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2011/08/11 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 東日本大震災復興特別委員会 第15号
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2011/08/11 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 東日本大震災復興特別委員会 第15号

#1
第177回国会 東日本大震災復興特別委員会 第15号
平成二十三年八月十一日(木曜日)
   午後二時開会
    ─────────────
   委員の異動
 八月二日
    辞任         補欠選任
     又市 征治君     吉田 忠智君
 八月三日
    辞任         補欠選任
     轟木 利治君     山根 隆治君
     若林 健太君     佐藤 正久君
 八月十日
    辞任         補欠選任
     今野  東君     田城  郁君
     竹谷とし子君     魚住裕一郎君
     横山 信一君     木庭健太郎君
 八月十一日
    辞任         補欠選任
     佐藤 正久君     青木 一彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田  稔君
    理 事
                岡崎トミ子君
                金子 恵美君
                小西 洋之君
                藤原 良信君
                岩城 光英君
                佐藤 信秋君
                森 まさこ君
                長沢 広明君
    委 員
                相原久美子君
                岩本  司君
                加賀谷 健君
                神本美恵子君
                郡司  彰君
                主濱  了君
                田城  郁君
                平山 幸司君
                藤田 幸久君
                舟山 康江君
                増子 輝彦君
                山根 隆治君
                愛知 治郎君
                青木 一彦君
                赤石 清美君
                上野 通子君
                岡田  広君
                川口 順子君
                熊谷  大君
                高階恵美子君
                長谷川 岳君
                牧野たかお君
                山田 俊男君
                魚住裕一郎君
                木庭健太郎君
                小熊 慎司君
                松田 公太君
                山下 芳生君
                藤井 孝男君
                吉田 忠智君
                亀井亜紀子君
   衆議院議員
       東日本大震災復
       興特別委員長   黄川田 徹君
       東日本大震災復
       興特別委員長代
       理        橋本 清仁君
       東日本大震災復
       興特別委員長代
       理        谷  公一君
   国務大臣
       環境大臣     江田 五月君
   大臣政務官
       環境大臣政務官  樋高  剛君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        五十嵐吉郎君
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
       常任委員会専門
       員        山下 孝久君
   政府参考人
       環境大臣官房審
       議官       関 荘一郎君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    伊藤 哲夫君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に
 関する特別措置法案(衆議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(柳田稔君) ただいまから東日本大震災復興特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、又市征治君、轟木利治君、若林健太君、横山信一君、竹谷とし子君及び今野東君が委員を辞任され、その補欠として吉田忠智君、山根隆治君、佐藤正久君、木庭健太郎君、魚住裕一郎君及び田城郁君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(柳田稔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境大臣官房審議官関荘一郎君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(柳田稔君) 東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案を議題といたします。
 提出者衆議院東日本大震災復興特別委員長黄川田徹君から趣旨説明を聴取いたします。黄川田衆議院東日本大震災復興特別委員長。
#6
○衆議院議員(黄川田徹君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 本案は、東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理が喫緊の課題となっていることに鑑み、国が被害を受けた市町村に代わって処理するための特例等の措置を講じようとするものであります。
 次に、その主な内容を申し上げます。
 第一に、国は、災害廃棄物の処理が迅速かつ適切に行われるよう、主体的に、災害廃棄物の処理に関する基本方針、処理の内容及び実施時期等を明らかにした工程表を定め、これに基づき必要な措置を計画的かつ広域的に講ずる責務を有することとしております。
 第二に、環境大臣は、特定被災地方公共団体である市町村の長から要請があり、必要があると認められるときは、当該市町村に代わって自ら災害廃棄物の収集、運搬及び処分を行うものとしております。
 第三に、環境大臣が行う災害廃棄物の収集等に要する費用は国が負担するものとし、市町村は、当該費用から、自ら収集等を行うこととした場合に国が市町村に交付すべき補助金額を控除した額を負担することとしております。また、国は、当該市町村の負担分について、必要な財政上の措置を講ずるものとし、加えて、地域における持続可能な社会の構築等に資する事業を実施するための基金の活用による被災市町村負担費用の軽減など、災害廃棄物の処理の促進のために必要な措置を講ずるものとしております。なお、国は、被災市町村負担費用について、地方交付税の加算を行うこと等により確実に地方の復興財源の手当をし、当該費用の財源に充てるため起こした地方債を早期に償還できるようにする等その在り方について検討し、必要な措置を講ずるものとしております。
 第四に、国は、災害廃棄物に係る仮置場及び最終処分場の早急な確保のための広域的協力の要請や私有地の借入れの促進、災害廃棄物の再生利用、処理に係る契約内容に関する統一的指針の策定、アスベストによる健康被害の防止、海に流出した災害廃棄物の処理指針の策定とその早期処理、津波堆積物等に係る感染症等の発生の予防など、必要な措置を講ずるものとしております。
 以上がこの法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
#7
○委員長(柳田稔君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 震災から五か月、被災地の住民の皆さんは、市街地などに積み上がった瓦れきの山を一刻も早くなくしてほしいと願っておられると思います。瓦れき処理はまさに復興の第一歩だと思います。今回、衆議院の全会派の皆さんが力を合わせて国の責任で瓦れきの処理を迅速に進める法案をまとめられたことに対し、心から敬意を表したいと思います。ありがとうございました。
 瓦れき処理が滞っているのはなぜか。仮置場への搬入はかなり進んでいるわけですが、そこから先の中間処理、それから最終処分のめどが立たないことが最大の原因だと思います。
 既存の施設では、今回の震災による瓦れきの処理までは対応できない。そこで、解決への道は二つだと思います。一つは、被災した県にそれぞれ新しい中間処理施設、分別、破砕、焼却などの中間処理施設と、それから最終処分場を造って処分すること。それから二つ目は、広域処理で、他県の施設で処分をお願いするということになると思います。
 そこで、まず江田環境大臣に、被災県での中間処理施設、最終処分場を造る計画はどのようになっているか、また新たな施設の整備費、ランニングコスト、瓦れき処理が終了した後のこれらの撤去費用は今回の法案でかさ上げされる国庫補助の対象になるのか、お答えいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(江田五月君) まず冒頭、衆議院の方で、これは政府案と野党案とが出ておりましたが、関係の皆さんの大変な御努力で全会一致の統合案ができまして、委員長提案ということで、今日、本会議で可決をして、直ちに参議院でこの委員会で審議をいただいていることに心からお礼を申し上げます。こうした皆さんの大変な熱意にこたえて、瓦れき処理、これから一層スピードを上げて進めていかなければいけないと思っております。
 その上で、今どういう進捗状況で、そしてその費用はどういうことになっているかということですが、本年の五月に環境省が策定をいたしました災害廃棄物の処理指針、マスタープランと言っておりますが、これに基づいて、各県でございますが、被災三県において災害廃棄物の破砕、選別、焼却、こうした中間処理、さらに再生利用、そして最終処分、こういうことについて、仮設の処理施設の設置を含めた具体的な処理方法を定める実行計画が今作成されつつあるところで、既にできているところもあります、今作ろうとしているところもございますが、こうした各県で計画が進んでおります。
 これらの災害廃棄物処理のために特に今必要となってまいります仮設の処理施設の設置の費用、これはもちろん費用対効果であるとか、あるいは迅速性、効率性、こういうことを考えなければなりませんが、こうしたことで適当と考えられる仮設のものについては、これは災害等廃棄物処理事業の補助対象となり得ると、得るということを付けておりますが、なるということで私ども扱っていきたいと思っております。
 また、処理に係るこうした仮設施設の維持管理費、あるいは仮設の処理施設の撤去、さらに設置した場所の原状回復、こうした費用あるいはまた最終処分場における処分費、これらも全て災害等廃棄物処理事業費補助の対象としているところでございます。
#10
○山下芳生君 次に、広域処理についてですが、協力を得るのも簡単ではないと思います。最近、京都五山の送り火で被災地の松を燃やそうとして少しトラブルになった例もあります。広域処理でやるためには、受入れ側の自治体、それから受入れ施設周辺の住民の皆さんの協力と理解が得られなければ進められないと思います。受入れ自治体が安心できるように、これは国が手だてを取る必要があると思います。
 そこで、有害物質や放射性濃度の測定は県任せにしないで国の責任で行うこと、さらに専門家による評価やしっかりした自治体間協定を結ぶなど、安全性に最大限の措置を講ずるべきではないかと思いますが、環境大臣、いかがでしょうか。
#11
○国務大臣(江田五月君) 今回の災害廃棄物は、一つの特徴は量が膨大であるということでございまして、これはもう広域処理が重要であることは言うまでもありません。その際、今委員御指摘のとおり、国民みんなの理解と熱意というものが非常に大切だと思っておりまして、今、陸前高田の松のことにお触れいただきました。これは放射性物質により汚染されているんじゃないかという懸念が起きて、そして一部断念というところに追い込まれましたが、しかし報道によってそうした心配はないんだと、こういう理解をいただいてまた復活をしたということでございまして、やはり正しい情報で国民みんなが正しい理解を持って協力していただくということが必要だと思っております。
 そういうことで、既に全国に多くの自治体から合計年間四百八十八万トンという受入れ表明をいただいておりまして、これは運ぶ手間などを考えて、船舶とか鉄道貨物の利用による搬送効率が高くて、そして受入れ容量が大きい首都圏とか関西圏を中心に広域処理の今調整を進めているところでございます。
 そして、今ちょっとテーマになった有害物質であるとか、有害物質といいますとPCBとかアスベストですね、あるいはまた放射性物質による汚染のおそれ、こうしたことについて、これも国民の、特に受け入れていただく自治体の理解というものがどうしても必要で、そのために私ども、そういうことをしっかりとモニタリングして、そうした心配がないと、こういうことを被災の自治体においても確認をし、さらに受け入れていただく自治体の皆さんにもその御理解をいただく努力をしていかなければいけないと思っております。
 有害物質につきましては、環境モニタリングを実施した結果、現在までのところ通常の環境の状況と大きな変化はないということが確認されております。放射性物質については、これは岩手、宮城のものにつき危惧する声が寄せられていますので、被災地で災害廃棄物放射性物質の濃度汚染調査をしておりまして、そして、この調査については受入れ自治体の代表の方にも立ち会っていただいて、環境省として、昨日、八月十日でございますが、これらの調査結果を参考にして、環境省に設置しております災害廃棄物安全評価検討会、ここで専門家の意見を伺って、広域処理における安全性の考え方について一定の整理を行ったところでございます。
 これを踏まえて、受入れ自治体やあるいは市民の安心と理解を得ている今その最中でございまして、広域処理が開始できる、こういう観点から開始できるようになるのはもうあと僅かだと今思っているところでございます。
#12
○山下芳生君 是非、県任せにしないで国の責任でやっていただきたいと思います。
 次に、被災地では、地震や津波によって保管されていたPCB含有物が流出した、それから工場等からの有害物質の流出もあった。それから建築物解体によるアスベストの飛散などもありました。
 環境省は、大気、公共用水域、地下水、土壌、海洋の調査を六月から七月にかけて行っておりますが、土壌の調査結果がまだ発表されておりません。これは調査結果をいち早く公開して注意喚起を促していく必要もあるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#13
○国務大臣(江田五月君) これは今ちょっと申し上げたところでございますが、調査をいたしました。そして、結果について先ほどの検討会での専門家による評価をいただきまして、関係の皆さんに説明を尽くし、理解をいただいているところでございまして、私の手元では今の有害物質についても、あるいは放射性物質による汚染についても一定のものは来ておりますが、まだ今そのプロセスの最中です。恐らく心配ないという結果になると思いますが、更に具体的に、今度この廃棄物をここにということで、そのときにまたいろんな手続もあろうかと思いますけれども、間もなく公表させていただけることになると思っております。いましばらくお待ちください。
#14
○山下芳生君 これはやっぱり正直に情報を公表することが大事だと思いますね。土壌は、今私が聞いたところによると、自治体にはもう情報を伝えたんだけれども、まだ公表されていないと。しかし、瓦れき処理の現場では作業員の方がもう粉じんの吸引を防止するマスクの装着をしていないというケースが四割以上あったと、これは宮城労働局のパトロールで分かったと報告されておりますから、もうそういう方が危険な状況に一日も置かれないようにするために、分かった情報は全部公表するという姿勢で臨んでいただきたいと思います。
 次に、法案第六条三項、国は災害廃棄物の処理に係る契約の内容に関する統一的な指針の策定その他必要な措置を講ずるとあります。
 五月に環境省が示した通知では、瓦れきの運搬などに従事するダンプ運転手の積算単価は大体一日五万円ぐらいになるとされております。これに一五%の経費も加えることができると示されております。しかし、実際に瓦れき処理の運搬などを行う個人事業主、一人親方のダンプ運転手の精算書を幾つか見せていただきますと、一日二万八千円から四万円しか支払われていないということになっていることが分かりました。その中から燃料代、ダンプの摩耗費、ローン、保険代などを全部賄わなければならないわけで、私は、公共事業である以上、人間らしく暮らせる賃金あるいは対価であることが最低限保障されなければならない、ましてや復興に資するためには被災地ではなおさらそれが守られなければならないと思います。
 そこで、この法案の統一的な指針を実効あるものにしていくために二つ提案したいんですが、一つは、国や自治体などの発注した側が積算単価を明らかにする、公表する。それから二つ目に、受注する元請業者に対しては、外注に出した下請末端業者について実際に支払われた賃金を報告させることを義務付ける。この二つ、実効性を高めるために大事だと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#15
○国務大臣(江田五月君) 御指摘のとおり、この法案では、国は契約の内容に関する統一的な指針の策定その他必要な措置を講ずることとされております。さらにまた、衆議院のこの法案の採決の後に採択された委員会決議においては、災害廃棄物の処理に係る契約の内容に関する統一的な指針の策定に当たっては、被災者の財産、遺留品等の適切な取扱いに要する費用、災害廃棄物の処理に係る業務に従事する労働者の賃金、受注者の資金繰りに配慮した支払の方法、受注後の事情変更への対応などを勘案することとされたところでございまして、こうした点、あるいは今御指摘いただいた発注者側、受注者側それぞれのそうした注意すべき点、こうしたことを踏まえまして、今後十分検討し、適正で実効性のある指針を策定していきたいと思っております。
#16
○山下芳生君 最後に、法案提出者に伺いたいと思います。
 法案提出者の皆さんには、瓦れきの処理は国の直轄事業であるべきだというお考えがあるように思われます。その一方で、瓦れきの処理以外に仕事がない被災地の中小業者にとっては、中央の業者に仕事が奪われることにもなりかねないという懸念があります。
 実際、九日付けの産経新聞によりますと、宮城県では、二千四百億円の瓦れき処理事業が計画から最終処分まで一つのジョイントベンチャーに一括発注されるという報道がありました。被災地の住民の皆さんからはとにかく早くという気持ちも強くて、こうした大手の力も適切に生かすことも必要とは思いますが、地元の業者の仕事確保の点についてどう折り合いを付けていこうとお考えなのか、お考えがあれば伺いたいと思います。
#17
○衆議院議員(谷公一君) お答えいたします。
 我々提出者は、瓦れき処理は本来国の直轄事業であるという考えではなくて、現在の瓦れき処理の状況から見て、国が直接直轄代行をすべき状況だと、そういう認識の下で今回の法案を提出させていただいたわけであります。
 その処理でございますが、被災地の中小企業にとって大変貴重な仕事の機会であり十分配慮する、そのことが地元経済の振興に、復興に大いに役立つと考えております。しかし、同時に考えなければならないのは、これは早く処理しなければならない、そういうスピードもこれも大変重要だと思っております。ですから、それら両者のバランスを図りながら、なおかつ、委員御指摘のとおり、可能な限り地元企業への発注も考慮して適切に進めることが必要であると考えているところでございます。
 新聞報道のことを今言われました。詳細なことは、あれは産経新聞ですか、新聞報道以上のことは私も承知しておりませんけれども、今回の宮城県の対応は、石巻、東松島、女川と、極めてたくさんの瓦れき、全体の約三分の一ではないかと思いますが、そういう状況の中で三つの市と町から委託を受けた宮城県が迅速な瓦れき処理を最優先として自己の責任で判断されたと、そういうふうに受け止めているところでございます。
#18
○山下芳生君 終わります。
#19
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 本日で発災から五か月となりました。改めて被災者の皆さんにお見舞いを申し上げます。
 社民党は、発災直後から瓦れき処理を国の責任で加速することを求めてまいりました。この度、政府案、野党案、統合する形で修正協議が調いまして、参議院に送られ、本日審議がなされるわけでございますが、修正協議に御尽力いただきました提出者の皆さんを始めとして関係者の皆さんに心から敬意を表します。
 もちろん社民党も衆議院段階から修正協議に参画をしてまいりましたので賛成の立場でございますが、残された課題も幾つかあると考えております。この法案を補強する立場で何点か質問をさせていただきます。
 まず、環境大臣にお伺いをしますが、瓦れき処理の現在の進捗状況、今後の見通しについて大臣の御認識をお伺いします。最も重要な点ですから、衆議院での議論も踏まえて総括的にまずお答えください。
#20
○国務大臣(江田五月君) 先ほども申し上げましたが、今日の昼、衆議院の本会議で可決をしたこの法案がもう既に参議院で今こうして委員会審議をやっていただいていることに、心から関係者の皆さんの御努力に感謝を申し上げます。
 その上で、瓦れき処理、今回は特徴的なのは、とにかく発生量が非常に多い。しかも、これがもう混在、混ざって、その上にヘドロは掛かっている、塩は掛かっている、油が付いているところもある、さらにその下に行方不明の方が埋まっているおそれもあるというようなことで、本当に難渋をしてまいりましたが、市町村によっては進捗状況、差はございますが、市町村の皆さんの大変な御努力と、民間の皆さん、ボランティアの方々もおられる、こうした皆さんの努力により仮置場への搬入は相当に進んできており、今、八月九日現在でございますが、約四七%の災害廃棄物の仮置場への移動が完了したと見ております。
 これは、搬入というのもありますが、まだ搬入に至らない、つまりこれから解体撤去をする建物などがございまして、これもいずれは瓦れき、廃棄物になりますから、カウントをして四七%ですが、これを、取りあえずまだ廃棄物というところまで行っていませんので、これを除いて撤去率という概念をつくってみますと、例えば膨大な廃棄物が生じている石巻市では、搬入率は二三%にとどまっているんですが、今言ったような損壊家屋の解体という部分を除いたもので計算をいたしますと、撤去率は九三%ということで相当に進んできている。もちろん、仕事終わったわけじゃありません。これから解体して撤去しなきゃいけません。
 そういう具合で、私どもは、総じて着実に進んでおり、五月のマスタープランにおいて示しました、住民の生活のすぐ近くの廃棄物は本年八月までをめどにおおむね移動するという目標については、四分の三の市町村で搬入完了、さらに八月末で全ての市町村、これは警戒区域の中は大変申し訳ない、これはちょっとまだ手付かずでございますが、全ての市町村で達成できる見込みだと。これを被災市町村への巡回訪問等により確認をしているところでございまして、これから家屋の解体撤去などを進めてまいりますと、全てが終わるのが、これは平成二十四年三月までをめどに仮置場への移動を完了させる。さらに、これは、そこからもう全てきれいに終わらせるというにはもうちょっと掛かりますが、今後、被災自治体と環境省、大いに協力をして進めてまいりたいと思っております。
#21
○吉田忠智君 大臣も言われましたけれども、五月二十日付けの東日本大震災に係る被災地における生活の平常化に向けた当面の取組方針では、生活環境に支障が生じ得る災害廃棄物を本年八月末を目途におおむね撤去するということが明記されております。
 お話にありましたように、八月九日現在、仮置場への搬入割合は四七%ということでございまして、今後、解体をされる家屋から発生する瓦れきを除きますと、現存する瓦れきが一千三百六十七万トン、仮置場への搬入済量が一千七十一万トンですから、現存する瓦れきだけで見ても搬入割合が七八%。私もちょっと、政府、ここまでの計算はしておりませんでしたが、政府が出された資料から計算すると七八%。
 確かに、生活環境に支障を生じ得る瓦れきについては相当処理が進んでいるという言い方も可能かも分かりませんが、瓦れき処理、八月末までにということをマスコミでも報じられて、被災地の皆さんも大変に期待をしたところがあったわけであります。
 そういう意味で、やはりいろいろ衆議院でも議論がありましたとおり、それは大臣言われるように、いろんな問題点もあったと思いますし、困難な課題もあったと思いますが、そうしたやっぱり七八%というような数字ですから、しっかりそれを肝に銘じてこれから迅速化をしていただきたい、このように思います。
 次に、自治体の事務負担についてでございます。
 今回、財源について結果的に国が一〇〇%持つことになったのは評価をできます。しかしながら、補助率を九五%にする、そして残り五%については、自治体が災害対策債という起債をして、そして後年度地方交付税で措置をすると、この枠組みは変えられなかったわけですね。これはやっぱり今回の修正協議において大変残念な点であった。ひょっとすると、環境大臣もそういう意味ではじくじたる思いがあるのではないか、そのように思います。
 したがって、自治体が国に補助金を申請するという仕組みは残ってしまいました。また、グリーンニューディール基金からの支援ということを上乗せするということになりましたから、これに伴う新たな事務負担も生じることになるわけですね。当初の野党案のように一〇〇%の国直轄にすれば、衆議院でも指摘をされた十一もの国に対する申請や報告のプロセスを省略できますし、被災自治体に事務負担を掛けることもなかったわけであります。
 政府としてこれまでどのように被災自治体の事務負担の軽減を図ってきたのか、まず、これは政務官ですね、お伺いします。
#22
○大臣政務官(樋高剛君) 先生から大変大切な御指摘をいただいたと思ってございます。
 災害等廃棄物処理事業費補助につきまして、これまで二十五の自治体から概算払申請の前段階としての災害報告書の提出がなされたところでございまして、そのうちの十八の自治体につきまして、概算払の額を合計で一千八百七十四億円、一次補正予算で三千五百十九億円の予算を付けていただきましたけれども、その半分を超える示達額に今達することができたということで、この一千八百七十四億円を確定をさせていただきました。そのうちの五つの自治体につきまして手続はもう既に完了しております。そして、残りの七つの自治体につきまして近日中に概算払の手続を終了させていただく見込みでございます。
 先生のお尋ねの件でございますけれども、環境省としてこうした手続を力強くサポートするべきだということで、例えばですけれども、被災三県、岩手県、宮城県、福島県の三県に職員を直接もう常駐をさせまして、日常的に市町村に対しまして懇切丁寧に、それぞれの被災自治体、様々な悩みというか、被災状況は千差万別でございますので、様々な越えなくてはいけないハードルがあるわけでありますが、それらを丁寧に丁寧に助言をさせていただいたり、あるいは災害報告書の作成例、国の方でそういう事例を示すことはふだんはないわけでありますけれども、こちらの方でこういう報告書でどうだろうかということでむしろ作成例まで作らさせていただきました。そして、それらを市町村に周知もさせていただきました。
 また、通常はそういった書類を県を通して報告書を提出をしていただいているわけでありますけれども、とにかく簡素化しようと、迅速化、先生がおっしゃるように事務量を少しでも減らそうということで、被災の市町村から直接本省に提出をしていただくということなど様々な簡素化措置を講じさせていただいているところでございます。
 そして、より速やかに事務処理を進めるために、七月の末からではございますけれども、本省の担当官を被災をなさいました沿岸の市町村に直接足を運ばさせていただいて、直接派遣をさせていただいて資料作成に協力をさせていただいていると、一緒に考えて一緒に悩んで早く書類を作るということを実践をさせていただいておりますし、この災害報告書の審査をより簡素化するなどの対策を講じてきたところでありますが、より一層これから加速化をしっかりと行ってまいりたいと、災害廃棄物の処理がとにかく迅速かつ円滑に進むように全力を傾注してまいりたいと思っております。
#23
○吉田忠智君 自治体の事務負担というのは、補助率が高くなってもやっぱりほとんど変わらないんですね。変わらないというか、今回ニューディール基金によって増えたということもあるでしょう。被災自治体は、とにかく合併、行革による正規職員の減や臨時職員による置き換え、あるいはルーチンワークでは処理できない業務の激増で本当に疲弊をし切っていると思います。今回、法律に瓦れき処理は国の責務だと明記されたわけですから、かなり努力をされてきたということは認めますけれども、是非今回の法律の制定も受けましてしっかりまたこれを強めていただきたい、取組、支援体制を充実をさせていきたい、そのように考えております。
 ちょっと時間の関係で、三点目に参ります。
 次に、先ほども出ましたけれども、広域処理についてでございます。特に放射性物質にかかわっての課題でありますが、瓦れきの処理は、総量は膨大でありまして、全てを被災自治体で処理するのは不可能でありまして、当然広域処理は不可欠でございます。問題は放射性物質を帯びたと言われる瓦れきの処理。既に福島県の瓦れきについては放射能への懸念から広域処理をしないという方針だと聞いております。昨日の第五回環境省災害廃棄物安全評価検討会で、岩手県の瓦れきから放射能が検出されたことが明らかになっております。これまでも汚染瓦れきの広域処理の受入れに対して、住民から処理場周辺の環境や健康被害への不安の声が広がって受入れが難航してまいりました。
 そこで、環境大臣に伺いますが、瓦れきについてきちんと放射線量を測定して、環境省としてもデータを積極的に開示すべきであります。今後、放射能汚染瓦れきの処理についてどのように進めていかれるのか、誰がどのように放射線量の測定をするのか、測定データはきちんと公開されるのでしょうか。震災瓦れきを受け入れてもいいという自治体の多くが放射能汚染がないならという条件付になっています。受入れ候補地の住民からの不安の声に丁寧に対応して、決して受入れを押し付けることのないようにお願いしたいと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
#24
○国務大臣(江田五月君) 委員御指摘のとおり、決して押し付けるというようなことがあってはなりません。しかし一方で、これは誤った認識で拒否されるというようなことがあるとまたこれはつらいことでございます。
 そこで、環境省として、ここは責任を持って被災自治体にしっかりこの放射能濃度の測定を行っていただくと同時に、これは受入れ自治体の皆さんにもそのことを確認をしていただいて、そうしたデータをしっかり今お話しになったこの検討会など専門の皆さんの評価をいただいて大丈夫かどうかという見極めをし、そのことを十分説明をしていきたいと、情報はしっかり公開をしてまいりたいと思います。
 若干のことを申し上げますと、今委員お触れの宮古市それから陸前高田市、ここで調査をしましたが、そうした結果、目下のところ、八千ベクレル以下だったら埋立処分大丈夫だという指針を出しておりますが、恐らくその範囲にちゃんと入ってくるものだと今思っておりますが、今最後の詰めを行っているので、もう少しお待ちいただきたいと。
 それと、先ほどの、私あえて手を挙げようとしたんですが、国が代行することになります、この法案通していただくと。そうしますと、これは例えば発注仕様書の作成であるとか入札とかあるいは業務管理など、これを環境省が代行することになりますから、市町村における事務負担はずっと軽減されるということになると思っております。
#25
○委員長(柳田稔君) 時間です。
#26
○吉田忠智君 いずれにしても、放射性物質にかかわる処理についての議員立法もこれから検討されているようですから、そうしたことも踏まえてしっかり検討していただきたいと思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
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#27
○委員長(柳田稔君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、佐藤正久君が委員を辞任され、その補欠として青木一彦君が選任されました。
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#28
○委員長(柳田稔君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法案に賛成の方の起立を願います。
   〔賛成者起立〕
#29
○委員長(柳田稔君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(柳田稔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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