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2011/10/28 第179回国会 参議院 参議院会議録情報 第179回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
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2011/10/28 第179回国会 参議院

参議院会議録情報 第179回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号

#1
第179回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
平成二十三年十月二十八日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十七日
    辞任         補欠選任
     田城  郁君     姫井由美子君
 十月二十八日
    辞任         補欠選任
     姫井由美子君     田城  郁君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岸  信夫君
    理 事
                相原久美子君
                外山  斎君
                島尻安伊子君
                古川 俊治君
    委 員
                郡司  彰君
                今野  東君
                田城  郁君
                徳永 エリ君
                徳永 久志君
                姫井由美子君
                猪口 邦子君
                宇都 隆史君
                長谷川 岳君
                橋本 聖子君
                木庭健太郎君
                横山 信一君
                江口 克彦君
                紙  智子君
                山内 徳信君
   国務大臣
       外務大臣     玄葉光一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  川端 達夫君
   副大臣
       内閣府副大臣   石田 勝之君
       外務副大臣    山根 隆治君
       文部科学副大臣  森 ゆうこ君
       農林水産副大臣  岩本  司君
       防衛副大臣    渡辺  周君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        園田 康博君
       文部科学大臣政
       務官       城井  崇君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        宇佐美正行君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        清水  治君
       内閣府沖縄振興
       局長       竹澤 正明君
       内閣府北方対策
       本部審議官    幸田 徳之君
       外務省欧州局長  小寺 次郎君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴木 繁治君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (新たな沖縄振興に関する法律策定の進捗状況
 に関する件)
 (新たな駐留軍用地跡地利用に関する法律の在
 り方に関する件)
 (国際地理オリンピックの募集ポスター等にお
 ける北方領土の国籍表記に関する件)
 (北方四島における日露共同経済活動に関する
 件)
 (北方四島交流事業の在り方に関する件)
 (沖縄への一括交付金の制度設計に関する件)
 (普天間飛行場移設問題への今後の対応に関す
 る件)
 (北方領土問題への政府の取組姿勢に関する件
 )
 (泡瀬干潟の埋立事業に関する件)
 (沖縄県八重山地区の教科書採択問題に対する
 文部科学省の対応に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(岸信夫君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、田城郁君が委員を辞任され、その補欠として姫井由美子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(岸信夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官清水治君外三名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岸信夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(岸信夫君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○相原久美子君 おはようございます。民主党の相原久美子でございます。この特別委員会で発言をさせていただくのは初めてのことでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、沖縄関係についてお伺いをいたしたいと思います。
 沖縄の振興特別措置法ですが、期限切れが迫っております。新たに作成されます沖縄振興策については、さきの沖縄県から提案がありました新たな沖縄振興のための制度提言、そして新たな計画の基本的考え方、沖縄振興審議会の意見具申等々を踏まえて政府において検討が進められているかと思います。
 内容に入る前にお伺いいたします。
 聞くところによれば、今年の九月までには新たな特措法の案が検討される予定と聞いておりました。しかしながら、いまだに検討の基本方向しか示されていないのではないかと思います。税制上の問題、そして予算編成、また行政現場を抱えているものとして大変な大きな課題になるかと思います。何より来年三月の沖縄振興計画の期限切れを控えて沖縄県民の方たちの不安が増しているかと思いますので、作業の進捗状況についてお伺いしたいと思います。
#7
○国務大臣(川端達夫君) おはようございます。よろしくお願いしたいと思います。
 委員御指摘のように、現行の沖振法は今年度末で期限切れを迎えます。来年度以降の新たな沖縄振興策については、沖縄県から提案をいただいておりますと同時に、沖縄振興審議会の意見具申等もいただいております。これらを踏まえまして、現在、沖縄の優位性を生かした民間主導の自立型経済の発展あるいは我が国及びアジア太平洋地域の発展に寄与する二十一世紀の万国津梁の形成等の観点を含めまして、新たな沖縄振興の検討の基本方針を取りまとめ、お示しをしたところでございます。
 現在、この基本方針に沿って、法制上及び税制・財政上の措置について関係各方面と協議しつつ鋭意検討を進めておりまして、予算、税制については年末の予算案策定に向けて引き続き調整を行っているところでありますと同時に、法的措置が必要なものについては平成二十四年の通常国会に法案を提出して年度末までに成立を期したいと思っております。
#8
○相原久美子君 では、これからちょっと具体的なことにお伺いをしたいと思いますが、その前にこれまでの沖縄振興の成果を若干振り返ってみたいなと思います。
 教育施設の整備率、それとか県内総生産の伸び率、これは同期間の全国伸び率を大幅に上回っている状況にあります。このような数字を見まして、過去の沖縄振興策というのは一定の成果は上げてきていると私どもは評価できるのではないかと思っております。しかしながら、沖縄県の一人当たりの県民所得というのがこれは全国最低水準ということで、なかなか上がっていかない状況にあります。そして、完全失業率も全国最悪。特に問題なのは、若年層の失業率が全国平均を大幅に上回っているんです。一二・六%、これは本当に雇用問題が深刻であるということを示しているのだと思います。
 沖縄に限りませんけれども、特に沖縄振興を考える場合というのは、沖縄に住んでいる皆さんのニーズに合った施策を行わなければならないのではないか、その観点で、具体的なところで質問に入りたいと思います。
 沖縄科学技術大学院大学学園法に基づきまして、沖縄科学技術大学院大学の開学の準備が進められているかと思います。恩納村に自然科学系の世界最高水準の大学院大学を設置するということのようです。もちろん、国全体として研究水準を向上させていくというところは必要ですし、私も賛成いたします。沖縄の将来を考えた長期ビジョンだろうとは思います。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、若年層の失業率の高さ、こういうこと等々を考えていくと、当面、沖縄の振興ということになるのだろうかと、私は若干疑問を感じております。今必要とされているのは、この失業率の高さ、特に若年層を意識した雇用を創出することではないか、そのように思います。
 このためには、例えば、いろいろと政府側が説明されているようなコールセンター等々は伸び率が上がっているということなわけですけれども、これに加えて、IT関連の産業を集約的に立地していく、観光業の振興のために個別の政策をしっかりと打っていく、そういうことが必要なのではないかと思っておりまして、国として、沖縄県の提案を受けて、現在検討している産業振興策についてお伺いしたいと思います。
#9
○副大臣(石田勝之君) 相原委員にお答えをいたします。
 沖縄復帰、昭和四十四年、今年で三十九年を迎えるわけであります。その経過の中で、この振興計画による振興策は第四次を迎え、来年三月に委員おっしゃるとおり切れることになるわけであります。そして、平成十四年からは、主として民間主導の自立型経済ということでやってきたわけでありまして、委員おっしゃるとおり、一定の成果は上がってきたというふうに私どもも認識をいたしております。
 しかしながら、有効求人倍率とか、あるいは県民一人当たりの所得だとか、これは極めて厳しい状況にあるのはおっしゃるとおりであります。そういった中で、現在の沖縄振興法の下で自立型経済の構築を目指して重点的に振興する分野として、まず人、これは観光であります。それから物、これは物づくり。情報、IT。金、金融であります。人、物、金のこの四本柱を位置付けて、特区制度などの優遇措置を設けて、各種の産業振興の施策を実施してきたところであります。
 こうした産業振興の施策も相まって、観光、人については五百七十万人の観光客を呼び込むことができました。約五万人の雇用を支えるリーディング産業に成長もしてきたわけであります。特別自由貿易地域、いわゆる物については、三十社の立地と四百八十二人の雇用につながってまいりました。情報通信産業、情報については、二百十六社の立地と約二万人の雇用。金融業につきましては、金融関連含めてでありますが、金については十四社の立地と六百人の雇用につながってき、成果が見られてきたわけであります。産業振興を通じた雇用の創出及び企業の立地等に一定の効果があったものと認識されるわけであります。
 他方、おっしゃるとおり、若年者に対する職業訓練やあるいはミスマッチ対策など、求職者を雇用につなげる各種政策を講じてきたところでありますが、それがなかなかミスマッチでうまくいっていないというふうな現状でもあるわけであります。引き続き、求職者対策についても一層の努力を行う必要があろうかというふうに思っております。
 今後とも、雇用対策にも配慮しつつ、効果的な産業振興を実施するとともに、民間主導の自立型経済の発展に向けた沖縄振興策を取るように鋭意努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#10
○相原久美子君 是非お願いいたします。
 長期的なビジョンも必要ですけれども、まず、長期、中期、短期、この短期が今一番求められている、そんな思いでございますので、是非しっかりと受け止めていただいて、沖縄の御意見、しっかりと受けていただければと思います。
 次に、子育て、人材育成、そういう点から少し質問をさせていただきます。
 産業振興と併せて重要であると思いますのは、医療ですとか福祉、教育などの公共サービスの充実だと思っております。沖縄県は、有り難いことに他県に比して出生率が非常に高いという状況にございます。しかしながら、この出生率の高さに比して、この子育ての受入れの機能が非常に脆弱です。例えて言えば、待機児童の多さ。待機児童の多いというのは、これは大都市の特徴でもあるわけですけれども、しかしながら沖縄は、逆に言えば全体的に待機児童が多いという、これまた特殊性がございます。そういう意味では、保育所の整備ですとか子育て施策の充実が求められているのではないかと思います。
 また、特に離島では医療従事者の確保が課題になっていると聞いております。まあこれは、医療問題は沖縄に限ったことではございません。私の出身である北海道も離島をたくさん抱えていて、やはり同じような課題として認識はしなきゃならないかとは思いますけれども、しかしながら、やはり地域のニーズに合う答えを出していくというのが、これは沖縄振興策の第一の目的ではないかと思っております。
 そういう意味で、私は、この子育ての環境整備、医療の整備というのは、ある意味、住民の皆さんのニーズにもこたえ、なおかつ雇用の創出にもつながるのではないかと、そのように思っておりますけれども、政府のお考えはいかがでございましょうか。
#11
○副大臣(石田勝之君) 待機児童についてお答えをする前に、先ほど冒頭、沖縄本土復帰、私、昭和四十七年を昭和四十四年と言い間違えましたので、四十七年、三十九年たっているわけでありますから四十七年でございますので、議事録を訂正させていただきます。
 さて、議員御指摘の、沖縄特有の課題を解決図るために、必要なサービスを充実し、雇用の創出にもつなげていくべきとの考えは大切な観点であると思料いたしております。
 現在、沖縄県は、待機児童数二千二百九十五人、全国第三位ということでありまして、一番が東京の七千八百五十五人、二番が神奈川県の三千九十五人ということで、まあ人口比率からいったら極めて高いと、そういうふうに言えるわけでありまして、待機率というのが六・六%でありまして、これは全国一位ということであります。そして、離島の診療所、県立が十六か所、町村立が四か所ということでありまして、沖縄の特殊事情というものを考えても、非常に待機児童についても厳しい状況にあるというふうに思っております。
 内閣府においては、認可外保育施設の認可化による待機児童の解消に向けた取組や、離島やへき地診療所への医師派遣等、離島医療を安定的に確保するための取組を今推進をいたしておるところであります。雇用の創出という点では、認可外保育施設の認可化は、認可保育所の基準を満たすために必要な人員の雇用がなされるほか、保護者が安心して働ける環境づくりに資すると考えております。また、離島、へき地の医療体制の一層の充実を図ることは、生活環境の厳しいこれらの地域において安心して就労する条件整備につながると考えております。
 このような観点も踏まえまして、来年度、平成二十四年度概算要求では、子育て支援や離島の医療サービスを一層充実させるための経費を計上させていただいたところであります。今後も、雇用創出の観点に留意しつつ、子育てや医療等、沖縄特有の課題にも解決へ向け一層推進してまいりたいと考えております。
#12
○相原久美子君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、一括交付金についてお伺いしたいと思います。
 一括交付金、すなわち地域自主戦略交付金の制度というのは今年度予算から実施をされております。まだまだ今年度は継続事業の割合が高いわけですけれども、地域自治体の自由裁量は着実に拡大して、自治体の現場では地域の実態に合った仕事を地域に合う形で実行していくことが可能になるわけでして、一定の効果が出ると思います。
 沖縄振興においては、特にこの手法は有効であると考えます。沖縄からの地元の要望もあると伺っておりますが、どのような検討状況にあるのか、お聞かせいただければと思います。
#13
○国務大臣(川端達夫君) 今年度から地域自主戦略交付金ということで五千億強の分をスタートさせました。沖縄においては沖縄自主戦略交付金ということで手当てをさせていただきました。御指摘のように、今までの継続事業がかなりの部分占めておりますけれども、新たな仕組みとしてスタートを切らせていただいた。
 全国ベースでいえば、いわゆる一括交付金の地域分をより拡充、増額し、市町村分に関しても手当てができるかどうかも前向きに検討しているところでありますけれども、沖縄担当大臣として、先ほど申し上げましたように、九月二十六日に沖縄政策協議会沖縄振興部会にお示しした新たな沖縄振興策の基本方針においては、この分野に関しましては、より自由度の高い沖縄の一括交付金を創設すること、具体的な制度設計については、予算編成過程において、全国ベースでの制度設計を踏まえ、国の責務としての沖縄振興の在り方を勘案しつつ検討することというふうにお示しをさせていただきました。
 また、先般閣議決定をいたしました来年度の概算要求基準におきましては、沖縄に関しましては、日本再生重点化措置の対象分野として三番目の地域活性化(新たな沖縄振興策を含む)という項目に加えて、その他の予算編成過程検討事項として、沖縄振興予算については、一括交付金に関する地元の要望を十分踏まえ、予算編成過程において検討するというふうに明示をされました。具体的な制度設計、金額等についてはなお検討を要することから、概算要求段階ではこれを踏まえて制度創設についての要求、いわゆる事項要求とさせていただきました。
 いずれにしても、全国制度である地域自主戦略交付金に比べて更に深掘りをし、より自由度が高く使い勝手の良いものとなるように、予算編成過程において地元の御意見もよく伺いつつ、真摯に対応してまいる所存でございます。
#14
○相原久美子君 是非地元の要望をしっかりと受け止めて、お願いいたします。
 時間がなくなりました。園田政務官にも御質問をお願いしていたんですが、申し訳ございません。
 最後になります。外務大臣にお伺いしたいと思います。
 私は出身が北海道でございます。北海道に限らないわけですけれども、この北方問題というのは北海道としてやはりしっかりと抱えていかなきゃならないというのは、元島民の皆様が北海道に多くいらっしゃるという点、更にやはり意識を持っていかなきゃならないなと思っています。
 それで、この元島民の方たちは相当高齢化してきております。ふるさとへの思いというのはますます強まっているのではないかと思います。もちろん、過去の政権からずっといろいろな形で四島交流も含めて努力はしてきていただきました。これは一朝一夕には解決しないまでも、両国間の信頼関係をいかにつくっていくかということに懸かっているかと思います。御決意のほどをよろしくお願いいたします。
#15
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今、相原委員からお話がありましたように、戦後六十六年たったわけです。元島民の方々も平均七十七歳ということで本当に御高齢になられていて、そのお気持ちを察すると、本当一日も早くという思いは募るばかりであります。
 今、四島交流という話がございました。自由訪問あるいは墓参、そういった形で言わば相互理解のための活動もしておりますけれども、そういったことも通じながら、おっしゃるとおり、首脳同士の信頼関係というのも非常に大事な話だというふうに思っています。粘り強く決意を持って対応していきたいというふうに考えております。
#16
○相原久美子君 終わります。
#17
○島尻安伊子君 自由民主党島尻安伊子でございます。
 駐留軍用地跡地利用に関してお伺いをいたします。
 去る九月二十六日に開かれました沖縄政策協議会沖縄振興部会で、駐留軍用地の跡地利用に関する新たな法律の整備を検討することが示されました。ここで、沖縄県が求める給付金制度の見直しについては、大規模跡地及び特定跡地の制度等の現行の枠組みの継続とされまして、つまり県の要望が全く反映をされていないということでございます。
 そこで、お聞きいたしますけれども、去る七月二十九日の衆議院の内閣委員会で、当時、小川防衛副大臣は、予算に限りがあるので給付金の延長は困難だとの見解を示されました。しかしながら、返還後直ちにこの土地が使用できない期間が生じるというのは、国策として民有地を長期間米軍へ提供してきたことに由来するものでございまして、地権者の力の全く及ばないことだというふうに考えております。
 今後、大規模跡地の返還が予測される中で、地権者はこの給付金の給付の在り方が見えないということに大変不安を感じております。返還されるときにはもちろん、この返された土地が使用が可能になるまでの間は給付金を支給すべきと考えますけれども、川端大臣及び防衛副大臣の答弁を求めます。
#18
○国務大臣(川端達夫君) 沖縄県からは、先生言われた同趣旨の部分で強い御要望をいただいていることは承知をいたしております。
 そういう中で、内閣府としては、沖縄振興における大規模跡地及び特定跡地の指定について所管をいたしておりまして、指定されますと、大規模跡地給付金又は特定跡地給付金がそれぞれ支給される仕組みとなっておって、この仕組みについては一義的には防衛省の所管でありますのでということを踏まえた中で御答弁をさせていただきたいと思います。
 跡地利用の部分での、先生おっしゃったようないろんな経過の中で、普通の跡地、跡地といいますか、普通の地権者が持っている立場とは違う条件にあることはそうだというふうに思っております。
 そういう中で、財政的な問題と同時に、限られた予算との関係と同時に、跡地利用への影響などいろんな幅広い議論が今されていると思っております。いろんな観点から引き続き政府においてしっかり検討してまいる所存でございます。
#19
○副大臣(渡辺周君) 小川前副大臣が予算に限りがあるというような言い方で内閣委員会で答弁をされたと。限りがあるというのは、私は限られた予算の範囲内でというような意味だったと思いますけれども、ただ、この返還された跡地がどれぐらい原状回復をされて使えるようになるのかということについては、正直予見ができない部分もございます。
 例えば、かつて返還された土地の下からは米軍が置いていったと思われるようなものがドラム缶に入って出てきたとか、あるいは下に何かの例えば遺跡とかがあったりするとなれば、じゃ実際そこがどう使えるのかということについては現状なかなか予見できない点もありますので、この点については、要望されている沖縄の方々、一川大臣が仲井眞知事とお会いしたときもそういう御要望を沖縄でいただいております。そして、その議論のいきさつも承知をしておりますので、どういう形が望ましいかということについては真摯に耳を傾けて、いろいろまた意見交換をする中で一つの方向性というものを話し合っていきたいなと、そんなふうに考えております。
 以上でございます。
#20
○島尻安伊子君 川端大臣、今御答弁の中で、この特定跡地、あるいはこれから大規模跡地というものが出てくるんですけれども、その指定に関しては防衛省というふうにおっしゃいましたか。もう一度御答弁いただきます。
#21
○国務大臣(川端達夫君) 失礼を、お聞き苦しかったとしたら恐縮でございました。
 内閣府としては、沖縄振興法における大規模跡地及び特定跡地の指定について所管をいたしております。
#22
○島尻安伊子君 じゃ、この際お聞きいたしますけれども、もうこの沖縄振興部会で新たなこの法律、駐留軍用地跡地利用に関する新たな法律を作るということでございまして、その中には必ずこの給付金の在り方というのが入ってくるわけであります。
 今、川端大臣がまさにおっしゃいましたけれども、指定は内閣府、そして多分支払は防衛省だというふうにおっしゃるんだというふうに思いますけれども、この調整をどう図っていかれるのか、お聞かせください。
#23
○国務大臣(川端達夫君) 沖縄県を中心とした地権者の皆さんにとっては、所管の役所がどこで仕分されているかというのは関係がないということであろうと思います。法律としてまとめていくときには、御要望を踏まえる中で、両府省それぞれ緊密に連携を取りながら制度設計をしてまいりたいと思っております。
#24
○島尻安伊子君 いや、私はそれを聞いているのではなくて、それをというか、軍用地主には関係ないというふうにおっしゃいましたけれども、そうではなくて、制度として川端大臣がこの給付金の在り方に関してどう調整をなさるのかということを聞いているんです。
#25
○国務大臣(川端達夫君) ですから、制度設計をして法律を出すのは内閣府でございますので、この制度設計をして新しい立法をしていくときのどういうスキームでするかということを含めて、防衛省は支給するということで、支給に関しては防衛省所管でありますので、予算、財政的な問題も含めていろいろあるということでありますので、役所としては調整をしてまいりますが、沖縄の地元の皆さんの御要望等々は、今日も協議会の皆さんおいでになりましたけれども、そういう形でいろいろと地元の皆さんの御意向は真摯に御意見を伺ってまいりたいという意味で申し上げました。
#26
○島尻安伊子君 お聞きしたいことがたくさんあるので、次に進みます。
 それでは、先日二十六日の衆議院の沖北委員会で川端大臣が、内閣府の今後の跡地利用施策の展開方策検討委員会で有識者から給付金の支給期間の延長は跡地利用の推進を阻害するとの意見があったと答弁をなさっております。この事実についてまずお聞きいたします。
#27
○国務大臣(川端達夫君) 質問者の委員から、実際に支給を使用収益が出るまで延長をしてほしいという御要望を含めた意見がございました。私の発言としては、実際に使えるまでの部分の延長をという御要望は承っておりますということと、多少省略しますが、議論として、そういうやり方をするのと同時に、もう一つは、決まらなくてもそれが動き出すまではずっと給付金が出るということだとインセンティブという意味では逆になるのではないかという議論もありますという発言をいたしました。
 その後、この部分に関してということで、これ、どこから引用したかということで、この委員会でも申し上げたんですが、一月十八日に内閣府が開催した今後の跡地利用施策の展開方策に関する検討委員会において有識者からいただいた意見の一つでございまして、当有識者委員からは、給付金の延長は事業を実施する上で先買いの極めて大きな障害になるとの御発言や、事業が遅れれば遅れるほど使用収益開始が遅れ給付金を支払い続けるということになり、地権者の非協力を促す可能性があるとの御意見をいただきました。一方で、給付金については、同検討委員会で他の有識者委員からは、軍用地代が払われなくなってから三年たつと生活再建ができるというような合理的な根拠はないと思われるとの御意見もありました。
 これらを踏まえて、今年三月にまとめられた同検討委員会報告では、現在返還後の地権者等の生活保障的な観点から支給している給付金の支給期間については、跡地利用に係る合意形成等に与える影響等も考慮し、今後、慎重な検討が必要であるとされたところでありまして、給付金の拡充については様々な御議論があることを承知しており、幅広い観点から引き続き政府においてしっかり検討をしてまいりたいと思っております。
#28
○島尻安伊子君 今の御答弁ですと、この給付金の在り方について議論があったというふうなことのようにお聞きするんですけれども、実際に私もインターネット等でこの検討委員会の報告書等々を見ておりますけれども、その中で給付金に触れられたところというのは、いわゆるこれは意見としてあるのかもしれませんけれども、議論としてなされたというその痕跡が見付かっておりません。
 もう一度お聞きいたしますけれども、今、ある有識者から給付金の支給期間の延長は跡地利用の推進を阻害するという意見があったということに関して、それに関してのその議論というのが、委員会で議論がなされたのかどうか、もう一度確認させていただきます。
#29
○国務大臣(川端達夫君) 私、その場にいたものではありませんが、今先生もインターネットでというふうに言われましたけれども、公開されている今後の跡地利用施策の展開方策に関する検討委員会第二回議事要旨というものの中で、給付金関連部分のみ抜粋というふうに申し上げますと、私が今二人の意見を紹介した部分が書いてあるということが事実関係としてあります。
 議事要旨でありますので、どういうその以外に議論があったかは今のところ私は承知をいたしておりません。
#30
○島尻安伊子君 ちょっと手元に、意見があったという中で、議論ではなく意見があったというくだりの中で、もう少しそこを読み進めていきますと、この有識者と言われる方も、回避する制度、つまり支払い続けるということで跡地利用の促進を阻害する可能性がある、しかしながら、それを回避する制度をつくることでこれは解決するのではないかという意見があったということもちょっとお聞きをしたわけですけれども、その点に関して、この回避する制度、どのようなものがおありと思うか、大臣の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
#31
○国務大臣(川端達夫君) 失礼いたしました。有識者委員で、私、先般の委員会で引用した部分だけを申し上げましたけれども、その方の委員の議事要旨の発言では、その後に引き続いて、もし給付金の延長をするのであれば、そういう副作用が出ないようなやり方を検討しないといけないと言われたことは事実でございました。
 現在、そういう御提起を含めて、先ほど申し上げましたように、今の状況からいろいろこれからの新しい制度をつくるときに、御要望もあればこういう意見もある、そして新たな仕組みはどうするかという、こういう御提起の中で課題提起をされているわけですから、慎重にいろんな幅広い今議論をしているところで、今こういうアイデアがあるというところまで申し上げる段階ではございませんので、またいろいろ御提言もありましたらお聞かせいただければ有り難いと思います。
#32
○島尻安伊子君 つまり、議論がまだされていないということだというふうに思います。
 是非、先ほどもお話しさせていただきましたけれども、返還後直ちに土地の使用ができない、不可能だということ、これは考慮していただかなければいけません。一般の土地区画整理事業とは全く違うんだ、基地の跡地の土地区画整理事業からくる地権者への影響というその負担というのは全く違うんだということを申し上げたいというふうに思いますが、大臣、この違いというのはお分かりですか。どこが違うかというのはお分かりですか。
#33
○国務大臣(川端達夫君) 長年にわたって、自らの意思に関係なくというか、経過としてはいろんな経過の中で私の土地が基地として使われ、正直申し上げて返還される時期がなかなか見えない、あるいは返還された後の部分でどう使うかというときに、時期がはっきりしなかったという部分も決まるまではありました。
 同時に、その後使おうというときの計画ということをするときには、当然ながらその土地のいろんな調査も含めてやらなければならないというときの、基地のときは、返還前は基地内の立入調査が極めて困難であったというふうに、一般の土地とは異なる点があることは承知をいたしております。
#34
○島尻安伊子君 つまりですね、一般の土地区画整理というのは、その部分使いながら、区画整理をやっていないところを使いながら整理事業が成り立つわけですけれども、軍の跡地利用というのは、もう全く使えない、もう返しますと言ってもその部分がまだ、そこから生産性が全くないというわけでありまして、この辺の考慮はしていただかなければならないと思います。
 先ほど防衛副大臣の方からもございました。軍が使用した土地から何が出てくるか分からないとくしくもおっしゃったわけであります。土壌汚染の可能性もある、あるいは何か、何というんでしょうか、発掘調査をしなければならないような大事なものが見付かるかもしれない。そういう中でやはり何が必要かというと、来るべき日、その返還される日を目掛けて準備をしていかなければならないんだというふうに思うわけでありますので、こういう観点からも、是非、これから御議論されるであろう、あるいは形がもうできているかもしれませんけれども、駐留軍用地の跡地利用に関する新たな法律を作るときのきちんとしたその考え方、あるべき姿というのは考えていっていただきたいというふうに思います。その中で、今日は特にこの給付金の支給の在り方ということをもうきちんと考えていただきたいという御要望をさせていただきたいというふうに思っております。
 それでは、次の質問に移ります。
 TPPの締結で沖縄県の農業がどう影響を受けるかということをお聞きしたいというふうに思います。
 御存じのとおり、沖縄県では、台風や干ばつの多い気象条件であり、本土市場から遠隔な離島地域であるという特性の下で、サトウキビと畜産を中心とする農業が営まれております。この度のTPP締結によって沖縄の農業全体に及ぼす影響額を幾らと試算しているのか、農水副大臣にお聞きしたいと思います。
#35
○副大臣(岩本司君) 島尻先生におかれましては、私がこの委員会に所属しているときから御指導を賜っていることを、本当に感謝をこの場をお借りして申し上げたいと思います。
 農水省といたしましては、TPP参加による沖縄県農業の全体に及ぼす影響については試算はいたしておりません。と申しますのも、農水省だけではなくて、各省庁がTPPに関係する各国から今情報を収集している段階でございまして、各省庁がその情報を各省庁同士情報交換しているところでございます。
 ただ、TPPとは関係なく、昨年の十月に農水省として公表しておる試算では、仮に国境措置を撤廃して対策を取らなかった場合、サトウキビ等の甘味資源作物は一〇〇%、いわゆる全て競合するものに置き換わる見込みであると公表をいたしております。
#36
○島尻安伊子君 試算を出していない。是非試算を出していただきたいわけでありますけれども、私の手元に来ている資料では、サトウキビ、八十八万トンの生産で百九十七億円。この地域経済への影響は四・二九倍ということで、つまり約八百四十五億円だというふうに出ております。また、沖縄県の試算で、農林水産業への影響は総額で一千四百二十億円。これでは、こんな巨額な悪影響が出るということは、まだまだ脆弱な沖縄の経済に大打撃を与えるということは想像に難くないわけでございます。
 こういった背景を、沖縄担当大臣、沖縄振興という観点からの御見解をお聞きしたいと思います。
#37
○国務大臣(川端達夫君) TPPには、参加するかどうかという今白熱した議論が進められて、政府においても検討しているということでありますので、交渉を現在しているわけでないし、入るかどうかも、参加するかどうかも決めていないということは前提としながらでございますけれども、仮に現在の国境措置が、今お話のありました、撤廃され、何らかの国内対策が講じられなかった場合には、今農水省からお話のありましたように、砂糖の内外価格差が約三倍であることを考えると、沖縄の地域経済に与える影響は大変厳しいものになるというふうに考えられます。
 主産物であるサトウキビ、今もお触れをいただきました。沖縄における農産出荷額の第一位であります。そして、作付けの面積は農作物作付面積の五四・一%、農家戸数は農家全体の七三%ということで、収支の中心の、特に離島における生活の一番支えているものであることは間違いないことでありまして、現在、輸入糖、輸入価格六十五円に対しては調整金三十二円課すとともに、これを財源として国産糖の生産を支援しているということでありますので、こういうものを全部やめれば大変なことになることは火を見るより明らかな状態というのは、極めて深刻な事態になり得るということは言えると思います。
 食と農林漁業の再生というのは、今農水省からもお話ありましたように、TPPの参加交渉の判断いかんにかかわらず進めていくべきであるというものと加えて、沖縄振興は国の責務としてしっかりやらなければいけないという観点から、この度決められました我が国の食と農林漁業再生のための基本方針・行動計画に基づいて、内閣府においても、沖縄振興という立場から関係省や地元と密接に連携を取りながら適切に対処してまいりたいというふうに思っておりますし、具体的な方策については、全般的に、基本方針・行動計画の中では国民的議論を経て個別の経済連携ごとに検討することとされています。
#38
○島尻安伊子君 もう是非それは空暗記していただきたいなというふうに思います。なぜ沖縄の振興が必要なのか、なぜ強い沖縄をつくらなければならないのかということを、沖縄担当大臣のもう自らの口で、思いでお話しをいただきたかったというふうに思います。
 本当に、最近のアジアの安全保障という点でも、この国境離島を抱える沖縄県がきちんと強い経済がある、あるいはこの離島の人口を減らさないというのは常識的な話でございまして、最後になるかもしれません、外務大臣、この安全保障という点からこの沖縄の農業をどう、どうといいますか、守る必要性、あるいは沖縄の経済を強くしていく必要性、外務大臣の御見解をいただきたいと思います。
#39
○国務大臣(玄葉光一郎君) おっしゃるように、砂糖ってそもそもセンシティブ品目だというふうに思います。これは、実は日本だけじゃないというところがあります。
 確かに、北海道のてん菜よりも沖縄のサトウキビあるいは鹿児島のサトウキビの方が大変だというふうに私自身も認識をしています。問題は、やっぱり対策次第ということだと思います。しっかり対策を取ると、仮にTPPに参加交渉ということになればですね。問題はそういうことだというふうに思います。
 同時に、TPP参加自体にかかわらず、やはり島嶼の防衛というのはしっかりしていく、あるいは経済そのものもしっかりしていく、そういう姿勢で臨んでいく必要があるというふうに考えております。
#40
○島尻安伊子君 本当、おっしゃるとおりなんです。もし南西諸島に人が住まなくなったときの例えば自衛隊と海上保安庁の装備あるいは人件費、幾ら掛かるかというのが東海大学の山田教授という方が出されているんですけれども、約一兆円、それから年間の恒常経費で約一千億だというふうに出ております。
 本当にいろいろな観点からこのTPPに関しては御議論をいただかないと、覆水盆に返らずではもうしようがありません。普天間の件もそうです。そのことに関しても質問をしたかったんですけれども、ちょっと時間がなくてそこまで進みませんでしたけれども、もう同じことです。できなかったのでまた抜けますと言うことは、それはもう不可能だというふうに思いますし、これ以上世界からの日本の信頼が失墜することのないように頑張っていただきたいと思います。
 終わります。
    ─────────────
#41
○委員長(岸信夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、姫井由美子君が委員を辞任され、その補欠として田城郁君が選任されました。
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#42
○長谷川岳君 自由民主党の北海道の長谷川岳です。
 今日は皆様にお手元に資料をお配りをさせていただいておりますが、まず最初に、お手元に配付した資料一を御覧になっていただきたいと思います。
 文部科学省が後援となっている国際地理オリンピック日本委員会が行っている国際大会、国際地理オリンピックの募集ポスターで、北方領土をロシア領と表記した地球儀の写真が使われていたことが九月二十九日明らかになりました。
 実行委員長のコメントは、注意が足りなかったと釈明をしておりますが、ポスターの作成に中学、高校の地理教員及び大学教授、そして文科省の教育政策研究員の方も含まれておりまして、十名程度の方が携わったといいますが、教育者とあろう者がこんな間違いをするようなことであれば、教育現場はいつも間違った教育をしているのではないかと。注意が足りないのではなく、ほとんど見ていないか、北方領土をロシア領と認識をしているか、どちらかではないかと私は思いますが、文科省のお答えをいただきたいと思います。
#43
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 文部科学省といたしましても、このようなゆゆしき事案が発生いたしましたことについて、誠に遺憾であるというふうに考えております。
 今回の事案の発生を受けまして、文部科学省から十月五日付けで国際地理オリンピック日本委員会に対しまして、ポスターが作成された経緯、ポスターの取扱い、再発防止策について報告を求め、日本委員会からは十月二十四日に文部科学省に対して報告書の提出がございました。文部科学省といたしましては、提出された報告書の内容について確認をするとともに、日本委員会に対して、再発防止策の徹底を図り、今後同様な事案が生じないように指導を行ったところでございます。
#44
○長谷川岳君 遺憾という、第三者的なというか、発言が聞かれましたが、もう一度繰り返します。委員には文科省の教育政策研究所の調査官が入っているんです。そのことについてどう思われますか。
#45
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 今委員から御指摘ございましたように、文部科学省の調査官がメンバーの一人として入っておることは承知をいたしております。そのことも含めて、極めて遺憾であるというふうに感じております。
#46
○長谷川岳君 遺憾というよりは、どのような措置をもう一回とったか。特に、委員としてこのように文科省に極めて近いというか、そのものの方が入っていることに対して、その後どのような防止策を取っているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#47
○大臣政務官(城井崇君) 一つ事実誤認がありましたので訂正させていただきますと、ポスターの図案選定自体には調査官は加わっておりませんでしたので、訂正をさせていただきたいと思います。
 その上で、国際地理オリンピック日本委員会に対しての処分とそして対応、再発防止策ということでございますけれども、今回の誤りに対しまして国際地理オリンピック日本委員会では、ポスターを作成し直すとともに、学会で配布済みのポスターについても回収を行い、印刷済みのポスターについては全て廃棄処分を行うことに決めたと承知をいたしております。
 また、日本委員会委員長からは、今回ポスターの作成を担当していた実行委員会の委員長に対し厳重注意を行い、再発防止を指示するとともに、実行委員会の委員長を通じてポスター作成に携わった全委員に対して厳重注意を行ったと聞いています。
 日本委員会からは、再発防止策として、地理オリンピック日本委員会内の確認体制を強化すること、そして共催団体である日本地理学会における確認体制を整備すること、そしてポスター等の校正において原寸大に印刷された紙でチェックを行う、特に外国で作成された地球儀や地図を用いる場合には細心の注意を払うなどの対応を行ったとの報告を受けております。
 今回の報告の中で、私も詳細を確認しました。いわゆるパソコンのディスプレー上の確認で見逃したということで、故意ではなかったという話でありますとか、あるいは今回の即時回収をいたしたというふうな報告もあるわけですけれども、ただ、委員も御指摘のように、今回の件の事の重大さというところを我々としてもしかと受け止め直しながら、今回の再発防止策については徹底をしていくということでさせていただきたいというふうに存じます。
#48
○長谷川岳君 また、お手元の資料二を御覧になっていただきたいんですが、これは十月六日、産経新聞の一面にも、文部科学省所管社団法人日本図書協会が全国の図書館に推奨する子供向けの絵本、「国旗の絵本」、これが現物でありますけれども、この中に北方領土をロシア領と色分けをした地図が掲載されています。これは一番最初のページと、並びに一番最後のページ、両方にかかれている世界地図の中に北方領土がロシア領と色分けした地図が掲載されていることが判明をいたしました。
 この絵本は六十二年に初版を発行しておりまして、平成六年の二十九版より北方領土をロシア領と色付けをしております。今年十一月から発行する九十四版で北方領土を日本の色に訂正したとされております。なお、発行社側は、訂正したが、「問題を提起するため、あえてやった」と、そのようなことをおっしゃっております。そして、絵本の企画・編集した戸田デザイン研究所の戸田やすし氏は、日本の領土なのに日本人が行き来できない不正常な状況を表現するためにあえてロシア領の色にしたと言っておりますが、説明不足だったので訂正したと言っております。
 文部科学省として、これもどのようなことを思っておりますか。そして、どのような対処をいたしましたか。
#49
○大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。
 まず、大前提といたしまして、北方四島は我が国固有の領土であります。このような本が所管法人の選定図書として流通したことは極めて遺憾であります。
 文部科学省といたしましては、この度の報道を受けまして直ちに日本図書協会から事情聴取をいたしました。その結果、同協会が選定作業の対象とした昭和六十二年八月の初版では北方四島が日本領として色分けされておりましたけれども、その後、平成六年に発行者側が無断で内容変更を行ったということが明らかになりました。
 このことも踏まえまして、文部科学省といたしましては、この協会に対しまして、その公共的な立場というものに照らしまして、この書籍の選定取消しも含めて責任ある対応を取るように指導したところでございます。これを受けて、現在、協会におきましても具体的な対応及び今後の選定方法の見直しについて検討していると承知をいたしております。
 なお、先ほど御指摘のあった理由というところについては、御指摘のお話も耳に入っておりますし、また直接の聴取に対しては別のお答えもありましたので、その点は改めて確認をさせていただきたいと存じます。
#50
○長谷川岳君 文部科学省への説明は、ただの印刷ミスだというふうに言っておると聞いておりますが、このような確認はまだしていないということでしょうか。
#51
○大臣政務官(城井崇君) 今議員から御指摘があったとおりのお話を聞いております。
#52
○長谷川岳君 早急に確認をしていただくようにお願いをいたします。いかがでしょうか。
#53
○大臣政務官(城井崇君) 事の重大性に鑑みて、できる限り速やかに対応させていただきたいと思います。
#54
○長谷川岳君 このように、九月そして十月と、二つ続けざまに起きまして、やはり北方担当大臣としてどのように思われますか。また、今後このようなことが起きないために、どのように取り組んでいくかを伺いたいと思います。
#55
○国務大臣(川端達夫君) まず、我が国の固有の領土に対してこのような事態が起こったということは極めて遺憾でありまして、関係するということでの文科省に対しては、今御報告があったようなことを含めて事情の経過と対応について報告を求めると同時に、遺憾の意を表したところでございますが。
 今、文科省からも報告があり、報道にもありましたけれども、一つは、やっぱり教育現場で誤った情報が流れてはいけないということでの、教科書を含めたいろんな器材は子供に目が触れるものですから、そういうことに対しての周知徹底を誤りなきようにということのお願いと同時に、やはり編集者、関係者がそのことを見過ごすということは、意識がないという、やっぱりここが一番国民世論として、我々一生懸命いろんな世論喚起を交流事業も含めてやってきておりますけれども、まだまだ十分でないということを改めて感じました。
 世の中の皆さんに、非常に逆説的に言えば、こういうことで何かしてもらうということになったこともありますけれども、そうではなくてきちっと、一番ベースは教育から始まりますけれども、あらゆる機会に我が国の固有の領土であるという、領土問題に関しては周知徹底、啓蒙啓発ができるようにいろんな知恵を出していきたいと思いますし、委員におかれてまたいろんなアイデアもありましたらいろいろ御示唆いただければ有り難いと思います。
#56
○長谷川岳君 ほかにもこのような事象がないかどうか、文部科学省は調査をしておりますか。
#57
○大臣政務官(城井崇君) 今回の事案を受けまして、関連する書籍というものがどうかということで確認を始めておるところでございますけれども、日本図書協会が選定する図書ということで申しますと、大体年間一万点ずつ現在のところあるような形でありまして、この数の多さというところを考えながら、どのように対処すべきかというところを今考えております。
 とりわけに、まずはということで、隗から始めよということではありませんが、文部科学省が自ら作成をする図書等においては、当然これまでもしっかりチェックをしておるということでありますけれども、改めてこのような事例が生ずることがないように引き続き万全の注意を払っていきたいというふうに思っております。
 その上で、先ほどの数の多さを見ると、まずはということで各団体に対しまして注意喚起に努めるとともに、厳正に対応をしていくということで取り組ませていただきたいと存じております。
#58
○長谷川岳君 いずれにしても、この二つの問題は領土問題への意識の希薄さがやはり蔓延していることの表れではないかと、そういう観点から、今度は啓発運動そして領土の返還運動に対する組織の在り方について伺いたいと思います。
 川端大臣は、所信において、北方領土問題が一日も早く解決されるよう、関係団体と緊密に連携し、北方領土返還に向けた環境整備に取り組むと発言をされております。北海道においても北方領土返還に努力をしておりますけれども、その核となるのが外務省所管の社団法人北方領土復帰期成同盟であります。この復帰同盟は、民間活動家の方々が四百四十名いらっしゃって、北方領土返還協力員として協力をしてくださっているような団体でもありますけれども、まず、外務省としてこの社団の事業効果についてどのような評価をしているのかを伺いたいと思います。
#59
○国務大臣(玄葉光一郎君) 北方領土返還要求団体というのは、もう御存じのように幾つかあるわけであります。それは、例えば北対協とかあるいは千島連盟であるとか北連協であるとか北隣協であるとか、いろいろあると。
 北方同盟もおっしゃるようにその一つということでありまして、評価というか、基本的にこの北方同盟というのは、設立目的は今おっしゃったとおり北方領土返還要求に関する国民世論の啓発にあると。そして同時に、外務省、外務大臣許可の公益法人、昭和四十年ということでございます。
#60
○長谷川岳君 多くの方々がかかわっておりまして、民間の活動家の方も多く協力をしておりますが、残念なことに平成十二年に使途不明金問題を起こしております。
 主務官庁である外務省は、この社団に対して事務管理の体制あるいは監査の体制等について調査し、再発防止をするとしておりますが、外務省は支出している補助金に関する検査体制をどのようにしているのかを伺いたいと思います。
#61
○副大臣(山根隆治君) 今委員お話ございました、平成十二年に北方同盟において預金残高の不足金及び事業にかかわる取引先への未払金が生じていることが判明したということでございますが、しかしながら、その後、同年十月に北方同盟が本件を札幌方面中央警察署長に告訴をいたしましたが、横領の事実等はなく、ずさんな会計処理によるものであるということが分かり、不起訴処分になったと、こういう内容のものでございます。
 これを受けまして、北方同盟においては、通帳等の管理方法を見直したほか、通帳と関係帳票とのチェックの定期化、印鑑、金庫等の管理体制の強化等の改善策を施した旨の報告を受けておりますが、外務省としては、これらを受けまして、北方同盟に対して事務管理体制及び監査体制等の調査を行い、再発防止に関する監督指導を行ってきたところでございます。
#62
○長谷川岳君 この社団については、会計検査院は検査をしたのかどうかを伺いたいと思います。
#63
○説明員(鈴木繁治君) お答えいたします。
 北方同盟は外務省等から補助金等の交付を受けておりまして、会計検査院としては、補助事業等に関して外務省、同団体等に対し検査を実施してきているところでございます。
#64
○長谷川岳君 北方領土復帰期成同盟というのは、返還要求運動を道内の各地域に定着させて推進するために、昭和四十六年、各支庁の所在地に地方支部を設立し、また、昭和五十年三月には、都市対策として札幌市にも地方支部を設立し、北海道内に十五の地方支部を拠点として北方領土返還要求の世論を高めるための事業を行っているということだが、ここで言う地方支部というのは、北方領土復帰期成同盟の下部組織ということでよろしいでしょうか。外務省に伺いたいと思います。
#65
○副大臣(山根隆治君) 組織的には本部があって地方があるということで、下部組織ということが組織的には言えるかとも思いますが、実態といたしましては、本部が地方を監督指導するという影響下がなく、地方支部が自立した活動を行っているというふうに承知しております。
#66
○長谷川岳君 この地方支部は任意団体であり、のような言い方をすると監督等の義務はないというような意見ではありますけれども、私は、この北方領土復帰期成同盟の例えば地方支部に対する補助金の検査等についてしっかりやっているのか、あるいは検査体制になっているのかを伺いたいと思います。
#67
○副大臣(山根隆治君) 実際のところ様々な地方支部にもいろいろな問題というものがあってはいけないと、こういうようなことで注視、監視をしているという状況でございます。
#68
○長谷川岳君 私たちの聞き取りでは、平成二十二年度において総会を開催していない地方支部がありました。総会を開催していないということはしっかりとした会計監査が行われているかも疑問でありまして、そういった団体に国の補助金が支出されているということに対して外務省の見解を伺いたいと思います。
#69
○副大臣(山根隆治君) この組織については、国、そして道も支援をしているというところでございますけれども、国の一定の額というものも補助を、四千万円ほどでしたでしょうか、させていただいているということもございますので、しっかりと地方支部についても監督をし、指導をすると、こういう責任があるかと思いますので、しっかり今後についても各支部に対して必要な助言や指導を行っていくというふうに承知をいたしております、認識をいたしております。
#70
○長谷川岳君 北方領土問題というのは、昨年のロシア大統領の訪問を含め、先日の韓国国会議員の訪問と、現在の日本の外交責任が問われるゆゆしき状況であります。そういった中、一丸となって北方領土返還に向けて取り組んでいかなければならないが、返還運動のトップの団体がこのような状況であって、団体を所管する省庁として、地方支部を含めた一つは検査体制の確立、そして北方領土の返還運動が成果のある取組となるようにやはり指導監督が必要だというふうに思います。
 そして、もう一つ言うと、この年間の返還活動が道内中心のためになかなか全国化していない、それぞれ全国にありますけれども全国化していない。あるいは啓発運動が実際どのような形で行われているのか、若い人の反応はどうだろうかと、あるいは人の集まり具合はどうだろうかと、返還運動にかかわりたくなるようなこういった啓蒙活動になっているかどうかということをやはり現場を一度きちっと御覧になって認識をしていただくことが必要だというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#71
○副大臣(山根隆治君) 同団体は非常に歴史のある団体でございます。非常に今回このようなずさんな管理が行われてきたということについては残念でございますけれども、地方支部におきましても今委員御指摘のように様々な問題等が現地の情報から御認識されていると思いますので、また情報提供もいただきながら、今後しっかり監督できるようにいたしたいと思います。そしてまた、現地を視察せよということについても検討をさせていただきたいと思います。
#72
○長谷川岳君 質問を終わります。ありがとうございました。
#73
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。
 早速ですけれども、まだ資料配られておりませんが、今、配られる資料に基づいて最初の質問をさせていただきますが、日本の閣僚の北方領土訪問は二〇〇五年の小池担当大臣以来途絶えております。それに対して、ロシア側はかなり多くの閣僚がこの北方四島に上陸をしております。とりわけ、昨年のメドベージェフ大統領の上陸以来、矢継ぎ早に、矢継ぎ早にというか、かなりの数の閣僚が訪問をしているという実態があるわけです。これは、言ってみれば普天間問題に端を発した日米同盟のすきをつくような形でロシアが攻勢を掛けてきていると、もっと言うと日本の抑えが利かなくなっていると、そういう状況を表しているというふうに私はとらえるものでございます。
 そういう意味で、まずこのことについてどう考えるか、川端大臣にお聞きをいたします。そして、大臣には是非訪問をしていただきたいわけでありますが、御決意を伺います。
#74
○国務大臣(川端達夫君) お答えいたします。
 御指摘のように、ここ、昨年の十一月のメドベージェフ大統領以降加速的にそういう主要人物が行っているということは我が国の立場とは全く相入れないことでありますので、まずはこれは極めてゆゆしき事態であり、極めて遺憾であるというふうに思っておりますし、その背景に先生御指摘のような状況を含めていろいろなことがあり得るというか、あることも事実だというふうに思っておりますし、やはり日本の外交の一番基本でありますので、しっかりと毅然として対応することが一番肝要であろうというふうに思っております。
 そういう中で、日本の閣僚、私に行けということで、先生、先般ビザなし渡航で行かれたと伺っておりますけれども、やはり現地に行くことは大変大きな知見になることは事実だという、肌で感じるということでありますが、御案内のとおり、今我が国が行く仕組みはビザなし渡航の枠組みしか行けないと。日が決まっているというときに、小池百合子大臣、当時大臣が行かれたのは平成十七年七月七日―十一日ということで、もう随分、五年ほど誰も行っていないという状況でありますが、国会日程等々を含めますと、先生も一週間ぐらい多分行かれたと思いますが、四、五日から一週間、向こうの日程に合わせてというので、結果的に非常に困難で行けていないというのが現状でありますが、うまく合えば私も是非ともにと思って検討してまいりたいと思っております。
#75
○横山信一君 上陸するには訪問事業しかないわけでありますけれども、まずは航空機視察とかそういう形で是非行っていただきたいわけでありますが、これは外務大臣にも是非お願いをしたいわけでございます。どうでしょうか。
#76
○国務大臣(玄葉光一郎君) おっしゃるように、結局、四島交流の枠組みというお話になると一定の制約があるわけですよね。ですから、まさにおっしゃったとおり、航空機視察、これは総理大臣とか外務大臣とかという形でやられている方々いらっしゃるわけで、それはもう私もそういうことを当然考えたいというふうに思っています。
#77
○横山信一君 是非実現をしていただきたいと思います。
 次に、旗問題はちょっと後回しにさせていただきまして、先日、前原政調会長が択捉島に上陸をいたしまして、その後経済交流について発言をされたわけでありますが、北方領土の隣接地域の自治体、北隣協と言いますけれども、この北隣協の方たちはおおむねこれを好意的に受け止めております。しかし、実際には、これを実現するには商法とか税法の法的な問題があるわけであります。
 先日私も、今御紹介いただきましたけれども、色丹島に上陸をいたしました。そのときに穴澗村というところがあるんですが、色丹島に、そこのディーゼル発電所、これは日本が人道支援で提供したものでありますけれども、そこを視察をさせていただいたんですが、そこの説明の中で、発電機が故障したことがあってそのタービンを交換しなくちゃいけなかったと、それで、日本にタービンの交換をお願いしたけれども、日本は経済交流していないのでタービンは提供できないというふうに断られたんだという、そういうお話がございました。アメリカ製のものを入れて今は快調に動いているみたいな話をされたんですけれども。
 要するに、この発電所のようなインフラというか、こうしたインフラ整備というのは、四島の中でもとりわけ国後島とか色丹島ではその島民の人たちが非常に望んでいることでもあります。これは、本国からもあるいは州政府からもそれほど、クリル発展計画というのが今あるんですけれども、大々的にうたっている割にはそれほど目覚ましく進展をしていっていないという状況もありまして、インフラ整備を非常に強く望んでいると。
 先ほど申しましたようなこのタービンが、もし経済交流が実現していれば日本もそこにタービンを提供するということもできたわけでありまして、インフラを整備するまではいいんですが、その後のメンテナンスを含めて日本がそのメンテナンスをずっとやっていければ、これは日本との関係は非常に緊密になっていくわけであります。
 そういう意味で、この領土返還ということを見据えた形でこの経済交流というのはもう一度やはりしっかりと考えるべきではないかと思うわけなんですが、この点について伺います。
#78
○国務大臣(玄葉光一郎君) 横山委員はもう御承知のとおりだと思いますけれども、やっぱり北方領土、領土問題、大きく立場が懸け離れているというのが今の現状であります。
 それで、大事なことは、日本の法的立場を害さない、やっぱりこの原則を崩すということはよくないというより駄目だと私は思っています。これが大事だ。
 ですから、その上で、その前提に立って何が共同経済活動できるんだということで、次官級協議しています。具体的に日本側の提案も法的立場を害さないという大前提でしています。具体的にちょっと今まさにやり取りでありますからこの場では申し上げられませんけれども、そういった活動について今協議をしていると。しかし、先ほど申し上げたように、法的立場を害さないという大前提でやらないといけないというふうに思っています。
#79
○横山信一君 法的立場を尊重するということはそれは大事なことでありますけれども、領土返還を見据えたときに、やはり知恵を出していかなきゃいけないですね。経済的に結び付きを強めれば、これ以上のやはり返還運動というか、返還が非常に近づいてくるということは、大きな契機になっていくことは間違いないわけでありまして、是非知恵を働かせて、新たな枠組みをつくり出してでもこの返還の実現に向けて共同経済活動というのを是非考えていただきたいと思うわけであります。
 ちょっと資料の写真を見ていただきたいんでありますが、写真の後ろの三ページ目の写真ですね、これは色丹島の穴澗湾の写真でございまして、カモメがいっぱい群がっていると。これは何かといいますと、水産加工場から垂れ流されている加工残渣にカモメが群がっているんですね。最初、何であんなにゴメがたかっているんだというふうに思ったんですけれども、その岸に打ち上げられたもの、そこに右に写真があるのは、これは魚の肝臓なんですけれども、恐らくスケソウだと思いますが、こうした肝臓が垂れ流されていると。非常に美しいこの色丹島のところで、ギドロストロイという水産加工会社なんですが、そこから垂れ流し状態になっていると。しかも、この色丹島は北海道のすぐそばにある島ですから、そんなところでこういう実態があると。
 これと直接関係するかどうかは別にして、今、北海道、東北に来遊している太平洋のサケというのは非常に資源が減少しております。この来遊量が減少しているということについての原因が分からないんですね。放流もちゃんとやっていると、特に環境変化、来遊量が激減するような環境変化があるわけでもないと、しかし来遊が減っていると。それで、その沿岸の漁業者たちは、これは四島のギドロストロイ船団が大量にサケを捕っているんじゃないかと、そういう声がしきりに上がっているわけであります。資源管理ということでは、今ここの写真にお示ししたように非常にルーズです、ロシアのギドロを含めてですね。かつてのソ連時代にはしっかりやっていたかもしれませんが、今は非常にルーズです。そういう意味では、資源に対しての考え方というのは日本とはかなりの差があると。
 こういう状況の下で、この四島周辺の漁業資源は北海道、東北で捕っている漁業資源と同じ資源のものでありまして、そういう意味では、この日ロの漁業資源として、まあロシアと言っていいかどうか分かりませんけれども、ロシア人が利用している四島周辺の漁業資源と日本との漁業資源を一緒になってやっぱり科学的に調査をして、そして資源管理をやっていくということが必要ではないかというふうに考えるわけなんですが、そのためにはいろんな課題があるというふうに思いますけれども、その課題を整理をしていきたいので、どういった課題が考えられるのか、伺います。
#80
○国務大臣(玄葉光一郎君) 北方領土は言うまでもなく我が国固有の領土なんですが、残念ながら管轄権の一部が行使できないと、こういう状態になっているということで、今おっしゃったような水産資源の管理というものを今申し上げたような前提に立って一定の必要な措置をとる、その場合に制約は当然出てくるというのが現状です。
 それで、一つは日ソ地先沖合漁業協定、もう一つは北方四島周辺水域漁業枠組協定、こういった二つの協定が存在をすると。そんな中で、まさに年次協議が行われて、レビューして、資源状況の評価が行われて、次の年の漁獲量に反映されると、こういう仕組みになっているわけでありますが、今いろんな御指摘がございましたから、改めて更にこの中で、まさにこういったレビューの中でそういうことを反映できるのかどうかということを検討していきたいというふうに考えております。
#81
○横山信一君 是非、お願いいたします。
 次に、北対協のことについて御質問いたします。
 北対協の一般訪問の訪問団というのは毎年実は連合と県民会議だけになっております。連合、県民会議、連合、県民会議と。県民会議といっても全国にあるわけでありますから、この二つの団体が毎年毎年一般訪問事業で四島に渡っているわけですね。
 これを見ると、この事実を知ると、国の補助事業でやっているわけですが、要するに連合と県民会議だけが使い回しているんじゃないかというふうに見えてしまうわけです。この四島の返還運動というのはいろんなところがやっている、返還署名を含めればいろんなところがやっているわけでありますが、そうしたところに全然声が掛かっていないと。掛かっていないかどうか分かりませんけれども、少なくとも行っているところは連合と県民会議だけという、こういう実態があるということでありまして、この点についてどう考えるか、伺います。
#82
○国務大臣(川端達夫君) この四島交流事業は、閣議了解の下に、平成三年と平成十年ですが、一つは元島民やその子孫、二番目に返還運動関係者、三番目に報道関係者、四番目に専門家、これが参加者という条件といいますか、という枠にしております。
 それで、年に何回か事業をやっているわけでありますが、そのときに、訪問事業の団長は、御指摘のように、北連協主体の船、県民会議主体の船、後継者の船も含めて、県民会議、それぞれの県の県民会議の方が団長をやっておられるということは事実でありますので、団長はこのいずれかの人がやっております。
 これは多分経過としては、全国組織ですから全国からいろんな人を募るという意味での組織の部分でなっておられるんだと思いますが、中身的には、その推薦団体といいますか、取りまとめた団体としては北連協、県民会議とかが主でありますけど、参加団体は幅広くなっているという状況もありますが、調べてみますと、推薦という意味でいいますと、今年、二十三年度ビザなし訪問団で、百三十九名のうち連合の推薦で行った方が七名、県民会議の推薦が八十八名で、全体の六八%はそういう関係者ということであります。
 いずれにいたしましても、御指摘のように偏在しては意味がありませんので、こういうそれぞれのいろんな団体が参加していただいていると承知していますけれども、北対協が窓口でありますので、ここに対しては特定の団体に偏ると見られることのないようにしっかり配慮するように伝えたいというふうに思っております。
 加えまして、二日の夜に北海道へ行きまして、三日、船からでありますが、行かせていただくことにしております。
#83
○横山信一君 ありがとうございます。
 この訪問団、いろんな人が入っているというんですけれども、実際には県民会議主体の船というふうになっているわけですね。私も一緒に行った訪問団の団員の方たちとお話をすると、僕は三回目ですとか、それから私は二回目ですとか、要するに複数回行っている人たちが非常に多いわけです。今の国民世論というかの状況を見れば、先ほど長谷川委員の御指摘にもありましたけれども、旗がロシア領になっているぐらいの、北方四島というのが日本固有の領土だということが国民の中に十分に認識されているのかということを疑ってしまいたくなるような、そういう状況の中で同じ人が何回も行くという、こういう実態があること自体がこれはおかしい。
 監督官庁としてここのところはやっぱりしっかりやってもらいたいと思うわけですが、大臣、いかがですか。
#84
○国務大臣(川端達夫君) 先生参加された団では、今回の団では、団長が二回目、有識者という大学の教授は四回目ということで、複数回の参加者がいたことは事実でありまして、四回目が二名、大学教授と大学生、三回目が大学生と報道関係者と、二回目が元島民の三世等三名、一回目が二十五名という構成で、確かに複数回行っておられる、随分たくさん行っておられる方がおられるというのは御指摘のとおりでございます。
 我が国の固有の領土を侵してはいけないということでやっていて、みんなの見識を広め、そして見聞してもらってより周りも含めてそういうことを啓発しようという趣旨でございますので、実施団体である北対協に対して、より一層幅広い層から、まあ一回行ったら絶対行ってはいけないという意味ではないですけれども、それぞれのお立場の、学者の先生とかおられるかもしれません、そういうことを含めて指導をしてまいりたいというふうに思います。
#85
○横山信一君 学者と研究者と、それから元島民あるいはその関係者の方たちというのは当然行ってしかるべき人たちですので、それはいいと思うんですが、一般の人たちが複数回行くというのは、要するに県民会議が全部受けているからですよ。だから毎回毎回同じ人が行ってしまうということになってしまうと。だから、そういう意味では、団体をきっちり選定してほしいということでございます。
 次に、沖縄問題について質問させていただきますが、我が党では七月にこの沖縄振興一括交付金の制度の創設を提言をいたしました。そのことについて木庭議員が、前回のこの本委員会におきまして沖振法の期限切れの後の新たな沖縄振興について質問をしたわけであります。八月いっぱいぐらいにはという、そういうこともお示しをしまして、当時の枝野大臣は、できるだけ前倒しでお示しをしてという、そういう答弁もあったわけでありますが、今回の二十四年度概算要求は、この一括交付金は単なる事項要求にとどまっております。
 これは具体的な金額が一切示されていないということで、非常に沖縄、そしてこれまで我が党が提言をしてきたということに対して余りにもひどいという、そういうふうにも思えるわけでありますが、政府として一日も早くこの一括交付金の制度設計等を示すべきだというふうに思うわけですけれども、これについてはいかがでしょうか。
#86
○国務大臣(川端達夫君) 前大臣からの引継ぎのときも、枝野大臣からは、そういう議論も踏まえてしっかり最大限努力するようにということは引継ぎを受けました。現状は、そういう意味では、具体的な制度設計、金額等についてまだ引き続き検討中ということでのお答えしか申し上げていないというのは誠に申し訳ございませんが、一括交付金の全体の制度の中で、県分の拡充と金額の増額、加えて市町村分への導入というものを踏まえながら、更にそれの一歩、二歩踏み込んだ形でやろうということで、全体の部分の議論も、市町村分も含めて、対象も含めて、いろんな議論がまだありますし、集約の途中にあるということで、遅れていることは申し訳ないですが御理解をいただきたいんですが、誠心誠意最大限の努力を払って、御要望はしっかりいただいておりますが、それを踏まえながら、私はそういう要望を政府の中で最大限反映する立場の人間だと心得ながら、一生懸命頑張ってまいりたいと思います。
#87
○横山信一君 普天間問題についてですが、去る二十五日、パネッタ米国防長官に対して、総理、外務大臣、そして防衛大臣の三名から口をそろえて年内に環境影響評価書を出しますと、そういう発言があったというふうに報道されているわけですけれども、三名が三名ともこのことを次々に言っていったという、これはどういう意図なのか。この点について、外務大臣に伺います。
#88
○国務大臣(玄葉光一郎君) 三名がそれぞれ同じことを言ったということについて申し上げれば、やはり政府として統一した言動をきちっと申し上げなきゃいけないと。
 今日も仲井眞知事と朝お会いをいたしました。知事だけじゃなくて、軍転協の方々にお会いをしました。もうこれは、一つ一つ沖縄の方々に対して理解をきめ細かく丁寧に求めていくということに尽きるというふうに思っております。
#89
○横山信一君 理解を求めていくと言うんですが、これは十二月に評価書を提出をして手続を進めるとなると、来年六月にはこれを、沖縄県知事に対して公有水面埋立申請を行うということになるんですね。ですから、知事がこれを認可しなければこれは先へ進んでいかないという事態になるわけです。しかし、今の現状でいくとこれは非常に厳しいというふうに思いますけれども、これは防衛副大臣に伺いますが。
#90
○副大臣(渡辺周君) その点についても、これは年内に出す準備をしているということを一川大臣も、パネッタ国防長官、あるいは国会の委員会でも答弁をしております。そして、その後に知事から九十日以内に意見をいただくと。そうすると、年度内ということを考えればそういうスケジュール感はあるのかなと思いますが、じゃ、その結果、沖縄県の知事からどういう返事があり得るのかと、幾つもシナリオを我々として、これ、私が事務方と話をする中で、どういう回答があり得るのかと、もうそれは幾通りもシナリオを用意しろと、考えなさいと。これは私もそうであります。
 非常に、昨日も実は仲井眞知事が大臣室に来られまして、沖縄市長や名護市長とともに会談をしております。いろんな御要望をいただきながらも、やはり現状はこれは厳しいということは皆様方と同じ認識を持っておりますので、その上でどういう回答があるのだろうかということについては当然いろいろ思いを巡らせて今我々としても議論をしているところですが、ただ言えることは、もう本当に御理解をいただけるように誠心誠意、精神論でございますが、尽くしていくしかないと。そして、その上で、結果をどのような形でもしその手続を踏んだときに沖縄県側が回答するかということについては、やっぱりそれはいろいろ考えておかなければいけないということでございます。
#91
○横山信一君 政府のその強硬な姿勢が非常に目立つわけですね。今の御答弁のままじゃ絶対知事は認可しませんよ、これはね。そういう意味では、これは本当にどうしていくのか、もう誠心誠意という言葉だけじゃ通用しないと思っておりますので、是非対応をしっかりやっていただきたいと思います。
 もう時間がないので指摘だけにとどめておきますが、資料に添付いたしました写真ですけれども、これは北方領土の、この写真ですが、色丹島に入域をするときにマストにどこの旗を掲げて入るか、ロシアの旗を日本の訪問団は掲げて入っていくわけです。通常、船が外国の港に入るときには、マストには相手の国の国旗、そして船尾には自国の、船籍のある国の国旗、船籍というか自国の方。だから、船尾は日本の国旗、マストに相手の国の国旗を出すわけです。そうすると、訪問団のこの船というのは、ロシアの国旗を掲げて入っていくということは、日本の訪問団はロシアの国に入りますよということを宣言しているようなものなんですね。
 こういった、まあビザなし交流というのはお互いの共通の見解の中でやっているわけですから、これはロシアとの合意をしていかなくてはいけないという問題にしても、これは余りにも日本の対応としてはロシアにおもねっているというふうに見えてしまう。そういう意味では、これはちょっと指摘だけにとどめておきますけれども、今後の日ロの交渉の中でこうした問題もしっかりとやっていただきたいというふうに思うわけです。
 以上で終わります。
#92
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦です。
 川端大臣に御質問をさせていただきたいと思います。
 所信表明で、この問題が一日も早く解決されるよう、関係団体と緊密に連携しつつ、北方領土返還に向けた環境整備に取り組み、外交交渉を全力で後押ししてまいる所存という言葉がありますけれども、これ、後押しすると、北方領土の担当大臣でありながら後押しするという表現はいかがなものかというふうに思うんですが、非常に消極的に思う。むしろ、事務的にはそうなのかもしれませんけれども、俺が引っ張るんだと、北方領土返還を俺が引っ張るんだというぐらいの気迫のある所信表明をしてほしかった。
 要するに、全然気迫が感じられない。もう本気になって北方領土の担当大臣をやろうという、そういう思いを持たれておられるのかどうか、また、どうしてこのような表現になったのか、その御意図についてちょっとお伺いをしたいと思います。
#93
○国務大臣(川端達夫君) 北方四島が我が国の固有の領土であり、一日も早く四島復帰を思う気持ちは、大臣としてという前から、私は議員になる前から、若い時代に労働運動をしていたころから北方領土返還運動に参加をし、何度も納沙布岬で集会にも参加してきました。
 そういう中で、今回この担当大臣を拝命いたしました。その思いは、先生に弱いんではないかと言われたのは不徳の致すところでありますが、こういう性分ですから余り派手なことは好きではありませんのですが、思いはしっかり持っていることをまず冒頭申し上げる中で、北方担当大臣というものの、所管としては事務的とおっしゃいましたけれども、私の大きな役割は、一つは、先ほど長谷川岳先生から文科省にかかわる資料のお話がありましたけれども、やはり国民の世論がしっかりと後押しをするということでないと、いろんなそういう事象やロシアの要人が訪問したというときのメディアの取り上げ方を含めて、やはり国民が後押しをするという意味でも、国民の皆さん一人一人が同じ思いを持っていくということをつくるのが大きな仕事の一つでございます。もう一つは、元島民の方々も含めた地域の問題含めてしっかりと継続していくという、この二つが主務でありますのでそういう表現になったことを御理解いただきたいと思います。
#94
○江口克彦君 国民が後押しするように、そういう環境づくりをしていくということは大事だと思うんですよね。だけど、大臣は担当大臣なんですよ。担当大臣であったら、環境整備に取り組み外交交渉の後押しという、その表現だけは私はいかがなものかなというふうに思うということであります。
 是非、先ほど来からいろいろ質問がありますけれども、先頭に立って、この北方領土について本気になって、もっと本気になって取り組んでいただきたいと。官僚から書いてもらったペーパーを読んで、それで答えをされているだけでは本気度というのは余り感じられないというふうな、今でも私は、今この現在、大臣の御答弁をお聞きしながら強く感じるんですね。
 それと、ロシアはこの不法占拠を既成の事実にしようとしているということがもう見え見えなんです。それにもかかわらず、政府はもう抗議する、遺憾であると言うだけなんですよね。先ほども、玄葉大臣も粘り強く決意を持ってというふうにおっしゃいましたけれども、いつでも口だけではその解決の糸口すら私は見出せないのではないだろうかというふうに思うんですね。
 まあ民主党には言うだけ番長がおいでになりますけれども、民主党政府も言うだけ政府になってはいけないと。やっぱりロシアに対して毅然とした対応を取るべきではないかというふうに思うんでありますけれども、川端担当大臣として具体的にどのような行動を取ろうとされているのかを具体的にお伺いしたいと思います。
#95
○国務大臣(川端達夫君) 返還を後押しするというのはいかがなものかとおっしゃいましたが、北方担当大臣の主たる職務という部分と北方領土返還交渉というのとでいいますと、返還交渉は外務大臣のというか外交の仕事であります。外交の前面に立つということではないという部分は御理解をいただきたいと思います。
#96
○江口克彦君 そんなの分かっています。
#97
○国務大臣(川端達夫君) はい。
 そういう中で、外相訪問のときは外務省とも連携を取りながら、我々としてはそのメッセージを、政府としての遺憾の意を表すと同時に、そういう事象も含めて啓蒙していくときの一つの大きな判断材料であるということで取り組んでおるところでございます。
#98
○江口克彦君 ですから、遺憾の意を表すとか粘り強く決意してと言っているだけでは駄目ですよと、具体的に何か行動を起こさないといけないんですよということを申し上げているということであります。
 玄葉大臣にお尋ねいたします。
 現在、北方領土について日ロ間で具体的にどのような話合いをされておられるのか。これは外交機密であるということになるのかもしれませんけれども、そういうことを機密、秘密というふうに言っている限りにおいては、やっぱり国民というか世論も盛り上がらないというふうに思うんですね。
 現実に、昨年行った根室の高校生ですら、七百人ぐらいいる高校で北方領土の問題のクラブというのは、たしかあれ、五、六人しかいなかったと思いますよ。尋ねたら、皆さん方以外に北方領土のことについて関心持っている友達いるんですかと言ったら、余りいないと言うんですよ。要するに、こういう北方領土の情報をもっともっと提供するということが国民世論を喚起することにもなりますし、そして北海道の若い人たちに受け継いでいってもらうということにもなると思うんですね。
 だから、日ロ間で話合いが行われている、これは機密だ機密だと言っているだけではなくて、やっぱり具体的にこういうことを政府はやっているんだということを言うべきだと思うんですが、いかがですか。
#99
○国務大臣(玄葉光一郎君) 江口先生が、できるだけ領土問題のその交渉について具体的に語るべきだと、こういうお話でありました。
 領土問題の交渉で、私自身は、大事なことの一つ、その本質の一つというのは、結局、その帰属先の、帰属先ですよ、帰属先のやっぱり法的見解、つまりは国際法に従ってやるんだということが私は本質の一つだというふうに思っています。ラブロフ外相とも電話でも話し、またニューヨークでも話しました。かなりのやり取りをいたします。ただ、一致したのは、法と正義に基づいて交渉すると、これは一致しています。
 この間、私も外務大臣になって改めてこれまでの外交記録、この間の北方領土のですね、あの一八五五年の条約からずっと読み直したというか、まあ率直に言うと、外務大臣になれなかったら読めなかったことも含めてずっと読んでいます。法と正義の原則でまさに交渉していく、その中で、やはり私は十二分に日本の立場に理があるというふうに思っています。
 ただし、先生、結局、実際に交渉するということになれば、やはり今ロシアの現状は、御存じのとおり、例えば人口は我々の国より少し多いです、GDPはたしか日本の五分の一くらいです。一人当たりのGDPも五分の一強くらい。だけど、原油価格が上がって、自信を深めて、ナショナリズム的な気分というのが高揚していると、こういう状況にあります。
 じゃ、どうするんだといったら、私はさっき一言だけ申し上げましたけれども、やはり首脳間の信頼関係を築くというのは一つ大事なことだと思います。そして、静かな環境というと若干語弊があるかもしれませんけど、余りメディアを通して、例えば今、できるだけ外に向けていろいろ言いなさいという御指摘で、国民世論の啓発という意味では確かに大事だと。ただ、領土問題交渉そのものになると、やっぱりメディアを通してやってしまったときのいろんな問題点というのは私はあるんじゃないかというふうにも思いますので、その辺りを留意しながら、どこまで出せるかということは、先生の御提案ですから、それは私なりに考えたいというふうに思っています。
#100
○江口克彦君 いずれにしても、先ほどの地図の問題でもそうですけど、やっぱり国民世論をもっともっと喚起しておればああいう問題というのは私は起こらないと思うんですけれども、やっぱりついついそういった世論喚起を政府が怠っているところからああいう問題が私は出てくるんじゃないかというふうに思うんですけど。
 再度、先ほどの御質問と重なりますけど、川端担当大臣と玄葉外務大臣、北方領土に行かれるというか、そのおつもりはあるんですか。一言でいいです。
#101
○国務大臣(川端達夫君) 洋上視察になりますけれども、二日の夜北海道へ入って、三日一日掛けて行ってまいります。
#102
○国務大臣(玄葉光一郎君) 先ほどお話し申し上げたように、航空機なり船舶なり、しっかり見たい。残念ながら、今四島交流でやると制約がございますので、そういう形で視察をするということになります。
#103
○江口克彦君 是非、飛行機で視察するというような生っちょろいやり方ではなくて、やっぱり訪問しなきゃいかぬと思うんですよ。逆に、飛行機で視察するということは、ロシアからしたらもう思うつぼだということを申し上げておきます。
 沖縄のことについてちょっとお尋ねします。
 簡単に答えていただきたいんですけど、普天間の問題ですけど、今、日本とアメリカ、日米間でいろいろと協議してということで、何とか辺野古と言っていますけど、沖縄の人たちは絶対反対と言っているわけですね。今も仲井眞さんが来ているらしいですけど、来ているかどうか、来ているんですね、ということで、仲井眞知事は絶対反対と言っている。日米間で合意して辺野古という、沖縄県の人たちの、県民の人たちの意見というか、そういう意見を先にやっぱりよく聞いて進めるというか、言ってみれば、今この問題は沖縄県民の頭越しで行われているというような感じがするんですけれども、いかがでございましょう。一言でいいです。
#104
○国務大臣(玄葉光一郎君) なかなか一言で申し上げにくい話でありまして、そうならないように、とにかく私も外務大臣という立場でやっぱりきめ細かく一つ一つ、しかも、確かに言ったことを実行しないと信頼されないということを強く感じているんです。ですから、沖縄の負担軽減にしろ、事件、事故、騒音、環境の問題にしろ、一つ一つ言ったことはやるということをまず積み重ねたいと思っています。
#105
○江口克彦君 最後ですけれども、新聞によりますと、衆議院の外務委員会で玄葉大臣、発言されましたね。最低でも県外という鳩山さんの発言は間違いだったというふうに言われましたよね。そうしたら、野田首相が昨日鳩山さんに、間違いだったと答弁したのは間違いだと、誠に申し訳ないと平謝りしているんです。これはどっちなんですか、これ。
#106
○国務大臣(玄葉光一郎君) これは私、直接聞いていないので、報道ベースでは知っておりますけれども、分かりません。ただ、いずれにしても、やはり最低でも県外ということを言って、期待値を高めて、そして結果として回帰したということについて、私自身、沖縄県民の皆様におわびを申し上げたいと、そういう思いでございます。
#107
○委員長(岸信夫君) 江口君、時間が来ております。
#108
○江口克彦君 もうとにかく、要するにやっぱり間違いだったと、玄葉大臣はそう思っているということですね。
 終わります。
#109
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 まず最初に、普天間基地の移設問題について玄葉大臣にお聞きをしたいと思います。
 昨日、沖縄の知事と名護市の市長が参りまして、野田首相と初めて会談をしたと。米軍普天間基地飛行場の辺野古移設に関する日米合意の推進は事実上実行不可能だということは変わりないということで見直しを要請しました。野田首相は、年内に移設に向けた環境影響評価の評価書を提出する方針を伝えたとされています。
 大臣も、先週名護市長から直接、辺野古の海にも陸にも新しい基地は造らせないという市民との約束をどんなことがあろうとも最後まで信念を貫く決意ですので了承をくださいと、沖縄の現状を自分の目でつぶさに見て、県民の声を聞き、辺野古移設を白紙に戻す日米合意見直しを米国に進言してくださいと要請されました。
 それなのに、あくまでもこれは沖縄の願いに背を向けて米側の期待に全面的にこたえるということなんでしょうか。大臣は、この辺野古の移設が本当に受け入れられるというふうに思われているんでしょうか。
#110
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今朝も仲井眞知事、そして名護の市長さんともお会いをいたしました。
 とにかく全体として沖縄の負担が減るという、この日米合意、そして日本も米側もお互いに厳しい事情を抱えています。確かに沖縄の皆様には、先ほど申し上げたことも含めておわびを申し上げなければならない。同時に、全体として〇・六%の面積に七四%の米軍専用基地があるわけですから、そのこと自体、日本全体で負担をしなければならないにもかかわらず、それだけ集中しているということについてもおわびを申し上げなきゃいけない。
 ただ、日本のこの厳しい安全保障環境というのは、残念ながらますます厳しくなってきているという状況が一つあるのと、やはり、今日も実は私は申し上げました。島嶼防衛含めて、沖縄のなかなか簡単に代替できない地理的な有利性について、これも含めて丁寧に説明をしていかなきゃいけないというふうに思っていますし、あわせて、パッケージとされた負担軽減を更に深掘りできるようにしたいと。全体として沖縄の負担軽減を更に図っていけるように必死で取り組みたいと、そう考えております。
#111
○紙智子君 私は、やっぱり説得する相手が違うと思いますよ。これだけはっきり県民の皆さんが言っているわけですから、そういう意味では、米国に対してこれは無理ですと言って説得しなければならないということですよ。国内の手続にまで口を挟んで、米国の言われるとおりに付き従っていくというのは、これは本当に民主党政権というのはそういう政権なのかというふうに言わざるを得ません。
 辺野古について言えば、今後もくい一本打たせないし、絶対に移転は受け入れないということになっていくと思います。私は、改めて普天間の即時閉鎖と、そして国外の移設を強く求めて、これは答弁要りません、次の質問に移らせていただきます。
 それで、泡瀬干潟の埋立問題について、これは川端担当大臣にお聞きします。
 国は、十月十四日に工事を二年ぶりに再開をして、本日二十八日から本格工事のしゅんせつ土砂の空気圧送船による埋立地への投げ捨てを始めました。これ本当に許されない事態に踏み切ったということで、私は強く抗議をしたいというふうに思います。
 ここは、住民訴訟で一審、控訴審共に経済的合理性がないとされて、県と沖縄市の公金支出差止めが命じられて工事が中断していたわけです。
 東日本大震災で埋立地が地震による津波や液状化現象に非常に脆弱であるということが明らかになって、泡瀬の埋立事業についても抜本的に見直す必要があるんじゃないかと五月に私質問したわけです。学識経験者は、琉球海溝でマグニチュード八・五の地震が発生すれば、本島東海岸で二十メートルの津波の到達が予想されるということを指摘しているわけです。これに対して、当時枝野大臣でしたけれども、津波と液状化の二つのリスクを考慮して、改めて検証するというふうに答えたんですね。
 振興局として、これ検証がどうなっているのか、これについてお答えいただきたいと思います。
#112
○国務大臣(川端達夫君) 泡瀬地区の埋立事業については、いわゆる中央防災会議で東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会の報告書が出ました。その中で、二つに分けて、一つは頻度の高い津波、二つ目が最大クラスの津波、この二つのレベルを想定しているということでございまして、これに沿って泡瀬に関しては沖縄県が防災対策を検討してまいりました。
 まず、発生頻度の高い津波については、県内の、これは泡瀬ということだけではなくて、県内の各地域での津波の高さを計算して、そして今回の埋立免許地における埋立て高さの安全性が検証されたところでございます。もう一つの最大クラスの津波については、防災会議の報告で、住民等の生命を守ることを最優先とし、住民の避難を軸に総合的な防災対策を確立することとされておりまして、それに沿って九月には県において最大クラスの津波に対応した地域防災計画の見直しの考え方が取りまとめられ、これからそれの取りまとめに沿って作業が進んでいくと承知をしております。
 国としても、泡瀬地区を含む中城湾港における総合防災対策の在り方についても、民間それから関係行政機関と連携して検討をしているところでございます。
 さらに、液状化対策も問題になっております。これについては、埋立て完了後に調査、地震動の影響分析を行うということにしております。液状化対策は、土の質というんですか、によって影響が随分違うようでありますので、実際の埋立てが終わってからの対策になるということであります。
 地震や津波の備えの重要さは、改めて先般の大震災で明らかになったところでございます。今後とも、沖縄県、沖縄市と連携をして、適切に指導、対応をしてまいりたいと思っております。
#113
○紙智子君 今の答弁で明らかになったと思うんですけれども、要するに、埋め立ててから検証するという話じゃないですか。県や市と連携してなんて言うんですけれども、まともに沖縄振興局として、国としてかかわって検証しているかといったらそうじゃなくて、聞き取りはやっていますよ、市や県がこれから検討するということは、聞き取ってはいるけれども、国としてまともなことなんてやっていないじゃないですか。やってもいないし結論も出ていないのにまず埋め立ててしまってから検証するなんて、本当におかしい話だと思いますよ。
 それで、これ、津波や液状化に弱い埋立地ですけれども、これから一千億円以上掛けてやっていくのかと、これをまず検証することが先なんじゃないのか、大事なんじゃないのかというふうに思うわけですよ。
 それで、この問題でいいますと、防災地質学が御専門の加藤祐三琉球大学名誉教授は、防災の観点から無謀だと指摘されているわけです。津波防災の観点上、埋立地は望ましくない。泡瀬事業のように膨大な公費で新たに埋立地を造成するのは無謀ですらあると。泡瀬埋立ては出島方式で、陸地とつなぐ橋は一本であり、避難の際は車が詰まり、防災上、役に立たない。県は人工島内の避難所をホテルの三棟の屋上とするけれども、屋上に至る階段や建物の入口に人が殺到する可能性を考えていない。巨大な防潮堤、防波堤を造ることになれば更にコストが掛かると。最新の地震研究は、琉球海溝やユーラシアプレート内陸側で津波を伴う地震の可能性を指摘している。いつ起きるか分からない地震に備えるには防災の観点から各事業を評価する必要があるが、泡瀬事業の場合は防災、経済的メリットの点でも進めるべきではないとの結論にしかならないだろうと。非常に厳しい見方を示しておられるわけです。実際にはホテルの誘致もこれ確実じゃないわけですから、防災上も大きな問題になると。
 こういう識者の指摘を大臣はどういうふうに受け止めるのか。結局、十分な検証のないまま、どうしてそんなに急いで工事再開をやるんでしょうか。
#114
○政府参考人(竹澤正明君) 紙先生が今御指摘の点について、沖縄県の動きも含めて状況を御説明申し上げたいと思います。
 沖縄県におきましては、これまでの地震・津波対策等を検証して今後の計画の見直しに反映するために、本年の六月に沖縄県地震・津波想定検討委員会というものを設置いたしました。この議論を踏まえて先般の方向性という取りまとめを行ったんでございますけれども、先ほど大臣が申し上げました二つのレベルの地震・津波の必要性というようなことが示されております。本年度末をめどに県として防災計画を見直すというふうに伺っておりますけれども、その場合においても、先ほどの二つのレベルというその国の中央防災の考え方は踏襲されるというふうに伺っております。
 私どもの埋立事業については、マグニチュード七・八の地震にも遡上の高さが埋立地盤の高さを超えることはないという判断で現在進めているということでございます。
#115
○紙智子君 聞いたことに答えていないですよ。私は、大臣に対してこの専門家の指摘をどういうふうに受け止めるんですかって聞いたんです。
#116
○国務大臣(川端達夫君) 先ほど申しましたように、中央防災会議の専門会議を含めて、いわゆる津波の大きさの程度に分けて二つの対応を取るべきということで、一つは発生頻度の高い津波、これに関しては要件的にはクリアできたというふうに報告を受けております。そして、非常に最大クラスの津波に関しては、避難を含めて最大そういう命を守るということを中心にした対応を取りなさいということで一定の方向を取りまとめられたわけですが、今先生の御指摘もそういう範疇に入るものが多くあるというふうに思います。したがいまして、それはこれから取りまとめる方向の中で基準を決め、それに適合したものに対応していくということになるという流れになるというふうに承知しております。そういう中での専門家の各方面の先生の御意見は大変貴重な御提言として受け止めていきたいと思っております。
#117
○紙智子君 一旦止めて、それで検証してちゃんと結論が出るまで待って進めるというのが本当だと思うんですよ。一方で進めながら、もうどんどんと本格工事入れて、泥を入れていっているわけですから、土砂を、これ、おかしいですよ。
 それで、二つのレベルに分けてという話なんだけれども、やっぱり今回の三月十一日のあの大変な地震とそして津波の被害、これを基にして、そういうレベルのものが起きたらどうするかということでいえば、わざわざ小さい方と大きい方に分けて、それで小さい方はクリアできるからということでもう始めてしまうというのはおかしいですよ。
 今度のこの新計画について言えば、埋立面積を百八十七ヘクタールから九十五ヘクタールに縮小したわけですけれども、費用というのは逆に増えているんですよね。国と県と市と合わせて一千億を超える事業です。うまくいっても年間二・二億円の赤字が出るわけですよ。これ、市が言っているわけですけれどもね。
 埋立てに反対する住民は、この新しい計画も経済的合理性は認められないということで七月に那覇地裁に再び提訴したわけです。このさなかで工事再開ということなわけですけれども、緊急な必要性があるのかと思うわけです。埋め立てて工事の是非が問われる裁判が行われている最中にこの泡瀬の干潟に土砂と国民の税金が投入されるというのは余りにもこれは理不尽だと、地元の各紙も、各新聞社も社説でそのことを書いているわけですよ。
 少なくとも大臣、これ、裁判の判決が出るまでは工事を再中断すべきではありませんか。
#118
○国務大臣(川端達夫君) 埋立事業に関しては、平成十七年に一回目の裁判がありまして、二十一年に高裁判決で、市が新たな土地利用計画を検討している現段階での計画の経済的合理性があるとは認められない等の理由で公金差止め判決が出たことは承知をしております。その後、その判決を受けて市において、これは経済的合理性をしっかり出しなさいということでありましたので、新たな土地計画利用が策定をされまして、昨年八月、政府として沖縄市長から説明を受けたところであります。その際、政府としては四つの観点、すなわち観光客の誘致、投資環境整備、金融スポンサーとオペレーターの連携、行革努力の継続等の検討条項をお伝えをして、沖縄市長からこれについて責任を持って取り組むという表明があって埋立事業を実施することにいたしました。
 沖縄市は、高い失業率や市域の三六%を基地が占めてまとまった開発用地が不足しているという状況もありますので、東部海浜開発計画による地域活性化及び雇用創出の観点からこの事業を極めて重要なプロジェクトと位置付けておるという状況の中で、そういう裁判が出たこと、前の判決で御指摘の部分を受けてしっかりとそれに対応するということで政府として対応しているところでございます。
#119
○委員長(岸信夫君) 紙君、時間が来ておりますので、おまとめください。
#120
○紙智子君 とにかく、これ、裁判で審理が始まろうとしているときに埋立てだけはどんどん進んでいくということが本当に妥当なのかと。私は妥当だとは思いませんよ。そういうことはもう絶対許されないと。私は改めて工事を中止すべきだということを重ねて要求しまして、質問を終わります。
#121
○山内徳信君 社民党の山内徳信でございます。
 私は今日は沖縄振興法に関する質問を準備をしておりましたが、急遽、二十六日に爆弾発言が出まして、これを先にさせていただきます。両大臣には申し訳ありませんが、先に、文科省から森副大臣にお越しいただいております。これは五分で終わりたいと思いますから、長い答弁は要りません。
 さて、沖縄県八重山地区中学校公民の教科書採択のため、八月二十三日、三つの教育委員会の教育長によって構成された採択地区協議会が開催されました。協議の結果は、意見の不一致で一本化に至りませんでした。二人の教育長は育鵬社版、一人の教育長は東京書籍版を推薦しました。その結果、一本化が実現せず、九月八日、三地区教育委員会の全教育委員十三人による協議会が開催され、東京書籍版を推すのが多数となり、一件落着したかと思われました。
 しかし、そういうことにはなりませんで、その後文科省は、一本化に向けての指導といいますか、そういうものについてはこれは当然、教育委員会制度を取っていますから沖縄県に任せていくべきであると思います。ところが、文科省は八月二十三日の採択協議会で不一致であった協議の結果に固執しておるというふうに思われます。そのために、その後いろいろと混迷を来しております。沖縄県の教育委員会、そして文科省、沖縄県議会、地元の教育者含めて今大きな問題となって、そして沖縄県民は深い関心を持ってこの動きを今見ておるところでございます。
 そういう状況の中にあって、十月二十六日の衆議院文部科学委員会における中川大臣発言の、これは爆弾発言と言ってもいいと思います。東京書籍を推薦した竹富町は教科書無償配付の対象外であると、こういう発言が飛び出してきたわけであります。
 したがいまして、私は、あるいは沖縄の皆さん方の思いを受け止めて、中川大臣にこの場で厳重に抗議をいたします。そして、無償の対象外であるというその発言の撤回をしてください。そうでなければ、今の時代は高校の無償化のそういう時代にあって、一つの地方の島の中学校の無償配付は拒否をしていくと、人づくりの場、学校教育の場において、こういう大臣発言は許せるようなものではございません。
 副大臣はしかと受け止めて、大臣と協議をしてやってください。官僚の言うことは聞かぬようにしてください。
 そして、混乱を引き起こしたのは、大臣の地方教育への発言であり、これは介入でございます。教育委員会制度を崩しかねない権力的発言であり、教育の中立性を侵すものであると指摘せざるを得ません。
 最後に指摘しますが、教科書無償措置法などの法律は教育権を定めた憲法を支える法律であり、文科省が竹富町に教科書を無償配付せずに教科書の購入を強いるのは、義務教育の無償を規定した憲法二十六条に違反するものであると指摘せざるを得ません。したがいまして、大臣発言を、重ねて申し上げますが、撤回をされて、竹富町の児童生徒にも当然に憲法二十六条の無償給付の対象にすることをこの場で求めるわけであります。
 憲法九十九条は、政府も公務員もみんな憲法を遵守する義務を規定しております。そして、今問題になっております憲法二十六条の二項にはこういうふうに書かれております。「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」。
 義務教育は、これを無償とする。この憲法の規定を尊重して、竹富の子供たちにも、向こうが選択したいという教科書に対しても無償の措置を講じていただきたいと思います。それを、行政的な、あるいは官僚的な、適当にあしらっていくということになると、これは大変な問題になります。三年前のあの教科書問題がよみがえってくることを私はこの場で指摘をして質問を終わりますが、この場で私が求めておるのは、撤回をしてほしいということと、無償の対象にするということを副大臣から答弁を求めます。にこにこ笑うもんじゃないよ。
#122
○副大臣(森ゆうこ君) お答えしたいと思います。
 この八重山地区の教科書の採択の問題でございますが、少し整理をさせていただきたいと思うんですけれども、まず、八月二十三日の八重山地区採択地区協議会、この協議の結果、そして再協議が八月三十一日に行われたわけでございますが、その結果につきましては答申というものが、一致した結果として答申がなされたものというふうに私どもは承知をいたしておりまして、そしてその答申に基づいて、中学校の公民の教科書以外はその答申に基づいた各教育委員会における教科書の採択が行われたものであるというふうに承知をいたしております。
 中学の公民の教科書につきましては、石垣市、そして与那国町におきましては採択地区協議会の答申の結果どおりの育鵬社の教科書が採択をされたと。一方、竹富町の方はその答申とは別の東京書籍の教科書を採択したと。これが事実経過でございます。
 そこで、文部科学省といたしましては、沖縄県教育委員会に対しまして、八重山採択地区内の市町教育委員会が規約に従ってまとめられた結果に基づいて、公民についても同一の教科書を採択することを指導するよう求めてきたところでございますが、なお同一の教科書を採択するに至っていない、これが現状でございます。
 しかしながら、採択地区内の教育委員会において採択が分かれた場合、どの教育委員会の採択した教科書について国が無償措置を行うかについては……
#123
○委員長(岸信夫君) 副大臣、答弁簡潔にお願いします。
#124
○副大臣(森ゆうこ君) 最終的には費用を負担する文部科学省において判断をするものであるというふうに思っておりますので、そういうことで文部科学省として判断を示したというところでございますし、なお、憲法違反ということに関しては、それは当たらないということを申し上げたいと思います。
#125
○山内徳信君 文科省の今の答弁は間違っておると、沖縄側あるいは現地側は考えております。したがって、憲法二十六条の「義務教育は、これを無償とする。」と、こういうことをやってください。法律よりも憲法が上位であります。
 さて、両大臣には申し訳ございませんでした。項目だけ準備してあります。
 森副大臣はどうぞ退席してください。
 もう繰り返しておりますから大臣もよく認識していらっしゃいますが、私の質問の、沖縄振興に向けての自由度の高い一括交付金の件でございます。したがいまして、制度の創設はもう見え始めておりますから、ひとつ中身を詰めていく御努力を是非県当局の要望に沿ってお願いを申し上げたいと思います。これが一点でございました。
 それから、私、実現するまでずっと質問していきたいと思いましたのは、二番目は鉄軌道の件でございます。私は、戦前の鉄軌道を嘉手納駅から乗って那覇まで行ったもう生き残り、唯一の世代でございますから、これは是非実現していきたいと思います。そして、民主党政権になって御努力を賜っておりまして、今年は導入可能性の調査をしていらっしゃいますが、是非それを更に一歩前進をさせていただきたいと、こういう質問でございますが、もう時間ございませんから、これも大臣の胸にしかと収めておいていただきたいと思います。
 それから、軍転法については前にも質問ございましたが、これは実際に、私は、いわゆる復帰後の返還された軍用地の転用を何件もかかわりを持ってきまして、地主の立場、そこの形状が変更されていて大変だということ、あるいはその中に不発弾も出てくる、不発弾は返還軍用地以外からも出てまいりますが、あるいは事前の調査などもしたいと。あるいは返還されても十年、二十年前後掛からなければ実際の土地利用ができないという状況等もありまして、その間の補償の問題等々もいっぱいございまして、ここで申し上げる時間はございませんから割愛いたしますが、駐留軍用地跡地利用促進法、これ仮称でございますね、それにつきましても、是非沖縄県の関係者、あるいは地主の皆さん方ともしっかり詰めていただきたいと思います。
 そして、一川防衛大臣もこのことについて触れていらっしゃいまして、これからの沖縄の発展のために必要である、政府一丸となって真剣に取り組むと決意のほどを答弁していらっしゃいます。
 是非、沖縄北方担当大臣のお気持ちだけ、あと二、三分あるようでございますから、全部をひっくるめてお伺いしておきたいと思います。
 以上です。
#126
○国務大臣(川端達夫君) 一括交付金制度は、全国制度を踏まえつつも更に深掘りをして行うということは方針として決定いたしました。中身に関してはたくさんの御要望を熱い思いでいただいておりますが、精査しながら、できるだけ御要望にこたえられるようにと、私も政府部内で頑張ってまいりたいと。
 鉄軌道に関しては、昔あったという写真だけしか私は知りませんけれども、これに関しては、来年度は、今まで大体予算を二十二年度三千五百万、二十三年度四千万としておりましたが、二十四年度の概算要求では一億円を要求をいたしました。いろんな課題があることも御承知だと思います。これをこなしながら調査を進めてまいりたいというふうに思っています。
 それから、跡地利用に関しても、今日の委員会も衆議院の委員会も含めて、それぞれ地権者の立場や今までの経過を含めて熱い思いで御示唆もいただきました。沖縄県からは御提案もいただいております。いろいろと議論もあることも事実でありますけれども、しっかりと受け止める中で議論を進めて検討をしてまいりたいと思います。
#127
○山内徳信君 以上で終わります。ありがとうございました。
#128
○委員長(岸信夫君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時二十分散会
ソース: 国立国会図書館
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