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2011/12/08 第179回国会 参議院 参議院会議録情報 第179回国会 外交防衛委員会 第6号
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2011/12/08 第179回国会 参議院

参議院会議録情報 第179回国会 外交防衛委員会 第6号

#1
第179回国会 外交防衛委員会 第6号
平成二十三年十二月八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月七日
    辞任         補欠選任   
     山口那津男君     魚住裕一郎君
 十二月八日
    辞任         補欠選任   
     佐藤 公治君    はた ともこ君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         福山 哲郎君
    理 事
                風間 直樹君
                谷岡 郁子君
                猪口 邦子君
                佐藤 正久君
                山本 香苗君
    委 員
                一川 保夫君
                加藤 敏幸君
                北澤 俊美君
                榛葉賀津也君
               はた ともこ君
                山根 隆治君
                宇都 隆史君
                岸  信夫君
                島尻安伊子君
                山本 一太君
                山本 順三君
                魚住裕一郎君
                小熊 慎司君
                舛添 要一君
                山内 徳信君
   国務大臣
       内閣総理大臣   野田 佳彦君
       外務大臣     玄葉光一郎君
       防衛大臣     一川 保夫君
   副大臣
       外務副大臣    山根 隆治君
       経済産業副大臣  松下 忠洋君
       防衛副大臣    渡辺  周君
   大臣政務官
       防衛大臣政務官  下条 みつ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        矢嶋 定則君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       佐藤  地君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   宮川眞喜雄君
       外務省アジア大
       洋州局南部アジ
       ア部長      梅田 邦夫君
       外務省中東アフ
       リカ局長     松富 重夫君
       財務大臣官房審
       議官       門間 大吉君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      糟谷 敏秀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○原子力の平和的利用における協力のための日本
 国政府とロシア連邦政府との間の協定の締結に
 ついて承認を求めるの件(第百七十七回国会内
 閣提出、第百七十九回国会衆議院送付)
○原子力の平和的利用における協力のための日本
 国政府と大韓民国政府との間の協定の締結につ
 いて承認を求めるの件(第百七十七回国会内閣
 提出、第百七十九回国会衆議院送付)
○原子力の開発及び平和的利用における協力のた
 めの日本国政府とベトナム社会主義共和国政府
 との間の協定の締結について承認を求めるの件
 (第百七十七回国会内閣提出、第百七十九回国
 会衆議院送付)
○原子力の平和的利用における協力のための日本
 国政府とヨルダン・ハシェミット王国政府との
 間の協定の締結について承認を求めるの件(第
 百七十七回国会内閣提出、第百七十九回国会衆
 議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(福山哲郎君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、山口那津男君及び佐藤公治君が委員を辞任され、その補欠として魚住裕一郎君及びはたともこ君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(福山哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とロシア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件外三件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として外務大臣官房審議官佐藤地君外五名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(福山哲郎君) 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とロシア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、原子力の開発及び平和的利用における協力のための日本国政府とベトナム社会主義共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とヨルダン・ハシェミット王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。
 四件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 まず、内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○猪口邦子君 自民党の猪口邦子でございます。
 本日は、外交防衛委員会の原子力協定の質疑に総理大臣自ら御出席くださっています。総理、まず、御出席ありがとうございます。
 条約審議から始めたいところでございますけれども、福島原発事故の関連で、放射性物質汚染水海洋流出の問題が四日日曜日に発生しました。その上、在京外交団への通報は、六日火曜日十八時四十二分から五十五分までに、つまり、発生から二日半後ようやく行われたということでございます。
 海洋流出から二十四時間後の月曜日十五時五十六分には外交団に汚染水処理施設から漏水しているという事実は伝えたようでございますけれども、この時点では海洋汚染が起きていることは伝えていませんし、外務省は、在京大使館への連絡に先立ち、施設からの漏水が海洋流出につながっていないか政府部内に確かめる努力をしていないようでございます。また、困ったことに、外務省は在京大使館には連絡しても外務大臣には漏水の事実を連絡せず、また在京大使館に連絡した事実の報告も即時には外務大臣にはなかったと、昨日、私が調べたところで分かっております。
 早期通報条約、何度も問題であったんですけれども、これに基づきますIAEA通報も流出から丸一日以上たってからでありまして、最終的には六日火曜日十九時五十九分でございます。六日の午後といえば、本委員会ではこの原子力四協定の大臣によります趣旨説明が行われたあの午後でございます。
 事件は四日日曜日に起きているのであります。しかも、今回の海洋汚染は高濃度汚染水でございます。数量としては百五十リットル、しかし二百六十ベクレルと推定され、これは今年の四月四日から十日に低濃度の汚染水大量放出、その放射線量の実に六分の一にも及ぶものであり、しかもストロンチウムを含む汚染水、ストロンチウム、御存じのとおり、人体に取り込むともう出ないものでありまして、他方で遮蔽しやすく透過性はないという特性がありますので、対応が早ければ海洋流出の問題、最小にとどめる方法もあったかもしれません。
 総理大臣は以前は財務大臣という主要閣僚で、度々、海洋流出の、汚染水の流出の問題の話、そして早期通報の重要性など聞いてくださっているわけですけれども、そもそも総理はいつこの事実を知ったのでしょうか。私が調べたところでは、通報は四日日曜日、当日の十五時五十九分、保安院から官邸になされたということですけれども、総理自らがこの事実について知ったのはいつですか。
#7
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の汚染水の流出については、私は、五日月曜朝に海への流出の有無につき確認中であるという報告を受けています。そして、この五日の夕方に海への流出の可能性が高まった旨の報告を受け、翌六日夕方には流出推定量についての報告を受けたということでございます。
#8
○猪口邦子君 つまり、官邸への報告は、その実際の流出、これは日曜日の十一時三十分ごろに起きているんですけれども、それから少なくとも三時間後には連絡が入っている。恐らく、普通、保安院から官邸に入れるといえば秘書官に連絡がされたと思いますけれども、日曜日であっても総理には連絡が入らなかったんですか。その危険性について何か連絡はなかったのですか。もし何も日曜中に連絡がないとなれば、官邸内の連絡に不備があるのではないでしょうか。
 私は、外交というのは休まず眠らず止まらずというふうに思っておりますけれども、そのような緊張感あるんですか。近隣諸国への通報、それからIAEAへの通報、これは早期通報条約に基づくものですね、三条に基づくか二条に基づくか何度か議論させていただいたところですが、そのようなことを外務大臣が直ちに行ったのかどうか、総理自ら外務大臣に確認入れましたか。その指示されましたか。
#9
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 外務省の関係で申し上げますと、漏水の事実を受けて、五日十六時ごろに全外交団に通報を行い、また、六日十八時二十分ごろ、海洋に流出したと見られるとの東京電力の連絡を受けてから、十九時ごろにかけて近隣諸国等の在京大使館に個別に電話連絡を行うとともに、二十時半ごろに全外交団に通報を行ったということでございます。さらに、保安院においても、IAEAに対し五日と六日の二度にわたる通報を行っております。
 という形で、担当部署から官邸への情報共有といった政府内での課題や近隣諸国等との対外的な情報共有の課題がございましたが、今回、こうした課題をむしろオートマチックには運ぶという形にはなっているということは御理解いただきたいと思いますし、私から外務大臣へというよりも、事務方間においてその連絡調整は自動的に行われているということでございます。
#10
○猪口邦子君 つまり、総理大臣は外務大臣に対して、既に国会でも様々な問題が指摘された類似のテーマですから、これは四月から五月にかけて三度このような事件がありまして、それから七か月後のこの事件なんですね。まず、その事の重大性、認識されていたか。
 そして、外務大臣に自らは指示をなさっていなかったということで、事務方が連絡をようやく上げて、それで在京大使館には知らせが行ったのだからそれでよしと考えていらっしゃるんですか。それとも、今回の対応は誠に不備が多かったとお考えですか。
#11
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 直接私から外務大臣という指示ではありませんが、そういう動きについては報告を受けておりましたので、動いているという認識を持っておりました。
#12
○猪口邦子君 これは、早期通報条約という条約加盟国としての履行に関する内容を含むものであり、また近隣各国との信頼関係にもかかわることであって、総理大臣としては、自らが任命しこの分野を担当する外務大臣、そしてまた経産大臣も場合によってはIAEA通報などにかかわるかもしれませんが、そのような大臣に注意喚起するということは思い付かなかったんですか。今後もこのような対応をされるつもりでいらっしゃるんですか、もしこのような事件が万が一あった場合ですね。
#13
○内閣総理大臣(野田佳彦君) こういうケースについては国内外に早く情報提供する、そして情報を共有をしていただく、そのためには迅速に適切に対応するということは、これはもうこれまで何度も委員からも御指摘のあったとおり、確認をしてきております。それを踏まえて、いわゆるオートマチックに動いているということを承知をしておりましたので、個別にあえて指示をするということはございませんでした。
#14
○猪口邦子君 総理、今の私の質問を聞いていただき、誠にそのような対応ではまずいんだということをどうか理解していただけませんでしょうか。総理大臣でいらっしゃるので、そして、保安院から官邸への連絡は、度重なる国会質疑の成果か、非常に早かったんですから、それを、そもそも秘書官からもっと早く上げてもらい、自分が分かった段階では担当閣僚に必要な対応をするようにという指示を出すべきだったと思います。是非そのような心構えでやっていただきたいと思いますが。
 外務大臣は、この在京外交団への連絡が事務的になされたという事実、またこの早期通報条約のことなど、連絡が行ったという事実、これを事前に報告受けていますか。外務大臣はそもそも、これを知ったのはいつなんですか。
#15
○国務大臣(玄葉光一郎君) 猪口先生がおっしゃるように、いわゆる様々な事案について、外交・安全保障休まず止まらず眠らずと、そういうことで、私には様々な情報あるいは報告が入ります。
 今回の場合は、事実関係を申し上げれば、五日及び六日、外交団への通報を行いますということを書面で私のところに報告があったというのが事実関係でございます。
#16
○猪口邦子君 その書面はいつ届きましたか。
#17
○国務大臣(玄葉光一郎君) それは、そのまま書面でいただきました。
#18
○猪口邦子君 それはいつ。その書面はいつ。
#19
○国務大臣(玄葉光一郎君) それぞれ五日と六日でございます。
#20
○猪口邦子君 やはり大臣は省内をもう少し掌握するべきではないかと思いますし、外務大臣が知らないところで在京大使の方が先に分かっているというようなことが万が一にもあっては絶対ならないわけですから、そのことをこの事例から強く認識してください。
 それから、外務大臣としては、総理との情報格差があるということをここで認識できたと思います。そして、外務大臣自ら、総理との情報格差を自ら小さくしていただけるよう、そのような努力をする必要があるということでありますし、総理は総理大臣として担当の大臣に的確な指示を迅速に、特に外交問題ではやる必要があるということをお伝えしておきます。
 やはり、全般的なガバナンス、緩慢さ、そして対外連絡が遅れる、これは何度類似のことで指摘しても改善が見られないということは、もう誠に残念であります。
 それでは、原子力四協定のことですが、まず私が指摘したいのは、これは二国間条約であり、我が国と相手国の署名者が地位が一致していないということの問題意識を問います。
 総理も外務大臣も御存じのとおり、一般に外交におきましては、主権国家平等の原則から演繹される慣習としまして、対応レベルの地位や格の一致に気遣うものであります。
 例えば、日本・ベトナム原子力協定、二〇一一年一月二十日にこれは署名されていますけれども、日本側が大使ですね、これはハノイで署名されていますから。それで、相手側が副大臣の署名であります。なぜ相手は大臣でないのか。相手の国の中でやっているんですね。こちら側は天皇陛下の認証官である特命全権大使、先方は、担当は科学技術省であれば外務大臣である必要はないですが、その大臣である必要があると。副大臣レベルで署名を通常この国は行っているんだというような回答が、私が外務省に問い合わせたらあったんですけれども、それではベトナムは、ロシア、中国、韓国、フランスなどと協定済みなんですけれども、いずれも副大臣なのか、そういうことを外務大臣は聞きましたか。調べましたか。この条約審議に際しまして、そのような指摘がされているにもかかわらず、十分にその情報を把握していますか。
 そもそも、こういう統一性が取れていない、格が一致していないということは大きな問題であると思いますが、総理、この問題について、今の私の指摘、どう受け止めますか。
 そして、続けて、今度日本で署名するときですよ、日本で署名するときはどうなっているか。これは日韓原子力協定ですね。これは、日本側は外務大臣、前原外務大臣が署名者です。そして、相手国は、これはその在京大使、韓国大使と。これが普通の形ですね。ところが、外国でやるときは相手が大臣であることを求めていないと。私は、こういうのが負けの外交姿勢だと思いますよ。詰めが甘い。日本は、主権国家平等の原則との関係でぎりぎりと外交についてきちっと詰めていく、こういうところが十分でないと。
 総理は今の話についてどう思われますか。そして、今後、外務大臣に対して、きちっとこういうことは我々の立場がそのようなことにならないようやりなさいという指示をされますか。
#21
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 条約への署名というのは、外務大臣、そして外交使節団の長、これ大使でございますね、又は国の権限のある当局から署名委任状の発給を受けた者等によって行われます。個々の条約において、具体的に誰が署名するかはその国の判断によっています。例えば、今回の原子力協定に関していえば、ヨルダンは閣僚級の原子力委員会委員長、韓国は駐日大使、ベトナムは協定を所管する科学技術省副大臣による署名となっています。
 今、日韓のお話もございましたけれども、このように、外務大臣、外交使節団の長、そして国の権限のある当局からの署名委任状の発給を受けた者などによって行われることはまさにこれ通例でございますので、我が方が外務大臣、先方が駐日大使、また我が方が大使、先方が外務大臣、双方の署名者となることは通例の範囲であり、問題があるとは認識をしていません。
#22
○猪口邦子君 いや、総理、ちゃんと私の話を聞いてくださいよ。今総理がおっしゃったのはそうなんですけれども、ベトナムでのこの署名は相手は副大臣なんですよ、これでいいんですかと。だから、ここが、格が一致していないということを指摘したんですね。東京でやるときは、我が方が外務大臣で向こうが大使、全権大使ですね。ところが、ベトナムはそうなっていないから地位の不一致があるでしょうと、こういうことはやはり主権平等の原則からしてまずいんじゃないですかという指摘なんで、時間もないのできちっと答えてください。
#23
○内閣総理大臣(野田佳彦君) だから、先ほど申し上げたとおり、外務大臣か、それか外交使節団の長か、国の権限のある当局から署名委任状の発給を受けた者でありますので、それが相手が副大臣ということでございますけれども、それはその国の判断によるものだと思います。
#24
○猪口邦子君 いや、そこがやはり甘いんじゃないですか。それは、例えばその国の政府の責任者、多分大臣が、じゃ副大臣が署名しなさいと言ったらそれでいいという考えですか。それは少し違うと思いますので、総理としてよく考えていただき、またこの話を外務大臣、よく聞いていていただき、こういうことに余り譲らない、何で大臣が署名しないのかということをそもそも言ったのかどうか、そういう外交ができているのかどうか、そこを私は非常に疑いを持つのであります、懸念を持つのであります。是非、改善してください。
 総理にせっかくですから伺いたいんですけれども、閣僚を任命するとき、どういう注意事項を言うんですか。リーダーというときには、リードという意味の中に教育や指導をするというものもあるんですけれども、何といいますか、初入閣の大臣、あるいは熟練必ずしもしていないかもしれないと思われる場合においては、総理がきちっと言わなきゃ駄目ですね。こういうことは気を付けるようにとか、いろいろなことですね。
 私、自分のことで思い出しますと、小泉総理のときでしたけれども、小泉総理は私にいろいろな注意が最初にありまして、その中で、大臣にはオフレコというものはないんだと、そういうふうにはっきり言われました。全てはオンレコであるという覚悟と緊張で発言すると。そういうことであっても、かなり自分の持ち味を出していい交流が報道機関の皆さんとはできるんですよと、こういう指導がありました。
 そもそも総理は、任命責任が問われていますけれども、沖縄防衛局長の発言と、そして防衛大臣についての任命責任が問われていますけれども、その指導責任もあって、きちっとした指導がなされていないということを思います。御意見は。
#25
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、閣僚を決めて、そして官邸に呼び込む際には、これはもう一般的なことでありますけれども、指示書をお渡しをしまして、それぞれの役割について自分からお話をしながら、御説明をしながらやってほしいことをお願いをいたします。その後も、もちろんこれは様々なレベルで意見交換をしたり、決して私よりも政治経験が浅い方ばかりではなくて先輩たちもいますので、逆に御相談にあずかることもございます。そういういろんな意見交換は、あるいは要請や、あるいはまた指示も含めて、そういうことはやっているつもりでございます。
#26
○猪口邦子君 やはり、総理大臣は総理大臣でいらっしゃるから、大臣教育をきちっとされればこのようないろいろな舌禍なども防げた可能性があります。任命責任のみでなく監督指導責任、これが欠落していたと思います。
 それでは、原子力災害について、私は、国内的な課題、対外的な課題、両方あるんですね。今回の原子力四協定については、一体、対外的な対応の全体ビジョンはそもそも存在するのか。そして、それは、もし存在するのであれば、今回の四原子力協定はどのようなその中での位置付けなのかというのがまさに問われるんだと思うんです。全体ビジョンが不在でも課題が出てくればピースミール、断片的に対応するというのが、これが官僚主導の外交の典型なので、政治には、全体を構築して、個別の課題が全体の中のどこに位置付けられるのかということを示して遂行させると。
 この委員会及び予算委員会でも度々、例えばチェルノブイリの後は、旧ソ連の時代でしたけれども、早期通報条約と相互援助条約など二つの条約をきちっと採択して国際法の構築に貢献しているんですね、少なくとも事後的な処理として。ですから、今回、早期通報条約も相互援助条約も使い勝手が悪いということが分かったんだから、改正議定書などを出す、例えばですね。あるいは、相互援助条約を改定して、特別協定方式による、原子力事故の場合いろいろと協力できるようにしていく。
 そういう全体のビジョンを考えて、その中にこの原子力四条約を位置付けるというような努力がなく、ピースミールにこうして出てきて私たちは審議しなければならないという感じなんですけれども、その全体ビジョンあるんですか。国内的にはあると思いますが、対外的には。総理に伺います。
#27
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 基本的な考えは、今回の原発の事故のいわゆる教訓、経験、知見というものを国際社会と共有をして、そして原子力の国際的な安全の向上に資するということが基本的な理念として持たなければいけないと思います。
 その上で、こうしたお話を先般の九月のニューヨークにおける国連総会のハイレベル会合でも申し上げましたし、加えて、来年、我が国でIAEAと共催の国際会議を開催をし、原子力安全の取組等を国際社会と共有する考えを表明をしたところでございますし、来年の春に行われるソウルにおいて開催予定の核セキュリティ・サミットの機会もとらえ、こういう我が国の経験等をしっかりとお伝えをしていくということをやっていきたいと思います。
#28
○猪口邦子君 ここで終わりますけれども、誠に不十分。ソウルの会議はなぜ東京が取れなかったんですかというようなこともあります、核セキュリティ・サミットですね。
 そして、全体の構築がないまま個別のことをこうしてやるというところに多くの国民の不安があることをお伝えして、私の質疑を終わります。
#29
○佐藤正久君 まず、総理に普天間移設について質問します。
 総理は一川防衛大臣の続投を表明、ということは、一川大臣に環境影響評価を提出させるお考えか、それとも新しい防衛大臣に評価書を提出することもあり得るのか、お答えください。
#30
○内閣総理大臣(野田佳彦君) この度の前沖縄防衛局長の発言は極めて不適切であり、そのことは沖縄県民の感情を大きく傷つけました。深くおわびを申し上げなければなりません。当然のことながら監督責任は一川大臣にもあると思いますけれども、一川大臣には、より襟を正して、これからやらなければいけない職務をしっかりと果たしていただきたいと考えております。
#31
○佐藤正久君 総理、一川大臣で本当に環境影響評価を出せると思いますか。度重なる舌禍、防衛省の上から目線の沖縄対応、しまいには、私は致命的なミスをしていないとまで防衛大臣は開き直って、ついに辺野古を抱える名護市長までが防衛大臣の辞任を要求しているんですよ。
 これ、一川大臣の下で本当に環境影響評価を出せるとお思いですか。
#32
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 大臣が沖縄に行かれて、知事そして県議会の議長様始め多くの方におわびをしてまいりました。これからもそういう気持ちで襟を正して、御理解をいただけるように頑張っていきたいというふうに思いますし、加えて、環境影響評価書については年内に提出をする準備をしていきたいと考えております。
#33
○佐藤正久君 総理はずっと逃げているんですよ。明確に言わないから、結局現場の指揮官が迷ってしまう。総理、沖縄を軽く見過ぎですよ。全然違いますよ、今どんなことが起きているのか。こんな大きな反発の中で評価書を沖縄に押し付けたら、まさに平成の琉球処分だと、沖縄の大きなマグマが爆発しますよ。こんな状況の中で絶対無理ですよ。
 実際、この六日までに沖縄県議会を始め七つの市町村で大臣の責任追及、辞任あるいは評価書の提出反対決議がなされている、この動きがどんどん広がっているんですよ。罷免が遅くなれば遅くなるほど市町村での反対決議が広がっていく。しまいには四十一市町村全部いきますよ。これが遅くなればなるほどまさに環境が悪くなっていく。野田総理が一川大臣の下で環境影響評価を出したら、まさに沖縄との全面対決ですよ。一川大臣の大臣としての職責を果たそうとすればするほど、これは日本の国益を害する。結果的に環境影響評価を出したことが普天間の推進に大きなマイナス要因になってしまう。
 党内融和というものを優先するよりも国益を優先すべきですよ。沖縄との信頼関係、アメリカとの関係、日本の安全保障を優先すべきですよ。総理の覚悟をお伺いします。
#34
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国益、日本の安全保障、そして沖縄の負担軽減含めて総合的に判断をしていきたいというふうに思いますけれども、決して党内融和を優先しているわけではございません。
#35
○佐藤正久君 総理、全然沖縄の雰囲気分かっていない。沖縄は、前防衛局長よりも、今、一川防衛大臣が大きな障害となっているんですよ。局長じゃないんですよ、レベルはもう。防衛大臣の方が焦点なんですよ。国益をやっぱり害しているということがあるんですよ。本当にこのままだと大変なことになりますよ。
 防衛大臣、防衛大臣は前回のこの委員会で、環境影響評価書を出す前に局長の発言の事実内容を確認し、そして適正な処分を行うと明言されました。その考えにお変わりありませんか。
#36
○国務大臣(一川保夫君) 今回の前沖縄防衛局長の発言、大変な影響を及ぼしているということに鑑みまして、我々は今法令にのっとって、しっかりと厳格にその手続を取りながら最終的な処分を決めたいと、そのように思っております。
#37
○佐藤正久君 今処分を検討中ということですけれども、じゃ、そもそも自衛隊法における懲戒処分、大臣分かっているんですか、どんな種類があるんですか、お答えください。
#38
○国務大臣(一川保夫君) この処分の形態は七つか八つかぐらいに分かれていると思いますけれども、そういう面では本当に、幾つかの段階に応じての事実関係に応じた処分の仕方というのは法律上いろんな手続があろうかと思いますから、私たちは厳格にその手続を踏まえていきたいということで、若干の時間を要することは先生にも御理解をしていただきたいと、そのように思っております。
#39
○佐藤正久君 今メモが入ったようですけれども、情けないですよ。本当に少女暴行事件の中身も知らず局長を更迭する。そしてまた、懲戒処分の内容も種類もよく分からないまま今度は懲戒処分を厳正にやる。全然大臣としての覚悟、思いが伝わらない。全てそうなんですよ、大臣は。やるやると言いながらも、心がないから、自覚がないから、中身を勉強しないんですよ。懲戒処分を厳正にやるなら、懲戒処分はどういうものがあって、これはどういうものか、これだけ大事な問題なのに全く分かっていない。
 総理、こういう状況なんですよ。だから、今防衛省の中も士気が物すごい下がっている。国益上、やっぱり大臣をここで罷免すべきだと、それが総理大臣としての私は今一番大事なことだと思います。最後に総理にお伺いします。
#40
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自衛隊法の懲戒処分の内容を大臣が知らないという前提の今お話でございますが、政務三役の中でその在り方を今しっかり議論をしていることで、大臣が知らないということはあり得ないというふうに思っております。私は引き続き職務を遂行してほしいと考えております。
#41
○委員長(福山哲郎君) もう時間でございます。
#42
○佐藤正久君 しっかりこの問題、日本の国益を考えて判断をお願いします。終わります。
#43
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。野田総理、よろしくお願いいたします。
 今、三・一一の原発事故を受けて、エネルギー政策を白紙から見直す作業が進んでおります。なぜ、その最中に、原発輸出につながる原子力協定の締結を急ぐ必要性があるんでしょうか。
#44
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 我が国で、福島の事故の検証等を今政府の中で、あるいは国会の中でもしていただくことになっております。それを踏まえて、どういう形で原子力の安全確保あるいは国際貢献ができるかということをこれから来年までに、なるべく早い段階に取りまとめていきたいと思いますが、一方で、こういう我が国の現状を踏まえて、それでもなお日本の技術協力が欲しいという国もございます。
 加えて、今回の承認を求めている案件については、相手国において国内手続も完了をしています。我が国の今の状況、取組を御説明をしながら、さらに、法的な枠組みとしてこういう形で安全性を確保しながら、どうしても我が国の協力が欲しいというところについては、個別にその意義を考えた上で判断をさせていただきました。
 それぞれの各国の原子力政策であるとか、あるいは核不拡散、平和利用、こういうことを担保できるか等々を踏まえての総合的な判断をしたところでございます。
#45
○山本香苗君 答えになっていないと思います。
 今、いまだに原発事故は収束をしていないんです、検証作業も終わっていないんです。この段階で、なぜ海外に安全な原発だと、世界最高水準の安全性を有する原発だと言えるんでしょうか。具体的な根拠を示していただきたいと思います。
#46
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 我が国は、核兵器を保有せずに原子力の平和利用を行ってまいりました。元々、この事故の起こる前から、その技術の水準の高さには、これは国際的な評価があったと思います。
 なお、我が国は、この事故を契機に脱原発依存という形で原子力に依存をしない社会をつくっていこうという、そういうことも国の姿勢としてお示しをしている中で、そうはいっても、例えばドイツは脱原発にかじを切りましたけれども、国際社会の中では、更に原子力、原発を造っていこうという国々がある。これはそれぞれのエネルギー政策であります。そのそれぞれのエネルギー政策の中で、我が国の今の現状とか取組とか教訓とか反省も踏まえて、なお協力をしてほしいという国があるというならば、それは、我々のできることをするということは国際的な原子力安全の向上に資することになるというふうに考えております。
#47
○山本香苗君 全く理解できません。
 三・一一の事故以降にその信頼が揺らいでいないとおっしゃっていながら、国内においては脱原発依存を進めると昨日の決算委員会でもおっしゃっています。他方、求められれば海外への原子力協力については推進すると。これはダブルスタンダードじゃないんですか。
#48
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私どものスタンダードは、この事故の教訓、経験を生かしていくということ、国際社会と共有すること。そして、我が国は、これは脱原発依存、原発に依存をしない社会にしていく。再生可能エネルギーであるとか省エネへの取組とか等を含めて、国民の安心ができるエネルギーのベストミックスをつくっていくというのが、これがスタンダードです。
 そういうスタンダードを持っている国でありますけれども、なお我が国が有する技術等について是非協力をしてほしいという国があるならば、さっき言った幾つかの視点、それぞれの国のエネルギーの政策、原子力政策、核不拡散、平和利用等々の観点等から総合的に判断をするということで、スタンダードは一つであります。
#49
○山本香苗君 今月の六日の日に、トルコのアリ・ババジャン副首相とお会いしました。その前日の五日の日には、野田総理以下、玄葉大臣も、また官房長官も財務大臣も経済産業大臣もお会いされて、有意義な話ができたとババジャン副首相もおっしゃっていました。
 その際に、この原子力協力の話にもなりました。ババジャン副首相の方からはこのように言われました。日本においては、三・一一以降、原発事故以降、国内における原子力政策と海外への原発輸出とは一線を画しているようだが、異なるようだが、だけども我々は日本の技術を信じているとおっしゃっていました。トルコにおけます厳しいエネルギー事情を背に、もうリスクを取ってでもと、そういう話もあったわけです。トルコのみならず、本日審議の対象となっておりますベトナムやジョルダンにおいても、三・一一の事故以降も我が国の原子力技術に高い信頼を置いております。こうした国々の期待に我が国はどうこたえるべきなのかと。
 先ほど来の総理の答弁を伺っておりますと、そういうふうに求められるから、だから締結を急ぐんだというような御答弁が続いておりますが、私はそうじゃないと思うんです。我が国がやるべきことは、まず何よりも今のこの福島におけます原発事故を収束させて、そして事故の原因が何だったのか徹底的に検証して、そしてその教訓を最大限生かした体制をつくり上げること、これが私はまず最初に必要なことだと思います。決して、国内で使わないもの、使えないものを海外へ出すと、そのような、ダブルスタンダードというようなそしりを受けかねない形で原子力協定の締結を急ぐべきではないと私は重ね重ね申し上げたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
#50
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今の委員の御指摘、ほとんどは認識共有できます。例えば、事故の収束を急がなければいけない。これについては、ロードマップにのっとってステップ2、冷温停止状態に、何とか年内に実現をしたいと思っています。これ大前提になります。加えて、事故の検証も、これしっかりやるということです。今までの取組もありますけど、検証した後にやらなければいけないこともありますし、そういうことはきちっと情報は国際社会と共有をしていくことが、これはまさに原子力の安全向上につながると思います。
 その上で、先ほど来申し上げたとおり、個別の案件については各国の原子力の政策等々を踏まえながら協力ができるものは協力をする。ただしこれは、先ほど申し上げたとおり、我が国は脱原子力依存という、そういう国づくりをこれから目指していくわけでございますので、むやみやたらと無原則に輸出をするとかあるいは営業を掛けるという話ではございません。
#51
○山本香苗君 では、脱原発依存というのを、国内で最大限脱原発依存を進めていくとおっしゃっていると、海外への原子力協力の推進、がんがんやるとは言わないけどまあ続けていくと、これは両立できるものなんでしょうか。
#52
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 両立といいますか、だからスタンダードはさっき申し上げたとおりです。国内の政策はこういうことであると、こういう教訓があるということはお示しをしながら、なおかつ協力を求める国があるならばそれに対する対応は個別に考えるということであります。
#53
○山本香苗君 私は決して、求められればと、その信頼してくれているこの国際的な信頼関係をないがしろにしていいと言っているわけではないんです。それにこたえる必要がないとも申し上げておりません。だけども、これだけ大きな事故を起こしたんです。起こしてしまったわけです。いろんな影響を、海外に対して御迷惑をお掛けしたわけです。であれば、原子力政策において、総理はスタンダードは一つだと、一つなんだとおっしゃいましたけども、国内と海外を使い分けるようなダブルスタンダードは絶対にあってはならないと思います。そんなことをすれば、それこそ我が国が今まで一生懸命培ってきた信頼というものが失墜します。
 事故も収束していない、検証も終わっていない、原子力政策の我が国の国内における見直しも進んでいない、国際協力の在り方というものもまだ定まっていない、そういう中でこの原子力協定の締結を急ぐことは時期尚早だと申し上げておきたいと思います。
 ところで、済みません、あと二分で、通告しておりませんでしたけれども、一点最後に総理にお伺いしたいんですが、福島県がIAEAに対してIAEAの研究機能を福島県に誘致したいという要請をしているということは、総理、御存じですか。
#54
○内閣総理大臣(野田佳彦君) そういう御意向があるということは私も承知をしております。
#55
○山本香苗君 十一月二十九日の当委員会で、この福島県の提案を我が国政府の要請としてIAEAに正式に要請して加盟国に積極的に働きかけるべきだと申し上げたら、横にいらっしゃる玄葉大臣は非常に前向きな御提案をいただいたとおっしゃっていただいておりますが、総理の御見解はいかがでしょうか。
#56
○内閣総理大臣(野田佳彦君) クリアしなければいけない条件とか多分いろいろあるんだろうと思いますが、基本的には大切な検討課題だと受け止めさせていただきたいと思います。
#57
○山本香苗君 検討課題だとか無難な答弁で終わるのではなくて、まさにこのIAEAを福島県に持ってくると、それによって事故収束並びにそれ以降の長い年月の中でしっかりとした、日本がこの問題に取り組んでいくんだという姿勢を示すことになるわけです。
 是非、日本政府の要請として、福島県の要請としてという形じゃなくて、日本政府の要請としてIAEAにしっかりと働きかけをやっていただくということをお約束いただけないでしょうか。
#58
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 福島県の御希望、そして今の委員の御指摘を重く受け止めて対応したいと思います。
#59
○山本香苗君 終わります。
#60
○舛添要一君 今日は、これからの日本、そして世界の原子力政策どうするかという大きな問題について総理と御議論をいたしたいと思っております。
 私は、ずっと原子力政策そして原子力発電、かかわってきた者として、今回の原発事故を大変重く受け止めております。そういう中で、やはり使用済みの核燃料の管理、それから放射性廃棄物の管理、これがもう今の福島の状況を見ても非常に大きな問題なんです。
 これからの方向として、我々は何とかこの核燃料サイクルを確立して、使えるエネルギーは、プルトニウム、使っていきたいという方向で出してきましたけど、そういうことはやめて、ワンススルーという形でもうすぐ処理してしまうと、こういう方策もあるわけです。イギリスなんかは最近そっちの方向に傾いているようですが、これはもう本当に議論しないといけない大問題だと思いますが、今、総理の御認識はいかがでしょうか。
#61
○内閣総理大臣(野田佳彦君) もう釈迦に説法かもしれませんが、これまでは平成十七年にまとめた原子力の政策大綱によって、ワンススルーではなくてウラン、プルトニウムの有効利用をしようという方針でこれまで来たというふうに思います。思いますけれども、今イギリス等の事例もございましたが、諸外国の動向もよく見なければいけませんけれども、来年の夏までに基本的な原子力の政策の在り方、根本的な見直しをして一定の方向を出そうと思っています。核燃料サイクルについても同様でございまして、ワンススルーの可能性も含めて検討させていただきたいというふうに思います。
#62
○舛添要一君 プルサーマル、現に進めていますし、それからMOX燃料、これは海外にも依存しているわけです。それから、何よりも「もんじゅ」、これを廃炉にするのかどうなのかと、こういう問題もあります。ただ、私は、熱核融合を含めて、こういう最先端の研究というのは、やはり科学技術、バイプロダクトがありますから、進めるべきだと思っているんです。ただ、それを実用化するときにコストとかなんとかいろいろな問題が起きる。
 だから、大型技術について、昔でいうとアポロ計画のようなものなんですけれども、このまたプラスもあるので、そこは是非慎重にお考え願いたいというふうに思いますし、これは日本のためだけじゃなくて、日本が幾ら方向転換したって発展途上国どんどんやっていけば問題になるので、ちょっとその点についてはどういうふうにお考えか、お願いします。
#63
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今御指摘いただいた核融合であるとか、核燃料サイクルの新しい技術とかというものを模索するという一つの方法もあると思います。それは科学技術の進歩にもつながる話ですが、委員御指摘のとおり、コストの問題も含めてどういうことができるかだと思います。
 それについても、来年、エネルギーの基本的な政策、核燃料サイクルの在り方も含めて議論する中で、今御指摘いただいた議論も集約をしていきたいと考えております。
#64
○舛添要一君 中間貯蔵施設、これは玄葉さんの地元でもある福島県でそういう議論もあります。六ケ所の既に施設もありますけれども、ただ、その核燃料サイクルが仮に確立したにしても、要するに物を燃やすわけですから灰は出るわけですね。その灰を有効に活用しようというのが、これはだからプルサーマルであるとか「もんじゅ」であるわけですけど、いずれにしても灰が出る。だから、俗にこういう言い方をされますね、原子力発電所というのはトイレのないマンションみたいなものだと。だから、トイレをどうするんだ、分かりやすく言えば。
 このバックエンドの問題をどうするかというのは日本だけの問題じゃありません。総理も外務大臣も私も死んでしまった後、それから更に何百年、何万年たたないと半減期が終わらないというような放射性の元素があるわけですから。
 そういう中で、国際的に見たとき、私はもうずっと前からの持論は、例えばシベリア、人が住めません。そういう凍土の下に使用済みの核燃料の廃棄物、これを貯蔵する、こういう施設を国際的に造るというのは一つのアイデアだろうというふうに思って、八年前の平成十五年の六月十日のこの参議院外交防衛委員会で私はそういう問題提起をこの国会でもやって、それはその前からそういう持論なんでありますけど、今回のロシアとの原子力協定について、まあよその国ともそうですが、この問題については触れてないんですね。平和利用とか技術協力は触れています。
 非常に微妙な問題ではあるんですけれども、私はやっぱり国際協力の一環としてこの使用済核燃料の管理の国際化、ツンドラの下に置くというのは私のアイデアですけれども、例えばそういうことについて、あれだけの大事故が起こったわけですから、日本がイニシアティブを取って、総理がリーダーシップ取られて諸外国とお話ししていただく。それは外務大臣も外交の場でそういうことを人類全体の長期的課題としてやっていくということが必要で、それがなければ、今後とも今までのような原子力政策を続けていくということに対して、日本のみならず世界の人々の要するに同意が得られないんじゃないかと、そういうふうに思っておりますので、このバックエンドの話はきちんとやる必要がある。
 みんな逃げてきたんですよ。先送りにしてきたんです、何とかなる。年金記録と同じで、みんな先送りしてきてツケが回ってきた。だけど、そろそろこの福島の事故を受けて我々がイニシアティブを取るべきだと、時期が来ていると思いますが、総理の御見解をお伺いいたします。
#65
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 舛添さん御指摘のとおり、このバックエンドの話は今回の日ロの協定には入ってないんですよね、ウラン濃縮サービス等々、あるいは平和利用等についてはかかわりますが。まさに原子力政策これからどうするか、エネルギー政策どうするかといったときに、このバックエンドの議論はもう避けて通れないと思うんです。
 ただ、国際的な管理、例えばシベリアの中にどうのという話があったときに、やっぱりどうしても核セキュリティー等々エネルギー安全保障という点からもよく考えなければいけない。輸送をどうするかということも含めて、本当に管理できるのか、不拡散にならないのか等々の観点もあると思いますが、一つの御議論だとは思います。
 いずれにしても、エネルギー・環境会議中心に原子力政策の抜本的な見直しをしていきますが、その中で決して忘れてはならない本質的な議論として踏まえて対応していきたいというふうに思います。
#66
○舛添要一君 ちょうど私が八年前にこういう質問をこの委員会でやったときに、これは最近ある報道機関がスクープしていましたけれども、ロシアからこういう提案が実はあったんだと、それが日本の原子力委員会であるとか経済産業省の原子力関係の組織が握り潰してしまったという、その報道が正しいかどうかは分かりません。
 ただ、私はそういうこととは全く関係なく自分の持論として申し上げてきたんですけれども、是非この原子力政策については、政府から見て不利であろうが何であろうが必ず公表すると、それがなければ国民の信頼が得れないと思います。
 これまでの福島の対応を見ても、私に言わせれば遅過ぎる、それで、もうちょっと大規模にやれないか、ツーリトル・ツーレートと英語で言いますけれども。ただ、その中で、本当に十分情報が出てきたのかと。今ごろ出てきている情報もあります。先ほど猪口さんの質問にもありましたけど、情報が十分開示されていない。
 だから、是非私は、政権交代というのは前の政権がそういうことで不当に隠蔽していたことを暴くということも一つの大きな意味があるんです。そうじゃなければ、何のために政権交代したか分かりません、私は前の政権にいましたけれども。だけれども、それが政権交代の意味だと思うんで、是非、私が申し上げた八年前のこの事例も含めて、ロシアからそういうアイデアがあったんなら何で握り潰したのか、こういうことはきちんと今の政権下で検証して、そして新しい原子力政策を立案するときの糧としていただきたいと思いますが、最後に総理の御意見を賜って質問を終わります。
#67
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 結論から言えば、もう御意としか言いようがありません。沖縄密約文書等々、情報公開を進めてまいりました。政権交代の意義というのは、やっぱり情報が更に公開されるところに意義があるということは間違いございませんので、今御指摘いただいたことも含めてしっかり検証したいと思いますし、猪口さんからも厳しい御指摘をいただきましたけれども、そういう御批判も受けながら、しっかり早急に公開できるような体制にしていきたいと思います。
#68
○舛添要一君 ありがとうございました。
#69
○山内徳信君 私は、野田総理に今国会の最後の質問、最後の訴えになろうかと思います。しっかり受け止めていただきたいと思います。
 予算委員会や先ほどの佐藤委員からの質問に対しても、私はこういう答弁をするのが日本の総理なのかと思いましたからあえて申し上げますが、十二月八日は、日本がハワイの真珠湾を奇襲した、そういう歴史のある日であります。私たちは、今日十二月八日、ここで原子力協定をめぐる審議が行われておるわけでありますが、私はあえて真珠湾の奇襲の話を最初に申し上げるのは、その真珠湾攻撃をやったそのことがどれほどアメリカ国民、男性も女性も年寄りも含めて、日本を撃てと、こういうふうに総決起をさせてしまったわけです。アメリカに移民で渡っていた日本国籍のあった人々は砂漠の収容所に収容されたわけです、外務大臣もそのことはよく知っていらっしゃると思いますが。そして、日本を撃て、日本を撃てと。準備は不十分でありましたが、アメリカは一気に日本との戦争を勝ち抜くために総力戦に入ったわけです。
 そして、そのうちミッドウェーの海戦があって、そしてサイパンもテニアンも落ちた。サイパンは、そこに行っていた日本人は、みんな崖から飛び込んで海に死んでいったんです。硫黄島のあの司令官はどういう思いで死んだか。硫黄島で死んだのに、その遺骨さえ、まだ日本軍のあの兵士たちの遺骨がなぜ完全に収容されぬのか。政府はそういうものなのかと。
 そして、硫黄島が落ちて、沖縄に来ました。この前も申し上げましたように、世界の戦争の歴史で最も悲惨な戦争であったといってアメリカの従軍記者は語っておるわけです。そして、政府内でもここら辺で手を引くべきじゃないかという意見も出ましたが、最高責任者たちは、いや、もっと戦果を上げなければいかぬといって戦争を継続したわけです。
 日米合意をしたからアセスは年内に出す、年内に出すと皆さん言っております。進む勇気のある政治家は、本当に本物の政治家ならば、引く勇気も必要なんです。
 そして、申し上げますが、戦争を続けておる間に、沖縄戦や硫黄島やサイパン辺で手を引いておけば、広島、長崎に原爆投下ということは歴史上あり得なかった。広島、長崎の原爆投下をさせたのは、真珠湾攻撃のその結果、そして途中で何度もやはり手を引くチャンスがあったが引かなかった、それが広島、長崎の悲劇じゃないですか。違うと言うんだったら、歴史上のことで反論してください。
 申し上げますが、アセスを出したら、私がずっと心配して言っておるのは、日米関係の大事さ、それも共有できますよ。アジアとの関係も私は共有できるんです。したがいまして、年内に出す、年内に出すとおっしゃっていますが、出したらどうなるのか。昨日も、女性たちが何百名といってやはり集会を開いておるんです。
 ここで、本物の政治家野田総理ならば、日米合意、合意と言ってその日米合意をやった鳩山総理は、抑止力は方便であったと。これ以上の屈辱はないでしょう、沖縄から見ると。菅総理も日米合意を踏襲すると言った。そして、今の野田総理も、日米合意、合意と言って政治を大事にするのならば、国益とおっしゃるならば、沖縄県民は国民ではないのか。違いますか。沖縄県民の声さえ聞けないのが、どうして一億二千万の国民を大事にすることができるでしょうか。
 この場で、私は、評価書を出すことについては、ここで出しませんとは総理の立場、言わぬだろうが、しかし、評価書は年内に出すとおっしゃったが、これは持ち帰り検討をしたいというぐらいは言えるのではないですか。太平洋戦争の結果と同じように、全てを破壊しなければ気が済まないんですか。野田総理、一言、あなたの本物の気持ちをおっしゃってください。
#70
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、十二月本日は八日でございます。一九四一年十二月八日、真珠湾の攻撃がございました。このことを契機として、これは多くの戦闘員が亡くなっただけではなくて、沖縄も含めて多くの非戦闘員もその尊い命を失いました。そして、広島、長崎もしかりでございます。こうした反省も踏まえて、まさに世界の平和のために貢献をする日本でなくてはならないという思いを基本的には持っているということは、是非御理解をいただきたいというふうに思います。
 その上で、今、協定のお話でございますが、今の山内先生のそういう御意見も踏まえてというか、多くの沖縄の皆様が今大変政府に対して厳しい御意見、感情を持っていることは痛いほどよく分かります。一方で、普天間の移設、一刻も早くその危険性を除去しなければいけないことと併せて、沖縄の負担軽減にもつながることであるということも御理解を得るように、私としては努力をさせていただきたいと思います。
#71
○山内徳信君 そういう負担軽減とか、判こを押したような答弁をされるから、総理大臣の頭はもうコンクリートのようになっておるんです、コンクリート。なぜ柔軟な、新鮮な政治感覚を持ち合わせないのかと。どうして評価書を出すことについて、持ち帰って検討をいたしましょうと、このぐらいも言えぬのか。おっしゃってください。
#72
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 様々な厳しい御意見もちょうだいをしています。それを踏まえて、そういうことものんで、その上で年内に提出をする準備をしているということであります。
#73
○山内徳信君 準備はしておるが出さないこともあり得るという答弁はないんですか。
#74
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 環境影響評価書を提出する準備をしているということであります。
#75
○山内徳信君 準備をしておると言う。一国の総理大臣としてもう少し気持ちの通い合う、沖縄も県民も大事にせぬといかぬなという気持ちがあるならば、やはり準備はしておるが持ち帰って検討しましょうということさえも言えぬのかと県民に代わって山内は訴えておるんです。
 あと一分ありますから、お答えください。
#76
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 何度も恐縮ですが、年内に提出をする準備をしている。準備をしている段階においては、いろんな声をお聞かせをいただいているということであります。
#77
○山内徳信君 私が、進む勇気があれば引く勇気も政治家には必要ですよと。そのまま出していくんだったら、沖縄の四軍司令官のあの司令部を始め、県民は既に全ての基地を機能麻痺をさせるためにという動きに入っております、下準備に入っておりますよ。それでもいいのか。そのときに日米関係はどうなるかぐらいは見通しも付かぬのか、付かないぐらいの総理大臣なのかと、こう言っておるんですよ。
 再度聞きます。評価書は出さないとおっしゃってください。
#78
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 様々な御意見をお聞きしながら、そして様々な見通しを正確に立てながら、今準備をしていきたいと考えております。
#79
○山内徳信君 時間でございますから、終わります。
#80
○委員長(福山哲郎君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。
 引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#81
○谷岡郁子君 おはようございます。民主党の谷岡郁子でございます。
 私は、一国会議員として、与党の議員であってもその任務は政府をチェックすることだというふうに考えております。そして、この四条約についての必要な確認をここで行い、解決すべき課題というものについてはしっかりと提議をしてまいりたいと思います。その認識に立って今日は質問をさせていただきます。
 この懸案の四条約に伴う具体的なプロジェクト、それぞれの特徴をかいつまんで簡潔に教えていただきたいと思います。お願いいたします。どなたでも結構です。
#82
○副大臣(山根隆治君) それでは簡潔にお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、今回の御提案させていただきますところの原子力協定というのは、御承知のように、移転される原子力関連資機材の不拡散、平和的利用等を法的に確保するための枠組みでございまして、民間企業の商活動について決めるものではございませんが、当面協定の相手国との間で想定されるプロジェクトについて述べさせていただくということで御理解いただきたいと思うんですが。
 まず、ヨルダンにつきましては、我が国企業による原発の輸出が考えられるところであります。ロシアにつきましては、我が国企業によるロシアのウラン濃縮役務の利用が想定をされております。そして、韓国につきましては、我が国企業からの原発向け原子力関連資機材の輸出が想定をされているところでございます。そして、ベトナムにつきましては、我が国企業からの原発の輸出が想定されているということが大どころのところでございますけれども、特にロシアにつきましてはほかの協定と若干異なるところもございますので少し御説明を加えさせていただきたいと思うのですが、商業規模の再処理施設が国内には存在しなかったために、我が国の原発で生じた使用済燃料はイギリス及びフランスにおいて現状再処理をされているところでございます。我が国事業者は、英国において再処理された我が国の使用済核燃料から回収されるウランをロシアに移転して再濃縮するプロジェクトの実施を希望しているというふうに承知をいたしております。
#83
○谷岡郁子君 ただいまのこの四条約、本当は一つ一つもっと丁寧に審議をしたかったと私は感じております。
 例えば、韓国につきましては私は基本的に賛成できると思っております。シームレスの圧力がま、またその部品を作ることができるのは今日本だけであると。先ほど野田総理も述べられましたように、少しでも安全な技術を、例えば韓国のように既に原発を自ら造ることができ、また運転をしているような国にあっても、より国民の安全を守るために、より地球の環境を守るためにこのシームレスのこの部品が必要であると思われた場合には、私は日本に今あるこの技術を提供するということは何ら問題がないと思っているわけであります。ですから、この協定については私は賛成することができると自らきちんと思っておるところでございます。
 その一方で、かなり、どうなんだろうか、自らがまだ疑問を持ち、懸案事項が残っていると思わざるを得ないものがあるということをまたここで指摘をしたいと思います。
 例えばヨルダン、これについて申し上げたいと思います。
 今日、資料をお配りいたしております。この資料、点々がいっぱい付いているんですけれども、これはこの十年間にこの地域で起こった地震なんです。過去から起こった地震ではございません。たったこの十年間に起きた地震であって、ここで分かりますように、ユーラシアプレート、アフリカプレート、そしてアラビアプレートというものがここで重なり合っている、この間近にヨルダンという国はございます。この的の真ん中のように見えるのが、これが今回のサイト予定地でございます。そして、五十キロ内外のところにはアムラ城やボスラのような世界遺産があり、エルサレムまで約百キロであり、同時にこの地域にはヨルダンの半分の人口が住んでいるというふうに言われているところです。
 この地域において、今この原発の問題で最大の問題だと言われておりますのが、水の問題です。冷却水、それがなければどのようになるかというのを、私たちは福島で本当に背筋の凍る思いをしながら体験をいたしました。水がなければ、水がないがためにどうなったかということであります。その問題につきまして、次の資料を御覧いただきたいと思います。
 これは、アンマン、標高七百メートルから一千メートルのところ、ここに対して下水処理場が五百八十メートルの高さで約三十キロ向こうにございます。そして、その七キロ先ぐらいから十キロ先ぐらいが候補地であって、これは標高が六百メートルから七百メートル。この下の方には、どういう関係に標高がなっているのかということを私どもの資料として作らせていただきました。
 ここに、近くにダムがあるんですよとかつて言われたんですが、確かに西側の方に、三十キロから四十キロ離れたところにキング・タラル・ダムというのがございます。これ、標高二百十メートルです。つまり、ここのダムは水が流れ込むところがあって、水が来るところではあり得ないダムだということなんですね。そして、ここには下水処理場の水を、ろ過した水を使って揚げるというふうになっていますが、下水処理場と候補地の標高を見ていただければ、二十メートルから百二十メートル、サイトの方が高いところにあるんだと。その水はもちろん自然の力で落ちるわけがなくて、これは動力を使わないと揚げられないということであります。
 このような大きな水の問題ということについて、完全に懸念は払拭されているのでしょうか。お答えいただきたいと思います。
#84
○副大臣(山根隆治君) ヨルダンにつきましては、様々な御議論があることも承知をいたしているところでありまして、現地の視察等も行ってまいったところでございます。ヨルダンの政府におきましては、原子力の安全の確保というものを最優先にしていくということで取り組んで、計画も作られているところでございます。IAEAやアメリカの原子力規制委員会等の国際基準に基づいたプロジェクトというものを推進しているというふうに承知しているわけでありますけれども、今委員が資料をもってお示しいただき、御発言いただきました地震の問題につきましても、その耐震性ということについては特に留意をして耐震設計をするということでのお話も既に聞いているところでございます。
 そして、今御懸念のありました水の問題でございます。これにつきましては、冷却水の確保についてもいろいろと衆議院の方の御議論の中で参考人の方からもいろいろな御指摘もございました。そこで、現在のところ、ヨルダン政府の方からは、冷却水用の水源については近隣のサムラ下水処理場の処理水を利用する予定だというふうに伺っております。現在、建設が予定されている百十万キロワット級一基の原子炉に必要となる年間水量は約二千五百万立方メートルでございまして、サムラ下水処理場からは現在年間約八千万立方メートルの処理水が生産されるので、十分対応ができるというふうに伺っているところでございます。
 さらに、原発サイト内に運転用貯水池と非常用貯水池を設置する予定でございまして、下水処理場の付近にも一定量の水を確保するための貯水池を造る計画があるというふうにも聞いております。この運転用貯水池につきましては十四日間の運転継続が可能な水量を確保しまして、非常用貯水池については原子炉冷却のための安全系設備を三十日間運転可能とする水量を確保する予定であるというふうに聞いているところでございます。
#85
○谷岡郁子君 簡潔に大臣にそれではお聞きをいたします。
 もしこれら、今お聞きしております、予定でございますということがちゃんとやられなければ、これは途中でプロジェクトをストップすることも日本としてあり得るというふうに考えてよろしいでしょうか。
#86
○国務大臣(玄葉光一郎君) 政府としてもヨルダンの方に調査に行ったと。今後は、恐らく、どういう企業が、今の仮定は日本の企業が取るという仮定でということだと思いますけれども、仮にそういうケースになった場合には、当然今度は技術者がこういったことも含めてチェックをしていくということだろうと思います。
 ただ同時に、先般の、私が就任前の委員会で様々な議論があったということを重く受け止めておりますので、やはり政府としても今後、その時々において、このヨルダンの原発の建設についてよく注視をしていきたいというふうに考えております。
#87
○谷岡郁子君 一昨日、私は外務省のホームページをチェックさせていただきまして、ヨルダンの渡航状況についてどういうお考えかをチェックいたしました。その結果、十分注意するようにということが書かれておりまして、この七、八年の間に行われました様々なテロ活動、かなり怖いものがあるというふうに思いましたけれども、チェックをさせていただきました。
 例えば、この三十キロの水道管、アンマンから来るものというのは直径一メートルと、一・五メートルだそうで、パイプラインだというふうに聞いておるんですね。サイト内をいかに厳重に守りましても、この三十キロというものも含めて厳重に守らなければいけないと。
 そういう意味で、安全の問題等については本当に重々チェックをしなければなりませんし、そしてこういう、下手をすると大変な、もう人類にとっての凶器になり得るような福島の体験を見ている私たちとして、このプロジェクトをもし進めるのであるならば、本当に、先ほどの山内先生の話ではないですけれども、場合によっては、途中であってもこれが安全が確保されなければ中断させたり、そしてまたその後、それがなければ次の段階へ進まないとか、そういうことを日本政府としてちゃんと担保しておかなければいけないと思うんですが、その点については、大臣、いかがお考えですか。
#88
○副大臣(山根隆治君) 今、想定の中では二つあったかと思います。
 福島のお話がございましたので、そうした、日本の中でよく言われたところの想定外といいましょうか、かなりないろいろな突発的なところもある。これは十分想定を、今回の事故で私たちは教訓をしっかりと海外においても、ヨルダンにおいても反映をするということでの準備をするということが即必要だろうというふうに思っておりますので、あらゆることを想定をする中で対応すると、こういう姿勢が一つということでございます。
 いま一つは、安心ということでは、国内の治安状況のことも想定されての御質疑だったかというふうに思っておりますけれども、ヨルダンにつきましては、アラブの春の中にありましても国内の政治状況は比較的安定しているというふうに思っておりますし、テロ対策等の危機管理を含む原子力安全を原子力発電所建設計画における最優先の事項の一つということで位置付けておりまして、特にテロということを想定したときには陸軍でも特別治安部隊を編成するというふうに予定がされているというふうに承知をいたしておりまして、そうしたテロ対策についても十分な対応策を今練っていると、こういうふうに承知しているところでございます。
#89
○谷岡郁子君 私が先ほど聞いているのは、ヨルダンがどれだけの準備をしているかということではなくて、日本がこれに対して途中で中断し得るような、あるいはこれがなければ前へ進まないということを、そのぐらいの覚悟を持ってこの安全というものに関して注意を払っているかどうかということをお聞きしているのであります。
 それを申し上げて、これで水掛け論、それをしっかりコミットしていただけるのなら今御返事をいただきますけれども、そうでなければ次、先へ進みたいと思いますが、よろしいですか。
#90
○副大臣(山根隆治君) 御指摘の点、十分に受け止めさせていただきまして、生かしていきたいというふうに思います。
#91
○谷岡郁子君 これらのプロジェクト、そしてこれベトナムも同じように問題がありますけれども、それはもうさんざん衆議院等でも議論されていると思いますので、あえて指摘はせずに、これについてもしっかりとした対応をお願いしたいということを言いつつ、このプロジェクト、JBICの低利融資を伴う可能性が高いというふうに理解をしております。そして、この銀行の融資というのは言わば国家的に公的保証を与えると。政府の政策銀行一〇〇%融資のJBICの信用保証ということに当たって、原子力に関する安全指針というものがどうなっているのかということを私はお尋ねしたいと思います。
 例えば、世界銀行もアジア銀行も原子力物には一切手を出さないということを決めております。そして、ドイツ、オーストリア等もしかりであります。また、アメリカやイタリアは、原子力に対して、海外に対して手を出すということはあり得ても、しっかりとした安全指針を持っております。また、この安全指針というものがあっても駄目だということで、OECDはODAに関しては原子力、原発物には手を出さないということも決めているわけです。
 これぐらいやはりその安全指針そして環境等のガイドラインというものが重要になっているということの中で、このJBICの融資というものが伴う場合のこのガイドライン、安全指針というものが今どうなっているんでしょうか。
#92
○政府参考人(門間大吉君) JBIC、国際協力銀行が融資を行う際に当たりましては、金融機関として返済不能リスクを含む様々なリスクの審査を十分に行いました上で、法律の規定等に照らして融資可能と判断された場合に融資が行われることとなります。その判断の前提といたしまして、現在、経済産業省において行われます原発輸出に係る安全確認への取組、これを踏まえまして、JBICにおいて融資の審査をしっかりと行っていくこととなります。
#93
○谷岡郁子君 実は、参議院の近藤正道議員が平成二十年十月二十九日に質問主意書を出しておられます。そして、平成二十年十一月十一日に御答弁がございます。そして、この原子力というものに関してJBICが融資をする場合の安全指針というものが必要なのではないかということを言われております。その中の政府の閣議を通したお答えというのは次のとおりでございます。「JBICにおいては、プロジェクト実施主体により、プロジェクトの安全確保、事故時の対応、放射性廃棄物の管理等の情報が適切に住民に対して公開されていない場合には、貸付等を行うことのないよう、今後指針を作成することとしている。」と。この指針は今できているのでしょうか。
#94
○政府参考人(門間大吉君) まだ指針はできておりません。
#95
○谷岡郁子君 平成二十年十一月十一日のお答えでございます。三年以上たっております。そして、この間にプロジェクトは進んでおります。それが今どうしてないのかと。そういう形でプロジェクトを進めるのであるならば、また日本の国民の血税等を含めて、融資、国民の郵貯金、そういうものが使われていくような財政投融資を伴った、このお金を伴う、つまり国民自身がそのリスクを負うというようなことについて安全指針の必要性が提起され、三年前に政府自身がそれを作るとおっしゃって、いまだできていないのに、なぜこれを急がれるのか私は分かりませんけれども、この安全指針、これがなぜ作られていないかということをお聞きしたいと思います。
#96
○政府参考人(門間大吉君) 本件の安全指針につきましては、現在、政府で様々に行われています安全への確認の取組、これを十分踏まえた上で作成をしたいと思っております。そういうこともございまして、まだ現在ガイドラインはできておりません。
#97
○谷岡郁子君 今年の五月二十四日の外交防衛委員会で、私は国際賠償責任に関するIAEAに関連した条約というものに入るべきではないかということを御指摘申し上げました。二年半前から文科省の方としては三つあるチョイスのうちのこれがいいだろうということを既に出しているということも御指摘いたしました。そしてそういうものを、これは日本として責任が伴ってくる、もし万が一事故でも起きたらば、日本の製品がある意味で訴えられる可能性もあるような場合に、日本としての防護は必要であるから国際賠償というものは入っておくべきだということを御指摘申し上げました。この件について、今どうなっておりますでしょうか。
#98
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは、私が政調会長時代に、谷岡委員が私にも直接この問いを、また提起をされておられたのをよく覚えております。
 おっしゃったように、つまりはこういった条約、損害賠償に関する条約というものが作られ、そしてそれに入るということが予測可能性を高める、例えば裁判、あるいは賠償、そういったことに対して予測可能性を高める、あるいは責任の問題もそうだと思いますけれども、そういう意味で、私はこういった条約について非常に意義があるものというふうに考えて、今、鋭意検討しています。
 全て御存じだと思いますが、三系統ございますね。その三系統につきまして具体的にメリットは何なのか、デメリットは何なのかということについて検討しておりまして、できるだけ早期にこの問題の結論を出したいというふうに考えているところでございます。
#99
○谷岡郁子君 今、私は三年とか二年半とか、そういうスパンのお話を申し上げました。その一方で、今回懸案になっておりますこの四条約のうち、ベトナムは交渉を開始してからたった五か月間で終了をして、そして締結されております。ヨルダンは七か月。
 つまり、本当に必要だと思ったら、外務省にはそれだけの能力があって、急いで条約に入ることができるのではないかと。これは二国間条約と国際条約との違いはあろうかと思いますけれども、これは外務省にはそれぐらいの力があろうと私は信じておりますので、可及的速やかに、このプロジェクトが具体的になる前にこれについては検討を済ませて、急いで国際条約に入っていただきたいんですけど、その決意を大臣にお伺いいたします。
#100
○国務大臣(玄葉光一郎君) できるだけ早く整理をして結論を出したいと思っています。
 ただ、念のためでありますけれども、私たちの国にはもうさんざん勉強された原賠法がございます。実はヨルダン、ないんですね。ですから、ヨルダンに今作るようにという話をしていると。こういった国内法と条約の関係というのは、私はまさに国内法というのがまずきちっと担保されなきゃいけないというふうに思いますし、プラスアルファ、今、谷岡委員が御指摘されたようなこういった条約にも入ってもらうということをそれぞれの国がしっかり判断をしていくということで、時期を明示することは残念ながら今この段階ではできませんけれども、かなり濃密な検討をさせていただいているということは申し上げることができると思います。
#101
○谷岡郁子君 本来、このようにベトナムですとかヨルダンですとか、プロジェクトを進めるのであるならば、韓国もしかりですけれども、まずこのように自らを保護するような相互賠償の条約に日本自身が入っており、そして、例えばJBIC等の融資を行う想定でやるのであるならば、それをしっかり防護するための、またストップできるための安全指針というものがしっかり作られているということが順序としては正しいんだと私は思っているわけです。
 そして、この夏、節電のために多くの御老人方はエアコンディションを切られた、学生たちはネットを切った。そういう中で、本当に多くの人々が節約をしたい、それは福島を思い、原発に頼ってきた私たちの生活を反省する中で、大きな祈りを込めてこの節電をやったと思うんですね。その方々に、今この状況の中で、この日本の準備状態の中で、それでも今この条約を締結させなければいけないんだということをこの人々にどう説明なさるのか、大臣に伺いたいと思います。
#102
○国務大臣(玄葉光一郎君) 私たちは大変残念ながら三・一一の事故を起こしてしまったわけであります。この三・一一の事故から現時点でも得られるもの、まだ最終的な取りまとめはできていません、確かにできていません、ただ、現時点でも得られるもの、そういったものを世界と共有する、そういう責務があると思います。
 先ほど山本委員の御質問にもトルコの副首相の話が出てまいりましたけれども、私から実は働きかけをしているわけでは全くなくて、トルコの副首相から先般は、自分たちは再生可能エネルギーを実は頑張ってやりたいんだけれども、どうしても私たちの国は原発政策をやらなきゃいけない、やらなきゃいけないに当たっては、やっぱり私たちは何といっても日本を信頼しているので、期待をしているので協力してほしいと、こういう言い方でございました。
 ですから、現時点で私たちが協力できる部分について、相手国が日本にどれだけ期待と信頼を寄せてくれているか。二国間関係、そして当然ながら、先ほども野田総理もおっしゃっていましたけれども、いわゆる核不拡散の観点、相手国がどうしても原発を進めなきゃいけないというそういう事情。例えば、ヨルダンなんていうのは国内のエネルギーの自給率が四%だと、そういう事情があるということでございますので、そういったことを個別に判断をして、無制限に原発輸出をする、そういうことではなくて、個別に判断をして協力を行っていくと、そういうことではないかと。私はそのことについて、やはり基本的には意義があるし、日本としてやらなきゃいけないんだろう、そう思っております。
#103
○谷岡郁子君 通常、条約の審議というのは国民の関心をほとんどかわないものであります。しかし、この何日間か、私の事務所にも本当に多くのメール、ファクス、そして電話が掛かってきています。時期尚早ではないか、なぜ今これをやるのか、そういうものばかりで、一通とて急げというようなものはございませんでした。
 福島のこの私は最大の教訓というものは、民主、自立、そして公開という三原則がありながら、それは名ばかりになるような、そういう力を持った原子力村なるものをこの経緯の中で私たちがつくってきたことであり、そしてその御神体のような安全神話なるものがまかり通るような状況をつくった。それについては、まだまだ私たちは本当にこの解決に向けて手を付けたばかりであって、ほとんど何もなし得ていないような状況があると思います。その状況でこの条約を結ぶということが、ある意味でこれはもう過ぎたこととして、まあそれはそれとしてという形で前へ進むんだよというようなメッセージがここに込められているのではないかと多くの国民は思っております。ですからこそ、このような疑義が今出てきているのだと思います。
 それにつきまして、やはり大臣に、そういうことではないんだと、そうではなくて、これは安全の代わり、安全なもの、世界で一番安全な日本の技術を輸出するとおっしゃいましたけれども、私たちは自らの問題に今真剣に取り組んで、まだこれが始まったばかりで、この問題をしっかりやっていかなければならないということをしっかりと私は大臣に言っていただきたいと思いますし、間違っても安全の代わりに安全神話を輸出することはないのだということを言っていかなければならないわけです。ヨルダンやベトナムにヨルダン原子力村やベトナム原子力村をつくる、ヨルダンの安全神話であり、そしてベトナムの安全神話をつくるということは絶対許してはならないのです。
 そのことに対する大臣の誓いというものをお伺いしたいと思います。
#104
○国務大臣(玄葉光一郎君) すばらしい御指摘だと思います。この原子力村という存在、どう定義するかということはありますけれども、私はこの存在が、結局、原発は絶対安全であるという安全神話を、そういった土壌をつくり上げたといった側面は私は否めないというふうに認識をしています。
 したがって、安全神話を輸出するのではないと。今回も、既にIAEAに六月、そして、たしか十一月ですか、九月ですか、二十八の教訓というものを出してございます。そういった教訓を含めて提供をしていくと。こういった原子力村というか安全神話というものがむしろできないようにこの教訓を輸出していくということこそ大切だし、これからも不断にそういう努力を行っていきたいというふうに考えております。
#105
○谷岡郁子君 まだまだ解決しなければいけない懸案がたくさんあると思います。国会もそれをチェックしていかなければならないと思います。
 大臣に今の言葉を決して忘れないようにお願いを申し上げまして、私の今日の質問を終わります。
#106
○猪口邦子君 外務大臣にお伝えしたいと思います。
 私は、やはり民主党政権の共通した、テーマにかかわらず、問題は、まず説明力がない、それから法律に基づかない動きが多い、それから対応力が遅いということなんだと思っているんですね。それに今日の分野が当たらなければいいなとは思ったんですけれども、まず説明力がないということに非常に当たるんじゃないでしょうか。
 そもそもこの四原子力協定は、これは元々、原子力供給グループというのが、ニュークリア・サプライヤーズ・グループというのがあって、これは紳士協定のようなもので法的拘束力がない、かつ本日議題となっている四条約のうち二つの国はこの協定に、NSGに入っていないわけですね。このNSGは、これはいろいろな核物質関連の資機材、技術、この輸出管理を通じて核兵器の拡散を断固阻止するという、そういう国際的な不拡散レジームなんですね。これは、しかし紳士協定でしかなくて、しかしかなりきちっと運営されているものなんです。これを国際約束に格上げしていく。しかし、何というか、マルチでなかなかやりにくくて、これをバイできちっとやっていくと。しかも、このNSGに入っていない国にも広げているんだと。何でもっときちっとこの協定の意味を当局自ら説明できないのかと、私はそういうのを本当にちょっと残念に思いますよ。
 それで、特に、例えばベトナムにつきまして、これはベトナム側の濃縮と再処理禁止規定が入っていますね。これは片務的な禁止規定。ヨルダンについてもそうですけれども、ベトナムにつきましては、日本のこの協定で事実上初めて、例えばフランスとかアルゼンチンとかロシアと結んでいますけれども、二国間原子力協定、我が国との協定で初めて禁止規定をきちっと入れているんですね。それで、日本はこれは禁止されていないという片務条約なんですよ。これを交渉し得ているんですよ。そういうことの意義をどうしてもっときちっと説明できないのかということなんですね。
 それで、先ほど総理がいたときにお伝えした、向こうは副大臣、こちらが全権大使という、その格が合っていないと。向こうはハノイで署名するんだったらやっぱり大臣じゃなきゃ駄目なんじゃないかということの意味も、外務大臣は分かったと思うんですけれども、是非総理にも後にきちっと伝えておいてもらいたいと思いますが、こういう片務的な内容もあるから向こうはあえて副大臣にしたのかもしれず、そこはよく考えなければならないと。しかし、日本からすれば、こういう禁止規定をあえて入れたんだから、相手国において政治的な責任とコミットメントを示してほしいので、大臣の署名を要求するとかそういうことをやらなければ駄目なんであります。分かってください。
 ちょっともう時間も少ない、私は十分だけですので、まとめて答えてください。
 ここは、韓国とのことにつきましては、これは、核物質の濃縮二〇%以上あるいは再処理規定については、これ、あっ、以下についてね、二〇%以下のところは適用を受けるということですね、以上のところに適用を受ける。だから、二〇%以下に禁止しているという内容が相互に入っているんですけれども、しかし、大臣、朝鮮半島非核化に関する共同宣言というのがありまして、これ、一九九二年二月十九日に発効していて、この第三項に、南と北は核再処理施設とウラニウム濃縮施設を保有しないという、こういう協定で、これは今回のこの日韓の原子力協定と内容として矛盾しないか。
 私が前段で申し上げたことと、この矛盾しないかという質問にお答えください。
#107
○国務大臣(玄葉光一郎君) まず、まとめて答えてよければまとめて答えたいと思いますが、説明の補足をしていただいて、補強をしていただいて本当にありがとうございます。
 おっしゃったとおり、NSGのグループに、原子力供給国グループに入っていない二か国なんです。この二か国と二国間の協定を結ぶということは、必然的にその二か国、つまりはベトナムとヨルダン、これは日本と協定を結ぶことで事実上NSGの言わば内容について担保されていくということになる。おっしゃるとおりでございます。
 それと、もう一つは、NPTプラスという問題があって、先ほどの再処理の禁止なども同じようにそうであると、そういうおっしゃるような補強的な意味があるということでございます。
 それと、韓国の話でございますけれども、これはおっしゃるように、南北非核化宣言というのはあるんです。一九九二年の共同宣言の三番に、南と北は核再処理施設とウラニウム濃縮施設を保有しないと、こういうふうにあるんですけれども、これはやはり韓国と北朝鮮との文書ということでございますので、あくまで本協定との関係でいえば、これはやはり別の枠組みということであり、韓国が判断するべき話だろうというふうに思っています。
 日韓の原子力協定は、日韓間の原子力分野における協力に伴って生じることとなる協定の適用を受ける核物質について、二〇%以上、つまり、ウラン235が、これ、どんどんどんどん二〇%を占めると核爆弾というか、核爆弾を造れる域にだんだん達してくるということだと思いますけれども、この二〇%以上のウラン濃縮又は再処理を行おうとする場合には、不拡散の観点から、供給締約国政府の事前の同意を得ることを定めているわけでございます。
 本規定につきましては、我が国及び韓国が既にそれぞれ締約している原子力協定において二〇%以上のウラン濃縮及び再処理を事前同意制により規制する例があることや、NSGのガイドラインの関連規定等に至る議論を踏まえながら、本協定における濃縮、再処理の規制の在り方を検討した結果、日韓間で盛り込むということで一致しました。先ほどおっしゃったところは、これは基本的には別の枠組みだということだろうというふうに思います。
 ちなみに、最初の質問とも関連しますけど、ベトナム、ヨルダンは、今回の二国間協定で、二〇%以下でも濃縮しないと、そういうふうにしているということです。
#108
○猪口邦子君 やっぱりその答弁は弱いと思います。同じ国ですからね。韓国という同じ国で二国間で結んでいる、既に先にコミットをしたその国の立場があるときに、後に我が国と二国間協定を結ぶ場合に、それとの整合性についてきちっとした理解に至ったのかどうかというようなことも含めて、そこは外交でぎりぎりとやったのかもしれませんが、国民には開示されていないと。この私の質問に対するより積極的な答弁がないと、そういうことが問題として残りますよということですね。
 それから、NPTプラスとしては、そういうお言葉を使うのであれば、要はベトナムとかヨルダンに、ベトナムのところは特に追加議定書についての方向性をこの協定をもって誘導しているわけですよね。ですから、そういうことをもっと国民に説明して、だから、たまたま今までの二国間との付き合いだとか、もう既にずっとやってきたことだからとにかくやるんだとかそういう感じではなく、もっと説明力を高める必要があります。指摘しておきます。
 それで、先ほど総理とのやり取りで、汚染水の海洋放出のことですけれども、要は、大臣、十二月六日の八時半に東電のプレスリリースというのが出ているんですね。それで、外務省が結局この海洋汚染を知ったのはその十分前なんじゃないですか。それで、その後慌てて外交団に伝えていると。もちろん、五日の日の、先ほども言ったとおり、昼三時ごろに漏水していることは伝えたと思うけれども、要は海洋汚染につながっているかどうかというのが重要なことなんだけれどもということですね。これは十二月四日日曜日十一時半に起こっていることなんですよ。
 ですから、やっぱり大臣、ここで細かいことはもういいですから、先ほどの総理とのことで伝えたので、ここをちょっと分かってもらいたいんですよ。要は、まず、余りにも時間がたっているのではないか。そして、不拡散とか原子力の分野は分野として非常に大事なので、いざというときは大きな緊張感と待ったなしの即応が必要なんだから、まず大臣として、その部局にもっと目を、何というのかな、ちゃんと監督していく、そして日を当てる、みんなで関心を持っていく、そこはやはり専門家のグループだからとかそういうような認識があると、政治の関心が薄いところでは何かあってもやはり即応がうまくいかないというようなこともあるかと思う。やっぱり、これを機に大臣きちっと反省してもらいたいんですよ。やっぱり緩みがある。ガバナンスの問題があるということだと思います。
 そこで、私、本当に確認しておきたいのは、大使が知ったのとこの国の大臣が知ったのと、大使というのは外国人大使ですよ、東京にいる、どっちが早かったんですか、これ。同じぐらいの時間ですか。
#109
○国務大臣(玄葉光一郎君) もうこれ隠しても仕方がありませんから、外交団にそういう通知をしたということを私に報告があったというのが事実でございまして、ただいまの先生の御指摘については真摯に受け止めて対応していきたいというふうに思います。
#110
○猪口邦子君 では、終わります。
#111
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。
 まず最初に、日韓原子力協定についてお伺いします。
 なぜ今韓国との協定を急ぐのか、よく分かりません。韓国は、竹島問題や慰安婦問題で日本の側の意向を無視して強硬な主張を通そうとしています。朝鮮王室儀軌を一方的に渡したのに感謝もされず、韓国にある日本の文化的図書へのアクセスも制限されている。このような中、韓国の要望で我が国の最先端の原子力関連機材を渡すのは望ましい日韓関係とは言えないと思います。韓国がもっと誠意ある対応をまず示すべきだと思いますが、大臣のお考えをお伺いします。
#112
○国務大臣(玄葉光一郎君) 韓国については先ほど猪口先生から御指摘いただいたような問題はないわけでありますけれども、一言で言えば、おっしゃるように、その資機材に対するニーズが非常に高いということでございます。今、様々な問題がいろいろある中でということではありますけれども、これはやはり重層、多岐にわたる日韓関係の中でこのビジネスを進めていく、そのための平和利用、不拡散の平和的な枠組み、協定を結んでいくということにはやはり基本的な意義はあるものというふうに考えております。
#113
○佐藤正久君 十分理解はできません。いろんな問題の中の一つですから、本当に何かちゃんと我々が得るものもないと、やっぱり外交的にはおかしいということを指摘しておきたいと思います。
 次に、日・イラク関係についてお伺いします。
 来日したマリキ首相は、イラクの治安は改善し、法整備も進んでいるというふうに述べられました。そして日本企業の進出を求めました。日本も六億ドルの新たな円借款を決めました。ただ、外務省はイラクのほぼ全土で退避勧告、渡航延期の安全情報を出しております。これは非常に企業にとっては足かせになっております。もっと情勢を細部分析をして、企業ニーズを踏まえて都市や地域ごとにこの情報を見直すという考えはございませんか。
#114
○国務大臣(玄葉光一郎君) 私もマリキ首相にお会いをして、一番時間を掛けて話したのがこの治安の話であります。先方首相は、おっしゃるように、もう大丈夫なんだと、米軍が撤収したって、むしろ自分たちが治安をつかさどってきているので大丈夫だということを何度も何度もおっしゃっていました。
 ですから、今御指摘があったようなことについて、実は私たちも、将来の経済外交も含めた、ODAということも含めて展開をしておりますので、きめ細かく対応できるようにしたいというふうに思っています。
#115
○佐藤正久君 是非ともよろしくお願いします。
 次いで、普天間関係について防衛大臣にお伺いします。
 一川大臣、今、沖縄との関係で、普天間移設のために大臣自身が一番大きな障害になっている、そういう認識はございませんか。
#116
○国務大臣(一川保夫君) 今回の前防衛局長のこの発言によって大変厳しい状況になってきているということは私は重々承知いたしておりますし、この前の知事さんとのいろんな面談なり、また県議会の代表の方々との面談でもそういった感じは、沖縄県民の気持ちはもう肌身に感じてきた次第でございます。
#117
○佐藤正久君 大臣、違うんだよ。大臣自身が障害となっているんですよ。大臣の開き直り発言で名護市長も大臣の辞任要求ですよ。読谷村、この村議会の議決も大臣の辞任要求なんですよ。今、あなたが焦点なんですよ。局長じゃないんですよ。そこをしっかり分からないと、普天間なんか絶対動かないですよ。あなたが大臣のままでいることがやっぱり国益を失うということになると思います。沖縄のあなたへの反発は相当なものですよ、日々高まっていますから。
 あなたは何のために防衛大臣になったのか、沖縄との関係を壊したりアメリカとの信頼関係を壊すためになったわけじゃないでしょう。やっぱりあなたが今本当に自ら政治家として、大臣として出処進退を明らかにして身を引くということが全体がうまくいくんですよ。大臣、お辞めになる覚悟はありませんか。
#118
○国務大臣(一川保夫君) 今回のことをしっかりと教訓として受け止めさせていただいて、反省するところはしっかりと反省をしながら、防衛大臣としての職責をしっかり務めていきたいと、そのように思っております。
#119
○佐藤正久君 反省だけではもう収まらない域に達しているんですよ。沖縄の情報は上がっていないんですか、大臣のところに。私のところにはびんびん来ますよ。日に日に大臣に対する反発が高まっている。こういう反発が高まっている中で、あなたが防衛大臣として環境影響評価を沖縄に押し付けたら、これはまさに琉球処分ですよ。平成の琉球処分になってしまうんですよ。そのことが何で分からないのか。あなたが防衛大臣としている限り、実際、普天間、評価書なんか出してしまったら、これは本当に大変なことになる。もう何にも動かないですよ。
 これは本当に日本の安全保障にとっていいのか、そう考えたら、大臣、やっぱり自ら大臣の椅子に執着することなく、全体を考えて辞任、これは問責の前に自ら判断すべきだと思います。いかがでしょうか。
#120
○国務大臣(一川保夫君) 沖縄県内における、今大変厳しい状況にあるということは私もいろいろと自分なりに把握をいたしておりますけれども、先生のそういう御指摘も含めて、これまでのいろんなことについて、我々も、防衛省全体としましても、また私自身も、反省するところはしっかりと反省しながら、私に与えられた任務はしっかりと責任を持って務め上げていきたいと、そのように思っております。
#121
○佐藤正久君 大臣、全然分かっていない。反省したって駄目なんですよ。大臣がその場にいる限り、どんどん市町村の議会の決議が広がっていくんですよ。どんどん広がっていくんですよ、大臣の辞任要求と。これが普天間の移設とか沖縄との関係にどういう影響が出るのか。
 また、アメリカもフォローしているんですよ、大臣と沖縄との関係。今、アメリカ議会においては、まさに両院協議会で、グアムの予算の削減、これがもうすぐ話をされる。沖縄の反発の中で仮に評価書を出したってこれはうまく動かないと、みんな分かっていますから。大臣が環境影響評価書を出してしまったら、それはアメリカにとっては具体的な進展にならないんですよ。具体的に進展にならなかったら、本当にグアム予算はなくなっちゃうんですよ。なくなったら、これは沖縄から海兵隊が八千人、これがグアムの方に行けなくなってしまう。この事の大きさ。アメリカとの関係でも大臣が今障害となっているんですよ、大きな障害と。何でこんなことが分からないんですか。
 今本当に大事な時期なんですよ。日本の安全保障にとって非常に大事な今、環境影響評価を出す、アメリカの方は両院協議会でまさにグアムの予算を、具体的に進展がなければこれは認めないと言っているんですから。そういうときに、何でそんな大臣の椅子にこだわるんですか。全体を考えてください。
 もう一度聞きます。全体を考えて、やっぱり辞めるべきだと私は思います。沖縄の状況を見てもアメリカの状況を見ても、党内融和よりもまず政治家として、あなたが何のために政治家になったのか、何のために防衛大臣になったのか、原点に照らして、もう一度、辞めるという発言をここでやっぱりみんなに言ってくださいよ。大臣が今本当の障害なんですよ。局長の問題じゃないんですよ。もう一度お願いします。
#122
○国務大臣(一川保夫君) 何回も繰り返すようでございますけれども、私は、防衛省全体が抱えている課題なり、また我が国が抱えている防衛上の問題も含めて、全体的に考えて防衛大臣としての職責をしっかりと果たしてまいりたいと、そのように思っております。
#123
○佐藤正久君 全然分かっていないですよ。多分、今の大臣のその発言を聞いて沖縄の人もがっかりしているし、昨日の片山議員とのやり取りを聞いていても、本当にFXについてどれだけ真剣に大臣が議論しているか全然伝わってこない。
 FXも大事、この沖縄も大事。でも、本当に今、普天間大事なんですよ。外務大臣、頑張って地位協定の運用改善をやった。少し信頼関係が行くのかな、一括交付金行くのかな。その後の防衛省の局長の発言、あるいはその後の大臣の発言。事務次官が謝りに行ったのに、謝りに行ったその口で評価書を出すと言う。全然謝罪にもなっていない。そういう防衛省の上から目線とか大臣の発言がみんなおかしくしている。今本当に大事な時期なんですよ。
 それで、今、報道によると、局長を停職処分にする、自分は大臣の給与を返納する。部下がそんなに重くて大臣がそんなに、大臣の給与を返納する、こんな報道がそのとおりで、あしたそのとおりで閣議後の記者会見で発表されたら、みんな総スカンですよ。
 大臣、今日のそういう処分の報道、間違いですよね。部下が停職で自分が大臣給与返納、まさかこんなことはないですよね、大臣。
#124
○国務大臣(一川保夫君) この処分の内容は今この時点で全然我々はまだ最終的に決めておりませんから、ここで御説明するということにはできないと思いますので。
 ただ、手続上は、法令に従って、厳格な手続に従って厳粛に決めてまいりたいと、そのように思っております。
#125
○佐藤正久君 大臣御自身はどうなんですか。大臣御自身は、単に大臣給与を返納する、そんなもので済むと思いますか。大臣御自身の覚悟、考えをお聞かせください。みんなインターネットで、もう沖縄の人も見ていますから、お願いします。
#126
○国務大臣(一川保夫君) 私の最終的な対応をどうするかということも含めて近いうちにしっかりと発表したいと、そのように思っております。
 私は、いろんな責任を果たすということはいろんな果たし方があると思いますし、先ほど言いましたように、今、沖縄県はもちろん、防衛省が抱えているもろもろの課題をしっかりと責任を持って前進させるということが私の大きな責任であると、そのように思っております。
#127
○佐藤正久君 大臣、そんなずるずる引っ張れば引っ張るほど沖縄の反発が高くなる、信頼関係がなくなる。アメリカとの関係も大変ですよ。下院の方は十六日で大体もう議事を閉じるという情報もあるぐらいですから、そんな時間ないんですよ。あした、また、もしかしたら、多分でしょうけれども、国会との信頼関係もなくなるかもしれない。
 まさに今日、大臣が自ら、罷免されるんではなくて、自分から今政治家として決断をする、そういう時期なんですよ。大臣、今日しかないんです、今日しか。総理から言われるんではなくて、政治家一川さんの、政治家としてまさに今本当に日本の国益を考えて自ら判断する、ここまでみんなが思っているんですよ。もう時間がないんです。もう一度お答えをお願いします。
#128
○国務大臣(一川保夫君) 何回も本当に繰り返して恐縮でございますけれども、私は自分なりに、やはり沖縄県民の目線に立って、しっかりと懸案事項を進めるということについて誠心誠意、全力で職務に専念してまいりたいと、そのように思っております。
#129
○佐藤正久君 大臣、このままいったら、沖縄との信頼関係を壊した、アメリカとの信頼関係を壊した、国益よりも大臣の椅子に執着したという大臣として名が残ってしまいますよ。本当哀れだと思いますよ。
 あと最後に一問だけ、南スーダン関係で外務大臣に質問します。簡潔に答弁をお願いします。
 やはり、今南スーダンには大使館がありません。危機管理の観点からも、外交交渉の観点からも、臨時大使、これを任命すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#130
○国務大臣(玄葉光一郎君) どういう方法があり得るか、臨代も含めて、昨日検討の指示を出したところでございます。
#131
○佐藤正久君 これは本当大事ですから。隊員が三百名以上行く、JICAの方も行く、いろんな人がいる。やっぱり臨代、本当に必要だと思いますので、よろしくお願いします。
 以上で終わります。
#132
○山本一太君 今日は、ここまで自由民主党の筆頭理事と理事が二回ずつ質問に立っていますから、原子力協定については、私が準備した質問とほとんどかぶっているので、これは省きたいと思います。自民党は、いろんなことがありましたが、この協定に賛成をしたと。私、自民党のエネルギー政策、原子力政策を決める特命委員会の総合エネルギー政策特命委員会の委員長ですから、エネルギー政策については国益を踏まえてこれからもしっかり与野党で議論をさせていただければと思います。
 一川防衛大臣、お人柄とそれから大臣として適格かどうかというのは五〇〇%別ですから、私も心を鬼にして、今日は、大臣、最後のチャンスですから、最後通牒を突き付けたいと思います。
 日本の国益を考え、もしあなたが任命してくれた野田総理のことを思うんであれば、内閣のことを考え、ここで辞めると表明したらいかがですか。
#133
○国務大臣(一川保夫君) 先ほど来答弁させていただいておりますように、私は、大変今厳しい状況にある中でいろんな懸案事項を処理しなければならないということは承知いたしておりますけれども、それをしっかりとまた自分なりの教訓として、反省するところはしっかりと真摯に反省をしながら防衛大臣としての職責をしっかりと責任を持って務めていきたいと、そのように思っております。
#134
○山本一太君 ブータン国王夫妻のための宮中晩さん会を大臣は欠席をされて同僚議員のパーティーに行って、こっちの方が大事だとおっしゃったと。そのことについて私がここでお聞きをしたら大臣は、いやいや、予定は入っていなかったけど、どうもそのぐらいの時期にはいろんなことがあると思うから行かなかったとおっしゃった。もう最初に断っておくとおっしゃいました。
 そのぐらい政治の流れを読まれることができる大臣であれば、私どうしても分からないことがあるんですね。あした、民主党は国会を閉じようとしていると。まあこういう状況の中で国会を閉じようとしているということも私は本当にひどいことだと思いますが、大臣、参議院で一川大臣の問責は成立するんですよ。自民党、公明党はもちろん、ほとんどの野党が、あなたは大臣として不適格だと。参議院で最後通牒を突き付けるんですよ。
 あなたは、参議院議員として、参議院の問責決議案の重みというのをどうお考えでしょうか。
#135
○国務大臣(一川保夫君) 私自身も参議院議員ですから、過去にもいろんなそういう問責のことの手続があったということは承知いたしておりますし、参議院としての一つの意思表示ということでは大変重いものがあるというふうに承知いたしております。
#136
○山本一太君 大臣、あした、大臣への問責が可決される、ほとんどの野党が賛成して可決されると。その問責を受けた大臣のまま、来年一月の通常国会、開けませんよ、審議できませんよ。それでも大臣は、あした問責が通るということがほとんど確実になった現段階でも、問責が通っても防衛大臣として自分は残れると、そう思っていらっしゃるのかどうか、イエスかノーかでお答えください。
#137
○国務大臣(一川保夫君) 私は、今、国会の状況が具体的にどう動いているかということは正確には分かりませんが、私はまたその時点で、当然、自分なりの状況の中で自分の判断をしてまいりたいと、そのように思っております。
#138
○山本一太君 いや、今の発言はどういう意味ですか。その時点で自分なりの判断をするというのはどういうことなんですか。
 この時点で、問責は確実に可決するという状況になりつつあると。来年一月には、あなたたち民主党が先送りした公務員の給与の削減法案も含めて、消費税増税の準備法案を出すんでしょう。この国会審議にも物すごく影響があって、しかも、佐藤委員からも何回もありました、あなたの下で、沖縄の方々はあなたとは交渉できないと思っているんです。名護市長はあなたに辞めてほしいと言っているんです。
 こういう状況の中で、大臣、今こうおっしゃいましたね、その状況によって判断するというのはどういうことなんでしょうか。今の段階で大臣が辞めないということは、問責が成立しようが、いや沖縄の方々が怒ろうが、あなたは大臣にとどまる方が国益に資すると、そういう自信があるから言っているんじゃないでしょうか。今の、どういう意味ですか、状況によって判断するというのは。
#139
○国務大臣(一川保夫君) 先生は何か一方的に断定するような、決め付けたような言い方で質問されておりますけれども、私は国会の状況そのものが正確に分かっている今立場でもございませんし、そういう面で私は、明日がどういう形で手続が進んでいくかということが分かりませんから、ですから、そのときの状況を見ながら自分の判断をしてまいりたいということを先ほどお話を申し上げた次第でございます。
#140
○山本一太君 そのときの状況を踏まえて、大臣、判断されるということは、じゃ問責が可決されたら、佐藤委員が言っているように、沖縄であなたのことは信用できないと、あなたが大臣のままだったら環境アセスメントは提出できない、こういう流れになったらあなたは御自分で辞めるという可能性も考えているということなんですか。
#141
○国務大臣(一川保夫君) いや、私は、防衛大臣としてのその職責をしっかりと務め上げていきたいということを先ほど来答弁させていただいております。
#142
○山本一太君 ちょっと逃げないでくださいよ。大臣の発言は重いんですから。
 状況を踏まえて判断するというのはどういうことなんですか。あなたは、あしたの問責を踏まえて、あるいは来年の一月の通常国会の状況を踏まえて、沖縄の皆さんの反発を踏まえて、大臣を辞めるということもあり得るということですか。ちゃんと答えてくださいよ。
#143
○国務大臣(一川保夫君) いや、それは、今この時点で私は、そういうことに対する私自身の今何か態度を決めろというのは、それは私自身は今ここで答えるわけにはいきませんし、先ほど来お話をしていますように、私は自分自身、防衛大臣としての職責をしっかりと務めてまいりたいということを言っているわけです。
#144
○山本一太君 大臣、大変申し訳ないんですけれども、私は、大臣は防衛大臣としての資質はないと思いますよ。致命的な失敗はしていないっていっても、例えば、就任直後に、私は素人だと、誤ったメッセージが北朝鮮に行っていますよ、中国に行っていますよ。宮中晩さん会は休む、少女暴行事件のことはよく知らないという、防衛局長の許せない暴言についての監督責任もあると。
 でも、例えば大臣が今辞めないと意欲を示していらっしゃると。私は大臣として不適格だと思いますが、いや、政治家として自分は沖縄問題を解決できる、自分が大臣でいた方が国益に資する、何があってもやるというんだったら、それは政治家としての一つの判断だと思いますよ。
 何ですか、今の答弁は。何があっても大臣として職責を全うするということなんですね。もう一回言ってください。
#145
○国務大臣(一川保夫君) 私は、防衛大臣、今就任している立場ですから、当然、防衛大臣としての職責を全うしたいと、それは当然のことだと思いますし、私が、先ほど先生おっしゃるように、また私に関するいろんなことをおっしゃいましたけれども、全てがそういう事実に正確に伝わっていることでもございませんし、私自身は、防衛大臣としてのそういった本来的なそういう業務については確かにまだまだ不十分な点があるかもしれませんけれども、そこは反省するところは反省をしながら、当面の沖縄問題はなおさらのこと、謙虚な気持ちでしっかりと責任を果たしてまいりたいということでございます。
#146
○山本一太君 私は今なぜ大臣にこうやってお聞きしているかというと、さっき申し上げたとおり問責は成立するんですよ。ほとんどの野党が賛成して成立するんですよ。その中でも、あなたが自らこの段階で辞めないというのであれば、沖縄にどんな反発があろうと、問責が可決されようと、自分が防衛大臣でいた方が国益に資するからいるんだという決意がなかったら、それは誰も納得しないじゃないですか。
 大臣、じゃお聞きします。
 今、私がいろいろ申し上げたことについて、事実と違うこともあるというふうにおっしゃいました。参議院はあなたがふさわしくないという意思を表明するんですよ、あした。ほとんどの野党があなたに最後通牒を突き付けるんですよ。その重みについてはどうお考えなんでしょうか。
#147
○国務大臣(一川保夫君) いや、その重みについては、先ほど来ちょっとお話ししましたように、私自身も参議院議員でございますから、これまでのことはそれなりに承知いたしておりますし、そういう面で、参議院のいろんな結果についての重みというのは十分承知いたしております。
#148
○山本一太君 そうすると、問責が可決されたら、その重みを踏まえて辞めるということも選択肢の一つにあるということですね、大臣。いや、ちゃんと、大臣の言葉重いから。
#149
○国務大臣(一川保夫君) それを今日のこの時点でもう決め付けたような言い方ということは、私はちょっと判断しかねますので、それに対する答弁ということは、私は先ほど来お話ししていますように、防衛大臣としてのそういう職責はしっかりと務めてまいりたいという答弁しかないというふうに思っております。
#150
○山本一太君 やっぱり今の防衛大臣の答弁、いろいろニュアンスを考えてみると、自分が適材適所の防衛大臣であって、沖縄からいろいろ反発があろうと、あるいはいかなる理由があろうと、やっぱり自分が防衛大臣でなければ沖縄問題は解決できないという強い意思は全く感じられない。何か今の答弁を聞いてみると、いや、状況を見て、参議院の重い意思が示されたら、あるいは沖縄で、佐藤委員がおっしゃったように、わあっと反発が広がったら、まるで辞めることも考えるかのような自信のない答弁なんですよ。
 もう一つ聞きます。
 さっき総理がいるときに、佐藤委員の方から、猪口理事の方からもあったかもしれませんが、環境アセスメントは防衛大臣の下で十二月末までにきちっと提出できると御自分はお思いでしょうか。
#151
○国務大臣(一川保夫君) 環境影響評価書の扱いについては、私はかねてからお話をしていますように、提出できる準備を進めさせていただくということでございますので、準備はできるというふうに思っております。
#152
○山本一太君 準備はできるというのは、提出はできるということですね。
#153
○国務大臣(一川保夫君) それは内閣全体で判断をすることだと思いますけれども、私は、大変厳しい状況の中で、やはりできるだけ沖縄県側との真摯な話合いの中でいろんな手続を進めていくということは重要であるということはかねてからお話を申し上げておりました。
#154
○山本一太君 この期に及んでできるだけなんて言うんだったら、大臣辞めてくださいよ。これだけの問題があるんですよ。例えば十二月末までには防衛大臣として、政治家として命を懸けて通すというならいいけど、それは内閣の責任だって一体どういうことなんですか。
 もう一つ、じゃ聞きます。あなたは防衛大臣として、あなたが防衛大臣のままで環境アセスメントは提出できるというふうにお考えなんですね、自信があるんですね。
#155
○国務大臣(一川保夫君) 先ほどの説明、ちょっと私の説明が舌足らずであったかもしれませんけれども、私は、当然、環境影響評価書の作成は防衛省が責任を持って今策定中でございますけれども、最終的にそれをどういう適正な段階で手続を促進していくかということについては、やはり内閣に沖縄に関係する閣僚の皆さん方がおられますから、そういう皆さん方と相談をしながら最終的に適正に手続を進めていくということだろうというふうに私は思っております。
#156
○山本一太君 これまでの大臣の答弁では、自分が適材適所の防衛大臣なんだと、どんなことがあっても自分が防衛大臣でいなかったら沖縄問題は解決できないみたいな意思は全く感じられないですよ。参議院の問責が重いからその状況によって検討するというのは、普通聞いている人が聞けば、ああ、じゃ、参議院の重い意思を突き付けられたときにはもしかしたら進退を考えるのかなと、辞めるかもしれないなと思うに決まっているじゃないですか。
 大臣、今日、何回も何回も、最後のチャンスですから交代せざるを得なくなる前に御自分で辞めたらどうですかと申し上げました。大臣は、大臣としての職責を果たすというふうにおっしゃいました。そこまで言うならば、FXの選定が決まったから辞めるとか、あるいは環境アセスメントの評価書を沖縄に提出する、そのときに沖縄の反発を和らげるために辞めるとか、そういうことは絶対しないですね。約束してくださいよ、そうしたら。
#157
○国務大臣(一川保夫君) まあ先生御指摘のいろんな言い方は、決め付けたような言い方というのは、ちょっと私はそういうことにお答えするのは今は控えたいと思いますし、私自身は、今この時期というのは防衛省にとって大変重要な懸案事項が幾つかあるということは御案内のとおりです。
 ですから、そういうことは我々この就任以来のいろんなことを踏まえながらしっかりとその懸案事項をこなしていきたいというふうに思っておりますし、それが私に与えられた大きな任務であるというふうに思っております。
#158
○山本一太君 いや、今日の大臣の御答弁を聞いても、本当に大臣として続けたいという、そういう私は真剣な思いは伝わってきませんでした。
 環境影響評価、アセスメントについても、何があっても提出するという言葉もないと。参議院の問責についてどうお考えになりますかと聞いたら、これは自分も参議院議員だから重い判断であって、そういう状況になったらこれを踏まえて考えるみたいなことをおっしゃると。
 改めて思いましたが、大臣の下で私は普天間基地問題を解決することは不可能だと思います。もう既に名護市長も辞めろと言っている、これから沖縄に大臣辞めてくれという流れが広がっていくと、こういう中で、私は、大臣が来年一月以降も大臣を続けていくということは現実的に見て不可能だと思います。駄目だということが分かっていながら辞めないということが私には全く理解できないということだけ申し上げておきたいと思います。
 時間がちょっとなくなってしまいましたが、玄葉大臣、一つだけちょっと今日気になることがあったのでお聞きしたいんですね。
 今日の読売新聞の一面に、政府が脱北者を保護しないということを中国に誓約したと、中国の国内法を重んじて脱北者を公館外から公館に連れ込むことはしないと、この誓約する文書を提出していたという報道がありますが、外務大臣、これ事実でしょうか。
#159
○国務大臣(玄葉光一郎君) 脱北者につきましては、御存じのように、もう既に百名を超える脱北者を日本自身受入れをしているというか、入国をしているわけであります。
 今のお尋ねは、じゃ中国でどうなんだと、こういうお話でありますけれども、中国には最も多くの脱北者がいるものというふうに考えておりまして、いろんな中国政府とのやり取りはございます。ただ、これだけははっきり申し上げておきますけれども、我が国として中国からの脱北者の受入れを今後行わないということでは全くございません。
#160
○山本一太君 それでは、この読売新聞の一面にある、誓約書を日本政府が提出したというのは、これは大臣、事実ではないということですね。
#161
○国務大臣(玄葉光一郎君) これ、新聞報道、私も今手元にございます。ございますけれども、もう率直に言って、それはいろんなやり取りにつきまして、やっぱりそれは安全とかプライバシーとかいろいろありますので、率直に言って、こういった具体的な事案についての様々なやり取りについて今こういう場で申し上げるというのはやはり差し控えなければならないだろうと。
 ただ、先ほど申し上げましたように、じゃ、中国から脱北者を日本が受け入れないのかといったら、絶対にそういうことはございません。
#162
○山本一太君 この記事について、日本側が中国に脱北者をこれ保護しない、とにかく外から引っ張ってきたりしないという誓約書を出したかどうかということをお聞きしているんで、大臣、これ、あらゆる常任委員会の中で最も大事な外交防衛委員会ですから、私はいつもそう思って出席していますから、この政府の対応についてここでコメントするべきものではないってどういうことなんですか。誓約書を出したのか出さなかったかというのは、これは日本の対中外交にとって大事なことですよ。答えてください、これは明確に。
#163
○国務大臣(玄葉光一郎君) やはりここは……
#164
○山本一太君 事実でなければ事実でないって言ってください。
#165
○国務大臣(玄葉光一郎君) いや、ここはやはり関係国との、まさに相手国との関係がありますから、やはりそういったやり取り全体をこういった場で申し上げるというわけにはいきません。
#166
○山本一太君 誓約書を提出したかどうか言えないというのは、誓約書、まるで大臣、こういう場所でいろいろあるから言えないというのは、それは、これが事実だって言っているみたいに聞こえますよ。脱北者保護をやらないということは日本政府としてはやらないと言ったんだから、それでこれについて言えないと言ったら、じゃ事実でなければ事実でないって言えばいいでしょう。
 これ、もし事実だとしたら、今大臣のおっしゃった、いや、脱北者を保護しないということは日本政府としてはやらないということと矛盾しますけれども、どうでしょうか。
#167
○国務大臣(玄葉光一郎君) ですから、当然中国政府との関係って、やはり中国における脱北者との関係では大事なので、それはいろんなやり取りはありますよ。だけど、冒頭私がもう断言申し上げたように、中国からの脱北者の受入れを日本が行わないなんということは絶対にございません。そのことだけはもう断言を申し上げます。
#168
○山本一太君 もう一回聞きます。じゃ、この誓約書を提出したかどうかということについては、外務大臣、この外交防衛委員会では答えられないということですね。
#169
○国務大臣(玄葉光一郎君) いずれにしても、言えることは、脱北者の受入れを中国から日本が行わないなどというような誓約書を出したなんということは絶対にあり得ません。
#170
○山本一太君 分かりました。そういう誓約書はないというふうに答弁されたんで、これ、きちっと議事録にも残ると思います。
 もう時間ありませんから、最後に申し上げますが、玄葉大臣、チャーター機で中国に行かれたと。一番の目的は野田総理訪中の地ならしだったと。その訪中が何か怪しくなってきちゃって、何か中国側から急に延ばすって言ってきたと。これ、もしかすると、インドとも日程がぶつかったら、今年中に日中首脳会談、訪中できないかもしれないと。千数百万円使って地ならしをした意味があったのかなと思うんですが、一言それについていただけますでしょうか。
#171
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今回の、例えば、こういったいわゆる日程の再調整というのは、例えばこの間、キャメロン首相がまた再調整になったというような形でいろいろあるわけでありまして、正式発表前にはいろいろあります。
 今回、私は、まさに日中間で忌憚のない意見交換の下で総理が訪中されるということがより成功裏に終えるということのために、意見交換の結果、こういうふうになったと。年内に総理の訪中を実現すべく再調整をしているということでございまして、良い影響はあっても悪い影響はないというふうに思います。
#172
○委員長(福山哲郎君) 山本君、時間ですので、短くしてください。
#173
○山本一太君 はい。
 再調整ちゃんとやっていただきたいと思いますが、こんな形で首脳が行き交う、訪中が延期されるということは極めて珍しいことだと、やはり足下を見られているという気がします。
 それだけ申し上げて、終わりたいと思います。
#174
○山本香苗君 対総理質問に続きまして、質問に立たせていただきます。
 玄葉外務大臣、本日審議をしております四協定につきまして、今国会で国会承認を求め、締結を急ぐ理由は具体的に何なのか、それぞれについてお答えください。
#175
○国務大臣(玄葉光一郎君) それぞれについてということでございましたけれども、まず、総論的にはこれまでも申し上げてきましたので余りだらだらと繰り返さない方がよいんだろうというふうには思いますけれども、やはり、私自身も福島の出身で、それは様々なことを考えたことは事実でありますけれども、三・一一という事態を踏まえて、相手国が望むときにやはり相手国の原子力政策、事情、そして期待と信頼、あるいは不拡散の観点、二国間の総合的な検討、それぞれ個別に判断をして前に進めていく、その協力をしていく、これは私は日本国政府としての責務だろうというふうに考えているところでございます。
 それで、それぞれということでございますけれども、ヨルダンとベトナムにつきましては我が国企業からの原発の輸出、ロシアにつきましては我が国企業によるロシアのウラン濃縮役務の利用、そして韓国については我が国企業からの原子力関連資機材の輸出が想定されているのは事実でございます。いずれの相手国も、協定締結に必要な国内手続を終えています。原発事故後も引き続き協定の早期締結への期待を表明をしています。
 こうした観点から、政府としては、今国会におきましてこれらの原子力協定を早期に御承認をいただきたいというふうに考えているところでありますけれども、先ほど猪口先生が補強していただきましたけれども、確かにNSGの関係もございます。あるいはNPTの関係もございます。そういったことも含めて個別に判断をした結果、今回、御承認をお願いをさせていただいているということでございます。
#176
○山本香苗君 それぞれ具体的な理由をと申し上げたんですが、今の御答弁をお伺いする限りは納得できるものがなかったので、個々に具体的にお伺いしていきたいと思います。
 まず、ジョルダンとの協定について伺いますが、ジョルダン政府は原発の発注先を年内にも決める方針であり、年内に法的環境が整わない場合、すなわち国会でこの承認がなされない場合、日本の企業は選定しないと事実上通告しているという報道がございますが、これは事実ですか。
#177
○国務大臣(玄葉光一郎君) ただいまの御指摘につきましては、ヨルダンにおける原子力発電所建設計画の設計、調達、建設を請け負う業者に関する入札は既に終了しており、現在ヨルダン政府は、応札した三社、日仏の合弁企業、そしてロシア企業、カナダ企業を評価中でございます。おっしゃるとおり、年内に優先順位を決定し、その後の交渉を経て最終的に業者を選定する意向であると承知しています。ヨルダンは、日本との原子力協定が締結できなければ日仏合弁企業を選択することは困難であると、遅くとも年内の協定承認を希望すると表明しているのはこれまた事実でございます。上記の現状を踏まえつつ、協定の締結が必要だと、これは一つの理由ではないかというふうには思っています。
 ただ、ヨルダンは、先ほど申し上げましたけれども、自国のエネルギーの供給を安定的に確保するために原子力発電の導入を決定をしています。中東地域の平和と安定の要の一つであるヨルダン、このヨルダンに対して、我が国の知見、今般の原子力事故の経験を共有し、原子力安全面の強化に協力することは我が国中東外交にとって重要ではないかというふうに考えているところでございます。
 併せて申し上げれば、日仏の合弁でございますので、フランスとの関係、つまりフランス政府は本件のプロジェクトを日仏の協力案件として重視をしているということも併せて申し上げたいというふうに思います。
 先ほども申し上げましたけれども、本協定は昨年九月に署名をされて、ヨルダン側は締結に必要な国内手続を既に完了しているというのが実情でございます。
#178
○山本香苗君 要するに、受注したいから何とかしてくれというような話だと思います。
 一つ一つ聞いていきたいので、ロシアとの協定についてお伺いしたいと思いますが、我が国の電力事業者は使用済燃料をイギリスに移転し、再処理をしてきたと。再処理の結果生じた回収ウランはイギリスに保管されていると。これらの回収ウランに関し、高い濃縮役務提供能力を有するロシアとの間のウラン濃縮役務等に関する協力が検討されていると。また、イギリス内で保管されている回収ウランはいずれも運び出す必要がある。これ、外務省の資料です。
 こうした点を踏まえて、外務省は早期承認、締結を求めているということなんでありますけれども、そんなに急ぐ必要性ある話なんでしょうか。例えば、回収ウラン、早くイギリスから持っていってくれとか、そういうふうな緊迫性のある、切迫性のあるお話なんでしょうか。
#179
○国務大臣(玄葉光一郎君) ちょっと冒頭一分だけ先ほどの質問に対して補足させていただきたいんですけれども、ビジネスということだけ先ほど申し上げましたけれども、本協定におきまして、ヨルダンに対する原子力安全に関する技術支援を進めるための規定、そして原子力施設の安全性を確保するための取決め、こういう規定が置かれていて、まさに原子力安全面の強化というものに協力をするということでもあるということを付け加えたいと思います。
 日ロをなぜ急ぐのかということでございます。
 これも言うまでもないことでありますけれども、使用済核燃料が、残念ながらというか、六ケ所では処理能力が限られておりますので、イギリスに頼んでいると。イギリスだけではなくて、フランスも含めて頼んでいるわけでありますけれども、そこで出てくる回収ウランというのがあると。その回収ウランを事業者がまさにそこで保管をしてもらっているわけでありますけれども、延びれば延びるだけこれは追加保管料が当然取られてくるんだろうというふうに思います。
 それともう一つは、この原子力協定そのものにつきまして、両政府間でもう既に署名済みで、国内手続を実はロシアは一年前に完了していると。実は、先般もプーチン首相から野田首相に電話が来まして、最初に語ったのがこの問題でございました。是非その協定をお願いをしたいということでありまして、私は、様々な日ロ間について懸案事項がありますけれども、互いの実質的な利益になっていく話でございますので、これは今回、そういう意味で早期に承認をお願いをさせていただいているということでございます。
#180
○山本香苗君 先ほど猪口先生が説明能力という話をされたんですけれども、説明の順番によってもやっぱりそのプライオリティーの高い低いが見えてきちゃうんですよね。今のお話だと、回収ウランを保管している企業の負担を軽減したいからというところが先に来ちゃうわけですよ。要するに、またビジネスの話なんですねという、結局は緊急性がある話じゃないんだなというのがよく分かる御説明でした。
 韓国との間についても、先ほど来話がありました。
 例えば、韓国が原子炉の部品などを輸入する際に、軍事使用はしないと、個別に口上書を取り交わしながら確認をしてきてやってきているわけです。こうしたやり方というのは今でも対応できている。なのに、なぜ今すぐに協定を締結してやらなければならないのか。我が国のエネルギー政策を見直す来年の夏までは従来のやり方でやっていって、見直した後に協定を締結する、晴れて締結するという形にしてもよかったのではないかと思うんですが、大臣、率直な御意見をお伺いしたいと思います。
#181
○国務大臣(玄葉光一郎君) 恐縮ですけれども、先ほどの回収ウランのロシアの話も一言だけ補足させていただきたいと思いますけれども、先ほど追加発生料という話をしてしまって、事実なんで申し上げましたけれども、ビジネス優先かと、こういう話でありますが、現実のところ、事業者がイギリス側から可及的速やかな搬出を求められていると、こういう事情もあるということは付け加えたいというふうに思います。
 そして、日韓でございますけれども、日韓につきましては、まさにこれも資機材の移転ということでございますけれども、さらに、将来の韓国への資機材の移転というものの可能性を念頭に置いているということでございます。そういう意味で、やはりできるだけ早く御承認をお願いをしたいということでございます。
#182
○山本香苗君 大臣、付け加えれば付け加えられるほど不信感が高まっていってしまうんですが、要するに、今私が申し上げたのは、従来のやり方を続けていても、来年の夏ですよね、そんな何十年も、何年も待てという話じゃないわけですから、そのやり方でやっていってもよかったんじゃないかと、駆け足でやらなくてもいいじゃないかということを申し上げているわけであります。
 ベトナムの方につきましては、九月の二十八日に日本原子力発電はベトナム電力公社と原子力発電事業化調査実施、このFSに関する契約を結びました。今後十八か月を掛けて適正地評価と原発の基本設計や炉型の評価、財務分析などプロジェクトが成立するかどうか、そういう評価が行われます。そして、二〇一三年の三月までに評価書を提出する予定だというふうに報じられております。
 そうした状況であるならば、原発の建設のために日本からベトナムに対して関連の資機材等の移転が行われるというのは相当先の話になるわけなんですよ。御理解いただいていますか。今国会で急いで原子力協定を締結する必要性というのはないと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#183
○国務大臣(玄葉光一郎君) 冒頭、あえて申し上げれば、先ほど猪口先生が補強していただいたような観点も、当然ベトナムについては二点について言えているということが一つございます。
 それと、これはおっしゃるとおり、フィージビリティー調査をしているという段階ではございますけれども、設計の段階から、ちょっと手元に今ございませんけれども、設計の段階から日本側はまさにパートナーとして入っていきたいということでございますので、そういう意味で、早期に、例えば設計図といった原子力関連技術の移転、こういったものも想定をしているということでございます。
 資機材の移転は全く御指摘のとおり少し先になるわけでありますけれども、ベトナムがフィージビリティー調査の結果を踏まえて詳細を検討する際には、建設開始に先立って我が国から例えば設計図といった原子力関連技術の移転も想定をされているということで、早期に原子力協定、協力に対応できる枠組みを整備する必要があるというふうに考えているところでございます。
#184
○山本香苗君 事故も、まさに大臣の御地元でありますけれども、福島での事故も収束をしていない、事故原因の検証作業もまだ終わっていない、原子力を含めたエネルギー政策の見直しも終わっていない。それに加えて、今日は私の時間はたった十五分でございますけれども、短い審議の中で明らかになったように、今国会、承認しなければならないという説得力のある理由がないんですよ。いろいろお話ししていただいたんですけれども、大臣、大変おつらそうに御答弁されている感じがするんですが、ないんですよ。こんな状況で原子力協定だけを進めるのはやっぱりおかしいんです。
 衆議院で通って、いろんな報道で出て、原発輸出へ条件整備という形で大きな見出しで出ています。私は、やはり時期尚早だと。ということで、我が党は、この本日かかっております四協定に対しては、採決に対しては反対しますということを申し上げまして、時間が参りましたので、終わります。
#185
○小熊慎司君 みんなの党の小熊慎司です。
 冒頭、私は、これまで福島県議会の経験もある中で、原子力に関しては推進の立場を取ってきましたし、また、原子力の国際商戦の中においては日本の成長戦略の中に組み込んでしっかりと対応していくべきだということを三月十一日以前はこの委員会でも主張してまいりました。
 しかし、やはり三月十一日以降、私自身も、大臣とは伊東正義先生の流れをくみ、福島県の出身者でもあり、そしてまた同じ県議会の出身、ある意味では党派を超えて、まさに大臣は私の兄貴分みたいな立場でありまして、そういう中で、また福島の現状を考えたときに、また国の政策の中でも原発の在り方、これが変わってきている中において、さりながら、国際的には原発を売っていくということは、素朴に、純粋に考えても、やはりこれは国民の皆さんにとってもなかなか理解がし難いものがあると思います。その件について見解をお伺いいたします。
#186
○国務大臣(玄葉光一郎君) 先ほど、説明する順番も考えないとという御指摘がございましたけれども、基本的にこれは、いわゆる法的な枠組み、特に平和利用、不拡散、こういったものをしっかり担保するというのがまず第一義的にあるということです。ただ、今回お願いしている四本の中には、確かにベトナム、ヨルダンはこれによって、必要条件ではありますけれども原発輸出が可能になるという側面があるのも、これも事実でございます。
 それで、先ほど来から申し上げていますけれども、今の小熊委員の、いわゆる多くの、例えば福島県民始め日本国民が素朴に思うことという意味では、よく私自身も理解をしているところでございます。ただ、日本のこの原子力技術というものを相手国が高く評価をしているときに、私たちが何も協力しなくてよいのかということがあると思います。それと、じゃ、これからもかつてのように、原発を大臣が行ってどんどんどんどん売り込んでいくのかと、かつてはそうだったわけですから。私はそれは違うんだろうというふうに思っているんです。原発を無制限に輸出する、そういうことではないんだろうと。
 私自身も外務省の中に、これからはむしろ産業革命の分水嶺になって環境技術こそ売り込めという指示をしておりますけれども、これから、私はまさにエネルギー・環境会議の責任者もしておりましたが、日本のエネルギー政策がどうなっていくか。その中で特に日本が、いわゆる環境技術の関連、特に私は電池の革命とエネルギーロスの革命と触媒の革命ということを言っているんですけれども、そういった今の既存技術の改良を超えた次の時代の技術も含めて研究開発投資をしながらエネルギー革命をしていく。
 ただ一方で、じゃ原子力はどうなんだといったら、これはエネ環で結論を決めます、国民的な議論をしますと。基本的には、脱原発じゃなくて脱原発依存なんですね、先ほど総理がおっしゃったのは。私の言葉で言うと、減原発なんですね、減原発。全体の経済をきちっと見ながら、先ほど舛添先生の御指摘もありましたけれども、技術というものをどうやって残すのかということも含めてトータルな判断が必要になってくるという中で、私は、現時点で大変な期待、信頼というものを寄せている国々に対しての協力というのは、やはり一定の意義は、基本的な意義はあるというふうに判断をしましたので、今後も個別に判断をしていこうと思います、個別に。個別に判断をしていくということをやっていく。
 そして、事故調査検討委員会の報告書が出ると、いずれですね。来年出ると思うんです。多分、年末、中間取りまとめだと思うんです。来年出たら、それはそれとしてきちっと踏まえながら、新規の国々に対してはそれを踏まえながら、更にそれを付加した検討をやっていかなければならないんだろうというふうに思います。
#187
○小熊慎司君 我々が経験した福島県議会では、全党一致でもう原発は要らないというふうになっています。
 これまでの知見また国際的な期待というところがありますけれども、私はその逆に意味を考えて、総理も国連で言ったとおり、事故の教訓、反省、そこから得た知見というものを国際社会と共有するという言葉は、この事故を経験しているわけですから、はっきり言えばもう原発要らないという、だって、福島県民で原発要るなんという人いませんよ、もうこれは。逆に、その事故の経験から得たからこそ、これまでその話合いを詰めてきましたけれども、申し訳ないけど、日本の政府としては原子力協定はもう変えますというのが素直な考え方であると思いますし、日本が取るべき道だというふうに思います。そこでそういうふうに正直に交渉すれば、これまで積み上げてきた交渉の経過があってそれを裏切るわけにはいかないという理由は別にないと思うんですよ。
 それで、その中で、やはり君子は豹変するとか朝令暮改とかありますけれども、改むることをはばかることなかれでありますから、まさにこの三月十一日以降、福島県民はもとより、日本人は生き方を変えなきゃいけないんですよ。三月十一日以前の我々と十一日以降の我々は確実に変わったし、変えられているんですよ、生き方を全て、生活も含めて。そう考えたときに、今までの経緯はありながらも、三月十一日以降の立場として国際社会に逆に打って出る。次の質問にもう答え言っちゃっているんですけれども。
 国際社会においては、まさに大臣がおっしゃったとおり、原発商戦に参加するとか今までの整理をするんじゃなくて、もう全て断ち切って、まさに省エネとか再生可能エネルギーとか、こういうことの世界のトップを走るということが、この事故の経験を踏まえた日本だからこそやるべきであり、今まだその部分は、原発の電気量を含めた分に取って代われるようなものもまだ見出せていない部分もありますけれども、逆にその苦しいときだからこそ、日本がトップに立てばまさに先行者利益、世界のトップに立ってこの再生可能エネルギーで成長戦略を描ける、そうだと思うんです。もう断ち切ったって国際社会は認めてくれると思いますよ。
#188
○国務大臣(玄葉光一郎君) 結局、二〇〇七年にエネルギー基本計画を日本国政府は作りました。あのときの原子力の依存率が、たしか二三%ぐらいだったかと思います。二三か二七か、ちょっと数字に記憶ありませんが、正確じゃありませんが。二〇三〇年には五〇%台に原子力の依存率をするということだったんですね。これについてどういうふうにしていくのかということとの関連で今のお話があるというふうに思います。
 先ほど申し上げましたけれども、私は産業革命の分水嶺だというふうに思います。ポイントは、二〇〇七年と二〇三〇年と実は総発電量を同じに見て依存率の議論だけをしているというのがそれまでだったんですね。これからのポイントは省エネ技術だと思います。再生可能エネルギーもさることながら、省エネ技術が私は最大のポイントであると。その省エネ技術こそ確かに売り込んでいくものであるというふうに思います。
 ただ、さはさりながら、日本全体で見たときに、じゃ、それで本当に全て経済が回るのか、どのくらいのタイムスパンなのか、そういうことも考えなければなりません。先ほど申し上げたように、例えば分かりやすい例を挙げれば、リチウムイオン電池からリチウム空気電池に替えるのにどのぐらいの時間が掛かるのかなんていうのも当然考えて最終的な判断をしていかなければなりません。
 それで、相手国からは、先ほど申し上げましたけれども、自分たちのエネルギー政策を私も外相会談でよく説明されるんですよ。我々も丁寧に言っています、こういう状況だというふうに言っているんですが、それでもやはり日本に対する期待というのは非常に大きいです。非常に大きいです。今回の事故の経験も含めて、教訓も含めて提供してもらえるということもむしろあるのかもしれません。ですから、やっぱりそういった期待にはこたえていかないといけないと、まあ私も福島県出身ではありますが、それは本心からそう思っております。
#189
○小熊慎司君 最後の一点がだから違います。その期待に私はこたえるべきではないと思いますし、ヨルダンも、電力自給率が四%と言いましたけれども、そこに原子力を与えてしまえば原子力の依存度が高まるわけですよ。我々、原子力の依存度を下げていくと言っているのに、逆にその危険なものを、危険なものというか、それを与えてしまうということはやっぱり間違っている、クリーンエネルギーを与えるべきであるというふうに最後に指摘をして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#190
○舛添要一君 今日は原子力協定の話ですけれども、国と国との間の条約それから協定、原子力の分野だけにとどまらず、その当該分野だけにとどまらずいろんなところに反響というかリパーカッションが起こってくるわけで、国益という観点から外交を進めるときにこういうものをどう活用していくかというもっと広い視点がないといけない。例えば、だから、なぜベトナムが日本とやりたいと思っているのかと、そういう視点がなくて、ただ技術的な話だけではないと思うんです。
 そこで、私は先ほど、この協定にはないけれども、使用済核燃料の管理をシベリアでやってはどうかというような話を総理とお話をいたしました。その延長線で言うと、実を言うと、北方領土の問題も、返還の問題も進展していない、ここのところ。それから、いろんな意味で私は日ロ間のとりわけ安全保障対話が必要なときは来ていると思うんで、こういう条約の締結、協定の締結ということを機会に、是非外務大臣、少しスコープを広げて、これを活用して国益を増していくという発想が必要じゃないかと思っていますが、いかがでしょうか。
#191
○国務大臣(玄葉光一郎君) 全くおっしゃったとおりだというふうに思います。
 つまり、これも先ほど申し上げましたけれども、プーチン首相、様々な思いがあって野田総理にこの件を中心に電話を掛けてきたという事実もございます。当然、お互いの実質的な利益ということもございますし、今おっしゃっていただいたような、日ロ間の特に海における協力あるいは安保間の協力というのは私は極めて大切な観点であるというふうに思っておりますので、先般もラブロフ外相、二回外相会談を行ったんですが、私の方から安保面での協力を行いたいということも申し上げました。
 あわせて、領土問題も、もう実質的な議論をしようじゃないかと、法と正義の原則に基づいて、これまでの諸合意、諸文書に基づいて是非やろうと、日本に来てくれという話をこの間ラブロフ外相にもいたしたところでありまして、是非今おっしゃっていただいたように、このアジア太平洋におけるまさにパートナーにふさわしい日ロ関係にどうできるかという中でどう位置付けるかと、今回の協定もですね。そういう観点を常にスコープを広く取りながら考えていきたいというふうに思います。
#192
○舛添要一君 私が今一番懸念しているのは中国の動向で、海軍力を含めて急速な軍事力の拡張を行っているということであります。ですから、米軍にしても、例えばオーストラリアに海兵隊を常時駐留させる、それから南シナ海をめぐってASEAN諸国との協力を図っていく、沖縄の問題もそういう大きな観点から考えないといけない面があるわけですけれども、そういう中で、残念ながらロシアという国についてはほとんど注目が払われていない。
 表現は問題かもしれないけれども、我が国にとって様々な国はある意味で将棋の駒であって、カードであると。ロシア・カードをどうするか。非常に必要だというふうに思いますが、今外務大臣もおっしゃったように、やっぱり民主化して新しい国になったロシアですから、まさにこのアジア太平洋地域できちんとしかるべき役割を果たしてもらわないといけない。そういう観点からも今言ったことは必要だと思いますので、一言更に御答弁、外務大臣に願います。
#193
○国務大臣(玄葉光一郎君) まさに、戦略的環境が変化をしていく中で、私はより厳しさを増しているというふうに言っているんですけれども、その中でこの日ロ関係を強化をする、協力関係を強化をするということは、非常にお互いの利益にもなるし、地域の繁栄と安定に貢献をするものであると。今回の協定だって、そういう意味では肯定的な影響を与えることがお互いにとって期待されているというふうに申し上げても過言ではないというふうに思います。
#194
○舛添要一君 今の同じ問題を防衛大臣にもお伺いしますけれども、日本の自衛隊とロシア軍、これとの共同演習その他を含めて、こういう一つの機会をとらえて、私はパワーバランスが変わってきていると、この日本をめぐる戦略環境で、そう思いますので、防衛大臣の立場で今の問題はどういうふうに認識なさっているか、お答えください。
#195
○国務大臣(一川保夫君) 先生御指摘のように、私もアジア太平洋地域において、ロシアという国のそういう安全保障に対するいろんな対応というのは大変重要な時代を迎えているという認識を持っております。
 実は、この防衛関係の交流というのは、割と以前からいろんな、捜索救難訓練だとかそういうことも含めて、いろんな交流を深めてはきております。しかし、先般の十一月の日ロ首脳会談においても、なお一層安全保障分野の協議を、対話を進めていきたいという両首脳の合意もありますので、そういう中で、私は、これからの日本にとっても、先ほど先生がおっしゃったように、いろんなパワーバランスの問題ということも当然念頭に入れながら、我々もロシアとのいろんな相互理解、信頼関係を深めていくということは防衛上も大変重要なことでございますし、不測の事態が発生しないように、また、もしそういうことが遭遇した場合でもしっかりとした連絡体制が取れるような対応というのは非常に重要であるというふうに思っております。
#196
○舛添要一君 NHKの大河ドラマで「坂の上の雲」がまた放映され始めましたけれども、今は日露戦争の話をしています。しかし、日清戦争があって、三国干渉があって、臥薪嘗胆と。じゃ、次はロシアと対峙しないといけないよというときに、そのときの日本は、日露協商の道も探ったし、日英同盟の道も探って、つまり、よその国をカードとして複数の選択肢持っていったところに明治国家の偉大さがあったと思うんですね。
 今は当然のことながら、日米安保というのは我が国外交のコーナーストーンであることは当たり前なんですけれども、しかし、常に今言ったパワーバランスの変化を考えながら、国として外交をどうするかと、この視点は必要だというふうに思っています。
 そういう中で、防衛大臣にお伺いいたしますけれども、FXの選定をしないといけません。当然これはもう政府の役割でおやりになるわけですから、事前に必要ない情報を出すというようなことは、これは避けるべきだと思っていますが、私が一番懸念しているのは、それはコストとか日米関係とか性能諸元とかいろんなの、もう当たり前のことはあるんですよ。ただ、今私が申し上げたこの日本をめぐる戦略関係の変化に対応できるような、特に中国の軍拡です、そういう機種を選ぶということを最優先にしなければ我が国の安全は守れないと、国民の税金ですから。
 そういう観点から、おっしゃれる範囲で結構なんですけれども、今の防衛大臣として、FXに対してはこういう対応で臨むということがあれば、できる限りお話しいただければと思います。
#197
○国務大臣(一川保夫君) 今お話しのそのFXの機種選定、これはもう既にお話ししていますように、今月中に選定をしなきゃならないと、そういうタイミングに来ております。
 私も、今日の我が国を取り巻く安全保障環境を見たときに、大変中国を中心とした近隣の諸国の軍事活動が非常に活発化してきておる、また一方で、いろんな軍事力も近代化されてきておるというふうに認識をいたしておりますので、我が国もこれからしっかりとそういう防空体制を整備していくという面では、そういったものにしっかりと対応できるような機種選定をしなければならないというふうに思っておりますので、性能面というのは当然でございますけれども、そういう観点で、我々もしっかりとした、遺漏ない、そういう選択をしてまいりたいと、そういう決意でございます。
#198
○舛添要一君 もう質問の時間が終わりなんでまたの機会に譲りたいと思いますけど、普天間の問題にしても、今、外務大臣、防衛大臣とお話ししたような、そういう議論をきちんとやることの中で打開策が見付かるというふうに思いますので、是非そういう大所高所に立った御議論をおやりいただきたいということをお願いいたしまして、終わります。
 ありがとうございました。
#199
○山内徳信君 十分でございますから、簡潔にまいりたいと思います。
 原発の安全神話は崩壊いたしました。そして、人類の未来は原発とは共存できないと、こういうことが福島第一原発の事故から学んだ日本国民の教訓だろうと思います。
 そして、日本国民は、政府も企業も含めて死の商人になるべきではないと思っておりますが、これ基本的なことですから、外務大臣にこのことについて一言お願いしたいと思います。
#200
○国務大臣(玄葉光一郎君) もう一言で申し上げれば、死の商人になるということでは全くございません。
 この間も申し上げてまいりましたけれども、原子力の平和利用、不拡散という観点からこの協定を作っていく、承認をしていく、そういうことではないかというふうに考えております。
#201
○山内徳信君 スリーマイル島の教訓だとかチェルノブイリの教訓だとか福島の教訓がありますから、やはり私たちはそれを肝に銘じておく必要があると思います。
 次は、経産省、お見えですか。この四つの協定が参議院に提案されておりますが、この四か所については政府としては十分なる相手先の調査、立地条件、場所等の調査は十分されたんでしょうか。もしされたんでしたら、その報告書はきちっと提出をしていただきたいと思います。
#202
○副大臣(松下忠洋君) お尋ねの件でございますけれども、第一義的には相手国における原発建設計画の安全性につきましては相手国政府が自らの責任の下で判断するものと、こう考えています。
 しかしながら、仮に我が国からの原発が輸出されるということになりましたら、これは当該国の原発建設計画の進捗等も注意しながら、原子力安全性の向上に協力することということを視野にしっかり入れて経済産業省としても適切に情報収集を実施していきたいと考えておりまして、必要に応じて現地視察、それから当該国政府からの直接聴取等も検討してやってまいります。
#203
○山内徳信君 今の答弁聞いておりますと、安全神話のそういう意識に立った答弁だと私は思っておるんです。そのことは相手国の判断でと、こうおっしゃるんですね、相手国の責任だと。それは原則論であって、それを輸出する日本として、経産省としては責任持ってやってもらわぬと、そしてそれを、調査結果を衆議院、参議院、国民にもやはりオープンにしていただかないと、皆さんがしっかりしていないから、東電がしっかりしていないから、皆さんがおっしゃってきたのは全部うそだったということになっていませんか、安全だ、安全だと言って。そこら辺の反省はできていないと思います。
 私は、引き続き経産省にお伺いしたいんですが、日本は広島、長崎、これは人類初の被爆国になったわけですね。第五福竜丸の被曝の体験もあるわけです。今回の福島第一原発の事故は、やはりこれは当該地域の全ての人々、動植物を含めて、全ての生きとし生けるものの生活を破壊しました。海も山も空も大地も汚染させてしまったわけですね。そして、昨日の報道でしたか、大手食品会社の明治、これは粉ミルクの話なんです。これは韓国にも中国にも輸出されておるんだそうですね。それが四十万個と言われておるんです。その粉ミルクの中に、基準以下とはいえ、放射性セシウムが検出されたと言われておるんです。そういう深刻な事態が今もずっと続いておるわけです。
 そういう状況を踏まえて、経産省として、あるいは政府として、今日までの原発政策についての責任はないのかと国民は怒っていますよ。したがいまして、この席から経産省を代表して国民に謝ってほしいと、そういう謝罪の気持ちがありましたらおっしゃってください。
#204
○副大臣(松下忠洋君) 今回の原子力災害、これは国の原子力政策を進めていくど真ん中で発生した深刻な災害でありますから、今委員のお尋ねのその考え方は、同じ土俵に立って、日々そういう気持ちで私たちは対応しております。
#205
○山内徳信君 同じ視点、被災地域の皆さんと同じ視点で立っていらっしゃるんでしたら、早々にやはり自然エネルギーとか脱原発とかそういう方向性を示すことによって、それをめぐって新しい産業がどんどん興るじゃないですか。今までの質疑者からもいっぱい指摘されておるわけですよ。そういうところにやはり目を移していって、被災地域に原発じゃなくして新しい産業が興るようなそういう方向付けを経産省はやっていただかなければいかぬと思っております。
 次に、私は外務大臣にお伺いいたしますが、今回この四協定を提出するに当たりまして、党内のコンセンサスは十分審議を尽くし、議論を尽くした上なのかということを伺っておきます。
 私は外務大臣で党内のことは申し上げられませんと言って逃げたらいかぬですよ。どうぞ、ありのままおっしゃってください。
#206
○国務大臣(玄葉光一郎君) 当然、それぞれ部門会議等々で、あるいはPT、プロジェクトチームもございますので、これは部門会議でしょうか、原子力協定はですね、部門会議の方で議論がしっかりなされたものというふうに承知をしております。
#207
○山内徳信君 時間ですから、終わります。
#208
○委員長(福山哲郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#209
○山内徳信君 社民党・護憲連合の山内徳信でございます。
 私は、今回の日本とヨルダン、ベトナム、ロシア、韓国との四つの原子力協定の承認に反対する立場から討論を行います。
 原発の安全神話は崩壊いたしました。我が国は、今まさに国民的な規模で福島第一原発からの復旧復興、再建に追われております。この事故の教訓は、一度このような事故が起これば、大きな経済的損失を出すだけでなく、多くの人々の生活、健康、そして命をも破壊し、命育む豊かな自然をも破壊するということであります。事故も収束せず、使用済核燃料の処理もできない原発を輸出することは危険極まりないと思っております。したがいまして、今回のこの協定は大変大きな問題であります。
 ヨルダンは、内部の砂漠という世界にほとんど例のない立地条件で、冷却水の確保が難しく、テロや地震など大きなリスクが予想されておるという指摘もあります。
 ベトナムは、国立公園に近接する貴重な生態系で、環境影響が強く懸念されるだけでなく、ベトナム国民の理解も十分に得られていないと専門家は指摘しております。
 ロシアは、エネルギー政策の転換中であると言われております。したがいまして、そういう動きにも逆行するのではありませんか。
 韓国は、隣国の友人です。韓国で事故でも起これば再び日本へ与える影響は計り知れず、我が国のこととしてとらえる必要があります。
 このように、余りにも問題の多い原子力協定を四本一括で行うのは乱暴の極みであります。日本国民の理解も相手国民の理解も到底得られるはずはありません。
 更に一言申せば、我が国は人類初の被爆国であります。原子力の怖さを身をもって知る知見と体験を持つ国であります。にもかかわらず、死の商人の言いなりとばかりに目先の経済的利益に目を奪われ原発輸出を推進すれば、相手国の国民の生活を破壊し、人間の尊厳を否定し、人権を踏みにじる暴挙になりかねません。まさに我が国の倫理性、道義性が問われるのであります。
 進めるべきは、原子力との共存ではなく、脱原発であります。これは、人類が存続を懸け、果たすべき大きなテーマであります。人類の存続のために原発輸出は断固中止すべき、そのことを訴え、非人道的なこの協定に私は反対を表明いたします。
 以上です。
#210
○委員長(福山哲郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とロシア連邦政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#211
○委員長(福山哲郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府と大韓民国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#212
○委員長(福山哲郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、原子力の開発及び平和的利用における協力のための日本国政府とベトナム社会主義共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#213
○委員長(福山哲郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とヨルダン・ハシェミット王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#214
○委員長(福山哲郎君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、四件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#215
○委員長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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