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2011/06/07 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 国土交通委員会 第15号
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2011/06/07 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 国土交通委員会 第15号

#1
第177回国会 国土交通委員会 第15号
平成二十三年六月七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小泉 昭男君
    理 事
                藤本 祐司君
                室井 邦彦君
                佐藤 信秋君
                吉田 博美君
                長沢 広明君
    委 員
                池口 修次君
                川崎  稔君
                小見山幸治君
                輿石  東君
                羽田雄一郎君
                平山 幸司君
                藤原 良信君
                安井美沙子君
                米長 晴信君
                岩井 茂樹君
                岡田 直樹君
                伊達 忠一君
                中原 八一君
                脇  雅史君
                渡辺 猛之君
                白浜 一良君
                上野ひろし君
                藤井 孝男君
                吉田 忠智君
   国務大臣
       国土交通大臣   大畠 章宏君
   副大臣
       国土交通副大臣  池口 修次君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       津川 祥吾君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       国土交通省鉄道
       局長       久保 成人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関す
 る法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(小泉昭男君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第三二号)の審査のため、本日の委員会に国土交通省鉄道局長久保成人君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(小泉昭男君) 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第三二号)を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○伊達忠一君 自由民主党の伊達忠一でございます。
 まずもって、東日本大震災の被災に遭われた方々に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、心よりお見舞いを申し上げたいと存じます。
 委員長さん始め理事の皆さん方には御理解いただいているんですが、ちょっと足を負傷しておりますので、座ったまま質問させていただきますことをお許しをいただきたいと思います。
 まず、本改正案の審議に入る前に、私から鉄道・運輸機構に由来される今までのこの剰余金の経緯、取扱いについて一言言わせていただきたいと思っております。
 御存じのように、我が北海道、一年を通じて大変観光資源が豊富で観光立地に恵まれている地域でもございまして、日本全国はもとよりでございますが、アジア、そして世界、海外からも多くの観光客が来ているところでございます。
 新千歳空港には大体、一日、飛行機の往復で百五十便以上、それから、平均にしますと五万人という乗客の乗り降りでございますが、着陸だけを申し上げれば八十便ぐらい、それから三万人ぐらいの人が北海道においでをいただいているというのが実情でございますが、しかし北海道は半年冬でございますから、御存じのように、この経験のある方もおられるかもしれませんけれども、条件付なんというのがよくございます。
 北海道が天候が悪いので場合によっては引き返すというような条件付での運航というのが大変あるわけでございますが、そういう面から申し上げれば、これちょっと、この資料も実は作っていたところなんですが、ちょうど入院したものですから、中途半端になって今日提出することできないんですが、平成十九年には百七十七便、要するに吹雪で欠航、降りれないのが百七十七便。平成二十年には三百六十四便、降りれない。二十一年度は非常に少なく七十四便ということなんですが、これを見ても、実は、これはもう温暖化になったから多いとか少ないとかというんじゃなくて、昨年は十一月の末にもう吹雪で欠航。今までこんなことないんです。大体十二月末ぐらいから一月、二月にかけての欠航というのが多かったんですが、最近はこのような状況になっております。
 このようにして、結局、利用客には、大変な不便を強いられているわけでございますし、エージェントの皆さん方には、冬の観光というのは非常に難しいんだと、折り返した場合のホテルの問題ですとか費用の問題、観光庁は目的を達成できないというようなことがございまして、大変なんだということを言っておられました。ましてや北海道、昔は五%経済と言ったのが、今もう三%ないような経済の状況にあるというような状況でございます。
 その中で、炭鉱だとかいろんなものがもう衰退をして、今やなくなって、農業とこの観光というのが北海道の経済を引っ張っていっているというような状況でございまして、私は、北海道こそはやっぱり新幹線というものが必要なんだということを是非ひとつ御認識をいただきたい。
 というのは、例えば関西、大阪ですとか神戸ですとかというのは、急ぐ場合には飛行機で行って、飛行機が仮に何かトラブルがあって飛ばない場合にはすぐ新幹線に乗り換えられるということがございますが、北海道はこれができないんですよ。ですから、その客が戻ってしまうということになりますと、最低で、例えばビジネスホテルに泊まって晩に食事をして朝の朝食を取れば、やはり一万円は最低掛かるということになると、三万人ということになると大体どのぐらいかということは、これはもう言わず語らず御理解をいただけるという状況でございます。みすみすその客が北海道に来ないということになってしまうわけでございますし、都市部の政令都市では新幹線が通っていないのは札幌だけだというようなこともございまして、是非、何としても北海道新幹線、これは私は必要であるというふうに考えますが、この件について大臣の見解をお聞きしたいと思います。
#6
○国務大臣(大畠章宏君) 伊達議員からの御質問にお答えを申し上げます。
 北海道の新幹線に関する御質問でございました。今回、三月十一日の東日本大震災の応急復旧あるいは復旧復興工事を今急いでいるところでありますけれども、今回強く感じたことは、鉄道、それから道路、空港、港というのは非常に密接な関係がありまして、そういうそれぞれの機能をリンクさせて初めて地域の生活や経済が成り立っているということを強く感じました。特に道路と鉄道というのは非常に大事でありますし、また空港というのも緊急時の体制づくりのためには大変大事だということも実感しておるところであります。
 そこで、ただいま飛行機等が雪で移動する手段として欠航した場合に、代わる移動手段として新幹線というものが大変大事ではないかと、こういう御指摘をいただきました。私どももこのいわゆる大震災の経験を踏まえて、移動する手段としての動脈の多重化というのは大変大事であるということを認識したところであります。
 御指摘の北海道新幹線につきましても、現在建設中の新青森─新函館間の工事につきましては予定どおり平成二十七年度末に完成をさせたいということで全力で取り組んでいるところでありますが、同時に未着工の新函館─札幌間につきましては、安定的な財源の見通しや投資効果などの着工五条件等の検討を深めているところでありますけれども、御指摘のように、そういう五条件を整えると同時に、将来の日本の姿としてこの新幹線の一つの形はどうなのかと、こういうことを考えますと非常に大事な御指摘だろうと思いますので、今後とも国土交通省として一生懸命取り組んでまいりたいと考えているところであります。
#7
○伊達忠一君 ありがとうございます。
 御指摘が大事だというお褒めをいただきましたが、むしろやっていただくということが一番大事なことでございまして、是非ひとつお願いをしたいと思います。
 その中で、動脈としての考え方、大臣が今言われました。それと、安定した財源ということも言われましたが、そういう面から申し上げれば、新幹線の早期の実現というものをそれこそ熱い思いで、これは北海道だけではなくて、要するに今未着工区間になっているいわゆる北陸であるとか長崎であるとか、こういう方々の考えも、これはもう全てが一致しているということでございまして、この運輸機構の利益剰余金の行方というものをそれこそ固唾をのんでこういう地域の人たちは見守っていたというのが実情でございます。
 それこそ、この財源を一時は子ども手当に使いたいみたいな話もありましたし、年金の財源に使いたいというような、いろんな二転三転したようなケースがあったんですが、最終的には折り合いが付いて、厚生省とのという話がございました。これは大方の方がやっぱりこれに対する反対というものを地域の人たちは言っておられましたし、そんな中であって、昨年の四月ですか、政府の行政刷新会議、いわゆる事業仕分ですね、これによって利益剰余金は国庫に返納すべきだという結論がされたわけでございますが、これは私にしてみればもうとんでもない話だというふうに思っております。
 当時の、それこそ馬淵大臣も絶対そんなことは許さないというようなことを言っておられましたし、特に北海道の選出の国会議員、これはもちろん自民党、公明党さんはもとよりでございますけれども、民主党の方たちから、それは今日おいでになっていないけれども三井副大臣なんかから、とにかくやるべきだと、これはもう反対すべきじゃないかということで、実は私が中心になってこの鉄道・運輸機構の利益の剰余金の一般財源化に反対する会というものをつくって、これを、私どもよりも民主党の議員の人たちの方が積極的にこれに参加してくれて、北見の方から出ている今それこそいろいろとにぎわしています民主党の議員さんなんかも、俺のところまでは七十年たっても来ないだろうと、新幹線は、だけれども、北海道にとってこれがいかに大事かということは道民の民意だということを積極的になってやってくれまして、共産党、それから大地だ、それこそ無所属の方、全部入られて、入っていないのは民主党の二人だけだったですよ、反対したのは。これは議長さんと前総理大臣、総理ですよ。あとはみんな参加して、是非この財源は新幹線、三島、貨物だとか、在来のあれに使うべきだという主張をしてこの会を発足して、決議文を持って実は民主党の人たちが野田大臣のところに行こうじゃないかということで、実は町村さんと私と民主党の議員三人とで行きました。
 そのときに、民主党の議員の方が、大臣が本当に財源で苦しんでいるのに与党の立場で私から言うのは申し訳ないけれども、これはもう道民の悲願なんだと、もう与野党抜きなんだと、だから、これは是非ひとつ新幹線に使わせてくださいということで主張したことを私は覚えておりまして、町村さんじゃないけれども、いやいや、本当に我々の議員よりも頼もしいなと。公明党さんも一緒にそのとき行かれたんですが、そういう主張をしていただいたということでございまして、今この財源が年金に使われるということで、現在は復興の要するに補正予算に繰り入れられたということなんですが、一番がっかりしているのはむしろ民主党の方たちかもしれませんよ、正直言って。
 ですから、我々が財源がないと言っていたこと自体、この財源を元にしてやろうということで実は一昨年の十二月に決定しようと思ったんですけれども、結局は九月に政権が替わってしまう。我々はこれは反省しなきゃならないところなんですが。そんなことから、是非ひとつそういうようなこと。それから結局は、何というか、場当たり主義の予算の編成というものが二転三転してきているんだろうとこう思いますし、ひいては、昨年の財務省だとか国交省だとか厚生省との決着は一体あれは何だったんだと、私どもの方はそう言いたいという感じなんですが、これについて大臣の方からひとつまたコメントをお伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(大畠章宏君) ただいま伊達議員の方から鉄道・運輸機構の特例業務勘定の利益剰余金等の取扱いについて一つのお考えを披瀝いただきました。
 私も国土交通大臣を拝命しておりますが、物事というのはやっぱり筋を、筋道というのをきちっと整えて行動するということが非常に大事だと思いますし、そういう意味では、御指摘のように前馬淵大臣もやはり筋が違うのではないかと、こういうことで非常にかなり激論をしたということでありますが、最終的には三大臣間で、この利益剰余金一兆二千億円を国庫納付するとともに利益剰余金等を活用した所要の鉄道関連施策を実施すると、こういうことで、一言で言いますと、泣く泣く三大臣合意をしたと、こういう状況なんだろうと推測をいたします。
 その後、この使途が東日本大震災の復旧復興に使われると、こういうことになったと理解しているところでありますが、元々これは鉄道事業等々に使うべきではなかったかと、こういう御指摘をいただきましたけれども、私もそのように同じ認識に立つところであります。
 しかし、政治、様々な状況の中で様々な対応をしていかなければなりませんので、今日まで歩んできてしまっておりますので、これから進むべきものとしては、私としてできる限り筋を通した形でこの剰余金というものが使われるように取り組んでまいりたいと思いますし、今回のこの法律案においても、鉄道関連施設を着実に実施すれば、JR北海道、四国及び九州並びにJR貨物会社の経営の自立、あるいは御指摘の整備新幹線の着実な推進、あるいは並行在来線の経営支援といった政策課題にこたえることができると考えておりまして、今後とも、御指摘等を踏まえながら、適切にこの利益剰余金というものが取り扱われるように努めてまいりたいと考えているところであります。
#9
○伊達忠一君 是非ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それでは次に、本改正によるJR三島、これと貨物会社の支援策で、JR北海道、それから四国に事実上の経営安定基金の積み増しということで三千六百億円とともに、無利子の貸付け、助成金の交付二千三百九十億円によるJR三島、貨物会社の設備投資を支援するということとされておりますが、これによってJR三島、貨物会社の経営改善効果というのはどのように見込んでおられるのか、お聞きしたいと思います。
#10
○政府参考人(久保成人君) 先生御指摘のように、JR北海道、JR四国、JR九州及びJR貨物の四社については車両、施設等の設備の老朽化が大変進んでおります。ということで収益基盤が脆弱でございます。また、経営安定基金というのを国鉄改革以来積んでおりますけれども、低金利によって運用益が減少して、北海道会社、四国会社については財務基盤も脆弱になっていると、こういうことの状況であります。
 そこで、これらの会社の古くなった車両、施設等の設備の更新を着実に進めるため設備投資に対する支援を行うと。また、JR北海道、JR四国については無利子貸付方式による経営安定基金の積み増しを行いたいと考えております。
 本法案にその内容を盛り込ませていただいているところでありますが、これらの支援策を講ずることによりまして収益基盤の強化と財務基盤の安定化が可能となりますので、各社各社が経営努力をしっかりと行っていただいて経営の改善が十分に図られれば経営自立への道が達成できるものと、かように考えております。
#11
○伊達忠一君 それで、それに改善されない場合はじゃどうするんだということを、私は非常に見通しは明るくないと、こう思うんです。ちょっと時間ないから、これ、次の問題をはしょっていきたいと、こう思うんですが。
 やっぱり経営努力というものを最善のこれは努力目標にしていかなきゃなりませんし、北海道なんかは何としても、最善の努力をしても、やっぱりこの新幹線というものが最大の効果を発揮するものであると、こう思っております。
 そういう面でいきますと、北陸新幹線の高崎―長野間の過去の債務の償還ということについては今のこの貸付料が充てられていっているということでございますが、貸付料をこの新幹線の財源として、要するに前倒しをしてやるというような進め方というのはどういうことなのか、新規着工の方向について一つお聞きをしたいと思います。ちょっと短く。
#12
○政府参考人(久保成人君) 御指摘のように、高崎―長野の建設、これは借金で長野オリンピックに間に合わせるために造りました。これを今回、特例業務勘定の利益剰余金を活用して償還する、あるいは貨物調整金も特例業務勘定の利益剰余金を活用するということで、御指摘のとおり、整備新幹線の貸付料を本来の用途である整備新幹線の建設費に充てることができると、こういう形になります。また、公共事業費の活用ということも考えられますので、一層それらの課題の検討を行って、安定的な財源見通しや投資効果、着工五条件の検討を今深めているところであります。
#13
○伊達忠一君 それでは、最後に大臣にお聞きをしたいんですが、新幹線問題検討委員会というのがあると思うんですが、これにつれていろんな委員会、諮問機関みたいのあるので、諮問機関も何回か開会されているんでしょうけど、この新幹線の問題検討委員会、これをやられても結局は、開会をされても課題の、問題点の指摘だけで終わって前に一向に進んでいない、もうただ引き延ばしみたいな感じ。そうすると、我々が受ける印象というのは、政権が替わって、この国策でありながら、国家のプロジェクトの政策でありながら、要するに白紙に戻っているような感じというのがするわけですね。検討委員会だとか何かというのはやっぱり前に前に、その課題を処理して前に進めていくというのが私はそういう委員会だろうと、こう思うんですが、これらの、何で先送り状況になっているのか。
 それと、また、指摘をされる未着工区間について、やっぱり三線同時着工ということに向けての政府のそういう、これは三役でやるんですな、この会議は、恐らくそうでしょう。であれば、やっぱり、何というか、前進のある方向というのはなぜなかったのか。そして、今後はどういう、きちっとしたその未着工区間に対する決意が新たにあるのか。そうじゃないと、前原大臣だって、日本の新幹線はすばらしいよと、大臣当時あちこちに売りに行って、各国に売りに行って、日本でまだそんなに敷いていない、まだ議論している最中なのによその国に行って売りに行くなんという状況にない、日本がやっぱり満遍にこれが活用されて、そしてすばらしいものだということでやっぱり各国に売りに行くというのが私は状況だと、こう思いますので、その辺について、大臣の最後のコメントを。
#14
○委員長(小泉昭男君) 簡潔にお願いいたします。
#15
○国務大臣(大畠章宏君) 御指摘の点でございますが、未着工区間三線の問題でございます。
 私も、伊達議員がおっしゃるように、将来の日本を見通したときにどのような道筋を付けるのかと、これをしっかりと明示をして、そして、政治の中でいろんな政治的な、政権交代等々が長い間にはあるでしょうけれども、しかしその道筋をお互いに共有しながらそれを着実に実行していくというのは非常に大事でありまして、そういう観点から、今日の御質問等を踏まえて、このいわゆる日本の国の大動脈というものを多重化させるという視点に立って私は取り組んでいきたいと考えているところであります。
#16
○伊達忠一君 よろしくお願いします。
 終わります。
#17
○岡田直樹君 自由民主党の岡田直樹でございます。
 法案審議の最初に、一つ申し上げたいことがございます。私はこの法案にあえて反対するものではないのでありますが、そもそも今日この時点で内閣提出法案を審議することには若干の戸惑いがあるわけなんです。先日、菅総理は退陣を表明されました。総理は、言うまでもなく内閣の長であり、この法案の最終的な責任者でもあると思います。その総理が辞めるとおっしゃっている、しかしいつ辞めるとも分からない、今、言わばそんな中途半端な状態の中でこの閣法の審議をすることに違和感を覚えているわけであります。
 また、鳩山総理は菅総理のことをペテン師とまでおっしゃいました。密室の中のことですから、どんな話があったかは知りません。しかし、その後の菅総理の言動を見れば、総理の信頼感というものはもはや地に落ちたなと、こう思うわけであります。
 このような政治状況の中で本日あえて法案審議をしているわけでありますが、大畠大臣、この菅総理の政治姿勢や退陣の時期についてどのようにお考えでありましょうか。大臣が法案の真に可決を望むということであれば、どうか率直な御所感を伺いたいと思います。
#18
○国務大臣(大畠章宏君) 岡田議員から率直な御質問を賜りました。私も率直に努めて御答弁を申し上げたいと思いますが、実はこの御質問は、先ほど記者会見でも同じような趣旨で質問があったところであります。
 私は、基本的に政治というものが国民の生活を阻害してはならない。特に東日本大震災、あるいは原子力も私も大変気になっておりまして、いつも状況をニュース等で入手しているわけでありますけれども、この東日本大震災対応あるいは原子力発電所の事故対応、同時に、国民生活に私は政治がマイナス要因になったのではいけないと思っておりまして、そういう意味から、なぜこの状況の中で本法案の審議を急ぐのかと、こういう御質問でございますが、私としては、今回のこの法律案がまさに国民の足であるJR北海道、JR四国、JR九州あるいはJR貨物会社、そして並行する在来線に対する支援措置を盛り込んだ法律案でありますから、この政治的な混乱というのは混乱としながらも、粛々とこの法律案を是非各党の御理解をいただきながら進めさせていただいて、国民の生活というものに対する支援策の一環だと考えておりますので、是非御理解を賜りたいと思います。
 なお、その他の御質問も賜りましたが、それについてはなかなか難しい課題でありますし、政治家というのは、人から言われて物事を判断するというよりも、自ら自分の信念に基づいてやっぱり判断すべきだと思いますので、これについてはそのように対処していただきたいと考えるところであります。
#19
○岡田直樹君 今大臣から、国民の生活を阻害してはならない、そして何よりも東日本大震災の復旧復興が大切であるというお話がありました。それならばなおさら、大変重要な第二次補正予算案というものは、これは新しい総理の下で編成をされるべきものであると私は信じております。菅総理には一刻も早く政治家としての出処進退、けじめを付けていただきたいということをこの場を借りて申し上げたいと思います。
 菅総理には辞めていただきたいんですけれども、大畠大臣はちょっともったいないなというふうに思っております。というのは、常々この委員会でお聞きしておりましても、大臣の答弁には心というものが感じられるんです。菅総理には残念ながら言葉に誠意というものは感じられない。大きな差があると思っております。
 私は前回の委員会で、大震災後の交通の多重性確保、こういう観点から、北陸、北海道、長崎、この整備新幹線の未着工区間の新規着工について大臣の決意を伺いました。大臣、非常に積極的な答弁をされました。会議録を読ませていただきます。「整備新幹線の未着工区間についてどうなのかということでありますが、私としては、この大震災を受けまして、いわゆる三月十一日を一つの起点として、大きく物事を考える根本というものを新たにしなければならないという思いを持っております。そういう観点から、是非とも各方面の御協力をいただきながら全力でこの整備をしていきたいと考えているところであります。」と、これが大臣の御答弁であります。
 自民党政権であれ民主党政権であれ、国土交通大臣がこのように踏み込んだ答弁をしたということはある意味画期的なことであると思いますし、これが決して空手形にならないように、再度大臣の確固たる決意をお伺いしたいと思います。そしてあわせて、おおよそどんなタイムスケジュールでの着工を考えておられるのかも伺いたいと思います。
#20
○国務大臣(大畠章宏君) 先ほど、私の答弁を申し上げた議事録というものを読み上げていただきまして、再確認ということでありますが、私としては全くこの考え方を変えるつもりはありませんし、このような考え方で前に進むべきであると、こう考えているところであります。
 そこで、現在の整備新幹線の未着工区間についてでありますが、先ほど伊達議員の御質問にもお答え申し上げましたが、これまで様々な状況の中で着工に当たっての基本的な条件と、こういう五項目をベースに検討を進めてきたと聞いておりますし、この五項目というのも一つの大変大事な視点だろうと思っております。
 そういう状況でありますが、ただ私は、三月十一日を起点として、日本人といいますか、日本は新たな時代に突入をしたと。それは、これまでの考え方は考え方としながらも、やはりどうあるべきかということを考えたときに、非常時あるいは災害、大災害時にどのような形で国民の命を救うかという観点を加えなければならない、そういうことを考えますと、従来のこの五項目に加えて、緊急時のいわゆる何といいますか大動脈の多重化というものを新たに加えていかなければならないと考えております。
 そういう意味では、御指摘のように、この新幹線の一つのネットワークというのが大変大事でありまして、そういう意味から、私もできる限り御指摘の未着工区間の課題についても取り組んでまいりますし、いつから始めるんだと、こういう御質問でございますが、これについては今いついつから始めますということはなかなか申し上げにくいわけでありますが、ただ私は、国土交通大臣として、御質問の趣旨に沿って改めて日本の大動脈の在り方というものを検討をして、それを着実に進めていくということが大事だと思っておりまして、そういう観点から努めてまいりたいと考えているところであります。
#21
○岡田直樹君 今、大変大事な御答弁をいただいたと思います。五項目にプラスして災害時に備えた交通の多重化という観点を加えていきたい、言わば五項目が六項目になったと。私はその五項目というものはほとんどもうクリアをされていると思うんです。その上に災害時の多重化と。この項目は今回の東日本大震災によって国民の皆さんから強く認識をされたわけでありますから、あとは政治的な決断であります。どうか大臣におかれても、国交省におかれても御努力を賜りたいと御要請を申し上げたいと思います。
 新幹線の財源については、先ほど伊達先生からも御質問がありましたので端的に伺います。
 この法案で、北陸新幹線高崎―長野間の建設債務の償還あるいは貨物調整金の財源について手当てがされております。今後の貸付料収入や公共事業費など、整備新幹線の整備財源の見込みはどうなっておりますか、この点をお伺いしたいと存じます。
#22
○国務大臣(大畠章宏君) ただいまの財源のお話でございますが、私も御質問をいただくということでいろいろ調べさせていただきました。整備新幹線の貸付料収入というのが既に開業した区間の合計で年間四百二十六億三千万となっておりまして、現在建設中の区間が開業すれば更に増加する見込みでございます。
 今回の法律案によりまして、北陸新幹線の高崎―長野間の建設債務の償還や貨物調整金の財源に特例業務勘定の資金を活用すれば貸付料を整備新幹線の建設費に充てることが可能となります。また、公共事業関連費は、現在建設中の区間の完成のため今年度七百六億円の予算を確保したところでございますが、鉄道予算全体を含め、今後とも必要な予算の確保に努力してまいりたいと考えております。
 さらに、未着工区間の財源につきましては、着工五条件の一つとして幅広い観点から安定的な財源見通しの検討を深めているところでありますが、さらに、御指摘のように、この大震災を受けて、いわゆる動脈の多重化という観点も加えながら未着工区間に係る各種の課題の解決に努めてまいりたいと考えております。
#23
○岡田直樹君 皆様のお手元に資料をお配りしておりますので、御覧をいただきたいと思います。
 これは鉄道局公共事業関係費予算と整備新幹線整備事業費補助の推移というものでありまして、これによりますと、国交省鉄道局の公共事業関係費予算は、平成十三年度から平成二十三年度まで、この一番上の紺色の線でありますけれども、千四百十九億円から九百四十一億円にまで減っております。三四%も減っているわけであります。
 その中で、整備新幹線は国家プロジェクトとして毎年七百六億円を確保しておりますが、これは是非今後も確保をしていただきたい。しかしながら、もうその鉄道局の公共事業全体の言わば天井に頭がぶつかりそうになるほど接近をしてきております。その一方で、新幹線以外の鉄道関係公共事業、これは都市鉄道が中心になるかと思いますけれども、これも大事なものでありますが、この方は非常に減ってきているわけであります。オレンジ色の線、六百六十九億円のものが二百三十五億円にまで減ってきていると。
 ここはもう、鉄道関係公共事業をこれ以上減らすことなく、むしろ増額すべしということを財務当局に対して強く主張をしていただきたいと思うんです。鉄道だけではなくて、国交省全体の公共事業予算をこれは胸を張って要求をしていただきたいと思うんです。それが今日、日本経済がデフレから脱却するためにも、大変重要なことであると私は確信をいたしております。大臣の御決意、伺いたいと思います。
#24
○国務大臣(大畠章宏君) 岡田議員の御質問を伺っておりまして、私はある日のニュースで見た画面を思い起こしました。鉄道が止まってしまってほかの手段で通勤していたんだけれども、やっと電車が通ってほっとしたと、こういうお客さんのコメントがニュースで流れましたけれども、鉄道というのは、単なる移動手段だけではなく、地域によっての一つの、何といいますか、地域社会の安定のためにも大変大事であると。
 そういう意味から、御指摘の大分予算が減ってきてしまっているんじゃないかということでありますが、私は、めり張りを付けて予算というのは執行することが大事であって、必要なところにはきちっと手当てをしていくという意味では、今回の大震災を経て、国土交通省管轄の各職員の皆さんが大変な努力をされました。したがって、全体的に国家公務員を少しその採用を減らそうという総務省からのお話がありましたが、私は、東北地方整備局の皆さんが今全力で頑張っているけれども、それでも人足らなくて、全国の地方の整備局の方からも人を派遣しているぐらいだと、だから必要なところには必要な人を充てるように財源も確保してもらいたいという要請をいたしました。
 したがいまして、先ほどの岡田議員からの御意見も踏まえて、私もその話を、大変財政的に厳しい状況でありますが、堂々と主張をして要求をしていきたいと思います。
#25
○岡田直樹君 時間も限られておりますけれども、並行在来線について端的にお伺いをいたします。
 並行在というのは、地域の足であることはもちろん、鉄道貨物輸送にとっても欠くべからざる重要な役割を果たしているものであります。したがって、これを自治体に任せるだけではなく、国としても十分な対策を講じる必要があると思っております。
 今回、貨物調整金制度の拡充を行うとともに、この法案には貨物調整金の財源として特例業務勘定の資金一千億円を活用することとしておりますけれども、今回の措置を講じることによってどのような効果が見込まれるのか、そして、これによって並行在の維持が図られると自信を持っておられるのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
#26
○国務大臣(大畠章宏君) 並行在来線の件につきまして御質問を賜りました。
 現在、経営環境は非常に厳しいという状況であることを認識しておりますが、この法律案を踏まえて、この維持、経営の安定化を図るために、今回、貨物調整金制度の充実を行い支援を強化するとともに、先ほど御指摘いただきましたように、本法律案では財源として特例業務勘定の資金一千億円を活用することとしております。
 したがいまして、今後、御指摘の点を踏まえて、並行在来線等の経営の強化に向けて私たちも精いっぱいの御支援をしていきたいと、そう考えているところであります。
#27
○岡田直樹君 終わります。ありがとうございました。
#28
○白浜一良君 大畠大臣、これは通告もしていませんし、本題とは全然関係ないわけでございますけれども、大畠大臣は鳩山内閣でも大臣をされていた、今は菅内閣で大臣をされているわけでございますが、先日の衆議院、他院でございますが、衆議院の不信任案をめぐるいわゆる動きがございまして、前の総理が現職の総理にペテン師だと、こう言わざるを得ないようなてんまつがあった。いろんな事情があったのはそれは当然でございますけれども、これを見ていたら国民の政治不信はとんでもない話ですよね。一貫して大臣をされているわけでございますが、大臣として、また一政治家として、こういうてんまつをどういうふうに認識されていますか。
#29
○国務大臣(大畠章宏君) 御質問でございますが、実は鳩山内閣のときは私、閣僚はしておりませんで、本当は鳩山内閣のときに閣僚をしたかったなと、こう思っていたわけでありますが。しかし、菅内閣に入りまして、一つの時代の巡り合わせだと思いますが、経済産業大臣を拝命しまして全力で取り組んできたところであります。その後、一月の十四日に国土交通大臣を拝命して、今日いろいろと皆様方の御指導をいただきながら仕事をさせていただいておるところでありますが、正直なところを申し上げまして、先ほど御答弁を岡田先生にも申し上げましたけれども、政治が国民生活を阻害してはならないと、そう思います。したがいまして、政治は少なくとも国民生活を支え、あるいは国民生活を改善する、こういう力を置かなければならないわけでありますが、そういう状況の中で、白浜先生から御指摘のように、今日の状況というのは一日も早く一つのけじめを付けて前に進む力を持つ政治体制をつくることが大事だと、そのように率直に感じているところであります。
#30
○白浜一良君 失礼いたしました。経産大臣をされていたので、前の鳩山内閣だったのかなと思いまして、えらい失礼いたしました。最初からなれたらよかったなという率直な感想を聞けたというのは良かったですわ。
 今も話にございましたように、これはひとえに与党内の、政府のまた姿勢の問題ですから、しっかりけじめを付けて、これは国民全般が政治不信に陥ってしまうわけでございまして、国民の信頼なければ、政党といえども、また政府はもっとそうでございますが、成り立たないわけでございますから、しっかり対応していただきたいと思います。
 本題に入りますが、今回の法改正で、いわゆるJR北海道、四国、貨物、九州ですか、それぞれ経営的に大変だということで、北海道には二千二百億円、JR四国には千四百億円の無利子貸付けをされるという内容になってございますし、また、なかなか設備投資までお金が回らないということで、それぞれ、これは九州もJR貨物も含めて貸付金等、いわゆる助成金を与えられると、こういう内容になっているわけでございますが、これはこれで地域にとってはなくてはならない足でございますから適切な措置だとは思いますけれども、この無利子貸付けに例えば限定して申し上げますと、これは十年間、聞きましたら十年間は二・五%の利率で運用されると、こういうことになってございまして、あとの十年はその流れを見てと、こういう建前になっていると伺っているわけでございます。
 しかし、この十年、また二十年でこの北海道にしても四国にしても経営が改善されるという保証はないですよね。今はいわゆる補助する制度だとしてこれは大事なことでございますけれども、これは十年間、二十年間でそういう経営改善できるのかなと、そういう新しい見通し並びにスキームというものを作るべきじゃないかというふうに思うわけでございますが、いかがですか。
#31
○政府参考人(久保成人君) 先生御指摘のように、この法案では、JR北海道とJR四国の財務基盤を安定化させるということで、無利子貸付方式によって経営安定基金の積み増しを行うと、こういうことでございます。
 その無利子貸付資金によってJR北海道とJR四国は、機構が発行する償還期間二十年の特別債券を引き受けていただくと、こうなっています。これによって、債券の利息二・五%ということで、JR北海道は年間五十五億円、JR四国は年間三十五億円の収入が得られることになります。この金利が低金利な状態が続けば十年後もまた同様の措置がとられるという形で、二十年間はこれらの会社の財務基盤が安定するということになります。
 ただ、それだけだと先生御指摘のようにどう次へつながるのかと、こういうことでございますが、その間に、本法案に基づきまして、これも御指摘をいただきましたけれども、支援措置を活用して設備投資をやっていただくということであります。それとともに、会社自身も収入の増加や経費の節減などの経営努力をしっかりやっていただくと、これをもって会社経営が中長期的に安定していくものと考えております。
 ただ、それにつきましては、各社において、御指摘のとおり、経営自立のための計画を策定していただくとともに、経営の専門家等も入れた形になるかと思いますけれども、第三者委員会によって計画実施状況のフォローアップなど計画の実効性確保を図るための枠組みも構築するという形を考えております。
 これらを組み合わせて、JR北海道、JR四国の経営改善が図られ、経営自立を達成できるものと、かように考えております。
#32
○白浜一良君 基本的な考え方はそういうことなんでしょう。だけど、十年、二十年したら後にまた続きますよ。だから、いろいろそういう経営改善、第三者委員会を設けて何とかかんとかおっしゃっておりますが、それはそれとして、鉄道局としては経営改善できるような流れをしっかり責任持って見ていかないと、結局また十年たって二十年たっても改善されてないと、こういうてんまつになることを恐れているんですよ。
 今までJR北海道の皆さんもJR四国の皆さんもその努力をしていないわけじゃないんですよ。それなりに一生懸命やってこられた結果、やっぱりいろんなローカル線、赤字覚悟で利用者のために走らせている線もあるんですよ、要するに。だから、なかなか経営が改善できないという現状もあるわけで、よっぽどやっぱりきちっと鉄道局で責任持って見ていかないと駄目だということを指摘をしておきたいと思います。
 それから、先ほどから出ておりました整備新幹線の話で、これ前倒しして今造っておりますから、二十六年、七年ぐらいで全部できるんですかね、今の計画分は。少なくとも、先ほどお話ございましたように、それ以後のいわゆる計画というのはないわけですね。予算もないわけ。それで、公共事業分の配分というのは、平成二十九年分までしか財務省的には考えていらっしゃらないわけですよね。これに、いわゆる貸付金、四百二十六億ですか、これを積み上げた。要するに、新しい線を決めても、建設予算そのものは今のところはそのぐらいの枠しかないわけでございます。
 例えば、北海道でいいましたら、函館まで行ったと、函館まで行ったらやっぱり札幌までよと、こうなりますよね。そこは全く今計画にないわけでございますが、こういう新しい計画をもう一度その財源の有無も含めて考え直す、そういう時期が私は必要だと思う。それは、いつというふうになかなか言えないかも分かりませんが、そういうふうに、必要性を、先ほどおっしゃった五条件からプラス一条件を入れてということも含めておっしゃいましたけれども、いつの時点かやっぱりもう一度この計画そのものを、今後の計画そのものを考えなければならない時期が私は来ると思うんですが、そういうことに対する認識、大臣、どうですか。
#33
○国務大臣(大畠章宏君) 白浜議員の方から、非常に大事な点を御質問いただいたと思います。
 今計画を進めているものの他の課題についてはどうするのかということでありますが、私としては、当然ながら、その財源をどうするかということの手当てをしていかなければなりません。したがいまして、先ほど御答弁を申し上げましたが、平成二十七年に一つの計画しているものを完成させるとして、その後のことについても、私は、国土交通省として一つの考え方を整理して、こういう一つの筋道あるいは多重化というものを考えてこうしようと、そして財源はどういう形で手当てをしていくのか、そしてそれはどういう形で、計画でやっていくのかと、こういうことは是非私としては考え方を整理して、関係者の皆さんの御意見を伺ったり、あるいはこの国土交通委員会の議員の先生の皆さんの御意見をいただいたり、一つの整理をしてそろそろ考え方を明らかにすることも大事じゃないかと、そのように率直に感じているところであります。
#34
○白浜一良君 答えにくいかも分かりませんが、これ、前倒しで二十七年には大体今の計画分は、工事されている分はできるということで、基本的には予算組みは二十九年までしか組まれていないんですね。ということは、二十八年から新しい事業をやろうとすれば、少なくとも平成二十六年には何らかのやっぱり案をまとめなあきませんよね。そういうふうに理解していいですか。ちょっと、局長でもいい。
#35
○政府参考人(久保成人君) 二十六年度に北陸新幹線の金沢までが開業すると。二十七年度に北海道新幹線の新函館までが開業する。三十年ごろに長崎新幹線が一部開業するということでありますが、御指摘のとおり、それに使っているお金は、もう今予定されている財源は全部それに充てられるという形になっています。
 御議論がずっと続いております未着工区間、札幌まで、金沢から先、敦賀、あるいは長崎の先、これらについての未着工区間については新たな財源を考えなければならないと、こういうことであります。それの財源として、これも議論が出ましたけれども、整備新幹線の貸付料を今回の法案措置がとられれば前向きの形の建設費に充てることができると。これ四百二十六億円余でありますけれども、これと将来の公共事業費を加えて建設財源として活用できる。その財源と、あるいは多重化の重要性等、それらも踏まえてどうするのかということを、着工に係る課題の解決に向けて我々事務方としても全力を挙げて取り組んでいるところであります。
#36
○白浜一良君 二十六年中までには決めるということは言えないということですな、今の段階で。
#37
○政府参考人(久保成人君) 未着工区間の解決については、現在も、その着工に係る課題を全力を挙げて解決してできるだけ早期に課題を解決していきたいと、こういうふうに考えています。
#38
○白浜一良君 じゃ、まあこのぐらいにしておきます。
 それから、本法案とは関係ないんですが、バリアフリーのことについてちょっとお伺いしたいと思いますが。
 これ、私どもがかつて与党時代に要するに五千人以上の乗降客のある駅をバリアフリー化しようということでやって、平成二十二年までこの事業が進められまして、本年度から新しい計画が三千人以上の乗降客の駅をやろうということで進められているわけでございますが、これ、二十二年末まで十年間という計画でされたいわゆる達成度というんですか、実施状況というのはどうなっていますか。
#39
○政府参考人(久保成人君) 鉄道駅のバリアフリー化については、御指摘のとおり、二十二年末までに五千人以上の利用者、一日当たりの平均的な数でございますけれども、原則としてバリアフリー化を実施するというところで実現に努力をしてきたところであります。現在のところ、二十二年度末で九割程度の段差解消が図られているというのが現状であり、残る駅についてのバリアフリー化も現在もまた取り組んでいるところであります。
#40
○白浜一良君 これ、しっかり総括して、新しい計画が進むようにしていただきたいと思います。
 というのは、これ大臣、乗降客の多い駅を整備することは当然これは大事なんですけれども、いわゆる過疎地域の駅も、そういうところほどお年寄りも多いということもございまして、そういうことも含めて視野に入れて私やるべきだと思う。単に人数だけじゃないわけで。それで、小さな駅にエレベーターを造ったりエスカレーターを造ったりするのは、それはコストも掛かるしそれは難しいかも分かりませんけれども、やっぱりそういう考え方、お年寄りに優しい、バリアフリーという精神はそうなんですから、少なくとも、いわゆるエレベーターを付けるほどの乗降客はいないけれども、駅の周辺は全部バリアフリー化されていると、段差がなくて車椅子でも駅舎には入っていけるという、そういうことも含めた整備を私はすべきであると思うんです。だから、これはきちっと言ってあげないとできないと思うんですね。
 ちなみに、私が、今鉄道局が作っているデータでいいますと、二十一年度末のデータがあるんですよね。それを見せていただきましたら、例えば、JR四国というのは、五千人の乗降客でいいますと一〇〇%できているんです。だけど七つの駅しかない。だけど、全駅から見たら一五%しかないんですね。ですから、そういう過疎地域の駅も含めて、やっぱりできることからやっていくんだという、そういう指導性を国交省として私は示唆すべきだと思うんですが、いかがですか。
#41
○政府参考人(久保成人君) これも先生御指摘のとおり、もちろん人数だけで全てを決していることではありませんで、地域の実情に鑑みて、利用者数だけじゃなくて、高齢者の方々がよく使われている、あるいは障害者の方々がよく使われていると、そういった利用の実態等も踏まえて移動円滑化を可能な限り実施すると、こういう方針で取り組んでいきたいというふうに思っております。
 この駅のバリアフリー化、周辺も含めてでありますけれども、第一義的には、地元の住民の方々あるいは地方の自治体の方々、鉄道事業者の方々など、その地域の関係者が駅を含めて望ましい地域の姿を構想して、関係者が一致協力して実現すべきものだというふうに考えています。これを私どもとしても地方公共団体と連携して支援していくと、こういう方針で国としては取り組んでいきたいというふうに考えております。
#42
○白浜一良君 新しい計画、今年からされている分は是非ともそういう角度も含めてしっかりやっていただきたいと思います。
 それから、震災復興に関しまして、これ大臣、一部どこかで報道されているのを見たことがあるんですが、例えば三陸鉄道ですね。あれ、社員の方が一生懸命頑張って、全力で整備できたところだけ今部分開通しているんですね。ただ、全体のいわゆる復旧というのは百八十億、もう全然傷んでいるところありますから、掛かるというんですね。ただ、この三陸鉄道は三セクですから、年間の鉄道事業収入は三億円。とてもじゃないけどそれだけの復興事業はできませんよね。これ、従来の鉄道軌道整備法によりますと半分は会社負担ですから、とてもじゃないけどそんなお金はないということで、これは何とかせなあかんということで、一部報道も見たんですけれども、何か考えていらっしゃることがございますか。
#43
○国務大臣(大畠章宏君) ただいまの御指摘の点でございますが、御指摘のように、三陸鉄道自身がこの今の、現在の制度で対応ができるのかというと、非常に難しいだろうと思います。その他のところでも随分、従来のルールで対応できるかというと、大変難しいというところが各所にございます。
 そういう意味からしますと、まあ財務当局は財務当局として非常に渋い顔をしますが、ただ、私は、この東日本大震災に対応するという意味で特例的にルールを作る、こういう法律案を私は制定して、そして御指摘の三陸鉄道も含めて復旧させるということが必要だと思いますし、そういう意味では、第二次補正予算等にその内容を含んで、特例としてこのような形で再建をさせるべきと、こういう一つの考え方を整理して、今鉄道局を中心として、対応方、検討をしているところであります。
#44
○白浜一良君 第一次補正は調査費が一億しか付いてないんです。ここからが大事なんですよ。
 おっしゃったように、三陸鉄道だけじゃなしに、被災路線というのは旅客路線で五事業者十二路線、貨物で五事業者八路線あるわけですね。大変お金が掛かることかも分かりませんが、地元の復興にとっては大事なそういうインフラでございますので、国が四分の一、地方が四分の一、事業主が二分の一じゃなしに、思い切ってあと二分の一は国がかさ上げして四分の三まで国が出して、あとを地方と民間会社でフォローするという、このぐらいのことやるべきじゃないですか。
 第二次補正目指して、財務当局は関係ないです、国交大臣としてやるというふうに、努力するということを言うた方がいいですよ。
#45
○国務大臣(大畠章宏君) 御指摘のように、四分の一、四分の一、二分の一というルールでは私はとても対応できないと思いますから、この第二次補正の中で、御指摘の点を踏まえて、そのような方式で国民の足として再度鉄道が復旧するように努めてまいりたいと考えているところでございます。
#46
○白浜一良君 しっかりお願いしたいと思います。
 それで、一つ提案なんですけど、地震保険に入っている鉄道というのはそうないんですね、ないんですよ。それで、これは民間の保険ですから、当然高いですね、保険料は。普通の、JRと大手民鉄でも二二%、中小の民鉄は五%、三セクはゼロ。これは、保険が高いし、どこまで保険料が支払えるか分かりません。だから、これ、もう民間の保険では無理なんですよ。だから、国が関与する再保険制度というようなものを何かつくらないと、何かこれ大規模な災害があるたびに、事業が再建できないのでもう廃線する以外にないという、事業をやめる以外にないというような、こういうふうになってしまうわけで、これちょっと研究してくれませんか、これ。
#47
○国務大臣(大畠章宏君) ただいまの保険の話でございますが、御指摘のように、従来は保険の商品の設定というのは民間会社が行うものだと、こういうような考え方もありましたけれども、国の再保険制度について、今御指摘のような状況にもございますので、私どもとしても、地域の基幹的な交通機関である鉄道の速やかな復旧というのは非常に大事でありますから、いろいろと研究をさせていただきたいと思います。
#48
○白浜一良君 まあそこまでしか言えないと思いますが、研究してくださいよ、本当に。
 それで、住宅のことでかつて本委員会で私が申し上げまして、仮設住宅というのは二年が原則になってございますね。私は、阪神・淡路の大震災を見ても、五年ぐらい住んでいらっしゃった方があるわけで、今回は当然二年で済まぬだろうと、その地域の復興は。だから、もう早めに延長できるようにした方がいいという提案を本委員会で私質問したんですが、聞くところによりますと、六月一日にそういう通達を出してそういうようにされたというふうに伺ったんですが、それで理解してよろしいでしょうか。
#49
○国務大臣(大畠章宏君) 以前に白浜議員の方からそのような趣旨の御質問を賜りまして、私もそのような形で努力したいというお答えを申し上げましたが、五月の二十七日に、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律に基づき、存続期間の延長が可能となるように政令の改正を行うこととして、先ほど言いましたように五月二十七日に閣議決定をさせていただきました。そして、六月一日より施行させたところであります。
 今御指摘のように、様々なこれまでの経緯というのがございますが、やはりこの国土交通委員会で委員の皆さんの御指摘を踏まえて、一つの制度を必要なときには正していくということは非常に大事だと思いますので、そのような形にさせていただいたところでございます。
#50
○白浜一良君 もう一つ確認したいのは、五月いっぱいで三万戸と、残念ながら三万戸行かなかったわけでございますが、そんなことをあげつらう私つもりございません。ただ、お盆ぐらいまでにはいわゆる避難所をもうなくすというか、全部行き先ができるようにしたいという、これは菅総理がずっとおっしゃっていたことでございます。そういう基本スケジュールはそのままだと理解していいんですかね。
#51
○国務大臣(大畠章宏君) 今御質問を賜りましたが、大変申し訳なく思いますが、私も五月三十一日までに三万戸建設というものを目標として全力を挙げてきたところでありますが、大変申し訳なく思いますが、それは達成できませんでした。
 現時点での御報告を申し上げますが、本日時点で、完成戸数が二万七千五十一戸、建築工事の終了した、いわゆる百戸とか五十戸とか単位でやっているものですから、それが全部完成しないと完成ということにならないわけでありますが、建築工事の終了したものが二千六百五十一戸、現時点で二万九千七百二戸が完成しているところであります。明日、三万戸を超しまして三万百戸完了すると、こういう見込みでございます。
 それから、せっかくですから申し上げますが、私はどうしても、これだけ仮設住宅を建設しているのに、この避難所生活の方々が十万人前後で推移しているというのがどうもよく分かりませんで、内容をいろいろと調べさせていただきました。その結果、現時点でちょっと手元のものを申し上げますと、公表されている避難所、避難者数が八万二千百四十七人になっておりますけれども、これは施設が八百三十施設であります。しかし、その内訳を見ますと、旅館、ホテルへの避難者数が二万一千三百八十人、これもカウントされておりまして、さらには、在所・通所者数ということもございまして、これが一万五千四百四十人ということで、その方々を差し引きますと、現在のところは四万五千三百二十七人となっているところであります。
 しかし、それでも四万人、四万五千人近い方がこの避難所で生活をされておりますので、私としては全力を挙げてこの仮設住宅を一日も早く完成させて、今御指摘のように、できるだけお盆のころまでには入居していただく体制にしたいと思いますが、それまでの間、十日間隔でどのくらいに完成するのかと各市町村別に今集計させまして、それを市町村にお渡しをして、その避難所に入っておられる方がいついつは仮設住宅に入れるというおおよその計画をして、そしてその間、仮設住宅が完成するまでの間、お仕事等で避難所でしか生活できないという方を除いては旅館とかホテル等でお過ごしをいただくように、今一生懸命努力をしているところであります。
#52
○白浜一良君 そういうことも含めてしっかり対応をお願いしたいと思います。
 最後に、私は、三月七日の参議院の予算委員会のときに、住宅エコポイントされているけれども、非常に限定されているんで、バリアフリーとか雪の融雪設備も含めて拡張してやってはどうかと、私、御提案申し上げた。我が党の長沢さんも、中古のいわゆるリフォームそのものに補助したらどうかという提案もしたわけでございますが、何か、これは新聞報道なんですが、今の住宅エコポイント制度というのは七月で切れますから、新しくもうちょっと拡張して考えていらっしゃるという報道、これ新聞で私見たんですが、可能な限り前向きに、決まっている範囲で言っていただいたらいいと思います。
#53
○国務大臣(大畠章宏君) 今御指摘の点でありますが、昨日の日経新聞の一面に、住宅改修費の五%を商品券にと、こういう趣旨の報道がございました。
 御指摘のように、七月いっぱいで住宅のエコポイントが終了せざるを得ないと、こういう状況でございましたが、それに引き続いて、やはり地域経済のベースというのは住宅だということから、これに代わるものは何かないかということをいろいろ御指摘を踏まえて検討をさせていただきました。その結果として、まだ検討中でございますけれども、今御指摘のように、リフォームというものが、ヨーロッパに比べますと日本のリフォームというのは非常に割合が少ないものでありますから、せっかくの住宅をより活用できるようにリフォームを進めようということで、リフォーム市場を拡大していくということも含めて、二〇二〇年までに中古住宅流通市場やリフォーム市場の規模を倍増させると、こういう新成長戦略もございますので、こういうことをどういう形でバックアップするかということで検討を今しているところであります。
 詳細についてはまだ検討中でございますから申し上げるわけにはいきませんが、いずれにしても、委員の御指摘のように、リフォームを含めたバリアフリー等も是非中に入れた形で、この御利用がいただけるような形で、一つの方針として定めたいなということで検討中ということで御答弁をさせていただきます。
#54
○白浜一良君 終わります。
#55
○上野ひろし君 上野ひろしでございます。
 まずは法案について、事実関係を含めて何点かお伺いをしたいと思います。
 今回の法律改正ですけれども、鉄道・運輸機構における特例業務勘定の利益剰余金の処理ということであります。
 まず、事実関係でありますけれども、これまでのその剰余金の額の推移、それから今後の資金収支の見通しというのをお伺いをしたいと思います。
 また、先般、一・二兆円につきまして震災復興対策ということで一般会計に繰入れをされ、また今回、法律改正をされて整備新幹線の建設促進等のために使われるということでありますけれども、例えば共済に対する支出、これは本来この特例業務勘定から支出をされているものだと思いますけれども、その支出に対して今後不足が生じたり問題が生じたりすることはないのか、併せてお伺いをいたします。
#56
○政府参考人(久保成人君) 特例業務勘定の利益剰余金の額の推移でございますけれども、これ、平成十六年度は三千九百九十七億円でございました。十七年度に五千六百五十四億円、十八年度に八千四百二十億円、十九年度に一兆三千四百四十二億円、二十年度に一兆三千五百五十一億円、二十一年度一兆四千五百三十四億円となっておりまして、二十二年度の決算見込みが一兆五千三百四十億円と、こうなっております。
 それで、今回、一般会計への繰入れ、また鉄道支援に支出をするわけでありますけれども、特例業務勘定は今後長期にわたりましてJRの本州三社から既設の新幹線を売却した収入がまだ入ってまいります。ということでございますので、旧国鉄職員の方、またその御遺族の方に対して共済年金費用、年金の費用でございますけれども、支払を行った上でこの鉄道関連施策を実施したとしても、資金の借入れは発生はいたしますが、おおむね二十年間でその資金の借入れは返済が終わると、その後の資金収支は黒字に転ずると、このように考えております。
 繰り返しになりますけれども、そういう状況でございますので、旧国鉄職員あるいはその御遺族の方の共済年金費用等の支払に支障が生ずることはないものと考えております。
#57
○上野ひろし君 ありがとうございます。
 続きまして、これも議論のあったところだと思いますけれども、一般会計が承継をした国鉄清算事業団の長期債務が二十四兆円、また平成十年度以降、補助金として五千五百二十五億円が支出をされているということだと思います。
 こういうことを踏まえると、仮に剰余金があるのであれば一般会計に繰り入れるべきではないかという議論もあったと思うんですけれども、その考え方に対して見解を伺いたいと思います。
#58
○政府参考人(久保成人君) この鉄道・運輸機構特例業務勘定の利益剰余金の取扱いにつきましては、いろんな議論がございました。結果として、昨年末に、厳しい国家財政の状況あるいは先ほどるる大臣等からもお答えさせていただきました鉄道関連施策の必要性等を総合的に勘案いたしまして、利益剰余金一兆二千億円は国庫納付するとともに鉄道・運輸機構の利益剰余金を活用して所要の必要な鉄道関連施策を実施すると、こういうことで十二月末に国家戦略大臣、財務大臣、国土交通大臣の三大臣で合意をされたと、こういうことでございます。
 この大臣合意の結果として、私どもとすれば、国家財政に対して可能な限りの貢献を行うとともに、必要な鉄道政策課題にもこたえることができるものと、このように考えております。
#59
○上野ひろし君 ありがとうございます。
 引き続いて、経営安定基金の積み増しについて、これも確認をまずさせていただきたいと思います。
 JR北海道に対して二千二百億円、それからJR四国に対して千四百億円、経営安定基金の積み増しをされるということであります。この積み増しで、二社はもちろんなんですけれども、JR各社、九州含め、長期的に経営の安定が本当に図られるのかどうかという話をお伺いしたいと思います。
 これで本当にもう大丈夫なのか。また、この先例えば追加的に積み増しが必要になることがあるのかどうか。また、場合によっては、今後の市場の動向によっては、積み増したその基金がある意味過剰になるということもあるのではないかと思うんですけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
#60
○政府参考人(久保成人君) 御指摘のとおり、JR北海道とJR四国に対して経営安定基金の無利子貸付方式による積み増しを行います。これは、各社の今後の十年間の経営見通しを踏まえて、国鉄改革時のJR各社の制度設計と同様な、一定の利益が出るという数字を設定したものでございます。
 これに加えまして、設備投資の支援というものも入っておりますので、各社が経営努力をしっかり行っていただければ長期的に経営の安定が図られるものと、かように考えておりまして、二社に対して追加的な積み増しが必要になることはないものと考えております。
 また一方で、この特別債券の金利、経営安定基金の積み増しに伴います金利については、十年間は一定の数字とした上で、十一年目以降は市場金利の状況に応じて変動させるということでございますので、積み増しが過剰となるというようなことにはその時点でならないように手当てをすると、こういう仕掛けでございます。
#61
○上野ひろし君 ありがとうございます。
 経営の安定を是非きちんと図っていただいて、五月雨式に積んでいくということがないように、また必要に応じてきちんと戻すということも含めて御検討いただきたいと思います。
 次に、設備投資に対する支援についてお伺いをしたいと思います。
 今回、JR北海道、それから四国、九州、貨物に対して設備投資に要する費用の支援をされるということであります。こういった設備投資というのは、本来、当然ですけれども各社で支出をされるべきものであるんだと思うんですけれども、今回、この設備投資に対して支援をされるその考え方というのをお伺いをしたいと思います。
 また、設備投資、これから順次更新時期というのは当然来るんだと思うんですけれども、この先、また同じような設備投資に対する支援、これが必要になってくるのかどうか。だとすれば、特例業務勘定から仮に出すとすれば、そういった資金の余裕が今後あるのかどうか、併せてお伺いをしたいと思います。
#62
○政府参考人(久保成人君) 設備投資に要する費用の支援を行う理由ということでございますけれども、JR北海道、JR四国、JR九州及びJR貨物、この四社につきましては、一部は国鉄時代から使用している車両だとか施設等が入っております。このまま十分な設備更新ができなければ安定した収益を上げることが困難になる、そういう意味で収益構造が脆弱であります。このため、これらの会社の老朽化した設備の更新を着実に進める必要があるということで、本法案におきまして助成金の交付あるいは無利子貸付による支援を行うと、こういうこととしたというのが考え方でございます。
 この支援措置を活用して各社におかれて集中的に設備の更新を進めていただく、こういうことによって経営の改善が図られ、中長期的には自力で設備更新を行える自立した会社になっていただけるということを考えておりますので、今後は会社の方で対応していただくというのが基本的な考え方であります。
#63
○上野ひろし君 ありがとうございます。
 これも先ほどと同様ですけれども、経営が悪いからといって際限なく出していくというわけには多分いかないんだと思うんですね。きちんと経営の改善を図っていただく、各会社が自前できちんと回るようにしていただく、それが本来の姿ではないかと思っています。
 次に、先ほどもお話がありましたけれども、整備新幹線についてお伺いしたいと思います。
 今回、一千五百億円を長野新幹線の建設債務の償還に充てることで整備新幹線の建設促進をするということでありますけれども、具体的にどういう効果があるのかというのをお伺いをしたいと思います。
 また、先般、一・二兆円、剰余金全体を整備新幹線の促進に充てるという話もありました。そもそも、無駄な鉄道を造る必要はもちろんないと思うんですけれども、必要なものについては、必要な新幹線についてはきちんと財源の手当てをして進めていくべきものなんだと思うんです。たまたま剰余金があったから建設が促進をされる、そういうものではなくて、必要なものであればきちんと期限を区切っていついつまでに財源の手当てをして造っていくんだ、そういうことをきちんと明記をされる、計画のようなものを作られるべきだと思うんですけれども、あわせて、これも大臣の見解をお伺いいたします。
#64
○国務大臣(大畠章宏君) ただいま御指摘を賜りましたけれども、いずれにしても、この御指摘、後半のところにありますように、国民にとって必要な幹線というのはきちっと整備をしていく、お金が余ったから云々というような形じゃなく、計画的にやるべきじゃないかというのは、私も同じ考えでございます。
 そこで、今後のことも含めてどういう形でやっていくかということでありますが、私としては、先ほども委員会の中で御議論がございましたが、この整備新幹線に充てる予算というものをどういう形で確保していくのかという道筋を定めながら、そしてこの整備新幹線の未着工区間の五条件というのがありますが、五条件、プラスして私は、今回の三月十一日の大震災を私たちは日本の国として体験をして新たにこの多重化という視点も非常に大事でありますから、そういうことを含めて計画的に着実に進めるような方策を求めてまいりたいと考えているところであります。
#65
○上野ひろし君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 繰り返しますけれども、たまたまお金があったから建設が進む、お金がない、例えば震災でお金が使われたら建設が進まない、そういうものではないんだと思います。必要なものについてはきちんと造っていただく、そういうことで是非よろしくお願いしたいと思います。
 次に、並行在来線の経営支援の問題でございます。
 今回、四社を対象に経営支援をされるということでありますけれども、そもそも鉄道・運輸機構についていうと、国鉄清算事業団の債権、債務を引き継いだということでもございます。そういう意味では、全国に、この四社に限らず経営が厳しい鉄道会社、国鉄の改革に伴ってできた第三セクターの鉄道会社がたくさんあるんだと思うんですけれども、そういうところに対する支援も本来であれば行うべきではないかと思うんですけれども、御見解をお伺いをしたいと思います。
#66
○政府参考人(久保成人君) 今般の御指摘の四社の並行在来線に対する支援でありますけれども、これは、JR貨物がそれを使ってその上を走って運行しているという、こういう並行在来線にかかわる貨物調整金制度、これを通じて支援を行おうとするものであります。
 結果として、これは鉄道・運輸機構の特例業務勘定が現在株式を有しておりますJR貨物の経営の安定にも資すると、こういう観点から今回の制度を設けたものであります。
 一方、先生御指摘のその他の第三セクター鉄道、これは旧国鉄に由来しないものもありまして、いろんな様々な路線が存在しますけれども、今回の貨物調整金制度の対象にはなっておりません。JR貨物が利用していないということから貨物調整金制度の対象になっていないからであります。
 しかしながら、地域の鉄道というのは地域の経済社会活動や住民の方々の足を支える重要な公共交通機関であるという認識は変わりなく持っておりまして、第三セクター以外のさらに中小民鉄も含めて本年度、二十三年度予算から新たな補助制度を創設したところでありまして、そういった第三セクター、中小民鉄も含めて、その維持、活性化のためにきちんと対応を続けていきたいというふうに思っております。
#67
○上野ひろし君 ありがとうございます。
 高齢化が進む中で、特に地方において公共交通機関の必要性というのはどんどん高まっているんだと思います。是非きちんとした対応をお願いしたいと思います。
 最後に、今の質問とも関連をしますけれども、大臣にお伺いいたします。
 先ほど申し上げたとおり、国鉄清算事業団の債権、債務を引き継いだのがこの鉄道・運輸機構であります。その剰余金の処分に当たっては、場当たり的に、例えばどこの会社が経営が厳しいからそこに支援をする、基金を積み増す、また、設備投資の支援をするということではなくて、総合的な鉄道のネットワーク、また、交通のネットワークの在り方というのをきちんと議論した上でどこに投資をしていくべきなのかという、そういう議論があって支出先を決めるというのが本来の姿なのではないかと思っています。
 是非、今回、剰余金の処分をされるということでありますけれども、今後、交通ネットワークはどうあるべきなのかという議論をきちんとやっていただきたい、そういう思いですけれども、大臣のお考えをお伺いいたします。
#68
○国務大臣(大畠章宏君) 大変大事な視点を教えていただいたと思います。
 国土交通省としても、現在、社会資本整備審議会、交通政策審議会というものの中でこの論議をしているところでありますが、特に交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会というのがございまして、いろいろ有識者の皆さんからも御提言をいただいているところでありますが、まずは御指摘のように、一つの将来ビジョンというものを明確に作ってそれを着実に仕上げていくという発想が私は必要だと思います。
 したがいまして、そういう今御指摘をいただきました点を踏まえて、中長期的なビジョンというものを策定して、それを計画的に着実に進めるような方針で臨んでまいりたいと考えているところであります。
#69
○上野ひろし君 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
#70
○藤井孝男君 それではまず、局長の方にお伺いしたいんですが、被災地の在来線の問題ですね、これが新聞報道にも出ていますけれども、再建かあるいは新線を造るのか、その道筋が全く見えてきていないというような記事がありました。
 特に、いわゆる三陸から福島県、ずっと長い区間、これJR東の七区間あるんですかね、これもうぶつぶつになっているということで、そして同時に、第一、第二原発のところはこれ調査にも入れない状況、そういう状況の中で、今後、先般も私、港のことであるとか道路のことであるとか、そういうことによってネットワークですが、鉄道が一番遅れているんじゃないかと思うんですけれども、この被災地における在来線の見通し、これは単にJR東だけでカバーできるものではない、やはり国が何らかの形でカバーしていかないと、とてもこれも復旧が進まないということ。
 それからもう一つは、やっぱりいろんな方々の意見もあって、ただ単に今までの在来線をそのままもう一回敷設していきゃいいということじゃなくて、町づくりと一体となった形の中で新しいこの交通体系ルールというものを、そういった観点からも考えていく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、その点について、現状と今後の考え方についてお伺いいたしたいと思います。
#71
○政府参考人(久保成人君) 先生御指摘のとおり、沿岸、いわゆる津波、地震だけじゃなくて津波によって甚大な被害を受けた在来線が御指摘のとおりたくさんございます。これについては、単に同じ場所にレールを復旧するという考え方ではなくて、被害の実態、被災地域の復興を町づくりの構想に応じて、復旧あるいは再建をしていく必要があるというふうに考えています。
 私どもの方といたしましても、レールを単に戻すわけじゃありませんので、国土交通省の鉄道局のほか関係部局、また地域の自治体、当事者であるJR東日本会社にも入っていただいて、どういう形で、場合によってはどういう場所に鉄道を復旧、再建していくのかという会議をスタートさせ、このうち、仙石線という仙台から石巻方面に向かう鉄道あるいは御指摘の常磐線北部の鉄道については、五月末から六月の初めについて現地でもそのための会議を開催いたしまして、どういう在り方で再建をしていくのかというところを煮詰めているところであります。
#72
○藤井孝男君 これ今、私から言いましたように、JR東だけでは、あるいは自治体だけでもとても無理だと、国が何らかの関与をしなきゃいけないというふうにお願いを私いたしましたけれども、やっぱりある面では、これは鉄道だけに限らず特区制度というのをもっと拡充して、こういった問題にこそ特区というものも頭の中に入れながらこの復旧、そして地域にとって鉄道というのは常に大変重要ですから、たとえローカル線といいますか、こうした在来線についても是非いろいろ多角的な面から、また将来的な町づくりの観点から、そしてまた鉄道網、大臣が何度もおっしゃっているように、ネットワークといいますか、そういう観点から是非よろしく進めていただきたいと思います。
 先般、被災地をお伺いしましたら、富岡の町長は常磐新幹線を何とか造ってほしいという、こういう要望がありましたけれども、これはなかなかそう簡単に、はい分かりましたと言うわけには私もいきませんでしたけれども、そういう希望もあるところですから、何としてもやっぱり在来線の鉄道の復旧を一日も早く整備を進めていただきたいと思っています。
 それでは次に、これは先ほどからいろいろな方からも質問がありました。今度の法案で、特に整備新幹線、いわゆる特別勘定といいますか、いわゆる特例業務勘定から建設勘定に繰り入れることができるということが千五百億ということですか、こういったことを含め、また、いわゆるこれまでの貸付料、これは従来のスキームですとこれを鉄道の建設費に充てることができないということを、今度新しい仕組みで四百二十六億円ですかね、これを充てることができるということで、これはなかなかこうしたことで新幹線の整備が着実に進んでいくということは大変結構なことですが。
 しかし、それでもなお、先ほど白浜議員また上野議員から、新幹線整備については未着工区間についての財源というのがまだはっきりしない。やはり何としてもこれも財源というのをしっかり見極めていきませんと、大体推測でというか、将来二十年以降どういうまた財政状況になるか分からないということで、これについてもしっかりとした、特に新幹線ですから、まさに基幹鉄道ですから、その点についての基本的な考え方をもう一度大臣にもお伺いできればと思っています。
#73
○国務大臣(大畠章宏君) 藤井議員からの御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 この新幹線の未着工三区間の整備には財源がかくも大事だと、こういう御指摘でございまして、そのとおりでありますし、先ほどから御答弁申し上げておりますとおり、これまでの五条件というものに加えて、三月十一日以降はまさに非常時に備えた多重化という観点を加えての検討が必要だろうと思います。
 そういうことで、おおよその骨格というものを定めた上で財源をどうするかでありますが、ここのところが非常に難しい状況でございますが、ただ、今回の法案によって北陸新幹線の高崎―長野間の建設債務の償還や貨物調整金の財源に特例業務勘定の資金を活用すると、こういうことをすれば貸付料を整備新幹線の建設費に充てることが可能となるわけであります。
 それと、国土交通省にはかなりの知恵者がおりまして、そこら辺私もこういう知恵があるのかなと思うほど、よく大震災対応でもいろんな知恵を出していただきました。したがいまして、何とか知恵を出して財源をひねり出すと、こういうことを今検討をさせておりまして、何とか財源をひねり出して、藤井先生御指摘のように、必要な路線については計画的にきちっと整備していくと、こういうことができるように絵をかいていきたいと考えているところでございます。
#74
○藤井孝男君 悪知恵といいましたけれども、まさになかなか優秀な官僚がいらっしゃいますよ。それは大臣が一番先頭を切って悪知恵を発揮、いい意味での悪知恵を発揮していただきたいと思います。
 というのは、私隔世の感がありまして、十三年前は私運輸大臣をやっていたんですよ。このときの悪知恵といいますか、一つの知恵がこの鉄道・運輸施設整備支援機構なんですよ。これで債務のあれをやった。これが土地がうまく売れたり株がうまく売れたりして、それから金利があのころはまだ結構高かった、五%ぐらいで回っていたんですかね、それがずっと積み重なって剰余金が出ていた。これを皆さん方悪知恵で、どっかあっちに持っていったりこっちに持っていったり、そしてあわよくば、あわよくばって言っちゃあれなんですけれども、着実に新幹線の整備にも使おうと。
 ですから、そういう意味では、もう十三年前はむしろ整備新幹線を造ること自体が、これが財務省的からいいますと、これはばかばかしい、何か四国の三橋と同じような、こういう無駄な公共事業の一つに数えられていたんですよ、あのとき。非常に私、苦労したことを覚えていたんですが、国鉄長期債務という問題があったんで、それでいろんな知恵を働かせてつくってきた機構の一つがこの運輸施設の鉄道機構なんですね。これが結果的に非常に大きな金を生む形になったんで、それをどう活用するかということは大いにもっといい意味での悪知恵を出して、鉄道網の整備をしっかりとやっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、これは前に大臣にももっとリーダーシップを発揮せよと私お願いしたことがあるんですが、実はこれも新聞で、昨日、たまたま新聞を見ていたら、日経新聞の朝刊を見ていましたら、失敗の要因というのが、こういう記事が出ていたんですよ。旧日本軍はなぜ失敗したかとかいろいろな本、こうしたことを書いている方が、論説委員長が書いているんですけれども、そこの中に、今の民主党に通じるものがあったと、失敗の要因を分析していくと。それは何かといえば、一言で言うと戦略的な目的が全然発揮されていないということなんですよ。ですから、鉄道も港も道路も空港も、そしてまた様々な今度の復興についても、申し訳ないけれども、菅内閣には戦略性が見えない。それを場当たり的だとかそういう形でやってきたことが、結果的に失敗の要因になっているんじゃないかというふうな記事が書いてあるんです。ですから、そういう意味で、これから鉄道網の整備もやっぱり国家戦略という、そういう戦略性を持った形の中で整備をしていってもらいたい。
 この新聞の最後にこういうことが書いてある。何か鳩山前総理と現菅直人総理との取り交わした三項目の確認事項の一項目めは、民主党を壊さないことと書いてあったんですね。これは私、びっくりしました。まず震災、我が国をどうするかということが書かれているのかと思ったら、まず民主党を壊さないことだと。この締めが何て書いてあるか。この論説委員は、第一項目めというか、本当は四項目めと書いてありますが、これは第一項目めにこの国を壊さないことが大事じゃないかと。ですから、そういう意味でリーダーシップを発揮して頑張っていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#75
○吉田忠智君 社会民主党・護憲連合の吉田忠智でございます。
 私は、鉄道・運輸機構の特例業務勘定の利益剰余金につきましては、昨年の国土交通委員会で、返納額は機構が国から補助金として受け取った五千五百億円にとどめ、残りは鉄道を中心とする交通体系や社会資本整備に使うのが筋だと主張してまいりましたが、返納額を除く部分をJR三島、貨物などの鉄道支援に充てるスキームがつくられた経緯もございまして、賛成の立場でございます。
 そこで質問に移りますが、一点目、通告しておりました旧国鉄職員、そして遺族の年金支給の問題と、それから今後の収支見通しにつきましては、先ほど上野委員から質問がございましたので、これはもう割愛をさせていただきます。今後、特例業務勘定の安定的な財政運営に是非しっかり取り組んでいただきたい、そのことを申し上げておきます。
 次に、物流政策におけるJR貨物の位置付けについて質問をさせていただきます。
 本法案では、JR貨物についても設備投資支援を行うこととされております。JR貨物は、国鉄改革以来、鉄道事業では例年数十億の赤字でございまして、それを不動産開発などの関連事業の黒字で埋め合わせてきました。一昨年度、昨年度については、リーマン・ショックもあり経常赤字となっております。鉄道貨物輸送のCO2排出量は、営業用トラックの約七分の一と言われております。企業が鉄道貨物輸送を選択するような経済合理的な制度設計が必要である、そのように考えております。
 そこで大臣にお伺いしますが、東日本大震災、東電原発事故を受け、原発依存からの脱却、エネルギーシフトに伴う当面の化石燃料増、CO2排出増を緩和するためにも、例えば炭素税、地球温暖化対策税を税制中立に制度設計をする、こうした財源も活用して鉄道貨物輸送のコストを抑えるよう補助したり、公共調達のグリーン購入の評価においても鉄道貨物輸送を輸配送の不可欠の項目にするぐらいより一層重視して、企業の物流面でのモーダルシフトを強力に後押しする仕組みを国土交通省としても提案していくべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#76
○国務大臣(大畠章宏君) 吉田議員からの御質問にお答えを申し上げます。
 いわゆるモーダルシフトについてでございますが、私も今の御質問を伺っていまして、ちょうど二十年ほど前スウェーデンに行ったときに、朝方でありますけれども、朝七時から九時までは一人で運転する自動車は入れないですとか、あるいは郊外までは自動車で来ていいんですが、そこからは電車で必ず乗り換えて中心部に向かうですとか、そういうルールがあると、こういうことで、公共交通機関をできるだけ利用してエネルギーの使用を効率的に使うという方式をやっているというお話をいただいたことがあります。それから、十五年ほど前でありますがイギリスに行きましたら、ある町の中心部のところでは、自動車は乗り入れないで全部公共交通機関を使用することと、このようなルールの下にできるだけ空気を汚さないといいますか、そういうことをやっている地域に行ったことがございます。
 そういう意味からしますと、日本というのは非常に自由な状況がございますけれども、これから将来を考えたときに、吉田議員の御指摘のように、鉄道輸送というものの優れた部分というものを有効に活用しながら、新たな交通体系というものを検討しそれを実施するという、そういう時代に今入りつつあるのではないかと、そういう感じを持っておりまして、御指摘を受けて私もいろいろとその点について研究をさせていただきたいと考えているところであります。
#77
○吉田忠智君 現在の事業でも、例えば幹線鉄道等活性化事業の中の鉄道貨物輸送力増強事業などもありますけれども、補助率が十分の三や十分の二ということで、執行率そのものも低い状況でもございます。大臣からもお話がございましたが、CO2削減は政府全体の課題でもあります。是非、これはやっぱりしっかり政策誘導していく必要があると思いますので、また検討して進めていただくようにお願いしたいと思います。
 次に、並行在来線の支援と経営分離方式についてでございます。
 今回の改正では、並行在来線への支援として貨調金の助成額の引上げも盛り込まれました。現在の並行在来線四路線は非常に厳しい経営状態が続いております。さらに今後、北陸新幹線の延伸に伴い、長野―直江津―金沢間が並行在来線となります。並行在来線の定義からして、新幹線が開業すれば赤字になる在来線という意味ですから、これを経営分離方式で自治体に丸投げすれば、JRの経営は圧迫をしなくても、今度は自治体の財政を圧迫することになるわけですね。
 民主党は、野党時代は並行在来線の経営分離方式の見直しを主張されてきました。確かに、三島会社は経営状態が厳しくて、一体的経営はJRに過度に負担を掛け国鉄民営化の趣旨に反するのかもしれません。しかし、本州三社、東日本、東海、西日本は、今や例年巨額の純利益を計上する世界有数の運輸会社であります。運輸企業であります。東海などは、リニアの建設費も自己負担するとまで言っているわけであります。
 近々交通基本法の審議、成立が見込まれるなど、政府も地域住民の移動権の保障、生活交通の重視を打ち出しています。自治体の合意を振りかざして、一方で巨額の利益を上げながら、赤字路線は第三セクターイコール住民の負担で維持しなさいというのは、国民の理解を得られないのではないでしょうか。時代が大きく変わっております。二十年前から続く政府・与党申合せを見直すべきと考えます。
 そこで大臣に伺いますが、黒字の本州三社については経営分離を認めない、JRによる一体的経営を維持する、赤字の三島会社についても、なるべくJRによる一体経営を求めながら、当面は国交省からも是非総務省や財務省に地財措置を働きかけるなど、経営分離方式は抜本的に見直すべきではないかと考えますが、大臣の御所見を伺います。
#78
○国務大臣(大畠章宏君) 吉田議員からの御質問でございますが、整備新幹線というものを整備するときに並行在来線も含めて経営することが非常に大事だということで、ただ、JRにとって過重な負担となる場合があることから、この場合には沿線自治体の同意を得た上で並行在来線を経営分離することとしたというのがこれまでの経緯でございます。
 基本的な考え方は、御指摘のように並行在来線というのは国民の足なんですね。したがって、地域の足はやはり維持するということがなければならないと私も考えておりまして、そういうことから、今日、正直なところ、この経営環境というのは非常に厳しいということも存じ上げておりますので、今回、平成十四年度に創設した貨物調整金制度の拡充を行うことにより並行在来線の負担軽減を図ることとしております。さらには、並行在来線も含む地方鉄道については、平成二十三年度予算において、地域公共交通の確保、維持、改善を図るため新たな補助制度を創設をさせていただきました。
 引き続き並行在来線の支援に努めてまいりますが、この課題は地域のバスも同じような状況でありまして、これを単なる自然の状況に置いておきますとだんだん国民の足、地域の人の足が確保できなくなると、こういう状況にもなりますので、そこら辺をしっかりと踏まえて、新たな視点でこの公共交通機関というものをどう維持していくのか、こういうことを私としても検討させていただきたいと考えているところであります。
#79
○吉田忠智君 民間企業とはいいましても、公共交通事業者は公共財としての交通網を維持するという社会的な責務を負っております。先ほど大臣からもお話がございましたが、バスも含めて私鉄にも経営努力をしながら赤字路線を維持している事業者はたくさんあります。政治の側がJRに整備新幹線を推進させる見返りに認めた経営分離方式でありますけれども、今や時代にそぐわないものになっているのではないか。是非、大臣の英断を期待をしております。
 通告しておりませんが、一点大臣にお伺いしたいと思います。
 東九州地域の鉄道についてでございますが、西九州は御覧のとおりもう長崎まで新幹線が通るめどが立ちました。それから、九州を縦貫をする中央の部分についても、福岡、熊本、鹿児島、新幹線がもう開通しました。ところが、東九州、具体的に言うと小倉から大分、宮崎に至る日豊本線、これはもう新幹線はおろか、大分駅から南は単線なんですね。だから、そういう意味では鉄道政策の極めてやっぱり不備が東九州に出ているのではないか、そのように思っておりまして、これも、財政厳しい折ですけれども、やっぱり地域の振興という観点からもそうですし、物流政策の観点からもそうですが、しっかり取り組んでいただきたい、そのように思っておりますけれども、大臣にお考えをお伺いします。
#80
○国務大臣(大畠章宏君) 御指摘の点でございますが、私自身も、三月十一日の大震災を踏まえて、これを起点として、非常時にはどうするかという観点から、鉄道網というもの、あるいは道路網というものも含めてよく検討しなければならないと考えております。
 したがいまして、そういう今議員からの御指摘を踏まえながら、将来の鉄道網というもの、あるいは道路網というものはどうあるべきかと、その観点で検討させていただきたいと考えているところであります。
#81
○吉田忠智君 この東九州の鉄道についてもこれからしっかりまた質問させていただきますし、高速道路も東九州はまだミッシングリンクでありまして、つながっておりません。しっかりまたこれから私なりに調査をして質問させていただきますので、どうぞまたよろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#82
○委員長(小泉昭男君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案(閣法第三二号)に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#83
○委員長(小泉昭男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、吉田博美君から発言を求められておりますので、これを許します。吉田博美君。
#84
○吉田博美君 私は、ただいま可決されました日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党、みんなの党、たちあがれ日本・新党改革及び社会民主党・護憲連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 東日本大震災の被害が鉄道においても甚大であることに鑑み、被災した鉄道施設の早期復旧を図り、一刻も早く被災地域が復興するよう、対応に万全を期すこと。
 二 全国の鉄道ネットワークが我が国の経済活動及び国民生活を支える重要な役割を担っていることに鑑み、その一層の機能強化を図るべく、総合的な交通体系の中における鉄道の将来ビジョンを明確にすること。
 三 地域住民の足を守り、環境等に配慮した交通体系を推進するため、JR北海道、JR四国及びJR九州並びにJR貨物の経営が中長期的に安定するよう、本法に基づく支援措置を着実に実施し、経営自立の達成に万全を期すこと。
 四 今般の東日本大震災においても、改めて災害時における交通機能の重要性が確認されたところであり、我が国の交通体系にあって基幹的な高速輸送体系を形成する整備新幹線については、災害に強い国づくりへの貢献という観点から、太平洋側の巨大リスクに備え、日本海側の大動脈となる北陸新幹線など多重系の輸送体系による代替補完機能を確立する必要性を踏まえ、整備を加速することが必要である。また、日本経済の再生及びそれを支える地域の振興・地域経済の活性化を図るためにも、整備新幹線の一層の整備を推進するべきである。これらの点を踏まえ、北海道新幹線新函館・札幌間、北陸新幹線金沢・敦賀間及び九州新幹線長崎ルート諫早・長崎間の未着工区間の工事実施計画の速やかな認可に向けた検討を急ぎ、早急に結論を得て、早期の工事着手の実現を図ること。
 五 九州新幹線長崎ルートの整備に関わる佐世保線肥前山口・武雄温泉間の複線化等の改良について、その推進に向けて適切に対処すること。
 六 並行在来線については、地域の足としての重要性、我が国物流の大動脈としての役割、新幹線鉄道ネットワークの補完・充実に資する機能等に鑑み、引き続き、沿線自治体等と協力しつつ、その維持及び経営の安定化に十分配慮すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#85
○委員長(小泉昭男君) ただいま吉田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#86
○委員長(小泉昭男君) 全会一致と認めます。よって、吉田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、大畠国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大畠国土交通大臣。
#87
○国務大臣(大畠章宏君) 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理に関する法律等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会において真剣な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決していただきました。深く感謝申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の質疑内容や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に配慮してまいる所存でございます。
 ここに、委員長を始め理事の皆様、また委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝申し上げます。
 大変ありがとうございました。
#88
○委員長(小泉昭男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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