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2011/11/29 第179回国会 参議院 参議院会議録情報 第179回国会 財政金融委員会 第4号
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2011/11/29 第179回国会 参議院

参議院会議録情報 第179回国会 財政金融委員会 第4号

#1
第179回国会 財政金融委員会 第4号
平成二十三年十一月二十九日(火曜日)
   午前九時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十八日
    辞任         補欠選任
     藤谷 光信君     川上 義博君
 十一月二十九日
    辞任         補欠選任
     若林 健太君     磯崎 仁彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         尾立 源幸君
    理 事
                大久保 勉君
                田中 直紀君
                佐藤ゆかり君
                塚田 一郎君
                荒木 清寛君
    委 員
                大塚 耕平君
                金子 洋一君
                川上 義博君
                川崎  稔君
                櫻井  充君
                広野ただし君
                藤田 幸久君
                水戸 将史君
                愛知 治郎君
                磯崎 仁彦君
                鴻池 祥肇君
                西田 昌司君
                林  芳正君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                若林 健太君
                竹谷とし子君
                中西 健治君
                大門実紀史君
                中山 恭子君
   衆議院議員
       修正案提出者   寺田  学君
   国務大臣
       内閣総理大臣   野田 佳彦君
       財務大臣     安住  淳君
   副大臣
       財務副大臣    五十嵐文彦君
       財務副大臣    藤田 幸久君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        大串 博志君
       外務大臣政務官  加藤 敏幸君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大嶋 健一君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       道盛大志郎君
       財務省主計局次
       長        福田 淳一君
       財務省主税局長  古谷 一之君
       国税庁次長    岡本 榮一君
   参考人
       日本銀行総裁   白川 方明君
       メリルリンチ日
       本証券調査部マ
       ネージングディ
       レクター     大槻 奈那君
       株式会社東邦銀
       行相談役
       福島県商工会議
       所連合会会長   瀬谷 俊雄君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を
 図るための所得税法等の一部を改正する法律案
 (第百七十七回国会内閣提出、第百七十九回国
 会衆議院送付)
○東日本大震災からの復興のための施策を実施す
 るために必要な財源の確保に関する特別措置法
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(尾立源幸君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、藤谷光信君が委員を辞任され、その補欠として川上義博君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(尾立源幸君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案及び東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官道盛大志郎君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(尾立源幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(尾立源幸君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案及び東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁白川方明君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(尾立源幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(尾立源幸君) 経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案及び東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案の両案を一括して議題といたします。
 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○佐藤ゆかり君 自由民主党の佐藤ゆかりでございます。
 早速でございますが、この第三次補正予算の財源確保法案、所得税法等改正案につきまして一括で質疑をさせていただきたいと存じます。
 まず、復興国債の償還期限についてでございますが、本来、道路や港湾というインフラの公共投資の復旧経費につきましては、通常であれば、耐用年数から考えますと六十年償還の建設国債を使うというものが定番でございます。今回は、この復興財源で与野党協議の結果、三党協議で二十五年の償還ということで決着をしたわけでございますが、元々自民党は、やはりこれはインフラ投資であるという性質上、六十年償還でやるべきであるということを主張してまいったわけでございます。
 従来、最近、税制改革の抜本的な流れといたしましても、社会保障の例が一つの良い一例でありますが、受益者が応分の負担をしない、いわゆる受益と負担の乖離の問題、これについて税制上是正をいかに行うかというものが一つの大きな課題になっているわけでございます。
 インフラ投資は耐用年数六十年という定番の解釈でいきますと、広い世代にわたって受益者が現れるわけでございまして、それに対して応分の負担ということであれば、やはり税制上、財政上の観念からも六十年償還というものが極めて適切な考え方であるというふうに思われるわけでございますが、その受益と負担の関係からあえて逸脱する形で、まあ当初政府は十年と言っておりましたが、二十五年に償還期限を決着をさせた理由をお聞かせください。
#9
○国務大臣(安住淳君) 後で修正理由の説明者の方からも答弁をいただければと思いますけれども、この六十年のルールというのは、戦後最初の建設国債を発行する段階で橋や当時の道路の耐用年数を幾らぐらいに見積もるかということで、六十年というのを一つの基準にして建設国債等の発行が行われたと私聞いております。
 確かに、先生御指摘のように、今回の大震災はインフラというものが破壊された例が非常に多うございますから、復興に関して建設国債を充てるべきだという議論が非常にあったということは私も事実でございますので十分承知しております。
 ただ、目下の我が国の財政状況等を勘案したときに、今のこの大震災に係る経費等についてはできるだけこの負担を現役世代で分かち合って、言わば区分管理をすることによって財政上の負荷を掛けないでやろうということを前提にスタートをして、所得税と法人税に付加をお願いをしたと。しかし、これは結果的に、我々が最初十年と申し上げましたのは、復興期間が十年ということなのででき得るだけ短くというふうに思いましたが、与野党協議の中で特に自民党の方から、課税の平準化等を考えれば、やはり二十五年等にして、そうなると所得税の負担割合は平均二・一%になるということで、そこで合意に至ったということで、私もその考え方に十分説得力がありますので、それで合意をしたというところでございます。
#10
○佐藤ゆかり君 この基本的な償還期限の問題は民主党の修正提案者の方にお答えいただかなくても財務大臣で御答弁は十分だと思いますが、要は東日本大震災で建設国債を発行しないことによって二・一%ポイント所得税に対しても上乗せが掛かる。
 これが、例えば和歌山で起きたような集中豪雨の水害の場合には、通常の建設国債で六十年償還で行うわけでございまして、この辺りの負担の不公平というものをどう解釈するかというときに、非常に国民的な説明をしづらいということがあると思います。その点はいかがですか。なぜ地域によって償還期限が違うんでしょうか。
#11
○国務大臣(安住淳君) 今回、例えば台風十二号等で和歌山、奈良等を中心に大きな被害が出ております。これは今回は補正予算の中に盛り込みましたが、一般的にいわゆる水害や災害というものを建設国債でやると。これに対して、今回はそうではないのではないかと。同じ公共インフラの破壊やその再建に関して同じ目的でという御趣旨だと思いますけれども、やはり今回一つ留意しないといけないのは、その規模と復興の期間の長さは一時的な災害とはやはりちょっと事を逸するものであるというふうに私は思っております。
 ですから、例えば震災と違って水害等であれば、法律的に激甚災を指定をして、それを予備費で対応する等はできると思いますが、しかし、今回の場合は大変大きな額と期間を要するということで、そういう点ではやっぱりその違いをもってこうしたスキームになったというふうに私は思っております。
#12
○佐藤ゆかり君 千年に一度の大震災でありますので、むしろ期間短縮よりは期間を延長して、国民負担をできるだけ避けるということが第一優先されるべきでありまして、そのためにはあえて増税しなくても、いろいろな実は対処策というのはあるんですね。ここではあえて細かくは申しませんけれども、あえて増税を短縮化するという選択を選んだということは、やはりある程度国民にきちっと理解を求める作業、それができているのかというのが問題だと思います。
 そこで、一つ指摘をさしていただきたいと思いますが、この合意になりました二十五年償還ですけれども、実はこれも十分な国民的理解がなされていない。大方の国民の方々は、これを聞いてマスコミ報道も御覧になられて、ああ、二十五年償還なんだと、そのように受け止めているわけであります。実際蓋を開けてみると、一年償還の復興国債もありまして、最長で二十五年償還であると。ですから、一年償還のものもあるわけでありまして、実は二十五年が平均の償還ではないんですね。そのことを、なぜマスコミや国民に今の民主党政権はきちっと説明をされないんですか。
#13
○国務大臣(安住淳君) 発行する国債の種類は様々でありますから、それは全く御指摘のとおりかもしれませんが、トータルでいえば、復興債の発行に基づく支払をきちっと二十五年でやっていくという趣旨では十分説明はしていると思います。ですから、二十五年物の国債を発行するわけではなくて、様々な種類の国債を、これは市場の関係がありますからそうならざるを得ませんが、しかし、その発行分の裏打ちとなる財源を二十五年で払うということでございます。
#14
○佐藤ゆかり君 やはり、税負担をするのは市場関係者だけではありません。専門家ではないんですね。ですから、我々の法人税が来年から三%ポイント上乗せされる、あるいは所得税が二十五年から二・一ポイント上乗せされる、そういう、一般の国民の方々から見て、償還が一年で実は我々の税金が使われるんだということをもう少しはっきりおっしゃって、これだけ前倒しで増税をしているんですよという事実をつまびらかにするべきではないかと思いますが、大臣、もう一度いかがですか。
#15
○国務大臣(安住淳君) 償還に係るいわゆるその税負担の部分をしっかり説明をすれば、私はそれによって収支のバランスというのは取れると思います。ですから、そういう点では、国債の区分を市場の皆さんから見れば、御存じのとおり、建設国債なのか赤字国債なのかこの復興債なのかということをよく分からないということはもう全く事実でございますけれども、その分の見合い財源を確保することで国民の皆さんには十分私は理解していただけると思っております。
#16
○佐藤ゆかり君 これは、どのぐらい理解をいただいているかというのは主観的な部分がありますから、これ以上進めても仕方がないんで、次の話題に移りたいと思いますが。
 実は、この復興財源ですけれども、復興国債は向こう五年間発行が可能であるという法案の内容になっております。ですから、今回の第三次補正予算の財源のみならず、場合によっては第四次補正予算の余地も残されているような条文の書き方でありますし、また来年度以降も復興の経費については、その適用の条件を満たしている経費については復興国債が来年度も含めて五年間発行が可能であるという法案になっているわけでございます。しかしながら、この発行は五年間可能であるけれども、財源については今回は第三次補正予算で使うもののみ増税での財源手当てというものが、あとは税外収入も含めて財源手当てが行われている。要するに、四次補正若しくは二十四年度の復興財源については何ら今は手当てがされていない、白紙の状態であるという状態にあります。
 そこで、増税だけで一本化してやるということは何ら合意がなされていないわけですから、これから更にこの二十四年度以降も復興国債を発行する必要が生じた場合には、やはり財源確保ということでしっかりと歳出削減の方にも中期的に努力を今後も継続をしていかなければいけないというふうに思うわけであります。
 そこで、今回、ちょっと国債整理基金特別会計に絞って中身を見てみたいと思うんですけれども、国債整理基金特別会計は、今準備金の方は、安住財務大臣、二十三年度末でどのぐらいの金額と見積もられておられますか。
#17
○国務大臣(安住淳君) いわゆる剰余金というと三十兆弱ということで、三十兆強ですね、失礼しました、になります。
#18
○佐藤ゆかり君 国債整理基金特別会計はこれまでも、大体、国債の発行残高約六百兆円としますと、その六十分の一は償還財源として一般会計から国債費の中に含めて毎年度国債整理基金特別会計に繰入れをするということに決まっているわけであります。ですから、結果として毎年度十兆円規模はこの償還の原資として繰り入れ、そしてさらにこの利払い費としても約十兆円ぐらい、合わせますと一般会計から国債費として二十兆円規模が大体毎年度この特別会計に繰入れをされているわけでございます。
 そこで、剰余金なんですけれども、この剰余金が毎年度十兆円規模、今三十兆円ぐらいあると言われましたが、これを償還に一部使うとして、十兆円規模剰余金が絶えず余っている状況というのが大体平均的に見ますと生じているんですが、これをこの復興財源に中期的に使う検討をしてはいかがでしょうか。
#19
○国務大臣(安住淳君) 余っているという見方をなさる方もいらっしゃいますが、このいわゆる三十兆の内訳というのは、要するに十六・九兆は借換債の問題でこれは多分難しいということは共通認識だと思うんです。一方、定率繰入れの問題で、その分でいうと、例えば経年でいえば、このところ十一兆、十二兆と余っていると。しかし、これは要するにあれですよね、制度的にはやっぱり減債基金として、支払の時期がずれるものですから一時的には発生しますけれども、これをもってやっぱり充てるというふうな考え方は私は取っておりません。やはり、国債の信認を得るためにも、これはやはり減債基金として使わせていただくというふうにしたいと思っております。
#20
○佐藤ゆかり君 それはちょっと矛盾しているんじゃありませんか。要は、この剰余金、国債整理基金特会の剰余金というのは、そもそも一般会計から国債費で繰り入れて余っている剰余金なんですね。一般会計では当然、新発国債を発行して、そして借金をして、そして繰り入れているわけでありますから、将来の償還資金の蓄えとして剰余金を仮に十兆円余っていてもこれは使わないんだとおっしゃるならば、この将来の蓄えそもそもが借金で蓄えをつくっているわけでありますから、本末転倒ではありませんか。それだったら、借金を水膨れさせるよりは、そもそも剰余金を使い切ってしまった方が理にかなっているのではありませんか。
#21
○国務大臣(安住淳君) いわゆる一般会計から大体二十兆強ですね、二十二兆ぐらいやっていると、そのうちの十一兆ぐらいが今の御指摘でございますけれども、結局いざというときに、やはりこれがなくなったときに大変だということは過去の例を見ても三度ほど出ているわけですから、この減債のルールというのはそれでずっと守ってきているわけですね。だから、先生の御指摘のように、その額や規模が適正なのかどうかというのは議論のあるところだと私も率直に思います。
 ただ、今考えなければならないのは、やっぱりこの目下の国債の金利を考えますと、これを取り崩したときのリスクというものもやっぱり考えないと私はいけないと思っておりますので、現時点ではやはりこの額というものは維持させていただきたいというふうに思っております。
#22
○佐藤ゆかり君 財務大臣、こういうことはしっかり御覧になっておられると思いますけれども、今伺った御答弁では全く根本を理解されていないということが分かりました。財政の健全化のためにこの剰余金取っておかなければいけないという御趣旨だと思いますが、財政の健全化、市場の安定を考えるのであれば、借金をやめてこの剰余金を取り崩すことの方が日本の借金を減らすことにつながるわけです。そのことを御理解いただけなかったということを申し上げて、私の質問を一旦終わらせていただきます。
#23
○愛知治郎君 自民党の愛知治郎でございます。よろしくお願いいたします。
 安住大臣、我々は同じ被災地宮城県選出の国会議員でありますから、今日は初めて質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
 被災地で同じ思いを共有していると思っております。この点については立場を超えてしっかりと、是々非々で協力すべきところは協力しなくてはいけない、お互いに被災地のため、また国のために頑張っている、その点については、頑張っていることに対して足を引っ張るようなまねはしてはいけないというふうに考えておりますし、協力もしなくてはいけないと考えていますが、改めて財務大臣、その点についての考えを伺いたいと思います。
#24
○国務大臣(安住淳君) 愛知先生は本当におじいさんの代から宮城県全体に、非常に戦後、貢献をいただいております。私もお父様とは本当に、最初に当選したときからお世話になっております。宮城県のことは私の選挙区を含めて先生も熟知しておられますので、いろいろ御指導いただきながら、復興について至らないところはまた教えていただきながらやっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
#25
○愛知治郎君 過去のいろいろ経緯がありまして、お互いにそれはしっかり歴史をつくってきたという経緯もありますので、しっかり協力をしていきたいと思いますが、今の言葉も肝に銘じてこれからやっていきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 ただ、そういったことは別にして、国会ではしっかりと議論をしなくてはいけない、是々非々でいろんなことをここで議論するのが我々の役割ですから、何点か確認をまずさせていただきたかったんですが、今回、大臣の発言、いろいろ地元でも関心があって、いろんな発言を聞いて受け止めておるんですが、その中で、七月の三十日に、首長さんは増税しないのだから、国からお金をもらって自分は言いたいことを言って、できなかったら国のせいにする、自分たちは立派なことを言うが泥はかぶらないという発言をされておりますが、私の知り合いの首長さんたちも烈火のごとくお怒りになって、これはどういうことかというふうに話をしておったんですが、改めてどういう意図でこのことを、こういう発言をされたのか、伺いたいと思います。
#26
○国務大臣(安住淳君) これは多少誤解がありまして、実はテレビでの私、発言だったんです。
 これは、与野党の議員の名誉に懸けてというか、それで私は発言したんですけれども、テレビのあるコメンテーターが、国会議員は何もやっていない、しかし地元の町長や市長や知事さんはみんな苦労していると。だから、国会議員は全部あたかも駄目なごとく発言をしたので、私は、ちょっと待ってくださいと……(発言する者あり)それはまあ政府がという話もありますけれども、与野党の国会の議員に対する多少誹謗中傷もあったものですから、少し言葉は行き過ぎたかもしれませんが、実は過去の例を私は出して、消費税の問題だって、地方税、国税含めて、やはりどうしても増税をお願いするときは、今の日本の制度では国会議員は本当与野党共々これはもう批判にさらされ泥もかぶって、私はそのときは、自民党も消費税を上げるときはもう大量の落選者を出したり苦労していると。しかし、制度上どうしたって、自治体の場合は要請はするけれども、なかなか増税を自らお願いしてというアメリカのような制度とは日本は違うんですということを私は言っただけで、泥をかぶらないから今の被災地の首長がけしからぬなんてことを私は一切言っていません。
 アメリカと日本の制度の差や、過去の、今のを含めて国と地方の在り方について申し上げただけであって、私はこの発言については何ら、自分として何か間違った発言をしたとは思っていないんです。ただ、誤解を受けたり、ちょっと過度な報道になったので、その点については丁寧に説明をさせていただいたということでございます。
#27
○愛知治郎君 全く反省というか問題がないということを聞いて驚いたんですが、もう一回言いますね。首長は増税しないのだから、国からお金をもらって自分は言いたいことを言って、できなかったら国のせいにする、自分たちは立派なことを言うが泥はかぶらないと、こういう発言なんです。
 誤解と言いますけれども、発言としては大変問題ではないですか。表現に対しても物すごく問題でありますし、首長は無責任で人のせいにして泥もかぶらずに、そういったニュアンスに取られて仕方がないと思うんですが、謝罪の言葉等はないんですか。
#28
○国務大臣(安住淳君) ですから、これは私は国対委員長のときに記者会見をして、そのことは誤解を受けたら申し訳ないと申し上げたんです。ただ、経緯があって、これはまあ、皆さんもよく取られると思いますけれども、そこの場だけピックアップして、全体の番組の中身の前後を全く無視してここだけ取り上げられたので、私は今、正式に今のような話を申し上げたんです。
 ですから、日本の議会とか国会というのを、いつもまあ批判はされるけれども、しかし、制度上はどうしたって法律でやっぱり国会議員が、また政府や与野党含めてこの税のことに関してはやらざるを得ないような仕組みを私は提起したということでございます。
#29
○愛知治郎君 私が言いたいのは発言の重みなんですよ。どういう意図をして発言されたという事情はあるかもしれないですけれども、言葉は独り歩きしますので。また、特に財務大臣としてそれは痛感をされていると思うんですが、為替に関する一言がどれだけ影響を与えるかというのも御承知だと思いますし、こういった軽い言葉を使ってはいけないし、表現方法も、慎重に物を言わなければ誤解を受けて大変な混乱を招くおそれがあるということを自覚されているかどうかということで、今回伺いたかったんです。
 改めて、その点について考え方を伺いたいと思います。
#30
○国務大臣(安住淳君) このころは財務大臣でなくて国対委員長でしたものですからこういう発言になりましたけれども、今後十分気を付けて話をしたいと思います。
#31
○愛知治郎君 本当に十分気を付けてください。
 ちなみに、この時点で増税について触れられておるんですが、これは考え方の問題ですけれども、改めて財務大臣になって、今回増税ということもいろいろ議論されておりますが、この時点で、例えば復興について増税して国民に負担をいただいて財源を賄うという考え方はあったのでしょうか。
#32
○国務大臣(安住淳君) 私は国対委員長のときから、地元の選出の議員ですから私が言うのは大変心苦しいんですけどということは私は前置きをしながら、ただやはり何とか、大変な額に多分なるであろうと、復興に関して、それを何とかこの財政の厳しい状況の中で国民の皆さんにやっぱり負担を分かち合うような形で復興に寄与していただければ有り難いということは、私はこの時点からも申し上げておりましたし、その姿勢というのは基本的には今も変わっておりませんので、今回のこの法案について、確保法について、自公民で合意をできたということに対しては大変、本当に心から感謝を申し上げております。
 ただ一方で、やはり税外収入等についてもう少し頑張って今後捻出をすることで、国民の皆さんの負担の軽減にやっぱり努めなければならない逆に責務はあるというふうに感じております。
#33
○愛知治郎君 ちょっと違う、関連性はあるんですけれども、増税についてほかの論点で一点だけ確認をさせていただきたかったんですが、一方で、この問題とは別として、消費税について、これは国際社会に対して公言をされておりますが、このことについて、今の考え方はいいんですが、少なくとも民主党さん、マニフェストを掲げて戦った選挙のときと言っていることが違うんではないかというのが我々そして国民の皆さんのとらえ方だと思いますけれども、この点についての見解、消費税についての発言をされ、国際公約をされているというのは、皆さんが行った選挙のときの公約に違反するという考えはないのかどうか、伺いたいと思います。
#34
○国務大臣(安住淳君) 選挙のときの二〇〇九年には消費税を上げないということを、期間中、任期中上げないということを民主党は申し上げました。ちなみに、各党とも、その時点で消費税を上げるというマニフェストを出した党は一つもございません。
 我が党に関して言いますと、ですから、その税と社会保障の成案をしっかり得て、その上で、上げるという前段階、つまり実施の前には必ず審判を受けるということを申し上げましたので、そういう点では今回自民党、公明党でお作りになりましたこの附則に基づく例えば年度内の法律の提出というのは、これは私は政府が替わっても、政権が替わってもやっぱりやらなければならないことなので、やはり来年の通常国会まで、つまり三月まで、年度内にはやはり法律は出さなければならないということを私は国際会議の中では総理も含めて申し上げたということでございます。
#35
○愛知治郎君 少なくとも我々も有権者の皆さんもその説明で納得する方はいないと思います。この点についてはまた同僚の議員が多分質問すると思いますので、私はちょっと震災関連の視点でお話をしたいというふうに思うんですが。
 元々、先ほどの話のとおり、予算の組替えと無駄の排除でこれは財源を確保できるというふうに訴えられていたのが民主党さんですから、その問題と今回の突発的な大変な大災害である震災については私は別の問題だと思っておりますし、財源についても別の観点で議論をしなくちゃいけないというふうに考えておりますが、その点についての見解を伺いたいと思います。
#36
○国務大臣(安住淳君) それは全く私も認識は一緒です。ですから、震災があるなしにかかわらず無駄の削減というものをやりますし、それからこれは余り知られていないのは残念なんですけど、実は私が国対委員長で岡田幹事長で、最後の、今年の旧体制のときは、八月中に実はマニフェストの大幅見直しというのを党内でもしっかりやってペーパーも出しているんですね。
 ですから、我々としても、スタートの時点の二〇〇九年のそのマニフェストの中で、改正し、また直し、おわびしないといけない、できなかった部分についても率直にペーパーとしても出して党内議論も進めておりますので、そうしたことも含めて、震災の復興の財源として確保するものももちろんありますけれども、今、愛知議員おっしゃったように、それとはまた別に恒常的に無駄の削減というものは努力をしていかなければならないというふうに思っています。
#37
○愛知治郎君 私はしっかりとこれは区別をして考えるべきだと思うんですが、今回の財源確保法について、その財源の内訳に様々な施策が入っておりますが、例えば子ども手当の見直しや、東京メトロ株式の売却、エネルギー特会の見直し、財投特会の剰余金、JT株の売却や公務員人件費の見直し、これらを財源として考えているということなんですが、先ほどおっしゃられたように、これらの問題というのは恒常的に取り組む予算の無駄遣いの削減の政策だと考えられますけれども、何か一緒になっているんじゃないかという、今また区別すべきだという話と、こういった中身について別になっているんじゃないかと思うんですが、この点の見解を伺いたいと思います。
#38
○国務大臣(安住淳君) これは見解が分かれるかもしれませんけれども、大震災の発生後にやはり財源の捻出が急に迫られました。当時、私、国対委員長で、幹事長、国対委員長、政調会長、各党間での協議というのは随分やったんですね。その中での合意としては、とにかく新たな新規国債を発行しないでまずやろうということで、これは率直に言って、やっぱりあの緊急事態ですから、三月に発災して四月の補正で四兆ですから、そういう中にあって財源の捻出ということで子ども手当や高速道路等も議論の中に上ったということなんですね。
 その後、JT株については、これは賛否がいろいろあります。これは無駄の削減というよりも、JTの在り方の問題として出てきた財源なんですね。今回、我々としては、二分の一を三分の一にさせていただいて、しかし将来的にはこれを、全株売却が可能であれば、それはそっちの方向に向けてやっていくというふうな結論を出したわけであります。
 私は、何といいますか、特別会計の見直しとか、それから事業仕分等で行われているような歳出の削減の努力というものは、愛知議員言うように、これはもうやっぱりやっていかないといけないと。しかし他方、今回のこの今年に関していえば、そういう緊急事態であったということは是非御理解いただきたいと思っております。
#39
○愛知治郎君 見解の相違というのはもうしようがない、平行線の部分はあると思うんですけれども、しっかりと論戦をしていきたいと思いますが、一点だけ確認をしたいんですけれども、時間がないので。
 要は、無駄遣いの削減、予算の組替えで財源が出ると言っていたにもかかわらず、なかなか難しくて進まないというのは事実であるとは思うんですけれども、今回の震災で相当その財源を取られるからできなかったという言い訳は許されないと、そういうふうに扱ってほしくない、くぎを刺したいという意味合いも込めて取り上げたかったんですが、その点は決して今回の震災が原因で公約が果たせなかったというのではないということだけは確認させてください。
#40
○国務大臣(安住淳君) 元々、子ども手当も二万六千円の支給というのをうたいましたが、これは現実的には一万三千円。そして、今三党合意で、一万円をベースに、さらに三歳児以下とかこういうことについては一万五千円等で合意をしております。
 ですから、全額二万六千円を払えないというか、それを支給できないのは震災のせいではなくて、やはりそれは財源の問題と制度の問題であるということは十分私も認識しておりますので、その点は誤解のないように私としてもしっかりやっていきたいと思っています。
#41
○愛知治郎君 これからもしっかりと議論をしていきたいと思います。
 今回の点について一点最後に質問させていただきたかったんですが、復興にかかわるこの会計についてはしっかりと別建てでやるべきだと我々申し上げておりまして、特別会計で扱うべきだという提言をさせていただき、修正になるということだと思うんですが。
 ただ、この特別会計は平成二十四年に設置をされることになりますが、今回の補正予算等々を含めてそれ以前の会計について、今やっている会計についてはこの範囲外であるというふうに思うんですが、そのことについてまず確認をさせていただきたいと思います。
#42
○国務大臣(安住淳君) あの三党の合意で、今後、二十四年以降、この特別会計の設置というのは基本的には決まりましたので、これから法律に落とし込んでいくということになると思うんです。
 ただ、特別会計につきましては、年度ごとの計上というのは、もう委員御存じのようにそうなっていますので、二十四年度からスタートするものに対して二十三年のものを織り込むというのは私は無理だと思います。
 ですから、しかし透明性、それから予算がどう使われたか、どういうふうに流れていって、つまり無駄があるのかないのか、有効だったのかということを確認するすべというのはやっぱり必要だと思うんです。ですから、二十三年度の今回の事業につきましては、地方に行った分も含めて、今総務省とも協議しておりますけれども、できるだけ分かりやすく国会の場で、やはり決算の中でお示しをして議論に資するような材料というものをきちっと提供できるようにということで私、事務方には指示しておりますので、是非そういう形にさせていただければというふうに思っています。
#43
○愛知治郎君 段階を追ってやり取りをしたかったんですけれども、全部お答えいただいたので。
 まさにそのとおりで、二十四年度のこの特別会計が設置される以前のことについては、決算においてしっかりと、できれば区分経理をして、またこれは国、財務省だけでは限界があると思いますので、おっしゃったとおりに、総務省、また自治体が実行している部分、執行している部分がありますので、それらをまとめて決算の場でしっかりと議論をしたいと思いますので、もう一回その点について確認をしたいと思います。
#44
○国務大臣(安住淳君) 御指摘もっともだと思っております。
 また、国会において、例えば衆議院でこの間決算監視委員会で国会としての事業仕分等もやって、非常にそれを私は予算に反映したいというふうに思っております。与野党で真摯な議論の中で政策的なこともやってきたと。ですから、そういう点では、今回大きなお金を使っていますので、区分管理という形で二十三年度はやらせていただいておりますけれども、地方自治体の分も含めてできれば開示をしていきたいと。
 なお、やはり地方自治体におかれましても、宮城県でも、例えば石巻でも、やはりその議会でしっかりとそこのチェック、監視、そういうことはやはり市議会また県議会等でもやっていただくということも非常に重要なことだと思いますので、これは国が言うのは大変おこがましいんですが、それも併せて是非やっていきながら、情報はしかし国にも上げてもらうという形を取っていきたいと思っております。
#45
○愛知治郎君 しっかりと、国の責任というのを地方に転嫁することのないように、やるべきことはやらなくちゃいけないというふうに思います。
 ちょっと今の質問をしたかったので質問が前後したんですけれども、多少時間があるようなので戻ってお話を伺いたいと思ったんですが、ガソリンについて、ガソリン税について。これは多分、今日は時間がないのでまたの機会にしっかりと議論をしなくちゃいけないと思っておりますが、私はその気満々なんですが。
 一点だけ、またこれは発言についてなんですけれども、三月の十九日にこういうことを、当時は国対委員長だったんですけれども、安住大臣が言っております。ガソリンを運んでもスタンドが潰れていて貯蔵できるところがない、学校のプールにためてはどうかという発言を、これはTBSの番組内で発言しているということを聞いておったんですが、地元でその発言を聞いてひっくり返っていたんですけれども、確認をさせていただきたかったんですけれども。
#46
○国務大臣(安住淳君) それは全く根も葉もない話です。テレビでも一切発言していませんし、記者会見でも、これは週刊誌で面白おかしく何かそんなことを書いていたんですけれども、私は記者の懇談もオフレコも何も全部やっていますけれども、一切そういう発言をしておりません。ですから、全くのガセでして、事実と違います。テレビでも一切そういう発言は、大体揮発性のものがどうなるかぐらい子供でも分かる話ですから、そんなこと言うわけがありませんし、私は毎週地元に帰っていましたから、プールの水をトイレに使ったり、そんなことはもう十分必要ですし、寒いからちょっと凍ったりするんですね、まだ三月でも。ですから、そんな非常識なことは全く考えていませんので。まあ中にはそういうふうに誹謗中傷するのもいるということですから。しかし、事実とは全く違いますので、御了解いただきたいと思います。
#47
○愛知治郎君 真意が分からなかったし、本当かどうかも分からなかったので、この場でしっかりと確認ができてよかったと思います。
 我々も大変苦しんでおって、御承知のとおりにガソリンがなかったおかげでほとんど活動ができなかった。また、タンクローリーを手配したところで、逆にそこに人が集まり過ぎて、混乱、暴動になるんじゃないかと思ったぐらいですから。一般の方は、タンクローリーを運んできて、そのままタンクローリーからガソリンを分けてくれなんということを言ったけれども、現実的には全然器具が合わないのでできないということも含めていろんな経験をしました。我々貴重な経験をしておりますので、それを前提にこれからも被災者のために協力してやっていきたいと思いますが、ガソリン税そのものについてはまた別の議論ですので、これは後日、私自身も徹底的に議論させていただきたいと思います。
 今日は、時間がもう参っておりますのでこれぐらいにしたいと思います。ありがとうございました。
#48
○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。
 私は、今回出ている法案、震災復興ということに名を借りて結局増税をしていく、復興債も特別会計にしていくということで、結局は、本来はこれは今までの財政の状況とは関係なしに十分に財源ですね、そこに復興債を出すことによって復興していくのが、それが目的なんですよ、特別会計にするというのは。ところが、皆さん方がやっていることは、特別会計にしてわざわざ千年に一度の震災を短期で償還して、そのために財源が必要ですから増税するという、ばかも休み休み言えという、本当にとんでも物の法案ですよ。だから、まず、そのことも含めて、皆さん方のお考えが本当にでたらめだということを今回この質問を通じて明かしていきたいと思うんです。
 そこでまず、今日は白川総裁に来ていただきました。私は、今財源がないから増税していくんだという話の一番根本的な間違いは、税収がどんどん減ってきているのも、それも含めて日本がデフレだからなんですよ。デフレだから税収も減っていくし、経済の規模が落ち込んでいく、GDPは落ち込んでいく。だから、まずこのデフレを止めなきゃならないんですよ。
 まず、そういう意味でいうと、デフレを止めるためには、日銀も、このマネタリーベースを増やしていく、そしてマネーストックを増やしてもらうと、こういう政策をされていると思うんですが、実際にはそれが私は十分じゃないと思うんです。その理由が、結局、それもデフレになってしまいますと幾ら金利を下げてもお金の貸出しができないと思うんですよね。その辺のところ、総裁としてどのようにお考えですか。
#49
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 金融政策と経済の関係でございますけれども、これ二段階に分けて考えた方がいいと思います。
 まず、中央銀行が金融政策上の行動を取るということが金融環境に影響を与える。つまり、企業や家計が資金調達を行う際の金利とか、あるいは量の調達可能性に働きかけるという第一段階と、それから、そうした金融環境が実体経済あるいは物価に働きかけていく、この二つの段階に分かれるというふうに思います。
 まず、前段の方でございますけれども、こちらの方は、日本銀行の強力な金融緩和の結果もありまして、現在、CP、社債の金利もそうでございますし、それから銀行の貸出金利あるいは銀行の貸出態度、いずれを見ても極めて緩和的な環境に今なっているというふうに思います。しかし、残念ながら、こうした極めて緩和的な金融環境が実体経済の方に波及をしているかというと、これは十分ではございません。つまり、企業や家計が本格的に投資や支出を増やすということにはなっておりません。
 それでは、これはなぜそうなっているのかということでございます。これは、企業や家計が、長年低成長が続いた結果、将来成長率が高まっていくという期待はなかなか持てないと。そういう下ではどうしても投資や支出を抑えていくということになりやすいということでございまして、多少循環論法のところはございますけれども、どうやって成長期待を高めていくか、将来経済が成長していくんだというふうにしていくかということがこれは最大の課題でございます。
 日本銀行としては、この緩和的な環境をつくるということでこれは最大限貢献していこうと思いますけれども、また後ほどあるいは御議論があるかもしれませんけれども、この成長力をどう高めていくかということが課題だというふうに思っております。
#50
○西田昌司君 成長力が課題だとおっしゃるんですけれども、要するに実質的には成長率ですよ。成長力ですが、名目的には、要するに名目が上がっていかないと、つまりデフレでは実質成長率が高くても名目がマイナスでは駄目でしょう。名目が少なくとも上向いていくということでなければ、つまりデフレでは駄目だということじゃないんですか。
#51
○参考人(白川方明君) 経済が成長をしていく、成長率が上がっていく、その結果、需給ギャップが縮まっていくということになりますので、その結果、物価が上がってまいります。これは過去のデータを見てもそうでございますけど、まず物価が上がってそれから成長率が上がるということではなくて、まず成長率が上がっていき、その結果、物価が上がっていくと。もちろん、例外はオイルショックのようなケース、これはまず物価が上がりますけれども、こういう状況を我々は望んでいるわけではございませんから、そういう意味では、まず経済の底力を上げていく、需給ギャップが縮まる、したがって物価が上がっていくということでございます。
 それから、もう一点だけ申し上げたいことは、財政のバランスとの関係でございます。
 実体的な成長率が上がらず、物価だけ上がるケースは、これは歳入歳出両方とも増えるということでございますので、やはり経済の底力の上昇が必要だというふうに思っております。
#52
○西田昌司君 実質成長力の話をおっしゃるんですけれども、要するに、総裁もおっしゃったように、物価が下がっていく状況では、名目が増えない状況では経済の成長はあり得ないんですよ、これは、どちらにしましても。ところが、それが下がっている、これが日本の一番の問題なんですよ。
 そこで、そもそも、今、経済の大きな課題として円高ということもありますよね。円高で、しかもデフレであると。これはまさに、何で円高になっているかというと、結局はこの実質金利が、まあ日銀の方は実質ゼロ金利に誘導しているとおっしゃっているけれども、この今日配りました資料を見ていただいたら分かるんですけれども、日本、アメリカ、欧州と、この欧州、アメリカは下振れしているんですよ。日本だけ上なんですね。つまり、実質金利が欧米に比べて日本は高いと、こういうことじゃないんですか。
#53
○参考人(白川方明君) ちょっと言葉の問題がございますけれども、日本銀行が実質的にゼロ金利を行っているというのは、これは実質金利という意味で申し上げているわけではなくて、今、金利が〇・〇七、実質的にもうゼロに近い状況だということで申し上げているつもりで、日本の実質金利がゼロだというふうに申し上げているわけではございません。
 そう申し上げた上で、為替レートとそれから金利の関係でございます。もちろん、金利と為替レート、これは関係はございますけれども、しかし過去の為替レートの変動を見てみますと、これは様々な要因で変動しております。現下の局面での円高ということは、この会でも再三議論されておりますけれども、欧州のソブリン危機に端を発しまして、世界経済全体の不確実性が異常に高まっている。そういう中で、相対的に安全資産と見られている円への買いが強まっているということがやはり大きな理由ではないかと思います。
 いずれにせよ、日本銀行としては、短期の金利はこれはもうゼロになっておりますので、長めの金利に働きかけるとかあるいはリスクプレミアムに働きかけることを通じて、金利水準全般の低下を促すことを通じて、為替の方にもまたいい影響が出てくるように今政策を行っておるところでございます。
#54
○西田昌司君 もう少し分かりやすい答弁をしていただきたいんですね。専門家の話を聞いても国民は分からないんです。ですから、私、分かりやすいように一つグラフ見せましたが、もう一枚めくっていただくともっと分かりやすいんですよ。
 これは産経新聞の記者の方が作られた記事の中に出ているグラフですが、これ見ると分かりますように、要するに円相場、どんどん上がっていっています。そして、日米金利の実質金利差というのが出ていますね。要するに、日本が実質金利、ドルより高いわけですよ。それに伴って円高起こっているんではないかと。先ほどのこのグラフと、これとも非常につろくするわけですね。
 ですから、安住大臣、安住大臣はこの円高を阻止するために為替介入を一生懸命されていますが、幾ら介入されても、これはデフレを止めなければ、実質金利差が付いてしまっているわけですから止まらないんですよ。これ、どのように安住大臣お考えですか。
#55
○国務大臣(安住淳君) 本当に変動が激しくて、十月三十一日に介入したときは七十五円台だったものですから、これはもう私としての判断で介入をさせていただきました。
 今、今日時点で七十八円台で、これは様々な要因はもちろんありますが、しかし根本にある我が国のこのデフレ状態をどう直すかということに関しては、私も認識は同じでございます。様々な、人口の減少とか、やはり現実、実体経済の中で少し工夫をしていかなきゃいけない部分もあるし、一方で、先生が今御指摘のような、金利また為替全体をどうするかという、そういうところを総合的に勘案しながら、何とかもう少しこの為替の適正な水準というものを確保するように私としては努力していきたいと思っています。
#56
○西田昌司君 今、安住大臣からデフレが問題であるという認識言われましたね、ですね。だから、デフレを解消しなければならないという意味ですね、それは。だから、これを認めておられるんですよ。
 じゃ、デフレを解消するにはどういう政策をやったらいいんですか、大臣。
#57
○国務大臣(安住淳君) この十年以上、自民党政権下から続いて、我々引き継いでおりますけれども、先生、やっぱりなかなか、このデフレの状態に入って、この言わば状況から抜け出すのに相当大変な努力をしていると思うんです。財政出動を含めてこれだけの累積赤字になっておりますが、例えば小渕政権下では百二十兆円の公共投資を国債発行等をしてやって、何とかそれだからこそ今の状態でまだもっているんだと言う人もいるぐらいなんですね。
 ですから、そういう意味じゃ日銀も、この十年で見れば相当な金融緩和等、金利の引下げ等をやっていると思いますが、やはり少し私の見解は、やっぱり根治的な治療といいますか、経済の構造改革みたいなものをしっかりやらないと、やはりこのデフレを治すというのは短期的な処方ではちょっと難しいんではないかなというふうに思っております。
#58
○西田昌司君 いや、それがちょっとおかしいんですね。
 日本で近年インフレになったことありますね。というよりも、そのインフレから後、全部デフレなんですよ。御存じのようにバブルですね、バブルのときはインフレが極端過ぎてバブルなんですよ。だから、今デフレですから、デフレを止めるというのは要するにインフレに戻すという意味ですからね、デフレ状態を弱くするという意味じゃないでしょう。
 基本的に、日銀総裁に聞きますが、要するに経済が正しい状態というのは、デフレが続いている状態じゃなくて、少なくとも名目上インフレ状態なはずですよ。そのことだけちょっと総裁、教えてください。
#59
○参考人(白川方明君) デフレというのは物価が継続的に下落する状態でございます。そうした状況が望ましくない、これはもう当然でございます。
 日本銀行自身は、どういう状況が望ましいかということで物価安定の定義ということを発表しておりますけれども、これは二%以下のプラスで、中心は一%程度であるという定義をこれは発表しております。
#60
○西田昌司君 今、安住大臣、総裁からもおっしゃったように、要するにインフレになったら困るんです。デフレを止めるというのは、デフレ率を下げるという意味じゃないですよ。インフレにするという意味ですよ、安住大臣。
 そうすると、ちゃんといい例があるんですよ。バブルのとき、あれはやり過ぎです。やり過ぎです。あそこまでインフレにする必要ないんですね。しかし、バブルのとき、何でバブルになったんですか。どのように安住大臣、思われますか。
#61
○国務大臣(安住淳君) 様々な要因はあると思いますが、しかし、市中のお金が非常にだぶついて、それが土地の投資に向かっていったということがきっかけとなってバブルになったというふうに認識しております。
#62
○西田昌司君 ちょっとそれは表面だけで、ちょっと違うんですよね。
 白川総裁に聞きますが、あのバブル、日銀も非常に責任あると思いますよ、あのときのはね。あると思うんですが、しかし、現象面、事実としてちょっとお伺いしたい。
 何と何が原因でああいうバブルになったんでしょう。
#63
○参考人(白川方明君) 西田議員の提起されているバブルの発生原因というのは、これは日本のバブルに限らず、今回の欧米のバブルもそうですけれども、この原因を正確に特定するというのは正直言って難しいところがございます。
 ただ、二つ私自身はいつも強調していまして、一つは、様々な理由から人々が将来に対して異常な自信を持つということでございます。これは、日本の場合は債権大国日本ということ、あるいは経済の高パフォーマンス。一つは自信を持つ、その結果、その下で長期にわたる金融緩和が続いたということで、その下で、先ほど大臣からお話のあったような様々な積極的な金融行動が生まれ過ぎたということだと思います。そうしたことがバブルの発生原因であったというふうに思っております。
#64
○西田昌司君 自信を持つということはいいことなんですが、余り持ち過ぎるといけないんですよね。しかし、要するに、長期的に金融緩和をやったということですね、まず。今、日銀やっているんですよ。日銀やっているんです。
 ところが、あのときもう一つあったんですよ。それは何かといえば、日米構造協議の後、これ四百三十兆円、十年間で公共事業投資をするという公約をしてやったんです。ところが、そこまでやっていませんよ、十年間もやりませんでしたから。
 要するに、あのときなぜ、バブルというよりも、あの話は元々、プラザ合意以降、日米構造協議で、要は日本の内需を増やしてくれと、アメリカにこれ以上集中豪雨的な輸出をやめてくれというところから、そのためにまず長期的な金融緩和をして内需を、つまり融資をしやすい環境をつくっていく。同時に、国のインフラ整備を一挙にやろうじゃないかと、こういう話だったんですよ。そうすると、一挙にやるとやり過ぎでバブルになった。やり過ぎてインフレになったんですよ。そこまでやる必要はないんですよ。
 しかし、今デフレなんでしょう。デフレであったら、それを戻すためには、当然のことながら、今、日銀はデフレからインフレ状態に戻そうとして長期的金融緩和をしているんですよね、総裁。それをしているんだが、片っ方、しないのは財務省なんだよ。財務省が全く予算を公共事業投資に付けていないんですよ。ピーク時の半分以下に抑えて、しかも、震災復興の物すごく大きな需要があるにもかかわらず、増税とセットでやっていくという気違いじみたこういう政策やっているんですよ。
 まさに、今のこのデフレは財務省、安住大臣、あなたの所管している財務省がつくっているんですよ。そう思いませんか。
#65
○国務大臣(安住淳君) 公共投資のピーク時というのは十三兆近くあったわけです。それが今は半分以下になっていることは事実でございます。
 ただ、先生、これは小泉構造改革で、やはりいろんな意味で改革は必要だということで削減がずっと行われて今日に至っております。その削減の今の状況が適正かどうかというのは、私もそれは様々な議論はあると思っております。
 ですから、今後、やはりインフラの整備というのはかなり、そうはいっても、例えば宮城県の例を出しますと、最初の戦後の二十一年か二年の宮城県の統計では、舗装率は二%ぐらいなんですね。ところが、今はもう九八%ぐらいになっていると。つまり、インフラ整備というのは確かに公共投資として経済を回すという点もありますが、しかし、社会資本をどこまで整備すればいいかというのは、当時自民党政権下からも随分あって削減という方向になっておりますので、今後これをどれぐらいの適正な規模にするかというのはしっかり議論をしながら、しかし必要なものはしっかり付けていきたいと思っております。
#66
○西田昌司君 また面白いことをおっしゃいますね。小泉構造改革を大臣賛成だったんですか。皆さん方、反対だと言っていたんでしょうが。何を言っているんですか。はっきり言いまして私も反対なんですよ。だから、私が批判するのは当然だし皆さん方も批判すべきなのに、何で大臣、あなたそこ座って賛成したようなこと言っているんですか。そこがそもそも間違いなんですよ。
 小泉構造改革が目指したのは、要するに、内需を大きくしていこうと思ったら、減税をして国の予算を減らして民間に渡せば、民間が内部で、国内に投資してくれると思ったんですよ。ところが、実際には国内投資せずに海外投資しているんですよ。海外投資した結果、企業は国内で投資しようが海外であろうが利益は出るんですよ、企業利益は増えます。ところが、国内における雇用がなくなってくるから、減ってくるから従業員の給料が減るんです。だから二十年間ずっと減っているんですよ、給料が。そのために個人消費がどんどん減っちゃうからデフレをつくっているんです。だから小泉改革は駄目だと、こういうことをあなた方は言っていたんじゃないんですか。というか、分かってなかったんですよ、ただ単に反対しているだけで。
 だから、今やっているのは、小泉改革は反対だと言いながら小泉改革そのものをやっているんですよ。自民党は、そこは麻生内閣のとき見直しをやってきているわけですよ、これ間違いだと。そこの説明ができないままアナウンスなき方向転換になっちゃったから皆さん方に足をすくわれて下野しちゃったけれども。
 要するに、今問題なのは、内需を増やしていくには公共事業投資をやっていくのが一番先決なんです。そして、そのことによってバブルと言われるぐらいインフレ状況がつくれるんです。そこまでつくる必要はありませんよ。だからそこはコントロールして、金利を見ながら、物価上昇を見ながら財政の直接的な政策をすべきなんですよ。分かっていただけますか。だから、皆さん方、せっかく小泉改革を批判してやったんだからやるべきですよ。
 それともう一つ言っておくと、大臣、公共事業投資やるものないみたいにおっしゃっているけど、それは皆さん方怒りますよ。東京はいざ知らず、東京だってミッシングリンクありますし、皆さん方の被災地ならまず復興復旧のインフラあるし、それから我々の住んでいる関西圏でもインフラ更新、災害のための耐用・耐震化、これら足すだけで百兆円以上軽く今近々にしなければならない需要があるんですよ。
 だから、今うんうんとうなずいておられるけれども、そうすると、方針変えていただけますか。財政をきっちり積極財政してデフレからインフレ局面に持っていくと、はっきりそうおっしゃってくださいよ、じゃ。
#67
○国務大臣(安住淳君) 私、先ほど事実関係を申し上げたんで、賛否を言っているわけではないわけですね、公共事業が減りましたと。ただ、先生、やっぱり十三兆円になんなんとした公共事業投資が日本の財政状況やいろんなことを考えたときに適切だったかどうだかというのは私、議論はあると思います。
 今後のことに関していえば、必要な公共事業は私はやっぱりやっていかないといけないと思います。ただ、それを政策的に、何といいますか、デフレを解消するための一つのツールとして考えるべきだという意見が先生の場合、御主張でございますが、一方で、公共投資のやっぱり適切性というのは国民の求めているところがありますので、特に地域においては、それは現実には公共事業や、例えば県庁や公的なもののやっぱり支出や投資というのがないとなかなか成り立たない自治体というのは非常に多うございますから、そうしたことは十分心得ながら公共投資に対して目配りはしていきたいと思っております。
#68
○西田昌司君 ほとんど意味が分からないんです、おっしゃっているの。あっちもこっちも違う理屈を言っているんですよ。
 だから、私が言っているのは必要な公共事業をしなさいですよ。必要な公共事業をして、インフラ更新だけでも百兆円あるんです。この十年間にしなければならないインフラ更新だけでも百兆円あるんです。プラス震災対応、それ合わせると二百兆円近いのがある。これははっきり京都大学の藤井先生も出されていますよ、試算で。だから、そういう必要な公共事業ならやるんですね。どうなんですか。
#69
○国務大臣(安住淳君) いや、もちろん、ですから必要な公共事業について私はやらなければならないと思っています。ですから、ミッシングリンクの解消等も、それは時間等、急激にやるのか、それはもちろんありますけれども、そこはしっかり重要性とプライオリティーを考えながらやってまいりたいと思っております。
#70
○西田昌司君 何をちゅうちょされているの。分からないんですよ。
 だから、今インフレで、物価がどんどん上昇しまして、民間景気が過熱している、し過ぎているから、本当は需要があるんだけれども、インフラ投資の。その場合は安住大臣、あなたの今の答弁でいいんですよ。必要になるんだけれども見ながらやると。ところが、逆さまでしょう。デフレで物価がどんどん下がって、民間需要がマネークリエーションできないんですよ。そのときにはどんどん積極財政するというのが原則じゃないですか。それを分かっておられないんです。それ分かっていなかったら財務大臣できませんよ。
 だから、なぜ今、だから必要なインフラはしなければならない、デフレであると、ここまで認めておいて何でしないんですか。しない理由が分かりませんよ。何でしないんですか。
#71
○国務大臣(安住淳君) いや、しかし、先生、やっぱり財源等、やっぱり国債発行、慎み深く申し上げますけれども、財源の確保ができれば私は十分それはいいと思いますけれども、やっぱりなかなか今のこの国債の欧州の状況なんかを見ながら考えれば、やっぱりできる限りのことは私も頑張りますけれども、やっぱりそこにはどうしても限度があるということだけは分かっていただきたいと思います。
#72
○西田昌司君 全く分かりませんね。財源は、だから建設国債でやればいいと言っているんですよ。何を言っているんですか。赤字国債は制限ありますよ、やるときに一回一回国会でやりますから。建設国債は政府の予算で何ぼでも作れるんですよ。何で出さないんですか。国債が出すと何か具合悪いんですか。
#73
○国務大臣(安住淳君) そうはいっても、市場での消化ということでいえば、特例国債も赤字国債も、ある意味では今回の復興債も変わらない商品でございますから、トータルの量で考えるとやはりそこに配慮をしないといけないということは私はあると思います。
#74
○西田昌司君 要するに、それはどういう状態かというと、国債が値下がりする、要するに金利が高く付いている場合なんですよ。今金利、安く安く、今史上最低じゃないですか。つまり市場が使い道が、お金ないから、国債によって公共事業投資してくれと反応しているんじゃないですか。何を言っているんですか。市場がそう言っているんじゃないですか。せっかく市場から肩たたいてもらっているのに、あなた方は後ろに付いている財務省の役人にだまされているのか乗らされているのか知らないけれども、公共事業投資しないでいこうと思っているんですよ。
 それで、その理論は、何で言うかというと、要するに、皆さん方言うのは、これ以上国債出してどうなんですか、財政厳しいんだと、こういう理論なんですよ。国債が破綻するかもしれないと、そういう話でしょう。それがうそですと。
 だから、次の資料見てくださいよ。
 これは財務省のホームページに出ているんですよ。今も出ています、大きく。どう書いてありますか、これ。これは、要するに外資の格付会社がこの国債を格下げしたんですよ。そのときのこの書いた大蔵官僚、誰か知らないけれども、なかなか優秀ですね。何で格下げしたんだと、おかしいじゃないかと。国債がデフォルトすることなんか考えられないと、自国建ての通貨でやっているところで。その理由を教えなさいと。そして、ファンダメンタルズからの面から見ても、日本はマクロ的に世界最大の貯蓄超過国、それから低金利、それから外貨準備高も世界最高、これでどうやって破綻するんですか、問題あるんですかと言っているんですよ。
 これ、知っておられましたか、こういうのがあったのは。大臣、知っておられましたか。
#75
○国務大臣(安住淳君) 伺っています。
#76
○西田昌司君 そして、知っておられたらなお言いますよ。
 これは、出したのは、ちょっと日付は忘れましたけれども、ちょっと前なんです、今より数年前ですよ。数年前からこういうふうに国債は評価が格下げされてきているんだけれども、実際のファンダメンタルズの面はずっといいんですよ。このときよりもっと良くなっていますよ、対外純資産高も。
 何で出さないんですか、何で出さないんですか。
#77
○国務大臣(安住淳君) これは、先生、数年前でなくて二〇〇二年四月二十六日に本省から発出したもので、十年前でございます。
#78
○西田昌司君 十年前よりいいんですよ、もっと今は、状況。
#79
○国務大臣(安住淳君) はい、しかし十年前の国債発行残高は今とはもう比べ物にならないぐらい低い状態でございましたので、私はそのときの時点での考え方としてはこれでいいと思いますが、やはり国、地方を合わせて非常に大きな今国債の発行残高ですから、対GDP比に占める割合も二〇〇%になんなんとする状況だということだけは是非認識をしていただければと思っています。
#80
○西田昌司君 ここに、三番目にも書いてありますけど、GDPとの関係なんか関係ないんです。経常赤字国か経常黒字国かというだけの話なんですよ。財務省がそう言っているじゃないですか。全く、十年間ずっとでたらめの論法を、だまされてきているんですよ、あなた。自民党の議員だってそうですよ、みんなだまされているんですよ、これは。だから、小泉構造改革みたいなばかみたいなことやったんですよ、これは。はっきり言いまして。そうでしょう、笑っている場合じゃないんです、あなた方、今政権政党なんだから。
 それで、もっと言いますと、これ当たり前の話なんですが、民間の融資残高、これどんどん減っていますよ、民間のこれは。その分こっちが増えて、国債が。当たり前の話なんですよ、これは。民間が減って国も減ったら、これはそもそも経済が行き詰まってしまうじゃないですか。民間の信用創造できない分、国が賄っているだけの話で、当然なんです。
 だから、民間がなぜ少なくなってきたかというと、先ほどから日銀総裁とも言ったように、デフレをつくっちゃったと。デフレをつくった原因の大きなものが、さっきから言っているように、国外に直接投資をして雇用を海外に持っていっているからなんですよ、これは。だから、今こそ国内で投資をして仕事を直接つくることをしなければならないんです。
 それで、もう時間がなくなってきたんで、最後にこれをひとつ財務大臣にお披露目したいと思うんですよね。
 二十年前のGDP一体幾らかというと、四百七十三兆円、平成三年ね。それで、今とこれ、くしくも一緒なんですね。まさにデフレそのものなんですよ。二十年間横ばい、つまり実質的にはデフレですから。実質成長は成長力あったんだから、要するに完全なデフレなんですよ、これ名目ね。それをしている国なんかどこもありません。
 日銀総裁がおっしゃったように、正しくは二%インフレなんだというのがいいという話ですよ。だから、今、しかしデフレにしましたから、これからプラス三%の、もしも三%のインフレでやっていきますと、名目ね、そうするとGDPはそれだけで二十年後には六百五十二兆円になるんですよ。
 そして、税収は幾らになるか。税収は税収の弾性値というのがありますから、要するに一%GDPが増えたよりももっと高く増えるんですね。赤字企業が税金払うようになるとか、個人が控除失格の方が税金払うようになるとかいうので払う人が一挙に増えますから、税金の方がたくさん増えるんです。ところが、財務省は、これ二倍、三倍あるんじゃないかとも言われるんだけれども、非常に控えめで一・一倍だと、こう言っているそうですよ。一・一倍でもいいです。もっと増えると思いますから。
 しかし、それでいきますと、三%の名目のGDPが増えているだけですよ、それだけで今GDPは六百五十二兆円になる言いましたけれども、税収は何ぼになるかといえば、要するに、二倍になりますから八十二兆円ぐらいになるんです。分かりますか。ということはどういうことかというと、増税とかなんとかする前に、要は名目GDPを増える努力をきちんとすれば税収は上がるという話なんですよ。百兆円、二百兆円国債を発行してやっても、その分でGDPが名目上増えていく、それは確実に増えるんですから。そうすると、それだけで、名目だけでも増えるんです、二十年後には倍以上になるんです。そして、実質成長が白川総裁がおっしゃるようにありますから、そうなってきちゃうと、これは当然の話ですけれども、もっと増えるんですよ。だから、今やることは増税じゃなくて、まさに公共事業投資を始めとするインフレ政策なんですよ。
 もう一度、安住大臣、お伺いします。ここまで聞いたら、やると言わなきゃならぬでしょう。どうなんですか。
#81
○国務大臣(安住淳君) いわゆる成長率掛ける弾性値で税収を取るという原則をおっしゃっておられて、人によってはそれが三だ四だと言う人もいますが、今一・一で、ですからそれは単純に計算すれば、確かに三%の成長をすれば、税収は論理的には掛ける一・一だとしても上がってくることは先生のとおりです。
 やはり問題は、三%の成長をどうやってこの少子高齢化社会の中でやっていくのかというのは極めて大変なことであるなと。しかし、そこに財政出動等重要な政策を加味しながらやれという御指摘は十分分かりますので、本当にできる範囲の中でやらせていただきたいと思います。
#82
○西田昌司君 時間が来ましたのでやめますが、問題は、あなた方が後ろの人に刷り込まれているからなんですよ。もう一度素直な気持ちで野党のときに戻って、素直な気持ちで考えてみなさいよ、本当に。少子高齢化とおっしゃっているけれども、それうそじゃないですか。この二十年間、過去二十年間に少子高齢化で人口が減ったんですか。減っていませんよ。これからそうなるという話だけで、要するにこの二十年間、全部うそ話をやられてきているんですよ。目を覚ましてくださいよ。目が覚めないのなら、もう一度野党に戻ってやり直してください。
 そのことを申し上げて、終わります。
#83
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子です。
 十一月二十五日の本会議において総理にも代表質問をさせていただきましたが、引き続き関連の質問を本日は財務大臣にお伺いいたします。
 まずは、税と社会保障一体改革に関して伺います。
 総理は、二〇一〇年半ばまでに消費税率を一〇%に引き上げるとして、政府の税と社会保障の一体改革案に基づき、今年度中に消費税の増税時期や引上げ幅を決定するとされています。高齢化等により社会保障給付費は平成二十二年度で百五兆円を超える一方で、給付費の伸びに保険料収入が追い付いていないという厳しい現状から、税と社会保障の問題は与野党を超えて議論すべき重要な事柄であると承知をしております。
 しかしながら、総理は、与野党協議を呼びかけていますけれども、まずは政府・与党内で合意した案を提示するのが筋であります。与党内で合意できていないのに野党に協力を求めるのは筋違いだと思います。
 民主党政権では、昨年十月に政府・与党社会保障改革検討本部を設置し、本年六月に社会保障・税一体改革成案をまとめていますが、本来、閣議決定すべきものであるにもかかわらず、政府・与党社会保障改革検討本部の決定という形でしかまとめられませんでした。本来、国民に対して負担を求める事柄について、政府の機関決定である閣議決定をもってすることが当然求められるわけですが、それができなかったということだと思います。
 本日お配りした資料は、六月二日行われた社会保障改革に関する集中検討会議で、当時の片山総務大臣の「「社会保障改革案」に対する意見」として提出された資料であります。この中で片山前総務大臣は政府の改革案を厳しく批判されていますが、この意見に対して政府内ではどう扱われ、対応されたのでしょうか。また、閣議決定ができず現在まで至っている理由は何でしょうか。財務大臣にお伺いいたします。
#84
○大臣政務官(大串博志君) 竹谷先生から御質問いただきました。まず、事実関係を御報告させていただきたいというふうに思います。
 片山当時の総務大臣の方から、六月の会議でございましたけれども、先ほどお話のありました社会保障と税の一体改革成案を議論する中で、地方側からの声ということで御議論いただきました。それは、この資料にもあるとおりでございます。
 これに関しまして、その後の会議の中で国と地方の皆さんとの協議を促進する手配を取りまして、この論点でありました地方単独事業を含めた社会保障全体をとらえた議論を行うべきであるというこの論点、それともう一つは、地方消費税を社会保障財源化することはなかなか地方としては容認できないというこの論点、この二つ論点ございましたけれども、この論点に関して、六月の末にまとめた社会保障・税一体改革成案の中には、地方の皆さんの意見も取り込む形で文案修正させていただき、取りまとめさせていただきました。
 事実、片山総務大臣からこの御意見をいただいた後の会議を経た後、六月十七日には片山大臣から、記者会見においてではありますが、私がかねて主張をしておりました地方の理解を得るために必要な要素というものは織り込んでおりますので、大変良かったと思いますという意見もいただいております。
 その後でございますけれども、その後、この趣旨も踏まえて、今、地方単独事業の扱い等と社会保障財源の中でどう扱うかということを地方の皆さんと情報を出していただいて意見のすり合わせを行わせていただいております。そういった形で、地方の皆さんとの意見交換も十分できる形での最終的な取りまとめをしていきたいと思っておりますというのが地方との関係での論点一つ。
 もう一つの閣議決定の論点でございますけれども、これは、政府・与党社会保障改革検討本部において、今お話のありましたように昨年の十月から検討を始めました。関係閣僚全部入った中での会議で、与党も入った中での会議でございました。私も党からそのメンバーに入っておりましたが、その場において熟議の結果、この成案を六月の末にまとめ、さらには、その翌日に閣議に報告をし、その際には、各党各会派に対してこの改革のための協議を提案し、参加を呼びかけるということで、これ了解を得ております。事実、その文言は、この成案の中にも、この案をもって各党との協議に入りますということを書いています。
 その上で、これを翌七月一日に閣議報告を行った上で各党との協議に入るということについて了解を得ておりますので、閣議全体としてこの方針にのっとった形でやっているというふうに思っておりますし、さらには、野田政権になりましてから野田政権としての方針を定めておりまして、九月二日の閣議決定で野田政権の基本方針として、必要な社会保障の機能強化を確実に実施し、同時に社会保障全体の持続可能性の確保を図るため、社会保障・税一体改革成案を早急に具体化するということも決定しておるところでございます。
#85
○国務大臣(安住淳君) 実は私、当時国対委員長でして、ですから、閣議決定でなくて報告にした経緯はよく分かっているんです。
 率直に申し上げますと、閣議決定をして、言ってみれば交渉の余地もないままに各党にこれを提示するのは当時は的確ではないと。で、報告にとどめることによって幅を持って交渉をしたいということで、実は閣議報告にさせていただいて、特に自公を中心にここで提案をさせていただいたということだったんです。今になって、それは我々も批判は受けていますけれども、当時の私の考え方、国対委員長としての考え方、また党の執行部としては、閣議決定ではなくて報告にしてもらって、そして、できれば各党の協議にしたいということで報告にとどめたというのが紛れもない事実でございます。
#86
○竹谷とし子君 御回答いただいたんですけれども、ちょっと閣議決定なぜできなかったのかという理由については明確にお答えいただいていないように感じるんですけれども。
#87
○国務大臣(安住淳君) ですから、閣議決定をしないで報告にとどめたのは、これは私もそういうふうなお願いを党の役員としてしました。それは、閣議決定をすれば交渉の余地が、各党との、なくなるので、できれば閣議報告でとどめておいて、そして各党にこの成案、我が方の成案を言わば提案をさせていただいて、合意点を見出したいという気持ちがあったので、閣議決定ではなくて報告にしたということでございます。
#88
○竹谷とし子君 交渉の余地を残して、野党に少し譲る余地を残したいという、そういうことなのかなというふうにも思いますけれども、一方で、与党内で意見がまとまらないからそういう形でまとめられたんじゃないかなというふうに感じざるを得ないんですね。
 小沢元代表が、消費税の幅の引上げについて、時期について、今年度中にまとめられるわけがないというふうに複数の場所で発言されたという報道ありましたけれども、それを取りましても、やはり与党内でまとまっていないことに対して野党と協議するというのは余りにも失礼なのではないかというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。
#89
○大臣政務官(大串博志君) 当時、私、社会保障と税の抜本改革調査会、党の方の事務局長でございまして、去年の秋からの五十回にわたる党における議論をつかさどらせていただきました。
 最終的に、この六月三十日の政府・与党の成案をまとめる際においては、この文案そのものを党の調査会にかけまして、党の調査会においてもみにもんでこれを成案として得ました。最終回においては、いろんな慎重な意見を述べていらっしゃった方々からも、これをもって党としても取りまとめたからには、我々一人一人がこれを今度は背負うんだという意気込みでやっていこうというふうな意見も出たところまで行ったほど、最終的には党の中でもこれは一致した意見としてこの一体改革成案というのは取りまとめたのが経緯でございますので、党の中でまとめたものを野党の皆さんとも協議させていただきたいという、そういうスタンスでございます。
#90
○竹谷とし子君 党の中で一致している、まとまったというその認識が我々野党と御党の中の認識がずれているな、そもそもという感じがいたします。
 続いて次の質問をさせていただきますが、消費税を上げるとした場合のその使途、内容について確認させていただきます。
 税と社会保障一体改革成案において想定されている、必要とされている消費税率五%、資料をお配りしておりますけれども、これのうち、後の世代にツケ回している機能維持に係る部分が一%、基礎年金国庫負担割合二分の一への引上げ部分が一%、高齢化に伴う増が一%となっており、制度改革のためによるものは一%相当分しかないように見受けられます。
 国民の皆様は、税と社会保障の一体改革というのは制度の改革によって社会保障が大きく充実するものであるというイメージを持っていらっしゃるのではないかと思います。しかしながら、実際のところは制度の拡充に係る部分は消費税率にして一%でしかないということになると思います。特に、民主党が主張してきた最低保障年金を始めとする年金制度改革に要する費用が含まれていると誤解されるおそれがあるのではないかと思います。資料を拝見しますと、含まれていません。民主党の最低保障年金は含まれていないということでよろしいでしょうか。確認のために財務大臣の御答弁をお伺いいたします。
#91
○国務大臣(安住淳君) これは含まれていません。維持機能に一%、残りは先生御指摘のとおりでございます。ですから、何かこれで良くなる、もっとすばらしいものになるというふうな誤解を受けているんではないかという御指摘でございますが、ただ、事実関係のもう少し国民の皆さんに分かってもらう努力というものが逆に言えば足りないというふうに思っていますので、今後そこについては私どもも機会あるたびにお願いをしていきたいと思います。
 具体的には、やはり一般会計に占める割合が非常に高くなって、もう今年で二十八・七ですから、これは間もなく三十兆を超えると。また、この先を考えても、例えば十五年後には、現在、全体で百八兆なのが百四十五兆、年金、医療、介護、一切合財を含めてこれぐらい掛かると。特に、その中でも医療と介護については、これはもう大変な、二倍、一・五倍になると。年金を維持するためにですら、これから二分の一負担等の問題を含めても掛かってきますので、この維持というものを、やっぱり今の水準を下げることなくやるためにもこの消費税は必要であるということをこれからもお訴えをしていきたいというふうに思っております。
#92
○竹谷とし子君 政権交代のときに、民主党は四年間消費税を上げない、十六・八兆円の財源を予算の組替え等で捻出することができると国民の皆様に約束をされてきたわけですから、今の御説明は国民の皆様には到底受け入れられないのではないかというふうに思います。
 次に、財確法の質問に入らせていただきます。
 幾つか事前に通告させていただいたものがありますが、時間の関係で少し限定して質問させていただきますが、復興予算の執行期間と繰越しについて伺いたいというふうに思います。
 予算は繰越明許として一年限り繰り越せるということになっていますが、今回成立した三次補正の予算は十一月の成立であり、本年度はあと四か月です。一年間繰り越せるとしても、最長一年と四か月で執行することが前提となります。
 しかしながら、被災地の復興計画や現状を見ると、今回成立した予算が来年度末までに執行できるとはとても考えられません。例えば、津波被害を受けた地域の高台移転の事業を考えますと、移転先の検討、津波被害を受けた土地の買上げがなされるかどうか、新しい町づくりとの関係など、現地の利害も複雑に絡む、簡単に済まない合意形成が待っています。地域により事情が異なり、進捗も違うと思います。また、今日の報道でも、政府の復興対策本部が策定したインフラ復旧の工程表で、財務大臣の地元でもあります石巻など主要八漁港の復旧は最長四年掛かるということが発表されています。
 予算を一年四か月で使い切らなければならないということになると、本当に必要な事業でもないものに使われる可能性も否定できません。
 このような事情に鑑みて、複数年度、復興に掛かる期間で最も目的に沿った形で柔軟に復興資金を使う時期を決められる、そういう仕組みが必要と考えます。
 今回成立した予算と、この例えば石巻などの漁港復旧に掛かる四年間、この期間の関係というのはどうなるのでしょうか、財務大臣の御見解を伺います。
#93
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のように、この年度末までにこれだけの予算の消化ができるのかということは御指摘のとおりです。ですから、通常の予算と同様に繰越明許費として約五兆円をそこに盛り込んでおりますので、これは来年度も使えるということだと思います。
 実は、阪神・淡路大震災の例を見ても、二年目が一番ピーク時として予算を使っているんですね。その後はぐっと下がって安定的に予算というのは執行されていますので、来年、それぞれの自治体で発注をしてどこまで工事が進むかというのは、やはりかなり、私はそうはいっても積んでおかなければならないものはあるだろうというふうに思っております。
 今後、その中で、もし来年になっても更に、もしそれはなかなか消化がし切れなかったり、更に掛かるということであれば、私はその時点で十分様々な工夫をしながら、今度は特別会計でやることになりますので、私はそういう中で適正な執行というのは行っていけるというふうに思っております。
#94
○竹谷とし子君 繰り越せるということですか、一年以上。
#95
○国務大臣(安住淳君) 一年以上、今の中では繰越明許費は一年です。一年繰り越せます。ですから、来年の四月以降の繰越しはできますが、その先の繰越しというのはできません。
 ですから、そこの時点において、私どもとしては、事業に支障のないような工夫というものはやっていかなけりゃならないというふうに思っているということでございます。
#96
○竹谷とし子君 具体的にはどういう工夫を考えていらっしゃいますでしょうか。
#97
○国務大臣(安住淳君) だからこそ、基金化というものは一つの考え方としてあると思っておりますので、基金化をすれば毎年の執行に対して、仮に余分が出ても次に持ち越せるという考え方はありますので、そういうやり方をやるというのも一つの方法だと思っております。
#98
○竹谷とし子君 それとも関連しますけれども、先ほど愛知委員からも質問がありました復興資金の流れの透明化、区分経理についてお伺いしたいと思います。
 東日本大震災からの復旧復興に関する費用、今後更に増大する可能性もあります。この復旧復興費用が具体的に何に使われたのか、被災者の方々そして負担をお願いするならば国民の皆様にも説明が必要です。そのために、復旧復興の歳出歳入を網羅した資金の流れの透明化を図るため区分経理が行われることになっております。既に復興費用として一次補正、二次補正で支出が始まっていますが、それを含めて、何に資金が使われ幾ら残っているか、それを開示して国としてしっかりと説明責任を果たしていくべきだと考えます。基金化して複数年度にわたり使えるようにした場合は、特にあと幾ら残っているかを把握するということは重要です。
 区分経理の方法について、今までやっていなかったことを今回やるということですから、具体的な方法を御検討されていることと思います。区分経理については、政府が出している、先ほど質問させていただきました社会保障・税一体改革成案の中でも、「消費税収の使途の明確化」として「区分経理を徹底」と明示されています。今回の復興資金の区分経理を政府がどう具体化するか、本気度が試されていると思います。区分経理の具体的な方法の検討状況について財務大臣にお伺いいたします。
#99
○国務大臣(安住淳君) 分かりやすく国民の皆さん、またそれを代表する議会の先生方に対して、資金の透明性を持った表をしっかり出して執行状況を確認をしていただくということをしっかりやっていきたいと思っております。いずれ、自治体とも相談をさせていただきながら、執行状況については分かりやすいものを提出をさせていただきたいというふうに思っています。ですから、開示をしない理由は復興予算に関しては私はないと思いますので、これは一円の単位からできるだけやると。
 さらに、基金についても、創設の基金というのはかなりあるんですね。例えば、緊急雇用創出事業基金、これは厚労省が持っていたり、原子力災害対応・復興基金、これはもう仮称ですけれども、各省にまたがったり、それから例えば文科省であれば高校生修学支援基金等、これらのそういう三次補正の中での予算措置をしたものについて、大体どの時点で、毎年どういう執行状況であるかについても、今後しっかり皆様方にその予算の使われ方、どうなっているのかについては明示をしていきたいというふうに思っております。
#100
○竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。
 地方の分も併せて開示するということになると、あらかじめ地方の方にもそれを伝えておいて、集計がしやすく後になって二重手間にならないようにしないといけないと思いますので、そこのところの御指導を是非よろしくお願いいたします。
 最後に、税金の無駄遣いをなくすための予算制度改革についてお伺いいたします。
 日本の財政赤字が大きいのは、省庁に予算枠の中で効率化させるインセンティブがなく、政治の意思決定が歳出側に偏って断片化し、透明性も低いからだと考えています。民主党政権では平成二十一年十月に予算編成の在り方の改革についてという閣議決定をしています。この中には良い取組も列挙されています。残念ながら、その具体化は途上にあると思います。実現できていないことがたくさんあります。民主党政権は、増税で国民に負担をお願いするばかりで、自らやると言っていることを怠って先送りばかりしています。予算制度に内在する問題を解決せずに根本的な財政再建の取組はできないと考えますが、財務大臣の御見解を伺いたいと思います。
#101
○大臣政務官(大串博志君) 今御指摘のあった時節に国家戦略室において予算編成改革に関する提言を出しました。当時は、今お話のありました予算の繰越しとか、こういった問題、さらには単年度予算主義の問題から複数年度の予算の組み方、さらには予算に関する情報開示、こういったものを提言したわけでございます。
 予算編成に関する情報開示については、行政刷新を含め、あるいは公開プロセスを含め、できる限りの努力を図ってきているところでありますが、更に取り組んでまいりたいというふうに思いますし、単年度予算にとらわれない複数年的な予算の作り方として、中期財政フレーム及び財政運営戦略というものを作り、一年限りの予算の考え方にならないように長期を見据えた予算編成の作り方をしていこうという形を取っているところでございます。
 その中で、基礎的財政収支対象経費というものを定めて、その中でそれを一定に抑える、あるいは国債の発行限度額を定める、こういった形で、結果としても税金の無駄遣いがきちんと抑制されていくような方向に結び付けられるような取組を行っているところでございますが、まだまだ取り組んでいかなければならない課題は多いと思いますので、委員御指摘のとおり、更なる努力を励んでまいりたいというふうに思います。
#102
○国務大臣(安住淳君) 私も九〇年代の半ばから国会議員やっていて思うんですけど、一般会計については、かなりいろんな意味で、分科会も含めて議論していただいているんです。ところが、基金とか特別会計のことに関しては、例えばそのチェック機能がどうだったかというと、やっぱりそこは非常に、私は野党でしたけれども、見過ごす点が非常に多くて反省もあります。
 ですから、今後、予算の執行に関して単年度の問題も確かにあるので、これを例えば経年に使うというような基金化等もやりますが、同時に、先生御指摘のように透明化をして、どういう使われ方をやっているのかということが国民誰もが分かるような仕組みというものをしっかりとつくっていかなければならないというのがもう一つのやっぱり柱としてありますので、それに向けた具体の対策というものを取っていきたいというふうに思っております。
#103
○竹谷とし子君 是非、具体の目に見える形での対策の進捗を今後も伺ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 終わります。ありがとうございました。
#104
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。これまでの安住大臣との質疑を踏まえまして、再度、復興のために増税をすべきではないという立場から質問をさせていただきます。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
 まずは、法律の立て付けについて伺いたいと思うんですが、復興基本法、前の法律ですけれども、復興基本法七条では、復興関連以外の施策の予算も見直して歳出削減を図ることも復興関連の財源と考えるということになっておりますけれども、今回の財確法案では、明示的に復興特別税の負担軽減がされるのは、衆議院で修正が加えられた決算剰余金を除いてしまいますと、JT株、エネルギー特会所属株、郵政株の三つだけということになっておりまして、それ以外は対象外とも読めるわけですけれども、国家公務員人件費等、更なる歳出削減が図られたときは税負担の軽減の対象とするのでしょうか、しないのでしょうか、お答えください。
#105
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のように、七条では、先生今指摘のようなことが明記されております。ですから、できるだけ財源の捻出に努めなければならないというのが私どもの責任ではないかなと思います。
 そこで、その税外収入について、これは公務員の人件費ももう少し深掘りをしてそれは出せるんじゃないかということでございますけれども、私もいずれしっかりと、やはり今回七・八の削減というのは大変公務員の皆さんには申し訳ないところもあるんです、私率直に言うと。お給料が減るというのは、もう御家庭の奥様方や御家族のことを考えると決して楽しいことではありませんから。ただ、国民の目線から考えたときにはそれは何とかやっていただいて、また一方で、マニフェストでも申し上げていたとおり、できるだけ公務員の人件費、総額ですから様々なことをやりながら二割抑制というのはやらせていただいて、それにできるだけもうやっぱり近づけていくプログラムをしっかり作って、それはいずれにしても様々な財源にしっかりと活用していくということを私はやっていきたいというふうに思っています。
#106
○中西健治君 今、様々な財源に活用するとおっしゃいましたけれども、復興の財源というものも含まれるということでよろしいでしょうか。
#107
○国務大臣(安住淳君) 今後、それはもう捕らぬタヌキのになりますので今からそうしますとも申し上げられませんけれども、いずれ、復興にしても財政再建にしても、この財源というものは非常に重要な、もし捻出できればまとまったお金になりますので、これは様々なものに資するというふうに思っております。
#108
○中西健治君 もし捻出できればというのは非常に弱いトーンですけれども、マニフェストで二割削減ということを掲げておりまして、財務大臣も総理も、平成二十五年度までには二〇%を達成する、その旗を下ろしていないというふうにおっしゃっているわけですから、もしできればというのは弱過ぎるんじゃないですか。
#109
○国務大臣(安住淳君) これは法律事項でありますので、国対を長くやっていますので、私どもとしては様々な努力をして、これは法律事項に必要なものは出しますし、また総枠抑制ですから、新しい方をできるだけ採らないでというか、退職をなさる方の分の補充みたいなものは少し検討しないといけませんので、そうしたことを全体でやった上で何とか捻出をしたいというふうに思っておりますので、言葉はそう取られるかもしれませんが、気持ちは決して弱いわけではございません。
#110
○中西健治君 そうしますと、平成二十五年度までに二割削減という措置を講ずるという意向であるということでよろしいですね。
#111
○国務大臣(安住淳君) 旗を下ろさないで頑張ってまいります。
#112
○中西健治君 そうなりますと、一年当たり一兆円強のお金の話をしているわけですので、税負担大きく減る、所得税そして住民税が劇的に減るということも考えられるということでよろしいでしょうか。
#113
○国務大臣(安住淳君) まだ、それを復興の財源に使わせてもらうのか、何に使わせていただくのかということが決まったわけではございません。
#114
○中西健治君 この公務員の人件費の削減のほかに、子ども手当の見直しですとか東京メトロの株式売却など、少なくとも税外収入、今回五兆円という中に項目として含まれているものについては、更なる財源が確保される場合には、この今の、今回の増税の中で負担軽減されると明示すべきなんじゃないですか。
#115
○国務大臣(安住淳君) 明示はしておりませんけれども、私どもの考え方というのは、税外収入が見込めれば、その分増税の御負担の圧縮を図るということについては、何ら異存はございません。
#116
○中西健治君 そうなりますと、子ども手当の圧縮ですとか東京メトロ株式、こうした項目として挙げられるものについてもし財源が確保できるんであれば、所得税、住民税を減らすことはあり得るということでよろしいですね。
#117
○国務大臣(安住淳君) 今懸案となっております、ですから郵政法案等も、これももし成立をすれば三分の二の株式の売却というのは可能になりますから、そういうものももし出てくるのであれば、様々な意味で税負担の軽減も考えるというのは当然あってしかるべきだというふうに思っています。
#118
○中西健治君 そうしますと、東京メトロの株式は幾らぐらいで売却する予定なんですか。
#119
○国務大臣(安住淳君) これ、まだ正式には決まっていないんです。ですけれども、見込みでいえば〇・二兆ぐらいかなというふうに思っております。
#120
○中西健治君 東京メトロの、これ幾らにならなきゃいけないという議論をするつもりではありませんけれども、利益の出ている会社です。経常利益だけで毎年六百億円以上出ているということですし、当然、これをもし東京都に売却するというようなことであれば都営地下鉄とのシナジー効果というのも見込めるわけですから、当然高い値段で売却をするということをしなければいけないと思いますが、そこら辺、透明性の確保をどうしていきますか。
#121
○国務大臣(安住淳君) ですから、全く御指摘のとおりなんです。
 それで、東京都の御意向というのもあると思いますので、今のところの見込みとしては確かに〇・二と思っていますが、非常に可能性のある株ではないかなというふうに思っておりますので、そこは十分、国民の財産ですから、高く売れるんであればそうした工夫というものはしっかりやっていきたいと思っています。
#122
○中西健治君 是非そうしていただいて、そしてそれも、しかも復興の増税の負担軽減に役立てていただきたいと、このように思います。
 これ元々、次の世代に回さないということで始まっているわけですけれども、そういう大義名分で五年で検討がスタートして、そして法案では十年になって、十五年、二十五年ということになったわけですけれども。これは以前もお聞きいたしましたけれども、次の世代にツケを回さないという大義名分ももう失われているわけですし、この十一・二兆円という金額も、二十五年で割ってしまいますと、年間四千四百億円という金額になります。四千四百億円という金額、どうして増税に頼らなきゃいけないんですか、どうして歳出削減でやらないんですか、そこを再度お伺いしたいと思います。
#123
○国務大臣(安住淳君) 何度もお答えはしておりますけれども、やはり賛否いろいろありますけれども、所得税、法人税に付加をさせていただいて、負担を皆さんで是非分かち合っていただいて、プラス税外収入で、事実上赤字国債、建設国債の増発といいますか、累積額を増やさないでということでやりました。
 まあ、二十五年はもう現役世代だけじゃないじゃないかという御指摘もありますけれども、これは政治の世界での合意でございますので、私は、十分二十五年というのは価値のあるものであって、この合意というものを大事にしていきたいというふうに思っております。
#124
○中西健治君 四千四百億円程度の歳出削減ができないということは、今後、社会保障制度改革ですとか財政健全化を行う際に必要となってくる追加の財源については全て税金で賄うということでしょうか。
#125
○国務大臣(安住淳君) いや、単純に四千四百億、確かにそれは一年で考えれば単純に計算してということですけれども、これはしかし数兆円に及ぶ非常に大きな額ですから、そういう点では、ある意味では税外収入プラスこの増税幅というのは、本当に申し訳ありませんけれども、しかし許容できる範囲の中でぎりぎりのお願いではないかなというふうに思っております。
#126
○中西健治君 臨時という前提も失われていますし、次の世代にツケを残さないという大義名分も失われていますから、初めに増税ありきという結論にしがみつくのではなくて、前提が失われたのであれば結論も変えるべきであると私は思っております。
 復興債についてお伺いしたいと思います。
 復興債、建設国債、特例公債の明確な区別はどうなっているんでしょうか。発行根拠法の違いは当然存在するわけですけれども、資金の使途でこれらの債券が区別されるということはまた明らかなんじゃないかと思いますが、どのように区別をしていくつもりでしょうか。
#127
○国務大臣(安住淳君) もちろん、ですから市場から見たときの違いはないわけです。ただ、発行根拠というのは先生おっしゃるように違いますので、これは、建設国債については公共投資に充てると、それから一般歳出等の赤字については特例公債で毎年これは見込むと。で、復興債に使うお金ということですが、これはやはり復興事業ということになりますので、これの定義はどうなんだということになりますと、私はやっぱり被災を受けた地域を中心に、またそれに関係するものということに今後なっていくというふうに思っております。
#128
○中西健治君 被災を受けた地域といっても、実際にこれが復興の費用なのか、それとも別のインフラ整備の費用なのかということについては判断がしづらい部分もあるのではないかと思いますが、明確な基準を設けるつもりはありますか。
#129
○国務大臣(安住淳君) そこでその特別会計の話というのが来年から出てくると思います。
 そういう中で、私は思うんですけれども、やはり先生、そこは確かに査定の中で様々な問題が出てくるかもしれませんが、しかし基本的には、例えば私の被害があった石巻市とか、被害があった地域で復興計画の中で盛り込まれているものについては、やはりこれは復興債に充てていくというのは一つはっきりしていることではないかなと思うんです。それ以外にも、ある意味ではその区分の分かれるところもあると思いますが、いずれにしても、それは国会の中にきちっと出させていただきながら、十分な質疑をしていただきながら御判断いただくようにしたいというふうに思っています。
#130
○中西健治君 具体的に一つお伺いしますけれども、復興基本法二条によりますと、少子高齢化ですとか、環境、食料、エネルギー問題などの解決に向けての先導的な施策というものも復興というものに含まれるようになっているんですが、これ一般予算と復興予算、どういうふうに区別したらいいんでしょうね、こうしたものについて。
#131
○国務大臣(安住淳君) 例えば、今回の三次補正についても、雇用の確保、被災者のですよ、二千億円、更に追加をして本格的な雇用の推進についても一千五百億円、こういうのも含まれておりますので、そういう点では広い意味でこの二条に値するものというのは出てくると思いますので、そういうものにこの復興債を使っていきたいというふうに思っております。
#132
○中西健治君 今のは雇用のことを聞いたんじゃなくて、少子高齢化、環境、食料、エネルギー、こうしたものがどうして復興に含まれるのかということをお聞きしているんです。
#133
○国務大臣(安住淳君) 被災を受けた地域は日本でも最も少子高齢化が進んでおりまして、また復興に関していいますと、地域によっては新しいエネルギーの拠点地域にしたいということも言っております。ですから、そういう点では、それぞれの自治体の復興計画を御覧いただくと分かるんですが、復興計画の中には実は少子高齢化やこの環境、食料、エネルギーという分野をかなり重点的に今後の未来に向けた町づくりというのにつくろうというところがあるものですから、そういうお金については是非こういうものに使っていきたいということでございます。
#134
○中西健治君 赤字国債とそして復興債、ちょっとどういうふうに分けるのか、そして建設国債をどういうふうに分けていくのかということは、今後、四十四兆円の国債の発行の限度というものと復興債がどういうふうに絡み合っていくのかということも大変問題だと思いますので、本来であれば明確な基準を設けるべきではないかなというふうに思っております。
 所得税法の一部改正についてお伺いいたします。
 今回、早期の法案成立を念頭に、法人税の基本税率及び中小企業者等の軽減税率の引下げ、これに合わせた課税ベースの拡大等を行うことを優先して、他の所得税法、相続税法、租税特措法に係る改正事項の一部を削除したということは評価できるというふうに思っておりますが、そもそも今国会で政府が修正した際に、納税者保護の観点から盛り込まれていた納税者権利憲章の策定にかかわる規定を削除したのは本末転倒なんではないでしょうか。民主党の二〇〇九年のインデックスにもうたっているのに、どうしてこの憲章の規定を落とす必要があったんでしょうか。
#135
○理事(大久保勉君) 時間ですので、答弁は簡潔にお願いします。
#136
○国務大臣(安住淳君) 与野党交渉を行う与党側の責任者の方から、合意を、これを持っているとなかなか難しいので、そういう点では最初から落とすようにというふうな指示がありましたので、私の政治判断で落とさせていただきました。
#137
○中西健治君 一言だけ、済みません。大臣、それでいいんですか。
#138
○国務大臣(安住淳君) 今後も、納税者の皆さんと、それから税をこちらとして徴収させていただく側との様々なバランスというものは考えながら、必要であれば権利についても必要な法改正というのは私は目指していきたいとは思っています。
#139
○中西健治君 ありがとうございました。終わります。
#140
○大門実紀史君 大門でございます。午前中は国税通則法の関連に絞って質問をいたします。
 今もお話あったところですが、納税者権利憲章の制定は民主党の政策の目玉でございましたし、野党のときは私たちも一緒に野党共闘で制定のための取決めもいたしました。今お話あったとおり、それが削除されたということでございます。
 これは、今、中西さんがお聞きされましたけれども、具体的に言えば自民党から削除の要求があったということでございますが、どういう理由をもって削除をしろという要求があったのか、その理由はどういうものだったんですか。
#141
○国務大臣(安住淳君) 各党間協議の前段で、先生、与党側として、正式な通告が自民党からあったわけではなくて、非公式な交渉の中で、この権利憲章はなかなか自民党さんの場合その合意に至るのは難しいよと、このままではというふうな感触を得ていたということであったので、そうであれば、ほかのものを生かすためにもこちらとして判断をしてほしいということだったものですから、我々としては、そうであれば、この憲章の策定については、残念ですけれども、今回は落とさせていただく決断をしたということでございました。
#142
○大門実紀史君 私の方で聞いている理由は、一度衆議院でそういうこれについての議論を展開された自民党の議員もおられるわけですが、要するに、税務調査にいろいろ制約を付けると、実調率、税務署の実際に調査する率が下がるんじゃないかとか、あるいは憲法には納税者の義務は書いてあっても権利は書いてないので変じゃないかとか、言ってみればその程度の、何というか、時代遅れの話なんですよね。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
 外国の例見ても、納税者の権利書いているのは当たり前の話で、今どきですね、これで税務署の実調率が下がるなんて、はっきり申し上げて政府が出したあの法案、当初の法案というのは、私たちはもう少し厳格なものを求めましたけれども、はっきり言ってあの程度のもので税務署の調査が足を引っ張られるとか、そういうふうなレベルでもないわけですよね。なぜこんなものを自民党が修正要求したのかと、何か急に税務署の味方みたいになって、非常に理解できないところあるわけですけれども。
 要するに、たかがその程度の修正要求をなぜあれだけ政策の目玉に掲げた民主党が簡単にのんでしまうのかと。今おっしゃったような程度の政治的な妥協の産物かも分かりませんが、もう少し真剣にこの納税者権利憲章というのは考えるべきだと。
 大臣は、安住さんは、この修正は衆議院の答弁で大変残念であるということと諦めたわけではないということをおっしゃっていただいていますけど、今ちらっと最後にこれからどうするかということで御答弁ありましたけど、もう少し、これからどうしていくのか。やっぱり政治家ですから信念を持ってほしいんですよね。ちょっと、きちっとお答えいただきたいと思います。
#143
○国務大臣(安住淳君) 衆議院でのことや各党協議のことは先生も御存じの、御指摘のとおりでございますが、私としては納税者の権利擁護を過度にやるということでは全くないと思っておりますので、今、今回提案をさせていただいたことについては何とか御理解を得て、法制化をできるような環境づくりと努力というものを私としてはやっていきたいというふうに思っております。
#144
○大門実紀史君 その点で、私たちも法制化できるように引き続き一緒に努力はしたいと思っております。
 中身の問題で幾つか今回の改正の心配なところを質問いたしますが、一つは税務調査の場合の事前通知の問題ですけれども、税務調査というのは、もう言うまでもございませんが、納税者の理解と協力を得て行う任意調査でございます。調査するというときはちゃんと調査いついつ伺いたいという予告をするのはこれは当たり前のことなんですが、今回、一応その事前通知が法制化ということですけれども、ただ例外規定というのが書かれておりまして、いろいろおそれがあるときは事前通知はしなくていいと。
 そのおそれの中身は二つございまして、一つは、納税者の申告内容、過去の調査結果、事業内容に関する情報等に鑑み、違法又は不当な行為を容易にし、正確な課税標準等の把握を困難にするおそれがあるときと、もう一つは、その他国税に関する調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるところと、この例外を設けているわけですね。
 このおそれがあるというのは、実はこれを誰が判断するかというと税務署が判断するわけですから、この間いろいろ個別の相談の事例からいっても、予告しないで突然行って、営業妨害にもかかわるようなことをやっている事例として個別に来ておりますので、このおそれが恣意的にあるいは主観的に判断されて濫用されることは絶対あってはならないというふうに思いますので、この例外規定は厳格の上にも厳格に運用するようにきちっと徹底してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
#145
○政府参考人(岡本榮一君) お答え申し上げます。
 現在におきましても、実地調査に際しましては、通達に基づきまして、原則として調査対象者及び関与税理士に対しまして事前通知を行うこととしております。
 国税庁といたしましては、今回の法制化は、調査の手続の透明性と納税者の予見可能性を高めるという今般の改正の趣旨を踏まえまして、事前通知を行うかどうかは、法令に従いまして、個々の事案に則し、無予告調査の必要性、十分に検討した上で判断してまいりたい、より適正な執行に努めてまいりたいと考えております。
#146
○大門実紀史君 もう一つは、白色申告者の記帳義務ですが、今まで所得三百万円以下の方には記帳の義務を課していなかったわけですけれども、今回課すということなんですが、これは何度も国会でも議論になってきた話ですが、要するに、当時、八四年改正のときは、三百万円以下の零細事業者まで記帳を課す必要も特にないのではないか、記録の保存があればいいのではないかということがあったわけですけれども、今回わざわざ三百万以下にも課すという理由は何でしょうか。
#147
○副大臣(藤田幸久君) 御承知のとおり、申告納税制度ということで、自分で確定をして自分で申告をするということなんですが、昭和五十九年の段階で三百万円以上の方はそういうふうに義務を課されることになったわけですが、それ以下の方は、当時の状況でいうと、なかなか負担感もあるのではないかということで当時は外していただいたと。今回は、今パソコンとかいろんな形でどういう方々であってもそんなに負担感がなくそういう記載ができるだろうということで、今回は三百万以下の方もやっていただくということになったわけです。
 私は実際その紙見ましたけど、簡単な売上げと仕入れだけ書くものになっておりまして、青色と違って白色の場合には本当に簡単なもので、小遣い帳みたいなものでございますので、やはりそういう義務を課すことによって、簡単な形で記載をしていただく方が経営管理上もいいのではないかということで今回はお願いをするようになったと。
 実際にスタートするのは二年先、平成二十六年一月でございますから、それまでに十分に周知徹底をして説明をして、それから導入をするというふうに準備をしております。
#148
○大門実紀史君 これはもうパソコンの問題とかじゃないんですよね。一々国から義務化されるという筋合いのものではなくて、帳面付ける人はもう既に付けておりますし、中にはやっぱり付けられないと、ましてやパソコンも打てないという方もいらっしゃるわけですし、事業の形態なんかでいっても、建設関係で一人親方で、手間請中心にたまに材料を使うなんという方は、もう収入はぼんぼんと入って、あと車代と道具代と時々材料費ですから、もう帳面付けるのじゃなくて、資料を取っておきゃ申告できるという程度の方もいらっしゃるわけですから、こんな改正わざわざ必要ないというふうに申し上げておきたいと思います。
 心配なのは、これも、記帳していないじゃないかということで急に税務署が入って、記帳していないということを理由に、じゃもう推計課税でやりますというような形で、これも実例としていろいろ既にあるわけですけれども、そういうことが濫用されると、横行すると大変困ることになるわけでありますので、記帳義務といって、もしも記帳していない場合でも、あくまで実態とか事実とかちゃんときちっと調べて課税額をはじき出すべきで、この推計課税を濫用するということは絶対ないようにしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
#149
○政府参考人(岡本榮一君) お答え申し上げます。
 国税当局といたしましては、各種の広報や個別の記帳指導の実施等を通じまして、新たに記帳が義務付けられる事業所得者等の方々が改正内容を十分に理解して適正な記帳ができるよう努めたいと考えております。
 また、税務調査におきましては、記帳が不十分な場合でございましても、納税者からの聞き取りや請求書等の原始記録の確認、反面調査などにより実額の把握に努めておるところでありますが、納税者や取引先などの協力が得られず実額の把握が不可能又は著しく困難な場合には、所得税法第百五十六条の規定に基づき、やむを得ず推計課税を行っているところであります。この場合においても、取引先等から得られた資料等を基礎に、その納税者の所得をできるだけ正確に計算できる方法を選択して所得金額を推計することとしております。
 引き続き、このような方針に基づきまして、適切に執行してまいりたいと考えております。
#150
○大門実紀史君 最後に、白色申告者の記帳義務との関係で、この委員会で何度も何度も取り上げてまいりましたが、所得税法五十六条、白色申告者も家族従業員の給与を認めろというようなことでございますが、これは、自民党政権のときの与謝野大臣が、長年一切財務省はやらないと言っていたんですけれども、与謝野大臣のときに研究をいたしますというところから始まって、民主党政権になっても各大臣にも伺ってきましたし、副大臣、政務官、尾立委員長のときですね、あと峰崎さんもそうですね、野田大臣にも伺いました。今のところ、この五十六条の見直しはやる方向で手のひらに乗っけているということでございますけれども、今、自治体請願、もう三百三十八自治体まで増えてきておりますし、強い要望になっております。
 安住大臣、もう大分たっておりますが、もう早くこれ実現してもらいたいと思いますが、今のところどうなっているか、教えてください。
#151
○国務大臣(安住淳君) この五十六条の見直しについては、私も事務方にはこれまでの経緯もあってきちっとテーブルにのせて見直しを検討するようにということなんで、個人所得税全体の議論の中で、税制大綱の中でしっかりと今の方向に沿って、先生に納得していただけるところまで行くかどうか分かりませんが、ただ、これについては与謝野大臣と同じような方向で省内をしっかり指導していきたいというふうに思っております。
#152
○大門実紀史君 もう時間が来たので終わりますが、とにかくもう二年以上たっておりますので、早く実現していただくよう努力をお願いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#153
○中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山恭子でございます。
 既に第三次補正予算が通っておりまして、早期に執行しなければいけないという段階でございますので、この財政金融委員会でこの法案について審議することに大きな疑問を感じます。法案審議がむなしい議論になっていると思えております。予算案とその財源に係る法案は同時に審議されるべきものであると改めて申し上げておきたいと思います。
 まず、消費税について伺います。
 十一月二十一日、五十嵐財務副大臣は、講演で消費税引上げについて言及されたと伝えられております。二十五日の参議院本会議で塚田委員が総理に質問していらっしゃいますが、財務大臣はこの発言、どのようにお考えでいらっしゃいますか。どのように見ていますか。
#154
○国務大臣(安住淳君) まだ消費税のことについては具体的にいつの時点でどういうふうにするかということについては決まっておりません。税と社会保障の一体改革の中で五%相当が必要であろうということまでは決まっておりましたけれども、具体の方法については今後検討していくということになっておりますので、そういう中で、五十嵐副大臣、税の専門家でございますから、いろんな見通しの一つを述べたんだというふうに思っております。政府としてオーソライズしたものでは全くありません。
#155
○中山恭子君 私的な御発言と考えられるということでございましょうか。ただ、この税の問題、非常に影響が大きいところでございますから、私的な発言であたかも政府の方針であるかのごとき発言というのは、やはり非常に慎重に行われるべきものと考えております。
 さらに、これも報道でしか分かっておりませんが、二十七日のフジテレビ番組、新報道二〇〇一で、消費税を上げた場合、子ども手当や生活保護費をどうするか、子ども手当の増額をする考えであるということを副大臣がお示しになったと報道されています。塚田委員が参議院本会議で総理にただした後の報道で、消費税を上げる時期、率、さらにその使い道、子ども手当に使う可能性というものを示唆されたということは、副大臣、どうしてこのようなことをおっしゃったのでしょうか。
#156
○副大臣(五十嵐文彦君) これは、番組の中で消費税がもし上がった場合の所得の低い方々に対する逆進性の問題をどうするんですかという話があって、司会者の方から子ども手当も対象に入るのかという趣旨の発言があり、私は、その趣旨からいって、増額という言い方でしたから、子ども手当に戻すとかそういう趣旨ではなくて、幾つかの選択肢の一つとして、逆進性対策として児童手当法に基づく子供に対する手当の問題も一つの検討項目の中に入るだろうという一般論を申し上げたものでございます。
#157
○中山恭子君 私どもから見ますと、消費税増額分、子ども手当へという、すぐそうつながるように聞こえるような御発言でございますので、そうなると一体消費税何%まで上げるつもりなのか、一〇%の消費税増税で、一〇%ということで、税・社会保障一体改革というものに子ども手当も含めてやっていけるとお考えなのかどうか、その辺りも非常にびっくりすることでございまして、これではとても一〇%の消費税では賄えなくなってしまう。ある意味では、増税についての既成状況をつくるために意図的に発言されたのか、又は子ども手当に充てるという民主党の票集めを狙ったものか、そういうふうに思われても致し方のない御発言だったかと思っております。
 安住大臣、この発言について、もう一度お考えをお願いします。
#158
○国務大臣(安住淳君) 私もちょっと番組は見ていまして、林先生と江田さんと五十嵐さんで出ていらっしゃって、五十嵐さんから積極的な発言をしたんじゃなくて、キャスターの方が何度かおっしゃったことに対してそういう考えもということだったんだと思いますが、率直に申し上げて、子ども手当については、今後の制度については三党協議で行ってルール化をしっかりしていくということを守らなければなりません。消費税をそれに充当するということは、現時点では全く私の念頭にはございません。
 五十嵐副大臣の多分申し上げたかったことは、低所得者対策や逆進性を解消するためのやっぱり方法の一つとしてそういうこともあり得るのかということを再三問われたことに対して否定をしなかったということだとは思いますが、現時点でそれも含めて一切何か子ども手当の中に使うなんということはないし、現実に先生、そういうことを仮に考えたとしたって、現状の国会で全くそんな法案は通りませんから、心配には及ばないんではないかと思っております。
#159
○中山恭子君 やはり政府の中の方の発言でございますので、その辺りは政府内の意思統一をされてから御発言いただかないと、非常に混乱をもたらすことになると考えております。
 法人税についてお伺いいたします。
 今回の法案では、法人の実効税率の引下げのために法人税率を三〇%から二五%に引き下げるとしておりますが、これでもまだまだ他の国と比べて日本の法人実効税率というのは高いと考えております。済みません、ちょっと数字後で確認いたします。さらに、復興財源確保のために三年間の復興特別法人税が課されております。
 今、これだけデフレが続いている中で、私は経済成長のためにあらゆる手段を取る必要があると考えておりまして、この法人税に対してもより引下げを行っていくべきではないかと考えています。
 さらに、中小企業の軽減税率についても同様でございまして、特例措置として一五%への引下げとなっておりますが、民主党マニフェストでは一一%となっています。マニフェストに示された軽減税率一一%の旗は下ろされたのでしょうか。私ども、中小企業の法人税、やはり軽減税率一一%、一〇%程度まで引き下げるべきであると考えておりますが、その両方についてのお考えをお示しいただきたいと思います。
#160
○国務大臣(安住淳君) 三〇%を五パー下げて、それでなおかつ一〇%を付加でございますから二八・〇五と。それは国際的に見てどうなのかといわれれば、現実にはそんなに、我が国では地方負担分を含めれば企業にとっての負担というのはまだそんなに軽いわけではないということは御指摘のとおりかもしれません。
 ただし、これまでの四〇%に比べて、三年後でございますが五%下がるというのは企業収益にとっては非常に大きいことは事実だと思うんですね。やっぱり、企業の体力を回復してもらって、できるだけ雇用や設備投資にそれを振り向けてもらうことが経済の活性化につながりますので、可能であれば私も更なるそれは引下げというのが財源に見合うだけのものがあればやっていきたいなとは思っておるんですが、実は、その中小企業の軽減税率も、取りあえず一五に下げてこの先一一にしていくのかと。私はそれはやっぱり目指す方向としてはできればそうありたいと思っておりますが、実はその一%減少で二百二十四億なんですね。ですから、約一千億ぐらいの税収が減るということも事実なので、これはやっぱりいろいろ税収の見合いを考えながら、しかし到達すべき目標としてはやはり企業の税負担の軽減というのは私は非常に国策として重要なことであるという認識でおりますので、その方向に向かって私としては努力をしたいと思っております。
#161
○中山恭子君 現在の法人税の税率では、日本の企業が海外に出ていってしまう可能性もまだ十分あると考えています。思い切ってより下げた場合こそ税収が上がってくる可能性、税収を上げたままで税収が減っていくと考えるか、思い切って下げて税収が上がるという可能性を追求するということも一つの方策であると思いますので、もう一頑張りやって税収増につなげる、経済成長につなげていくという方針に考え方を変えていただけないかと、そのように考えておりますので、これから御検討いただけたら有り難いと思います。
 今般の税制改正法案、今年の一月二十五日に国会に提出され、三月につなぎ法案、そして一部を分離した形での法案というものが成立しました。国会提出から十か月でようやく審議されることになったこの法案でございます。これまでこの法案を放置したということで、税制問題だけではなくて、日本の景気回復、今、回復途上にあると見たいんですが、これが遅れに遅れてしまっていると、そこにつながる可能性があると見ております。この点についていかがでしょうか。
#162
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のように二三改正がなかなか政治状況の中で合意を得られずに、租特だけまず年度内にやって、その後のことについては御存じのような政治状況の中で実現がかなわなかったというのは、与党としても大変残念なことだし、力不足だったと思っております。特に、この法人税率の引下げ等については比較的コンセンサスは得やすいのではないかなと思っておりましたけれども、やはり相続税や所得税を含めた総合的なパッケージでの交渉ということになって遅れてしまいました。
 今後、来年度に向けて、ですからやはり合意を得られる環境づくりというものを特段我々はやっていかなければならないというふうに思っております。
#163
○中山恭子君 大臣は、税の三原則、御存じでしょうか。
#164
○国務大臣(安住淳君) 公平、透明、納得ですか。済みません。
#165
○中山恭子君 安住大臣は言葉についても非常に造詣の深い方と伺っておりますし、そう思っておりますが、この透明、納得というのがこういった税の制度の標語として成り立たない言葉であると考えております。
 これまで税の三原則というのは、公平、中立、簡素でございました。こちらにもう一度、その考えというか、言葉としておかしいと思いますので、戻すというお考えはありませんでしょうか。
#166
○副大臣(五十嵐文彦君) 決して中立、簡素ということを放棄しているわけではございません。透明性は簡素ということにつながってくると思いますし、それから中立という言葉も大変重要なのでありますけれども、最近は環境問題を中心にグッド減税、バッド課税という言葉もありまして、政策税制の意味がかなり要請が高まってきて、そういう意味では中立という言葉は当てはまらないで納得の方がいい場合もあるというふうなこともありますので、総合的な観点から考えなければいけませんが、中立、簡素という考え方を捨てているわけではないと、含まれている、包含しているというふうにお考えをいただきたいと思います。
#167
○中山恭子君 時間が来てしまいましたが、一点、復興予備費の取扱いについて、使用残額の中の二千三百四十三億円が台風第十二号に使われているということはやはりまともな使われ方ではないのではないかと考えておりますので、その点を指摘して、お考えいただきたいと思っております。
 ありがとうございました。
#168
○水戸将史君 民主党・新緑風会の水戸将史でございます。
 最後となりましたけれども、国税通則法の改正並びにその修正に関して、一本に絞りまして私からも御質問をさせていただきます。
 先ほど大門委員からも御指摘がございました。私も全く同じ思いを共有しておりまして、非常に残念というか、憤慨をしている一人でございます。
 そして、財務大臣、認識を新たにしていただきたいので、ちょっとこれ読み上げますので、このことについての感想をお聞かせいただきたいと思っています。
 これは十一月九日の東京新聞のコラムなんですが、井形慶子さんという作家の方が投書されているということで、タイトルが「無礼な訪問者」というものでありまして、締切りを控えた編集部に突然現れた二人組の男性、郊外からやってきた税務調査員で、今すぐ資料の照会に協力してと言う、月末で忙しい、郵送にしてと言うと、こっちも遠くから来ている、手ぶらでは帰れないと高圧的、人の都合も聞かずアポなしでやってきて大昔の資料を求める彼らに一旦帰ってもらったが、今度は下で待っていると何度も電話が掛かる、戦争中の憲兵を思い恐ろしくなった、こういうようなコラムの文章なんですね。
 このコラムに関しまして、財務大臣はどう思われましたか。
#169
○国務大臣(安住淳君) 水戸さん、どういうシチュエーションでそういうことになったのか、ちょっと私も事実が分からないので。ただ、熱心な多分調査員だったのかなと思う反面、そのモラルの面でどうだったのかというのは受け取り方ですから、あえてコメントは避けさせていただきます。
#170
○水戸将史君 財務大臣は恐らく、今の話からしても、税務調査に立ち会ったこともないし、税務調査を受けたこともないということを言わざるを得ないですね。
 そもそも、納税者の権利等と、何か権利が独り歩きをして、何か納めるべきものも納めないというような、そんなことじゃないですよね。元々、税務職員が、この記事にもありますとおり、不適切な調査、いわれもない税負担を求められたときに、納税者がですよ、それに対して、やっぱり度を越えた税務調査に関して、税務行政に関して、これを止めるんだと、そういう形で、やはりその納税者がどういう立場で置かれているのか、その立場というものを認めてあげると。そして、仮に不当な手続や取調べがあった場合、やっぱり守っていこうじゃないかと。そういうものとしての納税者の権利というものは、当然これは先進諸国でも認められているものでございますので、今回、これが取り下げられたと。もう一歩も二歩も十歩も後退しているんですね、今回の修正は。これに関して非常に期待をしていた納税者の皆さんは落胆の色を隠せない、非常に失望しております。
 これに関して、先ほど若干コメントありましたけれども、財務大臣、財務大臣のやっぱりこれからの姿勢というものを、何か自民党に反対されたから取り下げたとかなんとかと言っておりますが、民主党がマニフェストにいみじくも掲げたものなんですね、これ、納税者権利憲章をうたうというのは。そういうことをいとも簡単に取り下げたことに関しては、非常に多くの方々が失望と落胆の色を隠せないということでございますが、反省も交えてこれからどうしていくのかということを財務大臣の言葉でお話をいただきたいと思っています。
#171
○国務大臣(安住淳君) 残念なことではあるんです。一月に出して、昨年非常に熱心に議論をしたわけでございますから。しかし、現実の政治の判断の中で、党側から、これはやっぱりなかなか、これがある限りはほかのものを含めて通らないよという御指摘がありましたものですから、私としては判断をしました。
 しかし、納税者の権利憲章というのは、本当に政権交代の前から、野党時代の税調時代から我々としては非常に重要な言わば柱にしていたことは事実ですので、本当に今後も何とかこれを実現するために努力はしたいと思っております。
 今般、しかしそれは見送りましたけれども、税務調査手続の見直しとか更正請求期間の延長、またその理由付記の実施等は納税者の皆さんにとっての利益になりますので、これについては相当な前進はできるんではないかと。
 私は水戸さんのように税理士ではないので詳細なことまで、現場の立会いとかは分かりませんけれども、しかし、大きな前進ではないかもしれませんが、しかし、こうしたことについては与野党の合意を得て成立に至るということは決して意味のないことではないので、何とか今後とも、こうした匍匐前進と言ったら恐縮ですけれども、しっかりと実現のために地道にやっていくということは、与野党と協力しながら、必要なことではないかというふうに思っております。
#172
○水戸将史君 財務大臣、いろいろとコメントがあるようでございますが、一歩前進二歩後退というんじゃ困るんですね。
 今いみじくも、評価できる面があるというような話をされましたけれども、例えば、更正の減額請求、納税者側からやる、確かに一年から五年に延長するということはいいんですけれども、しかし、そのおまけとして、ただし偽りによる請求は罰則ありというものをあえてこれ載せたんですね。いわゆる、非常に権利を認めていこうじゃないか、今まで一年のものを五年に延長したということで非常にこれはいいと。しかし、その反対給付じゃありませんけれども、ただしというものをあえて載せて、偽りによる請求には罰則を設けるという言葉を載せてしまっているんですね。
 この偽りというものは、結局、減額更正をするという納税者があって、これ間違えたから減額してくれないかということを請求するわけですね、税務署に対して。そのときに、偽りという、しかし、偽りかどうかというのは、故意か過失かというのもありますけれども、その判断はあくまでもいわゆる税務職員がするわけですよ。そうしたら、非常にこんなの恐ろしくて、納税者は更正の請求出せないんですよ。そういうふうにつながっていくわけですね。
 なぜこんなものを今回この罰則規定に載せたのか。それについて、偽りということに関してはどういう形でこれは税務職員の恣意的な判断にならないようにこれに歯止めを掛けるのかに関してのコメントをいただきたいと思います。
#173
○国務大臣(安住淳君) もし、詳しくは税務関係の次長も来ていますから答弁させますけれども、悪質な虚偽請求を可能な限りとにかく抑制するということは私はいいと思うんです。円滑に税務行政に資する観点から、故意に虚偽の更正の請求を提出した者を処罰すると。つまり、その故意とは何ぞやということなんですけれども、それは長年の今までの税務のやってきた中で、判例ではありませんけれども、これは税理士の先生方やまたその税務当局側の中で考えていることにそんなに著しいそごがあると私は思いませんが、確かにグレーゾーンについては、様々な議論はあると思いますけれども、五年に延長した分、その代わり、それは悪質なものについてはやはり、もしそれが分かれば罰則というものはやっぱり必要なものであるというふうな認識を持っているということでございます。
#174
○水戸将史君 本当に公正なというか適正な税務調査で減額請求をする、過大に税金を納め過ぎたのでこれは返してくれということを含めてなんでしょうけれども、こういうことで、やはり納税者が、そんなに、何というかな、偽善者ぶって、何か自分たちが、非常に何か被害者的な形で、そしてなおかつそれをごまかしてという、そんなことをするのも中にはいるかもしれませんけれども、しかし大体が、こういう形でやっていくわけでありますので、やっぱり適正な対応をしていただきたいということを私強く要望したいと思っております。
 そして、細かい論点に入っていきますけれども、例えば提出書類ですね、納税者からいろんな書類を求めるわけですね、税務署の職員は。調査が必要というときは、その書類は税務署にとどめ置くことをするわけですよ。しかし、これ、留め置きをされた場合は、その書類がないものですから、なかなか納税者も営業活動に支障を来してしまうということがありますものですから、従来も、この改正案になくても、やはりとどめ置いた書類に関しましては預かり証というものをちゃんと出して、そしてこういうものを預かりましたよと、いついつまでに返しますよ等々を含めて、やっぱり一定の信頼関係で税務職員と納税者がやってきたわけですよ。
 あえて今回は、この改正の中に、留め置くということも含めてこれを法制化しようという文章を載っけたことに関して、やはり従来どおりに、従来の慣習、慣行どおり、ちゃんとした預かり証というものを発行することを担保できますか。
#175
○政府参考人(岡本榮一君) 執行の実務面の話でございますので、私の方から答弁させていただきます。
 今般の改正におきましては、従来から運用上行われてきました物件の預かり、留め置きの手続につきまして、手続の明確化を図る観点から法定化することとしております。
 現行の実務においては、調査において必要がある場合には、納税者等から帳簿書類等の借用を行っておりまして、その際には、預かり証を作成し、納税者等に交付しているところでございます。こうした点を含め、預かり、返還等に関する手続を政令上明らかにすることとされると承知しております。法律施行後におきましても、提出された物件を預かる場合には、従来と同様、預かり証を交付することとなります。
#176
○水戸将史君 これはしっかりと今までどおりのことをやっていただけばいい話でございますので、あえてここで文章として載せたものですから、やはり現場では今までどおりと違うのかなという、逆に誤った認識があるようでございますものですから、是非、従来どおりの形で一定の信頼関係をつくる、そういった手だてをこれからも継続してやっていただきたいと思っております。
 そして、最後の三本目でございますが、具体的な話ですけれども、いろいろと調査をすると、税務職員がですね。調査終了の手続に入るわけです。これで調査が終わりましたということであるんですけれども、仮に税務職員が間違い、誤り、ミステークを発見した場合、ここを直しなさいと、その先には、修正申告しなさいという話をするわけですね、納税者に対しまして。このときに、やはり文書を交付するべきような形で改正では書いてあったんですが、しかしこれは修正では、そうした調査結果につきましては文書を交付しないというふうに変わったんですね。最初の改正案では文書を交付しますと書いてあったんだけれども、修正案では今回文書を交付しないということで、非常に後退しているんですね。これはなぜこういう形で文書を、通知書を交付しないふうに変わってしまったのか、修正で。
 従来も、まあそうはいうものの、こういうことを直しなさいという形で税務職員が納税者に対して言うわけですよ。これで修正申告に入っていくわけですけれども、そういう中では、大体メモ書き程度に、こことこことここはちょっと間違っているからこれは修正しなさい、そしてまた申告し直しなさいという話をするんですけれども、いわゆる従来どおり、やはり文書が今回あえてなくなったことと、従来どおりは、元々は文書は発行していませんでしたので、メモ書き程度は必ず出していたわけですね。だから、今回文書がなくなったことの理由と、従来どおり、さはさりながらも、メモ書き程度の中においてちゃんとした形で相手に周知をするという手法を取るのかどうかということに関しても、非常に現場としてはどうなっていくんだろうと不安一色なんです。
 それについて、二点お答えいただきたいと思っております。
#177
○国務大臣(安住淳君) 納税者に対する調査結果の内容をどう説明するかということでございますけれども、現行の実務においても、申告に非違事項があると認められる場合には、また、申告すべきにもかかわらずしていなかったというときには、納税者に対して非違の内容及び金額を十分に説明をするということになっているわけです。ですから、いわゆる口頭でやった場合の聞き違い等が生じないような配慮というものは今後ともしっかりしていきたいというふうに思っておりますので、今委員御指摘のように、メモ等が必要であればその場でやるというこれまでのやり方というのは、今後も、法律制定後も、必要なときはやっていくということになると思います。
#178
○水戸将史君 今、大体確認できて、それでやらざるを得ないというか、是非やっていただかなきゃいけないという話なんですけれども、先ほど言っているように、何しろ今までのこの法律の中で新たに改正をしてまで、今言ったように文書で交付するとかいろんな手当てを講じて、ある程度手続をスムーズにやっていこうじゃないか、納税者の権利というものはある程度うたいながらも、スムーズな、円滑な税務行政をやっていきながら、一定の税務職員と納税者の間において信頼関係を構築して、そしてスムーズに納税していただくような、そういう環境を、これをつくっていこうじゃないか、整えていこうじゃないかというのはそもそも今回の改正の趣旨だったんですね。民主党も、先ほど言ったように、マニフェストでも納税者権利憲章もうたいながら、やっぱり位置付けをちゃんとして、そして先ほど言ったような形での、まあそれがひいては納税額のアップにつながっていけばいいわけですよ。
 そういう形で、諸外国もやっていることを見習いながら、日本の制度の中にもそれを取り入れていこうという、非常に最初の理念は僕はすばらしかったし正しいと思うんですけれども、それが一歩も二歩も後退したのに関して、やっぱりこれは税務行政を取り仕切るトップの立場として猛省をしていただきながら、やっぱり次なる第一歩を新たな形で歩んでいただくことを強く要請をして、私の質問に代えさせていただきます。
 ありがとうございました。
#179
○委員長(尾立源幸君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時八分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#180
○委員長(尾立源幸君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案及び東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案の両案を一括して議題といたします。
 本日は、両案の審査のため、二名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、メリルリンチ日本証券調査部マネージングディレクター大槻奈那君及び株式会社東邦銀行相談役・福島県商工会議所連合会会長瀬谷俊雄君でございます。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙中のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 議事の進め方でございますが、大槻参考人、瀬谷参考人の順序でお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。
 なお、意見の陳述、質疑及び答弁のいずれも着席のままで結構でございますが、御発言の際は、その都度、委員長の許可を得ることとなっております。また、各委員の質疑時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いしたいと存じます。
 それでは、まず大槻参考人にお願いいたします。大槻参考人。
#181
○参考人(大槻奈那君) メリルリンチ日本証券で金融アナリストをしておりまして、ソブリン問題、欧州の問題ですとかも調査をさせていただいております者です。どうかよろしくお願いいたします。
 私の方からは、お手元に資料もお配りさせていただいておりますけれども、昨今の欧州問題、これが日本にどういった影響を与え得るかといったようなお話をさせていただければと思います。
 まず、簡単に、今回の欧州問題の原因ということで資料の三ページ目にお示しをさせていただきました。こちら、広い意味では、私ども市場関係者の目から見ますと、僣越ではございますけれども、先進国共通の問題だと考えておりまして、日本も含め、昨今の民間セクターの財務問題、例えば景気の低迷ですとか銀行の不良債権の増加、地価の下落など、そういったことを直接、間接的に政府が公的資金などを使う形で支援はしてきたと。そういった形の中で徐々に政府部門の負債の増加が増強をされてしまったということが根底にあるというふうに思っております。そこにもってきて、二〇〇七年、御記憶のとおりでございますが、サブプライム問題が勃発して、改めて政府の負債の大きさ、そして償還能力の不安にまで発展したという、そういったケースだと思っております。
 政府セクターの負債ですとか信用力の問題というのが市場の者から見て非常に難しいと思いますのは、金融危機の場合は、皆さん御存じのとおり、四ページ目とかにもございますが、これ、日本の九〇年代の例を書かせていただきましたが、金融機関の場合は、結局、その資本の増強というのを政府のセクターで公的資金を注入すればバランスシートがある程度改善していくということでありますが、これを突き進めていったときに、政府部門の財務が悪化した場合というのはどこからも資本注入するということはできないということでありまして、バランスシートが悪化してしまうと、最終的にはデフォルトに行く以外に即効性のある解決がないと。その前に止めなければいけないということが大きな問題でありまして、欧州はその事前の策を取らなかったということが大きな問題だと思っております。
 これに対しまして、遅まきながらということで、五ページ目にございますように、欧州でも、十月二十七日でございましたが、首脳会合で様々な対策が合意されましたわけですが、市場から見ますと、非常に問題点も多くて、しかも各国の政治情勢によって実施に至っていない、実施が見えないということが昨今の不安要素が残ってしまっているというところだと思います。
 この後の六ページ目から十一ページ目に様々な申し上げました問題点というのをまとめさせていただいておりますが、幾つかかいつまんでお話ししたいと思います。
 一つ目なんですが、六ページ目辺りに書いてございます。市場が結局疑心暗鬼になってしまっているということが、これが日本に対しても今後、特に国債の問題でも、足下、影響も多少出ているやにも聞いておりますが、そういった問題の一番の懸念材料かと思っております。結局、何をやっても、御存じのとおり、ちょっと一瞬マーケットは安心してまた戻ってしまって国債の金利が上がってしまうということが続いているというところでございます。
 加えまして、次のページにも多少書かせていただいておりますが、過去、皆さんも御記憶のとおり、財政の破綻によるソブリンのデフォルトというのは今回に始まったことではございませんで、ロシアもございましたし、ラテンアメリカも遠い意味ではそうだったと思います。しかしそれが、今回は初のケースということが幾つかございますが、そのうちの一つが信用保険の市場ということであります。要は、デリバティブによって市場の声がより現物、この国債の価格に影響を及ぼしやすくなっているということが大きな問題になっていますので、今までのやり方どおりのことをやっていたのでは解決しないと。もしも日本に波及した場合ということも考えると、新しいやり方を今のうちから考えていかなければいけないということかと思っております。
 さらに、後ろの方に国債の問題というのを書かせていただいております。御存じのとおり、十一ページ目になりますが、最近もう、これからも多分格下げの問題というのが続くと思っております。
 私、格付会社にいたこともございましたが、格付の問題、特にソブリンの問題は、どうしても相対観で判断されやすいという問題がございます。企業の格付の場合は、ある程度のデフォルトの実績などもありますので、それによって判断が比較的しやすいというデータのサンプルの多さというのがあるんですけれども、ソブリンの場合はそうではないだけに、ある一つのところが格下げをされると、それを基準にほかのところがそこと比べてどうかという目線になって、例えば米国が格下げをされましたけれども、そこに対してほかの国、例えばフランス等がうわさになっておりますけれども、そういったことの、フランスも格下げになるんじゃないかですとか、財務的に見たら米国より悪いんじゃないかと、そういったような問題が出てきてしまって、スパイラル的に、負のスパイラルになってしまう可能性があると、そういった問題があると思っております。
 しかも、今回のケースで、かつ、日本に問題が仮にあれば同じようなことになりますが、過去のソブリンの問題というのは、ほとんどのケースでトリプルBですとか、低い信用力のところに発生していたと。今回はそうではなくて、A格以上の高い信用力のところに問題が起こってきたということになっております。これは何を意味するかといいますと、個人的にはこれが欧州の問題が生んだ最大の日本に対しての影響だと思っておるんですけれども、いいところ、信用力がいいと思われていたところであっても、国債の金利が上がってきてしまうことがあると。御存じのとおり、先週ぐらいからイタリアの方では国債価格が跳ね上がっておりまして、七%になるなど、相当な高いところになってきてしまっております。
 これらの結果として、日本の金融機関に対する、あるいはシステムに対する影響というのを後半の部分で書かせていただいておりますが、十四ページ目、皆さんも御存じのとおりだと思いますが、本来的な直接的な影響というのは、実はそんなには多くないということであります。しかし、今後、中長期的には、私ども市場の者はやはり広い意味での影響は懸念されざるを得ないと思っております、日本に対しても、と思っております。
 一つには欧州の金融機関なんですが、ニュースにも多少出ておりますが、アジアを中心とした資産の売却ですとか貸出しの抑制の動き、これは、この中にも少し触れているんですが、銀行資本規制、新しい資本規制が二〇一三年から始まりますが、そういったことも相まって、これから拡大してくる可能性があると思っております。
 弊社では、こういった欧州金融機関の資産圧縮が今後三年間で一兆ユーロ、ケースの置き方によってはそういった規模になり得るとも考えておりまして、そうしますと、ひいてはアジア頼みになっているこの景気の回復、あるいは何とか持ちこたえているということが危うくなってくる可能性があるかと思っております。
 そして、もう一つの問題点なんですが、邦銀の国債投資意欲ということに若干の心配をしなければいけない可能性があるのかどうかだと思います。
 先ほども申し上げましたように、ドイツの国債が先週来、五〇ベーシスぐらいですとか、一月から比べますと拡大してしまっておりますけれども、日本にも、まだ短期的なお話ではありますが、先週の後半ぐらいから国債の金利が多少上昇してしまっております。
 二十ページ目にございますように、日本の金融機関の国債保有残高は、もちろん御存じのとおり、右側のグラフにございますように、過去においても余り例がない形で二〇%前後にまでなってございますので、よくマクロの方々の方で消化能力についてまだ相当な時間的猶予があるというふうな議論を聞くと思いますが、私の方で金融機関の方々と議論を足下で直近でもしておる中では、やはり金融機関もプライベートの銀行でございますから、金融機関投資行動といたしましては、今後徐々に消化が難しくなってくるということになれば、リスクを回避する行動に出なければいけないと。
 実際に、若干保有期間、債券の保有期間は短くしておりまして、リスク管理の一番の手法は何かと聞きますと、他の金融機関が売るよりも先に売ることであるということをやっぱり考えざるを得ないわけであります。それ以外に、これだけの大きなマーケットでこれだけの価額、例えば大手金融機関だと四十兆円以上保有していますので、どういうヘッジ手段を使ってもこれ無理なわけでありまして、結局はリスクがあるところから回避をしていくということにならざるを得ないということかと思います。
 こういった市場の不安心理、不安要素を増したということが今回の欧州からの影響の個人的には最大のところであると。国債にもリスクがあるよということを認識させつつあるということが一番大きな影響で、我々が最も注意することなのかなと思っております。
 そういったことでございますので、日本に対してこれから影響が及ばないようにするということが最大の肝要なポイントだと思うんですが、まずそれに、具体的にはやはり根幹であります欧州問題に対して、もし日本に対して協力要請があれば応じるという、そういう準備をすること、それから、何らかの市場に対しての影響がないように、万一不安要素、不安心理が拡大したときにも、日本の財政については改善方向にあり、改善の可能性が高いということを市場に示していくことが大事なのかなと。実行性は皆さんの御専門でございまして、私の専門外ですが、少なくとも市場がこれから伝播してくる不安に対して、そうではないというような確たるエビデンスが欲しいなといったところかと思っております。
 これが市場からの望まれている現在のことかと思っております。
 私からの御説明は以上でございます。ありがとうございました。
#182
○委員長(尾立源幸君) ありがとうございました。
 次に、瀬谷参考人にお願いいたします。瀬谷参考人。
#183
○参考人(瀬谷俊雄君) お話しする前に、皆様方にお礼を申し上げたい。発災以来もう九か月になりますけれども、各先生方には、被災地福島を視察いただく、あるいはいろいろな御提言を賜る、あるいは今回の三次補正につきましても円滑に御審議いただきまして今日に至ったことにつきまして、被災地を代表して、私は知事じゃありませんけれども、御礼を申し上げます。
 それじゃ、座らせていただきます。
 時間の関係上、要点を簡潔に申し上げます。
 今の福島県の経済状況というのは、一口に言って容易ならざる状況にございます。私の方でも県内百店舗ほどの店舗を持っておりますけれども、そのうち、小高、浪江、双葉、大熊、楢葉、富岡と、全部これは警戒区域でございますから、入ることもできませんし、住民は一人もおりません。もう完全に荒廃した地域でございます。
 一番何が問題かといいますと、現象的に幾つか挙げますと、まず、町の中、私、福島へ住んでいますけれども、子供がいなくなっちゃった、子供がいなくなっちゃった。みんな県外に逃げているんですよね。相当の人数がいなくなっていると。したがいまして、夏祭りをやっても山車を引く人もいないし、そういうことになっちゃいまして、これは容易ならざる原発の風評被害であります。
 それから、今除染という問題が地元で騒がれておりますけれども、例えば、学校の校庭の表土を剥がしましても、剥がした低汚染度の表土をどこへ持っていくか。持っていく仮置きの場所もないし、中間貯蔵もないと。これについては、今、細野大臣始め一生懸命いらっしゃって県サイドあるいは市町村と協議しておりますけれども、やはりまだ見付からないと。そんな具合ですから、中間貯蔵問題についても相変わらず不明のままでございます。
 それで、更に問題なのは、既に進出している企業、例えば福島ですとキヤノンとかNECとかパナソニックとかみんないっぱい出ていますけれども、こういう進出企業に動揺を来していると。やはり、このままここで生産レーンを続行すべきかと。それで、例えば、全国ベースで社員の異動を命じて、福島と言うと嫌がる、来ないと、そういう現象が起きつつあると。
 だから、あとは観光関係について言いますと、会津若松の方とかあっちの方はほとんど放射能レベルは低いんでございますけれども、やっぱり県外から見ると、福島といえば即もうチェルノブイリと同じように全部放射能汚染という感覚があるんでしょうか、全く秋から以降の予約はゼロに等しいと。風評被害で参っております。
 そんなことで、当然この問題は雇用にも反映いたしますし、何というんでしょうか、福島県全体がこのままいくとじりじりと地盤が沈下していく、低下していく、活性化が失われていくと、そういうふうな状況でございます。
 したがいまして、真っ先に今の私ども考えておりますのは、一体何ミリシーベルトという、マイクロシーベルトという基準値がありますけれども、今日の日経にも出ていますけど、私の住んでいる福島は〇・九八でございます。ほかの主要都市はみんな〇・〇のレベルでございますから、非常にその差が大きいわけですね。ただ、そういう相対比較を云々しても始まらないんで、じゃ、何ミリシーベルトまでが言わば人体に安全なのか、農作物どうかという基準が一向に示されていないと。いろんな人が来ていろんなことを言うと。ついこの間までは、枝野さんのときは二十ミリシーベルトと言っておきながら、どこかの学校の先生が泣いたら、もうそれでたちまち一ミリにおっこったと。これもちょっと我々にとっては不可思議なことでございます。
 だから、ある基準を決めて、重点的に公的セクターのところだけは早く除染をするとか、何とか手を打たないと、みんな見通しがなくて困っているんです、見通しが立たないということでですね。これについてやはり政府の素早い対応を求めたいと。
 それから、賠償問題がございますけど、これは東京電力さんが今一生懸命やっておるんだけれども、御承知のていたらくでなかなか進まないと。したがいまして、この辺もちょっと、今どうしたらもっと簡単にできるかどうか、東京電力側にしりをたたいております。
 それから、海外からの目を見ますと、福島県という、福島というエリア全体が汚染区域に見えますので、例えば福島に福島空港という空港ございますけど、ここは中国東方航空とアシアナが就航しておりましたけど、震災以来全部ストップでございます。また、もちろん渡航制限が掛かっておりまして、これは中国も韓国もそうでございます。これはほとんど関係ないんですけど、こういうところを解きほぐしていかないと活性化にはとても及び付かないと。
 あとは、農産物の被害につきましては、皆様御承知で、毎日のように出ていますから、またここのお米がセシウムが見付かった、ここはこうだと、全部検査すると云々ということでございます。
 したがいまして、そういう状況にございますので、我々が金融の問題とかなんかと言いますけれども、具体的には、金融になる以前の問題として、どうやってこの風評被害を払拭するか、福島県にどういうふうなビジネスモデルを立脚してそれに沿ったものを進めるべきかと。
 したがいまして、私どもの福島県は、この前、廃炉ということを宣言しまして、県内に十基今原発ございます。やられているのは福島第一の一、二、三、四が事故を起こしてやっていると。ただ、第一の五、六は生きているんですよ。第二原発の一、二、三、四、これは生きていると。今は冷温停止という状況でございまして、多少のストレステストをクリアすれば今すぐにでも電力が賄えるんでございますね。ところが、こういうことになりますと、住民感情としても反原発とうわっといってしまいましているから、なかなか思うようにいかないと。
 しかし、果たして、今後、日本全体を考えた場合には、ここからは福島県から外れますけど、では、日本がどうやって復興していくんだといった場合に、豊富な電力とかそういうものはなしにはちょっと考えにくいと。しかも、日本は原発をどんどん遠くまで輸出しようではないかと、こういう時期でございます。
 たまたま、ちょっと先月中国へ行きまして、温家宝さんに会いましたけれども、そのとき彼が日本は今試されていますよということを言っていたんですね。つまり、これだけの原発の事故に遭って、これを日本みたいな最高の技術を持っている国がどうやって収束させて、どんなふうに経済、社会を再構築するか、日本は試されていますよと、これが温家宝さんの言葉でございます。
 それから、ちょっとこの前、七月にフランス大使に会って、これはフィリップ・フォールというんですけど、彼が、フクシマリスク・イズ・ジャパンリスクと、ジャパンリスク・イズ・オールソー・ワールドリスクと言っているんです。やっぱりあれだけの原発が世界に散らばっているんですから、恐らく人間のやることですから、どこかでこれに近いような事故が発生しないとも限らない、そのときどうするかについては一緒に見ているということでございましょう。ちょっとそこは余談でございます。
 最後に、お願いでございますけれども、私、震災発生してから何度か復興構想会議の五百旗頭先生にお目にかかる機会がございまして、そのときに復興構想会議で大きな論点から幾つかの主張をなされたんですけど、その第三番目に、福島の場合には原発事故というのを抱えているので、これは特別にまた政府とそれから福島県との間で協議の場を持って再生のための力を尽くすべきだということを言っていただきましたので、私はその点について申し上げますと、やっぱりこれだけ傷んでおりますので、やはり福島復興特区法案といいましょうか、例えば端的に申し上げますと、福島で住んでいる人間、個人もそう、法人もそう、これについては税制上の恩典、例えば法人税、事業税、それから所得税を含めて、あとは自動車税とかそういうのに至るまで、これについては全面的な、福島一区としてやるというぐらいの一つの、何といいますか、手段が必要ではないかと。例えば、こういう問題についても、新規に立地するというのは分かるんだけど、そうじゃなくて、既存に今出ているのについてもそういった税制上、特区の恩典をくまなく与えないといかないだろうと。そうでないと福島は壊滅してしまうんではないかなという、そういう懸念を持っております。
 だから、こういう状況で被災地なんか回ってみますと、どうもこの福島の事故といいますか、地震、津波、原発と三つ重なっているんでございますけれども、どうもこれはもう、何ですか、何かある事象があった場合に、それは円満に解決してみんなが納得すると、そういう予定調和の世界ではなさそうですね。どこかでずばっと何かだんびらで、表現は悪いんですけど、何か思い切った政治的決断がないと動かないのではないかと。この問題は先ほどの原発の是非の問題、エネルギー政策の是非についても同じことが言われると思います。
 そんなことで、今最近では、細野先生、平野さん、あとは古川さん、皆さんおいでいただきまして、私も立場上いろんなことを申し上げていますけれども、そんなことで皆様方の御理解をいただきたいと思っております。
 金融の面はすっかりおっこちちゃいましたけど、また後から御質問があればお答えいたします。
 以上でございます。
#184
○委員長(尾立源幸君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#185
○金子洋一君 民主党の金子洋一でございます。
 瀬谷さん、大槻さん、今日は大変お忙しいところをお越しをいただきまして、本当にありがとうございます。
 私はマクロ経済の人間ですので、大槻参考人に二点お尋ねをしたいと思います。
 第一点は、我が国の国債につきましてですが、一九九八年と二〇〇二年、過去、我が国の国債の格付が落ちたことがあったと思います。数字上はほとんど何の影響もなかったように見えますが、格付会社にもおいでだったということですので、何かこういう条件が整ったら危ないことが起きそうだったというようなことがあればちょっと教えていただければと存じます。
 あともう一点、米国債についてなんですが、今余り米国債のお話が出ておりませんでしたが、CDSの最大の引受手でもありますし、そういったルートでのコンテージョン、伝染というんでしょうか、そういったものもあると思いますし、また同時に、最大のソブリン問題、ソブリンリスクというのはかつては米国債であっただろうと思います。特に、国債の信認という点で申しますと、我が国で申しますと銀行券ルールというのがございますけれども、この銀行券ルールで申しますと、FRBは多分一・五倍ぐらい買っているということになりますので、そういった意味で、米国債に対する信認というものが失われるおそれがないのかどうかといったことをお教えいただければと思います。
#186
○参考人(大槻奈那君) ありがとうございます。
 それでは、一点目の日本国債のお話からさせていただければと思います。
 資料の四ページ目にちょうどそのころの相場、株式市場とそれから国債金利の方をちょうど載せさせていただいております。御指摘いただきました九八年十一月十六日のムーディーズによる初のこれ格下げですよね。そのときの状況を御覧いただきますと、おっしゃっていただいたように、このとき、青い方が日経平均でございまして、むしろ何となくあく抜け的にそのときは事なきを得ています。
 しかしながら、御指摘いただいた点でまさにグッドポイント、非常にいい点だなと思いましたのは、このときに実はJGBの、国債の金利は急激に上がり始めてしまいまして、最初は無反応だったんですけれども、その後思い出したように国債の金利が上がっているという状況がございましたが、これは御記憶の方も多いかもしれませんけれども、大蔵省の運用部ショックですよね、がございました。つまり、国債の格下げだけで信用力が多少落ちたというだけであればさほど大きな影響がないかもしれないと思います。しかし、それに加えまして、何らか、市場がそれではちょっと不安になるわけでありますので、その不安を増長するようなプラスアルファのニュースがこのときのようにあると、これはこのときでも数十ベーシス一遍に上がっていますから、今の金融機関の保有額からいったらばこれは相当厳しい、非常に大きな影響が予想されるところだと思います。というところで、もうワンショック何かが重なったときというのがお答えかと思います。
 それと、米国のところなんですけれども、これにつきましても御指摘のとおりだと思っております。
 資料の中で、少し直接的な話ではないかもしれませんが、十三ページ目にこの半年ぐらいの様々なイベント、ニュースに対して株価がどういうふうに動いたかということをお載せしているページがございますが、金融危機、欧州の方のニュースもいろいろ下落の要因になっていますが、実はこの中で一番下がっているのは、七月の辺りにS&Pが米国の国債をトリプルAからダブルAプラスにこれほんのちょっとのはずだったにもかかわらず下げた、あるいは下げますぐらいのところからの下落が最も大きかったというところは、御指摘のとおり、いかに米国の国債市場というのが影響が大きいかということだと思います。
 今のところは、ただ、一応私どもの理解といたしましては、格付機関の方もフィッチが今アウトルック、見通しをちょっと引き下げるなどの動きはありますが、市場の方の反応は既にムーディーズが一回格下げをしていることで冷静になっていると、ある意味織り込まれているところだとは思いますけれども、ここから更に米国の財政の問題がより深刻化するとしたら、これはひょっとしたら市場に対する影響という意味、ひいては、日本でも株を持っている方々というのは多いですから、そこに対しての間接的な影響というのはひょっとしたら、サプライズという面も含めて、欧州もかなり織り込まれておりますので、それに比べて大きいというのは御指摘のとおりで、懸念材料だと思います。
#187
○金子洋一君 ありがとうございました。
 さらに、これは、海外の皆さんと接触が多くていらっしゃいますでしょうから、大槻参考人に再びお尋ねをしたいんですが、我が国の国債管理について大体どのくらい海外の皆さんがよく御存じになっているのかというのはちょっと我々に分からないところがありまして、例えば六十年償還ルールがあるんだというようなことを海外の皆さんというのはどのくらい分かっておられるのか。その感じとして、いや、みんなもう完全に分かっているという状態ではないと、私ほかの方から伺ったことがあるんですが、どういう状況でしょうか。
#188
○参考人(大槻奈那君) そうですね。知識レベルとしてどれくらいかといいますと、そもそも、御存じのとおり海外の投資家層は日本に対しては非常に低くてございますので、本気で相当調べているかというと、そうでもないと思うんですね。でありますので、どちらかというと、知識レベルは国内、海外では相当乖離があるのかなというところだと思います。
 仮に、ちょっと話は外れるかもしれませんが、海外の投資家を国債市場に呼び込むという意味での一つハードルがあるとすれば、今やはり、私見ですけれども、海外の投資家が見て余りにも金利等を、それに対して情報量ですとかマーケティングも含めて知り得る知識が低いので、であれば、ほかの国の投資をした方がいいというような、ちょっと投資としての魅力がないといったことがあるのだと思っております。
 その意味では、こういった御指摘いただいたような広報活動等もこれから重要になってくるのかなという感じはしております。
#189
○金子洋一君 どうもありがとうございました。以上でございます。
#190
○古川俊治君 ありがとうございます。では、座って質問させていただきます。
 私は瀬谷参考人にお話を伺いたいと思っております。
 本日はどうもありがとうございます。
 被災地の状況について、特に今お聞きをしていて、これは除染あるいはやっぱり放射能の安全性の問題が福島にとって大変に鍵になっている問題であるというふうに感じました。
 まず、お考えを教えていただきたいんですが、今いろいろな基準が実は言われておるところでございますけれども、政府の方もはっきりした基準が出せないでいる状況であります。ただ、現実問題としまして、いろいろなところを調べてみてもなかなか明確な根拠というのが見出せないという状況が実はございます。
 そうした中で、今、取りあえず通年の許容限度である、一般的な普通の状況では許容限度である一ミリシーベルトというのを目指してやっていこうという方針を出しているんですが、もしそこまで安全宣言が出せないとすると、これはもうかなり長期間、物すごく長い間、ちょっと今想定できませんけれども、かなり長期間になってしまう。そうではなくて、やっぱりある程度のところで判断を出すべきだというふうにお考えになっているのかどうか、これが第一点ですね。
 それから、第二点としては、今、かなり今回の予算でも大きな額が福島も含めて被災地に送られます。これには、かなり新しいことをやる、福島に立地を起こしていって新しい企業を呼び込もう、あるいはそこで極めて先端的な技術を開発していこう、こういう趣旨がかなり多く含まれているんですが、既存の企業について、この企業について今どういうことをしてほしいと思っているのか。今はこれから新しいものをつくっていこうというんですが、既存のやっぱり産業を回すことも大変重要だと思っていまして、その点について教えていただきたい。
 それから、最後に雇用の問題なんですね。今既存の、既にあった大きな企業も、福島にいようかどうか考えて本当にその瀬戸際に来ているというお話でございました。これ以上、その状況でどうやって雇用を今維持しているのか、あるいはそれが危機になっているのか、ちょっとその辺の現状を教えていただきたいと思います。
#191
○参考人(瀬谷俊雄君) 最初は懸念される放射能除染の問題でございますけれども、これはおっしゃるとおり、一マイクロシーベルトと言っていたんではいつになって終わるか分からぬ。それから、除染も福島県全土をやると言ったって、冗談じゃないと、あれだけ広大な、例えば学校とか公園はそれはやれますけれども、例えば山林なんかどうするんだと、田畑はどうするんだと。実際できません。
 もし、理論上やり得ても、それに要する費用は物すごいです。例えば、私の家なんか建坪百坪になりますけれども、瓦屋根ですけど、全部これ除染すれば百二十万ぐらい掛かるというんですよ。領収書取っておいた方がいいと。私なんか、ばからしいからやる気もありませんし、ほうっておきますけどね。
 だから、どこかで、例えば、私見ですけど、五ミリシーベルト以下になったらそこで安全宣言を出していいとか、それから特定地域の、警戒区域、そういった原発のサイトですか、この辺は別な意味でいうともう使えないし入れないと。だから、クローズしましょう。例えばの話ですよ、例えばね。それで、特区というのにはいろいろな言い方があるけど、まあDCというのがありますが、ディストリクト・オブ・コロンビアと。あそこは福島県ではないと、原発区だというふうにしちゃって、そこに低レベル、高レベルの貯蔵地をつくるとか何らかの意味でやっていくと。で、廃炉にするなら廃炉にするなりの技術集積がないとできぬわけだ。そういうものを優先してつくると、そういうことだろうと思うんです。
 だから、いつの時期でやるかというのはこれはもうすぐれて政治判断の問題でございますので、それが第一番目の答えでございますね。
 それから、二番の既存企業の問題について申し上げますと、これはやっぱり福島というのは、もう水も豊富だし、それからそういった意味では土地も広大ですし、あと労働力の質的な面で、福島の人間はいい人が多いという、私も言われているんですよ、だから定着率が多い。要するに、一番いいのは企業で辞めていく人が少ないというんです。そういうインセンティブがある。しかも、東京という首都圏に近いんだから、ある程度そういうものについてきちっとしたグレースというか恩典が与えられて、なおかつ安全宣言が出れば、既存企業は止まります。これができないままほうっておいたらみんな逃げていきます。それも一の問題とリンクしているわけでございますね。
 最後に雇用でございますが、一段ひどいのは、例の相双地区といいますか、原発サイト地区です。これは全部、多かれ少なかれ電力の関連会社。例えば、火力発電といえどもその燃料を運ぶ運送会社であるとか、それから宿舎、泊めるそういう旅館さんとか、いっぱいそういうクラスターがあるわけですよ。それが全部なくなっちゃうと、廃炉にした場合には。
 とすると、第一の一、二、三、四はしようがないけれども、第二原発のそういうものについてはみすみす廃炉にしていいのかどうかと。この辺はちょっと、私は、連合の方も脱原発とおっしゃっていますんですけれども、そこはちょっとまだ考え方があるんではないかと。まあそれ以上言うとちょっと私も具合悪いですから今申し上げませんけれども、そんなことでございます。
#192
○古川俊治君 極めて現実的な視点で今おっしゃっていただいたんで、大変有り難いと思います。是非、我々も参考にさせていただいて、是非県内の御意見をまとめることにも一躍、また御活躍いただいて、よろしくお願いをしたいと思っております。
#193
○参考人(瀬谷俊雄君) この前なんか、朝日新聞に、低レベル廃棄物は東京のお台場に持っていけと言われたら、大分たたかれまして、福島の会頭は気が狂っているんじゃないかって。だから、石原さんが、たかが瓦れきを入れるんでも何千件のクレームの電話があったそうですが、まあ何か一つの、日本の先行き危ないなと僕は思っているんです。
#194
○古川俊治君 ありがとうございました。
 では、私の質問は終了します。
#195
○荒木清寛君 まず、私も瀬谷参考人にお尋ねをいたします。
 福島特別立法につきましては、もう公明党も必要であると、何とか作らなければいけないということで検討しておりますので、全面的に地域の意見は受け止めていきたいと思います。
 その上で、先ほど参考人が言われた福島復興特区法案では、税制上の恩典ということをまず言われましたが、そのほかに、肝となるといいますか、これは是非盛り込むべきだという大きなポイントがあれば是非教えていただきたいと思います。
#196
○参考人(瀬谷俊雄君) それは多方面についていろいろな御提案をいただいております。大きくいえば、一つの特区の中について言いますと、やっぱり税制の問題もありますし、それからいろいろな復興させるための仕掛けづくりといいますか、ファンドであるとか再生機構であるとか、こういったものをいろいろ、経産省さんなりあるいは内閣府なりにいろいろおつくりになって考えられていると。そういうものをいろいろ我々の方としては取捨選択をしながら立ち上げていこうと。
 それから、いろいろこれはいっぱいあって、一概には申し上げにくいんですけれども、例えば風評被害の払拭についても、かなりそういう意味では、何ですか、対外的に働きかけをする必要があるだろうと。例えば渡航制限問題についても、向こうの、中国の要人に聞きまして、どうしたら皆さん方安心して福島に来てくれるんですかと言ったらば、言下に向こうのスーパーマーケットの支配人さんですが、中国の人ですけれども、いや、うちのお偉いさんが行って福島のリンゴでも食べればそんなの解消するよと、こういう話でございますので、そういった対外的な安全ですよということについての働きかけといいますか、ポジティブなPRが必要ではないかと。農産物においてもしかりでございます。
 どうも、お答えになりませんけれども、そんなところでございます。
#197
○荒木清寛君 続いて、瀬谷参考人に金融の問題をもう一つお尋ねしますが、いわゆる個人版私的整理ガイドラインが金融機関あるいは関係者の合意でできまして実施をされております。それで、金融庁に確認をしますと、十一月二十五日現在ということで、相談は千七十八件で、そのうち債務整理開始の申出件数が五十二件、その申出に向けて準備しているのが二百三件ということで、これが多いと見るのか、まだまだと見るのかはいろいろ意見があろうかと思いますが、私もお聞きをしますと、私的整理に入ると地震保険金も弁済に充てなければいけないのでちゅうちょしているとかいろんなお話を聞くわけです。
 金融機関の側から見て、この仕組みで住宅ローンを始めとする個人のそういう二重ローン問題が大きく改善に向かうと予想されるのか、あるいはもう少し工夫が必要なのか、教えていただきたいと思います。
#198
○参考人(瀬谷俊雄君) もう少し工夫が必要でしょうが、それはどこまでその金融機関側がお客さんのサイドに立ってリスク承知の上でやるかと、そういう踏み込み方の問題でございます。これは個別にそれぞれいろいろ違いますので一概に言えませんけれども、例えば全体の案件があって、実際そこまで進んだというのが僅か、パーセンテージにしますとどのぐらいですかね、随分少ないじゃないですか。だからちょっとそういう意味では私も、今ちょっと現場を離れていますので程度問題分かりませんけれども、直感としてはまだまだ少ないと、まだまだやり方の工夫が足りないと、そういうふうに私は思っております。
#199
○荒木清寛君 では次に、大槻参考人にお尋ねします。
 先ほど、ヨーロッパのいわゆる債務問題につきまして、高い信用力のところに問題が起こったというお話でした。それで、参考人の資料を見せていただいても、イタリアの、この六ページの財政のサステナビリティ比率というところを見ますと、イタリアは決して悪くないわけですけれども、そういうところが国債金利が上昇してしまったと。その原因が何かということをお尋ねしたいんです。そういう政治の不安定さということが原因であるとすれば、日本にとってもこれは他山の石としなければいけませんので、ちょっとイタリアでどうしてそうした事態になったのか、教えてください。
#200
○参考人(大槻奈那君) おっしゃっていただいたとおりでございまして、御存じのとおり、イタリアは昔からどうしても政治的にはどちらかというと政権交代も多くて、余り安定している印象がまずマーケットから持たれていなくて、今回も結果としてはトップが替わってしまったわけであります。
 それが一つございますし、もう一つは、少しテクニカルでありますけれども、今回、十月二十七日にEUの首脳会合で合意をした内容で、これから国債についてはある程度保証を付けていきましょうといったような話も出てきたわけなんですけれども、それが、これも政治的な要因もあって、今夜、ひょっとしたら財務相会合で出てくるかもしれませんけれども、マーケットから見ていると、まあ、もたもたしているわけですよね。もう一か月もたってもそれが出てこなくて、各国の政治の情勢に振り回されてしまっているということで、非常にやはり安心感がないというのが一点あります。
 それともう一つは、おっしゃっていただいたように、数字上は大体いいかなと。一つだけ、やっぱり日本と同様で債務のGDPに対する残高が大きいということですね。そこがやはり少し狙い撃ちをされているところがございまして、このお隣のページにもちょっとあるんですけれども、狙い撃ちをされていることの象徴が次の、御指摘いただいた六ページ目の次のページに、CDSの残高が左側の方にございます。これがいわゆる保険なわけです。信用保険という形で、もしも負債が払えなくなりそうであればといったときに備えて保険を掛けている残高のリストなんですが、世界一イタリアはある意味で不安視を、マーケットからは不安視をされて、それが今は逆回転してしまっているという感じでございます。
 でありますので、日本はまだまだ、これで見ても、そういった市場から狙い撃ちをされるような状況にはまだないんですけれども、それでも、振り子がどちらに振れるか分からないので、一旦不安が醸成されてしまったらば、マーケットは不安が不安を呼びますので、売られそうだと思ったらばマーケットの人たちは先に、さっきも申し上げたように売っていきますので、同じようなことにならないためには、財政の規律を早めに安定的に改善していくということが大事なんだろうなとは思っております。
#201
○荒木清寛君 野田総理はG20に行きまして消費税増税を約束してきたわけですが、市場というのはそういうことを、先ほど言われましたエビデンスということで言いますと、そうしたことを望んでいるということなんですか。
#202
○参考人(大槻奈那君) おっしゃるとおりで、そういったことも一つのステップではありますけれども、あのニュースが出たときの市場からの反応は比較的冷ややかでございまして、やはりほかの国でもそれが議会で通るかどうかで、御存じのとおり欧州でも必ずしもそうなっていないということで、そこに向けるプロセスがもうちょっとはっきりしないと市場からの信頼感というのが強くはならないのかなと思っております。
#203
○荒木清寛君 終わります。
#204
○中西健治君 どうもお話ありがとうございました。
 大槻参考人に幾つかお伺いしたいと思いますけれども、お話の中で今も出ていましたけれど、CDS市場の機能不全ということがありましたけれども、今回、ギリシャの債務があれだけ大幅に削減されたにもかかわらず、結局デフォルト事由ということにならないとISDAが決定したわけですけど、そのISDAの判断についてまずどう思うか、お伺いしたいと思います。
#205
○参考人(大槻奈那君) 個人的にはでございますけれども、御指摘のとおりでございまして、これはやはりデフォルト事由に当てて、保険は保険として機能させるべきであったと思います。
 例えば、CDSの契約をして保険を掛けていた方の当事者にしてみれば、ずっと保険料を払っていたにもかかわらず、いざ自分が病気になったら保険料は実は下りません、保険金は下りませんということになったわけでありますので、当然、そういった保険を掛けていた人たちが保険を解約にしてきているわけであります。それが今は、さっき御質問もいただきましたイタリアの方もそれが一因ではございますけれども、保険が利かないんだったらば保険料もったいないので掛けません、その代わりリスクも取りませんというのが現物の国債の方の売りにつながっているわけであります。
 ですので、イタリアもそうですが、この中で七ページ目にもお示ししたような各国、まだ明らかな兆候は見えてございませんけれども、やはりCDSの残高はこれから御指摘いただいたような事象によって減って、両建てで落ちていくと思っております。
#206
○中西健治君 どうもありがとうございます。
 それから、これまでのソブリンのデフォルトというと、ラテンアメリカですとかロシアですとか、先進国でないところで起こっていて、先進国で自国通貨建ての債務で実際にデフォルトが起こり得るのかどうかと。ギリシャについて言うと、ユーロですから自国通貨とはちょっと言いにくいという部分がありますから、自国通貨としてコントロールできている中で実際に先進国でデフォルトが起こり得るかということについてはいかがでしょうか。
#207
○参考人(大槻奈那君) テクニカルには恐らく起こらない可能性が極めて高いと思いますが、ただ、例えば格付会社の判断で微妙になるのは、では、じゃハイパーインフレを起こした場合に、これは事実上の国債の価値が下落したと見て、それが強制的に起こるものであれば、デフォルトとは呼べないかもしれませんけれども経済的な価値が下がってしまうことになると。だとしますと、デフォルトが起こる前に、投資家としてはその債券を持たないことを、つまり売ってしまって価格が下落することを考えざるを得ないということかと思っております。
 そこの、どちらかというと日本、ほかの国もそうかもしれませんが、デフォルトよりもこれからは金利の上昇、すなわち国債の価格の下落のリスクの方というのが、より手前で懸念されることなのかなと思っておる次第です。
#208
○中西健治君 お話の中で、A格以上のソブリンなんかも狙い撃ちされるようになってきているということも含めてなんですけれども、格付って一体何なんだろうということなんですが、格付機関にも勤務なさっていたということですが、最近、このユーロのソブリンの問題の陰に隠れていますけれども、ノルウェーの輸出入公社というところが八ノッチも格下げされて、日本の投資家はもう仕組み債の形でたくさん、ノルウェーの輸出入公社、エクスポートファイナンスといいますけれども、そちらが発行した債券を持っているわけですけれども、格付というのは、これだけ大きく変わるというような中で本当に格付に依存して投資を行うべきなのかどうか、どこまで重要性を認識しておくべきなのか、そこら辺はいかがでしょうか。
#209
○参考人(大槻奈那君) 私見でございますが、かつ、私もいたところについて申し上げるのも何ですが、本来的には格付け、債券の価値を判断する言わばラベルをA格であるとか張っているだけのことでございまして、それも民間のところが一つの目安として見やすいようにラベルを張っているだけのことでありますから、本来的には投資家が、株式も同様ですけれども、判断すべきものだと思います。
 ただ、なかなか今まで付いてしまった習慣でございますし、一つの問題として感じますのは、各国の当局がこれを使った規制を行っているということが大きな問題だと思っております。これからもしも御指摘いただいたように依存を減らしていくということであれば、ここら辺についてもう一つ、もう一度考えるべきじゃないかなと思っております。
#210
○中西健治君 最後に、ざくっとした質問というか、漠とした質問なんですが、今ユーロで起こっていること、EUで起こっていることというのは、財政と金融が分離してしまっているという構造的な要因というものを指摘されているわけですけれども、今のドイツのかたくなな態度なんかを見てみますと、EUの中で、やはり精神的なシンパシーとか、そういうものが実は醸成されていなくて別物だと、あの国はうちの国とは違うよねと、そういうようなものが、精神的なもの、情緒的なものというのがかなり大きく作用しているんじゃないかなというふうに思うんですが、そこら辺については御意見いかがでしょうか。
 これ、最後の質問です。
#211
○参考人(大槻奈那君) 確かに、卑近な例で申し上げますと、例えば、私も数か月前にフランス、ドイツに行きましたが、そこの金融リテラシーの比較的高い人であっても、まず自分の生活が既に相当厳しくなっている中で本当にほかの国を救うのかということについては、そのお金、税金があるならば自分たちの生活に充ててほしいという気持ちがやはり高いと思います。これをこれから、最終的にはいわゆる共同債、デットミューチュアライゼーションという形で一体化させられるまでには、やはり個人的には、御指摘のとおり、相当な距離があるのかなということを感じております。
#212
○中西健治君 どうもありがとうございました。
#213
○大門実紀史君 まず、大槻参考人に伺います。
 欧州の問題は僅か十分でポイントがよく分かって、ありがとうございました。
 この財政金融委員会というのは見た目よりもレベルの高い議員が多くて、午前中もデフレの問題でかなり根幹に迫るいい議論を例えば自民党の西田さんなんかがやられました、時々変なことを言う人もいたりするんですけれども。それで、せっかくですから、その欧州のことの裏側でもありますが、日本のデフレをどう克服するかという点でずばり御意見を聞きたいと思いますが。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
 こういう議論がございまして、この委員会でもずっとあるんですけれども、要するに、デフレだからインフレにすればいいんだと、インフレにするにはお金をじゃぶじゃぶ供給すりゃいいんだと。日銀に対して、もっと金融緩和やれと、もっともっとやれと。株を買え、国債を買え、果てはもう土地まで買えみたいな極端な議論が何度も何度もされたりするんですが、日銀も相当のぎりぎりの金融緩和をやってきて、しかし、その市場に供給したお金が、国内需要がないものですから海外に逃げて、それがマネーゲームのような形を取って、今回の欧州危機の背景にもありますけれども、市場から狙い撃ちされるというような余計なものにお金が回ってしまって、結局、そういうインフレターゲット論的なものはもう無理じゃないかと、間違っているんじゃないかと思うんですが。
 そうすると、どうすればいいかということで、一つは、別に共産党が言っているだけではありませんが、この間言われているのは、やっぱり日本のデフレは、賃金と物価の下落、これはもうスパイラルになっていると、この連鎖を断ち切るしかないから賃金の底上げに踏み込むべきだと、これはいろんな方も言われるようになってきました。
 もう一つは、午前中、西田先生からもあったんですけど、ちょっとうちとは考え方は少し違うんですが、いずれにせよ、良質な、いい、必要な公共投資をやっぱりやるべきだと思っておりまして、単にばらまけばいいということではなくて、これから高齢化社会に向けて福祉型の公共事業とかそういうものをやっていけば雇用効果も高いわけですから乗数効果も上がるんで、そういうことの方に、実体経済を変える方向に行かなければいけないんじゃないかと思いますが、大槻参考人、ずばりいかがお考えか聞かせてもらいたいと思います。
#214
○参考人(大槻奈那君) 私、マクロに直接の専門ではございませんけれども、御指摘いただいた点について一つ二つお答えできるところがあるとすれば、先ほども量的緩和のところで、問題としては、金融機関のところで、御存じのとおり、貸出しが出ないのでさっき申し上げたような形で国債を買うしかなく、そしてそれが結果としては国庫に戻ってしまっているだけだということ、ここだと私の金融の方の立場からすると思っております。
 じゃ、それは、金融機関がなぜそういう行動に出なければいけないかということでございますけれども、日銀の方もおっしゃることかとも思いますけれども、エクスペクテーションがないわけでございまして、例えば、金融機関の方々も何度か果敢に貸出しを中小企業に対して比較的高いリスクを取りながらやった例も数年前ございましたけれども、結果が付いてこなかったと。結果として、そういうことをやった例えば担当者なり銀行が、やらなかったところに勝るような評価は受けられなかったという形になってしまったということで、どんどん期待感がシュリンクしてしまっているというところだと思います。
 そうしますと、じゃ期待値をどうやって上げていくかということでありますが、金融機関の行動としてはまだまだやっぱりアセットデフレのところで相当気にしているところがございまして、そういう意味では、量的な緩和という形もあるかもしれませんが、今少し行っていただいているようなETFですとかREITその他、そういった多少資産の下落を止めるような施策というのは一つの鍵なのかなと思います。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
 それと、御指摘いただきました公共投資、そういった形で、公的なところで現物のところに踏み込み、そこで呼び水効果になっていくというのも効果的なのではというふうに思っておる次第です。
#215
○大門実紀史君 瀬谷参考人に伺います。
 私も何度も福島に伺って、東邦銀行の方とも意見交換してまいりました。特に二重ローン問題でございます。
 この間取り組んできて思うのは、宮城、岩手と福島の二重ローン問題はちょっと違うなと思っておりまして、簡単に言いますと、宮城、岩手の場合は、再スタートのめどが立ってスタートするときに過去の借金を機構が買い取って減額するか何かしてあげればいいと。福島の場合は、まずスタートするめどが立たない。もう一つは、東京電力の損害賠償が絡むと。
 県の人とも話していてちょっと勘違いしているんじゃないかなと思ったんですが、東電の損害賠償に頭が全部行って、事業者の立ち上がりというのはもうひとつ性格が違うのに、その損害賠償があるもんですから、東電の問題があるもんですから、そこばっかり目、行っているわけですね。
 簡単に言いますと、二つ必要かなと思っているんですけど、この間福島に伺って、一つは、今の場所だと放射能汚染でめどが立たないと、じゃ、県内のもうちょっと違う場所で再スタートする、この方にはいち早く宮城と岩手のスキームと同じような形で買い取ってやると。もう一つは、それでも、その方々、あるいはずっとしばらくめどが立たない方、共通しているのは東京電力の問題です。東京電力から損害賠償されるというのはあくまで営業損害の補填でございまして、借金がチャラになるわけじゃないんですよね。過去の債務が消えるわけではありません。
 したがって、そういう難しい中でこの買取りというか、スタートしてもらうために借金の減額やるには、ただ一つ、買取り機構が東京電力との、これはもちろん御本人が希望された場合でございますけれど、損害賠償のことも含めて、間に入って、借金を買い取って、買い取った金額を幾らにするかということもありますが、東電と交渉してでも再スタートやりたいという方には早く、機構が東電と交渉するような、ほかにない仕組みをつくらないと、福島の場合はその買取り機構、二重債務の解消というのは難しいかなとこの間感じているんですけど、御意見があれば聞かせてもらいたいと思います。
#216
○参考人(瀬谷俊雄君) 今先生のおっしゃったとおりでございます。宮城、岩手とは違うんですよ。だから、先ほど申し上げたとおり、不安で先が見えない、そこのところが一番問題なんです。それも、業種によってばらばらでございますし、しかも先生御指摘のとおり、東電に補償できるのは営業に対する補償ですから。
 もう一つ申し上げると、この補償は一体いつまで、いつまでやるのと、どこまで。しかも、被災に遭ってからそれぞれの旅館さんでも運送業でも食品でも、みんな自助努力で少しずつカバーしているんですよ。そうすると、結局、対昨年度の実績との対比と言ってみたって、じゃ、この自助努力の分はどうするのという、こういう問題は依然残っているんです。だから、お客さんによってはもう東電の賠償額は固定額にしてくれという、業種によってはそういうお話もございます。
 ただ、いずれにいたしましても、円滑な金融機能を生かすためには、今言ったとおり、幾つかの機構ができますけれども、その機構が本来の仕事ではないんだけれども東電の間に入って一緒に仕事をするということは絶対必須なんですよ。
 それから、ちょっと余計だけれども、今、大槻先生お答えになったデフレ脱却という問題は、私は余り将来希望を持っていないんです。
 というのは、デフレというこの現象は先進国特有の現象じゃないかと、こう実は思っているんですよ。極論を言えば、やっぱりデマンド、需給とそれからあとサプライとのギャップと言ったら先生いいんでしょうね、その需給ギャップという意味においては。この問題を解消するというのが容易じゃないと。
 だから、日本という国はそういう意味では最先進国なんですよ。これだけ高齢化社会になってもうデフレを引っ張っちゃっている。今、ジャパナイズという言葉が出ていますね。全然、欧米諸国も日本化しているということは一つのあかしなんだと思います。どうしていいかはもうちょっと私も考えます。
 済みません、脱線しました。
#217
○大門実紀史君 終わります。
#218
○中山恭子君 ありがとうございます。
 今日は瀬谷参考人、大槻参考人、本当に貴重なお話ありがとうございました。
 大槻参考人に、日本の国債、ほとんど九〇%以上国内で所有されているという、この特徴というものはどういう意味を持つか、お話しいただけたらと思います。
#219
○参考人(大槻奈那君) 御指摘ありがとうございます。
 幾つかの側面があると思いますけれども、よく言われることといたしましては、やはり、先ほども少し申し上げましたように、預金が銀行に集まり、それが貸出しをする先が一応銀行いわくないので、それが国債の方に回っていくということで、そうしますと、圧倒的に買わなければいけない人たちがいるために、海外の投資家から見たら、正直言いまして、さっき御指摘いただいたような不透明性ですとか分からないことが多い中で取るような、リスク、リターンに見合うような金利ではないということで、海外の方から見ると正直魅力がないということももう一つの側面だと思います。
#220
○中山恭子君 ありがとうございます。
 これから参考にして、いろいろ考えていくときの参考に、大いに参考にしたいと思います。ありがとうございました。
 瀬谷参考人にお伺いいたします。
 私も、郡山のビッグパレットですかね……
#221
○参考人(瀬谷俊雄君) ありがとうございます。被災のですね。
#222
○中山恭子君 もうたくさんの方が寝泊まりして、今もまだ……
#223
○参考人(瀬谷俊雄君) 大体もう引き揚げていきました。
#224
○中山恭子君 大体終わりましたか。
 本当に直接もう住む場所を追われているという厳しさというのが、もう何とかしないといけないと思いながらおりますし、子供たちがいなくなったとおっしゃいました。この子供たちが無事に戻ってくるための作業というのをあらゆる手段を使ってやっていかないといけないと思っております。それをどういうふうにしたらいいのか、みんなであらゆる知恵を絞らないといけないと思っていますが、先ほど瀬谷参考人は、DCをつくってみてはどうかというお話がありました。それができるかどうかは別にして、そういう考え方というかアイデアをみんなでたくさん持ち寄って、できるかどうかを検討していくということが非常に大事なことであろうと思っております。DCのアイデアというのもある意味では一つの貴重なアイデアだと私も感じております。
 先ほど、もう成長しないんですよと瀬谷参考人はおっしゃいましたが、実は、戦後六十六年たって、福島の例えば上水道、下水道といったものも今更新時期に掛かってきているはずでございます。戦後造った、慌てて造っているというようなところもありますので、こういったものに公共事業を入れて経済活性化の呼び水にしていくという、非常に、政府として動かなければいけない、民間需要は足りないけど政府がやらなければいけない事業はたくさんあるわけでございまして、もし福島の中でそういった今の最先端技術を使った形でこういう形のいい町をつくっていくんだというアイデアを、いろんな種類のアイデアをみんなで考えてはどうかと思っております。
 瀬谷参考人は、金融機関、今大丈夫だろうと思っておりますが、金融機関が大丈夫かどうか、それから商店街、あらゆる経済面を御存じでいらっしゃいますので、いろんな外部の知恵者も入れていろんなアイデアをおつくりいただけたらと思っております。もし何かあれば。
#225
○参考人(瀬谷俊雄君) 大変貴重な御意見をいただきました。
 ですから、私は、国債、これだけ大きな残高になっちゃったんだけれども、極端なことを言えば全部チャラにしてもう一回出直してもいいなと。チャラにするという意味は、それに対する預貯金があるわけです。この塊とそれから国債の残高と。だから、戦後何十年掛かって、民はこつこつ稼いで、うんとあれしましたよ、お金をためました。一番貧乏したのは国でございます。国がこれだけの公的負債を抱えたわけです。で、今日があるわけです。そこにこういうような大きな震災というか原発事故とが重なってきたと。ここからもう一回チャラでやり直すんだということになりますと、基本的には財政負担の問題になってくる。もちろん公共事業も結構だし、私らはPFIだって使いようによってはまだ相当のことがやれると思っています。
 ただ、そういった場合に、財政負担となった場合にその財政負担増を誰がどう賄うのか。先ほど国債の話が随分出たり入ったりしていますけれども、プライマリーバランスをいつどんな形で現実的なものにするかと。やっぱり私は、この場で私見でございますけれども、増税しかないと。方法はいろいろあると思いますけれども、やっぱり皆さんで、この今の社会、ここまで来たそのツケというものを負担してよろしいんではないかと。
 だから、専門的に私は税制の方は不案内でございますけれども、担税力という問題がありますよね、どこまで税金を払えるかと。これを見たらまだまだ日本の場合には余裕があると。だから、結局、国債市場でもそういうことを頭に置いているから意外に金利は安く済んでいるのかなとも思うのでございます。
 ちょっと余計なことを申し上げました。以上です。
#226
○中山恭子君 今回、原発の事故というのは、先ほど、日本にとって大きなリスクで、福島のリスクは世界のリスクとおっしゃいました。
 いかにきちんと落ち着かせることができるかという非常に今微妙な段階であろうかと思っておりますが、そこは本当に頑張ってもらうこととして、福島県そのものについては、公共事業、私自身は日銀の引受けであってもやらないといけないと考えております。市場に出さずに、日銀が引き受けるという形であっても、公共事業の、上下水道の更新から始めて、道路、橋、ダム、あらゆることについて、それからもちろん防災対策、地震対策。福島の家は全て耐震・免震構造になっていて、地震は多いけれども福島の家にいる限りは大丈夫だよという、そのくらいの地域にしていく。そのためのあらゆる手段を、それも公共事業の一つとして政府が行っていく必要があると考えて主張しているところでございまして、いろんなアイデアを是非これからもお出しいただけたらと思います。
 ありがとうございます。
#227
○参考人(瀬谷俊雄君) 大変、中山先生から有り難いお言葉をいただきまして本当にうれしく思っております。
 確かに、御承知のように、福島県に今、橋梁が幾つあるか分からぬと。隧道が幾つあるか分からぬと。しかし、新幹線も高速道路も高規格道路もありますけれども、やはり既存の県道、市町村道は大分毀損していますよ。水道も同じでございます。元々、福島県で磐城、岩代付近では地震がないということで売りだったんですけれども、これもひっくり返っちゃいましたですね。
 とすれば、仮に、今度原発を再開するにしても非常に安全性の高いアドバンストタイプのものを造って世界に示すというぐらいの誇りじゃなかったら、私はやっていけないんじゃないかなと。ちょっとこれは今日の議題とはずれちゃうんですけれども、そんなふうにも思っております。
 ありがとうございました。
#228
○中山恭子君 ありがとうございました。
#229
○委員長(尾立源幸君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、大変お忙しいところ貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#230
○委員長(尾立源幸君) 速記を起こしてください。
 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#231
○水戸将史君 民主党・新緑風会の水戸将史でございます。
 それでは、五月の財金で当時財務大臣だった総理と相まみえて、それ以来でございますので、今日は限られた時間でございますので、総理の基本的なお考え、姿勢をお聞きしたいと思っております。
 まず、本論に入る前に、もう既にコメントはされていると思いますが、一昨日の大阪府の、また大阪市の選挙ですね、維新の会が圧勝いたしましたけれども、このことについて総理はどのような御感想でしょうか。
#232
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の大阪知事選挙、市長選挙、民意が示されたということでございますので、それはしっかりと受け止めるということだと思います。これから大阪都についていろいろ大阪の中で御議論があって、一定のプロセスがあると思いますが、そういうものを注視をしながら、具体的なちょっと中身についても我々も検討していかなければいけないなというふうに思っている次第であります。
#233
○水戸将史君 それでは、本論に入りたいと思っております。
 午前中の論議でもありましたが、総理も本会議でもいろいろとコメントされておりました社会保障と税の一体改革に関しまして、特に財務大臣時代も私はこの場をお借りして消費税の安易なアップには反対であるという話をさせていただきました。その思いはまだ変わっておりませんが、これからの作業の中において非常に、今年中か来年にかけてという話がありますけれども、段階的な引上げの法案を提出するんだということでございます。
 副大臣がちょっとフライングぎみで、段階的にいついつまで何%という話がありました。それに関して本会議では総理は、あれは個人的な見解であろうという御答弁でございますけれども、今回、その法案を作成するに当たり、総理のリーダーシップというお話もありましたけれども、実際に段階的に引上げ、そのパーセンテージとか時期というものを総理の指導の下においてこれを明らかにしていくのかどうか、それを総理自身はどう思っていらっしゃるかをお答えください。
#234
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まさにこれから、ちょっと副大臣の発言を御指摘いただきましたけれども、税率であるとかあるいは時期の問題は、これからのいわゆる政府税調あるいは与党との議論あるいは与野党との協議等々を踏まえて具体的に考えていくべきものでございまして、あらかじめ予断を持って何か言うという段階ではないというふうに思います。
#235
○国務大臣(安住淳君) 午前中も申し上げましたけれども、五十嵐さん自身の発言は正式な党の、また政府の中での話を反映したものでは全くございません。人口動向、さらに経済状況等々を勘案しながら必要な社会保障のまず制度をしっかりとつくった上で、私は政府税調の会長でございますので、私のところで様々な問題についてこれから十分審議をした上で結論を出していきたいというふうに思っております。
#236
○水戸将史君 これからの作業にいろんな意味で注目をしていきたいと思いますけれども、いわゆる消費税上げの前提となるのは、財務大臣も何度もお答えになっていますが、経済状況を好転させることを条件としてという条件付なんですね。さはさりながらも、二〇一〇年代の半ばにはという話があるので、どちらが先行するのかといまいち分からないところがあるんですが、総理、これ、財務大臣時代からも総理ずっと温めてきたと思うんですが、経済状況が好転しない場合はこれは消費税を上げないという、こういう認識でよろしいんですか。
#237
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 経済の好転を条件ということを成案の中にも書いてございますので、その経済状況を様々な指標を見ながら総合的な判断をするということだと思いますし、加えて、予期せぬような異変なんということも起こり得るわけでありますから、それは、そういうことはしっかり重要な要素になってくるというふうに思います。
#238
○水戸将史君 そうなれば、一方では財源的な話がある、社会保障をどういう形で穴埋めをしていき、そしてある程度充実した社会保障を給付をしていくのかという話がありますので、これ、経済状況が好転しない場合にはそのいわゆる差がどんどん広がっていくということにもなりかねない。そういう中のつなぎという部分もありますし、じゃ、今回のこの法案というのはあくまでも上げるんだという強い意思を示しただけ、ある意味精神論的な法案にとどまるという認識でよろしいんですか。
#239
○国務大臣(安住淳君) 六月の社会保障・税一体改革に基づいて今回、今年度中に出す法律は、やはり具体的な中身について書き込まなければならないと思っております。現実には、機能強化等々、五%について既にかなりの部分六月の時点でまとめておりますので、そうした制度設計についてはできるだけ曖昧さをなくしていくということが必要だというふうに思っています。
 なお、総理が御指摘のように、実際に施行するまでの間の間に経済状況の好転を図るということを前提にしているということだと思っております。
#240
○水戸将史君 いろいろと様々な条件というのが消費税を上げるというそうした環境の中においては伴ってくると思うんですが、政府が作ったこの資料を見ても、結局経済が好転をする、そしてそこの時期を見計らって消費税を段階的に上げていくということで、そうすることによって我が国の経済を本格的な成長軌道に乗せていくんだと、雇用を生み、消費を拡大するというようなことがうたわれているんですけれども、逆なんです。
 私が反対する理由の一つは、いわゆる消費税の、いわゆる経済動向もあるんですけれども、必ず、これは平成元年も平成十年もそうでありましたとおり、これは財金でも申し上げましたけれども、いわゆる消費税の導入の時期、それから数年間はこれは経済が冷え込むに決まっているんです、消費がこれだけ減退するんですから。そういうことを非常に私は懸念しているものでございますので、非常にこの書いていることと随分認識が違うなと。いわゆる消費税を導入して何かやれば雇用を生み、消費を拡大するというふうな、非常に誤った認識じゃないかと思っているんですよ。これについてはどう思われますか。
#241
○国務大臣(安住淳君) これを策定するまでの間に、当時私は党におりましたけれども、五十回に及ぶ議論を民主党内で行ってきました。そういう中で、もちろん皆さんが挙げて賛成ということで決まった一体改革案ではありませんが、コンセンサスを得て閣議に報告をしております。ですから、そういう点では十分な議論はしたとは思いますが、しかし御指摘のような点もありますので、十分それを踏まえながら対応していきたいと思っておりますけれども。
 ただ、もう一つの側面としてはやっぱり社会保障制度、この社会保障に係る年金、医療、介護の今後の五年、十年、二十年の見通しというものをやっぱり一方で考えなければならないと。それを充実しない限り、高齢化社会の不安定さを抱えたままで我が国はずっと推移をしてしまうということも、これは経済に影響するということを一方で指摘をしているということも付け加えさせていただきたいというふうに思っております。
#242
○水戸将史君 何も私も、むやみにいたずらに増税反対というようなことじゃないんですね。いろんな手法が、財源的な話ですから、突き詰めれば、その手法として消費税という話がされているんですけれども、財源論に関しましては私は若干違う視点から、仮にお金が必要であるならばほかの税の捕捉の方法があるんじゃないかということは、この間の野田総理が財務大臣のときにもこの場で申し上げたとおりでございます。それについては、今回時間がございませんものですからあえて触れませんけれども。
 で、これ五十嵐副大臣も若干、いわゆる消費税の導入、またこれを増額すればやはり弱者対策、いわゆる逆進性の問題というのは当然出てくる、これは大きなものとしてこれから取り上げてくるだろうと思っておりますが、五十嵐副大臣は、新聞記事程度でございますけれども、先ほどの税率アップ等々の話も含めてなんですが、結局税の還付とか税額控除ということにも踏み込んでいるんですね、御発言の内容がですね。
 こういう、野田総理として、弱者、いわゆる逆進性の問題についてどういう御認識でいられるのか。そして、仮にそういう弱者と言われる方々に対して救済策というのは、やはりこれ税額控除、税還付等々、もうこういう形でやっていくんだというような方向性をリーダーシップの下で敷いていられるのか。いかがでしょうか。
#243
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今の逆進性の対策については、六月にまとめた成案の中で記述がございます。それは、「消費税率が一定の水準に達し、税・社会保障全体の再分配を見てもなお対策が必要となった場合には、制度の簡素化や効率性などの観点から、複数税率よりも給付などによる対応を優先することを基本に総合的に検討する。」とされておりますので、これを踏まえて税制調査会等において議論をしてまいりたいというふうに思います。
#244
○水戸将史君 消費税導入をすればというか、それを増額をすれば、税率のアップをすれば、いろんな波紋は広がってまいります。とりわけ中小企業も非常に苦労して今この景気の波を乗り越えていこうということで、仮にこれが税率アップになれば当然滞納率は増えるでしょう。いろんな形でこれを、直接消費する人のみならず、経済活動を行っている方々に対しても大きなダメージになることはもう釈迦に説法だと思いますが、やっぱりこういう人たちに対するいろんな意味での救済策もまた別な側面からこれは考えていく必要があると思っておりますので、やはりもうちょっと丁寧に分かりやすく、そして一体どういう形で進めていくんだということの方向性をもっとかみ砕いた形で、総理自らの口で、お言葉でこれは説明をしていく必要が私は十分あると思っています。もちろん、財務大臣自らもいろんな場でこの税と社会保障の関係についてはやっぱりコメントしていく必要があると私は思っております。
 そういう中において、これは総理が、二〇〇五年八月ですので、野田プランというのを私たまたま持っていて、これぱらっと見たんですが、取扱注意と書いていますから、あれからもう賞味期限切れていますから、六年前の話なものですから、ちょっとあえてここで開示をしたいと思っておりますが、まあ中身はともかくといたしまして、非常に野田総理はその当時、六年前に作った野田プランというものの、これは財政再建とかいろんな無駄のカットとかいうことを総理自らがそのときにお書きになっているものなんですね。これと二年前の政権交代時のマニフェストというのは結構似ているんです、いろんな構成も含めてなんですが。非常に野田総理のお考えがこの二年前のマニフェストにも反映しているのかなということになるんでしょうか。
 それで、あえてお聞きしたいんですけれども、いわゆる総理自らも六年前に作られたこの野田プラン、マニフェストにも書いている、もちろん無駄を削減するという話があって、今いろんな形で、この二年間、政権交代をしてから、無駄の削減、排除ということで、いろんな意味で民主党総力を挙げてやってきたことは確かでありますが、今現段階においてこれどうなっているのかと。
 いわゆるマニフェストに掲げたものに関しまして、やっぱりこれ、六・一兆円というのは、例えば特殊法人とか独法の改革とか公益法人改革等々含めて六・一兆円の削減を求めていくというのが一応書いてあるんですね、マニフェストで。
 こういうものに関しても総理が、ちょうど政権交代して折り返し地点に入りましたものですから、やはり民主党のこれからの中においての、今までも当然マニフェストの検証はしているんですけれども、実際この無駄遣いというものがいわゆるどうなったのかということの中間的な検証、報告というものを総理自らが主導的になってやっていく必要があると思うんですけれども、そのことについて総理自らの御認識はいかがでしょうか。
#245
○国務大臣(安住淳君) まず、事実関係から申し上げますと、この二十二年、二十三年度で、二十二年度で二・三兆、さらに二十三年度で〇・三兆ですから、二・六兆捻出したことは委員御指摘のとおりでございます。
 まあ与謝野大臣に言わせれば、無駄の削減というのはもう大化の改新以来延々と、またこの先もやり続けないといけないと、ゴール点はないわけで、しかしこの特殊法人改革等も自民党政権下から助走をしまして、特別会計についても今十七本になっています。これを更に、総理の御指示で来年はこれを更に特別会計を削減をし、更に効率化を図っていくというようなことも考えております。また、党においても、岡田幹事長の下で八月にマニフェストの中間検証ということをやって、そうしたことを総合的に勘案すれば、マニフェスト道半ばなものもありますし、また子ども手当のように三党合意の中で制度というものを変えていったものも様々ありますので、そうした検証を踏まえながら今後も無駄の削減等については努めてまいりたいというふうに思っております。
#246
○水戸将史君 更なる御努力は当然求めてしかるべきものでございます。
 いろんなことをやっていらっしゃると言うんですけど、やっぱり国民、有権者を含めてなんですが、民主党がしっかりやっているのかということは非常に懐疑的でございます。もっともっと見せ方もあると思うんですけれども、実際今、例えばこの独法の話も特殊法人の話もそうなんですけれども、こういうものを掲げたと、これに対して鋭意努力しているけれども、中間的にはこういう法人に対してはこういうような形でやっているということをもっとちゃんとした形で僕は説明すべきだと思います。
 そういう中で、例えば増税の部分、二〇一〇年代半ばまで、二〇一三年、二〇一五年という話もあったようでございますけれども、上げることばかりは何となく数字的というか時限的に区切りながらやっているけれども、カットに関しましてはなかなか、一体いつまでにどの程度やるんだということのロードマップ、工程表が非常に見えない、それを表していないんですね。
 僕はどうせならセットでやるべきだと思うんです。増税をやるならば、やっぱり無駄のカットもやると。しかし、これは年限をある程度合わせながら、ここまでやるんだということをちゃんとした形で対比をしながら僕は見せていくべきだと思うんですけれども、これは野田政権の真骨頂だと思っているんですが、野田総理、こういう考え方はありますでしょうか、どうでしょうか。
#247
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 財政再建への道筋は、私はいつも申し上げますが、三つあると。一つは、委員が御指摘のように歳出削減の道、これは不断の努力でやっていかなければいけないと思います。それから、増収の道です。日本経済を成長させて増収を図っていくという道。それからもう一つは、国民の皆様に御負担をお願いする歳入改革の道。この三つをしっかりたどっていくということによって財政の再建を果たしていきたいというふうに考えております。
#248
○水戸将史君 繰り返し申し上げますけれども、結局、取るところばかりは非常に何か年限を決めてとか法案を作ってまでという話はあるんですけれども、やっぱり国会議員自らが努力をするという、自分たちの生首を取るという話もありますけれども、やっぱりいろんな部分で民主党が公約に掲げたこういう公益法人とか特別会計とか、いわゆる公共投資の在り方、入札の問題とか、いろいろとカットすべきところはいろんな形で挙げているわけですね。そういうものに関してもうちょっと分かりやすく提示をして、いつまでにどの程度やるんだということを目標を決めて、そしてそれに向かって頑張るんだと。
 しかし、その中間的な、いわゆる報告も必要だし、検証も必要だし、そして、例えばその年限になったときに、これだけ努力したけれどもできなかったかもしれない、できないかもしれない、そのときはもうおわびをしながらちゃんとした形で説明をしていく、できなかった理由を言うということを含めてやっていかなければ、到底、ただ単に増税しようと言ったって国民は納得しませんよ。
 そういうことは釈迦に説法でありますけれども、是非、野田総理自らが肝に銘じていただいて、そして財務大臣と歩調を合わせながらやっていただきたいということを強く要望して私の質疑は終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#249
○川崎稔君 民主党の川崎稔でございます。
 本日は野田総理に質問をさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。また、日銀の白川総裁にもお越しいただきまして、ありがとうございます。
 最近の経済情勢を見ますと、十月から十一月に入ったところでがくっときているという話を聞きます。やはり欧米の経済の減速が日本経済にも波及をしてきていると。しかも、気を付けなければいけないのは、タイの水害の影響はまだ出ていない、むしろこれから出てくるという意味では、我が国の経済のいわゆる下振れリスクといいますか、それが強まっているという状況だろうというふうに認識しているんですが、そういう中におきまして、今日は野田総理に質問をさせていただくということでございますが、総理は財務大臣等を歴任されて総理に就任されたわけですけれども、国民の皆さんから見ていると、経済について野田総理がどういうふうに語っているかといったところ、要するに経済政策に対する総理の基本的な考え方ということをちょっと改めてお聞きをしたいというふうに思っております。
 総理の発言というのは大体二つあるんですね。当然のことながら、財務大臣に御就任されて以来、増税の必要性ということを度々言ってこられたということがございますし、また、総理の就任後に、いわゆる分厚い中間層を維持するんだということを御発言をされています。この二点は非常に印象に残っているんですけれども、その経済政策をどういった形で運営していくのか、大局的にはどういった考え方をベースにしているのかといった根本のところは余り私たちも存じ上げないところがあると。
 そういう意味で、野田政権が運営する経済政策はどういった方向性を向いているのか、根本の考え方が少しでも国民の皆さんにかいま見ることができればということで、是非、総理の方には、官僚の作られた答弁ではなくて率直な言葉で語っていただきたいなというふうに思っております。
 まず、政府の果たすべき役割ということなんですが、かつて小泉政権のとき、その善しあしというのは別なんですが、いわゆる新自由主義、あるいは官から民へということで、非常に明確な価値判断の下に政策運営というのは行われてきたわけですね。これは、政府の果たす役割というのを非常に小さくしよう、あるいはその経済、基本的には市場メカニズムに任せようという非常に考え方がはっきりしていて、一言で言うと小さな政府を志向するということであったんではないかと思うんですが。
 総理は、個人的にで結構なんですが、その小さな政府を目指すべきだとお考えでしょうか、あるいは福祉などの充実ということを考えますと大きな政府とならざるを得ないと、この辺りの御自身の価値観といいますか、この辺を是非吐露していただきたいんですけれども。
#250
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 余り大きな政府か小さな政府かという二分論ではなくて、もちろん政府は効率良く仕事しなければいけないというふうに思いますが、いわゆる小さな政府論で何でもその規制を撤廃してという話ではありません。また一方で、やらなきゃいけないサービスもありますが、それも効率化という観点を持ってなければいけないと思いますので、大きいか小さいかという、そういう二項対立で私は考えておりません。
#251
○川崎稔君 まあそこは、ある意味では模範解答だというふうに私も受け止めたんですが。
 ただ、総理、かつて、私がまだ議員になる前のころなんですが、総理が代表選に出馬されたときに、御自身で私はがりがりの市場原理主義だというふうに御発言をされたことがあるということをある方から聞いたことがあるんですね。そういう意味で、政府が経済に対して積極的に介入すべきだというふうなお考えなのか、それともある程度市場に委ねるという考えなのか、その点についてもう一度確認をさせていただきたいんですが。
#252
○内閣総理大臣(野田佳彦君) どなたがどういうふうにちょっと言われたのか分かりませんけれども、私はある程度市場ベースに判断をした方がいいときもあると思います。逆に、政府が介入しなければいけないときもあると思うんです。
 これは私、時代によって違うと思っていまして、人類が命懸けで獲得してきた価値は自由と平等だと思います。この両立を図るということは大変重要だと思うんですが、あるときは余りにも社会主義的な統制経済みたいな側面が強いときは自由主義という右足を出すときがあると思います。逆に、格差が広がるようなときは平等という左足を前に出さなければいけないときがあると思います。その意味で、私は時代時代によって政策判断は異なってくることはあり得るというふうに思います。
#253
○川崎稔君 そういう意味では、総理、今の時代、この時代は、じゃ、果たしてどちらに軸足を置いた方がいいとお考えなんでしょうか。ちょっと若干質問が前後いたしますが、そういうふうな総理のお考えをお聞きしますと、この質問をちょっとぶつけてみたくなったんですが。
#254
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ここはいわゆる財金でございますので、例えば税で言うならば、所得税に関して言うなら所得再分配機能をもっとしっかりするような方向です。ということは、こういう格差の問題等があるときには私はそちらの方にどちらかというと、右足と左足と言いましたけれども、左足の方に少し前を出すときかなと。分厚い中間層というのもそういうことであって、中間層からこぼれ落ちてくる人たちをどうやって拾い上げていくかという視点を今、今日は持たなければいけないのではないかというふうに思っています。
#255
○川崎稔君 ありがとうございます。
 今のお話ですと、分厚い中間層を維持する、守るという考え方からすれば所得の再分配機能について軸足を重きを置くというお考えだということなんですが、いわゆる財政ということを考えたときに、最近例えばIMF等の国際的な機関でのエコノミスト辺りは非常に新自由主義的というか市場の機能を重視する、あるいは緊縮財政が望ましいといったエコノミストというか、そういった方々多いわけですね。足下の欧州のソブリンショック辺りへの処方箋を見ても、やっぱり政府債務への信認が揺らいでいる中で緊縮財政、厳しい債務削減努力というのを求めてきているということなんですが、この点に関して私は最近非常に気になるなと思うのは、かつての大恐慌で我々は何を歴史の教訓として学んだのかということなんですね。
 当時、どちらかといえばなんですが、市場を重視する考え方が支配的で、例えば失業率が高いというときにこれは賃金が高いからなんだと、だから市場メカニズムが働いて賃金が下がれば失業率も下がっていくというふうに経済の見立てをして、そういう一方で、財政的に言えば均衡財政といいますか、そういったものを維持するということで、これが結果的には不況を長引かせることになったというふうに言われているわけでありますが、その対極的な処方箋として、例えばケインズが有効需要という考え方を打ち出して積極的な財政政策という理論的な考え方を提示したということがございますけれども、総理は、そういう考え方に照らしてみた場合、今の財政というのは、いわゆる緊縮財政、財政均衡を維持すべきなのか、それともある程度積極的な財政をやらなければいけないというお考えなのか、その辺りはいかがでしょうか。
#256
○国務大臣(安住淳君) 事実関係から。
 IMFも、また諸外国の財政当局との交渉も私がやっておりますので、世界的な状況、トレンドというのは、今委員からもお話ありましたので、少し私の方からお話をさせていただきますと、やはり金融が非常に発達をして、本当に今や国境がもうない世界であります。しかし、そういう中にあって、非常に財政的に赤字を抱えている国が圧倒的なわけですね。ギリシャ債務に端を発してといいますが、これはギリシャに限らず、ヨーロッパ全域、アメリカ、日本もこれはもう全く他山の石ではない状況の中で、やはり財政をきちっとやっていかないと、健全性を保たないと、言わば市場の大きな信認という、これまでやっぱり一九八〇年代ぐらいまでにはなかったもう一つの要素が、今は世界のやっぱり国家の財政や経済にはあるんだというふうに思います。
 ただ、それに対しても、実は金融も行き過ぎているからこれに対する規制を掛けたらどうかとか、格付会社に対する規制みたいなものも実はEUの委員会なんかではもう出始めているというのもありますけれども、しかし、他方では、やはり第三者の厳しい目から見たときに、一国の経済の財政を放漫財政にしたままではとても国債の市場の中では信認は得られずに、それがたちまち一国の経済を破壊に追い込むような状況になっているという状況の中で日本の国のかじ取りをやらなければならない状況だということは認識をいただいているんじゃないかなと思っております。世界もみんなそういう考え方の中で、取り得る限られた選択肢の中で精いっぱいやっているということだと思います。
#257
○川崎稔君 財務大臣、ありがとうございます。
 実は、財務大臣のお立場だと当然財政家としての立場での発言でございますからそういう御発言になると思うんですが、私お聞きしたかったのは、実は野田総理のマクロ的な経済に関する基本的な考え方、思想というものをお聞きをしてみたかったということなんですね。
 これまで伺っていて、はっきり言って、先ほど左にやや軸足を踏んだとおっしゃいましたが、総合的に聞いていると実はどちらかよく分からないというのが率直なところなんですよ。といいますのは、野田総理が打ち出されている政策を見ますと、TPP、これは非関税障壁の問題と考えますと規制緩和的なある意味では要素が非常に強いわけです。また一方で、先ほどおっしゃったように、分厚い中間層を維持すると総理がおっしゃるのであれば、本来であれば所得の再分配機能を維持、充実していくということが必要なんですが、少なくとも今おっしゃっている政策は、例えば消費税増税、あるいは年金の引下げといった、むしろ最近の政策というのは方向性逆なんですね。そういう意味で、所得の再分配機能を弱める方向という意味じゃないかというふうに見えるんですが、そういうことになっちゃうと新自由主義的な政策じゃないかという声も出てくるわけですね。
 改めて確認をしたいんですが、小泉内閣当時の新自由主義的な政策と野田内閣の政策で考え方に違いがあるのか、あるとすればどういった点にあるのか、明確にお示しをいただきたいと思うのですが。
#258
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 小泉内閣で私は評価をしているのは、不良債権の処理などは私は相当進めたということは、これは評価をすべきことだろうと思うんです。私はどの内閣だから全て悪いという立場ではありません。いいものはいいというふうに認めていきたいというふうに思います。
 ただ一方で、行き過ぎた市場原理主義的な動きが出てきた、それに対して今の格差が助長されてきているような傾向があったというふうに思いますので、その点はよく踏まえながら我々は政策運営をしていかなければいけないというふうに考えております。
#259
○川崎稔君 行き過ぎたいわゆる規制緩和といいますか、市場偏重ということに対しての格差拡大ということは当然問題なんですが、私が今までのお話を伺っていて、やはりその辺りが、どちらかというと両方踏んでいるような、ある意味ではどっちを踏んでいるのかよく分からないようなところがどうしてもあるなという印象を受けます。
 ちょっと次の質問に移らせていただきたいんですが、次は、二点目として、今回の復興特別税と景気の関係ということで伺いたいと思います。
 いろいろと復興特別税、復興所得税とかあるいは復興法人税、たばこ税はなくなったわけですが、ある意味では増税といった考え方が出てきているわけですね。一方で、日本経済というのはデフレだという中で、政府として増税と景気の関係をどのように考えて、どういう段階でどういうふうに物事を進めていくのかといった全体像についてどうお考えでしょうか。
#260
○国務大臣(安住淳君) 今回の復興のことに関していえば、川崎さん御存じのように、法人税については五%下げる、これをまた更に一〇パーを掛けて二八・〇五と。しかし、今よりは経済活動を行う企業から見れば負担は軽くなりますので、その分は私は経済に資するのではないかというふうに思っています。
 所得税の付加については、結果的には二十五年で二・一%ということですから、家計の負担ということに関しては、私は、本当に心苦しいお願いではございましたけれども、最小限の範囲の中で負担を分け合っていただく状況になったのではないかというふうに思っております。
 一方で、歳出の点から申し上げますと、復興全体、また全国防災事業等を含めて真水で大きな金が出ていきますので、そういう点では、私は公共の世界ではやはりこれはGDPを押し上げる力もあるというふうに思っておりますので、総合的に勘案しながらこの対策を取ってきたというところでございます。
#261
○川崎稔君 財務大臣、ありがとうございます。
 増税について、最小限の幅だということで、大変心苦しいんだけどということでお話ございましたけれども、少なくとも今の政権は非常に増税だと、増税路線を走っているという印象が強いんですね。そうしますと、例えば家計においては、将来可処分所得が減るな、増税で所得が減るなと思ったら、当然のことながら、合理的な行動を取るとすれば財布のひもを締めるわけですね。
 そういう意味で、非常に個人消費の面で増税というのが、悪い影響がじわじわっと先に出てくるという可能性もあるわけなんですが、そういう意味で、ちょっとデフレ経済との整合性というか、要するに景気の現状を考えますと、先ほど申し上げましたように、増税あるいは年金の引下げ、さらに国家公務員給与の引下げといった法案も提出を予定されているわけですが、いずれも考えてみますと景気面に対して強いデフレ圧力が作用するんですね。
 この点について、デフレ経済からの脱出というのを内閣としても非常に重要視されていると思うんですけれども、その両者の整合性というか、それをどう考えればいいんでしょうか、この点についてお願いします。総理、是非。総理、総理、是非お願いします。
#262
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 復興財源で法人税と所得税、これを付加税という形で所得税やらせていただきますけれども、家計については、特に低所得者の方については、これは配慮のできる制度だというふうに思います。
 その上で、心理面の影響はもちろんあるのかもしれません。だけれども、復興需要を取り込んでいくことによって、歳出を通じて経済を元気にしていくという側面もあると思いますので、そこは総合的に判断をしなければいけないのではないかと思います。
#263
○川崎稔君 非常に、国民の方からすれば、なかなか明るいあるいは元気に頑張ろうというふうな話題がどうしても少ないということで、非常に萎縮していく可能性があるんですね。そういう意味では是非、政府としてしんどいこともあるけれどもいいこともあるよというところをしっかり打ち出していかなければ、非常に心理的な面でマイナスに作用するんじゃないかなというふうに危惧しているんですが。
 もう一つ心配なのが、欧米の今ソブリンショックですね。そういう意味で、三点目として、我が国の国債の信認確保するということについてちょっと伺いたいと思います。
 野田総理は十一月七日の衆議院の予算委員会におきまして、国債に対する市場の信認の維持に十分配慮しながら進めていく必要があるということで、復興債の発行のことをおっしゃっているわけですね。一方で欧州がこういう状況だということなんですが、非常に国債の残高が、今年度末普通国債の残高でいうと六百七十兆円余りになると見込まれるわけですが、総理は日本国債の信認確保ということについてどのようにお考えでしょうか。
#264
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今御指摘のとおり、普通国債が年度末に六百七十六兆になる見込みでありますし、国と地方の長期の債務残高が対GDP比で一九一%、これは主要先進国の中では最悪の水準であります。
 にもかかわらず日本が比較的金利が低く推移できてきたというのは、やっぱりこれは国内の貯蓄をベースに安定して国内で買っていただける環境があったからだというふうに思いますが、ただ、その債務の問題と、貯蓄もだんだん減ってきているという状況の中で国債をめぐる環境も少し状況は変わってきているということでございますので、国債管理政策というものをやっぱりしっかりやっていくことが今は肝要であろうというふうに思いますし、財政規律が緩んでいると思われるようなことをやっぱりやってはいけないと、この点は十分注意していかなければいけないというふうに思っております。
#265
○川崎稔君 そこで、日銀の白川総裁にお伺いをしたいんですが、日銀から見て、例えば我が国の長期国債、この信認が確保されているかどうかといったことについて、市場のどの点に非常に注視されていくかということをお聞きしたいんですね。
 先ほどからいろんな話が出ていて、例えば国債の発行残高が我が国の個人の金融資産の範囲内だったらどうかとか、あるいは欧米の場合、金利が、長期国債の金利が七%台に乗ったとか、さらには先般もドイツの国債入札の札割れの話とか、いろんな動きが出てくるわけなんですけれども、日銀として見た場合、市場のどの辺りに注視をしていくというふうにお考えでしょうか。
#266
○参考人(白川方明君) お答えいたします。
 現在、日本の長期国債金利は、財政のバランスの数字は悪いにもかかわらず低利で安定的に推移しております。これは、市場の参加者が、日本は最終的には財政のバランス改善に向けてしっかり取り組んでいくというふうに考えているか、あるいはこれまで低利で安定的に推移していますから今後ともそうした傾向が続くのではないかというふうに漠然と予想しているか、この両方の可能性が考えられます。
 先生の御質問の、市場はどういうことを見ているのかということでございますけれども、もちろん国債の消化構造、こういったものをもちろん見ていますし、これは、確かに国内保有比率が高いということで、当面のこれは安心材料ではございます。しかし、最終的に日本の財政の状況がなかなか厳しいということは、これ世界の投資家、みんな知っていることでございます。
 したがいまして、最終的には日本の国が財政バランスの健全化ということに向けてしっかり取り組んでいく、そういう意思があるかどうか、あるいはそうした政府あるいは国会の姿勢を国民がサポートしているかどうか、あるいは中央銀行が物価安定の下での持続的な経済成長という軸足をぶらさずに政策をやっているか、こうしたことを市場参加者はやはり見ているという感じがいたします。
#267
○川崎稔君 時間がちょっとなくなりましたので、総理に最後に一点だけお伺いしたいんですが、今、日銀総裁に御答弁をいただいたんですが、政府と日銀との緊密な連携ということがよく話に出ますが、具体的には今後どういった点について留意をされていこうとお考えなのか、あるいはマクロの経済の司令塔というものは良くないと言われるんですが、国家戦略会議というものがございます。その点についてどうお考えなのか、最後に一言よろしくお願いします。
#268
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 日銀総裁とは十月も、この間お会いをする機会をつくりましたし、月例経済報告であるとか、そういう場でお会いすることもあるし、国際会議で御一緒することもあるし、あるいは逆に日銀の金融政策決定会合に政府から出ていくということもありますので、緊密に、特にデフレの問題と円高の問題については問題意識を共有しながら一緒に対応していきたいというふうに考えております。
 先般つくった国家戦略会議については、様々な経済財政の重要政策について方向性を出していく、そういう司令塔として位置付けておりますし、一応担当大臣は古川大臣でございますので、古川大臣を中心に舞台回しをしていきたいというふうに考えております。
#269
○川崎稔君 終わります。
#270
○佐藤ゆかり君 自由民主党の佐藤ゆかりでございます。
 午前中の私の質疑で、国債整理基金について安住大臣にお伺いをしましたが、剰余金について大臣が余り御存じないということが判明をいたしましたので、改めて、野田総理、安住大臣の前任者、財務大臣でおられましたので、お伺いをしたいと思います。
 国債整理基金の剰余金でございますが、最近十兆円ぐらい余剰が生まれているという現状にございます。そもそも国債整理基金には、毎年度一般会計から国債費で約二十兆円ずつ繰入れをして国債の償還、利払いに充てているわけでございます。すなわち、一般会計で新規国債の発行を通じて借金を起こして国債整理基金に入れている。したがって、余剰金が生まれるのであれば、これは金利を払った借金でありますから、むしろ借金をやめて、国債の発行残高を減らす形で、剰余金も、余ったものは、使い切るとまでは言いませんが、少しこの財源に、復興財源に使ってみてはどうかという質問をさせていただきました。
 安住大臣はこの質問の御趣旨を御理解いただけなかったわけでございますが、野田総理、いかがお考えですか。野田総理です。野田総理です。野田総理です。総理です。総理ですよ。
#271
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 基本的には国債の償還に充てていくお金だというふうに思っておりますので、そのほかの流用ということは基本的にはやらない方がいいのではないかというふうに思います。
#272
○佐藤ゆかり君 ですから、毎年剰余金が余剰で残っているわけですから、そもそも新発国債の発行の規模が不必要に大きいと、そういうことであります。ですから、財政健全化の一歩として、それでは国債費として繰り入れる金額を減らせばいいという話になるわけでありますが、総理、いかがですか。総理です。総理に聞いているんです。総理です。
#273
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 要は減債制度の根幹にかかわる話ではないかと思いますので、ほかへの使い方というのはやっぱり基本的には慎重にあるべきだというふうに思います。
#274
○佐藤ゆかり君 それではお伺いしたいと思いますが、まず、御当人、安住財務大臣にお伺いしたいと思いますが、今この国債整理基金特別会計で、この剰余金に限らず、全体で運用しているわけでありまして、株式運用は別としまして、現預金と債券運用で大体利回りはどのぐらいでしょうか、二十二年度末でお答えください。
#275
○国務大臣(安住淳君) 手元に正式な数字がございません。
#276
○佐藤ゆかり君 通告をしていますので。
#277
○委員長(尾立源幸君) 通告があるということなんですけれども。
#278
○国務大臣(安住淳君) ないです。
#279
○佐藤ゆかり君 昨日、国債整理基金特別会計の運用についてということで通告をしていますので、運用についてですから当然利回りはお答えいただけるものと思いますが。
#280
○国務大臣(安住淳君) 利回り全体で、二十二年度で、ここにある資料でいうと、〇・一一〇ということになります。
#281
○佐藤ゆかり君 ちょっと聞きづらかったんですが、〇・一〇とおっしゃったんですね。一〇ですね。はい。
 それではお伺いしますが、一般会計の国債費として新発国債を発行して、そして国債整理基金に繰入れをしております。一般会計で新発国債で発行している加重平均の平均金利、二十二年度末で何%でしょうか、安住大臣、お願いします。
#282
○国務大臣(安住淳君) ちょっとそれは手元にございません。手元にございません。
#283
○佐藤ゆかり君 要は、先ほど安住大臣は、この特会改革をやっていくんだと今し方お答えいただきました。そして、野田総理は、国債管理政策をやっていくんだと今し方五分前にお答えいただいているんですね、ほかの方の質疑者ですけれども。
 そういう中で、特に財務大臣というのは、国の、国庫の、財布の中を見ているわけですよ。収支を見なければいけないんですよ。繰り入れて、国債整理基金で、まさに国債を扱うわけですよ。入りと出を扱うこの特会ですよ。その中に入ってくる借入金の、国債の金利が何%で、そして剰余金があるならばその運用をしている金利が何%で収支がどのぐらいかというのを見ているのがまさに財務大臣の仕事ではありませんか。安住さん、いかがですか。
#284
○国務大臣(安住淳君) おっしゃるとおりなんですけれども、事前に通告さえいただければきちっと資料は用意してあるんですけど、(発言する者あり)いやいや、そうは言っても正確に議論をさせていただくには、それは事前に言っていただいた方がよかったと思います。
#285
○佐藤ゆかり君 いや、私は、ですから運用についてということで通告をしています。そしてまた、一般会計の国債の加重平均の平均利回りなんていうのは、誰もがこれは知っていることなんです。市場関係者であればみんな知っています。財務大臣はなおさら知っていなければいけないんですね。私は通告の必要はないと思います。
 ところが、まあお答えいただけないということですので、二十二年度末で加重平均で一・二九%です。ですから、先ほど安住大臣が国債整理基金特会の運用利回りが〇・一%程度とおっしゃったわけですから、この逆ざやの赤字の問題、これが、利払いの金利損が生じているわけでありますが、これが一・三%ポイント弱あるわけでございます。
 仮に、今剰余金が特会で十兆円ぐらい、平均、毎年毎年使い残しがあるわけですけれども、この十兆円に対して、仮にこの利ざやの逆ざやが一%だったとしても、毎年一千億円の損失が生まれているわけです。全く、この財務省の公表資料ではいろんな財務諸表にこの数字をまぶしているものですから、国民がこれを見破るということはなかなかできないんです。だからこそ財務大臣は知っていなければいけないんですよ。
 安住大臣、この一千億円の損失、毎年生まれているということ、御存じでしたか。
#286
○国務大臣(安住淳君) この今いただいた資料には書いてあります、一千億円弱と。
#287
○佐藤ゆかり君 それでは、今資料を御覧になられて初めて認識されたということでしょうか。
#288
○国務大臣(安住淳君) 逆ざやがあることは知っています。
#289
○佐藤ゆかり君 先ほどはその御認識があるというような御答弁の趣旨はいただけなかったというように思いますが。
 こういう状況ですから、野田総理、先ほど国債管理政策をしっかりやっていかなければいけないとおっしゃいました。まさにこの国債整理基金特別会計はその中心にあるべきものでありますけれども、この逆ざやの問題、特に、この国債発行残高を減らす、若しくはこの繰入れに使う国債費として新発国債の発行の、このいわゆる長短の金利を調整してALMをきちっと合わせると。短期に合わせて借入金利を安くするとか、そういう改革の必要性はありませんか、総理。
#290
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 逆ざやの話がありましたので、それをどういう形で改善できるのかについては検討をさせていただきたいというふうに思います。
#291
○佐藤ゆかり君 国債管理政策をしっかりやるという先ほどの総理のお言葉でありますから、これは皆さんに今しっかり聞いていただいたと思いますので、こういう無駄をなくすということから始めていただいて、消費税の増税の議論は後に来るものだというふうに私は思います。
 それから、じゃ、次に消費税のお話に移らさせていただきますが、消費税も、五十嵐副大臣、週末のテレビの御発言で子ども手当の増額に使うんだということをおっしゃいました。そして、せんだっても、消費税はまず一三年に八%まで引き上げて、そして最終的には一七%ぐらいまで必要であろうとおっしゃっております。政府の今のこの法案では、法案というか、これから作られるであろう法案では一〇%という御提示があるというふうに認識をしているんですが、この格差というのは、五十嵐副大臣のお考えの中で、子ども手当も含む、いわゆる年金、医療、介護だけにとどまらず、広義の意味での社会保障目的税化というお考えでしょうか。
#292
○副大臣(五十嵐文彦君) 私の方は、いわゆる社会保障・税一体改革の集中検討が行われ、そして成案が得られました。その成案の内容をなるべく分かりやすくイメージができるように解説をするということをさせていただいているつもりでございます。その中で、まだ決まったわけではないということと、私の個人的な解説でありますから、個人的な解説であるというところは常に申し上げながらお話をしているつもりでございます。
 そして、今御指摘の点につきましては、私は全世代型の社会保障という意味でかなり幅広く取るべきではないかと思いますけれども、決定はあくまでも今後政府として決定することでありますし、それは三党の御協議を経るということになっていますので、決まっているわけではないと思っておりますし、今までの協議の中では子ども手当はそうではないということは承知をしております。
 それから、この間の発言は、子ども手当と言っておりますけれども、それはテレビ局側の方が子ども手当という発言をしておりましたけれども、子ども手当のその在り方とか扱いについて言っているわけではなくて、あくまでも私の解釈では、それは逆進性の問題をどうするかというその文脈の中でお話をさせていただいて、一つの例示として検討対象になり得ると。これは手当だけではなくて現物給付ということもあると思いますけれども、それも含めて所得の低い方々に対する手当ても考えなければいけない、そのうちの考慮の中の一つには入るであろうという、そういう一般論を申し上げたつもりでございます。
#293
○佐藤ゆかり君 テレビでは、子ども手当を増額すると、消費税引き上げると逆進性に対する対処が必要であると、その手段として子ども手当の増額というふうにはっきりおっしゃっておられると思いますが、これは三党合意違反です。
 で、野田総理、お伺いしますが、先ほど来、安住大臣からの御答弁でも五十嵐副大臣のお言葉は正式な政府見解ではないというような趣旨の御答弁いただいていますが、週末のテレビの討論番組で、いわゆる財務副大臣というタイトルでお出になられる以上は、これは安住大臣の代理としてお答えしているわけですよ。ですから、大臣の代わりに副大臣がおられるわけですから、そういう意味では正式見解になってしまうんですね。
 野田総理、この問題、どうお考えですか。
#294
○国務大臣(安住淳君) それは違います。財務省にオファーが来て出演をしたわけではございませんから。それに、過去、歴代……(発言する者あり)私の代理とかそういうことで御出席ではないということを申し上げているんです。
#295
○佐藤ゆかり君 それは違います、違います。
 副大臣というのは大臣を補佐する役であって、大臣が副大臣を任命するわけですね、基本的には選ぶわけですね。ですから、そういう意味では、副大臣というのは大臣がいないときに補佐をする業務であって、大臣がいなければ全てそれを補佐して仕事をやるわけです。テレビの出演も、副大臣というタイトルが出ている以上は、これは公式見解なわけです。
 野田総理、いかがですか。
#296
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほど副大臣もお話しされましたけれども、枕言葉で個人としての意見という形でお話をされたということでございますので、政府の見解ではないということでございます。
 子供に対する手当については、八月四日の三党合意を踏まえて対応するというのが政府の方針でございます。
#297
○佐藤ゆかり君 数週間前から、やはり五十嵐副大臣の御発言によって国民的な混乱が生じておりますので、この問題というのは、野田総理、しっかりと管理をしていただきたいと存じます。
 それから、この歳出削減ですが、やはり消費税に向かう前にしっかりとした歳出削減をしていただかなければいけない、税金の無駄遣いというのは許されないと思います。
 その意味で、朝霞の宿舎の建設事業の五年間の凍結、これ、野田総理、昨年の十二月に政府の事業仕分の凍結の決定を踏み切って再開を決定したのは野田財務大臣のときでした。そして総理は、夏の反対も押し切って九月に着工を再開させた。そして、十月にいよいよ耐え切れなくなって五年間凍結と御判断された。皆これ野田総理御自身の御判断でぶれたわけであります。結果として賠償金額最大四十億円とも言われているんですが、この税金のロスを、野田総理、どのように責任を取られますか。
#298
○委員長(尾立源幸君) 藤田財務副大臣、まず。
#299
○佐藤ゆかり君 いや、野田総理、野田総理です。いや、時間がないので。
#300
○委員長(尾立源幸君) じゃ、次答えさせますので。
#301
○副大臣(藤田幸久君) 私の方で、今省内で検討委員会をしております。そして、今、朝霞を含めた様々な公務員宿舎の削減問題について対応しておりますけれども、いわゆる朝霞については契約が始まって工事が一旦始まっておりますけれども、この停止による違約金等については業者と今打合せをしているところでございますので、その額については今申し上げるのは控えさせていただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、一日までにはこの削減問題についての総合的な検討を終えて、朝霞を含めた回答を発表することにいたしております。
#302
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 事業仕分の結果があったんですが、地元の御要請なども踏まえて朝霞の着工を昨年の十二月に決定をいたしました。その後、東日本大震災が発災をし、被災者の感情等含めて、建設を続けることがどうかという御意見を国会の中でもたくさんちょうだいをいたしまして、現地に行って、私なりにこの事業を五年間凍結した方がいいという判断をしたということです。その後の推移については、今、副大臣の御説明のとおりでございます。
#303
○佐藤ゆかり君 もう時間がありませんのでこれで質疑を終えますが、そのようなぶれが国民的負担を増やしているという、そういう今の政権の軸足のなさ、それをまず改善していただく。そのためには、消費税を引き上げる前に、二〇〇九年マニフェストでやられた公務員人件費の削減、まずそれを、マニフェストを遵守していただいて、その上で消費税の議論に移るべきではないでしょうか。
 これで私の質疑を終えます。
#304
○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎です。よろしくお願いいたします。
 初めにお断り、お願いをしておきますが、今日は総理大臣に対する質疑でこの時間を取っていただいているわけですから、質問者が総理大臣と言ったら総理大臣にお答えをいただくことになります。限られた時間の審議ですから、簡潔な答弁と、総理がきちっとした答えをお願いをしたいということをまず要求をさせていただきたいと思います。
 先日、二十五日にこの閣法関連の代表質問をさせていただきました。残念ながら非常に不十分な答弁で、本会議でありますので再質問も一度限りでありますから、今日はその点をしっかりと総理にもっとお尋ねをしたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 先ほど、審議を聞きながら、総理の経済対策あるいは増税も含めた方針について、私もちょっと理解ができないので改めてお伺いをしたいんですが、総理はさっき歳出削減と増収の道と歳入改革と三つあるということをおっしゃいましたね、大事なポイントが。その中で、増税というのは、これはもう歳入の改革に至る部分ですね。経済でいえば、残念ながらブレーキの部分ですよ。
 先ほど、この前に参考人の質疑がありまして、大槻さんというアナリストの方が、デフレ経済の理由の一つは、経済そのものにエクスペクテーション、期待感が持てないことが大きな問題だということを指摘をされていました。要するに、将来に対して、経済のプラス成長するという期待感が国全体の経済にないとデフレがなかなか脱却できないと。企業でいえば、投資をしない。個人でいえば、消費をしない。国がじゃ財政出動するのかというところに至るわけですが、今の総理のお話というのはブレーキの話なわけですね、消費税をこれからやります、やりますと。一方で、増収をしていくということに対しての具体的なビジョンが全く私は見えていないと思います。国民にも伝わっていないと思います。だから、経済はますますデフレの方向に引っ張られるんじゃないかということを、先ほど来皆さんが御指摘をされているんですね。
 この点について、総理、どう考えていらっしゃいますか。
#305
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、昨年の六月に財政の健全化の戦略と同時に新成長戦略というのをまとめました。これは、グリーンイノベーションとかライフイノベーションとか、高いレベルの経済連携とか観光立国とか、いろんな要素が入っておりますけれども、その新成長戦略を加速化させていくということと、一方で、東日本大震災が発災をしまして、その後の状況変化に応じて今度、日本再生のための基本方針を年内にまとめるということで、新成長戦略の加速と日本再生のための基本戦略の方針を年内にまとめて、それに基づいて対応していきたいというふうに考えております。
#306
○塚田一郎君 それが実際にその経済のプラスの期待を生んでいないと思いますよ。だから、そういうところがしっかりしてこないと成長戦略が見えないということになるわけで、その一方でまさに増税をしようということを今総理は非常に強く思われているのであれば、本当にそこのところをきちっと説明をしていかない限り国民の理解も私は得られないということをまず申し上げておきたいと思います。
 実際、年内には社会保障と税の一体改革の大綱をお出しになるというような指示をされたという報道がありますけれども、そのような理解でよろしいんでしょうか。
#307
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まだ具体的指示といいますか、間もなく政府・与党の社会保障の改革本部を改めて、今まで検討本部という形で成案をつくってまいりましたけれども、その場を設けながら改めて方向性をまず提示をして、既にもう社会保障については党内で調査会でも議論は進んでいますし、政府の審議会でも議論は進んでいますが、税については、これから政府税調で、あるいは党の税調で本格的議論になってきますけれども、年内をめどに成案に基づいた具体化をしていくということで、そして年度内に法案を提出をするという運びで考えております。
#308
○塚田一郎君 そうすると、その大綱は、今後、仮に消費税増税準備法案と言わせていただきますが、年度内に提出をされるという法案の骨格という部分をそこで描かれるわけですから、その中に実際の増税の時期とか税率についてもうたうということになる、そういう理解でよろしいんですか。
#309
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 基本的には、この時期、それから税率については、今申し上げたように、これから本格的な議論でありますけれども、そこでの意見集約を経ながら法律の中に生かしていきたいというふうに考えております。
#310
○塚田一郎君 ちょっとよく分からないんですけれども、大綱の中に増税の時期と税率ももう書くのか、それとも法案の書く段階でそれはきちっとさせるのか、どっちですか。
#311
○内閣総理大臣(野田佳彦君) なるべく大綱には具体的なものを入れ込んでいきたいというふうに思いますけれども、ただし、それについては、私は、あくまで与野党の協議もその後是非やっていきたいと思っておりますので、法案を提出する前の閣議決定の前にはそういう議論を是非していきたいというふうに考えております。
#312
○塚田一郎君 いや、それは大綱を出して、そこで与野党の協議をするということを総理はおっしゃっているんですか。
#313
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私は、大綱を作る前の素案の段階から是非与野党協議はしたいというふうに考えております。
#314
○塚田一郎君 それは私は無責任だと思いますよ。それは民主党政権の抱き付き戦略かもしれませんけれども、民主党としてどういう考え方で、いつ、税率をどれぐらい上げるかということの決めもしないままに、その段階から与野党協議でお互いに何とかうまくやろうというのは私は通らない話だと思います。
 それは、まずきちっと政府が方針を定めて、いつ、どのように税率を上げるのか、それによって生じる問題についてどのような対応策を、例えば逆進性の問題も含めて、そういうことを示して、そこから与野党の協議に臨むというスタイルでなければ、そんなもの、協議が成り立たないと思いますよ。いかがですか。
#315
○内閣総理大臣(野田佳彦君) だから、素案がどのぐらいの中身のものかということは、それはあると思いますけれども、ただし、御党が財政健全化責任法を過去何回か国会へ提出をされました。それは、政府のまとめた素案に基づいて広く会議体を超党派でつくるということでございましたので、考え方は私たちと同じではないでしょうか。
#316
○塚田一郎君 いや、それでは与野党協議はそういう段階では受けられないというふうに野党が言った場合に、それは大綱の作成も、法律を作る、いわゆる成案にする手続も、全部ずれ込むわけですよね。そういうことでいいわけですか。
#317
○内閣総理大臣(野田佳彦君) あくまで素案を作ったら与野党協議を呼びかけて、そして是非御議論には参加をしていただきたいというふうに考えております。
#318
○塚田一郎君 そもそも民意を問うべきだというのが我々の主張ですから、そこで協議になるかどうかも分かりませんけれども、少なくとも政府としてのきちっとした方針が示されない限り、私は協議そのものに入ること自体も不可能だと思います。
 次に、先ほど来から御指摘の出ている五十嵐副大臣の最近の講演での御発言、これ代表質問でも聞かせていただきました。唯一総理が明確にお答えをいただいたのは、政府の公式見解ではないということでございまして、五十嵐副大臣のこの講演の御発言、二〇一三年の十月に七から八%、残りの二から三%を一五年四月か十月に上げることになるという御発言をされたということで理解しておりますが、この発言は何の根拠で発言をされているんですか。
#319
○副大臣(五十嵐文彦君) そのときにも個人ということをお断りをしてありますけれども、決まったわけではないとも言っておりますが、要するに、先ほどからお話をしております社会保障・税一体改革の成案、閣議報告をされた内容を、これをできるだけ分かりやすくお話をすることによって皆様に議論をしていただきたい、その素材を提供している一つの解釈でございます。
#320
○塚田一郎君 それは五十嵐副大臣の全く個人的見解ではなくて、財務省としてそういう青写真があって、それを副大臣として気球のように、アドバルーンのように、観測をさせるように発言をされたんじゃないんですか、真意は。
#321
○副大臣(五十嵐文彦君) 私は、今まで所与の条件を整理をしていくと一つの具体的な姿としてそういうことが想定をされると、一つの例として挙げているわけでございまして、論理的に進めていくとそういう姿が浮かんでくると。段階的に二〇一〇年代半ばまでに一〇%にする、そしてその前には選挙を経なければならないという二つの条件から、そして段階的にといっても一%ずつ上げるとか三段階にするとかいういろいろな案が出ておりますけれども、しかし、その中で一つの考えられる合理的な姿としては、間隔が短ければ混乱が起きるというようなことを含めて、一つの在り方として推定を言わせていただいているということでございます。
#322
○塚田一郎君 それでは、財務大臣に、短くで御答弁結構ですが、この五十嵐副大臣の個人的見解と言われる今の御意見について、財務省の大臣としてどのように考えられているんですか。全くそんなものは当てにならない話なのか、どういうふうな認識なんですか。
#323
○国務大臣(安住淳君) 全く公式にも議論しておりません。ですから、財務省として何か考えを持っているということは全くございません。
#324
○塚田一郎君 いいですか、財務省として全くそんなものは公式なものでないことを現職の財務副大臣が公の場で講演をしたり、テレビの場で発言をするということを政府として放置をしておくということでいいんですか、それで。それ自体が問題じゃないですか。もう金融市場も全てそういうことに対して反応するんですよ。
 総理大臣として、こういうことを放置していること自体が問題だということの認識はないんですか、野田さん。
#325
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほど副大臣御本人も申し上げましたけれども、個人としてという枕言葉を付けているということが前提です。(発言する者あり)
#326
○委員長(尾立源幸君) 御静粛に願います。
#327
○内閣総理大臣(野田佳彦君) さはさりながら、財務の副大臣という現実でありますので、言動については十分、特に数字等を扱うときは慎重を期した方がいいというふうに改めて思っております。
#328
○塚田一郎君 五十嵐副大臣が政治家として財務省の所管以外のことについて個人的見解を述べているんじゃないんです。財務省のまさに所管の御自身の責任分担の一番重要な、しかもこれからの税の根幹にかかわる、いつどのように税率を上げるかという大変重要な問題を発言をされているから、そのことの意味は極めて重いんですよ。そのことを個人的見解だからとかいって勝手に打ち消されたからといって、政府そのものの信頼がそれで揺らぐことになりますよ。だから、そういうことを放置していいんですかと。
 じゃ、野田総理は、この副大臣の発言に対してどのように副大臣に対して対処するんですか。今、注意されるとおっしゃったけれども、今まで何もされていないんでしょう。何か処罰なり、考えられているんですか、財務大臣。
#329
○国務大臣(安住淳君) 正式にはそれ、先生、政府税調でまだ議論も始まっていませんし、これからなんです。そういう点では、全く正式に議論をしていない。
 そこで、私として五十嵐副大臣には口頭で実は注意はさせていただきました。
#330
○塚田一郎君 まだ始まっていないことを言っているから問題だと言っているわけです、まさに。これしっかりやっていただかないと、代表質問でそういう話が出た後またテレビで出演をされて、子ども手当で個人の見解じゃないですか。また次の個人の見解が出て、それは政府正式見解じゃない、そんなふざけた話はないでしょう。そういうことを我々はきちっと政府として管理をしていただかないと、これから本当の消費税の議論になんて入っていけないと思いますよ。
 総理、もう一度きちっとした認識と対処、どのようにするのか、説明してください、総理大臣。
#331
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 厳しく御批判は受け止めて、これからきちっと対応していきたいというふうに思います。
#332
○塚田一郎君 本当にそれはきちっとやっていただきたいというふうに思います。
 もう時間もどんどんたっていきますので、次の論点に入らせていただきますが、軽減税率は導入しないという趣旨の答弁を本会議でいただいたと思いますが、財務大臣、そのようなことでよろしいんですか。今回の増税に関して、軽減税率は導入しないと。
#333
○国務大臣(安住淳君) ちょっと確認ですけれども、消費税の件でございますか。
 まだ全然議論の俎上にあるわけではないので、そのことについて正式に何か政府税調で議論はしておりません。
 しかし、私なりに考えますには、やはりこうした消費税を掛けるときには、ある税率の段階からはやはり逆進性の問題等については十分配慮が必要だと思っておりますので、今後、政府税調等について、その議題についてはしっかりと議論をして結論を出していきたいと思っております。
#334
○塚田一郎君 いや、本会議の答弁で財務大臣は、複数税率よりも給付などにより対応を優先させることを基本に総合的に検討するという答弁されているわけですよ。つまり、これは消費税の軽減税率は導入しないということを言っているんでしょうということで、それもまだ検討中だといって、これも財務大臣の個人的見解なんですか。
#335
○国務大臣(安住淳君) 私の本会議での答弁をそのまま申し上げますと、そこの部分だけのところを申し上げますと、複数税率よりも給付などによる対応を優先することを基本的に総合的に対応すると申し上げていますから、そういう点では逆進性の問題についての私の基本的な考え方はここに尽きております。
#336
○塚田一郎君 ちょっと議論がかみ合わないわけですけれども、それでは低所得者対策などについて、また子ども手当の話とかじゃなくて、じゃ実際どのような方法論を考えていられるんですか、その逆進性の対策として。
#337
○国務大臣(安住淳君) これから、ですから様々な議論ということになると思いますが、ある一定の税率になった段階でやはり低所得者対策等については給付を含めて検討すべきだと私は思っております。
#338
○塚田一郎君 もう間もなく大綱をまとめて来年には成案を得ようというのに、全て検討中でまだこれからというのは、私はちょっと信じ難いと思いますけれども、きちっとそういうことを整理をした上でないとこの議論はもう進まないと思いますよ、消費税増税の議論は。それだけをきちっと申し上げておきます。
 これはもうずっと我々が言っていることですが、そもそもこの消費税の増税法案を国会に提出すること自体が、民意を得ないで、我々としてはまず許せないと考えております。衆議院選挙で消費税は上げないと言って得られた議席が今の与党民主党の衆議院の議席であります。その国会の代表が、まさにこの法案が出ればその審議とその採決を行うことになるわけですよ。そんなことを国民が許すために前回の選挙で民主党に投票したわけじゃないでしょう。それを総理大臣が、法案も出す、法案の審議も採決もやってくれ、その後に選挙をすると。それは、選挙したらまた違う結果が出るんですよ。その人たちが法案を選ぶわけじゃないんです。もう今の時点で、今選ばれている国会議員がこの法案の審議と採決をするという話になるんであれば、全く私は、国民はそんなことを民主党に期待して投票したんじゃないということになるわけですよ。
 総理大臣、これおかしいじゃないですか、どう考えても。どう考えられているんですか、ここ。
#339
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、民主党の衆議院選挙のマニフェストは消費税は触れていないんです。何も触れていません。その上で、選挙結果が出た後に、民主党と社民党と国民新党の間で三党合意を作りました。その三党合意において、任期中に消費税は引き上げないということを書いているんです。任期中に引き上げないということと、今回法案を提出をして、そしてその成立を期すわけでございますけれども、その実施の前には信を問うことと任期中の引き上げないということは、私は整合的であるというふうに思っております。
#340
○塚田一郎君 それは詭弁です。そんなことを国民は、はいそうですかとは絶対に言いません。総理大臣、それは無理だと思いますよ。そんな詭弁は通用しないですよ。それは、触れていないということは、少なくとも、前回の選挙で得た民主党の議席がこの法律も含めて増税の議論をしないということを国民は当然期待をしているわけですよ。それを、この法律を出して、更にその審議までやって議決もして、その出た結果、じゃ出た結果が消費税ノーというふうになったらどうするんですか。それに対して国民はどういう判断をしたかということによって、じゃ、消費税増税はその結果やめるということになるんですか。
#341
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 仮定の話でありますけど、どういうことでも、やっぱり選挙の結果、民意は踏まえて対応することになるというふうに思います。
#342
○塚田一郎君 つまり、これはやっぱり解散して民意を問わないと私はおかしいと思います。
 それで、総理、もし今後与野党協議をしていくときに、仮に、話合い解散のような話で、じゃ、法案をやることと民意を問うことを、きちっと総理が解散して総選挙をやることを条件として提示をしてきたときに、そういう話合い解散に覚悟を持って臨む決意はあるんですか。
#343
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 更なる飛躍のある仮定だと思いますけれども、あくまで私どもは、素案を作ったら与野党協議を呼びかけて、そして法案の成立を期していくというのが基本的な姿勢でございます。その間の与野党のやり取りというのはこれからのことだというふうに思います。
#344
○塚田一郎君 いずれにしても、これは民意を問うていただかない限り我々は納得がいかないということは変わりません。ですから、協議そのものに入れるかどうかも私は分からないと思います。そういうことをしっかりと認識をして、まず御議論を進めていただかないとならないと思います。
 もう限られた、残された時間でありますので、次にたばこ税について伺います。
 これも前回、代表質問で質問をさせていただいたときに、総理が本当にこれ現状を認識しているのかなということを改めて私は不安に思っているわけですけれども、そもそも、前回の三・五円の増税によって約四割のたばこ耕作農家がもう廃作をしようということで手を挙げているわけです。もうこれ自体が壊滅的な状況ですよ。そこに更に増税をするということを当初政府は考えられていた。これはとんでもないことだという指摘をさせていただいた。で、今、どういう認識でどのように対策をされるのかということを問うたについて、政府としても各府県と連携を取りながら他作物への円滑な転換を推進するための技術指導を行うなど適切な対応を行っていくこととしていますと、これは総理、こう答弁されているんですね。
 これだけ読むと、もうたばこ耕作はやめてほかの農作物に変わってくださいと、たばこはもうやめてくださいというふうに読めるんですよ。そういう方針なんですか、政府は。
#345
○国務大臣(安住淳君) 今、私の方で、宮崎県とか九州地域がやめるという方が比較的多うございますので、そういうところの事情を歩いて調査をさせていただいております。
 収入と、それから本当に適地適作というのがこの葉たばこにとっては非常に重要でございますので、確かに委員おっしゃるように、四割がやめて、それでまた来年三割廃作をしたいというような意向を出しているということは、私ども十分深刻に受け止めながら、国内対策というものはやっていかなければならないと。
 ですから、当面は、三分の一の株は我が方でしっかり保有をしながら、それに対する対応というのはやっていきたいというふうに思っております。
#346
○塚田一郎君 財務大臣、そうおっしゃるんであれば、来年以降のたばこ増税ということは考えていないという理解でよろしいんですね。
#347
○国務大臣(安住淳君) 今回、実は厚労省の側からは税制改正の要望の中には来ておりますけれども、私の方の政府税調での整理でいえば、来年度の値上げというものは考えておりません。検討については来年度以降ということになると思います、もしやるとしても。
#348
○塚田一郎君 来年度以降も、もうあれだけの増税をしたんですから、私は基本的に増税なんてことは考えられないと思います。そのことをきちっと指摘をさせていただきます。
 それで、これはちょっと時間がないんで私の方から御説明申し上げますが、実は、今回の廃作の申込み農家の中で、全国的にどういう地域が非常に多く廃作に手を挙げられているかということで、ベストスリーの中に福島と岩手が入っているんですよ。福島県が四百八十八軒、岩手が四百五十七軒、宮城が七十軒ですね。約千十五軒ですか、千軒。全国の合計が四千百ですから、四分の一がこの被災県なんですよ。こういう現状が政府は見えているんですかということを私は聞いているんです。これまさに、葉たばこ農家全体の話でもあると同時に、被災県にいる葉たばこ農家の人は、もうどうしていいか分からないような状況で、廃作に手を挙げざるを得ないんですよ。
 先ほど、参考人の方から福島の現状について、今の福島の経済はまさに容易ならざる状況であるという御発言がありました。まさに容易ならざる状況で、そういう増税をすることがどれだけの影響があるかということをしっかり認識をして、今後、このたばこの増税に慎重な対応をお願いをしたいと思います。
 最後に、これも代表質問でお伺いをしてはっきりしなかったTPPに関してでありますが、米の例外品目が獲得できなかった場合、交渉に参加するべきではないという主張を私は申し上げたわけですが、総理ははっきりおっしゃらなかった。総理は、いつも美しい農村を守るという言葉はあるんですけど、どのように守るのかという具体策が全く見えないんですよ。
 関税撤廃の例外がどの程度認められるかが今分からないなんてことは、我々だって分かっています。要は、外交交渉上でどのように今戦っていくかということを聞いているんであって、米の関税というものを維持するという形で日本が主張しなければ、そんなもの交渉になるわけないじゃないですか。そういう覚悟をどう政府として持っているかということを総理に聞いているんです。いかがですか。
#349
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 昨年の十一月に閣議決定をした包括的な経済連携に関する基本方針に基づいて、センシティブな品目については配慮しつつという文言を入れております。その範囲の中でしっかりと協議をしていきたいというふうに思います。
#350
○塚田一郎君 これ、加藤政務官来ていただいているので、実際にこれ、交渉でそういう米のことというのは議論されているんですか。簡潔で結構です。
#351
○大臣政務官(加藤敏幸君) 今、交渉参加に向けて各国との協議を開始をするという段階でございますから、御指摘の品目等のことについては、我々まだ立ち入った議論にはなっておりません。
#352
○塚田一郎君 ですから、総理、本当、これちゃんと現場に指示が行っているのかどうかすらも分からないですね、こういう状況だと。
 もちろん、これからいろんな協議に入っていく前段階だというのは分かりますけど、何が言いたいかというと、米あるいはその他のセンシティブな品目は、日本としてこれは譲れないものだということを最初から堂々と交渉で掲げていかなければ、そんなもの獲得できるわけないじゃないですか。基本的に税率はゼロにするという国際間の協定の中に今入ろうとしているのに、そういうこともしっかりと戦略として持たないで、取りあえず行ってみましょう、そんな話じゃ、とても交渉すら私はできないと思いますよ。
 総理大臣としてこの辺りをきちっとしないから、いつまでたっても国民がTPPに対して野田総理の方向性について理解なんか示さないんですよ。総理、覚悟を示してください。
#353
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これから関係国との具体的な協議に入ってまいりますけれども、その協議をする際に、それぞれ参加国が我が国に何を求めるかということも明らかになってきます。その際にきちっと日本の立場も伝えていくということが協議であります。
#354
○塚田一郎君 その立場という、何が立場なんですか。日本がまず何を守るかということを示さないで、向こうから聞きますなんという、そういう順番じゃないでしょう。我々としてこれを守っていくということを示した上で条件闘争になるわけですよ。その立場というのはどういうことを言っているんですか。
#355
○内閣総理大臣(野田佳彦君) センシティブな品目については配慮しつつその協議に臨むということで、守るべきものは守る、勝ち取るべきは勝ち取るというのが協議に入っていく姿勢であります。
#356
○塚田一郎君 具体的にセンシティブな品目というのが、じゃ定まっているんですか、総理。
#357
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 手のうちにかかわることですから一つ一つは申し上げませんが、当然心の中に秘めながらの協議になると思います。
#358
○塚田一郎君 この議論をしているともう不毛なことになってしまうので、もう私の時間も終わりですから、ここで一旦今日の審議は終わらせていただきますけれども、さっき総理は、小泉改革は行き過ぎた市場主義で、それについては考えるところがあるというようなことを御発言されましたよね。郵政改革でもあれだけの大きな国民的な議論だったわけですよ。今回のこのTPPというのは全ての分野の自由化にかかわる議論ですよ。更に行き過ぎた市場主義にならないようにしなきゃいけないという議論なのに、総理のあの答弁を聞いていると、全く現状認識がないということが改めて分かりました。そのことをまた今後しっかりと我々は追及をしていくことを申し上げて、今日の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#359
○古川俊治君 自由民主党の古川ですけれども、続きまして私の方から質問をさせていただきます。
 七月二十九日の復興の基本方針、覚えていらっしゃると思いますけれども、この中で、平成二十七年度末までの五年間の国、地方の復興事業規模は、少なくとも十九兆円、十年間では二十三兆円とされていますよね。この根拠について伺いたいと思いますが、教えてください。
#360
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 当初のいわゆる集中復興期間は、御指摘のとおり、少なくとも十九兆円、それから、向こう十年間の復興期間については少なくとも二十三兆円となっていますが、それは阪神・淡路大震災の際の被害総額を参考にしてはじき出した数字ということで、その阪神・淡路大震災の際には全国的な減災とか防災事業もやりましたけれども、そういうものも入れて、少なくとも十九兆、二十三兆という数字を出しています。
#361
○古川俊治君 総理、御存じのように、阪神・淡路の場合と今回の東日本大震災の場合には、その被災地の広域性あるいは被災地における人口動態あるいは産業の在り方、これがもう全く前提が異なるんですね。これ参考にして、そしてどうやってはじき出したんでしょうか。それを具体的に教えてください。
#362
○国務大臣(安住淳君) 実は、私は石巻でございますから石巻の例とかを言いますと、空中写真を撮ってそれで瓦れき等の積算をしたりして、なおかつ、例えば石巻の場合であれば兵庫県から応援に来ていただいて、その中であの阪神・淡路大震災のときの例を教訓に瓦れきの積算やお金を出していったと。
 そういうのを全体に積み上げてきたのが今の額でございまして、そのうち例えば復興期間十年で二十三兆で前倒し十九兆というのは、それも復興を阪神・淡路大震災のときにやったときには、八〇%が前倒しで一年、二年のところで予算措置をしていたのでそういう話になったということでございます。
#363
○古川俊治君 財務大臣、今の御発言ですが、積算根拠を出していただけますね。いいですね。それで積み上げたというんなら出してください。
#364
○国務大臣(安住淳君) いやいや、私は今例を挙げたんで、そういう……(発言する者あり)いや、ですから要するに、私は国対委員長でしたけれども、最初の補正のときもそういう積算で累計をして、阪神・淡路のときの被害を累計して出したということなんです、今の被害をですね。そういうことなんです。
#365
○古川俊治君 今の御説明よく分からないんですが、いずれにしても、阪神・淡路を参考にしてそれをあてがって出したという御説明ですね。それでいいですね。だったら、積算根拠は出せますね。
#366
○国務大臣(安住淳君) 厳格に積算根拠を各市町村に出させたわけではないんです。
 例えば私が今申し上げたのは、例えば六百六十万トンの瓦れきの推計をするのを、例えばそういうふうに石巻の場合であれば手伝っていただいてやったんですけど、その積算は兵庫県の皆さんに応援に来ていただいてやったということを例で私は紹介したんです。
#367
○古川俊治君 財務相、それは一つの経験言っただけの話で、何にも積算根拠になっていないんですよ。お分かりでしょう、それは。
 じゃ、これ時間もったいないので、総理、伺いますけれども、今、四か月たちました。被災県、この間、塚田議員からも本会議で質問があったように、三十兆掛かるという、被災県の合計をするとですね。そういう状況なんですよ。四か月たって見直す必要はないとお考えですね、現時点において。
#368
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 少なくとも十九兆のうち、既に一次補正、二次補正と対応してまいりました。そこについては、まだ少なくとも十九兆の中には枠があるというふうに思いますが、その中で一定期間経過した後に事業の進捗状況などを踏まえて、更なる事業が必要なのか、あるいは財源どうするかという、そういう見直しは随時行っていくことになっております。
#369
○古川俊治君 だから、これ、少なくともというのはどういう意味なんですか。少なくとも十九兆とか二十三兆というのはどういう意味なんですか。
 総理はこの間、何で予算の提出が遅れたかということについて、本格的な復興復旧を総合的かつ計画的に進めていくために検討したと言っているんですね。じゃ、あなた、それだけ検討されたのなら、少なくともというのはどういう意味なんですか。これからまた五月雨的にやっていくということなんですか。
#370
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 五月雨的じゃなくて、少なくともというのは、阪神・淡路の大震災の参考を踏まえてやったんですが、それぞれの被災地における復興計画が出てくるとか、あるいは除染についての更なる検討が進むとか等々を考えるとこの額よりは多くなる可能性があると、そういう意味で申し上げました。
#371
○古川俊治君 今後まだ増えることがあるというお話で、これから分からないというお話でございましたけれども。
 これ、復興債、今回十一兆五千五百億円出すんですね。復興債は、これ復興基本法の第二条の基本理念に従ってやるその復興施策のそれを賄うために国債を出すということになっているんですけれども、この二条というのは大変広い基本理念を持っております。今日は安住大臣御答弁いただいて、この内容については被災地で直接、前から言っておられる、真に役立つものとおっしゃっているんですよね。
 野田総理、これよろしいですね。被災地において本当に復興に役立つものがこれに入るんだということでよろしいですか。
#372
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 基本的に被災地にお役に立つものというふうに解釈をしています。
#373
○古川俊治君 具体的な定義付けを教えてください。
#374
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 定義というか、被災地に直接お役に立つこともあるし、影響を、好影響を及ぼしていくということもあると思います。そういう意味で被災地にとってお役に立つものというふうに申し上げております。
#375
○古川俊治君 好影響というのはどういう意味ですか。何でも含まれるんでしょうか。
#376
○国務大臣(安住淳君) それは関連のあるものというふうに置き換えた方がいいと思います。関連のあるもの。
#377
○古川俊治君 何に関連があるんですか。
#378
○国務大臣(安住淳君) 被災に対してです。
#379
○古川俊治君 じゃ、今回の第三次補正で全国防災費というのが入っているんですよ。これ、被災地とどう関係があるんですか。
#380
○国務大臣(安住淳君) これは、水害が緊急に起きて、で、補正予算を組むという段階の中でこれを提議しましたけれども、これについては御党とも話をさせていただいて、被災の、直接の東日本大震災の直撃を受けたわけではありませんが、水害等の関係でこれを今回は入れさせていただいたということでございます。
#381
○古川俊治君 だから、最初から違っているんですよ、言っている答弁が。被災地の、それだってそうですよ。それが違っているから、さっき言った答弁は間違っていると私は指摘しているんですよ。
 だから、全国防災費とか立地補助金、住宅エコポイント、節電エコ補助金、こんなの真に被災地の復興に役立つかどうか本当に疑問なものまで全部入っているわけですよね。それは元々、こんなの一般予算でやるはずですよね。(発言する者あり)そうですよ。民主党政権は、これ来年度も四十四兆に抑えると、赤字国債を、そう言っていますけれども、復興に回せばいいやと、出すんだったら同じですよ。皆さんがこの復興債の定義をぼかせばぼかすほど赤字が、結局予算が削減できないから、そっちに回せば簡単な話じゃないですか。そういうことになりませんか、総理。
#382
○国務大臣(安住淳君) だからこそ、区分管理と特別会計制度というのは大事で、その中でやっぱり使い道というものをしっかりとやっていくということになると思いますので、まあ抜け穴的になるんじゃないかという御懸念は十分私も分かりますので、そのことについては特別会計をもってしっかりと対応していきたいというふうに思っております。
#383
○古川俊治君 これは復興の予算十九兆、五年間で十九兆というお話ですけれども、そのうち六兆円は一次補正、二次補正で出ていったと。そのうちの二・五兆円は年金財源を借りてきているんで、その分復興債でやるという話なんで、これトータルすると十五・五兆円復興債なわけですね。そういうことになるんですね。
 今回十一兆五千五百億円出していますから、残りが差し引いて三兆四千五百億円と、これが上限だって明確に安住大臣はおっしゃっていますけれども、総理、総理にお聞きします。これでよろしいですね。あと三兆四千五百億円以上は出さないということでよろしいですね。
#384
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今のお話のとおり、あと枠は三兆五千億程度であります。ただ、今後、例えば事業が、進捗状況によりますけれども、更なる事業が必要になってくる場合は膨らむ可能性がある、あるいは税外収入は確保できるようになるとこれは減らせる可能性もあると、そういうふうに思います。
#385
○古川俊治君 だから、膨らませる可能性があるんだったら、一般予算の削減を満たせない分全部回せるでしょうとおっしゃっているんですよ。
 この点について総理にも伺います。これ、会計開いたって、結局のところ、特別会計をつくっても、今日だって既にルーズなものがいっぱい出ているわけでしょう、節電エコなりあるいは全国防災費用なり。これはほとんど通年の予算でもやってもいいものがいっぱい含まれているわけですよ。そこをどうやって区分していくんだというお話をしっかりしてくださいよ、総理から。
#386
○内閣総理大臣(野田佳彦君) いや、基本的には厳格にそういう対応をしたいというふうに思います。
#387
○古川俊治君 三兆四千五百億円以上出す可能性が十分あるということですね、そうすると。ないんですか、これは。財務大臣はもう上限だとおっしゃっていますよ、この間衆議院で。
#388
○国務大臣(安住淳君) 要するに、税の部分で復興債を発行するのは、それが現時点での言ってみれば限界であります。
 ただ、総理がおっしゃっているのは、今後歳出が膨らむ可能性があるという考え方であって、それは福島等でもっと予算が掛かるかもしれませんが、それについてはできるだけ税外収入等を充てて対応、もし増えてくるのであればやるという考え方を先ほどおっしゃったんだと思います。
#389
○古川俊治君 税外収入を充てるということでよろしいですね。それはこれ以上増やさないということを約束していただいたものと思います。
 一点、復興の基本計画によれば、二十七年度末までに十九兆円というところで、このお金は、実は原則として、原子力損害賠償法、原子力損害賠償支援機構法に基づき、事業者が負担すべき経費は含まれていないとされているんですね。
 本年の三回の補正予算の中で、この原子力損害賠償法等で事業者が負担すべき経費の合計は幾らですか。
#390
○政府参考人(福田淳一君) 現時点において東京電力に求償することが想定されている経費は四つありまして、二次補正の復興予備費を活用して措置いたしました肉用牛肥育経営緊急支援事業八百六十三億円、それから除染、廃棄物処理二千百七十九億円、それから三次補正に盛り込まれております除染、廃棄物処理、環境省のものでございますが、二千四百五十九億円、それから仮払い法に基づきます国による仮払いの支払二百六十四億円、単純にこれを足すと五千七百六十五億円程度となります。
#391
○古川俊治君 これ、原子力損害を、もちろん原子力損害については原子力事業者が責任を負うという法律ですから、これは第一次補正において、これは原発によって避難せざるを得なかった皆様の災害の救助費用とか、あるいは地方交付金のうちで地方公共団体が除染などに使ったお金というのは、これは全部原子力損害なんですね。それは求償しないんですか。総理、お答えください。
#392
○政府参考人(福田淳一君) 技術的なことなので、まず申し上げます。
 御指摘の個別いろんな事業については、所管省庁が責任を持って執行した上で、東京電力の求償ができるかどうか検討するという予算執行上の位置付けになっておりますので、現時点としては財務省としては承知しておりませんが、いずれにせよ、最終的にどの範囲が東京電力に求償可能かどうかについては所管省庁が適切に判断するということになると考えられます。
#393
○古川俊治君 では、この基本方針の原則として求償するというのはどういうものなんですか。原則としてその経費は含まれていない、この原則としてというのは求償しないことができるという意味でしょうか。
#394
○政府参考人(福田淳一君) 求償の範囲は、最終的には、求める相手であります東京電力との交渉なり、あるいは最終的には法的な整理が必要になることでございますので、そういう意味で念のために原則としてとこのとき記述されておるというふうに承知しております。
#395
○古川俊治君 この復興費用のもちろん償還された財源についてなんですが、これはどのように用いられる予定ですか。
#396
○委員長(尾立源幸君) どなたに。
#397
○古川俊治君 大臣か総理に。お答えください。
#398
○委員長(尾立源幸君) 福田主計局次長、まず。
#399
○政府参考人(福田淳一君) それは、それにあたります経費については、もちろんそのために発行した復興債を償還することにあたるということを前提に議論が行われていると承知しております。
#400
○古川俊治君 償還して、結局のところ、これはその分は使えていなかったですね、復興に。元々が十九兆円の中には原子力損害は含まれていないという前提なんですよ。だから、戻ってきたお金は償還するんじゃなくて、当然復興事業に使わなきゃいけないでしょう。何言っているんですか。
#401
○政府参考人(福田淳一君) そこで言う十九兆円は国民に負担をお願いするためのベースでありまして、この注記にありますとおり、そのほかに求償のものがあるというふうに整理してお示ししているんだと理解しております。
#402
○古川俊治君 それだったら、それを除いて十九兆って、戻ってくる分が少なくなっちゃうじゃないですか、復興事業から。そうでしょう。元々はそれを除いて十九兆になっているんですよ。原発事業者が負う責任は入っていないんですよ、十九兆の中に。そう書いてあるんですね。そうしたら、その部分が戻ってきたら、それは当然復興に使わなかったらおかしいでしょうが。今出しちゃっている、違うものに、取りあえず原発事業者の責任の部分は出しちゃっているんだから、それは戻ってきたら、そっち、復興に使って当たり前でしょう。償還に使うんじゃおかしいじゃないですか。
#403
○政府参考人(福田淳一君) 済みません。こういうことかと存じます。
 御指摘のとおり、今回の補正予算で十一兆五千億円復興債を発行することといたしておりますが、御指摘のとおり二兆五千億は年金の国庫負担を戻す分でございますので、引くと九兆円になります。ただし、そのうちに今までこうやって積み重ねた数千億円分東京電力に求償し得るものが入っておりますので、それが求償できればその分は、何といいますか、税であたりますものが減ります。したがいまして、当初御指摘の十九兆なり、一次、二次補正の六兆を除いた十三兆との差額はそれを引いたものとの差額と、こういうふうにお考えいただくのが正確かと存じます。
#404
○古川俊治君 今細かい答弁でよく意味が、時間がもったいないから先へ行きますけれども、なるべくたくさん求償してもらえばそれだけ復興予算が増えるわけですから、それをお願いしたいと思います。
 税と社会保障の一体改革について伺いますけれども、八月五日に閣議決定された「日本再生のための戦略に向けて」というやつですね。これは二〇一一年度から二〇二〇年度までの成長率を、いまだに、平均で名目で三%、実質二%とすることは可能としているということで方針をお示しいただきました。年内にこれを、日本再生戦略ですか、これをまとめるということで今総理も御答弁されているわけですね。ところが、私がこれ全部読みましたよ、これ、一応見ましたけれども、日本再生の戦略に向けてというものに消費税の引上げに関する、その成長に対する影響についてはほとんど考慮されていないんですね。
 総理、これ、どういうように影響を計算したんでしょうか。教えてください。
#405
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 新成長戦略の実現を加速するとともに日本再生の基本戦略を年内にまとめるということで、八月に、おっしゃったように、「日本再生のための戦略に向けて」というような文書をまとめさせていただきました。
 ちょっとこれ、通告がなかったんで分かりませんが、ちょっと消費税との関連でどういう位置付けだったかというのは今御答弁できません。
#406
○古川俊治君 これね、総理、二〇二〇年までにプライマリーバランスを均衡させるって財政運営戦略に書いてあるんですね。そのとおりですよね。二〇二〇年度における消費税、これは成長シナリオでも一二・八から一三・一であって、前の国会で、総理、私に答えているんですよ。だから、二〇二〇年には、この財政運営戦略を達成するには、大体一三%ぐらいの消費税になるわけですね。
 ところが、この日本再生戦略の試算、これは八月十二日の内閣府の推計を見ると、成長シナリオというものの場合は、二〇一五年から二〇二〇年までの成長率が三%から三・九%までこれずっと上昇していくんですよね。これは消費税を更に上げるときなんですよ、このとき。さらに、二〇一五年から二〇二〇年までの消費者物価の上昇というのは、これは消費税を引き上げるか、まあしなきゃいけないんですけれども、全然反映されていないんですよ。これ、やる気あるんですか、本当に。成長戦略とそれから税と社会保障の一体改革って、全く符合していないですよ。全く整合性がないですよ。これ、どういうことなんですか。
#407
○国務大臣(安住淳君) 内閣府の所管で、今日ちょっと来ていないものですから私の方でちょっと申し上げますと、二十八兆のうちの十四兆をまず補填をして、これを二〇一五年で何とかプライマリーバランスの赤字分を半減をしたいと。しかし、その先の二〇年までのプログラムというのは、正式には我々のところで議論しているわけではないんです。
 ただ、消費税を上げることによるマイナス効果というものを勘案をしながら、なおかつどういうふうに成長を維持するかということは非常に難しい課題ではありますが、しかし、午前中からの質疑にもありましたように、成長を確保しなければ税収が増えていかないということはもう事実でございますので、それについての具体的な戦略というものは早急に政府としてまとめなければならないと思っています。
#408
○古川俊治君 安住大臣に聞いたわけじゃないんですけれども、これ、全く矛盾しているんですね、成長戦略の中身と税と社会保障の一体改革が。これ、政府として責任ある対応と言えませんよね。税は税で話をする、社会保障の部分は社会保障でやる、成長戦略は別に何か書き込んでおいて適当に三%と書くわけですよ。
 これは総理に伺いたいんですが、財政再建と成長戦略をこれ両立させるとずっと言っていますよね。これ、どうやるんですか、本当に。だって、何にも反映されていないんですよ、消費税の引上げが成長戦略に。それ、どうやってこれで両立をさせるんですか、教えてください。総理に、具体的にどうやっていくのか、教えてください。
#409
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 日本再生の基本戦略の担当する大臣も、社会保障と税の一体改革の大臣もこれ同一でございます。まさにこれは整合的になるようにしていきたいというふうに思います。
#410
○古川俊治君 答えになっていないんですけどね。
 大臣、もう時間もないので、これ第二次補正予算が、これはすごく小さく終わってしまって、時間が四か月遅れたというのは我々ずっと指摘してきたことですね。今、振り返ってみて、これはかなり遅れたと、あのときに、第二次補正予算のときに復興債を発行して震災対応を進めればよかったと思いませんか。
#411
○委員長(尾立源幸君) 安住財務大臣。
#412
○古川俊治君 駄目、駄目です。総理に聞いているんです。
#413
○委員長(尾立源幸君) 野田内閣総理大臣。
#414
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 第二次補正予算がたしか成立した七月二十五日だったと思うんですが、復興基本法で復興債という考え方が出てきて、それを踏まえて復興基本方針を作ったのが七月二十九日だったものですから、ちょっとそれはタイムラグがあります。
 復興債の制度設計の議論をするのに若干時間が掛かった分、二次補正には間に合っていなかったということであります。
#415
○古川俊治君 それ、総理、そう言っていますが、十分出せた。
 四月にはもう三党合意できていたわけですよ。もうあのタイミングで我々すごく復興基本法、早期に作りましたよ。いつでも復興債を出せる状況だったじゃないですか。ずっと言ってきたんですよ。あれは、まさに菅総理大臣が自分の在任中、引き延ばし引き延ばしして、辞めろ辞めろと言われて辞めなかったんですね。ずうっと引き延ばして、そのときは国債を発行できないからといって粘ったわけでしょう。
 総理が二〇〇九年七月二十日に「民主の敵 政権交代に大義あり」という本を出しているんですね。これは皆さんにとっては記念すべき解散の日の前の日です。二〇〇九年の七月二十一日の解散の前の日ですね。この日に野田さんの、出ているんですよ、本が。この中に、民意を反映していない総理はよくない、自民党は替え過ぎた、総理が替わるときには民意を問うべきだと言っているんですね。
 これ、野田総理、あなたも民意を別に問うていないんですよ。民意を反映していないんですね。これ、解散すべきじゃないですか。
#416
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 民意は重んじるべきだというふうに思います。ただし、今は復旧復興、原発事故の収束等の国難をまず突破していくことが先だというふうに考えております。
#417
○古川俊治君 やっぱり初志は大事にしていただきたい。お若くして総理になられて、僕は立派だと思いますよ。だから、やっぱりそこで、野田さんの自分の方針というのをしっかり貫いて解散していただきたいと思います。
 これで一周するので、質問を終わります。
#418
○荒木清寛君 まず、私は復興財源確保法案についてお尋ねします。
 本法案の衆議院修正によりまして新附則第十五条が加わりまして、平成二十三年度から平成二十七年度までの一般会計決算剰余金を財政法第六条第一項の規定に基づき債務の償還に充てる場合には、償還費用に優先して充てるように努めるという規定が追加されました。
 公明党としては、この規定に基づきまして決算剰余金を積極的に復興債の償還に充てるべきだ、このように考えておりますが、まず総理の取組、決意をお尋ねします。
#419
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御指摘のように対応していきたいというふうに考えております。
#420
○荒木清寛君 そこで、財務大臣に具体的に一つだけお尋ねしますが、財政法第六条第一項では、決算剰余金につきましては、二分の一を下らない金額を公債や借入金の償還財源に充てなければならないという規定があります。
 今回のこの復興債がここで言う公債や借入金に該当するのかどうか定かではありませんが、仮に剰余金の全額、その年の剰余金の全額を復興債の償還財源に充てる場合には現行法の下でできるのか、あるいは何らかのそうした法的手当てが必要なのかどうか、お尋ねします。
#421
○国務大臣(安住淳君) 財政法六条による言葉の中には、「公債又は借入金の償還財源」というふうになっていますので、この「公債」の中に我々としては復興債は入っているというふうに認識をしておりますので、新たな立法措置等を必要なく対応できるというふうに判断しております。
#422
○荒木清寛君 そうであれば、総理の決意どおり剰余金につきましては全額を、あるいはほとんどをそうした償還財源に充ててもらいたいと思います。
 それで、東日本大震災の復興費用として、五年間で十九兆円、十年間で二十三兆円が見込まれておりまして、更に上回るかもしれないということです。したがいまして、国民に広く負担を求めることはやむを得ないと思いますし、明日は我が身ということで私は御理解をいただける、このように確信をしております。
 しかし、この新たに国民に負担を求めることにつきましては、当然最小限に抑制をしなければなりませんので、この点についての総理の決意を更にお尋ねします。
#423
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおりでございますので、必要最小限にできるだけして、税外収入等を充てて国民の皆さんの負担というものをできるだけ小さくするように努力をしていきたいと思っております。
#424
○荒木清寛君 そこで、税外収入の確保の手段の一つとして、附則第十四条では、日本郵政株について、経営状況、収益の見通し等の事情を勘案しつつ処分の在り方を検討し、その結果に基づいてできる限り早期に処分すると規定をしております。
 しかし、現在はそれができない状況であります。郵政株式処分凍結法、こういう法律を成立をさせてしまった。そして、今提案をしております郵政改革法案についても審議入りのめどが立たないというか、成立のめどは立っておりません。したがって、この税外収入を確保するために郵政株を売却するには、相当程度、政府・与党が野党に譲歩しなければできないわけでありますけど、どういう方針で臨んでいくんでしょうか。
#425
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおりでございます。国会対策委員長もやっておりましたので、この法案の経緯については私も相当関係がございますけれども、今鋭意、衆議院の側で議論をさせていただいております。
 先般、初めて衆議院では大臣所信に対する質疑を行いましたので、これから、特に自民党、公明党の皆さん含めて、理事会を含めて、今日やっていただいておるようでございますけれども、法案の趣旨説明や審議を経て、修正協議で是非成立をさせていただきまして、三分の一を除く部分の株の売却について売却ができるような状況に是非させていただければ大変有り難いというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#426
○荒木清寛君 これは、政府・与党の方で相当大きく譲歩していただきたいということを総理にも要請をしておきます。
 そこで、次に復興についての地方財源の確保についてお尋ねします。
 成立しました第三次補正予算では、東日本大震災復興交付金ということで一兆五千六百十二億円計上されました。これはハードにもソフトにも利用できる使い勝手のいい交付金ということで評価をしております。
 しかし、村井宮城県知事はこの交付金が単独事業には使えないことを指摘しまして、交付金の対象拡大を求めております。既に予算は成立をしておりますから、この交付金の仕組みではできないのかもしれませんけど、こうした村井知事の要請については真摯に受け止めて今後対応してもらいたいと考えますが、いかがですか。
#427
○国務大臣(安住淳君) 私のところにもしょっちゅう村井さんからは電話をいただいて、そういう要請もいただいております。
 他方、今回は特別交付税についてもトータルでいえば一兆六千億近く積んでおりますので、使い勝手のいいお金は配っておりますが、本当に次々と支出が来てとても大変だということでありますので、今後、自治体の御意向も踏まえながら、期待に一〇〇%沿えるかどうか分かりませんが、そうした声を是非予算に反映はしていきたいというふうに思っております。
#428
○荒木清寛君 そこで、次に、関連をしますが、今回の第三次補正で、今の東日本大震災復興交付金の補助メニューに防災集団移転事業も盛り込まれておりまして、この点も評価をしておりますし、私もさきの本会議の代表質疑で使い勝手を改善をすることを求めたところでございます。
 しかし、更に自治体側からは要請がありまして、被災住民のことを考えると、この集団移転事業に限らず、利用が制限されている土地を自治体が震災前の時価を参考にした価格で買い上げて有効活用できるということについて、国もしっかりと財政的な裏付けをするという思い切った措置を講ずべきであると考えます。
 これは、具体的には福島県の相馬市の立谷市長が言われていることでして、ほかの自治体でもそういう要請はあろうかと思います。その相馬市立谷市長は、そうした被災した土地あるいは田んぼを買い上げてソーラーパネルを敷き詰めて、そこで再生エネルギー事業を大々的に展開をしたい、このことについて国の財政的な支援をお願いしたいと言っておられました。これは、政府・与党にも何回もお願いしたけれども、できないという返事しか返ってこなかったということで、憤慨しておられたといっても過言ではないかと思います。
 こうしたことにもこたえられる思い切った対策を今後要請したいと思いますが、これは総理でも大臣でも結構ですけれども、やるということをここで言っていただきたいと考えます。
#429
○国務大臣(安住淳君) 今の荒木先生の御指摘、二つあると思います。
 まず、本当に被災を受けた土地の買取りを元の価格でと。実は私自身も実家がそのとおりになっておりまして、今とてもそういう価値ではもう、極端なことを言えば買ってくれる人は多分いない状態でございますから、被災地の状況はよく心得ているつもりではございます。
 今後、国として買い取ることは、これは私有財産ですから難しいと思いますけれども、地域地域で自治体がその背丈に合ったといいますか、話合いの中で価格を決めてそういうことをやるということになれば、当然その財政的な負担も掛かってくるかもしれませんが、前方で話合いをするそういう自治体の声をよく聞いた上で、私たちとしてできることについてはお手伝いをしたいというふうに思っております。
 福島につきましては、確かに要請をいただいております。それで、中長期的な課題になると思います。まず、被災を受けた方々を、除染をしっかりしてまずお帰しをして、普通に生活をしていただくことに全力を注いだ上で、今お話があった、全くソーラーパネルを張ったり、新しい前向きな話に対しては、私としても十分自治体の声を聞きながら、私たちのできる範囲でお手伝いをさせていただきたいというふうに思っております。
#430
○荒木清寛君 この立谷市長も、何も被災土地を全部国で買い上げてくれという話じゃなくて、市の方でそういうビジョンを持ってやるときに、当然この市の財源ではできないわけですから言われていたわけで、是非一歩前に進めてもらいたい、このように考えます。
 そこで、残された時間を私も総理を中心に消費税問題についてお尋ねをいたします。
 総理は消費税増税法案を今年度中に国会に提出をするということを明言をされ、また国際公約ともされているわけです。しかし、先ほど、もう驚くべき総理の答弁に接して、私はびっくりしました。それは、年末に決めます政府の税制改正大綱で増税の時期や率は決めない、それは与野党協議を経て決めるんだという趣旨に私は受け取ったわけですけれども、これは、これではどこに政権与党としての責任感があるのか。当然これは、年末に決めます政府の税制改正大綱の中で増税の時期も増税幅も決めるということでなければ、政権与党としてあり得ないと思いますが、どうなんでしょうか。
#431
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ちょっと誤解があったんじゃないかと思いますが、私は、なるべく具体的にこれから政府税調あるいは与党の税調共々議論しながら、具体的にまとめていきたいということを申し上げました。税率とか実施時期を書かない、決めないということを申し上げたつもりはございません。なるべく政府・与党内における意見集約をしていきたいと思います。
 それに基づいて素案を作って、その素案を作った段階で野党の皆さんには是非協議に応じていただけますように、そのときに改めてお願いをしたいというふうに思います。
#432
○荒木清寛君 そのなるべくというのはどういうことなんでしょうか。
 それと、その素案というのは、当然これは、まあねじれ国会ですから当然野党に対して何らかのアプローチがなければ法律は成立しないことは分かっておりますけど、その素案というのは、当然この増税の時期と率が決められたものを素案と言うわけですね。
#433
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 言葉をちょっと撤回します。なるべくじゃなくて是非ともお願いをしたいというふうに思っておりますが、その際に、素案の段階では具体的にいろんなものが入っていて、その上で協議をしていただくようにお願いをしたいというふうに思います。
#434
○荒木清寛君 今日も民主党委員の方から非常に消費税増税に厳しめの質問もありましたし、小沢元代表は反対と言っておられますし、それから国民新党の亀井代表もその趣旨を言われているわけで、本当に年末までに政府で、あるいは政府・与党で今おっしゃったことを決められるんですか。
#435
○国務大臣(安住淳君) 私は政府税調の会長でございますので、是非、今年度までにこの法律を出すというふうに明記をされておりますので、それに間に合うスケジュールで年度内には法律をしっかり出したいと、国会の方に出させていただくというふうなスケジュールでやっていきたいというふうに思っております。
#436
○荒木清寛君 もう一つ私は憤慨をしておるわけですが、驚いたわけですけど、さきの二十五日の参議院本会議でこの財源確保法案の質疑に対する答弁、我が党の竹谷とし子委員が質疑をしたわけですけど、民主党の言う年金制度抜本改革の関連法案を二〇一三年の通常国会に提出する考えを示されたわけです。
 これは本末転倒じゃないんですか。消費税増税というのは社会保障の充実のためにやるわけでしょう。ですから、法案の提出がいつになるかはともかく、この増税法案を決める前にこの社会保障の改革の姿、特に、我々は反対しておりますけど、民主党はこの年金の抜本改革をするというわけですから、それにどのぐらいの財源が要るのか、消費税を上げなければいけないのかということは決めて、それから消費税増税法案にならなければ、国民としては単に赤字解消のための消費税増税かということになるんじゃないでしょうか。
 ですから、増税法案を出すと言うんであれば、その前に、民主党のこの年金抜本改革でやればどのぐらい税率アップが必要ですということを示すのがまさに前提じゃないんでしょうか。
#437
○国務大臣(安住淳君) 年金の一元化の法案といいますか、制度設計は率直に申し上げてそう簡単にできないわけですから、工程表の中で一番、一三年度の、(発言する者あり)いや、一三年度に出させていただくということを申し上げました。
#438
○委員長(尾立源幸君) 御静粛にお願いします。
#439
○国務大臣(安住淳君) ただ、荒木先生、その年金の問題だけでなくて、医療、介護、機能強化等を含めて、今の五%の消費税でやはり必要なものがあるということで、六月に税と社会保障をやりました。確かにそのときに併せて年金もフルセットで出せという御指摘はごもっともかもしれませんが、非常に技術的なことも含めて、また制度設計そのものが二十五年、三十年掛かるわけでございますので、そういうことからいえば、来年中にはしっかりと議論をして、最終コーナーでこの改革の法案は出させていただくということになると思います。
#440
○荒木清寛君 いや、もう政権取られてから二年以上たっているんですよ。その間何を検討してこられたんですか。これは、我々思うに、もう多分検討されているけれども、余りにも財源が掛かり過ぎて言えないんだろう、このように思っております。
 我が党で、そういう意味では、二百万円以下の収入の方に月額七万円支給をするということで考えると、十二、三兆円新たに要ると。そうしますと、地方に回る消費税の分を除けば八%程度消費税を上げなければいけない。それは政府が、与党が何も言わないから、我々計算するしかないわけですね。
 それで、要するに、この先幾ら消費税が上がるか分からないけれども、取りあえず一〇%にしておきますよ、こんなことで、先ほど政府の税制改革の原則の一つが納得というお話がございました。この先幾ら消費税が上がるのか分からないのに、取りあえず来年度は一〇%にする法案を提出しますということで本当に国民の方の納得は得られますか。これは、総理、どう思われますか。
#441
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社会保障を持続可能にしていくということは、私は国民の皆様は望んでいらっしゃることだというふうに思います。
 その中で、今回は社会保障の中でこれは機能強化をしていく部分とか、あるいは毎年自然増がございますが、そういうものに対する手当てをしていく、あるいは、いわゆる、何といいますか、自然増だけじゃなくて基礎年金の国庫負担分三分の一から二分の一の部分とか、そういう穴が空かないようにしていって、持続可能なものと、そして機能強化をしていくもの、それだけでも基本的にはやっぱり一〇%は掛かるだろうということの中で国民の皆様にお願いをしていくことであって、最低保障年金と所得比例年金を組み合わせた新しい年金制度については先ほど財務大臣が御説明ありましたけれども、これは移行期間があって、すぐに二〇一〇年代半ばにその財源が必要になるものではございませんので、そこは負担と給付という意味ではきちっと説明ができるというふうに思っておりますし、そのための制度の設計をこれから詰めていって、まず与党内での議論を踏まえて二〇一三年までにはその抜本改革の法案を提出をさせていただきたいというふうに考えております。
#442
○荒木清寛君 そうしますと、そういう制度設計が明らかになる前に、まずは一〇%にさせていただくということですね。
 それで、先ほどからいろいろ議論になりましたが、いわゆる逆進性の解消策ですね、これについても、年末の大綱といいますか、増税法案とセットで当然これは決めて提案をする、こういう理解でよろしいんですか。
#443
○国務大臣(安住淳君) 今後の政府税調の中で消費税を議論するときに極めて重要なテーマの一つになると思いますので、そういう点では具体的な対応策というものを是非、ある時点からやっぱり必要になってくると思いますので、逆進性についての対応策というものについては私としては考え方をまとめたいと思っております。
#444
○荒木清寛君 先ほどのお話で複数税率は余り視野に入っていないようです。そうしますと、有力な選択肢は給付付き税額控除ということになろうかと思いますが、それにしましても、私、勉強しましたら、諸外国でも例がありますけど、四つぐらいバリエーションがあってなかなか甲乙付け難いと思うんですが、それを本当にこの一か月の検討で制度設計して提案できるんですか。
#445
○国務大臣(安住淳君) 確かに非常に難しい問題だと思います。ですから、そういう点では、番号制の導入等も議論に上がってきて、そういう中で、本当に真の意味で必要な方々に対する給付の在り方はどういうふうにするのが一番いいのかということについて早急に議論を重ねていって、一定の方向性は出したいというふうに思っております。
#446
○荒木清寛君 いや、一定の方向性と言いますが、法案にそういう具体策がきちんと明記されるわけですね。
#447
○国務大臣(安住淳君) 三月に出す法案の中でできるだけ具体的な制度設計まで行ければいいというふうに思っております。
#448
○荒木清寛君 何か、できるだけという、引っかかりますが、もう時間もありませんので。
 総理は先ほど所得税に関して所得再配分機能の強化と、こうしたことを考えている旨を答弁をされました。いわゆる所得税の累進をきつくするという話かと思いますが、この点も来年度の税制改正の中で出るという、こういう理解なんですか。
#449
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 所得税については、これまでの累次の改正によりまして累進緩和や各種控除の拡充が行われて、御指摘のように、所得再分配機能あるいは財源調達機能というものが低下をしてきているというふうに認識をしておりますので、この税制の抜本改革の中では、これは消費税だけではなくて様々な税目についても改革を行っていきますけれども、そうした観点からの改革を行っていきたいというふうに考えております。
#450
○荒木清寛君 政府の方ではよくこの所得税法の附則の百四条というのを金科玉条のごとく引用されるんですけど、これも何も消費税と決め打ちをしているわけではなくて、消費税を含む税制の抜本改革ということでして、その第三項の第一号にはこの所得課税の見直しも入っているわけですね。だから、当然これは、もし提案をするのであればセットで提案をしてくるということでよろしいんですね。
#451
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 六月にまとめた社会保障と税の一体改革の成案において、「雇用形態や就業構造の変化も踏まえながら、格差の是正や所得再分配機能等の回復のため、各種の所得控除の見直しや税率構造の改革を行う。」としているところでございますので、こういう成案に基づいての議論を行わさせていただきたいというふうに思います。
#452
○荒木清寛君 我々公明党、この震災の復旧復興については全面的に政府・与党に協力をしてまいりました。しかし、経済あるいは外交問題につきましては厳しく追及をしていく、こういう決意を改めて申し上げまして、質疑とさせていただきます。
#453
○中西健治君 みんなの党の中西健治です。再度質問に立たせていただきます。
 まず、復興増税の税目についてお伺いしたいんですけれども、三次補正まで大変多くの時間が経過してしまいましたから、税目に関する議論というのは、たばこ税を除くともうずっと前のことになってしまいましたけれども、まず総理に、総理が財務大臣のときに復興税の対象として消費税というものを取り除くということを指示をされたというふうに理解しておりますけれども、どうして消費税を対象外にしたんでしょうか。
   〔委員長退席、理事大久保勉君着席〕
#454
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 復興の財源については基幹税を中心に検討するということでございました。その中でいろんな組合せを、税調の方から複数の選択肢を出していただくようにお願いをしておりましたけれども、消費税については御議論も先ほどいただきましたけれども、社会保障と税の一体改革の中でその消費税については扱っていくことにしておりますので、その消費税については、だから、そこから選択肢から除くように指示をさせていただきました。
#455
○中西健治君 消費税を税目から外したのは、所得税、住民税は復興財源として、そして消費税は社会保障改革の財源として割り振ることによって、税と社会保障の一体改革の議論との交錯、複雑化を避けることによって、虎の子の消費税をこちらの方に取っておこう、温存しようと、そういう本音があったんじゃないですか。
#456
○国務大臣(安住淳君) 私が政府税調の中では選択肢として消費税も入れました。ただ、これは単年度に、短い期間にそれこそ返そうということで一つの案として出したんですが、やはり今の目下の経済状況等も勘案しながら、また、総理からもございましたように、税と社会保障について、やはり国民の皆さんからお預かりした貴重な消費税についてはしっかりと目的税化をして、年金、医療、介護等やっぱり社会保障に使うということで、きちっと分けるということでございましたので、これを外したということになりました。
#457
○中西健治君 増税の税目を決める際には被災地への負担ということも議論されました。そして、消費税だと被災地にも負担が起こり得るということで否定的な見解というのを示されていたと思いますけれども、そのときには所得税、住民税であれば被災地は免除し得ると、そういう肯定的な、所得税、住民税に対して肯定的なコメントというのもあったかと思いますが、今回の復興増税、被災地への考慮はどこに行っちゃったんでしょうか。
#458
○国務大臣(安住淳君) 被災をした方々で、特にやっぱり収入を失ったり職を失った方々に関してのことで言えば、所得税の今回の付加というのは掛かりませんから、そういう点ではやはり、消費税のように広く網を掛けるような形よりは、私は十分被災者の方への配慮というのはあると思います。
 また、新しく新規に被災地で起こす事業等についての非課税化を含めた法人税についての配慮や従業員を雇ってきた方々への配慮、さらには減価償却等についても十分配慮しておりますので、そういう点では法人税についても被災地に対する配慮というものはできる基幹税であるというふうに私どもは認識をしたということでございます。
#459
○中西健治君 法人について私は伺っておりません、個人について聞いているわけですけれども、収入がないから十分配慮されているというのはおかしな答弁じゃありませんか。
#460
○国務大臣(安住淳君) いや、個々の納税者の事情を配慮できる基幹税であるという意味で申し上げましたので、もし誤解があれば訂正をします。
#461
○中西健治君 明示的に所得税、住民税は免除するということをどうしてしなかったんでしょうか。
#462
○国務大臣(安住淳君) これが適切かどうかは分かりませんが、私も被災地に住民票を持って所得税を払っておりますが、私のような人間もおりますので、それは私は免税を受けるよりはきちっと付加が掛かった所得税を払った方がいいと思っております、個人的に。
#463
○中西健治君 今の個人的な思いというのは答弁になっていないと思いますが。どうしてしなかったのかということについて、政府はどうしてそうしたのかということについてお聞きしているんです。
#464
○国務大臣(安住淳君) 私が税制会長として申し上げたいのは、やはり収入のある方に対する所得税の課税でございます。なおかつ、低所得者への配慮というものも十分我が国の所得課税というのはなされておりますので、そういう点では被災地の方々に対する配慮も含めて対応が可能だということで、所得税というものを今回上げさせていただいたということです。
#465
○中西健治君 消費税は温存されたということになりましたが、一方で所得税、住民税は税率がいじられたということになったわけですけれども、今後、税と社会保障の一体改革ということが国会でも議論が始まるわけですけれども、そうなりますと、財源の在り方ですとか、税方式なのかそれとも保険料方式なのかとか、所得の再配分をどうするのかと、そういったことについての抜本的な議論をするということが分かっている中で、ここで所得税、住民税を暫定的な形で上げてしまうということだと、今後の所得税、住民税の在り方についての議論に支障が出てきませんか。
#466
○国務大臣(安住淳君) 今回は税率の根本を変えるわけではなくて、一律に二・一%を付加を掛けさせていただくということですから、構造改革といいますか、いわゆる所得税の今後の所得再配分に伴う税制改正に伴うようなものとは私は違うものだと思いますので、そういう点での矛盾はないと思っております。
#467
○中西健治君 ということは、増税したものをまたいじると、そういうつもりだということですね。
#468
○国務大臣(安住淳君) 所得税の再配分等については、先ほど公明党の荒木議員と総理の話にもありましたように、今五%から四〇%の中でフラット化をしていると。これについて今後どういうふうにしていくかというのは、所得税の税率の問題等含めて協議をしていかなければならないことだと思います。
#469
○中西健治君 午前中、安住大臣と何が復興にかかわる費用なのかという議論をさせていただきましたけれども、その中で、やはり基準が不明確であるという印象は全ての方が拭い得ないということなんじゃないかと思いますが、復興債という言わば打ち出の小づちになり得るものを民主党政権は今手に入れているということも言えるということになります。そして、これは上限が定められていないということになってしまうと、次の選挙まで自由に使えるということにもなりかねません。非常に危険だなという思いも持っております。
 例えば復興基本方針に入っていない円高対策なども、いつの間にか三次補正予算で復興債の対象ということになってしまっているわけですけれども、衆議院での質疑で、先ほどもちょっと話出ておりましたけれども、安住大臣は復興債十五・五兆円は明確に上限であるというお答えをされていましたけれども、先ほどの答弁とはちょっと違うように思いますが、十五・五兆円が上限ということでよろしいですね。
#470
○国務大臣(安住淳君) 結構です。
#471
○中西健治君 そうしますと、十五・五兆円を上回るということはあり得ないということで理解いたしました。
 そうしますと、中長期の財政フレームでは、国債は四十四兆円、そして復興債については十五・五兆円、これは守るということでよろしいでしょうか。これは総理にお聞きしたいです。
#472
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 特例公債の発行額を四十四兆円以内に収めるということは、これは中期財政フレームの中でも確認をされていることでございますので、基本的にはこれを守っていきたいというふうに思いますし、復興債についてもこれはきちっとした根拠を持って対応していかなければなりませんので、財務大臣の答弁のとおりでございます。
#473
○中西健治君 復興債が上限が十五・五兆円と、そこまで明確におっしゃるのであれば、何らかの形で法案に書き込むのか、それとも基本方針の中で言うのか、公的なものに出すべきじゃありませんか。
#474
○国務大臣(安住淳君) いや、必要ないと思います。
#475
○中西健治君 じゃ、この委員会での答弁をもって十五・五兆円は明確に守るという理解であるということで私は理解させていただきます。
 次に、消費税についてお伺いいたしますけれども、消費税の増税がどの程度経済へ影響するかということをどれだけ見込んでいるかということについてお伺いしたいと思います。
 市場のエコノミストの中には、景気への大きなマイナス影響を予測する人が非常に多いわけですけれども、内閣府が今年の五月三十日にまとめました社会保障・税一体改革の論点に関する研究報告書では、九七年の例を引いたり諸外国の例を引いたりして、マクロ経済的な影響は軽微である、非常に軽微であるとしているわけですけれども、これが政府の公式な見解なんでしょうか。
   〔理事大久保勉君退席、委員長着席〕
#476
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 結論からいうと、公式な見解ではありません。内閣府が参考資料としてまとめたものの一つにそういうものがあったということであります。
#477
○中西健治君 これまで何度も出ております附則百四条の経済状況の好転という前提についてですけれども、これまで野田総理も安住大臣も経済状況の好転は総合的に判断するという答弁を繰り返しているわけですが、もっと明確な形で判断基準を示すべきであるというふうに考えております。
 慢性的なデフレが続く我が国で実質GDPの回復が経済回復を意味しないことは明白なのではないかと思っておりますが、民主党の藤井税制調査会長は新聞社のインタビューで、実質GDP二%成長で経済回復という判断が国際常識だというふうに述べているようでありますが、総理はどのように考えているんでしょうか。
#478
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 附則百四条や、あるいは一体改革の成案を踏まえて経済を好転をさせていくということ、努力していかなければなりませんが、その際の指標については、これはいろんな指標があると思います。そういうものを総合的に判断をするというのが現実の考え方であって、その指標についてはこれから政府内や与党の中でも議論をしていきたいと思いますが、藤井会長のお話ししたことは、これは個人的な見解であるというふうに思います。
#479
○中西健治君 また個人的な見解というのが出てきましたけれども、一つ例を挙げたいんですが、名目GDP、二〇〇七年度の日本の名目GDP、リーマン・ショック前ということになりますけれども、五百十五・八兆円ありました。それが昨年度は四百七十五・八兆円まで落ち込みました。一口に五百兆円ぐらいというふうに思っている人も多いと思いますけれども、これだけ大きく違っているわけです。
 ですので、実質で二%成長したからだとか、三パーでも四パーでも、やはり経済が回復したということは言えないということなんじゃないかと思うんですが、名目GDPの絶対額での一定水準回復をしっかりと指標とすべきじゃないかと思いますが、この名目GDPについてお答えください。総理、お願いします。
#480
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 経済状況の好転は、経済が悪化している状況からのその回復の過程、持ち直し、そういうもので判断をしていくものだと思いますが、今のその名目GDPも一つの考え方だと思いますが、名目GDPだけではなくて、様々な指標を踏まえて総合的な判断をしていくということであります。
#481
○中西健治君 生活実感というものは非常に重要となってまいりますので、名目GDPを特に重視すべきではないかと私は申し上げておりますが、それについてはいかがでしょうか。
#482
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 特定の指標のみではなくて、様々な指標を踏まえて判断をしていきたいというふうに思います。
#483
○中西健治君 水掛け論になるのかちょっとよく分かりませんが、名目GDPの絶対値を指標とすべきであるということを私は考えていると、私は提言しているということを申し上げて、次の質問に移りますが。
 これは、先ほど、午前中も安住大臣にお聞きしたことですが、復興増税についてですが、元々次の世代にツケを回さないというところから始まって、五年の臨時増税、そして法案では十年になりました。十五年、二十五年ということでまた法案の修正が加えられました。こんな中で、元々次の世代にツケを回さないという大義名分もなくなりました。そして、臨時増税という言葉も当てはまらなくなりました。
 そうなりますと、前提が失われている、大義名分も失われている。そうであれば、増税という結論そのものを変えるべきである、再考すべきである、そういう政治判断をすべきなんじゃないかと思いますが、どうしてそういうふうに思わないんでしょうか。僅か、僅かというか、年間、二十五年で割りますと四千四百億円、まあ小さな金額ではないですが、予算全体からするとすごく小さな割合の四千四百億円程度をどうして増税に頼ろうとするのか、どうして歳出削減をしようとしないのか、そこをお伺いしたいと思います。──済みません。
#484
○国務大臣(安住淳君) 先ほども私の答えはお答え申し上げましたけれども、やはり基幹税の中で御負担を掛けるのは本当に心苦しい話ではありますけれども、国民全体でやはりこれを賄っていくということで、税外収入と、それと合わせてこの法人税と所得税にお願いをしたということでございます。
#485
○中西健治君 済みませんと言ったのは、安住大臣とはもうお話ししたことなので、同じ質問なので総理にお答えいただきたかったんですが、総理、お願いします。
#486
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 当初、復興の基本方針に基づいて、今を生きる世代で連帯して負担を分かち合うという考え方の下で、最初は十年間で、いわゆる復興の期間と整合的であるということからそういう考え方を取らさせていただきました。
 その上で、より各年度ごとになだらかに御負担をいただく方がいいのではないかという、そういう観点からの三党間の協議があって、最終的には二十五年という形の結論を得たということであります。
#487
○中西健治君 この程度の金額を増税に頼ってしまう。しかも、所得税も上げる、住民税も上げる、たばこ税は上げなくなったけれども、法人税は一旦下げて期間限定で上げるという、非常にややこしいことをすること自体が大きな国民コストを伴っているというふうに私は思います。
 この程度の削減もできないようでは、今後の税・社会保障の一体改革、そうしたものについても全て増税に頼るのかなという非常に大きな懸念を持っていると申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#488
○大門実紀史君 大門でございます。
 お疲れさまです。あと少しでございます。
 私も消費税について一言質問しておきたいんですけれども、社会保障財源のためと言われても消費税に反対という方が国民の半分を占めているということは、やっぱりきちっと国会ではとらえて議論すべきだと。何か、もう社会保障財源というと消費税しかないような前提の話が続いておりますけれども、よくよくお考えになるべきだと。我が党はもちろん反対でございます。
 ちょっと野田さんに聞いておきたいのは、当初、野田総理、野田政権が発足したときは、特に消費税のことだと思うんですけれども、三党でできれば本当は大連立をやりたいと。少なくともいろんなことを三党で相談をして、政策的な大連立といいますか、合意を得て、成案を得て、消費税ですね、成案を得て、で、選挙で信を問うと。つまり、みんなで提案すれば怖くないみたいな、そういうふうな流れを想定されていたのが、今日の議論を聞いていてもほとんど、いろんな思惑があるかも分かりませんが、一緒に、野田政権と一緒にほかの自民党の皆さんや公明党の皆さんが消費税増税の提案をするとは到底思えない状況になってきたんではないかと思うんですね。
 そうなると、民主党として、もう民主党の中ももちろんいろいろあるでしょうが、民主党として成案をまとめたものを民主党単独で選挙で信を問うと、ここまでの覚悟はお持ちですか。
#489
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、三党の様々な協力の呼びかけというのは、これは別に消費税だけではなくて、元々私が念頭にあったのは、復興であるとか原発事故の収束とか、様々な重要課題についてできるだけ多くの党の御協力をいただきたいという思いからでございました。
 その上で今のお尋ねでございますけれども、状況は、これはまだ私は諦めてはおりません。まずは政府・与党内で意見集約をしていくということ、その上で、野党の皆さんにも御協力を呼びかけていくということはこれから丁寧にやっていきたいというふうに思っております。なぜならば、これは、私はどの政権でも先送りできないそういう政策課題だと思っておりますので、過去にそれぞれの党でマニフェストでお訴えしたことでもあるわけでありますので、いろいろ手続論とか、民主党が言っていなかったといういろんな御意見があるかもしれませんが、私は、そんな先延ばしできない課題なので、是非御理解をいただけるようにこれから協力を呼びかけていきたいというふうに思います。
#490
○大門実紀史君 いや、もう総理、時間がないんだから、二回聞かせないで答えてほしいんですけど、それは分かっているんです。それがうまくいかなくて、単独で出すしかないとなった場合、単独の案で、民主党単独で消費税増税を総選挙で信を問われるのか、そこまでの覚悟がおありなのかということを聞いているんです。
#491
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 共同ではなくて、最終的にはやっぱり政府として御提案をする形になるんだろうと思います。もちろん折り合えば共同でありますけれども。まあいろんなバリエーションはあると思いますけれども、いずれにしても、これは附則の百四条という法律があります。それに基づいて法案を提出するわけで、出さなかったら法律違反でございますので、最終的にはどんな形にしろ法案は提出をしたいというふうに思います。
#492
○大門実紀史君 また消費税の議論はしたいと思いますが、まずそういう庶民増税の前にやるべきことがあるということで、前回の復興特別委員会のときも私取り上げましたが、証券優遇税制について再度取り上げたいと思います。
 これ、やめれば年間五千億ぐらい入ってくるわけですから、なぜやめないのかと。もうやめる議論がさんざん続いて、なぜやめないのかということで、やめるように要望してまいりましたけれども、また平成二十五年度末まで、今年の六月に延長してしまったわけでございます。
 そのときに、六月に証券優遇税制の延長のときに、大口株主に対する課税を拡大する措置をとられました。簡単に言いますと、従来は、五%以上株を保有する大口株主について言えば、これは総合課税ということで、つまりこういう方々は高額所得者ですから最高税率が適用されていたと。これを、株の保有を五%から三%に引き下げて、たくさんの人に課税する、課税強化するということの措置をとられたわけですが、これは何のためにそもそも三%にしたんですか。
#493
○国務大臣(安住淳君) これは、少数株主権の制度との整合性を確保するという観点から、今の会社法のですね、そういう見直しをさせていただいて、五%から三%に下げたわけでございます。
#494
○大門実紀史君 これは、実はこの委員会でも何度も取り上げましたが、所得一億円を超えると税の負担率が下がってしまうという、累進制が壊れているという指摘を何度もしてきて、そういう批判に対して、高額の、超お金持ちのところは特に大口株主ですから手を打たなきゃいけないということでやられたんだと思いますが。
 資料をお配りいたしましたけれども、実際何が今起きているかというと、そういう法改正を前に、今まで三%から五%の間保有していた人たちが、まあみんな見事に三%以下に保有率を下げているという数字でございます。京セラの稲盛さんなんか、あんな偉そうなことを言っていて、ちゃっかり自分はこうやって税逃れしているわけですね。一番右側ですけれども、概算ですが、二億九千四百万、三億近く税逃れをしていると。二つ目の三共というのはパチンコのメーカーでございます。巨大企業でございますが、これも一億五千万以上ちゃっかり税逃れをしていると。あとは名前を伏せてあるところもございますけど、大体創業者関係の方でございますが、つまり、五%から三%にして大金持ちの方々にもちゃんと税金を払ってもらって大金持ち優遇という批判を逃れようと思ったわけですが、もう相手の方が一枚上手で、こういうふうにちゃっかりみんな三%未満になるように下げているわけですね。
 そもそも、せっかくとった措置をこんなことやられていること自体、いかが思われますか。
#495
○国務大臣(安住淳君) これは、大量保有報告書又は有価証券報告書から先生が出した資料だということを前提に申し上げれば、ちょっと残念な数字だなと私個人的には思っております。そういうふうにはとらえたくはありませんけれども、しかし、この有力企業のオーナーの皆さんがこうした保有比率を三%以下に下げたというのはどうも事実だとすれば、大変残念ではあるなというふうには思っております。
#496
○大門実紀史君 大体、順位は変わりますけれども、大体こういう人たちは、二〇〇三年からですかね、この証券優遇税制、この八年半ぐらいで大体一人当たり数億円の減税になっているんですよ、そもそもこの証券優遇税制で。さらに、今回その人たちにも払ってもらおうと思ったら、またちゃっかりこういうことをやるわけですね。
 こういうことを許していいのかということを再三にわたって、これだけ所得の低い人にも増税というときに、こんなの許していいのかということを再三にわたって指摘をしてきたわけでございます。前回、復興特のときは野田総理に伺いました。安住さん、どうなんですか、こんな税制いつまでもやっていくというのは、安住さんとしてはいかがお考えですか。
#497
○国務大臣(安住淳君) 今回の分離税制改正法については、今私もちょっと説明させていただきましたように、会社法との整合性ということで五パーから三パーに下げてやったわけでございますが、全員がこういうことばっかりやっているとは思いませんけれども、しかし、上から順番でということでこういう資料を出されると、やはりそういう点ではちょっと残念な感じはします。
 この証券優遇税制については様々な議論があることはもう重々承知しております。二年の延長等もありますけれども、その時点ではこうしたことも一切合財含めてやはり対応を考えていかなければならないと、私個人的にはそう思っております。
#498
○大門実紀史君 これはなぜ、延長してほしいと金融庁が再三言っているわけですけど、金融庁に聞いてもこの税制が証券投資を促進しているという相関関係を示す何物も示せないんです。たまたま二〇〇三年にこの優遇税制が発足してから伸びていったと、しかしそれはこれがなくても伸びたかも分からない、相関関係何も示せないんですよね。
 もうこれ、株取引、私やっていませんけど、やっている方分かるとおり、これはあくまで結果、もうかったときの話なんです、もうかったときの話なんですよ。だから、通常、株に参加するというのは、株価が上がって今やったらもうかるよとか、あるいは手数料が下がって今口座開いた方が得だよとか、それがインセンティブになるわけで、最初は少しはアナウンスメント効果あったかも分かりませんけれども、こう延々続けて、これがあるから証券投資が進んでいるという何の根拠もないし、金融庁も何も示せないんです、そういう相関関係ですね。そういう根拠のないものをよく財務省が、ほかのことは根拠を示せ示せとうるさいのに、根拠もないものをよくこれまたオーケーしたなというふうに大変厳しく見ているところでございます。
 総理もこの前復興特のときに、ちょっと時間が短かったんですけれども、基本的なお考えとして所得の再分配機能あるいは平等主義というお言葉も使われましたけれども、そういう方向をやっぱり目指すのが、これからの、今までやってきたし、民主党政権になってやってきたし、これからもやるんだということをおっしゃっていましたけど、それならば、もちろん所得税のこともありますけれども、これが最たる不公平、最たる所得の再分配の一番逆行する制度でございますから、これはもう場合によっては、二年というふうになっていますけれども途中でもやめてもらいたいと思いますけれども、まさか、まさかこれ、更に更になんということをお考えになっているわけじゃないでしょうね。ちょっと総理のお考え聞いて、質問を終わりたいと思います。
#499
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公平性とか金融商品の中立性という観点からすると、やっぱり本則税率二〇%に基本的には戻すべきだというふうに思います。
 景気回復に万全を期すためということで二十五年十二月まで延長するということにいたしましたが、私も思い返してみると、証券優遇税制をこのまま延長するといったときに決して株は上がっていないんですよね。いろんなことを、御指摘は痛いほどよく分かりますが、これを更に延長するということはございません。経済金融情勢が急変しない限り確実に実施するという方針でこれからも臨んでいきたいというふうに思います。
#500
○大門実紀史君 もう少し早くその判断をしてもらったら六月に延長しなくてよかったんじゃないかと。そうしたら、その分、庶民増税もしなくてよかったんじゃないかと。きちっとした判断を、もっと正確な判断をされるべきだと。それと二年を待つ必要はないということを申し上げて、私の質問を終わります。
#501
○中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山恭子でございます。
 総理は、財務大臣として財政金融委員会にも何度もお出ましいただいて、私自身、自分の考えも繰り返し申し上げ、総理から当時も大変真摯なお答えをいただいていたと感謝しております。
 今回の第三次補正について、私自身はやはり遅いという思いを強く持っております。第二次補正予算、あの補正予算は非常に無駄なエネルギーと時間を使ったと考えています。その二次補正予算編成の指示というのが菅総理のある意味では延命のために、その時間とエネルギーが使われた予算であったと言えると思っておりまして、復興関係事業の執行がこのために非常に遅れている、何か月も遅れている。
 さらに、その復興事業だけではなくて、この遅れが経済情勢に対しても、経済情勢の停滞を、復興を抑えたという、そういう景気の下振れリスクであったと言っても、それも言えると考えておりまして、この第二次補正予算、さらに第三次補正予算が遅れたことについて、この結果を招いている責任というのは非常に重いものだと考えておりまして、これは総理がよろしいんでしょうか、財務大臣でしょうか、この補正予算の執行の遅れについて責任を感じていらっしゃるかどうか、お答えいただきたいんですが。
#502
○国務大臣(安住淳君) 本当にそういう点では反省もあります。
 二次補正につきましては、あの当時私は国対委員長でございましたが、やはり時期とタイミングをどうするかという議論がありました。ただ、その中で、ちょっと言い訳になるような話に聞こえるかもしれませんが、被災者支援の義援金の足らないところ、さらに原子力等で二次補正をやるべきだというのは与野党間での議論の中でも出てきておりましたものですから、そういう中で、剰余金の活用ということで二次補正ということになりました。
 それで、結果的には八月、九月と過ぎてしまったわけでございますが、しかし、二次補正に付けたお金というのはそれはそれで大変必要なものであったし、地方からの交付税の必要性として五千億等も要求がありましたものですから、それは出させていただいたことは事実でございます。
 今、十二月になりますので、本当に寒くなりますので、そういう点では一日も早く執行させていただいて、被災をしている皆さんが少しでも暮らしが楽になるような予算を是非地元に一日も早くお配りしたいと思っております。
#503
○中山恭子君 二次補正の予備費、あれも相当別のものに、台風災害に使われたりしておりまして、これも使い方としては誤った使い方であると考えております。その二次補正の代わりに三次補正、復興を組み込んだ補正が夏の間にできていればその分だけ執行も早まっている。今回の三次補正の執行が年度末までに全て執行できるのかどうか、その点について見通しはいかがでしょうか。
#504
○国務大臣(安住淳君) 大規模な予算でございますので、全額を年度内でできないということも十分想定をしながら対応をさせていただいております。
 なお、先ほど午前中の議論でもありましたように、それでも消化し切れない部分もあるんではないかと竹谷議員からの御指摘もありましたが、そういうときに関しても、基金等を活用してこのお金はしっかりと復興のために切れ目なく有効に使わせていただきたいというふうに思っております。
#505
○中山恭子君 総理は、三月二十二日の予算委員会で、当時財務大臣答弁として、私の質問に対して、十年、二十年じゃなくて、またこんな想定外なことが起こったときにこんな悲しい切ないことがないために、極めて長期的に私は復興というものを考えるべきではないかと思っていますと述べられました。まさに私自身そのとおりと、あのとき同感した思い出がございます。
 ただ、十一月一日になりまして、参議院の本会議では、次の世代に負担を先送りせず、今を生きる世代全体で負担を分かち合うということをおっしゃっています。今回二十五年の復興債ということになりましたが、私自身は、この復興計画が逆に財源の規模で制約されてしまうということになっているのではないかと考えておりまして、その点どのようにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
#506
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 三月二十二日というと、東日本大震災の発災からまだ十日ほどという状況の中で、長いスパンで考えなければいけないと私申し上げたのは、やっぱり被災地にお住まいの皆さんの生活の問題や心の問題、感情の問題含めて、本当に復旧復興するにはそれぐらいの長いスパンで物事を考えていかなければいけないのではないかという、そういう思いからお話をさせていただいたというふうに思います。
 その後、幅広く財源は検討するということをそのときは申し上げたと思いますけれども、復興についてのいわゆる取り組んでいく期間、集中復興期間、阪神・淡路大震災を基にして被害総額を割り出して、先ほども少なくともという議論がありましたが、そういうものの、いわゆるどれぐらいのコストがこれから掛かっていくかなということを見込んで、その上でその後に財源の話をしていったということであって、別に財源が先ではなくて、これからもそうでありますけれども、事業の進捗状況を見ながら事業規模に見合った形でこれからどう対応するかということの議論もしていきたいというふうに思います。
 財源が先にありきでは決してございません。
#507
○中山恭子君 財源ありきのごとく読める政府側の対応でございますので、総理がもしそうであれば、財源は心配しないでもいいよと、その地域の復興に当たって、思い切ったその地域の回復をその地域ごとに、又は国が指導してつくり上げていくという考え方、発想の転換をしていただけたらと、そのように思っております。
 復興、今回の復興、東日本の復興というのは十年、二十年、二十五年ですか、今回、二十五年たったらまたつくり変える、そのくらいの復興でいいやというふうに思われるかと思っています、今の形では。そうではなくて、社会インフラも含めて、今後百年、更に百年以上使っても大丈夫な、そういう復興というものを考えていくべきだと考えています。
 また、今の技術ではマグニチュード九、一〇を超える地震であっても耐え得る建築技術というのがあるわけでございますので、東日本に関しては、人が住むものは全てそういう力を持ったそういう建築を造っていかなければいけないだろうと思っております。そのためには今の予算ではとてもとても賄い切れないわけでございまして、また地域が三県に、もっとでしょうかね、またがっていますので、この点についてもより大きな費用がかさんでくるだろうと思っております。
 その点について、財源ありきではないんだよということをもう一度御確認させていただきたいと思っています。
#508
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 被災された地域含めて、命を守るための真に必要なインフラ整備は、これはやっていかなければいけないと思います。そのために必要な予算措置はこれからもやっていくつもりでございます。
#509
○中山恭子君 さらに、この復興が経済に与える影響ということも大きなものがあると考えておりますし、また、災害地だけではなくて、今必要なことは日本経済を再生させるということであると思っております。
 これまでのお話では、どちらかというと財政健全化というのはもうゆるがせにできないものという扱いをされておりますが、私自身は、財政健全化が政策目的になってはいけないと思っております。そうではなくて、政策、あらゆる政策を取った結果財政の健全化ができるという、そういう発想に変えていく方が財政の健全化は早く達成できるのであろうと思っております。
 これは公共事業、三県の公共事業はもちろんですけれども、きちんとしたいい社会インフラを造り上げる、さらに全国についても今上下水道の更新期でありますし、戦後六十六年たっています、橋も道路もやり変えないといけない時期に立っていますので、こういった公共事業というのは相当の金額を使っても、これは建設国債六十年というよりも、それはもう過去の年数でございますので、今の技術からいうと百年と考えたっていいわけでございますし、場合によっては、市中引受けが難しいということであれば、その場合には日銀引受けという形も考えても決しておかしくない政策だと考えております。この政策を取ることによって、逆に財政健全化が早まるという可能性も十分ありますし、国際社会がこれでもって日本国債を……(発言する者あり)そうですね、いろんな効果が現れます。
 総理、どうぞ、一つの考え方だけではなくて、あらゆる英知を合わせていろんなシミュレーションをやっていただきたいと思っております。考え方が変わってくる可能性も十分ございますので、それを基にして政策転換、発想の転換を是非していただきたいと思っております。その点について、お考え、伺えますでしょうか。
#510
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 財政健全化の道筋の中では、まさにその成長の道をたどるというやり方も一つの方法だと思います。アイデアについては、余り狭い了見じゃなくて衆知を集める形で進めていきたいと思いますので、今後とも御指導をよろしくお願いいたします。
#511
○中山恭子君 総理、どこかで頭が固まってしまっていらっしゃるように見えるのと、それを皆さんがつじつま合わせをしようとするものですから、多分いろんなここの中で不満が出るのは、どこかに欺瞞的なものが感じ取れるという非常に困った状態になっているかと思いますので、そうではなくてやはり真っ向からいろんなものを勝負していただく方が納得しやすいと思っておりますので、どうぞ思いっ切り、総理になられたわけですから、もう思いっ切りいろんな考えを入れて政策を取っていただきたいと思っております。
 今日問題になりました法人税も、現在すぐ減税になっていませんが、世界の企業が日本にやってこよう、日本の企業が外へ出ていくのではなくて、思い切った減税をやってみるということも念頭に置いていいと思っております。減税をぱっとやって、そして景気が又は経済が確実になってくる、その方が回復し財政再建も早いと思っておりますので、あらゆることを使って経済の再生にいろんな政策を使っていただきたいと思っております。
 もし何か御意見がありましたらそれを伺って、私の質問はこれで終わりにいたします。
#512
○委員長(尾立源幸君) 時間が来ました。
#513
○中山恭子君 ありがとうございました。
#514
○委員長(尾立源幸君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。
 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。
    ─────────────
#515
○委員長(尾立源幸君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、若林健太君が委員を辞任され、その補欠として磯崎仁彦君が選任されました。
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#516
○委員長(尾立源幸君) これより両案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#517
○中西健治君 みんなの党は、所得税法等の一部を改正する法律案及び震災復興のための財源確保法案に対して反対の立場から討論をさせていただきます。
 みんなの党は、増税なき復興を訴え、徹底した歳出削減、政府保有の資産売却、特別会計における剰余金等の有効活用等を行えば十一・二兆円程度の財源は捻出することは十二分に可能であり、増税の必要など全くないと主張してまいりました。震災からの復興が遅々として進まない現在の状況に加え、急激に進む円高、欧州危機による日本経済への影響の懸念が強まっているこうした状況下で、安易な増税により財源を確保しようとする政府の姿勢は大いに問題です。
 元々は、次の世代にツケを回さないことを大義名分に五年間の臨時増税という形で国民に負担をお願いするとしていたものが、最終的には二十五年間の増税ということになりました。もはや次の世代にツケを回さないという大義名分は失われているばかりか、二十五年間掛けて十一・二兆円の財源を確保するのであれば年間四千四百億円を捻出すれば足りる話であり、九十三兆円もの規模の予算を策定している我が国においてこの程度の歳出削減ができないようでは、これから社会保障制度改革、財政健全化を進めていく中で、必要となる財源は全て増税で賄うということになりかねません。
 本法案では、復興特別税の負担軽減について、税外収入上積みと決算剰余金の活用のみを対象としており、元々復興財源に織り込まれている歳出削減項目が更に深掘りされた場合に負担軽減の対象となるということが明示されておらず、不十分な法律となっています。こうしたことでは費用削減へのインセンティブが働かず、復興基本法第七条に定められている、「復興及びこれに関連する施策以外の施策に係る予算を徹底的に見直し、当該施策に係る歳出の削減を図ること。」という条項の趣旨に反していると言わざるを得ません。
 所得税法等の一部改正についても、法人税減税の立場を取るみんなの党は、その趣旨には賛成するものの、そもそも本法案が財源確保法案に基づく増税とのパッケージの法案であり、加えて本来は財源とは無関係である納税者保護のための納税者権利憲章制定規定までもが削除されており、反対するものであります。
 本来は必要のない今回の安易な増税がそのまま安易な消費税増税への第一歩になることがないよう、これからもみんなの党は増税の前にやるべきことがあるということを引き続き訴えていくことを申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。
#518
○大門実紀史君 今回の提案法案並びに修正案について反対の討論を行います。
 まず、所得税法などの改正案及び修正案です。
 反対する第一の理由は、復興財源をみんなで負担すべきときに、事もあろうに内部留保をため込み、お金が余っている大企業向けに法人税の実効税率を引き下げることです。
 また、国税通則法の改正も問題です。修正案で原案に盛り込まれていた納税者権利憲章の制定、国税に関する国民権利を明示した目的規定を削除いたしました。結果的に、今回の改正で税務署による徴税強化だけが進む懸念が払拭できません。
 次に、復興財源確保特別措置法案並びに修正案についてです。
 復興特別税として、所得税で七・三兆円、住民税と併せ八・一兆円もの庶民増税を押し付けています。先ほど申し上げたように、特に大企業に減税をしておきながら、庶民にのみ負担を求めるもので、連帯して負担を分かち合うという政府の説明は国民を欺くものと言わざるを得ません。修正案でも増税期間が二十五年に延長されただけで、庶民に負担が一方的に押し付けられる構図は全く変わりません。
 以上の理由から、原案及び修正案に対し、反対をいたします。
#519
○委員長(尾立源幸君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより順次採決に入ります。
 まず、経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#520
○委員長(尾立源幸君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案について採決を行います。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#521
○委員長(尾立源幸君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、塚田君から発言を求められておりますので、これを許します。塚田一郎君。
#522
○塚田一郎君 私は、ただいま可決されました東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党・無所属の会及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
 一 財政投融資特別会計財政融資資金勘定の剰余金の復興財源への活用の検討に当たっては、予算編成過程において、同勘定の財務の健全性に配慮を行うこと。
 一 日本たばこ産業株式会社の株式について、政府の保有義務割合を設立時発行済株式総数の二分の一以上から発行済株式総数の三分の一超に引き下げることによる同社株式の売却に当たっては、株式市況を見極めて売却時期を慎重に判断するとともに、修正後の附則第十三条に基づき、更なる同社株式の政府保有義務の見直しの検討に当たって「たばこ事業法等に基づくたばこ関連産業への国の関与の在り方を勘案」する際には、葉たばこ農家や小売店への影響等を十分見極めること。
 一 修正後の附則第十三条に基づき、エネルギー対策特別会計に所属する株式の保有の在り方の見直しの検討に当たって「エネルギー政策の観点を踏まえ」る際には、日本の資源確保に係る権益確保、相手国の協力関係維持への影響等を十分見極めること。
 一 本法案が多年度にわたる復興債の発行を認めるものであることに鑑み、復興債の発行に当たっては、復興基本法に規定する基本理念に照らして真に東日本大震災からの復興に資する施策の経費に充てること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#523
○委員長(尾立源幸君) ただいま塚田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#524
○委員長(尾立源幸君) 多数と認めます。よって、塚田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、安住財務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。安住財務大臣。
#525
○国務大臣(安住淳君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配慮してまいりたいと思います。
 ありがとうございました。
#526
○委員長(尾立源幸君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#527
○委員長(尾立源幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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