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2011/05/17 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 文教科学委員会 第8号
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2011/05/17 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 文教科学委員会 第8号

#1
第177回国会 文教科学委員会 第8号
平成二十三年五月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月二十六日
    辞任         補欠選任
     斎藤 嘉隆君     平野 達男君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     大島九州男君     輿石  東君
     平野 達男君     斎藤 嘉隆君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     輿石  東君     大島九州男君
     西田 実仁君     荒木 清寛君
 五月一日
    辞任         補欠選任
     荒木 清寛君     西田 実仁君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     上野 通子君     西田 昌司君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     西田 昌司君     上野 通子君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     熊谷  大君     高階恵美子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         二之湯 智君
    理 事
                神本美恵子君
                藤谷 光信君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
    委 員
                大島九州男君
                斎藤 嘉隆君
                鈴木  寛君
                谷  亮子君
                林 久美子君
                水岡 俊一君
                横峯 良郎君
                石井 浩郎君
                上野 通子君
                熊谷  大君
                高階恵美子君
                義家 弘介君
                草川 昭三君
                西田 実仁君
                江口 克彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   高木 義明君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  福山 哲郎君
   副大臣
       文部科学副大臣  鈴木  寛君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       林 久美子君
       環境大臣政務官  樋高  剛君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        古賀 保之君
   政府参考人
       内閣府原子力安
       全委員会委員長  班目 春樹君
       環境大臣官房審
       議官       関 荘一郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関
 する調査
 (東日本大震災に関する件)
 (被災地における教職員の確保及び配置のため
 の具体的支援策に関する件)
 (福島県内の学校に係る積算線量の暫定的な目
 安の妥当性に関する件)
 (緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシス
 テム(SPEEDI)の運用状況に関する件)
 (放射能に汚染された校庭の土壌について福島
 県郡山市の採った措置に関する件)
 (福島県外に避難した児童生徒に対する文部科
 学省の施策及び原発事故収束に向けての展望に
 関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(二之湯智君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府原子力安全委員会委員長班目春樹君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(二之湯智君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(二之湯智君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。
 まず、東日本大震災に関する件について、政府から説明を聴取いたします。鈴木文部科学副大臣。
#5
○副大臣(鈴木寛君) 東日本大震災が発生してから二か月余りが経過いたしました。
 この間、政府では被災者の支援に向けて全力で取り組んでおり、五月二日には、委員の皆様方の御尽力のおかげで、震災からの早期復旧に必要な施策が盛り込まれた平成二十三年度第一次補正予算が国会で成立するなど、本格的な復旧復興に向けた取組が進んできております。
 それでは、地震、津波による最新の被害状況から御報告いたします。
 今回の震災による五月十七日七時現在までの文部科学省関係の被害状況としては、人的被害については、五百八十一名の死亡、二百四十三名の負傷が確認されるとともに、物的被害については、校舎の倒壊、津波による流失など被害を受けた学校等の文部科学省関係施設は一万千二百六十八施設との報告を受けております。また、いまだ避難所として使用されている学校は百四十七校となっております。
 これに対し、文部科学省では、全国の大学病院に災害派遣医療チームの派遣を要請するとともに、学校施設や国立青少年教育施設等で多数の被災者等を受け入れています。また、被災地ニーズと支援のマッチングを図る東日本大震災子どもの学び支援ポータルサイトを開設、運営する等必要な支援を行ってまいりました。また、高木文部科学大臣が五月十一日に宮城県視察を行うなど、政務三役を中心に被害状況の把握及び今後の支援の在り方等に関し、県知事、市町村長等と意見交換を引き続き行っております。
 今後は、補正予算の成立を受けて、より本格的な復旧復興を加速させていくこととしており、まずは、被災した学校施設等の早期復旧に取り組んでまいります。具体的には、応急仮設校舎の整備や比較的軽微な被害を受けた施設などの早期復旧に着手するとともに、公立学校施設の耐震化対応として千二百棟相当の経費を措置することで、地方公共団体からの追加要望への対応や被災地における校舎等の耐震化率の向上に努めてまいります。
 次に、児童生徒等が教育を受ける機会を確保するため、被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金を創設し、震災の影響から経済的理由により就学等が困難となった世帯の児童生徒等に対して緊急的な就学支援等を実施してまいります。
 新たに千三百人相当のスクールカウンセラー等の派遣に要する経費を措置し、被災した児童生徒等の心のケアのより一層の充実を図るとともに、教職員、保護者等への助言、援助や学校教育活動の復旧支援など様々な課題に対応してまいります。
 特に震災で両親が共に亡くなられたり行方不明になられたりした児童生徒等に対し、きめ細やかな対応を行うため、教育委員会と児童相談所が情報共有を図るようお願いするなど、引き続き支援を行ってまいります。
 また、文部科学省では、岩手県、宮城県、茨城県、新潟県の各教育委員会に対し、四百二十四名の教職員定数の加配の追加措置を行っております。今後、福島県などから要望が出され次第、速やかに追加の加配措置を行うことを予定しており、引き続き被災した児童生徒等の心のケアや学習支援の充実に努めてまいります。
 次に、被災した大学生等に対し、無利子である緊急採用奨学金の貸与人員枠として約四千七百人分を拡充するとともに、授業料等減免についても国立大学等で約千四百人分、私立大学等で約四千六百人分の拡充を行います。
 さらに、厚生労働省と連携し、国立青少年教育振興機構等の協力を得て、被災された学生生徒が首都圏で就職活動をする際の宿泊施設を無償提供を開始するなど、被災学生等への就職支援を推進してまいります。
 被災した大学や研究機関等における教育・研究施設・設備の速やかな復旧支援はもとより、私立学校に対する経営面での支援や、研究開発活動を停滞させないための電力の確保や代替施設の利用支援、帰国留学生、外国人研究者の再渡日の促進等にも努めてまいります。
 先日、我が国が世界遺産に推薦していた平泉が、専門的な立場から勧告を行う諮問機関より、世界遺産としてふさわしいと評価された旨通知がありました。正式に平泉が世界遺産となれば、東日本大震災からの復興のシンボルになるものと期待しております。最終的には、六月開催のユネスコ世界遺産委員会で決定される予定ですが、文部科学省としても平泉の価値が理解されるよう引き続き努力してまいります。
 また、被災した文化財等の緊急保全のため、美術工芸品等の救出・応急措置等や、文化財建造物の応急措置や復旧に向けた技術的支援等の活動を展開しており、今後も、被災した文化財の災害復旧事業など、更なる支援の充実を検討してまいります。
 続きまして、東京電力福島第一原子力発電所事故への対応について御説明申し上げます。
 文部科学省では、国民の安全や安心、政府の適切な対応に資するため、県や大学、文部科学省所管独立行政法人など関係機関等との緊密な連携協力の下、総合的な放射線モニタリングを実施しております。
 具体的には、都道府県別で環境放射能水準調査結果と空間線量率を一日二回公表するとともに、定時降下物や上水も測定して結果を一日一回公表しています。また、大学等の協力を得て全国主要都市の空間線量率を測定し、一日一回公表しています。
 福島第一原子力発電所周辺でも、モニタリングカーを用いて空間線量率を測定し、その結果を一日四回公表するとともに、空気中のダストや土壌のモニタリングも実施し、一日一回公表しています。また、船舶を用いた海域のモニタリングや、米国エネルギー省と連携して航空機を用いたモニタリングを実施しております。
 さらに、福島県内のモニタリング強化に必要な経費を措置し、今後の学校安全の判断材料や住民線量の推計等に活用するとともに、原子力災害対策本部が策定した環境モニタリング強化計画を受け、文部科学省としても環境モニタリングの取組を強化してまいります。
 原子力安全委員会の助言を踏まえた原子力災害対策本部の見解を受け、福島県内の学校の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方を示し、四月十九日に福島県に通知いたしました。
 今後は児童生徒等の受ける線量を確認するため、校庭等における継続的なモニタリングを実施するとともに、積算線量計を生徒の行動を代表するような教職員等に着用していただき、継続的に実際の放射線量を確認してまいります。また、学校等の校庭、園庭における空間線量率の低減策について、実地調査を通じてその有効性を確認した上で、各学校の設置者の検討の参考となるよう、留意事項を含めて福島県に通知したところであり、引き続き児童生徒等の健康・安全確保に万全を期してまいります。
 文部科学省では、避難住民等の不安にこたえるスクリーニングの実施等のため、県や関係機関に対し、大学及び日本原子力研究開発機構、放射線医学総合研究所等からの専門家の派遣、資器材の提供などの支援を行い、五月十六日現在まで、約十八万八千人の住民の方々のスクリーニングが実施されました。また、防災業務従事者等に対する線量測定、治療や緊急被曝医療体制の充実にも努めております。
 さらに、健康相談ホットラインを設置し、国民の健康に対する不安について相談に応じています。五月十六日現在まで、約二万五千件の問合せに対応するなど、今後とも国民の不安に少しでもこたえられるよう努めてまいります。
 原子力発電所事故による経済被害に対し、被災者の迅速、公平、適正な救済の観点から、原子力損害賠償紛争審査会では、原子力損害に該当する蓋然性の高いものから順次指針を策定することとしており、四月二十八日、政府指示等に伴う損害についての考え方を示した第一次指針を策定したところであります。
 以上、東日本大震災の被害状況と文部科学省の対応について御説明申し上げました。
 文部科学省では、引き続き、的確な被害状況と被災自治体の要望等を把握しつつ、被災地の速やかな復旧に全力を挙げるとともに、本格的な復興に取り組むこととしておりますので、委員の皆様方におかれましても、引き続き御指導、御支援を賜りますようお願いを申し上げます。
#6
○委員長(二之湯智君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○斎藤嘉隆君 民主党・新緑風会の斎藤嘉隆です。
 今日は、東日本大震災からの教育の復興、そして研究施設の復旧という観点から数点質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、四月十五日に成立をしました定数標準法に基づく加配措置について少しお伺いをさせていただきたいと思います。
 この四月十五日付けで大臣は談話を出されておみえです。この中で、被災県や被災児童生徒を受け入れた県に対して、四月中にも加配定数の追加内示を行う、そして、その後も状況を随時把握をし、万全の措置を講じるというふうに決意を述べられているかというふうに思います。
 そこでまず、今も若干ありましたけれども、被災県、被災児童生徒を受け入れている県を中心に、現段階でどのような規模で加配がされているのか、お伺いをしたいと思います。
#8
○副大臣(鈴木寛君) 加配につきましては、今国会での義務標準法改正に係る御審議を踏まえまして、補正予算の編成を待つことなく、迅速かつ的確に対応することといたしました。岩手県、宮城県、茨城県、新潟県の四県に対し、四月二十八日付けで、合計四百二十四名、義務教育諸学校が三百八十三名、高等学校が四十一名の内訳でございますが、追加的な加配措置を行ったところでございます。
 これは、この委員会でも大変御熱心な御議論と御指導をいただきまして、今回の加配というのは、各県からの要望、そして国会でお認めいただいております平成二十三年度義務教育費国庫負担金の予算執行により対応することといたしました。
 引き続き、福島県を始め各県の状況を随時把握をしながら、被災した児童生徒の教育支援のために万全の措置を講じてまいりたいと思っております。
#9
○斎藤嘉隆君 今の件にかかわってなんですけれども、私が訪問をさせていただいた幾つかの学校なり教育委員会での話、こういったものを総合しますと、特に甚大な被害のあったいわゆる例えば岩手県の沿岸部の市町村について、今、副大臣からお話があったような文部科学省の内示のとおり、あるいは県から上がってきている配当の希望どおりの教職員の配置が現段階においてされていないという状況があります。
 一例を挙げると、岩手の釜石では県から示されている教員の加配定数の三分の一しか現段階で配置がされていない。これは先週末、金曜日での話ですので、今現在もほとんど状況は変わっていないかというふうに思います。
 そこで、これ、どこの市町村にどのような形、あるいは追加内示分の教職員がどの程度、どのような数が配置をされているか、具体的な数あるいは状況について文科省として詳細はつかんでおみえでしょうか。
#10
○副大臣(鈴木寛君) 御案内のように、人事権者は県教委でございます。
 今のされていないというのが、予算措置、定員措置をしているけれども、人員の手当てが付かないということなのかどうなのかということは、むしろ今逆に、きちっとまたいろいろ教えていただきたいと思いますけれども、いわゆる加配定数の分が足らないのでということよりも、枠を確保したけれども、そして、その中で今一生懸命いろいろと集めていただいておりますが、現地になかなか適当な人が十分に見付からなくてそれが埋まらないということ、あるいは残りの都道府県の方々から東京都を始めとして応援をしていただいているものもあります。しかしながら、そうした県外からの方でありますと、その方々の要するに教職員用の宿舎等々の手配も必要になってきますので、そういった観点で希望している部分の人員が確保できないという、そういったことの問題点については我々共有をし、いろいろな方策を考えておりますが、それは加配措置が不十分であるというふうなことでそうなっているのではなくて、むしろそれを、枠をどうやって使い切るかということでいろいろな課題を抱えていらっしゃるというふうに私どもは理解をいたしております。
#11
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 今、副大臣おっしゃったとおりだと思います。ただ、大臣の談話の中でも、各県の状況を把握をし、教育支援のために万全の措置を講ずるというふうに言われておみえですので、現場段階でそういった配置状況についてはやはりもう少し精細に把握をしていくべきではないかと。これは、別に現場に大規模な調査をしなくても、県教委の方で確認をしていることですので、是非その辺は御理解をいただきたいというふうに思います。
 今、鈴木副大臣言われましたけれども、教育現場にニーズがあって、かつ、追加の内示、予算措置がされていても、現実には現場に教職員を配置するということが非常に難しい、そういう状況がございます。これはいろんな理由がございますけれども、特に今回、津波の被害に遭ったような三陸の例えば沿岸部の学校、ここはいわゆるもう教職員の配置が困難な地域なんですね、元々。人口も少ない、先ほどおっしゃったみたいに県の中心地からも離れていて、そういう場合も多いし、それから、何よりも教員免許を持った方がもう地元にそもそも少ないという状況もあります。遠距離の通勤を余儀なくされたり、場合によっては単身で赴任をせざるを得ないという状況もあって、これ通常時であっても教員を確保することが非常に難しい地域なんですね。
 こういうところというのはどこの県にもある。私の愛知県でも同様に、このように配置が困難な地域というのがあります。そういった場合、県教委はいろんな工夫をしておみえですけれども、例えば通常より短い年数での赴任を事前に約束をした上で着任をさせると、そういった工夫もしているわけですね。
 このような地域の状況の中で、今、じゃ陸前高田には何人、釜石には何人というふうに配置しますよと言われても、今言われたように、探すのは地元の教委でありますし、また学校の現場なんですね。現実的には本当に難しい。
 このことについて、もう御理解いただいていると思いますけれども、是非国として私は具体的な支援を進めていっていただきたいなというふうに思います。文部科学省が本当にいろいろ御苦労をされて予算を確保していただいて、ボールは投げているんです。すばらしいボールを投げていただいているんですけれども、受け手の側にそれを受けるミットがないんですよ。そんな状況があるものですから、是非これについては国として具体的な支援をしていっていただきたい。
 配置について少しでもスムーズに進むように、いろんな手だては考えられると思いますけれども、何かこのことについて現段階で計画をされてみえる、予定をされてみえるようなことはありますでしょうか。
#12
○副大臣(鈴木寛君) 枠も用意した、ニーズもあると。ただ、御案内のように、臨時講師も雇える分は全部雇った、そして東京都などの御協力を得て教員派遣もしていただいた、しかしなおと、こういうことでございます。
 私どもとしては、引き続き各県に派遣ができないかどうかということの可能性をお願いをしてまいりたいと思いますし、また派遣をしていただいた県に対しては、既に新潟については加配をいたしておりますが、新潟の場合は、これは福島から来た子供たちを受け入れていただいた分ということでございますけれども、そうしたことを第二弾の中でさらに応援に行っていただけないでしょうかと、こういう枠組みは用意をいたしているところでございます。
 ただ、繰り返しになりますけれども、県外からということになりますと、またそうした先生方の宿泊の場所といったものを確保しなきゃいけない。しかし一方で、今なおそうした地域というのは現地の方々は避難所生活をされていて、そうした方々の宿泊施設等々も、要するに避難所以外の宿泊施設等々も確保できないためにそういう状況になっているわけでございます。しかしながら、子供の学びということについては、避難されている方々も含めて現地の皆様方の大変深い御理解もいただいているところでもございます。
 一般論ではなくて、一つ一つの設置者の事情ということが、地域の状況というのが変わっておりますので、そうしたことを我々連携しながら対応してまいりたいと思います。もう既に何度か御答弁申し上げておりますが、各県に文部科学省からの職員を常駐をさせております。そうした職員も連日そうした設置者と連絡を取り合っておりますし、それから私ども本省も設置者と必要に応じてかなり濃密に議論をさせていただいております。
 もちろん、予算を取るのは私どもの一義的責任でございます。しかし、それだけでは不十分であるという今日の御議論を踏まえて、四十七都道府県あるいは全ての市町村の教育委員会の御協力を得て、そのコーディネーションについては私どもも全力を果たしていきたいというふうに思っているところでございます。
#13
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。是非、コーディネーターとしての役割を果たしていただきたいというふうに思います。
 ある市の教育長さんの話が大変印象的なんですけれども、とにかく人が欲しいんだ、教員免許があってもなくてもいいんだ、ここへ来て子供たちと一緒に遊んでくれるようなそんな人が欲しいんだということ、それから、免許があればなおのこと有り難い。その最大の理由は、三月十一日以降、現場の教職員というのはもう途切れなくずっと勤務をしているんですね。もう私は限界に近いんではないかなと。言い方がふさわしいかどうか分かりませんけれども、もう休ませないと次が始まらないと、そういう状況にあります。しかし、休ませるわけにはいかないんです。代替がいないものですからなかなかそのようなわけにいかないという状況がありますので、そんな観点からも、一人でも多くの人を早急に配置できるようなコーディネーターとしての役割を果たしていただきたい。
 いろんな方法があると思います。全国には教員免許を持って、例えば採用試験に受からないので待機をしているような方も大勢いらっしゃるというふうに思いますし、それから各県の教育委員会の事務局にも免許を持った方は大勢いらっしゃいます、もちろん仕事はありますけれども、そういった方。あるいは文科省にも教員免許を持った方はいらっしゃるんじゃないですか、大勢。そういった方ですとか、いろんな方がそれぞれの持分で可能な範囲でそういったある程度の一定の期間、現地に行って教職活動をしてくるということも可能ではないかなと。いろいろ是非知恵を出して万全の措置をとっていただきたい、そのように思っています。
 このことについて、大臣、いかがでしょうか。
#14
○国務大臣(高木義明君) 斎藤委員にお答えをいたします。
 先ほどから鈴木副大臣が答えておりますように、教職員の具体的な確保とか配置については、その地域の実情を踏まえて各教育委員会の方で行っております。ただ、被災地においては、宿泊所の確保とかあるいはまた交通手段の確保とか、いろんな難点もあるようでございます。
 しかし、我々としましては、子供たちにとって教師がいかに大切であるかということを承知いたしておりますので、地元都道府県に任せるということだけではなくて、まさに親身になってそれぞれの対応について、特に人的配置について、地域の実情、十分連携を取りながら対応していかなきゃならぬと思っております。なお一層取組を進めてまいりたいと思っております。
#15
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。是非その点についてお願いをしたいというふうに思います。
 ちょっと次の観点、別の観点から少しお伺いをさせていただきたいと思います。
 今回の震災で、東北や関東にあります多くの研究機関、大学が大きな被害を受けています。これは、私、科学技術政策の進展にも大変大きな影響が及んでいるなというふうに認識をしています。
 ちょっと一例を挙げますけれども、JAXAでは「きぼう」の管制がストップをしたと。当時「こうのとり」二号機がドッキング中で管制ができないので、その管制についてはヒューストンが代行をしたということもお聞きをしました。また、つくばにありますいわゆるKEK、高エネルギー加速器研究機構ですとか、東海キャンパスのJ―PARCですね、こういったところの加速器や測定器についても本当にひどい状況だというふうにお聞きをしています。
 この間、一次補正の方でも一部の研究開発法人施設の復旧ということで五十億円の予算が付いていますけれども、全てを賄い切れている状況にはとてもないというふうに思います。
 本格的なこうした研究施設の再稼働の時期、どのように見込んでみえるのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
#16
○大臣政務官(林久美子君) 斎藤委員にお答えをさせていただきたいと思います。
 今御指摘がありましたように、今般の大震災によりまして、国立大学では六十四の施設、また研究施設でいえば十六の施設が被災をいたしました。
 その具体的な被害の事例といたしましては、委員も御存じのように、東北大学やあるいは筑波大学では大型実験装置などが損壊をしたり、今お話にありましたJAXAでは衛星試験関連施設やロケットエンジンの燃焼施設の設備が損傷をいたしました。さらに、KEKでは放射光施設における真空機器の損傷、実験装置の転倒、さらにはJ―PARCでは建屋周辺の地盤沈下によって配線や配管が破断をしたり装置が破損をいたしました。
 非常に委員が御心配いただいているように、非常に被害は甚大でございまして、この研究環境が復旧するまでには、その被害の大きなものに関して言えば、やはり数か月から一年程度の期間が掛かるのではないかというふうに思います。
 しかしながら、一次補正あるいは当初予算の弾力的な運用も含めて、やはり日本は科学技術をしっかりと発展をして、これがやはり日本の未来をつくっていくんだという思いで、早期の環境の整備、再開に向けて全力で我々も当たっていきたいというふうに思っています。
#17
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 もう一点、ちょっと確認をしたいのですが、今の研究施設の復旧について、一次補正の方で計上されていない部分の復旧に係る予算については二次補正で手当てをするという、基本的にはですね、そのような考え方でよろしいんですか。
#18
○大臣政務官(林久美子君) それがベースになりますが、二十三年度の当初予算で使えるものを弾力的に使っていくとか、あるいは今回の一次補正そして次の二次補正というものをしっかりと使いながら対応していくということになります。
#19
○斎藤嘉隆君 非常にこういった研究の分野というのは、私は専門家ではありませんけれども、国際競争が大変激しいと。本当に時間との闘いでもあるというふうに思います。数か月あるいは今のお話で一年に及ぶ研究のストップというのは、これは極めて国益を損なうような大変大きな痛手だというふうに思っていますし、それから、これも場合によってはこれまで積み重ねてきたいろんな研究資源とか研究の経過という、そういう価値そのものを失うようなことにもなってしまうのではないかということも大変危惧をしています。一刻も早い復旧をしていただきたいというふうに思いますし、そのためにはもちろん二次補正できちんと手当てをするということも必要ですけれども、今政務官おっしゃったように、当初予算の方もうまくやりくりをして前倒しをして、是非作業を進めていただきたいというふうに思います。
 もう一点だけ、この件にかかわって。
 被災した大学の例えば研究者が今現在多く、多くと言っていいかどうか分かりませんけれども、他の地域に疎開をしているような状況があるやに聞いています。いろんな、例えば関西の大学、京大とか阪大なんかでもこういった研究者を受入れをしていると。研究スペースの提供もありますし、それから学校によっては宿泊先を用意をしてこういった方々を受入れをしているということも聞いております。
 こうしたケースへの支援について、今の段階で何らかお考えになってみえることがあるのか、是非お聞かせをいただきたいと思います。
#20
○大臣政務官(林久美子君) 委員御指摘のように、現地での研究がストップあるいは停滞をしているということも含めて、共同研究を国内で行っていただいているところもございます。そうしたところに関しましては、被災地域の大学及び研究機関の研究者支援プロジェクトというものを開始をいたしておりまして、そうしたものについて受入れや研究の場を支えていくということに援助とか支援をいたしております。
 御指摘のように、国内でいろいろ助け合うのはあれですが、やはり海外に流出してしまったりすると、非常にこれは日本の知の停滞につながりますので、できるだけ理想は現地の復旧、回復だと思っておりますので、引き続き全力で当たっていきたいと思います。
#21
○斎藤嘉隆君 十分御認識をいただいておみえですので、そういった方向で是非お願いをしたいというふうに思います。
 最後に、原発の関係にかかわって一つ確認をさせていただきたいと思います。
 内部被曝線量の件ですとか、私自身も大変な衝撃を受けています。あの二十ミリシーベルト、年間の数字についても多くの方が大変心配をしている、危惧をしていますように、この内部被曝線量も含めて本当に子供たちの安全というのをどこまで担保できるものかということで、私自身も大変不安に思っている一人であります。
 そこで、ちょっと細かなことを一つお聞きをしたいというふうに思います。この原子力災害対策本部が出された学校の利用判断における暫定的な考え方、この中の生活上の留意事項というところに、大変ちょっと細かい指摘になって恐縮なんですけれども、土ぼこりなどが多いときには窓を閉めて授業を行うというようなことがございます。
 これはどの程度、どういう状況のときに窓を閉めて授業をするのかというのはなかなか具体的には理解しづらいんですけれども、これ授業中に窓を開けている、あるいは窓を閉めている、そのことによって受ける放射線量というのは変わるものなのでしょうか。ちょっとその辺をひとつお聞かせいただきたいと思います。
#22
○副大臣(鈴木寛君) 今御紹介いただきました通知でも、その中の別紙に書いてあるわけですけれども、これらが遵守されないと健康が守られないということではなくて、そもそも放射線防護の考え方といたしまして、可能な範囲で児童生徒等が受ける線量をできるだけ低く抑えるためには、土ぼこりや砂ぼこりが多いときには窓を閉めると、こういうことで通知をさせていただいております。
 これは、一般論としては、当然この学校の中というのは、いわゆる屋外の十分の一あるいは二十分の一ぐらい低くなっております。ですから、そういう意味では受ける線量を低くするということであれば、極力、学校の校舎の中にいるということが最も低く抑えるという観点からは望ましいです。したがいまして、窓を開ければ、それは数値は上がるかといえばそれは若干上がる、その期間は上がるということになります。
 しかし、先ほども申し上げましたとおり、今回、計画的避難地域とかあるいは二十キロ以内ということは並行しているわけでありますが、今開校していただいているところはまあ常識的に窓の開け閉めをしていただいて、そのことが何らかの健康上の影響があるということはないというふうに御理解をいただきたい、全く差し支えないというふうに考えていただいて結構でございます。
 それから、いわゆる内部被曝ということでございますが、結局、外気、土ぼこりの入った空気が少し窓を経て来ると、こういうことなんですけれども、今回の対象校のケースで内部被曝をあれしますと、外部被曝に対して二%ということでありますから、極めて低い部分のそれが本当に短時間に間接的に窓から入ってくると、こういう事態でありますので、むしろそのことを余り神経質にこの対応を教職員がすることの方が、心の影響あるいはいろいろな動揺を招きかねないということをむしろ心配をしていただいた方がいいのではないかなというふうに考えております。
#23
○斎藤嘉隆君 今の状況については私自身も理解をするところでございます。ただ、グラウンドのこの表面の土の線量についていろいろ報道がされているような状況の中で、例えば保護者の立場に立てば、やっぱりこんなときに窓を開けて授業をしているのかというようなことをついつい心配をしてしまうというのも当然だというふうに思いますけれども。
 そこで、何が言いたいかといいますと、私、元々学校って、もうこんなに夏が暑いこういう時期に、エアコンもなく窓を閉めて授業をするなんということはまず考えられないわけです。もう、恐らく四十度、五十度になるでしょう、中が。そうすると、放射線の被害云々というよりも熱中症になって倒れてしまうというようなことの方がよほど、よほどというかかなり現実的には心配な状況もあるわけです。
 ですから、これちょっと定かではないんですけれど、一部の市町ではこういったことも想定をして、市町独自に学校でエアコンを既に導入をしてこの夏対応をしようとしているというようなお話も実は聞いています。いずれ全国的に学校そのものをこういう冷房完備の状況にしていくということはもう必要じゃないかなと私自身は思っているんですが、今回、この被災にかかわって、このような危惧を少しでも払拭をしていくという観点から、例えば市町村なり県なりから要望があったときにこういったエアコンの設置についても相談に乗るというか一定支援をしていくという方向性、お考えというのは今の時点ではありませんですか。
#24
○副大臣(鈴木寛君) 設置者の御判断で空調を整備されるという場合には、国は補助をさせていただくつもりでございます。
#25
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。
 なかなか予算が厳しい中でその補助率のこともかなり大きな問題になってくるかというふうに思いますが、必要性があって、あるいは子供たちや保護者の方のいろんな声に基づいてそういった措置を例えば市町村が先行してしていこうといった場合には是非、これも先ほどの話ではありませんが、親身になって相談に乗っていただきたい、そのように思っております。
 いろいろ申し上げましたけれども、また機会を得て、別の観点でも御質問させていただきたいと思っています。
 どうもありがとうございました。
#26
○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。本日は質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
 また、本日は、文部科学大臣高木大臣を始め、内閣官房副長官福山様、そして内閣府原子力安全委員会委員長班目様にも御参加いただきまして、本当にありがとうございます。
 さて、震災から二か月がたちます。まだまだ地震、津波被害の復旧も時間が掛かりそうです。それよりも更に私たち国民に不安を与えているのは、いまだに日々変化する原発事故現場の状況だと思います。ここのところ、一号機がメルトダウンしたのは三月十一日の夜からであったのではないかという、それが事実であったとしたら、私たちは今まで何を信じてここまで来たのでしょうか。とにかく放射性物質は目に見えません。だからこそ国民の健康への不安は大きくなりやすいのです。
 このような原子力発電所の事故のときには、まず最初に人的被害を防ぐために何をすべきかということを国はしっかりと考えていただけているのでしょうか。私たちが知りたいこと、それは放射性物質がどれだけの量、どんな時間軸でどの範囲に広がるか、これが最も重要な情報だと思います。国はこの情報を正しく公表していらしたでしょうか。
 本日は、国は今回の原発事故に対し私たち国民に今まで正確に伝えていなかったことがあったのではないか、また、何か隠していたことがあったのではないか。そして、何が事実であり、何が事実でなかったかを詳しくお伺いしたいと思います。
 早速質問に入りますが、まず緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム、SPEEDIですね、これについて質問をさせていただきます。
 このSPEEDIについては、既に三月二十四日の時点でまず最初に私は質問させていただきました。そのときにきちんとした答弁を大臣、副大臣からいただけなかったような気がいたします。
 本日は、まず原子力安全委員会の班目委員長に御説明をいただきたいと思います。SPEEDIはどんなシステムで、運用の目的は何なのでしょうか。
#27
○政府参考人(班目春樹君) お答えします。
 SPEEDIは、このような災害時に放出源データを用いてそれがどのように拡散するかを予測するシステムであり、それを用いて住民の避難計画等を立てるためのものでございます。
 しかしながら、今回、残念ながら放出源データ、プラントからどのような放射性物質がどの程度の量放出されているかということがデータが得られなかったため、活用ができなかったというのが実態でございます。
#28
○上野通子君 文科大臣もそう理解されていますか。
#29
○国務大臣(高木義明君) 私もそのような理解です。
#30
○上野通子君 ただいま御答弁いただきましたように、このような私たちが不安を抱えているときに影響を予測できる、その予測の最高のシステムがSPEEDIであると思いますが、班目委員長、三月二十三日に委員長は皆さんにこのSPEEDIの予測データを公開しました。そのときに、公開するまでの理由や公表に当たっての経緯を、今も少ししていただきましたが、もう少し詳しくお願いしたいと思います。
#31
○政府参考人(班目春樹君) 実は、そのような放出源データがなくて使いにくいという状況にあったわけでございますけれども、三月十六日の時点辺りから原子力安全委員会の方では、これを何とか活用できるように放出源データをモニタリング、環境データから逆算で求められないかということを始めました。残念ながら、十七日、十八日、十九日辺りはずっと海に向かって風が吹いたためにこの放出源データを特定することが難しかった。二十日とか二十一日辺りから何とかデータが取れるようになり、その結果、僅か三点という、ちょっと研究者にとってはそれほど自信を持って発表できるような数値ではないんですが、非常にあらあらなデータは取ることができたというのが実態でございます。
 特に我々が気にしていましたのは、放射性ダスト、特に沃素を吸引した場合の甲状腺被曝、がんの発生の問題でございますので、この注意を喚起するために二十三日にその結果というのを公表させていただいたという次第でございます。
#32
○上野通子君 先日、自民党の文科部会で航空機モニタリングの測定結果というものをいただきました。これは実測したデータなんですが、このデータとSPEEDIによるデータ、きちんとしたデータ予測ができないとおっしゃっていますが、ほぼ同じようなデータが出ています。ということは、きちんとしたデータをインプットしなくてもかなりの確率で同じようなことをSPEEDIは評価できるというか、システム予測できるということでよろしいんですか。システムを使って予測できるということでよろしいんですか。
#33
○政府参考人(班目春樹君) 航空機モニタリングの結果と照合しているのは、多分四月十一日の安全委員会からの方の空間線量率の結果だと思います。残念ながら、三月二十三日の段階ではそこまでの精度での予測はまだできていなかったというのが実情でございます。
#34
○上野通子君 班目委員長は三月二十三日の記者会見でも今おっしゃられたことと同じようなことをおっしゃられましたが、その中で、停電や計器故障で放射性物質の放出量が分からず、有効な計算ができなかったから答えられなかった、つまり今回の事故で原発現場からのデータを取るユニットも、ERSSも故障していた。そして、SPEEDIに入力できなかったから予測計算不能状態だったということですね。これは、事実と理解してよろしいんですか。
#35
○政府参考人(班目春樹君) そのとおりでございます。
#36
○上野通子君 今のことと同じことを文科大臣にお聞きしたいと思います。
 このことは、SPEEDIが予測計算不能状態だったということは大臣も御理解されていますか。
#37
○国務大臣(高木義明君) いわゆる緊急時対策支援システム、ERSSが機能していなかったということであろうと思っています。
#38
○上野通子君 もう一度確認します。
 地震によって原発現場で電源を失う事態となり、予測に必要な原子炉や放射性物質の情報が途切れてしまい、恐らくこれはERSSの故障したことと思われるが、それでSPEEDIのシステムが計算不能状態になったということでよいのですね。これは事実ですね。もう一度お二人にお答えいただきたい。
#39
○政府参考人(班目春樹君) 放出源データがない状態ではSPEEDIは使えない状態になった。ただ、放出源データはありませんけれども、単位放出源を仮定した場合にはどうなるかという計算は当初からできていた。この辺はちょっと区別していただきたいと思います。
#40
○上野通子君 今、私が質問したことは、では、事実である、しかしながら、ほかのやり方ではSPEEDIは使えたということですか。
#41
○政府参考人(班目春樹君) 単位放出源で計算した場合にはどういうふうになるかという計算は可能であったというふうに理解しています。
#42
○上野通子君 次に、SPEEDIの運用について、どこが担っているのかについてお伺いします。
 三月二十四日にもこのことは文科大臣そして副大臣にお尋ねしたと思いますが、現在、政府でSPEEDIの運用を担っているのはどの組織なのでしょうか。大臣、お答えください。
#43
○国務大臣(高木義明君) 先ほどもお答えをしておりますけれども、今回の事故でいわゆる放出源データが取れなかった、そういう意味で緊急時対策支援システムであるERSSが機能していないと、原子炉からの放射性物質の放出量が把握できなかった、そのために予測ができなかったという状況にありました。緊急事態に当たりまして、三月十六日の午前に内閣全体として一体的に、また迅速に進める観点から、官房長官の指示によって各省の役割分担を以下のように定めることになりました。
 文部科学省としては、モニタリング情報等の取りまとめ及び公表を行う。原子力安全委員会においては、モニタリング情報等を評価をしていく。原子力災害対策本部としては、評価に基づく対応を行う。この方針を踏まえて、SPEEDIについては原子力安全委員会において文部科学省を通さず財団法人の原子力安全技術センターに直接計算を依頼をして、放射能予測を行うことになったものであります。
 ただし、SPEEDIの維持管理については、引き続き文部科学省が行っていることから、システムの管理維持を含む全てを一元化したわけではありませんで、まさに政府との対応の一体化を図ると、こういう主眼でこのような経過になったものでございます。
#44
○上野通子君 今の大臣の答弁では、いつというのは三月十六日でよろしいんですか。それでは、どこでどのように決まったのでしょうか。
#45
○国務大臣(高木義明君) これは官房長官の指示によって決まったものであります。
#46
○上野通子君 そうしますと、最高責任者はどこの所管になるということですか。
#47
○国務大臣(高木義明君) これは災害対策本部の本部長は内閣総理大臣でありまして、その官邸の官房長官が具体的な対応を指揮するということになろうかと思っております。
#48
○上野通子君 SPEEDIに関しての最高責任はどの組織でお取りになっているんですか。
#49
○国務大臣(高木義明君) したがって、改めて申し上げますけれども、SPEEDIについては原子力安全委員会において、文部科学省を通さずに、原子力安全技術センターが直接計算を依頼をしている。そして、放射能の予測を行うこと。そして、ただし、SPEEDIの維持管理については引き続き文部科学省が行っております。
#50
○上野通子君 今の答弁ではちょっと分かりにくいんですが、実は、私の手元に四月の十三日に「SPEEDIの運用が原子力安全委員会に一元化された経緯」というものがございます。これは、わざわざ私の事務所に文科省の非常災害対策センターの方がいらして、こういう形で、文科省は現在行っているのではなく、一元化されて安全委員会の方にSPEEDIの責任が回ったということでございます。読んでみます。
 放射能影響予測の迅速化のため、三月十六日水曜日の官房長官指示により、各省の役割分担を明確化することとなった。文部科学省は、先ほどお話ししたように、モニタリング情報等の取りまとめ及び公表、原子力安全委員会はモニタリング情報等を評価、原子力災害対策本部は評価に基づく対応、上記の役割分担を受け、SPEEDIの運用の指示は、原子力安全委員会が直接行うこととされ、SPEEDIのオペレーターは原子力安全委員会に移動したというものでございますが、これは事実でしょうか。
#51
○国務大臣(高木義明君) 先ほどのとおり、三月十六日に官房長官の指示によって各省の役割分担を明確化することにいたしました。
 今お尋ねのこの運用については、上記の役割と、いわゆる文部科学省はモニタリングの取りまとめと公表、原子力安全委員会はモニタリング情報を評価をする、原子力災害対策本部については評価に基づく対応を行っていく、これらの役割分担を受けまして、SPEEDIの運用の指示は、原子力安全委員会が直接行うこととされて、SPEEDIのオペレーターは原子力安全委員会に移動をしております。
#52
○上野通子君 再度確認させていただきます。
 今の大臣のお話と同じようなことを、全く同じことをお聞きしたいんですが、安全委員会委員長、班目委員長、今の大臣の答弁で同じですか。
#53
○政府参考人(班目春樹君) SPEEDIの活用のために放出源データを逆算で求めること、これをまずやろうということで、文部省の方から原子力安全技術センターの職員が文部省の指示により原子力安全委員会の事務局の方にやってまいりまして、そこでいろいろなデータ入力等を行うようになったこと、これは事実でございます。
 しかしながら、原子力安全委員会だけがこのSPEEDIを使っていいという話ではなくて、それ以降もこれ各省の求めに応じてSPEEDIというのは活用されていたというふうに我々は認識してございます。
#54
○上野通子君 運用を含めた一元化はしていないということですか。
#55
○政府参考人(班目春樹君) SPEEDIの計算を行う計算機本体は、これは原子力安全技術センターというところにございます。そこの予算等々はこれは文部科学省の方で賄われておりますので、運用ということになりますと文部科学省の所轄ではないかと思われます。
#56
○上野通子君 もう一度お聞きします。
 今の委員長のお話では、文科省の方がこの運用に対しては責任を持つんじゃないかというお答えだったんですが、もう一度大臣、お答えください。
#57
○国務大臣(高木義明君) 先ほどの委員の質問の中に、文部科学省の事務方が上野議員に資料を持って御説明する際に、各省の役割分担を踏まえてSPEEDIの運用の指示を原子力安全委員会が直接行うという、狭義における運用という趣旨で「SPEEDIの運用が原子力安全委員会に一元化された経緯」との表題を、あの資料の表題に一元化された経緯と、こう書いております。この表題を付したところ、この一元化という表現について、これは適切を欠くものであったと言わざるを得ません。今後はこれは十分注意をしなきゃならぬと思っております。
#58
○上野通子君 済みません、私はちゃんとしたレクチャーが受けられないんでしょうか。今になってこれは部下のミスだと言うことは、ちょっといかがなものかと思われます。
 済みません、先に進ませていただきます。
 実は、もっと大変なことが私の方に来ました。というのは、なかなか委員会で質問できないことを質問主意書という形で政府の方に出させていただいています。もちろん、皆様御存じのように、質問主意書は主意書受領後七日以内に政府は責任ある答弁をしなければならないわけで、これは閣議決定を得た答弁であり、法律的にも非常に重たい政府の意思表示だということは間違いありません。
 ここにあるんですが、これは「「SPEEDI」に関する質問主意書」、今国会の一三二号と付いております。これに対しまして、きちんとしたもちろん答弁書もいただいております。
 しかしながら、驚いたことにこの中に、政府からのきちんとしたこれ答弁書にもかかわらず、ここの中に、一か所目、SPEEDIの運用を一元化したという事実は全くないという記載があり、またこの記載についてはっきりと一元化を否定した文書として私は受け取ったんですが、さっきお話ししましたように、この四月十三日にレクチャーしていただいたのは、これは一元化したときちんと書いてあるんですね。これは一体どういうことなのか、大臣にまたお話お願いします。
#59
○国務大臣(高木義明君) 先ほどお答えをいたしましたように、その表現は適切を欠くものだと、このように私は判断しております。
#60
○上野通子君 今更そういうことって通るんですかね。私は既にレクチャーを受けまして、絶対おかしいということで、これは幾ら職員の方が持ってきてくれたとはいえ、上司の方さらには文科大臣も、こういうものをそれぞれの議員に出していると、国民の代表としてこちらに伺わせていただいている議員の一人一人に差別なく出していると私は認識しておりますが、これではおかしいんじゃないですか、今の答弁は。
#61
○国務大臣(高木義明君) 表題の話を私は今したところでありますけれども、内容については質問主意書と全く変わってはないと、こういうことであります。
#62
○上野通子君 もう一つ、もう一か所ございまして、主意書の答弁に、SPEEDIのシステムが停電や計器故障により計算不能状態にあったという事実や委員会からその旨を公表したという事実はないというものでございますが、まず、このような事実はないんですか。今までの班目委員長のお答えでもこういう事実があったということをお答えしていただいていたんですが、もう一度改めて班目委員長に御質問させていただきたいと思います。
#63
○政府参考人(班目春樹君) SPEEDIが事故当初活用できなかったのは、これはまさに放出源データが得られなかったからであり、したがって、三月十六日以降、原子力安全委員会の方で何とかこれを活用できないかということで放出源データの逆算を試みたというのは事実でございまして、ということは、放出源データが得られていないという共通理解はあったと認識してございます。
#64
○上野通子君 先ほど聞いたように、簡単に、事実であったか事実でないかでお答えください。
#65
○政府参考人(班目春樹君) 事実として、ERSS等々が動いていないであろうという認識はございました。
#66
○上野通子君 もう何度も御答弁いただいていますが、故障してしまっているという答弁は、ここの本委員会だけではなく、あちこちの委員会で安全委員会の委員長を始め多くの方々が答弁していらっしゃいます。そして、先週ですが、五月十三日の自民党の部会においても安全委員会の方がいらしてくださって、私同じような質問をさせていただきましたら、その方も直接、故障していましたと、それは事実でありますと答弁しております。ということは、班目委員長、予測システムのそのSPEEDIの本体は動いていてもデータは取れずに計算不能状態にあったということは事実でよいのですね。
#67
○政府参考人(班目春樹君) 放出源データを用いた計算は不能状態にあったというふうに認識してございます。
#68
○上野通子君 ということは、この私の出した質問主意書に対しての答弁も、これはどうしていただければよろしいんでしょう。これは事実ではないとおっしゃっているんですが。
#69
○内閣官房副長官(福山哲郎君) お答えいたします。
 私がお答えするのが適切かどうか分かりませんが、停電や計器故障により計算不能状態であったのではなくて、放出源データが得られないために計算ができない状況であったというふうに我々は認識をしております。
#70
○上野通子君 どちらにしても、故障状態にあってデータが得られなかったというふうに取ったら同じことではないですか。
 大臣、お答えください。
#71
○国務大臣(高木義明君) 先ほどからもお答えをしておりますように、地震発生後、福島第一原子力発電所における電源喪失ということに伴って、いわゆる原子炉からの放射性物質の放出量、いわゆる放出源データが把握できなかった、そのために緊急時の対策支援システム、いわゆるERSSが機能しなかった。本来、放射能影響予測を行うことはできなかったが、SPEEDIが故障したという事実はありません。このことはこれまでも国会で答弁をしておるところと承知をしております。
#72
○上野通子君 大臣の答弁は私がちょっと余り理解できないので、もう一度、班目委員長に質問させていただきます。
 SPEEDIは停電や計器故障により計算不能状態にあった、発生のときですね、原発事故発生のとき。それは事実というふうに私たち感じているんですが、事実であったんでしょうか、なかったんでしょうか。
#73
○政府参考人(班目春樹君) 先ほども申し上げましたように、単位放出源を仮定した場合の計算はSPEEDIは可能でございました。そういう意味では最初から機能はありました。ただし、本来考えておったところの放出源データを用いた計算という意味では不可能になっていた。そういうふうなことでございます。
#74
○上野通子君 次のちょっと質問に移るんですが、三月十六日以前はSPEEDIの管轄、所管は全て文科省であったということは事実ですよね、大臣。
#75
○国務大臣(高木義明君) それはそうでございます。
#76
○上野通子君 それでは、それを踏まえさせていただいて、この福島民報の新聞に載った記事をちょっと読ませていただきます。
 福島県は非常時の初期段階で放射性物質の広がりや濃度を予測する国のシステム、SPEEDIのデータを東京電力福島第一原発一号機が水素爆発を起こした翌日の三月十三日に確認したが、公表していなかった。予測データは福島県が国に提供を求め、ファクスで受け取った。三月十二日の時間ごとの風向きをベースに、放出された沃素が拡散する予測が地図に掲載された。ただ、沃素の放出量を不明とした上での予測であり、県は公表できる内容ではないと判断したという。地図は県に三十枚示された。
 もしこれが本当であって県が公表していれば、市町村が必要とする情報は取れたわけですね。これは事実ですか、大臣、お答えください。
#77
○国務大臣(高木義明君) 今、新聞報道でございますが、私その新聞報道を正確に承知をしておりません。
#78
○上野通子君 新聞報道は正確に入っていないということですが、これが実際に国から県にあったという、県の方々は認めていらっしゃいます。
 もう一度お答えください。
#79
○国務大臣(高木義明君) 今の御指摘については改めて確認をしたいと思っております。
#80
○上野通子君 もし文科省が測定していて、この時期の環境放射能のその水準のデータを、放射能放出の、これをきちんと各県、隣県に出していれば、もっと早く、例えばマスクをした方がいいとか、室内退避した方がいいとか言うことができて、改めて皆さんの不安をそそることはなかったんじゃないでしょうか。
 その後のモニタリングのデータで、これは私の住んでいる宇都宮市とか水戸市とか東京がありますが、爆発が起きて、それからだろうと思う。そのときに必ず上がっております、モニタリングのデータが。ということは、モニタリングのデータでさえ上がっているということは、SPEEDIがもし利用されていたら、その情報は福島の方に流されていたと私は確信しておるんですが、もう一度、大臣、お答えください。お答えできないのであれば、こちら、ちょっと切らせていただきたいと思います。
#81
○国務大臣(高木義明君) 先ほどからも何回も申し上げておりますように、SPEEDIは放出源データを基に計算をするシステムなんです。ところが、放射線データが電源の喪失などで取れなかったためにこのような状況になったということを御説明申し上げた。
 その後、私どもは、三月の十三日かな、十三日からモニタリングを始めました。また、もちろん、十五日ですね、ごめんなさい。三月の十三日は全国の各都道府県でのモニタリングをしました。それから、三月の十五日は、まさに福島県、いわゆる原子力発電所の周辺のモニタリングを始めました。
 このモニタリングの評価を得て、その後はいわゆる想定としてSPEEDIに計算をさせ、そしてそのシステムを動かしておると、こういうことで私は承知をいたしております。
#82
○上野通子君 済みません。ちょっと納得いかないので、理事、止めていただけますか。
#83
○委員長(二之湯智君) 速記を止めてください。
   〔午前十一時十五分速記中止〕
   〔午前十一時三十分速記開始〕
#84
○委員長(二之湯智君) 速記を起こしてください。
 上野さん、もう一度それなら質問していただいて、今の二点を。そして、大臣においては、その質疑の趣旨を踏まえて、もう一度よく分かるように答弁をお願いいたします。
#85
○上野通子君 ちょっと私の方で整理してもう一回、再度質問させていただきますが、まず、私の主意書に対しての政府答弁書では、災害直後は文科省がセンターに指示して試算結果を安全委員会などに伝達したという答弁をいただいております。そして、しかも十六日以降は、文科省の指示と安全委員会の依頼によってセンターが試算し、安全委員会に伝達したと。これは、こちらに質問主意書をまとめたものがあるんですが、まさに十六日以前は、運用、全てを含めた最高責任所管は文科省であるということ、そして三月の十六日以降は、文科省の指示を受け、安全委員会の依頼により、その放射性物質の大気中濃度の測定結果等から推定される福島第一原子力発電所からの放射性物質の放出量に基づき、周辺環境における積算線量の試算を行い、その結果を委員会に伝達するとなっております。そうすると、ここの部分の責任が、運用の責任が文科省にあるのか委員会にあるのか、ここの部分が抜けている、分からない。
 さらには、先ほどの停電や計器故障により計算不能状態にあったという事実及び委員会がその旨を公表したという事実はないと、私は事実はあったんですかという質問に対し、事実はないというこの答弁書ですが、先ほど文科大臣は答弁される中で電源喪失という言葉をお話しになったんですが、電源が喪失されているということイコール、これは計算不能状態にあったということではないんでしょうか。
#86
○国務大臣(高木義明君) もう一度重ねてお答えを申し上げます。
 まず、質問主意書のことから始まります。質問主意書については、これは一元化によって同システムの所管は原子力委員会に移管されたのかというこれは質問でありました。これに対して、所管を含む運用という意図であると考え、運用を一元化したという事実はないと回答したものであります。これが質問主意書。
 それから、三月十六日に政府として役割分担を決めました。文部科学省はモニタリング情報等の取りまとめ及び公表、原子力安全委員会はモニタリング情報等を評価する、原子力災害対策本部、これは政府でありますが、評価に基づく対応をすると。この方針を踏まえて、SPEEDIについては原子力安全委員会において文部科学省を通さず原子力安全技術センターに直接計算を依頼をして放射能予測を行うことになったものであります。ただし、SPEEDIの維持管理については引き続き文部科学省が行っておりますと、こういうことでございます。
#87
○上野通子君 済みません、私は、大臣、三月二十四日なんですが、この委員会で質問した際に、このSPEEDIの運用も含めて全て文部科学省の方で三月二十三日に発表した班目委員長の公表したのは事実か、またなぜ二十三日になってしまったのかということをお聞きしました。それまでの間、動かなかったのかということも含めてお聞きしましたところ、昨日の、二十三日の班目会見は承知していないという答弁をいただいたんですよ。承知していないということイコール全てのことに対して、SPEEDIの全てのことに対して、それまでどのように運用していたかということに対して知らないということに私は受け取ったんですけれども、いかがでしょう。
#88
○国務大臣(高木義明君) 私は今ここで正確に記憶をしておりませんが、今御指摘のとおりのことを私なりに振り返ってみますと、班目委員長が記者会見をしたその正確なことを私は承知をしていないということで私は答えたと信じております。
#89
○上野通子君 副大臣にお尋ねします。
 同じように、大臣が承知していないと言った後に、御丁寧に類推答弁をしてくださいました。そのときに、何らかの形で支障があり、故障があり、使えない、ただSPEEDIとしてはシステムだから使えるというような御答弁をいただいているんですが、覚えていらっしゃいますか。
#90
○副大臣(鈴木寛君) まさに、先ほども班目委員長から御答弁いただきましたけれども、SPEEDIというのはソフトですから、そこに何らかのものを入力しないと予測結果というのは出てきません。まさに放出源データが得られないので、SPEEDIは別にソフトとしても、あるいはソフトというのはコンピューターに入っていますから、そのコンピューターは別に壊れているわけではないけれども、入力する数字がなければそれは結果が出てこないから推測はできないということじゃないかなと私は思いましたので、そういう御答弁をいたしました。
 現に、先ほど班目委員長からお話がございましたように、放出源情報というデータが得られなかったのでそれを入力できなかったということでありますので、私の推測というのはほぼそのとおりだったというふうに先ほどの班目委員長の御答弁を聞いて思わせていただきました。
#91
○上野通子君 もう一度、何が事実で何が事実でないかということも含めて、私がいただいたこのレクチャーの紙等ももしかして、本当でないというふうに今おっしゃっていますが、このように、じゃ、まず整理してお尋ねしますが、このSPEEDI等に掛かっているコストとか予算ってどのぐらいなんですか。
#92
○国務大臣(高木義明君) 平成二十三年度の予算でいけば、七億七千四百万円となっております。
#93
○上野通子君 こちらで調べたものがありますけれども、昭和六十一年以来、開発費七十二億、平成五年に運用が始まって以来、毎年約、平均で二億四千万、合計約百二十八億程度の投資をされてきたというんですが、よろしいですか。
#94
○国務大臣(高木義明君) SPEEDIの開発及び運用に要する経費についてお答えをいたします。
 開発費、昭和六十一年度から平成二十一年度の累計、これは七十二億一千万円。この内容については、運用システムを開発すること、予測結果表示機能の開発をすること、予測機能迅速化等を図ることであります。
 運用費としては、平成五年度から平成二十一年度の平均、これは二億四千万円、これは年平均、年のことです。内容としては、計算機の借料、そして人件費、光熱水料等であります。
 以上です。
#95
○上野通子君 ありがとうございます。
 今、答弁いただきましたように莫大な投資をしてきたシステムですよね。肝心なときに使用できなかった、また肝心なときにほかの情報が得られなくて使うことができなかった、そしてまた所管が変わったような変わらないような、そしてまたデータが公表されているのかされていないのか、事実なのか事実でないのか、またその理由が計器の故障であるのかないのか、その予測データはちゃんと福島県に送られていたのかいなかったのか、今まで私たち国民が国や政府にだまされていたのか、正しい情報が伝えてもらえなかったのか、次々に様々なことでクエスチョンが広がり、また様々にいろんなことが分かってきて驚いております。
 もう一度戻ります。三月二十三日に班目安全委員会の委員長が、SPEEDIの公表はかえって社会的な混乱を引き起こすのではとためらうところがあったと御答弁されております。これは事実でしょうか。
#96
○政府参考人(班目春樹君) 申し訳ございません。そういう記憶はございませんし、むしろこれは、実は二十三日に発表したデータというのは、子供の将来の甲状腺がんを気にする、甲状腺への内部被曝の問題でございますので、むしろ注意を喚起してもらいたいので公表させてもらいたいというふうに原子力災害対策本部にお願いしたところです。
 ちなみに、結果として、現地対策本部の方から、我々の依頼に基づいて子供の数、多分千数十人だったと思いますけれども、の甲状腺の蓄積線量について計測していただいて異常がないことを確認し、ほっとしたということで、実はそういう形でこのSPEEDIというのは実際に活用されているということだけちょっと申し添えさせていただきます。
#97
○上野通子君 ありがとうございます。
 今の御答弁で、積極的にむしろ公表したいという思いがあったと。そうしますと、例えば今メルトダウンのことで騒がれていますけど、こういう状況ももしかして前から委員会としてはいろんな形で御存じだった。しかし、何らかの障害があって公表することができなかった、そういうことも考えられますが、いかがですか。
#98
○政府参考人(班目春樹君) 何かそういう障害があって発表を差し控えられたという記憶はございませんが、ただ、例えばメルトダウンの話一つにしても、原子力安全・保安院の発表と原子力安全委員会の発表が全然食い違った場合には国民が混乱するだけだと思っております。
 そういう意味では、原子力安全委員会の立場というのは、これはある意味で助言組織ですから、原子力安全・保安院の方から報告を求め、おかしいというふうに指摘して、それで直してきたということでございます。
 ちなみに、メルトダウンの関係につきましては、三月二十八日の時点で既に原子力安全委員会は、燃料は溶けている、高濃度の汚染水の発生の原因はそれが直接接したものであるということで、メルトダウンの認識は既にその時点から持っていたことももちろん確かでございます。
#99
○上野通子君 さらに、皆さん御存じのように、四月二十九日に小佐古元内閣官房参与が辞職されました。そのときに、記者会見のとき、皆さんも御覧になったと思いますが、SPEEDIの計算結果は使用できる環境下にありながらきちんと活用されなかった、公衆の被曝の状況もSPEEDIにより迅速に評価できるようになっているが、その結果も迅速に公表されていないと、ちゃんと報道関係の前で話されております。
 極め付けは、五月の三日の新聞にて、細野補佐官は一日までSPEEDIのデータの存在を知らなかった。公開できずにいた理由を、全て公開することで国民がパニックになることを懸念した、しかし、きちんと開示すべきだったと説明されておりますが、この小佐古教授の辞任表明のコメントと、そして細野補佐官のコメント、これをどう受け止めておられますか。大臣、お願いします。
#100
○国務大臣(高木義明君) 今御指摘の記者会見については、これは専門家としていろいろな御意見があることを私は承知をしております。
 私どもとしましては、学校における暫定的な考え方、これについては、国際的な考え方を踏まえて原子力安全委員会の助言をいただいて原子力対策本部として決めさせていただきました。そのことに尽きると思っております。
#101
○内閣官房副長官(福山哲郎君) 上野委員にお答え申し上げます。
 先ほど福島民報のお話がありました。私は、その福島民報の報道については承知をしておりませんので、そのことについては具体的には言及をいたしませんが、単位当たりの、先ほど班目委員長がおっしゃられたように、単位当たりのSPEEDIというのは機能しているんです。しかし、この単位当たりというのはあくまでも仮定の話です。重要なのは事実で、それは放出源データです。その放出源データは、プラントの状況が電源が喪失をしたりしている状況で与えられなかったので、先ほど鈴木副大臣が言われたように、SPEEDIに入力ができないんです、だって放出源データがないからです。
 それで、結果として我々はなぜ三月の二十三日にSPEEDIのデータを公表できたかというと、先ほど文科大臣が言われましたように、ダストサンプリングという、僅か三か所ですが、現実のモニタリングのデータから逆算をして、これは一定事実を基に予測をしたSPEEDIを公表しました。そして、それに基づいてすぐに三十キロ圏外であった飯舘や川俣の子供たちのいわゆるサーベイをやらせていただきました。その点においては、SPEEDIは公表していますし活用もさせていただいています。
 しかし一方で、単位源というのは仮定に基づいて入力をしています。それは放出源のデータではありません。それがいたずらに国民の下に広がること、まあ簡単に言うと政府の人間が、例えば燃料棒の損傷について、この程度ひょっとしたら損傷しているかもしれないという予想を外にあちこちに言えば、それこそ情報が混乱しますので、我々としては、事実に基づくデータとしてはSPEEDIを活用して提出をさせていただいたということでございます。
#102
○上野通子君 御丁寧な説明、ありがとうございます。
 話を戻させていただいて、小佐古教授という方は皆さん御存じだと思いますが、放射線安全学の専門家、国際放射線防護委員会の、ICRPの委員でもございます。まさに日本における放射線学のプロです、第一人者です。この教授が涙ながらの会見でおっしゃっていました、原子力安全委員会は原子力災害対策において技術的な指導、助言の中核を成すべき組織ですが、法に基づく手順遂行、放射線防護の基本に基づく判断に随分欠けていたところがあるのではないか、さらに文科省に対しては、放射線規制室及び放射線審議会における判断と指示には法手順を軽視していると思われるところがあるとおっしゃっておりました。緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム、SPEEDIによりなされるべきものが法律によって手順どおりに運用されていなかったと大変嘆かれていた、そのときの様子を私は今思い出しておりますが、私たちが今必要なのは国と国民が一体化することだと思います。
 このように、ちょっとしたことでも事実であるのかないのかというのを疑問に思ったりすることがある、それが積み重なることによって国民の不安や不信が更に募るわけです。
 私は、学校の教員をしております。子供たちに人間社会で一番大切なことは何かと常に訴えております。文部科学大臣、子供たちに対して人間関係で一番大事なものは何だと言われます、大臣でしたら。
#103
○国務大臣(高木義明君) 私は、上野委員に劣らないくらい子供たちの健康と安全は極めて重要だと思っております。このことを念頭に置いて日々職務を遂行させていただいておると、このように考えております。
#104
○上野通子君 今、人間社会で一番大切なことは何かということ、私は子供たちに人と人との信頼関係が一番大事だと教えております。全てのこと、信頼を失ってしまったら、そこから人間関係は何も発展しません。うそや情報未公開は国民が国を信じられなくなっている、その状況が今まさに起きています。パニックになるから公表しないとか、隠すとか、そういうことを続けていたらますます国民は国から離れていきます。国は反対にもっと国民を信頼すべきではないでしょうか。国が国民を信頼していないから、ますます国民は不安感を抱きます。
 国の情報を信じること、正しい情報を共有し、どんな国難にも一緒に乗り切ろうという気持ちをお互いに持つこと、これが一番大事だと思います。その国の未来は、どれだけその国に対しての思いを持つ国民がいるかどうかで決まると思います。今の状況では、国を信じられない国民はこの国の未来を考えることもできません。
 どうかもう一度整理していただいて、きちんとした私に対する答弁をいただけたらなと思います。本日は混乱の中です。私ももう一度整理させていただきますが、引き続きこのことは追及させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#105
○委員長(二之湯智君) それでは、速記止めてください。
   〔速記中止〕
#106
○委員長(二之湯智君) それでは、速記を起こしてください。
    ─────────────
#107
○委員長(二之湯智君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、熊谷大君が委員を辞任され、その補欠として高階恵美子君が選任されました。
    ─────────────
#108
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。
 大臣は、学校校庭における放射能の暫定基準といたしまして年間二十ミリシーベルト、毎時三・八マイクロシーベルトを提示されております。この年間二十ミリシーベルトにつきましては、先週、日本医師会も科学的根拠が不明確であるとして、より慎重であるべきとの見解を出しておられます。私も同様にこの二十ミリシーベルトは撤回し、子供の命と健康を守る基準に改めるべきだと考えております。
   〔委員長退席、理事橋本聖子君着席〕
 だが、大臣におかれましては、これまでの国会答弁において、年間二十ミリシーベルトを子供たちが受けることを容認しているわけではないと繰り返し強調し、毎月放射線量を下げる努力をしていくと決意をなさっておられます。
 そして、先週の五月十一日には、「実地調査を踏まえた学校等の校庭・園庭における空間線量低減策について」と題する事務連絡を出して、いわゆるピット方式と上下置換方式は児童生徒等の受ける線量を減らしていく観点から有効であるとしておられます。
 私は、昨日、福島県郡山市を訪れました。このピット方式、あるいは上下置換方式のいずれでもない、いわゆる郡山スタイルを見てまいりました。これは、ロードスイーパーで校庭の表土を二、三センチメートル除去する、約半日ほど掛かるわけでありますが、そういうことによって放射線量はそれ以前の十分の一近くにもなっておりました。私も実際に測っておりましたけれども、以前は毎時三・九マイクロシーベルトだった表土が、昨日測った際には〇・四マイクロシーベルトほどでございました。一旦表土を削っておりますので、そのままでは子供たちは校庭で活動することができませんから、新たに放射性物質に汚染されていない土を入れなければなりません。現在はまだ立入禁止というふうになって、体育館にて活動をされておられました。
 郡山市は、文部科学省によるこのピット方式あるいは置換方式という事務連絡がなされる以前に、このロードスイーパーや、あるいはグレーダーも含めた様々な機械を使って独自に表土を削る実証実験を繰り返し、今日に至っております。
 大臣は、この郡山スタイルについてはどのように思われますでしょうか。
#109
○国務大臣(高木義明君) 西田委員にお答えをいたします。
 西田委員は、今お話がありましたように、郡山市にも出向かれて様々な調査をしておられました。心から敬意を表したいと思っております。
 私どもも、この郡山市の市長さん始め、もちろん福島市長さん、関係の自治体の町長さんと直接、私のところにも出向いていただいて、いろいろな御意見も伺ったところでございます。
 改めて、今の状況について、私どもも、何とかできるだけ児童生徒が放射線に浴びることがないようにという気持ちは今でも変わっておりませんで、年間二十ミリシーベルトまで放射線を浴びていいということでは決してございません。
 改めて申し上げますけれども、いまだ福島第一原子力発電所については事態が収束をしておりません。そういう中で、国際放射線防護委員会、いわゆるICRPの勧告をまず我々は踏まえました。そして、その勧告の中に記載されておりますが、緊急時被曝状況における参考レベル、これは年間百ミリから二十ミリシーベルトのうちの最もこれは厳しい値でもある二十ミリシーベルトというものを出発点として考えて、事故後の復興期における参考レベルである年間一から二十ミリシーベルトを暫定的な目安として、今後できる限りこれを減らしていくことが適切であると、こういう考え方を取っております。
 今、実際に私どもが試算をしておりますと、児童生徒の生活パターンに即して計算しますと、事故発生から一年間の積算線量は多くても十ミリシーベルト程度の結果が得られております。これはあくまでも試算でございます。
 なお、私たちはこの福島県の置かれた状況についても考慮しなきゃなりませんし、子供の心理的なストレスにつながらないようなことも配慮しなければなりません。これを踏まえながら、原子力委員会の助言を踏まえて原子力災害対策本部として取りまとめたものがいわゆる暫定的な考え方でございます。
 なお、この暫定的考え方はあくまでも暫定でありまして、夏季休業終了、夏休みの終了までに文部科学省としては児童生徒の受ける線量が継続的に低く抑えられるかどうかということを確認するために、これは原子力安全委員会の求めにもありますけれども、一つとしては、継続的なモニタリングをしなさい、そしてその結果については少なくとも二週間に一回以上の頻度で報告をしなさい、そして同時に、内部被曝等のこともありますので、ダストサンプリング、そして土壌の調査も実施をすることにしております。二つ目には、日々……
#110
○西田実仁君 大臣、私の質問、ちょっと早く、もう時間がないので。
#111
○国務大臣(高木義明君) はい。
 日々積算の線量を計算していく上に必要な、教職員にお願いをして、いわゆる携帯の線量計も携帯をしていただいて状況を確認する、こういうことを含めて、私たちとしては安全確認をしていきたいと思っておりますし、この上でなお安心を確保するためのいろいろな御知恵については我々も承知をしておりますし、既に御指摘のとおり十一日にもそのような試験もしております。
#112
○西田実仁君 私、質問したのはそういうことじゃないんですよ。もう直接、郡山はその事務連絡が出る前に自分たちで表土を削るという作業をしているんです。この郡山スタイルについては大臣はどのように思いますかということ、端的にお答えください。
#113
○国務大臣(高木義明君) 郡山については、一旦取った土砂をまた元のグラウンドに今積んでおります。これは三・八マイクロシーベルト以上の値が出ておりますが、そこは今の状況としては立入禁止になっておると思っております。したがって、私たちはこの土砂をどうにかしなきゃなりません。そのために福島大学の協力をいただいて、いわゆるグラウンドを掘って集中的にそこに埋める方法とそれから上下を変換するその方法がある意味では十分の一程度に抑えられるというデータも出ておりますので、この点については既に福島県には報告をしております。
#114
○西田実仁君 郡山のやり方については評価するんですかしないんですか、それだけお答えください。
#115
○国務大臣(高木義明君) やっぱりするときには土の処理をどうしていくのか、あるいはまたそういう作業をする人の健康状態をどうするのかということも十分踏まえてしなきゃならぬということを私は思っておりますが、まあしかし現実は現実でありますから、一日も早くそういう高い線量を抑えるということについては何らかの方法をしなきゃならぬ、検討をしていきたいと思っております。
#116
○西田実仁君 それは評価していないということを言っているんでしょうか。評価していないんでしょうか。
   〔理事橋本聖子君退席、委員長着席〕
 郡山は、事務連絡が出る前に、一日も早く子供たちの線量を減らすために自分たちで努力をして、そして表土を削ることによって、今は少なくとも、私も測りましたけれども、もう以前の十分の一にはなっているんです。確かに、その残土をどのようにするのかということは、むしろそれこそ文部科学省が一生懸命考えて、あるいは政府一体となって考えて、どうするかというルール作りを大臣が先頭を切ってやるべきじゃないんですか。
#117
○国務大臣(高木義明君) 今、私どもとしましては、残土の処理について政府の中で検討をしております。同時に、そこのグラウンドの中で処理をする方法について具体的に今二つの方法を私たちは提示をしております。
#118
○西田実仁君 そのピット方式はともかくとして、上下置換方式というのはそのまま残るわけですよ。もう大臣も御存じのとおり、校庭には暗渠、排水のための暗渠というものがあるわけでありまして、それは十年に一回はまたもう一度掘り返さなきゃいけないと。結局、その後顧の憂いが残ってしまい、心配はそのままグラウンドに、その汚染された放射性物質が残るということには変わりないわけでありまして、その福島大学がやったと言われるところも見ましたけれども、その文書を見ましたけれども、幼稚園の園庭で八十センチの四方で実験をしたということですよね。これ、校庭って一万平米ぐらいあるわけでしょう。八十センチの箱庭みたいなところで実証実験して、一体幾ら掛かるんですか、そんなことやったら。もう大体、ざっと計算しても一校当たり四億円ぐらい掛かりますよ、今言っている上下置換方式なんて。そもそもお金も掛かるし、しかもそれが、暗渠等があるからまた土を掘り返さなきゃいけないとかすると、安全であり続けるということは非常に難しいわけであります。
 ですから、今、郡山方式というのは、まさに表土を削ることによって、その土をどうするのかということ、今最大の問題になっているんですよ。私も行きました。マイクロシーベルト、もうそこは五以上ですよ。ブルーシートやって、コーティングして、二メートルぐらい離れれば少しは線量が減るということで縄を張って、子供たちが一日も早く外で活動できるようにしようじゃないかということで、国が何もやらないものだから、指針を示さないものだから、自分たちでやったわけですよ。
 そうしたら、その土をどのようにするのかというようなことを大臣がリードして、それを早く解決しなきゃいけない。いつまでに、じゃ、この残土を処理するというルールをどのようにして決めるんでしょうか。大臣がそれを指導して、いつまでにやるんでしょうか、お答えください。
#119
○国務大臣(高木義明君) 残土の処理についての課題は残っておりまして、これについては関係省庁と今検討をしております。
 校庭については、私どもとしましては、一つの目安として毎時三・八マイクロシーベルトを下がらない、そういう線量がずっと高めに継続しているところについては、これは校庭の制限等もお願いしておりますが、こういったところについては、安心のための方策について我々は、もし、上下方式等も具体的には考えられますから、この点については国としても、それは設置者の責任で行われたことにしても、我々としてはある意味の最大の支援をしていかなきゃならぬと思っております。
#120
○西田実仁君 環境政務官に来ていただいております。
 この今回の件におけます放射性物質が含まれている残土については、どのように、いつまでに処理するという、今、文部科学大臣、いつまでとはお答えいただいていないんですけれども、環境省としてはどう考えているんでしょうか。
#121
○大臣政務官(樋高剛君) お答えさせていただきたいと思います。
 西田先生におかれましては、今回の大きく震災を含めた様々な対策に大変御熱心にお取り組みをいただいておりますこと、敬意と感謝を申し上げさせていただきたいと思います。
 先週の水曜日、十一日でございますけれども、文部科学省から福島県の関係部署に対しまして、「実地調査を踏まえた学校等の校庭・園庭における空間線量低減策について」の通知を発出をしたことについて環境省も承知をしているところでございます。
 私ども環境省といたしましては、児童生徒などの受ける線量を減らしていくという観点から、現時点で直ちに講ずることが可能な対策として、先ほど来話になっております、まとめて地下に集中的に置く方法、いわゆる、先生おっしゃいました、ピット法とおっしゃいましたけれども、あともう一つ、上下置換法、いわゆる天地返しという方法のようでありますけれども、この二つの方法は大変有効な技術であるというふうに認識をしているところでございます。
 環境省は、今まで重金属などの有害物質の土壌汚染に関する知見あるいは対策技術などノウハウを有しているわけでありまして、この問題の対応にも役立てるべく文部科学省など関係省庁としっかり連携をしてまいりたいと。いずれにいたしましても、安心、安全が実現できるように最大限の努力を払っていきたいと思っています。
#122
○西田実仁君 全く答えていないんですけどね。要するに、事務連絡が出したピット方式と上下置換方式というのは、出るのが遅いものだから郡山市は独自にやっているわけですよ、既に。
 そして、先ほど来、大臣、もう自分の方が子供たちの安全と健康が大事ということを考えているとおっしゃっていましたけれども、国が考える前に独自に市が、よく設置者が独自に判断するという話をされますけれども、その設置者である市が少なくとも早く線量を減らすためにいろいろ試行錯誤をして実際に実証実験をしてみたわけですよ。それが十分の一になったんですよ。だけど、確かに残土は残る。
 そのやり方が一番手っ取り早いというのは、文科省が出した、日本原子力研究開発機構で言っているじゃないですか。一番、もっとも簡便に、また速やかに除去する方法は表層土を剥離することであると言っているんですよ。誰が見たってそうですよ。
 ただ、問題は、確かに剥離した後の土をどのように処理するのかということが問題になるから、じゃ上下置換方式で校庭にまた埋めちゃえというのが文科省が出してきた事務連絡。それは私はやるべきではないと思います。
 少なくともピット方式で、本当に放射性物質が外に出ないようにするという、かなり慎重にやらなきゃならないと思いますけれども、いずれにしても、後から出してきた二つの方式の前に郡山はそうやって努力をしているわけですよ、放射線量を減らすための努力を。大臣がよく言う放射線量を減らすための努力をしてきているんですよ。結果として、出した土をどうするのかというようなことは、二つの方式ということにこだわることなく、文科省あるいは環境省が、いつまでにこれをここに処理したから安心してくださいということを言わなきゃいけないんじゃないでしょうか。独自にやっているわけですから、国の前に、実際に減っているわけですから。いつまでにルール作りするんですか。
#123
○国務大臣(高木義明君) 今、環境省からもお話がありましたように、私どもとしては、いわゆるその処理についてまだ検討の結果が出ておりません。これも早く我々としては対応しなきゃならないことだと思っております。同時に、その間にどうするかということになりますので、その間として、先ほどありましたように、グラウンド、運動場の土の上下入替え方式など、これが現実的ではなかろうかと思っております。
#124
○西田実仁君 そうじゃないんですよ。じゃ、もう一回上下置換方式やれと言うんですか、既に郡山市はやっているんですよ。今大臣のお話によると、では、上下置換方式でもう一度やり直せということを言っているんですか。
#125
○国務大臣(高木義明君) この件については、私どもとしては、土の持って行き場をやはりきちっとしなきゃなりません。これがまだ、そうどこでも持っていくわけにいきませんので、これまた郡山市でもそういうことになっておるわけですから、この点については今慎重に検討しております。速やかに結論を出すことは言うまでもございません。
 ただ、その間ですから、郡山については、これを更なる線量低下のためには今の山積みにしておるところをどうしていった方がいいのか、このことについても私たちは必要な検討を行って助言をしてまいりたいと思っております。
#126
○西田実仁君 そんな助言とかではなくて、この土をどこに処理するのかということを環境省とか関係部署に諮ってもう速やかに決めるしかないんですよ、文部科学省がそれはリードをして。そういう、今もう実際に動いてそこにあるわけですから、それさえ除去されれば子供たちが校庭で遊ぶことができるんです。
 これ、環境省、汚染者負担の原則という点でいきますと、当然これは東電が管理しやすいところに運搬して保管、管理すべきなんじゃないですか。
#127
○政府参考人(関荘一郎君) 私どもの、これまでの有害物質の土壌汚染につきましては汚染者が負担すると、一部農地につきましては公費も入れると、こういうふうな方式でございますけれども、放射性物質による汚染につきましては現在の法制度の対象外となっておりますので、法的にどなたが責任があるかということは明確ではございません。
#128
○西田実仁君 だから、そうやっていて、郡山市が独自に子供たちのためにやったことをずっとほっとくんですか。だから、早くやった方がいいじゃないですか、そのルール作りを。早く決めてくれと言っているんですよ。
 文部科学大臣が子供たちの命を本当に考えているんだったら、いつまでにこのルールを作るという決意をここで言ってください。
#129
○国務大臣(高木義明君) できるだけ早く結論が出るように、私としても最大限の努力をいたします。しかし、その間、私どもとしては、先ほど御意見ありましたように、そのような方法を取るなどして線量を下げる努力もしなきゃならないと思っております。今御指摘のとおり、私たちとしてはこれは一日も早く解決しなきゃならない問題だと認識をしております。
#130
○西田実仁君 最後に申し上げますけど、郡山はもう既にやっているので、その土をどうするかを早く決めてくださいということ。じゃ、これから、その間どうするのかというふうに、今二つの、ピット方式と上下置換方式と言われておりますが、この上下置換方式は、特にその有効性、あるいはその土がそのまま残る、校庭には暗渠排水路がある、そういう様々なことを本当に考えた結論なのか、大変に私は疑わしいと思っております。よくそこは、後から、やっぱりこれは汚染された土がずっと残ることになったということにならないように、文科省としてはきちんと、その二つがこれが全てなんだというような決め付け方をしないでやっていただきたいという意見を申し上げて、終わりたいと思います。
#131
○江口克彦君 みんなの党の江口克彦です。よろしく。
 東日本大震災というのは、東北地方を中心に甚大な被害をもたらしたわけでございます。震災そのものは自然災害であり、誰の責任でもないというふうに言えると思うのでありますけれども、後手に回っている福島第一原発事故への対応のように、震災による被害の復旧や復興に遅れが出たり不手際が出たということであるとするならば、それは人災であるというふうに思うのでありますが、特に将来の東北、ひいては日本を背負って立つ子供たちに及ぼす影響を最小限にしなければならない。つまり、震災によって子供たちが十分な教育を受けられなかったり、震災を理由として進学を断念したりということがないようにすることが政治の重要な役割であり、文部科学大臣の責任は非常に重大だというふうに私は思っております。冒頭に申し上げておきます。
 それで、質問に入らせていただきたいと思うんですが、先週、福島第一原発の一号機がメルトダウンしていることが明らかになりました。二号機、三号機もメルトダウンしているんじゃないかというようなことが言われておりますが、四月に政府が示した工程表の前提が大きく狂い、事故が収束する日は私は遠のいたんじゃないか、工程表の見直しということも考えなければならないのではないかと思うのでありますけれども、工程表の見直しということがあるのかどうか、いつになれば福島原発から漏れ出す放射能を心配せずに被災地の人たちが暮らせるようになるのか、政府の一員である文部科学大臣、大臣としての個人的な見解をお伺いしたいというふうに思います。
#132
○国務大臣(高木義明君) 江口委員にお答えをいたします。
 今、原子力発電所の状況についてはかなり厳しい状況であると認識をしておりまして、今日にも東京電力は、既に出されたロードマップ、これも含めて、一つの新しい方向といいますか工程表といいますか、これが出されるのではないかということを聞いております。その上で、政府としてどのような考え方を持っていくのかというのがまた今日の夕刻にも会議の中で議論されることだと思っております。
 私も、今回の東日本大震災、相当な地震とまた大変な津波と、それに加えて原子力発電所の事故、本当にこれはもう大変な状態だと思っております。ただ問題は、今の状況の中でそう簡単に発電所の収束ができるわけでもない。しかし、そういっても、やっぱり私たちとしては、まずそこを抑えることが何よりも大事でございますから、現場においての最大限の努力をされておりますので、我々としてもまさに我が国の知見の総力を結集して、いかにして早く事態を収束できるか、まずこれを取り組むべきだろうと思っております。
 とにかく、一日も早いそういう状態になることを私も日々願っております。また、努力もしなきゃなりません。
#133
○江口克彦君 工程表ですけれども、非常に安易に工程表が考えられているんじゃないか。要するに、工程表というものを絶対的に一つの物差しとして厳守していくというか守っていく姿勢というものがやっぱり必要ではないか。何か事態が出てくると、簡単に工程表を見直していく、またやり直していくというようなそういう姿勢であっては、やっぱり強い政治、強い政府、強い対策というものができないんじゃないかというふうに思うのでありますけれども、工程表というものに対する認識を大臣はいかがお考えでしょうか。
#134
○国務大臣(高木義明君) 工程表というのは、やはり避難をされている方々はもとより、地域の、福島県を中心として茨城県でも、あるいはまた近隣の宮城県でも、いつまでこの状態が続くのかと、そういう意味では大きないら立ちとまた不安というのがあります。したがって、ある程度のめどを示して、大体の生活の設計の参考にするという意味で私はこのロードマップというものが出されたと思っております。
 御指摘のとおりに、安易にやることはこれはもちろん慎まなきゃなりませんし、私はそれなりのまた根拠の中で作られたものと、私はそういう認識をしておりますが、このような状態になりました。したがって、更にいろいろな面からチェックをしながら先々の方向性を示すというのが私は何らかの意味で必要であろうと、このように思っております。
#135
○江口克彦君 工程表というものに対する信憑性といいますか、やっぱり状況が変わったら工程表を変えればいいんだというような、安易に考えずに、やっぱり工程表に基づいて、いかに状況が変わっても工程表に基づいて粛々と対処をしていく、対応をしていくということを是非お願いしたいというふうに思います。
 それから、被災地から九千人以上の子供が他県の公立学校に移っているんでありますけれども、圧倒的に多いのが福島県の子供たちということであります。福島県から他県の学校に移った児童生徒数は何人なんでしょうか。また、原発事故が収束に向かい、その子供たちが元の学校に戻れる日に向けて文科省はどのような展望とまた対策を行っているのか、お伺いしたいと思います。
#136
○国務大臣(高木義明君) 被災した児童生徒の状況です。特に、福島県から他の都道府県の公立学校に就学した児童生徒について、これは五月一日にも集計することにしておりますが、まだ集計中でございますので、四月二十二日の現在で申し上げれば、小学校が五千二百七十九人、中学校が千八百五十七人、高校生が八百八十一人、特別支援学校が九十二人、合わせて八千百九名という状況でございます。
 したがって、私たちは、所を変えて勉強し、そしてまた暮らしをしておる子供たちの心理状況というのはある意味ではもう計り知れないほど苦痛のものがあろうかと思っておりますので、そういうことをとにかく解消するためにも、心のケアといいますか、きめ細かい教員による指導というのが重要になってまいりますので、スクールカウンセラー等の派遣支援あるいは教職員の加配、議論がございましたけど、こういうことについても特段の配慮をしていかなきゃならぬと思っております。
 ただ、引き続きこういう状況が続きますので、私どもとしては、早く収束をすることはもとよりでありますけれども、国として被災地の要望を十分聞いて、できる限りの教育的な環境の充実について取り組んでいきたいと思っております。
#137
○江口克彦君 できるだけ、展望といいますか、やっぱりこれも子供たちあるいはまた福島県の人たちにとっても、この展望ということによって将来の自分たちの生活あるいはまた学校というものを考えるわけですから、是非展望というものを示していくということが必要ではないだろうかというふうに思うということであります。
 質問を変えます。
 二十ミリシーベルトということでありますが、子供は大人より影響が大きいということを言いながら、大人と同じ基準にして二十ミリシーベルトということはちょっと私としては理解し難い。そのことが現地での大きな混乱を生んで、政府への不信を招いていると思うんですけれども、大臣、この子供と大人と同じ二十ミリシーベルト、こういうことに、こういう基準にしたことについて、また政府への不信を招いたということについて、どのような御認識でしょうか。
#138
○国務大臣(高木義明君) 御指摘の点については今国会でもかなりの議論があったところでございます。
 大人と子供のことでございますけれども、私どもとしても、先ほど申し上げましたいわゆる国際放射線防護委員会、これの勧告を踏まえております。この勧告の中にも大人と子供について適用できるものだと、こういうことでございますので、私どもとしては、二十ミリシーベルト浴びていいという意味じゃなくて、あるいはまた即座にそれを浴びるということじゃなくて、我々としては、できるだけ浴びないような方策、そして努力、こういうことをしなきゃならぬと思っております。
 また、一つの目安の決め方についても、いわゆる暫定的な考え方について、これは外に八時間いるということ、そして十六時間は木造の家屋の中におるということを一つの計算式にしております。このことは、それぞれの木造とコンクリートの遮蔽効果かなり違いますし、それから八時間子供たちが外にいるかということを、いろいろ生活パターンを考えてみますとかなり安全サイドに計算をされておりまして、実際試算をしてみますと大体十ミリシーベルトぐらいにはなっておるという結果もあると。
 問題は、これからこういう状況が続きますから、しっかりしたモニタリングをしてそれを公表する、そして、何かあったら必ず我々としてはそれを慎重にとらえて、少なくとも夏休みにはそれを見直しをしていくと、こういうことでございます。
#139
○江口克彦君 そうすると、二十ミリシーベルトから十ミリシーベルトに変えるということですか、基準を変えるということですか。
#140
○国務大臣(高木義明君) いや、変えるということではございませんで、私たちは、暫定的な目安としては、いわゆる、今、先ほど申し上げましたように、事故後の復興期における参考レベルである年間一から二十ミリシーベルトと、これを暫定的な目安にしておりまして、これで今対応しておるところでございます。
 ただ、実際、それについては計算式としてかなり安全サイドのものを含んでおりますから、実際計算してみると十ミリシーベルトになっておるということでございます。
#141
○江口克彦君 そうすれば、二十ミリシーベルトということではなくて、十ミリシーベルトというふうに明確におっしゃった方がよろしいんじゃないですか。
#142
○国務大臣(高木義明君) 私どもとしましては、今申し上げましたように、国際的な基準、これを一つの物差しにしておりますので、そのように御理解いただきたいと思っております。
#143
○江口克彦君 最後ですけれども、どうしても十ミリシーベルトとはおっしゃらないんで、いかがなものかと思うんですけど。アメリカの民間組織、社会的責任のための医師の会というのがあるんですね、PSRという。ここが、年間二十ミリシーベルトは子供の発がんリスクを二百人に一人増加させ、このレベルでの被曝が二年間続く場合、子供へのリスクは百人に一人となるというふうにして、子供への放射線許容量を年間二十ミリシーベルトに引き上げたのは不当なことだと、二十ミリシーベルトにしているのは不当なことだというふうにこの米国の民間組織PSRが言っているわけですけれども、この批判に対して、大臣の科学的根拠に基づく反論というか、そういうものはなさらないんでしょうか。
#144
○国務大臣(高木義明君) 特に反論は考えておりませんし、またその民間団体の主張について詳細に把握はしておりません。
 何度も申し上げますように、私たちとしては、ICRP、この国際基準という中に、私はそれに沿って物事を決めさせていただいた、こういうことでございます。多くの専門家の皆さん方の御意向も十分踏まえた一つの物差しでございます。
#145
○江口克彦君 最後、一言だけですが、やっぱり子供たちに向けて、子供たちには十ミリシーベルトという、ゼロから十ミリシーベルトというようなそういうことを、まあ大人は二十ミリシーベルトまででもいいですけれども、やっぱり明確に十で区切った方がいいということを申し上げて、終わらせていただきます。
#146
○委員長(二之湯智君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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