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2011/03/24 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 環境委員会 第2号
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2011/03/24 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 環境委員会 第2号

#1
第177回国会 環境委員会 第2号
平成二十三年三月二十四日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        北川イッセイ君
    理 事
                轟木 利治君
                山根 隆治君
                有村 治子君
                川口 順子君
    委 員
                大石 尚子君
            ツルネン マルテイ君
                白  眞勲君
                松野 信夫君
                柳田  稔君
                小坂 憲次君
                鈴木 政二君
                谷川 秀善君
                中川 雅治君
                加藤 修一君
                水野 賢一君
                市田 忠義君
                亀井亜紀子君
   副大臣
       環境副大臣    近藤 昭一君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       田嶋  要君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山下 孝久君
   政府参考人
       内閣官房内閣参
       事官       柳   孝君
       内閣府原子力安
       全委員会事務局
       規制調査課長   小原  薫君
       文部科学大臣官
       房審議官     加藤 重治君
       文部科学大臣官
       房審議官     加藤 善一君
       厚生労働省医薬
       食品局食品安全
       部長       梅田  勝君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       平野 良雄君
       農林水産大臣官
       房技術総括審議
       官        小栗 邦夫君
       農林水産大臣官
       房審議官     三浦 公嗣君
       林野庁長官    皆川 芳嗣君
       経済産業大臣官
       房審議官     川上 景一君
       経済産業大臣官
       房審議官     朝日  弘君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院審議官   黒木 慎一君
       国土交通大臣官
       房建設流通政策
       審議官      大森 雅夫君
       環境大臣官房廃
       棄物・リサイク
       ル対策部長    伊藤 哲夫君
       環境省総合環境
       政策局長     白石 順一君
       環境省地球環境
       局長       鈴木 正規君
       環境省水・大気
       環境局長     鷺坂 長美君
       環境省自然環境
       局長       渡邉 綱男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○環境及び公害問題に関する調査
 (環境行政の基本施策に関する件)
 (公害等調整委員会の業務等に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(北川イッセイ君) ただいまから環境委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして、一言申し上げます。
 去る十一日に発生しました東北地方太平洋沖地震により大勢の方々が亡くなられましたことは、痛恨の極みであります。
 ここに、犠牲者の御遺族に対し哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 この際、犠牲になられた方々の御冥福を祈り、黙祷をささげたいと存じます。
 御起立願います。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕
#3
○委員長(北川イッセイ君) 黙祷を終わります。御着席ください。
    ─────────────
#4
○委員長(北川イッセイ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境及び公害問題に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官柳孝君外十七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(北川イッセイ君) 異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(北川イッセイ君) 環境及び公害問題に関する調査を議題とし、環境行政の基本施策に関する件及び公害等調整委員会の業務等に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○中川雅治君 自由民主党の中川雅治でございます。
 今回の東日本巨大地震でお亡くなりになられた多くの方々の御冥福をお祈り申し上げます。また、被災された方々、避難生活を余儀なくされておられる方々に心よりお見舞いを申し上げます。被災地で救援、復旧作業に従事しておられる多くの方々に心より敬意を表させていただきます。
 今回の大地震に当たりまして、自民党は救援と復旧を最優先に、政府に全面的に協力する方針であります。そして、政府の作業や対応を補完するために、救援物資の調達、輸送、募金活動など様々な運動を展開いたしております。
 松本環境大臣は、防災担当大臣として、昼夜を問わず大変な御苦労をされておられまして、心より敬意を表したいと思います。この非常時に国民の期待にこたえるべく、更なる御奮闘を期待いたします。
 本日は、今回の大震災に関連して環境省にかかわる、環境省の所管の問題について質問をしてまいりたいと思います。
 被災地、とりわけ津波により町全体がのみ込まれてしまった凄惨な現場を見てきた人の話では、膨大な瓦れき、異常な悪臭、土砂、ほこりなどで想像を絶する状態であったとのことであります。
 環境省としては、復興に向けてこうした状態を一つ一つ取り除いていかなくてはならないと思います。膨大な瓦れきの処理、これが最大の課題になるわけでございます。順次、これから一つ一つ問題点を御提起させていただきたいと思いますが、まず基本的な方針、瓦れきの処理の基本的な方針をお聞かせいただきたいと思います。
#8
○副大臣(近藤昭一君) 環境副大臣の近藤昭一でございます。
 お答えをさせていただきます。
 今、中川委員御指摘のように、今回本当に未曽有の大震災が起こり、その津波によって多くの方が命をなくされ、そしてまた今も多くの方が避難をされている大変に厳しい状況であります。そういう中で、今後更に救命、救援を、作業をしていくに当たって、この瓦れきの処理という問題が本当に大きな課題となってくるわけであります。
 環境省といたしましては、この災害廃棄物の処理を進めるに当たりましては、まずは状況把握が大事だということでありますので、発生直後に直ちに情報収集・連絡体制を確立するとともに、三月の十一日以降、本省の職員でありますが、岩手、宮城、福島、それぞれの対策本部に派遣をさせていただいているというところであります。
 また、その量が大変に膨大であるということで、御承知のとおり、その処理は基本的には市町村が負うということでありますが、残念ながら、そうした機能を多くの市町村が失っているところでもあります。また、大変に広域にわたる対応ということになります。
 そういう観点から、広域的総合調整の体制整備が必要だということで、三月の十三日でありますけれども、環境省内にですが、災害廃棄物対策特別本部というのを設置させていただきまして、自治体及び関係団体との調整を進めさせていただいているというところであります。
 また、三月の二十日でありますけれども、災害廃棄物対策特別本部長、樋高政務官が務めさせていただいておりますが、樋高政務官が宮城県の仙台市、塩竈市、多賀城市等に赴き、現地の調査を、つぶさに視察してまいったということであります。
 さらに、こうしたことを受けまして、迅速かつ円滑に処理するため関係省庁との連携が必要だということで、三月の十八日でありますけれども、農林水産省、国土交通省及び環境省の三省で連絡会を設置させていただきました。
 そして、本日、また樋高政務官を団長とする関係省庁、これは六省庁でありますが、内閣府、農林水産省、国土交通省、警察庁、厚生労働省、環境省で構成する災害廃棄物処理に関する現地調査団を岩手県に派遣をした、本日でありますが、派遣をしたというところであります。
 環境省としては、被災地への支援が可能な自治体や関係団体の協力を得ながら、今回の調査団の現地調査結果や被災地から寄せられる課題を踏まえ、関係省庁と緊密に連携しつつ、災害廃棄物処理に必要な支援を迅速かつ的確に行っていく所存でございます。
#9
○中川雅治君 いろいろな状況が起こっていると思いますが、被災地には下水道が壊れてし尿があふれているところも多いと思います。早く処理しないと伝染病が発生をしたり、衛生面で大変なことになると考えられますが、どのように対応されるおつもりでしょうか。
#10
○政府参考人(伊藤哲夫君) 今回の震災によりまして下水道が壊れた地域あるいは避難所におきまして、仮設トイレを設置しまして今対応していると、こういう状況でございます。
 これらの仮設トイレなどから収集いたしましたし尿につきましては、地元の業者の方で処理できるものについては当然地元にお願いしておりますけれども、それができないというところもございます。そういったところにつきましては、被災を免れたし尿処理施設あるいは近隣県の施設によって処理をしていこうということで今進めております。
 また、仮設トイレの設置でありますとか、あるいはバキューム車によるし尿の収集、運搬につきましては、環境省の方から全国の自治体それから関係業界に対しまして協力を依頼いたしました。たくさんの、協力をするという申出がございました。実際、こういった自治体や業界団体から、既に現地に行きましてし尿処理等の業務を既に始めておるといったところもございます。
 また、環境省では、適正なし尿処理体制を確保するための仮設トイレからのし尿の収集、運搬、処理及びし尿処理施設の早期復旧、こういったことにつきまして所要の財政支援を行っていきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#11
○中川雅治君 阪神・淡路大震災のときは、膨大な瓦れきは大阪湾広域臨海環境整備センター、通称フェニックスと言われておりますが、そこの海面で処理できた部分が大きいと思います。
 今回は阪神・淡路大震災をはるかに上回る瓦れきを処分しなければなりませんが、最終的にはどこでどのように処分をするかということがもう大問題であります。各市町村がその地域内で処理することは到底不可能と考えられますので、国、つまり環境省が中心となって国を挙げて広域的に取り組まなければならないわけであります。そうしなければ復興への道筋が付けられないと思います。
 副大臣も広域的な対応を取るということで、もう各省庁の連絡会、協議会をつくられたり、いろいろな自治体ともう連携を取られていると、こういうことでございますが、環境省の現時点での広域的な対応についての方針といいますか、お考えをもう少し詳しくお聞かせいただければと思います。
#12
○副大臣(近藤昭一君) ありがとうございます。
 御指摘のところが本当に大きな課題でございます。先ほどもちょっとお話をさせていただきましたように、それぞれの市町村が機能を失っていると、大変な状況にあるとともに、今御指摘にもありました場所の問題もあるわけであります。阪神・淡路の際にはフェニックス計画、フェニックスがありまして、そこに随分と瓦れきを処理をしたと、こういう状況があるわけでありますが、今回は、更に増す瓦れきの量ということと、またそれぞれの市町村が広域にわたって分かれているということで大きな課題になっていると思います。
 ただ、それだからこそ国の調整機能が重要だということで、先ほどもちょっと言及させていただきましたけれども、三月十三日に設置しました環境省災害廃棄物対策特別本部において廃棄物の処理に関する広域的な調整を行いつつ、その中では、全国の市町村あるいは被災地域の近隣各都県等に対して災害廃棄物の処理への協力を要請しているところであります。近隣のところでどれだけの処理が可能であるのか等々、あるいは受け入れることができるのかという等々の情報も集約をさせていただいているところであります。
 いずれにせよ、迅速かつ円滑に処理を進めていくために、今後とも、省庁又は自治体とも協力をして進めていかなくてはならないと考えているところであります。かなり現場でできる限りの処理をする、粉砕をする、あるいは一時仮置きの場所を確保していく、総合的な施策が、総合的な協力が必要だと考えております。
#13
○中川雅治君 まさに環境省の真価の問われるときだと思いますので、是非リーダーシップを発揮して頑張っていただきたいと思います。
 今回の被災により瓦れきと化した住宅などの中には、財産価値のあるものや個々人の思い出の品も多く残されていると思います。既に新聞にも出ておりましたが、政府は、瓦れきは原則として無価物として市町村が廃棄できることとし、貴金属などの有価物は自治体が一定期間保管する指針を策定する方向であるとの報道がございます。
 今回の震災で瓦れきを処理するに当たって問題となりますのは、津波によって家屋や建物が元の敷地から流されたということで所有者の不明なものが大量に瓦れきとなっていることであります。津波で流された家財や自動車にはそれぞれ所有権があり、勝手に処分すれば財産権の侵害になりかねないという問題がございます。
 また、実際に作業に当たられる方は、現金や宝石などだけでなく家族の写真や思い出の品々についても無断で処分するということはちゅうちょをされるというふうに思います。しかし一方で、こうした財産権の扱いを慎重にしていきますと、復旧作業は大幅に遅れかねないという問題もございます。こうした処理を現場の判断に委ねるというのは酷であるように思います。
 報道によりますと、政府は、災害廃棄物の処理等に係る法的問題に関する検討会議で指針の検討を始めたというふうに聞いております。その結論も早急に出すというように伺っております。今回の震災による瓦れきの処理について、財産権との関係についてどういう取扱いをされるおつもりなのか、政府の見解を伺いたいと思います。
#14
○副大臣(近藤昭一君) ありがとうございます。
 非常に大きな課題でありまして、このことにつきましても、もちろんこれまでの、何ですか、経験の蓄積もある一方で、今回の震災、その津波の被害が本当に未曽有だということで、現地の自治体も大変に大きな苦悩をしているところであります。
 今御指摘のありました財産権の問題でありますけれども、いわゆる価値があるものないものという見方と、一つの価値に交換、いわゆる貨幣に換算できるといいましょうか、そういった観点だけではないと。本当に多くの方が被災をされ、多くの方が命を失われた。そういう中で、今、中川委員も御指摘になられました、また新聞等々でも報道されているところでありますが、アルバムあるいは位牌とか、こうしたまさしく、ある意味では金銭的には測ることはできないけれども、こうした、その方にとっては大切なものをどう対応していくのか、様々な課題があるところであります。
 ただ、今御指摘にもありましたように、そういう中で一つの方針を国として示してほしいというのはそれぞれの自治体から来ているところでありまして、環境省としても他省庁と、法務省あるいは法制局等とも相談をさせていただいているところであります。
 一般的なことだけまず申し上げたいと思いますが、客観的に判断をして明らかに財産的価値が認められないものには一般廃棄物として市町村の責任の下で処分できると、こういうふうに考えています。財産的価値を客観的に判断することが困難なものは、短期間の広報、掲示板等による公示を経て、所有者が判明しない場合には廃棄物として認定するなどの簡易な運用も考えられると、こういうことであります。また、明らかに財産的価値が認められるものは、それらを分別、保管しつつ、残った瓦れき等の処理を進めることが考えられるということであります。
 基本的な考え方は今申し上げたとおりでありますけれども、今御指摘もいただきました災害廃棄物の処理等に係る法的問題に関する検討会議が設置され、小川法務副大臣を座長として関係省庁が連携してこの問題を検討しているところであり、現在指針の取りまとめの作業中であります。
 先ほどもお話をさせていただきましたように、未曽有の災害であり、この基本方針の下、また現場で円滑に進むように現場の状況も踏まえて早急にこの指針を取りまとめたいと考えております。
 以上であります。
#15
○中川雅治君 ありがとうございます。
 こうした問題につきましては、現場の方、もう最後の本当に微妙なところの判断は現場に任せざるを得ないと思いますが、やはり後々いろいろなトラブル等もありましょうし、批判も出てくる問題でありますので、現場に責任を押し付けるというようなことのないようにきちんと政府としての方針を出すべきだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 そして、被災地には、牛や豚を始め多くの家畜も被害を受けておりまして、家畜の死体も多くあるというふうに思います。これから夏に向かうと腐乱し、衛生面でも大きな問題となります。この家畜の死体の処理は果たして廃棄物処理法で、今の法体系で対応できるのか、疑問もございます。
 家畜等の死体についての対処方針について環境省にお伺いいたします。
#16
○政府参考人(伊藤哲夫君) 今回の災害に伴いまして発生いたしました家畜の死体、これにつきましては生活環境の保全上に支障が生じないように焼却処分を行っていくということがまず考えられるわけでございます。ただし、今回の震災はいろんな事情があるということも想定されますし、そういったことはなかなか難しいといったこともあろうかというふうに思っております。
 そういったことにつきましては地域の事情をよく聞いて、私どもとして適正に処理がされるようにいろいろ相談しながら技術的な助言も行ってまいりたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#17
○中川雅治君 大変大きな問題が次々に出てくると思います。
 今回の被災による膨大な瓦れきを処理するに当たってやはり一番問題になりますのは焼却施設、最終処分場をどうするのかという問題であります。まずは広域的に処理をするということで、日本全国でお互いに融通し合って処分することになると思いますが、それでも足りないんではないかというふうに思います。
 焼却施設、最終処分場についての環境省の方針をお伺いいたします。
#18
○政府参考人(伊藤哲夫君) 今御指摘のとおり、今回の地震によって発生します災害廃棄物の量は非常に膨大な量になるというふうに考えているところでございます。そこで焼却処理や再生利用あるいは焼却、そういったことの中での中間処理でできるだけ減量化していくと、こういうことで最終処分場への持込み量を減らしていくと、こういったことも非常に重要なことではないかなというふうに考えておるわけでございます。
 一方、今御指摘いただきましたですけれども、被災地域のごみ処理施設あるいは最終処分場共に今回の地震で大きな被害を受けているということでございます。岩手、宮城、福島県における施設の稼働状況を今調べておりますけれども、例えばごみ処理施設全部で七十九施設ございますけれども、二十八施設が今はまだ停止しているとか、そういった状況にあるわけでございます。このため、全国の都道府県、市町村あるいは業界団体等に災害廃棄物の処理についての支援を環境省から直接要請し、これは様々な自治体等から支援表明をしていただいていると、こういうことでございます。
 こういった情報も被災自治体に提供を行うということはもちろんでございますけれども、環境省としましては率先して自治体や関係団体、関係省庁の協力を得ながら円滑な処理のための焼却施設、あるいは最終処分場の圏域を越えた広域的な確保、こういったことにしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#19
○中川雅治君 今回の瓦れきの処理はもう本当に大変だと思いますが、それで今おっしゃったように既設の焼却施設とか最終処分場も被害を受けているということで、通常の家庭ごみ、これの収集も滞っている、これはガソリンがないというような事情もあるんだろうと思いますが。
 ですから、そういった瓦れきと化した地域の処理のほかに、今その瓦れきを一時的に保管しているような地域、それから幸い津波の被害から免れた地域、こうずっと続くわけですけれども、一般の家庭ごみの収集まで滞っていて、町に瓦れきと家庭ごみがもうあふれているようなそういう状態にある地域もあると、こういうふうに聞いておりますので、一つ一つほぐして処理をしていかなければならない大変な作業になると思います。
 今部長も言われましたが、この焼却施設、最終処分場、当然足りなくなるだろうと。ですから、中間処理をして減量化していくということが大事だというふうにお話がありました。
 例えば、木くずについては木材チップにするという、リサイクルということも当然考えなければならないと思いますし、自動車や家電製品などにも再資源化できるものもたくさん存在しているわけでありますから、瓦れきの処理といいましても、やはりリサイクル、それから再資源化と、こういう視点は欠かせないと思うんですね。しかし、こうしたリサイクルを厳格にやるということは迅速な処理との兼ね合いで、これもなかなか難しい面があることも事実だと思います。
 その辺の兼ね合いをどうされるのか、これからいろいろその状況状況に対応して決めていくことだろうと思いますけれども、今の時点での問題意識と考え方というものがあればお聞かせいただきたいと思います。
#20
○副大臣(近藤昭一君) ありがとうございます。
 今、中川委員も御言及いただきましたように大変膨大な量の廃棄物が出てきているわけであります。そういった観点から、最終処分場の容量等にも限りがあるという観点も一つの観点となると思っております。そういう意味では、その処分に当たって現場の状況にも応じていかなくてはならないと思っておりますが、現場の状況に応じて可能な範囲でリサイクルを行うことが望ましいと、こういう考え方を持っております。
 例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機及びエアコンといった家電リサイクル法リサイクル対象品目や自動車については、リサイクルの法制度や処理体制も整備をされていることから、瓦れきの中から分別することができればリサイクルすることが可能だと、こういう考え方であります。特に自動車については、内部に燃料やバッテリーが残っており、処理の際の安全面を考えれば、自動車処理についての専門的技術を有する事業者において適切なリサイクルを行うことが必要だというふうに考えております。
 被災地における自動車や家電製品の処理、リサイクルに関する指針を策定するなど、災害廃棄物の処理、リサイクルが迅速かつ適切に進むよう関係自治体に対して最大限の支援を行っていく、こういう予定でございます。
#21
○中川雅治君 今おっしゃったことを実際に実施に移すということはなかなか大変だと思いますが、しっかりとそれぞれの現場で混乱が生じないように指導をしていただく、あるいは統一的な方針を打ち出すということも必要ではないかというふうに思います。
 膨大な瓦れきの処理について、第一義的にどこが責任を持つのかという問題がございます。
 現行の法体系では瓦れきも一般廃棄物でありますから、その処理は市町村に委ねられているわけであります。しかしながら、宮城県沿岸部では役所自体が津波で失われ、行政機能を果たせなくなっている市町村もございます。やはりそのような場合は県が処理することとせざるを得ないでしょうが、この点について環境省はどう考えているのかということが一つ。
 それからまた、市町村の瓦れき撤去、処理の費用ですね。それに対する国の補助は結果として九割まで行うことができるようになっておりますが、十分の十、つまり全額国の負担を求める声も強くなっております。国の財政支援についての環境省の考え方をお伺いいたします。
#22
○副大臣(近藤昭一君) 中川委員御指摘のとおりであります。
 大変に広域にわたり膨大な量がある。市町村の中には、市町村自体が被害を受けていて、その処理が困難になっているところが多い、あるということであります。このため、宮城県等においては、市町村の意向を受けて県が災害廃棄物の処理を行うことが検討されているわけであります。環境省としても、宮城県だけではないと思っておりますので、関係自治体の意見を聞いて、処理体制の在り方を早急に検討してまいりたい、またしっかりと各県をバックアップしていきたいと、こういうふうに考えております。
 また、御指摘の財政上の支援については、災害廃棄物の処理に多額の費用を要すると考えておりますし、具体的に各自治体からもそのことに対する要請も来ておるところであります。
 いずれにせよ、多くの方が被災をされている現地をしっかりと復旧に向けて支援をしていかなくてはならない、そのために着実、円滑に行われるよう最大限の努力をしたいと、こういうことで関係省庁と連携をしているところであります。
#23
○中川雅治君 今の問題につきまして、立法措置が必要になるんではないかなというふうに思うんでございますが、立法措置についての検討というのはされておられるんでしょうか。
#24
○政府参考人(伊藤哲夫君) 御指摘のとおり、処理主体等についての立法措置について今検討を進めているところでございます。
#25
○中川雅治君 そして、今回の大震災で大量に運ばれた土砂やほこりですね。土砂、それがほこりになって舞い上がるということで、住民の方や作業員の方を悩ませているわけであります。
 そしてまた、瓦れきと化した建物の建材として有害なアスベストが使われている可能性もありまして、早急に対応しなければならないと思います。また、瓦れきを処理するに当たってアスベストが飛散する可能性もあります。もう一つ、さらに、今回の震災の瓦れきの中にPCBを含むトランス、コンデンサーが混入している場合もあると思います。それが壊れてPCBが流れ出ている可能性もあると思うんですね。
 アスベストやPCBへの対策はどうされるのか、お伺いしたいと思います。
#26
○政府参考人(伊藤哲夫君) まず、アスベストでございます。災害廃棄物の処理にあっても、アスベストによる被害が生じないよう注意していかなければならないというふうに考えております。
 このため、私ども環境省では、十九日付けで関係自治体に対して通知を行いました。その内容は、アスベストが混入した災害廃棄物の取扱いについての技術的な助言ということで通知を行ったわけでございます。
 具体的には、被災場所や一時保管場所において散水をして十分な湿潤化を行うと、そういったことでアスベストが飛散しないように努めるといったこと、あるいは焼却施設や埋立処分場において適正に処分する、またアスベストが混入した疑いのあるものについてはリサイクルに回さないと、こういったことについて周知を行ったところでございます。
 引き続き、アスベストによる被害が発生しないようなことで、いろいろ情報交換しながら周知徹底をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、PCBでございますが、今回の地震に伴い発生した災害廃棄物の中にはトランスなどのPCBを含む機器が混入しているということも十分あり得るんではないだろうかというふうに私どもも懸念をしているところでございます。
 このため、環境省では十九日に、被災地においてPCB廃棄物の適切な管理が行われるよう、災害廃棄物に係るPCB廃棄物の取扱いに関する留意事項について関係都道府県等に周知を徹底を図っているところでございます。
 また、PCB廃棄物につきましては、PCB特措法に基づきまして毎年届出を行ってもらうと、こういうふうなスキームがあるわけでございます。こういった届出情報を基に、都道府県におきまして被災地におけるPCB廃棄物の保管状況の確認、流出・破損状況の把握ということを進めてもらい、また、PCB廃棄物の適正保管について適切な措置を講じてもらいたいといったことで、関係都道府県に改めて働きかけていきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
#27
○中川雅治君 それと、実はもう本当に大きな問題だと思うんですが、福島第一原子力発電所内の放射性物質で汚染された瓦れきの除去、処理であります。これはもう本当に深刻な問題であると認識いたしております。
 放水作業を円滑に進めるために陸上自衛隊の戦車二台が派遣され、瓦れきの処理に当たったというふうな報道もございます。もちろん、福島第一原発の事故を何とか収束に向かわせることが今政府に課せられている最大の課題であります。大変な、今、関係者で御努力をされているところだと思いますが、この福島第一原発内の放射性物質で汚染された瓦れきをどう処理するのか。映像で瓦れきの山が映りますと、大変国民の皆様方が不安になると思います。
 それと、この原発の全六基が廃炉になると、もう廃炉は避けられない、こういう見方が強くなっている状況の下で、いずれこの福島第一原発の各炉をどう処理するのか。収束に向かって、その後廃炉にして、廃炉にした後どうするのかという、これがまた大変な問題だと思います。チェルノブイリ事故の場合は廃炉にしてコンクリートで固めたということでありますが、それでもやはり周辺住民の方は不安であるというふうに思います。
 瓦れきの処理、それから廃炉にした後の処理をどうされるのか。これは環境省の直接の所管ではないということは承知いたしておりますし、政府としてまだそこまで検討が進んでいない状況だとは思いますが、現時点での政府の方針をメッセージとして発していただければというふうに思います。
#28
○政府参考人(伊藤哲夫君) 放射性物質及びこれによって汚染されたものにつきましては、先生御指摘のとおり、廃棄物処理及び清掃に関する法律に規定する廃棄物から除かれているということでございます。具体的には、廃掃法の二条で廃棄物の定義がございますけれども、この中で「放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。」ということで、廃掃法での対処ということではないということでございます。
 では、どこで対処するかということでございますけれども、これにつきましては、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律という法律がございまして、これによって規制されているところでございます。この法律は原子力安全・保安院において所管されているということで、私ども、原子力安全・保安院に確認いたしました。
 以下のとおりのことの回答がございましたので、ちょっと御紹介申し上げたいと思います。
 放射能に汚染された瓦れきについては、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律に従って、その放射能濃度に応じて処分場の一定の深さの地中に埋設処分されることになる。また、廃炉につきましては、同法に従って、原子炉設置者が経済産業大臣の認可を受けた廃止措置計画に従って廃止措置を行うことになると。なお、現在、全ての関係者が事態の収束に全力を挙げているところであり、これらの具体的な方法についてはまだ決まっていないと、こういったことでございました。
#29
○中川雅治君 まだ決まっていないということは、そのとおりだろうと思います。
 ただ、この処理につきまして大変心配をしているという状況があると思いますので、環境省も、直接の所管ではないわけですけれども、放射性物質に関してもいろいろな知見やノウハウを持っているわけですので、これはもうどこがということではなく、もう政府全体で取り組まなければならない問題だと思いますので、そうした環境省の持っている知見やノウハウを是非提供して、政府一丸となってこの問題に取り組んでいただきたいというように思います。
 そして、これから仮設住宅の建設がどんどん始まっていくというふうに思います。下水道が壊れているところは復旧までに相当の時間が掛かるところもあると思いますし、仮設住宅を建設するところには下水道が通っていないというところも出てくるというふうに思います。
 そういうときは浄化槽の出番だというふうに思います。浄化槽について、これから相当たくさんの浄化槽を設置しなければならないということになりますと、その生産体制や技術者の確保など、環境省としても今から考えておかなければならないことがたくさんあると思いますが、環境省の浄化槽についての対応方針をお聞かせいただきたいと思います。
#30
○政府参考人(伊藤哲夫君) おっしゃるとおり、仮設住宅の建設が進みますと、し尿や台所、風呂からの排水の処理というのは非常に重要となってくるわけでございます。
 そういった中で、まさに浄化槽の出番だというふうに考えております。浄化槽は、短期間で設置できるという特徴を有しております。したがいまして、これを仮設住宅の整備に活用できるよう、十分な供給体制を確保することが重要であるというふうに考えております。浄化槽を造れば水洗化もされるということで、これは非常に重要な課題だというふうに考えている次第でございます。
 こういったことから、私ども環境省は、国土交通省などの関係省と連名で浄化槽メーカー団体などに供給の確保について協力を要請したところであります。今後とも、関係者と連携し、浄化槽の必要量が迅速に供給できるよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#31
○中川雅治君 恐らく浄化槽は非常に便利で、地域によっては大変大きな効果を持つものなんですけれども、この今までの長い歴史といいますか流れの中では、下水道というものが一番だと、こういうことで浄化槽がどんどん細ってきたという経緯があるわけなんですね。そういう意味では、この生産体制とか関係の技術者も少なくなってきているということが危惧されますので、そこはもう早いうちから手を打っていただきたいなというふうに思います。
 環境省は、まだまだいろいろなこれから課題を抱えると思います。特に、いわゆる計画停電の問題が今起こっていますが、今年の夏には非常に電力の需要が高まるときに、原発はもちろん停止していますし、火力発電所も故障したところも多いというところで、そういったところを修理して使ってもまだまだ相当な量の電力の供給不足というものが出ると。こういうことになりますと、当然、節電、省エネということが重要になってくるわけであります。
 今まで環境省は、いわゆる地球温暖化対策ということで節電とか省エネですね、これはもう国民運動として進めてきたという実績があるわけであります。ただ、なかなかCO2削減ということでは国民の皆様方の協力が得られないというところもあったと思うんですが、今回のこの電力不足に対しましては、もう本当に町じゅう、国じゅうが協力をしていると、こういう姿が出てきております。
 オイルショックのときも大変な国民の皆様方の協力をいただいて乗り切ったと、こういう歴史もあるわけなので、今回は相当な皆様方の協力が得られると思うわけですが、その前にいろいろ環境省としては、既にCO2削減対策、地球温暖化対策のための国民運動を啓蒙してきたこともございまして、いろんなノウハウがあると思うんですね。そういうものを是非、これから夏場にかけていろいろ環境省が発信をしていく必要があるだろうと思います。
 サマータイムの導入ということを蓮舫大臣が言われたようでありますが、このサマータイムについてはもう既に環境省で十分にもう検討しておりますので、いろんな知見といいますか知識はたまっているわけでありまして、こういったことも政府全体として決めるときには是非提供していただきたいというふうに思います。
 それから、いわゆる避難所で生活をされておられる方、これからまた避難所生活を強いられることになる方、もう出ないでほしいわけですけれども、そういうこともないわけではないと思いますし、仮設住宅での生活ということになりますと大変これは厳しいものになると思います。
 そういうときに、今既にもう問題になっておりますが、家族同様にかわいがっていたペットを、これを持ち込めないということでいろいろ精神的にも非常に落ち込む、そういう方もおられるわけでありまして、自然環境局の動物愛護管理室の問題になろうかと思いますが、ペットをどういうふうに扱うのか。避難を余儀なくされた方については、その自治体で大事なペットを一時お預かりするとか、そういう形で安心をしていただくというような措置も必要なんじゃないかというふうに思います。
 また、いろいろな火災が起こっておりましたので、大気の汚染についても心配されることがありますので、よくウオッチをしなきゃいけないと。
 環境省関連でも本当に様々な問題がこれから、また今もう起こっておるわけですけれども、今度の震災の救援、復興のまさに本当に大事な役割を担う役所になっているというふうに思いますので、副大臣また大臣以下もう環境省の職員一丸となって対応していただきたいと思います。
 そして、ちょっとこれは環境省というよりか、次に近藤副大臣に、政権に入っておられる政治家としてお聞きしたいわけでございます。
 これから瓦れきの処理や仮設住宅の建設など早急に対応しなければならないわけでありますが、それには膨大な財政支出が必要になります。自民党は、子ども手当や高速道路無料化を廃止し、これで浮く財源を被災地に回してはどうか、災害復旧に回してはどうかと主張しているわけであります。
 もちろん、それだけでは到底足りませんので数兆円規模の補正を組む必要があると思いますが、せめて子ども手当の分ぐらいは被災地への支援に回してはどうかという考え方については、世論調査によっても大部分の国民の皆様方に支持されているようでありますから、私は、民主党政権はそこを決断すべきだと考えます。
 近藤副大臣はどのように思っておられるか、お伺いしたいと思います。
#32
○副大臣(近藤昭一君) 御質問をいただきました。
 中川委員、御質問に答えさせていただく前に一言だけ申し上げさせていただきたいと思います。
 今、中川委員にも御指摘をいただきました。中川委員も環境省でもお仕事をされ、環境省の仕事を大変に御理解いただいている。そういう中で、まさしく国民運動として今回の災害を、本当に多くの方が亡くなられた、そういう中でしっかりと糧としていかなくちゃいけない、そういう中で頑張れというメッセージをいただいたと思っております。
 環境省としても、クールビズということだけではなくてウオームビズというのもさせていただいておりまして、本当に節度ある生活といいましょうか、今本当に救命がまず第一でありますが、環境省としても、これから現地で避難されている方々の生活を取り戻していかなくてはならない、そのために、またこうした災害がいつあるか分からないということで、本当に災害に強い日本の国づくりをしていかなくてはならないというふうに考えております。
 そういう意味で、国を挙げてこうした問題に取り組んでいかなくてはならないというふうに考えております。また、中川委員におかれましても大きな御指導をいただければと思っております。
 そういう中で、今、財源の問題等々があって、どう考えているんだと、こういう御質問がありました。
 今日、質問でやり取りをさせていただいておりますように、大変に大きな被害が出ておるわけであります。大変なこれから財政の出動が必要になってくると思っております。そういう意味では、震災対策を第一として歳出の見直しが必要になるんではないかと、こういうふうに私も考えております。ただ、その財源の調達方針については様々な観点からこれから検討が行われていくというふうに考えております。
 環境省としては、今も言及させていただきました災害廃棄物対策にしっかりと対応していく、そういう中でこうしたこともしっかりと検討していかなくてはならないというふうに考えております。
#33
○中川雅治君 民主党は、一昨年の総選挙の際のマニフェストにおきまして、マニフェストに掲げられている項目を全て実現すると、平成二十五年度の所要額は十六・八兆円だというふうに記載されております。その財源については、このマニフェストによりますと、国の総予算二百七兆円を徹底的に効率化することによって九・一兆円、埋蔵金や資産を活用することで五・〇兆円、租税特別措置などを見直すことによって二・七兆円、合計十六・八兆円の財源は全て今の仕組みを改めることによって生み出すとしていました。
 ですから、国債は増発しません、消費税は四年間上げませんと、民主党の幹部はもちろん、全国で各候補者が演説をしたわけなんですね。近藤副大臣もそういうふうに言われたんではないかと思うんでありますが、自民党は、そんなことができるわけはない、このマニフェストは詐欺だと、当時声を大にして主張したんでありますが、政権交代の嵐の中でこのような声はかき消されてしまったと言ってよいと思います。
 ところが、民主党政権が発足して、事業仕分で見付けた財源は七千億円に満たず、その後の仕分で捻出した財源も大きな金額にはなっておりません。十六・八兆円の財源を今の仕組みを改めることによって生み出すという公約は、言ってみれば全くのうそだったということがはっきりいたしました。
 ですから、この大震災の下で膨大な財政支出が必要となることをも考え合わせますと、この財源面のマニフェストはもう全く実現不可能なわけですから、今度はやはり支出面の、ばらまき四Kと言われる民主党の目玉のマニフェストを始め、いろいろ歳出の増加を伴うマニフェストがあるわけでありますが、それは撤回するというか大幅に見直すことは、もうこういう状況になりますと当然だと思いますが、近藤副大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#34
○副大臣(近藤昭一君) 今御指摘がありました財源の調達方法や制度等について、様々な観点からこれから検討が行われるものと考えております。
 今御指摘をいただきました民主党のマニフェストについてでありますが、マニフェストを簡単に撤回すべきではないという思い、つまり、目標を立てた、そういう中でしっかりと目標に向かって努力をしていく、そういう中で様々な課題を乗り越えていく部分と、ただ、私は、こうした大変に緊急時であります、一日も早い被災地の復旧復興に向けてしっかりとした対応ができるように対応すべきだと、こういう考えは持っております。
#35
○中川雅治君 この話はこの程度にさせていただきますが、もう一つ民主党のマニフェストに、CO2等排出量について二〇二〇年までに一九九〇年比二五%削減を目標とするというのがございます。
 CO2二五%削減については、マニフェストでは特に前提条件は付いておりませんでしたが、民主党が提出した地球温暖化対策基本法案では、公平かつ実効性ある国際的枠組みの構築や意欲的な目標の合意を前提としてという条件が付けられておりますし、二五%削減を国内での削減で幾ら、海外からの排出量の購入で幾らといった内訳は不明になっておりまして、そこがよく見通せないわけであります。何ら条件の付いていないマニフェストの段階から現実に法案になった段階では前提条件を付けて工夫したとは思いますが、今や二五%削減という数字が独り歩きしている感があるわけです。
 しかも、この地球温暖化対策基本法案で、国は国内排出量取引制度を創設するものとし、このために必要な法制上の措置について、この法律の施行後一年以内を目途に成案を得るものとするとありますが、昨年十二月二十八日の地球温暖化問題に関する閣僚委員会決定で、国内排出量制度に関してはいろいろ状況の変化があるというようなことで、最後に、慎重に検討を行うということで非常に否定的な決定がなされたわけであります。
 私も、排出量取引制度は極めていろいろな問題があると思っておりまして反対なんですけれども、早くもこの法案に規定されている排出量取引制度の創設に民主党政権自らが否定的な態度を取ったということでありまして、二五%削減というのは現実にはなかなか、前提条件の成就も難しいでしょうし、国内対策も含めてなかなか難しい。そして、海外から膨大な排出量、排出権を購入することによって達成するんだということになれば、これはもう、これだけ日本経済がこの震災で打撃を受けてこれから懸命な復興をしていくという中で大変大きな重荷になってしまうというふうに思うわけであります。
 今回の大震災で原子力発電については見直しが不可欠の状況となりました。日本経済も大変大きな打撃を受けてこれから復興していこうと、みんな力を合わせてやっていこうと、こういうときに二五%削減というのは当然見直さなければならないというふうに思うのでございますが、副大臣はいかがでしょうか。
#36
○副大臣(近藤昭一君) 中川委員、御指摘をいただきましたこと、いろいろと情報をいただいたり、あるいは御意見をいただいているところではあります。ただ、気候変動は人類共通の重要な課題であり、地球温暖化対策に積極的に取り組むという国の基本方針に変わりはないと、変えるべきではないと私は思っております。
 ただ、被災直後の現時点においては、まずは災害からの一刻も早い復旧に全力を尽くしていくということ、その上で、当該災害の地球温暖化対策に関連する影響について関連情報収集・把握にしっかり努めていかなくてはならないと、こういうふうに考えております。
#37
○中川雅治君 こうした問題はもっと本当はもう少したった後で時間を掛けて議論をしていかなければならない課題だと思いますが、副大臣も今おっしゃいましたように、まずは今回の震災の救援、復興ということが政府の大きな使命でありますし、環境省も大変大きな役割を担う省として奮闘していただかなければならないわけでありますので、私も、今副大臣からお話がありましたように、環境省で仕事をした身でございますので、もう本当に省を挙げての活動また活躍というものに心から期待をしております。
 本当にこれからいろんな局面で厳しい状況を乗り越えなければならないと思いますけれども、松本環境大臣を中心として政務三役と事務方が一体となって、国民の期待にこたえるため迅速かつ適切な対応を取っていかれることを切にお願い申し上げ、また、私も全面的に御協力をさせていただくことをお約束いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
#38
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 最初に、この度の東日本大震災で亡くなられた犠牲者の皆さんに衷心より哀悼の意を表したいと思います。また同時に、今もって物資が不十分で、強い余震が続く厳しい中、必死の思いで生活をやりくりしている被災者の皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 言うまでもなく、国会は、私は、これから復興とか防災の関係、あるいはさらにエネルギーの問題について議論して深めていかなければいけない、そういう命名をしていくぐらいの審議を深めていく機会にしなければいけないなと思っております。
 東日本大震災の復興計画、将来の大規模災害に対する防災計画などを抜本的に見直す議論ももちろん必要でありますし、また、既に復興庁の創設の話が出ておりますが、私は、さらに省庁横断的に統合的な行政を行う防災庁、そういった創設の検討ですね、これも議論の中で必要でないかなと思っております。既に東京都はイニシアチブを発揮しておりまして、八都県市のFEMA、そういうものが動き始めております。また、原子力については、既に何回か私取り上げてきておりますが、ブレーキに当たる規制官庁、アクセルに当たる推進官庁の分離の検討ということもやはり議論として必要ではないかなと、このように思っています。
 今回の危機は、大地震による自然災害という危機、それから原子力発電所の事故による人工災害という危機、二つの複合危機ではありますが、さらに、危機管理が薄くて管理危機という第三の危機が混乱に拍車を掛けているという鋭い指摘もございます。
 復興基本法の創設については、日本の近未来につながり、大きく成長する種をいかにその中に植え込むか、極めて大事であり、私は復興基本法の中身が画竜点睛だと、そのようにとらえております。
 今回の原発災害は非常にゆゆしき事態でありまして、耐震設計の指針についても十年前から改正すべきであり、多少の改正は当然ありましたが、そういった中で、スリーマイルアイランドのようなことについては、答弁の中ではありますけれども、日本では起こり得ないと、何回となく政府答弁がございました。しかし、現実にはこのような事態でありますので、やはり全体的なエネルギー政策の見直し、それを抜本的にやっていく必要があるんではないかなと思います。
 巨大な一極集中の発電システム、あるいは再生可能エネルギー、それぞれ長短が当然あるわけでありますけれども、今回のように、ある地域が大災害に遭ったときには、発電ばかりじゃなくて、送電、配電、それが途絶するわけでありますので、やはり被災地から別のところで大きな影響が出ているのは、今、計画停電があるということで十分分かると思います。
 ただ、だからといって巨大な発電システムがあってはいけないという話ではありませんが、私は、再生可能エネルギーを中心にしながら地域分散型のエネルギー供給システム、これをさらに、災害の観点を含めて、あるいはテロなどの安全保障という観点も当然必要でありますし、従来から言われておりますように、この導入の拡大というのは、地球温暖化対策、エネルギー自給率の向上、エネルギー源の多様化、あるいは環境産業育成の観点からも非常に重要で不可欠のエネルギー供給システムであると考えておりますので、今後は、先ほど申し上げましたように、災害対策など、そういった観点から、ある意味ではスタンドアローン的な、地域としてのスタンドアローン的な、自給自足的なそういう意味合いでありますけれども、そういう施策展開等をどのように今まで進めてこられたのか、そういう観点がなければ、今後どのように進めようとしているのか、施策の展開のありよう、そういった点について御見解を示していただきたいと思います。
#39
○政府参考人(朝日弘君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、分散型電源の普及につきましては、災害対策や電力の安定的な供給力確保の観点から極めて重要でございます。こうした観点から、これまでコジェネレーションの普及でありますとか再生可能エネルギーの普及促進に努めてきたところでございます。さらに、地域での再生可能エネルギーの普及を一層進めますため、スマートグリッドの技術などについても現在実証を進めているところであります。
 今回の震災の経験を踏まえまして、大規模電源との相互補完関係にも配慮しながら分散型電源の一層の普及促進に努めてまいりたいと認識してございます。
#40
○加藤修一君 ある地域を限定するならば、発電、送電、配電というのが、その中で災害があったときにはそこが止まるわけですけれども、ただ、巨大な場合は、送電、配電がありますから別のところに大きな影響が行ってしまうということですので、そういう地域自給型の点についてもやっぱり今後はかなり必要な局面というものを真っ正面からとらえ直さなければいけないんでないかなと思いますので、その点についてはよろしく検討を深めていただきたいと思います。
 それから、今回のマグニチュード九・〇という大規模地震でありますけれども、また大津波を考えますと、原子力発電所の多くが海岸部にあるわけでありまして非常に心配になっておりますが、これは何も私一人の話じゃなくて、多くの方がそういうふうに思っているに違いないと思いますけれども、現在動いている原子力発電所の数は、基数ですね、基数は日本全体でどのぐらいですか。あるいは、停止状態の基数はどうでしょうか。その辺についてお示しください。
#41
○政府参考人(黒木慎一君) 現時点でございますが、原子力発電所、五十四基あるわけでございますけれども、正常に運転している発電所の数は二十七基でございまして、停止中のものが二十七基という状況でございます。
#42
○加藤修一君 私、二十七基停止していると思ってびっくりしているんですけれども、これ、どういう中身になります。今回の六基の関係も当然あるんでしょうけれども、そういう災害で停止しているやつ、あと定期点検で停止しているやつ、それ以外に何かありますか。その辺ちょっと分かりますか。
#43
○政府参考人(黒木慎一君) 止まっているものの内数は、今は持っておりませんが、定期検査で従来から止まっているもの、先生御指摘のように、動いていたものが今回の地震等によって停止したものがほとんどでございます。
#44
○加藤修一君 今回の地震で停止せざるを得なかったのは何基ですか。私は六基だと思っていましたけれども。通告しているんだけどな。
#45
○政府参考人(黒木慎一君) 点検中で停止のものが十二基でございます。それから、地震によって止まったのが十一基でございます。
#46
○加藤修一君 びっくりしておりますけれども、それはそれとして別の機会にまたやりたいと思いますが。
 五十四基、これは商業用の原子力発電所だと思うんですね。ほかにも研究用等々含めてあるとは思っていますが、それは文科省だと思いますけれども。今言った五十四基の関係でありますけれども、耐震設計上考えられておりますマグニチュード、それから加速度、ガルの関係ですね、それから津波規模をどう想定しているか。
 これは質問通告しておりましたけれども準備できなかったと思いますので、後日委員会の方に提出してほしいんですけれども、ございますか、今。でも、みんな説明されるともう質問時間が全部終わっちゃうので、後日資料を提出してほしいと思いますので、よろしくお願いします。ただ、提出できるかできないかということ。
#47
○政府参考人(黒木慎一君) 福島第一発電所のものについては、設計上のものについてはマグニチュードの大きさ、ガル数等の数値は今お答えしますが、全てはちょっと今お持ちしておりません。適切に対応したいと思います。
#48
○加藤修一君 じゃ、よろしくお願いいたします。
 それで、東日本大震災のマグニチュード九・〇というのは、報道で知る限りにおいては予想可能性を超えると、想定外であったという話になっているわけですけれども、東海地震、これはいつ起こってもおかしくないというふうに言われているわけですよね。
 現在、想定あるいは想定外のことを含めて、まずはやはり浜岡原子力発電所について総点検を行うべきではないかと考えておりますが、耐震強化を含めて懸命に努力していることは私もよく知っております。その辺について総点検ということは、要するに想定外のことが今回起こったというふうに言われておりますので、じゃ、想定外の東海地震の起こったときにはどういうふうに考えるべきかということも含めて、それは、まず第一番目にはやっぱり浜岡原発についてはやる必要があるんではないかなと私は個人的に思っております。その辺についてはどうでしょうか。
#49
○政府参考人(黒木慎一君) 浜岡原子力発電所でございますが、事業者において既に津波に対する各種の具体的対策を検討し、一部実施しているという状況であると聞いてございます。
 今回の地震、津波、先生御指摘のように、我が国でこのような大きな津波を受けたということを踏まえまして、今回の事故を徹底的に検証を行う必要があろうかと思っております。御指摘の、今現在はとにかく危機の回避ということで、影響拡大を福島第一発電所について最優先で最大限やっているところでございますので、そういうことを行いながら必要な対策を進めていきたいと考えております。
#50
○加藤修一君 是非よろしくお願いいたします。
 先ほどエネルギー政策の抜本的見直しというふうに話いたしましたけれども、五十四基含めて、今後増設をすることについても、それは想定外のことについてどう対応するかということも含めながら検討をしなければいけないんではないかなと思っておりますので、ここについては強く要請をしておきたいと思います。
 それでは次に、再生可能エネルギーの話、先ほどいたしましたけれども、政府の方で全量買取り制度の件について懸命に努力していることについては私は非常に評価している一人でありますけれども、バイオマス発電の関係ですね、この関係は非常に大事だと思っているのは、様々な問題が生じかねないということで、是非そういった面については十分な対応をしてほしいなと思っております。
 バイオマス、木材なんかもある意味ではバイオマスと言っていいわけですけれども、森林資源、木材資源等々、そういったものについて既に業界として成り立っているところがあるわけですよね。市場規模として二十二兆円で、従業員が七十一万人になると、そういうふうに推測されておりまして、関係の団体としては、団体といいますか業界でありますけれども、紙パルプ、紙加工、あるいは家具の関係あるいは合板の関係、繊維板あるいは集成材とか印刷出版業等、非常に幅広い。木材をいわゆるマテリアルとして使っていると、原材料として使っていると、そういう産業分野があるんですけれども、さらに関連する業界としては、当然でありますけれども、住宅産業、木工機械業というのがこの裾野を広くしている話なんですけれども。
 バイオマス発電というのは、使って使って使い尽くして、リユースして、リサイクルして、最後に使う、最後に熱源として考えていくということが、これは循環型社会形成推進基本法の中の法律上優先順位として決められている問題だと私は理解しておりまして、こういうところについて、環境省あるいは経済産業省、国土交通省、それからもう一つ、どこだったでしょうか、通告の段階ではもう一省は農林水産省ですか、どのようにその辺について認識しておりますか。確認という意味で申し上げます。
#51
○政府参考人(伊藤哲夫君) 御指摘のとおり、循環型社会形成推進基本法におきまして、技術的及び経済的な可能な範囲で、原則として再生利用、いわゆるリサイクルが熱回収、サーマルリサイクルに優先するということが明確に規定されているところでございます。
 木材資源のマテリアルリサイクル産業は循環資源の再生利用を促進するというものでございますので、循環型社会を形成する上で非常に重要な役割を果たしていると、こういうふうに認識している次第でございます。
#52
○政府参考人(小栗邦夫君) 先生御指摘のとおり、バイオマスの資源として最大限に利用することが大事でございまして、単に燃やすだけではなく、製品として価値の高い順に利用していくと、多段階利用が大事だというふうに考えております。
 したがいまして、紙であるとか木材製品であるとか既存の木材利用に影響を及ぼさない形でのバイオマスの活用が大事だと思っておりまして、この点につきましては、先生から御尽力いただきましたバイオマス活用推進基本法、二十一年に制定されました基本法に基づきます昨年に閣議決定いたしましたバイオマス活用の推進基本計画におきましても、その旨を明記をしているところでございます。
#53
○政府参考人(大森雅夫君) 私からは、建設発生木材のリサイクルについて申し上げたいと思います。
 いわゆる建設リサイクル法の基本方針におきまして、木質ボード等の原材料として利用することを促進し、これらの利用が技術的な困難性であるとか、また環境への負荷の程度等の観点から適切でない場合に燃料として利用することを促進するということをうたっているところでございまして、引き続きマテリアル利用が促進されるよう努めていきたいと思っております。
#54
○政府参考人(朝日弘君) お答え申し上げます。
 バイオマスエネルギーの利用に関しまして、循環型社会形成推進基本法に規定されます優先順位の観点でありますとか、バイオマス活用推進基本法に規定されます原材料としての優先利用の観点、十分に考慮される必要があるものと考えてございます。
 当省といたしましては、再生可能エネルギーの固定価格買取り制度の導入に当たりまして、これら既存法令の考え方、十分に踏まえながら制度設計を行ってまいりたいと考えてございます。
#55
○加藤修一君 私が懸念しているのは、そういう木材関係、マテリアル関係の今までパイを取ってきた部分が、全量買取り制度によっては市場のメカニズムが変わってしまって、そちらの方に流れてしまうという、つまりバイオマス発電の方に流れてしまうと、そういうことで従来の産業が打撃を受けるようなことがあってはいけないなと、そういうふうに思います。
 それで、経産省のいわゆるこの再生可能エネルギーの法案の概要については、バイオマスについては紙パルプなどほかの既存産業に影響がないものを対象とするというふうに書いてあるんですけれども、なかなかこれは、言うのはやすしですけれども行うのは難しというところだと思うんですね。
 それから、このバイオマス発電の買取り対象の確認に当たっては、既存用途における供給量逼迫や市況の高騰が起こらないこと、あるいは持続可能な利用が可能であること、これは今議論してきている中身でありますけれども、あと、ライフサイクルアセスメントの観点からは地球温暖化対策に資すると、そういうことについて配慮をして、従来のマテリアル利用がより促進できるようにしなければいけないということだと思いますけれども、そういう各省庁間でどういう協議をされているかということなんですね。
 先ほどバイオマス活用推進基本法の話がありました。第八条においても、「バイオマスの活用の推進は、まずバイオマスが製品の原材料として利用され、最終的にエネルギー源として利用されるなど、」と、そういうことでマテリアル利用の優先性がうたわれているわけでありますけれども、基本法で書いてあるとおりなんですけれども、どのように今後協議等を含めてやっていくか、その辺についてしっかりと答弁をお願いしたいと思います。
#56
○政府参考人(朝日弘君) お答え申し上げます。
 検討中の固定価格買取り制度では、バイオマス発電は買取り制度の対象とする予定でございます。今委員御指摘のとおり、既にマテリアル利用されているバイオマス、多うございます。そういった意味で、量的逼迫や市況高騰など著しい影響が発生しないよう措置することが重要であると考えております。
 買取り対象を認定する準備するわけでありますけれども、様々な条件について検討すること、それから関係省庁と連携した制度をつくること、重要でございます。現状におきましては、関係省庁実務者レベルで、こういったバイオマス原料の物流などにつきまして、その実態について詳細なすり合わせを行っているところでございます。
#57
○加藤修一君 時間がないからちょっとスキップしますけれども、林野庁が今、新成長戦略の中で木材自給率、これ二〇二〇年に目標数値として五〇%を掲げているわけなんですね。今たしか二十数%の段階だと思っておりますけれども、私はこういう数値を掲げることは非常に大事なことだと思っておりまして、賛成の立場なんですけれども、ただ、この五〇%はどういうところから出てきた数字なのか、根拠を知りたいと。それから、五〇%にしていくためのロードマップですよね、その辺のところはどうでしょうか。
#58
○政府参考人(皆川芳嗣君) 加藤先生御指摘の現行の自給率というのは今二八%、二十一年のときでございます、二八%でございます。
 この五〇%でございますけれども、まず私どもは資源上どうかということを検討いたしました。
 今、我が国の森林資源、実は蓄積量が四十四億立米ございまして、毎年八千万立方ずつ成長しているということでございます。この我が国の木材の需要量が二十一年のときは六千三百万立米でございますので、それを上回る成長量があるということでございます。ただ、当然、どこからどれだけ切れるかということもございますので、そういった意味で、この八千万立米の過半、半分ぐらいというのは十分に利用可能な資源であろうというふうに考えたということでございます。
 それから、過去において我が国の林業が復興材を支えたころに五千三百万立米ほどの供給量をしたことがございます。そういう意味で、過去の実績としても供給は可能だということでございます。
 ただ、一方で、この五〇%の自給率を目指すと、ですから大体八千万立米の需要があったときに四千万立米の供給をするということでございますが、これには様々な課題がございます。当然、外国材、輸入材に比べてやはり供給の安定性が欠けているといったような問題、さらには、木材利用の面では、昭和三十年代以降、なるべく公共的な建築物では木材を使わないようにするという方針がございました。これは復興材を切るために過伐ぎみに、森林資源をやや傷めたという経験もございまして、そうなっていたわけでございますが、そういったものを改めていかなきゃいかぬ。
 いわゆる山側からの供給量をいかに安定させるかということと、需要をいかに安定的に確保するかと、この両面の課題を克服しませんと、当然に五〇%というのは絵にかいたもちになってしまうということでございますので、これについて、例えば需要の方でいえば、公共建築物の木材利用促進法案というのをお作りいただきました。これに基づいて、公共建築物はまず木質が原則だという方針で今取り組んでおります。そういった面での需要の拡大。
 また、供給の面でいいますと、それをなるべく安定供給できるだけの単位に山側をまとめていく、また、流通構造を改善していくということを着実に行っていけば、この五〇%は十分に達成できると。また、これに向けては工程管理をいたしまして、着実に進めていくという覚悟でございます。
#59
○加藤修一君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 大震災後ということでありまして、復旧復興へ動くわけでありますけれども、国内において木材需要が増大するということは常識的に考えられると思うんですね。輸入というよりは国産材をどう利用するかということが、復興を目指して、どうそれが安定的供給をすることができるかということなんですけれども、木材が高騰しないように国内需要をどう調整するかということに当然なってくる。
 山元とどういうふうにつなげていくかということも当然あるわけでありますけれども、この機敏な、そういう面における、震災対応の関係も含めて、どういう機敏な施策を考えているか、その辺どうですか。
#60
○政府参考人(皆川芳嗣君) 震災が三月十一日にあったわけでございますが、三月十五日の日に木材関係団体を集めまして、木材需給に関する協議を行いました。その中で一番肝要な点は、いわゆる、何といいますか、思い込みとか、需給に関する思い込みでかえって荷が滞るといったことがあってはいけないということで、情報交換を密にしようということを要するにそこの場でも申し合わせたわけでございます。
 特に、木材のいわゆる製造業も今回、実は東北の方でかなり被災をしております。例えば、合板の製造の業界でいいますと、合板製造業でいいますと、日本の生産量の三割ぐらいを担うところが打撃を受けたということでもございます。ただ、一方では、合板の製造能力自体はかなり全国に十分それを上回る部分はございますので、そういった面で、そこに例えば原木を回すとかといったことで十分に対応可能だろうということで、そういったいわゆる需給情報の交換をやってまいりました。
 また、関係省庁の間でも、特に住宅資材となりますと、当然、国土交通省、経済産業省とよく打ち合わせなきゃいかぬということで、その関係の会議ももう既に設けております。
 そういった中で、とにかく安定供給、また復興材の安定供給ということを旨といたしまして、情報交換、さらには業界に対する的確な指導ということをこれからも行ってまいりたいと。また、それは資源的にも、またその製造能力の面でも私どもとしては十分可能だろうというふうに思っておりますので、その部分で今後とも機動的な対応をしてまいりたいというふうに思っております。
#61
○加藤修一君 木材関係は先進国では成長産業だと言われておりますので、日本だけがちょっと違った形で進んでいるということは非常に残念に思っておりますので、是非対応を更に強化していただきたいと思います。
 それでは、次に環境省、お願いしたいんですけれども、原子力災害における環境省の所掌の範囲というのはどういうところになりますか。
#62
○政府参考人(鷺坂長美君) まず、放射線等のモニタリングということで、環境省は、政府全体の中の役割分担として、日本海側の離島などを中心に十か所で大気中の放射線等のモニタリングを実施しております。その結果につきましては毎日ホームページで公表しておりますし、今回は政府の原子力災害対策本部にも報告しているところでございます。
 以上です。
#63
○加藤修一君 時間がございませんので、残りは明日の委嘱の関係に回したいと思っておりますが、最後の質問になります。
 ミリシーベルトの意味なんですが、これ、放射性物質の何を測っているんですか。
#64
○政府参考人(黒木慎一君) ミリシーベルトでございますが、これは放射性物質から出される放射線、これが人体にどれだけ影響を受けるかというものを示すものでございます。今回の場合は、放射性物質から出てくる放射線、そのエネルギーを測りまして、これは単位でいうとグレイという単位になりますが、これをシーベルトに変換しているということでございます。
#65
○加藤修一君 質問がまずかったかもしれませんが、ガンマ線を測っているというのが主ですよね、恐らく。それと、外部被曝と内部被曝、それを合わせたことも総量として考えざるを得ないんですけれども、その辺はどうですか。
#66
○政府参考人(黒木慎一君) 御指摘のように、最終的に被曝線量を評価するときには、外部線量と内部線量を合わせて評価するということになろうかと思います。通常のモニタリングにおきましては外部線量についてのみミリシーベルトということで発表しておりますが、呼吸等で人体に入るような場合には両方を考慮する必要があるということでございます。
#67
○加藤修一君 時間が参りましたので、終了いたします。ありがとうございました。
#68
○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。
 今回の東日本大震災によって亡くなられた方々とその御家族に深い哀悼の気持ちを申し上げると同時に、被災された皆さんに心からのお見舞いを申し上げます。
 また、大変極めて困難な状況の下で、行政関係者、専門家と技術者、医師、看護師、福祉施設職員の皆さんなど、不眠不休で被災者救援と原発危機の対応に当たっている全ての方々に心から敬意を申し上げます。
 国難ともいうべき未曽有の大災害に対して、我が党は、大震災の救援と原発危機の回避と、こういう二つの緊急課題の解決のためには、政府に対しても、また党派を超えて協力し力を合わせて全力を尽くす決意であります。もちろん、積極的提案も行いますし、問題点については指摘もしていきたいと思います。
 政府は、被災者、国民の命と財産を守るために、これまでの市町村、都道府県の役割分担を超えて、国が責任を持って被災者の救援支援に当たるということをまず求めたいと思うんですが、関係者の必死の努力にもかかわらず、被災された皆さんに食料、医療品、ガソリン・灯油などの燃料、衣料など必要な生活用品がまだ十分には届いていません。
 緊急に求められている対策は山積しておりますが、初めに、被災者の日々の生活環境に直結している、災害に起因する廃棄物の対策について確認したいと思います。
 ともすれば後回しにされがちですが、実は被災者の健康、命にさえかかわる大変重要な問題として、必要な数のトイレの確保とし尿処理が求められています。環境省は、そういう観点、位置付けでこの問題についての現状把握、対策に当たっておられるかどうか、まずその考え方をお聞きしたいと思います。
#69
○政府参考人(伊藤哲夫君) まず、トイレの関係でございますが、政府の緊急災害対策本部の発表によれば、三月二十一日現在で被災地に仮設トイレを二千九百九十二基供給したと、こういうふうなことになっているところでございます。
 環境省におきましても、地方公共団体あるいは関係団体に協力を依頼いたしました。そういったことも受けまして、現在までに関係地方公共団体あるいは関係団体から仮設トイレ八百九十基、簡易トイレ七百個を被災地に供給していただいているところでございます。今後も引き続きトイレが不足する地域への供給してもらうということについて支援に努めてまいりたいというふうに考えております。
 また、被災地等のし尿の収集につきまして御説明します。このし尿の収集につきましては、まず県内の収集業者に対応していただいているところでございますけれども、それでは足りないという部分は当然ございます。こういったことにつきましては、環境省も隣接する県あるいは関係団体にいろいろ協力を要請しております。そういったことも受けまして、地方公共団体、関係団体からバキュームカー等を派遣して、既に協力が始まっているというところもございます。
 また、避難所等のごみの収集につきましては、一部の地域で既に収集を行っているところはございますけれども、まだまだ多くの地域で収集が滞っていると、こういうふうに考えております。
 こういったことにつきまして各地方公共団体からもいろんな、ごみ収集車の派遣について協力したいというふうなところもございます。こういったところのいろいろマッチングとか、そういったことに協力を働きかけてまいりたいというふうに考えております。
#70
○市田忠義君 阪神・淡路大震災のときの避難所では、トイレを控えようとして、やっと手にすることができた僅かな食料、飲料水、これさえ口にしなかった避難者もたくさんおられました。高齢者や障害者がトイレに行けないために脱水症状を起こすと、こういう悲惨な状況もありました。
 現に、今回の大震災でも、宮城県の角田市や多賀城市では汚水がマンホールからあふれ出ていると、そういう衛生環境面で深刻な事態になって、トイレも我慢すると、そういう影響も出ております。
 たかがトイレと侮ってはいけないといいますか、健康状態の悪化と命を落とすことにもつながる重大な問題として認識をしていただきたいと。特に、今回は阪神・淡路とも違って、市町村丸ごと、県そのものが深刻な被害を受けて自治体の機能も失っているというところが多いわけですから、これは自治体、避難所ごとに障害者用のトイレも含めた必要な仮設トイレの確保とし尿処理体制確保のために、支援の振り分けも含めて環境省が積極的な役割を是非果たしていただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、大量に発生した瓦れき処理、先ほどもお話がありましたが、この瓦れき処理とともに、避難所や被災家庭から日々大量に発生するごみについても確実な処理が必要であります。しかし、被災市町村では収集体制が取れないで焼却炉は停止していると、そういう自治体もたくさんあります。
 これも、阪神・淡路大震災の際には、避難所から出るごみというのは弁当殻とかカップラーメン等の容器などが多くて、ふだんの一人当たりの排出量よりも大変多くなって、また保健衛生面の観点から毎日収集が必要でありました。そのために、応援可能な自治体からの支援と一般廃棄物処理業者による収集が行われましたが、先ほども少し話がありましたが、今回の災害でもそういう支援体制がきちんと組まれているのかどうか、簡潔にお答えください。
#71
○政府参考人(伊藤哲夫君) ごみ収集につきましては非常に重要な課題でございます。私どもの方からも、全国都市清掃会議という地方公共団体の一般廃棄物処理している主な市町村が構成する団体に対して要請し、そこからも次々といろんな協力ができるというふうなお申出もいただいております。そういったことをマッチングしてしっかりやっていきたいというふうに考えております。
#72
○市田忠義君 平常時は一般廃棄物は市町村が責任を持つことになっているわけですけれども、今回の災害の規模と深刻さを考慮すれば、通常の役割分担を超えて適切なごみ処理が進むように環境省が責任を私は持つべきだと。
 具体的には、各自治体で必要な処理体制を取れるように環境省が援助すると、また処理費用についても災害ごみ扱いとして国が支援することを検討すべきだと思いますが、すぐここで全額持つと言えないにしても、前向きに処理の費用についても災害ごみ扱いとして検討するということについては当然だと思いますが、その辺は副大臣でもどなたでも結構ですが。
#73
○副大臣(近藤昭一君) 先ほど中川委員の質問にもお答えさせていただきましたように、本当にこの大量の廃棄物が生じている、そして市町村が機能を失っているところもある、国が全面的にしっかりとバックアップしていく、そういう中で財政的なこともできる限りのことをしていく、そういう思いであります。
#74
○市田忠義君 次に、福島の第一原発事故についてお聞きします。
 福島原発は、爆発や火災が続発をして高濃度の放射性物質が広範囲に飛散、拡散するおそれがある大変深刻な状況にあります。しかし、必ずしも国民や避難住民には正確な情報が提供されているとは言えないと思います。
 今、原子炉などの破損、大量の放射能の飛散などの危機回避のために、国の責任であらゆる知恵と力を総結集すると。特に、東電や原子力安全・保安院任せにしないで、原子力安全委員会を始めとする専門家集団あるいは技術者などの英知を結集して、この重大事故から国民の命と健康、環境と国土を守るために全力を挙げることが求められているというふうに思います。
 そこでお聞きしたいんですが、まず福島原発事故での放射性物質の監視測定体制の整備についてです。
 文科省は、二十日から二十一日にかけて全国の放射性降下物を測定しましたけれども、三月二十一日十九時の茨城県ひたちなか市でのセシウム137、沃素131の検出値、検出の値ですね、及びそれぞれの半減期はどうなっているか、文科省お答えください。
#75
○政府参考人(加藤重治君) お答え申し上げます。
 今回の東京電力福島第一発電所の事態に関しましては、文科省では、放射線モニタリングに専念するようにという御指示を官邸からいただきまして取り組んでいるところでございます。連日、全国規模あるいは発電所周辺の様々なモニタリングを行い、逐次発表しているところでございます。
 ただいま委員お尋ねの件でございますが、これは環境放射能調査といたしまして、ふだんから各都道府県に依頼して、大気中から地上への降下物を収集して含まれる放射性核種の分析を実施していただいているものでありますが、この度はその頻度を上げてお願いしているところでございます。
 それで、今お尋ねのものでございますが、これは茨城県の観測点ひたちなか市でございますが、そこにおきまして三月二十一日の九時から翌日の九時までの間に採取した降下物から得られた値でございまして、沃素131とセシウム137でございます。半減期はそれぞれ八・〇日、それから三十年でございます。それから、この降下物による面積当たりの放射能量が、沃素131につきましては、一平方キロメートル当たりに換算いたしますと九万三千メガベクレル、セシウム137につきましては、同じく一平方キロメートル当たりに換算いたしますと一万三千メガベクレルというところでございます。
#76
○市田忠義君 ちょっと答弁が長いので、数値だけ言ってもらったらよかったんです。
 専門家もかなり高い数値だと、今後観測地点をもっと増やして、どこまで汚染が広がっているか細かく見極める必要があるという指摘があります。
 そこで、日本にはSPEEDIという、緊急時迅速放射性影響予測システムというシステムがあります。これは、原発から放出された放射能の拡散予測などを行うことができるシステムですけれども、先日、日本学術会議もこの活用を政府に求めました。国はこのシステムを活用して、福島県内の放射能の測定のできない地点での放射能の分析と被曝線量の評価を公表するようにすべきではないかと思いますが、これは原子力安全委員会、文科省、どちらでもいいですが、お答えください。
#77
○政府参考人(小原薫君) お答え申し上げます。
 ただいまお話ございましたSPEEDIでございますが、これは原子炉施設からの放射性物質の放出の状況に関する情報、具体的には、どのような放射性核種がどのくらい放出されたか、それが時々刻々どの程度放出されるかといういわゆる放出源の情報、それと気象の情報、さらには地形の情報、こういった情報を踏まえまして解析を行いまして、施設の周辺への拡散の状況を評価するというものでございます。
 残念ながら、現在のところ施設からの放射性物質の放出の状況が得られないというところでございまして、本来のSPEEDIによる解析が行えないという状況にございます。
 しかしながら、周辺の環境モニタリングが実施をされているという状況でございますので、この環境モニタリング結果のうち、空気中の放射性物質の濃度、このデータを使いましていわゆる逆計算みたいなことをやりまして、原子炉施設から環境に放出される放射性物質の量を推定をするという作業を行ってまいりました。その結果、ある程度の推定が可能であるという見通しを得られましたので、昨日、この放出量の試験的な解析の結果というものを公表をさせていただいたというところでございます。
 したがいまして、この使い方としましては、本来のSPEEDIの解析ということではなくて、今後行いますモニタリング結果、これを評価していくわけでございますので、点としてのモニタリング結果を面として評価をするという観点で活用できないかということで、今後のモニタリング結果を踏まえながら、より精度の高い評価に使えるようにということを考えているところでございます。
#78
○市田忠義君 今後は、だからもっと積極的に条件を整えて活用していこうということでいいんですね。
#79
○政府参考人(小原薫君) はい、おっしゃるとおりでございます。
#80
○市田忠義君 専門家集団の英知を結集する必要性は先ほども強調しましたけれども、環境省は二十日から現地オフサイトセンターへ職員を派遣しておられます。
 さらに、放射性物質の飛散対策などで国立環境研究所などの専門家を現地に派遣すべきだと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#81
○政府参考人(鷺坂長美君) 原子力災害につきましては、原子力災害対策本部の要請に従いまして、環境省も現地の事務所に職員を派遣しておりますし、それからあと、この原子力災害対策本部の方にも職員を派遣しているところでございます。
 今御提案がありました件につきましては、また原子力災害対策本部との調整で考えていきたいと思います。
#82
○市田忠義君 職員の方ももちろん大きな力を発揮されると思うんですけれども、オフサイトセンターには、これは専門家じゃなくて職員ですか、さっきの派遣しておられるのは。
#83
○政府参考人(鷺坂長美君) 技術系の職員が行っています。
#84
○市田忠義君 国環研なんかは、例えば今日のある新聞なんかを見ますと、土壌汚染問題について国環研の大原、これは大気環境工学が専門のようですけれども、今後は原発から飛んでくる放射性物質だけではなくて、地面から放出される放射線も浴びることになると、対応を急ぐべきだと、こういうコメントを出しておられるわけで、そういうやっぱり専門家の知恵を総結集するということを是非求めておきたいというふうに思います。
 環境省自身、十四日に各都道府県、政令市に、地震による環境汚染を未然に防止するために環境調査モニタリングなどについて必要な資材、機材、人員の派遣等の支援を要請しておられるわけですね。あるいは、関係団体にも環境汚染防止に関する支援要請を行っていると。これ、都道府県、政令市にそういう要請をする、これはまあいいと思うんですけれども、それだけではなくて、やっぱり今言ったように、環境省自らが必要な資材、機材、専門家などを支援のために派遣すべきじゃないかと。
 これは是非前向きに検討していただきたいと思いますが、いかがですか、もう一度。
#85
○政府参考人(鷺坂長美君) いずれにしましても、今の原子力災害につきましては、原子力災害対策本部でトータル的な調整が行われておりますので、そこと調整といいますか御相談してもらいたいと思います。
#86
○市田忠義君 環境省は、環境放射線等モニタリング調査というのを行って、国内や海外で原子力災害や事故が発生したとき、また海外で核実験が行われたときなどの国内の影響を速やかに把握すると、そのために全国十か所に酸性雨測定と併設した放射線自動測定器、これが設置されて、二〇〇七年の新潟県の柏崎刈羽原発事故ではたしか佐渡関岬の測定器を緊急用モードに切り替えて測定されたと思うんですけれども、今回の福島原発事故では国内への影響を速やかに把握できたんでしょうか。環境省としてはいかがですか。
#87
○政府参考人(鷺坂長美君) 環境省が持っているモニタリングサイトにつきましては、日本海側の離島を中心に十か所で放射線のモニタリングを実施しております。
 今回、ずっとデータを見ておりますけれども、通常時と変わらないような、現時点ではそういう状況でございます。
#88
○市田忠義君 今回の福島原発では、国内への影響を速やかに把握できなかったんです。それは、今おっしゃったように、現在設置されている測定器は全部日本海側ですよね。太平洋側、とりわけ福島原発付近には測定器は一基も設置されていないんです。
 しかし、太平洋側には福島原発だけではなくて東北電力の女川原発があります。あるいは、日本原電の東海発電、中部電力の浜岡原発などもあります。それらに対応した測定器が太平洋側に設置されていないと。やっぱり太平洋側にも設置するように監視体制、監視測定体制見直すべきだと思うんですが、いかがですか。
#89
○政府参考人(鷺坂長美君) 放射線の監視につきましては政府全体で役割分担を持ってやっておりまして、先ほどちょっと文科省からもあったかもしれませんけれども、全国の放射線水準の把握につきましてはこれは文科省の方で対応していただいているということで、私どもも文科省と調整をしながら、私どもで分担ということで日本海側の離島を中心に測定をしていると、こういう状況でございます。
#90
○市田忠義君 もう文科省が各都道府県に測定箇所を持っているのは、それは知っているんですよ。環境省として日本海側だけになっているのはやっぱり不十分じゃないか、どうして太平洋側にも原発いっぱいあるのにそういうのを置かないのかと、こういう大きな事故が起こったのを機会に日本海側だけではなくて太平洋側にもきちんとやるべきじゃないかと、こういう重大事故からやっぱり国民の命や環境、国土を守るという際に環境省の体制は今のままでいいのかと。
 それは文科省の管轄だと、知らないというふうなことでは、やっぱり今度の事故の教訓から学んだことにならないので、是非、日本海側だけではなくて、それはもう文科省がやっているんだから大丈夫だということで済まさないという点では前向きの検討を是非お願いしたいと。一言、いかがですか。
#91
○副大臣(近藤昭一君) 貴重な御指摘をいただいたというふうに思っております。政府として、先ほども御報告させていただきましたように、文部省とも環境省は連携してやっておるわけでありますが、重要な指摘として受け止めさせていただきます。
#92
○市田忠義君 是非御検討を前向きにしていただきたいと思います。
 三月二十二日、福島第一原発近くの海水から、最大で安全基準の百二十六倍に当たる濃度の放射性物質の沃素131が検出されました。その他セシウム134が基準の二十四・八倍、セシウム137が十六・五倍でそれぞれ検出されました。こうした放射性物質は、魚などの体内に取り込まれて濃縮をされて、さらにその魚を食べた人の体に悪影響を及ぼすおそれがあります。
 環境省は、福島原発周辺海域で安心して生活できるように、公共用水域としての海水からの放射性物質のモニタリング体制を整備すべきだと思うんですが、いかがでしょう。
#93
○政府参考人(鷺坂長美君) 今、結局またお叱りをいただくかもしれませんけれども、離島等につきまして今モニタリングをしているところにつきましては、水でありますとか土壌でありますとかそういったことをしておりますが、そのほかの点につきましては今文科省さんの方でやられているというのが現状でございます。
#94
○市田忠義君 これも先ほどと同じように、環境省にはモニタリングの体制がないと、文科省が調査しますということになっていると私は聞いています。文科省がやっている話は聞いているんですけれども、やっぱりこういう問題も、文科省任せあるいは東電の調査だけに任せるのじゃなくて、やっぱり環境省の責任として海域や河川、湖沼ですね、湖、沼などの公共用水域での常設のモニタリング体制を整備すべきだということも指摘しておきたいと思います。
 次に、今、避難住民の間に被曝への不安が大変広がって、健康相談も相次いでいます。避難住民に対して原発事故の状況と放射能飛散等のデータを速やかに伝達をして、どういう対応が必要なのかを丁寧に説明し相談に乗るようにすることが大変私は大事になってきているというふうに思います。
 政府は直ちに健康に影響を与える値ではないとよく言うわけですけれども、長期化すれば健康への影響も否定できないと言う専門家もいます。放射能飛散等の正確なデータを速やかに関係住民、避難住民に伝えて、必要な説明と同時に相談に乗る体制をつくるべきだと思うんですが、その点はいかがでしょう。
#95
○政府参考人(加藤重治君) お答え申し上げます。
 文部科学省におきましては、今回の原子力発電所の周辺の住民の皆さんを主な対象といたしまして、この放射線を受けることによる健康への影響といった懸念にお答えするための健康相談ホットラインというものを三月十七日に設けております。これまでの間に累積で約二千四百件のお問合せにお答えしてきたところでございます。
#96
○市田忠義君 これは副大臣にお聞きしたいと思うんですけれども、日本学術会議が十八日に会議を開いて声明を発表しました。それを読みますと、こういうくだりがあります。
 未曽有の災害に直面して国民が覚える不安感は、直面するリスク、危険に関する正確な情報が必ずしも的確に伝達されていないことに起因することが少なくありません。例えば、深刻な情報であっても、むしろ深刻な情報であればあるほど、正確に国民に伝えられるべきものです。そうであればこそ、事態の深刻さを冷静に踏まえた適切な行動を求める呼びかけは人々を動かす力となるのですと、こういう訴えをしています。
 都合の悪いといいますか、深刻な情報であればあるほど、正確に国民に伝えられるべきであります。放射能についての正確な情報を国民と共有してこそ、安易な楽観視も過剰な危惧も抑制することができるし、風評被害も防止することになるのではないかと。
 この学術会議の提起というのは大変私は傾聴に値すると思うんですが、副大臣の認識をお聞きしたいと思います。
#97
○副大臣(近藤昭一君) 正確にその学術会議のお訴えを聞いておらないわけでありますが、ただ、この間、本当に多くの国民の皆さんが不安を感じられる、その解消の中で、御指摘の正確な情報を全てやはり公開をしていく、そして公開をしていく過程でやはり国民の皆さんにしっかり届くということが大事だということであると思います。
 そういう意味では、政府といたしましても、でき得る限りこの過程の中でもそうしたことに努めていく、また、今後もそうした在り方についてはやはりきちっとこの過程を検証する中でまた更に拡大していくべきだと私は思います。
#98
○市田忠義君 副大臣も多忙だとは思いますが、学術会議の声明は大変示唆に富んだ、今言ったこと以外にも様々な提起がされていますので、是非お読みいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 時間が参りましたので終わりにしたいと思いますが、私は、原発問題については、我が党としてはまずは何よりも当面の危機を収束すると、そのために今、原発の是非を超えてあらゆる知恵と能力を総結集を図ると、これが鍵だというふうに思っています。
 同時に、今回の事故は想定を超えた自然災害による不可抗力の事故では決してないということもしっかり認識しておく必要があるというふうに思うんです。福島原発についても、一九六〇年に起きたチリ級のあの津波が来れば冷却設備は機能しないということが既に指摘をされて、市民団体が繰り返し改善求めてきたと。我が党も二〇〇七年に、機器冷却系が働かなかったら、最悪の場合、冷却材喪失による過酷事故に至る危険があるという申入れを東電にもいたしました。東電に抜本的な対策を取るよう強く求めましたが、東電はそれを拒否したと。
 したがって、私、今度の事故は、日本では重大な原発事故は絶対に起きないんだという、そういう安全神話を振りまいて、安全対策をなおざりにして原発をやみくもに推進してきたこれまでの原子力行政による人災だという点をしっかり自覚して対策を是非講じてもらいたいと。
 元々、原子力安全・保安院というのは原発の推進機関である経産省の一部門であります。世界に推進部門と規制部門とが同じ部門に一緒になっているというような国はないわけで、やっぱり推進機関と規制機関をきちんと区別して、強力な権限と体制を持った原子力の規制機関ですね、これを速やかにつくると。原子力安全・保安院は一応規制機関ということになっているんだけれども、これは経産省の一部門ですから規制のやっぱりしようがないわけで、そうした規制機関と推進機関をきちんと分けるという問題。
 この際、原発の総点検行って、少なくとも新たな原発の新増設はやめると。さらに、これは段階的だと思いますが、原発依存のエネルギー政策から自然エネルギーへの戦略的な転換を決断すべきだということを指摘して、質問を終わります。
#99
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 まず、大震災後の最初の環境委員会でありますから、犠牲者に哀悼の意を述べるとともに、政府に対しては、被災者支援また復興に全力を挙げていらっしゃるというふうに思いますけれども、そうした努力を引き続き努められることを要望をしたいというふうに思います。
 さて、先日も大臣所信の中で、政府は地球温暖化対策のための税、いわゆる環境税、これを導入をするという意向を述べていましたけれども、これは局長で結構なんですけれども、この環境税は、政府の説明によると、今の石油石炭税に上乗せをする、上乗せをする分は炭素含有量に比例をする形で石炭や石油や天然ガスなどに課税をするという話ですけれども、これ、二酸化炭素一トン当たり二百八十九円というふうに政府はおっしゃっていますね。これ、二酸化炭素一トン当たり二百八十九円で、炭素トンだとこれは幾らになりますか。
#100
○政府参考人(白石順一君) お答えいたします。
 炭素トンでは一千六十円に相当いたします。
#101
○水野賢一君 炭素トンから二酸化炭素トンというのは十二分の四十四を掛ければ計算できるわけですから、余りここで目くじらを立てたことを言うつもりはないんですが、今までこの環境税の議論というのは炭素トン当たり幾らということで議論するのが当然のように、もう常識のようにそうやっていたんですね。これ、いつからどういう理由で二酸化炭素トンの方を使われるようになったのか、お伺いしたいと思います。
#102
○政府参考人(白石順一君) 御指摘のように、今まで環境省が環境税の具体的提案をする際は炭素トン当たりの税率のみを表記することが多うございまして、そのほか両方を併記する場合等もございまして、特に、正直申し上げまして、何か深いおもんぱかりがあってどちらかに統一してというふうなことはございませんでした。
 今回、温暖化対策のための税ということで考えますれば、広範な分野にわたりエネルギー起源CO2排出抑制を図るための導入ということでございましたので、政府全体としてはCO2トン当たりの表示になったという経緯がございます。
 正直申し上げまして、よく考えてやっていたわけではございませんでした。
#103
○水野賢一君 私も炭素トンの方が慣れているものですから、ちょっと以降、炭素トンの方で申し上げさせていただければと思うんですけれども。
 それで、環境省が環境税の具体案を提示をしてきたのというのは、平成十七年の税制改正のときからだと思うんですね、二〇〇五年税制改正。ですから、平成十六年末に出してきた、今から六年半ぐらい前になるんですけれども、そのころはみんなの党なんという政党は存在していませんでしたし、私自身は自民党の衆議院議員でございまして、そのときは自民党の環境部会長だったんでよく覚えていますけど、白石さんは官房の総務課長だったんですね、よく覚えていますけれども。
 そのとき、環境省は炭素トン二千四百円の環境税というのを提示をしてきた。その後も毎年のように環境税案というのを提示していますけれども、こんな低い、つまり千六十円なんという低い環境税の案というのを提示したことは今までございましたか。
#104
○政府参考人(白石順一君) 過去に炭素トン一千六十円あるいはCO2で二百八十九円という提案をしたことはございませんでした。
 ただし、平成の二十二年度までの要望では税収を一般財源ということで要望しておりましたので、いろいろな財源効果等々を考えてということではないので、単純な比較はできないのではないかというふうに思っております。
#105
○水野賢一君 後ほど、その一般財源か特定財源なのかということもちょっと議論したいと思うんですが、極めて低い税率なんですよね。これ、ガソリン、リッター当たりにするとどのぐらいになります。
#106
○政府参考人(白石順一君) ガソリンなどの石油製品と原油の税率は、リッター当たり〇・七六円に相当いたします。
#107
○水野賢一君 つまり、ガソリンが〇・七六円上がったらガソリン使うのを抑制しようという人は、私極めて少ないんじゃないかというふうに、もっと高い税率じゃないと、いわゆる価格インセンティブ効果は働かないというふうに考えるのが当然だと思うんですが。
 そこで、これも参考人で結構ですが、どのぐらいの効果があるのか。つまり、今回の新税によって、二酸化炭素の排出削減効果というのはどのぐらいあるというふうに政府としては見込んでいますか。
#108
○政府参考人(白石順一君) 直接的効果というのはなかなか算出は困難ではありますけれども、いろいろな試算という形で考えますれば、価格効果と財源効果を含めた全体でございますが、中環審のロードマップ小委員会の研究の分析によりますれば、二〇二〇年、九〇年比約一%の効果というふうに試算をしております。
#109
○水野賢一君 今、価格効果、財源効果、それぞれを分けるのはなかなか難しいという話がありましたけれども、これは、今までもこういうような提案するときというのは、大体価格効果でどのぐらい、財源効果でどのぐらいというような言い方していらっしゃったと思うんですけれども、この辺は、私はこんな〇・七円、リッター〇・七円だと価格効果はほとんどないんじゃないかというふうに思いますけど、その辺どう試算しています。
#110
○政府参考人(白石順一君) ガソリンの〇・七六円でございますが、そのほかのものも全体で合わせまして私どもの方の手元にあります試算では、まず価格効果のみですと〇・二%、それの四倍ぐらいの財源効果がありますので、全体として二〇二〇年に九〇年比で約一%というふうに考えております。
#111
○水野賢一君 そういう形で効果が現れていけば、もちろん税を導入するのには効果を狙っているわけでしょうから、そういうことを期待されるのは分かりますけど、一方で、税である以上、経済への影響、特にそれは増税なわけですから、経済にとって一般的に言えば冷え込ませる、そういうような効果もあるということが当然容易に想像できるんですけれども、この新税がGDPなどに対して、これはマイナスの効果の方があると考えるのが普通なのかなと思いますが、どういうふうに試算していますか。
#112
○政府参考人(白石順一君) 先ほども例に挙げました中環審のロードマップ小委員会の研究発表でございますけれども、二〇二〇年の時点での経済への影響ということでございますれば、プラス〇・一%からマイナス〇・一%という試算がございます。
#113
○水野賢一君 余りそう大きい影響は経済にはないという試算だということなんでしょうけれども。
 ちょっとこれは伺っていきたいのは、環境税の仕組みづくりで、これは副大臣に伺いたいんですが、環境税の仕組みっていろいろあり得るんですよね。今まで環境省が提案をしていた、今年じゃないですよ、従来提案していた場合でも、課税段階でも上流課税と下流課税をミックスにしたような、そんなような形の提案をしていた年もあるんですけれども、今年はこれは石油石炭税の上乗せですから、最上流課税なわけですよね。
 どっちがいいというのは、これは一長一短だから、絶対にどっちじゃなきゃいけないと言うつもりはないんだけれども、これやっぱり価格インセンティブ効果を考えると下流で課税した方がエネルギーの使用の抑制につながるという、そういう見方も当然あるんですけれども、何で今回、最上流課税を選んだ理由は何でしょうか。
#114
○副大臣(近藤昭一君) 御指摘のことであります。
 いろいろな見方があるとは思いますが、今回は、課税の仕方としては家庭分野を含めた幅広い分野をカバーできるということ、また、執行が容易、確実となるような制度、制度としての簡素性、そういうメリットでありますけれども、一方で今御指摘のあった価格の面ということでございますが、川上での課税であっても一定の価格転嫁は行われると、これを前提としたものであります。
 その上で、広く国民の一人一人が税の負担や将来性の方向を感じることにより温暖化対策の必要性が認識され、国民、納税者の意識改革を通じて社会全体で地球温暖化対策が進むことを期待をしている、いわゆるアナウンスメント効果が発揮されるようにこの制度の中で期待をして、また努めていくということであります。
#115
○水野賢一君 アナウンスメント効果なんかを言えば下流課税の方がいいという考え方は当然あり得ると思うんですが、まあ地方税構想とかいろんなことを総合的に勘案しなきゃいけないから、一定の理解はしますけれども。
 さっきの特定財源か一般財源かという話に入りたいと思いますけれども、今回は石油石炭税、既存の特定財源である石油石炭税への上乗せですから、特定財源という理解でよろしいですね。
#116
○副大臣(近藤昭一君) 今回の税はエネルギー使用者に御負担いただく税であり、エネルギー起源CO2排出抑制対策に活用することで、国民、納税者の理解を得やすい、そういう意味でいわゆる特定財源ということであります。
 エネルギー起源のCO2が温暖化効果ガスの九割を占めているということでありますので、その対策に特定的に活用していく、このことが重要であると考えております。
#117
○水野賢一君 ただ、民主党もかねて言っていたのは、例えば道路特定財源なんかのときもそうなんですけれども、要は、特定財源というのは無駄遣いの温床だと。つまり、これは必要があるから使うんじゃなくて、税収があるから使い切るまで使っちゃうということに特定財源というのはなりがちだと。
 いや、私も全くそのとおりだと思いますよ。これ、特定財源を膨らませていることになりかねないでしょう。だからこそ、私は、この環境税的な、炭素に着目して課税することは全然否定しませんけれども、使い道というのは一般財源であるべきじゃないですか。
#118
○副大臣(近藤昭一君) 今御指摘をいただいたところも非常に重要だとは思いますが、先ほどとちょっと繰り返しになりますけれども、国民の皆さんの今回の税に対する御理解、そしてまた、先ほど申し上げました、九割、温暖化ガスの中をエネルギー起源が占めていると、こういうことの中でこの方法を取っているということでございます。
#119
○水野賢一君 いや、国民の理解とか、先ほど納税者の理解というような話もありましたけれども、しかし、これは個別間接税だから特定財源にするなんという必要は別に必ずしも全然ないんですよね。例えばお酒に掛かっている酒税、別にこれはアル中対策税でもなければ、たばこ税も肺がん対策税でも何でもないわけですから、一般財源になるわけですから、この部分だけ何でこれが国民の理解が得られないのか、一般財源にすると。私は理解できませんけれども。
 じゃ、ちょっと視点を変えて伺いますけれども、先ほど納税者の理解という話がありましたけれども、これ、納税者というのは大体どういうところになるんでしょうか。
#120
○政府参考人(白石順一君) 石油石炭税でございますので、同じところからちょうだいするということでございますので、それぞれの輸入をする者、生産をする者ということになります。
#121
○水野賢一君 つまり、石油、石炭の輸入とか若しくは大量消費者などが納税者というような形に、実質上の納税者という形になると思うんですけれども、そうするとこれは経産省に伺った方がいいのかもしれませんけれども、石油石炭税の大口の納税業界というのは、まあ要は化石燃料を大量に消費している、そうした業界なはずなわけですよね。どの業界がどれだけ、これまでの石油石炭税でいいです、将来の予想はなかなか難しいでしょうから、実績ベースなどで見て、これまでどの業界がどれだけ石油石炭税払っているか分かりますか。
#122
○政府参考人(朝日弘君) お答え申し上げます。
 私どもで試算させていただきました。総合エネルギー統計などに基づきまして、一定の仮定の下でありますけれども、大まかに平成二十一年度における主要な業種ごとの石油石炭税の負担額を試算させていただきました。石油元売業界で約三千億円、六三%でございます。電力業界で約一千百億円、約二三%であります。都市ガス業界で約三百億円、約六%。その他の製造業などで約四百億円、八%となってございます。
#123
○水野賢一君 ということは、納税者の理解を得てということを先ほどおっしゃっていたのは、こういう石油業界、電力業界、ガス業界などの理解を得たいと、そういうことですか。
#124
○副大臣(近藤昭一君) そういうところと、私自身はこうした税の在り方、一般的に税を負担する立場としての理解を得たいという、総合的な意味だと理解しております。
#125
○水野賢一君 要は、環境税、炭素税に対する考え方がちょっと違っていると思うんですよね。
 つまり、環境税、炭素税というのは、本来は環境に悪いものは人為的に高くすることによって、それに依存しない、ほかの燃料に切り替えるとか、要は価格インセンティブ効果が働くということこそ環境税の命であって、ほとんどこの提案はその部分がもう消されちゃっていて、単なる税収を得たいという、環境財源を、環境のための施策のための税収を得たいというだけのものになってしまっているような印象を持っています。環境のために使う財源が必要だというならば一般財源から出せばいいというふうに思っていますけれども。
 ちょっと観点変えて、これ参考人でいいですが、諸外国の場合、こういう炭素税とか環境税、気候変動税、いろんな言い方あると思いますけれども、必ず特定財源なんでしょうか。
#126
○政府参考人(白石順一君) 欧州諸国を例にいたしますと、多くは一般財源、一部が特定財源という国がほとんどでございます。あとは、近隣でいえば韓国においては特定財源。国によってほかの税との関係等もありまして、様々な形態があると理解しております。
#127
○水野賢一君 要は、それは国によっていろんな仕組みの違いが、つくり方があって当然だと思います。ですけれども、環境税だから環境に使わなきゃいけないというような固定的に考える必要はないんであって、より高い税率、しかしそれだけでは単なる大増税になっちゃいますから、別の部分に、減税に回すとか、そういうような仕組みづくりを考えて、特にこれ、エネルギー需給勘定に最終的に、特別会計のエネルギー需給勘定に入るわけですよね。
 つまり、今だって剰余金がたくさんある、そこに、特別会計のところに更にお金が入ってきてしまうという、まさに無駄遣いの温床になってしまうんではないかという危惧、懸念を指摘をさせていただきたいと思いますが。
 さて、この石油石炭税、平成十五年度に増税、一旦されていますよね。そのときは増税分、まあ正しく言うと石油税から石油石炭税に名称が変わったときです、このときは環境省と当時の経済産業省の間で増税分は折半にするというような、何かそんな約束があったやに記憶をしますけれども、何かこれ約束、明文上若しくは暗黙の何かあったんでしょうか。
#128
○政府参考人(鈴木正規君) 平成十五年のあの増税分のときでございますけれども、両省間に、ただいま御指摘がありましたように、折半にするというような明文上の約束というものはございません。この税の増税の趣旨とか必要性などを踏まえて、両省がそれぞれ予算要求をしているということでございます。
#129
○水野賢一君 じゃ、その後、大体事実上折半されてきたのは事実ですから、事実上暗黙の合意があったということなんでしょうけれども。
 このとき、当時の鈴木環境大臣と平沼経済産業大臣の間で合意文書があって、そのときの合意文書を見ると、環境省は今後も温暖化対策税の導入を検討するという旨のことを言っているんですね。
 つまり、石油石炭税を増税したのでそれで終わりじゃなくて、今後も本格的な環境税の導入というのを狙っていくんだと、そのことを諦めていないんだということを明示的に文書にも残しているんですが、今回、今回の増税に当たっては、環境省としてはこれで温暖化対策のこういう税は一応一段落、けりが付いたと考えているのか、それとも、前回と同じようにまだ更に先に進む可能性を念頭に置いているのか、副大臣、どうですか。
#130
○副大臣(近藤昭一君) 今回導入しようとしている税はまさしく地球温暖化対策のための税であるということであります。
 今後については、この課税による効果を含め、地球温暖化対策全体の効果を検証し、総合的に検討していくことが必要であると考えております。現時点においては、他の施策と相まって中長期目標を達成するため、温暖化対策のために必要な措置を講じたものと考えております。
#131
○水野賢一君 ところで、事業仕分、民主党政権になってからの事業仕分で、特別会計などについての事業仕分もいわゆる第三弾というような形で去年行われましたけど、この事業仕分の第三弾の中で、この石油石炭税が入る先のエネルギー需給勘定ですよね、エネルギー需給勘定は環境省と経産省だけで分け合うんじゃなくてもっと広く使うようにという、そういう判定があったと思うんですけど、その仕分結果、今回の予算に反映されたんでしょうか。
#132
○政府参考人(鈴木正規君) 御指摘のとおり、エネルギー需給高度化対策については、エネルギー由来のCO2削減という政策目的に即した事業に対して両省以外の府省も使えるようにするというような評価をいただいたところでございます。
 ただ、二十三年度につきましてはもう既に予算要求が終わった段階でございましたので、今後予算執行の段階で、分散型エネルギーなどにつきまして、地域のエネルギーセキュリティーを高める施策について関係府省と連携を強化するという形で執行してまいりたいというふうに考えております。
#133
○水野賢一君 今のお話聞くと、今度の、今審議している予算の中では何にも変わっていないけれども、来年以降は変えると、そういうことでいいんですか。
#134
○政府参考人(鈴木正規君) 来年度以降のことはまだこれからでございますけれども、まだ今ちょっと震災対応等に追われておりますので、どういうふうな形で対応していくかまだ決まっていないという状況でございます。
#135
○水野賢一君 要は、仕分が、仕分の場ではもっともらしい結論を出して、結局、本当に実際に予算編成するときなどにはいつの間にかうやむやになっているということの典型例じゃないかというふうに思いますけれども、そのことは指摘をさせていただきたいと思いますが。
 さて、副大臣にお伺いしますけれども、温暖化問題というのは非常に深刻になっているとはいっても、温暖化を引き起こすものというのは別に二酸化炭素だけじゃないわけですよね。まあ二酸化炭素は代表的な物質ですけれども。京都議定書なんかでも、これは二酸化炭素を含む六つのガスが京都議定書に掲げられていますが、その中でも極めて強力な温室効果ガスの一つがフロンですよね。これはオゾン層を破壊するという問題もあったんだけど、同時に極めて強力な温室効果ガスですけれども。
 これ、炭素に着目した新しい税を作るのであれば、フロンの温室効果ガスに着目したフロン税みたいなことというのは当然検討課題だと思いますけど、どうでしょうか。
#136
○副大臣(近藤昭一君) 御指摘のように、フロンの問題は重要な課題と考えております。フロン回収・破壊法の施行などによって今までもフロンの大気放出の抑制には努めてきたところであります。御承知のところだと思います。
 ただ、今の御指摘のことで、新たな施策としてのフロン税、どう考えるのかということでございますが、今後のフロン類等の排出抑制対策の拡充強化に向けて、昨年七月から中央環境審議会において総合的に御議論いただいて、今月中にも中間整理を取りまとめる予定でございます。
 その審議において、フロン類の回収、破壊のより一層の推進、使用時の漏えいの抑制に加え、フロン税などの経済的手法をうまく活用することが有効であるという御指摘をいただいているところであります。
 今後、その審議内容を踏まえて経済産業省とも連携し、更に議論を深めてフロン類対策の充実強化を図ってまいりたいと、かように考えております。
#137
○水野賢一君 前向きに検討してもらえばというふうに思いますけれども、何でこのことを言うかというと、フロンというのは、じゃ、参考人でいいですが、これ自然界に元々存在している物質なんでしょうか。
#138
○政府参考人(鈴木正規君) フロンは人工的な化学物質でございまして、自然界に元から存在している物質ということではございません。
#139
○水野賢一君 つまり、これだけ温暖化が問題になっている中で、自然界に存在しない温室効果ガスをわざわざ生産しているわけですよ。しかも、そのわざわざ生産している中では排出を最初から前提として生産しているようなものまである。例えばパソコンのほこり飛ばしのスプレーとか、もう放出を前提としたフロンガス、HFCなどをわざわざ生産しているんですね。
 そこで、生産量についてお伺いしますけれども、経済産業省に伺いますけど、HFCとかHCFCとかというフロンがありますが、この生産量、どのぐらい国内にありますか。
#140
○政府参考人(川上景一君) フロンガスの国内での生産量でございますけれども、二〇〇九年におきまして、HFCの生産量は二万九千九百四十一トン、HCFCの生産量は八千六百十五トンでございます。
 なお、CFCにつきましては、モントリオール議定書に基づきまして国内の生産、消費を全廃しておるためにございません。
#141
○水野賢一君 わざわざこれだけ極めて強力な温室効果ガスを何万トンという単位でつくっている。どのメーカーがつくっているんでしょうか。
#142
○政府参考人(川上景一君) HFCやHCFCの生産メーカーの団体でございます日本フルオロカーボン協会に基づきますと、我が国でフロンガスを生産しているメーカーは、HCFCにつきましては旭硝子株式会社、ダイキン工業株式会社、三井・デュポンフロロケミカル株式会社でございます。HFCの生産メーカーにつきましては、ただいま申し上げました三社に加えましてセントラル硝子株式会社、メキシケムジャパン株式会社があると承知しております。
#143
○水野賢一君 じゃ、HFCの方でいいんですけど、HFCの方でいいんですが、今言った中の大手メーカー、例えば旭硝子とかダイキンとか三井・デュポンとか、そうした会社の生産量、これは把握しているはずですけれども、どのぐらいでしょうか。
#144
○政府参考人(川上景一君) オゾン層保護法に基づく報告によりますれば、二〇〇九年のHCFCの国内生産量は把握してございますが、HFCについては会社別生産量データの提供を受けておらず承知しておりません。
#145
○水野賢一君 以前、任意で受けていませんでしたか。今も任意で受けているんじゃないんですか。
#146
○政府参考人(川上景一君) HFCにつきましては、会社別生産量データの提供は、先ほど申しましたように受けてございません。
 一方、HFCのガス種別ごとの生産量の内訳につきましては、日本フルオロカーボン協会より任意でデータ提供を受けてございます。HFCにつきましては、任意でデータ提供を受けてございます。このガス種別ごとのデータは公開しないことを前提として提供を受けてございますために、公開することは差し控えてございます。
#147
○水野賢一君 政府が持っているデータは、基本的に情報公開法などに基づけば何人が請求したってこれは出すのが当然じゃないですか。何で出せないんですか、あなた。
#148
○政府参考人(川上景一君) 会社別生産量のデータを保有していないからでございます。
#149
○水野賢一君 ちょっと何を、さっき出せないと言ったのは何を出せないと言ったんですか。もう一回ちょっと、あなたの答弁は分かりにくいから。明確に言ってください。
#150
○政府参考人(川上景一君) もう一度申し上げます。
 HFCにつきましてでございますけれども、会社別の生産量データにつきましては提供を受けておりませんので、私どもは承知してございません。
#151
○水野賢一君 出せないのは何ですか、出せないのは。
#152
○政府参考人(川上景一君) ガス種別ごとのデータでございます。
#153
○水野賢一君 ガス種別ごとデータというのは、ちょっとガス種別ごとの何、会社ごとの、ちょっと明確にしてください。
#154
○政府参考人(川上景一君) HFCというものにつきましても、いろいろなガスの種類がございます。そういう意味で、ガス種別ごとのデータを私どもは任意で提供を受けてございますけれども、それは公開をしないことを前提として提供を受けているというものでございます。
#155
○水野賢一君 要は、HFC23とかを三井・デュポンがどれだけつくっているということは駄目と、そういうことですか。
#156
○政府参考人(川上景一君) 先ほど申しましたように、会社別につきましては私どもは承知しておりませんので、今申されましたような三井・デュポンがどれぐらいつくっているかということはそもそも私ども承知しておりません。
#157
○水野賢一君 そうすると、HFC23を国内全部で、トータルでどれだけつくっているかという、そのデータが出せないということですか。
#158
○政府参考人(川上景一君) おっしゃるとおりでございます。
#159
○水野賢一君 これは何で。一般論として言えば、特定の企業のデータだったらまだその会社の利害にかかわるから出せないというのはまだ分かりますけれども、何で国内全体の数が出せないんですか。あなた方持っているんでしょう。これは明らかな情報公開法違反であり、国会審議においておかしいでしょう。納得できません。
#160
○政府参考人(川上景一君) ガス種別ごとになっていきますと、例えば生産している会社が一社しかないとか二社しかないと、そういうことになりますので、それは営業秘密に関係をするということがあるというようなことで、私どもには任意で、公開しないことを前提としてデータをいただいているということでございます。
#161
○水野賢一君 今、政府は任意で得た情報でも情報公開法の対象にするという、そういう情報公開法の改正案を今国会に出そうとしていますね。そういう中で出せないというのは非常におかしい話だと思いますから、これを委員会の方に提出を求めます。
 よろしくお願いします。
#162
○委員長(北川イッセイ君) この件につきましては、また後日理事会で検討します。
#163
○水野賢一君 せっかく政務官にも経済産業省から来ていただいていますから、今のやり取りについて政務官どういうふうにお考えかということをまず伺いたいと思います。
#164
○大臣政務官(田嶋要君) 情報公開のルールから、今のような実態が本当にいいのかどうか、私も改めて検討させていただきたいと思います。
#165
○水野賢一君 ところで、フロンは、これCFCは生産規制もうされているんですよね。というように、同じように、これオゾン層破壊だけではなくて、これだけ地球温暖化が問題になっている中で、HFCとかそういうものに対しても生産規制、これもう、つまり回収、破壊すればいいんだというんじゃなくて、要するに、つくる以上、結局漏れたり若しくはもう最初から放出することを前提としているような、さっきのようなほこりを飛ばすスプレーみたいなのもありますから、生産規制そのものを考えるべきじゃないかというふうに考えますけれども、最後に、環境副大臣と経済産業政務官の所見を伺いたいと思います。
#166
○副大臣(近藤昭一君) HFCに関しては、現状において国際的な生産規制はなされてはいない、ただ北米三か国、米国、カナダ、メキシコがHFCを生産規制の対象に追加して段階的な削減を図っていくためのモントリオール議定書改正について提案をしている、今後議論がなされていくものと考えております。
 このような国際的な動きを注視して、経済産業省を始め関係省庁と十分連携を図って対応してまいりたいと考えております。
#167
○大臣政務官(田嶋要君) 私も一足飛びに生産規制が可能かどうかということはございますけれども、まずはどういう代替の技術、商品が世の中にあるのかということをひとつ考えなきゃいけない、そのスピード感の問題があろうかというふうに思っております。
 具体的には、例えば業務用のエアコンでございますけれども、これは今、研究開発段階として全くフロンを使わない技術というものを来年度も四・八億の予算を付けてやろうとしておるわけでございますが、現時点ではエネルギー効率が非常に悪いということで、省エネの観点からはむしろまずいことになってしまうということで、方向性としては規制をするのが望ましいと思いますけれども、なかなかそれがすぐにできるかというと、そういう状況にはないというふうに考えてございます。
 一方で、冷凍、冷蔵の関係のものに関しましてはかなり実用化の段階の商品のある分野もございますので、じゃ、そういう分野に供する場合にはその生産制限ができるのかとか、そういういろいろな角度から検討してみたいというふうに思っております。
 それから、水野先生おっしゃっていただきましたけれども、回収、破壊以前の問題でもう一つ私が問題だと思っておるのは、今世の中に存在をしているものからいっぱい漏れているという問題が、これも大変深刻な問題でございますが、これも既に中間報告は出てございますが、震災の関係で環境省との合同での研究がちょっと遅れてしまっておりますが、これはもう可及的速やかに着手をいたしまして、メンテナンスといいますか、こういうのをしっかりと日本が世界に恥ずかしくない形でやれるように持っていきたいというふうに思っております。
 以上です。
#168
○水野賢一君 終わります。
#169
○亀井亜紀子君 国民新党の亀井亜紀子でございます。
 まず、今回の東北地方太平洋沖地震において犠牲となられた方々に心より哀悼の意を表したいと思います。また、被災された方々にお見舞いを、そして、日々復興支援のために御尽力されている政府の皆様また関係者の皆様に敬意を表したいと思います。
 今回の震災は、いわゆる地震・津波とそれから原発事故という二重の被災でございまして、連日各党と政府の合同の震災会議というのをやっておりますけれども、初期の段階で震災対応と原発対応、その指揮命令系統を分けるようにという要望を各党で出しまして、ようやくその整理がされてきたところだと思います。
 今回、私は原発のことを取り上げたいのですが、福島原発の事故を受けて、早速、ドイツのメルケル首相が三月の十四日にドイツ国内の原子力発電所の使用年限を延長する計画について一時的に停止をし、検証することを決めました。
 ドイツはクリーンエネルギーの先進国ですけれども、去年、原発の使用期限を延長するかどうかということで国を二分するような大騒ぎになって、結局、やはり経済活動の力をそぐというような視点もあり、クリーンエネルギーに変えていく中で並行して原発も使うというようなことになったわけですけれども、今回の福島原発の事故が世界に影響を与えている一つの事例だと思いますし、実際に世界の原子力政策を変えると言われております。
 ほかの方の質問にもありましたけれども、CO2削減のために再生可能エネルギーを導入しましょうといっても、なかなか国民の理解また経済界の理解を得るのは難しいかと思いますが、今実際に電力不足という現実に直面して、再生可能エネルギーに変えていきましょう、原発の事故の恐ろしさも分かったわけですから、再生可能エネルギーを普及促進する意味では、この事故は分岐点になるのではないかと思っております。
 再生可能エネルギーの全量買取り制度について、今政府は検討されておられますけれども、その普及促進の数値目標、温室効果ガスの将来の削減量について、試算ですとかその意気込みをまず示してください。
 また、再生可能エネルギーは、太陽光、風力、水力、小水力、バイオマス等々たくさんあります。それはやはり、日本の中でもその土地の風土気候によって最適なものが異なると思いますけれども、その中でも国として特に推進をしたい、有望であると考えている再生可能エネルギーというのは何でしょうか。
#170
○政府参考人(朝日弘君) お答え申し上げます。
 まず試算から参りますが、当省の試算によりますと、再生可能エネルギーの全量買取り制度によりまして、再生可能エネルギーの導入量でございますが、二〇二〇年に約三千万キロワット程度追加という見込みでございます。また、これにより、我が国の二酸化炭素の総排出量の二%の削減を見込むものでございます。
 特に、現時点の我が国の状況を考えますと、原子力以外のエネルギーにつきましても最大限の取組を行うことが課題でございます。再生可能エネルギーにつきましては、エネルギーの安定供給確保、地球温暖化対策、環境関連産業育成の観点から積極的にその導入拡大を図ってまいりたいと考えてございます。
 それから、後段の関係でございますが、太陽光、風力、火力、バイオマス、地熱、様々な再生可能エネルギー、各電源それぞれに特徴がございます。地域地域の気候風土によりまして最適なものは異なります。導入拡大を図るためにも、いずれのエネルギーにつきましても普及支援を講じていくことが必要であるというふうに考えてございます。
 例えば、太陽光発電でありますけれども、現時点では他の再生可能エネルギーよりもコストが高うございます。そういう意味では、普及の進展、技術革新によって発電コストを下げていく努力が必要であります。普及促進と研究開発の双方を実施することが極めて重要なエネルギーということになります。
 各電源の特徴を踏まえながら、導入支援策、規制の適切な見直し、研究開発等の政策手段を総動員いたしまして、再生可能エネルギーの全体の普及拡大を図ってまいりたいと思います。
 済みません、先ほど水力と火力と間違えまして、水力発電の間違いでございますが、いずれにいたしましても、再生可能エネルギー、どのエネルギーが最も優れたものということではなくて、その各々の特徴に応じて利用を進めるべきものというふうに考えてございます。
#171
○亀井亜紀子君 昨年の秋に、私は地熱発電について質問をいたしました。地熱に関しては日本は世界第三位の地熱資源国ですから、純国産のエネルギーとしては有望ではないかと考えております。そのときの答弁では、去年六月にエネルギー基本計画が閣議決定をされて、地熱発電に関しての導入拡大を目指すということを明記してある、そしてこの地熱発電も全量買取り制度の買取り対象とする方向で検討中であるということでしたので、これに特に、これは今まだ検討中であると理解しておりますが、それでよろしいでしょうか。
 また、地熱発電は火山国のアイスランドで積極的に取り入れられていて、その心臓部であるタービンの多くは三菱重工製とも言われております。つまり、日本の技術でアイスランドの地熱発電が支えられているわけで、日本も火山国ですから、その技術を持っているのであれば日本でも推進するべきだと思います。
 ところが、日本では地熱発電開発と温泉事業者の対立があって、なかなか今まで進んでこなかったということです。そして、昨年の事業仕分、特別会計の事業仕分を行ったときに、温泉エネルギー活用加速化事業という環境省の事業を取り上げました。
 そのときに私は温泉発電というのを初めて知ったのですけれども、これはその従来の対立を緩和する、温泉事業と地熱発電の共存を図るものという説明がありましたけれども、地熱発電は経産省、温泉発電は環境省という縦割りの印象が強くて、温泉発電の位置付けですとか今後の展望が分かりにくかったんです。
 あのときいろいろと議論をした中で見えてきたことは、エネルギー対策特別会計というのを経産省と環境省で分け合っているわけですけれども、やはり環境省は後発の役所で、ほとんど経産省の財布であると。そして、再生可能エネルギーが産業育成の段階になると、みんな経産省の方に行ってしまう。環境省はその残った予算の中でできる範囲の事業を一生懸命考え出して、それが事業仕分にかかると、やはり規模と効果の面から余り意味がないのではないかといってばっさり切られるというような構図が見えたわけですけれども、温泉発電の位置付けについて御説明をいただきたいということと、地熱資源を今後どう生かしていくのか、環境省はどのようにかかわっていくのか、お伺いしたいと思います。
#172
○政府参考人(鈴木正規君) 御指摘のとおり、地熱発電は非常にポテンシャルがあるんですが、御指摘がありましたように、結局地元の温泉業者との調整がなかなか付かないということで、また地元の許可も下りないというのが開発の最大のネックになっております。
 そういうことで、温泉は環境省所管しておりますので、そういう場合の温泉許可の判断基準をお示しするということで、温泉資源の保護対策に関する検討会を昨年設置しまして、今検討中でございます。そういう意味で、地元の許可が下りやすくなるように判断基準を示せればなという勉強をしているということでございます。
 それからもう一点は、今御指摘ありました温泉発電でございますが、高温の温泉をそのまま使うということで発電できるということでございまして、温泉業者の方が一番心配をされているのは、湯の元が断たれるようなことになるんじゃないかと。
 井戸をどうしても掘ることになりますので、そういう御懸念がどうしても払拭できずに地熱発電の開発が進まないということでございますが、この温泉発電の場合は既にもう出ているお湯を使うということで、そういう御懸念が比較的少ない可能性があるということで、そういうことでその研究開発を進めてきておりましたけれども、かなり安価にできるめどもだんだん立ちつつございますので、こうしたものも使いながら、地熱の一種だとは我々も思っておりまして、そういうふうな形で、省庁にこだわらずに日本にある、賦存する自然のエネルギーをできるだけ活用したいということで両省協力して進めていきたいというふうに思っております。
#173
○亀井亜紀子君 地熱発電は、日本においては東北と九州に集中しているという前回の答弁でありました。今回、東北が被災しているわけで、しかも福島原発が事故に遭ったわけですから、東北で地熱発電を進める一つのきっかけになるのではないかなと私など思っておりますので、是非御検討をお願いしたいと思います。
 次に、水素燃料についてお伺いいたします。
 先ほど例に挙げましたアイスランドでは、世界で初めて公共バスに水素バスが導入をされました。今現在ヨーロッパの数都市で水素バスが走っております。日本の場合は、自動車メーカーが電気自動車の普及に力を入れておりますけれども、今回の電力不足の問題もありますし、やはり電気自動車を増やしていった場合に電力需要も増えるわけですから、なかなかこれもまた問題が大きいのではないかと今思っております。
 水素燃料については、政府はどのように評価をされていらっしゃいますか。
#174
○政府参考人(朝日弘君) お答え申し上げます。
 水素燃料、重要なエネルギーでございます。代表的な、今例に挙げていただきました燃料電池の自動車でございますけれども、電気自動車と同じく電力によりモーターを駆動させるわけですけれども、電気自動車と異なって自ら水素と酸素で電気を起こして走るという機械になります。燃料になります水素は反応時にCO2出しませんので、そういう意味で重要なエネルギー源でありますし、様々なエネルギー源からつくり出すことができると。自動車自体は、充電時間も短くて非常に遠くまで行けるという特徴も持っております。ガソリン車の代替としての期待も高いものであるというふうに考えております。
 政府といたしましても、昨年六月のエネルギー基本計画で、二〇一五年までに燃料電池自動車の普及を開始することを目標と定めてございます。一方で、水素ステーション、そういったものが存在しませんと安定したオペレーションができませんので、そういう意味で、水素ステーションの整備に向けた規制の再点検など検討を進めているところであります。
 今後とも、こういった取組を進めまして、燃料電池自動車の普及開始など様々な努力を積み重ねていきたいというふうに考えてございます。
#175
○亀井亜紀子君 水素燃料の普及は是非お願いをしたいと思います。
 今回、やはり災害で感じたことは、電気自動車を数を増やしていくとやはり電力の需要を押し上げてしまうということと、あと、年末年始にかけて山陰で豪雪被害がございましたけれども、あのときにやはり私たちが学んだことは、オール電化は駄目だということです。停電になったときに同時に断水にもなってしまうんですね。水をくみ上げるポンプが電気で動いていたりすると断水も同時に起こるというようなことがありまして、かなり地元の者も学習をいたしました。
 ですので、リスク分散といいますか、東電はずっとオール電化を宣伝してきて、そのことも個人の世帯の電力需要を押し上げているとも言われておりますから、ちょっと電気に偏った政策からの転換は私は必要ではないかと思っております。
 次に、環境税について先に伺いたいんですけれども、先ほどもほかの方から質問がありました。
 環境税、今、仕組みとしては石油石炭税に上乗せをしていくというようなイメージだと思いますし、それはエネルギー対策特別会計に入って、恐らく経産省と環境省が取り合いになるのではないかと予想されるわけであります。一方で、税制調査会なんか出ておりましても、農水省はCO2の森林の吸収源は地方にあるし、その農水省の方に少し分けてほしいだとか、総務省も地方自治体の方に欲しいであるとか、もう既にいろいろと取り合いが始まっていると思うんです。
 ただ、私は昨年事業仕分にかかわった関係で、やはり環境省の予算が少な過ぎるので大した施策ができないという根本的な問題点がかなり明らかになって、仕分人同じような印象を持っておりますので、環境税はなるべく環境省に使っていただきたいなと個人的に思っております。そして、先ほどの再生可能エネルギーですけれども、研究のところは環境省がやって、でも普及促進になると産業の育成ということで経産省がみんな持っていくような仕組みというのも非常に問題だと思っております。
 環境省として、環境税が入るようになったら、予算が増えた場合にどういう分野に一番力を入れたいとお考えでしょうか。それは自然環境の保全や環境評価、そういう部分が中心であるべきか、それともその再生可能エネルギー、これ、普及、産業の促進までできれば環境省の方がもっとやりたいのだということであるのか、その方向性についてお答えください。
#176
○政府参考人(白石順一君) いろいろ御指摘ありがとうございます。
 いわゆる環境税でございますけれども、環境省のその省の使命、役割分担としては、やはり環境の保全の観点から、エネルギー起源のCO2の排出抑制につながるようなことを今度の環境税、地球温暖化対策のための税では取り組むというふうなことが基本だろうと思います。
 そうなりますと、やはり特に温室効果ガス排出量の削減の進捗が遅れておりますのは、中小の事業者であるとかあるいは家庭を中心とした民生部門、あるいは低炭素な地域づくり、こういうふうな分野というのが環境省としては力を入れていくべき分野だろうと、このように考えております。
#177
○亀井亜紀子君 先ほどドイツの例を出しましたけれども、ドイツでも経済技術省と環境省のこれは戦いなんですね、再生可能エネルギーと原発というのは。ですので、原子力安全・保安院のことも先ほどはほかの方が指摘をされましたけれども、推進するところと規制するところが一緒であると、そういう問題点もありますので、これは環境省が決められることではないですが、政府として再生可能エネルギーと原発の担当というのは私は分けた方がいいのではないかと思っておりますし、御検討いただきたいと思います。
 次に、大量流通という概念についてお伺いしたいと思います。
 今日は松本大臣がいらっしゃらなくて残念ですけれども、松本大臣が大量生産、大量消費、大量廃棄に加えて大量流通を見直したいということを所信表明にも入れていらっしゃいました。私も特に今回の災害を通じて考えていることは、やはり日本の生活習慣、この便利になり過ぎた生活習慣を見直す機会になるのではないかと思います。
 例えばコンビニでも、セブンイレブンというのは元々七時から十一時まで開いていたのが画期的でセブンイレブンだったわけですけれども、いつの間にか二十四時間営業ですし、やはりコンビニのいわゆるビジネススタイル、二十四時間いつ行っても不公平がないように同じだけの量のものがあふれていて、常に補充され、常に廃棄されるということが正しいのかどうかというのを私は非常に疑問に思っております。
 これは日本の商慣習を見直すことも必要でして、やはりいつ行っても棚に物があふれていなければいけない、夜中の二時に行ってもたくさんなければいけないということが当たり前であることを変えていく、そういう役割も環境省にも持っていただきたいなと思います。
 また、例えば今牛乳の紙パックの生産が滞っているとか、そういうようなニュースも見ましたけれども、牛乳瓶による牛乳の宅配ですとか、あるいはペットボトルについても、やはりこれはアメリカの慣習であって、例えばヨーロッパのホテルに行きますと、部屋の中に置いてあるのは瓶の、ボトルの水です。ですので、やはりちょっとペットボトルに偏り過ぎではないかと思うんですけれども、その点についてどのようにお考えでしょうか。
 また、ペットボトルはリサイクルが行われていますけれども、どの程度それが再利用されて効果があるのか、それについてもお伺いいたします。
#178
○政府参考人(伊藤哲夫君) 私の方からは瓶とペットボトルとの関係についてちょっと御説明申し上げます。
 循環型社会形成推進基本法では優先順位を定めておりまして、リデュース、リユース、リサイクル、そしてサーマルリサイクル、最後に適切な処理と、こういったことが基本原則となっておりまして、基本的には瓶でリユースする方が紙とかあるいはペットボトルでリサイクルするということよりも優先順位が高いと、こういうふうに考えております。
 一方、現実の世界では、リユースと申しますのは、例えば使用回数が非常に少ないとか、あるいは回収率が少ないとか、あるいは移動距離が長いとか、そういったことになりますと、実際の環境負荷という面で見ますと、必ずしもリユースがリサイクルよりも環境負荷の面で小さいと言えない場合もあることは事実でございます。ケース・バイ・ケースなわけでございます。
 ただし、私どもとしましては、循環法にもありますとおり、やはりリユースというのをもっと積極的にやっていかなきゃならないというふうに考えておりまして、そのための検討会も設けまして、更にリユースが進めるように頑張っていきたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
#179
○副大臣(近藤昭一君) 私の方からもお答えをさせていただきます。
 御指摘のとおり、松本大臣は大量流通というのを見直したいと、こういうふうに発言をされました。この発言は、もちろん大量生産、大量消費、大量廃棄に加え、大量流通についても見直していきたいと、こういうことの中でおっしゃりました。
 そのため、例えば地産地消など地域での活用が可能な資源をできるだけ地域で活用することが重要と、こういうふうに大臣御自身は認識をされておられます。本日御答弁できないことが申し訳ないという気持ちでありますけれども、私も同じ認識でございまして、このことを見直していくということが、地球温暖化の問題についても、あるいは今御指摘もありました資源廃棄物の問題についても、また生物多様性の問題についても、このことの観点から見てもこの大量流通を見直していくということが重要な観点ですし、御承知かと思いますが、大臣自ら地域資源の活用に取り組む高知県檮原町を視察させていただいて、こうした様々な取組を御自分の目で見られるとともに、様々な御意見を伺っているところであります。
 そういった意味でも是非またいろいろと御指導をいただければと考えます。
 ありがとうございます。
#180
○亀井亜紀子君 是非、大量消費の抑制に向けて推進施策を打っていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。ナショナルトラスト活動についてです。
 ナショナルトラスト活動についてこの委員会でも昨年たしか質問された方があって、税制改正のときに私はこれの固定資産税が免除になるように働きかけたわけですけれども、なかなかそれがうまくいきませんでした。
 その理由が二つありまして、一つは、今、地方分権の時代に地方自治体の判断によっているところを国が介入する必要があるのかという視点でして、もう一つが、こちらの方が難しいと思いましたけれども、ナショナルトラストを規定する法律が日本にないんですね。
 ですので、イギリスの場合はナショナルトラスト法というのがきちんとありますけれども、日本はいろいろな、様々な団体がそれぞれ社団法人であったりいろいろな形態で活動をしている。そして、歴史的建造物を守っているものと、自然を守っている団体とあって、ですから、その団体の特性を見ながら、自治体が営利でないと判断した場合に固定資産税を免除しているというようなのが現実でして、まず初めにそのナショナルトラストを規定する法律が必要だということを言われました。これは確かにそうであろうと感じたわけです。
 今、NPO法が制定されて十年で、また改正法を議員立法で提出しようとしておりますけれども、同時に市民公益税制も今回導入される予定でして、やはりその法律が先にあって、そして税制措置がとられるという順番の方がきれいではないかと思いますけれども、ナショナルトラスト法の制定の必要性についてどのように御認識でしょうか。
#181
○政府参考人(渡邉綱男君) 御指摘いただきましたナショナルトラスト活動の促進でございますが、生物多様性の保全の観点からも大変重要な課題というふうに認識しています。
 昨年末に制定されました生物多様性保全活動促進法におきましても、生物の多様性の保全を目的として国民又は民間の団体が行う生物の多様性の保全上重要な土地の取得が促進されるよう、国は活動を行う団体に情報提供等必要な援助を行う旨規定されたところでございます。
 ナショナルトラスト活動団体への支援につきまして、国又は都道府県が自然環境保全法人として認定した団体に対しましては、固定資産税や不動産取得税を含む税制優遇措置が講じられているところです。まずは、今後もこの仕組みを活用した認定を進めることによって、ナショナルトラスト団体への支援に努めていきたいというふうに思いますし、あわせて、地方公共団体が税の減免を検討する際の判断に役立ちますように、全国のナショナルトラスト活動団体の情報を環境省として収集、整理をして、地方公共団体に対してそれらの情報を提供してまいりたいというふうに思います。
 こういった取組を含めて、先生御指摘の法制度、税制といったことも含めて、ナショナルトラスト活動が活発化していくために必要な支援について考えて、検討しながら進めていきたいというふうに思っております。
#182
○亀井亜紀子君 最後に、鳥インフルエンザについてお伺いをいたします。
 今回、家畜伝染病予防法の改正案、これは農水委員会の方に提出をされる予定ですけれども、この中の鳥インフルエンザの部分について、我が党と農水省もかなり議論しまして、いろいろと直していただきました。
 鳥インフルエンザについて、日本はワクチンを使用せずに、発生したら封じ込めて殺すというのが主流になっているわけですけれども、昨年の冬から起きたことは、やはり野鳥によってどんどん鳥インフルエンザが拡散していく、そして、いわゆる殺処分では追い付かないという現実があった中で、やはり今世界で主流になってきているワクチンの有効利用、DIVAシステムと言いますけれども、これを導入する方法に切り替えるべきではないかと思っております。ワクチン使用に伴うワクチン抗体と野外感染抗体の識別方法、これをDIVAと言いますけれども、この方法が海外ではもう主流になってきております。
 ですので、鳥インフルエンザ対策の転換を国民新党としては訴えているわけですけれども、この点について御見解を伺います。
#183
○政府参考人(三浦公嗣君) 鳥インフルエンザ対策についてお尋ねいただきましたが、鳥インフルエンザ、なかんずく高病原性と言われるインフルエンザにつきましては、予防のために今御指摘いただいたようにワクチンを接種すべきではないという御意見もございますけれども、実は現行のワクチンには幾つか検討しなければいけない技術的課題もあると認識しているところでございます。例えば、発症は抑制できても感染を抑制できない。結果的に、野鳥から感染した鶏の発見が遅れましてウイルスが蔓延するおそれがあるのではないかなど、幾つか課題がございます。
 ワクチンを接種した鶏とそれから感染した鶏を見分ける方法、これは今御紹介いただきましたようにDIVAと、DIVAシステムというふうに呼ばれているものでございますけれども、これ実際に利用するということになりますと、検査人員の確保を含めまして検査のシステムを確立するということが必要になります。
 このため、ワクチン開発につきましては、科学的見地に立ちまして適切に研究開発また検討を進めていくということが必要だというふうに認識しております。独立行政法人でございます農業・食品産業技術総合研究機構、農研機構というふうに呼ばれていますが、ここに置かれました動物衛生研究所におきまして、現在のワクチン、不活化ワクチンより効果の高いワクチンの開発、また感染予防が可能なワクチンの開発を進めているところでございます。
#184
○委員長(北川イッセイ君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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