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2011/05/17 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 外交防衛委員会 第8号
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2011/05/17 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 外交防衛委員会 第8号

#1
第177回国会 外交防衛委員会 第8号
平成二十三年五月十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐藤 公治君
    理 事
                榛葉賀津也君
                谷岡 郁子君
                岸  信夫君
                佐藤 正久君
                山本 香苗君
    委 員
                石井  一君
                小川 勝也君
                大野 元裕君
                北澤 俊美君
                徳永 久志君
                広田  一君
                猪口 邦子君
                宇都 隆史君
                島尻安伊子君
                浜田 和幸君
                山口那津男君
                小熊 慎司君
                舛添 要一君
                山内 徳信君
   国務大臣
       外務大臣     松本 剛明君
       防衛大臣     北澤 俊美君
   副大臣
       外務副大臣    高橋 千秋君
       財務副大臣    五十嵐文彦君
       防衛副大臣    小川 勝也君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  徳永 久志君
       経済産業大臣政
       務官       中山 義活君
       防衛大臣政務官  広田  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        矢嶋 定則君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       滝本 純生君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        安藤 久佳君
       観光庁次長    武藤  浩君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (北方領土問題に関する件)
 (福島第一原子力発電所事故への対処に関する
 件)
 (中東情勢に関する件)
 (普天間飛行場移設問題に関する件)
 (南西地域の防衛に関する件)
 (外国政府等による土地取得に関する件)
 (国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条
 約に関する件)
 (ODA予算に関する件)
○社会保障に関する日本国とブラジル連邦共和国
 との間の協定の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
○社会保障に関する日本国とスイス連邦との間の
 協定の締結について承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)
○日本国とインド共和国との間の包括的経済連携
 協定の締結について承認を求めるの件(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(佐藤公治君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として総務大臣官房審議官滝本純生君外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(佐藤公治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(佐藤公治君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○大野元裕君 おはようございます。
 松本大臣におかれましては、アメリカ等の御訪問、本当に御苦労さまでございました。また、以前からお願いをしておりましたサウジアラビアのジャナドリアにつきましての御配慮、心より感謝を申し上げます。
 さて、今日は、日本の東日本大震災に際しての外交の在り方について改めて検証をさせていただきたいと思いますが、その前に一つだけお聞きをしたいことがございます。
 報道によりますと、ロシアの副首相が択捉、国後を訪問され、千島列島の開発計画について協議をしたとの報道があります。震災後の我が国の極めて厳しい状況の中での固有の領土に対するかかる外交姿勢は、第二次世界大戦終結のどさくさを利用したロシアの火事場泥棒的なやり方の再現かと私は思っておりますけれども、こういったこと、ロシアに対して申入れをするだけではなくて、海外に対しても現時点で我が国はしっかりとPRをするべきではないかと思いますが、これにつきましての大臣の御所見を賜りたいと思います。
#6
○国務大臣(松本剛明君) 既に対外的にも御報告を申し上げておるところでありますが、イワノフ・ロシア副首相の十五日の北方領土訪問については十六日の朝、私からベールイ駐日ロシア大使に対して、このような訪問は、北方領土問題に関する我が国の原則的立場と相入れないこと、また、我が国国民の感情を傷つけるものであることを申し述べ、受け入れられないとして遺憾の意を表明をするとともに、このような訪問を繰り返さないように求めたところでございます。
 今、先生が国際社会の理解ということでお話がございました。領土問題は、基本的には二国間で解決すべき問題で、これまでの両国間の諸文書、諸合意及び法と正義に基づいてロシア側との間で粘り強い交渉を通じて解決を図るというのが政府の方針であり、この方針は変わりはありませんが、同時に、おっしゃったように、北方領土問題については、これまでの日ロ間の交渉の経緯、北方領土問題に関する我が国の立場などについて諸外国の理解を得ることは大変重要だというふうに私どもも考えております。これまでも努めてきたところでありますけれども、今後ともしっかり行ってまいりたいと、このように考えております。
#7
○大野元裕君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 さて、被災地、被災地支援、そして福島のお話を是非させていただきたいんですが、自衛隊の高い使命感、そして我が国の政府の一団となっての懸命の努力に関しまして、被災地、被災者支援に対する取組、評価をさせていただきたいと思いますが、特に日米間の協力は、この分野についても極めて重要であったと感じております。
 この今回のアメリカ側の協力、日米との協力関係というのは、日米同盟についてのみならず、近隣諸国に対し、あるいは世界に対しアピールするという外交的、戦略的な効果も伴っていたというふうに個人的には理解をしておりますが、我が方外交当局、外務省としてどういう御見解をお持ちか、お伺いしたいと思います。
#8
○国務大臣(松本剛明君) 私どもとしても、この大震災発災以降、ある意味では、とにかく必死で何とか震災対応を行いたいという思いでありましたし、また、大震災の状況をつぶさに見た米国側も、まさに何とかしなければいけないという純粋な気持ちで支援をいただいたものと、この意図としてはそのようなものだと考えておりますが、結果として、関係者の大きな御努力もあって、まさに今委員がおっしゃったように、極めて歴史的な、そして大きな幅広い日米関係の協力ができたというふうには私どもも考えております。
 私自身としても、日米同盟について、まさに内外によく理解をしていただく、その意義と、そして、日米の同盟が言わば本気になったときに大変大きな効果を発揮をするということをある意味では示したということでは、今お話があったようなものではないかと、このように思っております。
 実際に幅広い協力が行われたことはもう既に先生の御案内のとおりですので、個別具体的なことは一つ一つは申し上げませんけれども、これからもその意味で日米同盟がアジア太平洋地域のみならず、世界の安定と繁栄のための共有財産という位置付けで有効に機能することが大変重要だと考えておりまして、今回の日米協力も踏まえて幅広い日米同盟を深化、深めていきたいと、このように考えております。
#9
○大野元裕君 ありがとうございます。
 その一方で、我が国がアメリカに対し、あるいはその協調関係について、先ほど大臣がおっしゃいました純粋なお気持ちの御協力、どのような形で進められていたか、個別にお伺いをしたいと思います。
 十五日付けの朝日新聞によりますと、福島第一原発の問題に関して、アメリカ側からの積極的な働きかけにもかかわらず、十七日午前の自衛隊ヘリによる放水までアメリカ政府は本件に対する我が国の姿勢に疑問を抱いていたという報道がありました。アメリカのポネマン・エネルギー省副長官も、最初の数日については何が起きているか明確さを欠き、極めて困惑する事態だったと述べておられます。
 この原発問題に関して、当初のものも含めて、結果としてはアメリカの全面的な協力を得られたと思いますけれども、一連の日米間の連絡・協調体制について振り返ってどのように評価をされますでしょうか。
#10
○国務大臣(松本剛明君) 協調そのものについては、発災当日に私もルース大使とお話をさせていただきましたし、極めて早い段階から日米での連携というのはスタートをしていたということは申し上げられると、このように思っております。
 他方で、今も御指摘がありましたが、日米間というよりも、やはり発災直後、これまでの防災の準備も含めて、私どもも防災に備えてきたことに基づいて進めていたわけではありますけれども、既に幾つかの面で、私どもの、何というんでしょうか、実質的な準備も、また計画的な意味での準備というか備えという意味でも、これを超えた災害であったことは率直に申し上げれば事実でありまして、臨機応変にその場で対応をしていた部分があろうかというふうに思いますが、連携が特に米国との間では緊密であるだけに、幾つかのチャンネルが複数同時に動いたりとか、そのようなことがあったのではないかということは、今後落ち着いてきた段階では今後の対策に生かすべきこととしてあるかもしれないというふうには考えております。
 ただ、たしか、私の正確な記憶は今ありませんけれども、比較的地震発災直後に、今まさにおっしゃったように、まだ幾つかの情報が混乱をしているのではないかといったようなことが、クリントン長官がたしか記者会見で聞かれて、災害が発生をした直後に一%もというか僅かも混乱をしていないようなことというのはあり得ないことであるけれどもというようなことをおっしゃっておられまして、基本的な意味での連携というのはできていたのではないかと。ただ、一つ一つを申し上げれば改善をすべき点があったのではないか。
 特に、原子力発電所の事故については、三月二十二日以降、日米の関係者が一堂に会する形で定期的な協議を開始したというのも、まさに一本化、一元化するということがやはり重要ではないかということの整理の結果としてそのように行ったと、このように考えております。
#11
○大野元裕君 ありがとうございます。率直な御評価だと思っております。
 その一方で、我が国の立場とアメリカ側の措置との若干そごがあったというか、結果として違ったものに関して様々な報道をなされた問題として、いわゆる退避区域の扱いがございました。
 アメリカにおきましては、環境省が定める十マイルという措置を超えて、五十マイルを日本に在留する米国人の退避の措置の対象としたわけですけれども、本件に関して、四月の十二日、アメリカの上院で、原子力規制委員会、NRCのヤツコ委員長が発言をされておられます。その中で彼が述べたのは、当初は日本側の知見のある当局者、責任者との連絡が限られていたためにプラントの状況が極めて不明瞭であった、だからアメリカが独自にRASCALコンピューターを用いて独自の判断をし、五十マイルの退避措置を決定したと、こういうふうに述べておられます。
 やはりこの三月の十六日時点におきましても、日本側との連携あるいはその連絡体制、情報の協調体制というのは現実混乱していたと理解してよろしいんでしょうか。
#12
○国務大臣(松本剛明君) 当局者との連絡が限られておりということでありますが、私どもとして、米国との間で何らかの形で連絡を止めたりといったような意識を持ったことは全くありません。
 ただ、先ほども申し上げましたように、当初の段階で私どもも提供できる情報は全て基本的には提供するという姿勢は政府としては少なくとも持っていたと、政府としては提供できる情報は提供するという姿勢で臨んでいたというふうに考えておりますが、当初の段階ではかなりやはり、電源が落ちたこともあって、情報が限られていたことは事実ではないかというふうに今の段階で私自身は推測をしております。
 そうなりますと、かなり現場に近いところで言わば感覚である程度の状況を推測をするのと、必ずしも現場にいない方が推測をするのとでは、その状況の認識なり想定される範囲の幅が広くなったり、ある程度絞り込まれたりということに差が出てくるということはあり得るのではないかというふうに思っております。
 御承知のとおり、米国と我が国との措置の対応は、距離については結果としては異なることになったわけでありますが、一方で、先ほど御指摘があったヤツコ委員長自身が、三月三十日の米国の上院歳出委員会エネルギー開発小委員会において、防護的措置は必要に応じて追加的措置をとれると言いつつ、状況が変化する中、おおよそ二十マイルという距離が安全距離であるというような趣旨の御発言もされていると思いますし、またエネルギー省のポネマン副長官は三月十七日に、我が国の措置について疑問はなく適切であると、このようにも述べておるということは併せて御報告をさせていただきたいと思います。
#13
○大野元裕君 先ほどのその二十マイルの発言につきましては三月の二十日時点でございます。先ほど大臣からお話がございました二十二日の時点で日米のしっかりとした協議体制ができたということも承っております。
 しかしながら、その一方で、四月十二日の公聴会における発言で、アメリカ側の措置についてヤツコ委員長はまた若干混乱した発言をされておられます。三月の十七日、我が方の枝野官房長官は、この五十マイルの退避措置に関しまして、言わば日本側の立場としてもよく分かるけれども、在外の日本人に対して非常に保守的な発表をする措置をとるのは極めて当然なことであって、理解ができるという発言をされておられます。つまり、外国におられる邦人に対するのと同様にアメリカ側も外国にいるアメリカ人に対する措置をとったという、こういう発言をされておられますが、しかし、四月十二日の時点でヤツコ委員長は、五十マイルの措置については、アメリカで同様のことが起きてもとるであろう措置と整合性が取れているというふうに述べておられます。
 この時点では既に協調体制ができているはずだと私は理解をしていますが、それでもなおかつアメリカ側でこのような発言が特にその三月三十日のヤツコ発言を踏まえてなされたということについて、我が方は連絡を取っておられるのでしょうか、あるいは働きかけ、連絡体制を強めておられるのでしょうか。
#14
○国務大臣(松本剛明君) 私どもとしては、いずれにせよ米国側に対しては、こういった退避ないしは渡航の制限といったような趣旨のものは適切に対応願いたいということは申し上げ続けてきているところでありまして、今お話がありましたように、四月十二日に五十マイルの退避勧告を行った背景をヤツコ委員長が御説明をされている中での内容だというふうに思っておりますが、基本的な認識としては、当初から連携は行われていましたけれども、更に情報も含めて認識は深まっていると、このように考えておりますし、四月の十二日、その週であったのではないかというふうに思いますが、その週に米国から渡航の制限についての緩和措置も行われた週であったというふうに理解をしておりまして、理解は着実に深まりつつある中での大きな流れがあったというふうに私どもは理解をしております。
#15
○大野元裕君 それでは、改めて今度は、経済産業省から中山政務官にもお越しをいただいておりますので、お伺いしたいことがございます。
 前回のこの委員会での質問におきまして、私も、我が国がどのように見られているか、そして世界から受け止められているかということは、広報努力大事だという御指摘をさせていただきまして、外務省、大臣の方からもそのとおりだというお言葉を賜りました。
 他方で、四月の二十六日付けのニューヨーク・タイムズ紙によりますと、今回の原発事故が拡大した原因等について、我が国の原子力をめぐる文化にあると、そういう結論付けを行っております。彼らは原子力村という日本の言葉をそのまま引き、この言葉に象徴される長きにわたる政官民のなれ合いあるいは結託にその原因を見出すという、こういう報道を行っておられます。
 本件に関しまして中山政務官は御承知でいらっしゃいますでしょうか。また、どのようにお感じでしょうか。
#16
○大臣政務官(中山義活君) よく原子力村という言葉はあちこちで聞くわけでございますが、日本がエネルギーの安全保障上、石油やほかの資源もなかなか乏しい日本では、どうしてもこの日本の電気、工業を支えていく、生産を支えていくものには電気が必要だったと、そういうことから原子力に対して国を挙げて国策として力を入れてきたと、こういうことの中にやはり原子力を推進するための科学者であるとか又は能力のある方々が集まって一生懸命日本独自のエネルギーを推進してきたと、こういう背景があるんだというふうに思います。
 戦後見て、そのおかげで日本の経済が発展をし、かなりこの原発の力が大きいということは皆さん分かっているわけでございますが、そこに緩みがあり、今回の大きな事故も想定をしていなかったからこそ起きた事件だというふうに考えておりまして、もっと深刻に地震や津波のことも考えておくべきではなかったかと。
 つまり、原子力村というお互い仲よしクラブになって、そこにどこか緩みがあったと、こういうふうに判断をするというふうに思われるわけでございまして、今後は過去のずっと検証をして、もう一度安全、安心、こういう原子力発電を目指していくべきだというふうに思っておりますので、この忠告は私たちも重く受け止めていきたいと、このように思います。
#17
○大野元裕君 さらに、このニューヨーク・タイムズが指摘した記事の中では、原子力安全委員会は原子力産業に技術的に依存し、長年の天下りの慣習が客観的な安全性を阻害しているというふうに指摘をしております。これが正しいかどうかは別として、こういう見方をこういった権威のある新聞でされるというのは、極めてやはり適切ではないと思っています。
 ついては、海外の信頼を今こういった事故を踏まえて我が国が再度得るためには、二つのことをなすべきではないかと思っております。この記事に指摘された一つには、原子力の安全や規制に関する様々な団体に対するいわゆる天下り、これをしっかりと監視をしていくこと、そして二つ目には、資料としてお配りをさせていただきましたが、これ様々な文献から取らせていただきましたけれども、G7の国の中で、新規の原子力発電を進めている国の中で、実は規制を進めている官庁が推進官庁の中に、下にあるというのは実は日本だけでございます。
 そういった意味でも、行政上の規制の執行機関である原子力保安院を経済産業省から分離独立させること、これはやはり我が国の信頼を再度勝ち得る意味で重要ではないかと思いますが、改めて中山政務官の御所見を賜りたいと思います。
#18
○大臣政務官(中山義活君) 実は、今こうやって事態の収拾に向けて全力を尽くしているところでございますが、よく言われることなんですけれども、東電からの情報で保安院が動いているということをよく言われるんですが、そういうことは一切なく、保安院も同時に情報を得るように、一時は統合本部をつくって東電と保安院が一緒に仕事をしてきたという事実がまずございます。
 それと同時に、外国のそういう標準が日本の標準と合っているかという点についても、もう外務省等でもいろいろお話をさせていただいておりますが、いろんな国の事情に合わせて大体安全をしっかり守れる体制をつくっていけばというようなことで、大体の標準は日本も満たしているというふうには思っております。
 ただ、どちらにいたしましても、今後検証する場合に、今までの関係者じゃない方が独立のそういう検討委員会をまずつくっていかなければいけないということですね。それから、その検討されることを徹底的に公開をする、つまり天下りの問題やなんかについても、やらないというんだったらやらないという今までの審議過程もちゃんと説明をして国民に明らかにすると、最後は包括的にいろいろ原子力行政というものを考えていくというような三つの考え方で、独立性、公開性、それから包括性ということで、きっちりその辺もやっていきたいというふうに思っております。
 なお、その審議を経た上で、今の天下りの問題から独立性の問題もしっかりやっていきたいと思っております。
#19
○大野元裕君 是非、今回、我々、一部の国に対しては加害者になったということもありますので、大体のうまくやっているではなくて、厳しいこと、基準というものを持っていただきたいと思います。
 まだこの原発の問題については御質問をしたかったんですが、時間の関係もございますので、中東の民主化問題についてお伺いをしたいと思います。
 さて、エジプトにおける政権交代が起こりました。私は実は外務当局の皆様にはずっと言い続けてきたんですけれども、ムバラク政権がガザの封鎖を続けてきた、これが見直されるであろう、あるいは内政の問題を外政に転嫁するという意味でイスラエルを再び敵視する、こういった政策が進められるであろうということで、是非ハマスと連絡を取るべきではないか、批判的対話をするべきではないかと指摘をし続けてまいりました。
 案の定というか、先般にはファタハとハマスの言わば合意ができて手打ちが行われたわけでございますけれども、このハマスとの連携とは申しませんが、済みません、批判的な対話のチャンネルを開くことについて外務省はいかにお考えでしょうか。
#20
○副大臣(高橋千秋君) 五月四日に署名されましたファタハとハマスを含むパレスチナ諸派の和解合意につきまして、我が国としては、近く樹立される暫定統一政府がイスラエルに対する暴力の放棄の約束を維持するということを期待をしております。また、本合意が、独立しかつ民主的なパレスチナ国家とイスラエルが平和かつ安全に共存するという二国家解決につながるということに期待をしております。
 議員の御指摘の点につきましては、本合意の実施ぶりを見て、今後の情勢を引き続き注視する必要があるというふうに考えております。今後、ハマスの動きも見ながら検討していきたいというふうに考えております。
#21
○大野元裕君 動きを見ながらではなく、是非、批判的な対話の相手としてハマスを少なくとも我が国が行っているヒズボッラーとの対話のレベルまでには引き上げていただきたいと、このようにお願いを申し上げます。
 さて、シリアにつきまして、私はメッセージが明確に伝わってないのではないかという危惧を抱いております。シリアにつきましては、二〇〇一年、当時の杉浦副大臣だったと思いますが、バッシャール・アサド大統領に訪問招請がなされました。しかしながら、結局、アサド大統領の訪日は我が方の理由もあり実現をせず、二〇〇三年の両国の国交樹立五十周年も、至っても見送られ、その間、イギリス、フランス、スペインにアサド大統領は出かけられました。この時点ではEUよりも我が国のシリアに対する立場は強いものでございました。ところが、今回の武力の行使、民主化勢力に対するいわゆる言論の封殺に関しましては、我が方は新規の経済協力の停止にとどまっていて、EUよりも柔らかな、いわゆる厳しい立場にはなっていません。
 シリアに対するメッセージの出し方というものが若干整合性が取れていないように私は思いますけれども、この域内の鍵を握る国シリアに対する、対シリア政策の一貫性をどのように確保されているかについて御意見を賜りたいと思います。
#22
○副大臣(高橋千秋君) シリアについても、最近、暴動等が起きて大変な状況になっておるわけでありますけれども、我が国としても強く懸念を示しております。
 シリア政府に対して民間人への暴力を直ちに停止するように強く求めてきておりますけれども、我が国は、国際社会と連携しながらも、こうした暴力の停止それから諸改革の実施等を求めるという立場で、先般、シリアに対する経済協力を見直すことにいたしました。具体的には、緊急人道的性格の援助を除いて新規案件は見合わせるという、そういう決定を行っております。バッシャール大統領の来日が実現しなかったということですけれども、これは日程調整ができなかったということなんですが、そういう経緯がございます。
 それで、シリアの政策については、先ほど一貫性が取れていないんじゃないかというお話がございましたけれども、今後のシリア情勢それから国際社会の動きを見極めながら、我が国としてもとるべき措置は判断をしていく必要があると思います。今回はEUよりも緩いんではないかという御指摘がございますけれども、そういう情勢を見ながら判断をしていきたいというふうに思っております。
#23
○大野元裕君 今のお話ですが、二〇〇三年の当時の大石衆議院議員の質問に対して、我が方の政府、日程だけではなく情勢も見ながらというお答えをされていたと私は理解をしておりまして、若干整合性が取れていないというのを改めて指摘をさせていただきます。
 なぜシリアにこれだけこだわるかというと、我が方の自衛隊の部隊がUNDOFに派遣をされております。そして今、シリアは内政の不満を外に向けるためにイスラエルに対して言わば過去のような、昔からあります、悪いのはイスラエルであるという、こういう議論を広げて、数日前にはシリアとレバノンでイスラエル側の国境に対してデモを仕掛けております。
 そういった意味では、イスラエル―シリア間のUNDOFに展開をしている我が方の部隊に対する脅威若しくは懸念というものが生じている状況でございますが、果たして防衛省におかれましては、現在のシリアやレバノンにおきます状況に鑑みて、UNDOFの情勢、UNDOFに派遣されている我が国の部隊に対する見方をどのようにお持ちか、お聞きしたいと思います。
#24
○副大臣(小川勝也君) 委員から御指摘ございましたように、UNDOF派遣部隊には司令部要員を含む四十六名が派遣をされています。大変重要な任務でありますけれども、大変緊張感の高いところで任務をいたしておりますので、防衛省といたしましても、外務省の協力をいただきながら、その地域の情勢認識に大変注力をさせていただいているところであります。
 御指摘がございましたように、三月以降、デモなどで多数の死傷者が生じました。そして、五月十五日には、またイスラエル兵の発砲などで十名以上の負傷者が生じたという情報もいただいております。また、デモは現在鎮静化をしていると承知をいたしておりますけれども、予断を許さない状況だというふうに認識をいたしているところであります。
 今後とも、活動を続けるに当たっては、シリア、イスラエル両国との適切な関係を維持すること、そして周辺国あるいは派遣国、様々な部隊との連携を密にするなど様々な附帯的な要因が必要でありますけれども、現在のところ隊員の安全確保、しっかり遺漏なきを期しつつも、引き続き現在の業務を実施していく、そのような方向性で注視をいたしているところでございます。
#25
○大野元裕君 最後に一問だけ、松本大臣に質問をさせていただきます。
 リビア情勢に関しては様々な見方がありますが、この四月後半以降は外交的な仲介等を模索する等の動きに出ています。その一方で、リビアはアフリカ連合と極めて緊密な関係を有しておりますところ、今回、大臣はTICADの会議に参加をされましたが、これを利用し、リビア問題について意見交換あるいは我が国としての働きかけをなさったかどうかについて確認をさせてください。
#26
○国務大臣(松本剛明君) 先ほど指摘がありました五月の一日の日から開催をされたTICADの閣僚級フォローアップ会合の際には、スピーチにおいて暴力の即時停止の重要性などを指摘するとともに、という私どもの立場を申し上げさせていただきました。また、私自身がムウェンチャAU委員会の副委員長とのバイ会談の中でその点についても意見交換を行うという形で私どもの立場を申し上げ、暴力の即時停止の重要性を訴えさせていただきました。
 なお、国名は挙げる形を取ることはいたしませんでしたけれども、採択をされた文書の中においても、安定、そして平和の重要性というのを再確認をするということを組み込まさせていただく形を取りました。
#27
○大野元裕君 ありがとうございました。
 終わります。
#28
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。
 久々に普天間飛行場の移設問題について質問をさせていただきます。
 民主党政権ができまして、今までのやつを最初に振り返ってみたいと思うんですけれども、鳩山政権ができて、迷走に次ぐ迷走の末に、昨年の五月末に日米合意が何とかできたと。ただし、その際も、学べば学ぶにつけ沖縄の海兵隊の抑止力が分かりましたということで、結局、二〇〇六年の日米合意の辺野古沖の方に戻ったということでした。
 その五月末の合意の中で、八月末までに専門家の検討で辺野古沖の滑走路の位置、配置、工法について検討を行うと合意をし、その際に、屈辱的な表現もありました。いかなる場合においても八月末までと、ノー・レーター・ザン、イン・エニー・ケースと。普通こんな表現使わないんですけれども、そこまで付けられてしまった。でも、何とかそこでV字案とかI字案というものも一応出てきたと。これも昔検討した案なんですけれども、そういうものの状況になりました。
 防衛大臣にお伺いします。
 昨年の八月末からこの五月までに、普天間の代替施設、これについて目に見える進展、タンジブルプログレス、何かございますか。
#29
○国務大臣(北澤俊美君) これにつきましては、地元沖縄において極めて強い反対の御意向があることは御存じのとおりでありまして、防衛省といたしましても、また内閣といたしましても様々なチャンネルで説明を申し上げてきておりますが、今特段進展をしているということにはなっておりません。
#30
○佐藤正久君 もう一度確認しますけれども、そうすると、代替滑走路の配置、位置、工法について、日本側、特に沖縄との合意というものはまだできていないという認識でよろしいですか。
#31
○国務大臣(北澤俊美君) そもそも現在の沖縄の意向は辺野古へ移転することを拒否をしておりますから、そういう意味で、工法あるいは位置関係について協議をする段階には至っておりません。ただ、我々としての考え方はお伝えはいたしております。
#32
○佐藤正久君 ということは、我々の考え方、これは、配置、位置、工法についてはもう決めたというふうに理解してよろしいですか。
#33
○国務大臣(北澤俊美君) 米側と協議している内容について、現在こういう形のものを日米間で協議しておりますと、しかし、そのことについて決まったということではありませんが、現在、事務方で協議が進んでいるということは逐一御報告申し上げております。
#34
○佐藤正久君 いまいち分かりにくいんですけれども、例えばV字かI字かと、この形については政府の方針は決まったというふうな理解でよろしいですか。
#35
○国務大臣(北澤俊美君) 政府としてV字かI字かを決めたということは、現在まだそこまで至っておりません。
#36
○佐藤正久君 じゃ、再度確認いたします。
 昨年の五月末の合意によりますと、次回2プラス2で辺野古沖の滑走路の位置、配置、工法を日米間で合意するというふうに決まっています。これに変更はございませんか。
#37
○国務大臣(北澤俊美君) そのことについては変更はございません。
#38
○佐藤正久君 ということは、次回の2プラス2の議題の中で、この代替施設の配置、位置、工法の決定というものを切り離すという考えはないということでよろしいですか。
#39
○国務大臣(北澤俊美君) 現在のところはそういうことであります。
#40
○佐藤正久君 外務大臣にお伺いします。
 ということは、次の2プラス2、これにおいては、代替施設の配置、位置、工法、これを決めるということには変わりはなく、議題からこの部分を外すということはないと、外してまでも2プラス2をやることはあり得ないという認識でよろしいですか。
#41
○国務大臣(松本剛明君) 昨年の五月に日米間で合意をいたしておりますので、私どもも合意を踏まえてここまで努力をいたしているところでございます。
 これから2プラス2の日程、そして議題等について調整が行われると承知をしておりますが、現段階で、私どもとしては昨年五月の合意を踏まえて前へ進めたいと、このように考えております。
#42
○佐藤正久君 外務大臣、ということは、現段階ではそうですけれども、これからの調整では変わり得る可能性もあるというふうに国民は認識していいですか。
#43
○国務大臣(松本剛明君) ここまで合意を踏まえてやってまいりましたので、合意を大切にしていきたいと、このように考えております。
#44
○佐藤正久君 今大臣は、現時点ではということを言われましたので、ということは、これからそれは変わり得る可能性もあると、交渉によっては変わり得る可能性があるということでいいんですか。
#45
○国務大臣(松本剛明君) 一般的に、やはり現段階での率直なところを申し上げるのが最も適切な答弁だろうと思ってそのように申し上げさせていただきました。
#46
○佐藤正久君 やっぱり聞いていると、非常に今なかなか進展がしていないと。他方、2プラス2で議論することもあると思うんですよ、共通の戦略目標とか。議論の中で、やっぱり本当に真剣に現実の状況を踏まえながらやらないといけないと。そういう中で多分、恐らく現段階と言われたのかもしれませんけれども、やはり国民には正直にある程度の段階になったら言わないといけない。もう普天間だけが日米関係じゃありませんから、そこはしっかり割り切って、しっかり説明すべきは説明しないといけないと私は思います。
 それで、外務大臣、じゃ、いつごろ次の2プラス2を開く予定ですか。
#47
○国務大臣(松本剛明君) 調整中であるということは、今の段階でも残念ながらそのような御報告しかできないところでありますが、先般、両院の方に御説明もさせていただいて出張させていただきまして、改めて、大変日程調整の難しい四人であるけれども、四人がそろうということが今回の2プラス2の意義を考えれば大変重要なことであるので、早急にその四人の日程を合わせていきたいということで、現在も日程を担当する事務当局が言わば必死になって日程調整をしていただいていると、このように理解をしております。
#48
○佐藤正久君 昨年の五月末からもう一年も開かれていないというのはやっぱり異常だと思いますよ。普通はここまでは、同盟国でここまで延びている、そのネックにこの普天間の代替施設部分があるのかもしれませんけれども、早急に開くように今検討していると答弁がありました。ということは、早急にという思いは、できるだけ一か月以内とか二か月以内とか、そういうぐらいの認識でよろしいですか。
#49
○国務大臣(松本剛明君) 今回の2プラス2に当たっては、御案内のとおり、三月十一日に大震災が、地震が発生をいたしましたので、実質的な日程の調整といったようなものがある程度動き始めたのは、少なくとも地震発生以降一月たってからという形になっております。その中で限られた、言わば我々の事務用語ではスロットと言っておりますけれども、どういった形の日程調整ができるのかということでさせていただいていますので、大変申し訳ありませんが、確定的なことはまだ申し上げられませんが、できるだけ早くと、このように思っております。
#50
○佐藤正久君 できるだけ早く私もやった方がいいと思いますよ。ただ、そのときに、この代替施設の問題をどうするのかという部分はしっかりと国民に説明しないといけないと。一応、去年の約束として、政府間の日米合意の約束として決まっているわけですから、それが今ほとんど進展がないと、もうボールは日本側にあるわけですから。という以上は、そこは真摯に説明すべきは説明をして、やはり2プラス2重要ですから、日米関係は非常に重要だと思いますから、そこはしっかりと腹をくくってやっていただきたいと思います。
 ただ、そのときにやっぱり問題になるのはロードマップなんです。二〇〇六年のロードマップ、これは絶対議題になりますから。
 防衛大臣、二〇〇六年のロードマップの中で、普天間代替施設を二〇一四年までに完成するとなっています。二〇一四年までに代替施設、これ完成は可能でしょうか。
#51
○国務大臣(北澤俊美君) これは日米の合意の中に厳然としてあるわけでありますが、しかし二〇一四年というのはもう目の先であります。沖縄との調整が長引いておるということ、そういうことからすると、完成ということにおいてはなかなか厳しいだろうというふうに思っております。
 したがいまして、今外務大臣からも御答弁を申し上げましたが、日米で2プラス2について事務方がそれぞれ協議をいたしておりますが、その協議の中でこの問題をどう扱うかということは当然議題になってくるだろうというふうに思っております。
#52
○佐藤正久君 今率直な答弁いただきましたけれども、やっぱりかなり、二〇一四年と考えると、あと三年半しかないんです。ロードマップに二〇一四年と、ほかの厚木から岩国への移転とか、あるいは岩国からグアムへの移転、いろんなものは二〇一四年と書いています。この二〇一四年どうするかという部分はやっぱり一つ大きなタイムテーブルの中の焦点ですから、これについての評価というのはもうそろそろやらないといけない。
 外務大臣、ということは、ロードマップを見直さないといけないということも外務大臣も考えているという認識でよろしいですか。
#53
○国務大臣(松本剛明君) 今、北澤大臣もお話をされたとおり、この二〇〇六年に定めたロードマップでありますが、そのときに考えられていたスケジュール、これが考えられていた節目どおりに進んでいるかといえば、これはそうではないと、後ろに行きつつあることは私も事実だというふうに思っております。
 他方で、二〇〇六年、そしてそれ以降の日米間の議論の中で、やはりしっかりと目標を立てて、また時間的な目標を立てて行っていくということの意味、意義、そして両者の思いというものも私どももよく理解をしておかなければいけないと思っておりますので、現段階では私としては、二〇一四年という目標があるということをしっかり理解をし、また目標を掲げるということの重要性を理解をしていきたいと思っておりまして、ロードマップそのものを見直すということがどういう御趣旨でお話をいただいたのかということはありますけれども、昨年の五月の合意も踏まえて前へ進んでいくということでありますから、しっかり進めていきたいと思っております。必要な日米間の調整は精力的に行わなければいけないと、こう考えております。
#54
○佐藤正久君 外務大臣、そこは正直に言わないといけないと思いますよ。ロードマップの一つの、ロードマップですから、やっぱり時系列って非常に大事なわけで、二〇一四年は非常に大事なんですよ。
 外務大臣、じゃ滑走路を造るのに、埋立てでしょう、何年ぐらい掛かると思っています、外務大臣。
#55
○国務大臣(松本剛明君) 通常は三年、四年掛かるというふうに私どもも説明を聞いております。
#56
○佐藤正久君 それだけでも無理じゃないですか。もう三年、四年掛かる。ましてや、I字案の場合はV字案よりも九か月掛かるというふうに言われているでしょう、八月末の合意で。無理ですよ、そうすると。そういう面を考えると、もうやっぱり現実的じゃない。
 今回のアメリカの上院のレビン軍事委員長、彼のペーパーだと、トータリー・アンリアリスティックと書いてある。完璧にもうこれは現実的でないと、ここまで言われている。
 やっぱり大きなラインは維持するとしても、ロードマップのタイムライン、これは見直さないといけないと私は思います。防衛大臣、いかがでしょうか。
#57
○国務大臣(北澤俊美君) 日米の間で決定をしたことでありますから、それを最大限に守って実行していくというのは基本的な両政府の考え方であります。しかし、今お話のありますように、日時が迫っている中で本当に物理的にそれができるのかということは真剣に考えなければならぬことだというふうには思っております。
#58
○佐藤正久君 もう実際、現実問題として、ここはしっかりと両政府が腰を下ろして、新しいロードマップあるいはそのロードマップの見直しをやらないと、もうにっちもさっちもいかないという状況だと思います。
 もう二〇一四年、これはかなり難しい、埋立てだけでもそのぐらい掛かるわけですから。しかも、レビン軍事委員長やウェッブさんとかが出てきたと。これについてもやっぱり反論しないといけない。民主党議員の中にも、嘉手納統合案、積極的な方もおられましたし、今も有力議員でもおられます。岡田元外務大臣もこの委員会で、嘉手納統合案も検討対象の一つだと言われました。
 当時、北澤防衛大臣も横におられて聞かれていたと思いますけれども、嘉手納統合案が抑止力の観点で問題だと、あるいは課題と言われるものはどこにあるんでしょうか。
#59
○国務大臣(北澤俊美君) 当時の岡田外務大臣の嘉手納統合案についてお触れになりましたが、これは、統合案について新しい政権としてもう一度是非レビューをしてみたいと、こういうことで真剣にこれに取り組んだわけでありまして、結果として過去の日米間の議論を検証する中で無理であったということでありまして、また、安全保障環境からすれば、嘉手納の空軍基地の持つ使命といいますか役割、そしてまた、一方で、普天間の基地における海兵隊の部隊の抑止力に対する能力、そういうものを勘案すれば、これは別個に新たに、普天間を返還するとすれば新しい基地を造るということは安全保障上極めて重要なことだという認識の下に現在進めておるところであります。
#60
○佐藤正久君 私も嘉手納統合案には反対の立場です。
 ただ、今の説明でもやっぱり何か分かりにくいのは、この理由が分かりにくいんです。抑止力の観点で、あるいは負担の軽減の観点、両方から検討をしますと言われています。抑止力の観点で何が問題なのかと。何が問題なんでしょうか。
#61
○国務大臣(北澤俊美君) このレビン・ウェッブ提言について私が細かく承知をしておるわけでもありませんし、これについて日本国の防衛大臣という立場でコメントするのは適切かどうかという問題はあると思いますが、少なくとも、仄聞するところからすれば、嘉手納空軍基地を一部日本本土その他に移設をして、そこへ普天間の基地を入れると、こういうようなことを言っておりますから、それは現在嘉手納基地が担っておりますこのアジア太平洋全般の安全保障上から極めて私はその勢力をそぐ形になってよろしくないというふうな感想は持ちますが、しかしこれは改めて米国政府から言ってきたわけではなくて、私もレビン、ウェッブ両上院議員とはお行き会いをして様々お話を申し上げましたが、私の感想とすればそういう感想を持っております。
#62
○佐藤正久君 質問は、レビン提案とは別個にしても、嘉手納統合案というのは前からある話であって、嘉手納統合案が、この委員会でも議論したように、嘉手納統合案の場合の問題点として、抑止力の観点からこういう問題があります、あるいは負担の軽減からこういう問題がありますということをやっぱり言わないと、国民にもアメリカにもいけないと思うんですよね。
 今の説明だと、その提案とは別個にして、前から言われている嘉手納基地に、仮に嘉手納基地にそのまま普天間の海兵隊のヘリを入れた場合の、この場合の抑止力上の問題点、これについて再度お伺いします。
#63
○国務大臣(北澤俊美君) これ、何度かこの案が検討されて結果的に成立しなかったわけでありまして、今私がそういう意味で、私が嘉手納統合案を提唱しているわけでもありませんので、嘉手納に普天間を統合するという前提で安全保障上の問題をコメントするのは私は今適切ではないというふうに思います。
#64
○佐藤正久君 それは違うと思いますよ。今までこの委員会でもう実際に嘉手納統合案とかいろんな案について議論をしてきたわけですから、今になってそこの議論をもうしないというのはおかしな話であって、これは政治的に、やっぱりこの委員会ですから、委員会として、嘉手納統合案という場合の問題点はこうですよということをやっぱり国民に説明すべきなんですよ、一般論としても、今までも議論をしてきたわけですから。
 そういう面で、負担の軽減上あるいは抑止力の観点でこういうものが嘉手納統合は問題なんですということを、過去の経緯でもいいですから、防衛大臣から言っていただきたいと思います。
#65
○国務大臣(北澤俊美君) 私は、大臣に就任以来、この問題について真剣に検討をさせていただいておりまして、それほど知見が豊富であったわけでも全くないわけでありますが、しかし検証をしていく中で嘉手納統合案というのは現実的でないと。
 それからまた、もう一つには、地元の市町村、これがもう騒音、危険、その他についても飽和状態であるという中で、全く受け入れる余地がないということを私が直接お聞きもしておりますので、私はこれについて深くコミットしたことは全くないわけでありまして、そういう意味では、岡田当時の外務大臣がこれについて検証をしたいというときにも、いろいろ議論はいたしましたが、彼が新しい政権として是非これはやらせてほしいということでありますから、その結果は私なりに想像はいたしておりましたが、そういう結果になったということで、私は嘉手納統合案を何度も議論するということは今適切ではないというふうに思っております。
#66
○佐藤正久君 私は、そこは違うと思いますよ。今、与党の幹事長も嘉手納統合案を言っていますし、民主党の有力、安全保障関係の議員も嘉手納統合案を言っているんですよ。だから、やっぱり防衛大臣として、当然地元の負担の軽減の観点からは、騒音の問題もある、あるいは普天間が嘉手納の方に移ったら、せっかく南部から米軍のプレゼンスを少なくして北部に移すという大前提も崩れてしまう。それは負担の軽減はあります、でもやっぱり抑止力の観点からこういう問題があるんですよということはやっぱり防衛大臣が言わないといけないんですよ。
 例えば、代替滑走路がもうなくなってしまうとか、航空管制の問題とか、やっぱりいろんなことがあるわけですから、そういう辺りはしっかりと外務大臣がこの委員会の場で、過去の経緯でもいいですから、本当はそうしっかり言わなければすごく説得力がないと思います。ましてや、これから米軍の、アメリカの有力議員が新たな提案をしてきて、それに賛同するような与党の議員もおられるし、幹事長もおられるわけですから、その部分についてはしっかりと委員会等で防衛大臣としての、やっぱり抑止力上こういうことが問題なんですよということをしっかり議論をするということが大事だと思います。
 さらに、これについてはまた別途質問をいたしますけれども、今回のやっぱり在日米軍、とりわけ在沖縄米軍というのは南西諸島防衛、これにも連携してくるわけで、そういう大きな東アジアの安全保障、あるいは日本南西諸島域での防衛体制というものの視点の中でも考えないといけない。抑止力というのは、やっぱり大きな目、あるいは静的あるいは動的、いろんな形で考えないといけないというふうに私は思います。
 今回の大綱あるいは中期の中で南西諸島防衛というものの強化という方針が打ち出されております。特に、これから南西諸島の防衛体制をつくる、今年度調査費も付いているようですけれども、そういう場合、離島という特性をしっかり踏まえないと結局絵にかいたもちになってしまう。私も自衛官のときに、離島という場合は、事前の準備と陸海空の共同とそれと後方支援の重要性、この三つが鍵だということを何回も教わりました。
 そこで、事前の準備の一つで、離島の場合、やっぱり住民をいかに守るか、住民を保護するかということが大事になります。例えば、この前、宮古の方に行かれました、あるいは与那国の方に行かれました。武力攻撃事態のときに、この離島の住民の保護、これは防衛省としてどのような構想をお持ちでしょうか。
#67
○委員長(佐藤公治君) 済みません。小川防衛副大臣は陪席でございますので、基本的には防衛大臣から御答弁を願えれば有り難いと思います。
 質問者の方から陪席で今日の委員会出席ということになっておりますので、御答弁は北澤防衛大臣からお願いできれば有り難いと思います。
#68
○国務大臣(北澤俊美君) 新しい大綱、中期防において島嶼部の防衛の重要さは指摘しておりまして、御案内のように、これについて今年度三千万の調査費を計上し、これをお認めをいただいて予算が成立をしておりますので、今精力的に調査をいたしておりますと同時に、大綱、中期防についての考え方も与那国島を含む先島諸島の責任者の皆さん方に御説明をしているというのが現状であります。
#69
○佐藤正久君 質問に答えていないんですけれども。今質問したのは、民間人、島に住んでおられる方、今ここに沖縄出身の国会議員の方もおられますけれども、やっぱり離島を守るというときに、そこで作戦を行うために駐屯するわけですから、民間人をいかに守るかというのが非常に離島の場合は大きなネックになるわけです。
 例えば、与那国島、民間人を守るためのシェルター、防衛大臣は行かれて確認されましたか。
#70
○国務大臣(北澤俊美君) シェルターは確認はいたしておりません。
#71
○佐藤正久君 実際、台湾とか韓国の離島へ行くと、やっぱりそういう民間を守るためのシェルター、軍が管理していたりあるいは一緒にやっていたり、いろいろあります。また、民間の方を避難させるということも考えないといけないかもしれません。
 今、例えば与那国島の場合、海上自衛隊の船が入れる港、幾つかあるかと思いますけれども、防衛大臣、行かれて実際港の話も陳情を受けたと思います。どのような認識をお持ちでしょうか。
#72
○国務大臣(北澤俊美君) 港はそのときに視察をいたしまして、漁船が主にこれを活用しておるわけでありますが、特段、町長からこれについて自衛隊に対する要請というものはございませんでした。
#73
○佐藤正久君 例えば、与那国島の祖納港は、北の方に向いているために冬はなかなか入れない。今回調査をするときに、やっぱり一番最悪のケース、想定外ということは許されませんから、いろんな想定の中でいかに民間人を守る、作戦を行うか。そのときに嵐のときに港に入れないんでは話になりませんから、その辺りも調査費の中で考えないといけない。実際、外間町長からは我々にもその港の話はいろいろいただいていますし、その辺りも併せて調査をしないと、結局、自衛隊だけがいても結果的に動けないという形になってしまいますので、広い意味で調査をお願いしたいと思います。
 また、離島の場合の、次の後方支援という中に、やっぱり事前に集積しないといけない、物資を集積しないといけない、後方連絡線が遮断されたらもう孤立しますから。弾や燃料や、あるいは食料、あるいは建築資材等なければ作戦ができないんですよ。
 一般に、離島防衛というのは、大きな人と物資が必要だと言われています。この辺りも含めて調査をやっていただかないと、単に人がいただけでは全然意味がありませんから、まさに事前の住民と陸海空の共同と、まさに後方支援の強化、私もそこは正しいと思っていますので、そういう意味で、今後とも調査というものをしっかりやりながら体制をつくっていただきたい。もう想定外ということは許されませんので、しっかりと、自衛隊だけではなく、本当に実際どういうふうに民間の方も考えながら守っていくんだということをやっていただきたいというふうに要望をしておきます。
 次に、原子力発電所の安全化について質問をさせていただきます。
 今、自衛隊の方々も、除染任務やあるいはモニタリング、あるいはスクリーニングの支援とか、あるいは場合によっては避難民の支援という形で今も原子力災害派遣やっていただいております。
 私も、四日前の十三日にいわき市のJヴィレッジというところにうちの幹事長とともに行かせていただき、現場を確認し、意見を交換をさせていただきました。元自衛官という立場から見ても、やっぱり改善点は多々あるなとつくづく思いました。いろいろ時間がなくて全部は言えなかったんですけれども、そうしたら次の日、十四日朝、六十代の作業員の方が第一サイトの方でお亡くなりになりました。
 中山政務官にお伺いします。その十四日の日、心臓が停止されたとき、第一原発にお医者さんはおられましたか。
#74
○大臣政務官(中山義活君) 一応、常駐しているお医者さんはいるということでございます。
 私たちも実はいろんな意味で改善を求めて、常に東京電力には、シャワーの設備であるとか食事であるとか又はベッドであるとか、常に申し上げているところでございます。
#75
○佐藤正久君 いなかったんです、第一サイトに。そこも掌握していないんですか。
 見ていて本当背筋が寒くなったんです、いろいろ見ていて。もう第一サイト、第二サイト、そこは当然行けませんでしたけれども、Jヴィレッジもう汚い、汚い。これが本当に今原発対処で非常事態という認識で作業している拠点かと。すごく雑然としていました。東京電力さんには申し訳ないんですけれども、そういう後方支援の運用とか調整能力、非常に少ないなと思わざるを得ませんでした。
 その第一原発、通常の体制は、私が聞いているところ、昨日確認したところ、お医者さんたった一名なんです。しかも、午前の十時から夕方の四時までです。看護師はゼロ。
 統合対策本部で細野補佐官がやるやると言っても、現場でやっていなかったら全く意味がないんです。東京電力の会見では、今回亡くなったことと放射線の影響とは関係ありませんと。そんなことを言っているんではなくて、いかにそういう何かの健康管理、安全管理体制を取るかと、このために統合本部をつくったんでしょう。補佐官が、こういう事故が起きたにもかかわらず医療体制を掌握していない、反省してくださいよ。
 もう一度、これからの体制を含めて、思いを聞かせてください。
#76
○大臣政務官(中山義活君) 本当に現場の皆さんの士気にかかわることだと思うんですね。やっぱり今まだ平常時とは言えない緊急事態でございますので、早く収束させるためにも士気を高めていくということで、今の御忠告しっかり受け止めました。
#77
○佐藤正久君 受け止めるだけでは駄目で、やってもらわないと困るんです、本当に。
 実際聞いたら、第一原発、日中千人以上の作業員がいるんですよ、日中だけで。夜間で二百名が泊まっているんです。お医者さんは一人。お医者さんがもしもいたとしても、その方が患者さんを連れて一緒に動いたら誰もいなくなっちゃうじゃないですか。誰が考えたって二人は必要です、最低でも。しかも二十四時間体制、看護師はいない。ところが、第二サイトの方には常駐で医師の方が一名と看護師二名おられる。第一サイトから二十キロ離れたJヴィレッジには医師の方が四名とあるいは看護師の方が二名、これも常駐でおられる。焦点が間違っています。一番大事なところにそういう体制を取っておかなければ、いざというときに対応できませんよ。そうでしょう。もうこれ以上、想定外とか聞きたくないですから。
 しかも、救急車もないんですよ。今回、朝六時から作業をされて六時五十分に倒れられた、救急車がない、国の方が本当に消防とかお願いすればできるはずじゃないですか。救急車じゃなくて、急患車というんですか、急患車という東電さんが持っているものも第二原発に置いてあるんです。それは今回の事故を受けて第一の方に持っていったと昨日説明を受けましたよ。持っていったとしても、お医者さんもいなかったら意味ないじゃないですか。
 この辺りの体制、もう一回、受け止めるだけではなくて、しっかり体制取らなければ作業員の方が安心して働けませんよ。千名がいるんですよ、日中。お医者さん一人、しかもいないときの方が多い、看護師もいない、救急車もない。しっかりと国あるいは市の協力を得ればできるじゃないですか。非常にマネジメントが悪い。もう一度、やるというふうな答弁をお願いしたいと思います。
#78
○大臣政務官(中山義活君) 今の御発言を早速東電に伝えると同時に、統合本部でもすぐに検討させるように言います。
#79
○佐藤正久君 ありがとうございます。これはやっぱり政治の責任として、あそこまでやっている以上やらないといけないんですよ。
 今回私も行って驚いたのは、四月の末からやっとJヴィレッジの客室を作業員用に開放したんです、宿泊施設として。一か月半以上ずっと作業員の方はJヴィレッジ、あそこですら床で寝ているんですよ。何でですかと聞いたら、避難された方々が体育館に寝ているのに、我々がこのベッドで寝るわけにはいかないと、それが発想なんです。それは、気持ちは分かりますけれども、間違っていますよ。作業員が大事なことは安全化をすることであって、しっかりと体調を整えてやらないといけない。いろんな圧力が掛かって四月の二十七日から開放したと。全てその精神が行っているんですよ。
 だから、いまだに第一サイトには弁当の運搬もないし、これからやる予定もないと言っているんですよ。もう二か月たっても弁当を運んでいないんですよ。ずっとレトルトでやっているんです。あるいはカップラーメンなんです。どうしてですかと聞いたら、内部被曝が怖いから。理解ができませんでした。カップラーメンとほかを食べる。同じように、弁当でもラッピングしたり密封した容器を持っていけば、そんなのどこでも食べれますよ。全く意味が分からない。
 基本的に、何か東電さんのマネジメントの発想とか基準が間違っているような気がします。それが全て今回の医療体制にも、あるいは食事にも、風呂にもつながっている。今、やっと第一原発の方々を第二原発の方の体育館の方に引っ張ってきて、そこで簡易ベッドで寝かせる、始まったり、全てが後手後手後手なんですよ。私は正直言って、東京電力だけの力では、マネジメント能力を考えるとかなり厳しいと思います。東電さんは基本的に安全化の方に重点をしていただいて、兵たん支援、医療支援、食事支援あるいは入浴支援とか、そういう部分はまた違ったところがマネジメントした方が私はいいと思います。
 本当にこのままでいいか、私はそこも統合本部でもう一度検討していただきたいと思います。いかがでしょうか。
#80
○大臣政務官(中山義活君) やはり現場と統合本部の意思がしっかり疎通しているかということがすごく大事なことだと思うんですね。今のお話は、私どももしっかり聞いております。何回も委員会でも出ておりまして、厚生省とも話をして、労働条件として適切かどうかということも細川大臣とも話をしました。
 もうできる限りのことをこれからはやるように、早速本部に行って、こんなことがあってはいかぬというようなことを申し上げてきたいというふうに思います。とにかく現場の声を聞いてくれと、もう一度、再度申し上げます。
#81
○佐藤正久君 政務官、やっぱり東電さんに任せるのが間違いだと思いますよ。無理ですよ。ここまで大臣とかあるいは補佐官も、やるやる、分かりましたと言ってやっていないんですから。しかも、例えば第二原発のサイトの、第一よりも比較的安全と言われています、そこに対する弁当だってまだ日に一回ですよ、まだ。いわきの方で運べばいいじゃない、いわきからどんどん。いわきの国会議員の方々も、野菜なんか幾らでもあるんだから食べてほしい、何で言ってくれないんだという話もあるんですよ。
 やっぱりこれは、東京電力さん、余り慣れていないと思いますよ、こういう千人、トータルとしたら千五百人の人間に対するロジスティックサポートですよ、兵たん支援。これはどちらかというと、私は現場を見て、自衛隊の方がマネジメントをして、その支援に東電さんが入るとかあるいは消防関係の人が入る、そういう方がもっともっとうまくいくというふうに感じました。
 中山政務官、東電に幾ら言ったってなかなか改善はできませんよ。しかも、これから暑くなるんですよ。タイベックスを、あんなものを着て中に入ったこと、政務官、ありますよね。だから、あれを着て、これからの本当梅雨のときに二時間いたらどうなるか。私は元そっちの方の化学科部隊でしたから、何回も、もっと厚いの着ましたけれども、たまらないですよ。しかも、六十以上の方もいっぱいおられるんです、作業員で。
 これを考えたら、やっぱりその辺の、少なくとも作業員の方が中心的に一生懸命安全化をやっていただく、周りの環境を整える、これは東電以外の組織がやるべきだと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
#82
○大臣政務官(中山義活君) 兵たんにお詳しい佐藤委員のお話なんで、確かにそういう士気を減退させたり、やはり健康上も問題があって働けないような状況は絶対まずいというふうに思いますので、先ほどのあのアメリカ製のやつも私見て、相当防護服なんかも重いものを実際見て、こうやって触って、自分の体重と合わせるとこれ百二十キロ以上になってしまうとか、いろんなことがあると思うんですね。
 ですから、今言ったように、体力は大事であります。これから夏場に向かって健康が保たれるように、これはやっぱり政治のレベルでやるべきであると、こう思いますので、早速本部にそのことを申し上げてまいります。
#83
○佐藤正久君 防衛大臣にお伺いします。
 統合本部の方から、例えば自衛隊の方がその兵たん支援のマネジメント、実際動く部署は東電の関係会社かあるいは消防の方が、救急もあるかもしれませんけれども、そういうマネジメントをやってほしいという依頼があったら、対応する用意はございますか。
#84
○国務大臣(北澤俊美君) 当然、国を挙げてのことでありますから、きちんとしたルートで要請があれば検討をいたしたいと思います。
#85
○佐藤正久君 あと、中山政務官、今防衛大臣がそういうふうに言われました。是非とも、やっぱり国を挙げてやっている対応ですから、あのままだとまた死人が出ますよ。これから熱中症も起きやすい。そういうときにやっぱり、食事もそうですけれども、一番大事な医療支援体制、これは本当早急にやらないと駄目ですよ。
 中山政務官、東京電力病院って聞いたことがありますか、東京電力病院。
#86
○大臣政務官(中山義活君) 私、近くに病院がありますので、大体近くの病院に行くことにしておりまして、東京電力病院というのはちょっと知りません。
#87
○佐藤正久君 東京電力が持っているんですよ、実は。信濃町にあるんですよ。総合病院で多くの診療科目があって、ベッドもこの私が持っている資料だと二百弱ぐらいあるんですよ。だったら、そこのお医者さんとか看護師をもっと投入するぐらいの発想があってもしかるべきなんです。この一つ取っても、東電さんの今の感覚というのは私はなかなか理解できにくい。実際そういう病院持っているんですよ。今回行っているお医者さん、看護師もそこから行っているのかもしれませんけれども、一番大事なところにやっぱり必要なお医者さん、看護師、あるいは救急車やそういう急患車持っていく、当たり前の話ですから。
 多分そのほかにもあるかもしれません、東京電力さん、もう系列いっぱいありますから、びっくりするぐらい。東京電力が本気になれば、そういうアセットは、手段はいっぱい出てくる可能性あるんです。ただ、そういうマネジメントの能力がないのとそういうやる気がないというふうにしか見て取れないんです。やっぱりここは政治の責任として、この兵たん体制、これをしっかりしないといけない。そのときに当然東京電力のアセットも使う、ましてや病院も持っているわけですから。そういうこともいろいろ考えながらやっていただきたい。
 最後にもう一度、政務官の決意をお伺いします。
#88
○大臣政務官(中山義活君) いや、本当に組織を動かす兵たんのことについてはもうプロ中のプロでありますから、佐藤委員の意見というのは大変傾聴に値して、私どももしっかりそれをやっていきたいというふうにすぐにでも申し上げたいと、このように思っております。
 即大臣には伝えます。そして、この問題はすぐ解決できるように、もうできる限り早くやるように申し上げます。
#89
○佐藤正久君 これで終わりますけれども、ただ言うだけでは駄目で、やっぱりもうやらないと。今現場ではいろんなことが起きていますから。今日だってすごく暑いですよ。ひとつ、申し上げるだけではなくて、やるということまで言っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 終わります。
#90
○浜田和幸君 ありがとうございます。
 先ほど冒頭に、大野委員からもロシアのイワノフ副首相の択捉、国後上陸の問題について指摘がありました。そのことについて、ちょっと冒頭確認をさせていただきたいと思います。
 ちょうど沖縄の祖国復帰の三十九年という節目の日に、ロシアの副首相が日本の固有の領土、北方領土に上陸する。先ほど松本外務大臣は駐日ロシア大使に抗議をされたとおっしゃいましたけれども、これまでも似たようなことは何度も繰り返されているんですけれども、幾ら抗議をしても今のロシアはへとも思っていないんじゃないかと思うんですけれども、一体どういう工程表でこの北方領土を日本に取り戻す、そういうお考えなのか、基本的な認識をもう一度お聞かせください。
   〔委員長退席、理事榛葉賀津也君着席〕
#91
○国務大臣(松本剛明君) これまで六十五年間、どのようなやり取りがなされ、どのような戦略に基づいてどのように行動されて現段階に至っているのかということを私自身も改めてスタッフとともにしっかり議論をして、前原大臣の下で、やはり日ロ関係、あらゆる分野の協力を進めていくということで交渉をしっかり進めていく、そういう流れをつくることが必要だと、このような形で進めてきているわけでありますけれども、私自身も基本的な考え方はそのように考えておりますが、具体的な戦略というのを今ここで申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますが、同時に、今回も大使を呼んで申し上げたように、私どもの基本的な立場は、必要なときにはしっかりお伝えをして、申し上げることは申し上げなければいけないということで進めております。
#92
○浜田和幸君 このイワノフ副首相は、今回の日本の領土上陸直前に、カムチャツカ半島から千島列島全体を含む五十六の島々の開発計画を進めるんだと、そのために今回も他の閣僚とともに我が国の領土に上陸しているわけでありますが、こういうことに対してこれまでどのような言ってみれば働きかけをされてこられたのか。先般もメドベージェフ大統領が訪問され、そのときも我が国の総理はこれは看過できないということで厳しい言葉で非難されましたが、全くもって日本の抗議というものが効果を発揮していないと思わざるを得ないんですね。しかも、この北方四島に関しましては中国や韓国にまで働きかけて、北方領土の資源開発や水産加工業、この拡大に向けて働きかけている。
 先ほど松本大臣は、国際社会に対しても粘り強く働きかけていくとおっしゃいましたけれども、韓国やあるいは中国、そういうところに対してもどういうような日本の領土を守るための働きかけをされてきたのか、お伺いしたいと思います。
#93
○国務大臣(松本剛明君) 先ほど大野委員の問いにもお答えをさせていただきましたように、北方領土のこれまでの交渉の経緯、また私どもの立場などについてしっかり国際社会に伝えさせていただくということで、各国に対しても機会をとらえてしっかりお話をさせていただいているところであります。
 個別の国々とそれぞれどのようなやり取りがあったかについては、ここでお答えをするのは差し控えさせていただきたいと思います。
#94
○浜田和幸君 いや、粘り強くやってこられて、もう六十六年たっているわけですよね。この北方四島に関して何らかの国民にとっての希望というか、目に見える形での交渉の成果、こういうものについては何かございますか。
#95
○国務大臣(松本剛明君) 民主党も政権をお預かりをして、今おっしゃったように六十六年間のうちの二年間、今まさにお預かりをしておりますので、その責務が果たせるようにしていかなければいけないと、このように思っております。
 これまでも日ロの間では諸文書、諸合意があるわけでありまして、積み上げがあるというふうに評価をできるところもあろうというふうに思います。そういったことを基にいたしまして、この問題を解決をして平和条約を締結をすること、このことが日ロ関係の安定と発展に資すると私どもも考えておりますし、この点については両方の認識が一致しているベースでこれまで推移してきていると、このように考えております。
#96
○浜田和幸君 実はアメリカの公電を見ますと、我が国という、日本ですね、日本はこのロシアとの北方領土問題の解決に関して交渉のプランもなければ政治的な解決に向けての指導力もない、民主党政権になってからも真面目に取り組む姿勢が見られないという、これはアメリカ大使館が本国に送った公電、ウィキリークスが内部告発したものの中にあるんですけれども、最大の同盟国であるアメリカからもそのような見方をされている。
 国際社会を味方に付けて日本の領土を取り返すということについて、何か、確かに二年間という短い期間かも分かりませんけれども、決定的な戦略が欠けているのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#97
○国務大臣(松本剛明君) 残念ながら、私は米国の公電に接しておりません。
#98
○浜田和幸君 後でお届けいたします。
 それでは、本題に移りたいと思いますけれども、本日は、例の中国大使館による、都内の国家公務員共済組合連合会が所有しておりました土地、これの落札が四月二十六日に行われました。これはもう間違いなく日本の領土というか、日本の土地を外国の政府が一般入札によって買い取った、六十億円で。この事実は御存じですよね、外務大臣。
#99
○国務大臣(松本剛明君) 金額等を正確に知る立場にありませんけれども、おおむね今おっしゃったようなことがあるというふうには承知をしております。
#100
○浜田和幸君 それで、実は昨日の行政監視委員会でもこの質問をさせていただきましたときに、高橋副大臣の方から、中国大使館からは今回の土地の取得に関して三年ほど前から話があったということでございましたけれども、この間、どのような外務省と中国大使館との間でやり取りがあったんでしょうか、お伺いします。
#101
○国務大臣(松本剛明君) いわゆる大使館の公館としての用地の取得がしたいということでありまして、私どもとしては、この希望されている土地を取得するに当たって必要な手続、今回であればKKRの入札の手続というものを説明をさせていただいたというふうに理解をしております。
#102
○浜田和幸君 その説明のときには、中国側はどういう目的でこの土地の取得ということを言ってきたんでしょうか。
#103
○副大臣(高橋千秋君) ここにそのときの文書、英文の文書もあるんですけれども、そこに、タイプ・オブ・ランドというところに、ランド・フォー・レジデンス・ビルディングと書いてございます。つまり、住居という形で問合せがございました。
#104
○浜田和幸君 その住居ということであると、考えられるのは大使の公邸と大使館員の宿舎ですよね。今回落札された土地のすぐ隣に大使館員の立派な宿舎がありますよね。警察も二十四時間守っています。
 聞くところによると、大使の公邸が古くなった、その建て替えということも今回の土地取得の目的だと聞いているんですけれども、そういう話もありましたですか。
#105
○副大臣(高橋千秋君) 御指摘のとおり、大使公邸が古くなって手狭になってきたと、それで建て替えたいということで、当然、公邸も住居でございますので、そういう形で聞いております。
#106
○浜田和幸君 ということは、建て替えということであれば、今ある大使の公邸をきちんと建て替えればいい。大使館員の宿舎も立派な施設がある。にもかかわらず、千七百坪の土地を新たに取得した。大使館の現在の土地の面積と合わせると三千坪を超える、そういう土地を持つことになったわけですね。
 これについては、本当に必要な、中国大使館が言っているような目的で今回の土地を取得したのかどうか、その背景について分析をされたことはありますか。
#107
○副大臣(高橋千秋君) 背景については、分析をしたという事実はございません。
 ただ、これについては、昨日の行政監視委員会でも御答弁させていただきましたけれども、当然注視をしながら、その目的外の使用にならないように我々としては注視をしていくということになると思います。
#108
○浜田和幸君 外交関係に関するウィーン条約二十一条一項には、「接受国」、この場合は日本ですね、「は、派遣国」、この場合は中国、「が自国の使節団のために必要な公館を接受国の法令に従つて接受国の領域内で取得することを容易にし、又は派遣国が取得以外の方法で施設を入手することを助けなければならない。」という法令、国際条約がございます。
 ですから、今回のケースを当てはめると、必ずしも中国政府が日本の土地を買わなくても、取得以外の方法で、賃貸でも、あるいは今ある古くなった大使の公邸を建て替えるときの間だけどこか代替地を提供する、そういう方法で中国側の要望にこたえるということも可能だったんではないでしょうか。
#109
○副大臣(高橋千秋君) 当然リースという考え方もあるかと思いますけれども、中国政府、中国大使館の方からは、このKKRの土地を一般競争入札になっているときに購入をしたいという御要望で外務省の方に連絡があったというふうに聞いております。
#110
○浜田和幸君 その購入したいという最初の要望があったのは三年前でいいんですか。その三年前の段階では、今回の土地は港区の高陵中学校の仮校舎として使われていた、そういう時期に当たると思うんですけれども、その時点で中国政府、中国大使館はこの土地を買いたいということを外務省に相談を掛けてきたということでよろしいんでしょうか、理解としては。
#111
○副大臣(高橋千秋君) 二〇〇八年に文書が来ております。
#112
○浜田和幸君 ということは、是が非でも中国大使館、中国政府としてはこの都内の一等地を手に入れたいということは当然想像できますよね。
 土地、御覧になったと思いますけれども、旗地で大変使い勝手の悪い土地ですよね。ですから、地元の不動産屋さんに聞いても、まあ大体三十億か四十億ぐらいが妥当な相場だと言われています。しかし、旗地である理由は、中国大使館の館員のマンションがあるから旗地になっているのであって、その旗地を手に入れれば、大変きっちりとした地形のいい土地が手に入る。それを今回、六十億円で入札、で、落札したわけですよね。
 こういうことを考えますと、どうも単純に大使の公邸が古くなったからだとか、あるいは大使館員の宿舎を造るためだとか、また違う目的があるんじゃないか。
 例えば、中国の外務省の一部の報道によりますと、都内に孔子学院を設立して、日本に対する中国文化、その情報発信の拠点にしたい、それが新しい習近平次期国家総書記の希望であるというような報道もあるんですけれども、その辺りについては、外務省としては情報収集、分析をされていますか。
#113
○国務大臣(松本剛明君) 私どもは、今回の土地は公館として取得をしたい、公館の用地として取得をしたいとして聞いておりますし、いわゆる外交の使節団の任務というのは、まさに先生がお話しをいただいたウィーン条約にも定めがありますので、当然公館の用地は、その定められたというか、任務において使われるものと理解をしております。
#114
○浜田和幸君 となりますと、もし将来、当初の目的以外の目的で中国大使館が今回取得した土地を使い始めたような場合には、それを何らかの方法で取り消す、あるいはその使用目的をやめさせる、そういうようなことも可能になるんでしょうか。
#115
○国務大臣(松本剛明君) 当然外交上の関係で公館として御使用いただくものでありますから、公館として適切な形で使用をしていただけるものと私どもとしては考えております。
 なお、先ほど委員がおっしゃった、中国文化センターといったようなものをもしあれだとすれば、一年半前に虎ノ門に新設をされているというふうに報告が入っております。当然大使館の一部という扱いにはなっておりません。
#116
○浜田和幸君 その質問をしましたのは、その孔子センター、孔子学院というのは、世界にもう三百か所、四百か所と拠点が世界中にできつつあるわけで、日本国内にも何か所か既にありますけれども、今回はこの都心の一等地、そこにやはり広大な土地を取得したということのこの目的を推察すると、ただ単にウィーン条約で認められている適切な施設というレベルを超えているんではないだろうかと。
   〔理事榛葉賀津也君退席、委員長着席〕
 同じようなことが実は新潟でも名古屋でも起こっていますもので、新潟での五千坪と名古屋の三千坪、地域の人たちは、本当に中国領事館が領事の目的だけでそういう広大な土地を手に入れようとしているのかどうか、大変な不安感、不信感を持っているわけですね。それが今棚上げになっている、地元の住民の反対があって。その間に、東京都心の中国大使館分館のすぐそばに、合計すると三千坪を超える土地を手に入れた。果たして本当に宿舎だけという目的なのかどうか、そのことに対する疑念が払拭できていないという問題があるんですね。
 と同時に、今回の場合、ウィーン条約二十三条一項によれば、その派遣国及び使節団の長は、使節団の公館について、国又は地方公共団体の全て租税を免除されるということですよね。そうしますと、今回中国大使館が千七百坪の土地を取得した、最終的な契約は来週ですけれども、取得した。そうなりますと、都市計画税、固定資産税、不動産取得税、その他もろもろの税金が一切免除になる。一般の売買であれば年間千五百万円近くの税収があるのに、それは一切もう今回のことでは適用されないということですね。その理解で間違いないでしょうか。
#117
○政府参考人(滝本純生君) 総務省でございます。お答え申し上げます。
 地方税法におきます現行の制度を申し上げますと、外国政府がその国の大使館あるいは大使館の職員の居住用施設などに供するために土地を購入した場合には、地方税法に基づきまして、その土地に係る不動産取得税、固定資産税、都市計画税は原則として非課税となります。
 いずれにしましても、課税庁、この場合は東京都になるわけでございますが、課税庁が個々の事実関係に基づきまして不動産取得税などを非課税とすべき土地であるかどうかを適正に判断していくと、そういうことになります。
#118
○浜田和幸君 その関連で、今回土地を売ったのは国家公務員共済組合連合会でありますよね。この組合は、もちろん国家公務員の年金あるいはその社会保険事業のために運営されている団体でありますもので、そのトップ、理事長、専務理事始め、旧大蔵省からの出身の方々が多数占めておられる。国民の税金で運営されている極めて公共性の高い団体だと思われます。
 その資産の運用、資金の運用に関しても、この国家公務員共済組合の法律の下で、法規の下で、事業の目的及び資金の性格に応じ、安全かつ効率的に運用しなければならないと内規で決められております。当然その財産を処分するわけですから、その処分に当たっては国民の利益あるいは公益にかなった用途でなければならないはずだと思います。
 もし今回の契約が来週発効するとなると、中国大使館が所有するわけで、中国政府の持ち物となりますと、公共性という観点でいくと、治外法権区域になるわけですね。これは本来の国家公務員共済組合連合会の言ってみれば規約、内規に違反する、そういう可能性はないんでしょうか。
#119
○委員長(佐藤公治君) どなたに。
#120
○浜田和幸君 財務省。
#121
○副大臣(五十嵐文彦君) 外交関係を維持し発展をさせるという観点も公共性の一つでございますので、にわかに公共性に反するということは言えないと考えます。
#122
○浜田和幸君 確かに外交活動は公共性にと思いますけれども、じゃ、中国大使館が今の状況下で何か外交活動ができない、制約があってということであれば、この千七百坪の土地を新たに取得したというのも理解できますが、今何かそういうことで問題があったんですか。
 しかも、国有地に準ずるような土地を外国政府が、たとえウィーン条約で接受国日本が取得に関して支援をするということがあったとしても、本来の外交活動にとってこれが適切なものかどうか、あるいは日本が同じように中国で日本の外交活動のために土地を取得しようと思っても、それは中国の国内法で取得できないわけですから、外交の対等、平等性を考えると、本来こういった取決め自体を見直していく、その必要性があると思うんですけれども。
 二点、先ほどの、今の中国大使館が、じゃ国内で外交活動に何か支障があるのかということと、それがないとすると、これだけの土地を取得することに対して、日本が同じようなことを中国で保障されていないのに一方的に中国だけが日本の国内でどんどん土地を買っていく、外国の政府が日本の土地を買っていくということに対して何らかの規制を考えるということが今必要ではないでしょうか。
#123
○副大臣(高橋千秋君) 昨日もそういう近い趣旨のお話がございましたが、もう委員もよく御存じのとおり、中国側は個人も組織も基本的には土地の購入というのはできないと。いわゆる長期、かなり長期のリースという形になっております。これは外国の政府云々ということではなくて、自国民に対してもそういう形を取っておるということで、形的には日本の大使館も長期リースの形を取らさせていただいています。
 一方で、日本側に、今回購入ということになった背景は、一般競争入札という形で、外務省としてはそういう、一般競争入札ですよというお知らせをというか、説明をしたということだけでございますけれども、それに対してそれを止めるという、それをリースにしろとかそういうことを言う立場にもないわけで、ほかの国々もやっぱり購入という形を取っております。
 その中で、面積的にそれだけの広さが要るのかと、支障があるのかということでございますけれども、中国政府の考えはよく分かりませんが、支障があるというよりも、むしろ積極的に活動をしていきたいという思いの中からそういう形を取ったんではないかなというふうに思います。
 一方で、この面積は、昨日も申し上げましたけれども、フランス大使館と比べてもそれほど支障がない状態にあるかと思います。特にイタリアの大使館なんかは二万六千平米という、かなり広い土地を所有をしておりますし、幾つかの国々で今回の中国が買った後よりも大きな大使館はございます。
#124
○浜田和幸君 フランスとかイタリアと、今尖閣諸島をめぐって領有権争いがあるこの日本と中国との関係は、やはり根本的に違う発想で取り組むべきではないかと思います。同じことはロシアについても言えると思うんですね。あるいは韓国との間でも竹島の問題がございます。そういう日本の国と領土をめぐって係争中、そういう国の政府が、お金があるからといって、売る人がいるから、しかも準政府機関に等しいところが売るからといって、買うということを容認するということが果たして日本の国益にかなうのかどうか、その辺り外交的な判断というものがもっと慎重になされるべきだと思いますけれども、その点はいかがですか。
#125
○国務大臣(松本剛明君) まず一つ、先生のお話を承って、私の誤解でなければ、中国政府がどんどん土地を買うのを政府が支援をしているかのようなお話でありましたけれども、私どもは公館を取得される案件についてなおかつ必要な支援を行ったわけで、具体的にKKRから入札をされる手続の内容に、若しくは入札の手続の中で私どもが支援を行ったというようなことは、当然のことでありますけれども一切いたしておりません。
 そして、先生もよく御理解をいただいておりますけれども、外国の使節団というのについては国際法上また国際的な慣例の中で一定の立場が認められているわけでありまして、これについて、日本にいる外国使節団について、もちろんそれぞれの国と具体的な外交の交渉というのは非常に厳しいやり取りから様々なやり取りがありますが、この外国の使節団のこういった取扱いについて、一つ一つ何らかの差異を設けるということが必要であるというふうには考えておりません。
 その上で申し上げれば、先生もお話がありましたけれども、当然外国の使節団に必要な公館の土地ということでお求めになるということで、また先ほど税制のお話もありましたが、それにふさわしい言わば待遇というか処遇を受けるんでありますから、それにかなった土地の利用が行われるものというふうに私どもも思っております。
#126
○浜田和幸君 前に前原さんが外務大臣だったときに、この同じ外交防衛委員会で、当時は新潟と名古屋の中国の総領事館が広大な土地を取得したいということがありましたもので、その際にも質問したときに、当時の前原外務大臣は、これは通常の外交領事活動の観点から見ても、新潟で五千坪、名古屋で三千坪というのは適切な範囲とはにわかには理解し難い、この件について検討して改めて報告をしたいという話がございました。今、松本外務大臣は、何か中国が日本でどんどん土地を買っているというような、そういう印象をほかの人に与えるのはまずいというようなことをおっしゃいましたけれども、その三千坪とか五千坪、あるいは長崎でも福岡でも大阪でも仙台でも中国大使館が、日本が中国では先ほど申しましたように土地の取得ができないのに、中国側だけが日本で一方的に土地を取得しているということに関しては、これは外交上も対等という原則を考えたときにはやはり考えておく必要があるんじゃないかと。
 本来の外交活動に、じゃどうして東京の都内で、もう大使の公邸も大使館員の宿舎もあるのに、そういう目的でもって新たに土地を取得したいということだと、ちょっと整合性が合わなくなるんじゃないでしょうか。
#127
○国務大臣(松本剛明君) 繰り返しになりますけれども、私どもとしては外国の使節団に対してしかるべき支援を行っているわけでありまして、どんどん土地を買うということを側面から支援をするようなことをしているわけではないということをお話をさせていただいたわけであります。
 その上で、今のお話でございますけれども、一般的に既に大使館がある、若しくは大使公邸がある国は一切公館のための土地の取得ができないかといえば、そういうことにはならないというふうに私どもとしては思います。
#128
○浜田和幸君 北澤防衛大臣に関連してお伺いしたいんですけれども、昨年の七月の一日に中国、国防動員法を施行いたしましたですね。それによりますと、有事の際には在外中国人が中国大使館の指揮下に入り、中国のために戦うということに読めるわけでございますけれども、万が一、日本と中国の間に将来有事が発生したような場合に、今回のような中国政府が手に入れた土地、これが国防動員法に基づいて、中国人が武装をしてここを拠点に様々な軍事活動、あるいは日本に対する騒乱、テロ、そういったことに関与する、そういう可能性もあるんではないかと思われますが、その中国が昨年施行した国防動員法と今回の土地取得についての関連性、そのことについて何か検討された経緯があるのかどうか、お聞かせください。
#129
○国務大臣(北澤俊美君) 検討したことはありません。
#130
○浜田和幸君 さきの外交防衛委員会でも北澤防衛大臣にお伺いしたんですけれども、中国が超限戦、あらゆる通常の戦略を超えたそういう軍事戦略を展開していることは御存じだと思いますけれども、この超限戦の一環として、こういう一般の文化施設とかあるいは外交施設を使って、まあ言ってみれば日本の国内で騒乱状況を起こす、そういう可能性、これについては何かお考えになったことはないでしょうか。
#131
○国務大臣(北澤俊美君) 中国は巨大にして、また隣接した友好国でありますので、特段そのことについて中国が日本国土内で何か意図するようなことを前提に我々は考えてはおりません。
#132
○浜田和幸君 例えば、今回のような土地取得を何らかの法令をもって制限しようと考えた場合に、ウィーン条約との関連で外交関係上の条約で認められないというような何か事情とか背景といったものはあるんでしょうか。
#133
○国務大臣(松本剛明君) 先ほどの繰り返しになりますけれども、北澤大臣からもお答えがありましたけれども、まず、そもそも今回の土地についてはまさに公館としての取得ということでありますから、公館として言わばそれにかなった利用が認められているというふうに私は理解をしております。
 その上で、土地に対する規制というお話でございますし、先ほども中国において我が国が土地が取得できないと、こういうお話でありましたが、先ほど高橋副大臣からも回答させていただきましたように、我が国の政府のみが中国において土地が取得ができないわけではなくて、中国においてはどの国においても取得ができないわけであります。その意味で、我が国においても、何ぴとも土地が取得できないという法制をもし我が国の法制で考えるということを先生が御検討であるとすれば、それは国内法令上ということからすれば整合性は、可能性があるのではないかというふうに思いますけれども、特定の国若しくは外国の使節団ということに限定をして何らかの規制を掛けるということが条約の趣旨に必ずしもかなっているというふうには考えにくいと思います。
#134
○浜田和幸君 ですから、本来の目的以外にこの土地が利用される、あるいは、利用されているかどうかということを将来もし確認しようと思っても、どういう方法で確認できるんでしょうか。治外法権の中にあって、日本政府が、あるいは警察が、この中国の新たに取得した土地あるいはそれ以外の中国政府が日本の国内で手に入れた土地の中でどういうような活動が行われているのか、それが本来の目的と違うかどうか、それをどういう形で確認できるとお考えですか。
#135
○副大臣(高橋千秋君) 先ほど治外法権というお話がございましたが、本来、東京にある土地でございますから、日本の法体系の中で規制を受けるわけでございます。実際はなかなかその中に入るということはできないということで治外法権的な感じになりますけれども、現在はいわゆる昔の治外法権とは違いまして、基本的には日本の国内法の規制を受けます。
 ですから、当然外務省とすればその行動を注視をしていくということになりますけれども、本来、公館として使用するという目的で出ておりまして、事務所等に使う場合は事前の同意が要るということになっておりますので、それを我々とすればきっちりと注視をしていくということになると思います。
#136
○浜田和幸君 是非その注視をしていただきたい。
 それは尖閣の問題に関しても同じなんですよね。あれだけ日本国中が大変な危機感を抱いたあの尖閣諸島に対しても、中国は、埼玉県におられる土地の所有者に対してお金で買い取りたいというアプローチも仕掛けてきている。土地の所有者の方が断られたのでそういうことは実現しませんでしたけれども、今中国は大変な資金力を持っている。CIC、御存じと思いますけれども、中国の国富、政府系のファンドですね、そういったところが世界中で農地やあるいは企業や、買収に掛かっているわけですね。
 そういう点にも、中国というのは日本と違って、あるいはフランスやイタリアと違って共産党一党独裁体制の国ですから、彼らが一体何を考えているのか、我々との価値観の違いということを踏まえた上で注視していただきたいと思います。
 二つ目の質問に移りますけれども、外国資本による森林の取得に対する制約について。
 このところ、特に中国を中心とした外国投資家、これが我が国の土地の購入に大変熱心に取り組んでおります。昨年は日本国内で四十五ヘクタールの森林が買収されました。林野庁の報告書によりますと、半数以上が中国人による買収だったと言われております。一昨年は三百六十三ヘクタールの日本の森林が外国人によって、あるいは外国法人によって買収されております。これは、国土交通省と林野庁が共同で行った調査の結果明らかになっておるわけであります。
 今全国で、日本の国内で一体どれくらいの森林、これが外国資本の所有になっているのか、まず政府はその実態について把握されているのかどうか、改めてお伺いします。
#137
○委員長(佐藤公治君) どなたに御答弁をお願いいたしますか。
#138
○浜田和幸君 松本外務大臣が御存じであれば、あるいは財務省の方で御存じであれば。
#139
○国務大臣(松本剛明君) この件については、かねてよりいろんな場面で議論になっているというふうに承知をしております。特に私が拝見をした本も、林野庁のOBの大学の先生の方が、大変問題であるので是非林野は国有にすべきであるというようなお話でもありました。かつて林野庁が、かなり国有で持っておられた方がいいというような御趣旨なのかなと思いながらも拝見をさせていただきましたし、問題としてあることは承知をしておりますが、急なお問合せでありますので、今手元に何らか回答できる材料を持ち合わせているわけではありませんが、こういったことが議論になっていることは私も承知をしておりますので、政府内の人間もよく理解をしているというふうに思います。
#140
○浜田和幸君 その森林資源という、日本は森林大国、国土の七五%が森林ということでございますし、森林の下には水資源もある。あるいは、安全保障の観点から国防上もこの森林資源というものはとても重要な要素だと思いますけれども、我が国の将来の安全保障を考えたときに、こういった森林資源をどんどん外国資本が取得する、このことに対して何らかの規制、制約を今の段階で設けるべきではないでしょうか。
 今年ですか、改正森林法が国会で成立しましたから、来年度からは取得に関する事前の届出ということが求められるわけですけれども、今この段階でどんどん外国資本が日本の森林を買い続けている、そういうことに対して何か規制ということを考えるべきだと思いますけれども、規制を設けるときに、昨日もちょっと高橋副大臣に聞きましたけれども、外国人土地法、これを新たによみがえらせるということで対抗策を、政令等を新たに作って規制の網をかぶせる、来年の施行をされる前に、森林法が。
 少なくともこの一年間に関しては、何らかの形で今以上の外国資本による日本の森林の買収を食い止める、そういうお考えはないでしょうか。
#141
○副大臣(高橋千秋君) 私の地元でも森林が中国の方に買われたのではないかというようなうわさは随分流れております。そういう懸念は、私も同じような懸念を持ったことがございます。
 その中で、二国間の国際約束の場合はそういう国籍を、土地取得に関して内国民待遇義務、つまり、日本国民と同じような形にするというのは留保しておりますけれども、一方で、WTO協定におきまして、サービス貿易に関する一般協定、いわゆるGATSというものですが、において我が国は外国人等によるサービス提供に係る土地取得について内国民待遇義務を負っております。そのため、他のWTO加盟国の国民等がサービスの提供に際して我が国の土地を取得することについて、原則として国籍を理由とした差別的制限を課すことは認められないということになっております。
#142
○浜田和幸君 そうしますと、今話題になっておりますTPP、今日の閣議で政策推進指針で、しばらく、六月末とおっしゃっていた参加の是非は延期される方向になりそうですけれども、このTPPに関しましても投資の自由化ということが大きなテーマになっておりますから、もし日本がこのTPPに参加する、投資が自由化される、こうなりますと、TPP参加国が日本の森林を取得する、そういう際には法律で新たに日本が制限を加えることができなくなる、そういう可能性があると思うんですけれども、その点についてはどういうふうに考えておられますか。
#143
○副大臣(高橋千秋君) TPPに関しましては、委員御承知のとおり、既に何回も会合が持たれておりますけれども、まだ協議中でございます。
 その中で、我が国としては、そのTPP、昨日の閣議というお話がございましたけれども、まだ交渉に参加をしておりません。情報収集をしている段階で、その交渉に参加をしておりませんので、確たるそういう形になるかどうかというのは申し上げることはまだできません。
#144
○浜田和幸君 その交渉に参加していないからはっきり答えられないというのは、これまでも繰り返し私ども聞かされてきまして、交渉に入る前にそういう情報収集をして、国民にも国会等を通じて、こういう問題がある、こういう可能性があるということをちゃんと明らかにした上で交渉に入るというのが筋道ではないでしょうか。
#145
○副大臣(高橋千秋君) このTPPの議論に関しましては、今傍聴という形も認められておりません。その中で、様々な情報収集は当然、外務省としても経産省の方にもそれぞれ手伝っていただきながら情報収集をしておりますけれども、先ほど委員御指摘の中身については確たることは現在の段階では申し上げることはできません。
#146
○浜田和幸君 三番目の、海外からの化石燃料の調達についてお伺いしたいと思います。
 今回の大震災の結果、長期的なやはり自然エネルギーによる発電への転換ということが大きな課題となっておりますけれども、この化石燃料の安定的な確保に向けて、政府として今どこの国と特に協力を進めようとされているのか。日本企業が安定的な供給契約の締結、いろいろと努力していると思うんですけれども、そういう民間の動きに対してどの程度の支援を行っているのか、その結果、どの程度の新たな化石燃料の供給の確保ができたのか、そのことをお聞かせいただきたいと思います。
#147
○政府参考人(安藤久佳君) お答えさせていただきます。
 御案内のとおり、中国、インド等々の新興国の需要増によりまして、世界のエネルギー情勢は大変厳しい状況でございます。また、今般の原子力関係での問題によりましてまた化石燃料に注目が集まっておるわけでございます。
 御案内のとおり、石油につきましては、従来から中東、サウジ、UAE、カタール、それと新しいところといたしまして注目させていただいておるのはイラクでございますけれども、今年の一月でございますけれども、前の大畠大臣、イラクを中心にして御訪問をしていただいております。
 それと、南米等々におきまして、従来非常に採掘が困難あるいは利用が困難でありました重質油の油がございます。ベネズエラ等々に大きな鉱区がございまして、日本も参加をしております。こういったようなところ、あるいは天然ガスにつきましては、オーストラリア、インドネシアで日本の企業が参加をしております非常に大きな鉱区が既に取れております。
 また、御案内のとおり、今回の震災を受けまして、さらにロシアからも東シベリア、サハリンについての具体的な協力の提示がされておるわけでございます。
 こういった様々な国々との関係によりまして、日本の企業の権益取得に当たりまして、主としまして独立行政法人のJOGMECがリスクマネー供給をさせていただいております。昨年のJOGMEC法の改正によりまして新たに資産買収の出資制度ができました。こういったようなものを使いまして順次御支援をさせていただいております。
 ごく最近の事例で申し上げますと、この五月でございますけれども、JX日鉱日石開発が一〇〇%の権益を持ちますカタールの天然ガス田の探鉱事業について支援をさせていただいております。また、四月、三月におきましては、同じく豪州、カナダのシェールガスにつきまして三菱商事が相当程度参加をしておりますプロジェクトに対して出資をしております。また、イラクのガラフ油田、先ほど申し上げたベネズエラのカラボボ油田、油でございますけれども、これにつきましては昨年JOGMECがそれぞれ相当量の出資応援をさせていただいております。
#148
○浜田和幸君 ありがとうございました。
 時間になりましたので、引き続き日本の国益のために御努力のほどよろしくお願いいたします。
#149
○山本香苗君 公明党の山本香苗です。
 ちょっと順番を変えて質問させていただきますので、お願いいたします。
 まず最初に、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約、いわゆるハーグ条約についてお伺いしたいと思います。
 ハーグ条約について、加盟を前提に国内法の整備などを進める方針を決めた、今月下旬にフランスで開催されるG8サミットで菅総理はこの方針を表明するといった報道がなされておりますが、これは事実でしょうか。
#150
○国務大臣(松本剛明君) ハーグ条約については、検討を進めていることは記者会見等でも申し上げてきたところであります。
 また、与党・民主党の中においても議論が進んでいるというふうに報告を聞いておりますけれども、現段階で締結するとの方針を決定をしたわけではなく、当然、いつ表明をするといったようなことも決定をされていないというふうに承知をしております。
#151
○山本香苗君 松本大臣は十日の記者会見で、ハーグ条約について、条約締結を決断するかしないかというステップに入るが、今はまだその手前だと思うと発言されております。条約締結の決断の基準は何ですか。また併せて伺いますが、今はまだその手前だと、これは具体的にどういうことなんですか。
#152
○国務大臣(松本剛明君) その日の記者会見でお話をさせていただいたのは、やはりハーグ条約を締結することによって不利になるのではないかといったような事案にどのように対処するかということについて、ある程度具体的にしつつ御理解を得ていくという議論が必要なのではないかというふうに私は理解をしておりましたので、それが今まさに議論をされているというところだというふうに思ってお話をさせていただきました。
 同時に、この記者会見において、国際的に婚姻をして、また何らかの事情でやむを得ず婚姻が破綻をして別れた場合に、その子供のことについて解決をする裁判の管轄権の問題としての国際的なルール、このハーグ条約というものに日本が加わらなくていいのかといえば、やはり最終的には加わるべきではないかということを申し上げさせていただきました。
#153
○山本香苗君 大臣は先ほどの御答弁で、締結の方針は決めていないと、また、どこで表明するかも決めていないという御答弁でありましたが、昨日、質問を通告するに当たりまして外務省の担当の方から伺ったのは、この報道は事実ですと、二十日にも条約締結の方針を閣議了解する、そしてG8の二国間会合で関心のある国々のトップと会った際にそのことをお伝えすると伺いました。
 条約締結するに当たって、国会の承認を求めると同時に、その内容を国内で担保する法律案を一緒に国会に提出するというのが通常の手続です。しかし、今回は閣議了解をしてすぐその方針を国際社会に対して表明してしまうと。こういうやり方というのは過去にどれぐらいあったのか、どういう内容のものがあったのか。大臣、御存じですか。
#154
○国務大臣(松本剛明君) その前に、もし山本先生にそのように御報告をしているとすれば、私にも是非報告するようにということで省内をよく掌握に努めさせていただきたいと、このように思います。
 その上で、先生が今御質問いただいた内容というので申し上げれば、国連海洋法条約締結及び海洋法制整備について、平成八年二月二十日閣議了解という形で行われたのが今先生がお話をいただいたものに該当するのではないかというふうに思っております。また、条約ではありませんけれども、法律案の決定に先立って閣議了解を行ったということからいたしますと、平成二十二年、昨年の六月十五日に、地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法制度についてということで行っておりまして、これもある意味、先生が今お話をされたものに該当すると理解をしております。
#155
○山本香苗君 大臣、外務省の中をしっかり掌握するというのは大臣の務めとして当たり前のことであります。それに、今御説明いただいたこと、これも事前に外務省に確認をしましたら、その平成八年というのは今日初めて聞きました。事前に何件ありますかと。一件だけです、平成二十二年の六月の十五日のCOP10の前にやった分だけです、そういう回答だったんです。とにかく、一件、二件という話で、どちらにしてもイレギュラーな手続であることは間違いないわけであります。
 今回なぜそういうやり方をやるのかと。明らかに国会軽視、国民軽視です。事務方に何でこんな形をやるんですかと聞いても、納得のある回答は返ってきません。それは上が決めたからということなんです。誰がこのやり方でいこうという形を考えているのか。なぜこういうやり方をやろうとお考えになっているのか。もしそれを全然やりませんというんだったら、やりませんと明言していただければ結構ですが、やることを考えているのであれば、納得いくような答弁をしていただけませんか。
#156
○国務大臣(松本剛明君) ハーグ条約については、少なくとも外務省の立場は私が最終的に決めると思っておりますし、私の段階で今ハーグ条約を締結するということを決定をしたわけではありませんので、その点について改めて申し上げたいと思います。
 その上で申し上げれば、昨年の六月の閣議了解という形で行った場合には、私は当時、議院運営委員長でありましたので、その経緯について説明を受けたわけでありますけれども、そのときは、そのうちに生物多様性に関するCOP10が予定をされているということで、国際社会に対して日本の意思が、政府としての考え方がまとまったのであれば早く示すことが適当ではないかというような国益上の判断。
 他方で、六月十五日でありますので、既に会期末がたしか近づいておったというふうに思います。改めて法案を、新たな法案などを提出をするという時期には国会としては当たらないということがありまして、そのような判断をしたというふうな報告を聞いております。
 そのような意味で、今後も、ハーグ条約を含めて個別具体については申し上げられませんけれども、総合的に国益を判断をいたしまして、政府として最も適切な在り方、進め方というものを考えなければいけないときには過去の先例も踏まえて対応していきたいと、このように考えております。
#157
○山本香苗君 今、その経緯について、平成二十二年六月十五日のCOP10の前に出したいわゆる里地里山法ですね、これについての経緯おっしゃいましたけれども、私も経緯きちんと調べさせていただきました。この閣議了解するまでに、きちんとパブコメも掛けて、いろんな意見交換会もオープンでやって、法案のきちんと制度概要も付けた上で閣議了解という形を取っているんですね。その内容自体、国民の国内世論が分かれるような内容ではない。実際、平成二十二年十二月にスムーズにこの法案成立しているんです。全会一致です。
 でも、今回は事前にオープンな議論はありません。その上、国内世論も分かれています。なのに見切り発車をするようなこういうやり方って本当に適切なんですかと。
 先ほど大臣は、誰が決める、自分じゃない、決めるのは、こういうやり方をやるのは自分じゃないみたいな答弁されましたけれども、じゃ、こういうやり方は大臣として適切だとお考えなんですか。
#158
○国務大臣(松本剛明君) こういうやり方を決めたのは自分じゃないというふうに申し上げたつもりはありません。ハーグ条約について、政府として正式に決定をしたわけではないということを申し上げたわけであります。
 今日ここで申し上げるのが適当かどうか分かりませんけれども、当時、里地里山の法案について、COP10に向けて是非とも成立をさせるべきだという多くの声がありました。
 他方で、私は国会の議院運営委員長としてお預かりをさせていただいて、日程の件から考えて、この後から新たな法案を出して成立をさせるということは与野党の関係の中でほとんど不可能に近いのではないかと。必要であれば、臨機応変に政府としての意思を示す形というのをお考えいただいたらよいのではないかということで、昨年の六月のやり方という意味では、私はそういったやり方の推奨者か提案者の一人だというふうに考えております。
#159
○山本香苗君 いや、答えになっていないんです。今回、ハーグの件でそういう形をやるという、いや、じゃ、やらないということですか。
#160
○国務大臣(松本剛明君) そのようなやり方が必要であると総合的に判断すれば行うということになると思いますし、不要であるということであれば行わないということになると思います。
#161
○山本香苗君 具体的に聞いているんです。それを決めるのは外務大臣じゃないんですか、じゃ。
#162
○国務大臣(松本剛明君) 私だけで決めるということになるというふうには思っておりません。ハーグ条約そのものは締結は外務省の所管になってまいりますけれども、例えば海洋法のときも関連をする法整備についても議論がありましたように、ハーグ条約の根拠法といったものをこれからどこが所管をしてどのようにするのかということになりますから、政府全体として方針を決めることになると思います。
#163
○山本香苗君 この間、私は、ハーグ条約については慎重に検討すべきだと強く申し上げてまいりました。その理由は、現時点でこの条約を締結することは我が国の国民の利益を大きく損なうおそれがあると考えるからです。
 先日、アメリカ人と離婚した日本人の奥さんがアメリカから二人の子供を連れて帰ったとして、アメリカ人の元夫が裁判を起こしたと。元妻に対して約五億円の賠償命令が言い渡されました。ハーグ条約に入っていれば、子供も取られて莫大な賠償も求められることになります。
 よく逆の立場の方、つまり子供が連れ去られた人の立場に立って加盟を急ぐべきだというような議論もありますが、この条約に入れば必ず子供が取り戻せるというわけではありません。ハーグ条約では、子の居住地、すなわち連れ去られた国で返還申請がなされて、そこで裁判が行われます。アメリカで連れ去られた子の裁判はアメリカで行われる形になります。アメリカでは莫大な裁判費用が掛かります。そのために、ハーグ締約国においても、アメリカから子供を連れ戻すことを事実上断念せざるを得ない親がたくさんいると伺っています。
 ハーグ条約を締結したら実際どうなるのか、締約各国は実際どういう運用をしているのか。条約の第十三条の一bのところで、子に重大な危険が及ぶ場合は返還を拒否するとありますけれども、重大な危険が及ぶ場合というのは具体的にどういうような場合なのかと。スイスのように国内法を制定して、DV被害者だとか児童虐待がある場合などは返還拒否ができるのかと。
 こうした懸念される点を十分に調査をして、そして吟味をして、それに対して具体的にどういう手だてを取るのかということを国民に提示をした上で締結するしないの決断をするというのが私は筋だと思うんです。
 今申し上げた調査しましたかということを役所に聞きました。法務省やっていません。外務省はと伺いましたら、ハーグ条約の事務局の判例データベースなどの公開情報を取りまとめた四枚ペラの紙しか出てきませんでした。二〇一〇年九月に、DVだとか懸念のある部分について照会事項があれば出してもらいたいという外務省の求めに応じて、日弁連のワーキングチームが照会してもらいたいそういう事項というのを出しています。これに対して回答もないと伺っています。
 これで十分な調査をしたと言えるんでしょうか。こんな状況で本当に締結ということを、方針を決めていいんでしょうか。条約について正式な和訳もありません。締約国の運用状況も十分に調べていません。具体的に国内法でどう担保するかもはっきりしません。こういう状況でどうやって適切な判断ができるんですか。
 この条約を締結するという決断をするんであれば、大臣、この条約、また条約の運用状況等について国民の利益になるような網羅的で実証的な調査分析は不可欠です。そして、条約締結のための調査であるんだからこそ公開すると、その結果は国民的議論の前提として公開すべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#164
○国務大臣(松本剛明君) ハーグ条約の様々な情報は、個人の情報という問題の点を除けば、というか個人情報の保護という点で対応がしっかりできればしっかり公開をして御議論をいただきたいと思っておりますし、これまでも相当な議論の積み重ね、また関係をする方々、当事者の方々からも意見をお聞きをするという形ではいろいろと議論を積み重ねてきているというふうには私自身は理解をいたしております。
#165
○山本香苗君 調査をしたとおっしゃるのであれば、当委員会にその資料の提出を求めます。
 委員長、お取り計らいのほどをよろしくお願い申し上げます。
#166
○委員長(佐藤公治君) ただいまの件につきましては、後刻理事会においてその取扱いを協議いたしたいと存じます。
 続けてください。
#167
○山本香苗君 あともう一つ、当委員会に提出をお願いしたいことがあるんですが、質問通告のときに、閣議了解のときは基本方針だけ決めるだけだというふうに伺っていたんですけれども、既に報道では、いわゆる担保する国内法の骨子案があるということが既に流れています。骨子案があるなら当委員会に提出していただきたいと思います。これも、委員長、よろしくお願い申し上げます。
#168
○委員長(佐藤公治君) ただいまの件も同様に、後刻理事会においてその取扱いを協議したいと存じます。
#169
○山本香苗君 先ほど大臣が国内法のこともおっしゃいましたけれども、国内法で担保をする、でも、担保をするといえども、条約を締結する以上は条約の趣旨に沿った範囲で立法するしかないわけなんです。国内で自由に決めていいよというものじゃないわけです。だからこそ、条約はどこまでを認めているのか、運用状況を徹底的に調べて、締約各国の反応というものを確かめる必要が私はあると思っています。
 そこで、来月の初旬にハーグ条約の会議が開催される予定と伺っています。来月のその会合には事務方を送るというふうに伺っていますが、今回の会合にはしかるべき立場の方を是非派遣をしていただきたいと思います。
 この会合は加盟国じゃなくても、締約国じゃなくても参加できます。締約国はそれぞれ運用状況のレビューを行い、そこで例えば十三条の返還拒否の運用状況を確認したり、この場で我が国のハーグ条約についての基本的なスタンス、また締結する場合の我が国の条件等を提示して締約各国の反応というものを事前に確認すべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
#170
○国務大臣(松本剛明君) 会議の参加者については、この会議の性質上また情報などから考えて、事務方も含めて最も適切な者を向かわせて情報収集をさせたいと、このように考えております。
 今先生がおっしゃったように、国内法を議論するに当たっては当然条約の趣旨の範囲内でなければいけないということは先生のおっしゃるとおりであります。そして、具体的に条約の趣旨の範囲内といったものがどのような範囲であるかということについても、これまでの既に締約国の間でどのような運用若しくは判例がされているかといったようなことは、先ほども御指摘がありましたけど、事務局の公開情報なども含めて類例が積み重なってきているというふうに私は理解をいたしておりますので、そういったものから今の解釈の状況というものの理解をしっかりしていくことが必要だというのは御指摘のとおりだろうと思います。
#171
○山本香苗君 いや、しかるべき立場の方を送りますかと聞いているんですけれども、それに対してきちんとした御答弁をいただけませんか。
#172
○国務大臣(松本剛明君) しかるべきの趣旨があれですけど、最も適切な者を事務方も含めて送りたいというふうに御返事をさせていただいたつもりでございますが。
#173
○山本香苗君 今日の委員会で松本大臣の御答弁ずっと伺っていまして、何かはぐらかしの答弁ばっかりのような気がするんですね。これは非常に重要な問題ですので、是非いい方に取っていただいて、是非前向き、前向きなというか誠実な御答弁いただきたいと思うんですが。
 あともう一つ、今日お手元に配らせていただいております資料はアメリカにおけるDVとハーグ事案を調査したものであります。是非大臣に読んでいただきたいと思います。事前に役所に渡そうかなとも思ったんですけれども、都合のいいように要約されてもいけないんで、今日この場で出させていただきました。
 外務省として実際こうした場合どう対応すべきなのかを考えながら読んでいただきたいと思うんです。具体的に、在外公館でこの条約に入ったときにどういう対応をするのかというのは、もう、すぐ求められる話なわけです。私の知り得る限り、今の体制でこれに対応できるなんということはありません。大使館によってばらばらになります。そういうところから、どうやっていくのかということが示されない限り、安心してこれに入っても大丈夫ですなんて言えないわけです。是非これをすぐ、お時間大変な中だと思いますが、御関心をお持ちだと伺っておりますので、大臣自ら読んでいただきたいと考えておりますが、大臣、いかがでしょうか。
#174
○国務大臣(松本剛明君) 特定をするのが適切かどうか分かりませんのであれですけど、ここにお名前の挙がっている方と私自身何度か御議論をさせていただいたこともありますので、しっかり拝見をさせていただきたいと思いますし、率直に申し上げて、定数、予算の問題がありますのですぐに申し上げられませんが、ハーグ条約の締結に当たっては各国大使館の領事業務が極めて重要な意味を持つという先生の御認識は私も共有をいたしておるつもりでございます。
#175
○山本香苗君 共有のみならず、やっていただきたいなと。
 これは別にこの事案のみならず、在外公館の領事業務というところはこれから、今もなお多くの在外邦人がいるわけでありますので期待されるところでありますので、是非よろしくお願いしたいと思うわけなんですが、本来、条約に入る入らない、締結するしないというのは、国民の利益を守れるかどうかというところを考えに考えた上で決断すべきものだと思います。
 特に、この条約は国民の利益に大きくかかわる問題です。なのに、どういう議論がなされて、大臣は先ほど来議論は積み重なってきたと言われますけど、どういう議論がなされてこういうことになるのか、さっぱり外から見ていて見えないわけです。それなのに国民に、事務方はそうだと言いましたけれども、説明する前にG8の場で大々的にやろうなんていうことが本当であれば、パフォーマンス以外の何物でもないわけです。強い憤りを覚えました。
 一度締結するという方針を出してから文句言っても遅いんですよ。大臣、現時点で、きちんと調査もしなくて結果も公表しなくて国民的議論を経ないまま、こんな形で締結の方針を決めるのは絶対にやめてください。何で急いでやらなくちゃいけないんですか。急いでやらなくちゃいけない合理的な理由を教えてください。
#176
○国務大臣(松本剛明君) 昨年九月、私自身が副大臣をお引き受けをしてこの問題を担当するときに、私自身がこの問題を進める立場、先ほど申し上げたように、私は最終的には幾つかのハードルをクリアしたら締結をすべきだと思うということは記者会見でも申し上げましたが、その立場を取るに至るまで関係の方々、これまでの経緯等を自分なりにそしゃくをして、そしてこの議論に加わろうということは整理をいたしました。
 そして、ここまでの積み重ねの中で、ハードルを幾つ越えていけるのかと、しっかり越えられるのかどうかということを最終的には判断をしなければいけないと思いますが、同時に、この件については相当長い間議論がされてきたのかされてきていないのか分からないような状況も含めて続いてきていると思っておりまして、ある一定の範囲でやはりしっかりと議論には結論を出していきたいと私自身は思っていると、このように思っております。先生の御関心とお考えもよく理解を今日伺ってしたつもりではございます。
#177
○山本香苗君 今求められているのは、早計に締結の方針を決めることではなくて、もちろん外交的な配慮も大事ですが、外交的な配慮のみならず、国民の利益になるかどうかというところで慎重に慎重に検討することだと私は思います。サミットがあるからといって、イレギュラーな手続までしてやるようなことじゃありません。
 昨日の産経新聞で、外交評論家の岡本行夫さんが「大震災に寄せて」と題した寄稿をしておられましたけれども、今の政府は権力を安易に使い過ぎるということを指摘されておりました。私は、これは震災対応のみならず、菅内閣全般に言えるような傾向じゃないかと思います。
 この問題についてもまさしくそうです。権力には責任が伴います。この現実を直視して、先ほど大臣はきちんと外務省の中を把握してやりますと言われましたけれども、見切り発車するんじゃなくて、慎重に議論しますと、もう一回考え直してやりますと、そういう政治家としての答弁を最後にしていただきたいと思いますが、大臣、はっきり答弁していただけますでしょうか。
#178
○国務大臣(松本剛明君) 責任を持たなければいけないということと、これは好きな方、嫌いな方がいらっしゃいますが、私自身はパフォーマンスは嫌いな方だと自分では思っております。
 慎重な議論については、私自身も副大臣としては三月まででありますけれども、これまで累次の慎重な議論を積み重ねてきたというふうに私は思っております。
#179
○山本香苗君 いえ、今までの分は慎重な審議をしてきたというのが見えない、国民は参加していない、そういう状況での議論でございますので。
 パフォーマンスは嫌いだとおっしゃいました。G8でくれぐれも菅総理がそんなことをなさらないように、しっかりと押しとどめておいていただけますようお願い申し上げまして、質問を終わります。
#180
○小熊慎司君 みんなの党の小熊慎司です。
 まず初めに、委員長を始め理事、また委員の皆さんに風評被害にあえぐ福島県に御配慮をいただき、本当にありがとうございます。
 質問に移らさせていただきますが、十五日の日に福島県知事が自衛隊、警察、消防が捜索活動をされている警戒区域内に視察に訪れて、関係各位に感謝を申し上げたところでもあります。これまでの委員会の中でも、この警戒区域内での捜索に関しては度々御意見を申し上げてきた次第でありますが、ようやく自衛隊の方々にも本当に厳しい条件の中で捜索活動をしていただいていることは、本当に改めまして感謝を申し上げる次第であります。
 そこで、これまでのこの警戒区域内での活動の経過と、それから、これもずっとこの先どうなるのかという部分を含めてお伺いをいたします。
   〔委員長退席、理事榛葉賀津也君着席〕
#181
○大臣政務官(広田一君) 御答弁申し上げます。
 この自衛隊による原発の二十キロ圏内の捜索につきましては、先ほど小熊委員の方からもお話がございましたように、委員の方からは当委員会において御質問、御提言等をちょうだいをしてまいりました。それに対しまして、私たちは、隊員の安全確保を図り、また冠水地域の状況を踏まえつつ、順次計画的に二十キロ圏内に向けて前進をしていく旨答弁をさせてもらったところでございます。その後、五月一日から十キロから二十キロ圏内を、また五月三日から十キロ圏内の捜索を始めたところです。
 その二十キロ圏内における捜索の活動の現状でございますけれども、陸上における行方不明者の捜索は一二旅団等の約二千名の隊員が行っており、警察と連携して実施をいたしております。昨日までに二十五名の御遺体を収容をいたしました。また、海上におきましては、昨日、海上保安庁と連携をいたしまして、海自艦艇の「えんしゅう」が行方不明者の捜索を行ったところでございます。
 特に浪江、双葉町におきましては、福島の第四四普通科連隊、また山口の第一七普通科連隊が活動をいたしております。つまり、小熊委員の会津と岸筆頭の長州が歴史的な連携をいたしまして、成果を上げているところでございます。
 最後に、今後の見通しでございますけれども、やはり自治体の皆様方からの御要望をしっかり踏まえて私たちは活動をしていかなければならないと思っております。その際は、警察、海上保安庁ともこれまで以上に連携をしつつ、隊員の安全や健康にも配慮して随時進めてまいりたいと考えております。
#182
○小熊慎司君 山口の部隊の皆さんによろしくお伝えください。ありがとうございます。
 この二十キロ圏内はやはり制約がありますので、御家族の方が直接行けないということであれば、もうこれは自衛隊、警察、消防の方々にお任せするしかないというところでありますので、これはどこまで行けば納得がいくのかというところは先の見えない話ではありますが、これはしっかりと今後も捜索活動、隊員の安全を確保しながら遂行されることをお願い申し上げまして、次の質問に移らさせていただきます。
 五月の初めにアメリカンセンターの主催で超党派での訪米をさせていただきまして、大臣とは会えなかったんですけれども、行った先では猪口委員そして谷岡委員と思わぬ運命的な出会いをしてどきどきしましたけれども、その際において、二十以上のプログラムをこなしてまいりまして、上下院各議員また政府、そして各シンクタンクの方々とこの日本の災害復興に関しての意見交換をさせていただいたところでもあります。
 その際に、マイケル・グリーンさんというCSISの研究員の方とお話ししたときに、やっぱり経済的復興が大事ではあるんだけれども、すぐその被災地が経済状態が戻るわけではないと、そういう意味ではコンベンションの誘致というのが非常に大きな効力を発揮するという御提案をいただきました。
 過日の委員会の中でも、特にこの風評被害にあえぐ福島県への誘致に関して御提案をさせていただいたところでもありますし、また外務省の職員の方に何か福島県にできることはないかという御提案をいただいたときに、職員の方がゴールデンウイークに行くのは国交省がやっていただいたので、そうではなくて逆に大使館の人たちを福島県内又は東北に連れてきて、もう安全なんだと、是非観光してくれというようなそういうミッションもやってほしいというような提案もちょっと個人的にさせていただいたところでありますけれども、まさにこれ、福島県だけじゃなくて、これ、やはりアメリカに行って思ったのは、日本自体がこれは大丈夫なのかという、信頼を損なっている部分があります。
 そういう意味においては、とりわけこの福島県で、こうした今観光庁が推し進めているMICEの開催をしていくということが、こうした安全、安心を醸成するやっぱりきっかけになるというふうにこれまでも発言をしてまいりましたが、このビジット・ジャパンなんかも今後見直していかなきゃいけないとは思いますけれども、当面この、取りあえずすぐ経済復興に向けてこうしたMICEの誘致に関して、取組をお伺いいたします。
#183
○政府参考人(武藤浩君) お答え申し上げます。
 被災地のみならず、国内開催予定であったMICEにおきまして、開催に特段の支障がないにもかかわらずキャンセルの動きがございました。こうした動きは、主催者が被災・復旧状況や原子力発電事故をめぐる状況等について正確な情報が得られないということから開催への不安が増大した結果生じているというふうに理解をしております。そういうことから、観光庁としては、まず正確な情報の発信に努めております。
 また、キャンセルを検討している主催者などに対しまして長官名でのレターを発出いたしまして、日本で開催をしていただくことによって復興に向けて経済的な大きなお力を与えていただけることになりますということから皆様の来訪を心からお待ち申し上げますと、そういうレターを発出いたしまして、現在まで四件ではございますが国際会議の引き止めに成功しているというところでございます。
 今後、MICE関連の国際団体への情報発信、海外での見本市会場での情報発信、そういったことを積極的に行っていきたいというふうに考えております。
#184
○小熊慎司君 優等生的な答弁なんですけれども、実際アメリカに行ったときも、政府関係者とか議員は日本は大丈夫ですと言うんですよ。でも、言っている先で、私の知り合いがダラスにいるんですけれども、六月会津に帰りますからという連絡を受けたんですね。でも、行くと言ったら、近所のおばちゃんたちが危ないからやめろというふうに言われたと。一般のレベルでいうとやっぱりアメリカでもそういうことですよ。やっぱり、そんな通り一遍にやったところで、それは成果は上がらないんですよね。
 非常に、正確な情報発信したとしても、これ、だからイメージの世界ですから、日本が、福島県がと。私も福島県から来ましたと言ったら、みんな向こうの人たちもやっぱりちょっと違う顔色をされましたよ。そういうことなんですよ。であれば、通り一遍の営業活動みたいなことではなくて、もっと踏み込んだことをやっていかないと、それは来てください、はいはい分かりましたで終わっちゃいますよ。そんな甘いものじゃない。
 実際、福島県、いろんなデータを取りましたけれども、私のところの地元の会津でも取ったデータをこの間いただいたんですが、ホテルにおいては、これ工事関係者が泊まっているから四割―六割とかこの間で推移していますけれども、その中の観光で来た方というのは五パーぐらいですよ。そんな状況ですよ。この先ずっと夏まで全てキャンセル。こういう状況の中で、そんな優等生みたいな通り一遍の活動ではこれはままならないですね。
 実際、さっき言ったとおり、経済復興が大事なんですけれども、これは工場を建てたり企業を戻したりということは長い時間ちょっと掛かるんですよ、一定の時間が。でも、このMICEというものは計画すればすぐ実現ができるわけですよね。だったら、この夏にでも福島県で、東北で大きいそういうものがなければならないんですよ。
 あと、このMICEの中にある文化活動もありますけれども、ミスター・ビッグという海外のバンドがチャリティーコンサートを岩手でもやりました。今後、宮城県でもやります。福島県は計画がないんですよ。こういうことですよ。そういうのをどうしていくんだということです。
#185
○政府参考人(武藤浩君) まず、国内観光自体も相当落ち込んでおりますので、国内観光の振興も福島県を含め積極的に今やっているところでございます。また、そういう国内観光地も平常どおりなんだという情報を海外に積極的に発信することにより、具体的には海外のメディアを日本に呼んできて、それを当該国で発信していただくことなど、そういう国際観光の振興も今着手をしておるところでございまして、そういう活動の中でMICEの誘致についても積極的に検討していきたいというふうに考えております。
#186
○小熊慎司君 アメリカへ行った際も、いや、東北大変でしょうと。今度、日本にいろんな議員とか、あといろんなミッションが来るので私も行きますと、東北へ行きますからと。どこへ行くんですかといったら、仙台ですと。そうなると、やっぱり福島県駄目なのかという思いになるんですよね。
 いろいろお世話になったダニエル・イノウエさんという上院議員が国防関係のミッションで二十九日から訪れますけれども、東京とあと仙台に行くと。福島にも行きたいと言ったら今止められているというふうに言われていましたけれども、そんな状況なんですよね。
 やっぱり、これは特出しで福島県のことは声高に言っていかないと、あるいは福島県にいろんな人が東北に来ましたといって、どこに来たのかなと思って、岩手だ、宮城だとなると、やっぱり福島県駄目かと。国際救助隊はシンガポールの五人しか来ていない。トモダチ作戦も福島県の活動はやっぱりちょっと少なかった。NGOも余り来ていない。この差をちょっと認識していただいて、それは日本全体、今自粛ムードで大変なんですけれども、ただ、とりわけこの差をやっぱり認識していただいて、逆に福島県で頑張ることによって、一番、安心だって情報発信になるんですよ。ほかの地域でやったって、離れているから大丈夫だろうなぐらいの話になっちゃうわけですから、これはやっぱり特出しでちょっと福島県をスポットが当たるようにやっていただきたいと思いますけれども、御見解をお伺いします。
#187
○政府参考人(武藤浩君) 先ほどもお話ししたとおり、福島県も含めて観光振興、今一生懸命やっているところでございますので、その中で積極的に取り組んでいきたいと思っております。
#188
○小熊慎司君 やりますとか、掛け声とか、精神論はよくて、実績出してください、とにかく。これは今後、しっかり見ていきますから、是非、そういう意味では海外の情報発信は外務省もしっかりとこれは担っているわけでありますので、これはもう会議のたびに日本に来てくださいということを外務大臣を始め取り組んでいただきたいのと、あと先ほど言った、外務省の職員に提案をした、大使館の人たちを連れてミッション団を形成して、観光のミッションで福島、東北を案内するということもちょっと御提案をしますので、御検討のほどをよろしくお願いします。
   〔理事榛葉賀津也君退席、委員長着席〕
 時間がないので最後、もうこれは終わった話ですけれども、ODAの削減が、これは超党派でODAの削減をすべきじゃないということをやったときに、私の事務所にもすごいメールや批判的な意見をいただきました。国内が大変なときに海外にお金を使うのはどうかという、これは一見見ればそれは分かりやすいんですけれども、やっぱりこれは近視眼的な発想で、やっぱり日本の国益って何だと。別に情けは人のためならずでODAをやっているわけではなくて、まさに日本が世界の中でどう活動していくかということを考えれば必要な予算であるのに、それをやっぱり国内が大変だからODA削ったということを近視眼的な発想を認めたことになるんですね、一面で、はっきり言って。
 そういう意味では、国民の皆さんをミスリードしたというふうに私は思っています。もちろん、これは国難ですから全ての予算に聖域を設けるべきではありませんけれども、これはやっぱり狙い撃ちして、結局、国内で大変なときは海外のものは削るという、海外か国内かではなくて、やっぱり国益、また未来につながる予算がどうだということで削る、増やすということがあってしかるべきなのに、これは短絡的な発想を国民に植え付けたということで、これは大きな禍根を残したというふうに思っております。
 これを取り返すためにも、外務大臣を始め、これはアメリカへ行ったときも、日本にやはり国際的な貢献を期待するという声は多くありました。日本人の生き方、この震災に対応する称賛の声も全ての人から聞きました。まあ政治に対する称賛は誰一人聞きませんでしたけどね。
 そういう意味では、今回このODAの削減に大きな禍根を残したということに対する認識と、今後それを取り返していく、国民に対して、しっかりとODAの予算が、これは別に海外に単にくれているものではなくて、これは日本のためにもなっているんだという、こういう認識を醸成するためにどう取り組んでいくのかを最後にお聞きいたします。
#189
○国務大臣(松本剛明君) 御指摘のとおりでありまして、今回、様々取りざたされていた金額を多少なりとも圧縮させることはできたわけでありますけれども、そもそもODA削減ということになったこと自身が大きなマイナスのメッセージになっているということは御指摘のとおりで、私も強く自覚をいたしておるところでございます。
 まさに、これも先生おっしゃったように、ODAに対する理解というものを根幹から、これは省内でもよく話をしておりますが、外務省から外へ向けてしっかりどのようにあらゆる場面で理解をしてもらうかということは大変重要なことだろうというふうに思っております。
 もう時間がないので申し上げませんけど、昨年からODAについては見える化というのも行って、徹底的に内容を情報開示すると。うまくいっているものもいっていないものも全部開示をさせていただく。そういう中で、総合的にいかにODAというものに意義があるのかということを理解をしていただくような試みもスタートをさせていただいておりまして、しっかり大きな国民の声をいただけるように努力をすると同時に、私自身はこの今回の削減分を早い時期からしっかりと取り返すことができるように政府内においてもしっかり努めていきたいと、このように考えております。
#190
○山内徳信君 両大臣には大変お疲れだと思いますが、質問者は私が最後でございますから、最後までよろしくお願いいたします。
 五月十一日、米上院のレビン軍事委員会委員長、民主党でございます、大統領候補でありましたマケイン筆頭委員、共和党でございます、ウェッブ外交委員会東アジア太平洋小委員会委員長、民主党でございます、こういうアメリカの上院の重鎮とも言われる超党派の皆さん方が国防総省に対しまして、日米両政府が合意した米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画を厳しい言葉をもってその断念をペンタゴンに提案をしておることにつきましてはもう既に御承知のことでございますが、このことは政治状況の大きな変化であると私は受け止めております。
 その提言の中で重要な言葉がございまして、一つは非現実的と指摘をしております。二つ目は機能せずと言っております。三つ目はその費用分担はできないと、こういうふうなことを厳しい言葉をもって指摘をしております。
 そこで、最初に外務大臣にお伺いしたいと思いますが、辺野古移設計画は非現実的と言っておるわけでございます。確かにアメリカとしては戦後そういう基地を持ちたいと、ベトナム戦争のときにもそういう計画がございました。その後、ずっとペンタゴンの中ではそういう計画がありましたが、そういうことを承知の上で財政について権限を持っておる上院の重鎮の皆さん方がこういう提言をしております。この非現実的というこの表現は、日米両国の現在の政治状況、財政状況、沖縄県内の状況を含めて、私は的確な認識の仕方だと思っておりますが、外務大臣としてどういう認識でございますか。
#191
○国務大臣(松本剛明君) 今先生から御指摘があった点、二〇〇六年のロードマップそのものの進捗につきましても、当初に考えられたスケジュールが後ろへ行きつつあるということは事実というふうに先ほども御答弁を申し上げたとおりであります。その上で、沖縄の皆様の御理解を求めていくということについても大変状況は厳しいということも私どもも認識をいたしております。
 しかし、是非とも普天間基地移設問題に取り組んでいくという意味で、その経過において私どもの政権からおわびもいたしましたけれども、昨年の五月の合意を着実に推進をするということが最も望まれると、ふさわしいということで合意をいたしたことを踏まえて私もこの職を引き継いでおりますので、着実に前進をできるように努力をしていきたいと、このように考えているところでございます。
#192
○山内徳信君 私は、日米両政府の関係者のコメントを聞いておりまして、日本のそういう関係者のコメントというのが非常にブロックみたいな、コンクリートみたいな、そういう印象を受けるんです。やはりアメリカの国民というのは弾力性があって、新鮮さがあって、そして先を見る、そういう面には日本国民よりも優れておるというふうに私はかねてから受け止めておるわけでございます。反論していく時間ありませんから反論は申し上げませんが。
 次に、二番目の質問といたしまして、機能せずと、こういう計画は機能しないと、こういうふうに指摘をしておるわけでございます。これは目的どおりは進みませんよという指摘だろうと思っておりますが、外務大臣としては、この機能せずという言葉についてどういうふうな御認識でございますか。短くおっしゃってください。
#193
○国務大臣(松本剛明君) 予算権限のある上院の方々の御意見というのは私どもも注視をしていかなければいけないと思っておりますが、米国政府としては昨年の五月の合意が有効であると考えていると私どもは理解をいたしております。その意味では、米国において政府と議会の間で今後も御議論があるんだろうというふうに思っておりますけれども、現実的になるように、機能するように私どもとしては努めなければいけないと、こう考えております。
#194
○山内徳信君 次に、三つ目でございますが、費用負担もできないと、こういうふうにアメリカ側は言っております。それは、なぜ費用負担ができぬのかというと、釈迦に説法になりますが、やはりアフガンの戦争、そしてイラクの戦争、膨大な軍事費が出ていって、そして最近のアメリカの国家予算というのはこれはもう大変な状態に陥っておるのが状況でございます。
 そういう状況を踏まえて、予算の権限を持っている上院の立場からやはりこういうふうな指摘をしておる。これは、私たちに対する指摘であると同時に、やはりアメリカ大統領に対してもそういう指摘、もちろんペンタゴンの長官を通してということになりますが、こういうことについて日本政府としてはやはりどういう対応をしていかれるのか。アメリカが費用負担はできないと言っても、そうですか、その分日本が出してあげますよと、こういうことになるんでしょうか。その対応方について伺っておきたいと思います。外務大臣、お願いします。
#195
○国務大臣(松本剛明君) 予算でありますから、当然、米国内において政府と議会において御議論があるというふうには私も理解をいたしておりますが、私どもの政府間におきましては、費用負担も含めて、これまでの合意を推進をしていくという立場でございます。私どもとしては、この合意が変わったものとは理解をいたしておりません。
#196
○山内徳信君 確かに、合意とか、あるいは辺野古計画とか、あるいはグアム移転協定とか存在することは私もよく知っておりますが、だからといって、そういうふうな過去に決めたことは、もう全力を尽くして、国家財政がどうなろうが構わぬというふうにはアメリカの上院は考えていなくて、そういう動きに対して私たち日本の政府もやはり柔軟に考えていくのが最も賢明だろうと思っております。
 次に、私はこういうふうに考えておるのであります。辺野古断念を米国防総省にアメリカの上院の重鎮が問題提起をしたと。これはある面、渡りに船ということにはならぬだろうか、あるいは外交交渉においては機を見るに敏でなければいけないと思っております。
 日本の過去の戦前の外交を見ておりますと、とても機を見るに敏ではなかったというふうに私は考えておりますが、そういう立場から、日本政府から辺野古移設計画について、やはり少なくともアメリカにおいてこういう政治的な動きが出ておるわけでございますから、対米交渉、2プラス2がいつになるか分かりませんが、是非それに向けて、両省内においてはこのことについて十分なる情報収集と日本側も相呼応していけたら、沖縄側としてこんな有り難い話はないと、こういうふうな思いでおります。
 これも外務大臣にお答えをいただきたいと思います。
#197
○国務大臣(松本剛明君) 米国の議会と政府との間の御議論に私どもが直接コメントをすべきだとは思いませんが、その上であえて申し上げれば、私どもが承知をしている限り、この提案については普天間飛行場の海兵隊部隊を嘉手納飛行場に移転させるということが前提となっているということには留意をしなければいけないと、このように考えております。
 もちろん、しっかりと注目を、注視をしていく必要があるというふうには考えておるところでありますけれども、今私どもは昨年の五月を進めることだというふうに考えているというところでございます。
#198
○山内徳信君 こんな重要な質問のときに防衛大臣に一つも質問しないということではこれは失礼になりますから、そういう意味で、余り難しい質問ではございませんが、今月の七日、防衛大臣は沖縄を訪問されまして、仲井眞県知事と話合いを持たれております。
 話合いの結果は、辺野古移設の合意が得られる方向で進んだのか、どういう状況であったか、よければこの外交防衛委員会でその話合いの内容の一端でもお聞かせいただけたらと思っております。よろしくお願いします。
#199
○国務大臣(北澤俊美君) 沖縄で知事とは、冒頭短い時間ではありますが、二人でお話を申し上げて、その後、フルオープンで会談をさせていただきました。
 主要な部分はもう新聞等で出ておるとおりでありまして、沖縄の普天間基地がなぜ辺野古でなければならぬのかと、そしてまた、政権交代の中で一旦県外だという民主党の党首が選挙演説で言ったものが辺野古へ戻ってきたのかというようなことについて、昨年八月、福山長官が沖縄に行ったときにそこのところを分かりやすく話してくれと、こういう再三の話でありまして、それに対する政府としての、防衛省がこれを代行してパンフレットを作らせていただいて、それが完成しましたので、沖縄の皆さん方に見ていただくためのお話をしてまいりました。
 二人だけの話のときにも積極的に話をいたしまして、基本的には普天間基地が、様々なことがあるけれども、固定化することは沖縄にとって一番よくないと、最低限そこのところはお互いに認識をし合ったというふうに思っておりますが、移転先について賛意を得たとか、そういうようなことはまだ今のところ全くありません。
#200
○山内徳信君 是非、説明用のパンフ、できましたらこの委員会のメンバーにも配付していただけたらと、こういうふうに考えております。後日で結構です。
 最後の質問にしたいと思いますが、今回の米上院の皆さん方のお話の中に嘉手納統合案が、もう何回目になりますか、これは鴨長明の方丈記と同じように、消えては浮かび、浮かんでは消えていくと。あの川の流れのような印象を私はすごい受けたんです。
 これを見ていまして、私はこのことにつきましては、新政権の初の外務大臣の岡田外務大臣に、中身についても、あるいはアメリカ側についても、そして周辺住民の今までの動き、アメリカの飛行機が何機落ちたかということも全部説明を申し上げてあります。ですから、これはとても実現性ありませんよと、やはり別の選択肢を模索された方がいいと思いますと、そういうふうに何度もお目にかかりまして説明を申し上げておきました。
 そして、これはやはり引き算を知っておる人の理屈なんです。二引く一は一になると、普天間と嘉手納を一つにすれば一になるという理屈なんです。そして、そういう人々が気付かないのは、この嘉手納飛行場の実態、演習の実態、爆音の実態、周辺住民の生活の実態を知らないところから、ついつい、ああ、大きい飛行場があるから普天間は向こうに移そうやと、一部機能は別に移せばそれは実現するだろうと、こういう趣旨での今回の提案だと思いますが、私はこれは不可能であるということをあらかじめ申し上げておきます。
 そういうことを申し上げまして、もう時間でございますから終わりますが、一言何かコメントありましたらいただいておきたいと思います。なければ結構でございます。
#201
○国務大臣(松本剛明君) 先生のお話、よく承っておきたいと思います。
 嘉手納統合案については私も会見で、浮かんでは消えというのは、浮かぶにも消えるにもそれなりの理由があるということは受け止めておきたいというふうに申し上げさせていただきました。
#202
○山内徳信君 終わります。
#203
○委員長(佐藤公治君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#204
○委員長(佐藤公治君) 次に、社会保障に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、社会保障に関する日本国とスイス連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件及び日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。
 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。松本外務大臣。
#205
○国務大臣(松本剛明君) ただいま議題となりました社会保障に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、平成二十二年一月以来、ブラジルとの間でこの協定の交渉を行いました。その結果、同年七月二十九日に東京において、我が方岡田外務大臣と先方社会保障大臣との間で、この協定の署名を行った次第であります。
 この協定は、我が国とブラジルとの間で年金制度に関する法令の適用について調整を行うこと及び両国の年金制度の加入期間を通算することによって年金の受給権を確立することなどを定めるものであります。
 この協定の締結により、年金制度への二重加入等の問題の解決等を通じ、両国間の人的交流が円滑化し、ひいては経済交流を含む両国間の関係がより一層緊密となることが期待されます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、社会保障に関する日本国とスイス連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、平成二十一年七月以来、スイスとの間でこの協定の交渉を行いました。その結果、平成二十二年十月二十二日にベルンにおいて、我が方在スイス大使と先方連邦保険庁長官との間で、この協定の署名を行った次第であります。
 この協定は、我が国とスイスとの間で年金制度及び医療保険制度に関する法令の適用について調整を行うこと並びに両国の年金制度の加入期間を通算することによって年金の受給権を確立すること等を定めるものであります。
 この協定の締結により、年金制度及び医療保険制度への二重加入等の問題の解決等を通じ、両国間の人的交流が円滑化し、ひいては経済交流を含む両国間の関係がより一層緊密となることが期待されます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 最後に、日本国とインド共和国との間の包括的経済連携協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 政府は、平成十九年一月以来、インドとの間でこの協定の交渉を行いました。その結果、本年二月十六日に東京において、我が方前原外務大臣と先方商工大臣との間で、この協定の署名を行った次第であります。
 この協定は、両国間において、物品及びサービスの貿易の自由化及び円滑化を進め、投資の機会を増大させ、両国間の経済活動の連携を強化するとともに、自然人の移動、競争、知的財産等の幅広い分野での枠組みを構築するものであります。
 この協定の締結により、幅広い分野において、両国間における経済上の連携が強化され、そのことを通じ、両国経済が一段と活性化し、また、両国関係が一層緊密化することが期待されます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 以上三件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
#206
○委員長(佐藤公治君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 三件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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