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2011/09/29 第178回国会 参議院 参議院会議録情報 第178回国会 予算委員会 第3号
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2011/09/29 第178回国会 参議院

参議院会議録情報 第178回国会 予算委員会 第3号

#1
第178回国会 予算委員会 第3号
平成二十三年九月二十九日(木曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 九月二十八日
    辞任         補欠選任
     大久保 勉君     大河原雅子君
     大塚 耕平君     風間 直樹君
     世耕 弘成君     塚田 一郎君
     野上浩太郎君     長谷川 岳君
     森 まさこ君     山崎  力君
     草川 昭三君     白浜 一良君
     山本 博司君     松 あきら君
     大門実紀史君     市田 忠義君
 九月二十九日
    辞任         補欠選任
     安井美沙子君     金子 洋一君
     桜内 文城君     松田 公太君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井  一君
    理 事
                植松恵美子君
                川上 義博君
                武内 則男君
                徳永 久志君
                礒崎 陽輔君
                猪口 邦子君
                衛藤 晟一君
                浜田 昌良君
                小野 次郎君
    委 員
                石橋 通宏君
                江崎  孝君
                大河原雅子君
                風間 直樹君
                金子 洋一君
                小西 洋之君
                櫻井  充君
                田中 直紀君
                谷岡 郁子君
                外山  斎君
                友近 聡朗君
                林 久美子君
                姫井由美子君
                広田  一君
                牧山ひろえ君
                愛知 治郎君
                磯崎 仁彦君
                片山さつき君
                川口 順子君
                佐藤ゆかり君
                塚田 一郎君
                西田 昌司君
                長谷川 岳君
                福岡 資麿君
                丸山 和也君
                山田 俊男君
                山谷えり子君
                白浜 一良君
                竹谷とし子君
                松 あきら君
                桜内 文城君
                松田 公太君
                市田 忠義君
                片山虎之助君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   野田 佳彦君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、地
       域主権推進))  川端 達夫君
       法務大臣     平岡 秀夫君
       外務大臣     玄葉光一郎君
       財務大臣     安住  淳君
       文部科学大臣   中川 正春君
       厚生労働大臣   小宮山洋子君
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
       経済産業大臣
       国務大臣     枝野 幸男君
       国土交通大臣
       国務大臣     前田 武志君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償支援機
       構))      細野 豪志君
       防衛大臣     一川 保夫君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 藤村  修君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        山岡 賢次君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        自見庄三郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策、科学技
       術政策))    古川 元久君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」、少子
       化対策、男女共
       同参画、行政刷
       新))      蓮   舫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        平野 達男君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  長浜 博行君
   副大臣
       財務副大臣    藤田 幸久君
   大臣政務官
       防衛大臣政務官  下条 みつ君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
   政府参考人
       食品安全委員会
       委員長      小泉 直子君
       原子力安全委員
       会委員長     班目 春樹君
       警察庁刑事局長  金高 雅仁君
   参考人
       東京電力株式会
       社取締役社長   西澤 俊夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
○継続調査要求に関する件
○委員派遣に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に東京電力株式会社取締役社長西澤俊夫君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(石井一君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、昨日に引き続き、質疑を行います。植松恵美子さん。
#5
○植松恵美子君 おはようございます。民主党の植松恵美子でございます。昨日に引き続き、今日も質問を続けさせていただきたいと思います。
 まず最初に、昨日も質問をさせていただきましたけれども、この福島第一原発におけます事故時運転操作手順書について伺います。(資料提示)
 昨日において、期限でございましたので、一号機、二号機、三号機の手順書全て提出されたと思いますけれども、新聞を読みますと、この提出した手順書を公開するかどうかは保安院の判断に任せるとございましたけれども、経産大臣、これ、保安院に任せずに判断は、やはり経産大臣、最終判断をしていただいて、全て公開をしていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#6
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、大変国民の皆さんからの関心も高い重要な案件でございますので、保安院においてまずは一次的にはチェックをしていただいた上で、最終的には私が判断をして、公開できるものは全て公開をいたします。
#7
○植松恵美子君 是非、経産大臣、今後もこのようなことがあると考えられますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、郵政問題について伺ってまいりたいと思います。
 私は、現在日本郵政が置かれている状況は一日も早く改善をしていかなければならないと強く思っております。そのことは、前政権下においても、七月二十五日、予算委員会でも発言させていただきまして、前片山総務大臣にも大変前向きな御答弁をいただいたところでございますが、被災地においても日本郵政の分社化による弊害というのは起こっております。
 郵便、貯金、そして保険が一元化に扱えないので、職員さんがわざわざ郵便物を届けに行ったとしても、そこでお年寄りの方に貯金とかあるいは保険の話をされてもその仕事を受け取って帰ることができない。また、被災地においては百を超える郵便局が被災しております。今建て直しをしようと思っても、どういうレイアウトで建てたらいいかさえ分かっていないような迷っている状況でございます。
 国会での郵政問題の審議が止まっている間に、日本郵政の経営の悪化は一途をたどっております。法律の壁によって新しいサービスを始めることもできなければ元に戻ることもできない、宙ぶらりんの状態のままでだんだんと悪化をしている、これは全て政治の責任であると私は思っております。
 野田総理大臣、野田政権においては必ずこの郵政民営化改革法を早期に成立させる必要があると思いますが、総理の御決意を伺いたいと思います。
#8
○内閣総理大臣(野田佳彦君) おはようございます。
 郵政改革関連法案、この中身の中にはいろいろありますけれども、その柱は、委員御指摘のとおり、ユニバーサルサービスの維持ということも大事な柱になっております。こういうことを踏まえまして、八月の三十日、国民新党の亀井代表と、最優先課題としてこの郵政改革関連法案に取り組み、各党修正協議での合意を図り、次期臨時国会において成立を期す旨の合意もいたしましたし、加えて、所信表明演説でも早期成立に向けての私の決意をお話をさせていただきました。早期成立、是非実現をすべく全力で取り組んでいきたいというふうに思います。
#9
○植松恵美子君 是非そのお約束、郵政関係者の皆様方、待ち望んでおります。よろしくお願い申し上げます。
 総理は県議会議員のときに落選経験がおありだと伺いましたけれども……(発言する者あり)あっ、国政のときでした、失礼いたしました、落選経験があるとお伺いしました。
 実は私も、最初の選挙へ出たとき落選をしました。三年間の落選経験がございますけれども、その落選の折でございますが、二〇〇五年、私は、地元の香川県の郵便局、普通郵便局と特定郵便局、合わせて百八十八局全て見て回ったことがございます。
 香川県には瀬戸内海がありますし、そこの島々が大小浮かんでおります。有人島だけで二十二ございますけれども、その離島にもしっかりと郵便局は根付いております。また、山の奥の方に行きますと過疎地がございますが、そういったところでは、郵便局の職員さんが訪ねていって、そしてお年寄り、独り暮らしのお年寄りに元気なんなと、こう声を掛けるというひまわりサービスというものがあるというものを私は現場で知りました。
 地方の、田舎の郵便局というのは地域のコミュニティーの場なんですね。そして、孫のこととか嫁しゅうとめのこと、あと法事のことなんてちょっと局長さんに相談してみようかという存在が郵便局なんです。私、途中で門前払いされることもありましたけれども、最後、百八十八局目にたどり着いたとき、そこで局長さんが、もうそろそろ現れるころだと思っておりました、ここが最後なんですよねって、そう言われたとき、郵便局のネットワークってすごいなって感動いたしました。
 私は、ここで確信しているのは、都会での価値観を地方に押し付けたとしても、地方の人々の暮らしは豊かにならないし、幸せになれないと思っております。地方には地方の価値観があります。
 そこで、今、復興財源確保のために郵政株の売却という話もちらほらと出ているようですけれども、株の売却については、くれぐれもユニバーサルサービス、郵便、貯金、保険のユニバーサルサービスをきちっと確保した上で議論をしていただきたいと思いますけれども、この郵政株の売却については総理は今どのようにお考えでしょうか。
#10
○国務大臣(安住淳君) 凍結法がありますので売却が今できないわけでございますけれども、今我が党が提出しております法案が成立をすれば、三分の一は保有をすると、残りの部分については国民の皆さんに還元をするという意味合いでも財源になると思いますので、そうした点では、ユニバーサルサービスをきちっと維持しながら三分の一の株を保有してやっていけるというふうに思っております。
#11
○植松恵美子君 是非、そのユニバーサルサービスを守っていただきたいと思います。
 続きまして、再生可能エネルギーの開発について伺います。太陽熱発電について伺います。
 太陽熱発電とは、たくさん並べた鏡を使って太陽光を集め、そして高熱をつくって、それから蒸気を起こしてタービンを回して発電をするというもので、これ太陽光発電とは別物でございます。日本では、約三十年前に私の地元香川県の仁尾町においてサンシャイン計画として初めて大規模な実証実験が行われました。当時まだ私も子供でございましたけれども、父親に連れられてわくわくしながらその現場に見に行ったことがございます。しかし、どうも日本の気候に適していなかったようで、成果は認められておりません。失敗したようでございます。
 ところが、その後、国内においては忘れ去られておりました。太陽光発電の方に注目が移ってしまって忘れられておりましたけれども、現在、欧州やアラブ首長国などにおいては太陽熱発電の実用化に向けて研究が進められております。そこで日本の大学の独自の技術が考案されて、実証実験に成功したとも言われております。
 再生可能エネルギーの開発を今後成長戦略として位置付けていくのであれば、国内では適した場所がなかったけれども海外で事業化できる、そういったエネルギー技術については力を注いでいくべきであると思いますけれども、こういったことについて、経産大臣、どのようにお考えでしょうか。
#12
○国務大臣(枝野幸男君) 太陽熱発電について取り上げていただいたこと、大変感謝を申し上げます。
 御指摘のとおり、日本の国内では気候的になかなか適しないという部分がございますが、日本はこれに対する非常に高い技術を持っております。したがいまして、こうした技術を海外において、気候的に適している海外において積極的に展開をし事業化を図っていくことは、我が国の成長戦略という観点からも大変重要であるというふうに思っておりまして、経産省としては、こうした分野の海外展開に資するよう、現地において実証し、その有効性、優位性を示すための支援事業を行っているところでございまして、今、網羅的ではございませんが、具体的には例えば、チュニジアにおいて既存の発電インフラを組み合わせる形で太陽熱発電を導入して安定的な電力供給システムを実現するための事業を検討中で、実用化可能性調査を行っているところでございます。
 こうした取組、更に積極的に経済産業省として後押しをしてまいりたいと思っております。
#13
○植松恵美子君 海外においてのサンシャイン計画が是非成功するように力を注いでいただきたいと思います。
 続いて、再生可能エネルギーには、潮の満ち引きによって起こる潮流を利用して発電を起こす潮流電力というものもございます。これは、天候に影響を受けずに予測可能で信頼性の高いエネルギーとして、欧州などでは海洋エネルギーの技術開発が盛んです。ところが、日本では地方の大学だとかベンチャー企業が行う小規模な実験段階にとどまっているのが現状でございます。
 潮流発電に利用できる地点としては、瀬戸内海、九州西部、五島列島、津軽海峡などが挙げられますけれども、初めてこの潮流電力に二十三年度には予算が十億円ほど付けられておりますけれども、太陽光が八十億円、風力が四十五億円、バイオマスが六十億円といった予算に比べれば大変小規模なものであると思います。
 今後研究推進をしていくために、まず予算を増額していただきたいと思います。そして、国内に適した場所がある場合は地方においての研究を十分できる環境を整えていくことが、今後、地方においての新しい産業の拠点になると、私は可能性がつながっていくと思っておりますけれども、その二つのことについて、経産大臣、お答えいただけますでしょうか。
#14
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘いただきましたとおり、潮流発電、これがうまく機能すれば非常に安定的な電力の供給ができるというふうに思っておりますので、そうした意味で是非これが本当に実用性を持って使えるようになることが望ましいと思っております。
 御指摘のとおり、研究開発を推進を現在しております。他の新エネルギーと比べて現時点で予算額が少ないのは、まだ実用化に向けた研究段階ということでございますので、決して軽視をしているつもりではございません。是非、制御技術の確立とか発電機の耐久性向上といった課題を何とか研究開発によって乗り越えていきたいと思っておりまして、来年度予算に向けても、必要な範囲で増額できないだろうかということで検討と財政当局との調整をしているところでございます。
 そして、御指摘のとおり、これが実用化できれば、そうした適した地域における一つの産業の拠点になり得るものだというふうに思っておりますので、こうした側面も含めて早期の実用化に向けた研究開発をしっかりと支援をしてまいりたいと思っております。
#15
○植松恵美子君 日本は非常に造船技術も高いと思っております。こういったブレードというんですか、回る、そういったブレードの技術も非常に高いと思いますので、潮流電力の実用性に向けてお願いいたしたいと思います。
 最後になりますが、総理、本当に今、日本は傷んでおります。東日本大震災を経験して、そしてまた経済も非常に疲弊しておりますので、是非とも強いリーダーシップを持って、捨て身でこの日本を守っていただきたいと私は本当に心からお願いしております。
 と申しますのは、やはり今、世界の中で日本が非常に信頼が揺らいでおりますけれども、私は、もう一度この日本をアジアの中のリーダーとして、そして世界の中での日本の国を確立していくために、やはり全国民が力を合わせて日本の再生に力を注いでいっていただきたいと思いますので、是非とも総理のリーダーシップ、発揮していただきますよう、この思いを、メッセージを国民の皆さんに伝えていただきたいと思います。是非とも、明るい未来があるんだと、この日本は必ず立ち直るんだ、そういうメッセージをお願いいたします。
#16
○内閣総理大臣(野田佳彦君) さきの大戦で敗れた後も、廃墟の中から我々の父、母、祖父、祖母たちはしっかりとこの国を立ち上げて世界に冠たる経済大国をつくりました。そして、オイルショックのときも厳しい状況でございましたが、これまた世界に冠たる省エネ国家をつくりました。先人たちが様々な国難を乗り越えてきて今の日本があります。
 今も東日本大震災という大きな困難、原発の事故という大変厳しい状況がありますが、みんなで、官民、国民、総力を挙げてこの国難を突破し、そしてグローバルな課題に相応の貢献、これまで以上に貢献をすることが世界からの支援の御恩返しだと思います。そのために全力を尽くしていくことをお誓いを申し上げたいと思います。
#17
○植松恵美子君 ありがとうございます。私も全力でお支えをさせていただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#18
○委員長(石井一君) 関連質疑を許します。大河原雅子さん。
#19
○大河原雅子君 おはようございます。大河原雅子でございます。政権交代後、初めての予算委員会での質疑となりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 今年は、年明けから本当に自然災害の多い年でございます。年末年始と豪雪、そして一月には新燃岳の噴火、そして三月の地震に津波、原発事故、そしてこの夏の水害、台風。本当に、こんなに災害が多いのか、国土の保全ということについて多くの方々が強い関心を持っておられます。実際に被害に遭っていらっしゃる方を一日も早くお救いする、お助けするということは本当の大きな政治の役割でございます。私も、河川、川の問題、土砂災害などがありますと、あの川にあったダムはどうなっているのかな、そんなふうにも思いまして、今日は河川行政の在り方についてまずお尋ねをしていきたいというふうに思っております。
 平成二十一年の水資源白書には、章を改めて立てまして、「総合水資源管理の推進」ということが掲げられております。この七月には、国土交通省の組織再編の中で、河川局という本当に国土交通省を代表するような局が名称がなくなりました。総理もそのことはもちろん御存じと思いますが、水管理・国土保全局という名前に変わっているわけでございます。
 国土の保全、治山や治水、そして防災ということもございますけれども、その中でも水を扱う、これ大変大きなことでございます。この水資源の総合的な管理、流域を単位として協議体をつくる、合意形成をしていく、そして水に関する全体像を改めて可視化する、こういうことは非常に大きな役割を持つ画期的なことでございます。
 まず総理に、水は限りある資源という意味から、この総合的な水の管理、そして流域全体で管理をするという方向性について御所見を伺いたいと思います。
#20
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 近年の少雨化や年降水量の変動幅の増大は安定的な水供給の懸念材料となっております。また、安全でおいしい水や豊かな環境を望む国民のニーズも高まっております。さらには、今後、気候変動によって渇水の頻発などの影響が生ずるおそれもあることなど、水資源に関する多くの課題への対応が求められています。
 そうした中で、御指摘のあった総合水資源管理は、これらの水資源に関する現在直面をしている課題や将来予想される課題等を包括的、一体的にとらえて、水資源を総合的にマネジメントする方策であると承知をしております。住民、地方公共団体、事業者、その他の関係者の連携協力の下、総合水資源管理の取組の具体化を進めていくことが重要であると考えています。
 エネルギーにおいてもベストミックスが必要です。水資源の管理も同様の観点から、今の総合水資源管理という観点は大変これから重要な概念であるというふうに思います。
#21
○大河原雅子君 昔から水は、湯水のように使うというような言葉で、限りある資源というふうにはなかなかとらえられてこなかった一面もございますし、一たび渇水になれば本当にこの渇水ということについて膨らんだイメージを持ってしまう、ダムを造れば足下の地下水を忘れてしまう、総合的な考え方というのがなかなか育ってこなかった、そういうふうにも思うわけです。
 議員の間でも水基本法を作るという議論を進めてまいりましたけれども、水は限りある資源、そして、この水、今は、国土交通省のこれまで河川局、ここがそれぞれの利水をする方々に対しては水利権、こういうものを認めて、また自治体も、国民に配る水の利水の安全度、渇水にならないように、いつでも水道をひねれば水が出てくるような、そういう安全度を高めて供給をしていたということがあります。しかし、ちりも積もれば山となるという言葉もございまして、安全度をそれぞれが上げていくと、トータルでは実は結構大きな水余り現象というのが起きております。
 私は、この総合的な水の管理を進めたときに、効率の良い、そして無駄遣いをしない、そういう管理ができるというふうに思っているわけなんですけれども、国土交通大臣に、この水の総合管理、全体で安全度も考えていく、今ある資源、水資源を有効に使うという考え方について、担当の省としてお答えをいただきたいと思います。
#22
○国務大臣(前田武志君) 大河原委員にお答えいたします。
 大河原先生とは水問題等も含めて一緒に勉強してきたことがございまして、専門家でおありであるわけでございます。今総理がお答えされましたように、要は、生き物、動植物、生態系というのが水循環の中で維持されているわけでございますから、その水の統合的な管理というものを流域ごとにきちんとやっていかなければならない、そういう時代になったと思います。
 そういうことを受けて、国の方では、国土審議会の水資源開発分科会において総合水資源管理という考え方を打ち出して、今まさしく委員がおっしゃったような観点から、水を持続的に活用できる社会の実現と健全な水循環系の構築を目指して、水量と水質、そして地表水と地下水、再生水、あるいは流域の上中下流といったことを全て含めて一体的にとらえて水資源を総合的にマネジメントしていこうと、こういう方策になりました。
 一方、先ほど御指摘があったように、超党派で、自民党、公明党、社民党、それから新党日本含めてですが、もちろん民主党を含めて超党派で、議員連盟で統合的水管理の基本法を作ろうということでかなりのところまで進んでおりまして、今総務大臣をやっておられる川端先生がこの民主党側の取りまとめ役で、ほぼ民主党側の基本の考え方は整ったと、こういうふうに思っております。
 そこで、利水の件について今ちょっとお触れになっているわけですが、その後、これからも御指摘の質問があるかと思いますけれど、一応今のところ、平成十六年度までの実績データを基に予測して、近年の実績データを加えて、今の利水の大きな体系といいますかフルプランというものが成り立っているところでございます。
#23
○大河原雅子君 大臣から大変丁寧な答弁をいただきました。水基本法、改めて早期に作れればいいなというふうに思いますが、利水の問題に戻らせていただきます。
 お手元の資料も御覧いただきたいと思うんですが、流域で管理することがどうして大事か、どんな水余りが起こっているのかということを少し御説明させていただきます。(資料提示)
 これは利根川水系の水利権の状況でございます。四十五の利水者がございます。資料の二ですね。お配りしております二ページ目でございます。
 水利権、この縦の合計が八百六トン、そして実績は七百七トン毎秒でございますので、九十九トン毎秒余裕がございます。そして、この水利権には、暫定水利権と言って、ダムができたら安定した水利権として認めましょうというものもございますが、この暫定の水利権、この仮の水利権も安定に変えたとしても、実は六十四トンの毎秒の余裕があります。なかなか分かりにくいと思うんですが、一人が一日四百リットル使うという大変多めの水をたくさん使うというような換算の方法をしても、この六十四毎秒トンというのは一千四百万人分の飲み水に当たります。一千四百万人分、東京都の人口をはるかに超えるわけでございます。
 そして、利水者が一人一人安全度を上げている状況というものもございますが、済みません、ちょっと暫定水利権のところでは資料としてこのパネルを用意しておりましたが、ちょっと出し忘れましたね。六十四トン毎秒の余裕、これを安定的なものに取り替えても、一千四百万人分の飲み水が水域全体、水系全体では余っているというのが私の提言でございます。そして、この利根川水系全体で見れば、それぞれの方々が少しずつ安全度を上げて少し多めに予測をしているということがどれだけ大きな問題を引き起こしているのかということをお伝えをしたいと思います。
 実績の乖離ということでは、実は私、都議会議員をしておりましたが、次の資料、御覧ください。東京都の実態でございます。資料の四。
 これは、東京都の最新の水需要予測というものを見たんですが、これ二〇〇三年なんですね。最新と言えるような新しさではないんですけれども、東京都は一九九〇年代からもう水の需要は減り始めておりまして、そして昨年、二〇一〇年は実は予測は六百万トン、しかし実績は一日最大配水量でも四百九十万トン、百十万トン水が余っております。百十万トンというのは二百五十万人分の水なんですね。
 例えば、ここに多摩の地下水というふうに書いてございますけれども、実は東京都は保有水源は六百二十三万トンだというふうに国に対しては届出をしております。しかし、実際には多摩地域で毎日三十八万トンという地下水をくんで、水道水と、要するに河川水とブレンドをして配っておりまして、実はこの地下水は正規の水道水源としてもいいんじゃないかというふうに私は都議会の時代から思ってまいりました。保有水源を過小申告しているというふうにも言っても差し支えないんじゃないでしょうか。
 そして、この乖離、東京都の予測は六百万トン、でも実態は四百九十万トンという昨年のこの乖離はますます実は開いていく傾向にある。節水の機器、トイレや洗濯機やあるいは食洗機、食器洗い機、そういったものも本当に節水型になっていて、これから、その本格的な普及というのはこれからでございますから、どんどん乖離は開いていくというふうに思うわけです。
 先ほど大臣がフルプランも実績に基づいてというふうにおっしゃったんですけれども、私は、やはりもう少し最新のデータで、過剰な水需要予測というものはないようにするということが必要だろうというふうに思っております。水利権の設定の見直しというものについても、是非、所管の大臣からどのような、ここまでの説明で御所見をお持ちか、伺ってみたいと思います。
 まず、飲み水については厚生労働大臣、お願いいたします。
#24
○国務大臣(小宮山洋子君) 厚生労働省が、おっしゃったように水道法に基づいて飲み水の認可を行っておりますけれども、その際に、将来の水需要予測が人口予測等に見合った適切なものかどうか、また、その需要量を賄う水源量を確保しているか、これまでもその根拠を含めて審査をしてまいりましたので、これからもしっかりとその審査をしていきたいというふうに思っております。
 また、地下水についてもそこで組み込まれてやっているというふうに理解をしておりますが、そして、今東京都の差のお話がございましたけれども、これは最近、降雨量とか降雪量が減少して渇水の傾向があるということも考え合わせて、貴重な水資源、これについてその計画を慎重に審査していると思っていますが、今委員御指摘のように、節水型のものが出たり、いろいろな新しい状況も出てきていると思いますので、そうしたことも踏まえて、正確な審査ができるように努めてまいりたいと思います。
#25
○大河原雅子君 厚生労働省がやはり水道という、利水の面では大変責任ある立場におられます。ダムの再評価をする意味でもこのことは非常に重要でございます。是非、足下の地下水にも目を向けるということでは、それぞれの自治体、利水者が持っている固有の水源というものについてしっかりと目を向けるという、そういう姿勢に立っていただきたいと思います。
 次に、元々の水、原水は同じなんですけれども、工業用に使われる水というものはまた別でございますので、これについては経済産業大臣に御答弁をいただきます。
#26
○国務大臣(枝野幸男君) 工業用水における水利権の設定は、河川法に基づいて国土交通大臣が経済産業省との協議を経て判断をされるという規定になっているところであります。
 協議に当たりまして、経済産業省においては、ユーザー企業の現在の需要を確認し、各種統計に基づく水の使用量などによる将来需要の予測を踏まえて、その適正さを確認をしているところでございます。
 御指摘のとおり、人口減少と様々な機器の省水力というんですかね、の発達によって民生用といいますか、あるいは業務用の部分のところは需要がそれほど伸びないというか、むしろマイナスになるという傾向が一般的に言えるんだろうと思いますが、工業用については必ずしもそれとパラレルにはいかない部分があろうかと思っておりますので、エネルギーで今御心配を掛けている中で、水についてまで御心配を掛けるような状況にはしてはいけないと思っております。
 その一方で、より適正に、本当に必要な水の量がどれぐらいであるのかというのは厳しくチェックをしていかなければならないと思っておりますし、できるだけ情報公開をして、様々な観点、視点から適正であるかどうかをチェックをしていただくよう努力をしてまいりたいと思っております。
#27
○大河原雅子君 経産大臣、ありがとうございます。
 次は、やはり農業用水のことで農水大臣に伺いたいと思いますが、農業用水はやはりその量も多いわけですね。そして、昔から続いている慣行水利権というものもありまして、大変転用は難しいかというふうにも思いますが、実際にはその転用も徐々にしていただいているところだと思います。
 農水大臣、水を全体で管理をするという中で、この農業用水のフレキシブルな使い方、御提案等ございますでしょうか。この水余り現象についても少し御意見をいただきたいと思います。
#28
○国務大臣(鹿野道彦君) 農業用水におきましては、慣行水利権とそれから許可水利権というふうなものがありまして、許可水利権につきましてはいわゆる取水の実績というふうなもの、報告義務があるわけでございますけれども、慣行水利権についてはその報告義務がないと、このようなことからなかなか取水実績というものをつかむことができにくい状況にあります。
 そういう中で、いわゆる規模の小さい、そういうかんがい面積におきましても、規模の小さい慣行水利権の方はだんだん規模の大きい方向になってきておりますので、それはほとんどもう許可水利権に移行しております。そしてまた、慣行水利権におきましても、いわゆる施設等々の改築等々というふうなものを機会に、許可水利権の方にその機をとらえて移していくというようなことをやっております。
 そういう取組を通じまして、いわゆる取水実績というふうなものをできるだけ把握できるようにやってまいりたい、こういうふうにしっかりとした管理をできるようにしていきたいと、こういうふうなことを考えておるところでございます。
#29
○大河原雅子君 ありがとうございます。
 本当に水がなければ成り立たない農林水産分野でございますから、そういう意味では、本当に貴重な、その水の大切さは身にしみてみんなが知っているところでございます。しかし、やはり実態が分からないというのは、非常に水の総合管理というところからすれば問題、課題になってまいりますので、その点も是非、先ほどの御発言のように、実態が分かるような、無駄遣いしないような、そういう管理に変えていただきたい。その中では、その流域の一員としてやはりこの農業用水の問題もとらえるという新たな視野に立っていただきたいというふうに思います。
 先ほど東京都の水余りの現状をお見せしましたが、この利根川流域全体、一都五県というふうになりますとこのようになります。第五次利根川・荒川フルプラン、これ二〇〇八年に実は改定をされておりますが、先ほどから申し上げておりますように、将来の動向は水の使用量はどんどん減っていく。二〇〇八年に改定したばかりなんですが、乖離は非常に大きいわけでございます。そういう意味で、国土交通省の方にはフルプランの精査というものは必ず必要だろうというふうに申し上げておきたいと思います。
 先ほど、東京の水余りの中から百十万トンという乖離でございました。東京都が八ツ場ダムに求めている量というのは五十万トンですね。ですから、八ツ場ダムに求めている量の二倍実は余っているということなわけです。民主党がマニフェストに掲げて、八ツ場ダムの中止、こうした公共事業の見直しというものを掲げているのも、本当に必要な量を安定的に取っていく、そのために本当にダムが必要ならば造ればいいと思います。でも、そのことができないならば、こういう水余りの中だったらば八ツ場ダムは要らなくなる、八ツ場ダムに参加する利水という目的、理由はなくなってしまうんじゃないかというふうにも思うわけです。
 過剰な、過大な水需要予測を見直すということ、行政刷新大臣、どのようにお考えでしょうか。
#30
○国務大臣(蓮舫君) 先ほど来の大河原委員の質問を伺わせていただきながら、非常に興味深く拝聴させていただきました。
 これまで行政刷新会議の下では、事業仕分あるいは各省自ら行っていただく行政事業レビューを通じて、個々の事務事業、その優先順位であるとか費用対効果であるとか、より効率的、効果的な代替手法というものについて議論をして、各省庁には自らその評価結果を御検討いただき、実施をしていただきましたが、今の御提案を聞いておりますと、新たな大きな政策課題、例えば貴重な水資源を、各省庁にまたがっているものをどうやって効率的に効果的に寄せて、そして大切に使っていけるのかという、まさに行政組織そのものの在り方だと思っておりますので、是非関係大臣とも連携を取りながら対応させていただければと思っております。
#31
○大河原雅子君 国土交通大臣に伺いたいと思います。
 前田大臣は、元々河川についてはプロ中のプロということでございます。御出身がこういう河川行政の大本でございます。この暫定水利権というものについて御説明をいただけないでしょうか。安定化させることや、あるいはこの暫定水利権はダムができれば安定にしますよと。でも、これまで中止されてきたダムでこの暫定水利権の扱いはどのようだったでしょうか。取り上げられてしまったのか、継続になった例が多いのか、いかがでしょう。
#32
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
 まず、暫定水利権なんですが、水需要が増大して緊急に取水することが社会的に強く要請されている場合に、ダム等の水源開発施設というのがまだきちっとできていない、完成までの一時的措置として暫定水利権ということで与えているわけでございます。このような暫定水利権は、水源が安定的に確保されていないために通常、許可期間の到来とともに失効する、したがって、その都度、施設がまだできていないときには再度協議するというような形になっております。
 先生の問いかけは、暫定水利権のままでずっと来ておるじゃないかと、もう必要ないんじゃないかというような感じのところかなと思うんですが、そうではないんですね。
 先ほど来、各取水のお話がございましたが、例えば工業用水というものについては、工業地帯ができてフルに操業して、そして、想定していた計画の取水というのが、しかもそれは多分最大の水を使った場合の想定ですから、そういうその水利権が、設定された水利権がフルに使われるというような事態にはまだならない、顕在化していないという意味で、それほど計画よりも使っていないじゃないかという形になるんですね。もちろん、想定した、何といいますかね、経済に至っていないという面もあるでしょう。
 それから、農業用水に至っては、これは慣行水利権というものになるわけなんですけれど、雨が降ればその雨を自然に使っているわけですから、農業用水に設定されている慣行水利権であれ、この水利権量というのはかなり大きく見積もっているんですね。しかし、それを数字で出てきたものを適用して下げたりすると、これは農業者は安定して田んぼをやっていくことができないということにもなりかねません。
 それから、水道の方でいいますと、私、ついこの間、東京都の水道の歴史館というのがありますね。あれを見せていただきました。本当に先人たちは大変な努力をしているんですね。東京都自体は、ああやって玉川用水というのを江戸時代に引いて、実はもう水道から下水道まで完備した、それこそ水循環をちゃんとやっていたわけですね。しかし、そこに至るのに随分と努力をされてきた。そして、戦後の日本の成長を引っ張った東京圏も、多摩川水系だけでは間に合わずに、一時期神奈川県から大分借りた。それが今、利根川水系に移ってきた。そしてまた暫定水利権。実は、この暫定水利権の下で既に地下水をどんどんくんで、最大十メーター近く地盤沈下したというのは埼玉県ですよね。
 そんなこともあるものですから、ちょっと今落ちちゃっているような数値だけでぎちぎちのことをやってしまうとこの地域が大変なことになると、このように思っております。
#33
○大河原雅子君 前田大臣から本当に御丁寧な御説明をいただきました。私も、暫定水利権がそんなに簡単だとは余り思っておりません。もちろんです。
 しかし、やはり中止になったダム、これまでの例を見ても、その暫定水利のまま継続をするという例もございます。そして、実績としてというんでしょうか、この八ツ場ダムについて言えば、これまで大変長い年月が暫定のままで来ておりますけれども、取水に対して支障が起きたこと、取水の制限は受けましたが、給水の制限までに至っているということはないわけでございます。
 それで、東京都はやはり人口も多いです。遠くの川から、遠くから水を運んできているということは確かでございます。独自の小河内ダムも持っております。多摩川の水源地でございますけれども、非常に大きな水利を持っている。そこで、どのような効率的な水の使い方ができるのか。そのことについては、やはり八ツ場ダムというのは、この河川行政の史上最大の建設費をつぎ込む計画でございますから、これは四千六百億という建設費にとどまらない。しかも、この一都五県、ここに利益を得る私たち都民、県民にかかわらない、国税がそのほぼ同じ額掛かってくるわけですから、北は北海道から沖縄までの国民全員がこの八ツ場ダムについて意見を言うその責任と資格があるというふうに思っています。
 この八ツ場ダム、今検証中でございます。先日、関東地方整備局がプロセスの一環で一都五県の知事さんたちに説明会をしたので、あたかももう最終結論が出たかのような報道になりました。大変びっくりしている方々も多いわけなんですけれども。富士川から導水路を付けて、今ある八ツ場ダムの事業費の、残りの事業費の五倍も六倍も掛かるような代替案、そういうものと比べる以前に、私はやはり、この暫定水利権の問題は単純ではないけれども検討する価値がある、その暫定水利権の解消に向けての検討をさせる権限は国土交通大臣がお持ちなわけでございます。是非検討をしていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#34
○委員長(石井一君) 全体のスケジュールがやや五分遅れになっております。閣僚の皆さん、簡潔に、しかし重要なところはしっかりと御答弁願いたいと思います。
#35
○国務大臣(前田武志君) 簡潔にお答えいたします。
 実は、利根川筋におきましても、平成二年、六年、八年、九年、十三年、取水制限をしているんですね。平成八年の渇水は夏と冬と二季にわたっているんですね。その都度、利水者同士の調整、そして地域同士の調整というのは大変な努力が必要で、またそれぞれ譲り合ってということをやっております。
 そして、暫定水利権自体は期限が切れたときに再検討をしておりまして、これからその再検討の時期というのが来る水利権というもの、暫定水利権も多々あります。委員の御指摘のようなことも踏まえて対応してまいります。
#36
○大河原雅子君 ありがとうございます。
 検証はまだ終わっておりませんので、今検証に向けてはいろいろな方々が意見を持っております。批判的な意見も多いです。ですから、そうした中で、可能な案は是非積極的に一つ一つ丁寧に検討していただいた上で御判断をいただきたい、それが思いでございます。
 このダムの検証については、民主党が公共事業の見直しということで中止を掲げた八ツ場ダムのことでいえば、馬淵大臣は、河川の憲法ともいうべき基本高水について、利根川の基本高水についてゼロベースで再計算を命じられました。このことの重みというのは大変大きいわけですけれども、基本高水、想定される計算上のモデルなわけですけれども、大変大きな洪水量を設定すればそれに合わせて河川整備計画は大きくなるわけでございます。
 この基本高水の再計算について、国土交通大臣、どのような思いをお持ちでしょうか。森林が大きくなって実態が合わないということもさんざんこの高水については批判を受けてきたわけでございます。是非、ゼロベースで見直した高水、憲法ですから本来はそうそう簡単に変わらないものとは思いますが、その批判を受けての再計算を命じられた、そしてその結果が今出てきているわけでございます。是非御答弁をお願いいたします。
#37
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
 かなり専門的なことにわたるかと思いますが、馬淵大臣のときにこの基本高水の再検討ということでやられました。そして、これは何か新しいモデルで再検討して、しかもそれを日本学術会議で検証をしてもらったようですね。そして、結果としては、これで今までの古いやり方とそごはないという結論を得ているようでございます。
 そして、今の八ツ場ダムというのは、そういった全体の確率洪水といいますかね、これは一種の計画論ですから、実態がどうかというのは起こってみないと分かりません。そういう中で、一万七千トンという八斗島基準地点における洪水を想定して施設計画を作成していると、このように承知をしております。
#38
○大河原雅子君 御答弁をいただく大臣が偏ってしまって大変申し訳ないんですが、私にとっては、そして国民にとっては大変大事な問題だと認識をしておりますので、御容赦をいただきたいと思います。
 高水はなぜ大事かといいますと、これまでもこの利根川の基本高水、八斗島というところで二万二千トンというものでした。だから、今度新しく出てきたものは余り大差がないわけです。この意味するところは、たとえ八ツ場ダムができても、実は二万二千トンの高水があるということは、八斗島より上流で八ツ場ダムが貯水できるその治水の効果、余り大きくありません。六百ぐらいでございますので、八ツ場ダム級のダムはあと十も十五も要るということなんです。
 ですから、この基本高水の計算については、新しいモデルで学術会議が計算されたこと、そしてまた森林の効果について、私も全てこの森林で解決するとは思いませんが、指摘をされているこのやり方について批判的な方々の意見もしっかり取り入れた検証をしていただきたいというふうに改めてお願いをさせていただきます。
 先日の前田大臣のインタビューを見せていただきました。まだ検証は九合目にも達していないという御発言でございました。そして、そこには新たな視点が要るんじゃないか、そういう思いでインタビューに答えていられたと思いますが、その点は、大臣、どのような視点というふうに思っていらっしゃるんでしょうか。
#39
○国務大臣(前田武志君) その前に、八ツ場ダムの話をちょっとされましたが、実は利根川流域、八ツ場ダムというのは西の方の流域です。その一番、みなかみの方に至る、あそこにはかなりの既にダムができております、東の流域にも。全体で相まって洪水調節をしていこうというわけで、八ツ場ダムというのは今欠けている西の方の流域に機能を発揮するというようなことになっております。
 さて、今おっしゃったことは、たしか前原大臣のときに、八十三施設ですか、八十三施設、八十四ダムについて検証をやりましょうということになって、各地方ごとに、地域ごとに検討の場をつくりました。八ツ場ダムの検討の場というのもあります。そこで、この間、一都五県の知事さんもお出ましになって検討会議を開かれたと、こう承知をしておりまして、その結果も報告を得ております。そういったことを踏まえて、有識者会議というところでそれをいろいろ評価して、そして最終的に国土交通大臣に意見具申をいただいて判断をするということになっております。
 そのスキームでやっておりますが、ただ、三・一一というようなあれだけの大きな、災害というよりも天変地異があったわけですから、その反省といいますか、それを受け止めて、やはり有識者会議にもそのことをちゃんと評価していただいて、その上で判断しますよということを申し上げたわけでございます。
#40
○大河原雅子君 大臣の地元であります奈良県も今回の台風で大変な被害を受けられました。奈良県には大滝ダムという大きなダムが造られております。もう既にダムが完成して十年ですけれども、水がたまらないように地割れが起きたり、そしてそこから集落が移転をしなければならなかったり、元々地盤の点では疑問があるという方たちもたくさんおられた中で、私も質問主意書をいろいろ出させていただきましたけれども、ダムはできたけれどもまだ使われていない、使われるまでに地すべりの対策を打たなきゃならないようなダムが幾つあるのか、こういうことも伺いましたけど、結構ございます。
 元々、日本は地震国、そして今回の大滝ダムのことでいえば、深層崩壊というようなことまで国民が知ることとなりました。そういったものを確認をしていく技術というものも進んできたので、古いダム計画ほどその地質や地すべりの影響、そういったものをしっかりと確認をする、そういう段階に来ていると思うんです。地震の震度も、今回の東日本大震災の震度はこれまで以上の大きな最大のものでございますから、これに対応した、対応できる、そういうものでなければなりませんのに、そこは新しい基準ということにはなっておりません。
 資料にこの深層崩壊推定頻度マップというのをお付けしました。深層崩壊の推定頻度を各県別に高い、特に高い、低い、またその横に、元々土砂災害の危険箇所というのは非常に多いんです。全国で土石流の危険渓流とか急傾斜地、全部合わせますと、ここにあるだけでも五十一万か所以上ですね。小さな島国でいつの間にか五十四基も原発ができたということと同じように、いつの間にかこんなに危険箇所がある、こういうことをしっかりととらえた新たな視点で私はこのダムの検証もしなければならないところに来ていると思います。
 先ほど有識者会議にこうした新しい視点を注入するとおっしゃいました。有識者会議に是非、懐疑的な見解を持っていらした学者さんも集めていただきたいし、オープンな場で、密室ではなく国民の目の前で議論をしていただきたい。もう一度御答弁をお願いいたします。
#41
○国務大臣(前田武志君) 委員の資料を今見ておりますと、私の地元、奈良県三四%とかなり高いです。このほとんどは先般来有名になった吉野郡十津川村というところで、私の本籍地でございます。しかも、本籍地はダムの湖底に没しております。そういったことも私の頭の中にはありまして、今委員の御指摘のようなことを踏まえて有識者委員会でいろいろと御検討をいただきたいと、こう思っております。
#42
○大河原雅子君 大臣、ありがとうございます。
 本当に地元のことから歴史的なその地域に固有の、何というんでしょうか、みんなが知っているその地域の歴史、その地域の地勢というものがあります。そうした経験知、暗黙知といったものをやはり語り継ぎ、それを実際の河川行政、実際の防災行政に生かすということが本当に必要な時代になったというふうに思います。
 最後の質問になってしまいますが、昨年の事業仕分でスーパー堤防、これは四百年掛かっても十二兆円掛けてもなかなか完成ができないものでございます。事業仕分でスーパー堤防は廃止というふうに判定されましたけれども、実は国土交通省で検討見直し委員会がありまして、取りまとめがありました。縮小・継続ということになっているかと思いますが、どうでしょうか。ずっとつながらないと効果が出ないと思いますが、蓮舫大臣、このことについてどのような御感想をお持ちでしょうか。
#43
○国務大臣(蓮舫君) 御指摘のいわゆるスーパー堤防、高規格堤防です。これ、まさに今、大河原委員がおっしゃったように、事業仕分を行ったときの実施率が五・八%、実際に全部完成するまでには四百年掛かる、予算は大体十二兆円。本当にこれが現実的な対応なのかという議論はさせていただきました。
 その中で、私も実際に現地に視察に行ったんですが、既に整備をされた箇所、そこはスロープができて町づくりも新しくなっておりますが、その箇所と整備をされていない箇所というのは本当に壁一枚で見える境目というところなんですけれども、低いところと高いところがあって、何かあった場合にここの境目というのは命の境目になるというのは、非常に私もリスクの高さというのは見させていただいて仕分をさせていただきました。
 この評価結果を受けて、国土交通省の中で検討会を設けて議論をいただいておりまして、二十三年度予算においては、現在実施中の箇所で中止した場合に社会経済活動に重大な支障を及ぼすものを除き予算を充当しないとされました。
 平成二十四年度以降におけるこの高規格堤防の在り方については、引き続き国交省の中で検討をされていて、評価結果をしっかりと反映していただけるものと承知しています。
#44
○大河原雅子君 ありがとうございます。
 コンクリートから人へと、本当に大事なところ、命を守るという視点でこの公共事業は精査をしなければならないというふうに強く思っております。
 そして、最後に、済みません、総理に、命を守る、チルドレンファーストということも総理の最初のお言葉でございました。子供たちのために子ども・子育て新システムの予算確保、これは恐らく一兆円是非欲しいわけでございます。未来の子供たち、守っていくための決意を是非お聞かせください。
#45
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 本年七月の子ども・子育て新システムに関する中間とりまとめにおきまして、潜在ニーズを含む保育等の量的拡充と職員配置の充実など、質の改善を行うための追加所要額が二〇一五年度で、委員御指摘のとおり、一兆円超と見込まれております。また、本年六月に政府・与党社会保障改革検討本部が決定をいたしました社会保障・税の一体改革の成案において、税制抜本改革によって財源を措置することを前提に、二〇一五年における子ども・子育て分野の追加所要額は〇・七兆円程度、税制抜本改革以外の財源を含めて一兆円超程度の措置を今後検討することとされております。
 政府としては、税制抜本改革とともに、早急に子ども・子育て新システムに係る法案を提出して、恒久財源を得て早期に本格実施できるよう、関係者と丁寧に協議を行って取りまとめを行っていきたいというふうに思います。
#46
○大河原雅子君 ありがとうございました。
 準備をした質問全てをすることができませんでした。御準備いただいた皆様には大変感謝申し上げます。ありがとうございました。
#47
○委員長(石井一君) 関連質疑を許します。風間直樹君。
#48
○風間直樹君 今日、私は、まず最初に原発事故関連の質問を集中しておよそ一時間ほどさせていただきます。その後に冤罪事件を取り上げまして、最後が国会の行政監視機能についてお尋ねをしたいというふうに思っております。
 まず、原発事故関連であります。
 最初に放射能汚染、とりわけ食品の放射能汚染、この問題から子供の健康をいかに守るかという質問をいたします。
 日本の法律、特に労働法は、国際基準に倣いまして、一般人の放射線被曝を年間一ミリシーベルト以下にすることを求めています。この数値は現行法の基本体系であります。政府は当然それを守る義務があり、そうでなければ憲法の規定に違反をします。年間一ミリシーベルトをはるかに超える現在の暫定規制値、これはおおむね年間五ミリシーベルトを基準としていると言われていますが、これは明らかに違憲状態だということになります。
 私は、昨今言われている風評被害、この本当の原因を考えるにつけ、法律が誠実に執行されず、食品暫定規制値がいつまでも暫定のまま維持され、その下での食物摂取が健康に影響を与えるおそれを国民が感じながら、政府が年間一ミリシーベルトと規定した法律に照らせばそのおそれを明確に否定することができず、また暫定規制値以下の食品が安全だとも断言できない、このことにあると考えるに至りました。
 厚労大臣の御所見を伺います。
#49
○国務大臣(小宮山洋子君) 食品の安全につきましては、私どもも、本当にあの原発事故以降、いろいろと細心の注意を払いながら検討をしてきているところでございます。
   〔委員長退席、理事川上義博君着席〕
 食品中の放射性物質に関する暫定規制値、これにつきましては、今回のあの原発事故を受けまして、原子力安全委員会が定めていた指標を食品衛生法上の暫定規制値といたしました。原子力委員会の飲食物摂取制限に関する指標というのは、これは緊急時の指標でありまして、年間五ミリシーベルトとしているところです。
 この原子力安全委員会の指標は、国際放射線防護委員会、ICRPの勧告を基に原子力安全委員会が一年間に許容できる線量、そして日本の食品の摂取量などを考慮して定めたものですが、この暫定規制値の水準であれば、放射線医学の専門家からは健康への影響はないと一般的に評価をされているものです。
 ただ、今後、これはあくまでも緊急時でございますので、できるだけ早期に暫定規制値に代わる新たな規制値を設定することにしています。その際には、様々な専門家の御意見も十分伺いながら決めていきたいというふうに思っています。
#50
○風間直樹君 現行法体系は、そもそも低線量でこれだけ広域の地域が、あるいは食品が汚染されることを当然想定していません。ですから、ここは全く法律のカバーしていない欠落した部分になっているわけであります。
 この原発事故が起きて放射能が大量に外に出た。我々人間がこれを被曝するときに三つのルートがあると言われています。一つはこの大気から体が被曝するいわゆる被曝、二つ目は呼吸によって空気中から取り入れるこの形、三つ目は食物摂取であります。今申し上げた三点のうち、一番目と二番目については、これは労働法体系で年間一ミリシーベルト以下ということで規定がされていますが、三番目が法律の体系にないんですね。ここが問題なんです。これが全国の小さなお子さんを持つお母さん方から、あるいは多くの国民から不安だというふうに指摘が出ている、まさに根源的な理由であります。
 ですから、私は、この際、食品安全基準を国会で、あるいは政府提出法案で明確に法律で定めることが必要だと思いますが、厚労大臣、いかがでしょうか。
#51
○国務大臣(小宮山洋子君) 委員がおっしゃるように、食品についてしっかりした基準がないということ、このことがこの原発の事故が起こった後、特にお子さんをお持ちの方の不安ということもありますし、私どもも非常に頭を痛めてきたところでございます。
 ただ、お子さんにつきましては、国際的にもこういう基準というのが今まで作られていないんですね。おっしゃるように、こういう事態が今まで世界的にもなかったということだと思います。ただ、暫定規制値の基になった原子力安全委員会の指標では、飲料水とか牛乳、乳製品などの食品のカテゴリーごとに成人、幼児、乳児、それぞれについて放射能の感受性、この感受性は子供が高い、だから子供に配慮しなければいけない、ただ食品の摂取量は子供は少ない、そうしたことを勘案して設定をされたものだと思っています。
 ただ、今回、食品安全委員会でしっかりと新しい規制値を作る際には子供についてどういうふうにしたらいいか、そのこともしっかり検討を今しているところでございます。委員がおっしゃったように、こうしたことを規定をするものが日本になかったということがこれだけ不安を起こしているということは私も思っておりますので、それはどのようにしたらいいかということは、更に皆さんのお知恵もいただきながら検討できればと思います。
#52
○風間直樹君 言うまでもありませんが、子供を守ろうとしない社会には未来がありません。私は、一般人についてこの年間一ミリシーベルト以下という基準を守ることは現在困難かもしれないとは思いますが、しかし、せめて子供についてはこの基準以下を厳守するべきであると思っています。大臣おっしゃるように、政府で法案を用意していただく、あるいは我々が国会で超党派で、せめて子供については年間一ミリシーベルト以下を食品摂取あるいは外部被曝含めて保護できるように法体系を整えていく、この必要性を強く指摘をしたいと思います。
 さて、先日、内閣府の食品安全委員会がこの食品摂取による放射能被曝についての中間答申案をまとめております。今日は、食品安全委員長の小泉さんにお越しをいただいております。私もホームページで内容を拝見しました。意を尽くして努力をしていただいていると思います。しかし、一方で、先日の答申案ではいまだ不十分なところもあるのは事実であります。この案は、今後のリスク管理、食品規制値の設定等は、評価結果案が生涯における追加の累積線量で示されていることを考慮し、食品からの放射性物質の検出状況等を踏まえて行うべきと、このように示しています。
 今後、パブリックコメントを得て成案が示されると聞いていますが、成案では一層明確な基準を定めるべきと考えます。委員長の御所見を伺います。
#53
○政府参考人(小泉直子君) お答え申し上げます。
 食品安全委員会は、規制やあるいは指導等のリスク管理を行う関係行政機関から独立して、科学的知見に基づく客観的かつ中立公正な食品健康影響評価を実施するリスク評価機関でございまして、個々の規制基準等を定めるものではございません。
 現在、食品安全委員会が七月二十六日に取りまとめました食品健康影響評価案についてパブリックコメントを実施いたしましたところ、三千件を超える意見等が寄せられ、今その精査を行っているところでございます。今後、食品安全委員会におきまして、この精査を終了後、速やかに評価結果を取りまとめまして、厚生労働省に対して答申を行います。同省におきまして、当該評価結果を踏まえまして暫定規制値の見直しが検討されるものと承知しております。
 さらに、食品安全委員会におきましては、引き続き、国民の皆様の不安を解消すべく、評価結果を分かりやすく説明するリスクコミュニケーションを実施する予定でございます。
#54
○風間直樹君 委員長、子供については特に一ミリシーベルト以下を厳守すべきだという、これを是非盛り込んでいただきたいんですが、どうでしょうか。
#55
○政府参考人(小泉直子君) 食品安全委員会は、食品安全基本法の国民の健康の保護が最も大事である、重要であるという基本的認識の下、規制や管理等のリスク管理を行う行政機関から独立して、科学に基づくリスク評価結果をやっておりますので、その点についてもしっかりと検討していきたいと思います。
#56
○風間直樹君 非常に前向きな答弁、評価いたします。是非、一ミリシーベルト以下、盛り込むように検討をお願いいたします。
 さて、今の答弁あるいは答申案を参照しますと、政府として二点の行動が今後必要になってくると思います。まず一つは全ての食品について放射能検査を行うこと、そしてもう一点は食品にベクレル表示等を義務付ける、この二点でありますが、関係大臣の御所見を伺います。
#57
○国務大臣(小宮山洋子君) 食品の検査の方についてお答えをいたします。
 原発事故発生以来、食品につきましては、九月二十八日現在およそ二万五千件の放射性物質の検査を実施してきています。今後とも、この検査体制は、検査機器の充実なども含めて充実を図っていきたいと思います。これまでの検査の結果も参照しながら、食品中の放射性物質の暫定規制値、これを見直したいと思っています。新たな規制値を設定した後も、引き続き、食品からの放射性物質の検出状況などを把握しながら、規制値を継続的に検証して食品の安全性を厚生労働省として図っていきたいというふうに考えております。
#58
○国務大臣(山岡賢次君) お答え申し上げます。
 先生のお気持ち、お考えは非常によく理解できますし、みんな共通の認識だと思います。実際に、食品安全委員会も担当しておりますけれども、今お話しのとおり、安全委員会は科学的知見に基づいて分析をして答申をするところでございますので、行政的な処置はする役目ではありませんが、そして厚生省の方でその結果をお出しいただいて、その後、私どもの省庁、消費者庁と、こういうことになるわけですが、事業者に対する放射能物質の分析が義務付けられていないと、今はそういう現状でございますから、役所的で恐縮ですが、仮定のことには今答えるわけには、それは困難だと、こういう状況でございます。
 ただ、現状において事業者自身が放射能物質の分析をして表示することは、正確な数字であればこれは容認をしていきたいと、こう思っております。
#59
○風間直樹君 お二人の答弁で明確になりましたが、厚生省においてまず全ての検査をするかどうか、これがまず最初なんです。
 厚労大臣、もう少し具体的にここは御答弁いただきたい。
#60
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、多くの食品を検査したいという、そういう思いはございますが、本当に多数の食品がありますので全てを検査するということは現状ではなかなか難しい。その中で、しっかりと検査機器の問題あるいは人手の問題も含めまして、どこまでできるかを検討しながらなるべく多くのものを検査をしたいというふうに思っております。
#61
○国務大臣(細野豪志君) 私、放射性物質の汚染対策室を官邸につくっておりまして、その担当大臣でございますので、その観点からお答えをさせていただきます。
 風間委員の問題意識は私も同様のものを持ってまいりまして、いろんなことを確認を、調べました。ただ、残念ながら、全ての食料品について検査をするのは難しいということでございます。なぜなら、サーベイメーターのように、例えば市場なんかで箱が来るたびに上でさっと測れればそれで調べられるんですけれども、食品の場合には、表面上の放射線量ではなくて中の物質を調べなければなりませんので、これを粉砕して機械に掛けて調べるという、そういうことになるわけですね。したがいまして、大変これはやれれば望ましいことなんですが、全部を調査するのは難しいという、こういう現状でございます。
 そこで、今政府としてやっておりますのは、いろんな調査を厚生労働省もやっているし、また自治体も、いろんな団体の皆さんもやられていたりするわけですが、特に国が調べているものの中で抜けがないかどうか。つまり、あるところで一定以上の基準のものが出ているわけですけれども、違う食料品にそういうものが出ていないか、若しくは、その隣の例えば市町村とか県で本来は調べなければならないのに抜けていて、基準値以上のものが出ていないか、そういう抜けがないかというのを、地図やいろんなそれこそ放射線量を測った記録を見ながら参照をして抜けをなくしています。
 もうそういった意味では随分抜けはなくなりまして、そういうやり方をすることで基準値を超えている物質、食料品が市場に出回っていないという状況をつくるのが政府としての役割だと思って、そういうことで今全力で取り組んできて、かなり結果は出てきているというふうに考えております。
#62
○風間直樹君 恐らく今の政府の現方針では、なかなか国民、特に子供を持つ母親の理解を得ることは難しいんじゃないかと私は感じています。
 なぜ、じゃ、こういう形になっているか。あるいは、私が見る限り、政府の各省において必ずしも統一した原則、方針の下で今回の事故対応がなされている印象を受けないわけであります。いろいろ考えますと、やはり日本国政府として何を最優先に守るのか、今回の原発事故の後。それは国民の健康なのか、生活上の安全なのか、あるいは日本国経済の効率性なのか、生産者なのか、それとも国の財政なのか。実はこの点について政府の原則が示されていないわけであります。だから各省の政策が統一性を欠くんじゃないでしょうか。
 私は、この際、最優先に国民の安全と健康を守ることを政府の大原則として掲げるべきだと思いますが、総理の御所見を伺います。
#63
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 原発に関連する問題でいろんな観点からしっかりと政策を講じなければいけませんけれども、風間さんが御指摘のとおり、やっぱり国民の健康と安全を守っていく、特に食べ物の安全についてはしっかりとその安全性を確保していくということを最優先というか原則にしていくということが大事だと思います。
   〔理事川上義博君退席、委員長着席〕
 押しなべて国民の健康と安全を守るということでありますが、とりわけ子供たち、やっぱり子供たちというのは未来から送られてきた留学生ですから、確かな未来に送り届けるためにも、特にチルドレンファーストの観点から子供の安全と健康は特に留意をするという考え方の下で様々な政策を講じていかなければいけないと思います。
 今、規制値の問題を含めて、いろいろ専門家の御意見もあるし、いろいろ各省庁間の問題がありますが、今申し上げたような観点の下でみんなで知恵を結集すべきではないかというふうに思います。
#64
○風間直樹君 総理、この暫定基準値を早急に見直して、外部も内部も含めて、年間一ミリシーベルト以下、この基準を特に食品に関して定めていただく、この努力を約束していただけますでしょうか。
#65
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 食品の安全性を更に確保するために、今の暫定規制値に代わる新たな規制値をしっかりと設定をするということが大事だということは御指摘のとおりで、それを踏まえて対応していきたいというふうに思います。
#66
○風間直樹君 これはいつまでも待っていられないんですよね。やはりめどが必要でありますが、この点、厚労大臣、総理、どんなふうにお考えでしょうか。
#67
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、御承知のように、食品安全委員会の評価書案、このパブリックコメントが終了いたしまして、先ほど御報告にあったように三千という大変大きいものが寄せられました。
 そして、並行して、放射性物質汚染対策顧問会議という細野大臣の下の会議で今検討しております。そこで、食品安全委員会の食品健康影響評価書、これが確定をいたしますと、私ども厚労省に参りまして、その評価書を踏まえて規制値の案を作成をいたします。そして、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会で諮問、答申、そして放射線審議会、文部科学省の方の諮問、答申、その経過を経た上で、食品中の放射性物質の規制値の設定、それはそういう手順を踏んでこれを、規制値を決定することにしておりますので、それをなるべく早急にここが回るようにしていきたいというふうに思っております。
#68
○風間直樹君 一ミリシーベルト以下は、言うまでもありませんが国際的な基準であります。それにのっとって日本国政府が国内法を整備する、特に食品関係の国内法を整備する、これは急務でありますので、このことを指摘しておきたいと思います。
 さて、放射能汚染瓦れきの焼却についてお尋ねをします。
 六月に、放射能瓦れきについて環境省が焼却を許可したという報道がされています。これについて、瓦れきに付着した放射能が焼却によって再び空気中に飛散するんじゃないかと、こういう指摘がされているわけでありますが、この懸念はどう考えたらよろしいでしょうか。
#69
○国務大臣(細野豪志君) 放射性の廃棄物の処理というのは、福島県だけではなくて東日本でかなり広範な課題になっておりますので、重要な御質問をいただいたというふうに思っております。
 環境省では、災害廃棄物安全評価検討会というのを随時開催をしてまいりまして、そこで、そうした廃棄物を焼却をした場合の安全性について検討してまいりました。専門家を集めてのこの検討会の中で、バグフィルターなどのしっかりとしたそういう廃棄物が除去できる装置を付ければ安全に焼却できるという評価をいたしました。そのことを各自治体にお伝えをし、お伝えするだけではなくて、実際にそれが付けられているかというのも確認をした上で安全に処理できるところで是非始めていただきたいと、そういう要請をしているところであります。
#70
○風間直樹君 このバグフィルターですが、例えばセシウムに関してはどれぐらいの除去ができるんでしょうか。
#71
○国務大臣(細野豪志君) この除去率でございますけれども、排ガス中のセシウムにつきましては九九・九%以上除去されるという調査結果が出ております。
 今、私の手元にバグフィルターによって実際に測定をされたそれぞれの焼却施設のデータがあるんですが、ほとんどが、ほとんどというかバグフィルターに関しては全て検出限界以下でございまして、不検出という形になっておりますので、確実に除去できるものというふうに承知しております。
#72
○風間直樹君 適切な処理をお願いしたいと思います。
 続きまして、今日のここが一番重要な質疑ですが、原子力安全委員会のこの間の機動性についてお尋ねをいたします。
 原子力安全委員会は、原子力基本法第五条二項で、原子力の研究、開発及び利用に関する事項のうち、安全の確保に関する事項について企画し、審議し、決定すると規定されています。非常に重要な委員会であります。
 しかし、この間、動きがほとんど見えない、存在感が感じられないと感じるのは私だけではないと思いますが、班目委員長、この法の規定を委員長はどのように理解をし、今日まで行動されてきたんでしょうか。
#73
○政府参考人(班目春樹君) 原子力安全委員会の任務は、おっしゃるとおり、原子力利用にかかわる政策のうち、安全の確保のための規制に関すること等につきまして企画、審議、決定することとなってございます。具体的には、指針類等によって基本的な考え方を示すとともに、規制行政庁を監視、監査するという役割も担ってございます。それから、このような事故が発生した場合には、原子力災害対策本部に対して助言を行うということになってございます。
 今回の事故発災直後から、私は官邸の方に詰めまして原子力災害対策本部に直接様々な技術的な助言というのを行ってきております。それから、原子力安全委員会としては、原子力災害対策本部の方からの助言要請に対しまして、やはり様々な技術的助言、例えばスクリーニングの在り方ですとか除染の在り方ですとか、その他基本的な考え方というのを返してきているところでございます。
 御指摘のとおり、安全委員会の顔が見えないとかという御批判は承知してございますが、原子力安全委員会としては、記者会見等を積極的に開くとともに、例えば助言については経緯等も含めてしっかりと発表するようにしております。我々としてはできる限りのことをしているつもりではございますが、その評価については事故調査・検証委員会等の結果を待ちたいと思っておるところでございます。
#74
○風間直樹君 私はどうもそういうふうに見えないんですね。
 例えば、我々が公開情報として知ることができる議事録があります、安全委員会の。これを見ても十分な審議が尽くされているようには感じられないんですが、委員長は尽くしているとお思いですか。
#75
○政府参考人(班目春樹君) 議事録として発表しているものというのは、もうこれはきちんとしたものでございますが、我々、原子力安全委員五人というのはもうしょっちゅうのように顔を合わせて会議をしてございますので、十分な審議は尽くしているというふうに考えてございます。
#76
○風間直樹君 元安全委員長の代理の住田さんという方がいらっしゃいまして、今年四月十八日の朝日新聞夕刊にインタビューを出しています。個人的な印象かもしれないが、原子力安全委員会は右往左往しているように見えると、筋から言えば、政府は多くの技術者がいる原子力安全委員会を参謀本部として使うべきだ、非常時だからこそ、安全性にかかわってきた原子力安全委員会が前に出ないといけないと。元委員長代理から御覧になってもこういう印象だということなんですね。
 班目さん、これどのように受け止めますか。
#77
○政府参考人(班目春樹君) 現在の法律体系によりますと、原子力事業者を直接規制するのは原子力安全・保安院でございます。我々の役割は、原子力安全・保安院を監視、監査するということになってございます。直接的に事業者を指導するということは非常に難しいことになってございますが、その辺りも含めて今後検討していただければ幸いだと思っております。
#78
○風間直樹君 議事録を見ますと、この保安院に対する監視、監査でさえも私は不十分だと思いますよ。報告を受けている、確かに。しかし、それに対して二、三名の委員がコメントを述べて終わりというのがほとんどの委員会じゃないですか。
 委員長、いかがですか。
#79
○政府参考人(班目春樹君) 実際に公開しておると思いますけれども、必ずしも、本会議の場での質疑以外にも、あらかじめ内々聴取して的確なコメントは原子力安全・保安院の方に伝えているという状況でございます。
#80
○風間直樹君 これは私は公開が必要だと思うんです。なぜかというと、原子力基本法に規定されているとおり、原子力の安全は民主的透明性の下に確保する必要があるんです。だから公開が必要なんです。
 班目さん、いかがですか。
#81
○政府参考人(班目春樹君) 本会議の議事録につきましては、速記者を入れてもう逐語で完全な公開をしてございます。それに対しまして、内部での打合せとなりますと完全な逐語での速記録というものまではちょっと取れておりませんので、その基本的な内容についてはこれはもう既に現在でもホームページ等で公開しているという状況でございます。
#82
○風間直樹君 それでは、言い方を変えてお尋ねしますが、この原子力安全委員会の機能のうち安全確保に関する事項について「企画し、審議し、及び決定する。」、この「決定する。」が実は肝心であります。この決定権というのは、普通は大臣しか持っていないんですね。一般の審議会には決定権は与えられていませんが、原子力安全委員会にはこれが与えられている。なぜかといえば、原子力の安全が国民の健康上非常に大事だからであります。
 この原発事故が起きてから今日までの間、班目委員長及び合計五人の委員の皆さんが決定した案件は幾つか、勧告した案件は幾つですか。
#83
○政府参考人(班目春樹君) 安全委員会決定という数では多分十はいっていないと思いますけれども、例えば避難区域の解除だとか復興の在り方についての基本的な考え方であるとか、あるいは瓦れきの処理等々についての基本的な考え方等々を決定してございます。この決定といいますか基本的な考え方に沿って原子力災害対策本部の方では実際の施策を考えていただいているというふうに考えております。
 それから、勧告の方につきましては、今まで私の方ではまだしていないという状況でございます。
#84
○風間直樹君 こちらに出したのは原子力安全委員会のホームページからの抜粋であります。(資料提示)
 ここに明確に書かれていますね。基本的な考え方を決定し、行政機関並びに事業者を指導する役割を担っている。この行政機関並びに事業者を指導する役割、これは保安院も入っているんですよ。なのに、なぜ保安院に対して監視しかできないんですか。
#85
○政府参考人(班目春樹君) 監視、監査すると書いてございますけれども、当然指導も行っておるというふうに我々は考えてございます。
#86
○風間直樹君 委員長、端的にお尋ねしますが、この原発事故以降、委員長として適切に仕事をしたとあなたはお考えですか。
#87
○政府参考人(班目春樹君) 実際問題として事故の拡大を防げなかったということは、これはもう私の能力の限界だということで、その点に関しましては不明を恥じております。しかしながら、私の持っている能力の限りにおいては懸命になって仕事をしたというふうに考えてございます。
#88
○風間直樹君 総理、私、今日この質問を非常に大事な質問と位置付けてしているんですが、なぜかというと、この原発事故以降、我々政治家の間にも国民の間にも、政治家の役割と科学者の役割との間に混同があるように思うんです。科学者の役割というのは、言うまでもありませんが、科学的な合理性に基づいて例えば事故対応の選択肢を提示すること、政治家の役割は、その提示を受けてそれを選択し、そしてそれらを実行する体制整備を取ることだと思います。
 この観点から見たときに、今日、原子力安全委員会が果たして役割を果たしているのか。私は不十分だと思いますが、委員長、いかがですか。
#89
○政府参考人(班目春樹君) 私どもといたしましては、法の定めるところにおいて最大限の努力をしているというふうに考えてございます。
#90
○国務大臣(細野豪志君) 原子力安全委員会を所管をする大臣として御答弁を申し上げます。
 今回、原子力安全委員会をめぐる評価については、国民の間から非常に厳しいものがあるということは私もよく承知をしております。班目委員長とは三月の十一日以降、数か月は顔を合わせない日がないぐらいやってまいりましたし、その後も含めて懸命にやっておられる姿はよく私も理解をしております。ただ、その一方で、やはり原子力安全委員会の組織としての限界が明らかになった部分もあるんだろうというふうに思っております。
 一つ指摘を申し上げますと、IAEAからIRRSという日本に対する規制機関の評価の報告書というのが出ておるんですが、そこにはこういうふうに書かれています。勧告というのが一番厳しい部分なんです、評価の部分なんですけれども。規制機関である原子力安全・保安院と原子力安全委員会の役割、そして特に安全指針の策定に関して明確化を図るべきであると。すなわち、原子力安全委員会と原子力安全・保安院の役割が非常に不明確であるという、国際機関ですから若干緩めた表現にはなっていますが、非常に実際には厳しい指摘をいただいていたんですね。
 ですから、原子力安全委員会としてどこまでできるのかということに関して、法律の規定する範囲というのはあるわけですけれども、なかなか直接踏み込めないという制度的な問題はあったのではないかと、そのように感じております。
 もう一点だけ申し上げますと、原子力安全委員会のもう一つの特徴は合議制の機関ということで、常に合議をしなければならないということになります。これは、もちろん透明性という観点からは望ましいし、それはしっかりやっていただかなければならないわけでありますけれども、連日助言をして、連日様々な決断をしなければならないときに、この安全委員会という組織の在り方そのものが本当に危機管理に即していたのかどうかということに関しては、私は若干のそこは疑問を感じておるところであります。
#91
○風間直樹君 この委員長及び委員の役割、私はやはり基本法の中で決定権が付与されているというのが非常に大きいと思います。是非、班目委員長、このことを一層自覚をしていただきまして今後精励されるべきと思いますが、御所見いかがですか。
#92
○政府参考人(班目春樹君) 風間議員のおっしゃるとおり、原子力安全委員会としては決定権というのを持っていて基本方針というのを示すことができる、これが一番大切な役割だと思っておりますので、一層これからそれに精進したいと思っております。
#93
○風間直樹君 今、精進されるというお言葉ありましたが、私は実はそう考えていないんです。今日、国民は、この原子力安全委員会の状況に鑑みて、原子力の安全規制というものが科学的合理性に基づいて行われていると、およそこうは感じていないんだろうと思います。
 やはり、政治家の責任と科学者の責任を峻別した上で、科学者には安全委員会において明確な責任を担っていただかなければならない。私は、残念ながら今の安全委員会はその任に堪えないのではないかと思っておりますし、総理にこの安全委員会の委員の責任をきちんと問うていただきたい。そして、速やかに委員を入れ替えるべきではないかと私は思っております。
 特に、欠落が一つある。安全委員会の委員五人のうちに地震学者が一人も入っていません。これはいいんでしょうか。総理のお考えをまずお尋ねしたい。
#94
○国務大臣(細野豪志君) 原子力安全委員会は法に基づいた非常に強力な組織になっておりまして、委員の任命についても厳格な規定がございます。原子力安全委員は五名おりますけれども、この五名については総理が指名をし、国会が同意をする形になっておりまして、心身の支障や著しい法の趣旨に反した行動がない限りそういう罷免をすることはできないという、そういう仕組みになっておりますので、任期を全うしていただくというのがこの制度の趣旨だというふうに理解をしております。
 来年の四月には新しい原子力安全組織を立ち上げようということで今急ピッチで準備を進めておりますので、その段階で新しい組織をつくり、その中でしっかりとした安全規制をしていくというのが今政府の考え方でございます。
#95
○委員長(石井一君) 総理、いいですか。
#96
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今、細野大臣から御説明があったとおりなんです。両院の同意を得て内閣総理大臣が指名をしています。したがって、委員の問題意識の背景、いろいろ先ほど来の質疑で理解はしますが、一層やっぱり科学者としての自覚、責任感を持って重責を担っていただきたいというふうに思うと同時に、任期満了のときにその都度最適な人材を選んでいくということが必要だというふうに思います。
#97
○風間直樹君 ここで一つの課題が浮かび上がったと思います。恐らく、これまで原子力安全委員の任命に際しては、事務方、多分内閣府なり経産省なりから人事案が上がって、それを総理、内閣がこれでいこうと決定をした上で国会に提案をされている。恐らくここに、私は政府の提案にも国会の同意人事の際にも十分な議論が尽くされていなかったという嫌いが否めないと思います。これは我々国会も十分に反省しなければいけません。
 そこで、少なくとも原子力安全委員に限った場合、私は国会の同意人事に際しては公聴会を最低開くべきだろうと思います。そこで、それら五名の委員が果たして国民の健康と安全を担う資質と責任感を持っているのかどうか、それを確認するべきだと思いますが、今まさに現場でこの作業に、収束に当たられている細野大臣と総理から御所見を伺います。
#98
○国務大臣(細野豪志君) そういう考え方を野党時代、私どもも重要な同意人事については国会でしっかりやるべしという考え方を提示をしておりましたし、また、特に原子力に関しては非常に大事な役職でございますので、風間委員の御指摘については私も賛同できる部分がございます。
 ただ、実際におやりになるかどうかは議会が決めることであるということと、もう一つは、原子力安全委員会の委員の任期というのはこれから年度末までずっとございまして、来年の四月に新しい組織が立ち上がると、安全委員会の委員としての新しいメンバーというのは、選ばれるという機会が、実は四月に立ち上がればないわけですね。
 ですから、そういったことも踏まえて、私としては、来年の四月に新しい組織、形を変えてしっかりとした安全規制ができる体制を整えて、その中で、後ほどもしかしたら御議論あるかもしれませんが、原子力安全審議会をつくることによって、その中の任命において、できればそこは国会の同意人事という形にしてまいりたいと。まだ私の段階の検討でございますが、そのように考えております。
#99
○風間直樹君 班目委員長、今随分議論しました。是非、もっとリーダーシップを持ってやってください。そして、それが国民に対して十分に示した上で、国民の理解を得られるようにあなた方の仕事をしていただきたい。このことを申し上げておきたいと思います。
 さて、総理、そして細野大臣、一点、この項目の最後にお願いをしたいんですが、福島第一原発で今なおこの事故の収束に当たっていらっしゃる作業員の皆さんの安全確保、勤務条件の確保についてであります。先日、視察に行かれました。十分現場の実態御存じだと思います。様々な、過酷労働だという声も聞いておりますので、この点くれぐれも配慮をお願いしたいと思います。
 さて、続きまして、先ほど細野大臣からありました、この原子力安全規制を担当する新しい組織について伺いたいと思います。
 大臣、この組織の趣旨について簡単に御説明いただけますでしょうか。
#100
○国務大臣(細野豪志君) この新しい組織をつくる理由、そして組織をつくる際の考え方、三つございます。
 まず一つは独立性。これまで推進側と一体になっていたという非常に厳しい御批判がございますので、まずは原子力行政を推進をする経済産業省と資源エネルギー庁からはしっかりとまず独立をさせるという、これが第一でございます。
 もう一つは、先ほど原子力安全委員会の役割について申し上げましたが、これまではそれぞれの安全規制にかかわる専門家が分散をしておりました。したがいまして、これを一元化をするというのが二つ目の考え方でございます。原子力安全・保安院、そして原子力安全委員会、さらには文部科学省にも一部規制にかかわっているそういう部門がございますので、それを一元化をすることでオールジャパンで規制機関をつくっていくと、これが二つ目の考え方です。
 そして、第三の考え方として、危機管理に対応できるような組織にしようということであります。三条委員会にした方がいいのではないか、委員会形式、それは一番初めに随分本格的な検討をいたしたところでございますけれども、やはり危機管理ということを考えると、行政機関にした方がやはり対応できるのではないか。しかも、福島第一の収束という役割も、東京電力福島原発の事故の収束という役割も担っていかなければなりませんので、そうした危機管理的な側面を考えたときに、行政庁と考えるべきではないか。そういうふうに至ったことも含めて、危機管理というのが三つ目のポイントであると考えております。
#101
○風間直樹君 今おっしゃった三点について、一つずつただしていきたいと思います。
 まず、独立性ですが、おっしゃるように、安全担当機関は強い独立性が必要であります。しかし、原子力安全庁とした場合、国家行政組織法上、庁になります。庁は省の外局であります。したがって、現行の原子力安全委員会よりは明らかに格下となるわけで、強い独立性が付与できるかどうか、私は不安ですが、大臣、いかがでしょうか。
#102
○国務大臣(細野豪志君) まず、最も大事なことは推進側からの独立性であります。
 環境省に設置をした場合に、特に、まあ環境大臣になってからは僅か一か月の間なんですが、環境省の職員とも随分議論をしてまいりましたが、まず認識として、今回の東電のこの福島原発の事故というのは史上まれに見る究極の環境汚染だという問題意識を環境省は持っております。したがいまして、こういう事故を二度と起こさないためにはどういう安全規制をすべきなのかということについての真剣な議論がスタートをしております。
 したがいまして、独立性という観点から申し上げるならば、推進サイドから完全に独立をして厳格な安全基準がしっかりと定められるということにおいては当初の目的を達成できてきているのではないかと、達成できるのではないか、そのように考えております。
#103
○風間直樹君 確かに推進側からは独立をします。しかし、庁です。省よりは弱い。組織として、そのもの自体の独立性という意味では私はやはり少し足りないような気がしますが、大臣、この点はいかがですか。
#104
○国務大臣(細野豪志君) そこが第三点目に申し上げました危機管理とかかわってまいります。
 原子力安全委員長もいらっしゃるので、決して批判ではないというふうに受け止めていただきたいんですけれども、私、補佐官として原発事故に対応しまして、その後、大臣になって直接原子力安全委員会を所掌するようになりました。
 ただ、所掌をしている大臣だからといって原子力安全委員会の様々な議論に直接立ち入ることは許されておりませんし、在り方についても、例えば方向性を示すとか要請をするとかいうことはあっても、あと一歩立ち入ることができないという、そういった意味での政治的な独立性が原子力安全委員会にはございます。これは、裏返しで言うと、実際に危機的な状況になったときに、こういうことをやってもらいたい、こういうふうにここのところを、それこそ例えば危機管理的に緊急でということについての十分な権限を担当大臣が有しないということを意味するわけですね。
 したがいまして、格の問題という議論はいろいろあるかもしれませんけれども、そこは私は、実際の新しい組織の力の示し方によって十分私は補い得るというふうに思っておりまして、むしろいわゆるその三条委員会とか八条委員会という国家行政組織法上のステータスというところに重きを置くよりは、実質的な力のある組織ができて、そこが危機管理をやり切ると。
 風間委員、私、これずうっと考えてきたんです。もう三月からずうっとどういう組織がいいかというふうに考えてきて、原子力安全委員会と原子力安全・保安院と諸外国のも見てきました。諸外国のも見てきた中で、日本ではやはり危機管理においては三条委員会、さらには八条委員会という考え方よりも行政庁の方がいいのではないかというふうに考えた次第であります。
#105
○風間直樹君 民主党の原発事故収束の部会で細野大臣ともこの点、議論をいたしました。私もこの案が出てから、国会の職員、こうした人事専門あるいは原子力関係専門の職員と随分議論をして、どうすべきかという案を練ってきました。
 今日申し上げている、これからも申し上げます、合計三点のことを言うんですが、これは国会の職員あるいは専門家、そして私、議員としての風間直樹の総意であります。確かに大臣おっしゃるように、そういった点は紛れもなくある。しかし、それならば、私は、この原子力安全委員会に現在付与されている、先ほども申し上げた、強い勧告権と決定権、これを生かしつつ、行政委員会に移行して、その委員長には政治家を充てれば全ての課題がクリアできるのではないかと思うんですが、大臣、この点はいかがでしょうか。
#106
○国務大臣(細野豪志君) 一つの例が、例えば大臣が委員長をしているという意味では国家公安委員会というのが一つの例になるわけですね、山岡大臣がやられていますけれども。国家公安委員長は確かに大きな権限を持っておられますけれども、一方で、直接的な指示権は持っていません、警察に対しては。これは警察庁の長官なんですね。私自身が、例えば事故が起こった場合の様々な対応を経験しました。いろんなそれこそ指示を総理から出していただいて、それを伝える役をやりましたので、そういったことを経験をした中で、委員会というのはそこはどうしても弱いと思います。
 諸外国を見てみましたけれども、確かに、NRCという、アメリカは原子力規制委員会という形になっています。しかし、そのほかの国は行政機関でやっているんですね。それは、ある意味で、こうした原子力行政というのは透明性が求められる一方で危機管理的な側面が求められるからなんですね。我が国の行政組織においては、様々検討した中でいうならば、今申し上げたような理由で行政庁とするのが一番適当ではないかと、私は今でもそう考えております。
#107
○風間直樹君 ここに私の考える要点をまとめてあります。
 一番は、先ほど申し上げたとおり。二番は、この現行の原子力安全委員会に与えられている強力な権限、これが喪失されるのではないかという不安。つまり、庁となった場合、原子力安全委員会は原子力安全審議会に衣替えをすると言われています。この審議会は審議会令という政令レベルで規定されますので、法制上強力な権限を喪失するのではないかと、こういう不安であります。三点目が、今も議論になりましたが、庁になるので国会の同意人事が、これ不可能になります。つまり、国会の統制外になると。原子力行政を民主的に公開で行う原則から後退するということでありますが。
 大臣、この私の三点について、御答弁いただいたことは結構ですが、まだいただいていない点、お触れいただけますでしょうか。
#108
○国務大臣(細野豪志君) まだ制度設計中ですので、是非、風間委員のこうした御提案をしっかり受け止めた上で更に検討を進めていきたいと思っておるんですが、現段階で私が考えておりますのは、原子力安全審議会なんですが、これはしっかり法律に書く必要があるというふうに思っております。したがって、その原子力安全庁の下にあるいわゆる御意見番というような存在ではなくて、しっかりとした、そこからは一歩離れたところにある審議会として機能させようと思っております。
 この勧告は、もちろん大臣への勧告というのもあり得るんですけれども、場合によってはですよ、場合によってはこの審議会が、例えば原子力安全庁のやっていることでむしろ違うのではないかと、そういう考えがある場合には総理にも直接勧告をできるような権限を持たせるのも一つのアイデアだと思っております。
 それだけの権限を持たせる審議会ですから、当然、法律に基づいて設定をする以上は国会の同意人事にすべきだというのが私の考えであります。
#109
○風間直樹君 是非、これは同意人事、国会の統制の下に置くというのが大事でありますので、今後もそこは議論をしていきたいと思います。
 それから、先ほどから班目委員長おっしゃっている、自分たちは保安院に対して監視、監査しかできないんだと。これ本当かどうか分かりません。法制上、私は違うと思っています。原子力基本法の四条でより明確な権限が安全委員会には与えられていると私は考えていますが、もし委員長がそうおっしゃるのであれば、ここはやはり、今回、機構改革をする上で改善をする必要があると思います。この点も、大臣と今後議論を深めていきたいと考えます。
 さて、今回の原発事故について情報公開が十分されていないと、首長の皆さんから声が上がっている部分があります。それはすなわち、福島第一原発で一体何が起きたのかということです。
 国民の安全に関する情報は公開が原則でありますが、この福島第一原発には二台のカメラが設置されています。一つは、IAEAが設置している核燃料棒の取り出しを監視するカメラ、そしてもう一つは、東京電力が設置している通称ふくいちライブカメラと言われるものでありますが、この二つの映像を私は国民に公開し、一体何が起きたのかの全貌を開示すべきだと考えます。担当大臣の御所見を伺います。
#110
○国務大臣(細野豪志君) IAEAの方は、これは日本が直接何か差配できるものではありませんので、難しいかと思います。ただ、東京電力が持っている様々な情報については、当然基本的には全て開示をされると。量が膨大だとするならば、それはもう必要に応じて開示を求めていくというのが当然のことだと思います。
 ふくいちライブカメラについては、当初は一部の情報が、例えば何か現象があったときのデータのようなものが公開をされていたんですが、是非ライブで常にネット上で公開をという要請が各方面からございまして、私の方で東京電力に強い要請をいたしまして、補佐官時代でございますけれども、今リアルタイムで映像が常に公開をされております。
 そういったことを進めることによって、今何が起きているのかというのをまず国民に知っていただくことは極めて重要であると、私もそう考えております。
#111
○風間直樹君 じゃ、文科大臣から先に。
#112
○国務大臣(中川正春君) IAEAの方は私の方で管轄しているんですが、是非交渉をしてこれを公開をしていくという方向で持っていきたいと思います。ただ、今のところ現場に入れないという状況でありますので、そのことも勘案しながらやっていきたいというふうに思います。
#113
○風間直樹君 文科大臣には、現場に入れるようになった状況で直ちにこれを公開するべき手段を取っていただきたいと。
 それから、細野大臣、私がお聞きしましたのは、今の映像ではなくて事故時の状況の録画なんです。これ、まだ公開されていないんですよ。この点、御答弁をお願いします。
#114
○国務大臣(細野豪志君) 今、風間委員が御質問されているのはふくいちライブカメラの事故時の映像ということですか。済みません、ちょっとふくいちライブカメラがいつの時点で設置をされたものなのかというのを今すぐに認識、手元に情報がないものですから、事故時からあったということを前提にしてということですね。
 私は、ふくいちライブカメラに限らず、東京電力が持っている様々な情報については最大限に開示がされるべきものだというふうに思っておりますので、どういった情報があるのかというのをもう一度確認をした上で、必要に応じてそれは公開すべきだということで言っていこうと思っております。
 また、当然、検証委員会などでも様々なこれから作業が行われることになってくると思いますので、そこにそういった情報が開示されるべきであるというのは当然のことだというふうに考えております。
#115
○風間直樹君 私が確認したことを申し上げますと、東電のふくいちライブカメラは事故前から回っています。事故後、ライブ映像が実は写真に変わったんです、一時。一時間に一回の写真に変わったんですね。その後さらに、パスワードを入力しないと見れない状況になりました。今はまた元の状況、つまりライブ映像が流れている、こういう状況に戻っています。
 ですから、事故時の録画をしているんです。これを細野大臣、東電に対して提出を求めていただきたいんですが、御答弁をお願いします。
#116
○国務大臣(枝野幸男君) 東京電力に対する指導監督権は経産省に現時点ではございますので。御指摘のとおり、当時の映像があるならば、それは当然公開するべきものであって、国会ないしは経産省から求められなくても出すのが私は当然だと思っております。出してない部分があれば出すよう促した上で、出さなければ法に基づいて報告徴収を求めてまいります。
#117
○風間直樹君 私、自宅が新潟なんですが、私の自宅から約四十キロのところに柏崎刈羽原発があります。中越沖地震でこれが事故を起こしましたときに、このときの映像は結果として公開されました。それが新潟県の防災対策としても非常に役立っています。ですから、今回も東電に対して提出を求めていただきたい、このように考えます。
 さて、続きまして、学校の津波避難対策について伺いたいと思います。
 現在文科省では、地震の際、津波が来た場合、沿岸の学校への津波避難対策、どう取るように指導されているか、御答弁をお願いします。
#118
○国務大臣(中川正春君) これからの防災対策の中で、子供たちに対する防災教育ということ、これを最優先に取り組んでいくという方向で、今専門家の中での有識者会議を開催をしましてその中身について詰めているところであります。
 いろんな観点があるんだと思うんですが、一つは、マニュアルを作っていくということが大切だと思います。それで、このマニュアルについては、教育現場あるいは地方自治体を中心にして、自らが考えていきながら、いざというときにそれぞれでどう作っていくかという観点があるかと思いまして、それと防災教育を絡めて一つの体系化をしていくということ、それに対して専門家の観点から、マニュアル化もそうなんですが、どういう形でこの防災教育を進めていくかという、これを指導していくという、そういう観点からこの専門家会議の中でその類型化を作っていくということ、この両方向で今整理を始めておりまして、しっかりと徹底をしていきたいというふうに思います。
#119
○風間直樹君 文科省から四月の五日にこの津波避難対策については都道府県の教育委員会に通知が行われているところでありますが、私も自分の住む地元の教育委員会にこういった要望書を四月二十五日に持参をいたしました。
 ポイントは三つありまして、まず一番目、この下の記というところですが、避難場所、避難方法を見直してほしい。二つ目に、これらを保護者へ説明、連絡をしてほしい。三点目に、この見直しを経た避難訓練の定期的な実施をしてほしい。これを教育委員会から各学校設置者、学校校長に通知、対応を取っていただきたいとお願いをしました。
 そうしましたところ、各学校でいろいろ対策を取られたのでしょう、その結果を聞き取り調査をしたんですが、それがこちらの表であります。九月に私の事務所で聞き取り調査をした内容をこの表にまとめています。
 実は、日本海側、私、新潟なので日本海側を例に議論しますが、これまで度々津波は起きています。八三年には日本海中部地震で最大十六メートル、九三年には北海道南西沖地震で最大三十一メートルの津波。日本海沿岸の津波の特徴は三つありまして、同じマグニチュードでも太平洋沿岸に比べて高さが二倍になる可能性がある。これは海底断層が急だからであります。二点目は、津波が起きる場所が海岸から近いために津波が到来する時間が五分から十分、つまり避難する時間的余裕がないということ。三点目には、太平洋側に比べれば発生回数は少ないということです。
 この聞き取り調査によりますと、課題が幾つか浮かび上がってきました。順次申し上げますと、多くの学校で屋上を避難場所と想定しているんですが、この場合、屋上柵の設置が必要であります。また、避難計画について専門家によるアドバイスを求める学校が多くあります。さらに、地域広域での避難所となった際の先生方の対応の訓練の必要性があるんじゃないかという御指摘。また、同様の場合の避難所運営マニュアルが必要だという御指摘。さらに、新潟柏崎刈羽原発で事故が起きた場合どうすればいいのかよく分からないと、こういう声。最後に、学校から保護者に対して、日常的に学級通信などで、こういう避難訓練を行っています、避難場所はここですと、こういう通知、周知が必ずしも図れていないという、これらの課題があります。
 これらに対して各省庁でどのような対応をお願いできるか、御答弁をお願いします。
#120
○国務大臣(平野達男君) 私の方から津波に関してちょっと御答弁をさせていただきますが、今回の東日本大震災の教訓は大きな津波が来たらとにかく逃げるということでございまして、これは学校のみならず地域全体として逃げるという体制をつくらなければならないというふうに考えています。
 その場合にどういう津波を想定するか、そして、今委員の御指摘にもございましたけれども、地域によってその津波の高さと地震発生してから津波が到達する時間が違ってまいります。その時間も専門家の意見を聞きながら特定をしましてその対策を立てていくことが大事だというふうに考えております。その場合に、近くに建物があるということであればそこの避難場所を指定して、地域にその建物が避難場所ですよということを特定する。これは学校についても同じだと思います。
 こういった地域としての取組をこれから本格化するべく、先般、中央防災会議でも専門委員会、東日本大震災の教訓を踏まえた検証という報告書をいただいております。この報告書に基づきまして、学校の避難等々も含めまして、地域の津波に対しての対応をどうするか、この方向性を出しまして、その方向性に沿った体制づくりに政府としても後押しをしてまいりたいというふうに考えております。
#121
○国務大臣(中川正春君) 先ほど御指摘のありました屋上の柵であるとか、あるいはまた地域が避難所として指定したところを見ていわゆる集まってくる、そのときに一刻も早く屋上に上れるような外付けの階段であるとか、そういう類いのものを補助事業としてしっかり位置付けていく、今現状もそうなっているんですが、そういうものをもう一度確認をしていくということがあります。
 それから、先ほど申し上げました有識者会議の中で、今、例えばこんな議論をしております。先ほどこれも御指摘があったんですが、避難マニュアルあるいは避難訓練等について、全ての学校において大学や研究機関の研究者等の指導、助言を受けながら改善を図ることができるということ、それから、避難訓練は様々な条件下での訓練を保護者等との連携を図っていくという、それを連携を図りながら実施をしていくということ、それから、あらかじめ保護者等との間で児童生徒等の引渡しの基準やあるいは条件を詳細に決めていくということ、そういう地域との連携というのを重視をしていくべきではないかということ、こんなことも指摘をされておりまして、さらに、マニュアル化の中での基準事項というのを深めていきたいというふうに思っています。
#122
○風間直樹君 対策を各省でお願いします。
 特に、この学校屋上柵の問題あるいは学校のそもそも高層化を図るという問題、これらは非常に喫緊でありますので、物によっては三次補正での措置も検討していただきたい、このことをお願いします。
 さて次に、首都圏災害時、今回福島で事故が起きた、地震が起きた、こうしたことが首都圏災害としていろんな形で起きてきた場合、政府機能をどうするかという問題が出てきます。国会にも超党派の議連ができています。バックアップ機能をどこかにつくるべきではないか、こういう議論がなされていますが、現段階で政府のお考えはいかがでしょうか、国交大臣にお願いします。
#123
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
 大規模震災等の際にも首都機能が維持されていることは極めて重要な課題でございます。
 今般の東日本大震災復興構想会議におきましても、首都直下地震の可能性などを考慮し、各種機能のバックアップの在り方、機能分担、配置の在り方など広域的な国土政策の検討が必要と、こう指摘されております。
 また、国土審議会政策部会防災国土づくり委員会の提言においても、東京圏の機能をどう分担し、バックアップするかということについて検討すべしというふうな指摘を受けておりまして、国土交通省としても、東京圏の中枢機能をバックアップするについて有識者による委員会を今立ち上げようとしておるところでございます。
#124
○風間直樹君 この首都機能代替に関する法律案が次の国会に出される、こういう動きがあります。政府としても対応する必要があると思いますが、第三次補正予算等でその調査予算を計上する意向があるかどうか、お尋ねします。
#125
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
 今委員御指摘のように超党派の議員連盟がございまして、長年にわたって検討してきて成果が出つつあります。実は、それを御指導されているのが石井委員長であるわけでございますが。
 国土交通省としても、三次補正において調査費の要求をさせていただくことにしております。もちろん、内閣官房においても内閣の機能強化という観点からやっておりますので、内閣官房とも連携を取りながら予算要求をさせていただきたい、こう思っております。
#126
○風間直樹君 対応をよろしくお願いします。
 最後に、冤罪事件あるいは未解決事件について質問いたします。
 群馬県、栃木県、群馬県の太田市、栃木県の足利市で七〇年代後半から九〇年代の頭にかけて五件の幼女誘拐連続殺害事件が起きています。しかも未解決であります。両県警の最新の捜査状況をお尋ねします。
#127
○政府参考人(金高雅仁君) 御指摘の群馬、栃木両県で発生いたしました幼女を対象とする五件の殺人事件等につきましては、同一犯人による犯行の可能性も否定できないところから、公訴時効の完成していない平成八年に太田市内で発生いたしました、当時四歳の幼女が連れ去られ、現在所在不明になっている事件でございますが、この事件につきまして群馬県警において、他の四事件との関連も含めて捜査中でございます。
 具体的な捜査状況については答弁を差し控えますが、現在群馬県警察においては、栃木県警察とも必要な情報交換や捜査上の連携を図りながら、被害者の所在や不審者に関する捜査など、所要の捜査に当たっているところと承知しております。
#128
○風間直樹君 局長、捜査は進展していますか。
#129
○政府参考人(金高雅仁君) 鋭意進めているところでございます。
#130
○風間直樹君 これ、足利事件がこのうちの一つなんですね。私はいろんなものを読んで調べてみましたが、この五件は恐らく同一犯による犯行と考えて間違いないと考えています。それだけ犯行状況が酷似している。
 これは総理を始め大臣の皆さんにお訴えしたいんですが、日本で五人の幼女が誘拐され、うち四人が殺され、しかも未解決という事件はないんです、ほかにないんです。だから、国会でこの問題が何度も取り上げられ、捜査を求めています。
 山岡大臣、栃木でいらっしゃいます。御所見を伺いたいと思います。
#131
○国務大臣(山岡賢次君) 風間委員がかなり以前からこのことに重大な関心を持っていろいろと質問とかあるいは研究をしていただいていることに、私も栃木県でございますし、足利に住んでいたことありますから、そのうちの三件は足利で、二件は隣の太田でございますが、先生のおっしゃるとおり、このことが解決をしていないということに関しては、捜査本部を設けて徹底的に捜査をしたんですが、結果が得ていないということは遺憾でございます。
 そして、おっしゃるとおり、極めて類似をしているわけでございまして、幼女を狙っているということと、それからみんな隣接地であるということ、それから、そういうことから一般的には同一犯だと当局も考えて進めているわけでございますが、大変申し訳ないんですが、まだ結果を得られておりません。全力を挙げてこれに取り組んで解決をしていくように警察をよく指導、督励をしてまいります。
#132
○風間直樹君 よろしくお願いします。
 法務大臣にお尋ねをします。
 冤罪ラッシュと呼ばれる事象が最近度重なっています。先日、日弁連がこの冤罪ラッシュに関し、冤罪の原因究明、防止のための第三者機関を設置するという求めを出しました。これに対する政府の対応はいかがでしょうか。
#133
○国務大臣(平岡秀夫君) お答えいたします。
 委員が御指摘になっている冤罪というのはいろいろな定義があって、取りあえずおいておくとして、当然のことながら、犯人でない人を処罰するようなことがあってはならないということはしっかりと認識しておるところでありまして、そのような事態は誠に遺憾なことであるというふうに思っています。
 日弁連が指摘している第三者機関について言うと、これは政府の捜査とか起訴の部分と、それから公判の裁判所が関係する部分がございますので、取りあえずは政府が関係する部分について申し上げますと、検察当局等におきましても、捜査、公判上の問題点に関する検証を行って公表するなどしてきておるところでございます。これを教訓として、基本に忠実な捜査、公判の遂行に努めてきたというふうに思っております。
 また、委員御案内のように、厚労省元局長無罪事件に端を発しました一連の事件というのがございます。これに関連して、私の前任者であります江田前法務大臣からも、本年の四月に検察の在り方検討会議の提言を踏まえた検察の再生に向けての取組という取組方針を明らかにして、検察当局でも鋭意この方針に沿って取り組んでいるところでございます。
 その中身としては、検察官による被疑者取調べの録音、録画の範囲を試行的に拡大するというようなこと、あるいは最高検察庁に監察指導部を設置して、検察官の捜査、公判遂行上の違法、不適正行為に関し必要に応じて監察を実施するというようなことをしているところでございます。
 とはいえ、御指摘のような第三者機関の設置については、先ほど言いましたように、裁判の方に関する問題について言えば、裁判官の職権行使の独立性の問題であるとか、あるいは検察についても、準司法機関と言われている組織でございますので、その独立性とかあるいは政治的中立性の問題であるとか、あるいは関係者の名誉等の保護の観点といったようなこともありますので、慎重な考慮を要するものというふうに考えているところでございます。
#134
○風間直樹君 総理、同じ問題に対して御所見を伺えますか。
#135
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ただいま法務大臣が抱負と御決意、述べられました。それをしっかりとやっていただきたいというふうに思っております。
#136
○風間直樹君 最後にまとめの質問をさせていただきます。
 総務大臣、この冤罪問題が総務省の行政監視の対象になり得るということを、八月三日の行政監視委員会で総務大臣、前総務大臣が答弁しています。
 次の事項について総務省の行政監査の実施を求めることにしたいと考えますが、いかがでしょうか。
 冤罪の発生状況がどうか。冤罪の被害者はどのような状況にあるか。冤罪の被害者を救済するために何をすべきか。冤罪はどのような仕組みで起きるのか。そして、冤罪を防ぐために必要なことは何か。
 以上であります。
#137
○委員長(石井一君) 総務大臣川端達夫君、時間が来ておりますので、簡にして要を得たやつをお願いします。
#138
○国務大臣(川端達夫君) はい。
 御質問ありがとうございます。
 前総務大臣が御答弁したことはもう省略をさせて、十分御承知のとおりだというふうに思いますし、この捜査の在り方について、行政上の仕組みとしての適切さ、あるいはその執行の適切さ等々を含めては、当然ながらこういう対象になり得るという旨の答弁をさせていただきました。
 ただ、この冤罪と言われている案件については、実際対象にしようと思いますと、実際の個々の案件の中身に関して立ち入るということが生じてくることは避けられませんので、その部分では、捜査の在り方を含めての部分で慎重に対応することは必要だと思います。
 国会の委員会もございますので、そういう部分の委員会の方向性も含め、政務三役含め、世論も含めて、いろんな形でこのテーマの取上げはこれからも考えていきたいと思っております。
#139
○風間直樹君 ありがとうございました。
 終わります。
#140
○委員長(石井一君) 以上で櫻井充君、関連して植松恵美子さん、大河原雅子さん、風間直樹君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#141
○委員長(石井一君) 次に、白浜一良君の質疑を行います。白浜一良君。
#142
○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。
 まず、冒頭に総理に申し上げたいことがございます。新総理になられて国難に対していろいろ決意をされていると思いますが、総理はゼロからの出発じゃないんですよ。マイナスからの出発なんですよ。そこをよく認識していただかないと困る。
 大きな問題を二点申してまいります。
 民主党政権、鳩山政権から始まりました。二年前の衆議院選挙のときに、いわゆる普天間基地の移設問題で少なくとも県外へと、こうおっしゃって、だけど、政権を取ってみたら結局辺野古沖に、元の案に戻ってしまった。どういう言い訳しても沖縄県民の皆さんの心を踏みにじったんですよ。
 だから、早期に沖縄を訪れたいと総理は答弁されていますけれども、行くだけじゃ駄目なんです。本当にその謝罪の気持ちでひれ伏す思いで、合意を得るまでは何回も行くぞと、そういう決意で行かな解決しませんよ、これ。どうですか。
#143
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 普天間の問題については、今、白浜先生の御指摘のとおり、鳩山政権発足後、県外移転の可能性を含めて、その検証に時間を要しました。結果的に日米合意に基づいて対応するということになりました。この間、沖縄の皆様に多大な御迷惑をお掛けしたことは深くおわびしなければいけないというふうに思います。そのおわびの気持ちも込めて、しっかりと沖縄の皆様と対話をし、御理解をいただけるように全力を尽くしていきたいというふうに思います。
#144
○白浜一良君 言葉で言うとそういうことなんでしょうけれども、なかなか大変ですよ。裏切った方は忘れるかもしれませんが、裏切られた方はずっと残るんですよ。だから、残っていらっしゃる皆様に新しく総理は対話しなきゃならない。そのことを十分認識して、合意形成へ向けてしっかりやっていただきたいと思います。
 もう一つマイナスがある、大きなマイナスが。それは、三月十一日にこれほど大きな大震災が起こって、もう半年以上がたつんです。しかし、本格的ないわゆる補正予算というのはまだ組まれていないんです。規模は違うとはいえ、阪神・淡路の大震災のときは四か月後にはもう本格的な補正予算が成立しているんですよ。いろいろ、まあ規模が大きいということもあるでしょう。しかし、少なくとも人災だと言えることは、第二次補正が余りに形式的過ぎたと、菅さんが延命のためにだけ僅かな補正予算を組んだと。この空白の三か月があったという事実、これは認めなあきません。もし第二次補正を本格補正予算を組んでいたらもっと早く成立しているんですよ。
 一刻も早く復旧復興したいという被災者の皆様の立場に立ったら、これは余りにいわゆる民主党政権のそういう空白が長過ぎた。このことは十分、総理、認識しなければ、今後の対策に当たれませんよ。これ、どうですか。
#145
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、補正予算の遅れについての御指摘でございますけれども、五月に最初の第一次補正予算、各党の御理解をいただいて成立させていただきました。二つ目のこのいわゆる第二次補正予算についての評価でございますが、これは復旧に万全を期すための位置付けでこの補正予算を組ませていただきました。
 その後の本格復興に向けての動きというのは、復興構想会議をつくって、その青写真を提示をしていただいて、それを踏まえて七月に復興の基本方針を閣議決定をさせていただきました。その基本方針を踏まえて、その上で今、各地における復興計画、被災地域の復興計画も出てまいりますので、それを踏まえての対応をしっかりしていきたいというふうに思っております。
#146
○白浜一良君 今総理の言葉を前提にしましても、復興会議の結論は六月末に出ているんですよ。それに基づいてすぐやれば八月末には予算編成できますよ、それは。そういう事実関係をしっかり前提にしないと今後の対策に取り組めないんですよと、被災者の皆様の気持ちを酌むことはできませんよと私は言っているんですよ。やることはやってきたんだというような開き直った気持ちでこれからの本格的な復旧復興の活動に取り組めますか、これ。もっと反省しなさいよ。
#147
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 過去に二回の補正予算を組んでまいりました。そして、それでもってまだ足りない部分について、緊急、必要な部分については従来からある予備費と、それから二次補正予算で組ませていただいた復旧復興のための予備費も活用しながら対応してきたというふうに思っております。
 その上で、まだ遅いと、あるいはまだ行き届いた支援ができていないということは、そうした御指摘は謙虚に受け止めて、早期に第三次の本格的復興のための予算の作成をし、そして各党の御協力もいただきたいというふうに思います。
#148
○白浜一良君 これ以上押し問答はやめますけれども、必死で復旧目指して頑張っていらっしゃる被災地の皆様の気持ちに立ったら、ほんまに反省すべきは反省し、一刻も早い補正予算も含めたそういう復興の推進を図るべきだということだけ申し上げておきたいと思います。
 それで、今国会、会期の問題が何回も議論されておりますが、私、一つだけちょっと確認、総理にしたいと思いますが、当初四日間という話があったんですよね、四日間、この臨時国会ですね。ただ、新しく総理になられたんですから、国会も開いて、予算委員会もやって、そして新内閣の、新総理の考えを国民に知っていただこうと、これは総理の立場では当然だと思うんですね。これは当然だと思うんですよ。
 ところが、この臨時国会を決める会期の交渉事の中で、これは私どもの漆原国対委員長から聞いた話でございます。いや、民主党さんとの交渉の中で、うちの漆原さんが平野国対委員長に四日間というのは総理のこれは意向かと確認したら、平野さんはそうだと言ったというんです。それは本当ですか。
#149
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国対委員長がどういう形でお話しされたか分かりませんけれども、国連総会に出る前に私の所信を申し上げ、それについての御質疑をいただくという形で、そのほかの審議の運び方についてはお任せをするという言い方を申し上げておりました。
#150
○白浜一良君 それが当然だと思いますよね。それが当然な総理のおっしゃり方だと思います。平野さん、誤解されたのかどうか知りませんけれども、そういうふうにおっしゃったということだけ指摘をしておきたいと思います。
 それで、次に、政治と金の問題も、これ一貫してこの予算委員会で議論になっているわけでございますが、確かに証人喚問ということは国会で各会派、各党で協議して決めることです。これは間違いございません。また、司法が下した判決は、これは司法の話だから行政の立場でコミットをすべきじゃないかも分かりません。一々それはごもっともなことでございます。
 しかし、政治家というのは国民の信頼がなければ仕事はできません。それはもう総理もよく御存じなわけです。ですから、政治と金の問題は非常に大事なテーマで常になっているわけでございますね。それはもう総理はお分かりでしょう。だから、司法上の結論は別にして、裁判長がどういう判決を下したから、そういう中身は必要ございません。しかし、そういう、起訴されている、公判されている、また一審とはいえ有罪になったという、少なくともこれは道義的責任があるんじゃないですか、政治家として。これはどうですか。
#151
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 司法の判断に逐一コメントしないことについて御理解をいただいたことは、本当にありがとうございます。
 その上で、そういうまさに一定の一審とはいえ結論が出たことについては、それは重く受け止めなければいけないと思いますし、そのための説明責任を果たしていくということは必要だと思います。
 ただ、これは従来から申し上げているとおり、もう一つの司法の動きがあるときに例えば証人喚問をやるかどうかということは、これはやっぱりバランスの問題というか機会の問題を考えて検討は必要だということを従来から申し上げているとおりでございます。
#152
○白浜一良君 説明責任を果たしていただこうと、そういう延長で、不十分ならば国会できちっと証人いただこうと、こういう話になるのは当然でございまして、ですから、民主党は野党時代、これは私はっきり申し上げますが、そういう第一審の判決というんじゃなしに、起訴された段階でもう議員辞職勧告だと何回もされているんですよ。これは御存じですか。これはその道義的責任を問うているからそういうことをやっていらっしゃったんでしょう、民主党は。当たり前じゃないですか。それは御存じですか。
#153
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 基本的には、出処進退は本人が考えるということが基本だというふうに思います。
#154
○白浜一良君 そういうことを言っているんじゃなしに、野党時代、民主党は、起訴された段階でもう辞職勧告だということで決議を出されていたんですよ。そういう事実は御存じでしょうということを言っているんです。
#155
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 形の上ではそういう形の、あったと思います。ただ、個別の案件でそれぞれ事情は違うと思いますので、その都度判断をしなければいけないと思います。
#156
○白浜一良君 これはこれ以上言えないのかも分かりませんが、これは国民の皆さん聞いていて絶対に納得できませんよ。
 それじゃ、具体的に申し上げます。
 先日、いわゆる有罪判決になった石川衆議院議員いらっしゃいますね。これ、過去二回、衆議院で辞職勧告決議出しているんです。それを民主党さんが握り潰しているんです。昨日、三回目を出したんです。きちっと議題にされますか、これ。
#157
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回そういう決議の御提案が出たことは承知をしていますので、それをこれからどうするかという対応を決めていきたいというふうに思います。
#158
○白浜一良君 少なくとも議題にすべき問題ですねと言っているんです、私は。議運で議事にすべき課題ですねと言っているんですよ。
#159
○内閣総理大臣(野田佳彦君) それは議運での御判断だというふうに思います。
#160
○白浜一良君 まあ押し問答ばっかりになりますのでやめますが、こういうところはやっぱり毅然として判断を下さなければ、やっぱり野田内閣そのものに対する国民の信頼感なくなりますよ。これだけ申し上げておきます。
 それで、質問を変えますけれども……(発言する者あり)
#161
○委員長(石井一君) 御静粛に願います。いい質問ですから、どうぞ。
#162
○白浜一良君 いわゆる復興財源のいわゆる増税額を決められたということでいろいろ報道をされております。当然予算の中でもいわゆる税負担分を圧縮するというのは大事なことで、できるだけ一般予算の歳出を削減するとか税以外の財源を見付けるとか、そういう努力は当然必要なんで、圧縮することは大変大事だと思うんですが、いろいろ報道を見てますと十一・二兆円を九・二兆円にされて二兆円圧縮されたという報道がございますが、それでも官房長官、あなたは昨日ですか、いや、十一・二兆円なんだと、増税額は、その売却する株価は市場によって値段違うから、九・二兆円とはおっしゃっていないんですね。
 これ、財務大臣、どういうふうに解釈したらいいんですか、これ。
#163
○国務大臣(安住淳君) 私の方から御説明いたします。
 まず、税外収入による財源の確保に努めて、その税外収入の確保額が確定した場合には、それ以降における、時点におけるフレームの見直しを行おうということを考えたわけです。ですから、十年間、先生、トータルで税外収入が、エネルギーの関係の株とかたばこの株の全額が売却できれば七兆円の税外収入となるので、増税額は九・二兆になるというふうに私の方としては理解しています。
 ただし、官房長官もお話しでありましたけれども、五年間の集中復興期間における歳出削減及び税外収入による見込み財源額は五兆円程度であるということを前提にすると、時限的な措置としてはやはり十一・二兆でまず法律を出させていただくということになるということでございます。
#164
○白浜一良君 これ、聞いていて分かりませんよ、国民は。分からない。(発言する者あり)うん、分からない。だから、今日の一般紙の報道を見ても迷走しているというふうに言われるんですよ、これは。
 それで、これはいずれにしても中身は本格予算が組まれた段階で審議になりますから、いわゆる概括的な今日は議論だけにしておきたいと思いますが。
 いわゆる国が持っている株を売却するということでございまして、JT株も話題になってございますが、このエネルギー関連株も売却すると。前原政調会長は全額売却するんだと、このエネルギー関連の保有株も、こうおっしゃっているんですが、これ、経産大臣、正確にどう理解したらいいんですか。
#165
○国務大臣(枝野幸男君) 私が報告を受けております政府・民主党の合意によりますと、エネルギー政策の観点を踏まえつつ保有の在り方を検討することにより、売却可能となった政府保有株式をできる限り速やかに売却することとするというふうに承知をいたしておりまして、エネルギー関連株の売却に当たっては、エネルギー安全保障の広い意味での観点から、様々な観点を慎重に検討する必要があると思っております。
 ただ、現下の財政状況、復興のための財源を確保するということの中では、エネルギー安全保障の観点をしっかりとチェックをしつつ、売れるものについては最大限売るという姿勢で臨んでまいります。
#166
○白浜一良君 経産大臣、そういう答弁ではもう私はあかんと思います。
 要するに、エネルギー問題というのは原発問題も含めてもう大きな国の課題になっているわけですよ。だから、いわゆるもう天然ガスにしても石油にしても、安定供給、日本がいわゆる輸入できるというのは大事なことでして、その意味で国が保有するこのエネルギーの関連株があるんじゃないですか。そうでしょう。だから、日本のエネルギー政策上、ここの株とここの株は絶対維持するんだと、そういうのを言うのがあなたの立場じゃないですか。売る方があなたの仕事じゃないんですよ、エネルギー政策の責任者なんだから。だから、そこをはっきりしてくださいよ。
#167
○国務大臣(枝野幸男君) むしろ御指摘ありがとうございます。
 私としても、あるいは経産省としても、あるいは政府全体としても、今御指摘いただいたとおり、エネルギー安全保障の観点から株を全て売れるとは思っておりません。これからまさにきちっと精査をしてまいりますが、エネルギー安全保障の観点から政府が持つことが不可欠な部分が少なからずあるというふうに思っております。したがって、それについては当然、エネルギー安全保障の観点ですので、売ることはないと思っておりますし、政府・民主党の合意もそういう趣旨であるというふうに思っております。
 ただ、具体的な中身については、エネルギー安全保障の観点を考えても、売れるものがあるならばそれは最大限やる、こちらの方の努力もしなければならないというふうにも思っております。
#168
○白浜一良君 ですから、総理、これ前原政調会長の発言が言葉足らずだったのかも分かりません。私は直接聞いていないんで評価はしませんけれども、私は経産大臣の発言が正しいと思うんですよ。そういうふうに趣旨で理解していいですね。
#169
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今、枝野大臣の御答弁のとおりで、売却可能と判断される株式をできるだけ売却をしていくということだというふうに理解をしています。
#170
○白浜一良君 もう少し自分の言葉でお話しになった方がいいですよ、これからのためにもね。今のような答弁されていて、国民は親しみ感じないですよ。あなたはドジョウとおっしゃったんだから、ああいう話が受けるんですよ。国民分かりやすい。今の答弁聞いていたら理解する方が難しいですわ、それは。忠告だけしておきたいと思います。
 それで、いろんな見直しが大事なんですが、やっぱり歳出を見直すという面で少なくともやらないけないと思いますのは、総理のお考えを伺いたいと思うんですが、一つは、やっぱり衆議院も参議院も今一票の格差というものを最高裁からも違憲状態だという指摘を受けております。ですから、一票の格差是正というのはこれ大事なんですけれども、同時に、やっぱり身を切る意味で衆議院も参議院も定数削減すべきだと。そういう姿勢を示さなければ、復旧復興とはいえ、やっぱり国民の皆様に負担をお願いする立場で身を切る考えが必要だということ、まずどうですか。
#171
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 全く同感です。一票の格差の是正を、これもう速やかに議論をしながら努力をしていくということ、これやっぱり違憲という判決を受けているわけですから、それに対する対応を怠る、怠慢ではあってはいけないと思います。
 あわせて、定数是正も、まさに国民にいろいろと御負担をお願いをするような場面があるときに、まず隗より始めよで身を切る努力をすることは必要でありますし、我が党としても、衆議院、参議院それぞれその削減をしながら一票の格差を是正をする案をまとめさせていただきました。各党も、これいろんな御意見があると思いますので、しっかりと議論をして成案を得るような、そういう取組が必要だというふうに思いますし、その動きを、各党間の動きを期待をしたいというふうに思います。
#172
○白浜一良君 二つ目には、これはそういう面では我々もそうでございますが、国家公務員の給与を引き下げるべきだと。やっぱり国の仕事をしている、その立場がある者が身を切ってこそ国民全体にやっぱり増税の御負担を言えるんじゃないかと、そういう面でそういうことも私は大事だと思うんですが、いかがですか。
#173
○国務大臣(安住淳君) 御指摘のとおりでございまして、八%強の給与削減法案というのをさきの通常国会で出させていただいて、公務員の皆さんも決して楽な生活をしておられるとは思いませんけれども、しかし、何とかそこで財源の協力をいただきながら、国民の皆さんにも御理解をいただくためには、やっぱりこの法律を通させていただいて給与の削減というものを実行していきたいというふうに思っております。
#174
○白浜一良君 通常国会に出た法案は労働条件と一つになっておるから駄目なんですよ。この復興、大震災を受けたという観点から身を切る、そういう給与カットをしないと私はアピール力がない、それだけ申し上げておきたいと思います。
 それから、いわゆる三点目に申し上げたいことは、これはもう国会とか中央の官庁が無駄遣いしておるという、自分たちだけ考えているというその象徴で、この朝霞の公務員宿舎の話が象徴的な話になっているんです、これ。これを決められたのは総理が財務大臣のときで、それは経緯があったでしょう。今はそんなことは聞きません。聞きません。しかし、少なくともこれだけの大震災が起きて国民全体が痛みを感じて、やるときに、決めたことを、それ以前に決めているんですから、これは震災の前に。だから、それは粛々とやるんだというような発言が国民に受けますかね。だから、ここは本当に思い切って、国民に負担をお願いする以上はもうそういう公務員宿舎も一時凍結すると、このぐらいの決断しないと、もうこれだけで非常に内閣の姿勢を問われますよ、これ、総理。
#175
○国務大臣(安住淳君) 細かなことはもう申しませんが、全体としては、先生、でも一五%の削減はしっかり宿舎はやって、ただ一方で、その朝霞の問題については今いろいろ新聞またマスコミ等で取り上げられておられます。
 事実関係だけ申し上げますと、しかし、あそこは今の段階では、例えば自衛官の家庭を持っておられる方や警察官の方々とか若い方々が入る予定で造らせていただいて、今制度設計をしております。
 ですから、高級官僚がそうやって入って何かいい暮らしをしているんじゃないかともし思っている国民の皆さんがいれば、そこは是非誤解は解いていただきたいと思いますが、今先生の御指摘もございましたので、いろいろな観点から考えたいというふうに思っております。
#176
○白浜一良君 もう一歩突っ込んでお話ししていただいた方がいいな。
 要するに、古い宿舎がないわけじゃないんやから。それは従来の宿舎を合理化するということはあるが、それは平時の考え方であって、新しく新築するということ自身に対する国民の抵抗感があるんですよ。だから、そこを受け止めろということを言っているわけで、ここは決断すべきです。財務大臣。
#177
○国務大臣(安住淳君) 先生のお話を承って、よく考えさせていただいて、国民の皆さんに理解が得られるような方法があるのかどうか、考えさせていただきます。
#178
○白浜一良君 そこまでしか答えられぬのかも分かりませんけれどもね。やっぱり国民の皆さんの気持ちというものを酌まないと政治というのは成り立たないんだから、しっかり受け止めていただきたいと、このことだけを申し上げておきたいと思います。
 それから一つ、私どもから見まして鳩山内閣も菅内閣もどちらかというと外交がなかったというふうに理解をしております。(発言する者あり)そういう面で、まあマイナス、おっしゃっているようにマイナスからの出発ですからマイナスだったんです。
 ただし、野田新総理も国連にも行かれて主要首脳と会談もされているわけで、やっぱりこれからしっかり外交にも取り組んでいただきたいと。特に、御存じのように、来年はアメリカの大統領、韓国の大統領、ロシアの大統領、全部選挙になってございます。中国も胡錦濤さんから習近平さんにと、こう替わる。大きくそういういわゆる各国の政治が節目を迎えているんですね。だから、それだけ外交もシビアになる時代になってきているわけでございます。それだけにしっかり先を見通したそういう動きをしていただきたいと。
 そういう面で一つ御提案申し上げたいんですが、東アジアのサミットがございますね、インドネシアで、十一月の中旬と言われておりますが。先日、一部新聞報道されていましたけれども。やっぱりこの東アジアの平和を維持するために、できるだけ地域フォーラム的な安全保障の維持システムというものを構築していくことが非常に大事なんで、先日、フィリピンの大統領とも戦略的パートナーシップですか、という確認されたと聞いていますが、そういうネットワーク、フォーラムを形成していくという意味ではいい機会だと思うので、これ総理、最大限努力されたらどうでしょうか。
#179
○内閣総理大臣(野田佳彦君) その御提案、本当にしっかり前向きにとらえたいと思います。EASというのはこれから本当に大事になってくると思います。この間もアキノ大統領と議論した際に、海賊対策含めて海洋のルールを作っていこうと、そういうことも含めて首脳間で議論して、首脳として強いメッセージを出していこうと、こういうことの確認をさせていただきましたし、先般、インドのマンモハン・シン首相とお話ししたときも、このEASを通じてしっかり議論して、首脳間がイニシアチブを取りながら国際社会においてあるいはこの地域においてしっかりルールを作っていこうと、そういう議論をさせていただきました。そのために私も積極的にかかわっていきたいというふうに思います。
#180
○白浜一良君 ちょうどアメリカが参加されるので、アメリカをやっぱりしっかりリンクしてやらないとなかなかうまくいかないと思うので、その辺も含めてしっかり頑張っていただきたいと思います。
 東日本の大震災の復旧復興活動についてちょっと具体的なお話をしたいと思うんですが、いわゆる個人版の私的整理に関するガイドラインという、これ金融庁の所管でございますが、これは八月から運用が開始されているんですが、今どのぐらいこれ債務整理が申し出ている件数がありますか。
#181
○国務大臣(自見庄三郎君) 今、白浜先生御質問の個人的私的整理ガイドライン、どれくらい申出があるかという話でございますが、八月二十二日から運用、適用されたところでございますが、この約一か月間、千十七件の申出がございまして、うち六件がこの私的ガイドライン、適用されたというふうに報告をいただいております。
#182
○白浜一良君 これ、総理は余り御存じないでしょうけど、千件以上あって六件です、受理されておるのは。それで、結局いろんな理由があるんでしょうけど、一つには、ガイドラインの運用で、それは近い将来において既存債務を弁済することができなくなることが確実であると認められるときと、こういうふうに要件、規定されているんです。この近い将来というのはどのぐらいかというと六か月だというんですよ。だから、いわゆるその仮設住宅に避難生活されておる方はこれ長期になりますね、一年とか二年とか。だから、当然六か月超えるからこれは適用外と、こういうふうに、総理、されておるんですよ、余り御存じなかったでしょうけれども。だから、その仮設住宅から出てしまえばそういう返済できなくなる条件になるわけですから、ここを金融大臣、要件緩和せなあきませんよ。どうですか。
#183
○国務大臣(自見庄三郎君) 白浜先生御存じと思いますけれども、三月十一日に東日本大震災が発災をいたしまして、もうその当日、私と日本銀行総裁の名前で、東北六県のうち約二千七百の金融機関にお願いをさせていただいたわけでございます。先生御存じのように、民間金融機関といえどもこれは免許業でございますから、公共性、公益性がございますから、こういう大災害のときはきちっと協力していただきたいと、こういうお願いをさせていただきまして、実は今、返済を一時停止しているんですね。お金をこの六か月間、約定では返してもらうということでございますけれども、停止している債権が約三千億円。それから、先生御存じのように、中小企業金融円滑化法案というのがございまして、貸したお金あるいは借りたお金の条件変更をできるだけしなさいと。これはもうこの前の国会で公明党さん始め各党が賛成していただいてできた法律でございますが、これは、条件変更した債権が約三千億ございまして、合計は六千億でございまして、このことが今問題になっておりますが、今先生、条件変更、少し要件が厳し過ぎるんじゃないかという御指摘がございましたが、実は、被災者の方、いろいろ金融機関から聞き取りしますと、まず地域の復興計画の見通しがまだ立っていないと。自分の例えば家で、ちゃんと家がその場所で建て直せるかどうかとかそういったこと、それから被災の状況を勘案して、ガイドラインによる債務の整理も一つの選択肢として、自らの今後の事業や生活の在り方について検討されているとものを考えておりますが、まだもう少し先の方が実は増えてくるんじゃないかというふうに予想をいたしております。
 しかし、同時に、仮に返済が十分、これは債務免除をするわけでございますから、やっぱり貸した人の御意見というものも、当然、民間の金融機関であれば貸したお金というのはいずれ預金者に利子を付けて返すというのが大原則でございますから、そういった意味で、債権者の同意を得ることができるだけ困難とならないように、あるいは困難となること、あるいは他の債務整理との公平性を担保することができることなどの一定の要件を設けるところであり、こういった趣旨からして、適用要件をすぐ一律に、先生のお気持ちよく分かりますけれども、緩和することは適当ではないというふうに思っておりまして、金融規律でございますから。また、ほかの政策もあります。これは、私、今、民間の金融機関でございますから、ですから、ほかにはそれぞれ財政出動だとか、あるいは公的金融機関もございますから、そういったことを含めて総合的に、一体的にこういったものをやっていくべきだと、こう思っていまして。
 もう一点、最後に、先生、仮設住宅者に関しては、これはガイドラインの対象とならないんじゃないかという御質問でございましたが、これは先生、なりますので、その点はそういうふうにお考えいただければ有り難いというふうに思っています。
 最後に、このガイドライン、しっかり周知徹底が必要でございまして、特に沿岸部とか、それから私も強く指示しましたが、テレビでもこれはスポットを流すようにいたしました。そして、農協だとかあるいは漁協だとか、そういったところもきちっと広報活動、あるいは市町村でしていただくというふうに徹底を今させていただいております。
 以上でございます。
#184
○白浜一良君 もう時間ですのでここで終わりたいと思いますが、どんな説明しても、それは一千件以上申込みがあって六件しか受理されていないということは、そういう被災者の皆様のために作ったガイドラインが生きていないということでしょう。これだけはやっぱりしっかり認識せなあきませんよ。
 確かにいっぱい負債があって無条件にできない、それは私はよく分かります。しかし、そういう被災者の皆様を、たまたまもう津波で家流されてしまいまして、たくさんのローンは組んでいる。そういう方を救おうということで作った一つのガイドラインじゃないですか。余りに六件じゃ少ないということを申し上げて、午前の質疑を終わりたいと思います。
#185
○委員長(石井一君) 委員長としても、甚だ越権ではありますが、余りにも少ない。金融大臣に強く要望しておきます。
 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#186
○委員長(石井一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。白浜一良君。
#187
○白浜一良君 午前中に引き続いて質疑をさせていただきたいと思いますが。
 被災地のいわゆる失業保険の適用が九十日延長されたと、これは大変大事なことでございます。ただ、雇用問題は大事でございまして、雇用を確保するという面ではやっぱり従来の地場産業を復旧させると、これも大変大事なことでございます。そういう意味で、いわゆる中小企業等のグループ施設の復旧整備の補助事業、これ大変大事なんで、ニーズも高いわけでございます。
 ただし、実際、第一次補正では百七十九億円の予算を組まれたと。それに対して二百七十五グループ、千八百五十億円も申込みがあったんですね。私はこれ実際聞いた話でございますが、岩手県の海岸部というのは水産業が盛んで、水産加工業というのは大変主力産業なんですね。それで、申し込んだけれども、結局査定で三分の一にされたと。それはそうですわ。岩手県は八グループ採用されたんですが、申請額は三百三十二億なんです。それに対して査定された金額は百億、三分の一以下になっているんですね。だから大変失望されている、これでは事業が再興できないと。こういうこともあるわけで。
 聞くところによりますと、安住大臣は、これは積み増すべきだと。二次補正で予備費がたくさんあるわけでございますから、もうすぐできるわけで、これは。どうですか。
#188
○国務大臣(安住淳君) 白浜先生御指摘のとおりでございまして、実は私、こういう立場になる前にも、私の地元の石巻でも、また気仙沼、岩手でも、やはり被災した企業をグループ化することによってこれ四分の三の補助が出ますので、再建への事業費としては非常にいいと。ところが、私も非常に、当時、財務省や経産省には随分言ったんですが、百億、それで二次も百七十億と。ところが、要求ベースでいうともう一千億を超えるようなニーズがあって大変な人気でございます。先生御指摘のとおりです。ですから、私も就任直後に、今先生御指摘のように、これ予備費で何とか採択をできるだけしてほしいということで指示をいたしました。
 それで今、二次補正の予備費でできるだけグループ化の集約をさせていただいておりまして、集約の中身については経産大臣から御報告いただければいいと思いますけれども、できるだけグループ化をまずして、そこでまず見通しを立ててもらって、そうすれば雇用をまた確保もできると思いますので、できるだけこのグループの支援を早めに予備費で対応させていただきたいというふうに思っております。
#189
○白浜一良君 まあいいです。規模なんです、大事なことは。最初の申請だけで千八百五十億も出ているわけでございますから、だから百億とかそういうんじゃなしに、一千億単位できちっと組むと、そういう前向きな答弁してくださいよ。
#190
○国務大臣(安住淳君) 一千億単位で出させていただきます。
#191
○白浜一良君 しっかりお願いしたいと思います。
 それで、これは経産大臣の担当ですかね。この事業は経産省が所管されているということで、対象事業を決められているんですけれども、私、是非ともこれ追加してもらいたいのは、この海岸べりのところは水産加工業というのは主力産業なんですよ。だから、水産加工業というのを一つの対象事業としてしっかりと認定していただきたいと思いますが、いかがですか。
#192
○国務大臣(枝野幸男君) 財務大臣から心強い答弁がありましたので、それを踏まえてしっかりとやってまいりたいと思っております。
 水産加工業は従来の制度においても対象になっておりまして、実際に第一次補正の執行においても約半分、九十一億は水産加工業のグループに出ております。また、運用上、水産加工の皆さんに使い勝手が悪いとかそういった点あれば、運用上改善をしたいと思っておりますので、しっかりと、水産加工業が当地の、現地の中心産業であることを踏まえながらしっかりと対応してまいりたいと思っております。
 なお、一点、午前の答弁で、政府・民主党の合意と申しましたのは、政府・与党の合意と言うべきところでございました。おわびして訂正いたします。
#193
○白浜一良君 じゃ、しっかり、主力産業でございますので、適用をお願い申し上げたいと思います。
 それで、一千億単位でこの補助事業を決めますと、四分の二が国、四分の一が地方なんですね。そういうお金もないわけでございまして、これは総務大臣になるんですかね、復興大臣か知りませんが、これ何か、交付税か何か裏打ちをしてあげないと地元は出せません。
 これも、その額に見合ったことをきちっとするということを答弁してください。
#194
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、本件の補助金に伴う県には負担分がございますので、これについては特別交付税措置で裏打ちできるように、総務省を始めとして関係省庁と相談しているところでございまして、前向きに取り組んで、できるだけ早く結論をお示ししたいと思っております。
#195
○白浜一良君 次に議題を進めたいと思いますが、原発の関係で何点かお伺いをしたいと思います。
 まず、これも経産大臣の担当なんですけれども、東電が賠償支払のいわゆる書類を作りましたけれども、これは中間指針に基づいてやられているということでございますが、これ踏み込んでちょっと規定されている面があるんですね。
 例えば、観光業は、阪神・淡路のあの大震災による、いわゆる二〇%という基準を設けて、二〇%以内の減収は対象外と、こういうことになってございますが、しかし、地震はなくても原発の事故の風評被害でいわゆるその収入が落ち込んでいるところもあるわけで、これ一律には言えないんですね。
 指針も、そういう個々の事情を個別具体的に判断すると、こういうふうに書いてございますが、これは経産省としてしっかり東電に指導してくださいよ。
#196
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおりでございまして、文部科学省の審議会で出しております指針も、それから今回東電が言っております指針も、それだけということではありませんで、実際に本件の事故と相当因果関係のある被害については東京電力が賠償する、そういうものでございます。
 関係業界と、地場、地元のといろいろ東京電力で折衝して一つの指針は作るということ自体は間違っていないと思いますが、しかし、同じ福島県内でも地域によって事情は違いますし、個別の業者ごとにも違いがございますので、仮に関係業界と一つの基準なりで合意があったとしても、それを超える損害があると主張される関係業者の方がいらっしゃれば、当然それを主張する権利はございますし、それに対して東京電力も適切に対応するようにということを、例の分厚い冊子の問題で副社長を呼びましたときに、このことについても私から強く申し入れているところでございます。
#197
○白浜一良君 現実的に対応をお願いしたいと思います。
 それで、これは細野大臣の担当かどうか分かりませんが、ホットスポットございますね。これが、家が固定されていまして、例えば隣のうちは関係ないとか、こういう現実もあるんですよ。ポイントやからそういうことなんでしょうけれども。
 しかし、実際、地域社会というのは町内会とかそういう単位で動いているわけでございまして、昨日、実は伊達市の市議会で、地域を指定してほしいと、一軒、二軒じゃなしに、そういう市議会の決議案が昨日行われたんですね。ですから、経産大臣ですか、まあどちらでもいいですが、そういうちょっと柔軟な対応をすべきだと思いますが、いかがですか。
#198
○国務大臣(枝野幸男君) 伊達市での決議については承知をしておりますし、地元からのそうした声、要望を踏まえて、また再度のモニタリングも実施したところでございまして、点なのか面なのかということについてはございますが、特に地域の事情あるいは妊婦さんや子供さんのいる家庭を考慮した柔軟な対応を進めていくべく、特に伊達市と直接に詳細にきちっと御相談をして進めてまいりたいというふうに思っております。
#199
○白浜一良君 そういう町内会始め地域社会で人々は暮らしているわけで、その辺十分に配慮して対応していただきたいと思います。
 次に、除染の話を、これは細野大臣、緊急避難準備区域は今日ですか、明日ですか、解除されるということを伺っておりますけれども、これ解除したってすぐ戻れないんですよね。除染をしなけりゃならない、インフラ整備せないかぬ、ちゃんと基幹のそういう施設を造らにゃいかぬと。これ誰がやるんですか。
#200
○国務大臣(細野豪志君) 明日、原子力災害対策本部を開こうと思っておりまして、その中で緊急時避難準備区域については解除という方向でございます。最終決定は明日ということでございます。
 そのためには、もちろん除染もありますし、インフラの整備もございます。それぞれの市町村で復旧計画を作っていただいておりまして、五つの市町村があるんですが、出そろいました。それぞれ要望は多岐にわたっておりまして、例えば学校とか病院などの整備もありますし、経済、雇用の問題もございます。それぞれの問題について国が責任を持って市町村とともにその復旧計画が現実のものとなるようにやっていくと、そういうことでございます。
#201
○白浜一良君 もう役所機能が随分ダメージで減少しているところもあるんでね、やれと言ったって、そういう自立して計画を作れるところはいいですけれども、なかなかそういかないところもあるので、その辺は今大臣おっしゃったように細かくアドバイスを、応援をしてあげていただきたいと要望をしておきたいと思います。
 それで、冷温停止を年内にということで、いよいよいつ帰れるかということが物すごい、避難されている方の関心になってくるわけですね。これは大変難しい。難しいかも分かりませんが、できるだけ早い段階で、二年後には帰れますよ、五年後には大丈夫ですよというような大まかなやっぱり指針を出すべきじゃないかと。でなければ、みんな人生懸かっているんです。期間があるから人生設計できるわけで、ずるずるというのは何も決められない。
 ということで、その辺の見通しはどうですか。
#202
○国務大臣(細野豪志君) 昨日、二号機が百度を下回りました。これはニュースでもかなり報道していただきましたけれども、ここまで来るには本当に現場の皆さんの大変な努力があって、私は昨日、本当にここまでよく来たなと、そんな思いでございました。もちろん、まだ課題は幾つかございますので、それをしっかりと取り組んでいかなければなりませんので予断を許しませんが、一刻も早く冷温停止をしたいと。冷温停止をする目的というのは、避難をしている皆さんに帰ってきていただくという、これが大目標でございましたので、それを実現をしていきたいと思っております。
 白浜先生御指摘のとおり、いつ帰れるのかというのが多くの避難をされている皆さんの最大の関心事になっております。八月二十六日に除染に関する基本的な考え方を提示をしておりまして、その次の日に福島県の関係市町村に対して説明会を開かせていただきました。その中でお示しをしたグラフの中で次のような情報を、非常につらい話でございましたけれども、お伝えをしております。
 今放射線量が例えば五十ミリシーベルトのところであれば、自然減衰に従うならば五年間は二十ミリシーベルトまで下がるのに時間が掛かる、百ミリシーベルトの地域では十年掛かる、百五十ミリシーベルトのところであれば二十年掛かる、二百より更に高いところもやはりございますので、そこは放置をすれば二十年掛かる、二十年以上掛かるということになるわけです。もちろん、除染をしますのでそれを短くする努力は国としても責任を持ってやるわけでございますけれども、こういう非常に長い時間が掛かる可能性が高いのが現実なんだということは既に、つらい話ではございましたけれども、お示しをしてございます。
 あとは、警戒区域の現実の解除ということになると、冷温停止状態が達成をしたその後も含めてどういう復興の計画をそれぞれの市町村がお立てになるのかということ、ここに国がしっかりと寄り添う形で方針を立てていくということになると思います。十年を超えるということになると、ずっと当然仮設住宅のままというわけにいきませんし、町づくりについてどのようにお考えになるのか、いろんな考えがそれぞれおありだと思いますので、そういった市町村の皆さんに寄り添う中で、いつ最終的に御帰還いただけるのか、いただける優先順位が時間軸的にどれぐらいなのかということも含めて明らかにしていきたいというふうに考えております。
#203
○白浜一良君 できるだけ早くそういう除染もされて住める状態をつくるために努力してほしいし、それを避難されている皆様にきちっと告知をしていただきたい。
 その上で、総理、これは提案なんですけれども、いわゆる三宅島が噴火して、いっとき全部避難しましたですね。そのときのいわゆる、まあ長かったわけでございますが、避難されている方の体制というのがございまして、当然東京都があるからしっかりカバーしたんですけれども、省庁としても帰宅プログラム準備検討関係省庁等連絡会議というのが国につくられて、いろんな各省庁にまたがりますから、そういう連絡会議をつくって、常に起こる問題をそこで検討されたということがあるんですよ。
 だから、私、これだけもう大地域で大人数の避難者を生んでいるわけで、見通しもなかなか付けにくいというところですが、みんな将来の生活を不安に思っています。だから、そういう省庁の連絡会議をつくって、いろんな問題をそこへ集約して連携を取れるというふうにされた方が私はいいと思うんですが、検討してくださいよ。
#204
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 三宅島の過去の事例、その対応を踏まえて検討させていただきたいというふうに思います。御指摘ありがとうございました。
#205
○白浜一良君 しっかりやっていただきたいと思います。
 それから、台風十二号、十五号の話を少ししたいと思いますが、全国で大変な被害になりまして、本当に亡くなられた皆様には心から御冥福をお祈りしたいと思いますし、今避難されている方もたくさんいらっしゃいます、心よりお見舞いを申し上げたいと思うわけでございますが。
 私も、大阪に住んでおります関係で、和歌山、三重、奈良とずっと回ってまいりまして、それで生の意見を聞いてまいりました。総理も行かれたので聞かれたでしょうけれども、私が感じたことを申しますので、被災者の皆さんを勇気付けるメッセージを総理から御発言をいただきたい。
 一つは、五條市の大塔町というところで、いわゆる赤谷土砂ダムという有名なところでございます。その流域で、もう土石流で避難生活されている。そこで避難生活されているんですが、そのときは八名の方が行方不明で、小さな集落ですからみんなもう性格も全部分かって、生活を共同されているような集落。だから、その避難されている方がおっしゃっていたのは、自衛隊の皆様にも警察にも消防にも迷惑掛けますが、もう総力を挙げて行方不明の皆さんを捜してほしいと、それがもうまずのお願いですと、こういう発言がございました。
 だから、それぞれ頑張っていただいているんですが、安心してくださいと、総力を挙げて行方不明者を捜しますということをまず発言してください。
#206
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 行方不明の方については、御家族だけではなくて、白浜先生御指摘のとおり、小さな、結束力のある村でございましたので、皆さん全体でそういう思いを持っていらっしゃることは痛いほどよく分かります。
 残念ながら、台風十二号でまだ行方不明の方が二十名いらっしゃいます。台風十五号で更に三名いらっしゃいます。こういう行方不明の方の捜索を、今も一生懸命やっているんですけれども、警察、消防、自衛隊等、総力を挙げてその捜索に当たるということを改めて決意として申し上げさせていただきたいというふうに思います。
#207
○白浜一良君 それから二点目に申し上げたいのは、避難されている方は長期になる場合も多いので、仮設住宅をあちこちから要請があると思います。私が行きました野迫川村というところ、これはちょうど和歌山との県境でして、隣がもう高野山、だから山間地なんですよ、高い。そこも避難生活されていまして、冬が早いんですね、山間地ですから。だから、その村長さんは、もうできるだけ雪が降るまでに暖房の取れる仮設住宅を何としても造りたいと。知事も応援しましょうと言っているらしいんですが、総理のお立場で安心してくださいよという発言をしていただきたいと思いますが。
#208
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、応急仮設住宅につきましては被災県の方でその必要な戸数の把握に努めておりますけれども、これは民間賃貸住宅の活用も含めて早急に対応したい。そして、今委員がおっしゃいました冬に向けてのことですが、これは標準設備として、エアコンの設置に加えまして、窓の二重サッシ化、それから断熱材を厚くするなど、被災各県の地域特性、それから被災者の方のニーズを踏まえて、しっかりと対応していきたいと考えています。
#209
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 具体的な御説明は今、小宮山大臣が御説明されたとおりであります。そろそろ寒さへの備えをしっかりやっていかなければいけないと思いますので、今具体的なお話はありましたが、万全を期していきたいというふうに思います。
#210
○白浜一良君 余り画一的ではなしに、地元の意向をよく受け止めてやっていただきたいということです、私が申し上げたいのは。
 三つ目に大変感じましたのは、もう山間地なので、主要道路が生活道路なんですね。それも分断されては何もできない。これも奈良の天川村というところに行ったときに、中学校が二つございまして、それで、それは道路でつながっているんですが、一つが冠水しまして使えない。もう一つの中学校に集約するんでしょうけれども、道路が寸断されて行けないんですよ。だからもう、何としても全力を挙げて道路の復旧、生活道路ですから復旧してほしいという声がありまして、それはそれぞれ県も村も頑張っているとは思いますが、国も一段の応援をしてあげていただきたいと思いますが、いかがですか。
#211
○国務大臣(前田武志君) お答えいたします。
 総括的なことはまた総理がお答えになると思いますが、委員が入っていただいたところは役行者で有名な大峰山のある村なんですね、御指摘のとおりでございます。国道百六十八号というのが先ほどおっしゃった五條市大塔、そして十津川、新宮に至るところですね。その三百九というのが天川を通っていく道路。その二つをつなぐ高野線、主要地方道の高野天川線といいますか、そこの道路でございますが、もちろん県管理ではございますが、国交省としても挙げて、テックフォース等も投入しておりますし、これからもできるだけの対策は講ずる所存でございます。
 なお、百六十八号と県管理の国道については直轄代行でやるべく、できるだけの対応はするということにしております。
#212
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私も被災地へ視察に行ったときに、これは和歌山県も奈良県も三重県も、それぞれの知事さんから道路についての御要望を強く要請をいただきました。もちろん今国交大臣がお話しされたように、従来、通行止めになったものについては開通するべくこれも全力を挙げてまいりましたけれども、まだなお少しあると思いますので、被災地の御要請をよく踏まえてきちっとした対応をしていきたいというふうに思います。
#213
○委員長(石井一君) それでは、関連質疑を許します。松あきらさん。
#214
○松あきら君 引き続きまして、公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 午前中に白浜議員から、まず大型の補正予算が遅い、被災地が本当に苦しんでいるというお話がございました。私もここに、総理も、あるいは当時、枝野官房長官もいらっしゃいました。第二次補正予算、本会議場で、七月十五日のことでございます。本来ならば第二次補正予算でもうとっくに仕上がって、八月の末くらいには、あるいは九月の頭には被災地に実行されて行っているはずのお金がこんな状況になっていると。今私は、この場が第三次補正予算の審議の場であったら本当に良かったのにという、そういう思いでいっぱいでございます。
 昨日夜、日本喜劇人協会の会合がございました。これは、初代の会長はエノケンさんで、金語楼師匠とかそうそうたる方々。それから芸術家の会合もございました、まあほかの会合もありましたけれども。もちろん各党、皆さん行っていらっしゃいます、出席していらっしゃいます。私が、高名な落語家の師匠や、それから皆さんよく知っていらっしゃる芸能人や芸術家の方、もちろん一般の主婦の方々も私におっしゃるのは、どうしてこんな増税増税なの。新聞で、昨日ですね、一面で全部復興増税、増税増税。もちろん日本全国、国民が被災地の皆様の復旧復興のために何かしたい、それはもうみんな同じですとおっしゃるんです。
 だけど、あなた方、本当に無駄を省いているの。午前中に郵政株の売却のお話もございましたけれども、JT株でも何でも売れる株はみんな売る、あるいは特会のお金でも剰余金でも何でも使えるお金はみんな使うと。で、あなた方議員、言われましたよ、あるいは公務員も、みんな身を削ることは削って全部出してくださいよと。はっきり出していただいて、これだけこうやって始末をしてこうやったけれども、でも足りないのです、お願いいたしますと言われれば、自分たちも努力をしたい、協力したいと思うけど、何かもうテレビでも新聞でも増税増税増税とはっきりしない、どこに何をやってくださったのか、冗談じゃないぞと。松さん、あなたは野党だけど、これ言わなきゃ駄目ですよとさんざん私は言われましたよ。本当に私はこれは、私も含めて本当にこれはしっかり考えていかなきゃならない。
 そこで、こういうふうに言われました。昨日の第一面にはまさに復興増税のことばかり。めくっていったらこういう記事があったと言われて、私も帰って見たんです。「菅政権機密費十五億三千万円」。何と、政府は二十七日の閣議で、菅内閣の約一年三か月間で、官房長官に官房機密費が十五億三千万円支出をされ、このうち昨年度末時点で使われていなかった九十一万三千八十二円が今年四月に国庫に返納されたと、こう書いてあるんです。対象期間は一年三か月。
 たまたま前官房長官もいらっしゃるし、前財務大臣もこちらにいらっしゃるんです。まあそれとこれとは別だと思っています。分かっています。けれども、国民の皆様は、増税増税と見て、めくったら今度は機密費、こんなの書いてある。民主党はあれだけ機密費のことを透明化、領収書を出せと騒いだんじゃなかったんですかと、これ一般の方に言われたんですよ。
 どうですか。お二人ともせっかくいらっしゃいますから、一言ずつ御感想をどうぞ。総理、官房長官、前官房長官、いかがですか。
#215
○国務大臣(枝野幸男君) 御指名でございますので、国務大臣として答弁をさせていただきます。
 内閣報償費については、国民の皆さんから厳しい目、使い方どうなっているんだという目があること、私自身も野党時代にそうした視点で物を申し上げたこともございます。そうした観点で、国民の皆さんから御批判をされるようなことのないような使い方に努めてまいったつもりでおります。
 そうした中で、これを更に公開性、透明性を高めることができないかと、これについても在任中意識をしてやってきておりましたが、これ残念ながら七か月半で官房長官退任でございました。また、事柄の性格上、なかなかどこまでどう引継ぎができるのかという性格もございまして、一年間を通じて報償費の一般的な扱われ方について全体構造を見た上で、どういった形でより透明性を高められるかということを判断する必要があるのではないかというふうに思って退任をしたところでございます。
#216
○国務大臣(藤村修君) 枝野前官房長官から引き継いで一か月弱になりました。内容的なことなどまだ私自身がよく分かっていない部分もございますが、きちんと使途等については、基本の方針であるとかそういうものを確認した上で、サインをした上で引継ぎをいたしました。
 今、枝野前官房長官がお答えになりましたように、透明性を高めるという観点から、例えばある一定期間の後には公開するなど、こういうことを今後検討してまいりたいと思います。
#217
○松あきら君 通告をしておりませんでしたので申し訳なく思っておりますが、昨日夜言われたんです。ですから、私もやっぱりこれは伺わなきゃいけないと思って伺わさせていただきました。
 今の現官房長官のお言葉を伺いましたので、透明化をすると、どこかの時点でとおっしゃったんですから、これはしっかりと国民の皆様もよく聞いていただいたと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 九月の頭でございました。日弁連の主催によって、女性こそ主役にという、これは災害復興に向けたシンポジウムが開催をされました。その中で、ある地域の女性弁護士さんの発表は大変厳しいものでございました。
 小学校三人のお子さん、幼稚園一人、四人のお子さんと、今現在妊娠中でいらっしゃいます、七か月くらいだったと思います。そのお子さんがいらっしゃる弁護士さん。
 実は、子供さん四人と自分から、自分の体内もセシウムが検出されたと。健康にすぐには被害はありません、大丈夫ですと、こう言われたんだけれど、本当に心配です。そして、内部被曝ということがやはり心配なので、小学校の子供たちには学校で牛乳を飲むのをやめなさいと言いましたと。
 そうしたら、先生に、牛乳を飲まない子供は前へ出ていらっしゃい。バケツに一人ずつ、飲まない子数人いたそうです、バケツに捨てさせられて、何で飲まないのかという理由を言わされたと。そして、これを飲まない人は住む資格はないと言われたそうです。あの戦前の非国民のような、こういうことがありましたし、自分もこれでいいのだろうかと、将来子供たちに本当にここに住み続けるということで説明できるんだろうかと悩んでいるという、こういう話がありました。
 笑わないで聞いてください、官房長官。しっかり聞いていただきたい大事な話でございますので、大事なところではそんな笑わないでくださいよ。冗談じゃありませんよ。
 私が申し上げたいのは、本当にそういう思いをしているんですよ、福島の方は。ですから、先ほども細野大臣も、除染が大事だと、してくださるというお話。東京ドーム二十三杯分ですか、もう大変なお話です。中間貯蔵施設も造らなきゃならない、土地の確保も要る、大変な状況でございますよ。でも、一刻も早く帰りたい、いつ帰れるのか、最大の関心事とおっしゃったじゃありませんか。それやっていただきたいんです。
 その上で、命を守る、私ども子供の命を守るということで、積算放射線量を測れるフィルムバッジの貸与、あるいは校庭の除染、校舎の遮熱シート、それから林間学校の実施など、これは有り難いことに第二次補正予算で入れていただきまして、これは感謝をいたします。その上で、福島県民約二百二万人を対象に健康管理・調査事業を国主導で今後三十年間やっていただけるということで九百六十二億円の計上、これは大変に私は良いことだ、すばらしいことだというふうに思っております。
 そこで、質問を申し上げたいと思います。
 もう今この調査が始まっているんですね、始まっておりますけれども、この県民健康調査、具体的に誰が行い、どこが責任を負っているのか、これが一つ。そして二つ目は、その調査データはどういうふうに蓄積して管理をしているのか、これが二つ。三つ目は、そのデータだけが県民に示されても、データ、あなた幾つですよと言われたってそれは安心できない、きちんと説明できる人を、人材を確保する。
 そして、これから二百二万人ですから、本当に数が多いですから、この人材育成をどのように行うのでしょうか。そして、多分この拠点というのは福島県立医科大学になるのではないかと思いますけれど、御答弁あるかもしれません。ここも、九百六十二億円はすばらしいんだけれど、三十年間これだけのことをするんですから、今の附属病院ではとてもできないと。それにはきちんと人もいていただかなきゃならない、データも蓄積しなきゃならない、ハードが要る。
 まさに、朝霞の公務員宿舎を造るお金があるならば、ちゃんとこういうところに、ハードも造らなきゃいけない、あと二千億は要りますよ。いかがでしょうか、御返事お願いいたします。
#218
○国務大臣(枝野幸男君) 福島県民の皆さんの中長期的な健康管理は大変重要でございまして、これ、実施主体ということでは、やはり県民の皆さんとより身近なところで接しておられるということで福島県が実施主体ということになります。ただ、これは当然国の責任でやらなければならないものでございますので、経済産業省が主に予算確保などの財政的な支援の側面を、そして文部科学省、場合によっては医療の側面については厚生労働省を始めとして、関係省庁を挙げてこれをしっかりと財政的あるいは技術的側面で支援をすると、こういう構造で進めております。
 県民調査の結果の集約については実施主体である福島県が一元的に管理を行うこととしておりまして、現在その詳細な制度設計を行っているところと聞いておりますが、福島県立医科大学を中心として、国の方も放医研を始めとして、関連する知見をお持ちの専門家の皆さんをフル稼働お願いをいたしまして、情報の集約とその分析をして説明をすると。万が一にも健康に影響のある場合にはしっかりとした対応を取ると。一体となって進めてまいりたいと。国の方としては、関係省庁またがりますので、現在の仕組みの下では原子力災害対策本部の被災者生活支援チームが全体のコーディネートをしながら進めてまいっているところでございます。
 財源については、しっかりと、既に付けております基金に加えて、お金が足りなくて調査ができないということにならないよう、特に財政的な側面、予算確保の側面、経済産業省が主たる責任を負わなければならないと自覚をしておりますので、しっかりと対応をしてまいりたいと思っております。
#219
○松あきら君 多分これはハードもきちんとないとこれができないので、ハードもしてくださる、こういう認識でよろしいんですね。よろしいんですね。
#220
○国務大臣(枝野幸男君) 今の段階でハードの具体的な規模とかそういったところまでということになるとなかなかお答えにくいのですが、必要なものについては当然ハードの部分もあり得ますので、県の御要望あるいは県の実情を踏まえながら、関係省庁と連携し、最終的には財政当局と折衝して、お金がなくてできないということにはならないようにしてまいりたいと思います。
#221
○松あきら君 いい御答弁だったと信じます。ありがとうございます。
 私どもは、県民健康調査、これを長期で行う法案を提出する予定でございます。大事な法案でございます。総理、是非、これを提出したら御賛成いただきたい。今のことを含めて御感想を一言よろしくお願いいたします。
#222
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御紹介の議員立法による法案については、今、私の承知しているところでございますけれども、放射線の影響による周辺住民の不安の解消及び健康管理、そして放射線が人の健康に与える影響に関する科学的知見の充実、これらを目的としたものであり、法案の骨子には、研究機関による線量の測定や子供の甲状腺がん検診等の健康管理事業の実施が含まれているというふうに承知をしています。福島県において、こうした観点を含めて県民健康管理調査を実施をしておりますけれども、国としても、さっき枝野大臣がお話をされたようなきちっとしたサポートをしていきたいと思います。
 こうしたことも踏まえて、御指摘の法案についても、福島県の方々の健康への不安の解消及び健康管理のため、国として必要な支援を積極的にかかわっていくというものと承知をしておりますので、積極的に議論をさせていただきたいというふうに思います。
#223
○松あきら君 ありがとうございます。
 積極的にという御答弁いただきましたので、賛成していただけるものだと喜んでおります。ありがとうございます。
 大震災のみならず、先般は台風十二号、十五号、大変な被害がありました。被害に遭われた皆様、亡くなられた皆様に心からお見舞いとお悔やみを申し上げたいと思います。
 日本は本当に災害列島になってしまいました。私ども公明党は八月に女性防災会議というものを設置いたしまして、不肖私が議長ということになっておりますが、私どもは全国会議員も地方議員も含めますと三千名以上の議員がおりまして、そのうち三〇%、約九百名が女性議員でございます。ですから、各県に女性防災会議をつくりまして、今これ動き出したところでございます。やはりこの女性の視点というものが非常に大事であると、今回の大震災でも、避難所等での問題も、いろいろこれが指摘をされたところでございます。
 この女性防災会議ということで、私どもは先日、静岡県の地震防災センターを視察させていただいたんです。そのときに気が付いたんですけれども、静岡ではもちろん、東海、東南海、南海いろいろあって、三連動もある、あるいは五連動なんていろんなこともあるんですけれども、ここはマグニチュード八・〇を静岡は想定していろいろやっているんですね。東京はといいますと、この間の防災会議、九月一日の、これもマグニチュード七・三という想定でございました。まあ、そのマグニチュードだけが関係あるとは思いませんけれども、やはり東京は首都、もし直下地震など起こればとてもこの七・三なんというわけにはいかないんじゃないかという心配をするわけでございます。
 政府として、これは東京だから東京都の問題よではなくて、やはり政府としてこの備えにしっかりと取り組んでいただきたい。想定というものも含めて認識を示していただきたい。総理、いかがでございましょうか。
#224
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回も被災地において、例えば洗濯物を干す場所だとか、女性の視点をもっと取り入れた対策が必要であったというような教訓や反省、いろんな具体的なことを私もお聞きをしております。したがって、防災政策全般においてやっぱり女性の視点をもっと取り入れるべきだろうというふうに思いますので、防災会議を含めて、女性のよりその視点が反映できる、そのためにはニーズのことも含めての工夫が必要だということは、委員の御指摘どおりだというふうに受け止めさせていただきたいというふうに思います。
#225
○国務大臣(平野達男君) 想定地震の震度についてのお尋ねもございましたので、補足をさせていただきます。
 今、直下型地震につきましては、委員御指摘のとおり、マグニチュード七・三を想定しております。しかし、これではやっぱり不十分だという指摘が前からございまして、特に今回、東日本大震災等々も踏まえまして、中央防災会議の専門委員会の方からも、過去に起こった震災、これを参考にすべきだという御指摘をいただいております。
 具体的には、海溝型地震ということで、今、相模トラフが動いた場合の地震ということを考えなくちゃならないということで、過去においてはマグニチュード八クラスの地震が二回ございました。関東大震災と元禄関東大震災でございます。この過去の状況を踏まえますと、やはり八を想定したことでこれからいろいろな対策を練っていかなければならないということで、今その準備を進めているということでございます。
#226
○松あきら君 もうしっかりとした対策を国として取っていただきたいというふうに思います。
 私どもも、女性防災会議で全国の皆様にアンケートを今、十月一日から取るようにしておりまして、またこれ、まとまったものは官邸等に御提出をさせていただきたいというふうに思います。
 その中で私が気になっておりますことは、中央防災会議の女性は、小宮山大臣が入られたので二名になったんですけれども、一名だったんですよ。今二名。それから、都道府県の防災会議もこれ四・一%。そして、震災の復興構想会議、これも十五名中一名ですよね。やっぱり幾ら何でも、私、あれだけ東日本大震災で避難所等の問題で、やはり女性というのはやっぱり生活者、生活をしている人、子供さんやあるいは御老人やあるいは障害者のこともやっぱり一番生活者として分かる、この視点が大事だと言われているのに、まだこれ変わらない。
 これ、しっかり変えていただきたいと思うんですけれども、どなたが御返事いただけるんでしょうか。
#227
○国務大臣(平野達男君) 中央防災会議のメンバー構成のお尋ねでございました。
 国の防災会議の委員につきましては、国務大臣、指定公共機関の代表者、指定地方行政機関の長など、その多くはいわゆる充て職ということで任命されております。このため、一般の審議会と同様の目標を定めて女性の委員を登用することは必ずしも容易でない面もあります。
 ただ、こうした中で、例えば中央防災会議においては、学識経験者四名のうち、少なくて申し訳ございませんけれども、一名女性委員を登用しておりまして、女性の委員の反映に配慮していると言い切れるかどうかは、ちょっとお叱りを受けるかもしれませんが、そういう状況でございます。
 いずれ、この中央防災会議、学識経験者の枠をもし増やせるのならば増やして、女性の枠、これを是非とも拡大するよう、これは先ほど野田総理からも、女性の参画は重要だという御発言がございましたので、その方向でちょっと取り組んでみたいというふうに思います。
#228
○松あきら君 配慮して一人なんて考えられません、男女平等なんですから。同じ数にしろとは言いませんよ。けれども、配慮と言うんだったら、もう少なくたって三割とかあるじゃないですか、四割とか、多い方がいいですけれども、お願いします。考えるとおっしゃっているんだから、これお答え待っていますから、必ず聞かせていただきたいと思います。
 私がここへ出てきますと、子宮頸がんのワクチンのことをやらないわけにはいかないと。またかと思われても何度も、これ何回も言ったからワクチンもやっていただいた。子供のHibワクチン、それから肺炎球菌ワクチンもやっていただいた。これは子宮頸がん等ワクチン緊急促進臨時特例交付金、長いですね、これ二年分やってくださったわけでございます。
 けれども、我が党の山口代表のこの間の代表質問で総理の御答弁もありましたが、やはり専門家の委員会等でのあれを受けてから考えますみたいな、余りはっきりした御答弁ではなかったんですね。やはり、これは昨年十月六日に予防接種部会で、これらのワクチンの定期接種化を検討すべきという結果がもう出ているんです。
 そして、民主党さんは基金がお嫌いだそうでございまして、基金は駄目だ駄目だとおっしゃっていたけれども、私どもも基金がいいとは思っていない、やはり大事なことは本予算でやるべきだとは思っているんですけれども、しかし、当面、安心こども基金や妊婦健診支援基金、介護職員処遇改善等臨時特例基金、これらも継続するのかどうか、まずお答えをいただきたいと思います。
 もう一つ。小宮山大臣は女性として初めての厚生労働大臣ですね。ですから、全国の女性は、大臣の一挙手一投足、注目しています。是非役所と闘って女性や子供や障害者のために頑張っていただきたい。いかがでしょうか。
#229
○国務大臣(小宮山洋子君) ありがとうございます。厚生労働省になってからは初めての女性ということで、しっかりとその立場でやっていきたいと思いますので、また御助言も御支援もいただければと思います。
 この子宮頸がんワクチンにつきましては、私も党の方にいたときに一緒にやらせていただいてまいりまして、大事さはよく分かっております。今、実際に自治体なども主体になって進められて、ようやく進められるようになってきたところでございますので、来年も引き続いてその予防接種ができるようにしっかりと予算の獲得をしていきたいと思っております。その方法については、基金でやるか、あるいは今予防接種部会でやっているように定期接種にするのか、方法はありますが、とにかく続けられるようにすることはお約束をしたいというふうに思います。財務省の方にもよろしくお願いをしたいと思っています。
 そして、あと、安心こども基金とそれから妊婦健診の検査の支援基金、これにつきましても、やはり基金でしっかりと積んでいけるように努力をさせていただきますし、介護職員の処遇改善等の臨時特例基金、これにつきましても、非常に大事なことですので、これも基金でやるのか、あるいは介護報酬の中でやるのか、しっかりと確保はしていきたいというふうに思っております。
#230
○松あきら君 しっかりと伺いました。
 じゃ、財務大臣、どうぞ。
#231
○国務大臣(安住淳君) 実は、ちょっとその前に、子宮頸がんのことで、私も実は、先生の質疑を聞いて、これは私の娘もそれで今接種を、(発言する者あり)ええ、ありがとうございました。もう全然知識がなかったので、いや、本当のことでございます、これは。
 ですから、重要性は十分認識をして、厚労省とお話をしていきたいと思います。
#232
○松あきら君 ありがとうございます。
 ということは、ワクチンだけではありませんで、実は検診と両輪でやっていかなければ、これはほとんど一〇〇%近く予防できるんです、ワクチンと検診で。お分かりになっていらっしゃると思います。
 そこで、松さん、松さんちょっと、あれいいね、私に参議院の玄関で声を掛けてくださいました、自見大臣。あれって何ですかと申しましたら、この子宮頸がん予防法のことでございまして、ワクチンと検診のことを是非お願いいたします。(発言する者あり)いいんです、お医者様ですから。
#233
○委員長(石井一君) 自見国務大臣、簡潔に明快にお願いします。
#234
○国務大臣(自見庄三郎君) 私は四十一年前に医者になりまして、医学を学んだころ、がんの原因がはっきりしないと、そういう時代でございまして、もうがんに一旦なれば大変悲惨な状態になるということ、そういった時代でございました。
 今、先生お話がございました子宮頸がんですね、これも今、これはヒトパピローマウイルスという発がんビールスで発症することが明らかになって、そのワクチンまでできたわけでございます。私も内科の医師、公衆衛生で勉強させていただきましたが、松先生、予防に勝る治療はない、予防に勝る治療はないという、これはもう非常に大きな人間が今持っているツールはワクチンでございますから、そういった意味で、先生が子宮頸がん対策でワクチン接種あるいは検診等々やっておられること。
 また、学者の中にはいろいろな意見があるという話ですが、昼休みに私、今、九大の名誉教授でございますが、臨床ウイルス学の柏木征三郎教授にお聞きさせていただき、これ非常にやっぱり効果があるという話でございますから、是非、学者の中には一部いろいろ言う人がおられるという話は聞いておりますけれども、やはりこれはしっかり政治家として、予防に勝る治療はないということで頑張っていただきたいというふうに思っております。
#235
○松あきら君 自見大臣、本当にありがとうございます。お医者様でいらっしゃいますしね。だって、治療から予防でしょう。お金が掛かるんですよ、全て、これ。お金だけの問題じゃないですけど、全ての、治療より予防でございます。
 小宮山大臣、いかがでございましょうか。
#236
○国務大臣(小宮山洋子君) これ、ワクチン接種がかなり効果のあるものということで取り組んでおりますけれども、当然のことながら検診と併せて行わないとこれはしっかりした予防措置にはなりませんので、そういう意味では、今、国会に提出されております法案が審議されるようにというふうに思っております。
#237
○松あきら君 実は、これをつるしていらっしゃるのは民主党なんですね。自民、公明、新党改革、共産党も、みんなの党さんも、たちあがれ日本さんも、全員賛成なんです、これ。民主党がいわゆる、国会用語でつるすという、こういうことになっているんです。でも、大臣が、これ女性の命を守るだけでなくて、次の子供たちを産み育む母体でございます。ですから、本当に大事な問題でございます。
 総理、まさに民主党だけがつるしている。御決断でこれできるんです。いかがでございましょうか。
#238
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほどからの御議論お聞きしまして、これワクチン接種と検診併せて行うことが必要だということの認識を強めましたし、自見大臣の簡潔な御答弁に、予防こそが最大の治療であるということを強くインプットされました。ということで、この議論を進めていくことは大事だと思いますので、議論できるようにということで私からも指示をさしていただきたいというふうに思います。
#239
○松あきら君 もうここで拍手申し上げます。今までいろんな総理に申し上げたり、まあ前総理とか、いいお答えがなかなかなかった。初めて野田総理からいいお答えをいただいて、全女性がこれは約束していただいたというふうに今の御答弁で思っていいと思います。ありがとうございます。
 では、引き続きまして、やっぱりしつこい松さんでございまして、ピロリ菌のことについてさせていただきたいと思います。
 前回もこれ、胃がんの要因はピロリ菌という、ヘリコバクター・ピロリ菌という病原細菌が原因となる因子である、WHO、これでも認められているというわけでございまして、これがなかなか日本では、ところがうまくいっていない。
 私が与党のときに女性特有がん検診無料クーポンというものをやりまして、これ、乳がん、子宮頸がん、このとき、無料クーポンなんか駄目だと役所と大チャンバラをやりましたけれど、渋々やってくれました。
 効果が出ているんですよ。例えば、子宮頸がん、三十歳からが死亡率が高いんです、四四・五。次、三十五歳から三十九、四七・四、次、四十から四十四、四八・四、四七・五と、こういうふうにだあっと。今まで子宮頸がんは大体二二、三%。乳がん、乳がんも四十歳からこれやりました。四四・二、一六・一、四三・八と、ばあっとなっているわけです。これも一四、五%だったんですよ、検診が。ですから、無料クーポンにするとすごくいいということができた。
 そして、今年度に、これがいいということをお分かりいただいて、大腸がんの無料クーポンをやっていただくことになりました。それは本当にうれしいことでございますが、多分無料クーポンを持っていくと、これはキットですね、こういうキットが配られて、この中、ちょっと開けますけれども、検便をするという、これでございます。
 私が申し上げたいのは、このキット一つで実はピロリ菌も調べられるわけでございます。一つのキットで両方使えるそうでございます。もちろん、ピロリ菌を調べるには、血液検査もやればなおもっと精度が上がる、一〇〇%と、こういうことでございますけれど、せっかくでございますので、私は両方やるべきだと思うんですね。いかがでございましょうか、大臣。
#240
○国務大臣(小宮山洋子君) 大腸がん検診の便潜血検査、これは大腸がんの死亡率の減少を確認されていることから推奨しているものでございます。
 そして、厚生労働省としては、今後、がん検診の在り方の見直しの中で、胃がん検診でのヘリコバクター・ピロリ菌の検査についても、最新の科学的な知見を踏まえて検証をして、積極的に取り組んでいきたいというふうに考えています。
#241
○松あきら君 大変に前向きな御答弁だと評価申し上げます。
 前菅総理は、積極的に、私、前向きに進めますとか、そういう何か前向き前向きとか審議しますとか言っても、それ信じていないんですね、大体やらないことですから。そうしたら、積極的にというふうに言っていただいたんですけど、その後何にもないなと思っておりましたら、まあ小宮山大臣はおっしゃったことはやっていただけると思います。
 時間が来ましたけれども、これだけは、せっかく作ったんですから、どうしてもやらせていただきたいと思います。
 災害の父子家庭の孤立が問題になっている。自立支援は母子家庭だけなんです。遺族基礎年金は父子家庭には支給されないという現実があります。(資料提示)
 この表を見ていただきたい。遺族年金七十八万八千九百円、子の加算分四十五万円、計百二十四万二千九百円支給される、ところが父子家庭には支給されない、これは男女平等ではない、こういうふうに思います。(発言する者あり)やめます。
 申し上げたい、きちんと与党に。与党の方がたくさんの時間の中で、当然ですよ、守るのは。でも、私は今まで過ぎたことないんですよ。でも、大事な震災で父子家庭が大変な目に遭っているんですよ。こういうことをきちんとやらせていただけないとおかしい。(発言する者あり)じゃ、ちょっとやらせていただきます。
 こういうふうに見ていただきたいんです。母子家庭ではマル、父子家庭ではバツ、こういうことがあってはならない。これについてしっかりと、私は、震災後の父子家庭が子供の貧困につながる状況を一刻も早く改善していただきたい、制度改善を要望いたします。総理、いかがでございましょうか。
#242
○国務大臣(小宮山洋子君) この年金制度の改革につきましては、今社会保障審議会の年金部会で検討していますので、これはいろいろ就業形態や家族形態に母子と父子の場合では違いがございますけれども、見直しに向けて検討していきたいと思っています。ただ、これは遡ることができませんので、現在の震災に遭われた方につきましては、恐らくマルが付いていたと思いますけれども、児童扶養手当法を改正して、この児童扶養手当は父子家庭にも行くようにいたしましたので、こうしたことも活用をしながら見直しに向けて検討していきたいと思います。
#243
○松あきら君 ありがとうございました。
 終わります。
#244
○委員長(石井一君) 以上で白浜一良君、松あきらさんの質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#245
○委員長(石井一君) 次に、小野次郎君の質疑を行います。小野次郎君。
#246
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎でございます。
 野田総理には是非、国家と国民のためにいい成果を上げていただくように心から期待しております。
 総理、これからやっぱりいろんな苦境に接すると思いますけれども、総理を一番力強く最後まで支える力、守る力って一体何だと思いますか。
#247
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 様々な困難な課題を乗り越えて本当に国民生活を守っていこうというその使命感、責任感、それを持続させることが自分のバックボーンにしたいというふうに思っています。
#248
○小野次郎君 それを国民に知ってもらう、やはり国民の支持というものだと思いますね。党内で幾ら足引っ張られても、あるいは私たち野党から幾ら攻撃されても、世論が支持してくれているということは総理の座をしっかりと守ってくれる一番力強い力だと思うんです。
 総理は、昨日までの御発言伺っていると、ぶら下がり取材をやっぱり受けない、記者会見を定期的にやる、そういう決意を固められたんですか。
#249
○内閣総理大臣(野田佳彦君) ぶら下がりをやらないとかまでは決めていません。ただし、定期的なきちっとした落ち着いた形での会見みたいなものはやっていかなければいけないということを昨日、方向性としては申し上げさせていただきました。
#250
○小野次郎君 まあそれは総理のお決めになることですけれども、何か鳩山元総理はぶら下がり取材を受けていたから自分の任期が短くなっちゃったみたいに御感想を述べておられるようですけど、余り参考にされない方がいいと思いますよ。むしろ、細川総理も大変ぶら下がり取材を受けておられた。ぶら下がり取材を受けていた細川総理が受けなくなったんですよ。そうしたら、時を経ずしてお辞めになったんです。だから、ぶら下がり取材を受けているから任期が短くなるんじゃなくて、国民の前に顔を出さなくなると国民の支持が得られなくなるんですよ。私は、野田総理は、その人となりとか覚悟とか、まあいいじゃないですか、そのままを国民の前に出せば。それは私は結構支持を受けるタイプじゃないかなと思います。
 是非、ぶら下がり取材、これ、だらだらやるのは必ずしも見てくれも良くないと私も思います。だけれども、ぶら下がり取材と記者会見の間にぶら下がりインタビューというのがあるんですよ。きちんと国民の前に顔を出してその時折の質問に答えて、それは記者の質問に答えるようでいるけれども国民の皆さんに総理を知ってもらうという面があるので、是非記者会見という定型的なものにしないでぶら下がりインタビューを受けていただくようにお勧めしたいと思いますが、どうお考えですか。
#251
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 一つの御提案として、非常に御心配をいただいた中での御提案として受け止めさせていただきたいと思います。そのことも含めて、どういうやり方がいいかということを早急に結論を出したいというふうに思います。
#252
○小野次郎君 質問に入る前に、藤村官房長官に御報告とお礼を申し上げたいことがありまして、実は去年の十月に厚生労働省で中込空君の、アメリカで移植手術を受ける前に副大臣にお会いいただいて、激励いただいて、厚生労働省内で記者会見をさせていただく機会を得ました。無事に一月に渡米して、二月に手術をして、三月に退院して、リハビリを終えて、今月の七日に帰国されました。つい二十五日、この前の日曜日にも皆さんに、支援してくれた方にお礼をおっしゃっておられましたけれども、百二十万ドル掛かったというんですよ。
 何をなぜ言いたいかというと、あのときに厚生労働省に野党の身ですけれどもお願いしたら、けんもほろろでした。臓器移植法できたんだから、そんな外国へ行って移植する人のことを厚生労働省は応援なんかできませんと言うんですよ。それで、藤村さんに何とか会うだけでも会っていただけないかとお願いしたら、お忙しい中を気持ちよく会っていただいて、おかげで地元のテレビや新聞にどんどん報道してもらえましたので、その記者会見の場も、目標の金額が集まってこういう大変いい結果になったと思いますので、そういった官僚の段取りというか仕切りにとらわれずに、政治家が人道問題だなと思えば動くというのが私は本当の政治主導の原点だろうと思います。その意味で御報告とまず御礼を申し上げたいと思います。
 さて、政治主導という言葉を今言いましたけれども、これは私は官僚的、官僚支配というののアンチテーゼだと思うんですね。官僚的なものって一体何だと官房長官思いますか。官僚主義って一体どういうことだと思いますか。
#253
○国務大臣(藤村修君) 空君のこと御報告いただきまして、ありがとうございました。
 官僚というのが、いろんな定義があるんでしょうが、私の思いだけを簡単に申し上げますと、やはり決められた範囲の中で、それはすなわち法律だと思うんですが、の中でしか動けないと。そうすると、法律がない分野だとか、あるいはこの場合は法律から少しはみ出てもこうすべきだとかという部分は全くこれは対応できないという、非常に硬直的な部分があるのは一つであると思います。
 ただしかし、その決められた範囲、つまり法律の範囲でしっかり動くという意味でも、官僚の皆さんは一生懸命やっているという評価もできるかと思います。
#254
○小野次郎君 時間がありませんので、私が自分の印象を申し上げさせていただけば、私は両方経験していますから、官僚も政治家も。官僚は、まず一人一人が顔を見せないということなんですよ、当省としてはという言い方をして。もう一つは、一人一人の人が責任を取らないということなんですよ。そして最後に、今官房長官もちょっとお触れになったように、血も涙もないというか平然としていると、全てのことが決まりの中で動いているということだと思うんですね。
 その意味で、今度は前の官房長官にお伺いしますけれども、政治主導の公務員改革の極めて力強いブレーンであった古賀氏はもう退職に追い込まれました。一年前にこの部屋で、この場所で私が古賀さんにお話を聞きたいといって呼んだら、そこに座っておられた仙谷官房長官が呼んでもいないのに割り込んできて恫喝をした。御記憶にあると思います。
 この国民注視の古賀さんの退職問題について、今度枝野経産大臣は何とおっしゃったか。個々の職員の退職云々は大臣の問題ではないと、関与もコメントも拒んで、結局その処理を官僚に委ねてしまった。この一年間の姿こそ、私は民主党政権の政治主導の放棄と官僚支配への屈従そのものではありませんか。枝野経済産業大臣、お願いします。
#255
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘の経済産業省の元職員のことにつきましては、いろんな経緯はあったことは事実上は承知をしておりますが、私がこの方の人事にかかわりましたのは経済産業大臣に就任してでございます。そして、私は基本的には、個別の職員の、次官とか局長は別かもしれませんが、あるいは不祥事を起こした職員について人事的にどうするかというのは別だと思いますが、私は、個別の職員の人事についてお答えをするとかというのは私は本来からいうと筋ではないのではないかというふうに思っております。
 ただ、国会でのお尋ねでございますのであえて申し上げれば、これは海江田大臣、鉢呂大臣の下で積み重ねられて、海江田大臣のしっかりとした大臣としての御判断を踏まえて退職勧奨がなされたというふうに私は承知をいたしております。そうした手続を踏まえて私は引き継ぎましたので、その手続にのっとった形でそのまま続けていただきたいということで、事務方に後の最後の処理は指示をしたものでございます。
#256
○小野次郎君 仕事をさせてほしいという古賀さんの思いは届かず、退職されましたけれども、今の答弁、全国の皆さん御覧になったと思う。与党も野党も聞いた。結局、大臣は一遍も名前を呼ばないんですよ、その人の。それが官僚主義的だと言っているんですよ。これだけ日本人がみんな見ていることを、何で古賀さんという名前を一言言えないんですか。お名前のあった職員につきましてはって、それが、さっき僕言ったじゃないですか、顔を見せない、責任取らない。読んでいるからですよ、答弁を、官僚の答弁を。私は次へ進みますけれども。
 増税の前にやるべきことがある。私は、公務員人件費二割削減の法律案をおととい今国会に提出しました。発議者小野次郎で出させていただきました。この国家公務員だけの二〇%の人件費削減で一兆円の人件費が削減されます。十年で十兆円の節約になります。今話題になっている九兆とか十一兆とか言っていますが、その幅の政府が検討している復興増税、全部賄えるじゃないですか。どうしてこの公務員の人件費削減を実行しないんですか。
#257
○国務大臣(枝野幸男君) 先ほどの政治主導のお話ですが、私は、私の表現では官僚依存からの脱却とずっと言ってきておりますが、それは従来、残念ながら、ある部分においては官僚の皆さんが本来の官僚の皆さんとしての役割を越えて政治をやっていた。それは、政治がしっかりと政治の果たすべき役割を果たさなかった結果として官僚の皆さんが政治も担わざるを得なかった部分もあると。そういったことで、政治がしっかりとその本来の責任、役割を果たすべきであるということで、官僚主導からの脱却ということを申し上げてきております。
 そうした意味では、個別の、しかも退職された方のことでございますので、余り踏み込んだことを申し上げるべきではないかというふうに思いますが、私は、官僚の皆さんがある意味の匿名性の中で、しかしながら与えられた仕事をしっかりやると。しかし、まさに国民の皆さんに責任を負って、例えば役所としてあるいは政府としての物の考え方を発信したり、それについて国民の皆さんとディスカッションしたりと、こういった役割はまさに政治が担うべきだと思っておりまして、そうした意味では、私はまさに政治主導だからこそこうした判断になったというふうに思っております。
#258
○委員長(石井一君) 次に、川端達夫総務大臣。
#259
○国務大臣(川端達夫君) 御党から、前国会も含め今国会も二〇%削減の法案が出ていることは承知をさせていただいております。
 我が政府としても、国家公務員の総人件費削減について、一つは、給与水準あるいは退職金水準ということでの一人当たりの人件費の単価を引き下げるということ、それからもう一つは、国の事業をトータルに見直してスリム化するということでの定員削減という数を減らすこと、あるいは、地方分権推進に伴う地方移管等々、単価等を、変数というのを、基礎というあらゆる角度から切り込んで削減を目指すということで、二十五年度までに二割削減にめどを付けるということで臨んでおりますが、このうち国家公務員給与については、去る六月三日に給与のおおむね八%、御党の場合は一〇%でしたけれども、おおむね八%を減額する法案を国会に提出しているところであります。この法律の早期の成立を期していくこととしているところが現状でございます。
 なお、定員削減につきましては、鋭意これからも引き続き行政のスリム化等々を含めて進めてまいりますが、現在、東日本大震災に伴いまして、例えば環境省の除染対応あるいは文科省の原賠機構あるいは厚労省のハローワーク等々の震災対応の要員増が出てきているという一方の面もありますが、最大限、可能な限り純減を確保してまいりたいと思っております。
 以上です。
#260
○小野次郎君 結局、大臣、八%の案も通せなかったじゃないですか。本気で二〇%削減に取り組もうと思ったら、是非我が党が提出した法案を見ていただきたい。大変ですよ、これ。八%でも大変だったと思いますけれども、二〇%の削減。でも、マニフェストに掲げているんですからね、民主党は。是非前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 さて、朝霞の公務員住宅建設、この現状を私はもう一遍聞きました、どうなっているか。大臣、どうなっていると思います。まだ建っていないんですよ。緑があったところを木を切って更地にするという作業をしているだけなんです。
 私は、中止費用が掛かっても本体施工を中止するべきだと思いますけれども、そういうお考えはありませんか。
#261
○国務大臣(安住淳君) 全体の公務員の、何度もここで答弁させていただいていますけれども、公務員宿舎の削減については一五%カットしていくということで、集約の中で朝霞が出てきたということでございます。今、小野さんおっしゃるように、まだ上物が建っているわけではございません。
 ただ、言い訳のように聞こえるかもしれませんが、しかし、ここは別に高級官僚が入るわけじゃないんですね。小野さんも警察官僚でございますけれども、これは警察官やそれから自衛官の家族持ちの人たちが入ると。まして、これは一般のマンションとは違いましてサイズが非常に小さくなっておりまして、そういう中で実は集約をしてやっていこうという話になったんです。テレビ、特にワイドショーなんかではここだけを取り上げて何か面白おかしくやっておられるようでございますけれども、私は全体を見ていただければそんなにこれが違和感があるとは思いません。
 ただし、先ほど小野さんからも御指摘あったように、これからいろいろな御負担をお願いするときにこのままで本当にいいのかということを再三、先ほど白浜先生なんかからも御指摘もいただきました。そういう意味じゃ、国民の皆様の誤解を受けないように、また御理解をいただけるような方法があるのかどうかを含めて考えていきたいと思います。
#262
○小野次郎君 総理に御指名で質問させていただきますけれども、増税の議論も抱えている今、国民の理解が得られないまま公務員宿舎の建設を強行するのは避けるべきだと政治的に思いませんか。
#263
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 国民に御負担をお願いをする前に、基本的には、例えば国会においてもあるいは行政府においても、身を切ることは徹底して身を切っていくということが必要だというふうに思います。
 その上で、朝霞の宿舎については、これは確かに震災の前の一つの判断でありますが、そのことをどうするかについては国民の御理解を得られるようにという今財務大臣の答弁もございました。そのことも含めて検討させていただきたいというふうに思います。
#264
○小野次郎君 国民の理解が得られるともしすれば、私は、いつも内ポケットに入れているのは、福島県から県外へ避難している人は五万五千人、北海道から沖縄までいるんです。でき上がるのに時間が掛かるでしょうけれども、その時点でも、恐らく首都圏で家を求める方は数千人以上、私は万に近い数残ると思いますよ。ですから、国民の理解を得られる方法というのは、震災被災者、特に放射能汚染から避難している福島方面の方々に優先的に使わせる。それぐらいの腹があってもいいんじゃないかと思いますが、お考えありませんか。
#265
○国務大臣(安住淳君) 大震災の後に新しく官舎を造らせていただいたときにそういうことをやらせていただきました。貴重な提案だというふうに思っておりますので、考えさせていただきます。
#266
○小野次郎君 原発の再稼働の質問をさせていただきますが、総理は国連で再稼働を認める趣旨の発言をされ、官房長官は、九月二十二日、来年二月にも再稼働の可能性を示唆する発言をされています。そして、与党の政策責任者の前原議員は、二十六日、年内にも再稼働をと発言されています。
 この相次ぐ原発再稼働前倒し発言の真意を、今日、前原さんおられませんから、総理と官房長官に、どちらから先でも結構ですが、お伺いいたします。
#267
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 少しちょっと私のところは誤解があると思うんです。国連で、原子力ハイレベルの会議と国連総会とで原発の問題触れていますけれども、再稼働の問題は一言もしゃべっていません。多分、御指摘は、その前に行く、ウォール・ストリート・ジャーナルでしゃべったことの御指摘ではないのかというふうに思いますが。
 その上で、その再稼働に向けてでありますけれども、やるべきことがあって、それは事業者が徹底してストレステストをやって安全性を確認をする、それを保安院が評価をする、安全委員会がそれを確認をする、その上で地元の理解等を得られているかどうかを政治が最後は判断をするというプロセスをたどるということであって、再稼働をするという条件はそれを満たすかどうかだということでございます。
 それは基本に置いているということであって、たまたまウォール・ストリート・ジャーナルは、来年夏という言葉が躍りました。それは、このままでいくと五月までに全部の原発が停止をするということがあって、電力の需給がどうなるかということが心配であるということを含めての発言であるということで、再稼働の条件は、安全性のチェックを今言ったプロセスの中でしっかりやっていくということでございます。
#268
○国務大臣(藤村修君) 私の記者会見で、それが報道されたときには若干私の発言と違う部分がありましたので正確に申しますと、原発依存度が最も高い関西電力管内で来年二月に全ての原発が停止するという見込みであるため電力需給が厳しくなると、こういうお話をしました。つまり、来年夏来年夏と言っていたのが関西においてはむしろ来年の冬も、今年の冬から来年の冬です、一月、二月にかけて電力需給が厳しくなるというお話は確かにいたしました。ただ、再稼働のことについては触れておりません。
 そういう意味で、再稼働をいつまでにというのは、今総理がお答えしましたように、やっぱり地元の十分な御理解をいただくということで、期限を切ってやるべきでないと私は考えております。
#269
○小野次郎君 是非官房長官、総理のお話である程度話は分かりましたけれども、その発言は慎重にしていただきたい。
 例えば、九月十九日には脱原発を求める街頭デモが六万人規模で東京で開かれています。私は警察に長くいたから分かりますけれども、これ警察発表でも三万と書いてありましたよね。ネットで五割って結構すごいですよ。私、三十年ぐらい見ていますけれども、こんなに六万人の街頭デモなんというのは日本ではないですからね。メーデーがどうと言いたくないですけれども、よく主催者発表と実際数えると十分の一しかいないようなデモありますけれども、ネットでも三万、主催者六万というのは最大級のデモが起きているわけですから、その国民の意向というものを街頭活動といいながらやっぱりしっかりと受け止めるべきだと思います。一般国民と各地元の理解を得る必要があるのではありませんか。
 もう一度、官房長官、お願いします。
#270
○国務大臣(藤村修君) おっしゃるとおりで、再稼働に向けては、まず事業者が行ったテストを保安院が評価し、さらにその妥当性を原子力安全委員会が確認した上で、上でですね、そこから先がやっぱり政治的判断になると思います。
 地元の皆さんのやっぱり御理解、賛同が得られないと、それは簡単に再稼働は認められないと。事業者は幾らしたいと言っても、やはりこれは最終的には経産大臣が認められるんだと思います。そこは、十分に地元の理解、国民の皆さんの信頼が得られているかということをやっぱり十分にしんしゃくしないといけないと思います。
#271
○小野次郎君 地元と一言で言いますけれども、いわゆる、何というんですか、何とか漬けという、ずぶずぶというか何というんですか、交付金が下りてくる地元の周りまで影響を受けているんですよ。あの福島の第一原発の場合には、広大な面積、東京の人間だって影響を受けているわけですから、その地元というのが狭い意味の地元でない。だからこそ、たしか静岡でも、その設置場所でない隣接のところでも再稼働しないでくれという、永久に使わないでくれという決議が出たりしていますから、是非広く国民一般の理解というのを前提に進めるべきだと思います。
 その意味で、みんなの党は原発国民投票法案、これをもう作っています。是非丸のみしていただきたいと思うんですが、経済産業大臣、御見解を伺いたいと思います。
#272
○国務大臣(枝野幸男君) 国民投票というのは、間接民主主義の足らざる部分を補う一つの有効なツールだと私は思っております。ただ、原発については、一般的に言いますと、総理もよくおっしゃられているとおり、脱原発か推進かという二項対立でとらえるべきではない。恐らく多くの国民の皆さんもその間のところでいろいろなお考えがあるんだろうというふうに思っていますので、国民投票というやり方になじみにくい側面があるのではないかというふうに思っております。
 ただ、せっかくの御提案でございますので、そういった点についてどういうことをお考えになっているか含めて、あの法案については勉強をさせていただきたいと思います。
#273
○小野次郎君 よろしく御検討をお願いします。
 また経済産業大臣に質問なんですが、東電の賠償の手続の進め方のことですけれども、事故を起こして被害者に謝罪し弁償する立場の東電が一方的に賠償の範囲や限度を決める今の手順では国民の理解を得ることは難しいと私は思いますけれども、経済産業大臣、そう思いませんか。
#274
○国務大臣(枝野幸男君) 一般論といいますか、抽象論としてもまさに御指摘のとおりだというふうに思っています。
 いろいろなことがなされていることをあえて善意で解釈すれば、非常にたくさんの被害者の方がいらっしゃる中で、例えば観光業などについても、その関係業界の方と御相談をして大量な請求についてできるだけ早く処理をするということで、じゃ、こういう線でどうでしょうかというような御相談をされてきているというふうに承知をいたしております。
 ただ、全ての皆さんが、じゃ、それで納得するのかというと必ずしもそうではありませんし、そもそも姿勢として、どうしてもそういった、関係業界の皆さんとこれで話が付いたんだからこれでいいじゃないかみたいな、何となく姿勢、態度が見られると。そういった意味では、そうした姿勢、態度が更なる被害者の皆さんの心情を害する、それは被害を更にある意味では拡大させるものだと思っておりますので、適切に指導してまいりたいと思っております。
#275
○小野次郎君 東京電力の社長、来られていますか。
 質問がありますけれども、この範囲や手続を定める際には、私は、まあ表現は悪いですけれども、とにかく加害者側と同数の被害者側の利益を代弁する委員を参画させるべきだと思いますけれども、今回問題になっているこの賠償請求の手順の決め方自体を見直す考えはありませんか。
#276
○参考人(西澤俊夫君) 今回の請求書それから手引書につきまして、大部で非常に分かりにくいということで誠に申し訳なく思っております。現在、その改善を枝野大臣からも厳しく御指摘いただきましたので、説明の要員を増やしたり、それから補足の資料を作ったり、それから御高齢者に直接訪問してやるなどの対策を今取っているところでございます。
 先生の御指摘の点につきましては、いろんな方の御意見を聞いてそういう請求書とか手引書等は作成した方がよいというふうに思っておりまして、今後いろいろこの手のやつを作っていくに際しましては、先生の御指摘の点につきましてよく心に留め置いて対処していきたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#277
○小野次郎君 作り直すかどうかって聞いているんですよ、私は。だって、そもそもこの事故に起因する相当因果関係のある被害は全部賠償責任があるんですからね。それを一方的に一回だけですよとか追加は駄目ですよとかって、誰がどういう権限で決めているんですか。
 そもそも、裁判外で当事者同士がこの範囲でいいでしょうといって同意するのであれば、当然そのルールやマニュアルを作るときからその支払を受ける側の人の意見を聞かなければ、どうして払う方だけで決めることができるんですか。そんなことしていたら、裁判の方へ頼らなければ自分の権利は満たされないという方がすごく出ると思いますよ。社長、そう思いませんか。
#278
○参考人(西澤俊夫君) 賠償の算定基準につきましては、中間指針に基づきまして策定させていただきました。それにつきまして、いろいろ法的な関係者の皆さんとかの、いろいろ御相談して作成させていただきました。その基準等につきましていろいろお示しして、被害者の方々とはよく御相談していろいろ決めさせて、合意をさせていただければというふうに思っています。何とぞ御理解をお願いいたします。
#279
○小野次郎君 付合契約という言葉がありますけれども、一方的に作ってあってこれにサインしろというやつは駄目なんですよ。それをもしやるんだったら、ちゃんと両者の意見をルールについては申し合わせてからやらなきゃ駄目ですよ。この委員会だって、ちゃんと委員長、朝、どこの党は何分です、全部重立ったルール決めてやるじゃないですか。
 半分の当事者が出てこないところでルール決めているなんというのは私はいけないと思いますよ。是非作り直すべきだと思いますけれども、もう一遍社長に意見を求めます。
#280
○参考人(西澤俊夫君) 御請求いただきました点について、お申し出いただいた内容につきましてはしっかり協議させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。(発言する者あり)
#281
○委員長(石井一君) それじゃ、西澤参考人、もう一度お答えください。
#282
○参考人(西澤俊夫君) 先生の御指摘の点はよく踏まえまして、もう一度よく検討させていただければと思います。失礼いたしました。
#283
○小野次郎君 私の指摘に対して持ち帰って検討するという意味ですね、社長。
#284
○参考人(西澤俊夫君) お答えいたします。
 先生の御指摘につきましては、再度検討させていただきたいと思います。そういうことでございます。
#285
○委員長(石井一君) 西澤参考人、これは重要な問題ですから、真剣にもう一度検討して、ここへ、国会へ持ち帰ってください。私からもお願いしておきます。
#286
○小野次郎君 委員長、大岡裁きをありがとうございます。
 細野さんか枝野さんかちょっと分かりませんが、もう各地で初冠雪とか初氷とかって報道されているんですよ。来年の作付けできなければ自分の土地をもう二年も使えないことになっちゃうんです。あるいは住宅であれば年越しになっちゃうんですよ、帰れないまんま。帰宅できる時期のめどが立たない高度の放射能汚染地域の方々の生活再建をどうやって早めるんですか。
 私は、希望する方、高濃度の汚染地域の方で希望する方の土地家屋、事業資産などを原発事故以前の価格で国が借り上げるとか、若しくは買い取る制度を早急につくるべきだと思いますけれども、御見解を賜りたいと思います。
#287
○国務大臣(細野豪志君) 避難をされている方と話をしておりますと、特に若い世代の方で、一刻も早く再スタートを切りたいので、今、小野委員がおっしゃったような趣旨の話をされる方が確かにいらっしゃいます。ただ、その一方で、みんなの党の皆さんも何度か地元の首長の皆さんに買取りの話をされているようでありますし、民主党の中でも実はそういう意見がございまして、提案が出たことがございました。そのことに対しては非常に厳しい反発があるのも事実なんですね。つまり、特に長くそこで生活された方にとりましては、除染をして何とか帰りたいという思いを多くの皆さんが持っていらっしゃいます。
 したがいまして、今、私どもの方針といたしましては、今モデル事業をスタートしたところでございますので、高線量のところでもやります。高線量のところについて、例えばモデル事業をやったときにどれぐらい下がるのか、まずそこをしっかりとやらせていただけないだろうかと、そう思っております。その上で、それぞれの自治体によって様々な復興に向けての考え方が徐々に出てくるかと思いますので、そういった中でどういったやり方が地元の皆さんの御意向に沿うものなのか検討していきたいと、そう考えております。
#288
○小野次郎君 私もこの委員会で何度か使ったパネルあります。皆さんも御存じだと思う。チェルノブイリ事故、九年後にまだら状に何百キロという距離の範囲に汚染地域が残っているんですよ。それが歴史の現実なんですよ。
 そのチェルノブイリの事故のときに、ロシア政府は居住禁止区域を定めました、三千百平方キロ。もう中規模な日本の県一つですよね。これが五ミリシーベルト、年間、以上ですよ。細野大臣、さっき二十ミリシーベルトか何かが境目みたいにおっしゃいましたけれども、二十年前のロシアでも五ミリシーベルト以上のところは居住禁止区域にしております。この面積は、今回の原発事故の場合でいうと六百平方キロ。六百平方キロというと東京都の三分の一ぐらいですから、二十三区内ぐらいがすっぽりそういう状態なんですよ。
 それで、除染をって。除染はしてください。全力を挙げてやってください。だけど、それでも何年間も戻れない人の家と土地と事業用財産はどうするんですか。
#289
○国務大臣(細野豪志君) セシウムというのは134と137というのがございまして、134は比較的短い期間で減衰をしてまいります。したがいまして、除染と自然減衰によってどこまで下がるか、これは技術も発達してきていますので、そこはしっかりやってみる私は価値があると、そう思っております。
 その上で、今、旧ソ連の例を引かれましたけれども、私は、日本は日本のやり方でしっかりと進んでいくべきだと、そう考えています。それは、出ていっていただくときは、避難をしていただくときは半ば強制的に出ていただいたわけですよ。これから帰ってきていただいたり、この後どうやって地域を再生していくのかというところは、私は、もちろん国としてある種のリーダーシップを持っていろんな提案をしていくべきだと思いますけれども、強制力を持ってやるものではないと。むしろ地元の皆さんとしっかり、それはそんな長くだらだら話す必要はないと思いますけれども、しっかり膝を突き合わせて話をさせていただいて、これはというところで、できる限り多くの皆さんに納得をしていただいた段階でやるというのが私は日本のやり方ではないか、そう感じております。
#290
○小野次郎君 誤解のないように、大臣、最初から私は高濃度の汚染地域で希望される方のということですよ。あくまでもそれは強制力の問題ではなくて、むしろ生活再建を早くしたいという方の希望をかなえてあげる仕組みを早くつくるのが国の責任ではないかということを申し上げているんであって、それは地元の行政等との話合いがあると思いますから、それは積極的に進めていただきたいと思います。
 さて、総理は国連演説で、二十二日だと思いますが、原発輸出継続と受け取られる発言をされていますけど、その真意をもう一遍お伺いしたいと思いますけど。
#291
○内閣総理大臣(野田佳彦君) これも誤解があると思います。
 今回の事故の教訓、反省、そしてそこから得た知見というものを国際社会と共有をしたい、その上で国際的な原子力安全向上のためにあらゆる協力をして貢献をしていくということが私の国連演説、あるいは原子力安全に関するハイレベル会合での言っている主張です。輸出に関する言及は、全くそれについてはありません。あらゆる協力を惜しまない、安全のための協力を惜しまないというところの中での解釈としてそういう報道があったのかもしれませんが、正しく言えば、だから直接の言及は全くないということです。
 あえて言うならば、輸出をどうするかということは、これはきちっとした事故の検証を踏まえながら今後その方針を固めなければいけないと思いますが、その前の段階で輸出についての言及はしていないということだけは御理解をいただきたいというふうに思います。
#292
○小野次郎君 国内の報道では原発輸出継続というふうに報じられたことは事実ですから、総理、発言には慎重に扱っていただきたいと思います。
 さて、それでは、福島出身の玄葉外務大臣に伺いますけれども、今の発言に関係してですけど、日本・ヨルダンの原子力協定、継続審議になっていますね。私は、この原発事故の危険も怖いけれども、加えて、日本が自ら原因つくって、四十年、五十年の間、国名を挙げてしまって大変その国には申し訳ないかもしれないけど、周りの国、どんな国だと。今まで四十年、五十年、この当該地域で何が起きてきたかと考えると、イラク、シリア、レバノン、パレスチナ、イスラエルでしょう。ずっと戦乱の地だったじゃないですか。動乱の地ですよね。そこに日本が今から原発を輸出するなんというのは思いとどまるべきだと私は思いますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。
#293
○国務大臣(玄葉光一郎君) 原発輸出、一般論については先ほど野田総理がおっしゃいましたけれども、しっかり事故の検証をして、それを踏まえて我が国の考え方をまとめていくということだと思います。
 今御質問の、まさに現在進行形のものをどう考えるのかと。しかも、今は特定の国、ヨルダンの話をされたわけであります。現在進行中のものが幾つかございます。その件につきましては、基本的な考え方は、これまでの外交交渉の積み重ねが一つある、国家間の信頼関係を損なわないようにしなければならないということがある、これも抽象的に言えば、そういうことを踏まえて考えていくということだと思います。
 それで、じゃ、現在進行形のものをそのまま普通に進めるのかといったら、私は、ただ売ればいいということではないと思うんです。つまりは、これまでのまさに事故の教訓を踏まえて、日本でなければできないアドバイスとか技術とかそういうこともあるでしょう。まさに事故の教訓を踏まえた形で最終的に現在進行形のものも考えていかなきゃいけないというふうに思うんです。
 ただ、今協定の話をされましたけど、協定そのものについては、これは原発を輸出するための十分条件ではありませんので、あくまで必要条件の一つでありますから、それはIAEAとかあるいは核の不拡散の問題で必要なことなので、協定は協定で私は締結をしていただきたいと、早期承認をしていただきたいと。その上で、しっかりそれぞれ判断を……(発言する者あり)いや、官僚答弁じゃありません、それぞれ判断をしていけばいいというふうに思うんです。
#294
○小野次郎君 玄葉大臣、昨日はリトアニアの何か偉い人と会って、リトアニアにも原発輸出するような話ししているんじゃないですか。枝野さんかな。じゃ、枝野さん、済みません。
#295
○国務大臣(枝野幸男君) 昨日、リトアニアのエネルギー大臣とお目にかかりました。リトアニアでの原子力開発について、我が国の企業と今年の七月だったと思いますが契約が結ばれたということでございまして、それに関連して日本においでになりまして、これもあの原子力発電所事故以前からのいわゆる継続案件の一つでございます。
 先ほど来出ておりますとおり、外交交渉の積み重ねや相手国との信頼関係を踏まえて、基本的には民間企業が受けたものでございますが、それに付随をしている国としての様々な対応については、原発事故を踏まえた更なる高度な安全性の確保ということを前提としながら責任を持った対応をしていきたいということを相手方にお話をいたしました。
#296
○小野次郎君 駄目ですよ。内閣挙げて、防災計画も、同僚議員聞いたって、それは前から決まっていたものだからまだ直ってないんですみたいなことを言っているし、公務員住宅も震災の前から決まっていたからもう今更いじれないんだ、原発の輸出も交渉を始めていたからもう止められないんだと。
 それじゃ、三月十一日のあの事故をどうとらえて、どうそれを内閣の中で生かしているんですか。全部決まっているから変えられないというんだったら、議論してもしようがないですよ、これ。もう一遍、枝野さん、お願いします。
#297
○国務大臣(枝野幸男君) 我が国の政府は我が国の国土と国民の皆さんの安全に責任を持っておりますが、それぞれの国はそれぞれの国の国民と国土の安全について責任を持っておられます。三月十一日の原子力発電所の事故について十分お知りになった上で、なおかつ、相対的なものだとは思いますけれども、我が国の例えば民間企業の技術などについて、その国がしっかりと運用を行うことによって国民の安全を確保しながら利用できるということを御判断をされることについて、私どもは我が国の三月十一日の経験を踏まえてより安全性を高めることについて我が国としてできることについて御協力をするということは、私は矛盾はしていないと思っております。
#298
○小野次郎君 もう原子力産業を所管して、輸出を所管している経済産業大臣にこれ以上言ってもしようがないですよ。
 総理大臣、さっきの発言守ってくださいね、原発輸出について言及していないと。これからも慎重にその原発輸出については私は検討されることを求めます。
 総理にもし御感想があればお伺いします。
#299
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほど申し上げたとおり、事故の検証を行いながら、そのことを踏まえながら原発の輸出についてどうするかということを、あるいは国際協力も含めてどうするかという結論を出していきたいというふうに思います。
#300
○小野次郎君 ですから、三月十一日以前からあった話だからこれは止められないんですという話じゃ駄目ですよと言っているんです。総理、もう一遍答えてください、それは。
#301
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 三月十一日の、だから教訓を事故検証という中でやっていく、今もう分かっている教訓もありますけれども、正確な検証を踏まえながら対応を決めていくということでございます。
#302
○小野次郎君 是非よろしくお願いします。
 藤村官房長官にお伺いしますが、私も前に官邸勤務をしていたことがあります。官邸の危機管理センターが何らかの事情でポシャっちゃった、機能しなくなったときにどこへ動くかと頭に入れておくんですけど、それが日比谷公園に面した内閣府五号館に避難するんです。その次が、まあいろんなところがあるんですけれども、最後は立川の防災基地に避難するようになっているんです、官邸の危機管理センターが。
 だけど、三月の大変大きな教訓を私たち得たと思うんですね。原発事故による放射能汚染とか東京電力全体が計画停電しちゃうぞというとき、あるいは感染症が広がっていて、例えばですよ、官邸の付近辺りももう機能できないとなったときに、じゃ、僅か目と鼻の先の内閣府五号館に動けばどうなるんだとか、立川の防災基地に行けばいいって、どうやって移動するんですかって担当者に事前に聞いたら、偉い方はヘリコプターでピストン輸送する、偉くない方はどうするんですかと言ったら、中央線か中央高速だって言うんですよ。でも、台風十五号で真っ先に止まったのが中央高速と中央線ですからね。部下なしで大臣だけが行ったって仕事なんかできませんよ。
 その意味で、そういう場合に、私は、数百キロメートル単位の広域で発生する広域の危機に関しては、バックアップ機能をしっかり持ったそういう場所をつくらなきゃいけないと思うんですけど、今までの想定では余りにも近間過ぎて役に立たないと思うんです、こういうものには。官房長官、お考えをお伺いしたいと思います。
#303
○国務大臣(藤村修君) 小野委員はもう四年間ぐらい官邸において危機管理を御担当されたということで、様々御指導いただきたいと存じます。
 それで、今おっしゃったとおり、私もまだ官邸に入って一か月たたないんですが、まず一つは、今回の東日本大震災あるいは福島原発事故などの教訓というのは、もうあの官邸の下のセンター自体がやや古びてきたと、機能自体が相当、これ今の一番新しいものに対応していないということで、まず一つ、これを教訓としては改善しないといけないとは思います。
 それから、今おっしゃったように、じゃ、本当にここの直下型で官邸機能が動かなくなったらというときに、一つは、今内閣府の五号館をおっしゃって、それから今度は市ケ谷の自衛隊のところが一つありまして、それから更にその先、立川ということであります。ただ、立川も、これいわゆる予備施設とされておりますが、ここも立川断層帯で、いわゆる何か断層の上に造ってあるということを聞いておりまして、そういう意味で、今おっしゃったように、本当にバックアップ機能という意味ではこの今の体制では多分不十分であると、そのように思います。
 予算委員長、石井先生も今首都機能のバックアップということで議員連盟をつくって様々御研究をいただいておりますので、本当に連携、連絡も取りながら、御指導いただきながら、新たなそういう体制も考えていく、この必要があると思います。
#304
○小野次郎君 危機管理に関して申し上げれば、やはり広域の緊急事態というのが起きる、起きたわけですからね、今回も。それを考えると、やっぱりファイアウオールというか、かなり何百キロという単位で離れたところにそのバックアップの機能をつくっておかないといけないんじゃないかと思うし、終戦間際に松代に大本営つくりかけたという話ありますけれども、まあ松代の方に表現が良くなかったら申し訳ないんですけれども、ああいうところにつくろうとしても、じゃ、さっきの偉い方、偉くない方って、偉くない方たちどうするんだといったら、農家に分宿するしかないみたいな形になっちゃいますからね。そういうわけにもいかないんで、やはりかなりの都市機能を近くに備えたところにつくらなきゃいけないと私は思っていますので、是非内閣においても、災害はいつ来るか分かりませんから、前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 次の質問に移りますが……
#305
○委員長(石井一君) 総理の答弁求めましょう。
#306
○小野次郎君 じゃ、総理、よろしく。
#307
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回の事故の教訓としても、やっぱり震災の経験からしても、東北の大震災でも、首都機能が相当いろいろと機能不全に陥りました。ましてや、直下型地震などがあった場合にはもっと深刻な影響が出ると思いますので、バックアップ機能をどうするかという議論は進めていかなければなりません。
 今日午前中も国交大臣がお話しされたとおり、例えば予算では調査費を設けるとか、検討を始めるということになりましたので、私もそういう姿勢で臨んでいきたいというふうに思います。
#308
○小野次郎君 前向きの発言をありがとうございます。
 さて、私も余りこの問題はもう各党が取り上げていますから触れたくないですけれども、しかし触れざるを得ません。
 二十六日に有罪判決が下った石川知裕議員及び秘書である彼に資金管理をさせていた小沢一郎議員の二名について、立法府として二人を国会の場に招致して事実関係を明らかにする場を設けるのは、過去の例に照らしても当然だと私は思います。
 我が党は、石川氏についても議員辞職勧告の前に国会と国民の前で事実関係を説明する機会を与えるべきだと私たちは考えています。これまで与党の反対で実現しなかったわけですけれども、有罪判決という事態の進展を踏まえて、与党代表として総理、二人の証人喚問を受け入れるお考えはありませんか。
#309
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 証人喚問をどうするかについては、間もなく始まろうとしている裁判もあるということもございますので、司法への影響なども考えて慎重な判断をすべきだと思います。
#310
○小野次郎君 さっき私も申し上げたとおり、実はその方たちの名誉のためにも、いわゆる司直、司法の場で進められている手続とは別に、政治家として国会と国民の前で自らの所信を、そして事実関係を明らかにする機会を与えましょうと私は言っているんです。それがどうしていけないんですか。もう一遍総理のお考え、伺いたいと思います。
#311
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 基本的にはそれぞれの政治家が説明責任を果たしていく、特にその政治とお金をめぐる問題については説明責任を果たしていくということだというふうに思うんです。
 その上で、だから、それが例えば記者会見というやり方もあるし、国会の場で政倫審やあるいは証人喚問、参考人質疑等を通じてお話をするということもある。当然のことながら、司法の場で黒白はっきりさせていく努力もすると。それぞれやり方があると思うんですが、一方で、その司法の判断というか公判が、裁判が近づいているときには、例えば証人喚問やったって言えることも言えないということもたくさんあると思うんですね。そういうことを考えたときの判断をどうすべきかということだというふうに思います。
#312
○小野次郎君 更に各党間でも議論をさせていただいているところでございますから、私からは今日はこの程度にしますけれども、とても納得いく説明ではないと思います。
 次に、山岡大臣にお伺いします。
 まず、十月一日から東京都でも暴力団排除条例が施行されて、これで全国、北海道から沖縄まで全ての都道府県で同種の条例が施行されるようになります。芸能界あるいは大相撲を含めたプロスポーツ界から暴力団など反社会勢力の遮断をどのように進めるお考えか、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#313
○国務大臣(山岡賢次君) お答え申し上げます。
 警察の大先輩の小野先生に申し上げるのは釈迦に説法のようでございますけれども、お答えをさせていただきたいと思います。
 警察といたしましては、企業が暴力団等との関係を遮断を図ることができるように必要な啓発を進めてきているところでございますが、今お話しのとおり、この度、全国における暴力団排除条例の施行を契機といたしまして、社会における暴力団の排除機運が一層高まっていくように努力をしているところでございます。
 このような情勢の中で、今御指摘の芸能界やプロスポーツ界においては、業界関係者と暴力団等との関係が明らかになりましたことを契機にいたしまして、暴力団等との関係遮断に向けた自主的な取組が今進められているところでございます。御案内のとおりでございます。
 国家公安委員会といたしましては、暴力団の取締りの徹底を図ることはもちろんでございますけれども、条例の周知徹底等、芸能界やプロスポーツ界を始めとする各業界の取組を支援をして、社会全体で暴力団を排除する活動が推進されるよう、警察庁を指導してまいりたいと思います。
#314
○小野次郎君 大臣、四十七都道府県全部で条例が施行されるのに、どうして国は法律を作らなかったんですか。
#315
○国務大臣(山岡賢次君) それを今直ちにここで言われても即答はできませんけれども、その点についてはまた改めて十分に検討をさせていただきたいと思います。
#316
○小野次郎君 そんな責任感のない大臣いないですよ。自分で、だって暴力団対策、責任者なんでしょう。どうして国法で、国の法律で四十七都道府県が順次作ってきた条例ができ上がるまで何も手が打てなかったんですか。それを聞いているんじゃないですか。
#317
○国務大臣(山岡賢次君) 先生十分御存じのとおり、暴力団対策法というのはあるんでございます。ただ、条例がなかったので今度制定をしたと、こういうことでございます。
#318
○小野次郎君 嫌になってきますけどね。だから、条例で新しいことを、内容を加えたわけでしょう。なぜそれが法律で作れなかったんだと聞いているんじゃないですか。
#319
○国務大臣(山岡賢次君) 今度実行します条例は、今の法律の中に規定が入っていないので、改めてそれを設けて実行したわけです。
#320
○小野次郎君 だから、なぜそれを国の法律で作らなかったんですかって聞いているんじゃないですか。──もう事務方答えろ、事務方。
#321
○国務大臣(山岡賢次君) 質問に通告なかったものですから……(発言する者あり)要するに、法律はなかなかこれが成立をしないということで、まず条例を作って先に現実的に対応をしていくと、こういうことでございます。
#322
○小野次郎君 まあ日本の暴力団対策の最高責任者がこういう状態ですから、委員長、大変ですよ、これ。
 八月に島田紳助さんが、僕の中ではセーフだが、間違っているというコメントを残して、突然、暴力団など反社会勢力との親密な交際が明らかになったということで引退を表明されましたけど、この対応について大臣はどういう印象をお持ちですか。
#323
○国務大臣(山岡賢次君) 極めて有名な方ではありますけれども、しかし、法に照らして厳正に対処していくという原則にのっとって、こういうこの状態に本人が自発的にということは結果的に良かったと思います。
#324
○小野次郎君 全然分かってないですよ。だって、委員長、昨日だって、いいマルチと悪いマルチありますかと言ったら、合法なものは合法だ、悪いものは悪いと、そう答えたじゃないですか。だから、紳助さんはどっちなんですか。
#325
○国務大臣(山岡賢次君) 事前通告をしていただければ詳しく調べてお答えをいたしますが、この島田氏は、反社会勢力とは絶っていただくと、こういう思いでございます。
#326
○小野次郎君 つまり、この分野の問題は、あなたが昨日答えたみたいに、法に触れないものは合法なんだみたいな単純なものじゃないということなんですよ。だから、彼は社会的責任、道義的責任、自分の信用を考えて引退せざるを得なかったわけでしょう。
 あなたは、大臣就任直後、マルチ商法関連業者からの献金について、最初は返還する必要はないと言っていましたよね。五日後には、今度、大臣としての記者会見で返済しますと言いました。どういう理由で途中から返金必要だと判断変えたんですか。
#327
○国務大臣(山岡賢次君) 返還する必要がないと私は申し上げた覚えはありません。私が申し上げたのは、このお金は法律的には問題はないと承知はしておりますけれども、消費者行政を担当する閣僚として誤解を受けないように、また今後の行政の公平性、透明性、正確さをより一層確保するために、いただいたものは全額返還することにいたしましたと、こういうふうに申し上げたんです。
#328
○小野次郎君 ですから、大臣自らもお認めになっているように、ポストに就いたときにそのポストについて誤解を与えちゃいけないから、途中で返金します、全て返しますという返事を、対応をされたわけでしょう。やっぱり社会的責任というのはあるんですよ。あなたが言ったみたいに合法なものは合法だけれども悪いものは悪いって、そんなものじゃないんですよ、世の中というのは。特に消費者担当大臣であり、いや、これ私は問題だと思いますよ、大臣。兼ねて国家公安委員長、どっちが兼ねてか知りませんけれども。マルチ商法関連議連会長を務めて、業界団体などから多額の献金を受けた政治家が、今や消費者の利益を守る消費者担当大臣。そして、警察というのは消費者センターと協力して民事すれすれの悪質なマルチ商法を取り締まる責任があるんですよ。その警察所管の大臣も兼ねている。これじゃ、用心棒が十手持ちになったって言われたって仕方ないじゃないですか。
 私は、不偏不党、厳正中立を求められるこの二つの仕事については、この際、両方とも辞めてもらうか、どっちか一つにすべきだと私は思いますけれども、総理大臣の見解を伺いたいと思います。
#329
○国務大臣(山岡賢次君) このいわゆるマルチ商法と言われているものについては特定商取引法の規制でコントロールされているわけでございまして、この規制に違反する行為があれば消費者担当として厳正、適正に処理してまいりたいと思っておりますし、また、国民の皆様の安全を守るためには、先生の日ごろ御主張している不党不偏、厳正中立と、そういう体制で今後とも職責を全うしてまいりたいと思っております。
#330
○小野次郎君 聞いているのは、総理に聞いているんです。こんなことで、消費者の立場からも、あるいは治安全体に関する国民の立場からも、あんな方に信頼があると思いますか。
#331
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 消費者の問題についても治安の問題についても、いろいろ御指摘のあったことについては御本人がしっかりと御説明をしながら、責任を果たしながら、厳正中立に職責を果たしていただきたいというふうに思います。
#332
○小野次郎君 森まさこさんが昨日言われてから、僕も初めてユーチューブ見てみました。山岡、マルチというだけでばあっと出てきますよ、動画が。御自身でも挨拶の中でマルチ山岡と言われているんですと言っていますけれどもね、そんな方が日本の治安の責任者であり、また消費者の立場に立ってマルチの商法を取り締まる、その責任者であることは極めて不適切だと私は御指摘申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#333
○委員長(石井一君) これにて小野次郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#334
○委員長(石井一君) 次に、市田忠義君の質疑を行います。市田忠義君。
#335
○市田忠義君 東日本大震災から半年余りがたちました。真の復旧復興というのは、あの大震災から生き長らえた全ての人々がこれからも安心してその地に住み続けることができるようにすることであります。そのためには、住まい、仕事、収入の道を確保すると同時に、役場や学校があり、お医者さんが身近にいると、これが必須の条件となると思いますが、総理のこの問題についての基本認識をお伺いしたいと思います。
#336
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 市田先生御指摘のとおり、医療は国民生活に欠かすことのできないセーフティーネットでございます。とりわけ、被災地における医療の機能の復興ということは被災地全体の復旧復興の観点からも大変重要であるというふうに認識をしています。
#337
○市田忠義君 東北地方は、この間の国の医療政策の下で、元々医療の過疎化が大変激しいところでした。中でも、今回の東日本大震災の被災地である沿岸部、人口十万人当たりの医師数で見ますと、全国平均が百三十一・五人に対して八十人未満というところもあるほどであります。ただでさえ深刻なこの地域の医療が震災によって壊滅的な打撃を受けました。したがって、地域医療の復旧復興を考えるときに、これまでこの地域で頑張ってきた全ての医療機関を国が責任を持って応援すると、私はこういう立場が国として当然だと思いますが、この問題についての総理の基本的な認識も伺っておきたいと思います。総理の認識を伺っています。
#338
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほど申し上げたとおり、復旧復興の際において医療は大変重要であるという認識の下で、国としてできることを万全を期していかなければいけないと思いますし、被災地の御要請や御要望等も踏まえながらの対応をしていきたいというふうに思います。
#339
○市田忠義君 尋ねていることに答えてほしいんですけれども、被災した全ての医療機関を国が責任を持って応援するという立場が必要じゃないかと、この点についてはどういう認識かということを聞いています。
#340
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 後押しの仕方はいろいろあると思いますけれども、医療全般がきちっと復旧復興できるように国として責任を果たしていきたいというふうに思います。
   〔委員長退席、理事川上義博君着席〕
#341
○市田忠義君 じゃ、お聞きしますが、被災した東北三県の医療機関数を種類別に厚労省述べてください。
#342
○国務大臣(小宮山洋子君) 被災三県での医療機関の被害状況を調査をしましたところ、九月十五日時点で、病院につきましては全三百八十のうち全壊が十、一部損壊が二百九十、医科診療所につきましては全体四千三十六のうち全壊が八十三、一部損壊が千百七十六、歯科診療所につきましては全体二千五百九十七、全壊が八十七、一部損壊が八百二十七という報告を受けています。
 また、診療機能の回復状況につきましては……
#343
○市田忠義君 それはまだ聞いていません。後で聞きます。
#344
○国務大臣(小宮山洋子君) はい。
#345
○市田忠義君 今言われましたように、実に病院で約八割、医科の診療所で三一%、歯科診療所で三五%、こういう膨大な医療機関が被害を受けました。沿岸部だけだともっと比率は高いです。
 こういう事態を目の当たりにして、日本全国から、あるいは世界から多くの医療関係者が現地に駆け付けて何とか緊急事態は乗り越えることができましたが、被災者の多くが今仮設住宅に移って、全国からの医療支援もほぼ終了に向かって、これからは次第に日常の医療体制に戻っていくことになります。
 そこで、二つの問題があります。一つは被災者の医療費の負担問題、もう一つは医療機関の復旧問題であります。
 被災者の医療費の窓口負担は今は原則無料ですが、その期限は来年の二月末となっています。仕事や収入の確保の道が見えないままで期限が切れれば、大量の医療中断が発生して命と健康が脅かされかねません。
 これ、延長の措置必要と思いますが、これも総理の基本認識お聞かせください。
#346
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃいましたように、公的医療保険制度、被災地にお住まいで生活にお困りの方は来年二月末まで医療費の窓口負担を免除をしています。この免除措置の延長につきましては、被災地の状況などを踏まえて、お困りになることがないようにしっかりと判断をしていきたいと思っています。
#347
○市田忠義君 被災者が困らないように対処すると確認しておきたいと思います。
 じゃ、次に、医療機関の現状がどうなっているかと。まず、病院について聞きます。
 先ほどお話のあった全壊した十の病院、一部損壊ないし半壊した二百九十の病院のうち、被災前の機能を取り戻した病院はどれぐらいありますか。
#348
○国務大臣(小宮山洋子君) 診療機能の回復状況につきましては、病院については、入院の受入れ不可が八十四のうち六十四が回復いたしまして、今不可なところが二十になっています。それから、外来受入れ不可が四十五から三十五が回復をし、八へそれぞれ減少をしております。さらに、診療所につきましては、医科診療所の受入れ不可が五百十五から四百三十六が回復し七十九へ、歯科診療所の受入れ不可が五百六十三から四百七十八が回復し、八十五へそれぞれ減少していまして、診療機能は徐々に回復はしつつあると思います。
 今後とも、被災しました県や市町村と連携をいたしまして、三次補正でも災害復旧費の補助金、また地域医療再生基金、これを積み増して必要な支援を行っていきたいと考えています。
#349
○市田忠義君 もう全壊した病院を中心にして、依然として医療機能が損なわれたままだということだと思います。厚労大臣も徐々に回復しつつあるというふうに言われましたが、医療機関の災害復旧には医療施設等災害復旧費補助金と、こういう制度があります。この申請件数、すなわち事前協議件数と額ですね、全壊とそれ以外に分けて、これ、岩手、宮城、福島、三県の合計で結構ですからお答えください。
#350
○国務大臣(小宮山洋子君) 被災三県の医療施設等災害復旧費補助金の申請件数及び申請金額は、医療機関全体で二百九十件、およそ百六十二億円です。そのうち、病院が百二十五件、約百四十億円、そして、医科診療所が百六十五件、約二十二億円となっております。
 ただ、現時点では全て一部損壊の医療機関からの申請で、全壊した医療機関からの申請はございません。それはどうしてかといいますと、やはり全壊の場合、準備にいろいろ時間が掛かるということがあると思いますし、また、再生基金などで対応しているケースもあるというふうに聞いております。
#351
○市田忠義君 全壊が一件もないのは、準備が遅れているからだけですか。
#352
○国務大臣(小宮山洋子君) 遅れているというより、全壊の場合はいろいろとその準備をするのに時間が掛かる、そこのその申請をする準備に対応するのに時間が掛かるということと、今申し上げたように、再生基金の方でこれは対応しているケースがあるというふうに聞いております。
#353
○市田忠義君 どうして災害復旧の補助金を使わないんですか。
#354
○国務大臣(小宮山洋子君) 災害復旧補助金につきましては、被災地域の医療体制の早期復旧を図るために、地域医療の提供で中核的な役割を担う公的病院や政策医療を行う民間医療機関を補助対象としています。
 ただ、第一次補正予算で、これまでは対象となっていなかった災害拠点病院や小児救急医療拠点病院などを追加をしています。
#355
○市田忠義君 よく質問を聞いて答えてくださいよ。
 災害復旧のための補助金という制度があるのに、全壊については一件も申請がないと。再生基金の方を使うからだとおっしゃいました。準備に時間が掛かると。なぜ災害復旧の補助金を使わないのかと聞いているんです。通告してあるから簡単に答えられるはずですよ。
#356
○国務大臣(小宮山洋子君) 失礼しました。
 その災害復旧の補助金は、全体の町づくりとか全体像の中で使っていくというものなので、まだそこの段階に至っていないということかと思います。
#357
○市田忠義君 そういうでたらめを言ったら駄目ですよ。あのね、例外的に災害復旧のために使ってよいと。地域医療再生交付金というのを三県に十五億円ずつ出したでしょう。宮城、これもう配っていますよね。これ全壊一か所もありませんか。時間が掛かる、地域の医療再生計画が立ってからでないと申請できないと。そんなことないでしょう。宮城でこれ全壊含まれていませんか。答えてください。
#358
○国務大臣(小宮山洋子君) おっしゃいましたように、その地域医療再生基金について三県に配っております。先ほど申し上げましたように、その再生基金の方で全壊の場合は対応するということが考えられますが、ただ、これ全体が、先ほど申し上げたように、町づくり全体の計画ができる中で使うということになっているので、まだその準備をしている段階なので実際に使っているところはないということでございます。
#359
○市田忠義君 そういうごまかしをしたら駄目ですよ。じゃ、大臣、後ろを向かないで、こっち見てくださいよ。
 じゃ、手続がきちんと行われれば、全壊でも、この災害復旧助成金の対象に全壊の場合もなりますね。今手続が遅れているだけで、ちゃんと出れば、手続がされれば出しますね。
#360
○国務大臣(小宮山洋子君) それは必要な要件を満たしていれば出せます。
#361
○市田忠義君 必要な要件とは何ですか。
#362
○国務大臣(小宮山洋子君) それが、ここは仕組みをしっかり検討する必要があると思いますが、これはその場で再建をすることが条件になっているために、先ほどから申し上げているように、町づくり全体の中でその医療機関をどこにするかということが決定しない段階で使えていないということです。
   〔理事川上義博君退席、委員長着席〕
#363
○市田忠義君 その場で復旧することが原則だとおっしゃいました。
 国土交通省に伺います。橋が洪水で流された場合、全壊した場合、これは当然、災害復旧の対象になりますね。
#364
○国務大臣(前田武志君) お答えします。
 異常な天然現象によって橋梁が損壊した場合でございますが、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の対象になります。
#365
○市田忠義君 同じ場所に付け替えていつも洪水で流される場合、若干場所が変わってもお金は出ますね。
#366
○国務大臣(前田武志君) お答えします。
 災害復旧事業においては原形復旧が基本になっておりますが、その原形という意味は機能を回復するという意味でございますから、御指摘のとおりだと思います。
#367
○市田忠義君 なかなか名答弁だと思います。
 もう一つ確認しておきます。
 木の橋が壊れたと。原形復旧が原則だけれども、もう一度造り直すときに木の橋を造るばかはいませんよね。そういう場合、コンクリートの橋に変えると。これも災害復旧の対象として助成金は出ますね。
#368
○国務大臣(前田武志君) お答え申し上げます。
 改良復旧という制度がございますから、対象になります。
#369
○市田忠義君 橋が流れた場合は原形復旧といってもこうやって緩やかなんですよ。ところが、医療機関の場合はいろいろ線引きするんです。先ほど総理は、後押しの仕方はいろいろあるけど原則として全部壊れた医療機関については復旧に国が責任を持つといいながら、全壊した病院は事実上災害復旧の対象にしないと、いっぱい線引きをしていると。──聞いていません。
 病院が全壊した沿岸部では今どんな事態が起こっているかと。入院機能がなくなったために、重症化した患者は車で一時間半も掛かる内陸部の病院に搬送しなければならない。二つ、三つの病院を転々として亡くなったというお年寄りもおられます。これから寒くなって肺炎の患者さんが増えるのに、入院施設もなくて十分な診療も治療もできないと。一体どうやって住民を救ったらよいのか。
 全壊した岩手県の陸前高田市の県立高田病院、仮設診療所として診療を再開したと。第一次補正予算で仮設診療所は認められたが、仮設病院が認められなかったからです。しかし、毎日二百人外来患者が殺到して、現場から、入院や手術の機能なしではやっていけない、入院させれば重篤化することなく一週間もあれば元気を回復することが分かっていても家に帰さなければならないと、こういう悲鳴が上がっています。
 これは、総理、基本問題ですが、こんな事態はほっておけないと思うんですが、どうですか。
#370
○委員長(石井一君) それじゃ、厚生労働大臣。その後で総理に答弁してもらいます。
#371
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほどのその原状復帰でなければ使えないということは、こういう災害の際ですから柔軟に対応して使えるようにしていきたいというふうに思います。
#372
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 先ほどの橋の事例じゃありませんが、医療についても、単なる原状復旧じゃなくて、先ほど厚労大臣が答弁したように、柔軟な対応、適切な対応をするように心掛けるべきだと思います。
#373
○市田忠義君 仮設病院ですね、これ認めて国が助成すべきじゃないですか。厚労大臣、どうですか。
#374
○国務大臣(小宮山洋子君) 第三次補正予算に向けまして、被災三県の中でも特に津波などで甚大な被害を受けた地域の医療の復興を支援するために地域医療再生基金の積み増しを要求をしています。
 仮設病院の設置に要する費用につきましては、この地域での医療を復興する過程で必要性があると認められるということだと思いますので、この被災県が作成をする医療の復興計画に盛り込まれる場合、これを使えるようにしたいというふうに思っています。
#375
○市田忠義君 復興計画ってこれから立てるんでしょう。七百二十億を再生基金に積み増す予定というのは、これ補正予算成立してからでしょう。それから復興計画立てたら待っていられないんですよ。たちまち、この高田病院なんかは、病床が欲しいと、ベッドが欲しいと。入院機能も手術の機能もないから、仮設診療所としては認められているけれども、病床を増やしてほしいという思いがあるんだけど、仮設病院というのは制度がなくて認められていないです。助成もないでしょう。どうですか。
#376
○国務大臣(小宮山洋子君) 地域医療再生基金は既につくってございまして、三次補正で更に積み増すので、もう既に使える基金はございます。
#377
○市田忠義君 じゃ、幾らあるんですか、今。
#378
○国務大臣(小宮山洋子君) 今、各県に百二十億円ずつございます。
#379
○市田忠義君 百二十億円、全部自由に使えるんですか。復興計画立てなくても、今必要だというところ使えますか。あの白いシャツの人、使えない顔しているじゃないですか。
#380
○国務大臣(小宮山洋子君) それは復興計画の中に盛り込んで使うということなので、各県でそこに早く盛り込めるように厚生労働省としてもサポートをしていきたいと思います。
#381
○市田忠義君 もう全然スピード感がないです。一度東北三県の医療機関見に行きなさいよ。そんなこと言っておられる場合じゃないです。次から次へと、せっかく生き長らえた人々は医療機関がそういう状態のために命をなくしていくという事態が今続いているんですよ。そういう認識では全く駄目だということを言っておきたいと。
 もう一つ、医療施設等災害費補助金についてはもう一つ重大な問題があります。公的医療機関には補助金が出るのに、圧倒的多数を占める民間医療機関にはほとんど補助が出ません。被災地域は、国の医療政策に基づく公立病院の統廃合が相次いだ、医師不足もひどいと。
 最初に述べたように、元々全国の中でも特に医療過疎が深刻な地域でした。ですから、公立か民間か、病院か個人の診療所か、医科か産科か歯科かを問わずに、みんな公共的、社会的な役割を果たしてきたんです。ですから、復旧復興に当たって公的な病院と民間とでなぜ差を付けるのか、厚労大臣、明確に答えてください。
#382
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほどお答えをいたしましたように、地域医療の提供の中で中核的な役割を担う公的病院、それから政策医療を担う民間医療機関を補助対象としているのが災害復旧費補助金で、これを使うようになっていますが、第一次補正予算で、これに災害拠点病院や小児救急医療拠点病院などを追加をしているということでございます。
#383
○市田忠義君 あのね、聞いていることに小宮山大臣答えてくださいよ。なぜ政策医療以外の一般の病院や診療所、産科、歯医者さんなどを外すんですかと。除外している理由を教えてほしいんですよ。それを教えてください。
#384
○国務大臣(小宮山洋子君) これまでやはりその地域で中核的な役割を担ってきたところに出すようにしてまいりましたが、地域の実情に応じてできるように、どのように使えるかを考えていきたいというふうに思います。
#385
○市田忠義君 どのように使えるか……(発言する者あり)ちょっと待って、聞こえないから、待って。
 どのように使えるか検討していきたいというのはなかなかいい答弁だと思います。災害復旧補助金で、これまでは政府の政策にのっとった政策医療以外は民間は補助がなかったんですよ。しかし、必要性があるならば補助を検討してもいいという答弁ですね。そうおっしゃいました、今。非常に、非常にいい答弁です、それは。もう一回確認しておきます。
#386
○国務大臣(小宮山洋子君) 地域医療の再生基金とか災害のものとかいろいろと今までの使途がございますが、何とかとにかく現地の医療を再生しなければいけないというふうに思いますので、その組合せなり、うまくいかなければ新しい仕組みを考えるなり、地域の医療をしっかりと応援していけるようにしていきたいと思います。
#387
○市田忠義君 住民の身近にあった診療所で、これ、いわゆるかかりつけのお医者さんというのは一番必要なんですよ。それが政策医療に入っていないから公的助成の対象にしないと。こういうのを血も涙もないというんですよ。何が生活第一かと。もう一回答弁してください。
#388
○国務大臣(小宮山洋子君) そこにお住まいの方がお困りにならないようにあらゆる知恵を使って考えていきたいと思います。
#389
○市田忠義君 じゃ、地元の人が困らないように災害復旧助成金で必要なものはきちんと対処するということを確認しておきたいと思います。
 先日、気仙沼市のある外科診療所の話が新聞で報じられていました。政府は東北の医療を見捨てるつもりか、このお医者さん大変怒っておられました。津波で全壊、お父さんの代から三十八年ですかね、外科診療所をやってこられて、千人の患者さんを抱えていると。公立病院は復旧費用の三分の二、ところが診療所は対象外なんです。県が始めた診療所向けの事業も、総額十五億円で補助額は最高限度額で一千万です。これでは医療機器もそろえられないと、もう廃業してどこかの市外の病院の勤務医になろうと、この方はそう考えたそうです。だが、地元の人たちから、一体いつ再開してくれるのかと、先生どこにも行かないでくれと涙ながらに懇願をされて再建を決めたと。建物と医療機器で新たに二億円の借金をこの方は背負うことになりました。
 こういう苦労を押し付けて国は知らぬ顔していいんですか。総理、どうですか。総理です。
#390
○委員長(石井一君) まず、小宮山厚生労働大臣。
#391
○国務大臣(小宮山洋子君) これは、災害復旧費の中で今上限というのは決められておりませんので、その中で必要なものが対応できるようにしていきたいと思います。
#392
○市田忠義君 今のは事実ですね。(発言する者あり)
#393
○国務大臣(小宮山洋子君) それは、今回、東日本大震災に際してそういう形にしておりますので、その中で対応していきたいと思います。
#394
○委員長(石井一君) 次に、安住財務大臣。ちょっと答えさせてやってください。
#395
○国務大臣(安住淳君) 先生、石巻とか気仙沼の例は、例えば一階部分が大病院、市立病院の場合は電気系統が全部津波でやられて、それがまた全壊状況になっているんです。そういうところがまず立ち上がってこないと地域の医師会との連携というのはなかなか難しいんですね。そういう点では、仮設病院を含めて今段階的にそれぞれの町でここをどこに建てようかということで計画をしていますから、先生おっしゃるように、橋の話がありましたが、ほかの場所に造ってもいいと、そういうことで今やっているということです。
 そして、その開業医の先生方の場合は、私はケースは個々にあると思います。確かに、例えば私の隣町の女川町では内科医の先生がたしかお一人で、町立病院があって、町立病院の一階部分はやられたと。これは全壊扱いになって介護の病院に今度変わります。ここにある開業医の先生は、じゃこの先どうするかと、それぞれお悩みになりながら話をしていますから、それはそれぞれの地域の事情に応じて勘案するということで、基本はしかし、その地域に本当にまたどれぐらいの方がお住まいになるとか、そういうことを決めながらやっていくということになると思いますが。
#396
○市田忠義君 実情に応じてというけど、実情を無視して線引きをしていることで今地元で大問題になっておるんですよ。だから、被害を受けた病院や診療所は民間であろうが公立であろうがちゃんと災害復旧で手当てすべきじゃないかということを言っているんです。
 再生基金を積み増すと言われたけど、この今紹介した外科医の場合、二億の借金したというんですよ。県では独自の一千万は出たと。これ幾ら積み増しされても、一旦一千万出たら、これに追加しては出ませんよ。
 じゃ、確認しますけど、これから再建するところへの手当て、それでされるかもしれないけど、今例に挙げた診療所のように、住民の願いにこたえて自己資金で借金して診療所を建てたと、そういうところを支援するんですか、どうですか。いや、出すんならいいんですよ。出すんならいいんです。
#397
○委員長(石井一君) もういいですか。
#398
○市田忠義君 いや、出してくれるならいいです。
#399
○国務大臣(小宮山洋子君) それは遡って出せるようにいたしますので、出せます。
#400
○市田忠義君 いい答弁です。確認しておきます。遡って出すと。既に建てた建物で、自己資金で建てたところで一定の額が出ているところでも出す。
 いいです、いいです、もういいです。
 最後に、もう時間が一分ですから、被害を受けた公的な病院への助成は、全壊を事実上外すと。そして、民間の医療機関への助成は原則としてしないと。今後の手当てですると言われましたから、いわゆる政策医療と言われる体制に入っていないそういう病院や、内科、小児科、産婦人科、歯医者、身近にある医療機関もきちんと助成の対象にすることを確認されたので、これは今後の医療関係者や患者さんは大変大喜びだと思います。
 この間の選択と集中、集約化の名による医療構造改革によって次々と公立病院が潰されてきたと。とりわけ東北三県では医療過疎が深刻になっていた、そこに地震と津波が直撃して医療供給体制も例外なく壊滅的な打撃を受けたと。ところが、政府の医療復旧対策は、全壊は事実上これまで放置されてきた、民間の医療機関も差別されてきたと。今の答弁で差別しないと、実情に応じてやると言われたと。
 そういう方向に医療政策を転換することを強く求めて、質問を終わります。
#401
○委員長(石井一君) 小宮山厚生労働大臣。(発言する者あり)
 確認させてください、確認させてください。
#402
○国務大臣(小宮山洋子君) 先ほど申し上げたのは政策医療にかかわる病院についてそういう形で遡ってするということで、あとは災害の方の費用でやらせていただくということです。
#403
○市田忠義君 結局、政策医療、要するに国が必要と考える医療機関しか助成しないと。さっきはそう言わなかったじゃないですか。そんなことを今になって、今になって……(発言する者あり)ちょっと静かに。後ろの白いカッターシャツの人から言われてそんな答弁変更するようでは駄目です、あなた。(発言する者あり)
#404
○委員長(石井一君) ちょっと待って、ちょっと待ってください。じゃ、ちょっと私が言う。
 委員長が発言をいたします。
 確かにすき間があるようですから、後刻、ここでなしに、市田さんと厚生労働省としっかりと詰めて、問題があれば持ってきてください。(発言する者あり)いや、言質を取って、できないことをやっても駄目だ。(発言する者あり)
 市田忠義君。
#405
○市田忠義君 指名されたから発言します。いいですよ、いいですよ。
 予算委員会の公式の答弁で、厚生労働大臣が、事前に通告して予告しておいた質問に対して、政策医療以外も助成するということをきちんと上限なしということで言われたわけですから、それをこの委員会の確認、委員会というかこの質問の確認として、これ以上の答弁は要りません。
 時間が来たから終わります。(発言する者あり)
#406
○委員長(石井一君) 静粛に願います。
 市田議員の質問が終わりましたので、それ以上政府の答弁は求めませんが、この問題、理事会で協議し、結論を得て、救済の方へ向かってひとつ頑張ろうと、こういうことにしましょう。
 市田忠義君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#407
○委員長(石井一君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
#408
○片山虎之助君 たちあがれ日本の片山虎之助でございます。
 いつも私は質問に入る前に申し上げますが、答弁はできるだけ分かりやすく、私も分かりやすい質問を心掛けますから、是非お願いいたしたいと思います。
 野田内閣ができて四週間ですね、約一か月弱。大変出だしの支持率はよろしゅうございました。総理は適材適所内閣、これの真偽はこれからだんだん分かってきますけれどもね、適材適所かどうか。
 いずれにせよ、スタートの支持率は、メディアによって違うけれども、五三から六七、八ですね。大平政権以降二十の政権があるんですよ、昭和五十年代初めの。二十のうちで五番目だそうですよ。大変高うございますけれども、総理は何でこんなに高いとお思いですか。
#409
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 発足当初で温かい御激励のお気持ちの表れだというふうに思いますが、数字については一喜一憂せず、まさに国難突破をするため一つ一つきちっと仕事をこなしていきたいというふうに思います。
#410
○片山虎之助君 余りこっちがしゃべったら時間なくなるんですけれども、お人柄が実直で、シティーボーイでなくてカントリーボーイ風で、それから大変ドジョウ演説が良うございました、地を出したから。しかし、あなたはその後余り地を出さないようになったわね。この予算委員会でも大変無難な安全運転を心掛けておりますけれども、私は地を出された方が、ぶら下がりを含めて、人気上がると思いますよ。
 そこで、あなたの前の政権は菅さん、その前は鳩山さんですよね。その政権と今の政権がどこが違うと思いますか、どこを違えたいと思いますか。
#411
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 鳩山政権も菅政権も、この評価については今後の歴史の中で定められていくものと思います。それぞれ成果を出したものとあるいは教訓を残したものとあると思いますけれども、私はその反省点、教訓というのは、鳩山元総理、菅前総理のリーダーシップ論だけではなくて、やっぱり政権与党としてのフォロワーシップのところにも、あえて反省点があるとするならば、そこが一番大きいと思います。だから私は、いわゆる党を挙げての体制をつくりたいということを申し上げさせていただきました。そのやり方で実績が上げられるように頑張っていきたいというふうに思います。
#412
○片山虎之助君 そこで、最近、今ホットな話題ですけれども、小沢さんの問題なんですよ。
 小沢さんに対する姿勢として、菅さんと鳩山さんと違いますか、同じですか。
#413
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 鳩山政権のときに小沢さんに対する何かって特になかったと思うんです、例えばこういう司法の動きの関連では。菅政権のときに小沢元代表に対するいわゆる強制起訴がありました。その強制起訴を踏まえて党員資格停止処分をしたと。事実関係でいうと、こういう経緯だというふうに思います。
#414
○片山虎之助君 私から見ると、私個人ですよ、野田総理は最初は反小沢ですよ、そのうち中小沢になって、今は親小沢じゃないかと思っている。私はこの問題、いろんな議論がありましたけれども、説明責任を、司法がどうであれ国会議員として、元民主党の代表として私は果たすべきだと思っている、果たすべきことを代表としての総理は勧めるべきだと思っている。それが、小沢さんのためにも総理のためにも民主党のためにも、ひいては我が国の政治のためにも私はいいと思っている。違いますか。
#415
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 反とか親とかというお話がありましたけれども、小沢元代表との関係でいうと、私は、日本新党で最初に当選をして、改新という会派をつくって新進と向かいましたけれども、そのころからのいわゆるお付き合いというかキャリアは共有するわけです。ただ、余りお話をしたことがなかったということは事実であって、だからといって反でもないんですね。御縁がなかったというのが、御縁がなかったということです。
 だから、そういうことも含めてですが、どうしても反とか親で分類されがちですが、決してそういうわけではありません。なおさら、そういう位置付けで語られることが多いので、今回は反とか親とかというものを乗り越えていきましょうという形で代表選はお話をさせていただきました。
 ということがまず前提にあるということは御理解をいただきたいというふうに思いますが、その上で、これはもう何回も申し上げていますけれども、小沢元代表であろうがどういう方であろうが、基本的には御自身で説明責任を果たしていくということだと思いますけれども、証人喚問については、裁判が近いということを含めると、それについてはよく判断をすべきではないかというふうに思っております。
#416
○片山虎之助君 私が言っているのは、説明責任を果たすようにトップとして、リーダーとしてお勧めになった方がいいんじゃなかろうかと、私はそう申し上げているんで、証人喚問云々の話はまた別のことですからね。総理、こういうノーサイドは良くないんですよ。これ以上この問題をやっているとらちが明きませんので。
 それで、民主党が政権を取ったのは二年前、国民の生活が第一という、我々からいうと、野党からいうとばらまきの施策をおやりになった。もう一つは、政官業ですか、その癒着を断ち切る政治思想だったんですよ、これが錦の御旗だった。一度だけ政権を取らせてくれ、長い自公政権を替えようじゃないかと、これが国民に受けたんですよ。その二つの旗は今やぼろぼろでしょう。マニフェスト、どうなっていますか。謝罪し、反省をし、中を取り替え、今度は三党合意でこれからどうなるか分からない。まあそれはさておいて。
 私は、あの政治思想は誤っていると思うんですよ。政と官との役割分担もしっかりせずに、まあ自公政権も良かったとは必ずしも思いませんけれども、その後のあれは、これだけの政治、行政の混迷は私は誤った政治思想にある。だから、早々にそれを改められて、官とこれから協調していく、連携していく、結構だと思いますよ。
 しかし、私が心配なのは、自公に比べて民主党の皆さんは官に対する抵抗力が弱いんですよ。経験が少ないこともあるから、取り込まれてしまう、逆に。官僚依存にどんどんなって官僚主導になる。現に総理は財務省主導の総理だって言われているじゃないですか。違いますか。
#417
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、国民の生活が第一という理念は、ぼろぼろになったとおっしゃっておりますけれども、私は、これは大事な理念であって堅持をしていきたいというふうに思います。特に、代表選でも申し上げましたけれども、中間層の厚みを増していくという政治を是非やっていきたいと思います。もちろん、マニフェストの中は、三党合意もありますし、震災後の優先順位というものもありますけれども、この理念はずっと堅持していきたいというふうに思っています。
 その上で、政と官の関係のお話であります。この政治主導、私は今、政治主導は、これは従来から考え方変わりませんけれども、要は政治が方向性を決めて、そしてそれについての結果責任はきちっと政治が行うというのが政治主導であって、そのために若干、政権を取った直後、ちょっと空回りしたところがあったのではないかというところはあるんです。
 例えば、政務三役が電卓をはじくことはなかったと思うんです。やっぱり専門職、プロとしての行政の集団をきちっと方向性を出しながら、結果は責任という中で使い切るというところの主導性が少し欠けていたんではないかと思いますので、役所の人たちもしっかりと一二〇%こういう厳しい状況の中で力を発揮してもらうということは、やっぱり政治主導でそういう方向性をつくっていきたいというふうに思います。
#418
○片山虎之助君 何でも政治家がやるのが、政務三役がやるのが政治主導だと、大間違いですよ。政と官の役割分担の上に政治の責任、役割というのを考えないかぬのですよ。
 そこで、総理、固有名詞に関係するようなことを言うのは嫌ですけれども、野田内閣は直勝内閣と言われているんですよ。チョッカツのカツは勝ち負けの勝ですよ。財務省の今事務次官が、まあ個人の名前を出すのは私もいかがかと思うんだけど、勝さんという人らしいから、その直勝内閣。昔、直角内閣ってありましたよ、田中角栄さんの影響下の内閣。そういうことが言われるようなことは私は大変遺憾なことだと思っています。いかがですか。
 財務省が全部主導する、そこの事務次官が全部主導する。官房副長官の人事もそう、あれもそう、これもそう、今度の増税でもそう。総理自身も、財源がなければ政策なし、財政再建なければ経済成長なし、まあ逆も言われているんだろうけれども、ちょっといかにも財務省的ですよ。血も涙もないとは言わぬけど、少ない、血も涙も。いかがですか。
#419
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 血も涙もない政治ではない、そういうふうに私は思っています。もちろん国民に御負担をお願いをする場面はあると思うんです。でも、その前にきちっと歳出削減等々しっかりと絞り出していくという努力をした上で、でも政権与党としては苦しいことでもお願いをしなければならない場面は逃げないでやっていきたいと思いますが、この考え方は特定の省の特定の誰かに洗脳されたわけではありません。
 様々な国際会議に出ていく中での、まさにグローバル経済の中でソブリンリスクが問題になっているときに、相当に気を付けなければいけないという問題意識を私自身が持っているということと、前の民主党の時代、野党の時代も次の内閣の私は財務の担当をしておりました。そういうことも踏まえての話であって、先ほどの何とか省の何とかさんが影響力があるなんということは、やゆとしては常にそういうことは受けますが、そうではないということは私はきっぱりと申し上げたいというふうに思います。
#420
○片山虎之助君 総理は、お聞きしますと、松下政経塾の一期生で優等生だったそうですが、復興や原発をやるのは当たり前なんですよ。国際経済の中で日本経済を守るのは当たり前なんですよ。総理はどういう国家をつくりたい、どういう国民になってもらいたいと思っていますか。
#421
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今は何をやりたいかという御指摘だと思うんです。私は、でもその前に何をやらなければいけないかというところを重要視しているんです。いつも申し上げている東日本大震災からの復旧復興と、それから原発事故の収束と、日本経済の再生、財政再建等々は、これはやらなければならないことです、やらなければならないこと。やりたいことというのはもちろんこれから出てきます、優先順位として。でもこれ、やらなければならないことはどの政権でもやらなければいけない、だけれども、とても難しいところもいっぱいある、そこに専念をしながら、一つ一つ解答を出して前進をさせるというのが私の役割だというふうに思います。
#422
○片山虎之助君 ちょっと抽象的で気に入りませんけれども、時間がありませんので。
 そこで、この本年度の第一次補正、第二次補正で六兆円組みましたよね。執行状況はどうですか。
#423
○国務大臣(安住淳君) お答えいたします。
 執行状況、個別に言うと長くなりますので、まず再建支援の話から申し上げますと、被災者再建支援金につきましては、九月二十八日までに申請件数十七万六千件のうち十七万二千件、一千五百三十三億円を既に振り込みの手続をいたしました。
 仮設については五万四百九戸、入居率が八五%になっております。これはちょっと私の地元の、先生、石巻なんかはちょっと千ぐらいミスマッチが多少ありまして、遠隔地に造ったものですから、子供さんの学校とかがあって、そこでちょっとそこに入りにくいという方々がいましたけれども、今、市役所で、例えば運行のバスとか八百屋さんやそういうのはそこの仮設に行くようになりまして、かなり改善をされてきております。
 公共事業等についても随時、例えばメーン道路であります四十五号線等の本格復旧についてはかなり、仮橋の建設等を含めて実施をしている最中でございます。
#424
○片山虎之助君 遅れていると聞いているんですよ。執行率はどのくらいですか。
#425
○国務大臣(安住淳君) いや、済みません。公共の執行額に見合った率等をはじき出しているわけではありません。それぞれの、例えば漁港についてもこれは市町村、県の管理等々がございまして、そういうところの復旧復興の事業を付けておりますが、それについての今執行の消化率といいますか、それについて私のところで手元に持っているわけではございません。
#426
○片山虎之助君 それで、三次が震災関係が九兆ぐらいだと言われているんですよ。そうすると、十九兆円で五年でしょう、そのうちの六兆にプラス九兆で十五兆円使うんですよ。第四次補正はお考えですか、第四次補正。
#427
○国務大臣(安住淳君) 今年度に更に補正があるかどうかということは、第三次を出して、その執行状況を確認しなければ判断はできません。
 ただ、先生、今後、来年以降、昨日総理も申し上げましたとおり、ここで私も自民党の礒崎議員ともお話しさせていただきましたが、取りあえず十九兆ということで置いておきますけれども、しかし、その先どれぐらいの財源がまた必要になってどれぐらいの事業費かということについて、今の現時点では阪神大震災をモデルに積算をしておりますけれども、そこについて増えるという可能性を全く否定するものではないということでございます。
#428
○片山虎之助君 原発関係が何にも入っていないんだから増えるに決まっているじゃないですか。しかも、まだ初年度じゃないですか。あと四年あるんでしょう、十九兆円が。本当は十年あるんでしょう。それは金が足りなくなるのは当たり前じゃないですか、どうするつもりですか。
#429
○国務大臣(安住淳君) もちろん十年で二十三兆、今積算をしております。しかし、先生、これは原子力等の問題について今からどれぐらいの想定をするかというのはちょっと難しいので、今分かっている範囲でのやっぱり仮積算で予算を組んでいくということになるんではないでしょうか。
#430
○片山虎之助君 いやいや、だから、どうせ足りなくなって事業規模が膨らんで、その財源が議論になるんですよ。そこで今、日本には九百兆円借金があるんですよ、国が七百兆、地方が二百兆。その償還については、それなりの努力はしているんだけれども、しっかりはしていませんよね。ところが、この九兆二千億か十一兆二千億か知りませんよ、これも分からぬ。五兆、七兆の話がよく分からない、税外収入が。これだけ何で特別扱いするんですか。十一兆だけはちゃんと返そうと、これには増税を充てようと。九百兆はどうするんですか、いいんですか。
#431
○国務大臣(安住淳君) 九百兆が良くないから区分管理をしっかりして、それはもう総理が我が党の代表選挙等のときからずっと訴えていましたように、今の世代、もう先生も当然入りますけれども、今の世代で払っていこうと。これを払わせていただいて区分管理をするというふうなことでございます。
#432
○片山虎之助君 私ももう少し入れてくださいよ、早めにいきますから。まあ、もうしばらく頑張らせてください。
 それで、全体をどうするか考えながら、その中でこの十一兆や九兆を考えるべきなんで、何か今回だけばたばたばたばた。復興債を充てればいいんですよ、昨日も。増税なんかすることないんですよ。そのためには、できるだけ税外収入や歳出カットや、あるいは国債の、少し出ますよ、償還に剰余が、あるいは自然増収があるんだから、復興需要で今景気が直ろうとしているんだから、そういうものをちゃんと見て、どうするかはもっと後に決めればいいんですよ、年末かその後に。それまでは復興債充てればいいんですよ。十一兆だけ大騒ぎをして、かねや太鼓をたたいて何で回らないかぬのですか。九百兆をほっておいて、こんなバランスが取れない話はないと思いますが、総理、どうですか。
#433
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 九百兆の方の借金にどう向かっていくかということは、去年まとめた財政運営戦略に基づいて対応していくと。これは、向こう十年間の中長期の財政健全化のプランをまとめました。二〇二〇年までにプライマリーバランスを対GDP比をこれバランス化とる、それ以降は債務の残高が縮減をしていくという方向、これは今日本のたどる道であります。その財政健全化の道筋は、所信表明演説でも申し上げたとおり、一つは歳出削減の道と、そしてまさに成長分野にお金を投資して増収を図る道と、そしてこれは国民に御負担をお願いする歳入改革の道、この三つの道をたどりながら、そのさっき申し上げた二〇二〇年までの当面のゴールを目指していくというやり方であります。
 この目標を堅持をしながら、一方の復興については、これは復興の基本方針であるとか復興基本法に基づいての対応をしようということであって、今を生きる世代によってこれは負担を分かち合っていくという考え方の下で、復興債を出すとするならばその償還の道筋を明らかにしていくと。
 その中でも、当然、税外収入、歳出削減という努力もあります。それは最初は五兆円からスタートして、これも向こう十年間で七兆まで何とか確保していく。そして、郵政の株が売れるようになればそういうものも入れることになっていくというふうに思います。その一方で、その足りない部分については時限的な税制措置と、そういう考え方の整理をしながら対応をしているということでございます。
#434
○片山虎之助君 いや、元財務大臣なんですよ、こういうときだけ熱を入れるの。もっとほかのことも熱を入れてくださいよ。九百兆のをそんなに真面目にやっていますか。守られたことは全くない、いろんな案を作るけれども。十一兆はがんじがらめに、ぎしぎしに返そうとしている。私はバランスが取れないと思いますよ。
 基本法が書いているのは、復興債の償還の道筋を付ければいいんですよ。今皆さんがやろうというように、税目は決める、税率は決める、期限は決める、そんなもの何で十年やらないけませんか。しかも、法人税上げて下げるんですよ。少しは下がるけれども、五%下げて国税分だけ上げるんですよ。所得税はまた十年以上でしょう、十年ないし十年以上。個人住民税、地方税も中にぶち込む。たばこ税も二円上げる、一円プラス一円。何をやっているんですか、そんなちまちまちまちま数合わせみたいな、財源合わせみたいな。
 私は、そんなことをするよりは、国民の理解を得て、どうせ消費税上げなきゃいかぬのだから、段階別に上げるんですよ。二パープラス三パーなのか、三パープラス二パーなのか。
 ちょっとこれは税調の資料で、盗用しているみたいな感じで申し訳ないんだけれども、見てください。(資料提示)消費税でもしやるんなら一年半で終わるんですよ、復興財源は。私はこれも増税すべきでないと思うけれども、仮に増税するんなら、時間を掛けて二年後か三年後に消費税をまず上げて、その分だけは復興に充てさせてくださいと、一年半。それが済んだら、今度はそれは社会保障に充てますと。国民の皆さんの理解を得てやっていく方がずっと早い。財務省は、あれも取ろう、これも取ろうなんて、取れるわけがない。
 それから、復興増税が来年から上げれますか、来年度から。私は上げれないと思う。それは、いずれにせよ二年後の衆参の選挙の後でなければ。そうなると、どうせ消費税と一緒になるんですよ。それなら、私は消費税をしっかりと説明して、段階的に上げさせてもらって、その後、本来の一〇パーで社会保障の財源に充てるという方がずっと分かりやすいし、税制からいっても筋ですよ。
 消費税上げざるを得ないです、国民の理解を得て。法人税は下げざるを得ないんです、これも議論があるけれども。どうですか。
#435
○国務大臣(安住淳君) 片山先生の説は、政府税調の中で有力案としてやはり議論をされまして、今の御主張は一案として私も残したんです、実は。消費税の問題ですね。
 しかし、これについては、総理に私も御判断を仰いだときに、先生今御承知のとおり、御指摘もありましたけれども、この税と社会保障の問題というのがもう一方で大きなやっぱり我が国の問題としてあると。国民の皆様に御負担をお願いするときには、やっぱり分かりやすい御負担のお願いの仕方の方が、また御理解を得られるようにしようと……
#436
○片山虎之助君 本当に分かりやすいのは私が言う方だ。
#437
○国務大臣(安住淳君) まあ先生の言う消費税を上げろというのも分かりやすいんですけれども、ただ、先生今御指摘ありましたが、法人税については一旦下げて少し上げさせてもらいます。結果的には今よりは減税になるんです。
#438
○片山虎之助君 二%ね。
#439
○国務大臣(安住淳君) ええ、二八になるわけですから、国税ベースで。
 ですから、所得税についても、これは経年によりますけれども、そこに資料書いてありますように、これをまた一般家庭に落としていきますと、四百万から五百万ぐらいでお子さんお二人という標準世帯で大体三百円、月にですね、三百円から大体経年を少し延ばせば二百円ぐらいのお願いということになりますから、大増税というふうな定義は、どういうことを大増税というのかというのは議論の分かれるところでございますが、先ほどから申し上げましたように、区分管理をして、総理がおっしゃっているように、この復興財源の道筋をきちっと、我々としては野党の皆さんに提案を一つの案としてさせていただいて議論にやっぱり資するというか、そういう考えで提案させてもらいました。
#440
○片山虎之助君 簡単にいくわけがないですよ。たばこ税は大議論がある。JT株だってエネルギー関連の株だって、そんなもの簡単に売れますか。時間を掛けていろんな調整をやって、その後きちっと決まったら、それを財源にすればいいんですよ。今ばたばたばたばた増税を決める必要は全くありませんよ。こんな円高、急激な円高でデフレがまだ残っている。今復興需要でどうにか日本経済が立ち直るというときなんですよ。それに水を差すようなことを何でやらなきゃいけませんか。たかだか九兆円か十一兆円で、しかもちまちまちまちまいろんな税を組み合わせて。誰も分からない。こんな、時間を待って、税外収入や歳出カットで増税はやめるべきですよ。
 やめた上でどうしてもと言うなら、私は、国民の理解を得て段階的に上げる消費税の一部を回してもらうというのが一番分かりいい。こんな四つも五つもの税目を、スタートのあれも違う、中も違うような増税で国民の理解得られますか。
 これがいかにも財務省なんですよ。その上に総理は乗っているんですよ、言われることは。増税をする必要ないんですよ。それをうまいことちまちま増税を、総理、そういうものに乗っちゃ駄目ですよ。あなたも長期政権考えるならそこはしっかりしないと、そこがこの内閣の私はポイントだと思っている。直勝内閣になるのならこの内閣は短命ですよ。どう思いますか。
#441
○内閣総理大臣(野田佳彦君) まず、その九兆、十兆、十一兆というのはちまちました額ではないと思います。大変大きな額……
#442
○片山虎之助君 九百兆に比べれば。
#443
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 九百兆はそれはすごいです。天文学的な数字です。だけど、当面の十兆前後のお金というのは大変なお金であります。そのお金の、やっぱり償還の期限、そして償還の仕方、責任を持って対応するのが私は責任ある政治だと思う。じゃないと、それは大変ですよ。国難です。想定外のことも起こっている。
 だからといって、じゃ、従来型のをやっていけば、結局将来世代に借金を残すということと意味では同じであります。そこは避けなければいけないし、加えて、これは日本だけの事情じゃなくて、やっぱり、世界の今のグローバルな経済の動きの中で、日本が困っているから安易に将来世代に先送りをするという、そういうことを出した場合には、私は一国の財政、一国の経済を考えているときではないというふうに思っていますので、私は、将来世代、そして今のグローバルな経済を考えたときに、責任ある態度を貫いていきたいというふうに思います。
#444
○片山虎之助君 総理、私は九兆返すななんて言っていない。九兆も返さないかぬけれども、九百兆あるんですよと言っているんですよ。全部を返してくださいよ。全部をきちっと償還の計画作ってくださいよ。それは時間が掛かるに違いないから、今こういう部分的な帳じり合わせの増税メニューを出すことが私は将来の日本の税制のためにならないと言っている。私も、自民党ではずっと悪名高いインナーでやらせてもらいましたよ。私なりに税制についても考えがある。私はどうもこれは腑に落ちません。ただ、もう時間がありませんので、この問題引き続いてやらせていただきますが。
 総理になってから、地域主権改革、この言葉は私、余り好きじゃないんで分権改革と言いますけれども、これが大後退をしたということになっている。所信表明演説で、あなたの所信表明はたったの一行ですよ。「また、地域主権改革を引き続き推進します。」ですよ。ずっと歴代四、五人の総理の所信表明見ましたけれども、長い人は二十行ですよ。少ない人でも五行ですよ。まあ、小泉さんはいろいろなものと一緒にして三行か四行ですけれども。しかし、一行で何にもそっけないことを書いているのは総理の所信表明だけですよ。昔は、鳩山政権で政権交代したときは、分権改革は、地域主権改革はと言ったんですけれども、一丁目一番地だと、我が改革の。今番外地になったんですか、地域主権改革は。どうですか。
#445
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 一球入魂と同じように一行入魂でございます。
#446
○片山虎之助君 あなた、千葉の県議をおやりになったんでしょう。地方自治の重要性、地方分権の必要性というのはお分かりですか。松下政経塾で勉強されたんじゃないんですか。いかがですか。
#447
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私も県会議員の出身でございますので、受益と負担の相関関係ができるだけ身近なところで見えるようにするという、そういう国の形に持っていくということが理想だと思っていますし、そして、地域主権改革、地方分権というお話でございましたけれども、民主党においても分権型の連邦国家をマニフェストの一番に掲げたことがある等々、そのことは十分理解をしていますし、現実にこれからの政策を動かしていくときに、国と地方の協議の場を法律を作ってそれで対応していくということなど、具体的なことはこれからもやっていきます。出先機関の改革等も含めてやります。
 加えて、今回の東日本の大震災の復興に当たっても、使い勝手のいい交付金であるとかあるいは特区をつくるなど、まさに地域主権の考え方をこの被災地においてもどんどんと実行していくということを具体的にやっていきたいというふうに思っています。
#448
○片山虎之助君 衆議院の予算委員会で自民党の政調会長に民主党の基本理念を三つ言われていて、一つだけ合格したそうですね。それが分権社会なんですよ。あなた、分かっているじゃないですか。やってくださいよ、是非。ここで止めては駄目なんで、国家公務員の人件費の二割カットもやってくださいよ、あれだけ声高に言ってきたんだから。
 しかし、国の地方出先機関の原則廃止なんですよ、今まで皆さんのマニフェストは。それをやめるということは一遍も言っていない。やってくださいよ。地方はそれを期待していますよ。阪神広域連合、九州地方知事会その他。どうですか。
#449
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 公務員の人件費の削減の問題、そして出先機関の整理等の問題、これはしっかりやり抜いていきたいというふうに思います。
#450
○片山虎之助君 もうちょっとありますからね。
#451
○委員長(石井一君) 片山君、簡単にしてください。
#452
○片山虎之助君 TPPのことを申し上げますが、TPP。これは、国民的論議の上で国民の賛成を得なけりゃ私は参加できないと思っている。そのためにはもっと情報開示せないけません。
 TPP協定の日本語訳というのはあるんですか、定番が。外務大臣。
#453
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今はないというふうに思います。
#454
○片山虎之助君 ないものでこれだけの大議論をするのはおかしいじゃないですか。もっとそれは情報開示をして国民に知らせないと。
 例えば政府調達なんかが今の協定で、今の四つの協定でですよ、これが施行されると市町村なんか壊滅しますよ。外国企業を入れなきゃいかぬようになるんですよ、物品の購入や建設工事に。そういうことの努力をせずに上辺だけのTPP議論はやめてくださいよ。どうですか、これは。誰になるのかな。
#455
○委員長(石井一君) はい、これはもう時間超過していますから、簡単に答えてください。
 片山さん、私は大分サービスしていますから、覚えておいてください。
#456
○国務大臣(枝野幸男君) よろしいでしょうか。
 TPPは交渉参加国の間で今交渉をしている途中ですので、その交渉参加国の間でもドラフトが固まっているわけではありません。できるだけそういったところから情報を取って、開示できるものは開示をしてまいります。
#457
○片山虎之助君 終わります。
#458
○委員長(石井一君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#459
○委員長(石井一君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほさん。
#460
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 もう一度日本で原発事故が起きたら日本は破滅、崩壊です。福島原発事故を最後の原発事故にしなければなりません。まず、その点についての総理の決意をお示しください。
#461
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 御指摘のとおり、このような事故を起こしては決してならないというふうに思います。多くの皆様が今、被災生活、避難生活をせざるを得ない、多くの皆様が放射能をめぐって、食物の問題も含めて不安を持っている。こういう切ない悲しいことを二度と起こしてはいけないという思いでこれから対応していきたいというふうに思います。
#462
○福島みずほ君 経済産業大臣、将来のエネルギー政策についてどうお考えですか。
#463
○国務大臣(枝野幸男君) 原子力発電について、中長期的には原発への依存度を可能な限り引き下げていくという方向性は総理もおっしゃっているところでございます。
 その上で、経済産業省としては、原発への依存度を可能な限り引き下げていくための手段は、一つは省エネルギーの推進であり、もう一つは代替新エネルギーの促進であります。これを最大限加速をいたしてまいりたいと思っています。
 その上で、政府全体として、来年夏をめどに、エネルギー・環境会議において革新的エネルギー・環境戦略を取りまとめてまいるという方針でございます。
#464
○福島みずほ君 可能な限り引き下げるというのは、ゼロに向かって引き下げるという理解でよろしいですか。
#465
○国務大臣(枝野幸男君) 最終的にどうなるか、今の段階で分かりません。しかしながら、新エネルギーの開発促進、そして省エネルギーの推進、この二つをとにかくできるだけ最大限進めていくということであります。
#466
○福島みずほ君 総理、菅総理の脱原発依存社会を踏襲されますね。
#467
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 中長期的に原発への依存度を可能な限り引き下げていく、そして中長期の目標として国民の不安を和らげる、安心のできるエネルギーのベストミックスをつくっていくという意味では、脱原発依存社会、菅さんと同じような方向性を私も持っています。
#468
○福島みずほ君 自民党政権下でもベストミックスと言っていたんですよ。原発があるということじゃないですか。
 先ほど総理は、二度と原発事故を起こさない決意とおっしゃったじゃないですか。是非深く考えてください。どうですか。
#469
○国務大臣(枝野幸男君) ベストミックスという言葉は、原発があることを必ずしも前提条件にしておりません。いずれにしても、エネルギーは多様なエネルギー源をうまくベストミックスさせなきゃならない。その中に、原発に対する依存度を限りなく引き下げていくということでやっていくということでございます。
#470
○福島みずほ君 経済産業大臣、東京電力は福島原発事故が起きたときに撤退をしようとしていたという情報がありますが、これは本当ですか。
#471
○国務大臣(枝野幸男君) 詳細は政府の検証委員会で第三者的に検証をしていただいているものと思っておりますが、私が承知をしている認識としては、第一原発からの撤退の申出を受けたと私自身の記憶では認識しております。
#472
○福島みずほ君 あの事故があったとき、撤退ということはやっぱり非常にショックを受けます。
 ところで、あの真っ黒に墨塗りされたマニュアル、そして、ずっと出ておりますが、(資料提示)この「補償金ご請求のご案内」、これを見ますと、東京電力は、原発事故前も、事故の際も、事故の後も、原発事故を引き起こし、多くの人に犠牲を強いているという意識、事故を起こした側の責任感が余りにないのではないかと思いますが、経済産業大臣、総理、いかがですか。
#473
○国務大臣(枝野幸男君) まず、今回の原発事故は、東京電力と、そして広い意味でのこの間の長年にわたる原子力行政と、両方に大きな責任があると私自身強く思っております。そうした思いがしっかりと被災者、被害者の皆さんに伝わっているかどうか、常に我が身を振り返らなければならないというふうに思っておりますが、その上で、東京電力においてもそうした思いを共有をしていただきたいと日々強く感じているところであります。
#474
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 今回のこの事故を踏まえて必要なことは、国内向けもそうですし、国際社会に向けてもそうなんですけれども、やっぱり事実としてあったことを踏まえて、その教訓とか反省をしっかり適時迅速に公表していくということだと思うんです。その意味では、先ほどの黒塗りの資料というのは、やっぱり事業者の問題意識として私は強く懸念を持たざるを得ないと思いました。したがって、経産大臣が指導されたことは当然だというふうに思っております。
 また、その資料、約六十ページですね。これ、確定申告の手引だってもっと簡単です。という意味では、やっぱり被災者の立場にもっと寄り添ったそういう工夫をすべきだろうというふうに思います。
#475
○福島みずほ君 作り直しを命じますか。
#476
○国務大臣(枝野幸男君) 一つには、その書類にも対応をする意欲と能力のある方もいらっしゃって、できるだけ早く手続を進められるところは進めた方がいいだろうということがございます。
 ただ、大部分の方はそうではないだろうということで、私からは、まずはできれば全ての被害者の皆さんのところに個別訪問をして、個別に御相談に乗りながら対応していくべきであるということを申し伝えました。ただ、それができる能力を持った人間がどれぐらいの時間でどれぐらい確保できるかということがございます。と同時に、より分かりやすく簡潔に説明をした別のものを作って送るということの申出がありましたので、これは早く作れと、早く作るに当たっては印刷の前にしっかりと見せてくれということを伝えてあります。
 さらに、それに加えて、昨日今日の審議の中でも東京電力もおっしゃっておりますが、そもそも、若干これは時間が掛かるかと思いますが、請求の手引や請求書そのものについても更にしっかりと見直しができるならば、できるだけ早くしていただきたいと思っております。
#477
○福島みずほ君 こういう重要な案件について、経産省に事前に相談はなかったんですか。
#478
○国務大臣(枝野幸男君) 私のところに来ている報告では、事前に相談はありませんでした。ああいった手引書等については、発送の当日だったか前日だったかに、こういったもので送るというその報告があったものでございます。
#479
○福島みずほ君 社民党は、政府から提出された電力需給の値を含めて試算をした結果、今年の夏も来年の夏も電力需給は足りるという結論を出しております。
 原発は地震によって停止をすることが多い不安定な電力です。ですから、火力、水力のバックアップ体制が取られています。全ての原発が止まっても来年の夏は乗り切れるということでよろしいですか。
#480
○国務大臣(枝野幸男君) 今年の七月だったと思いますけれども、エネルギー・環境会議の下で、経産大臣も含めまして、この冬、来年の夏の見通し、その段階のものを取りまとめて発表をしております。残念ながら、その時点では、今年の冬も来年の夏も、原発が全て止まった場合にはマイナスになるという試算になっておりますが、更に精査をして、更に努力をして、改めて、まずこの冬、そして来年の夏に向けた需給の見通しを出してまいりたいと思っておりますが、御党において試算をされたものについても勉強させていただいて、参考にさせていただきたいと思っております。
#481
○福島みずほ君 エネ庁の資料は、水力発電六割でしかポテンシャル見ていないんですよ。きちっと計算すれば大丈夫です。あるいは融通すれば大丈夫です。
 経済産業大臣、今年の冬も来年の夏も原発止めても大丈夫、省エネや自然エネルギー促進、天然ガス転換など努力してくださいよ。決意を示してください。
#482
○国務大臣(枝野幸男君) 確かに、水力がもっと活用できるというようなことであれば、それは望ましいことだというふうに思っておりますが、詳細、本当に稼働率の見通しとか、どこまで稼働、同時期に稼働できるのかということについては、御党からの御提案も含めてしっかりと検証して、そして需給の見通しをしっかりと出してまいりたいと思っております。
#483
○福島みずほ君 原発の稼働、再稼働についてお聞きをいたします。
 今月二十六日、静岡県牧之原市市議会は浜岡原発の永久停止を求める決議を可決し、西原牧之原市長は、市としては市民の安全と安心のために浜岡原発の永久停止は譲ることができないと表明をしました。
 現在、浜岡原発では一千億円掛けて防潮壁を造ると言っております。しかし、経済産業大臣、堤防があっても地元の了解がなければ浜岡原発の再稼働はあり得ないと考えますが、いかがですか。
#484
○国務大臣(枝野幸男君) 周辺自治体である牧之原市の市議会の決議というものは大変重いものであるというふうに思っております。
 いずれにしても、原子力発電所の再稼働については、安全性を二重、三重にチェックをすると同時に、周辺住民の安心ということで、周辺住民の皆さんの一定の理解がなければ再稼働はできないというふうに思っております。その中において、周辺自治体の議会の議決というのは一つの大きな要素であると思っております。
#485
○福島みずほ君 周辺自治体の議会の決議は重要だとおっしゃいました。牧之原市は浜岡から十キロ圏内に入っているんですね。ですから、絶対に譲れないと言っておりますので、幾ら一千億円お金を掛けても、浜岡原発の再稼働、地元の理解が取れずにできない、それでよろしいですね。
#486
○国務大臣(枝野幸男君) 現時点で出ている議会における議決であるということで、それについては重く受け止めたいというふうに思っておりますが、その詳細や、あるいは安全性が高まった段階でまたどういうようなお考えになるか、様々な状況があると思いますので、今の時点で私に断言をしろと言われると、それはちょっと難しいというふうに思っておりますが、ただ、現時点で大変重い決議であるというふうには受け止めております。
#487
○福島みずほ君 重いというふうにおっしゃっていただいたことを重く受け止めます。
 では次に、再稼働のちょっと要件を見てください。
 社民党が提案する再稼働の要件、社民党は電力は間に合っているという立場ですが、再稼働するとき、まず福島原発事故の収束、これが必要です。震災・事故の検証作業、これも必要です、なぜ事故が起きたか。安全規制機関、原子力安全指針の見直しと対策の完了、安全、これも必要です。自治体・地域住民の同意、この同意、今牧之原の決議ではこれがない、できないということがはっきりしておりますが、四条件がクリアされるまで稼働させるべきではない、当然のことだと思います。
 経済産業大臣、総理大臣、いかがですか。
#488
○国務大臣(枝野幸男君) 従来から申し上げておりますとおり、安全性について今回の事故も踏まえた対応がしっかり取られているということについて、原子力安全・保安院、そしてストレステストを行うことによって、それに原子力安全委員会も関与をいただき、そうした情報もしっかりと公開をする中で安全性を確保するとともに、周辺の皆さんの一定の理解をいただくという二つの要件を満たした上で、再稼働できるものがあれば再稼働いたします。
#489
○委員長(石井一君) 聞きますか。
#490
○福島みずほ君 はい。
#491
○内閣総理大臣(野田佳彦君) しっかりと安全性、厳しくチェックしていくという上で、事業者がテストを行い、そして保安院がそれを評価し、安全委員会が確認をし、最終的には、地元の御理解いただいているかどうか等々を含めての総合的な判断を政治が行うというプロセスをたどっていくということが再稼働の条件というふうに思っております。
#492
○福島みずほ君 ストレステストを事業者が行い、保安院が評価し、安全委員会が確認する。でも、経済産業大臣、総理、この事業者、でたらめですよね。保安院もでたらめでした。やらせやっていたじゃないですか。安全委員会、これもでたらめでした。この三つは福島原発事故を防げなかったんですよ。駄目、駄目、駄目の三つが組んで安全だって言ったって仕方ないじゃないですか。
 今度、新たに環境省に原子力規制庁をつくります。そこでしっかり耐震設計も含めてやり直さない限り、この駄目な三つが大丈夫、事業者が大丈夫だと、ストレステストやって、誰が信じるんですか。
#493
○国務大臣(枝野幸男君) 単に三つの機関が行うにとどまらず、特にストレステストについて、そのプロセス等もしっかりと国民の皆さん、周辺住民の皆さんに公開をしていくと。その公開性の中で国民の皆さんにもチェックをしていただくと、あるいは国会においても間接的にチェックをしていただくというようなことが必要であろうというふうに思っております。
 その上で、まさに今御指摘いただいたようなことは、その周辺住民の皆さんが一定の御理解をいただけるかどうかということの要素として大きな要素になり得るだろうというふうに思っておりますが、いずれにしろ、いつまでに再開するとか、いつまでは再開しないとかという時期の話ではなくて、内容の問題として安全の確認とそれから周辺住民の理解を得ることを条件にやってまいりたいと思っております。
#494
○福島みずほ君 事故が収束せず検証もできないのに、なぜ安全と言えるんですか。
#495
○国務大臣(枝野幸男君) 今回の原子力発電所の事故の原因については一定の見解は出ております。もちろん、例えばその間接的な背景となった制度、システムであるとか、そういったことなどについて更に明らかにならなければならないことは少なからずあることは否定をいたしません。ただ、いわゆる物理的、機械的な意味でどういったことが今回の大きな事故の原因になったかということは、一定の、何というんでしょう、原因が明らかになっていると思っておりまして、それに対応する備えがしっかりとなされることが安全性の確認という意味で条件になっていると思っております。
#496
○福島みずほ君 しっかりした検証はまだ行われておりません。事故調の結果も出ていないじゃないですか。国会での事故調査委員会、設置されるというふうに思っておりますが、それの結果だって見なくちゃいけないじゃないですか。
#497
○国務大臣(枝野幸男君) 事故の原因といった場合にいろんな側面があると思っておりまして、例えばいろいろ、こういうときにこういう対応をしていれば、こういう例えば津波で電源が落ちたとしてもより小さな被害でとどまったのではないかとか、そういったことなどについてはまだまだ検証すべきことが少なからずあるということは、それは承知をしております。ただ、どういった物理的な要因によって今回の事故に至ったかという、つまり逆に言うと、安全性を担保する、確保する上での原因というのは一定程度はっきりとしているというふうに認識をいたしております。
#498
○福島みずほ君 いや、地震なのか津波なのかもまだはっきりしていないんですよ。
 また、耐震設計について根本的に見直すんですか。
#499
○国務大臣(枝野幸男君) 今回の大きな事故に至った原因は津波が原因であるというふうに思っておりますが、そのことについて異なった意見をおっしゃられる方もいらっしゃることは間違いありませんので、それについては、まさに周辺自治体、住民の皆さんの理解を得るためにも、例えば、その津波の前の地震で例えば放射能漏れが生じるような原因があったのではないかというような意見に対してしっかりとした情報の開示と説明は必要だろうと思っております。
#500
○福島みずほ君 枝野さん、論理的な人じゃないですか。原発を再稼働するには収束と検証、少なくとも収束した上での検証、安全性が、安全機関を新たにつくってそこが安全だと言わない限り、保安院と原子力安全委員会が安全だと言ったって駄目だ、論理的にそう思いませんか。
#501
○国務大臣(枝野幸男君) 長年原子力問題に対しては厳しい目で見てこられた社民党の御意見、御提起というのは真摯に受け止めて、できるだけ取り入れるべきものは取り入れたいと思っておりますが、今の点については、果たしてどうしても収束が条件なのかというようなことについては、まさに安全性がしっかりと担保をされることについての考慮すべき要素の一つではあるかもしれませんが、まさに安全性が担保されることと周辺住民の皆さんの御理解が得られることというのが条件という意味では二つだというふうに思っております。
#502
○福島みずほ君 安全性が大事だという点は一緒です。そうしたら、環境省の下で原子力規制庁をつくる、そこがもう一回きちっと安全性についてやるんじゃないですか。そこが安全だと言わない限り、誰が保安院と原子力安全委員会の安全を信じるんですか。
#503
○国務大臣(枝野幸男君) 先ほどもお答えを申し上げましたが、どういった機関がチェックをしたのかということは、周辺住民の皆さんを始めとして国民的な理解を得られるかどうかということで大きな要素であるということは私もそう思っております。ただ、今現に保安院も安全委員会も、これは今回の事故の反省を踏まえて、こんな事故を起こさないようにということで最大限の努力を現場は少なくともしていただいているのは間違いありません。
 それから、この再稼働については、いつまでにということについて時期を申し上げない以上は、いつまでは開けないというのは私は論理的におかしいのではないかと思っております。
#504
○福島みずほ君 現場が頑張っているという話と違うんですよ。原子力安全委員会と保安院の安全に対する今までの態度が無効になったということなんですよ。役に立たなかったんですよ、無効じゃないですか。
#505
○国務大臣(枝野幸男君) 無効ということの今法的な意味をどう解釈するかということであるかと思いますが、率直に申し上げると、特に私の直の下の組織であります原子力安全・保安院がこうした事故を防げなかった、そのことについて国民の皆さんから強い批判の目を向けられている、ある意味当然のことだというふうに思っております。
 ただ、だからこそ、より安全性をしっかりと担保をして、二度とこういった事故を起こさないということに向けて、本当に現場の人間は少なくとも頑張っているのは間違いありません。そのことが例えば来年の三月まで、組織の改編までの間に国民の皆さんに御理解をいただけるのかどうか、それはまさに国民の皆さんの御判断だというふうに思っておりますが、今の時点で、それはどうせ国民の理解は得られないんだということで、現場の人間が責任を、今現に負っている責任放棄をしてもいけないことだというふうに思っております。
#506
○福島みずほ君 責任放棄はいけないです。でも、何で原子力規制庁を環境省の外局につくるのか、そのことを理解してくださいよ。保安院と原子力安全委員会は破れたんですよ、駄目だということになったんですよ。だとしたら、今努力するのは当然です。でも、新たな原発を動かすための再稼働の条件は、新しい機関がゼロからやらない限り信じられないですよ。そのことはしっかり考えてください。二度と原発事故を起こさないというのはそういうことじゃないですか。今までやっていたところがやったら、また同じことですよ。
 次に、放射性廃棄物についてお聞きをいたします。
 日本の原発から出てくる核廃棄物の最終処分場はどこになりますか。
#507
○国務大臣(枝野幸男君) 原子力発電所から発生する放射性廃棄物は、含まれる放射性物質の種類や濃度、性状に応じて処分をされます。
 低レベル放射性廃棄物、原子力発電所の運転に伴って発生した低レベル放射性廃棄物については、青森県六ケ所村の日本原燃低レベル放射性廃棄物埋設センターが最終処分地であり、既に処分が実施をされております。
 使用済燃料の再処理に伴い発生する高レベル放射性廃棄物については、最終処分地はまだ決まっておりません。国民の理解を得つつ必要な調査を行った上で選定をしていくことになります。
#508
○福島みずほ君 高レベル廃棄物の処分場、ないんですよ、決まってないんですよ。どうするんですか。
#509
○国務大臣(枝野幸男君) 現に、我が国のこれまでの原子力発電所の運転によって、処分が必要な高レベルの放射性廃棄物があるのは間違いございません。
 したがいまして、国民の理解を得つつ必要な調査を行った上で最終処分場を決めていかなければならないという、これは既に、これがいい悪いではなくて、そういう責任を政府としては負っていると思っております。
#510
○福島みずほ君 トイレのないマンションと言われ続けて、そのとおりなんです。人はトイレのないマンションでは生きていけません。
 「一〇〇〇〇〇年後の安全」というフィンランドの映画を見ました。十万年間お守りをしなくちゃいけない。ネアンデルタール人の時代ですよ。でも、日本は地震が多く地下水もすごく多い。十万年間、核廃棄物のお守りをこの日本でしていくことなどできないんですよ。一体どうするんですか。
#511
○国務大臣(枝野幸男君) 今のような御意見があることは重々承知をいたしております。
 一方で、現に、我が国はこれまで原子力発電所を利用して、その結果として高レベルの放射性廃棄物を現に我が国が生み出したものとして持っておりますので、我が国の政府を引き継いで今経産大臣である以上は、最終的な処分を国民の理解を得ながら何とかするその責任を負っているというふうに思っております。
 その上で、今後どうするのかということについては、先ほど来申し上げておりますとおり、エネルギー・環境会議等を通じて、原子力発電所に依存するのをどうしていくのかということについては、今後最終的な議論をしていくということになります。
#512
○福島みずほ君 原発を動かせば動かすほど原発のごみが出ます。だからこそ早く止めなければならないというふうに思っています。二十年後に原発を止めるというのは、そんな悠長な話をしていたらその間も原発のごみが出るんですよ。ですから、経済産業大臣、原発を、ごみをできる限り早くなくしていく、原発のごみを出さないためにはできるだけ動かすことを早めにやめること、いかがですか。
#513
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のような意見も国民の中に有力な意見としてあることは承知をいたしております。そうした意見も含めて、原子力発電所への依存をどうするのかということは、まさに国民的な議論の中で決めていただくことだと思っております。
 まず、現時点で経済産業省としてできることは、いずれにしても原発への依存度を下げない限りは、やめるとかやめないとかという話の前提を欠きますので、新エネルギーや省エネルギーによって原発への依存をしなくても済む環境をつくることに最大限の力を注いでまいりたいと思っております。
#514
○福島みずほ君 最大限の努力とおっしゃいました。これが、核のごみも含め、事故の問題も含め、待ったなしなんです。一刻一秒を争うかもしれないんです。最大限の努力と経済産業大臣がおっしゃったことをしっかりよろしくお願いします。
 総理、どうですか。
#515
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 経産大臣のお話のとおり、最大限の努力をしていくということを政府の基本方針としていきたいというふうに思います。
#516
○福島みずほ君 次に、原発の輸出についてお聞きをいたします。
 ベトナムなどへの原発輸出は、JBIC、国際協力銀行が融資あるいは債務保証をします。国民の皆さんの財政投融資などが使われます。内閣官房参与にJBIC、国際協力銀行の本部長である前田匡史さんがなっていらっしゃいます。ここで原発の輸出を進めていらっしゃいます。本日、参考人として来ていただきたかったんですが、仕事があるということと出る意思はないということで出席していただけませんでした。極めて残念です。
 私はお聞きしたい。なぜ原発の輸出をするJBIC、債務保証でビジネスをするJBICの人が内閣官房参与で原発輸出を進めているんでしょうか。JBICのビジネスあるいはもうけのために政府の政策を動かしているというふうに見えますけれども、利害関係人と言えないでしょうか。
#517
○国務大臣(枝野幸男君) 我が国の産業政策として、広い意味でのインフラ輸出を促進をしていくということは従来から政府の方針であり、この大きな方針自体は変わっておりません。その上で、JBICにおいてそうした経験、知見をお持ちの前田さんには、そうした側面で参与として内閣として御助言をいただいているということであります。
 ただ、三月十一日の原子力発電所事故を受けて、このインフラ輸出の中で原子力発電所については、これは他国との関係継続していてその信頼性にかかわるような部分については別として、新たにどうするのかということについては、改めてしっかりと検討を行った上で結論を出すということになっております。そのときに、これは内閣官房参与ですから私の直接の所管ではございませんが、ある意味では今まで原発輸出を促進するという立場で明確にお仕事をされていたわけでありますから、前田参与の御意見は一意見としてはお聞きをしなきゃならないかもしれませんが、決める枠組みの中の当事者というのには適さないだろうとは思っております。
#518
○福島みずほ君 前田さんは世界一安全な原発と言い、なぜそんなに言えるか分かりませんが、事故も収束していないのに原発輸出について様々なインタビューに答えています。
 原発輸出をすることでもうかる会社が官邸の中でやるのは利害関係だと思います。総理、これ利害関係人を再任するというのはおかしいんじゃないですか。
#519
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 昨年の六月に閣議決定した新成長戦略、これは年末までに日本再生という形でバージョンアップしていきたいと思いますが、その中にパッケージ型インフラ輸出という大きな項目があります。
 今御指摘の原発だけではなくて、新幹線や水ビジネスであるとか、様々なものをパッケージ型インフラとしてやっていこうという方針の中で、実務を知っている人にアドバイスをもらうという位置付けであります。直接的な政策決定にかかわるわけではなくて、あくまでアドバイスをもらうということを前政権から、前田さん、参与でございましたが、引き続きそういう立場でお願いしようということで今回もお願いをしているということでございます。
#520
○福島みずほ君 これ、三・一一原発事故が起き、とりわけ変ですよ。原発輸出を言い、しかも自分の会社がやっている仕事で内閣官房参与になっているわけですから、利害関係人を再任した総理の任命責任についてどう思われますか。
#521
○国務大臣(枝野幸男君) まず、事実関係として、前田参与が働いていらっしゃるJBICは形式としては特殊法人という形式だったと思いますが、国が全額出資をしていて、これは利益を上げる目的のいわゆる会社ではなくて、国としての政策遂行のための機関として会社形式を取っているものでございますので、ここは利益を上げるため云々ということではなくて、国としての国策の方針が決まればそれに従ってやっていただく機関ですし、それが変わればそれに従って仕事をしていただく機関でありますので、そういった意味で、いわゆる利害関係人、者とは違うと思っております。
#522
○福島みずほ君 いや、実際、債務保証や融資をするのはJBICなんですよ。そして、原発輸出をする、財政投融資を使う、そして原発輸出について官邸の中で、あるいはいろいろ発信をしているんですよ。利害関係人じゃないですか。
#523
○国務大臣(枝野幸男君) これまでの国策の中では、三月十一日まで、それが正しかったかどうかという御批判、御検証はあろうかと思いますが、原発も含めたインフラ輸出を国策として進めておりました。それについて、その国策に基づいて特殊な法人形態の中でいろいろな仕事をしてきた機関がJBICでありますので、それは利益を上げるための組織ではありません。逆に、国の方で国策の方針が変わればそれに従った仕事をしていただく機関ということになっておりますので、例えば、その事業によって利益を上げることを目的としている企業で役員をされているとか働いていらっしゃるとかという方であればまさに利害関係人だというふうに思いますが、そうした意味では利害関係者ではありません。
 ただ、まさにその個人の立場で御自身の見解をおっしゃるということについては、特に政府の意思決定機関のメンバーではありませんので、ここまで止めるということはなかなか難しいんじゃないかと思っております。
#524
○福島みずほ君 この前田さんが原発輸出について一つの旗を振り、やはり積極的に発信していることが問題なんですよ。しかも、原発事故が起きた以降も、安全な原発を輸出すると言っているんですよ。日本の国内で安全性が確立していないのに原発輸出にひた走るというのはダブルスタンダードじゃないですか。これについてはどうですか、ダブルスタンダードだとは思いませんか。
#525
○国務大臣(枝野幸男君) 原発輸出等に関する政府としての権限は、経産大臣だけが全てではありませんが、主に経産大臣である私が持っていると思いますが、その私が申し上げているのが政府の見解でございまして、内閣官房参与として内閣官房に意見を言うことができる一個人であります前田さんの意見というものは、もしこれは新聞などをお読みになった国民の皆さん、誤解があれば誤解のないようにいただきたいと思いますが、私やあるいは官房長官等が申し上げているのが政府の考え方であって、前田参与の考え方は前田参与個人の考え方として、ただその意見は聞いてはいるということで御理解ください。
#526
○福島みずほ君 私は、やはりそのまさにやっている当事者が原発輸出で政策にコミットし、そのことを発信することそのものが李下に冠を正さず、私自身は利害関係人だというふうについそれは思いますので、この役割、果たし方については是非再考してください。いかがですか。
#527
○国務大臣(藤村修君) 内閣官房参与の前田さんの件でありますので。
 今の御意見を踏まえてしっかり検討いたします。
#528
○福島みずほ君 次に、集団疎開と自主避難についてお聞きをいたします。
 もちろん除染は大事です。これは被曝を防ぐために除染は必要です。しかし、その実施、完了には時間が掛かります。除染を行っても、例えば渡利地区では除染をしても一メートルの高さで六・七%しか放射線量が低減しなかったという報告も出ております。
 除染をしっかりやるにしても時間が掛かる、その間、放射線量の低減が確認されるまで自主避難について集団疎開を進める、それを経済支援することが線量の高いところでは必要ではないでしょうか。是非これは御検討ください。よろしくお願いします。
#529
○国務大臣(枝野幸男君) まずは、とにかく放射性物質による汚染の不安を一日でも早く解消できるように除染を効果的に進めていくことが何よりも重要なことだというふうに思っております。
 なお、自主避難をされている被災者の皆さんについては、紛争審査会の中間指針における損害類型としては示されていませんが、自主避難された方々の個別具体的な事情に応じて、相当因果関係のある損害であれば当然賠償の対象となります。現在、審査会においても自主避難された方々への賠償に関して議論中でありますし、それを待たずとも、相当因果関係がある損害の円滑な賠償は東京電力において促してまいりたいと思っております。
#530
○福島みずほ君 促していくということで、よろしくお願いします。
 全国各地で、お母さんと子供が、あるいは家族そろって避難をする人たちにたくさん会ってきました。みんなやっぱり子供の命を守るために自主避難しているんですよ。集団疎開だって必要です。今除染していると言われても、やっぱり子供の命守りたいんですね。しかし、これは本当に二重生活をしたり、皆さん大変です。経済産業大臣、積極的にもう一歩、是非経済的支援について、いかがですか。
#531
○国務大臣(枝野幸男君) いずれにしろ、福島を中心として、お子さんあるいは妊婦さんなど未来を担う人たち、そしてそうした皆さんは放射線に対する感受性が高いわけでございますので、そうした皆さんの安全と安心を確保するために更なる努力をしてまいりたいと思っております。
#532
○福島みずほ君 総理、小泉構造改革をどう評価しますか。
#533
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私は、全て悪いとか全ていいという立場じゃありません。例えば不良債権処理等においては、やっぱり小泉政権の私は実績は率直に言って大きかったというふうに思います。
 ただ一方で、一方で行き過ぎた規制緩和の部分があったりしたこともあったというふうに思います。それは例えば派遣の問題、多分そういう問題に入ってくるんだろうという予測の下に申し上げれば、そういう面での行き過ぎた規制緩和もあったというふうに思っておりますので、加えて、例えば社会保障も毎年二千二百億を切るとか、これによっていろいろな弊害が出ました。そういうことはやっぱり我々なりの努力で変えてきているつもりでございます。
#534
○福島みずほ君 派遣法の改正法案、是非臨時国会で成立させてほしい、次回の、いかがですか。決意を教えてください。
#535
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 私は自分の理念として、中間層の厚みを増していくということを大切にしていきたいというふうに申し上げました。中間層からこぼれ落ちる人がいっぱいいる中で、例えば十月から実施する求職者支援制度などはその一つでありますけれども、おっしゃった派遣法についても、これは元々の、昔の三党合意に入っています。そのことは大事にしていきたいと思いますし、できるだけ早い時期に国会で成立をさせていきたいというふうに思います。
#536
○福島みずほ君 中間層の厚みをするためには、増税は反対じゃないですか。だから、消費税の増税にも社民党は反対ですし、それから、増税が今やるべきなのかと思います。非正規雇用はもう四割になっちゃったんですよ、四割近くなっている。本当にみんな生活が苦しい、年金生活者の人もいる。
 もう一つ、増税、所得税の増税で、なぜ定率での増税なんですか。社民党は、累進課税を極端にフラット化をずっとしてきた、これを大富裕層への累進課税する、要するに、全ての人に同じ定率で所得税の増税をするのではない、すべきではないと主張しておりますが、いかがですか。
#537
○国務大臣(安住淳君) 所得の再分配機能をどうするかというのはいろんな考えがありますので、承っておきます。
#538
○福島みずほ君 しっかり受け止めてください。つまり、総理の施政方針演説は、格差是正、貧困、そして非正規雇用、雇用の問題が弱いんですよ。これこそやってください。
 最後に、辺野古のことについてお聞きをします。
 沖縄県は、県知事を始め県議会も全会一致で反対をしています。それにもかかわらず、沖縄は拒否をしているのに、なぜ説得と言い続けるんですか。むしろ米国に駄目なものは駄目と、無理だと伝える方が正心誠意ではないでしょうか。
#539
○内閣総理大臣(野田佳彦君) 普天間の飛行場については、日米合意を踏まえながら、沖縄の負担軽減を図りながら、そのことを沖縄の皆様にしっかりと御説明をして御理解をいただくように努力をしていくということは、我が政権の基本姿勢でございます。
#540
○福島みずほ君 それは正心誠意ではありません。順番が違いますよ。まず増税、中間層は本当に痛みます。まず拒否している沖縄を聞かずにアメリカと話をする。全部、安全性が確立しないのに動かすかどうかという議論をする。全部順番が違います。しっかり国民の生活を守るために政治をやるよう強く要請し、社民党を代表しての質問を終わります。
#541
○委員長(石井一君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 これにて質疑通告者の発言は全て終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#542
○委員長(石井一君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#543
○委員長(石井一君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#544
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#545
○委員長(石井一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#546
○委員長(石井一君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#547
○委員長(石井一君) 御異議なしと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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