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2011/05/18 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 第4号
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2011/05/18 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 第4号

#1
第177回国会 国際・地球環境・食糧問題に関する調査会 第4号
平成二十三年五月十八日(水曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     浜田 和幸君     橋本 聖子君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     田城  郁君     西村まさみ君
     野村 哲郎君     浜田 和幸君
 五月十八日
    辞任         補欠選任
     西村まさみ君     田城  郁君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         藤原 正司君
    理 事
                外山  斎君
                米長 晴信君
                島尻安伊子君
                山田 俊男君
                加藤 修一君
                松田 公太君
    委 員
                大野 元裕君
                主濱  了君
                田中 直紀君
                谷岡 郁子君
                西村まさみ君
                白  眞勲君
                水戸 将史君
                室井 邦彦君
                有村 治子君
                岸  信夫君
                橋本 聖子君
                浜田 和幸君
                水落 敏栄君
                石川 博崇君
                紙  智子君
                中山 恭子君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        宇佐美正行君
   政府参考人
       外務省国際協力
       局長       佐渡島志郎君
       厚生労働大臣官
       房審議官     篠田 幸昌君
       経済産業大臣官
       房審議官     市川 雅一君
       経済産業省製造
       産業局長     鈴木 正徳君
       国土交通大臣官
       房技術参事官   藤森 祥弘君
   参考人
       広島大学原爆放
       射線医科学研究
       所教授      星  正治君
       国際医療福祉大
       学クリニック院
       長
       同大学大学院教
       授        鈴木  元君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する
 調査
 (水問題への取組の課題について)
 (水問題への取組の在り方について)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○会長(藤原正司君) ただいまから国際・地球環境・食糧問題に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、野村哲郎君及び田城郁君が委員を辞任され、補欠として橋本聖子君及び西村まさみ君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(藤原正司君) 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査を議題といたします。
 本日は、まず水問題への取組の課題について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 本日は、広島大学原爆放射線医科学研究所教授星正治参考人及び国際医療福祉大学クリニック院長・同大学大学院教授鈴木元参考人に御出席をいただいております。
 この際、一言御挨拶を申し上げます。
 両参考人におかれましては、御多忙のところ本調査会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、両参考人から忌憚のない御意見を賜りまして今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 議事の進め方でございますが、まず星参考人、鈴木参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後三時ごろまでをめどに質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、星参考人から御意見をお述べいただきます。星参考人、どうぞ。
#4
○参考人(星正治君) どうも御紹介ありがとうございます。
 水問題ということではありましたけれども、一般的なことも含めて、それでよろしいということでしたので、福島の今回のことについて、私の専門であります放射能測定、その広がりがどうだったかということについてお話ししたいと思います。(資料映写)
 まず、タイトルにありますが、ここに、今急いでやらなければならないこととして二つほど最初に指摘しておきます、後で少しその説明もいたしますけれども。
 セシウムと沃素が今主に飛んできているわけですけれども、セシウムは半減期が長いですが、沃素は八日です。それで、一か月たてば十分の一になります。今後、健康調査をする上でも沃素の調査というのは非常に急がれるということで、地表に沈着した沃素の測定、これは文科省にも働きかけて今進めておりまして、そろそろスタートできるかなというところまで来たとは思いますけれども、それからあと、住民の被曝線量調査ということです。
 それで、どういう放射能が広がったり飛んできたかということでして、これはいろいろデータを見てみたんですけど、結局いつも外国からということで、初期のころはこういうデータしか余り手に入りませんでした。これはニューヨーク・タイムズです。
 それで、これは原子力発電所の玄関、原子炉から二キロぐらいだと聞いております。そこで測った放射能の測定値ですけど、このようにぴっぴっと立っております。これは日付ですね。ここから四月になります。一号機、二号機、三号機とありますけど、一、三が最初に爆発しまして、二号機が出ました。この辺りのピークについては、ここ四号機ともあります、二とも四とも言われていますけど。この後ベントしたとかありますけど、私調べた範囲では、よくどの部分か分かりません。このように、爆発した瞬間に大量の放射能が飛び出したと、そのほかはじわじわと少しずつ飛び出していると、そういう状況です。
 それで、この一と三についてはテレビでその瞬間を見ておりましたけど、原子炉を遠くから見ておりますと塔が建っています。塔の向こう側、それを非常に気にしていました。手前に来たら内陸側ですね。で、向こう側は左、つまり北側に行きました。だから、それが女川まで出たと言われていますので、行ったと考えられます。だから、こちら側には余り来ていなかったと。それから、その次の三号機の場合、右側に、やはり塔の向こう側へ行きました。これが海岸線を通って東京まで行ったと思われます。
 ただ、その後、十五日、この二つのピークが主に内陸側に来ました。これは朝だったんですけど、それで飯舘村、西北ですね、北西の方向に行きまして、で、たまたま雨が降ったと。もし雨が降らなかったらそのまま通過して元どおり戻ります、ほとんど付きません。だけど、雨が降ったらその雨と一緒にガスとかちりが落ち沈着するわけで、それで飯舘村に行ったり、それから福島の方に流れていったとなります。後は少しずつ収まっていって、これは最終的には沃素、半減期八日でまず落ちてきます。で、最後セシウムの三十年になりますが、ほとんどこうじわじわと落ちていく形になります。最初の一か月で十分の一にほぼなっていきます。
 これも、この汚染地図ですけど、やはりこれはネイチャーでした。ちょうど測定したのは十五日の主な放出がありまして、十七、十九にあったわけですけど、ここが明らかにくっきりと出ておりまして、これもなぜか当初外国の情報しか出てこないと、こういう状態でした。ここが飯舘村に当たります。
 同じような測定結果はたくさん出てきますけれども、これは一か月と十日後の文科省が最近発表した測定のデータです。やはり同様に、これはより詳しい、飛行機で両方とも測りました。米軍のDOEと、文科省は民間のヘリをチャーターしたと書いてありましたけど、で、測るとやはりここがこう出ております。で、汚染地図、これセシウムですけれども、こういうマップになっております。こちら側にも少しあるということになっています。
 これはSPEEDIで計算した結果で、これもなかなか出てこなかったんですが、後になって出てきて、この最初の分ですけれども、これ少し違うのは、こちら側については同じですけど、こちら側が形が流れていると。ただ、これは沃素ですので、セシウムと沃素は飛んできたところが違うわけです。先ほどのに戻りますと、文科省のこのデータもこれセシウムなんですね。沃素は出しておられません。実際は測っているはずです。ほかでそう知りましたけど、沃素を実は発表していただきたいと。
 ほかでも、チェルノブイリもそうですけれども、沃素と、飛んできたところがセシウムとかなり違っていると。で、後で話しますがチェルノブイリではほとんど飛んできていないところで甲状腺のがんが見付かって、それが沃素の原因だったということもありますので、沃素のこういう発表も是非お願いしたいと思います。
 これは既に発表されているというか、ネットなんかで取れる土壌の調査の結果です。中心付近はありませんが、これがちょうど飯舘村に当たります。このように、飛行機で撮ったらかなり広い範囲が全体的には見渡せますけれども、土壌調査しても非常に細かく分かります。だから、最終的には土壌調査を密にすべきであると。私たちが言っているのは二キロ掛ける二キロのメッシュで、少なくとも福島県の、こちらです、半分とかですね、隣接県を調査して、これをもって今後の除染なり土地改良とかいろいろあると思いますけれども、それから避難についても一番正確な情報が得られると思います。
 このように、ここは福島市ですけど、こちら向きに流れています。ちょうど放出されたガスとかちりが漂ってきてちょうどそこで雨が降ったと。ここは山になっていまして、特に山のところの、高いという傾向があるように思われますけど、これも確かではありません。ここの谷筋も、ちょうど流れたときに雨が降ったとか、ないしは雪ですけれども。最初の東京のケースは一過性でした。三時間ほど通過してそのまま元どおり戻りました。だから、雨が降らなければそのときだけということになります。
 また同じような図が出ますけど、ホットスポットについてですね。多分三号機だと思いますけれどもこう漂ってきて、ここで多分雨が降ったんでしょう、柏とか松戸にもホットスポットがあると。レベル的には〇・五マイクロシーベルトから二の間ということです。それほど心配する値ではありませんけど、こういうときに野菜の汚染が見付かったり水道水に入ったりということになったと思います。
 次に、これは、また同じような図で済みません、こういう図は最後ですけれども、チェルノブイリで避難地域になったのはどういうレベルかと。先ほどの図に、五十五万がチェルノブイリの例です。だから、緑が最終的な避難地域にチェルノブイリはなっていると。このように広い地域が、緑を含むこの中がなっていると考えられます。
 これは、もちろんセシウム134も入っていまして、7が主なんですけれども、最後まで残るので、これは二年の半減期ですので、これは三十年です、こちらのこの図ですけど。この辺りをどうするかということも実はありますけれども、結構広い範囲がチェルノブイリでは避難対象になっていました。
 やはり日本の場合は、最終的には避難というわけにはいかないと思いますから、元に戻るためにはどうするかということをしっかり、まあ私は土壌のデータが一番正しいと思いますけれども、それをもって検討すべきだと、こう思います。
 ちょっと専門的になりますけれども、今現在飛んできている放射能ですね、チェルノブイリの場合は原子炉の中身が飛び出したわけです。今回は中身は余り、ほとんど出ていません。蒸発する揮発性のものが主に飛んできています。
 これが沃素とかセシウム、まあクリプトンとかガスなんですが、この沃素、セシウムが主でして、こちらの図は沸点とか融点とかでして、チェルノブイリではこちらの沸点、融点が高い、これ高いですね、高いところまでも飛んできている、中身が飛んできているわけですから。ただ、今回は、ここのセシウム、沃素の揮発性のものだけしかまだ飛んできていないと。
 土の今あるデータをよく見てみましたけれども、やはりストロンチウムとかプルトニウムとか、そういうものは、近くにはありますけれども、二十キロ、三十キロの方向には飛んできていないと思いますので、チェルノブイリと比べて中身が飛び出しているという状況ではまだなっていないということ、まだちょっと救われるかなとは思います。
 ポンチ絵でありますけれども、山とか平地とか、こういうところに降ってくるわけです。野菜とか、こういう葉物にはよく付きます。だから、それを牛が食べて、そしてそれがミルクになって、ヨードがミルクに入って子供が飲んだ、これがチェルノブイリの図式ですけれども、日本の場合はそういうことがありませんでした。そして、私が知っている甲状腺の検診の結果も見せていただきましたけれども、数十人から百人程度ですけれども、大きな値というのはありませんでした。旧ソ連では、これが自分のところの畑で食べているので、そういうことがよくあったと。
 それで、あと野菜の中身、中に根から入るというのが、今年はまだセシウムも移動性の高いセシウムがあるらしくて、最終的にはセシウムは土に物すごくしっかりくっつきます、来年以降はです、そうすると根から吸い上がるというのはほとんどありません。百分の一程度とかになりますので、汚染は強くても食物には入ってこない。
 また、地下水というのは、途中、セシウムというのは地表、表層五センチ以内で止まってしまっています。今までも、そうですね、一センチで五割以上止まっています。沃素も一センチで五割以上。二センチになるともうかなりですね、七割、八割です。実際最近調べました。五センチだったらもうほとんど一〇〇%です。だから、一〇〇%剥がせばいいし、葉っぱによく付くので、今現在、例えば猫が外へ出て、帰ってくるといっぱい付けて帰ったという例も聞いたことがあります。今年はその辺は気を付けるべきです。来年は、一旦枯れてしまうともっともっと土に返りますから。
 こういう、池に落ちたり、河川に入ると、そしてこれが浄水場に行くわけですね。で、浄水場でほとんどセシウムは止まります。セシウムが水に入って限度値を超えたという話はなかったと思います。ヨードだけ、ヨードは止まりますけれども、セシウムに比べて通過しやすいと。化学的な性質だそうです。
 もっと書きますと、こういうガス状のものが通過していく。たまたま雨が降った、そのときが一番問題であると。もちろん、雨が降らなくても通過したその数時間というのが体に入る条件は整いますけれども、地面にくっつくと後の処理が大変なわけです。飲料水に入ってきたり、農作物から体に入ってきたりと。それから、海に落ちますと、これはもちろん海の表層からだんだん混ざっていくわけです。それから、汚染水の放出もありました。これが海を汚して、重金属と同じように海藻とかプランクトンに最初に取り込まれて、小さい魚がそれを食べて、大きな魚にだんだん濃縮していくと、こういう食物連鎖があるのではないかと、こう言われております。
 被曝の方は、外にある放射能から被曝した場合は外部被曝といって、それが肺とかそれから食べ物から入っていった場合これは内部被曝といいます。肺の中に沈着してしまうとそこでずっと被曝を受けるということになりますけれども、今回はそういう、例えばアルファ線を出すような問題のある核種はなかったと思っています。セシウムは全身に、筋肉と言われていますけど、散らばるといいますか、沃素は甲状腺に行きます。だから、肺に沈着するという心配は現在のところないのではないかと思います。
 これは規制値ですけれども、御存じのこととは思いますけれども、特に飲料水は三百ベクレル、一キログラム当たりとなりまして、それはEUとか米国、大体同じような値となっておりまして、あとは牛乳・乳製品、野菜、それから、これは沃素ですけれども、セシウムについても同様な規制値があります。規制値についてはここにちょっと書いておりますが、また次にお話しします。
 この計算方法ですけれども、専門的なことにもなりますけれども、基本的には、沃素についてお話ししますけれども、年間五十ミリというのを念頭に置いて、もうこれを超えないということを念頭に置きまして、三分の二というのは、三分の一はほかにいろんな食物もあるだろうからということらしいんですけれども、三分の二についてこの飲料水、牛乳・乳製品、野菜、三カテゴリーに分けまして、それぞれ食べますから、それぞれ足し合わせになるという感じですね。それを三分の一に分けると。そして、それぞれの計算から先ほどの三百ベクレルというのが出たということです。セシウムについても同様だと。元々五ミリからセシウムはくるのだと、分類は五つに分けているということだそうです。
 ほかの外国の例ですけれども、これはチェルノブイリの例です。先ほど五十五万ベクレル、一平方メートル当たりという値を言いましたけれども、この特に赤の強いところですね、これが実際避難地域になっています。それはほとんど森なんですけれども、そこには入れないようになっています。そして、ここでちょっと特筆すべきことは、三十キロというのはこの小さい円でして、百、二百、三百、四百、遠くまで行っているということです。
 だから、日本の場合も松戸とか行っていますけれども、それはあり得る話であって、幸いなことに大体西風、西から東の風、偏西風ですね。だから海側に行っているんですね。もし逆にあったらもうかなり違っていたと、汚染はかなりまだひどかったんじゃないかと私は予想しておりますけれども、このように、遠くまで行ってそこで雨が降ったと。
 そして、雨の降り方は、チェルノブイリの場合に非常に、私、驚いたんですが、スポットで降ります。スポットもいろいろありまして、あるうちに行くと高いんですけど、隣のうちはもうどんと低いと。例えば、村単位ではもう本当にまだらになっていまして、地域全体のスポットもあります。基本的には雨というのはスポットで降るから、数十メートル単位というか、もし汚染が強ければ綿密に測る必要があるということは言えると思います。
 セミパラチンスク、これは核実験場がありまして、ここで核実験が四百回以上行われました。今はカザフスタンという国になっていますが、ここの大きさは、広さは四国ぐらいの非常に広い広大な地域です。主に三か所で行われまして、一発目、これが長崎と同じ、最初の爆弾です。これが、書いてあるのは百キロです。だから、百キロ、二百キロ、三百キロぐらいは行っているわけです。ここの特徴は、風が非常に強くて、時速四十キロぐらいでばっと行ったんですね。そうすると、幅が、広がりながら行くんですけれども、広がる暇がないというか、十キロぐらいの幅です。
 ここでちょっと驚いたのは、六十レントゲン、これはミリシーベルトに直すと六百ミリシーベルトです。実際私が行って測りました。外部被曝、れんがで測りましたら四百でしたから、この値はそんなに違っておりません。結構この核実験というのは、爆破してすぐというのはホットな放射能がたくさんありまして、チェルノブイリとか今回の福島とかと違って被曝線量は非常に高くなると。福島の場合は、ホットな非常に短い、一時間とか数分という半減期のは飛んできませんので、その点では低くなるということになります。
 最後ですけど、これはベラルーシです。汚染地図があります。ここにチェルノブイリの原子力発電所がありまして、今はウクライナ側ですが、ちょうど国境付近です。ゴメリ州のこの辺りとか、この北側の辺り、それからこちら、ロシアに含まれますが、この辺りが注目されていたわけです。甲状腺のがんは、がんは甲状腺がんだけ見付かったわけですけれども、ところが、この専門のデェメチック先生のこのデータ、二〇〇〇年までのデータを見せていただいたんですけど、これはがんの患者数ですが、当時のここ、この辺りはセシウムの汚染が強いんですけれども、ここも出ているわけですね。これは何かというと、セシウムは飛んでないけど、沃素が飛んできたと。だから沃素についてはなくならないうちに測っておくと。だから、最初に強調しました。これは、当時ここで担当した方と共同研究をずっとやっているんですけど、ステパネンコさんという方に聞きましたら、そのときの反省を込めて早くやれと、三か月以内にやってくれ、三か月で千分の一になりますから。これを当時は三年後に測ったものですから、このことが分からなかったと。
 ここで、この被曝線量を向こうの人と共同研究で計算しまして見せますと、甲状腺です、六百ミリシーベルト以上ありまして、これでベラルーシの先生方がびっくりして、これで謎が解けたと、みたいなことも言われましたので、ここが、最初から強調しておりますが、大事なことだと思います。
 原則ですけれども、これはICRPのどこでもありますが、不必要な被曝は避けると。それから、なるべく被曝する線量を下げたり、数をできるだけ少なくすると。それから、個人の線量の限度を守るということになります。
 一番というのが、これはいつも思いますけれども、住民と、原子力発電所で働いている人は大変なことをされているわけで、違うと。原子力発電所の方は、例えば千とか二百五十と決めて、そこまで来たら、そうしたら場所を変わって放射線を扱わない仕事に入ってもらうわけですけれども、住民はこれはできるだけ下げないといけないと、分かっていたら。例えば飯舘村のような場合は、十六日には、私見たときに、これはもういけないと思いましたけれどもね。一か月以上たってから避難でしょう。なぜそのとき手を打たなかったかというのはいつも思います。もう分かっていたら不必要な被曝は避けるべきです。それが安全かという議論の以前だと、私はこう思います。この大原則の一、これだと思っています。
 これは、先ほどの地表の表面汚染調査と住民の被曝線量。これは住民といったら体全体を測る、セシウムがありますから。それから喉の甲状腺を測るということですね。それを今提唱していまして、特に土壌のサンプリングについては綿密なサンプリングが必要であろうと。
 あと食品もあります。当然、牛乳とか、こういう食品の測定もしておいて、これは現在これが危険かどうかだけということもありますけれども、それ以上に、こういうデータを残して、今後の対策とか将来こういうことがあったということの役立つための記録というのが大切なことだと思っています。
 同じことです、ヨード131というのは半減期八日なので、十半減期以内に、つまり三か月以内に測定してくれというのはロシアの担当した学者から私の方に忠告されたことです。それは六月十五日までに行ってくださいということでした。
 住民については、今現在、文科省とか福島県が測っております。子供の喉の甲状腺に測定器を付けまして、そして測っております。そういうデータは非常に今緊急にやるべきことだと思います。それから、時間はたってもいいんですけれども、年内ぐらいには全身のセシウム量、こういうのを測定すべきではないかと。
 それからもう一つは、データベースをちゃんと作って、これも専門家によって作ってもらって公開すると、出すと、それは。やっぱり安全という場合はいいですけど、危険な場合でも出して、そしてそれで一緒に考えるということをしないと、いつも何か裏にあるのではないかという、そういうことを思わせるという、逆にいえば非常にもう信頼性自身が減りますので、これが大事なことであると、もう一つの大切なことだと思います。
 こういうデータを基に、復興に向けてかなりの地域が私は元に戻れると思いますので、こういう対策というのはもう現在からすべきであると、そう思っております。
 あと、放射線についてちょっとお示しします。
 これは、アルファ線の、何というか写真でして、しゅんしゅんと、こう出ていますね。これはアルファ線です。アルファ線は、空気中三センチしか飛びません。だから外にあったら安全ですが、もし体に入ると、その場でずっと沈着して、そこの小さい細胞だけ何回も繰り返し照射するということになります。だから、取り込まれたら良くないけれども、外にあると安心であるというのがアルファ線ですね。これは何かというと、キャンプで使うランプのしんのマントルというトリウムが入っています。
 次、ベータ線です。ベータ線、ここに何かぐじゃぐじゃぐじゃとなっていますね。電子なので、ぶつかるとすぐ曲がるわけです。余り重たくないのでぐじゃぐじゃぐじゃと広がっている。これは蛍光灯のグローランプです。ベータ線を出すものが塗ってあります。
 それから、何もない、そのままにしますと宇宙線が時々入ってきます、こうやってですね。宇宙線というのは空から、星とか太陽から来るもの、ミュー中間子とかいろんなのがありますね。
 この方法は、これは私の大学の学生にスーパーに五百円で買いにいってもらって作って、後ろに、ドライアイスが下に要りますけれども、ドライアイスを用意しておけば、霧箱といいます、そして、放射線が飛んだときに、飛んだ後が飛行機雲みたいに水滴ができて、そして、それがこう見えると。ウィルソンという方が発明されて、これはもう随分昔にノーベル賞が出た仕事です。今はもう五百円ぐらいでできて、非常に目で見れますのでね。磁石置くと曲がるの分かりますしね、勉強のために使っております。
 以上です。
#5
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、鈴木参考人から御意見をお述べいただきたいと思います。鈴木さん、お願いします。
#6
○参考人(鈴木元君) 私の方は、リスクの方の話をしたいと思います。(資料映写)
 まず、今までも星先生の方から外部被曝、内部被曝の話がありましたが、改めて説明しますと、外部被曝、体の外にあるような放射線源、あるいは放射性物質から飛んできた比較的飛程の長い放射線による被曝で、主にガンマ線、中性子線。今回は中性子線は関係ありませんので、主にガンマ線になります。ベータ線も極々皮膚の近くまで放射性物質が接しますと皮膚が外部被曝すると。ベータ線熱傷という形で作業員が放医研の方に運ばれたと思いますが、それに当たります。
 一方、内部被曝の方は体に取り込まれた放射性物質が出す放射線による被曝のことでして、今度は飛程の短いものも関係してきますので、ベータ線、ガンマ線、アルファ線などが関係してまいります。内部被曝の特徴ですが、基本的に遷延被曝、持続的に長い時間ゆっくりゆっくり被曝するというような形態を取ります。
 ここで、ちょっと物理的半減期が三十年と長い放射性セシウム137を例に挙げますと、これは物理的には、非常に半減するまで時間が掛かりますが、体の中に取り込まれますと結構早く排せつされます。生物学的半減期と呼んでおりますが、乳児で十数日、十六日とか、そういう値ですね。成人で百十日とかいうような値が出されていまして、実効半減期百日未満であるというふうに評価されています。実効半減期、物理学的半減期、生物学的半減期に関しましては、ここに書くような数式の関係があるというふうに分かっております。
 まず、内部被曝の特徴ですが、国際放射線防護委員会、ICRP、放射性物質の性状に応じて、経口的に摂取された放射性物質一ベクレル当たりの生涯の実効線量係数、これは全身の方の被曝の量を評価する係数ですね、及び特定の臓器、例えば甲状腺の被曝線量、等価線量と言っています、こういうものの係数を算定しております。この係数を算定するに当たって、実は放射線の線質による毒性を補正している。例えばアルファ線の内部被曝であれば二十倍最初から掛けた形でこの実効線量係数というものが求められているし、ガンマ線、ベータ線に関しては同じ毒性として評価しているというようなことがあります。
 一部の方が、内部被曝の方が毒性が高くなるというふうな言い方をしていますが、少なくともベータ線、ガンマ線を出すようなセシウムとか放射性沃素に関しては、これは既に調整済みで問題がないということですね。
 次に、実際に被曝があるミリシーベルト、マイクロシーベルトという言葉がありますが、実はどういう大きさのリスクなんだということが余り認識されておりません。これからちょっとそのリスクの大きさについてお話しします。
 まず、何で放射線は発がんを起こすことができるかというと、これは放射線被曝によって組織をずっと恒常的につくっていく幹になる細胞、幹細胞、あるいは組織の前駆細胞といっている、こういう長期間ずっと分裂しながら組織、臓器をつくっていくような細胞の遺伝子に損傷が起きる、その結果白血病とかがんになる確率が上がるということがバックグラウンドにあります。
 原爆被爆とかのように一回にぼんと浴びるような急性被曝の場合、約百ミリシーベルト、小児甲状腺でいうと五十ミリシーベルト、これ以上浴びますと、統計的に有意に発がんリスクが上がることが分かっています。
 一方、内部被曝のように低線量で長期間被曝するような場合は、総被曝線量がたとえ百ミリあるいは千ミリシーベルトになったとしても、原爆被爆のような瞬間的な被曝に比べると発がんリスクが低下することが分かっています。さらに、線量が小さくなる、百ミリシーベルトから十ミリシーベルト、一ミリシーベルト、そういうふうに下がってくると、リスクというのは実際には人間の被曝集団の調査、あるいは動物に人為的に被曝させて発がんを調べるというような実験的な手法、両方ともそうなんですが、検出されなくなってきます。
 ただ、どの線量からリスクがなくなるか、あるいは低いところでも非常に微妙な量は残るのかどうかというような議論は誰も答えることができません。そのために、ICRP、それから国連科学委員会、こういう国際機関は、リスクがなくなるかどうか不明なために、ある程度の安全係数を掛けた上でリスクが小さくあると考えて対処しようというような考え方を取っています。
 これは、原爆被爆者の実際のデータから得られたリスクの大きさと、それから被曝線量を示したものです。横軸に被曝線量、これはシーベルト単位になっていますが、ゼロシーベルトから〇・五シーベルト、五百ミリシーベルトですね。この上の図は、ゼロから二千ミリシーベルトまでの間を取って、その一部を下に拡大したものです。ほぼ被曝線量に応じて直線的にリスクが上がっていくことが分かります。一方、〇・一、要するに百ミリシーベルトぐらいになってきますと、バックグラウンドのリスク、発がんのリスクと同じようなレベルになってくるために有意差検定ができなくなる、非常にリスクが小さくなることが分かります。
 ただ、今の図は全ての年齢、男女含めたリスクの計算でした。放射線影響研究所の方はこういう生涯リスクというような表現方法も同時に発表しています。これは男女別、それから年齢別、十歳、三十歳、五十歳というふうに三つのカテゴリーに分けて評価しています。今、十歳の男の子を例に取って説明しますと、十歳の男の子というのは、日本人の場合、将来三〇%がんで亡くなるリスクを持っています。それがここの下に書いてある三〇%ということですね。十歳の男の子が瞬間的に百ミリシーベルト被曝すると、そうするとリスクがプラス二・一%になる。要するに三〇%の生涯リスクが三二・一%になるということです。これは三十歳、ここに書いてありませんが、三十歳ですと、男ですと二五%がんのリスクがあります。それが一回百ミリシーベルト浴びるとプラス一%、二六%に上がると。五十歳になりますとかなり余命が短くなってきまして、がんになる確率が二〇%まだありますが、被曝しても〇・三%しか増えないという形になります。この〇・三と二・一%を比べますと、中年と子供では七倍ぐらいリスクが違うという計算になります。ただ、こういう形で示しますとリスクの大きさというのが少し見えてくる、何となく分かるような大きさになってくるかと思います。
 これは甲状腺がんの方のリスクですが、御覧のように被爆時の年齢が若いほどリスクが高くて、二十歳を過ぎると大分リスクが小さくなり、四十歳以降だとリスクはほとんどないと。ですから、放射性沃素に関してはまあ大人、私の年代なんかだと、まずどんなに吸い込んでもがんは出てこないと。やはり成長過程の、甲状腺の組織が密で、なおかつどんどん分裂をして、ホルモンの材料として沃素を取り込むような小児の甲状腺がやっぱりがんのリスクが高いということが分かります。ここでいうと、大体二十五歳ぐらいがリスクが一とすると、その十倍ぐらいあるという計算になります。
 実際、チェルノブイリ事故の後、数年間たってから小児甲状腺がんが増えてまいりました。罹患率が上昇しています。これは、まず空気中の沃素、それから汚染された水、それから、それを飲んだ牛のミルク、そういうものによって非常に、事故の最初の二週間ぐらいでかなりの被曝が起きてしまったということがあったようです。幸いなことに、ここで増えてきた甲状腺がん、乳頭状腺がんという比較的悪性度の低いがんでございまして、旧ソ連邦で四千から六千名、小児甲状腺がんが増えたと言われていますが、死亡例は十数例というふうに報告されています。それが唯一の救いでした。
 大体どのくらいのリスクの大きさかということを説明しますと、大体、原爆被爆とか医療被曝の、外部被曝の約半分ぐらいのリスクでした。それはどういう大きさかというと、もし一万人の子供が甲状腺五十ミリシーベルト被曝を受けた場合、数年の潜伏期を経てから毎年〇・一名、甲状腺がんが増えるくらいのリスクの大きさです。決してそんなにべらぼうに大きいものではありません。今回福島で何万人の子供がいたかちょっと分かりませんが、まあ五十ミリシーベルト行ったとしてもこういうような大きさで増加していくというふうに考えられます。
 ただ、これは恐らく日本人の場合よりはややリスクが過剰になっている可能性があります。それは、白ロシアとかウクライナは元々沃素欠乏地帯でありまして、放射性沃素なんかが体に入ると非常に甲状腺への取り込み率が高い。日本はふだんから塩にも沃素が入っていますし、甲状腺への取り込み率が欧米に比べますと低いということがありますので、その辺も実際は少し変わってくる可能性はあるかと思います。
 皆さんいつも悩むのは、低線量の遷延被曝、一回の被曝は小さくて、なおかつ持続的に長く続いた場合のリスクはどのくらいなんだろうと。これは誰もはっきり答えることができない。先ほど言いましたように、急性被曝の場合ですと百ミリシーベルトから明らかにリスクは上がります。で、小児甲状腺は五十ミリシーベルト。
 疫学データの中で、結核患者の医療検査のために一回十ミリシーベルトぐらいの被曝を二年間にわたって百回ぐらい受けたと。要するに、トータルでいうと一シーベルトぐらい受けている集団があります。これはカナダでかなり大きな集団が観察されていまして、そのほかマサチューセッツ州、アメリカでも同じような集団があります。両方とも五十年から六十年追跡調査した結果がありまして、その結果、両方の調査とも全く同じ結果でした。
 一つは、一回十ミリシーベルトであっても乳がんに関してはリスクがあると。要するに、一回十ミリというのは、やはりちゃんと傷が残って、それが蓄積するとがんになる。ただし、これは乳がんだけだったんですね。同じ胸の被曝なんですが、肺がんに関してはリスクが出てきませんでした。乳がんに関しても、線量当たりのリスクを見ていきますと原爆被爆なんかの半分ぐらいになっていた。だから、やっぱりある程度一回の被曝線量が小さくなっていくに従ってリスクは小さくなり、組織によってはリスクがなくなる可能性があるということを示唆しているかと思います。
 放射線生物学的には一回三ミリシーベルトというのがちょっと興味深い線量でして、これは素線量というふうに呼んでいます。これは放射線の密度が、実際は放射線、先ほど星先生ので最後画像的に見せていただきましたけれども、こういう、ぴゅうっと飛んでくるわけですね。その密度が余りに粗くなってくると全ての細胞には当たらなくなってしまう、それが素線量と言われている値です。ですから、これを下回ってくると、幹細胞が体の中にどのくらいあるかは別ですが、同じ幹細胞が何度も被曝するということはなくなってきますし、また幹細胞というのは、例えば消化管でいいますとこういうクリプトという筒状のところに何個か並んでいるんですね、数個並んでいるんです。そのうちの一個だけが被曝しても周りの細胞はどんどん幹細胞自身の再生をしていますので、被曝した幹細胞が排除されていくような別な機序が働くんではないかというふうに想像されています。そういう意味では、ある程度低くなってくるとリスクというのはどんどん下がるんじゃないかというふうに考えられていますが、はて、どこからリスクがなくなるかという質問になると誰も答えることができない。
 ちなみに、世界には大地からの被曝線量の高い地域があります。その一つ、これはインドのケララ地方なんですが、モナザイトというような放射性物質を含んだ岩が多いためにガンマ線被曝線量年間四ミリシーベルトぐらいあります。最大七十ミリシーベルトぐらいまであるんですが、この集団の、三十数万人の住民の追跡調査はもう十年以上やっていますが、がんリスクの上昇は認められていません。そういう意味では、やはりある程度以下になるとリスクというのは非常に小さくなるんだろうというのは確かかと思います。
 ただ、ICRPは、ある程度そういうことを承知の上で、やはり安全側に立とうという形で、低線量、低線量率の被曝であってもリスクは持続するという考え方を持っています。これを線形閾値なし(LNT)モデルあるいはLNT学説と言っています。ただ、その場合でも、急性被曝に比べるとリスクは二分の一になるというふうに修正して評価しております。
 じゃ、ちょっと水とか食品の方の規制の問題に移りたいと思います。
 暫定規制レベルというものが今回設定されまして、放射性物質の経口摂取を低減するというような施策が取られました。これについては先ほど星先生がおっしゃったので少しスキップしますが、沃素に関しては五十ミリシーベルト、実際、放射性沃素は半減期が短いので最初の一、二か月が勝負という形での実際の設定になっています。放射性セシウムに関しては年間五ミリシーベルト以下になるように、これに関してはずっとこれから付き合っていくようなことになります。
 これがICRPの、甲状腺と一ベクレル当たりどのくらいの被曝線量になるか、これはミリシーベルト・パー・ベクレルですね、という形で評価していますと、沃素に関してはこういう子供の方がこの値が大きい、成人の方が低い。セシウムの方は余り成人と子供、大きな差はございません。同じ量の放射性物質を経口摂取した場合、放射性沃素に関しては子供の方が甲状腺に蓄積する量が高くなりますし、被曝線量も高くなるので、子供を中心にした防護体制が必要になると。それに対してセシウムの方は、余り大人と子供で大きな差はないということが分かります。
 これはちょっと、もうスキップします。で、セシウムの方ですが、現状の放射性セシウム、このような暫定規制レベルが設定されています。この五群の食品を平均的メニューで一年食べたとして、各群から一ミリシーベルトで収まるというレベルです。じゃ、五ミリシーベルト・パー・年という、一年五ミリシーベルトというのはどのくらいのリスクの大きさかと。これをLNT仮説そのままを使って評価しますと、十歳の子供で最大〇・〇五%生涯リスクが上昇するかどうかという値です。五ミリシーベルト・パー・年というのは、先ほどのケララ地方の外部被曝線量の平均値にかなり近い値ですね。それがこのくらいの量だということです。
 もう一つ、これをちょっと、ふだん私たちは半減期が十三億年ぐらいの地球ができ上がったときからずっとある放射性物質によって常に被曝しています。これは放射性のカリウム、K40というものですが、どのくらい含まれているかというと、百ベクレル・パー・キログラムとか二百とか、干したシイタケとかですと七百、干し昆布ですと二千、バナナですと三百、最近お茶っぱが問題になってきますが、お茶っぱ、これ六百ベクレル・パー・キログラム、このくらい含まれています。それに対して、現在のセシウムの暫定規制レベルが、ここですと五百なわけですが、全く自然界にあるカリと同じ濃度でセシウムがあったとしても、この一部のこの辺の食品に関しては間違いなく暫定規制レベルを超すんではないかというふうに考えられます。この辺はもう少しリアリスティックな規制レベルというのを考えないと、ほぼお茶は駄目になるんじゃないかと思われます。こういう、自然界から放射性物質を取っていますので、私たち、大体四千から六千ベクレル常に体の中に蓄えております。
 で、ストロンチウム、半減期二十九年で、最終的にカルシウムと同じ動態を取りますので、徐々に、例えばプランクトン、小魚、海藻、それを食べた魚を人間が食べるというような形で動物に移行してくる可能性があります。ストロンチウム、骨に沈着しますので、骨肉腫とか白血病のリスクが上がる可能性のある物質で、今後規制値を検討していくべきものだろうと思います。
 これは世界的な被曝線量をもう一度まとめたものですが、大体世界平均で年間二・四ミリシーベルト。ラドンガスに関しては、北欧では年間三ミリシーベルトくらい浴びています。場所によっては十ミリシーベルトを超すくらいの被曝を、現在実際にそういう地域があって、そこに人間が住んでおります。また、ケララ地方では平均十ミリシーベルトというのは先ほど言いました。そのほか、私たちは医療被曝、日本とアメリカですと三ミリシーベルトを超すくらいの被曝になっております。
 あと最後の二枚ですが、私、この間、いろんな講演をやるとき、やはりリスクの大きさを正しく認知して、それが受け入れられるのかどうかという議論をしないと、何ミリシーベルトが安全だとか何とかという議論をしても駄目なのかなと思っています。ここでは年五ミリシーベルトの放射性セシウムの全身被曝を例に取っていますが、十歳の子供でICRPの線量率補正後で〇・〇五%リスクが上昇するという値。結局、十歳の男の子が将来三〇%のリスクが三〇・〇五%に増加するくらいのリスクであると。
 じゃ、肥満でがんが増えるって皆さん余り知らないかもしれませんが、肥満でがんが増えます。ボディー・マス・インデックスという指標で五増える。そうしますと、性別、がんの種類で少しずつ違いますが、一・二倍から一・六倍がんが増えるというふうに、これはランセットという医学界、医学関係のジャーナルでは結構トップランクに近いものでこのように報告されています。
 これを先ほどの生涯がんリスクと同じ考え方で書いてみますと、十歳の男の子で三〇%のリスクが三六%に増える。成人ですと、二五%のリスクが三〇%に増えると。そういう大きさなんですね。そういうものと比べたとき、この五ミリシーベルトのリスクというのは果たして国民にとって受け入れられるものなのか、あるいはもっと下げなきゃいけないのか。その辺の議論というのは十分やる必要があるんだろうと思います。
 一番最後のスライド、これはまさにこういう規制をするというのは、平時の場合はなるべく低いにこしたことはありません。年間、公衆一ミリシーベルトの被曝に抑えるようにというICRPの勧告がございますが、こういう現存被曝、先ほどの住居のラドンとか、あるいは、今こういう福島全体あるいは関東一円ある程度の汚染があります。そういう現存被曝の段階で規制をどのレベルにするかというのは、実はその規制をすることによって回避されるリスクの大きさに見合うだけのデメリット、バランスが取れているかどうかということを、これは政治の問題、それから国民に対する情報伝達の問題、いろんな問題が絡みますが、そういう中で決めていくべきものであるということを最後に加えたいと思います。
 ICRPも、そのためにある幅をもって、現存被曝の場合は一ミリシーベルトから二十ミリシーベルトぐらいの間で実効性のある一番良い介入レベルを決めなさいというようなリコメンデーションになっているということを最後に加えたいと思います。
 以上です。
#7
○会長(藤原正司君) ありがとうございました、鈴木参考人。
 それでは、質疑を行いたいと思います。
 質疑は質疑者を定めずに行いますので、質疑を希望される方は、挙手の上、私の指名を待って御発言くださいますようお願い申し上げます。
 なお、質疑の際には、まず各会派一名ずつ指名させていただきまして、その後は会派にかかわらず御発言いただけるようにいたしたいと思います。
 また、時間が限られておりますので、委員の皆さんの発言は一回三分程度になるようによろしく御協力をお願い申し上げたいと思います。
 それでは、質疑のある方はお受けいたします。
 田中さん。
#8
○田中直紀君 民主党の田中でございます。
 今日は、両先生、大変ありがとうございました。
 星先生には、当面の問題ということで、緊急性について具体的に伺えればと思いますし、鈴木先生には、これからの長期的な対策ということでやっていかなければいけないことについて具体的に伺えればと思います。
 星先生には、チェルノブイリのときに、セシウムと沃素と地域が別々で、被曝された地域が明確になってきたと、こういう実例がお話がございましたが、沃素の影響、私も柏崎の近くに、原発の近くでありますので沃素剤を保持しておりますが、今回の事件のときにちょっと読んだけれども、結果的に飲む機会がありませんでしたが、そういう、沃素剤を飲んだ人と飲まない人と、なかなかその手配が、沃素剤を相当国は保有をしてきているようですが、実際に与えるということができたわけではないようなんです。沃素剤が当面の問題としてもう使えないものかどうか。
 飯舘だとか川俣の辺りで、もう被曝してしまったという状況下にあるんだと思いますが、どこまで今避難するかという問題もありますし、どの程度の蓄積で、今後は福島にいた方がいいのか、いや新潟まで行った方が今後のことで安全なのか、飲んでおいた方がいいのかと、こんな具体的な話がなかなか避難されておる方々に、不安を与えてはいけませんけれども、何か対処方法というのが当面あるのかと。先ほど、本来は緊急で避難しておくべきだった地域の飯舘あるいは川俣町だと、こういう御指摘があったんでありますけれども、その辺をちょっとお話をいただきたいと。
 それからもう一つは、学校でいわゆる地表の表面の検査と、それから実際に、さっき五センチというお話ありましたが、今やっております姿が非常に効果があるという、検査とその実態、学校で土地を削ってやっておることが当面もう非常にいい対策なのか、それとももう少し工夫があるのかと、この辺をちょっと二件お伺いをいたしたいと思います。
 それから、鈴木先生には、五ミリシーベルトということのお話がございましたけれども、将来的に地域を、セシウムと沃素が非常に半減期が違うし、大人と子供の影響が同じようで、また沃素の方は子供が対象だということでありますけれども、チェルノブイリは作業している人と子供が被害に遭ったわけですから、地域で追っかけていくのがいいか、あるいは、余り不安になってはいけませんが、子供を中心として学童疎開したらいいんだという学者さんもいらっしゃるようでありますが、子供さんをフォローしていけば当面この対策が取れるのかどうかというようなことが一つと、あと、海の汚染が基準がないということで、今対応が明確になっておりませんが、その辺の傾向の中からどう影響が出てくるのか、この二点、ちょっとお伺いしたいと思います。
 ちょっと質問が長くなって失礼しました。
#9
○会長(藤原正司君) ということで、大変長くなりましたが、星参考人からお願いいたします。
#10
○参考人(星正治君) 沃素剤について、沃素が入ったときに飲まないと、一言で言って意味がないと思いますね。つまり、甲状腺にくっついても、八日の半減期ですので、八日たったら半分になって、一月たったら大体一桁落ちますので。
 それともう一つ、私が知っている範囲では、福島で実際サーベイに参加しまして測ってみましたけれども、そのときほかの測った方も聞きましたが、〇・二マイクロシーベルト一時間当たりという条件で、かなり低い人ばっかりでした。だから、そのほかの測定も聞きましたけれども、沃素剤を飲むような必要のある人はいなかったと聞いております。中には、聞いた人が避難場所におられて、沃素剤もらってすぐ飲んだと。これはもう鈴木先生お医者さんですので聞かれたらいいのですが、副作用の方が結構多いんじゃないでしょうか。それはその辺を気を付けられた方がいいと思います。
 それから、地面の問題ですけれども、これは、私申し上げているのは、チェルノブイリでまさにすごかったわけです。チェルノブイリの五年後に初めて行きました。そうすると、あるうちに行きますと山が積んであるんですね。この山はどうしたのかと言ったら、その家の庭が汚染が強かったから、表層、多分五センチだと思いますけれども、五センチで十分ですよね、剥がして山に積んだと。それ、取りあえずどこかに持っていくんだけれども積んでおくんだというような言い方だったと思います。その後、山は見ていませんので、どこか捨てるところを決めて捨てたのではないかと思います。
 山というのは、山の中のセシウムから出てくる放射線は山自身で止まります。表面だけなんですね。だから、表面が飛散しないようにすれば非常に現実的だと思います。地表を入れ替えると下にたまりますよね。将来的にこの下にたまったのをのけるとなるともう全体的にもう一回やらないといけないので、多分、当面山に積んでおくというのが一番現実的で、五センチで今のところは全部止まっていますし、例えばこれは五十年たってもセシウムは五センチ以内で止まっています。がちっとくっついています。だから、表層をそれ五センチ程度剥がすというのは非常にいい方法だと今思っていますし、取れる対応ではないかと思います。
#11
○参考人(鈴木元君) 今後、健康を守るためにどういう対策を取っていくかということですが、お子さんのお話でいうと、やはり今小学校とか幼稚園のグラウンドだけの問題がありますが、結局、地域全体で例えば文科省が二十ミリシーベルトというような値を出したとき、学校以外で被曝している量が多いんですよ。結局は、その地域全体の被曝線量をどう下げていくかというような地域ぐるみの対策というものが重要になるかと思います。
 その中には、もちろん表層土を剥ぎ取ってどこかに積んでおくというものと、それから穴を掘ってそこに埋めて、その穴を掘った土をまたその表層の方にまき直してローラー掛けるみたいなことも実際旧ソ連邦でやられているみたいですし、そういうような方法。あるいは、居住地域、木造の住宅ですと、特にそういう軒下とかに雨水と一緒にセシウム、沃素がたまっていますので、そういうところの対策、場合によっては砂利を敷いてアスファルトを敷くというような形で、環境自体を少し改善するというようなことが必要になると思います。
 畑に関して全く今のところ耕作放棄だけを政府が指示しているわけですが、これも掘り返して、ある程度上と下の土を入れ替えることによって外部被曝線量を、数分の一に下がるだろうというふうにチェルノブイリ事故の後の報告書を読んでいますと出ていますので、そういうような、総合的に対策を取ってその地域の放射能レベルを下げるというような対策が重要なんだろうと思います。その中で、小学校の校庭とかあるいは公園とか、そういうふうな子供がより多くいるところを優先的にやっていくというような考え方が重要かなと思います。
 次に海洋汚染ですが、具体的にどういうふうに汚染が進んでいくか。長い目で見ていくと徐々に徐々に、かつての原水爆実験の後、海洋汚染をしたものがどういうふうに沈んでいったかというような調査がされていまして、徐々に希釈されて深層の方にある程度行くというのは分かっています。ただ、それまでの間、プランクトンを通じて小魚に移って、また海藻に移ってと、それをまた人間が食べるというような食品のサイクルがあるわけですね。そういう中できっちり監視をしていかないと、特にセシウム、沃素に関しては余り心配していませんし、セシウムに関してもそれほど心配していません。そんなに非常に高いものが出るとは思っていませんが、海藻に関しては沃素、セシウムはある程度心配があります。そのほか、ストロンチウムに関しては、今まで余り調査されていない分、逆に動物性のプランクトンあるいは甲殻類、そういうようなものを通じてどういうふうに人間の口まで来るか、その辺は厳密に監視していかないといけないんじゃないかというふうに思っています。
 以上です。
#12
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 それでは、質問を受けます。
 では、山田さん、お願いします。
#13
○山田俊男君 それじゃ、私の方から星先生に最初お願いします。
 二か月たって、そして神奈川県で、箱根の麓でお茶にセシウムが相当検出されたんですよ。食品の基準以上のものが出たんですね。岩手の盛岡の更に北の方の滝沢村というのがあるんですが、あそこなんかで牧草にこれもやっぱり基準以上のセシウムが出ているんですよ。これは先ほど先生から絵見せていただきましたが、一体どれほどの広がりを持っているのか。箱根は三百キロ離れていますからね。だから、今後、それから果物の季節に夏はなってきますから、当然それは果物なんかにも出てくるんだというふうに見ていい、そういう性質のものなんだということかどうか。
 これ、二か月たってそういうことが出てくるものだから、もちろんお茶は三月には収穫しませんからね。今、五月のこの時期になって一番茶を収穫するから出てきているんですね。
 ところで、これ相当深刻な実は爆発があったんだと。ところが、そのことが先生の先ほどの絵から見ても箱根まで広がっているということは想像付かないわけですが、いやいや実は深刻な爆発があって広がっていたんだということなのか、それともこういう放射線の一つの特性としてそういう広がりを持ったものなのかどうかと。それから、除染ですね、これを消していくということなんかが果たしてあるのか、対策のポイントは何なのか、それとも無理なのかということを星先生。
 それから、鈴木先生にチェルノブイリのお話もいただいたんですが、両方ありまして、判断両論あって、大変大きな子供たちに甲状腺がんの被害が出ているという報道があるようにも見えるわけですね。しかし一方で、いや実はがんにかかった子供の割合は大変少ないんだというふうな言い方もあるんですけれども、一体実態はどんなふうにこれ判断したらいいのかというのと、二つ目は今回の事態ですね、これはまだ収束してないわけですが、被害はそんな大きいものじゃなくて、言うなれば健康にそう大きな影響を与えるものじゃないんだというふうに見ていいのかどうかですね。
 もちろん、それは、今回の事故、やむを得ないということで肯定したり、それから深刻さがあったのに実は深刻さを隠しているというようなことは正当化は到底できないというふうに、隠しているか隠してないか分からないんですよ、でも、そういうことにはならないんだと思いますけれども、全体として今回のことをどの程度の深刻な問題として受け止めていっていいのかということを鈴木先生に聞きたいと思います。
#14
○会長(藤原正司君) 済みません。三分計をこれから差し上げますので、よろしくお願いいたします。
 星参考人と鈴木参考人、それぞれ簡潔にお願いいたします。
#15
○参考人(星正治君) お茶の件に関しては、どちらかなんですけど、三月十五日の辺りに放出された放射能が一番中心になったわけですけれども、そのときのものなのか、現在でも常時出ております、現在のことなのかということですね。
 三十キロ圏とか同心円がありますけれども、風に乗っていって少しずつ広がりながら行きますから、雨が降ったときに沈着するわけですね。だから、現在もまだ出ていますので、その分であったら、測定を密にしていくというか、測っていかないといけないと思います。
 お茶に関してはそれ以前も測っていたけど、今回初めて出たのでしたら、新しい放射能が来たんだと思います。そこは注目すべきです。
 それで、あと、放出が止まるのがやっぱり一番肝心なことであって、止まってからは、今年は葉にくっつきますけれども、葉が落ちれば今度は地面に返りますので、翌年からは根から吸い上げる量、これはかなり減ってくると思いますから、来年以降はそれほどというか、私自身は心配しておりません、そんなにですね。だから、現在に関してはどちらなのかということが知りたいと思います。それによって対策も違ってくると思いますけど。
 その程度ぐらいですが。
#16
○参考人(鈴木元君) お茶の方、荒れ地の方が放射性セシウム、植物移行が多いです。ですから、元々カリが低い、少ない、あるいは肥料分の少ない、だからお茶畑というのは山の斜面なんか使っていますので、そういう影響があるのかなというふうにも思っていまして、今のが根っこから吸い上げたものなのか表面に付いているのかというような情報をきっちり取ると、二番茶がどういうふうになってくるかが見えてくるのかなと思います。
 チェルノブイリの甲状腺がんなんですが、これは世界的にWHOも含めてきっちりした疫学調査を実施して、その結果を例えばチェルノブイリ・フォーラムという形で二十年後に報告書を書いています。それで出てきた数値というものが先ほど言った四千から六千、幅があるのはある程度しようがないと思いますが、そのような値で、ほとんどが乳頭状腺がんというようなタイプであったと。こういう数自身はそんなに科学的なデータとしては正しい値だろうと思っています。
 ですから、ちまたにいっぱい出たと。確かに、四千人、六千人、集団としては一千万人ぐらいの子供いるはずなんで、その中での数とすれば小さいんですが、やっぱりかなり、元々子供というのはそんなにがんが多発する集団じゃないですから、そこの中では非常にやはり深刻ながんだったということだと思います。
 それから、今回どのくらいの放射線影響が将来出るかというのは、まだ全体像、被曝線量の評価というのは必ずしも十分終わっていませんので、今のところ大したことないとかというふうな、軽々には言えません。ただ、今のところ、報告されている甲状腺の被曝線量でいうと、五十ミリシーベルトを超した人は内部被曝ではいない。外部被曝を多分プラスアルファしていくとちょっと微妙なところがあるかもしれませんが、そういうレベルだと。
 それから、チェルノブイリ事故でも、甲状腺がんを除くとほかのがんでは余り有意に増えていません。日本の場合も、やはり一番もし健康影響が今後出るとしたら小児甲状腺の問題かなと思っていますので、今後もうちょっときっちりした体制を取る必要があると思っています。
#17
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 では、質問を受けます。
 加藤先生、簡単にお願いします。
#18
○加藤修一君 お二人の参考人、大変ありがとうございます。
 私は手短に話をしたいと思います。
 二点、両先生にお願いしたいんですけれども、一点は、原子力災害対策法の関係ですけれども、第十五条で緊急事態宣言なされている。ただ、緊急事態宣言に対応して、政令、省令が不十分であると私は考えていまして、暫定規制値を作ると突然出てきたり、ない規制値もあったわけですよね。だから、法律は作ったはいいけれども、政令、省令、あるいは関係法については、原子力安全神話の時代に作ったものですのでかなり緩いんではないかなと私は思っていますけれども、この辺についてどうお考えか。これが一点目。
 二点目は、原子力安全・保安院が発表した放出量は三十七京、兆の上の京ですね、京ベクレル。これと同じ量が再処理工場の、六ケ所村の再処理工場から毎年出る。つまり、それは管理目標数値ですけれども、毎年出るわけですね。それからあと、原発からは平均的に、百万キロワットだと九百兆ベクレルの放射物質が放出されていると、毎年。
 だから、これはCO2のことを考えていくと、これは二百年前からずっと少しずつたまってきて累積があるわけで、それで今は気候変動という話になっていますけれども、将来的に放射能の累積で心配ですけれども、どう考えたらいいですか。
#19
○参考人(星正治君) 規制値に関しましては、私、そのことをしっかり考えたことは今までなかったんですけど、やはり今回のことを踏まえて、全ての、そういう食べる食品とか、いろいろなものに対してちゃんと値付けといいますか、すべきだと私は思っております。
 それから、放射能の放出が原子力発電所から毎年出されて、それはどうしても止められないものがありますから出されていますけど、一応今の考え方は、空気中の濃度とか水中の濃度にしても規制値以下ということで、それが食物連鎖で濃縮ということはあるのかもしれませんけど、一応許される範囲で出しているということになるわけです。
 それが最終的に地球全体にどんどんたまっていくものもあるのはあるでしょうし、それはちょっとCO2がたまっていくのとどちらがどうかという議論は、ちょっと私は今答えるということはできませんが、地球温暖化といいましたら、例えば極端なことを考えれば、気温が例えば十度も上がって四十度もあったら誰も住めなくなるとか、そういう星の世界から大変だということが来たらしいんですけど、そこまで極端なこと考えれば、何が大事かといったら、その温暖化の方が大事かもしれないし、じゃ今から氷河期に入ると言う方もおられまして、そこもいろんな考え方があるところではないでしょうか。
#20
○参考人(鈴木元君) 暫定規制値の問題に関しては、確かに原子力安全委員会が一応の暫定規制値というのを準備していました。その値自身は国際機関なんかに比べると厳しい方になっています。ただ、小児に関する例えば沃素に関しては、小児のレベルを決めていなかった。あるいは、今回、先ほど私も言いましたが、ストロンチウムについても決めていなかったというようなことはあったかと思います。その辺は今後きっちり検討するべきだと思います。
 世界的な放射性物質の量に関しては、私ちょっと医学の方でお答えするような知識を持ち合わせていませんので、失礼します。
#21
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 では、質問を受けます。
 松田さん。
#22
○松田公太君 本日はどうもありがとうございました。
 本日お伺いした中から基本的な御質問をさせていただきたいんですけれども、まず星先生、先ほどセシウムは五センチで完全に止まるんだというお話をされていますが、これ、どのような土壌であっても、土であっても、例えば雨が降ろうが何だろうがそうだということなんでしょうか。
 まずこれをお一つお聞きしたいのと、二つ目は、ホットスポットを含めた汚染地図、これが必要だというふうにおっしゃっていますが、それは本当に私もそのとおりだと思うんですけれども、どの程度の頻度でそれを更新する必要があるのか、教えていただければと思います。つまり、ホットスポットというのは動くものだというふうに思いますので、経験上、星先生の経験上どの程度の頻度で動いてしまうものなのか、若しくは消えたり出てきたりするものなのかというのを教えていただければと思います。
 あともう一つは、陸でホットスポットができるということは、海の上でもホットスポットというところができるのかなと、ちょっとこれ私分からなかったものですから、教えていただければと思います。
 そして、最後になりますが、チェルノブイリでの経験上、汚染水、我々は水を調べているわけですから、その飲み水についてチェルノブイリはどのように対策されていたのかということを教えていただければと思います。
 鈴木先生には一点だけ、こちらの食品中の自然放射性物質の比較というところで御説明いただきましたけれども、カリウムとセシウム、これを分けて測定するような機械はないんでしょうか。それがあったらこの問題は解決されるんじゃないかなというふうに思うんですが、それを教えていただければと思います。
#23
○参考人(星正治君) セシウムですけれども、化学の専門家にきっちりお伺いしましたら、今年一年間は、一部粒子にくっついたようなセシウムは下に浸透するものはあり得ると。ただし、化学的な状況によりますけれども、大部分は地面にしっかりくっつくと。で、来年以降はもうしっかりくっついた部分だけであるということです。
 それから、私の解釈は、ほとんどセシウムは土壌にくっついて問題ないと、こう考えていいと思います、それも五センチ以内。それはなぜかといいますと、セミパラチンスク、五十年たって六十年たってもきっちり表層土五センチに分布が見えます。雲が通過した跡が見えます。証拠としてやっぱり分かると思っています。一般的にもそう言われています。
 それから、二番目の遠方でのホットスポットですけど、ホットスポットは、セシウムは今のように一旦土にくっつきますともう動きませんから、できたホットスポットはそのままです。だから、新たに放出があって、別なところに来るかという問題とは分けてもらったらと思います。だから、今、僅かながら放出がありますから、新たにできるかどうかという点と、過去あったホットスポットですね、十五日、特にあの辺りですけれども、それは全体的に、極端に言うと飛行機なんかで日本全体をサーベイするとか、広く二、三百キロ行っている可能性もありますので、そういうことをした上で、更にそういうのが見付かれば、現場に行ってもっと詳しく密に測ると、そういうことが必要だと思います。
 海については、やはり同じことがあると思いますけれども、海の場合はもっと海流に乗って、広がり方もそんなに思ったより広がっていないようなんだけれども、日本だと太平洋全体をぐるっと回って、それはもう気象の関係だと。大気の場合もそうですけれども、海の場合も専門家がちゃんと解析されて、どう広がるかというのが出ています。そういうのを参考にされると、数十キロ、数キロの固まりがずっとアメリカまでに行くような図があります。そういうのを参考にされればいいと思います。
 それから、最後のチェルノブイリは何でしたですかね。水のことでしたかね。
#24
○松田公太君 そうです、汚染水、飲み水、どのような処理をされたか。
#25
○参考人(星正治君) チェルノブイリは、地下水とか水道水、私、五年以降ですけれども、実際測りました。ほとんどもうゼロです。つまり、もう地面の、先ほど言いましたが、五センチぐらいで止まってしまって浸透しないと考えていいと思います。今年一年は浸透する成分もあると聞いていますけれども、ほとんど上に止まって、フィルターみたいになって透過していかないと、そう考えています。
 それでよろしいでしょうか。
#26
○松田公太君 はい。
#27
○参考人(鈴木元君) チェルノブイリの水ですが、湖沼、沼、あるいは湿地、あそこのセシウムはずっと残りました。そういう意味で、魚釣りをした魚がセシウム汚染ずっと続くというようなのはありましたので、そういうようなことは気を付けないといけないということだけちょっと追加します。
 それから、カリウムとセシウム、私があそこで対比のために出したのは、セシウムとカリウムって同じような性質を持っていまして、同じように土壌から植物に移行します、動物にも移行します。そういう意味で、カリウムが豊富な食物というのは、基本的にセシウムも同じように取り込む可能性があって、それをある程度見ていかないと、例えば同じレベルで全ての、例えば乾燥重量のお茶っぱとそれからフレッシュな野菜を同じレベルで規制していくと、お茶っぱはほとんど引っかかるというようなことがあり得るということをちょっと言いたいがために出しました。
 実際の測定は、ガンマ線のスペクトルというエネルギーによって違うところにピークが出ますので、セシウムとカリウムは全く違う物質として、放射線として測定が可能です。普通はゲルマニウム半導体検出器というようなものでスペクトル分析をして区別ができます。
#28
○松田公太君 ありがとうございます。
#29
○会長(藤原正司君) 質問をお受けします。
 紙さん。
#30
○紙智子君 二つお聞きしたいと思っていますので、一つは、福島原子力発電所の事故で水道水から国が定めた基準を上回る放射性沃素が検出されて、妊婦さんや乳幼児がいる世帯でこれ大問題になって、ペットボトルを買いに走るという事態になったわけです。それで、やっぱりきちっと調べてちゃんと公表していくということが大事だと思うんですけれども、水道でいいますと、地方自治体が事業主体なんで、放射性物質の検査というのは自治体が行っているんですけど、その際の測定の場所の決め方とか検査方法とか違うといろいろ違いが出てくるというのはあると思うんですよね。やっぱり統一した検査方法や必要な測定箇所を定めることが必要なんじゃないのかなということが一つお聞きしたい点です。
 それからもう一つは土壌汚染についてなんですけれども、星参考人は、土壌の汚染地図を作ることが重要だというふうに言われていますよね。それから、鈴木参考人の資料では、国際機関の放射能汚染の地域の基準は、放射性セシウム137の汚染の密度が三万七千平方メートル・ベクレルの地域というふうに書かれていますよね。そこで、まずその土壌汚染を重視する、なぜ重視する必要があるのかということを一つと、それから、汚染の単位を日本の場合は一キログラム当たりで計算、表していると思うんです。国際機関でいうと、日本はキログラムなんだけれども、一平方メートルであったりで、そこに違いというか、比較がなかなか見えないというのがあって分かりにくいというのがあるんですけれども、これについて、国際基準を日本でなかなかそのとおりに使っていないんですけど、これはやっぱり分かりやすくした方がいいんじゃないのかなというふうに思うんですけど、この点についての御意見を伺いたいと思います。
#31
○参考人(星正治君) 水の場所については、汚染した川に沃素が、セシウムが入るというわけですから、浄水場に行きますから、多分浄水場から出てくる水、つまり浄水場ごとにどこかのポイント、水道水のポイントを決めればいいんじゃないかと私は個人的に思っています。そんなにたくさんする必要はないと思う。
 それから、土壌の汚染はなぜかというのは、私、そのスライドをお見せしたのはそのつもりだったんですけれども、一番正確に分かるということです。それから、線量も分かるし、それから汚染の程度も分かるし、それが一番正確な基本であると、そういう意味です。
 それから、一キログラム当たりと平米当たりというのは、これは農作物にとっては、根から吸い上げると考えれば土一キログラム当たりになりますね。フォールアウトからすると一平方メートル当たりと、フォールアウトからですね、それを混同していると思います。つまり、どれだけ降ってきたかは当然一平方メートル当たりでないといけませんよね。
 だから、福島では今何が当面問題になっているかというと、農地が耕せるかどうかとか、そういうことで、農業関係の県の担当者が、十五センチ掘ってそれを混ぜてキログラム当たりに直して出していましたんで、これは測定するときも特に強調しているんですけれども、私たちは一平米当たりを出すと、それはキログラム当たりに後で換算できると、こう考えています。
#32
○参考人(鈴木元君) まず、水の測定法、これは厚労省の方の水事業者に対する研修で公定法みたいなのが既にあるかと私理解しています。そういう意味で、誰がやっていても大体同じ結果にはなっているんじゃないかと理解しています。
 それから、土壌汚染、どっちがいいかというより、換算式がありますんで、直感的にどっちが分かりやすいかという話だけだろうと思います。いずれ必要なのが、土壌汚染からそれぞれの作物にどういうふうに移行するか、移行係数が最終的にどうなるかというのが、日本の作物に関して汚染濃度の高いレベルではデータがないです。
 昔の核実験のときにフォールアウトがありまして、そのセシウムを使った移行実験というのはやられているんですが、高濃度になった場合、それから土地の性状ですね、非常に砂れきが多いのか、関東ローム層なのか、粘土質が強いのか、そういうものによっても違うというのは分かっていますし、肥料の与え方でも違うというのも分かっていますし、そういう細かいところになるとまだまだ調査がはっきりしていなくて、どのレベルだったらこの作物ならいいというようなことがなかなかすぐには出てこないという状況かと思います。その辺は今後是非調査してもらいたいところです。
#33
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 中山さん。
#34
○中山恭子君 ありがとうございます、貴重なお話をいただきまして。
 ただ、私を含めて、この放射能というのが目に見えないものであるという、具体的にどういうふうに動くのかというイメージがなかなかつかめないものが多いかと思うんですけれども、今お二方、両先生からチェルノブイリのお話が出ました。
 チェルノブイリが今どういう状況になっているのかというようなことも一つの参考になるのかと思っていまして、例えばもう十年、二十年、全く人が住めないというのが、そういうことになり得るのか。それから、植物とか医学的にそこには住めないような状況が出てくるのかというふうなことについて両先生からお話しいただけたらと思います。
 あと、地下水については心配は要らないというふうに考えてよろしいんでしょうか。その点だけお願いいたします。
#35
○会長(藤原正司君) それでは、今度は鈴木先生から。
#36
○参考人(鈴木元君) チェルノブイリ、三十キロ圏外以外のところは耕作がされています。実際に農業の状況でいいますと、例えばカリウム肥料を多くするとか、いろんな対策を取っていまして、普通に取ってくる作物に関して、ある程度今の国際基準に近いような汚染レベルでとどまるくらいまでかなり改善してきているように思います。
 九〇年代、一度ソ連邦が崩壊した後、一時的に作物へのセシウム汚染みたいなのが上がった時期があるんですが、その後、放射能と付き合いながら、一応国際基準を満たす程度の汚染レベルに抑えるというような実際の農業牧畜ができているように文献的には見えております。
#37
○参考人(星正治君) 原爆のときに人が住めないとか言われたけれども、人というか植物も草木一本生えないとか、そんなこと全然なくてどんどん生えてきましたし、余分なというか必要以上の心配をされる必要はないと思います。本当に対策を取らないといけない場所はあるかもしれませんけれども、そのところはすればいいと思いますし、まあ多分ほとんどのところは対処すれば住めるようになると思います。
 それから、地下水は、私が測った範囲ではセシウムも全く来ていませんでした。井戸水ですけれどもね。
 もうちょっと付け加えますけれども、ストロンチウムの場合は一メートルぐらいは入り込むと言われております。それでも地下水はもっと井戸水だと深いので、そのほかの場所でも一様にそういう浸透というのはありません。だから、大丈夫だと思っているんです。
#38
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 それでは、会派に関係なく質問を受けたいと思います。水落さん。
#39
○水落敏栄君 ありがとうございます。自由民主党の水落でございます。
 両先生、ありがとうございました。
 星先生にお聞きしたいと思います。
 冒頭、お答えにくいことを承知の上で質問させていただきますが、原発の放射能汚染で強制的に退避させられた浪江、双葉、大熊あるいは楢葉、富岡、こういうところに住んでおられた方々、いつふるさとに帰れるのか自宅に帰れるのか、先の見えない不安な気持ちで毎日過ごしているわけでありますけれども。先生の御説明では、それらの地域は少ないところで六十万から多いところで三百万ベクレルという数値で汚染されているということですけれども、どのくらいの期間が経過すればこうした値が少なくなって自宅に帰れるのか。
 また、土壌汚染は、表土五センチ以下はほとんど汚染されていないということですけれども、汚染されたこの土の処理がまたこれ大変なことになると思うんですね、取り除くとしても。しかしながら、それを取り除くことができれば帰ることができるのかどうか、そして土を取り除いたとしても、樹木や草の、汚染のされた樹木などの除染の方法があるのかどうか。
 本当に申し上げたように答えにくい質問で恐縮ですけれども、専門家である先生のお考えとか見通し、これらについて政府は何ら見通しを出していないんですね。したがって、住民の皆さん不安な気持ちで毎日過ごしていると、こういうことでありまして、先生の御見解をお伺いしたいなと、こう思います。
#40
○参考人(星正治君) 強制退避につきましては、まずもって現在も少しではありますけれども放出が続いています。これが止まらないことには判断できないんじゃないでしょうかね、それがまず第一条件だと思います。その後ですね。
 それで、どのぐらい時間が必要かということですけれども、セシウムはくっついたら基本的にはもうずっと離れません。まあ風で砂が飛んで少しこう遠くへ薄まっていくとかあります、環境の半減期等ありますけれども、基本的には三十年の半減期でしかなくなっていきません。だから、土壌表層を剥がすなり、そういう処置しかないと思います。
 それから、放出が止まった段階でその現場の状況を見て、例えば道路、路面とか取れるところであれば、グラウンドにしても庭でもいいです、取れるところは取ると。ただ、森林は取るわけにいかないでしょうね、森と山のところは。その場合は多分立入禁止にするとか、その限られた範囲だけ、それしかないでしょうね。多分その上にかぶせるという手もあるとは思いますけれども、別に森林にわざわざ入っていく必要があるところはそうなんでしょうけれども、それは一応分けて考えるべきだと今現在思っています。これはもう今からしっかり議論してどうするかを検討しないといけないと、こう思っています。
#41
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 鈴木先生、よろしくお願いします。
#42
○参考人(鈴木元君) チェルノブイリ後の農業牧畜についてちょっとだけ追加させていただきますと、基本は、表土は剥ぎ取るというのが難しいので全部耕してもう一回種まきをし直すということをやっています。結局、根っこから吸収されるセシウムを減らすという意味で、そういう耕す、そこにセシウムと競合関係にあるカリ肥料を増やすあるいは堆肥肥料を増やしてセシウムがより土に固着するようにする、そういうような対策で、現実の牧草とかあるいは食物へのセシウム移行というものを抑制するということがなされていまして、具体的にはそういう形でチェルノブイリの農業牧畜というのが動き出しています。
 それから、牛に関してはおなかの中でセシウムと結合するような物質、プルシアンブルーと言っていますが、そういうものを投与して、なるべく体に吸収されないように、また体の中から消化液として出されたセシウムを外に排出するというようなことがずっと継続的にやられています。そういう形で、具体的なミルクへの移行とか肉質への移行みたいなものがコントロールされているというふうな報告があります。
#43
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 では、質問を受けます。
 谷岡さん。
#44
○谷岡郁子君 星先生にお伺いしたいことなんですけれども、星先生の今日の資料の中でSPEEDIの資料がありまして、ここが、内部被曝による甲状腺の被曝量の試算という形で出ているんですね。これといわゆる私たちが外部被曝だとか環境上の被曝として、子供たちが三・八マイクロ・パー・アワーというような形で受けているものと全くオーダーが違うように見えるんですけれども、その読み方というものがどういうものなのかということで、ちょっとこの辺を理解をしたいということで、御説明をお願いしたいと思います。
 それから二点目は、鈴木先生を含めて星先生、両名の先生にお聞きをしたいことなんですけれども、今我々が抱えている社会的な問題としまして、初期には大した事故ではないという、炉は健全であるという、メルトダウンが起こっていないということがあった。しかしながら、結果として見ると、刻々ニュースは悪くなると。そういう状況の中で、この被曝の問題についても、この今の基準値で安全なんだよとか、子供たち大丈夫なんだよと幾ら言われても、親たちはこの事故の状況のように、やっぱり何年かしてすごく悪いニュースを聞いちゃうんじゃないかという心配というものが社会不安になっているというふうに思うんですね。私たちはどんなふうに説明をすることによって今起きている社会不安に対応できるのかなということで、お考えがありましたら是非教えていただきたいと思います。
#45
○会長(藤原正司君) それでは、まず鈴木参考人からお願いします。
#46
○参考人(鈴木元君) SPEEDIの方は多分私の方が分かると思います。SPEEDIの出力は、小児の甲状腺の被曝線量、大人の甲状腺被曝線量、それから外部被曝線量、それから地面の汚染密度、全部出力できます。たまたま公表されているのが小児甲状腺のものだったというだけで、それは恐らく原子力安全委員会なり保安院に請求すれば、そのSPEEDIのもので大体どこがどのくらいの汚染密度になっているかという表も出てくるかと思います。
#47
○谷岡郁子君 これがそうですか。
#48
○参考人(鈴木元君) はい、それが出ていたのが甲状腺であったと。
 甲状腺被曝の場合は、空気中の沃素を吸い込むというような、呼吸の率が違うと大分変わってきますので、そういうものも加味したものになっているかと思います。
 それから、情報が刻々と変化して信頼が失われて社会不安になっている、これはまさにそのとおりなんで、リスクコミュニケーションの仕方が余り上手じゃないということなんだろうと思うんですね。
 ですから、あったとしてどのくらいのリスクの大きさなのかという、私自身の発表はそういうふうな形で出したんですが、まず、そういうリスクの大きさの幅を、上限といいますか、それを出した上で議論を始めないといけないんだろうと思っています。非常に低いレベルで上下したとしても、それはそんなに健康リスクとして大きく左右するような変化ではないということをどううまく伝えられるかというのが一番重要なんじゃないかと思っています。
#49
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 星参考人、お願いします。
#50
○参考人(星正治君) 内部被曝について一つだけコメントですけれども、甲状腺の場合は全身被曝と違います。だから、一桁高くなっていると思います、規制値に関しては。だから、部分的な被曝と、甲状腺自身の強さといいますか感受性ですね、そこを加味しているということを、全身と区別してください。
 それから、社会的な問題はまさにそのとおりでありまして、なるべく低く低く、安心安心と言って、どうしようもなくなって、実はこうだったと。このメルトダウンもそうであって、そういうことが全体的な信頼性をなくす、一番根本的な問題だと思いますね。だから、最悪メルトダウンでどこまで行ったかというのを考えて、今ここ、現状はここですという説明をなぜしないのかと。
 私はもう本当に冗談みたいにしていつも言っているんですけど、政府発表を逆にすれば正しい発表だと。例えば、三〇%と言っていたらそれは全部溶けたと。圧力容器にたまっておったら今度は全部漏れて下まで行ったと。何かそれぐらいすれば安心して、自分自身はそれで納得しています。やっぱりそう、飯舘村もそう。あれも三十キロ圏同心円で固執したと思っています。
 私どもそれなりに安全委員会に助言できますので、助言しました、二回ほど。それもうほとんどその場で聞いてくれませんでしたけどね。そういうところが一番問題だと、本質的な問題だと思いますね。だから信頼性を失う、自分で失っている。そこをついてほしいですね、はい。
#51
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 それでは、石川さん。
#52
○石川博崇君 本日は、大変に参考になるお話ありがとうございます。
 星参考人にまずお伺いしたいのは、先ほど来、土壌汚染、表層五センチという話をされておりますが、今回メルトダウンがあって、高濃度、これまでと桁の違う、水素爆発で空中に飛散して希釈されたものが落ちていったものと全く濃度の違う高濃度の汚染水が土壌に染み出している可能性がある中で、その高濃度の汚染水であっても同じようにその五センチということを考えていいのか。今後警戒区域が解除されて、帰還してくる住民の方々が住むような地域への広域的な、そのエリアの中での広域的な広がりというのがあるかどうかをお聞かせいただければということと。
 それから、鈴木先生には、政府の出している基準値、暫定規制値の話なんですけれども、飲料水とか野菜とか肉、それらについて出荷制限等出した基準値というのは非常に安全サイドを取った基準値が出ているかと思いますが、決してこれは一年間食べ続けるということが基本的にはないものについて相当安全サイドを取っているのに対して、子供たちが日常的に生活をする学校の安全基準についてはどちらかというとそれほど厳しい安全基準じゃない値を取っているのかなと思うんですが、科学的見地からして、一年間ずっと食べ続けるものではないものに対する基準値の安全サイドを取っているということと、通常生活する空間というか環境において一から二十ミリシーベルトという値を取っているということについてどういうふうに見られるか、教えていただければと思います。
#53
○会長(藤原正司君) それでは、鈴木参考人からお願いします。
#54
○参考人(鈴木元君) まずは逆のことをちょっと考えてみるといいんですが、例えば暫定、小学校、子供の外部被曝年間一ミリシーベルトにしようというふうに言いますと、その地域から全員避難しましょうという対策になってきます。果たしてそれが、じゃいいのかどうか、要するに妥当なのかどうかというふうな考え方をしないといけなくなるのかなと思うんですね。
 まず二十ミリシーベルトという値をつかみとして出して、そこから具体的に町の中、あるいは、今回校庭を少し表層土をかっさらってどこかに、恐らく校庭の一部に埋め直すということをやっているわけですが、そういうことによって少しずつ環境を改善して、実際は一年いても数ミリ未満になっていくというふうにだんだんなるんだろうと思うんです。ですから、基本的に一ミリがいいのか二十ミリがいいのかという議論は非常に不毛で、その中でどう具体的な対策をこの一年間に実施していくかというふうに考えないとただ逃げるという方策しかなくなってしまう。
 ですから、私自身は、二十がよかったのか十がよかったのか、まあ二十というふうな値が出たとき、最初から、実際上はその半分ぐらいしか被曝しないはずだというふうに新聞なんかで言いましたが、後から実際そういうような値だったというのが出てきましたが、やはり、それはあくまでつかみの値であって、どう対策を具体化するかというのが一番重要な話なんだろうと思います。
 それは私のスライドの一番最後で、結局、規制をするのはいいけれども、それが本当に正当化されて、そのデメリットとのバランスが取れているのかどうかということを考えながら対策を一個一個取るというのが一番重要なんだと思っています。
#55
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 星参考人、お願いします。
#56
○参考人(星正治君) 高濃度汚染水ですね。あれも、私は結構難しいかなと思いますのは、やはり同じように止まると思います、大部分はですね。ただ、数字は知りませんが、一%通過するとしますと、元々高濃度なので、通過した一%も結構高いということになりますよね。その辺は、実際のところはデータはないんじゃないでしょうか。それから、地下のどの部分をどう通っていっているかとか、そういうことも分かりませんから、その高濃度汚染水が今どうなって、今後どこに出ているかとか、その辺は非常に心配はしております。
#57
○会長(藤原正司君) 白さん。
#58
○白眞勲君 民主党の白眞勲でございます。
 今日は先生、ありがとうございます。
 まず星先生にお聞きをしたいんですけれども、先ほどのお話の中で、風による状況で分布がセシウムと沃素で違うんだというお話をたしか聞いていると思うんですけれども、これは何でそうなんだろうかなというのがちょっと私の疑問なんですね。同じときに同じように出てて、何で沃素とセシウムで違うのかなというのがありまして、それをちょっとお話聞かせていただきたいなというふうに思います。
 それと同時に、ストロンチウムについて余り報道でも、沃素とセシウムについては報道はされるんですけれども、ストロンチウムについての報道が余りなされてないような気がするんですけれども、このストロンチウムの分布状況についても併せて教えていただきたいなというふうに、分かる範囲内、分かっているならばということでしょうけれども、お話しいただきたいと思います。
 それと、鈴木先生には、あわせて、ストロンチウムについても、先生の文書の中にも骨肉腫や白血病を誘発するリスクがあるんだということは書いても、定量的な何かそういうものというのが資料の中にはなくて、この辺りについてはどのように先生としての御見解があるのか、そういう医学的見地からどういうふうにお考えいただけるのかなというのが一点。
 それともう一つは、この状況を見ますと、私は、発がんリスクというものを考えた場合に、たばこですよね、たばこを吸っているときのリスクと、先生お医者さんでいらっしゃる、医学的な見地から、あとは隣の人がたばこを吸っているときのそのリスクというんでしょうかね、そういったものと、今回のセシウムとか沃素とかそういったものについてのこの比較ということをやると我々素人にもよく分かるんだなという感じがするんですけれども、その辺についてもお話聞かせていただきたいというふうに思います。
#59
○会長(藤原正司君) それでは、鈴木参考人からお願いします。
#60
○参考人(鈴木元君) たばこが肺がんの、例えば日本で八〇%の肺がんがたばこのせいで、欧米ですと九〇から九五%、それは非常に環境中の発がん物質の中でかなり強いものだというのは明らかです。
 今回、私、何でたばこじゃなくて肥満にしたかというと、肥満の方が、今たばこは皆さんやめるようになっていますし、ほとんど環境中からもどんどん減ってきているわけですね。何で肥満を出したかと、肥満との比較を出したというのは、逆に放射線を恐れてみんな室内でポテトカウチをやる、運動もしなくなるというと、逆にそういう肥満の方が問題になる。でも、肥満もやっぱり発がんのリスクがありますよという形で比較を出したというところです。
#61
○白眞勲君 ストロンチウムの方。
#62
○参考人(鈴木元君) ストロンチウムの方は、最終的にはやはりICRPの方でストロンチウムが骨に、何ベクレル取ると骨に何マイクロシーベルトになるかというような数値が出されています。それを使って実際に規制をしていって、食品なんかに関しては、沃素なんかよりは高い、百ベクレル・パー・キログラムというような値が出されているかと思います。
 それから、それはまた食品安全委員会等で検討されて決まってくる値だと思いますが、そういう局所に蓄積しやすい放射性物質というのは、よりリスクが高いとして管理されるべきだろうと思っています。
#63
○会長(藤原正司君) それでは、星先生にお願いします。
#64
○参考人(星正治君) 沃素とセシウムがなぜ違うか、まさにそのとおりなんですけど、チェルノブイリの場合は、恐らく最初の爆発でどんといったときと、その後黒鉛が燃えた、出方が違うんですよね。今回は、炉が一個だったら多分同じじゃないかと私は、途中で分離するというわけじゃなくて、想像しています。それで、炉が違うし、中の形状が違うんだと思うんです。
 強調する理由の一つは、まだオープンになってないといったところをないしょでと私が見せてもらったデータが茨城県、沃素とセシウムは明らかに分離していました。そういうのがありますので、福島でも是非そういうのが必要だというのを強調している理由はそこです。
 それから、ストロンチウムのことですけれども、ストロンチウムは元々揮発性がないので、今回のように飛んでこないんですね。実際は僅かにあります。三百何十分の一かはありまして、量が少ないというのが一つ。だから大丈夫じゃなくて、ただストロンチウムは非常に測りにくいんです。ベータ線を測るというのは技術的に非常に難しくて、将来でいいますとプルトニウムとかを含めまして測定はすべきだと、私のグループではしようと思っています。
 追加いいですか、リスクに関して。やはりリスク、放射能とか怖がるのはいいけど正しく怖がれという話です。
 例えば、私、リスクのスライドはちょっと用意しなかったんですけれども、例えばで言うとグミキャンディー、喉につかえて子供が亡くなったから、だからもう発売中止。でも、考えてみたら、おもちで喉につかえて死ぬ人が八倍とか十倍ぐらいあるんですよね。じゃ、誰もおもちを食べるなとなぜ言わないのかとか、パンで喉につかえたら、誰もパンを食べるなと言わないのかとか、取りあえず、何というか、リスクの、グミキャンディーとか、それからたばこは物すごく高いんですよ。
 正しくリスクを比較して、これはどのくらいリスクがあるからこれで我慢しましょうということも放射能に関してもちゃんと議論すべきだと私は思います。
#65
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 それでは、質問をお受けします。
 浜田さん。
#66
○浜田和幸君 ありがとうございました。
 星先生に一つ。瓦れきの処理で現地は大変困っています。瓦れきを燃やして発電にする、そういう話もあるんですけれども、放射能汚染の瓦れきを燃やしてガス化するということに関して何か問題があるのかどうか。アメリカの方ではそういうケースが幾つか報道されているようですし、インドでの大地震、大津波の後も、そういう瓦れきの処理のとき燃やして発電しているという話も聞いているんですけれども、今回、日本の場合、東北の場合にそういうことが可能かどうか。
 それと鈴木先生に、さっきのプルシアンブルーの話が出ましたけれども、これもやっぱりネット上で、これが人体、牛だけではなくて人体にも大変放射能汚染物質を排出するのに効果があるということで大変売れ筋となりまして、製造メーカーの株価が急騰したようなんですけれども、どこまでそういった安全性というもの、あるいは効果というものが明らかになっているのか。ほかにも、直後、いろんな放射能に有効だというような商品がネット上で出回りましたですよね。そういうものの安全性について何か検証したり比較したような、そういうデータがあれば教えていただきたいと思います。
 以上です。
#67
○会長(藤原正司君) では、鈴木参考人からお願いします。
#68
○参考人(鈴木元君) プルシアンブルーに関しては、例えば放医研の方でも実際に人に投与してどういう副作用が出るかというのを調べています。出てくるのは、希少メタル、いろんな金属をやっぱり結合してそのまま便として出しますので、少しそういう元素が足りなくなるのがあるというようなことが出ていますが、それ以外、余り問題がありません。
 それから、プルシアンブルーに関しては、一九八七年、ゴイアニアという、ブラジルでセシウム汚染事故がありまして、そのときにかなり大々的に使われています。人への投与が行われまして、大体セシウムの半減期、実効半減期約百日といいましたが、それが大体半分になります。要するに、早く排せつされるようになるという形で、効果があるというふうに言われています。
 そういう意味で、かなり国際機関、IAEAなんかも含めてプルシアンブルーというものの効果に関して人に関してあると認められております。
 それから、動物に関しては、動物に何か副作用が起きたかどうかというのはあいにくレポートがありませんが、やはり人間と同じような形で、消化管の中でセシウムを結合して外に出す。ちょうど、何のイメージを持っていただくといいかというと、腎不全の患者さんで高カリ血症、カリウムが非常に高くなったときに、やはりカリウムを結合するようなケイキサレートとかいうような物質を食べさせて、消化管の中でカリウムを結合して排せつさせるというような治療があるんですが、それに、よりセシウムに特異的なものだというふうに考えていただくといいかと思います。
 プルシアンブルー、今売っているものを買おうとすると高いんですが、旧ソ連邦では自分たちでつくって、あるいはスウェーデンでもそうですね、自分たちで新しいものをつくって、それを安く生産して使うということがなされていました。
#69
○参考人(星正治君) 瓦れきのことですね。瓦れきについては基本的に燃やしていいと思います、放射能がくっついてもですね。そういう放射能がくっついた廃棄物というのは燃やします。基本的には飛ばないと考えていいと思います、ちゃんと燃やせばですね。
 それで、残りの灰をどう処理するか、灰には残りますので。そこを考えればいいと思います。
#70
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 それでは、加藤さん。
#71
○加藤修一君 先ほど質問が私、悪かったと思っていますので、もう一度確認という意味を込めて。
 CO2が数百年間にわたって累積されて、それで気候変動という事態が起こった。同じようにして、これは先ほど拡散とか希釈されるという話がありますけれども、放射性物質については半減期があって、それはなかなか解消できないというか、希釈したとしても残るわけですよね。それが地球上の空間、それも有限なところにたまってくると。ですから、これは百年、数百年のスパンで考えた場合には極めて厳しい話になってくるんではないかなと、そう思っているんですけれども、ここはどうとらえたらいいのかという質問だったんです。
#72
○会長(藤原正司君) どなたに質問。
#73
○加藤修一君 星参考人にお願いします。
#74
○参考人(星正治君) 体に影響のある放射能として問題になるのは、例えば将来、セシウム137とストロンチウム90が主だと思います。これは半減期が三十年です。だから、数百年後といえば、例えば百年たてば半減期が三回訪れますから大体百分の一になります。つまり、拡散して広がっていくから、セシウムとストロンチウムは何百年後には問題にならないと思います。問題になる放射能というのは、私自身が知る限りのところはありません。
#75
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 質問を受けます。皆さん、質問よろしいですか。
 それでは、予定の時間が参りましたので、参考人に対する質疑はこの程度といたしたいと思います。
 調査会を代表いたしまして、両参考人のますますの御活躍を祈念申し上げまして、本日のお礼とさせていただきます。
 ありがとうございました、本当に。(拍手)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#76
○会長(藤原正司君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#77
○会長(藤原正司君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、西村まさみ君が委員を辞任され、その補欠として田城郁君が選任されました。
    ─────────────
#78
○会長(藤原正司君) この際、政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際問題、地球環境問題及び食糧問題に関する調査のため、本日の調査会に外務省国際協力局長佐渡島志郎君、厚生労働大臣官房審議官篠田幸昌君、経済産業大臣官房審議官市川雅一君、経済産業省製造産業局長鈴木正徳君及び国土交通大臣官房技術参事官藤森祥弘君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#79
○会長(藤原正司君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#80
○会長(藤原正司君) 水問題への取組の課題について政府から説明を聴取した後、質疑を行います。
 議事の進め方でございますが、まず経済産業省、国土交通省、外務省、厚生労働省の順でそれぞれ十五分程度説明を聴取した後、午後五時ごろまでをめどに質疑を行いたいと存じます。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、初めに経済産業省から、海外における水ビジネス展開に対する政府の取組の現状と課題について説明を聴取いたします。市川大臣官房審議官。
#81
○政府参考人(市川雅一君) 市川でございます。
 それでは着席……
#82
○会長(藤原正司君) 座ったままで結構です。
#83
○政府参考人(市川雅一君) はい、失礼いたします。
 お手元の海外における水ビジネス展開に対する政府の取組の現状と課題という経済産業省名の資料を御覧いただきたいと存じます。
 一ページおめくりいただきます。我が国水関連産業の現状から御説明させていただきます。
 我が国のことを御説明する前に、下の方にポンチ絵で、水ビジネス市場における主なプレーヤーというのを載せさせていただいております。左の方から部材・部品・機器製造、それから真ん中に装置設計・組立て・建設、右側に事業運営等々ということになってございます。
 これはよく言われることですので委員の皆様御案内と思いますが、海外企業のところ、緑色で書いてあるものでございますけれども、有名なヴェオリア、スエズといったようなフランスの大手の企業がございまして、こういうものはこの横串的に全ての分野に対応している、言わば水メジャーと言われている企業でございます。
 このほかにも、ここに名前のございますようなドイツ、アメリカ等々の企業がそれぞれの分野で活動してございます。また、この事業運営の下辺りに、ハイフラックス、シンガポールというのが緑色のところの上から三つ目の棒のところに入っておりますけれども、この会社は、ここにありますような分野で非常に大きな成長を遂げているシンガポールの会社でございます。
 これに対しまして我が国の関連産業でございますが、下の方にピンクの色で日本企業ということで書いてございますけれども、一見して御覧いただくとお分かりいただけますように、それぞれの分野で相当数の企業が、それぞれ独自の技術、ノウハウに基づきまして、水処理機器あるいはエンジニアリングという分野で活動をしているということでございます。
 また、一番右側の事業運営などのところを御覧いただきますと、右下の方に国内展開というところがございますが、これも御案内のとおりですが、我が国では地方自治体、公共団体がこの事業運営を基本的にはやってございますけれども、最近幾つかの企業が参入をし出している、あるいは海外展開の関係では商社がこの事業運営などをやっているというところがあるわけでございます。
 そういう状況をまとめて書きましたのが上の方の四角囲いの中にございますけれども、いろいろな分野で日本は高度な、超純水と言われるものの製造装置でございますとか、あるいは水処理膜とか、そういう高度な技術を有している企業があるということでございますが、多数の企業が個別に事業を展開していると。また、主として地方自治体が事業運営を行っているということでございます。
 三つ目の黒ひし形にございますように、したがって、海外のプロジェクトを見ますと、先ほど申した水メジャーなどがプライムコントラクターという形で事業権を獲得しているのに対しまして、我が国の企業は、事業運営自身は地方公共団体がやっているので経験がないということで、例えば出資の参加ですとか、あるいはサブの参加の仕方というところにとどまっているという状況でございます。
 二ページを御覧いただきたいと思います。
 今のことをまとめまして、こういう状況で水関連産業が抱える課題を三つに整理してございます。
 一つは、まさに海外でこの事業をやるということになりますと、もちろん現地通貨建てでいろいろな為替リスクも負いながら事業を行わなければいけない、あるいはその事業契約期間も非常に長期にわたるということで、こういう点のリスクを管理していかないといけませんので、リスク管理あるいはそのプロジェクト全体を管理、実施する企業を育てないといけないということが一つでございます。
 二番目は、先ほど申しましたように、そもそも我が国は公営企業がこの水事業をやっておりましたので、民間企業にはこういうトラックレコードと言われるようなことはございません。国際的には、例えばでございますけれども、日量三十万トン、人口にして給水人口百二十万人ぐらいを最低幾つかの箇所でやったことがあるような経験がないと、国際的な入札の際にそもそも事前の入札資格審査に通らないというようなことが言われております。
 三点目は、これもよく言われる、ほかの分野でも言われることですけれども、我が国は一般的に高コスト構造ということでございまして、海外のいろいろなニーズにこたえて、国際競争力のある価格を提示するということをやっていく必要があるということでございます。
 三ページを御覧ください。
 こういう観点から、水のビジネス、これを推進していく際の視点を四つの類型に整理をしてございます。
 一つが、まさにさっき申し上げたような国際入札案件に必要な事業経験を積むということ、こういうことができる民間のプレーヤーを早期に育成、育てるということでございます。
 二つ目は、これは政府も関与しながら、事業案件の形成段階から関与をして、何とか日本企業が参画できるようにしていくということでございます。
 三点目が、技術的なことでございますけれども、高効率あるいは省水型の技術、こういったものを実証して、世界の人々に我が国の技術が見えるようにして、ショーウインドーのような形で示していくということ。
 四つ目は、これは資源獲得とかほかのこととも連動してこういうビジネスを展開していくという点でございます。
 以下、四ページ以降は以上の四点についてそれぞれ整理して、かつ個別の企業名なども入れながら具体的なプロジェクトを整理しておりますが、時間の関係もございますのでかいつまんで申し上げます。
 まず四ページは、事業経験を積むというところでございまして、この分野では、下に@からCで整理しておりますけれども、オーストラリアにおけます三菱商事の例でございますとかチリにおけます丸紅の例、こういう例が先進的な例でございますけれども、現地の今まで水事業をやっていた会社を買収して、そこから経験を積むという形で入っていく。さらには、そこを基本にしてそのほかの部分にも展開していくような取組を行っているということでございます。
 具体的に、五ページをちょっと御覧いただければと思いますが、オーストラリアの例で申し上げますと、これは政府も関与しております産業革新機構の出資も使って、元々イギリスの水処理会社のユナイテッド・ユーティリティーズという会社がオーストラリアで持っておりました権益を買収をいたしました。これは給水人口にしますと、南オーストラリア州を中心として三百万人ぐらいの給水人口を持っているものでございますが、こういうものを三菱商事、日揮ほかで買収をして、これを飛躍台にしてほかの地域にも展開していこうという例でございます。
 六ページはチリにおける丸紅の例でございますが、同様の例、この場合は百二十万人程度の規模の給水人口のものを買収をしてございます。
 七ページ御覧ください。
 次の二番目の類型でございますけれども、事業形成段階から関与するということでございまして、これはマスタープラン作りですとかそういうことの段階からFSをしたりしながら関与していくという方式ですが、一つ典型的には、Dサウジアラビアの例がございます、これをちょっと御説明したいと思います。
 八ページを御覧いただければと思いますが、日・サウジアラビア水政策対話ということで、これは政府も昨年からこういう対話を、私どもとサウジアラビアの水・電力省との間で対話をいたしまして、今年の初めにはその成果といたしまして、政府間の覚書を結ぶ形で、ちょっと地図に、見にくくて恐縮でございますが、リヤドから北西に三百三十キロぐらい行ったブライダ、ウナイザという都市がございますけれども、ここにおける水事業の改善事業にプレFSという形で着手すると。これは横浜コンソーシアムと書いてございますけれども、横浜市及び横浜に拠点を置きます日揮が参画をしながらこういう事業を最初の段階からやっていくというようなことが合意できたわけでございますけれども、例えばこういう例に見られますように、政府も入りながら計画段階から関与していくというやり方でございます。
 九ページを御覧ください。三つ目の類型で、日本の技術を実証、ショーウインドー、モデル事業として世界に示していくという形でございます。
 これもIからNまで幾つか載ってございますが、例えばI、これは国内、北九州、周南地域にそれぞれモデル実証プラントをもう既に造ることで開始をしてございます。例えば、北九州ですと、海水と下水を混合して、それでどうやって処理をするかという話。あるいは、周南、徳山コンビナートなどもございますので、工業用水と生活排水を混合しながらどうやって処理していくかという実証を示して、世界の人に見せながら世界的にそういうニーズにこたえていくだとか、あるいは、J以降は、まさに世界の各地域でそれぞれの土地に合ったソリューションを提供していくような事業をやっていくと。例えば、中国の例はオゾンによる湖沼浄化と書いてございますけれども、肥料由来の言わば汚い水などもございますので、そういうことをどういうふうに整備して回収していくかという技術の実証などを行うと、そんなようなものでございます。
 十ページ、最後の類型はその他ということでございますが、資源獲得と連動するという形で、例えばここに二つ載せてございますけれども、資源供給国には水処理のニーズとともにいろいろな、トータルソリューションということでやってほしいといういろいろな要望があるわけですが、それに対してきちんとFS支援などを通じておこたえすることによって資源獲得にも資するというようなことで、例えば豪州の例ですと、鉄鉱石の運搬船を利用したバラスト水の輸送というようなことをやっていこうというような事業のFSなども展開しているところでございます。
 十一ページは、以上のものを世界地図の中に整理をしたものでございますので、御覧いただければと思います。
 十二ページ以降、以上のような取組を政府としても支援していくということは、例のパッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合などもございますので、政府一丸となってこの水事業のみならず進めているところでございますが、特に、以下三つの視点が重要ということで横割り的な政策をここに提示させていただいております。
 一つは、政策金融支援ということでございます。先ほど申しましたように、契約期間が長い、あるいは現地通貨建てということでリスクが高いということでございますので、そういう点のファイナンス支援ということで、この参考に三つございますが、JBIC、JICA、NEXI、こういったところの機能を強化しているところでございます。
 最後、十三ページをおめくりいただきますと、二ぽつのところで、オール・ジャパンからジャパン・イニシアチブへと書いてございますけれども、日本、先ほど冒頭申し上げましたようにいろいろな水関連の分野があるわけですが、現地のソリューション、トータルな課題にどうやってこたえていくかという際に、全てを日本企業でやらなければいけないかというと必ずしもそうではないだろうということでございまして、とりわけ水事業などは現地のニーズが分かっている現地企業と適切にうまく組みながらやっていく必要があろうということでございます。したがって、ここの参考にもありますように、三菱商事、丸紅、日揮、日立の例を書いてございますけれども、これもそれぞれ各地で、それぞれの現地企業も含めながら、いろいろな形の連携をしながら事業を展開しているということでございます。
 最後、三ぽつでございますけれども、地方自治体が経営する水道事業への民間活力の導入ということでございまして、これも先ほど申し上げましたように、そもそも水事業は地方公共団体が行っていただいておりますけれども、民間企業がそのノウハウを蓄えていくという際には、一つのやり方としては国内の水道事業に参入をしてそこで経験を積んでいくという必要があるわけでございまして、ここは、後ほどお話があるかと思いますが、厚生労働省さんなどとも連携をしながら、特定の自治体をモデルといたしまして官民連携でどうやってやっていったらいいかというようなことを検討、推進をしていると、そういう状況でございます。
 以上でございます。
#84
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、国土交通省から、海外における水インフラ整備等水資源管理に関する政府の取組の現状と課題について説明を聴取いたします。藤森大臣官房技術参事官。
#85
○政府参考人(藤森祥弘君) 国土交通省総合政策局技術参事官の藤森でございます。よろしくお願い申し上げます。
 お手元に配付させていただいております「海外における水インフラ整備等水資源管理に関する国土交通省の取り組み」という資料を御覧いただきたいと思います。
 一枚はねていただきたいと思います。
 まず、水資源管理というお話をいただきましたので、まず地球全体の水資源がどれぐらいあるのかということにつきまして御説明をさせていただきたいと思います。
 南極大陸の地下水を除きまして、地球上の水の量は、左にございます円グラフの上に書いてございますとおり約十三・八六億立法キロメートルでございます。このうち淡水はその二・五三%でございます。その淡水のうちの約、かなりの、三分の二が氷河、それからシベリアの永久凍土でございまして、〇・二四億キロ立方メートル。残りますのが〇・一一億キロ立方メートルでございます。これが通常私どもが使える水でございます。このうち地表に流れております水は、一番右の一番下、御覧いただきたいと思いますが、河川、湖沼等で〇・〇〇一億立方キロメートルと、〇・〇一%でございます。この少ない水が集中的に集まったり、それから足りなくなったりということで洪水、渇水等の被害が出てくるということで御理解いただきたいと思います。
 次のページを御覧いただきたいと思います。
 国際的には、水と衛生ということで、二〇〇〇年九月の国連ミレニアムサミットにおきまして、水につきまして二つの目標が定められております。中段のオレンジの枠を御覧いただきたいと思います。二つの指標のうち一つは安全な飲料水を継続的に利用できない人口の割合、二つ目はトイレ等の衛生施設を継続的に利用できない人口の割合を、一九九〇年当時、それぞれ二三%、四六%でございましたものを二〇一五年までに半減をするというのが目標でございます。
 現在の状況でございますが、一番下段の黄色い枠の中を御覧いただきたいと思います。
 二〇〇八年、中間点で約一三%の方が安全な飲料水にアクセスできておりません。これ、ほぼ半減は達成されている状況でございます。一方、トイレ等の衛生施設を継続的に利用できない人口の割合につきましては、いまだ三九%のレベルでとどまっておりまして、国際社会としてこれからまだまだ努力をしなければいけない状況というふうに言えると思います。
 続きまして、四ページを御覧いただきたいと思います。
 先ほど申し上げました少ない水資源でございますが、この水資源が我々人類にとりまして災害をもたらしております。世界で発生いたします災害の約四割が洪水又は渇水でございます。
 左中段の円グラフを御覧いただきたいと思います。
 渇水が六%、洪水が三二%、合わせまして三八%。これに、広義では、左の方に暴風雨二五%ございまして、これも水に関係するということで考えますと、約七割近い災害が水関連で起こっているということが言えると思います。
 また、水災害によります死者数につきましては、左下の棒グラフを御覧いただきたいと思います。
 黄色い棒がアジア太平洋での二〇〇一年から二〇〇五年までの死者数、白いところが他の地域の死者数でございまして、この黄色いアジア太平洋地域の死者数の数は世界全体の中で約八割でございまして、八割以上の水災害の死亡者がアジア太平洋地域に集中しているということでございます。これに気候変動の影響が加わりまして、更なるリスクが増大しているというところでございます。
 右手の写真は、上段が中国江西省、昨年の六月の洪水の状況でございます。また、下段はパキスタンのインダス川のサッカルという都市の洪水状況でございます。この被害状況につきましては、次のページを御覧いただきたいと思います。
 昨年の五月以降の主な世界で発生いたしました洪水被害、まとめたものでございます。右上、中国というところを御覧いただきたいと思います。先ほどの江西省の例でございます。韓江という川で洪水が起こりまして、死者数が四千人を超えておりまして、被災者数は一億四千万人でございます。その左のパキスタンを御覧いただきたいと思います。モンスーン豪雨によりまして、死者数二千人、避難民約一千七百万人、被害家屋六十五万軒という甚大な被害が発生しておりまして、先進国におきましては、昨今のアメリカでのミシシッピ川のはんらん等もございますが、昨年五月にはテネシー川で暴風雨による洪水が起こりまして、二十三名の方がお亡くなりになっていると。また、左手の方、フランスにおきましても、南西部のヴァール県におきまして鉄砲水等で二十五名の方がお亡くなりになったという状況でございまして、洪水被害は非常に世界的に大きいということでございます。
 次のページを御覧いただきたいと思います。
 このような利水の必要性、また一方で水に関係いたします防災を進めていくという意味で、国土交通省といたしましては、黄色い枠の中を御覧いただきたいと思います、水インフラの海外展開の基本的な考え方といたしまして、流域全体を一つのシステムととらえまして、ダムでございますとか堤防でございますとか防潮堤でございますとか、そういったものを施設の整備、運用、維持管理、それから下水から出てまいります水量、水質の一体的管理などを包括的、一体的にとらえて水資源管理を推進していくという考え方の下で海外展開を図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
 先ほど経産省さんから、水利用に関係いたしまして官民連携のお話がございました。私どもといたしましては、従来のODA、技術協力、無償資金協力、有償資金協力を使いまして、水利用、下水道、治水、防災に引き続き活用させていただくとともに、PPPにつきましては、民間がプレーヤーということで、新たなスキームまた支援体制を確保、整備していきたいというふうに考えている次第でございます。
 七ページを御覧いただきたいと思います。
 このPPPの進め方につきまして国土交通省としての考え方をまとめたものがこの七ページでございます。中ほどのプロジェクトの獲得・実施というところを御覧いただきたいと思います。三つの段階に分けておりまして、左手から右手の方に案件形成段階、受注獲得段階、事業実施段階というふうに分けております。
 案件形成段階では、相手国との政策協議を通じまして関係の省庁と覚書を結び、また相手の省庁で日本の技術等を紹介し、相手方に日本の技術又はプロジェクト推進能力等について御理解いただくということを考えております。また、それに通じまして、案件形成調査をJICA様、その他の関係の機関等御協力を得まして調査を行いまして、具体的なプロジェクトを提案をしてまいりたいというふうに考えております。
 受注獲得段階でございますが、後ほど詳しく御説明申し上げますが、PPP協議会というものを設けまして、官民一体で日本勢として、日本勢の間で争わないという形で、日本のジャパンパッケージ、一つのグループとして相手国政府、また他国の企業と戦っていこうということを考えております。また、そういった日本のグループを積極的に応援するということで、トップセールスを展開してまいりたいと思っております。
 契約が取れた後でございますが、事業実施段階では、引き続き、先ほどの経産省の御説明でございましたとおり、PPPの場合、二十五年から三十年という長期にわたりまして安定的な運営管理を行わなければいけない、その間にいろいろな事象が起こってまいります。それに対しまして、相手国政府に対しまして、日本国政府といたしまして積極的に事業者さんの立場で交渉していく必要があるということで、一昨年から設けております海外建設ホットラインを活用いたしましてフォローアップをしてまいりたいと。また、長きにわたりますので、最初、事業を始めた時点での相手国政府の高官の方々も替わってまいります。そういった意味で、事業監理能力の向上のセミナーを継続的に開催し、日本の技術又は事業執行能力について御理解を賜りたいというふうに考えている次第でございます。
 次のページを御覧いただきたいと思います。八ページでございます。
 水インフラの海外展開に向けた取組の中で、先ほどの経産省様の御説明とダブる、重複するところを避けまして、中ほどの国土交通省の取組の(3)を御覧いただきたいと思います。
 これまで、下水道につきましては、地方公共団体が主として事業者でございました。下水処理場の運営管理などにつきましては、これまでも都道府県、自治体から既に九割以上が民間に委託されている状況でございます。ただ、その委託の契約内容が、非常に細かい、例えば点検の頻度でございますとか機械の型式でございますとか、そういったものを定めた仕様発注でございまして、これを海外で行われておりますような性能発注、それから複数年契約によります包括的民間委託を積極的に導入いたしまして海外展開に貢献してまいりたいというふうに考えております。
 その下の(4)を御覧いただきたいと思います。
 自治体、日本下水道事業団が主として管理運営の実績を有しております。そういった意味で、自治体と一緒になってコンソーシアムをつくり、日本のグループとして相手国政府に売り込んでいくという立場から、自治体の持つ実績を積極的に活用してまいりたいと思っている次第でございます。
 また、(5)を御覧いただきたいと思います。国際標準化への対応ということで、逆浸透膜によります浄化技術など個別の要素技術を国際的な基準として標準化していくということにつきましても取り組んでいる次第でございます。
 次、九ページを御覧いただきたいと思います。
 PPP協議会でございますが、昨年の七月の六日に第一回を開催させていただきまして、民間企業様は百三十八社、それから自治体は十六団体御参加いただいておりまして、共同事務局は国土交通省、厚生労働省、経済産業省で担当させていただいています。第二回につきましては今年の二月に開催させていただきまして、インドネシア等から水担当の局長レベルをお越しいただきまして、各国の需要、ニーズ等につきまして意見交換をさせていただいたところでございます。
 続きまして、次のページを御覧いただきたいと思います。
 トップセールスの現状でございますが、時間の都合ございますので、ベトナムについてだけかいつまんで御説明申し上げたいと思います。
 ベトナムにつきましては、昨年の五月に当時の前原大臣がベトナム・ハノイに参りまして、下水道等につきましてPPPを推進いたしましょうということでベトナム側のクアン建設大臣と合意をされました。それを受けまして、平成二十二年十二月に池口現副大臣がハノイに行かれまして、下水道分野につきまして覚書を締結し、セミナー等を開いたところでございます。
 また、治水につきましては、前原大臣の訪越時に、仙谷当時の国家戦略大臣がハノイへ行かれまして、ハイ副大臣の方から治水について協力してほしいという御要望ございましたので、十月に三井副大臣と農村農業開発省との間で覚書を結びまして、それを受けまして、フエ、十月に起こりましたベトナムでの洪水被害の調査団を派遣したというところでございます。
 十一ページを御覧いただきたいと思います。
 先ほどサウジにつきまして覚書を経産省様の方で準備をされているというお話がございました。サウジにつきましては、国土交通省、経産省が連携いたしまして、サウジアラビアの水・電力省と覚書を結ぶということで準備をしております。
 サウジアラビアの上下水道の状況でございますが、サウジアラビアは二〇〇八年まで、水につきまして、上下水道、水・電力省の直轄事業でございました。現在はリヤド、ジェッタ、メッカ、タイフにつきまして、それぞれマネジメント契約ということで、フランス系、それからフランス系と組んだ現地の企業が現在運営管理を行うスタッフの訓練等を含めたマネジメント契約を執行しております。
 このマネジメント契約の終了後、右手の方に数年後と書いた枠の中を御覧いただきたいと思います。このマネジメント契約を担当しております企業が六〇%出資し、国の国営企業でございますNWCが四〇%を出資いたしましてSPCを設ける、このSPCが上下水道を二十五年間運営管理をする、新規処理場も含めて担当するということでございまして、今サウジに参入いたしませんと二十五年間日本の企業は入っていけないという状況でございます。そういう意味で、経産省と連携して積極的に入っていくというところでございます。
 技術的なところにつきまして、十三ページ、時間の関係もございますので十三ページを御覧いただきたいと思います。
 下水道の技術につきましては、知的財産推進計画二〇一〇の中におきまして、国際標準化特定戦略分野、水分野の中の一つとして位置付けられております。現在、中段を御覧いただきたいと思います、ISOのレベルでは三つのグループ、管路アセットマネジメントシステム、再生水利用システム、バイオガス利用システムといったところに国土交通省、下水道事業団等が入りまして積極的に日本の技術の標準化に努めているところでございます。
 また、下段の赤字で書いているところを御覧いただきたいと思います。なかなか日本独自で開発いたしましても国際社会レベルで標準化できないということでございまして、海外の企業と共同で技術、システムを開発いたしまして規格のデファクト化を推進していこうとしております。また、日本下水道事業団が有します民間企業との共同研究の成果などをベースといたしまして、海外向けの日本が有しております技術評価を今年度中から試行してまいりたいというふうに考えております。そのほか、北東アジア標準協力フォーラムなどを通じまして、下水道分野での国際連携を進めてまいりたいというふうに考えております。
 十四ページを御覧いただきたいと思います。
 今月初めにハノイでございましたアジア開発銀行の年次総会で、野田財務大臣が、下段の赤いところを御覧いただきたいと思いますが、日本は今般の地震、津波等の経験を生かしまして、今後、ADBとともにアジア太平洋地域の防災の強化により一層貢献していきたいということを御発言いただきました。
 そのADBの協力の一例を御紹介申し上げたいと思います。
 十五ページを御覧いただきたいと思います。
 開発途上国におきましては、雨がどの程度降ったかということを計測いたします地上雨量計が不足しております。その乏しい雨量のデータに基づきましても、かなり相当正確なはんらん原の予測をする、はんらん域の予測ができるシステムがIFASでございます。これは独立行政法人の土木研究所と民間の企業が開発したシステムでございまして、現在、ADBがインドネシアで適用しようというふうにしているものでございます。
 十六ページを御覧いただきたいと思います。
 我が国は台風等で非常に長年水災害を受けてまいりまして、それをきちんと対応してきたという経験、技術がございます。これを左下にございますような気候変動への洪水に関する戦略的な適応のガイドラインということにまとめまして、ADB等に御報告し、世界銀行等にも御報告しているという状況でございます。
 十七ページを御覧いただきたいと思います。
 また、そのほかの国際機関との連携といたしましてユネスコの国際的な水管理のネットワークがございまして、このネットワークの下に、現在、独立行政法人土木研究所に水災害・リスクマネジメント国際センターというものが設けられております。これは二〇〇五年のユネスコ総会で日本が提案いたしまして承認され、二〇〇六年三月に設立したものでございます。現在のところ、世界各国から研修生を受け入れ、また博士課程のプログラムを創設いたしまして、毎年三名の方を養成しているというところでございます。また、ユネスコの要請に応じまして、下段にございますパキスタンでの災害に際しましてはICHARMの職員を派遣したところでございます。
 次のページを御覧いただきたいと思います。
 また、治水分野での協力はやはり政府と政府との協力というものが中心でございまして、二国間協力が基本になるものと考えております。引き続き、関係各国と覚書等を締結いたしまして、トップセールスを続けてまいりたいと思っている次第でございます。
 先ほど御説明申し上げましたベトナムとの覚書でございますが、ベトナムとの覚書の締結は昨年の十月八日でございます。その直前に、右上の写真を御覧いただきたいと存じますが、十月の一日から五日にベトナム中部、フエの周辺で大洪水が発生いたしました。これを受けまして、ベトナム側の要請を受けまして、十月十六日から約十日間、専門家を派遣いたしました。ベトナムにおきましては治水という概念が極めて希薄でございまして、利水しかないということで、ダムのゲート等の運用につきましても、治水を前提としたダムのゲート操作になっておりませんでした。そういう意味で、ベトナム政府からは、現在、この中部地域での治水計画の立案に協力してほしいという御要請を受けまして、大使館等の御協力を得まして、今現在、進め方につきまして調整を進めているところでございます。
 十九ページを御覧いただきたいと思います。
 最初の、国際展開のモードといたしまして技術協力ということを申し上げました。技術協力の主眼はJICAの専門家の派遣、活用でございます。JICAの専門家は現在水分野では九か国に派遣しておりまして、具体的に何をしているのかという御質問をよくいただきます。
 ベトナムの下水道の専門家の例で御説明申し上げたいと思います。
 下段を御覧いただきたいと思います。
 現在、ベトナムとの間では下水道の覚書が結ばれております。下水道の内容の調整、実務者レベルで相手国政府と調整をいたしました。また、水インフラPPP協議会の第二回会合に際しましてベトナムの担当の局長を招聘するのに、やはりフェース・ツー・フェースの必要性、日本へお越しいただく必要性等を御説明いただき、招聘に成功したということでございます。また、JICAのPPP調査が決まっておりますが、なかなか具体的に相手国政府はPPPの経験がないと。また、日本の企業様も十分な経験がないということで、現在、ベトナム国と一緒に具体的に事業執行管理をするワーキンググループをつくろうということで、専門家が主体的に調整をしているところでございます。
 最後になりますが、水分野を含めまして海外プロジェクトの推進に向けました体制強化のための、組織体制の強化を国土交通省は考えておりまして、東日本大震災の対応でまだ変化するか、またどうなるか分からない点もございますが、七月から局長級の国際統括官を設けまして、横断的な国際業務を推進してまいりたいと思っております。
 また、個別プロジェクトを推進する課といたしまして総合政策局に海外プロジェクト推進課、またいろいろな税制でございますとか多国間の経済交渉等を推進するための担当といたしまして国際政策課を設けるということでございます。
 また、原局につきましては河川局が水管理・防災局になる予定でございまして、この局に下水道国際・技術調整官、国際河川技術調整官など国際関係の官を配置いたしまして、積極的、より強力に海外プロジェクトの推進をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
 若干時間が長くなりましたけれども、以上でございます。
#86
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、外務省から、水分野における国連等国際社会の取組及び我が国の国際協力の現状と課題について説明を聴取いたします。佐渡島国際協力局長。
#87
○政府参考人(佐渡島志郎君) 佐渡島でございます。よろしくお願いいたします。
 お手元に「水問題への取組と課題 外務省」という横長のプレゼンテーションの紙がございます。それを御覧をいただきたいと思います。
 まず、一枚おめくりいただきたいと思います。裏側。
 先ほど経産省さん、それから国交省さんの方からミレニアム目標ということでもう既に説明がありましたので省略をいたしたいと思いますが、水の問題はここにあります八つの課題のうちの七番目のところに深く関係をしております。
 もう時間の関係がございますので次のページを御覧いただきたいと思いますが、先ほど安全な飲料水の利用率ということで、二〇〇八年の中間年、世界総人口の一三%、途上国でいえば一六%しか安全な飲料水を利用できていないという話がございましたが、実際に安全な飲料水を利用できない人口の数というのは八億、九億近いわけでございます。
 これが偏在をしているということです。三分の一以上がサブサハラ以南のアフリカに集中をしておりまして、これを一枚ちょっとおめくりをいただきたいと思いますが、どういう状況になっているかと申しますと、これ、それぞれの地域ごとに棒グラフの左側が基準年、それから右側の辺が目標到達年といいましょうか、今の二〇〇八年の状況を表しておりますが、世界全体のターゲットはこの黄色、つまり改良された水源を利用できない人を半分にしましょうという目標で動いているわけですけれども、水道水の供給が紫色で書いてございますが、右の方を御覧いただきたいと思います。
 サブサハラ以南アフリカ、あるいは南アジア、それから東南アジアというところはこの水道水の供給というのが非常に低い状況にございます。特にサハラ以南のアフリカを御覧いただきたいと思いますが、多少改良水源があって少し状態のいい水へのアクセスというのはあるわけですが、改良水源にアクセスのない人たちがこの地域だけは半分近くいるという状況でございます。
 次に、五ページを御覧いただきたいと思いますが、衛生、水の話はすぐ衛生に関連をしてまいります。
 世界の開発途上地域では人口の約半分、世界人口は今大体七十億弱でございますけれども、途上国人口が約五十億と計算をすると、その途上国人口の約半分が改善された衛生施設を利用できないという状況でございます。ありていに申し上げれば、まともなお手洗いの施設がないということでございます。その大部分が実はアジアとそれからサブサハラに集中をしております。アジアは人口が多うございますので、今みたいな劣悪な衛生環境にある人の数は約十九億人と書いてございますが、相当な数に上っております。
 一枚おめくりをいただきたいと思いますが、今申し上げたような衛生アクセスの状況がどうなっているのかというのを先ほどと同じような棒グラフにしてみたのが次でございますけれども、これ、御覧いただきたいと思いますが、これは真ん中の方に書いてありますが、南アジアとサハラ以南のアフリカがほかの地域に比べてかなり劣悪な状況にあるということを示しております。
 さて、それでは、そういうふうな現状にあって、国際社会の議論というのがどういうふうな方向に動いているのかというのをごく簡単に御説明をいたします。七ページを御覧いただきたいと思います。
 非常にいろんな多岐な議論の場所とか議論の中身がございますが、私、あえて、プレゼンテーターの特権を利用しまして、えいっと主に二つの流れに整理をしております。
 一つは、国連を中心とした流れでございます。この背景には、実は国連の前に、世界水フォーラムという、これは世銀とかユネスコなんかが中心になってつくりましたシンクタンクがございまして、こういうところが、一九九七年、前世紀の末に、以来、モロッコのマラケシュを皮切りにいろんなところで世界で会議を開きまして、およそありとあらゆる水に関する政策の論議を、何といいましょうか、活発化させている動きをしておりますが、それに乗っかる形で国連もいろんな動きをしておりますが、その中心にあるのは、ここにあります水と衛生に関する諮問委員会でございます。初代議長は、お亡くなりになった橋本元総理が務めておられました。お亡くなりになった後は、オランダの皇太子がこの職を継いでおられます。ここがある種の、先ほど申し上げました世界水フォーラムと一緒になって国際的な関心を、政治的な関心を惹起しているということでございます。
 では、具体的にどういうことをやっているのかということでございますけれども、国連では、二〇一五年までの「命のための水」国際行動の十年というのがございます。これはタジキスタンから提起をされておりまして、この下で、およそその水に関する政策というのは各国とも、先進国、途上国を問わずプライオリティー、アテンションを大いに注いでくださいという一つの足掛かりにしております。その国際行動の十年のその決議といいましょうか、その提案を受けて、二〇〇八年には国際の衛生決議ということが国連で行われましたが、これは日本が主導をして決議をもたらしております。さらには、衛生問題に関連をして、国際衛生年のフォローアップ決議も日本がやっております。
 これはどういうことをやろうとしているかというと、先ほどの話に帰ってまいりますけれども、国とかあるいは国連、それから個人も含めてですが、およそ政治的な意思を全てこの水の方向に向けようじゃないか、サービスをきちんと提供していこうじゃないかという流れをつくるという動きをしております。
 なぜこんなことをやるかといいますと、先ほど経産省さんそれから国交省さんがプレゼンテーションされましたように、日本は、個々のテクノロジー的な技術、それからそれを組み合わせてどうやって使っていくか、あるいは行政にどうやって生かしていくか、そういう保健のサービスだとか水のサービスだとかをどうやって個々に届けていくかということについて、非常に実績といいましょうか、残してきておりますけれども、それを、一個一個の個別の商売をしておりますとなかなか難しゅうございます。
 店先に椅子を置いて、私はこういういい技術を持っておりますと、通りかかったお客さんにいかがですかと、こうやっていると非常に効率が悪いわけです。したがって、こういう国際社会にグループをつくって、その中で日本が持てる技術を駆使し、あるいはノウハウを駆使をして皆さんのアテンションを集めることによってより効率的にいいサービスを個々人に最終的には届けていくということをやってきております。
 もう一つの流れは、この下に書いてございますG8でございます。G8は御承知のとおり先進国の集まりでございますので、ここはどういうことを主として今議論をしているかというと、ここに集まっている国には、資力といいましょうか、お金もございます、知恵もございます、技術もございます。そういうところが先頭に立ってより良いサービスを提供するにはどうしたらいいのかと。つまり、ガバナンスの問題をきちんとやると、そういうところにはきちんとした支援をしますよということを言いながら、インセンティブを与えながら、水の政策のプライオリティーを各国とも上げてくださいということを呼びかけているわけです。
 それから、先ほどのプレゼンテーションにもありましたけれども、これをやろうとするとどうしても、やはり人、技術力、それからお金が要ります。それではどういうふうにそれをファイナンスをしていくのかと。そういうことを力を持った国が集まって議論をして一つの標準を提供していくという行動をやっております。ここにありますように、北海道のサミット、あるいは二〇〇九年のラクイラ・サミット等々、議論を、日本は特に歴代の総理にお願いをしてやっていただいております。
 現実に、それでは国としてODA、先ほど個々のプロジェクトの話のプレゼンテーションございましたけれども、全体としては、まとめてみたときにはどういうふうに見えるかというのが八ページ以下に書いてございます。
 実は、八ページの上の括弧書きにありますけれども、この分野、水と衛生ということを絡めてみますと、日本は断トツに、お金といいましょうか、その仕事をしてきております。直近五年間で申しますと、数字がきちんと取れております直近の五年間というか、二〇一〇年のはもう間もなく出てくると思いますので、が手元にございませんので、二〇〇五年から九年の数字で申し上げますと、総額でいうと九十八億ドルでございます。これは実に経済協力開発機構、OECDの集まっている先進国グループでやっている援助総量、この分野における援助総量の約三八%でございます。断トツに日本は仕事をしているということでございます。特に、下の棒グラフの方を御覧いただきたいと思いますが、どれぐらい日本がほかを引き離して仕事をしているかというのがお分かりになると思います。
 地域別に見ますと、下の九ページを御覧いただきたいと思いますが、やはり近隣のところに多い、量的にはたくさん仕事が行っております。アジアが約八割を占めております。最近は、先ほどのサミットで、ラクイラ・サミット以降でございます、あるいはアフリカとのパートナーシップというのを強化をしようとしておりますが、まだまだ全体の量からいうと一割弱、一割を切る量でございます。
 それから、中身的には、国交省さんあるいは経産省さん、各省さんが持っておられるいろんな技術を駆使をしておりまして、上下水道のシステムの供給から始まって、廃棄物の管理あるいは水資源の総合的な管理まで多岐にわたった協力を展開をしております。
 十ページ、最後でございますけれども、私ども、それでは行き当たりばったりにこの水と衛生に関するポリシーを、政策を展開をしているということではございません。二〇〇六年以降、WASABIという名前の下に、これちょうど省略をしますと日本語のワサビというのでちょうどいいというので誰かが、知恵のある者が考え出したわけでございますけれども、水と衛生に関するパートナーシップということでWASABIと称して、この考え方を基本にして協力を展開をしております。
 この中身は、そこにある、基本方針がそういうところに書いてございますけれども、具体的に何をしているかということでございますが、特に五つほど柱がございまして、持続的な水利用をやっていこうということを一生懸命やっております。それから、サービスを、最終的にはサービスが個々人に届かないといけないので、人間の安全保障ということをきちんと頭に置いて仕事をしましょうと。それから、肝心なことは、私どもがお手伝いしている間はサービスが行き渡って、もう我々が引いてくると元の段階に戻っては何にもなりませんので、各パートナーの能力を開発していくところを特に重視をしようではないかと。それから、総合的な水資源管理等々の話を国交省さん言っておられましたけれども、分野横断的に物を眺めて問題の解決に当たっていこうではないかと。それから、最後には、そのための解決、ソリューションというのを強調をしておられましたけれども、適正技術をどうやってそれに充てていくかということを皆さんでよく考えましょうということを考え方の柱にして今仕事をしております。
 個々の具体例につきましては、時間が押しておりますので、省略をさせていただきます。
 ありがとうございました。
#88
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 次に、厚生労働省から、海外における飲料水等の供給に関する取組及び我が国における飲料水等の安全性の確保のための取組の現状と課題について説明を聴取いたします。篠田大臣官房審議官。
#89
○政府参考人(篠田幸昌君) 厚生労働省でございます。
 大きく二点、御注文というか御指示がございましたので、一点目は海外への水ビジネスといいますか、供給のお話、それから、今回の原子力発電所の事故に関連して起きております安全性のお話と、その二つにつきましてかいつまんで御説明を申し上げたいと思います。
 まず、大きな一点目、海外における水道整備事業への支援でございます。
 私どもの方からお配りをさせていただいております資料の二ページ、表紙の次の二ページになりますけれども、今までどういうことをやってきたか、また、こういうことを今後どういうふうにやっていくかということでございます。
 三省庁の方から既に御説明がありましたので大きく付け加えることはないわけでありますけれども、私ども今までも、ODAを中心ということでございますけれども、アジアあるいは世界各国に対しまして水道の整備の支援を行ってまいったところでございます。
 日本の水道事業のレベルということでございますけれども、かなり世界の中でも高いというふうに申し上げてよろしいかと思います。これはいきなり余談めいたお話で恐縮なんですが、日本の衛生面とかあるいは水の供給体制であるとかというものはかなり高いというふうに申し上げて大丈夫かと思います。
 それで、そういうことで御協力を申し上げてきたわけですが、ここ数年、今までの各省さんの御説明にありましたように、新たな視点ということで幾つか新しい動きが出てきているんだろうと思います。
 背景には、水資源の制約といったものが世界的に見てもございますし、あるいは、人口がアジア各国増えてきておりますので、人口爆発が起きておりますので、それに対してどういうふうに対応していくかということが背景だと思いますけれども、一点目には、日本の水道技術を海外で提供してお役に立てる部分が相当あるねというのがまず第一点あろうかと思います。
 それから、パッケージ型インフラということで言及は既にございましたけれども、日本の技術でありますとか経験でありますとか、そういったものを他国に供与するということでその他国の成長のエンジンということにもなるだろうと。それがまた回り回って日本にもプラスになってくるだろうと、そういった考え方があったかと思いますが、海外への支援ということにつきましても私ども最近力を入れ始めているということでございます。
 三ページでございますけれども、具体的にどういうことをやってきたかということでかいつまんで御説明を申し上げます。
 これは私どもだけで完結する世界ではございませんので、関係省庁の御協力を得て共にやってきたという部分が非常に多うございます。三ページに書いてありますのは、役所レベル、政府レベルでどういったことをやってきたかということでございます。
 水道セミナーというふうに書いてございますが、相手国の水道事業者を集めて、日本の技術なり企業のPRをするということでございます。カンボジア、ベトナムなど既にお話が出ておりますので詳しくは申し上げませんけれども、アジア等々の関係国の方に対しまして、日本の水道事業の優れている点、あるいは個々のパイプでありますとか浄水、浄化の技術でございますとか、こういった点がいかに優れているかといった点を理解していただくという取組をやってきているわけでございます。もちろん、今までの取組に加えましてこの対象を拡大していく必要があるだろうというふうに思っております。
 それから、その下の方に書いてございますけれども、現地ニーズに対応したシステムのモデルづくりということで書いてございます。省エネ型の管理だとか漏水対策だとか、そういった点が問題になろうかと思います。
 漏水対策ということを書いてございますので、これも若干やや余計な話かもしれませんが、漏水対策、ロスのないようにどう水を需要者に供給するかというのはこれ大変重要なお話でございます。特に、水道事業を経営していく上で、お金を掛けて集めて浄水にしそれを供給するわけですけれども、無駄に使われているケースが結構起こりがちでございます。これは後でちょっと触れますけれども、マネジメントあるいは事業の管理の仕方にもかかわってまいります。そういった点がちゃんとできるようにということをあらかじめ問題提起をいたしまして、そういった対策につきましてもしっかりとした取組ができるようにということで、技術なりあるいは経営のやり方等含めまして私ども各国にPRをさせていただいているということでございます。
 四ページでございます。
 既に御説明ございましたように、日本の場合、水道事業というのはほとんどの場合地方公共団体がされておられます。したがいまして、地方公務員の方々が実際には管理をしておられるということでございます。もちろん個々の、工事でありますとかあるいは料金徴収でございますとか等々の個々の事業につきましては民間の事業の方にお願いをすることももちろん多うございますし、資材につきまして、これは民間の方の会社の提供していただく資材によってやっているということでございますので、決して公務員だけの世界ではなくて、裾野がかなり広がって対応をしているんだろうというふうに考えております。
 その意味で、上の方に赤い丸で書いてございますけれども、業界あるいは関係団体のレベルというのはこれまたかなり実際面では必要だというふうに考えております。包括的にどこか一社が何かできるということではございませんで、水道事業体を中心に、資材の会社でありますとか管理のノウハウを提供していただける会社でございますとかそういった等々の会社、あるいは衛生面の会社、そういった企業の方々と一緒になって水道の事業が成り立っているということだろうと思います。
 これを海外にいろいろなノウハウを提供するというお話も申し上げたわけでございますけれども、そういった場合にも地方公共団体の水道事業者だけではなかなか十分な提供もできないだろうということで、業界、関係団体レベル込みでそういったお話をしていただくというのが有効ではないかということでございます。アジアの各国も水道事業を実施する場合には地方公共団体が実施される場合が多うございますので、そういった意味からしても日本の公共団体等ということと協力ができるのではないかということもあろうかと思います。
 それから、先ほどもちょっと触れましたけれども、水道事業、施設を造って終わりというわけにはまいりませんで、何十年にもわたってそれを維持管理していかなきゃいけないということでございます。もちろん新しい投資もその都度していただいて、新しい投資、新しい施設を造るということも必要かと思います。そうしますと、単に施設を造ったからいいということではとてもありませんで、経営の方をしっかりやっていただかなきゃいけないという部分がございます。そういった点になりますと、これも国内の例を申し上げますと、地方公共団体の水道事業者さんがそういった点を包括的に今やっておられるわけでございます。そういった経営上のノウハウを各国に提供するというのもこれまた非常に有効なお話かというふうに考えているわけでございます。
 そういう意味で、四ページの右の方にも書いてございますけれども、地方自治体なりあるいは民間の企業さんなり、そういったお持ちの技術を一緒にいたしまして対応していくということが必要だろうというふうに考えているわけでございます。
 それが大きく分けて前段のお話でございます。
 後段のお話といたしまして、原発の事故に伴いましての水道水のお話でございます。
 原発の事故が起きまして二か月というふうになっております。既に二か月たっておるわけでございますが、水道水の安全面の確保ということで一定の取組をさせていただいているわけでございます。
 五ページの上の方に四角で書いてございますけれども、放射性沃素につきましては三百ベクレル・パー・キログラムと、セシウムについては二百ベクレル・パー・キログラムということで、これが一応飲料用の水道水としての基準というふうに設けさせていただいております。括弧の中に書いてございますように、乳児につきましては百ベクレルということになってございます。
 まあこれも、前段の私どもの入ってくる前に専門の方々等御説明あったかと思いますので余り繰り返してもしようがないのであれですが、これは一応基準を設けましたけれども、長期にわたってあれしても余り心配はないというような、相当安全性を見込んだ数字だというふうに考えておりますし、水道の場合ですと、もちろん飲用として使われる場合が相当多うございますけれども、生活用水として使われている面もございますので、もちろん生活用水に利用していただく分には直接的には関連はなかろうというふうに思っておるわけでございます。
 それで、二か月間の経緯を申し上げますと、やや経過的に申し上げますと、三月の二十三日ごろだったと思いますけれども、この百ベクレル、乳児用の基準の百ベクレルを超えるというケースが東京都で発生したということがございました。それから、三百ベクレルという値を超過したというのが、そこの下の四角に書いてございますけれども、福島県内の一水道事業のところで発生をいたしております。ただ、これもいずれも解除済みということで、現在では非常に低レベルで出ているということで、現在では問題はなかろうかというふうに考えております。それから、今申し上げました放射性の沃素でございますけれども、セシウムにつきましては指標を超過した例というのは全国的にないということでございます。
 六ページの方でございますが、そういう生活用水にしろあるいは飲料用にしろ、水道用水、水道というのは非常にそういう意味では生活に密着した存在だというふうに考えておりますので、でき得る限りモニタリングをやって安全性をしっかりした上で使っていただくということが必要かと思いますので、私ども各地方公共団体等にもお願いをいたしましてモニタリングをしているところでございます。
 地図に落としたものが六ページの右側にございますけれども、福島の一部分、これは原発の関係でちょっと対応困難ということでございますけれども、それ以外の東日本の広い地域におきましてはモニタリングを実施をしていただいているということでございます。もちろん、その結果につきましては公表をさせていただいておりますし、その意味で消費者の方に情報を提供した上で供給をしているということになろうかと思います。
 七ページの方でございますけれども、先ほどちょっと申し上げましたように、三月の二十三、二十四日ごろに、東京都では百ベクレルを超えるという事態が生じたわけでございます。これは、左の方の図はこれは各県の沃素の推移でございます。ただこれ、取りましたのが文部科学省さんで、一県一つという、一か所ということで調査をしたその数字でございますので、その百ベクレル云々というのは直接的には出てまいりませんが、それにいたしましても三月の二十日過ぎぐらいから沃素の濃度が上がっていると、それから三月の末以降はほぼ落ち着いて低レベルで推移をしていると、もっと細かく見ますとデータが該当なしということで最近は出てきている例も相当ございます。
 それから右の方は、これはいわき市の結果でございますけれども、こちらにつきましても同様に、三月の二十三日、二十四日ごろという時期に高い数値が出ているということでございます。こちらもその後は相当落ち着いてきているということでございます。この直前に、ちょっとそこのグラフにもございますけれども、雨が降りまして、それが多分、水道の場合、河川から取水をするケースが多うございますので、そういったところを通じて入ったんではないかというふうに想定がされるということだろうと思います。いずれにいたしましても、現時点では極めて低いレベルで推移をしているということになろうかと思います。
 かいつまんでの御説明でございましたけれども、以上でございます。
#90
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 それでは、これより質疑を行います。
 先ほどと同じように、まず一会派一名の方にずっと質問していただいて、一巡した後、それぞれ自由に質問をしていただきたいというふうに思います。
 それから、質問の方は、できるだけたくさんの方にしていただきたいんで手短によろしく、答弁の方もよろしくお願いいたします。
 それでは、質問をお受けします。
 米長さん。
#91
○米長晴信君 米長晴信です。
 主に水問題の取組と課題というのをテーマにお伺いしましたけれども、主に経産省と外務省の方に伺いたいんですけれども。
 ポンチ絵自体が取組と課題ということですけれども、この中で入っていないというか、起きたばかりのことでもあるんですけれども、三月十一日に大震災が起きたと。大震災が起きたことで、例えばいろんな財源が復興に回る、じゃODAどうなるのか。あるいはマンパワー、エネルギー、そういったものがやっぱり国内で需要が飛躍的に増えてそっちに手当てするという中での課題が一つ増えたような側面もあるというふうに思うんですけれども、その辺の、今日、踏まえられた取組と課題というのに更にいろんな震災という要素が加わって、これがどういう新たな課題として加わったのか。あるいはだからこそ海外展開という話なのか。課題というのは、もちろん原発のことでいえば例えばその安全性に関する風評ですよね、なんというのも含めていろいろあると思うんですけれども、雑駁な質問ではありますけれども、震災に絡めた展望というのを是非二省庁からお聞きいたしたいと思います。
#92
○政府参考人(鈴木正徳君) 製造産業局長の鈴木でございます。
 今先生から御質問ございましたマンパワー等について少しお話しさせていただきたいと思います。
 私ども、先ほどオールジャパンではなくてジャパンイニシアチブ、コアジャパンという概念でやっておりまして、そのコアのところを取っていくと。そこのところを取っていけば大体全体の事業の統括ができるという観点では、マンパワー的には、じゃ一部は日本の企業が使おうと思っていたのをほかのところに代替ということはあろうかと思います。
 ただ、御案内のとおり、様々な生産設備についても復活化しておりまして、例えばいろいろな、塩ビ管でももう一一〇%の生産等入っております。したがいまして、今ここでプロジェクトを取って、実際の建設が始まる一年後、二年後にはジャパンイニシアチブでよりその日本の部分が増えてくると。したがって、ここで手を抜いちゃいかんなというのが私どもの気持ちでございます。
#93
○政府参考人(佐渡島志郎君) 震災によってどういう新たな負荷が掛かっておるかということでございますが、容易に御想像がお付きになるかと思いますが、やはり財源的には私ども負荷が掛かると思っております。
 それをじゃどうやって乗り切るかということでございますが、松本大臣からは明確な指示をいただいておりまして、基本的にはまず現場で影響のあるような予算というのはなるべくプロテクトをして、大臣の言葉を借りれば、ワンクッションあるところで財源の手当てをさせていただいております。例えば円借款の資本金とか、そういうのは、資本金非常に莫大に積んでありますので、引当金的に積んでありますので、現場のオペレーションには影響が少ないとか、あるいは国際機関の一部で今執行が止まっているようなところがございますので、そういうところのお金を融通させてもらうというようなことを考えております。
 したがって、今後、新たにイニシアチブをして更に大々的なものを展開をしていくのは正直申し上げてかなりきついかなと思っておりますが、少なくとも、今まで私どもが国際的に申し上げたようなイニシアチブについては、なるべくこれはもうプロテクトをしていくと、こういう方針で臨んでおります。
#94
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 では、次に質問受けます。山田さん。
#95
○山田俊男君 じゃ、私の方から簡潔に。
 米長委員の質問で、本日の前段のテーマであります原発の問題とも関連しておっしゃっていただいたわけでありますが、私もどうも本日皆さんのお話聞いていると、若干、前段の論議の進め方と、それと今皆さんがとうとうと水の問題について、海外とかくのごとく連携して問題解決に当たっているよとおっしゃるのと、違和感感じちゃって頭の中がうまく整理できないんだけれど、そういう感じでちょっと一、二点。
 厚労省の篠田さんにお聞きしたいんだけれど、あなたは原発の関係といいますか、健康被害、水の基準その他担当されているのか、それとも、ここに書いてあります海外の水道セミナー等々開催の担当なのか、どっちなのかというのをこれまずお聞きしたい。
 それから、その次に、これどなたか代表でもいいんだけど、四省の水の担当の皆さんにお聞きしたかというふうに思うんだけれど、もっとこの水の関係でいうと環境省とか農林水産省なんかも海外に出て別の観点で連携取られているというふうに思うんだけど、一体皆さんは、例えば六省なら六省、国内で何か連携取られているんですか。連携取られているような部署とか機関とか持っておられるのかどうかというのをこれを聞きたいというふうに思います。
 それから三点目は、これも皆さん、全部とは言わないから、代表、経産省からでもいいんだけれど、こんな形で深刻な原発問題、これは場合によったら水の問題と物すごく関係しているわけです。海水から真水の問題、真水、海水の問題。それから、さらには、除塩、今後地下水が汚染しているとすればその除染の大変な問題を抱えることになるわけですよ。海外から学ばなきゃいかぬことというのはいっぱいあるかもしらぬし、どうかと思うわけです。
 そこで聞きたいんだけれど、皆さんの部署から、一体、この原発が発災してから二か月たつんだけど、皆さんの部署から原発の担当のところへ担当替えになったりとかした人はいるんですか、いないんですか、これも聞いておきたいと思います。
 以上です。
#96
○会長(藤原正司君) これ、皆さんというのは、皆さんお答えするわけですか。
#97
○山田俊男君 いや、誰かに代表して聞いてもらってもいい。
#98
○政府参考人(篠田幸昌君) 私は水道担当ということでございます。ですから、水道の今御説明申し上げた原発の事故関係ももちろんやっておりますし、海外関係のことも携わっているということになろうかと思います。
#99
○山田俊男君 摂取制限の問題も担当しているの。摂取制限、水道水の摂取制限。
#100
○政府参考人(篠田幸昌君) ですから、水道水の三百ベクレル、百ベクレルということも共に担当ということになります、水道事業の担当ということでございますので。
#101
○会長(藤原正司君) 発言は私の許可を得て。
#102
○政府参考人(篠田幸昌君) 済みません。
#103
○政府参考人(鈴木正徳君) 三番目の点でございます。
 まず、先生御指摘なられたとおり、地下水についてやはり汚染水が入った場合の除染、これが必要になってまいります。私どもその除染について、やはりこれを行うときには大規模な除染が必要になってまいりますので、様々の知見を持つ方々と私どもも検討いたしまして、それを原子力の担当部局に戻しているということでございます。ただ、高濃度の汚染水、これにつきましては、やはり日本はまだ研究段階でございまして、実際に力を持っておりますのはフランス、アメリカでございます。そこが今回採用される方向で検討されると伺っています。
 それから、私どもの部局から原子力のところにどのくらい行っているかということでございますけれども、私どもの局、製造産業局で四百名程度でございますけれども、大体目の子で二、三十名は原子力関係のところに今派遣されています。省内でもたくさんの人間が今原子力の関係部局に異動しております。
#104
○政府参考人(市川雅一君) むしろ、国土交通省さんの先ほどの御説明の中でも海外水インフラPPP協議会のお話がございましたが、国土交通、厚生労働、経済産業省が共同事務局ということでございますけれども、これに環境省、外務省、総務省加わっていただいて、各省連携を取っているということでございます。
 御質問ございました農林水産省さんはちょっとここには入っておりませんけれども、そういう状況でございます。
#105
○会長(藤原正司君) それでは、次に質問を受けます。
 有村さん。
#106
○有村治子君 ありがとうございます。
 一点、国土交通省さんのみにお伺いをさせていただきます。
 海外での国際競争力ということをメーンにいろいろお話しくださったんですけれども、今回の三・一一を受けて、ちょっと国内のことで、大臣官房でいらっしゃるのでお伺いしたいんですが、脱ダム宣言とか、その脱ダムというのが社会的、政治的潮流で動いてきたんですが、今回の原子力の、これから国際エネルギーいかにあるべきかということを考えたときに、水力発電で国産エネルギーをこれからどうしていくかというときには、やはり脱ダムというだけではなく、ダムを活用してエネルギーをつくっていくという見直しはあり得るのかどうか。そして、費用対効果を考えたときに、やはりそれだけのてこ入れをした方がいいのか、それともそれ以外の方策というのがあり得るのかどうか。
 今後、自然再生エネルギーとかそういうのもあるんですが、その掛けた費用に見合うだけのエネルギーを産出できるのかどうかというところでの、雑駁な感覚で結構ですから、その潮流、十年、二十年の流れということに関して御意見をいただければ有り難いと思います。
 自民党の有村です。以上です。
#107
○政府参考人(藤森祥弘君) ただいまの御質問でございますが、国土交通省といたしまして、国内のダムにつきましては、予断なく検証をして必要なところは、必要なダムは造っていくという考え方で変化はございません。
 ただ、海外につきましては、エネルギー問題につきましては、経産省さんの方がお答えになるべきではないかと思います。
 海外におきまして、治水ダムにつきましては各国の状況を判断いたしまして、必要なところは国土交通省としては積極的に支援をしていくという考え方を、前馬淵大臣が昨年十一月のアジア太平洋のインフラ大臣会合の場で御説明をいたしております。
 ですから、エネルギー、水力ダムという観点でのお答えは、当省がさせていただくのは不適切ではないかと思います。
 以上でございます。
#108
○政府参考人(鈴木正徳君) これからエネルギー政策について抜本的に検討される、私どもがその検討を行っていくと。その検討の過程におきまして、今委員から御指摘ございました水力の問題、また様々の再生エネルギーの問題、これはコスト面も含めて検討していくことになろうということで、ちょっとまだ結論は得られていないというような段階でございます。
#109
○会長(藤原正司君) 次に質問を受けます。
 松田さん。
#110
○松田公太君 ありがとうございます。
 これは全員にお聞きしたいんですけれども、簡潔にお答えいただければと思いますが。
 私は、日本国内に顕在します水の様々な問題、これを解決するために、また海外で水ビジネスを本気で展開するためには、水行政にかかわる省庁がやっぱりばらばらじゃ駄目なんじゃないかなというふうに思っているんですね。
 私はこれを、個人的ですけれども、一つの省庁に集約してしまった方がいいんではないかなというふうに思っているんですが、皆さんはそれぞれどう思われますか。個人的な見解でも結構ですので、イエス、ノーで結構ですので、お答えいただければと思います。皆さんノーでしょうか。
#111
○政府参考人(市川雅一君) それでは、経済産業省というよりはむしろ個人的な見解になりますけれども、私の考えではなかなか、先ほども御説明いたしましたように、結論はノーですけれども、私の考えではむしろ、私ども製造産業局というところでやらせていただいておりますが、まさに技術を持っているいろいろな企業との関係で、その企業の水ビジネスという分野をどういうふうに伸ばしていけるかという観点でやらせていただいておりますので、それはそれで、水以外のこともいろいろな、先ほどの企業はやっているわけですけれども、それとの関連性とかいろいろな意味で、むしろ製造業という観点から見させていただくというのが今のところ適当ではないかというふうに個人的に考えております。
#112
○政府参考人(藤森祥弘君) 個人的な意見になりますけれども、望ましいかもしれませんが、技術的に難しいんではないかなと。水は扱いますけれども、実際に水を使うのが農業の場合と工業用水の場合と取扱い方が違ってまいります。先ほど有村先生から御質問がございました、発電に使うというとまた扱い方が違ってまいりますので、それぞれの利水の観点から見た場合には、それぞれのもちはもち屋で担当部局を持って、そういったところが一つのダムを共通で使うんであれば、それをお互いの立場から意見を述べ合って、一定の方向を出して推進していくというのが望ましいんではないかというふうに考えている次第でございます。
 ただ、国交省といたしましては、先ほど国際部門の組織強化のところで御説明申し上げましたとおり、水関係の河川局と水資源部と下水道部を七月に統合するということで、当省といたしましては一つの部局にまとめるということで努力しているところでございます。
 以上でございます。
#113
○会長(藤原正司君) 外務省と厚生労働省、聞きますか。
#114
○松田公太君 そうですね、一応聞かせていただきます。
#115
○政府参考人(佐渡島志郎君) 私は、直感的に申しますと、どっちのマトリックスを先に通すかという話に帰着するんではないかと思いますけれども、今の現況でいきますと、離合集散のやりやすい方を取った方がいいんではないか。つまり、水を先にマトリックス通しますと、結局そうでない、水と水以外のところの、何といいますか、境界線の問題だとか、結局行政の、何というんですか、層が一つ増えちゃって非効率ではないかなという感じがいたします。
#116
○政府参考人(篠田幸昌君) 昔、その水利調整の担当を一部やっていたことがあるんですが、確かに治水、利水、いろんな面がございますので、調整がいろいろ難しいという面はかつてあったというふうに思っております。ただ、その後は随分、今にして振り返って思うわけですけれども、大分その調整の仕方とか、各省間の調整の仕方とかは随分変わって、昔みたいに厳しいというか、がちがちでやっていることは減ってきたんではないかなというふうに思っております。
 どういう体制でやるかはもちろんいろいろ高いレベルでの御判断あろうかと思いますけれども、ただ、どのレベルでどう調整するかという話が、いずれにいたしましても調整が付きまといますので、運用というかその調整をいかにスムーズにやるかということでかなり無駄な労力は削減できるんではないかというふうに考えております。
#117
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 では、次、質問を受けます。
 加藤さん、簡単にお願いします。
#118
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございますけれども、お聞きして、熱心に取り組んでいるなと、そういう印象は受けました。
 その上での話でありますけれども、これは外務省と国交省にお尋ねいたしますけれども、国内において、下水道事業の関係については行財政上かなり負担になっているということなんで、これは適材適所というのは当然あります。人口が稠密なところについては下水道システムがいいと思いますけれども、私は、発展途上国においては適正技術の視点から考えなければいけない。
 例えば、浄化槽の導入ですよね。こういった面については、地震にも強いし、工事も即時性があって安価でありますし、そういう意味でそれを考えていく。日本の固有の技術でありますし、国際競争力の強化の視点からも十分考えられる。そういった意味では、浄化槽について、ISOなどを通じた日本の技術の国際標準化、あるいはキャパビルでいわゆる教育システムを含めた統合的なそういう整備を行っていく必要も非常に、関心を持ってやっていくべきではないかと思っておりますが、この辺についてどうなのかということと。
 それから次に、これは国交省だけの話でありますけれども、先ほど、松田委員からの質問と若干関係するんですけれども、水循環基本法がありますよね。最近言われていることは、その中でも若干盲点があって、雨水の関係については入っていないと。雨水利用推進法という、こういったことについても進めていく必要があるんではないかなと。
 集中豪雨等を含めてなかなか厳しい時代になってきて、洪水が起こりやすくなってきている。だから、貯留とか浸透施設、それをどう効果的に都市内に配置するかということになってまいりますので、そういう法制化を行う中で水ビジネスを国内的にしっかりつくり上げて、国際競争力についても強化をしていくと、そういう観点が大事だと思っておりますけれども、これは国土交通省に、ちょっと意地悪な質問じゃないんですけれども、是非お聞きしたいと思いましたので、よろしくお願いいたします。
#119
○政府参考人(佐渡島志郎君) 浄化槽ですね、私どもは実は非常に小さな実験を中国でやっております。
 おっしゃったように、比較的簡易に導入ができること、それから日本のマーケットが非常に、何といいましょうか、もう飽和をしているので、その生産ラインを外に持っていけないか。中国もいろんな湖沼汚染、川とか沼の汚染で非常に悩んでおりまして、農業用水の流れ込みのところでこういう日本の浄化槽技術が使えないかというようなことを考えているところがございます。NPOさんのお力を得て、そういうところにお互いの合弁の会社をつくりながら、一種のPPPの方式で日本の技術を普及できないかという、非常に夢は大きゅうございますが、まだ端緒に就いたばかりでございますので将来どういうところまで育ち上がっていくかは分かりませんけれども、注目を私どもしております。
 同時に、NPOさんのお助けを得て、日本でそういう小規模の村とか町の単位で管理をしているところに勉強に来ていただいて、その管理技術も併せて学んでもらう、日本の技術を持っていってもらうというようなことを今実験をしております。
 以上でございます。
#120
○政府参考人(藤森祥弘君) 委員から二点御質問をいただきました。
 まず合併浄化槽についてでございますけれども、日本では下水道と浄化槽というのが主流でございます。それぞれ役割分担をして非常に普及しているという状況でございます。ただ、海外の場合でございますと、現地の実情に応じまして、昔ございましたくみ取り式のトイレでございますとかセプティックタンクのような簡易施設で衛生を確保するということが取りあえずの対策として重要ではないかという地域もございます。そういった意味で、現地の状況に合った施設を整備をしていくということが先ほど佐渡島局長がおっしゃったように必要ではないかと思っている次第でございます。それで、インドネシアの例で申し上げますと、平成二十二年二月、今年の二月に環境省と一緒にこういった分野でのセミナーを開催したところでございます。
 二点目の雨水利用推進法についてお答えいたします。
 御指摘の雨水利用促進法の具体的な内容を承知していないところでございますが、国土交通省といたしましては、貯留した雨水の利用につきましては、地域の実情に応じましてその地域の水資源の全体を考慮しながら適切な利用の在り方について検討していくことが必要であると考えております。そういった意味で、先生がおっしゃったように、日本におきましてもこういったことができればいいなというふうに考えている次第でございます。
 以上でございます。
#121
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 次、質問を受けます。
 紙さん。
#122
○紙智子君 これまで参考人質疑などで伺った意見の中で、水道事業の海外展開について、維持管理に入っていってリターンがあるかといったらそんなにないという声とか、水ビジネスは大きくもうけるようなビジネスではないという発言もあったんですね。それで、政府の新成長戦略で位置付けているこの水道事業、水ビジネスの戦略は何なのかということで三点伺いますので、所管する分野の方で結構ですので、順次答えていただきたいと思います。
 一つは、新成長戦略で、環境技術において日本が強みを持つインフラ整備をパッケージでアジア地域に展開・浸透させるというふうにあるわけですけれども、このパッケージを強調しているんですけれども、今のODAとどういうふうに違うのかということが一つ。
 それからもう一つは、事業リスクを政策金融で支援する場合には、これは財源はどういうふうになるのかということですね。
 それから三つ目は、官民パートナーシップということが強調されているんですけれども、自治体の水道局などの公益事業体の海外展開策を策定、推進する際の課題というか、どういった課題があるのかということで、三点それぞれお答えください。
#123
○会長(藤原正司君) それぞれ担当する部門、一か所ずつお答えいただきますから、みんなが手を挙げる必要はありません。経済産業省。
#124
○政府参考人(市川雅一君) 三つのうちのまず一点目のところでございますが……
#125
○会長(藤原正司君) 一つだけでいい。
#126
○政府参考人(市川雅一君) はい。
 新成長戦略、パッケージというお話でございますけれども、これはいわゆる先ほど御説明いたしましたが、いろいろな技術を持っているそういう民間のメーカーと、あとオペレーション、事業運営のノウハウを持っている地方公共団体といったようなところがあるわけですけれども、つまりハードとそれからソフトのオペレーションというようなことのパッケージということで理解をしておりますので、そういうものをアジアに併せて展開していくということで、さっき申し上げたような官民の連携でやっていくというやり方ということでございます。
#127
○紙智子君 ODAとどう違うんですか。
#128
○政府参考人(佐渡島志郎君) 実は、ODAと申しましてもいろんなパターンがございますけれども、一番典型的なODAと何が違うかということを御説明をいたしますと、ODAは基本的には相手に対してサービスを提供するわけですね。知識だとか、物もそうですけれども、物を通じたサービスを提供しているわけです。それに対してODAの場合には、基本的には掛かったコストを価格あるいは対価という格好でいただかないのがODAでございます。
 海外ビジネスの展開の場合にはそこはやはり、何といいましょうか、投下コストをきちんと回収するような方法で皆さん事業を考えられると、ここが一番決定的に異なる部分ではないかと私は思います。
#129
○政府参考人(篠田幸昌君) 実は私の方から手を挙げたんですけど、総務省さんのお答えが本来かと思うんですが、承知している範囲で申し上げるわけでございますけれども、要するに、本来されておられる地方公営企業さんが、地方公営企業さんの本来の仕事をおっぽり出してまで海外でやるということを進めているわけではもちろんございませんので、持っておられるノウハウでありますとか蓄積されたノウハウでありますとか経験でありますとか、そういうものを生かす道として海外にそういった点を供与することはできるんではないかということでございますので、本末転倒はよろしくないということだと思います。
#130
○政府参考人(藤森祥弘君) 成長戦略との関係についてお答えをしたいと思います。
 国土交通省といたしましては、上下水道一体、また上水道、下水道だけの運営管理を長期にわたって受託をすることによりまして、現地にSPCを、プロジェクトのための会社をつくるわけでございます。それにつきまして日本の企業が投資をする、また日本の政策金融で投資をしたお金が運営管理によって利益が出た場合に日本に配当として返ってくるというのが、一つの日本に入ってくる、外貨が入るという意味で成長戦略の一部を成すのかなと思っております。
 また、運営管理をする段階でいろいろな資機材が出てまいります。ランニング、途中で消耗品が出てまいります。そういったものを日本から輸出ができるということができて、それによって日本の製品が海外に展開できる。また、日本の企業が開発した技術、海外で生産されたものにしても、そこで使うことによってロイヤルティー等が入ってくるという、直接、間接的な収入が日本に入ってくるという意味で経済成長に貢献するものだというふうに考えている次第でございます。
 以上です。
#131
○会長(藤原正司君) 御苦労さまでした。
 質問を受けます。
 中山さん。
#132
○中山恭子君 御説明いただきまして、ありがとうございます。
 海外ビジネスと、それから後でちょっと国内のこともお尋ねしたいと思っていますが、海外につきましては、アジアと言うときに中央アジアが余り含まれていないという点があろうかと思います。これは、中央アジアというだけではなくて、旧ソ連圏の国々、独立した国々について同じ状態であろうかと思いますが、一つは、上下水道についてほとんどもう老朽化してしまっている、今ちょうどビジネスとして売り込むのにチャンスである、そういう時期に来ているかと思っております。これを日本の総合的な形を作っていけば大きなビジネスができるのではないかと思っております。
 例えば日本側が持っている非常に強い面、例えばパイプですとか、そういったところは日本、又は膜とかいろいろ強い面があろうかと思いますが、そういうところが具体的にどういう強さがあるのか、そしてそれがこれまでのような個別の参加ではなくてトータルの参加としてやっていけるかどうか、それはどこを強化すればいいのかとお考えなのかを、これは外務、経産でしょうか、そういったところで。
 もう一点、国内の問題で、日本でもやはり上下水道が非常に遅れているのではないか、老朽化してきているのではないかと思いまして、公共事業の対象として考え得るのかどうか、一点お尋ねいたしたいと思います。
 それから外務省さんに、タジキスタンが提案している「命のための水」国際行動の十年というのがありますけれども、これについて、もし日本が参加できるポスト、ポイントがあるのかどうか。実は、タジキスタンに大きなサレス湖という巨大なせき止め湖がありまして、これが崩壊する可能性がある。それについて日本からの調査依頼というのが以前来ていたことがございますが、そういったことに、国際委員会に参加できるのであれば、参加して指導していただけたらと思っております。
#133
○会長(藤原正司君) それでは、簡潔にまとめてお答えいただきたいと思います。外務省佐渡島さん。
#134
○政府参考人(佐渡島志郎君) 中央アジア中心にそういう需要は確かにあろうかと思います。
 私どもは今、特にODAの世界で心掛けておりますのは、ファイナンスといいましょうか、例えば円借款を供給しますとか、あるいは無償資金協力で施設を造りますというだけではなくて、そこに至る、例えば水道行政なら水道行政のそのものだとか法律を一緒に作ってみましょうとか、そういうところも全部合わせて協力をし、なるべく作っていこうという方向にありますので、各省さんの御協力を得てそういう案件をたくさん増やしていくと自動的にいろんなところが総合してプロジェクトに参加できるような事例がどんどん積み重なっていくのではないかと思います。
 それから、タジキスタンのお話をいただきましたけれども、私どももそういうチャンスがあればいろんなところには出ていきたいと思っておりますが、国際関係でやはりいろんな微妙な問題がございます。特に水の問題はいろんなところで、AというところをつっつくとBというところがうまくいかないとかいろんな問題がございますので、やはり外交的にはそういうところはやや慎重に私ども見ながら仕事をさせていただいているのが現状でございます。
#135
○政府参考人(鈴木正徳君) 今先生から御指摘ございました中央アジア、確かに私ども出遅れたところがございます。ただ、モンゴルそれからカザフスタン等につきましては、これから資源開発を協力してやっていきたいということで今交渉しておりますので、またそういう一環で是非水についても検討していきたいと思っております。
 また、もうちょっと西側でございますけれども、ウクライナ、今ちょうど先生がおっしゃったように水道管とか非常にもう老朽化しておりまして、ホテルの水でももう真っ茶色というところがございます。私もウクライナに参りましたときに向こう側からの要請がございまして、何とかほかの様々な環境案件と一緒に絡めてできないかということで検討を行わせていただいたところでございます。
#136
○政府参考人(藤森祥弘君) 中央アジアにおける水資源開発につきましては、現在、ADBと独立行政法人水資源機構が一緒になりまして中央アジアでの調査研究を進めようとしているところでございます。その中で、ウズベキスタン、タジキスタンも対象になるというふうに理解しているところでございます。
 それから、下水道の分野でどういった技術が強いのかという御質問につきましては、老朽化いたしました管路を開削をしないで、中から樹脂等を含浸いたしまして強化をするという技術が優れておりまして、この技術につきましては先日ブルガリアでセミナーを開きまして、プロモーションのセミナーを各地で開催しているところでございます。御要請がございましたら、またそういったセミナーも開催させていただきたいというふうに考えている次第でございます。
 三つ目の、下水道等も公共事業の対象にならないのかという御質問でございますけれども、従来から公共事業の対象でございまして、現在は国交省の補助事業と、それと社会資本整備交付金で整備を、また老朽化対策をしているという状況でございます。
 以上です。
#137
○政府参考人(篠田幸昌君) 水道の方も公共事業としてやっておるわけでございます。ただ、老朽化しているというのも事実でございまして、その面で投資を十分したい気はやまやまございますけれども、昨今、非常に予算的には厳しいという面もございます。震災のお話もございますので、そういった震災対応、耐震化ということに重点的に資金を振り向けているという状況でございます。
#138
○会長(藤原正司君) ありがとうございます。
 ほかに質問。
 石川さん。
#139
○石川博崇君 公明党の石川でございます。外務省佐渡島局長に御質問させていただきます。
 御説明いただいた資料の九ページで、我が国は水衛生分野でトップドナーとしてこれまでリードしてきたという御説明でございましたが、右上の円グラフ、目的別供与割合を見ますと、真上に水資源政策及び管理運営についてはゼロ%というふうになってございまして、これ全くのゼロというよりは〇・〇〇幾つということでございましょうけれども、非常に少ないなと。ここのボトルネックになっているその理由というものは何なのかということが一つお伺いしたいことが一点。
 それから、先ほど他省庁の方々からいろいろ御説明あったとおり、これから我が国の水ビジネスを展開していく上で官民の連携、特に日本は、地方公共団体が水道の管理運営を携わってきたということで高い技術を有しているわけですが、今後我が国が水資源政策及び管理運営を広げていくに当たって、日本の地方公共団体が、例えばODAのFSとか様々な案件形成に関与をしていくことができるのか、その辺についてちょっと教えていただければと思います。
#140
○政府参考人(佐渡島志郎君) 今の政策とか管理運営系の数字は小そうございます。これは、まず第一に、人の行き来をサポートしている部分でのお金の計算でございますので、勢い施設物、インフラ物との関係においてどうしても数字が小さく見えてしまいます。それからもう一つは、途上国はやはりまず物が欲しいと、インフラが欲しいというようなところがございますので、そういうことも若干手伝っているのかなと思います。が、昨今は私ども意識的に、設備を入れるんであればこういう政策とかノウハウのところも抱き合わせで一緒に仕事をしましょうというふうに誘導をしております。
 それから、海外の調査の案件の形成だとか調査に地方公共団体が参加できるかということでございますが、特にこういう水分野におきましては私ども期待をしております。もっともっと実はたくさん仕事はできるんではないかと思いますが、それぞれの地方公共団体さんもやはり自分のお仕事を抱えておられますので、なかなかその部分で手の回りやすい公共団体とそうでないところというのはかなり歴然と差があるようにお見受けをいたします。
#141
○会長(藤原正司君) ありがとうございました。
 島尻さん。
#142
○島尻安伊子君 外務省に一問だけお聞きをしたいと思います。
 MDGsのことが書いてありまして、たしか六月の前半、一桁台だったと思うんですけれども、フォローアップ会議がありますよね、MDGsの。そのときには、何か水問題とミレニアム開発目標というふうに書いてあって、このゴール7のところですね、のターゲットというのが書いてあるんですけれども、日本国政府として、このターゲットに向けた戦略というのは何か発表なさるんですか。それだけ。
#143
○政府参考人(佐渡島志郎君) 戦略をこの会議で発表することは考えておりません。
 この会議は何をしようとしているかと申しますと、去年の秋に潘基文さんがやられました首脳レベルでの政治的なモメンタムを高めましょうと、あと五年しかありませんねというところでやられた会議で、今までの成果を潘基文さんまとめてレポートにされました。
 それを読みますと、残りの五年間、今まで十年間やってきたわけですけれども、大体簡単なところから手が着いていくわけです。残りの五年間というのは一番難しい方の三分の一が残っていると。まあ普通考えるとそうなっているわけですけれども、じゃその難しいところをどうやって解決したらいいんだという具体策にはまだ踏み込めていないものですから、私どもとしては、基本的には今回の会議でいろんな成功例、難しいのにこんなことをやってみせたぞというような国を特に幾つか、四十ぐらいオケージョンを指定しまして、そういうところに成功例を持ち寄ってもらって、みんなでそういう具体策を共有をして、一番最後の残りの難しい五年間をどうやってよりターゲット、目標に近づいていくかということを議論しましょうと。その結果を取りまとめて文書に出して発表したいなと思っておりまして、私ども独自の戦略をここで出すというよりも、国際社会での経験共有を促進をしようというための会議とお考えいただければと思います。
#144
○会長(藤原正司君) よろしいですか。
 それでは、予定の時間、少し早いですが、政府に対する質疑はこの程度にさせていただきたいと思います。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#145
○会長(藤原正司君) 速記を起こしてください。
 理事会でも確認いたしましたように、調査会報告の作成に当たって、それぞれの会派から、是非こういうものを載せてもらいたいと、こういう報告をしたいという御希望がございましたら聞かせていただいて、あと、どういうふうにまとめていくかは事務局と私と両筆頭にお任せ願いたいというふうに思いますので、フリーにお手を挙げて意見を表明していただければ結構かと思います。
 主濱さん。
#146
○主濱了君 先ほど山田理事さんの方からお話のありましたように、今日の政府からは、経産、国土、外務、厚生労働とこういうことで、実は環境省、農水省が抜けているんですよね。
 私どものテーマはあくまで国際・地球環境・食糧問題に関する調査だということで、今、私は、世界の水需要とそれから日本の食料自給率について、この日本の食料自給率の向上について特に意見を申し上げたいと、このように思います。
 これは各先生方もう十分御承知なんですが、地球の人口、これ二〇五〇年には九十一億とも九十二億とも、こう言われております。それで、その九十一億、九十二億のときに栄養不足が十億人を超えると、こういうふうに言われているわけであります。これも皆様既に御承知だと思うんですが、これは食料不足だからそうなってしまうであろうと、こういうことでございます。
 水の方を見ますと、地球規模の水の需要、これは細かい数字はお話しいたしませんが、二〇〇〇年と二〇二五年、二十五年たった二〇二五年、ここを比べますと、全世界で三一・八%アップしますと、全体で。地球上全体で三一・八%アップします。その中で、実は農業用水は二二・四%アップすることになっております。二二・四%といっても、実はそのシェアがすごい。全体に占めるシェアがすごい。二〇〇〇年は六六%、それから二〇二五年は六一%と六割を超えるのが農業用水なんですよ、実は。
 ですから、私ども、どうしてもこの農業用水を中心に物を考えていいのではないかというのが私のそもそもの根本でございます。で、生活用水というのが大体一〇%程度、一割程度ですね、それから工業用水というのは二割程度と、その中の六割が農業用水であると、こういうことでございます。
 一方、日本の食料自給率、これはもう皆様御承知のとおり、ここ十数年は四〇%台に低迷をしている。逆に申し上げますと、六〇%は海外から入れていると、こういう状況になるわけであります。
 日本のかんがい用水の総量というのが、大体の数字だけ、イメージだけつかんでもらいたいんですが、五百九十億立方メートルと、こういうふうに言われております。で、輸入に伴う仮想水の輸入量、輸入食品となって一緒に来ているという仮想水の輸入量が六百四十億立方メートルとこういうことで、輸入している方が多いわけですよ。当然ですよ、六〇%ですからね。そういうふうな状況にあります。
 こういったような状況をとらえて、私は、まず日本がやるべきことは、食料自給率一〇〇%を目指して頑張っていくと、こういうことだと思います。そうしますと、この仮想輸入量の水、水の輸入量が限りなくゼロに近づいていくのではないだろうか、食料自給率を一〇〇%にすることによって、世界からいろいろ食料を輸入する、仮想水が減ってくるのではないか、まずこれを私どもは一番最初にやるべきではないだろうかと、こういうふうな意見なわけであります。そして、まず私どもが食料自給率を一〇〇%に上げて、そして世界からの水をまず要らないよと、こういうふうなことにしちゃうわけでございます。
 一方、学説によりますと、食料自給率を四〇%から五〇%に上げると黒部ダム七十個分の水が必要だと、百四十億立方メートル必要だと、こういうふうなものがあります。
 一方におきまして、日本の食料自給率、一九六〇年、昭和三十五年には七九%あったんですよ、七九%。もっと水事情が良くないはずだったにもかかわらず食料自給率は七九%であった。ですから、一〇〇%を目指すことは別に夢ではないと、こういうふうに思うわけであります。
 こういうふうなことを通じて、さらに日本の技術というのはすばらしいわけであります。その上で、世界からの水を要らないよと、こう言いつつ、そして日本の技術でもって世界の水を掘り起こしていく、あるいは衛生的な水、あるいは水道なんかも普及していくと、こういうべきであろうと、こういうことでございます。
 いずれ、結論を申し上げますと、世界の水需要に対応しましてまず日本がやるべきことは食料自給率一〇〇%を目指すことであると、こういった意見を述べさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
#147
○会長(藤原正司君) これ、食料自給率一〇〇%っていけるの。いやいや、ちょっと聞いているの。
#148
○主濱了君 目指す。
#149
○会長(藤原正司君) ああ、目指すね、目指しの話。
 どうぞ、違う会派の皆さん。
#150
○主濱了君 世界でもあるんですよ、一〇〇%を超えているところ。
#151
○会長(藤原正司君) いや、それはあります。
 ほかのところありませんか、会派で。紙さん。
#152
○紙智子君 調査会でこの間やって感じたことを発言したいと思うんですけど、二点です。
 一つは、今のちょっと主濱さんのとも重なる部分もあるんですけれども、今後、世界的に水の使用が増えていくということの中で日本がどうあるべきかということです。それで、日本の食料自給率四〇%と。これ、食料輸入国であるということと同時に、今話があったように、水資源のその輸入大国でもあると、同時に。世界で水の枯渇あるいは水資源をめぐる紛争が起こっている中で食料を輸入に依存する国の在り方を考える必要があるということです。
 その点で、参考人の方の意見の中で、環境負荷でいえば一番深刻なのは化石水だという発言がありました。循環していない水資源を使って生産されたもの一部日本に入ってきている、数十年後には枯渇する、その影響は非常に大きいということが発言されていましたし、水がない国で食料を輸入する話と、水が十分あるところで食料を輸入することとは大分意味が違うんだという発言もありました。そこはこれから見直していかなければいけない時期だという回答があって、これは非常に大事なことじゃないかなというふうに思いました。
 それから二つ目の問題は、新成長戦略の水ビジネスについてなんですけれども、水道事業の海外展開で利益が生まれるのかどうかということを私はずっと聞いてきたんですけれども、それは、水道事業というのは浄水場や水道管などの整備や更新などの多額の費用が掛かると。日本でいえば、水道事業が赤字になって水道料金の値上げが問題になる事例があると。参考人からは、水道事業の海外展開で維持管理を入れてリターンがあるかといえば、そんなにないということや、あるいは人件費プラスアルファぐらいが稼げればいいかなという意見ですとか、大きくもうけるようなビジネスではないというふうに言われた発言があったことというのは非常に印象に残っているわけです。
 加えて、水事業で進出した水メジャーが撤退をしたり訴訟になる事例もあって、リスクが大きいということも分かりました。今日の調査会で、水ビジネスで我が国に収益が入ってくるという発言があったんですけれども、これはちょっとだからこの間の議論からいうと少し温度差があるなというふうに思いました。
 私も、ODAの日本が支援している国で、ベトナム、ラオス、カンボジアとかインドなども行かせていただいたんですけれども、やっぱり日本の技術を海外で生かす方法もよく考える必要があるということを感じているんですね。確かに喜ばれているというか、本当に飲料水で安全な水を確保するために日本の技術で上下水道も支援して造っているとかというのは、非常に喜ばれていたり、病気がなくなったとか子供がすぐ赤痢になったりしなくなったという、そういう声もいっぱい聞こえて、こういう点での日本が果たしている役割は大きいなということも感じてきたわけですけれども、しかし、故障したりしたときに、日本が引き揚げた後にそこで直せないと困るということですとか、現地の人たちがやっぱりずっと維持し続けることが可能なやり方ということも非常に考えなきゃいけないことだというふうに思ったわけです。
 同時に、官民パートナーシップということが言われたんですけれども、日本の企業が海外の公共事業を行う場合のリスクを、これ日本の公的資金で補填するということになると、これはいかがなものかなということも感じました。
 以上です。
#153
○会長(藤原正司君) 山田さん。
#154
○山田俊男君 本日、この水の問題に関連して、原発の議論を参考人、意見交換できたというのは、委員長の御判断もあったというふうに思いますけど、なかなかのやっぱりいいことだったというふうに思うんですよね。今回、水の問題について取りまとめるときに、やはりこの問題を抜きにしてまとめるというわけには多分いかないわけであります。
 我が国は、先ほど来、各省から話聞きましても、水問題については我が国は先進国だと、こう言っているわけですが、ところが、先進国の割に、この原発問題に、原発に欠かせない水の扱いについて間違いなく誤ったわけであります。どうぞ引き続き、そうは言っても除塩の問題をどうするかとか、これは原発というよりも地震、津波の問題でありますが、それから除染ですね、こっちの方は、これも水の問題、水なしにはもう解決しないわけですね。是非、これ、我が国が、それこそ水の先進国であるということであれば、それの知見をいかにこの問題に活用するかということを、やはり政府としても積極的に、少しやっているというふうに今日言っていましたけれど、政府としても積極的にやっぱり体制を組むなり水の専門家を集めるなり、それから知見を集めるなりということをちゃんと我々としても提言するということができるんじゃないかというふうに思いますので、どうぞ委員長、御配慮願いたいと思います。
#155
○会長(藤原正司君) 加藤さん。
#156
○加藤修一君 私は、先ほど主濱委員から水の話が出てきまして、自給率を上げるという意味では水が相当不足する可能性も決してなくはないと私は思っておりますけれども、雨水ですね、雨水、これをどう利用するかというのは非常に私は大事だと思っております。とりわけ、最近はゲリラ的集中豪雨がありますから、流してしまえば洪水になると、しかし受けてそれを利用する、貯留するということですよね、そうするとそれは資源になる、水資源になるということですから。今日の政府の説明の中にも、途上国において雨水を利用する、これはバングラデシュなんかは砒素が地下水の中に含まれておりますから、いかに天水、雨水をいかに利用するかという、そういうシステムが重要でないかなと思っております。
 ですから、貯留する、あるいは浸透する、日本の下水道事業の洪水目標値というのはたしか一時間当たり五十ミリですよね。残りの五十ミリは全部地下浸透ということですけれども、最近はやっぱりコンクリート、アスファルトの関係になってしまって三〇%しか浸透しないという話ですから、それが直ちに河川に流れてしまうということで洪水が起こるということもあるし、又は、降ってくる雨も相当多いということですから、やはり雨水をどう活用するか。
 東京スカイツリーなんかもそういう雨水を相当利用しようとしておりますし、国技館とか東京ドームもそうですよね。そういう形のありようをしっかり考えていくことが非常に大事じゃないかなと。地方自治体は相当助成金なんかを付けて展開している段階でありますけれども、まだまだ財源等含めて十分ではない。そういった意味では、先ほど申し上げたように、法制化をする必要があるんではないかなと、そう思います。
 それから、先ほども話がありましたように、農水省と今日は環境省が来ておりませんが、農水省は集落汚水処理かな、その関係がありますよね。あるいは、環境省はさっき申し上げました浄化槽の関係があります。これは一長一短が当然あるんですけれども、やはり人口が希薄で、かつまた凹凸が激しいところについては長所を発揮することができるわけでありますし、非常に安価であるということも考えて、また工事のしやすさも当然ありますので、私は、適正技術ということを考えていくならば、私は途上国に対応できるものではないかと。下水道システムはそれはそれで長所はありますけれども、日本国内では相当行財政上負担が高まっていることを考えてまいりますと、それをさらに途上国で負担が増大するような形になっていいのかどうなのか。もちろん、人口が稠密なところは下水道システムが適切だと私は思っておりますけれども、ともかくそういった点についても今後議論を深めていく必要があると、こんなふうに考えました。
#157
○会長(藤原正司君) 私もそう思うんですが、ただ、役人というのは当てもせぬのに答えるでしょう。だから、一つテーマを言うとずうっと答えていくんですよ。それで、誰に当てたのか分からぬときがあるでしょう。そうすると、延々と長いの、一つのテーマで。これが言われたところでちゃんと答えられたらすっすと進むんですが、一つのテーマであと三つぐらい部局付けてみ、もう死ぬで、ほんまにえらいこっちゃで。これを直さなあかんわ。
 中山さん。
#158
○中山恭子君 ありがとうございます。
 今回、水をテーマにしてきたということは、私は大変いい調査が行われてきたと考えております。ただ、先ほどお話がありましたように、食料自給の問題とそこがしっかりこれまでのところでは足りていなかったかなという思いは同じ思いをしております。
 今回、一つのテーマとして、日本の上下水道の在り方というんでしょうか、これについてもう少し突っ込んだ調査があってもよかったかなというのがあります。日本も、もう老朽化しておりますので、いろんな問題が起きてくる時期に来ています。上下水道を整備してから、何というんですかね、昔のトイレから今の水洗トイレに替わってきたと。それから、日本は水道水を飲んでも全く心配要らないんだという世界に誇る状態が今ですけれども、これが信用できないということになると、日本として非常に悲しい状態が来ると思っておりますので、上下水道についての整備を日本としてしっかりしておきたいというのが一つあります。
 それから、水ビジネスですけれども、私自身は、各省連絡会議というようなものがまとまっていけば、これに入っていけば、大きなビジネスとして世界各地に日本の上下水道の信頼とともにいい行いができるのであろうと考えております。これは多分、ODAというよりは円借款、それから民間ビジネスという形で行われると思いますので、ただ、そのときにしっかり、円借款を出した後、日本がこの円借款の事業体として入っていくという、この努力をしなければいけませんが、その辺りから、いいビジネスで、世界が喜ぶビジネスとして行っていっていいのではないかと考えております。
 ありがとうございました。
#159
○会長(藤原正司君) 先に松田さん。
#160
○松田公太君 私も水ビジネスについてですが、これは本当に積極的に取り組むべきじゃないかなというふうに思っております。
 本調査会を通じて分かってきたのは、やはり日本は技術的に非常に高いものを持っていると、ただ、それの活用方法がやっぱりうまくないし、インテグレーションができていないと、システムとしてやっぱり売り出すことができていないということだと思うんですね。
 先ほどのこの経産省の表が非常に分かりやすいんですが、やっぱりもうかるというのは実は右二つなんですよ。一番左というのはただのパーツ屋になってしまいかねないビジネスなんですよね。ですから、やはりもうかるビジネスをやらなくちゃいけないということにおいては、ほかの国というのは実はこの二つをやっているところ、若しくは一本串で三つやっているというところはあるんですが、ここだけやっているというところはやはりないんですよね。そこを日本だけがやってしまっていると。
 こういった部分を見直したりとか、あとはやり方ですね。先ほど、ちょっと国がリスクを負うのはどうかという話もあったんですが、例えば産業革新機構が直接出資をするんではなくて、例えばJVに出資をし、そこ経由でお金を入れるというような形を取れば、そのようなリスクを取らなくていいのかなと。あとは、コンサルフィーか何かでもうけていくというような形をつくり上げるというのも一つの手じゃないかなと思いますし。
 あと、短期的に見たら確かに厳しい、利益がなかなか出ないと思われるかもしれないんですが、えてしてこういうビジネスというのは長期的に見れば実は利益を確保できるものが多いんじゃないかなと思うんですね。例えばインドとか中国に様々な企業が欧米諸国から進出しました、何十年も前に。初めは赤字だったんです。ところが、今になって国民一人当たりのGDPが増えてきて、やっぱり利益がどんどん出始めているんですね。最初のころにやはりちょっと心配だからといって出なかった日本の企業は、今になって慌てて出ていっていますけれども、もうなかなかそのマーケットを押さえられていますから出ていけないと。特に水ビジネスなんかはもうインフラビジネスですから、最初に取っちゃった方が勝ちですから、もうそれをひっくり返すことはできなくなっちゃうと思いますので、私は是非積極的に考えていただければと思っております。
#161
○会長(藤原正司君) 島尻さん。
#162
○島尻安伊子君 本当にお疲れさまです。
 今日は本当に長時間でございました。先ほど山田俊男先生からもありましたけれども、こういうときだからこそ、やはりこの調査会で水と放射能汚染云々というところを議題に出せたということは大変意義深いというふうに思っております。
 私も、その一方で、この水ビジネスに関してなんですけれども、こういう社会状況というか、この状況だからこそ、やはり新たに日本ブランドとしてどう売り込んでいくかというのが大事になるというふうに思っていて、今回の災害復興でもう二十兆とも三十兆とも予算が掛かるというふうに言われていて、いざそのときに、じゃ予算をどう獲得してくるのかといったら、やはり日本が稼いでこなければいけない。その外貨をどう獲得していくのかというのが今後大きなポイントになるんだろうというふうに思っておりまして、その中で、この水ビジネスというのが大変にその一つのツールというかコンテンツとして、日本がこれから外に出していくべきものなんだということが私は再確認できたのではないかというふうに思っております。
 先ほど松田先生からもありましたけれども、その新しいスキームの持ち方どう考えていくのかということで、官民の間、それから前回ありましたJBICがその結節点になり得るのかどうか。それから、中山恭子先生からもあったように、その後きちんと、お金も出すけど口も出すよというような、きちんと食い込んでいくというような、これは会長がおっしゃったことではありますけれども、それをきちんと獲得していかなければいけないんだということも確認できたかというふうに思っております。
 それからもう一つ、MDGsがやはりそのポイントとして大きいんだという中で、変わらず、やはりどうODAとしての位置付け、これもどう獲得していかなければならないのかということだと思いますけれども、その中で上下水道の技術云々というのが必ずここには出てくるんだろうというふうに思っております。
 いずれにしても、この日本ブランドといいますか、この新しいスキームをどう組んでいくのかというのが今後の課題であろうというふうに思います。
#163
○会長(藤原正司君) どうもありがとうございました。
 この調査会が発足したときに、まず、どのテーマでいこうと、三年間という長い調査会の任期で、水を出したんですが、水に関しては、皆さんほとんど異論なく同意いただいたんですが、頭に描いておられるものはそれぞれ違うと思うんです、水に関して。
 ですから、今回のパーツといいますか、調査会のまとめは、とにかくいろんな切り口で、あっ、こんなものもあったのか、こんなものもあったのかというものを認識してもらう場だと。あと二年については、今度は少し絞り込んで検討していくのもいいかなと。そういう意味で、調査会の報告も、今お話を聞いたことやら、あるいはこれまでの調査をしたことやらいろんなことをまとめて、ただ、まとめるに当たっては、切り口がこういうものもありますよというものをもう十分書き込めるようにしたいなと、絞り込んでこれだというふうなものではなくて、というふうにしたいなというふうに思っておりますので。
 あと、私と両筆頭、あるいは事務局にお任せいただいて、日程につきましては、今日の理事会で私どもの筆頭の方から申し上げたようなことを頭に描きながら進めさせていただきたいというふうに思いますが、よろしいでしょうか。
 ありがとうございました。
 では、今日は、調査会はこれで終わらせていただきます。
 長時間、本当に御苦労さまでした。
   午後五時十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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