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2011/12/05 第179回国会 参議院 参議院会議録情報 第179回国会 行政監視委員会 第1号
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2011/12/05 第179回国会 参議院

参議院会議録情報 第179回国会 行政監視委員会 第1号

#1
第179回国会 行政監視委員会 第1号
平成二十三年十二月五日(月曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         末松 信介君
    理 事         行田 邦子君
    理 事     ツルネン マルテイ君
    理 事         難波 奨二君
    理 事         白  眞勲君
    理 事         松村 龍二君
    理 事         寺田 典城君
                足立 信也君
                大石 尚子君
                風間 直樹君
                小見山幸治君
                榛葉賀津也君
                鈴木  寛君
                轟木 利治君
                那谷屋正義君
                西村まさみ君
                赤石 清美君
                岩井 茂樹君
                宇都 隆史君
                岸  信夫君
                高階恵美子君
                中西 祐介君
                古川 俊治君
                宮沢 洋一君
                秋野 公造君
                谷合 正明君
                田村 智子君
                山下 芳生君
                中山 恭子君
                森田  高君
    ─────────────
   委員長の異動
 十月二十日末松信介君委員長辞任につき、その
 補欠として福岡資麿君を議院において委員長に
 選任した。
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十日
    辞任         補欠選任   
     赤石 清美君     長谷川 岳君
     岸  信夫君    北川イッセイ君
     末松 信介君     福岡 資麿君
 十一月二日
    辞任         補欠選任   
     西村まさみ君     櫻井  充君
 十一月四日
    辞任         補欠選任   
     櫻井  充君     西村まさみ君
 十一月九日
    辞任         補欠選任   
     榛葉賀津也君     池口 修次君
     西村まさみ君     安井美沙子君
 十一月十日
    辞任         補欠選任   
     池口 修次君     榛葉賀津也君
     安井美沙子君     田中 直紀君
 十一月十一日
    辞任         補欠選任   
     田中 直紀君     西村まさみ君
     轟木 利治君     松浦 大悟君
 十一月十四日
    辞任         補欠選任   
     榛葉賀津也君     水岡 俊一君
     松浦 大悟君     轟木 利治君
     宮沢 洋一君    三原じゅん子君
 十一月十五日
    辞任         補欠選任   
     水岡 俊一君     大久保 勉君
     宇都 隆史君     猪口 邦子君
    三原じゅん子君     宮沢 洋一君
 十一月十六日
    辞任         補欠選任   
     大久保 勉君    はた ともこ君
     猪口 邦子君     宇都 隆史君
 十一月十七日
    辞任         補欠選任   
    はた ともこ君     外山  斎君
     宇都 隆史君     塚田 一郎君
 十一月十八日
    辞任         補欠選任   
     外山  斎君    はた ともこ君
     塚田 一郎君     宇都 隆史君
     田村 智子君     大門実紀史君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任   
     大門実紀史君     田村 智子君
 十二月五日
    辞任         補欠選任   
     大石 尚子君     水戸 将史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         福岡 資麿君
    理 事
                行田 邦子君
            ツルネン マルテイ君
                難波 奨二君
                白  眞勲君
                松村 龍二君
                寺田 典城君
    委 員
                足立 信也君
                風間 直樹君
                小見山幸治君
                鈴木  寛君
                轟木 利治君
                那谷屋正義君
                西村まさみ君
               はた ともこ君
                水戸 将史君
                岩井 茂樹君
                宇都 隆史君
               北川イッセイ君
                高階恵美子君
                中西 祐介君
                長谷川 岳君
                古川 俊治君
                宮沢 洋一君
                秋野 公造君
                谷合 正明君
                田村 智子君
                山下 芳生君
                中山 恭子君
   国務大臣
       総務大臣     川端 達夫君
       財務大臣     安住  淳君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(行政刷
       新))      蓮   舫君
   副大臣
       財務副大臣    藤田 幸久君
       文部科学副大臣  奥村 展三君
       厚生労働副大臣  辻  泰弘君
       農林水産副大臣  岩本  司君
       経済産業副大臣  牧野 聖修君
       経済産業副大臣  松下 忠洋君
       国土交通副大臣  奥田  建君
       国土交通副大臣  松原  仁君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  主濱  了君
       財務大臣政務官  吉田  泉君
       厚生労働大臣政
       務官       津田弥太郎君
   政府特別補佐人
       人事院総裁    江利川 毅君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        富山 哲雄君
   政府参考人
       人事院事務総局
       職員福祉局長   桑田  始君
       人事院事務総局
       給与局長     尾西 雅博君
       総務大臣官房長  吉良 裕臣君
       財務省主計局次
       長        羽深 成樹君
       文部科学大臣官
       房長       土屋 定之君
       文部科学省研究
       振興局長     倉持 隆雄君
       厚生労働省職業
       能力開発局長   小野  晃君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    山崎 史郎君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        関  克己君
       国土交通省道路
       局長       菊川  滋君
       国土交通省航空
       局長       長田  太君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関
 する調査
 (行政の活動状況に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(福岡資麿君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして、一言御挨拶申し上げます。
 去る十月二十日の本会議におきまして行政監視委員長に選任されました福岡資麿でございます。
 委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りまして、公正かつ円満な運営に努め、職責を全うしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)
    ─────────────
#3
○委員長(福岡資麿君) 皆様既に御承知のこととは存じますが、本院議長西岡武夫君は、去る十一月五日、逝去されました。誠に哀悼痛惜に堪えません。
 ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表しまして、御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。
 どうぞ御起立願います。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#4
○委員長(福岡資麿君) 黙祷やめ。お座りください。
    ─────────────
#5
○委員長(福岡資麿君) 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、赤石清美君、岸信夫君、末松信介君及び榛葉賀津也君が委員を辞任され、その補欠として長谷川岳君、北川イッセイ君、私、福岡資麿及びはたともこ君が選任されました。
 また、本日、大石尚子君が委員を辞任され、その補欠として水戸将史君が選任されました。
    ─────────────
#6
○委員長(福岡資麿君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(福岡資麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(福岡資麿君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に政府参考人として、理事会協議のとおり、人事院事務総局職員福祉局長桑田始君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(福岡資麿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(福岡資麿君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
 本日は、行政の活動状況に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。
 まず、東日本大震災における日本赤十字の義援金等についてお聞きをしたいと思います。
 厚生労働省にお聞きいたしますけれども、大震災が発生して三か月後の六月、あのころでもまだ依然として相当な金額が被災者に届いていなかったという現実があったわけなんですけれども、その後大分状況が改善されたとのことですけれども、今の状況についていかがかなと。簡潔に、総額が幾らで配付金額が幾らか、お教えください。
#12
○政府参考人(山崎史郎君) お答え申し上げます。
 日赤の義援金でございますが、十一月二十五日現在、国内外の御寄附も含め総額三千三百八十九億円を受け付けてございます。そのうち、市町村から被災者のお手元には二千五百九十七億円が配付されていると、こういう状況でございます。
#13
○白眞勲君 つまり、三千三百八十九億円の義援金を受付して、そのうち被災者に渡った金額は二千五百九十七億円ということだということだから、まだ約一五%の被災者には届いていないという状況になっていると思うんですけれども、その理由はどういうことなんでしょうか。
#14
○政府参考人(山崎史郎君) 御指摘でございますが、約八百億円が、これは日本赤十字社及び都道府県、市町村で留保されている状況でございます。日本赤十字社の方では三百二十億円ほど留保してございますが、これはいまだ被害認定に時間を要しておる自治体がございまして、その自治体からの確定次第これを送金すると、こういう予定でございます。
 一方、既に配付しております都道府県、市町村におきましても、これはもう現場でございますが、罹災証明の発行事務にまだ時間が掛かっているケースがございます。その観点で、都道府県、市町村において計四百七十二億円が今留保されていると、こういう状況でございます。
 いずれにいたしましても、早期に配付ができるように関係者に対して今後とも努めてまいりたいと、このように考えている次第でございます。
#15
○白眞勲君 これは本当に、その三か月後の六月でも大分様々な意見があったわけですから、いまだ一五%の方々に届いていないというのは、やはりこれは一刻も早く届けなければいけないというふうに思います。
 その辺り、津田政務官としてどのようにお考えか、ちょっとお話聞かせていただきたいと思います。
#16
○大臣政務官(津田弥太郎君) 白眞勲委員の質問にお答えを申し上げたいと思います。
 この義援金の問題というのは、できるだけ早く被災者の方に届くということがこれはもう大原則であることは間違いないわけでございます。
 ただ、被災をした市町村の職員もたくさんいるわけでございまして、全国から応援をいただいておりますし、厚生労働省もたくさん応援に行っておるわけですが、なかなかその地の利がよく分からない。現金を直接お渡しをすればいいんですが、それはなかなか、そういうやり方は取っておらないということで、どうしても振り込みという形を取るということになりますと、しっかりした確証を持って行わなければならない。そういうマンパワーも含めて大変手間暇が掛かる。正確にやろうと思えば思うほど、そういう手間が掛かることも事実でございます。
 それをできるだけ早くやるというのが、これは当然厚生労働省もそういうことを促していきたいというふうに思っておるわけでございますが、いまだ不十分な点があることは十分反省をして取り組んでまいりたいと思っております。
#17
○白眞勲君 現在、その三千三百八十九億円という義援金の受付額ですけれども、この利子は幾らなのか、教えてください。
#18
○政府参考人(山崎史郎君) 日本赤十字社におきましては、義援金及び海外救援金は利子が生じない決済用預金の中で管理されてございまして、利息は生じていないと、このように把握しております。
#19
○白眞勲君 いや、でも、義援金のその受付口座は、例えば銀行などの場合は普通預金口座に入っていますよね。これ、普通預金口座に入れば、一日でも入れば、それはその分、利子というのは生じるんじゃないんでしょうか。ちょっとおかしくないですか。その辺、ちょっともう一回確認したいと思います。
#20
○政府参考人(山崎史郎君) 決済用の預金として管理されているということでございまして、利子が生じない形の無利子の形で行っていると、こういうことでございます。
#21
○白眞勲君 いや、普通預金口座に入金ということになりますよ、ホームページ見たら。ですから、当然、普通預金口座ですから、そこには利子というのが生じるんじゃないんですか。当座預金だったらそれはよく分かるんですけれども。その辺り、もう一回ちょっと確認してください。
#22
○政府参考人(山崎史郎君) 私ども承知しておりますのは、これは無利息の普通預金という形で、これ利息が生じていないというふうに聞いてございます。決済用預金という形でございます。
#23
○白眞勲君 いや、もう一回ちょっと答弁をお願いします。
#24
○政府参考人(山崎史郎君) 日本赤十字社の方に確認いたしましたが、この義援金及び海外救援金に関しましては、利息が生じない無利息型の普通預金という格好で決済用預金という中で管理されていると、このように承知してございます。
#25
○白眞勲君 あと、この義援金というのは、日本国内で集められた金額と海外からの日本赤十字社に対する直接送金が含まれているというふうに思うんですけれども、それとは別に世界各国の赤十字社を通じた形で寄せられたお金が幾らで、それはどのように管理されているのか、教えてください。
#26
○政府参考人(山崎史郎君) 御指摘の点は海外救援金と呼んでございまして、海外の赤十字社から日本赤十字社の被災者の支援活動の資金として、これは合計五百三十八億円が寄せられてございます。これに関しましては、今年度から三か年を掛けて被災地での例えば医療活動でありますとか公営住宅等の再建、これに使っていくという形でございます。したがいまして、この五百三十八億円のうち本年度は三百八十億円をこれは執行していくと、こういう見込みでございます。
#27
○白眞勲君 いわゆる住宅に家電六点セットというのを入れているんですね。その金額は幾らですか。
#28
○政府参考人(山崎史郎君) この海外救援金の一つの使途としまして、避難所や仮設住宅の支援としていわゆる生活家電六点セットの寄贈がございます。この金額は、二十三年度におきましては二百五十四億円という形でございます。
#29
○白眞勲君 この海外からの救援金というのは、外国の皆さん、中にはもう発展途上国の方々が日々の苦しい生活費の中から日本の人たちのためにと思って出していた、金額の大小ではなくて、その真心といいますか、そういったものが本当に込められているお金であると私たちは受け止めており、そしてそれは被災者の人たちのために誠心誠意やっぱり我々は役立てていかなければいけない金額だというふうに思います。
 そこで、私、これ政務官にお願いなんですけれども、日本赤十字の英語のホームページに、このいただいたお金がどのように使われているのかという具体的な、ホームページにきちっと掲載していくというのはやっぱりこれ重要なことだと思うんですね。その辺りについて政務官のお考えをお聞かせください。
#30
○大臣政務官(津田弥太郎君) 白眞勲委員にお答え申し上げます。
 いただいたものについて、どのように使ったかという報告するのは礼儀中の礼儀、当然のことではないかというふうに思います。また、御寄附をいただいた方はその国の政府ではあるかもしれませんが、多くの国民の皆様が政府にお金を出して私どもがちょうだいをしているということになるわけで、その国の多くの国民の皆様に分かるようなシステムというのは、やはり今申されましたようなホームページ、これも大変ツールとしては役に立つ部分でございまして、そういう部分についてはおっしゃるようなことがしっかりできるように取り組みたいと思っております。
#31
○白眞勲君 是非きちっとその辺りは取り組んでいただきたいというふうに思うんですけれども。
 あと一つ、日本赤十字社やその関連の業態に、ちょっとこれ一点お聞きしたいんですけれども、厚労省などの政府出身者は一体何人いるのか、お答えください。
#32
○大臣政務官(津田弥太郎君) 現在、日本赤十字社本社には政府職員のOBが役員として二名、職員として五名、嘱託職員として二名の合計九名が在籍をいたしております。それから、日本赤十字社の関連団体として、保険の窓口等代理店的な役割を果たしております日赤振興会という団体がございまして、ここに役員として一名。それから、日赤厚生年金基金、ここに嘱託職員として一名が在籍をしているというふうに承知をいたしております。
#33
○白眞勲君 大分多いですよね。これ、政務官としてどのようにお考えでしょうか。いわゆる天下りになると思うんですけれども、その辺りの御見解をお聞かせください。
#34
○大臣政務官(津田弥太郎君) 公務員の再就職に当たりましては、平成二十二年六月二十二日に閣議決定をされました退職基本管理方針、これに基づき、再就職等の規制を遵守し、同一府省退職者が何代も連続して役員に再就職している場合には、公募等により適切な選定を行うということにしているところでございまして、厚生労働省としましても適切に対応しているというふうに考えております。
 先ほど申しました日本赤十字社本社に九名ということでございますが、これらの方々は、この平成二十二年六月二十二日に決定されました退職基本管理方針以前、もっと正確に言いますと政権交代以前に就任をされた方ばかりでございます。
#35
○白眞勲君 ですから、今後どうされたいのかなというのがあるんですけれども、その辺についてお聞かせください。
#36
○大臣政務官(津田弥太郎君) 先ほど申し上げましたように、今後の人事につきましては、この退職基本管理方針に基づいてきちっと対応してまいりたいと考えております。
#37
○白眞勲君 私も今年は久しぶりに献血をいたしまして、その赤十字の皆さんの、職員の皆さんの並々ならぬ御尽力というのは本当に敬意を表する次第でありますけれども、それにしてもやっぱり透明性とか、やはり今回大分義援金が遅れたということは間違いないわけで、この辺りについてはしっかりとこれからも取り組んでいただきたいというのをお願いを申し上げたいと思います。
 厚生労働省さんはもうこれでいいですので、質問はありませんので。御苦労さまでした。
#38
○委員長(福岡資麿君) どうぞ御退席ください。
#39
○白眞勲君 続きまして、国土交通省に空港ビルの適切な運用や管理についてお聞きしたいと思います。
 ここにいらっしゃる委員の皆様もよく御存じのとおり、空港ビルというのは多くが国有地に民間の事業会社を独占的に運営をさせているというふうになっているわけです。そこで、空港本体の維持整備には、航空会社からの着陸料収入や税金による社会資本整備事業特別会計の空港整備勘定などが充てられていると。その多くが赤字になっているわけなんですね。ところが、ターミナルなどの運営をしている民間の事業会社は、その一部はもちろん地代という形で支払っている以外はほとんど黒字であるということで、これは朝日新聞の去年の調べでは、ターミナルビルを運営する会社など国指定の三十八事業者のうち八割が黒字、なおかつその利益剰余金は二千三百億円に達し、さらには多くが国土交通省OBや地方公共団体の幹部の天下り先となっているという報道があるわけなんですね。
 そこで、まず国土交通省に確認のためにお聞きしますけれども、現在の空港法三十三条に、空港の利用に関する基本方針を定めて、ビル会社に対して効果的かつ効率的な設置及び管理を図るための必要な指導、助言、勧告をすることができるということで、このビル会社が独占を理由として過大な利益を取っているとか著しく高い賃貸料を取っているという場合には適切な指導をしていくということでよろしゅうございますか。
#40
○政府参考人(長田太君) 今委員から御指摘のとおり、空港ビル会社に入居している航空会社が支払う賃料につきましては、基本的には利用者の意見を聞きながら利用者間の調整により決定されているというふうに認識をしておりますが、御指摘のように、独占を背景として特に高い賃料を取っているという場合につきましては、今御指摘の空港法の規定に基づきまして指導等必要な対応を行うこととしているところでございます。
#41
○白眞勲君 例えば、そこで、私が入手した手元に持っている資料ですと、まず北海道の千歳空港をちょっと考えてみようじゃないかということで見ると、千歳空港のビル会社が国に支払っている地代、これ一か月平米単価で百五十円なんです。ちなみに、ビル会社が航空会社に請求している賃料は一か月平米単価で六千五百三十一円なんですよ。要するに、ビル会社は百五十円の土地代を国に支払って、航空会社には六千五百三十一円で請求していると。実に四十一倍以上の金額を請求しているということで、これって私から見ると相当暴利なんじゃないかなというふうに思うんですけれども、航空局長、いかがお考えですか。
#42
○政府参考人(長田太君) 今委員御指摘の点でございますが、航空会社のいわゆる賃料の取り方ということでございます。
 今先生おっしゃいましたように、千歳空港の空港ビルでございますが、これは賃料として六千五百円を取っておりますが、これはビルの建設に掛かりました費用を長期的に回収をするということで、減価償却費あるいは維持費等々を分析をして取っておるわけでございます。
 賃料部分につきましては、別途、新千歳空港の場合に、各それぞれのテナントあるいは入居されている航空会社から地代という別の名目で取っておりまして、それについては平米当たり百四円ということでございますので、基本的には国がいただく地代に連動した形で徴収をされているということでございます。
#43
○白眞勲君 今、必要な建設費や地代等を償還という部分でというよりは減価償却だと、建物のというお話だと思うんですけれども、ただ、ビルの建設費というのを考えてみた場合、平米単価で大体こういう空港ビル辺りですと二十万円ぐらいなんじゃないんでしょうかね、高くても。私はそういうふうに思っているんですね、平米単価でね。これ、二十万円ぐらいあるとマンション建っちゃうんですよ、ああいう細かい、何というんですか、いろんな設備をした。ああいう少し大きな空間になると、当然もっと安くなるのが当たり前なんですけれども、まあ二十万円としましょう。それで、平米単価で六千五百六十一円、これ月ですよね。一年間でそうすると七万八千七百三十二円。つまり、二十万円の元を取るためには、二年半で元取れちゃうんですよ、建物代だけだったら。これ、もし十五万円だったら、二年。
 例えば空港ビルというのは待合室とかいろいろ、いわゆる普通のオフィスビルに比べると家賃が取れない場所が多いだろうと。借りている面積の三割ぐらいが家賃を取れる場所としても、二年半だから、その三倍で七年半分で減価償却終わっちゃうということになりますよね。
 もう一度、航空局長にお聞きします。この計算で減価償却って、いいですよね。
#44
○政府参考人(長田太君) 今委員おっしゃいましたとおり、空港の場合、確かに共用部分とかいうことで賃料としてなかなか回収しにくい部分ございますし、二十四時間運用ということで、町中のビルに比較してコストが掛かるという点は事実でございます。
 基本的な考え方は、委員の御指摘のとおりでございます。
#45
○白眞勲君 だったら、ちょっとこれは、今、航空局長さん、二十四時間運用とおっしゃいますけれども、空港ビルは二十四時間運用していませんよ、基本的には。まあそれはそれとして、減価償却七年ぐらいでいいっていうんだったらば、どう考えたって高くないですか、どう考えたって。それをどういうふうにお考えなのか。
 ちなみに、ここにいらっしゃる委員の皆さん、みんな千歳空港は一度や二度は必ず利用されていると思いますよ。行かれて御存じのように、ほかの地方空港に比べても、お土産というんでしょうか、いわゆる売店の売上げというのが物すごく高いというのはこれお分かりいただけると思うんですね。実際、この空港のビル会社も土産屋さんやっているんですよ。そうすると、テナントの物販を含めると、これ相当減価償却のプラスが生じるわけですね。そういったことを考えて、一体どういうことなのかということを私はもう一度お聞きしたいと思います。
#46
○政府参考人(長田太君) 基本的には、空港につきましても、今おっしゃいましたように、空港ビルの収益としては、エアラインからいただく不動産賃料収入、それから自ら事業をして物販とかを行うことによる収入がございます。千歳空港の場合は、そういう不動産収入に比べて物販収入が多いということは事実でございます。
 基本的には、不動産収入に掛かったコストをエアラインに対して請求をするわけでございますが、それに係る減価償却費、維持費等々を分析をしてエアラインに請求をしているということでございます。
 新千歳空港の場合に、平成四年に現在の旅客ターミナルビルを供用開始をしたわけでございますが、特に最近、国際線が非常に増加をしておりまして、平成二十二年の三月には国際線旅客ターミナルビルの供用開始をしました。また、平成二十三年七月には国内線につきましても増築をする、あるいは国内、国際の連絡通路を供用するということでございまして、一般のビルに比べて割と施設の改修でありますとか投資の回転が速いというのが一つ傾向としてはあるのかと思います。
#47
○白眞勲君 全然答えになっていませんね。
 国際線ビルの新築については、利用者から千円ずつ取っているじゃないですか。そうですよね。国内線ビルですよ、私が申し上げているのは、今。平成四年に供用開始したということになったら、もう十八年前、十九年前ですよね。その間、どう考えたって、減価償却七年で終わるって今おっしゃったじゃないですか、もうけ過ぎていませんかということなんですね。
 ところで、空港法三十三条には、この法律の目的、つまり利用者の便益の増進を図るという目的のために、当該空港の効率的な設置及び管理を図るための必要な指導、助言、勧告をすることができるということになっていますね。これは当然、そのためには空港のビル会社から報告を受けなきゃいけないと思うんですけれども、いつ報告を受けたんですか。
#48
○政府参考人(長田太君) 現在のシステムでは、空港会社から法律に基づいて報告を受けるということをしておりませんが、事実上、各空港会社から毎年の決算等については報告をいただいているところでございます。
#49
○白眞勲君 私がよく分からないのは、当然こういう法に書いてある以上、ある程度の書類はそろえられなきゃいけないんじゃないんですかということなんですね。ホームページを見てもほとんど何も書いてないですよ。全くこの辺は不透明なんですね。当然、そこは航空局がしっかりと行政としてこの辺りチェックする必要性があるというふうに私は思うんですね。
 ちなみに、千歳空港の駐車場はまた別の組織ですね。それについてのデータはもらいましたか。
#50
○政府参考人(長田太君) 現在、私どもでは、空港の設置管理の在り方ということで、言わば空港と駐車場あるいは滑走路を一体的に運営するということについての検討を進めております。その観点で、駐車場会社についてもデータはいただいております。
 今、委員御指摘のように、新千歳の空港ビルの場合について毎年の利益を見ますと、平成二十一年度ぐらいまでは黒字でございますが、平成二十二年度には七・四億円の赤字、二十三年度についても、現在、震災等の影響もありまして四月から六月ベースでは前年比七八%ということで、若干、空港の場合には様々なリスクの変動に応じて収入が上がったり下がったりすると、そういう特徴はあるというふうに理解をしております。
#51
○白眞勲君 今、駐車場のデータをもらったということですが、いつもらったんでしょうか。
#52
○政府参考人(長田太君) 今年になってからいただいております。
#53
○白眞勲君 今年のいつですか。
#54
○政府参考人(長田太君) 毎年の事業報告ということで、年度終了後にいただいております。
#55
○白眞勲君 松原副大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、これまでの議論を聞いていての感想ということでちょっとお聞きしたいんですけれども。
 私は、ちょっと冒頭申し上げましたとおり、例えばということで千歳空港を取り上げさせていただいたわけなんですね。これはほかの空港でも言えることで、当然国有地、つまり国民のひとしく共有財産の上に独占的な建物で商売をしている以上は、その透明性というのは例えば民間といえどもきちっと担保されなければいけないというふうに私は思っているんですね。
 ちなみに、千歳空港のビル会社は、資本金三億七千五百万円で従業員数八十二名の会社が年商三百八十一億円ですよ。つまり、一人当たりの売上げ四億六千万円。データについては何もホームページには公開されていない。さらに、このビル会社の社長は前の北海道の副知事。まあ、どのぐらい天下りがあるかさっぱり分からない状況、また駐車場も別組織になって、ますます不透明ということですね。
 これは、日本全国でこのような国民の財産である国有地の上に不透明な形でビル会社が存在するということは私はあってはならないと思う。そういう中で国民に対してきちっと説明する義務があると思いますが、そうしないと、結局そのツケというのは飛行機を利用する国民に回ってくるということで、是非、この辺り、航空局、しっかりと誰もが納得する形で透明性を持って行政として指導をする必要性があると思いますけれども、副大臣、いかがでしょうか。
#56
○副大臣(松原仁君) 空港の空港ビルの運営に関しては国際的な様々なデータもあるわけでありまして、その中で日本がとりわけて高いかどうかも含めて分析をする必要があると思いますが、この今、白委員が御指摘の点に関しては、私はやはり国民から理解を得られるような努力をしていく必要があるというふうに認識をいたしておりまして、十分これからも問題意識を持って検討をしていきたいと、このように思います。
#57
○白眞勲君 質問を終わります。
#58
○難波奨二君 民主党の難波奨二でございます。
 ただいま白筆頭理事から厳しい政府に対する質問等ございましたが、私の方は、藤田副大臣と穏やかに議論を進めてまいりたいというふうに思います。
 私の方は、今月の一日に国家公務員の宿舎、この削減のあり方検討会で取りまとめがなされましたその関係につきまして、質問をしてまいりたいというふうに思います。
 公務員の皆さんは、国の役に立ちたい、そして社会の役に立ちたいという強い志を持って公務員になられたわけですけれども、この間長く公務員バッシングが続いておりまして、確かに倫理観の欠如等、そうした問題というものはこの間ありましたけれども、長い冬の時代が公務員の皆さんは続いているというふうに私は認識をしております。
 しかし、さきの東日本大震災でも明らかになりましたように、こうした大変な災害あるいは有事のときには公務員の皆さんの職務そして働きというものは非常に重要なわけでございまして、公務員の皆さんの士気の低下というのは、国にとっても、そして国民の皆さんにとっても私はマイナスになるものだろうというふうに思っておりまして、今国会も給与引下げ等の法案の提出はございますが、私は、この公務員の皆さんの処遇等含めて在り方の問題は冷静に議論すべきという考え方の持ち主でございまして、そうした立場から、今回、宿舎の問題、御議論をさせていただきたいというふうに思います。
 そこで、まず最初でございますけれども、今月一日に取りまとめられましたこの内容につきまして御説明いただきたいということと、各省庁との折衝を藤田副大臣なされたというふうにお聞きしておりますけれども、自己評価をお聞きしたいというふうに思います。
#59
○副大臣(藤田幸久君) 難波委員にお答えをいたします。
 今、冬の時代というふうにおっしゃられましたけれども、私は、必ずしもそうではない面が今度の大震災で明らかになった、そういう観点からもこの問題に取り組んだつもりでございます。
 内容についてまず申し上げますけれども、まず大前提として、国家公務員宿舎というのは、基本的に、主に福利厚生目的のものではなく、これ宿舎法の第一条にも書いておりますけれども、業務を目的にするということでございますので、真に公務のために必要な宿舎に限定をするというのが大前提でございます。
 それから第二点目は、この集中復興期間、大震災の、五年間は原則として新規建設は行わないというのが第二点目でございます。そして、具体的には、この五年間に今現在ございます二十一万八千戸、戸ですから戸数ですね、これを二五・五%、つまり五・六万戸程度削減をするというのが二点目でございます。
 その中身として、例えば千代田区、中央区、港区については原則廃止をする。それから、いわゆる幹部宿舎は今後は建設は行わないと。それから、現在ある幹部の専用宿舎、たくさんある中に幹部が入っているのではなくて、幹部の専用宿舎というのは順次廃止をしていくと。それからもう一つ重要なことは、その宿舎の使用料、これは駐車場の使用料を含めまして、いわゆる建設、維持管理コストに見合うコストに値上げをすると。それで、あとは、一番話題になっておりました朝霞住宅それから方南町住宅は建設を中止をするというのが内容でございます。
 それから、自己評価に関してでございますが、もしお持ちでなければこの報告書を是非お読みいただきたいと思いますけれども、まず一つは、こういう決定をした背景として、日本の公務員宿舎というのは、やっぱり戦後、ここに書いてあるんですけれども、経緯として、物資に乏しい時代に生まれ、当時その役割は十分果たしたと言えるが、現在の宿舎は公務員の福利厚生的な側面も少なくないと。住宅事情が変化し、長引くデフレの状況の下、社宅の売却、福利厚生の削減を行う企業も多い中で、宿舎自体の存在意義が問われていると、こういった背景から取り組んだということが一つ。
 もう一つは、今、難波委員がおっしゃっていただいたように、この本文にも入っておるんですけれども、今回の大震災の被災者支援で活躍した自衛官、海上保安官、警察官、消防署員、自治体職員等の姿は全国民に感動を与え、今日ほど現場で働く公務員が国民に近くなったことはないと。しかし、現場で国民生活を守る公務員の宿舎の住環境が余りにも劣悪な現実もあると。私も参りましたけれども、都内の古い公務員宿舎、三階に行きました。トイレはといったら部屋の中にありません。じゃ共同トイレはとその階探してもなくて、三階に住んでいる方、一階まで下りていかなければトイレがない。そのトイレの中に洗濯機が置いてあると。やっぱりこういったものは速やかに改善すべきであるというようなことも考えたわけでございます。
 したがいまして、公務員の皆さん、実はこの本文の最初に入れてあるんですけれども、国家公務員法第九十六条に、国家公務員は国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務するとあると。このために、働くべき業務のためのいい環境をつくり、一方、状況が変わった中で、こういった時代の中で、やっぱりちゃんと区分けをするべきはしっかりやって国民にこたえていくと。そういう意味での今回の報告というものは、いろんな方の御支援もいただきながら一定の評価を、自己評価をしたいというふうに思っております。
#60
○難波奨二君 後段おっしゃられた部分については、私も十分そのように理解しておりますし、また評価もしておるところでございます。
 今ございましたけれども、二五・五%、五万六千戸の削減ということでございますけれども、お伺いするところによりますと、削減効果は約七百億円というふうにお聞きをしております。その積算の根拠、そして削減効果額でありますこの七百億円というものは今回の東日本の震災の復興に充てるべきというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
#61
○副大臣(藤田幸久君) 報告書に書いてございますが、現在の段階で、実は報告書にかなり長いページ数で具体的に固有名詞でどこどこを廃止をするというのが全部出ております。これが現在で二千三百九十三住宅ですね。戸数はもっと多いんですけれども、住宅の数で。この売却見込額から建物の解体費等を控除したものが約七百億円程度と。これは現段階でそうですから、これから実は来年にかけて、先ほど申しました方針によって建て替えるもの、それから売却するもの、借り上げするもので区分けをしていきますから、更にこれが増えるわけですけれども、現段階で七百億円程度で、この形で捻出されたものは復興のために充てたいというふうに思っております。
#62
○難波奨二君 もう当たり前のことでございますけれども、国家公務員の宿舎、国民共有の財産でございます。低廉な価格での販売等はあってはならないわけでございますし、不動産事情も当然ございますから、適時適切な時期、そして方法によって売却等やられるよう求めておきたいというふうに思います。
 次ですけれども、公務員宿舎については合同宿舎とそして省庁別の宿舎があるわけでございますが、今回のこの廃止に当たりまして、その割合と、そして廃止に至った選定の基準についてお伺いしたいというふうに思いますし、また、この廃止の宿舎についてはただ単に売却ということじゃなくて、また違った形での活用ということもお考えなのか、お聞きしたいと思います。
#63
○副大臣(藤田幸久君) 基準は、先ほど申しましたが、中央三区、都心は危機管理要員等を除いて廃止をすると。それから、東京に関しては、おおむねと言っておりますのは、山手線の外側も含めて、山手線近傍及びそれに含まれる中の宿舎は、五年間で築年数が四十年を超える宿舎等、古くなったものは危機管理要員等を除いて廃止をしていくと。それから、その東京以外の地域でも、五年間で築年数が四十年を超える宿舎等、老朽化して耐震性に問題のあるものは危機管理等を除いて廃止をしていくと。その際に、その規模とかそれから容積率等も考慮しながら廃止をしていくという考え方でございます。
 それから、内訳でございますが、現段階で廃止を決めております二千三百九十三住宅のうち、いわゆる合同宿舎というのは百二十五、これは全体の五・二%、それから、省庁別宿舎が二千二百六十八住宅、九四・八%でございます。
 売却等に当たっては、地元の公共団体等の希望を優先をさせながら処理をしていきたいと思いますし、いろいろ地域の方から、保育所だとか教育関係だとかそういった地域に役立つような要望がございますので、そういったものも十分考慮をしながら当たっていきたいというふうに思っております。
#64
○難波奨二君 続いて、この問題の発端になりました朝霞住宅と方南町住宅でございますが、建設は取りやめということでございます。
 将来構想をどのように現段階でお持ちなのか、また、計画の変更というのは地元の皆さんに大きな迷惑を掛けるわけでございますけれども、地元の皆さんとのこの協議の現状についてお伺いしたいと思います。
#65
○副大臣(藤田幸久君) 朝霞については、朝霞の市長さんの方から中止をしてほしいという要望が十一月の二十二日にございました。そして、今までも朝霞の方でこういうふうに造りたいという希望があったわけでございますけれども、それも含めて、近々私の方で朝霞市長にお目にかかって、今までの経過について、いろいろと二転三転いたしましたのでその辺も御報告をし、それから、至らなかったことについてはしっかりその旨申し上げ、今後の対応については地元の要望をできるだけ生かした形で対応したいというふうに、近々出向いてまいる予定でございます。
 それから、杉並の方、方南町住宅も、杉並区の田中区長が、これは事情がかなり違っておりまして、建て替えでございます。それから、元々住んでいた公務員の方々が、結構、町会活動とかも入って非常に住民の方々ともよく交じっていたので、もう区を挙げて、地元を挙げて是非造っていただきたいという要望が来ておりましたけれども、やはり総合的に考えた結果、今回は中止を決定させていただきました。
 つきましては、これも今週、杉並区長のところに参りまして、こういった経緯について御報告をし、至らなかった点については重々御説明を申し上げ、と同時に、杉並区の区長さんがおっしゃっていたのは、もう三年半、更地になってきたと。結局、その空間があるわけですね。治安上も良くない、だから、いずれにしても白黒はっきりさせてほしい、ずるずる延ばされるのが一番悪いということでございましたので、中止を決定させていただいて、今後の使い方について、是非、地元の皆さんの御要望もできるだけ生かせる形でやっていきたいということで、今週中に朝霞そして杉並に私自身が参って対応する、そういうつもりでございます。
#66
○難波奨二君 計画の中止によって全ていい方向に行くわけじゃなくて、既に工事の契約等も済んでおるわけです。そうした新たな負担も生まれてくるわけでございます。それも国民の負担になるわけでございまして、今回の二転三転したこの問題について、一つの戒めとして政府も感じていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、先ほども副大臣の方からもございましたけれども、今回の廃止の選定に当たりまして、危機管理要員そして緊急参集職員等、緊急時に招集をされる公務員の皆さんも多いわけでございますけれども、今回の震災でも明らかになりましたように、初動態勢というのは極めてそういう意味では重要でございます。
 今回、廃止の選定に当たって、今申し上げました危機管理要員の皆さんやそして緊急参集職員の皆さんの、この危機管理上必要な者に対しての措置というものは万全になされているかということをお伺いしたいと思います。
#67
○副大臣(藤田幸久君) 先ほど要望としておっしゃられました二転三転したということに対する戒めということでございますが、実は、今度の報告書の中に工程表というのを入れてございます。
 実は、例えば、港区、中央区、千代田区はもう廃止すべきじゃないかという議論は、平成十年とか、平成十六年から十八年にかけて、自民党時代のいろんな有識者会議等も提案なされていたんですね。それから、例えば幹部用宿舎は廃止していくとかいうのも出ていたんですが、なかなか実行の部分がちょっと遅れたり、あるいはいろいろな要件で進まなかった部分もあるものですから、できるだけしっかり、こういう工程表を作って、年に一度は報告をし、そして国会等の皆さんに検証していただくと。したがって、今度はそのぶり返しがないようなふうにやっていきたいというふうに思っております。
 それから、今の御質問でございますが、危機管理が非常に重要だということは今度の大震災でも明らかになりましたので、本当に必要な危機管理要員ができるだけ所定の部署にしっかり入るような、ある意味ではその置き換えをするというようなことでございます。したがって、千代田、港、中央に関しては、危機管理要員それから緊急参集要員をできるだけ優先的に入居していただくと。それから、それ以外のところにいて、今まで危機管理的な人がいて、その中の部分で今度退去していかれるような方の部分には優先的に危機管理用の方々が入っていただくというような形で、より現実に即した形で危機管理体制が取れるように、宿舎の運用に当たってもそういったことを各省庁にも働きかけてまいりたいというふうに思っております。
#68
○難波奨二君 財務省だけではちょっと難しい話かも分かりませんけれども、この緊急参集要員についての範囲ですけれども、再定義なされるというような今状況にあるのかどうなのか、お伺いしたいと思いますが。
#69
○副大臣(藤田幸久君) 個別の具体的内容については各省庁のことでございますが、実際に私もほかの省庁の方々と政務三役等ともやり取りをいたしまして、やはりこの三月十一日の経験を生かしながら、その危機参集要員の在り方あるいは危機管理の在り方について見直しをしながら、めり張りの付いたできるだけ体制に変えていこうというふうに各省庁の方で今進めておられるというふうに伺っております。
#70
○難波奨二君 次に、独立行政法人関連でございますけれども、国家公務員の宿舎には国から独立行政法人に移行された職員の方もお入りになっております。その対応をどのようになされているかということと、あわせまして、団体交渉権を持った独法もあるわけでございますけれども、団体交渉権を持った独法については労使自治の原則によって当該労使協議に委ねるべきというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
#71
○副大臣(藤田幸久君) 独立行政法人制度の創設に当たりまして、国の機関から移行した独立行政法人に対しては、原則としてその職員に対し法律上国家公務員宿舎の貸与を可能としたというふうになっております。他方、貸与はいたしますけれども、その独立行政法人の職員、団体との間で労使協議を行うということにはなっていないと。ですから、貸与はいたしますけれども、省の方でその独法の方の組合と直接労使協議をするということにはなっていないと。
 ただ、今後の様々な宿舎問題の協議に関しましては、できるだけ関係者とは十分に話合いをしながら実質的に進めていくということになると思います。
#72
○難波奨二君 私、東京へ出てきたのが十四年前なんですけれども、何が一番この東京でびっくりしたかといいますと、住宅事情の厳しさです。今、公務員の住居手当というのは二万七千円がアッパーで、全国一律なわけなんですけれども、私は個人的には、確かに地域手当等は地域で格差を付けておりますけれども、この住居手当についてもそうした傾斜的な考え方があってもいいんじゃないか。特にこの東京というのは非常に家賃も高い、あるいは家を建てるといっても、マンション買うといっても大変な地方とは負担が違うわけで、そうした考え方があってもいいという思いを持っておるところです。
 そして、この宿舎については、やはり労働者の立場からいうと労働条件の一つということも考えられるわけでございまして、今回のこの廃止等に当たりましては十分そうした団体や職員への周知、そして異動等が実際にある場合には丁寧な対応をお願いをしておきたいというふうに思います。
 次は、宿舎費の引上げの問題でございますけれども、今回の検討に当たりまして、今後宿舎費を引き上げるということでございますけれども、現段階においてどのような算定そして決定の方法を考えられていらっしゃるのかということが一点です。
 もう一つは、これも冒頭から申し上げておりますけれども、長年にわたります賃金の抑制によりまして、あるいは社会保障の負担によって、公務員の皆さん、まあ労働者全体そうですけれども、長年、可処分所得というのはもう低下をしておるわけでございます。また、給与法の改正等の話もあるわけでございまして、今回仮に引上げをなさるということであれば、やはりそこは丁寧な配慮、つまりソフトランディングをしていくことも重要じゃないかというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
#73
○副大臣(藤田幸久君) 冒頭おっしゃった十四年前の話は、今回いろいろ見ておりますと、公務員宿舎問題の大きな要素の一つはやっぱり東京問題、住宅問題、そういう面もあるということが議論の中でも出ております。それから、いわゆる宿舎費の引上げの点でございますけれども、やはりいろいろ御批判等が出ておりますように、公務員宿舎の方が安いという言われ方あるいはそういう意見もございました。
 今回決めたことは、少なくてもその宿舎の建設、維持管理コストに見合うまでは上げるべきではないかと。つまり今、赤が出ているわけですね。政府の方でその言わば補填をしている部分があるんで、せめてとんとんまでは持ってくるべきではないかということでございます。したがいまして、一年以内にそれぞれの個別の宿舎ごとにおいてその関連の歳入と歳出がそれぞれどのぐらいかということを検証した上で、これはそれぞれの地域によって事情が違いますから、それを一年以内に決めて、それでもちろん関係の組合の方とか、それから入っていらっしゃる方とも協議をしながら決めていきたいというふうに思っております。
#74
○難波奨二君 現在、先ほどもお話ありましたけれども、老朽化の宿舎も非常に多いわけでございますけれども、今後の新築に対する考え方、あわせまして、宿舎を建設そして維持するコストと、そして対比して、民間施設を賃借するコストの比較を行って、民間の借り上げ等も進めていく必要があるんじゃないかというふうに考えます。あわせて、宿舎の維持管理でございますけれども、今どのような現状なのか、お伺いしたいと思います。
#75
○副大臣(藤田幸久君) この五年間、つまり集中復興期間において、できるだけ耐震改修をしたり集約したりまとめることによって整理をしていくというような形で対応していきたいと思っておりますけど、まず一つは、できるだけ建て替えを抑制し、できるだけ借り上げの方が有利というふうにコスト比較がされたものについては借り上げを積極的に活用する。ということは、これ、要するに資産を圧縮するということになるんですね。これが実は、項目の中にも入っておりますけれども、できるだけ資産を減らしていくということが、つまりストックからフローに変えていくということがやっぱり全体の流れで必要だということも議論になりました。
 それから、仮に建て替えを行う場合でも同じ場所以外には建てないと。全く新しい、今度の朝霞の場合はそれに当たるんですけれども、集約化するけれども新しい場所に建てるということではなくて、できるだけ今まであったところに建てていくということでございます。
 それから、民間委託は、現在でも、宿舎の巡視をしたりとか風呂がま等の修繕をしたりとか、あるいは大規模修繕に係る設計とか各種工事などはかなり民間委託をしているわけですけれども、まあやっぱり見ていて、民がやった方が多分機動性があるんだろうなと。その分、やっぱり官が減る分が、資産を圧縮することも含めて、流れはそういうことではないかと。ですから、その辺もできるだけ積極的にやっていきたいというふうに思っております。
#76
○難波奨二君 最後の質問になりますけれども、今計画におけます被災地の宿舎の取扱いの在り方についてお考えをいただきたいということと、あわせまして、現在被災者の方に提供をしている宿舎の現状についてと、当然のことだというふうに思いますけれども、現在提供している宿舎については今後も継続して使用がなされるというふうに理解をしていいのかどうか、お伺いしたいと思います。
#77
○副大臣(藤田幸久君) 十一月二十五日現在、全国で受入れ可能な国家公務員宿舎の数は八千五百三十三戸ございます。そのうち、実際に地方自治体に提供して、そこに被災者入っていただいている数が千五百四十六戸でございます。
 私は、実は、話題になっております江東区の東雲住宅と、それから福島市のやはり公務員住宅へ行ってまいりました。大熊町の方とか浪江の方とかお会いをしました。大変喜んでおられました。喜ばれる最大の理由は、例えば、仮設住宅あるいは避難所から仮設住宅に移ったりした場合には皆さんばらばらになるんですね。ですから、情報も十分得られないと。それから、周りに知り合いがいないと。ところが、この公務員宿舎の場合にはまとまって人が入れると。ということは、一緒に家族とか知り合いが入れるということで、全国にてんでんばらばらになった人の情報も実はそこで集約ができるし、一緒に地域のことを思い出すようなこともできると。ですから、大変有り難いというお話がございました。
 したがいまして、こういう震災用に、例えば予備的な施設だとか、そういう備えのある施設といったものもやはり必要なのかなというふうにも思いました。
 と同時に、福島の場合も東雲住宅に行ったときも、私たち、ここ、いつまでいれるんですかと、何か一部の週刊誌か何かの報道で、来年七月に我々は出ていかなければいけないなんて報道ありましたけれども、本当ですかと聞かれまして、そんなことありませんと、被災者の皆さんが必要な限り、国としては皆さんにいていただくようにいたしますということを申し上げてまいりましたが、やはりそういう意味では、被災者の皆さんがまた今後更に希望が増えることもあり得ますので、そういう被災者に対してはこれからも継続してお使いいただくようにしていきたいというふうに思っております。
#78
○難波奨二君 国民の皆さんに新たな負担等も求めようとしているときです。今後においても、こうした宿舎の問題を始めとして、不断の改革、見直し等、努力していただきますことをお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#79
○宮沢洋一君 自民党の宮沢洋一でございます。
 本日は、川端総務大臣、また江利川人事院総裁に御出席いただいておりますが、お二人は給与法をめぐって相当激しくやり合っておられたわけですが、今日は給与法の話はいたしませんので。また、松下大臣は、大変経産省忙しかったと、ちょっといろいろ実情を教えていただきたいと思って来ていただきました。
 今日は、いわゆる残業、公務員の超過勤務について少し質問をしたいと思っております。
 私自身も二十年近く大蔵省、財務省におりまして、ほとんど本省におりました。本当に中央官庁の本省というのは大変忙しくて、予算期などは月に二百時間を超える三百時間近い超過勤務ということは当然やってきたわけでありますけれども、残念ながら、超過勤務手当というのはそれに対してかなり額が少なかった。逆に言えば、超過勤務命令というものを受けたことはありませんし、一方で、暇そうな方で、仕事はないんだけれども、どうも家に帰りたくないから役所にいるんじゃないかと思われるような人もいないではないというのが、あの当時、二十年、三十年前の実態でありました。
 少し改善しているのかなと思っていろいろ聞いてみましても、なかなか改善していない。例えば、昨年も閣僚懇で総務大臣が発言されて、残業を少なくしましょうとか、また、政務三役は無駄なときに役所に週末来ないようにと、まあ恐らくどこかの厚生労働大臣がターゲットなのかなと思われるような閣僚懇発言があったりしているようでございます。
 まず、実際の数値、数字について人事院に伺いたいと思います。
 人事院で取りまとめをされているようですけれども、超過勤務の時間、また一方で、超過勤務も含めて在庁している時間の数字、最新のものをちょっと、本府省分ということでお願いします。
#80
○政府参考人(桑田始君) お答え申し上げます。
 まず、超過勤務でございますけれども、国家公務員給与等実態調査を実施しておりまして、平成二十二年におきます本府省の国家公務員の平均超過勤務時間数は年間で三百六十一・五時間となっております。
 一方、特に本府省におきまして、先生から今御指摘ございましたけれども、正規の勤務時間終了後に超過勤務命令を受けずに相当時間にわたって在庁しているという実態が見受けられますけれども、政府全体といたしまして超勤縮減対策に取り組む一環として、本府省の各局一課を毎月第一週の在庁時間をサンプルとして調査をしております。これによりますと、平成二十二年度、一人一週間当たり在庁時間が十二・一時間というふうになってございます。
#81
○宮沢洋一君 単純に計算して、その一週間十二・一というのは年に直すとどのぐらいになるんですか。逆に、超過勤務時間を週に直しても結構なんですけれども。
#82
○政府参考人(桑田始君) 在庁時間の中には、御承知のように、超過勤務に該当しないような自発的な勉強時間とか食事の時間など様々な時間が含まれております点に御留意願いたいと思いますけれども、単純に十二・一時間を、週休日とか祝日を除きまして大体四十八週でございますけれども、四十八週で単純計算いたしますと五百八十時間となります。先ほど、超過勤務の実態では平成二十二年三百六十時間と申し上げましたとおりでございます。
 なお、平成二十二年四月から、実は一局二課でサンプル調査を実施した結果では週十一・四時間でございまして、これも四十八倍しますと大体五百四十七時間ということでございまして、五百四十七とか五百八十というような状況でございます。
#83
○宮沢洋一君 人事院はたしか平成二十二年に勧告時報告というのを出されておって、その中に今おっしゃったようなこと、「本府省においては、正規の勤務時間終了後、職員が超過勤務命令を受けずに相当時間にわたって在庁している実態が見受けられる」と、こういう指摘をされているわけであります。
 そういうような今の数字、超過勤務時間が年間三百六十ぐらい、一方で在庁時間は五百五十時間前後というような数字が出ているわけでございますが、これについて、人事院総裁、どのように受け止められているのか、お答えいただきたいと思います。
#84
○政府特別補佐人(江利川毅君) 私もかつては公務員で仕事をしていまして、帰りの時間は毎日最終の地下鉄という日々をずっと送っておりましたので、一方、残業手当がそれに見合うように付いていたかというと、まあ実際問題そうではなかったんではないかというふうに思っております。そのころは仕事に、課題に取り組むということで精いっぱいでしたが、今の立場になりまして、職員の勤務時間を見るという立場になりますと、これはやはり適正な管理が必要だろうという気がしているわけでございます。
 そういう意味では、仕事のまず内容をよく管理者が見て、本当に残業が要るものはどれかと、それから仕事の効率化を図る意味でどういう工夫ができるかと、そういうことを十分吟味しながら、また、各部局それぞれ工夫を行っておりますので、そういう工夫を参考にしながら勤務時間を減らす努力をして、かつ必要なものについてはきちんと命令を掛けると、ルールを徹底するということが大事だというふうに思っております。
#85
○宮沢洋一君 松下副大臣に少し伺いたいんですが、経産省、今年の三月十一日の発災以降大変お忙しくなったわけですね。原子力保安院もあれば資源エネルギー庁もある。
 残業時間といいますか、在庁時間でいいんでしょうけれども、どの程度増えたのか。恐らく何日も泊まり込んだ方も随分いらっしゃると聞いておりますけれども、実態はどんな形だったか、細かな数字じゃなくて結構でございますから、教えていただけますか。
#86
○副大臣(松下忠洋君) 宮沢委員の御指摘のとおり、三月の十一日の発災以降、経済産業省全体としても、超過勤務、大変過重な状況が続いていることは事実でございます。
 特に資源エネルギー庁、それから原子力安全・保安院、これは桁外れに超過勤務、そして多忙な時間を過ごしておりまして、資源エネルギー庁でいきますと、昨年の四月から今年の二月までの超過勤務時間の一か月当たりの平均が一万三千五百時間でありましたけれども、今年の三月から現在まで二万八千時間ということで約二倍に増加しております。それから、原子力安全・保安院でございますけれども、同じように昨年の四月から今年の、二十三年の二月までの超過勤務時間の一か月当たりの平均が約九千二百時間でありましたけれども、今度、三月分につきまして、二十三年の三月ですけれども、約二万九百時間ということで約二・三倍に増えているということでございます。
#87
○宮沢洋一君 恐らく一人頭にしても大変な時間の超勤、これは超勤ですから恐らく超勤手当が払われた時間でもこれだけということだろうと思います。
 三月十一日は昨年度でありまして、三月分の超勤手当が支払われるのは今年に入って四月ですので、三月十一日以降、相当増えた超過勤務というのが、恐らく会計処理が年度をまたがっていて結構大変だったような気がいたしますけれども、どういう処理で超過勤務手当を捻出されたのか、教えていただけますか。
#88
○副大臣(松下忠洋君) 震災発生後、災害対策業務が急増したことによりまして残業時間が大幅に増加したことは先ほど御説明したとおりでございます。平成二十二年度の超過勤務手当に不足を生じることとなりまして、財政法第三十三条第二項ということがございますけれども、流用協議を財務大臣に行いました。その中で、その他の人件費というのがございまして、そこから所要額を措置したということでございます。
 その他の人件費というのは、当初予算の中に職員の基本給とか退職手当とか、それからまたボーナスとか通勤手当とかという職員手当があるわけですけれども、その中からひねり出してきながらやってきていると。定員が、枠はあるんですけれども、実人員が少し下がっていたりするような事情もありまして、その中から捻出してきているということで、財務大臣と協議してやっているということでございます。
#89
○宮沢洋一君 幾らぐらい流用されたんですか。
#90
○副大臣(松下忠洋君) 流用額でございますけれども、本省分、資源エネルギー庁分、それから原子力安全・保安院を勘定いたしまして、全部で約九千万円ぐらいでございますかね。
#91
○宮沢洋一君 ですから、年度末足りなくなった場合には流用という方法があって、それを活用されたと、こういうことでございますか。──結構です。
 当然、江利川総裁もそういう経験をされたし、私も役所のときにしましたし、恐らく松下副大臣も役所時代は経験されたと思いますけれども、本当に忙しいときに本当に長い期間、残業、超過勤務しても、まあ半分も払ってもらえればよかったような時代だったわけです、今は少し良くなっているかもしれませんけれども。例えば同じ時期に東電の社員が大変だったかもしれない。しかし、東電の社員は労働基準法で守られているというようなことがあって、恐らく一〇〇%払われている。
 実際問題、今年の三月以降、大変忙しく仕事をされている。もちろん、経産省もそうですし、文科省もそうですし、環境省もそうだろうと思いますが、一〇〇%残業代が払われているとはとても思われないわけであります。
 この辺の現状、まさに役所を経験され、そして副大臣という上司でその現場を目の当たりにされてきたわけですけれども、どんな気持ちですか。
#92
○副大臣(松下忠洋君) 建設省時代も河川局の砂防部長という仕事をしておりまして、災害が発生したときのその直後の対応、それからそれを国会や関係省庁等に報告するためのいろんな作業、そして国会等への対応も含めて大変忙しい日を過ごしてまいりました。今回はもうそれをはるかに超えた原子力災害でございまして、私も現地本部長をしておりましたけれども、本当に骨身を削って働いているということです。
 保安院で、人事院と総務省でサンプリング調査をしていただきまして、ある一つの課を見た数字が出ていますけれども、一か月に二百六十九時間という数字が出ています。これは、三十日で割りますと、一日当たり九時間。そうしますと、勤務時間が夕方の六時十五分までですから、九時間足しますと午前三時十五分になります。そういうことを一か月過ごしてきたということでございまして、現在でも百八十時間を超えておりますけれども、やはりそれにしても六時間を足していくということで、非常に御苦労を掛けているということに対して、心が傷まないか、神経が傷まないか、そのことの心配を私自身非常にしておりまして、私自身もそういうことになった経験がありますので、そこを非常に配慮しながら、休みを思い切って取って、明くる日朝早くから出てくるとか、そういう工夫をするように言い聞かせて今日までやってきております。
 以上でございます。
#93
○宮沢洋一君 今の二百六十何時間という時間ですけれども、恐らくそれは在庁時間であって、超過勤務手当が出る超過勤務の時間ではないですよね。
#94
○副大臣(松下忠洋君) そのように私たちも考えております。在庁時間ということで、実際に実務して働いた時間ということだろうと思っています。
#95
○宮沢洋一君 資エ庁ですと約二倍に残業時間が増えた、これは残業、超過勤務時間が増えたということですから、恐らく去年まで五十時間ぐらい出ていたものが百時間出たというような話。逆に言えば、二百六十八時間との差、百との間の百六十何時間というのは、実は恐らく残業代は、超過勤務手当は払われていないと。表向きはなかなか、これ政府はお認めにくい話ですけれども、これが実態だろうと思うんです。
 それで、私は、この超過勤務というのを、特に今年のような忙しいときもそうですし、通常もそうなんですけれども、最初に申し上げましたように、しっかりとした超過勤務時間の管理というものがまず前提だろうと思うんです。私自身も、役所にいたときに超過勤務命令といったものは一切受けていません。恐らく今でもそうだろうと思います。それは事前でもあり、事後でもあり、受けていない。
 いろいろ聞いてみますと、結局、在庁時間、役所にいる時間がある。その中で、予算が許す限り超過勤務手当を払う。超過勤務手当が払われた労働行為といったものがいわゆる超過勤務になって、正規の超過勤務手当の対象になる。逆に言えば、超過勤務手当が払われたものしか超過勤務ではない、それ以外は勤務ではないと、こういう整理になっているのが現状だろうと思います。
 やはりしっかりとこの超過勤務というものを管理していくこと。その前提は、事前、事後、必ずしも事前だけではないと思いますけれども、しっかりとした超過勤務命令というものを出して、そして、その命令を出したからには一〇〇%超過勤務手当が出るということが当然だろうと思うんですね。逆に言えば、出ないからこそだらだら残っている場合もあるし、また、上司からすれば、そういうコストに跳ね返るものではないから、なるべくたくさんの部下を残してしまう、夜間でも仕事をさせる、土日も出すかもしれない、そういうことが起こってしまう。やはり、しっかりとここで超過勤務の管理というものを制度的に確立をしていかなければいけないんだろうと思っております。
 そこで、総務省の方に移ってまいりますけれども、総務省は人事院と並ぶ人事機関なわけでありますけれども、官房長来ていると思いますけれども、総務省では今、残業といいますか、超過勤務命令等々といったものはどのように運用されていますか。
#96
○政府参考人(吉良裕臣君) お答え申し上げます。
 正規の勤務時間以外の時間におきましては、やむを得ず業務を行わせる場合には超過勤務命令簿又は口頭により命令を行っているところでありますが、しかしながら、当然に残らざるを得ないような業務が生じた場合には、明示的な命令を受けずに勤務している実態も見受けられるところでございます。事後的に超過勤務命令簿を整理することにより管理しているところでございます。
 命令を受けずに在庁している時間の中には、職員の自発的な勉強の時間だとか食事の時間など様々な時間が混在している可能性もあるものと思料されますので、超過勤務として認められるか否かは、業務の内容だとかそれから勤務の態様等により判断しているところでございます。
#97
○宮沢洋一君 どこが管理されているのかよく分からなかったんですけれども、当然残るべきところは何も命令を出さないというようなこともおっしゃったし、そうすると、当然でない業務だけ命令を出している。本当に事前に命令を出しているような実態があるんですか。
#98
○政府参考人(吉良裕臣君) 当然に残らざるを得ない業務が生じた場合には、明示的な命令がなくても超過勤務の指示があったものと認識して勤務してもらっているというようなことでございます。
#99
○宮沢洋一君 それでは伺いますけれども、残業命令という書式というものは、さっき文書というようなこともおっしゃったけど、書式といったものは標準形式があるんですか。
#100
○政府参考人(吉良裕臣君) 標準形式のものはございます。
#101
○宮沢洋一君 それを事前に出すということが基本的に決まったことなんですか。
#102
○政府参考人(吉良裕臣君) 一覧表になっておりまして、命令権者があって、それから管理員というのがありまして、そこに何時間と書きまして判こをつくというような形式のものでございます。
#103
○宮沢洋一君 その判こをつくのはどなたなんですか。
#104
○政府参考人(吉良裕臣君) 命令権者と、それからその下の庶務担の係といいますか、管理員がおりまして、それが判こをつくことになっております。
#105
○宮沢洋一君 判こを押して、それを本人に渡すわけですか。
#106
○政府参考人(吉良裕臣君) 特に渡すようなことはいたしておりません。
#107
○宮沢洋一君 余り細かく詰めてもしようがないわけですけれども。
 そこで、大臣に伺いたいんですが、大体話の流れはお分かりになったと思いますけれども、私はやはり、まさに一般の職員の勤務時間、休暇等に関する法律というのが総務省所管であって、その第十三条二項がいわゆる超過勤務の根拠規定になっているわけですが、その運用を全省庁にある意味じゃしっかりと通知する、こういう形で残業命令というものを、恐らく事前ないし事後、書面ないし口頭というのもどこかで形を整える必要があると思いますけれども、しっかりした制度を私は確立すべきだろうと思っておりまして、それを早急にやっていただくことはできませんか。
#108
○国務大臣(川端達夫君) 私、先ほどから、もう皆さん、この世界というか公務員の世界におられたので実情、過去の経験含めてよく御存じだと思いますが、私は民間企業におりまして、研究所におりました。民間企業で物を作っているところですと、例えばコンベヤーで流れているこの時間で終わるというのを、増産しなければならないからもう少し延ばすので、もう完全に、明らかに残業というのは分かるわけです。研究所におきましても、例えば実験していまして、この実験は夜中まで掛かると、ワンクルーがというときは、これはもう当然始めからメンバー含めて残業になるんですが、トラブると延びると、これはもうしようがないなということなんですが。
 机に座ってううんと考えていることが残業なのかどうかということになると、非常に微妙な問題があることは事実だし、仕事の仕組みでこれは、仕事で働いたことに関しては給料は支払われるというのは当然の権利と義務というものであることは事実ですし、そのときに、それがそれに対象になるのかならないのかというグレーの部分があることも事実だと思いますが、仕組みとしてどうもはっきりしていない部分が、私も、先生のお問いがあるので改めて実情はどうなっているのか、先ほどやり取りされたほとんど同じことを私も全部聞きました。
 そういう中で、それともう一つは、労働の対価としてこれは明確に働いた人には支払わなければならないということと同時に、余りたくさんの残業をやるということは、健康上、心身共に、と同時に、家族含めたワークライフも含めた部分にもいろいろ影響がある。それから、私も大変忙しい研究所で忙しいときには百数十時間以上働いたことがありますが、毎日夜中までいて、その当時は土曜日も休みではありませんでしたから、というと、もう頭がぼんやりしているんですね、正直申し上げて、疲れ切って。これでは余りいい仕事がひょっとしたらできないのと、危ないということもあるということが実態だと思います。
 そういう中で、今御指摘のいろんな部分でいうと、やっぱりどうも仕組みも、いろいろこういうふうに事前に命令出しなさいと、それと臨時、不急の場合は口頭でもいいし、もしできなかったら後でチェックしなさいという仕組みはちゃんとしてやるようにということにはなっています。ただ、本当にどこまでやられているかということと、やり方も随分差があるようです、いろいろと。
 そういう部分では、いろんな趣旨、先ほど申し上げたことを含めて、しっかりと頑張って仕事をしていただいてということの中で、どういうふうにしたらいいのかというのは貴重な御指摘でありますので、一度ちょっと検討させていただきたいというふうに思います。
#109
○宮沢洋一君 恐らく、かなり試行錯誤が要る話だろうと思います。おっしゃるように難しいところが随分ある。
 ただ、やはり残業、超過勤務をなくす一番いい方法は、管理職がこれをコストだと思わないといかぬ。我々も役所のころに定時退庁日とかいうの、ありました。そんなもの守られるわけがなくて、やはり仕事を命じる方が命ずることがコストだと思わない限りは、絶対にこれはなくならないと思います。
 そうした意味では、もういろんな意味で試行錯誤を重ねるんであれば、最初から百点のものでなくて結構ですので、恐らくもう五十点、六十点のレベルからやはりやり方というものを始めて、一年後、二年後、三年後にはそれなりにきっちりしたものになるぐらいのつもりで是非とも早急にこれ始めていただきたいんです。
 問題は、何で結局超過勤務手当が払われるものが超過勤務だという定義になってしまうかというと、これは予算上の制限がある、制約がある。先ほど経産省の場合は相当、九千万円とおっしゃいましたけれども、流用を認めてもらって何とか年度末ですからうまくいったということですけれども、これ主計局、羽深次長来ていただいていますけれども、この流用、どうせ毎年そういうことで、四月分から始まってみんなが抑えに抑えてきて何とか三月分まで回そうということで、その分実際に本当に忙しいときでも支払われないという現実があるわけですから、今年度からもうこの超過勤務については弾力的に対応するんだとおっしゃったらどうですか。
#110
○政府参考人(羽深成樹君) 超過勤務予算の不足につきましては、先ほど松下副大臣からもお話あったように、他の予算からの流用などで対応できる場合はそうしていただくというようなこともあると思いますが、弾力的な運用というお話でございますけれども、そもそも超過勤務について、一般論としましては、各省庁で事務の合理化、効率化、業務体制の見直しなどを行ってできる限りその縮減に努めていただくということを前提の上で、例えばその必要があれば予備費の使用なども含めて金額はきちんと適切に措置できるようにしていきたいと考えております。
#111
○宮沢洋一君 後ろの席にいる若い方が少ししかめっ面して聞いていましたけれども、恐らくこれもう構造的な問題なんです。サービス残業といいますか、中身が薄い残業があることも事実ですから、ともかく総務大臣にお願いして、それなりの基準を早く作っていただいて。その裏腹で、もう年度末に人件費等々、本省共通費というところですか、ところには必ず余分の金積んであって、お金が余っているわけですよ。そんなに一生懸命来年度に回す金を百億円、百五十億円増やすんではなくて、やはりしっかり働いてもらうためにはその分流用を財務省が、財務省が固いからこれ四月からみんな締めているわけですから、そこは主計局次長の立場で今うんと言えないことは分かりますけれども、少し頭を柔らかくしていただきたいと思っております。
 最後の質問になりますけれども、いわゆる残業代、超過勤務が払われる方は今申し上げたようなことでいいわけですけれども、当然その課の課長であり、また審議官であり局長であり、忙しいところは上司というのはこれまた忙しいわけです。超過勤務手当が増えたといっても、管理職手当は自動的には増える形には全くなっていないわけですけれども、やはり私は、課員が正規の残業が、超過勤務が増えるといったときには管理する時間も当然長くなるわけですから、管理職手当が増えるということがあって当然だろうと思います。
 恐らく法律改正事項だと思いますけれども、人事院総裁、この点についてどう考えられますか。
#112
○政府特別補佐人(江利川毅君) 現行制度上、管理職手当が一つ出ている。それからまた、週休日、土曜日とか日曜日に仕事をするといった場合にも、その場合にも特別の勤務手当を出すという仕組みになっております。そういうことを差しおいてもなお要るんではないかという御議論でございます。
 私は、これは一つの評価の仕方が結構難しいというふうに思います。つまり、管理職の仕事の仕方が上手で効率的にいけるのか、下手で延びちゃうのかということもあるわけですので、管理職の業務がきちんとできているかどうかと、それをきちんと評価するようなこともまた要るんではないかというふうに思うわけであります。
 そういう様々な面も含めて、例えば民間ではどうなっているかも含めまして、それから公務員の実態も含めてまず実態をよく把握をして、合理化できるものはそれを求めなきゃいけませんし、それから、より効率化できるところについての管理職の能力ということについてもまた評価しなくちゃいけません。さらに、そういうことを踏まえても、先生おっしゃるような事態もあり得ると思うんです。その辺は少し研究させていただきたいというふうに思います。
#113
○宮沢洋一君 私は、何も今の超過勤務命令等がないような状況でやれと申し上げているわけではなくて、やはりしっかりとした制度として確立したときに、その裏打ちとして、やはり命じた管理職がいるわけで、その人の評価も当然、その仕事をそれだけやらせておいて結果が出ているかどうか必要になってきますし、一方、それだけ忙しいということもまた間違いないという状況になったときには是非お考えいただきたいし、役所がちょっと考えるといったら一年、二年、三年すぐたってしまうんですけれども、そう長い時間掛けないで考えていただきたいなというふうに思っております。
 恐らくこの問題は、自民党である私がこうやって質問しているように、一方で民主党の方も決して反対のことではないはずでありますし、与野党を通じてやはりこの点はしっかりと。この公務員の制度、大事な制度であります。働いても働いても時間は浪費する、浪費といいますか、時間が使われて家族に会えないけれども、その分給料ももらえない、お金ももらえないというわけでは余りにもかわいそうでありますので、与野党、ほかの党の議員にも是非とも御賛同いただいて、この点、もう少し早急に詰めていただきたいと思っておりますので、よく関心を共にしていただくことをお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#114
○岩井茂樹君 自由民主党の岩井茂樹でございます。本日はどうかよろしくお願いいたします。
 早速質問に入らせていただきます。
 今年、平成二十三年の八月三日に行われました当参議院の行政監視委員会にて、私が、福島第一原子力発電所の事故に伴ってお茶から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された件について、その規制値をなぜ荒茶という消費者になじみのない中間加工品に適用したのか、また設定した規制値の科学的根拠、これは一体どのようなことになっているのか等、質問をさせていただきました。そしてその後、時間経過いたしまして、実は乾燥シイタケからも暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されてしまいました。
 食品一般について定められている暫定規制値自体、実はちょっとその規制値が緩いんではないかという、そんな指摘もあります。一方、生産者からは、お茶やシイタケのように一旦乾燥させた状態で暫定規制値を適用することについて多くの異論が現在出ております。この混乱を招いている大きな原因は、政府の決めたこの暫定規制値の設定根拠が極めて乏しいことだと私は思っております。
 本日は、根拠が乏しいこの暫定規制値が抱える問題の一つとして、福島第一原子力発電所の事故に伴う食品の放射性物質による汚染に関して、消費者の安全を確保することと同時に、生産者の生活を守る、確保するということも重要ではないかという、そのような視点から質問をさせていただきます。
 まず初めに、基準となります食品の放射性物質の暫定規制値ですが、これはどのように決められたのでしょうか。技術的に余り細かいことは触れなくて結構です。大筋についてお答えください。よろしくお願いします。
#115
○副大臣(辻泰弘君) ただいま御指摘をいただきました食品に対する暫定規制値は、本年三月の東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けまして、速やかに規制値を設定する観点から、原子力安全委員会が「原子力施設等の防災対策について」において定めていた飲食物摂取制限に関する指標、これを使いまして食品衛生法上の暫定規制値としたものでございます。
 この暫定規制値の考え方は、食品から許容できる被曝線量を、例えば放射性セシウムの場合、年間五ミリシーベルトに設定した上で、これを五つの食品区分ごとに一ミリシーベルトずつ割り当て、成人、幼児、乳児それぞれの摂取量や感受性を考慮して食品区分ごとの規制値を算出しているというものでございます。
#116
○岩井茂樹君 今御答弁もありましたように、この暫定規制値というのは、セシウムの規制値五ミリシーベルトを、食品を飲料水、牛乳・乳製品、そして野菜類、穀類、肉・卵・魚介類の五つのカテゴリーに分けて、それぞれに一ミリシーベルトずつ割り振ったという形になっているかと思います。
 しかし、これは十二月一日の震災復興特別委員会で牧野たかお議員も指摘したように、摂取量の多い食品か又は摂取量の少ない食品かを区別していない点でこれは実態に即していないんではないかという、そんな話が出てまいりました。このとき藤田大臣政務官は、品目ごとに細かく規制値を設けるべきではないかということについては、そういう御指摘についても私も十分理解いたすところでございますと、こう答弁しておりました。しかし、実際は、恒久的な規制値は四つの分類、これに分けると言っておられます。
 この点につきまして、摂取量の多い食品は厳しく、摂取量の少ない食品はやや緩やかにといった実態に応じた品目ごとの規制値を設けること、それと、食品を大きく四つに分け、四分類で規制値を設けることとどちらが合理的なのでしょうか。率直な御意見をお聞かせください。
#117
○副大臣(辻泰弘君) 御指摘をいただいたところでございますけれども、食品区分を複数設けますと、食品区分ごとにどのように線量を割り当てるか、合理的なルール設定がなかなか困難であるということもございます。また、個々の食品がどの区分に該当するか分かりにくくなるという部分もございます。さらに、食品区分を細かく分けると、消費者が厳しい規制値の食品ばかりを選好して食品摂取に偏りが生じるといった弊害も懸念されるということも指摘があるわけでございます。
 いずれにいたしましても、新しい規制値における食品区分につきましては、薬事・食品衛生審議会でも議論をいただきまして、一つには、摂取する食品の偏りなど個人の食習慣の違いの影響を最小限にすることが可能である、また、国民にとって分かりやすい規制となる、こういった見地から、乳児用の食品等の特に配慮が必要な食品を除いて原則として食品全体を一つの区分で管理することが合理的なのではないかというふうに考えているところでございます。この考え方は、食品の国際規格を策定しておりますコーデックス委員会などの国際的な考え方とも整合しているところでございます。
#118
○岩井茂樹君 ただいまの御答弁の中で、合理性を重視されているという御答弁がございました。しかし、合理性を重視するばかりに余りにもその状況が実態と懸け離れるようなことがあっては、これは本末転倒だと私は思っております。
 さて次に、具体的な事例として、乾燥シイタケについてお尋ねしたいと思います。実は、地元の市議会議員そして生産者の方から、乾燥シイタケの放射性物質に係る暫定規制値の見直しを求める意見書、これを実はいただいております。お手元の資料を御覧ください。
 この意見書によりますと、静岡県は、平成二十三年十月八日に乾燥シイタケの放射性物質汚染に関する分析を行ったところ、伊豆市の区域内で生産された乾燥シイタケから暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された。静岡県からは、直ちに乾燥シイタケの生産流通に携わる関係者に対し、出荷の自粛及び自主回収の要請がされた。しかしながら、静岡県ホームページによると、今回の放射性セシウム一キログラム当たり五百九十九ベクレルが検出された乾燥シイタケ十グラムを一年間食べ続けた場合の人体への影響は、胃のエックス線検診を一回受けた場合の約三十五分の一です。今回の検出された乾燥シイタケは、既に流通して食していることが考えられますが、通常の調理法である水に戻した状態のシイタケの検査結果は一キログラム当たり四十九ベクレルで、暫定規制値を大きく下回り、健康への影響については心配ありませんとのことです。繰り返しますけれども、この場合、水に戻した状態のシイタケは健康に影響がないと発表されております。
 この暫定規制値は、食品衛生法第六条第二号の規定に基づくものです。その条文は、「有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの。」となっております。しかし、ただし書において、ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りではないと定められております。
 このただし書を踏まえて確認いたします。一キログラム当たり四十九ベクレルの検査結果は健康について影響がありますか、ありませんか、お答えください。
#119
○副大臣(辻泰弘君) ただいま委員から、生産地の現場からの御意見も御紹介いただいたわけでございますけれども、今後とも、こういった御意見を踏まえて私ども対応していかなければならないと、このように思う次第でございます。
 御指摘をいただきました暫定規制値についてでありますけれども、国際放射線防護委員会の考え方などを踏まえまして、放射性セシウムについては年間五ミリシーベルトを超えないように設定されておりまして、これを基に、例えば野菜類の規制値については一キログラム当たり五百ベクレルというふうになっているところでございます。この暫定規制値の水準であれば、放射線医学の専門家からは、健康への影響はないものと一般的に評価されているところでございまして、御指摘いただきましたような場合の摂取時に暫定規制値内の水準にある食品は健康への影響はないものと考えております。
 しかしながら、乾燥シイタケにつきましては、まれではありましても乾燥状態のままふりかけなどで食用にする場合がある、また、水戻ししただしも一緒に食べることも一般的である、さらには、乾燥状態で暫定規制値を超えた食品が広く市場に流通することに対する消費者の不安が予想されるなどといった問題点もあるものと考えておりまして、これらの点も十分考慮に入れて対処していかなければならないと、このように考えている次第でございます。
#120
○岩井茂樹君 実は同じような議論がお茶でもございました。
 問題なのは、先ほど言いましたように、本当に実態と即しているかということだと思います。本当にこの暫定規制値が妥当なもので、今述べたように、たとえ放射性セシウムが検出された食品であっても、実際の調理方法、そのことを考えると、その値を下回る場合、このような場合は風評被害を避けるためにも国はしっかりとした、例えば国民にその結果を知らせるというような努力をしなければならないと思っております。
 また、繰り返しになりますけれども、乾燥シイタケは乾燥した分軽くなる。一定重量の生シイタケと比較すれば、当然、同じ重量にするためには生シイタケよりも多くの数が必要となり、その分、その残留放射性物質が値は高くなるということです。先ほども少し触れられたかもしれませんが、問題は口に入るときにどのような状態で使用されるかということです。現状、乾燥シイタケは水に戻してから調理することが私はそのほとんどだと思っております。生の場合で調理する生シイタケと乾燥シイタケが同じ基準であるということには、私はいささか問題があると思っております。
 暫定規制値算出の検査対象としては、干した状態と水で戻した状態のうちどちらが妥当であると考えますでしょうか、もう一度お答えください。
#121
○副大臣(辻泰弘君) 乾燥シイタケを含めた食品中の放射性物質につきましては、原子力安全委員会が定めた指標値を食品衛生法上の暫定規制値としているところでございますが、同指標値におきましては、飲食物が乾燥や濃縮等されていてもその状態で適合性の判断を行うこととされているところでございます。
 なお、水に戻した状態で適合性の判断を行うことについては、検査に当たって試験法を設定する必要があるわけでございますけれども、乾燥シイタケを水で戻す方法の標準化など難しい課題もあるものと考えております。
#122
○岩井茂樹君 難しい課題を是非乗り越えなくてはならないんではないでしょうか。
 実は、お手元にお配りした意見書もどうかお読みください。現在、乾燥シイタケについての放射性セシウムに関する指標は、食品衛生法の規定に基づく食品中の放射性物質に関する暫定規制値において、野菜類と同じ一キログラム当たり五百ベクレルが適用され、調理実態に沿わない規制値となっている。したがって、乾燥シイタケについては、通常の調理方法である水で戻し実際に食される状態のものを検査対象とするように規制値の見直しをすることと、こう要望されているんです。
 乾燥シイタケについて、通常の調理方法である水で戻し実際に食される状態のものを検査対象とするよう規制値の見直しをする考えはありますでしょうか、もう一度お答えください。
#123
○副大臣(辻泰弘君) 先ほど乾燥シイタケを水で戻す方法の標準化という指摘をしたわけですけれども、これも具体的に言いますと、どれだけの水で戻すかということによってそのことが変わってくるということがあるということでございますので、そのようなことで御理解をいただければと思うわけでございます。
 そこで、御質問をいただきました件についてでありますけれども、食品中の放射性物質に関する新しい規制値につきましては、来年四月の施行を目指して、現在、薬事・食品衛生審議会の放射性物質対策部会で御議論をいただいておりまして、年内には案を取りまとめる予定でございます。
 御指摘いただきました乾燥シイタケなどの乾燥食品に対する規制の在り方については、各方面からも御指摘をいただいているところでございまして、私どもといたしましても、十分に問題意識を持っておるところでございまして、新たな規制値の下でどのような方法とするのが適当なのか、本日委員から御指摘をいただいたことも踏まえ、また、多くの専門家の皆様方の御意見を十分に踏まえながらしっかりと検討していきたいと、このように考えております。
#124
○岩井茂樹君 四月をめどにというお話です。是非とも新たな規制値設定に向けてしっかりと総合的な判断をされることを期待をしております。
 さて、食品が放射能で汚染されるという事態は、国民の生命、身体に重大な影響を与える大変大きな出来事であり、消費者の安全、安心を確保することが優先されることは、これは当たり前のことであります。しかし、通常の調理法では暫定規制値を大きく下回り健康への影響については心配ないような食品まで規制するのは、これは過度の規制であり、生産者の生活基盤を根底から揺るがすことになりかねないと私は思っております。この乾燥シイタケの検査対象の見直しについて言えば、明確な根拠が、しっかりと説明することにより消費者の安全を確保すること、そして生産者の生活を守ること、この両立ができる事案だと私は考えます。是非とも積極的な対応をお願いをいたします。
 続きまして、食の安全の確保のため、汚染食品の出荷を停止した際の生産者への対応についてお尋ねいたします。
 生産者から、今回の被害により、今期予定される収入が閉ざされ、これからの乾燥シイタケ生産が非常に厳しい環境となっています。出荷自粛を要請された当産地だけでなく、東日本を始め全国に及ぶ問題と考えます。乾燥シイタケの放射性セシウムによる直接被害及び風評被害に対する対策、補償が確実に生産者に届くよう、文部科学省による中間指針に織り込んでいただき、国による補償が必要と考えますとの御意見をいただいております。
 この中間指針を見ますと、静岡県の風評被害の対象は、品目類型b、これはお茶、そして品目類型g、これは牛肉、食用に供される牛だけでありまして、シイタケは対象となっておりません。この中間指針は原子力損害の賠償に関する法律に基づいておりますが、この法律の第一条では「被害者の保護を図り、」と定められております。
 質問をいたします。この規定を踏まえて、生産者に対する国の補償についてお尋ねいたします。具体的に被害を被った生産者に対する補償等について、対策を御説明願います。
#125
○副大臣(奥村展三君) 委員の地元、特に伊東市、伊豆市におきまして、もう既に今お話をいただきましたとおり、暫定規制数値を超えた干しシイタケが出回っているということもありまして、県の方といたしましても自粛要請をいただきました。
 文科省といたしましては、先ほどおっしゃいましたとおり、中間指針に基づきましていろいろ検討して損害等のことを議論をしてまいりましたが、当然これは補償の対象になるという見解を持っているところでございます。
 ですから、特に本事故との因果関係を十二分に精査をしながら、我々も、御質問いただいたことに鑑みまして、いろいろ進めてまいりました。今申し上げましたとおり、適切に対応がなされるものというように考えているところでございます。
#126
○岩井茂樹君 今、当然対象となるというお答え、いただきました。是非、生産者の立場に立ってのいろんなしっかりとした対策を取っていただければと思います。
 最後に、生産者からこんな声が、私伺っております。今回の被害は、日本産原木乾燥シイタケに甚大なるダメージを与え、その生産永続が非常に厳しいこととなっています。具体的な要望をなかなか見出すことができませんけれども、乾燥シイタケ生産者に元気が出る政策をお願いいたしますと。本当に心からのこれは叫びだと思っております。
 最後の質問になりますけれども、この乾燥シイタケ生産者からの切実なる願い、その対するお答えをお聞かせください。
#127
○副大臣(岩本司君) 岩井委員にお答えをいたします。
 干しシイタケは山村地域におきまして大変重要な収入源であると認識をいたしております。農水省におきましても生産者の方々が継続して経営できるように支援をしてまいるわけでありますけれども、具体的には、平成二十三年度当初予算及び特に第三次の補正予算におきまして、シイタケ原木の購入ですとか、ほだ木の洗浄機械など放射性物質防除施設の整備、生産の効率化や需要拡大に資する技術開発の検証について現在支援をしているところでございます。さらに、平成二十四年度の概算要求におきましては、新たにシイタケ原木の安定供給プランの策定、放射性物質の影響を低減する栽培技術の検証への支援策を盛り込んでいるところであります。
 今後ともシイタケの生産振興に取り組む所存でございますので、今後とも委員の御指導も賜ればというふうに思っております。
#128
○岩井茂樹君 ありがとうございます。
 本日は、主に乾燥シイタケの問題を取り上げて御質問をいたしました。ただ、これはシイタケだけではない、静岡県にはお茶の問題もございます。そして、全国にはもっともっとほかの問題の可能性もあります。是非、この問題の裏には生産者がいるということを決して忘れないでください。これからもしっかりと説明の付く、根拠の付いた方向性を持ってやっていただければと思います。
 これで質問を終わります。ありがとうございます。
#129
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てますよう、質疑に入りたいと思います。
 まず、リアルタイム線量測定システムについて伺います。
 これは、東京電力福島原発の事故に当たり、県民の安全、安心を勝ち取るために、福島県内の学校そして公共施設において放射線量の空間線量をきっちり測定をしながら、それをリアルタイムで送信をすることができる仕組みでありまして、第一次補正予算で六百台、第二次補正予算で二千百台、手当てが付いたところでありますが、この第一次補正予算分でさえも入札の仕様を満たしておらず、現時点においても稼働をしていないという状況であります。
 十月に本来稼働しておかなくてはいけないものが今になっても稼働していないとは、一体どのような入札を行ったんですか。二次補正分の二千百台も同じようなことをやっていては、同じような結果になりますよ。二次補正分二千百台、そして改めて六百台、どのような形でこの入札、改善をしたのか、教えてください。
#130
○政府参考人(土屋定之君) お答えさせていただきます。
 先生御指摘の第一次補正予算で措置いたしましたリアルタイム線量測定システム六百台につきましては、放射線測定器が要求されます技術仕様を満たさないことなどにより、納入期限を経過しても未納の状況が継続したということから、契約を解除をさせていただきました。
 このことを踏まえまして、第二次補正予算分、先生御指摘の二千百台でございますが、この契約の手続も進めることもあり、第一次補正予算分も合わせまして、これらにつきましては技術審査において外部の専門家を加えまして審査体制の強化を図りました。また、機器設置前の性能証明提出の義務付けでございますとか、あるいは当該企業等における放射線取扱主任者等の有資格者の関与を義務付けるといったようなことから、資格要件の見直しを図ったところでございます。
 また、工事の進捗状況を一週間ごとに報告をさせて、それを義務付け、あるいは文部科学省においてその状況を確認するようにするといったことから改善を図っておるところでございます。
#131
○秋野公造君 これは一週間ごとに技術をちゃんと評価をし直すということでよろしいですか。ほかの命を守る入札においても、今後文科省においてはこういった入札をしっかりやっていただく、約束をしてください。
#132
○政府参考人(土屋定之君) 先生御指摘のように、国民の安全、安心の確保に多大な影響を与えるようなこうした契約につきましては、先ほど申し上げたようなことで十分留意して対処してまいりたいと存じております。よろしくお願いいたします。
#133
○秋野公造君 これは、落札価格だけ上げても技術力というのは改善はできませんので、しっかり技術力というものを評価する体制をお願いしたいと思います。
 次に、第三次補正予算にて手当てをされました低線量域の被曝線量モニターの開発について伺いたいと思います。
 これは、細胞内の遺伝子の傷を、受けた放射線量によって診断といいましょうか、検出するというものになりまして、これは、今、百ミリシーベルトの放射線を受けたとき、それを専門家の目で検出するのが限界と言われているような状況の中で、今回の取組というのは、二十ミリシーベルトから百ミリシーベルトの低線量域の放射線による遺伝子の傷の検出を専門家の目ではなく機械において行おうというものでありますが、これは本当にできるものでありますか。
 私は、この実現性についてちょっと疑問を持っているところでありますが、そうは言っても福島の方々からは非常に期待をされているところであることから、応援する立場から質問をしたいと思います。これは三年でまず本当にできるのかということ、そして六億二千六百万という巨費を競争的獲得資金ではなく事業費として行おうというその国の姿勢、国の決意、お聞かせください。
#134
○政府参考人(倉持隆雄君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきました低線量域における被曝線量モニターの開発でございますけれども、御指摘のとおり、福島県が実施する県民健康管理調査におきまして極めて重要なものであるというふうに認識しております。
 これは、今までその分野で専門的にやってきた科学者、研究者たちも総力を挙げて取り組むということでございまして、三年間で必ずやり遂げたいと考えておるところでございます。
#135
○秋野公造君 これができますと本当にすばらしいことになりますので、国は全力を挙げて実現をしてくださいますよう改めてお願いをしたいと思います。私も、応援する立場から毎年しっかり進捗を見ていきたいと思います。
 次に、特定避難勧奨地点について伺いたいと思います。
 六月十五日の復興特で、私、当時の枝野官房長官と、計画的避難区域以外で積算線量の合計が二十ミリシーベルトを超えるところは一体どのようにするんですかという形で議論をさせていただきました。
 当時の枝野長官からは、安全だけれども実態に即した柔軟な対応をそう遠からずお示ししたいということで、三日後にたしか特定避難勧奨地点の指定をいただいたわけでありまして、南相馬市、そして伊達市など百四地点、百十三世帯が指定をされたということでありますが、たしかあのとき長官は、地元の皆さんにも御説明をしたり、あるいはそうした皆さんの生活状況について十分把握をさせていただいてという御答弁でありましたが、私、先日福島に行かせていただきましたときに伊達市議会の皆様方から御要望を受けました。それは、伊達市が考える特定避難勧奨地点と国が指定した特定避難勧奨地点の間でそごがあるということであります。これは本当に地元の方々と一緒に調整をしましたか、国の取組をお聞かせください。
#136
○副大臣(牧野聖修君) 秋野委員の質問にお答えをさせていただきます。
 沿革から答弁させていただきますと、特定避難勧奨地点の設定は、今お伺いしましたように、六月の十六日に公表した文書、事故発生後一年間の積算線量が二十ミリシーベルトを超えると推定される特定地点への対応についてというものに基づきまして、現地の対策本部とそれから福島県、関係市町村とで協議いたしまして、除染が容易でない年間二十ミリシーベルトを超えると推定される地点について現地対策本部が設定したものであります。
 それで、伊達市につきましては、六月の三十日に百十三世帯を設定したところでありますけれども、その後、定期的な詳細のモニタリングの調査の結果、新たに基準値に達した地点があったことから、地域事情やあるいは家族構成、それから諸事情を考慮して福島県とそれから伊達市と協議した結果、当該地点と、当該地点の隣接地点として、十五世帯を新たに十一月二十五日に追加設定をしたものであります。
 いずれにいたしましても、今後とも福島県や市町村と本当に密に連携を取りながらしっかりと対応をしてまいりたい、このように思っております。
#137
○秋野公造君 今十五世帯を追加したということですが、計算をしますと、もう少し、ほんの少しまだそごがあるようであります。これは、そういった測定をしているところの周辺部も含めて、今後しっかりモニタリングをして福島県や伊達市と協議をして、必要があれば指定をしていただくということでよろしいですか。
#138
○副大臣(牧野聖修君) 実は、毎週、経済産業省、月曜日、政務三役打合せをやっておりますが、柳澤政務官が今福島の災害対策本部長として月曜日からそれこそ土曜日までずっと向こうに寝泊まりをして頑張っているわけですが、今日、柳澤政務官ともいろいろお話しした中でこの点もありました。これからモニタリングを一生懸命実施しまして、そういう高い数値が出たところとかいろんなところにつきましては、もうちゃんと設定させていただいて、一生懸命対応していこうということであります。
 私どもも、その意思に基づきまして、とにかく今は除染に一生懸命奔走しているときでありますが、こういった問題につきましては先生の御指摘のとおり慎重に慎重を重ねてやっていかなければと、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#139
○秋野公造君 先ほど藤田財務副大臣からもまとまって避難をさせることの重要性の御答弁、同僚議員の方からもありましたけれども、私も、指定をして、例えばその孤立した集落がぽんと残ってしまうようなことをちょっと心配をしております。どうか柔軟な対応をよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、公共事業の構造物の維持管理の在り方について伺いたいと思います。
 例えば、全国には九千か所のトンネルがあります。このうち、五十年を超えているものが二〇一〇年現在で一八%ということで、これが十年たちますと三一%、そして二十年たちますと四六%になるということで、老朽化というのは急速に起こっていくことを考えると、維持管理の在り方というものは考えておかなくてはいけないということであります。
 トンネルの点検というのは、ずっとこれまで、トンネルの中に人が入っていただきまして、人海戦術で目視で基本的に傷を探すというような形で維持管理が行われてきたということでありますけれども、私は、今こそカメラとかレーザーを用いた非破壊検査の導入、これが非常に効率的に必要であると考えています。
 昨年九月、私が住んでいる北九州市の計測検査株式会社、訪ねさせていただいたときに、三菱電機と一緒に開発をしたMIMMというトンネルを検査する車、見させていただきました。これは非常に優れ物でありまして、四十キロから五十キロで走りながら〇・二ミリの傷も見付けることができるという非常に優れ物でありまして、こういったものをどんどん使うことによって優先順位を明らかにすることによって、本当に必要な公共事業をあぶり出して優先的に行うことができると私は思います。
 こういった全国のトンネル、しっかりこのMIMMなどを使いながら維持管理をしていくべきだと私は思いますが、国交省の見解、求めたいと思います。
#140
○政府参考人(菊川滋君) お答え申し上げます。
 今御指摘があったとおり、道路トンネル、高度経済成長期にたくさん造ってまいりましたものですから、大分老朽化してきております。お話がございましたように、あと二十年で約五〇%近いトンネル、道路トンネルは全部で九千トンネルあるんですけれども、五〇%近くが五十年を迎えるということでございます。したがって、計画的に点検をして補修をしていくということが大変重要になってきております。
 IT技術を活用したトンネルの点検でございますけれども、平成十八年度から産学官の共同開発によりまして、近畿地方整備局、私どもの整備局が中心になりまして、今お話がありましたように、車両にカメラとかあるいはレーザーといったものを搭載して、トンネルのひび割れとかゆがみを画像解析あるいは計算をするという自動計測の車両、これを開発中でございます。
 トンネルは今、これもお話がありましたように、通常は目で、目視でチェックしたり、あるいはハンマーでたたいたりというようなことで点検をやっておりますけれども、この自動計測車両、これを活用しますと交通規制が必要なくなりますし、それから検出精度の向上といったことも期待できるということでございまして、今年度は、ただいまお話がありましたMIMM、この自動計測車両を使用して実際のトンネルで実証の実験を行っております。
 これから、こういったトンネル壁面のいろんな事象の検出の精度を高める、あるいは計測のコストを削減するという、こういった課題を解決いたしまして、できるだけ早く実用化に向けて努力をしていきたいというふうに考えております。
#141
○秋野公造君 こういったことは道路の橋も同じでして、床の板とかも非常に老朽化が進んでまいりますので、併せてお願いをしたいと思います。
 そして、こういった技術が開発されたときに、人材が育成が進んでいないような状況では困ります。非破壊検査技術の公共職業訓練、準備をされていますか、厚生労働省の見解を求めたいと思います。
#142
○政府参考人(小野晃君) お答え申し上げます。
 今お尋ねの非破壊検査業務の職業訓練につきまして、二十二年度の実施状況でございますけれども、第一に、公共職業訓練として高齢・障害・求職者雇用支援機構が行います訓練の中で、一つは企業の在職者向けに非破壊検査による品質評価技法、あるいは鉄筋コンクリートの建築物の劣化診断、補修技術などを習得する訓練が十三施設四十コースで行っております。それから、離職者、求職者向けに行いますコースで、例えば超音波の探傷試験器を用いた非破壊検査の技能を含めた訓練というものが二十一施設八十コース。それから、企業が行います有期実習型訓練、これにつきましても五企業八コースで実施をしているということでございます。
 今後とも、この公共職業訓練に加えまして、事業主に有期実習型の訓練を活用いただいて、中小企業を含めた企業における人材育成をしっかりと支援していきたいと思います。
#143
○秋野公造君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
 最後に、蓮舫大臣に伺います。
 行政刷新会議において独立行政法人改革を今検討なさっておりますけれども、平成二十三年十一月二十五日の独立行政法人改革に関する分科会の資料を見ますと、資料二のポンチ絵に、自律的運営が可能な法人については、最適なガバナンスを整備した上で民営化、あとは国というような資料になっておりますが、政策医療を担う国立病院機構やURといったセーフティーネットにかかわる業務に株式会社の手法を取り入れるということに私は非常な違和感を感じています。こういったものを本当に取り込むのならば、株主の利潤のために弱者から医療や住居を介して利潤を求めるような仕組みになってしまいます。これは私はとんでもないことだと思います。見解を求めたいと思います。
#144
○国務大臣(蓮舫君) 独立行政法人改革は、去年は全ての独法の保有している事務事業の見直しを行いました。随分とここは整理をされて、それに続いて現在は独立行政法人の制度、組織そのものの改革を行うということで、行政刷新会議の下に分科会を置いて、今までは所管をしている省庁の担当者であるとかあるいは独立行政法人自体からもヒアリングを重ねて行ってまいりました。
 その上で、今分科会で議論をしているのは、各法人の事務事業あるいは財源の特性を踏まえたガバナンスの在り方、これを検討しているんですが、今委員が御指摘の運営費交付金の割合が低く、自律的な運営を行っている法人についてはどうしようかと。この書き方がもしかしたら少し誤解を呼んでしまったのかもしれません。
 民営化ありき、あるいは国に戻すのありきという二者択一ではなくて、即民営化ではなくて、民営化的な手法も含めた様々な在り方があるのではないかという複数の検討項目も踏まえた上で議論をしておりますので、すぐ国、すぐ民ということではないということは是非御理解をいただきたいと思います。
#145
○秋野公造君 私は、この資料が出回ることを非常に恐れます。こういった資料は訂正を行っていただくことをお約束いただけますか。
#146
○国務大臣(蓮舫君) 今日この御指摘をいただきましたので、私の中では民営化あるいは国という二者択一の判断とは思っておりませんので、ただ、もう既にお配りをして御議論をいただいた資料ではございますので、どういうやり方があるのか、ちょっと預けさせていただければと思います。
#147
○秋野公造君 これは政府出資一〇〇%のこの株式会社の在り方というのも、やはりこれ丁寧にやっていただきませんと、どこまでも利潤を求めることによって弱者が犠牲になることがないような形というのを検討をどうかよろしくお願いします。
 終わります。
#148
○寺田典城君 寺田でございます。ひとつ皆様よろしくお願いします。
 今年は大変な震災もありました。それこそ今二十四年度の予算編成作業というのは大詰めに来ているわけなんです。復興に当たる方々、予算編成に当たる方々、先ほど宮沢議員もおっしゃっておりましたけれども、それこそ朝までというか、深夜までというのが日常になっているわけなんですが。それで、それこそ今の財務省による予算査定の在り方が、果たして物の考え方、手法としていいのかと。
 ということは、今、地方で三十五兆円ぐらいの税収入ってきますね、それから国で四十数兆円で、七十五兆円から八十兆円の間ぐらいなんですよ。ところが、社会保障の給付費が四十兆円ぐらい行きます。そして、公務員の人件費が地方と国を合わせて三十兆円ぐらい行っちゃいますよね。そうすると、七十兆円にもなっちゃうんですね、基礎的なそういうものだけで。
 その中で、まあ少し外れて話していますけれども、何をしゃべるのかって、予算査定の在り方を根本的に見直す必要があるんじゃないかと。一千兆円も借金あるんです、今、地方も国も合わせて。そういうことで、お聞きしたいのは、この予算査定の中でどのくらいの人員が関与しておって、どのくらいの時間とかコスト掛かっているのか、この辺をちょっと分かる範囲で教えていただきたいんですが。
#149
○大臣政務官(吉田泉君) 予算査定にかかわる人数、時間でよろしいですか。
#150
○寺田典城君 はい。
#151
○大臣政務官(吉田泉君) じゃ、概算要求の段階から若干申し上げます。
#152
○寺田典城君 簡単にですね。
#153
○大臣政務官(吉田泉君) はい。
 概算要求は、これは各省とも同じだと思いますが、例えば財務省ですと七万人の職員がいますが、その各担当から概算要求に必要な行政需要というのをまず上げるわけでございます。それを今度は大臣官房会計課、ここに予算係というのが十五人おりまして、この人たちが取りまとめをすると。そして、財務省以外の各省からの予算を主計局がいただいて、主計局には予算査定の関係者、おおむねですが二百六十人おります。この者たちが査定をして、年度末に政府案を作ると、こういうことになっております。
 時間は、人数は今申し上げたとおりなんですが、それぞれの人がどのぐらいの時間を予算の概算要求とか査定に割いているのかというところは、申し訳ございませんが、はっきり分かりません。
 そういうことで、その人数、時間、コスト、正確にはお答えできないというところが実情でございます。
#154
○寺田典城君 査定する人が二百六十人で、各省庁、地方から含めたらどの程度のコスト掛かっているかというと、大変だと思うんですよ。
 それで、私の経験なんですが、秋田県では、何というんですか、余りにも残業も多いと、予算査定も多いと、そういう時間を縮減しようということで、部局別予算にしました。そして、部局に分権化して、枠配分予算編成方式というのを平成十六年から取りました。残業も減りました。私、夜残業は八時以降は駄目だとはっきり言って、夜八時まで。県庁にぼんと行ったら、まだやっている、おかしいよと。課長職にちゃんとそれは許可もらっているかと、課長職の許可をもらって残業しなさいと。それから、予算査定は土日はやめろと、夜八時以降はやめろとか、システムを変えなきゃならないと思うんです。
 ということは、部局別予算をして、予算を査定するのは、各省庁の例えば国家的な重要なことだけを予算査定にすると。そして、実際は、だから主計局を決算局みたいにして、事業評価方式みたいな形で持っていったらいかがなものかと。こんな、今までどおりが一番いいんだという考え方自体が、発想がないという自体が大変だと思うんですよ。
 ですから、余り県のことは話したくないんですが、秋田県は平成十年が一番ピークでした、人件費がですね、平成十年が残業多くて。行革、一次、二次、三次までやったんですが、私が退任する平成二十一年には千八百五十億から千五百五十億ぐらいになって、約二〇%弱の人件費、昭和六十三年並みになったんです。
 やはりだから、今公務員の給料が地方公務員で三十兆円ですよ。それで、社会保障費の給付が四十兆円で、あと残っている金ないですよ。今までの予算査定どおりでやってもいいのかということなんです。その辺をひとつ、政務官、どう考えているか。これ、私の課題としてこれからもずっと聞きますから、あなたの思いだけでいいですよ、役所書いたの必要何もないから、ひとつ答えてください。
#155
○大臣政務官(吉田泉君) 秋田でやられていた枠予算という考え方だと思いますが、結論は、行政コスト効率化という手段ということでございますけれども、慎重な検討が必要ではなかろうかということでございます。
 課題が三つほどございまして、一つは、憲法に言う財政民主主義の原則。何にどれだけ使うのか分からない予算書を国会にコントロールしていただけるのかという問題が一つ。それから、査定を廃止したとしても、今度は執行する段階で結局各省庁で予算の割り振りを行う必要が出てきて、結局はそちらにコストがかさむのではないのかという心配。それから最後に、省庁や部局を超えた予算編成、これを今我々は目指しておりますが、それが難しくなって縦割りという弊害が出るのではなかろうかと、こういう課題があるというふうに認識しております。
#156
○寺田典城君 各部から予算は提出させますよ。ですが、各省庁でまとめなさいと。ですから、それ議会通せばいいことですから、細目あるわけですから。重点だけは予算査定するんです。一々予算査定するから要求するんですよ。国からみんな人が集まってくるんですよ。
 ですから、その辺の考え方はこれから時間掛けて、恐らく総理大臣まで聞いて突っ込んでいこうと思っていますので、吉田政務官、ひとつよろしく報告しておいてください。今の財務大臣にも。
 それと、次は、日本の国というのはやはり法治国家ですから、いろんなことで、何というんですか、資格とか検査というのはあると思います、それは。何をするにも資格とか検査、それは必要だと思います。ですが、このマニュアル社会というものの中でされています。そのために、役所のためにやっているんじゃないのかと、本当の意味で必要なのかというところもたくさんあると思うんですよ。
 ですから、社会にとって必要なのか、国民にとって必要なこれシステムなのかということ、行政評価局がこれに対して問いを掛けました。良かったと思います。でなきゃ、行政評価局なんか必要でないと私はいつだか言ったことがあるので、それを突っ込んでやっていただきたいと思うんですが。
 要するに、政務官の方から、主濱さんはそれこそお役所にも勤めていたんでしょうから、そういうことも含めてお聞きしたいと思うんですが。
#157
○大臣政務官(主濱了君) 今お話のありました調査の関係ですけれども、私どもは様々な行政評価局の中で行政評価行っております。今回の調査というのは、お話をいただければ、検査検定制度あるいは資格制度、これを利用する場合の手数料とか申請手続などにつきまして、利用者の負担軽減を図る観点から様々調査を実施したと、こういうことでございます。
 この調査の結果、様々な問題点が浮かび上がってきました。一つには、その手数料の設定が不適切なものと、こういうことで、講習会で使用しないテキストなんかを配っているとか、そういったような問題点も上がってきましたし、それから公益法人における会計処理が適切に行われていないというふうなお話もありました。これは具体的な整備計画がないにもかかわらず建物整備積立資産を積み立てていると、こういったようなもの、さらには、利用者に過度な申請の手続の負担を求めていると、こういったような様々な問題点が現時点では私ども指摘をさせていただいたと、こういうことでございます。
 この指摘の仕方というのは、各制度の大臣に対して……
#158
○寺田典城君 短くしてください。
#159
○大臣政務官(主濱了君) はい。大臣に対して勧告をしたと、こういう状況でございます。
#160
○寺田典城君 そういうことなんですが、私から一つ、公益法人改革も含めて、立入検査の問題とかそういうことなんですが、霞が関の役所というのはどういう感覚で、感じで見ているかと、私はですね。
 これ、いつかしゃべったこと。これはゴムホースだと思ってください。この中に水が入っていると。水というのは、入っていると。ぽんとここをたたきます。そうすると、こちらとこちらに膨らんできちゃう。霞が関、こうしてたたいてもこう膨らむんです。行政改革とか公務員パッシングしたからって国民や国家が豊かになるわけじゃないんですけれども、本当に大変なところなんですね。もちろん県庁もそういうところあります。
 ですから、そういう中で具体的にどう進めていくかというのは、それこそ公務員改革、行政刷新関係というのは大変に苦労する仕事だと思っています。そう見ています。三年、五年も掛かると思うんです、一つの道筋をきちっと付けるには。だけれども、今、一千兆円も借金あるし、これしか税収が入っていないし、これだけ金、基礎的に掛かるというのはみんな分かっているはずですから、役所の人方は頭がいいので、そういう部分も含めて、もうそろそろそういう考え方を変えていかなきゃならぬという時代に来ていると思うんです。
 その辺について、あと蓮舫大臣に考えも聞きたいと、そのように思います。
 以上ですが。
#161
○国務大臣(蓮舫君) 行政刷新といいますか、行政改革は不断の見直しが必要だというのは委員もう御指摘のとおりです。国の事務事業そのものを洗ってまいりました。効率性を高めて無駄を排除する。独立行政法人の改革も今まさに途中でございます。
 今、委員が御指摘の資格認定等に対しては、本当に必要かどうかという不断の見直しはまず各省庁で行っていただく。その上で、行政刷新の観点としましては、今年の七月に政府系公益法人の見直しを行いましたが、法令根拠がなく権限付与が行われていた十三件、これは廃止をするように勧告をして、実際に廃止をされております。あるいは、国民負担が余りにも高いのではないか、軽減できるのではないか、これ講習等あるいは資格の免許を取るときのお金ですよね、これは十六件を指摘をして軽減をしてきました。
 我々がそれを行うと同時に、今、主濱政務官から話がありましたが、総務省におきましては、十月には負担軽減に関するほかの視点からの何かができるのではないかという部分で各省庁に勧告をした。お互いに行政監視をしながら行政の改革は進めていくことが大事だと思っております。
#162
○寺田典城君 一言お聞きします。
 今の役所というのは効率的だと思いますか。あなた、大臣見て、かわいいところだと思いますか、どう思います。
#163
○国務大臣(蓮舫君) いや、かわいいかどうかはちょっと分からないんですけれども、効率的だったら行政刷新は要らないと思っております。
#164
○寺田典城君 以上です、時間ですから。あっ、まだ一分ありますね。
 それこそ、やはりもう考え方を変えていかなければ、システムを変えなければ、行政改革だって、行政刷新、公務員改革だってできないんですよ。ですから、考え方を変えることをまず各省庁に植え付けなけりゃならない。今までどおりにはやっていけないと、こういうことを私から述べさせていただいて、質問にさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#165
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 スーパー堤防事業についてお聞きをいたします。
 昨年十一月、事業仕分で廃止という結論が出されたスーパー堤防、国土交通省は一年間検討してどういう結論を出すおつもりでしょうか。
#166
○副大臣(奥田建君) 今の御質問の高規格堤防整備事業、このことにつきましては、事業仕分での御指摘、御提言をいただきまして、一旦白紙にして、学識者から成る高規格堤防の見直しに関する検討会というものを今年の初め、二月から開始をさせていただいております。
 この中において、ゼロベースで検討をしていただいているという中において、中間取りまとめ、これは八月ですけれども、この中において、人命を守るという観点から、「人口が集中した区域で、堤防が決壊すると甚大な人的被害が発生する可能性が高い区間」に限定するという中間取りまとめの提言をいただいております。具体的な区間としましては、現在検討を進めているところであります。
#167
○田村智子君 廃止でも何でもないんですね。整備が最も困難な都市部に絞り込んで造るという方向が出されそうなんです。そういう事業が本当に必要なのか、私、改めて検証したいと思います。もちろんゼロメートル地帯での水害対策は必要ですし、津波被害もありましたから、今の堤防の高さで大丈夫かという不安の声も住民の皆さんの中にはあります。
 まず、確認したいんですが、スーパー堤防というのは、それでは通常堤防の高さをかさ上げして越水をさせないという堤防なのかどうか、簡潔にお答えください。
#168
○政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。
 高規格堤防、いわゆるスーパー堤防につきましては、仮に洪水が堤防を越える、乗り越えたとしても、その構造からして壊れない、破堤しないという形での機能を期待し、そういったものを目指して整備をこれまで進めてきたところでございます。そういう意味では、高さで確保するということではございません。あくまでも幅を確保し、越流しても安全な堤防を整備するということを目指したものでございます。
#169
○田村智子君 堤防の高さは変わらないんですよね。河川の側から見て、高さの三十倍を目安にして延々と河川から長く盛土をやっていく、これがスーパー堤防だと。国土交通省や河川事務所のホームページに何度も出てきます。
 それでは、そういう三十H、高さ掛ける三十倍で延々と堤防を造りましたと言えるものは、関東の四河川、利根川、江戸川、荒川、多摩川流域、一体どれだけ整備されたのか、お答えください。
#170
○政府参考人(関克己君) スーパー堤防、高規格堤防につきましては、先生御指摘のように、市街地で整備をするということから、町づくりと一体となって進めてきたものでございます。そういう意味で、今御指摘の三十Hというもの、一度にできるものと道路と区切られる等がありまして、少し短い、幅が短くてひとまずその段階でまた次の段階を目指すと、そういったものが混在しているのが現状でございます。
 その中で、御指摘のように、厳密な意味での三十Hというものがあるものにつきましては、おおむね八キロメートルというふうに調べているところでございます。
#171
○田村智子君 これがなかなか出てこなかったんですよ、八キロというのが。
 国土交通省は、三十H全然なくても計画した事業が終われば全部完成の中に入れていっちゃうんですね。これ、資料にお渡ししましたけれども、会計検査院の資料でやっと出てくるんです。この中で完成と書いてある部分が今の三十Hでほぼできているものと。
 このとき、二〇〇四年三月時点で、私が挙げた四河川で三・三キロ。七年が経過して八キロですから、これ一年に換算すると六百メートルぐらいしかできていないんですよ。となれば、たとえ整備地域を絞り込んだとしても、やっぱり四百年、五百年、もう何百年という単位でこれ整備期間が掛かることになるんじゃないでしょうか。副大臣、どうでしょう。
#172
○副大臣(奥田建君) 先ほど申しましたように、そのリスクの大きいところといいますか、人口密集地帯あるいは人々の財産の集中している、そういう地域に限るということが適切であろうという取りまとめ案をいただいておりますので、その中でどれだけの絞り込みあるいは事業の計画というものができるかということを今鋭意検討しているということでありますので、御理解いただきたいと思います。
#173
○田村智子君 これ、本当造るのは荒唐無稽な計画とも言えるようなことになっちゃうんですね、住宅密集地で今後造っていくということになりますから。
 国土交通省にいろいろお話をお聞きすると、いや、三十Hなくても堤防として強化されているから大丈夫なんだと、そういうふうに説明されるんですけれども、私、それじゃどういうスーパー堤防ができたのかというのを河川事務所のホームページからいろいろ見てみました。そのごく一部を資料でお配りしたので見ていただきたいと思います。
 例えば、この足立区千住地域、この後ろに見える大きな建物に土手をつなげるためにだけ造られているんです。百掛ける百です。その下、やはり足立区の小台という地域ですけれども、ここもマンションの土台部分とマンションの後ろに道路があるんですけれども、この道路をつなげるところだけがスーパー堤防だと。これ、事業仕分やられた蓮舫大臣にお聞きしたいんですけれども、堤防事業だと言えると思いますか。
#174
○国務大臣(蓮舫君) 今のやり取りをしていても思ったんですけれども、恐らく委員の問題認識と私たちが政府として人命を最も大切に守らなければいけないという部分では、こうした堤防事業の必要性は否定していないんだと思います。
 問題はその手法なんですが、仕分のとき私たち議論させていただいて問題となったのは、個別箇所ごとの効果あるいは整備の途中段階での効果がこれ実は把握されていなかった、詳細に。あるいは、重点整備区間が定められているところ、実際に整備済みの箇所の六割は重点整備区間以外といったことが明らかになりました。だからこそ、一旦この事業は停止をして、現実的な天災害に備える視点に、まずここに立ち返ろうと、その上で、治水の優先順位を明確にした上で災害対策というのは現実的に行っていただきたいというまとめをしました。
 今話を聞いていると、一旦は停止をしたんですけれども、現実的にどうやって人口集中している地域の命をこういう水害から守ればいいかというのは、検討会も開いていただきまして、省内でそれは今まさに現実的な事業に立ち返ろうとしているんではないかと理解しています。
#175
○田村智子君 ちょっと質問したことに答えていないんですね。
 たったこれだけのことが堤防事業だと言えるのかどうか、これ感想でいいですよ、一言お答えいただけませんか。
#176
○国務大臣(蓮舫君) 高規格堤防と一般の堤防との違いはあるとは思いますけれども、いわゆる一般の堤防とは違う、それこそ盛土をして緩やかに下げていくという高規格堤防の在り方ですから、その一部分だとは理解をしています。
#177
○田村智子君 何のための仕分だったのかと改めて思ったんですけれども、これ全然緩やかに下がってもいないんですよ。
 じゃ、国土交通省、お聞きしますけれども、この下の小台ですよ、本当にマンションの敷地だけですよ、これ。これに事業費幾ら国は出しているんですか。
#178
○政府参考人(関克己君) 小台につきましては、国費というお尋ねだと思いますが、四億円でございます。
#179
○田村智子君 これ、どう見てもマンションのために造った高台でしかないんですね。
 事業開始から二十五年、改めてどこにスーパー堤防を造られたか。都心に近づけば近づくほど、大規模マンション建設とセットで整備されていることが分かっているんです。千葉県市川市のスーパー堤防、総戸数八百十五戸の巨大マンション、事業費は国負担分で十億三千万円。本来建物を造ることが禁止されている堤防の上に特別に造られた地上二十階を超える高層マンションですから、当然人気物件です。高く売れます。これ、もう私は堤防事業って言えないと思うんですよ。リバーサイド再開発計画、そういうふうに言わなきゃいけないと思う。一方で、堤防の事業でいえば、東日本大震災で被災した堤防は二千百十五か所です。いまだに応急復旧の予算しか組まれていないんですよ。こういうときに、こんなマンション建設のために土台造るような、こんな事業をまだ続けるのか。
 財務大臣、これが有効な予算の使い方だと思われるかどうか、そのことだけお答えいただいて、お帰りいただいて構いませんので。
#180
○国務大臣(安住淳君) 財政上の今私の立場から申し上げれば、このスーパー堤防に関しては、契約を結んで工事をやらざるを得ないもの以外は全て予算は止めております。ですから、この先、確かに委員御指摘のように、これは私の知識ではたしか二百年に一遍ぐらいの大水害の中で、先ほど局長もありましたけれども、オーバーしてくる水はやむを得ないとしても、決壊をして一気に入り込んでくるゼロメーター地点の治水対策でやるということですが、大都市部ではもう莫大な費用が掛かりますので、そういう点では、いろんな意味で治水というものの在り方を総合的に検討しながら対応していって、国民の皆さんからお預かりした税金の有効な使い方をやりながら治水対策というものを国交省にはつくっていただきたいというふうに思っております。
#181
○田村智子君 国交省やるべきは、この被災した堤防をどうするかということをやるべきなんですよ。
 私、もう一つ言いたいのは、このスーパー堤防事業を継続させることが逆に都市部に新たな水害を起こしかねないんじゃないのかと、このことを指摘したいんです。都内では三十Hで造るなんというのは本当にもう不可能だと思います。そうすればどうなるか。
 次のページ見ていただきたいんですけど、断崖絶壁、これ蓮舫大臣も見に行かれて御存じだと思います、平井地区ですね。これ、造ることになる、あるいはもう住宅地に隣接して急斜面の土手を造ることになる。こういうことが幾つもできてきているんです。
 そういう中で、実際に北区北赤羽地区のスーパー堤防、つい最近、水害が現実に起きているんです。ここのスーパー堤防は、土手と住宅との境というのはもう一車線分の道路ぐらいしかないんですね。まさに住宅地に隣接してすぐに堤防が造られています。二〇〇八年には、大雨による浸水でスーパー堤防が崩落をしたと。で、これではいけないというので、水が浸透しないように工事を行った。そうしたら、今度は、八月二十六日、局地的な豪雨で大変な水害が起きてしまった。これ、写真見ていただければ分かるんですけど、自動車がもう水没をして、エンジンの部分ですね、駄目になっちゃうようなそういう水害が起きているんです。住民の皆さんにお聞きをしましたら、スーパー堤防から水が滝のように流れてきたと、堤防の側溝のところから水が流れ落ちてきて、道路のところでぶつかって噴水のように噴き上げたって言うんですね。地元の皆さん、何て言っているか、スーパー堤防水害だと。
 これ、重大な事態だと思いますが、副大臣、いかがですか。
#182
○政府参考人(関克己君) 御指摘の地域につきましては、二十三年の八月の二十六日だったと思いますが、一時間に九十ミリという非常に強い雨が降りました。この地域、いわゆる雨水排水については下水道による一時間五十ミリというものを規模に計画を立て事業を進めてきておりますので、そういう意味では約二倍の雨が降ったということで、極めて強い雨が降ったということが原因であろうというふうに思っております。
 なお、そういう意味も含めて、当該地区については、この計画規模を超えた浸水に対してもどのように対応していくかということは下水道管理者である東京都とも調整をし、検討を行うということとしているところでございます。
#183
○田村智子君 二百年に一度とか数百年に一度の洪水に備えるって言っていて、それで雨が降ったら想定外でしたなんと言うのは、これはもう説明にならないですよ。
 大体、私も現地視察しました。スーパー堤防の構造上の問題があると私思ったんですね。住民の皆さん、こう言っているんですよ。以前の堤防は川に向かって傾斜があったから、強い雨が降ってもその水は川に向かって流れていった、何で新しくできた堤防は私たちの住宅地に向かって傾斜しているのか、水が流れ落ちるの当たり前じゃないかという指摘です。だけれども、スーパー堤防である以上は住宅地に向けて傾斜を造らなきゃいけないんです。決壊を防ぐために、水が浸透しないような造りにしなきゃいけないんです。その分、全部低い方に水流れていくじゃないですか。
 それだけじゃないですよ。ここはまだ上にマンションないです。でも、これからどんどん造って、堤防の上にマンション造っていけば、当然排水量が劇的に増えるんです。内水の水害を起こしかねない。
 私は、想定外の雨が降ったなんて言っていたら駄目ですよ、この北赤羽の事態をちゃんと調査をして、こういう水害なぜ起きたのか、水害起こさないようにするということこそ今すぐに検討しなくちゃいけないというふうに思います。
 これはやっぱり都市部で造ること、非常に危険です。スーパー堤防事業はきっぱり諦める、これ必要だと思いますけれども、副大臣、お答えいただきたいと思います。
#184
○副大臣(奥田建君) スーパー堤防で、三十Hという幅の広いものであるべきかどうかという議論は、地元とも、また堤防の在り方というものでも考えていくべきことだと思いますけれども、今実際にいろんな集中豪雨であるとか、あるいは津波のときもそうです、あるいは河川の増水という中でも、堤防というものが各地にありますけれども、その堤防自体が崩壊するという事象も毎年どこかで起きている。
 そんな中で、洗掘であるとか、あるいは漏水であるとか、あるいは越水によって堤防の後背地をえぐってしまうという中で、堤防の決壊ということだけは何としても避けたいという思いで出ているのが、この幅の広い、傾斜を持った、堤防としての強度の強い堤防ということで、やはりそのニーズというのが、それが三十Hか二十Hかとかそういうことはまた別の議論でありましょうけれども、強度の強い堤防というものの必要性というものが求められているところはあるというふうに私は思っております。
#185
○田村智子君 済みません、ちょっと一言いただきたいんですけれども、現に水害起きているんですよ。これ、ちゃんと、ちゃんと調べて、スーパー堤防水害なんて起こすの駄目だって、これぐらいは言えなきゃ駄目なんじゃないですか、副大臣。副大臣に聞いているんです、副大臣に。
#186
○副大臣(奥田建君) 今こちらの方も委員御質問の方で御準備なさっているということで報告をいただいている中では、やはり今局長から報告のありましたように、第一の原因というのは下水断面というものが不足していると。あとは、スーパー堤防の内側、のり面の下がっていく、勾配の下がっていく部分が平たんであるか緩やかになっているかという中で、またスーパー堤防の内側にもしっかりと排水路というものを設けたり、あるいは下水断面としてのまた整備が必要かということを検討していかなければいけないことだというふうに思います。
 スーパー堤防ができたからそこの水が増えるということには、ちょっと今の時点で了承しましたということは言えない状況だと思います。
#187
○田村智子君 分からないんだから、ちゃんと調べてください。本当に調べないと、都市部での水害、今後どんどん起きかねないと私思うんですね。
 なかなか平行線の部分もあるんですけれども、私本当に許せないのは、この事業にしがみつけば都市部の中で町壊しが起こっていくということなんですよ。現に、江戸川区北小岩地域の皆さん、スーパー堤防建設を理由とした区画整理の中止、これを求めて、ついに十一月十一日、江戸川区を提訴しています。
 この北小岩十八班の皆さんは、もう数年前に事業計画が持ち上がった当初から町壊しはやめてほしいと反対の声を上げ続けている。しかし、区は執拗に説明会や戸別訪問を繰り返して、反対、賛成をめぐって地域のきずなをずたずたにしてきたんです。区の職員による連日の訪問、説得に耐えかねて、泣く泣く住み慣れた家を離れた方もいらっしゃいます。すると、すぐにそこを更地にして周辺住民に無言の圧力を掛ける。こういう中で、九十代の御夫婦は、この年になって住み慣れた町を離れるのは耐えられない、心中するしかないと、こういう声まで上げているというんですよ。
 もうバブル時代の悪質な地上げを思い起こさせるような事態にまでなっています。江戸川区は、まるでスーパー堤防事業が決定事項であるかのような説明を繰り返してこういう追い出しをやっているんですね。
 そこで、一点お聞きしたいのは、果たして国は、ここにスーパー堤防を造るということを示唆したのか、お墨付きを与えるような情報を流しているのか、これ住民からも疑問の声が起こっていますので、はっきりお答えいただきたいと思います。
#188
○副大臣(奥田建君) 田村委員御指摘の北小岩一丁目地区ですか、こちらの地区については、高規格堤防整備事業として国交省がその示唆をしたこと、あるいは事業化されたものではないということははっきりとお伝えしておきたいというふうに思います。
 ほかの地点についても、仕分以来、そういった事業化ということは、財務大臣の方からも御説明ありましたように、されてはおりません。現在の市街地整備の必要性から、江戸川区において区画整理事業というものが進められているものというふうに認識しております。
#189
○田村智子君 行政刷新大臣、最後に一問お聞きしますけれども、私、幾つか問題提起をしました。都心部に絞ると言うけれども、都心部で三十Hは無理だろうと。これ、造るとなったら、それこそ何百年、あるいは千年ぐらいの時間が掛かるかもしれないですよ。三十H、高さが十メートルの堤防だったら向こう側に三百メートルですからね。現にできていない。断崖絶壁や水害を起こすような堤防が現に造られている。
 私は、都市部にというふうに集中したとしても、これは百害あって一利なしだと思うんですよ。そうではない治水の在り方、災害復旧含めて、どこに力を入れるべきなのかということを明確にしなかったら、これ亡霊のようにいつまでもいつまでも出てきますよ。行政刷新と言うのならば、こういう事業について二十五年間どうだったのかしっかり検証して見直すことをもう一度求めたいと思いますが、いかがでしょうか。
#190
○委員長(福岡資麿君) 蓮舫大臣、簡潔に御答弁ください。
#191
○国務大臣(蓮舫君) だからこそ事業仕分を通じて、完成まで四百年掛かる、しかも実際の整備率は五・八%しかありませんでしたから、しかもそれが数兆円掛かるというものは一旦止めていただきたいということは私たちとしては要請を行って、その仕分結果を受けて、優先順位を明確にして、今御指摘の部分の国が整備をもう既に始めているところ、実際に河川がはんらんした原因というのは、東京都の下水管理、こういう部分との連携はどうなのかというのを、先ほど来国交省から答弁ありましたけれども、その部分は重々中で行ってきておりますので、我々が当初求めた評価結果に沿った形で行っていると思います。
 ただ、田村委員がおっしゃるように、人命と町づくりという部分をどういうふうに連携を取って災害対策を行っていくか。まさに、町をつくるのと堤防で人命を守るというのは国交省の中での本体業務だと思っておりますので、その部分はしっかり、まさに今、政務三役も聞いておりますので、対応していただけるものと期待しております。
#192
○田村智子君 終わります。
#193
○中山恭子君 たちあがれ日本・新党改革の中山恭子でございます。
 今日は、現在、衆議院総務委員会に付託されている国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案を取り上げたいと思います。私はこれを給与減額法案と呼んでおります。
 政府は、人事院勧告による給与水準の引上げ幅、これはマイナス〇・二三%と比べて厳しい給与減額措置マイナス七・八%を講じようとするものであるので、国家公務員の給与減額法案は人事院勧告の趣旨も内包しているから、人事院勧告を実施するための給与法改正法案は提出しないとしています。確かに、給与の減額幅は非常に大幅なものです。
 人事院総裁は、現在提出されている国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案が人事院勧告を内包しているとお考えでいらっしゃいますか、お答えください。
#194
○政府特別補佐人(江利川毅君) 今回の人事院勧告は、民間の給与と比較しまして〇・二三%引き下げるということのほかに、給与構造改革のときの経過措置を廃止するという中身が入っております。そして、そういう内容の点で、その特例措置の法案には給与構造改革の経過措置を廃止するという中身は入っていませんので、内容的にカバーし切れていないんではないかと。
 それからもう一つは、制度が、片方は、民間企業の実態に合わせて民間給与に合わせるというために、労働基本権制約の代償措置としてある制度であります。一方、災害対策のためにどういうことを講ずるかという、災害対策の財源を、特例措置法案は財源を考える法案でありますので、法律の趣旨、目的も違うんではないかと。
 それからもう一つは、特例法案は二十六年三月までの時限立法でありますので、そうしますと、時限を過ぎますと現在の人事院勧告を反映していない給与法に戻ってしまいます。そういう観点からも、今回の人勧を反映していると言うことは難しいんではないかと。
 そういう点から、内包という立論は難しいんではないかということを申し上げております。
#195
○中山恭子君 私も両方お読みしまして、人事院勧告を内包した法案だとはとても言えないと考えております。
 この人事院勧告を無視するということは、内閣の所轄の下に置かれている人事院の組織を否定するということを意味していると考えます。十月二十八日の閣議決定で、人事院勧告を実施するための給与法改正案は提出しないと政府はしていますが、これは内包しているからという理由となっていますが、これは無理な言い逃れでありまして、法律を無視したものであるとしか言えないと考えております。臨時特例で何でもできるとする今の政府のやり方は、法治国家としてあってはならないことであって、法律を無視したものであると言えるかと思います。
 このように、この給与臨時特例法案は幾つもの問題点を抱えています。今のように、法律無視、法治国家としてあってはならない形であるということが第一ですが、第二に、これは憲法に違反する可能性が高いということも申し上げたいと思います。
 国家公務員は、憲法で保障された労働基本権を制約されています。その代償措置として、人事院が実態調査を行い、民間企業従業員の給与水準と均衡させることを基本として、国会及び内閣に勧告することとしています。したがって、憲法が定める労働基本権の制約の代償措置である人事院勧告を無視することは憲法に抵触すると考えられます。
 政府は連合と協議を行っていると聞いています。そして、労働基本権の制約を緩和することについて了解しているとの報道もあります。他の労働団体と合意には至っていないと伝えられておりますが、この法律案のどこにも労働基本権の緩和に関する規定がありません。国家公務員の給与を一方的に大幅に減額するための法案となっています。
 総務大臣、この給与減額法案は労働基本権の緩和とリンクしている法案なのでしょうか。
#196
○国務大臣(川端達夫君) その前に、るるお話をいただきまして、余りくどく、時間が限られていますので申し上げませんが、私たちとしては、法を無視してやっているという意識では当然ございません。
 これは、国家公務員の給与は国家公務員法の二十八条で、「この法律に基いて定められる給与、勤務時間その他勤務条件に関する基礎事項は、国会により社会一般の情勢に適応するように、随時これを変更することができる。その変更に関しては、人事院においてこれを勧告することを怠つてはならない。」ということで、最終的には国会で決めるという法定主義の給料でありますので、その部分で、そういうときに未曽有のこの危機的な状況に対応する財政措置として臨時特例的に行うものであるということでは、憲法違反や法令違反であるというふうには思っておりません。
 そういう中で、国家公務員制度の改革ということにお触れをいただいたお問いだったと思いますが、六月三日に、この臨時特例法と同日でありますが、公務員制度改革関連法案を国会に政府としては提出しております。この法律は、平成二十年の六月十三日に施行された国家公務員制度改革基本法において、政府は、自律的労使関係制度を措置するために必要な法制上の措置については、同法の施行後三年以内を目途として講ずるものとするとされることを踏まえて、検討を進めてきて提出に至ったものであります。一方の給与臨時特例法は、この我が国の大変厳しい状況の中でということで、未曽有の国難に対処するということと、厳しい財政状況に対処するために一層の歳出削減が不可欠ということで、やむを得ない臨時の措置として、特別措置として、国家公務員の給与については減額措置をするということで出しましたので、いずれも制度上でいえば国家公務員に係る非常に根幹的な問題を含んでいる法律が公務員の関連法案でありまして、いずれも政府としては是非ともに成立させていただきたいと思っているところでございます。
#197
○中山恭子君 その場合には、改めて別途非常に真剣な国会で議論が行われるべきと考えております。
 今回のこの法案というのは、国家公務員に限って、そこを特定して不利益を強いているもの、財政事情ということがあるとはいえ、非常に不公平な、公正を欠いた法案であると考えられます。
 人事院総裁に伺います。この人事院勧告で〇・二三%の減額が示されております。これは民間より〇・二%程度公務員給与の方が高いということを意味していると思いますが、政府の給与減額法案では、本省課長以上が一〇%減、課長補佐、係長級が八%の減、係員が五%減、ボーナスは一律一〇%カットというものです。この官民較差を均衡させようとする人事院勧告を全く無視して、官民較差を非常に大きなものとして、国家公務員に大きな不利益を強いているものと考えられます。
 人事院総裁に伺いますが、その国家公務員に対して懲戒処分を科すということをこれは意味しているとも言えると思いますが、この例えば一〇%の減給処分を科されるというのはどのような場合、そして最長どのくらいの期間減給されるものなんでしょうか、懲戒処分の場合。
#198
○政府特別補佐人(江利川毅君) 私どもの立場は、まず民間に合わせて人勧を実施していただくということでございます。それとはまた別に、震災対策の財源というのは、政府ないし国会において大所高所から御判断いただきたいと、そういう立場に立っております。
 御質問の懲戒処分の関係でございますが、昨年、平成二十二年は懲戒処分が百七十九件ありました。そのうち、減給、パーセントは様々ですが、一%から二〇%まであるわけでございますけれども、減給一か月あるいは二か月、三か月で全体の九六%ぐらい、大体三か月ぐらいまでの中に入っているわけでございます。
 懲戒処分に該当する行為といいますのは、職場における部下、職員に対する暴言等、あるいは職場外におきまして飲食後の何か乱暴な行為があったとか、そういうような場合に懲戒処分が行われております。
#199
○中山恭子君 今の人事院総裁のお話にありますように、財源問題というのはまた別の問題だと思いますが、給与について一〇%減をして、しかも、今総裁は長くとも三か月、通常一か月、二か月というようにお話しいただいたかと思いますが、この法案は、一〇%の減を二年以上、二十数か月にわたって給与の減を強いるという法案でございます。
 これ、非常に厳しい処分を科すと同じ意味を持っておりまして、これで公務員の士気が、今回の震災でも国のために一生懸命働こうとしている国家公務員がたくさんいるわけでございますが、この公務員の士気というものは、この法案によって上がるということは決してなくて、急激に落ち込む可能性の方が強いかと思っております。
 この給与減額ということについて、財政が厳しいから、ただ、ばらまきについては赤字公債でやっていくわけですので、国家公務員だけにこれだけ厳しい処置をとるということについて、総務大臣、いかがお考えですか。
#200
○国務大臣(川端達夫君) その前に、我々は人勧は尊重する立場の中で閣議決定した、先ほど御紹介いただいた趣旨で判断をしたので、人勧を無視している立場ではないことを申し上げておきたいと思います。
 同時に、今、処分に匹敵すると言われましたが、期間あるいは額においての部分で比較をされましたけれども、申し上げましたように、この危機的国家の財政状況のとき、この大震災に対応するために、まさに身を切る思いで御無理をお願いするということでありまして、何か懲罰的な意味を持っているわけでは全くありませんので、こういうことをやっていただくことの部分で、何か処分を受けるというふうなことで思っているのではなくて、協力いただくことを思っているということは申し上げておきたいと思いますし、これはいわゆる地方自治体においてもいろいろそれぞれ財政状況の厳しいところがございます。そういう部分で、我々としても、この大変震災も含めて、忙しい思いをし、必死に思っていただいていることに対して、こういうことまで強いるのは大変心苦しいんですが、そのことで、こんな給料ひどいことをするんだったら仕事もやる気を失うよではなくて、大変だけれどもみんな頑張ろうと思っていただきたい。
 そして、地方の財政でいいますと、例えば給与削減の実施団体でいいますと、例えば岐阜県ですと一四から六%、大阪で一四から三・五%、島根で一〇から六%等々、やはり地方の財政状況によっては、その県で働いている皆さん、職員が、大変厳しいけれどもそういう財政措置をするということでやっているし、民間企業においてもそういう例はたくさんあります。
 そういう意味で、大変厳しいときに、国を支える一員として、身を切ってでもまた国のために頑張ろうということを是非とも思っていただきたいと思っております。
#201
○中山恭子君 国家公務員というのはいろんな制約を受けています。また、国全体のために奉仕する、決してある党のために奉仕するというそういう役目ではないということをもう一度はっきりと認識していただきたいと思っておりますし、やはりこれだけ強い給与の減額があれば、一体自分たち何か悪いことしたんだろうかと思うのが通常の場合であると言えるかと思っています。
 私自身、公務員制度改革というのは必要だと思っています。それを通じて国家公務員の人件費削減がなされるべきであって、労働基本権が制約されていることをよいことに、奇貨として、公務員たたきという手法で、公平性も全く考慮されずに給与を削減するということは、あってはならないことだと考えています。行政効率の向上も、公務員の使命感の向上も、これでは全く期待できないと言えるかと思います。更に言えば、これをやって景気が悪化する可能性も十分あります。
 ちょっと時間がなくなってしまいまして、意見だけ言わせていただきますが、現政権は、財政危機、大地震、大津波、原子力発電所の事故、いずれを取っても有効な対応策が取れていません。言葉だけ人事院勧告を尊重していますというようなことをおっしゃっても、それはもうまさに欺瞞であって、実態は全く違うことを行おうとしているということであります。
 この行政の責任を、そうした政権の不作為の責任を公平性も考慮せずに国家公務員に転嫁し、更にポピュリズム、つまり一般の人々の人気を得ようとするものであると、そのように申し上げて、質問を終わります。
#202
○委員長(福岡資麿君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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