くにさくロゴ
2011/06/14 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 厚生労働委員会 第13号
姉妹サイト
 
2011/06/14 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 厚生労働委員会 第13号

#1
第177回国会 厚生労働委員会 第13号
平成二十三年六月十四日(火曜日)
   午前十時四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月九日
    辞任         補欠選任
     寺田 典城君     川田 龍平君
 六月十日
    辞任         補欠選任
     小見山幸治君     梅村  聡君
     難波 奨二君     谷  博之君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     赤石 清美君     中原 八一君
     高階恵美子君     岩井 茂樹君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         津田弥太郎君
    理 事
                足立 信也君
                長浜 博行君
                石井 準一君
                藤井 基之君
                山本 博司君
    委 員
                梅村  聡君
                大塚 耕平君
                川合 孝典君
                小林 正夫君
                谷  博之君
                辻  泰弘君
                西村まさみ君
                森 ゆうこ君
                石井みどり君
                岩井 茂樹君
                衛藤 晟一君
                大家 敏志君
                中原 八一君
                中村 博彦君
               三原じゅん子君
                秋野 公造君
                川田 龍平君
                田村 智子君
                福島みずほ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   細川 律夫君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大塚 耕平君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       岡本 充功君
       厚生労働大臣政
       務官       小林 正夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        松田 茂敬君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       三輪 和夫君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    清水美智夫君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    木倉 敬之君
       厚生労働省老健
       局長       宮島 俊彦君
       国土交通省住宅
       局長       川本正一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○介護サービスの基盤強化のための介護保険法等
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ─────────────
#2
○委員長(津田弥太郎君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、寺田典城君、小見山幸治君、難波奨二君、赤石清美君及び高階恵美子君が委員を辞任され、その補欠として川田龍平君、梅村聡君、谷博之君、中原八一君及び岩井茂樹君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(津田弥太郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省老健局長宮島俊彦君外四名の政府参考人の出席を求め、その説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(津田弥太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(津田弥太郎君) 介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○三原じゅん子君 自由民主党の三原じゅん子です。
 介護保険制度が創設されてから十一年が経過し、今や国民の間に広く普及していると思っております。内閣府による世論調査によりますと、介護保険制度が始まったことによって介護の状況が良くなったと思うと回答した方は過半数に上っております。近年に創設された社会保障制度としては珍しくおおむね高い評価を受けていると言えると思います。
 一方で、介護サービスのメニューが増え、施設の種類も多くなって、とても一般の方がこの全体像というのを理解できる制度ではなくなってしまったのではないかと危惧しております。また、制度に縛られる余り、便利なサービスを受けたいがために要介護認定度高くなることを期待するというような本末転倒な状況も生まれているのが現実でございます。
 そもそも介護保険制度の本来の趣旨というのは介護の社会化、すなわち行政の判断による措置から広く国民が加入して介護を支えるという共助へと変化したことにあると思っております。これによって介護の世界が開かれて、サービスを受ける際に利用者の敷居が低くなったというメリットは確かに大きいと思うんですが、この制度が、先ほども申しましたように、肥大化、複雑化するにつれて利用者が望むサービスが最大限受けられるという目的そのものが忘れられているのではないだろうかと疑問に思うところでございます。
 そこで、まず大臣にお伺いしたいと思います。介護保険制度そのものの理念について大臣がどのようにお考えなのか、大臣のお言葉でお答えいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(細川律夫君) おはようございます。今日もまたよろしくお願いいたします。
 今、介護保険制度についていろいろ委員のお話がございました。私も、介護制度、十一年になりますけれども、この制度が国民の生活の中に定着をしてきているというふうに思っております。また、ある程度評価もしていただいているなと、このように感じているところでございます。
 御承知のように、この介護保険制度というのは、元気なときにはこれはいいんですけれども、年を取っていけば必ず体に不自由なところが出てまいります。そのときに、この不自由なところを支えていただく、お互いに支えると、このことが社会的に大変大事だというふうに私思っております。
 何よりも、この介護保険制度で介護サービスをするということは、単なるお世話をするというんではなくて、お年寄りが自ら自主的に自立をしていく、そのことを支えるんだと、こういうことが大事だと。そのことはまたお年寄りの尊厳にも私はつながっているというふうに思っております。
 また、今委員が言われましたように、介護サービスも多種多様になってきております。そういうサービスの中から当事者がどのようなサービスを選択をしていくかと、こういう利用者の選択そのことも認められておりまして、これは利用者本位、利用者がどういうことを望むかということ、このことも大事なことだというふうに思っております。
 そして、何よりも、元気なときには保険料を払って、そして年を取って体が不自由になったときには介護のサービスを受けられるという、この負担と給付、これがしっかり区別された社会保険方式、こういうことを今の介護保険制度は取っておりまして、このことは社会が、みんなが支え合うと、こういう介護保険制度であろうというふうに思っております。
 これからもみんなで支え合う、この精神に基づいた介護保険制度というのは、これをしっかり拡充をしていくということが大変大事だというふうに考えております。
#8
○三原じゅん子君 ありがとうございます。それでは、大臣のその理念をしっかり踏まえた上で伺っていきたいと思います。
 今回の改正は、本来であれば平成十七年の改正に続く大きな制度の転換点となるはずだったと思います。ところが、今大臣おっしゃったように、給付と負担の在り方や持続可能な制度の構築、こういったところがなかなか難しくて、与党内でも調整が付かず、結果として大きなグランドデザインが示されたとは言い難い、そのような形になっているのではないかと思います。
 財政難の現在ですから、増加の一途をたどる高齢者の介護ニーズ、これ全てに対応する余裕がないということは当然理解しておりますけれども、厚生労働省は先日、社会保障改革の方向性として世代間の公平というのを掲げておられました。つまり、これは高齢者から若年層に社会保障の重点を移すということでございます。
 このように、高齢者への風当たりがこれからますます強くなる状況を踏まえて、この逆風の中で今後介護保険を持続可能な制度としていくためにはどのような方針で臨むおつもりなのか。これは甘いことばっかり言っているわけにはいかないと思います。あえて厳しい言葉も含めて、大臣の決意をお聞かせ願いたいと思います。
#9
○国務大臣(細川律夫君) この高齢化社会といいますか高齢社会、これは更にどんどん進んでいくだろうというふうに思います。そういう中で、年を取って、そして住み慣れたところで、そして安心して介護が受けられると、こういうことが私は介護制度を持続的に続けていくということで大変大事なことだというふうに思っているところでございます。
 そこで、今回の法案におきましても、医療、介護、予防、そして住まい、生活支援サービスと、こういった切れ目なく有機的かつ一体的に提供されます地域包括ケアシステム、これを構築して進めていくと、こういうことにいたしておりまして、二十四時間対応の定期巡回・随時対応型サービスの創設など、二十四年度から始まります第五期介護保険事業計画に向けて必要な事項の見直しなどを盛り込んだところでございます。
 今委員が指摘をされました今度の社会保障改革、世代間の公平ということを打ち出しておりますけれども、これは決して高齢者を軽視をするということではなくて、これは子育て世代、あるいは若い世代に対してもこの社会保障という考えをしっかり導入していくというか重視をしていくと、こういうこともやらなければということでありまして、決して高齢者を軽視をするということではございません。
 そこで、安定的な財政的な基盤ということがこれは大変大事でありまして、介護保険の給付と負担の在り方などについてもこの社会保障改革会議の中で今検討を進めていっているというところでございます。
#10
○三原じゅん子君 ありがとうございます。高齢者の方もきっと安心なさっているかと思います。
 それでは次に、被災地における介護の状況についてお尋ねしたいと思います。
 先日の新聞報道によりますと、宮城県と岩手県の介護施設、計九十三事業所が休止又は廃止に追い込まれたとのことでございました。これ以外に、休廃止は免れたところでも、多くの事業所が移転あるいは仮設事務所での運営を余儀なくされています。また、福島県に至っては、原発事故などの影響により被害状況の把握すらできていないということでございました。東北各県は都市部に比べると高齢化率が非常に高くて、それだけ介護のニーズも高い地域でございます。特に、被災した介護施設においては早急な復旧復興というのが望まれるかと思います。
 そこで、今回、震災で被災した介護施設の数、そして事業の継続の状況について、厚生労働省が把握している最新の情報を伺いたいと思います。
#11
○政府参考人(宮島俊彦君) 被災地における介護施設の被災状況ということでございます。
 まず、特別養護老人ホームなどの介護施設でございますが、六月十三日時点でございまして、被災三県の施設の全壊又は半壊の施設数五十二施設と。これ全壊、半壊ですと運営できないということでございます。岩手が十、宮城が三十八、福島が四ということでございます。
 また、居宅サービス事業所の被災状況でございますが、岩手県、これは被害を受けた事業所が百十か所ですが、この被害を受けたことによってサービスの提供が困難になったというのは三十六か所ということでございます。宮城県は、被害を受けた事業所は三百十七、このうちサービス提供が困難になった事業所は五十三か所ということでございます。また、福島県でございますが、今委員御指摘のとおり、状況確認ということの最中ということでございます。避難地域であります三十キロ圏内の地域の居宅サービスの事業所は百六十九事業所と。中には事業を継続しているところもあるようですが、そういう報告を受けているということでございます。
 以上でございます。
#12
○三原じゅん子君 介護サービスの提供のために、施設はもちろん言うまでもございませんけれども、介護職員の確保というのが不可欠であると思います。今後、在宅へのシフトを進めていくというのであればなおさら大切なことではないかと思っておりますので、介護職員の被災状況と、また事業継続に必要な人材の確保について、その状況を御報告いただきたいと思います。
#13
○政府参考人(宮島俊彦君) 介護施設における介護職員の被災状況でございますが、岩手、宮城、福島県で、六月十三日時点で、被災三県で死亡者数、不明者数合わせて百七十三人ということに上っております。
 なお、居宅サービスの事業所の介護職員の被災状況、なお調査中ということでございます。
 こういったことで、全国から派遣された介護職員千二百五十七人が今支援に当たってきたということでございますが、今後、サポートセンターの整備でありますとか、あるいは会館などを利用した特別養護老人ホームを仮設的に運営しますですとか、あるいはグループホーム、福祉住宅で行うといったことでの職員の募集あるいはその事業の開始ということが始まっているということでございます。数で報告できる状況ということにはなっておりません。
#14
○三原じゅん子君 震災後、政府は、施設の復旧に当たって、国庫補助のかさ上げあるいは仮設住宅への高齢者サポート施設の併設といった対策を進めております。震災直後から矢継ぎ早に特例通知を発出しまして対策に当たってきた現場の担当者の努力には敬意を表するものでありますが、実際には介護の受皿の整備が思うように進んでいないとの声も聞こえてきております。例えば、仮設住宅に併設するサポート施設について、岩手県内では大槌町を除いて着工のめどが立っていないとのことでございます。もちろん、これだけの未曽有の災害であるために、時間の経過とともにいろんな状況が変化するというのは当然でございますが、対策も随時変えながら軌道修正を図っていくということ、これが必要にもかかわらず、どうも対策と現実との間にギャップが生じているのではないかと思っております。
 もちろん、震災から三か月が経過した現在、被災地の介護の確保に当たっていろんな御努力をされていると思いますけれども、新たな課題としてどういうことを認識しているか、そして今後二次補正を含めて追加的な対策が必要ということはどういうところにあるか、その辺のことをお聞かせください。
#15
○大臣政務官(小林正夫君) 現在まで、緊急避難的な対応が最優先と、そういうことで行ってまいりました。具体的には、被災した介護施設あるいは避難所の高齢者等の支援として、介護職員の派遣だとかほかの施設等の受入れなど、こういうことを緊急対策としてやってまいりました。
 今先生御指摘の今後の課題ですけれども、いろいろあると思いますけれども、大きく二つ考えています。一つは、介護施設等の早期の復旧です。それと、地域のケア体制の再構築に向けた介護事業者、介護人材の確保が必要である、これが一つ目です。二つ目には、本格的な住宅や公共施設等の復興と併せて高齢者ケア体制の復興を図っていく必要があると、このように考えておりまして、その前提となるのは要介護高齢者等の実情の把握、それとニーズ、これに基づいた市町村ごとの介護の復興のための計画が必要であると、このように考えております。
 厚生労働省としても、高齢者の皆様が安心して安定した日常生活が送れるように全力を尽くしてまいりたいと思います。
 それと、補正予算の関係ですけれども、今回の第一次補正予算においては、被災県から被災直後に把握できたニーズを踏まえまして、直ちに復旧に着手できるものを念頭に、五百六十三億円を計上し補助率のかさ上げなどを行ってまいりました。また先般、被災三県に職員を派遣するなどして第一次補正予算の活用状況だとか介護サービスの復旧計画等について意見交換を実施しておりますので、そういうものを踏まえまして二次補正の予算に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#16
○三原じゅん子君 被災地ではマンパワーも不足していると思いますので、是非御尽力いただきたいと思います。
 それでは、介護職員処遇改善交付金についてお伺いしたいと思います。今回の改正案には盛り込まれておりませんが、先行き最も注目される介護職員処遇改善交付金、これの今後の方針について、しっかりと伺っていきたいと思います。
 直近の介護従事者処遇状況等の調査によりますと、この処遇改善交付金が介護職員の方々の給与アップに一定度貢献しているとの結果が出ております。ところが、そもそもこの交付金は平成二十一年度の補正予算によって措置されたものであって、今年度末、すなわち来年の三月には終了してしまうという時限措置でございます。
 その後、介護職員の処遇改善を従来どおり交付金方式で行っていくのか、あるいは介護報酬の中に組み込んでいくのか、この点については、衆議院の厚生労働委員会ですとか先週の当委員会の質疑でも度々これは取り上げられておりまして、厚生労働省は介護給付費分科会での議論を経て年末の予算編成において決定されると答弁なさっております。しかし、昨年の年末にかけて介護保険部会とか与党内でずっと議論されてきたものが調整が付かなかった。この大変な問題、これが果たしてあと半年できちんとした結論が出るのか、これはちょっと私は首をかしげざるを得ません。
 介護職員の処遇を改善して、離職を余儀なくされることなく高い志を維持して職務を継続できる環境を整えるということは大変重要な急がれる課題でありますし、このことは与野党を問わず共通の認識であると思っております。
 問題は、これを実現するための道筋なのではないかと思います。これまでのように公費による交付金では持続性ということにやはり疑問が残るのではないかと思います。そして一方で、介護報酬に組み入れるとなると、当然保険料の引上げというものに直面いたします。どちらへ進むにしても高いハードルが控えていると言えます。
 厚生労働省は、現時点では、じゃどちらの策が望ましいとお考えなのか、お聞きしたいと思います。年末までに残された時間の短さを考えますと、分科会の議論を待っているだけでは、結局何にも実現せずに、せっかく進み始めたこの処遇改善というのが途絶えてしまうのではないかと私は思っております。
 大臣、この委員会での政府の発言というのは、介護に携わる全国の事業者や従事者が固唾をのんで見守っております。本日テレビ入りではありませんけれども、これ、インターネット中継で全国の介護従事者が食い入るように御覧になっていると思っております。そういう方々が納得できるような、希望を持てるような、政府は今まで以上に積極的に方向性を打ち出し、議論を提起していくべきと考えます。政治主導で一歩も二歩もより踏み込んだ答弁をお願いしたいと思います。
#17
○国務大臣(細川律夫君) 三原委員の今御指摘があったように、介護職員の待遇というのはまだまだ低いというふうにも言われておりまして、この介護職員の待遇を向上させるということは、これは最も重要な課題だというふうに認識をいたしております。これまでにもこの介護職員の処遇改善ということで介護報酬の引上げ、これは二十一年度に三%、そして介護職員に対しての、先ほど言われました改善交付金、これで大体二万四千円ぐらいは向上したと、こういうふうに言われております。
 そこで、じゃ更に向上していくにはどうしたらいいのかということでありますけれども、ちょうどこの交付金については来年の三月で終了する、そして今年の年末には介護報酬の改定がございます。そこで、どのようにして職員の処遇を改善するかというのは、これは介護報酬を改定をするのか、あるいはそれとは別に引き続き交付金という形の基金を積んでやるのかと、こう二通りあるわけでございまして、そのどちらでいくのかと、こういう今選択を私に迫られたわけでありますけれども、これは今委員が言われましたように、報酬の改定でいけば、これは永続的といいますか恒久的にきちっと処遇改善ができると、こういうことでありますけれども、一方、じゃこの報酬改定で確実に職員の報酬が上がるかどうかと、こういう疑問も言われております。
 それから、一時金の方は、これは委員も御指摘になったように、そんな一時金的なものはこれは一時であって、何も恒久的なものではないからそれは処遇の改善にならないんではないかと、こういう御意見ももちろんあります。しかし、逆に、一時金の方が、むしろこれは職員の改善に使うお金だということではっきり上がるからその方がいいという御指摘もあるんです。
 そこで、今、両論、それぞれいいところあるいは弱点というかそういうものもございますので、今本当に検討をいたしておりまして、今年の年末にこのことを決めていきたいというふうに思っております。期待されるような形で決定ができるようにしっかりやっていきたいというふうに思っております。
#18
○三原じゅん子君 心強いお言葉で、年末を期待していたいと思います。
 それでは、たんの吸引についてお伺いしたいと思います。介護保険を支えている職員の目線から、介護職員にかかわる点についてお伺いしたいと思います。
 これまで介護職員等によるたんの吸引や経管栄養は、厚生労働省の通知による運用により一定の条件の下で認められるという何とも不安定な状況に置かれておりました。たんの吸引は人の命にかかわる責任の重い医療行為であり、本来は医師、看護師が行うものです。このような中、介護職員は、トラブルが発生したときの責任の所在、責任の伴う医療行為を行うことへの不安などを抱えながらたんの吸引等を実施してきたのです。
 今回の法改正によって、介護職員によるたんの吸引が法律上きちんと位置付けられ、介護職員の不安の解消に向かうということは、これ一定の評価に値するものでございますが、まず今回の改正に至った経緯についてお伺いしたいと思います。
#19
○大臣政務官(岡本充功君) 今委員から御指摘がありましたように、これまで厚生労働省、介護職員等のたんの吸引については運用で実態として行われているということを承知をしていたわけでありますけれども、介護職員の皆さんからの不安の声もこれあり、しっかりとした研修をさせてほしいという声もこれあり、いろんな御意見があったところでありますけれども、今回この法改正を通じて、介護職員の皆さんがしっかりとした業務として行っていただけるようにしていくこと、またサービスを受ける高齢者の皆様にとりましても、そのサービス提供者である介護職員の皆さんのテクニック的な面での、技術的な面での安定したたんの吸引、経管栄養の処置等ができるようにすると、こういった両面から今回の改正をお願いをしているところでありまして、この法案が成立した暁には、もし御質問があればお答えをしたいと思いますけれども、きちっと我々としても研修を提供し、そして確実に実施ができるような体制を取っていきたいと、このように考えております。
#20
○三原じゅん子君 介護職員にたんの吸引等を認める要件として、たんの吸引等に関する研修の修了が必要とされております。たんの吸引等は医療行為であるという責任の重さ、利用者の安全確保、介護職員の技術習得の観点から、内容のある充実した研修体制の確立というのが必要となることは必然でございます。
 一口にたんの吸引等と言っても、利用者の中には人工呼吸器を使用しながら常に対応が必要な重度の方もおられます。その一方、ふだんはほぼ自立した生活を送りながら、食事後などに一つのサービスのように吸引を行っているような方もいらっしゃいます。言わば、その要介護者の介護度の程度や状態によって様々な方法やスキルが必要なのではないかと思っております。
 こうした要介護度の違いに対応できる幅広いスキル、これを身に付けられる研修体制を構築する必要が当然あると考えますが、このようなことを踏まえますと、研修については、とりわけたんの吸引等に関する研修の時間数、あるいは要介護度別の実地研修の実施といった内容が重要になってくると思います。
 そこで、これらの点について具体的にどのような研修体制を構築していこうとお考えになっておられるのか、具体的なイメージが持てるような答弁をお願いしたいと思います。
#21
○政府参考人(宮島俊彦君) この研修制度は、この法律が通れば都道府県知事の登録ということで研修機関を指定するということになるわけですが、現在それへ向けて研修のモデル事業を進めております。
 まず、去年の十月二十九日に指導者の講習、医師、看護師など五十人程度の、まず先生ですね、講師の研修、講習を行いました。そして、去年の十一月から基本研修というのを介護職員百四十人程度に行っております。これは、講義が五十時間、それから演習でシミュレーター、人形を用いて、たんの吸引も口腔、鼻腔、気管カニューレ内部、あるいは経管栄養も胃瘻、腸瘻、経鼻経管栄養ということでやっております。そして、今年の一月からは実地研修ということで、施設に出向きまして実地に医師、看護師の指導の下に、これもそれぞれたんの吸引、例えば口腔であれば十回以上やるとか、鼻腔は二十回以上とか、気管カニューレであれば二十回以上やるというような回数を定めましてその実地研修を行っております。そしてまた、今年の三月からは現場でのケアの試行というようなことをやっております。
 このことについて、今年の二月に中間的に評価を、検討会がありまして、この検討会で評価が行われております。評価の中では、緊急時の対応の理解についてまだ十分ではないのではないかとか、指導者の方の理解と受講者の方の理解にギャップがあるなどといった点、それからカニューレ内のたんの吸引などはなかなか実地研修の場所を確保するのが難しいなどというような指摘がされておりまして、この点も含めまして、検討会の方で六月中に最終報告に向けた会合をまた持とうというようなことで、こういった具体的な取組を今進めているところでございます。
 来年の四月からこの制度が本格施行されるまでに、こういった研修の在り方、具体的なこういう実地の取組を基にしながら、きちんとしたものをつくってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#22
○三原じゅん子君 介護職員がたんの吸引等を実施する場合、医師の指示の下に行うこととなっておりますが、必ずしもいつも医師が近くにいるわけではありません。そのような場面において要介護者の方が容体が急変した場合、医師と速やかに連携を取るということが、連携体制を確保することが必要だと思っております。連携体制は確保されていながらも、やはり安全確保策が講じられて幾らいたとしても、不幸にして対応が間に合わず事故に至るようなとき、これは現場にいる介護職員が矢面に立たされて責任を問われるような場面も想定されます。このような場合、責任の所在についてどうお考えでしょうか。
 先週、当委員会での答弁では、介護職員ばかりでなく、安全確保措置を講ずる義務のある事業主、あるいは連携している医師、看護師等のそれぞれの役割や関与の状態が勘案されるということでございました。現場の介護職員の間には、この責任が重くなることによる不安というのが聞かれるところなんですね。
 事故が起きた場合の責任の所在について、法制化によってどう変わるのか、これが介護職員にとって安定的な制度となるのか、またこういう場合、あわせて賠償問題が生じた場合、補償の体制をどう確保するのか、この辺について最後にお伺いしたいと思います。
#23
○国務大臣(細川律夫君) 事故が起こったときの責任ということ、これは現場の皆さんは御心配もされているというふうに思います。
 まず、たんの吸引などを法律上、介護職員などにも認めるという法制度をつくること、このことが、このこと自体が既にこの責任問題について職員の皆さん方の心配を和らげると、こういうことになります。今現在は、これは法律がありませんから、たんの吸引をするということは形式的にはこれはもう法律に違反するわけなんです。医師法とか、あと保助看法ですか、そういう法律に違反をする。しかし、実質的に違法性がないということで処罰はされないと、こういうことになっているんですね。ただ、今回この法律ができますから、まずはそういうたんの吸引をしても法律的には全く刑罰的な問題は起こらないと、こういうことになっているわけなんです。
 もし不幸にして事故が起こった場合でも、まずは職員そのものに対しての責任を強く求めていくというよりも、事業としてたんの吸引などをやっておりますから、例えばそういう監督者としての医師の皆さん方の体制がどうであったとか、そういう全体的なところから評価をされるということでありまして、この制度ができたことによってこれは今とは全く違うような形で、責任問題については、職員の皆さん方にとっては、非常に責任が個人に追及されて責任を取らされるという、そこの点が相当違ってくるというふうに私は思っておりまして、これは個別の事故について過失があるかどうかという責任も、これも検討しなければいけませんけれども、制度ができたことによって職員の皆さん方はそういう点についての責任を余り心配しなくて済むというような制度になったということだけは御理解をいただきたいというふうに思います。
#24
○三原じゅん子君 今回の改正を受けて、あくまで高齢者の方々、そして何よりも現場で頑張っていらっしゃる介護職員の方々の目線、これを何よりも第一に考えて、決して、決して事業者とか役所本位にならないように、質の高い福祉国家を目指すように御尽力いただきたいと思います。
 また、先ほどお話出ましたけれども、時限措置として設けられた処遇改善交付金制度、一時は四万円と言われていたこともあったかと思うんですけれども、今はまだ程遠い現状です。積極的にこれからも議論していただいて、現場で身を粉にして働いている介護職員の方々が高い志を維持してもう離職をするようなことがないように、そういう環境を一日も早く整えるということ、これが安心、安全の生活という原点となると私は思っております。
 介護職員の方々、そして高齢者の方々が未来に不安のない、より質の高い持続可能な介護制度の実現をお願いして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#25
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。
 私は介護の世界で育てていただきました。かつてケアマネジャーでもありましたので、お役に立てるようしっかり頑張っていきたいと思います。
 先に被災者の要介護認定について確認をさせていただきたいと思います。
 今回の大震災でほかの市町村に避難をされた方が新たに介護認定が必要となったときに、それを早急に受けることができないとのお声を伺いました。
 まず総務省に伺いたいと思います。
 介護認定の他市町村への委託を意識しておりますが、一般論として、議会の開催が困難な地域においては、早期執行を目的として地方自治法に規定されている専決処分により対応は可能なのか、まずその見解を伺いたいと思います。
#26
○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。
 地方自治法の規定におきましては、普通地方公共団体がその事務の一部を他の普通地方公共団体に委託をする場合に、協議により規約を定めて議会の議決を経るということとされております。一方、地方自治法上、普通地方公共団体の長が議会を招集する時間的余裕がないということが明らかであると認めるとき等々につきまして専決処分をすることができるということとされております。
 個別の事案につきましては、専決処分の要件に該当するかどうかについて十分検討いただいた上で適切に対応していただきたいと、このように考えております。
#27
○秋野公造君 そうはいっても、厚労省においては、多くの自治体に避難をされているかと思いますので、どうか制度の中でこういったこともスムーズに行えるよう検討をよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、介護保険法について伺いたいと思います。
 私は父を、最期、人工呼吸器の状態で見送りました。すなわち、人工呼吸器ですから要介護度五ということになります。父の下の世話とかもさせていただいたときに、心から介護の重要性というものを本当に学ばせていただきました。父は要介護度五で医療が必要な患者でもありました。
 この制度改正により、今回、介護療養病床の廃止の延長が行われましたけれども、それがきっちりと廃止を見直すところまで踏み込めなかったことにより、この療養型病床を何としても廃止しようとする中で、バランスが取れなくなって、ほかの介護事業に影響を及ぼさないかということを大変危惧をしております。
 最初に、介護療養病床と介護療養型老人保健施設において提供できる医療、どのように異なるか、教えてください。
#28
○政府参考人(宮島俊彦君) 介護療養病床と介護療養型老人保健施設ですが、まず医師がどういう医療を提供するかというのは一般論として制限はございません。ただし、委員御指摘のように、介護報酬上の評価ということでありますと、施設特性の違いによって、例えば介護療養病床では超音波検査とか単純エックス線ですとか抗悪性腫瘍剤などの評価をしておりますが、介護療養型老人保健施設では、そういったものというのは外来で医療機関を受けてもらうとか、あるいは医療保険の方に請求してもらうというような、そういう違いがあるということでございます。
#29
○秋野公造君 少なくとも人員が減って手厚い医療が行えなくなるということだと思いますが、これまで介護療養型病床で行われてきた医療が必要なくなったという認識ではないということを確認させてください。
#30
○政府参考人(宮島俊彦君) この介護療養型の、これまで十八年に法改正で、今の法律では二十四年の三月までに廃止ということになっておりますが、医療ニーズというようなことでいいますと、だんだん介護療養型療養病床では、医療区分いわゆる一という医療の程度の一番軽い方というか、そういった人たちに集約されてきたというようなことがございます。
 したがいまして、こういった実態を踏まえて、やはり介護療養型の老人保健施設に転換していってもらうと、そういう措置が必要ではないかというふうに思っておるところでございます。
#31
○秋野公造君 マスで見たらそうかもしれませんが、集約されていない方も現実としていらっしゃるわけですから、今のレベルは必要だということだと思います。
 介護療養型病床と特養との介護報酬の差を無駄だという議論もあったようですが、本当にそうでしょうか。私の父のような、例えば要介護度五で医療が必要な方とかは、介護療養型病床で行ってきた医療を提供する場合と特養に入所をされて外付けで同じ医療を受ける場合と、どちらが高くなりますか。今申し上げたことは必ずしも当たりますでしょうか。
#32
○政府参考人(宮島俊彦君) 一般論で介護のところだけを見ますと、介護報酬でいえば、介護療養型医療施設は要介護四の場合で三十七万九千円、これに対して特別養護老人ホームの従来型個室の単価というのは二十六万五千円ということで十万ぐらいの開きがあるということですが、これは、例えば特別養護老人ホームでも、医療の程度が重い方が入られれば、この方についてはそれに必要な薬剤などはこれは医療保険から払われるという仕組みになっておりますので、一概にこの今の十万以上の差がそのままの差なんだというようなことはできないということです。
 ただ、なかなか要介護で重くて医療の程度の非常に高い方が特別養護老人ホームでみとりまでできるかどうかというのは、現実はいろいろな問題があるということでございます。
#33
○秋野公造君 必ずしも医療費の節約にもつながらないということだと思いますけれども、私のところにも、先ほど三原委員からもありましたけど、福岡の介護系の学校の先生からお話がありました。若い子たちに様々な責任が増えるような今回の改正はいかがなものかという内容でありました。私自身はスキルアップということはそれにはすごく価値があると思っておりますけれども、こういった改正というのは、やはり医療が必要な介護、入所者が多いからこそこのような対応が必要になってきていると私は思っています。
 医療が必要な介護を受ける人が多く、一方で必ずしも節約することが医療費の節約につながらないのであれば、やはり私は介護療養型病床は必要であると思っています。六年間猶予をいただいたというのは前進かもしれませんが、大臣の見解を求めたいと思います。
#34
○国務大臣(細川律夫君) 六年間延長ということにいたしましたけれども、介護療養型病床から、これをやめて、そして新しい老健の方に移っていただくというような、そのことについては従来どおりの方針ではありますけれども、しかし、六年間猶予をいたしまして、その間、今いろいろ御意見もありましたけれども、現在のところは私どもとしては従来どおりの方針で行かせていただきますけれども、これは六年間いろいろあるかと思いますけれども、今日のところは委員の御意見をお聞きをいたしたということにしていただきたいというふうに思います。
#35
○秋野公造君 大臣、物すごい前向きな御答弁をしていただいたように私は感じますけれども、今回転換ができなかった理由の二つ目には、やはり現場の医療ニーズの必要性から転換をすることができなかったと、それを踏まえて六年間延長したということであります。どうか引き続き医療ニーズの把握をよろしくお願いしたいと思います。
 一つ提案をしたいと思うんですが、特養の待機者が四十二万人いらっしゃる現状で、厚労省においてもかなり対策を打っていただいているところでありますが、何とか急いでやらなきゃいけないという上で、地域に根差してみとり機能がある有床診療所を転換等を行って、ミニ特養みたいなものに転換することにより四十二万人分の受皿の一助を担わせていくという考え、いかがでしょうか。みとり機能を介護療養型老健に認めたことは、またこのみとり機能のニーズを踏まえたことだろうと思いますし、先ほど局長からもみとり機能の話、特養における話もありましたけれども、このみとり機能をすることができる有床診療所、どんどんどんどん無床の診療所に転換が行われていっているわけですけれども、これ特養だったら対応できるところがあるかもしれませんので、そういった対策、いかがお考えでしょうか。
#36
○国務大臣(細川律夫君) 委員の御提案でございますけれども、なかなかそちらの方に転換できない理由といたしましては、まずベッド数でありますけれども、診療所は二十床未満でありますけれども、小規模特養であっても、そのうちの九割は二十床以上で運営をしていると、こういうようなことで、二十床未満の特別養護老人ホームの経営が非効率なのではないかということが考えられております。
 また、開設主体につきましては、特養を開設できますのは社会福祉法人等に限られておりまして、有床診療所の開設者は医療法人若しくは個人というのは大体八割ぐらいの方で、何かそういう意味でもなかなか転換ができないのではないかというふうに思っておりまして、いずれにいたしましても、今後、医療と介護の一体的な改革に向けて、患者と利用者がその心身の状態に合った形で適切なサービスが受けられるように、議員からの御指摘も踏まえて検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
#37
○秋野公造君 ショートステイとかは現実もう行われていますので、検討していただきたいと思います。
 次に行きます。
 鹿児島県の三島村や十島村といったところ、こういう離島では介護施設が全くありませんので、介護サービスを全く受けることができないにもかかわらず、介護保険料を淡々と払わなきゃいけないところがあります。これはちょっと隣の自治体に移動するのも大変困難な状況の中で、何か改善を行うことできませんでしょうか。
#38
○政府参考人(宮島俊彦君) 離島やへき地、これは、保険料はお払いしていただいていますが介護サービスがなかなか確保できないということで、こういった地域においては、離島、山村の事業所の訪問サービス、これは特別に加算付けるとか、通所サービスにも加算付けるとか、あるいはこういったところはサテライトの事業所を設置するでありますとか、あるいは規制緩和といたしまして、ホームヘルパーの事業所、これは二・五人以上というのが配置基準ですが、ヘルパー一人でも、基準を満たさない場合でも介護報酬の支払を可能とするといったような、そういった措置を講じています。
 いずれにしても、今後、それぞれの日常生活圏域での介護基盤の整備ということが今後の介護の地域における供給の課題となっておりますので、今後こうしたニーズ調査などの取組を通じて、工夫してどういうような整備が可能か、それに対しても国としても支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#39
○秋野公造君 私が申し上げた事例に挙げた地域は、百キロ百キロ、北に南に離れている地域ですから、今おっしゃってくださったような対策ではなかなか無理だと思います。突っ込んだ対応をどうかよろしくお願いします。
 先ほど三原委員からもありましたが、介護職員、長続きしないという指摘は合っているかと思います。処遇改善は絶対に最優先でやらなくてはいけないかと思いますが、収入の議論ばかりが多いように思いますが、本当にそれだけでしょうか。更に解析は行っておりますか。
#40
○政府参考人(清水美智夫君) 介護職員の入れ替わりといいますか、離職等のことについてのお尋ねでございます。
 人口減少社会になってございますから、労働力人口の減少は進む一方、介護が必要となるお年寄りの増加が見込まれております。したがいまして、質の高い介護人材の安定的な確保ということが重要な課題と考えてございます。
 御指摘の離職率について見ますと、ここ数年、ややでございますけれども改善傾向にございます。二十一年度について見ますと、全産業計の離職率が一六・四%に対しまして介護職員は一七・〇%ということで、ほぼ同程度になってございます。しかしながら、更に介護職員の定着を促進することが重要と考えております。
 離職の主な理由としまして考えられますのは、収入が高くはないという点、それから自分の将来の見込みが立ちにくいという点、それから職場環境への不満といったことがあるのではないかというふうに考えてございまして、これらに対しましては、御承知のとおり、介護報酬改定でございますとか処遇改善交付金などによる処遇改善というのが一点、それから介護機器の導入など働きやすい職場環境づくりというのが二点目、それから三点目といたしまして、介護職の将来のキャリアパスを明確にする、それによって生涯働き続けるんだというような展望を持っていただくといったことが大事かなというふうに考えてございます。これらを更に着実に進めることによりまして、介護現場が魅力ある職場となるように取り組んでまいりたいと考えてございます。
#41
○秋野公造君 やりがいのある仕事ですので、誇りを持って働ける環境づくりをお願いします。
 介護ケア付き高齢者優良賃貸住宅制度を廃止してサービス付き高齢者向け住宅に転換するようでありますが、私は高齢者優良賃貸住宅がなくなることを大変残念に思っております。
 行政支援の内容は後退していませんか。今後積極的に対応するのか、国土交通省の見解を求めます。
#42
○政府参考人(川本正一郎君) お答えを申し上げます。
 厚労省と国土交通省の共管の法律でございます高齢者住まい法、今国会で改正を成立をいただいたところでございます。
 この法律、今御指摘ございましたように、従来のバリアフリー化した住宅といったハード面を中心にした高齢者向けの住まいの確保から、それに加えて、安否確認や生活相談といういわゆる見守りサービスを必須条件にして、加えて、様々な生活支援サービスであるとか介護サービスであるとか医療サービスといったような、居住される高齢者の方々に必要なサービスを外付けで提供できるようなサービス付きの住宅の供給というものをこれから進めていくことが必要だということで制度上の位置付けを行い、これに合わせて、今御指摘のように、従来の高齢者向けの優良賃貸住宅、高優賃と呼んでおりましたが、これを廃止したところでございます。
 これに対する支援措置といたしましては、予算については、住宅の建設、改修費の一部についての補助に戸当たり百万円を限度とする補助制度、それから税制面では固定資産税や不動産取得税の減免、さらに、資金確保という面での融資については、民間金融機関を補完するという観点から、住宅金融支援機構からの融資、これの要件の緩和といったようなことを行ったものでございます。
 これらの支援措置、基本的に今までの制度を大幅に拡充するということで行っておりまして、私ども、これによりまして、ハード、ソフト一体となった高齢者が安心してお住まいできるような住宅の供給というものが拡大できるというふうに考えておりまして、現在、説明会などを通じまして周知を図りまして積極的な活用を促しているところでございます。
#43
○秋野公造君 といっても、質の確保は厚労省だと思いますが、この地域包括ケアシステムの中でサービス付き高齢者向け住宅にどのようなことを期待をしておりますか。厚労省の見解を求めたいと思います。
#44
○政府参考人(宮島俊彦君) サービス付き高齢者住宅でございますが、今後、独り暮らしの高齢者あるいは要介護の重度化が進むという中で、地域、住み慣れたところで医療、介護、予防、住まい、生活支援、これが切れ目なく提供されるという地域包括ケアシステムの構築が重要と考えております。
 その中で、サービス付き高齢者住宅、これはいわゆる住宅でございますから、自らの賃借権が設定されまして、自らの意思でそこを選ぶことができると。また、都会中心に、今後、団塊の世代が郊外で家を買ってそこで暮らしているんだけれども、やはり介護の保障された安心した老後生活を送りたいといったニードにこたえるということで、今後こういった取組を進めていく必要があると思っております。
 地域包括ケアの基本は住宅の確保ということが大事でございまして、これは二十五平米以上というようなことで、比較的厚生年金層などはこういったところが選択されると思いますが、あわせて、低所得者の方々のケアハウスですとか養護施設、これも進めていって、基本となる住まいの確保ということに留意してまいりたいというふうに思っているところでございます。
#45
○秋野公造君 自治体との関係が大事ですので、介護保険事業計画と高齢者居住安定確保計画の策定は大急ぎで自治体にやってもらう必要があると思います。これはどうか働きかけてほしいと思います。
 最後に、脊損の患者さんからお声をいただきました。筋ジストロフィーの患者からも同様のお声をいただきましたが、重度障害者の方が二十四時間巡回型サービスを受けながら同時に障害福祉サービスによる重度訪問介護を受けられるようにすべきと考えますが、これは大丈夫でしょうか。
#46
○政府参考人(木倉敬之君) お答え申し上げます。
 今の障害者自立支援法によります重度訪問介護、これは重度の肢体不自由の方でありまして常時介護を要するような重い障害の方につきまして、居宅で入浴、排せつのような介護、食事の介護、そういうものとか、調理、洗濯、掃除等の家事援助、こういうものを併せてやる、あるいは生活万般の相談、助言等も行う、さらには外出時の移動中の介護、こういうものを総合的に行えるものとして設定をされております。
 自立支援法におきます仕組みといたしましては、障害福祉サービスの内容に相当します介護保険の方のサービスがあります場合には、法律上、基本的には介護保険のサービスを優先するというふうにされておるところでございますが、そういう場合でありましても、例えばそのサービスの支給量とか内容が介護保険制度の下では十分に確保されないような場合には、自立支援法によりましてその支給量、内容に上乗せをしてサービスが受けられる。また、そのサービスの内容や機能からして介護保険サービスには相当するようなものがないということでありますと、障害の方のサービス固有のものということで障害者福祉サービスの方を受けられるというふうな仕組みを取っております。
 このような仕組みでございますので、御指摘の今度の介護保険で創設をされます定期巡回・随時対応型の訪問介護看護と、こういうふうなものにつきましては、この法律に書いてありますものより詳細な基準等につきましては今後社会保障審議会の介護給付費分科会で検討されて決定をされていくということになっておりますので、その内容を踏まえて、今申し上げましたような障害福祉サービスの関係を整理をして、障害のある方への個別の状態を踏まえたサービスが滞りなく行われるように配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
#47
○秋野公造君 最後に、私は父を介護して見送ることができたことがやっぱり一つの大きな自信になりました。その意味では、介護というのは、介護を受ける方だけではなく、残された家族にとっても重要であると思っています。どうか大臣、介護のこと、よろしくお願いを申し上げます。今日のところはと言わず、どうかこれからも踏み込んだ議論、お願いをしたいと思います。
 終わります。
#48
○川田龍平君 みんなの党の川田龍平です。
 東日本大震災の被災地における介護保険サービスについて質問いたします。
 この度の震災で被災した人たちの中で、在宅サービスを利用している人は何人いるのかお答えください。また、居宅介護支援事業所を含む訪問介護サービス事業所など、在宅サービス提供事業所の中で被災した事業所の数、被災により休業あるいは廃業した事業所数はどのくらいになるのか、把握されている数字をお知らせください。
#49
○政府参考人(宮島俊彦君) まず、居宅介護支援を含む訪問介護などの被災状況ですが、岩手県で、被害を受けた事業所は百十、そのうちサービス提供が困難になったのが三十六、宮城県では、被害を受けた事業所は三百十七、サービス提供が困難な事業所は五十三、福島県では、三十キロ圏内の地域で居宅サービス事業所数は百六十九事業所ということでございます。
 それで、最初の方の御質問の、被災した人たちの中で在宅サービスを利用している人は何人になるのかという御質問でございますが、これデータといたしましては、二十二年十一月の時点でこの被災三県の沿岸部の三十四市町村では四万四千七百六人の方が居宅のサービスを受けていました。ただ、この方たちは今避難所あるいは施設へ避難されている方々もいるということで、今現在こういう方たちが何人いるかの実数の把握はできていない状況でございます。
#50
○川田龍平君 岩手、宮城、福島三県で介護などを必要とする高齢者は約二十一万七千人という新聞報道がありますが、被災地で介護保険サービスを必要とする高齢者はどれくらい増加すると予測されているのかお答えください。
#51
○政府参考人(宮島俊彦君) 二十一万七千という委員のおっしゃった数字でございますが、これは介護保険事業状況報告における平成二十一年三月末の岩手、宮城、福島三県の六十五歳以上の要介護認定を受けた方の数でございます。
 この数が今現在どうだということは、各県に聞き取りなどを行っていますが、各県ともまだ今の現在の状況を把握するのは困難な状況であるというふうに報告を受けているところでございます。
#52
○川田龍平君 この被災地に介護が必要な人たちのためのサポート拠点を百か所設置する予定とのことですが、現在どのくらい設置されているのかお答えください。また、サポート拠点に必要な介護職員などのマンパワーは何人くらい必要と見込まれており、サポート拠点に介護職員を配置する準備は整いつつあるのかどうかもお答えください。
#53
○政府参考人(宮島俊彦君) サポート拠点についてのお尋ねでございます。
 岩手、宮城、福島三県におけるサポート拠点の現在の検討状況でございますが、現時点で小規模施設も含めて六十五か所程度の見込みでございます。
 小規模とフルスペックというか、大規模をどういうふうにつくるかで、これからの検討でございますが、例えば総合的な拠点サービスで見ますと、デイサービスで利用定員十五人程度でありますと、介護職員や相談員や調理員などが九人ぐらい必要になる、それからそれに併せて総合相談とか事務職員などが必要になるというようなことでございます。それから、中規模なサポート拠点ということになりますと、総合相談、地域交流などで、相談職員と事務職員、介護職員など四名ぐらいの体制ということで、こういった総合型をつくっていく、あるいは中規模なものをどのように組み合わせてつくってくるかでこのようなそれぞれの人数を掛け合わせた数が必要になってくるという、そういう関係でございます。
#54
○川田龍平君 この震災により大半の避難所でのケアが行き届かずに運動機能が低下したり、また体調が悪化した人がいると。それから、震災前は介護を必要としなかった人の症状悪化が目立つといったことも言われています。是非とも介護をしっかりと受けられるような状態にしていかなければ、これはどんどんこのサービスを受ける人も増えてしまうということになっていきますので、是非とも早急に実態を把握していただいて、しっかりすぐにこの介護のサービスが受けられるようにしていくというための措置をしていただきたいと思います。
 次に、厚生労働省は、都道府県に対して介護職員の派遣を数次にわたって要請し、全国で八千六十人の派遣が可能との回答を得たということですが、実際に介護施設、障害者施設に派遣されたのは千八十八人と報告されています。
 なぜ被災地への派遣人数が少ないのか、その理由をお聞かせください。また、この派遣人数が少ない原因として、短期滞在を希望する派遣者側と長期滞在を求める被災地側との調整が困難という分析がありますが、国として長期派遣を可能とする支援体制の準備をする予定はあるかについて併せてお答えください。
#55
○政府参考人(宮島俊彦君) 委員御指摘のとおり、六月十日時点で全国から派遣可能な人数として登録されている方は七千七百三十二人でございます。これに対して、派遣された人数は千二百五十七人ということでございます。これは派遣を希望する事業者の側と全国の方の事業者がお互いに話し合ってマッチングするということでやっているわけでございますが、現地の、被災地の方で道路やライフラインが復旧して被災した施設の職員が復帰すると派遣のニーズが少なくなってくるという側面が一つございます。
 ただ、派遣のためには派遣に関する旅費、宿泊費などが必要ですが、これは災害救助費から支弁するという形になっておりまして、また、派遣された職員の手当も、超過定員でオーバーしても介護報酬を払うということにしておりますからその中から払われるということで、今後、長期のものもできないかどうかという点も含めまして、介護職員の派遣を適切に進めてまいりたいと考えているところでございます。
#56
○川田龍平君 是非よろしくお願いします。
 次に、介護職員の賃金について質問いたします。
 二〇〇九年度の介護報酬改定は、介護職員の給与引上げのため三%のプラス改定が行われましたが、介護職員の離職傾向に歯止めが掛からずに介護職員処遇改善交付金が設けられました。介護職員の平均賃金は月約一万五千円アップしたと報告されていますが、施設サービス従事者と在宅サービス従事者の間で賃金に相当の差が付いています。まだまだ在宅サービス従事者の賃金を引き上げる努力が必要と思われますが、政府の見解をお答えください。
#57
○政府参考人(宮島俊彦君) 賃金の上昇が介護職員処遇改善交付金でどうなったかということですが、施設系では一万二千円から一万六千円、居宅系でも一万二千円から一万七千円となっておりますが、そういう居宅系の中でも一万二千円の程度のところもあるということでございます。
 そういうことでございますので、この在宅サービス従事者を始めとした職員の処遇改善、今後も検討すべき課題ということでございまして、給付費分科会などの議論を踏まえて方策を検討してまいりたいと考えておるところでございます。
#58
○川田龍平君 先ほども質疑がありまして、答弁で年末までという話もありましたが、この介護職員処遇改善交付金は今年度までの時限的措置ということで、来年度以降について、交付金を延長すべきという意見と介護報酬に組み込むべきという意見があり、この二つの選択があると大臣は答弁をされております。また、どちらにするかについては社会保障審議会介護給付費分科会で年内に結論を得ると答弁されていますが、この介護給付費分科会では、賃金は労使の話合いによる、あるいは経営者の裁量で決めるという意見も出ています。
 労使の話合いと言いますが、産業別で、医療福祉分野の労働組合組織率は二〇〇九年度で七・八%と報告されています。医療の方が介護より組織率が高いと推測されるため、介護労働者の組織率は極めて低いと考えられています。
 未組織労働者が多い中で介護職員の給与引上げ分を基本報酬に組み込むことは、経営者の裁量となる可能性が高く、再び賃金が下がることが懸念されています。介護職員処遇改善交付金のまま給与が維持されることは介護報酬の原則から外れるかもしれませんが、来年度以降も当面の措置として交付金を維持する必要があるとも考えられますが、政府の御見解をお答えください。
#59
○大臣政務官(岡本充功君) 御指摘のとおり、先ほど大臣の方からも御答弁させていただきましたとおり、このいわゆる介護職員の賃金をどうしていくかというのは大きな課題でありまして、両側面での議論があります。
 もちろん、先ほど三原委員からも御指摘がありました、年末大分議論したんだろうという御指摘でした。おっしゃるとおりで、大分議論しましたけれども、様々な論点があって、少し整理をしてこの年末に向けて決めていくと、こういうことになろうかというふうに思っております。先生からの御指摘も含めて、我々の中での議論を進めていきたいと、このように考えております。
#60
○川田龍平君 次に、介護福祉士の教育課程について質問いたします。
 専門学校を卒業することで国家試験が免除される規定が三年間延長されましたが、今後の教育体制をどのように考えているのかどうか。また、教育課程そのものが実務経験の少ない学者によってつくられ、教えられている現実に対し、改革するつもりはないのでしょうか。現場でのノウハウが個人に属したままで教育課程に生かされていないから離職率も高いのではないかと考えますが、お答えはいかがでしょうか。
#61
○政府参考人(清水美智夫君) 介護を取り巻く環境、変化してきてございます。認知症ケアでございますとか、今も御審議いただいている喀たん吸引等の医療ケアの実施など、したがいまして介護福祉士に求められる役割も変わりつつあるというふうに考えてございます。
 このような介護現場でのニーズでありますとか、時代とともに深まっていく介護技術・理論を継続的にフォローいたしまして養成施設での教育に還元していく、そういうことが現場で真に役に立つ介護福祉士を養成していく上で不可欠であるというふうに私どもも思ってございます。
 介護福祉士養成教育に関しましては、大学の教員などの学識経験者とそれから第一線で活躍している現場の関係者、双方がバランスよく参画し、お互いに連携、共同していくことが重要であると考えてございます。今後とも、カリキュラムの検討でありますとか、実際の専門学校等養成施設での教育がそのようなものとなりますように介護福祉士の教育体制の在り方を考えてまいりたいと思っております。
#62
○川田龍平君 次に、介護サービス情報の公表制度について質問いたします。
 介護サービス情報の公表制度では、事業所が申告した基本情報と調査情報を更に都道府県の調査機関の調査員が確認したものが現在都道府県ごとにホームページで公表されています。改正案では、調査機関による調査情報の調査は都道府県が必要と認めた場合に実施することに変更されますが、都道府県が必要と認めた場合の調査手数料はこれまでどおり事業所の負担となるのかどうかをお答えください。
#63
○政府参考人(宮島俊彦君) 今回の見直し後でも、都道府県の判断で地方自治法に基づいて必要に応じて手数料を徴収することは法律上は可能ということでございます。ただ、今回の見直しでは、公表サーバーを国で一元管理するでありますとか、知事の調査、これは必要と認める場合というようなことになりますので、可能な限り手数料によらずに運営できる制度になっていくものというふうに考えているところでございます。
#64
○川田龍平君 この介護サービス情報の公表制度で都道府県のホームページに公表されている情報は、月平均アクセス件数が約二十五万件との答弁がありますが、利用者の選択に資するという制度の目的にかなうものかどうか疑問があります。
 介護保険サービスの利用者の平均年齢は、要支援認定者が八十一歳、要介護認定者が八十三歳と報告されています。インターネットの利用ができる年代の人とは到底考えられませんが、利用者の選択に資する目的の実現のためには公表の在り方について更に検討する必要があると考えますが、政府の御見解をお教えください。
#65
○大臣政務官(岡本充功君) 御指摘のとおり、この公表制度については様々な御意見が寄せられていまして、昨年のアンケートでももう少し使い勝手の良いものにしてくれと、こういう意見がありまして、こういった御意見を受けて、今回、介護保険部会の意見においても検索機能や画面表示などを工夫するよう提言をされまして、結果として、今年度から専門用語の解説や検索機能を強化して、利用者にとって分かりやすいそういった表示をした公表画面簡易版を今作成、追加をしているところでありまして、この簡易版ですと大体プリントアウトをすると紙一枚ぐらいになるかということで、高齢者の方、また利用者やケアマネジャーの方、利用者の家族の方、こういった方に分かりやすく今後ともお示しをしていきたいと、このように考えております。
#66
○川田龍平君 最後に、難病の患者さんは難病施設や介護保険の施策で難病ヘルパーや介護保険サービスを使える方もおられますが、どちらの制度からも漏れてしまう難病の患者さんも多くいらっしゃいます。そうした方々について障害福祉サービスの対象にするなど、何らかの対策が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
#67
○政府参考人(木倉敬之君) お答えいたします。
 難病の方々につきましては、現在も、まず、難病患者等居宅生活支援事業という形で、一定の難病の方々について市町村がホームヘルパーを派遣して介護や家事のサービスを提供する事業を実施しておる、また、その介護保険法に基づきまして要介護状態と認定されました方については介護保険法のサービスが受けられる、さらには、身体障害者福祉法に定めますような一定の肢体不自由のような状態になられまして身体障害者手帳を受けたような方につきましては、障害者自立支援法に基づく障害福祉サービスによる支援が可能となっておるところであります。
 一方で、昨年六月に閣議決定をしております「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」におきましては、障害者自立支援法に代わります障害者総合福祉法の検討を進める、その中で制度の谷間のない支援の提供等の検討を行うこととされているところでありまして、現在、難病の関係の方も構成メンバーに入っておられます障がい者制度改革推進会議の総合福祉部会において議論が進められているところであります。
 この部会におきましては、本年八月に提言がまとめられるというふうに承知しておりまして、厚生労働省といたしましては、これらを踏まえて新たな制度の在り方を検討してまいりたいと考えております。
#68
○川田龍平君 終わります。
#69
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 今回の制度改定では、二十四時間対応の定期巡回・随時対応サービスの創設が掲げられています。おおむね中学校区域ごとにサービスの提供体制をつくろうというものです。例えば、寝たきりの方の褥瘡を防ぐためには夜間にも身体介護は必要で、家族の負担を思えばこうした支援策は必要なことだと思います。
 同時に、これが絵にかいたもちにならないかという危惧の声も上がっています。今でも介護労働者の不足は深刻だ、二十四時間体制の人員確保ができるのか、また、自宅の鍵を預かって夜間に訪問することになるだろうけれども、介護労働者がそれだけ責任の重い仕事を担うにふさわしい待遇になっているのかどうか、こういう指摘なんですね。
 実際、介護労働者の賃金、最近の調査を見ても、平均値でも中央値でも税込みで十八万円ぐらいなんですね。これ、介護労働安定センターの平成二十年調査になりますけれども、八六%の方が週五日以上働いている、七六%以上の方が週四十時間以上働いている。フルタイムです。ところが、十年働いても平均十九万円そこそこの給料しかもらえないと。これでは自立ができない、若い人たちはこういう声を上げる。結婚して家庭が持てない、こういう声も上がってくる。
 この事態は、これまでの十年間で数次にわたって介護報酬の引下げが行われてきた、これが要因だと思います。前回の改定で若干プラス改定やった。しかし、以前の連続のマイナス改定を戻すまでにも至っていないんですね。
 介護報酬のマイナス改定、これが介護職員の労働条件を悪化させてきた、こういう認識をお持ちかどうか、大臣、お聞きいたします。
#70
○国務大臣(細川律夫君) 今、介護報酬改定、これまでマイナスが二回続いて、そして二十一年にはプラス改定と。この点、私どもとしましては、過去二回がマイナス二・八%でありましたから、今回のプラス三%、これで取戻しをしているんではないかというふうに思います。
 しかし、この介護報酬がプラスになって、そして交付金も実施をいたしまして、大体月額二万四千円、賃金引上げの効果が出ておりますけれども、しかしまだまだ待遇は良くないということもございます。したがって、今年の暮れには報酬改定がございます。また、交付金も今年度で終わりになりますから、報酬改定で引き上げるのか、あるいは交付金で待遇改善をしていくのか、これについては今年中に結論が出るようにその方策や財源などを検討していきたいと、このように考えております。
#71
○田村智子君 取り戻してないですよ。二〇〇三年マイナス二・三%、二〇〇六年マイナス二・四%ですから、三%引き上げたってこのマイナスした分取り戻すなんてなってないですからね。
 それで、衆議院の議論の中でも、この引上げというのは大幅な底上げが必要だと、四万円引き上げるんだという決意を大臣述べられています。四万円、年末に向けて引き上げるんだと、これ確認できますか。
#72
○大臣政務官(岡本充功君) 先ほどからお話をしておりますとおり、我々マニフェストに掲げているのは事実でありますし、これをどういう形でどこまで引き上げていけるのかというのは、これから介護給付費分科会での議論等を踏まえて決めていくことになろうかというふうに考えているところであります。
#73
○田村智子君 政権公約で四万円と掲げたわけですし、衆議院の審議でも、大臣、決意述べられていますから、大幅な底上げを図ると、これ是非やっていかなければならないと思います。
 同時に、今、介護報酬なのか、それとも交付金なのかという議論がありましたが、私は、介護報酬に組み込めば保険料の引上げにつながらざるを得ないと、これは介護保険制度の本当にひどい仕組みだなと私思っているんですね。
 前回の審議でも、六十五歳以上の高齢者の保険料、この十年間で一・四倍と、今回の改定案で引下げの財政措置とられてない、これ認めています。多くの介護職の皆さんは自分の仕事に誇りを持っています。やりがいも持って働いています。高齢者の方やその家族の方々の力になりたいという思いで働いている。その暮らしも目の当たりにしている。だから、この低賃金を何とかしてほしいけれども、利用者の方の負担になるのは耐え難いんだと、こういう思いを何人もの方々からお聞きをしています。
 これは、やはり介護職員処遇改善交付金、更に前進をさせるんだと、介護保険の財政の枠組みの外、これで国が責任を持って労働条件の改善を行うことが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
#74
○大臣政務官(岡本充功君) まさにそういった御意見があることは十分承知をしておりますし、先ほど来お話をさせていただいておりますように、介護報酬の中に入れるのか、外に付けていわゆる交付金化していくのか、メリット、デメリットがあるということ、こういったことは承知をしております。
 今委員から御指摘がありましたことも十分踏まえて我々としても検討していかなければいけないと考えております。
#75
○田村智子君 高齢者の負担は既に限界だということを是非お認めになっていただきたいと思います。
 こうした介護職員の労働条件が改善されない、このことが特に大都市圏では職員の確保を本当に困難にして、結果としてこの介護の利用したいという方々にとっても深刻な事態をもたらしています。
 介護施設の整備状況を見てみますと、大都市部での遅れは顕著です。東京都では、特養ホーム、老健施設、介護療養病床、この介護保険の三施設の定員、六十五歳以上高齢者十万人当たりで見て全国最下位です。グループホームなど居宅の施設整備も大幅に遅れています。これは、土地の確保だとか土地代という問題もありますけれども、職員確保が本当に苦しいんだと施設の経営者の皆さんおっしゃっているんですね。現に、首都圏のある市では、特養が新設された、ところが職員募集掛けても集まらない、定員の半分しか入所ができなかったと、こういう事態さえも起きました。仕事の大変さに比して待遇が良くないため人が集まらないんだと、こういう声です。
 介護報酬の点数というのは全国一律ですけれども、人件費についてのみは、地域差を吸収するという目的で一点当たりの単価に僅かに上乗せの割合を設けています。しかし、これが実態を反映していないという指摘が行われています。
 その一つは、この上乗せ分を認める人件費。対象は介護の職員に限定をされていて、事務の方、給食の調理する方、施設の清掃を行う方、こういう皆さんは対象外なんですね。当然、施設運営にこういう皆さん欠かせません。こういう職員の皆さんについては人件費に地域の差はないという、こういう認識なのかどうかをお伺いします。
#76
○大臣政務官(岡本充功君) 今お話ありました一単位当たりの単価を地域別、サービス別に設定をしているこの考え方は、一名以上の配置を義務付けている職種の職員等の人件費を見ているところでありまして、事務職員や、今清掃の方とか言われましたけれども、配置を義務付けていないこういった職員等に係る人件費も対象にすべきという意見もありますが、その配置が介護サービス事業者の判断に委ねられていることもあり、必ずしも全国一律に支払われている費用と、こういうわけではないということもあり、算定の対象外としております。
 いずれにしましても、介護報酬においては、地域差をどのように反映するか、これも介護給付費分科会の議論の一つになろうかというふうに思っておりますので、二十四年度改定に向けての検討を進めてまいりたいと考えております。
#77
○田村智子君 本当に実態との乖離があると思うんですね。事務職の方だって一年でころころ変わったら、これ介護施設成り立ちませんからね。それは、実態を反映していないのは、消費者物価指数、これも東京二十三区は全国平均で比べても一〇%もの乖離があります。しかし、介護報酬では施設の運営費にこの高い物価というのは反映されていません。
 昨年十二月、細川大臣のところに東京都社会福祉協議会の高齢者施設福祉部会の方々など首都圏の社会福祉協議会の皆さんが要望で訪ねられたと思うんです。その中でも、地域の人件費、家賃等物価水準の実態に見合った地域の区分や地域の係数、これ見直しをやってほしいんだと、そういうふうに要望されたと思うんですね。これ聞いて終わったら駄目なんですよ。せめて介護施設の経営実態の調査、ちゃんとサンプル数も増やして行って、実態と合わせてどうなのか、実態に照らしてどうなのかと、こういう検証をすべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#78
○大臣政務官(岡本充功君) 二十一年改定の前に二十年に行った経営実態調査においては、この物件費については地域差が見られなかったということになっているんですね。
 それで、委員御指摘のとおり、サンプル数少ないんじゃないかと、こういう声もあり、調査実施委員会というのをつくってサンプル数を増やすとともに、調査票の簡素化をして回収率も向上しないと、私も今朝聞いたら、回収率も物すごい施設によって差があるんですね。
 我々としては、この抽出率を増やすということをやっていくのはもちろんでありますけれども、この秋にも介護事業経営実態調査の結果が出ることとなっておりますので、そういった結果を見ながらこういった検討を進めていかなきゃならないだろうと、このように考えています。
#79
○田村智子君 もう施設自身の努力では限界なんだという声は本当に切実に起こっていますので、是非実態をちゃんと見ていただきたいと思います。
 続いて、介護福祉士等にたんの吸引、経管栄養など一定の医療行為を業務として行えるようにする、この法改定についてお聞きをいたします。
 本来こうした医療的ケアは、安全性や確実性という観点から看護師など医療専門職によって提供されるべきだと私たちは考えています。今回の改定は、当面のやむを得ず必要な措置として容認してきたものを、法的根拠を持たせて安定的、継続的に行えるんだと、こうしました。
 この法改定の基になったとも言える地域包括ケア研究会報告、ここでは、要介護者に対するたんの吸引など基礎的な医療的ケアについては介護職員に代わって介護福祉士等が扱うと、担うんだと、こういう方向性が示されていますけれども、今回の改定というのはその布石になるのかどうか。あわせて、実際どこまで医療的ケアを認めるかという範囲、これは最終的に厚生労働省令に委任されますけれども、たんの吸引や経管栄養から更に拡大すると、こういう可能性があるのかどうか、お聞きをいたします。
#80
○大臣政務官(岡本充功君) 御指摘のように、今回の法改正、先ほど来お話をさせていただいておりますように、実態として運用で行われてきたたんの吸引等について、介護職員に法的な根拠を付してお願いをしていこうということでありますが、介護職員等によるたんの吸引等実施のための制度の在り方に関する検討会における議論を踏まえて、これまでの運用で認められてきた範囲を基本としてたんの吸引及び経管栄養とすることとしておりまして、将来的にこの行為の範囲の議論が必要となった場合については、関係者との議論を十分に行った上で慎重な検討を加える必要があろうかというふうに考えているところであります。
#81
○田村智子君 それでは方向性がよく分からないんですね。そもそも認められてきた範囲というのは、やむを得ずなんですよ。本来、看護師さんとかをちゃんと置くべきなんですよ。それが足りないから、やむを得ず介護職員がやっていた。これを拡大していくようなことというのは、絶対に私はこれ、慎重にとかということじゃなく、やっぱり医療的ケアは医療従事者が行うのが基本ということをこれは絶対動かしちゃいけないというふうに思います。
 同時に、これだけ負担が重くなると、先ほどお話あったとおり、週五十時間の講習も受け実地の演習もやり、大変な負担です。その間の給与の保障をどうするのかとか、その講習の費用の負担をどうするのかということも出てきます。介護報酬で、それではこの負担が重くなった分というのはちゃんと見るということを考えておられるのかどうか、ここをお聞きいたします。
#82
○大臣政務官(岡本充功君) 先ほど来お話をしておりますように、介護報酬で職員の待遇改善をするのか交付金で見るのかというのはこれからの議論でありますが、研修の在り方、そして内容も、できる限りこういった職員の皆さんの負担にならないように、現在働いてみえる例えば職場でできないかとか、こういったことも含めて検討をしているところでありますので、委員からそういう御指摘もありましたので、我々としても、介護職員の皆さんの立場に立って研修の在り方をもう一度しっかりと考えていかなきゃいけないんだろうというふうには思っております。
#83
○田村智子君 終わります。
#84
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 衆議院厚生労働委員会での質疑では、介護予防サービスと介護予防・日常生活支援総合事業について、極力重複を避けたい、総合事業と予防給付の両方からホームヘルパーの派遣を受けるなど、重複して同じサービスを受けることはできないと考えておりますとの答弁がありました。例えば、要支援認定者が介護予防でホームヘルプを週一回利用しているが、それでは不十分なので、市区町村の導入した介護予防・日常生活支援総合事業から重複しない日に配食サービスを受けたいという場合、サービスは受けられるのでしょうか。
#85
○政府参考人(宮島俊彦君) 要支援の方が予防給付に基づくホームヘルプサービスを受ける、それから総合事業から配食サービスを受けるということは、これは可能であります。
#86
○福島みずほ君 介護予防・日常生活支援総合事業の利用料は市区町村で決めるとの説明になっております。一割負担になるのか負担なしになるのか、その利用料は区分支給限度額とは関係なく、要支援認定者が自己負担で利用料を支払うことになるんでしょうか。
#87
○政府参考人(宮島俊彦君) 総合事業の利用者負担、これは他の地域支援事業と同じように各市町村において地域の実情で決定されるということでありますが、予防給付が行われますので、これとのバランスなどを配慮して、各市町村において適切な利用者負担となるように検討を促したいと思っております。
#88
○福島みずほ君 今は地方分権の時代ですが、自治体ごとに負担額が変わるということが起きるというのは問題ではないでしょうか。
#89
○政府参考人(宮島俊彦君) これはまさに分権的なそういう事業として各市町村がそれぞれの地域実情あるいは事業者の状況などにおいて取り組んでいただくということですので、ある程度の利用者負担に、今現在でも配食サービスなどでは地域によって差があるということでございます。ただ、余り極端なものとならないように、この利用者負担について総合事業に関する指針で調整していく方向で検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#90
○福島みずほ君 介護保険の要支援でいくのか介護予防・日常生活支援総合事業でいくのか、そして一割負担なのか負担なしになるのか、自治体で違うとなると非常にやっぱり負担が、いや、やっぱり私は要支援の方がよかったとかいろいろ出てくると思います。この点については余りに格差などが出てこないような配慮をしっかり厚労省で設定していただきたいと考えています。
 要支援認定者と認定されている人々は、既に認定されているにもかかわらず、再度市区町村から認定を受けることになります。二度にわたって認定されるのはおかしいんじゃないでしょうか。要支援認定者については、どのサービスを利用するかについての判断はあるでしょうが、少なくとも本総合事業については自動的に本総合事業の対象だとすべきではないでしょうか。
#91
○政府参考人(宮島俊彦君) 総合事業のケアマネジメントも予防給付のケアマネジメントも、両方とも地域包括支援センターが担当して一括してケアマネジメントが行われるので、認定は要支援認定の一回です。その要支援認定を受けた方が、地域包括のマネジメントで予防に基づくサービスを受けるか、総合サービスに基づくサービスの中から利用者にふさわしいものを選択してもらうと、そういうことでございます。
#92
○福島みずほ君 それでは、要支援認定者は全て、望めば総合事業についても利用できるということでよろしいんですね。
#93
○政府参考人(宮島俊彦君) そこはそのケアマネジメントの中で、そういう希望を踏まえながら利用者にふさわしいサービスを選択していただくということでございます。
#94
○福島みずほ君 自動的に対象にならないということであれば、要支援と認定されているにもかかわらず総合事業の対象にならないケースがあり得るのではないでしょうか。再度確認をいたします。
#95
○副大臣(大塚耕平君) 繰り返し局長が答弁申し上げていますとおり、要支援の認定者は介護保険制度の中で介護予防などのサービスも受けられますが、総合事業の対象の方々は特段認定作業というのはありませんので、これは御本人の御希望にも応じて相談に乗らせていただいて、御本人の意向を尊重しつつ、総合事業のサービスを受けるか、あるいは従来どおりの予防給付のサービスを受けるかを御選択いただくということだと考えております。
#96
○福島みずほ君 総合事業の対象にならないケースはないという理解でもよろしいですね。そっちの方を聞いておりますので。
 状態像についての基本的な指針等を示すとの答弁でしたが、対象者の状態像及び基本的な指針とマネジメントのマニュアルについては、それぞれどこで検討、決定されるのでしょうか。
#97
○政府参考人(宮島俊彦君) これは国として総合事業にふさわしい要支援者の状態像の基本的な指針を示すということでございまして、厚生労働大臣が指針を作成するということでございますので、二十四年四月の施行に向けて自治体関係者、有識者の意見を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#98
○福島みずほ君 認定非該当者が介護予防・日常生活支援総合事業を利用したいにもかかわらず利用できないという状況が生まれるということはあるんでしょうか。
#99
○副大臣(大塚耕平君) 利用すべきである方が利用できない状況は生まれないと思います。要介護認定非該当者のうち、最近は二次予防という言葉もあるようでありますが、二次予防事業対象者に該当する方であれば総合事業の対象となり得ると考えております。
#100
○福島みずほ君 市区町村の決定に対して不服がある場合は介護保険審査会に行政不服審査請求ができるとのことですが、県に一つしかない介護保険審査会での不服申立てなど、高齢者にとっては事実上負担であり、泣き寝入りしろということにならないでしょうか。
#101
○副大臣(大塚耕平君) 確かにそういう審査会にお申出いただくというのはなかなか負担でありますので、まずはそうならないようにしっかり運営していただくということに尽きると思います。ただ、それでもなおかつ御異議がある場合には、法の規定に基づいて介護保険審査会に対して審査請求を行っていただくという手続だと考えております。
#102
○福島みずほ君 これはなかなか大変かもしれないんですが、市区町村で決定したことを市区町村でまた審査というのもなかなか難しいですので、そこは何らかの仕組み、対応を是非考えていただきたいというふうに思っております。
 総合事業に第二号保険料を投入するということでしょうか。するのであれば、その理由を示してください。
#103
○副大臣(大塚耕平君) 二号保険料を投入をいたします。
 今回の総合事業は、要支援者あるいは二次予防事業対象者に対するサービスを一体的に実施することでありまして、この事業全体として介護予防や日常生活支援を推進することを目的としております。こういうことが結果として国民の皆さんの要介護状態の重症化を予防することにつながりますし、そのことはひいては保険給付費の効率化に資する面もありますので、二号保険料を投入いたします。
 なお、その前の御質問で、審査会の件ですが、審査会には公益委員をメンバーに加えるなど、しっかりとした配慮をさせていただきたいというふうに思っております。
#104
○福島みずほ君 予防が大変大事だということは理解できるのですが、介護保険は、第一号被保険者について市町村ごとの保険であると、第二号被保険者は四十歳以上六十五歳未満については全国一本の保険であると。ですから、ある町において要支援だった人間が、いや、あなたはこちらの、というか、御本人の意思も、予防、総合の方に行きましょうというふうになったときに、今度は全国一本の保険である第二号被保険者、現役世代からその費用が賄われるということは、現役世代の了解というものが得られるんでしょうか。
#105
○副大臣(大塚耕平君) 今御指摘いただいた点は、一号被保険者と二号被保険者、したがって保険料の性質の違いを的確に御指摘いただいたと思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、この総合事業によって結果として現役世代が中心の二号被保険者の皆さんの負担を軽減することにもつながりますので、御了解をいただきたいという趣旨でこういう仕組みにいたしております。
#106
○福島みずほ君 第二号保険料を投入するということですが、公費と保険料の割合はどの程度でしょうか。また、保険料のどれぐらい第二号保険料が入るんでしょうか。
#107
○副大臣(大塚耕平君) 総合事業の財源構成ですが、国庫負担が二五%、そして地方自治体の負担が二五%、一号保険料が二〇%、二号保険料が三〇%となっております。
#108
○福島みずほ君 その財源の投入の仕方については今後もこれは議論が大変必要だと思います。
 たんの吸入についてお聞きをいたします。
 これについては、特別養護老人ホームにおける介護職員の連携によるケアの在り方に関するモデル事業の結果なども見させていただきました。これはやはり問題が生じたときに誰が責任取るかという問題もありますが、それと同時に、やはり研修や職場の中で支える仕組み、それから余りに忙しいとできないとか、やはり物すごく忙しくて大変なのに、非常に専門的な、リスクも正直言ってあるたんの吸引を、押し付けるというと言葉が悪いですがやっていただく、それはストレスになったり大変だったりということもあると思うんですね。
 ですから、私はこれは、この制度をもしもやるとすれば、教育、研修、支える仕組み、それが余りにまた忙しい状況は回避するとか、実際介護に従事している人たちへのバックアップ体制がなければできないというふうに思いますが、この研修やそのバックアップ体制についての厚労省の見解を教えてください。
#109
○副大臣(大塚耕平君) これは、今先生の御指摘と我々も認識は一緒でございますので、この研修体制をしっかり整えていくということに万全を尽くしたいと思います。
 それと同時に、たんの吸引というのは医療行為であるということを関係者がこの先もしっかり心にとどめ置くということが大事だと思います。医療行為をしっかりした研修なしで行うということは一般的にあり得ないわけでありますので、その研修が行われるように厚生労働省も万全を尽くしたいと思います。
#110
○福島みずほ君 先ほども質問がありましたけれども、責任の所在について念のために確認をいたします。
#111
○副大臣(大塚耕平君) 事故の際、万が一事故が起きた場合の事故の際の責任の所在や損害賠償につきましては、行為をした介護職員の方、あるいは安全確保措置を講じる義務のある事業主の皆さん、そして連携している医師や看護師等それぞれの役割や関与の状態に応じて個別具体的に判断されるものでありますが、そういう事態にならないように、繰り返しになりますが、たんの吸引は医療行為であるということを忘れずにしっかり対応させていただきたいと思います。
#112
○福島みずほ君 医療行為ですから、どこまで拡大するかということと、やっぱり重要なことは、もしそうであれば、研修やバックアップ体制、支える仕組み、あと労働条件の待遇など本当に関係していると思いますので、しっかり検討をお願いいたします。負担だけが重くならないようにと思います。
 先ほど二号の保険料の財源についてお聞きをしたのも、全ての人が支える介護保険、現役世代が年を取ったときに保険あって介護なし、今の高齢者も介護あれば保険なしというふうなことにならないように、介護保険で働く人、介護保険の制度の充実をお願いします。
 大臣が十二時までに行かなければならないと思いますので、時間の前に終わります。
#113
○委員長(津田弥太郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#114
○田村智子君 日本共産党を代表して、介護保険法等の一部改正法案に反対の討論を行います。
 介護保険導入から十年が過ぎました。介護保険料はこの十年間一貫して上がり続け、次期改定で高齢者の保険料は全国平均で月五千円を超えることが予想され、負担はもう限界です。その一方で、特養の待機者数も制度導入時から増え続け、ついに四十二万人に到達するなど、介護地獄とも言える状態は深刻さを増しています。求められる改正は、国庫負担割合を引き上げ、保険あって介護なしの現状を改善することです。
 ところが、本改正案は、それに背を向け、むしろ要介護度の低いとされる方へのサービスの縮小など、一層の給付抑制を可能とするものとなっています。これでは、老後の生活の安心どころか、不安を拡大することになりかねません。
 以下、反対の理由を具体的に申し上げます。
 反対の第一の理由は、介護予防・日常生活支援総合事業の導入です。
 新たな制度により、要支援被保険者は、サービスの質を担保する指定基準がない、より安上がりな介護予防サービスに現行の予防給付が置き換えられる、このことが法的に可能となります。この事業は全てが市町村の判断で実施されるため、これまでも度々問題となってきた法令以上の制約による給付抑制、いわゆるローカルルールを法令で認めることになりかねません。二〇〇六年改正時に要支援という基準を作り、高齢者と家族に困難をもたらした給付の切下げを更に進めようとするもので、容認できません。
 第二は、たんの吸引など医療的ケアを介護福祉士等の業務とすることです。
 厚生労働省は、医療、介護など他職種の連携を強調しますが、それならば専門教育を受けた看護師など医療専門職の強化を行うべきであり、それこそが医療的ケアの安全と質を保障する施策です。介護報酬で評価されるかどうかも未定であり、このままでは医療的ケアとそれに伴う責任と負担だけが介護職員に押し付けられることになります。
 第三は、介護療養病床の廃止期限は延長しましたが、廃止の方針を変えていないことです。
 現在でも、急性期を脱した患者さんが入院する後方ベッドは明らかに不足しています。介護療養病床が廃止される六年後には更なる深刻化が推測され、お年寄りが行き場を失うことになります。介護療養ベッド廃止の方針は撤回すべきです。
 最後に、介護保険の制度の根本的な問題を解決する上で不可欠な国庫負担の新たな投入がないことです。
 保険料軽減、労働者の処遇改善、サービスの充実、どれも介護現場の切実な要求です。このままでは、高齢者の人口増に伴って介護保険料は際限なく上昇し、一方で、劣悪な介護職員の労働条件改善は先送りされることになりかねません。負担あって介護なしの現状の改善の展望は見えません。
 以上、反対の理由を申し上げ、討論を終わります。
#115
○福島みずほ君 私は、社民党を代表して、介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に反対の立場から意見を述べます。
 第一に、介護予防・日常生活支援総合事業の問題です。
 介護予防事業の対象が要支援認定者にまで拡大されることにより、要支援者を介護保険の外に押す道を開きかねないという危惧があります。その利用については利用者の意見が尊重されるが、しかし最終的には市区町村が決定することが明らかになりました。その決定に不服があっても、決定を下した市区町村に申し立てても改めて検討し直すことは非常に難しく、県に一つしかない介護保険審査会に申し立てるしかないという状況は、ほぼ高齢者にとっては泣き寝入りするしかないという状況です。このような状況では市区町村によってサービスの提供に格差が出てくる可能性が高く、また利用ニーズの高いホームヘルプなどに制限が出てくることが危惧されます。
 また、介護予防・日常生活支援総合事業の前身となる介護予防事業については、利用者も極めて少なく、一人当たり三十三万円もの費用が掛かっていることが明らかになりました。しかし、こういった問題の分析や十分な反省は見られない中で介護予防と生活支援サービスを一緒にしていくのは、問題隠しでしかありません。介護予防は大切ですが、現在の予防事業の問題を明らかにし、変えるべきことは変えることが必要です。
 第二に、利用料の設定の問題です。
 この間、包括定額払い方式になり、報酬が介護度別に利用限度額の枠内に抑えられているため、通所サービスや訪問介護など他のサービスが制限されることが起きています。包括定額制を導入することによって何が起きているのかについては、分析と検討が求められます。
 今後一層進む高齢社会の中で、現状の介護制度には極めて心もとない状況です。受給権を認められているにもかかわらず、特別養護老人ホームなどの施設は圧倒的に足らず、在宅サービスはどんどん利用制限されているようでは、安心して高齢者が暮らすことはできません。
 今後、若いころから介護保険料を払い、介護保険制度を支えてきた世代が高齢者になってきます。しかし、払わされてもサービスは制限されるばかりで使い勝手も悪いということになれば、介護制度そのものの信頼が問われてくるのではないでしょうか。また、介護に従事する方たちの待遇改善もなかなか進んでいません。
 介護保険制度開始から十年、利用者にとって複雑になり過ぎている認定の在り方や介護予防制度などを含め、利用者や現場の介護職員の声をしっかりと受け止めて現状をしっかりと見直す作業を進めていくことが必要であることを指摘して、私の反対討論といたします。
#116
○委員長(津田弥太郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#117
○委員長(津田弥太郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、藤井君から発言を求められておりますので、これを許します。藤井基之君。
#118
○藤井基之君 私は、ただいま可決されました介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、介護職が喀痰吸引等を実施するに当たっては、知識・技術の十分な習得を図るとともに、医師、看護師その他の医療関係者との連携のもとに、安全管理体制を整備し、その上で実施状況について定期的な検証を行うこと。
 二、介護職員等の処遇改善については、財源を確保しつつ、幅広い職種を対象にして実施するよう努めること。特に、介護領域における看護師の重要な役割に鑑み、介護保険施設や訪問看護に従事する看護師の確保と処遇改善に努めること。
 三、介護サービス情報の公表制度については、適正な調査が実施されるよう、都道府県、指定情報公表センター、指定調査機関その他の関係者の意見を十分に踏まえつつ、ガイドラインの作成等必要な措置を講ずること。その際、事業者より申出がある場合には積極的に調査できるよう配慮するとともに、指定調査機関・調査員の専門性を活用すること。
 四、地域包括ケアシステムの構築を図る観点から、定期巡回・随時対応型訪問介護看護や複合型サービスについては、医師、看護師、介護職員間の連携を深め、円滑な実施体制の実現を図ること。併せて、地域包括支援センターにおける総合相談などの包括的支援事業の機能の強化を進めるとともに、その拠点整備を推進すること。
 五、介護予防・日常生活支援総合事業については、その創設においても要支援認定者が従来の介護予防サービスと同総合事業を選択・利用する意思を最大限尊重すること。また、国として財源を確保し、各市町村のニーズに応じて適切に実施するよう努めること。
 六、介護療養病床の廃止期限の延長については、三年から四年後に実態調査をした上で、その結果に基づき必要な見直しについて検討すること。
 七、認知症対策を推進するため、地域における医療、介護等の緊密な連携を図るとともに、市民後見人の活用を含めた成年後見制度の周知・普及を図り、権利擁護の体制整備を促進すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#119
○委員長(津田弥太郎君) ただいま藤井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#120
○委員長(津田弥太郎君) 全会一致と認めます。よって、藤井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、細川厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。細川厚生労働大臣。
#121
○国務大臣(細川律夫君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
#122
○委員長(津田弥太郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(津田弥太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト