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2011/05/18 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 決算委員会 第6号
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2011/05/18 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 決算委員会 第6号

#1
第177回国会 決算委員会 第6号
平成二十三年五月十八日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十六日
    辞任         補欠選任   
     徳永 エリ君     大久保 勉君
     桜内 文城君     柴田  巧君
 五月十七日
    辞任         補欠選任   
     平山  誠君     前川 清成君
     青木 一彦君     佐藤 正久君
     野村 哲郎君     島尻安伊子君
     又市 征治君     山内 徳信君
 五月十八日
    辞任         補欠選任   
     江崎  孝君     平山  誠君
     佐藤 正久君     青木 一彦君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         鶴保 庸介君
    理 事
                姫井由美子君
                松浦 大悟君
                松野 信夫君
                岡田 直樹君
                野上浩太郎君
                渡辺 孝男君
    委 員
                相原久美子君
                江崎  孝君
                大河原雅子君
                大久保 勉君
                小西 洋之君
                斎藤 嘉隆君
                田城  郁君
                那谷屋正義君
                平山  誠君
                藤本 祐司君
                前川 清成君
                青木 一彦君
                熊谷  大君
                佐藤 正久君
                島尻安伊子君
                藤井 基之君
                藤川 政人君
                丸川 珠代君
                森 まさこ君
                若林 健太君
                秋野 公造君
                柴田  巧君
                井上 哲士君
                荒井 広幸君
                山内 徳信君
   国務大臣
       外務大臣     松本 剛明君
       防衛大臣     北澤 俊美君
   副大臣
       財務副大臣    櫻井  充君
       防衛副大臣    小川 勝也君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  徳永 久志君
       外務大臣政務官  山花 郁夫君
       防衛大臣政務官  広田  一君
        ─────
       会計検査院長   重松 博之君
        ─────
   事務局側
       常任委員会専門
       員        工藤 政行君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        清水  治君
       外務大臣官房審
       議官       武藤 義哉君
       外務大臣官房参
       事官       冨田 浩司君
       外務省欧州局長  小寺 次郎君
       外務省国際協力
       局長       佐渡島志郎君
       防衛大臣官房審
       議官       鈴木 英夫君
       防衛省防衛政策
       局長       高見澤將林君
       防衛省経理装備
       局長       西  正典君
       防衛省地方協力
       局長       井上 源三君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   鈴木 繁治君
       会計検査院事務
       総局第二局長   川滝  豊君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長        緒方 貞子君
       独立行政法人国
       際協力機構副理
       事長       大島 賢三君
       独立行政法人国
       際協力機構理事  粗  信仁君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十一年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十一年度特別会計歳入歳出決算、平成二十一年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十一
 年度政府関係機関決算書(第百七十六回国会内
 閣提出)
○平成二十一年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百七十六回国会内閣提出)
○平成二十一年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百七十六回国会内閣提出)
 (外務省、防衛省及び独立行政法人国際協力機
 構有償資金協力部門の部)
    ─────────────
#2
○委員長(鶴保庸介君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、桜内文城君、徳永エリ君、平山誠君、又市征治君、青木一彦君及び野村哲郎君が委員を辞任され、その補欠として柴田巧君、大久保勉君、前川清成君、山内徳信君、佐藤正久君及び島尻安伊子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(鶴保庸介君) 平成二十一年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、外務省、防衛省及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門の決算について審査を行います。
    ─────────────
#4
○委員長(鶴保庸介君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(鶴保庸介君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記をお止めください。
   〔速記中止〕
#6
○委員長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#7
○委員長(鶴保庸介君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○斎藤嘉隆君 民主党・新緑風会の斎藤嘉隆でございます。
 今日は、まずODAの関連で少し大臣にお聞きをさせていただきたい、そのように思います。
 財源捻出のために、いわゆる補正予算でございますけれども、ODA関連予算ということで五百一億円が減額をされています。この件については、大臣御自身も会見の中で、大変苦しい決断であったけれどもやむを得なかったという旨の発言をされているかと思います。
 このODAに関して、我が国はもうこれまでも様々な国際会議の場で国際的な約束というか、表明をしてまいりました。
 例えば、昨年のアフリカ開発会議では当時の岡田外務大臣が、アフリカ向けODAを二〇一二年、来年度でございますけれども、それまでに倍増すると、新政権として必ず実行するというように発言をされています。また、昨年はMDGsのサミット、菅総理自らが人間の安全保障にも触れて、二〇一一年度から五年間、このMDGsの達成に向けて八十五億ドルを拠出をするという旨の表明をされておみえです。
 今回のODAの削減とこうした国際的な言わば約束、これらの達成との兼ね合いについて、改めて大臣の外務省を所管をするお立場からの御所見をお伺いをしたいと思います。
#9
○国務大臣(松本剛明君) 御答弁を申し上げたいと思います。
 おっしゃったように、ODA予算の一部削減というのは私どもにとりましても大変苦しい決断でございました。ODAそのものの意義ということを考えれば削減をすべきでないという気持ちは私自身にも強くあったわけでありますが、他方で、外務大臣というよりは国務大臣として、未曽有の大災害の中で何よりも緊急に復旧を進めなければいけない、その中で財源を一定程度手当てしなければいけないと。この中で、私どもとしても政府内でも様々協議をいたしました結果、私どもとして、率直に申し上げれば望むところでは全くなかったわけでありますけれども、やむを得ぬ判断として五百一億円の削減に応じたところであります。
 この内容については、私自身の方からも指示をいたしまして、まさに現場のプロジェクトには直接の影響が及ぶことを極力避けるということを原則といたしまして、二国間援助は削減をしないと、そして一部、国際機関向けの拠出の一時的な削減ということで対応することといたしました。
 これは、国際機関経由と二国間経由に上下があるというわけではありませんで、国際機関経由の支援の場合は我が国からの拠出金が一旦各機関に支払われます。そして、その後、具体的な事業に充てられるということで、言わばワンクッション挟まっている、ここに着目をいたしましてやりくりをしていただくということで、対応を言わばお願いをするような形になっております。
 今お話がありましたように、国際的な約束というのは大変重要でありますし、これまでこれをしっかり果たしてきたことがまさに日本の信頼になり、今回多くの国から日本に対する連帯、支援の表明があった背景にもあるというふうに考えておりますので、既に表明をしている国際的なコミットメントについては誠実に実現をしていくという決意を政府内でも確認をいたしておりますし、外務省としては、今後の震災復興の進捗状況を見極めながら、必要な予算が速やかに手当てをされるように最大限の努力をしてまいりたいと、このように思っております。
#10
○斎藤嘉隆君 この削減された中身を見ますと、今大臣おっしゃったこととも関連をしますけれども、外務省分のいわゆる二百七十六億円のうち最も大きなものが世界基金への拠出ということで百五十九億円、この世界基金への拠出金ですけれども、二十三年度は、たまたまと言うとあれですけれども、当初予算で計上をされています。しかし、通常は補正予算で予算化をされるということが多いものだというふうに思っています。昨年も、たしかこれについては補正の方で予算化をされている。昨年の補正ということですから、今大臣おっしゃられたように、現在も措置をされたこの予算がまさに今現在、執行途中であって、今回削ったこの基金への拠出が止まっても当面のところは影響はないのかなというふうに思っています。
 しかし、これ、年度内に改めて例年どおり補正という形になろうかと思いますけれども、予算化を図って国際的な約束を、コミットメントを進めていくということが極めて重要だと。改めてお聞きします。そういう考えでよろしいでしょうか。
#11
○国務大臣(松本剛明君) 御指摘をいただいたとおり、世界機関、昨年度は百七億円であったかと思いますが、補正予算で計上させていただきまして、実は支出をいたしましたのは震災直前の三月でありました。その意味で、今まさに御指摘のとおり、今は事業を継続をしていただけていると、このように思っておりますが、先ほども申しましたように、国際的なコミットメントを誠実に実現させていくと、このことは政府の決意であると私は理解をいたしておりますので、今後、必要な予算は速やかに手当てをされなければいけない、こういう立場からしっかりと努力をしてまいりたいと、このように考えております。
#12
○斎藤嘉隆君 今外務大臣のおっしゃったことについてですけれども、櫻井副大臣、そういったことでよろしいでしょうか。
#13
○副大臣(櫻井充君) 御答弁申し上げたいと思いますが、ODA予算については、委員も御存じのとおり、一部は財務省所管でもございます。財務省の所管分のまず二百二十五億についても今回は減額させていただきました。これは、基本的には昨年度分の不用額などがありました。そういったものを全部加えて手当てはさせていただいております。
 今、松本大臣の方から御答弁がございましたが、国際情勢等を踏まえて、外務省側からこういったことが必要であるという要求が出てくればそれに応じていくということは当然のことなんだろうと、そのように思っております。ここは我々が、済みませんが、一義的に関係することではなく、これは外務省が判断されることだというふうに理解しております。
#14
○斎藤嘉隆君 このミレニアム開発目標のいわゆる保健領域、二〇一五年までの達成というのは、サブサハラですとか南アジアなどの状況を見ても非常に達成が困難だというふうに思っています。
 そんな中、この世界基金を中心に他のパートナー国とも力を合わせて、エイズだとかマラリアですとか結核ですとか、これは外務省だったと思いますけれども、出されてみえる文書によると、世界で五百万人の死者を削減をしようと、そういう本当に壮大な計画の私は一環だというふうに思っています。
 震災を経て貴重な人命を多く失って、命の重さをどの国よりも私は今身にしみて感じているのがこの我が国だというふうに思っています。そんな日本としての取るべき方策が何であるのか本当に政府内で十分な議論をして、先ほど松本大臣おっしゃったような形で是非積極的に進めていただきたい、そのように思っております。
 続いて、少し話題を変えさせていただきたいというふうに思います。
 外務省関連の決算にかかわって、今日は、国際協力機構、JICAの事業について少しお伺いをさせていただきたいというふうに思います。今日は理事の方にもお越しをいただいておるかと思います。
 そこで、まず初めに、このJICAの二十一年度、もしあれば二十二年度の決算の状況、予算の状況、総額ぐらいで構いませんので、大まかにお知らせをいただけませんでしょうか。
#15
○参考人(粗信仁君) 決算の状況でございますけれども、一般勘定につきまして、政府の……(発言する者あり)済みません、一般会計よりの受入れでございますけれども、二十一年度でございますが、支出決算額としまして二千二百三十三億五千六百万円が決算でございます。
#16
○斎藤嘉隆君 細かく通告していなくてごめんなさいね。
 JICAが業務を委託している社団法人に青年海外協力協会、いわゆるJOCAという団体があります。このJOCAに委託をしている業務の内容、それからJOCAに対してJICAから委託費としてどれぐらいの予算が支払われているのか、このことは大丈夫だと思いますので、お答えをいただきたいと思います。
#17
○参考人(粗信仁君) JOCAというのは、青年海外協力隊のOB、経験者が集まっている団体でございます。その団体に対しまして、協力隊員の新たな募集、選考、それから訓練等につきましてJOCAに委託をしておりまして、その総額は昨年度で十五億、約十五億円でございます。
#18
○斎藤嘉隆君 このJICAのボランティア事業、私は個人的に極めて意義深いものだというふうに思っています。途上国への最大のある意味では人的な貢献活動であろうかというふうに思いますし、派遣をされた例えば青年にとっては、途上国での経験というのはまさに国際的な視野を涵養する、そういったことにもつながっていくだろうと思います。また、先ほどもちょっと述べましたけれども、このMDGs、特に貧困削減といった点についての貢献というのは極めて大きいというふうに思っています。こうした意義は十分に認めた上で、更にこの件について少しお聞きをしたいというふうに思います。
 この海外派遣業務にかかわって、ボランティアで出向く隊員の途上国での活動を支援をしたり、あるいは現地でどんなニーズがあるか、こういったことを調査をしたり、あるいはマッチングを行っていくと、こういう立場の方としてボランティア調整員という方がいらっしゃるかと思います。これ、年間何人ぐらいの方が派遣をされているのでしょうか。
#19
○参考人(粗信仁君) ただいま現在、七十九か国に二百八名派遣しております。
#20
○斎藤嘉隆君 二百八名ということですけれども、では、国内におけるこの方々のいわゆる国内での所属先のあるなしとか、あるいは、例えば単身で行かれるのか家族と行くのか、様々な状況がありますので一概には統一をされた額ではないというふうに思いますけれども、一人当たりの派遣に係る費用、これは国内でのいわゆるその所属先への支払等も含めてになろうかというふうに思いますけれども、これはどれぐらいでいらっしゃいますか。
#21
○参考人(粗信仁君) コストということで申し上げますと、いわゆる国内俸、こちらは平均四百五十万円、これに現地での生活のコストという意味で在勤手当、住宅手当等の各種手当を出しておりますけど、それを含めますと総コストは年平均約一千万ということになっております。
#22
○斎藤嘉隆君 お一人を派遣をするのに年間約一千万必要だということでございます。
 実は、このボランティア調整員というものをちょっと細かくその募集等も含めて見ていきますと、さっき申し上げたJOCAですね、社団法人、JOCAの職員が選考されてこのボランティア調整員として途上国に派遣をされると、こういうケースが多いんではないかというふうに思います。
 二十一年度、あるいは分かっていれば最も新しい二十二年度も含めて、このボランティア調整員全ての方におけるJOCAの職員の割合、パーセントというのはどれほどか、お知らせをいただきたいと思います。
#23
○参考人(粗信仁君) 先ほどの二百八名に対応する今現在の姿ですが、JOCAに所属している者百二十六名、約六〇%、民間企業十九名、約九%、地方公務員一名、個人六十二名、これらが約三〇%でございます。
#24
○斎藤嘉隆君 今、ボランティア調整員のうちでJOCAの職員、JOCAに所属をされている方が六〇%だということです。これはかつてと比べて減ってきているのか増えてきているのか、この辺りの傾向はいかがでしょうか。
#25
○参考人(粗信仁君) 細かな統計が手元にございませんけれども、全体として減ってきているものと思っております。
 例えば、ウルドゥー語ですとかスワヒリ語で勤務する環境で若い者を指導するという人材を我々としても広く求めていきたいということで、そういう意味ではオープンな形でやっている、そういうことでございます。
#26
○斎藤嘉隆君 年々、割合が減ってきているということですので、何らかの努力をしていただいているんだろうというふうには思いますけれども。
 そもそもこのJOCAの所属の職員さんというのは、私はほとんどの方がいわゆる青年海外協力隊から帰国をされた元隊員の方であるというふうに思います。青年海外協力隊から帰国をされてJOCAに所属をしたこの方々が、その方々の多くが今度はボランティア調整員として海外勤務にまた就かれるわけですね、全ての方ではありませんけれども。ボランティア精神に本当に満ちたこういった皆さんが帰国後に、繰り返しになりますけれども、JOCAにそのまま勤務をして、恐らくそれほど長い間もなくそのまま今度は一定の給与を得てボランティア調整員として、これは同じ国に行く場合が多いんではないかなというふうに思いますけれども、海外で働くと。社団法人をベースにした、ある意味でこれは一つの雇用のパターンがあるわけです。
 突然で申し訳ございません。大臣、このことをお聞きになられて、どのような印象をお持ちでしょうか。
#27
○国務大臣(松本剛明君) 今お話を伺って、私も頭の中を整理をしながら伺わなければいけないというふうに思っておりました。
 一つは、やはり海外でボランティアをしたという有為な方々の知見というのは生かしていかなければいけないということ、一つは、組織として複雑になり過ぎて何らかの無駄が発生をしたりするということがないようにしなければいけないということ、そういったニーズを満たすのに今御指摘をいただいた点がどのように考えたらいいのかということは、御質問を伺いながら、考えなければいけないと、こう思って伺っておりました。
#28
○斎藤嘉隆君 私も、ボランティアで行かれた方が、その方を後方支援というか、そういうことをしていくわけですから、どの方よりもその現地の状況というのは一番よく分かっておみえだろうし、非常に有為なそういった意味では人材だというふうに思っています。
 ただ、違和感を感じるんですね。そもそも、派遣元とも言えるJOCAが委託を受けてこのボランティアについて選考業務を行うわけですよね。あるいは選考業務の一部を行うということだと思いますけれども、派遣元が派遣をする元々の人間の選考を行う。この選考についても億単位の予算が出ているわけです。このことについて、やはり多くの皆さんがこのことを知れば何らかの違和感を感じるのではないかなというふうにも思います。
 先ほども申し上げました、ボランティアの支援を現地でするために、こういったOBの方、OGの方、こういった方が行かれるということは決して悪いことではないし、隊員にとっても本当に心強い、また合理的だというふうに思います。しかし、外部からの参入をもっともっと容易にするなどの努力が更に必要ではないかと思います。
 今現在、先ほど割合が減ってきているということでしたけれども、どのような取組をこのことについてされてみえるのでしょうか。
#29
○参考人(粗信仁君) ボランティア調整員の募集、選考については、JICAが責任を持って全てやっております。これにJOCAがかかわっているということではございません。その上で、広く公募をして、その中で、履歴書、調書、論文などの書類選考、それから語学と面接ということで、我々と契約し現地に行ってもらっていると、こういうことでございます。
 海外を志すJOCVのOB以外の方のベースが広がることでこういう公募に参加していただける方も増えてくると、こういうふうに期待をしております。
#30
○斎藤嘉隆君 確かに、今理事さんがおっしゃったとおり、このボランティア調整員そのものの選考にはJOCAがかかわっているということは具体的にはないんだろうというふうに思っています。
 ただ、いろいろな、工夫ではありませんけれども、いろんな状況がございまして、例えば、これはかつてあったものということが言えるかもしれませんが、機関推薦制度という制度があろうかと思います。この制度について少し御説明をいただけませんでしょうか。
#31
○参考人(粗信仁君) 機関推薦制度というのは、かつてあったというか、数年前まであったわけですけれども、これは、応募してきたときの最初の足切りといいますか、選考の書類段階のところを機関推薦ということでJOCAが、この人はまさに協力隊の経験者ですということで来たときはそのまま認めて、あとは通常どおりの試験、それから面接というプロセスは公平にやっていたわけですけれども、これも誤解を招きかねないということで中止をいたし、その制度は廃止をいたしました。
#32
○斎藤嘉隆君 この機関推薦制度、まだ昨年まではあったんではないかなというふうに思いますけれども、指定された機関が調整員を推薦をすると。推薦をすると、その方はいわゆる選考試験の、簡単に言えば一次に当たる部分が免除をされると。じゃ、この指定された機関というのは一体どこがあるのかといえば、これはJOCAだけなんですね。一つだけなんです。
 やはり、この制度については、今理事もおっしゃったように、大変見方によっては公平性を欠く、そんなこともあって恐らく既に、数年の実施をもってこの制度についてはもうなくなったというふうに思っていますし、これが一つの、先ほど言われた外部へ広く公募をしていくという工夫の一つなのかなというふうに思います。
 私、今回のこのことで何を申し上げたいかといいますと、このJICAのボランティア業務、ボランティア業務の言わばこのJOCAは後方支援、ロジ的な役割を果たすような機関だというふうに思っています。なぜあえて、あえてJICAの外にこのような社団法人をつくってボランティア業務を委託をしていく、そのような必要があるんでしょうか。このことについて、もしお答えできるようなことがあればお願いします。
#33
○参考人(粗信仁君) これは、今約三万人ほどのボランティア経験者がいるわけですけれども、彼らが青年海外協力隊の経験者の自らの会としてつくったものでございます。それに対して、その経験を生かしてもらうということで、いろんな局面で物事をお願いしてやってまいりました。当然ながら経験者でないとできない部分というのもございますけれども、御指摘ありましたように、それが不透明な癒着だと言われないように我々としてもいろんな制度を見直して措置をとってきましたし、またこれからもとっていきたいと、こういうふうに思っております。
#34
○斎藤嘉隆君 私、不透明な癒着だとは思っていません、このことについて。このボランティア調整員の必要性というのも十分に認識をしているつもりです。
 ただ、この調整員が云々ではなくて、このJOCAが今行っている業務というのを例えばJICAの、千人以上の職員の方がいらっしゃるわけですよね、この方々の中で例えば業務の割り振りをして、それはお一人お一人の仕事は増えるかもしれません、そんな中で何か担うことは、もうJICA自身で担っていくということは、これはできないんでしょうか。大変大きな私、国費の削減にこれはなると思っています。
 募集、選考、それから訓練ですね、こういう業務をしていくと。入札にこれ多分応募をするのは例年JOCAだけだろうというふうに思います。落札率は九九%を超えていると。二十二年度の初めで役員の方、常勤の方お二人、非常勤の方二十名ということです。この役員の方に支払われている報酬も全体で三千万近い、二千七百万ぐらいのお金が払われていると。これは、もし内部の努力でこういったことを吸収できるのであれば是非そういうふうにしていただきたいと思いますし、JICA自身も、二〇〇八年だったかというふうに思いますけれども、そんな意味合いもあって新しい形でスタートをしているんではないかというふうに思っています。
 是非このことについて、もう今後の課題で結構ですので、是非御検討いただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#35
○大臣政務官(山花郁夫君) 委員もう御案内のことかと思いますけれども、このJOCAがやっている業務、先ほども出ておりましたけれども、ボランティアの募集に当たって、実際に派遣される隊員に訓練期間中のことの実際の体験に基づいて説明したり、あるいは非常に行かれる前、不安ですので、そういったことについて説明したりというようなことで、経験があった方が非常に説得力も増しますし、そういうケースもあるんですけれども、他方、これは去年の事業仕分でも御指摘をいただきまして、そういうことがあるからといって自動的にJOCAに委託をするという必然性があるかということになると、それはやっぱりケース・バイ・ケースなんだろうと思います。
 これまでJICAがJOCAに委託してきた業務の中には、協力隊のOBが担う必然性があるのかと言われたときに、やや疑問に思うところがある業務も、事業もあるのも確かであります。
 ですので、JICAとしてこのJOCAに対する委託の形式の見直しということ、また分割発注、つまりワンセットじゃなくて、この部分についてはよそのところに、この部分についてはJOCAにというような、パッケージではなくて分割発注というものを今進めて、競争性を高めてコスト削減を図るということを行っております。また、これまでJOCAに委託してきた事業の中で、JICAが直接実施した方が効率性が高まると判断される事業については、もうJICAが直接実施をすることも今検討をいたしております。
 御指摘を踏まえまして、更に検討を進めてまいりたいと思います。
#36
○斎藤嘉隆君 もう既に省の方でもJICA御自身でもいろんな面でこのことについては工夫をされ、また検討をされているという今の御答弁だったかというふうに思います。
 いろいろ危惧をされる状況を申し上げました。ただ、ボランティア調整員の必要性云々について今私、言っているわけではございませんので、これはメンターといった意味からも非常に重要な役割を担っているんだろうというふうに思いますので、要は、委託先であるJOCAとのJICAの扱い、かかわりについて、少し精選できるものがあればこのことについて見直しが必要だと、このことを再度申し上げさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#37
○小西洋之君 民主党・新緑風会の小西洋之でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私からは、我が国の国際平和協力の取組について、国際平和協力といいましても、概念的には自衛隊派遣の伴うPKOからあるいは個々のODAを実行される開発援助のフィールド事業まで、非常に幅広いものを含む概念と言われているそうでございますけれども、私の質問では、この国際平和協力という言葉を行政機構、例えば教育制度ですとかあるいは司法制度、そうしたものなどをつくるいわゆる国づくり、政治的、経済的、社会的制度づくり、紛争で大きな被害を被って復興を進めなければいけない国における国づくりの事業に限定をして、その現状と課題について確認し、またその取組の基盤となる法制度の必要性について見解を伺いたいと思います。
 初めに、この平成二十一年度の決算検査報告でございますけれども、政府の開発援助につきまして、外務省やJICAという実施母体だけではなくて、実際に援助を受けた十三か国から合計百八十二の事業、事業総額で六千億円規模の検査を会計検査院が行っております。その結果、無償資金協力で五事業、円借款で一事業、合計の事業総額規模で六百一億円規模のものについて援助の効果が十分に発現していない状況にあるとして報告書に掲記されているところであります。
 こうした会計検査院の海外にまでわたるようなその積極的な検査姿勢は引き続き維持すべきであると思いますし、そうした指摘を受けた外務省等にありましては、その結果を真摯に受け止めて再発防止又は業務改善について取り組んでいただきたい、そのようにお願い申し上げる次第でございます。
 他方、私はODAの特別委員会に所属しております立場から、昨年十二月、民主党の大久保勉団長と、あと自民党の北川イッセイ環境委員長、この御指導をいただきながら、また外務省の在外公館を始めとする方々、あるいはJICAの方々、あるいは国会の調査室、皆さんのサポートの下、オーストリア共和国、またセルビア共和国、またボスニア・ヘルツェゴビナ国にODAの調査派遣団として参ってまいりました。その間、約十余りのODA事業の実態について調査してきましたんですけれども、その内容についてはこちら、参議院の報告書として取りまとめられているところでございます。
 こうした訪問先のうち、ボスニア・ヘルツェゴビナでございますけれども、御案内のとおり、この国は一九九二年から三年半にわたるヨーロッパ戦後最大の紛争でありましたユーゴ紛争によりまして死者二十万人以上、また難民、避難民等二百万人以上の大惨禍を被って、そこからの国の復興が始まったという国でございます。
 その復興の枠組みとしまして、平和維持の治安面ではヨーロッパの、EUの連合部隊がいるんですけれども、その民生面、いわゆる冒頭申し上げた国づくりの面につきましては上級代表という機関をつくりまして、この上級代表はどういう機関かといいますと、ドイツの地名にちなみましてボン・パワーと言われているそうなんですけれども、法律の改廃あるいは閣僚の罷免権までを有する非常に強力な権限を持った上位の統治機構でございます。まあある意味、理解しやすい比較のために申し上げると、戦後の我が国のGHQのような組織をボスニア・ヘルツェゴビナの国の政府の上につくって民生面での復興を進めていると、そうした枠組みになっております。
 そうした上級代表のさらに上位機関、国際機関のメンバーから成る和平履行協議会というところがあるんですけれども、我が国はその和平履行協議会を運営するコアメンバーの運営委員会の委員として、メンバーとして、当初からこの和平履行推進に積極的に取り組んできたというところでございます。具体的には、その上級代表の事務所の運営費の一〇%を設立当時から一貫して負担しまして、また、近年までこの上級代表の事務局に外務省から人材を送り込んできたということでございます。
 私ども、この上級代表の代表者のインツコさんという、オーストリアの元外交官でございますけれども、意見交換をいたしました。彼などの説明によりますと、御案内のとおり、このバルカン半島でございますけれども、古くからヨーロッパの火薬庫と言われまして、特にこの地域はイスラム系、セルビア系、クロアチア系という三民族から成る民族紛争の傷跡を抱えながら復興を進めている国であります。
 こうした国における日本の存在意義でございますけれども、民族紛争という文脈での歴史的な面、あるいは遠くヨーロッパの地であるというそういう地政的な面、そうした歴史的あるいは地政的な面で日本という国は中立的な立場で動くことができると。EUの関係諸国であれば、歴史的な経緯があって、どうしても地政的な問題が出てくる。しかし、日本という国は、平和理念を背負った国であるという国際的な認知、また今申し上げたような特殊な、ここにおける特殊な条件にありまして、この地域の国際平和協力、すなわち国づくりについて、非常に動きやすい、非常にある意味いい立場にあると、そのようなことをおっしゃっていただき、また、日本が取り組んできた取組について一定の評価をいただいたところでございます。
 私としても、この間、日本政府が取り組んできたこの地域の復興に対する取組については、一定の評価はしながらも、視察団での調査を通じまして、そうした取組がもっと強力あるいは継続的なものとすることができたんじゃないかと、そのような疑問を持っている次第でございます。
 ここで質問でございますけれども、今申し上げましたボスニア・ヘルツェゴビナにおけるGHQのような機関でございますけれども、その上級機関に日本政府は、外務省は人材を送ることができていたわけですけれども、今までどれぐらいの長さにわたって、何年から何年まで、あと何人の人を、また具体的に本省のランクに照らしてどれぐらいの職位の方を送り込んできたか、お答えいただけますでしょうか。
#38
○政府参考人(小寺次郎君) 御質問の点でございますが、全体として、人数は延べにしまして十名、おおむね大使館の書記官クラス、すなわち外務省本省でいいますと課長補佐又は事務官、そういう職に相当する者を派遣しておりました。派遣期間は、全体として見ると、一九九六年二月から二〇〇八年十二月末までの十二年十か月でございます。個々には、その人によって長さが少しずつ変わってきております。
 以上でございます。
#39
○小西洋之君 ありがとうございました。
 つまり、上級代表の設置以来の約十三年間の間に十名の方、まあ平均すると一年と少しぐらいだと思いますけれども、十名の方が、まああえて言葉を選ばず申し上げればころころ変わってきたということで、今うなずかれましたけれども。つまり、先ほど申し上げましたように、上級代表という機関は、絶大なる権限を持って、ボスニア・ヘルツェゴビナという国の復興のために基本的な国の枠組みづくり、制度づくりに非常な大きな権限かつリーダーシップを振るえる部署であったわけですよね。しかも、申し上げましたように、日本という国は平和国家という国際認識、また歴史的な地政的な条件でその国で非常に大きな役割をし得る余地があった、あるいはその大きな期待を担っていたと私は思う次第でございます。
 これはどういうことかと申し上げますと、今はボスニア・ヘルツェゴビナの復興というのは欧州全体の外交課題の中ではどれだけの順位になるかというのは議論があろうかと思います。しかし、間違いなくヨーロッパの外交課題においてこのユーゴの紛争とそこの復興問題がもう最重要課題であった時代が数年間は続いていたわけなんですね。その時代に日本政府として一体どういう外交政策、具体的にはそれを実現するための人事政策を行使できたかということでございます。
 これ、具体的な面から御説明いたしますと、私どもは現地のODA事業を視察いたしまして、そこである公立学校を訪問したんですけれども、これはどういうことかといいますと、ボスニア・ヘルツェゴビナ、首都のサラエボの学校でございましたけれども、さっき申し上げました三民族の対立、隣人同士が、今まで平和に暮らしていた住民の隣人同士がまさに殺し合うという凄惨な内戦だったわけですけれども、その結果として、今なお民族別の学校、あるいは同じ学校の中で学んではいるんだけれども民族別のクラス、それが常態として広まってしまっているというところでございます。
 そこで日本のODAがどういうことをしているかということでございますけれども、中立的な日本のIT教育のテキストを使いまして、IT教育ですと社会的にも歴史的にも内容は中立でいられるわけですので、日本のIT教育のテキストを向こうの言葉に直しまして、そのIT技術の授業だけは三民族の生徒が一緒に勉強できるようにと、そういうプロジェクトをサラエボのある学校でやっていて、これを今度、全国展開しようとすると。私ども、私も調査させていただいて、もうとても非常に有意義な、まさに日本ならではであるし、この国の復興のためにもまさに役に立つ調査だと思うんですけれども、これを今までの議論に即して申し上げると、インツコさんは向こうのマッカーサーの人間ですけれども、インツコさんが意見交換でおっしゃっていたことは、IT教育だけではなくて、国全体として民族融和の共通の教科書、また共通のカリキュラムを作らなければいけないということをおっしゃっていたわけですね。これはこの国の復興のスタート当時からの課題なんですけれども、そうした課題を政権の中で、ど真ん中で日本という国は実務によって貢献することが私はできたはずだと思う。そうしたことをせずに、結果的に十何年たって、これはこれで本当にいい事業だとは思うんですけれども、ODA事業によって今から何とか頑張っていこうとしている。日本の外交政策として何かちぐはぐ感を私は感ぜずにはいられないところでございます。
 今のこの上級代表の日本政府のポストでございますけれども、残念ながら二〇〇八年に引き上げてしまいまして、ただ、今そこにはまだアメリカや、特にフィンランドといった国はまだそこにポストを送り出しているという、そういう状況にあるということでございます。
 ここの部分についてのまとめをさせていただきますけれども、日本が行ったODA事業、例えばサラエボ市内に黄色いバスを日本は寄附しまして、そのバスの車体に日本の国旗が張ってあって、サラエボ市民というのは、欠かすことのできない公共インフラを日本という国が寄附、援助してくれたんだと、日本への感謝の思いはあると。ただ、そうした貢献というのは私は非常に重要で、すばらしいとは思うんですけれども、もっと日本が、後から、最後に申し上げますけれども、国是として当然に担っている平和国家として進めなければいけない平和外交、こうした紛争当事国における平和構築あるいは国家の復興の取組、それをもっと効果的に、かつ実行するための戦略性のある政策、そうしたものを外務省としては実現していかなければいけないのではないかと、そのように思う次第でございます。
 是非ここのポストについて、いろんな課題はあろうかと思いますけれども、検討いただきたいと思います。
 今申し上げました日本政府からどういう人材を送り込んでいくかという国際平和協力の取組、それ以外に、先ほどから幾つか触れさせていただいておりますODA、今回非常に予算を削減されて私も遺憾だと思っておりますけれども、残念であると思っておりますけれども、約六千億円ぐらいのODA予算を日本は今持っているところでございます。これをどういうふうに効果的に使っていくかということが平和国家としての日本の外交政策にとっても非常に重要であろうかと思います。
 この観点で、現地で、世界のいろんな紛争当事国でODA事業を展開していた専門家に意見交換をしたんですけれども、その方がおっしゃっていたことでございますけれども、欧米諸国などとの比較において、日本のそのODA事業の担い手、個々のプランの立案能力、あるいは現地政府や、あるいは関係国際機関との連携能力、あるいはそうした機関に入ってリーダーとして事業を引っ張っていく、そうした力についてはまだまだ足りないところがある、こうしたものを強化していく必要があるというような指摘があったところでございます。
 つまり、草の根レベルのODAを、個々のプロジェクトを担う人材と、あるいは国際機関を含めてその開発の現場で大きな政策を実行し担っていく、そうした指導的立場に立つ人材、その両方の層の薄さが日本のODA事業の課題であるということだというふうに理解しております。
 この日本のODA事業の在り方につきましては、さきの岡田大臣のときに「開かれた国益の増進」というタイトルでODAの在り方に対する抜本検討を行ったということでございますけれども、こうした検討の内容も含めまして、外務省として、その日本のODA事業、またそのODA事業を担う人材育成の在り方について、どういう見解を持ってどういう取組をされていくか、概括的な御説明をお願いいたします。
#40
○政府参考人(佐渡島志郎君) 小西先生におかれましては多方面からの御指示を賜りまして、大変ありがとうございます。
 今の御質問でございますけれども、開発協力、これを行いますに当たって、日本の存在感を示して質の高い援助を行っていくという観点から申しますと、御指摘のとおり、開発人材の裾野の拡大、それから開発協力の第一線で活躍できる、見劣りのしない人材の育成というのは極めて大事だというふうに認識をしております。これが根本でございます。
 それではどうするかということでございますが、今御指摘のありましたODAの在り方に関する検討最終取りまとめのペーパーの中にもございますけれども、三点ございます。
 第一に、国際機関の就職者等への研修プログラムを拡充をしていこうということでございます。それから第二に、国際開発の修士課程、より高い知識を習得をして現場で活躍をできる、そのプログラムをやはり拡充をしていく必要があるのではないか、より高度で実践的な内容へ組み替えていくと、これを提供していくことが今後の課題だと思っております。それから第三点でございますが、やはり私ども外務省あるいはJICAにおけます開発分野の専門家の育成、配置ということも大切かと思っておりますので、ここにも限られた予算ではございますけれども意を用いていきたいと、こういうふうに考えております。
#41
○小西洋之君 ありがとうございました。
 つまり、日本が、我が国がその国際平和協力という政策を強力に進めていくためには、冒頭申し上げました、その国の政府にどういう人材を送り込んでいくかといったような政策ですとか、あるいは今のそのODAの機能強化、またそれらと並んで国際機関ですね、国連を始めとする国際機関の中でいかにその貢献を強化していくかということが必要であろうかと思います。
 その国連関係機関における日本国の国民の人材の数の少なさというのはいろんなところで指摘をされているところでございますけれども、国連本部で申し上げますと、専門職以上二千九百人中百二十三人で四・二六%、全職員でいきますと一・九%で、この一・九%という割合はイタリアやカナダよりも日本の国連職員というのは少ないと、それが日本の、残念ながら我が国の今現状でございます。しかも、こうした数は、一九九七年から、今国連本部には百二十三人だと思いますけれども、今から十年以上前は百四人ですので、残念ながら横ばい状態が続いているということであろうと思います。
 こうした事態をもう少し分析的に見たいと思うんですけれども、こうした国連本部だけではなく、今申し上げたその平和構築の現場であります。世界でいろんな平和構築のための紛争当事国での国連のミッションが行われております。コソボ、キプロスあるいは我々が頑張っているアフガニスタンなどでございますけれども、そうした国連ミッションの中で、全部で主に十四ミッション、これだけ早口でしゃべっても時間がなくなりましたので自分で申し上げますけれども、十四、その紛争当事国の国連ミッションが今あるそうなんですけれども、そのうちに日本人の職員が一人も行っていないプロジェクト、それが半分あるんですね。十四のうちの七は日本人は誰も行っていないと。しかも、行っているそのプロジェクトの中でダイレクター、つまり部長というポストですけれども、実際のその平和構築の政策について実現のための実行を担う権限を持っているようなそうしたポストですけれども、そうしたポストを持っている人間というのは、その七プロジェクトで全部で日本人二十四名いるんですけれども、たったそのうち二人しかいない。つまり、半分のミッションで日本人がいないし、かつ行っている方々、今本当に頑張っていらっしゃると思うんですけど、残念ながら具体的な政策の実現のところまでは影響力を及ぼすことができない。それが日本の国連をめぐる、ミッションをめぐる現状だと思います。
 こうした事態を打破するために、外務省においてはJPOという事業、皆さん御案内のとおり、外務省の予算で国連関係機関にポストを得て、外務省の試験に受かった人に二年間そこで働いてもらって、またそこから国連職員としての道を切り開いてもらうというそうした事業ですけれども、そうした事業に加えて、人材育成の事業ですね、平和構築人材育成事業というのを外務省は平成十九年から立ち上げられたと。
 この事業の実績と、あとこれと同じような事業を一九九六年からカナダのピアソン・センターというところで、これは世界的に有名なセンターでございますけど、やっているんですけど、その比較で、極めて簡潔にお答えいただけますでしょうか。
#42
○政府参考人(武藤義哉君) お答えいたします。
 平和構築人材育成事業は、平和構築の現場で活躍できる日本、アジアの文民専門家を育成することを目的として、平成十九年度より実施をしております。これまで四年間で約百六十名の日本人及びアジア人研修員がコースに参加いたしました。修了生は既に世界各地の平和構築分野の現場で活躍をしてございます。本事業の成果については、国連やアジア諸国の関係者から高い評価を受けているところでございます。
 それから、お尋ねのカナダのピアソン平和維持センターでございますけれども、一九九四年に設立された非営利団体でございまして、本部はオタワに所在、ノバ・スコーシア州のコーンワリスというところに訓練施設を保有しております。同センターは主に政府、軍、警察等の組織の能力強化支援、訓練、教育、研究の分野で活動を行っており、これまで百五十か国以上の、一万八千人以上の軍人、警察、文民に対して訓練を実施したと承知しております。
#43
○小西洋之君 ありがとうございました。始まった時期は違うんですけれども一万八千人と、毎年四十人ぐらいの規模ですか、というような事業の差があるということでございます。
 私、この外務省の平和構築人材育成事業は非常に高く評価をしておりまして、すばらしい事業だと思います。私、ニューヨークのコロンビアに、公共政策の大学に留学していたんですけれども、そうした国際人材のポストを求めた同期が何人もおりました。その時代、こうした事業はまだ始まっておりませんでしたので、始まっていればどんなに彼らに対してチャンスを広めることになったかと非常に私自身は評価しておりまして、これからも是非応援させていただきたいと思います。しかし、結局、カナダなどの取組に比べますと、非常に残念ながら圧倒的な差があると。
 つまり、まとめますと、ボスニア・ヘルツェゴビナのGHQのような組織に戦略的に人材を送り込むかどうかというその政策決断をやるかやらないかというような問題、あるいはODA事業、いろんな無駄あるいは効率性が指摘されたODA事業を抜本的に立て直すというような課題、あるいは、こうした国連機関に日本の人材を育成して送り込んでいくというようなそうした政策の取組、これら三つというのは、それぞれ有機的に絡み合って初めて我が国の国際平和協力という事業が世界の中で成果と、あと存在感を増していくということだと思います。当事国の政府の中に日本の人材を送り込み、あるいは関係国際機関の中に日本の人材を送り込み、そうした人たちと、仮にその成果をODA事業で実行するのであれば、そういう人たちとしっかりとODA事業が連携して、日本としての外交政策を展開していくということだと思います。そうした戦略的な、体系的な取組が残念ながらできていないんじゃないのかというのが私なりのその結論でございます。
 そもそも、こうした国際平和協力事業の取組というのは、我が国の憲法の前文を流れる国際協調主義ですとかあるいは平和主義に照らして、当然の我が国の外交政策上の国是ともいうべき、そうした方針ではないかと思います。しかも、これはいわゆる憲法九条の議論とは無関係の世界でございます。紛争が終わった国の、その国の復興を民生面でどうやってやっていくかということでございます。
 私なりに、なぜこうした取組が体系的、戦略的になされてこなかったのかというふうに考えた、その一つのこれは原因ではないかと思うことなんですけれども、こうした我が国の国際平和協力の取組を実行するための法律的な仕組みがないということですね。
 つまり、国際平和協力法と通称で呼ばれる法律がございますけれども、これはいわゆる国際連合平和維持活動、つまりPKOに関する国際協力のための法律でございます。そうした、いわゆる狭義のPKOに絡まない、広い意味での民生面での国づくり、そうしたものを我が国の外交としてしっかりと体系的に、かつ計画的に、また戦略的に推進していくためには、また継続的に推進していくためには、私はその法制度の基盤というものが必要ではないかというふうに考える次第でございます。
 それで、平成十九年に、これは自公政権の下でございますけれども、明石、国連の有名な代表の下で国際平和協力懇談会という懇談会があって、これ何か、これは元々はPKOの問題点などを指摘するのが半分以上ではございますけれども、私が今申し上げたような国づくりの政策についての見直しというようなことも触れられているところでございます。
 大臣に御質問でございますけれども、今申し上げましたような、我が国の国際平和協力に向けた取組をより戦略的に、計画的に実行していくために、そうしたより広い、このODAの検討会以上のより広い裾野の検討会をやっていくようなお考えがあるかということと、あるいは、その後にこうした法整備が必要があろうかということについて、大臣の御見解をいただきたいと思います。
#44
○国務大臣(松本剛明君) 今委員がお話をいただきましたように、国際平和協力というのは我が国にとっても非常に大きな課題であると思いますし、それに伴う人材が必要であるという御指摘もおっしゃるとおりだろうというふうに思っております。
 もちろん、紛争後の国づくりということであれば、この支援はその国のオーナーシップをもって主体的に取り組むということで、その住民の努力を側面から支援をするということが重要であろうかと思いますし、また、私どもはこれまでそういう場面をある意味では得意とするということで、今も幾つか例も挙げていただいたかと思いますけれども、紛争後の国づくりを支援をして高い評価も得てきたというふうに思っております。
 紛争後の形としては、更なる紛争の予防、平和執行、平和維持、そして平和構築という過程で継ぎ目のない取組をしていくということが国際社会の課題というふうに考えられるところでありまして、それぞれの場面を継ぎ目のない形でしていく中で、今おっしゃったように、法制度も含めて議論をしなければいけないところがあるというふうな御指摘をいただいていることは私どもとしても認識をいたしております。
 今も東内閣府副大臣座長の下で、内閣、外務、防衛の三省の副大臣による懇談会で、有識者の意見も伺いながら、国連PKOの在り方については議論をしているところでありますけれども、今御指摘がありました全体について、私どももこれまでも必要な場合には有識者の御意見を伺ってきたわけでありまして、今すぐに懇談会の設置ということを念頭に置いているわけではありませんけれども、御指摘をいただいた重要性ということを改めて戦略的に展開するのに必要なことは何かということは、私自身もしっかりと受け止めて、また進めてまいりたいと、このように思っております。
#45
○小西洋之君 どうもありがとうございました。
 視察を通じて私が思いましたことは、日本が、日本という国は一体どういう国か、また日本外交とは何かというふうに問われたときに、日本外交とは、国際平和の理念の下に、本当に世界の平和構築のために信念を持って実効性のある政策を一貫してやっていく国であると、そのために汗をかいていく国であると。そうした国としての在り方というものを是非外交政策上実現していくために、一層外務省の力強い、粘り強い取組をお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#46
○前川清成君 前川清成でございます。どうぞ今日はよろしくお願いいたします。
 さて、大臣、あの政権交代からやがて二年になろうとしています。この統一地方選挙や、あるいは大臣も、あるいは広田政務官も、私も当事者だった去年の参議院選挙で、野党の皆さん方とかあるいはテレビから、何も変わっていない、政権交代で何も変わらなかったじゃないかと、そんな批判もいただきました。しかし、政権交代の最初の約束は税金の使い道を変えることでした。税金の使い道をコンクリートから人に変えると私たちは約束をいたしました。
 それで、私たち民主党政権の最初の予算、平成二十二年度予算ですが、コンクリートから人への約束どおり、公共事業費については金額にして一兆二千九百七十億円、率にして一八・三%削減をいたしました。そして、その代わりに社会保障費、金額にして二兆四千三百四十二億円、率にして九・八%積み増しをいたしました。文教科学費については金額にして二千七百五十六億円、率にして五・二%積み増しをいたしております。
 そして、今年の予算におきましても、公共事業費を金額で七千九百八十七億円、率にして一三・八%削減をし、その分、社会保障費、金額で一兆四千三百九十三億円、率にして五・三%積み増しをいたしております。つまりは、コンクリートから人へという約束、国民の生活が第一という約束は今確実に動き始めています。
 そこで、まず大臣にお尋ねをいたしたいのは防衛予算についてでありますけれども、防衛関係費については、二十二年度予算は〇・三%増、二十三年度予算は〇・三%減、ほぼ変わっていないという現実があります。税金の使い道をコンクリートから人に変えていくという私たちの約束は防衛予算においてはどのように位置付けたらいいのか、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#47
○国務大臣(北澤俊美君) 私も自由民主党で初当選をして、新しい政治を求めて最終的に民主党に結集をした一員でありますが、その中で日本の国の政治を変えていくためには、政権交代可能な二大政党制、そしてその二大政党制がしっかり機能して政権交代という果実を国民に与えると。しかし、その新しい政権が確実に果実を国民に与え切れているかということについての評価は分かれるというふうに承知はいたしておるわけでありますが、しかし、今お話のありましたように、間違いなく税金の使い方は変わってきておるわけであります。
 その中で、お問いかけの防衛予算についてでありますが、確かに日本を取り巻く安全保障環境はソ連の崩壊から大きくまた変わってきております。北朝鮮のある種の暴走あるいは中国の軍事力の増強、こういったものにどういうふうに対応していくかというようなことの中で変化はありますが、一方、今お話しになったのは、ずっと自民党時代は確かに減ってきたんです。私が大臣になって防衛予算の歯止めは掛けました。一方で、また〇・三%減りました。これは、子ども手当が入りますと一気にそのぐらいのものは動くということをまず頭に入れておかなきゃいかぬというふうに思うわけでありますが、その中で日本の安全を、国民の生命を守るということからすれば、これはある意味、普遍の定理があるというふうに思うわけでありまして、したがって、政治全体の中でコンクリートから人へという概念で防衛予算を論ずるのは少し違和感があるのではないかと、こんなように思っております。
#48
○前川清成君 五月三日、四日、お隣にいらっしゃる松野さんですとかあるいは小川法務副大臣と一緒に宮城県を訪問してまいりました。瓦れきの撤去や炊き出しを始めとする被災者支援、自衛隊の皆さん方の活動に、被災者の皆さん方だけでなく、国民の誰もが感謝しているところだと思います。
 それで、大臣、こういうおまんじゅうがあるのを御存じでしょうか。会館の下にも売っているんですが、「がんばろう日本 ありがとう自衛隊」というまんじゅうも売っているぐらいであります。だから、今自衛隊の在り方が注目されている、それだけに、今このときに自衛隊の役割、これを考えていかなければならないのではないかと私は思っています。
 限られた財源の中で、つまりは、国の借金が一方では九百兆円、他方では、今年税収が四十兆しかありませんが、四十四兆円赤字国債を発行しています。税金の使い道の優先順位というのをより厳格に見定める必要があるのではないかと考えています。
 その点で、今日、委員の皆さん方のお手元にもグラフをお配りをさせていただいています。このグラフは、陸海空、各自衛隊の予算シェアであります。例えば、政権交代前の二〇〇九年度、防衛関係費は総額で四兆七千二十八億円でした。陸上自衛隊はこの中で一兆七千三百十四億円、率にいたしますと三七%になります。海上自衛隊は一兆六百九十九億円、二二%。航空自衛隊は一兆一千四百七十八億円、率にして二四%。これを冷戦終結以前に遡ってグラフにさせていただきました。
 これを見るとお分かりのとおり、冷戦が終わっても、例えば北朝鮮の核開発やミサイル発射事件などが起こっても、陸海空の予算シェア、多少は凸凹しても、ほぼ横一線に並んでいます。
 陸上自衛隊に関して言えば、ベルリンの壁が崩壊をいたしました。ソ連がなくなりました。十六年の大綱にこのように書いてあります。我が国に対する本格的な侵略事態生起の可能性は低下したと。つまり、大規模な本格的な地上戦はないというふうに書かれたわけであります。それでも、十六年大綱によりますと、戦車は六百両保有することになっています。しかも、その六百両のうち、恵庭に二百二十両、千歳に八十両、富良野に百両といった具合に北海道に約四百七十両配置されています。加えて、最新式の九〇式戦車は北海道にしか配備されていません。戦車の台数もさることながら、この戦車の大半を北海道に配備したままというのは、冷戦当時のソ連の北海道侵攻に備えるという思考がそのまま残っているのではないかと私は考えておりますが、大臣、いかがでしょうか。
#49
○国務大臣(北澤俊美君) お答え申し上げます。
 確かにおっしゃるとおりでありますが、これは戦車の必要性を減退させてきたということはもう御存じのとおりで、数字が表しておるわけでありますが、しかし、戦車部隊が展開するような事態を想定するとすれば、それは依然として北海道を中心にした北方にあるということも事実でありますが、それから、二十年の歳月を経た中で今日また北方領土に対するロシアの軍事強化というようなことがありますと、あれを全て減退しておったら一体どういう対応を取ればいいのかという歴史が繰り返してくるような問題も起きておるわけでありまして、国を守るということになれば一定の整備というのはどうしても必要になるということで御理解をいただきたいと思います。
#50
○前川清成君 戦車が国を守るという意味で一定程度の役割を果たすというのは私もよく分かります。しかし、そうであれば、例えば去年、尖閣の問題も起こりました。西南諸島の防衛というのも重要だと思いますが、沖縄を始め西南諸島には一両も戦車は配備されておりません。北朝鮮の脅威がある中で日本海側にも配備されておりません。どうしてですかと質問通告のときに防衛省の方にお尋ねをいたしますと、有事があったら船で北海道から運びますと、こういうふうな漫画のようなお答えをいただきました。
 そこで、今日は広田政務官にもお越しいただいていますが、広田さんにお聞きしたいと思うんですが、自衛隊の輸送船というのは戦車を積んで一日何キロぐらい移動することができるんでしょうか。
 じゃ、大臣でも、どちらでもいいです。
#51
○委員長(鶴保庸介君) 広田一防衛大臣政務官。お手を挙げていらっしゃいますから。
#52
○大臣政務官(広田一君) 御答弁申し上げます。
 戦車を積んだ自衛隊の輸送艦が一日に何キロ移動できるのかということでございますけれども、いろいろな前提等がございますが、最大速力が二十二ノットである場合は、一日航行した場合は移動距離は約九百八十キロメートルとなるというふうに推定をしております。
#53
○前川清成君 九〇式戦車という最新式の戦車が二百二十両配備されている恵庭から例えば西南諸島の与那国島までおよそ三千キロあります。そうなると、船で運んでいる間に恐らく有事というのは終わってしまうのではないかなというふうに思います。大臣がおっしゃるように戦車が役割を果たすのであれば、私は、北海道に偏った配備ではなくて、バランスの取れた配備というのも考えていかなければならないと思っています。
 それともう一点、二十二年大綱においては、冷戦型の装備・編成を縮減すると、こういうふうに書かれています。こう書いてあるにもかかわらず、九〇式戦車の更新型というか最新型として一〇式戦車、これ一両十億円するわけですが、十三両分について予算が付いています。この一〇式戦車、大綱の冷戦型の装備・編成を縮減するという方針の中でなぜ整備をするのか、この点もお伺いしたいと思います。
#54
○大臣政務官(広田一君) 御答弁申し上げます。
 前川委員が御指摘のとおり、新大綱におきましても冷戦型の装備・編成を縮減するというふうに書いているところでございます。
 この意味するところでございますけれども、確かに段々の委員のお話のように、この日本に対する本格的な侵略事態が生起する可能性が低いというのは事実でございまして、そういった意味で冷戦型の装備を縮減していくというふうに言っているわけでございますが、その冷戦型の装備というのは、これは言い換えますと、冷戦期から整備されてきた古いタイプの戦車とか火砲について、これを削減をするという意味でございます。
 具体的に申し上げますと、十六大綱で六百両から、今度新大綱で四百両というふうに書いているわけでございますが、その主なものは昭和四十九年度から整備改修をされました七四式戦車ということになります。そういった中で、一〇式戦車というものは、先ほど委員の方からもおっしゃっていただいたように、戦車の持つ必要性、重要性というものを加味した中でできるだけ最新型のものを必要最小限適切な配置をしていこう、そういった趣旨からでございますので、よろしく御理解を賜ればと思います。
#55
○前川清成君 日ごろから敬愛する広田政務官の御答弁でありますけれども、今の御答弁は少し防衛大綱の趣旨とも異なるのではないかと。つまりは、冷戦のときの古い装備を新しく更新していこうというのが防衛大綱の趣旨ではなくて、防衛大綱の中にありますが、防衛力の存在自体による抑止効果を重視した従来の基盤的防衛力構想、こういう、ともかく軍隊が存在したらそれで守られるんだという冷戦型の発想から、防衛大綱の中にあるんですが、本格的な侵略事態の備えとして保持してきた装備・要員を始めとして自衛隊全体にわたる装備・人員・編成・配置等の抜本的見直し、これを今進めなければならないのではないかと私は考えております。
 それで、そもそもの話を是非大臣にお聞きをいただきたいんですが、現代の戦争において戦車が活躍する場面というのがあるのか。日本というのは言うまでもありませんが専守防衛でありますし、四方を海で囲まれております。敵の戦車が現れるということは、既に制空権、制海権を奪われているということであります。
 そんな中で、例えばですが、恵庭の近く、札幌を占領しようとして石狩湾に敵が上陸してきた、それを恵庭の戦車が迎え撃つには、制空権を失った中で六十キロ移動しなければならないことになります。この間に空から攻撃を受ける。戦車はヘリには勝てない。結局、戦場に戦車は到達することができないということになってしまうのではないかと素人ながら思っています。
 戦艦大和の四十六センチ砲、それまでの戦艦に比べたら遠くまで砲弾を飛ばすことができました。しかし、飛行機に爆弾を積んだならばもっと遠くまで攻撃をすることができる。この当たり前のことに気付かずに大艦巨砲主義を墨守してしまった。これが戦艦大和の悲劇であって、同じような過ちを今繰り返そうとしていないのか、一〇式戦車に予算が付いたことに関して私はそのような感想を持ちました。
 そこでですが、敵国戦車に対応するには、新型戦車ではなくて対戦車ヘリというのが効果的で効率的ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#56
○国務大臣(北澤俊美君) おっしゃることはそのとおりでありますが、大前提として、我が国の本土領域へ敵の戦車隊が侵入をしてくる、そういうことを想定して今一〇式戦車を導入すると、そういうことでは全くないわけでありまして、御存じのように、千数百両あったものを四百両にまで漸減してきておるわけでありまして、ただ、有力な火砲を持って侵入してきた敵に対するときに戦車の能力というのは極めて高いわけでありまして、私も一〇には試乗をしてみましたけれども、非常なハイテク能力を持っておりまして、夜間でも敵そして味方を識別できる高い能力を持っておりますので、数は減っても敵の有力な火砲に対応するにはまだまだ極めて有効な手段ではないかというふうに思っております。
#57
○前川清成君 時間がなくなってまいりましたが、もう一度このグラフを御覧いただきたいんです。
 冷戦の崩壊の事情に関して、今陸上自衛隊のことを御指摘申し上げました。北朝鮮のミサイルあるいは核開発というのが日本の防衛にとって脅威になっています。これに対応するべく、海上自衛隊はSM3を載せたイージス艦を六隻配備しようとしています。イージス艦一隻にはおよそ一千百億円ないし一千三百億円掛かって、SM3の装備には三百四十億円掛かります。これが六隻なら、ざっと一兆円の大きな買物でありますけれども、海上自衛隊の予算シェアというのは、このグラフにあるように横一線であります。あるいは、航空自衛隊でもPAC3の配備を進めておりますけれども、やはり横一線であります。
 つまり、我が国を取り巻く国際環境や脅威が変わっても陸海空の自衛隊の予算シェアが変わらないというのは、各自衛隊の予算が既得権益になっているからではないかなと、私はそう考えています。二十二年度大綱について先ほど御紹介をさせていただきましたが、是非、しがらみのない新政権において、各自衛隊が今後も果たすべき役割とともに、その予算シェアにも切り込んでいただいて、真に必要な分野に税金を振り向けていくというマニフェストの約束を果たすべきだと私は考えております。
 この点を申し上げまして、もしお時間があれば手短に御答弁いただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
#58
○委員長(鶴保庸介君) 時間、あと二分あります。
#59
○国務大臣(北澤俊美君) おっしゃる意味は十分理解しておるつもりでありまして、ただ、御案内のように、防衛省の予算は八割方が人件費等ということでありまして、この改革も今進めておるわけでありますが、一方また、残された二割の中には訓練費であるとか装備の修理だとかいうことで非常にタイトになってきてしまっていると、ここのところをどうするかという問題は大きな問題として取り扱わなきゃならぬというふうに思っておりますが、十分趣旨を体しまして検討をさせていただきたいと思います。
#60
○前川清成君 ありがとうございました。
#61
○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。
 まず最初に、原子力総合防災訓練関連について質問をさせていただきます。
 二十一年度は東海第二発電所、二十二年度は浜岡原発で実施されています。当然、外務大臣、外務省も参加されています。その中で海外への情報発信訓練も行われています。ただ、形だけになっていないかという思いも私は持っております。
 今回の福島第一原発の事故対応というものも含めて、防災訓練、反省やあるいは教訓ございますか。
#62
○国務大臣(松本剛明君) 御指摘のとおり、原子力総合防災訓練については、外務省は海外広報業務を担当ということになっております。おっしゃったように、訓練はいざというときに生かせてこそ訓練ということでありますが、今回の原子力発電所の事故に関して今改善を続けているところでありますけれども、広報の業務について改善すべき、改めるべき点がその途上にあったことは私も率直に認めて更に向上させていきたいと、このように考えております。
#63
○佐藤正久君 今回の事故対応を受けて、やっぱり誤りとか反省点は率直に認めて、今年の防災訓練、これにも反映していただきたいと思います。
 実際、今回大きく取り上げられましたのは、汚染水の放出に関する広報でした。実際、今WHOの方の会議に参加しております大塚厚労副大臣も陳謝をしたという報道がなされています。今回も、周辺国からも大きな批判というものがありました。ただ、その中で昨日、平田オリザ内閣参与が、今回の汚染水の放出はアメリカ政府からの強い要請でなされたというふうにソウルで講演をされています。これは、アメリカからの強い要請が実際あったんでしょうか、あったとしたらどのような要請でしょうか。
#64
○国務大臣(松本剛明君) 率直に申し上げて、私も平田さんの御発言は報道で拝見をしたということであります。
 また、平田さんは文化人のお立場からの内閣参与ということでございますので、今回のこの汚染水若しくは原子力発電所に関するオペレーションについてどのような立場で参加をされておられたかというと、中枢で参加をされていたとは思いませんので、どういった情報源からそのような御発言が事実だとすればあったのかというのは改めて確認をしなければいけないと思っておりますが、私が承知をする中では、既に米国とは緊密な連携を取って原子力発電所の事故に対応をさせていただいておる中で、いろんなプラン、アイデアというのが双方から出されて、その中で、その時点でベストのものを速やかに行うということで作業が行われていたというふうに理解をいたしております。
 最終的には、しかし、東京電力そして我が国の政府において決めて行われたものというふうに考えておりますが、どちらからどういうふうに出たアイデアかどうかまでは、いろんな議論の中でありますので、私もまだ確認をしておりません。
 ただ、いずれにせよ、米国の要請という形で我が国が受けるというよりは、我が国が主体的に判断をして、これは事業者も含めて我が国側で判断をして行ったものではないかと、このように考えております。
#65
○佐藤正久君 長い答弁でしたけれども、結果として、結局は大臣は米側からの要請ということは認識していないと、承知をしていないということでいいですか。
#66
○国務大臣(松本剛明君) 米側とはその時点で様々な意見交換、情報交換をしていたと思います。その中で、米側からひょっとしたらそういうアイデアというのを、こういうのを急いでやった方がいいんではないかということがあったかどうか、いろんな専門家の方が議論をされていますので、と思いますが、結論から申し上げれば、最終的には事業者そして政府の責任において行われたものと考えなければいけないと思っております。
#67
○佐藤正久君 大臣、結果的に今回の在外公館等への連絡が遅れた、アメリカは事前に知っていたということだと、これやっぱり反省点としてありますよ。
 実際に、一日の日に官邸で米政府の関係者と、アメリカのエネルギー省ですか、それと日本の政府関係者が会っていると。これは御存じですか。
#68
○国務大臣(松本剛明君) 緊密に連携を取らせていただいている一環として、かなりそのころも頻繁に政府と米国側との連携はあったというふうに承知をしております。
#69
○佐藤正久君 はぐらかす答弁はもう結構ですけれども、今本当にまだ事故対応を真剣にやらないといけないというときに、やっぱり今回の訓練においても、在外公館も参加していない、外務省だけの、もう自己の中での模擬演習みたいな形になっている。結果として、いろんな日本政府の中の連携も、外務省が場合によっては置いていかれたような感じが今回の結果として出ています。
 幾ら緊密に調整していたとしても、当日の三時半ですよね、外務大臣の方に四月四日の三時半ごろに来たと、で、四時に発表と。結果的に、一部の外交団には説明したとしても、ファクスで送ったのは実際放出した後だったと。いろんな面でやっぱり教訓出ているんですよ。
 しかも、今回が、米側からの要請があったと内閣の参与が言っている。これは、枝野官房長官とか総理が言っている話とやっぱり違うんですよ、説明ぶりが。福島県民からすると、やっぱりそうだったのか、政府はまだ隠しているということにつながってしまうんですよ。
 今回、学校の校庭の放射線量の問題でも小佐古参与が泣きながら辞任会見をしたように、政府は一体何を隠しているのかと、なかなか言っていることが正しいのか正しくないのか分からない。ここに来てまた参与の方が、実はアメリカからの強い要請で放出をしたと、アメリカは知っていたと、ほかの国は、韓国や中国、台湾は知らなかったという構図に今なっちゃっているんですよ。外務大臣も余り知らなかったと。どういう情報の連絡体制になっているんだと、こういうふうになってしまうんですよ。是非ともこの次の総合防災訓練、今回の、まだ途中ですけれども、しっかりとこの事実関係を踏まえていただいてやっていただきたい。
 帰ってきたら平田参与からお話を聞くという予定はありますか、思いはありますか。
#70
○国務大臣(松本剛明君) 機会があればと思いますが、私どもとしては、先ほどおっしゃったように、四月四日の件については既に委員とも累次の議論を重ねてまいりましたので、繰り返しをいたしません。
 最終的な手前で米国とはいろんな意見がありましたので、こういうことが一つの選択肢としてあるということは米国の専門家の中でも御存じの方がいたという可能性は十分にあると私は思っておりますけれども、最終的に決定をしてから実施に移すまで通知をする時間等がそのときには配慮をされていなかったことは事実でありまして、それ以降はその点についてもお願いをさせていただいたということでございます。
#71
○佐藤正久君 大臣、違いますよ。やっぱり説明してもらわないと困るんですよ。実際、内閣の関係する方が、しかもソウルで言っているんですよ、日本じゃなくて。
 こういう事実を真剣に受け止めてやっぱり確認をして、正しいのはこうなんですよと。だって、総理と官房長官が言っていることと違うことを言っているわけですから。そうでしょう。しかもソウルで言っているんですよ。違うなら違うと。また同じように、韓国やあるいは中国、ロシアの方にも言わないといけないじゃないですか。何で確認すると言えないんですか、言ってくださいよ。
#72
○国務大臣(松本剛明君) 平田さんがどういう立場で発言をされたのかということからすれば、内閣参与でいらっしゃいますけど、内閣参与としてソウルで講演をされたかどうかということは、大半の活動は平田さんも文化人としての活動を主としてされているというふうに理解をしておりますけれども、私どもとして申し上げられるのは、総理、官房長官を含めて私どもから申し上げているのが政府としての見解であるということでございます。
#73
○佐藤正久君 外務大臣、情けないですよ、日本国の外務大臣で、今回緊急事態、国民に安心感を与えなくてどうするんですか。調べればいいじゃないですか、内閣の参与なんですから。それを言えない。情けないです、はっきり言って。しっかり自分の責務を果たしていただきたい、そう思いますよ。
 ここまで言っても、調べる、会うこともしない、確約できない。何なんですか、それは。本当にそういう態度では困るんですよ。素直に。
 もう一度最後に聞きます。会って確認をして、正しい情報を発信してください。お願いします。駄目ですか。
#74
○国務大臣(松本剛明君) 正しい情報が発信できるように努力したいと思います。
#75
○佐藤正久君 早く言ってください、そういうふうに。ここまで、普通の、やっぱりこれは、与野党関係なく情報を正しく発信するって、当たり前の話ですよ。それを外務大臣が抵抗する必要は全くないと思いますよ。
 では、次に聞きますけれども、今回、原発対応についてはほかの国が非常に関心を持っています。これは前からそうなんでしょうけれども、中国の原発も東シナ海の方にいっぱいあります。東シナ海における中国の原発に対して、万が一いろいろな事故があったときの連携体制、これはどうなっていますか。
#76
○国務大臣(松本剛明君) 中国との間では原子力に、専門家であったかと思いますけれども、協議をする枠組みを設けております。今後、原子力のための災害対策、防災のための体制をまさに強化をしていく必要があるということが先般の日中韓の外相会談でもテーマになったと理解をしておりまして、現段階の連携の枠組みから更に強化できるようにこれから努力をしたいと思います。
#77
○佐藤正久君 非常に大事な話で、中には古いものもあるんですよ。しかも偏西風ということを考えたら、沖縄の方、九州の方含めて、やっぱり無関心ではいれない。
 じゃ、中華民国、台湾との連携はどうなっていますか。
#78
○国務大臣(松本剛明君) 御案内のとおり、中華民国と我が国の立場は御承知のとおりでありまして、交流協会を通じて情報の交換、収集を行っているものと理解をしております。
#79
○佐藤正久君 これは、安全にかかわる事項はやっぱりもっとパイプを太くして連携しないといけないんですよ。実際に台湾には三か所に六基あります。しかも台北の近くの北部の方にも二か所に四基あります。これは与那国島からもう百キロちょっとですよ。
 そこで、やっぱり政治状況がこうだから連携できないでは済まなくて、外務大臣は日本国の外務大臣ですから、やっぱり沖縄の方を含めてそういう方の安全を守らないといけない。想定外という言葉はもう通用しませんから。今までよりもパイプを太くして、特に安全にかかわる事項、非常に台湾の方々も今回の第一原発の事故を重く受け止めています。四番目の原発を造る造らないも、次の総統選挙の大きな争点になるというまで言われています。
 そこで、中華民国、台湾の方からの日本政府への要望ですけれども、今IAEAにうまくアクセスができないんだと。それはいろんな国の関係があって入れないのかもしれませんけれども、非常に困っていると。情報でももらわないと非常に安全管理上問題だ、日本にその辺りの橋渡しをしてほしいと。WHOの方はSARSのときにやっとオブザーバーまではなった、だけれども、分科会へは入れてもらえてないと。情報がなかなか取れない。
 実は、健康とか原発事故、みんな日本にも関係する事項なんですよ。やっぱりここは、今回日本が事故を起こしたわけですから、そういうことも踏まえながら、IAEAとの連携も中華民国、台湾がやると、日本もそこに、人ごとじゃありませんから、一緒になってその辺りを連携をするということをやってはどうかなと思います。大臣のお考えをお伺いします。
#80
○国務大臣(松本剛明君) 台湾とIAEAの関係ということでは、一九九八年に台湾の原子力委員会とIAEAとの間で書簡が交換をされておりまして、いわゆるモデル追加議定書に規定されている措置、申告すべき情報の範囲の拡大や短時間事前通告による査察ということでありますが、この措置の台湾における適用について合意をしているということで、IAEAと台湾との間も一定の連携はあると承知をしておりますけれども、一般的に、お話がありましたように、安全にかかわる分野について広く連携が取られることが望ましいということは、私自身もそのように思います。
 現在、私どもが台湾からIAEAへのオブザーバー参加を希望しているというふうに特に承知をするような情報をいただいているわけではありませんけれども、関連の手続や規則等も踏まえなければいけませんが、関係者間において十分議論されることが重要ではないかと、このように考えます。
#81
○佐藤正久君 実は私、五月の連休間に台湾の方に行きまして外交部の次長の方から言われていますので、公電を確認してください。やっぱり日本に対しての協力も要請もあります、IAEAに関して。後ほど確認していただきたいと思います。
 次に、防衛大臣に伺います。
 防衛省も原子力総合防災訓練に参加しております。防衛大臣は二十一年、二十二年と両方とも実際に参加しています。防衛大臣は、今回の第一原発の事故を受けて、今年の訓練においてこの分野は防衛省として強化すべきだというふうに考えている分野ありましたらお聞かせ願いたいと思います。
#82
○委員長(鶴保庸介君) 速やかにお願いします、大臣。
#83
○国務大臣(北澤俊美君) 大変失礼しました。
 おっしゃるとおり参加をいたしておりますが、官邸での机上の訓練ということでありまして、今日の事故を見ますと、もう少し切迫感のある対応が取れるような訓練は必要であったんではないかと、そのように認識しています。
#84
○佐藤正久君 私も連隊長時代、近くに原発がありました関係で原子力防災関係の訓練には参加しています。でも、はっきり言って上っ面の部分もあるのかなと、今回の事故と比べたら非常に想定も甘いというものでありました。
 防衛大臣、突然ですけれども、今回の事故対応でも議論になりました国民保護法の第百五条、御存じでしょうか。──分からなかったらいい。
#85
○国務大臣(北澤俊美君) 突然のことであります。その分野についてのレクは受けていますが、担当が政務官の答弁担当になっておりましたので、大変失礼でありますが、もし必要とあらば政務官の方から答弁させます。
#86
○佐藤正久君 今回、質問通告は両大臣にしかしておりませんので、委員部の方にもそう伝えていますので、そこは防衛省の方、事務方もしっかりしていただきたいと思います。
 国民保護法の百五条は、敵の武力攻撃によって原子力発電所が攻撃を受けたというものに対しての一連の政府や自治体や関係公共機関の動きをずっと百五条以下書いてあるんです。実際見てみると、今回の政府や自治体が取っている対応と本当に似ているんですよ。警戒区域の設定も入っています、全て、百五条に。実際は原発が地震、津波でやられたのか、あるいは武力攻撃やられたかというものに意外と近いという分野もあります。
 やっぱりこれからの訓練、単なるそういう災害に関する原発対応というだけではなく、もう想定外は許されませんから、許されませんから、やっぱりこういう国民保護法制という法律あるわけですから、その百五条に基づいた武力攻撃事態あるいはテロに対して原子力発電所が襲われた場合という場合の訓練を政府やあるいは警察、自治体と連携して私はやるべきだと思いますけれども、大臣のお考えをお伺いします。
#87
○国務大臣(北澤俊美君) テロや武装工作員の侵入に備えた原子力発電所の警備については、第一義的には、もう御案内のことだと思いますが、公共の安全と秩序の維持を責務とする警察がこれに当たるということでありますが、一般の警察力をもって治安を維持することができない緊急事態が発生した場合には自衛隊と警察が緊密に連携をして対応するということについては、かねがね連携を取って訓練もいたしておるところでありますが、国民保護法の四十二条に基づいて、地方公共団体と自衛隊、警察、消防など関係機関が共同して行う国民保護訓練においては、緊急事態の住民避難等に関する役割の分担等を確認するとともに、しっかり連携をしてまいりたいと、このように思っています。
#88
○佐藤正久君 実は私もそういう訓練に参加したことありますけれども、やっぱり非常に今言ったように想定的に緩くて、実際には国民の保護とかそう言うだけで、実際の原発が攻撃されたときにどうやって対応するんだという部分はやっていないんですよ、実動で。図上でも一部でしか、やっているところは少ないと思います。これをやっておくことが、ある程度厳しめをやっておけばそれより低い部分は対応できますから。今回の事故を受けて、想定外ということはもう国民は聞きたくありませんから、しっかりと、今までの国民保護法制としっかり法律ある以上は、これが実効性あるように引き続き訓練をしていただきたい。
 しかも、今回の福島の原発の事故を受けて、原発のどこが弱点であって、発電所はどこが態勢が弱くて、日本政府のどこが弱点だと、もう結構明らかになってしまったんですよ。ということは、ある人間からすると、非常に今回は情報収集というか、非常にいいんですよ、外務大臣、これは本当に、真面目な話。今第一原発のところも極めて脆弱な状態なんですよ、そういうグループから見ると。今回いろんなものが情報が出てしまって、弱点が結構さらけ出されているという観点からすると、やはり原子力災害、これを受けて、私はテロ対応という部分は真面目にやらなければ国民の安全は担保できないというふうに思います。
 防衛大臣、もう一度お伺いします。国民の避難だけではなくて、やっぱり実際のサイトでのいろんな訓練というものを今後強化すべきだと、実動でやるべきだと思いますけれども、お考えを聞きたいと思います。
#89
○国務大臣(北澤俊美君) 確かに、今回の地震、津波によって原子力発電所の弱点というのは明らかに確かになりました。代わりの自家発電装置が地下にあったというようなことは、もう今から考えたら一体何を考えていたのかということになるわけでありまして、確かにそこに併せてテロということも想定内に入れなければいけないわけでありますから、私どもとすれば、あらゆる角度からこれを検証して、しっかりした体制を整えるべきだというふうに認識をいたしております。
#90
○佐藤正久君 ありがとうございます。是非ともそういう方向で訓練の方をやっていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。
 お手元に配りました防衛大臣の着任の訓示、これ一部抜粋したものであります。民主党政権下の二十一年度の防衛省はこの訓示から始まりました。まず、一部読み上げます。「間違った歴史は繰り返されるべきではありません。昭和の時代に国家が存亡のふちに立たされた最初の一歩は、政府の方針に従わない軍人の出現と、その軍人を統制できなかった政府・議会の弱体化でありました。こうした歴史の教訓を踏まえますと、まさに鳩山内閣の政治主導の下でのシビリアンコントロールの確保が、極めて重要であります。」。
 私のところにいろんな意見が寄せられました。大臣のこの訓示を聞かれた方々、全国の隊員が聞かれ、あるいはその関係者も聞いていたようです。大事な着任の辞の中で、あえて旧軍を持ち出してシビリアンコントロールに言及したその理由は何でしょうか。
#91
○国務大臣(北澤俊美君) 着任時のこの御指摘の箇所は、さきの大戦に対する反省を述べたわけでありまして、度々申し上げておりますが、私は、幼いとはいいながら大戦の悲惨さを十分に認識している立場から、特に強い思いを持って申し上げた次第であります。
#92
○佐藤正久君 ただ、自衛隊員はシビリアンコントロールは私は理解しているというふうに思っています。これまでも文民統制の下でずっと活動してきたと思います。民主党政権に替わったからといってあえてこれを着任の辞で言われると、やっぱり違和感を持った隊員の方もいたようです。民主党は自衛隊を信用していないのかというふうに感じた人もいたようです。
 大臣がこの訓示で言われたシビリアンコントロールというのは、自衛隊に対してのものなのか、自衛官に対してのものなのか、どちらでしょうか。
#93
○国務大臣(北澤俊美君) これは、そういうふうに特定するというよりも、国の防衛の責任をつかさどる者としての一つの考え方でありまして、それが私は防衛省に、そしてまた自衛隊に、そして自衛官一人一人に染み渡ることは期待をいたしております。
#94
○佐藤正久君 もう少し明確に言ってほしいんです。
 質問は、これは自衛隊に対して言われたものなのか、自衛官に対して言われたものなのか、どちらでしょうか。
#95
○国務大臣(北澤俊美君) そういうふうに個別にして私がピンポイントで誰かを目指して言ったということではなくて、冒頭申し上げたように、防衛の責任をつかさどる者としてのまず責任の在り方、考え方をはっきりして、それが防衛省、そしてまた自衛隊、自衛官に染み渡ることを期待したということであります。
#96
○佐藤正久君 なぜ私がこれ聞いたかというと、通常は自衛隊に対して文民統制がなされると、これが普通の考え方です。自衛官、自衛隊員全体に対してと。
 ただ、昨年の四月九日の安保委員会で、自民党の浜田議員の質問に対して北澤大臣は、制服組と背広組を分けて使っているんですよ、答弁の中で。一部読み上げますと、これは防衛省の中央組織の改革というものについての質問だったんですけれども、「政治家としての大臣のシビリアンコントロールを背広組がしっかりカバーしている。」と。もう一回言います。政治家としての大臣のシビリアンコントロールを背広組がしっかりカバーしていると。そうすると、取りようにとっては、大臣のシビリアンコントロールというのは制服組に対してなされていて、それを背広組がカバーしているというふうにも取れてしまうんですよ、この表現からすると。大臣のシビリアンコントロールを背広組がしっかりカバーしていると。大臣のシビリアンコントロールは背広組に対してもあるいは自衛官に対しても両方になされるべきだと、それは大臣も同じ認識だと思います。
 では、これ、大臣のシビリアンコントロールを背広組の方がカバーしたという例をあったら教えてください。
#97
○国務大臣(北澤俊美君) このときの答弁には、そこで切れているわけではなくて、「背広組がしっかりカバーしている。しかし、大臣が制服組とどれほど意思疎通ができるか、これがまた私は重要だと思っておりまして、それは、大臣が直接制服組といろいろ協議をする場をどこかできちんと担保するというような考え方をイメージしながら、防衛省改革はしっかりやっていきたい、」と、このように述べておるわけであります。
#98
○佐藤正久君 質問に答えてほしいんですけれども。
 そのとおりなんです、書いてあるとおり。だけど、大臣はこれ、シビリアンコントロール、背広組がしっかりカバーしていると、で、制服組とは協議を持つと。これとシビリアンコントロールのカバーとは違うんですよ。自衛官と協議をするというものと、大臣が言われている、自分のシビリアンコントロール、文民統制を背広組がカバーしていると、これは違う意味ですから。
 今私の質問は、ここまで言うのであれば、大臣が言うシビリアンコントロールを背広組がカバーしたと、その例を教えてくださいということです。
#99
○国務大臣(北澤俊美君) それは、例えば運用部分について、今は統幕がこれが一元的にやっておるわけでありますが、その統幕から上がってくるものを制服組のところ、運用局の方でそれぞれの分野との調整を図って私に上申してくる。一方で、私は、統幕長から意見を聞いてこれを総合的に判断をすると。調達分野についても同じことが言えるというふうに思います。
#100
○佐藤正久君 今の話が大臣のシビリアンコントロールを背広組がカバーしているという例にはなかなか取りにくい。ただ、今言われたのは、統幕の、俗に言う制服組とうまく連携をしてやっているという例であって、カバーをしている、背広組の方がカバーしている例ではないと思います。
 ここは余り詰めるつもりはありませんけれども、大事なことは、大事なことは、大臣がシビリアンコントロール、背広組がカバーしているとか、こういうのは非常に誤解招きやすいし、そうなると、今言ったように、じゃその具体例を教えてくださいとか、あるいは、じゃもう一つここで言われているように、この答弁の中で言われているように、制服組が一緒に入っていて、何か起きたというときには必ず実力を持って現場を知っている人間の声が大きくなるんですということも言っているんですよ、前振りで。そうなると、じゃ実際に現場で、そういう自衛隊の現場の中で背広組に対して、あるいは制服組が大きな声でそれを凌駕したような例があるのかという質問が出てきてしまうんです、こういう表現があると。
 今大事なことは、非常に防衛省改革の中央組織改革が、平成二十一年の政権交代以降止まっている部分もあるんですよ。大臣も承知のとおり、全部がいっているわけではなくて、去年の八月からは進捗が非常に遅くなっている。特に中央組織の部分はまだ検討が途上です。しっかりと制服組あるいは背広組のそれぞれの専門性というものを生かしながら、しっかりと政治家たる大臣がコントロールをすると。たまにシビリアンコントロール、文官統制と言う人いますけれども、やっぱりポリティカルコントロールの方が非常に分かりやすい表現だと思いますし、そこをしっかりやっていただきたいと思います。
 最後に、大臣の御見解をお伺いします。
#101
○国務大臣(北澤俊美君) 今、佐藤委員のお話を聞いていて、私とそんなに変わってはいないと基本的には思います。ただ、表現を制服組に力点を置いてしゃべるのか、あるいは背広組にというようなことがありますが、そういうふうにこだわること自体が私は余り生産的ではないと思っておるんですが、今お話しになったように、確かにシビリアンというよりはポリティカルの方が分かりやすい。私は、日本全体で今後そういう意味で議論していく上ではポリティカルを使った方がいいんではないかというふうには思います。
#102
○佐藤正久君 そこで、大臣が言われた、鳩山内閣での政治主導の下でのシビリアンコントロールって言われました。それで、その政治主導のシビリアンコントロールでいろいろと物事が動き、特に安全保障体制も動きました。そこで、今回の一連の流れの中で、やっぱりどうしても迷走と言われる部分が、政治主導の弊害があったのが私は普天間基地の移設問題、これは多くの評論家も言っておりますけれども、やっぱりその政治主導の弊害があったと。
 防衛大臣、鳩山政権下での政治主導の普天間基地移設問題、もう今は菅政権の大臣です、当時を振り返って、ちょっと反省点があればお伺いします。
#103
○国務大臣(北澤俊美君) これは鳩山内閣の政治主導の間違いとかそういうことではなくて、衆議院選挙で沖縄において鳩山総理が、当時代表が、理想的には国外、少なくとも県外と、こういうふうに演説をされて、これはマニフェストに書いてあったわけではなくて、そういう思いを沖縄の中で、多分高揚した部分もあったんだろうというふうに思いますが、発言をして、そのことにある意味忠実になろうとしたために混乱が生じたということは否定はいたしませんが、私どもとすれば、新たに民主党政権は五月二十八日に日米合意をもってしっかりある意味の軌道修正を果たしたというふうに思っております。
#104
○佐藤正久君 今反省もありましたけれども、結果として多くの時間と予算がつぎ込まれて、結局は辺野古へ戻ったんです。この迷走について、やっぱり沖縄県民に対して鳩山首相も菅首相も謝罪をされています。防衛大臣はずっとそばで見てきたわけで、当事者の一人ですから、やっぱり大臣も当事者の一人として率直に反省と謝罪というものも言うべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
#105
○国務大臣(北澤俊美君) 日本の国の政治は自民党を中心に戦後ずうっと続いてきたわけでありまして、極めてドラスチックな政権交代が行われた中で、国民全体も、そしてまたその中の非常に基地問題で負担を大きく担ってきた沖縄の県民の皆さん方が大きく期待するのは当然だというふうに思います。
 その大きな期待を政治的にどう軟着陸させるかということについての時間的ロスがあったことは間違いないことでありまして、私は、今、自民党の皆さん方もよく言いますけれども、長年にわたって協議してきて辺野古だと決めて、これ以外にないんだよと、それなのに迷走をしたというふうに言われますが、私も大臣になって様々検証する中で、極めてその選択肢は狭いということは早い段階から自覚をいたしましたけれども、しかし、何らかの形で国民の期待にこたえようとした努力は、私は政治が発する国民への信頼性からすれば、かなわなかったかもしれませんけれども、全部がマイナスであったというふうには思っておりません。
#106
○佐藤正久君 今の答弁は、沖縄県民怒りますよ。沖縄県民にとって、今、幾ら期待させた結果、結果として今ゼロとかよりもマイナスになっているんですよ、気持ち的に。それは、首相がせっかく反省しているのに、今の大臣答弁を沖縄の方が聞いたら、もう全部チャラになっちゃいますよ。それは実際に、もうあれほど、九か月間振り回したんですよ、ずうっと。それに対してやっぱり素直に反省がなければ前に進まない、私は思いますし。
 それでは、なぜ今回、鳩山政権下でこれだけ迷走したのか、なぜ当てもなく国外、県外と言ったのかと。なぜ、案がないのに県外とか国外というふうに総理が言われて、それを支える大臣の一人としてそれで突き進んだんですか。案があったらあったと言ってくださいよ。案があって言ったらいいですけど、鳩山総理も認めていますから、案がなく国外、県外と言ったと。なぜそんなことを認めてしまったんでしょうか。
#107
○国務大臣(北澤俊美君) まず一つには、何にもなくてマイナスになったと、こういうことでありますが、しかし、あの議論の中で、グアムへの訓練移転であるとか国内への訓練移転であるとか、そういう意味での負担軽減という果実は確実にあったというふうに私は思っております。しかし、根本的な基地を減少させるということについての解決はできなかったと。
 それからまた、鳩山内閣の中で鳩山総理が目指したものについて私の考え方と、こういうことでありますが、総理大臣の下に任命された大臣として自分の所掌を守って、進言することはきちんと進言し、そして情報も十分に与えてきたと。しかし、国の方針を最終的に決定するのは総理大臣でありますから、総理大臣の気持ちが、気持ちというか政策が定まったところではそれに従うと。しかし、それにあえて政治家として国益にかなわないという強い思いがあれば、それはそこで辞任を覚悟で申し上げるという選択肢もありますが、過去の経緯は今細かく申し上げると時間が、御無礼になりますから申し上げませんが、ぎりぎりのところで総理との間で協議を調えてきたということであります。
#108
○佐藤正久君 大臣、今回、やっぱり罪なんですよ。鳩山総理がもう自分で言われているように、当てがなかったんだと、民主党の沖縄ビジョンに書いてあったから言ったんだと、もう正直に言われているんですよ。それに振り回された沖縄県民、たまらないですよ。正直に言っているんですよ、鳩山総理は。民主党の沖縄ビジョンに書いてあったからやったと、具体的なものがあるわけではなかったと、それで物すごく苦労したと、正直に述べられている、インタビューで。
 それでみんな、我々も物すごい時間を費やして、私どもある意味、もう辺野古が現実的だという思いがありましたから、いろんな議論の中で修正するように修正するようにいろんな面で議論をしましたけれども、それも後で当てがあるわけではなかったと言われたら、それは何だったのかと。我々はまだいい。沖縄県民の思いからすると、本当ふざけるなという思いだと思いますよ。だからこそ、今も沖縄県民は、県内なんかもうとんでもないという動きになっていると。
 ここは本当に真剣に反省すべきだし、鳩山前首相はいまだに辞めてから沖縄へ行っていないんですよ。行っていないんですよ。そこは仕えた大臣の一人としても、やっぱり鳩山前首相、しっかりと沖縄に行って謝罪をもう一度して、そして、今の日米合意、自分がした合意ですから、それを進めるように努力してほしい、こういうことを進言すべきではないですか。防衛大臣、お願いします。
#109
○国務大臣(北澤俊美君) 防衛大臣の立場として、前総理に沖縄へ行くべきであるとか謝罪すべきであるとかということは申し上げる立場にないというふうに思っておりますが、長年の付き合いの中での、鳩山総理と私は、私は羽田元総理を通じてのお付き合いでありますから、これは長い付き合いはありますから、その辺のところは、どんなことを申し上げるかということは別にして、今初めて沖縄へまだ一度も行っていなかったということは聞きましたけれども、暫時時間をいただいて考えさせていただきたいと思います。
#110
○佐藤正久君 これは人間の常識として当たり前なんですよ、普通は。辞める前に、五月に、学べば学ぶにつけ沖縄の海兵隊の抑止力が分かりましたと。あのとき以来、もう行っていないんですよ。辞めるときの記者会見もやっていないし、民主党の中の両院議員総会でしゃべっただけでしょう。正式な記者会見もやっていない。それから、沖縄にも謝罪に行っていない。これ、本当に通じますか。
 これは二十一年の政権交代から始まったんです、この迷走は。大きな予算も使いました。嘉手納統合案、あるいはホワイトビーチの沖合案、あるいはシュワブの陸上案、くい打ち方式、埋立方式、グアムの移転、いっぱいありましたよ。昔、全部検討したんです。その中で一部負担の軽減はなったと。それはそうでしょう。だけれども、今回の迷走の一番の原因は、抑止力の維持についてまともに議論をしなかったんですよ。あたかも迷惑施設をどっかに持っていくような、そういう発想での土地探しみたいな趣が強かった。
 負担の軽減と抑止力の維持と二つの観点からやるというのであれば、抑止力について、これはこうですよと、もっともっと鳩山首相にやっぱり防衛大臣から言うべきであったと私は思います。大臣は途中から辺野古の方に修正をされていろいろ言ったというふうに私も聞いていますけれども、やっぱり弱かった。もう少し早めに、本来であれば十二月というタイミングがあったわけです。いろいろの政党の関係があったかもしれませんけれども、本当にいろんな面で時間を費やしたなと。二十一年度、大事な二十一年度の後半部分が非常に日本の国益、ほかの国の信頼との関係で失った。
 これもひとつ政治主導の名の下に、今言ったように、本当に制服自衛官やあるいは背広の事務官、あるいは外務省の方々の意見をもっと聞いて最終的に政治判断すればいいのに、それはほとんど聞かずに、身内、近い人、政治家だけで話していろんな案をぶち上げる。これは本当の政治主導下のシビリアンコントロールで私はないと思います。
 そこで、また今度、ウェッブ、レビン提案が出てきました。この提案の中にやっぱり抑止力の部分は欠けているんですよ、議論が。見ても書いていない。まだこの議論をするのは早いという言い方あるかもしれませんけれども、今からここを準備しておかないと、たたいておかないと、今の日米合意、崩れるかもしれませんよ。抑止力ってやっぱり大事なんですよ。
 これからまたこの議論をするときに、鳩山政権の一番の失敗は日米同盟から入らなかったんですよ。在日アメリカ軍の役割を、そこから入らなかったんですよ、議論の中で。アメリカに今までと同じように打撃力や核抑止力を期待するのか、あるいは、打撃力の部分をもっと削減してもらって自衛隊が肩代わりする、その分抑止力は減ってもいいですよという、そこから議論しなければ本当はいけなかったのに、そこをおいて負担の軽減、負担の軽減、そこで言ってしまった。
 今の日米合意の前提は、従来どおり、二〇〇六年のロードマップと同じように、アメリカに核抑止力と打撃力、これを依存するという考えでよろしいですか。
#111
○国務大臣(北澤俊美君) おおむねそういうことだと思います。
#112
○佐藤正久君 それでは、在日米軍にどのような抑止力の機能、これを期待していますか。
#113
○国務大臣(北澤俊美君) まず、海兵隊の迅速な展開、それからそれを更に強化する空軍の戦力、さらには海軍の機動性によって軍事力を展開できる、そういう総合的なものだと思っています。
#114
○佐藤正久君 十分ではないですけれども、半分ぐらいはそうだと思います。
 それでは、時間の関係もありますので、在沖縄海兵隊を除いた、在沖縄海兵隊を除いた在日米軍では抑止力は十分でしょうか、不十分でしょうか。
#115
○国務大臣(北澤俊美君) 専守防衛を旨とする我が国の防衛体制からすれば、海兵隊の能力は極めて重要だと思っています。
#116
○佐藤正久君 もう少しそこは具体的に言っていただかないと分からないんですけれども、在日米軍から在沖縄海兵隊を抜いた場合、抑止力としてどこの部分が問題になりますか。
#117
○国務大臣(北澤俊美君) 今のどこの部分がというのがちょっと私には理解ができませんが、もう少し詳しくお願いいたします。
#118
○佐藤正久君 これはもう外交防衛委員会で何回も議論していますけれども、海兵隊の一つの特性はやっぱり打撃力なんです。陸上打撃力なんです。在日米軍の中で唯一陸上打撃力を持っている。これは在日米陸軍ではなくてやっぱり海兵隊なんです。唯一陸上の打撃力を持っているのは海兵隊なんです。その打撃力の海兵隊がなくなれば、抑止力上、私は問題だと考えています。
 よく言われるように、盾と矛の議論があって、その矛の部分、これは空軍ではあの嘉手納の基地、あるいは三沢の基地もあります。でもそれは、陸上戦力ではやっぱり沖縄の海兵隊がその矛の部分。そこの部分をまず押さえておかないと、民主党の中の一部の議員があったように、それをグアムの方に持っていけばいいんだとか、そういう話になってしまう。
 沖縄の海兵隊がグアムの方に行ってしまったら、まさにその陸上打撃力の部分がやっぱり少なくなるか、なくなってしまう。その分を自衛隊がカバーするならいいですよ。専守防衛というものをみんな取っ払って自衛隊にそこまで打撃力を求めるんだと、それならいいですけれども、そこまでない以上は、やはり、大臣が最初言われたように、今までと同じように核抑止力と打撃力はアメリカの方に期待をするんだと、その枠組みの中で議論しないといけない。であれば、初めから普天間基地をグアムに持っていくとか、戦闘部隊を持っていくというのは、私はあり得ないと思っているんです。
 そういう意味において、今回のウェッブ、レビン提案では、外務大臣、戦闘部隊をグアムの方に持っていくという案ですよね。これだと私は抑止力に問題があると思いますけれども、外務大臣の御見解をお伺いします。
#119
○国務大臣(松本剛明君) 委員もおっしゃいましたけれども、改めて、米国の議会の御提案でございますので、直接私どもが評価、コメントをする立場にはないというふうに考えておりますが、今、北澤大臣からも御答弁を申し上げたところでありますが、抑止力というのは、何に対して幾らあれば足りるのかというのは様々な議論があると思いますが、今、二〇〇六年のロードマップで一定の形が示されております。東アジアの安全保障環境を考えたときに、そこで示されたものが更に削減を何らかの形でされるような形になったときに、どういうメッセージになるかということはしっかり考えなければいけないというふうに思っております。
#120
○佐藤正久君 ウェッブ提案はおいておいても、一般論としても、今の沖縄の海兵隊の戦闘部隊が海外に行くというのは、やっぱり今の戦力設計からいってもマイナスですよ。イメージも違う。抑止力というのは、攻撃した場合、どれだけの被害を被るかという部分もありますから、そこは戦力が下がる。これは嘉手納の戦闘部隊が減ることも同じです。全体として戦力が減るということは、やっぱり何か攻撃したときに被る被害が少なくなるということの裏返しでもありますから。
 また、今回の提案の中にもいろいろ騒音を減らせるという話もありますけれども、普通、空軍レベルの考えからいうと、騒音が減るということは訓練はやらないということですから、そういうことのバーターも考えてやらないといけないと思います。
 ましてや、今回の提案をおいておいても、提案の中に一部嘉手納の弾薬庫をグアムの方に持っていくという提案もあります。やっぱり兵たんがなくなる、これも物すごく抑止力の一部として、実際の対処力でも困りますから、あります。
 また、グアムの協定でも、戦闘部隊がアメリカに行って、そして家族を帯同しない、キャンプ富士のようにローテーション方式でやると。
 これが、もしもそういう提案が出てきたときは、今までの日米協議の枠組みと全然違いますよね。これは、日本の資金援助の観点でどのような影響が出るというふうに外務大臣は理解しているでしょうか。
#121
○国務大臣(松本剛明君) 抑止力ではなくて資金援助の観点でということですか。
 まさに、昨年の五月の合意で、その編成等については協議をするということで今協議が進められているというふうに私どもは考えておるところでありますけれども、グアムに対する資金援助については、もちろん協定が存在をするわけでありますが、個別の支出については、具体的な数字に基づいて精査をして予算などにおいて計上する形で進めていきたいと、こう考えております。
#122
○佐藤正久君 外務大臣、もっと勉強してください。実は融資があるでしょう。真水と融資があって、融資では何造るかと。隊員用の家族の住宅造るんです。家族が行かなかったら、住宅造っても回収できないじゃないですか、融資しても。そういう話も出てくるんですよ。
 だから、いかに今回、まだ議会の提案といいながらも、今からそういう、詰めておかなければ戦えないんです。来てから想定外と言われても困るんですよ。抑止力でこういう問題がありますよ、負担の軽減でこういう問題がありますよ、当然事務方はもう詰めていますよ。
 一般論から言わせてもらっても、空軍部隊とか海軍部隊が嘉手納からそのアセットがグアムの方に行ったら、東シナ海や南シナ海のパトロール、非常に影響出ますよ、普通に考えても。回数的にも、補給も嘉手納の基地でやらないといけないでしょう。補給回数増える、本当に騒音が減るのか。石垣島の方で給油してくれるなら別ですよ。そんなの無理ですから。本当にそういう、引いたときにどういう影響が出るのか、いろいろ考えないといけないと思います。
 外務大臣、もう一度、ウェッブ提案をおいておいても聞きます。嘉手納統合案、嘉手納統合案は、外務大臣のお考えとしては、これは辺野古案と比べては劣る案だという認識でいいですか。
#123
○国務大臣(松本剛明君) その前に、先ほど住宅の融資の話がありましたけれども、おっしゃったことは私も理解をしておるつもりであります。私も元銀行員でありますので、しっかり返していただけるようにお金は貸さなければいけないということは、当然我が国の予算で行うことは念頭に置いた上で、具体的にというふうに申し上げたつもりでございます。
 それで、御質問の件でありますけれども、会見でも私も、嘉手納案は浮かんだこともありますけれども、それでまた消えていったと、消えたには消えたなりの理由があると。当然、今回、嘉手納案が示されたわけでありますけれども、これまで消えた理由がクリアできるかどうかということは、現段階では、私も拝見をする限りはそこは確認はできないというふうに思っております。
#124
○佐藤正久君 明確に答えてください。今、日米で合意している辺野古案と比べて嘉手納統合案は、それは落ちると、劣る案だという認識でいいですか。
#125
○国務大臣(松本剛明君) 合意も日米間のまさに合意という大切なものもありますので、私どもは今、昨年の五月の案を、考え方を着実に推進をしていくという立場でございます。
#126
○佐藤正久君 防衛大臣にお伺いします。
 今、日米で合意をしている辺野古崎沖の案、これは今考えられる現実的な中で一番いい案だという認識でよろしいですか。
#127
○国務大臣(北澤俊美君) 日米両政府が英知を結集して合意をした案でありますから、これが日米の間での最良の案だというふうに思います。
#128
○佐藤正久君 ありがとうございます。今明確な答弁で、今、菅政権の中では今の合意案が最良の案だという確認が取れました。
 最後に、外務大臣にお伺いします。
 今、グアムの方の施設整備、これいろいろやっていますけれども、これも二〇〇六年のロードマップからすると二〇一四年までに全部完成しないといけないんですよ。これはやっぱり沖縄の辺野古移転と同じように、二〇一四年、これも厳しい、実現は厳しいという認識でよろしいですか。
#129
○国務大臣(松本剛明君) グアム移転に係る事業は、米国においても環境影響評価手続、国家歴史保存法などにより求められる米側の手続に、率直に言えば時間がかなり掛かっていたというふうにも見ていいのではないかというふうに思っておりますが、先般この手続も完了をしたということで、これから必要な手続が順次行われていくというふうに考えております。
 委員が今御指摘がありましたけれども、このグアムの進捗については、かなり厳しい見方も様々伝えられているということの情報は私のところにも届いております。
#130
○佐藤正久君 これで質問は終わりますけれども、やはり今回の、二〇一四年、辺野古の方も遅れる、グアムのも遅れる、これはこの九か月のやっぱり政治主導下でのいろんな動き、これが大いに影響しているということを最後に指摘をして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#131
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、佐藤正久君が委員を辞任され、その補欠として青木一彦君が選任されました。
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#132
○島尻安伊子君 自由民主党、島尻安伊子でございます。
 決算委員会で私ここに立たせていただくのは初めてでございまして、気負っていこうというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。
 いろいろと沖縄、今、佐藤正久先生のお話にもありますように混乱を、改めてまた混乱をしているなという気がいたしますけれども、今回の質問、私、一番最初に取り上げさせていただきたいのは、駐留軍の返還跡地の活用について、これを取り上げさせていただきたいというふうに思っております。
 沖縄振興措置法もそうですけれども、今年でいわゆる軍転特措法が切れるということでございまして、今日御質問させていただくこと、細かいといいますか、少しテクニカルな部分もあるかもしれませんけれども、今後の新法の策定の際に大変に参考になるということでございますので、よろしくお願いしたいというふうに思っております。
 平成十五年三月三十一日に返還されたキャンプ桑江について、所有者に引き渡された後も国による土壌汚染の処理工事が行われていたということでございます。
 軍転法の第七条に、「国は、駐留軍用地の所有者等に当該土地を返還する場合においては、その者の請求により、当該土地の所在する周囲の土地利用の状況に応じた有効かつ合理的な土地利用が図られるよう、当該土地を原状に回復する措置その他政令で定める措置を講ずるものとする。」ということでありますことから、本来は所有者への引渡し前に原状回復工事というものが全て終了しているべきではないかということでございますけれども、この件について防衛省の方からお答えをいただきたいと思います。
#133
○政府参考人(井上源三君) お答えをいたします。
 今お尋ねのキャンプ桑江の返還についてでございますけれども、私ども、平成十六年九月に土地所有者の皆様方に引渡しを行っていたところでございます。その前に、防衛省といたしましては返還実施計画を作成をいたしまして、アメリカ側への土地利用履歴を照会をいたしまして、それを踏まえて物件撤去をし、土壌汚染等の調査を行い、そして処理などを行ってまいったところでございます。これは引渡し前に行ったところでございます。
 しかしながら、引渡し後でございますけれども、その後、米軍のものと思われます残置工作物や油の汚染などが発見がされたわけでございまして、その油汚染土壌等の処理など、数回にわたりまして政府として国が責任を持って対応をしたところでございます。
 私ども、やはり駐留軍用地の返還に当たりましては、国と土地所有者との賃貸借契約に基づきまして、そしてまた返還特措法の趣旨を踏まえまして、原状回復を行った上で所有者の皆様方に土地を返還をするというところでございますけれども、可能な限り早期の返還を目指すために引渡しをし、結果的にキャンプ桑江のようにその後新たな汚染が発見されるような事例があったところでございます。
 やはり、原状回復措置を十分に行った上での早期引渡しが跡地利用の促進に重要と認識をいたしておりまして、キャンプ桑江のケースも踏まえまして、引渡し後に原状回復措置が逐次散発的に行われることがないように関係者とも十分協議をしつつ対応してまいる所存でございます。
#134
○島尻安伊子君 この軍転法第七条の政令として、駐留軍が遺棄した不発弾のみならず、今次の大戦による不発弾の処理について定めるということは可能かどうか、お聞きをいたします。
 この七条には、「当該土地の所在する周囲の土地利用の状況に応じた有効かつ合理的な土地利用が図られるよう、」としておりまして、今次の大戦による不発弾の処理についても含めて現行法を解釈、運用することはできないものかということでございます。
#135
○政府参考人(井上源三君) 今お尋ねの返還特措法、これは沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律という名称でございまして、あくまでも駐留軍用地の返還に伴う特別の措置を講ずる、対象は駐留軍用地となっているものでございまして、そして、七条では、駐留軍用地を返還する場合の原状回復措置等についての規定であるわけでございますけれども、この法の趣旨に鑑みまして、七条における土地を原状に回復する措置については駐留軍に起因する事項に限られるものというふうに承知をいたしているところでございます。
 そして、今御指摘の今次の大戦による不発弾、そして駐留軍が遺棄した不発弾についてそれぞれどのような扱いになるかということでございますけれども、法の趣旨に照らして、駐留軍に起因する駐留軍が遺棄した不発弾については対象になると考えておりますけれども、それ以外の今次の大戦による不発弾について対象にすることは困難だというふうに考えているところでございます。
#136
○島尻安伊子君 それでは、そもそもこの軍転法第七条の「当該土地の所在する周囲の土地利用の状況に応じた有効かつ合理的な土地利用が図られるよう、」と、この意味について教えていただけますでしょうか。
#137
○政府参考人(井上源三君) 例えば、駐留軍の使用前の用途が仮に農地であったといたします。そして、それを、過去農地であった土地を返還をするという場合に、しかし現在においてはその周囲の土地は農地ではなくて宅地だということになってまいるということになるわけでありますけれども、原状回復というのは元のまま農地として原状を回復するということになるわけでございますけれども、それを周囲が宅地の状況の中で農地として原状回復するということについては、単にその有効利用に反するばかりでなく、当該土地を含む地域一帯の発展にも反することになるというようなことがあるわけでございますので、そういう観点から、国は、返還の原状回復に当たりましては、単にその使用前の状態への原状回復のみを追求するのではなく、その後の周辺地域の開発状況を勘案し、返還予定の駐留軍用地とその周辺地域と一体とした土地利用が有効かつ合理的なものである場合については、そうした配慮を行うことが適当であるという趣旨だというふうに理解をいたしております。
#138
○島尻安伊子君 現在、この軍転法第七条の政令というものは定められていないようでありますけれども、それはなぜなのか、また、今後定めるとしたらどのような政令を想定していらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
#139
○政府参考人(井上源三君) 返還特措法七条、原状に回復する措置その他政令で定める措置と規定されておりますけれども、御指摘のとおり、現時点においてその政令は定められていない状況でございます。
 なぜかということを過去の資料等を調べたところでございますけれども、この法律の立法当時の議論といたしまして、七条に基づく措置として原状回復措置以外の措置は考えられないのではないかという議論があったところでございまして、したがって、立法当時、政令で定める措置は想定をしていないということが記録として残っております。
 ただ、その後の、今後の法の施行状況に応じて、必要があればその政令を定めることとすることができるという趣旨だということでございますけれども、結果的に現時点においてその政令は定められていない状況にございます。
#140
○島尻安伊子君 それでは、あっせん申請についてお聞きをしたいと思います。
 同じく軍転法ですね。これの九条において、「沖縄県知事又は関係市町村の長は、」というところから始まりますけれども、国に対し、合同委員会において返還が合意された駐留軍用地についての調査及び測量の実施に関してはあっせんを申請することができるとされておりますけれども、この国の窓口、担当省庁あるいは担当部署はどこになりますでしょうか。
#141
○政府参考人(清水治君) お答え申し上げます。
 返還特措法第九条に基づきます駐留軍用地についての調査及び測量の実施に関して地方公共団体より国に対してあっせんの申請ができるという規定でございますが、このあっせん申請に関してでございますが、申請を受理する窓口が明確に定まっていないものと承知しております。
 他方、日米間では一九九六年の合衆国の施設及び区域への立入許可手続の合意がございまして、これまで地方公共団体から要請がございますれば、この合意に基づきまして国、すなわち沖縄防衛局を通じまして在日米軍に対して申請してきたものと承知しているところでございます。
#142
○島尻安伊子君 それでは、この沖縄県知事又は関係市町村の長が軍転法第九条に基づいて調査、測量のあっせん申請を国にした場合、その後の手続はどのようになっておりますでしょうか。国によるあっせんの結果を当該沖縄県知事又は関係市町村の長に知らせるということになっているのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#143
○政府参考人(清水治君) お答え申し上げます。
 返還特措法九条に基づくあっせん申請でございますが、先ほども御答弁申し上げましたように申請を受理する窓口またその後の手続が明確に定まっていないところでございまして、他方、申し上げましたように一九九六年の日米合同委員会合意がございまして、この要請があれば、合意に基づき国を通じて在日米軍に対し申請が行われてきたと承知しております。申請に対する米側の回答につきましても、国、沖縄防衛局から地方公共団体にお知らせしてきたものと承知してございます。
#144
○島尻安伊子君 このお知らせをしてきたということではございますけれども、はっきりとしたスキームができ上がっていないというふうに私は認識をしております。
 この際、国によるあっせんの結果をきちんと沖縄県知事又は関係市町村の長に知らせるということを法定化すべきではないかというふうに思いますけれども、法制化することに何か問題はありますでしょうか。
#145
○政府参考人(清水治君) お答え申し上げます。
 御質問の返還特措法第九条に基づきます申請の手続、その明確化ということでございますが、これにつきましては今後関係府省と県の意見も伺いながら調整してまいりたいと考えてございます。
#146
○島尻安伊子君 是非前向きにやっていただきたいと思っております。やらなければいけないことということで法律に定まっているわけでありますから、きちんとそれは履行していただきたい。その制度化というか、きちんとしたものにやっていただきたいというふうに思っております。
 それでは、次に駐留軍施設の用地買収について御質問させていただきます。
 駐留軍施設用地については、租税特措法第三十三条第一項第二号の規定によりまして、譲渡所得金額から五千万円までの控除を受けることができるというふうにされております。県外あるいは国外の地主になるその可能性、そういったものを抑制して、また普天間基地のように返還が合意された駐留軍施設用地を国が先行取得するために、この租税特措法の規制により駐留軍施設用地を国が積極的に買収すべきではないかと思いますけれども、御答弁お願いします。
#147
○政府参考人(井上源三君) 駐留軍の用に供します施設・区域内にございます民公有地の土地でございますけれども、原則として、賃貸借契約によりまして使用権原を取得をいたしまして合衆国軍隊に使用させているというところでございます。
 他方で、土地の提供等に際しまして、将来長期にわたり返還の見込みがなく、かつ、土地所有者から事業経営の不振による借金の返済、相続税の納入に困窮しているなどの経済的事情によりまして土地等の買収要望がなされた場合等に買収はこれまで行ってきているところでございます。そして、このような場合には、御指摘のように、租税特別措置法に規定される五千万の控除を受けることが可能となっているところでございます。
 私ども、米軍に対しまして施設を安定的に提供するということは、これもまた必要であるというふうに考えているわけではございますけれども、今後とも、土地所有者の事情、財政状況等を勘案をいたしまして、買収要望がなされた場合等につきましては適切に対応させていただきたいと考えているところでございます。
#148
○島尻安伊子君 平成二十二年八月一日の沖縄防衛局の広報によりますと、駐留軍施設用地として提供していただいている土地が将来長期にわたり返還の見込みがなく、かつ、経済的事情等により買収の要望が出された場合に沖縄防衛局において買収を実施し、国に駐留軍施設用地を売却した場合は譲渡所得金額から五千万円までの控除を受けることができるというふうに書いてございます。
 この制度により控除の対象となる駐留軍施設用地は、具体的に言うとどこを指しているんでしょうか。
#149
○政府参考人(井上源三君) 先ほど申しましたとおり、一定の場合につきましては、駐留軍施設用地につきまして国として買収を行っているところでございますけれども、実は防衛省におきまして駐留軍の用に供する土地等の買収等の手続に関する訓令というものがございまして、その中の一つの項目といたしまして、今御指摘の沖縄防衛局の広報で掲載しておりますような記述があるところでございます。
 御指摘の駐留軍用地、施設として提供していただいている土地が将来長期にわたり返還の見込みがないということが一つの要件となっているわけでございますけれども、その要件等を踏まえまして、控除の対象となる駐留軍施設用地は具体的にどこかということでございますけれども、米軍再編のロードマップ、それからSACO等で全面返還となっているものにつきましてはこの要件に該当するというふうに考えておりまして、例えば嘉手納飛行場、嘉手納弾薬庫、トリイ通信所などはそういうものの対象となっておりませんので、控除の対象となる施設だというふうに考えております。
#150
○島尻安伊子君 普天間飛行場の土地を国が買収する場合、この制度により五千万円の控除を受けることができるんでしょうか。
#151
○政府参考人(井上源三君) 今申し上げましたけれども、訓令の一つの要件といたしまして、将来長期にわたり返還の見込みがない施設・区域にはこの買収の対象外といたしているところでございます。
 普天間飛行場でございますけれども、ロードマップにおきまして代替施設の建設を完成することが目標となっているところでございますので、この返還の見込みがない施設・区域には該当しないというふうに理解をいたしておりまして、結果的に二〇〇七年度以降は土地等の買収実績はないところでございます。
#152
○島尻安伊子君 そうしますと、この文言の中に入っている「経済的事情等」の「等」ということはどういうことなのか、御説明いただきたいと思います。
#153
○政府参考人(井上源三君) 先ほど申し上げましたとおり、訓令がございまして、買収をするときの幾つかの要件がございます。提供した土地等が将来にわたり返還の見込みがなく、かつ、当該所有者から経済的事情により買収の請求があったときというのが一つでございますけれども、それ以外に、例えば、土地等の提供に際し買収を条件として提供に応じたものに係る土地等について提供を決定したときなどにつきましても、同様に買収の対象にするということが定められているものでございます。
#154
○島尻安伊子君 そうしますと、租税特措法の第三十三条の第一項第二号、先ほども申し上げましたけれども、その規定にもかかわらず五千万円の控除が認められる場合として、駐留軍施設用地として提供していただいている土地が将来長期にわたり返還の見込みがなく、かつ、経済的事情等により買収の要望が出された場合のこの場合に限定しているのかどうかということ、限定しているとすれば、その理由は何なのでしょうか。
#155
○政府参考人(井上源三君) 先ほど申し上げましたけれども、訓令がございまして、買収をする一つの要件として、先ほどの、土地の返還の見込みがない、そして経済的事情等により買収の要望を出されている場合というようなことの事例は書いているわけでございます。
 租税特別措置法につきましては、土地収用等の対象となる施設については全て対象にするということでありますので、この要件以外のものにつきましても税法上には対象になるというふうに理解をいたしております。
 ただ、委員御案内のとおり、現在、沖縄県におきましては、民公有地百五十二平方キロ、所有者約三千九百人の方々の土地を貸していただきまして米軍の利用に供しているというようなことがあるわけでございます。また、財政的な事情等もあるわけでございまして、そういうことを勘案をいたしまして、防衛省といたしましては、先ほどのような訓令を設けまして、一定の基準を設けてこれまで買収をさせていただいたというところでございます。
#156
○島尻安伊子君 その駐留軍施設用地として提供していただいている土地が将来長期にわたり返還の見込みがなく、かつ、経済的事情等により買収の要望が出された場合という要件は、租税特別措置法の三十三条第一項第二号には書かれていないわけでありますけれども、先ほどからおっしゃっているその訓令に書かれているという認識でよろしいんでしょうか。
#157
○政府参考人(井上源三君) 御指摘のとおり、訓令で規定をしておりまして、その規定のみならず、幾つかの基準を設けておりまして、その基準に適合するものについては買収の対象にするということでございます。
#158
○島尻安伊子君 テクニカルなというか、ちょっと細部にわたっての質問をさせていただきましたけれども、土地が将来長期にわたり返還の見込みがなくの要件は削除すべきではないかと私は考えております。
 日米安保条約によって我が国は米国に、先ほどもありましたけれども、安定的に施設用地を提供するという義務があるわけでありまして、地主に土地が返還されるまでは国が責任を持って駐留軍施設用地を確保すべきであり、普天間基地のように返還が合意された駐留軍施設用地であっても、地主に返還されるまでは県外地主あるいは国外の地主の増加を抑制するための買収や跡地の早期整備のための先行取得について、この五千万円の控除の対象とすべきではないかというふうに思っているわけであります。
 これが控除の対象とできないとおっしゃるのであれば、その理由についてお聞かせいただきたいと思います。
#159
○政府参考人(井上源三君) 委員御指摘のとおり、私ども、駐留軍用地の安定的な使用というのは極めて重要な課題であるというふうに考えているところでございまして、そのための施策を講じていくことは重要だというふうに考えておるところでございます。
 ただ、これまでの日米間の協議、そして日本国政府の中の意思決定によりまして、返還を進めていく一定の年限をもって返還をするという土地につきましては、それは基本的には元の所有者の皆様方にお返しをするということが前提だろうというふうに考えているところでございまして、そうした観点から、予算的な一定の制約もございます。
 そしてまた、先ほども申し上げましたとおり、現時点において約三万九千人の土地の所有者の方々がおられまして、その皆様方に対しまして土地を貸していただいておるという事情等を考慮いたしまして、一定の制約の下で土地の買収を進めていくということが必要ではないかというような観点から、先ほど申し上げましたような基準にのっとりましてこれまで対応を進めてきているというところでございます。
#160
○島尻安伊子君 沖縄のこの基地問題、まあ極論になるかもしれませんけど、ここまでこじれてきているその理由の一つに、民間といいますか、国がこれまで買収をしてこなかったということも一つあるのではないかと私は思っているわけでございまして、是非、国の先行取得というものを進めていくべきではないかというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いしたいというふうに思っております。
 それでは、次の質問に移りたいと思います。
 まず、原発の関連で外務大臣にお聞きをしたいと思っております。
 お手元に資料をお配りしてあるというふうに思っております、「中国の原子力発電所」というこの資料でございますけれども。中国と台湾の原発の現状でございますけれども、沖縄県は日本で唯一原発を持たない沖縄電力が電力を供給しております。そういう意味で安心かというと、そうではないというのがこの資料からお分かりいただけるのではないかというふうに思っております。
 中国は、運転中の原発施設が十三基、建設中の施設が二十九基、そして今後、何と百基の建設を目標にしているというふうにお聞きをしました。つまり、中国、台湾で事故が起こると沖縄は真っ先に影響を受けるということでございます。もちろん、九州から日本全土にも影響が出るということでありまして、それは、中国から飛来する黄砂、あの目がかゆくなる黄砂でありますけれども、あれを思い出していただければ想像に難くないということだと思います。
 そこで、外務大臣、日中あるいは、今日は中国の資料しか持ってきておりませんけれども、あるいは日韓での原発管理に関する協定というものは喫緊の課題だというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#161
○国務大臣(松本剛明君) 御指摘のように、原子力の安全の確保というのは大変重要でありますし、また先般、三月の日中韓外相会談で、そして今週末ですか、予定をされている日中韓の首脳会談でも原子力安全分野というのが大きなテーマになっておりますのは、率直に申し上げて福島第一原発が大きなきっかけであったことは事実でありますけれども、今委員お話しいただいたとおり、大変近いところにある三国の関係である中でしっかりと安全については連携を取っていく必要があると、こういうことでございます。
 例えば、日中の間に関しては、日中原子力協定に基づいて定期的に日中原子力協議というのを開催をしておりまして、その場を通じて、活用して様々な情報の収集、交換というのを行っておるところでありますけれども、先ほど申し上げたように、今般の日中韓の首脳会議を通じて今後更に原子力安全分野についての連携を強化をする必要があるというのが、私どもそして三か国の共通の認識として議論されるというふうに理解をしております。
#162
○島尻安伊子君 お手元の資料を見ていただいて、再び、ちょっと台湾の右に国境線らしきものがあるのがちょっと気に入らないんですけれども、まあちょっとそれは別として、台湾の原子力発電所の中に、この上の方の北部にある発電所ですね、一九七八年十二月運転開始ということでございまして、かなり古いものかなというふうに思っております。ここに万が一のことがあると、日本最西端の与那国島があるわけですけれども、百キロほどしか離れていないということもありまして、与那国、防衛大臣もよくお分かりのところだと思いますけれども、大変心配な環境にあるということであります。
 本来であれば台湾もこのIAEAに加盟すべきだろうというふうに思っておりますけれども、まあ諸般の事情等々ございます。しかしながら、WHOへの台湾のオブザーバー参加ということは我が日華議連が中心となって仲立ちをして実現をしたという経緯がございまして、早急にこのIAEAへの参加ということも同様に進めるべきだと思いますけれども、外務大臣の御所見をお伺いします。
#163
○国務大臣(松本剛明君) 台湾とIAEAとの間には、一九九八年に台湾の原子力委員会とIAEAとの間で書簡が交換をされて、いわゆるモデル追加議定書に規定されている措置、短時間事前通告による査察、申告すべき情報の範囲の拡大などの台湾における適用について合意をしたものでありますが、こういったことも行われており、一定の連携はあるものと、このように考えております。
 また、先ほども佐藤委員からの問合せでもありました。今私が承知をしている限りでは、台湾自身が改めてというか、IAEAへのオブザーバー参加を希望しているというふうには承知をしていないところでありますけれども、議員団の皆様とはそういう御議論があったというふうなお話もお伺いをいたしました。
 安全にかかわるものでありますから、幅広い参加を得るということに意味があるということは私も十分理解をするところでありまして、もちろん関連する手続、規則があるわけでありますけど、関係者間において十分議論されることが重要ではないかと考えております。
#164
○島尻安伊子君 台湾の方からそういう話がないということかもしれませんが、これはあうんの呼吸で、やはり日本がそういった仲立ちをするということは必要なことだというふうに申し上げておきたいというふうに思います。
 続きまして、MDGsのフォローアップ会合についてお聞きをしたいというふうに思います。
 六月二日、三日に東京で開催されるこのMDGsのフォローアップ会議でございますけれども、もう大臣も御承知だというふうに思いますが、目標の、このMDGsの目標ですね、これの四と五の進捗が大変に遅れておりまして、目標である二〇一五年までの達成はかなり難しいというふうに考えられております。重点的にこの対策が必要とされておりますが、平成二十二年度のODAの支出並びに今年度の人口分野への拠出が減少しているということでございます。
 日本政府が主催する今回のこの会合、MDGsに対する日本の姿勢をアピールする絶好のチャンスだというふうに考えておりますけれども、一方で、このゴールに向けての日本政府の戦略というものがないと、意味が、意義がないといいますか、せっかく東京でやるわけでありますから、意義がないというふうに思っております。
 この戦略について、外務大臣、どのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
#165
○国務大臣(松本剛明君) 今委員が御指摘いただきました乳幼児死亡率の削減、そして妊産婦の健康の改善というテーマも大変重要なテーマであるというふうに思っております。
 これに関連するUNFPAそしてIPPFへの拠出については、今も委員から御指摘がありました。確かに予算額としては削減をした形になっておりますけれども、米国の、実際に行う米貨額では対前年度比同額を確保しているということは是非御理解をいただきたいと思っております。厳しい財政状況の中で、横ばいでありますけれども、昨年の国連総会でのコミットメントの意義から考えてもこの点も重要だというふうに考えております。
 ミレニアム開発目標のフォローアップ会合において、今お話がありましたように、今後目標を達成をするための歩みを見ていくというのは大変重要な御指摘でありまして、私どもとしても今回の会合で、幅広く関係者との連携が強化をされること、それから、残された期間に追求すべき真に効果的な手法というものがどういうものがあるのかということをまさにここで議論をすることが大きなテーマだというふうに私どもとしては考えております。
#166
○島尻安伊子君 日本国政府としてのこの戦略をどのように考えていらっしゃいますか。
#167
○国務大臣(松本剛明君) 我が国としても資金の拠出をこれまでしてきたわけでありますけれども、同時に、幅広いODA戦略の中で、またアフリカ政策の中で、このMDGs、まあアフリカに限りませんけれども、アフリカなどを一つの例としてミレニアム開発目標というのを一つの大きな、何というんでしょうか、重要な目標としてこれまでODAの戦略を展開をしてまいりました。
 もう委員よく御案内なので繰り返しませんが、保健分野の重要性というのは昨年総会で私どもも改めて申し上げてきたところでありますので、今後のODAを含む開発支援というものの大きなポイントになっていくように私どもとしても努めていく中で目標の達成を目指していきたいと思っております。
#168
○島尻安伊子君 大臣の個人的なというか、御所見で構わないんですけれども、この人口問題に対するお考え、どのように御認識されておりますか。
#169
○国務大臣(松本剛明君) 人口問題というのは大変広い範囲だろうというふうに思いますが、私自身もこの政治の世界に入る前にも、ローマ・クラブの限界のお話であるとか、そういうことも読んで思うところがありました。
 人口が増加をしていく中で、結局、これによって、例えば食料であるとか経済力であるとか教育であるとか保健であるとかといったもののやはり急激な増加が、言わばそのバランスを崩すというか、不足をするという状況が発生をしているわけでありますけれども、これは、結局のところ、今我が国自身には今申し上げたような分野では不足がないわけでありますけれども、結局のところ、地球の中においてどこかでそういうことが発生すれば我が事としてとらえなければいけないように、いずれは跳ね返ってくるわけでありますから、人口問題ということについては我々も大きな責務を持って取り組まなければいけないものだというふうに考えています。
#170
○島尻安伊子君 この人口問題、私も勉強させていただくと大変奥が深いなというふうには思っているんですけれども、過去、そのリプロダクティブヘルス・アンド・ライツに関しても、もう大変に日本として重要にとらえてやってきたということは、この方針、やはり続けていかなければならないんだろうというふうに思っております。そのために、やはり外務大臣の御理解というものは大変重要であって、是非この点お願いしたいというふうに思っております。
 特に、女性の視点からいうと、例えば、生まれた赤ちゃんのその命をやはり救わなければいけないというのは一つあると思うんですけれども、救った命が幸せに育つ環境というのがやはり必要なんだと思うんですね。この辺をきちんと見ていただかなければならないというふうに思いますし、それから、その妊産婦ですね、赤ちゃんを授かって安心して産めるその環境づくりというのもやはり大事なんだろうというふうに思います。
 一言で聞くと、女性が命を授かって、そして安心して出産ということ、何か簡単なように感じるんですけれども、当然のように感じるんですけれども、なかなかそれが、国々によってはあしき習慣があったりするわけで、そういったところから本当に草の根的にやっていかないとこれは実現できないことでございまして、どうかそのODA予算のことも、もうあちこちで今議論されているわけでありますけれども、きちんとそういった点を見据えていただいてやっていただかなければならないというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、次の質問に移りたいというふうに思います。
 再び地元沖縄の質問に入っていくわけでございますけれども、宜野湾市から、今回基地内の避難協定というものが提出されました。これは、言うまでもなく、津波などの災害のときに基地内の道路を開放してもらって早く避難できるようにということで出されたものであります。三月十一日の地震の際には沖縄本島にも津波警報が発令されまして、普天間基地の周辺ではもう車で大渋滞だったということから、安里市長が外務省に申請を出しております。
 まず、この申請について事務的な手続をお聞きをしたいというふうに思っております。
 たしか、こういった災害時の在日米軍施設への立入りは合同委員会マターだというふうに認識をしておりますけれども、この今回の申請、この取決めが合意されるまでの流れをお知らせいただきたいと思います。
#171
○国務大臣(松本剛明君) 今委員がお話をいただいたように、この十六日の日に安里宜野湾市長が私どもの沖縄事務所を訪れて、地方公共団体による災害対応のための在日米軍施設・区域への立入りに係る日米合同委員会合意に基づいて、普天間飛行場とキャンプ瑞慶覧への立入りのための現地実施協定を作成するための申請書を提出をされたというふうに報告を聞いております。
 これから、これは外務省と防衛省でこの申請を審査をさせていただきまして、その結果を宜野湾市に回答をいたしました後に、宜野湾市と現地米軍当局との間で交渉が行われ、そして現地実施協定が作成されるということになっております。もちろん、この過程においても私ども外務省としても可能な限りの支援を行ってまいりたいと、このように思っております。
#172
○島尻安伊子君 是非よろしくお願いしたいと思います。
 この件、昨日までに、浦添市、金武町、北谷町も検討したいというふうに表明をしているということでございまして、更に御協力をいただきたいというふうに思っております。
 また、災害時の協力ということでは、もちろんふだんからの連携というものが必要だというふうに思います。今後、合同での避難訓練とか、こういったことも考えられると思うんですけれども、特に宜野湾市からこのような申請が出るということは大変私は画期的だというふうに思っているんですけれども、外務大臣、そして更に防衛大臣の御感想をいただきたいというふうに思います。
#173
○国務大臣(松本剛明君) 私も、普天間基地、宜野湾市も訪れたことがあります。
 先ほどお話がありましたように、実際に避難をするとなったときにはやはり様々なルートが活用できることが必要であり、様々な場所が活用できることが必要であるということで今回の申請がなされたんだというふうに考えておりますけれども、是非、まさに今の状態、これ、災害はいつ起こるか分かりませんので、できるだけ早くしっかりと宜野湾市と、私どもも御支援申し上げて、米軍当局とがいい形で話ができるようにというふうに願うところであります。
#174
○国務大臣(北澤俊美君) 外務大臣と重なるようでありますが、そもそも米軍の基地も日本を守るためにあって、日本を守るとは国民の財産、生命を守るわけでありますから、そういう意味においては災害に向けての協力というのはあってしかるべきだというふうに思っております。
#175
○島尻安伊子君 いや、お聞きしたかったのは、宜野湾市、これまでいろいろと宜野湾の普天間基地の所在市ということであったわけでありまして、そこの首長が、災害時ではあるんだけれども、協定を結んでやりたいという要請が出たということは、繰り返しになりますけれども、画期的なことではないかというふうに思うんですね。
 今後、そういう側面から米軍とのいろいろな連携というものが見えてくるんだというふうに思いますけれども、そういった切り口から、両大臣、どのように、またチャンスと言ったら変なんですけれども、お考えかということを聞きたいわけなんですけれども。
#176
○委員長(鶴保庸介君) 大臣、御簡潔に。
#177
○国務大臣(松本剛明君) 私自身も先ほど申し上げたように当地も行ってまいりましたので、背景、環境等は一定の理解をいたしているつもりであります。であればこそ、先ほど、米軍と宜野湾市とがいい形で話合いができるように支援も申し上げたいし、願っているというふうにお話をさせていただいたつもりでございます。
#178
○国務大臣(北澤俊美君) 外務省の出先にお話があったわけでありますが、防衛省の沖縄防衛局にもしそういうものがあれば前向きに検討させていただきたいというふうに思っています。
#179
○島尻安伊子君 それでは、また佐藤先生とちょっとかぶるところもあるんですけれども、嘉手納統合案、あるいは今般出てきました国頭村安波地区の件ですね、お聞きをしたいというふうに思っております。
 先般の米国の上院軍事委員長からの提案があって以来、また再び沖縄県民の困惑ぶりというものはもう日増しにまた悪化をしているわけでございまして、その点どのような御認識をいただいているのかなというふうに思うんですけれども。
 ちょっと具体的にお聞きをしたいというふうに思っておりますけれども、国民新党幹事長からこの国頭村安波地区の件についていろいろな御報告があったというような報道がございますけれども、防衛大臣、外務大臣にお聞きしたいと思っております。お聞きになったのでしょうか、そしてどう対応されるのかということ、簡潔にお願いします。
#180
○国務大臣(松本剛明君) 昨日、国民新党下地幹事長が私のところにお見えになられました。政党の幹事長がおいでになるということでしたので、お会いをいたしました。
 お話は、過日、幹事長が米国を出張されて、様子の御報告、それから現在の私どもが推進をしている辺野古案、そして米国の上院のレビン軍事委員長などが提唱されている嘉手納統合案、そして今御指摘がありました国頭、沖縄の場合、ムラと言うんでしょうか、国頭ソンなんでしょうか、国頭ムラなのかな。(発言する者あり)ソンですか。国頭村のお話などについて御説明がありました。
 私の方は、何というんでしょうか、御報告というか、報告、お話を昨日はお聞きをいたしただけでありますし、また、幹事長の方も取りあえず話を聞いていただきたいと、こういうことでございましたのでお話を承りましたということで、承ったと言うと誤解がありますね、お話をお聞きをいたしましたということで聞かせていただきました。
#181
○国務大臣(北澤俊美君) この件については、報道では承知をしておりますが、直接お話を聞いたということはございません。
   〔委員長退席、理事野上浩太郎君着席〕
 現在、日米の間では政府間同士で辺野古への移設ということで合意をいたしておりますので、先ほど佐藤委員にもお話を申し上げまして、これが最良かと言われて、これだと言いましたが、これはあくまでも比較の上で言うわけではなくて、ベターだとかベストではなくて、オンリーワンで日米の間では存在するということであります。
#182
○島尻安伊子君 お聞きをしたということで外務大臣ありましたけれども、連立与党ですよね、国民新党の幹事長ですよね。これ、お聞きしたということだけで終わるんですか。
#183
○国務大臣(松本剛明君) 昨日私が理解をする限りでは、こういうことも考えられるのではないかと思って私自身は話を進めているという言い方をされましたけれども、現段階ではその途中経過のお話であったかというふうに思います。
 しかし、政府の立場というのが、先ほど北澤大臣からお話をさせていただいたような内容で、何ら変わりがないということは下地幹事長もよく御理解をされているというふうに私はお話を聞いていて感じましたけれども。
#184
○島尻安伊子君 防衛大臣、いかがですか、同じ質問で。
 まだお話は聞いていないということでありますけれども、じゃ、連立与党を組んでいる国民新党の幹事長が今回のこの安波地区の案に関して、まあ大臣聞いてくれということで来たときに、聞かないわけにはいかないと思うんですけれども、もちろん対応なさいますよね。その後の件について、聞きましたということで終わることができるとお思いですか。
#185
○国務大臣(北澤俊美君) 先ほど申し上げた立場に変わりはないわけでありますが、政治的な連立与党の幹事長ということでおっしゃられれば、しかし、これは新聞報道ですけれども、そこの村の行政庁の長が反対だということをはっきり言っておられたりすることでありまして、我々の、今度、国としての責任者とすれば、そういう意味でのオーソライズがないものについてとやかく論評したりする立場にはないというふうに思っています。
#186
○島尻安伊子君 ただ、何と申し上げたらいいのかあれですけれども、昨年の沖縄の県民大会もまだ記憶に新しいわけでありまして、本当にこの基地問題に関しての県民のセンシティブな問題だということはもう大臣、両大臣よくお分かりだというふうに思っておりますけれども、もう一つ一つきちんと対応を、例えば政府として今回のようなそういった案が出てきたときにははぐらかさずにやっていただかなければならない、きちんとした説明をしていただかなければならないというふうに思うわけでありまして、後からいろいろなことが出てくる、それが政府・与党内でそごがあるということでは、これはもう通らないんだというふうに思うんですね。
 もうこれ以上、政府に対する信頼、沖縄県県民がもうなくしてしまっているこの信頼を失墜させることのないようにしていただきたいとも思いますし、そういう意味では、今回のこの嘉手納統合案が再浮上したこと、それからこの国頭村の安波地区がまた出てきてしまったということ、これは言わば日本国政府の脇がちょっと甘いんじゃないのということも言わざるを得ないんですけれども、両大臣、また御見解をいただければというふうに思います。
#187
○国務大臣(松本剛明君) 御評価はそれぞれだと思いますけれども、米国についても議会で様々な御意見が出るということは、私どもとして、そのことそのものを何とも申し上げることはないというふうに思っております。
   〔理事野上浩太郎君退席、委員長着席〕
 また、繰り返しの部分がありますけれども、先ほど国民新党下地幹事長のお話がありました。お話をお聞きしましたが、私として、先ほど申し上げたように、今政府が進めていることを止めてくれとか、そういったことの御趣旨のお話だというふうには理解をいたしませんでしたし、もちろん、沖縄出身の議員として、今委員がおっしゃったように、沖縄の状況は大変厳しいよということは別の機会も通じて沖縄出身の下地議員からお話を聞いておりますし、私どももその認識はしっかり持たなければいけないというふうに思っておりますが、日本政府として今何ら方針を変えるというようなことを考えたことはありません。
#188
○国務大臣(北澤俊美君) 日本政府として脇が甘いんではないかというようなおっしゃり方で言われるとすれば、下地委員が連立与党の幹事長という立場で正式に党議をまとめて多分おいでになったんではないだろうというふうに思いますし、私も、新聞報道等を見れば、そういうことではなくて、沖縄出身の一議員としてその地元の人たちの声を何がしかの方法で発信しているんだということでありますので、もう一方、レビン軍事委員長の発言も、米国内での議会と政府との間で調整が付いているわけではなくて、ゲーツ長官に対して意見を述べたということでありまして、そういうことにおいて、日本政府の脇が甘いからレビンさんが何かを言った、あるいは下地さんが何かを言ったというふうなとらえ方は当たっていないんではないかというふうに思います。
#189
○島尻安伊子君 いずれにしても、この沖縄の基地問題、政権交代以来、もうかなり沖縄県民としては困惑をしているわけでございます。この件に関して話せば、議論すれば長くなりますし、私も言いたいこともういっぱいあるので別の機会にまたさせていただければというふうに思いますが、しかしながら、やはりこの認識は一緒だと思うんですけれども、この普天間を固定化してはいけないんだということなんだというふうに思います。それへのいろいろなプロセス、アプローチの仕方というのがあるんだというふうに思いますけれども、是非沖縄県民の、何というんでしょうか、センシティブな心のひだといいますか、この辺をよく御理解をいただいて今後進めていただければというふうに思います。
 以上で終わります。ありがとうございました。
    ─────────────
#190
○委員長(鶴保庸介君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、江崎孝君が委員を辞任され、その補欠として平山誠君が選任されました。
    ─────────────
#191
○委員長(鶴保庸介君) 引き続き質疑を行いたいと思います。
#192
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。
 私も、島尻委員おっしゃいましたが、決算委員会、初めての質疑となります。お役に立てるように質疑に入りたいと思います。
 まず、外務省に伺います。
 国際協力においては日本は必ずしも人の顔が見えないとよく言われておりますが、顔が見える国際貢献をしっかりやっていくためにはODAにおける人の派遣を強化すべきと私は考えますが、外務省の見解いかがでしょうか。
#193
○大臣政務官(山花郁夫君) ODAの実施に当たりまして、顔の見える国際協力というのが重要であるということは委員御指摘のとおりでございます。青年海外協力隊を始めとするJICAのボランティアや専門家の派遣というのは、まさにそうした協力を体現するものであるというふうに思っております。
 今回の震災の後に世界から本当に多くの支援や激励のお言葉をいただきました。この背景というのは、こうした、それが全てだとは言いませんけれども、これまでの国際協力の積み重ねによって培われてきた我が国に対する信頼があるというふうに考えております。その中で、JICAのボランティアや専門家が果たした役割は大変大きなものであるというふうに思っています。
 そのため、外務省といたしましても、青年海外協力隊を始めといたします人の派遣という、これを伴いますODA事業の強化に努めてまいりたいと考えているところでございます。また、その際には事業の一層の効率化ということも図って、国民の皆様方の理解を得られるように努力をしてまいりたいと考えております。
#194
○秋野公造君 大事ということでおっしゃっていただきましたが、実際の派遣状況を見てみますと、日本は千六百七十名の予定、アメリカは二〇%予算を増加させて二〇〇九年度三千六百九十四名、ドイツは二〇〇八年の三千名から今後一万名へ、フランスは五千名程度から二〇一二年には一万五千名へ、三倍です、韓国は千五百名から今後五年間の累計で二万名へ拡大ということで、各国、力を入れて目標を持ってしっかりこの分野に取り組んでいるわけでありますけれども、我が国も大事であるという認識があるのであれば、しっかり目標を立てて取り組むべきではないでしょうか。
#195
○大臣政務官(山花郁夫君) 大変重要な御指摘だと思います。
 御紹介いただきましたけれども、これまで青年海外協力隊を含むJICAのボランティアは、累計で平成二十二年度までに四万一千九百七十七人、またJICAの専門家は累計で九万九千四百三十六人、これは二十一年度までですけれども、派遣をしてきた実績がございます。
 ちょっとこの機会に御紹介をさせていただきますと、近年の年ごとの派遣人数につきましては、JICAのボランティアは、過去五年間で申し上げますと、おおむね毎年一千八百人から二千二百人の間で大体推移をいたしておりまして、平成二十二年度は千八百八十七名でございます。
 また、JICAの専門家は過去五年間でおおむね大体三千人台から六千人台の間で推移をいたしておりまして、平成二十一年度は六千六百五十九人という数字でございまして、今御紹介がありましたように、他の主要国が将来への投資ということでボランティアを非常に拡大をする動きもございまして、御指摘のように、顔の見える人の派遣というのは一層重要であるというふうに我々も認識をいたしております。
 我が国が国際社会におけるプレゼンスというものを維持し、また強化をしていくためには、対日信頼の輪を一層広げるという意味から、今後ともODAの改善に取り組みつつ、青年海外協力隊を始めとする顔の見える人の派遣を通じた協力の強化ということにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#196
○秋野公造君 各国はちゃんと目標を持ってやっていただいているわけですから、我が国も目標を立てることについては真正面から向き合っていただきたいと思います。
 次に、フィラリア症という病気があります。感染症の一種で象皮病とも言われまして、象の足のように足が大きく腫れてまいります。差別も大きく生んだ病気でありまして、これがかつて沖縄そして宮古島中心に蔓延をいたしました。
 調査をいたしますと、中学生の一六%から四〇%の方がこのフィラリアの虫が陽性であったというような状況で、非常に駆除するのが困難な状況でありましたが、これは町を挙げて、そして専門家も挙げて、みんなで力を合わせて一九六五年から十五年掛けて完全に防圧をして、これは世界からも大きな評価を受けて、沖縄方式又は宮古方式と今言われているところで、こういった海外においてはまだまだフィラリアに苦しんでいる途上国がたくさんありまして、もっともっと私はこの沖縄方式や宮古方式と呼ばれるこの方法を海外に周知をさせて、我が国はお役に立っていくべきであると思っています。
 しかしながら、現状では派遣というのはニーズがあったところにしか行かないというのが私は問題だと思っています。我が国はこういう方法ができますよ、沖縄方式、宮古方式を持っていますよ、こういったことをもっともっと世界に広く周知をして、そして、例えばJICAの事務所等も通じながら、ニーズをもう一回きっちり把握をしながら、積極的に派遣先を我が国の方が求めていくぐらいの姿勢で臨むべきではないでしょうか。外務省の見解を求めます。
#197
○大臣政務官(山花郁夫君) フィラリアという感染症につきましては、委員も医師の資格をお持ちということでお詳しいと思いますけれども、こうした感染症が開発途上国の住民の健康に影響を与えるというだけではなくて、その国の発展であるとか社会開発の阻害要因となっております。
 このフィラリア対策の協力については、委員御指摘のとおり、我が国はこれまでJICAのボランティアを七か国に合計五十三名派遣をいたしまして、撲滅キャンペーンの支援等を行ってきております。その際、今御紹介がありました宮古方式、沖縄方式というものがありまして、これは行政と住民が一体化した啓蒙活動で、一九六〇年代のことですからまだテレビなどもなく、フィルムを上映したりとかそういったことで、地域が一体となって取り組んだものと承知をいたしております。
 こうした感染症については国際社会が協力して取り組むことが重要でありまして、我が国としては、関係国や国際機関とも連携しながら、今ニーズを掘り起こせという趣旨だと思いますけれども、引き続き可能な協力に取り組んでまいりたいと思っております。
 なお、新国際保健政策におけるフィラリアを含む顧みられない熱帯病対策ということで、二〇一〇年の九月にMDGsの国連首脳会合に際して、我が国が発表した国際保健政策というところに、我が国は、このような途上国のNTDsによる負担を軽減し、健康な生活を促進するための取組を継続すると表明をいたしておりますので、今御指摘をいただいたことも踏まえまして、今後、より一層取組を強化してまいりたいと考えております。
#198
○秋野公造君 フィラリア防圧の沖縄方式、宮古方式は本当に我が国が誇るもので、まだ、一九八〇年ですから、たくさんの方がその事実を覚えている、実際かかわった方々もいっぱいいらっしゃるうちにこういった実績というのはもっともっと世界に広めていただきますよう、掘り起こしていただきますようお願いをします。
 この青年海外協力隊が事業仕分に掛かってしまったことは非常に残念でありました。指摘されたミスマッチですけれども、私はミスマッチが起きるのは当たり前だと思っています。そんなことを指摘するような事業仕分はそもそもおかしいと私は思っていますが、そうはいってもミスマッチについては対策を検討していただいているんだと思います。
 実力不足であるのであれば訓練期間を延長すればいいではありませんか。行ける人ばかり選ぼうとすると、更に更に本当に海外でお役に立てる人が減ってしまいます。その意味では、訓練期間を延長したり訓練期間を充実させることにより、青年海外協力隊、シニアの協力隊、こういった方々をもっともっと増やして外に行けるような取組、いかがでしょうか。
#199
○大臣政務官(山花郁夫君) 青年海外協力隊については、今御指摘をいただきましてありがとうございます。
 私も、去年の事業仕分の場でもお答えしたんですけれども、委員が言われるように、ミスマッチは、できるだけなくす努力はもちろんやりますけれども、ゼロにすることは恐らくできないだろうと思っております。また、実際、今現場でボランティアをやっている方々のところにも出張の際にお会いをして話なども聞きますと、どうしてもやっぱり、何というのか、ニーズを発掘して、それで応募をして研修をしてから行くまでに少し期間がありますので、その間に現場のニーズが変わっちゃうということもあって、仕分の場で申し上げたのは、極端な場合、当初は話があってマッチングうまくいっていたんですけれども、選挙の結果、政権が替わって、ちょっともうそれいいですと言われちゃったとか、そういうケースもありますので、ゼロにはできないと思いますけれども、何とか、ただ、できるだけ努力はしたいと思っています。
 現在、海外ボランティアに関する政策の見直し、ゼロベースで見直そうということで、今政策ペーパーの形にまとめまして、今年の夏に公表することを予定をいたしております。
 JICAにおきましても、外務省における政策の見直しということを踏まえまして、今外部の有識者を交えて具体的な事業実施の在り方を見直しておりまして、その中で、青年海外協力隊の案件形成だとか募集、選考、派遣前訓練、派遣中の各段階でのミスマッチの改善に向けた検討というものを進めております。
 ミスマッチの原因というのはいろいろあるんですけれども、今委員が御指摘されたことの一つは技能のことなんですけれども、この御指摘の点については、派遣前訓練を充実をさせて技術力や経験の不足を補うということをやってまいりたいと思いますし、また、元々そうした技術や経験を有している人に青年海外協力隊の隊員に応募してもらえるように働きかけることをやっていきたいと思っております。御指摘の点は、外務省、JICA、それぞれの見直し作業においても検討してまいりたいと思っております。
 もう一つなんですけれども、訓練期間の延長という話がありましたけれども、ちょっとここは良しあしでして、率直に申し上げますと、今言ったようにミスマッチの幾つか類型があるんですけれども、一つは応募から実際派遣までのタイムラグがある間に事情が変わっちゃうということもあるんで、余り派遣というか訓練期間長くしてしまうとそのタイムラグが広がってしまいますので、そういうメリット、デメリットがあるということはちょっと御承知おきいただきたいと思います。
#200
○秋野公造君 とはいっても、かつては長かったわけで、今短くなっているわけです。それによってどんなデメリットが出たかは検討していただいて、長くすることも検討していただきたいと私は思います。
 青年海外協力協会との契約関係の見直しも指摘をされましたけれども、私は、ミスマッチを乗り越えるためにはミスマッチを経験したOBの存在は非常に重要であると思っています。その意味では、ミスマッチを経験したOBの力なしにこのミスマッチを乗り越える具体的な施策というのはなかなか得られないのではないかということを考えると、こういった方々、引き続き活用していくことは重要であると私は思いますが、御見解いかがでしょうか。
#201
○大臣政務官(山花郁夫君) これも御指摘のとおりだと思います。委員からのミスマッチを経験したOBの活用との御指摘については、実際にミスマッチの事例を研究して今後の教訓を得ていくことの重要性というのは我々も十分認識をいたしておりまして、今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。
 なお、去年の事業仕分で議論になったのは、JICAとJOCAの契約方式、従来随意契約だったところでありまして、それをより競争性の高い契約方式を採用することによってコストの削減を図れるのではないかという指摘だったので、この点については検討すべきところはやらなければいけないと思っておりますが、ただ、これは別にJICAのOBの知見とか経験を否定するものではありませんし、外務省、JICAとしては、仕分結果を踏まえて所要の改善を図った上で、今後ともボランティア事業の実施に当たって協力隊のOBの知見とか経験を活用したいと考えております。
 例えば、実際に今派遣されている方に意見を聴取をしたところ、いや、ミスマッチというのはやっぱりありますよというような認識の若い、若いというか、隊員が多くて、ただ、それをやっぱり乗り越えるのが自分たちのだいご味ですみたいなことを言ってくれるのは非常に心強く思いましたし、やっぱりOBの方がそうやって指導するというのは本当に大事なことだと私も思います。
#202
○秋野公造君 青年海外協力隊で行っていただくと二年間日本を離れますので、帰国後の話は非常に不安だと思います。帰国後の就職支援が一番重要です。新卒で一五%の方が来ておられることも考えると、新卒という本当に一番就職できるときを逃してまで行っていただくことも考えると、就職の支援、しっかりやっていただくようお願いできますでしょうか。
#203
○大臣政務官(山花郁夫君) これは実際、隊員の方々と交流をしてみますと、こういう人たちが就職できないというのは本当にこれは日本の社会にとってももったいない話だと私自身思っておりまして、先ほど申し上げました、政策ペーパー作成中なんですけれども、この政策ペーパーの中でも帰国隊員の就職支援が重要な要素であるということを盛り込んでいきたいと思っています。
 これまでもJICAにおいて帰国時の就職相談、キャリアパス研修、進路開拓支援セミナーの実施、地方自治体の帰国隊員採用優遇制度の拡大の働きかけ、NGOインターン制度、国連ボランティア推奨制度の活用の働きかけなどの形で既に取り組んでいるものもあるんですけれども、JICAとして更に何ができるかを検討中というふうに承知をいたしております。
 また、今の御質問はそれだけではなくということでしょうから、私自身の今申し上げたような問題意識もありますので、外務省としても、JICA任せにしないで、政務三役を先頭に、経済界だとかあと関係省庁だとか、あと地方自治体にも働きかけなどを行うなど、積極的に取り組んでいきたいと思っております。
#204
○秋野公造君 どうかこれも目標を持ってやってください。
 防衛省に伺います。
 一月に海上自衛隊佐世保史料館セイルタワーに伺いました。公明党長崎県本部議員団と一緒に行きました。自衛官それからOBの方々の熱心な御説明に本当に国防の大切さを学びました。呉のてつのくじら館もゴールデンウイークに行かせていただきました。潜水艦の「あきしお」のあの大きさも非常に驚きました。
 てつのくじら館は無料で、佐世保も無料かと思いましたら四百円支払いました。せっかくの熱い思いに感動いたしましたが、入場料を取って広報をするという姿勢はいかがなものでしょうか。入場料を取って入場者数がもしも減ったのであれば、一体何のためにこれを行ったのかということになります。こういうことは二度とやめていただきたい。防衛省の見解を求めます。
#205
○大臣政務官(広田一君) 御答弁申し上げます。
 海自のセイルタワーにお越しいただきまして、本当にありがとうございます。
 御指摘の入場料を徴収するようになりましたのは、委員も御承知のとおり、行政刷新会議の事業仕分におきまして、自衛隊の大規模広報施設につきまして予算を削減しろと、入場料を徴収して、またそれを含めて民間委託を検討しなさいと、こういった評価結果が出てきたところでございます。
 こういったことを受けて、お話のあったセイルタワーのほか、りっくんランド、また空自のエアーパークにおきまして入場料を実験的に徴収をするようになりました。その結果、ちなみに、このセイルタワーにおきましては、平成二十二年の十一月に約六千五百人の入場者の方がいらっしゃったんですけれども、平成二十三年の一月には約千八百人というふうに激減をいたしております。
 現在、この実験の結果を踏まえまして、今後の広報施設の在り方について検討を行っているところでございますが、防衛省といたしましては、やはり今委員がおっしゃったように、一人でも多くの国民の皆さんに入場してもらうように様々な施策を検討していき、来年度の予算に適切に反映していかなければならないというふうに思います。
 今後、北澤大臣の御指導もいただかなければなりませんが、私といたしましては、蓮舫大臣の再仕分を覚悟しながらも、委員と同じ問題意識で、方向で検討していきたいというふうに思います。
#206
○秋野公造君 事業仕分の言うとおりやってろくでもない結果になってしまったということでありました。
 さて、米軍人による事件、事故による補償制度について伺います。沖縄県議会による議決も得られたところですが、公務か公務外かというところ議論になっているようでありまして、日米地位協定の制度について伺います。
 公務外の損害賠償は、SACO合意にて、米国政府による支払が裁判所の命令に満たない場合、日本政府がその差額を埋めるということでありますが、日本政府が埋めるのであれば、アメリカ政府から足下を見られてお金を払わないということがあり得ないでしょうか。当然、アメリカの裁定前に日本の査定も出るかと思いますが、その差に隔たりはありませんか。端的にお答えください。あるかないかで結構です。
#207
○大臣政務官(広田一君) 御答弁申し上げます。
 公務外の査定におきましても、公務中と同様に日本側が査定を行い、その額を米側に提示をいたしているところでございます。そういった中で、一定程度日本側の査定といったものも踏まえながら米側の方も額というものを考えている、確定しているというふうに考えているところでございます。
 よって、まず私たちとしてしなければならないことは、その自分たち日本側の査定といったものを公平、公正に行って、しっかりとした資料、情報というものを提供して、米側が適切に判断をしてもらうようにやっていかなければなりません。その上で、米側は米側の基準に基づいて査定額が決定をしているところだというふうに認識をいたしております。
 また、足下をやっぱり見られているんじゃないか、結果として最終決定権がアメリカということになればそういうふうな御懸念もあるというふうには思いますけれども、先ほど言ったようなことで、まさしく適切に、低く抑えられないように、我々としてはしっかりとした情報提供等、また査定等を行っていきたいというふうに思っております。
#208
○秋野公造君 この差額についてはしっかり今後とも埋めていただけるよう、よろしくお願いいたします。
 飲酒運転があった場合、公務とするかどうかの判断、これ日米合同委員会で話し合われているということでありますが、仮に飲酒後人家に衝突をして損害を与えたというような場合、これは十八条の八項に基づいて、公務か公務外かということを仲裁人を立てて判断をしていくんだと思いますが、仲裁人により飲酒の際の行為が公務かどうかの判断を行うということは法令解釈上あり得ますか。
#209
○国務大臣(松本剛明君) 今お話をいただいた部分でありますが、御承知のとおり、刑事手続を定める十七条については、公務について日米両政府において協議が行われております。
 これまでは、十七条と米軍人等による損害についての民事手続を定める同協定十八条のそれぞれ規定する公務については、日米両政府としては同様のものとしてこれまで運用をしてきているわけでありますが、理論的にはと言うべきなのかもしれませんけれども、おっしゃったように、十八条に基づく民事手続においては、仲裁人、これは日本人の裁判官か裁判官のOBということでありますけれども、仲裁人の裁定によって決定をするという道が開かれておりますので、仲裁人が第十七条に基づく刑事手続におけるものと異なる判断をすることはあり得るとは申し上げなければいけないというふうに思っております。
#210
○秋野公造君 あり得るとなると、十七条と十八条における公務は異なるということでよろしいですか。
#211
○国務大臣(松本剛明君) あり得る部分については必ずしも一致をしないというのが論理的な帰結になるというふうに思います。
#212
○秋野公造君 こういった事例も積み重ねながら、どうか日米合同委員会で交渉をよろしくお願いします。
 普天間返還が遅れていることについて私も伺いたいと思います。
 返還が遅れること、本当にざんきの念に堪えませんが、これまで、普天間の危険を除去する、それは、普天間の移設を一日も早く進めることこそが普天間の危険を除去することであると、今まではそういう説明でよかったかもしれませんが、遅れるということになった以上、これからはそういう御説明は私は通用しないと思います。
 今後、普天間の基地、危険の除去、どのように具体的に行っていくのかということ。そして、やっぱり何かしてあげないと私はいけないと思います。土地の返還も遅れてしまうわけであります。遅延損害金みたいなものを適用するとか、民法の例えば五%みたいなものを参考にしながら遅延損害金みたいな制度をつくって、沖縄の方々に誠意を見せてはいかがでしょうか。見解を求めます。
#213
○国務大臣(北澤俊美君) 確かに沖縄では県内移設ということについては強い反対があることは十分承知の上で今交渉をしておるわけでありますが、七日に知事ともお話合いをして、そこで我々とすれば日米合意に基づいて進めていきたいので是非よろしく頼むということはしっかり申し上げましたが、知事の方では、現在の沖縄の情勢からして極めて難しいというお話でありましたが、そういう話をしている中で、今まさに委員がおっしゃったような沖縄振興にもかかわる嘉手納以南の土地の返還、それからもっと根源的なものからいえば、普天間の固定化ということについて、この普天間の固定化だけは避けなければならぬと、そういう意味では知事と私の認識は一致をしておるわけでありまして、更なる努力をしてまいりたいと。
 なおまた、遅延金その他については、これはなかなか今すぐそれに対応できるという状況ではありませんので、一つの御提言としてお聞きをさせていただきたいと思います。
#214
○秋野公造君 危険の除去は、すぐにでも具体的なことを考えていただかないといけないと思います。そして、遅延損害金の件も、もちろんすぐにできることではないと私も思っていますが、それでも何か沖縄の方にしてあげなくてはいけないのではないかという姿勢を絶対に示すべきだと思います。
 どうかそれをお願いをして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
#215
○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。よろしくお願いをいたします。
 まず最初に、在外公館の問題を取り上げさせていただきたいと思いますが、改めて言うまでもありませんが、我が国は世界の協力あるいは世界の国々との連携なくして生きてはいけないわけであります。そういうことからも、この在外公館の果たす役割、大変大きなものがあるのは言うまでもないわけでありまして、とりわけ我が国に対する理解の増進やあるいはいろんな政策を知ってもらうということ、このためにも大変大きな役割を果たしてもらわなきゃならない。とりわけ、そういう意味でも、この広報文化業務というのは大変重要なことだと思うわけでありますが、そういう中で、昨年になりますか、総務省の方から、比較的近年に設置された十三の在外公館における広報文化業務の実施体制や実施状況を調査した結果が出ております。
 それによると、細かいことは時間がないので申し上げませんが、いろんな広報事業あるいは文化事業などにおいても在外公館によってかなり差がある。大変、いろんな講演会とかあるいは現地メディアへの情報発信でありますとか、あるいは帰国留学生のフォローアップなんかをやっているところもあれば、逆に残念ながらほとんどそういったことがなされていないという、非常にばらつきがあるということが指摘をされているわけでありまして、外務省としてもそこら辺のしっかり状況調査がなされていなかったのではないかと思われますし、その実績が乏しい在外公館に対してはしっかり指導をやっぱりしていかなきゃならぬと思っておりますが、今回のこの総務省の行政評価監視結果を受けてどのように受け止めて、また今どのように改善に取り組んでおられるのか、まずお聞きをしたいと思います。
#216
○大臣政務官(徳永久志君) 御指摘がございましたとおり、日本の伝統文化を始めとして日本の良さを諸外国に対して広くアピールをしていくということは大変日本の在外公館にとって重要な任務の一つであるというふうに認識をいたしております。にもかかわらず、そういった活動量が不足をしておったということを総務省の方から指摘をされたということは大変残念なことであり、重く受け止めているところでもあります。
 そうした中で、外務省といたしましては、まずは在外公館の規模別に各種広報文化業務の実績を示す資料を作成をし、そして昨年七月には全在外公館に対して訓令を発出をいたしまして、この資料を活用をして必要な改善策をしっかりと取るように指示を出したところであります。
 加えて、従来から行っておりますが、赴任前、在外公館の公館長に対する様々な説明をする際に、赴任先においての広報文化業務のこれまでの実績や任国における日本への関心分野についての説明を徹底的に行いまして、着任後、公館長としてしっかりと広報文化業務が実施できるように指導を強化しているところであります。
#217
○柴田巧君 是非、大使によって、あるいは在外公館によってばらつきが出ないように、何といいましても現地での日本とのいろんな意味での情報発信の基地であり拠点であり、その国の、当該の国や地域と日本をつなぐ最前線にいるところでありますので、是非広報文化業務、しっかりと展開されるように指導していただきたいと思います。
 さて、その広報あるいは情報発信ということでいいますと、今回のこの東日本大震災を受けて、振り返ってみますと、また今、現状を見てみますと、残念ながら日本のこの国際広報あるいは情報発信というのは世界の中の日本という視点が極めて乏しかったのではないかと言わざるを得ないと思っております。
 御案内のように、農産品あるいは工業製品、輸入規制いまだに大きく掛かっているところでもありますし、観光客は残念ながら大幅減ということになっているところでありまして、これまでいろいろ改善もしてこられているのは承知をしておりますが、まだまだ外国向けの情報提供、また説得力が弱いというか、課題も多いと思うところであります。今ほど申し上げた在外公館などを通じて、あるいはそれぞれの大使などを通じて、もっとそれぞれの国々の政府関係者あるいは民間の皆さん方にも日本の現状の正しい情報を的確に、そして迅速にやっていただかなきゃならぬと思います。そして、不信や誤解を取り除いて風評被害の防止に外務省としても一生懸命努めてもらわなきゃならぬと思っております。
 いずれにしても、ここが言わば日本外交の正念場といってもいいのではないかと思いますが、世界の中の日本という視点を忘れずに、今、安心、安全の日本の言わば価値といいますか、バリュー・オブ・ジャパンそのものが大きく傷つこうとしている中であります。そういう危機感を持ってしっかりとこの広報の展開、積極的な情報発信に努めていただきたいと思いますが、今後どのようにやっていかれるか、お尋ねをしたいと思います。
#218
○国務大臣(松本剛明君) 今委員もおっしゃいましたように、喫緊の課題として輸入規制、また観光の問題、渡航規制、それから物流やビジネスの問題への理解を広めることは極めて重要だというふうに思っております。関係省庁とも連携をいたしまして、しっかりと進めてまいりたいと思います。
 一般的に、やはり逆の立場になったとき、我が国においてもそうではないかと思いますが、何かが海外で起こったときには、どこの国で起こったということで、国ベースの情報がまず流布をしやすいことは事実であります。ですから、そのことも我々もよく念頭に置いて、なおかつ日本の全てではないということもきちっと伝えていくということが大変重要であるわけでありますし、改めて、そういったことが起こりやすい中でそれを一つずつ言わばひっくり返していくためにデータをそろえて強力なことをする必要があるというふうに思っております。
 また、今委員のお話をいただき、徳永政務官からもお話をさせていただきましたけど、外務省の場合はやはり相当多数の在外公館、言うなれば出先を抱えているわけでありますから、これがしっかりと仕事をしていただくようにマネージしていくということは極めて重要なことでありまして、先ほど大臣政務官からもお話をさせていただきましたように、言わば一生懸命やってくれるようにエンカレッジをすると同時に、外務省の仕組みでは、査察を設けたり、こういった形でさらに省外から行政評価なども受けたりをしたいと思いますが、私としても、これから責任者である公館長の信賞必罰をはっきりさせるなど、しっかりと一番ベストのプラクティスを、ベストプラクティスに全部が近づいていくようにしっかりと進めてまいりたいと思っております。
#219
○柴田巧君 是非お願いをしたいと思います。
 とにかく、輸出されている日本産品は安心、安全なんだと、また日本全体、社会全体はまさに安心、安全だということを、基本的にそういうことであるということをしっかりと情報発信をしていただきたいと思いますし、こういう大きな地震があったにもかかわらず、例えば、その地域を走っていた新幹線はしっかりちゃんと止まって脱線はしなかった、あるいは大きなガス爆発による火事等もなかったというような、日本の技術の高さあるいは能力の高さ、そして、今一生懸命復興に向けて頑張っている姿という生の情報なり事実をしっかり示してもらうことが世界のまた信頼を回復していく大変大きなチャンスになってくると思いますので、しっかりやっていただきたいと思います。
 さて、その日本の安心、安全をPRするためにも国際会議等の誘致に努めるということも大変大事なことだろうと思っています。日中韓の首脳会議も近いうちにあります。被災地にそれぞれの首脳も入られるやにお聞きをしておりますが、これを機にやっぱり、いろんな情報発信もさることながら、首脳がその現地に入る、あるいは日本に来てくれる、あるいはまたいろんな国際会議、スポーツも含めてもいいかと思いますが、そういう大会や会議が日本で開かれるということが日本の安心、安全を強くPRする機会にもなると思いますが、これから先もこういった国際会議の積極的な誘致、開催に是非努めていただきたいと思いますが、お尋ねをしたいと思います。
#220
○大臣政務官(徳永久志君) 先生おっしゃっていただいたように、日本の現状を知ってもらうにはまず来ていただくことが大切でありまして、そのために国際会議というのは一つの大きなツールになろうというふうに思っておりますし、また加えて、松本大臣の下、現在、震災発生前から経済外交を進めておりますが、その中でも国際会議の誘致というものは大きな柱として挙げさせていただいているところでもあります。
 そうした中で、現状、残念なことに、国内で開催予定であった民間の国際会議等がキャンセルの動きがあるという事実もございます。こうした状況を踏まえまして、外務省といたしましても、日本での開催が既に決まっている国際会議等が着実に予定どおり実施されるように働きかけてまいりたいというふうに思っておりますし、またさらに新たな国際会議等についても、特に東日本での開催について具体的な検討をしてもらえるよう、関係省庁とも力を合わせながら取り組んでいきたいというふうに思っております。
 また、外務省自身といたしましても、主催者や参加者に正確な情報を提供するなど前向きに取り組んでまいりたいと思っております。また、自ら主催する国際会議を東日本の復興にどのように役立てることができるかについても、関係自治体とも相談をしながら取り組んでまいりたいと思っています。
#221
○柴田巧君 是非、積極的な誘致、開催に努めていただきたいと思います。
 さて、今回の東日本大震災では大変在日米軍等にも御協力をいただいたわけでありまして、改めて大規模災害のときに在日米軍の存在というんですか、協力の有り難さというのを感じたわけでありますが、これを機会に自衛隊と在日米軍の対応能力、協力関係を向上させていく、この原発事故を含め、大規模災害を想定してそういったものをやっていくということが大事だと思いますが、そのためにもこの日本における、先ほどからいろんな防災訓練の話も出ておりましたが、防災訓練にこの在日米軍、あるいはアメリカ政府の機関もいいかもしれませんが、この参加の拡大というものを図っていくことが大事なのではないかと思いますが、防衛大臣にお考えをお聞きをしたいと思います。
#222
○国務大臣(北澤俊美君) お話のように、この度の大震災では米軍が一万六千人の兵力をもって、また、たくさんの艦船や航空機器をもって大きな成果を上げていただきました。これは、日ごろ日米における統合訓練等の成果が現れたというふうに思っておるわけでありますが、今お話しの今後のことについてでありますが、災害については各省庁と地方自治体との連携というのがまず第一義にあるわけでありますが、その訓練の中へ米軍がどういうふうに参加をしていくかということであります。
 そこで、既に在日米軍が参加をしている例はかなり増えてきておるわけでありまして、例えば、在日米軍が東京都と文京区の合同総合防災訓練に横田基地からヘリで物資の積込みを実施したとか、あるいは神奈川県と座間市合同総合防災訓練に消火訓練を担当したとか様々あるわけでありますが、いずれにしても、今後とも、まず基地の周辺は一つのものとして、さらに、持てる力を日米で日本国民のために活用をしていく、そういうための訓練は広げていくべきであるというふうに考えております。
#223
○柴田巧君 是非いろいろとまたそういう方向でなるように御努力をいただきたいと思いますが、今回の米軍と自衛隊との共同対処の経験を踏まえて、この際、日米両国が災害時における相互支援協定を締結するということも真剣に考えるべきじゃないのかなと思うわけですが、日米どちらかに大きな災害があった場合に、自国では対処できない場合にお互いに協力し合って対処するということをしていくためにもそういう協定の必要性があるんじゃないかと思いますが、外務大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。
#224
○国務大臣(松本剛明君) おっしゃったように、現在そういう協定はないわけでありますけれども、今回もかなり今回の震災の対応に当たっては日米間で同盟国として密接な連携を図り、実際に米国や米軍から様々な支援を受けて迅速に対応することができたというふうに思っております。
 今回の運営に当たっても、災害時ACSA協定を含めて協力に必要な実務上の基盤は既に存在をしているというふうに考えておりますが、今回の経験を踏まえて、更に災害分野での日米協力の在り方についてはしっかり検討をしてまいりたいと、このように思っております。
#225
○柴田巧君 法的地位を明確化することによって必要な、そして権限付与を事前にすることによって米軍も動きやすくなる、迅速に対応できるというようなことも出てくると思いますので、また十分な検討もしていただければと思います。
 時間がなくなりましたので、最後にといいますか、ちょっとニュージーランド地震の対応、問題についてお聞きをしたいと思います。
 あれから三か月近くたつわけですけれども、三月十一日の決算委員会でもいろいろとお話が出たところでありますが、先般、今月に入って、この富山の専門学校の遺族の皆さん始め遺族会ができ、また七日の日にはその関係の皆さんの追悼式もあったところでありまして、今回のこのニュージーランドの地震、今、日本は東日本大震災で大変ではありますが、この地震も風化させてはならないというのが私たちの願い、思いでもございます。
 そういう中で、一つ検証をまずしなきゃならぬのは、国際緊急援助隊、その際も出発を日本からしたわけでありますけれども、もっと早く出すことができたんではないかというのが私のずっと当時からの思いであります。つまり、ニュージーランド政府に派遣をする申出をした、大体当日の十一時ごろだと思いますが、その段階でもう機材等を千歳から成田に持ってきて、政府専用機を持ってきて、いつでも出発できるように、あるいは遠いところですから、近くまで行って待機するということを十分できたのではないか、一分でも一秒でも現地に早く着くという努力があってしかるべきではなかったかと思いますし、ハイチ地震の際にも、見込みで出発させる必要性を元の外務大臣、岡田さんも言っておられたと思いますが、こういったことをやっぱりしっかりとやっておくべきではなかったか。
 また、これからこんなことを余り頻繁にやってもらっては困りますが、そういう見込みで出発させるということを含め、より迅速化あるいは手続の簡素化を考えるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#226
○国務大臣(松本剛明君) 国際緊急援助隊については、相手国の要請を受けてが原則でありますけれども、おっしゃったように、極めて早く行くことが大事であるということは、私もそのように考えております。
 今回の地震の場合は、要請を受ける前に既に調査チームの派遣を決定をいたしました。発生から二時間二十九分後でありまして、調査チームは二十四時間以内に現地に到着をいたしております。また、専用機によって今回は緊急援助隊が派遣されたわけでありますけど、緊急援助隊、救助チームの機材については成田空港の倉庫に保管をいたしておりまして、派遣の際には迅速に積載をできるようにということで行われております。
 今回も、実際に到着をしましたのは、私どもより先に幾つかの国のチーム、例えばシンガポールとか台湾も到着をいたしておりますけれども、今回私ども、調査チームが先に行っておりましたので、捜索活動の開始は今お話をしたところよりも私どもの方が早く行うことができております。もちろん、おっしゃったように、少しでも早い方がいいということで、不断の見直し、検証をせよということについては私どもも肝に銘じておきたいと思います。
#227
○柴田巧君 是非、今回の東日本の場合、結構ヨーロッパから意外に早く、意外に早くと言ったら失礼ですが、結構早く現地に着いています。諸外国の例も参考にしながら、簡素化できるところ、あるいは迅速化できるところをしっかりやっていただきたいと思います。
 最後になりますが、先ほど申し上げましたように追悼式等々もありましたが、先般、その校長先生がニュージーランドに行かれて、ニュージーランド政府並びにクライストチャーチ市等にあのビルの崩壊の徹底的な原因究明を求められたところであります。ニュージーランド政府は、外務省を通じてまた御報告をするということではありますが、いまだ我々の下に、日本には届いていないのが現状であります。
 また、この後、補償の問題も出てくる可能性が、恐らく浮上する可能性もあろうかと思いますが、ニュージーランド政府に対して外務省としても早急に調査報告といいますか原因の究明を求めるとともに、この補償の問題が出てきた場合にしっかりと対応してもらわなきゃならぬと思いますが、外務大臣のお考えをお聞きをしたいと思います。
#228
○国務大臣(松本剛明君) あのニュージーランド地震につきましては、私も当時副大臣として現地へ参りました。そこでお会いをしたニュージーランドのマッカリー外務大臣にも原因究明の必要性というのをお願いをさせていただきました。
 私どもが承知をする中では、現在、王立の調査委員会というのを設けて究明に当たっておられると理解をしております。ニュージーランドの場合、御案内のとおり英連邦でございますので、ニュージーランド政府の、何といいましょうか、ある意味で王立委員会というのは最も権威が高く第三者的な存在ということでありますが、この王立委員会においては、来年の四月を目標に最終報告を公表するということで徹底的な調査をされているというふうに理解をいたしております。
 また、補償についてお話がございましたけれども、ニュージーランドの制度に基づくものなど、補償を受けることができるように、外務省としては、これは引き続き外務省に本部を設けておりまして、しっかり支援を行ってまいりたいと、このように思っております。
#229
○委員長(鶴保庸介君) 時間です。
#230
○柴田巧君 是非、ニュージーランドの問題もしっかり対応していただいて、特に調査報告、あちらの都合もあるのかもしれませんが、来年の四月云々では遅過ぎると思います。是非迅速化を求めていただきたいことをお願いを申し上げて、終わります。
 ありがとうございました。
#231
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 まず、外務大臣に武器輸出禁止の三原則の問題についてお聞きいたします。
 この三原則は、憲法の平和主義にのっとって、国際紛争を助長しないために一切の武器や武器技術の輸出をしないということを衆参の両院の決議で内外に宣言をし、国是としてまいりました。一九九一年に当時の中山外務大臣が、武器輸出三原則で国際平和のために一切武器を輸出しない、これが日本の国是であると、こういう答弁もされておりますが、外務大臣もそういう認識でよろしいでしょうか。
#232
○国務大臣(松本剛明君) 武器輸出三原則の意義はよく理解をいたしておるつもりでありますし、国際紛争などの助長を回避するという平和国家としての基本理念に基づくものであると考えておりまして、この基本理念をしっかり堅持することが大切であると思っております。
#233
○井上哲士君 平和国家としての基本理念に基づく、まさにこれが国是だということであります。
 自民党政権時代に、国是と言いながら様々な抜け穴が付けられてまいりました。例えば、八三年の中曽根政権のときに米軍への武器技術供与は例外扱いにいたしました。それから、二〇〇四年、弾道ミサイル防衛について、技術供与だけではなくて、日米の共同開発、生産も三原則の対象外にいたしました。
 そこで、防衛大臣にお聞きするんですが、このミサイル防衛について、九〇年代から今年度まで、日米の共同技術研究を含む日本側の関連経費の総額を初度費も含めて明らかにしていただきたいと思います。
#234
○国務大臣(北澤俊美君) お答え申し上げます。
 これまでのBMDに関する予算については、弾道ミサイル防衛用誘導弾技術の研究として百五十六億円、BMDシステムの整備として八千八百八十八億円、並びに平成二十年度以降の初度費として六百三十四億円を計上しており、その合計は九千六百七十八億円となっております。
 なお、また平成二十三年度予算においては、BMD用能力向上型迎撃ミサイルの開発を含め、BMDシステムの整備に約四百七十三億円を計上をいたしております。
#235
○井上哲士君 今のを合計いたしますと一兆円を超えるわけですね。
 前政権はこの計画が純粋に防衛的だということで共同研究開発に参加をしたわけですが、これは、アメリカが本土への反撃を恐れることなく先制攻撃ができるようにするという点でいいますと、大変攻撃的なものだと思います。
 三月三十一日のアメリカの下院の委員会でオライリー・ミサイル防衛局長が証言をして、日本の防衛省に書簡を出したということを明らかにしております。それによりますと、この日米が共同開発をしているSM3ブロックUA、このミサイル防衛計画のものでありますが、開発から生産段階に移行させるための取決めを日本に求めたという、そういう書簡を出したことを明らかにしております。
 ロイターの報道と照らし合わせますと、一月三日に高見澤局長あてに出された書簡だと思われますが、この書簡に日本はどういう対応をしているんでしょうか。
#236
○国務大臣(北澤俊美君) まず、三月三十一日の米下院の軍事委員会でオライリー・ミサイル防衛長官から、SM3ブロックUAをどのように生産するか、またどのように作業分担をするかなどの点について早期に合意できるのであれば非常に有益ではないかといったまず発言があったことが一つの前提でありまして、さらに、SM3ブロックUAについては、昨年十二月に閣議決定された新中期防において、生産・配備段階への移行について検討の上、必要な措置を講ずることと我が国としてはされておるわけでありまして、また、本年一月に行われた日米防衛相会談においては、日米共同開発中のSM3ブロックUAが生産・配備段階に移行する場合に備え、第三国移転など今後の課題について日米間で検討していくこととしたところでありまして、これらを踏まえて国内での検討や米側との調整を現在進めておるところでありまして、また書簡については、ミサイル防衛の分野において平素から日米間では様々な協議を行っておりますが、米側との関係もありまして、この書簡についてこの場で明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#237
○井上哲士君 いつも相手の関係があると言われるんですが、向こうは議会で証言をしておりますし、この書簡のコピーをロイターは入手をしているということも報道されておりまして、なぜ日本の国会で明らかにできないのかなと思うんですが。
 第三国移転のことは後ほど聞きますが、このオライリー局長は、あるサイトでこのSM3ブロックUAに触れまして、第三国への販売や提供が保証されていないとコスト上昇や生産力の過小評価のリスクが増えると、こういうふうに発言をされております。
 そこで、聞くわけですが、二〇〇六年六月の日米交換公文で、この共同開発をした迎撃ミサイルについて、日本の事前同意のない目的外利用や第三国移転については禁止をすると、こういうふうに明記をされていると思いますが、これで間違いありませんか。
#238
○国務大臣(北澤俊美君) お答え申し上げます。
 このSM3ブロックUAに関する武器あるいは武器技術については、対米武器及び武器技術に関する交換公文、今お話しになりましたように、これに基づいて我が国の事前同意なく目的外使用及び第三国移転ができないということにはっきりさせていただいております。
#239
○井上哲士君 明確に協定をしておるわけですね。
 そして先ほど、一月の日米防衛大臣の会談でこの第三国移転についても話があって、検討していると、こういう答弁がございました。つまり、まだ結論を出していないということなわけですね。この第三国移転というのは自民党政権時代にもまだやっていないことであります。
 ところが、昨年の十二月の一日のアメリカの下院の軍事委員会戦略軍の小委員会の公聴会でジェームズ・ミラー国防副次官が次のように証言をしております。我々は、現在日本と共同開発を行っているもう一つの別の新しい種類のSM3ブロックUAを導入するつもりであると。そして、二〇一四年に最初の迎撃テストを行い、二〇一八年までに運用を開始する予定である、我々は二十四基をポーランドに配備する計画であると、こういう証言なんですね。
 ですから、日本との同意なしにできないはずなのに、既に二〇一八年という時期、そしてポーランドという国、二十四基という数まで決まっている、こういう発言なんですね。
 いつ日本はこういうポーランドへの配備について日米間で合意をされたんでしょうか。
#240
○国務大臣(北澤俊美君) このBMDシステムの日米共同開発、生産については、平成十六年の内閣官房長官談話によって、厳格な管理を行う前提で外されておるということはもうお話のとおりでありまして、これについて制度上可能なのかどうかということでありますが、これにつきましては、目的外使用及び第三国移転については、対米武器及び武器技術に関する交換公文、先ほど申し上げましたが、等で我が国の事前同意なく目的外使用及び第三国移転ができないと規定されており、事前同意によって厳格な管理を行うこととしておるわけでありますが、したがって、我が国の同意があれば、逆にこれは米国による目的外使用及び第三国移転は可能であると理解されるわけでありまして、平和国家としての基本理念を踏まえて、個々の具体的なケースに応じて、当該武器を米国に対して供与した趣旨、米側の要請の背景、それから事情等をも慎重に勘案の上、我が国として判断をしてまいりたいということは再三申し上げておるところでありまして、今年中に結論を出していきたいと、このように思っております。
#241
○井上哲士君 ですから、そういう厳格な管理の下に、我が国の同意の下にと言いながら、去年の暮れの段階でアメリカは配備する時期、国、数まで議会で証言しているんですよ。こういうことでいいんですかということを私は聞いているんです。
#242
○国務大臣(北澤俊美君) これは米側が話しておるわけでありまして、日米の間での協議の俎上にのってそれを今検討しているというところまでは来ておらないわけであります。
#243
○井上哲士君 ですから、厳格な管理と言いますけれども、どうせ日本は合意しますという、それを織り込み済みで、追認するということでどんどん具体的に計画を進めていっているという現状があるわけですね。ですから、一旦その共同開発に加わりますと、こういうアメリカの戦略の中で結局拡散をしていくということを私は示していると思うんですね。
 さらに、今重大な計画がアメリカで進行しております。アメリカ国防総省の国防高等研究計画局が進めているアークライト計画というのがございます。このシステムは、即時地球規模攻撃構想、つまり、地球上のどこにある目標でも通常兵器を使用して即時に攻撃するということを可能にする、そういう構想の一環を成すものというものであります。
 世界中に配備をされているアメリカ海軍のイージス艦とかそれから潜水艦が、防空ミサイル用に備えている発射機を使って、大体半径三千六百キロ範囲内の目標を三十分以内にピンポイントで攻撃する新兵器を目指すと、こういう恐るべき計画であります。つまり、世界中どこでも三十分以内にピンポイントで攻撃できるようにすると、こういう計画なんですね。
 このアークライト計画について防衛省は承知をされているでしょうか。
#244
○国務大臣(北澤俊美君) お話しのアークライト計画というものが、米国の国防高等研究計画局が公表している資料によれば、アークライト計画というのは、今お話しになりましたように、高速かつ長距離飛翔する攻撃ミサイル研究計画であるということは承知をいたしております。
#245
○井上哲士君 私、ここにアメリカの国防総省の予算書を持っておりますけれども、この中で非常に重大なことは、今申し上げた、世界中どこでも三十分以内に攻撃できるようにするというこのアークライト計画に、日米が共同開発中のこのミサイル防衛計画用のミサイル、SM3ブロックUが言わば運搬手段の一環として想定をされていると。この計画が進みますと、つまり、日本が共同開発をしているミサイルが世界中の目標を即時に攻撃をするという極めて攻撃的なシステムに転用されるということになるわけでありまして、先ほど来言われました、純粋に防御的といって共同研究開発に参加をしたということがこういう攻撃的な計画につながっていく、こういうことになっているんじゃありませんか。
#246
○国務大臣(北澤俊美君) これにつきましては、先般、衆議院の予算委員会でもこういう御議論、御指摘があったわけでありますけれども、日米の共同開発中のSM3ブロックUAがアークライト計画に用いられるかについて、米国、先ほど申し上げました国防高等研究計画局に確認をいたしましたところ、日本が開発した構成品や技術が同計画において用いられることはない、そういう回答を得ているところでございます。
#247
○井上哲士君 私、予算書を今持っておりますけど、これは明確に書いているんですね。このアークライト計画は、アメリカの二〇一〇会計年度に二百万ドル、そして二〇一一会計年度に五百万ドルの予算を計上いたしまして、この中にSM3ブロックUブースタースタックというのが明確に明記をされているわけでありまして、私は、先ほど申し上げましたように、結局、第三国協定と一緒ですけれども、一旦この共同開発とか研究に加わりますと、こういう形で日本の言わば合意のないままにどんどんどんどんそういうものに組み込まれていく、こういうやっぱり実態を示していると思いますけれども、いかがでしょうか。
#248
○国務大臣(北澤俊美君) これは、更に詳細に申し上げれば、米側の回答は、ただいま私が申し上げたような、日本が開発をした構成品や技術が用いられることはないと。その上で、一段目の推進装置であるMK72は米国の単独開発であり、SM3ブロックUAに使用されるものだが、これは垂直発射装置、VLSとの連接性を保持するためにアークライト計画においても使用されますが、二段目及び三段目の推進装置についても米国製を使用する予定であると、はっきりこういうふうに回答されておるところであります。
#249
○井上哲士君 確かに、このSM3ブロックUについてはいろんな段階でそれぞれの開発研究しているとあります。しかし、全体としてやっぱり一体の研究を日米間やっているわけですね。それがやはりこういう極めて攻撃的なものにあえてつながっていくということは、これは私は大変やっぱり重大だと思うんですね。
 結局、技術開発についてはこういう形で抜け道をつくってきたということが、先ほどの第三国供与の問題でも合意のないままに実際にはアメリカではどんどんどんどんそういうことが進められていると、時期も場所も数もそういう証言がされている。私は、こういう拡散をしていくということがやはりあるし、より攻撃にエスカレートをしていくということを示していると思うんですね。そういう点でいいますと、この第三国供与というものはやはりやめるべきだと思います。
 武器の共同開発、研究というものをやめて、やはり厳密に武器輸出三原則を守ると、こういうことが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
#250
○国務大臣(北澤俊美君) 先ほども申し上げましたように、交換公文によって厳格な歯止めを掛けておるわけでありまして、その範囲の中で日米で今様々協議をいたしております。
 ただ、委員がおっしゃるように、武器輸出三原則という大きな枠組みが国民の中に長く平和国家としての基本理念として浸透しているという大きな部分と、今共同開発をして、しかしそれは一定のところで歯止めを掛けておるということの中で十分に理解がされているかというと、私は必ずしもそうではないというふうに思いますので、我々の努力とすれば、そういうところを国民の皆さんになるべく公開をしながら理解を深めて、そしてまた、今御懸念のような日本でつくったものが攻撃的な分野に進出していくということは決して許されないことでありますので、その点はしっかり慎重にやってまいりたいと、このように思っております。
#251
○井上哲士君 最初にも申し上げましたように、このミサイル防衛計画というもの自体が、アメリカ本土が反撃に遭わない、恐れることなく先制攻撃ができるようにするという点でいいますと、私は非常に攻撃的なものだと思いますし、それが歯止めなくいろいろ広がっているということ自体が問題だということを申し上げておきたいと思うんです。
 外務大臣、お聞きしますけれども、私はやはり武器輸出を禁止をした本来の理念が問われていると思うんです。
 これは外務省が二〇〇八年に出した「小型武器と対人地雷」というパンフレットでありますが、この中にこういう記述があるんですね。日本は武器輸出三原則等に基づき、原則として武器輸出を行っていません、輸出を前提とした軍需産業もありません、このため、国際社会に小型武器問題が提起されて以来、国連を中心とする枠組みを通じて国際社会をリードしていますと、こういうふうに書いております。
 武器輸出三原則をしっかり確立しているからこそ国際社会をリードできると、小型武器の問題、この見解は当然外務大臣も支持をされるということでよろしいですね。
#252
○国務大臣(松本剛明君) 先ほども武器輸出三原則は平和国家としての基本理念に基づくものであり、この基本理念を堅持をしていくということを申し上げました。
 その上で、今、この武器輸出三原則、何というんでしょうか、平和国家としての基本理念というものに基づくものでありまして、これが今お話がありましたように、私どもの平和国家としての基本理念を訴える一つになっているということで、小型武器についての問題でリードするということで理解をしていただく一助になっているというふうには思っております。
 同時に、この基本理念を堅持をしていく中で、例えば平和への貢献や国際的な協力において、自衛隊が携行する重機などの装備品の活用や被災国などへの装備の供与というものを通じて効果的な協力をするとか、今御議論がありましたけれども、国際共同開発・生産に参加をすることで、装備品の高性能化を実現しながらコストの高騰に対応する、コストの高騰ということは、国民の言わば税金の使途にかかわるわけでありますから、これに対応するという国際的な流れをしっかりと、基本理念を堅持しながらこれに対応するということは必要なことであり、また、国際的にも理解をされるところだというふうに考えております。
#253
○井上哲士君 私は、三原則の抜け穴を広げたり、なし崩し的にこれを見直していくのではなくて、しっかりとこの本来の中身を堅持をしていくと、そのことこそが必要だということを改めて申し上げまして、質問を終わります。
#254
○荒井広幸君 荒井でございます。
 今ほども議論が出ておりましたので、今日はJICAからもお越しいただいておりますので、質問の順番を変えまして、両大臣に少し頭を冷やしていただく時間をつくりまして、順番変えますが。
 まず、JICAにお尋ねしたいんです。
 今日は、外務、JICAとそして防衛で、原子力に対する備えという観点で少し予算を見ていきたいと思っているわけです。
 まず、JICAは各国とのつながりがありますから、先ほど来からもお話がありましたけれども、日本の現状を正しく伝える、こういったことの役割も担っているというふうに思っております。同時に、海外の国々の皆さんに、今こういう厳しい事態に直面している、そしてそういうときの国民の行動はどうであったか、あるいはまた政府はどうであったかを含めて、世界の国々の皆さんも注目しているし、学んでいきたい、こういうふうに思っているのかもしれません。
 そういうことですから、日本国民が総力を挙げて復興、創造していくというそういう目標を定めていったり、今原発をどう収束するかということもあるんですが、そういうことも含めて、海外の皆さんにありのままを見ていただく、そしてそれを各国で生かしていただくというプログラムを作ってはいかがかと、こういうふうに思っているんですが、いかがでしょうか。
#255
○参考人(大島賢三君) まずもって、荒井委員には常日ごろODA、特にJICAの事業につきまして大変温かい、力強い御理解、御支援を賜ってきております。まず冒頭、これに対しまして私どものお礼を申し上げたいと思います。
 それから、ただいま大変貴重な御指摘をいただきました。今般の地震・津波災害、原発事故等につきまして、JICAとしては取りあえず二本松の訓練所の提供等を含めまして、スタッフの派遣等々、国内的にできるだけのことをやっております。
 それから、これからの問題につきましては、今御指摘のとおり、今般の大災害の教訓あるいはその経験を国際社会、途上国を含みます国際社会と共有していくということが極めて大事であると思っておりますし、そうすることが、今般、海外、途上国を含めていただいた大変な温かい同情、あるいはお見舞い、あるいは支援に対するせめてもの我々の恩返しでもございますし、日本に課せられた義務でもあろうと思っております。それ自身が大変に重要な国際貢献になろうというふうに思っております。
 そういうことで、実は、御案内のとおり、先週、ジュネーブで大変大きな国際的な防災、減災の会議がございまして、国連事務総長も出席しておりましたけれども、日本政府は内閣府の東副大臣と内閣府、外務省、それから私どもJICA、私自身も参加をしたわけですが、その場で東副大臣の方から二〇一五年に第三回の国連世界防災会議を日本で開催する用意ありということを発表になり、さらに来年二〇一二年には、その手始めとしていろいろな会議もやっていくということでございますので、JICAも、内閣府、外務省あるいは政府の主導の下にいろいろ経験、知見も重ねてきておりますので、情報共有、発信等を含めてこれからますます力を入れていかなきゃいけないと、こういうふうに思っております。
 どうか、引き続きよろしく御指導、御支援をお願いしたいと思います。
#256
○荒井広幸君 副理事長は国連大使もお務めですから、その辺り非常に的確に対応していただくと思うんです。
 そうしますと、外務大臣、今のような新たなプログラムを組んで、二〇一五年の国連世界防災大会というんでしょうか、これの開催国になっていくというようなことを考えても、第二次補正予算というのはそういう新たな芽をやっぱり入れておく必要があるんじゃないかと、これが一つですね。
 その第二次補正予算にはそういう新たな、途上国との関係をこの機会に、これは日本のブランドを更に、今厳しいところに置かれて急落しましたけど、それを復活するためにも重要だと思うんですね。だから、そういう予算をやっぱり二次補正には入れるべきではないか。
 同時に、今日も午後冒頭から出ていましたが、いわゆる五百一億円、これをへずらしたわけですね。大臣も苦労されて、直接に影響が及ばないようにと、こう言っても、やっぱりかなりこの減らしたというのは世界を駆け巡っているわけですね。やっぱり、もう倍ぐらいの、今度はやるという、予算的にもやるというふうに国が約束しているわけですから、本当に大丈夫かねという疑念もあります。
 どうでしょうか、今申し上げたようないわゆるJICAのプログラムを組みながら世界防災大会、これに向けていく、そういうものを二次補正に入れつつ五百一億は復活する、この二次補正という要望をするべきであろうと、こう思いますが、どうでしょう。
#257
○国務大臣(松本剛明君) まず、プログラムについては、私もASEANとの外相会合とかTICADにおいて東南アジアやアフリカ各国と話をしたときも、是非日本の防災・災害対策というものの知見を共有をしたいと、またそういったものの、何というんでしょうか、技術であるとかを共有をしたいということで、是非日本に来ていただくなりしてやっていきたいと私も思っております。
 また、ODAの予算については、もう委員からも御支援をいただきましたけれども、思いは全く一緒であります。具体的に第二次補正以降の予算がどうなるかということは今私が申し上げられることはないわけでありますけど、プログラムについても、必要とあれば機会を見て予算を確保しなければいけないと思いますし、ODAの予算についても、おっしゃったように、削減そのものが一つのメッセージになりかねないというか、既になっている面も否定できないと思いますので、できるだけ早い段階から取り返していくように努力をすることが私の責務だと思って頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
#258
○荒井広幸君 例えば、二次補正というのはこういう関連があるんです。福島県では、五千円、一泊泊まれるようにして、いろいろお手伝いに来る方、被災者の方、入れるようにしているんですが、だんだん自分で見付けたり、あるいは撤退していくという状況があるんですね。で、倒産しました、旅館が。風評被害、これもありですね。
 ですから、例えば、ODAプログラムと言ったらいいんでしょうか、そういう復興プログラムというものを今組み合わせることで、実は風評被害で悩む福島県のいわゆる旅館等を含めた、温泉場を含めた、ホテルを含めた復興にかなりつながっているという視点を是非両大臣には改めて御認識いただいて、全く別なものではないんだと、やっぱりかなり関連性で物事を見ていくと極めてタイムリーなんです。
 ですから、今世界中の方々に対する日本のありのままを見ていただきながら、それの本当のことの情報を発信していく。そうすれば、日本はやっぱり大したものだとなると思いますよ、それだけ国民が力を合わせているんですから。そういうものを発信する場にもなるわけですから、どうぞ、そういう意味でホテルや温泉場、旅館、こういったところも活用していただくという工夫をお願いしたいというふうに思っています。二本松にJICAの研修所があるということで、これも非常に重要なところなんです。御認識をいただいて二次補正で考えていただきたいと思います。
 さて、防衛大臣、本当に自衛隊の皆さんには我々、被災地は感謝をしております。自衛隊の皆さんとそれを支える御家族、皆さんに代表して防衛大臣に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 同時に、更に御迷惑を掛けて御協力をいただかなければならないところがたくさんありますので、隊員の皆さんにも御家族にもよろしくおっしゃっていただきたいと思います。原発についてはまだまだ終わっていないということだからであります。
 その自衛隊の皆さんが地震に潰されたらどうなるのかなと、こう見てみました。五十六年の耐震基準があります。その後、二十一年は百十八億円でした、耐震、いわゆる建屋のものですね。これが、庁舎、隊舎というんでしょうか、こういったものは四四%の耐震率なんですよ。いざというときに、行こうかといったときに自分たちが被災していたというんでは、これちょっと、これだけ国民が力にしているんですから、困った状況になります。こういうことを含めて、これもまた二次補正でやるべきところあるんじゃないでしょうか。
 例えば、これはもう各委員会でかなり議論を尽くされて、数字が出ておりますが、自衛隊の車両や航空機、ほとんどこれ、浸水、水没、まあそういう意味でやられているのがあるわけですね。装備に対してかなりのものがあります。地震というのは特に大きなものはないようですけれども、庁舎がひびが入ったりとかというのはあるんですが、装備についてはこれ、津波、水対策というのはちょっとこれも弱かったかなというような気もするんですね。
 ですから、今回を教訓にすれば、隊員の隊舎、庁舎、そして水対策、基地含めて、その装備に対する対応というもので、これを二次補正で、やるべきところを、急を要するところを決めて要求する必要があるんじゃないでしょうか。御見解いただきたいと思います。
#259
○国務大臣(北澤俊美君) 冒頭、自衛隊の活動に御理解を、また温かいお言葉をいただいて本当にありがとうございました。
 今日まさに、ちょっと余談になるかもしれませんが、我々の年代だとよく分かるんですが、津川雅彦さんがマキノ雅彦という名前で映画制作をしておりますが、おいでをいただいて、東北人の粘り強さと、それからそこで自衛隊員が活躍をしたものを映画に制作をしたいと協力を求めてこられましたので、私は、大変結構なことだから大いに協力しますよと。今まさに委員のおっしゃられたようなものができ上がればいいなと感じた次第であります。
 そこで、端的に申し上げれば、分かりやすく言うと松島の基地であります。これを復活するには、大変なことでありますが、今お話をいただきましたように、戦闘機等機材の問題はまたこれ今調査を進めておるところでありますが、あそこで基地をもう一度再開するということになれば、隊舎、それから格納庫、様々なものをかなりかさ上げをしなきゃならぬ。それから、津波が襲ってきたときに直撃しないようなものもしなきゃいかぬというようなことで、二次補正に向けて今しっかりした対応を検討しております。
#260
○荒井広幸君 個別に見直しをしたり、今、被災したところはそうした対応が必要だと思うんですが、ここから若干苦情なんですね。心もとないところが結構あるなということなんです。
 といいますのは、これは警察もそうなんです。警察はNBCテロ専門部隊というのを持っておるんですが、これ、武力攻撃による原子力災害にも使えることになって、応用しておるわけなんですが、原子力がある十二の道県のうち二つの道県にしかそれが常備されていないんですね。
 そうすると、自衛隊にも同じように、武力攻撃事態を想定した場合にも、鹿児島、佐賀、愛媛、島根、福井、石川、静岡、新潟、福島、青森、宮城、北海道、これ原発があるところです、ここの訓練装備、心の備え、こういったものがどうであるかなということをもう一回再点検していただきたいんです、実は。でないと、今原発動いているところであっても、地震や津波に大丈夫かだけじゃないんです。万が一起きたときに、自衛隊も警察も誘導を含めてしっかりやっていただけるのかと、こういう気持ちがあるわけですから、是非大臣、再点検いただけませんか。原子力、これ武力攻撃のみならず、自然災害も同じですから。
 そして、この自然災害に対する備えというのが弱かったんです。武力攻撃事態というところにすごく目が行っていたんです。ここも反省して、もう一回見直しをしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#261
○国務大臣(北澤俊美君) 全くおっしゃるとおりでありまして、我々も今回、大宮にあります防護隊がたまたま近かったということで進出が早くできたわけでありますが、じゃ、これがはるか遠くであったらどうするのかというようなことを総合的に検証しながら、前向きに検討したいと、このように思っています。
#262
○荒井広幸君 それから、大臣に最後にお考えになっていることを差し支えないところで言っていただきたいんですが、実は今、現在進行形ではあるんですが、同時に、早く教訓として次の備えにしていかなくちゃいけないということがあるわけですね。また、ほかの原発県に対応していかなくちゃいけないということもあるわけですから、同時並行で進めないといけません。
 これだけ自衛隊が、原子力災害に特化します、原子力事故災害に協力いただいていて、法体系に何か矛盾やらあるいは穴が空いている。逆に言えば、各省庁の連携と言ってもいいかもしれません。こういったところで何か不備をお感じになりませんか。
#263
○国務大臣(北澤俊美君) なかなか難しいお尋ねでありますが、我々とすれば、我々の任務は初動が一番肝心でありまして、初動で混乱している中でいかに指揮系統を統一してやるかということでありますが、今回、総理からも指示が出て、Jヴィレッジで、福島の原発の放水であるとか、あるいは水を供給するとか瓦れきを片付ける、そういうことについて、自衛隊が指揮権を統一してやれと、こう言われたことが物すごく成果が出ましたので、そういうことも含めて、今進行中でありますので十分なまだ検証はできておりませんが、また必要があれば国会にもお諮りを申し上げる機会もあろうかというふうに思いますので、是非またそのときは御理解をいただきたいと思います。
#264
○荒井広幸君 おととい、私がこの席で警察についてお話ししたときにも、防災基本計画に原子力災害対策編というのがありまして、これが大体ベースになっているんです。国民保護法制の作りもそうなっております。
 しかし、この武力攻撃事態の国民保護法には、実はこういうふうに書いてあるんですね。武力攻撃原子力災害の特殊性に鑑み、以下のところを留意する。何を書いてあるかというと、経産大臣や文科大臣は原子炉運転停止命令を出せる、それから、原子炉の運転停止をした場合の電力確保、これを準備するように指示できる、それから、国民には電気の使用停止を要請するとなっているわけです。これを当てはめると、計画停電を含めていろいろ思い当たることがございますね。一方でそういう、自衛隊の言葉を借りると、指揮権みたいなのを明示しているんです。ところが、今回の自然災害というような意味、あるいは人災という性格が私は強いと思いますが、今回の事故のような場合、これは明確ではないんです。
 非常に今日この質問をさせていただくときにタイムリーだったと思うのは、参議院で四年ぶりに憲法審査会、これは規程を作って、いよいよ動ける段階になったんです。各党が、この災害、原発事故について、憲法に規定を設けるべきだという政党もございました。そういったところをずっと積み重ねて、どういう議論になり、どういう形になるかは別なんですが、極めて我が国の自然防災に対する法整備と武力攻撃を含めた体制の法律、こういったものをもっと徹底的に検証していかないと様々な問題点があるということを気が付いたということなんです。
 そういう中で、防衛大臣に改めて聞きますが、今このときに我々は安全保障会議を開くべきだと早々に党首会談で申し入れたんです。今、この有事だけではない。もしかしたらテロが起きるかもしれない、これに乗じて。やっぱり、スクランブル掛けるような事態が起きましたね。こういったところ、まあそれは総理の判断で結構だということを言うしかないと思いますけど、安全保障会議はやっぱり開くべきだったんじゃないですか。いかがですか。
#265
○委員長(鶴保庸介君) 荒井委員、荒井委員、時間です。
#266
○荒井広幸君 はい、終わりです。
#267
○委員長(鶴保庸介君) 時間が来ておりますので、大臣、簡潔に御答弁を。
#268
○国務大臣(北澤俊美君) 時間がないようで、助かっておるわけではありませんが。
 この議論はさんざん衆参でおやりをいただきました。実効性があったかどうかという問題については、これは議論を更に深める以外にはないんだろうと。私は、総理の判断は正しかったということだけ申し上げさせていただきます。
#269
○荒井広幸君 終わります。
#270
○山内徳信君 社民党・護憲連合の山内徳信でございます。
 私は、決算の参議院と言われておりますから、決算関係から最初に質問をいたします。
 平成二十一年度の決算検査報告書、私は一通り目を通しておきました。その中から防衛関係について質問をいたします。
 会計検査院は、平成十九年度決算検査報告書で、那覇防衛施設局の支出負担行為担当官は、重大な過失により予責法第三条第一項の規定に違反して支出等の行為をしたと認められることから、同支出負担行為担当官に対して懲戒処分を行うべきと認められると要求しております。
 この件につきましては前回も質問申し上げて、そして、内部でどうぞ御検討いただきたいと、こういうふうに申し上げておきました。これに対しまして、防衛大臣は、平成二十二年六月三日、検討した結果、懲戒処分を行わないこととした旨の通知があったと報告書には書かれております。
 そこで、防衛大臣は、この件については会計検査院の指摘は適切ではないというふうに御判断なさったのか、そういうことで懲戒処分という行為は行わなかったのか、そこら辺少し伺っておきたいと思います。
#271
○国務大臣(北澤俊美君) 以前もこの件についてお尋ねをいただいておりますが、繰り返すこともなかろうかというふうに思いますが、この案件につきましては、ちょうど政権交代の前後ということでありまして、当時の浜田大臣が二十一年九月十一日付けで内規に基づく注意の処分を行ったわけでありまして、これは、国に損害を与えていないこと、当時の那覇防衛施設局が建設に反対する地元住民等の阻止行動への対応に追われていたこと、故意又は悪質性は認められなかったこと、過去の決算検査報告不当事項の処分事例等を総合的に勘案して処分をしたと承知をいたしておるわけでありますが、処分実施後の平成二十一年十二月二十四日に会計検査院長から懲戒処分要求を受けまして、改めて十分な調査を行った結果、私が原処分を妥当として懲戒処分を行えないと判断をいたしまして、二十二年の六月三日に会計検査院長に通知をいたしました。
 会計検査院より不当事項として国会報告がなされ、また懲戒処分要求がなされたことについては、これは重く受け止め、今後とも関係法令を遵守して予算の適正な執行に万全を期してまいりたいと、このように思っておるところであります。
#272
○山内徳信君 ありがとうございました。
 やはり懲戒処分には幅が広くて、一番それにふさわしいもので、新しい防衛大臣でしたから、訓戒といいますかね、その程度をなさっていた方がよかったんじゃないかと私は思うんです。そして、こういうふうな大きな会計検査院から指摘されるようなことがありますときには、必ず悪は、悪い者は別におるんですね。そのことも申し上げて暗示を与えておきたいと思います。
 やはり那覇防衛施設局時代ですし、今も沖縄防衛局の局長を始めみんな必死に頑張っておるんですね。もう毎日、次々と米軍が事故、事件を起こしますでしょう。外務省の沖縄事務所も沖縄防衛局もたまったものじゃないんですよ、後でまた申し上げますが。そういうことで、しっかり大臣からも、沖縄局の諸君も叱咤激励しながら、しっかり頑張れと、こういうふうに鼓舞していただきたいと思います。
 そこで、次は会計検査院長、普通、会計検査院長というと何となく私は怖いんでございますが、今日おいでいただいております。会計検査院の懲戒処分要求に対して、防衛省はこれを、今大臣から答弁ありましたような形の対応になっております。しかし、このようなことでは政府の膨大な予算、それはもう恐ろしいぐらいの予算でございますし、それは政府関係だけでございませんで、四十七都道府県、あの当時は三千幾つかの市町村があるわけですね、そういうのを定期的に検査をしていく、そういう予算と事業執行の透明性や公明性を維持していくのに私は会計検査院の御苦労をよく知っておるつもりでございます。
 そこで、今回提起をしてありますこの件について、会計検査院の立場からはどういう御見解でございますか。要するに、防衛省が懲戒処分要求に対応していらっしゃらないわけですね。そのことについて、検査院長としてのお気持ちを伺っておきたいと思います。
#273
○会計検査院長(重松博之君) 御説明申し上げます。
 ただいまお話ございましたように、防衛省が本院の要求のとおり懲戒処分を行わなかったということは、私どもとしては遺憾であるというふうに思っております。
 ただ、この懲戒処分の要求というのは、任命権者に対して懲戒処分を義務付けるというものではないわけでございます。したがいまして、先ほどこれもお話ございましたように、本件懲戒処分要求の内容及び防衛大臣からの本件に対する通知について平成二十一年度決算検査報告に掲記したところでございます。
 私ども会計検査院といたしましては、ただいまお話もございましたように、今後とも防衛省の予算執行については厳正に検査をしてまいる所存でございますし、また、予算執行職員等の責任に関する法律第六条第一項に基づく懲戒処分の要求の制度、これは重要な権限であると認識しておりますので、今後とも懲戒処分を要求する必要があると判断される事態があれば厳正に対処してまいる所存でございます。
#274
○山内徳信君 防衛省だけではございませんで、他の省庁についても厳正な対応を会計検査院としてはしていただきたいと、こういうふうにお願いいたします。
 次に、少し順序を入れ替えて質問したいと思います。
 防衛大臣にでございますが、在沖米陸軍の拠点は読谷村にありますトリイ・ステーションでございます。在日米軍の拠点は座間にございます。
 少し経過を申し上げますと、このトリイ・ステーションには読谷で一番大きな集落がございました。一九五一年に強制立ち退きをさせられまして、ブルドーザーを入れて次々と地ならしをして基地ができていくんです。したがいまして、そこに住んでいた人々は別のところに移りました。
 そういうこともありまして、そのとき嘆願書が幾つも出ておりまして、当時の米軍に対しても、あるいは当時の琉球政府にも嘆願書を出しても聞いてもらえなかったんです。私は高校一年生でしたから、高校生はつるはしを担いで移転地の地ならしといいますか、新しい屋敷を造るのに動員をされております。
 私は、その後、読谷の村長になるんでありますが、私が村長になりました当時は、アメリカ軍のこのトリイ・ステーションは生し尿をどんどん海に流していたんです。そういう状況が、米軍は平気でやっていたわけです。私は、これは許せないと。私が一番心配したのは、風評被害を恐れたんです。漁業組合が別のところから捕ってきた魚も売れないという話になるわけです。今の風評被害のその恐ろしさを私はもう何年も前に体験をして、それで当時の那覇防衛施設局と掛け合って、これは米軍基地から出ておるものだから、これは是非別に処理場のあるところに移したいと。それで、現在問題になっております宜野湾市の処理場まで引っ張っていくんです。
 そうしたら、アメリカ軍は料金が高いと言うから、私は笑ってやったんです。こんな大きいアメリカの陸軍が沖縄県民が出している上下水道の料金さえ出せぬと言うならば、分かったと言って、私、たんか切ったんです。どうするかと言うから、ミキサーに生コンを詰めていって、あんた方が海に流し込んでおるこのマンホールの出口を全部生コンでふさいでやる、そうしたら、あんた方の隊舎内やあるいは施設内であふれるのを覚悟しておけと言ったんです。そうしたら、一月、二月ぐらい待てと言うから、そんな長い間待てない、沖縄県民は全部払っておるじゃないかと、こういうふうにやりましたら、ついに悪かったと言ってくれたんですね。そして、あんな遠い読谷から宜野湾市までつないであげたんです。その努力を那覇防衛施設局の諸君たちはやってくれたんです。一緒に苦労してくれた。
 その後、今度はビーチを、勝手に黙認耕作地も荒らして、これまた機械持ってきて荒らして、耕作しておる人々が立ち上がって、これ許さないと。あの基地ができたときに黙認耕作を認めると言ったのに、今、黙認耕作地を全部機械入れてきて荒らすという、そういう米軍は許せないといって立ち上がったんですね。
 そのときに、那覇防衛施設局の施設部長の笠原君と私は、本当に米軍との間に立って努力をして、これは将来返還されたらワイキキのビーチみたいにしようなと、そういう夢を持って造ったビーチなんです。そして、ビーチにふさわしいようにあずまやも造っていってくれと、そして、米軍基地になる以前はそこは地域の馬場であった、本土にもいっぱい馬場はあると思います、昔からそういう場所であるから、住民もこのビーチに北からも南からも入れるようにしようといって合意したわけです。
 ところが、大臣、もうこれは沖縄局から情報入っていると思います。ところが、あっちからもこっちからもこのぐらいの石を集めてきて、このビーチの水際から三十メートルぐらい沖にいっぱい積んであるんです。そしたら、漁民が怒ったんです。その沖には沖縄一の定置網の場所があるわけです。その地域の人々も元に戻せと原状回復を求めて今立ち上がっておるんです。議会も臨時議会を開催しました。そして、沖縄局の真部局長もそのことで苦労していらっしゃいます。是非、一言お電話で、真部君、しっかり頑張れと、こういうふうにしていただかないと、その集落から追われた人々と漁民が今立ち上がりつつあるんですよ。そしたら、せっかくの今まで築き上げてきた関係も全部駄目になっていくんです。
 去年の十一月七日は、そのトリイ・ステーションの米兵のグリーンベレーがその地域の人々を後ろから突き飛ばして、そしてやらなかったと言って開き直ったんですよ。村民大会が開かれ、いっぱい動きが今できておるわけです。
 ですから是非、北澤防衛大臣には、ですから、私がいつも申し上げておりますように、そういう部隊の責任者を大臣室に呼んでほしいとか、あるいは司令官を呼べと、こういうふうにしなければ彼らは沖縄を、この日本をいっぱいやりたい放題に揺さぶってみたり、恫喝をしてみたり、やっているわけですよ。その現場を私は戦後ずっと生きてきておるわけです。
 そういうことで、これはここまで問題にしたくはなかったんですが、やはりもう村議会とか行政当局、地域が立ち上がっておりますから、この場で是非大臣の方にも訴えて、悪い方向に行く前に問題解決をする必要があると思っておるわけです。そして、原状回復をやれとアメリカ軍に大臣からおっしゃってください。
 彼らは、地位協定とかいっぱい知っておりますから、やはり言を左右にしながら適当に逃げておるんです。私があの場におれば、その米軍の関係者と一緒に話合いする機会があれば、今のような話をして、なぜ善良な関係を結ばないのかと、こういうことを強く言いたいと思っておりますが、しばらく東京を離れるわけにいきませんから、あしたは是非大臣から朝のうちに一報を、真部君に大臣の温かい厳しい言葉を伝えておいていただきたいと思います。
 山内さん、心配するな、原状回復させるよとおっしゃってください。
#275
○国務大臣(北澤俊美君) この石積みについては報告を受けておりまして、まず一つには、沖縄の県民の皆さんとの話合いのない中で一方的にやったということについては、強く米側にも申し上げております。今激励をしていただいた真部局長からもそのようなことをしっかり申し上げたところでありまして、先週、五月の十一日にも沖縄防衛局は地元の関係者と話合いの場を持っていろいろ説明をしております。米側は赤土や何かが流出するのを避けるために何とかそれをというようなことを言っておるわけでありますが、しかし、お互い一方的な話は何の解決もしませんから、我々防衛局が中へ入ってしっかりした話合いをして解決に向けていきたいと。
 真部局長は山内徳信議員から時々激励やら叱咤もされておりますので、私の方からも今日の国会の状況はしっかり伝えておきたいというふうに思います。
#276
○山内徳信君 終わります。
#277
○委員長(鶴保庸介君) 他に御発言もないようですから、外務省、防衛省及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門の決算についての審査はこの程度といたします。
 次回は来る二十三日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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