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2011/03/30 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 外交防衛委員会 第2号
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2011/03/30 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 外交防衛委員会 第2号

#1
第177回国会 外交防衛委員会 第2号
平成二十三年三月三十日(水曜日)
   午後一時二分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 公治君
    理 事
                榛葉賀津也君
                谷岡 郁子君
                岸  信夫君
                山本 香苗君
    委 員
                石井  一君
                小川 勝也君
                大野 元裕君
                北澤 俊美君
                徳永 久志君
                広田  一君
                猪口 邦子君
                宇都 隆史君
                島尻安伊子君
                浜田 和幸君
                山本 一太君
                小熊 慎司君
                舛添 要一君
                山内 徳信君
   国務大臣
       外務大臣     松本 剛明君
       防衛大臣     北澤 俊美君
   副大臣
       外務副大臣    高橋 千秋君
       防衛副大臣    小川 勝也君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  徳永 久志君
       防衛大臣政務官  広田  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        矢嶋 定則君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       別府 充彦君
       内閣府政策統括
       官付参事官    福浦 裕介君
       防衛大臣官房審
       議官       添田 慎二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (外交の基本方針に関する件)
 (国の防衛の基本方針に関する件)
○原子力の平和的利用における協力のための日本
 国政府とヨルダン・ハシェミット王国政府との
 間の協定の締結について承認を求めるの件(内
 閣提出)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避のた
 めの日本国とスイスとの間の条約を改正する議
 定書の締結について承認を求めるの件(内閣提
 出)
○所得に対する租税に関する二重課税の回避及び
 脱税の防止のための日本国とオランダ王国との
 間の条約の締結について承認を求めるの件(内
 閣提出)
○日本国の自衛隊とオーストラリア国防軍との間
 における物品又は役務の相互の提供に関する日
 本国政府とオーストラリア政府との間の協定の
 締結について承認を求めるの件(内閣提出)
    ─────────────
#2
○委員長(佐藤公治君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官別府充彦君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐藤公治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(佐藤公治君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 まず、外務大臣から外交の基本方針について所信を聴取いたします。松本外務大臣。
#5
○国務大臣(松本剛明君) 外交防衛委員会の開催に当たり、御挨拶申し上げるとともに、所信を申し述べます。
 まず初めに、今般の東北地方太平洋沖大地震につきまして、亡くなられた方々の御冥福をお祈りを申し上げるとともに、御遺族の方々にお悔やみを申し上げます。また、被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 今般の震災に関して、各国及び国際機関からいただいている様々な温かい御支援に心から感謝申し上げます。外務省としても、支援の適切な受入れを進め、被災者の皆様の支援につなげ、国民の皆様と力を合わせて復旧復興に全力を尽くす所存です。また、在日の外国人の方々の安否確認にも可能な限りの支援を行う考えです。さらに、原子力発電所の事故への対応において、米国を始め諸外国政府や関連機関との間で密接に連携するとともに、透明性を持って迅速な情報提供に努めてまいります。
 震災への対応と同時に、日々変動する国際情勢の下では、日本外交、安全保障を一日たりともゆるがせにすることはできません。我が国及び日本国民の安全と繁栄を確保することは、政府の最大の責務です。外務大臣としての重責をしっかりと受け止め、我が国の国益を追求するため、諸政策の実現に全身全霊で取り組んでいく決意です。
 第一は、日米同盟の深化です。日米同盟は我が国の外交、安全保障の基軸であり、我が国の安全と繁栄に不可欠な役割を果たしています。我が国周辺の安全保障環境が厳しさを増す中、幅広い日米協力を一層着実に進めることが重要です。安全保障、経済、文化・人材交流を三本柱として、日米同盟を二十一世紀にふさわしい形で更に深化、発展させます。
 普天間飛行場の移設問題については、昨年五月の日米合意を着実に実施していく方針であり、沖縄の皆様の理解を求めることに誠心誠意取り組んでまいります。
 同時に、強固な日米同盟を基盤として、中国、韓国、ロシアを始めとする近隣諸国との協力関係を推進し、様々な懸案の解決にも力を入れます。北朝鮮問題に関しては、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して国交正常化を図ります。
 また、ASEAN各国や豪州、インド等の地域諸国との協力を進めると同時に、APEC、EAS、ARFなどの地域協力の枠組みを活用し、開かれたネットワークを重層的に発展させていきます。
 中東・北アフリカ情勢については、政治、経済、社会分野の変革に向けた動きを注視していきます。特に、リビア当局による自国民に対する暴力の即時停止を求めるとの立場から、国連加盟国が文民保護のため国連安保理決議第一九七三号にのっとった措置をとることを支持します。
 また、日本が国際的に役割を果たしていく上で一層の国力充実が必要であると認識しています。このような観点から、自由な貿易体制の推進、インフラ海外展開、資源外交、観光立国の推進、ジャパン・ブランドの発信を中心に、経済外交についても引き続き取り組んでまいります。
 気候変動、核軍縮・不拡散、国際平和維持活動や平和の定着支援、安保理改革といった国際社会の諸課題にも引き続き取り組んでまいります。
 邦人保護は大変重要な任務の一つであり、引き続き自ら先頭に立って取り組んでまいります。
 佐藤委員長を始め委員各位の御支援と御協力を心からお願いを申し上げます。
 本日はこのような委員会を開催をしていただき、機会をいただきましたことを、改めて委員長そして各党の理事、委員の方々に心から感謝を申し上げます。
#6
○委員長(佐藤公治君) 次に、防衛大臣から国の防衛の基本方針について所信を聴取いたします。北澤防衛大臣。
#7
○国務大臣(北澤俊美君) 防衛大臣の北澤でございます。
 本日は、委員長を始め委員の皆さんに防衛大臣としての所信を申し上げます。
 まず初めに、この度の東北地方太平洋沖地震により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、その御家族の方々に対しまして心よりお見舞いを申し上げます。
 今回の地震における自衛隊の活動状況について御説明をいたします。
 防衛省・自衛隊は、被災者の救援活動や原子力発電所への対応等に当たるため統合任務部隊を組織し、また、初めて予備自衛官を招集するなど、十万人を超える態勢で、昼夜を問わず全力で活動しております。
 これまで被災者約一万九千人を救助したほか、物資の輸送、給食・給水支援、燃料支援、入浴支援等、被災者の方々の生活をきめ細かく支援する活動も積極的に行っております。
 福島第一原子力発電所に対しては、空中からの水投下、地上からの放水活動、上空からの温度測定等、自衛隊が保有する装備、人員を最大限に活用しており、引き続き事態の収拾に向け努力してまいります。
 また、今回の震災に際しては、米国を始めオーストラリアや韓国等、多くの国々から御支援をいただいております。
 防衛省・自衛隊としては、今後とも関係省庁や地方自治体、さらには米国等と密接に連携しながら全力で取り組んでまいります。
 次に、我が国の防衛政策について所信を申し上げます。
 まず、我が国周辺の情勢について申し上げます。
 北朝鮮の核・ミサイル問題は、依然として予断を許さない状況にあります。また、韓国の延坪島砲撃事件等により、朝鮮半島における緊張が高まりました。防衛省としては、北朝鮮の情勢について引き続き情報収集、分析に努め、その対応に万全を期してまいります。
 中国については、国防費を継続的に増加するとともに、我が国周辺海域において活動を拡大、活発化させており、このような動向を引き続き注視してまいります。
 次に、新たな防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画について申し上げます。
 昨年十二月に、政権交代後初めての防衛大綱及び中期防を策定いたしました。新たな防衛大綱では、現下の安全保障環境を踏まえ、防衛力の運用に焦点を当てた動的防衛力という考え方を新たに打ち出しました。今後、動的防衛力の実現を目指すため、新たな中期防の下、自衛隊全体にわたる装備、人員、編成等の抜本的な見直しを行ってまいります。
 続いて、日米安保体制については、今後、日米の共通の戦略目標の見直しなど、米国との協議を更に進め、日米同盟を二十一世紀にふさわしいものに深化させていきます。また、普天間飛行場の移設問題については、昨年五月の日米合意を踏まえ、沖縄県に集中した基地負担の軽減を図るため、沖縄の方々の御理解を得るべく努力してまいります。
 同時に、アジア太平洋地域の平和と安定のためには、周辺国との協力関係を深めることも重要です。我が国と基本的な価値観、安全保障上の多くの利益を共有するオーストラリアや韓国、あるいは東南アジア諸国やインドとの協力を強化し、日本の安全をより強固なものにしてまいります。中国とは、安全保障対話や防衛交流を通じ、国防政策や軍事力の透明性向上を働きかけていく考えであります。
 海外における活動については、現在、自衛隊は四つのPKO活動に参加し、ソマリア沖・アデン湾での海賊対処活動については本年で丸二年を迎えます。新たな防衛大綱においては、国際平和協力活動により積極的に取り組むとしており、今後とも必要な態勢の整備を進めてまいります。
 最後に、国会提出法案について申し上げます。
 平成二十三年度予算案に関連し、防衛審議官の新設や日豪ACSAの実施に係る措置等について所要の規定を整備するため、防衛省設置法等の一部を改正する法律案を提出しております。また、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律の一部を改正する法律案が本院において継続審査とされております。委員各位におかれましては、御審議のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 以上、防衛大臣としての考えを申し上げました。
 佐藤委員長を始め委員各位の一層の御指導と御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。
#8
○委員長(佐藤公治君) 以上で所信の聴取は終了いたしました。
 外交の基本方針及び国の防衛の基本方針について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○浜田和幸君 自民党の浜田和幸でございます。
 まず、松本外務大臣に質問をさせていただきたいと思います。
 今回の大地震が発生した直後の三月十九日、京都で日中韓の外相会議、開催されましたよね。その席上で防災協力について意見交換、議論をされたと聞いておりますけれども、その中身が今回どのような形で生かされているのか、まずそのことについてお聞かせいただきたいと思います。
#10
○国務大臣(松本剛明君) 日中韓の三か国の外相会談におきましては、まず、まさに今起こっている東北地方太平洋沖大地震の災害に対する両国からの支援、協力につきまして私どもとしては感謝を申し上げると同時に、今後も緊密に連携を取って支援、協力を有効に生かし、しっかりと被災された方々の支援、そして復旧復興に資するようにというふうなお話をさせていただきました。
 その上で、今後のこととして、防災それから災害協力、災害が発生した場合の協力、さらには原子力安全といった分野について今後三か国間の協力を強めていくということで、この後に予定をされております日中韓のサミット、ここに向けて具体的な協力の内容の詰めを行っていこうと、こういう話を三か国の外相会談では行ったところでございます。
#11
○浜田和幸君 その際に、特に中国の場合には、さきの四川の大地震のときにも原子力発電所というか軍の原子力施設で放射能物質の漏えいの問題がありましたので、そういう経験を踏まえて、中国が日本に対して原子力事故の封じ込めに関する技術供与あるいはその人材、施設、そういうものを提供したいという話があったかどうか。というのは、間接的にそういう申出が中国政府からあったということを聞いておるんですけれども、三月十九日のそういう日中韓の外相会議で、そういう原発の事故に関して中国側から具体的な支援、協力の申出があったかどうかを確認させてください。
#12
○国務大臣(松本剛明君) 幅広く御支援については、お話は韓国、中国、共にありました。
 個別具体につきましては、お話をさせていただけるものは既に発表をさせていただいているというふうに考えているところでございまして、会談のやり取りは幾つかまだ今の段階ではお話しできないものがありますけれども、幅広く様々な分野での支援についての可能性については議論があったというふうに御理解をいただいていいかと思います。
 その上で、原子力発電所につきましては政府としても大変対応を急がねばいけない事案だという取組を進めている中で、我が国も原子力の利用については最も技術的にも進んだ国であるというふうには思っておりますけれども、かかる事態でありますので、世界各国の知見、技術などは有効に生かして、とにかくこの事態を早急に前へ進めることが、いい方向へ前へ進めることができるように取り組んでいるところというふうに考えているところでございます。
#13
○浜田和幸君 ということは、中国に限らずほかの諸外国からもこの原発の事故、この拡大を防ぐために技術的あるいは人的、そういう提供の話がいろいろと来ていると思うんですけれども、そういう問題に対して前向きに速やかにこれを受け入れると、オープンにそういう様々な提案に対して、申出に対しては受け入れるということでよろしいですね。
#14
○国務大臣(松本剛明君) そもそも、本委員会でも御答弁を申し上げておったかどうかちょっと正確ではないんですが、今回の大地震については、各国の支援は私ども外務省、外国との窓口としては基本的に是非受け入れて有用に活用していきたいと。
 ただ一方で、私自身も兵庫県の出身で阪神・淡路大震災の経験が、現地へ赴いた経験があるんですが、被災地域に若しくは被災者側のニーズにマッチをしたものでなければかえって負担になるということもありますので、このコーディネートの役割を我々外務省もしっかり果たしていかなければいけないと、そういう意識で取り組んでまいりました。ここまで我々としてはベストを尽くしてきたと、こういうふうに考えておりますけれども、こういったものも、やはり経験を生かすという意味では、後々振り返って更に改善をすべき点があるかどうかということはまた考えて改善をしてまいりたいと思っております。
 その上で、原子力発電所につきましては、ポイントだけ申し上げれば、既に日米の間では緊密に連携を取っていると同時に、ロシアからも専門家の方が来られて知見など意見交換をする機会があったというふうに承知をしておりますし、また、フランスの専門家の方々も現在も来ておられる方々もおるというふうに承知をしております。私が承知をしている限りは、やはり米国、そしてフランス、日本、ロシアといったところが原子力発電ではいわゆる原子力発電大国に類する国ではないかと思い、各国の意見をいただいてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
#15
○浜田和幸君 それに関連してですけれども、アメリカのグローバルホーク、無人偵察機、これはグアムから飛んできて、ほぼ正確な今の被災状況について情報提供をしていると聞いていますけれども、元々このグローバルホークに対する情報提供というのは日本政府の方からアメリカに要望されたのか、あるいはアメリカの方から善意でこういう情報を提供するという形になったのか、どちらでしたんですか。
#16
○国務大臣(北澤俊美君) 私が承知している範囲では、米側からこういう機材の利用はいかがかというお話がありまして、検討した結果、防衛省の方からお願いを申し上げたと、そして実現をしておるということであります。
#17
○浜田和幸君 アメリカ側からそういう提供の申出があって、それで、言ってみればなかなか現場にアクセスできない状況で、大変貴重なこれは画像データだと思うんですけれども、それはなかなか一般には公開されていないように思うんですけれども、それは何か理由があるんでしょうか。
#18
○国務大臣(北澤俊美君) これは米軍と自衛隊との間で協議をいたしまして、この画像について公開をするしないということは相互の信頼関係の中で決定をさせていただいております。
#19
○浜田和幸君 ということは、相互の信頼関係は当然あるわけですよね、日本とアメリカ、最大の同盟国なわけですから。そのアメリカ側からこういう情報を提供するという話があって、それはやはり日本の一般国民にとって一番関心のある状況だと思うんですけれども、今からでもその情報を一般公開するというお考えはないんでしょうか。
#20
○国務大臣(北澤俊美君) この資料は、日米の調整所であるとかあるいは在日米軍司令部その他でこの資料を基に協議をいたし、あるいはまた分析をいたしておりますが、日米の分析の評価が異なる場合もあります。双方の見解を真剣に検討し合うということは極めて重要なことでありまして、そういう意味では、公開ということに我々は主眼を置いているのではなくて、真実を追求するということの上で大変貴重な資料として利用させていただいております。
#21
○浜田和幸君 実際、現状はどうなっているのか、そのことを把握する上でこのグローバルホークのデータは大変重要だと思いますし、また、アメリカからもフランスからもロボットの提供の話もありますけれども、そういうなかなか人が現場に入れない場合にそういう日本の持っていないデータや技術というものをやはり積極的に受け入れる、これは欠かせないと思うんですけれども、その辺りいかがですか。
#22
○国務大臣(北澤俊美君) 今の現状からしますと、グローバルホークの取得した映像が特段優れているというわけではなくて、自衛隊が撮影しているものの方が時に鮮明であるということもありますので、それぞれ突き合わせてやっておるわけですが、このグローバルホークについては、三月二十五日に在日米軍G2から、グローバルホークの収集した情報を防衛省が公表することについて、たとえ公表の内容が秘匿区分のない画像であったとしても極めて否定的であるということを表明されておるということを我々は大切にしております。
#23
○浜田和幸君 アメリカ側がそういう情報を一般に公開することに対して否定的だということの背景は何でしょうか。
 例えば、今回の原発の事故が発生した直後にアメリカ政府はいち早く冷却材の提供を申し出た、それを日本政府はそこまで必要ないという形で断った、そのことで日米間の若干の言ってみれば不信感が芽生えたというような報道も一部ありますけれども、そういうものは関係していないんでしょうか。
#24
○国務大臣(北澤俊美君) そういうことで公表をしないということではなくて、我々は、公表することが目的ではなくて、取得した資料から何を分析してどういう対応を探るかということに主力を用いておりますので、これは軍と軍との関係でありますので、信頼性を担保しながら資料を大切にして、そしてまた国民の安全のためにこれを活用するということで御理解をいただきたいと思います。
#25
○浜田和幸君 当初アメリカから申出のあった冷却材、これは横田基地にそのまま残っているという話ですけれども、これはずっと横田基地に置いたままにするんですか、それとも何らかの活用をする手だて、これを考えておられるんですか。
#26
○国務大臣(松本剛明君) そのような報道があったことは承知をしておりますが、私どもとして米側の要請を断ったということはなく、またそういう認識はなく、米側の方からも日本に支援を断られたという認識はないというふうに記者会見等でおっしゃっておられるというふうに承知をしております。
#27
○浜田和幸君 ということは、一部報道のある、当初、米政府が緊急事態ということで、とにかく冷却材が必要だということで申し出た、そういう事実もないということですね。
#28
○国務大臣(松本剛明君) 原子力発電所の対応を始めとして震災の対応についても、あらゆる形で緊密に連携を取る中で、いろいろなこれは申出というのか提案というのか、緊急事態でもありますから、いろんな形のお話があったというふうに私も聞いております。
 その中で、両方で協議をして、必要なものは速やかに私どもも支援をいただいて進めてきたと、そういうふうに理解をしておりまして、その意味で、私どもとしてもお断りをしたという認識はないし、米国側も断られたという認識はないというふうにおっしゃったんだというふうに理解をしております。
#29
○浜田和幸君 冒頭の三月十九日の日中韓の外相会議、まだ日米のこういう外相会議なり首脳会談、今回の事故対応に関してこれは行われていないように思うんですけれども、やはり最大の同盟国であるアメリカから様々な申出があるのに、なぜ日本とアメリカとの間の外相会議あるいはそういう首脳会談というのが開かれないんですか。
#30
○国務大臣(松本剛明君) 日米につきましては、外相会談は三月の十五日の日にパリにおいて行いまして、この地震に対応する協力についての感謝を申し上げると同時に、今後の協力を更に緊密に行うことで一致をいたしました。また、首脳につきましては、双方とものあれがありますので、電話での会談という形は既に行われているというふうに理解をいたしておりますが、直接会う機会は確かに今のところ日米においてはないというふうに理解をしております。
 また、三月十九日の日中韓につきましては、これはかねてからこの日に予定をされていたものでありまして、その際の会見でも私も申し上げましたけれども、十一日の発災以降、改めて予定どおり開催をするかどうかということも含めて、外務省としても、政府内でも真剣に検討をいたしました。その中で、当初は一日半の日程でありましたけれども、日程を実務の部分に絞って半日の日程に組み替えましたが、やはりこの地震下においても、また今後の日本の将来を考えるに当たっても、近隣の国である韓国、中国との関係は大変重要であるという観点から予定どおり日程を短縮して開催をすることといたしたと、このように御理解をいただけたらと思います。
#31
○浜田和幸君 フランスの政府あるいはフランスの、これは原子力メーカーでアレバ、ここからも様々な支援の申出がありますよね。特にアレバが原発事故用に開発した作業用ロボット、これの提供を申し出たのに、東電のこれは反応だと思うんですけれども、断ったという具合に報道されていますけれども、これは、明日からフランスのサルコジ大統領来日されますけれども、フランスからの申出、これは改めて受け入れるという考えはないんでしょうか。
#32
○国務大臣(松本剛明君) おっしゃったように、私どもが直接関与していない部分まで全て今ここで責任を持って申し上げることはできませんけれども、アレバも会社であるというふうに承知をしておりますが、他方で国の一定の関与があるというふうに理解をしております。その意味では、私どもとしては支援を断ったというような認識はしておりません。実際にお話があって、しかもそれが具体的なお話であって、受け入れるまでに時間が掛かったものが幾つかあることは確かであります。
 また、アレバにつきましては、既に専門家の方々が来日をしておりますし、追加的に必要な方もおいでになられるというふうに承知をしておりまして、必要なものについては双方の議論の中で御手配をいただいて動かしていただけるものと、このように考えております。
#33
○浜田和幸君 フランスの経済担当相が今回の福島第一原発の事故に関しまして、状況を正確に把握できていないとして日本政府の対応をかなり厳しく批判しているようなんですけれども、フランスの政府内にそういう日本の対応に対する批判の声が出ているということは御存じですか。
#34
○国務大臣(松本剛明君) 個別の閣僚の、各国の閣僚の発言を全て確認を申し上げているわけではありませんが、私自身がフランスのジュペ外務大臣と直接お話をさせていただいて、私どもの対応についても御説明をさせていただきました。その後も、私どもとしてはできる限り正確かつ速やか、これは同時に満たすのはなかなか簡単な要求ではないわけですけれども、政府としてはやはり正確であるということ、そしてそれを速やかに情報を提供するということに努めて御理解をいただいてきたと、このように考えております。
#35
○浜田和幸君 フランスの原子力安全局は、福島第一原発から百キロ離れたところまで汚染が広がっていても驚かないという声明を発表していますが、フランスの政府機関がそういった数値を出してきた根拠。以前はアメリカ政府はこれは八十キロと言っていましたですね。フランスは百キロまで拡大している。その辺りの根拠について何らかのお考えをお持ちなのか。もしアメリカやフランスが八十キロ、百キロまで拡大しているとなると、日本としても避難の対象地域を今後拡大する必要があるんではないかと思うんですけれども、その辺りについてのお考えをお聞かせください。
#36
○国務大臣(松本剛明君) 個々の国々から様々な御意見が出ることに関しては、専門家同士も随分と各国の入っていただいていますので、御議論をいただいて適切に御対応いただくようにこれはお願いをしなければいけないというふうに思っています。
 その上で、おっしゃったように米国は五十マイル、おおむね八十キロという数字を出しておられることは承知をしておりますが、同時に、この言わば退避の範囲の評価については、公開の場でというか公式の場で米国のエネルギー副長官が日本の措置は適切であるというふうに御評価をいただいているということも皆様にお伝えをさせていただきたいと思います。
 もちろん、私ども政府としては、日々刻々、周辺の放射能の状況なども測定をさせていただいて現時点で最も適切な対応を取ってまいるわけでありますし、可能な限り今取るべき対応を取っていくわけでありますけれども、今後の状況に応じて必要な対応はしっかりと取っていきたいと、こう考えているところでございます。
#37
○浜田和幸君 今後の原子力発電についてお伺いしたいと思うんですけれども、ヨルダンとの原子力協定、今日も後ほど御説明があると思うんですけれども、これは予定どおりその交渉が進むんでしょうか、三菱重工とフランスのアレバが合弁会社をつくってヨルダンに原子力を輸出するという話ですけれども。
 また、松本外務大臣は前原前外務大臣が進めてこられた経済外交をこれ踏襲するという話をされておりましたけれども、この原子力の輸出戦略、これは今後見直すことになるんでしょうか。ベトナムにも影響があると思うんですけれども、その辺りで日本のインフラ輸出戦略というものに何らかの影響が出てくると思うんですけれども、その辺りいかがでしょうか。
#38
○国務大臣(松本剛明君) ヨルダンについては、現在まだ決定はしていないというふうに理解をいたしております。
 個別の案件につきましては、具体的な案件については、それぞれの企業なり、今おっしゃったような例えば企業のジョイントというんでしょうか合同体なりが対応していただくことになるというふうに思っておりますが、私どもとしては、引き続き日本の高い技術というものについてはしっかりと諸外国にも御理解をいただきたいと、このように思っております。
 しかし、今回お話しさせていただいたように、原子力安全分野について私どもも今回の知見を生かしていかなければいけないと。まだ生かしていく手前の段階で、まずは今の対応なんでありますけれども、このように考えているわけでありまして、これだけの対応を必要とするというような事態が発生をしているということが、今後の原子力発電、世界の原子力発電について何も影響を与えないというふうに申し上げることはできないというふうに私も思いますが、いずれにせよ、今回の対応を早くしっかりとした形にして、その結果をしっかり検証してその知見をどのように踏まえるかと、こういうことが課題だというふうに思っております。
#39
○浜田和幸君 明日からサルコジ大統領来られますけれども、やっぱりフランスとすれば、一方でこういう原子力発電所の大きな事故、安全性をどうこれから確保するか、その面でも日本と技術的な協力を進めたいということで明日以降話が持たれると思うんですけれども、やはり具体的に、その今のヨルダンの話にしても既に話が進んでいるベトナムについても、この安全性ということに関して今回の事故の経験をどういう形で生かしていけるのか、その辺りについてのお考えをお聞かせください。
#40
○国務大臣(松本剛明君) 現段階では、今回の事故そのものについての、何というんでしょうか、評価とか分析とか知見は今後の課題でありますので、速やかに行わなければいけない課題だとも認識をしておりますけれども、確定的なことを申し上げることはちょっとできないわけでありますけれども、いずれにせよ、今御指摘がありましたように、今回のことも生かされなければいけないということはおっしゃるとおりだろうというふうに思っております。
#41
○浜田和幸君 二〇〇九年九月に鳩山元総理が国連の気候変動首脳会議で、例の二〇二〇年までに一九九〇年比で二五%のCO2削減、これを国際公約されましたですよね。この国際公約というのはまだ日本政府としては撤回していないということでよろしいですね。
#42
○国務大臣(松本剛明君) その当時の公約も、私の理解では、各国との協調の中での削減のお話をさせていただいたというふうに理解をいたしておりますけれども、我々としてはこれからも温暖化問題の地球規模での解決に向けて、この前のカンクンでも私どもの主張をお話をさせていただいて、これが御理解をいただけた内容だというふうに思っております。しかし、カンクンの合意も実現をしていくためにはこれから我々の努力も必要だと、このように考えているところでございます。
#43
○浜田和幸君 ということは、その二五%削減の国際公約は依然として生きているということだと思いますけれども、この前提にはやはり原子力発電、これを進めるということがあったと思うんですね。今回の事故を受けて、これをどういう形で乗り越えていくことができるのか。もしこの電力需要をそれ以外の方法で賄うということになると、この二五%削減の国際公約ということを守るということがかなり厳しくなってくると思うんですね。その辺りについて、代替エネルギーのことも含めてどういう国際公約と整合性を持たせていくのか、日本の外交にとって大変重要な点だと思うんですけれども、基本的なお考えをお聞かせください。
#44
○国務大臣(松本剛明君) 繰り返しになる部分がありますが、今回の福島での対応を必要としている事案はまだ現在進行形でございます。その意味で、この件を評価をしてどのように反映をした形で今後取り入れるかという部分については確定的なことを申し上げられる段階ではないということが大前提としてまずあるわけでありますが、同時に、先ほど私は原子力安全分野について今後やはり強化をしていくと、こういった議論が必要であるということを申し上げたというふうに考えております。
 これは、やはり原子力というエネルギーは人類が手に入れた大変重要なエネルギーの一つとして今後も活用をしていくべきだと。しかし同時に、安全は達成されなければいけないわけでありますから、今回福島県を始めとする多くの人々にある意味では大変な事態に陥らせたということはしっかりと受け止めて、安全についての強化ということを課題にまず取り組まなければいけないと、こう考えているところでございます。
#45
○浜田和幸君 アメリカとの間の今回の事故対応についての協議の中で、代替エネルギーについての話が既に出ているのかどうか。
 アメリカの今空軍が盛んに導入を進めようとしております。今、瓦れきの処理が大変な問題になっていますよね、現地で。ですから、コンクリートですとか鋼材ですとか木材ですとか、そういういわゆる産業廃棄物を材料にした新しい発電システム、これを今アメリカ空軍がアメリカ国内で言ってみれば広めようとしている。それを海外にも導入を進めようとしています。インドなんかはそういうものを具体的に導入を始めているんですけれども、何かそういうアメリカとの間の対応の協議の中でアメリカ発の新しいエネルギー技術、この導入についての話というものは今出ているんでしょうか。
#46
○国務大臣(松本剛明君) 所信で申し上げたように、日米の関係は幅広い協力が必要だという中には、今お話があったようなものもその一例になるのかもしれませんが、環境に資する様々な案件での協力というものも今後のテーマであるということ、これはかねてからそういう形になってきたというふうに理解をいたしております。
 その上で、今原子力発電所の対応においても日米緊密に協力をしていただいておりますけれども、私が承知をしておる限り、恐らく原子力発電所の対応の分野ではまずは当面の現在進行形の対応に専念をしているんではないかと、直接今私がそこに指揮を執っているわけじゃありませんからあれですが、というふうに理解をしております。
#47
○浜田和幸君 是非その辺り、世界各国が持っている新しい技術というものも、日本においても積極的に導入できるものについては、この際、前向きに検討していただきたいと思います。
 そして、地震の支援に関して今どれくらいの国々が、医療支援についてお伺いしたいんですけれども、申出があるんでしょうか。
#48
○国務大臣(松本剛明君) 医療についての数を正確に数え上げたことがないので、ちょっと今手元に数字がありません。
 御支援のお申出をいただく場合に、個別具体的にこのものをお届けするとか、こういった人を出すというお話をまずいただく場合もあれば、広く日本について支援をしたいと思うけどどうかというお話をいただく場合もありまして、数え方もちょっとなかなか難しいところがあります。ただ、一般的には、医療チームについては受入れが可能になったところからできるだけ受け入れていただいて有用に活用していただきたいというふうに私どもとしても考えているところでございます。
 ちょっと今、概略見てもらったところ、欧米などを中心におおむね三十以上の国から、医療という言葉が支援の内容の中に入っているのではないかというふうに考えられるということでございます。
#49
○浜田和幸君 震災に伴う医療援助、これは外国人の医師が日本で医療行為を行うのは通常の場合は認められていませんが、当初認めていなかったのが、イスラエルの医師団が今回初めて医療活動に参加するということが報道されていますけれども、日本での医療免許を持っていない外国の医師、これについて受け入れるということは、もうイスラエルで認めたわけですから、今後順次受入れが広まっていくと理解してよろしいでしょうか。
#50
○国務大臣(松本剛明君) これはイスラエルということではなくて、厚生労働省の方で、言わば医師法の適用の問題ではないかというふうに思うんですけれども、ガイドラインを出されて対応して、その枠の中でイスラエルも活動をしていただくという形になろうかというふうに思いますので、今後もし外国の方々が実際に入ってこれるというお話と受け入れることができるというお話がかみ合って活動するようなことが始まるとすれば、同じようなガイドラインに従って行動していただくことになるというふうに理解をしております。
#51
○浜田和幸君 中国からも海軍の病院船を派遣したいという申出がありました。ところが、日本政府は、日本は港が壊れているから船が近づけないというような理由で断ったと報道されていますけれども、それは事実でしょうか。
#52
○国務大臣(松本剛明君) 個別には報道の方にも申入れをさせていただいておるんですが、断ったという事実はないのですが、報道では断ったという話がたくさん残念ながら出てきておりまして、それぞれについてお話をさせていただいております。
 病院船ということも中国側の幅広い申出の中の一つの選択肢ということでは考えられるのではないかというふうに私どもも理解をしておりますけれども、先ほどお話がありましたように、実際にどこに病院船に来ていただくのかといったような調整と、また具体的にどこかの港で病院船という形で治療するのと、その分だけの、何というんでしょうか、体制があれば、むしろ個別に各避難所とかそういうところへ行って医療行為をしていただくことが優先なのかとか、そういうことも個別のニーズに応じて各自治体が御判断をしていただいたことと、我々も提供の方はこういうことが提供できるけどどうかということはどんどんどんどん声を掛けていくわけですけれども、それぞれのニーズといつの段階でどう合うかということを合わせた上で受入れをしていきたいと、こういうふうに考えているということでございます。
#53
○浜田和幸君 今日の新聞にも、昨日、中国の程大使がこの問題について、せっかく中国側からそういう申出を行っているのに日本にもう少しスムーズな対応をしてもらえないんだろうかという、かなり御不満というか日本の対応に関する批判的な記者会見を開いたというのが報道に出ているんですけれども、今大臣がおっしゃったのはこれも間違った報道だということでしょうか。
#54
○国務大臣(松本剛明君) 最初に申し上げましたように、私どもとしては、外国との言わば接点を政府の中でお預かりをしている者からすれば、是非各国の申出というのは受け入れて有効に活用していただきたいと、こういうふうに考えております。
 他方で、被災地域にとって受入れ可能であり有用なものであるということでないものを持っていくわけにはまいりませんので、しっかりとそこの確認をした上で対応していきたいと考えておりまして、実際にも政府全体の被災者の支援の本部との連携であると同時に、場合によっては外務省自身も直接現地と連絡を取れる限りは連絡を取って、ニーズがあるものは物資も含めて速やかにお送りをさせていただいています。中国側にもそのように個々の御支援の申出についてはお話をさせていただいて御理解をいただけるものというふうに私どもとしては考えておるところでございます。
#55
○浜田和幸君 病院船だけではなくて、中国大使館の説明によりますと、支援の一環として飲料水、これを日本に提供をしたんだけれども、荷降ろしから避難所までの輸送まで中国側で行ってほしいと、こういうことを日本政府から言われたと。となると、日本の国内でのそういう物資の移動まで中国側がやらなくちゃいけないというのは、これはちょっと対応が余りにも、中国にとっても善意が受け入れてもらえないんではないかということで批判の声が出ているんですが、その辺り、もう少し、中国だけではなくて世界百か国を超える国々から様々な物資や人材の提供があるわけですけれども、その辺りのスムーズな調整というのは一体どこがどういう形で今やっているんでしょうか。
#56
○国務大臣(松本剛明君) 政府全体としての調整は、この地震の緊急対策本部の下にある被災者支援の対策本部で行っているというふうに承知をしております。しかし同時に、外国からのお話ということであれば、受入れの窓口は基本的には私どもになってまいりますので、本部と連携をしつつ、何というんでしょうか、途中で丸投げをすることなく、しっかり最後まで我々としてもフォローするようにということで指示もいたしておりますし、そのように対応しているというふうに思っています。
   〔委員長退席、理事榛葉賀津也君着席〕
 その上で、こういった緊急時の国内の輸送手段については、被害の規模とか輸送状況とかによって異なりますので一概に言えるというわけではないわけでありますけれども、いずれにせよ、被災国と支援国との間で協議をしなければいけない内容になってまいります。
 その上で、災害救援に関するオスロ・ガイドラインというのがありまして、こちらの方では、全ての救援活動は被災国の責任の下で行われると、国際的な支援活動は被災国の救援活動を補完すると、同時に、外国からの支援は、別段の合意がない限り被災国の費用負担なく提供されるべきであると、こういう文言もあります。
 こういった中で、実態としては協議をしながら、どちらの負担でどのように行動するかということはその折々で実際には支援国と被災国で決めていくという形になろうかというふうに思っております。
#57
○浜田和幸君 せっかくの世界中からの申出ですので、最大限有効に活用していただきたいと思います。
 そういう善意の申出が各国から寄せられていると同時に、日本の安全保障にとってかなり危険と思われる動きもありますので、北澤防衛大臣にお伺いしたいと思います。
 この三月十一日の震災以降、ロシア並びに中国が我が国の領海、領空の侵犯に近い形の動きを強めているように思います。例えば、三月十七日と二十一日にはロシアが領空侵犯をしようとした形跡もございますし、尖閣諸島の近海では依然として中国漁船が操業を継続している報道もあります。中国漁船については、中国の監視船が護衛をしている。また、そういう中国の動きに対して日本の海上保安庁の動き、それを言ってみれば牽制するような形で中国の空軍の動きも活発化しているように思います。
 こういう、一方で善意、一方で領土的野心の拡大と思えるような動きがある中で、どうやって今、日本の安全を確保していくのか。自衛隊のかなりの部分がそういう復興支援の方に回っている状況で空白状態というものはないと思ってよろしいんでしょうか。どういうような対応が必要と考えられるんでしょうか。
#58
○副大臣(小川勝也君) お答えを申し上げます。
 委員から御指摘がございましたように、三月十七日はロシア機、そして三月二十一日、ロシア機、また、今御指摘はございませんでしたけれども、三月二十六日には我が海上自衛隊の護衛艦に中国のヘリが大変近接飛行をするという、そういった事実がございます。このこと自体につきましては、昨年末にまとめられました新しい大綱におきまして我が国周辺の情勢ということで想定をした認識と今回の事態はまさに合致しているところでございます。
 御承知のように、十万人を超える統合部隊を中心に、被災者支援あるいは原子力発電所に対する対応など、自衛隊、陸海空合わせて最大限の活動をさせていただいておりますけれども、しっかりといわゆる本来任務も果たしているところでございます。北方、南西地域も含め警戒監視、あるいは防空、弾道ミサイル対処、あるいは輸送機能の充実など、しっかりと本来任務させていただいているところでございます。
#59
○浜田和幸君 この問題に関して、松本外務大臣はさきのこの委員会等の発言の中で、ロシアによる領空侵犯未遂行為、これに対しまして、今回震災で支援やお見舞いの言葉をもらっているので抗議はしないという趣旨の発言をされていますけれども、震災で援助をしてもらっているんであれば、こういう領空領海侵犯のおそれのある行為に対して抗議をしない、しなくてもいいというのが政府の考えなんでしょうか。
#60
○国務大臣(松本剛明君) 記者会見でもこの委員会でも申し上げましたが、支援については感謝を申し上げると。国を守る、外交についてはしっかりやると。その上で、ロシアの事案につきましては、領空に接近をしたということで、大変な中でありますけれども、自衛隊は適切に御対応いただいたというふうにこの委員会でも答弁をさせていただきました。その上で、領空を侵犯しておりませんので、これまでの扱いと同様に抗議をする考えは持っておりません。
 なお、先ほど小川副大臣がお話しされた中国の事案については、危険な近接飛行であるということで申入れをさせていただきました。
#61
○浜田和幸君 ということは、危険はあるけれども、実際に領空、領海を侵犯したわけでないから今のところは抗議はしないということでよろしいですね。
#62
○国務大臣(松本剛明君) やはり抗議をするということには根拠が必要になってまいりますので、領空の侵犯ということであれば抗議をする根拠になってくるというふうに考えております。
 なお、繰り返して申し上げたいと思いますが、支援があるということ云々で取扱いを変えたということは一切ありませんので、その点はもう一度申し添えたいと思います。
#63
○浜田和幸君 実は、中国やロシアだけではなくて、韓国も竹島の実効支配を強化すべくヘリポートの改修作業を進めているように見受けられます。また、周辺の海流や海水の温度などを観測するための独島総合海洋科学基地の建設を進めているとも言われております。こういう韓国の動きをどのように受け止めておられるのか。これは、そういう情報を把握しているんであれば速やかに抗議をすべきではないかと思いますけれども、いかがですか。
#64
○国務大臣(松本剛明君) 竹島は我が国固有の領土であるという私どもの立場は一貫をしておるというふうに考えております。したがいまして、私どもの立場と相入れないようなものについては、私どもとしては相入れない旨をしっかりとその意思は表示をしなければいけないというふうに考えております。
#65
○浜田和幸君 ということは、そういう独島の総合海洋科学基地の建設等に対しては、これはもう明らかに看過できない、抗議をするということでよろしいですね。
#66
○国務大臣(松本剛明君) 現段階でそのような報道、情報があるという話は私どもも承知をしておりますけれども、建設をする、したというような話、情報には接しておりませんので、今の段階で私どもから申し上げることがあるとは理解をしておりません。
   〔理事榛葉賀津也君退席、委員長着席〕
#67
○浜田和幸君 似たような話で、尖閣に関しましても、六月十七日、中国国内のネットを通じて、一千隻、尖閣への上陸、これを強行しようと、こういう日本が今危機的状況で対応が恐らくできないだろうから一気に尖閣を取り戻そうと、そういう動きもあるようですけれども、こういうものも実際に中国が強行しなければそこまで何もしないで黙って見ていると、こういうことですか。
#68
○国務大臣(松本剛明君) 竹島と似たような話ではなく、私どもとしては、政府としては、尖閣について領土問題は存在していないという立場でありますので、有効に尖閣諸島を支配をすると、このための努力は絶え間なく関係の各省とも連携をして進めてまいりたいと、このように考えております。
#69
○浜田和幸君 その六月十七日の件はネット上でそういう動きがどんどん広まりつつあるようですけれども、これは放置するということですか。何か、どういうような対策、どういうような封じ込め、要するに抑止ということも必要になるかと思うんですけれども、そういう話がどんどん広がっていることに対して何らかの、中国国内でそういうものを鎮静化させる、そういう外交上の働きかけということも必要ではないでしょうか。いかがですか。
#70
○国務大臣(松本剛明君) 尖閣諸島は我が国の領土であって、今我が国が有効に支配をいたしております。それに対して何らかの不法な形が行われるとすれば、それはしっかりと対応をされるべきだというふうに思っております。その上で、今お話があったような情報は私どもも承知をしておるということは申し添えておきたいと思います。
#71
○浜田和幸君 それとの関連で北澤防衛大臣にお伺いしますけれども、先般の地震、津波で松島の基地の次期支援戦闘機が大分被害を受けたと聞いておりますけれども、その被害の状況となぜ防げなかったのか、そのことについてお聞かせください。
#72
○国務大臣(北澤俊美君) 今調査をしておりますから、運航可能かあるいは運航可能でなくなるのかというようなことはまだ判明をしておりませんので今の段階で申し上げるわけにはいきませんが、相当の被害は被ったことでありまして、私も二十八日に松島基地を視察をしてまいりましたが、二メーターを超す水が押し寄せてきて格納庫の中にあったヘリが反対側の壁に激突して使用不能の状態で今まだ撤去できないでいるというような状況でありますし、司令始め隊員との懇談の中で、それはもう自分のみが逃げ上がるのが精いっぱいで、あっという間に激しい津波が来たという報告は受けております。
#73
○浜田和幸君 未曽有の大災害ではあるんですけれども、やはりそういう危機ということに常に背中合わせになっているのが日本という国柄ですよね。そういう中で、この大切な装備というものに対する避難の指示、これが十分行き渡らなかった。司令からこれだけ大きな地震と津波が来るということに対しての対策というか、それを逃れるための、飛ばせばかなりの、ヘリにしても戦闘機にしても災害から免れたと思うんですけれども、その辺りは一体どうして的確なスピーディーな対応ができなかったのか。今調査中とおっしゃいましたけれども、実際どうなんでしょうか。
#74
○国務大臣(北澤俊美君) まさにおっしゃるようなことは私自身も感じたわけでありますが、今お隣に宇都さんがおいでだから十分分かると思いますが、ヘリにしても戦闘機にしても、車へ乗るようにふっと乗ってエンジン掛けたら飛ぶという話ではなくて、あらかじめしっかりした整備をして飛び立つことができるようにするにはかなりの時間を要するわけでありまして、隊員は自らの、昔の騎兵でいえば、自分の乗馬が水の中へ流されていくというような悔しい思いをしておるわけでありまして、今お話しのように、さっと飛び乗って空へ飛べばいいじゃないかというようなことは、これはなかなか一般の国民にも理解はできておらないというふうに思いますが、現実はそういうことであります。
#75
○浜田和幸君 ということは、どこかからミサイルが飛んでくるとか、何か軍事的な侵攻のおそれがあったときにすぐさま対応できないということをおっしゃっているわけですか。
#76
○国務大臣(北澤俊美君) それはもう全く違う話でありまして、ミサイルが来る場合にはイージス艦があったりペトリオットがあったりしてその防備はしっかりやっておるわけでありまして、今何か一旦事があったときにすぐできるのは、緊急発進というのは、スクランブルは常に二十四時間体制でやっていますからそれはできますけれども、ほかの戦闘機やヘリコプターはきちんとした整備をして全く事故を起こさないような体制を整えた上で準備をするということであります。
#77
○浜田和幸君 ちょっと話が飛びますけれども、今回の地震直後、ロシア・カムチャツカでの大噴火、地震がありました。そのまた直後にはミャンマーでのマグニチュード七の地震がありました。今、北朝鮮の白頭山の火山の噴火のおそれがあるということで、二〇一四年から一五年がリスクが高い。韓国と北朝鮮の間でもこの白頭山の噴火についての共同研究をスタートすることになったようですけれども、そういうこの日本を含む周辺の自然災害の連鎖ということに対して、やはり今現場の救援も大事ですけれども、中長期的にどうやってこの自然災害に向き合っていくのか、そのことについてのまた国際的な協調、協力体制も早急に組み立てていく必要があると思うんですけれども、そういうような対策は今どういうことを考えておられますか。
#78
○国務大臣(松本剛明君) 先ほど先生から日中韓の協力についてもお話があったかというふうに思いますけれども、同時に、ちょうど実は震災発災の翌週にはARF、ASEANの地域フォーラムの枠組みにおける言わば災害協力、大掛かりな大規模な災害協力訓練が予定をされておりました。我が国の自衛隊もたしか四百人、数百人の規模で参加を予定をしておりましたが、実際には地震発災になって参加を取りやめたというふうに承知をしておりますが、アジアにおきましてはやはり自然災害への備えということは必要なことであるという共通の認識の下で協力が進んできているというふうに考えておりますし、この枠組みから更に国際的な枠組みに広がっていく中で知見も体制も協力できる枠組みを取るということはこれからも大変重要なことだろうと思いますし、我が国もこれまでも防災については高い評価をいただいてきたわけでありますけれども、今回の大地震というもの、これの経験というものをしっかりと踏まえて、さらに世界における防災のリーダーでなければいけないということを私どもとしても考えていかなければいけないと思っております。
#79
○浜田和幸君 中国が今回の大震災、これは復興特需が期待できるということで、中国の労働者、これを日本に送り込む、そういう準備をすべきだと、これが中国共産党の機関紙人民日報等で報道されております。これは、ただ単に物を送り込むだけではなくて中国の人たちをどんどん日本に送り込もうという話で、前回のこの委員会でも北澤防衛大臣にお伺いしましたけれども、国家動員法との関連が大いに懸念されるところですけれども。
 北澤防衛大臣、松本外務大臣にお伺いしますけれども、こういう中国から大量の震災の復興という名目で労働者、人を受け入れる、しかもノービザで受け入れる可能性、これがそのまま残るということになればこれは日本にとっても治安上様々な問題が発生すると思うんですが、このことについてはどういうお考えですか。
#80
○委員長(佐藤公治君) これは委員、両大臣でよろしいんですか。
#81
○浜田和幸君 はい。
#82
○国務大臣(松本剛明君) ちょっとそこへ至るまでのかなり仮定と前提がたくさんあるので一概にはお答えできないことがたくさんあるわけであります。
 まず第一に、政府としては、おっしゃったように復興についてもこれから考えていかなければいけない段階が来ているという見方もあるということは十分承知をしております。他方で、先ほど申し上げたように、引き続き避難をされている方々の対応ということにも万全を期さなければいけない中で、復興というお話をどういう形でどういうふうに皆様にお諮りをしていくかということを考えなければいけないと、こういうふうに考えております。
 その上で、復興についても私どもとしては各国の支援というのは積極的に受け入れていこうと、このように考えておりますけれども、今お話がありましたように、実際にどういう形の復興で、なおかつ労働力の受入れ等につきまして、復興というフェーズで特別な扱いをしてどういうことがなされることになるのかということはまだまだ今後の課題だというふうに思っております。
 ただ、様々な経済的な試算では、復興のニーズといったものも経済にプラスに寄与する部分もあるというような試算もあるということは承知をしておりますけれども、私ども政府としては、まずは日本の経済、そして日本の雇用というものを確保していくことが第一だというふうに考えておるということを申し上げたいと思います。
#83
○国務大臣(北澤俊美君) ただいま外務大臣が答弁されたとおりでありまして、私どもとすれば、今委員がおっしゃったような事態が現実に発生するのかどうかということは全く仮定のことでありまして、当面そのことについてお答えは差し控えさせていただきます。
#84
○浜田和幸君 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、仮定の話といえども、現実にそういう周辺の国々の動き、あるいは今後日本にとって国益を損ないかねないようなそういう予兆、前兆も十分踏まえた上で、万が一に備えるという発想で是非この震災を乗り越えていただきたいと思いますし、一緒になって日本の国益を守るために力を合わせて進んでいきたいと思います。
 以上で終わります。
#85
○猪口邦子君 自民党の猪口邦子でございます。
 まず私からも、今回の東北地方太平洋沖地震によってお亡くなりになった方々、そして被災された皆様に対しまして心からの御冥福をお祈り申し上げ、またお見舞いを申し上げます。また、被災地にて救助、救援等に献身的な努力を続けてくださっている自衛隊、警察、消防、医療関係者、自治体関係者、現場の方々、全ての関係者の皆様に敬意を表し、また、各国からの迅速な支援に対しまして一議員として私も御礼を申し上げるところでございます。
 松本大臣におかれましては、大臣御就任、お祝い申し上げます。国際通で大変着実な仕事ぶりとの評判に以前から接しておりますので、この大震災という国難の中で我が国の外交のかじ取りをしっかりやっていただけると期待しております。本日の質問、指摘することもありましても、決して指弾するということの趣旨ではございませんので、むしろ私からの提案として考えていただければと思います。
 また、北澤防衛大臣におかれましては、この大震災での救助、救難の大仕事を行う本当に献身的な自衛隊の皆さんを的確に指揮、指導してくださいまして、私、改めて敬意を表させていただきます。
 さて、松本大臣、就任後、予想を超える激務の中におられると思います。就任されましたのは九日の日でございますね。認証式は夜ですかね、そういうタイミングでございました。就任後、まさに予想を超える激務の中におられますけれども、十四日にはG8パリ会合に午前中の十一時に成田を出発するという、そういう激務をこなしていらっしゃいますが、就任直後からこの成田を出発するまでの間の主要な公務についてお知らせください。
#86
○国務大臣(松本剛明君) 余りにいろんなことがありました三週間ですので、ちょっと今手元で正確に記憶をたどることができませんが。
 九日の日には、御指摘ありましたように、日中はたしか参議院のあれは予算委員会だったかと思いますが、副大臣として九日の日も参議院の委員会で答弁をさせていただいた後、夕方から夜にかけて認証式で就任をさせていただいて、十日の日は、朝にはたしか米国のキャンベル国務次官補、グレッグソン国防次官補、ルース大使がお見えになられたように記憶をいたしております。また、当日は中国、韓国とたしか電話会談、外相会談をさせていただいたかと思っております。また、翌日は参議院の決算委員会がございまして、そのさなかにまさにこの地震が発災をしたというふうに記憶をしております。週末も引き続き地震対応の体制を取りつつ、たしか米国のクリントン長官とは電話会談を週末に行った後にG8に出発をしたというふうに記憶をいたしております。
#87
○猪口邦子君 さすがですね、見事に思い出していただきまして。
 そこで指摘したいと思うことは、我が国の条約上の唯一の同盟国アメリカでございます。主権国家平等の観点から、常に各国大臣は自分のカウンターパートは誰なのかと、特に条約を結んでいる相手国についてはそう思うと思います。
 外務大臣が替わったときに一番最初に電話会談を申し込むべきはどなただとお考えですか。
#88
○国務大臣(松本剛明君) 会談そのものは双方の都合とかタイミングで設定をされる時期というのがありますが、我が国にとって最も重要な国という今の御指摘であるとすれば、それは同盟国米国であるという御指摘に私も同意をするものであります。
#89
○猪口邦子君 是非そういうことを常に常に念頭に置いていただいて、条約上の確固たる同盟国、具体的にこういう大震災で助けてくれているとかいろいろなこととは別に、やはり条約上の同盟国、立場が変わったときには、まずは私があなたのカウンターパートですと、こういうお伝えをすると。それから、もちろん近隣の国々は大切ですから韓国、中国と、当然その順序というのはよろしかったと思います。
 それから、今おっしゃいました、十日の日にはキャンベル国務次官補と会談されていますね。一般的には、多分その前にカウンターパートである、つまり地位としての同等性がある相手、つまりこの場合はクリントン国務長官、一言でもいいから挨拶をして、挨拶といいますか、私があなたのカウンターパートですというような一言を伝える、そしてその下の者に会うというのが適切ではないかと私は思います。
 主権国家平等の原則ですから、結局外交においては地位の同等性ということに非常に神経質にこだわった方が日本の立場というものを強く維持できると。もちろん、こちらがホストで、来訪されている方ですから、その場合は一格上の立場で十分にお会いいただいていいわけですけれども、しかし新任の大臣でいらっしゃるということであれば、事前にそういう連絡を入れるとより適切だったかと思います。震災が起きてしまいましたので、実際にはお見舞いとかいろいろアメリカの方から言っていただいたんだと思いますけれども、できるだけ早い時期にそういう電話を入れればと思いました。
 あと、国際社会もいろいろなグループに分かれていまして、例えば国連のいろいろなグルーピングがあります。そこのそれぞれのグループの議長がいます。一応、その議長の国に電話を入れれば、そのグループ全体に敬意を表したということにもなります。新しい大臣が就任されたときはそのような段取りを我が国としてやっているのかどうかは知らないんですけれども、大使として多国間の機関に赴任するような場合は、全部の代表部に挨拶するのは大変ですから、幹事国といいますか議長国、そのグループの議長国に挨拶しておけば、もうこれで十分に礼は尽くしたと。あとは、時間があればそれぞれの国に礼を尽くして、あとは発出文書でやるというような感じがいたしますが、どうですかね。
 その国連のグルーピングに基づいて、例えば近くであればASEAN。ASEANの議長国は今年はインドネシアでしたっけね。だったら、そういう、あなたは議長国だから電話しましたということでASEAN全員がオーケーになるとか、こういう考えはどうですか。
#90
○国務大臣(松本剛明君) その点は、委員がおっしゃるとおりではなかろうかというふうに思います。冒頭おっしゃっていたように、プロトコルという分野に入るのかどうか分かりませんけれども、どことどこが対等なのかということをきちっとするということは、私も副大臣のときもいろいろ経験をいたしまして、大変重要なことであるというふうに考えております。
 私自身としては、米国、それから韓国と中国は、おっしゃったように近隣であると同時に、実は十九日に既に元から予定されていた会議がありましたものですから、その意味ではその三か国とは早く話をしなければいけないと、こういう認識の下で、結果として、時差、先方の都合等もあって成立した順番はおっしゃったように米国が最後になったということがあります。
 それから、キャンベル国務次官補はかねてより来る御予定になっておられたということで、まさにおっしゃったように九日の晩に就任をして、十日のもう朝九時ぐらいには来られる御予定になっておられたというふうにたしか記憶をいたしております。今回、私も副大臣から大臣に任命をされましたのも、まさにこれまでの仕事をしっかり引き継ぐということが私の大きな使命でもあろうと、こういう認識の下で仕事をスタートをさせていただきました。
 また、各国、グループというものをしっかりと見よと、こういう御指摘でございます。この点についても、またお話を承り、また御示唆をいろいろと賜ってまいりたいと思っておりますが、ASEANにつきましては、既にインドネシアのマルティ外相とは電話で会談をさせていただいて、今後の対応等についても、議長国としてまさにASEANへの対応をマルティ外相を通じて行いたいということをお願いをしておるところでございます。
#91
○猪口邦子君 ASEANへの対応は良かったと思います。インドネシアにということではなくて、あなたは議長国だからと、みんなに挨拶の旨を、悪いけれども、そういう自分は対応をしたということは機会があったら伝えてくれというような感じだと思います。
 それで、今度はG8に行かれまして、パリで日米会談をやっていらっしゃいますね。外相会談をやっていらっしゃいます。
 予算委員会でも申し上げたんですけれども、国際社会というのは、自分が何をやってもらいたいか、これをはっきり発信することが非常に有効であり、それに基づいて各国が支援をやると。ですから、このときのクリントン国務長官の気持ちというのは、自分は本当に全世界を代表して日本の外務大臣に、今国際社会に何をやってもらいたいんですかと、こう聞きたいと。で、実際に聞いたんだと思いますね。そのときにどんな発信をされましたか。
#92
○国務大臣(松本剛明君) 既に十四日、クリントン長官にお会いしたのは多分現地時間で十五日だったと思いますけれども、その時点では地震が発災をいたしておりましたので、そしてまた既に在日米軍また原子力関係者の支援も実質的にいただいておりましたので、お礼を申し上げると同時に、今後の緊密な連携ということで、状況の説明と同時にお願いをさせていただきました。
 同時に、私の方としては、まさに猪口先生おっしゃっていただいたように、私自身、電話では会談をさせていただきましたが、直接お会いをするのは初めてでありましたので、今後カウンターパートとして日米関係をしっかり深化をさせていくという役割を私も果たしていきたいということをお話をさせていただいたというふうに記憶をしております。
#93
○猪口邦子君 普通のときであれば、一般的な日米間で重要なこと、あるいは日米が共同で国際社会のためにやるべきこと、そういう話が中心でよろしいんですけど、このタイミングというのは、まさに全世界が固唾をのんで日本は大丈夫かと、日本は何をしてほしいか、何でもやってあげたいというところなんですね。
 そこで、アメリカの国務省のホームページを見ますと、この会談の様子がこういうふうに出ています。そうすると、クエスチョンとなっていまして、ミスター・フォーリン・ミニスター、国際社会から、ホワッツ・ザ・グレーテスト・ニード、何が一番のあなたにとってのニーズですかって聞いているんですね。そして、松本外務大臣は通訳を通して以下のように発言していると書いてありまして、我々は既に多くの支援を受けている、だけど、我々は何々をしてほしいというそこの部分がインオーディブル、聞こえないと書いてあるんですね、トランスクリプトで。それで、さらに、私はアメリカの政府が行っている支援とその励ましに感謝すると、こういうふうに出ているんですけれどもね。
 やはり何をやってほしいかということを積極発言するというのはとても大事なことですので、今後私の願いとしては、大臣ですから、いろいろな場面でステートメントをやる機会があります。そのステートメントのときに、世界が聞きたいのはその言葉だと、この歴史的な大震災の中で日本から歴史的な言葉が発せられることがあるのかと。発するとすれば、それは事務方の外プレのブリーフィングとかそういうことではなくて、大臣そのものによって発せられる、やはり権威を重んじる国際社会の慣習ですから、大臣によるステートメントというのが大事なんです。そのようなステートメントを行う機会というのは外務省は十分に提供してきてくれていますか。
#94
○国務大臣(松本剛明君) 十分の基準が私も測りかねるところがあるので何とも今申し上げようがありませんし、この三週間のうち、まさに冒頭猪口先生がおっしゃっていただいたように、平常時は一日半ぐらいしかありませんでしたので、以下は全ての状況でこの発災以降の言わば特別な状況になっております。したがいまして、結果としては、様々な国際場裏に出席をいたしても最も早く発言の機会はいただけるような状況ではあると。例えばG8でも、まずは状況の報告等をしてほしいと、こういうような形でスタートをするような状況でありますので、私自身が申し上げる機会はあろうかというふうに思います。
 なお、先ほどの国務省のあれは、恐らく冒頭部分をそのまま引用していただいているんだろうというふうに思っております。私も日本人でありますので、一番大事なことをお話しするのが後々になっているかもしれませんが、その辺はよく先生の御指導もいただいて、国際的に通用するようにまた努力をいたしたいと思います。
#95
○猪口邦子君 大臣としてのステートメントとしては、例えば国連安保理の決議一九七三に対して、これはリビア情勢の件でございますけれども、それについての談話、そういう正式のステートメントを発出されていると思います。こういうところではなかなか難しいかもしれませんけれども、一般的にはミニスターステートメントというのは、これほど重要な事態に我が国がなっていて、かつ、これほど多くの国、地域、国際機関から救援、支援を受けていますので、当然ながら大臣としてのステートメント、例えばこの震災についてどういう状態で、日本はどういうふうに努力していて、必ず我々の復興を信じてくれというような強いメッセージが必要なんです。
 それで、本当に言葉に心血を注いでいただきたい、外交とは言葉のアートでもありますので。今お伝えしたように、歴史的な震災に対して日本から歴史的な言葉を発するのは、もちろん総理大臣にも役割がありますけれども、助言していただきたいと思いますし、まずは松本大臣が実際のその行動を取ってもらいたいですね、そういう言葉。
 私も、例えばどんな言葉がいいかなとちょっと、提案というわけじゃないんですけど、思い付きなんですけどね、いやいや、もう全然大したものじゃない。例えば、みんな日本が復興できるのか、一体復興とは何なのかって思っているわけですよ。そのとき、例えば、復興とはどういうことだと思われますか。復興というのは、多分、最も深い打撃を受けた者が最も遠い未来を先取りするという、そういう意味であると。だから、日本はこの震災から立ち上がるときに最も遠い未来を実は先取りするという国になるんだ、だから信じてくれ、それに手を貸してくれとか、そういう言葉ですね。やや余り実務的な表現ではないかもしれないけど、うんと実務的な表現を言う前に一言、やっぱり気持ちに訴え、日本への気持ちをつなぎ止める。
 例えば、日本は全てを失ったかに見えるけれども、あなたの信頼が残る限り必ず我々は復興できますと、そういう言葉とか、日本はもう冷酷な津波に襲われたけれども、国際社会の暖流によって必ず復興できるとか、そういう言葉をちょっと枕言葉のように、でも人の心に残るのはその言葉ですから、それを言った上で、実際にこういう被害が出ています、こういうふうに原発対応はしています、実務的な話もいいと思いますが、やはり表現をステートメントのときに大事にしていただければと思います。
 海外のプレスに対する事務的なブリーフィングですけれども、これは十分に早く始めることができましたか。あるいは、それについて反省があればお伝えください。
#96
○国務大臣(松本剛明君) 海外へのプレスの対応というのは十三日から始めさせていただいたというふうに思っております。外務省の方で行いまして、外務省で関係各省の協力をいただいて、原子力発電所を中心に外国側が関心を持っている情報について提供させていただきましたけれども、更に政府としての発信ということで強めていくべきだということで、二十日過ぎだったと思いますけれども、官邸の方にそれも移して行っているようにしてきたというふうに思っております。
 まさに先生もお話しをいただきましたけれども、大切なことは、情報を提供する体制であると同時に、情報の内容というか情報の質であるということもそのとおりではなかろうかというふうに私どもも思っております。
 先ほどの先生の御提案も、言葉、幾つか書き留めさせていただきました。私自身はG8とか日中韓の場所では、やはり今回のこの本当に未曽有の被害のある中でも、我が国の国民は、最も日本の強みであり力であった共生の助け合う力というのは決して失われていないということは本当に誇りに思っているし、この力があれば必ず立ち上がれると思っているので支援をしてほしいということは申し上げてまいりました。
#97
○猪口邦子君 というのは、今世界が、一体日本人とはどういう市民性を持つようになったのかということを今改めて非常に関心を持って見ているんですね。世界には百九十超えて国がありますので、日本についての関心というと赤字国債だとかいろいろマイナスのことが言われることが多いんですけれども、この際、非常にみんなストレートに日本人を評価したいというような気持ちもある中で、権威ある声がきちっと出てくるとそれで認識が形成される、結晶化するということなので、そういう役割がありますからお願いします。
 初期の、日本人は礼儀正しいとか震災という極度なストレスの中でも市民意識が低下していないとか、こういうのはCNNのウエブサイトなどにも載っているということは多分大臣御存じなんですよね。それで、例えば最近、昨日のヘラ・トリの一面がこういう放射能を測定しているようなものなんですけれども、でも記事そのものはそういうことではなくて、今、自粛というこの日本語、ローマ字で書いてあるんですけど、日本人は自発的に困難の中にあって秩序立って自粛していって、それで困難を乗り越えようとしていると、こういうまた新しい評価も出てきているんですね。
 ですから、刻一刻、ああ日本人はこれをどうするんだろうというふうに見ている流れがありますので、それを是非外務大臣の言葉によって、日本人はこういう中でもしっかりと対応し、また、日本の文化、市民性というのはこういうものなんですよということを分かってもらうようにお願いします。
 それでは、先ほどARFにおけます災害の共同の実動演習ですか、そのお話もございましたけれども、そういうことにつなげていくためにも、今回海外から受けた支援、その内容について、こちらとして評価できることと課題として強く認識する、問題点として反省するというようなこととあると思います。もう既に浜田先生が重要なところを御説明、また御指摘いただきましたけれども、一般的にこういうことは受入れとして良かったということ、あるいは今後の問題としてこういうことについては率直な反省があるということをお聞かせください。
#98
○国務大臣(松本剛明君) 私自身は、先ほども少し申し上げましたが、阪神・淡路大震災のときも、姫路そのものは大きな被害を受けることはなかったんですが、近くで体験をし、何度も神戸の被災地にも足を運ばせていただきました。そのときに比べて、そのときに指摘をされた、例えば私どものかかわるところでいえば、海外からの救助犬とかの受入れがなかなかできなかったんではないかというような課題は今回はクリアをされたという部分もあろうというふうに思っております。
 しかし同時に、率直に申し上げれば、先ほどからの御質問でもあるように、海外からたくさんのお話をいただきます。是非早く実現をしたいと。他方で、被災地経験のある者からしたら、要らないというものとか受入先が決まらないものを受け取ってどこかに置いておくとか、まあ物の内容によってはそもそも置いておけないものもあるわけですけれども、いうわけにはいかないということで、コーディネート、マッチングというものをしてしっかりと受け入れるようにさせていただいているわけでありますけれども。また、それも待っているだけではなくて、こちらから呼びかけて、こういうものが来ていますけどどうですかということをするようには指示をしておりますけれども。
 これは、外務省にとどまらず、政府全体として更にもっと早く現場のニーズに対応できるような体制というのを取るにはどうしたらいいのかということは、これは本当に今の被災の状況を見ても、我々自身、その一瞬その一瞬はベストを尽くしたつもりではありますけれども、振り返ってみたときには、常に直せるところがあったんではないかという気持ちを持って取り組むことも必要だと思ってこれからも進めてまいりたいと思っています。
#99
○猪口邦子君 やっぱり外務大臣そして外務省はもっと国内の各省庁とよく連絡を取って、一体どういうニーズが国内にあるのかということの聞き取りをよくやって、それで世界に飛び立っていって、そこで発信する、そういう連絡の良さ。そしてまた、外務省に各省庁も、例えば総務省としてはこういうのが必要なんだから、パリに行くんだったらこういうことを言ってきてくれと言ってもらえるような関係をつくっていくと。予算委員会でもNSCについて言いましたけれども、そういう枠があるとそういうのもやりやすくなると。今ちょっと、後ほどそのテーマにも触れます。
 スイスの救助犬が来て、これはもう最初の、一瞬のうちに生存者を一人でも救出するという仕事があるんだろうけれども、必ずしも適切な場所に誘導されたかどうか、そういうのも今後の課題としてお考えいただければと思います。
 それで、先ほどオスロ・ガイドラインについてもおっしゃいました。そういう確かにガイドラインがあると。だけれども、一般的に知られているかどうかもよく分からないし、大震災のときは震災国もまた援助国も非常に慌てているでしょうから、いろいろなことがあるんでしょうと。
 そこで、やはり多国間の防災、震災救援のための国際機関と言うと大げさですけれども、秩序形成をしたらどうかと。我が国は特にこのような歴史的な悲劇を経験し、それを乗り越える今歴史をつくっているわけですから、乗り越えた後にはまさにその構築のリーダーとなる使命があると思います。そんなことを念頭に置きながら日々の外務の仕事をやっていただければというふうに思うんです。この話は既に岸理事の方からこの委員会での質問の中でも冒頭出ていたところでございます。
 第二回ARF災害救援実動演習、ボランティアの皆さんとか民間の皆さんだけでなく、今回も自衛隊が大きな役割を果たしているという意味では、非常に微妙で慎重な部分もありますけれども、各国のそういう実力組織についてどういうふうな受入れの枠というのが考えられるのかというのを多国間で協議しておくということは非常に有意義で、ARFの枠でやるというのが我が国として極めて自然、適切で、このASEANとそれから拡大ASEANのところで考えていくというのが適切だと思いますけれども、大臣の、今すぐというんではないんですけれども、まず地域的な多国間の枠組みで防災の、あるいは救援のオスロ・ガイドラインを更に発展させて、多国間のものとして発展させていくというようなことについての考え、ありましたらお聞かせください。
#100
○国務大臣(松本剛明君) 私自身は、実はこの災害発災前から今回のARFのDiRExについては大変深い関心を持っておりまして、特にアジア、ASEANとの防災の枠組みというのは非常に大事な、そしてある意味では、冒頭の所信でも申し上げたように、安全を守るというのが国の最大の責務であるとすれば、地域にとっても最大の課題であるという意味では、今回の防災の取組というのは非常に注目をすべきではないかというふうに思っておりました。
 副大臣として実は私自身が行こうと、行きたいと思っていたぐらいなんですけど、残念ながら実は担当分けで私ではないものですから、相棒の副大臣を押しのけてでも行こうかと思った時期もありましたけど、そこまでは結局実現をしないまま結果としてはああいう発災になって、菊田政務官に行っていただくことに、北澤大臣とも相談をいたしまして、あれは日本もDiRExについては主催でございますので、やはり少なくとも政府を代表してどなたか行った方がいいということで行かせていただきました。
 その意味では、私自身としても大変関心のある分野でもありますし、また、まさに参議院でも答弁もさせていただきましたが、被災者生活再建支援法の改正などについても直接答弁者としてさせていただいたというような経験もありますので、一つの大きなテーマとして取り組まなければいけないと。その形が多国間での具体的な協力なのか、今先生がおっしゃったようなオスロ・ガイドラインなど国際的な枠組みの更なる進化なのか、様々なテーマがその分野についてもあろうというふうに思っておりますので、そういったことについてはまたしっかりといろんな分野での取組について検討してみたいと、こう考えております。
#101
○猪口邦子君 そういう場合も、ベストプラクティス、優良事例の蓄積というのが秩序構築のときに一番大事なんですけれども、まさに今回我々が受けた支援、あるいは最近の残念な災害、各地で各国でありますけれども、そういうときの経験など、やっぱり知的集積をするというのがまず大事だと思います。
   〔委員長退席、理事榛葉賀津也君着席〕
 それで、次なんですけれども、私は研究職、教育職出身で、この災害の中で一体、ちょっと視野を広げて考えたときにどういうことが大事かと考えましたとき、かつてない規模で世界から我が国は支援を受けていると。このことを子供たちはきっと覚えていて、そういう意味では非常に世界の中でこの震災から復興していくんだという気持ちを持っていて、そういう子たちの中には、いずれ自分たちの町、村を助けてくれた国に留学したいと思うような子供たちも出てくるかもしれないと。
 日本は最初何をしてもらいたいかということをはっきり言えなかったかもしれないけど、世界各国がこうしてもらいたいんだろうと察してやってくれたことがあって、やがて帰っていくと。帰っていくときに、お礼の言葉の中に、今後震災世代があなたの国に留学したいと、この震災を生き延びて、その震災世代が育って留学したいと言ったときには是非温かく受け入れてやってくれというような言葉を付して、そしてありがとうと送り返してあげたらいいかなと。
 予算委員会でもちょっと言ったんですけれども、そうしたら、お礼の手紙にそういうのを同封することはできないというような非常に役人的な御答弁の内容を御用意されたそうですけれども、今世界が日本から聞きたいのはそういう言葉だし、今本当に被災地で必要なのは、町の復興もそうですけれども、人間の希望、あるいは子供たちが自分の未来を信じてそれに意欲を持っていく、そういう意欲の復興、それを可能にするのが例えばそういう発想じゃないかなと思いました。
 実は、野党の一議員ですからなかなか発言の機会もないので、今日はこの委員会でお伝えできて良かったんですけれども、フェースブック通じていろいろとその考えをちょちょっと書いておりましたら、ニューヨーク・タイムズにちゃんと記事が載りまして、そこで今言ったような考え方伝えております。そうしましたら、世界各国から、是非うちの国では全部大学は無料にするとかなんとかという申出が来ていますので、後で政府の方にお伝えいたしますので、よろしくこういうことについても、文科省とも協力しながら人事交流、震災世代の人事交流という観点から発展させていただきたいと。
 そして、もし被災地訪問することが大臣としてありましたら、あるいは副大臣、政務官としてありましたら、自分たちがやっているのはこの国難にあっても世界との温かい関係を築くことで、君たちは生き延びて、自分の未来を大事にして、そしていつの日か世界に学びたいと思ったら必ず大丈夫にしてやるよと、そういうメッセージを発してもらいたいなと思います。
#102
○副大臣(高橋千秋君) おとといの予算委員会でも私がその答弁をさせていただいたものですから。
 外交儀礼上そういうのをしないというのはもう申し上げたとおりなんですけれども、実は今朝アフリカの大使が代表で、十か国の代表が来られました。その中で、今二十四か国の救援隊が日本に既に入られて、今トルコとイスラエルが宮城県で活動しているんですけれども、南アフリカ共和国も二十五日まで現地に入っていただいて活動していただきました。大変意志の高いチームでして、二十五名ほど来たんですけれども、自らテントを持ってきて、自分たちで食事も作って、残念ながら生存者を救命することはできなかったんですが、亡くなられた方の捜索もやっていただきました。
 そのときに、あるトピックとして、彼らが非常に一生懸命やってくれるものですから地域の方々が大変感謝をしたと。自分たちが食事を作っているんですけれども、外務省の人間がやはり野菜も食べてほしいということで何とかしようとしたんですが、ないんですね。ところが、地域の店へ行ったときに、南アフリカの救援隊が一生懸命やってくれているというのを見ていたものですから、何か奥の方から野菜を出してきてくれて、是非食べさせてくれというような話もあったというような、非常に温まるような話もありました。
 今日、その十か国の中のある大使から、先生が言われたようなそういう受け入れる用意もあるぞというような話もありました。そういうこともありますので、今後、外交儀礼上そういうところには書かないということなんですけれども、非常に私は、こういうマイナスの部分をプラスにする意味では先生の御提案というのは大変いい案だと思いますし、是非、今後も日本の若者がそういう触れ合った国々へ留学するようなチャンスがあれば私は積極的に進めていくべきだろうと思いますし、今後の課題として、先生の意見として伺いたいと思います。
#103
○猪口邦子君 副大臣、ありがとうございます。
 国会答弁を通じて一歩一歩こうして何か発展していくということは議員として大変うれしいものでございますので、お伝えさせていただきました。ありがとうございます。
   〔理事榛葉賀津也君退席、委員長着席〕
 それで、次ですけれども、国家安全保障会議についてはかねてから提案しておりまして、さきの予算委員会でもこれを是非常設、定例型で設置してもらいたいと。実は、昨年秋の臨時国会において、十月十四日、予算委員会でやはり提案いたしまして、そのときは菅総理おいでで、前向きな御答弁をいただきました。その進捗具合についてもそのとき伺いましたので大体理解しておりますけれども、改めて、外務大臣おいでですので、防衛大臣も一緒に聞いていていつもくださるんですが、お伝えしたいと思うんですね。
 まず四つの提案ということで、メンバー、これ常任大臣を六者で私は提案しておりまして、総理、官房長官、外務、防衛、財務大臣、そして海保を持つ国交大臣と。今までの案で、四案というのと、あと全体で、内閣法の九条指定大臣というのがありまして、それで九人なんですけれども、そういういろんな考えがありますが、今これでどうかと。それで、必要に応じてその他の大臣も非常任のメンバーとして構成員とすると。
 それから二番目には、常設にすると。常設にしないと会議の招集そのものがニュースになる、そして危機や緊張感をエスカレートさせかねない、それでかえってもう開けないということにもなりますから、メッセージ性がないように常設にしておくと。
 そして、週二回ぐらいで定例会議方式がベストで、総理プラス五大臣の日程調整は非常に事務方も不可能に近いと思いますので、閣議の前後ぐらいはどうですかという一案でございますね。このような常設、定例会議であれば、例えば今回の大震災のとき、先ほど松本大臣にお伝えした、各省大臣、自分はこれからパリに行くと、何を発信してもらいたいかという話だって聞きやすかったと思いますし、また皆さんも伝えやすかったんだと思います。
 そして第四に、設置形態としては、関係閣僚会議というのはもう非常にたくさん今の時代あるんですけれども、そういうものではなくて、設置の根拠が、各省は大臣をそこに出すわけですから、時間拘束で、ですから設置の根拠がもっと重い形にしないとなかなか難しいので、これは立法かあるいは閣議決定かで、そういうふうにやっていただきたいと。
 是非、外務大臣と防衛大臣にお考えを伺います。
#104
○国務大臣(松本剛明君) まず外務大臣として申し上げれば、昨年の十二月に策定された防衛大綱において、我が国の国家安全保障について官邸が司令塔として適切に機能することが重要であるという観点から、安全保障会議を含む安全保障に関する内閣の組織、機能、体制等を検証した上で、首相官邸に国家安全保障に関し関係閣僚間の政策調整と内閣総理大臣への助言を行う組織を設置すると、こういう文言を入れさせていただきました。先生にはこの文言の意味するところはもう十二分に御理解をいただいておるところではないかと、こういうふうに思っております。
 このことを踏まえて、二月の二十五日に国家安全保障に関する内閣機能強化のための検討チーム会合というのを開催をして、検討を進めていくということになっておるところでありますけれども、現在のところ、これを検討すべきチームと震災対応に当たっているチームとがかなり重なっておるのが実態でありまして、もちろん国の安全保障の仕事と震災対応は同時並行的に行わなければいけないということはそのとおりでありますけれども、こういった新たな検討という意味では、その後、ちょっと具体的にいつ検討会議が行われたかということは私も承知をしていないところでございます。
 また、安全保障に関する内閣機能の強化ということについてはこれまでも累次にわたって議論がなされてきておりますし、かつての野党の民主党の中でもそういった議論が行われてきて、私もそういった議論にも加わってきた記憶もありますので、是非ともこれをやはり実現に向けて努力をしていく必要があるんではないかというふうに思いますが、現段階では政府としてはまずはこれまでの機能を検証をしていると、こういう段階でございます。
#105
○猪口邦子君 そう言っている間にもいろいろなことが起こりますよ。やっぱり国際社会もそう安定しているわけではなく、例えばこういう定例のものがあれば、リビア情勢、今であれば、これがどうかという分析の共有など、これは閣僚間でも進みます。それから、直接の所管を越えてその知見がそのメンバーの間に共有されるということは、今後何かに対処をしなきゃならないときに非常に有益だと思いますね。
 予算委員会では、財務大臣はイギリスのキャメロンさんの考え方、財務大臣もメンバーなのでそれがいいというふうにもおっしゃっていたんですね、御意見として。私の考えでは、当然我が国は経済国家ですから、また、財政がどういう裏打ちができるかというのは何をやるにも大事ですから、やっぱり財務大臣を含めると。それから、海保がそういう設置になっているということについて、また海洋国家、我が国としてすごい大事だと。最小のまずメンバーでそこをきちっとやっていくという、それであとは非常任でというふうに提案してございますので、よろしく御検討をお願いできればと思います。
 次に、常任、非常任というと普通は国連の安保理のことを思い出しちゃうんですけれども、国連の安保理改革、これ、日本が常任理事国になるというような考え方が以前あって、いろいろ努力してなかなかうまくいかないと。それで、我が国が世界の安全保障問題について議論に恒常的に参画できることを可能にする国連改革、これをやはり推進すべきであると私は考えるんですね。
 非常任理事国の選挙も大変だし、また、連続してずっとなれるというわけでもないし、そうしますと、これだけ民主主義国第二位の経済であり、非常に重要な役割を果たす我が国がその討議の場に参画全くできないと。国連ですと、廊下で、出てきた人に何の話だったと、大使たちは廊下トンビをやらなきゃならないという、その悲哀があるんだと思いますよ。
 ですから、やはりこれほどの国家ですから、そして我が国は被爆国であり、軍縮・不拡散、時代の大きな課題となっている、そしてまた原子力の平和利用について大きな知見で発言できる立場にあると、そういう国として恒常的に安保理に参画できるような国連改革を推進する、そのような戦略外交を私は求めますが、大臣のお考えを伺います。
#106
○国務大臣(松本剛明君) 猪口先生おっしゃったように、恒常的に我が国が国連の安保理に席を持つことができるということは是非とも実現をしたいということは、私も何度か国連の安保理に足を運んで痛感をいたしました。実際に私自身、昨年は御案内のとおり日本は理事国でございました。昨年出席をいたしましたら、こうやって席に着いて話をすることができます。今年二月に私は参りました。既に理事を外れておりました。ここどころか、もっとはるか後ろの方にしか座れないというのが現実でありますし、また、本当の内容ということになれば、まさに先ほどおっしゃったように、議論をしていた方から聞くしかないというような内容になっております。
 他方で、現実の戦略としては、近いところでは二〇〇五年にやはり当時の政府が大変御苦労いただいて、大変なチャレンジをしていただいて一つの大きな機運が盛り上がったわけでありますけれども、結果としては、先生もよく御存じの国連の複雑な関係の中から一つも新しいことができずに動かなかったということだというふうに思っております。
 今回、私自身も、この半年間国連も担当する副大臣としていろんな国と接し、また国連にも行ってまいりましたが、やはり創設されてから六十五年間、国際社会の構図が大きく変わったという中で安保理の姿が当時のままだということ、これはやはり国際社会の平和と安全に主要な責任を負っている安保理が現在の国際社会を反映をしたものになるべきではないか、こういう意見には多くの皆さんに御賛同をいただいています。そのことが効果も高めるし正統性も高めるのではないかと、こういうことを申し上げてまいりましたが、こういう主張そのものも恐らく歴代の積み重ねの結果だというふうに思っております。
 課題は、ここまでは一致するわけでありますが、ここから先の運び方というものについては様々なトライと戦略が必要になってくるだろうというふうに思っています。現段階では、私自身が出席をしました二月に、四か国での外相会談を基に是非ともこの総会期中に一定の何らかの具体的な成果が出せるようにということで一致をいたしまして、今各国に様々な形で働きかけを行っているというのが今の状況でございます。
#107
○猪口邦子君 ありがとうございます。
 私は先ほどの発言で日本も常任理事国になるべきでしょうと、こういう表現はしませんでしたよね。恒常的に議論に参画できるというような改革と。そこにはいろんなパターンがあり得るということですね、例えば拒否権の問題の処理とかですね。そこは是非、こういう時代だからこそ、外務大臣には大きな視野で日本の希望、そしてこの最悪の苦労と被害、悲劇の中でも国際社会の中で存在感のある、また自分の経験に基づいた発信ができ貢献もできる国として日本を認めてほしいというような発信をやり、また戦略的にも、例えば中国は戦略的互恵と。互恵というからには、中国にとっての重要案件、日本にとっての国益事項、これお互いの余り差し障りのない範囲で積極的に優先的にどんどん進めようというような話もして、日本にとっての優先事項として、今お伝えした恒常的に討議へ参画できるようなということを伝えてもらいたいなと思います。
 次に、国際情勢、広く見ると中東の民主化というのは大きな課題ですね。ですから、安保理であったらこういう話がたくさんあるわけですけれども。今回の一月のチュニジアから始まります民主化の流れは、スローガンとして雇用、自由、尊厳、こういうことを掲げて、最初に雇用が来るということですね。
 今、私は大臣に考えてもらいたいことは中東の民主化。リビアの情勢はまた非常に大事で、対応としては我が国はもうポジションをつくってきてくれたんですけれども、チュニジア、エジプトその他、民主化を辛うじて遂げ、安定化の見通しは不透明でいろいろな混乱もあり得るというときに我が国としてどういう支援をするのかと、こういう国に対してですね。そういうところには、まずミドルクラスがきちっと成長しているかと。民主主義を担う中間層とあと経済の発展を担う中間層、これを構築することが我が国の経験としてこの国を成功に導いたと。
 やっぱり外務大臣の発言において、発信においては、この国が困難の中遂げたことで、もしかしてあなた様に役に立つかしらという立論が常に効果的で、中東の国々は、まさに資源もない国がどうやって民主主義国としての二位の経済へと発展したかと。一位はアメリカで有資源国、日本は無資源国と。そういう経験から、どういうことがあっても必ずあなたの国は発展できるというようなメッセージとともに、どういう今後の支援するイメージといいますか、そういうことをまた考える余裕があるよう是非時間の管理もしていただいて、先ほどの国連改革、中東の民主化に対して日本はどう向き合うのか、そこに現に今も暮らす人々、その人たちとどう向き合って日本はその支援者であり得るのかということを考える大臣であってほしいというのが私の願いなんですね。
 お考え、伺いたいと思います。
#108
○国務大臣(松本剛明君) 私自身も三月九日に拝命をした以上は責任を持って対応しなければいけないと、このように思っております。
 経験そのものは副大臣時代でありますけれども、今年の一月にアフリカ連合のやはり総会に先立つ閣僚会合に出席をさせていただきましたが、やはりその際の各国大臣との会談、そして一月はエチオピアで行われるんですが、エチオピアにおける日本の支援の現状などを拝見をさせていただいたときに、まさに先生がおっしゃったように、エチオピアにおいてもまだほとんど製造業が根付いていない中で、既存の自動車を、何というんでしょうか、改造するような工場において掛かっている標語はカイゼンなんですね。JICAの皆さんが中心になられて日本のそういった方法というのを実際にこれまで日本の自動車工場で働いているシニアの方々が行かれて伝えておられて、言わばそこのメーカーはもう既にエチオピアにおいてブランドになっているというような話がありました。
 様々な分野で、今エチオピアでは大統領もカイゼンを進めよと号令を掛けていただいているような状況でありまして、まさに中間層がこれからできつつあろうというような大きな支援になっているという成功事例というか、まだ実際の結果はこれからでありますけれども、入口としてはいい形で進みつつあるんではないかというふうに思います。
 私自身もそれを見てまいりましたし、是非日本のこれまでの、いわゆるソフトパワーの分野に入ると思いますが、人を介してのそういったソフトパワーというのを有効に活用するような形でこれから各国との連携を強めていき、まさに先生がおっしゃったように、今経済協力という言葉を使っていますけれども、これは最終的にはまさに双方にとってウイン・ウインということなんだということをうまく伝えられると同時に実際にもそういう形に持っていきたいと、こう思っております。
#109
○猪口邦子君 是非お願いします。
 時間もちょっとなくなってきているんですけれども、国際機関といえば、やはりこの震災についてはIAEAの役割というのが非常に重要で、事務局長も我が国から出ていますし、大使経験者でいらっしゃいます。
 今回のこの危機から立ち直るときに、先ほど、まだ生かしていく手前の段階にあると、いろいろな知見を生かしていく手前の段階であるというお話、大臣されましたけれども、IAEAのような信頼される中立的な機関を通じて、原子力の平和利用についてのどういう覚悟が必要か、どういう注意点が必要か、どういうふうに万全な安全策を取るのか、危機管理はやるのか、そういう知識についてやっぱり共有していくという姿勢、これが大事だと思います。フランスと二国間で、バイでそういうのを共有していくというのもありますけれども、やはりIAEAを通じて今回の本当に苦しい経験を、まずは管理を、原発事故の制御をきちっとやることが最優先ですけれども、そこから来る知見を多くの国々と共有する、その考えを持ちながら日々を歩んでいっていただきたいと思います。
 そのときには、ローテクのことですね、例えばバックアップ電源はどうするとかそういうことも、まさに日本の今のこの中でこそ意識も強くあり私たちは知っているわけですから、その全てをIAEAにお伝えして、原発に頼らざるを得ない国もたくさんありますので、そういうところの指導に生かしてもらうというのはいかがでしょう。
#110
○国務大臣(松本剛明君) 是非そのように取り組んでまいりたいと、このように思っております。
 お話がありましたように、事務局長、今、日本人でございます。中立的な立場でしっかりと取り組んでいただいているわけでありますけれども、私どもにとりましてはやはりコミュニケーションがしっかり取れる事務局長ということで、しっかりとIAEAとは連携を深めてまいりたいと思っております。
 情報提供という意味でも、もちろん冒頭にもお話がありましたが、広く私どもとしては海外についてはメディア、そして各国政府には情報提供をさせていただいていますが、おっしゃったように、IAEAはやはりその権威、知見、両面でしっかり連携をしなければいけない相手として重点的な情報提供先だという認識を持って取り組んでまいりたいと思っております。
#111
○猪口邦子君 では、時間となりましたので終わりますけれども、北澤大臣には、武器輸出三原則について、これを分野ごとに閣議決定で見直していくというようなことを提案したいと思っておりまして、また今後の議論の中でさせていただきます。また、水中監視能力の強化については一定の成果が見られたと評価申し上げさせていただきます。また、普天間移設問題につきましては、やはり2プラス2の会合の構造が、御存じのとおりのベリフィケーション、バリデーションができたというところでしか開催できない構造になっていますので、是非ここまで一生懸命進めていただきたくお願いして、私の質問を終わります。
 委員長、ありがとうございました。
#112
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 北澤大臣、御苦労さまでございます。
 まず、防衛省の通達問題についてお伺いしたいと思います。
 委員会の前の先ほどの理事会で、新たな通達を出されると小川副大臣の方から説明を受けました。新たな通達が発出されるということによって具体的に何がどう変わるんでしょうか。
#113
○国務大臣(北澤俊美君) この件についての議論は相当数多くやってまいったつもりでありますが、その中で常に申し上げてきているのは、私たちの出した次官通達はあくまでも自衛隊員に対して発出をしたという基本線に沿っておりますので、それが一般の国民にも影響を及ぼすのではないかというような議論が重ねられましたけれども、今回の解決策によってそういうことが払拭されたというふうに思っております。
#114
○山本香苗君 先ほどの小川副大臣の御説明と違うんですが、副大臣、補足していただけませんか。
#115
○副大臣(小川勝也君) 私が理事会で御説明申し上げたのと今の大臣の答弁と意味は変わっておらないと把握しております。
#116
○山本香苗君 具体的に、今回新しい通達を発出するに当たって、やめたことありましたよね。
#117
○副大臣(小川勝也君) 文書課長通達のことでしょうか。
#118
○山本香苗君 その通達に伴う、そちらの方で報告等を求めないという話になりましたよね。
#119
○副大臣(小川勝也君) これは理事会で申し上げましたように、事務次官通達に付随をして同日付けで発しました大臣官房文書課長の事務連絡のことでございまして、これは「各種行事における部外団体を代表して参加された方の御挨拶の概要の提出について(依頼)」、このことについては、もう必要性は終了したとの判断から、新たな通達の発出に際し、これを廃止することを併せて御報告申し上げますと私は述べました。
 これはまさに今申し述べたとおりでございまして、事務次官通達を有効ならしめるというために付随した文書課長の事務連絡でございまして、その提出は今後はしないということになります。
#120
○山本香苗君 では、新たな通達の方につきまして、これを発出するということと問題となった通達を撤回するということは同趣旨だというふうに考えてよろしいでしょうか。
#121
○国務大臣(北澤俊美君) これは与野党で協議をいただいて、岸理事にも大変な御苦労をお掛けしましたが、榛葉理事と中心的になってやっていただいたということでありますが、その大前提としては、礒崎議員と、予算委員会だったと思いますが、私との議論の中で、この次官通達については、撤回を要求されていた自民党側から、撤回をしないで与野党の協議に入るということでこのまとまりが付いたというふうに私は承知をしています。
#122
○山本香苗君 今回の新たな通達が出るまでの間に、今大臣からもお話がありましたとおり、与野党の筆頭理事間でかなり長い時間御尽力をいただいたわけであります。しかしながら、本来であれば、防衛省がというか北澤大臣がもっと早く御決断をされるべきであったのではないかなと思っております。
 この間、国会でも大変大きな問題になりました。自衛隊の方々のみならず、関係団体の皆様方に混乱を与えました。これは事実です。これらのことに対して、是非大臣、真摯に反省をしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
#123
○国務大臣(北澤俊美君) 私どもは、法の定めるところによって、隊員が疑われることのないようにするという気持ちを持ってこの通達を発出しておりますから、私がもっと早く撤回をしろとか、そういうことは全く当たらないわけでありまして、それともう一つ、この解決に至るまでは、今も申し上げたように、国会という大きな場所があるわけでありますから、私と礒崎議員との間の質疑の中から新しい道を模索して今日を迎えたということであります。
 そこで、混乱を招いたと、こういうふうにおっしゃっておられますけれども、我々は、あくまでも隊員に対して発出した文なんでありますから、一般の国民の皆さん方に混乱を惹起させたというような認識は全くないわけでありまして、私どもはそういう意味からしても、この次官通達を撤回をするんではなくて与野党の協議の中で解決をしたいということでその協議に委ねたということであります。
#124
○山本香苗君 今の大臣の御答弁を聞いておりますと、長い時間を掛けて与野党の筆頭間で御努力をいただいたことを台なしにするような御答弁だと思います。
 今日はそのことについて時間を割いているわけにいきませんので、次の質問に移らせていただきます。
 この度の大震災の自衛隊派遣について続けて北澤大臣にお伺いしてまいりたいと思いますが、ちょっと通告はしていなかったんですけれども、昨日の大臣の記者会見で、午前中の、北澤大臣は、福島原発における放射能物質を含んだ水の処理について、一義的には東電中心にやると思うが、自衛隊の力が必要になる合理的な理由があれば積極的に対応していくというふうに述べられて、自衛隊の活用もあり得るという考えを示されたと防衛省のホームページでも確認をさせていただいておりますが、具体的にそうした要請はあるんでしょうか。また、そもそも自衛隊がそうしたことに対処できる能力を今持ち合わせているんでしょうか。
#125
○国務大臣(北澤俊美君) 今回のこの未曽有の地震災害については、自衛隊は全精力を傾注して対応してまいりました。そのことによって国民の皆さん方から大変力強い存在として御認識をいただいたというふうに、私が言うのはいささかどうかと思いますが、そういうふうに認識をいたしております。
 なおまた、この原発の事故というのはどこまで拡大するか計り知れないところがあって、この処理について自衛隊がどういう役割をするかということはまだ決まってはおりません、特にこの水の処理については。しかし、自衛隊はできる限りのことはするというメッセージを発することによって、国民の皆さん方に安心感、そしてまた頼りがいのあるものが存在するということを知っていただくためのメッセージだというふうに御理解いただきたいと思います。
#126
○山本香苗君 大臣がおっしゃるように、指示されれば、命令されれば、黙々と忠実に職務を果たそうと最大限努力されておられると思います。ただ、交代要員も確保が非常に難しいこの専門分野において、また装備もそろっていない厳しい状況があると、そういう中で、任務なんだから当たり前だというような対応はしないでいただいて、しっかりと現実を見た上で対処をしていただきたいと思います。
 先日も、この現場の自衛隊員の、これは原子力災害派遣とは別に、災害派遣の方ですね、こちらの方について、折木統合幕僚長の方からも隊員の疲労はピークに達しているようなお訴えが記者会見であったわけです。そこで、先日の外交防衛委員会におきましても、交代要員を計画的に確保、投入していかなくてはならないけれども、災害派遣が長期化することを見越した具体的な計画はきちんと立てていらっしゃいますかと、また、このまま十万人規模体制を続けていかれるお考えなんですかということを御質問させていただいたんです。そのときに政府参考人の方から、既に具体的に考えておりますけれども、まだ今検討段階と、あるのかないのかよく分からないお答えがありましたので、北澤大臣に再度お考えをお伺いしたいと思います。
#127
○国務大臣(北澤俊美君) それにお答えする前に、今御発言の中に、自衛隊員はどんな危険なところへでも命令さえ出せば出ていくんだというようなことをおっしゃいましたが、私は、自衛隊員が国民のために生命の危険もいとわず職務に精励するという誓約を出しているわけですよ、私自身も今ここに持っておりますけれども。そういう自衛隊員の命を守るという大切な役割が私にあるんであって、今おっしゃったように、自衛隊員は死を覚悟して職務に精励するというのは、覚悟じゃなくて賭して職務に精励するというのは誓って偽りはないわけでありますけれども、あたかも大臣の私がそんなことを強要するなんというようなことを言われることは、私は山本先生とは国土交通委員会の理事なんかでも御一緒していますからよく承知をしておりますが、ただいまのお言葉については私は大変残念だというふうに思います。
 そこで、そこで……
#128
○委員長(佐藤公治君) ちょっと質問の趣旨をもう一回……
#129
○国務大臣(北澤俊美君) 私の答弁が途中で途切れるんですか、委員長。答弁だけさせてください。
#130
○委員長(佐藤公治君) はい、じゃ、どうぞ。
#131
○国務大臣(北澤俊美君) そこで、十万人体制で組んできましたけれども、これはもう中期的、長期的に対応しなきゃいかぬということで、私は二十四日の防衛省の対策会議で私から提案をいたしまして、ローテーションをしっかりやれということで検討に入らせていただいております。
 これは、ただ問題がありまして、今現に避難された方々あるいは被災された方々と対面しながら仕事をやっているところがありますので、隊員が非常に過酷な状況にあってもこの場を離れたくないということを訴えるんですね。そうじゃなくて、あなたたちは長期的にやってもらわなきゃ困るから、あなた方が体を壊しても駄目だよと、こういうことを言いながら説得をしておるわけであります。
 例えば、私が二十八日に松島の基地を視察に行きました。沖縄からも来られた隊が大きなおかまで湯気を出して、いかにも災害地にあって温かい気持ちを醸し出すような、御飯を炊き、みそ汁を炊いてあって、いや、こんなにいいものができたのか、ほっとしましたねという話ししたら、実は幹部から、いや、これは隊員には渡らないんですと、全部外部の人に与えて、隊員はまだこの時点では冷たい飯を食っておりますと、こういう話でありました。
 私は、そういうところからすれば、非常に疲労の極にある隊員がスムーズに交代をしていく、今、山本委員が言われたようなことは自衛隊としてしっかり取り組みたいというふうに思っております。
#132
○山本香苗君 大臣に申し上げますが、質問したことにお答えいただきたいのと、こちらが言ったことを曲解しないでいただきたいと思います。
 自衛隊派遣の規模等については、前回、大臣がおられないときに小川副大臣の方から御答弁もありまして、災害対策本部との調整が必要だといったような御趣旨の御答弁がございました。
 今日は災害対策本部の方からも来ていただいているんですが、災対本部で自衛隊の災害派遣、今後どうしていくかといった議論はなされているんでしょうか。
#133
○政府参考人(福浦裕介君) 今回の東北地方太平洋沖地震に対しましては、自衛隊から三月二十九日現在におきまして約十万七千人が派遣されております。災害発生直後から、人命救助や行方不明者の捜索のみならず、緊急物資の輸送や給水支援など被災者の生活支援を実施いただいております。派遣規模につきましては、被災者に対する救援活動の状況を総合的に勘案し、関係機関とも連携しつつ、今後の状況を見ながら緊急災害対策本部において議論されるものと考えております。
 以上でございます。
#134
○山本香苗君 しっかりと防衛省の意見を聞いていただいてそれを決めていっていただきたいと思います。
 参事官、ここで退席していただいて大丈夫です、お忙しいので。
#135
○委員長(佐藤公治君) よろしいですか。
 じゃ、福浦参事官はこれで退席していただいて結構でございますので。
#136
○山本香苗君 今回の東日本大震災の被災地で活動する自衛隊員に対して支給する諸手当について、支給額を現行よりそれぞれ引き上げる方針を固めたという報道がございました。
 被災地で活動しておられる自衛隊員の皆さん方は、当然のことながら手当云々なんて考えてなくて、国民の皆様方のために一生懸命頑張ろうと日々頑張っておられることだと思いますが、その過酷な任務に少しでも報いるという国の意思というものをしっかりと示すために支給額を引き上げるのは当然のことだと思います。是非その方向で進めていただきたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
#137
○副大臣(小川勝也君) お答えをいたします。
 今大臣からも御紹介がございましたように、隊員は士気も高く、大変過酷な任務に当たっておるところでございます。また、今回の災害は大変大規模でございまして、甚大な被害を広範囲に及ぼしておるところでございます。また、特に捜索救助活動、あるいは御遺体を扱う作業など、大変な任務と承知をいたしておるところでございます。また、とりわけ、未曽有の原子力発電事故で隊員四名が事故で負傷をいたしております。
 このことに勘案をいたしまして、災害派遣手当、そして死体処理手当、支給額を現行よりそれぞれ引き上げる方針を固めておるところでございます。また、このような方向性にのっとりまして、今関係各省と調整を進めておるところでございます。
 この方向性が固まりますれば様々な形で先生あるいは各委員にも御指導いただくことになろうかと思いますので、私からもお願いをさせていただきたいと存じます。
#138
○山本香苗君 次に、在日米軍の今回の共同作戦についてお伺いしたいと思うんですが、現在、在日米軍が総力を挙げて、文字どおり友達として我が国へと支援を続けてくれています。ただ、あくまで米軍は日本政府の要請に応じて支援を行うという形になっております。
 そこで、今後、日本政府として次の三点をアメリカ側に要請したらどうかということを提案させていただきたいと思います。これは岡崎研究所の特別研究員の小谷哲男さんのアイデアで、我が党の災害対策本部を通じて官邸の方に要請しております。是非前向きな御答弁をお願いしたいと思うんですが、まず一点目です。
 第三一海兵遠征部隊、第三一MEUの有効活用です。この部隊は米軍の中でも最も即応能力と自己完結能力が優れており、二十日には最も被害の大きかった宮城沖に移動して人道支援の活動を始めていると伺っております。しかし、小谷さんいわく、これまでのところ有効活用がなされていないと。
 この三一MEUには最も被害が大きく救援物資が届いていない地域への輸送を担ってもらうとともに、負傷者や感染症患者、揚陸艦又は空母内での医療施設で治療してもらうといった場合に有効活用したらどうかという提案なんですが、いかがでしょうか。
#139
○国務大臣(北澤俊美君) 大変いい御提案であります。
 そういう意味では、現に既に二千人、あそこは、三一は二千人規模でありますから二千人を投入して、揚陸艦のエセックスによって救援物資の輸送やそれから仙台空港の瓦れきの除去、こういうことを支援していただいて大変大きな成果を上げていただいております。
 また一方で、クリーンアップ作戦というのをこの三一海兵遠征隊が自ら編み出して、仙台を中心に各学校、小学校、中学の清掃活動をしていただいておるということも御承知おきいただければ有り難いと思います。
#140
○山本香苗君 もう既に活動をされていることは承知しているんですが、より有効な機能を生かす活用をというお願いでございます。
 二点目につきましては、統合戦時捕虜行方不明者調査隊、JPACと言われるそうなんですが、この派遣依頼をしたらどうかということです。これは戦争で行方不明になったアメリカ人について調査をする国防総省の機関で、法医学の専門家が集まっており、遺体について記録して身元を確認して、遺体を適切に取り扱うということができるそうなんです。インド洋の大津波でもJPACは派遣された実績があると伺いました。
 被災地では現在、既に多くの御遺体の取扱いというのが大きな課題となっているわけでございます。この点でもアメリカの協力が何らかの形で得られればと思うんですが、御提案してみたらいかがでしょうか。
#141
○大臣政務官(広田一君) 御答弁申し上げます。
 今回の未曽有の大災害におきまして喫緊かつ重要な課題の一つが、御指摘にございました御遺体の取扱いについてでございます。この御遺体の取扱いにつきましては、北澤大臣の方から、人命救助と同等に、同じように尊敬と尊厳を持って行うように、そういった御指示があり、今隊員はその思いを持ってこの御遺体の収容等の取組をしているところでございます。昨日までにも御遺体の収容といたしましては約四千四百体収容をしているところでございまして、現時点でも約一万七千名の方が行方不明でございます。
 そして今後、瓦れきの撤去等が本格化をいたします。そうしますと、それに伴いまして御遺体の収容や取扱いの数が増えることが予想されるわけでございまして、こういった現状の中、山本理事の御提案でございますけれども、この御遺体の取扱いについては、まず第一義的には自治体であるとか警察機関が中心となって今行っているところでございますけれども、防衛省・自衛隊につきましても、関係機関と協議をしつつ、御提案のございましたJPAC等が持っている有用な能力等々について、またその協力などにつきまして米軍との調整、要請を含めた必要な協力を最大限に行っていきたいと思っております。
#142
○山本香苗君 死生観とか文化の違いというのもあるのかもしれないんですけれども、だからそう簡単にはいかないとは思うんですが、何らかの協力ができるということもお考えいただいて、是非御検討いただきたいと思います。
 三点目でありますが、先ほども病院船の話出ていましたけど、米海軍はマーシーとコンフォートという二隻の病院船を保有していて、それぞれ六万九千三百六十トン、十二の手術室、一千床のベッド、CTスキャン、薬局、眼科、歯科などを備えて、完全に自立した病院として被災地近くの洋上で機能することができると。また、大型軍用ヘリが離発着できるということで、ヘリで患者を搬送することもできると。
 マーシーというのは西海岸に配備されていて、先ほどのインド洋大津波の後に被災地に派遣されて、半年にわたる展開の間に一万人以上の患者の治療を行ったというふうに伺っておりますが、日本政府からこのマーシーの三陸沖への派遣要請はまだ来ていないということなんですけれども、すぐにでも派遣を要請したらいかがでしょうか。
#143
○大臣政務官(広田一君) 御答弁申し上げます。
 今回の災害におきましても、御指摘のように、この医療支援というのは大変大きな課題だというふうに認識をいたしております。現在、自衛隊の方も約一万人の方々に対しまして、被災者の診療や巡回診療を行ってきたところでございます。今、震災発生から二十日が経過をしまして、医療面でのニーズといったものが、被災者への緊急的な応急措置といったものから在宅高齢者への巡回診療や国内の高度医療を提供できる病院への転院、こういった長期的、高度な医療に対するニーズが増加をしているというふうに認識をいたしているところでございます。
 そういった中、先ほど御紹介がございました病院船マーシーが持っている能力等々について私たちも十分踏まえた上で、引き続き米軍とどういった協力が可能であるのか御提案も含めて検討して、まず第一に何よりも被災者のためになる医療活動といったものを全力で行っていきたいと思っております。
#144
○山本香苗君 マーシーが命令を受けてから三陸沖まで来るのに約一か月ぐらい掛かるそうなんです。ですから、早く要請をしていただきたいと思うんです。といいますのも、今ライフラインの復旧が進んできてはいるとはいえ、厳しいこの寒さ、気象条件の下で、被災者の健康問題というのが物すごい深刻な問題になってきているわけです。
 そもそも、遠隔地にじゃ移動させようかといったって、元々平時でさえも受入先を見付けるのが難しかったわけで、急患ならいいけど長期という話になるとなかなか見付からないという状況も現地から伺っております。こうした状況の中で病院船って大きな役割を果たすわけで、我が国は持っておりませんが、是非前向きに早く結論を出して要請していただきたいと思います。
 ちょっとそれで、先ほど浜田先生から御質問もありましたけど、病院船のことですね。
 中国の話で、私も中国が日中外相会談で病院船の派遣について申し出ていたということは報道で知ったんですけど、昨日中国大使がそのことを記者会見で明らかにしていました。中国の病院船については、その能力については諸説があって、どうかとも思うところもあるんですけれども、二万トン前後ぐらいで、ベッドも三百から六百床ぐらいはあるんじゃないかと。ヘリも搭載しているので、港湾に横付けしなくてもヘリで患者を搬送することができるそうなんです。
 さっき、松本大臣は申出を断っちゃいないという話でありましたけれども、であれば、中国大使にその旨をお伝えされたんでしょうか。受け入れる作業は進んでいるんでしょうか、進んでいないんでしょうか。どこまで進んでいるんでしょうか。進めているんだったら、ちゃんと進めていますよということを伝えるのが礼儀じゃないでしょうか。
#145
○国務大臣(松本剛明君) 再三お話をさせていただいてきているんですけど、支援については大変有り難いと思いつつ、具体的にどこでどのように受け入れるかということになってまいります。
 病院船、これにつきましても、今、もちろん病院船そのものについても情報が必要だというお話もありましたけれども、同時に、私どもも、政府としても様々な医療支援ニーズをお聞きをしておりますし、私自身もたまたま同級生などで東北の大学病院などで医師をしている方もいて、直接情報も取ったりして政府の情報ともチェックをまたするようにもしております。
 そういう意味では、むしろ医療を必要として、また病院での医療を必要としている方々というのは、現実に各地の被災地域の病院が全部いっぱいかというと実は必ずしもそうではなくて、むしろガソリンがないために本来の慢性疾患で恒常的に来るべき患者さんが来れていないことが心配だとか、そういうことも起こったりしているというのが実情なわけですね。
 そういう中で、我々も各地でいろんな方々にも話を聞いて、必要なのは新たな大掛かりな医療部隊、若しくは病院に代わるようなもの、新しい施設が必要なのか、それとも被災地を具体的に回って情報をもらうのが必要なのか、それとも医療ニーズがある方々を受入れ可能な幾つかの医療施設があるところへ運ぶことが重要なのか、様々なニーズが地域によってある中で、今率直に申し上げたら、具体的に病院船を、限られた港湾を空けて、若しくは先ほどヘリコプターだから可能だと言いましたけれども、現実問題としてはやはりどこかの港に近づけないことにはなかなか実際の運用は難しいと思いますけれども。
 といったようなニーズとか、今の段階では率直に申し上げてニーズがマッチしていないという状況の中で、我々としては支援としては大変有り難いので、今後マッチしていく可能性も含めて御相談をさせていただいているというふうに中国側とは理解をしておりまして、先ほどもお話がありました、記者会見ですので、私どももその報道には接しております。
 そういう意味では、私どもと更にコミュニケーションが必要であるとすれば外交ルートとしてしっかりお話をしたいと、こういうふうに思っております。
#146
○山本香苗君 断るにも礼儀があると思うんですね。しっかりとその辺りの対応をやっていただきたいと思います。
 あと少ししか残っていませんので、海外メディアの対応をちょっと松本大臣にお伺いしたいと思うんですが、今回の震災対応等について、松本大臣というか内閣官房から来ていただいているんですけど、今回の震災対応等について対外情報発信力を強化するために、先ほどお話がありましたとおり、三月の二十一日から官邸で外国記者向けの英語での記者会見が行われていると伺っておりますが、現状はどうなっていますか。
#147
○政府参考人(別府充彦君) 今回の震災につきまして、今おっしゃられたように、海外への情報発信を強化するということでは、二十一日からほぼ毎日、官邸の会見室で、国際担当の内閣広報官がおります、その下で関係各省担当者を集めまして、要はその日の政府からの情報を取りまとめて、まとめて外国人記者向けの記者会見を実施しているということでございまして、大体毎回十名から二十名、主要メディアの外国人記者が参加しているという状況になっております。
#148
○山本香苗君 先日の報道番組で福山官房副長官が、記者会見も英語でやるようになったと、海外との認識の溝を早く埋めたいというような発言をされておられましたけど、ただ単に英語でやるというだけなら外務省のブリーフィングと一緒なんですよ。
 官邸から海外メディアへ情報発信するということによってどういうふうに強化されたのか、それまでの外務省のブリーフィングとどこがどう違うのか教えていただきたいと思います。
#149
○政府参考人(別府充彦君) まず一つは、これまで外務省の方もフォーリン・プレスセンターでやっておりますけれども、そして、そのときにできるだけ関係各省も集めておりましたけれども、なかなか全省庁取りまとめてやることが難しいということもございまして、私どもの方で行う場合には、関係省庁、今は大体八省庁ぐらいになっておりますけれども、そこを全部まとめて、とにかく要はいろんなところでばらばらに発信するのではなくて全体の情報をまとめて一括してやると。かつ、官房長官会見につきましても、これは今同時通訳もやるようにしておりますけれども、さらにその簡潔なブリーフをまず最初に行って全体像をきちんと御説明した上でやるという、そういうやり方で発信を強化したいと思っております。
#150
○山本香苗君 情報発信も大事なんですけれども、その報道ぶりをフォローして適宜反論するなり対応することも大事だと思うんです。
 これは従来から外務省、在外公館等を通じて、外務省本体ももちろんやりますけれども、やっていると思うんですが、今回はどうされていますか。
#151
○副大臣(高橋千秋君) 海外メディアのフォローにつきましては外務省の外務報道官組織が、在外公館がとらえたいろいろな情報も含めて、その報告も含めて、外国報道機関による報道ぶりを把握をしております。中にはやはりかなり誇張したものや事実でないような報道があったりして、そういうものにつきましては適宜削除を含め抗議をするなり、こちらの意見をもう一度載せるような形の申入れをさせていただいております。特に福島第一原子力発電所の状況については今後もこうした対応を行っていくとともに、国際社会に対して引き続き、最大限の透明性、そして正確性が大変重要なことだろうというふうに思いますので、迅速な情報発信に努めていきたいと思っております。
#152
○山本香苗君 今言った外務省がやっているような取組、それは官邸と情報共有なされていますか。
#153
○副大臣(高橋千秋君) 当然、これは官邸の方と情報共有をしながらやらさせていただいております。
#154
○山本香苗君 しっかりそこをやっていただかないと。というのも、情報発信する際、相手、つまり海外メディアがどういうところに関心を持っているのか、報道ぶりどうなっているのかというところを踏まえてやることが重要だと思うんです。そうでないと、ただ形だけ整えて日本と同じようなトーンでやっていたら同じ事実も違うように報道されてしまうわけで、しっかりとそこを踏まえてやっていただきたいと思います。今、様々、食品まで輸入が制限されるような動きも出てきていて、その原因の一つにはこの海外メディアの報道ぶりもあると思うんです。しっかりとタイムリーかつ正確に分かりやすく海外への情報発信を行っていただきたいと思います。
 そして、あと一分で外務大臣にうんと言っていただいて終わりたいんですが、昨年十月の二十一日に前大臣からハーグ条約について、幅広くいろんな方々の御意見を賜りたいという答弁をいただいたんですね。その後に、実際、当事者となる方々がもう勇気を奮い起こして当事者の会をつくられたんです。これはもう報道もされていますし、民主党の中で会合も取られています。しかし、伺ったところによりますと、外務省から意見聞きたいといったアプローチは一切ないと。これ、どういったことなんだろうと。
 是非、外務省から、きちんと当事者の声を聞きたいというんだったらそういうところへ自分たちからアプローチしていくような、御紹介申し上げますけれども、しっかり意見を聞いていただきたいということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#155
○国務大臣(松本剛明君) 実際に、当時の副大臣だった私と山花大臣政務官が担当して、手分けしていろんな方の話を聞き、まさに今先生おっしゃったように、当事者の方は、何というんでしょうか、もう政務官が一対一でなり個別にお会いをするとか場所を変えてお会いをするとかいうようなことも御希望があればさせていただく中で、いろいろ意見を聞かせていただいている中で、もちろん全ての関係者の方々の御意見が聞けているわけではないんですが、特に、賛成の方はもとより、反対というんでしょうか、御意見のある方の話を聞いた上でやらなければいけないと、こう考えておりますし、本来この条約は国民のやはりためになるものでなければならないと思っておりますので、そういった意味で、この条約によって不利益若しくはマイナスがあるとおっしゃっている方の御意見はしっかり聞きたいというふうに思っております。
 今、その御連絡がないという方が、また一つの特定の団体であるとすれば、別途また御連絡取らせていただいて、どういう形で意見が聞けるのか。ただ、当事者の御意見を聞くということは既に我々としては、ひょっとしたらそこと重ならなかったのかもしれませんけど、進めているということは御報告させていただけると思います。
#156
○小熊慎司君 外務省、防衛省におかれましては、両大臣を始めとして関係各位に、震災対応に連日、不眠不休で御精励されていますことにまず感謝を申し上げる次第であります。
 私も地元福島県ということで、あちこち被災地を見て回っておりますけれども、昨日はどうしても寝れなくて、夜中散歩しておりまして、繁華街の方に行きますと、そこでは若者たちがお酒を飲んだりしていて楽しくしている姿を見ると、同じ日本でありながらというふうに自分の気持ちの中で整理が付かないわけでありますけれども、さりながら、やはり日常の経済活動というものをしっかりしていかなければ日本全体が駄目になってしまうということであります。
 そういった中におきまして、従来議論をされてきましたTPPやEPA、またFTA等による経済連携についてお聞きをいたします。
 東北においては、生産額は日本のGDPに占める割合というのは八%ほどではありますけれども、今回の震災におきまして、これは二次的に、三次的に、間接的に大きな影響をこれ日本経済に及ぼしているというふうに認識をしているところでもあります。
 こうした震災を踏まえて、やはりこれまでの取組とは、またとらえ方とは違う視点で取り組んでいかなければならないというふうに思っておりますけれども、こうした経済外交全般に関して、この震災後、今後どのように取り組んでいくのかお聞きをいたします。
#157
○国務大臣(松本剛明君) 委員まさにおっしゃったように、まだまだ進行中のところ、そして、実際に被災された方々でまだ安否が確認をされていない方々もおられる状況でありますから、そのことにまず第一に取り組むことを大前提としつつ、おっしゃったように復旧復興というのも考えていかなければいけないと、こう考えております。その意味では、経済復興というのは大変重要な課題ではなかろうかというふうに思います。
 私自身も、阪神・淡路の大震災のときは、当時の青年会議所の方々が中心になって、バイ神戸、つまり神戸に物を送ってくれたり支援をしてくれたりするのもいいけれども、神戸のものを買ってくれと、そういう形で応援をしてくれという運動をされて、これが非常に広まったことをよく記憶をいたしております。スタートの時点ではもちろん支援が必要だろうというふうに思いますけれども、被災から立ち上がろうとしている方々には、やはり経済活動の中に一緒に活動していくということが大変重要ではないかと、こういうふうに考えております。
 その意味で、これまで経済外交ということで、経済連携、そして食料、エネルギーの確保、またインフラパッケージの輸出、さらには観光であるとかジャパン・ブランドの発信というふうに経済の分野も幅を広げながら推進をしてきたところでありますけれども、まず経済連携につきましては、これによって本質的に日本の経済が強くなる方向で連携を結んでいきたい。したがって、連携の内容、形についてはしっかりと皆さんとも議論をしなければいけない。この機会に本当に強い農業も進めていきたいと、こういうことでさせていただいたわけで、まさに復興という中で、これは政府の閣僚からも申し上げていますけど、新しい日本をつくっていくという中でこの経済連携というのがどういうふうに位置付けられていくのかと、そういう視点から議論をしなければいけないと思いますし、インフラパッケージについては、やはり原子力安全ということを一度強化をしないと、その部分の議論というのはしっかりすることがやはり、何というか、必ず付いてくる話にはなってきていると、こういうふうに思います。
 食料とか資源の確保は、逆に引き続き更に重要なテーマになってくると思いますし、その他一つ一つ申し上げると時間が掛かりますのであれですけど、今回の事態を踏まえていくことをしっかりとしていきながら、大きな方針としては、国力を高める、経済を活性化させるということはむしろ一層に必要になっていると。具体の方法とかテーマとか選択についてはまたしっかりと見据えて議論していきたいと、これが今の私どもの考え方であります。
#158
○小熊慎司君 御承知のとおり、我が党は、TPPに関しての賛否をここで論じるつもりはありませんが、協力的な推進の立場を取っておりましたが、今回の震災においてのこの被害の状況、また、とりわけ福島におきましては原発事故に対する様々な風評被害という目に見えない影響が出ております。そうしたものをしっかりと、これ背景は変わったわけでありますので、しっかりとしたその状況をとらえていただいて、日本経済のためにしっかりと取り組んでいただくことをお願いを申し上げます。
 さらに、国際原子力開発についてお伺いしますけれども、まずこの原発事故を踏まえて、既に受注が決まっている案件もございますが、こうしたものに対して相手国とのやり取りの中でどういったものが変化を生じているのか、対応がどのように取っておられるのかをお聞きいたします。
#159
○副大臣(高橋千秋君) 今般の震災を受けて、福島第一原発の事故については、先ほどからいろいろお話出ておりますように、目下全力を挙げて対応中でございますので、確定的なことを申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、原子力というのは、我が国を含む国際社会において重要なエネルギー源だということは認識されております。
   〔委員長退席、理事榛葉賀津也君着席〕
 今般の事故を教訓として、国際協力を含む原子力安全面での対策を一層強化しなければならないというのは、今日のこの委員会の中でも何度も出ておりますけれども、一方で、既に日本の企業が受注契約を締結している原子力の資機材等の移転という問題につきましては、アメリカなんかでも今二十八基、十八プロジェクトあるんですけれども、この中でも幾つかの日本企業が受注を既に受けておりますが、こういうものにつきましては、原子力の平和利用等の確保に関する政府間の枠組みの下で、我が国及び相手国の関係企業の間で締結された当該契約に従って進められるものと認識をしております。
#160
○小熊慎司君 この震災前は原子力開発商戦などといって、国際競争取り組んでいくべきだというような、こういう風潮があったわけでもありますけれども、やっぱりこの震災、そして原発事故後は大きく世の中の雰囲気も風潮も変わったというふうに思っておりますし、私も福島県会議員時代は、これは当時のことを思い出せば、共産党さん以外はすべからく容認か推進をしていた、それで知事が替わってからプルサーマルもゴーサインを出したという状況にありますが、私自身もまたこの震災後、地元県会議員といろいろお話をさせていただきますと、やはり原子力発電所に関する見解というか心情的なものの変化というのは、もう百八十度変わっているところであります。
 これはいろんな、この競争の激しい国際経済の中で日本が勝ち抜いていくという意味でも、この原子力の開発競争というものにどう取り組んでいくかというものは、これは一〇〇%否定をしていいのかどうかというのは私もまだ答えは出しておりませんが、これは少なからず、日本全体がどう決着を、折り合いを付けるかというか、もう一度仕切り直しをする必要があるというふうに思っております。
 そういった意味においては、まだ事故は収束はしておりませんので事故の収束することがまず大前提ではありますが、ここはTPPと同じですけれども、背景が変わっているということにおいてはしっかりとこの取組についてもう一度一から検証し直していただきたいというふうに思っております。
 そこで、あわせて、次に原発事故にかかわる風評被害についてでありますけれども、今ほど大臣の中でバイ神戸という事例も出されましたが、まだ事故は収束はしていませんけれども、私の地元の会津はもう原発から百キロぐらい離れているんですが、会津においても観光客が来ない、農産物が売れない、非常に深刻な状況でもあります。また、福島県ということだけではなくて、海外においてはもう日本の製品そのものが輸出を控えられたり、また輸入を拒否されているようなところも聞こえておりますが、こうした状況を外務省としては具体的にどのように把握しているか、お示しをいただきたいと思います。
#161
○副大臣(高橋千秋君) 現時点では、輸出額の減額等、数字について正確に影響をまだ把握をするというところまでは至っておりませんけれども、今回の事故を受けまして、放射線関連の検査、それから規制を強化するなどの措置をとり始めている国が出ているというのは事実だろうと思います。
 その中に確かに風評被害のようなものがあると思うんですけれども、外務省としてはこうした各国の措置の調査に加えて、風評被害を回避するために、輸出入を含む日本の経済活動の円滑な実施を確保するため、在京の大使館、先ほども何度も話が出ておりますが、毎日ブリーフィングを十三日から連日やっておるんですが、この中でも情報提供、それから説明、それから在外公館を通じた情報発信とか、様々な手を通じてこの風評被害をなるべく少なくするための働きかけを各国にやっております。
   〔理事榛葉賀津也君退席、委員長着席〕
 実際に、今回の震災で、この原発とは関係ないかも分かりませんけれども、震災に遭ったところの工場でいろいろな部品ができないということで、これは東北だけではなくて、私の地元でも自動車関連の工場が、全然被害を受けていないんですが、部品が入らないということであと二週間ほど再開に掛かるとか、様々な影響が出ているのも事実でございまして、今後、政府も一体となってこのサプライチェーンをどうやって回復していくのか、こういうことも考えていかなきゃなりませんが、その中に、外務省としても、海外へのこの風評被害を減らすなどの努力も含めて必要な貢献を行っていきたいというふうに思っておりまして、諸外国に対して日本の復旧復興の進捗を積極的に発信する役割を外務省としてはやっていきたいというふうに思っております。
#162
○小熊慎司君 一昨日の予算委員会でもお示しをしましたが、福島県内においては、食べ物ではなくて電子部品とかプラスチック成形の金型とかまで拒否をされていると。これは県の商工労働部という所管する部署とお話をしましたけれども、ここまで安全保証をもししなければならないとなれば、工場のちり一つ全部調べてやっていかなきゃいけないという大変な作業になってくるわけですね。
 やはりこの風評被害というのは、間違った事実、若しくは事実がないから想像の中で推測をしてしまって騒いでしまうというところがありますから、これは政府全体でしっかりとした情報を開示していく、情報を収集していくということと同時に、誤解を理解に変えていく、各国に関してはこれはやっぱり外務省にとっての大きな役割だというふうに思っています。
 安全なものはしっかりと安全だよと、データとしてはこうだということをしっかりと、これは地道な努力になってくるかもしれませんが、これはしっかり外務省としてこの日本の安全性といったものを地道に忍耐強く訴えていっていただきたいということと同時に、何回も申し上げましたが、先ほど大臣がバイ神戸の話をしていただきましたが、もうもはや福島という言葉は、我々もチェルノブイリとかスリーマイルという言葉はもうずっと誰でも知っているんですよ。具体的にどこにあるかは知らない人が多いと思います。福島も同じ、そのチェルノブイリ、スリーマイルと同じ、同列の名前になってしまいました。これを信頼を回復するということは本当に並大抵のことではありませんし、膨大な時間が掛かるというふうに思います。
 そういう意味では、世界に発信していくという意味ではその役割を外務省が大きく担っているというふうに思いますので、この日本ブランド、福島ブランドの信頼回復のために、是非、外務省一丸となって取り組んでいただくことをお願いを申したいと思いますが、一応見解をお伺いします。
#163
○国務大臣(松本剛明君) もうこれはおっしゃるとおりだろうと思っております。
 先ほど海外メディアとかについてもお話があったわけですが、今回も私どもも各国から様々な措置がとられた場合には、速やかに改めてどういう根拠に基づくどういう内容なのかということの言わば調査を掛けて、具体的な根拠若しくは内容について申し上げられることがあればどんどん申入れをするという形で取らせていただいております。
 今、小熊先生が福島のお話なので、福島にとっては必ずしもプラス、マイナスない話ですけれども、例えばある国は具体的に特定の県を挙げて輸入の一時停止というのを取っているんですけど、福島、栃木、群馬、茨城、千葉、愛媛、埼玉、東京、神奈川なんですけれども、なぜか愛媛が入っているとか、いろんなケースがありまして、福島を始めとしても、どういう根拠でどういう基準でじゃ取っているのかということも含めて我々としてはしっかり申入れをしていきたいと思っております。
 同時に、やはり、日本ではじゃどういう基準でやっているとか、どういう証明がじゃ可能なのかとかというボールも返ってくるわけでありますので、既に各省の連携スタートをさせていただいておりますけれども、先日、私自身も関係の各省の方々ともお話をして、必要があればこのレベルも上げて各省の連携も強化をしてしっかり対応していくということ、まさにこれも先ほどから小熊先生がおっしゃっていただいているような経済活動に大きく影響のある案件でありますので、そういう自覚で取り組んでいきたいと、このように思っております。
#164
○小熊慎司君 これも長い取組になると思いますので、是非よろしくお願いをいたします。
 次に、防衛省・自衛隊のことについてでありますけれども、この震災においては自衛隊も被災者でもあります。航空自衛隊松島基地も浸水をし、そしてまた二名の自衛隊員の死亡、そして一名の行方不明、家族においては、陸海空合わせて約百六十名の方が家族においてお亡くなりになっている。そういった中でも、この震災そして原発事故に、この二つの対応をしていただいていることには深く感謝と、そしてまた亡くなられた方々にはお悔やみを申し上げる次第であります。
 今も種々ほかの委員からもお話ありましたけれども、およそ半分近くの隊員が今、東北方面、この被災地に行っておられるわけでありますけれども、徐々に回復していく部分、そして原発事故に関してはまだ先が見えないというところがあります。当面はこの十万六千、七千という部隊を展開しているということは変わりはないという言葉もありましたが、それではどういう形でこの規模の変化、縮小、こうなったからそこはもう地元の復興に任せるんだ、力に任せるんだということになっていくのか。原発の部分は、これはまた広がればまた新たな対応ということになってきますので、普通のこの震災の部分に関してどういう基準で配置を換えていくのかということとですね。
 ちょっと時間がない。併せてやってしまいますが、先ほど病院船の話もありましたが、予算委員会でも聞きましたけれども、自主避難地域において、明確なものではありませんが、南相馬市の地元市長さんに聞くと、在宅の要介護者というのは多ければ五百名ぐらいいると。これはバスでは運べない。もし病院船が来たとしても、そこまでどうやって運ぶんだという話があるんです。救急車だったら一台で一人しか運べません。急に自主避難から避難ということになれば、これ何百名の方、病院船であろうとほかの地区にであろうと、運ぶのが大変なわけですね。地元のお医者さん、医療関係者に聞くと、やはり一番できるのは自衛隊の皆さんじゃないかと。救護車とかそういうものを使ってそういう寝たきりの方々を運ぶしかないんじゃないかと。
 具体的支援をすると官房長官は言って、言ったときには実はそういうことはシミュレーションできてなきゃいけないんですね、掛け声だけじゃなくて。じゃ、具体的支援って何なんだというところで、結局予算委員会では明確な答弁はいただけなかったんですが、これは自衛隊にもう頼むしかないというような思いでお聞きするんですが、そういった部分についての対応というものをどう考えておられるのかお聞きいたします。
#165
○副大臣(小川勝也君) まず最初の問いからお答えをさせていただきたいと存じます。
 隊員にきっちりと休養を取らせるようにという御指摘もいただきました。そして、ローテーションはしっかり進んでいるのかという御指摘もいただいてまいりました。十万六千人の規模、大変な数字でございますし、また、この委員会でも全ての皆様が御承知をいただいていると思いますけれども、フェーズが刻々と変化をいたしております。救命、救難、それから具体的な生活の支援、あるいは給水、給食、入浴の支援、瓦れきの処理、そして御指摘の原子力災害に対する派遣、様々な多くの任務を抱えております。
 そして、これは全て自衛隊だけでどこに何人ということを決めるわけにはまいりません。刻々と部隊、少しずつ変化をさせておりますけれども、最終的には、政府の中にも防衛省・自衛隊からも委員を派遣をして、政府全体として何をやらなければならないのかというニーズから部隊の配置転換やローテーションをやっているところでございます。
 今御指摘の福島県につきましては、委員からも御指摘をいただいておりますとおり、津波、地震の災害と同時に原子力災害も抱えておることでございますので、政府の中でも特段の重要な地域としてしっかりと目くばせをしていくという方針の下、防衛省もしっかり対処していく所存でございます。すなわち規模縮小ということを、今の時点で方向性が決まっているわけでもありませんし、考えているわけではないことを御理解をいただければというふうに思っております。
 そして、二つ目の問いでございますが、これまでも避難対象区域、それから自主避難区域、それぞれの支援をさせていただいてまいったところでもございます。また、自衛隊に様々な観点から頼むという情報も寄せられてきているところでございます。しかしながら、医師が必要な方、あるいは保健師、介護士、介護の方々が必要な方、あるいは消防の方が適な場合、そういうことを全て勘案をいたしまして、最終的には自治体の調整の下、自衛隊にということであれば、十二分に準備も用意もさせていただいておるところでございます。
#166
○小熊慎司君 済みません、時間経過しているんですが、更に一点だけ。
 遺体収容の話もありましたが、実はその二十キロ圏内、捜せないんじゃなくて、もうそこにあるということが分かっている御遺体があります。やはり、私の会津でも百四十三年前の歴史にこだわるというのは、これは死体片付けられなかったからなんですね。浪江町の町長さんとも話しましたけれども、避難するときに港近くに何百という御遺体を見たというんです。これから春先になってくれば腐乱が進むと思います。今のうちに何とか、そういうミッションはないのかもしれませんけれども、その見えている分だけでも御遺体の収容を是非自衛隊で御検討いただいて、危険地域でありますので、隊員に、先ほど大臣も命をみすみす捨てるようなことは、そんなことは命令していないというのはありましたが、それを踏まえてなお、御遺族の気持ち、そしてまた被災に遭われた方々の気持ちをしんしゃくをいただいて御検討をお願いしたい。
#167
○委員長(佐藤公治君) 時間が来ておりますので。北澤防衛大臣。
#168
○国務大臣(北澤俊美君) ある意味、国民の皆さん方にも大変なメッセージになると思いますので、あらかじめ調査をさせていただきましたことを、委員長、申し訳ありませんが、ちょっと答弁をさせていただきます。
 浪江町の請戸港に御遺体が野ざらしにされているかということでありますが、福島第一原発の周辺について、現地で遺体があるといううわさがある、原子力保安院から聞き取った現地対策本部の話であります。
 これに対して、他方、警察も福島第一原発の近傍においては放射線量との関係でほとんど活動を行っておらず、詳細な現状については把握していないと聞いている、これは警察からの聞き取りでございます。
 警察は、御遺体についての具体的な通報があれば現場に行くこととしているが、放射線量との関係で対応が限定される。具体的には、二十五日に請戸港において、二十七日に大熊町において、それぞれ一体の御遺体を発見したとの通報を受けた警察が現場に赴いたが、放射線量が高かったため搬送ができなかった、これは警察からの聞き取りであります。
 浪江町から御遺体に関して何らかの依頼が来ているのかということについてでありますが、三月二十六日に財務省の吉田政務官が現地視察を実施された際に各市町村から様々な要望が挙げられ、浪江町からは遺体収容に関して何らかの対策を講じてほしい旨の要請があったとのこと、これは現地対策本部、LOからの聞き取りであります。
 なお、浪江町から第一二旅団に対しては、町内の遺体収容についての要請は現在のところ来ていないということでございます。
#169
○山内徳信君 私からも一言、今の小熊先生の最後の質問について北澤防衛大臣にお願いを申し上げたいと思います。
 今の質問を聞いておりまして、戦争直後、沖縄の人々、死体とか遺骨とかそういう収集から始まりました。したがいまして、いっぱいやることがございますが、是非今の質問に、北澤防衛大臣、自衛隊の隊員の皆さん方あるいはその他の皆さん方のお力も借りて是非遺体の収容を一日も早く終わることができますことを、遺族の皆さん方あるいは地域の皆さん方は心から望んでおると思います。よろしくお願いいたします。
 さて、私は今日は最初の質問は、これは前回、大臣がお見えになったときにやろうと思って準備をしておりました。副大臣が来られましたから、これはそのときは質問せずに、北澤大臣がいらっしゃるときに是非質問したいと思っておりました。
 平成二十三年度以降に係る防衛計画の大綱、すなわち新防衛大綱及び中期防衛力整備計画、新中期防を私は何回も読みました。熟読したつもりであります。そして思うことは、基盤的防衛構想から動的防衛力への転換が強調されております。これは日本の防衛計画の大きな変化であり、平和国家を築いてきた日本の将来を危惧するものであります。これが単なる杞憂で終わることを私は願っております。
 そこで質問の第一は、我が国の安全保障の基本理念の項目の中に憲法前文、憲法前文といいますと、日本は政府の行為によって再び戦争はしないという決意のことを指します。憲法前文と憲法九条が全く触れられていない理由は何でしょうか、そのことをお伺いいたします。
#170
○国務大臣(北澤俊美君) 新大綱について熟読をしていただいたということで大変有り難いことでありますが、恒久平和を念願することをうたった憲法の前文や、戦争放棄、戦力不保持等に関する規定を置く憲法第九条について、個別に記載はしておりません。
 しかし、もとよりこれを踏まえて、日本国憲法の下で専守防衛に徹すること、一つは。それから二つ目が、他国に脅威を与えるような軍事大国とならないこと。こういう我が国防衛の基本方針を引き続き堅持することを明記しておるわけでありまして、憲法の前文とそれから九条の戦争放棄のことは書いてございませんけれども、それを集約して、専守防衛に徹すること、それから他国に脅威を与えるような軍事大国とならないこと、こういうふうに基本方針の中に書き込んであります。
#171
○山内徳信君 私がなぜ大臣がいらっしゃるときに質問したいかと思っていた気持ちを少し申し上げますと、私と大臣は戦前世代です。したがいまして、戦前の日本軍隊とかアジア太平洋戦争についても、幼かったとはいえ、私たちはその時代を生きてきた人間同士であります。したがいまして、あえて北澤防衛大臣にこの基本的な質問を申し上げておるところであります。
 次に進めてまいります。
 日本国憲法の平和主義の精神は、大綱や中期防のどこで担保されておりますか。今大臣は専守防衛とおっしゃいましたが、私としては、専守防衛が次第次第にやはり幅を広げて動き始めておる、そういう危機感さえ感ずるわけでございます。そこで、改めて防衛大臣にもこのことをお伺いしておきたいと思います。
#172
○国務大臣(北澤俊美君) それでは、もう熟読をされておりますので重ねて申し上げるようなことになろうかと思いますが、新大綱における記述は、我が国は、日本国憲法の下、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とならないとの基本理念に従い、文民統制を確保し、非核三原則を守りつつ、節度ある防衛力を整備するとの我が国防衛の基本方針を引き続き堅持する。また一方、中期防における記述でございますが、平成二十三年度から二十七年度までの防衛力整備に当たっては、平成二十三年度以降に係る防衛計画の大綱に従い、即応性、機動性、柔軟性、持続性及び多目的性に備え、軍事技術水準の動向を踏まえた高度な技術力と情報能力に支えられた動的防衛力を構築するため、以下を計画の基本として、防衛力の整備、維持及び運用を効果的かつ効率的に行うこととすると、こういう記述になっております。
 前段、委員がおっしゃられました、世代を同じくする私は、終戦のときに小学校一年生でありました。度々こういう場で申し上げておりますが、毎日のように、何々ちゃんのお兄ちゃんが亡くなった、何々ちゃんのお父さんは白木の箱が届けられたということを体験をしてきております。その後、共に成長してきましたけれども、その後の彼らの家族そして本人たちの努力にもかかわらず、なかなかその努力が報いられない中で大変な苦労をされた友人も十分承知をいたしておりますので、その点については全く気持ちを一にしておるというふうに思っております。
#173
○山内徳信君 次は、三番目に移ります。
 日本は平和憲法の下で戦後六十六年間他国と戦争をせずに、平和国家、経済国家、人権尊重の国家として国際社会からも高く評価されてきました。防衛大臣、外務大臣に、日本の憲法にうたわれている平和主義を貫く決意をお伺いしておきたいと思います。外務大臣からどうぞ。
#174
○国務大臣(松本剛明君) 決意はできておるということを是非お伝えをしたいというふうに思っております。
 憲法の重要な柱、根幹とも言える柱だというのが平和主義でありますし、戦後日本の発展を支えた大きな方針であるというふうに私どもも考えております。その重要性に対する国民の確信によりしっかりと支えられていると考えているところであります。
 また、平和がもたらす恩恵を日本国民はもとより世界の人々が享受できるようにするために、国際社会の安定に資する外交を進めてまいりたいと、このように考えております。
 私ども民主党の中でも、これまでも憲法についても様々な議論をしてまいりました。この憲法に対する態度については必ずしも民主党の考え方と山内先生の考え方とは一致をしない部分もあろうかというふうに思いますが、憲法の議論においても、平和主義というものをしっかりと維持、堅持をしていくと、この部分については揺るがない部分としてあるというふうに私どもは考えておりますし、現在私は閣僚として、この日本国憲法の下、しっかりとこのことは堅持していきたいということを改めて申し上げたいと思います。
#175
○国務大臣(北澤俊美君) 山内委員の平和を希求する気持ちは共有しておるつもりであります。また、六十六年間我が国が一度も戦争をしない、戦火の中で国民の一人も命を落とさなかったということは国際的にも高く評価されるところでありまして、ただ、私は今防衛大臣という立場で一定の軍事力を保有しておるわけでありますが、これはあくまでも我が国が戦争をしないための抑止の実力集団としての建前をしっかり守っていくと、そういう気持ちであります。
#176
○山内徳信君 両大臣の憲法認識を私は肝に銘じて大事にしておきたいと思います。ありがとうございました。
 次は、この度の東日本における地震、津波、原発の三重苦は未曽有の経験で人知をはるかに超えるものであり、人々は地獄の底に突き落とされました。この痛み、この悲しみ、この苦しさを、日本国民は自らの痛みと心を一つにして立ち上がっております。日本国民だけではありません。国際社会からも復旧復興支援の手が差し伸べられております。
 その復興資金には何十兆という莫大な財源を必要とします。この際、政府は思いやり予算や沖縄における米軍へ提供する辺野古新基地建設計画や高江におけるヘリパッド建設計画を中止され、その財源を災害復興、被災者の生活再建に回すべきであると私は考えております。それが真の日米友好同盟であると考えます。そのための対米交渉に入るべきであると思います。両大臣の決意をお伺いしておきたいと思います。
 これだけの国難、災難をアメリカも知っておりますから、是非このことは日本政府側から対米交渉して、このことをやはり円満に収めていくことが日米友好関係になると思っております。その理由はまたあしたも申し上げたいと思いますが、まずお気持ちを伺っておきたいと思います。
#177
○国務大臣(松本剛明君) おっしゃったように、未曽有の災害であり国難であり、またその対策を最優先にしなければいけない課題だという認識は私どもも全く同様の認識であります。そして同時に、しかし今、お話がありましたように、立ち上がっていくためには経済も必要であるという議論も先ほどありました。そして、私どもとしては、経済繁栄を支えるために、やはり国の平和と安全を守っていく安全保障はしっかりと進めていかなければいけないと、このように考えておるわけであります。
 私どもを取り巻く安全保障環境というものに思いを致したときに、やはり日米同盟、在日米軍のプレゼンスというのは必要であると、そういう考え方から、引き続き在日米軍駐留経費の負担の特別協定については国会の承認をお願いをしたいということで、まさに今衆議院の方で審議をお願いをさせていただいているところであります。
 このHNS協定につきましては、我が国の防衛の義務を負っている在日米軍に関する協定であると、同時にまた地域の平和と安定に貢献する我が国の戦略的な寄与であるというふうに考えておりまして、主権国家としての我が国の判断としてこの特別協定を結ぶべきだという判断に基づいて締結をし、現在国会の承認を諮っていると、こう考えておりますので、これについて現在再交渉を米国とするということは考えておりません。
 この協定を通して、米国の抑止力を維持しつつ、沖縄を始めとする地元の負担軽減を実現するべく、普天間飛行場の移設、北部訓練場の過半の返還を着実に進めていくように努力をしてまいりたいと、このように思っております。
#178
○国務大臣(北澤俊美君) 主管大臣である外務大臣が今るる答弁をされました。内閣の一員として、また防衛大臣として、全く同じ認識であるということで答弁をさせていただきます。
#179
○山内徳信君 今両大臣から御答弁をいただきました。あと三分ありますから二分ほど申し上げたいと思います。
 私は、二十五日の委員会でも少し外務大臣に申し上げたかと思いますが、アメリカの下院の軍事委員会小委員会は公聴会を開いたんです。既に外務省、防衛省はその情報は取っておると思います。
 ハワイ州出身の下院議員が、グアム協定とかグアム移転とか、もうそういうふうなのは、東日本のあの大震災が起こってそういうことはやはり難しくなってきたなと、莫大な費用が掛かるんで、それはそういうグアム移転だとか基地を造るとかそういうふうに回す余裕はないだろうという趣旨の質問が、問題提起がされておるんです。そういう状況の中に、私は日本のアメリカとの交渉の非常にふがいなさをいつも感ずるんです。
 ですから、私は先般もあの爆音訴訟の質問もいたしました。そして、時間があればあしたもやりますが、はね飛ばしておいて、防衛省に入っていると思いますよ、アメリカ関係者が。そして、公務中だったという理由の下に、また第一次裁判権をやはりアメリカがやると、こう言っておりますね。爆音訴訟の分担金は七五%分担しないのに、そういう人権問題になるとさっさと自分たちで裁判をやって有利な判決を出してきたのがアメリカなんです。
 それはここに置いておいて、やはりこれだけの災難に遭って、そして何十兆という予算が掛かるんです、北澤さん。私がなぜあえてそういうことを申し上げるかといいますと、沖縄は四次にわたって振興開発計画のお世話になりました。政府が出したお金は約九兆とも言われておるんです。ところが、今回の被災地域とかあるいは救援を、救済しなければいかない被災者とかそれは、沖縄の復帰後のそういう国が投資したお金の比ではないんですよ。
 本当に日本国民を、思われておると思いますが、日本国民を思うならば、アメリカに対しても、やはりこの際はこの問題はこういうふうにしていきましょうという内部検討ぐらいはやりましょうというのが両大臣のお気持ちでなければいかぬのじゃないかと、そういう思いで私は今申し上げておるわけであります。
 是非、突っぱねる形で答弁されておられましたが、やはり両大臣に改めてお願いしたいのは、その財源を今回の、日本の歴史上初めての体験ですよ、そこに回していただけないのかなと、こういう心を込めての一人の参議院議員としてのお願いであるわけです。それが血の通った政治ではないのかと、こういうことを申し上げたいわけであります。
 以上です。
#180
○委員長(佐藤公治君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#181
○委員長(佐藤公治君) 次に、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とヨルダン・ハシェミット王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオランダ王国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び日本国の自衛隊とオーストラリア国防軍との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とオーストラリア政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。松本外務大臣。
#182
○国務大臣(松本剛明君) ただいま議題となりました原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とヨルダン・ハシェミット王国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 政府は、平成二十二年六月以来、ヨルダンとの間でこの協定の交渉を行いました。その結果、同年九月十日にアンマンにおいて、我が方在ヨルダン臨時代理大使と先方ヨルダン原子力委員会委員長との間でこの協定の署名を行った次第であります。
 この協定は、原子力の平和的利用に関する我が国とヨルダンとの間の協力のための法的枠組みを提供するものであり、核物質等の平和的非爆発目的利用、国際原子力機関による保障措置の適用、核物質防護措置の実施等につき定めております。
 この協定の締結により、両国間で移転される原子力関連資機材等の平和的利用が法的に確保されるとともに、これら資機材等の長期間にわたる安定的な移転の確保に資することが期待されます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とスイスとの間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 政府は、平成二十年十一月以来、スイスとの間で現行の租税条約を改正する議定書の交渉を行いました。その結果、平成二十二年五月二十一日にベルンにおいて、我が方在スイス大使と先方財務大臣との間でこの議定書の署名を行った次第であります。
 この議定書は、現行の租税条約を部分的に改正するものであり、投資所得に対する源泉地国課税を更に減免するとともに、条約の特典の濫用を防止するための規定、税務当局間の租税に関する情報交換のための規定等を設けることとしています。
 この議定書の締結により、我が国とスイスとの間での課税権の調整が一層効果的に行われるとともに、租税に関する情報交換が行われることになり、両国間の人的交流及び経済的交流の促進並びに国際的な脱税及び租税回避行為の防止に資することが期待されます。
 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオランダ王国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 政府は、平成十六年六月以来、オランダとの間で現行の租税条約に代わる新たな租税条約を締結するための交渉を行いました。その結果、平成二十二年八月二十五日に東京において、我が方外務副大臣と先方駐日大使との間でこの条約の署名を行った次第であります。
 この条約は、現行の租税条約を全面的に改正するものであり、投資所得に対する源泉地国課税を更に減免するとともに、条約の特典の濫用を防止するための規定等を設けることとしています。
 この条約の締結により、脱税及び租税回避行為を防止しつつ、我が国とオランダとの間での課税権の調整が一層効果的に行われることになり、両国間の人的交流及び経済的交流が一層促進されることが期待されます。
 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。
 最後に、日本国の自衛隊とオーストラリア国防軍との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とオーストラリア政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。
 政府は、平成二十二年三月以来、オーストラリアとの間でこの協定の交渉を行いました。その結果、同年五月十九日に東京において、我が方岡田外務大臣と先方国防大臣との間でこの協定の署名を行った次第であります。
 この協定は、我が国とオーストラリアとの間で、共同訓練、国際連合平和維持活動、人道的な国際救援活動、大規模災害への対処のための活動等のために必要な物品又は役務を我が国自衛隊とオーストラリア国防軍との間において相互に提供することに関する基本的な条件を定めるものであります。
 この協定の締結により、我が国自衛隊とオーストラリア国防軍との間の緊密な協力を促進し、もって国際連合を中心とした国際平和のための努力を始めとする国際的な協力に寄与することが期待されます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 以上四件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
#183
○委員長(佐藤公治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 四件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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