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2011/04/19 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 文教科学委員会 第7号
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2011/04/19 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 文教科学委員会 第7号

#1
第177回国会 文教科学委員会 第7号
平成二十三年四月十九日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十五日
    辞任         補欠選任
     小熊 慎司君     江口 克彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         二之湯 智君
    理 事
                神本美恵子君
                藤谷 光信君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
    委 員
                大島九州男君
                斎藤 嘉隆君
                鈴木  寛君
                谷  亮子君
                林 久美子君
                水岡 俊一君
                横峯 良郎君
                石井 浩郎君
                上野 通子君
                熊谷  大君
                義家 弘介君
                草川 昭三君
                西田 実仁君
                江口 克彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   高木 義明君
   副大臣
       内閣府副大臣   東  祥三君
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
       文部科学副大臣  笹木 竜三君
       厚生労働副大臣  小宮山洋子君
       経済産業副大臣  松下 忠洋君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        和田 隆志君
       財務大臣政務官  尾立 源幸君
       文部科学大臣政
       務官       笠  浩史君
       文部科学大臣政
       務官       林 久美子君
       農林水産大臣政
       務官       田名部匡代君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        古賀 保之君
   政府参考人
       内閣法制局第一
       部長       横畠 裕介君
       内閣府原子力安
       全委員会委員長
       代理       久木田 豊君
       内閣府原子力安
       全委員会委員   久住 静代君
       財務省主計局次
       長        中原  広君
       文部科学大臣官
       房文教施設企画
       部長       辰野 裕一君
       文部科学省初等
       中等教育局長   山中 伸一君
       文部科学省科学
       技術・学術政策
       局長       合田 隆史君
       文部科学省研究
       振興局長     倉持 隆雄君
       文部科学省スポ
       ーツ・青少年局
       長        布村 幸彦君
       経済産業大臣官
       房技術総括審議
       官        西本 淳哉君
       経済産業大臣官
       房審議官     中西 宏典君
   参考人
       独立行政法人日
       本学術振興会理
       事長       小野 元之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (東日本大震災に関する件)
○独立行政法人日本学術振興会法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(二之湯智君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十五日、小熊慎司君が委員を辞任され、その補欠として江口克彦君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(二之湯智君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣法制局第一部長横畠裕介君外八名を、また、独立行政法人日本学術振興会法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主計局次長中原広君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(二之湯智君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(二之湯智君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人日本学術振興会法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、参考人として独立行政法人日本学術振興会理事長小野元之君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(二之湯智君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(二之湯智君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、東日本大震災に関する件を議題といたします。
 まず、政府から説明を聴取いたします。鈴木文部科学副大臣。
#8
○副大臣(鈴木寛君) 東日本大震災が発生してから一か月余りが経過をいたしました。改めて、この災害によりお亡くなりになられました多くの方々とその御遺族に深く哀悼の意を表しますとともに、被災地においていまだ厳しい避難生活を続けておられます皆様方に対し、心からお見舞いを申し上げます。
 また、被災地におきまして災害対応に当たられる多くの皆様方にも心から敬意を表する次第であります。政府といたしましても、一体となって被災者の支援に全力で取り組んでまいります。
 それでは、地震、津波による被害状況から御報告いたします。
 今回の震災による四月十九日七時現在までの文部科学省関係の被害状況としては、人的被害については、五百十七名の死亡、二百三十四名の負傷が確認されるとともに、物的被害については、校舎の倒壊、津波による流失など、被害を受けた学校等の文教施設は一万八十施設との報告を受けております。
 これに対し、文部科学省では、学校施設や国立青少年教育施設等で被災者等を受け入れるとともに、全国の大学病院に災害派遣医療チームの派遣を要請するなど、必要な支援を行ってまいりました。
 また、高木文部科学大臣が福島県視察を行うなど、政務三役を中心に被害状況の把握及び今後の支援の在り方等に関し、県知事、市町村長等と意見交換を適時行ってまいりました。
 こうした中で、新学期を迎えるに当たり、菅直人内閣総理大臣と高木義明文部科学大臣より、全国の児童生徒及び学校関係者に対し、助け合いと思いやりの気持ちを持って、児童生徒等が楽しく安心して学び、遊べる学校を一日も早く取り戻せるよう頑張ってもらいたい、また我々も全力でその支援に取り組んでいく旨の励ましのメッセージを出しました。
 その実現に向け、まず被災した学校施設等を復旧することが必要です。このため、学校設置者が速やかに教室等の準備をできるよう、国の災害復旧事業の現地調査を待たずに早期に復旧整備に着手できる旨などを周知するとともに、報告に基づき建物の被害状況を分類し、今後速やかに実施すべき復旧整備事業を整理するなどの取組を進めております。
 次に、児童生徒等が教育を受ける機会を確保するため、各都道府県教育委員会等に対し、被災した児童生徒等の学校への受入れや教科書の無償給与や就学援助等について可能な限り弾力的に取り扱うことを要請するなど、必要な取組をお願いしているところであります。
 また、被災地域の支援ニーズと各団体が提供可能な支援の情報を相互に提供し合うための東日本大震災子どもの学び支援ポータルサイトを開設し、運用を開始しました。全国から多くの支援の提案がなされ、被災地域の支援ニーズとのマッチングが行われつつあります。今後もこのような支援の輪が広がるよう、取組を一層推進してまいります。
 さらに、被災した児童生徒等の心のケアは喫緊の課題であり、文部科学省では被災地域の学校へのスクールカウンセラーの緊急支援配置が可能となるよう必要な経費を措置するなどの対応をしてまいりましたが、心のケアのより一層の充実のため引き続き対応を検討してまいります。
 特に震災で両親が共に亡くなられたり行方不明になられたりした児童生徒等に対しては、きめ細やかな対応を行うため、文部科学省では、教育委員会と児童相談所が情報共有を図るよう厚生労働省と連名で関係機関にお願いするとともに、子供や親族等の希望、被災状況等や自治体の要望を踏まえつつ就学支援の確保等に向けて支援してまいります。
 大学等に対しては、新年度当初からの授業時間の弾力的な扱いが可能である旨周知し、被災地等でのボランティア活動を希望する学生が安心して参加できるようお願いをいたしております。
 また、学生等が経済的理由により就学を断念することがないよう、緊急採用奨学金の活用等の学生への経済的支援の周知、配慮を促すとともに、留学生に対しても安心して日本で学業が続けられるように必要な支援を行ってまいります。
 さらに、震災の影響を受けた学生生徒に関し、各都道府県教育委員会等に対して厚生労働省が実施する就職支援策の周知や就職希望者への一層の指導、支援を依頼するなど、引き続き就職支援に努めてまいります。
 続きまして、福島第一原子力発電所事故への対応について御説明申し上げます。
 初めに、放射線モニタリングですが、文部科学省では、国民の安全や安心、政府の適切な対応に資するために、様々な手段を駆使して総合的な放射線モニタリングを実施しております。
 具体的には、同発電所二十キロ以遠の地域について、県や関係機関と連携し、空間放射線量率のモニタリングを実施するとともに、空気中のダスト及び土壌等のサンプル調査を行っております。また、同発電所三十キロ以遠について、海域での船舶を用いた調査や空域での航空機を用いた調査を行うなどモニタリングの充実に努めています。
 これらの結果は、日本語のみならず、英語、中国語、韓国語にも翻訳し、国内外に公表するとともに、政府関係機関との情報共有を図っております。
 また、先般、新たに計画的避難区域及び緊急時避難準備区域が設定されることになったことを踏まえ、文部科学省としては引き続きこれらの放射線モニタリングの充実を図ってまいります。
 さらに、四月に入り、福島県が県内の幼稚園、小学校、中学校等の園庭、校庭において空間線量等の測定を行い、その結果も公表されております。
 文部科学省としては、現在、児童生徒等の健康安全確保等の観点から、更に詳細な調査、分析を行っており、原子力災害対策本部の下で原子力安全委員会の助言などを踏まえて、校舎、校庭等の利用等についての考え方を速やかに示してまいります。
 次に、放射線被曝医療等への対応について申し上げます。
 文部科学省では、避難住民等の不安にこたえるスクリーニングの実施等のため、県や関係機関に対し、大学及び日本原子力研究開発機構、放射線医学総合研究所等からの専門家の派遣、資機材の提供などの支援を行うとともに、防災業務従事者等に対する線量測定、治療や緊急被曝医療体制の充実に努めております。
 さらに、健康相談ホットラインを設置し、国民の健康に対する不安について相談に応ずるとともに、放射線影響に関する基礎知識や関係省庁及び各地方公共団体の取組などを分かりやすく伝えることで国民の不安に少しでもこたえられるよう努めております。
 なお、福島第一原子力発電所において発生した事故による経済被害が深刻になっており、被災者の適切な救済を図る観点から、原子力損害の賠償に関する法律に基づき、その準備を進めてまいります。
 最後に、電力需給対策について、電力需要がピークを迎える夏場に向けて、最大使用電力を抑制するための実施体制の整備や、計画の策定等に係る取組について早期に着手していただくよう、関係機関に要請をしたところであります。
 以上、東日本大震災の被害状況と文部科学省の対応について御説明申し上げました。
 文部科学省では、三月十一日に設置した非常災害対策本部に替えて、四月十一日に新たに東日本大震災復旧・復興対策本部を設置し、この度の未曽有の大災害に対して関係機関等との連携を密にして、被災地への支援に省を挙げて取り組む体制を整えました。引き続き、的確な被害状況と被災自治体の要望等を把握しつつ、被災地の速やかな復旧に全力を挙げるとともに、本格的な復興に取り組むこととしております。
 具体的には、被災した児童生徒、学生等への支援や、被災地の学校再開に向けた支援、被災した学校・研究施設等の復旧、総合的な放射線モニタリングなどの更なる充実に向けて万全を期して取り組んでまいりますので、委員の皆様方におかれましても引き続き御指導、御支援賜りますよう、お願いを申し上げます。
 以上でございます。
#9
○委員長(二之湯智君) 以上で政府からの説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○水岡俊一君 おはようございます。民主党の水岡俊一でございます。六十分の時間をいただいて質問をしてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 先週十六日の土曜日に福島県の被災地を見てまいりました。言葉で表すことのできないほどのすさまじい津波被害、本当にその恐ろしさ、そして目に見えない、あるいは痛みとか暑さとかを感じない、そういった放射能汚染の不気味さ、そういったものを痛切に感じた次第でございます。改めて、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りを申し上げ、そして遺族の方々にお悔やみを申し上げたい、こういった気持ちでいっぱいでございます。さらに、被災をされた方々、心からお見舞いを申し上げ、そして復旧復興のために私たちも全力を尽くしてまいりたい、こういった所存でございます。
 それでは、質問に入ってまいります。
 大臣にお尋ねをしたいんでありますが、被災地では、新学期に当たり、自治体が学校の教室に避難をされている方々に対して、学校再開をしたいので何とかその学校の体育館あるいはそれが入れないので別の学校の体育館に移っていただけませんかと、こういうお願いをしているというような報道がございました。しかしながら、学校を移るというようなことになってしまいますと、もう車とかそういう移動手段を失ってしまっておられる方がたくさんあると思いますので、仕事にも行けない、これでは困るんだと。それから、教室をたとえ開けたとしても授業を再開できるような状態にないんじゃないかと、こういうような御意見が様々出され、なかなかうまく進んでいないというお話が聞こえてきます。
 学校再開と避難者の生活環境を守っていくということがぶつかり合っているというふうに思うわけでありますけれども、このようなことに対して文科省としてはどういうふうにお考えになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(高木義明君) 水岡委員にお答えをいたします。
 御指摘の避難所として使用されておる公立学校の数、これは次第に減少しているところでございます。三月十七日に五百八十一校あったものが、四月の十九日には百八十校という報告も受けております。元々学校施設は、学校教育のみならず災害のときには貴重な避難場所として、防災拠点として活用されております。今回もそういう状況でございます。
 しかし、やはり子供たちにとって一日も早く正常な学校活動ができること、これは言うまでもありませんで、私どもとしましては、必要最小限の場所をまず確保する、また教職員の皆さん方が学校運営上避難所のお世話をしておること、私もこの目で承知をいたしておりますが、大変御苦労をされております。したがいまして、被災地以外の派遣された職員の皆さん方ができるだけ避難所の対応をしていただくようにお願いし、避難所となっている学校の職員は、まさに学校教育に専念できるようなそういう状況を早くつくっていく、こういうことが必要であると考えております。
 したがって、学校の再開に当たりましては、避難住民の方々に移動していただく必要がある場合には、防災担当部局が移動先となる避難所、宿泊所の確保、これがまず大事でありまして、それから同時に、住民の皆さん方に対して丁寧な説明をするということも非常に大切になってまいります。したがいまして、教育委員会及び学校が担当部局とも十分連携を図ることが非常に大事であると、このように思っております。
 いずれにいたしましても、バランスが取れた対応をしなきゃなりません。避難住民の方々の生活も十分考慮しながら、スムーズに学校が再開されますように、子供たちの教育の機会が確保されますように、今後とも私としては取り組んでまいりたいと、このように思っております。関係者の皆さん方の御理解と御協力もお願いをしなきゃならぬと思っております。
#12
○水岡俊一君 分かりました。
 被災者の理解が得られにくいからといって本格的な学校再開が遅れるというのも、子供たちの教育を確保していくという点から問題は残ってくるだろうというふうに思います。
 しかし、本当に全てを失っている被災者の方々の生活を何とか確保しなきゃいけない。そういった問題をどのように解決をしていくのか。今大臣からバランスというお話もございましたが、私はある意味では、この問題を解決する一つの大きな要素は、やはり仮設住宅の建設を一刻も早く進めていくことではないかというふうに思っております。そういったことが学校再開に向けての大きなステップになると私は思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#13
○国務大臣(高木義明君) おっしゃられるとおり、まさに仮設住宅、これも国交省を中心として今鋭意取り組んでおるところでございまして、そのように私も思っております。また、教育活動が正常に行われますように、私としても国交省にもそういう要請をしていきたいと思っております。
#14
○水岡俊一君 分かりました。
 学校を再開をしますと、学校の校舎、様々な部分で使用をしていくわけですが、そもそも大きな地震の被害を受けている地域でありますので、その校舎が現時点で安全なのかどうなのかと、こういったことも非常に気になるところですが、この点については文科省はどのような対策を練られたんでしょうか。
#15
○政府参考人(布村幸彦君) お答えいたします。
 被災した学校施設につきましては、学校の設置者におきまして、必要に応じ余震による二次災害の防止などのための安全点検を実施するなど、安全の確保に努めるよう要請したところでございます。また、教育委員会など現地からの要請がございましたら、文部科学省の建築技術者の職員を派遣し、支援を行っているところでございます。また、新学期に当たりまして、改めて学校現場における安全管理を徹底するため、避難経路あるいは避難場所を決めているか、また避難訓練を実施しているかなどのチェックポイントを示しながら、各学校におきまして改めて緊急の点検をするよう事務連絡を発出させていただいたところでございます。
 今後とも、再開に当たりまして、各学校におきまして、安全点検、安全管理の徹底等に向けた取組が行われますよう努めてまいりたいと考えております。
#16
○水岡俊一君 ありがとうございます。
 福島、宮城、岩手の被災地全てを見たわけではございませんけれども、道に関しては自衛隊を始めとする多くの救援隊のおかげで必要最小限の部分の確保をしていただいているように思いますが、今お話のあったように、学校に通うあるいは学校周辺のそういった道が改めて次なる災害のときの避難経路となるわけですので、そういった部分の安全管理、安全確保も是非とも注視をしていただきたい、こういうふうにお願いをしたいというふうに思っております。
 続いて、就学援助のことについてお伺いをしてまいりたいと思います。
 避難をしている子供たちの多くは、家をなくしたり、あるいはお父さん、お母さんを亡くしたりしていて、生きていく、生活をしていく、そして学校で勉強をしていくということには様々な困難に今ぶつかっているところだろうというふうに思っているところです。当然、文房具やそれを買うお金が手元にないということはもう十分考えられるわけですが、こういった場合は、就学援助という考え方あるいは災害救助法による援助も私はあるというふうに思っております。既にそういった手続は行われていることは間違いないと思うんですが。
 そこで、質問なんですね。避難している子供たちは、元々住んでいる住所地ではないところに避難しているケースというのが多くありますね、これは県外もあります。そういった子供たちがその援助を受けるために行う手続というのは、本来であればいろんな書類が要るわけですよね。そういった手続をするために関係者が役所に出向くと、まず住民票を出してくださいと言われる。いや、住民票なんて持ってこれないですよ、取りにも行けない、あるいはこの子たちにそれを取りに行けと言うんですかと。こういうことに今ぶつかっているというふうに思うんですね。そのことを手続をしていただいている行政の関係者の方々も、何とかそれは子供たちのためにしてあげたいというふうにこれは思っていただいていると思うんですね。しかしながら、法制度の壁にぶち当たりながら厳しいことを言わなけりゃいけないといった状況も私はあると思うんです。
 これは何か時間がたてば解決する問題でもない、逆に言うと、一刻も早くその援助の手を差し伸べるということが必要だというふうに思いますが、こういった手続上の問題、市の人は県の指示を待っている、県の人は国の指示を待っていると、こういった状況が私は見受けられると思うんですが、文科省としてはどういうふうにお考えになっているでしょうか。
#17
○副大臣(鈴木寛君) 今の点、大変大事だというふうに思っております。現に被災した児童生徒の中には、ほかの地域に避難をしている児童生徒数は相当数おります。県外に出ている数だけ見ても一万に及ぶような状況下にもございます。
 小中学生に対する就学援助についても大変重要でございまして、このようなことが想定をされましたので、三月十四日に私から、各都道府県教育委員会、各指定都市教育委員会、各都道府県知事等に対しまして、被災による就学援助等を必要とする児童生徒に対しては、その認定及び学用品、学校給食費等の支給について、通常の手続によることが困難と認める場合においても、まさにこれが、住民票を移せないとか、いろんな書類を出せないということを想定しております。可能な限り速やかに弾力的な対応を行うと。弾力的な対応を行うだけでは駄目で、要するに、もうその担当者が思い付く限りのことを全部やれと、それからやれる限り最も最速でやってくれということを意味しております、これは。
 それから、もちろん被災による奨学金を必要とする高校生等々についても同様のことを三月十四日にお出しをしておりますので、国といたしましては、もうとにもかくにも、これは大臣、今まで何度も御答弁申し上げておりますけれども、児童生徒、学生の立場に立って最善のことを関係者、行政関係者は特にやっていただきたいという方針を示しております。
 ただ、このことがなかなか現場に伝わっていないという御質疑がこの委員会等々でもございました。衆議院でもございました。したがいまして、改めてQアンドAも出しました。ただ、もちろんいろいろなこのような混乱の状況であります。情報が十分に行き渡っていないという部分もございますので、各委員におかれては、そのような事態というものを目にされたり、あるいは御相談を受けた場合には直接文部科学省に言っていただいて、そしてそれはもう全部、それこそ私なり担当局、担当課から一々県の担当職員あるいは市町村の担当職員に連絡を入れると、こういうことも出てきた案件についてはやらせていただいております。そのような体制で万全を期してまいりたいと思いますので、よろしく御指導、御支援のほどお願い申し上げたいと思います。
 それから、当然お金も掛かります。これは、もちろん被災地にとどまっている、それから避難先、県外も含めて転出をされた方々、あるいは事実上転出をされている方々についてしっかり支援をしていかなければいけませんし、経済的支援もしていかなければいけませんので、補正予算の編成においてこれは最大限努力をしてまいりたいと思いますので、この点についてもよろしく御指導のほどお願い申し上げます。
#18
○水岡俊一君 ありがとうございました。
 副大臣から今弾力的というだけではなくて思い付く限りの手だてを講じてほしいというお話があったので、大変有り難く思っているところでございます。
 実務的なことで更にそのことについて政府参考人にお答えをいただければと思いますが、今副大臣から思い付く限りのと、こういうお話がございました。具体的にどんな方法があれば、どんな方法で住民票に代わるものを用意するとか代わる手だてを考えればいいのか、少し県や市の立場に立った見解をお示しをいただければ有り難いと思いますが、いかがでしょうか。
#19
○政府参考人(山中伸一君) 文部科学省としても通知を行い、またQアンドA、具体的にこういうところはどうだろうというところもお問合せもありましたので示しているところですけれども、例えば被災地の自治体が発行する罹災証明書などがあればそれで確認する、あるいはそういうものもまだ取れないと、市役所なり役場に連絡してもそういうものが取れないというところであれば、担当者が本人や保護者から直接聞き取ってそれで確認するといったことで当面の書類といいますかそういうものには代えるとか、そういう弾力的な取扱い、あるいは就学するための認定手続、これについても弾力的にするようにといったことを具体的にQアンドAも含めてお伝えしているというところでございます。
#20
○水岡俊一君 ありがとうございます。
 援助を受けるための手続に役所に長蛇の列ができるというようなそういったことは可能な限り避けていただきたい、こんなふうに思います。今QアンドAを出してというお話を副大臣からもいただきましたので、具体的に進めていただきたい、県や市にも周知徹底をお願いをしたいというふうに思っております。
 先ほど副大臣からお話ありました財源のお話ですね、お金の問題、これ県段階ではかなり気にしていますね。お話を伺ってみますと、やはり就学援助等も、これは要保護、準要保護の児童生徒たちが対象となると思いますが、この度の震災で被害を受けた子供たちはかなりの子供たちがその対象となるんではないかというふうに思います。ですから、これまでとは桁が違うほどのそういった援助の額が要るわけですね。それを一刻も早く僅かだけれども渡してあげたいと県当局や市当局は思っているわけですが、それを渡してその財源はどこから来るんだろうということ、あるいはその県であるいは市で用意ができるかどうかと、そのことに大変不安を感じていて、それも手続を即座に進めることができない要因になっているのではないかと、こういうふうに思っておりますが、再度その点についてお話をいただければ有り難いです。
#21
○副大臣(鈴木寛君) 私どもの政府といいますか、まず文部科学省としては当然でありますけれども、当然にその就学援助についてはきちっとした対応をできるようにそうした予算の措置をしていきたいと思っております。その際にも、このような事態でありますから、極力県であるとか市町村の実質的負担というのは軽減しなければいけませんと。これは、いろいろな合わせ技、文部科学省の方から行くお金と、それから総務省から行くお金と、この両方相まって実質的には県負担を極力減らしていくと、こういうスキームで考えております。ただ、予算のことでございますので、政府だけで決められる話ではございません。
 しかし、この委員会では、これまでも大変に文教関係については非常に積極的に与野党での御提言そして意見醸成をしていただいて、一つ一つの問題をクリアしていただいております。大変感謝しております。加配の問題もしかりでございます。文教施設のことについてもしかりでございます。是非、就学援助の件についても委員会で御議論を深めていただいて、私ども政府としてのメッセージも発信をいたしますけれども、国会もその御意思を発信していただくことが県当局が財政的な見通しというものを、何といいますか、確信を持って臨めるということにつながると思いますので、引き続きのそうした御指導をお願いを申し上げたいというふうに思っております。
#22
○水岡俊一君 この度の震災、非常に多くの方々が被災をされておりますので、被災地県だけじゃなくて日本全国の都道府県が避難をされている方々を受け入れて、子供たちも受け入れてしているわけでございますので、そういった県の方々の被災者に対する支援がスムーズにいくように財源の面からも是非とも政府のお力をフルに発揮していただきたい、このようにお願いをする次第です。
 それでは、次の問題に行きたいというふうに思います。
 私は神戸出身でございますので、阪神・淡路大震災のことをこの度の震災において大変深く思い出しているところであります。阪神・淡路大震災、あるいはその後の新潟中越あるいは中越沖地震等々、大きな災害がありました。
 その災害時に様々な反省材料が出てきて、様々な提言が出てきたと思うんですね。災害においてはこういったことを学校施設では考えないかというような提言が出てきたと思います。我が神戸あるいは兵庫県からも国に対しての提言があったと思いますし、また、先日は義家委員にも御紹介をいただきましたが、教職員の仲間からのいろんな意見も出ているといった状況でありますけれども、そういった考え方に文科省としてはどういうふうにこたえてきたのか、どういうふうに震災の対応を進めてきたのか、そういった点についてお考えをいただければ有り難いと思いますが、いかがでしょうか。
#23
○政府参考人(辰野裕一君) 学校施設の関係について申し上げますと、文部科学省では、さきの阪神・淡路大震災等の教訓を踏まえまして、学校施設の計画、設計上の留意事項を示しました学校施設整備指針の改訂をいたしました。その中におきまして、屋内運動施設については必要に応じ地域の防災拠点としての利用に配慮した計画とすることが重要であることを示しました。さらに、地域の防災拠点としての利用に配慮した具体的な計画の例としまして、災害時の地域住民の避難生活を踏まえ、トイレや更衣室、備蓄倉庫等の整備、また、災害時に高齢者や障害者の方々を含む多様な地域住民が利用することを踏まえましてバリアフリー化の推進、また、必要に応じ地域地震災害時における飲料水や電源を確保するという観点から貯水槽、浄水機能を有する水泳プール等の整備、さらに、自家発電設備等について計画することなど、防災拠点の観点からの記述を追加し、その充実を図ってきているところでございます。
#24
○水岡俊一君 大臣にちょっとお伺いしたいんですが、今のお答えの中に、小学校あるいは中学校の施設整備指針というのが文科省から出されていて、そういったものの中に、必要に応じて地域の防災拠点としての利用に配慮した計画をしなさい、こういうふうになっている、それに基づいていろいろと防災拠点としての設備の充実のためにやってきた、こういうお話でございましたが、大臣として今お感じになっている感じで結構ですから、本当に阪神・淡路大震災以後様々な地震、災害に基づいた提言に果たして文科省として十分に対応できてきたかどうかということについてはどういうふうにお感じになっているか、ちょっと述べていただければ有り難いんですが、いかがでしょう。
#25
○国務大臣(高木義明君) 委員の御指摘の阪神・淡路大震災はもとよりですが、中越、新潟中越地震等過去の災害が今回どのように生かされておるかと、こういうことでございます。
 私は、阪神・淡路、とりわけ阪神・淡路大震災の教訓はいろいろなところで生かされておりますし、また、当時、これまた甚大な災害でございましたので、これまでの法令その他の枠を超えた弾力的な運用がなされたケースがそれぞれあります。今回の震災に対しましても、私どもは、この阪神・淡路大震災でとられた特例措置とかあるいは弾力的な運用措置を十分参考にして被災者の皆さん方のニーズにこたえたいと、こういう思いでございます。
 なお、特に避難所になっておる学校施設の中には、例えば緊急用の自家発電装置とかあるいは生活に欠かせないトイレの対応とか、こういった面についてはなお一層考慮しなきゃならぬ面があるんではないかと、このように思っております。
#26
○水岡俊一君 避難所として学校施設はどうなのかということについては、これまでお話がいろいろございました。高齢者、障害者のためのエレベーターが要るんではないか、今お話のあったように自家発電装置が要るのではないか、また、先週の委員会では熊谷委員からシャワー等の設備が要るよと。あるいは、参考人に来ていただきましたが、参考人からはトイレを増設しておく必要があるんじゃないかと、こういうようなお話がございます。
 これは、災害の後はすぐそういう話になるんですよ。災害の後はそうなる。だけれど、もうしばらくたつとそのことは忘れられて、忘れられてというか、忘れてはいないんだけどお金の手当てができないからそこまで行かなかったねということが続いて次なる災害がまたやってくると、こういうことだろうと私は思うんですね。
 じゃ我が神戸はどうだったのかというと、我が神戸も大変厳しい予算の中で全国から御支援をいただきながら復興を進めてきたんですね。その中で、やはり神戸の学校のことを例に取りますと、十分とは言えませんが、ほとんど全ての小中学校で、例えば毛布を二百枚から三百枚、それからシート、それから水、缶詰、クッキーなどなど、避難所の備蓄倉庫としての役割を果たすべく頑張っているわけですね。
 それからまた、神戸の本庄小学校というところでは、屋上に二百三十四枚のソーラーパネルを設置をして、そしてインバーターあるいは蓄電池を備えて、災害時には、結局、災害本部となる場所の電源を確保したり、最低限の照明を照らすなどの設備を整えているという状況が今あるわけですね。でも、それは全ての学校でできているわけじゃない。それがなぜできないか。お金がないからですよね。
 今、岩手、宮城それから福島の被災地の県で、今まさに被災者の方々の生活をいかに確保するかということで今注目はそこにいっているわけですけれども、この後、学校の再建とか、あるいは新たなる避難所としての学校を造っていくということがすぐもう目の前に来ているわけですね。そういった中で、今、施設部長の方からお話があったような整備指針に基づいて様々なことが盛り込まれればいいんですが、盛り込めないでしょうね、恐らく、お金がないから。だから、ここは文科省、ひとつ大英断をしてもらって、学校の施設にはそういうものが必須なんだと、必ず要るんだというふうにその基準を変えてもらう。その基準に従って、国の二分の一の補助を出していくとか、そういうふうにしていくべきではないかなと、こういうふうに思いますが、これについて、大臣あるいは副大臣、お考えがあればお聞かせをいただきたいと思います。
#27
○国務大臣(高木義明君) 文部科学省としては、今回の被害状況などを教訓として、御指摘の点については極めて重要であると思っております。学校の安全確保あるいは防災機能の向上、こういった観点から、被害を受けた学校施設の状況把握そして分析を行った上で、学校施設整備指針の見直しを始めとして必要な検討をしなきゃならぬと思っております。そういう意味で、学校の防災機能の一層の充実について全力を挙げて取り組んでまいりたいと、このような決意を持っております。
#28
○水岡俊一君 大臣、ありがとうございます。
 鈴木副大臣にちょっとお伺いしたいんですが、副大臣からは寄宿舎付きの学校というのも一つの考え方ではないかというような新しいアイデアを出していただいているところですが、私、一つ、この三陸沖を中心とした津波の被害がこれからまた予想される地域においては、校舎を根本的に変えていくという考え方、私あると思うんですよ。つまり、一階あるいは二階部分をピロティー方式にして、十数メートルの津波がやってきても校舎は流されない、そして校舎で避難する場所を確保できる、そういうような学校の建設というのを文科省が指導していくというのも、これ一つの大きな考え方ではないかというふうに思うんですが、副大臣、いかがですか。
#29
○副大臣(鈴木寛君) 先般、岩手県知事が今度、東京へ見えまして、夜遅くまで数時間にわたってお話を再びいたしました。
 もう既に岩手県知事の頭の中に、学校を始めとする公共的なあるいは公的なお金を入れて造るあるいは造り直す施設についてはそのような設計思想でやっていくべきではないかとお考えになっていると、こういうお話がございました。でありますので、我々も、当然我々の持っているこの補助スキームもそうしたことに合わせてやってまいりたいと思います。
 と同時に、今後もさらに宮城県、本当に宮城県は今本当に深刻でございまして、まだそうした再建プランのところまで話が十分に進められていないほど大変でございます。時期が整えば、そうしたことも宮城県関係者等も含めて意見交換をしてまいりたいと思いますし、それから、日本はほとんどの県が海岸線を持っているといいますか、したがってこの津波もほぼあらゆる県がそれこそ想定した対応していかなきゃいけないと。そういうことで、今回のことを踏まえて、先ほど大臣も御答弁申し上げましたけれども、その津波に対する学校施設整備の在り方あるいはこの場所も含めて検討してまいりたいと思っております。
 場所については、岩手県の場合はかなり高台にあったものも多かったわけですから、その地形がいろいろ各地において違います。学校において、小学校、中学校において、幼稚園は大変深刻な被害を受けておりますけれども、人的被害も含めて多く受けておりますけれども、学校にいた生徒は命は助かったということもありますので、地点も大事だと思っています。
#30
○水岡俊一君 ありがとうございます。
 本当に今回は喉元過ぎればというようなことのないように、国を挙げての防災拠点を考えるという視点で取り組んでいただきたい、このように思うところです。
 実は、私は一九八〇年に兵庫県の三木市というところの中学校に赴任をいたしました。今でもよく覚えておりますのが、赴任をした日に学校の中を見渡して一番目に付いたのは何だったかというと、防災無線でした。職員室のすぐそばに非常に頑丈な塔が立っておって、アンテナが付いていて、そして無線装置が職員室の中にございました。ああ、学校というのはこういうところなんだなということをそのときにすごく印象が深かったのをよく覚えております。学校というのは押しなべてみんなそういうふうになっているんだろうと、ついそのとき思ってしまったんですが、実はほかの学校に行ってみるとそんなものが余りないというようなまた現実もございました。
 このことについて、私も今、通告、連絡もしていませんから、どなたでも結構ですが、学校、それぞれの学校にこういった防災無線装置みたいなものを、これはもう必ず付けるんだというような考え方というのは持てませんかね。どうでしょうか。
#31
○副大臣(鈴木寛君) 今回もまさにその通信手段の確保というものが大変に難しく、今なお問題を抱えております。当初は、衛星を使った電話あるいは通信システムしか使えないと。しかし、ここは数も限られておりますし、山合いに来ますとなかなか途中で寸断されてしまうと、こういうこともあります。ありますので、防災無線も含めた緊急時の通信システム対応については、今新しいいろいろな技術等々も出てきておりますので、そうしたことを踏まえて、そして今回のことを教訓に新しくもう一度考え直していきたいと、指針の中にも当然その検討結果は盛り込んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#32
○水岡俊一君 是非きちっとそういった考え方を盛り込んでいただきたいし、そして、そのことが実現できるような財源の措置をしていただくということが私は大事だと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 それでは次に、教職員定数の問題について質問をしてまいりたいと思います。
 先週成立をいたしましたいわゆる義務標準法、これの一部改正が行われたところでございますが、与野党の皆さんの総意で附則が付いたわけでございます。そういった中で、被災地の学校の教職員定数は、当該の事情に迅速にかつ的確に対応するため必要な特別の措置を講ずるものとすると、こういうふうに明記をされたわけです。これを、じゃ具体的にはどういうことをしていくことができるのか、ここが僕は問題だというふうに思います。
 ここで、ちょっと資料は用意してないんですが、是非委員の皆さんにも考えていただきたいと思うんで、一つのケースをちょっと提示をしたいと思いますが、例えば小学校で一学年が百四十名いた。そうなりますと、これは四十人学級あるいは三十五人学級、いずれにしても四学級ありますよね。これが各学年、一年、二年、三年、四年、五年、六年、ほぼ同じような数がいて、四学級掛ける六年ですから二十四学級あります。特別支援学級が二学級あったとします。そうすると、この小学校は計二十六学級の学校ということになります。これは、法律によりますと、教職員はどうなるかというと、校長が一、教頭が一、教諭が二十九、養護教諭が二、事務職員が一、教職員は計三十四人体制と、こういうことになります。
 ところが、この震災の影響で、一学年百四十人いた子供たちのうち、たくさんの子供たちが避難をした、あるいは、一部は悲しいことかな亡くなってしまったというような状態が起きていて、例えば一学年僅か三十人しか今目の前にいないということを想定してみたいというふうに思います。約二〇%が今目の前に、その学校に残っているということを想定した場合は、もちろんこれは法律上で言えば一学級ですよね、三十人ですから。一学級が一年、二年、三年、四年、五年、六年で六学級です。特別支援学級が一あると仮定しますと、計七学級です。そうすると、教職員はどうなるかというと、校長が一、教頭が〇・七五という数字ですが、まあ一でしょう、教諭が八・一、養護教諭が一、事務職員が一、計十一・八五ですので、まあ十二名というふうに考えることができると思います。十二名なんですね。
 先ほど、私は三十四名体制と言いました。三十四人から十二人ですから、この学校は、法律どおりにいくと二十二名教職員が減るということになります。さて、この学校は、二十二名減らした状態で新しい年度をスタートしていく、あるいは、人事が凍結されている部分がありますから、七月とか八月に新しい人事が確定されて教職員の配置が決まるというときに二十二名も減らすようなことに、これは絶対してはならないと私は思うんですね。
 そのために、皆さんが御協議をいただいて、総意で決めたその附則には、迅速かつ的確に対応するために特別な措置をすると決めている。さあ、その特別な措置というのは、こういったケースの場合にどういうふうな措置が考えられるのか。これ、少し具体的ですが、文科省の見解を述べていただければ有り難いと思うんですが、いかがでしょうか。
#33
○政府参考人(山中伸一君) 委員御指摘のとおり、元の学校といいますか、被災を受けた学校から、その学校がそのままどこかに行って再開すればまたそこで生徒も集まってきたりということはありますけれども、それは再開がまずすぐにできないというようなときに、ほかの学校に転出していくという子供さん、受け入れたところは、受け入れたところの生徒さんの学籍を移したり事実上の転学とかそういうのもありますけれども、それを込みにして含めた形で子供の数で、まさに転入を受け入れた学校はその子供さんの数に合わせた形で教員を配置しようということを考えております。基準日をどうするかというのはありますけれども、これも弾力的にいろいろやっていきたいとは考えております。
 では、元々の学校の方で子供がもう減ってしまったと、例えば三分の二減って、先生の御指摘のように三十四人いるはず、先生の数、教職員が三十四人が、教職員が十二人ぐらいのところまで子供さんが減ってしまったという、ここの学校についてですけれども、この学校についても、例えば子供が転入した先について、いろんな心のケアとかそういう問題がありますので、被災した子供たちの実態を把握する、あるいは実際の指導に当たるということで、いろんな避難所を訪問するとか、あるいは転入した先の学校に行って指導するとかいう形の仕事もございます。また、いろんな形で、元の学校の先生たちがまた協力して、子供たちのいろんな資料がございます、そういうものを集めてきたりとかいういろんな仕事があるわけでございます。
 そういうことで、いろいろと県によって対応の仕方がありますけれども、一時四月の人事は凍結するという形でやったり、あるいは兼任発令をして、元の学校にいて、また新任地もありますけれども、しばらくは、まずは元の学校の方の仕事をするという形で対応しているところもございます。
 このために、私どもといたしましては、是非、国庫負担上の基礎定数というのは、基礎定数は子供の数で計算するものですから、どちらかというと受け入れた学校の側に手厚くなるわけですけれども、ではこの元の学校につきましても、元の生徒の数、これも勘案した形で、一番多くてそこのところまでということになろうかと思いますけれども、そういう元の生徒の数も勘案して、これは加配というふうな形になろうかと思いますけれども、そちらの方にも配置するといった形でできるだけ柔軟に対応したいと思っております。
 また、受け入れた方でも、ただ単に子供の数が増えたからそれに応じて基礎定数が増えるというだけでなくて、いろいろと被災して心にも傷を負った子供たちが転入してきているわけですので、この子供たちに対してスクールカウンセラーですとかいろんなその心のケアに当たる復興の支援教員といいますか、そういう加配教員というものも必要になると思っております。
 そこの受け入れた側についてもそういう加配的な措置が必要だろうと思っておりますので、是非この辺は、そういう形での対応というものを文部科学省としても是非したいと思っておりますので、そういう考え方を都道府県の教育委員会なりにお知らせ申し上げて、それで、じゃそういう形の中でどれぐらいの御要望があるんだろうという加配についての要望を出していただき、それに対してできるだけ早く対応していきたいというふうに思っております。
#34
○水岡俊一君 ありがとうございました。
 今の局長の御答弁は、地方自治体にとってみれば非常に明確に示唆をいただいたと、こういうふうに思います。
 それで、ポイントは二つあったと思うんですね。子供たちを受け入れている学校の場合と、それから、子供たちが今はいないけれどもこれから戻ってくる可能性のある学校と、この二つのケースでお話をいただいたわけです。
 それで、子供たちが大変少なくなっている学校においては、被災前の児童生徒数を基本に考える考え方があるというお話でございました。それをマキシマムとしながら定数を考えていくということを柔軟に対応していただくということになると思うんですね。
 十六年前を思い出してみると、兵庫の場合も大変たくさんの疎開、避難をした子供たちがおりまして、元々の学校に子供たちがいない新学期でした。そのときに、兵庫県あるいはその周辺も採用したところの考え方の基本は、避難をしている子供たちに対して、個別的にこの後どういうことになりそうかなということを子供たちの様子を伺いながら調査をして、一体何割ぐらいの子供たちが帰ってくるかということを割り出したんですね。そして、そのことを数字に置き直して、被災地の学校の今後一年間に戻ってくるであろう子供たちの数を基本にしながら定数を考えていただいたという、そういった経過がございました。
 今回のケースは更にそれを上回る厳しい状況の中でのことですので、今お話をいただいたことは大変有り難いと思うんですが、なおまだその辺の基準が何であるかというのはなかなか分かりにくいと思うんですね。非常に今温かいお話をいただいたけれども、それが本当にじゃどの線なのか。要するに、被災前の児童生徒数そのまま一〇〇%を見るのか、いや九〇%を見るのか、こういった辺り、ここはこれから先、各事情もございましょうから一概には言えないかもしれませんが、明確な考え方をできるだけ早く示していただいて、被災県のあるいは被災をした子供たちを受け入れている学校の定数が更に充実をするように是非ともお願いをしたいと思います。
 それに加えて、今避難をしてきている子供たちに対していろんなケアをしなきゃいけないということで、心のケアをやっていただけるようなスクールカウンセラーだとか、そういった特別な加配が必要だというふうに思っているわけです。
 このことについては、もう既にこの委員会でもそれぞれの皆さん方から、心のケアあるいは健康管理をするためのスタッフがどうしても要るよと、そのことを是非充実をすべきだということをもう野党の皆さんからも本当に提言をいただいたところでありますけれども、この震災にかかわって心のケアを中心とした特別な加配というのはどういうふうにされるのか、その全体的な話としては考え方を少し示していただければ有り難いんですが、いかがでしょうか。
#35
○政府参考人(山中伸一君) 委員先ほどございましたように、義務標準法の改正の中でも、被災した子供たちについて学習支援あるいは心の健康、その回復のための指導、そういうために特別な教職員の定数の措置を講ずるんだということが修正されたわけでございます。これを踏まえまして、子供の心のケアあるいは学習支援ということをしっかりと行うということで、被災した県、それから被災した子供たちを受け入れた学校、教育委員会、県、両方につきまして、教職員定数の措置というものを補正の編成を待たないで今の予算の中でできるものについてはしっかりと取り組みたいというふうに考えております。
 今、関係の教育委員会と連絡を取り合って、どのぐらいの数が必要になってくるんだろうかということで要望の状況の把握に努めているところでございますけれども、要望の内容が具体化した教育委員会につきましては、できれば今月中にも具体的なこのぐらいの数ということでそれぞれの県に内示申し上げて、速やかに迅速にそういう先生方の配置が必要なところで行われるように、できるような、そういう形で対応していきたいというふうに考えております。
#36
○水岡俊一君 阪神・淡路、また新潟の中越、中越沖地震等でも、その災害後に教育復興担当教員というのを配置をしていただきました。その教育復興担当教員は、学級担任を持たずに自由に学年の中、学校の中を動き回って、子供たちの心のケアあるいは防災教育にかかわるということができたので、非常に大きな意義があったというふうに思っております。今回も教育復興担当教員の配置について、今お話しのとおりだとは思いますけれども、何とぞ大臣を始め皆さん方のお力をいただいて、被災地あるいは子供たちを受け入れている県の教育復興担当教員の配置を是非お願いをしたいと思いますが。
 そこで、少し私は問題がありそうだなと思って気になっていることがございます。
 平成二十三年度スクールカウンセラー等活用事業というのが事業名としてあって、これは既に被災県以外の県に対してその内定予定額というのが、事業の内定予定額というのが示されているんですね。それを聞いてみますと、びっくりしました。兵庫県の場合で、その事業ベースで一億円、約二三%近い減額がなされているという情報が入ってきました。これってちょっと信じられなかったんですが、どういうことなのか説明をいただきたいなと、こういうふうに思うんですね。
 それは、どうしてそういうふうに思うかというと、兵庫県ではEARTHと言いまして、震災・学校支援チームというのを結成して既に被災県に送り込んでいるわけですね。そういったEARTHのチームにスクールカウンセラーを同行させる、あるいはこれから学校の再開が進んでいく中で、いよいよ子供たちの心のケアとか健康管理をまさにこれからしていくときに兵庫県などはさらにそういった学校支援チームを送り込みたい、こういうふうに考えているわけですね。そういうふうに考えているところに、スクールカウンセラーの事業のお金を二三%も減らして、さあやりなさいと言われても、これは全国の都道府県はたまったものじゃないですよね。
 気持ちはあるから何とかお金を工面してというふうに各都道府県は頑張ってくれるとは思いますが、これについて文科省は、この内定で取りあえずこうなんだけれども、この後何とかしますからとか、そういうことがあるのかないのかというようなことも含めて、是非これはきちっとした見解を述べていただきたいと思うんですが、これ、いかがでしょうか。
#37
○政府参考人(山中伸一君) 先ほどの加配の方は、これはしっかりとやっておりまして、法律ができたときにも四月中には加配をいたしますということは、大臣の方からの見解といいますか、法律ができたときの談話という形で申し上げたところでございます。
 では、今度はスクールカウンセラーの事業でございますけれども、これは補助事業でございますけれども、これについても、非常に今回の震災で被災した地域、これは九県一市の災害援助法適用地域ですけれども、ここで非常に要請が強いものでございますので、今の予算の中で是非こういう被害を受けた地域からの非常に強い要請にこたえたいということで、今の予算をまず弾力的に活用して、ここの被害地域の全ての公立の小中高等学校、中等教育学校、特別支援学校、ここにスクールカウンセラー等を緊急に支援、配置したいと、派遣したいということで、まず二か月間でございますけれども、集中的にここの御要望にこたえたいということで、これだけ使えますということを御通知申し上げたところでございます。
 そうしますと、年度当初で考えておりましたもの、ほかの地域のところがそれを使ってしまいますと足りなくなるという状況がございましたので、御指摘のように事業計画の七七%ということでちょっと考えていただけないかということをやっておりますが、今補正予算を考えておりまして、是非、文部科学省としては、このスクールカウンセラー等活用事業、これにつきましてこの被災を受けた地域についての補正予算を組みたいと、盛り込みたいと思っておりまして、ここに補正予算が盛り込まれますと今までのものにプラスしてそれが措置できますので、それ以外の地域につきましては、今の予算の中で、当面の予算の中で最大限被災地に対して弾力的に対応したいと、御要望にこたえたいということでそうなっておりますけれども、そこの上、補正予算でそこが措置されるようにということになりますと通常の形に戻りますので、そういう補正予算が措置できれば、ほかの都道府県についても今までと同じような当初のレベルの国の予算が確保できると、元に戻るという形になろうかと思っております。
 そういう意味でも、補正予算に是非この事業について、スクールカウンセラーの事業について盛り込んでいきたいというふうに思っております。
#38
○水岡俊一君 補正予算に期待ということでございますけれども、この点については野党の皆さんにも是非御理解をいただいて御協力をいただきたいと、このように思いますし、必ずその部分についてはカバーをしていただきたい、お願いをしたいと思います。
 スクールソーシャルワーカーが保護者の相談に乗るんだというようなお話も副大臣からも先週いただいたところです。私が気になっているのは、乳幼児のときに被災をした子供たちが、小学校、中学校になってから心のケアが必要になってきたという子供たちが少なくないんですね。だから、これは小学校、中学校だけじゃなくて、幼稚園や保育園でもそういったことのケアをしなきゃいけない。そういったことに対応するためにも、弾力的にこのスクールソーシャルワーカーあるいは教育復興担当教員、是非活躍をしていただきたいと思います。
 そのためにも必ずそういった手当てをしてほしいと思いますが、そこで一つだけ最後に私申し上げておきたいのは、被災県にその要望が強いからその分の人数を確保するためのお金は用意しましたと、もしできたとしても、誰がするんですかということになると思いませんか。だって、そういう心のケアができる人が日本全国にあまた余っていて、そこに投入できるわけじゃないんですよ。だから、そのお金も当然必要なんだけれども、それは、現在日本全国で活躍をしている教職員の中で、心のケアを担当できるような、そういう現職を他府県から応援をするというのが私は現実的な話じゃないかと思うんですよね、対応できる方法としたら。
 そのためにも、各都道府県がそこに派遣ができる、そういった職員を確保するためにも、あるいは被災をしてきて暮らしている子供たちのケアをするために確保するためにも、各都道府県のその心のケア、ソーシャルワーカーの事業については確保していただきたいということをお願いを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#39
○神本美恵子君 おはようございます。民主党の神本美恵子でございます。
 今日は震災対応に対する集中ということですが、私も先週の金曜日と土曜日に、福島県の飯舘村と南相馬を中心に被災状況の視察と学校関係の方々にお会いしてお話を聞いてまいりました。南相馬の教育長さんにお会いしたときに、四月二十二日から学校を移転して再開をする、学校が始まるというお話を聞いたときに、南相馬市の今現在分かっている、小学生八名、中学生六名が亡くなって、いまだ行方不明、小学生七名と中学生三名というお話も聞いてまいりました。
 本当に、先ほど鈴木副大臣も学校関係者のお亡くなりになった数をおっしゃっていましたけれども、この度の大震災、犠牲になられた方々の御冥福を心からお祈りするとともに、遺族になられた方々にお悔やみをしながら、今幸いに命は助かったけれども被災の中で本当に御苦労をされている方々にも心からお見舞いをまず冒頭申し上げたいと思います。
 行ってまいりまして、私も津波の被害を受けた地域へ初めて入りましたけれど、これまでに見たことのない光景でありました。何と言っていいか分かりません。大きな海岸に置いてあるテトラポッドと言うんですか、コンクリートの大きな塊がごろごろと海辺から中に入ってきて、まだ、転がっているというか、そこにある。いかに津波がすさまじかったかということも、そのこと一つを取ってみても分かりますけれども、これから復旧に向けて、また、被災された方が自分たちの村をつくり、町をつくり、復興していくためにはまだまだやらなければいけないことがあると思いますが、今日限られた時間でございますので、私は、特に飯舘村に行って話を聞いてまいりましたこともありますし、放射能の関係について、原発事故に関する学校との関係についてお伺いをしたいと思います。
 冒頭の御報告の中にも、空間や土壌の放射線量をきちんとモニタリング測定をしながら、それを分析して速やかに基準を定めたいというような大臣のお話もございました。
 私は飯舘村の教育長さんにお話を伺ったんですけれども、飯舘村は、これから隣の川俣町の川俣中学校と川俣高校に小学校、中学校の飯舘村の子供たちがスクールバスで通っていくということでございますが、あしたが始業式、新学期を迎える日になっているということです。あしたの新学期を迎え、新学期のスタートは、これからしばらく離れなければいけないこれまでの飯舘村内の小学校、中学校でそれぞれスタートをして、それから川俣町に移動していくということですけれども、教育長さんが今最も望んでいらっしゃるのは、正しく怖がるという言葉が非常に印象的でございましたけれども、正しく怖がりながら子供の安全を守りたいという、そういうことでございました。
 計画的避難区域に指定をされ、また南相馬も一部は二十キロ圏内ですけれども、二十キロから三十キロ圏内にあるところは緊急時避難準備区域ということで、南相馬も学校ごと移転をして仮設校舎で学校を始める、ここは二十二日ということでしたけれども。
 そうしますと、子供たちの学校活動、教育活動が始まるわけですが、危険区域は離れていくことになりますけれども、新たなところで学校が始まった場合に、本当に正しく怖がりながら安心して学べる、そういう環境にしなければいけないと思うんですが、そのための子供の安全基準というものが必要ではないかと思っております。文科省の方にも福島県の教育委員会の方から、教育長から、そういう御要望が三月三十一日に出されているというふうに聞いております。地元紙では国は基準をいつ示すんだと、厳しい言葉では、佐藤知事ももう裏切られたというようなことが地元紙では躍っております。
 私も早急にこれは子供の安全基準というものを定める必要があると思うんですけれども、そのことについての御認識をまず大臣にお伺いをしたいと思います。
#40
○国務大臣(高木義明君) 学校において児童生徒などが安全で安心で教育活動ができるということにおいて、我々は、その今基準の指摘がございましたが、これを作ること、これは極めて重要であろうと思っております。
 既にこの委員会でも基準についてのお尋ねもございました。私どもとしても、改めて先日、福島県において四月五日から七日に県内の保育園、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校について空間線量率を測定をしております。この結果を踏まえまして、さらに四月十四日に、より詳細の実態を把握することを目的に文部科学省として、比較的高い測定結果が出た五十二校、もちろん幼稚園も一園ございますが、五十二校・園の学校について、一校当たりの測定ポイントを増やしまして、例えば校舎の中、あるいは窓際、あるいは校庭などの土壌を採取する、詳細の再調査を実施したところでございます。
 現在、この調査結果を受けて、例えば学校の校庭などの使用する際の放射線量の基準、そして学校生活における留意事項、例えば長袖を着た方がいいとかあるいは靴の泥を落とすとか、こういったもろもろの注意事項なども、こういう考え方を示すことを今検討しております。もちろん、これは速やかにしなきゃなりません。
 今、各市町村の教育委員会あるいは学校設置者の学校判断の目安をしっかりしたものをつくらなきゃなりませんので、調査結果を踏まえて、原子力安全委員会の助言を踏まえて、これは御指摘のとおり、いわゆる新しく開校する、学校が始まるということも十分念頭に置いておりまして、速やかに決めてまいりたいと、このように思っております。
#41
○神本美恵子君 今大臣の方から速やかにと言っていただきました。これ基準を決める場合に、原子力安全委員会の助言を得ながらということでしたけれども、今日おいでいただいておりますので、原子力安全委員会としてはこういった基準を決める場合にどのような形で関与されるのか、教えていただきたいと思います。
#42
○政府参考人(久住静代君) お答え申し上げます。
 原子力安全委員会は、原子力災害対策本部やあるいは関係省庁からの求めに応じまして、緊急事態応急対策の実施に関する技術的事項について助言を行う立場にございます。文部科学省より学校等における安全基準に関しまして技術的助言の要請がございましたら、原子力安全委員会の有する技術的、専門的な知見を活用いたしまして助言を行ってまいりたいと考えております。
#43
○神本美恵子君 助言の要請があったらということでございますが、まだ文科省としては原子力安全委員会にそういった要請はされていないということでしょうか。
#44
○副大臣(鈴木寛君) 本件は、原子力災害対策本部から安全委員会に助言を求め、原子力対策本部からの指示によりまして文部科学省及び厚生労働省が関係行政機関に通知をすると、こういう段取りで進めてまいるということでございます。今その最終調整に入っているということで御理解をいただきたいと思います。
#45
○神本美恵子君 厚生労働省とか原子力災害対策本部との協議、調整をして、原子力安全委員会に助言を得て決定をするということですが、幾つかの手続を経なければいけないということも今お伺いして分かったんですけれども、是非とも速やかにこれを示していただきたいし、お願いですが、飯舘村の子供たちの、合宿通学というような取組をしている商工会の若者のお話も聞いたんですけれども、今のような状況で、果たして自分はここに住み続けて、計画的避難でどこかに行くにしても、また戻ってきて、これから結婚できるのだろうか、結婚してくれる相手ができるんだろうか、飯舘村出身ということで、あるいは子供をつくることができるんだろうかというようなことまで出てくるぐらい地元住民の方々の言いようのない不安といいますかそういったものがありますので、基準はこうだと、子供に対してはこうだと、若者も、これを超えなければ安全なんだというような一つの基準というものを是非速やかに示していただきたいということをお願いします。
 時間がもう余りないんですけれども、例えば学校保健安全法というものが学校にはございます。その中では細かく、例えばプールを使うときにはプールの残留塩素はここまでに抑えなければいけないだとか、水温は何度以上でなければいけない、そのときの気温はというふうに、あるいは空気中の揮発性有機化合物、例えばホルムアルデヒドは百マイクログラム一立方メートル当たり以下でなければいけないというふうな、本当に子供たちの学習環境として細かいことがたくさん定められていて、それを学校の教職員は、あるいは教育委員会は子供の安全ということで常に定期点検をしながら、計測をしながらやっております。
 この放射能については、ある意味初めての経験でありますし、この法律の中にもあるいは告示の中にもこの基準がありませんので、基準が定められましたら、それに対して学校はどのような点検をしていけばいいのかというような点検マニュアルあるいは対応マニュアルといったようなものが学校には必要になってくると思います。
 そのことを先生方がしっかりと認識をし、計測をし、子供にも保護者にも学校は今こういう状態だから大丈夫なんだということを示すためにも、基準と同時に、そういった点検マニュアルあるいは対応マニュアル、基準値を超えた場合にはこうしなければいけないというようなこと、あるいは立入禁止にするとか屋内だけの学習活動にするとか、そういったことを是非、同時に示していただきたい。
 もう時間がありませんので、もう一つ、その計測する測定器、これも各学校に配布をしていただきたいと。
 その二点についてお願いでございますが、どうでしょうか。
#46
○副大臣(鈴木寛君) いずれも御趣旨を踏まえてきちっとやらしていただきたいと思います。
#47
○神本美恵子君 ありがとうございました。そういう答弁をいただくとはちょっと私も思っていなかったというか、大変これは想定外で、良かったです。
 本当に学校の先生方、教育長さんも、南相馬も飯舘村もそうだったんですけれども、これで本当に大丈夫なんか、大丈夫なんかという心配をなさっております。そして、その心配がお互いに広がっていきますので、これも報道されておりますけれども、福島県から転出して新しい県あるいは学校に行ったときに、福島から来たということでもういじめを受けるとか、大人の人でも宿泊を拒否されるとか、飲食店に入ることを拒否されるというようなことがちらほらと出てきているやに報道もされております。
 私は、飯舘の広瀬教育長さんの正しく怖がるというこの言葉は、本当に飯舘とか福島県の人だけではなくて、私たち全国民あるいは世界中の人たちが正しく理解をして、これだから大丈夫、これ以上は危険ということをみんなが理解をしなければいけないと思いますので、先ほど御答弁いただきましたマニュアルとともに、子供にどういう語りかけをしていったらいいのか、あるいは保護者にも先生方がどういうふうに語りかけをしていって、安心して子供を学校にやっていただけるという状況をつくっていくことが今最も肝要ではないかというふうに思っておりますので、そのことをお願いをしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#48
○義家弘介君 自由民主党の義家弘介です。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、昨日の大臣談話の中で、私はこの委員会でも、国庫負担金の返還分、これらを活用して一刻も早く被災地に加配教員を担保すべきだということを主張してまいりましたが、迅速な高木大臣の判断、そして政務三役の判断に、まず最初に敬意を表したいと思っております。ありがとうございます。
 その上で、冒頭、耐震化についてまたお尋ねしたいと思います。
 この震災復興加配についてはしっかりと行っていく旨が公的に発表されましたけれども、この耐震化、一次補正で夏休みにするためには、まず千校、およそ三百四十億円、これしっかりと今回の補正予算で付けねばならないと。余震も、大きな余震も続いている中で、まさに学校は地域の防災拠点である。だからこそ、しっかりとした判断をしていただきたい。これは自由民主党からもすごく重要なこととして申入れをした次第でございますが、我々、答弁の中で尾立政務官は、例えば、一次補正は被災地の復興が第一で、資源を集中的に投下すべきだ等々の答弁がありながら、非常に不安の中で多くの自治体は、今回の、今行われている統一地方選挙も含めて、防災を焦点にしながら、この防災をいかにして有事のときに整備するかという形で、今まで耐震化が遅れていた県もこのスピードを一気に上げてしっかりと整備せねばならないという動きに今なってきております。
 その中で、尾立政務官、是非、今の財務省のこの耐震化を補正予算に計上するか否かの判断がどのようになっているか、お答えください。
#49
○大臣政務官(尾立源幸君) 委員御指摘の耐震化事業費につきましては、もう本当に各地方自治体からも強い要望があるということはもうよく承知をしておるところでございます。
 ただ、一次補正の基本方針といたしましては、先回の委員会でも御説明したとおり、全ての資源をこの復興復旧に集中させるという観点から現状では盛り込んではおらないところでございますけれども、現在、この一次補正案につきまして、国会において、与野党間において議論をされているというふうに承知しております。
 これ、ちょっと民主党のホームページを出しますと、昨日の夕方でございますか、玄葉政調会長の方から、自民、公明両党さんから御要望のございます学校耐震化などについて要請に応じて、二十八日に補正予算と関連法案を国会へ提出する方向で作業を開始したいと説明したということがございますので、こういった御議論も踏まえて検討してまいりたいと思っております。
#50
○義家弘介君 先ほどの水岡委員の話でもありましたが、まさにこれから我々が考えていくべきは、災害拠点化整備事業、これをどんどん進めていきながら、学校を防災・災害拠点としてどのように充実したものにしていくのか、これは中長期的に考えても非常に重要なことであろうと思っております。
 私もまた新しく、「その時学校は」という神戸のPTAの協議会復興委員会等が編集した本ですけれども、この中にも様々な、これからまたこういう災害が起こったときどう対応すべきかという具体的な提言が書いてありますが、これ水岡委員のお話とも重なるところですけれども、例えば提言の中の一つに、これは阪神・淡路大震災のときに出されているもので、その後しっかり整備されなかったものの中の一つでしょうが、学校には、携帯電話やパラボラアンテナの設置など、通常の通信回線が切断されても域外と連絡可能な通信システムの確保がまず何よりも望まれると。例えば、学校に基地局を造って、そして非常時の電話は優先的につながるようになる等々のことも、これ今対応を具体的にできることと思います。それから、避難所として機能するためには、学校という設備だけで完結する電気、ガス、水道の施設が求められる、こういったことの整備もしていくべきだ等々の具体的な提言があります。
 まさに一次補正、二次補正、そしてその後の予算の付け方の中でも、これは公共事業としての性質もまたあると思いますが、災害拠点化整備事業、こういったものをまさにしっかりと推し進めていかなければ新たなる有事に対応できないというふうになっていくと思いますので、財務省としましてもきちんとその辺を受け止めた上で予算進めていっていただきたいと思いますが、まず政務官の決意のほどをお願いいたします。
#51
○大臣政務官(尾立源幸君) 御案内のとおり、学校というのは地域のもう本当に防災拠点であるということも重々認識しております。そういう意味で、先ほどお話し申し上げたとおり、今、国会の中で、両党間で政策のすり合わせといいますか補正に向けての調整がなされておると聞いておりますので、その結果をしっかり見守り、前向きに検討していきたいと思っております。
#52
○義家弘介君 ありがとうございます。
 ちょっとまだ議論があるわけですけれども、是非、財務省には聞いていていただきたいこともありますので、お忙しい中で申し訳ありませんが、もう少しお願いいたします。
 まず、それでは文科省にお伺いしますが、現時点で把握している生徒児童の学校間移動、転校の状況を教えてください。
 済みません。先ほど鈴木副大臣の中で、県外に出ている生徒が約一万人ぐらいと。現時点でもし、もちろん全てを把握し切れていないと思いますが、現時点でどれだけ学校を転校している、あるいは県外の学校に移っているということの把握している状況、雑駁な数字でもいいので教えてください。
#53
○副大臣(鈴木寛君) まず、岩手県、宮城県、福島県を含む被災地から他の都道府県の公立学校へ受け入れた児童生徒数の総数が八千二百七十七人、うち、岩手、宮城、福島の三県の児童生徒であり就学形態が判明している人数が五千七百四十五人ということでございます。
#54
○義家弘介君 この把握している数字自体もまだまだ一角であり、もっともっとたくさんの生徒がいる、それから、これから出てくる。起算日が五月の一日、形式的にはなっていますので、その後様々な確定がなされていくと思いますが。
 この移動について、今日改めてこの福島第一原発の周辺の移動も含めた質問をしてまいりたいと思いますが、緊急避難指示地域、屋内退避指示地域、これは自主避難要請がされている地域、計画的避難区域、緊急時避難準備区域、様々な区域がマスコミを通じて被災地にも届けられるわけですけれども、このそれぞれの定義をもう一度改めて教えていただきたい。
 何か突発的に区域が出てくるわけですけれども、このそれぞれの区域、まず緊急避難指示区域と屋内退避指示区域、この二つの定義をこれどこに聞いたらいいんですかと言ったら、経産省と言うんですね。
 では、経産省、よろしくお願いします。
#55
○政府参考人(西本淳哉君) お答え申し上げます。
 避難指示区域とそれから屋内退避指示区域でございますけれども、これは原発の事故の発生の初期に設定したものでございます。
 事故発生直後の対応といたしまして、三月十一日に原子力発電所福島第一から半径三キロ圏内に避難指示を出したのを始めといたしまして、順次拡大しまして、三月の十二日には福島第一から半径二十キロ圏内、それから福島第二から半径十キロメートル圏内の区域に避難の指示をいたしております。それからさらに三月十五日には、万全を期すという観点から、二十キロの外―三十キロまで、ここの区域を屋内退避区域ということで指示をいたしました。
 その後の、現時点に至りまして、いまだ放射性物質の累積が局所的に生じている地域がございます。それから、いまだ事故の状況が安定していないということでございますので、四月の十一日に新たな区域の設定について官房長官からお示ししたところでございます。具体的には、福島第一から半径二十キロメートル以遠の周辺地域におきまして、気象条件とかあるいは地理的条件によりまして局所的に放射性物質の累積が見られるようなところ、累積線量が比較的高い地域が出てきております。
 こういったところにつきましては、この先この地域に居住し続けた場合には、積算線量と言っていますけれども、浴びる放射線の量が高水準になるおそれがあるということでございまして、このために、国際放射線防護委員会あるいはIAEAの基準等を考慮いたしまして、事故発生から一年の期間のうちに積算線量が二十ミリシーベルトに達するおそれのある区域を新たに計画的避難区域ということで設定をいたしまして、そこに住んでおられる方はおおむね一か月を目途に移転を、避難をしていただくということが望まれると、こういう区域が計画的避難区域でございます。
 それから、事故発生初期に屋内退避ということで設定した区域でございますけれども、この中、こういう地域は事故の状況がいまだ安定しておりませんので、緊急の場合に対応しないといけないという可能性があるということでございまして、こういった地域を、その屋内退避区域の中から、先ほど申し上げました計画的に避難をする区域を除いた部分を緊急時避難準備区域ということで設定をいたしました。
 以上でございます。
#56
○義家弘介君 今の説明を聞いて、避難しなければならない人たちはよく分かって納得しますかね、という問題なんですよ。とにかく、しっかりとした説明、明確な線引きがなければ不安が不安を呼んで、自分たちのこれからは一体どうなっちゃうんだろうという気持ちから逃れることはできなくなるわけです。
 いろんな区域、設定するのは結構ですが、まずはその区域が何なのかをしっかり整理して丁寧に説明する必要がある。私もテレビの報道なんかを見ていると、この区域内にいても、いや、避難していたってしようがないと、自分はもう家に帰るんだというような方たちがそのまま映し出されておるとか、様々な今後対応が必要だというふうに思いますが。
 ここで考えなきゃならないのは、官邸の災害ホームページに出ているんですが、この計画的避難区域に指定された川俣町の一部、南相馬市の一部、この一部という部分については、四月十一日付けで、「具体的には、今後、政府と地元自治体で調整し、数日のうちに決定される見込みです。」と書いてあるだけなんですよね。その後、更新、昨日の夜の時点でありません。先ほど神本委員が、飯舘村の学校が川俣町の学校に移転して、そして授業がやっと始まったというお話をされていましたが、いいですか、川俣町、これ計画的避難区域の一部なんですよ。じゃその学校がこの一部に含まれるか含まれないかで、移動して、さあ、今度また移動する可能性があるのかというような思いも当然あるわけですけれども。
 じゃもう一度、経産省、お聞きしますが、この一部、この一部について、どこからどこまでなんですよというのはいつになったら決まるんですか。発表から一週間過ぎていますけれども、いつになったらこれ決まるんでしょう。
#57
○政府参考人(西本淳哉君) 今、四月十一日に基本的な考え方を官房長官からお示しいたしまして、ただ、具体的には、実際のそこの線量と言っていますけれども、その状況等をしっかり見極めて、それで調整して決めていくということになります。具体的なその時期につきましては官邸の方で御判断いただけるというふうに思っております。
#58
○義家弘介君 具体的な時期については官邸の方でお考えになってくれているって、私はこの一部についていつ決まるんですかっていろんなところに問い合わせたら、経産省に聞いてくれっていうから経産省に今聞いているわけですよ。官邸の方じゃなくて、この一部はいつになったらこれ決まるのか。住んでいる人は自分たちが一部に入るのか入らないのか。この一部の中にいる学校は、この一部に入ったら、まず小中高校は休園、休校になるわけでしょう。計画的避難区域に入ったら休校、休園になるわけですよ。
 じゃ文科省にお尋ねしますが、この川俣町、南相馬市にある保育所、幼稚園、小学校、中学校、高校の数、児童生徒数、教員数、現状教えてください。
#59
○副大臣(鈴木寛君) 川俣町の幼児、児童生徒数でございますが、幼稚園五校百七十一名、小学校六校八百十二名、中学校二校四百二十一名、高等学校一校三百二十一名、学校数総計十四校、児童生徒数一千七百二十五名と、こういうことになっております。
#60
○義家弘介君 という生徒児童たちが、あるいは先生たちが、あるいは学校がこの一部に含まれるのか含まれないのかの判断が、入学式が終わって、始業式が始まって、それでもまだ示されずに、これからの状況で官邸が判断していくことだと思います。
 大体、昨日の予算委員会でも我々自民党の方から指摘しましたが、もうこれ、災害対策の会議、組織だけでも我々が知り得る限り二十四個あるわけですよ。これらの会議で、じゃどうするかどうするかって延々とやっていたって、現場にいる人々やあるいは子供たち、これから自分たちはどうしたらいいのかという方針さえ立てられぬまま避難生活をせざるを得ないと。一刻も早く、例えば、大事を取ってここまで、ここまでなら大丈夫だというラインを示さなかったなら、学校のこれからの計画しようがないわけですよね。運動会どうするのか、体育の授業どうするのか。それより何より、このまま学校を続けていっていいのかということなわけです。四月の十一日にその一部と指定された、その一部の定義さえまだできていないという、こういう状況はやっぱり遅過ぎると言わざるを得ないと思っております。
 もっと我々はしっかり具体的に子供たちに立脚して考えていかなければならないわけですけれども、例えば小中学校は書類で転校できますよ。しかし、高校はそういうわけにいかないんですよ。転入するためには定員が空いているのか、あるいは受験のレベル、勉強のレベルでそこの学校に付いていけるレベルなのか、そうじゃないのか。単に面接だけして、はい、いいですよ、はい、入れますよ、どこの学校でもオーケーですよというわけにはいかないわけですよね。じゃ文科省として、そういう避難生活の中で転校を余儀なくされている子供たちの受入れをどうするのか。これも非常に単純な話ではなくて、リアルに考えなければならない問題なわけです。
 例えば、私の場合は震災ではなくて自分の問題だったわけですけれども、私は十六歳で学校が駄目になってしまって、さあ別の学校に転校したいと思った。これは大変なんですよ、転校試験。受け入れてくれる学校があるかないか、そしてその試験のレベル、この学校のレベルはこのぐらいであなたの成績では無理だとか、いいだとか、あるいは教室が空いて欠員があるかどうか、様々なことの中でなかなか入る学校がない、こういう状況が生まれているわけです。もちろん現在この子供たち、全く罪がないわけですから。しかし、彼らは転校せざるを得ない。
 皆さんは非常に優秀だからそんなこと全く考えないかもしれませんが、いざ転校しようとしたときに、まして新入生なんかは入学式さえ始まっていないのに、これからどこかの学校に移動しなきゃいけないのか、いいのか、親の引っ越しに伴って対応していかなければならないわけです。こういうことを果たして考えた上で行っているのか。
 この計画的避難区域等々の議論の中に文科省はしっかりかかわって、そういう意見はしっかりと言った上で出されているのか、ちょっと文部科学省、お答えください。
#61
○副大臣(鈴木寛君) この計画的避難区域の設定自体については、先ほど経済産業省から御答弁ございましたけれども、官邸の本部と地方自治体とで調整をしていただくということであります。
 先ほどの川俣のお話でちょっと例示的に申し上げますと、川俣町は現在においては、まあやっとということを付け加えられるかもしれませんけれども、官邸と少なくとも被災の情報、それから対応の考え方、ここについてはコミュニケーションができるようになりました。
 その中で、区域の設定は設定としていろいろな総合的判断ございますが、子供への対応についてはそういうこともございますので、例えば川俣の中に山木屋小学校と山木屋中学校というのがございます。ここは少し値が町内の他の地域に比べて高いということもあって、町内のほかの学校に移転をし、十八日から授業再開をしていただいております。こういうもう個別個別の対応をしっかりやっていくということを我々もきちっとフォローするということだと思っています。
 それで、高校についてはもっと大変だというのはおっしゃるとおりでございまして、まず、弾力的な受入れや入学選抜での配慮をお願いをしたいということをまず通知しました。しかし、それだけでは不十分でありますので、三月二十四日に、入学選抜において、例えば学力検査は行わず、面接などにより選抜をするなどの御配慮をいただけるとよいでしょうという、こういうQアンドAという形であります、最終的にはその学校長の判断でございますから文科省が押し付けるわけにはいきませんが、一つの例示としてこういうこともお示しをしております。もちろん、きちっと双方の様子が分かっていい転入学が行われるということが大事でありますが、その面接等によって学力などもお互いに意見交換をしていただくということでございます。
 それと、各都道府県教育委員会においても大変にこの動きに呼応していただいて、十五の都県におきまして転学試験又は入学者選抜を面接等により行うことを決めていただいて表明をいただいているところでございます。
 それで、現在のところ、四月の八日時点でございますが、五百八十二名の高校生が福島県から被災三県以外の都道府県の公立学校へ受入れをしていただいたということでございます。ただ、また元の学校が通学可能になりました場合は、その元のところで勉強をしたいと、そういう場合には再度転校することが可能と、取り扱う方針を公表をしていただいております。
 それから、日本私立中学高等学校連合会においても、私立高校で例えばホームステイ付きの受入れ、そうしたことについてのオファーも出していただいていますが、これは連合会の方針としては学籍は元の高校に残したまま事実上の就学を一月、三か月、六か月、こういうような、例えばですけれども、形で一時的受入れをやっていって、いずれその学校に戻っていただくことを応援すると、こういうような取組を各方面の御協力でしていただいているところでございます。
#62
○義家弘介君 計画的避難区域の一部さえ定義できていない中で、いつ戻れるのかということも全く見えない状況になっているわけです。
 例えば、高校三年生は一年後に戻れるといってももう卒業なんですよね。次の自分のこと考えなきゃいけない。中学三年生も一年後に戻れるといってもう高校進学、中学生じゃないわけです。だからこそ具体的に個別のものに対して対応しなければならないというふうに私はずっと強く強く言ってきたわけですけれども、この原発から三十キロ圏内の学校だけで学校数六十三校、生徒児童数一万五千四百七十二人、教員が千六百二十八人、これは以前の統計の段階で存在しているわけです。じゃこの人たちを、この子たちをどうするのか、どう受け入れていくのかということを本当に真剣に具体的に考えていかなければならないと思っています。
 例えば、福島原発から二十キロから三十キロ圏内に私立高校あります。一つは株式会社立の広域通信制の学校、もう一つは普通の私立高校なわけですけれども、生徒が通ってきていた私立高校なわけですが、この原発から三十キロ圏内にある私立高校、現在どうなっているか文科省、把握していますか。
#63
○副大臣(鈴木寛君) おっしゃるとおりの学校が存在しているわけでございますが、これは同一の学校法人が設置をします福島市の高校を始めといたします他の高校への転学をさせるという対応を進めていただいているというふうに聞いております。
 そして、福島県私立中学高等学校協会からの御報告で申し上げますと、現在、同法人が設置する私立高等学校、福島市にある私立高等学校へ四十名、その他の公立、私立高校へ三十四名、残り、転学検討中が十八名と、こういう状況になっております。
#64
○義家弘介君 実は私もこの学校、非常に心配でありまして、連絡をしてお話を校長先生とさせていただきました。
 その中で、この私立高校がある南相馬市自体が四つの区分に分かれているわけですね。一つは、避難指示が出ている地域に住んでいる子供がいる。もう一つが、影響がないとされている地域に住んでいる子供もいる。もう一つが、計画的避難区域に指定されている地域に住んでいる子供もいると。もう一つが、緊急時避難区域に指定されている区域に住んでいる子供がいるわけです。
 じゃ、この子たち、例えば、計画的避難区域ですか、この部分、緊急避難区域もそうですが、子供、妊婦、要介護者、入院患者の方などはこの地域には入らないよう引き続き求められると、これは枝野官房長官、発言していますけれども、例えばこの家庭のレベルでいったら高校生は子供なのか子供じゃないのか。つまり、高校生はこの指定された区域に、子供、妊婦、要介護者、入院患者ですから、じゃ高校生はこの地域に入っていいのかいけないのかという判断さえ家庭レベルではクエスチョンの中で区域だけが指定されて、さあこれからあなたたちどうするんですかということが委ねられているわけです。
 公立の小中学校だったら、先生は地方公務員だから身分保障されますよ。一方で、私立の場合はこれは、この学校は三月十一日地震以来、休校措置をずっと行って、先ほど鈴木文部科学副大臣が言ったとおり、系列校に一部は移動していますけれども、先生たち、じゃこれから一体どうなっていくのか。
 これは単純にこの高校だけのことではなくて、例えば二十キロから三十キロの中でも幼稚園、私立の幼稚園三つありますよね。園児数だけでも四百以上、それから教員数だけでも三十人くらいいるわけですよ。この先生たちが、じゃこれからこの幼稚園が再開するめどがあるのかないのか、そして先生たちはその後働けるのか働けないのか。これは地方公務員である公立の先生以上に深刻。だからこそ、明確な方針や判断を出してほしいという不安も今募っているわけです。
 この私立高校、今話した私立高校ですけれども、三月十一日から休校して、新入生は入学式を迎えることないまま別の学校、系列校に移るのか、そうじゃない学校に行くのかということの選択を迫られているわけですが、家族と県外に避難した生徒は県外の高校受験を行っていると、まだ決まっていない者、決まった者ありますけれども。それから、副大臣がおっしゃったとおり、姉妹校には四十人が転校したと。一方、同じ県内の別の地域の学校へ転校を希望していて、現在それを模索中な子がいる。通信制への転校を希望している子がいる。それから、全く決まっていないで検討中という子もいるわけです。だからこそ方針が問われるわけで、そしてこの子たちがどうやったら学校に通えるのかということも個別に見て、安心させてあげなきゃいけないと私は思います。
 姉妹校、福島市内にありますけれども、多くの生徒が避難生活を送っているため、福島にある姉妹校の近くに移動したいけれども、それもなかなか家族丸ごとでうまくいかないと。生徒によっては取りあえず家族と離れてホテルを取って入学式を迎えているという生徒も現実にはいるわけです。ちなみに、十四日が始業式、十五日が入学式、そして昨日から通常授業に入っているという話ですから、その先も決められない子供たちが現実にいるということです。
 さらに、この学校のみならず、被災して生活基盤を失った多くの御家庭が今もこれからどうしようということで悩んでいますけれども、私は、高校間の転校は非常に難しいんですよという話をしましたが、もう一つ大変なことは、実は大学や専門学校への進学を希望している生徒たちなんです。
 皆さんは縁がないかもしれませんが、私、高校の教員ですから、ずっとこの時期、もう物すごい忙しさに駆られるわけですが、専門学校等へのAO入試、大学等へのAO入試というのは五月、六月からスタートするんですよ。つまり、エントリーシートを書いて、何回かオープンキャンパスに行って、登録をして、学校の先生と何度も何度も面談しながら、大体専門学校だと九月までにほぼ多くの子が内定をもらいます。大学の場合は十二月ぐらいまでAO入試続く。後半のAO入試になると一月を越えたAO入試もありますが、一番早いところでも六月から始まっていくわけです。
 さあ、入試を考えて、今このAO入試等で入学を希望する生徒が物すごく増えている。ましてや、被災で高校の勉強がままならないような状況の中で何とか進学したいと思う子供たちは、当然こういう入試形態も考えている。しかし、判断できないわけですね。給付型奨学金、就学支援、進学支援が明確に予算として付くのか付かないのか全く約束されていない中で、じゃお父さん、お母さん、僕受験していいだろうかという話にはなかなか現状なっていないわけですけれども、この転編入プラスこれからの進路に対して具体的にどういう援助を文部科学省は考えているのか、是非とも大臣、御答弁ください。
#65
○国務大臣(高木義明君) 被災した学生生徒が、この震災によって、特に経済的な理由によって就学を断念するということがないように、学業が続けられるように支援することというのは必要であると私は考えております。
 今、大学におきましては、家計が急変した学生を対象とした日本学生支援機構による無利子の緊急奨学金の貸与を周知徹底をしております。また、授業料減免を始めとする大学独自の経済的支援の活用についても周知を図っておるところであります。高校については、都道府県に設置をしています高校生修学支援基金の活用など、また都道府県が実施する奨学金の緊急採用制度のこれまた弾力的な運用を図るように通知をしたところでございます。
 御指摘の被災した学生生徒を対象とした給付型の奨学金制度については、これは経済的支援の一つとしては大変有効な考え方だと私は認識をいたしております。
 この給付制の奨学金の導入につきましては、これは今国会の中でも、予算委員会の中でもかなり出ておりましたが、財源の確保などに関する課題がございまして、私どもとしましては、諸外国の例も参考にしながらこれは慎重に検討してまいりたいと思っております。
#66
○義家弘介君 本当に時々、議論していて、えっと思うことがよくあるんですけれども、諸外国の例なんて関係ないんですよ。今この震災の状況を我々はしっかりと見た上で、日本人として日本をつくっていく子供たちにどうやって具体的な支援を社会総掛かりでしていくかという議論であって、諸外国がどうなっているかとか、諸外国がどうしたからなんていう例は、今これからやろうとしていることの参考の一つにはなろうかもしれないけれども、あるいは制度としてなろうかもしれないけれども、思いとしては違う。
 私は、はっきり申し上げて、高校無償化、これは様々な問題点があるということを昨年から当委員会でも指摘してまいりました。こういう問題が出る、こういう問題が出るというシミュレーションもしてきました。私は高校無償化やめるべきだと思いますよ、今年度で。そして、四千億円の財源を、本当に公助を必要としている子供たち、所得制限もなく十一万八千八百円、全ての子供たちにばあっとばらまいていく、そうじゃなくて、本当に学校に行けない子、安心して修学旅行も大丈夫だよと、公助を本当に必要としている子にその四千億円をしっかり付けていく、これが私は本来の政治の在り方であって、これ、先回の会議でも出しましたけれども、この高校授業料無償化によって特定扶養控除の上乗せ分が廃止されて、一番負担増になっている人たちは一体どんな人たちなのかということなんですよ。定時制に通っている御家庭、通信制、本当は学校に行きたいけど通信制を選ばざるを得なかった、選んだ学生、家庭、そして特別支援の学校に行っている御家庭、ここが負担増えているわけですよ。あとは負担減っているわけです。
 本来、公助が、より先に守らなければならないのはそういう、数は少ないかもしれない、それはばらまけないんだから選挙のプラスにはならないかもしれないけれども、まず公助が、しっかりと第一義的に守ってあげなきゃいけない、そこを最初にやっていくというのが、これは政治の一番大切なことだと私は思いますよ。
 特別支援学校に子供を通わせている御両親たちは、今までと比べたら二万四千五百円負担増になっているんですよ。一方で、全日制の普通科に行っている人は九万四千三百円負担は、プラスしているわけですよ。まず最初に、公がどちらに手を差し伸べて、どちらに安心してくださいと言わなければならないのか。様々な政治信条があるかもしれませんが、私は明らかに前者だと思いますよ。
 今回のような震災の中で、これから本当に進学できるんだろうか、家流れちゃったけれども、でももっともっと学んでいきたい、でも今回、勉強する環境がなくて、被災地の中で、体育館でなかなか受験勉強なんかできない。じゃAO入試考えようかな、あるいは専門職の資格取って、専門学校行こうかなと考えている子たちに、私は、一刻も早く給付型奨学金のフレームラインで補正の中にしっかりとやって、あなたたちにしっかり付けていきますよと。じゃその財源はといえば、例えば高校無償化を廃止する、あるいは所得制限しっかり付けて真に公助の必要な人たちに出していく等々の具体的対策を私はする責任が政府・与党にはあると私自身思っています。
 この給付型奨学金の重要性について改めて、高木大臣、お願いします。
#67
○国務大臣(高木義明君) 給付型奨学金については度々国会でも強く議論が出ておることは承知をいたしておりまして、私どもも願わくばそういう制度をつくっていきたいとは思いますけれども、諸所の理由がございまして、今、現状でございます。今後、しっかり検討してまいりたいと思っております。
#68
○義家弘介君 私は、政治主導という中で、とにかくこういう危機的なときだからこそ大臣や、あるいは与党の皆さんに明確なメッセージを、不安の中にいる被災地の人たちにこういう方針でこういうふうに必ずやりますよと、抽象的な、旧来のものを戻すという復興ではなく全く新しい云々といったって、それイメージできないんですよ、そんなこと言われても。そして、税の問題さえ専門家の会議に委ねる。税の問題はしっかり政治家がやらなきゃいけない、最も大事な責任なわけですよね。言いづらいことは会議でやらせておいて、そして口を開けばいいことしか言わない。でも、具体的な方針は全然出てこない。
 一部といっても一部がどこまでなのか分からない。これからまた、風向きによってもまた変わってくるんでしょう。そういうことも言わない。ほかが含まれていくかいかないか、これから流動的だということも言わない。これから進学を考えている人たちにこういうふうに今あなたたちの進学を安心させるために具体的な議論を与野党でしていますよということも言わない。これから全力を尽くして考えていきます、それじゃ誰も安心できないし、その考えていきますでは判断できないわけですよ。
 政治家が最も重要なのは、責任を持って判断をすることだと私は思っています。是非とも、しっかりとした判断を一刻も早く、未来の見えない、次の時代を背負っていく若者たちに示していただきたい。そして、その上で我々がしっかり力を合わせて、そのために、じゃ何をする必要があるのかということを政治の場で議論していくべきであろうと思います。
 様々な会議をつくって、その会議で方針が出て、例えば二十四個あったら二十四個の方針が出てくるわけです。そうではなくて、政治家として我々がどう考えるのか、何を優先順位にしてどのような判断をするのか、是非とも今後の議論でもそれを深めてまいりたいと思います。
 私からの質問は終わります。ありがとうございました。
#69
○委員長(二之湯智君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#70
○委員長(二之湯智君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、東日本大震災に関する件を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#71
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。
 冒頭に、昨日、私の地元、栃木県の鹿沼市で起きました集団登校の六人の小学生の列の中に二十六歳の男性が運転するクレーンが歩道上の車止めをなぎ倒す勢いで突っ込んだ件について、今日の朝、高木文部大臣からもあってはならない事故という御指摘をしていただきましたが、お亡くなりになって犠牲になられた六人の大事な大事な小さな命に対しまして心からの御冥福をお祈りするとともに、もう絶対こういう事故は許されないという思いで、何とか子供たちを守る文科省の皆さんとの思いを一つにしていろんなことを考えていきたいなと思っております。
 さて、先週ですが、四月の十日に、同僚の熊谷議員の地元でもある宮城県の仙台の被災地を視察させていただいて、そのときに余りにもむごい状況を目の当たりにして、一か月もたったにもかかわらずまだこんな状況なのかと本当に驚いた気持ちをいまだに忘れることができませんが、先ほど隣の熊谷議員に少しは良くなりましたかとお尋ねしましたら、状況は何もほとんど変わっていないと、むしろ悪い状況になってしまったところもあるというお話を伺い、更にびっくりしているところです。
 その現場の状況等については後ほど熊谷議員からお話があると思いますので、私は、栃木県も実は被災地の一つでもあります。その中で、教育現場ということで、ただいま大変現場は風評被害に悩まされております。その点についてちょっと最初に質問させていただきたいと思いますが、まず私は、先週末ですね、二日前ですか、地元のあちこちの教育現場を見て回らせていただき、また各地に寄らせていただいて、その教育現場における風評被害の現状と対策について様々なお話を伺ってまいりました。
 栃木県内も、特に県北は福島県に隣接しているということで、この放射能汚染、放射線に対する汚染のことに関してはとてもナーバスになっております。特に保育園や幼稚園、さらには小中学校に対しどのような発信を市町村はしているかということですが、子供を外で遊ばせては危険ではないですかとか、どうしたら子供たちを安全に外で遊ばせられるのですかという質問が大変殺到するので、各施設に対しての児童生徒の屋外の活動を自粛するような通知を出しているところもあります。しかしながら、隣接する地域でありながら、一方では校外活動は自粛だよと言い、またもう一方では安全宣言をして、空気も安全だし水も安全だから外でも遊べるよというような状況になっているというのが現状でございます。
 そんな中で、体育の授業とか昼休みの時間を除き部活動の時間等は二時間ぐらい外で遊んでもいいよというような自粛要請をした大田原市というところがありますが、こちらの方は、いつまでも外の子供たちの遊びも含めた部活もできないことはちょっと子供たちにとってもストレスがたまるということで、四月の十六日に市が放射線専門家を招いて市民や学校関係者、各関係団体を対象とした講演会を開催しました。
 そこには多くの方々、特に心配されている方々がいらっしゃって詳しく説明を聞いたわけですが、結論としては、現段階では日常生活や健康上に全く影響がないという内容になったようで、これを基に四月十八日、昨日ですね、四月八日に各学校長に要請した自粛内容は解除しました、大田原市としては。ただし、原発の状況やモニタリング数値などの情報は常に教職員間で共有し、緊急時には迅速に対応できるような体制を整えておきなさいという要請を各教育委員会になされたようです。これによって大田原市の子供たちは外で遊ぶことも許可になりましたが、隣接する他の那須町とかは、いまだに子供たちのためにまだ外には出ないようにという教育委員会からの発信もあるようで、地方はこの風評でかなり状況が悪化しているというか、情報の混乱にPTAも教育委員会も、そして一番困るのは子供たち、子供たちが悩まされているという状況にあります。
 是非とも、先ほど他の同僚議員の皆様方からも御質問がありましたように、放射線量の基準値というのを一日も早く決めていただき、福島県に隣接する他県に対しても安全宣言を早急にしていただきたいと思いますが、それについて、福島県内で学校を再開するための基準というものがあると思うんですが、また、福島県内で既に授業をしている地域への子供たちへの基準というのもあると思うんです。それとは別にまた福島県外の子供たちに対する基準というのも必要になってくるとは思うんですが、この点についてどうお考えか、大臣のお話をお聞きしたいと思います。
#72
○国務大臣(高木義明君) 上野委員にお答えをいたします。
 この放射線による影響については、まさにこれまでかつてなかった事態。こういった中から、政府としても対策本部をつくり、原子力安全委員会の皆さん方の知見も借りながら万全を尽くしてきたところでございます。特に、発災以降は二十キロ以内は避難地域、二十キロから三十キロは屋内退避地域、こういったことを決めてきたのもこれまでの経緯でございます。
 今後は、御承知のとおり、この避難区域及び緊急時避難準備区域、そしてまた計画的避難区域と、こういう新たな区域も決まったところでございます。これについては、いわゆるこの事態が長期化をしていくということを念頭に置いた対応でございまして、いずれの設定につきましても、とりわけ御心配の向きがある放射線に関する影響、こういったものについては、我が国の知見の全て、まさに放射線医学の専門家の皆さん方の意見もいただきながらそういうことを決めてきた経過もございますので、私どもとしては、この点についてはそういうものを信頼をしていただく、こういうことが何よりであろうと思っております。
 しかし、それ以外のことについて我々としても、とりわけ学校の児童生徒の健康、安全というのは非常に重要でございますので、今私たちとしては、特に福島県の方で測定をした放射空間線量の中でも、とりわけ高めのところについては文部科学省として先週再調査をいたしまして、その件について今分析をし、そして対策本部を通じて原子力安全委員会の評価をいただくと、こういうことでいよいよ最終段階に入っております。
 今お尋ねの件につきましては、できるだけ速やかに、もちろんそれぞれの学校の開校あるいは移転等も既には進行しておりますが、速やかにこれが決められるように、今私たちとしては、もう最終段階に入っておりますので、速やかに決定してまいりたいと思っております。
#73
○上野通子君 一日でも早く出していただかないと、栃木県内だけでも混乱している状況で、このままでは、本当に数百メートルしか離れていない子供たちが、片方は違う小学校に行っていて、そこは外で遊んでいいよと、こっちはほかの町だから外で遊んじゃいけないよという状況がこれからも続くような感じですので、ここでいつまでにということをお聞きしたいんですけれども、それはいつごろになりますか。
#74
○国務大臣(高木義明君) 最終段階の調整でございますので、そんなに時間は掛かりません。まさに速やかに決めたいと思います。
#75
○上野通子君 栃木県の県北というのは観光地でもございます。多くの観光客の方々がこのゴールデンウイークに是非とも入っていただかないと、風評被害で観光客がゼロというホテルも、キャンセルが相次いでありますので、できるだけ早くしていただかないと栃木県が安全じゃないというイメージになってしまっていますので、これは子供の環境ばかりでなくて、栃木県の経済効果にもつながっていくということで、本当に早急にお願いしたいと思います。
 そのときに、要望ですが、ただ登校できるかどうかだけではなくて、ガイドライン的なものも一緒に併せて作っていただかないと、またガイドラインは後回しにされては学校としても混乱すると思いますので、よろしくお願いいたします。
 引き続き、先ほどの質問の方の中にモニタリング測定器を配備する点がございましたが、文科省としては、原発事故への対応策として、福島県内の小中学校での放射線の常時監視システムを構築し、測定器約六百基を配備することに、一次補正予算案に組み入れるつもりということ、九億円ぐらいを掛けるという報道もありますが、この考え方についてお聞かせください。
#76
○国務大臣(高木義明君) 福島県内の児童生徒が安心して学校生活を送れる、そういうことで我々としては、最大限国として支援をすることは言うまでもございません。
 このために、原子力安全委員会の助言を参考にしつつ、先ほども指摘されておりましたが、いわゆるマニュアル的なことについても、当然分かりやすい、正しい理解をいただけるようなものを、今、これまた基準とともに早急に速やかに対応していきたいと思っております。
 なお、いわゆる放射線の測定器の件についてですが、私どもとしましては、これはやはり安全、安心にとっても重要なツールだと思っております。一次補正予算の中に措置をしていくように全力で取り組んでまいりたいと思います。
#77
○上野通子君 是非とも、こちらの取組をやめないでいただきたいと思います。
 先ほどちょっと、栃木県内、風評被害で観光地も閑古鳥が鳴いているというお話をさせていただきましたが、実は学校関係の修学旅行の問題が出ております。
 この修学旅行の問題では、先日、義務標準法の参考人としておいでいただいた二宮町の桑田正明先生が指摘してくださっていましたが、その指摘の中にあった、修学旅行は予定どおりうちは行いますと大変うれしいお答えをいただいたんですが、その日光はまさに私の地元でもございまして、年間、栃木県全体では観光客は八千四百万人から五百万人がいらっしゃいます。中でも世界遺産のある、この修学旅行のメッカでもある日光には年間約一千百三十万人の方々が訪れて、もちろん修学旅行と日光の観光地に訪れる学生のほかの団体の旅行等も合わせて、昨年一年間の受入れは三十七万九千人でした。もうこの修学旅行生がいなければ日光は大変厳しい状況になるのは目に見えております。
 今後、この風評被害がどれくらい修学旅行のキャンセルにつながるか、今とても栃木県は不安な状況になって、特に関係者は、皆さん本当に毎日どきどきしながら生活しているところなんですが、栃木県として、また日光として、首都圏で例年に日光に対して修学旅行に来ている学校に対しまして県は水、空気、食料の安全宣言をしました。そして、修学旅行を安易にキャンセルしないでほしいという発信もしております。
 今回の地震の後の風評被害によって、現在、先ほどお話ししましたように、日光も鬼怒川も観光客激減です。三月十一日からの一か月の間に宿泊客がかなり減少しているところ、九〇%から一〇〇%も、観光客、宿泊客がゼロというホテル、旅館もあるというのが現状です。もちろん、修学旅行のキャンセル、これはあってはならないことだと思うんですが、こういう事態になって自粛をするという学校もあるんですが、そのことに対して文科省から何か発信していただけるようなことはできるんでしょうか。
#78
○国務大臣(高木義明君) 先ほどもお話をしましたけれども、避難区域、あるいは緊急避難準備区域、また計画的避難区域と、こういう区域についてはそれなりの対応がございます。しかし、その他の区域は今の計測される数値では安全だということでございます。
 その点については、是非ひとつ国民の皆さん方にも御理解をいただいて、自粛ムードではなくて、特に今からは新緑の美しい行楽の季節になります。スポーツにおいても文化においても、あるいはまた観光においても、それについてはひとつどうぞ、特に今地元の日光の話がございました。私も一部の報道によって心を痛めておる一人でございますけれども、どうぞひとつ安全だということをしっかり御理解いただきたい。
 このようなことで、私どもとしましても、必要の都度そういうことについて皆さん方に通知をしていきたいと思いますし、今日の閣議の中でもそういう話がございまして、政府挙げていたずらな風評をもたらさないように、そういうことでそれぞれが努力をしていくことになっております。
#79
○上野通子君 是非とも文科省からも、安全だよ、観光地に行ってもいいよという発信を、特に日光地域、那須地域、たくさん栃木県内にもございますので、首都圏から本当にいらっしゃるんですね、関東近県から皆さん。都道府県の教育委員会に対して送っていただけると本当に助かりますので、よろしくお願いいたします。
 あわせて、もう一つ、学校現場における風評被害の悪影響を受けているところがあります。それは、外国人留学生が激減しているということです。特に、栃木県内にも大学が数校ございますので、そしてまた、その大学の中には、宇都宮大学を始めとしてなんですが、国際学科の大学が大変打撃を受けております。この状況に対しての御見解をお願いしたいと思うんですが。
#80
○国務大臣(高木義明君) 文部科学省として、今回の原発関係を含む地震関連の情報について、今、日本語はもとより、英語、中国語、韓国語によるホームページで情報提供を行っておりますとともに、例えば大阪大学や東京外国語大学で情報提供、この二つの今申し上げた大学ではもう十七か国語によって情報提供を行っていただいております。また、同時に、政府としても、外務省を中心にして在京の外交団に対して、原子力発電所や食品安全に関するものを含めてその情報を提供し、諸外国に対する正確な情報の提供に努めているところでございます。
 特に、外国人留学生についてのお尋ねがございました。そういう状況について、外国人の留学生が帰国されたという事実も私も承知をいたしております。こういった方々にも具体的な支援を差し伸べて、またこちらに来ていただきたい。そういう意味で、被災地にいた国費留学生で今回の震災により一時帰国を余儀なくされた方々に再度来日されるときの航空券を支給をする。また、私費の留学生で今回の震災などによって経済的困窮に陥った成績優秀な方々を対象として、一学期分の私費外国人留学生等学習奨励費、こういったものを追加応募したところでございます。そのことなどによって外国人の留学生がまた我が国で勉強していただきますように、最善の努力を努めてまいりたいと思います。
#81
○上野通子君 悲しい話があって、栃木県が福島県に隣接するからということで、アメリカからの留学の手続をした生徒がアメリカから出国できない、アメリカの方で出国してはいけないって、そこの大学には行ってはいけない、理由は福島に近いからということのようなんですが、こういうことってあってはならないと思うんですが、こういう情報をキャッチしていらっしゃるでしょうか。
#82
○国務大臣(高木義明君) 今私は残念ながらそういう情報は察知しておりませんが、この委員会で提起された問題でございますので、早速調査をして善処してまいりたいと思います。
#83
○上野通子君 海外に対しての風評被害がこれほど拡大しているということで、ますます日本が世界から置いていかれるんじゃないかと懸念しているところですが、ほかの分野でも、もちろん教育にかかわるスポーツや芸術関係の国際大会の日本開催の中止も発生しているようですし、日光で行われる行事等も全部キャンセルになっていたりとかしますし、これはやはり安心、安全の宣言の発信を日本から海外にきちんとしていただかなければいけないと思っています。
 またもう一つ、欧米などの美術館からの作品の貸出中止が相次いでいるということも今日の新聞等にも載っていましたが、これも風評被害と言えると思いますが、これについての大臣の見解もお聞かせください。
#84
○国務大臣(高木義明君) 御指摘の我が国で開催を予定しておった展覧会について、これは海外からの学芸員の渡航が制限をされていることなどによって中止とかあるいは延期とか、そういう例が相次いでおることは承知をいたしております。
 私どもとしましては、開催予定の美術館や関係団体には正確な情報提供を努めているところでございます。今後とも、諸外国の政府や関係機関に対して、あるいは留学生等に対して、しっかりした情報提供を行うように、我が国の現状について誤解のないよう努めてまいりたい。そして、それらの開催についても最大限の支援をしてまいりたいと思います。
#85
○上野通子君 やはり一番最初にやっていただきたいのは、その安全基準をきちんと定めて、安心だよという発信をいち早くしていただかないと、やはり海外でも不安が広がるのは仕方がないんではないかと思いますので、是非とも一日も早く、先ほどお願いしました放射能汚染による安全宣言と基準値をいち早く出していただき、一日も早く福島の中でも学校が再開できるように、子供たちのためにもお願いしたいと思います。
 次に、加配教員についてちょっとお伺いしますが、加配教員等については皆様、御質問されているので、中で質問になかった部分を取り上げさせていただきたいと思いますが。
 まずその前に、ちょっと専門家の皆様に聞きましたところ、避難所における団体でプライベートのない避難生活というのは通常、大人ですね、大人の通常、三週間が限度であるそうです。三週間以上たつとそれぞれにストレスもたまり、いら立ちも、精神的に我慢してきたことへのうっぷんとかもたまってきて、集団生活をできるような精神状況でも健康状態でもなくなってくるということを伺いましたので、もう既に一か月以上たつという避難所の皆さんのお気持ちというか生活はいかがなものかと本当に心苦しく思うところです。
 そしてまた、先週私がお話しさせていただきました津波によって流された体育館にいた子供たちの件に戻りますが、あの子供たちもてんでんばらばらに避難所での生活が長引いております。あの子供たちのことを考えたときに、あの津波の一瞬の悲惨な状況の中でどんなに心を痛めたか。そろそろ何とかしてあげないと、この一か月間の心の問題がずっと長引くと、後々までその心の不安定さが続くというデータが阪神大震災のときの教員のコメントにも出ておりました。
 私は、あの学校のことをいつも思い出していますが、あの学校の真ん中にあった時計はその日の三月十一日の二時四十六分で止まったままでした。子供たちの心も恐らくその時間で止まったままだと思います。何とか一日も早く子供たちの心が正常化するように私も祈っております。
 そんな中で、子供たちへの加配の教員の派遣の期間についてお伺いしたいと思うんですが、やはり阪神大震災を経験した先生方から、また先週参考人で来られた先生からもありましたが、加配教員というと、どうしても一年契約とか、もっと半年とかという限られた期間の復興支援になってしまうんではないかという懸念がありますが、一年と限らずに、その子供たちの状況が良くなるまで是非とも長期間にわたって加配教員を置いていただきたいんですが、その期間をどのくらいと今のところ検討されているのでしょうか。
#86
○国務大臣(高木義明君) 加配措置についてでございますが、先般、義務標準法の改正において、国会で修正によって、被災した児童又は生徒に対し、学習に対する支援を行うこと、心身の健康の回復のための特別の指導を行うことなどが喫緊の課題になっている事情に鑑み、国及び当該学校が所在する都道府県の教育委員会は、当該学校の教職員の定数に関し、当該事情に迅速に、かつ的確に対応するための必要な特別の措置を講ずるものとするとされたところでございます。
 これを踏まえまして、被災した児童生徒への心のケアや学習支援等をしっかり行うために、被災県や避難した児童生徒を受け入れた都道府県に対して、教職員の定数の措置を補正予算の編成を待たず迅速に的確に対応することが必要であります。このため、現在関係の教育委員会と密に連携を取りまして、教職員の配置状況あるいは加配要望の把握に努めておるところであります。この要望内容が具体化した教育委員会について、その要望を踏まえて四月中にも加配定数の追加内示を行うことにいたしております。その後も各県の状況を随時把握をしながら万全の措置を講じてまいりたいと思います。
#87
○上野通子君 ありがとうございます。
 できるだけ早く加配教員を派遣してくださるということはよく分かりましたが、できるだけ長くその期間も、同じ教員がやっぱりいることによって意義があるということもあると思います。ころころ替わっても困ると思いますので、できるだけ本当に心のケアのできる、そういう教員を長期間にわたって子供たちのケアに充てていただきたいと思いますが、あわせて、県外にどうしてもいろんな事情で転校していった子供たちに対して、今そこでいじめに遭っているというケースも発生してまいりました。この件に関しても、できるだけ心のケアをできるような加配教員を丁寧に派遣していただきたいと思っております。
 自民党は、政府に対し、原発事故被害に関する緊急提言を提出いたしまして、これに対し、昨日十八日に政府より回答をちょうだいいたしました。その中で、被災のあった県や被災した児童生徒を受け入れた県に対し、加配定数の追加措置を講じることについて検討しているという記述もありました。
 加配定数の追加措置の中身についてお考えをお聞かせいただきたいと思いますが、追加措置の予算の裏付けについてどういう形を検討しているかというのを具体的にお聞きしたいので、それが一次補正なのか、二次以降なのか、それ以外なのかも併せてお聞かせいただきたいと思います。
#88
○副大臣(鈴木寛君) これはこの委員会の御議論でもありまして、補正を待っていたのでは対応に遅れが生じますので早速にやるべきであると、こういう御議論を受けて、そして四月十五日の大臣談話で追加加配についてアナウンスをし、そして四月中にも第一弾の追加加配の内示をいたしてまいるつもりであります。そして、五月一日に基準日があり、そしてさらに都道府県から必要があれば第二弾の内示等々も必要に応じてやってまいりたいというふうに思っております。
 ここは、これも御議論がございましたけれども、上野委員からも御指摘をいただきましたけれども、国庫負担の実績額が予算積算額を下回っている例が近年続いておりますので、当面は弾力的な予算執行により震災対応のための加配定数措置要望にとにかく速やかにこたえていくと。そして、そこで仮にいわゆる予算積算額を超えるような事態になっていけば、それはまた新たな対応措置を講ずるということで対応させていただいているところでございます。
#89
○上野通子君 先週、義家先生もおっしゃっていましたが、義務教育の国庫負担金の余剰金の返還の額が昨年度は百二十六億円ということですよね。今年度はそれは調査されているのかどうかということと、それから今の副大臣のお話では、本予算の枠内でまずは対応するということなんでしょうか。
#90
○副大臣(鈴木寛君) 本年度はまだスタートして十九日ということでございますので、その執行状況については把握をしておりません。
 そして、先ほど申し上げましたように、今年度は被災地を始めとする被災関連での都道府県の要望に全てこたえるということでございます。そこは基本的に、何というんでしょうか、もちろん都道府県が精査して出してくるわけですから、それを信頼を申し上げて、そしてそれについてこたえていくと。予算額を気にせずと言うとちょっと言い方はおかしくなりますけれども、なります。それで、まず本年度、二十三年度の予算を使っていくと、これで足らなくなればまた国会にいろいろな御議論と御相談とお願いをしてまいると、こういうことではないかと思っております。
#91
○上野通子君 どうもありがとうございます。
 予算のことを気にせずにまずはこちらの方に充てていただくという力強く、心強いというか、本当安心できる御答弁いただきましたので、鈴木副大臣のお言葉を信じさせていただきたいと思います。
 次に、福島原発事故の損害賠償についてお尋ねしたいと思います。
 先ほど私は教育現場における子供たちへの風評被害についての質問もさせていただきましたが、それも含めた福島原子力発電所の放射線漏れ事故に関する様々な被害に対する損害賠償についてですが、先週金曜日にたしか初の原子力損害賠償紛争審査会も開催されたと伺っております。
 今回の原発事故では、まず一刻も早く放射能漏れを防ぎ、施設の安全を回復した上で、個人、法人を問わずに多岐にわたる多数の被害者に対して損害賠償を行い、再建の支援を行っていくことが政府と東京電力の責任ではないかと思いますが、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#92
○国務大臣(高木義明君) この原子力発電所の事故に伴ういわゆる風評被害に関しては、まずはそういうものが生じないように関係各省を始め政府関係者が一体となって客観的、正確な情報を国民に伝えるということが何よりも重要であろうと考えておりまして、またそういうことに努めていかなきゃならぬと思っております。
 今回の事故については、事故との相当因果関係が認められるものについては、原賠法、いわゆる原子力損害賠償に関する法律に基づいて適切な賠償が行われることになっておりまして、御指摘の風評被害についてもこの考えに照らして適切な補償が行われることになっております。
 この相当因果関係の考え方につきましては、委員も御指摘のとおり、四月の十一日付けで設置をした原子力損害賠償紛争審査会が先週十五日に第一回会合を開催をしております。この会におきまして損害の範囲の判定などの指針を作ることになっておりまして、この指針に沿って判断をされるものと考えております。
 したがいまして、この賠償につきましては、原子力損害賠償法によりまして一義的には原子力事業者である東京電力がその責任を負うべきものと考えておりますが、政府としても被害者の方々が適切な補償が受けられるように万全を期していきたいと、このように考えております。
#93
○上野通子君 ありがとうございます。
 その第一回の開催はされたということですが、今後早急にこの会議を開いていただかなければならないんじゃないかと思いますが、今後のタイムスケジュール等、決まっているところまででよろしいんですが、いつごろまでにどのような状況でやるかということをお知らせください。
#94
○国務大臣(高木義明君) 今のところ、前回の第一回目では、災害の状況について関係省庁からの説明を受け、そして今後の進め方について議論がされた模様でございます。なお、第二回はこの二十二日に開催をされまして、いよいよ具体的な議論が展開をされていくものと思っております。
 私どもとしましては、できるものから結論を出していただいて、速やかに対応できるように、そういうことをお願いをしてまいりたいと思っております。
#95
○上野通子君 よろしくお願いいたします。
 それで、栃木県はやはり観光とともに農業も盛んでして、実は今回の損害賠償に対して、本県が野菜だけの、野菜農家にあった被害ですが、その総額は二十七億円にも上る。農家の数は一万千五百九十九戸が被害を受けております。
 ただ、まだまだ風評被害が続くということで、風評被害のその被害額も含めるとかなりの額になるのではないかと思いますが、過去の例で、東海村で発生したときに同じように開かれた原子力損害賠償紛争審査会では、農畜産物及びそれらに関する営業の損害ということで風評被害も含まれたとは言っておりますが、最終的には十分な賠償が行われなかったケースも報道されておりまして、風評被害も含めて例えば約十六億円の損害賠償を求めた納豆メーカーの記事もありましたが、結局のところ、風評被害も認証されたにもかかわらず損害額が一億七千九百万円だったという事例もありますが、今回はそのようなことがあっては、本当に多くの農家さんが困っているということもあります。生産者の気持ちにもなっていただきたい。
 また、今回はそのほかにも計画停電等もありまして、農業関係者ばかりでなくて商工関係者全て、また、先ほどお話ししましたように観光業者全てにもこの影響は与えておりますが、この風評被害も含む損害賠償について今回はどのようにお考えになっていかれるお気持ちなのか、経産省の方にお聞きしたいと思います。
#96
○副大臣(松下忠洋君) 今回の大津波や大地震で、発電施設を始めとして大変大きな経済被害も被りました。
 計画停電というやむを得ざる手法を取って大変御迷惑をお掛けしましたけれども、現在では、被災した発電施設復旧に全力を尽くしておりまして、電力の供給力も相当回復してまいりました。同時にまた、寒さも和らいでまいりましたので暖房等の消費需要が減ってまいりまして、今では計画停電しなくても済むような状況になってきております。また、これから夏場に掛かりまして暑さをしのぐための冷房施設等でまた需要が上がってまいりますので、やっぱりそこに向かってまた供給力を増やしながら、できるだけ計画停電しなくてもいいように進めていきたいと考えております。
 そういう中で、賠償の問題が出ましたけれども、供給約款上の免責規定が適用されておりまして、原則として電力会社が賠償責任を負うことはないとなっておりますが、基本料金を思い切って割り引いていくという仕組みができておりまして、それによってしっかり対応していきたいということでございます。
 そのほか数々の経済的な被害を被っておりまして、これは高木文部科学大臣のところの、できました対策本部と力を合わせて、企業の問題もそしてまた農業の問題もしっかりと対応していかなきゃいけないと、そう考えております。
 以上でございます。
#97
○上野通子君 どうぞよろしくお願いいたします。
 最後になりますが、先ほど義家議員がおっしゃった耐震化の問題ですが、現地に対する一日も早い復興に回すということはよく分かりますが、いまだに強い余震も続いているということで、各県とも子供たちの環境である学校施設の耐震化を一日も早くしたいという思いがあります。今回の震災では、多いときでは一都十県の約六百二十校が避難所になるという、避難の場所としても貢献しておりますし、学校の耐震化を是非とも後回しにしないように何らかの形で予算を付けていただけたらなと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
#98
○国務大臣(高木義明君) 御指摘の耐震化についてでありますけれども、これについては、平成二十三年度の当初予算で措置できなかった、これは二月時点で追加を要望されております約三百四十億については一次補正予算に盛り込んでいただきたいと考えております。やはり時期的なものがございますので、夏休み工事に間に合うように必要な予算の確保に努めてまいりたいと思っております。
#99
○熊谷大君 自由民主党の熊谷大です。よろしくお願いします。
 本日は、冒頭から大変恐縮なんですけれども、非常に地元を回っていて残念な新聞記事があったことを紹介させていただいてから質問を始めたいと思います。
 四月十六日に地元紙の河北新報に載った、第二面に載った記事です。被災地と国会、認識にずれ、内閣府政務官。内閣府の阿久津幸彦政務官は十五日、宮城県庁であった県災害対策本部会議で、国会の質問や質疑を聞くと、被災した岩手、宮城、福島三県の様子がやや誇張されて伝えられてきたと述べ、被災地と国会で広がる現状認識のずれを是正する必要があると認識を示した、国会の議論が被災地の実情を十分に反映していないという不平や不満を代弁する意味もあったというふうに書かれてあります。これ、本当に事実こういうことを言ったのか。私は、今回の委員会で水岡委員や神本委員、また我が党の義家議員、上野議員が申し述べた、委員会で発言した内容が決して誇張しているものだとは思いません。
 同時に、この記事の中では、国会議員から寄せられる情報は、多くは正しいが、一、二週間古い、現地では万が一に備えて確認に追われ、混乱に拍車を掛けているとこぼすというのがあるんですね。私、これ国会軽視だと思いますよ。この内閣府政務官の認識、こっちの方が私はずれていると思いますが、いかがお考えですか。
#100
○副大臣(東祥三君) その報道があったということを、大変遺憾ながら初めて今、熊谷先生の御指摘を通して存じ上げました。
 阿久津政務官、とにかく現場に入られて、そしてできるだけ被災地を回られ、また被災者の皆さん方とも連携を取りながら、県そしてまた各市町村との連携、政府との連携に全力で取り組んでくださっている方であります。その真意がどこにあるかということを今お話を聞いてすぐコメントする立場にありませんので、そういう報道があった、また熊谷先生からそういうお話があったということを踏まえた上で彼とお話をさせていただきたいというふうに思います。
#101
○熊谷大君 副大臣、是非よろしくお願いします。
 同時に、その同じ日の河北新報の第一面には、宮城県で市町村長会議が行われて、知事が突き上げを食らっているんですよ、仮設、瓦れき、原発、対応が全て遅いと。私は、知事、かわいそうだと思いますよ。市町村の首長さんからは突き上げを食らって、上の内閣府からは、大丈夫、ちゃんと言っている、国会議員が意識がずれているって言われて、中間管理職みたいな感じで間に挟まれて、本当にかわいそうだと思いますよ。
 この意見をしっかりと、もう記事もこれ東副大臣にあげますから、是非宮城県に常駐している阿久津政務官に伝えてください。よろしくお願いします。
 以上です。その認識を持って、是非宮城県庁に苦言を呈して、お願いします。東副大臣、結構でございます。ありがとうございました。
 先ほど上野議員からもありましたが、なかなか遅々として進まない被災地の状況、そして、今悪化しているという上野先生からの御紹介もありました。私もそう思います。
 例えば、避難所ではまだまだ例えば女性の視点が欠けています。例えば、避難所は大体体育館だったら今トイレが使えないので、外にトイレをしに行くんですよね。それ、夜トイレしに行く、女性、怖くないですか。夜中に出入りが自由なんですよ、避難所というのは。受付もないんですよ、夜になると。そうなったときに、怖くないですか、誰でも入ってこれるって。そういう視点が全く欠落しているし、これは前も指摘したかもしれないですけれども、女性は避難所が長期化、集団生活が長期化する中で、下着洗えないんですよ、洗濯機なくて。又は、洗えたとしてもどこに干すんですか、集団生活。着替えるにも個室がないんですよ。乳幼児を抱えている親御さん、授乳させるときの部屋もないんですよ。そういった避難所の改善が全くできていないのに、計画どおり進んでいるという、又は着実に復興が進んでいるというこの認識、私はずれていると思いますよ。
 林政務官、今のちょっと話、どういうふうな見解をお持ちですか。
#102
○大臣政務官(林久美子君) 委員御指摘の点につきましては、まさに本当にこれ阪神のときもそうだったんですけれども、やはり被災地の現場で女性の視点というのは非常に大事だと思います。ただでさえ大きな災害の被害を受けられて非常に大きな精神的なショックを受けていらっしゃる。さらにその上に、日常生活の不便さに加えて、今御指摘のように、女性であるということで夜お手洗いに行くのも怖かったり、そうしたことがあるということは重々承知をいたしております。
 そうしたことを受けまして、例えばなんですが、これはちょっと文科省の政務官という立場とはちょっと離れる話になるんですが、例えば避難所に女性の警察官の方が来てくださると非常に安心をするんだという、避難所にいらっしゃる女性の声がたくさんございました。そういうことを受けまして、これは政府が主導してそれぞれにお願いをして、女性の警察官の方になるべくたくさん巡回をしていただくようにしたりとかですね、物資も女性ならではのものが必要であったりもいたしますので、そうしたところには重点的に取り組んだりとかですね、まだまだ十分でないかもしれませんけれども、できるだけそうした女性の視点を大事にしながら引き続き取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
#103
○熊谷大君 是非、そうした女性の視点をすぐに、迅速に取り入れていただけるようにお願いをしたいと思います。
 続きまして、ちょっと本日は災害集中ということなので、被災地を、また避難所を回ってきたときに聴取したお声を届けたいと思います。幼稚園に子供を通わせている親御さん、母親からの意見です。
 彼女はやっぱり避難所にいて、幼稚園に園児の子供を通わせたいと思う。でも、着のみ着のまま、取るものも取らずに避難所に逃げてきた。そのときに、水がやっと引いて自分の家に戻ったと。そしたら、預金通帳一式入れていたたんすが全部こじ開けられていたと。金庫も、ほかの御近所さんは金庫をこじ開けられていると。
 これ、海外はよく日本人はすばらしい、秩序立ったとかって言うけれども、それは報告が上がってないだけなんですよ。なぜ報告が上がってないかというと、警察機能も機構も津波の被害に遭ってしまった。その中で治安維持を一生懸命やろうとしている。そういった盗難の被害も今は警察に上げられない状況なんですね。
 そうした盗難に遭った、たんすにしまっていた預金通帳を、じゃどこに相談したらいいのか。全然相談する場所がない。相談するにも車がない、足がない。巡回してくれる人が金融機関でいるが、たまたま週二回ぐらい、一回ぐらい来てくれるときもあるけれども、たまたまタイミングが合わなかったらやっぱり相談できないんですよ。
 そして、自分の預金がどうなっているのか。引き出されているかもしれないし、これ生活再建をする上で非常に切実な問題なんですよ。こういったことにどういうふうに金融関係にこたえていくのか、また預金保護法が適用されるのか、ちょっとこの場で是非お答えください。
#104
○大臣政務官(和田隆志君) 預金者の預金通帳が盗難された際に、その盗難者が引き出した後、本来の権利者がその権利を失うのではないかという心配をお持ちの状況のお話だと思います。
 委員御指摘のように、そういった心配をお持ちの方いらっしゃると思いますので、今日はいい機会をいただきましたが、是非御安心いただければというふうに思っています。
 当然のことながら、今回こういった震災を踏まえて、金融庁の方から金融機関に要請いたしました結果、預金通帳が本来手元にあるべきなんですが、なくても本人確認ができれば預金を引き出すことができるという措置を各金融機関においてとっていただいています。
 その結果、もし仮に御指摘のような盗まれた預金通帳を御提示のときに、その本人だということを少なくとも何らかの外形的なことはおっしゃっていただく必要があるんですが、今回その被災された方々のことを考えれば、そういったリスクを踏まえつつも、やはり預金の払出しに応じた方が良かろうということで金融機関に応じていただいているのが実情でございます。
 その際に、本来の預金者の方々の預金を引き出す権利はどうなるのかということでございますが、実は平成十七年に先生方に御審議をお願いしました預金者保護法という法律がございます。そして、その預金者保護法ではまず、その当時社会問題になりましたATMを使ったそういった詐取的な要するに預金の引き出しを受けた場合に、その被害者を救う観点からその補償をすると、つまり本来預金を持っていらっしゃる方々の分の払出しには応じるということで措置した法律がございます。
 さらに、それを踏まえまして、平成二十年のことでございましたが、全国銀行協会など金融機関の方の自主団体の方で、今度はATMだけでなくて、先ほど御指摘いただいたような盗難された預金通帳を基に引き出すということが行われた場合でも、金融機関が自主的にその本来の権利者である預金者の補償に応じていこうということを取り決めていただいているようでして、現在、もし、報告はまだ受けておりませんが、御懸念のような事案が生じた場合には、本来の預金者はそれによって救済されるというふうに認識いたしております。
 以上でございます。
#105
○熊谷大君 報告が上がっていないのは今私がるる述べたような理由だと思いますので、今後どんどん出てくると思います。さらに、そうした預金保護の情報があるよということをいち早く情報を出していくこと、それを人口に膾炙していくことというのは非常に重要な国民の安全、安心に資する内容であると思いますので、広報も含めて、避難所にはもう常駐して銀行さんの窓口があるような形でいていただくと有り難いんです。是非それをやってください。
#106
○大臣政務官(和田隆志君) 今御指摘いただきましたこと、私どもは非常に重要だと考えております。そのため、今、まだ百点満点は取れていないと思いますが、各避難所におきまして金融機関の方でそういった払出しに応じているということと、実は今回、本当に非常に特殊なケースでございますが、ほかの金融機関に預金をお持ちの方でも、どこか身近な金融機関に行って御相談いただければ、その金融機関同士のネットワークを通じて、どこどこ銀行に何とかという預金口座があるということを確認取れ次第、預金の払出しには応じていただいておりますので、それらを通じまして皆様方の安心、安全な生活を確保したいというふうに思っております。
#107
○熊谷大君 是非よろしくお願いします。
 和田政務官におかれましては、大変お忙しい中ありがとうございました。以上で結構でございます。
 続きまして、福島第一原発に関することをちょっと質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 宮城県は、御存じのとおり、福島県のすぐ北にある県でございます。宮城県で最南端は丸森町という町でございます。丸森町は直線距離で五キロから六キロ行くとすぐ福島県でございます。一山越えれば福島県でございます。経済圏も福島県と非常に共にしておりまして、今回、南相馬市から百三十三名の避難民を受け入れている状況でございます。
 しかし、残念ながら、丸森町は福島県と同じシイタケなんかが原産なんですけれども、事モニタリングに対しては非常に不親切な扱いというと失礼ですけれども、扱いを受けております。最初、宮城県の方に相談したんですけれども、なかなか、やっぱり女川原発も被害に遭っていますので、モニタリングができないというようなこともあったようです。
 丸森町の町長は独自に東北大学に依頼をして、今、週二回モニタリングを行っているんですが、おかげさまで、空気中なんかにはそれほど高い数値は出ていないということで、それもホームページに順次載せているんですけれども、東北大学もそろそろ新学期が始まるということで、空気中の放射線も落ち着いているということで、もう引き揚げたいというふうなことも言われているようです。
 そこで、宮城県も重い腰を立ち上げて、何件か、仙台市、白石市、角田市、大河原町、亘理、山元町、丸森町、七ケ宿町に巡回移動車を出してモニタリングはしているんですけれども、これやっぱり、前回衆議院の方で一万か所ぐらいきめ細かくやっていく必要があるんではないかという下村博文委員の質問があったと思うんですけれども、それの回答として、二百のオーダーがすぐに調達できる状況ではありません、官邸においても、今御指摘があった外国の協力も得てこの機器、この充実を今一生懸命図ろうとしているところでありますという答弁が笹木副大臣からあったというふうに読んでおりますが、このモニタリングの機器、サーベイ装置をより大胆に積極的に宮城県の県南の部分に安全、安心のために設置していく予定はありますでしょうか。
#108
○副大臣(小宮山洋子君) その検査につきましては、厚生労働省の方でも緊急時における食品の放射能測定マニュアル、それから地方自治体の検査計画というのを示しているんですが、おっしゃるように、機器を持っているところがまだ少ないわけです。全体で一千万ぐらい掛かるのではないかということと、数の問題がございますので、関係省庁の協力を得ながら、近隣で検査機器を持っている検疫所、研究所、今おっしゃったような大学、国立の研究所等を紹介する仕組みを今つくっておりまして、都道府県等の食品中の放射性物質検査、速やかに実施されるように協力をし合っているところでございます。
 今後とも、その放射性物質の検査の体制について、随時把握をしながら関係省庁と協力をしていきたい。今、丸森町につきましては委員から承りましたので、早速帰りまして、その辺りどういうふうに連携をしてサポートができるかを検討したいと思います。
#109
○熊谷大君 モニタリングで一つ留意点があるんですけれども、海域モニタリングについてなんです。海の方なんですけれども、ちょっと文科省のホームページを見ていると、「海域におけるモニタリングの強化について」というふうにあるんですが、やっぱりこれ福島の沖の海なんですよね。それ、海ってやっぱりつながっているので、私は、レベル7になったということは、もう排他的経済水域圏全体にモニタリングしていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、それが残念ながら八か所、福島第一原発近くで、付近で八か所の海域でしかモニタリングをしていらっしゃらないんですね。
 これも積極的に幅広く、数多く、大胆にモニタリングをしておかないと、風評被害を未然に防ぐということには、助けにならないんではないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#110
○大臣政務官(林久美子君) 海洋の問題に限らずなんですけれども、やはり最初は原発のこうしたことがあって、まずはどういう状況にあるのかというのを把握していくために、まずはその二十キロ以遠のモニタリングからどんどん今範囲を広げてきて海洋、そして空も含めてですね、やってきているわけでございます。
 そうした意味では、それぞれのその時間の経過とともに、調査をする対象の範囲というのも当然また変わってきますし、広げていく必要性があると思いますので、それは今の委員の御指摘も踏まえながら、しっかりと取り組んでいきたいというふうに思います。
#111
○熊谷大君 是非、農水省の見解もお聞かせください。
#112
○大臣政務官(田名部匡代君) 多くの地域住民の方々が不安を抱えていらっしゃる中で、一つ大事なことは、科学的また客観的、そういう根拠に基づいてしっかりと情報提供していくことが重要だと思っています。
 それに加えて、今先生から御指摘のあるように、まだこの原発の問題が収束をしていませんので、風の流れによってはどういうところに影響が出るのかというようなことも踏まえ、必要な検査をしっかり行っていくことを取り組んでいかなければならないだろうと考えています。
#113
○熊谷大君 今の答弁は、海域のモニタリングも増やすということで受け取ってよろしいんでしょうか。
#114
○大臣政務官(田名部匡代君) 先ほど小宮山副大臣の方からお話がございましたけれども、現段階でその検査をする機器がなかなか確保ができないという現状の中で、しかしながら、先生から御指摘があったように、多くのその近隣の地域住民の皆様も御不安を抱えているだろうということから、しっかりとこの機器も確保しつつ、必要な検査をしていくことを考えています。
#115
○熊谷大君 しっかりとした是非対応を迅速に、スピーディーにやっていただきたいなというふうに思っております。
 それで、先ほど大臣からの言及もありましたが、原子力損害賠償紛争審査会の第一回の会合が四月の十五日にあったということで、私もちょっとその結果、概要どういうふうなものが出ているかなと思って文書を取り寄せたら、特に風評被害についてどのように評価するのかなということを知りたかったので調べたら、ちょっと余り詳しくは出ていなくて、こういうふうに書いているんですね。風評被害のどこまでを損害の範囲とすべきか、地震、津波による被害と原子力事故による被害との整理などは難しい問題というふうにしか出ていないんですね。昨日の予算委員会でも、この補償、賠償に関しては相当な相関関係が認められればというような表現しかなかったと思うんですけれども、これもうちょっと具体的な方針なり指針なり出ていたら教えていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
#116
○国務大臣(高木義明君) 委員御指摘の点については重要な議論の案件だと思っておりますが、前回は第一回でございまして、委員長の選任から始まり、各省庁からの現在の被害状況を報告を受け、そして委員が共通認識を持ったと。その上で、今後どのような会議をしていくかという進め方について議論があった。その後でそのような御意見も出ております。いよいよ今からまさに指摘のことがその委員会の中で議論をされていくものでありまして、我々としてもそれはそれで見守っていかなきゃならぬと思っております。それぞれ委員のメンバーも、各委員それぞれ専門的な立場でおられますから、まずはその議論を私たちとしても踏まえていきたいと思っております。
#117
○熊谷大君 大臣、是非迅速な対応を促していただきたいというふうに思っております。これだけ未曽有な被害又は災害だから、非常に時間が掛かる、情報を収集するのに、把握するのにまた時間が掛かるというのはよく分かるんですけれども、この未曽有の大被害だから、又は大災害だから迅速に対応していかなければならないということだというふうに認識、私はしておりますので、是非よろしくお願いします。
 続きまして、粉じんというところの質問をちょっとさせていただきたいんですけれども。
 非常に、私、地元に帰っておりまして、最近天気が良くなりましたので、津波の被害、水たまりが全部乾いてきまして、今度はこの乾きで干上がって、それが乾燥して細かいダストになって、風が強い日はもう舞って舞って舞って舞って、すごい勢いで舞うんですね。これが砂ぼこりだけだったらそれでいいんですけれども、この乾いた粉じんが舞い上がって、つまりこれ、ヘドロなんですよね。
 廃棄物とか有機物、微生物が含まれて、乾くと細かい粒子になって、風とともに飛び散ります。それらの粉じんは、誤嚥性の肺炎を誘引したり破傷風の遠因となったりと、いろいろ感染症の問題を引き起こすと考えられております。あるデータでは、震災後、肺炎にかかる患者さんが三倍から五倍多くなっているという今実態があります。
 それで、抵抗力が弱まっている児童生徒に破傷風のワクチンの接種などは、やっぱり必ずこれ接種、打っていってあげないといけないんじゃないかなというふうに思っております。
 御承知のとおり、津波にのまれた校舎がたくさんあります。そこは、避難所として機能していたところは、もう土足がごく当たり前でした。掃除もままならないという状態。石灰もまだまかれていない。衛生状態が非常に劣悪なままになっておりますので、そうした中で、清掃もしっかりと完全にやっておかなきゃいけないんですけれども、そうしたヘドロの乾いた粉じんの対策ということをしっかりやっていかなきゃいけないと思うんですね、二次災害を防ぐために。そこら辺の御見解をちょっとお聞かせください。
#118
○大臣政務官(林久美子君) まさに二次被害を、こうしたことをしっかりと防いでいかないといけないという、全く委員と同じ認識でございます。
 学校保健安全法の第六条において、文科大臣は学校環境衛生基準を定めることというふうになっておりまして、この中で浮遊粉じんの項目を設けて、各学校において適切な環境衛生の維持及び改善というのを図ってきたところでもございます。
 今回の震災の対応に当たりまして、文科省の方では、被災地域の教育委員会に対しまして、学校環境衛生基準に基づいて日常の学校環境衛生管理や臨時の衛生検査を行うなど、被災した学校などの適切な衛生状態を確保するようにということで通知をしたところでもございます。
 さらに、日本学校薬剤師会や社団法人日本薬剤師会に対しまして、被災した学校などの適切な学校の環境を確保していくために、学校薬剤師の派遣など、しっかりとそうしたことにも配慮いただくように依頼をさせていただいたところでもございます。
 委員御指摘のとおり、これから二次被害をしっかりと、やっぱり私たちの責務というのは子供たちの健康と安全を守っていくことにあるというふうに思っておりますので、衛生管理の徹底が図られるように指導をしていきたいというふうに思います。
#119
○熊谷大君 小宮山副大臣と、しっかりと厚労省と文科省は連携を取ってひとつやっていただきたいというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
#120
○副大臣(小宮山洋子君) おっしゃるとおり、やはり粉じんがひどいことは、ちょうど十日前に私も行きまして避難所の状況などもよく見てまいりました。
 今、厚生労働省としましては、保健師さんを全国から来てもらいまして、巡回をして健康状況のチェックをしていますので、その保健師さんからもマスクの着用の必要性とか手洗い、うがいとか、そうしたこともしっかりと徹底をして、もちろん子供たちのことも文科とも連携を取ってしっかりやっていきたいというふうに思っております。
#121
○熊谷大君 続きまして、文教施設についてお尋ねをしたいというふうに思います。これ、規制緩和をしなければいけないという点でお聞きしたいというふうに思っております。
 御承知のとおり、激甚災害の指定を宮城県、岩手県、福島県は受けました。津波の被害に遭ったところは、この激甚指定災害の災害救助法の指定によると、前も言及したかもしれませんが、復旧、元に戻すというふうなことが理念として書かれております。なので、津波の被害に遭った学校に、やっぱり同じ場所に建てるというふうな考え方になってしまいます。
 そうすると、やっぱり非常に懸念材料が多過ぎて、同じ場所にじゃ復旧させるということが果たして妥当なのかというふうなことがあります。しかし、残念ながら、松島町とか東松島市というところがあるんですけれども、そこは高台に学校を移転させたいというふうに考えても、その高台となっている場所は、松島は景勝地でございますので、法律の網が非常に掛かっているところがあるんですね。そうしたところの規制緩和を含めて、どのような措置を指導していくのかということを是非教えていただきたいなというふうに思っております。
#122
○大臣政務官(林久美子君) 今御指摘がありましたように、非常に文化的な価値が高いということで、これまでいろいろな指定があり規制があった地域も含めてどうしていくのかということかと思います。
 これは、地元の首長さんあるいは地域の皆さんとやはりしっかりと御相談をさせていただきながら、やはり文化的な価値は価値としてあるのも一つでございますので、その価値を維持しながら、なおかつ今回の震災、津波の影響で破壊されてしまった施設をどのようにどこに建設をして再興していくのかということは、しっかりと地元の皆さんと御相談をしながら進めさせていただきたいというふうに考えています。
#123
○熊谷大君 これは、自治体からも、宮城県知事からも要望が出ていることだというふうに思っておりますので、しっかりと対応していただければというふうに思っております。
 もう一点なんですけれども、文科省の方が四月の四日に、被災した学校が教育活動の再開の際に必要となる学校用家具の提供について各都道府県教育委員会に事務連絡を発出というふうに通知が出されていると思うんですけれども、これもよく言われることなんですけれども、学校が使えなくなった、そこを代替施設として、例えば役場の支所なんかを使うという場合が非常に多くあるというふうなケースだと考えられますが、その際、そこに黒板ってないですよね。あってもホワイトボードぐらい。又はプロジェクターってないと思うんですよね、そうそうたくさん。そうした机とか椅子とかも含めてなんですけれども、そうした教材なんかはどのような補助を受けられるのか。
 各自治体の教育長さんなんかに聞くと、いや、それはやっぱり市の方にやってもらう、予算計上してもらわなきゃなとか、町の予算に上げてもらわなきゃなというふうな心配の種になっているんですけれども、やっぱり国がそういったことは、先ほど鈴木副大臣からもありましたように、要望を全てかなえてあげるというような姿勢で取り組んでいっていただかないと駄目だと思うんですが、鈴木副大臣、そのような見解でよろしいでしょうか。
#124
○副大臣(鈴木寛君) お尋ねは、いわゆる学校で使う備品といいますか、共同で使う備品の件だと思います。
 少しちょっと持ち帰って検討をしたいと思いますけれども、御案内のように、災害救助法では学用品、文房具、通学用品は読めます。ですから、黒板であれば文房具、今御例示のあった点ぐらいまでは大丈夫かなと思いますが、もう少し、ホワイトボードはいいと思いますけど、黒板は持って歩けないので、電子黒板は持って歩けますけれども、まあその辺りは今の御指摘も受けて少し精査をしたいと、いろいろと現地と相談したいと思います。
#125
○熊谷大君 それと、金庫ってやっぱり重要になってくると思うんですよね。子供たちの成績表を収める金庫、これ全部流されているんですね。
 じゃ、よく教員の方、知人の教員なんかに聞くと、生徒たちの個人情報、成績なんかを収めたパソコンなんかもどうしているのといったら、やっぱり全部流されているケースもあるんですね。そうした個人情報の管理なんかをどのようにしていくのかというのも現場では非常に迷いがあると。
 それって、個人情報って普通は持ち出しちゃ駄目なんですよね。でも、管理するには自分のパソコンを買ってなりなんなりして持ち歩かないと管理ができないという問題も指摘されているというふうに思っています。そういった報告は上がっていますでしょうか。
#126
○副大臣(鈴木寛君) 今のケースは、個人情報保護、法律上の抵触はございません。ただ、これまで要するに公務員が、公務員というのは二十四時間三百六十五日どこにあっても情報を漏えいをしてはいけない、教職員も公務員でありますからそれに該当いたします。
 したがって、法律上別に学校外に情報を持ち出すことを禁止しているわけではありませんが、これまでの間、いろいろ公務員によるそうした機密情報、個人情報の漏えい問題等々がございましたので、指針といいますかガイドラインとして基本的には学校の外にはそういうものは持ち出さないことと、こういう指導が行われているわけでありますが、このような事態でありますから、学校の再開あるいは教育の立て直しという観点から当然公務員法を遵守して、そうした大事な情報でありますから、そして教員の本務に立ち返って、それを、何といいますか、いいかげんに扱うような先生はいらっしゃらないと思いますけれども、そういう意味での法律とそれから教員としての責務を十分認識していただいて、適切にといいますか、合理的にといいますか、対応していただくということでございます。
#127
○熊谷大君 ありがとうございます。
 ちょっと時間もなくなって、幼稚園についての質問もしたかったんですけれども、ちょっとそれは次回、機会があればしたいというふうに思っておりますが。
 避難所での仕事について、又は避難所での学習支援についてのちょっとお尋ねをしたいと思っております。
 避難所では、御存じのとおり、もう日長一日過ごすというふうな報告も受けておりまして、やる気があってもなかなかやることがないというふうな、意欲があってもなかなか働けないというようなことも報告を受けております。
 そうした中で、避難所で仕事をつくっていこう、被災者に対して現金を幾ばくかでも出せるスキームを作ろうといって厚労省が「日本はひとつ」しごとプロジェクトというのを出しているんですけれども、これもなかなかちょっと使いにくくて、やっぱり上からスキームを、自治体がスキームを出さないとなかなか手が付けられない。これを何とか下からボトムアップの形でつくって、こういう仕事をしたいんだという形で上げられるような仕組みというのをつくられないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
#128
○副大臣(小宮山洋子君) おっしゃるように、就労支援、そして雇用を創出しなければいけないということで、関係省庁で集まって会議をつくりまして、緊急対策としてその「日本はひとつ」しごとプロジェクトということで、重点分野雇用創出事業という基金事業で、避難所の中でのお子さんの一時預かりとか高齢な方の見守りとか安全パトロールとか、言わばあらゆることが仕事になるような仕組みをつくっているんです。
 ただ、おっしゃるように、それが県の方から下りてきてではなくて、個々の避難所の中でこういう仕事がある、ここをこういうふうに仕事にしたいということがあれば避難所から吸い上げられるような仕組みも、是非その検討をしてもらえるように県の方にも働きかけをしていきたいと思います。
#129
○熊谷大君 是非よろしくお願いします。
 というのは、やっぱり全てを失った親の姿を見ていて何とか将来学費を減免させたい、自分で余り親に苦労を掛けたくないといって、こうして避難所にいる子供たちに家庭教師をしたいという学生さんもいますので、そういったスキームづくり、下から上がってくるスキームづくりというのにも是非関心を示していただけたらなというふうに思っております。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#130
○草川昭三君 公明党の草川でございます。
 原子力損害賠償制度についてお伺いをします。
 この制度では、原子力災害の原因によって、一つ、一般的な事故をカバーする責任保険、これは電力会社と損害保険会社との契約、二番目、地震や津波等をカバーする政府補償契約、これは電力会社と政府との契約、三番目、異常に巨大な天災地変や社会的動乱の際に電力会社の責任を免責し政府が措置を講ずるという三つの枠組みがあると私は思います。
 今回、賠償責任について、閣僚からは第一義的には東京電力の責任との発言が繰り返されておりますけれども、どの枠組みで補償をやっていくのか、これが決まっているのか、決まっているとすれば原子力損害賠償制度を所管する文部科学大臣が公式に私は発言をすべきではないか、こう思うんですが、大臣の見解をまずお伺いします。
#131
○国務大臣(高木義明君) 草川委員にお答えを申し上げます。
 御指摘の原子力損害の賠償に関する法律第三条の第一項ただし書の異常に巨大な天災地変については、これは昭和三十六年の法案提出時の国会審議において、人類の予想していないような大きなものであって全く想像を絶するような事態であるなどと説明をされております。これは、そのような原子力事業者に責任を負わせることが余りにも過酷な場合以外には原子力事業者を免責しないという趣旨であると理解をしております。
 以上を踏まえて、文部科学省としては、今回の福島原子力発電所の事故については、第三条第一項ただし書ではなくて、原子力事業者が責任を負うべきであるとする第三条の第一項本文を適用することを前提に対応を進めております。
 具体的には、文部科学省では四月十一日に原子力損害賠償紛争審査会を設置をいたしました。去る十五日に第一回の会合を開催したところでありまして、今後ともこの紛争審査会における審議を精力的に進めていただいて、できるだけ早く原子力損害の範囲の判定などの指針を策定をしていただいて、被害者にとって東京電力の行う賠償が円滑にかつ適切に進められるように努めてまいりたいと思っております。
#132
○草川昭三君 今三十六年のお話がございました。当時は有名な、巨大な問題で、隕石等の個別事例も出たことがあるんでございますが、いずれにいたしましても、所管をされる文部大臣が公式にあらゆる機会に今のような答弁を一般的に広められることを特に私は要望をしておきたいと思います。
 二番目に、東京電力福島第一原子力発電所の事故は、依然として先行き不透明なまま推移をしております。去る十二日、国際原子力事象評価尺度でチェルノブイル事故と同じレベル7ということになりました。
 今回、東日本大震災による津波の被害を受けた東京電力の福島第一原子力発電所、福島第二原子力発電所、東北電力の女川原子力発電所、日本原子力発電の東海第二原子力発電所の各発電所の設置許可を出したのは誰ですか、お答え願いたいと思います。
#133
○政府参考人(中西宏典君) お答えいたします。
 東京電力の福島第一原子力発電所一号機から六号機の全号機及び福島第二原子力発電所、それの第一号機及び第二号機、並びに東北電力の女川原子力発電所の一号機、それに日本原子力発電の東海第二発電所につきましては、内閣総理大臣が設置許可をいたしてございます。
 また、東京電力の福島第二原子力発電所の三号機、四号機、それと東北電力の女川原子力発電所の二号機、三号機につきましては、経済産業大臣、通商産業大臣が設置許可をいたしているというのが現状でございます。
#134
○草川昭三君 総理、それから後ほどのところでは当時の通産大臣、こういう答弁でございます。
 それで、原子力の利用ということは、昭和三十年代から、最初は研究炉から始まりました。この間、国が研究炉で知り得た知見を電力会社が設置をする実用炉に技術移転をすることを繰り返しながら、各地に原子力発電所が建設をされ、我が国の原子力発電は発展をしてきた歴史があります。
 例えば、平成二十二年六月の政府のエネルギー基本計画では、安全の確保を大前提に、国民の理解・信頼を得つつ、需要動向を踏まえた新増設の推進・設備利用率の向上などにより、原子力発電を積極的に推進するとあり、具体的には、二〇二〇年までに九基の原子力発電所の新増設、二〇三〇年までに少なくとも十四基以上の原子力発電所の新増設を行うとされているなど、客観的に見れば、国策として安全な原子力発電をアピールし、推進をしてきたと思います。
 そこで、具体的に少し質問をしますが、今回四つの原子力発電所が津波の被害を受けましたが、非常用電源、これがいろいろと問題になってきておるわけですが、この非常用電源の設置場所の基準はあるのかどうか、お答え願いたいと思います。
#135
○政府参考人(中西宏典君) 非常用のディーゼル発電機などの重要度の高い安全機能を有します機器につきましては、原子炉施設の設置に係る安全審査の基準として設けられてございます発電用軽水炉原子炉施設に関する安全設計審査指針という中で、予想される自然現象のうち最も過酷と考えられる条件を考慮した設計をするというようなことを求められてございます。
#136
○草川昭三君 今の程度で、具体的な指針というのがどこまであるのか、今私も手元にないので分かりませんけれども、原子力発電所の耐震設計は、平成十八年九月の原子力安全委員会による発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針に従って設計をされているはずであります。
 その基本的な考え方は、大きな地震があっても発電所周辺に放射性物質の影響を及ぼさない、安全上重要な止める、冷やす、閉じ込める機能が確保されるよう設計、原則ですが、とありますが、今回津波の被害を受けた四つの原子力発電所は指針の求める水準を備えて運転をしていたという理解で問題はありませんかどうか、お尋ねをします。
#137
○政府参考人(中西宏典君) 今の御質問でございます。
 我が国の原子力発電所につきましては、立地に際しまして、あらかじめ過去の地震の実績あるいは地質構造調査等から最大の地震を想定した上で、これに耐えるような設計をするということが指針に求められてございまして、今御指摘の先生の平成十八年の話でございますけれども、耐震設計指針が十八年に改訂されました。これを受けまして、新しい指針に基づきます耐震のバックチェックというものを現在進めてございます。
 福島の第一あるいは第二、女川、さらには東海第二原子力発電所につきましては、今申し上げました各地で起こり得る最大の地震の強度の妥当性と、あるいは耐震安全上重要な施設の耐震性を原子力安全院として現在既に確認をいたしているところでございます。
#138
○草川昭三君 じゃ、もう一度念を押す質問になりますが、津波の被害を受けた四つの原子力発電所は三月十一日の地震発生時には国が決めた指針に基づいて運転をされていたということでよろしいわけですね。もう一度念押しします。
#139
○政府参考人(中西宏典君) 今先生御指摘のとおりのことでございます。
#140
○草川昭三君 じゃ、審査指針では津波による施設の安全機能への影響についてどのような位置付けになっておるのか、お答え願いたいと思います。
#141
○政府参考人(久木田豊君) お答え申し上げます。
 先ほど経済産業省からもお答えがあったところでございますが、現在の原子力安全委員会の安全審査指針におきましては、津波につきましては、発電用軽水型原子炉施設に関する安全審査指針の中の自然現象に対する設計上の考慮の中で、特に重要度の高い安全機能を有する構築物、系統及び機器は、予想される自然現象のうち最も過酷と考えられる条件、又は自然力に事故荷重を適切に組み合わせた場合を考慮した設計であるというような要求がございます。この中で津波を考慮しているということでございます。さらに、平成十八年に改訂されました発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針の中では、施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があると想定することが適切な津波によっても、施設の安全機能が重大な影響を受けることがないことを要求してございます。
 以上のとおり、津波についての規定は、各原子力発電所サイトごとに、周辺の過去の津波被害や津波についての最新の知見を踏まえまして、極めてまれに発生し得る津波に対する対応を求めているものでございます。
#142
○草川昭三君 今答弁になったとおりなんですが、もう一回私が繰り返しますと、津波による影響は、地震随伴現象に対する考慮として、津波による施設の安全機能への影響として、供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性を想定することが適切な津波によっても、施設の安全機能が重大な影響を受けるおそれがないことを確認することが、今の答弁にもありますように明記をされております。確かに津波は地震が引き起こす現象ではありますが、津波のリスクというものを軽視をしていたのではないか。率直な答弁をお願いしたいと思います。
#143
○政府参考人(久木田豊君) 先ほど申し述べましたように、原子力安全委員会の安全審査指針におきましては、極めてまれに発生し得るような津波についての対応を求めているものでございます。
 こういった対応を求めた平成十八年に改訂された耐震審査指針についてのバックチェックが現在進行中でございまして、福島第一発電所に関するバックチェックにおきましても、安全性の評価が、過去の津波被害を改めて洗い直して、最新の知見を踏まえた上での安全性の確認を行う予定であったというふうに理解してございます。
#144
○草川昭三君 審査指針によって、津波の想定、高さを見直して施設の改修工事をしたのが東海の第二原子力発電所です。この原子炉は冷温停止状態に持っていくことができました。福島第一原子力発電所は、津波に対する認識が甘かったことでこのような深刻な事態を招いたのではないでしょうか。率直なこれも答弁をお願いしたいと思います。
#145
○政府参考人(中西宏典君) ただいま御指摘いただきました福島第一原子力発電所の特に耐震性のバックチェックの過程におきます対処の在り方でございますけれども、今般、既に福島第一原子力発電所の耐震のバックチェックのその場におきましては、一応地震に対する直接的な対応を優先してございました。そういった意味から申し上げますと、津波の対策といいますのは、今後、平成二十四年度に具体的に対応を取るというふうなことを予定していたというのが現状になってございます。
#146
○草川昭三君 非常に回りくどい答弁になっておりますが、次、行きましょう。
 我が国では、全電源喪失の危険性に際し、原子力安全委員会は平成二年に、長期間にわたる全交流電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はないとの考えを示しております。
 認識が甘かったのではないかと思うんですが、この点はどうでしょう。
#147
○政府参考人(久木田豊君) お答え申し上げます。
 原子力安全委員会の平成二年に決定いたしております発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針というものの中では、御指摘のとおり、電源喪失に関する設計上の考慮におきまして、原子炉施設は、短時間の全交流動力電源喪失に対して、原子炉を安全に停止し、かつ、停止後の冷却を確保できる設計であることとしておりまして、その解説におきましては、長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮することは必要ないとしていることは事実でございます。
 その一方で、できるだけリスクを低減するという観点から、原子力安全委員会では、平成四年五月に、設計上の想定を超えるような事象への対処方策といたしまして、いわゆるアクシデントマネジメントについて原子炉設置者が自主的に整備し、万一の場合にこれを的確に実施するようにすることを強く推奨いたしております。この結果につきましては、原子力安全・保安院から聴取してまいっているところでございます。
 さらに、原子力安全委員会では、原子力安全・保安院から、今回の事故で判明しております知見に基づきまして、津波による全交流電源喪失を想定した緊急安全対策の実施を全ての原子力発電所を対象に求めるとともに、緊急安全対策の実効性を担保するための省令改正を行った旨、報告を受けてございます。
 原子力安全委員会といたしましては、この緊急安全対策について直ちに実施すべきであるとするとともに、今後必要な措置を適宜適切な機会に聴取いたしまして、意見を述べてまいることにしております。
 しかしながら、原子力安全委員会といたしましては、今回の事故を深く反省いたしまして、今回のような事態が二度と生じないように、長期にわたる全交流電源喪失等の可能性をも考慮して、必要な指針の見直しを行ってまいりたいと考えているところでございます。
#148
○草川昭三君 今の答弁は非常に重要な答弁ですから、これはもう少し、率直な反省として、私はこれ、文科大臣も直接のあれではございませんけれども、政府を代表して所管をつかさどっておみえになるわけですから、この基の基本について、全電源喪失の危険性ということについてやっぱり甘く見ていたわけですよ。だから、それは反省をされるということも言っておみえになるわけでありますから、それはもっと大きな問題として政府としても受け止めていただきたいと要望をしておきたいと思います。
 それから、平成二十一年の六月に経済産業省の総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員会地震・津波、地質・地盤合同ワーキンググループが行われておりますが、産業技術総合研究所の研究者が、八六九年の貞観地震とこう言うんですが、貞観地震の調査研究から、今回の東日本大震災のような海溝連動型地震の可能性を指摘をしております。
 今回の事故が天災によるものなのか人災によるものなのか現時点では分かりませんけれども、今申し上げたように、危険性を指摘する声がこのようなワーキンググループの中に出ておったわけですから、政府は真剣に私は耳を傾ける必要があったのではないかと思うんですが、その点どうでしょう。
#149
○政府参考人(中西宏典君) 今先生から御指摘いただきました八六九年に起きたという貞観の地震につきましてでございます。
 福島第一原子力発電所で考慮する地震動についての影響を検討し、その結果、問題がないというようなことは確認しているというのが過去の我々の検討結果ではございます。しかしながら、この津波の評価というものにつきましては、今後の最終的なバックチェックの評価の中で行うということになってございました。
 今回起きました福島原子力発電所の事故、これの原因の徹底的な究明、それから得られた教訓と、そういったものを踏まえて、我々としては真摯にまた検討していきたいと考えてございます。
#150
○草川昭三君 ちょっとはしょりますが、原賠法上の被害者への賠償責任は原子力事業者、つまり東京電力ですが、福島第一原子力発電所一から四号がここまで深刻な事態になった原因は大地震による大津波だけではないと私は考えます。同じように地震と津波に遭いながらも福島第一原子力発電所だけがここまで深刻な事態に陥り、他の原子力発電所は多少の被害を受けながらも原子炉を安全な冷温停止状態に持っていくことができたことを考えると、想定外の地震や津波だったということで果たして済む話なのかどうか。どちらかというと、揺れへの備えを重視する一方、津波や電源喪失への備えが甘かったからここまで深刻な問題になったと考えます。
 今回の事故原因を想定外の天災や東京電力の責任と早々に結論付けるのではなく、これまで原子力政策の推進と安全規制の最終責任を担ってきた政府にも相応の責任があると考えますが、どうでしょう。
#151
○政府参考人(中西宏典君) 委員御指摘のとおり、今回、福島原子力発電所、第一発電所の方の事故の原因につきましては、いろんな、地震が起き、津波が起きるという事象が起きて、全交流電源の喪失という事態に至ったことが大きゅうございますけれども、いずれにいたしましても、今回の事故を通じまして、原子力に対する安全神話というものを、多分政府の中あるいは事業者の中にもあったというようなところは我々としても深く反省をしなくてはいけないかなというふうに思っております。そういう意味での今回の事故の更なる調査といったものを、結果を謙虚に受け止めて、引き続き前に進んでいきたいと思ってございます。
#152
○草川昭三君 事態の収束までには長い時間が掛かることが予想されます。私も、まずは事態の収束が何よりも大事と考えますが、事故原因の究明もまた大事であります。
 今回の事故原因について、これほど深刻な事態に陥った原因は何か、事故後の一連の対応が適切であったかどうか、大津波により電源が全て失われるという事態に対する備えがなされていたのかどうかなど、公正中立な第三者委員会で私はこれは徹底的に究明すべきであると考えますが、文部科学大臣の考え方をお伺いをしたいと思います。
#153
○国務大臣(高木義明君) 委員御指摘のとおり、何よりも重要なのは事態の収束であろうかと思っております。
 その上で、政府としては、三月十一日、東日本大震災発生直後に原子力災害対策本部を設置をいたしました。その指揮の下で、関係各省、速やかな状況把握と対応に全力を尽くしてきたところでございます。その中で、文部科学省としては、震災当日の三月十一日に原子力災害対策支援本部を設置をいたしまして、関係省庁と連携協力して、特に総合的な放射線モニタリングや被曝医療の専門家の派遣などの支援を行ってきたところであります。まずは現在の事態の早期収束及び周辺住民の皆さん方の安全確保に向けて、原子力災害対策本部において政府一丸となって最大限の努力を傾注しているところであります。
 今後の事故原因の究明の在り方についてでございますが、様々な角度から検討する必要があります。しかし、どのような組織形態でやるかということになったといたしましても、言われるところ、まさに公正中立的な観点から、徹底的な検証が行われるべきものと考えております。
#154
○草川昭三君 もう時間が来ましたので、最後に一問。
 今、仮払いといって損害賠償についての補償問題がスタートしていますね。それで、私、その仮払いはいいんだけれども、仮払いに対する法的な根拠だとか、それから裏付けというのは一体どういうところで進んでいるのか、私は若干疑問があるんです。
 要するに、今回の原発事故を通じて、事故が起きた後の体制ができていないというのが様々あります。ですから、原子力損害賠償は文科大臣の所管ですが、この機会に法的な整備を含めて体制の見直しを私は図られた方がいいんじゃないかと提案をしたいと思うんですが、大臣の見解はどうでしょう。
#155
○国務大臣(高木義明君) 委員御指摘の仮払いについては、これは東京電力によって実施されるので法的根拠は必要ないと考えております。そのため、原子力災害賠償法の見直しは考えておりませんけれども、今後、原子力発電所事故による経済被害対応本部において総合的な被災者支援スキームの検討が進められることになっておりまして、政府といたしましても被害者の方々が適切に補償が受けられるように万全を期してまいりたいと思っております。
 御指摘の件につきましては、しっかり受け止めてみたいと思っております。
#156
○草川昭三君 もう時間が来ましたので、最後にこれ要望ですが、私、前回の予算委員会の委嘱審査のときにも強く要望しておいたんですが、三月二十四日にも要望しておきましたが、一部報道では、プルトニウムやストロンチウムも微妙ながら検出をされたという報道もあるわけであります。これは非常に今私は気になっているわけですが、気になるどころの話ではなくて、もしこれが事件になれば大変なことになるわけで、他の核種も含めた原子力発電所由来の放射性の物質を定期的に計測し、結果を公表すべきだということを特に強く要望しておきます。現在でも文科省は発表されて、インターネット等々では出しておるとおっしゃってますが、私は、ここはより親切な調査報告をされることを特に強く要望をして、質問を終わります。
 以上です。
#157
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦でございます。
   〔委員長退席、理事橋本聖子君着席〕
 時間が非常に短いので、簡単に明快に、大臣、是非お答えをいただきたいと思うんですけど、文部科学省は原子力損害賠償紛争の和解の仲介機関であります原子力損害賠償紛争審査会を震災より一か月たってからようやくおつくりになった。今後、原子力損害の範囲の判定等に関する一般的な指針の策定を行うものというふうに考えられるわけでありますけれども、どの程度というか、どういうタイムスケジュールで原子力損害の範囲を確定していく方針なのか、お尋ねをしたいと思います。
#158
○国務大臣(高木義明君) 四月十一日に設置をされました原子力損害賠償紛争審査会について、十五日に第一回の会合が開かれました。
 会合においては、各省庁が把握をしておる被害の実態について報告がございました。そして、迅速な被害者救済の観点から、政府指示による避難や出荷制限など、緊急性が高く、賠償の範囲について蓋然性が高いものについて、整理が付き次第、順次損害の範囲を指針として示す、次回、二十二日でありますが、次回にも可能な部分について最初の指針に関する議論を行う、こういうことになっております。
   〔理事橋本聖子君退席、委員長着席〕
 御指摘の今後の指針策定のスケジュールについてでありますけれども、委員の方々とも相談しながら、今後とも紛争審査会における審議を精力的に進めて、できる限り早く指針を策定してまいりたいと、このように思っております。
#159
○江口克彦君 できるだけ早くとか、速やかにとか、早急にと。いつも私お尋ねするんですけど、できるだけ早くというめどはどれぐらいなんですかね、大臣。
#160
○国務大臣(高木義明君) 私どもとしましては、そういう気持ちでおりましてお願いをしておりますが、審査会の中での議論にお任せしておるところでございます。
#161
○江口克彦君 また気持ちが出てきたんですけど、それは気持ちは、大臣、一生懸命おやりになりたいというお気持ちは分かるんですけれども、やっぱりトップとしてリーダーシップを取って、いつぐらいまでとかというか、そういうふうな一つのやっぱり時間というものを区切るというか、そういうことをやっていかないと本当は国家経営というものは、これは具体的に充実していかない、発展していかないというふうに思うんですね。
 今までたくさんの方々が質問してこられているんですけれども、大臣始め政府の方々の副大臣も含めてお答えが、できるだけ早く、なるべく早く、迅速にという、そればっかりで具体的な数字が出てこない。おおよそでも出てくるというような、少なくともそうした進め方というか、そういう話の仕方を常に政府の中で、閣議でもそうですけれども、やっておく必要があるんじゃないか。そういうことをやっておかないから、全ての問題が曖昧になってしまうということですよね。
 ですから、せっかく民主党の委員の方々も、それから自民党の委員の方々も一生懸命建設的な意見を提案されても、お答えは、できるだけ、そしてできるだけ迅速に、できるだけ積極的にとか。そういうことでは余り政治というか国家経営というのはうまくいかないですよ、大臣。一言申し上げておきたいと思いますけれども。
 それと、これまでに原子力損害賠償法が発動されたのは平成十一年のジェー・シー・オーの臨界事故のみなんですね。しかし、今回の事故は、ジェー・シー・オー臨界事故と比較して賠償件数、賠償額とも大幅に上回ることが予想されるんじゃないかというふうに思うんでございますけれども、紛争審査会による検討を早急に進めるとともに、国と東京電力、東電とで早急に賠償体制を構築する必要があると思うんですが、いつまでに構築するおつもりなのかなと。これまた、早急にとか迅速にというお答えはできるだけ避けていただいて、何月ごろとか、せめて季節ぐらいの御答弁はいただきたい。夏ごろとか春ごろとか、もう春はあれですけれども、夏までにはとか、具体的なそういう御説明をいただければ大変有り難いというふうに思うんですが。
 もう一つ付け加えて申し上げますが、また政府は四月十一日に海江田経済産業大臣を本部長といたしまして原子力発電所事故による経済被害対応本部を設置しましたですよね。この対応本部と原子力損害賠償法との関係はどのようになるのかということについてお教えをいただきたい、御説明をいただきたいと思うんです。
 よろしくお願いいたします。
#162
○国務大臣(高木義明君) この原子力損害賠償紛争審査会、この指針の策定を待つことなく、例えば避難とかあるいは屋内退避を余儀なくされている住民の方々に対しては、その厳しい生活状況を見て、当面必要な資金については、まさにこれこそ可及的速やかに給付することが必要となっておりますので、また同時に賠償を適切に履行していくためには東京電力への支援を検討していく必要もございます。このようなより広い視点から総合的な被災者救済のスキームを検討するために、御指摘ありました原子力発電所事故による経済被害対応本部は設置をされたものであります。
 それぞれに与えられた役割がございまして、政府として要はいわゆる被害者が適切な補償がこれこそ迅速に取られるように、私たちとしてはそれぞれ連携して取り組んでいくことになっております。
#163
○江口克彦君 非常にしつこいようですけど、可及的速やか、迅速と。大臣としては、個人的にで結構ですから、いつごろまでにということで、希望としてはいつごろをお考えになっておられるんでしょうか。
#164
○国務大臣(高木義明君) 私としてはもうできるだけ、例えば風評被害、あるいは出荷停止等々の件、あるいはまたそのほか、例えば原子力発電所の近くのいわゆる製造業や、あるいは販売業や、それぞれ営業されておる方々の仕事、あるいはまたそこに勤めておられる働く方々の給料支払等々もございますから、これはもう日々のことであります、月々のことでもありますから、私としてはそういうスパンで考えていただきたいと思っておりますが、これは委員の皆さん方の議論があるところでございますから、これは、そういうことで私はそういう考え持っておりますので、ひとつ、それこそ審査会の皆さん方の合議の中で決まるものでございます。私としては早くやっていただくように促しております。
#165
○江口克彦君 結構です。しかし、早くとか可及的速やかとか迅速とか、そういう言葉を大臣がお使いになればなるほど、この委員会がせっかく皆さん方それぞれ的確な質問をされていても、全体として委員会の雰囲気あるいはまた内容がぼけてしまうということは心に留めておいていただきたいなというふうに思います。
 それからもう一つ、原子力損害の免責条項の適用の確認については、もう既に御質問がありましたのでこれは避けますけれども、去る三月二十五日に枝野官房長官は、個人的見解と前置きしながら、原子力損害賠償法の免責条項は適用するべきではないというふうに発言いたしました。ちょうど企業決算の年度末、締めの三月三十一日を控えていた時期でございます。私もつい一年前までは経営者でしたからよく分かるんですけど、この原発事故の発生以降急落していた東京電力の株式が、この発言によって更に売り浴びせが起こったと。
 私は、個人的な発言だと前置きしても、市場に、マーケットに無用な混乱に陥れるような、東電株の暴落に伴うマネーゲームを助長した責任は私は否めないんじゃないかと思うんですけれども、原子力損害賠償法の所轄大臣として、政府としての方針が固まる前にこうした重大な発言を幾ら官房長官といえども個人的に行うことというのは、私は慎むべきではないだろうかと、政府の公式発表の前に個人的とはいえ発表されるということはいかがなものかと思うんですけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#166
○国務大臣(高木義明君) 御指摘の点でございます枝野官房長官の発言が引用されました。
 私どもとしましては、この事故については、いわゆる第三条の第一項ただし書ではなくて、原子力事業者が責任を負うべきであるとする第三条第一項本文を適用することを前提に対応を進めております。この考え方につきましては、三月の段階から、菅総理を含め、政府が対応する上での前提として国会などで述べてきておりまして、枝野官房長官の発言もそのような趣旨で述べられたものと、私はそのように思っております。
#167
○江口克彦君 時間がありませんので飛ばしますけれども、私は大臣にちょっと一言お礼を申し上げたいなというふうに思うんです。それは、前回私が出席したときに、放射能測定バッジのことを御質問しました。そうしましたら大臣が、自分にはちょっと不明なものでございますが、せっかくの御提案ですからちゃんと調べて、それが今の状況の中で役立つのであれば、それはそれで活用させていただきたいと。
 非常に私としては、大臣にしては珍しく積極的に前向きにお答えいただいたというふうに私は思っているんですけれども、私が言ったからといって大臣がそう判断されたかどうかは知りませんけれども、大臣は福島県内の全ての公立小中高ですね、いわゆる線量計を配布するとともに、原発周辺の学校などの放射線量を常に監視するシステムを整備するために第一次補正に約九億円を盛り込む方向で調整していると報じられています。これは確かだと、先ほどちょっとお話もありましたので、是非この実現に、大臣、努力をしていただきたい、私どもも協力したいというふうに思っております。
 ところが、学校における放射線の把握の必要について前向きということですけれども、これ私立学校、公立だけなのかと。福島県にある私立の学校は、これは対象外になっているのかどうか。もし対象になっていないとしたら、やっぱり私立の子供たちにも、あるいはまた学校にもそういうふうな配慮をしていただいた方がいいのではないか。是非、そういう点からも、大臣、頑張っていただきたい。私立大学入っていますか。──それだったら結構でございます。入っているということだったら結構でございますけれども、報道によったり、あるいはまたペーパーによったりすると公立しか記載されていませんので、私立が入っているということでございましたら大変結構ですし、また有り難いことだというふうに、決めていただく方向で考えていただいているのは有り難いと思います。
 ただし、学校ということで、線量計の学校配布ということは、これはこれでいいと思うんですね。是非やっていただきたいと思うんですけれども、前回私申し上げましたように、もっときめ細かく、子供一人一人に、その状況を把握するようにしたらどうかと。
 先日の委員会でも質問させていただいた放射線測定用フィルムバッジを児童生徒に配布することは有効ではないかということを私は申し上げたんですけれども、前回。それが線量計ということで、それでも私としては喜んでいるわけですけれども、子供たちのために。その子供たち一人一人に、私は放射線測定用のフィルムバッジを児童生徒に配布することが有効であるということを言ったわけですけれども、これは今、私取り寄せたんですよ。これはアメリカ製なんですね。これは四千九百九十円なんですよ。これは放射線の濃度によって色が変わるという優れ物か、まだ実際に昨日届いたばっかりでテストはしていませんけれども。これが学生が、子供たちが一万人いたって四千万円ぐらいですよね、二万人いたって八千万ぐらいですから。こういうふうなもの、これちゃんと首からぶら下げられる、ポケットに入れておけるというような代物なんですね。
 それ以外に、国立がんセンターの嘉山先生ですね、理事長ですね、嘉山理事長が、福島県の住民には、また別に、がんセンターでこういう放射線を扱っている人たちはバッジがあるらしいんですね、この間も申し上げましたけれども、フィルムバッジ。この国立がん研究センターの嘉山理事長が、福島県の住民にこのフィルムバッジを配布することをしきりに提案されているんですね。まずは文部科学省が率先して私はこのフィルムバッジを、学校に線量計を置くだけじゃなくて、もっときめ細かく、子供たちあるいはまた中学生、高校生、そういう児童生徒への配布を始めてはいかがかと思うんですが、これについて御検討いただけないかと。是非、学校だけでなくて、子供たち一人一人もチェックできるように御配慮いただけないか、そういう対応をしていただけないかというふうに思うんですが、最後の御質問とさせていただきます。
#168
○国務大臣(高木義明君) 過去の委員会で江口委員から御指摘をいただいた趣旨として、線量計を学校に配布すると、こういうことについてはそういうことで考えております。
 後段の御提案でありましたフィルムバッジにつきましては、これについては、これは主に放射線を取り扱う施設の従事者が胸部などの身体表面に装着をして外部被曝線量を測定するということで付けておられるということは承知をいたしております。
 これを児童生徒一人一人に装着することについては、これは子供たちの精神的な負担、こういったことも考慮する必要があるところであろうと、私はそのように考えております。
 このため、文部科学省においては、原子力安全委員会の助言も踏まえつつ、まずは学校の先生方に簡易型の放射線測定器をお配りをして、児童生徒と行動を共にしながら放射線の量を継続的に測定すると、こういうことで考えております。
#169
○江口克彦君 お守り代わりにでもいいと思うんですけれどもね。
 ありがとうございました。
#170
○委員長(二之湯智君) 本日の調査はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#171
○委員長(二之湯智君) 次に、独立行政法人日本学術振興会法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。高木文部科学大臣。
#172
○国務大臣(高木義明君) この度、政府から提出いたしました独立行政法人日本学術振興会法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 科学研究費補助金は、全国の大学等の研究機関に所属する研究者による、幅広い分野の学術研究に対して助成を行う研究助成制度であり、その配分業務の多くを独立行政法人日本学術振興会が実施しております。科学研究費補助金は、現行制度上は単年度ごとに助成を行うこととされておりますが、学術研究は、その性質上、事前に定めた研究計画のとおりに遂行されるとは限らないことから、研究の進展に合わせて研究費を使用することができる制度の実現が強く要望されています。また、平成二十一年に独立行政法人日本学術振興会に基金を創設する際には、衆議院文部科学委員会及び参議院文教科学委員会の独立行政法人日本学術振興会法の一部を改正する法律案に対する附帯決議においても、科学研究費補助金等に関して、「基金の活用等、年度をまたぐ柔軟かつ機動的な支出を可能にできるよう、その在り方について抜本的見直しを行うこと。」と全会一致で決議されたところであります。
 このため、この法律案は、複数年度にわたる研究費の使用が可能になるよう、独立行政法人日本学術振興会に、学術研究の助成に関する業務等に要する費用に充てるための基金を設ける等の措置を講ずるものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、独立行政法人日本学術振興会は、学術の研究に関し必要な助成を行う業務のうち文部科学大臣が財務大臣と協議して定めるもの等に要する費用に充てるために学術研究助成基金を設けるものとし、政府は毎年度、予算の範囲内において、独立行政法人日本学術振興会に対し、当該基金に充てる資金を補助することができるものとするものであります。
 第二に、独立行政法人日本学術振興会は、学術研究助成基金を財源として実施する業務について、特別の勘定を設けて経理しなければならないものとするものであります。
 第三に、独立行政法人日本学術振興会は、毎事業年度、学術研究助成基金を財源として実施する業務に関する報告書を作成して文部科学大臣に提出するとともに、文部科学大臣は当該報告書を国会に報告しなければならないものとするものであります。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いをいたします。
#173
○委員長(二之湯智君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#174
○横峯良郎君 皆さん、長時間お疲れさまです。民主党の横峯良郎です。
 まずもって、東日本大震災に犠牲の皆さんにお悔やみを申し上げます。被災された皆さんにも心からお見舞いを申し上げます。
 学術振興会法の一部を改正する法律案は、もう賛成は当たり前のことなんですが、今回の補助金の研究種目のうち比較的採択件数が多く若手研究者の応募も多い研究種目の基金化は、使い勝手の向上という点で一歩前進であり、大いに評価すべきだと思います。科学研究費補助金の予算の一層の充実に向けた決意を大臣にお伺いいたします。
#175
○国務大臣(高木義明君) 横峯委員にお答えをいたします。
 今回の研究費の基金化は、柔軟な発想が期待される比較的小規模の研究種目を対象として行っておりまして、科研費全体の新規採択課題の約八割にわたる約二万件が基金化のメリットを受けるものと考えております。科研費は、全国の大学や研究機関において研究者の自由な発想に基づいて行われる基礎から応用までの多様な研究活動を支える重要な制度であるとともに、イノベーションの創出の基盤としての役割を果たしております。
 我が国の科学技術の発展を図るため、今後とも科研費制度の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
#176
○横峯良郎君 今、基礎研究に対する評価、研究成果が社会にどのように役立つかといった結果重視の傾向にあると言われている。特に、我が国の明日への先行投資と位置付け、成果ばかりを重視して研究の妥当性を判断するのではなく、多様な角度から評価が求められていると思うが、大臣の考えをお伺いします。
#177
○国務大臣(高木義明君) 御承知のとおり我が国は資源の少ない国でございますが、しかしその最大の資源は人材だと考えております。そういう意味でも、今後、科学技術の発展は我が国の成長の大きな礎でございまして、その意味で基礎研究は、人類の新たな知的資産を創出するとともに、イノベーションにより新たな価値や技術を創造して我が国の成長力を強化するものであると、このように考えております。
 一方で、昨年ノーベル化学賞を受賞した根岸教授、鈴木教授が若い時代から挑んできた研究の成果が三十年以上の年月を経て様々な形で実を結び、社会に貢献をしておることからも分かるように、御指摘のように、この基礎研究の評価は短期的な成果のみならず、長期的視点に立って様々な観点からその評価は行われるべきだと、このように考えております。
#178
○横峯良郎君 大変よく分かりました。
 さて、それでは、原発行政の代表である「もんじゅ」について質問いたします。税金の無駄遣いを徹底的にたたき、予算の執行を即停止して震災の救援、復興に国の総力を挙げて立ち向かわなければならないという思いで質問に立っております。
 まず聞きたいことがあるんですが、「もんじゅ」というのは本当に専門家によって研究されているかということを大臣にちょっとお聞きしたいんですけれども。
#179
○副大臣(笹木竜三君) 「もんじゅ」については、施設の安全、維持、運営、そうしたことについての約三百名の研究者、技術者が従事をしているということと、それと炉心のデータ等、この分析、解析も含めて八十名の研究者が携わっているというのが今の現状です。
#180
○横峯良郎君 「もんじゅ」というのは、どういう役割で何なのかということをちょっと説明していただけませんか。
#181
○副大臣(笹木竜三君) 今「もんじゅ」で、原型炉ということで研究を進めているわけですが、将来の核燃料サイクル、しかも増殖をするFBR、これを二〇二五年からの実証炉を目指しており、そしてその先、二〇五〇年の実用化を目指している、そんな中でのこの「もんじゅ」があるということです。
#182
○横峯良郎君 私も「もんじゅ」というのは前から興味を持って、もう議員になる前からよく知っていたんですけれども、簡単に言えば、ウランを、原発使ってもう駄目になったやつを、また再処理してそれを復活させてやっていこうという大変いい研究だと思うんです。実際それができるかできないかと。ところが、全然まだ何にもできていないと。
 三月十日に同僚の平山誠議員が「もんじゅ」に関する質問主意書を震災前に出されたんですね。この質問主意書は見ていただけたでしょうか。
#183
○副大臣(笹木竜三君) 今委員がお話しになったとおり、三月十日に提出をされているということらしいです。私が見たのがまさにあの震災のあった当日だったと思います。報告を聞き、質問主意書そのものも目を通させていただきました。
#184
○横峯良郎君 その主意書の中に本当に分かりやすく書いてあるんですけれども、皆さんも是非目を通してほしいと思うんですけれども、誰が見ても本当に、何だこれはと、こんなことをやっているのかと、それを今日ちょっと質問していきますけれども。
 私は現地に行ったことがあるんですよ。「もんじゅ」も見に行きましたけれども。視察に、「もんじゅ」見に行かれたことはありますか。
#185
○副大臣(笹木竜三君) 昨年の九月の下旬にこの副大臣に就任してからは三度視察に行っております。それと、もちろん副大臣就任以前にも、合計はちょっとはっきりとは今覚えておりませんが、少なくとも三回以上は行っております。
#186
○横峯良郎君 今、震災が起こって放射能に、今回の震災と阪神大震災の違いというのは、火災の災害と地震の災害と津波もあったんですけれども、一番の違いというのは原発の災害が阪神大震災はなかったことです。今回はあったということですね。それがもう、とうにもうレベル7ということになっているんですけれども。もう一か月たつんですけれども、文科省が今何をやっているのかと。今何をしなければいけないということは全然見えてこないというのが今現状だと思います。
 特に、一か月前ですかね、放射能の水の問題、国は赤ちゃんに対してはミルクに使うなということも出されてパニックになってしまって、ということは、水道の水を今まで飲んでいた皆さんもほとんど飲まなくなったと思うんですけれども、副大臣は今東京の水をそのまま飲んでいらっしゃいますか。
#187
○副大臣(笹木竜三君) 私、今現在は蛇口水も、特にいろいろ紅茶であったりコーヒーを飲むときには蛇口水を使ってポットで沸かして飲んでおります。それと、これは震災前からミネラルウオーター、ウーロン茶、こういうようなものをいつも冷蔵庫に入れて、これも飲んでおります。
#188
○横峯良郎君 やっぱり我々が今、現地じゃなくて今東京にいて、一番やっぱり放射能の汚染による、大したことないと思うんです、こういう言い方したらおかしいですけれども。かえって、今カルキ、カルキの方がどうかなと思うぐらいにカルキもいっぱい入っています。その水をミルクには使えないと。ということは、何でこんなに水不足ということが出てきたかというと、今までは飲み水だけだったんですけれども、今副大臣が言われましたように、コーヒーとかお茶を沸かすにもペットボトルの水を今だんだんだんだん使うようになってしまったと。
 ということは、飲み水に関しては大したことないんです。ところが、ここにもありますけれども、氷がありますよね。氷は、今までペットボトルの水は水で飲んでいたんですけれども、氷は蛇口の水道水から製氷器に行って氷を作ります。ということは、完璧なるただの水道水を飲んでいることになるんですね。それを乳幼児にもそれを分からないでしている方もいらっしゃると思います。
 本当に風評被害もありますし、本当に今我々がやらなきゃいけないことは何なのかと。まずそのことについて早急にやらなきゃいけないと。本当に風評被害でもうたくさん困っていらっしゃいます。文科省として何を一番思われますか。
#189
○副大臣(笹木竜三君) 先ほど私のお答えしたことについてもお話があったので、私自身はお湯を沸かしたりそういうときには蛇口水を使っているということです。それ以外のときにミネラルウオーターとかウーロン茶を飲んでいるというお答えをしました。
 それと、例えば蛇口水、水道水での沃素ですが、三月二十二日ですね、報道された金町の浄水場、そこで乳児の飲料に関する暫定的な指標値、一キロ当たり百ベクレルを超えた二百十ベクレルが確かに報道もされました。そのときそういう検出もされています。しかし、今現在は〇・二ベクレル一キロ当たりということで、もうかなり低い数値に戻っているわけですね。
 文科省がこの事故発生以降やっている活動の中で最も担当として責任を持ってやらなければいけないのはまさにこのことだと思っています。放射能あるいは空間の放射線量、あるいは今言った蛇口水であったり土壌から、福島の原子力発電所周辺であれば土壌から出ている放射能の検査、こういうようなものを充実して行ってきている。その結果を国民に全ていち早くお伝えしていく。これが文部科学省が一番力を入れてやらないといけないことであり、先ほども若干そういう学校での検査体制についてもお話がありましたが、これは事故発生以来、車を使ったモニタリング、各都道府県に委託をしてやっている空間放射線量のモニタリング、蛇口水あるいは土壌のモニタリング、こうしたもの全て、人員もかなりもうきつい中でずっと充実をし続けております。これを今一生懸命やっているわけです。
#190
○横峯良郎君 副大臣は福井の出身ということで……
#191
○副大臣(笹木竜三君) はい。
#192
○横峯良郎君 原発の本当に多いところなんですけど、やっぱり皆さん、国民の方々がどう思っていらっしゃるかというと、災害は、津波によっての災害は復興できると思うんですよ。ところが、先行きが見えない。今、冬です。雨、ほとんど降らないです。これから梅雨になってその水がどうなっていくかと。多分、どこかで水の汚染というものが出てくると思います。それが、もう出てこないということは言えないと思うんですけど。そうなったときに、風評被害で本当に水に対して飲まないとか出てくると思うんですけれども。
 私は原発に反対しているのでも何でもないです。ただ、今の工事中の、進めようという原発をやめていただきたい。現状のままでいいんじゃないかと。
 ここに調査したあれがあるんですけど、二〇〇七年の国民の調査で、原発を増やすということについて一三%、現状のままでいいという方が五三%、これで八六%だったんですね。二〇一一年に取った結果が、増やすが五%、現状が五一%と。国民誰しもがそんなに原発に依存しなくていいじゃないかという結果が出ているんですよ。私もそう思います。政府としては、今三〇%の原子力発電です。それを何か「もんじゅ」を見ると、一〇〇%原子力に頼ろうとしているような気がします。
 それで、「もんじゅ」についてですが、御存じだと思いますけど、皆さん御存じだと思うんですけど、もうかれこれ二十三年たっています。毎日どれぐらいのお金が掛かっているかといいますと、五千五百万です。毎日ですよ。まだ実用化はほとんどされていません。十五年間休んでいます。その十五年間休んでいるときもかなりの額のお金をつぎ込み、この前は、再開した途端、中の燃料棒が落ちてしまって、それを取り除くのに二億ぐらい掛かっていると。また休んでいます。
 じゃ、いつごろできるのかというと、目標が、実用化の目標が二〇五〇年ですよ。我々は死んでいます。どうして五千五百万も、平山議員の要望書を見られたと思うんですけど、なぜこんなことをいまだにやっているのかと。当然もうフランス、アメリカ、もうこの「もんじゅ」のやっていることに関してはみんな諦めましたよね。なぜ日本だけがそんなことをいつまでも続けてやっているのかと。何が根拠なのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
#193
○副大臣(笹木竜三君) 今先生が言われたような原子力発電に対する安全性についての御意見とかあるいは今回の事故を受けての不安とか、私も、立地をしている、しかもたくさん立地をしている自治体に住んでいるわけですから、私の家族も住んでいるわけですから、当然いろんなことはその都度、意見も持ち、考えてもきているわけですが、なぜ今までFBR、この「もんじゅ」を進めてきたか。
 これについては、やはり昨年あの尖閣の事件の前後でレアアースのこと、これはむしろ資源、エネルギーというよりも資源ですが、レアアースのことが話題になりました。やっぱり、資源ですとかエネルギーについて余りにも極端な形で他国に依存をし過ぎている国というのは、外交をやる余地というか、その選択肢が非常に狭められる。
 このことがあって、先ほど先生からも御説明があったように、増殖も可能なこのFBRの技術というのを、しかもこれは震災の以前のことですが、フランスからもアメリカからも、先ほど、二〇二五年に実証炉を目指してやっている、そして実用炉は二〇五〇年というお話をしましたが、この実証炉に向けて日本と共同で研究を進めたい、その実現を目指したい、申出がある。これは少なくともFBRの技術については世界のトップレベルを今現時点では走っていると、こういうことで進めてきたということがあると思います。
 委員がお話しになったようなこの震災と原発事故を受けて、今後、これは高速増殖炉だけじゃありませんが、軽水炉も含めてですが、原子力発電所の計画をどうするか、これは当然、今後まずは事故の収束、これが第一番ですが、その後に検証していく、検討していくことになるんだろうと思います。
#194
○横峯良郎君 だから、起こってしまったわけです。今までも事故いっぱいあります。人も死んでいます。自殺した人もいます。最近ですと、二月、私が「もんじゅ」を見に行ったときに説明を受けて会った方も自殺されています、私もびっくりしましたけど。本当に、東電も内部告発で何年か前にあったときに、そのときも内部告発して一時止めて、そういうことと、あともう一つは、二〇五〇年と、これは誰がこういうことを出したのか分からないんですけど、四十年先のこと。だって、二十三年間たっても何にも変わっていないんですよ、何にも変わっていないと。
 そこで、文部科学省としては、本当にこういう事故がレベル7まで来たと、初めてですよね。もう世界からも本当に、それからさっき世界の信用と言われましたが、事故を起こしてしまって、世界の信用は、それどころか、もう本当になくなってしまったわけです。これを文部科学省としてはまだ続けるのかと。
 私は、この復興資金も、いろいろあるんですけど、毎日五千五百万掛かると。そして、今造っている、凍結している原子炉はたくさんありますよね、全国に。この費用も考えると、資料にも渡してありますけど、もう本当に政治家と企業と、三菱、東芝とあと一つどこでしたかね、三つあるんですけど、それと政治家が、本当にこの天下りも含めて、これだけの大きなお金を掛けてこれをやっているんですけど、これを復興に回したらどうなのかと。今まで全然、事故がなかったら皆さん気付かなかったと思うんです。もう事故があって、このままでいいと。まず復興だと。
 去年の五月も十五年ぶりに試運転をしたんですけど、先ほどの十五年前のナトリウムの事故が起きたときに、初歩的なこれミスだったんですけど、これ東芝さんがやっていらっしゃるんですよね。それも、事故を直すのに十七億五千万掛かったんですよ。これを東芝が負担したんじゃなくて国が負担しているんですよね。こういうことはほとんどもう御存じないと思うんですけど、国民の皆さんは。
 こういうことに関して、企業と、何なんですかね、そこの仕組みというか、どういうふうに思っていらっしゃるかということをお聞きしたいんですけど。
#195
○副大臣(笹木竜三君) この炉内中継装置の落下を受けて、その復旧に当たって、この装置と周辺設備の細部に関する情報を把握している東芝に今この復旧に向けてやっていただいているわけですが、当然、じゃこの落下したというこの事故を受けて今原子力機構がその検証を行っているわけですが、そう遠くない時期に報告、この事故についての検討の結果の報告が上がってくることになっております。その報告を受けて、例えば責任の問題とか、復旧のための費用の負担の問題、これを検討していくことになる、そういう状況です。
#196
○横峯良郎君 官業の癒着の構造だと思うんですけど、その代表的な例が、今日の新聞に、資料にもありますけど、天下りの中で、東京電力の顧問をされている前資源エネルギー庁長官が今月いっぱいで辞めると。いつ就任したかといいますと、一月です。まあ本当に見え見えで、何言われるか分からないから辞めると。もういっぱいありますよね。東北電力もそうですけど、関西電力も、四国電力、北陸電力もほとんどが天下りで。
 そしてもう一つは、党に個人献金を皆されているんですね、毎年。以前は党に対して個人献金を全ての役員とか皆さんされています。それが、本当にもうびっくりしますけど、二〇〇六年、二〇〇七年、二〇〇八年ですけど、二〇〇八年に関しては五十三人で六百五十四万ですね。それは個人献金です。ということは、一人頭多い人は二十万とか三十万とか、それが本当にもう誰が見てもそういう癒着としか言いようのないふうになっていますけど、文部科学省は天下りの現状というのはないんですか。それをちょっとお聞きしたいんですけど。
#197
○副大臣(笹木竜三君) 文部科学省から今委員が御質問になったような原子力事業を行っている電力会社に天下っているという事実は、平成十一年からの資料しか私自身は把握していませんが、平成十一年からの資料で一つもありません。原子力機構については文部科学省のOBが、原子力研究開発機構ですね、原子力機構については文部科学省のOBが理事に就いているということを把握をしております。
#198
○横峯良郎君 ほとんどがエネルギー庁からの。文科省は少ないというかないんですが、本当にこれはもっと時間掛けてゆっくりやりたいと思うんですけど、私も何でこういうことを言うかといいますと、この原子力についていろんな意見を述べますと、本当に電力会社から、横峯がいるんだったら私たちは応援しないと、そういうことも何度も言われたことがありますし、そういうふうなこともあったものですから、今与党となってもあるんですけど。この復興資金を本当にこの震災の方に回していただきたい、今ある、今進めようとしている原発をやめていただきたい。
 それで、例えばこれ、すごくいい例があるんですけど、岩手県の普代村というところがあるんです。これは田野畑村の横にあるんですけど、ここは一八九六年に千十人の死者を出しているんですね、二度起きまして、その次の震災のときには津波でやっぱり六百人の被害者を出しているんです。そこで、当時の村長さんが、これではいかぬと、二度あることは三度あると。三千人の村なんですね。防波堤を造ろうと。どこも造りました。宮古も造りましたし、どこも造っているんです。ところが、ここのちょっと違っていたのは、一九八四年に三十五億円掛けて十五・五メートルの防波堤造ったんです。そうしたところ、今回の震災では一人の犠牲者もなく、また家屋の倒壊も一つもないという事態で、本当に、ああ、すごいことだなと思います。僅か三十五億円でできたんですね。原発の費用から考えると、これが何個できるのかと。確かに、これは実際、今回の震災で助かった村なんです。当時は、すごくやり過ぎだと、こんな建物建てて、こんな十五・五、ほかはみんな八メートルで造ったわけですから。ここだけ十五・五メートルだったんです。こんな十五・五メートルも掛けて造ってやり過ぎだという声が物すごく起こったんです。でも、それを貫いたんですね。
 こういう事例があるんですけど、これはどう思われますか。
#199
○国務大臣(高木義明君) 今お話がありました、岩手県の普代村に設けられた防波堤及び水門が東日本大震災の被害を大幅に軽減をしたと、三月末時点で行方不明者は一人出ているものの、死亡者はゼロである、住宅への浸水被害も出てないことは報道等で承知をいたしております。
 村は、一八九六年の明治三陸津波と一九三三年の昭和三陸津波で計四百三十九人の犠牲者を出したために、当時の村長さんが十五メートル以上を主張をして、その防潮堤について一九六七年に県が五千八百万円を投じて、水門も同じく県が八四年に三十五億円を投じて完成したものと承知をいたしております。
 私の感想としては、今回の震災の様々な教訓を糧としなけりゃならぬと、このように思っております。
#200
○横峯良郎君 済みません、もう時間となりましたけど、本当、今継続して続けようとしている山口県の上関もそうなんですけど、本当に今やっているところを中止していただきたいと、工事をしているところですね。
 上関なんかはこの前、裁判の結審が出まして、今、祝島の島民が本当に自分が防波堤になって止めていたんですけど、裁判の結論が出まして、一日当たり、工事を邪魔すると五百万の賠償を負うという形にもなって、偶然今度震災が起きまして助かったんですけど、今凍結しています。
 本当に、これ以上原発を増やさないで現状のままにして、震災にその交付金などを充てるということに是非前向きに取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。
#201
○水落敏栄君 自由民主党の水落敏栄でございます。
 この度の東日本大震災、我が国の経済社会あるいは国民生活に大きな影響を、しかも長期にわたって及ぼすことが予測されるわけであります。そして、この国難ともいうべき大災害から復興を遂げる重要な決め手が科学技術にあることは間違いない、こう思います。
 我が国の科学技術を推進していく上で最も重要な支援制度が科学研究費補助金であります。現在審議されている日本学術振興会法の一部を改正する法律案は、複数年にわたって効率的に科学研究を進める仕組みの導入を目的とするものであることは、我が党としても承知しているところであります。
 そこで、伺いますけれども、本法案を提出した目的、特に基金化の意義についての確認と、基金化の対象及び法案が仮に成立しなかった際の影響について、高木文部科学大臣、お答えをお願いします。
#202
○国務大臣(高木義明君) 水落委員にお答えをいたします。
 科学研究費の補助金については多くの研究者から、年度にとらわれずに研究の進展に合わせて研究費を使用できる制度にしてほしいと、こういうことがこれまでも求められておりました。そこで、この科研費の複数年度にわたる使用を可能にするために、今回の法律案の改正によって日本学術振興会に科研費に係る基金を創設するものであります。
 この基金の創設によりまして、振興会から適時に研究費を交付することが可能になりまして、研究者が必要な時期に必要な研究費を使用できる、そういうことになるものでありまして、研究のより効果的あるいは効率的な活用が図られると、こういったことが期待をされ、そして私もそのように思っております。
#203
○水落敏栄君 大臣、もしこの法案が仮に成立しなかったらどういうことになりますか。
#204
○国務大臣(高木義明君) 仮にこの法案が成立しなかった場合は、基金で助成予定者約二万人の研究者の研究が着手できないことになります。これは科学研究の振興の観点から極めて大きな問題になろうと、このように思っております。
#205
○水落敏栄君 本法案の一番の目的が、独立行政法人たる日本学術振興会に科学研究費補助金に係る基金を創設することによって、特に未来を担う若手の研究費について、予算の単年度主義の弊害を乗り越えて、年度の区切りにとらわれず必要な研究資金を交付することを可能とすることであることであるというふうにただいま確認をさせていただきました。
 この法案の目的自体は、申し上げたように、従来の我が党の方針にも即したものでありまして、異論はございません。ただし、民主党政権がこのような内容の法案を提出したことに対しては、私は違和感を感じざるを得ないのであります。
 その理由でありますけれども、民主党は、平成二十一年度補正予算に盛り込まれた四十六の基金に対し、五月二十九日の参議院予算委員会の反対討論によりますと、次のように発言をしております。事業の中身は後追いで、取りあえず目の届きにくい独立行政法人などの都合の良い団体にばらまく、その中には高級官僚の天下り先が多く含まれているとして、基金として予算計上しておけば数年間は予算を使い続けることができる内容になっているから、官僚の思惑で予算組みがなされているので国家予算に関する憲法の趣旨に反するとして反対し、参議院本会議でも否決したのであります。
 さらに、補正予算による基金の設置先としての日本学術振興会そのものについても、民主党は、平成二十一年五月二十二日の文部科学委員会において、松本大輔議員がこう言っているんです。文科省丸抱えの、ずぶずぶの天下り先として、予算についても、全予算額の九九・八%が国からの運営交付金及び補助金ということであり、こういう文科省と実質同一体のような先の一体どこが独立行政法人なんですか、こう厳しく批判しているんです。
 最終的には、要するにこのJSPSがやっているのは、これは学術振興会ですね。審査委員の選任なんですよ、外部の大学の先生とか研究者にピアレビューを依頼して、その審査自体は要するに丸投げしているんです、そう言っているんですね。
 それで、部課長ポストはほとんど文科省で占められている、こうであれば、文科省自身が従来科研費の交付をやっていたんですから、この独法については、これはもう統廃合というか、考えなきゃいけないはずですよ、存在意義をもう既に見失っている、この不景気な中、二万六千人の官僚OBが四千七百の天下り団体に天下っていて、十二兆六千億円、つまり、消費税五%相当の税金が垂れ流されているんですよと、日本学術振興会の存在意義が失われたとまで、こう言っているんです。
 なお、この質問を行った松本議員は、現防衛大臣政務官であって、政府の一員を成しているわけであります。
 そこで、伺いますけれども、民主党は、平成二十一年には憲法の趣旨に反するとまでして独立行政法人の基金の創設を厳しく批判して補正予算案に反対して、基金の創設先の日本学術振興会についても、申し上げたように、存在意義を見失っているとまで厳しく指摘しています。したがって、なぜ今回、あれほど批判していた日本学術振興会への基金の創設を自ら行うのか、この二年間で日本学術振興会についての民主党の評価を変更させるようなことがあったのか、どうかお答えいただきたいと思いますが、どなたかお答えできますか。
#206
○国務大臣(高木義明君) 今委員が御指摘されましたのは平成二十一年度の補正予算の審議の模様でございました。数々の議論があった中で、全体的には民主党は審議は不十分だと、尽くされていないと、こういう意見で反対したところであります。
 研究費における予算の単年度主義の弊害を回復することは評価し得るとして、補正予算案に盛り込まれた振興会への基金、いわゆる先端研究助成基金でありますが、を設置するための法律改正については賛成をしております。また、この法律改正の際には、科研費における基金の活用等については、衆議院、参議院、両委員会において全会一致で附帯決議がなされております。
 このように、今回の法律案提出は、これまでの民主党の主張と矛盾するものではありませんで、研究費のより効果的、効率的な活用を図るために科研費の複数年度の使用が実現するような、こういう意味を込めたものであると、このように承知をいたしております。
#207
○水落敏栄君 ただいまの大臣の答弁ですけれども、平成二十一年度当時に民主党が日本学術振興会への基金の創設に反対していた主張とは矛盾するのではないかと私思いますけれども、民主党政権が平成二十一年当時の日本学術振興会に対する評価を変更したんでしょうか。変更したのであれば、その理由について御説明いただきたいと思います。
#208
○国務大臣(高木義明君) この学術振興会については、これまでも科学研究費補助金、いわゆる科研費の運営などについては適切に、しかも効果的、効率的に行っておる実績があります。また、この基金の運営の実績もあることから、科研費の基金の創設については適した組織であろうと、このように考えております。
 なお、振興会における科研費の審査は、延べ六千人以上に及ぶ審査員によるピアレビューで行われることになっておりまして、研究者中心の公正中立な運営の仕組みが確保されておると、このように認識をしております。
#209
○水落敏栄君 であれば、私は、本当に二十一年当時のこの松本議員の発言というのは誠に遺憾だと、このように私は思います。端的に言えば、平成二十一年の民主党の姿勢は、要は自公政権を解散総選挙に追い込むためにありとあらゆる難癖を付けたものでありまして、極めて私は問題であって遺憾だというふうに言わざるを得ません。
 しかし、我が党は、そのことをもって今回の法案に反対するものではありません。むしろ、麻生内閣で当時の塩谷大臣が提唱した科研費の基金化であり、元々我が党が具体化した政策でありますから、賛成するのは当然だと考えております。
 民主党も与党として責任を持つ立場になったのでありますから、今後も政権交代が生じるであろうことを考えると、国家国民のために必要な制度改正については、与野党の区別なく、党利党略を超えて賛同すべきと考えますけれども、これについて大臣、どう思われますか。
#210
○国務大臣(高木義明君) この研究費の複数年度使用の実現については、多くの研究者、現場の皆さん方からこれまでも強く要望されてきたことでありまして、このような改革についてはまさに党派を超えて取り組むべきものだと私は認識をしております。
 今回の基金化については、これは平成二十年に超党派の議員立法で成立をした研究開発力強化法の趣旨、また平成二十年の日本学術振興会法改正の審議における全会一致の附帯決議の内容に沿うものでありまして、私どもとしましては、これは国益に照らして推進すべきものだと思っております。
#211
○水落敏栄君 次に、科研費の不正使用防止の方策と基金化の効果の検証についてお伺いをしていきたいと思います。
 科学研究費については、残念なことでありますが、従来より、私的利用やあるいは補助申請時と異なる費目への研究費支出、そして不正受給など、不正使用の問題が度々指摘されてまいりました。最近では、例えば三月二十五日には、金沢大学が、医薬保健研究域、医学系の講師が十年間にわたって実際に行っていない実験データを科学研究費補助金の実績報告書などに記載して、計千六百九十四万円の交付を受け取ったとして懲戒解雇になりました。また、三月三十日には、大阪大学が、特任教授が研究費の不正な経理を行って一部を私的流用していた問題で、特任教授を八日付けで解雇として、二十八日は詐欺罪で大阪府警に告訴したと、こう発表しています。この特任教授の私的利用ですね、家族での海外旅行なんかにこの費用を使っているんですね。全くひどいものです。四月七日には、松本歯科大学の複数の研究者が二〇〇四年から二〇〇八年度に文部科学省から受けた科学研究費補助金約一千八十二万円について不適切な経理処理をしたとして約七百六十五万円の返還を請求されました。
 そこで、お伺いしますけれども、松本歯科大では、二〇〇四年から八年度、取引業者に架空の発注を行って支払ったかのように見せかけたお金を預け金として翌年度の研究費に充てるなど、不正な経理処理を十二件、計七百六十五万円もあったそうですが、処分対象になったのは代表研究者五人で、中でも他の研究者から引き継いだ預け金を自分の研究費として使っていた研究者一人については悪質と判断して諭旨退職処分としました。この事例は複数年度で科学研究費を使おうという意図の下、不正な経理処理を行ったものと思われますが、従来の民主党の主張は、基金化によって無駄などがあるいは不透明な予算が計上されることもあるかもしれないということであったと、こう理解していますけれども、今回の改正によってこうした不正を防止できるものと考えておられますか。また、私的流用や補助申請時と異なる費目への研究費支出などの不正使用について、それを防止するための取組についてどのようにしていくのか、お伺いします。
#212
○大臣政務官(林久美子君) 委員御指摘のとおり、本当にこの科研費をめぐる不正使用というのが後を絶たず非常に遺憾に思っているところでもございます。過去五年で見ますと、年間六件から十一件の不正使用というのが明らかになっております。
 今回の法改正によってこうしたことがなくなるのかどうかというまず御質問だったかと思います。当然、制度的にはかなり基金化することで複数年度で使いやすくなっていくわけでございますから、確かにそうした側面もあるかと思いますが、この不正使用が発生する要因としてはいろいろやはりあって、複合的であるというふうに考えております。大きく分けて、やっぱり研究者の意識とかルールに関する知識の不十分さがあると思いますし、さらには研究機関の管理体制やチェックの仕組みの不十分さ、また制度や運用面の問題があるというふうに思っておりまして、これら一つ一つの問題をしっかりとクリアをしていくことがこの不正使用を防ぐということにつながっていくというふうに考えております。
 さらに、平成十九年の二月には文科省として研究費の不正な使用を防止するためにガイドラインを定めまして、各研究機関において研究機関における管理、内部監査の実施も求めているところであります。今回の法改正とともに、しっかりと様々な要因に目を向けながら不正の防止に努めてまいりたいと思います。
#213
○水落敏栄君 おっしゃるように、やっぱり内部監査なんかをしっかりやって、やっぱり国民の税金でありますから、そして若手の皆さんにしっかりと研究していただくためのそうした大事な費用でありますから、防止対策についてしっかりと取組していただきたいなと、こう思います。
 平成二十三年度の科研費、二千六百三十三億円ですけれども、基金化の対象は八百五十三億円であります。基金化については、今回は特にニーズの多い、また少額の分野に限定されているようであります。我が党としては今後は他の種目などについても拡大していくべきであると考えますけれども、それについては研究成果に対する評価、検証が不可欠であり、基金化によって科研費が有効に使用されたという実証がなされねばならないわけであります。研究成果の評価についての具体的な取組、どのようにやっていくのか、お伺いします。
#214
○大臣政務官(林久美子君) 科研費は、委員もよく御存じのように、ノーベル賞を含む非常に優れた研究成果を生み出してきたというところでもございまして、より一層優れた研究成果を生み出していくために制度の評価を適切に行っていくということは、委員御指摘のとおり非常に重要なことであるというふうに考えております。
 このため、科学技術・学術審議会の研究費部会などにおきまして制度面の不断の見直しあるいは評価を行うとともに、文科省が毎年行っております政策評価においても制度改革の進捗状況や研究成果の発表状況などの観点から検証を行っているところでもございます。また、予算編成過程においては総合科学技術会議の評価も受けておるところでございますが、今この研究の種目もどんどん広げていったらどうだという御意見かと思いますけれども、こうした国会での御審議や研究現場を始めとする様々な現場の皆さんの御意見を聞かせていただきながら、この基金制度の効果というものもしっかりと見極めつつ検討をしていきたいというふうに思っております。
#215
○水落敏栄君 ありがとうございました。しっかりと評価についての具体的な取組、お願い申し上げたいと思います。
 次に、今回の東日本大震災に伴う学校における放射線量の測定について幾つかお伺いしていきたいと思っております。
 一昨日、四月十七日のNHKによりますと、文部科学省は、福島県内の学校現場で放射線量を把握する体制を整える必要があるといたしまして、累積の放射線量を測定できる簡易型の線量計を千七百個程度調達して、福島県内の全ての公立の幼稚園、小中学校、それに高校に配布する方針とのことであります。また、これまでの高い放射線量が測定された原発周辺の地域の学校などについては、測定する機器の設置など放射線量を常に監視するシステムを整備し、データを公表したいと、そういう考えだとも伺っております。
 そこで、質問ですが、報道によれば、私立学校は対象にならないようでありますけれども、子供の安全という観点からは同列に論ぜられるべきであると私は思っております。福島県内には私立の幼稚園と小中学校、それに高校は何校あるのか、そこは線量計の配布の対象とはならないのか、ちょっと、通告してあると思いますが、お伺いします。
#216
○大臣政務官(林久美子君) 今報道等による御指摘ございましたけれども、現在のところ、やはり公私の分け隔てなく、やはりその場所で子供たちが生活をし学んでいるわけでございますから、私立も当然対象に含めまして、それぞれの子供たちの育ちの場の安全を確認をしていきたいというふうに思っております。
#217
○水落敏栄君 やっぱり政務官おっしゃるように、子供の安全という観点からは私立も公立もないわけでありますから、しっかりとやっていっていただきたいと、このように思います。
 これまで高い放射線量が測定された原発周辺の地域の学校などにつきましては、測定する機器の設置など、放射線量を常に監視するシステムを整備してデータを公表したい考えだと、こういうことも言われておりますけれども、原発周辺の地域というのはどこを指すのか。さっきも出てまいりましたけれども、いわゆる計画的避難区域は、指定後一か月をめどに避難することになっておりますから、学校教育はできないわけであります。緊急時避難準備区域もさっき出てまいりましたけれども、これにおきましても、子供はこの区域に入れず、保育所、幼稚園や小中学校及び高校は休園とか休校となるわけでありますから、学校教育はできません。この二つの区域以外に放射線量の高い区域があるのかどうか、お伺いしたいと思います。
#218
○大臣政務官(林久美子君) 現在、原発周辺の地域という場所についてなんですけれども、福島県においては、先ほどもお話ありましたが、四月の五日から七日にかけて県内の小中幼稚園などの空間放射線量を測定をしたところでございます。
 これらの調査に関しましては、福島の第一原発からの半径二十キロ以遠の小中幼稚園などということになるわけでございまして、それらの結果については公表しているんですが、何か所かやはり通常の場所に比べると比較的、高いといっても非常に健康に大きな影響を与えるような数値であるというわけではございませんけれども、比較をすると高めに出ているところもございました。そうしたところについては、再度土壌のサンプル調査等々もいたしまして、しっかりとそれぞれの学校、二十キロ以遠の学校について調査を掛けたということでございます。
#219
○水落敏栄君 ちょっとお答えになってないように私は思っていますが。
 要は、お答えをいただきたいのは、緊急時避難準備区域というのはどういうところにあるのか。あるいは、そういうところには、もう子供はそこに入れないわけですから、当然幼稚園とか学校は休校、休園になるわけでありますから、学校教育はできないわけで、この二つの区域以外で放射線量の高い区域があるのかどうか。ないんですか。ありますか。
#220
○大臣政務官(林久美子君) 私が存じ上げている限りでは、それ以外の区域で線量の高いところはないというふうに私は把握をしております。
#221
○水落敏栄君 次に、放射線量を常に監視するシステムを整備するということでありますけれども、これリアルタイムで放射線量をチェックするということでしょうか。
 例えば、校庭での体育の授業中などに高い放射線の数値が出た場合はどんなふうに対応するのか。調整を地元と進めているんでしょうか。そもそも、そんな危険のある地域で学校教育ができるのかどうかと思っているんですが、どうですか。
#222
○大臣政務官(林久美子君) 非常に危険な地域で学校教育というのは私は基本的にできないと思っております。その上に立って考えれば、基本的に、文科省としては福島県内の学校における放射線量の把握をしっかりと支援をしていくという基本に立たなくてはならないと。今委員御指摘がございましたように、二十四時間データを取っていくとかいうことも含めて、今、例えば線量計を置くのか、あるいはそういうシステムを、二十四時間見れるシステムを構築をするのかなどなど、現場と調整をしながら、意見を聞かせていただきながら、しっかりとした放射線量の把握ができる体制をつくっていきたいというふうに思っております。
 当然、先ほど申し上げましたように、前提として非常に危険、体に影響が出るやもしれぬような危険な地域で学校教育というのは行われないということでございますけれども、万々が一にも何か非常に高い線量が計測をされたとかいうこともきちっと、万々が一とはいえ、しっかりと想定をしながら、そうしたときにも対応ができるように何らかの方針を示していきたいというふうに思っております。
#223
○水落敏栄君 福島のこの二十キロ、三十キロ圏内の、原発の圏内の子供たちがいわゆる疎開をして遠く避難している。その子供たちがいじめに遭っているというふうな現状もあるんですよ。したがって、いやいやあの子は放射線を浴びているからもう近寄ったら駄目だとか言われて、非常にいじめが今あるということもありますので、こうした放射線のチェックをしっかりとやって、子供たち、大丈夫なんだよ、勉強しても大丈夫だし、また遊んでも大丈夫なんだよという、このことをきっちりとやって、そしてまた基準というのもきっちり定めて、この基準以外に出たけれども大丈夫だからというふうなことで安心、安全にさせてやらないと、やっぱり子供たち、安心して勉強もできないし、また遊ぶこともできないと思います。
 しっかりとこれ取り組んでいっていただきたい、このこともお願いをして、時間ですので私の質問を終わります。
#224
○草川昭三君 公明党の草川でございます。
 科学技術の振興は、我が国が総力を挙げて取り組むべき課題であるということは言うまでもありません。今回の改正案で基金化が図られたことにより、研究資金が年度に縛られることなく柔軟な活用ができることになるということで、研究活動が活性化し、科学技術の振興に寄与するもので、我々は賛成であり、評価をしたいと思います。また、若手研究者支援、育成に力点が置かれていることも評価をするものであります。
 その上で、これまでの科学研究費補助金の使われ方には、先ほども御指摘がありましたが、種々問題がありますので、問題提起をしたいと思います。
 独立行政法人日本学術振興会は、平成十六年、十八年、十九年、二十年、二十一年と計五回も会計検査院から科学研究費補助金の経理が不当という指摘を受けています。検査院の検査報告は平成二十一年度分が最新でありますから、設立以来、平成十七年度を除き、毎年不当事項の指摘を受けているということになります。
 大臣、毎年指摘を受け続けているこのような事態をどのように反省をされるのか、お伺いしたいと思います。
#225
○国務大臣(高木義明君) 草川委員にお答えをいたします。
 御指摘のように、会計検査院からは、平成十六年度以降五回にわたって科研費の不正についての指摘を受けております。
 これらは、それぞれの大学に対する会計検査の結果、指摘されたものでありまして、日本学術振興会自体の経理の不当について指摘しているものではありませんが、いずれにしても不正使用が皆無になっていないことは、これは誠に遺憾なことであります。
 これまでも、文部科学省及び日本学術振興会では、研究機関における公的研究費の管理、監査のガイドラインに基づいて研究機関における研究費の適切な管理を図るとともに、研究機関に対する実地検査の実施、不正使用を行った研究費の返還命令、不正を行った研究者が一定期間競争的資金に応募できなくなるとするペナルティーの実施等を行ってきたところであります。
 今後とも、御指摘のように、不正使用の防止に向けしっかり取組を進めてまいりたいと思っております。
#226
○草川昭三君 毎年指導をしているのに不正が繰り返されている原因というものを明らかにしないと前進はないと思うんですね。
 補助金を支給する学術振興会の指導が悪いのか、今日は小野大先輩がお見えになって大変恐縮ですが、指導が悪いのか、研究者の方々の遵法意識が欠如しているのか、補助金自体が使いにくい性質があるからこういうことが起きるのか。不正が起きる原因は一体どこにあるのか、率直にお伺いをしたいと思います。
#227
○大臣政務官(林久美子君) お答えさせていただきます。
 先ほども少し御答弁申し上げさせていただきましたように、やはりそれぞれ今先生御指摘の点が複合的に絡み合ってこうしたことが繰り返されてきたのではないかというふうに考えております。一つ一つのその課題を解決をして、やはり大切な税金をお預かりをさせていただいて研究に充てていただいているわけですから、適正な使用が行われるように全力を投じてまいりたいと思います。
#228
○草川昭三君 検査院の指摘は平成十七年度はなかったんです。ところが、参議院の決算委員会から、科学技術関係補助金等の不正使用防止についてという措置要求決議がこの年になされておりまして、この団体は設立以来毎年この補助金の不正使用があるということで厳重な注意と改善がこの委員会で求められたことになっております。
 この参議院の警告を受けた後も、実は十八年、十九年、二十年、二十一年と四年連続で検査院から経理が不当との指摘をこの決議の後も受けている。これはやっぱり参議院としての決議が無視されたということになるんじゃないだろうか。文科省やこの団体の在り方は甚だ問題があると言わざるを得ません。
 そこで、ここで財務省にお伺いをしたいと思うんですが、予算の査定に当たって、度重なるこのような検査院の指摘あるいは決議要求等は予算査定に反映をするのかしないのか。私は、予算措置に当たってはより厳しく査定をすべきだと思いますが、併せてお伺いをしたいと思います。
#229
○政府参考人(中原広君) 主計局でございます。
 ただいま独法の日本学術振興会における科学研究費補助金に関しましてお尋ねをいただきました。
 科研費補助金につきましては、今お話にございましたように、研究者の架空請求などによる補助金の過大な交付について再三検査院から指摘を受けておりまして、また加えて、今お話にありましたように、当院の決算委員会からも不正使用根絶を目指して必要な措置を講ずべき旨の御決議をいただいているところでございます。私どもとしても大変残念なことに思っております。
 こうした一連の御指摘を踏まえまして、文科省において科研費の執行において研究機関における厳格な管理の徹底に向けた取組が行われていると承知しておりますが、私どもも予算編成過程で、どういう取組を行っているのか、またその取組の結果はどうだったのかということを重点的にヒアリングする等の取組をいたしているところでございます。
 いずれにしても、先ほど政務官からのお話にもありましたように、限られた財政資源、貴重な税金、こういったものを科学技術振興に向けて効率的、効果的に使用されることが何よりも重要と考えております。不正使用の防止など執行の適正化、あるいは国民にその成果がしっかりと還元されるような質の高い研究の確保、こうしたものに向けまして、今議員から御指摘いただきました問題意識を持って引き続きしっかりと予算編成過程で精査してまいりたいと思っております。
#230
○草川昭三君 是非、今後の指導をお願いを申し上げたいわけであります。
 先ほどの答弁にもございましたが、基金化によって研究者が会計年度を気に掛けることなくこの研究費の活用が可能になるということは非常にいいことだと思うんでございますが、研究課題の採択はこれで年間二万件だというような答弁がちょっとあったやに聞きますが、そこをもう一度繰り返してお伺いしたいと思います。
#231
○政府参考人(倉持隆雄君) お答え申し上げます。
 平成二十三年度は科研費全体で約二万五千件の新規課題の採択を予定しているところでございますけれども、御指摘のありました基金の対象となる、今三つの研究種目を考えておりますけれども、その基金の対象となる研究種目におきましては、全体の約八割に当たります二万件程度の新規採択が見込まれるところでございます。
#232
○草川昭三君 二万件というわけですから大変な数であることは間違いがありませんし、どのように絞っていくかというのはなかなか難しい点があると思います。
 そこで、一歩進んで、かつて自公政権のときでございますが、たしか平成二十一年度の補正予算において、日本学術振興会に類似の基金、先端研究助成基金という名前だったと思いますが、これを創設した実績がありますけれども、そのときの評価を考えても、将来的には科研費を全て基金化したらどうだろうというような意見も出ると思うんですが、その点のお考えがあればお伺いしたいと思います。
#233
○国務大臣(高木義明君) 平成二十一年度に創設されました先端研究助成基金については、研究者やあるいは研究支援担当機関からは、まず一つ、資金の前倒しが可能になって研究計画の変更による急な資金需要にもこたえられる、また、繰越手続が不要のため研究に集中することができる、また、年度の区切りを気にすることなく研究の進展に合わせて研究費を使うことができるなどの評価をいただいております。
 今般の法改正に当たっては、科研費が毎年約六万件という大掛かりな助成を行う制度であることから、まず、特に複数年度にわたる研究費使用の政策効果が高いものを見込まれる研究種目を対象にいたしました。
 御指摘の科研費の全ての種目の基金化につきましては、先生の御意見もございます、国会の御審議やあるいは研究現場を始めとする様々な御意見を聞きながら、研究費に係るいわゆる効果を確かめながら今後検討してまいりたいと思います。
#234
○草川昭三君 基本的には研究者の方々、一人あるいはまた複数の方々が共同で研究を行われるわけですが、独創的、先駆的な研究である基盤研究が多いと思われます。
 昨年の七月、科学技術・学術審議会は、この基盤研究は科研費の中核的な研究種目であり、規模拡充を目指すべきであると指摘をしておりますが、これに対して文部省の見解はどうでしょうか。
#235
○大臣政務官(林久美子君) 先生御指摘のとおり、基盤研究については、非常に我が国の大学などにおける研究者の優れた研究を幅広く支援してきたものであることから、新規採択率も将来的には三〇%を確保するということを目指すとともに、平均配分額の向上にも配慮すべきだというふうになされているところでもございます。
 実際に多くの研究者にとって不可欠となっているこの研究種目、基盤研究Cというものについては、今回の新規採択分を採択をすると大体三〇%に向けて引き上げられるのではないかというふうに見ておりまして、それに対しての必要額を措置をしているところでもございます。
 先生御指摘のとおり、この科研費制度の重要な課題であるのが基礎研究であると、その充実であるというふうに認識をいたしておりまして、この制度が一層充実をしていくためにも、今御指摘をいただきました点を踏まえながらしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っております。
#236
○草川昭三君 研究費の使い勝手を改善するということで若手研究者が大変喜ばれるであろうというように思うんですが、例えば東大では、二〇〇一年から二〇〇九年まで五十六歳以上の教員は一二・三%から二一・一%に、これはパーセントですが、増加をしております。一方、三十五歳以下の教員は二二・八%から一五・七%に減少しているというように言われておるわけでありますし、これは、国立大学の教員は、五年間で五%の人件費削減の総人件費管理の締め付けが原因である博士課程への進学率が影響しているのではないだろうかと、こう思うんですが、政府は、大学の教授、終身在職権というんですか、何かを考えておみえになると思うんですが、そこら辺のことについてお考えがあればお伺いしておきたいと思います。
#237
○副大臣(笹木竜三君) 今委員が御指摘になった、教授の高齢化が進んで若手の方が比率として減っているというお話ですが、確かに平成十八年度ですか、平成十八年度以降から五年間で五%削減、人件費と。これに国立大学法人も同様に適用してきたと、このことは一つ影響としてあると思います。それと、法人化の時期に定年制を延長したということで、東大がまず定年制を延長したわけですが、六十から六十五ですか、に延長したわけですが、このことも結果的には影響しているのかもしれません。そうした問題があるのはもちろん把握をしております。この一律で国立大学法人も対象にしていること自体はいろいろ吟味をしていかないといけないんだろうと思っています。
#238
○草川昭三君 もう時間が来ましたので、最後に、せっかく小野理事長に御出席願ったんで、従来の問題点と今後の展望についてお伺いしたいんですが。
 科研費の新規採択率を見ると、国立大学の研究者が二五%、私立大学の研究者が一八%になっております。審査や申請の過程で所属機関による差がないようにしてもらいたいという要望があるように我々お伺いしているんですが、直接これは理事長には関係のないことではございますが、先ほど来から指摘をしております実績等々の問題を含めて、最後に理事長の見解を賜って終わりたいと思います。
#239
○参考人(小野元之君) 科研費の採択でございますけれども、御指摘のように、私どもは、学術システム研究センターというのを学術振興会の中に設置をいたしておりまして、科研費の審査員を選ぶ仕事をさせていただいております。
 その際に、私どもといたしましては、できるだけ私学の研究者の方も是非選びたい、そして女性の研究者も選ぶということで、できるだけバランスの取れた、国立大学に偏重しないような、そういう審査員の構成に今努力をいたしておりまして、したがって、私学やあるいは地方の大学等の方が不利にならないように、この点はできるだけ公平公正な審査が行われるような努力をいたしておるところでございます。
#240
○草川昭三君 ありがとうございました。
#241
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦です。
 予算の単年度主義の制約によりまして、研究費の使い勝手の悪さということについては以前から指摘されてきたことであるわけです。今回の基金化は、私は遅きに失したと言ってもいいのではないだろうかというふうに思うんです。
 年度をまたいだ支出を簡易な手続でできるようにしてほしいという現場の声に対して、これまで何たびもそういう声が聞かれていたにもかかわらず、これまで取組が遅れた理由についてはどのように認識しておられるのか、大臣、ちょっとお話を聞かせてください。
#242
○国務大臣(高木義明君) 江口委員にお答えをいたします。
 これまでその取組が遅れてきた理由、まあ遅きに失したという御指摘もございました。我が国の予算制度はいわゆる単年度主義を取っておりますので、科研費についてもその制約が掛かっていたと思っております。
 こうした中で、これまでも平成十五年度から科研費を繰越しの対象経費にするとともに、繰越手続の大幅な簡素化などを積極的に進めてまいりました。単年度主義に由来する研究費の使い勝手の悪さの改善に向けて努力をしてきたところでございます。
 一方、平成二十一年度に、補正予算による時限的な制度ではありますが、先端研究助成基金が創設をされまして、基金化によって年度をまたぐ研究費の使用が可能になりました。また、その際の国会におきましても、科研費についての基金の活用を含む附帯決議が全会一致でされたところでございます。
 今回の制度改正については、このようなことを踏まえて法案の提出に至ったものでございます。
#243
○江口克彦君 是非力強く取り組んでいき、また進めていただきたいというふうに思います。
 それから、平成二十三年度予算編成において、最終段階になって、菅総理のまあ言ってみれば鶴の一声ということでしょうけれども、科学研究費補助金が大幅増になりましたね。基金化分も含めれば年度比は三〇%増ということになるわけですけれども、予算増は大変有り難い話というか、いいことだというふうに思うんですね。
 しかし、我が国の基礎研究を担う科学研究費補助金予算が最初からでなくて総理の一言で最後滑り込み大幅増というのは、元々科学技術に対してどんな考え方を持っていたのかということにもなるわけですけれども、今後の科学技術の発展を考えたときに非常にしたがって心もとないと。要するに、総理の一言がないと研究補助金というものが充実しないのか。原子力、地震、防災等の分野についてもますますの研究が必要であるというふうに私は思うんです。
 したがって、この科学研究費補助金を含む研究予算の一層の充実に向けて取り組んでいただきたいと思うのでありますけれども、大臣の御決意のほどを是非お伺いしたいというふうに思います。
#244
○国務大臣(高木義明君) さきの予算編成の過程についての御指摘もございました。
 私どもとしましては、この科学研究費については、我が国、資源の少ない国でありますが、やっぱりこれからも成長の基盤として科学技術力の向上についてはもう大方の国民の皆さん方の御支援があると思っております。したがいまして、特に今回、エネルギー、いわゆる原子力の安全課題もありましたし、また地震、津波という自然災害等もありました。これは、今後の研究が更に深化していかなければやはり国民の生命、安全は守れない、そういうことも加味しまして、これからも、国会の皆さん方のいろんな御指摘もあったわけでありますので、しっかり予算の確保について努力をしなきゃならないと、このように思っております。
#245
○江口克彦君 日本は技術立国とか科学技術立国とか、そういうようなことでますますこういう分野が重要視されるというか、言ってみれば世界の先端を走らなければならないというような、そういう取組をしなければならないと思いますので、是非大臣、頑張っていただいて、こうした方向で一層の取組、力強く進めていただきたいというふうに思います。
 最後ですけれども、本来であれば我が国の科学技術政策の方向性を示す科学技術基本計画が四月から第四期としてスタートするはずであったというふうに思うんですね。しかし、さきの東日本大震災や東京電力の福島第一原子力発電等の事故によりまして、内容を再検討するとのことであるわけです。
 二点お伺いしたいんですけれども、一点は、遅くとも三月三十一日までに閣議決定されていなければならない基本計画がいまだに決定されていない理由、そして今後のスケジュールということについてお伺いをしたいということと、二点目は、原子力政策や地震防災対策についても当然見直しが行われていると、またしかるべきだというふうに考えるんですけれども、大臣、いかがでございましょうか。
#246
○国務大臣(高木義明君) 科学技術の基本は、まさに我が国の科学技術基本計画にあると思っております。
 御承知のとおり、第四期の科学技術基本計画については、これは平成二十三年度の開始に向けまして、昨年の十二月に総合科学技術会議において答申されました。そして、政府において三月中に閣議決定をしようと、こういうことで目指しておりまして、所要の手続を進めてきたところでございました。ただしかし、三月十一日に発生しました東日本大震災、こういう我が国が経験したことのない未曽有の国難という情勢変化がございましてこのような状況になったということがまず一つです。
 さて、そしてこの第四期科学技術基本計画についてはどういうことになるのかということでございますが、見直しを行う必要があると、こういう認識の下で、科学技術政策担当大臣及び総合科学技術会議有識者議員が連名によりまして、今回の災害の経済社会への影響を踏まえた再検討を行うことを発表をいたした経過がございます。
 今後、この総合科学技術会議において昨年の十二月の答申の見直しに向けた検討が行われることになります。具体的なスケジュールでございますが、これについてはまだ未定と承知をいたしております。
 文部科学省としましても、その検討には積極的に貢献をして、なるべくこれは早い段階で第四期基本計画を閣議決定できますように最大限努力をしてまいりたいと思っております。
#247
○江口克彦君 どうもありがとうございました。
#248
○委員長(二之湯智君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 独立行政法人日本学術振興会法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#249
○委員長(二之湯智君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、橋本君から発言を求められておりますので、これを許します。橋本聖子君。
#250
○橋本聖子君 私は、ただいま可決されました独立行政法人日本学術振興会法の一部を改正する法律案に対し、民主党・新緑風会、自由民主党、公明党及びみんなの党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読させていただきます。
    独立行政法人日本学術振興会法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、学術研究助成基金について、研究機関及び研究者に対する周知・説明を十分に行い、円滑な運用に最大限努力すること。
 二、基礎研究の更なる充実を図るため、科学研究費補助金を始めとする研究予算の確保に努めるとともに、制度改正後における科学研究費補助金の執行状況等を踏まえて基金化による効果を検証し、必要に応じて、基金対象の拡大を含めた制度の改善を図ること。
 三、科学研究費補助金の執行について、不正使用防止対策を徹底し、その適正な執行を図ること。
 四、将来を担う若手研究者の育成の重要性に鑑み、若手研究者を対象とする科学研究費補助金の研究種目については、採択率の向上に努めること。
 五、国民の安全・安心を確保する見地から、災害及び原子力安全に関する研究を充実するとともに、広く国民への情報提供に努めること。
 六、東日本大震災で被害を受けた大学等及び独立行政法人の研究施設・設備の早期復旧に万全を期すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
#251
○委員長(二之湯智君) ただいま橋本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#252
○委員長(二之湯智君) 全会一致と認めます。よって、橋本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、高木文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高木文部科学大臣。
#253
○国務大臣(高木義明君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
#254
○委員長(二之湯智君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#255
○委員長(二之湯智君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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