国に対しては求めていきたいと思っております。
#13
○佐藤ゆかり君 G20の枠組みとおっしゃられましたが、当然ながら、中国の人民元の過小評価の問題というのは世界経済の安定的な発展にとってもこれは問題要素になってきているわけであります。その辺りの認識が不足していますと、やはりG20で積極的な発言を日本政府としてしていただくこともできないと思いますので、もう一度申し上げておきますが、例えば、ある推定によりますと、中国の外貨準備高、現在三兆二千億ドル程度まで肥大化しているということであります。これは、当然ながら、人民元の過小評価の水準を維持するために市場操作を行っている結果、外準がこれだけまで肥大化してきているということであります。外準は、当然ながら、資産運用の段階ではドル建てのみならず円でも運用しているわけでありますから、外準の肥大化に伴ってドルから円に転換をする円買い需要というのも必然的に発生してきているわけであります。これが円の上昇圧力の一つにもなっているということをしっかりと御認識をいただかなければいけないと思います。
 ちなみに、この三兆二千億ドル程度まで肥大化している外準のうち、円建て運用残高は二〇一〇年に約十一兆円も増加をしているという観測があります。結果として残高で十五兆円規模に達していると。これは大変大きな規模でありまして、この問題からも、やはり円に対する問題、そして外準を肥大化させるに当たって人民元を供給しているわけでありますから、中国のインフレ加速、そしてインフレ加速を抑制するために急激な金融引締め、緊縮財政に陥ることによってそれこそ世界経済が大打撃を受けると。これはG20の中で共有した認識としてアクションに移していただかなければいけないと思っていますので、是非その点はお願い申し上げたいと思います。
 さて、次に、いわゆる世界の不均衡の話ですけれども、ギリシャを震源地といたします欧州危機の問題について話題を転じたいと思います。
 G20の会議でも、この欧州危機からそろそろアジア経済の方に影響が飛び火しているという懸念がアジア各国から出されたという報道も伺っているとおりであります。この危機に対して、今後どういうふうに対応していくかというところで、危機が波及するルートというのをある程度二つに分けて、それぞれ適切な対処が必要になってくると思われます。
 一つは、御案内のとおり、今言われていますとおり、欧州系の銀行、特にアジアに対して貸付残高の大きい、イギリスやフランスやドイツと言われておりますが、こういう欧州系の銀行の貸付けが焦げ付くことによる資金の撤収、こういったクレジットクランチによるアジア経済への影響の波及。それからもう一つは、こういった不安定要素を抱える中でアジアの通貨が、まあ韓国ウォンもその例ですけれども、今大幅な下落をしております。通貨の下落による通貨危機を通じた様々な問題。この銀行危機と通貨危機と、アジア経済への波及のルートとしてはこのツインクライシス、二つのクライシスというものをいかにそれぞれ囲い込んでいかなければいけないかというところに問題が集約されてくると思います。
 銀行危機は、御案内のとおり、今申しましたように、イギリス、フランス、ドイツ等、まあそれに限りませんが、欧州系の銀行がかなりアジアに対して貸付けをしていると。そして、ギリシャ国債で損失が拡大し資本が毀損しますと、こういった対アジアの融資が撤収されることによってクレジットクランチが起きるという悪影響であります。
 こちらの方は主に、今非常に協議が難航していると思われますが、欧州の方で欧州金融安定化基金、EFSFの拡充などを一つのルートとして欧州金融機関への資本増強で何とかクレジットクランチの拡大を防ごうという努力がなされているところであります。
 そして、この通貨危機の方がややこしいわけでありますが、これは欧州系銀行もかなり資本が毀損しているわけでありまして、そういった世界的なリスク回避の姿勢でアジア通貨が今下落をしている状況にあります。アジア通貨の大幅な下落によって、実はこの欧州系のみならず、アメリカ、日本も皆、外銀がアジアで融資をしているわけでありますが、こうしたアジアでの外国銀行の不良債権の増加、これが銀行危機を更に通貨を通じて増幅させると、そんな問題があるわけでございます。
 実際にデータ、統計を御覧いただきたいんですが、配付資料の一ページ目でございますが、「日米欧の外銀による新興アジア向け融資の状況」というのを御覧いただきたいと思います。
 これは、まず左端のAのところ、「外銀融資(含む現地通貨建て)」、これは外銀融資ですが、現地通貨建てと外貨建て融資があります。これは現地通貨建ても含む部分ですが、黄色い線のところがユーロ圏の銀行からのアジアでの融資、これ一番右が、二〇一一年三月時点が最新のデータで、BISのデータになっておりますが、全体の外銀融資の中でのユーロ圏からの貸出しが約一八%、そしてイギリスが二二・九%。欧州全体としてユーロ圏、スイス、英国、これを全部合わせますと、大体今年の三月で四五%のシェアになるわけであります。大変大きなシェアです。
 そして、うち、大事な外貨建て、これがC番、貸出し全期間のC番、外貨建てだけで御覧をいただきますと、この欧州系銀行からの貸出しが大体四〇%のシェア。そして、B番は、その中でも特に短期貸付け、非常に資本撤収の早いと思われる短期貸付けの部分もやはり二四%を占めているということで、大体全期間を通じますと外貨建てが四〇%ございます。
 この外貨建てが、まさにアジア通貨が大幅に下落をいたしますと、外貨での債務不履行の問題が出てまいりますので、ここで不良債権が欧州系銀行でまた膨らんでくると。そうしますと、これがまた跳ね返って銀行危機になってくるということで、一方で銀行危機も資本増強で抑えなければいけないんですが、通貨危機による通貨の大幅下落によって不良債権が、外貨建て融資に対する不良債権が増えて、そしてまた銀行危機に跳ね返ってくると。お互いツインクライシスで、銀行危機と通貨危機がお互いをスパイラルのように増幅し合うような危機に発展しかねないんですね。
 これは、非常に事前防止策というのが必要になってくると思いますが、まずこの銀行危機からお伺いしたいと思いますが、自見大臣、手短な御答弁で結構なんですが、銀行危機に対して、日本の邦銀もこれエクスポージャーがアジアにありますから飛び火してくる可能性がありますが、どのような事前防止策を現時点で打っておられますでしょうか。
#14
○国務大臣(自見庄三郎君) 佐藤先生にお答えをいたします。
 金融庁といたしましては、常日ごろよりモニタリングデータの徴求や金融機関に対するヒアリングの実施等を通じてこういった新興アジア向けの与信の状況も含めて、金融機関が抱えるリスクについてしっかり注視をさせていただいておるところでございます。
#15
○佐藤ゆかり君 注視をするだけではなくて、何か問題発生の兆候が見えたときにどういう対処をされるか、そのメニューについてはいかがでしょうか。
#16
○国務大臣(自見庄三郎君) これは財務大臣の所掌でございますが、この前、韓国との間に、日本銀行、また韓国の中央銀行、また財務省と向こうの相当する省とスワップをしたというようなこともございますけれども、こういったこともやはり通貨危機に対する一つの方法だろうと思っております。
 しかし、私も国会の間、ヨーロッパのドイツ、フランス、イギリス、中央銀行の総裁、あるいは日本でいう金融庁長官等々にお会いしてまいりましたけれども、基本的にやはり、今EUの首脳会議がやっているようでございますが、EUのことは基本的にヨーロッパで解決していただきたいと。そして、その結果、先生御存じのように、ギリシャの次のアイルランド、アイルランドを救うための国債、ユーロ債出したときに、日本がたしか二〇%買うことを約束したことを、当時、フランスのラガルド財務大臣からお礼を言われましたが、決めることはきちっと決めていただきたい。
 その結果、ヨーロッパの金融の安定というのは、今もう先生が言われたようにアジアまで波及してまいりますから、日本にももうもろにまず円高という影響で来ているところもございますから、しっかり協力するところは協力させていただきたいということを申し上げたわけでございます。
#17
○国務大臣(安住淳君) じゃ、ちょっと補足をさせていただきますけれども、確かに欧州銀行のクレジットクランチ、この比率を見れば、委員御指摘のとおり、非常に危機感が私どももあります。
 それから、通貨下落というのは、これはもう相乗効果で下落をしているんではないかと。一言で言えば、戦後間もなくの日本と一緒で、竹馬経済と当時は言われたわけですけれども、やはり堅調な成長率を維持していた背景には、どうしてもやっぱり外資の注入による資金の円滑化ということがアジアの場合、構造的にどうしてもまだありますから、そういう点では、一気にもし欧州のお金が抜かれたりすれば、これはもう大変な、何といいますか、血液の循環が悪くなる体と同じではないかなと思っております。そのことは結局、委員がおっしゃったように、銀行や通貨の危機だけにとどまらず、アジアの実体経済、つまり人々の雇用や企業の生産活動に大きな影響を及ぼすと。それは結果的に、翻れば世界のクライシスになってしまうというふうな認識だと思います。
 それでは、それを具体的にじゃどういうふうにするのかということなんですけれども、一つはやっぱり、今もう欧州時間でぎりぎり夜中になってもまだ議論をしているのは、やっぱり資本増強をどうするかということと、ギリシャ債権そのものをどういうふうに扱うのかということで、ぎりぎりの調整だと思います。それは、まさに銀行の自己資本比率をどういうふうな形で守るのかということですから、ここのルールがもし破られれば、そこの例えば大手銀行が持っているアジアの引揚げということが起きてくる可能性もあるので、ここのやっぱりまずしっかりとしたルール作りと資本注入というのが非常に重要だということです。
 一方で、IMFというものの存在というのは、アジア通貨危機の十年ほど前の状況を鑑みれば、そこのやっぱり円滑な利用といいますか、そこが支えていくということも重要だということはG20の中でも認識として出ておりますので、今後、そうしたIMFの動きというものがやはりこういうことが万一最悪の事態になった場合の下支えとしては必要であろうというふうには認識しております。
#18
○佐藤ゆかり君 今、自見大臣と安住大臣の御答弁を伺っていますと、金融担当大臣が通貨スワップの財務省所管の御答弁されて、安住大臣が今度は銀行の資本増強の金融大臣の所管の御答弁されてちぐはぐになってしまっているんですが、要は、この事前対策について地に足の付いた政策立案をそれぞれ所管の分野においてされてないからこういったぐしゃぐしゃの答弁になるんじゃないかなと今印象を受けました。大変これは問題じゃないかなと、本当に所管の部分で皆さんそれぞれがしっかりとやっていただかなければいけないなというふうに思います。
 そこで、実際、御指摘のとおり、この配付資料の二ページ目にもございます、当時のアジア通貨危機発生前後のそれぞれ、特に震源となったタイ・バーツ、それから続いてインドネシア・ルピア、当時暴落しましたが、黄色い線の引いてある投資収支や外貨準備増減、御覧いただきますと、通貨危機が発生した九七年のセカンドクオーター、サードクオーター辺りから急激に投資収支がマイナスに転じております。これは、いわゆる資本が海外に逃避をし始めた、急激な調整が起きているということで、こんなことが起きかねないわけでありますから、日本企業もアジアに取引先が大変たくさんありますので、これは日本にも直結する問題としてやはり早急な対処をお願い申し上げたいと思います。
 そこで、今お話が出ました通貨スワップの件についてお伺いしたいと思いますが、日韓首脳会談で野田総理が通貨スワップの枠組みの拡充を合意してまいりました。これは、実際には十月十九日の日韓首脳会談で二つ通貨スワップの協定というのは日本は結んでいるわけでありますが、一つは日銀と韓国銀行との間の円・ウォンの通貨スワップの協定、これを、限度額を現行三十億ドル相当から三百億ドル相当へ増額するという合意。そしてもう一つは、財務省がやっております外為特会を使ったドル・ウォン通貨スワップでありまして、これを現行の百億ドルから、今回新設すると合意した部分も含めまして四百億ドルに拡大することを合意したということであります。
 実は、この通貨スワップの拡充につきましては、私ども自民党の円高対策PTで、九月の初旬の第一弾の策定中に財務省や金融庁、日銀とも政策の練り合わせをしていたわけであります。当然、事務方で私もこの通貨スワップの、特に円高対策の一環として円・ウォンなどの通貨スワップの枠組み拡充というのは提言をしておりました。しかしながら、当時はまだ、今から一か月ぐらい前の話なわけですけれども、関係当局がこの通貨スワップの枠組みの拡大には大反対をされたわけであります。僅か一か月経過した今、日韓首脳会談でこれは合意になったと。
 この一か月の間に、政府側のこの大反対から合意に至るまで全く姿勢が反転したわけでありますけれども、これは何が反転の理由としてあったのか。そしてまた、当時反対した理由を伺いますと、外交交渉カードをむやみに使いたくないんだと、そういうお話があったわけでございますが、今回、日韓首脳会談でこの外交カードを使うということで通貨スワップ拡充の合意に至ったということであるならばどのような、外交カードによって何を韓国政府から日本政府が取り付けたのか、その点、何を取り付けてきたのかについて、安住財務大臣、お願いいたします。
#19
○国務大臣(安住淳君) 確かに、九月の時点で自民党の方から要請があったということは私も聞いておりました。どういう変化かというと、ウォン安が一段とあのときからはかなり進んだということは事実だと思います。
 それで、実は、何を我々として利益を得るのかということですけれども、それは、何か担保を取ったのかと言われれば、私は、一言で言えば、やっぱり通貨の安定であろうというふうに思っております、広い意味でですね。
 御指摘がありましたように、今回のこの枠組みというのは、日銀から韓国銀行への三十億ドルを三百億ドル、それから我が方から新たに三百億ドル、財務省からですね、そしてチェンマイ・イニシアチブのこの百を足すとちょうど七百になるわけであります。これぐらいの資金を言わばスワップして韓国に渡せば、外為、韓国としてはもう十分対応できるというふうなことを私たちとしては考えておりますし、それが通貨の安定になっていって、現に市場を見ていましても、韓国市場についてはその後の動きは非常に安定をしております。
 しかし、それは広い意味で具体的に何か日本にどうかという話であることは、事実、そういう指摘もあるんです。例えば、統計上、日本から韓国への輸出額というのは五・五兆なんですね、二〇一〇年。これは全体に占める、我が国にとっては世界貿易の中の八%にも及んでおります。ですから、そういう点では私たちにとっては非常に重要な取引先でございますので、そこの過度なウォン安について今、韓国政府は非常に厳しい戦いを逆に強いられているわけでございますが、為替の安定というものは、結果的には日本の安定に資するという判断でこういう政策決定をさせていただきました。
#20
○佐藤ゆかり君 外為特会を使ってこういう通貨スワップの枠組みを拡充するということは、日本の国民の税金を使うという話なんですね。ですから、やはり国益にかなった何か取決めをして、利益が日本にとってもあるという前提でやはり拡充をしていただくべきであると思いますし、であるからこそ、私の理解では、九月の段階で自民党PTとしてこの通貨スワップの拡充を一旦提言をしかけたときに、外交カードを使いたくない、極めて外交カードのメリットというものを意識した反対であったと、そういう認識でいるわけであります。ですから、今回、あえてそれを撤回して外交カードを使ったわけでありますから、じゃ何を求めて、何を取り付けたのかということですね。
 実際にこの財務省の報道発表、今回のこの通貨スワップ協定の拡充という報道発表によりますと、日韓における金融協力の強化の観点から行うものというふうに記されております。また同時に、外務省の方の報道でも、金融市場の安定のためというような表現がなされているわけでありますが、この金融市場の安定とかそういう表現は、これはある意味、どの国もその金融市場が安定すれば便益を受ける公共財のようなものなんですね。金融市場が安定するということは公共財のようなもので、誰もコストを払わないけれども誰もが便益を受ける。要するに、日本が通貨スワップでこのような直接的な便益を韓国に対して供与しても、その通貨スワップの合意の中に全くかかわっていないほかの国々もその結果得られる金融市場の安定には便益を受けるわけであります。そういう意味で公共財のようなものなんですね。
 公共財に対して外交カードというのは切らないんですよ。外交カードというのは、あくまで日本国としてどういうメリットがあるかという観点で個別のメリットを引き出すために外交カードというのは切るんですね。公共財のためには外交カードって切らないんですよ。
 その点はいかがですか、もう一度お伺いします。個別の利益というのは何でしょうか。
#21
○国務大臣(安住淳君) そうはいっても、八%もの輸出を受けてもらっている国であるということはやっぱり非常に大きなわけで、今般、聞くところによりますと、中国政府も日韓に倣って韓中でこのスワップ協定を昨日までに結ぶことになったと。
 一言で言えば、やっぱりウォン安に歯止めを掛けて為替レートの安定をする努力をしている韓国の中で、現実に外貨がどんどんと、もしなくなっていくということになれば、先生も御指摘のように、九〇年代後半のやはりアジア危機と同じような構図になりかねないこともあるのかもしれないので、そういう点では本当に、これは通貨安定のためというのは、大きな意味で申し上げていると同時に、日本にとって、やはり貿易相手国として、また隣国として様々な面でこうしたスワップというものは価値のあるものであるというふうに私は認識をしております。
#22
○佐藤ゆかり君 金融市場の安定とか為替の安定の目的、これは当然大事なことでありまして、それは進めなければいけないことです。ただ、であるからこそ、それに対して協力をする上で何を日本政府として引き出すんですかと、そこを聞いているわけですね。何も要するに引き出していないということだと思いますが、こういうところ、こういうやり方では駄目なんですよ。大切な国民財産ですよ、外為特会を使ってやるわけですから。それで外交カードを切るのであれば、何か韓国政府から日本に対しての協力を具体的に取り付けるとか、そういうことをきちっと交渉でやっていただかないといけないと思います。そのことを厳重に申し上げておきたいと思います。
 さて、時間も限られておりますので、最後に、これからいろいろ復興増税や、また来年については消費税などの雲行きもあるわけでございまして、税の話が焦点になってくると思います。また、おいおいこの財金委員会では税の議論に参加をしてまいりたいと思いますが、一つこの復興財源についてお伺いしたいと思います。
 復興財源で復興国債を発行するわけでありまして、政府案によりますと、この償還期限、十年だということで伺っているわけでありますが、実はこれ、報道発表と違いまして、中身を見てみますと、平均的に償還十年ではなくて、政府案は実際は最大十年なんですね。私は驚きました、中身を見まして。報道ではあたかも十年と書かれているんですが、最大十年であって、早いものは償還一年から始まるんですね。こんなことを政府は画策をしているわけであります。
 これは一体どういうことかということでありますけれども、私は、受益と負担という観点で、大臣、誰が復興の受益者になるのか。受益と負担の観点で財政というのはきちっと考えていかなければいけないと思いますが、受益と負担、受益者は誰になりますか、復興の。まずお伺いしたいと思います。
#23
○国務大臣(安住淳君) これは、この震災でダメージを受けたその地域や人々、また、広くいえば、やっぱり日本の国民の中で、例えば御商売をしているところを含めて、広い意味での受益者というのはやっぱり日本国民だと思います。負担も、ですからそういう点では同じ国民であるというふうに思っております。
#24
○佐藤ゆかり君 実は、復興の経費の中にも、それこそ瓦れきの撤去からあるいは高台移転にかかわる費用から、あるいは道路や港湾の整備などインフラに至るまで様々なものがあるわけであります。ですから、私は、これは個人的な見解かもしれませんが、やはりよりきめ細やかにそのいわゆる経費の受益できる期間、これに合わせて復興国債の償還期限を定めるべきではないかと思います。
 例えば、道路や港湾というのは、通常であれば建設国債を使って六十年償還をやるわけであります。当然、現役世代で次世代に復興の負担を負わせない、そういう理念は分かりますけれども、実際に財政上大事なこの受益と負担の観点にのっとってより適切に考えるのであるならば、道路や港湾あるいは公共施設の建設、こういった公共投資については耐久年数が通常六十年と言われているわけでありまして、その結果、建設国債も六十年償還になっているわけでありますから、そういう意味では、そこの部分に使われる復興国債については六十年償還にするべきではないかと思いますが、大臣、いかがですか。
#25
○国務大臣(安住淳君) そうした御指摘を何人かの方にはいただきました。ただ、先ほど先生からも考え方としては認めると言っていただいた、やっぱり次の世代にツケを残さないで何とか償還の財源をつくっていこうというふうな考え方で今回のスキームは作らせていただいたわけです。
 確かに、橋や道路という一つずつを見れば建設国債だっていいじゃないかと。公共投資を機械的に判断すれば、多分充当できるものというのは、昨日も実は答弁したんですけれども、今回の予算の中にも四兆円ぐらいのものは機械的に建設国債のどうも対象になるものはあるかもしれません。
 ただ、私、被災者の立場で言わせてもらうと、津波で受けた被害というのはもう面としてとらえているわけですね、地域は。ですから、復興計画で言わば使い勝手のいいお金が、全く象徴ですけれども、これは建設国債、これは例えば税負担、そういうふうな考え方でその細目を分けるよりは、私は今回はトータル復興をやっぱりその一つの一定の期間の中で成し遂げるという認識に立てば、従来の国債の発行でやるという、細かく分けて種目別にこれはこれというやり方でやるのではなくて、全体として復興債を使って再建をしていくというのも一つやっぱり考え方としてあってもいいのではないかということに基づいて、今回こうした案を作らせていただいたということでございます。
#26
○佐藤ゆかり君 時間も来ておりますのでここで質疑を終わらさせていただきたいと思いますが、是非、建設国債なら建設国債、やはり費目に分けてきめ細やかな設計をしていただいて、国民負担を極力避けるということに徹していただきたいと思います。
 以上です。
#27
○林芳正君 自民党の林芳正でございます。
 佐藤委員に続きまして、安住大臣に御質問を中心にしていきたいと思います。
 まず、安住大臣、御就任おめでとうございました。副大臣、それから国対委員長と、やっていた仕事と大分違って戸惑っておられるんじゃないかなと、こういうふうに思いますが、ちょっと先ほどの佐藤委員とのやり取りを聞いていまして、私もかねてから言っていることでもあるので、G7、G20のEUの関係は今もう既にやり取りがありましたので、分かる範囲でということで御通告していませんので結構ですが、日中、日米欧、G20にはいろんな方が来ていらっしゃいます。
 それで、中国の人民元の話をするのに会議のオフィシャルな場だけでやっているとなかなかそれは難しいことが多いので、どうしてああいうふうに忙しい人たちがみんな集まっているかというと、正式な会議もあるんですが、その場でバイをやる、それから飯食っているときとか休憩時間なんかにチャットですね、いろいろしゃべる、ここが非常に大事なんだと、私も政務次官のときに行きましたが、痛感をいたしておりましてね。
 やはり、日中で、あなたのところの人民元をドルから離せば離すほどあなたのためになるよと、外為のCMみたいな話ですが、あなたのためだからというのをやっぱり言わなきゃいけないんです。もう一日に何千件も暴動みたいなのが起きていて、人民元建てでなかなか給料上がらないんだから、人民元の購買力を増やしたらあの人たちの購買力が上がるわけですね。だから、そういうことが彼らのためになると、ただ輸出にはマイナスだけれども、そのバランスをどう取るのか、我々もやってきたことだからいろいろノウハウありまっせと、こういうことを言って、まず日中のバイで相手を説得すると。それから、やっぱり日米も、あなたのドルと人民元がああいうふうになっているんだからと、これもまあ、あなたのためというよりも我々のためですねと。EUのバイで、これみんなのために、あなた方も大変だろうと。
 こういうのをいろいろやるために、実はお忙しい皆さんが集まってやっているんですが、何をしゃべったかはなかなか言えないというルールは承知ですから、日米とか日中のバイをどれぐらい今回おやりになったかということを、もしお分かりならば教えていただきたいと思います。
#28
○国務大臣(安住淳君) 林先生には、日ごろ大変御指導いただきましてありがとうございます。
 林先生も防衛大臣、経済財政担当大臣と国対と、私と非常に似た経歴でございまして、私も一生懸命また勉強させていただきますので、どうぞ御指導よろしくお願いします。
 今ありましたように、私は実はこれで三度、G7、G20、それぞれ行きました。どこの国とバイをやったかということは申し上げられませんが、やはり御指摘、想像のとおりでございまして、例えば数でいえば、ワシントンにおける会合では私は七か国、それからマルチも含めれば相当数の水面下での交渉はさせていただいております。マルセイユでもパリでもそういうことはやっておりますので、様々なことは、それはもう自民党政権下のときも一緒でございますが、かなり激しい議論はしております。
 一般論で申し上げれば、やはり向かい合って率直に話をするときに、どうしてもそれぞれ反論しますので、人民元のことを言えば、逆に他方は、アメリカの失業率はどうなっているんだと。他方、我々がまたそれを言えば、あなた方だって時に応じて為替の介入をしているんでしょうと。そういう非常に厳しいやり取りの中で、しかし、二十人で、また七人で会ったときは握手をして笑顔で撮影すると、これが国際会議の現実だと思います。
#29
○林芳正君 中身も少し御披露いただきましてありがとうございました。一般論ということでお聞きをしておきますが。
 もう一つ、先ほど、これは通告しておきました、EUが、何かギリシャのデフォルトみたいなことが起こってはなりませんが、起こった場合の波及経路については佐藤委員の方から詳しくございました。PIIGSから仏独、英も含めた銀行、それがアジアに貸し込んでいる、アジアにうちは輸出している、こういう経路と、もう一つ、九〇年代のアジアの通貨危機がもう一回起こるんじゃないかと、こんなようなツインクライシスということでしたが、元々、先ほどの佐藤さんの表にもう少し手前の数字があればもっと分かりやすかったと思うんですが、通貨危機の前は多分邦銀がかなりアジアに貸していたと、こう思うんですね。ですから、ここで、攻撃が最大の防御ということではありませんが、邦銀がもう一回、近くにいるんだから、日本が一番こういう国と貿易をやっているわけですから、邦銀がやっぱり出ていくと、もう一度、アジアにですね。
 こういうことを考えたらいいと思うんですが、これまた安住さんに聞いちゃうと所管外を答えるみたいなことになっちゃうんで、もし何かあればお答えいただいて、せっかく自見大臣がおられますので、通告していませんけれども、何か御見解があれば、それはまたその後お伺いします。まず安住大臣。
#30
○国務大臣(安住淳君) 実は私も、誤解をされないように注意深く申し上げますと、やっぱり邦銀のヒアリング等を聞いたり、また欧米に行って非常に気付くのは、実はこの円高を含めて、自民党政権下でしたけれども、不良債権を一斉に処理をして、健全性というものに対する信認は非常に日本の邦銀は高いんですね。ただし、なかなか世界の中で、アジアの中でも、邦銀に対しての、言わば、邦銀の営業が足りなかったわけではないとは思いますけれども、アクセスというのは思いのほか少なかったと。
 しかし、今回、私、就任して約二か月でございますけれども、やはり、今委員御指摘のところを少し延長して申し上げますと、どうもやっぱりアメリカでは水面下で、欧米の今までの取引銀行を邦銀に切り替えるような企業もかなり出てきたというふうな話を聞いておりますし、一方、アジアについても、邦銀の側も積極的な展開を図っていこうと。
 これは、JBICの問題は問題として一つありますけれども、やはりこの円高を含めた、それとやっぱり公開ですね、会計制度を透明にして不良債権をしっかり処理したことで、BIS規制を本当に律儀に守って、分母も分子も、ある意味では自分に都合のいいものをしっかり出さないでバーゼルを守ってやっているということに対する再評価というのは出始めていますので、確かに円高は我々にとっては厳しゅうございますけれども、しかし一方では、やはり海外に貢献をし、富を蓄える我が国のチャンスでもあるというふうな認識を今私も持っておりますので、もしアジア等について、堅調に人口が増え続けていますから、経済成長というのは十分あると思うんですね。そういうところに対するやっぱり積極的な進出というものを政府も是非後押しをしていければいいんではないかというふうに思っております。
#31
○国務大臣(自見庄三郎君) 通告はございませんでしたけれども、林先生もう御存じのように、今大変な世界の、ヨーロッパの、特に最初はギリシャのソブリンリスクに端を発して、金融あるいは経済、あるいは大変不安定な状態になっておりまして、これが世界の経済に非常に影響を及ぼしているわけでございます。
 今財務大臣が言われましたように、大変な危機でもございますけれども、同時にやはり、比較的円が安定していると外国の投資家が見ておられて、結果として円高になっておるわけでございますけれども、まさに大変なピンチでもございますが、ある意味で日本にとってチャンスでもあるわけでございますから、特に金融の場合ですからリスク管理というのは非常に大事でございますけれども、リスク管理をしっかり見詰めながら、やはりしっかり、プレゼンスが日本がある意味で大きくなりつつあるわけでございますから、そういったことをリスクをしっかり認識しながらやはり攻めていくということも大事だし、各銀行も今そういうところだと思っています。
 それからもう一点、実は日本の中小企業にもこのアジアでの通貨のこういった機会を生かすために、先般、先生御存じのように、地方の中小企業というのはなかなか、地方銀行とはつながりありましても、外国の例えば中国とかアジアには支店がないんですね。そういったところで非常に中小企業はお困りだという話も聞きましたので、先般、金融庁と財務省と経産省で話合いをしまして、ジェトロとJBICを使って、地方銀行から支店が、例えば中国に支店がない、しかしこれは、地方銀行の人を訓練しまして、例えば中国の銀行にジャパンデスクをつくってもらうとか、そういった金融面と、それから、ジェトロは、もう先生御存じのように、やっぱりどういった売れ筋とかなんとかいろいろ情報が非常に今ジェトロは持っていますから、そういったところをこの前制度としてもつくらせていただいたわけでございまして、そういったリスク化も確かにあります、しかしそれをしっかりある意味でチャンスに変えていくことが今必要だろうというふうに思っております。
#32
○林芳正君 ありがとうございます。
 両大臣からお話がありましたように、何で円高になっているかという一つの意味は、不美人コンテストという言葉もありますけれども、やっぱりここまで真面目にやってきて、不良債権の処理をやって、BIS規制なんというのは、最初、向こうの有利なルールを押し付けられたのを営々と真面目にやってきたと。ここに至るまでに実質的にゼロ金利で、国債の金利はそれを上回っていますから、まああれは隠れた補助金みたいなものですね、そういうのをずっと出し続けてここまで来ているんですから、それを活用すると。
 そういう意味では、今ちょっとジェトロのお話もありましたが、もう一つ、外為の一千億ドルを活用して円高の対策を打つということで、出だしのときにJBIC、産業革新機構、JOGMECと三つ出ていたんで私はあるいは千億ドルを三つに分けるのかなと思っていたんですが、この間出てきたやつは一応全部JBICに千億ドル行って、その先にいろんなことがあるということでしたので、ちょっと簡単に、どういうふうにお金が出ていって、それぞれどういうことを狙っているのかというのを安住さんからお願いします。
#33
○国務大臣(安住淳君) 詳細なところは五十嵐副大臣からもお話はいただきますけれども、八兆を十兆に今回増やしました。これは自民党からも増やすようにという要請が、竹本先生、佐藤先生からもいただきまして、私どもも大変そういう点ではこれは賛成であると。日本企業のやっぱり海外でのMアンドA、それから資源エネルギーの確保などの促進というのは、国益にとって非常に重要なことであります。
 本当に先ほどから何度も申し上げますように、やはり円高のときにできることということでいえば、やはりこのJBIC等を使ったやっぱり積極的な海外での富の獲得ということにつながるんであろうと。ただ、この約十兆円をJBICに最初に入れたということなんですが、その先の融資の在り方等については、確かに様々な意見はあるのですが、取りあえず特殊会社であるこのJBICを活用してそこから枝葉に使っていこうというのが基本的な考えでございます。
#34
○副大臣(五十嵐文彦君) 実は、この円高対応緊急ファシリティーは、一つには民間の円資金を円投資にという形で使って為替相場の安定に資すると、これはもう外為特会の本来の役割だと思いますが、もう一つはやはり今大臣がおっしゃったように、日本企業によるMアンドAやあるいは資源の確保ということに使うことによって日本全体の国富を増大を図るという政策融資の側面を一方で持っていると。というと、特会そのものにはそういう融資という政策の能力あるいは体制というのはないということで、実は法律上金融機関を通してということがありますので、まずJBICを通して、そしてほかの機関と連携をしてこれを図るという、こういう仕組みになっているところでございます。
#35
○林芳正君 そういう法律的な制約ということでまずJBICへ出すということですが、その後、これは今後補正等でも詳しくやっていきたいと思いますけれども、JBICそのものがやる案件も結構あると思いますし、それから今から何を買うかと。外為特会の金でグッチのバッグ買うわけにいかないと思いますので、やっぱり今から長期的、中期的に日本に必要なものというものがまずやっぱり政策としてやることですからあると思いますので、例えばエネルギーとか食料とか今から成長する分野の特許を持ったような企業ですとかいろんなことが考えられると思いますので、それぞれ産業革新機構であればベンチャー、それからJOGMECであれば資源関係と、JBICであればプロジェクトと、いろいろ得意不得意があると思いますし、半分ぐらいずつ出すということになればやっぱり目利きというのが非常に大事になると思いますので、そこはしっかりと組んでいただきたいということ。
 それから、今後これを少しずつ、八兆が十兆と、これが終わるころには十兆で千億ドルというふうになっているといいなと思いながら聞いておりましたけれども、これを是非、大臣、副大臣、G7やG20でがんがん宣伝してもらいたいと思うんです。それは、こういうことをやるということが一つなんですが、もっとどんどん円高になるともっと買いますよ、嫌でしょうと、やっぱりそういうことも言わないと、なかなか交渉、さっき外交カードという言葉ありましたが、相手が困ることというのが結果として起こるということもある程度あると、いろんな交渉、バイ、マルチも向こうがこっちの言うことを聞く耳が一層立ってくるということがあると思いますので、そこも申し上げておきたいと思います。
 経済財政運営についてに移りたいと思いますが、この間大臣が最初の基本的な考え方ということでいろいろお話をいただいたときに、新成長戦略の実現加速等によりデフレを脱却しと、こういうふうにおっしゃっておられますが、このデフレの脱却というのは非常に喫緊の、また大事な課題であるとともになかなかこれ難しい施策でありますけれども、具体的にどういうような道筋や方途でもってデフレからの脱却ということを考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#36
○国務大臣(安住淳君) その前に、昨日財務省で実は全く私は同じことを役所の方に申し上げまして、邦銀が、メーンバンクという言い方は外国にはないわけですけれども、どんどんほかに変わっていく、さらに、もっともし安くなればどんどん海外の企業を買っていく、大変なことになるよということをやっぱり実行で知らしめると言ったらちょっと言葉はきついですけれども、そういうことをやっていくことがやはり我が国にとって非常に今大きいんだと。だから、これは言わば会社法に言うぎりぎり十倍の融資まで、十兆ですから、付けましたので、本当にそういう点では目いっぱいのことはやらせていただきたいというふうに思っております。
 さて、御指摘のデフレを脱却するのは大変なことだということは全くそのとおりで、率直に申し上げて、この二〇〇〇年以降、財政出動を自民党政権下でもたくさんやられて、公共投資を含めて乗数効果を上げようということでやってこられました。
 しかし、やはりこの人口の減少、山口県もそうだと思いますけど、私、宮城県に住んでいて、今の津波の被災地ですけど、非常に皮肉な、自虐的なことを言って恐縮です。私の生まれ育った集落は、六十ほどの小さな集落で、全部の家がなくなったんですけれども、昭和四十年代に私が小学校に入っていたころは六十世帯の集落に四十四人ぐらい小学生がおったんです。今、二人しかおりません。そのとき七十歳以上は、昭和四十二年だったと思いますが、七十歳以上のお年寄りはそこには四人だったんです。今、八十歳以上が十三人、七十歳以上が二十五人ぐらいいらっしゃる。幸い、その人口の割には亡くなった方は二人なんですが、やっぱり日本の国というのは今そういうふうになっているということはもうまず現実なんですね。もう本当に笑い話ですけど、役場を退職した方が集落の自治会の青年部長になるぐらいですから。だから、それはもうそこから目を背けてデフレをどう脱却するかという話をしても僕は始まらないと思います。
 ですから、やっぱり広く今の市場の枠を広げていく、アジアに向かって市場を広げていくというのを一つ考えていかなければならないタイミングではないかなと私は思っております。やはり、日本のクオリティーの高いものを国内だけでなくて世界に売っていくと。
 考えてみれば、製造業全体が需給バランスをずっとやっぱり私は、言い方は不遜かもしれませんが、見誤っていた可能性はあるんではないかと思うんです。その証拠として、日本の国内の工場のスクラップとビルドというのはそんなに実は高度成長期、バブル期とそんなに変わっていないことも現実にあります。それはいい面もたくさん雇用の確保でいえばあるわけですけれども。
 結果としては、そういう視点に立てば、そろそろやはり人口の多い東南アジア、中国にはもう既に進出しておりますけれども、そういうところをやはりターゲットにして成長というものを考えていくべきときではないかなと。そこでもうけた富でまた高齢化をしていくであろう我が国のやはりいろんな公的サービスを支えていかなければならないのではないかというふうに思っております。
#37
○林芳正君 大変興味深いお話を聞かせていただきました。
 私の出た小学校も当時六組、隣の小学校が三組、二つの小学校が一つになって中学校で九組あったんですが、うちの娘が行っていたころは、もう十年ぐらい前ですが、二組と一組で、三組しかないんですね。この間、敬老会、下関へ行ったら、もう八十歳以上の人に限定しないと会場がいっぱいで入れないと、午前、午後二回に分けて、こういうことなんです。
 今まさに大臣おっしゃっていただいたように、日本の国境にとらわれずに広く活動の場を求めてというのは非常に共感する部分がありまして、私自身もまだ全く詰め切ったわけではないんですが、GDPからGNIへということでできないかなというふうに今考えております。
 GNIというのはGNPとほとんど一緒だと思っていただければいいんですが、こちらの方が今使われているということなんで、グロス・ナショナル・インカムですね。このGDPとGNP若しくはGNIの違いは何かというと、端的に言うと、GDPに特許料の収入とか著作権料の収入とか、さっきの円高でいろいろ買って、あれが株式の配当が入ってくると。こういうのをGDPに足すとGNIになると、こういうことなんです、いろいろ細かいところはありますが。
 それで、ちょっとこの間調べてもらったら、日本は大体三%ぐらい乖離していると。すなわち、GDPよりも三%GNIの方が多いと。そうすると、十五兆ぐらいなんですね。ちょっと今は減って四百五十兆ぐらいになっちゃっていますが、GDPが。じゃ、イギリス、アメリカ、フランス、ドイツ、どうなんだと調べたら、二%を超える国はないんです、私もびっくりしましたけれども。
 だから、これを、三を四、五と増やしていくということをまずやって、それをやるためにはまず外で稼ぐ。稼いだ金は戻ってこなきゃいけない、これは第二ステップですね。今度、還流した金でもって国内で雇用も生まなきゃいけないと。外で稼ぐ会社と中で雇用をつくるところが必ずしももう一つ、一緒ではなかなか難しいところが出てきますので、そこが一番の政策の出動しなきゃいけない部分じゃないかなと、こう思っておりますので、財務大臣が全部やるような話じゃないと思いますので、内閣府もありますし、しかし非常にそこは大事なところで、円高のこの十兆のやつがその一つの大きなドライビングフォースになっていただけたらなと、こういうふうに思います。
 もう一つ、日銀との連携というのもあるんですが、やはりデフレは一つは貨幣的な現象なので、日本銀行との緊密な連携も非常に大事になるんですが、これもいろいろな議論がもう既にあるんで、余り深入りはしようとは思いませんが、大臣として具体的にどういうふうに考えられておられるか。
 それから、そのときにやっぱりあそことよく会うということですね。我々の時代には経済財政諮問会議というのが法律で定められていて、あそこに日銀の総裁が来られると。今後は国家戦略会議ですかね、何かまだ始まってはいらっしゃらないようですが、そういうところに日銀の総裁が来られてやるのかとか、そういうロジも含めてお話をいただきたいと思います。
#38
○国務大臣(安住淳君) やっぱり、前段の話でいえば、外に向かって日本のクオリティーの高いものを提供すると、もちろん入ってくることもありますけれども。しかし、アジアの中にもある意味では貧富の差がはっきりしているところも大変多くて、しかしお金持ちは日本の今のクオリティーの高いものを物すごく要求していると。需給ギャップを埋めるのはまさにそこだということは統計上から今証明をしていただいたので、私はそれを、やっぱり大英帝国の歴史を考えても、大英帝国は常に国内で工場を造って発展したわけではございません。海外に富を得て、その富を国内に還流をすることで新たなやっぱり産業なり、一言で言えば食べる道をつくっていったからこそ何百年と繁栄したと私は思うんですね。今、我が国はそれをやるチャンスであるということをまず私は申し上げておきたいということでございます。
 それから、日銀のことについては、全く金融政策はもう一つの車の車輪でございます。現に、様々なこの一年間の当委員会での野田財務大臣と先生方のやり取りは、議事録を読ませていただきまして、この金融緩和の問題は激しい争点と論争を巻き起こしており、それは多分国内のエコノミストを含めて賛否分かれていると思います。アメリカにおいてもQE2の評価というのは様々あると聞いております。しかし、現実として、金融緩和が十分であるか十分でないかという議論をするよりも、現実として事態がどうなっているのかということに目を当てれば、やはり残念ながら、非常に円は投機的な動きではありますけれども、円高になっているということは事実でございまして、日銀とも緊密な連絡を取りながら、実は今日はそういう意味では非常に重要な政策決定会合をしているということでございますので、まず経済の認識や、私、今ちょっと政治的なものも含めて歴史観を申し上げましたけれども、そのことは、外国に一緒にたまたま行く時間も多うございますので、白川総裁とまずその歴史観や今立っているその立ち位置を共通の認識に立つということが大事だと思っております。その上で、現状の具体策について是非一致ができて、財政、金融当局が一体となって対応をしていくということが非常に重要だと思いますので、その点には非常に留意をして対応していきたいと思っております。
#39
○林芳正君 大変いいポイントをおっしゃっていただきましたが、やっぱり総裁と大臣がいろんなベースのところを共有するということをおっしゃっていただきました。
 それで、お答え要りませんけれども、白川総裁がそうだと言うんではないんですが、やっぱり私も、日銀の方も何人もいろんなお話をする中で、どうしてもインフレ・ファイター・バイアスと言ってもいいようなものが感じられるんですね。長く日銀におられた方ほどやっぱりそれは強いと。
 それは当然でございまして、長くおられたということはインフレの時代を長く経験していると。でも、この十年ぐらいに入った人は、もう入ったときからずっとデフレですから、デフレ何とかしなきゃと、こういうことなんでございますが、やっぱり日本の組織というのは意思決定は最後は上の方でやりますので、そういう一般的にインフレ・ファイター・バイアスというのが特にシニアの方にはあるということも、老婆心ながら頭の中に置いていただければと、こう思うんです。
 ちょっと先を急ぐようですが、三次補正についてもこの間御言及がありましたので。
 まず、実は四月二十九日に既に三党合意というのをいたしまして、そのときに、あのとき一次、賛成申し上げて成立をしたときなんですが、次のしたがって二次補正というのは復旧復興の本格的な大きなものになるはずでありますから、財源という意味では、もう復興債というものを出してきちっと区分経理をしてということを、これはむしろ我々から、異例のことでありますが、野党の方から借金をしてでもやれということを申し上げて、当時の政調会長同士で合意をしたと、こういうことでありますが、その後、復興基本法も同じようなことで可決、成立をする中で、その復興債を出す議論とか、大きな補正をやる議論が、四月二十九日から数えますとちょうど半年、六か月たって十月の二十八日になってしまったと。やはりこれはかなり遅きに失したなと言わざるを得ないんですが、大臣、率直に御覧になって、なぜここまで遅れてしまったのかというふうにお考えですか。
#40
○国務大臣(安住淳君) 被災地から見ても、そういう御指摘があることは私も重々承知しております。
 ただ、私も毎週、こういう立場になる前は帰って、実は震災後、家がやられたものですから、二か月ほど市役所に泊まり込みながら生活をさせていただいていたんで、市役所の職員とごろ寝をしながら二か月、連休前までおりましたから、彼らの苦しみも私は重々承知の上で申し上げますと、やはりサイズの大きい町になればなるほど復興計画も遅れております。
 現実に、九月までに復興計画をちゃんと作ったのは十二市町村なんですね。ですから、四十三市町村が大きな被災を受けているわけですけれども、現実にはやはり十月ぐらい、今、現時点でも七割近いところでしか復興計画ができていないと。これは国が予算つくらないからそうなっているんじゃないかという意見も他方であるのは事実なんですが、やはり実は、根源的なことを申し上げると、どこに移住、集団移転をしていただくとか、どこに水産加工団地を造るか、また、俺はここでやるという私有権を主張なさっている方々、こういうことの大論争が連日地元では続いております。
 ですから、瓦れきの処理や義援金の足りない部分の補充ということで一次、二次と早急にもうやっていただきました。これは本当に自民党の方からも、公明党を含めて各党から御指摘をいただいたのを受けても随分対応したつもりでございますので、何か地元で資金ショートを起こしているわけではございません。
 瓦れきも順調には進んではおります。今ようやく、何といいますか、形だけ見えている全壊の家を壊し始めたというような状況なんです。瓦れきはかなり、行くと分かっていただけますけれども、きれいになったように見えるんです。ところが、進捗率は、石巻でいうとまだ四割ぐらい。なぜかというと、建物が残っているんですけれども、全壊の指定なんですね、我が家もそうなんですけれども。これからそれ一軒ずつ壊していくときに、私有財産で欲しいものは、やっぱり必要なものは取ってくださいと言われているんですね。
 それから、もう今は分別なんかしていますから、だから、一次補正の瓦れきの予算の消化も一〇〇%行って資金ショートするという状況には残念ながらないんですね。それが遅れているのは、国が悪いと言ってしまえば簡単ですが、事実として申し上げれば、やっぱり阪神のときと違って分別収集等をやっていますから、時間が掛かることだけは私は事実として分かっていただきたいと思います。
 その上に立ちまして、三月発災以来七月で三次補正というのは、やはり本当はもう少しスピードアップをして、先ほどの自治体にも、できれば国も、少し言い方は悪いですけれども、おしりをたたくような感じでみんなで頑張ろうというふうにやれば、私は一か月ぐらいは早めてもよかったのかなとは思いますが、しかし一方で償還財源等の問題もこれありでございまして、こうなってしまいました。
 こうなって、提出をさせていただきましたので、この先は是非一日も早く御成立をさせていただきますよう、逆にお願いをしたいというふうに思っております。
#41
○林芳正君 最後におっしゃっていただいたところだと思うんです。ちょっと中でもおっしゃったように、多分私よりももう何倍も地元の事情は御存じだと思いますので、なかなか地元のいろんな計画決まらないというのも当然だと思いますし、瓦れきもそういう状況、阪神との違いも私も聞いたことがあるんですが、一方で、やっぱり我々が時々行くと、国の制度が決まらないと我々も決まらないという声も結構、大臣おっしゃったように、聞こえてきます。
 大枠というか、仕組みだけを、メニューを決めて、その中で皆さんがどれを取るかはもう皆さんで決めてくださいと、そこまでむしろ早くやってあげた方が向こうの話が進みやすいだろうということも聞くわけで、まさに償還財源の議論、最後におっしゃったところが、四月二十九日に三党合意ですから、五月の連休も返上して予算委員会もやっていたんですから、五月の一日ぐらいから延々と政府と取りあえず与党でその話をして、そうしますと、いかにかんかんがくがくやっても国会が終わるぐらいまでには決められたんじゃないかなと。そうしますと、復興債が出せる。出せれば、大きな枠のものが実は二兆円にとどまった二次補正のときには出せていたんじゃないかなと、こういうふうに思うんでございますが、この償還財源の議論ができなかったというのはどういうふうに見ていらっしゃいますか、大臣。
#42
○国務大臣(安住淳君) それは、率直に言えば、やっぱり六月以降、残念ながら政局になってしまって、これは我が党の中の原因もあります。そういう政治的なスケジュールの中で、やはり腰を据えて内閣が継続的にこれを対応できたという状況ではありませんでしたので、九月に新内閣が発足したのはまさにその証左でありますから、そういう点では国民の皆さんや被災者の皆さんにおわびしないといけない点も多々あるとは思います。
 ただ一方で、やはり使い勝手のいい交付金ということで一兆六千億前後今回付けて、それに今度は裏負担分の地方交付税も積算をすれば、一次、二次、三次ということで一兆五千億。これはやっぱりある意味ではアナウンスはかなり早い段階からしておりましたから、それを見込めば、細かに国会では報告をするというよりは、自治体と絶えず御存じのように中央省庁はもうやり取りしていますので、その中では、計画を作りたい方々がよく相談に来られたときにはガイダンスはしてきたつもりなんです。ですから、そういうのを受けても、やっぱり私のところもそうなんですけれども、利害関係がなかなか複雑に絡んでいて、これを計画に盛り込むというのは本当に骨なんです。
 例えば一例を挙げれば、水産加工屋さんは、やっぱり港の近くに工場を造りたいという方もいれば、もう津波なんか見たくないから、車で運べばいいんだから、高速道路インターの山の方に造れというのと、もう真っ二つに例えば割れていたり、そうした点ではどうしても、何というか、スピードアップを図れない部分もありますので、ただ今後、復興の予算はこれで、復旧じゃなくて、付きますので、どうぞこれからやっぱり加速をして復旧復興を急いでもらうということをしていきたいと思っております。
#43
○林芳正君 大変率直に今、復興の特に財源のお話が、六月以降、これは民主党内のお話でしょうけれども、政局だったという御答弁ございました。
 したがって、そのガイダンスでいろいろ説明して大体お分かりになるんですが、やっぱり、もう金も付いた、そろそろ決めなきゃいかぬぜと、こういうふうにむしろ国の方が先走って追い込んでいくぐらいのことをしないと、なかなか今大臣おっしゃったように、地元で先に、これ通るの前提に議論しましょうというと、じゃ通るまでまだ議論できるじゃないかと、こういうふうになると思うんですね。
 ですから、そこは早くということに尽きるわけですが、もう一つ、六月以降、政局だったんですが、それまでの間、私は非常に時間が浪費してしまったなと思うのは、復興構想会議、これ四月ごろつくって二か月ぐらい何だかあそこでやっていて、それで六月に出てくるわけですね。それを基にもう一回また政府で基本方針というのを作って、その基本方針を基にいろんなことをやると、こうなるんで、結局、あそこでやったいろんな案がどういうふうに今のような、例えば水産へ生かされているのかというと、余りつながっていないような気もするし、それから、この全体のフレームで十九兆ほど要りますよねと。十年で二十三兆だったですかね。この積算も、見ますと、阪神のときはこうだったというので兆円単位で積算をしておりますので、あの復興構想会議でそこぐらいまでは出してもらってもよかったし、逆に言うと、こういう十九兆の積算するために復興構想会議のレポートというのはもうほとんど必要なかったんじゃないかというふうな気がするんですね。
 だから、あそこの二か月のロスというのは非常に大きかったんじゃないのかなと、こういうふうに思うんですが、十九兆はどういうふうに積算をされて、十九兆、二十三兆、それは復興構想会議の最初の報告とどれぐらい、何というのか、連関性があるのかということをお尋ねしたいと思います。
#44
○国務大臣(安住淳君) 復興構想会議は具体的なお金の話はしていないわけです、これは理念の話ですから。
 確かに、それは二か月、あれは無駄だったのではないかと委員の御指摘でございますが、しかし、あれは梅原猛先生や五百旗頭先生、言わば経済というよりは文化、政治、全体にやっぱり日本の社会をよくこれからどうしていくのかということを考えるための言わば哲学的要素も含めてやっていただいたと思っています。現に、私はそのうち三か所ぐらい付き合ったんです、例えば石巻のヒアリングとか。
 やはり、そういう中で、例えば梅原猛先生なんかは縄文文化の時代からの話を説かれて、それは結果的に、石巻市なんかでやっぱり皆さん興味深く聞いておられました。そういうものは現実に何の役に立つんだと言われるかもしれませんけれども、実は私は、非常にそういう言わば素養を養うことによって、やっぱり人間はどういうふうにこれから生きていくのかということについて、提言だけでなくて、地域での対話というのは、復興構想会議の名立たる先生方の話というのは地域にとって決して私は、同席をさせていただいただけでございましたけれども、私は決して無駄ではなかったろうと。
 ただ、スピード感を持ってどんどんまずとにかくやっていけばいいんじゃないかという意見もあります。それは瓦れきの処理等については一次で、ですから付けているわけです。
 ですから、今後、日本という社会を、特に被災を受けたところをどういうふうに変えていくのかということからいうと、やっぱり復興構想会議の意見というのは重要でございまして、日がたつにつれ、私の意識の中にもあるんですが、もう津波を受けた目の前は嫌だから上に行こうと当初は思ったんです、私も。ですから、私の実家も海から五メーター、まあ十メーターぐらい離れたところにあるんですけれども、そこからもう嫌だからもっと山の上で住もうと思っていたんですが、減災の思想というか、やはり逃げられないと言ったら変ですけれども、十五メーターの堤防を造ったとてこれがなかなかやっぱり防げなかったと。
 もっと実は専門的なことを言うと、我が石巻も港に近いところの道路が少し高いんですよ。そこから下に二メーターぐらい落ちて住宅地なんです。これを後で検証すると、これが滑り台状態だったそうです。ですから、住んでいるところに、ヒアリングをしたら、道路が少し高いので、そこから住宅地に落ちてくる波が物すごく倍加したというんですね。その勢いが家を立ち所に壊して、想定外の地域で多くの犠牲を出したんですよ、先生。
 だから、そういうことはやっぱり十分復興会議の中での専門家の指摘なんかを受けて分かってきましたので、そういうのを受けた上で復興のビジョンというのはやっぱり何か月か掛けてしっかり議論するというのはあってもいいと思います。
 リカバリーするためのお金は十分ですから、一次で付けていただきました四兆というのは阪神大震災での一兆に比べても大きいわけですから、ですから執行がそこで、先ほどから言いましたように、滞っているわけでは決してないわけで、これから新しい町づくりをする三次補正ですから、例えば宮城県においても先週ようやく議会で承認を得て、正式に決まったのは先週なんですね。ですから、村井知事等も大変苦労しながら復興水産特区等を決めていったりしていますので、そういう点では遅いという御指摘は十分分かりますけれども、しかし、地域のそういう歩みも尊重しながらやってきたということも御理解いただきたいと思います。
#45
○林芳正君 ありがとうございます。
 特に五百旗頭先生は、私のときもそうですが、多分安住副大臣時代の学校長でありますから、御本人がどうこうという話ではないんですが、私はやっぱりあそこでそういう話をして、一つは今おっしゃったように、ああ、こういういろんな哲学的なこともあるんだなと、したがって石巻の皆さんがそれを聞いて、じゃ我々はこうしようと早く決めてもらうようなところにつながっていけばいいんですが、それはよく分かって勉強になったけれども、やっぱりどうするかは決まらないなというのであれば、そっちの話はもう少し別トラックでゆっくりやってもらって、まず復旧復興にとって一番大事なことを早くやるというところに集中して、それがあったから地元の合意が早く取れるようになったということであれば意味があったと思うんですが、あれを私、菅総理のときに、水産の例えば冷蔵庫の予算を早く付けてくれと言ったら、あそこで決まらないと付けられないと言われたんですよ。そういうふうになっちゃうと全く逆の意味なんで、もう終わったことですし、終わった人というと御無礼かもしれませんが、まあ菅さんの話をしてもしようがないんで、そこが少し、あれはそういう哲学的なことで、後で漢方薬みたいに効いてくるんだったらそこはそこでやっておいて、もう少し。それで、早くすることは早くすると分けられなかったのかなということを指摘をさせていただいておきたいと思います。
 時間がもう迫ってまいりましたので、もう一つ、復興財源に何を充てるかという問題ですが、これは三次補正の中でもう一度やりたいと思いますけれども、例えば人件費を深掘りしますと、人勧と人件費の深掘りの法案についてはまた別途詳しくやりたいと思いますが、いつもよりも深掘りをすると。これは震災後やるということで、この復興財源に回すというのは理解できるんですが、逆に、子ども手当のような、震災の前からいろいろ議論があって、財源を手当てしてやると言ったのが財源がなかなか手当てができないのでやめることになったというものについては、これは復興財源ではなくて私は本チャンの予算の方の赤字公債の減額、これに充てるべきだと、こういうふうに思っておりまして、前野田大臣にも最後のところで、復興基本法がもうとにかく出た財源は全部こっちに使えということですかとお聞きしたら、いやいや、そうではなくて、それは政策判断ですという法律の解釈はもう既に答弁いただいておりますので、これはやはりそこはきちっと分けて、本チャンの財政も厳しいわけですから、そういうその政策経費の中で元々議論があったものについては復興財源ではなくて赤字公債の減の方に回すべきだと、こういうふうに思いますけれども、大臣、いかがですか。
#46
○国務大臣(安住淳君) 三党合意を踏まえて基本法ができまして、この基本法においてのいろんな判断はあると思いますけれども、やっぱり当面、復興債に充当させていただきたいというのが政府の考えでございます。
 そういう、震災がなくて、本当に無駄の削減ということで三党が合意して新たにこれから児童手当に子ども手当を加味するような形での新しい法律を作っていくということであれば、私は先生の考え方に大賛成でございます。
 ただ、やっぱり震災でのその経費負担の中で決して楽なやりくりをしているわけではないので、ここは何とか、政策的判断として、子ども手当の分については償還の方に是非使わせていただきたいというふうに思っております。
#47
○林芳正君 そこは明らかに見解の相違ということだと思います。
 あともう一つ、もうちょっとあるんで、我々の合意に基づいて二・五兆円、これ年金から持ってきたお金なんですが、これを復興債で戻すと。この戻ったお金がどうなるのかと、ちょっとややこしい話ですが、についてお聞きしたいと思うんです。
 元々、鉄建の金、それから外為の金、財投の金というのを足して二・五兆円をつくって、これで差額を埋めるということになっていたと。これを、一次補正でこの二・五兆円を復興の方に回しますということで、年金の方から借りているような形になったんですが、今度それを復興債で戻しますとこの金は戻ってくると。したがって、戻ってきた金は、それぞれの場所、鉄道とか外為とか財投、財融特会ですね、ここに戻るというふうに考えてよろしいんでございましょうか。
#48
○国務大臣(安住淳君) 戻らないと思います。
#49
○林芳正君 一度一次補正で使ってしまったので、そこはもうなくなっちゃったと、こういうように思うんですが、もしそうだとすると、そこは制度上戻らないのかなと、私、ちょっとよく分からないところがあって、そもそも一次補正をやったときの政府の説明は、年金の方は将来返すから大丈夫なんですよということであのお金を使ったわけですね。ということは、その大丈夫ですという状態を今後も持続させれば、この戻ってきたお金はそもそもひねり出したところに返しても支障はないはずなんですけれども、そうではなくて、年金の方に返してしまうというのを政策判断をされたということでよろしゅうございますか。
#50
○国務大臣(安住淳君) ありていに言えばそうですけれども、やっぱりその二分の一の国庫負担分の財源の確保というのが今恒久的に確保されているわけではないので、そういう点では大変厳しい判断でございましたけれども、やりくりをさせていただいたということでございます。ですから、今後、この恒久化について、やはり年金のこの負担分を守っていく、そして守っていくためにはやはり恒久的な財源の確保というのが課題になるというふうに思っております。
 一方、鉄道のお金等々を使わせていただきましたけれども、これを戻すというふうなことは、やっぱり少し政策的にはなかなか難しいんではないかというふうに判断しております。
#51
○林芳正君 政策的判断でされたということで、ここももう少し詰めていきたいと思いますが、今日は時間が参りましたので、ここで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#52
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。
 今、林先生の方からも財源の流れのお話が出てきましたけれども、私もそこに非常に関心を持っております。
 間もなく三次補正予算案と関連法案が国会に提出されるということでございますが、東日本大震災の本格的な復興のための予算、この予算、資金の流れの透明化が具体化されるというふうになっております。このことから質疑を始めさせていただきたいと思います。
 復興基本法の第九条では、被災者を含めた国民一人一人が東日本大震災からの復興の担い手であることを踏まえとあります。この条文が要求するのは、国民に対して復興債という形で御負担を、どういう形かはまだ決まっていませんが、お願いする以上、資金が何にどのように使われたのかを明確にしなくてはならないということだと思っております。そして、重要なことは、国民の皆様に対して透明性を持って公開する、それは当然として、分かりやすく公開することが必要だと考えています。
 そのような観点から、この資金の透明化について幾つか要件を考えました。第一に、復旧復興にかかわる資金の入りと出が一元的に管理されること、第二に、資金がどのように事業に対して幾ら支出されたかが分かること、第三に、自治体ごとにどの事業でどの程度の国費が支出されたかが分かること、これが最低要件だというふうに私は思います。
 このような要件を踏まえて、どのような形式で透明化を実現するべきか。結論から申し上げますと、私は、復興資金の流れが分かるバランスシートの作成、これが必要であると思いますが、これは詳しく後で申し上げます。
 まずは、復興基本法第九条に、復興に係る国の資金の流れについては、国の財政と地方公共団体の財政との関係を含めて透明化を図るものとすると規定をされております。
 この規定について、具体的にどのようなことが実現されれば透明性が図れたとするか、財務大臣の御見解を伺いたいと思います。
#53
○国務大臣(安住淳君) この九条は、復興に係る国の資金の流れについて、国と地方自治体との関係を含め透明化を図れということでございます、おっしゃるとおりでございまして。
 第一には、やはり時限的な税制措置としてのいわゆる増税をさせていただくということもありますので、これが本当に復興の施策に充てられているかどうかということについて、まず国民の皆さんに明確にする必要があるというふうに思っております。加えて、復興事業は被災した地方自治体による復興のための取組を国が支援するわけでございますので、この実施状況というのを、先ほど委員も御指摘のとおり、これもやはりしっかりと情報を開示して明らかにしていただくと。
 したがって、予算と、つまり言わば決算ですよね、この両面においてしっかりと透明性を確保しろということでございますので、まさにそのバランスシートの作成ということに行き着くのかもしれませんが、今現時点で私は、やっぱりそういう点では、予算書の中でしっかりと区分管理をして、そして、先生方はもとよりでございますけれども、国民の皆さんにも、なるほど、このお金はあの町のこういう橋、このお金はあの町の道路、こういうことが見えるような形で、丁寧な資料の作成に努めていきたいというふうに思っております。
#54
○竹谷とし子君 区分管理ということについては、私もその必要があるというふうに賛同をいたします。
 次に、総務省にお伺いします。
 復興基本法第九条においては、復興に係る国の資金の流れについて、国の財政と地方公共団体の財政との関係を含めてその透明化を図るものとするとされており、地方公共団体に入った国費の部分についても透明化の対象として規定をしております。
 その意味で、地方公共団体に入った国費の使途、そしてその実績について、地方公共団体の御負担にも配慮しつつどのように透明性を確保していくのか、総務省の御見解を伺いたいと思います。
#55
○政府参考人(米田耕一郎君) お答えいたします。
 地方公共団体における資金につきましては、御承知のとおり、各地方団体におきまして、毎年度予算計上、それからそれを執行した後に決算として取りまとめるということになっておりまして、これらの過程を通じまして一般的にはその透明性の確保を図っているというところでございますが、従来より特に法定外目的税ですとか住民税の超過課税として住民に特別の負担を求めているもの、例えば現在ですと森林環境税というものがかなり各県で定められておりますけれども、そのようなものにつきましては、予算及び決算の公表に際しましてその収入及び使途を区分して、特に住民に説明しているというものがございます。
 今回の復旧復興事業につきましては議会や住民の関心が特に高いと考えられておりますので、この各地方公共団体においてこのような例を参考にして、その取りまとめ、公表の方法などについて適切に対応するということを期待しております。そういう過程を通じまして透明性の確保を図ってまいりたいと存じております。
#56
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 先ほど安住大臣が、復興費がこの町の道路、あの町の橋に使われたとか、そういうことが分かるようにするためには、地方公共団体の御協力、総務省との協力が必要だというふうに思います。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
 さて、この透明性が復興基本法で規定された理由、いろいろあるかと思いますが、一つには、今までの制度が透明性が低いという認識、これが背景にあったのではないかというふうに私は思っております。
 今回の震災を受けて、阪神・淡路大震災の際どのような費用が掛かっているか参考にされました。その数字のほとんどは補正予算でどのくらい予算が積まれたのかというもので、決算ベースの数字ではなかったと思います。本来参考とすべきは、実際に幾ら掛かったかという決算の数字であるべきにもかかわらず、予算の数字が参考資料として出されていることが非常に不思議だというふうに思っておりました。
 そこで財務省にお伺いいたしますが、阪神・淡路大震災の復旧復興の費用、決算ベースで出ているんでしょうか。出ているのであれば、その額を御答弁いただければと思います。
#57
○政府参考人(福田淳一君) 事実関係でございますのでお答え申し上げます。
 御指摘のとおり、阪神・淡路大震災に関しまして国が行った各種の事業の予算措置総額は予算ベースで集計しておりまして、五兆二百億円でございますが、御指摘のとおり、ここの部分だけを取り出した決算額というのは集計いたしておりません。
#58
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 決算では集計していないということでございます。これは非常に国民の目から見て不思議だなというふうに思うと思います。
 次に、財務省が資金の流れの透明化について三次補正から行う区分経理の方法について説明をいただければというふうに思います。
#59
○政府参考人(福田淳一君) これも技術的な点でございますのでお答えを申し上げます。
 現在検討しております、準備しております三次補正におきましては、まず一番目でございますが、一般会計予算等におきまして復旧復興関連であることをその予算の項に明示をして他の経費と区分するということが第一点。それから第二点におきまして、予算書と併せて国会に提出する予算の説明におきまして、復旧復興関連の財源経費を総覧できる資料を用意しております。それから三つ目に、復興債の発行残高及び償還年次を財政法二十八条に基づき国会に提出する予算参考書類に他の公債と区分して記載するというような形で区分管理を提案してまいりたいと考えております。
#60
○竹谷とし子君 今御説明いただいた区分管理の方法、これは最低限必要なことだというふうに私も思います。これは、ただし三次補正からということで、これまで支出されている、これからまたされる一次補正、二次補正についてはこの区分経理が行われていないというふうに思いますが、しかしながら、一次補正、二次補正、復旧費用の十九兆円の中には含まれております。資金の透明化という観点から考えると、一次補正、二次補正の分も何らか措置が必要なのではないかというふうにも考えますが、これはどのように取り扱われるのでしょうか。
#61
○政府参考人(福田淳一君) 御指摘のとおり、一次補正、二次補正におきまして復旧復興関連であるラベルを付けない形で国会から授権をいただいておりますので、遡及的に予算書の項目を変更するということは難しゅうございますが、大臣から区分管理をきちっとするという御答弁がありましたので、そういったことを受けまして、一次補正から三次補正における復興事業の予算計上額とその執行状況、決算を明らかにする必要があろうかと思いますので、具体的なやり方については今後検討していきたいと思っております。
#62
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。
 次に、復興に係る特別会計の設置、これ議論が進んでいるようにも聞いておりますけれども、これについて質問させていただきます。
 特会は法律上バランスシートを作ることが義務付けられておりますので、透明性の確保という点でも意味があるというふうに思っておりますが、特別会計として扱うことについての技術的なメリット、デメリットについて財務省の見解を御説明いただければと思います。
#63
○政府参考人(福田淳一君) 全体の方針については少し高い立場からお答えいただく必要があろうかと思いますが、あくまで一般論として申し上げますと、財政法では、特定の歳入をもって特定の歳出に充てる、そういう区分して経理する必要がある場合に特会をつくることが認められております。
 ただし、一般論におきましては、特会の新設については一般論として管理大臣を置くとか、あるいは時間の経過とともに既得権益化するおそれがあるとか、見にくさといった指摘もあるところでありまして、これまでのところ抑制的な取扱いがなされているところでございます。
 こういったもろもろのことを踏まえて、全体の方針については大臣から御答弁があろうかと思います。
#64
○国務大臣(安住淳君) 特会の御議論というのは当然出てくると思います。ですから、区分管理を本当にそれを特会でやるべきだという意見も今後出てくる可能性は十分あるので議論していただければいいと思いますけれども、特会には歴史、先生御存じのようにあって、私が国会議員になったころ辺りは四十本ぐらいあったんですかね。やっぱり一般会計のチェックというのは議会でこうして徹底的にやれたんですが、当時はやっぱり特別会計というのは本当によく国会議員も分からなかったぐらい、お金は大きいんですけれども透明性がなかったんですね。
 ひもときますと、どうもやっぱり日露戦争の戦費調達から始まっているんですね、国債整理基金特別会計なんて。百年以上続いているわけですよ。ですから、そのメリット、デメリットをいろいろ勘案をして、実は平成十七年に自民党政権下で特別会計の大整理を行って、今十七本ですか、に整理をしました。これは財投の改革等含めて大改革だったと思いますが、しかし一般会計にできるだけできるものはすることによって透明性を確保し、議会でのやっぱりチェックというものもできるようになりましたから、今回の復興というのが特別会計を仮につくったとしても、多分長丁場になると思います、今、福田次長が言うように。五年や六年で町が完全に元に戻るなんていうことはあり得ないわけです。特に原子力等を考えれば、相当な長丁場になりますので、それを本当にやるメリット、特別会計でやるのか、それとも区分管理でやってある程度柔軟性と透明性を議会においても一般会計の中で担保するのかということは、冷静な議論が私は必要ではないかというふうに思っております。
#65
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今おっしゃられたようにこの特会の位置付け、性格というものが検討されるべきであるというふうに思います。
 この特会の位置付けですけれども、私は二つ大きく分けられるというふうに理解をしております。具体的な事業を執行する社会資本整備事業特別会計のような事業特別会計、これが一つ。そして、もう一つが、今、安住大臣がおっしゃられた国債整理基金特会のようなものとか、交付税特会のような整理区分特別会計、これは大きく分かれるというふうに思います。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
 これは復興庁が直接事業を実施する組織になるのかどうかという復興庁の在り方とも密接にかかわってくることではないかというふうに思います。しかしながら、本日はそのような復興庁の在り方というのはちょっと切り離して、資金の流れの透明化という観点から事業特別会計、整理区分特別会計、このそれぞれの性格、先ほど特会の一般論、総論としてお話しいただきましたが、事業特会と整理区分特会、この二つについて想定されるメリット、デメリット、財務省の御見解をいただければというふうに思います。
#66
○政府参考人(福田淳一君) 大臣が全体として方針を申し上げた中での話で更に突っ込んだ御質問でございますので、あくまで一般論として申し上げさせていただきますと、整理区分をする特会ということであれば、歳出は例えばこの本件であれば一般会計の繰入金が中心となるといったことになりましょうし、他方、定員が設置されない可能性が高いんじゃないかというようなことはあろうかと思います。それから、事業特会ということになると、多くの歳入歳出が計上されるということにはなりましょうが、システムの改修は大幅に必要になるというようなことがあろうかと思います。
 いずれにせよ、それを含めて大臣から御答弁がありました件で考えていくべきことだろうと考えております。
#67
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 今一般論の御説明がありましたが、私の理解では、事業特会の場合は直接事業を特会で実施するという形を取ると思いますので、具体的な中身というのが明らかになるという点があると思います。整理区分特会の場合は、実際の支出は一般会計であったりそれぞれの事業特会から支出される、復興の特会はその場合それらの資金が通過するという、そういう位置付けになるのではないかというふうに思います。
 当然、特会ですから法律上義務付けられているバランスシートができるわけですので、これはそれなりにメリットはありますが、具体的に何に使われたのかはっきり分からないという、例えば歳出の項目として社会資本整備特会に繰入れ何千億、特会から特会への繰入れとか、そういったものがどんどん積み重なっていくようでは、実際に復興の特会のバランスシートを見ても、実際何に使われたのか不明確ということになるのではないかと思います。
 先ほど、復興のバランスシートを作成すべきと提案しましたが、中身が分かる、役に立つバランスシートでなければ意味がないというふうに思います。そういう意味で、私は決算の段階で特別会計、一般会計、これを通じた復興にかかわる費用のバランスシートを作るということを提案したいんですけれども、これは、決算に使われたデータを再度集計して先ほど区分管理をして項を分けて復興に関する事業の資金については分けるというふうに考えておられるということでしたので、その決算データを抽出して集計することで復興関連費用に特化したバランスシートを作成するということは可能ではないかというふうに考えております。
 このバランスシートを作ることで、区分経理されていなかった一次補正、二次補正も後からまた抽出を行って、統合した復旧復興予算の全体像が分かるようなバランスシート、これで透明性を確保することができるというふうに思います。これについて財務大臣の御見解を伺えればというふうに思います。
#68
○国務大臣(安住淳君) やり方はいろいろあると思います。
 ただ、私、委員の御指摘で本当にそうだなと思うのは、結局、使い勝手のいい交付金ということで、例えば地方にお渡しします。それから、特別交付税でも地方にお渡しします。地方の議会でそれぞれ承認は得るとは思いますけれども、一方で、全体として国民の税金がどう使われているのかというのは決算ベースでは非常に重要なことですので、あえて言えば、別に復興に限らずやはりしっかりとそこは、参議院では決算機能の充実ということでやってきていただいておりますけれども、議会を含めて、我々というのはやっぱり行政府側にいて、例えば財務省から総務省にお渡しをするとか、総務省は都道府県に渡すと、こういう点では言わば同じ側にいるんだと思うんです。ですから、地方議会と国政と一体となってやっぱり厳しいチェックも図っていただきながら監視をしていくと。
 やり方はいろいろあると思うんです。やり方は、それはもうそれぞれの党の御主張もあるでしょうから、今後、来年度以降の予算に向けて、遡ってというのは、今の現時点でいうとちょっと酷なのは、それぞれの例えば南三陸町にしても大槌にしてももうそれどころでないわけですね、今、申し訳ないですけれども。もらった金をとにかく多分その日のうちにどんどんどんどん使って、日当を払いながらとかやっていらっしゃるわけですから、落ち着いた段階でそれをちゃんと、だけれども、大体これにこう使いましたというのが出てくるので、私が見ている限り、あの状態で何か不正に使うなんということはそんな余裕はもうございませんから、いずれ明らかにすればいいと思いますが、明らかにする方法についてはいろんなお知恵を拝借しながらコンセンサスを得ていきたいというふうに思っております。
#69
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 私も今、被災地に通わせていただいておりまして、南三陸町も伺いましたし、今もうそれどころじゃないというのはよく分かります。後から、落ち着いたころにきちんと決算を行えるようになればいいというふうに思います。
 続いて、今、被災地の話、出てまいりましたけれども、被災地で御要望いただいている件を伺いたいと思います。
 公明党では、宮城、岩手、福島の被災県に全国の国会議員を担当制で割り当てて復興に当たらせていただくという形を取っております。私も毎週のように宮城県に通わせていただいて、被災者の方々のお声、たくさん伺っております。その中から今日は地震保険、この支払について起きている問題、質問をさせていただきたいというふうに思います。
 お配りさせていただいた資料、河北新報の十月二十三日付けの記事でございます。こちらの上のところに、三月十一日マグニチュード九・〇、そして四月七日マグニチュード七・一の大地震があった、二つ地震があったということで取り上げられていまして、この記事では、損保はこの二つの地震は別個であったというふうに判断をしている、しかしながら共済の方は一連の地震であったというふうに、支払額に、評価する条件にばらつきが出ているという問題、これが指摘されております。この記事では、仙台市宮城野区の五十代の女性、自宅マンションが被災されたということで取り上げられております。
 私も、先週の土曜日、十月二十二日に仙台市の泉区の方にマンションの管理組合の方々が集まっているところに呼ばれまして、お話を伺ってまいりました。こちらでは地震保険にマンションの管理組合として入っていた、共用部分について地震保険が掛けられていたわけであります。
 地震保険法では、七十二時間以内に生じた二つ以上の地震は一括して一回の地震とみなすということになっていると思います。そうであれば、地震保険でいえば、三月十一日と四月七日の地震は七十二時間以上間がありますので別の地震ということになると思いますが、それでよろしいでしょうか。財務省、お願いいたします。
#70
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。
 地震保険法上、今お話がございましたように、第三条第四項という規定の中に、七十二時間以内に生じた二つ以上の地震は一括して一回の地震とみなすと、こういう規定がございますので、その規定に照らしますと、この三月十一日と四月七日のこの時差を考えますと別の地震という整理になるということでございます。
#71
○竹谷とし子君 私が伺いましたマンション、こちらの組合が入っている共用部分に掛けられた地震保険では、損害の認定は一回のみであったと。三月十一日と四月七日の間に保険会社さんが査定に来られなかった、四月七日の後に来て損害認定をした、それは一回分だけであったと。そのときに建物の一二%が損傷したとみなされまして、一部損というふうに認定されています。この場合、保険額の五%が払われるという、そのような約定になっています。
 なぜ一回の損害と認定されてしまったのか。それは、三月十一日の地震の後、保険会社の担当者さんも被災をされていたり、ガソリンがなかったり、査定に来られない事情があった。その間に二度目の地震が起きてしまった。結局、保険会社さんが一回しか査定に来られなかったから一回分になってしまったという、そういう御事情があるようでございます。
 一方で、このマンションはそれぞれの持分について個人で地震保険にも入っていらっしゃいました。その中では、三月十一日と四月七日の二回の地震について、その別な保険会社もやはり四月七日以前には、二回目の地震以前にはいろんな事情があって査定には来られなかったけれども、四月七日の後、二回目の地震の後に査定に来て、一回目の地震被害と二回目の地震被害、揺れの角度等が異なることもあって、推定をして、一回目に壊れたのはここだろう、二回目に壊れたのはこれだろうという、そういう推定をして二回分の保険が支払われている、そういうケースもありました。
 このマンションでは、補修のために現在分かっているだけでも一億円以上が必要、地震保険から支払われる保険金は一千万円余り、多くの住民の方が、これでは何のために地震保険に入ったのか、入る意味がないともおっしゃられていました。査定が一回だから二回大きな地震が起きているのに損害認定一回とみなすというのでは、加入者にとって不利益が大きいのではないでしょうか。
 今回のようなケースで地震直後に査定ができなかったために一回の地震による被害とされていいのかどうか、金融庁はどのようにお考えになっているのか、お伺いしたいというふうに思います。
#72
○政府参考人(細溝清史君) 三月の十一日と四月の七日に二回地震がございました。したがいまして、原則は議員御指摘のとおり、それら別個の地震としてそれぞれ災害を認定して保険金をお支払いするというのが原則でございます。
 ただ、やむを得ない事情で一回しか損害調査に行けなかった場合の取扱いでございますが、これは地震損害査定指針というのがございまして、その指針で、前後どちらの地震による損害か明確に区別が付く場合は両者それぞれ損害認定をする、明確に区別が付かない場合には両者をまとめて一回で損害認定し保険金を支払うということにしております。ただ、これは、ただし区別が付かない場合においても、損害保険会社が契約者からヒアリングするなどにより契約者に不利を来さぬよう調査をするということとなっております。
#73
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 ちょっとその指針も、一回目の地震と二回目の地震と分けられない場合は一括してみなす、それも保険を掛けられた人に不利にならないようにということではありますけれども、それは証明責任というのはどちらにあるんでしょうか。
#74
○政府参考人(細溝清史君) あくまでも損害保険会社が行う認定行為でございますから、保険会社側にあると思います。
#75
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 地震保険の支払をめぐる被災地での混乱、先ほどの河北新報は地震保険と共済という問題、また今、地震保険の中で私が取り上げさせていただいている問題は二回起きた場合の取扱い、そういったことで、被災地の皆様、マンションにお住まいの被害を受けた方々というのは今混乱をしている状況が少なからずあります。
 金融庁が明確に指針を出すべきだというふうに私は考えますが、今の御答弁で、損保側にそれを証明する責任があるということで一つ指針にはなるかというふうに思いますけれども、この地震保険、多くの人が加入する自動車保険ありますけれども、その場合は交通事故による損害の全額あるいは大半をカバーするようになっていると思いますが、地震保険に加入していた場合には、家屋や家財が損傷を受けたら補修や建て替え費用、大体カバーできるんじゃないかというふうに誤解をされている方が今回お話を伺って多いのではないかというふうに思いました。
 しかしながら、実際見てみますと、資料の、新聞の次のページに付けておりますけれども、地震保険の損害認定基準が上の方にございます。一部損として三%以上二〇%未満とあります。今回のマンションのケースでは一二%というふうに損害認定されたわけですが、この三%以上二〇%未満の一部損というふうに認定された場合は一律五%、保険金の五%しか出ないという、そういう状況になっております。
 保険会社は、地震保険加入の際に補修や建て替え費用を必ずしもカバーできるものではないということを明確に説明する必要があるのではないかと思いますが、金融庁のお考えをお願いいたします。
#76
○政府参考人(細溝清史君) 地震保険の契約条項のうち重要な事項、例えば、そもそも地震保険の契約金額というのは、一緒に、同時に入る火災保険の三割から五割の範囲内でとなっているとか、それから全損の場合に支払う保険金は時価額が限度となるとか、半損の場合はどう、一部損はどうといった保険金の計算方法、これについては重要な事項でございますので、保険会社が地震保険の募集を行う際に明確に説明する必要がございます。
 このため、各保険会社は、地震保険の募集時に地震保険の御案内等の募集文書を用いて重要な事項について丁寧な説明を行う体制を整備することが求められておるということでございます。
#77
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 説明が求められているということでありますけれども、地震の保険に入られた方は約定が細かくて、たくさんあって、重要事項の説明といってもいろんなことを説明をされて、そういうことを言われたかなという、記憶に残っていない状況にあるということを考えますと、少し改善の余地があるのではないかというふうにも思います。
 今後、大規模災害に備えるために地震保険、これ普及をさせていくことを国も後押ししているというふうに思いますけれども、いざというときに被災者の支援に真に資する地震保険にするためには、損害の認定方法をより実態に合う方向にするべきだというふうに思います。
 資料を後ろ二枚お付けしておりますけれども、今回マンションの被害に遭われた方々がおっしゃられていたことの一つに、地震保険の損害認定基準、これが実態に合っていないということが出ました。お付けした資料の損保会社の地震保険契約のしおり、これは各損保会社が出しているものでありますが、大体このような形になっているというふうに思います。
 このマンションのケースでは鉄筋コンクリート造り、部分的被害を認定されたわけですけれども、ラーメン構造で、この場合、柱とはりしか見ないことになっています。一方で、その次のページにありますが、内閣府が出している災害の被害認定基準、これは罹災証明の発行などのときにもこれが使われておりますけれども、こちらでは真ん中のところに赤く枠を作っておりますが、半壊のときの損傷の程度を判定する基準ですが、柱と耐力壁と基礎、屋根、外部仕上げ、そして設備等を見ています。このマンションにお住まいの住民の方の中に建築に詳しい方がいらっしゃいましたが、今回のこのマンションでも、柱とはりだけではなくて外壁も強度の一部を担っていると、そういうふうに判断をされておりました。そういう意味で、この損保会社が作っている半壊の認定基準、一部損壊の認定基準について、より実態に合うように改善の余地があるのではないかというふうに思います。
 また、保険金支払に関しても、一部損壊の場合、三%から二〇%壊れている場合に一律五%というふうになっています。二〇%以上壊れていて五〇%未満の場合は地震保険額の五〇%が出る。一部損壊の場合に一律五%というのは、ちょっと乱暴ではないかというふうにも思います。このように支払の見直し等、国としてより良い保険制度にするために具体的に取り組む必要があるのではないでしょうか。
 これについては、地震保険法の所管の財務大臣にお伺いしたいというふうに思います。
#78
○国務大臣(安住淳君) この仙台の例は、私もちょっとやっぱりすき間だったかもしれないなと。つまり、私の家もまさにそうなんですけれども、あの間というのはもう大混乱で、とてもそんな、多分査定に来られるような状態では、もしかしたら、事情が分かりませんけれども、なかったかもしれないと。ただ、原点に返れば、七十二時間という決まりはあることも事実でございます。今回、被災者の立場から見て被再制度の損害認定の範囲が異なることについては、ですから私も認識は共有はしております。ただ一方、制度的にそれぞれ多分そのできてきた、共済とこの損保のなりわいというのは違う面もあると思いますので、具体の話は金融庁とも相談させていただきながら対応させていただきたいと思っております。
#79
○竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。
 この地震保険に関しては、地震保険法は財務省、そして損保会社、保険会社の監督官庁は金融庁ということで、私質問させていただいていても、どちらに聞くべき話かということが非常に不明確になる場合があります。そういった意味で、同じ質問、この地震保険の支払に関して改善の余地があるのではないかということについて金融担当大臣にも御意見を伺いたいというふうに思います。
#80
○国務大臣(自見庄三郎君) 竹谷先生にお答えをいたしますが、今言ったように、これ、この前の三月十一日の東日本大震災があった後、また、これはもう本当にこの、もし万が一関東の直下型地震が来ないとも限りませんから、実は財務省で、たしかあれ、五兆五千億、国が再保険をいたしておりますから、もう一つ、備えあれば憂いなしということで、東日本大震災でつくった後、また新しく五兆五千億まで、主に二兆以上になりますと、もう民間損保会社はたしか五%で政府が九五%をカバーするというのがこの基本的な枠組みでございますが、そういったことで、これは財務省でございましてね。
 ところが、今お話がございましたように、損保業界は、これは金融庁の監督でございますから、私自身も、実際三月十一日の日に各損保会社に、もうできるだけ迅速にこの地震保険を出していただきたいというお願いを日本銀行総裁と私でさせていただきまして、いつかお話ししたかと思いますけれども、全損の場合、もう先生御存じのように、損保というのは、基本的にその社の人が見て全損という確認をして全損とするわけでございますが、今回も大変に破壊された住宅多かったので、航空写真を見て、損保協会に入っている一社の人からもうこの地域は全部全損だと言えば全損にしてくれということをお願いをしたようでございまして、そういうことをきちっと守っていただいたから結構早くいったところもございますし、今先生がマンションの話をされましたけれども、非常に個々の問題がございますので、そういったことはしっかりやっぱり、財務省と金融庁と分かれているようなところもございますので、そこはしっかり問題意識を持って対処していきたい。
 やはり、何と申しましても、これはもうこの地震のためにこういった被害に遭われた人のためにあるわけでございますし、それに、ある意味で安心、安全のためにある制度でもございますから、そういったことを原点として、そこら辺はしっかり問題意識を持って対処させていただきたいというふうに思っております。
#81
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。
 続きまして、被災者の二重ローン問題に関連をいたしまして、個人債務者の私的整理に関するガイドライン、個人版私的整理ガイドラインというふうによく言われていますけれども、こちらについて質問をさせていただきたいというふうに思います。
 この個人版私的整理ガイドラインでございますけれども、被災地の二重ローン問題といったときに、事業の二重債務、そして個人の住宅ローン等の二重債務というものがあると思いますが、個人の住宅ローン等の二重債務についてはこの私的整理ガイドラインがあるから対応できますという、そういう位置付けになっているというふうに理解をしております。
 この中で、QアンドAがあります。ここで、生活再建支援金、災害弔慰金・見舞金、義援金は自由財産として取り扱われて、債務者の資産に含めてその返済能力を判断することは適切でないと考えられますというふうにあります。
 先ほど来お話しさせていただいた地震保険に関連して更に伺いたいというふうに思いますが、この地震保険の性格、これは被災後の生活支援のためという趣旨を踏まえるならば自由財産として取り扱うべきではないかというふうに思いますが、こちらについてどのようにお考えになりますでしょうか。
#82
○政府参考人(細溝清史君) 個人版の私的整理ガイドラインの運用についての御質問でございます。
 このガイドラインにおける債務免除額は倒産手続と同様の運用とされておりまして、言わば法的整理と私的整理、同様の運用をするということで作られておるわけでございます。したがいまして、債務者の手元に残すことができるのは破産手続における自由財産とされております。
 地震保険金は、法律上当然には自由財産には該当するものではございません。ただ、破産法上、こうした法律上当然に自由財産とならない財産についても裁判所の運用により自由財産として認めることができるものとされております。このため、裁判所の運用によっては地震保険金についても自由財産として認められる可能性はあるものと考えております。
 被災地の仙台地方裁判所の判事の方が書かれた論文がございまして、被災した破産者で地震保険金を受領した事例がかなりの件数があるということでございますが、その論文で判事の方がどういう考えを書いておられるかと申し上げますと、住居や家財を失い収入が減少したなどの生活基盤の損失を考慮した震災被害からの生活再建のための費用ということで、裁判所の運用により自由財産として認めることも考えられてよいというふうに書かれております。ただ、もっとも被災状況や支払われた保険金の額、建物の被害状況などは被災者ごとに様々でありまして、一律の基準をもって対応することは困難であり、硬直な基準を設けるべきではないとも指摘いただいておられるところでございます。
#83
○竹谷とし子君 個人の住宅ローンの二重ローン対策として個人版私的整理ガイドラインというふうに掲げられておりますけれども、これについて政府は一万件の利用を見込んで、手続に係る弁護士費用を国費で補助されています。しかし、問合せは千二百三十二件に上る一方で、実際の手続に入ったケースは二か月で僅か三十二件。
 先日、私は盛岡そして仙台に赴きまして、現地で被災者の方々の相談に乗ってくださっている弁護士会の方々からお話を伺いました。この私的整理ガイドラインが被災者にとって使い勝手が悪い、生活再建の希望をくじけさせるものと手厳しい批判をされていました。その中の一つとして、この地震保険、自由財産とならないということで諦めて帰っていく人が多いというお話もありました。
 今、運用でということを御説明いただきましたけれども、国として運用に任せるのではなくて、もっと被災者の生活再建ということを考えて指針を出していくべきというふうに思います。事業者同様、被災者個人の生活を再建を支援するのも国の役割だと思います。そういう意味で、国が責任を持って運用改善に取り組む、被災された方の生活再建に資する制度にするという御決意を金融担当大臣から是非伺えればというふうに思います。
#84
○国務大臣(自見庄三郎君) 竹谷先生御指摘のように、私的整理ガイドライン、この運用については、ガイドラインの運用開始から二か月を経過している中で、もうこの前も予算委員会で御党の議員の方に大変懇切に御指摘をいただきましたが、運用の見直しを求める声が届いておりまして、昨日、十月二十六日でございますけれども、この運営委員会、これはもう基本的に民民の話でございますから、銀行協会の中に基本的につくっていただいているわけでございますが、オブザーバーとして各府省が参加をさせていただいておるわけでございますが、運営委員会において運用見直しを実はもう決定したところでございまして、この前御質問がございました、仮設住宅に入居あるいは家賃の補助を受給しているなど、現段階で住居費負担が発生していない場合であっても、これはいずれ仮設住宅を出ていかれるわけでございますから、住居費負担が発生することを考慮してガイドラインの要件に合致するか否かの判断をすることとしたということですね。現実に、実態に、被災地の立場に立って運用を改善をさせていただけたというふうに聞いております。
 まさに、先生、こういった話でございますが、基本的には私的整理で、裁判所が介在することでない、やっぱり債権者と債務者同士の合意によって実施するものでございますから、ひとつ合意がしっかり形成が円滑にいくように、いろいろな諸般のこの委員会での御指摘、あるいはいろいろな専門家の御意見もいただきながら、何よりも被災地の方々の立場に立ってしっかりやっていきたいというふうに思っております。
#85
○竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。
 最後に、もう少し時間がありますので、災害弔慰金についてお伺いしたいと思います。
 私は、本年七月二十五日の財政金融委員会でこれを取り上げさせていただいたんですが、財務大臣の地元でもある石巻市の御婦人からいただいた御相談です。
 御主人を津波で亡くされました。亡くなられた御主人が年金そしてアルバイトで生活を支えていたわけでありますけれども、残された奥様の方も主婦をしながら細々と美容院を営んでいたと。災害弔慰金は、主たる生計者が亡くなられた場合には五百万円、それ以外は二百五十万円となっています。ここで、主たる生計維持者はお二人のうちどちらだったのかということを考えれば明白だと思うんですが、奥様は年間所得、厚労省に確認していただいたんですけど、四十一万八千二百五十六円。しかしながら、これが厚労省が出している基準を超えているということで、亡くなられた御主人が災害弔慰金で言うところの主たる生計維持者とはみなされなかった。奥様がいただいた災害弔慰金は二百五十万円であったということでございます。
 これ、取り上げさせていただいたときの厚生労働副大臣が本日も御出席されています大塚議員でございましたけれども、そのときに、今の事例について自治体がどのような考え方で臨んだか、一度確認をしてみたいとの前向きな御回答をいただきました。厚労省の担当者の方とも繰り返し検討状況を確認してきましたけれども、なかなか進んでこなかったと。それが、今週、衆議院の震災特別委員会において、我が党の石田議員の質問に対して厚労大臣から、生計を主として維持していた場合の考え方、実態に合わなくなってきていると私も考えております、どのような運用ができるか、地方自治体の状況も勘案しながら検討してまいりたいとの御答弁をいただきました。
 昭和五十四年一月の厚生省の援護局長通知をそのままにして運用の見直しで対処されると今後の災害の際に再び混乱する可能性もあります。是非、通知そのものを見直して、省令若しくは政令等で明確に示していただくよう厚労省にお願いしたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。
#86
○大臣政務官(藤田一枝君) 竹谷委員におかれましては、被災者の方の具体的なケースを基に問題提起をしていただきまして、本当にありがとうございました。
 お尋ねの災害弔慰金における主たる生計者、生計維持者の考え方についてでございますけれども、さきの衆議院の復興特別委員会において小宮山大臣の方から、どのような運用ができるのか、地方自治体の状況も勘案しながら検討してまいりたい、その旨御答弁をさせていただきました。
 御承知のように、現在、この災害弔慰金の審査や支給というのは市町村が行っておりまして、十月十三日現在、受付件数が一万六千九百五十八件に対して支給済みが一万三千四百六十七件、約七九%という状況になっております。
 まずは、各市町村において一刻も早く御遺族のお手元にこの災害弔慰金をお届けすることが必要と考えているわけでございますが、そうした中で、この御指摘の主たる生計維持者の取扱いについては、今委員の方からも御指摘がありましたこの通知において、収入水準として控除対象配偶者となる程度以内の収入という考え方を一つ明記をさせていただいています。
 そして、もう一つは、その収入のとらえ方として、恒常的な収入を指すということをお示しをしているわけでございますけれども、運用の実態等を勘案して、それをどのように評価をしていくのか、それから、既に今回の大震災で亡くなられた方の災害弔慰金の審査や支払を進めている市町村の事務負担、そしてまた、これまでの自然災害によって不幸にして亡くなられた方の御遺族に支給された災害弔慰金との均衡、各種の制度の取扱いのバランスなど、いろんな問題が実はございます。
 こうしたものを一つ一つ検討しながら、しかし、今委員の方からお話がございましたように、この通知の見直しそのものについてしっかりと速やかに検討をしていきたい、このように考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
#87
○委員長(尾立源幸君) 竹谷君、時間が参っておりますので。
#88
○竹谷とし子君 はい。
 七月に質問をして、もう既に十月でございますので、速やかというのはどのぐらいの期間を指すのかなというふうに思いますけれども、是非迅速に進めていただきたいとお願い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#89
○委員長(尾立源幸君) 午後零時五十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十五分休憩
     ─────・─────
   午後零時五十分開会
#90
○委員長(尾立源幸君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#91
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。
 短い時間の休憩でお戻りいただきまして、大変ありがとうございます。今日は安住大臣と初めての議論ということで大変楽しみにしております。
 それでは、早速質問の方を始めさせていただきます。私は、まず韓国との通貨スワップ協定について取り上げたいと思います。
 午前中の議論で、この通貨スワップ協定の国益は何だったのか、メリットは何だったのかという議論がありました。そして、メリットとして得られたものというのは、一般的なお答えでしたけれども、金融市場の安定、為替市場の安定ということでしたけれども、こうした外交カードを切ってまでやることになったこの通貨スワップ協定ですが、では、我が国にとってどれだけのリスクをしょい込んでいることになるのか、そうしたことについて財務省、財務大臣はどういう見解を持っているのかということについてお聞きしたいと思います。
 こういう質問をするのは、財務省に問い合わせたところ、こういった金融安定のための枠組みをつくったのであたかもリスクはないというような感触でいるのではないかと、そのようなことを私は感触として受けたものですから、これ枠組みをつくって実際に取引が行われる、引き出されるということになりますと、七百億ドルという金額ですから、相当なリスクをしょい込むということになりかねないということですので、そのリスクに対してどういう認識を財務省は持っているのか、財務大臣にお聞きしたいと思います。
#92
○国務大臣(安住淳君) お答えを申し上げます。
 先ほど佐藤先生にも私説明しましたが、広い意味ではやっぱり金融の安定化を確保するために日韓で金融協力をしたということになります。それが何で国益なんだという御指摘があるかもしれませんが、七百億ドルに拡充することで、韓国の側のこれは主に問題になると思いますけれども、やはりウォン安における様々な金融不安の払拭という点ではこれは大いに役に立つんであろうというふうに思っております。
 我が国の貿易全体の中に占める韓国の割合は、先ほども申し上げましたように八%ということですから決して小さくはないので、その国が不測の事態に至らないようにするというのは、私はあってしかるべきだと思っています。
 欧州危機の影響などによって韓国市場の混乱を、これはまさに未然に防止するということが一番の目的でございますので、これは私の認識というよりも、財務省全体としても日本政府としてもこの認識だと思っていただければいいんですが、韓国は高い対外支払能力は前提としてしっかり持っている国でございますので、スワップ協定という枠組みをつくってこれをやったから相手側が何か非常にそういう意味で不安定な国かといえば、そうではないということだけは申し添えさせていただければと思っております。
 先ほども佐藤先生から御指摘があったように、これはいわゆる広い意味では国民のお金ではないかということでございますので、韓国はしっかりした国ですから、過去にもこれらのスワップで出したお金が使われたということはないわけでございますから、あくまでも言わば事前の予防策としてやらせていただいたということを御理解いただければと思っております。
#93
○中西健治君 未然の予防策ということですけれども、言い換えれば不測の事態を避けるためということでしょうけれども、不測の事態は起こるからこそやはりこういったものをつくるという認識なんだろうと思います。
 枠があるからこれはリスクがないというような御答弁ではこれは済まされないんじゃないかなと思います。七百億ドル引き出されるようなときにこそ危機が生じているということになりますので、一年間の間にはどれぐらい大きな損失が出るのか、こうしたことは例えば変動率ですとかそうしたことを用いて計算を当然すべきであるということですが、財務省はそうした計算はしているんでしょうか。
#94
○国務大臣(安住淳君) これは、実は韓国の私もG20において朴長官とも公式、非公式にもお話はしましたので、そうしたことを積み上げて両国の信頼関係の中でやりました。先生の御指摘のことでいえば、厳密にそれで言わば損益を出しているわけではございません。
#95
○中西健治君 枠があるから大丈夫というのは、今のヨーロッパに当てはめて考えてみますと、まさかギリシャがこんなような状況になるわけはない、EUのメンバーなので貸したお金が返ってこなくなるようなことはあり得ないと、こんなことで貸し込んだんじゃないかと思いますけれども。しかし、これもやはり枠があって、それが言わば見せ金になって金融の混乱というのは避けられるから大丈夫だということでは、七百億ドルですから、五兆円を超える金額ということなので、やはりもっと精緻にやってもらわなければいけないのではないかと思いますが、今後こうしたことについて、リスクについて財務省内で検討するということはあるのでしょうか。
#96
○国務大臣(安住淳君) 広い意味で毀損のおそれがあるかということに関して言えば、我々も、それは格付会社等があって、しっかりとそこはいろんな意味でその貿易収支等々、韓国の場合もチェックをしているということになると思います、国家として。
 そのトータルの結論として、先ほども申し上げましたけれども、支払能力もしっかり持って、決して今危機的な韓国は状態ではなくて、これは未然の予防といいますか、そういうことからこの協定に基づいてやったということでございますので、その点は十分御理解はいただいているとは思いますけれども、毀損なんということは私はないというふうに感じております。
#97
○中西健治君 民間の金融機関がお金を貸すというときであれば毀損は基本的にはないだろうといっても、一時的にはどれぐらいの損失が生じるのか、こうしたことは当然計算した上でメリットとリスクを勘案するということになると思いますが、国や政府がやることもそうしたことは取り入れていってほしいなと私自身は常々思っております。
 続きまして、円高への総合的対応策、十月二十一日に閣議決定されておりますけれども、それについてお尋ねさせていただきます。
 この対応策の中で、景気対応検討チーム、いわゆる円高専門家組織によるPDCA的な進捗管理をするとしていますけれども、これは昨年の十二月に第一回、今年に入って一月と二月に第二回と第三回が開催されてから、形骸化してしまっています全く同名の、そのときは与謝野大臣の下でしたけれども、景気対応検討チームと同じものなのでしょうか。これまでも民主党政権は結局は形骸化してしまった会議体を数多く立ち上げてきましたけれども、このチームの公式の目的、役割は何か、そして形骸化させないための工夫はあるのか、こうしたことについてお聞きしたいと思います。
#98
○副大臣(石田勝之君) ただいま委員御指摘をいただきました十月の二十一日に閣議決定いたしました円高への総合対応策についてでありますが、基本的には個々の施策について数値目標と期限、これを設けまして進捗を管理をさせていただくと、こういうことであります。そして、迅速に具体的に成果を出すことであります。そして、野田内閣として景気対応検討チームを副大臣級で立ち上げまして、これを実行に全力を尽くすと、こういうことでございます。
#99
○中西健治君 是非ともこの数値目標等をしっかりと把握していっていただきたいと思いますが、これに関連して、ちょっと円高のこととは外れますけれども、十月十七日に会計検査院報告がなされました。皆さんも御覧になったと思いますけれども、会計検査院が国庫補助金等により都道府県等に設置、造成された基金に関して報告書を提出しました。
 それによると、リーマン・ショック後の緊急経済対策として二〇〇八年と二〇〇九年の補正予算で設立された各種基金の総額三・四兆円のうち、二兆円も残っているということが報道をされました。二兆円という金額は大変大きな金額というふうに思いますけれども、こうした資金が今の時点で余ってしまっているのは不適切な政策手段が選ばれていたために実行されていないのか、それとも、ほかに例えばお金の掛からない方策が見付かってそちらを実行中なのか、あるいは、やるべきことであるにもかかわらず進んでいないのか。この件など、まさに景気対応検討チームによる進捗状況の把握など、そうした分析を行うべきものであるのではないかというふうに思いますが、政府は早急に調査をして明らかにすべきであると考えますが、いかがでしょうか。このままでは円高対応策も同じ結果に陥るだろうと想像せざるを得ません。
#100
○国務大臣(安住淳君) 委員御指摘の話は、十月の十八日付けの日本経済新聞朝刊三面に載っていることだと思います。しかし、これ、会計検査院も広い意味で政府でありますので、多少ちょっと見解の相違が多分あるんだろうなと思っておりますのは、これ、ちょっと多少説明しますと、二十二年度で終わった事業というのは実は二つだけで、二十三年度と二十四年度まで続く、つまり現在進行形で続いているものが八一%もあるんですね。これは現在進行形でやっておりまして、それを未消化だからこれが無駄だというふうなやり方というのは、ちょっとどうかなというふうに思っています。
 もちろん、全く無駄がないとは申しませんが、しかしこれ、三次補正でも、この中の指摘にあります例えば高校生の修学支援基金というのがございまして、これは実は衆議院でも公明党の富田先生が大変熱心にやっておられて、この基金も実は今、積んではいますけれども使われていないんですね。ただ、これは三次用にもまた、被災者の中で高校進学をするときの支援金として都道府県に使ってもらおうということで、今から積んで使っていただくということです。
 それから、森林整備加速化・林業再生基金とか重点分野雇用創造なんというのはこれからどんどん使われていくものでありますから、ここにある記事がそのまま全部駄目だとは私どもは思っておりません。指摘については十分注意をしながら、まあ余分な金は一円でも出さないということを前提にでございますけれども、しかし、必要なものについてはそのまま更に予算を増やしてでもやっていきたいというふうに思っております。
#101
○中西健治君 二兆円全てが無駄になるということでは私もないだろうというふうに思っておりますが、せっかく二〇〇八年、二〇〇九年に景気対策として打たれたお金がいまだに使われていないというのは、景気対策としてはどうだったのだろうかという疑問は持たざるを得ないと思いますし、余っているお金があるのであれば早急に調べてもらって、それこそ復興の資金のために使っていただきたいというふうに思います。
 それでは、またちょっと円高対策の方に戻りたいと思いますけれども、この円高への総合的対応策の中では、必要なときには断固たる措置をとると、大臣がいつもおっしゃっていることが書かれておりまして、それと同時に、注釈でFB発行限度額を百五十兆円から百六十五兆円に引き上げ、過去最大規模の追加発行枠を確保することにより、為替市場のいかなる動向にも十分な余裕を持って機動的な対応を行い得るようにするとしておりますが、昨日、大臣も介入の準備をしたという報道もされておりますけれども、これは今後も介入を続けるという意思表示と考えてよろしいんでしょうか。
#102
○国務大臣(安住淳君) 国益を守るためであれば、必要なときには断固たる措置をとります。
#103
○中西健治君 介入をするとすれば、それは水準調整でしょうか、それとも速度調整でしょうか。
#104
○国務大臣(安住淳君) それぞれの評価というのは、やった先に判断がされるというふうに思っておりますので、コメントする立場にはございませんけれども、今の為替水準について無秩序な動きや投機的な動きがあれば断固たる措置をとるということになると思います。
#105
○中西健治君 現状の動きそのものについて、速いとお考えでしょうか。
#106
○国務大臣(安住淳君) 大変微妙な時期でございますので、為替に対する評価は差し控えさせていただきたいと思います。
#107
○中西健治君 七十五円台に入ったりしていますけれども、七十六円、七十五円で膠着しているという状況が続いていますから、速いという評価は多分市場ではしないだろうというふうに思います。
 その上で断固たる措置をとるということであれば、現在の水準に対して調整をするということになりますけれども、安住大臣は今のレベルが適正だとお考えになっていらっしゃいますか。
#108
○国務大臣(安住淳君) コメントは差し控えますけれども、ただ実体経済がどうかということはちょっと大事かなと思っているので、そのことをちょっと説明といいますか、私なりの見方をしますと、私の被災地で申し上げれば、サプライチェーンもようやく回復しまして、私の地元の製紙会社なんかもようやく煙突から煙が上がって、これは地元じゃ希望の煙だというのでもうみんな感激をしました。一年以上掛かると言われていたのが何とか六か月で、製紙会社でございますけれども、カバーできたと。さらに、自動車関係の少し内陸に入ったところも操業をスタートしております。
 そうした中で、輸出産業の側でいう、つまり設定レートから見ればどうかというと、頑張って一生懸命つくって、非常に右肩上がりになってきたのに対して、今やっぱり今の為替レートではそうした方々にとっては努力がなかなか報われない、非常に厳しい状況であるということは実体経済の中では言えるのではないかと思います。
#109
○中西健治君 必要によっては断固たる処置をとるということですけれども、さらに外為特会で米国債を中心とした外国債を積み上げて、ただでさえ先進国中で突出している日本の外貨準備を増やすということを考えていらっしゃるのでしょうか。私の質問は、外貨準備高はどこまで大きくなっても構わないというふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#110
○国務大臣(安住淳君) どこまで大きくなっても構わないとは思っておりません。これは適正規模というのは常に議論の分かれるところではございますけれども、国際的にも大体満期一年以内の短期対外債務残高と同額以上とか、輸入額の三か月から四か月分というような考え方もありますし、いろんな意味で金融危機以降はIMF等によって外貨準備の適正規模については議論のなされているところであるというふうに認識しております。
#111
○中西健治君 総合対策の中で、リスクに負けない強靱な経済の構築というのが書かれておりますけれども、その施策を見てみますと、節電エコ補助金ですとか住宅エコポイントなどの補助金ばかりということになっております。この対応策の中で財政規律の維持が重要であるとわざわざ書かれているのに、なぜ補助金ばかりなのかなと、もっと規制緩和等に軸足を置いた施策を取るべきなんではないかなというふうに思っております。
 そもそも、この節電エコ補助金や住宅エコポイントがなぜ円高対策の中に入っているのか。場当たり的にこうしたメニューを入れ込むのではなくて、新成長戦略をしっかりと見直して、その一環として打たれるべき政策ではないのかというふうに考えております。
 政府は、日本再生戦略なるものを年内に策定するというスケジュール感のようですが、私からすると、どうも増税のことばかりに話が行っていて、若しくは増税のことばかりすばしっこくて、経済成長戦略についてはスピード感が欠落しているのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
#112
○副大臣(石田勝之君) 円高への総合的対応策については、円高や空洞化に対処し、民間の設備投資や消費の喚起、雇用の創出を下支えする観点からこの立地補助金拡充や節電エコ補助金が創設されたものであります。そして、施策の選定に当たっては、高い効果が期待されると、厳選の中で決めさせていただいたというふうに考えております。
 規制緩和につきましては、委員のおっしゃるとおりだというふうに思っております。新たな成長は、規制改革は重要と考えますし、例えば規制の特例措置及び金融、財政、税制の上での支援措置を講じる国際戦略総合特区、地域活性化総合特区についても、これを第一次指定を年内に行いたいということを考えております。
#113
○中西健治君 続きまして、自見大臣にお伺いいたします。
 九月二十七日に金融庁は金融機関に対して、円高の状況に鑑みコンサルティング機能を十分に発揮するということをまた言っているわけですけれども、円高関連のコンサルティングとは具体的に何を指しているのでしょうか。この委員会でもコンサルティング、コンサルティングという言葉は何度も使われていますけれども、いつも具体的な中身がないなというふうに私は思っているわけですが、円高のコンサルティング、具体的なことは、具体的な中身は何を指しているんでしょうか。
#114
○国務大臣(自見庄三郎君) 中西先生にお答えをさせていただきます。
 円高に関連するソリューションは、経営目標の実現や、先生御存じのように、経営課題の解決を図るための方策でございますが、具体的な例としては、これはもう先生も外銀におられた、外国系の金融機関におられて非常にこういったところはうんちくがあられると思うわけでございますけれども、一例を挙げれば、輸出関連企業に対してより円高の影響を受けにくい国内向けの販路を紹介するといったビジネスマッチングと申しますか、お見合いといいますか、そういうふうにも言うそうでございますが、例えば国内、しっかりした販売経路を持った国内商社というのがたくさんありますから、そういったところを、当然みんな金融機関と連携をしておるわけでございますから、そういったことを例えば紹介するといったことが一例としてはあるのかなというふうに思っております。
#115
○中西健治君 続きまして、JBICを介した融資、出資についてお伺いいたします。
 エネルギーや資源、食料、こうしたものを購入するのに外為資金を使っていくということはやっていくべきなんではないかなと私も思っておりますけれども、ただ、海外MアンドAを進めるためにこれを手助けするというのは民間がやるべきことであるし、MアンドAというのもいろいろあります、悪質なものもあったりします。それを政府が手助けするというのはどうなのかなと私は大きく疑問に思っているということでございます。さらには、産業空洞化を進めかねないということになってまいりますが、このJBIC、MA関連の融資と産業空洞化、どのように整理されているんでしょうか。
#116
○国務大臣(安住淳君) 私は、やっぱりこの円高でありますから、先ほど林委員の質疑の中でも申し上げましたが、大きな意味でやっぱり国益のために海外にどんどん出ていって、今こそ海外の富を我が国の所属する法人、企業も、国自体もやっぱりしっかりとそこで足場をつくって、逆にその富を国内に還元するような時期であると。そのための企業買収というのは、ある意味で私はあってもいいし、言い方は不適切かもしれないけれども、肉食系の国家になっていってやっていくというのはやっぱり国のためには絶対に必要なことだと私は思っておりますので、その中で健全性とか、先生は専門家でいらっしゃいますから、何かやみくもに我々も何かを、融資を何でもやるという話ではないんです。総枠は確かに十兆でございますけれども、邦銀含めてそれぞれの企業もどういうところでやるかというリスク管理をしっかりやりながら、しかしなおかつ優良なものが格安に買えるわけですから、そういう意味では、積極的に、富の獲得に向けて出ていく企業というのを、また邦銀をしっかりとJBICで後押ししていきたいということがこのファシリティーの意味でございます。
#117
○中西健治君 このJBICを通したMアンドA資金供給は、八月二十四日に発表された円高対応緊急パッケージでは民間資金の外貨への転換、いわゆる円投の促進による為替相場の安定化が目的とされていましたけれども、今回の総合的対応策では円高メリット活用の文脈でのみ言及されているということになっています。円高是正から円高活用へと宗旨変えしたということでしょうか。八月にパッケージが発表された後、即座に円高是正へのインパクトはないと私もマーケット参加者の多くも主張しましたけれども、その主張を理解したということでよろしいんでしょうか。
#118
○国務大臣(安住淳君) 目的を変えたわけじゃなくて、更にこれに上乗せをしたということでございます。
#119
○中西健治君 政府は呼び水という言葉をしきりに使ってきていますけれども、政府の想定する呼び水は、多くの場合、幻想にすぎないというふうに思われます。
 例えば、JBICの行うローンに対して、協調ローンの形で邦銀が為替リスクを取って円投で参加するとしていますけれども、邦銀が融資を行うときには、ほとんどの場合、外貨ファンディングを行って為替リスクを取らないのが常識です。円高是正には役立ちません。それどころか、せっかく企業が円高の機会をとらえて外貨を買って買収を行おうとする資金が外貨のまま外為特会からJBICを通じて供給されてしまうのであれば、本来あるべき外貨買いの需要すらなくしてしまうというおそれまであります。
 海外MアンドAにおいて呼び水が機能するというのはどういう根拠、論理によるものでしょうか。
#120
○国務大臣(安住淳君) JBICは民間と協調融資をやるということが基本でございますので、その点からいうと、民間企業とか金融機関の幅広い主体による民間資金の動員を触発するという意味で呼び水というふうに私どもは使ったということだと思います。
 今回のファシリティーというのは、公的な部門によるリスクマネーの供給や政策融資によって、日本の企業による海外企業の買収、特に私は資源エネルギーは非常に重要だと思いますが、の確保などを促進することによって民間の外貨買いを誘発することもこれは考えておりますので、そうした点でいえば十分その効果というものはあるのではないかというふうに思っております。
#121
○中西健治君 時間が来ましたので質問を終わりにしますが、MアンドAでの外貨買いというのは市場のハイライト、大きな注目点です。それに伴って大きなフローが出てくるというのを私は何度も体験しましたので、外貨をそのまま貸し付けてしまうということになるとそのフローを殺してしまうことになるので、やはり一考をお願いしたいと思います。
 終わります。
#122
○大門実紀史君 大門でございます。安住大臣、これからよろしくお願いいたします。
 この間、財務大臣から総理になられるパターンが続いておりますけれども、是非くれぐれも財務省には気を付けてほしいなと、財務大臣をやりますとみんなつまらない政治家になられますので、御注意いただきたいなというふうに思います。
 大臣の地元は石巻でございまして、私もこの間被災地にいろいろ入っていますが、石巻には特に何回も伺っております。今週も商工会議所の方とお話しすることになっておりますけれども、是非この機会に聞いておきたいのは、宮城県、例えば宮城県の三陸沿岸の復興でいえば、私は、ほかももちろんみんな大事なんですけれども、石巻は特に鍵になると。石巻は比較的元気なところがありますので、全体の復興をリードしてほしいといいますか切り開いてほしいという点で、石巻がどうなるかというのは全体の復興にかなり大きな影響を与えるのではないかというふうに思っておりまして、これはもう党派を超えて支援しなきゃいけないテーマだと思っております。
 是非、石巻の復興全体に対する位置付け等について、一言ありましたら伺いたいと思います。
#123
○国務大臣(安住淳君) 本当に温かいお言葉をいただいて心から感謝を申し上げます。また、商工会議所を始め、本当に先生を頼りにしている方々もたくさんおられますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 私の地域は人口が十六万強ありまして、東京で御覧になっておられる方々の中には、もしかしたら余り人口意識を持っていなくて市の町の名前なんかをずっと聞いておられる方おられると思うので、少しお話しさせていただくと、例えば気仙沼市が次に大きくて七万、それから陸前高田や釜石、もっと小さな町へ行くともっともっと人口は少なくなりまして、そういう点からいうと、実は人口が飛び抜けている中核の都市でございまして、ですから死亡、行方不明者も圧倒的に多いということでございます。そして、水産業に至っては、三種漁港を抱えて、これは東日本の中でも水揚げ量を含めればトップクラスであると。
 そういうことからいっても、被害の大きさもさることながら、やはり今先生御指摘のように、この石巻市を再建をさせることが、結果的には南三陸や女川、東松島、気仙沼等宮城においてはそうだし、大槌、山田、陸前高田、結果的には起き上がってくる。病院の問題一つ取っても、石巻赤十字病院等々、基幹病院は三陸じゃもう今やあそこしかございませんので、そういう意味じゃ、三陸道の言わば三陸側の起点にもなっている地域なので、御指摘のとおり、ここの企業ややはり生活者の皆さんが元の暮らしに戻るために、是非党派を超えていろんな意味で支えていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#124
○大門実紀史君 私も同じように考えております。
 その石巻でも、ほかの被災地もそうですが、特にちょっとこれから元気でやろうかというところの石巻で最大の復興のネックになっているのが二重ローンの問題でございます。二重ローン対策では、新聞報道を御用意いたしましたけれども、これは我が党も賛成いたしました、参議院で野党で可決した案を基に与党と修正が行われて法案が出てきて、早く成立するだろうと言われております。法案の詳細はまだこれからということでございますが、幅広く被災事業者を救うという点ではもう明らかに前進のものだと思っております。
 ただ、その法案が成立しても、実際に再生支援機構ですね、その再生支援機構が本格的に稼働するのは時間的にはどうしても来年になってしまう、来年の春ごろになる可能性もあるわけですね。そうすると、幾らそういう法案がまとまったとか国会で言っても現場は何も変わってないわけですね、現場では何の変化もないわけでございます。その点でいきますと、法案が通るだろうからということで、来年の春にはできるからということで何もしないわけにいかないわけでございまして、大事なのは今の現行の政府スキーム、各県ごとの産業復興機構、これがあるわけですから、発足しようとしているわけですから、まずここでできるだけ先にたくさんの、多くの被災事業者を救う、支援するということがどうしても必要だというふうに思うんですけれども、この点、大臣のお考えを一言お聞きしたいと思います。
#125
○国務大臣(安住淳君) 私も同じ考えでございます。これからようやく、これは私国対委員長としてさんざん怒られながら、でも本当に関係者の皆さんの御努力で合意に至りまして、この国会での処理は多分図られるであろうということなので、この産業復興機構の設立というのは現実味を帯びてきたと。
 ただ、御指摘のように、設立してスタートするまで相当な期間、半年ぐらい要します。今の時期の被災地の半年というのは通常の何年分にも値するときだという認識だと思います。ですから、そういう点からいいますと、今岩手等でようやくスタートをしましたこの産業復興機構、更に宮城県等でも今地元バンクとの話合い等、県との話合い等も進めております。これは再生支援機構よりも産業復興機構はもう早くいくわけですから、そういう点ではそこでいわゆる中小企業に限らず少し幅を持ってこのスキームに入れていってできるだけ助けるべきだということに対しては私も賛成でございます。
#126
○大門実紀史君 それで、まずこの機構を待たずに年内急ぐことがあるし、今のおっしゃった産業復興機構もやるべきことを急いでやらなきゃいけないという時点だと思いますが、まずはちょっと金融庁に伺いたいんですけど、いずれにせよこの再生支援機構は来年の春近くになる、産業復興機構もやっとできるかどうかというところですので、もう七か月以上たって、現地はまだまだ大変な状況でありますけれども、金融機関が今までは返済猶予というようなこととか条件変更の継続というのをいろいろ考えてくれてきておりますが、さらに、もうこういう機構ができるのは明らかになってきたわけですから、金融機関に対してきちっとこういう機構に併せて返済猶予の延長等々特別の支援措置をするようにということを是非この時点で、年内対策もありますので、金融機関に徹底してほしいと思いますが、いかがですか。
#127
○国務大臣(自見庄三郎君) 大門議員にお答えをいたします。
 もう先生の御指摘どおりでございまして、特に年末対策という話も触れられましたけれども、金融機関、御存じのように、全党一致で円滑化法案の延長をしていただけたわけでございますけれども、まさに被災者の個別事情に応じて条件変更等に取り組んでおりますが、今後新たな、今お話がございましたこの支援機構あるいは産業復興機構、これ時間差がございますが、そういった発足する見込みでございますが、その間、今それがもう特に大事でございますし、特に年末に向かいましては中小企業等の資金繰りに万全を期すように、これ例年全金融機関を呼んで私からお願いをさせていただいておりますけれども、今年は特にこういったことにも鑑みまして、全金融機関にもうしっかり指導、要請をしてまいりたいというふうに思っております。
#128
○大門実紀史君 ありがとうございます。
 その上で、今岩手でスタートしかけている、あるいは宮城で、福島でこれからつくられる県ごとの産業復興機構の方ですけれども、若干厳しい指摘も含めて質問したいというふうに思います。
 この新聞報道そのものがそうなんですけれども、産業復興機構の主な債権買取り対象が中堅中小企業というふうに書かれております。ほかの新聞報道でも同じように、今度与野党で合意したやつ、再生支援機構は幅広く中小零細救うけれども、今、現行の産業復興機構はみんな中堅以上とか一定規模以上という報道がされております。
 これは国会の議論とは全く違う話だと私思っておりますけれども、これはどういうことなんでしょうか、中小企業庁。
#129
○政府参考人(宮川正君) お答え申し上げます。
 今先生の御指摘の点でございますけれども、これは私ども全く変更はございませんで、政府の方の産業復興機構の方は小規模事業者、農林水産事業者、医療福祉事業者等の幅広い事業者を支援対象としておりまして、この点についての変更はございません。
 現に、岩手県でございますけれども、十月三日に設置をいたしました産業復興相談センターの方には既に百二十余件が相談に来ておりますけれども、そのうちの六割が小規模事業者でございまして、私どもは幅広く相談にも受け付けると、こういうことでやらせていただきたいと存じております。
#130
○大門実紀史君 次長さんね、よく読んでもらいたいんだけれども、相談を受けることじゃないんですよ。買い取る債権の話なんですよ。相談を受けるのは、いろんな人が相談受けるというのは分かっているんです。債権を買い取るのは中堅中小企業だという書かれ方なんですよ、相談の話じゃなくて。だから、買い取るのはこういうところしか、もう一定の規模以上というか、要するに再生可能性の高い、イコール大体が中堅以上になっちゃうんだけれども、そういうところ、買取り対象のことを言っているんですよ。これはどうなんですか。
#131
○政府参考人(宮川正君) 大変失礼いたしました。
 買取りの対象につきましても、今申し上げましたように、小規模事業者、農林水産事業者、医療福祉事業者という幅広い事業者を対象としております。
#132
○大門実紀史君 そこは是非、国会であれだけ議論したわけでございまして、前高原長官もここは力を入れてやるということを何回も答弁されているし、大臣も言われていたわけだから、こういう報道が間違いだということをきちっと実践で示してもらいたいんですけれども。
 なぜこんなことになるかというと、私も何度もこういう話を金融機関とか聞いてきて、要するに、何でこんな報道になるか、こんな話になるかというと、現場では平然と国会での議論を無視したような話がされております。東北財務局の人間も、こういう一定規模以上だと、支給される対象はなんて言っちゃっていますし、県庁の役人も説明会でそういうことを言うとか、あるいは、もうストレートに言いますけれども、岩手銀行の幹部なんかは、対応するのはそういう一定以上だとか、平気で国会の議論を無視してそういうことを言っているからこういう話に固まって報道されてしまうわけでございますし、もっと驚いたのは、率直に申し上げますけれども、中小企業庁のメンバーも今回替わったんですね、がらっと。前の長官のときのメンバーがらっと替わって、一人や二人の方は頑張っていますけれども、その中小企業庁の人間からも一定規模以上みたいな言葉が出てくるんですよね。ちょっとおかしくなっちゃっているんで、もっと国会での議論をきちっと踏まえてほしいと、当たり前のことなんですが、思います。
 もう一つは、このスキームそのものが、岩手のスキームそのものがこう書かれるようなスキームになっている点も指摘したいと思うんで、二枚目に相談センターと機構、これは全体の仕組みなんですけれども、これそのものの中にこう書かれてしまうような仕組みになりつつあるんですよね。
 簡単に言いますと、この相談センターで受けたやつを機構で買い取ってもらうというのは、相談センターが買い取ってくれと、買い取ってほしいという要請をする、そういう関係があって、相談センターと機構と、こうなるわけですけれども、これが岩手の場合どうなっているかということなんですけれども、岩手の産業復興相談センターの統括責任者というのは誰に決まりましたか。
#133
○政府参考人(宮川正君) 被災地の実情に精通をいたしました地域金融機関のOBが就任をしております。
#134
○大門実紀史君 名前言ってもいいと思うんですけど、岩手銀行のOBですね。
 そもそもこの運用規定の中に、そういう買取りをやるやらないというのは、銀行が利害関係絡みますので、利害関係者は入れないということになっています。OBだからいいんじゃないかというところで入れたと思うんですが、先ほど申し上げたとおり、岩手銀行は大変高姿勢といいますか、一定の規模のところみたいなことを平気で言っているところでございます。あそこには宮古信金含めて、ほかの地銀も含めて、それほど体力のない、あるいは相当今回の震災で傷ついた金融機関がかなりあります。岩手銀行のレベルでこの買取りの判断とかすると、そういう宮古信金とか北日本とか、ああいうところの債権がどうなるのかというところで大変な心配が生まれますし、そういうところの借り手というのは中小零細多いわけですけど、そういうところがこの買取りの要請もしてもらえないというようなことも起こり得るわけですね。
 私は、何で岩手銀行のOBが入っているのかというのが非常に、こういうところから自分たちは救われないだろうということを、みんながそう思ってしまう不安が広がっているということでございます。
 もう一つ聞きますけれども、そういう岩手銀行のOBがどの債権を機構に買い取ってもらうかという判断をして、今度は機構の方なんですが、機構もそれを買い取るかどうかというのは機構が判断するわけです。買取り決定をやるわけですね。この買取り決定をやるのは、右の上に書いてありますGPですね。機構の運営会社です。これは、今回岩手の場合はどこがこの運営会社になったんですか。
#135
○政府参考人(宮川正君) 株式会社ルネッサンスキャピタルグループでございます。
#136
○大門実紀史君 御存じのない方はいらっしゃると思いますが、ルネッサンスキャピタルというのはBNPパリバの投資の会社でございますが、これ、全国のいわゆる今までやってきた中小企業再生ファンド、つまり民間のお金を集めてリターンを稼ぐ仕組みでございますが、その投資ファンドをやってきたのがルネッサンスキャピタルでございます。
 今回、なぜそういう投資集団を入れる必要があるのかと。リターンを稼いでどこかに返すという必要はないわけですね。しかも、そういうところが持っているノウハウというのは、今までの通常の企業の再生してそこでリターンを稼ぐという、そういうノウハウでございまして、こういう公の、まさに被災地支援のこういう機構の中にそういうノウハウは要らないと。支援が重要でございますから、そういう何か選別するようなノウハウを持っている集団は要らないはずなんですけれども、何でこんなルネッサンスキャピタルみたいなものを入れたんですか。
#137
○政府参考人(宮川正君) 御指摘の点でございますけれども、正直申し上げて、やはり事業再生の部分というのもこれは相当程度素養としては必要な部分だというふうに思っておりまして、そういった意味での精通をされている方を今回GPとして選ばせていただいたということでございます。必ずしも再生一辺倒でやるということではございませんで、後で申し上げますけれども、この投資委員会というのを機構の中にもつくることになっておりまして、こういった中にはいろいろな構成員を入れるというふうに思っております。
#138
○大門実紀史君 何言っているか分からないんだけどね。要するに、あなた、御存じかどうか分からないけど、このルネッサンスキャピタルが持っているノウハウというのはここには必要ないんです。政府が被災地の中小事業者をまさに被災地支援の対策として救おうという、投資責任組合という形は使っていますけどね、そういう趣旨でできたものにルネッサンスキャピタルのノウハウは必要ないんですよ。むしろ幅広く救うという公的な判断が必要なところに、そういうものを入れる必要は何もないわけでございます。
 この真ん中の下の方に、再生可能性ありと判断し、とあります。この再生可能性というのは何をもって判断するんですか。
#139
○政府参考人(宮川正君) 再生可能性についてお答えいたします。
 これは、まず対象の方が再生に向けて非常に意欲を持っておるということと、もう一つはメーン金融機関のその支援融資によって再生を支援する意向を持っていると、こういった対象の事業者を考えております。
#140
○大門実紀史君 今日は時間ないので深くは入りませんが、その買取り価格を決める算定の物差しとかいろいろあるんですけれども、それは言葉だけであって、実際、それじゃ三年間赤字続いた、例えば石巻でいえば、ほとんど年間売上げが五千万か三千万ぐらい程度の、ずっとそれで三年間ぐらいもう赤字で社長さんの給料だけは何とかという程度のところが救われるのかというと、買取り価格が付くのかというと、付かないですよ。そんなことも具体的にあるわけですね。ですから、この再生可能性というのは今言ったようなきれい事ではないようになっていると。
 申し上げたいのは、報道されるような大きいところしか救わないというのは何の根拠もない話ではございませんで、選定をするのは岩手銀行のOB、買取りを決定するのはルネッサンスキャピタル、出資規模は五百億と言いながら僅か百億程度でちまちまやっていると、これじゃもう俺たち救われないというのと、新聞報道だってこう書かれるという事態になっているわけでございます。
 これはちょっとリアルに見ていただいて、このままいくとどうなるかなんですけれども、ほとんどの、石巻でいえば四つや五つぐらいの会社しか救われなくて、あとはみんな整理に追い込まれるということになりますし、せっかく国会でも相当議論して作ったスキームが、これ袋だたきに遭いますよ、中小企業庁は、このままいきますと。何のために作ったんだということで袋だたきになりますよ。しかも、与野党で合意したのはまだ先になると、現実に救われないと、来年の春ぐらいまでですね。
 大変な事態になると思いますので、今からでも遅くありませんから、何が問題かというと、お膳立てだけして民間の判断に、しかも大きな銀行とか投資会社の判断に任せるようになってきているから駄目なんですよ。これは国の政策なんですから、国が人事も人も配置して、ちゃんと陣頭指揮を執ると、そして幅広く救うということを実際やっていただかないと、年内相当の整理、廃業企業が生まれるというふうに思いますので、ちょっと中小企業庁、今からでも遅くないから、まだ間に合いますのでね、人の配置からやり方からちょっと考え直してもらえませんか。
#141
○政府参考人(宮川正君) 御指摘いただいた点でございますけれども、今後ともしっかり留意して検討してまいりたいというふうに考えております。
#142
○大門実紀史君 もう時間が少ないので、最後にまた安住大臣にお伺いしたいんですけど、なぜこんなことになってきたかなんですけどね。そもそも本来は、野党、自民党さんが一生懸命頑張って作った野党案のようなものを早く政府が最初から幅広く、私たちも提案してきましたけど、やれば、もう今ごろ相当救われていたはずなんですね。それを指摘したら、最初の中小企業再生ファンドを一応公的なもので提案され直しましたけど、それがこの程度のことになっていると、このままでは救われないという事態なんですね。
 この最初に足を引っ張ったのは実は財務省なんですよ。中小企業庁が持っているお金の範囲内で基盤機構がやれと、国はお金出さないというようなことを財務省がやったんですよ。それは知っているんですよ。
 申し上げたいことは、石巻の皆さんも、もう安住さんが財務大臣になれば、そういう復興で財務省がけちっていろいろ足引っ張るようなことはないだろうという期待も石巻の方はしておりますので、この二重債務の問題も、僅か何百億なんてことを言っていると救われませんから、櫻井副大臣のときは予備費使ってでも必要があれば増やすべきだとおっしゃったこともございますし、財務省としてちょっと心を入れ替えてもらって、やっぱりこういう復興支援にちまちまやらないと、やるときは一気に救うということで、この二重ローン対策についても中小企業庁任せにしないで、政府挙げてちょっと根本的に考えてほしいということを思いますが、いかがでしょうか。
#143
○国務大臣(安住淳君) 就任のときから、復興に関してはもうけちけちするなと、ちまちまじゃなくてけちけちするなと申し上げてまいりました。
 現に私は中小企業庁には、逆にグループ化のことについては予備費で二百五十ぐらいで一次、二次と来たのを、これじゃもう全然駄目だということで、今一千二百五十までこの予備費でやっていただいたり、そういう意味ではかなり丸が一つ違うぐらい前進したこともありますので、(発言する者あり)ええ、もう一押しという声もありますが、私は、理念には本当賛成します。
 津波という理不尽な災害で被害を被った人が、元々負債を抱えていたんだったら別ですけど、やっぱりそれが廃業を余儀なくされるというのは決して私も望むところでは全くないし、そういう意味じゃ、政治が光を当てていくという意味では先生と全く同じでございますので、細かなところに気を配りながらやるように指示をしたいと思います。
 ありがとうございました。
#144
○大門実紀史君 時間が来ましたので終わります。
 ありがとうございました。
#145
○中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山でございます。
 安住大臣、是非頑張っていただきたいと思っております。
 大門委員に続いての質問のような形でございますが、東日本大震災があって、三月十一日からもう七か月以上たっております。つい最近も、東日本、被災地を訪ねた人々は、やはり復旧が遅々として進んでいないということを伝えてくださる方がたくさんいらっしゃいます。安住大臣を含めて東北地方の方々が非常に忍耐強いということはよく分かるのでございますが、やはりこの復旧というものは七か月たってまだできていないということ自体が、特に政府の初期対応の遅れとか不適切な対応を行ってきたということに原因があると言ってよろしいかと思います。
 先ほど、午前中の質問で、一か月くらい政局で遅れたというようなことを大臣おっしゃいましたが、とてもとても一か月遅れというような状況ではないと。今のこの流れが通常だと思われずに、本来であればもう夏前に復旧の作業というのは終わっていていいと。第二次補正予算が出てまいりましたとき、私は、あれはもうあの段階で復興予算を組む段階だとお願いいたしましたが、あの第二次補正というのも全く無駄な政局のための補正であったように見えます。あの部分で復興のための補正予算を組むべきだったと考えているところでございます。
 是非財務省を動かし、又は他の省庁にも働きかけて、復旧作業を例えばもう時間を切って、今後一か月以内で完了させるにはどういう対応をしたらいいかといった形の検討をしていただけたらと思いますが、いかがでいらっしゃいますか。
#146
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおり、やっぱり早く早くやっていかないと人の心も萎えてしまいますので、国としては急いでこれからやっていただきたいと。その言わば原動力になるのがこの第三次補正であると。
 遅いという御指摘に対しては、先ほどから答弁をさせていただいておりますとおり、御指摘も全くそのとおりのところもありますし、多少自治体で時間を掛けてきて丁寧に、復旧ではなくて復興案を作ってきたということもありますので、しかし、そうは言っても言い訳になりませんので、これから急いでやらせていただきたいと思いますが、例えば一例をちょっと申し上げますと、三陸縦貫道なんかは、先生、もしこの災害がなければということを前提にして考えると、多分八戸地域まで、私の先の、石巻の先の登米というところで止まっているんですね。そこからはもうミッシングリンクですから、つながっているところとはぶつ切れなんですが、多分あのままでもしこちら側をやっていたら、公共事業を減らして道路予算が削られていますから、どうでしょうか、二、三十年は掛かるんじゃないかと思いました。
 しかし、今回、大震災を契機に、これを十年ぐらいではもうしっかりつないでいこうと、防波堤にもなるし道路としても使うと。こういう点では、私はもうやればできるではないかと、そういうふうに思っておりますので、地域の皆さんにとってこれまで非常に困難だと思われていたようなことについてもしっかりと予算化をして、やはりスピードアップのできる力というのはまだ私は国にあると思いますので、財務省の大先輩でもございます中山先生にまたいろいろ御指導賜りながら、財務省にも、是非各役所に対しても働きかけを強めるよう私からも話をしていきたいと思っております。
#147
○中山恭子君 今の大臣のお話、コンクリートから人へという考え方というのがいかに愚かな考えであるかということをお示しいただいたようにも思いますが、もう日本の中で公共事業がなされなければいけないところというのはもう数多くございます。また、更新時期に来ている橋や道路や上下水道、これがもうまさに山積しているテーマでございますので、どうぞその辺り、財務省をリードして、それから国交省もリードしていただいて、公共事業を大いに進めていくということをやっていただきたい。
 先ほど、円高の関係で海外へ出て海外から利益をもらって日本の経済復活に充てるんだというお話がありましたが、それより、それも大事ですが、それ以前に、日本の中で公共事業を進めて経済を活性化していくというこの路線を、この政策を直ちに取らないと、海外からの利益だけを頼っていたのではとてもこの大きくなった日本経済をもう一度活性化するということは不可能だと考えておりますので、その辺りの考え方も大いに議論していただきたいと思っております。
 復興の問題に戻れば、新聞報道ですけれども、宮城県で十年間で十二・八兆円必要という数字が出てきておりました。十月十三日の日経新聞でございます。岩手県では、八年間で八兆円、あっ、七年ですかね、十年間にするとやはり十二兆円近い数字になると思います。福島県では十年間で少なくとも十兆円規模というのが出てきております。これだけ積み上げても、三年間でまさに三十兆円くらいのものが出てきているわけでして、今の政府が出している復興の基本方針ではとてもやっていけない。余りにも数字が小さ過ぎるということが言えると思っております。
 この点について、その基本方針を見直す、復興の基本ですが、基本方針、見直していただきたいと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#148
○国務大臣(安住淳君) まず、コンクリートから人へと、それはそれで、これは時代の流れもあって、先生、例えば、大なたを振るったのはやっぱり小泉政権下だと思いますが、まあ……(発言する者あり)ええ。しかし、今、中山先生がおっしゃるように、私も地方におりますけれども、やはりインフラの整備がなければどんどん過疎化もしていきますし、そういう意味での必要性というのは十分に認識しておりますので、これから必要な公共事業については十分私としては手当てはしていきたいと思っております。
 それから、それぞれの県のお書きになった予算は、それぞれの県が自らの考えに従ってやって、大体三県足すと三十兆強ぐらい確かにあるんです。これに茨城、それから千葉、青森等を足せばもっと上振れするということでございますけれども、ここから中身を本当に精査して、必要なものについては当然そのリカバリーは、いずれ、国民から見れば国がリカバリーしても地方がリカバリーしてもこれは同じでございますから、我々が預かった、国民の皆さんから預かったお金でどういうふうにこれをやっぱりフォローアップしていくかということは問われているとは思いますが、当面、積算の根拠ということが問題になるんですけれども、阪神大震災がやはり唯一の前例ということでございまして、阪神大震災のときが実は九兆ちょっとで積算をしたと。その大体一・七倍ぐらいということでまず十六兆を置いて、そこからスタートをして起算をしておりますので、もちろんそれで十分だとは私も思っておりません。これ、その時点で原子力等の関係の除染を含めた大きな金というのはこれに更に上乗せをされていくだろうということは想像付きますので、その都度必要性があれば数字というものは変わっていくものであるというふうに認識はしております。
#149
○中山恭子君 阪神・淡路を基に積算すること自体がやはり間違いであると思います。
 この東日本の大震災というのは、やはり状況が全く違うわけでございますから、そこに必要な復興復旧ではなくて復興、新しい、世界に誇れる、世界の人があそこは大丈夫なんだと安心する、そういう美しい町をつくっていく、そのためにどういう費用が必要かという形の積算をしていかなければいけないのであって、今の基本方針というのはやはり見直しを掛ける必要があるだろうと思っておりますので、その辺りももう一度議論重ねていただきたいと思っております。
 それから、その復興の財源でございますが、やはり財務省としては財源がないのに何か言うことが難しいというのはあると思いますが、これも今日午前中、佐藤委員の方から出ましたが、この復興作業というのは今の人々のための復興と考えてはいけない、百年、二百年のための復興事業であるとお考えいただいた形の復興事業を計画を立てていただきたい。
 ということは、その基本的考え方に、復興の基本方針では「復旧・復興のための財源については、次の世代に負担を先送りすることなく、今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うことを基本とする。」とされておりますが、この文章もあってはならない文章だと考えておりますので、百年、二百年を見込んだ復興計画、そうじゃないと本当に復旧にちょっと何か掛けたような復興ということしかできませんので、しっかりした復興をつくっていくためには、この文章、復興の基本方針も、ここも見直しを掛けていただいて、財源についても、長期にわたる財源の確保を進めていただきたい。建設国債六十年ですが、場合によっては復興国債は百年という長期の期間を使ってもいいわけでございますし、場合によっては日銀が引き受ける無利子の国債、市中に出さない国債を使って今この復興事業を行っていっても全く問題は起きないはずでございますので、その辺りについても是非もう一度御検討いただきたいと思っております。
#150
○副大臣(五十嵐文彦君) そうかも知れません。
 何でもないときは、先生おっしゃるとおり、長期の六十年償還の建設国債を使ってもいいんだと思います。しかし、今もうたっぷりと赤字国債まで後世代に送っちゃっているわけですね。そういう事態の中で、これは、更に日本の国の信用、それから国債の信用を落とすようなことをすれば、すぐ金利が跳ね上がって、もう来年度の予算も組めないという事態になりかねない状況の中に今あるわけであります。
 また、百年に一度の災害、二百年に一度の災害だから、あと百年間大丈夫で来ないのかというと、そんなことはないんですね。大きな災害も、地震でいえば、数年後にはまた来る可能性が、今までの例ですと度々起きていますから、財政というのは対応力です、危機への対応力ですから、その対応力がない状態を続けるということは将来世代にやはり大きなリスクをもたらすということになりますので、なるべく今の世代で片付けていきましょうということが今回の考え方の裏にあると思います。
#151
○中山恭子君 御懇切な御答弁ありがとうございます。
 今おっしゃられた中で幾つか問題点があると考えております。一つは、その復興事業を復旧事業にしてはならないという意味は、もっと多額の金額を使ってでも、千年に一度の地震が来ても耐え得る、そういう地域をつくる必要があるわけです。したがって、そのためには十兆円とか二十兆円という金額ではつくれませんでしょうと。日本には大きな地震がいつ来るか分からないけれども、人が住んでいるところは安全なんだという、そういう町づくりをしていく必要があるわけです。そのためには相当の費用、金額が掛かります。したがって、十年で百兆というようなことだってあり得るわけですから、そういう町づくりをするためには、どのような幾らの費用が掛かるかという形の積算をしていただいて、そのための財源をどのように手当てするかを考えてもらいたい。
 根っこのところから考え方が違っておりますので、その辺をしっかりもう一回議論してくださいというお願いでございます。
 さらに、今財政赤字があるから追加の国債、建設国債にしても、そういう発行ができないんだとおっしゃいますが、それはまさに頭の中だけの考えだろうと考えています。決してリスクがあることはないと私自身は言い切れると思いますし、もし心配であれば、もっともっとたくさんの識者の方々でもいいですし、いろんな方の意見を聞いて、今建設国債を二十兆、三十兆出したら本当にそういうリスクがあるのか、国際社会から信用されなくなるのか、そんなことはあり得ないと考えております。
 そこは、日本の資金を管理するという役割ではなく、経済全体を、パイを大きくしていく、場合によってはGDPを倍にすると、そのために今何をしたらいいか、そういう考え方もあるわけでございまして、この考え方に従って日銀に資金、国債を引き受けさせても国際社会から信用を失うということは決してないと言えると思いますので、そこにつきましても、一つのことにこだわらず、大いに議論していただきたいと考えております。
 実はもっとたくさん今日は質問を持ってきたんですが、でもやはり、自見大臣いらっしゃいますので、金融関係についてもお伺いしたいと思います。
 欧州の債務危機問題について自見大臣にお伺いいたします。
 欧州の問題では、欧州の金融機関に対しての不安が広がっておりますが、日本の金融機関については、今日午前中もお話がありましたとおり、健全な信頼が寄せられて、高い評価を、一定の評価を受けていると考えております。
 今日、午前中に欧州の、半減までですかね、五〇%削減ということが決まったというふうに聞いておりますけれども、日本の金融機関がユーロの債権をどのくらいそれぞれ持っているかというようなことを公表なさるというお考えはありませんでしょうか。
#152
○副大臣(中塚一宏君) まず、数字の方を私の方からお答えをしたいと思います。
 国際決済銀行の統計によりますと、我が国の銀行部門のいわゆるPIIGS向けの債権というのは、今年の六月末時点ですが、全体で九百五十四億ドル、七・七兆円ございます。内訳は、ポルトガルが二十二億ドル、〇・二兆円。アイルランドが約二百八億ドル、一・七兆円。イタリアが四百四十二億ドル、三・六兆円。ギリシャが十四億ドルで一千億円。スペインが二百六十九億ドルで二・二兆円ということになっておりまして、我が国の銀行の総資産が八百三十八兆円でありますから、PIIGS向け債権合計七・七兆円というのは大体〇・九%程度ということになっております。
#153
○中山恭子君 日本の銀行の信頼を維持していくという点から考えて、今のお答えの中で出てこなかったかと思いますけれども、以前、サブプライムローンのときに銀行の資金、持っている、保有している金額を公表した経緯がございます。今回もユーロのこの債務問題について、日本の銀行の信頼を維持するためにも発表していかれる方がいいように思うんですが、いかがでしょうか。
#154
○国務大臣(自見庄三郎君) 中山議員にお答えをさせていただきます。
 今、中塚一宏副大臣からお話がございましたように、日本の金融機関、大体PIIGS向けの債権は〇・九%でございまして、そういった意味で、金融庁といたしましても、最近のまさにヨーロッパの金融情勢、今日はEUの首脳会議で合意をしたようでございますけれども、これらの債権が我が国の金融機関に与える影響を含めて、常日ごろより金融機関が抱えるリスクをきちっと把握をさせていただいておりますが、今先生がおっしゃいました、これ今、中塚一宏副大臣も申しましたように、実はこれ、国際決済銀行、BISがもう既に統計としてホームページに出ておりまして、そういうことでございまして、今確かに先生が言われたように、サブプライム関連商品の保有額については当時BISは何も公表していませんでしたので、実は金融庁がきちっと情報開示ということで、動揺しないでいただきたいと、現実をきちっと分かっていただきたいということで公表させていただいたわけでございますが、これは実はBISのホームページにもう既に公表されておりますので、それに加えて、しかし、先生のそういった御意向でございますから、また状況に応じて弾力的に、やはりきちっとこの危機を乗り切っていく、そのためにはやっぱり日本の金融機関に安心していただくということが非常に大事でございますから、そのことを最優先に、しっかり状況に応じて検討もさせていただきたいというふうに思っております。
#155
○中山恭子君 ありがとうございました。BISの方を見ていけばいいということですね。
 もう一点、これは財務大臣だと思いますが、欧州の金融安定化について日本は相当に協力していると考えられます。欧州金融安定化基金債のニュースレターを基に計算しますと、二〇一一年六月までの資金調達百三十億ユーロのうち、約二十八億ユーロを日本が保有しているというデータがございます。日本としてこのような状況を、時間がございませんのでまとめて、安住大臣はどのようにお考えなのか、更に追加していくお考えなのか。こういう問題というのを良いことと言えると思って、私は個人的にそう思っておりますが、そうであれば、やはりそれを、欧州のためにやっているんだということを、今日午前中、林委員から別の問題でPRをすべきではないかというお話がありましたが、この問題についても同じように、より欧州だけではなく、世界に向けてPRもしていっていただけたらと思います。
 まとめてお答えいただけたらと思います。
#156
○国務大臣(安住淳君) まず、先ほどまでギリシャの支援等で大変ヨーロッパとして長い審議をしておりましたけれども、今御指摘ありましたように、ギリシャ国債の五〇%カットということをインバイトしていくということが決まったようでございます。
 これはやっぱり大きな前進だと思いますが、しかし、御指摘のように、これから資本注入等が始まりますので、先生から御指摘のあったEFSF債の活用というのは非常に重要なものになってくると思います。御指摘のように、百三十億ユーロのうち今約二十七億ユーロでございますが、今まで貢献をしております。
 今後どうするんだということでございますが、欧州自ら頑張っていろんなスキームをつくって今から動き出しますので、そういうものを見ながらではございますけれども、欧州の安定化は我が国にとっての国益に資するという観点に立ちまして必要な措置というものは適時とらせていただきたいというふうに思っております。
#157
○中山恭子君 ありがとうございます。
 時間が来ておりますので、例えば、このユーロの債券を日本の政府短期証券を発行してそれをユーロ債に転換するといったようなことなども、ある意味では円高対策の一つとも考えられると思っております。いろんな意味で、円高対策、為替相場安定対策としてあらゆることをお考えの上で思い切った対策を取って進めていただきたいと期待しております。
 ありがとうございます。
#158
○若林健太君 自由民主党の若林健太でございます。
 財政金融委員会に移籍をしまして、今日初めての委員会でございます。初めての委員会で初めての質問と、先輩の胸をお借りして三十分の質問時間やらせていただきたいと、このように思います。
 復興に向けて午前中から様々な議論が進んでまいりました。まず最初に、私は、この復興に関して、その復興債の償還財源、このことについてまずお伺いしたいと、こんなふうに思います。
 報道等によりますと、たばこ税を償還財源として充てていくという、一本二円ですかね、充てていくというようなことが報道に出ております。
 御案内のように、このたばこ税は、昨年十月に一本三・五円の大増税を断行いたしました。これは、参議院の予算委員会で当時の鳩山総理が、税収が減ったとしても健康の方が大事だと、そういう発言をされるなど、健康目的として増税を決めたものであると、こういうふうに言われています。そして、この過去最大の大増税によってたばこ価格はおよそ三割ぐらいですかね、値上げをされて、販売数量が前年から二割削減をされ、そして生産者、葉たばこの生産者ですね、これが大体全国平均四割の廃作を余儀なくされていると、こういう厳しい事態に至っているわけであります。
 今回、二年連続して、しかも二円という大幅増税を復興財源として時限立法として行うということでありますが、その目的はどのようにあるのか。これほどまでたばこ税に負担を求めることについて、課税の公平性、そういう観点に堪えられる目的が示されるのかと、お伺いしたいと思います。
#159
○副大臣(五十嵐文彦君) おっしゃるとおり、昨年の改正で今年影響がかなり出ていると思いますけれども、三・五円のたばこ税増税がありました。引き続いてのたばこ増税はどうかというやはり意見がありました。あくまでも健康目的で考えるならば、臨時ではなくて恒久的に、計画的に上げていくべきではないかという意見もございます。
 私どもも、たばこを入れたケースと入れないケースで選択肢を用意をさせていただきましたけれども、地方の自治体の方は全国の防災事業をやりますので、その負担分を地方にも求めたいという中で、地方の方が地方たばこ税一本一円分の増税を求めてこられまして、これがないと逆に均等割をもっと上げざるを得ないというお考えがあったのかなと、こう思います。
 そして、地方たばこ税だけを上げますと、逆に言うと、外国たばこに負けてしまう面があると思います。コスト差がありますので、外国たばこはその増税分を飲み込んで上げない、日本のたばこだけが値上げを余儀なくされるということもあり得ると、そういうことも鑑みて、国税の方も上げるという考え方がやはり出てきたというのはこれはもう正直な話でございます。中途半端な引上げよりはある程度のロットを持った引上げの方が日本たばこにとってはいいという考え方が出てきたと。それを取るか、たばこを入れないケースを取るかというのを政治判断をしていただいたわけですけれども、政治判断としてはたばこ税も含めようではないかという考え方も含めてそういう方向が打ち出されたと、そう承知をいたしております。
 そして、葉たばこ農家の問題については、これは廃作奨励金を引き上げるという形でJTさんの方が会社の政策としておやりになっていて、それに応じる方が増えたということが耕作をやめる農家が増えている原因と承知をいたしておりますけれども、できるだけ配慮を今後とも政府としてもしていきたいと、こういう考え方は持っているところでございます。
#160
○若林健太君 今の御答弁でいきますと、前回の、昨年の増税の目的は健康目的であったと、しかし今回は財源目的であると、こういうふうに御答弁をいただいたわけであります。そうしますと、これ時限立法と、十年時限でやるということですから、十年たばこを一本二円ずつ上げていって、十年後、これ時限が終わったら値下げをされるんでしょうか。
#161
○副大臣(五十嵐文彦君) そのときの状況で下げることも当然論理的にあり得ると思いますが、一方で、健康目的のために一定の水準までは引き上げるべきだという意見も厚生労働省を中心に根深くございますので、そのときそのときの判断になるかと思います。
#162
○若林健太君 これを財源目的で今回上げるということで、時限で十年、健康目的ではないと、こういうお話でありました。これが既得権益化してなし崩し的に値上げ、たばこ増税が固定化するということは論理的にはやはりおかしいんではないか、このように思います。そのことは御指摘を申し上げたいというふうに思います。
 従来、たばこ税の増税については自民党時代も何度か増税をしてまいりました。増税をするときに常に話題になるのは販売数量の減少との見合いのことなんですね。御案内のように、大幅に値上げをすると販売数量というのは下がります。したがって、今税収目的だと、こうおっしゃられましたけれども、大幅な値上げをすると現実には税収は上がらないと、こういう実態も一方であるわけですね。そのために今までのたばこ増税については〇・八%台、一%を割るというような形で数量が落ちないという配慮をしていたわけですけれども、今回、昨年の三・五円に続いて二円上げようとしていると。これは、本当にそういう意味では税収増、そのことがこの二円によって担保されると、このように思われておられるのかどうか。この数量減についての配慮というのはどう考えているか。
#163
○副大臣(五十嵐文彦君) ありがとうございます。
 昨年の十月のたばこ税増税の影響でございますけれども、おっしゃるとおり約一割ですかね、二千三百三十九億本から二千百二億本に約二百三十七億本の減少を見ております。ただ、一方で、値上げ効果がありまして、収益的には約八百五十億円の増収になっております。
 そこで、これから更にということでありますが、一応見通しは立てておるわけでありますが、例えば厚生労働省のこれは一方的な言い分かもしれませんけれども、厚生労働省では、七百円程度までは実は本数は減るけれども税収は減らないという試算があるんだという主張をされております。
 あと、見通し、自然減を五%と見込んだときの見込み本数等が一応想定をされておりますけれども、この想定と比べる限りでは、増税があった場合の方が増税がない場合よりむしろ税収全体は上がってくるかなという予測が立っております。
#164
○若林健太君 たばこ増税をすると、実は増税をする直前に駆け込み需要があったりして正確な数量格差というのは出にくいと、こういうこともあります。現状、今ちょうどもうあと一か月ぐらいすると数字が出てくるというお話ですが、今年に入って今年度税収増分というのは一体幾らぐらいになっているのか、その点をちょっと教えていただければと思いますが。
#165
○副大臣(五十嵐文彦君) 今、先生がおっしゃったとおり、まだ数字が出ておりませんので、まだまとまっておりません。
#166
○若林健太君 非公式ですけれども、大体五百億から百億ぐらいの増収になっているんではないかと、こう聞いているんですが、今お話のありましたように、年間のたばこの販売数量というのが二千百億本、三・五円引き上げたとすれば本来七千億ぐらいの税収増がなきゃいけないんですけれども、それに対して最大見ても一千億、やっぱり想定した税収増というのは見込めなかったというような状況になってきている、こういうことだと思うんですね。
 私の周りの人たちも、今度また増税すれば俺はもうたばこやめるぜという人は随分いらっしゃるんですね、もう既にワンコインで買えないような高価なものになってきておりますので。そういう意味では、次のこの二円の増税というのは相当数量を落とし込んでしまうんではないのか、やっぱり想定したような税収を上げることができないのではないか、このように思います。
 今政府のいただいている資料によりますと、年間で二千百億円をベースとして国税で一円、二円だから一円ですね、一円プラスだと。だから、〇・二兆円、十年で二兆円の税収が上がるという試算をしています。ところが、今お話をさせていただいたように、販売数量の減少ということを見込めば、この十年で二兆円というのは実は現実性の非常に低い数字なんではないかと、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
#167
○副大臣(五十嵐文彦君) 今、それらも含めて想定をしているところでは、六%程度の需要の減少があるだろうと見込んでおります。二円、この税率引上げをした場合ですね。その見通しで上がりますので、今のところ大きな、それも含んで収支を見込んでおりますので、それ以上の減収になってしまうということは想定をしていないわけでございます。
#168
○若林健太君 毎年六%ずつもし下がるとすれば、よく考えてくださいね、二千百億本で一円で二千百億円ですよね。それ、毎年六%ずつ下がっていって、十年で二兆円になりますか。とてもそういう数字にはならないと思いますけれども。
#169
○副大臣(五十嵐文彦君) 毎年六%下がるとは計算をしておりません。だから、この引上げによって六%下がると。
#170
○若林健太君 十年間通して六%しか数量が下がらないと見込んでいると、こういうことでしょうか。
#171
○副大臣(五十嵐文彦君) いや、そのほかに自然減、人口構成の変化とか喫煙の傾向等の自然減もあるかと思います。
#172
○若林健太君 当然、今回の値上げによる減少分と、それから実はたばこについては、私も実は禁煙、禁煙というか、たばこ吸いませんけれども、順にずっと低減してきているんですね。その低減部分を見込んで数字を積算しなければならないと、こういうことだと思うんです。
 現状、今試算されているのは、今の販売数量二千百億本をベースにしても、十年で二兆一千億なわけですよ。そのままだとしても二兆一千億なわけですよ。本当に、じゃ一千億しか下がらないんですか。ちょっと積算が甘いんじゃないのかと、こう御指摘をさせていただいていますが。
#173
○副大臣(五十嵐文彦君) 将来の様々な要因によって変動いたしますので、中長期的に十年分をあらかじめ見通すのは難しいと、こう思っておりますので、機械的にこのような計算をせざるを得ないということだと思います。
#174
○若林健太君 それじゃ復興財源として御説明されていることが、よく実は将来のことは分からないと言っているのと同じことなんですよ、副大臣。それはおかしいじゃないですか。いま一度御答弁をお願いします。
#175
○副大臣(五十嵐文彦君) たばこ消費が減少にある傾向を踏まえて、その計算を一応はしております。そして、今回の措置で六%程度落ちるであろうという、そういう状況で計算をしているということで、税収そのものは、落ち込みは、落ち込みというかむしろ増収はその程度であるだろうと、こう思っています。
 今までの予測でも、実は三・五円の値上げのときも、当初の予測はもっと落ちるであろうと思っていたのが、思ったよりは落ちなかったというのが現実でございます。
#176
○若林健太君 副大臣、私は今数字でお伺いしています。今の副大臣のお話は、前回はそんなに落ちなかったからまあいいんじゃないかとか、そういうお話になっているわけです。
 要するに、今、政府で出している、試算している数字は、毎年二千億。二兆円、十年で財源としますよと、こう言っているわけですね。現在の販売数量が二千百億、それはそんな数字にならないじゃないかとこういうことを言っているわけで、それについてのお答えをやっぱりしっかりしていただかなきゃいけないと、このように思います。
 改めてこの点については御質問させていただきたいと思います、もうこれ多分ずっと平行線になってしまいますので。しかし、償還財源について、今政府の御説明になっているたばこ増税二兆円というのは大変危ういものであるということの御指摘は今日委員の皆様方にも御理解いただいたと、このように思います。
 全国平均四割、これ廃作になったんですね、葉たばこ農家。安住大臣なんかも田舎の御出身だから分かると思いますけれども、葉たばこというのは中山間地にとっては大変重要な作物で、JTが全量買取りをしていたことによって非常に安定した、中山間地にとっての雇用の場でもあったということなわけです。それが、昨年の値上げによって四割、まさに廃作に追い込まれていると、こういう状況でありまして、これを一体、これに対して、中山間地、どういうふうにするつもりなんだ、廃作に追い込まれた農家に対してどうするんだと、このことが問われているところへ、更に今回また二円増税をすると、こういうことなわけなんですね。
 平成二十二年度の税制改正大綱には、たばこ法制については、現行のたばこ事業法を改廃し、たばこ事業の在り方について、たばこ関係者の生活や事業の将来像を見据えて新たな枠組みの構築を目指すと、こういうふうに書いてあります。果たして三・五円の増税の後、新たな枠組みを示しているでしょうか。そして、それを前提として今回の二円の増税ということを考えているんでしょうか。この点についてお伺いしたいと思います。
#177
○副大臣(五十嵐文彦君) 二十三年度の税制改正大綱におきましては、たばこ法制について、現行のたばこ事業法を改廃し、たばこ事業の在り方について、関係者の生活や事業の将来性を見据えて新たな枠組みの構築を目指すということになっております。
 今回のたばこ増税措置については、今後、たばこ税については、こうした今回の措置のような考え方も含めて、たばこ事業法を含むたばこ事業の在り方を引き続き検討をしていくということに民主党の税調の要綱の中で記されているところでございますので、そうした線に沿って検討を鋭意進めてまいりたいということでございます。
#178
○若林健太君 要するに、三・五円の大増税、多くの皆様方にこの制度の枠組みそのものが問われるような大増税をこの間やったわけですね。これについては制度の見直しをしますと、こう言っていたにもかかわらず、いまだできていないと。検討するということは、できていないということですよね。それでなお今回また二円増税をしようと、こういうことなわけであります。この点については是非、本当にそういう姿勢でいいのかどうか、よく考えてもらいたいというふうに思います。意見として申し上げさせていただいて、ちょっと時間がだんだんなくなってまいりましたので、次の話題に移らさせていただきたいと思います。
 午前中、我が党の佐藤委員あるいは先ほど中山先生からもお話がありました復興債の償還期間についてのお話でございますが、私も、今回のこの復興債について、現役世代でと、この名の下に十年にこだわり過ぎることについて大変疑問に思っております。復興の事業内容をやっぱりつぶさに見ながら、将来にわたってその便益の得られるようなものについてはそれに対応した期間で負担をしていくという考え方、少し柔軟に幅を取っていくという考え方を取るべきじゃないかと、このように思います。これは先ほど二人の先輩方から御指摘がありました。
 私はそこで、あえてなぜ十年なんですかと、このことをお伺いしたいと思います。十年の根拠、それについてお伺いしたい。
#179
○国務大臣(安住淳君) まず最初に、葉たばこのことは、もう長野県の、先生、お父さんの代から大変葉たばこに思いやりを持ってやっていただいていて、私も、霜とか朝露に弱い作物で、非常に農家の皆さん、骨の掛かる品物だということはもう昔からあって、ただ、専売でやってきましたので収入が安定していると。率直に言うと、過去もうずっと困ったときに甘えてきたことは政府として責任はあろうかと思いますけれども、今回私も理財局からお話を聞いたときに、農水省さんもおられると思いますが、九州地方で特に今回もうやめるというようなことを御指摘の方も多いというふうに聞いておりますので、今後、先ほど副大臣も話ありましたように、もしおやめになる場合の転作を具体的にじゃどういうふうにするのかとか、営農指導というのは政府としてしっかりやらせていただくと同時に、残った皆さんに対するサポートをやっぱりやっていかないといけないというふうに思っておりますので、その点はまずお話をさせていただきたいと思います。
 復興の十年は、やはり私や若林先生のような世代の現役世代で頑張って払っていこうと。復興の計画期間は十年ということですから、十年の中には大体、ここにおられる先生方、皆さん大体現役世代で入っておられますので、何とかその十年で、まあ税の負担も一つの区切りというふうな考え方をとらせていただいたということでございます。
#180
○若林健太君 大臣、それを根拠というのは非常に脆弱だというふうに思います。
 例えば、現役世代が負担をするというのであれば、我が党の茂木政調会長は三十年と、こう言っていましたね。例えば、二十歳で社会に出て六十で定年を迎える。四十年、ほぼそれぞれの通常の青年の皆さんが働くとすれば、まあ老いも若きもいらっしゃいますから、平準化して二十年とか、いろんな理屈の立て方はあると思うんです。しかし、今のように、理屈抜きにして取りあえず十年と、こういうようなことではなかなか、国民の皆さんに負担を求めることですから、納得をいただけないんではないか。
 私は、間違わないでいただきたいのは、もっと長い六十年なりのタームを持ったものも入れるべきであるというふうに思います。しかし、そうでない部分について現役世代でしっかり負担をしていきましょうということについて、その部分についてもしっかり論理的根拠を持ってもらいたいと、十年に果たして本当に根拠があるのかということを御指摘を申し上げさせていただきました。
 ちょっと時間がないので、次に移らさせていただきたいと思いますが、金融庁に。
 実は、私は公認会計士でありまして、委員長とは大学の同級生と、こういうことでございますが、同じ公認会計士で。今日はちょっとこのことだけ一つお伺いしておきたいと、こんなふうに思いました。竹谷先生もそうでしたね。
 二〇〇九年六月に、企業会計審議会の「我が国における国際会計基準の取扱いに関する意見書(中間報告)」というのがありまして、その国際会計基準ですね、国際会計基準の強制適用の判断は二〇一二年めどに行いますよと。そして、実際の強制適用は判断の時期から三年準備期間を経て、すなわち二〇一五年から一六年に行いましょうと、こういうふうにされていたわけであります。しかし、自見金融担当大臣が本年六月二十一日に、少なくとも二〇一五年三月期についての強制適用は考えないと。仮に強制適用する場合でも五年から七年程度の準備期間を設定すると、こういうふうに発言をされて、事実上先送りをされたわけであります。
 強制適用の先送りをされたわけですが、今度もう一つ、判断をする時期を二〇一二年と当初その中間報告で言っておりましたが、この判断の時期について実は言及されていません。少なくとも、何らかの判断をこの一二年のうちにやるのかどうか。中間報告はまさに公表されておりますので、政府が国際的にも公約をした内容だと、このように思いますが、いかがでしょうか。
#181
○副大臣(中塚一宏君) 今の御指摘の国際会計基準の適用の時期についてなんでありますが、お話にありました自見大臣が記者会見で申し上げましたのは、取りあえずのめどとされている二〇一二年にはとらわれず、丁寧かつ十分に時間を掛けて議論、検討を進めていただきたいということでございます。
#182
○若林健太君 二〇一二年にとらわれずということは、その期限で判断をしないということを含んでいるということでしょうか。
#183
○副大臣(中塚一宏君) 今申し上げたとおりで、二〇一二年にとらわれず、丁寧かつ十分に時間を掛けて議論、検討を進めていただきたいということであります。
#184
○若林健太君 日本の国際会計基準の批准をどうするのか、これは世界が非常に注目をしております。確かに、アメリカが先送りをして、それに今歩調を合わせて日本が先送りするような判断をしましたが、既にお隣の韓国は適用しておりますし、アジア各国も適用していると。そして、日本はこの国際会計基準を作り上げていくためのボードの主要メンバーとして、アジアの代表としてこの間ずっとかかわってまいりました。そういう意味では、一定の責任が国際的に日本にはあると、こういうことだと思います。
 適用の範囲、これは例えば上場会社全てを強制適用するというのは大変じゃないかと、こういう話があることは確かにあります。グローバルビジネスをやっているところだけに限定をするだとか、それぞれ検討することは必要でしょう。しかし、国際公約とまで言っていいかどうかあれだけれども、政府が正式な機関で二〇一二年までに決断すると、こう言ったものについてまで先送りを今この時点でして本当に国益は守られると、このように思われますでしょうか。もう一度御答弁をお願いします。
#185
○副大臣(中塚一宏君) 先ほど申しました、取りあえずのめどとされている二〇一二年にとらわれずということでありますが、二〇〇九年六月の企業会計審議会中間報告で書かれておりますのは、二〇一二年をめどとすることが考えられるという書き方になっております。その審議会の中間報告自体はまだあるわけでありまして、ただ、大臣はそれにとらわれることなく検討をしてほしいということを申し上げているということです。
#186
○委員長(尾立源幸君) 若林君、時間来ておりますので、簡潔にお願いします。
#187
○若林健太君 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますが、国際的に日本が約束をした期限、これをしっかり守る、このことは大切なことだということを申し上げておきたいと思います。
 そしてまた、今この国際会計基準の批准についてのサテライトオフィスを東京に置いていただいていますけれど、中国も韓国もその立場を狙ってきていると、こういう状況に今日本はあるんだと、その中でどれだけ国際的な責任を果たせるのかと、このことが問われていると、このことを御指摘して、しっかり対応をいただきたいというふうに思います。
 以上で終わらさせていただきたいと思います。
#188
○田中直紀君 民主党の田中直紀でございます。
 まず、安住財務相がG7に出席をされました。九月の九日、マルセイユのG7、そしてまた、引き続き九月の二十二日にはワシントンでのG20、そしてまた、引き続き十月十五日にパリでG20と、こういう慌ただしい中での大臣の御活躍に期待をいたしております。
 G7というのは、元々、各国が国際会議で自分の立場を主張するというような国際会議になっておると、こういうふうに認識をしておりますが、G7で成果を公表して合意文書を出したと、こういうことでございます。
 内容につきましては、いろいろ報道をされておりますけれども、一つは、世界経済が成長の減速の傾向に突入したと、こういう認識で一致をしておるということであります。その中で、財政再建を訴えながらも、やはり世界はこれから財政出動をして成長していくことも努力していかなきゃいけないという認識も、両論というか、両立をさせていくということが、世界の経済が心配されると、成長していかなきゃいけないじゃないかと、その中でまた金融不安を解消していこうと、こういう、G7としては自らの国々厳しい状況にありますが、しかし、しっかりした対応をしていこうという両にらみの会議ではなかったかというふうに報道をされております。
 為替問題、我が国は歴史的な円高ということで常々国際会議に主張していかなければいけませんし、なかなか各国の反応もいま一つだという報道ありますが、しかし、我が国も大震災を迎えておりますが、この第三次補正予算という目前にあって、やはりこのG7において、またマルセイユというのは大変いいところなんでしょうか、私は行ったことはありませんが、表現力豊かな大臣でありますから、その辺の雰囲気をまず、そしてまた、各財務大臣と非常にスキンシップを深めたと、こういう報道があると、こういうことでありますから、その辺、非常に溶け込んだようでありますが、是非、その成果をまず報告をしてください。
#189
○国務大臣(安住淳君) いろいろ御指摘、激励をいただきましてありがとうございます。
 就任以来約二か月で国際会議三回ということで、非常に私自身もハードな日程でございましたけれども、今先生からお話しいただいたように、非常に密度の濃い会議と、それから公式、非公式を含めるとそれぞれ五、六回ずつこれで顔を合わせましたので、非常によくお人柄とか考え方が分かるようにはなってまいりましたので、こういうネットワークを通じて国益をできるだけ追求をして、我が国の利益になるような行動をこれからも取ってまいりたいと思っております。
 実は、G7は発足時には比較的世界経済等について固い話が多かったと私聞いております。ところが、近年においては、特にサブプライムローンの問題に端を発してからは非常に自由討議を行うようになってきたと。もちろん共同声明を発表するときもありますが、むしろ、何といいますか、シングルイシューに近い形でこれをどうするんだというような率直な意見交換をするということも非常に出てきまして、やはり目下でいえば、欧州問題というものはどうしてもマルセイユでもパリでも、このG20もそうでございますが、やっぱりどうしても議題に、中心にならざるを得なかったというのが現実でございます。
 その中で、御指摘のありました経済成長とそれから財政再建をどういうふうに果たしていくかということが常に中心議題でありました。国内に帰ってまいりますと、日本だけが何か財政再建を言って、消費税の問題にばっかりクローズアップをされますが、世界の中ではやはり財政規律の話というのはもう避けて通れないと。これは、実はトロント・サミット以来、むしろ日本はどういうふうにアクションプランを作るんだということを再三再四言われております。つまり、それぐらい対GDP比の累積債務については、実はイタリアなんかはプライマリーバランスに対しては日本よりもはるかにいいにもかかわらず、言わばそのターゲットにされかねないような状況に今あるわけですね。これはやっぱり累積債務というものをほっといていいわけがないので、これはしっかりやるべきだということはかなり実は言われるわけでございます。
 これはなぜかといえば、ドルとやっぱり円とユーロは世界のやっぱり三大通貨でございますから、その決済システムに支障が出れば、世界経済への影響は計り知れません。そういう意味では、通貨の信頼を保つ、そしてその発行を行っている言わばその国の財政というものを安定させると。金融商品も様々出ましたけれども、しかし、今やその金融商品の新しい発掘というのは限界があるんではないかと。そういう中で、やはり国債の購入に頼る金融機関も非常に多くなってきたのは先生御存じのとおりです。これまでのように、金融機関が例えば何か駄目になったり、特定の住宅公社が駄目になることで危機があれば国家がそれを救済するというのがありましたが、今や国の債権がそのまま信用不安になるということは、言わば後ろにもう備えがないという状況である、徳俵に足が掛かっているんだということを世界的にみんなが認識しているからこそ、今回のコミュニケでも財政再建というものに対して逃げずに取り組むべきだということが盛り込まれていると。
 一方、経済成長をどう図るかということは非常に難しいことでありますが、これについてもやっぱり先進国、特に貿易黒字国についてはしっかりとそれを世界に還元する努力というものをするべきであると。また、貿易等々、経常収支が赤字の国についてはしっかり貯金をしろというところまで言わば指摘せざるを得ない状況にまで至っているということでありますから、世界の健全な経済の発展というものを目指して今から各国が共通の課題に向かってやっぱり取り組んでいかなければならない、ある意味では危機的な状況だということを認識をしているという次第でございます。
#190
○田中直紀君 その後、九月の二十二日にワシントンでG20、そしてまた十月の十五日にパリでG20が開催されたわけでありますが、最初の方は今、大臣が言われたように、持続的な成長と財政再建に向けて行動計画を策定していこうと、こういうことで合意をされておるようでありますし、我が国もその行動計画というものを進めていかなければいけない。その延長線でしょうか、後でまた質問いたしますが、消費税増税を国際公約をするというところまで踏み込んで発言をされたと報道されておりますので、相当行動の方が早いなというふうに少し認識をしておるところでありますが、その後のG20の二回目のところでございますけれども、この中で、アメリカと日米結束をしてヨーロッパに立ち向かうということでしょうか、支援を差し伸べながらも日米の結束を強めると、こういうことで臨んだと、こういうふうに報道をされております。事前に日米で財務相の会談をして、そしてこの欧州の信用不安を解消しておこうと、こういうことであろうかと思いますが、いろいろ日米の間には多くの懸案が、課題があるわけでありますし、その中の一つとして金融も話題になってきております。
 そういう中で、日米の結束というのが具体的にどういう形で図られ、そしてまた臨まれて対処してきておるか、この辺がなかなか具体的にお話しいただけるかどうか、こういう会議でありますが、その辺の金融における日米の結束と国際会議に当たる立場というものが、御報告していただければ、お願いしたいと思います。
#191
○国務大臣(安住淳君) ガイトナー長官とは折々に私も話はもう就任してからさせていただくようになっておりますが、御存じかもしれませんが、日本に在籍していたこともありまして、大蔵省にも随分お付き合いの深い長官でございますので日本のことはもう大変よく知っているわけでございまして、そういう点では非常に話しやすい我々にとっては長官ではないかと思います。
 日米の結束というよりも、先般以来、私どもとアメリカ側での考え方というのは、共通の認識を持つというのはやっぱりヨーロッパに対する考え方でございまして、とにかくヨーロッパには力があるので、ヨーロッパ自らの力でやっぱりこのギリシャ危機等を解決してほしいということを強いメッセージとして出してまいりました。
 アメリカも財政的には大変今厳しい状況でありますし、議会もねじれておりますから、補正予算等が、計画は出しましたけれども成立をまだ図っているわけではないと、アメリカも非常に厳しいということはガイトナー長官も指摘をしておる。
 私も日本の情勢というのは伝えておりますので、そういう意味では政治的な立場というのも非常に似ているところもありますが、一点とにかく、ヨーロッパについてはとにかくまず自らの力でこのスキームをしっかり作ってやってほしいということで、認識を合わせて会議にこの間は臨ませていただいたというのが事実でございます。
 ただし、我が国の為替等の問題についてのことが完全に一致をしているかといえば、それぞれに国益がございますので全てが一致をしているわけではないということも申し添えさせていただきたいと思います。
#192
○田中直紀君 ありがとうございます。
 円高対策ということも一方であるわけでありますから、アメリカに対してはやはり言うべきことは言って、そして歴史的な円高、ユーロ安という中にありますけれども、ドル安であるわけでありますから、その辺は並行して、アメリカに対してもこの厳しい状況というものを伝えてもらうということが大事ではないかと思っております。
 欧州金融市場の信用不安と日本の関係ということで、今日、日本銀行の、日銀の皆さん方にも来ていただこうかと思いましたが、重要な政策決定会合だと、こういうことでございますが、財務省、大臣から、四点ほどありますのでお話を申し上げ、コメントがあれば聞かせていただきたいと思います。
 各種の経路で日本に対して影響があるのではないかと、こういうことでございまして、一つは長期金利や国際金利の上昇など、我が国の財政赤字に対する懸念から生ずる影響はどうかということであります。それから、ギリシャ国債の保有や関連地域への融資などによる我が国の金融機関やシステムへの影響があるんではないか、そしてまた、円高による我が国企業、実体経済への影響はどうか、新興国経済に対する波及が更に我が国へ及ぼす影響があるんではないかと、こんなことを念頭に置きながら今回の信用不安を対処していくというのが政府と、そしてまた日銀の役割ではないかと思っておりますが、その辺のコメントがありましたらお願いをしたいと思います。
#193
○国務大臣(安住淳君) 適切に答えさせていただけるかどうかちょっと分かりませんが、私なりにちょっとお話をさせていただきますと、日本銀行は、本日、政策決定会合におきまして、資産買入れ等の基金を五兆円増額することを正式に決定をいたしました。これは、金融政策における包括的緩和の一環として長期国債の購入に充てるということで一段の努力をしていただいたものであるというふうに評価をしております。今後とも、金利を安定させながら緩和をしてデフレの対策に取り組んでいただくということは非常に重要なことであるということで、日銀と緊密に連絡を取りながら対応していきたいというふうに思っております。
 ギリシャ国債の、先生御存じのとおり、決済システムへの影響がどうかということで、まずこれも喫緊の課題でございましたが、先ほども申し上げましたように、欧州においては、先ほどこのギリシャ国債のカットという最大の問題については五〇%とするということで、これは民間の投資家が保有する分についてはということで働きかけをしていくということが正式に決まりました。昨日以来、本当に徹夜で第二支援プログラムのまとめをかけておりましたけれども、ようやくこれでまとまったということですから、一つ山を越えたのではないかと。ただ、今後とも、ギリシャに限らずユーロ圏内のシステム不安というものの解消、これは私はしっかりやっていただきたいというふうに思っております。
 私は、G20やG7の間の会議でも、バイのときには日本の不良債権問題は実は例に出させていただきました。当時、当局は当初は十九兆円程度しか不良債権はないと言っていましたけれども、結果的にはそのもう何倍もの、何十倍もの不良債権があって、処理には相当な時間のロスとエネルギーが掛かってしまったと、このことが日本経済にバブル後非常に大きな影響を与えたということを。
 ですから、正直に正確にやっぱり市場にそれを出してもらわないとヨーロッパの信用不安というものの解消は難しいんじゃないかと。現に、少し言い過ぎかもしれないですけれども、デクシアの問題はストレステストというものをしっかりやったというふうなことを公表された後から出てきた問題なんですね。そういうことがあって、欧州のシステム不安というのはやはりこれで大丈夫だというところまで行き着いていないのは事実なので、これをちゃんとやっぱり解決をするというのは大事だと思います。
 我が国への実体経済への影響は、まさにこのサプライチェーンの回復がありましたけれども、輸出産業を通して非常にその影響が今、為替レートでは出ているということは事実でございますので、第三次御指摘がありました補正予算等でやはり円高に立ち向かう企業を支援をしていくというようなことも重要だと思っております。
 最後に、新興国への影響はどうかということですが、これもギリシャ国債の問題でのシステム不安に連なる問題でございます。
 先ほどから自民党の佐藤議員からも個別具体の数字を挙げていただいて、やはり二〇%近いヨーロッパの銀行の東南アジア等への出資額が抜かれた場合どうなるかとなれば、九〇年代後半の通貨危機というのは現実味を帯びてくるわけでございます。そうした意味では、成長の幅が非常に高い、成長率の高い国に対してのこうした急激な資金の枯渇というのはあってはならないことでございますので、そういうことをしっかりとやはり我々の国もサポートをするし、IMFの役割というのも非常に大きいので、そういうところはやはり認識は先生と一緒であるというふうに思っております。
#194
○田中直紀君 引き続き御努力いただきたいと思いますし、日銀が政策を一歩踏み込んでおるところでありますので、第三次補正予算の円高対策についてはやはり不十分だというような認識もありますので、政府におきましても具体的な円高対策というものを更に努力を要請をいたしたいと思います。
 引き続きまして、消費税増税の国際公約につきまして、日本の新聞は、大臣が海外のどういうところで発言されたかは認識をいたしておりませんが、パリのG20において消費税の五%引上げを国際的に公約をしたと、こういう報道がされたわけでありまして、一方で、歴史的な円高という状況下において、確かに国際的に我が国の財政再建というものは求められているわけでありますけれども、当面の円高からいえば、これ、介入、万が一したとしても、八十円ぐらいに戻ったとしても、これどう見ても、七十円台に逆戻りするという状況下にあるというさなかに増税を公約するということになれば、円高が長期化するというようなおそれもこれはあるわけでありますので、発言はされたわけでありますので、もっときめ細かく、我が国は消費税の増税というものを確かに考えているわけでありますけれども、いろいろな法律的な問題、そしてまた国民的な理解、そしてまた何といっても景気回復というものが大前提に置いて消費税というものは増税をしていくんだという、そういう説明をしながら、そして一方で大震災の復興復旧というものがあるんだと。
 その非常に厳しい環境の中での運営であるということの説明をしていただかないと、苦言を呈して大変恐縮でありますけれども、これは残念ながら、円高というものを何とか、その対策、政府もあるいは日銀も努力をしていこうということでありますけれども、私の危惧で終わればいいわけでありますが、なかなかこの円高対策というものが大変な状況にあるということでありまして、このまた状況でのタイミングというこの真意を大臣からお聞かせいただきたいと思います。
#195
○国務大臣(安住淳君) 本当に御心配いただいて恐縮でございます。
 私、G20の中でどういう発言があったかとか、フリーディスカッションですから決して公言をするものではございません。ただし、日本の財務大臣として出席をしているわけですから、おおよその発言の骨子について記者会見で申し上げたわけです。
 簡単に申し上げますと、財政改革の問題について、プライマリーバランスをしっかりと二〇二〇年までに黒字化させるために、二〇一〇年から比べて二〇一五年にまず半減させるということをするために、消費税を五%から一〇%に、来年法律を出して何とか成立をさせていただきたいと。
 これは国際公約というふうに取られておりますけれども、私が申し上げた趣旨は、先生、六月の税と社会保障の一体改革において行われた議論、そして、これは閣議決定はしておりませんけれども、確認をしたわけでございます。その後、これは自民党政権下の中で成立をしました改正所得税法の附則百四条において、今年度中に法律を出すということが書いてあるので、この点について説明をして、プログラムとしてはそういうふうなことであるということを実は申し上げました。
 もちろん、先生の御指摘のように、この税の負担を国民の皆さんにお願いするというのは大変なことです。大平元総理の言葉を借りれば、本当に小魚を煮るように丁寧にやらないと駄目だということは私も重々心得ておりますので、今後、しっかりと党内また各党とも議論をさせていただいて、しかし一方で、やはり財政再建の問題もありますし、さらに、もちろんデフレの問題はありますが、やはり消費を喚起するという点からいっても、社会保障の問題を安定をさせていただくと。そのことはやはり私は、景気対策につながるとは思いませんが、国民の皆さんの安心感にはつながると思います。そういう点では、社会保障制度の新たな確立と、それをどういうふうにやっぱり担保していくかということはもう避けて通れない問題でございますので、何とかその新しい仕組みというものを努力をして私はつくっていきたいと思っております。
 誤解を恐れず申し上げれば、社会保障をしっかりとやることで、社会保障のために国民の皆さんからお預かりをした税、消費税というものは、必ず国民の皆さんに社会保障という形でお返しをするんだということを安心感を持って国民の皆さんに見てもらえるような制度改革というものをやっぱりやっていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
#196
○田中直紀君 確かに社会保障の問題についても大変予算の掛かることでありますが、今議論になっております農業問題もございます。消費税の万が一税収を上げるという中には、やはり我が国を支えておる農業対策にも、不利な立場でありますが、一%や二%この予算を回さなければ、この今のような環境の中での高度な経済連携というものの中でなかなか大変な農業環境ではないかと、こういうことでありますので、社会保障に加えて農業対策にも配慮をするべきではないかと思っております。
 五十嵐副大臣に一つ御提案を申し上げますが、──あっ、いらっしゃらなくなった。
 藤田副大臣、よろしくお願いいたします。まあ委員長のときに聞いていただいたと思いますが、この円高対策でなかなか各国の協調も厳しいような状況であります。国内的に、この何か実需のない投機的な取引というものが円高に影響をしておるということであれば、私は、国内でもそういう投機的な世界的なものでありますけれども、目を配っていくような、そういう法案を与野党で協議をして、我が国の経済を守っていくというような、何かこの考え方を具体化していただければ有り難いのではないかと思っておりますし、当然、復興復旧があるわけでありますから、我が国はいわゆる資金需要というものは幾らあっても足りないような状況でありますけれども、投機の対象にならないようにするという国内的な法整備もしていくべきではないかと思っておりますので、御検討をお願いをいたしたいと思います。回答は結構でございます。
 財務大臣の地元であります、地元の石巻市に先般、民主党の参議院の国会議員で研修がありまして、私は石巻の視察の方に参加をしてまいりました。去る十月の十九日でございまして、各委員から、非常に視察をされておるということでありますので、内容的には皆さん方も大変精通されているなということで質問の中で感心をしておったわけでありますが、もう地元でありますが、石巻市の四十四の漁港が全て破壊されてしまったという、沿岸水産漁業地域というものは大変な状況ではないかということをかいま見てまいりました。私の実の親の地元の相馬の磯部漁港というのは小さな、ホッキガイを捕っておるところでありますが、まあ私も近くに行きましたけれども、跡形もなく漁港がなくなっておるということに大変ショックを受けたわけであります。
 そういう中にありまして、陳情を受けました。石巻の秘書さんが石巻市長さんの亀山紘さんから陳情を受けて、秘書さんも受け取っておられたので分かると思いますが、全部で要求額は御存じでしょうか。
 そして、中身も非常にもう既にまとまって、項目が大変多い項目になっておりますから、今回の第三次補正予算では箇所付けが出ていないものですから、これを通すに当たって、各地域が、先ほどの話で被災した市町が四十四と言っておられましたけれども、何らかの被災が受けているのは六十二の市町村があるわけですね。そういう中で、石巻は二兆円要求をされております。じゃ、四十四を掛けると、まあ五十兆、六十兆の事業費というものが必要になってくると。
 こういう計算になるわけでありますから、着実に一つ一つやっていくことが一つだと思いますし、そしてまた、この補正予算を受けて、来年の予算をどう編成するかと。被災地の皆さん方にも足りないところを傾斜配分して、そして配分していくのか、あるいは国全体の予算を編成をして被災地の皆さん方にも理解をしてもらいながら次の対策も打っていかなきゃいかぬと、こういう状況になるわけでありますが、第三次補正予算のこの重点項目をお知らせいただきたいと思いますのと、次の来年度の予算も引き続き忙しい状況の中になるわけでありますが、その方針を聞かせていただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
#197
○国務大臣(安住淳君) 本当に私の地元に来ていただいてありがとうございました。また、奥様にも日ごろ、衆議院で隣の席でございましたものですから毎日激励いただきまして、趣味がル・コルビュジェの建物と、同じでございますので、いつもそんな話まで先生にはお世話になっておりましたけれども。
 それで、石巻のことですけど、漁港全部本当に駄目になったんですけれども、ここにも書いてありますけれども、やっぱり集約化をどうやって図るかと。全部というわけにはいかないと思うんですね、全部を元に戻すというわけにはいかないと。むしろ、高齢化をしている中で、やはり近代的な漁港を造っていこうということで今集約化を図っております。ですから、要望としては全部ということでありますが、私はやっぱりここはもう集約化をしてということでみんなで今、その集約の問題が難しいんですけれども、これをみんなでやっていると。
 漁港もやはり確かに全部やられて、非常に、二百億円近い水揚げ高を誇って、生産量はもう国内有数なんです。しかし、老朽化をしていたことも事実でございまして、環境衛生上のことからいいますと、みんなに私は申し上げているんですけれども、この災いを転じて何とか逆に近代化をして、先生御存じのように、HACCPというのは今はもう非常に環境衛生上必要でありますので、そういうものを整備して世界最先端の例えば市場を造るとか、そういう意味では、第三次補正というのは地域の再生のために水産を中心とした地域の私は予算として活用するということだと思います。
 公共についても、道路や河川それから橋等についても、これは急いでとにかく原状復帰をしてもらうように大いに事業の発注というものはしていただきたいと、それだけの予算を十分盛り込んでおりますので、早期の成立をお願いをしたいと思います。
 来年度の予算につきましては、三次補正で忙殺されておりますけれども、必要な事業については十分配慮をしながら、特にあえて言えば、東日本の震災も大事でございますけれども、もちろんこれは税負担等お願いしてやっておりますけれども、それに引っ張られて西の方の例えば公共事業等が大幅に減るとかというふうなのがないように、バランスをよく考えて対応させていただきたいというふうに思っております。
#198
○田中直紀君 終わります。
#199
○川上義博君 川上でございますけれども、おしまいの方になりますと、もういろいろ質問されていますから重複することがあるかもしれません。お許しをいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
 一つは、月例経済報告、直近のこの報告で、景気の現状について、震災の影響により依然として厳しい状況にある中で、引き続き持ち直している、こういう表現されているんですね。要するに、依然として厳しい状況にある中で、引き続き持ち直している、私はこれは何を言っているのかよく分からないんですよ。厳しい状況で持ち直しているとは具体的にどういう状況を言っているんですかということなんですよ。それを大臣にまずお伺いをしたいと思います。
#200
○国務大臣(安住淳君) これは、あえて言うと、私もこれ参加はしていますけど、私が執筆者ではなくて、担当は違うから、川上さん、本当は別の人を呼んでいただいて、私、了承したことは事実だから……
#201
○川上義博君 だから、感想でいい、感想。
#202
○国務大臣(安住淳君) ああ、感想。
 これ、サプライチェーンの立て直しが進展していることは事実なんですね。それで、非常に輸出関係については持ち直しつつあるということは事実だと思います。しかし、全体には消費購買等は横ばいであって、輸出も円高等によって急激な回復から横ばいになりつつあって少し弱まりつつあると、そういうことを言葉で表現すると、引き続き持ち直しているものの、テンポは云々というふうになっているんだというふうに思っております。
#203
○川上義博君 やはり閣議で報告されているんだから、これは大臣だったら共有しなきゃいけないですよね。
 要するに、震災後から現在にかけて消費とか生産が回復してきつつあると。しかしながら、円高等によって輸出が下がっていると。だからということなんでしょう、結局。私が言っていることなんでしょう。
#204
○国務大臣(安住淳君) この総論のところに実は書いてあるんですけれども、企業収益は減少していると、設備投資は下げ止まりつつあると、他方、企業の業況判断は改善していると、ただし中小企業においては先行きに慎重な見方がある、雇用情勢はどうかというと、持ち直しの動きが見られるもののまだ大震災の影響もあって厳しいと、個人消費というのは横ばいですよと、物価の動向を見るとやはり緩やかなデフレ状況にありますと、こういうことを並べた上で、先ほど私が言ったような話の中でこういう文章になったということですね。
#205
○川上義博君 先ほど、円高でなかなか輸出が厳しい状況にあると。どなたかの質疑で、円高は、今の円相場は正常というか、相場の水準ですね、これはなかなか言及されなかったんだけれども、この七十五円台というのは、これは非常にオーバーシュートしているんだというようにお考えなのか、今の円相場は適正なのか、なかなか言いづらいということでありましたけど、是非もう一度、素直におっしゃっていただきたいと思うんですね。やはり七十五円台というのはこれは厳しいよと、なのかどうか。これは、いや、七十五円も大丈夫だとおっしゃるのか。
#206
○国務大臣(安住淳君) 正確に申し上げますけど、最近の為替相場において一方的に偏った円高の動きが更に強まっていることを懸念しております。とりわけ、先週の金曜日の夜以降には短時間に急激な変動が生じる局面が見られております。
 このような相場動向が投機的な動きによるものかこれまで以上に注視し、投機的な動きに対し、必要があればあらゆる措置を排除せず断固として行動すると私は申し上げております。現在の市場の状況に鑑み、事務方には必要があれば断固として行動することができるよう絶えず準備を整えておくよう指示はいたしております。
 なお、最近の為替相場の動きの背景の一つには欧州債務問題への懸念があると思いますけれども、この問題に関しては、市場の信頼回復に向けて現在欧州は自ら努力をしておりますので、そうしたものも見極めつつ対応したいというふうに思っております。
#207
○川上義博君 厳しく対応したいという話でありましたけれども、先般の政府の総合対応策ですか、円高における、総合対応策を打ち出したんですね。にもかかわらず円相場が進んでいるんですよ。だから、政府のこの対策はやはり効かなかったというか不十分じゃないのかなと。更なる対策を、さっきおっしゃったんですけれども、更なる対策を打ち出す必要があるんじゃないでしょうか。それをちょっとお伺いしたいんです。
#208
○国務大臣(安住淳君) 二十一日の日に出して、その後また円高になっているじゃないかと。理由のことについて申し上げると、それはやっぱり欧州の問題等が、本来であれば解決を二十三日ぐらいにするのではないかと言われていたのが延びてしまったり、やっぱり紆余曲折を経ていることは事実だと思います。
 我が国の円高対策が今回第三次補正で盛り込まれましたけれども、ここには中小企業に対する立地、企業立地に対する支援や、それから金融スキームをしっかりと盛り込んでおります。それだけではそれは不十分かもしれませんが、今回、日本銀行も本日五兆円の更に追加の緩和政策を取ったり、やはり円高というのは特効薬があればいいわけですけれども、相対的な問題として非常に動いているものですから、やっぱり総力を結集してこれに立ち向かっていかなければならないと思いますから、私は先ほど、あらゆる措置を排除せず、いついかなるときも準備ができるようにということも申しておりますので、様々な手段を使って対応していきたというふうに思っています。
#209
○川上義博君 あらゆる措置を打ち出すということなんですが、先ほど企業の国内立地の補助をするとか議論がありましたけれども、JBICを通じて十兆円を出すとか、そういうことはあったんですが、国内立地を進めても円高水準ではなかなか輸出ができないと思うんですよ。国内立地を続けても、今の経済状況ですから、このお金で介入する方がまだましじゃないですか。円高総合対策、これはちょっと抜けているんじゃないかなと思うんですね。私の意見ですよ。
 それと、ドル資金を、ドルに換えて海外の企業買収をする。そうすると、市場にドルが流れるんですね。結果において、ドルの流通量が増加するので、また逆に円高を誘引する原因になるんじゃないですか。どう思われますか、それ。
#210
○国務大臣(安住淳君) そういう御見識だと承っておきます。
#211
○川上義博君 御見識じゃなくて、どうですかと言っているんです。立地を進めても、それは輸出が増えるわけじゃない。ドルに転換して企業買収しても、ドルが流れて、流通されて、より円高に進んでいくんじゃないですか、だから、今のやっている政策はおかしいんじゃないですかと言っているんですよ。
#212
○国務大臣(安住淳君) 立地対策というのは、変動相場制の中でこれが、今は厳しいかもしれませんが、為替が例えば仮に円安にどんとぶれた場合は、これは非常に効果あると思いますよ。ですから、そう短兵急に判断できる問題ではないんではないでしょうか。
 過去、本当に通貨が、スミソニアン体制が終わってから様々な危機がありました。石油ショックもありましたし、ニクソン・ショックもあったわけです。そういう中で、日本の企業というのはそのときそのときの危機を英知で乗り越えてきたんです。そういう中で、日本も立地環境をしっかりと整えて円高にこれから立ち向かっていくということを申し上げているわけですから、必ずしも効果がないという言葉は当たらないというふうに思っております。
#213
○川上義博君 いや、必ずしも効果が上がらない、少しの効果はあると思いますよ。
 じゃ、今の円高の根本的な原因というのは一体何だと思われますか、根本的な円高の原因というのは。多分、日本の円が、ヨーロッパに比べてもアメリカに比べても円が安全なんだというように思われているから円高になっている、そのようにおっしゃるかどうか分かりませんけれども、根本的な円高の原因というのは何ですか。
#214
○国務大臣(安住淳君) 様々な原因はあると思いますよ、相対の問題ですから。アメリカの経済状況やヨーロッパの状況がどうなのかということを考えれば、アメリカもQE2をやって金融緩和をしたわけです。そういう中で、何とかサブプライムローンの問題から端を発した金融危機を克服をして国内の経済を活性化していこうということで様々な努力をしておられるわけです。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
 しかし、今年に入りましてからの経済統計だけを見ましても失業率は九%台で高止まりをしていると、住宅の販売価格等もアメリカにおいてはそんなに高くなり始めているわけではないと、そういうことからいえば、アメリカ自身も景気の上向き感というのがなかなか出てこなくて苦悩をしているわけです。
 一方、ヨーロッパは、再三にわたって出ていますけど、ソブリンリスクから端を発して国の債権を持っている銀行が一番危機にさらされるという、これはやっぱり財政の問題から逃げてずっとやってきたツケというのを今払わないといけない状況になっているんだと思うんですね。
 じゃ、日本はそういう中で、やっぱり相対的に見てということですが、決して日本も財務状況、財政状況は決して御指摘のようにいいわけじゃないんです。ないんですが、やはり短期的な投機的な動きとそれから中長期の課題を抱えている国の為替というのは必ずしも一致しないと思うんですね。だから、深刻な問題を抱えている言わばリアルタイムな動きから見たときに、やっぱり日本というのは相対的に円買いにならざるを得ないような状況なのかもしれませんが、私は国際会議で申し上げているのは、それは日本の実体経済を全く反映しているとは思えないということを再三にわたって申し上げておりまして、そのことはコミュニケにも十分私は反映されていると思うんです。
 少し読みますと、我々は、強固で安定した国際金融システムが我々の共有する利益であること及び市場で決定される為替レートに対する我々の支持を再確認したと、我々は為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済及び金融の安定に対して悪影響を与えることを再確認したと、これはパリでの十月十四日、十五日に開かれたG20のコミュニケでありますけれども、ここには我々が主張したものが盛られておりますから、そういう点では、円高の影響というのは今私が言ったようなことではないかなというふうに思っております。
#215
○川上義博君 多分、そういうことだろうと思いますけど。
 ただ、それだけではないと思うんですよね。それだけではなくて、やはり円がベースマネーというか供給量が少な過ぎる、不足している、だから円の価値が上がっているんじゃないですか。これが一番の根本原因じゃないですか。大臣、円の供給が不足しているんですよ。だから価値が上がっておるんです。もっと供給量を、円の供給を流さんといかぬじゃないですか。ベースマネーをもっともっと増やさないといけないんじゃないんですか。それをちょっとお答えくださいよ。不足しているんだから。
#216
○国務大臣(安住淳君) それは川上さんの御判断だと思いますけれども。
 自国通貨の信頼、信用というものをどういうふうに維持していくかということも他方にはあるのではないでしょうか。そういう中で、許容できる範囲というのはどこら辺なのかということを考えながら金融緩和政策というのは進めていかなきゃいけないと。
 目下のデフレ状況の中で、本日の政策決定会合、藤田副大臣に御出席をいただきましたけれども、今説明していただければいいと思いますけれども、五兆円に及ぶ新たな追加措置を日銀もとっていただいておりますので、そういう点では、弾力的な対応というのはしていただいているものだと思います。
 補足については副大臣から御報告を申し上げます。
#217
○副大臣(藤田幸久君) 藤田でございます。
 今日、日銀政策決定会合に出席をしてまいりました。八月の段階で十兆円の追加でございますが、それに加えて、今回五兆円ということでございます。理由については、総裁の方から、今日、会見等でお話をしておりますけれども、やはり海外の様々な要因による下振れリスクというものに対して、やはりその意思を表明する必要があるだろうということが根底にございます。
 それから、日銀の方は、実は二十一・六兆円、今回の十兆プラス五兆のほかに出しておりますから、そういう意味での供給量というものもございますということも併せて総裁の方でおっしゃっておりましたけれども、そういう形において、政府、日銀一緒になって、今の円高対策、それからデフレ対策等に対して行動していく必要があるという認識を共有してまいったところでございます。
#218
○川上義博君 政策決定会議で、今日五兆円追加すると、それで十分だというふうに政府は考えておるんですか。更なる金融緩和を、追加的な金融緩和をやるべきだという要請をやはり日銀に行う必要があるんじゃないかなと思うんですね。小手先だけではこれはもう動かないと思うんですよ。政府と日銀が協調してやらなければいけませんから、もっともっとこの金融緩和を進めなさいということを要請されるべきじゃありませんか。
#219
○副大臣(藤田幸久君) 金融政策そのものについては、日銀においてその時々に市場動向等を踏まえながら判断することになっておりますので、その会合の中における議論についてはコメントをすることはできませんけれども、いずれにいたしましても、今の円高、それから様々な空洞化の問題、そして現在の日本の内外を取り巻く経済的状況については、いろいろな政策を駆使していかなければいけないというふうに考えております。
#220
○川上義博君 今の議論はこれでおしまいにして、大臣、先ほども消費税の増税の話がありましたけれども、今の経済の状況を考えれば、本当に増税というのは適切なのかどうかと疑問に思うんですよ。消費税の引上げは、社会保障と税の一体改革のための財源なのか、財政規律を維持するためなのか、その政策目的というか増税の目的がはっきりしないんですよ。復興のための財源ではないとは思いますけれども、その目的は何ですか。財政規律ですか、あるいは税と社会保障の一体改革なんですか。どちらなんですか。
#221
○国務大臣(安住淳君) 今から党で議論してもらうわけですけれども、やっぱり社会保障そのものに充当する財源にしっかりと充てていくと。今回の例えば国民年金の二分の一の負担割合についても、恒久財源をしっかり確保するということで自民党政権下で決まりました。しかし、現実にはこれはなかなかこの復興債でやらざるを得ないような状況に今あります。来年以降の問題もこれあり、やはり私は、もちろん経済の動向というのもありますけれども、老後の安心、安全をちゃんと担保をして、将来が見通せるような状況をつくるのが政治の責任ではないかと私は思っております。
 そういう点では、先ほど田中先生に私、お答えしましたけれども、お預かりをした例えば消費税分をしっかりと国民の皆さんに社会保障という形でお返しをするということ、つまり官僚の給料や国会議員の歳費に使われるんじゃないか、無駄な公共事業や天下りのための何か原資になっているんじゃないかと、こういう国民の皆さんの疑念を払拭をちゃんとして、社会保障のシステムの中でお支払をいただいたものはそのまま年金、医療、介護等々に充たっているということが分かれば、私は国民の皆さん、必ず理解をしていただくと思いますし、そのことで日本の経済のやっぱり安心のその土台ができれば、この消費動向にも私は決して悪い影響を与えるものではないというふうに思っております。
#222
○川上義博君 将来的に一律に増税することは、私は反対しているわけじゃないんですね。
 要するに、今のデフレの中で増税することが本当に適切なのかどうか。景気の足を引っ張るんじゃないか。今やるべきことは財政再建ではなくて景気浮揚策でしょう。これを最優先にするべきだと、こう思っておるんですよ。(発言する者あり)いや、それ、どうですか、そのとおりって言っていますが。
#223
○国務大臣(安住淳君) 私は国会議員になって十六年目ですけど、その前にNHKの記者とかをやっていましたから昭和六十年から見ていますけど、いつも増税とかという話になると、景気が良くなったら景気が良くなったらと言って実は先延ばししてきた現実も私はあると思います。ですから、ネットで減税をまず先行してやって、その上で直間比率を見直すために、例えば消費税とか。
 そういう点では、これまでの経済的な動向というのがやはり、言葉は適切でないかもしれませんけれども、逃げの理由になっているところもあるので、私は今回は、私は財務大臣引き受けた以上は、これは逃げないで、社会保障の仕組みをしっかりとつくらせていただいて、その代わり、国民の皆さんの理解をいただいて、西田先生の理解もいただいて、何とか消費税の仕組みというものを社会保障の安心、安全の仕組みのために使わせていただきたいということを私は思っております。
#224
○川上義博君 復興債、先ほどから話がありました復興債、この償還年数を十年では早過ぎるんじゃないかという意見があるんですね。私も早過ぎると思うんですよ。
 これ、何で十年なのかという議論があったんですけれども、むしろ長期にわたって返すのが景気の足を引っ張らないと、こういうことになるんじゃないですか。次世代にツケを回さないと言うんですけど、インフラ整備ですから恩恵受けるんですよ、次世代も。利益があるんですね。
 だから、これはやはり十年とかじゃなくて、二十年とか三十年とか考えた方がいいと思いますよ、財務大臣。だから、今、党内で、与野党で何年かということを議論していますけど、できるだけ長くやった方がいいんじゃないですか。
#225
○国務大臣(安住淳君) という意見もありますし、他方、例えば消費税を上げて一、二年でやれという意見もありますし、様々でございますので、それは意見は意見として承っておきます。
#226
○川上義博君 いや、様々な意見があることは分かるんですけど、でも、政策をやる、決定して遂行するのは、権限があるのは大臣ですからね。様々な意見があるだけじゃ許されないですよ。
 財政再建で本当に、どうも安住大臣は財政再建ということが優先されるようなニュアンスがあるんですけど、財政再建で経済は成長するんですか。あるいは、ギリシャのようになるから財政再建をやはりやらなきゃいけないと、そのように思っていらっしゃるんでしょう。
 ところが、日本とギリシャとは違いますよね。全く規模も違いますよ、経済規模も。ギリシャの経済規模というのは、円でいけば大体今二十五兆円ぐらいじゃないですか、GDPは。もう全然桁が違うんですよ。それから、ギリシャは為替の相場がEUという枠の中に入っているから自国で通貨が発行できないんですよ。日本はどんどん発行できますよ、変動相場だから。ギリシャのように期待したってなるわけないですよ、日本は。
 どうお思いですか。財政再建で景気が良くなるんだというふうに思っていらっしゃいますか。
#227
○国務大臣(安住淳君) 逆に、財政破綻をして景気が良くなるとはとても思えませんから、財政の規律をしっかり守っていかないといけないというのは、特に日本のように経済的に世界の中で責任を持っている、言わば三大通貨と言われているような国に求められている責任ではないでしょうか。
#228
○川上義博君 要するに、財政の信認を守るために増税しようとしているんでしょう。財政の信認を守る、日本の財政の信用性を高めるために増税をしようとしている。にもかかわらず、何で日本の債務残高をわざわざ大きく見せようとしているんですか。そうでしょう。逆に日本の国債の信認を低下させているのじゃありませんか。九百兆とか一千兆とか、そういうことをわざわざ大きく膨らませて、誇張して見せるというのはいかにもおかしいんじゃないですか。逆に信認を低下させているんじゃありませんか。
#229
○国務大臣(安住淳君) 一言で言うと、指摘は当たらないと思います。マーストリヒト条約における純債務ではなくて、総債務、債務残高を測ることが基準となっていますから、スタンダードな考えでいえば、日本が言っている対GDP比の二〇〇%近いものの方が正確だと思います。
#230
○川上義博君 普通債務は、普通の国債は、残高が六百六十七兆円なんですね。ところが、一千兆円近くなると。これは政府短期証券まで含めているんじゃないですか、国の借金として。それを含めて大げさに公表するのは、これはちょっと疑問なんですよ。やっぱり普通国債で、本当の借金は六百六十七兆円ですよということをおっしゃった方がいいんじゃないですか。
#231
○国務大臣(安住淳君) いろんな計算の仕方はあるかもしれませんけれども、一般政府資産を言うときには、これは将来の年金給付を賄う積立金の二百四兆、もうこれ含まれているわけですから、これを債務の償還とか利払いに充てることは多分できないと思うんですよ。
 ですから、そういう点からいえば、いわゆるバランスシートにおける純債務残高を、何というか、スタンダードにせよというのは私はちょっと当たらないんではないかと、適当ではないんでないかというふうに思っているということです。
#232
○川上義博君 要するに、FBとは一体何ですかということなんですよ。FBというのは一体何ですか。
#233
○国務大臣(安住淳君) プライマリーバランスです。(発言する者あり)ああ、国の持っている債券です。
#234
○川上義博君 政府短期証券でしょう、FBというのは。その政府短期証券は、短期の資金繰り債なんでしょう。短期の資金繰り債で何でこれ借金の中に入れるんですか。おかしいんじゃないですか。
#235
○国務大臣(安住淳君) それはしかし、資金調達をするための言わば借金ですから、それは債務に入るんじゃないでしょうか。
#236
○川上義博君 じゃ、このFBは誰が一体買っているんですか。FBを誰が一体買っているんですか。
#237
○国務大臣(安住淳君) それは、金融機関とか、時には日銀ということもあります。
#238
○川上義博君 一番それをたくさん買っているのはどこですか、誰ですか。
#239
○国務大臣(安住淳君) 今ちょっと正確には分かりません。
#240
○川上義博君 一番たくさん買っているのは日銀なんですよ、日銀が引き受けているんですよ、実質上。だから、一時的なもので償還できるものなんです、これは。だから、それを借金、債務の中に入れるというのは、わざわざさっき言ったように債務を大きく見せようと、だから増税しなければいけないという理屈になるんじゃないですかと言っているんですよ。
#241
○国務大臣(安住淳君) お言葉を返すようですけれども、逆に債務を小さく見せよう見せようという議論は、ギリシャのときも、蓋を開けてみたら全然違っていたじゃないかというのがギリシャ危機ですから、そういう意味じゃ、数字をどう取るかは国際的な社会の中でいろんな見方をすればいいわけであって、正直に日本はそういう意味では数字を出しているということだけは事実でございます。
#242
○川上義博君 要するに、ギリシャは粉飾やっていたというんでしょう。ごまかしていたというんですよ、意図的に。だから、正確に日本は公表しているんだと言うのであれば、区分けして公表すりゃいいじゃないですか。別に、一色で一括して借金が一千兆円もあるというのはまさにおかしい話じゃないですか。
#243
○国務大臣(安住淳君) 別に隠しているわけじゃなくて、政府が持っている純債務残高としても公表しているから今こうやって議論できているわけですから、全く逃げも隠れもしないでこれを出しているということでございます。
 ただ、マーストリヒト条約等に当てはめれば、これまで言われているこの対GDP比の累積債務というのは、御指摘のように、川上先生から見ればオーバーな数字じゃないかと言われますけれども、それが事実だということです。
#244
○川上義博君 この議論はもうそろそろやめにして、ただ、殊更借金を大きく見せて国民の不安をあおって増税を誘導しているというのは、これは望ましくないと思うんですね、大臣。そう思うんですよ。だから、いや、本当の純債務はこれですよということをネットでやられた方がいいんじゃないですか。
#245
○国務大臣(安住淳君) ですから、別に増税するために言っているんじゃなくて事実を、ファクトを私は申し上げているわけでありまして、そういう点では何か増税のための環境づくりのために対GDP比で二〇〇%近いから大変だ大変だというふうに何かあおっているわけではないので、私は国民の皆さんも、そうはいっても、今からの日本の社会の中で、ある意味でシャウプ勧告以来、直間比率の中で、経済成長とともに所得税を納める人は多分増えていくだろうということでつくってきた税体系の根幹というものは、少子高齢化社会の中でやっぱり仕組みを変えざるを得ないだろうと。そういう中で、これから何十年にもわたって、この少子高齢化の流れは止まりませんから、それに見合った財源の確保と、やっぱり……(発言する者あり)まあ自民党の良識のある方々も同じことを思っていると思いますけれども、私もそういう考えで、やはりその税の負担というものはこれからお願いをしていかないといけないというふうに思っております。
#246
○川上義博君 これで最後にしますけれども、この政府短期証券はやっぱり債務から除外するべきだと思いますよ。これは日銀が引き受けているんですね、実質的に。だから、普通国債も、十年とか二十年物の国債も日銀が引き受けた方がいいと思うんですよ。それは政府として日銀と話をして、是非研究でもしていただきたいと思うんですね。普通国債も引き受けると、日銀が、ように研究するということを最後に質問をして終わりにしますが、どうですか、日銀の引受け。
#247
○国務大臣(安住淳君) 承っておきます。
#248
○金子洋一君 お疲れさまでございます。民主党の金子洋一でございます。
 今日は実は、MアンドA資金の不透明な流れが指摘をされておりますオリンパスの問題を中心に取り上げさせていただきますけれども、その前に二点お尋ねをしたいと存じます。
 まず、タイの洪水についてでございますが、我が国のタイの洪水に対する対策の在り方と、そしてもう既に今回の被害はもう過去、想定された被害を上回っているという声も出ているということから、損害保険会社あるいは自動車や電機といった現地の日系の産業などへの影響がどのようなものであるのか、経産委員会の案件でございますので恐縮ですが、簡潔に御答弁をいただければと存じます。
#249
○政府参考人(川上景一君) タイの洪水が現地に行っております我が国製造業へどのような影響があるかというお尋ねがございました。
 御承知のように、自動車産業やエレクトロニクス産業など、日系企業の生産拠点がタイに集積してございます。現在、浸水被害が発生しております七つの工業団地には四百社以上の日系企業が入居をしておりますが、直接被害を受けた日系企業数はタイに進出している日系製造業の二割強に上ると推測をいたしております。
 また、自動車産業やエレクトロニクス産業などでは、直接被災していない企業についても、被災した企業からの部素材の供給途絶などによりまして、生産停止や減産などのサプライチェーンへの影響が生じておるところでございます。
#250
○金子洋一君 報道によりますと、更に被害が拡大をすると言われておりますので、十分な情報収集と、また政府としてのサポートをお願いをしたいと存じますので、またその点につきまして何かありましたら、一言お願いします。
#251
○政府参考人(五嶋賢二君) お答え申し上げます。
 タイの洪水被害につきましては、去る二十五日、総理より指示がございました対応策が関係省庁で取りまとめられたところでございまして、このうち経済産業の復興対策につきましては、経済産業省にて取りまとめを行ったところでございます。
 まず、復興まで長期間を要すると見込まれております。したがいまして、現地のニーズとして大きいのは資金繰りの支援でございまして、これに対応するために、日本国債を担保としたタイ中央銀行から邦銀の現地支店などに対するタイ・バーツの資金供給策の検討、協力を進めることといたしました。
 また、中小企業につきましては、日本政策金融公庫の資金支援制度に資金の使途の追加を行いまして、国内の親会社を通じまして現地の子会社に災害復旧のための資金を供給できるようにしたところでございます。
 さらに、現地の日系企業による取引の再開を支援するために、民間の損害保険会社との協力によりまして、現地の日系企業の販売リスクを貿易保険によりカバーできるようにいたしました。
 それ以外にも、操業再開までの期間を活用しまして、タイ人の技術者の日本での研修の受入れの支援などの措置を講じることとしております。
 こうした今回の対策でございますが、時間が限られた中での対応できるものを取りまとめたものでございまして、引き続き現地ニーズに応じまして追加の支援策を検討してまいりたいと考えております。
#252
○金子洋一君 どうもありがとうございました。
 東日本の大震災、さらには円高と日本経済には非常に大きなショックが来ておりますので、このタイの洪水の問題もまたそれに加わってトリプルショックとでも申しましょうか、十分にケアをしていただきたいと存じます。どうもありがとうございました。
 続きまして、安住大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。本日の大臣の御答弁で、円高につきまして、実体経済がどうかだということが大切だと、あるいは輸出産業の設定レートから見ると現状では厳しいというお言葉をいただきました。これは、日本国内の特に輸出産業にとって大変有り難い、力付けられる御発言ではなかったかなと私は思っております。
 またその意味で、これは中山委員が御質問の最後に御指摘になったことで、恐らく私と同様の問題意識をお持ちだと思うんですけれども、ユーロ圏の支援策として欧州金融安定基金、EFSFの発行する債券を買うと。そしてこれは、今までのように外貨準備から買うのではなくて政府短期証券を発行をして買うのではいかがでしょうか。その際にも、これPRが、プレゼンテーションの問題になるんですけれども、我が国として、例えば上限数十兆円買いますと。これ上限ですから、別に今買うとかあるいは将来買うとかそういう約束じゃありません。買入れの上限を数十兆円にすると、それでどんどん支援をいたしますというような、ちょっと西洋人風のはったりも含めまして、そういった形で外貨準備ではなく、政府短期証券を発行して、結果的には円売りユーロ買いの介入になると思うんですが、そういった形でちょっとEFSF債を購入をしていただくということを御検討願えないでしょうか。
#253
○国務大臣(安住淳君) これは、金子さんのせっかくの御提案なんですけれども、非常に率直に言って、購入方法としてはやっぱり厳しいかなと思っております。
 政府短期証券の発行によって調達した円資金が、これ外貨に換えるということになれば、見ようによってはこれは為替介入しているんじゃないかというふうな指摘もありますので、そういう点はやはり厳に私としては残念ながら慎まないといけないなというふうに今は思っております。
#254
○金子洋一君 ありがとうございます。今は思っておりますという御発言の今はというところに私は大臣の温かい心根が出ているんではないかなと受け止めさせていただきました。どうもありがとうございました。
 それでは、本日、中心にお尋ねをしたいオリンパスの問題について、今日はわざわざ株式会社東京証券取引所の常務執行役員の静さんにおいでをいただきました。
 まず、MアンドA資金の関連で不透明な資金の動きがあると報道をされておりまして、これは我が国のコーポレートガバナンスの問題や、あるいは株式市場の信頼性の問題にまでこれは発展しかねない。いや、現実に海外のメディアではそういうふうに論調がなっております。この問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、報道によりますと、オリンパス、光学精密機械製造会社であります、内視鏡などで有名ですが、二〇〇八年の二月に英国のジャイラスという会社を二千百億円で買収をいたしました。その際に、買収の助言をいたしましたコンサルタントの会社に、その報酬として優先株を含めて約六百六十億円を支出をしたと言われております。これは買収金額の三割以上になりまして、大変な高い比率であります。さらに、オリンパス社は、二〇〇八年の四月に約合計七百三十四億円で買収をいたしました国内の三つの会社につきまして、一年足らずのその期末に減損処理を行いまして、その八割近い五百五十七億円の損失を計上したということであります。
 十四日に解任されましたこれまでのオリンパス社の前社長、これはイギリス人の方なんですけれども、そして、そのイギリス人の前社長と現在の経営陣の間で争いが生じておりまして、マスコミの報道によりますと、両者の主張というのはこれ真っ向から対立をしております。
 一方で、同社の株価は、その十四日の前社長の解任の前と比べまして半分以下に下落をいたしまして、当時、総株価が、株価の総額が六千億円ぐらいあったものが三千億円以下ということであると思いますが、特に外国人投資家が中心であると思いますが、投資家の経営判断に大きな影響を与えていると言われております。
 海外のメディアにおきましても、先ほど申し上げましたけれども、我が国の企業風土の特異性を表す代表例というような形で扱われておりまして、内外の投資家からもこの件についての情報公開を求める声が強く出されているということであります。
 こうした事案が放置をされますと、我が国の企業全体のコーポレートガバナンスの問題に疑問が投げかけられる、あるいは株式市場そのものの在り方に疑問が投げかけられるということになってしまうわけであります。
 そこで、上場会社を管理する立場にいらっしゃいます東京証券取引所の静常務にお尋ねをしたいんですが、今申し上げた認識でよろしいかどうか。そして、何か付け加えることがあるかどうか。そして、大きな問題というのは何があるのかということにつきまして確認をさせていただきたいと思います。
#255
○参考人(静正樹君) 御質問ありがとうございます。
 お尋ねのオリンパス社の件でございますけれども、御指摘のとおり私どもの上場会社でございます。私どもでは、未公開の情報を含めまして市場開設者という立場でいろいろな情報を持っておりますけれども、個別銘柄に関する情報につきましては、既に公表されている情報ですとかあるいは報道されている情報で周知の情報というのはありますけれども、こういうものを除きますとコメントができないことがございますので、あらかじめ御承知おきをいただきますようお願いを申し上げたいというふうに思います。その上で、先ほど先生御質問の点につきましてお答えを申し上げたいというふうに思います。
 同社は、今年の十月十四日、つい先日でございますけれども、当時の代表取締役の解任、社長さんの解任を発表いたしまして、その後大きく株価は下落しているわけでございます。この間に、主に投資家の方の立場から指摘されている問題が幾つかございます。
 先ほど先生御指摘の部分と重なりますけれども、私の方からも若干紹介させていただきますと、まず一つ目は、二〇〇七年に買収手続を開始をいたしましたイギリスの医療機器メーカーに関するものということでございます。
 会社側の発表資料によりますと、この買収に絡みまして、日本円にして六百億円余りをアドバイザーに支払ったということになっておるわけでありますけれども、これにつきましては、買収そのものに要した金額が先ほどありましたように二千億円以上ということでございましたので、それに比べまして二千億円と六百億円という意味でもアドバイザーフィーとしては非常に高額ではないか、高過ぎる金額を支払って不当に企業価値を毀損したのではないかといったようなことが投資家からも指摘があったことが一点目でございます。
 二点目は、これは二〇〇六年から八年にかけてでございますけれども、段階的に買収を行ったとされる国内の三つの子会社に関連するものでございます。
 これも会社側の発表資料によりますと、合計で七百三十四億円ということでこの三社を買収したんですけれども、それから一年にも満たない二〇〇九年には五百五十六億円の減損と呼ばれる損失を出しているというのは御指摘のとおりでございまして、こちらにつきましては、元々の買収金額そのものが妥当だったのかどうか、あるいは高過ぎる金額で買収して不当に企業価値を損なったんではないかといった指摘を受けていると、こういうことでございます。
 三点目でございますが、先ほど申し上げました社長解任の件に関するものでございます。
 これも会社の発表資料を簡単に御紹介しますと、ほかの経営陣の方との間に経営の方向性ですとかあるいは手法に関する乖離があったということが解任の理由だというふうに発表されているわけでございますけれども、過去の買収案件を問題視したということが本当の理由ではないかといったような指摘が、これは報道でございますけれども、ございます。その間に株価は、解任前日が二千四百八十二円だったんですけれども、直近の安値では、二十四日の午前中に千十二円というところまで下落をして半値以下になったと。御指摘のとおりでございます。こうした一連の経過もまた目に見える形で企業価値を損なったんではないかと、これが三点目の指摘ということだというふうに思います。
 今申し上げましたような三点に関しましては、私どものところにも内外の投資家から数多くの御意見をちょうだいしておるところでございます。先生御指摘のとおり、東京証券取引所といたしましても、我が国の証券市場に対する世界中の投資家の信頼を損ないかねないものだということで深く憂慮をしているということでございます。
 そういう意味で申し上げますと、私どもが市場開設者という立場で何をしなければいけないのかということにつきましても三つほど課題があるというふうに思っておりますので、それについてもお答えをさせていただきます。
 一つ目は、会社が発表している情報と内容が違う情報が事実関係がよく分からないまま市場に流布されて提供されているということでございますので、これをこのまま放置をいたしますと投資者の皆さんの間の投資判断に混乱が生じるという、こういう懸念があるということが一点目でございます。
 二つ目は、会社の今の経営陣が言わば指摘されている問題の一方の当事者にもなっているという問題でございますので、会社側の発表する情報が果たして正確なのかどうかということについてやはり投資家の信頼が低下しかねないという心配があると、これが二点目でございます。
 これは、今二点申し上げましたのはいわゆる情報開示の問題ということでございますが、まさに毎日私どもの市場で売買が行われている株の問題でございますので、市場開設者といたしまして緊急の対応が必要な問題だというふうに考えております。
 最後に、三つ目でございますけれども、これはマーケット全体への影響という観点でございます。上場会社が企業価値の向上を目指して経営を行うように、外側からモニタリングするためのシステムというものが日本の上場会社では十分に機能していないのではないかという不安感がこの事件をきっかけとして投資家の間に広がりかねないという心配が三つ目に挙げられます。
 この点につきましては、先生御指摘のように、コーポレートガバナンスの問題ということでございまして、我が国の上場企業一般に対する投資者の不安が大きくなっていくということになりますと、マーケットに対する信頼も大きく損ないかねないというふうに危惧をしているところでございます。
 以上でございます。
#256
○金子洋一君 ありがとうございました。
 今の静常務の御説明も踏まえまして、やはり私はこの件、二つの大きな問題点があると思いますが、一つは、おっしゃいましたように情報開示、情報公開の問題、そしてもう一つ、コーポレートガバナンスの問題ということになろうと思います。
 これについては、まずオリンパス社が、第一段階として自らの努力、取組をしていく必要があるんだろうと思います。つまり、具体的に申しますと、第三者を交えたいわゆる第三者委員会、こういったものを早期に立ち上げることだろうと思います。そして、第二には、これはまた後ほど詳しくお尋ねをしますし、最終的にはこれは金融庁の大臣がお決めになることですけれども、当局による調査が必要になるんだろうと私は思いますし、その点につきましては後ほどお尋ねをしようと思いますが。
 その第一段階のオリンパス社が自主的に行う取組に戻りますけれども、複数の投資家からオリンパス社自身に対して事実の究明を求める意見というのが送られてきておるそうであります。私もそのコピーを拝見をいたしました。やはりこの情報開示というのがまず第一に重要になりますが、これにつきまして東証さんの対応状況をお知らせいただきたいと思います。
#257
○参考人(静正樹君) お答えを申し上げます。
 情報開示が大変だというのは確かに御指摘のとおりでございます。証券市場は、いろいろな投資家の方がいろいろな投資判断を行って、それが売り注文、買い注文という形でマーケットで需給が統合されるというのが、そういう場所が証券市場でございますので、有価証券の価格をそれによって公正なものを発見していくというのが一番大事な機能でございます。これをしっかりと発揮させるためには、重要な会社情報が正確、公平かつ迅速に開示していただかなければいけないということでございます。市場の公正性ですとか健全性に対する投資家への信頼を確保する上でも、適時適切な情報開示というのが最も重要な要素の一つになっているということでございます。
 そこで、私どもでは上場ルールを設けまして、重要な会社情報を開示するということを当上場会社に求めております。基本的なルールというのは簡単でございまして、重要な会社情報が発生すれば上場会社が自発的にその情報を発表するというのが基本でございますけれども、そのほかにも、今回はそういうケースが多いんですけれども、市場に不明確な情報が流れた場合に、私どもから上場会社に事実関係の確認を行いまして、情報の真偽ですとかあるいは会社としての見解についての発表をしていただくと、こういう仕組みもございます。
 オリンパス社の場合には、先ほども申し上げましたとおりでございますが、会社が発表している内容とは違う内容の情報が流れるとかいうことが日々起こっておりますし、それと呼応するように株価の方も大きく変動しているというのが現実でございます。そこには、一般の銘柄とは異なる特別な事情が現時点で存在しているというふうに思われますので、それを踏まえまして、主に私どもでは二つの点に注意をして日々市場秩序の維持に努めているということでございます。
 一点目でございますが、会社の発表と異なる、あるいは会社が発表していない情報が日々流れておりますので、その都度、事実関係を会社に照会して見解を迅速かつ的確に開示するよう求めているというのが一点目でございます。
 一例を申し上げますと、十月の十八日付けですけれども、社長解任の経緯について会社としての見解を発表していただきました。また、翌十九日付けでは、過去の買収案件に係る事実関係の概要を発表していただいた。これは私どもの求めに応じて会社から発表していただいたということでございます。また、実は本日午前中、十一時だったと思いますけれども、につきましては、いわゆるアドバイザーに対する報酬ですとか、国内子会社の買収金額ですとかいった問題についての詳細な説明というのも実は公表されておりまして、次第に問題の核心部分についての会社側の認識が明らかになりつつあるというところでございます。
 二つ目は、先ほど申し上げましたけれども、会社の情報、発表している情報の正確さについて投資家の信頼が低下しかねないという、そういう懸念に対応するために、客観的な事実関係がきちんと究明できて、しかも信頼性の高い情報が開示されるということになるように、経営者から独立した方で構成されるような外部組織をつくっていただいて、速やかな調査を行い、調査結果を発表するということを会社に対して要請をしてまいりました。その結果、会社は、十月二十一日付けでございますけれども、第三者委員会の設置をするという方針を明らかにしておるところでございます。
 私どもといたしましては、この委員会によります調査を一日も早くお進めいただきまして、その調査結果を迅速に御公表いただきたいということで今後も要請を続けていきたいというふうに思っておりますし、あわせまして、引き続き適時適切な情報開示の確保に努めていきたいというふうに考えておるところでございます。
 以上でございます。
#258
○金子洋一君 ありがとうございます。
 そして、特に海外の投資家から、この件はコーポレートガバナンスの、日本企業総じてコーポレートガバナンスに欠けるというそういった先入観があるようなんですけれども、この件は特にそのコーポレートガバナンスの欠如にかかわっているんじゃないかという声が出ておりますし、実は私ども民主党では、公開会社法というのを作ってコーポレートガバナンスをもっと強化すべきだと、そして海外からの直接投資も大歓迎しようじゃないかという考えが元々あるわけでありますけれども、疑惑として報道されていることが仮に事実であるとした場合、今回起きていることがコーポレートガバナンスがもっと充実をしていたのならば生じなかったのではないかというふうに私は思うんですが、この点いかがお考えでしょうか。
#259
○参考人(静正樹君) ありがとうございます。お答えを申し上げます。
 オリンパス社の問題につきましては、まだ第三者委員会もこれからということでございます。したがいまして、事実関係がはっきりするまでには至っておりませんので、どんな施策が必要なのかですとか、御質問いただきましたような効果的な施策というのはコーポレートガバナンスの問題なのかということにつきましては、現時点で確定的なことは何も申し上げられないということでございます。しかしながら、これを契機として内外の投資家からコーポレートガバナンスの充実を求める声が強まることは恐らく間違いないであろうというふうに思います。
 これまで日本では、このコーポレートガバナンスの議論をする際には、特に経済界を中心にして、形式的な要件を満たしているかどうか、例えば社外取締役がいるかいないかといったようなことよりも、その仕組みが機能しているかどうかという実質の方が重要なんだといった主張が力を持ってきたというのが現実でございます。しかしながら、今回の問題を始めといたしまして、最近幾つかの上場会社で起こっております不祥事ですとか内紛と言われるようなものにつきましては、これは投資家から見ますと日本企業のコーポレートガバナンスが実は機能していないのではないかというふうに、そういう疑念が広がるような問題だろうというふうに思います。実質的にガバナンスが機能していれば形は要らないと言わんばかりのこれまでの主張につきましては、その根拠が恐らく大きく揺らぎつつあるように見えますし、今まさにその主張の真意が問われているのではないかというふうに私も思います。
 そこで、昨日でございますけれども、私ども東京証券取引所では、弊社社長の斉藤惇の名前で、全ての上場会社の代表者の皆さんに対しまして要請文を送らせていただいております。その中では、この機会に改めて株主の負託にこたえて企業価値の向上に努めることが上場会社経営者の責務であるということを社内に徹底するといった形でコーポレートガバナンスの充実に注力をしていただきたいということを要請をしているわけでございます。
 ここで株主の負託にこたえて企業価値の向上に努めると申しましたが、もちろん顧客ですとか取引先、従業員、あるいは金融機関を始めとする債権者、さらには会社を取り巻く地域社会のような、上場会社を取り巻く多様なステークホルダーを全部満足させることなしには継続して企業価値を高めることができないと我々は考えております。お客様に魅力のある商品を提供し、取引先には適正な代金を支払い、従業員にも適正な賃金を支払い、債権者には定められた利息、元本を返済し、地域社会に一定の貢献をする、そのようにして初めて得られるのが長期的な企業価値の向上でありますし、株主の利益でもあるということでございまして、それを実現するために株主が会社の経営をモニタリングする仕組みというのがこのコーポレートガバナンスだというふうに理解をしております。
 私どもでは、証券市場の魅力を向上させるために、これまでも実は上場会社のコーポレートガバナンスの充実に積極的に取り組んでまいりました。一例だけを申し上げさせていただきますと、一般株主の利益の保護をしようということで、経営者から独立性の高い役員を必ず一人選任してくださいということで、これを二〇〇九年から上場ルールに入れております。現在、上場会社には必ず一名以上の独立した社外取締役か社外監査役、どちらかがいらっしゃるという形になっております。上場会社全体の平均で見ますと大体二者ぐらいの、これを独立役員と呼ぶんですけれども、そういう方がいらっしゃいます。
 実はイギリスとかアメリカでは、取締役の過半数を独立性の高い取締役で構成するということがもう今やグローバルスタンダードでございますので、それとの比較で見ますと、実はこの仕組みは、監査役でもいいですとか一名だけでもいいという意味では見劣りするということは否めないんですけれども、日本の上場会社が全体としてコーポレートガバナンスの充実に今真剣に取り組み始めたんだという、そういう初めの一歩として海外の投資家からも好意的に評価をいただいているところでございます。
 一方、先生の御指摘もございましたけれども、現在、法制審議会の会社法部会の方で会社法改正の議論が行われておりまして、ここも元々の発想が公開会社法ということもございまして、主要なテーマの一つとしてコーポレートガバナンスが取り上げられてございます。
 私どももその議論に実は参加をさせていただいているわけでございますが、会社法で社外取締役の選任を義務付けるかどうかですとか、社外性の要件を今よりも独立性の高いものに見直すべきかどうかといった点について議論をされておりますので、先ほど申し上げたような意味合いで、長期的な企業価値の向上に資するような見直しがこの会社法改正を通じて実現するように今後も積極的に意見を述べて議論に参加していきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
#260
○金子洋一君 ありがとうございました。
 我が国の経済あるいは社会の状況といかにマッチした形で、主にこういったアイデアは海外から来たものだと思いますけれども、いかにマッチした形で実現をさせていくのかというところが大きな問題にこれからなっていくんだろうなと思います。
 特に、会社は誰のものかという永遠に続くかのごとき問いもございます。従業員のものかもしれませんし、株主のものかもしれません。一刀両断に答えを出すというのは難しいかもしれません。この件につきましては、事実がどうであるかは分かりませんけれども、いずれにせよ、大きな疑問符が持たれているという状況にあるんだろうと思います。
 そこで、この案件につきまして金融庁にお尋ねをしたいと思いますが、迅速な対応が私はこれは必要だと思います。ですから、金融庁として現在この状況についてどうお考えになっているのかということ、そして先ほども申し上げましたけれども、これは最終的には金融庁の大臣がお決めになることだと思いますけれども、証券取引等監視委員会による調査を私はこれは行っていくべきだろうと思います。
 こういった点について御答弁をお願いしたいと存じます。
#261
○政府参考人(森本学君) お答えいたします。
 先生御指摘のオリンパス社の問題、内外のメディアにより様々な報道がなされております。このことにつきましては、金融庁としても現在注視しておるところでございます。
 一般論として申し上げますと、市場の公正性、透明性を確保するためには、企業統治が十分に発揮され、必要な情報開示がなされることが大変重要でございます。こうした観点から、問題が指摘されておるような企業につきましては、今東証から話がありましたような適時開示等を通じまして、必要な情報が投資家に対して的確迅速に提供されることが重要であると考えております。
 そうした観点から、金融庁といたしましても、今後とも、証券取引所等と提携をいたしまして適切な企業統治の発揮と情報開示の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
#262
○政府参考人(岳野万里夫君) 金子先生から証券取引等監視委員会による調査という御指摘がございましたので、監視委員会の方から御説明をさせていただきたいと思います。
 まず、ただいま先生が取り上げておられます個別の事案につきまして、監視委員会として調査をするとかしないとか、そういったことについてお答えすることは差し控えさせていただいております。これは、証券取引等監視委員会が行っております市場監視活動を円滑に進めるためのものであることを是非とも御理解いただきたいと存じます。
 私どもの市場監視活動について、せっかくの機会でございますので、一言御説明をさせていただきたいと思います。
 証券取引等監視委員会は、金融商品取引法で定めております様々な市場規制、例えばインサイダー取引の禁止、あるいは相場操縦の禁止、それからディスクロージャー義務といいましょうか、有価証券報告書の虚偽記載などでございます。あるいは偽計取引と、こういったような様々な金融商品取引法上の規制がございまして、こういったものにつきまして、独立した立場で調査、検査を行うのが私どものミッションでございます。監視委員会といたしましては、市場の公正性、透明性の確保と投資者の保護を目指して市場監視に取り組んでいるところでございます。
 具体的な市場監視の進め方についてでございますけれども、まず、情報の収集、分析ということが必要でございます。情報の収集、分析は、例えば日刊紙、週刊誌、月刊誌といったものに目を通しまして、先ほど申し上げましたような金商法違反の事件につながりかねないような情報があるのかどうかをよく見ております。また、日ごろ外部からの情報提供をお願いしておりまして、外部から寄せられました情報につきましても注意深く検証の材料にさせていただいているところでございます。
 そういった中で、金融商品取引法違反の疑いがある場合には、必要に応じて立入検査、調査を行っているということでございまして、その過程で、必要があれば自主規制機関の皆様とも連携しながら進めていくと、こういうことでございます。
 こういった幅広い市場監視活動を円滑に進めておりますが、冒頭申し上げましたように、個別の案件につきまして、これについて、いつ何をしているかといったようなことを申し上げることは、先ほど申し上げましたように、市場監視活動を円滑に進めるために控えさせていただきたいというふうに考えております。
#263
○金子洋一君 今の岳野事務局長のお話は、情報を収集して、しかるべきときになればばっと動くというふうに受け止めさせていただきました。受け止めさせていただきましたし、そうあっていただきたいなと思います。
 そういった調査をなさった結果、一般論なんですけれども、仮にそういった問題があったとする場合に、簡単に場合分けをして考えますと、安い会社を高く買ってしまったとか、あるいは本来だったらもっと安くてよかったコンサルタントフィーを高く払ってしまったというようなケースでしたら、会社法の規定による株主代表訴訟が起こり得るのかなと思いますし、また、前社長が言っていることはうそであるというふうに現経営陣がおっしゃっていると、しかし現経営陣のおっしゃっていることが実際には事実と異なったということであれば、これはなかなか難しいかもしれませんけれども、結果として株価が大いに下落をしたということから、市場を混乱をさせたということになりますから、これは東証さんの方で上場廃止にするとか、そういったような対応が取られるべきだろうと思いますし、また、結果として有価証券取引のための財務諸表に虚偽の記載があったということになれば、これは金融商品取引法に引っかかるということで、刑事罰の対象になると、こういった対応が必要になってくるんだろうと思いますけれども、こうした理解で、一般論です、一般論としてこうした理解でいいんでしょうか。あるいはちょっとそこが抜けているよというものがあるんでしょうか。ちょっとそれがもしあれば、これは東証さん、金融庁さん、両方にお尋ねをしたいんですけれども、御指摘をお願いしたいと思います。
#264
○参考人(静正樹君) それでは、私の守備範囲は上場関係のことだと思いますので、そちらの方だけお答えを申し上げますと、先生御指摘の虚偽記載があった場合というのは確かに法律上の罰則の対象になると思いますが、取引所でも上場廃止基準というのはありまして、この中で重大な虚偽記載は上場廃止になるということを定めておりますので、その審査対象になる可能性があるということだろうと思います。
 それから、虚偽とは言いませんけれども、事実と余り違う情報が流れて、その結果、市場が混乱したら上場廃止ではないかという、そういう御指摘もございました。この部分については、特別にその旨を規定した規定があるわけじゃございませんけれども、公益、投資者保護のために必要な場合には上場廃止という規定も確かにあることは事実でございます。
 しかしながら、通常の場合は、会社側が発表していた事実が実際と違った、そのことによって市場が混乱したという場合には、改善報告書ですとか違約金ですとかいった仕組みが東証にはございまして、そちらの方の適用をどうするかというのが先に来る話だというふうに認識をしております。
 以上でございます。
#265
○政府参考人(岳野万里夫君) 一般論でという御質問でございますけれども、どこまでが一般論といいますか、この場合にどこまで広げて考えるのかということで常に個別性が出てしまいますので、一般論で申し上げますと、本当の金融商品取引法のエンフォースメント上の一般論を申し上げさせていただきますと、私どもが法令違反の疑いを持って調査、検査した結果、先ほど御説明しましたような重要な金商法違反がある場合には、大きく分けまして二つございます。
 一つは、刑事訴追を求めるべきと認められる場合には検察官に告発をいたします。それから、課徴金納付を命ずるべきという判断をした場合には、課徴金納付命令を出すべく金融庁長官に勧告をすると、こういうことがございます。それから、調査、検査した結果、例えばディスクロージャーであれば、軽微な訂正が行われて情報開示がなされるということもございますし、調査、検査した結果、特に問題はなかったといったようなこともあろうかと思っております。金融商品取引法上のエンフォースメントの一般論としてはそのようなことかなと考えております。
 なお、せっかくの機会でございますので、一言、先ほどの静執行役員の御説明と併せて、私どもの観点から申し添えたいことがございます。
 先ほど静執行役員からお話もございましたけれども、この会社は第三者委員会を立ち上げて検証をするということをおっしゃっておられます。
 第三者委員会につきましては、実は昨年の夏に日弁連さんが企業等不祥事における第三者委員会ガイドラインというものを制定されておられます。この趣旨は、企業の活動の適正化に対する社会的要請が高まるにつれて、株主、投資家、消費者、取引先、従業員、債権者、地域住民などといった全てのステークホルダーや、これらを代弁するメディア等に対する説明責任を果たすことが重要になっていると。企業から独立した委員のみをもって構成され、徹底した調査を実施した上で、専門家としての知見と経験に基づいて原因を分析し、必要に応じて具体的な再発防止策等を提言するタイプの委員会を第三者委員会と呼びますけれども、この第三者委員会は、経営者等自身のためではなく、全てのステークホルダーのための調査を実施し、それを対外公表することで、最終的には企業等の信頼と持続性を回復することを目的とするということがございます。
 私ども市場監視の立場では、直接に権限を行使して調査、検査をすること、これはもちろん機動的にやってまいるつもりでございますけれども、市場の公正、透明性の確保のためには、例えば上場企業なり市場関係者の自己規律というのも重要でございまして、今般のようなケースの場合において第三者委員会を立ち上げられるということであれば、日弁連のガイドラインにのっとったような第三者委員会がしっかりと検証を行っていくということが非常に重要ではないかということで、その点では東証さんと同じ立場で注目をしているところでございます。
#266
○金子洋一君 ありがとうございました。
 いずれにせよ、真実をできるだけ早く明確にしたいと、そして明確にすることが今ふつふつと湧き出ております日本企業異質論に対する有効な一撃になるのではないかなと思っておりますので、東証さん、金融庁さんには是非ともきちんとした対処をお願いをしたいと存じます。
 以上でございます。ありがとうございました。
#267
○委員長(尾立源幸君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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