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2011/04/27 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 国民生活・経済・社会保障に関する調査会 第6号
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2011/04/27 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 国民生活・経済・社会保障に関する調査会 第6号

#1
第177回国会 国民生活・経済・社会保障に関する調査会 第6号
平成二十三年四月二十七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十三日
    辞任         補欠選任
     金子 洋一君     平山  誠君
     徳永 エリ君     高橋 千秋君
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     高橋 千秋君     加賀谷 健君
     平山  誠君     金子 洋一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         山崎  力君
    理 事
                梅村  聡君
                舟山 康江君
                関口 昌一君
                古川 俊治君
                山本 博司君
                寺田 典城君
    委 員
                加賀谷 健君
                金子 洋一君
                郡司  彰君
                佐藤 公治君
                谷  亮子君
                津田弥太郎君
                藤田 幸久君
                増子 輝彦君
                松井 孝治君
                柳澤 光美君
                石井 準一君
                岸  宏一君
                中原 八一君
                牧野たかお君
                松村 祥史君
               三原じゅん子君
                竹谷とし子君
   事務局側
       第二特別調査室
       長        近藤 俊之君
   参考人
       慶應義塾大学大
       学院経営管理研
       究科教授     田中  滋君
       株式会社ワーク
       ・ライフバラン
       ス代表取締役社
       長        小室 淑恵君
       株式会社パソナ
       グループ代表取
       締役グループ代
       表        南部 靖之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国民生活・経済・社会保障に関する調査
 (「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」
 のうち、地域からみた社会保障と雇用の課題に
 ついて)
    ─────────────
#2
○会長(山崎力君) ただいまから国民生活・経済・社会保障に関する調査会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、徳永エリ君が委員を辞任され、その補欠として高橋千秋君が選任されました。
 また、昨日、高橋千秋君が委員を辞任され、その補欠として加賀谷健君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(山崎力君) 国民生活・経済・社会保障に関する調査を議題とし、「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」のうち、地域からみた社会保障と雇用の課題について参考人の方々から御意見を聴取いたします。
 本日は、慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授田中滋君、株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長小室淑恵君及び株式会社パソナグループ代表取締役グループ代表南部靖之君に御出席いただいております。
 この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多用中のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。
 皆様方から忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 議事の進め方でございますが、まず田中参考人、小室参考人、そして南部参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただきました後、各委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず田中参考人にお願いいたします。
#4
○参考人(田中滋君) 慶應義塾大学、田中滋でございます。
 本日は、参議院国民生活・経済・社会保障に関する調査会にて見解を述べる機会をいただき、深く感謝申し上げます。私はパワーポイントを使いませんので、お手元のとじてある資料を御覧ください。
 本日のテーマは、地域からみた社会保障と雇用の課題であります。この課題は三つのキーワード、地域、社会保障、雇用から成り立っています。この組合せを考えると、次の三つの種類は本日の議題ではないと考えました。それらは、一、地域との結び付きの弱い社会保障、それから、二、雇用と結び付かない社会保障、三番目、社会保障と関係しない単なる地域雇用、これらは重要な課題ではありますが本日のテーマではないととらえました。
 社会保障分野の中で、まず当然ながら公的年金には特定の地域との関係はありません。国民年金は住む地域が違っても同じ保険料が課されます。厚生年金、共済年金は、住む地域が違っていても同じ標準報酬額であれば保険料額は同一です。また、どの年金についても、住む場所を移っても支給額は変動しません。
 一方、医療の世界における地域とは、大体のところ、人口サイズでいうと数十万人から二百万人に上る二次医療圏を指します。これが医療における地域です。医療提供体制はこの単位で地域完結が目指されています。ただし、そこと社会保障制度とのリンクは薄いと言っても間違いではありません。
 これら年金、医療に比べますと、介護保険の地域とのつながりは大変強いものがあります。介護保険の保険者は御存じのように市町村です。地元のサービス提供体制、ひいては雇用、就業にも大きな影響を持っています。また、介護の世界における地域の単位は非常に小さいです。後述する地域包括ケアシステムがいう地域とは日常生活圏域を意味し、これはおよそのところ人口一万人の中学校区に当たります。つまり、多くの様々な産業、自動車を筆頭とする日本のいろいろな産業とは違い、介護分野は小さい単位での地元の雇用と就業を支える機能を持っています。
 なお、社会保障についても一言触れておきます。
 社会保障の役割、期待は、私どものこの分野の学者からすると決して弱者保護のためにあるものではありません。社会福祉は確かに経済的、社会的弱者の方のために存在しますが、社会保障は、根源的には社会の安心、安全を守る社会的な装置としてつくられてきました。
 一般に、国家、社会の安全は二つの次元で考えることができます。一つは、対外安全保障と対内安全保障です。対外安全保障は外交と国防、対内安全保障はまさに防災ですね。治山治水そして治安、この二つであります。二番目が生活保障ですね。これが国家、社会の安心、安全の基です。
 近代社会におきます生活保障は、ヨーロッパ、アメリカ、日本あるいはアジア、オセアニアの先進国を見ると、就業保障と社会保障によって成り立っています。まさに本日のテーマは的確だと感じます。
 就業保障の方法は、雇用でもいいし自営業でも構いません。よって、就業という言葉を私はわざわざ雇用の後ろに付けて書きました。両者は共に働く保障ですね。雇われるだけが働き方ではないですから、雇用・就業です。
 雇用・就業には二つの視点が可能です。一つは、社会保障分野における雇用と就業の意味があります。もう一つは、社会保障によって支えられた本人あるいは家族が労働市場に参加できることになるという意味の雇用との関係で、二つそれぞれ役割があります。
 続いて、二のところです。
 介護分野の中でも、なぜ特に地域包括ケアシステムを取り上げるかを説明申し上げます。
 それを説明するために、主な社会保障制度の上位の目的を比べてみました。
 年金保険制度は、高齢期及び障害を負ったなどの理由により就業機会が減ったときの所得保障です。したがって、雇用を増やすための装置ではありません。雇用されなくなったときのための安全保障装置です。
 一方、医療保険制度は、病気やけがという不幸に加えて、そのための治療費負担ゆえに家計が不幸に、貧困に陥る事態を防止することが目標です。二重の不幸です。病気やけがはそれ自体うれしくないことですが、プラス治療費負担への貧困という二重の不幸を避けることが目的です。
 十九世紀後半に先進資本主義国で医療費保障が始まった理由は、まさに貧困化防止、貧困化防止による社会の安定、ひいては資本主義経済の発展でありました。たまに誤解している人がいて、社会保障は社会主義の一部だと思っていらっしゃる方がいますが、むしろ社会保障は、資本主義経済あるいは市場経済と言ってもいいですが、その発展のベースとなるものとしてつくられてきました。社会保障は市場経済の阻害要因と説く市場経済原理主義の経済学者がいないわけではありませんが、彼らは歴史を知らないと言わざるを得ません。
 現代は、それに加えて、医療の進歩を受けて、医療サービス提供費用を補填する機能、つまり病院や診療所への支払が重視されるようになりました。この機能の一部はまさに従事者の人件費を支えるとの意味で雇用と就業に深く関係しています。
 介護保険制度の上位目的は、何より要介護者の放置状態を防止することでした。一九九〇年代まで要介護者は放置されている例が珍しくありませんでした。初めから提供体制とセットにしてつくられてきましたから、保険発足時から介護サービス提供費用の補填機能が意識されていました。こちらは医療と違って、その多くが従事者の人件費に充てられています。もう一つ、要介護者の家族が労働市場から退く事態を削減してきました。また、本人が勤労世代であれば、就業できるように支援する側面も介護では重要です。最後に、介護は、生活を支える以上、基盤には地域のコミュニティーづくりという視点を伴っています。これが年金や医療との違いですね。
 したがって、本日のテーマ、地域からみた社会保障と雇用の課題に最も合致した対象は地域包括ケアシステムと考えた次第であります。
 次のページに参ります。一枚おめくりください。
 地域包括ケアシステム、これは閣議決定までされた日本の二〇二五年の地域社会の在り方です。この定義は進化し続けていますが、現時点で私は次のようにまとめております。ここに書かれているとおりです。
 一、ニーズと需要を反映した住宅の提供がベースです。二番目、三十分以内の日常生活圏域、先ほど言いました中学校区が大体の標準です。目的。安心、安全に生活していく上で必要なこと、中身は医療、介護、予防、それから加えて、生活支援、福祉などの多様なサービスが、六番はとても大切で、英語で言えばコンプリヘンシブでコンティニュアスでシームレスに適切に利用できる体制、これが地域包括ケアシステムの理想像ですね。
 目標年は二〇二五年であります。具体的には、団塊の世代が全員七十五歳を超える年です。その後十年間、我が国は未曽有の多死社会、たくさんの亡くなる方が出る十五年間を迎えます。その入口のところまでにこれをつくっておく必要があります。
 単に実務的な制度ではなくて理念がありまして、理念は自立支援です。要介護者の尊厳ある自立を重層的に支援するという理念があります。背景にある原則は、利用者、要介護者の自己能力の活用、御本人による選択、そして住み慣れた地域、住宅における生活の継続であります。
 これを動かしていく動力は社会保障制度だけではありません。地域包括ケアシステムの動力、動かす力は、自助、互助、共助、公助という四つのモーター、四つの支援です。この順番は大切です。これを我々の専門用語では補完性原理と呼びます。何か問題が起こったときに、医療ではしばしば見られますが、対症療法タイプに何かばんそうこうを張る政策は長続きしません。やはり原理から組み上げている政策の方がはるかに頑健であることは経験からも確かだと思います。
 自助とは、生活面では自分が主体となっていくことですし、金銭面では年金などの収入によって自らを支えることであります。自助のない社会は長続きしません。これはどの国でも同じであります。自助は基本に位置します。ただし、裸の自助、自助だけですと社会は分断され、長続きしません。そこで、様々な先ほど言いました重層的なヘルプが必要です。
 互助はインフォーマルな助け合いを指します。誰もが参加できます。日本でも昔から近隣の助け合いがありました。現代では、ボランティアやNPO法人、若者たちが積極的に加わっていますし、東北の現在の姿でも、被災者の方の間でも強い互助が働いている様子はかいま見ることができます。また、アメリカで特に行われる多額の寄附なども互助に含まれます。
 この分野ですと、要介護者であっても地域に貢献することは可能です。介護分野に対して、独居高齢者を見守る、楽しみのための外出支援、近隣住民による昼食会、保険給付外の家事援助などが要介護者に対する互助ですし、要介護者であっても、認知症の方であっても、子供の世話を手伝うとか、子供たちと放課後のスクールで一緒に歌を歌う、小学生を放課後に預かって勉強を教えるなどはまさに互助に当たります。
 三番目の共助、これはフォーマルに定められた、正式に定められた相互扶助制度です。具体的には社会保障制度です。
 共助は、互助によってできることとは規模が全く異なります。今回の東北大震災で集まっている募金が幾らになるかという予想を昨日見ましたが、大体一兆円に達するのではないかと言われています。でも一兆円です。年金制度は年間に五十兆円に及ぶ金を毎年出しています。医療保険は三十兆円台の前半、介護保険でいうと八兆円近く、この金額は互助では不可能です。強制徴収権を伴う、しかし別会計ではっきりとした共助の仕組みが必要です。こういうときに国家が直接勧誘を行うのではなく、保険料納入の見返りとしての強い権利性を持った別建ての会計をつくっておくことが意味があります。
 最後は公助でありまして、公助は自助、互助、共助の三つでは対応し切れない困窮した独り暮らしの重度要介護者などに対して言わば社会福祉的に助けることですし、それから行政が地域ニーズを把握することですし、最後は行政が、行政というのは自治体ですが、自治体が地域経営を果たす、これらは公助に当たります。
 地域包括ケアシステムの要素が二ページ目の下から書いてあります。地域包括ケアで大切な点は、地域包括ケアではなく地域包括ケアシステムである点です。個別のサービスの整備だけでは地域包括ケアシステムはできません。ある製品を作るのに部品がたくさんあればいいとは言えませんね。部品の合計が製品になるわけではないからです。部品を組み合わせたり、調整したり、連動したり、連携したりするようにします。その工夫がなければ製品とは言えません。組み合わせたり、調整したり、連動させたりするところにはコストも掛かります。時間も掛かります。組合せ方を間違えるリスクもあります。だから、連動させていくところのマネジメント力、コーディネート力が必要です。また、それをパッケージ化したり、モジュール化する視点が重要です。地域包括ケアシステムとは、現場のサービスが幾つではなくて、それを組み合わせる力のところも重視しています。
 次のページにお移りください。次のページは、地域包括ケアの代表的な要素が書かれています。
 なお、最後の方に参考資料というところがありまして、これは現在何が足りないかが一ページ半ぐらいにわたって書いてありますが、今日は触れません。
 地域包括ケアシステムの主要な要素を書きましたが、全部を触れている時間はございませんので、大切な点だけ触れていきます。
 まず第一に、介護の意味の軽度者、中度者のQOLを高めるサービスはリハビリテーションです。介護保険をつくっている努力をしていた九〇年代には、リハビリを先に置くリハビリ前置主義、前に置くと書いて前置主義が介護保険の思想だと言っていたんですが、始まったときに、寝たきりの方々にともかくサービスを提供することが先であったためか、リハビリは今、表から消えています。しかし、これからは、軽中度者のQOLのためには何といってもリハビリが第一であります。
 もう一つ、中軽度者のために大切なサービスとして小規模多機能施設があります。
 重度者が自宅にいたい気持ちを可能にする方法が必要です。これを専門語では在宅限界を高めるというちょっと難しい言い方をします。在宅限界を高めるためのツールは、もちろんいろいろとありますが、切り札は真ん中辺にあります星印の付いている定期短時間巡回・随時対応、訪問介護看護とひどい名前なんですけれども、法律にはそう書いてあります。要するに、長時間滞在してお世話をするのではなく、ピンポイントで一日何回か行くサービスです。そして、必要ならば随時対応する。事前に入念に組まれたケアプランでこの形を行うと、サービスはずっと安定することが北欧などの実験で分かっております。これは重度者の在宅限界を支える重要なサービスです。
 もう一つは、日本で余り発達しなかった訪問看護サービスであります。この二つが重度者を支えます。
 そして三つ目、一番下の方に書いてありますターミナルケアを指摘します。
 これは介護の重さとはちょっと違いますが、軽度者、中度者、重度者とはまた別な軸で、末期のところの人々を急性期医療を使わずにきちんとみとるサービス、これがかなりの数必要です。年間百六十万人亡くなる時代に、もちろん急性期医療で亡くなる方、心臓発作とか脳卒中の治療の途中で亡くなる方はおられますが、がんで亡くなる方が半数ぐらいになってくるでしょうから、そのうちのまた半分、例えば四十万人は何も急性期医療を使って亡くなる必要はないわけですね。在宅、施設あるいは居住系サービスなどで家族にみとられながら最期の時を過ごす。これをケアできるサービスを今から組み上げていく必要があります。それがこの下に書いてあります介護分野の将来の意味であります。
 介護分野は、遡って見るに、九〇年代は寝たきり老人をなくすということを目標としてきました。そして、その始まりが二〇〇〇年でした。介護保険が始まってみると、介護になる状態は防ぐことができる人たちがいる、全員ではないが防ぐことができるということをうたったのが二〇〇三年の報告書です。これを基に二〇一五年の介護というシステムづくりが行われました。
 次に、二〇二五年、先ほど言いました団塊の世代が七十五になるときを見極めて、二〇〇九年、一〇年の二年間を使って地域包括ケアシステムの設計図を書きました。
 次は、最後が、エンド・オブ・ライフ・ケアあるいはクオリティー・オブ・デスという言い方をしますが、尊厳ある死をみとるための。急性期医療で闘えば助かるかもしれない医療の場合にはもちろん闘うべきですが、闘わないタイプのターミナルケアもあり得るので、その方たちの仕組み。これらはいずれも地域で支えていくことになります。
 では、話をまとめます。
 今日の課題である雇用ですね、雇用を先ほど言いました地域という言葉でつなげて考えると、介護分野は大変強いものがあります。被災地でも、まず介護は必要です。次に医療も必要、次にというか医療も同時に必要です。これらは、大きな産業が大きな町にできるとか、あるいは人里離れたところで工場で何百人が働くのと違って、普通に町の中で、町の家に伺うサービスであり、家にいる方々が歩いて通ってくるサービスです。
 つまり、地元に雇用、あるいは自営業を含めた就業をこれからも、高齢社会になっても、よほどのへき地でない限りかなりの過疎地でも維持することができます。それを単に個別のサービスを並べるだけではなく、地域包括ケアシステムというしっかりとした哲学の下に、また、その推進エンジンとしての介護保険制度を活用しつつつくっていくことは我が国の社会の広い意味の安全保障にとって大変重要であると考えて、本日お話しさせていただきました。
 以上でございます。ありがとうございました。
#5
○会長(山崎力君) ありがとうございました。
 それでは、続いて小室参考人にお願いいたします。
#6
○参考人(小室淑恵君) ただいま御紹介いただきました株式会社ワーク・ライフバランスの小室と申します。貴重なお時間をいただきまして、本日はありがとうございます。
 私は、今日はパワーポイントを使って発表させていただきます。(資料映写)
 現在、私は株式会社ワーク・ライフバランスというそのままの社名の会社をやっているんですけれども、本業は企業の働き方を見直すコンサルティング、残業を削減する仕事が非常に多くて、一年間で残業の三、四〇%を削減するというようなことをやっています。
 ただ、その発端となっている、自分の現在の仕事の元々のきっかけというのがどういうものだったかということをお話ししつつ、後半は、今私どもがやっているワーク・ライフ・バランスという概念、これがまさに今日お話のテーマになっている持続可能な社会というもの、ワーク・ライフ・バランス、イコール、サステナブルな社会というふうに私たちは思っているんですが、これがどうして必要になってきたのかというような背景をちょっと前半部分で、社会と企業という面から二枚のスライドで御紹介をしまして、後半は、そのサステナブルな社会をつくるためにどういったことが必要だというふうに考えているかという提言をスライドで述べさせていただきたいと思います。
 私の自己紹介のスライドが一枚、前に入っているんですけれども、私は、現在三十六歳、結婚九年目で息子が五歳でして、この右にあります写真なんですけれども、今五歳の子育てをしながら、ちょうど会社が丸五年、出産して三週間で会社を起業して現在までやっているというような両立をしてきています。
 その発端となった九七年の出来事なんですけれども、上から二行目にアメリカ放浪というふうに書いてあると思うんですが、私が一年、大学三年と四年の間を休学しまして、一年間アメリカに放浪の旅に出ていた時期があったんですが、そのときにお金が尽きまして、仕方がないので住み込みでベビーシッターをして一年過ごした時期がありました。
 そのときに、私、目からうろこ事件があって、私がベビーシッターに雇ってもらったシングルマザーの女性が、育児休業中に在宅でe―ラーニング、e―ラーニングって分かりますでしょうか、ネットで勉強をする仕組みですね、インターネットで勉強をして資格を二つ取りまして、元々いた会社に育児休業後に復帰したときには昇格したという方がいたんですね。
 育児休業イコール、当時の日本ではブランク、育休取るぐらいなら辞めてくれと言われる社会にいた私にとって大変衝撃的で、彼女が言っていたのは、育児休業はブランクではない、その期間に何をするかが重要で、その時期に学びをし、会社の情報をまめに連絡交換をしていれば、ブランクというよりはむしろブラッシュアップの期間になるというふうに彼女は言っていて、私はこの概念を日本社会で実現したいという、自分のテーマに、そのとき夢を見付けて、日本に帰ってきてから資生堂に最初は入社したんですが、その後社内ベンチャーで、資生堂の中で育児休業者の復帰支援システムというものをつくりました。
 それが、現在は私の会社でやっているarmoというものなんですが、この左の下辺りにオレンジ色のイラストで入っているものなんですが、これは今四百社に導入をいただいていて、通常、育児休業に入った社員のことを企業は一年間ほうっておきっ放しなんですけれども、このシステムを入れると毎月上司と本人が仕事の話を連絡交換ができて、それからe―ラーニングシステムで七十講座の中から好きなだけ選んで勉強をすることができる。すなわち、休業期間でもっとステップアップをして復帰できるというような、こういったものをやっています。
 ただ、これが、現在は私どもとして本業の一つとしてやっていることなんですが、これをやっていくうちに更に気付いた大きな課題というのがありました。企業に復帰支援をさんざんして、たくさんの女性たちが復帰していって、以前よりも復帰の率が四倍上がったというような企業さんはたくさん出たんですが、復帰した後どうかというと、数年のうちに辞めてしまっています。なぜかというと、職場が長時間労働だからなんですね。復帰直後にはしょっちゅう子供が熱を出しますし、もう呼出しばかりになると。時間制約のある中で仕事をしたいと思っても、ほかの方たちは二十四時間型で働いていてどんどん肩身が狭くなると。当然、両立できるような生活というのが復帰後になかったというところで多くの方が辞めていらっしゃいました。
 そこで、私の問題意識は更に上の段階に行きまして、復帰した後の職場の働き方というところが本質的な問題なのではないか、それが短時間で生産性高く働くような人材の集合体の企業になっていないから、本人たちは肩身が狭くなって辞めるし、企業は残業代がかさんで利益が出ないし、互いに損な体質を持っているのではないかということで、現在は、働き方を見直す、すなわち生産性を上げないといけないので相当職場に深く入り込んでいろんなツールを使って働き方を見直していくんですけれども、そういったことを現在やっているというような、ワーク・ライフ・バランスというのが育児をしながら働く人にとっても働きやすい職場ですし、それ以外の方にとっても生産性が高く企業がもうかる仕組みだということを信じてやっている人間ですということを紹介させていただきました。
 ちょっと、ここからは二枚のスライドを使いまして、今の日本社会と企業が一体どういうニーズがあってワーク・ライフ・バランスということに向かわざるを得ないのかということを簡単に解説したいと思います。
 私どもの会社は今五百社のクライアントがいるんですが、創業してから一度も営業の電話をしたことがないんです。八百社全部、先方からお問合せをいただいて、ワーク・ライフ・バランスに取り組みたいと企業の方が実は今さんざん言ってくるという時代なんですね。なぜ今、企業がそんな社員のための、一見福祉に思えるようなことを熱心にやろうとしているのかということをちょっと御紹介したいと思います。
 まず、社会的な背景なんですが、左上にありますように、今何といっても少子高齢化、そこから、その下ですね、労働力人口の減少が起きていて、これは年金の払い手と言い換えることもできます。先日も三井化学さんとお話をしていたら、あと五年で社員数が定年退職によって半分になるんだそうです。NTT西日本さんはあと八年で社員数が三分の一になるんだそうです。それぐらい団塊世代前後のところに社員が固まって存在している。その方たちがあと二年後に六十五歳という年金のもらい手になりますので、年金財源はあと二年後から急枯渇に向かっていくと。
 じゃ、そうならないために、年金の払い手をどう増やすかと考えると、一番手っ取り早いのは、一番すぐに浮かぶのは出生率の向上という、女性が子供をもっと産んで将来の年金の払い手を増やすという政策なんですが、これには大きな落とし穴があります。
 日本は、一九九七年に専業主婦家庭の数を共働き家庭の数が超えまして、働いている女性の方が圧倒的に多い社会、つまり女性は年金の払い手、立派な一なんですね。これが、今の日本社会ですと、出産で辞めてしまうか復帰した職場が長時間労働なので力尽きて辞めるかのどちらかですので、先に年金の払い手がマイナス一になります。二十年間そのまま行って、産んだ子供の分の年金がプラス一になっても、これではプラマイゼロですので、実際には出生率を上げれば上げるほど、短期的に言うと年金財源は減るということが言えるんですね。これでは何の解決にもならないので、実は出生率の向上は長期的にはとても必要ですが、短期的に効果を出すのは女性の継続就業、辞めないですぐ復帰できてその後働き続けられる、そして二十年後に子供の分の年金の払い手がプラス一、プラス二と乗っかってくる、この両方を長期的、短期的にやっていかないと意味がないということが言えるわけです。
 それに対して、左下のような次世代育成法、二〇〇三年に施行された、企業に対して自社で育児する社員をどう支援するのかを計画を立てて国に提出し達成することを義務付けた法律、これが出ていて、これも企業に対して非常に強制力が今発揮されて、とても企業はこれを背景に熱心に両立支援に取り組んできています。そしてさらに、二十一世紀職業財団などに代表されるような職場復帰を促す奨励金というのを企業に出している、こういったものも今企業さんは非常によく使っていて、復帰をする人に対して何かしら休業中のケアをすると奨励金がもらえるということで、企業の推進になっています。
 ところが、右側のグラフを見ていただきたいんですが、大変ショッキングな現実があります。縦軸が出生率で横軸が女性の労働力率、国際比較をしているグラフなんですが、日本は左の下なんですね。女性が子供を産んでもいなければ働いてもいない。一方で、他の国は女性が働くほど産んでいる。右上にありまして、最近右上にどんどん移動しています。女性が働くほど産むと聞くと非常に違和感があって、日本では女性が働くから子供を産まなくなったというような、右下に下がっていくようなイメージを強く持っている方が多いんですが、それは四十年前のデータなんです。四十年前は、今右上にある国々のほとんどが日本の左のちょっと上辺りにあって、当時は女性が働くほど産まないというのが国際的な傾向でした。でも、四十年間の間に日本だけ置いてきぼりで、ほかの国はぐわっと右上に移動してしまったんですね。これは、四十年前に取った政策が日本と他国で全く違ったからです。
 日本は、女性が働きになんか出るから仕事が面白くなっちゃって産まないんだと、家庭に閉じ込めておきゃ産むんだよということで、左上に行かせよう政策を行ったというのに等しいと思います。女性を二十四時間家庭へ、男性を二十四時間労働へ。そのことによって、介護施設や保育施設を建てなくてはならない資金を抑制したんですね。施設を造る費用を節約するために、女性を二十四時間家庭に入れて男性を二十四時間筋肉労働に引っ張り出す。これは、四十年前の政策としては大変有効だったんだとは思うんですが、それの結果、じゃ左上に動いたのかというと全く動かずに、日本の位置は垂直に下に落ちました。出生率だけが落ちて労働力率も全く上がりませんでした。
 他国はどのような分析、対策をしたかというと、女性が働くと産めない環境が問題だから環境整備しようと三点のことを行いました。一点目が、安心して預けて働ける質の高い保育所の数を増やす。二点目が、企業の両立支援制度の整備を義務付けて、守らない企業にはペナルティーを科す。そして、三点目が一番重要なんですが、男女共に早く帰って育児、家事に携われるように労働時間規制を入れる。フランスは週三十五時間しか働いてはならないんですね。かつ、前日帰宅した時間から十一時間たたないと翌日の業務を開始してはならないという、今やEUで批准されている法律があります。後ろの方に参考で入れておきました。実際に本当に一日七時間しか働けないようになっているんですが、労働生産性は日本人の一・三倍ほどあります。時間当たりの生産性は日本人よりもずっと高いという状況なんですね。
 こうやって右上に行かせよう政策を取って実際に右の上に上がっていきましたが、そこにはもう一つ大きな要因がありました。女性が働いたら忙しくなって産まないはずなんですが、女性が働いても産んだ理由は、妻が働いたことで収入が二本になり家計が安定したので、先進国は教育費がとても高いんですが、その教育費を出してでも二人以上育てられるという見込みが立ったからなんですね。経済的な理由で諦める人が減った。
 これは現在の日本にとても関係がありまして、弊社の試算なんですが、四十年前の男性一人の収入で育てられる子供が、当時、妻が専業主婦でも三人育てられました。現在、三十代の男性一人の収入で、今子供を育てるというと大学まで行かせるのが通常になっているので、何と一・三人分しか育てられないんですね。無理すれば二人分出せないこともないんですが、そうすると夫婦の老後資金がゼロ円になるという計算になります。この中で、二人以上育てられる経済力というところが大きなハードルとなって二人以上持たない。これが、他国の場合は妻が働いたことで家計が二本になったので上に上がっていった。
 これは、内閣府のデータを見て私も大変驚いたんですが、妻が出産で仕事を辞めてパートで復帰して生涯を終えた場合の生涯賃金と、辞めないで三回育児休業を取ったとしても生涯働き続けた場合の生涯賃金が、一人の女性で五千万から二億違うんですね。これだけ生涯賃金が増えたらその分の税収もすごく本当は増えるはずなんですけれども。こういった妻の収入ということが大きな力になるということが分かって、今は個人も非常に右上に行きたがっている。男性も夫婦共働きの方を非常に選びたがっていますし、行政も、右に行くことで短期的年金収入、上に行くことで長期的年金収入を得なくてはならないという、右上に行かざるを得ない環境が日本にあると言えます。
 下に三行でまとめましたが、だから、働きながら子育てをするということが社会の年金問題を救う、両立できる制度整備が急務であるということが言えると思います。
 ただし、どんなにこれを、女性の両立支援だけやっても駄目なんですね。もう一つ女性が二人目を産まない理由があるからです。私も出産後三か月目のときに嫌というほど体感したんですが、今六十時間以上残業する人が世界で一番多い国は日本なんですね。そんな国で子供を産むと、妻に待っているのは深夜まで続くたった一人での育児。私の夫は経済産業省に勤めているんですけれども、実は、当時は深夜二時の帰宅時間でしたので、もうベッドに置いたら泣く、置いたら泣くという子供との悪戦苦闘をして、やっと深く寝てくれてベッドに置いた瞬間、深夜二時ぐらいに、見てたのかというタイミングで帰ってきて、そしてドアを閉めた音で息子を起こすというのをすると、もう私の心に夫への殺意が芽生えて、二度と帰ってこなくていいんだよという話を夜中に何度もしました。結局、一人目を産んだ女性ほど、こんな状態で二人目を産みたくないと、当時はけんかをすると最後はもう二度と二人目産まないからということを言っていました。
 二人目の出産体験がトラウマ体験になるのは、実は男性の労働時間というのが大きな関係があります。なので、これは内閣府のデータでも、夫の帰宅時間が遅く、家事、育児への参画時間が短い家庭ほど妻の出産への意欲が落ちるという傾向、きれいに出ていますので、一番実は根本に大事なのは、一番下の行ですね、男性を含めた働き方の見直し、ここが重要ではないかなというふうに社会的なニーズから考えています。
 では企業の方はどうかというと、企業は二〇〇七年問題、団塊世代の一斉定年退職によって、今人はいないけど仕事は残っちゃうという状態が起きています。さっき例に出したNTT西日本さんは毎年三千人定年退職するんですが、採用数は九十人なんですね。二千九百十人分の仕事が毎年中堅の上に乗っかっていっている。そうすると、中堅はただただ残業が膨大になっていってうつ病が非常に発生してきています。ここ数年でうつ病が異常に増えている印象を皆さんも持っていらっしゃると思いますが、団塊世代が辞めて、その労働量は全然変えないままに少ない人数でやっているわけですから、当たり前のことが起きてきているんです。これによって非常に長時間労働の企業には優秀な人はもう集まらないですし、定着もしないしモチベーションも上がらないというような、会社全体が停滞した空気、これは日本の団塊世代が多くいた企業さんには全てに起きている現象なんですが、こんなことが起きてきています。
 こういうことが起きた企業さんが、コストを掛けずにどうやったらうちの会社にもっと優秀な人をこれからも引き付け定着させ、高いモチベーションで働かせられるかということをいろいろ考えたときに、一番コストが掛からなくて最も若手の社員を引き付ける施策がワーク・ライフ・バランスというものだったというところで、現在企業が自らワーク・ライフ・バランスということを推進していっているという背景があります。
 それを更に推し進めると、その下に潜在労働力に注目をする必要性が出てきます。人はいないという中で、ところが新卒男子日本人にこだわる企業というのがまだまだいるんですけれども、それでは人は採れないということになってきて、じゃ日本の潜在労働力、これから目を向けていかなきゃいけない労働力は誰かというと、右側のグラフで非常に端的に分かります。この右側のグラフ、水色の方がHDIといって、その国で教育を受けた人がどれぐらい能力を伸ばしたか。日本は世界第八位で男女ともにトップクラスの能力水準を持っています。一方で、黄色い方の棒グラフはGEMといって、女性が政治や経済にどれぐらい参画をしているかというもの。これは何と直近では五十九位に転落していて、キルギス、ウルグアイと同順位なんですね。
 つまり、能力水準はトップクラスの男女がいながら、その半分の女性を能力以外のもので排除した結果、あれほどしか活用していない、登用において性差別がある大変悲しい国ということが分かるんですが、このグラフを是非ポジティブに見ていただきたいんですね。あの赤丸の中こそ潜在労働力なんです。能力は十分で、まだ使っていない人材があんなにいる国は世界の中でも日本だけ、あの赤丸の中を使いさえすれば、まだまだ労働力人口はいるでしょうということなんですね。
 これに気付いた利益にシビアな企業が、左下ですけれども、女子学生採用における優位性を確立したり、せっかく採った人材を長期的に育成できる環境づくり、つまりロールモデル、先輩ですね。目指す先輩、仕事の壁を乗り越えて昇進をしていっている管理職の先輩を三割以上、女性管理職比率を増やすなんということを積極的にやるようになり、男の業界と言われた証券会社でも、大和証券さんが三年前に女性役員を四名抜てきして大変話題になりましたが、その三年前から現在まで、大和証券さんの学生からの人気ランキングというのは三年間男女ともにうなぎ登りなんですね。これによって採れる人材の質がぐっと上がったということをおっしゃっていました。
 こうやって多くの企業さんが女性の働く環境というところに目を向けたんですが、一方で、全く女性ということに興味を示さなかった男性中心でこれからもやっていけるという企業さん、たくさんいました。ところが、そんな企業が最近ぐっと目を向けてきているのが、その下、介護という問題なんです。私はこれを五年前からもう一つの二〇〇七年問題と名付けてずっと提唱してきているんですが、二〇〇七年に一斉に定年退職した団塊世代が、先ほど先生がおっしゃられたとおり、これから一気に七十代に突入して要介護になる割合がぼんと増えます。その人たちを見るのは団塊ジュニア世代なんです。施設は圧倒的に足りないですから、仕事と介護を両立しながらやっていかなきゃいけないようになるのが、私、団塊ジュニア世代なんですが、この世代以降です。ところが、この世代は圧倒的に共働きですから、お父さんの介護でどっちが会社休むのという話になるんですね。私たち、同じように今日までやってきたでしょう、育児はほとんど私がやったでしょうと。あっ、そういえばあなたのお父さんじゃないとか言われてですね。
 非常にシビアで、男性も当たり前のように自分の親の介護をする時代になってきていて、実はこれ、男性の方が介護をする可能性が最近、企業においては高いんです。まず、三十代で男性の方が未婚率が二〇%も高いという企業がほとんどなんですね。しかも、会社のホープで一番仕事をしているような人というのが大抵未婚者、結婚しなかった人なんです。しかも、四十代、五十代になると九、一で男性の割合が高いんですね。でも、介護で休む人というのは四十代、五十代なんです。
 なので、このまま行くと、育児で休んでいる女性の数なんかよりも介護で休んでいる男性の数の方がずっと多いという企業が、大体四、五年後ぐらいで数が逆転してくるということが分かっています。トヨタ自動車さんの試算によると、現在六万八千人いる社員が十年後に抱える親の介護の数が一万四千人、社員の六分の一以上で、しかも累積して増えると試算していました。介護は十年、二十年、平気で続くんですね。なので、定年までずっと介護と両立ということが起きてくると。
 じゃ、そうなったら、一番下の二行ですけれども、十年後も継続して利益が上げられる企業というのは、そもそもほとんどの人材が六時以降は業務に時間を使えなくなるわけですから、全員が九時―六時で仕事を終えて利益が上がるような組織でなければ十年後はもう勝てないということだねと。これに気付いた多くの企業さんが自らの組織を見直そうという流れの方に入ってきた。これが弊社に御依頼をいただいている企業さんが急速に増えているというところでもあり、今日議論になっている持続可能な社会ということが求められている背景かなというふうに思います。
 ここからは私からの提言なんですけれども、ではこれからどういう企業を増やしていかなくてはならないのか、そういう企業を増やすような社会の仕組みを作らなきゃいけないのかというところなんですが、現在、残念ながら短期的な思考の経営者の方が取る手法というのがこういった図になっています。
 これは、左側の図が、この一本一本の棒が労働者をイメージしています。ブルーの部分が八時間以内の労働、上の緑色の部分は残業時間というイメージをしてください。今は八時間を超えた残業をしている人がたくさんいるんですが、この中で短期的にコスト削減をしようとする企業が多いんですが、コスト削減の手法が赤い点線の中を削る、つまり固定費を下げようとして人員削減に走る企業さんがいます。そうすると何が起きるかというと、右側の図ですね、あの点線になって欠けた部分の労働力を上に乗っけている。黄緑色の部分ですけれども、ここに乗っけて、一人一人の労働時間を延ばすことで人員は減らしてコストを削減しようとするんですが、ところが昨年の四月に労働法は改正になりまして、六十時間以上残業する人は一・五倍の残業代を払わなきゃいけないという法律になっているので、実はあの部分のコストというのが非常に大きく、下に四行で書きましたが、削減した固定費を大幅に上回る残業代増となって、更にメンタル疾患増加による費用とリスクの増加、そして次々に優秀な人材が流出していき、そして全社員のモチベーションもダウンしている、こんな状況に短期的思考の経営者の会社というのが陥っている現象というのを見てきています。
 さらに、その企業の行く末というのをイメージしてみると、この右側、次のスライドの右側になります。
 これから介護で辞職する人、介護で時間制約を持つ人、メンタルで時間制約を持つ人、様々な人が生まれてきて、あの点線の中の部分の労働力が抜けることになります。そうすると、右下の四行で書きましたが、そもそも頭数を減らしちゃっていますので、抜けた分の労働をフォローする人がいないんですね。抜けたフォローが不可能、そして労働環境の悪さで優秀な人材が新規でも採れない、そうするともう事業継続が不可能になる、こんな流れが短期的な経営者の企業の行く末として出てくることが考えられます。
 一方で今、逆転の発想で取るべき手法、実際に幾つかの企業さんが実はこれをやっているんですけれども、どんなふうにやるとこれからのサステナブルな社会になるのかというと、あの黒い点線の中の部分を削って、つまり、今社員がやっている残業を削って右側の青い部分、つまり頭数、若者の雇用を増やすという方向に動かす。同じコストですけれども、右側の四角い部分のところに移すと、右の下の三行ですけれども、若者の雇用を増やす。そして実はコストは非常に減ります。残業代は一・二五倍払っていますので、ここの部分が減って若者の安い労働力が確保できる。時間制約を持つ社員の積極的採用で残業をさせないようにするというようなことをすると、一日八時間以内のフレッシュな集中力のある質の高い労働というので業務が遂行するということができる。この行く末というか未来というのがスライドの七番の右側になります。
#7
○会長(山崎力君) 済みません、もう時間を、よろしくお願いいたします。
#8
○参考人(小室淑恵君) ごめんなさい。あと一分で終わります。
 右側の図ですけれども、この状態、介護で辞職が起きたり、育児と介護と両立する人がたくさん増えてきたとしても、頭数が増えていますのでフォローに入ることができるような職場になっている、つまりサステナブルな状態でビジネスが続くというふうになっているというものです。
 今の短期的な思考の経営した会社と逆転の発想で経営した場合で、社会に、行政に求めるものがどれぐらい違ってくるかというのをまとめたのがスライドの八と九になります。
 八は短期的思考の場合なんですけれども、一般の国民はどう思うかというと、右側の吹き出しの部分です。残業があるので介護できないから二十四時間型の介護施設をもっともっと増やしてほしい、残業があるのでお迎えに行けないから深夜までの延長保育のできる施設をもっともっと増やしてほしい、地域活動もPTA活動もできない、残業でしつけの時間もないから学童保育でしつけもやってくれ、うつ病だから再就職支援の助成をしてくれ、子供のいる女性は働けないので年金が少ないから手当を増額してくれ、企業の方は利益が出ないので新規雇用をしたくないから、若者を雇用するなら対策金をくれ、こんなふうに要求がエスカレートして財政が逼迫するということが分かります。
 それに対して逆転の発想の企業が増えた場合に関して言うと、右側の吹き出しのように、十八時に帰宅して介護と両立できるので、デイサービスの時間延長ぐらいをしてくれれば何とか両立できます、通常保育時間内で両立ができるので、夫婦で家計が担うことができるから手当は特に要らない、保育の質を向上してくれればいいです、地域活動、PTAに働く男性も参加できて地域の安全や環境が充実します、毎晩夕食時に子供の話に男性も耳を傾けることができるので、しつけもいじめ対策も父親が主体的にかかわることができます、介護ボランティア、環境ボランティアに若者が若いうちから参加をして、ためた地域通貨などで自分の将来の介護に備えるなんていうことができるようになるというふうに、定時後の時間で育児、介護、健康維持、地域活性化に主体的に動くことができる社会というのができるんではないかなというふうに思います。
 そして、最後ですが、なのでこの逆転の発想の企業をいかに増やす社会をつくるかというところが一番のポイントで、一点目は、まずこの赤い線の部分、残業をできないような強制、これはどれぐらいやるかというのは他の国を参考にするべきだと思いますが、ある一定の強制力を発揮すること。それから、上の点線部分を右下の青い四角に移す、つまり長時間労働をさせないことで浮いたお金を若者の雇用に充てるということに対して企業に何かメリットを提供する、この矢印が推進されるようにする。これをどちらもできれば、先ほどのような行政に対する要求というのが少ない社会というのができ上がるんではないかなというふうに思っております。
 後ろに、参考でアメリカやヨーロッパの例を入れておきました。
 以上になります。
 時間延長して大変申し訳ございません。ありがとうございました。
#9
○会長(山崎力君) どうもありがとうございました。
 次に、南部参考人にお願いいたします。
#10
○参考人(南部靖之君) 南部です。よろしくお願いします。
 僕のつくりたい社会というのは、一人一人が強くなると、個人が強くなって国家は栄えると。そういう個人を強くするための仕組みづくりをこの三十五年間、大学を卒業してからずっといろいろ仕組みをつくってきたわけですけれども、三十五年前に僕が大学を卒業するときに、二つの疑問をちょっとお話し申し上げて、それが自分の人生を変えるような、今申し上げたように、個人を強くする、そういう社会をつくろうというきっかけになったことをちょっとお話し申し上げて、それから僕の考えをお話しできればなと思います。
 学生時代になかなか就職できない、今と同じような社会であったわけですけれども、ふっと振り返ってみると、僕以上に大変なのが女子大生だと。あのころは十人に二人、一・四人か一・六人だったと思うんですよね。それ以上に大変なのが難関突破して企業に入った女性たちだと。男性は昇格、昇給があるけれども、女性はずっと給与は変わらない、昇格もできないと。ところが、その女性以上に大変な方々がたくさんいたと。それは、結婚か何かの理由で会社を辞めた女性たちが子育てを終えてから働こうと思っても働けない、僕は、なぜだと。自分も大変だけれども、女子大生、優秀な女子大生が働けない、家庭の主婦も働けないのはどうしてと、働けても収入が安いパート、アルバイトであると、そういう疑問を一つ持ちました。
 二つ目は、女性もそうなんですけれども、男性もそうであると。優秀な学生は大会社に就職します。でも、あのころの大会社に就職できる学生というのは、多分三%か四%だったと思うんですよね。九十数%は中小企業であると。中小企業に入ると、なかなか産業医という医者に診てもらうわけにもいかないし、山の家、海の家といった福利厚生施設もないと。それだけではなく、教育もなかなか受けられないと。
 今言ったように、この二つの格差と、女性の社会進出をどういうふうにインフラをつくることによって可能にさせるか、二つ目は、男性の学生というか、その格差をどういうふうになくせばいいんだろうと。で、考えたのが、僕が参考にしたのがオランダの雇用制度でありました。私もオランダに行って勉強しました。そして結果は、どういう就業形態であっても、年齢、男女を問わず、同じような仕事をする限り同じ賃金がもらえると、同一労働同一賃金であると、これに目を向けたわけです。よし、これだと、個人を強くして、そして国を強くするのはこれしかないぞと。
 僕は就職するのをやめまして、株式会社パソナの前身であるテンポラリーセンターをつくったわけです。年齢、男女を問わず、働きたい就業形態で格差なく働ける社会をつくろうと。景気や企業の雇用の促進といいますか、雇用のニーズに関係なく、意欲に関係なく働けるような、そういう仕組みをつくろうと。もっと言えば、一日四時間働いても正社員であると、一か月に一日働いても正社員であると、一年にほんの数日働いても正社員であると、そういう社会基盤の整備をしようと。
 その社会基盤の整備の中で、株式会社でできるものと政府がやらなければならないものがあると。僕は、株式会社がやるべきもの、ここに目を向けたわけです。一つは、大会社に入っても中小企業の企業でも同じように健康診断を受けられると、健康管理が受けられると。二つ目は、大会社に入っても中小企業のほんの小さな会社に入っても、きちっとした山の家、海の家、福利厚生施設が受けられると。三つ目は、どういう企業に入っても教育をきちっと受けられるような仕組みづくりをと。そして私は、三十五年間の間にこの派遣という仕組みを考えたわけです。今、パソナにいるスタッフに関して、もっと言えば派遣法という法律の中にいるスタッフに関しては、多分その格差はかなり解消されてきただろうなと、そういうふうに思っています。
 政府のやるべき年金問題だとか、あるいは社会基盤の中でも、年金の中でも四分の三以上働かなければ社会保険がもらえないだとか、そういう、この問題に関しては私ども何ともできませんけれども、少なくても今言った教育と健康管理と福利厚生施設に関しては三十五年の間にそれなりの解消ができたなと、そういうふうに思っています。
 じゃ、個人を強くして、そして国が強くなると。個人を強くするということは、もっと言えば個人が自立をする社会をつくると。個人が自立をする社会というのは、企業に属さない、もっと言えば企業に属さなくても、依存しなくてもきちっと生活が安定した収入が得られると、そういう仕組みづくりを僕はつくれればいいなと。企業、まあ組織と言ってもいい、企業・組織依存型社会から個人自立型社会をつくる、これが個人を強くする仕組みであり、それが結果、国が強くなると、そういうふうに思っております。
 さっき申し上げたように、年金問題、社会保険の問題だとかそういう社会基盤が、もし政府がこれにメスを入れたならば、もっと私は、いろんな雇用形態にとらわれないで働けるような、そういう人たちがどんどん増えるだろうなと、そういうふうに思っています。第二子を産みたい、第三子を産みたい女性が一日四時間だけ働いて、そしていろんな福利厚生も、それだけではなく、健康管理だけで、それだけでもなく、山の家、海の家がきちっと、社会福祉が、社会保障といいますか、それがもし付いていたならば、どんどん女性も社会へ進出するだろうなと、そういうふうに思っています。
 私の妻もアルバイトというか介護の仕事をしておりましたけれども、なかなか日雇が難しいということで、直接雇用になったためになかなか難しい雇用条件で、今はもう辞めてしまった事例もあります。私の娘も今フリーターで、音楽家をやっていますけれども、好きな時間で働けるという意味で、今非常にそれが自分の正社員の働き方だと、こういうことで自信を持って働いてはいます。
 今それは、僕が申し上げた自分の三十五年前の経験からそういう社会をつくりたい。今申し上げたように、一日四時間でも正社員、この仕組みをつくったのが今のパソナの人材派遣のインフラづくりだろうと、そういうふうに思っています。
 二つ目に、今ちょっとした現象といいますか、今年大学を卒業した方々がなかなか就職に就けないと。三十五年前の僕と同じような人たちがいっぱいいるんだなと。今はフリーターと言いますけれども、僕のころはプータローと言っていました。同じような感じでみんな頑張っているんだなと。去年も五十五万人の卒業生のうち十二万人が就職できず、八万人が就職浪人をしたと。五十五万人中二十万人が去年、データとしては就職できなかったと。こういう状態は今に始まったことではないと。三十五年前の僕のときもそれに近い状態であったと。それだけではない、バブルのはじけた一九九四、五、あるいは二〇〇〇年前後も同じようなことでした。つまり、ある一定の期間を通して同じことが繰り返されている。にもかかわらず、これに対して何らかの手を打たない、なぜかなと。これは僕は、自分なりの疑問であります。
 女性の継続的な就業、これをどういうふうにやるか。同時に、男性でも、これからはベンチャーを起こしたい、あるいは学問をしながら、あるいは音楽をやりながら、芸術をやりながらと、いろんな多様な働き方を望んでいるそういう若者に対して継続的に働けるような、社会インフラの中でも企業ができるインフラづくりをパソナができるならば、私はこれのために人生をささげたいなと、そういうふうに思っております。
 もう僕の話終わっちゃいました。あと二分ちょっと、じゃ、しゃべりますけれども。
 今、人の見方という意味で、IQが非常に大切だと。でも、そのIQにもう一つ僕はやっぱりEQという感性が大切だと、エモーショナルと。プラスSQという、やる気、スピリチュアルというものが大切だと。IQとEQとSQ、これを加えて僕はPQと、人柄、そういうふうに言ってはいますけれども、今、世の中というのはIQだけを中心にした社会全体の教育制度の中に育った人たちが多いものですから、なかなか社会に出てからもEQとSQの存在に気が付かずに、自分の才能、能力を発揮できないという状況ではないかなと。だから、もし、私は、言うならば、このIQとEQとSQをPQとして考えるならば、IQだけの社会をなくするような、そういうインフラづくりも必要ではないかなと思っています。
 もし僕が文科大臣ならば、大学入試をなくすると。自分の経験から大学入試はやめて、アメリカのような年に二回ぐらいの評価基準制度をつくっておいて、そしてみんなが自由に自分の好きな時間、好きな勉強をしながら、自分の才能、能力を生かすというふうな社会づくりができれば一番いいなと、そういうふうに思っています。
 今、雇用を生んでいくためには二つの問題があると。一つの問題は、今申し上げたような、個人を強くするような、もっと言えばフリーターが社員であると。正規社員以外は非正規というように、正規であらずという差別用語は、これは使うべきではないと。フリーターこそ堂々と働けるような、そういう社会基盤、インフラをつくること。
 二つ目は、今、先ほどもうつ病の話が出ましたけれども、うつ病も起こらない、若者がみんなが元気で働けるようなそういうふうな教育の仕組みづくりをしなければならないと。それによって雇用が良くなり、みんなが生き生きと元気付くと、元気付くことによって個人が強くなり、社会が強くなるというふうに思ってはいます。
 教育は、小学校、中学校、高校、あるいはどの部分を触っていいかどうかが分からないので、社会全体の問題でもありますから難しいかもしれないけれども、やはり私は、入試制度をなくすると、そして今言ったように正規、非正規という呼び方をやめると、そしてフリーターが堂々と一日四時間でも同じような高収入と社会福祉、セーフティーネットが張られるような、そういうふうなインフラづくりを政府がやるべきだと、こういうふうに思っています。
#11
○会長(山崎力君) どうもありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 それでは、これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を待って着席のまま御発言いただくようにお願いいたします。
 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がおよそお一人十分以内になるように御協力をお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。
 郡司彰君。
#12
○郡司彰君 本日は三参考人のお話、ありがとうございました。
 それぞれにちょっとお聞きをしたいと思いますが、まず、田中先生の書かれたものをちょっと事前に読まさせていただきました。大変気になったといいますか、心に留まったものがありまして、「亡くなる直前の短期間に、医療や介護サービスが主となり生活が従となるような場所に移ることはあっても、数年にわたってそうした生活に制限の強い施設に移らずにすむような方策をつくらなければなりません。」という文言でございました。
 それで、その後、実際に先生のお話を聞いて思い出した方がありました。今井澄議員という参議院議員がおりました。若くしてお亡くなりになりましたけれども、御存じのように、長野の諏訪中央病院院長などもなさって地域医療に取り組んでこられました。その方が最後、自分がお亡くなりになる直前に、病院に入ることをなさらずに自宅の中で余生を終えられた。つまり、多分言われていたのは、自分で飲み込む力がなくなってからはというようなちょっとお話をされたのを聞いたことがございましたけれども、先ほどの先生のお話を伺っている中で、どうして今井先生、そういうような考えに至ったんだろうか。「理想の医療を語れますか」という本を最後に上梓なされましたけれども、先生のお話を聞いて、今井先生のお気持ちはどんなものだったのかなと、田中先生の方からちょっとお聞きをしたいなというのが一つでございます。
 それから、小室参考人のお話も大変面白く聞かせていただきました。つまるところ、労働時間、いわゆる賃労働に関する、働くということに関して、休日であれば例えば安息日というような宗教的な背景というものは多分にあったんだろうと思うんですね。それから、一日の労働時間でいうと、生理的に寝るという時間、それから夫婦が一緒に過ごすという時間、さらには子供と接する時間、それぞれ譲ってはいけない時間というものを考えた形が残業の割高の割合というものになってきているんだろうというふうに思っているんです。
 そういうことからすると、先ほどお話しした以外に、日本の場合には出向というような、家族がばらばらになるのを当たり前のような風潮もございましたけれども、今それぞれが政治の場で制度をつくるということでおっしゃったような形をつくっていこうということもあろうと思います。ただ、それだけではなくて、小さなときから家族であるとか労働であるとかということを国や政治というものがもう少し積極的にかかわることによって国民合意というものが知らずにできるような国というものを目指さなければいけないというふうに思いますけれども、そのことについて政治の果たす役割、今に加えてということがありましたらお話をいただければというふうに思います。
 それから、南部参考人のお話は大変面白く聞かせていただいて。東日本の大震災がございました。これの復興ということがこれからの大きなテーマになってくるわけでありますけれども、そこにも南部参考人の活躍する場というものは多分にあるだろうし、国として考えなければいけない余地というものは相当あるんではないかなというふうに思っております。
 誇りを持って希望を持てるような、そのような雇用の場をどのようにつくっていくか、御社のシャドーキャビネットで検討しているようなことでもありましたらばお話しいただければなというふうに思います。
 以上でございます。
#13
○参考人(田中滋君) 今井先生とは私も若いころ一緒に勉強をさせていただきました。たまたま私のおじが諏訪日赤の院長をして、もう大昔ですが、していたころに今井先生がおられまして、そのころから勉強をさせていただきました。
 郡司先生の御質問、誠に大切で、急性期医療とそれ以外の医療との違いを是非御理解ください。急性期医療とは日常生活とは無関係なものです。十日間とか二週間とか、ここは別に、本当に特別に医療職と一緒に病気と闘い、治るための闘いの場です。そこでは、医療モデル、収容モデルで全ての生活が制限されて当然です。その方が効果があります。
 ところが、それ以外の部分は日常医療も含めて生活を支えるための医療なんですね。だから、収容型モデルで生活を諦めるというのは、二週間とか十日の入院だから人々はやむを得ずそこは通過するべきだけれども、そうではない場面では生活が表に出て、それを、先ほどの表にありましたような医療や介護や社会福祉のいろんな側面から支えていく。
 だから、それが住みかとしては集合住宅であっても住み慣れた家でもいいですけれども、そこでは、自分が表に出る生活をできるだけ長く過ごすというモデルをつくっていくという意味では、今井先生と同じ考えを持っておりましたし、今井先生は最後それを実践なさったと思います。大変懐かしく思い出しました。
 ありがとうございます。
#14
○参考人(小室淑恵君) 済みません、御質問いただいたところが、国や政治ができることというのは、何に対してというところが少し聞き取りづらくて、済みません、もう一度いただいてもよろしいですか。何に対して。
#15
○郡司彰君 民間の経済活動の中でやられることというのはたくさんあると思うんです。それを国が法的な制度として与えるというものが一つあって、これはこれまでもやってきたと思います。それ以外に、この国の、皆さんがお話をされたようなことを当たり前だと思うような、例えば教育の分野でありますとか社会的な規範をつくるということで国がすべきようなことがありましたら、御示唆をいただければと思います。
#16
○参考人(小室淑恵君) なるほど。それは学校などの教育機関の中でできるようなことというイメージでしょうか。ありがとうございます。
 今、私どもが結構高校や中学校から呼ばれることが増えまして、特に男子校であったり男子学生を中心に、子供とかかわることというのに対する父親の役割というようなことをお話をさせていただくような機会が増えています。
 これは、三歳児神話というのは皆様は御存じでしょうか。三歳児神話というのは、子供が三歳になるまでは母親が付きっきりで面倒を見ないと子供の成長に悪影響が出るというような考え方で、三十年前は結構行政主導で流布されたような流れがあったんですね。これはもう十年前に厚生労働省が科学的根拠は一切ありませんでしたというふうに白書で書いているんですが、なぜか根深く今も、若い子でも三歳までは母親が育てないとというふうなことが学説か何かで確かかのように信じている子というのがかなりいます。
 こういったところが、全くそういう根拠はないことなんだというところと、父親が子供にかかわるということが子供の成長に非常に関係があるというような教育というのは、子供の比較的幼いころ、小学校や中学校のころにきちんと教えてあげるというようなコンテンツが必要ではないかなというふうなのが一点です。
 もう一つは、学校で勉強しているうちにだんだんとできてしまう価値観が、何を何時間勉強したかで成果が決まるような感覚、長い時間掛けて勉強するとその分の成果が積み上がるような、時間を掛けることをよしとする教育というのが、ある程度これが勉強社会の中ですり込まれているような傾向があるように感じます。
 これも、一つの成果を上げるために、いかに少ない時間を投入してその成果を上げたかということがビジネス社会になるととても重要なんですね。この価値観というのを、少ない資源で最大の成果を上げる工夫や知恵というものを持つことが大事なんだというような教育をしていくことで生産性ということがおのずと分かるのではないかなというふうに思っております。
 御質問ありがとうございました。
#17
○参考人(南部靖之君) まず、被災者を三つ、三つというか分野を三つに分けて、沿岸部の津波によっての災害を受けた方々、それから地震による被災された方々、それから原発の地域に対する方々と、この三つにまず分けます。
 それからもう一つは、現地、東北で働きたいという方々のための仕組み、それから東北を脱出して県外で働きたいという方々に対する仕組みと、これをマトリックス的にいろいろ今パソナとしてはとらえてやっております。
 まず、三つの分野にこれ分けるのは横に置いておいて、東北の中での仕事づくりということに関しましては、まず民間版というか、移動式のキャンピングカーとミニマイクロバスによる移動式ハローワークのような就職指導センター、教育センターを、ちょうど今週ですかね、今週から動き始めます。ずっと回って、そして被災地を回りながら、あなたは何を、どういう仕事をしてこられましたかと、どういうことをやりたいですかということを聞いて回るようなそういう仕組みをやっています。それ以外にも、いろんなメディカルケアだとかセーフティーネットをしいてはいますけれども、移動式のキャンピングカーによる仕組みがまず効果的ではないかなと。
 と同時に、現地での東北の就業形態といってもなかなか仕事をつくり出すということができないものですから、我々が持っている、TPP型というか付加価値の高い農業の仕組みをあの場所でということから、植物工場の大きなものを造ることによって年三回取れる米作りをできないかだとか、漢方の仕組みを使った新しい高価なものを作れないかなとか、そういう仕事づくりもこれからもやっていきたいなと、そういうように思っています。
 それから県外、県外に出るという意味で、例えば今どこかの町、この間僕もずっと回ってきた中で町長さん何人かとお会いしたんですけれども、七ヶ浜の町長さんと淡路市長と一緒にこういうことができないかなと。淡路島の中に新七ヶ浜町をつくって、そして移りやすいようなインフラづくりをつくってあげる、情報交換をしてあげるという仕組みができないかなと。なかなか東北から、自分の生まれ故郷から外へ出るという勇気も要りますし、その仕組みづくり、提携を市同士が結べないかなと。
 それから、私どもとしても、東北・淡路ファームという名前でもって、今数ヘクタールなんですけれども、具体的に東北の若者、それからその若者の後は家族を連れてこれるような、そういう仕組みを淡路島でこれからやろうということで、今二百人の募集を掛けました。ちょうど先週、何人かの面談をやって、そして多分七月ごろまでには半分の百人ぐらいの方々を、農業と自分の農業以外の仕事を兼ね合わせた仕組みづくりでもって淡路島で雇用が生まれるような、そういうことを今やっています。半農半芸と言っていますけれども、午前中農業やって、午後は自分の好きな芸術をやったりする仕組みをつくろうと、それを今淡路島でやっています。
 だから、県内と県外とを分けて、そしてその被災地の方々に合わせた雇用の今インフラづくりをパソナとしては取り組んでいます。
#18
○会長(山崎力君) それでは、続きまして古川俊治君。
#19
○古川俊治君 続きまして、自由民主党の古川の方から御質問させていただきます。
 三人の参考人の先生方、本当にありがとうございました。
 最初に田中先生にお聞きをしたいんですけれども、私も先生の御著書はたくさん勉強させていただいておりまして、介護保険制度は、もう創設時からおかかわりになって深く関与されてきたというわけですけれども、今回、平成二十四年、本年度が議論の年になるんですが、四回目の報酬改定をいよいよ迎えることになったわけです。二〇〇〇年にできてからもう十一年たちまして、この間、様々な政治的な影響もあり、当初の、先生が創設時に考えられていた理念と、やはりなかなか社会保障費が十分に伸びていかない事情があるということで、診療報酬で少しずつ誘導していったわけですけれども、その過程でその理念と現実の一番のそごがどういったところに起こっているのかと、経済的な要因でですね。それから、今後更に、十分に介護費の、医療費が伸びていかないということになっていきますと、最も大きな問題としてどういうところが顕在化してくるんではないかと予想されているかと、この二点についてちょっと伺っておきたいという気がいたします。
 小室参考人にお聞きしたいのは、お話伺いましてちょっと私が思ったのは、合計特殊出生率と女性の労働力率のグラフがございますけれども、これは別にそんなに高い相関関係がこれをぽっと見たときにあるような感じもしなかったんですね。一つは、労働時間を制限していって雇用を増やしていく、雇用の人数、頭数を増やしていった場合に、それで本当にその会社、事業体として生産性が上がっていくかどうかということが一つちょっと疑問としてあるんですけれども。そうすると、米国や日本といった間接規制型をやっているところと、欧州のような直接規制型をやっているところを比較して、これは欧州型の方がやや生産性が上がっていくんだという何か根拠をお持ちなのかどうかというところですね。
 それから、事業体としての経営に影響がない、その点の実証があるかどうか、その点も伺いたい。
 それから、このパターンが、一日の労働時間を制約しても頭数を増やしていくという方法が恐らく向いている業種体と向いていない業種体があるんではないかとちょっと思うんですけれども、その点についてどういうお考えがあるかということを教えていただきたい。
 それから、南部参考人、ありがとうございました。様々な若者の皆さんを今お育てになっていると伺いましたけれども、最近の若者を御覧になっていて、現在の学校教育、あるいは政策的に我々がやらせていただいています職業教育、一番不足しているのはどういった点なのか。今まで会社を経営されながらお考えになった点について御指摘をいただきたいと思っております。
 以上です。
#20
○会長(山崎力君) それでは、ちょっと順番をずらさせていただいて、最初に小室参考人、お答え願えますでしょうか。
#21
○参考人(小室淑恵君) ありがとうございます。
 グラフの強い相関関係が見えないとおっしゃったのは、右に行くほど上に上がっているように見えないと、そういう意味ですよね。ありがとうございます。
 今、右に行くほど上に行く、移動、今だんだん右上に上がっていると言う方が正しいですね。この四十年間で大体左上にほとんどの国があったのが、右上にどんどんどんどん移動していっているというふうに言った方が正しいと思います。実際に今は右上に上がっていく相関関係に、一番の相関関係を線で見ると右上にぐっと上がっていくような線にはなっています。私のちょっとグラフの点の置き方がそう見えなかったかもしれないんですが、今右上に移動していっていることは確かですというのが一点目ですね。
 もう一つが、時間を減らすと本当に子供が増えるのかでしたか。
#22
○古川俊治君 会社の経営上成り立っているのかという点ですね。
#23
○参考人(小室淑恵君) ごめんなさい、ちょっとよく聞こえないんですが。
#24
○古川俊治君 済みません。
 会社の経営体として業績が変わっていかないのか。日本、米国型のシステムを取っているところと欧州型を取っているところの事業体で、本当に欧州型の方が生産性が上がるという根拠が何かあるのかどうか、その辺をちょっと。
#25
○参考人(小室淑恵君) ありがとうございます。
 どちらがいいかという結論は私の中にはないです。じゃ、なぜしっかり規制した方がいいというふうに言っているかというと、日本人の気質が規制されないと変えれないということが、私たちが見ていて痛感しているからです。相当、私たちも企業に対して講演会をやっているんですけれども、自発的な意思で変えれるんだったら、企業がこんなに社員の意識啓発しなくていいのにと思うんですね。
 例えば、ある企業さんなんかは年間で弊社に三十回以上講演会を御依頼いただくんですが、一回の講演会が五十万から百万ぐらいしますので、それだけの研修費を投じて社員の労働時間を減らそうと一生懸命しているわけなんですね。そうやって一生懸命研修するほど企業としては労働時間を減らしたいという、企業も意思を持っているんですよ。社員に対して帰ってもらいたいと思っているにもかかわらず、最後、社員がその帰ろうという意思若しくは帰ってよいと思えていないというところが、日本人の一つには時間を掛けることに対する美徳であったりだとか、一人だけ自分が早く帰るということが、全員が帰れば帰れるんです。
 これはもう明らかで、地震のときにはやっぱり誰も来ないんですね。なので、制限をされれば帰れるんですが、自分だけ帰って何か言われたらどうしようというところが、これもう非常に強く感じているところで、それを減らすために企業が何千万と研修費を払っているということがとてももったいないというふうに思っています。そこに何千万という研修費プラス残業代も掛かっているわけで、これを、先ほどのもう一つの質問が、これをやって……
#26
○古川俊治君 職種の問題、職種はどうですか、職種です。
#27
○参考人(小室淑恵君) 職種ですね、あと業界と。それから、これで業績が落ちないかという話もされませんでしたか、ですよね。
 弊社が八か月間ぐらいコンサルに入った企業さんで売上げが落ちたというところは一つもないです。三〇%から、人によっては月間八十時間残業が減った方もいたんですが、そのチームは前年より売上げは上がっていました。という形で、あとは企業としては利益が物すごく増えます。三千人の企業さんで一日三十分一人が早く帰ると年間九億円浮くんですね。でも、その企業さんは全く利益も売上げも落ちていないです。
 それから、向いている業界とそうでない業界というものなんですが、私、便宜上、今日九時―六時みたいな言い方をしているんですが、業界によってはやっぱりシフトじゃないと、お客様が二十四時間というところがあります。特に医療の業界は、医療営業の方たちというのは、やっぱりMRさんたち、みんなお医者様に合わせて朝早くと夜遅くにお仕事をされるので、そういった業界を弊社がコンサルするときには、三人で一つのドクターを担当するような時間シフト制に変えていく。そうすると、昼の時間を選んだMRの女性は育児と両立できますし、独身の方は早い時間や遅い時間を選ぶと、賃金が割増しだったり福利厚生ポイントが高くもらえたりというようなメリットを感じて、そこを割と選んで入っていくというような人が出てきたりというふうに、企業に合わせた形に変える必要はありますが、これが有効な業界と有効じゃない業界があるというような傾向はないというふうに思います。
 御質問ありがとうございました。
#28
○参考人(南部靖之君) まず、学校教育、教育の問題なんですけれども、やはり一番の問題は価値観の多様性を教えるべきではないかなと。僕の母親がいつも僕に言っていたのは、算数百点取るのも、百メーターで一番になるのも、絵がうまいのも同じ才能だよと。算数百点取るのと百メーターで一番になるのと同じ才能と、これは僕に非常に勇気を与えてくれました。だから、そういう評価点という物差しの、一つしかない物差しを二つ三つつくっていく教育がまず必要ではないかなと。
 二つ目に、若者に勇気を与えるというそういう仕組みで、もう一つ、今申し上げたのが、価値観の多様性をお話し申し上げたんですけれども、やはり背中をぽんと押してあげるために制度、仕組み、会社の雇用の制度、仕組み、もっと言えば就業規則をもう少し変えるべきではないかなと。
 パソナの場合は、午前中だけの社員、午後から働ける社員と、四分の三だけ働いた場合の社員と、こういう社員制度をつくっています。例えば、今就職がなかなか難しい方々へ対して、去年は千四百人の人たちをフレッシュキャリア社員としてパソナが募集しました。三月末に卒業して四月一日にパソナに籍を置くと。そして、一日でも働いた者をパソナの社員とするという意味で、福利厚生施設から教育から健康管理から全部したわけです。そして、その後、パソナから転職をさせる仕組みをつくりました。そして、千四百名のうち千二、三百人ぐらいがパソナからの転職がうまくいきました。今年はそれを、半農半芸と先ほどちょっと申し上げたんですけれども、農業をやりながらパソナの社員として期限を決めて、そして昼からは自分の好きな音楽を生かしてくださいという社員を今二百人募集しました。そして、ちょうど先々週、五十名の人が今淡路島で頑張っています。
 そういう仕組みで、企業としては、職業訓練の中における問題あるいは学校教育の中の問題よりも、いかにしてそういう働き方をつくっていくかということによって僕は元気よく働けるような、そういう社員づくりを今やっています。
#29
○参考人(田中滋君) 古川先生、質問ありがとうございました。
 介護の方で、理念の実現にどういう影響があったかという質問ですね。
 介護は、私は、費用不足ゆえに働く人たちのプロフェッショナル性の育成が足りなかったことだと思います。お配りしたレジュメの二ページの真ん中辺に、「プロフェッショナルへの支払い」というところにアンダーラインが付いています。これは、介護がお年寄りの生活の手伝いという側面を含んでいますので、プロ性と互助でもできることとの区別が付いてこなかったんですね。もちろん、ごみ出しを手伝うとか電球を換えるとか花見に連れていくとか、そういう互助は大いに役に立ちますが、それと、短時間巡回のサービスに従事できる、あるいは利用者のアセスメントができる、他職種共同ができるといった医師や看護師ならば持っておられるようなプロフェッションとしての、専門職としての能力にふさわしい賃金支払ができなかったがために、介護職がプロ化するのが少し予定より遅れています。
 今、内閣府でも、介護人材のキャリアラダーをきちんとしてプロと位置付ける方向で研究を進めております。これを早くしないと、介護の互助と共助を区別する、これをするための費用が不足していて、介護従事者の賃金が低過ぎた時間がちょっとありました。
 二番目の御質問の、医療の方ではどうかというと、医療はプロフェッションはきちんともう確立していますし、きちんとした病院なり健保なり共済はまあまあ頑健な組織です。何が問題かというと、むしろ医療の方は利用者の費用不足だと、利用者の方々が、階層格差社会の中で保険を使えない人たちが増えてしまっていること。具体的に言うと、生活保護になるほどは貧しくないけれども保険料が払えない世帯が三百何十万世帯まで増えています。自己負担を払えない層も増えています。それから、協会けんぽの保険料収納率が微妙に落ちています。こういうところを支えるお金が不足してきている。つまり、利用者側で医療を使えない人が潜在的に増えている、こちらが医療費不足の問題だと考えます。介護側は働く人、医療側は使う人というふうにまとめてみました。
#30
○会長(山崎力君) それでは、続きまして山本博司君。
#31
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 今日は本当に三人の参考人の方々、ありがとうございました。大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、それぞれ御質問を申し上げたいと思います。
 まず、田中参考人に御質問したいと思います。
 介護の問題ということで、公明党も新しい介護のビジョンということで、二年前に介護の従事者の方とか利用者の方とか十万人にアンケート調査しながら具体的な将来像ということを打ち出したんですけれども、その中で、やはり地域包括ケアシステム、大変大事だということで提言をまとめさせていただいた次第でございます。その中でも、特にその拠点となる地域包括支援センター、この役割は大変大事であるということで、高齢者の見守りであるとか、また認知症の対応機能であるとか、地域包括支援センターのこの機能強化をどうしたらいいのかという点、その課題も含めて、この点をお聞きを申し上げたいと思います。
 それから、小室参考人に対しましてはワーク・ライフ・バランスということで、私も前の職場のIBM時代に専務だった内永ゆか子さん、今ベネッセの会長をされていらっしゃいますけれども、職場でやはり女性の役割といいますか、そういう中で女性の企業家をどんどん広げていくJ―WinというNPO法人を立ち上げられて、女性のそういう企業人の育成ということを取り組んでいらっしゃる姿をずっと見ておりまして、こういう企業風土とか社会全体をどう変えていくかということが大変大事だなというのを身近に感じておりました。こちらに、政治家になって、公明党も女性議員が三割おりまして、そういう意味ではなかなか、こういう日本の風土の中で、大企業とか外資系は分かるんですけれども、中小企業の方々にとってこのワーク・ライフ・バランス、課題が大きいと思うんですけれども、コンサルをやりながら、そういう例で、そういった社会全体を変えていく部分を含めて何か御参考の部分がありましたらということと、もう一つはそういう内永さんのようなグループの社会全体を変えていこうという方々との連携をどのように考えておられるか、この点お聞きを申し上げたいと思います。
 それから最後に、南部参考人に対しましては、農業ということを切り口をされているお話がございました。ちょうど二〇〇〇年に社長職を一時期離れられた二年半の中で、全国各地回りながらいろんな問題意識で取り組まれたということが農業に結び付いたということのお話がございました。その農業を切り口としたということで、どういう一つの雇用を創出を、先ほどからも東北の震災等でも様々な形で農業が出ておりますけれども、どういう視点でそういう問題意識の中で農業を位置付けられているのか、この点をお聞き申し上げたいと思います。
 以上でございます。
#32
○会長(山崎力君) それでは、また順番をずらさせていただいて、南部参考人からお願いいたします。
#33
○参考人(南部靖之君) まず、農業からの雇用なんですけれども、私はちょうど、よく御存じで、二〇〇〇年から二年半ぐらいなんですけれども、ずっと日本じゅうを行脚しまして、どうすれば雇用が生まれるかと。その雇用が生まれるその対象は、実は六十歳からの定年の方々に対する雇用の問題、それからその当時もフリーターという言葉が使われ、そしてたくさんの方々が生まれましたフリーターの雇用問題と、この二つの、二分野といいますか、この方々に対する雇用のインフラづくりをやろうと、これがまずスタートだったわけです。
 最近、今ちょっと申し上げたんですけれども、半農半芸と。農業を切り口に芸術と、農業と音楽、農業とアートという形の雇用の仕組みはないかと。そもそも音楽も農業から生まれておりますから大量に、漁業もそうですけれども、豊作だったというところから音楽が生まれた。そういうことの雇用の仕組みをつくろうと。
 それから、農業ともう少しその中身も、漢方というふうに申し上げたんですけれども、メディカルツアーと農業と併せた仕組みづくりはできないものかなと。観光農業とよく言われますけれども、そういう仕組みはできないかなと。レストランと今度は農業という仕組みづくりだとか、農業を中心にいろんな今雇用形態をつくるというのは何かといいますと、自分で自分の食べるものは作りなさいという観点からの雇用の基本ではないかなというところからこれに取り組んでいます。
 今、それ以外にも、農業一つを取り上げてみて、地方の活性化づくりも、これも非常に面白い仕組みができそうだなと。シャッター通りと農業とどう考え合わせればいいかだとか、今いろいろやっています。昨日も飛騨高山に行って、あそこでどういうふうな仕組みができないかなと。それから、秋田県でも、知事の時代に寺田さんにお世話になりましたけれども、今千二百人ぐらいの雇用が生まれておりますけれども、これもプラス農業と兼ね合わせたコールセンターと農業の仕組みづくりをこれから展開していきたいだとか、今度、松山でもやはり数百人の、六百人ぐらいの雇用を今生んでおりますけれども、やはり農業を中に入れながら、兼業農家の方々がサラリーマンとしての収入を得ながら農業をやるというふうな取組をやっています。これを元手に、今これから淡路を成功させれば今度は地方へというふうに考えています。
#34
○参考人(田中滋君) 山本先生、質問ありがとうございました。
 地域包括支援センターは確かに地域包括ケアシステムの鍵となるべき存在です。地域包括支援センター自体がサービスをするわけではありません。これは、機能として一番期待されている点はワンストップショッピング、駆け込み寺だと考えています。介護保険ニーズに直接つながらないニーズ、例えば民生委員が対応すべきニーズ、あるいは遺産相続で誰かいい会計士がいないでもいいかもしれないし、互助のどこかボランティアを紹介してでもいいし、もちろんケアマネさん自体が駆け込んで、困難事例で普通のケアマネジャーが扱えないからプロの主任ケアマネに教えてほしいなどなど、地域に存在する資源に対して地域で発生したニーズをつなぐ場所が地域包括支援センターの本質的機能なんですね。
 そのためには、どうやって機能を強化するかという御質問ですが、機能を強化する仕組みの、私たちがこの制度をつくったときの切り札として期待したのは運営協議会が下に付いている点です。ほかの組織にはないんですが、地域包括支援センターだけは、地域住民の代表が必ず運営協議会でそこのセンターの仕組みを支える、そこにはそれこそ民生委員的な方がおられたり、あるいは町の医師会の人が入っていたりすることによっていろんなサービスをつなげるようにしたいと。それで、この運営協議会が本当に住民の代表として活躍しているところは機能しているし、ほとんど何にも、書類もらって帰るだけの会議をしているところは機能していないというのが実情だと考えています。
 地域包括支援センターが本当に機能し始めると、これは高齢者のためだけではなくて、母子の問題であれ、あるいは父子の問題であれ障害者のことであれ、いろんなことの相談に使えるようになります。決して高齢者専門組織ではないです。まさにこれが鍵なので、そこで働いているプロの人たちだけではなくて、住民の代表体である運営協議会が生きていくように各自治体はそれぞれをうまく育成していく必要があると思います。
 大変、御指摘ありがとうございました。
#35
○参考人(小室淑恵君) 御質問ありがとうございました。
 一点目の中小企業も含めて取り組めるのかというような御質問につきましては、実は、これは意外に思われるかもしれないんですが、社員の女性が一人当たりに産んでいる子供の数というのは零細企業から中小企業の小さい規模のところが一番多いんです、実は。大企業以上に多いんですね。規模が真ん中辺りの中規模の企業というのが一番低くて、大企業でまた若干上がるというふうになっていて、零細企業や中小企業の中でも非常に小さい規模の会社は、制度はないんですが柔軟に運用しているというところから実は両立しやすいというような背景があったりします。
 中小企業の例で、カミテさんという会社が大変有名なんですが、秋田にあるカミテさんは三十名の金型工場なんですが、そのたった三十名に対して無料の保育所を付けています。さらに、職員に対してしている徹底した教育が多能工化というもので、ベルトコンベアのBを担当している人にふだんからAの教育とCのラインの教育も徹底的にしていて、一人の人間がどこか休んだとしてもさっとフォローに入れるというのを、ふだんから自分の最低必須の仕事の領域の三倍ぐらいの仕事を教育するということをやっていて、何と経理の方もラインに入れるんだそうです。
 なので、子供の病気で急にほいっと抜けてもみんながさっと入れるということによって、結局、欠品率がそういった取組をする前からコンマ三桁下がって、安定した品質の商品を作ることによってブランディングがナンバーワンになっているというのと、地域の高校生の採用の際に、非常にあそこはワーク・ライフ・バランスが取れるということで優位に働いているというような形になっています。
 ポイントとしては、このワーク・ライフ・バランスは福利厚生じゃないというところが一番大きいと思うんですね。経営戦略だと思います。なので、利益に対してシビアな企業ほど、はい上がっていくために優秀な人材を低いコストで、魅力で引き付けて、その人に最大に育成して伸び伸びと能力を発揮してもらうことで利益を出すという、企業として利益を出すためにやるべきことというところに位置付けることが大事かなと思います。
 二つ目の連携について、私どももいろんな団体と、ワーク・ライフバランスという会社は株式会社ではありますが、いろんなNPOや団体と連携をしています。ただ、そのときに一番気を付けているのは、女性の団体というところで連携をするのではなくて、私どもが一番よく連携するのはファザーリング・ジャパンという育児をしたい男性を支援するNPOなんですけれども、同じ働き方を見直したいという軸で連携をするようにして、決して、女子校じゃないですけれども、女性の強い集まりというようなところに連携をしていくというのはかえってきちっとした目的に対して進まないというような形での連携を広めていっています。
 御質問ありがとうございました。
#36
○会長(山崎力君) それでは、続きまして寺田典城君。
#37
○寺田典城君 寺田でございます。よろしくお願いします。
 済みません、最初にパソナの南部さんからお聞きして、小室さんと田中教授に、その順序にお聞きしていただきたいと思います。
 何というんですか、現在、人生八十年と言われます。昔は五十年と言っているんですが、成人になってから六十年も生きなきゃならないという大変な時代です。その中で、日本の国というのは、どちらかというと雇用でも何でも定型化されておりまして、何というんですか、義務教育、高等学校、大学、そして就職というような形が慣行になっていますね。それにあぶれた人方、高等学校のときでもそうで、社会へ出る人もいるし、大学出てから社会へ出る人もいるんですが、百万人いる中で大体六、七割の方は定型化されたそういう形のパターンでレールに乗って社会につく、働くというんですが、二割、三割の方は、ミスマッチもあったりして、途中で辞めたりなんかもあるでしょうけれども、いわゆる非正規というんですか、ある面ではフリーターでも何でもいいんでしょうけれども、今は非常にそういう点では低賃金の人方が多い。
 その人方が、今、南部さんが、何というんですか、自立できるような、個人に力を付けさせるということなんですが、私もそのことは日本の社会が強くなるのには一番大事なことだと思っているんです。この二、三割の方を、二、三十万人の方を、何割でもいいですから、それこそ自立ができて力の強い、仕事の能力のあるというんですか、社会に対してそういう人材を育てることが私は一番大事なことだと思っていまして、そういう点での南部さんの経営というのは非常に私も関心を持っていますし、頑張っていただきたいなと思うんですが。
   〔会長退席、理事関口昌一君着席〕
 その中で、国は、ある面ではハローワークだとか言っています。今、この四月には、職業訓練の実施等による特定求職の就職の支援に関する法律とかということで、何というんですか、労働保険というか、雇用保険のあれを用いて、失業保険を得られない方々に対する職業訓練を月十万円で二年間とかという、そういう法律も作ろうというような形で現在進行中なんですが、役所でやることが果たしてこれいいことであるのかないのか、またハローワークの役割とか、そういう就職とか人材育成の役割について、南部さんは行政でやっているその役割をどう見ていらっしゃるか、またどう変えたらいいのか。その辺を、忌憚のない御意見を、ハローワークを潰してしまえと、それでも結構ですし、そういう事柄含めてお聞きしたいと思います。
 それと、小室さんは、要するに子育てから含めたワーク・ライフ・バランス、アンドバランスなんですが、通産省の御主人さんが夜中の二時というのは、よく霞が関の人はだからそれが文化だと思って、それが価値観だと思って仕事をしている。それを認めている政治も悪いと思います。夜中に働かせなきゃならぬような今の政治システムもこれは私たち反省しなきゃならぬと思う。特に、私はまだ議員になって半年もなっていない、半年ぐらいですか、半年になりましたか、特にショックを感じているところなんですが、こんな無駄の多いところというのは、日本では一番無駄の多いのは国会じゃないのかなと思っていまして。
   〔理事関口昌一君退席、会長着席〕
 その中で、男性型の社会、これを壊さなければ、ある面では経済界も含めてワーク・ライフ・バランスはなかなか成り立たないと思うんです。そうなった場合は女性の力を借りなきゃならぬわけですから、特に少子の問題というのは、子供を産むことできるのは女性だけなんで、そういう点から含めて、何か強いパンチ的な話がありましたら、隠さずばんと言っていただきたいなと思います。
 田中先生には、何というんですか、急性期、医療の場合は急性期は、私も被災の現場に行ったら、急性期は対応できると。回復期と慢性期、どうしたらいいんだろうという相談受けたことあるんですけれども、一般的な、地震だとか被災の場合じゃなくて、医療の社会でもそれが一番だと思いますし、それに最後になってきますと介護と医療と一体化せざるを得ない、私はそうせざるを得ない時期になってきていると思うし、最後は介護とかも含めて、この世の務めを終わる場合はお世話にならなきゃならぬと思う。その前の時間をいかに長くもたせることができるかという、そういう介護まで、まあ介護認定を受ける方々は六十五歳以上で大体一五%から二〇%の間であれしているんですが、私が地方行政の中で、一ポイントでもいいから介護認定少なくする健康な人づくりということがこれからの社会のキーワードだなと思ってやってきたんですが、医療とかそういう介護の経済の中で、これだけ医療費が将来五十兆円だとか介護が十五、六兆円も行っちゃうとかという社会の中、年金も五十兆円超えてしまうとかという中で、何が先生として考えていらっしゃって、そういうものを抑制した健康な人づくりに経済学的には、医療経済と介護経済にも、そういう面から含めてどう思っていらっしゃるか、その点を教えていただきたいと思います。
#38
○会長(山崎力君) それでは、まず御指名ありました南部参考人からお願いいたします。
#39
○参考人(南部靖之君) ありがとうございます。
 今の仕事に就けなかった若者、フリーターに君はできるというふうに認めてあげられるような社会が来れば、日本の経済はまず変わるだろうなと。
 フリーター、その中でも意思あるフリーターがたくさんいます。実は、僕の娘、息子は、娘が二人と息子がいるんですけれども、三人ともフリーターなんです。一番上は音楽家でフリーター、二人目はアイビーリーグを出て、そしてアメリカの大学を卒業してからフリーターをやりました。でもなかなか就職できない、難しい。商社に入りました。そして、自分で独立するということでこの三月に辞めました。下の子は今年大学を卒業します。やはりフリーターで、就職決まっていません。だから、そういう方々がきちっと一人でマンションが住めてカードが持てる、それだけでも日本の社会の中でやっていこう、頑張ろうというふうな体制ができると思うんですよね。
 つまり、卒業イコール就職、これが今言われたみんなが考えている定型型の、定型化された雇用なんですけれども、そうじゃないんだと。アメリカでいえば、もっといえば、ヨーロッパでいえばイギリス型のギャップイヤー制度、ギャップイヤー、あれを認めてあげると。企業が認めてあげるか、あるいは制度、仕組みで政治がきちっとした形でこれを後押しをすると。アメリカのティーチ・フォー・アメリカ、あの制度を取り入れてそしてリーダーを養成するという仕組みを、これもやっぱり政治が主導で僕はやれば非常に面白いな、そのように思っています。
 ハローワークについては僕も何とも言えませんので。ただ、あれだけのすばらしい組織と人員がいますから、あそこを営業強化をしてパソナの最大の敵をつくる。ハローワークは民営化、あるいはハローワークはアウトソーシング。国がやるべき仕事と、そしてあっせんだとか派遣の仕組みを営業マンを入れて、そして日本中で就業の仕組みをつくっていくと。もう一つは、学校、訓練学校、あれをアウトソーシングしちゃう、専門のところへ任しちゃうという形で身軽にして、三分割かどうか分からないんですが、そうすれば僕はもっと雇用が一遍に生まれるだろうなと。そして、あのハローワークが雇用創出省的になって地位を上げて、そしてそこに雇用創出大臣が生まれてとなれば、日本は若者に限らずみんながもっと雇用というものに、働き方というものに対して政府が目を向けていると、こういう認識を持ってくれるだけでも勇気が湧いてくるだろうなと、僕はそう思いますね。
#40
○参考人(小室淑恵君) 御質問ありがとうございました。
 ちなみにというか申し上げておくと、うちの夫は帰る時間を非常に改善しまして、現在では同じだけ育児、家事を毎日やってくれて、週に一度はお迎えにも行ってくれるというふうに激変しました。がしかし、やはりピークになるとすごい働き方にはなっています。
 これはコンサルを通じて気付いたことで大変ショッキングなことなんですけれども、実は残業が多い企業さんの特徴というのは国とやり取りがある企業なんです。国土交通省さんと関係がある企業さん、厚労省と関係がある企業さん、今、あるIT会社さんの金融庁担当部署、これが一番残業が多いんですね。結局、霞が関から掛かってくる電話対応で土日待機というような、そういう状態が非常に変わらなくて、ほかの部署さん、その同じ会社さんでも国とのやり取りがない部署さんはコンサルに入ると成果が出てくるんですが、もうどうしようもないんですと、土日待機と言われて、ちょっと物すごくクレームを受けるんですというので、お仕事を失うわけにもいかないのでといって働き方がどうしても変えられないのが、最後、国との関連する仕事をされている部署さんなんですね。
 なので、本当に根本的なこの流れを変えようと思うならば、おっしゃられたように、霞が関から順番に変えていかなければ日本全国は変わらないでしょうと私はやはり思っております。
 じゃ、霞が関の人が必ず言うのは国会があるからだと言うんですが、そんなことはありませんと私は思います。国会じゃないときも残業しているんです。これは、ある省庁さんに私どもコンサルに入らせていただいたことが実際にあるので分析をしたのですが、民間の企業であれば当然身に付けているITのスキルなどが全然身に付いていなかったというところもたくさんありましたので、国会が一年に何回かあることによってそのときにめちゃめちゃの残業になるので、ほかのときの残業を見直す気力がうせてしまうという形で一年中ずっと残業しているような形なんですが、実際には国会以外の理由という内的要因もたくさんあって、もちろん国会の方も私は変えるべきだと思います。あの質問をその日に来てその時間に返せというのはあり得ないというふうに、人権侵害だと私もいつも思いますけれども、国会の質問のタイミングを見直すということと、霞が関の人たちが自分たちの内的な要因やスキルを見直すということは両方なくてはならないというふうに思います。
 という意味では、国家公務員法が変わらなくてはならないなというのは一点思っていまして、不思議なもので、公務員は残業をしても残業代は付かないんですね。何か同じパイの中を時間で割って取り合うような不思議な残業代制度になっているので、そういったおかしな、残業代事実上払っていないような不思議な法律になっているようなところを国家公務員法から改正すべしではないかなというふうに思っております。
 また、労基署の管轄である厚労省が一番残業が多いんですね。それも民間の企業は物すごく不満に思っていて、自分たちに労基署入るけど君たち何なんだというようなことをすごく不満に思っているというところも、行政側が変わらなければ企業の方は非常に理不尽なことを言われているように感じているというようなところもあるかなとは思います。ここは何か思い切って言ってよいとおっしゃったので、思い切って申し上げました。
 それで、私が一番懸念しているのは、国に来る人材が物すごく低下していると思うんです、人材の質が。昔だったらおいしい面もあった職種が官僚だったと思うんですが、今おいしい面がなくなってひどい労働環境だけが残っていますから、そんなところに誰が来るのかというふうに、優秀な人材は全然役人にならなくなってしまっていると思うんですね。
 今、夫はたまたま採用の担当をしているんですけれども、全くもって他の民間企業に対して競争力を発揮できないということに非常に悩んでいました。これは国にとって非常に憂うべきことかなというふうに思うので、民間企業が良い人材を獲得するために自社のワーク・ライフ・バランスをアピールして競争力を高めるというのと同じ発想をやはり行政も持たないと、人材の質という意味で一番私は危惧しているというところです。
 御質問ありがとうございました。
#41
○参考人(田中滋君) 寺田先生、質問ありがとうございました。
 人生八十年時代と言われましたが、八十年、女性で大人になった方は八十五年です。八十年ではない。しかも八十五でやっと半分亡くなりますから、女性は人生九十年時代と言った方が正しいと私は思っております。
 というのは最初に前置きでありまして、学問的に申しますと、世界の研究からすると、医療や介護を予防をきちんとすると医療費や介護費がトータルで減るというエビデンスはありません。何があるかというと、次のようなことが言えます。
 介護状態を予防すると、要介護に入る時期が遅くなります。遅くなることは要介護期間が短くなります。つまり、要介護になるのは、六十五や七十五で要介護にならない。六十五の要介護率って今一%ないと思うんですけれども、これを遅くする。七十五の人ももっと遅くできます。
 八十五。七十五を後期高齢者と名前付けて評判悪かったですが、もっと後ですね、八十五を何と付けるか知りませんが、八十五以降までもっていくと、そこから要介護になるのは今二割ぐらいの方ですが、要介護期間が短いんです。要は平均寿命に、寿命本体の力で亡くなるのが入りますので、だから後ろに持っていくことによって期間が短く、ただしそこは重介護が多いのでコストは上がります。したがって、トータルのコストは変わりません。だけど、健康寿命、クオリティー・オブ・ライフが良い時期を八十五まで過ごすという、コストとは別な価値ははるかに深まります。
 医療も全く同じでありまして、予防医療をすると、重度の医療ですね、心臓発作とか足を切るとか目が見えなくなるとかそういう治療が遅くなります。その代わり、軽度の日常の通院や指導に伴う軽医療費はむしろ上がります。したがって、目的はあくまで健康寿命をできるだけ長くして、人生の一番最後のところはおっしゃるとおり何らかの要介護、要医療になるけど、そこはコストは高いんですけれども、そこで人生の終わりを迎えるという効果でありまして、予防をするとトータルのマクロの医療費やマクロの介護費が減るというエビデンスは残念ながらない、でもすごく価値があるというふうに私たちは思っております。
#42
○会長(山崎力君) それでは、佐藤公治君。
#43
○佐藤公治君 佐藤公治でございます。今日は大変貴重なお話を聞かせていただきましてありがとうございます。
 田中参考人には、私は尾道出身なもので、大変尾道のことを御理解いただき、また宣伝していただけることには感謝申し上げたいと思います。
 突拍子もない質問にもなるかもしれないんですけれども、本当に思いを語っていただきたいかと思うんですが、この調査会は、実はこの今回の「持続可能な経済社会と社会保障の在り方」の前は、幸福度の高い社会と国づくりといったことを三年間いろいろと調査してまいりました。私もそのときに理事としてずっと三年間携わらさせていただいたんですけれども、そこで皆様方のいろんな参考になるお話を聞く中、やはり皆さん方々の本質というか基本の部分で是非、ちょっと哲学論的な話にもなるかもしれないんですけれども、皆様方がちょっと思われる、皆様方が思う幸福の定義というか、そういった自分の、どういう幸福な社会であるべきかというような、そこの部分を簡単簡潔に三人の参考人の方々にちょっと思いや考えを聞かせていただけたら有り難いと思います。
 今いろいろとお話ししているのはそういったことへ向けての一つの方法論だというふうに私は思うところがありますが、非常にちょっと哲学的な話にもなるかもしれませんが、幸福といったことは皆さん方にとってどういう定義なのか、どういったものなのか、そこら辺をちょっと簡単簡潔に教えていただけると、またより一層皆さん方々が今お話しされていることの流れやイメージがより伝わるような気がするもので、是非お一人お一人簡単にお答え願えれば有り難いと思います。
#44
○会長(山崎力君) それだけでよろしゅうございますね。
#45
○佐藤公治君 はい。
#46
○会長(山崎力君) それでは、田中参考人、まずお願いいたします。
#47
○参考人(田中滋君) 幸福は人によって違いますので、私にとっての幸福はほかの方にとっての幸福とは違うと思います。ある人にとっては、愛する配偶者と幾つまでも隣にくっついている方がいい人もいるし、できるだけ遠ざかっている方が幸せという人もいるので、それは社会が決めてはいけないんだと思うんですね。
 幸福の社会の条件は言えます。それは、今日のテーマでありますこの社会保障や雇用を通じる安全、人々の社会に対する安心感と安全保障です。そのために、働ける段階の方は働くし、賃金労働はもうしなくなって、六十五になったら、あとは地域の互助ですね。例えば六十五になっても、夕方は集まって小学生の学校の宿題を見てあげるとか、親が六時に帰ってくるまで子育ての面倒を見るなんというのはまさに互助の世界であるし、こういう、社会に貢献することによって社会の安心、安全をつくる、これは幸福の条件ですから、その上で各自が個別の幸福を追求することが良い社会であると私は日ごろ考えているところであります。
#48
○参考人(小室淑恵君) 御質問ありがとうございます。
 私は今の問いを聞いて思い出したことがあるんですけれども、これはある有名な大企業を先日お辞めになった男性の話なんですけれども、その方は、自分のお母様の介護が十年ほど続いて、でもそのうちの九年間はずっと妻に押し付けっきり、専業主婦の妻がいらっしゃったので妻が全部やってくれたんですね。ただ、九年目に妻がうつを発症して、結局その妻のうつのケアと自分の母親のケアということの両方でもう自分自身がいよいよ介護せざるを得なくなったということで辞めたんですけれども、その方が結局全部を急にやることになって、今は親と妻の介護をできているんだけれども、全くそれでも戻らないものというのが子供との縁だとおっしゃっていたんですね。
 それはなぜなのかというと、九年間妻に押し付け続けたことによって妻のうつが発症したというのを見た子供たちが、なぜお父さんはこの九年間ずっとお母さんにだけそれを全部押し付けたのかと、お母さんの介護しなきゃいけない状態というのは見えていたはずで、その九年間お父さんは何も仕事のやり方を変えなかったねと、以前と同じように残業をしたし、週に一日早く帰ってきて介護をバトンタッチするということもしなかったと、お父さんにとって人生の優先度って何だったのということを言われて、自分自身はもう妻と親の介護のために二十四時間使う決意を十年目にしてしたわけですけれども、もう子供との縁は戻らないとおっしゃっていたんですね。私は、その方は多分、労働時間を変えるということがもっと早くにできればよかったんですが、そういう決断ができなかったような企業だったんだと思うんですね。
 私は、これからの幸福な社会というのは、自分のその家庭責任と仕事責任のどっちかを重んじてどっちかを重視するということではなくて、どちらに対しても精いっぱい果たしたということが言えて、どっちかを選択してどっちかを諦めるということのない社会、もちろんそれは女性にとってみると育児と仕事ということなんだと思うんですけれども、これも育児中の女性にヒアリングをしたときに、子供に虐待をしてしまっていると言っていた女性が、その理由を、自分は育児で、夫と同じ会社に勤めていたので仕事をどっちかが辞めなきゃ、同じ会社だから妻の方が辞めるのが当たり前で辞めたと。でも、そのことがずっとやはりわだかまっていて、いつも面倒を見ているときにいい子にしてくれるときには子育てが楽しいんだけれども、何かもう思いどおりにならないときの方が子供は多いですから、こんなに全てのキャリアを捨ててあなたを見ているのにと思うと物すごくその気持ちが強くなってしまってということを私におっしゃっていたんですね。
 何かしら自分が当時は仕事をしていて輝いていたと思っていたようなものを捨ててもう一個の方をやるということは、ずっとそれが残ってしまって、結局は家庭責任の方にも、望んでそこに行けないというか、やっていても充実感を感じられないという社会になるので、どちらの責任も果たして、そのことがむしろ、例えば家庭にしっかりコミットすることが様々なアイデアを子供からもらったり、エネルギーをもらったり、妻の一言からアイデアを浮かんだりして仕事に生かせて、その仕事で精いっぱいやったことが収入となって、また短時間で生産性高くやってしっかり家に帰れてというふうに、家庭と仕事というものがきちんと好循環で回るような社会、どっちも犠牲にしたり、親を介護施設に、うば捨て山に捨てたというような、そんな感覚や罪悪感をずっと持たないでいい社会というのが私のイメージする、生涯を通じて幸福というイメージかなというふうに思います。
 御質問ありがとうございます。
#49
○参考人(南部靖之君) 八十歳になったときに、地位とかお金に関係なく、僕の友人と一緒に、たくさんの友人と一緒に囲まれて、わっはっはと笑いたいですよね。つまり、心の黒字を僕は求めますよね。みんながしたいときにしたい仕事ができて、そして収入が得られる、そういう社会をつくるというのが僕の夢ですから、そういう社会ができたら僕はわっはっはと笑って、そして友人と一緒に心の黒字を楽しみたいなと、そう思ってはいます。
#50
○会長(山崎力君) それでは、牧野たかお君、お願いします。
#51
○牧野たかお君 済みません、南部さんにだけ最初のお話にあったオランダのことをちょっと伺いたいんですけれども。
 私もオランダへ労働関係のことで視察に行ってきたんですけれども、さっきお話にあったように、正規非正規というのはなくて、週に一日働く方もいらっしゃればフルで働く方もいらっしゃって、それが要するに全体の労働時間から割ったそういう賃金になっていることは私も存じ上げているんですが。
 社会保障の面でいうと、例えば週一日しか働かない方は、それを希望している方は社会保障も要するに五日間働く方の五分の一だというふうに伺ったんですよ。だから、何というんでしょう、さっきお話伺っていて、僕は、オランダと日本は根本的に国民の働くということの意識が若干違うのかなというのを思っております。
 あと、じゃ、行ったときに、年金でいうと、さっき申し上げたみたいに、五日フルに働いて何十年働いた方と同じ年数だけ働いた方でも週に一日しか働かない方は年金が五分の一になってしまうということだったんですが。その方たち、要するに老後の心配はしないのかというふうに聞いたんですけれども、要は、老後になって、もう本当に食費だけあればいいと、足りない分は自分で家庭菜園造って、その野菜を、まあ余れば売るし、それを、自給自足の生活をして過ごせば別に老後については余り心配はしていないというふうにおっしゃったんですが。
 だから、なかなかオランダの、何でしょう、ワーキングの部分だけでいえば私もかなり理想的なところがあるんだと思うんですが、社会保障全体からいうと、やっぱり日本人が、賃金五分の一でもいいと、それはいいとしても、その後の老後の社会保障までオランダと同じような状況を果たして受け入れるかなという気がずっとしていたんですが、その点どういうふうにお考えになりますか。
#52
○参考人(南部靖之君) 去年、向こうの連合の会長さんに当たるデ・ワールさんという方を日本に招いて、そして講演会を開いたんですけれども、僕は社会保障を五分の一、賃金が五分の一という、豊かな社会の中における豊か度というのを、その賃金とみなすのか、その社会制度に求めていくのかによって違ってくると思うんですよね。
 だから、僕は、それこそ社会制度という意味では、これは政治家がきちっとした形で、一日四時間あるいは週に三日しか働けない、でも子育てを終えてから、今度はじゃ週五日間働きましょう、今度はこうしましょうとその子育てに合わせて働ける、その年金も社会保障も一生涯見た場合にきちっとした形でセーフティーネットが張られているという今社会保障制度を僕はつくるべきだと思うんですよね。それが僕は、今例えば一日四分の三、一か月四分の三以上働かないと社会保険入れませんよと、こうなった場合に、パート、アルバイトしか賃金がもらえないというところで僕は問題だと思うんですよ。
#53
○牧野たかお君 いや、その場合ね、要するに、当然年金の場合は、基本的には掛金がありますよね。それを要するに、給料が例えば二十万のところを私は五万円でいいという方、オランダはそういう選択を働く場でしているんですが、その代わりその年金も、要するに五万円の給料をもらっている人はフルにもらう人の四分の一で、もうそれで初めからいいという意識で受け入れているわけですけれども、日本の場合はちょっと、何だろう、じゃ、その掛金が違って要はもらえるお金が一緒というのは、日本の社会でいうとなかなかそれを認めがたい。これは、政治というよりも国民の風土があるような気がするんですが、そういうふうに思いませんか。
#54
○参考人(南部靖之君) よく分かるんですけれども、ただ、男性社会から今女性社会へ、製造メーカーからサービス業へ変わりつつあると。男性から女性と言うと弊害があるかもしれませんけれども、いろんな方々が働けるようなそういう制度、仕組みという観点から見た場合には、私は午前中だけ働きたい、週に一日だけ働けたら高収入が得られるという仕組みづくりは、僕は必要だと思いますけれどもね。今は選択制がなくて、正社員か、今言ったように非正規の社員かと。ここはパート、アルバイトしかないと。これ、選択制がないですよね。自分で選択制を選んで、子育てをしながらだとか介護しながらだとか、そういう仕組みはつくっておいた方が僕はいいと思うんですよね。
 結果、定年後に、じゃ、年金が掛けるのが少なかったじゃないかということを日本人の場合は心配するんじゃないかということを言っておられると思うんですよね。
#55
○牧野たかお君 おっしゃっている、要するに働くシステムとしては、私は制度としては、南部さんがおっしゃっているのは私はいいと思う、いいと思うと言うと失礼ですけれども、そういう形がやっぱりあってもいいと思うんですよ。
 ただ、要するにそういう中で、選択で、例えば、いろんな理由があるんでしょうけれども、私は読書をしたいとか、私は趣味の時間で週のうち半分は過ごしたいとか、そういう方が私が行ったときには結構いっぱいいらっしゃって、その代わり、そういうことで要するに人生の時間を楽しむんだから、賃金は三分の一なら三分の一でもいいと。そして、年金も三分の一なら三分の一でいいということをおっしゃる方がほとんどだったものだから、それは一つの考えだなと思って、南部さんがおっしゃっているお話を聞いていると、そういう選択肢というのはちゃんと認めた方がいいと私も思うんですけれども、その場合、何だろう、年金という部分で考えるとどうしてもその開きが出ちゃうんだけれども、それをやっぱり同じようにすべきだと思うのか、フルに働いている人も半分しか時間でいえば働いていない人も同じにすべきなのか、そこは差があってもいいと思うのか、それを伺ったんですけどね。
#56
○参考人(南部靖之君) 僕は差があってしかるべきだと思うんですよね。つまり、国民は労働力であるという観点からGDPを追い求めたならば、確かに豊かな社会は賃金であると。しかし、僕は個人個人の、子育てをしながら、あるいは介護をしながら、あるいは将来の夢を求めて、それを豊かな社会として考えた場合は賃金以外の、先ほどの質問じゃないけれども、黒字というものを求めていると思うんですよね。その場合に、六十歳でそれを求めるのか七十歳で求めるのかにも違ってくるだろうと思うんですよ。
 ただ、大きく今、労働力は非常にいろんな意味で多様化される社会をつくらないといけない。それを一つの、正規社員以外は全てパートというのは僕は問題だなと思うだけで、同じことを繰り返して申し訳ないんですけれども、僕は当然、そういう価値観の多様性を認めた、つまり、老後に文化が命であると思う人と、老後に俺の財産をここまで築き上げたという、お金というものを築き上げた人と、この両方、僕は正しいと思うんですよ。だから、両方を選ぶだけの選択制のある働き方をつくっておかなければ、男性社会だけの昔の仕組みに社会を戻すべきじゃないというのが僕の考えなんですよね。
#57
○会長(山崎力君) それでは、ちょっと恐縮ですが、私の方から小室参考人に一点お伺いしたいんですが。
 それは、女性の労働率と出生率の国際比較のあのグラフなんですけれども、いろいろな見方があると思うんですが、私の知識からいえば、今問題となっているのは日本とフランス、労働力の率からいくとそれほど違いがないのに、私の知識では、最新のデータではフランスはもう二に近づいているということがございます。そして、そのとき言われているのは、非常にお子様を持っている方に対しての、何というんですか、優遇性を非常に高めたと、こういうことのようです。かなり手当とか、交通費なんかでももう何分の一かにするとかという。
 そういうことと、労働力として社会に出る、あるいは稼がれるという、女性が、そういったこと等を考えたときに、そちらの方、いわゆる女性あるいは子育てをする層に対する優遇策を取っていくということの比較というものが、検討しなければいけないのが、先ほどのお話だとその辺のところに触れられていなかったんではないかと思いますので、その辺のところをお教え願えればというふうに思います。
#58
○参考人(小室淑恵君) ありがとうございます。
 おっしゃられている意味、よく分かります。子ども手当であるだとか、それから、そうですね、もうスーパーに行っても、フランスでは三人子供がいますという札を見せたら物すごい割引ですから、そのことの優遇性というのは日本にとってもこの先、次のステップで有効かもしれません。
 今なぜ私はそのステップよりも保育所のインフラ整備とか働く環境ということを申し上げているかというと、日本は自分の足で立って働くつもりがある女性がそのチャンスをまだ十分に得ていないからですね。
 もしも、今働きたい、自分の足で立ってあと五千万から二億は稼げるような可能性がある女性が全員社会に出れているのであれば、それで今の、子供が産めないのであれば、次は優遇策がいいと思います。ただし、今は、自分の足で立って五千万から二億稼いだら子供の教育費も夫婦二人でちゃんと出せて、子ども手当全然要らないというような十分な知識と働ける高い能力のある人が、インフラがないことによって、復帰しようと思った会社に復帰するはずだった月の前月に、済みません、やっぱりどうしても見付からなかったので復帰できませんということを泣く泣く言っている状態ですので、この状態を先に解決すると、国という立場から見たときには全く使うお金の額が違うと思うんですね。
 全員に子ども手当でばらまいたら本当に物すごい額が掛かりますけれども、ほんのその一部で全待機児童がなくせるだけの保育所は造れますので、それを考えると、まずは自分の足で立って稼ごうという、しかもそこから一度復帰の枠にさえ乗れればそこからずっと雇用し続けるということが、自分が働き続けるということができるわけですので、自分で自分の収入を稼いで教育費を出していこうとする意思のある人にはそれに必要なインフラをまずは提供してあげるということが大事かなというふうに思います。それがもしもきちっと整っているという状態になったら、それでも全然伸びなかったら、少ししか伸びなくてもっと伸ばそうと思ったら次に優遇策は必要かもしれないと思いますが、私たち子育てしている母親の気持ちとしてはそんなお金ないでしょうと思っているんですね。そんなお金は使わないでもらいたいと。だって自分の子供に借金が残るだけなんですね。
 だから、母親としてもそれは余り望んでいなくて、お金をもっとくれとか、もっと割引してくれという気持ちよりも、自分で稼ごうと最低限思っていますのでその環境をちゃんと整えていただけないでしょうかと、その分はしっかり国に税金で返すだけの教育も受けてきましたのでというような気持ちを持っている女性の方が多いかなというのは、これはママのネットワークで常に情報収集している中では圧倒的にそういう気持ちの方が強いかなと思います。
 御質問ありがとうございます。
#59
○会長(山崎力君) ありがとうございました。
 他に御発言もなければ、以上で参考人に対する質疑を終了いたします。
 田中参考人、小室参考人及び南部参考人におかれましては、御多用の中、本調査会に御出席いただき、誠にありがとうございました。
 本日お述べいただきました御意見は、今後の調査の参考にさせていただきます。本調査会を代表して厚く御礼を申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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