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2011/06/16 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 経済産業委員会 第9号
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2011/06/16 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 経済産業委員会 第9号

#1
第177回国会 経済産業委員会 第9号
平成二十三年六月十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     松田 公太君     小熊 慎司君
 五月二十四日
    辞任         補欠選任
     小熊 慎司君     桜内 文城君
 五月二十五日
    辞任         補欠選任
     桜内 文城君     松田 公太君
 五月二十六日
    辞任         補欠選任
     磯崎 仁彦君     島尻安伊子君
     若林 健太君     山崎  力君
 五月二十七日
    辞任         補欠選任
     島尻安伊子君     磯崎 仁彦君
     山崎  力君     若林 健太君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     磯崎 仁彦君     岩城 光英君
 六月十四日
    辞任         補欠選任
     岩城 光英君     磯崎 仁彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳澤 光美君
    理 事
                平山  誠君
                広野ただし君
                増子 輝彦君
                関口 昌一君
                牧野たかお君
    委 員
                加藤 敏幸君
                高橋 千秋君
                直嶋 正行君
                姫井由美子君
                藤原 正司君
                磯崎 仁彦君
                末松 信介君
                松村 祥史君
                若林 健太君
                松 あきら君
                松田 公太君
                荒井 広幸君
   国務大臣
       経済産業大臣   海江田万里君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       中山 義活君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田  宏君
   政府参考人
       原子力安全委員
       会委員長     班目 春樹君
       外務大臣官房審
       議官       武藤 義哉君
       文部科学大臣官
       房政策評価審議
       官        田中  敏君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部技術参事官   岡  誠一君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局次長      渡辺  格君
       厚生労働大臣官
       房審議官     篠田 幸昌君
       厚生労働大臣官
       房審議官     唐澤  剛君
       資源エネルギー
       庁原子力安全・
       保安院長     寺坂 信昭君
       中小企業庁長官  高原 一郎君
       国土交通省都市
       ・地域整備局下
       水道部長     松井 正樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (原子力損害賠償支援の枠組みに関する件)
 (原子力損害賠償の対象範囲と手続の迅速化に
 関する件)
 (広範に点在する放射線量が高い地区における
 対応に関する件)
○鉱業法の一部を改正する等の法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(柳澤光美君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、原子力安全委員会委員長班目春樹君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(柳澤光美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(柳澤光美君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○若林健太君 自由民主党の若林健太でございます。
 昨年の七月の参議院選挙以来、もうすぐ一年がたとうとしております。少しずつ国会議員としての自覚を持ちながら活動させていただいて、あのときの初志を今まさに問われていると、こんな思いで取り組んでいるところでありますが、あの三月十一日の震災以来、今本当に政治は何をしているのか、今その場にいる自分は本当にこのままでいいのかと、そんな思いを昨今するところでございます。辞めると言った人が辞めないと、一体、毎日の新聞を見るたびに驚くことの連続でございます。目の前に、やるべきことを一つ一つ取り組むと、そんなつもりで今日もこの質問に立たせていただきたいと思います。
 海江田大臣を始めとして今日お集まりの皆様方は、あの原子力事故発災以来、本当に連日御苦労さまでございます。今日はせっかく貴重なこのお時間をいただきましたので、この間、当初の初動の態勢を含めて一つ一つお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 東京電力は、原子力圧力容器の形状は保たれており、メルトダウンは起きていないと当初から説明をし、水棺による冷温停止を工程表でも採用するというふうに当初発表しておりました。ところが、事故発生から二か月たった五月十二日に、一号機について、燃料全てが露出して圧力容器が損傷、溶融した燃料が圧力容器底部に落下したと発表され、メルトダウンを認めたわけであります。二十三日には、二号機、三号機についても炉心溶融が起きているとの報告が保安院に提出されました。
 参議院予算委員会参考人質疑では、石川参考人も指摘しておりましたけれども、早い段階から実は日本原子力学会の複数の学者が炉心溶融というものを生じているんだということを指摘していました。現状認識が甘過ぎたのではないのかと、こういうふうに思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。
#6
○国務大臣(海江田万里君) 若林委員の今お尋ねのありました、早い段階からのメルトダウンの可能性があったにもかかわらず認識が甘かったのではないだろうかという御意見だろうと思います。
 私どもはメルトダウンという言葉は使っておりませんでした。しかし、そのメルトダウンというのはかなり幅広い概念だと聞いておりますが、三月の十二日のこれは保安院の記者会見でございますが、ここで燃料ペレットの溶融の可能性があるということは申し上げております。それから、その後も滞留水のサンプリング調査の結果として、燃料ペレットの溶融を裏付けるデータとともに、溶融に至っているという可能性、これは公表したところでございますが、ただ、三月の十二日の時点とその後の溶融に至っている可能性を公表した時点とではかなり時差がございます。遅れたということでございます。
 ただ、これは是非、若林委員に御理解をいただきたいんですが、燃料棒が損傷をしておる、溶融をしておるというケースでやっぱりできることというのは、まず水を注入をして、そしてその水によって冷やすということが一番でございますので、その意味では、当初から水を注入をして、そして燃料を冷やすということに努めてきたということは事実でございますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
 それから、今、水棺の方式がもうこれは取れなくなったんではないだろうかというお話ございましたが、これはまたこの後質問等がございましたらもう少し詳しくお話をさせていただきたいと思います。
#7
○若林健太君 今御指摘をされた三月十二日十四時の記者会見で、溶融の可能性があると確かにその御指摘があったんですね、保安院。当時の審議官、中村審議官がそれを御指摘されたということでありますが、この審議官はこの会見の後、会見の担当を外れましたよね。そして、その後、一切溶融について触れてきていなかったと、ずっと時間軸でいけば。なぜなんでしょうか。
#8
○国務大臣(海江田万里君) お答えをいたします。
 中村審議官の前にもう一方、実は保安院のいわゆるスピーカーといいますか、外部に向かって事態を明らかにする人がおりました。そして、中村さんは二代目で、そして、今説明に当たっております審議官が三代目ということになりますが。
 やはりこの原子炉の事象というのは大変難しいというか、専門家はいろんな知見がございます。例えば、メルトダウンという言葉もなかなか私どもは使ってまいりませんでした。むしろ燃料棒の損壊でありますとか燃料ペレットの溶融でありますとか、それを英語に直しますとコアメルトと言うそうでありますが、そういう専門用語をできるだけ分かりやすくということで、中村さん。あの方は国際関係の専門家でございまして、すぐにその後IAEAに飛んでいったり、それから、国際的な方が見えるとその対応などもありまして、その意味で交代をしたわけでございまして、決して、メルトダウンといいますか、燃料ペレットの溶融ということを言ったから替えたということではないということ、これはもう本当に事実でございます。
#9
○若林健太君 この非常事態に、十一日から十五日、まさに水素爆発や何かが起きて大変な事態に外に対して発表をする、その責任者を替えるということが、それは国際会議に出るためなどというようなことで判断したことなのかどうか、大変疑問を覚えるところでありますが、時間がないので先に進めさせていただきたいと思います。
 現状認識が当初と大きく変わってきたわけであります。溶融していないと言っていたものが実際には溶融をし、そして圧力容器の底部に落下しているというところまで事態が変わっている。それにもかかわらず、当初発表された工程表のスケジュールというのが結局変わらない。これは非常に違和感を感じるんですね。多くの皆さんが感じるところだと思うんです。実際に、この工程表作成というのは実は結論ありきだったんじゃないのか。目標達成時期は動かさず、帳じりを合わせてしまっているんではないのか、そういう心配がありますけれども、なぜ、現状認識がこんなに変わったのに工程表、その目標時期が変わらないのか、これについて簡潔にお願いします。
#10
○国務大臣(海江田万里君) ステップ一、それからステップ二とございまして、もう言うまでもございませんが、ステップ一が三か月ということでございますから、実は、今日がたしか十六日、明日、その工程表を公表をしましてから二か月目の検証に入ります。その中で、やり方を変えました。
 例えば、今一番注目をされておりますのは、水棺ができなくなりましたものですから、その水を結局循環型にしなければいけないということで、そして、それははっきり申し上げまして、その道筋を、ロードマップを発表しましてから一月目のところで判断をしたわけでございますが、しかし、何とかあしたから全面的な運転ができるというように聞いておりますから、その意味では、今このロードマップの期限を先に送ってしまうより、むしろ本当にその枠の中でできるだけのことを一生懸命やろうという気持ちで、今、一生懸命、東京電力も、そしてそれをサポートする私たちも取り組んでいるところでございますので、是非これを見守っていただきたい。
 もちろん、どうしてもこれは工程表の日程を変えなければいけないというような事態が来れば、これはもちろん変えるということになろうかと思いますが、今はその範囲の中で何とかやりくりをしている、むしろそういった目標があることによってやっぱり急がなければいけないと、もちろん安全性を確保してでございますが、そういう気持ちに燃えて一生懸命やっているということは御理解をいただきたいと思います。
#11
○若林健太君 五月三十日の北海道新聞の報道にありましたけれども、複数の東電の幹部の皆さんが年内収束は不可能だというようなことが言われていると報道されているんですね。一号機の、今大臣御指摘いただいたように、循環注水冷却ということで大きく手法を変換せざるを得ないというような事態を迎えていて、本当に大丈夫なのか。努力目標を国民に示し続けて、先行って変更しますというようなことがあれば、被災者の皆さんがどれだけ失望するのか。現実に即した対応というのが必要なのではないかと思いますが、再度お伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(海江田万里君) 今もお伝えをいたしましたが、四月の十七日にあのロードマップが発表になって、一か月ごとのチェックというものを私どもは、特に政府の立場からすれば、やっぱり一か月ごとのチェックというものに重きを置いているわけでございます。
 この一か月ごとのチェックで、本当にいよいよもうあそこで目指しております期日が無理だということになれば、それはなるべく早い段階でこれは、直前になって駄目でしたということにならないようにしなければいけないということは委員御指摘のとおりでございますが、今は何とかその第一ステップ、そして第二ステップという形でそれが達成できるように努力をしているところであります。
#13
○若林健太君 循環注水冷却に当たって、水をどんどんろ過しますよね、それによって実は高レベルの放射性廃棄物がどんどん発生するということが予想されるわけで、これの処理というのが一体どうするのか、大変問題ではないかと思っていますが、今当面、集中廃棄物処理施設などで保管をするというような対応をしているようですけれども、容量はいつまでもつんでしょうか。そしてその後、この先どういうふうにその廃棄物をする予定で考えておられるのか、教えていただければと思いますが。
#14
○政府参考人(寺坂信昭君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、現在、タービン建屋地下などに滞留しております汚染水、これは集中廃棄物処理施設のところに移送をしているわけでございまして、幾つか施設がございますけれども、その中にあるプロセス主建屋につきましてはかなり貯蔵が高まってきております。そういったところ以外にも、当座、汚染水を移送する場所があるわけでございまして、当面、直ちに移送する場所がなくなるということではないというふうに思ってございます。
 それで、順調にまいりますと、多少遅れましたけれども、一応あしたから循環処理システムの本格運転が始められるのではないかというところに来ているわけでございまして、そういった中で、汚染水はこの集中廃棄物処理施設に移送しつつ、そこに暫定的に貯蔵した上で、順次浄化処理して冷却のために再利用して、残りはタンクに保管する等々、そういうことで環境への流出を防ぐこととしてございます。
 その上で、残りますその廃棄物、これに関しましては当座はサイトのところで保管をしていくということで、最終的にどのように廃棄物について管理それから貯蔵をしていくのかということについては、今後の重要な検討課題というふうに認識してございます。
#15
○若林健太君 私の質問の答えは最後の一行ぐらいのところだったんですが、前段は要りません、時間がありませんので。
 廃棄物について、現状の今の処理方法でいつまでやれるのか、そしてその後の処置をいつごろ決めようとしているのか、このことを教えていただきたいと思います。
#16
○政府参考人(寺坂信昭君) 現在の処理方法と申しましょうか、汚染水を新たな……
#17
○若林健太君 汚染水じゃなくて高濃度の廃棄物、ろ過した後の。
#18
○政府参考人(寺坂信昭君) 失礼しました。
 それに関しましては、当座、保管をして置いておくということでございますけれども、その後の処理方法については今後の重要な課題ということでございまして、最終的に、どのような形でどういうふうに安全性を確保しつつ最終廃棄物そのものについて管理、保存をしていくのかということについては、まだ確定的なところには至ってございません。
#19
○若林健太君 石川参考人、予算委員会でのお話の中で、最大の多分課題はこの高濃度の放射性廃棄物をどうするのか、これについての対応を決めること、これは非常にリスクもあるしなかなか難しい問題だという指摘がありました。
 あれからもう随分時間もたっております。そして、これからまさにろ過が始まっていけばどんどん増えていくわけですね。いつまでに決めるのか、その処理方針をそこでしっかり決めなきゃいけないと思いますが、いかがでしょうか。
#20
○国務大臣(海江田万里君) 今お尋ねの件でございますが、まさにロードマップの二月目の見直しの中でその問題が出てくると承知をしております。
 私の方からは、やはり安全性を保って余裕のある形で、まず、先ほど委員長からお話ありましたけれども、やはりあの敷地の中に留め置くしかございませんから、留め置いた場合、やはり周りで作業をする人たちに放射線が飛散しないようにということを注意してございますので、あした恐らくその中身について発表になると思います。
#21
○若林健太君 多くの皆さんが注目をしているところですから、早めの対応を、しっかりと方針を決めていただきたいと、このようにお願いを申し上げたいと思います。
 六月三日になって、地震直後の三月十一日から十五日、原子力災害対策本部、福島県が測定した周辺のデータというのが公表されました。これによると、三月十二日、浪江町あるいは大熊町で放射性沃素やセシウムばかりじゃなくて、核燃料が千度以上に過熱しないと出てこないと言われている放射性物質のテルルも検出されたということが指摘されています。
 炉心溶融、先ほどのお話も実はこういったものの発表があれば、多くの皆さんが認識されるところだったのかもしれません。こんな重要な情報が発災後二か月もたって改めて出てくるというこの事態、一体どうしてこんなふうになってしまったのか、理由をお聞かせいただきたいと思います。
#22
○国務大臣(海江田万里君) 実は、発災後のデータでございますけれども、これは三月の十一日から十五日の間に行われたモニタリングのデータでございますが、これはオフサイトですね、これは発電所から五キロのところのオフサイトにそのデータがございまして、オフサイトは、御承知のように三月の十五日の時点でこれは避難地域に指定をされましたので、福島県の方へ行ってしまいました。その後、二十キロ以内の立入りの禁止でございましたので立ち入ることができずに、そこに立入りをできましたのが五月の二十八日でございます。五月の二十八日にオフサイトセンターに入りまして、そしてデータを回収をしたということでありまして、そしてこの五月の二十八日にデータを回収し、整理を終了して六月三日に公表をしたということでございます。
#23
○若林健太君 このような重要な情報が、そういった手続によって公表が遅れました。しかし、この事実そのものは既に把握されていたということなんじゃないでしょうか。
 適時適切な情報開示というのが求められていると思うんですね。世界への信用回復というのは、まずは正確な情報開示と事故原因の徹底的な検証から始まっていくというふうに思います。その点でいえば、事故発生からレベル7を認めるまで一か月、メルトダウンを認めるまで二か月というこの現状認識、誤った現状認識、しかも、そういう情報を世界に発信してしまった、そのことによって大きく国の信用を傷つけてしまった、こういうことじゃないかというふうに思います。
 まずそのことについて大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(海江田万里君) これまでもこの原子力発電所の事故につきましては、本当に甚だしきはデータ改ざんなどということがあったことも事実であります。そういう批判がございましたので、私も今度の事故に当たっては、できるだけ正確な情報を迅速に公表するように、それから、持っているデータは、遅れた場合でもやっぱりそれは分かった時点で迅速に出すようにということを言ってきたつもりでございますが、ただ、この事故当初のデータというものにつきましては、先ほどもお話をしました、電源が喪失をしていたということもございまして、あるいはやはりこれは混乱もあったということもございましてその公表が遅れたと、特に事故当初のデータについて大変遅れたということについては大変申し訳なく思っております。
#25
○若林健太君 失われた時はもう戻ってはまいりません。初動について多くの問題をはらみ、そして国の信用を著しく傷つける結果となってしまいました。今後、是非この事故解明、情報開示ということに対してしっかりと世界に向けて発信をしてその回復に努めていただきたいと思います。
 次のお話に移りたいと思います。
 六月十四日、ようやく閣議決定をいただいて原子力賠償支援機構法案というのが決定をされたわけであります。会期は二十二日までという、この会期末もうぎりぎりの段階でこうした重要な法案が出てくるわけですが、今後審議を与党としてどのように運ぶ予定なのか、大臣にお伺いしたいと思います。
#26
○国務大臣(海江田万里君) これは六月十四日閣議決定ということでございますが、これをその前段で関係閣僚、これは実は全ての閣僚が入っておりますが、そこで関係閣僚の決議ということが一つのステップとありまして、そしていよいよ国会にその法案を提出をするということで、その法案の作成作業などもございまして六月十四日に閣議決定ということに相なりました。
 おっしゃるように、国会の会期は六月の二十二日でございますから非常にこれはタイトでございますが、ただ、私どもとすれば、これは本当に今回の原子力発電所の事故によりまして被害を受けた方たちを救済をするための法律的な枠組みづくりでございますので、是非一日も早く国会で御審議をいただきたいと、そう思っております。大変厳しい、大変タイトなスケジュールであるということはもう十二分に承知をしておりまして、伏してお願いをする次第でございます。
#27
○若林健太君 今お話があったように、閣僚懇談会で一度出て、異論が噴出をして、引っ込んで、一か月もたったと。これ、何でこんなに一か月もたってしまったんだと、率直にそういうふうに思います。
 そのことについて、そして同時に、あのとき与党内でも相当異論が出ておりました。今回提案に当たって、与党の合意はしっかり取れているんですか。このことを教えていただきたいと思います。
#28
○国務大臣(海江田万里君) 委員御指摘のように、種々議論がございました、与党のプロジェクトチームの中で。しかし、最終的に、これは荒井聰PTの座長でございますが、議論をおまとめいただきまして、そして今は与党一体となってこの法案の成立に尽くすということでございますので、その意味では与党の意思はしっかりと一つになっております。
#29
○若林健太君 具体的な中身についてお伺いしたいと思います。
 今回の原子力賠償支援機構設立に当たっては、東電以外の電力会社も負担を強いられる、負担金を拠出すると、こういうことになっておりまして、事実上の奉加帳方式じゃないかというようなことが指摘されています。今後の原子力事故、これが大きくなるだろうということが予想される中で、負担金を他の電力会社も負担しなきゃいけないと、こういうことでありますから、この理屈からすると、この機構が設立する前の今回の福島原子力事故、これについてその賠償を東電以外の電力会社が負担するというのはちょっと筋が違うんじゃないのかと、理屈が通らないんじゃないかと、こう思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#30
○国務大臣(海江田万里君) 御指摘の点につきましていろんな議論がございました。その中で、私どもは、やはりこの種の電気事業者が特に大規模な原子力発電所の事故を起こした場合の言わば互助組織と申しますか、一つの事業者だけでは賄い切れるものでない事故を起こしたときのやはり互助組織というものはかねてから必要であったんではないだろうかという考え方がございまして、その実際の設置というものが遅れてしまったわけでございますが、よく足らず前という言葉が使われますが、本来、もっと前からそういうものをつくっておくべきものが今回こういう形になってしまったという形で、過去に遡っての負担金をお願いをするということになりました。
#31
○若林健太君 将来の原発事故に備えて、これはある意味で保険あるいは共済という意味合いで徴収をするものだと。だとすれば、原子力発電所を持っている各電力会社が負担金を拠出して共済のシステムをつくると、これはまあ分かるんですね。だとすれば、設立する前の今回のそこの事故に対応するもの、これはこの法案の中に出てくる特別負担金、これで東電がその賠償を負うという形にするべきであって、ここは正直、区分経理をしてしっかり区分することが必要なんじゃないかと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#32
○国務大臣(海江田万里君) そういう議論があったことも事実でございますが、今回はそういう議論を採用しなかったということでございまして、なお、付言いたしますと、この機構制度を維持運営するためのコストは全ての事業者のこれは原子力発電のコストとして手当てすることが適当であるという判断をいたしました。
#33
○若林健太君 大臣は経済の専門家でもありますからあえてお聞きしたいと思いますが、こういうスキームにした場合、東電以外の電力会社は株主代表訴訟の対象になる可能性というのがあるんじゃないかと思うんですよね。というのは、だって何の責任もない他の電力会社が今回の賠償の責任、その負担を強いられるというようなことについて、本当にそれで株主の皆さんは理解できるのか、納得するのか、こういう問題があると思います。
 もし株主代表訴訟になったとき、そのとき国はどうするおつもりなんでしょうか。お伺いしたいと思います。
#34
○国務大臣(海江田万里君) これはこれから国会で御審議をいただく条文の中に書くことになろうかと思いますが、まさにそうした懸念もございますから、法律によって一般負担金ですね、各社のこの負担というものを義務付けるということになろうかと思います。
#35
○若林健太君 ここは大変重要な論点ですので、改めてしっかり議論をしていきたいと思います。私はやはり区分経理をしてそこを明確にしていかないといけないと、こんなふうに思います。
 今回のこのスキームというのは、東電を上場会社として存続させることが前提とする、そういうスキームになっているわけですよね。しかし、無過失、無限責任を負う東電が、今はまだ賠償の金額が明らかになっていませんけれども、順にこれが明らかになって、五兆円なのか十兆円なのか、そういう巨額の負債が確実になったとき、企業とすれば当然債務として認識しなければいけないわけですね。債務超過になります。その債務超過になったのを機構が例えば出資をするというようなことになるわけですね。そうなると、実は東電は上場を維持することはできなくなってしまうんじゃないでしょうか。
 更に言えば、今回その特別負担金を求められて認定会社となると、その事業計画を全て国がチェックする、配当政策を自分で決められないような会社が開かれた証券市場の中で上場会社として維持できるんでしょうか。このスキームにはそこに大きな問題があるように思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#36
○国務大臣(海江田万里君) この点もこれから国会で御審議大いにいただきたいと思っておりますが、ただ一般論として申し上げますと、上場廃止にするかどうか、あるいはなるかどうかということはまさに証券取引所が決めることでありますので、私どもとすれば、まさに今委員が指摘されました債務超過に陥らないように、これやっぱり資金繰りをしっかりとしなければいけない。必要に応じて交付国債を出していく、あるいは出資金を出していくという形での資本増強、そして資金繰りをしっかりしていくということもこの機構の果たす役割として盛り込んでございます。
#37
○若林健太君 大臣もう御承知だと思いますけれども、債務超過を解消するために資金を供給する、それは資本注入せざるを得ないですよね。債務超過を、債務がでかくなってしまえばそれを解消するためには資本注入だと。そうすると、流動性がなくなるんですよね。それで本当に大丈夫かと。これは、このスキームの僕は基本的な抱えている問題点だと、こんなふうに思っておりまして、これはまた改めてゆっくり議論していきたいというふうに思います。
 さて、経済産業省所管の独立行政法人原子力安全基盤機構という組織があります。ここがまとめた二つの報告書がございます。ここには、今回の事故を予測するような報告がなされていたんですね。一つは、十五メートルの津波が襲来した場合、外部電源、非常用電源を含め全電源が失われ、冷却機能停止によって一〇〇%炉心が損傷するという報告書であり、もう一つは、地震によって全電源が喪失した場合、僅か一時間四十分で燃料溶解が始まり、七時間後には格納容器まで損傷し大量の放射性物質が大気に放出されると、こういう報告書が出ております。
 まさに、今回のこの事故、想定外と言われていますけれども、経産省の所管の独立行政法人は既にこういう報告書を出していたと、これが生かされなかったと。残念なことでありますけれども、これについてなぜ生かされなかったのか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#38
○国務大臣(海江田万里君) 御指摘のように、結果的にこの報告書が生かされなかったと、特に津波の対策ということでいえばそのとおりでございます。
#39
○若林健太君 原子力安全委員会が決定をした発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針二十七に、電源喪失に対する設計上の考慮というのがあります。この中に書いてあるのは、長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない。非常用交流電源設備の信頼度が、系統構成又は運用により、十分高い場合においては、設計上全交流動力電源喪失を想定しなくてもよいと、こういうふうに実は安全指針に書いてある。
 班目委員長はこの点について明らかに間違いだったということを率直に認められて指針を見直していくと、こういうふうに発言されておりますが、改めて、こうした指針を作ってしまったことについての責任、それについてお伺いしたい。そして見直しのスケジュール、いつごろこれを見直すのか、お伺いしたいと思います。
#40
○政府参考人(班目春樹君) 確かにこの指針を作ったのはかなり前でございますけれども、米国のものを参考に作ったものと思われます。
 しかしながら、米国のものの場合にはちゃんとその外部電源の信頼性を評価してやりなさいということになっているところ、我が国の場合にはもう十分高いのでという感じでやっています。この辺りはもう本当に大変反省しなきゃいけないところだと思っております。
 したがいまして、原子力安全委員会といたしましては、今月中にもこの指針の見直しに着手いたしまして、かなり抜本的な改正になるかと思いますので、じっくりとした根本的な改正の話と別に、どんどん改正すべきところについてはその都度結論を出して改正していくという形を取っていきたいと考えているところでございます。
#41
○若林健太君 今、原子力発電を抱えている各都道府県、大変不安に思っています。そして、この安全指針がこういう形で、結果として今回の事態、これに対して対応できていなかった、反省されておられるわけですから、早い段階で、今御指摘のように、全体をなんて待たないでどんどん変えていく、そして、立地各都道府県の皆さんを安心させるように努力をしていっていただきたいと、こんなふうに思います。
 そこで、先ほどの報告書の問題、そして今の安全基準の問題、今回のこの事故について、私は国はやっぱり十分責任があると思うんです。今の賠償スキームの中では千二百億の補償の範囲内でしか国は事実上お金を出しません。本当にそれでいいんでしょうか。東電がもちろん一義的に責任を負うことも必要です。しかし、国の責任は一体どうなっているのか、そのことをもっと議論しなければならないんではないかと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思いますが。
#42
○国務大臣(海江田万里君) まず、今委員御指摘の一千二百億というこの金額は、まさに国が一発電所につき一千二百億ということですから、これは今二千四百億という金額になるのかどうなのかということもございます。
 それから、今委員御指摘の点というのはございますが、ただ、今はこの原子力の被害の損害賠償法に基づく枠の中での仕組みでございますので、そういう例えば原子力の事故を収束するための資金の援助はできるのかどうなのかということも含めて、全般的な見直しの中で考えていかなければいけないものだと思っております。
#43
○若林健太君 時間がないので、済みません。もう一つ是非お聞きしたいことがあるんです。
 原子力損害賠償に関する国際条約というのがあります。パリ条約、ウィーン条約とともに、原子力損害の補完的補償に関する条約、通称CSCというふうに言うそうですが、三系統ある。今、日本はどの条約にも加盟していないと、こういう事態でありまして、一方、今回、福島原発の事故では、残念ながら放射線の空中への飛散ですとか、あるいは汚染水の海への放出というようなことがございました。事故へのやむを得ない対応とはいえ、周辺諸国へ大変な影響を及ぼしかねない対応があったことも事実なわけであります。
 今後、責任ある賠償への取組、無原則に拡大する訴訟リスクということもあります。その備えをする必要があると思いますが、このCSC、国際条約の締結に向けて早急に検討すべきだと思いますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
#44
○政府参考人(武藤義哉君) お答えいたします。
 政府としましては、原子力損害賠償に関する国際条約の必要性、課題について、これまで様々な角度から検討を行ってきております。
 原子力損害賠償に関する条約については、御指摘のとおり、パリ条約、ウィーン条約、CSCの三つの系統がございますけれども、これらの条約は例えば裁判管轄権の集中にかかわる問題とか検討すべき様々な内容を含んでございますので、このような種々の論点について、我が国にとっての利益それから不利益、これを十分に精査、検討して判断していく必要があると考えておりまして、現在関係省庁で検討中でございます。
#45
○若林健太君 よく分からなかったんですが、検討中ということですね。前向きに検討中ということで受け止めさせていただいて、これは製造物責任含め非常に幅広い国としてのリスクがありますので、早めの対応を是非お願いしたいと、こんなふうに思います。
 時間がなくなりました。今日お集まりの皆さんは、まさに原子力発電事故、この最前線で対応していただいております。一刻も早いこの事態の収束に向けて引き続き御努力いただくことをお願い申し上げて、私の質問を終わらさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#46
○牧野たかお君 自民党の牧野たかおでございます。
 浜岡原発の停止について質問をしたいと思いますけれども、経産委員会が五月十七日以来開かれていないものですから、大分、ちょっと時間が空き過ぎてタイムリー性がなくなってまいりましたけれども、その一か月、五月九日に停止をしてから静岡県の中ではいろんな影響が出ているんですが、五月二十日の予算委員会で質問をさせていただきましたけれども、浜岡原発の近くに静岡県の漁業組合連合会が運営する静岡県温水利用研究センターという施設がございます。ここでは、マダイとかヒラメ、クルマエビ、アワビ、トラフグ、クエの種苗、稚魚ですね、九百五十万個体を毎年育苗しまして静岡県全域の沿岸に放流しております。ですので、貴重な静岡県の漁業資源になっているんですが、この種苗生産があの五月九日から原発停止によって危機に瀕しております。常に海水を入れなければ、酸素不足になりましてそういった種苗が生きていけないということもありますし、秋から冬にかけて温かい海水を入れないと育成できないということもあります。
 県からもう既に経産省の方に報告が来ていると思いますけれども、原発を停止するときに菅総理大臣も海江田経産大臣も責任を持って政治判断をしたというふうにおっしゃっておりますが、これについてどう対応をされるんでしょうか。
#47
○国務大臣(海江田万里君) 確かに、委員御指摘のように、浜岡の原子力発電所を止めるときに国が責任を持って行うということで、その後、中部電力と私との間で幾つかの私どものバックアップ体制についてお約束をしたところでございます。
 そして、クエの養殖場というんですか、原子力発電所の温かい水を使った研究所、養殖の点につきましては、委員を始め地元の衆議院議員からも各種の陳情もございまして、今実は協議をしているところでございます。その協議の内容を今ここで全てつまびらかにするというわけには、私にも報告が上がっていない点もございますけれども、ただ、協議をいたしまして、これがしっかりと継続できるように、しかもコストがかなり高くなってしまうということもありますので、その点を今まさに詰めているところでございます。
#48
○牧野たかお君 今の御答弁を受け止めますと、では、元々この施設は、中部電力が要するに地元の協定とか何かに基づいて責任を負っている施設じゃないんですよ。要するに、原発の温排水を厚意というか、任意であげているわけですよね。ですので、今回これが止まっちゃったことに対して中部電力にそのコストを負担させるというのは、これは別に電力会社をかばっているわけじゃなくて、それは本質的に違う話であるし、今回止めたのは、これは政府が要請をして止めたんですから、そして、しかも利用センターをやっているのは善意の第三者といいますか、全く今回の、言うならば停止の被害を受けているところですので、これはやっぱり停止を要請した国が責任持って継続をさせると、その責任を取るとはっきりここで言っていただかなければ、あのときの会見は一体何だったというふうに私はなると思いますが、もう一度伺います。
#49
○国務大臣(海江田万里君) これは、中部電力との間ではそういう文書を交わしたということを申し上げたわけでありまして、まさにこの養殖場の場合は、中部電力の一種善意によってと、厚意によってということで事業が行われているということは私も承知をしております。ですから、今私どもは、これは県も間に入りまして、そして事業者との間で話合いが行われているところでございますから、いろんな要望も出てくるかと思いますので、その点はしっかりと受け止めさせていただくということでございます。
#50
○牧野たかお君 受け止めさせていただくんじゃなくて、ちゃんとこれ責任持って、国が維持をちゃんとやるということでいいですか。
#51
○国務大臣(海江田万里君) 国が維持をするというよりも、正確に言えば支援をしていくということでございます、あくまでも民間の話でございますから。ただ、今回の停止によってコストが高くなるということが出てまいりますので、それに対して支援をしていくということでございます。
#52
○牧野たかお君 中身についてお互い言わないと、これはどうするという具体的な話ができませんし、私もちょっと言いにくいところがありますので、まあ、今の御答弁は国が責任持って支援をしていくというふうに受け取らさせていただきます。
 それで、責任ということでいうと、停止をしたことによって今、七月以降の夏場の電力需要についての対応ができるかどうか、かなりちょっと厳しくなっているんじゃないかなというふうに思います。中部電力から資料をもらいましたけれども、もちろん静岡県だけじゃなくて愛知県や岐阜県や三重県、長野県、自分のところの管内の電力が、夏場で、需要でいうと予測が二千六百三十七万キロワットで、今考えている火力発電所の要は再開だったり、また定期点検をぎりぎり延ばしたりしてやった場合でも、安全予備率が四・八%ぐらいしかないと。これは、それこそこの間震災特でも出ておりましたけれども、要はカタールから液化天然ガスがちゃんと日本に届いて、それが火力発電所まで無事求めているものが全部届くという想定の下での計算ですから、もし何か不測の事態があった場合は、要は余剰のパーセンテージでいうと百万キロぐらいしかありませんから、まあ本当にぎりぎりのところで何とかなるかならないかというところだと思いますけれども、その点の認識はどういうふうにお持ちでしょうか。
#53
○国務大臣(海江田万里君) まず、この中部電力には菅総理からの要請を受け止めていただきまして本当に心から感謝をしておりまして、そのことは毎回お伝えをしてございます。
 その上で、まず中部電力の管内の電力の需給といったものが大変逼迫をしているということ。それから、今カタールのお話もございましたが、これはもう委員は御案内だろうと思いましたけれども、中部電力の会長が真っ先にカタールに飛んでいっていただいたということで、本来、私どももそういったお手伝いをしようかなと思っておりましたけれども、本当に真っ先に飛んでいっていただいて、まず燃料の確保ということをやっていただいたという、そういう動きに対してこれも大変感謝をしております。
 その上で、中部電力の問題と、それからもう一つ、やっぱりこれは、いざというときはお互い融通をし合うという、これはそれぞれの事業会社の厚意によって融通をし合うということがございまして、この中部電力が本当に逼迫をしているということであれば、今度は、じゃ、より以西の、例えば関西電力の電力を回してもらうということも考えられるわけでございますが、まさにその関西電力が今原子力発電の問題で大変大きな供給不足ということになっておりますから、私どもとしましては、やはりきちっと、三月の三十日の緊急安全対策、それから、せんだっては、六月の七日でございますが、IAEAに対する報告書を取りまとめする中から、その時点で得られた教訓による、更なるより安全性を増すための対策、これも指示をいたしまして、十四日に全ての事業会社から、これはもちろん原子力を扱っている事業会社からその報告が出てまいりましたので、それを今現地の立入調査などでやっているところでございますので、そういう形で安全性を確保した上で原子力発電所の再起動をお願いをして、そして、本当にこの供給に遺漏なきようにしていきたいと、そう思っております。
#54
○牧野たかお君 私は、昨日も震災特で申し上げましたが、いろんな現場の声を伺っていると、海江田大臣は本当に努力をされているというふうに私もいろいろなところで聞きますので、そうなんだなと思いますが、内閣総理大臣が全く危機感がないんじゃないかなということを私は思います。
 ちょっと一つの例を挙げますが、五月三十一日に全国知事会が開かれました。その中で、佐藤福島県知事、橋本茨城県知事らが、要するに、国の原子力安全基準がしっかり示されていないから要は県民に原発を再開するということが言えないと、だから、早く国の方で安全基準を作って、国が要するに原発の安全性を保証してくれということをおっしゃったそうですが、一応議事録を見ましたので、菅直人総理の回答をそのまま読むと長くなりますが、若干その中の言葉を言います。今後について、もちろん今回のことを踏まえての安全性をきちんとすることは必要でありますけれども、基本的にはそうした安全性が確認されているものあるいは今後確認されるものについては稼働して電力供給に当たっていただくと、こういう基本的な態度で国としては臨んでいきたいと考えておりますというふうに答えただけで、要するに、今、海江田大臣が各知事にお願いに行くとか、何とか再開を考えてくれとか、そんなことは一言もおっしゃっておりませんでした。ですので、いまだに定期点検が終わった原発についても各県知事が同意をしないじゃないですか、今日の朝日新聞に出ていますけれども。
 だから、これどう対応するのかということをまず伺います。
#55
○国務大臣(海江田万里君) まず、私どもとしましては、知事と、それから立地の市町村もございます、市町村長の方々、できるだけ細かくお目にかかっておりますが、その上で、知事の方ともお話をしておりまして、まず安全確認が第一だと、これはもう言うまでもないことであります。
 それから、国全体として中長期的なやっぱり安全指針を定めてほしいということがございまして、これは、先ほどこちらで答弁をした班目委員長も、そういう安全基準の策定というものは必要だというお話がございましたので、これも参考にしなければいけませんが、そうした国全体の大きな安全基準をやっぱり一刻も早く作るということ。
 それからあと、やはり、これは本当にあってはならないことでありますけれども、万一原子力の災害が起きたときの避難の、例えば道路なども、実際に行ってみますと、美浜の原子力発電所、あそこはまさに原子力発電所幾つもございますが、やっぱりそこの避難路と申しますか、実際の、これは訓練をやるときもそうでありますけれども、大変な、片一方に崖がありましてすぐ海に控えていて、そういう崖崩れの問題ですとか、やっぱりそういう、かなり広範囲な安全基準と申しますか安全確認といいますか、それに対する国の後押しが必要だということがございますので、そういうことについても、やっぱりきめ細かく一つ一つの発電所ごとのそういった安全確認、あるいは広義の意味での安全に資するような施策を取っていって、そして御理解をいただくしかないと、こう思っております。
#56
○牧野たかお君 先ほど班目委員長がおっしゃったこと、そのとおりなんですが、今求められているのは安全指針だけじゃなくて、原子炉規制法の中で統一的な、基本的な、要するに基本的な全国共通の原発に対する安全基準を決めた後に、そして立地条件が原発ごとに違いますので、あなたのところの何だか原発はここまでしなさいという、ここまでしなければ駄目ですよと、そしてこれが達成できれば安全基準が達したということが、要はそこの地域の人たちに伝わるようなというか理解できるような、そういうことをしない限りは、私、なかなか、多分その同意は、各知事そして各首長さんも、市長さん、町長さんたちもできないと思うんですよ。
 だから、それを福島原発の検証が終わるまでとか言っていると、来年三月にはもう全部、今稼働中のやつもみんな定期点検に入っちゃいますので、要は五十四基全部止まっちゃうことになっちゃいますよね。そうしたら、もう日本全体の電力の三〇%が動かなくなっちゃうわけですから、そうしたらえらいことに私はなると思いますよ。
 一つ伺いたいのは、私のところに入っている間接的な情報ですけれども、私が聞いているのは、日本を代表する大手の企業グループが、もうこのままだと安定した電力を受けられないということと、この先、電気料金が多分大幅に上がってしまうので、海外移転を検討に入ったという情報があって、たまたまおととい、その関係会社が下請の会社を百社ぐらい集めて、もうそのことの検討に入ってくれという会議をやったと。
 どこと言うと、まあ、必ずしも私がこの経営者に確認したわけじゃありませんので名前は控えますけれども、そういった情報がもう経産省にひょっとしたら経済界の動きとして入っていませんか。
#57
○国務大臣(海江田万里君) 委員がお話を聞いた企業がどこだか分かりませんが、一般的な議論として言わせていただければ、やはり、電力が高くなることによる競争力の劣化というものはかねてから指摘をされていたところでございます。
 特に、自動車産業などでは自動車戦略研究会というものがありまして、私そこに二回ほどですか、行きましたけれども、最初は五重苦と言っていたのが、これは為替の円高から始まって税制の問題ですとか、五重苦というものが六重苦になったと。この間、第二回目に行きましたら、いや、六重苦じゃなくて七重苦だと、こういうような指摘もありましたので、まさに今私が経済産業大臣としての立場からいえば、やっぱりそういう形で企業が日本を去っていくことは、これは取りも直さず雇用を失うことになりますので、そのことは何としても避けなければいけないと思っております。
#58
○牧野たかお君 今おっしゃったとおりだと思うんですよね。
 その危機意識というのは、私は、海江田大臣はひしひしと感じていると思うんですが、上司というのか一番上の人は、トップの人は、私は全く感じていないんじゃないかと思うんですよ。今までの答弁、いろんなところの委員会の答弁を聞いても。
 だって、これ、このままいったら日本は大変なことになりますよ。だから、もちろん福島原発の事故はこれ重大な事故であるし、そして検証もしなきゃいけないし、原発の安全性は何よりも求められるものだということは、もう誰もが承知しているわけですよ。でも、それと同時に、日本の要するに産業をなくしてしまったら、日本はもうこれからどうやって生きていっていいかという、道がなくなっちゃうわけですよね。それはもう財政的にも、要は産業界がいなくなるというか、空洞化していけば、これから日本、これから救うべき福島原発の賠償の原資だって出てこないし、だから、本当に負のスパイラルが、もう深刻なスパイラルがこれからもうすぐ目の前に私は差し迫っていると思うんですよ。
 だから、これは本当に、大臣が総理に早く辞めてくれというのは言えないでしょうけれども、でもその危機意識だけは本当持っていただかないと、これは大変なことに私はなってしまうというか、なっちゃったら本当に、何をしたって、私たちが何を言ったってもう取り返しが付かないわけでありますので、その危機感は本当に総理大臣にお伝えをしていただきたいというふうに思います。
 その上で伺いますけれども、やっぱりさっき申し上げたみたいに、安全基準というのを国が責任を持って示して、だから原発を再開に同意してくださいということを言わなければ、これは多分このままずっといっちゃうと思うんですが、今の状態が続いてしまうと思うんですが、それを何とかそういうふうにするお考えないですか。
#59
○国務大臣(海江田万里君) 国が今回の事故を踏まえた安全基準というのをこれは作らなければいけないと思います。ただ、それを作ることはもちろん最大限急ぎますが、じゃ、それに対するやっぱり対応というものが時間が掛かります、これは。
 ですから、その意味では、私は、やっぱり今回の事故から得られた教訓というのは、これは知事さんとも随分議論をしましたけれども、私はやはり一つは、津波による全電源喪失というのは、今回の事故が大変大きな深刻なものになったやっぱり直接的な原因でございます。
 ただ、知事さんの中には、いや、そうは言うけれども、その前の地震じゃないだろうかということをおっしゃる方もいます。それに対しては、確かに地震によって管がいろんなところで、配管ですね、配管に何かそういうものが起きたような、それは可能性は否定することはできませんけれども、少なくとも、やっぱり地震から津波までの間動いていたパラメーターを見ますと、やっぱりそれは深刻なもの、直接な、今回のような、それこそ炉心が溶融するようなことに至ることではなかったと。
 もちろん、それが長時間続けばそういうことにつながった可能性もあるわけでございますが、その点はやっぱりひとつ、今停止をしております原発が動くかどうかということは、やっぱりそういう深刻な事態に至るその原因、直接の原因が何なのか、その直接の原因に対する手当てがしっかりできているかどうかということは、私は一つのメルクマールではないだろうかというふうに思っております。
 その上で、更に安全性を高めるような手当てというのはやっていかなきゃいけませんけれども、それは、電源車一つにとっても、電源車というよりも大きなタービンの電源、船に積むような容量のものを造るのにはやっぱり一年、二年掛かるわけでありますから、やっぱりそれを待っているわけにはいかないということを丁寧に説明をしておるつもりでございますが、なかなか知事さんには理解をしていただけないということであります。
 それから、先ほどお答えを求められないで、本当に惻隠の情かなと思いまして感じ入っておりますが、あの問題につきましてもしっかりと内閣の中で発信をしていかなければいけないと思っております。
#60
○牧野たかお君 よろしくお願いしたいというか、もうこれ私たちのためじゃなくて、国民のために何とかしないとこれは本当に私は大変なことになるというふうに心配しています。
 今度は、浜岡からの話はちょっとひとつおいておいて、福島第一原発の事故の話をさせていただいて、昨日震災特で質問をしたことでありますが、保安院の方が来ていらっしゃいますんで伺いたいんですが。あれ、保安院いないの、ああそうか、保安院は要請していないんだ。
 じゃ、大臣に伺います。昨日、大臣に伺った話ですけれども、やっぱり全国に被害が出ている農産物、要はセシウム等が検出されている被害でありますけれども、やはりこれ、福島第一原発の今の状態の中で、大気中に放射性物質が出ていることはお認めになりましたけれども、どの程度出てて、出るのを止めない限り、それは量の問題だけじゃなくて、止めるということが大事であって、そうしないと本当に今被害が出ている各産地、農産物の産地、本当に土壌を入れ替えていいか、入れ替えても、本当にまた空から降ってくれば、大気から落ちてくればまた土壌を替えなきゃいけないという、そういうことをみんな考えているんですよ。
 そこで、やっぱり安心させるというか、対策をそれぞれの産地で、農家なりまたそこの自治体なりが対策をするために、やっぱり早く、昨日もお答えありましたけれども、全部、要するに上にネットというかテントをかぶせて何とかするというのはいつごろまでにできるんですか。
#61
○国務大臣(海江田万里君) まず、一つはっきりしておりますのは、一号機がやっぱり一番今の時点で安定をしておりますので、やっぱりネットをかぶす前提としましては、まず水素爆発が起こらないようにしなければいけないということで、水素爆発を起こさないためには実は窒素の封入が大変重要な役割がございまして、この窒素の封入が実は、これは毎日入れているわけでありますが、できておりますのは一号であります。二号、三号についてもこの窒素の封入を大至急やらなければいけないということで、その窒素の封入ができるようにするために建屋に入ったり、あるいは大変湿気が高いですからこれを風で送って湿度を下げる作業とかやっております。これはひとえにやっぱりまず窒素の封入をやる。
 窒素の封入がありますと、これはその意味では水素爆発の可能性がありませんから、そこから実はカバーを掛けることができるわけでございまして、一号機につきましては二十七日からもうその作業、掛ける作業が始まります。これまでもなるべく、そのネットを、分かりやすく言うとネットを編み上げる作業などはできるだけ遠いところでやっていたわけであります。それが大体編み上がりましたので、これから二十七日から掛ける作業をやります。
 同様に、二号、三号についても、同じようにまず窒素の封入をやって、それと同時にネットを編み上げる作業を別のところで、少し離れたところでやって、そしてそれが編み上がり次第、掛けていくということをやろうと思っております。
#62
○牧野たかお君 一刻も早くというか、とにかくそれができないと、本当に要は各被害を受けているところの地域の次なる対策ができないものですから、早くやっていただきたいというふうに申し述べておきます。
 それでは、賠償の話に移ります。
 文部科学省から来ていただいていますんで、現在の原子力損害賠償紛争審査会、十人の委員の方がいらっしゃいますけれども、専門委員というのがまたその下にいるんでしょうけれども、少なくともこの審査会のメンバーを見たときに、人体への放射能の影響を判断するとか、そういった医療や看護、そしてまた法律の専門家の方がいらっしゃいますけれども、農業面とか流通面とかという、要はそういう産業の専門家が一人も入っていないんですけれども、これは、やっぱりこれだけ、何というんでしょう、いろんな産業に被害、影響が出ている中で、やはりそういった方たちも委員としていないというのは、ちょっと私は賠償の指針を決めるのに大丈夫かなという気がするんですけれども、その点はどう思いますか。
#63
○政府参考人(田中敏君) お答えいたします。
 先生今御指摘のとおり、原子力損害賠償審査会、十名の委員で構成をされてございます。今一名の方が辞任されて九名、ただいま現在は九名でございます。
 この紛争審査会におきましては、やっぱり公平中立というようなことをいかに確保するかということが基本というふうに考えてございまして、現在の委員というのは、それぞれの事業ということに直接は関係のない、そういう方々で構成をされているところでございます。
 しかしながら、先生がおっしゃったような、それぞれごとの事業ということについてはどうするのかという問題が生じてございますので、それらにつきましては、専門委員ということでまた別に発令をいたしまして、必要な調査等を行い紛争審査会に御報告をいただく、そういうスキームになっているところでございます。その中には、先生がおっしゃっているような、農林水産とかあるいは交通とか、そういうような分野を、十七の分野を設けまして、それぞれの専門家に、全体としては七十名を超える専門委員を発令し、現在それぞれ調査活動を行っていただいているというところでございます。
#64
○牧野たかお君 それで、現実の話、これから賠償の請求が出るわけでありますけれども、恐らく、やっぱり個別、要するに団体なんかで、例えば農業関係はJAの方でまとめたり、そこの自治体でまとめたりということで固まりはできるんでしょうけれども、全部、賠償法によると個別対応だというから、恐らく何十万件の請求、もっと多いのかもしれないですけれども、莫大な数の請求が出ると思うんですよ。
 それで、この審査会が、不服があった場合、そういった場合に仲介をするわけですけど、仲裁をするわけですけれども、果たして今の体制でその業務というのはできないんじゃないですか。
#65
○政府参考人(田中敏君) 先生御指摘のとおり、現在の紛争審査会、十名で構成をされ、かつ専門委員を入れても七十名プラスということでございます。これらの方々、現在は指針の作成ということに携わっていただいておりますけれども、先生御指摘のとおり、これから想定されるいろいろな申立てということについて、これでは十分な対応ということができないだろうというふうに我々も考えているところでございます。
 これにつきましては、紛争審査会の中に、和解の仲介に関することというようなこともきちんと書いてございますので、その中で政府全体としていかに効率的な体制にするかということも大事ですし、指針のまずは大くくり化、明確化、そして分かりやすい説明ということによって、なるべく申立てということは少なくするという努力をするとともに、それらの申立てが行われたときに、全体として、関係方面の御協力をいただきながら、きちんと処理ができるような体制づくりというのをまさに今検討中でございます。しっかりと対応させていただきたいというふうに考えているところでございます。
#66
○牧野たかお君 現実の問題でいうと、この専門委員会の委員の方、みんなそれぞれ御職業を持っている方なものですから、恐らく、その人たちを集めて一々見てもらって、実際の請求があった場合のときにすごい時間が掛かると思うんですよ。だから、やっぱりこれは事務方を本当に充実させて人数を増やさないと、請求している人たちは、損失を受けて早く支払をしてもらいたいという、本当にもうせっぱ詰まっているような方たちばかりだと思うんですよね。だから、そこで時間が掛かっちゃったら、本当にその人たちにとってみると、請求したら最後は認められたけれども、それに何か月も、一年も二年も掛かったんじゃとてもじゃないけれども後の祭りというような事態になる可能性だってあるわけですから、そこはもう事務方をどれだけ強化するか、事務処理をどれだけ早くするかということが私は現実的な話だと思っておりますんで、そこをしっかり考えていただきたいと思います。
 それで、昨日も質問したんですが、事務方の、文部科学省の方に伺いますけれども、来月中に総合的な、第三次といいますか全体の指針を決めるわけですけれども、審査会の方で、昨日も申し上げたんですが、要するに今の二次指針までだと、農産物でいった場合、出荷制限を受けたものとそれとあとは風評被害というふうになっているんですが、私はセシウムなりそういう放射性物質が検出されてしまった食品等は、もうこれ風評被害じゃなくて実質被害だと思うんですよね。
 これも昨日も申し上げたんですが、風評被害の言葉の使い方が私は根本的に間違っていると思うんですが、風評被害というのは、関連性がないにもかかわらず関連があるというふうに想像されてそれによって消費者が買わないとか、そういったものを風評被害といって、実際に福島原発の事故の影響で放射性物質が検出された食品というのは、私はこれ風評被害じゃなくて実質的な被害だと思いますよ。
 昨日も申し上げましたけれども、例えば食品で一キログラム当たり五百ベクレルが暫定規制値として、じゃ四百九十ベクレルだったり四百八十ベクレルだったり、そういった数値が検出されたものが取引されるかというと、取引されてません、実際に。これはお茶に限らず全ての、要するに農産物もそうですけれども、これもう途中の業者が買いませんから、要はエンドユーザーの消費者のところまで行かないんですよ。その途中の段階で取引が成り立たないというか、もう作っても全くそれは行き場がないものになってしまうわけですよね。
 だから、これは出荷制限をしたものと同列の扱いをやっぱりすべきだと思うんですよね。それは要するに売れなかったものについてでありますけれども、だから、放射性物質が検出されたものについては出荷制限をしたものとやっぱり同列に扱うようにする、事務方のというか審査会が決めるんですけれども、そういうことをちゃんと審査会の方で決める方向になるんでしょうかね。
#67
○政府参考人(田中敏君) まずは、事務方の強化ということを少し御説明を申し上げたいと思いますが、今お願いしている指針を作成するための専門委員と、紛争を行っていただくための主として法曹の方々だと思います、それと事務局の方、別の問題として我々も考えようと思っていまして、現在の専門委員にそのまま紛争の方に入っていただくというようなことではないだろうというふうに思っております。そういう意味でも、事務局も含めて体制の強化と充実ということを考えていきたいというふうに思っているところでございます。
 後段の部分の先生の御質問ということでございますけれども、まさに先生おっしゃるとおり、風評被害という表現については、この紛争審査会の中からも、その使い方というようなことについて、できればこの風評被害ということについてはいろんな意味に解釈をされてしまいますから避けることが本来望ましいというような記述も二次指針の中で書いてございます。しかしながら、そういうものがあるというようなことは一つの類型化には当たりますものですから、言わば風評被害というようなことで、やむを得ない策というんでしょうか、そういうことで使わせていただいているというところでございます。
 また、先生おっしゃるとおり、セシウム等々があるんだけれども暫定規制値を超えていない、そういうものであっても、そこは買い控え等によってマーケットに入っていかないというようなことがあろうかと思います。それらにつきましては、既に二次指針において、一部は賠償すべき損害というような農産物等々口に入れるようなものについては、そこが出た県、例えば福島県なんかは福島県の農産物全体についてその損害対象にするとかいうような措置を講じています。
 また、それらにつきましては、今後、先ほど申し上げたような紛争審査会の中にある、その被害の実態、あるいは事故との関係ということについて今現在詳細に調査をしてございますものですから、その調査を踏まえて、七月ごろに予定をしてございます中間指針に向けて努力をしていきたいというふうに考えてございます。
#68
○牧野たかお君 所管ではありませんが、今私がずっと文部科学省に申し上げた話でありますが、これは農産物もやがて加工された食品になります。だから、経済産業省が所管する産業の私は一つだと思っておりますが、大臣として、そうした今被害を受けて苦しんでいるところのために、今の指針の取りまとめのときに経済産業大臣として産業を保護する、育成する、そういう観点で働きかけをしていただけるお考えはありますか。
#69
○国務大臣(海江田万里君) 確かに風評被害の定義が非常に曖昧だろうと思います。
 それで、一番私は風評被害の特徴は、例えば工業製品などが海外で、とにかくメード・イン・ジャパンだということだけでもう受け入れられないと、これはまさに風評被害の典型ではないだろうかと思っておりますので、そういうことのないようにということは機会のあるごとに言っておりますが、今委員御指摘の点は、国内のまさに食品加工業などでございますから、意見を求められればそういう意見を発していきたいと思っております。
#70
○牧野たかお君 意見を求められるんじゃなくて、積極的に働きかけをしていただきたいとお願いをして、私の質問を終わります。
#71
○松あきら君 公明党の松あきらでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 NHKで先日、原発事故の特集を放映いたしておりました。「シリーズ原発危機 第一回 事故はなぜ深刻化したのか」。先ほどまで班目委員長が出席をされておられました、今いらっしゃいませんが。原子力安全委員会の班目委員長、番組の当初の方で、これは天災ではなく人災です、そして、番組の終わりの方で、三月十一日以降のことが全部取り消せるんだったら、私は何を捨てても構いません、三月十一日以降のことを全部なしにしていただきたい、本当にもう、三月十一日以降のことが何もなければなと、それに尽きます。
 私も、実はこれを見ておりました。この言葉は大変に重い意味があると思います。すなわち、政府、東電の初動対応は間違っていたということを言外におっしゃっているわけであります。我が国の原発に関して重要な役職にある原子力安全委員会委員長の悲痛な叫びであると私は思います。
 初動態勢の遅れや混乱については種々の指摘があるところでございます。また、原子炉冷却のための海水注入の中断については、細野発言が引き金になりました。政府と関係機関は混乱し、国民に不信感を増大をさせました。不用意な発言をした責任は重大であります。さらに、事故から二か月もたって、メルトダウンをしていたとの東電の報告は、この国が原子力発電を行う能力がないのではないかとさえ思われる、あるいは思わせる、こういう状況であります。
 そして、政府は何よりも情報開示が大事と、こうおっしゃっておりますが、今なお本当にきちんと情報開示が行われているのか、甚だ疑問であります。国民は疑いの気持ちが晴れないというのが私は本当のところではないかと思います。
 それでは質問に入らせていただきます。
 これまで、福島第一原発の事故は想定外の津波により電源がトラブルを起こしたためであると政府も東電も発言をしてまいりました。私も実はそう信じておりました。地震ではなく、地震によって起こった津波である、これが原因である、そう言われ、そう信じてきましたし、私も当委員会でもそういうふうに発言もしておりました。
 しかし、四月七日に起こった大きな余震、これ女川では震度六強であります。東北電力管内の女川原発、これは宮城県、や東通原発、これは青森県、でも電気系統のトラブルにより一時的にせよ燃料プールの冷却機能が停止する事態に至っておりました。女川原発では、五系統ある外部電源のうち三系統が使用不能になって、一系統は定期点検中で、残り一系統で冷却を続けたそうです。東通原発でも、三台ある非常用発電機のうち二台が点検中で、残る一台もオイル漏れで止まったと報じられているんです。さらに、女川原発では、燃料プールなど八か所で水漏れが見付かり、地震動と、地震の動きですね、プールの水が共振、共に揺れて、揺れが拡大されるスロッシング現象が起きたとされているわけであります。
 当時、プールの冷却機能が停止した時間は、女川一号機が五十三分、二号機は一時間二十一分、三号機が五十九分、東通一号機は二十六分。その後は復旧をいたしました。このことを全体的に考えますと、やはり原発施設の構造的問題があるのではないかとの懸念が浮かび上がってくるわけでございます。
 まず、津波でなくても、地震被害による電気系統に容易にトラブルが起こり得るということ、次に、縦揺れの激しい地震によるスロッシング現象のような事態で燃料プールが損傷するということ、また、原発の非常用ディーゼル発電機は運転時は二台、停止中と燃料交換中は一台だけ動けばよいとされていた甘い考えのルール、全国の原発施設が常に危険につながる要因を抱えているのではないかと思います。女川や東通だけではなく、全国の原発施設の在り方に対する根本的な見直しが私は必要ではないか。
 私も経済産業省にお役をいただいていたときにいろいろ言いました。けれども、言われました。松先生、地震では大丈夫なんです、まあそれは一〇〇%ということは人間世界ではあり得ないけれど、本当にそれに近い、もう大丈夫です、地震で何か起こり得るということはないんです、こうずっと言われてまいりました。
 ドイツのメルケル首相は、科学上起こり得ないことが日本では起きてしまっていると発言して、ドイツでは脱原発へ再びかじを切りました。これは余分なことですが、ドイツやイタリアは実は、脱原発宣言しましたが、一七%もフランスから電気買っているわけでございます。これは余分なことですけどね。これは事実としてちょっと私は心の中で思っているわけでございますけれど。
 けれども、フランスは、これでもか、五重、六重、七重に安全対策、もう古いものは本当に順次新しいものに切り替えてこういう対策をしているし、もしも今回みたいに、仮に天から隕石がおっこってきて、原発の上にですよ、そういう、まあそんなことは起こり得ないにしても、あちらは地続きですから、テロだって、どういうことが起こるか分からないわけですから、そういうことが起きて、今回の例えばこういうあり得ない、起こり得ないと思っても、日本では起こり得ないと思っていたことが起こり得たとしたら、そのときの対策も全部考えているというのが、これはちなみにフランスはそういう対策も全部考えているそうであります。まあこれはおいておきます。
 要するに、原発は絶対安全ではなく、もしかしたら事故は起こり得る、こういうことを土台にして、本当にしっかりとした、安全基準という問題も出ましたけれども、津波も地震もあるいは全てにおいてこういう対策を考えて改善する必要がある。これに対して、大臣、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
#72
○国務大臣(海江田万里君) 種々御意見をちょうだいしましてありがとうございました。
 その中で、特に余震による事故、余震のときは津波はほとんど生じなかったわけでございますから、この余震による事故に対する安全対策がどうであったのかという質問だろうと思いますので、この余震に対しての対応をお話しをさせていただきます。
#73
○松あきら君 いや、別に福島第一原発の話じゃなくて全体的な話で、時間がないので。
#74
○国務大臣(海江田万里君) 分かりました。
 その意味で申し上げますと、三月の三十日の時点は、これは特に津波による全電源喪失であります。地震に対する影響というのはまだこれから精査してみなければいけませんが、さっきお答えをしたように、今回の非常に深刻な事態になったやっぱり直接的な原因は、これは津波によって全電源が喪失をしたことだろうと思っております。その上で、その三月三十日の時点ではそうした津波が、想定外の津波が押し寄せても電源が確保されるように、しかもその電源というのが、これは必要最低限の電源が確保されるようにということで、この措置を指示をいたしまして、これはきちっとそれぞれの事業者がそれを達成をしたということでございます。
 その後で、今回のこの地震も含めてでございますけれども、福島の事故から学べる教訓、今の時点での教訓でございますが、これはIAEAに対する報告書も取りまとめたところでありますので、その知見を教訓化をしまして、そして六月の七日にもう一度全ての事業者に対してその安全対策、更なる安全対策を指示をしたところで、今ちょうどその報告が上がってきました、十四日に。ですから、これを含めてしっかりと点検をして、そして安全が確認されたところは再起動していきたいと、こういうふうに考えております。
#75
○松あきら君 福島第一原発は、まだ今、更なる確認ということであろうと思います。けれども、私は女川も本当に東通も、これ、電源がまさに一つであってもこれ冷やせてよかったな、一冷却機能、これもうみんな止まっちゃったら大変なことになると、もう本当にそういう思いで、地震でも起こり得るということが少し私どもにも分かったわけですから、本当にしっかりとした対策を取っていただきたいというふうに思います。
 今、十四日に安全に運転をしているというふうに上がってきたというふうにおっしゃっておられます、まさにそうでなければ困るわけでございますけれども。しかし、日本の原発は安全に運用されているということではあります。そうでなくては困ります。しかし、総理は浜岡原発の停止要請を発表したわけです。その理由は、三十年以内にマグニチュード八程度の地震が起こり得る可能性がある。先ほど牧野先生もいろいろ浜岡のことを御質問なさいましたけれども、可能性が八七%、極めて高いということでした。しかし、福島第一原発はゼロ%なんですよ。この算定基準日は今年の一月一日。
 確かに、東海地震というのはいつ起こっても不思議ではないと言われ続けてまいりましたから、私は安全優先の姿勢、これは理解しますし、個人的には浜岡は止めていただいてよかったと思っています。思っていますが、しかし、しかしながら、電力事業者の声を聞き、少なくとも閣議決定などの責任ある手続をすべきではなかったかと私は思っております。根拠の明確でない総理発言により、中部電力が判断をして停止をしたんです。責任の所在が不明確であり、電力会社の判断で原発を停止したということになってしまいました。
 じゃ、ほかの原発に与える影響どうなんでしょうか。住民がこう言っているから、あるいはうちの方はゼロじゃない、もっと高いんですよ、浜岡ほどじゃないけど、だから停止をしたいと言ったらどうするんですか。私は、総理がああいうあの菅さんですから、もう本当に、もう何をか言わんやではございますが、大臣、他の原発に与える影響をどうお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#76
○国務大臣(海江田万里君) 一つだけ、時間をちょうだいして恐縮ですが、福島がゼロで浜岡が八四%あるいは八七%、あれは実は、地震の起きる周期というものが一つ基準になるんです。今年の残念ながら一月一日では、福島沖の場合はその周期が分かっていなかったんですね。その後の地震で、貞観地震とかそういうので周期が分かりましたけれども、周期が浜岡の場合の東海地震は百十九年でございます。その百十九年を分母に置いて、そして分子にその百十九年から何年たっているかということを計算をして、それで出した数字が実は八四とか八七でありまして、その意味では周期が分かっているということが前提でなければあの数字は出ないということ、このことはひとつ御理解をいただきたいと思います。
 ただ、今、また詳しくもう少し時間があれば御説明を申し上げたいと思いますが、それで、浜岡の影響でほかの原子力発電所が、じゃ、どうしてうちのところはその心配がないのかということに対して、本当に多くの知事あるいは自治体の首長の方々から御意見をいただいておりますので、そこは、さっきもお話をしましたけれども、全体的な安全対策と、それからやっぱり浜岡と違うそれぞれの原子力発電所の事情というものも説明をしなければいけないなというふうに思っております。
#77
○松あきら君 いろいろ言いたいんですけれども、時間がないので次に行こうと思います。総理の発言で、総理のああいう対処の仕方で大臣が御苦労されていると思いますけれども、それはこちらも分かっているんですけれども、総理はいませんので、申し上げるほかないわけでございます、大臣に。
 原発事故から三か月がたちました。政府は、放射線量の高い地域、同心円状に設定して、それをそれぞれ避難区域といろいろ位置付けているわけでございますけれども、区域外でも高い値が計測されたり、放射線量に大きな違いが出て、つまり、これは同心円状ではいかないんですね。これはもうそういうふうに分かっているんですけど、そういうふうになっちゃった。
 一方、福島原発から二百キロ以上離れた東京でも実はホットスポットが見付かって、いろんなホットスポットからいろんな声が上がって大変なわけでございます。東京の江戸川区の下水処理場ではセシウムが四万二千八百ベクレル検出されておりまして、汚泥や焼却灰の保管と処理に頭を痛めているんですね。普通だったらセメント会社が引き受けてくれるんだけど、もちろん引き受けてくれない、拒否されている、満杯状態。川崎でも焼却施設で三百四十トンも保管して、これも満杯、限界。その保管に当たり、放射能汚染の基準値が示されていない、深刻な問題になっております。各地で放射線対策に悩んでいるのであります。
 政府はきちんとした見解を示さなければいけない。処分方法、保管基準など明確に示していただけますか。短くお願いいたします。
#78
○国務大臣(海江田万里君) それぞれの役所がやっておりますが、それを全体的に取りまとめをしますのが原子力被災者生活支援チームということでございますから、ここにそれぞれの省庁の中堅どころ、それから副大臣なども会議に参加をしまして、そして、まず五月には福島県内の災害廃棄物の当面の取扱いの概要について発表しましたし、それから、福島県の学校の校舎、校庭等の利用判断における暫定的な考え方については文科省が発表いたしましたし、それから、校庭、園庭における空間線量低減策の概要ということについても、これは文科省。それから、下水汚泥等の処理についてはこれは原子力災害対策本部が決定をして、その意味では取りまとめをしておりますのは原子力被災者生活支援チームでございまして、その下でそれぞれの各省がしっかりとした対策を取るべく努力をしております。
#79
○松あきら君 今、いろんなところでホットスポットという話をいたしましたけれども、やはりそれぞれの地域住民の皆様が、特に子供さんたちに対してはもう本当に心を痛めております。通学路などに側溝などがございまして、やっぱりそこがいろんなものがたまってくるわけですね。ですから、もう簡単にこれはちょっと時間がないので言いますけれども、例えばそうした側溝の掃除、あるいは草刈り、アスファルトに付着した土を粘着テープで除去する。まあ苦労しているんです。洗濯ののりや剥がし液を使って、乾燥したところで剥がし取る、これは流すと汚染水になる、こういうことで努力をしているんですね。
 しかし、こうした地域住民による放射能物質の除去はやっていいのか悪いのか。やっても構わないというんであれば、まさに安全に実施できる除染マニュアルを用意すべきでないか。また、住民レベルにおいて、汚染された土や草の処理についても方法を明示して知らせるべきである。
 もう一つ続けて言います。あと、今、ここは何とか省、ここは何とか省って言いましたけれども、例えば子供たちの校庭、これは文科省、じゃ学童保育はというと、これは厚労省。そして、まさに側溝はなんというところ、これは国土交通。もうばらばらなんですね。公園はといっても、これも国土交通。もう国民の皆様にとっては、もう何省、えっ、ここは何省なのなんて、もう言われるたびにこんがらがって、何省でもいいと、子供たちが例えば学校から安全にうちまで帰るために、あるいは公園で遊べるためにちゃんとしてくれ。
 それから地下水。地下水は、じゃどこが見るのか。環境省は駄目なんですよ。ほかの瓦れきとか水質汚染はいいんだけど、放射能は除外されているんです。地下水について、じゃどこも責任持てない。私は是非大臣に、これはもう一義的には問題処理に迅速に当たっていただいて、整理整頓素早く行っていただきたい。この二つをそれぞれよろしくお願いいたします。
#80
○国務大臣(海江田万里君) 地下水については、特に福島の東京電力福島第一発電所の地下水、あれは、今は地下水の水位の方が上ですからいいわけでありますが、これは大変気に掛けて、それに対するやっぱり遮蔽の設備をしなければいけないと思っております。
 それから、今お話のありました各省庁にまたがるものについては、確かに、おっしゃるように、住民の方はこれは何省だということは分かりませんから、その場合は、先ほどもお話をしましたけれども、原子力被災者生活支援チームというのが現地にも窓口がございますので、そこにおっしゃっていただければ、実際にいろんな作業をやるときはどうしても役所単位になりますが、窓口は現地にございます。それから、もちろんこちらでは私がそのチーム長になっておりますが、原子力被災者生活支援チームにおっしゃっていただければ、すぐに機敏に手配いたします。
#81
○松あきら君 もう一つ、政府参考人ですか、住民がやっていいのか悪いのか、除染を。
#82
○国務大臣(海江田万里君) 住民の方にやっていただく場合、例えばその処理の仕方によって、燃焼、焼くことによって、むしろ焼いた後の灰などに放射性物質濃度が高くなるということがございますので、その点はやはりまず地元の自治体などに、それからさっき言いました、特に福島では福島の県庁のところにございます原子力被災者生活支援チームにやっぱり御一報いただいた方が安全だと私は思っております。
#83
○松あきら君 一言。福島の本宮市は自粛を呼びかけているんです。勝手にいろんなことをやると大変です、早く国に示していただきたいと言っているんです。ですから、申請しに行くんじゃなくて、国がきちんと基準を示していただきたい、それを申し上げて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#84
○松田公太君 みんなの党の松田公太です。
 本日は、まず浜岡原発について海江田大臣にお話を伺いたいと思います。
 先日、中部電力の浜岡原発、これを視察に私は行ってまいりました。所長を含めまして役員の方々から様々なお話を聞くことができたんですけれども、そのときの私の印象を申し上げますと、あれだけの大きな地震、津波、あれだけの災害があった直後なのに非常に危機感が薄いなという印象だったんですね。
 なぜそのように思ったかといいますと、そもそもやはり想定している地震の大きさが小さいなと。最大加速度が元々六百ガルだったものを自主的に千ガルに上げたというふうにおっしゃっていましたが、海江田大臣も御存じだと思いますけれども、実際に二千ガルとか三千ガルを超えるような地震というのがもう各地で発生しているわけですよね。そしてもう一つは、想定している津波の高さ、これが低過ぎるんじゃないのかと。これも元々八メーターを想定していましたが、これを三月十一日の震災発生後は十五メーターに上げたと。しかし、今回の大震災ではそれ以上の津波も発生しているという報告も出ております。
 その低い想定が基なので、最大の防御のよりどころである防波壁というんでしょうか、これを現在砂丘の後ろに建設するということなんですが、その高さが十二メーターというものになっているんですね。また、海水を原子炉に送り込んで冷やす大切な役割の海水系ポンプエリア、そのエリアには水の浸入を防ぐためにという名目で防水壁というものを作っているそうなんですが、それが一・五メーターだと。実際、私、見たんですが、一・五メーターですから、私が百七十七センチぐらいですから非常に低いなという印象を受けてしまいました。
 ですから、あれだけの災害の後なのに何で本当にこんなに危機感が薄い設定なのかなと本当に疑問に感じてしまいまして、役員の方々になぜですかという質問を投げかけたところ、返ってくる答えというのが、基本的に岩盤が固いから大丈夫なんだとか、あとは砂丘があるから大丈夫なんだということをおっしゃるんですね。
 確かに施設の前には砂丘があります、浜岡原発の前には。その砂丘も、そう言われて見に行ったんですけれども、砂丘というと皆さん鳥取県の砂丘をイメージされるかもしれませんけれども、あんなに広大なものじゃなくて、高さが十メーターから十五メーターですね、海から。そして、幅が大体六十メーターぐらいですから、何となく私が見た感じではプライベートビーチみたいな小さな小規模のものだなという印象だったんですけれども、しかも、それが実際どのくらいの効果が津波に対してあるのかという検証も十分にされていないというふうに聞いております。
 どうも私から言わせていただきますと、中部電力の方々は、今回の福島原発の事故で露呈されてしまった根本的な問題とちょっと同じ状況に陥ってしまっているのかなと。それは何かというと、やはり周辺住民だけじゃなくて自分たち自身も何となく安全神話というものをつくり上げてしまって、それを信じてしまっているんではないかなというふうに思うんですね。
 今日、私が海江田大臣にお聞きしたかったのは、こんな軽度な地震や津波の想定で、今どんどんその工事や補強工事が進んでしまっているんですけれども、これで果たしてよろしいのでしょうかということと、また、ほかの原発で、浜岡だけではなくてほかの原発ですね、全国にありますほかの原発で地震や津波などの自然災害、この危険性があるところについてはどのような対策を講じて、どのような指導をしていこうと思っているのかということを教えていただければと思います。
#85
○国務大臣(海江田万里君) まず、浜岡についてでございますが、実は浜岡で今お願いをしております防潮堤でありますとか、あるいは建屋の水密化でありますとか、あるいは非常用発電機の高台への設置でありますとか、これはほかの発電所についてはやっぱり中長期的にそれをしっかりとやってくださいというお願いでありますので、ただ、浜岡につきましては、やはり先ほどもお話をしましたけれども、地震の起きます可能性が非常に高いということからああいう判断になったわけでありますが、中長期的にお願いをしておりますのがまだ甘いというお考えも一つのお考えかと思います。
 ですから、それに対しては、私どもは、今回のやはり地震、これは福島の地震でありますが、これを受けての種々の知見が分かります。津波の問題も、正確に言うと津波の波高、波の高さというのは十メートルであったわけですね。ところが、それが実際には十四メートルから十五メートルのところにある駐車場のところまで津波が到達していたといいますから、やっぱり津波というのは波の高さだけじゃありませんで、障害物があるとそれを乗り越える力がありますから、まさにさっきお話のあった浜岡の発電所の砂丘というものがそういう役割を果たすことになりはしないだろうかということで、これは懸念材料でありますが。
 そういうことも含めて、今回、これからしっかりといろんな東京電力の福島第一発電所の事故を教訓化したまさに全体的な安全の指針が出ますから、それを受けて追加的にまたやらなければいけない工事が出てくればそれを逐次要請をしていこうと、こういう考え方であります。
#86
○松田公太君 ありがとうございます。
 もう一つの質問の中に自然災害についてもちょっとお聞きしたんですけれども、実は私自身は、現在の原子炉等規制法などで足りないのは自然災害などに対する考え方じゃないかなというふうに思っているんですね。
 私は、例えば今回、浜岡原発を停止するに当たっても、菅総理が、それが停止要請なのかとか、いや、停止命令なのかと。そこら辺が非常にあやふやだったなというところをちょっと不思議に感じていろいろ調べをさせていただいたわけですけれども、やはりしっかりと停止を命令させるべきじゃないかなというふうに、危険を察した場合はですね、というふうに感じたんです。
 それで、実は我が党みんなの党では現在、原子力発電所の緊急評価に関する法案というものを議員立法として提出予定、準備しているんですね。ちょっと宣伝みたいになってしまって恐縮なんですが、この法案の取扱いについて、是非本委員会で取り上げられて皆様と協議をさせていただきたいと思っております。この法案の目的というのは、国会の場でしっかりとその自然災害に対する脅威を調べて、評価したり、停止命令を最終的には危険だと察した場合は講ずることができるようにするというものですので、よろしくお願い申し上げます。
 引き続きまして、原子力損害賠償支援機構法についてちょっとお話をさせていただきたいと思いますけれども、これはちょっと昨日も触りお話をさせていただきましたが、昨日私がちょっとした説明で、何かT君が車で事故ったという説明をさせていただきましたけれども、あの後各方面から、あれは非常に分かりやすい表現だったというふうに言っていただいたんですが、私、実は海江田大臣のそれに対する御答弁、ちょっと理解できなかったので、もう一度あれについて、どのように思われたかということを教えてください。どういう話だったかというと、私が言ったのは、T君が、危険だというふうに言われているような車を運転し続けて住宅街に突っ込んでいってしまって、けが人であったり、また家を壊してしまって、最終的には賠償しなくちゃいけないということが分かった後で、金額はまだ未定なんですけれども、C君とかK君というほかの仲間から保険金みたいな形で、保険組合みたいな形をつくってお金を出してもらって、そこから賠償しようと。同時に、B君という人からお金を借りていたんだけれども、政府がなぜか、B君、お金、申し訳ないけど一部諦めてねなんていうことを言い出していますし、実際被害に遭った方々も最終的には、この法案ですと、自分たちに支払ってもらう賠償金をちょっとずつ何か払うような感じになってしまっているんじゃないかなという気がするんですよね。
 もう一度、ちょっとそれについてどのように思われるか。
#87
○国務大臣(海江田万里君) ですから、まさに今度のこの機構法案というのが、これは互助組織ですから、そういう意味では保険のお話を例に引いていただくのは、それでよろしいかと思います。
 ただ、委員が御指摘になったのは、過去の事故について、それを保険金で払うのはどうだろうかということだったと思います、私は。ですから、その場合、保険の契約についても毎月、毎年毎年保険料を払うと。その保険料は、例えば保険料を払ったのがいつ幾日で事故が起きたのがいつ幾日というような区分はされていないはずだから、広義の保険ということで考えていただくのは、それはそれで構わないというか、そういう分かりやすい例えもありますねということをお話をさせていただいたわけであります。
 それからもう一つの、お金を借りていた人がというのは、まさにこれは金融機関などのこれまでの融資に対する責任、別の表現ですれば、いわゆる債権を放棄すべきではないだろうかというお話だろうと思いますが、やはりこれは、私どもの考え方は、民間の事業会社たる東京電力とそれから民間の金融機関である某銀行との間のまさに民民の取引でありますから、そこに国がこうしろああしろと言うことはできないんではないですかと、そこは民民同士で話合いをしていただいて、そして、こういう話合いになりましたよということを御報告をいただきたいというのが私どもの考え方でありまして、そういうふうに私は説明をしております。
#88
○松田公太君 実は私自身、銀行員を数年間やっていたことがあるんですけれども、銀行はやはり政府からああいう発言をされると非常に大きなプレッシャーとして感じるんですよね。ですから、枝野官房長官のあの発言というのは私は間違いだったんじゃないかなというふうに思っていますし、本当に中途半端な、浜岡原発もそうだったんですが、停止要請なのか命令なのかとか、債権放棄するべきじゃないか、するべきだとか、非常にそういうあやふやな言い方というのがよろしくないんじゃないかなというふうに、私はもう本当に混乱をつくり出すだけなんじゃないかなと。マーケットにもたしかあのとき非常に大きな混乱を来しましたよね。そういう考え方、言い方というものを是非やめていただきたいなというのが私の本日の一つのお願いなんですが。
 あともう一つは原子力損害賠償支援機構法についてですけれども、確かに事故が起こった後に賠償金を払うために保険みたいなものを、組合みたいなものをつくるのはおかしいんじゃないかという考え方も一つなんですが、そもそも発想の原点として私はこの法案はおかしいんじゃないかなというふうに感じているんですね。それは昨日もちょっと指摘させていただきましたが、一つ言いますと、債務超過させないという言葉が入っている、あそこ、非常に私、個人的に気になるんですよね。何となく、企業に対して債務超過をさせないんだという言い方をしてしまうと、もう既にその時点で資本主義的な発想からもずれてきていますし、もう民間じゃないと言っているようなものじゃないかなという気がするんですけれども、いかがでしょうか。
#89
○国務大臣(海江田万里君) これはいずれまたこの法案自体を御議論いただくときにしっかりと議論をしたいと思っておりますが、基本的には、この法案の一番大きな目的というのは、この原子力事故によって損害を受けた方たちの損害額が確定をして、あるいは仮払いでもいいんですけれども、やっぱり賠償金がしっかりと支払われるということ、しかも迅速に支払われるということ、これが目的でありますので、そうなると、やっぱり今の原子力損害の賠償法では事業主体というのは、これもいろんな議論がありましたけれども、第一義的には事業会社になりますから、そこが債務超過になると、そして債務超過ということは市場から撤退をするということでございますので、そういうことになって資金の調達もできなくなって、そして、それこそ請求権もどこかに行ってしまいますから、今の法律のずっと立て付けでいきますと。そんなことはあってはいけないということがその中に盛り込まれているわけでございます。これは是非御理解をいただきたいと思います。
#90
○松田公太君 だからこそ、実はこれも我が党で提言していることですけれども、やはり一時国有化という方法があるんじゃないかなと。これはもう以前からずっとこの委員会でも私、お話を申し上げていますが、そうすることによって賠償をしっかりと担保すると。最終的には、さっきのT君の例でお話をさせていただきますと、T君が持っている資産があるわけですから、それを売却してしまうことによって賠償金に充てさせていただくと、それは送電網のことを言っているわけですけれども、そういう考え方で私、取り組んだ方が明確で分かりやすいんじゃないかな、しかも国民の皆さんも安心されるんじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#91
○国務大臣(海江田万里君) 先ほど松田委員は、政府の立場にある人間がやっぱり発言というのは気を付けなければいけないということを御指摘いただきましたけれども、やっぱり国有化ということになると、その言葉が出ることによってどういう影響が与えるかということもやっぱり考えなければいけませんね、これは。決して株主を守ろうということではありませんけれども、やはりその株の毀損の度合いというものが、今度優先株を出すとかいろいろあります、それによって希釈はされるわけでございますが、それと、国有化と言ったときとのやっぱりその与える影響というのは非常に大きいわけでありますから、そういうことも考えますと、やっぱり私どもはあくまでも東京電力をそのまま今と同じような形で残そうという考え方はございません、これは。
 しかし、やはりしっかりと損害賠償の責任を払ってもらわなければいけない、そのためにはスリム化してもらわなければいけない、余分な資産は売ってもらわなければいけないということで、今具体的に、今日ちょうどこの後、第一回の経営・財務の調査委員会も会合ございますが、十二時からちょうど始まるところでありますが、やっぱりそういう第三者機関も使って、まだ国のお金が入っておりませんから正式なデューデリではありませんが、プレデューデリというものもやっていただいてしっかりと賠償責任を果たしてもらおうと、こういうふうに考えております。
#92
○松田公太君 最後にもう一点だけ御質問をさせていただきたいんですけれども、海江田大臣は、言葉に気を付けなくちゃいけないということを今おっしゃっていましたけれども、その送電網を売却すること、するしないは別にして、これって自由化の道につながると思いますか、この手段というのは。これを最後に是非お聞かせいただければと思います。
#93
○国務大臣(海江田万里君) よく送電網を売却するということを言っていらっしゃる方々のお話は、むしろ自由化につながるということよりも賠償との絡みで、その賠償の原資が出るんじゃないかというような形で言われる方が多いわけであります。
 委員は、その話ではなくて、自由化につながるのかということでありますが、これは確かに自由化と。私は、これはもう送電網を売却したことによって起きたいろんな例もございます、ニューヨークの例でありますとか、やっぱりそういうことも考えておかなければいけないというふうに思っておりますので。やっぱり電気に質というのはあるんですね、これは。日本の質というのは、これまではかなり非常に安定供給といいますか、特に精密の機械なんかも作る場合でも、使用する場合でもサイクルが安定をしておりましたから、そういうことも含めて、ただ、電気の今は量のことばっかりが言われておりますが、やっぱり質のことも考えなければいけないのかなと。そういうこともありとあらゆる論点から考えた上でやっぱり結論を出すべきであって、もちろん私は議論をすることは全く構わないと思っていますし、ただそれが本当に例えば賠償に役立つのか、それから今言ったような自由化に役立つのかとか、それからやっぱり電力の質を維持するということに役立つのかとかいろんな方面からの議論が必要ではないだろうか、そう思っております。
#94
○松田公太君 時間ですので、終わりにさせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#95
○荒井広幸君 荒井でございます。
 今、松田先生の話にも関係してまいりますが、冒頭、原子力損害賠償支援機構法案というのが閣議決定されたわけですが、いや、こればかりは速いなと思って逆の意味で感心をしております。今のお話を聞くと、賠償をしっかりするための枠組みなんであるというような御説明ですが、四月十一日に原賠審を設置すると決めるんです、原賠審を四月十一日、一か月後です。それまでの間は、実は例外規定を含めて国が措置をとるということもできたんですね。これは閣議決定が必要ありません、原賠法によっては。原賠審を設置するということによって実際上、津波などの被害によって対応するんだということになったんです。ですから、この一か月の空白、松先生の言葉を借りると、私は、一か月間にわたって初動ミスをしていたということです。前面的に国が出ていけば、仮払いすぐできたじゃないですか。そして、賠償をしっかりするというんであれば、自民さん、公明さんが言っているような仮払いの法律を立てていけば、急ぐ必要全くないんですよ、この支援機構というのは。
 大臣、こういうことなんですね。もっと総合的に鳥瞰した上で、東電をどうするか、賠償をどうするかというのは私は議論してよかったと思うんですね。それが、松田先生からもお話がありましたように、また先ほど自民党の先生方からも御指摘がございましたけれども、そういうことだと思うんです。ですから、時間的に急ぐ必要は全くない。若林先生、牧野先生のお話もありました。そういう関連も考えるとそういうことなんですね。
 どういうことが私言いたいかというと、この東電、これは二〇〇二年に原子炉のひび割れで改ざん報告するという問題を起こして、あのときもマスコミは電力危機を書き立てました。東京電力の全原子力発電所が二〇〇三年には止まるということになったんです。大変な改ざんだったんです。これ二〇〇二年。ところが、二〇〇七年二月一日にもっと大きなことが分かった。一九七八年に福島第一原発三号機で臨界事故を起こしていた、これは全く報告しなかった、東電。実は、この原子力災害全体のものと東電というもののこの隠蔽体質というものをきちんと見分けなきゃいけないということなんです。
 私も福島県議会議員でございましたから、増子先生もそうでございましたけれども、もう度々改ざんと隠蔽、そのたびに済みませんでした、それを我々は、今度こそと信頼して、この間も再稼働、了解をしたんですよ。
 ですから、話の前提がちょっと逆になりますが、この福島県民に対する背信行為、つまり全て原賠法の全県民が対象になるという私は考え方しているんです。原賠審でもやれるような話じゃない、全然。ですから、政府が前面的に出なきゃいけないんですよ。ところが、みんな引っ込んじゃって、そして東電が悪い、東電が悪いみたいなことを、これは悪いですよ、間違いなく。しかし、国が後に行って、電気料金を値上げさせて、東電がそれも悪いんだよぐらいのことを言いながら、自分たちは、消費税も触らず、電気料金も触らず、そして何か値上げは、東電が悪いから当然なんで東電に文句言ってくれと、このようにも聞こえる今度の支援機構なんです。その決定のタイミングなんです。
 原子力経済災害担当大臣としてもお尋ねします。東京電力の責任を明確にすることは当然でありますけれども、国が前面から責任を取るということを逃げて、そして最後は、電気料金の値上げみたいなことをやむを得ないみたいな話を言い、そして奉加帳を回してほかの電力のエンドユーザーにもまたそれがかぶっていくようなこういう仕組みというものは、私は大変批判をしたいと思っているんです。
 そして、これはフィードインタリフと同じなんです。もう閣議決定、これもして、審議に入っておりますが。結局、フィードインタリフというのは聞こえいいですよ。買電をして、原子力発電を、この足りない部分を補おう、こういうことです。今日辺りのマスコミでも、それは要するに、何というんですかね、それぞれの利害関係者の意見で違うんだなんて言いますけど、私、全然違う視点です、何遍も言っていますけど。お金ある人がソーラーパネル立てて、力がある企業がソーラーパネルを立てて、高い料金で電気会社に買わせて、買ったものを全く力がない人たちに料金転嫁をして買わせるなんという、こんなドイツ型のようなことをやって、格差社会が埋まりますか。
 こういう視点が私は重要だと思っているんですが、大臣に、なぜ堂々と、賠償するならば国民の皆さんにお願いすることもあると正直に言えないんですか。
#96
○国務大臣(海江田万里君) 今のお話で幾つも論点がありましたけれども、最後の点だけでよろしゅうございますか。
#97
○荒井広幸君 結構です。
#98
○国務大臣(海江田万里君) そうですか。
 私は、今度の法案もそうでありますけれども、国民の負担をやっぱり最小限化するということは考えておかなければいけない話でありますので、それは現実に、電気料金を下げるときはこれは経産大臣の判こは要らないわけでありますが、電気料金を上げるときには経産大臣の判こが必要なんです。ですから、その時点におきまして私は、上げることになればしっかりと国民にその上げる理由というものを説明申し上げるつもりでおります。しかし、それまでは、上げる上げるということよりも、やっぱり上げないために努力をしてくださいということをお願いをするといいますか、主張をするつもりでございます。
#99
○荒井広幸君 例えば総括原価方式、これだって見直さなきゃいけないですよ。安全対策を原発がする以上、本当に原発が安上がりかというのは、これ全く違う計算になりますよ。そういったことも全部見た上でこの支援機構法案というものは考えるべきであって、同時に、私は、先ほど来からもお話がありますが、JAL方式、りそな方式を含めて、実質もう支払能力もないということを認めているわけですから、これは私は、法的整理で国民に最終的には転嫁して払ってもらう形になるんですから、T君の例がありましたけれども。そういうふうになってくれば、国民が透明性の中で納得できるように東電をどうするかということを議論した方がいいという観点で、私は、極めて不透明なうちにこの機構法案というのが作られ、この機構法案自体が不透明である、法的整理の方が私は効果があるんじゃないかということを申し上げておきます。
 次に、これは厚労省に来ていただきました。
 大臣、十六日、十七日、三月ですよ、どういうことが起きたか。福島県では、透析している患者の方が五千名います、人工透析です。地震、津波、原発、これによって一千名の方がバスで、ネットワークも阪神・淡路以来はつくっていただいて、本当にお医者さん同士で協力をしていただいていますが、こんな事故になりますと、地震になりますと、東京と新潟まで行かざるを得なかったんです。隣近県では対応できなかった、人工透析、大体平均三回週にされる方なんですけれども。大量の皆さんが苦痛を伴って不安を持ちながら東京と新潟へ行ったんですね。現在もいまだに三百五十名の皆さんは原発の関係で従来のクリニックや病院で透析ができないという状況ですね。
 これは全ての医療、患者の方に共通するんですが、地震対策で今度の補正予算は入れていただきました。これ、非常に分かるようで分からないんですが、耐震補強ばかりなんですけれども、透析の例を申し上げますと、水、これは別な治療、医療にも必要ですね。それから、バックアップの電気というのは必要でしょう。停電したらどうしようもないんです。この二つについては、透析の患者さん方も特に言っておられますが、ほかの患者さん方も一緒なんです。
 これらに対する支援はどういうふうになっていますか。そこをお聞かせください。
#100
○政府参考人(唐澤剛君) 簡潔にお答えを申し上げます。
 病院の耐震化につきましては、先生御指摘のございましたように、医療施設の耐震化臨時特例交付金、これが二十一年度、千二百二十二億、それから二十二年度は予備費で三百六十億を交付をしているところでございますけれども、御指摘のように、今回の震災では広範囲で停電が生じまして通常の通信手段も被害を受けたことなどから、自家発電の燃料がなかなか届かないと、こういうような問題もございました。また、水や食料の備蓄と、こういうような問題もございまして、私どもといたしましては、災害拠点病院の在り方につきまして年内をめどに検討会を設けて検討をいたしまして、国として更にどのような支援が可能かということについて検討してまいりたいと考えております。
#101
○荒井広幸君 それぞれの病院やクリニックが持てるようになっていますかという意味では、まだ持っていないところがある。そして、これだけ大規模になれば、そこが燃料もなくなっちゃったり、最初は動いたけど次の日駄目だったというのもあり得る。
 だから、そういう総括的な対応を取るということを言っているのはいいですよ。いいですけれども、例えば透析の皆さんは長い時間透析をしながらもう不安に駆られているわけですね。こういう点をきちんと早く取ってあげるというのがやっぱり、大臣、原災担当大臣として、経済担当大臣としてこういうところを早くやっていただかないと、それは菅さんが続こうと続くまいともう諦めましたからいいですよ、そんなの、国民も何とも言っていないから。やってくれることをやってくれということですから。我々与野党が共同して提案しています。特に野党は言っていますからね。野党が言っていることをやってくれないんじゃ駄目なんですよ。
 今も答弁がありましたけど、シールバッジ、どうなりました。全然やらないから、福島市は独自にシールバッジを子供さんたちに配る、そして不安を取り除くように、持ちたいというその不安の心理にこたえていくわけですよ。全然対応しない。私はそういう意味では残念なんです。
 二重ローン、二重リースの問題もありますよ。これも、自民さん、公明さんと民主党さんが協議していますけれども、全ての野党に協力してくれと言って実務者会議もしながら、何で我々少数政党を外しているんですか、大臣。我々も国民の意見を代弁しているんですよ。三党だけで話をすれば決まるなんていうものじゃないですよ。国民の声をちゃんと聞いてください。これは要望しておきますから、閣議で言ってください。
 そして、同時に、今度の問題で、何度かやらしていただいていますけれども、先ほど来からのお話で、(資料提示)これは委員の先生方には見えないかもしれませんけど、賠償、補償、見舞いという概念に分けないともうそろそろやれないんじゃないかなということなんです。賠償とか補償とか見舞いというものでやっていかないといけないなと。そういう観点で一つ二つ聞きますね。
 それはなぜかというと、先ほどからもお話がありましたけれども、原子力発電所の定期点検で停止して再稼働のめどが立たなくなれば来年春には全部ストップでしょう、これ。そうなったら大変だという声がありますが、そこで先生方からも指摘があったわけです。私も同感。
 しかし、一番は大臣、総理を含め、内閣を含め、そして保安院も含めですよ、皆さんの姿に信用できるかできないかを見ているんですよ。補償するかしないかを含めて、そういう一つ一つに、全国十二、福島県を除けば十一の道県、そして、風ではるか遠くまで飛ぶというのが分かりましたから、日本中の方々が、誠意ある行動を取れるかどうかで判断しているというふうに見た方が間違いないです。
 その意味で、安全第一の体制をつくる、安全基準を作る、万一の備えをする、先ほどの質問で大臣はそう答えました。国全体としての指針を作っていくんだと。指針作ったって駄目です。魂入れなきゃ。今見てるんですよ。今見てるんですよ、みんなが。本当に政府、東電は信頼が置けるのか、電力会社は信頼が置けるのかって見てるんですよ。そのときに政府が、一義的には電力会社だ電力会社だ、相変わらず義援金だって六割も行ってない、仮払いも進まない。そして今度は仮払いの中でも風評被害なのかあるいは実被害なのか。二次指針までは行ったけれども、来月最終的というのか三次指針をまとめると言うけれども、積み残しが山のようにある。本当に国と、逃げている国ですよね、電力会社に押し付けている、こういう人たちの話聞いて大丈夫なのかということで私は動くのは大変難しいんじゃないかと思っております。
 今朝の朝刊にも知事のコメントいろいろと載っておりましたが、そこで想定外という言葉を私は自分なりにそしゃくしたら、甘い想定だったということだと思います。想定外ではなかった、甘い想定をしていたということだったと思います。これ一事取ったって、文科省さん、全て相当因果関係にあると私は思うんですよ。もう全員が被害者ですよ。国民全体が被害者だ。その中でも福島県民は被害著しいものがあるんだと思うんです。
 大臣にお尋ねします。
 今回の事故による福島県内のものですね、いろいろな心理的なものも含めて、もう一々因果関係言っているところじゃない。全て因果関係です。全県民に、新しい概念、最低でも迷惑を掛けた、心労を掛けた見舞いという概念を立てないと、私はそれこそ公平でなくなる、このように思いますが、大臣の御見解聞かせてください。文科省でもいいですよ、最初は。
#102
○政府参考人(田中敏君) 文部科学省から御説明申し上げます。
 これまで原子力損害賠償紛争審査会において種々指針を出してまいりました。その中には、本当に相互因果関係ということを基準とした事故との関係ということの中で損害が定義をされたということでございます。
 委員御指摘の見舞金ということにつきましては、現在原子力損害賠償制度について、賠償の対象となる精神的損害というようなことについて議論をしてございます。その議論の中で、これについても事故との相互因果関係がある範囲ということに限るものでございますけれども、そこで検討しているという状況でございます。
#103
○荒井広幸君 ですから、大臣、それ、全部因果関係があるんです。福島県の陳情、この陳情が何遍か出されていますけれども、福島県の皆さんが言っているのは、三十キロだから大丈夫だと、そういう直ちに影響がないと言っても、五十キロであれ、百キロであれ、東京の人であれ、自主避難した人がいるわけでしょう。これらの人が間違いだったとは言えないでしょう、心理的なもの考えたら。だから、今、先生方が、いや、それはちょっと無理があると言っても、そうしなかった人と、している人がいるわけですよ、少なくとも。それは、科学的にも幅があるし、指針に定めていないでしょう。福島県の例でいうと一番分かりやすい。八キロから十キロまでですよ、避難は。なぜ二十キロにし、三十キロにし、飯舘村ができました。今でさえまだ不安に思っているんですよ、みんな、だんだん。これに対して因果関係がないということはあり得ないでしょう。こういう課題を原発災害というのはもたらすんだなと思うんです。
 それと、原賠法でやっている。これではなかなか無理だと思って、賠償というのは東電と政府が前面に出る。そして、補償、これからです、二重ローンや二重リースの問題もあります。こういうものは政府がもっともっと前に出る。そして、見舞いという、心労を掛けた者に対しては、地域、これが崩壊してしまうおそれがあるんです。あの人はこれだけもらった、この人はこれだけしかなかった。お金の多寡ではなくて、国は自分を評価していないのかと、この苦労を、そういう評価の度合いの違いによって、花見さえできなくなりますよ。福島県はみんなで花見やっていた、地域で。そういうものまで壊すおそれがあるので、原賠法で無理ならば、これは法案を作っていく以外にないんです。しかし、今のまま、聞いていると、今度の支援機構を見ると、全て、国の支援は後ろで、原賠法で東電にやらせるという発想になったら、全部漏れます。
 そこで、文科省に聞きます。
 国を相手取って訴訟できますね。原賠審も、これも東電に対して、これはいわゆる調停をする話でありますが、東電以外に国に対して訴訟するということも自由でしょう。東電や国に対して損害賠償を請求するということは法律的に可能ですね。
#104
○政府参考人(田中敏君) 現在の原子力損害賠償法におきましては、原子力事業者に責任を集中させるということでございます。したがいまして、原子力損害によって起こった賠償ということにつきましては、原子力事業者でございます東京電力がその責任の集中化ということでございます。
#105
○荒井広幸君 時間がなくなりましたから、大臣、それは原賠法だからそう言っているので、そうではなくて、被災された、国の責任で、国策で苦渋を得たという人は国に対して今度は裁判をしていくということになります。そういうことも想定して考えていただきたいということを申し上げて、終わります。
#106
○委員長(柳澤光美君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#107
○委員長(柳澤光美君) 鉱業法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。海江田経済産業大臣。
#108
○国務大臣(海江田万里君) 鉱業法の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 国際的な資源獲得競争が激化し、資源確保をめぐる状況が年々厳しさを増している中で、石油、天然ガスやレアメタルを始めとする金属鉱物の安定供給を確保することがますます重要となってきております。
 他方、資源が賦存する可能性が低いと見られていた我が国においても、周辺海域において、石油、天然ガスに加え、海底熱水鉱床やメタンハイドレート等の資源の開発が期待されるなど、今後、資源開発が進展する可能性が生じてきております。
 こうした中、我が国の鉱業に関する基本的事項を定める鉱業法は、昭和二十五年に制定されて以来、実質的な改正を経ることなく今日に至っており、鉱業権を設定する際に開発主体の適格性を確認していないなど、資源開発をめぐる国内外の新たな動きに対応できなくなってきております。
 このため、国内において鉱物資源を適正に管理しつつその開発がより適切に行われるよう、開発主体の適格性を確認するとともに、鉱物資源の探査活動が適切に行われるようにするための措置を講ずることを目的として、本法律案を提出いたしました。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、鉱業権を設定する際の許可基準を新たに創設し、経理的基礎や技術的能力等を有する開発主体に鉱業権設定の許可をすることとします。
 第二に、石油、天然ガスなどの国民経済上特に重要な鉱物を特定鉱物として位置付け、特定鉱物の鉱業権の設定については、従来の先願者に鉱業権を付与する手続に代えて、国の管理の下で鉱区候補地を指定し、当該鉱物の合理的な開発に最も適した主体を選定する手続を創設します。
 第三に、鉱物資源の探査活動を許可制とし、必要に応じて探査結果の報告を求める制度を創設します。
 第四に、石油等の掘採について遵守すべき技術、方法や探鉱に係る補助等の措置を定める石油及び可燃性天然ガス資源開発法については、技術の普及等によりその役割を終えたことから、これを廃止します。
 以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
#109
○委員長(柳澤光美君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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