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2011/03/07 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 予算委員会 第3号
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2011/03/07 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 予算委員会 第3号

#1
第177回国会 予算委員会 第3号
平成二十三年三月七日(月曜日)
   午前九時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月四日
    辞任         補欠選任
     徳永 エリ君     難波 奨二君
     安井美沙子君     田城  郁君
     小坂 憲次君     塚田 一郎君
     世耕 弘成君     福岡 資麿君
     林  芳正君     丸山 和也君
     森 まさこ君     山崎  力君
     山本 一太君     山田 俊男君
     長沢 広明君     松 あきら君
     桜内 文城君     水野 賢一君
     大門実紀史君     山下 芳生君
 三月七日
    辞任         補欠選任
     田城  郁君     安井美沙子君
     難波 奨二君     斎藤 嘉隆君
     白  眞勲君     西村まさみ君
     平田 健二君     有田 芳生君
     石川 博崇君     山本 香苗君
     山本 博司君     白浜 一良君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田 武志君
    理 事
                植松恵美子君
                川上 義博君
                水戸 将史君
                森 ゆうこ君
                礒崎 陽輔君
                猪口 邦子君
                衛藤 晟一君
                加藤 修一君
                小野 次郎君
    委 員
                有田 芳生君
                一川 保夫君
                大野 元裕君
                金子 恵美君
                小見山幸治君
                行田 邦子君
                斎藤 嘉隆君
                榛葉賀津也君
                田城  郁君
                友近 聡朗君
                中谷 智司君
                難波 奨二君
                西村まさみ君
                平田 健二君
                平山  誠君
                安井美沙子君
                吉川 沙織君
                米長 晴信君
                愛知 治郎君
                磯崎 仁彦君
                片山さつき君
                川口 順子君
                佐藤ゆかり君
                塚田 一郎君
                西田 昌司君
                長谷川 岳君
                山田 俊男君
                山谷えり子君
                石川 博崇君
                白浜 一良君
                松 あきら君
                山本 香苗君
                水野 賢一君
                山下 芳生君
                片山虎之助君
                福島みずほ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   菅  直人君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    片山 善博君
       法務大臣     江田 五月君
       外務大臣臨時代
       理
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  枝野 幸男君
       財務大臣     野田 佳彦君
       文部科学大臣   高木 義明君
       厚生労働大臣   細川 律夫君
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
       経済産業大臣   海江田万里君
       国土交通大臣   大畠 章宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        松本  龍君
       防衛大臣     北澤 俊美君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    中野 寛成君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」、科学
       技術政策))   玄葉光一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       行政刷新))   蓮   舫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        自見庄三郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策、少子化
       対策、男女共同
       参画))     与謝野 馨君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  福山 哲郎君
   副大臣
       外務副大臣    伴野  豊君
       外務副大臣    松本 剛明君
       財務副大臣    櫻井  充君
       厚生労働副大臣  大塚 耕平君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  吉田  泉君
       厚生労働大臣政
       務官       岡本 充功君
       厚生労働大臣政
       務官       小林 正夫君
       環境大臣政務官  樋高  剛君
       防衛大臣政務官  広田  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
   政府参考人
       外務大臣官房参
       事官       石兼 公博君
       外務省アジア大
       洋州局南部アジ
       ア部長      梅田 邦夫君
       外務省北米局長  梅本 和義君
       外務省欧州局長  小寺 次郎君
       外務省中東アフ
       リカ局長     松富 重夫君
       外務省中東アフ
       リカ局アフリカ
       審議官      草賀 純男君
       外務省経済局長  八木  毅君
       外務省領事局長  川田  司君
       厚生労働大臣官
       房審議官     平山 佳伸君
       厚生労働省年金
       局長       榮畑  潤君
   参考人
       日本銀行副総裁  山口 廣秀君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○平成二十三年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十三年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十三年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十三年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行副総裁山口廣秀君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(前田武志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(前田武志君) 平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算、平成二十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、去る四日に引き続き、質疑を行います。平田健二君。
#5
○平田健二君 おはようございます。民主党・新緑風会の平田健二です。先週に引き続き質問をさせていただきます。
 まず、非常に残念ですけれども、前原外務大臣が辞任をされました。このことについて菅総理の御見解をお伺いをいたします。
#6
○内閣総理大臣(菅直人君) 前原外務大臣、私は、大変外務大臣としてしっかりした仕事をやっていただいていたと、このように認識をいたしております。しかし、残念ながら、御本人は承知をされていなかったようでありますけれども、外国籍の方からの献金があったということで、その責任を取って辞任をしたいという申出がありました。
 私としてはこの問題、確かにいろいろな、あるいはミスなのか不注意なのか、あったかもしれないけれども、このことで辞めるということは必要ではないのではないかと私は申し上げ、かなり強く慰留をいたしました。しかし、結果として、御本人が自ら判断をして、法的な問題がないとしても政治的にやはり責任を取りたいと、こういう強い申出でありましたので、そのことについて残念ながらそれ以上の慰留をすることがかなわなかったということであります。
 これから外交は、言うまでもありませんが極めて重要なことでありますので、しっかりとした体制をつくっていきたいと、このように考えております。(発言する者あり)
#7
○平田健二君 人の発言中に発言するな。何言っているんだ。
 拉致担当大臣にお伺いをいたします。
 先般、中野大臣には、拉致被害者の一刻も早い救出を求める署名簿をお渡しをさせていただきました。非常に残念なことですけれども、私の出身組織にも特定失踪者を含め数名の拉致被害者がいます。残念でなりません。
 二〇〇二年の十月に五名の方が帰国をされました。それ以降、この拉致被害の問題については進展がございません。北朝鮮との間で調査のやり直しということを約束をしておりますけれども、一向に実行されません。
 拉致被害者の救出につきましては、これは全国民の悲願であります。このことについて拉致担当大臣の御見解をお伺いしたいとともに、どうやって残された拉致被害者を救出するのか、そういったことも含めてお答えをいただきたいと思います。
#8
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。
 おっしゃるように、この拉致問題が、続いて御帰国をいただく方々が増えないということを含めまして、大変憤りとともにもどかしさを共有している、これが今、日本全体の心理、気持ちだと思います。私もそのことを強く思い、また、担当になりましてから、御家族の皆さん、また救う会、そして特定失踪者調査会等々、またこれらの問題に関する専門家の御意見もお聞きをしながら、これからの作戦といいましょうか、をできるだけより強力なものに、効果のあるものにつくり上げていくための作業を鋭意させていただいております。また、調査費、そしてそれに伴う調査員の拡大も図り、御家族の皆さんとの定期的な御懇談も含めまして、でき得ることはそれこそ何でもやりたいという気持ちで努力もさせていただいております。
 調査については、むしろ国内という、又は朝鮮半島だけではなくて、可能性のあるところはもう内外を問わず調査員を派遣をして実態調査をする、情報収集をする等の努力を重ねているところでございまして、今後ともそのことを全力を尽くしたいと思っております。
 いずれにいたしましても、日本の国の主権とそして個人の人権が最大限に損なわれた不測の事態であることは間違いがないことでありますし、この問題の解決なくして日朝間の国交正常化はあり得ないという大原則はこれは変わるものではありませんので、そのことをしっかりと踏まえながら今後も努力をしてまいりたいと思います。
 先生御出身のUIゼンセン同盟の皆さん、被害者の方もいらっしゃるわけでございますし、また組織としても、インドシナ難民の救出を始めといたしまして左右の独裁主義と対決する姿勢の中で、しっかりと民主主義と自由主義を守る、その視点から、この拉致問題にも先駆者的な役割を果たして努力をされてこられ、先般は六万名にも及ぶ御署名を平田先生通じましてちょうだいをいたしました。既に、合わせますと八百三十万の御署名をいただいておりまして、これを部屋で見るたびに大変使命の重さを痛感をいたしております。
 全力を傾注して今後に対応してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
#9
○平田健二君 一刻も早い全員の救出をお願いをしておきたいと思います。
 次に、昨日と本日ですか、行政刷新会議の規制の仕分について行われているようでございますけれども、私は今日はそのこととは別に、一般医薬品のインターネット販売、通信販売についてお尋ねをいたしたいと思います。細川大臣、よろしくお願いいたします。
 通信販売が始まって二年になりますね。そして、今年の五月末でそれが一旦期限が来るわけですけれども、更にそれを延長するかどうかという議論があっておるようであります。確かに、インターネット販売、通信販売が便利な部分もあります。離島だとか遠隔地なんかはかなりそれを利用されている方もいらっしゃるというふうにお聞きしておりますが、しかし、国民の安全、安心を確保するために、やっぱり医薬品というのは相当慎重に扱っていかなければならないというふうに思っております。
 そこで、今どういう、規制緩和の仕分がどうなったか分かりませんけれども、細川大臣にお尋ねをしたいのは、このインターネット販売については原則禁止、現行の制度を貫くべきだというふうに私は思っておりますけれども、御見解をお伺いしたいと思います。
#10
○国務大臣(細川律夫君) お答えいたします。
 薬局などで一般に販売されます医薬品につきましては、平成二十一年六月からその販売方法が見直されまして、副作用等のリスクの大きさに応じまして薬剤師等の専門家が適切に情報を提供して、購入者と対面で販売するということになったところでございます。
 厚生労働省といたしましては、副作用の発生のリスクを伴います医薬品につきましては、専門家による対面販売の原則が重要であると考えておりまして、まずはこの現行の仕組みを定着することに努めていく必要があるというふうに考えております。
 なお、この件につきましては、昨日、行政刷新会議の規制仕分で議論が行われたと聞いておりまして、事務方からの報告によりますと、様々な意見が出された上で、安全性を確保する具体的な要件の設定を前提に、第三類医薬品以外についても薬局、薬店による郵便等の販売の可能性を検討すると、こういう評価がなされたと聞いております。
 本件につきましては、今後、政務折衝を経まして閣議決定が行われることとなれば、その内容に従って適切に対応してまいりたいと思っております。
#11
○平田健二君 大畠大臣にお尋ねをいたします。
 私たちは前回の衆議院選挙のときに、実は行政を簡素化するというようなことから、選挙で、特に四千以上あります独立行政法人を全て見直そうじゃないかという提案を、国民の皆さんにお訴えをしてまいりました。四千幾つかあります独立行政法人に国費が十二兆円以上投入されておると、これをしっかり見直すべきだという提案をしてまいりました。
 その中で、その一つとして都市再生機構についてお伺いをいたします。
 昨年の四月に事業仕分で、この都市再生機構の住宅の賃貸部門については民間に移行すべきだという提言がなされておりました。しかし、国土交通省でしょうか、国土交通省は、この機構に多額の借金があるから移行できないんだと、こういう見解を示されて今日になっております。
 確かに十三兆二、三千億円の負債がありますし、しかし資産としては十五兆三千億ぐらいあるわけですね。この負債の中で国からの借金、国が貸し付けている部分が十一兆円あるわけですね。そうしてみますと、資産の方が上回っておるわけですよ、負債よりも。
 これが負債があるから民間に移行できないというのは少しいかがかなという気がしますので、このことについてお伺いをしたいと思います。
#12
○国務大臣(大畠章宏君) 平田議員の御質問にお答えを申し上げます。
 都市再生機構の民営化の課題でございますが、確かに御指摘のように刷新会議の方でこれは見直すべきと、こういう方針を示されました。当時の国土交通大臣でありました前原大臣の指揮の下に、六人の行政刷新会議の事業仕分人の方にも御参加をいただいて独立行政法人都市再生機構のあり方に関する検討会というものを設置して、事業仕分の評価結果も踏まえつつ、機構の財務状況や業務実態に即した現実的な議論を行ってまいりました。その結果、御指摘のように、現在十四兆円にも上る負債を抱えながら利益は約五百億円程度と、こういうことでございまして、この十四兆円の負債をどう償還するかと、これが非常に大きな課題でございます。
 御指摘のように、そういう状況にありながらも、方向としては改革を進めなければなりませんので、今年度中に工程表を策定すると、こういうことで、今年度といってもこの三月中でありますから、今急がせておりまして、御指摘のような形で改革を進めたいと思います。
 なお、実態として、七十六万戸、そして二百万人の方が現在居住されておりまして、そういう方々のことも考えた形で是非改革を進めていきたいと考えているところであります。
#13
○平田健二君 やはり行政刷新会議で民間移行が適当ということでございますんで、しっかりその辺を見直しをしていただきたいと思います。
 次に、中東情勢ですけれども、リビアを中心とした中東が大変混乱状態にあります。そこで、まず邦人の安全についてどういうふうに対応されているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
#14
○副大臣(伴野豊君) 平田先生にお答えさせていただきたいと思います。
 外務省といたしましては、邦人保護につきまして、外国において情勢が緊迫した場合でございますが、渡航情報の発出を含めまして適時適切な邦人への情報提供を行い、注意を喚起しております。
 まず、安全な場所に退避する等、自らの安全確保に努めていただくとともに、可能な限り早期に定期便等を利用していただきまして出国し、又は安全な地域へ移動することを促させていただいているところでございます。さらには、定期便による移動が困難になった場合には、チャーター機等の手配により安全な場所への移動を支援しているところでございます。
 ただいま御指摘のございました中東各国につきましては、これまでも緊迫化する現地情勢に応じ、チュニジアに対しましては一月十六日、エジプトに対しましては一月二十九日、それぞれ各国全土に渡航の延期をお勧めいたしますという危険情報を発出するとともに、現地滞在中の方には早期の退避を促し、またチャーター機を手配したところでございます。リビアに対しましては二月二十二日、全土に渡航の延期をお勧めしますの危険情報を発出したところでございます。また、同二十五日に退避勧告を発出し、さらに、イエメンにつきましては三月五日、全土に渡航の延期をお勧めしますの危険情報を発出したところでございます。
 今後とも、各国の現地情勢を注視しつつ、邦人の安全確保のため適切な対応を取ってまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。
#15
○平田健二君 質問を終わります。ありがとうございました。
#16
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。一川保夫君。
#17
○一川保夫君 民主党・新緑風会の一川保夫でございます。
 まず最初に、マニフェストという話題が非常に最近よく出る話題でございますけれども、先週の平田幹事長のときにも、このマニフェストについては、民主党、政権交代のその理念をしっかりと踏まえて対応してほしいというような御意見も出されておりました。私も基本的にはそういう姿勢でございますけれども、こういった厳しい経済財政事情の中で、マニフェストの実行状況というものをしっかりと検証しながら、どういう方向付けで対応していくかということも大変大事な課題でございます。
 民主党の中にもマニフェストの検証委員会なるものを設置して、これから特にマニフェストの実績を中心に検証をしていきましょうというような格好になりつつあるというふうに聞いておりますけれども、総理としては、このマニフェストの検証ということについて基本的にはどういう姿勢で臨まれるのか、その辺りをお話し願いたいと思います。
#18
○内閣総理大臣(菅直人君) 今御指摘のように、マニフェストは国民との約束という大変重い位置付けがあると考えております。それだけに、二〇〇九年のマニフェストに盛り込まれたことについてできる限りそれを実現しようということで、この間、一川先生を含めて与党あるいは政府で努力をしてまいりました。かなりの部分が実現に向かっておりますが、確かに財政的な問題などでまだまだ難しいところがあることも事実であります。
 そういった意味で、衆議院の任期の半ばをこの九月に迎えますので、それに向けて検証して、そして、更に進められるもの、あるいは中には多少の変更が必要になることも含めて見直さざるを得ないもの、こういったことについて方向性を出し、そしてそれを国民の皆さんにしっかりと理解をいただこうと、そういうことで、現在、岡田幹事長の下でそうした作業を始めることといたしております。
 是非とも参議院の政調会長代理である一川先生にも御支援をいただきたいと、このように思っております。
#19
○一川保夫君 私、今総理が説明されましたように、このマニフェストをしっかりと進捗状況を検証していくということが非常に大事なことであるというふうに思っております。その後を踏まえて、その見直しに入るか入らないかというところはまた十分議論してほしいなというふうに思っております。やはり、ある一定の目標に向かって努力する姿勢というのが非常に大事ではないかなというふうに思っておりますので、ひとつよろしくお願いしたいと思っております。
 私は、このマニフェストのいろんなお話の見直し的な話が議論されるときに、この内閣、菅内閣としていろんな基本政策、重要政策なり、そういったものを所信で述べられているわけですけれども、こういう問題についても状況を見ながらしっかりと検証をし、場合によっては見直しを掛けるという姿勢が私はあってもいいような気もするんですけれども、総理大臣自身は、御自身の所信表明の理念なり基本的な姿勢なり、重要政策課題ということに対しての基本的な姿勢というのはどのようにお考えでしょうか。
#20
○内閣総理大臣(菅直人君) まず第一には、先ほど申し上げましたように、マニフェストに盛り込んだことを実行していくというのが政権を預かった内閣の第一の仕事だと考えております。
 と同時に、予算を含め、今の日本の経済状態、成長と雇用という観点からしっかりそれらを確保できるような経済運営をやっていかなければなりません。これについては、幸いにして政権交代から一年半余り、リーマン・ショックの大変厳しい中からのスタートでありましたけれども、景気の回復基調がだんだんと確かなものとなっております。そういった点では、そういうそのときそのときの経済の状態に対する対応ということも、マニフェストの実現と同時に大変重要だと思っております。
 更に申し上げれば、社会保障の問題あるいは農業改革の問題あるいは自由貿易の問題など、中長期的なこれまで先送りされてきた問題についても責任を持って取り組むこと、これが重要だと考えております。
#21
○一川保夫君 さきの党首討論で、総理大臣は、野党の優れた予算を提示されるならば丸のみしてもいいというようなやり取りがあったというふうに思いますが、この丸のみという言い方が非常に気になるところでございまして、我々が政権を担ってそれなりに責任があるわけでございますから、予算というのはあらゆる政策が凝縮されたものであるというふうに私は思っておりますので、そういう面では、予算を丸のみするという言い方は余りにもちょっと軽率じゃないかなという感じはいたします。
 やはり私たちは、そういうことじゃなくて、やはり国民の生活を第一に考える、そういう政治を取り戻そうということで、国民の期待の下に政権が交代したわけでございますので、そういう理念と方向に向かって是非堂々としっかりと野党交渉に臨んでいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#22
○内閣総理大臣(菅直人君) 党首討論の折に、たしか一九九七年の金融国会における当時の民主党提出の、あるいは野党提出の法案をそのまま当時の与党が賛成をされて成立したという、そのことを当時も丸のみという表現をされまして、その話の流れで丸のみという言葉を使いました。
 今おっしゃるように、予算というのは、一政策あるいは一つの法案と違ってまさに政権の総合的なトータルの姿でありますので、結果として、自民党からの組替え動議についてはやはりマニフェストの主要部分を外せといったような要求がありましたので、これは私たちとしてはそのまま受け入れるわけにはいかないという形でお返しをいたしたわけであります。
 そういった意味で、予算について今御審議をいただいておりますが、まさに今、日本にとって、国民の生活にとってこの予算の成立と執行こそが最も重要であると自信を持って皆さんに訴えてまいりたいと、こう考えております。
#23
○一川保夫君 是非、基本的にはそういう姿勢で臨んでいただきたいというふうに思っております。
 今、二十三年度の予算は衆議院で成立いたしました。しかし、予算の関連法案の扱いというのはこれからのポイントになってくるわけでございますけれども、この予算の関連法案に対するこれから野党側とのいろんな折衝事が具体的な内容として詰められてくるというふうに思いますし、そういう面では非常に重要な今局面を迎えてくるというふうに思っております。
 これは、予算関連法案がもし野党とのいろんな話合いの中で修正というようなことになった場合に、それが予算の修正にも跳ね返ってくるという可能性だってなきにしもあらずというふうに思いますけれども、そういったところは、関連法案のいろんな野党との折衝のこれからの基本的な姿勢と、それから場合によっては予算の修正ということにもなり得るのかどうかといったところについての見解をお伺いしたいというふうに思いますけれども。
#24
○国務大臣(野田佳彦君) 一川委員は予算と関連法案についてのお尋ねでございますけれども、特例公債法案を含む予算関連法案は、これはまさに予算自体を裏打ちをするものでございます。特に特例公債の場合は一般会計の総額の約四四%を占めておりますので、こうした法律が通りませんと大幅な歳入欠陥が生じます。その結果、日本経済や国民生活に大きな影響が出てくるということは間違いございません。
 そうした意味からも、いろいろ御指摘ございましたけれども、政府の基本姿勢は予算と関連法案をあくまで年度内成立をさせるということでございまして、今回の予算は三段構えの経済対策のステップスリーでもございますので、その意味からも各党に御理解をいただきながら年度内成立を目指していきたいというふうに思います。
#25
○一川保夫君 御案内のとおり、この参議院というところは与野党が今逆転状態という状況にありまして、皆さん方もこの委員会等の答弁で大変御苦労されていると思いますが、大変厳しい状況にあることは間違いないわけでございますので、私はこれから参議院の国会運営ということについても非常に重要なものがあるというふうに思っております。
 そういう面で、前臨時国会の折から参議院の与党の皆さん方は大変いろんな御苦労をする中で、何とか円滑に物事が進むように努力してきたというふうに私は見ておりました。そういう面では、是非、総理以下各閣僚の皆さん方にもこういった参議院の状況というものをしっかりと念頭に入れられて臨んでいただきたいというふうに思いますし、ある面ではこの時代、参議院というのは非常に重要な重みがあるというふうに思いますけれども、その辺りについて総理大臣の見解をお伺いしたいというふうに思います。
#26
○内閣総理大臣(菅直人君) おっしゃるとおり、さきの臨時国会の折もそうですし、この通常国会においても参議院の与党の皆さんには特に大変な御苦労をいただいていると、そのことを強く認識をいたしております。
 この衆参のねじれという問題で、やはり何とか、特に参議院で与野党の合意が得られるということが大変重要でありまして、そういった意味では、もちろん内閣としても参議院の審議についてしっかりと対応してまいらなければなりませんし、さらには参議院の与党の皆さんにも与野党の合意形成に向けての御議論を是非よろしくお願いいたしたいと、このように思っております。
 熟議の国会という表現も私も含めて使っておりますけれども、その結果において何らかの合意が得られて、国民の生活に対してしっかりと国会としても責任が果たしていけるよう、内閣としてはそういう結果が得られるよう最大の努力をしたいと、こう考えております。
#27
○一川保夫君 では次に、外交関係、ちょっと外務大臣が今不在的な状態なんで、ちょっと後で、先送りして、時間があれば対応したいと思いますが。
 次に、防衛大臣に、中国が二〇一一年の国防予算、対前年実績比で一二・七%増加させると、全体で約七・五兆円の予算を組むというような報道がありました。これはもうアメリカに次いで世界で第二位になるわけでございますが、こういう状況を防衛大臣としてはどのように見ておられるか。我々としては、この内容が明確でないということも含めて非常に不気味に感ずるわけでございますけれども、その中国の国防予算ということについての防衛大臣の御見解をお伺いしたいと、このように思います。
#28
○国務大臣(北澤俊美君) お答え申し上げます。
 お話のように、中国は一二・七%という高い国防費の成長を目指しておるわけでありまして、これは国防費とすれば、為替レートに基づいて円換算すれば七兆八千億という巨大な軍事費になるわけでありまして、一方また、この中には研究開発費というのは別枠になっておりますから、そういうものも含めるとどのぐらいな額になるのかというのは極めて懸念をしておるところでありまして、したがって、私も梁光烈国防長官と二度にわたって会見をいたしましたが、その折には必ず世界の責任ある大国として透明性を担保してほしいということを再三にわたって申し上げてきておるわけでありまして、経済成長も日本を抜いて第二位という大国になった中国の責任ある開示といいますか、透明性を是非はっきりさせていただきたいと、基本的にはそういう考えを持っております。
#29
○一川保夫君 防衛省は防衛計画の大綱というものをお決めになったわけでございますけれども、この大綱に基づいて防衛の整備を行っていった場合に、我が国のこれから五年、十年先の防衛力というのはどういう水準になるかということがちょっと明確に分からないんですけれども、今、片や中国がこういう状況で大変防衛力を伸ばしているという状況の中で、我が国のこういった防衛力というのはどの程度整備されていくのか、その辺りについて防衛大臣の御見解を求めたいと思います。
#30
○国務大臣(北澤俊美君) 御案内のように、我が国のただいま御審議もお願いしております二十三年度予算は四兆七千億余でありまして、一方で新しく防衛大綱を策定をさせていただきまして、それに基づいて中期防を作り上げて、五か年間で我が国が装備すべき状況について明示をさせていただいておるわけでありますが、これはほぼ二十三兆円という金額でありまして、これを五年間で調達をしていくと、こういうことであります。
 具体的な体制を少し申し上げた方がよろしゅうございますか。
#31
○一川保夫君 はい。
#32
○国務大臣(北澤俊美君) ということでありまして、具体的には、まず監視体制というものを強化をしていきたいということでありまして、まず、陸自の沿岸監視部隊を今後五年間のうちに南西地域の島嶼部に新たに編成をしていくということが一つであります。さらに、二十三年度にはこれに必要な調査費を計上いたしまして、二十三年度は調査費三千億を計上させていただいております。
 また、海自につきましては、固定翼の哨戒機部隊について、おおむね十年後もこれまでの四個航空隊の体制を維持することといたしておりますが、今後五年間で能力の高い新型機P1、これP3Cの後継機でありますが、これを十機程度整備をいたしてまいりたいというふうに思っております。さらに、潜水艦については、おおむね十年後にはこれまでの十六隻体制から二十二隻体制に増勢をしていきたいというふうに思っております。
 それから空自でありますが、戦闘機については、おおむね十年後もこれまでの約二百六十機の体制を維持していくことといたしておりますが、今後五年間で能力の高い新戦闘機、いわゆる通常言われておりますFXを十二機新たに整備をしていきたいと。それから、那覇基地の戦闘機部隊について、今後五年間のうちに、これまでの一個飛行隊、一個飛行隊は約二十機でありますが、これを二個飛行隊四十機へ強化をしていきたいというふうにお願いをしております。
 それから、弾道ミサイル対処の体制については、弾道ミサイル防衛機能を有するイージスシステム搭載艦、搭載の護衛艦についておおむね十年後にはこれまでの四隻から六隻に増やしていきたいというふうに思っております。それから、ペトリオットPAC3について、おおむね十年間のうちにこれまでの三個高射群体制を六個高射群体制として全国に配備をいたしてまいります。
 さらに、輸送機能について、これは新しい大綱は動的防衛力という概念を打ち出しておりますので、この輸送というものはかなり高い必要性を求められておりますので、そういう意味では、具体的なものを申し上げますと、おおむね十年後もこれまでの三個飛行隊の体制を維持することといたしておりますが、今後五年間で能力の高い新型機C2、これを十機整備をしてまいりたいというふうに思っております。
 このことによって、厳しさを増す安全保障環境に対応できる動的防衛力体制を構築してまいりたいというふうに考えております。
#33
○一川保夫君 今防衛大臣のお話しされたことはこの動的防衛力構想の一端を述べられたのかもしれませんけれども、そういう面では是非しっかりとした防衛力整備を図る必要があるとは思いますけれども、一方では、いたずらな軍拡競争的な格好にならないように、中国側と我が国とのそういう防衛省サイドでの信頼関係というのは非常に重要であるというふうに思いますので、これから是非そういう方向にも努力をしていただきたいと、そのように思っておるところでございます。
 さて次に、経済財政問題について若干お伺いしたいというふうに思っております。
 我が国の経済の現状とか今後の見通しということについてはどのように考えているかということが非常に重要になってまいります。これは総理がおっしゃったか、どなたかちょっと忘れましたけれども、我が国の経済が順調に回復を遂げているというような趣旨の発言が時々あるわけでございますけれども、その順調に回復を遂げてきているということについての根拠なるものと今後の見通しということについての説明をしていただきたいと、そのように思いますけれども。
#34
○内閣総理大臣(菅直人君) 我が国の景気は、昨年の秋ごろから足踏み状態にありましたが、このところ持ち直しに向けた動きが見られ、失業率が高水準にあるなどまだ依然として厳しい状況にもあるものの、足踏み状態を脱しつつあるという認識が政府の中でも持たれております。
 二〇一〇年の実質経済成長が三・九%となり、また一月の失業率が四・九と二か月連続で五%を下回るなど明るい動きが出てきており、今後、これまで申し上げてきた三段構えの経済対策のステップスリーである来年度予算及び関連法案を成立させて、この景気の足踏み状態から脱しつつある状況を更に安定的な成長につなげていきたいと考えております。
 また一方では、中東、北アフリカ情勢の緊迫化など不安定要因もあります。そういった意味で気を緩めることなく、さらに予算、税制等による新成長戦略の本格実施を通じて雇用・所得環境の改善が民間需要に波及する、そういった動きが徐々に強まってきていることもありますので、そういった海外の情勢を注目しながら、一方では国内の民間需要の拡大を更に図って成長の好循環に向けて進めてまいりたいと、こう考えております。
#35
○一川保夫君 今回の二十三年度予算の主な柱として、デフレ脱却、成長と雇用ということが強く訴えられております。従来、昨年来のいろんな三段構えの経済対策を講じてきたというお話は、先ほど財務大臣からもちょっとお話がございました。ステップワン、ツー、スリーと来ているわけですけれども、そういう一つの流れを受けて、そういう経済対策の効果というものをどのように評価しておられるのか、それについて御説明をお願いしたいと思います。
#36
○国務大臣(与謝野馨君) 昨年秋以降の経済対策は、急速な円高等の厳しい経済情勢の中、景気下振れリスクに先手を打って対応するため策定したものでございます。これらの対策では、景気、雇用両面から経済の下支えを図ってきたところでございまして、具体的には、大学や高校でのジョブサポーターの増員により二十三年一月末までに約二万五千人の就職が内定するなど、具体的な成果を上げつつあるものと認識をしております。
#37
○一川保夫君 今回、この今年度の、二十三年度予算に当たっては、財務大臣もよくお話しされていますけれども、一定の財政規律の下で最大限努力したんだというような説明をよくされております。こういった財政規律というものが、今後こういったものはどういうふうに推移していくのかということと、今回、財政再建は将来の増税路線につながるのではないかというようなことも含めていろいろと心配する国民の方もいらっしゃるわけでございますが、現時点での基本的な考え方をちょっとお尋ねしたいと思っております。
#38
○国務大臣(野田佳彦君) まず、昨年の六月に政府として財政運営戦略を定めました。これは向こう十年間にわたる財政健全化の道筋でございまして、基礎的財政収支、対GDP比二〇一五年までにその赤字を半減する、二〇二〇年までには黒字化すると、そういう大きな道筋の中で、その間の向こう三年間については中期財政フレームという形で中間的な目標を定めています。これに基づく初年度の予算が平成二十三年度予算でございました。
 財政規律、どういう観点から取り入れたかというと、歳出の枠を約七十一兆円、これを堅持するということ、そして新規国債発行額を平成二十二年度の水準である約四十四・三兆を上回らないようにするということ、この二つの目標をクリアするために全力を尽くさせていただきまして、この目標はクリアできたというふうに思います。
 今後も、この財政運営戦略に基づきながら、中期財政フレームというのは毎年、年の半ばにローリングをしながら現実的に目標を達成できるようにしていく仕組みでございますので、この目標を堅持をしていきたいと思います。
 なお、財政再建が増税路線ではないかという御懸念がございました。財政運営戦略にも書いてございますけれども、歳入と歳出共に見直しをしていく、改革をしていくというのが姿勢でございまして、私どもは、新成長戦略、そして社会保障改革、これらと一体となった財政再建を果たしていきたいと考えております。
#39
○一川保夫君 次に、これは玄葉大臣にお伺いした方がよろしいのかもしれませんけれども、この二十三年度予算の政府原案作りに当たりまして、ちょっと特色めいた動きとしては、元気な日本復活枠を設定するとかあるいは政策コンテスト的なものを実施しながら、めり張りの利いた、そういった大胆な予算の組替えをやってきたんだというふうなお話もされていたと思いますし、結果的にはしっかりとしたものになったかどうか、ちょっと大臣の方からもその評価も含めて説明をしていただきたいなと、そのように思っております。
#40
○国務大臣(玄葉光一郎君) ただいま一川先生から御指摘のあった特別枠、この活用というのは、言わば組替えをするための一つの知恵だというふうに、今でもそう思っております。結果として、〇・九兆を新成長戦略関連に充てる、あるいは社会保障関係費、これを五%アップにする、あるいは科学研究補助金、これは三〇%アップにするということで、かなりのめり張りをこの特別枠を活用した結果、付けることができたのではないかというふうに考えております。
 なお、税制改正も、デフレ脱却と格差是正ということで、本来財務大臣かもしれませんけれども、五%減税等々を法人税について行ったほか、一つだけ申し上げたいのは、いわゆるNPO税制、これについて所得控除のみならず税額控除を認める措置を盛り込んでいるところでございまして、更に申し上げれば、その寄附税制を受けることのできる認定要件を大幅に緩和して、三千円を百人、三千円の寄附を百人集めたら税額控除を受けれると、そのNPOはですね。
 私は、タイガーマスク現象などがありましたけれども、この措置によって、これらの法案が通れば一気に日本の寄附文化が変わるのではないかということを期待をしているところでございます。
#41
○一川保夫君 今、法人税減税の話題もちょっと出ましたけれども、この法人税の減税した結果、そこで働いている労働者にしっかりと所得が還元されるということが、ある面では景気対策上も非常に重要なことでございますけれども、そういったことに対する見通しといいますか、どういった折衝事が行われたのか、その辺り何か説明をお願いしたいと思いますけれども。
#42
○国務大臣(野田佳彦君) 今般の税制改正では、法人税の税率、いわゆる国税は三〇%から二五・五%と引下げ、地方税分合わせると実効税率で五%引下げということでございます。あわせて、中小の法人の軽減税率も一八%から一五%へと、対象が恐らく七十三万社ぐらいになると思いますが、こういう法人関連の減税を是非させていただきたいという御提起をさせていただいております。
 その狙いは、国内企業の国際競争力強化とそれから海外企業の国内立地促進、こういう観点がございまして、そして何よりも、やっぱりこうして減税という形で環境を整備をすることによって民間の法人の皆さんに攻めの経営をしてほしい、雇用とか投資にもっと力を振るってほしいという、そういう思いを込めた税の引下げ措置でございます。
 当然のことながら、これは受け止める側の民間企業の方がどう受け止めるかでありますけれども、いわゆる産業界は、国内投資促進策が講じられた場合には十年後に約百兆円の設備投資を目指す等の考え方をされております。加えて、年末には総理から日本経団連会長に具体的に雇用とか投資に使ってほしいという要請をさせていただいておりますんで、是非この思いをしっかり受け止めていただいて、民間企業においても攻めの経営をしていただきたいというふうに思います。
#43
○一川保夫君 是非そういう方向で引き続き御努力をお願いしたいと、そのように思います。
 それから、今回のこの予算の内容の中には、予算の規模そのものはそう大きくなくても、民主党らしい、割ときめ細かなことに対して配慮が行き届いた予算があるというふうに私は思っております。
 例えば離島対策について、今まで余り手厚い対策はなかったわけですけれども、対策を講じてきたとか、あるいは俗に言う中山間と称するような過疎対策みたいなもの、あるいはまた鳥獣被害の対策ということも、今農山村地域では大変な話題になっておるわけですけれども、こういうものに対する対策とか、あるいはまた求職者支援対策とか、あるいはまた最低賃金制度に対する支援だとか、そういったようなことを幾つか、私が見ている限りでは民主党らしいような政策が幾つかあるような気がいたしますけれども、こういった気配りのある予算ということについてはどの程度予算の中に盛り込まれているのかということについて、大臣のお話をお願いしたいと思います。
#44
○国務大臣(玄葉光一郎君) ただいまのお話は、一川先生が今参議院の政審会長でもございますし、また政調全体の政調会長代理でもあるわけですが、民主党の政調から強い要請があったところでございます。
 すなわち、今回の予算は、デフレ脱却、成長、雇用、そして二つ目に、国民生活が第一ということで財源見合いでマニフェストを着実に実施すると、三つ目は地方重視、その中でこれまで十分光が当てられなかったところに対して光を注いでいこうじゃないかという発想で、まさにただいま一川先生が触れていただいたようなところに気配りがなされております。
 今日は一つの例だけ申し上げますけれども、例えば離島ですね、離島に対しては、やはり島民の皆さんと話をすればするほど一番大きいのは生活コストなんですね。その生活コストを引き下げるということではガソリンの小売価格への支援というものが一番効果的だということで、今回そういった支援措置を創設をし、同時に、いわゆる離島航路、航空路、この予算を一・四倍にしたということでございます。
 そういったことなどをそれぞれ、先ほど一川先生が触れられたようなテーマについて気配りをさせていただいて、いわゆるなかなかこれまで光が当ててこられなかったところに当てていくという配慮をそれぞれの分野においてさせていただいたところでございます。
#45
○一川保夫君 是非引き続き、弱者といいますか条件不利地域に対する支援策というのは、ある面では経済効果が薄い面もあるかもしれませんけれども、私は、世の中に必要なものはしっかりと支援していくということは民主党政権にとっては非常に重要なことでございますので、引き続きよろしくお願いをしたいと、そのように思います。
 それでは次に、これは財務大臣になろうかと思いますけれども、G20という会合が先般開催されました。この会合の中で、世界経済というものを今後どのように予測しているかというところが若干新聞等の記事に載っておりましたけれども、これについての財務大臣の御見解をよろしくお願いしたいと思います。
#46
○国務大臣(野田佳彦君) 今回の会議はフランスが議長国となって初めてのG20でございまして、議論の結果、十一月にカンヌでG20サミットがございますが、そのためのいいキックオフができたというふうに思っております。
 世界経済についてどういう認識が共有をされたのかというお尋ねでございますが、まず世界経済については、回復が強固なものとなりつつあるが、依然一様ではなく、下方リスクが残っているという認識、これについて共有することができました。先進国では成長が緩やかで失業率が高止まりしている一方で、新興国ではより力強い成長が続いており、ただし景気過熱の兆候が見受けられると、こういうところの認識が一致した次第でございます。
 それを含めて、例えば世界経済の中で一番心配な対外不均衡の問題、これについては、いろいろ議論ございましたけど、参考となる指標について一定の合意を取り付けることができましたし、あるいは国際通貨システムについても、これからも引き続き作業部会を通じて議論をしていくということが、終決することができました。
 それから、一次産品の変動についても、これ幾つかの国から懸念の声がありまして、日銀の中曽理事を中心として、その要因であるとか、あるいは消費国、生産国へどういう影響があるか分析をするスタディーグループをつくることなど、それぞれの分野で一定の前進がありました。
 以上です。
#47
○一川保夫君 今ほどちょっとお話しされましたけれども、最近、世界の食料価格が非常に高騰してきているというようなニュースが非常に多いわけですね。
 これは考え方によっては大変なことなんですけれども、その要因としてはいろんなことがあるんでしょうけれども、新興国の食料需要量が非常に増えてきたとか、人口増が非常に大きいとか、あるいはまた自然災害等がいろいろ方々で発生していると。特に、大きなロシアだとかオーストラリアだとか、そういったところでも干ばつが発生したりあるいは大洪水が発生したりという、中国なんかでもそういう被害が相次いでおるわけですけれども。こういうことの現象、それからいろんな投機マネーがそういった食料の方へ流入してきているんではないかということも含めて、大変な食料の価格の高騰が進んできていると。これが中東情勢の今のいろんな政変劇もその背景にいろいろとまたあるのかもしれませんけれども。
 こういう食料とかエネルギーというような問題について、今後どのように我が国として、政府として予測されているのか、その辺りの御見解をよろしくお願いしたいと思います。
#48
○国務大臣(野田佳彦君) 先ほども若干その御報告をさせていただきましたけれども、G20の中で一次産品の変動について懸念を持つ国がたくさんございましたので、それについての議論を進めさせていただきました。
 その要因と消費国、生産国への影響について分析するスタディーグループをつくるということはさっき申し上げましたけれども、そのほかに、一次産品市場の透明性向上や一次産品デリバティブ市場の規制、監督について国際機関による検討を求めることとさせていただきました。
 加えて、今回、スタディーグループというのは、どちらかというとインフレ懸念があるということから、専ら金融政策を得意とする中央銀行の人たちに集まってもらって分析をしてもらうというのが今回の私どもの役割でありましたけれども、ただ、この一次産品の問題、委員が御指摘のような食料品の問題もあります。食品の、まあ食料の安全保障という観点では、これからG20では農水大臣を中心とした議論、プロセスをやっていこうということ、それからこの食品の問題、影響があるのは低所得国でございますので、そういう低所得国については外務大臣レベルでのいろいろ議論をやっていこうという、そういう役割分担の整理をさせていただきました。
 これからも一次産品の問題はG20の大きな議論だと思いますけれども、さっき申し上げたように、スタディーグループの座長を日本が取りましたので、主導的な役割を果たすことができるというふうに思っております。積極的にこれからもかかわっていきたいと思います。
#49
○一川保夫君 ちょっと総理に確認させてもらいますけれども、何か九時半から前原外務大臣の免官手続が行われたというふうにもお聞きしましたけれども、今現在、どういうふうに進んでいるのか、その後の外務大臣をどうされるのか、そういうことも含めて御説明願いたいと思います。
#50
○内閣総理大臣(菅直人君) 前原外務大臣から昨夜、辞表が提出されましたので、これを受理し、本日付けで国務大臣を免ずることといたしました。今朝、持ち回り閣議を行いましたが、ただいま、九時半過ぎに天皇陛下に国務大臣免官の認証を行っていただいた旨、報告があったところであります。
 なお、外務大臣の後任は当面置かず、その職務は枝野内閣官房長官が臨時代理として行っていただくことといたしました。
#51
○一川保夫君 じゃ、臨時代理にもひとつよろしくお願いしたいと思います。
 次に、日銀にお話を伺いたいと思いますけれども、景気がなかなか順調に回復してこないという一つの中には、こういった円高なり金融資本市場の変動の中で日銀というものの役割というものがいろいろと関心を持たれてきているわけでございますけれども、デフレ脱却を図るためにも、日銀法の第二条とか第四条にうたわれているような日銀の役割をしっかりと対応すべきじゃないかというような意見もたくさんあるような気もいたしますけれども、日銀の基本的な考え方をお伺いしたいと、そのように思います。
#52
○参考人(山口廣秀君) お答えいたします。
 日本銀行は、現在、昨年秋以降の改善テンポの鈍化した状態から日本経済は脱しつつあるというふうに認識しております。先行きについても緩やかな回復傾向をたどるだろうと、このように思っておるところであります。また、物価につきましても、消費者物価の前年比、正確に言いますと生鮮食品を除くベースでありますが、これにつきましてはほぼゼロ近傍まで戻ってきておりまして、先行きもこうした改善傾向が続くだろうというふうに思っております。
 もちろん、こうした見通しにつきましては様々な不確実性があると、リスクがあるというふうに思っております。
 まず、景気面でありますけれども、新興国ですとかあるいは資源国の経済の強まりといったような上振れ要因、こういったものが存在します。その一方で、アメリカ、ヨーロッパ経済の先行き、あるいは国際金融資本市場の状況をめぐる不確実性といったような下振れ要因もあることは事実であります。また、先ほど先生が御指摘になっておられましたが、国際商品市況の上昇というようなものも我が国経済にどのような影響を与えるのかというのは今後の大きな注目点であります。
 以上が景気面でありますが、物価面につきましては、今申し上げました国際商品市況の一段の上昇によって上振れる可能性があるということでありますし、一方で、期待インフレ率といいますか、予想物価上昇率が下振れるということになりますと、物価上昇率自体も下振れるリスクが出てくるということであります。
 日本銀行としては、これらのリスク要因を含めて、経済・物価動向を注意深く点検した上で、先行き経済・物価情勢が悪化するといった場合などにおきましては、適切に政策対応を図っていきたいと、かように思っております。
 この間、政府との関係でありますが、御指摘のありましたように、日銀法第四条の定めに即しまして、金融政策が政府の経済政策の基本方針に整合的なものとなるよう、私どもといたしましても様々な場、様々な機会をとらえて常に十分な意思疎通を図ってきていると思っておりますし、今後ともそうした意思疎通を図ってまいりたいと、このように思っております。
 こうした下で、経済、物価の先行きの見通しについては、基本的に政府との間でそごは来していないと、基本的に同じような認識を持っていると、かように思っております。
#53
○一川保夫君 是非、日銀のそういった役割をしっかりと果たしていただきたいと、そのように要望いたしておきます。
 それでは次に、これは国土交通大臣、まあ農林水産大臣も関係あるかもしれませんけれども、社会資本の整備ということについて若干お尋ねしたいと思います。
 公共事業が近年、予算的には相当減ってきておるわけでございますけれども、私は、戦後整備されてきた社会資本というのがもう間もなく耐用年数が来たり、いろんな面で損傷が激しくなってくると思うんです。ですから、こういったものを相当計画的にしっかりと施設を更新するなり整備していかないととんでもないことになるのではないかなということを気にするわけでございますけれども、全体的に予算が相当厳しい状況の中ですから、いろんな実施の仕方を工夫された方がいいというふうに思います。できるだけ維持管理をしっかりと行って施設が長続きするようにしていくということも大事なことでございますし、また、こういった、先ほどちょっと触れましたけれども、老朽化したような施設を今計画的に整備するということもやっておかないと、ある日突然ばたっと方々でいろんな物が壊れてきたということにならないように、是非そういう取組方をしてほしいわけでございますが、各地方には、やはり基本的にはこういう社会資本の整備という中で景気対策にもなっているわけでございますので、そういうことにも配慮しながら計画的な対応をしていただきたいと、そのように思いますけれども、基本的な姿勢を是非お伺いしたいと思います。
#54
○国務大臣(大畠章宏君) 一川議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 ただいま御指摘のように、私たちの暮らしを支えるのが社会資本でございまして、私も、国土交通大臣を拝命してから国民の命と暮らしを守る国交省、こういう姿勢で進もう、取り組もうと、こういうことを私自身も考え、みんなにも申し上げているところであります。
 ただいまの御指摘でございますが、確かに道路に架かる橋あるいは住宅あるいは役場、消防署、そしてまた学校の体育館あるいは学校そのもの、こういうものはいずれ劣化してくるわけでありまして、こういうことを計画的に、それも長期的な計画の下に対策を取っていくことは大変私も大事だと思います。
 したがいまして、そういう視点に立っていわゆる戦略的に進めることが大事でありまして、現在、社会資本整備重点計画の見直しというものを進めているところであります。昨年の十二月には新たな社会資本整備重点計画の骨子というものをまとめさせていただきまして、この骨子に基づき、自然災害対策あるいはインフラ、住宅の耐震化、さらには、最近の経済も国際競争が大変激しいわけでありますから、港あるいは飛行場の機能強化等々、国際競争力に対応した日本の国内における社会資本の整備というものを進めてまいりたいと思いますし、こういうことを柱にして、具体的な施策やその他の連携方策についてもこの計画の中に入れていきたいと思います。
 来月には計画部会において新たな社会資本整備重点計画の素案を取りまとめたいと考えておりまして、その後、地方公共団体やこの国会での御意見あるいは国民の皆さんの御意見というものを幅広くお伺いしながら、今年の夏までに策定を目指していきたいと考えているところであります。
#55
○一川保夫君 では次に、今冬はもう大変な豪雪だったわけです。私は石川県ですから、大変な雪が降るところもあるわけですけれども、今でも奥山の方へ行くと三メーターぐらいまだ雪が積もっているというところもございます。五月の連休明けても雪が解けないというようなところもあるわけですけれども、こういう豪雪災害対策ということは、私は、特に過疎化、高齢化が進んでいる地域が豪雪地帯でもあるわけですけれども、世の中の政策のいろんなひずみが災害の被害に直結するわけでございますけれども、そういう面では、過疎化、高齢化が進んでいる山間地域というのはいろんな面で一般の政策も手薄になりつつあるということもございますので、今回の豪雪地帯のいろんな被害状況を見ておりましても非常に災害弱者というものを直撃したというような感じもいたすわけでございまして、現行の制度をこの際ちゃんと見直しを掛けて、それでこれだけ人口が減少し過疎化が進んで高齢化が来している、こういうことも配慮しながら、私は、もっと地元に負担の掛からないような形で災害復旧というものをしっかりと行うというような制度に切り替えるべきだというふうに思いますけれども、担当大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#56
○国務大臣(松本龍君) お答えをいたします。
 この冬の大雪、私も先般、新潟に行ってまいりましたけれども、大変な被害だったというふうに思っております。亡くなられた方の六十五歳以上が六五%以上あるということで、今先生の御指摘は大変重要な御指摘だというふうに思っております。
 私も早くから、高齢者対策あるいは様々な中山間地、過疎地の問題等々、国土交通省とチームを組んでいきながら対策を考えようということを言ってまいりました。そういう意味では、除排雪の問題、雪下ろしのときの注意等々もこれからやってまいりたいというふうに思っておりますし、そういう意味ではこれから支援をしていかなければならない。御指摘の様々な点につきましては、例えば平成十八年豪雪もたくさんの方が亡くなられましたけれども、いわゆる大雪がどっと来たときの対策はこれから必要だというふうに思います。
 詳細な分析を行いつつ、地域の防災力の向上や様々な面で、今先生がおっしゃられましたことも含めて、雪害対策の見直しに取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#57
○一川保夫君 時間の関係もありますから、次のTPPに関連した話題にちょっと移らさせていただきます。
 このTPPの話題というのは、今全国津々浦々でもこういうことを話題にするケースが増えてきたわけでございますけれども、じゃ、そうかといって、このTPPの情報開示が十分なされているかといったときに、私はまだまだ不十分な面があるというふうに思っております。
 国民的な議論を深めてこういう問題に対処したいという総理の見解もあるわけですけれども、しっかりと議論をするための材料がなかなかそろわないというのが今の現状ではないかなというふうに思うわけでございますが、こういう、今の閣議決定したのは昨年の十一月九日ですか、ですから、あれからもう四か月が経過しておるわけです。四か月が経過した中で、その判断の参考になるような的確な情報が予想どおり把握ができているのかどうかということが非常に気になるわけです。
 そういうことも含めて、関係の大臣、どなたになるか分かりませんが、相当本腰を入れていろんなことに対応しないと、私は、このままではなかなか国民の皆さん方は判断できないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#58
○副大臣(松本剛明君) 一川委員御指摘のとおり、四か月が経過をしておるわけでありますが、この間、四か月、TPP交渉参加の九か国各国と協議を行うなど情報収集を行ってきておりまして、これらの情報を総合いたしますと、交渉の現状はおおむね以下のとおりであります。
 FTAの基本的な構成要素である物品・サービスの市場アクセスに加え、投資、競争、労働、知財、政府調達等の非関税分野のルール作りのほか、新しい分野として環境、労働などの分野を含む包括的協定の作成を目指して交渉が行われております。
 市場アクセス分野については、一月に行われた物品貿易の自由化に関するオファー交換に基づいて具体的な交渉が行われ、次回の三月の交渉会合までにリクエスト交換を行うことが合意をされているというふうに承知をしております。
 センシティブ品目については、原則として除外や再協議は認めず、長期の段階的関税撤廃といったアプローチによるべきという考え方が基本でございます。ただし、各国の状況によっては個別の対応を考える必要性は認めるという考え方を示している国もある、こういう情報に接しております。
 非関税分野については、分野について交渉の進捗状況に差はございますが、幾つかの個別分野の交渉ポイントについてはおおむね次のとおりでございます。
 投資分野については、外国投資に関して保護を与える範囲や保護の内容、紛争が生じた場合の手続などについて、どのレベルに統一するかなどについて議論を行っている模様でございます。
 知的財産分野については、WTOの貿易関連知的財産協定の保護水準を上回る規定を設けるべきか、その場合にはいかなる水準とすべきかなどについて議論が行われている模様でございます。
 労働分野については、労働市場の自由化が議論されているのではなく、労働者の権利を確保するための方策や、貿易投資を促進する目的での労働基準の規制を緩和してはならないとの義務の導入などが主要な論点となっている模様でございます。
 これまでの各国との協議を通じまして、このように参考となる、有益となる情報が入手されておると考えているところでございます。得られた情報については、国益を確保する観点から様々な検討、分析を行っておるところでございます。
#59
○一川保夫君 今ほど、農林水産関係以外のいろんな、二十四と言われている作業部会でのいろんな状況の説明もございました。
 我々も党の中に、特に農林漁業再生・強化ということについていろいろと勉強させていただいておりますけれども、私は、この農林漁業というものが今回のTPPの話題の中でいろいろと話題にされるということ自体はいいことだというふうに思っております。先般も、我々も経済団体の方々からこのことについていろいろとお話を聞きました。経済団体の皆さん方も、我が国の農業というものを、農林漁業をですね、再生するための一種の提言めいたものをまとめておられるということは、ある面では非常に経済界も含めていろんなことで議論が高まってきているという感じはいたします。しかし一方で、農業関係の皆さん方というのは、非常に今全国で反対運動が激しくなっております。
 こういう中にあって、この六月をめどに物事を決めていくというその基本方針を、余りこだわらない方がよろしいんじゃないかというふうな感じも私自身はするようになってくるわけですけれども、いかがでしょうか。もっと議論を深めたらどうかと。
#60
○国務大臣(玄葉光一郎君) 多岐にわたる御意見を今いただいたというふうに思います。
 基本的にこのTPPについては、一言で申し上げれば、やはり超少子高齢化社会、人口減少時代において、いわゆる成長するための有力な一つの手段であるということだろうというふうに思います。
 その中で、アジア太平洋の市場が三十五億、そして更に十年後十億増える、あるいは、今既にある、例えば日本はベトナムとEPAを結んでおりますけれども、九〇%の関税がバイクに掛かっているなどということもありますから、そういったことのルールを改めて作るとか、様々な意味があろうかと思います。
 その上で、今、一川先生が指摘をされたことはよく分かるんです。国民の皆さんの理解の深まりあるいは農業対策の進み具合、こういったものとの関連を考えながら判断時期を考えるべきではないかという御指摘だと思うんですね。
 本来は、私は、交渉ですから、これはあくまで交渉なので、交渉があって、その後締結があって、更に国会の承認があるので、もうたくさんの山がありますから、本来は交渉に参加するという判断は、あるいはしないということも含めて早い方がいいんだと思いますけれども、ただ、さはさりながら、恐らく総理としては、今おっしゃったような農業強化策を並行して行っているわけで、同時に党の方も今まさに一川PT、一川座長の下で農業強化策を検討していただいている、その進み具合に鑑みて六月。同時に、今TPPについては、御存じのように今年の十一月にまとめようという動きがあります。実際はどうなるか分かりません。そういったことも含めて考えて、六月というのがぎりぎりのタイミングというふうに総理として判断されたのかなというふうに思います。
#61
○一川保夫君 私は、今の議論の進み具合等を見ると、余り六月、六月とこだわらなくても、しっかりとそれこそ熟議をして、国民の皆さん方が納得する形でしっかりと対応すべき分野かなという感じもいたしますので、またこれからもいろんな議論を深めてまいりたいというふうに思います。
 こういう中で、今我々も農林関係をいろいろと勉強させていただいておりますけれども、昨年に食料・農業・農村基本法に基づいての基本計画を閣議決定したばかりなんですよね。それで、農業者戸別所得補償制度も含めて民主党の新しい農政がスタートしたばかりでございますし、今本格化しようとしているこの時期にこのTPPの話題で民主党の農政がもし変更になるということになると、私はますます不信感を買うというふうに思うわけですけれども、農林大臣、いかがでしょうか。
#62
○国務大臣(鹿野道彦君) TPPにどういう我が国として対応していくかということにつきましては、今、玄葉大臣からのお話のとおりでございます。
 そういう中で、昨年十一月に包括的経済連携の基本方針というものを打ち出しました。今後、我が国として経済連携を推進すると、こういうようなことでございますけれども、そういう中で当然高いレベルというものを目指していくということならば、いろいろ国内対策も含めてどう対処するかということも必要でもありますし、今後の、今の農業、林業、漁業を取り巻く状況というのは、もうできるだけ早く新しい一つの思い切った構造政策も含めて考えていかなきゃならないんじゃないかと。こういうようなことから、今年の六月までに食と農林水産業の再生のいわゆる実現会議というものを設けて今議論をしていただいておるわけでありますので、そういう中で新たな方向性を見出していきたいと、このようなことで今御議論をしていただいておるところでございます。
#63
○一川保夫君 私は、農林水産大臣にちょっとお願いしたいのは、例の我が国が木材の自由化を図ったという時期がございます。昭和三十九年ですか。あのころは日本は高度成長期という中で木材の需要が国内にも相当あったということが言えるとも思いますが、あのころ木材を自由化した、その結果が今日の我が国の森林の管理なり林業に皆影響してきておるわけです。
 そういうことを見たときに、こういう問題は相当中長期的に物事を考えて対応しないと結果的には大変なことになるということもございますので、昭和三十九年ごろの木材の自由化のその経緯がどういう格好で当時の政府が判断されたか分かりませんけれども、そのことがもし分かったら御説明願いたいということと、やはりそういったことを教訓として、これからの農林水産業なり農山村の再生強化に向けたそういう対応を是非農林大臣にお願いしたいというふうに思います。
#64
○国務大臣(鹿野道彦君) 今までのこの木材輸入につきましての経緯につきましては、昭和三十年以降、経済復興とともに外貨事情というものが好転いたしまして、木材需要も急激に増加をしてまいりました。木材価格も高騰してまいりました。このようなことから、国産材の供給増加と併せて木材輸入拡大への国民的な要望というものが高まってきたと。そして、このような状況に対処して、国内の森林に対する伐採圧力を緩和するために、昭和三十一年以降におきまして輸入の自由化が樹種別に段階的に進められてきたと。こういうことで、昭和三十九年をもっていわゆる外貨資金割当て制度が撤廃されたと、これが一つの経緯でございます。
 そういう中で、今委員から御指摘のとおりに、自由化というふうなものが大きな打撃を与えたと。こういうようなこと等も踏まえ、今後、農林水産行政の中で一次産業の発展、同時に、当然のことながら新成長戦略の中でどう市場を拡大していくかと、こういうふうなことも含めて考え合わせていかなきゃならないわけでありますので、私どもはしっかりとそういう両面におけるところの対策というものを踏まえて取り組んでいきたいと思っております。
#65
○一川保夫君 是非お願いをしたいというふうに思っております。
 それでは次に、外国人なり外資の土地取得という問題について若干政府の見解をお伺いしたいと思います。(資料提示)
 この問題は、臨時国会の折に行田委員の方から総理に質問をしたことがあると思います。我々も、情報の中で、我が国の森林を中心に、外国人なり外資に相当買収の手が伸びているんではないかということがいろいろと言われておりました。我々も今プロジェクトチームを立ち上げて、いろんなことを調べてまいりました。
 その結果、この資料の中にもございますように、土地取得に関する国内の現行法というのは幾つかあるわけでございますが、そういう今現在動いている法律の中で、国土交通省関係では地籍調査をいろいろと対応している国土調査法。それから、国土交通省の中にもう一つ大事な法律が、国土利用計画法という法律もございます。これについては、市街地については二千平米、〇・二ヘクタール以上はそういう届出をすることになっております。それから、森林地帯等の都市計画区域以外では、一ヘクタール以上の面積については取引があった場合には届出するという格好になっているわけです。
 一方、法務省サイドには不動産登記法というのがありますけれども、不動産登記簿の関係のそういう法律がございます。それから、これは総務省にかかわると思いますが、地方税法に関係しての固定資産の課税台帳にかかわる部分がございます。
 一方で、例えばこの森林関係というのは我が国でも相当面積がでかいわけですけれども、農林水産省はいろいろな指導の中で森林簿というものを整備させて、それで所有者等の移転が分かるようにいろいろと指導されているというふうに聞いております。
 しかし、これらいろんな法律なり省庁の横の連絡、情報の共有が十分できているかというと、なかなかできていないところもあるわけです。私たちも、今こういういろんな検討の中で、まず基本的には、外資、外国人の方々が土地をまとめて取得した場合の現状をしっかりと把握したいということがまず第一番だと思うんです。
 今の法律では、外資、外国人だからといって取引しては駄目だということにはなっておりません。ですから、そういうことで変な扱いをするということは必要でないと思いますけれども、これから一歩進めば、国内の重要な地域についてはそういうことについてもいろんな規制を検討する必要があるということが出てくる可能性もあるわけですけれども、私たちは現状において、まず国内法、現在ある国内の現行法自体がなかなかうまく連携が取れてないという中で、しっかりと対応をすべきだというふうに思っております。
 また片や、法務省には外国人土地法というこれまた大変古い法律がございますけれども、一九二五年制定といいますから大正時代ですか、ですから、こういう法律もありますけれども、実質は動いていないということなんです。
 こういうことも含めて、こういう問題に基本的にどう対処すべきかということについて総理の御見解をお願いしたいと思います。
#66
○内閣総理大臣(菅直人君) さきの臨時国会で行田議員の方からも御指摘があり、また今日は、一川議員の方からこの資料を私も今説明を聞きながら拝見させていただいておりました。
 我が国の土地売買に関する現行制度は、個人の財産権を尊重する一方、規制については取引の安全や土地利用の適正化等を目的としており、一般に外国資本等であることのみをもって特段の制限を設けることはいたしていないわけであります。
 いずれにせよ、国土の望ましい利用を図るため、各府省が連携して、外国資本等であるか否かにかかわらず適正な土地利用を確保していくことは重要だと考えております。外国人土地法については、これをどう生かすことができるか、行政としても勉強しているところであります。
 今ここに示されたように、私も多少土地のことに関心を持った時期、あるいは私にも田舎に少し山があって見に行ったこともありますけれども、本当に役所役所がばらばらで、必ずしも連携ができていないということをこの面でも改めて感じております。何とか連携するだけでかなり実態が分かるのかなと、ここは行政としても取り組んでいかなければと今の御指摘を受けて考えたところでありますので、私の方も、関係のところに少ししっかりと勉強するように、あるいはどうすればいいかを考えるように指示をしたいと、こう思っております。
#67
○一川保夫君 是非そういうことでお願いしたいと思いますし、我々も党の中で、この土地取得に関する国内法の在り方なり今後またどうすべきかということも含めて勉強を重ねていきたいというふうに思います。そのうちにまとまった意見が出ればまた御報告をしたいと、そのように思っております。
 それから次に、郵政改革の問題は、これは非常に気になる問題でございますけれども、これは連立与党の中ではこの問題が常に合意されてきたわけでございますけれども、今現時点では全然見通しが立っていないような状況になってきているわけでございますが、私は、この郵政株式の処分が停止されて以来、一応郵政民営化に歯止めは掛かってはいるわけでございますけれども、そうかといって新たな改革に進もうと思ってもなかなか進められない。それで、いろいろと経営の悪影響も出つつあるというふうにも聞いておりますけれども、この郵政事業というものをどのような役割を持っているというふうに総理自身は認識されているのか。その改革の必要性ということについても相当、やはりしっかりとした気持ちでこの問題に対応していかないとなかなか前に進まないんじゃないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
#68
○内閣総理大臣(菅直人君) 小泉内閣時代の郵政の議論を私もいろいろそばにいてあるいは見聞きをしておりました。やはり非常に大きなものが抜け落ちていたのは、いわゆる全国あまねくこうしたサービスをしっかり受けることができるようにするという、そういう観点がやや抜け落ちて、いわゆる金融の自由化的な側面が余りにも強調され過ぎていたのかなという感じを今も印象としては残っております。
 そういう中にあって、今御指摘のように、この郵政改革関連法案について、私どもも国民新党との連立政権樹立の折から、あるいはその前から、しっかりとしたこの法案に対して成立をさせていくということをお約束をし、またその努力を、何としてもこの国会で実現に向けてやらなければならないという決意を新たにいたしております。
 いずれにいたしましても、各方面からこの問題が余りにも動かないこと自体が非常に大きな問題だという、そこは共通認識になりつつあると思いますので、その共通認識の下で何とか与野党を含めてこの問題、越えていく道筋を見出していきたい、こう考えております。
#69
○一川保夫君 大臣、いいですか。
#70
○国務大臣(自見庄三郎君) 今総理から御答弁もございましたけれども、郵政改革は五年半前の小泉さんの構造改革のこれは本丸と、こう言われたわけでございまして、その結果、五分社化されたわけでございまして、現在は五分社化されておりまして、大変脆弱になっておりまして、今総理から話がございましたけれども、本当にユニバーサルサービスが確保できるのか、そういう不安もあるという話もございましたけれども、そういったことを踏まえて、本当に真の国民のための郵政とするための改革であり、今、これは一年半前の連立政権を組むときの、基本的に、今話がございましたが、三年前、リーマン・ブラザーズというのが崩壊しましたが、それまではマネーゲーム全盛あるいは市場主義全盛の時代でございました。あらゆるものが官から民へとすることがある意味で世界中の富を大きくするものだというふうな、非常にそういった嵐が吹き荒れたわけでございましたけれども、我々は、そういったリーマン・ブラザーズの事件以来、世界が非常に、ヨーロッパもアメリカも経済社会の話が非常に大きく変わってまいりました。
 そういった変化を踏まえても、我々はきちっと、郵政改革関連法案は、郵政民営化によって生じた諸問題を解決し、郵政事業の利用、国民が利用者ですね、へき地でも離島でも、そして大都会の中の独居老人が、これ今非常に大きな問題になっていますけれども、そういった、郵便局で一体的に、今総理も言われました、全国あまねく公平に利用できるためにしっかり確保するための法律でございまして、連立与党でございましたけれども、今全国の有力な全国紙も、五年前はこういう論説を載せませんでしたけれども、郵政改革法案のたなざらしは国民的利益に反するというふうな社説も書いているわけでございまして、その辺に基づき、是非、各党各会派、従来のお立場はあると思いますけれども、そういったことを考えて、やっぱり国民一人一人の生活の問題でございまして、国民一人一人の目線の問題でございますから、そういったことで是非成立のために御協力、御尽力いただきたいというふうに思っております。
#71
○一川保夫君 では、次にちょっとスポーツ政策ということについて、文部科学大臣になろうかと思いますけれども、スポーツというのは、これ何というのか、今経済なりいろんな世の中に殺伐とした事件が相次ぐ中で、このスポーツの世界というのは非常に爽やかで非常に国民を活気付ける面がたくさんあろうと思うんです。
 これは当然、スポーツに親しむ人にとっては、体力の向上なり健康、長寿という面からも非常に大事なことでございますし、またこれにかかわる地域の方々の問題にしても、その地域の活性化とかいろんな産業の振興にもつながってくるわけでございますが、このスポーツ政策というのを何か取り立てて余り重要視するようなことを言ってこなかったんじゃないかというふうに私は思いますけれども、もっと民主党政権としては、一つの大きな柱の中にスポーツ振興ということも含めてしっかりとした政策を打ち立てるべきだというふうに思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
#72
○国務大臣(高木義明君) お答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、スポーツが健康の増進、あるいは人間の人格の形成、あるいは地域の活性化に果たす役割というのは非常に重要なものがあると認識をいたしておりまして、スポーツ振興は国の重要な施策の一つであると、私はそのように思っております。
 昨年八月にスポーツ立国戦略というものを策定をいたしました。今回の二十三年度の予算におきましてもこれまで以上の二百二十八億を計上して、スポーツの役割、そして国民に与える使命、意義、こういったものを更に我々は大きく伸ばしていきたい、取組を進めたいと思っております。
#73
○一川保夫君 是非積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 ちょっと文部科学大臣に、大相撲の問題というのはこれまた田舎では大変な話題になっておるんですけれども、大相撲、この春場所は何かやらないということも含めて、これを楽しみにしておる人がたくさんいるわけだけれども、そうかといってこの八百長問題というのは大変な問題でございますから、しっかりと正すところは正さなければならないとは思いますが、余りずるずると時間を掛けて問題を処理するんじゃなくて、やはり早めに方向性を出してしっかりとした方向で文部科学省はサポートをすべきだと、私はそのように思うんですけれども、いかがでしょうか。
#74
○国務大臣(高木義明君) お答えをいたします。
 今、スポーツのテーマでありますが、大相撲に対しても国民の大変な関心、ファンの存在を承知をいたしております。しかし、八百長問題に関しましては、当面は全容解明を急いでいただいて効果的な根絶対策について検討をしていただくと、これがまず第一ではないかと思っております。このために、私どもとしましてはスピード感を持って全容解明をお願いをしております。
 同時に、相次ぐ不祥事もございました。そういう意味で、相撲協会のガバナンスの改革、これも並行して取り組んでいただかなければなりません。このため、例えば力士の教育、あるいは相撲部屋の在り方、あるいは力士が大半を占める理事会構成の在り方、こういったものについて聖域をなくして見直していただくことが重要であろうと思っております。
 いずれにいたしましても、我々としては、八百長問題と並行して相撲協会のガバナンスの改革を強く要請をしたいと思っております。
 以上です。
#75
○一川保夫君 私の時間が来たのでやめます。
 どうもありがとうございました。
#76
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。植松恵美子君。
#77
○植松恵美子君 民主党の植松恵美子でございます。
 本日は、新成長戦略について伺ってまいりたいと思います。
 さて、二〇〇八年のリーマン・ショックから二年がたちましたが、やはりまだ日本の景気は回復しておりません。一方で、中国、インド、そしてベトナムなどのアジア諸国や新興国はどんどんと経済が成長して大変元気です。日本はこのアジアの元気をやはりチャンスとしてとらえて、積極的にアジアのこの元気を取り入れていって日本の経済も回復させていかなければならないと考えております。そこで、私は、この度は新成長戦略について伺ってまいりたいと思います。
 まずは、原子力発電所の海外進出について伺います。
 原子力発電所の建設事業は、将来的には全世界において約四十兆円産業になると言われていて、国際競争も激化しております。例えば、原発の仕事を海外で受注すると一基約四千億円の仕事になります。また、日本の企業が獲得することになると、その企業の下請と言われるいわゆる関連会社が二千社以上あると言われております。海外でこの仕事を受注することによって日本の中小企業が潤う、そして日本の景気が回復するということで、私は大変このことに力を込めてきましたけれども、ようやく日本も昨年の十月末にベトナムでの第二サイトの原子力発電所の仕事を受注することができました。
 第一サイトがロシアに獲得されてしまって日本が敗北したわけでございますから、このことは本当に、この第二サイトが日本が取れたということは私自身も大変喜んだわけでございますけれども、菅総理も御自身の所信表明の中でこのことは大きな成果があったとおっしゃっておりましたが、この獲得に至るまで菅総理がどのようなリーダーシップを発揮されたか、教えていただきたいと思います。
#78
○内閣総理大臣(菅直人君) 新成長戦略、実は鳩山内閣の十二月の三十日に最初の報告を私、担当として出させていただきまして、昨年の六月に現在の新成長戦略としてまとまったものであります。
 こういう中で、今、植松さん御指摘のように、いろいろなインフラをパッケージで元気のいい国に提供していく、このことは、その国にとって重要であると同時に、我が国の経済の成長にとっても大変大きな効果を現すと考えております。
 このベトナムに関しては、私が総理になって三度、ズン首相と首脳会談をする機会がありました。特に昨年の秋には、ベトナムで行われたASEANプラス3等の会議の後、正式なベトナム訪問という形で首脳会談などを二国で特に時間を取って行いました。そういう中で、日本としては初めて海外における原子力施設についての提供をするということでの合意をできたところであります。
 これに至る過程において、もちろん前の政権からいろんな努力が積み重なったことが一つ、そしてまた、こういう大きなものでは長期的なメンテナンス等の言わば保証が必要になるということで、そうした体制の整備がだんだんと進んだこと、さらに、最終的にはズン首相はこの決定を政治的、戦略的決断であると、こういうふうに述べられました。これはASEMに伺ったときに、私がズン首相と会ったときにいろいろなアジア情勢についても意見交換をいたしまして、内容は余り表には出されませんでしたけれども、やはりいろいろな面で日本とベトナムとの関係、大変重要であると同時に、ある意味共通した問題意識もあるということが確認されまして、そういうことを含めての政治的、戦略的決断だと、このことを言われたものだと理解をいたしております。
 そういった意味で、トップセールスという言葉がありますけれども、必ずしもトップに限らず、多くの国会議員を含めて、いろんな国との交流を進める中でウイン・ウイン、つまりは日本にとっていいだけではなくその国にとってもいいんだという、そのことを自信を持って更に伝えていくことが私は第二、第三の原子力発電あるいはインフラパッケージの輸出につながってくると、このように考えておりますので、それぞれ、植松議員においても頑張っていただければと思っております。
#79
○植松恵美子君 私も、日本がベトナムの原子力発電所を受注するちょうど直前にベトナムに視察に参りました。そのとき、本当に有り難いことに、フォン科学技術大臣とこの原発のことについて意見交換をさせていただく大変いい機会をいただきました。
 その折に、やはり菅総理を始めとする各大臣のトップセールス、また前鳩山総理による親書による申入れといったものが大変高く評価されているということが分かりました。また、日本の厳しい耐震基準などに対する安全性だとか高い技術に対する信頼性、また人材教育に対する期待というものが大変高いなということが実際に分かったんですけれども、そこで伺います。
 ベトナム政府は日本にこの仕事を発注するとき、六つの条件を付けたと思います。そのうち二つが政府に関する条件だと思います。一つ目は人材教育の協力をしてほしいということ、そして二つ目は資金協力もしてほしいということを条件に付けられていたと思いますけれども、政府としてはどのように対応していくおつもりか、お聞かせください。
#80
○国務大臣(海江田万里君) 植松委員にお答えをいたします。
 委員御指摘のとおり、確かにベトナムからは、研修生の受入れでありますとか、それから我が国からの専門家の派遣などの要請を受けております。
 そこで、具体的に取ります私どもの手法でございますが、今御審議いただいております平成二十三年度の予算の中で、この人材育成事業としましては、原子力発電導入基盤整備事業、それから国際原子力発電安全協力推進事業、原子力発電所安全管理等人材育成事業、三つ合計をしましておよそ五億四千万円でございますが、この中から人材育成に対する費用を充てたいと思っております。
 また、資金の支援につきましては、国際協力銀行、これはJBICでございますね、それから日本貿易保険、NEXI等の公的支援の枠組みを利用しまして最大限の支援を行っていきたいと考えております。
#81
○植松恵美子君 今後、ベトナムだけでもあと十基、原発の計画があると言われておりますので、やはり最初が肝心でございます。まず、工期を守っていただく、そして大変高い技術で建設をしていく、こういった足掛かりをつくって、そして足下を固めて次の受注につなげていくことが大切だと思います。
 また、私自身、ベトナムを視察させていただいた折には、この原発の仕事以外にも、高速鉄道、いわゆる新幹線の計画だとかあるいはハイフォン港に代表されます大型な港湾のいわゆる整備事業なども計画されておりました。今後、こういったパッケージ型のインフラ整備事業に対して、やはり日本はここから信頼をつくっていく、実績をつくっていって、今後様々なインフラ整備へと海外進出の足掛かりをつくっていただきたいと思っております。
 それでは、続きましてアフリカの支援について質問をさせていただきます。
 アフリカは、今後、アジア諸国に続いて経済発展をどんどんしていくだろうと言われている地域でございますが、実はこの機会に総理に是非に知っていただきたいことがございます。それは、このアフリカ地域には鎌形赤血球症という病気がございます。これは遺伝子によって発症する病気でございますので、中央アフリカにおいては五十人に一人の割合で鎌形赤血球症という病気を発症します。この絵本、「四分の一の奇跡」という中にも紹介されていますが、大変分かりやすく紹介されております。
 この鎌形赤血球症というのはどんな病気かといいますと、ふだんでしたら、普通、赤血球というのはこういうハンバーグのような丸い形をしているそうなんですけれども、遺伝子によって五十人に一人、鎌形、鎌のような、三角のような形をしている赤血球になってしまうそうです。そうなると、血管の中の血液が詰まってきてだんだんと臓器が壊死をしてしまう。物すごく痛いそうです。痛みを伴って必ず死に至ってしまう病気。
 中央アフリカには約四百万人の患者さんがいると言われておりますが、この治療薬の研究は余り積極的には行われてきませんでした。なぜならば、治療薬ができたとしても、彼らは貧困層でございますのでこの薬を買うことができない。こういったことも原因の一つだったと私は考えております。
 しかしながら、この薬を日本人の医師が研究をしていてくれました。彼は日本からアメリカに渡って、アメリカにもアフリカ系の黒人の方々がいます。こういった方々の中にも鎌形赤血球症で苦しんでいる方を見まして、是非ともこの痛がっている患者さんに治療薬を作りたいということで、十七年間掛かってようやくこの治療法を見付けてくれました。この治療法に必要なのはグルタミンという成分でございますが、このグルタミンを作る技術は実は日本の企業のみが持っております。
 このように日本の医師が研究をした、そして日本の企業がその作る技術を持っている、いわゆるメード・イン・ジャパンによるアフリカを支援すること、この人道支援を今のうちにすることによって、本当の意味でのアフリカ諸国と日本との信頼関係をこれから築いていけるきっかけができると思いますけれども、菅総理はこのお話を聞いていただきましてどのようにお感じになったか、お聞かせください。
#82
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、一般的にアフリカに対しては日本は大変力を入れて支援をしておりまして、ミレニアム開発目標、MDGsについて私も国連で首脳としての演説もさせていただきました。
 その中で、今、鎌形赤血球症のことを、実は今回質問をいただくということで初めて資料も拝見をさせていただきました。今の御説明のように、こういった病気が特に黒色人種の、黒人の皆さんに発生する遺伝性の病気ということで、その治療薬を日本人の医師が研究されていると、さらにはそれに必要なグルタミンの製造は日本の技術が最も世界で進んでいるという御指摘をいただきまして、そういった面でのアフリカへの支援というものができるとすれば、それは本当にすばらしいことだと感じております。
 この鎌形赤血球症の治療については、やはりアフリカの諸国からできれば具体的な要請が日本政府に対してあれば逆に政府としても動きやすい。つまりは、そういう病気のことであるだけに、こちらから、これがいいですよということで片方だけから持っていくというよりは、できればそういう当事者的な国あるいは当事者的な人たちから是非こういうことを協力してもらいたいということがあればより動きやすいという、そういうことも事務方の説明も含めてありますが、私も関心を持って何ができるか、今後のことについても関心を持って進めてまいりたいと、こう考えております。
#83
○植松恵美子君 総理、ところで、このグルタミンは原材料がサトウキビ、サトウキビからできております。もちろん、日本においてサトウキビの生産というのは南の奄美大島だとか沖縄といったところで生産されていると思いますが、もしこのグルタミンをアフリカ支援に全て四百万人の人に行き渡らされると仮定するならば、サトウキビの生産量は十倍必要になってきます。また、グルタミンの製造工場は、製造機能からいいますと今の四十倍の規模が必要になってきます。つまり、アフリカを支援することによって南の離島の農家の産業振興になる、また新しい雇用の拡大にもつながる、こういったいわゆるアフリカも助かるけれども日本も助かっていく、元気になっていく、こういったウイン・ウインの関係、これは両国にとって国益になることになると思っております。
 また、先ほど菅総理は、向こう側から要請があった場合とおっしゃられました。今現在、私の調べたところにおきましては、大変ケニア政府は高い関心を持ってくださっていると伺っております。ですから、是非、そういったお会いする機会があったときにこういったお話も持ち出していただきたいと思いますし、また向こう、いわゆるケニア政府側から要請があった場合は前向きに検討されてはいかがかと思いますが、いかがでしょうか。
#84
○内閣総理大臣(菅直人君) グルタミン酸というと、グルタミン酸ソーダといえばいろいろ、余り商品名を言ってはいけないかもしれませんが、味の素などで使われているというのを小さいころから知っておりまして、当時はそれを使うと頭が良くなるというようなことも言われていたわけですが、そういった技術が本当に日本に存在をしていることは私も承知をいたしております。またそれに、サトウキビを原料としてしっかり対応すればそういった離島の振興にもなるという、大変私は幅広い視点での提案だとお聞きいたしました。
 また、ケニア政府が非常に関心を持っているということでありますので、私の方も外務省あるいは担当を通して、ケニア政府からのそういった要請があるのか、あるいは場合によってはこちらから少し水を向けるというようなことも含めて考えてみたい、外務省とも相談をしてみたいと思っております。
 いずれにしても、今言われましたように、いろんな意味での人道援助とかそういうものが一方では日本の経済の発展にもつながるという、まさにそういうことこそ最も望ましい在り方だと思いますので、私もまた今後の植松議員のフォローも是非いただきながら、やれることをしっかりやっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
#85
○植松恵美子君 日本はTICADWにおきまして二〇一二年にはアフリカに対する支援を倍増すると発表しております。また、今後、アフリカ諸国においても原発の導入が検討されております。ケニアのオディンガ首相は、原子力に関するチームを設置したので、世界で最も技術の高い日本にこの人材教育をしてほしいとおっしゃっておりました。将来的には、必ずこの技術協力のパートナー国となるアフリカ諸国に政治主導で日本が人道支援をして、そしてしっかりとした信頼関係を今のうちから早くつくっていただきたいと思います。
 続きまして、新成長戦略の一つであります観光振興について伺います。
 観光庁では、ビジット・ジャパン事業において将来的には海外から日本に来る観光客を三千万人にすることを目標として掲げて取り組んでおります。ところが、この新成長戦略を、観光振興として掲げている割には二十三年度の観光庁の予算は削減されています。
 そこで、予算を削減されたり見送られた事業について伺ってまいりたいと思います。まずは、海外へのプロモーションについて伺います。
 私の地元、香川県におきましては、三月の二十七日に春秋航空によって高松から上海便が直接乗り入れるようになります。これまで海外から四国への来訪者というのはたった一・一%にすぎませんでした。つまり、百人の海外からのお客さんが来ても一人しか四国にまで足を伸ばしていただけない。そんな中で、直接ダイレクトに上海から高松に飛行機が乗り入れてくるということで、四国の観光業界の方たちやあらゆる方たちが大変期待をしているわけでございます。
 そこで、必要になってくるのはやはり海外に向けての広告だと思うんですけれども、例えば東京とか京都といった知名度の高い都市は今更広告をすることもなく、やっぱり世界中の人が知っていて行ってみたいなと思ってくれるんでしょうけれども、地方はまだまだ知名度がありません。しかし、大変魅力的なものがたくさんあります。
 例えば、私の地元でしたら、来月からは、これは国内では大変有名ですけれども、こんぴら歌舞伎芝居が始まります。また、十月には、私これとっても好きなお祭りなんですけれども、観音寺にちょうさ祭りがあります。こういった地元の若い人たちがこのお祭りを盛り上げることによって地域を活性化していこうと一生懸命頑張っているんですけれども、やはり今からは海外に向けてアピールをしていかなければなりません。
 そこで、地方の魅力的なものを地域地域がばらばらに海外に向けて発信しても、これは効果が薄いと思います。これからは、観光庁が地方の全国的に魅力あるものを取りまとめて一元化して、そして海外に向かって強くアピールしていく、そんな時代だと思いますけれども、観光庁はいかがお考えでしょうか。
#86
○国務大臣(大畠章宏君) 植松議員の御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 ただいま御指摘を賜りましたが、確かに成長戦略の大きな柱としてこの観光というものがございます。三つの柱と言われておりまして、観光、健康、環境ということでありますが、特にこの観光問題については、観光の課題については、どちらかというと、これまでは良ければ外国からお客さんも来てくれるだろう、あるいは日本の国内のお客さんを相手にすればいいという、そんな状況があったかもしれません。
 しかし、私も海外に行ったときに、いわゆるNHKワールドという番組がありまして、それで日本の良さというものも随分このNHKワールドの中でも紹介されています。こういうものを通して外国の方が日本の文化に関心を持ち、一度行ってあのお祭りに参加してみたい、そんなお話も聞いたところであります。そういうことから外国人の旅行者三千万人の将来目標というものを立てておりますが、御指摘のように国が、観光庁が主体的に全国のそのようなお祭りあるいはイベント等を海外に紹介をする、そんな努力は大事だろうと思います。
 私も今日の御質問をいただくというので、先ほど「さぬき豊浜ちょうさ祭り」という写真を見せていただきましたが、こんな壮大なお祭りやっているとは私も知りませんでした。こういうことを日本国内はもとより世界にも紹介をして是非日本の文化というものを知っていただく、これも非常に大事だと思います。
 したがいまして、地元の皆様方のお知恵を拝借したり、あるいは御意見を賜ったり、日本国内のそういう伝統あるものを紹介をする、そういうことを観光庁としても一生懸命努力をしてまいりたいと思います。
#87
○植松恵美子君 地域で本当にこれは熱心に若い方たちが取り組んでいらっしゃるんですね。本当に一番多い質問は、もうこれからは海外に向けてアピールしたいんだけれども、何かアピールする手法はないだろうかという質問をよく受けるんですよ。ですから、これ本当に真剣に取り組んでいただきたいし、また大畠大臣におかれましては、是非ともお祭りにも見学に来ていただけたらと思います。
 続きまして、国際会議誘致事業について伺います。
 二十三年度の予算から国際会議誘致の事業、つまりMICEの事業は予算計上が見送られておりますが、私の地元の高松では今年の十一月にアジア太平洋盆栽水石大会が開かれます。これは二年に一度行われる世界の盆栽大会なんですけれども、これが観光庁の国際会議誘致事業、MICE事業の支援をいただいて誘致に成功させた世界大会なんでございますね。
 じゃ、どうして高松でそんな世界の盆栽大会が開かれるのかと思われる方がいらっしゃるかと思いますけれども、高松は松の盆栽が世界シェアの八割を占めている。これ、余り知られてはいないかと思いますけれども、やはりこういった国際会議誘致事業、世界大会を開くことによって全国に知ってもらうし、世界に知ってもらえるきっかけになると思うんですね。大いに期待しているわけでございますけれども、このように地方の魅力を引き出す機会をつくるために国際会議誘致事業というのは大変重要であると思いますけれども、どうしてこれ見送られてしまったのか、大変残念なんですけど、どうでしょうか。
 また、これは誘致だけでなく、実際に地元の方に聞きますと、やはり誘致から開催までの準備期間が一番大変であって、全てこれが地方の負担になってしまっている。しかし、せっかく誘致しても成功させなければ意味がないと思うんですね。成功させるためにはこの準備期間も国が支援をしてあげるということも必要だと思いますけれども、観光庁はこれらのことについてどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
#88
○国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げます。
 大型の国際会議についてでございますが、先ほど観光のお話も申し上げましたが、この国際会議というものを日本で行うことによって、海外の方が日本に来て、その国際会議だけでなく、地域の風土あるいは日本的な考え方あるいは日本そのものを理解していただく大変大事なものだと思います。誘致の前から含めていろいろと国が支援すべきではないかという御指摘でございますが、私自身もそのように考えているところであります。
 国土交通省といたしましては、この国際会議を更に日本国内で開催していただけるように、観光庁等を中心として国際会議化推進のための事業というものを是非起こしていきたいと思いますし、海外からも相当数の参加を目指す役割を果たすキーパーソンの方々を招聘したり、あるいは海外におけるプロモーションの実施などにより海外からの参加者の増につなげていきたいと考えております。
 また、今後とも、国際会議に関係する団体の方あるいは関係者の皆さんの御意見を賜りながら、是非とも御指摘のように日本国内で多くの国際会議が開催されるように、財政的には大変厳しい中でありますが、工夫して頑張ってまいりたいと思います。
#89
○植松恵美子君 本当に心強いお言葉をありがとうございます。
 続きまして、スポーツ観光について伺ってまいりたいと思います。
 スポーツ観光というのはちょっとまだ聞き慣れない言葉かもしれませんけれども、スポーツは、見る、する、支えるという三つの方向から観光市場を押し広げることができる分野であると観光庁の溝畑長官が非常に熱心に取り組んでいらっしゃって推進をしていると伺っております。
 そして、我が地元におきましてもスポーツのプロチームというのがあるんですけれども、野球のオリーブガイナーズ、サッカーのカマタマーレ讃岐、バスケットボールはファイブアローズとか、バレーボールは四国エイティエイツ、アイスホッケーはアイスフェローズ、これ五つも、一番小さな県であるにもかかわらず五つのプロチームがございます。また、観光庁においても、我が県のファイブアローズを見ながら、そして選手と交流をしながらアートスポットを巡るといったモニターツアーも実施されたと伺っております。
 これらの好きなスポーツを観戦するために地方を訪れるスポーツ観光という視点は大変私も共感しておりますが、実際に観光庁の予算立てを見るとこの柱立てが行われておりません。スポーツ観光を実現性のあるものにするならばやはり予算措置が必要だと思いますけれども、この予算措置はどのようになっているでしょうか。
#90
○国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げます。
 スポーツでございますが、昨日まで札幌で宮様国際大会というものが行われて、国際スキー連盟が公認の競技が行われております。ここにも世界各国からたくさんの方がお見えになっておりまして、この観光ということも含めてスポーツ大会というのは大変大事なものだろうと私も考えております。
 御指摘のように、この観光の関係団体やスポーツ団体あるいは行政機関等が広く参加する形で現在スポーツ・ツーリズム推進連絡会議というものを設置して推進体制の強化を行い、またスポーツ観光マイスター制度による機運も高めているところでございます。
 平成二十三年度概算要求において計上をしたわけでありますけれども、事業仕分によりまして廃止となってしまいました。しかし、平成二十三年度においては、外国人旅行者にかかわる受入環境整備事業等も活用して、御指摘のようなスポーツ観光振興に資するように現在一生懸命工夫をしているところでありまして、また見直しを進めている観光立国推進基本計画にもその意義を位置付け、スポーツ観光の重要性についていろいろと理解をいただけるように努め、そして日本国内で多くの国際的なスポーツ大会が開催されるよう努めてまいります。
#91
○植松恵美子君 大変限られた財政の中でやっぱり頑張っていかなければならないので、厳しい情勢だということは分かっております。しかし、やはりこれは都会の目線ではなくて地方からの目線も必要だと思うんです。地方が元気にならなければ、日本の本当の意味での元気回復というのはないと思っております。
 特に、私は、新成長戦略というのは、すぐに経済的な効果もあるものもあれば、今は現在は種をまいている段階であって、恐らく子供たちとか孫たちの時代、長期的な将来にはようやく芽が出てくる、そういったものもあるかと思います。
 いずれにせよ、やはりこの新成長戦略というのは、人口減少が始まって少子高齢化の時代には今からもって政府が力を注いでいかなければならない大切な分野であると思いますので、是非ともお力を皆さんで注いでいただけたらと思っております。
 さて、日本を元気にしていくためには未来を担う子供たちが元気でなければいけません。そこで、今からは奨学金制度について伺ってまいりたいと思います。
 春になって新しいスタートを切る季節になりました。私も、今年は娘が大学受験をしまして感じましたのは、もう本当に日本の教育制度というのはお金が掛かるなと思いました。
 さて、長引く不景気の影響は大学生の生活にも及んでおります。親からの仕送りの金額が三十年前の一九八〇年代の水準になったと先月報じられておりました。このようなときに奨学金制度というのは大変大学生にとっては支えになるものだと思います。実際に下宿大学生のうち四四・四%が今現在この奨学金制度を利用している状況でございます。
 民主党は、奨学金制度の拡充については早くからマニフェストに掲げておりました。マニフェストにお約束したとおり、二十三年度の予算は増額されておりますでしょうか。また、このことによってどのぐらいの学生さんが奨学金を受けることができるようになった、いわゆる拡大することができたか、お伺いしたいと思います。
#92
○国務大臣(高木義明君) 植松委員にお答えいたします。
 学ぶ意欲のある学生たちが家庭の経済状況によって修学の機会が奪われるということはあってはならないと、こういうふうに思っております。
 そういう意味で、日本学生支援機構としては毎年充実を図っております。平成二十三年度の予算案においては、事業規模として対前年度七百二十六億円増の一兆七百八十一億円の事業費を計上しております。貸与人員では対前年度八万八千人増となる百二十七万人の学生などに奨学金が貸与できるように充実を図っております。特に、無利子奨学金につきましては、貸付基準を満たしながらも貸与を受けられないという者の解消のために拡充を重点的に取り組んでおるところであります。
#93
○植松恵美子君 拡充はしていただいて本当に有り難い限りでございますけれども、まだ全部の学生さんに行き渡っているわけではないと思っております。どのぐらいの学生が待機状態になっていて、あとどのぐらい積み増しをすればこの学生に行き渡ることができるか、試算はされていますでしょうか。
#94
○国務大臣(高木義明君) 無利子奨学金につきましては、平成二十三年度予算案において、新規増五千人増を含め合計九千人増を図っておりますが、貸与基準を満たしながら貸与を受けられない学生は約一万八千人程度と想定をされます。
 なお、有利子の奨学金については貸与基準を満たす学生全てに貸与が可能となっております。
 以上です。
#95
○植松恵美子君 今後ますます大変厳しい状況になっていくということも予想されますので、こういったことに対しても予算を付けていただきたいと思います。
 と申しますのは、奨学金は学生に全てあげるわけではありません。貸し出すわけでありますから、社会人になったら働いて返してくれる、このきちっと返してくれるということを前提に、やはり勉強したいという学生に対しては奨学金で国として応援をしてあげてほしいなと思っております。
 大学へ進学するとなると、一番まとまったお金というのが必要になってくるのは入学金だと思います。入学金などは数十万円といったまとまった金額を用意しなければなりません。奨学金におきましても入学時特別増額貸与奨学金という制度がございまして、十万円から五十万円の間で希望した額を借りられるんですけれども、入学金というのはそもそも入学前に大学に納めるはずなんですけれども、この奨学金を受け取れるのは四月の学生になった後なんです。つまり、入学金として使えるような時期に手に入るわけではございません。
 このことについて、文科省としては何か手を打っていただきたいと思っておりますけど、今現在どのような状況になっておりますでしょうか。
#96
○国務大臣(高木義明君) 今御承知のとおり厳しい経済情勢を見まして、昨年十二月七日付け文部科学大臣政務官の通知を出しました。各大学に対して、経済的理由によって大学への修学が困難な学生など、いわゆる奨学金の授業料減免などの経済的支援策を活用するよう、その内容そして利用方法などを周知徹底するように努めております。なお、言われておりますいわゆる入学時初年度納付金等の納付期限の猶予についても配慮を求めております。あわせて、この通知の内容については、各都道府県教育委員会などに対しても、各学校やあるいは高校生などにしっかり周知をしていただくようにお願いをしております。
 いずれにいたしましても、修学困難が起こらないように、進学を諦めないで学校やそれぞれのところに是非相談をいただきたいと、このように思っております。
#97
○植松恵美子君 文科省として通達をしていただいているということは分かりました。本当に有り難いことでございます。
 ただ、学生さんたちあるいは保護者の皆さんはこの通達のことを知らない方がたくさんいらっしゃいます。また、各大学に通達をしたとしても、対応は大学によってばらばらだと思っております。ですから、やはりこれはある意味、制度化をしていかなければならないと思っております。例えば、この入学金に当たる奨学金を受け取ることが許可が出た場合は、早めに証明書などを発行していただいて、もちろん一枚限りになりますが、その証明書を大学に提示すれば入学金の払込みをしばらく猶予してもらえるような制度、きちっと制度化することによって学生が安心して入学を迎えられると思いますけれども、今後こういったことを制度化していくつもりはございませんでしょうか。
#98
○国務大臣(高木義明君) 重要な御指摘と承知をしております。前向きに検討してまいりたいと思います。
#99
○植松恵美子君 十代で親元から離れてまた経済的にも自立していこうという学生は本当に不安でいっぱいだと思っておりますので、こういったことをきちっと対処していただきたいと思います。
 続きまして、最後になりますけれども、道路問題について二つほど伺いたいと思います。
 菅総理、このマニフェスト、菅総理が表紙になっておりますけれども、二〇〇三年に民主党が総選挙のときに戦ったときのマニフェストだと思います。この中で高速道路無料化を初めて掲げられたと思います。私は当時政治家ではございませんでしたけれども、初めて見たとき、高速道路って本当に無料になるのかとびっくりしました。そこで、菅総理がこの無料化になるんだということをマニフェストに掲げた理由というか、国民の皆さん、こういう理由で無料化すればいいんですよということを掲げられたか、教えていただきたいと思います。
#100
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、植松議員も御承知かと思いますが、高速道路というのは元々は、ある範囲で造って、そこの費用が償還できれば無料になるという法体系になっておりました。それがある時期から、例えば東名が本来ならもうこれで償還が終わったというときに、プール制という形でそこで上がる料金をそのまま更に受け取って、その代わりそのお金でどんどん高速道路を造ろうというふうに、法律の当初の趣旨を時限的に変えていったのがまず制度の根本であります。ですから、アメリカやヨーロッパのほとんどの国は高速道路はまさにフリーウエー、無料になっております。
 当時、私がそういう政策をマニフェストに盛り込もうと考えたのは、そういう仕組みが無駄な道路を造ることになるという指摘もありましたけれども、それ以上に、既にできている道路や橋が使われないままに、つまり、料金が高いものですから使われないままになっていることが私は日本のマクロ的な意味の経済にとって言わば宝の持ち腐れになっているんじゃないかと。
 例えば、本州―四国、三本橋を造ったことそれ自体が果たして適切であったかという問題はあるにしても、造った橋が結局高い料金のため使われない、あるいはアクアラインも高い料金のために通勤に使われている人はほとんどいない。こういう状況を考えますと、思い切ってこれを無料化することによって、地域の経済にとって、例えば神戸から徳島の間、一時間あれば行くわけですけれども、徳島の地価と神戸の地価は多分十倍以上差があります。これが徳島にとって、もし無料になればもっと経済的な効果が上がり、場合によっては固定資産税が上がってくると、そういう効果も期待できるわけであります。
 そういった意味で、私は、そういう高速道路による本来あるべき効果を料金が高いために生み出せていない、そのマクロ的な経済的な問題を解決するためにこうした政策が必要ではないか、また、もう少し細かくなりますけれども、今の償還計画とかなんとかの問題が、非常にある意味、高コストな形の償還になっておりますので、もっと低利の国債に振り替えるといったようなやり方も含めてやっていけるのではないかと、そのように考えたのが基本的な考え方であります。そして、基本的な考え方は現在も、いろんな表現にはなっておりますけれども、私は現在のマニフェストにもつながっていると、こう理解しております。
#101
○植松恵美子君 二〇〇三年、菅総理は、高速道路無料化にしたい、本当にはっきりしたスタンスをお示しになりました。もちろん、あれから八年たったわけでございますから、社会状況も変わっておりますし、財政問題だってあるということは私だってよく分かっておりますし、菅総理と同じ思いだと思います。
 ただ、私が申し上げたいのは、いずれの方向に行くにせよ、つまり、もう無料化の方向に行くのか、あるいはもうこれはちょっと難しいのでやめようかにするにしろ、早い時期、見通しを国民に示さなければいけないということなんです。今回示された高速道路料金は、短ければ一年後に見直しの区間もありますし、また長くても三年なんです。そうすると、国民は戸惑ってしまうんです。
 例えば、先ほど地価の話が出ました。国民が例えば家庭で家を買おうとしたら、大体二十年から三十年のローンを組むわけです。では、高速道路料金が無料なら通勤圏は広がりますけれども、もし有料に戻るんだったら家を買う位置、土地を買う位置というのは変わってきます。企業者にするならもっとなんです。例えば法人税を幾ら下げたとしても、次の工場を建てるあるいは物流センターを建てる、トラック業界だったらトラックを増車させるか減車させるか、フェリー業界は幾らエコポイントが付いたとしても新しいエコ用のフェリーを買うといったら十億円するんです。この設備投資、大きなお金を設備投資するのであれば、やはり十年、十五年先の見通しが立つ料金設定をそろそろ国民に私は示すべきでないかと思っておるんです。
 それがやはり政治主導であり政治判断であると思いますし、菅総理のリーダーシップであると思っておりますので、是非とも早い段階でこれはきちっと、いずれの方向をするんだよと、そうしないと経済も停滞している原因の一つとなっておりますので、是非ともこういったことについてどういうふうに御見解であるか、お伺いさせていただきたいと思います。
#102
○国務大臣(大畠章宏君) 議員の高速道路の料金あるいはまた高速道路のこれからの在り方についての御質問を賜りました。
 御指摘は大変大事なところでありまして、私も国土交通大臣を拝命いたしまして、この日本における高速道路はどういう形であるべきなのか、非常に私自身の役割の中でも仕事の中でも大事なものだと思います。
 そこで、今社会実験を行わせていただいているところでありますが、元々年間一兆三千億という財源が捻出できれば無料化できると、こういうことでありますが、いずれにしても、まず社会的にあるいは経済的に、あるいは今御指摘のありましたように公共交通機関、フェリーとか、あるいは利用する方々にも大きな影響を与えるということから現在社会実験を行わせていただいているところでありますが、この中で一つ明確になってきたことは、渋滞を増長するといいますか、渋滞を起こすような形ではいけないと、こういうことは明らかになってまいりました。
 そういうことで、現在社会実験を進める中でこれを分析をし、そして長期的な見通しの下に、これは予算の分科会でも衆議院の方で申し上げましたが、これは与党とか野党とかという話ではなく、まさに全部の、多くの方々が賛同できるような形をつくっていかなければなりませんし、それも十年でまた変わるということではなく、私は五十年ぐらい長期にわたっての方針というものが必要だろうと思います。
 そういうことから、現在、これをどういう形にするか、いわゆる社会実験のデータというものを集めて、そしてこの日本における高速道路はどうあるべきなのか、総理からもお話ありましたが、ヨーロッパあるいはアメリカの歴史とも違います。そういう形で、日本の高速道路はどうあるべきなのかということをしっかりと検証するための委員会を来週ぐらいにはおおよそ形つくりまして、その中で論議をして、そして秋までには方針を決め、国民の皆さんやあるいは国会での論議を踏まえての方針を是非作ってまいりたいと思いますし、この件については、与野党の国会議員の皆さんがそういう方針ならばなるほどという、そういう形のものを是非とも作りたいと思っているところでありますので、是非今後とも御指導を賜ればと考えております。
#103
○植松恵美子君 本当に政治、いわゆる政策一つにしても国民の生活に直結するものでございますから、どういった方向性に日本の交通体系を持っていくかということは本当に早い段階にお示しすることによって、中小企業者の皆さん、また各家庭の皆さんが方向性が見えて本当明かりが見えてくると思いますので、是非とも早い段階にこれは政治決断、あるいは決断することによっていずれの結果になっても国民の皆様方には丁寧な説明をしていただけたらと思います。
 これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
#104
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。吉川沙織君。
#105
○吉川沙織君 民主党の吉川沙織でございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 最初に、平成二十三年度予算案の全体像についてお伺いしたいと思います。
 ここ十年ほど、犯罪の件数自体は統計的には減っておりますが、国民の皆様が日々の生活で治安の善しあしに関して漠然と感じられる体感治安は残念ながら悪化をしているとされています。これと同じように、ここ十年程度の社会経済状況に関して、国民の皆様は体感不安を感じておられるのではないかと思います。
 パネルにしてみました。(資料提示)その体感不安として考えられる要因の一つとして、所得格差の拡大、それから若年層を中心とした失業率の高止まり、少子高齢社会の進行、そしてセーフティーネットの破れ、そしてまた地域経済の崩壊や地域社会の閉塞感が挙げられるのではないかと思います。
 例えば、失業問題においては、二〇〇〇年前後、失業者を百二十九万人も増加させる雇用調整が行われております。中でも、未来ある多くの若者が失業という憂き目に遭ってしまいました。例えば、私が会社員として社会に出ましたのは一九九九年のことでございますが、その年の完全失業者数は約三百万人、うち若年失業者がその半分の百五十万人を残念ながら占めているというような状況にあります。
 また、地域経済の崩壊や地域社会の閉塞感に関しては、細かく申し上げるまでもなく、それぞれの地域社会に生活をされる住民の皆様が肌で感じておられるものであり、少子高齢社会の進行に関しても待ったなしの状況という形になっています。
 これらの諸問題に対して国が財政面から対応するのが予算案であり、それを裏付けるものが予算関連法案であると考えます。ところが、個別政策については、政府から説明があったり、逆に批判的意見が出されたりするものの、今国民の皆様が漠然と感じておられる体感不安をパッケージとして解消するための予算案及び予算関連法案の全体的な説明は聞こえてこないように感じています。
 そこで、今挙げた体感不安を解消すべく、政府はどのような施策を平成二十三年度予算案に組み込んでいるのか。また、二十三年度で対応できないものは、平成二十四年度以降、中長期的施策としてどのような施策を考えているのか、国民の皆様に分かりやすいよう、総理、御説明をお願いいたします。
#106
○内閣総理大臣(菅直人君) 体感不安という形で今日の状況を指摘をいただきました。御指摘のように、ある時期から若年層を含めた失業、さらには非正規雇用、さらには少子高齢化、あるいは地域の崩壊等、多くの意味で従来と社会構造が変化する中で不安感が高まっているということは、私もそのように感じております。
 そういった意味で、私は政権を担当するようになって以来、いろいろな課題がある中で、雇用というものが一つのいろいろな影響を含めて中心的な課題の大きな一つであろうということで雇用、雇用、雇用と唱えてまいりました。それを来年度の予算の中でも、雇用と成長ということを中心にして予算案を編成をしたつもりであります。
 そういった中で、更に申し上げますと、来年度予算の個々の項目にいろいろと盛り込んであることは御承知だと思いますが、さらにその将来の在り方ということで、現在、社会保障の改革というものの中に、医療、介護、年金といった高齢者が中心の問題だけでなく、子育て支援あるいは求職者支援といった雇用や若者に関するものも含めた全世代に関しての社会保障の在り方の検討に現在入っているところであります。
 そういった意味で、短期的には経済が多少持ち直してきてはおりますけれども、今御指摘のありました体感不安ということを解消するにはもっと中長期的な展望も含めて安心できる社会にしていく、そのための来年度の予算にそれを盛り込んでいると同時に、それ以降についても検討を推し進めなければならない、こう考えております。
#107
○委員長(前田武志君) 答弁側にちょっと要請をいたしますが、持ち時間が非常に少なくなっておりますので、答弁は的確に簡略にお願いいたします。
#108
○吉川沙織君 今、菅総理の方から、雇用と成長そして社会保障は全世代にわたる課題で、短期的施策とそして中長期的施策にわたる課題に対応していく旨の御答弁がございました。
 さて、今回の税制改正で所得再分配機能の回復は一定程度図られることになります。一方、税制で高所得者のみに負担を求めるだけでは所得再分配機能は十分に発揮されないのではないかと思います。そこで、歳出面における所得再分配機能の回復が大事になるかと思いますが、この点に関してどのようにお考えなのか、国家戦略担当大臣にお伺いいたします。
#109
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今の吉川さんの御質問は、歳入面はやったけど歳出面きちっと所得再分配機能を強化しているのかと、こういうお話だというふうに思います。
 一言で言えば総理の答弁に尽きていると、つまり、雇用、雇用、雇用ということで今回の予算案を作っているところが一つはあります。それと、先ほどもこれも触れられておりましたけれども、失業給付が切れる、そういった方々に対して職業訓練を前提に生活支援をすると。月十万の生活支援ですから、これは大変大きい、いわゆる第二のセーフティーネットと言っても差し支えないだろうというふうに思いますし、またジョブサポーター倍増したりして新卒者に対する支援を行っている。なかなかこれまで十分に光が当てられなかった自殺対策、あるいは先ほどちょっと触れましたけど、一川先生のときに、離島対策とか、様々そういったところにまでできる限りの目くばせをさせていただいて、そういった体感不安とか、所得再分配機能の強化とか、そういったこともさせていただいたところでございます。
#110
○吉川沙織君 今、雇用、雇用、雇用と答弁がございましたし、国家戦略担当大臣の方からも同じような旨の答弁がございました。今月は自殺対策強化月間でございます。蓮舫大臣には是非リーダーシップを取って、一人でも命を絶つことがないような、そういう取組を前に推し進めていただきたいと思います。
 それでは、ここから、体感不安の一つとして掲げました雇用の問題、特に今回は若年者雇用問題について議論を深めてみたいと考えます。
 若年者雇用問題については、私自身が実際に前回の就職氷河期を経験し、同世代の多くが、企業が採用の門戸を大幅に狭めていたり若しくは採用自体を凍結したりということで、どんなに働きたいと思っても同世代の多くが職に就けないまま社会に出ざるを得なかった、その世代の一人として、これまで厚生労働委員会やこの予算委員会それから決算委員会で取り上げ続けてまいりました。
 総理は、今御答弁にもございましたけれども、施政方針演説において最も重要視する政策として雇用を掲げられました。そして、特に今厳しい状況にある新卒者雇用対策に力を注いでおられますが、今申し上げましたように、十年程度前の就職氷河期世代を始めとする、もう卒業して十年以上たつ私ぐらいの世代の人間に対する、既卒者に対する支援も忘れてはならない重要な課題の一つであると考えます。
 今回の予算案を拝見すると、フリーター等の正規雇用化の推進は前年度比三十八億円の減となっております。これは無駄を省いたり効率化を推進したりとの結果であると思いますが、この予算減の理由について厚生労働大臣にお伺いいたします。
#111
○国務大臣(細川律夫君) 委員御指摘のフリーターなどの支援につきましては、これはしっかりやっていかなければというふうに思っております。特に就職氷河期の皆さん方が三十代の後半に掛かったということもございます。そういうこともありまして、私どもとしましては、ハローワークにおきまして一人一人の課題に応じて正規雇用化に向けた一貫したきめ細かい職業相談、就職の紹介、さらに若者をトライアル雇用する企業への奨励金等を行いまして、二十二年は二十二万六千人の就職がもう既に決定をいたしておるところでございます。
 今後とも、御指摘のような若者の就職についてはしっかりやっていきたいというふうに思っております。
#112
○吉川沙織君 厚生労働大臣は、野党時代、党に置かれました非正規雇用対策プロジェクトチームの座長であられましたし、小林政務官は事務局長、私は大臣の下で事務局次長として議員立法等の作業にも携わらせていただいたことから、厚生労働大臣が非正規雇用対策に懸けられるその意気込みは重々承知しています。ですが、今申し上げましたとおり、前回の就職氷河期を経験した私たちの世代、前の政権になりますけれども、前の政権が特段何の対策も講じてこられなかった、もちろん情報公開等はありましたけれども、そのことを覚えています。
 ですから、社会保障制度の持続性を考えたとき、こうした世代が置き去りにされることがあってはならないと思います。無駄を省くことはもちろん重要ですが、必要な施策にはしっかり対応していただきたいと思います。
 次に、少し視点を変えまして、省庁間連携の観点から質問をさせていただきたいと思います。
 厚生労働省の予算案で新卒者就職実現プロジェクトが計上されています。この概要につきまして厚生労働大臣に簡単に御説明お願いいたします。
#113
○国務大臣(細川律夫君) この新卒者実現プロジェクトというのは、これはトライアル雇用奨励金とも言っておりまして、新卒者が卒業して就職できない、その就職できない方を三年以内はこれを新卒者扱いで就職させてほしい、もし就職させていただけるならば企業に対して支援金を支払うと、こういうプロジェクトでございます。
#114
○吉川沙織君 次に、経済産業省の予算案にあります新卒者就職応援プロジェクトについて概要を経産大臣に簡単にお伺いいたします。
#115
○国務大臣(海江田万里君) 吉川委員にお答えをいたします。
 新卒者の条件は先ほど厚生労働大臣がお話をしたのと同じでございますが、特に中小企業が人は欲しいけれどもなかなか新卒者が来てくれないということでございますから、その中小企業を対象にしまして、これはよくインターンシップでございますね、六か月間でございますが、まず、来てくれる学生さん、実習生に対しては日額七千円、それから企業に対しては日額三千五百円を支給するということで、大変これは効果が上がっておりまして、平成二十二年度前半で約五千人のインターンシップ応募がありまして、そのうち約一千八百人が実際に中小企業に就職をしております。
#116
○吉川沙織君 今厚労大臣と経産大臣に御答弁いただきましたけれども、厚生労働省の新卒者就職実現プロジェクトと経済産業省の新卒者就職応援プロジェクトは、名称も含め大変似ており、それぞれにターゲットが若干違ったり中小企業との橋渡しがあったり、厚生労働省の方は雇用に結び付ける、経済産業省の方は職場体験をする、そしてその企業に給付をするという形で、それぞれ大変重要性はあるんですけれども、支援を受ける側の若年層からすれば名称も大変似ていて重複している部分がないとは言えないと思います。厚生労働省と経済産業省、それぞれでしっかり連携をして効果が上がるように対応していただきたいと思います。
 今少し申し上げましたとおり、若年者雇用対策事業については、厚生労働省、経済産業省、文部科学省そして内閣府において展開されており、私は野党時代から省庁内と省庁間の事業重複を取り上げてまいりました。事業の重複による無駄がもし仮に生じているならこれを是正して、その分を若者に届くよう施策に使った方がよいためです。だからこそ、当座の短期的な視点ではなく、若年者雇用問題を構造的な、需要と供給のミスマッチという構造的な要因で生じている課題ととらえ、対策を総合的に調整することが重要ではないかと考えます。
 無駄を生まないためにも内閣官房長官が政府の施策全体を横断的に見ることが必要ではないかと考えますが、御見解をお伺いいたします。
#117
○国務大臣(枝野幸男君) 御指摘のとおり、この問題に関しては各省庁間にそれぞれ問題が分かれております。それぞれの省庁、しっかりと連携をしながら努力をしているところでございますが、率直に申し上げて、私も特に事業仕分をやらせていただきましたときに、各省間それぞれ良かれと思いながら、若干の重なりとか、当事者からは分かりにくさがあるということの問題意識が非常に強く私自身も持っております。
 内閣におきましては、御承知かと思いますが、総理の特命チームとして寺田補佐官をリーダーにして新卒者雇用・特命チームをつくりまして、省庁間の連携を含めて抜本的に対応に取り組んでいるところでございますが、更にこの連携を強化していくことは重要だというふうに考えておりまして、今どうなっているか私知りませんが、かつてブレア政権のイギリスでは、教育雇用省と直訳するとなるんでしょうか、日本でいえば文部科学省のある部分と厚生労働省のある部分と経済産業省のある部分がむしろ一つの役所になっていたというような例もあります。そこまで省庁再編みたいな話ができる話ではありませんが、私のところで、関係大臣と連携した形、どういった形を取れば更に強化できるか、努力をしてまいりたいと思っております。
#118
○吉川沙織君 子ども・若者育成支援推進本部副本部長でもあられる内閣官房長官に省庁間の連携含め、今答弁いただいたことを前向きに取り組んでいただければと思います。
 一方で、今回の予算案を拝見しますと、以前と比べて随分と事業の重複が減って、その分若者に届くようになっています。政権交代前は、例えばジョブと名が付く事業だけでも、ジョブカフェ、ジョブ・カード、ジョブサポーター、ジョブクラブ、ジョブミーティング、ジョブトレ、ヤングジョブスポット、ジョブパークなどなど数多くあり過ぎました。同じような名前の事業が数多く展開されていてもそれが施策の対象である若年層に届かなければ意味がない。そういった形で今回事業重複が減って、その分若者に届くような政策に展開されたということは、政権交代した結果であると私自身感じております。
 必要な予算対応により施策を実行した後は、その結果を把握することもまた重要なことになります。若年者雇用対策事業の政策効果を測る際に、就職率、就職率等、就労率、就職等進路決定者、就職者数、常用雇用移行率、常用就職者数など様々な指標が用いられており、これではどのような成果や効果が出たのか、非常に分かりにくいと思います。これについては野党時代からずっと質問をし続けていましたし、昨年も前向きな御答弁をいただきましたので、是非厚生労働大臣がリーダーシップを持って前に進めていってほしいと思います。
 この評価の指標に関連して、施策の効果を測る政策評価の観点から次は質問させていただきたいと思います。
 昨年の予算委員会でも取り上げましたが、総務省の行政評価局が昨年一月に「雇用保険二事業に関する行政評価・監視結果に基づく勧告」というものを出されています。この中で、若年者雇用対策事業は数多く実施されているものをなるべく効果の上がるようにまとめなさいといったこと、それから二億円強掛けて作成した外国人労働者向け雇用対策パンフレットが外国人向けなのに全て日本語表記で作成されていることなど、前政権下の平成二十年度予算の無駄が指摘されていましたが、現在の改善状況について総務大臣にお伺いいたします。
#119
○国務大臣(片山善博君) 御指摘のようなことがありまして、総務省の方から勧告をいたしました。
 その結果、いずれも平成二十二年四月以降、英語、中国語など各センターの多数を占める外国人利用者に対応したパンフレットを用意し、配布する改善を行ったとの報告を厚生労働省から受けております。
#120
○吉川沙織君 今総務大臣から御答弁いただきましたとおり、外国人労働者向けパンフレットが全て日本語で前政権下で作られていて、ようやくそれが英語や中国語に対応したものが作られている、そんな御答弁をいただきました。
 もう一つ、政策評価の観点からお伺いしたいと思います。
 昨年の三月末、これまた総務省行政評価局は政策評価の点検結果を公表されています。この中で重要対象分野のフォローアップが示されています。これには若年者雇用対策が含まれており、支援策の認知度やサービスの利用状況について調査するよう指摘がなされ、内閣府と厚生労働省で協議中とされていましたが、実際に内閣府の方で調査項目に今申し上げたものが加えられたのか否か、蓮舫大臣にお伺いいたします。
#121
○国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。
 内閣府では、高校中退後おおむね二年以内の者を対象とした意識調査を実施しまして、その結果は三月の末に公開をさせていただきます。この中で、厚生労働省とも協議の上で、例えば地域若者サポートステーションをどの程度知っているかなど、ニート支援策の認知度を問う質問項目は設けてございます。
#122
○吉川沙織君 早速前向きに取り組んでいただいて、ありがとうございます。
 今、二つ政策評価という観点から申し上げましたが、前政権下で外国人労働者向けパンフレットが全て日本語表記で作られていたり、そしてまた、重要対象分野のフォローアップで総務省行政評価局が施策の実効性を高めるための指摘を各省に行うことで、施策を本当に必要とする層に届くよう取組を続けていらっしゃるところですが、実効性を高めるためには様々な方策が取られてしかるべきであると考えます。
 そこで、総務省行政評価局と行政刷新会議の連携はこれを強力に前に進めるための一つの方策であると考えますが、行政刷新担当大臣の御見解をお伺いいたします。
#123
○国務大臣(蓮舫君) まさに御指摘のとおり、行政刷新会議として総務省とどのように連携が取れるのか、密な話合いも進めてまいりました。
 今年の春から本格実施をします行政事業レビュー、これ各府省が事業の点検、お金の使われ方を点検をしてまいります。
 他方、総務省で行われる政策評価、これ総務大臣にお伺いいただきたいんですが、それは事務事業の上位にあります施策の評価、そのときに行政事業レビューの結果というのを有効的に活用していただくことによって、行政刷新会議そして総務省と連携を取り、無駄を削減をして、より高い行政サービスにつなげていきたいと考えています。
#124
○吉川沙織君 是非、行政刷新会議と総務省の方で強力に連携をして、施策の効果を測るための政策評価という観点、そしてより良い事業を打つということをしていただきたいと思います。
 次に、また少し視点を変えて、若年者雇用対策の個別事業について質問させていただきたいと思います。
 二〇〇八年、野党時代でしたけれども、ジョブ・カードに関する質問主意書を提出させていただきました。その答弁書において、ジョブ・カード制度の主たる目的は民間における安定した雇用の拡大を図ることとされていました。そうであるならば、民間における安定した雇用の拡大のため、採用面接などにジョブ・カードを積極的に利用される必要があると考えますが、現在、採用面接等でジョブ・カードを活用している企業はどのくらいあるのか、厚生労働政務官にお伺いいたします。
#125
○大臣政務官(小林正夫君) ただいまの質問にお答えをいたします。
 ジョブ・カードの活用状況については、厚生労働省で実施をしている調査があります。それは平成二十二年度能力開発基本調査、この結果によりますと、ジョブ・カードを内容を含めて知っている事業所のうち、ジョブ・カードを面接で利用しているのは三・三%となっております。ジョブ・カードを面接で利用している事業所は前年に比べて一ポイント増加はしております。
 ただ、ジョブ・カードを面接で利用している企業から幾つかのお話が寄せられておりまして、一般の履歴書では得られない情報が得られるため採用するしないの判断がしやすい、それとジョブ・カードに記載された登録キャリアコンサルタントの意見が非常に参考になった、こういう意見をいただいているところであります。
 厚生労働省としても、今後ともジョブ・カードが採用面接や職業訓練等で一層活用され、安定した雇用に結び付くよう、その普及に全力で取り組みます。
 以上です。
#126
○吉川沙織君 今、小林政務官からも御答弁いただきましたが、政府の方針ではといっても新聞情報ですが、この四月から全求職者にジョブ・カードの取得を促したり学生用ジョブ・カードを新設するという報道も一昨日ですか、ございましたが、求職者のみに取得してもらっても、採用側である企業がこれを利用しなければ、活用しなければ意味を成さないということにもなります。だからこそ、採用側である企業にも働きかけを厚生労働省として、そして政府として積極的に行っていただきたいと思います。
 そしてまた、もう一つ個別事業についてお伺いしたいと思いますが、高卒就職ジョブサポーター、大卒就職ジョブサポーターについては、平成二十二年度予備費や補正予算によって九百二十八人から二千三人へと増員されました。また増員をされるということも報道されていますが、人数が増えたことは大変心強いことです。ただ、生徒や学生さんの未来を託すジョブサポーターであるからこそ、その質の確保はしっかりと図られなければならないと考えます。
 そこで、ジョブサポーターの募集要件がどのようになっているかを拝見いたしますと、要件が高卒と大卒でほぼ一緒でした。高卒と大卒では就職の仕方もそして求人情報も違っていたりしますので、これ求められる人材が異なると考えますが、募集の要件等変えるよう指示なさっているのか、政務官にお伺いいたします。
#127
○大臣政務官(小林正夫君) ただいま委員御指摘のとおり、ジョブサポーターの質の確保は大変重要だと思っております。求人票に採用関係業務又は若年者雇用支援経験者を優遇するだとか、こういうことでジョブサポーターの募集をしているところでございます。
 今先生御指摘のとおり、大学を卒業された方あるいは高校を卒業された方、それぞれ若干違うところがございますので、要は、企業の人事労務担当の経験者や学校等での学生生徒の就職支援経験者など、若年者の採用、就職活動について十分な経験と知識を持っている、それぞれ大学とか高校生にふさわしい、こういうジョブサポーターをこれからも採用していきたいと思います。
 なお、現在厳しい就職状況になっておりますけれども、ジョブサポーターの頑張りで、九月一日から今年の一月末で約二万五千人が就職をして、特にこの一月には約九千人が就職するなど、大変ジョブサポーターの方が頑張ってくれております。また、十月から今年の一月末で約四万人分の求人を開拓をいたしました。
 今後とも質の高いジョブサポーターを確保、育成して、一人でも多くの方が就職に結び付くように頑張ってまいります。
#128
○吉川沙織君 小林政務官そして細川厚生労働大臣、未来ある若者のために是非取組を進めていただければと思います。
 午前中は、体感不安解消のための平成二十三年度予算案であること、関連法案の必要性、そしてそこから掘り下げて、若年者雇用対策の観点から政策評価、省庁間連携の在り方、そして個別事業についてお伺いさせていただきました。
 昼からは、内定率の在り方、統計の在り方やそして若者に対する年金問題等について質疑を深めさせていただければと思います。
 午前の質疑はこれにて終わりたいと思います。ありがとうございました。
#129
○委員長(前田武志君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#130
○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十三年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。吉川沙織君。
#131
○吉川沙織君 民主党の吉川沙織です。午前中に引き続きまして質疑をさせていただきます。
 午前中は、体感不安解消のための平成二十三年度予算案、関連法案であること、そして、その中の一つの事業として雇用という切り口から質問をさせていただきました。引き続きこの観点から質問をさせていただきます。
 統計の取り方、午前中も政策評価の在り方、政策効果を測るための指標の在り方、申し上げさせていただきましたが、統計の取り方は施策を実行する上で非常に重要な判断基準となります。そこで、統計の在り方に関連して、大学生の就職内定率についてお伺いしたいと思います。
 一月に発表された大学生の内定率は過去最低の六八・八%となってしまいました。この内定率の調査の方法についてお伺いしたいと思います。
 この内定率調査の対象となっている大学は、国立大学二十一校、公立大学三校、そして私立大学三十八校の計六十二校と聞いています。調査対象大学を教えていただこうとしたら非公開とのことでした。内定率の高い大学にもしかしたら統計が偏っているのではないかとの疑念を生じ得ません。
 まず、大学の選定について、毎年同じ大学を選んでいるのか、また、大学別の内定率で比較した場合、この六十二校はどのくらいの位置にいるのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
#132
○国務大臣(細川律夫君) この就職内定状況調査につきましては、文部科学省と共同で二か月ごとに行っております。これは、就職内定がどういうふうに進んでいるかということを効果的、速やかに把握して、それに基づいていろんな対策を講じるための抽出調査でございます。これは全国の大学等の中から国公立等、地域等に偏りのないように抽出をいたしております。
 このほかに、学校基本調査というのが年に一回文科省の方でやっておりますけれども、基本的にその調査での内定率とそれから内定状況調査と、その調査の中ではほとんど変わりがないということをまず御認識いただきたいというふうに思います。
#133
○吉川沙織君 今、細川厚生労働大臣から偏りのないよう抽出が行われている旨御答弁いただきましたが、やっぱり少々疑問を感じています。
 内定率は就職希望者に占める内定取得者の割合とされています。(資料提示)この調査は、毎年度四回行われております。十月一日、十二月一日、そして二月一日、四月一日現在で調査をされています。四月に向けて内定者が増えていくのはもちろん卒業が近づくわけですから当然ですが、分母となる就職希望者は内定者が増えるのに対して減っていくことになります。なぜならば、これは、大学院などに進学する学生、そして就職を諦めた学生、そしてまた新卒の肩書を維持するために留年を決めた学生は、この就職を希望する学生から消えてしまうということにあります。
 統計の在り方として、人数が常に一定の卒業予定者を分母として、内定率を毎年度卒業予定者に占める内定取得者の割合としてはいかがでしょうか。そして、就職内定以外の進学や留年などの割合を別に示すべきだと考えますが、厚生労働大臣の御見解をお伺いいたします。
#134
○国務大臣(細川律夫君) 大学生が就職をしようとしてその内定が決まっていないかどうか、これは厚生労働省として調査をするのは、やはり就職希望者で内定がどれくらいになっているかということをまず調査をしなければいけないということでやっておりまして、そうしますと、やっぱり就職希望者で調べて、そこに適宜対策を打っていくと、こういうことで、今は就職希望者のうちどうなっているかを調べておるところでございます。
 ただ、先生おっしゃるようなこともありますので、これは文科省との共同でやっておりますので、文科省あるいは関係者と相談をいたしまして検討してみたいというふうに思っております。
#135
○吉川沙織君 仮に卒業予定者に占める内定取得者の割合で一月に発表された内定率を計算いたしますと、公式に発表されたのは六八・八%です、ですが、分母を卒業予定者に占める内定取得者の割合に置き換えて計算をいたしますと五〇%になります。この方が実態をとらえているように思えてなりません。
 厚生労働省の方の幾つかの地方の労働局でもそのようなデータが示されています。例えば、今年一月二十八日に埼玉労働局が発表した同時期の県内の大卒の内定率は四六・一%。また、一月十八日の千葉労働局の発表では四八・七%。卒業予定者に占める内定取得者の割合として計算をした五〇%に近いと思われます。
 また、今厚生労働大臣御答弁の中でも文部科学省の学校基本調査を引用されましたが、平成二十二年三月卒業者の就職率は六〇・八%となっています。こちらは、四月一日に就職内定率として公表されたのは九一・七%ですが、母数を卒業予定者にした場合六一・四%と、文部科学省の学校基本調査の六〇・八と実質的な内定率の六一・四%、非常に数字が近うございます。
 このことについて、文部科学大臣の御見解をお伺いします。
#136
○国務大臣(高木義明君) 吉川委員にお答えいたします。
 先ほど厚生労働大臣が御答弁ございました。大学などの卒業予定者の就職状況の内定率、いわゆる統計の在り方でございますが、これは二か月ごとにやっておりまして、その時点その時点の就職希望者の状況を把握をして、タイムリーな対策を練らなきゃなりませんので、就職の希望者を分母としておるところであります。
 ただ、分母を御指摘のように卒業予定者とすればどうかということでございますが、これは厚生労働省、せっかくの御指摘でございますので、専門家等の御意見も聞いて検討してまいりたいと思っております。
#137
○吉川沙織君 前向きな御答弁、ありがとうございます。是非これ、厚生労働省と文部科学省の合同の調査でございますので、両省で連携をして、実態を踏まえた形で統計を出していただくことをお願いいたします。
 若年者雇用問題は、十年後、二十年後の日本社会、経済を考えたときに、社会保障制度の観点からも大きな影響を及ぼすからこそ、総理始め力を入れて取り組んでおられるものと考えます。だからこそ、実態を踏まえた正確な統計がなければ効果的に事業を打つことができなくなってしまいます。
 この調査手法というものは前政権の時代から変わっておりません。しかし、このような形で分母を減らしてパーセンテージを上げる手法は、国民年金の不正免除を行って加入率を水増しした前政権時代と同じであり、ちょっと例えは違いますけれども、新政権になったのでありますから、これは見直すべきであると考えます。
 実態を踏まえ、政策対象者を明確にするためにも、もう一歩踏み込んだ総理の御答弁をお願いいたします。
#138
○内閣総理大臣(菅直人君) 私もこの吉川さんのグラフを見て、本当に、この年だと五十六万人というのが卒業予定者ということですから、当然その中に就職希望者もあれば就職ではなくて大学院等に行かれる方もあるわけですから、それは把握ができると思うんですね。
 ですから、そういった意味では、今両大臣、協議をしてみたいということを言われましたけれども、時折私も他の統計などを見ても、失業率とかいろんなものを見ても、ぱっと私が感じている、一般の人が感じているイメージと、分母、分子の変化がちょっと違う要素で変化していたりすると。やはり実数が一番実は生の数字であると思いますし、今おっしゃった形で、もちろん就職希望者以外の希望者もきちんと把握することも含めて、私は吉川さんの言われることは極めて合理的だと、そう感じました。
#139
○吉川沙織君 総理、リーダーシップを取って実態を把握して、もしかしたら厳しい数字が出ることになるのかもしれませんけれども、その方がより施策の対象者を明確にすることができるという、こういうメリットもございますので、是非お願いしたいと思います。
 では、少し視点を変えて、若年者と年金、社会保障の観点から質問をさせていただきたいと思います。
 学生の皆さんも二十歳になれば国民年金に加入をしなければなりません。しかし、大半の学生は収入がなく、国民年金保険料を納めることが困難であるという状態にあります。そのため、学生の所得に応じて在学中の保険料を十年間猶予する学生納付特例制度があります。これは、万が一事故に遭ってしまったときに障害基礎年金を受け取ることができなくなったりすることを防ぐためのものですが、この制度を学生が利用しやすいものにしなければならない。このため、二〇〇八年の四月から、指定を受けた大学などが申請を代行できる制度が始まっております。
   〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
 現在、この制度を活用している施設は何施設で全体の何%に当たるのか、厚生労働大臣にお伺いいたします。
#140
○国務大臣(細川律夫君) この学生納付特例事務法人に指定されております学校法人等の法人は七十一法人、国公立の教育施設は三十七施設であり、合計百八法人でございます。
#141
○吉川沙織君 今、百八法人というお話ございましたけれども、せっかく良い制度が始められているのですから、厚生労働省はもう少しこの制度を活用してもらうよう、文部科学省であるとかあと大学などに働きかける必要があるのではないかと考えます。今、国民年金の若年層における納付率の低下が問題視をされています。これに対しても改善をできる一つのきっかけとなりますので、是非お願いしたいと思います。
 今年初めの新聞社、一月九日のアンケートで、社会保障制度のどの分野に不安を感じるかと問いがありました。この問いでは年金制度が群を抜いて高い状態にありましたが、不安の背景には理解不足もあるのではないかとの指摘がなされています。事実、将来どのくらい公的年金をもらえるか知らないとお答えになっている方がほぼ半数、正確に知っていると答えたのは一〇%にとどまっています。
 今ほど申し上げました若年層の国民年金納付率の低下問題についても、年金に対する正しい知識と理解があれば、これに加入する意義が明確になり、改善されるかもしれません。また、社会に出て仕事に就くようになり、仮に問題に直面をした際、労働法や労働者の権利に関する知識と実践方法を知っていれば、働く上で不当な扱いや解雇を回避できることにもつながります。
 学習指導要領の改訂で教科書が分厚くなり、教える時間の確保は難しいのかもしれませんが、それでも教育段階から社会保障について体系的に学ぶことは大変重要であると考えますが、文部科学大臣の御見解をお伺いいたします。
#142
○国務大臣(高木義明君) 今お話がありましたように、年金など社会保障制度については、例えば中学校の社会科においては、年金を始め社会保障制度の基本的な内容を理解をさせる、また少子高齢社会など現代社会の特色を踏まえながら福祉社会の目指すべき方向について考えさせると、こういうことで教育現場では今指導しております。
 今おっしゃられるお話は、私としては全く同感でありまして、お互いに助け合いの精神を養い、そして国民や国、地方の役割、責務、これを教える、給付と負担のことについても考えさせる、これは将来においても大事なことではないかと思っております。
 また、労働者の権利等についても、労働法については、中学校の社会科において、労働基準法が労働者にとって必要な条件、環境の最低基準を定めておるようなこと、また労働組合の自主的な組織の意義についても教えております。
 いわゆる年金というのは時代間の支え合いということでございますから、これからもしっかりその点については留意をして指導をしてまいりたいと思っております。
#143
○吉川沙織君 今、中学校の段階等で教育をなさっているというお話ございましたけれども、やはり教科書に記述はあっても、それを体系的に教えてそれを生徒や学生が理解をするだけの時間があるかどうかといえば、まだまだ足りないのではないかと思っていますので、是非文部科学大臣、指導をしていただいて、少しでも年金や社会保障全般に対する知識、そして深い理解を学生の皆さんにしていただけるようお願いしたいと思います。
 さて、社会保障・税一体改革担当大臣は、今年一月二十九日のテレビ番組で、若年層の年金納付率の低下に関して、あと何十年後かには自分もちゃんと年金をもらえるなとの確信を皆さんに持っていただかないと年金問題は永久に解決しないと発言されておられました。年金加入の意義を明確に若年層に伝えるためにもこのような教育が必要であると考えますが、御見解を伺います。
#144
○国務大臣(与謝野馨君) 年金保険料の未納は、将来無年金、低年金になるなどの不利益を受けることになることから、国民一人一人の将来を安心したものとするためにも、若者の未納の問題は解決をしていかなければならないと考えております。
 また、年金は、高齢者世帯の収入の七割を占めるなど、高齢者の主要な収入源として国民の老後生活を支える大切な制度であります。
 年金制度を国民に信頼され持続可能な制度としていくため、菅内閣の最も重要な課題の一つとして、現在、年金制度を含めた社会保障と税の一体改革の議論を進めているところでございます。
#145
○吉川沙織君 是非前向きに取り組んでいただければと思いますが、その一月二十九日のテレビ番組で与謝野大臣は、若年層の年金未納の問題は国民年金、基礎年金の財政全体からすれば大きな問題ではないとおっしゃっておられましたけれども、やはり若い人がずっと納めて何ぼというところもありますので、是非今御答弁いただいた内容でやっていただければと思います。
 続いて、就職活動の早期化、長期化に関して質問をさせていただきます。
 午前中も申し上げましたとおり、私は前回の就職氷河期真っただ中の一九九八年に就職活動をいたしました。その前年に就職協定が廃止になって、その直後に就職活動をされた先輩方の後ろ姿、右往左往する姿を見て、私自身も協定廃止二年後に就職活動をいたしました。私の年代ですら既に早期化の傾向が顕著となり、現在に至っては学生の本分たる学業に専念できないような現実もございます。
 昨年の予算委員会でもこれについては質問をさせていただき、その後、企業と大学、そして関係省庁が中心となってこの問題の是正に取り組んでおられるということは承知しております。しかし、大学は中教審の答申にもありました学士力の養成に力点を置く、企業はできる限り早く人材を確保したいという、このサイクルがあるがために早期化や長期化の流れは止めようのないところまで来ていると思います。それでも、政府、大学、企業が同じテーブルに着いて定期的にこの問題について話し合い、我が国の未来を託す人材をいかにして育てるか真剣に話し合う必要があると考えます。
 この問題に関する企業への各種アンケート結果等を見ると、早期化、長期化に対する問題意識は多くの企業が持っているとされています。だからこそ、政府としてこの問題の是正に向けた後押しとなるような施策が必要であると考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。
#146
○内閣総理大臣(菅直人君) 基本的に吉川議員のおっしゃるとおりだと思っております。新卒者の就職・採用活動については早期化、長期化し、それにより学生の負担が大きくなっていると認識しています。また、御指摘の調査結果でも、多くの企業がこの状況を問題視しつつも、改善が困難な原因として、他の企業との人材獲得競争上の懸念が指摘をされております。このため、この問題には経済界や労働界及び大学が一体となって取り組む必要が確かにあります。
 政府としては、関係大臣から経済団体に対し早期の採用選考活動の抑制などを要請するとともに、関係省庁連携の下、関係団体の対話の場を継続的に開催するなど雇用問題改善に向けた取組を進めており、これを受けて、日本経団連や経済同友会など経済界から採用選考の時期を従来より遅らせるなど具体的な見直しの動きも現在出てきているところです。
 今後とも、引き続き就職活動の改善にしっかりと取り組んでまいりたいと考えます。
#147
○吉川沙織君 昨年十一月に、新卒一括採用の弊害を緩和するという意味で、総理のリーダーシップの下、三年に枠を広げるという措置がなされました。早期化、長期化についても、今いろんな形で懸念が表明されていますので、今総理が御答弁くださいましたような形で後押しを進めていっていただければと思います。
 次に、この若年者の雇用問題が国税や地方税、そして日本経済全体にどのような影響を与えるのかという観点から質問をさせていただきます。
 昨年の予算委員会において、就職氷河期世代を中心とする若い世代が正社員になれなかったことによる経済的損失に関して、国税、地方税収入に与える影響について試算を行っているのか否かお伺いいたしました。当時の財務大臣は総理でございましたが、当時の菅財務大臣からは、フリーター等の定義が定かではないことも含めて、試算そのものは行っていないとの御答弁がございました。また、当時の総務副大臣からは、年齢階層別の統計が存在しないことから減収規模は分からないとの答弁もありました。
 ただ、若年労働者の非正規化、また若年失業者の増大により国税収入に与える影響があると思いますが、財務大臣に御見解をお伺いいたします。
#148
○国務大臣(野田佳彦君) お答えいたします。
 非正規雇用者の増加と税収との因果関係については、具体的な試算はございません。ございませんけれども、一般論で申し上げれば、正規より非正規が増えていくと、あるいは失業者が増えていくということになれば、雇用者報酬の総額が減り、そのことによって所得税収が落ち込むということの可能性はあり得ると思います。
#149
○吉川沙織君 ありがとうございました。
 今財務大臣から所得の落ち込みによって税収の落ち込みも考えられるとの御答弁がありました。これは地方税においても同じことが言えると思いますが、総務大臣の御見解をお伺いいたします。
#150
○国務大臣(片山善博君) 地方税におきましても、先ほど財務大臣から御答弁ありましたような国税のメカニズムと同じようなことが起こり得ると思います。
#151
○吉川沙織君 国税、地方税において若年労働者の非正規化、そして若年層の失業率が高止まりすることによる国税、地方税の減が見込まれる、影響があるとの御答弁でした。
 昨年の質疑で当時の菅財務大臣から、「フリーター等によって正社員の皆さんよりも給与が低いために税収が下がっているということは十分予想される」との答弁をいただきました。この問題は、若い人の層に限定されるものではなく、この税収から見ても分かるように全ての世代に影響するものです。
 若年者雇用問題が日本経済全体に与える影響について総理にお伺いいたします。
#152
○内閣総理大臣(菅直人君) 若者に限りませんけれども、若者は、就職できなければもちろん生計を維持することができず、たとえ働いた場合でも非正規労働者である場合は正規労働者と比べて雇用調整の対象となりやすい、相対的に低賃金である等の雇用が不安定であるという問題があると認識しております。
   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
 このような若年者雇用の問題は、経済全体に対して、一つは、生産面では技能の蓄積が進まず我が国経済の生産性を低下させる原因となる。また、支出面では国民所得の減少が消費不振につながってくる。先ほどおっしゃった税収にももちろん影響すると思います。更に言えば、結婚をする率が大変低くなり、その結果、更なる少子化を招いてしまう。更に言いますと、雇用というのは、単に生計を得るということにとどまらず、人は働くことで居場所と出番を見付けることができ、特に若い世代が社会から孤立することがないようにすることが大切だと考えております。
 そういった意味で、この若年者雇用は、短期的な経済問題だけでなく、極めて長期的に見ても大変社会のひずみを拡大しかねない問題だと認識しております。
#153
○吉川沙織君 今、総理から税収等からも影響が見込まれるということ、そして技能の蓄積が難しい、そういったお話をいただきました。総理は施政方針演説で、一に雇用、二に雇用、三に雇用、雇用対策に力を入れ、そして税と社会保障の一体改革にも着手をされております。
 私は、体感不安を解消するための平成二十三年度予算案の早期成立を中心に、雇用の問題に焦点を当てて質問をさせていただきました。今総理からも御答弁ございましたように、若年者雇用問題については、この世代だけではなく、日本経済全体に与える影響、そして社会保障の持続性の観点からも早急に取り組んでいかなければならない政策課題であると考えます。私の世代が不安定な雇用形態のまま六十五歳を迎えたとき、生活保護の財政負担が約十九兆円にも上るという試算もございます。何としても全ての世代の人が明日に夢や希望を持てる、そんな社会をつくり上げていかなければならないと感じています。若年層における格差の拡大は、年を重ねるごとにその格差がやがて固定をし、日本全体の格差の拡大にもつながりかねません。その上、これは将来に対する希望の格差にも及んでしまいます。
 これらの課題に対応する平成二十三年度予算案、そして予算関連法案の一日も早い成立を野党の皆様にも呼びかけて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#154
○委員長(前田武志君) 以上で平田健二君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#155
○委員長(前田武志君) 次に、白浜一良君の質疑を行います。白浜一良君。
#156
○白浜一良君 公明党の白浜一良でございます。
 今日は質疑をさせていただきますが、最後に政治と金の問題をやりたかったわけでございますけれども、昨日、前原大臣が辞任されたということでございまして、当然、いわゆる外国人からの献金を受けるとこれは違法献金でございますから、外務大臣というそういう重責から考えれば辞任されるのは当然だと、このように認識しておりますが、前原さんの記者会見聞いておりますと、総理は慰留をされたと、こういうふうにおっしゃっておりますが、慰留された理由は何ですか。
#157
○内閣総理大臣(菅直人君) 私としては、前原外務大臣には外務大臣としての職責を非常にしっかりと担っていただいてきたと、このようにまず認識をしておりました。今でもそう思っております。
 一方で、問題となりました献金について、御本人、まだ調査の途中ではありましたけれども、そのことを、献金があったということは御本人認識をしていなかったと、指摘をされて調べたらあったということでありました。そういう点で、一定の責任はあると思いますけれども、ちゃんと調べて皆さんに説明をして理解をいただいて、そのまま仕事を継続していただけないかなと、こういうふうに考えまして慰留をいたしました。
#158
○白浜一良君 今朝の総理の発言見ますと、ミスだというような発言をされているわけで、調べてからでいいんじゃないかと、そういうことだけがそういう慰留の理由になっているわけですか。
#159
○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げましたように、一つはまだ調査の途中だという話でありましたし、私が御本人から聞いていた範囲でいえば、献金の事実を知らなかったということも言われておりましたので、そういうことを勘案して、それと冒頭申し上げましたように、外務大臣としての仕事はしっかりやっていただいていたという認識の中で慰留を申し上げました。
#160
○白浜一良君 それが認識が総理、甘いんですよ。少なくとも昨日の夜の段階で最終的な会談されて慰留されたんでしょう。違いますか。要するに、前原さんはもうもらったと事実を認めていらっしゃる、自らに管理責任があるということを明確にされている。分かった上で慰留されたんですか。おっしゃっているんですから、本人が。
#161
○内閣総理大臣(菅直人君) 御本人の私に対する説明、あるいはほかの場面でもそうだと思いますが、調べてみて献金の事実があったということはもちろん認められているわけですが、そのことは少なくとも指摘のあるまでは知らなかったということでありましたので、そういうことも含めてきちんと調べてその経緯を説明をされて、理解が得られるのではないだろうかと、こういう思いの中で私が慰留を申し上げたということであります。
#162
○白浜一良君 本当に認識が甘いんですよ。外務大臣というのは日本の国益を守るために諸外国と交渉をやる立場ですよ。その本人が外国人から献金を受けたと。日本の法体系の中でも違法じゃないですか、要するに。それで務まりますか、外務大臣が。そんな不明確な認識で慰留するんですか。もっと職責の重さというものを判断すべきじゃないですか、要するに。違いますか。理解できませんね。
#163
○内閣総理大臣(菅直人君) 外務大臣という職責は、もちろん他の大臣も同様でありますけれども、非常に重い職責だと思っております。
 そういう中で、先ほど来申し上げておりますように、確かに金曜日の質疑、私も聞いておりましたけれども、指摘を受けて、御本人がそうした献金があったことは認められました。ただ、指摘を受けるまではそういう献金があったことを知らなかったということでもありますので、そういう点で、その経緯も含めて説明を、ちゃんと調べた上で説明をして理解を得て職務を継続をしてもらえないかなと、私はそういう認識の下で慰留をしたわけであります。
 決して職責が軽いとかそういうことで申し上げたわけではなくて、そういう形での説明をした上で、当然ある意味での責任があることは御本人も認められておりますけれども、少なくとも受け取ったことはそれまで指摘があるまでは知らなかったということも言われておりましたので、そういったことで、私としては、ちゃんと説明をされれば理解が得られるのではないかということも含めて慰留を申し上げました。
#164
○白浜一良君 本当にそういう認識がおかしいと思いますね。要するに、知らなかったと、献金を知らなかったということが大事じゃなしに、最終的に分かって、私の管理責任はあると、ここが起点なんですよ、政治家としての。まあ押し問答になるからやりませんが。
 それから、今日の、官房長官、午前の定例会見ですかで法的問題はないと。法的問題はあるんです。外国人の献金は違法献金なんです。これが故意かどうかということは、それは法的な判断が要ります。しかし、外国人の献金は違法献金じゃないですか。なぜそういう法的問題はないというようないいかげんな表現をするんですか。
#165
○国務大臣(枝野幸男君) この法律の規定は、外国籍の方から政治献金を受け取ってはならないという規定でございます。私が午前の会見で申し上げたのは、前原大臣に私が今まで明らかになっていて伺いしている事実からは、政治献金を受け取られたのは前原大臣に関連する政治団体でございますが、前原大臣御自身も構成員ではございませんし、前原大臣が受け取られたものでもございませんので、前原大臣には御本人がお認めになっている監督上の政治的な問題はあるかもしれませんが、法律上の問題としては、そもそも前原大臣が受けたものでもございませんので、法律上の問題でないと、これは法律の規定上、明確だと思っております。
#166
○白浜一良君 そういう、官房長官は内閣の要の大臣ですよ。内閣の要の大臣ですよ。(発言する者あり)
#167
○委員長(前田武志君) お静かに、お静かに願います。質疑の妨げになります。お静かに願います。
#168
○白浜一良君 そういう詭弁を弄してどうなります。前原さんの政治団体が名義がどうじゃらこうじゃら関係ないじゃないですか。前原さん自身が私も管理責任があるとおっしゃっているんだから、あなたがそういうことを言うことないんだよ、要するに。認められたということをしっかり前提にしてあなたは官房長官として発言すべきなんだ。
 私は本当に、これは法的な問題もさることながら、これだけの問題を政治的責任として受け止められない、総理の発言も官房長官の発言も、これが今の菅内閣の迷走する原因だということを私は指摘をしておきたいと思うわけでございます。
 その上で、官房長官が臨時大臣ですか、されたということでございますが、官房長官自身は物すごい忙しいですわね。総理、本来的なというんですか、次の外務大臣はいつごろ決められるんですか、これ。
#169
○内閣総理大臣(菅直人君) もちろん外務大臣という職責は、先ほども申し上げたように他の大臣ももとよりでありますけれども、特に海外へのいろいろな出張の多いポジションでありますので、現在のいわゆる臨時的な代理というのは、余りそれを長引かせることは適切ではないと認識しております。
 今、昨日の夜の最終的な辞任、まあ手続は今日朝でしたけれども、ということでありますので、そう間を置かないでと思っておりますが、私自身、いろいろな方とやはり相談もしなければなりませんので、そういう時間もある程度は取ってしっかりとした方を後任に選びたいと、こう思っています。
#170
○白浜一良君 急なことなので当然だと思います。
 しかし、外交日程、重要な外交日程が総理も御存じのように続いていまして、少なくとも十四日、十五日、フランスでG8の外相会議がありますね。これは当然新しい外務大臣が行かれると、こういうことになりましたら、準備もあるでしょう。ですから、この一両日中にでも新しく外務大臣を決めなきゃならないと、そういう今事態じゃないですか。
#171
○内閣総理大臣(菅直人君) おっしゃっている点はよく私も分かっているつもりです。ただ、私自身が時間を取れませんと例えば認証手続等も進めることができませんので、今日の時間、あしたの時間、いろいろ外国の賓客も今日本に来られていますので、そういうことも考えながら、一般的に言えばなるべく早い段階で後任を決めていきたいと、こう考えております。
#172
○白浜一良君 外交日程から見て早急に決められるべきだということだけを申しておきたいと思うわけでございます。
 その上で、これは前原さんが辞められて全てが解決されたわけじゃない。私は総理にお考えをお聞きしたいんですが、少なくとも前原さんは、このいわゆる外国人からの違法献金だけじゃなしに、いわゆる脱税会社からの献金とかいろんなことをうわさされているわけでございまして、全てひっくるめて、外務大臣は辞められたけれども、自らの国会議員としての、政治家としての説明責任をきちっとこの国会で果たされるべきだと、説明されるべきだと思いますけれども、総理はどう思われますか。
#173
○内閣総理大臣(菅直人君) 先週の審議の中でも、あるいは私との話でも、自分のことについてちゃんと調べている途中だという認識を示されておりました。そういうものがきちんと分かった段階で御本人として説明をされるものと、そう理解しております。
#174
○白浜一良君 当然でございますが、きちっと国民の皆さんに説明をされると、こういうふうに受け止めておきたいと思うわけでございます。
 それで、これ昨夕晩からいろいろ言われておりますが、民主党政権ができましてからもうずっと閣僚を続けていらっしゃいますね。主要閣僚ですね、前原さんなんというのは。そういう面で、いわゆる菅内閣の求心力が弱くなったと、こういうふうに報道もされておりますし、そういう認識も広がっております。また、そういう大臣を任命したという責任もあるわけでございまして、総理は、いわゆる四月に社会保障の新しい考え方の施策をまとめて六月には税との一体改革をやるんだと、そういうことをおっしゃっておりますけれども、これだけの大きな改革をやろうと思ったら本当に求心力がなければできません。本当にこういう内閣の実態でできるのかなと、こういうふうに思わざるを得ないわけでございますが。
 ここまで来たら、そういう面では、昨日、私どもの山口代表が申し上げましたが、これだけ求心力が弱ったら、もう総辞職されるか、本当に解散をして国民に信を問うかしか新しい流れはつくれないと、こういうふうな、私どもの代表が主張しているわけでございますが、そういう意見も多くあるということに対して総理はどう思われますか。
#175
○内閣総理大臣(菅直人君) いろいろな機会に申し上げておりますが、私は、日本で政権交代が定着したとまではまだ言えない状況ではありますけれども、ある意味、本格的な政権交代が一年半前に実現をしたわけであります。
 その場合に、他のイギリスなどのそういう政権交代を繰り返している国の例を見ると、やはり議院内閣制の国であっても、イギリスの場合下院ですが、下院の任期、イギリスの場合五年間というものを一つの基準として、一旦決まれば大体その期間は続けていくと。その間にやったことを踏まえて次の段階で政権を改めて争うということだと思います。
 私は、そういうことを考えますと、私たち民主党中心の政権を国民の皆さんが選んでいただいて、やはり衆議院任期の四年間、マニフェストの実現やいろんなことについて全力を挙げて、その結果をやはり踏まえて判断をしていただくと。余り他のことを申し上げるのは適切かどうか分かりませんが、私の前も短期に多くの総理が替わられておりますけれども、私は、政権交代というものはやはり衆議院の任期の四年間を一つの単位として、その上で国民の皆さんに判断していただいた方が、私は、長い目で見れば、そういう一つのルールが慣例化された方が、国民の皆さんにとっても、あるいは議院内閣制というこの制度にとっても好ましい姿だと、そう考えておりますので、その間、憲法上の規定でどうしてもということになれば別ですが、そうでない限りはしっかりと義務を果たしていきたいと、こう考えております。
#176
○白浜一良君 日本のいわゆる議院内閣制の制度の仕組みを総理から説明してもらう必要はないわけでございます。今、菅内閣が置かれている状況を私は言うているわけで、これだけ国民の信頼を失って、求心力を欠いたら抜本的な改革はできないでしょうと。だから自ら身を引くか国民に信を問うしかないでしょうということを言っているわけで、別に議院内閣制のそういう仕組みを説明してくれと私は言っているわけでも何でもございません。これ、押し問答になるのでこれぐらいでやめますが。
 予算が参議院に参りましたけれども、いわゆる予算というのは当然歳入歳出一体ですよね。ところが、歳入法案は衆議院で議論もされていないというところでございまして、歳出の予算案が参議院に回ってきたと、これ本当に本来の形じゃないと。やはり予算というのは本来歳入歳出一体で審議すべきだということは、総理、当然それは政府としてはそういうお考えでいいわけでしょう。
#177
○内閣総理大臣(菅直人君) 予算と予算関連法案というのは、もちろん予算を執行する上で関連法案の重要性は大変高いわけでありますから、一体として成立させていただくことが私たちにとっても望ましいと思っております。しかし、そのことがねじれ国会という中でなかなか議論がそういった形での合意ができない、あるいはそれに時間が掛かる場合において、一体の方が好ましいということはよく分かりますけれども、やはり予算が成立して関連法案が成立しなくてもいいということではありませんので、やはり与野党でしっかりと議論をして合意を求めていく努力はそれはそれとしてやらなければならないと、こう考えております。
#178
○白浜一良君 衆議院、参議院の院の構成と院の意思は別にして、政府としては歳入歳出を一体で予算を審議してもらって一刻も早く上げてもらいたい、成立させていただきたいと、こういうことをおっしゃるのが本来の総理の御意見であるべきじゃないんでしょうか。
#179
○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げましたように、予算と予算関連法案を是非成立をさせていただきたいという意味ではもちろんそのとおりであります。
 ただ、成立するために、やはり少なくとも関連法案に関しては参議院における何らかの合意がなければ成立をしないわけでありますから、そういう意味では、成立をさせていただきたいと思っておりますが、成立をさせるためにどうすべきかということも含めて与野党での議論が必要な場合もたくさんありますので、それはそれとして努力をしなければならないと、こう思っております。
#180
○白浜一良君 本当は、そういうことであれば衆議院段階でもう少し議論されるべきだと思いますよ。強硬にそういう出口を決めるべきじゃないと私は思うわけでございまして、そういう面で、枝野官房長官、参議院の審議が始まる前に本院の議運の理事会で陳謝をされたと、一体で審議する方が異例なんだという御発言をされたことに対して陳謝をされたわけでございますが、私、これ、御発言見ていまして、分かっていらっしゃらない、何でこんな、一体である方が異例なんだというような強弁をされるのかなと思うわけでございます。
 確かに議運の理事会ではおわびになったと、それは認めます。しかし、過去にそういう別々に採決した事実もあると、こういうことを言いたかったんだということで、表現に至らぬところがあり訂正しておわび申し上げます、こういうふうにおっしゃっている。
 私は、今総理にも申し上げましたけれども、官房長官でしょう、これだけの予算、成立するしないの大きな責任を担っていらっしゃる。だから、別にそんな、一体である方が異例なんだとか、そういう強弁を吐かれる必要全くないんですよ。一刻も早く審議を終えて成立させていただきたいと、これが政府の姿勢じゃないですか。なぜあなたは強弁されるのかと。
 だから、表現に至らぬところがあり訂正しておわび申し上げますじゃないんですよ。基本的に間違っている、間違っているんですよ。政府を代表して国会の審議をスムーズにする責任があなたにもあるんじゃないですか。こんな強弁されて野党が喜びますか、これ。野党が審議に乗りやすいようにするのがあなたの仕事じゃないですか、要するに。反省しなさい。
#181
○国務大臣(枝野幸男君) 先ほど総理からお話もございましたとおり、内閣といたしましては、予算と歳入法案についてできるだけ速やかに成立をさせていただきたいということを重要と考えておりまして、皆様方にも是非御協力をお願いを申し上げる次第でございます。
 また、予算と予算関連法案の国会における取扱いにつきましては、国会運営に委ねるべきものであり、政府の立場で直接そのことについてコメントするべきではないと一貫して思っております。
 御指摘をいただきました三月一日の記者会見につきましては、過去の事実関係について御紹介をしたつもりでございますが、御指摘のとおり、異例であるという表現は何らかの私の価値判断あるいは意見が含まれているものと受け取られるような表現であったということで、そのことはまさに表現として至らなかったものと思っておりますのでおわびを申し上げたところでございまして、繰り返しになりますが、客観的な事実関係の御紹介をしたにとどまったつもりでございまして、私の立場としては、繰り返し申し上げますが、できるだけ早く成立をさせていただきたいと。また、国会運営については国会の、まさに委ねるべきであり、私どもの方としてはその中でできるだけ早く成立させていただきたいということで、重ねてこの場を借りてもおわびをし、お願いを申し上げます。
#182
○白浜一良君 もうこれ以上やりませんけれどもね。私、与党の幹部としておっしゃるのはいいけれどもね、いろんな御意見を。内閣を代表する立場で、やっぱり一刻も早く審議がスムーズに進んで成立することをお願いするのが立場だと、強弁する必要は全くないと。客観的な事実を言いたかったんだと言うけれども、そういうことも必要ないんですよ、あなたは官房長官なんだから、ということを御指摘申し上げたわけでございます。
 それで、総理が避けて通れない重要な課題と、社会保障と税の一体改革の話に進めたいと思いますが、歴史的使命を感じて頑張り抜きたいと、こういうふうにもおっしゃっているわけでございます。それで、総理は工程表も大事だと、こういうふうにおっしゃっておりまして、これからいろいろ検討されるんでしょう。だけれども、大体、この工程表という意味では、いつごろから制度改革を始めて、いつごろまでにこの制度改革を終えたいんだと、そういうお考えはお持ちですか。
#183
○内閣総理大臣(菅直人君) 現時点、御承知のように、社会保障と税の一体改革について、まずは四月中に社会保障のあるべき姿を提示ができるよう、現在集中討議を行っているところであります。その上で、六月までには、具体的な制度改革案と必要財源の安定確保と、そうしたものを含めた税を含む一体的な改革の在り方を、その方針を示すことといたしております。その上で、できればその前でも構わないんですけれども、野党の皆さんとも、いろいろな案を出していただいておりますので、そういう中で野党の皆さんとの協議を行えることを強く私たちとしては希望をいたしております。
 その更に後のことについて、やはりこの問題、他の国の例を見てもなかなか、あるいはこれまでの日本の政治のこの十年、十五年を見ても、なかなか一つの党あるいは一つの政権側だけでは超えられない大きな課題でありますので、そうした与野党の協議があって、その中でより合意が国民的に得られるものができたと、そういう段階になればその先の手続に入れると。
 まずは六月まで党と内閣の方でそれに提案できるものをしっかりと用意する、その協議を今行っているところであります。
#184
○白浜一良君 四月、六月の話はもうよく理解しています。そうじゃなしに、その検討会議の総理は議長ですからね、そのいわゆる中身の検討を今始めていらっしゃる、そういう大綱を示すのが総理のお立場じゃないかと。だから、いわゆるそれぞれ制度改革する、四月、六月で決まったとして、それ以後のいわゆる制度設計の改革のプログラムを私は言っているわけです。
 もっと分かりやすく言いますと、いわゆるこの衆議院の任期、二〇一三年の八月までですか、それまでに全部改革を、制度改革をやりたいと、こう思っていらっしゃるんですか。
#185
○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げましたように、四月、六月というのは分かっているということでありましたが、その段階で是非、御党を含め、自民党も含め、野党の皆さんとそういう議論を行う場を遅くともそのころにつくらせていただきたいということを申し上げているわけです。もちろん、その結果が何らかの合意が得られるということになれば、その中で合意されたものについての立法という手続にも入っていくと思います。
 もちろん、税の一体改革ということで、税として、所得税、法人税、消費税、そういったものの議論が含まれるということになると思いますけれども、例えばそういうことになった場合、我が党としてお約束をしている、もしそういう本格的な消費税を含む何らかの税制改正をする場合には、少なくともそれを実施する前には国民に信を問うというお約束はお約束として守ってまいりたいと思っております。そういう中で、できるだけ早く与野党の協議に入っていくことができればと思っております。
#186
○白浜一良君 よく分かりません。まあ自民党とかうちと協議されるのは結構なんですが、それよりもまず政府なり民主党で案を作る必要があるわけで、相談にも何もなりません。その中身の話を聞いているわけでございます。
 もう少し具体的に言いますと、その今検討されている、例えば年金に限って言いましたら、民主党の施策の柱は、いわゆる厚生年金、国民年金、共済年金の一元化、これが一つ。それから最低保障年金という考え、七万円、月七万円とありますね。当然そういうことがベースとした案を考えていらっしゃるんですか、どうですか。
#187
○国務大臣(与謝野馨君) ベースになっております考え方は、年金、医療、介護の、一つは持続可能性ということ、それからもう一つは世代間の不公平を直していくということ、それから自分の責任でなく低年金等に困っておられる方にどういうことができるのかと、これが三つでございます。
 一元化とか税方式とかということ、あるいは最低保障年金というのはそれらの手段でありまして、それが実は目的ではないと思っております。もちろん、一元化というものはそれを目指してやります。それから、最低保障年金も困窮している方に、例えば公明党の案ですと低年金の方に二五%の加算をしようという、こういう案になっているわけでして、そういうものを見ますと極めて優れた案だと思っておりまして、実はこれは、最低保障年金という名前にはなっていませんけれども、最低保障機能を果たしていると私は思っております。
#188
○白浜一良君 よく分かりません。その民主党の年金施策、マニフェストに書いてあるコアの一元化と最低保障年金が含まれた案を作られるのかどうかということだけを聞きたいんです、枝野官房長官。
#189
○国務大臣(枝野幸男君) 今、内容についての調整、取りまとめをされる与謝野大臣からお話がございました。この取りまとめの整理をしておきます本部には、これは政府、与党一体となりまして、党の方からも担当する責任ある立場の皆さんにお加わりをいただいております。党としてはマニフェストに基づいて、そして衆議院の審議で御党からまずは党としての考え方をもう一回ちゃんと整理して示すべきだという御指摘もいただきましたので、党としてのもう一度整理をした形をお示しをいただきたいということをお願いをしております。
 そうしたメンバーも入り、それからそれ以外の内閣の方のメンバーも、多くのメンバーは民主党の議員として、候補者としてマニフェストを掲げて当選をさせていただいているメンバーでございますので、当然のことながら、実質的には、議論の中には民主党がマニフェストでお示しをした考え方が、これをベースという言い方がいいのか、何と申し上げたらいいのか表現難しいところでございますが、当然のことながら大きな要素として議論がまとまっていくということになるものと考えております。
#190
○白浜一良君 今、ちょっとニュアンスが違う、ちょっとニュアンスが違うんですが、総理、そういうマニフェストに掲げられたこの年金の二つの柱は当然含んだ案を四月にまとめるんだと、こういうふうに理解していいですか。
#191
○内閣総理大臣(菅直人君) 現在、作業としては、先々週は、労働団体、経済団体、主な団体の提案をお話をいただきました。たしか先週は、主な新聞社が提案されている、まあ一社だけ資料だけでありましたけれども、提案されている年金制度についての説明をいただき、それをいろいろ検討いたしました。
 つい三日ほど前は、年金、医療、介護、さらには子育て、さらには貧困等のそれぞれいろんな分野で活躍されている方の話を聞いて議論をいたしました。
 今、白浜議員の方から年金のことを特におっしゃったわけでありますけれども、もちろん我が党がこれまで議論してきたことも一つのベースになるわけでありますけれども、それも含めて、他のいろいろな案も含めて土俵にのせて、現在議論をしているところであります。そういった意味で、基本的には我が党の案もベースの一つであると、このように考えております。
#192
○白浜一良君 これ押し問答のようになりますが、ここのところ大変大事なんです。
 私どもが与党のときにいわゆる年金改革の与野党協議を呼びかけてやったことがございます。そのときに枝野さんは、要するに抜本改革でないと与野党で協議する意味ないんだと、若干の手直しなんかはもう与党だけでやればいいんだと、こういう発言をされている。その言葉は丸々返ってきますよ。分かっていらっしゃいますか。そういう基本姿勢なくして、何となく自民党さんも公明党さんもと言われたって話にならないですよ、これ。だから、私は基本的な、この四月にまとめようという基本姿勢を聞いているんです、だから。
#193
○国務大臣(枝野幸男君) 白浜先生の御指摘いただいた私の前回の超党派での国会での議論のときのあの発言の趣旨は私もよく覚えております。まさに今の国民の皆さんの特に年金に対する意識ということ、あるいは社会状況の変化等という状況を考えたときには、文字どおり抜本的にどうあるべきかということを考えて、そしてやっていかなければならないというふうに思っておりますし、そうした姿勢でこの本部の方も議論が進んでいるというふうに私は思っております。
 そうした抜本的なところから見直すということの視点に立った上で、まず何ができるかというようなことを当然、特に担当大臣の方ではお考えになったり、あるいは各方面から抜本的な改革に向けてまずはこういったことをやるべきではないかなどという意見が出ておりますが、いずれにしても、今の当面している問題がどこから生じているのかという根本的なところに立ち返った議論をさせていただいているつもりでおります。それを踏まえた、それを前提にした、そこに向かっていく案が提示できるものと思っておりますので、そこに向けたプロセスについて、さらに各党の皆さんの御意見も踏まえた上で合意形成できることを願っているところでございます。
#194
○白浜一良君 ここが、目指してとか向かってとか、そこは非常に幅があってもう理解しづらいんですが。
 そうしますと、検討会議が始まって、与謝野大臣が二回目の検討会議の後の記者会見ですか、完全な一元化というのは今回はできない、最低保障年金というのは今から三十年か四十年先の話、税で全部賄う最低保障年金というのはなかなか設計図としては描きづらいと、こうおっしゃっているわけですね。
 この発言、同じ閣僚ですよね、内閣の。この発言はお認めになるんですか。
#195
○国務大臣(枝野幸男君) 時折というか、きちっと与謝野大臣とはお話をさせていただきながら進めさせていただいてきているつもりでございます。
 これは先生も御承知だと思いますが、従来、民主党がマニフェスト等でお示しをしてきている最低保障年金ということについては、これは今の基礎年金を変えるというような趣旨でございませんので、最大経過措置とろうと思えば四十年後にフルでもらえる人が出てくるということの制度でございますので、この制度が、入れようと思えば何十年間も掛かるということは、そういう意味では我が党の従来の考え方は与謝野大臣も御理解をいただいているということだと思っております。
 それから更に言いますと、一元化に向けてどういう段取りでどういうふうに進めていくのかということについては、これはもちろんできるだけ早い方が望ましいというふうに思っておりますが、これはマニフェストでも実はその辺りのところ、例えば一年でできますとか三年でできますとかという簡単なものではないということは十分承知した上で、一元化について制度構築を四年間の間に行うというマニフェストのお約束をさせていただいております。
 その制度構築に向けたプロセスとして現実的にどれぐらいの見通しで進んでいくのかということについては、いろいろなやり方があるし、一定の期間が必要だろうという認識は、従来の民主党のマニフェストを踏まえた私の考えとそれから与謝野大臣の御発言あるいはお考えは大きく違ったものではないだろうと認識をしております。
#196
○白浜一良君 じゃ、与謝野大臣に聞きますが、今の官房長官の話は、もう一元化、それから最低保障年金、ゴールを決めて、その当然プロセスは要ります、急にそんなに制度は変えられません。これは、やはり三十年、四十年とおっしゃったのは、ゴールを決めた上でそのプロセスとしての三十年、四十年だと、こういうことですか、この記者会見で言われたことは。
#197
○国務大臣(与謝野馨君) 完全税方式で制度を移行するためには三十年から四十年掛かるというのは事実でございます。
 そこで、一元化というのは非常に実は難しい作業が伴います。一つ大事なことは、例えば福祉番号というようなものが導入されていませんときっちりとした一元化はできないと。ですから、今考えておりますのは、まず社会保障番号制度を導入してきちんと定着させる、そうすれば一元化の環境が完全に整うと、そういうふうに考えているわけでございます。
#198
○白浜一良君 ゴールを決めて考えていらっしゃいますかと言うているんです。
#199
○国務大臣(与謝野馨君) もちろんゴールを考えてやっております。
#200
○白浜一良君 私、パネルを使うの苦手なんですけれども、今日は一枚だけ作ってまいりました。これは菅総理と枝野官房長官の御発言でございます。資料、行っていませんか。(資料提示)
 菅総理が民主党の代表時代ですね、これは平成十六年。それぞれ、永久的に維持できるような年金制度改革を既にマニフェストに盛り込んで提案したと、国民年金、厚生年金、共済年金の一本化とそして基礎年金に対する将来の消費税投入を含む税による負担というまさに抜本的な改革を提示したと、このようにおっしゃっている。これ、御自身の発言ですよ。改ざんしていません、そのままでございますから。それから、枝野さんが、当時は憲法調査会長ですか、我々は次の選挙で過半数を取ってこれを実行します、年金の抜本改革をですね、こういう発言をされているわけです。
 当然野党時代の発言ですから勇んだ発言だとは思いますが、当然この御発言が今も菅内閣の中で生きていらっしゃるというふうに理解していいということですか、先ほどのこの議論の経緯として。
#201
○国務大臣(枝野幸男君) まず、私の発言の方について私からお話を申し上げます。
 済みません、前後どういう文脈の中でそういった発言を私が申し上げているかちょっと事前に調べることができませんでしたので分かりませんでしたが、私は当時から、この問題は超党派で合意形成をして進めるべきであるということ、これはいろいろなところでずっと申し上げてきておりましたし、合同会議においてもそういったことを申し上げてきております。
 ですから、済みません、前後の文脈のところでどう申し上げていたかは別として、私の当時の思いとしては、なかなか両院合同会議、設置まではうまくいきましたけれども、そこでの議論が残念ながらかみ合わない議論であったと。それはいろいろな原因があったんだと思いますが、そのかみ合わないという状況でなかなか合意形成にもし進んでいけないのだとすれば、こういったこともやらなきゃならないという思いを当時持っていたことは間違いございません。
 そうした意味では、当時も今も、この問題についてはでき得るならば超党派で合意形成をして進めてまいりたいという気持ちは一貫しておりますし、その発言自体を否定するつもりはございません。
#202
○白浜一良君 総理。
#203
○内閣総理大臣(菅直人君) 被用者年金といわゆる今でいう国民年金、これについては、先ほど与謝野担当大臣もお話がありましたように、これを一元化することにおいてはいろいろ議論があることは私もよく承知をしておりますし、また、共通番号といいましょうか、そういう問題も、やはりそういうものがなければなかなかできないということもあります。また、同じ被用者年金の中でも、いわゆる厚生年金といろんな共済制度があります。
 同時に、先日の議論の中で私、大変いい議論ができたなと思っておりますのは、現在はいわゆる非正規の人たちがほとんど厚生年金に入れていない、あるいは健康保険も多くの人が国民健康保険の方に入っていて、被用者の健康保険に入れていない、このいろんな過去の経緯があることの指摘をいただきました。
 ですから、同じ被用者同士の年金の一元化でも、制度的な一元化に加えて、場合によっては非正規、従来、たしか労働時間で四分の三以上という一つの通達でしょうか何でしょうか、あったものを、果たしてそれでいいのかという議論もこの集中討議の中で出ております。
 そんなことも含めて、当時、私が原理原則的なことで発言したことは多分このとおりだと思いますけれども、それに至る過程の中でいろんな段階があるというのは、これは当然そういうことを念頭に置いて考えなければならないだろうと思っております。
#204
○白浜一良君 私は、衆議院の段階のいろいろ議論を聞いていまして、何かもう四月、六月ということが、まあ盛んに強調されているということもございますけれども、そんな短期間でこんな抜本改革がまとまるのかなと要するに思うわけで、それが、今の制度の小手先の改革じゃ、余りに民主党のいわゆるマニフェストの内容と違うじゃないかということを指摘したかったわけでございますが、今日の議論を聞いていましたら、それを目指してやるんだと、こういうふうに理解していいわけですね。総理、最終、もう一遍確認しておきますが。
#205
○内閣総理大臣(菅直人君) これは、野党もいろいろな党があっていろんな趣旨の発言をされておりますが、簡単に言えば、ちゃんとあるレベルまでまとめてこなければ、議論をしよう、議論をしようと言ってもできないではないかというのが一般的におっしゃっていることだと私も理解しました。ですから、本来ならもっと手前の段階から与野党の協議といいましょうか話ができればと、あるいは私たちの今の集中討議にも、場合によっては野党の皆さんにも御説明をするようなところにおいでをいただけないかということを内々思ったりもいたしているわけですけれども。
 しかし、いずれにしても、やはり与党と政府の方でまとまったものを出さなければ議論になかなか乗れないということを野党の多くの指導的な方がおっしゃっていますので、それは四月の段階で大きな絵姿はお示しをし、六月の段階で税との一体改革の案をお示しをしたいと、こう考えております。
#206
○白浜一良君 その四月、六月は分かっていますねんて、もう何回も聞いているから。何をまとめられるんかという中身の大綱、大綱を聞いているわけでございますから。まあ何となく、若干それぞれ皆さんニュアンスが違うなという感じはしますが、これ以上具体論は詰まらぬのでしょうから議論はやめたいと思いますが。
 関連しまして、年金の三号の被保険者の資格をなくされた方の救済問題というのがこれ大問題になってございますが、昨日までの審議を見ていますと、細川大臣、十二月十五日の課長通知は知らなかったとおっしゃっていますよね。これ、三月の時点で大綱を決められたと、これ長妻大臣の時代。それ決められたこともずっと知らなかったわけでしょうか。そして、いつそういうこの救済案を知ったということになるわけですか。ちょっと説明していただけますか。
#207
○国務大臣(細川律夫君) このいわゆる運用三号の件につきましては、昨年の三月段階で大枠決定をいたしまして、それからずっと施行に向けての準備が進んでまいりまして、そして十二月の十五日に一月一日から施行するという通達を出したわけでございます。
 私が具体的にこの詳細な設計を知りましたのは、この問題が起こりました一月の下旬ごろでございます。
#208
○白浜一良君 今日は年金局長に来ていただいておりますが、昨年の三月、長妻大臣の下で何と何を決めたんですか。報告してください。
#209
○政府参考人(榮畑潤君) 昨年の三月に運用三号による取扱いの大枠を定めたところでございますが、それは、整合しない記録につきまして、受給権者の方につきましては現状の年金記録を変更しない、被保険者の方につきましては、過去につきまして、保険料の時効が到来していない過去二年分以外は現状の年金記録を変更しないということでございます。
#210
○白浜一良君 よく分かりませんね。
 要するに、十二月十五日の課長通知とどこが違いますか。全く同じですか。
#211
○政府参考人(榮畑潤君) 課長通知は、その取扱いを今年の一月一日からスタートするということを示したところでございます。
#212
○白浜一良君 じゃ、中身は一緒だということですね。そうですね。
 これ、細川さんは九月に大臣になられた。たとえその三月の時点は、先日の質疑によりますと、私は労働担当の副大臣だったんで知らなかったと、こうおっしゃった、そう理解しています。しかし、厚生労働大臣になられたということは、こういう重要なことは報告するのが当たり前と違いますの、これ。課長、報告していないんですか。
#213
○政府参考人(榮畑潤君) 私ども年金局といたしましては、昨年の三月に既に定められた基本方針に沿いまして詳細な事務処理方法等の検討を進め、言わば実施に向けた準備作業を進めていたところであり、その準備作業が整ったところから昨年十二月十五日に、先ほども申しました実施時期を二十三年一月一日とするところの通知を出したところでございまして、言わばその既に定まった既定方針どおりに作業を進めさせていただいたというところでございます。
#214
○白浜一良君 そのこと自身が、全然報告しないということもおよそもう信頼できませんし。
 じゃ、課長通知というのはどういうルールで出されるんですか。大臣の決裁は要らないんですか。どういうルールになっているんですか。
#215
○政府参考人(榮畑潤君) 大臣までの決裁はちょうだいしておりません。
#216
○白浜一良君 これはこれで大問題でね。
 細川大臣、知らなかった、これが本当だとしても、この課長通知、これはある方には救済かも分かりません。しかし、多くの方には不公平になる。また、税金なり社会保険料なり、そういうたくさんのお金が使われる。そんな大事なことをこの通知で出したんですよ。あなた、知ったら、局長とか担当課長を呼んで叱責すべきじゃありませんか。やりましたか。やりましたか、それを。何らかの処分をすべきじゃないですか。なぜこんな大事なことを私に知らせないんだと叱責して当たり前じゃないですか、これ。確認したんですか。
#217
○国務大臣(細川律夫君) 私が事務方からそのことを報告を受けまして、なぜ私に報告しなかったのかということでは、それは私の方から問いただしました。
 そして、これについては、このようなことが行われているということで、私としては、この運用三号については公平の点とかいろいろな観点からやはり問題があるというふうに思いましたので、そこでいろいろな関係者からいろいろな事情を聴取をしておりました。その間、国会が始まりまして、年金業務監視委員会、総務省の、そちらの方からもいろいろな意見も出ているということ、それで衆議院の方の委員会でも御指摘がありましたから、この運用三号については留保ということに決定をさせていただきました。
 今、私どもの方で、官房長官、そして総務大臣、私と、昨日もこの件について検討をいたしまして、これについては法的な措置も含めて抜本的な改革策を検討をすると、こういうことを決定をいたしまして、これから先、法的な改正も含めて抜本的な対策を立ててまいります。
#218
○白浜一良君 この起こっている問題をどう処理するかということは、これは次の問題であって、なぜこういう事態が発生したかという原因、責任、ここを明確にしないといけないということを私は申し上げている。大臣のお話を聞いていても全く感じないんです。
 じゃ、総理、こういう実態だということを最高責任者としてどう思われます、これ。どう思われます。現在の細川大臣は知らなかった。知らなかったとはいえ、一方で全国に何人いらっしゃるか分からない、百万人以上いらっしゃるんじゃないかと、こういうふうに言われている。そうしたら、使うお金は一兆超えるんじゃないかと。そういう大きなミスを犯したということに対して誰も責任ある発言をされないと。こういう政府のありように対して総理はどう思われます、これ。
#219
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、一番重要なことは、国民の皆さんにとってこのことをどのように将来に向かって、ある意味従来のやり方が適切でないとすれば変えて、しかし同時に、どういう救済が公平性との観点で重要か、必要かということをきちんと示すことが最も今の大臣にやっていただかなければならないことだと思っております。
 この問題、御承知のように、私も余り細かい経緯までは聞いておりませんが、かなり以前から、かなり古くからこういう扱いが現実にはされていたものをそうした形にしたというふうに聞いておりまして、この何年間というんではなくて、かなり以前から本来は三号から一号に変わらなければいけない人についてもそのままに扱っていたという長い経緯の中で、それをどうかしなければならないということで始まったというふうに聞いておりますので、その経緯のことをもちろんしっかり調べることはそうでありますけれども、一番重要なのは、これから先に向かってどういう形で国民の皆さんに示していくか。野党の皆さんからも、これは衆議院の段階でしたか参議院の段階でしたかありましたが、やはり救済は何らかの形で必要だという御意見もたくさんいただいております。
 そういった意味で、その救済の方向性を今、細川大臣が総務大臣あるいは官房長官等含めて方向性を出していくと、場合によっては立法措置でそのことはやることも検討するという趣旨の答弁が今あったと思いますが、そういう方向でしっかりと国民の皆さんに安心できる、そして公平性を担保できる形に持っていくことが今やらなければならない最大の課題だと、こう考えております。
#220
○白浜一良君 いや、先ほどから私が言うてますやん。救済措置は大事なんだ、どういう対策するかということは。それは私はどうでもええと言っているんじゃない。こういう事態に至ったまずそれまでに、その責任問題、事実解明を私は言っているわけですよ、まず。誤解したら駄目ですよ、それは。
 そして、この問題は確かにここ一、二年の話じゃない。ずっと問題はあったんです。それは間違いないですよ。だけれども、この通知を出したというのは現内閣で出したんですから、この事実を私は言っているわけでございます。これだけの課長が通知出しながら誰も責任ある発言しないと、こんな内閣はおかしいじゃないですか。おかしいじゃない、誰が責任取るんですか、これ。総理、これ誰も取らないんですか。すぐこれ止めたんですよ、この通知を、発覚して。そんな通知を誰が出したのか、責任ある立場で。その責任明確にしなければ国民が納得できませんよ、これ。
#221
○国務大臣(枝野幸男君) 総理からも一定の趣旨、御発言ございましたけれども、今回の通達に至るには、昭和六十一年の三号制度の創設以来、今回の通達で新たにこういった制度を創設したのではなくて、こうした運用が従来恐らく多々見られていたと思われると。そして、どうやら当事者の対応や窓口の対応によって、今回通知で出されたような運用がなされていたケースと、そうではなくて実際の実態に合わせて訂正がされたケースと、これが混在をしていたということが政権交代後発覚をいたしました。こうしたところに至る様々な事実関係や経緯をしっかりと検証してまいりたいというふうに厚労大臣、総務大臣とも話をしているところでございます。
#222
○白浜一良君 もう、今回の問題の責任者は誰だと、どこに責任があるのかということを私は言っているわけでございまして、そんなの全然私が聞いている話じゃないんです。細川大臣。
#223
○国務大臣(細川律夫君) 十二月十五日は、当然、私が厚生労働大臣でございます。厚生労働の行政全般の責任は私が有しているところでございます。
#224
○白浜一良君 その上で、私ちょっとこれ不純なものを感じるんです。というのは、なぜかといいますと、要するに、厚生年金法の改正、昨年の臨時国会で審議しているんですよ。衆議院で修正して、参議院に送られて、今は継続審議になっています。これいろんな内容ございますが、いわゆる過去に遡って十年保険料が支払えるという、今は二年しか遡及できません、この審議をしていたんです。これ十二月三日で国会終わった。この課長通知というのは十二月十五日に出ている。国会終わったら直ちに出ているんです。少なくとも、二年間さえ遡って払えば何年支払ってなくても支払ったものとみなすということは元々分かっていたんです。なぜこの話が審議の中で出てこないのか。十年に遡って支払えますよという法案を、改正案を審議していたときに、なぜこの運用三号の問題が出てこないか、これは不思議でなりません。年金局長、これは分かっていた上で言わなかったんですか。
#225
○政府参考人(榮畑潤君) この通知自体は、先ほども官房長官からも御答弁ございましたが、これまで年金の支給に当たり、裁定時に不整合記録を適切にチェックするという統一性のある運用をすべきところを、必ずしもそれが徹底されていなかったという、年金事務処理上の進め方を改めて統一的にするというところでございます。したがいまして、こういうことを考えましてその課長通知ということで対応したところでございまして、年金確保支援法案との関係はそういう点では考えていなかったというところでございます。
#226
○白浜一良君 そういうことを聞いているわけじゃなくて、昨年の秋の臨時国会でいわゆる年金法の改正を審議しているときには、この運用三号の中身は分かっていたわけでしょう。なぜそれを説明しなかったのかということを私言っているんです。そうしたら、少なくともこの二年遡ったら過去何年払わなくてもみなすというようなことはできるわけないじゃないですか。改正しようという法案を審議していたんですから、衆参で。それがおかしい。どうですか、局長。
#227
○委員長(前田武志君) 榮畑年金局長、的確にお答えください。
#228
○政府参考人(榮畑潤君) この運用三号につきましては、先ほども申しましたけれど、事務処理上の運用を統一的、一貫性のあるものにするということで課長通知ということで進めさせていただいたところでございまして、年金確保支援法案との関係があるというふうなことにはしなかったところでございます。
#229
○白浜一良君 局長だけを責めても意味はございませんが、何か不純なものを感じます、不純なものを感じます。過去十年遡って支払えるようにしようという法案を審議しているときにこういう運用三号で救済策が一方で隠されているということ自身が非常に不純なものを感じます。
 私は、細川大臣、当時は、十二月十五日の時点、私が厚生労働大臣で責任者だと、こうおっしゃった。私はそれで潔いと思います。誰かやっぱり、こういう国民に混乱を起こしたと、不公平感を与えてしまったということに対しては誰かが、政治家が責任ある発言をしなければ、気持ちを持っていくところないじゃないですか、これ。そういう意味で私はしつこく何回もこれ確認して申し上げているわけで、昨年、臨時国会の審議といい、大変私は不純なものを感じるので、そのことだけを指摘をしておきたいと思います。
 それから、ちょっと経済対策を、余りやる時間がなくなりましたが、少しやりたいんですけれども。
 総理、昨年、臨時国会で私、ここで総理に御質問をいたしまして、日本政策金融公庫を使って、国金事業と中小事業で三年間で一万社つくろうという御提案を申し上げました。早速、総理はそのとき、夢のある魅力的な提案だと、この場で大畠経産大臣に指示を出しておきたいと、こういう格好よくおっしゃったわけでございますが、五か月近くになるんですが、私に何の返事もないんですが、これどうなっているんですか。
#230
○国務大臣(海江田万里君) 白浜委員に、私が担当でございますのでお答えを申し上げます。
 おっしゃるように、白浜議員はこの問題につき対総理でそういった質問がございまして、総理も前向きに答弁をしていたところでございます。
 従来、この日本政策金融公庫におきまして、創業者向けの新創業融資制度など積極的に推進しておったところでございます。そして、今年度もこの一月末までで二万九千件、千八百五十億円の実績を上げております。
 そのほかに、特にこれは白浜委員が提案をしたところでございますが、従来でしたら再生局面で利用されていました国からの出資金を利用した十五年一括返済の資本劣後ローン、こういうものも、これも盛り込みまして、それから、信用保証協会による創業関連保証で、今回の額は、これは内数でございますけれども、来年度の予算案の中で一般会計九百九十二億円、平成二十二年度は八百二十三億円でございましたけれども、こういう形で百億以上、これは外の数で、その中に、実際の金額はもう少し少なくなりますけれども、盛り込んで、その意味では、御報告が遅れたことは申し訳ございませんが、しっかりと先生の御提案の意を体して予算に組入れをしているところでございます。
#231
○白浜一良君 経産省もいろんな事業をやっていらっしゃるから、あちこちいえばそういうふうになるわけでございます。私は、大きな理念で、スローガンとしてばあんとぶち上げてやったらどうかということを申し上げたわけで、個々のこういう施策をやっていますというふうな説明は全く要らないんですよ。
 これ、総理、その場で指示するとおっしゃったんですが、こういう取組じゃ困る。私らも、野党ではございますが、やっぱり建設的なことを提案もしたいわけでございますが、もう少しやっぱり前向きに、何の返事もないというのは、これ、余り失礼じゃないですか、総理。どうですか、これ。
#232
○内閣総理大臣(菅直人君) 私の指示が不徹底でそうした報告が行かなかったことについてはおわびを申し上げます。
#233
○白浜一良君 その上で、今日は二つだけちょっと御提案がございます。
 この国会で、いわゆる国際戦略総合特区制度というのを考えていらっしゃるんですね。確かに、沖縄特区ほども行きませんけれども、やっぱり地域の活性化で生かそうという、趣旨は私も賛成でございますし、私、大阪なんですけれども、中小企業を経営されている方がこうおっしゃるんですよ。もうからないけれども雇用を守るために必死でやっているんですよと、だから、育てようというならばもっといろんな面での優遇措置をしてくださいよと、そういうふうにおっしゃっている。
 今考えていらっしゃるのは、この総合特区制度というのは、いわゆる法人所得では二割カットなんですね。沖縄特区の場合は三五%カットされる。まあ沖縄ほども行きません。これはこれでいいんです。ただ、いわゆる地方税の関係がないんですよ。これ、片山大臣ですかね。これ、地方税というのは固定経費やから、これはそれぞれ自治体で努力して案を出してこいと言っても、もう地方もお金がないわけでございます。沖縄は国税で補填していますから、沖縄ほどやる必要はございません。しかし、そういう国の配慮というものがあってこそ、そういう地域で雇用を守るために仕事頑張ろうという経営者が頑張ってくれるわけで、その配慮がない。という面で、もう一段積極的にやるべきだと思うんですが、大臣、どうですか。
#234
○国務大臣(片山善博君) 議員がおっしゃるような考え方もあると思います。ただ、この総合特区をこれから推進していこうとしたときに、国の方は、従来とは違ったいろんな、例えば財政上の措置だとか金融上の措置だとか、国税以外の措置もこれ組み合わせているわけです。
 その際に一つ重視したいと思っておりますのは、地元が、特に自治体を中心とした地元に本当にやる気があるかどうかという、単に国が制度をしつらえてこんなに有利なものがありますよと、それをぱくっとするんじゃなくて、本当に地元がイニシアチブを取ってやる気がありますかということが一つの選定の際のメルクマールになるだろうと思うんです。
 その際に、地方税というのは自治体の税でありますから、そこを自腹を切ってでも特例措置を設ける意思があるかどうかというのは一つの重要な要素ではないかと思いましてこのような制度にしているわけであります。したがって、是非地元の自治体が本当に必要があれば、固定資産税であってもその他の税であっても、まけてでもその特区を推進するということをやっていただきたいと思うんです。
 その後、全体の財政の問題というのは、ほかにもいろいろありますので、全体の財政状況を見ながらその自治体に対して支援をするということは、それは一般論としてはあり得ると思いますけれども、ここにおいては独自ででもやるという気概を示していただきたいという気持ちであります。
#235
○白浜一良君 大臣は知事もされていたから地方のこともよく分かると思いますが、そんな財政の余裕はないわけで、丸々国でやれと私は言っているわけじゃないんです。地方も努力するけれども、財政がやっぱり支え切れないものがあるから軽減措置をしたらどうですかということを、私は国が少し補填してあげたらどうですかということを言っているわけで、もうちょっと前向きな答弁しなあきませんで。
#236
○国務大臣(片山善博君) 今、国会に提出しようとしているものにつきましては、先ほど私が申し上げたようなスキームにしております。その上で、自治体が実際にどうされるか、これを適用を受けてどうされるか、それを見て、先ほどちょっと御答弁申し上げましたけれども、その他の例えば特別交付税だとかいろんな措置がありますので、そういうもので的確な支援措置ができるかどうか、これは可能性は大いにあるだろうと思います。
#237
○白浜一良君 そういう幅を持って見ていただくというふうに理解をしておきたいと思います。
 もう一つ提案がございまして、今住宅エコポイント制度がございますが、ただ、事業は限定されているんですね。いわゆる自動車のエコカーの補助金制度とか電気製品のエコポイント制度というのは広がりございます、事業として。ところが、住宅エコポイントは大変限定されている。そこで、これは提案なんですが、二つ加味されてはどうかと。
 一つは、だんだんこれから高齢化が進んでいくわけで、バリアフリーの工事もエコポイントに包含されてはどうかと。今はそのエコ工事をやった関連だけしか認められていない。それを一般的にもっと幅広に、ニーズがあるわけですから、そういうバリアフリー全体をエコポイント制度にされてはどうかということが一つ。どうですか。
#238
○国務大臣(大畠章宏君) 白浜議員の御質問にお答えします。
 先ほどは、総理から私の方に指示があったにもかかわらず、先生にその後の御報告をしなかったことは大変申し訳なく思います。
 さて、バリアフリー、エコ・プラス・バリアフリーという形ではエコポイントをやっておりますが、先生の方からバリアフリー単独でポイント化してはどうかと、こういう御趣旨のお話がございました。様々な形でこのエコポイントが地域の経済に大きな影響を与えていることは事実でありまして、いろいろとリフォームを促進するためにも幅広く検討していきたいと思います。
#239
○白浜一良君 もう一つは、総理、今年は豪雪でした。もう大変なんですね、雪下ろしとか。お年寄りも多いこともございますし。いわゆる融雪の屋根ってあるんですね。ところが、やっぱりもう少し設備を投資せにゃいけません。
 これは直接的なエコ住宅じゃないんですが、そういう関連で、そういう豪雪地帯の負担を軽くするために、温水を通したり電熱線で解かしたり、そういう設備もこの住宅ポイントに加味されてはどうかと、こういうことを申し上げたいんですけれども、国交大臣、どうですか。
#240
○国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げます。
 今年の豪雪で、この雪によって百二十人を超える方々が犠牲になっていることも事実であります。融雪施設、いわゆる屋根の上に雪を解かす施設はどうかと、こういうことでありまして、値段的には二百万から四百万するということでありますが、このエコポイントにプラスしてバリアフリーというのも今加味しておりまして、このバリアフリーも、言ってみますと高齢者対策の一つであります。そういう意味では、何かそのような形のものができないか工夫をしてみたいと思います。
#241
○白浜一良君 検討をしていただきたいと思います。
 最後に、政治と金で一点だけ総理に確認したいと思うんですが。
 先日、民主党でいわゆる政治資金規正法の改正の一つの案を作られたような報道をされているわけでございますが、私どもは、これは、いわゆる選任及び監督責任と、こういうことが法律上明記されているんですが、最初から悪人と前提して雇う人はいないから、ほとんど法律の機能はしないんですね。だから、選任又は監督と、こういうふうにしたらどうかということを一貫して御主張しているんですが、何かこの民主党の案を、これは報道ですけれども、何か署名だけさせようと、見ていないということを避けるために署名だけさせようというふうに伺っていますが、そういうおまとめだというふうに理解していいんでしょうかね、これ。──聞いていませんか、何も聞いていませんか。
#242
○委員長(前田武志君) 枝野官房長官。
#243
○白浜一良君 いやいや、いいです、いいです。
 いや、じゃ聞いていらっしゃらないということで、これ、総理、署名だけだと、見ましたいうだけで何の責任もない。衆議院の段階で、我が党の大口議員の質問に対して、何らかの制裁、法的な規制、制裁措置が必要だということも賛意を示していらっしゃるわけですが、こういう署名するだけで何の規制もないというのはもう余り意味ないと。あくまでもそういう選任又は監督ということを明記すべきだということを改めて提起したいと思うんですが、最後に総理のお考えを聞いて、終わりたいと思います。
#244
○内閣総理大臣(菅直人君) この件は何度も提起をいただきまして、私の方もしっかり受け止めるということを何度も申し上げながら、なかなか我が党の最終的な方向性が提示できなかったことは申し訳なく思っております。
 この公明党として出された問題に加えて、いわゆる企業・団体献金の禁止についても、もちろん各党間の協議は必要でありますけれども、我が党としてきちんと法律を出せるように、できれば今月中にでも出せるように準備をしてくれと、今その本部長である岡田幹事長に私の方から強く指示をいたしております。
 今おっしゃったこの問題、代表者はどのような場合にどの程度の責任を負うべきかといったことについて、今御指摘をいただきましたように、単に形式だけでは駄目だという御指摘も含めて、できれば同時的に何らかの少なくとも党としての考え方をまとめるよう私からも強く指示をしていきたいと、こう思っております。
#245
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。松あきら君。
#246
○松あきら君 引き続きまして、公明党の松あきらでございます。よろしくお願い申し上げます。
 冒頭、ニュージーランドの地震で亡くなられた全ての皆様に心からの哀悼の意を表しますとともに、被災された多くの皆様、関係者の皆様に心からのお見舞いを申し上げさせていただきます。
 さて、中東あるいは北アフリカを見ますと、反体制運動が広がって、リビアでは内戦状態にあるということが大変懸念をされるわけでございます。そうしますと、当然、原油の問題であるとかあるいは輸送の問題であるとか、世界経済に果たす影響というものはもう計り知れないと本当に心配をするわけでございます。
 翻って、我が国日本は、我が日本政府はと見ますと、まさに迷走状態であると言わざるを得ないのでございます。こうした難題が山積をする中でまさに迷走状態。
 今日は予算委員会の二日目。一日目の金曜日には前原、前と申しましょうか、外務大臣が座っていらした。今日はいらっしゃらない。どうしてか。政治と金の問題でいらっしゃらなくなった。あれだけ政治と金の問題にクリーンな政党だとおっしゃっていたじゃありませんか。鳩山さんや小沢さんやその方たちだけじゃない。残念ながら、野田財務大臣、蓮舫大臣の名前まで挙がっている、残念ながらこういう状態であります。あの藤井前財務大臣の十五億円、自分のサインじゃなかった、初めは、そうじゃないと思いますとか、違いますとか、お金は知らなかったとか、こんなことはもう国民はあきれ返ってびっくりしていますよ。今回の前原さんの辞任も、慰留した、いろいろおっしゃっていますけれども、前原さんを出したくなかったんじゃないですか、この委員会に。いろいろ追及される、あるいはもっとほかのことが出てくるかもしれない、それが嫌だから出さない、辞めさせる。
 こういう報道があるんですよ。この問題をリークしたのは実は党内だと。党内の内部抗争でこの問題がリークをされて、そして降りざるを得ないような状況をつくって降ろしたと、これは報道あるんですよ、事実で。冗談じゃないですよと皆様方は思うと思う。私たちにとったって冗談じゃない。政治と金という問題、これだけクリーンだクリーンだとおっしゃるならば、きちんとけじめを付けていただきたい。小沢さんや鳩山さんだけではない、前原さんだって政倫審にきちんと出ていただいて説明をしていただかないと国民は許さないと思いますよ。
 予算と関連法案が別々に出てまいりました。一般の方、よく分からないんですよ。私みたいにおばさんになりますと、どういうことなの、関連法とか何とかいうけれども、よく分からないというのが本当のところです。だから、私は言うんです、分かりやすく。このごろは銀行振り込みだけれども、給料袋、ここもらったとする。中を開けてみると明細書が入っている。ああ、これ手当付くのね。見るとお金が入っていない。こういう状況になっちゃう。こういうことに予算使うけれども、実際執行されないわけですから。
 で、私は言いたいんです。国民に支障が出る、執行できなければ。野党は必ず国民から非難されるに違いない。(発言する者あり)あなた方、テレビで映っているんですよ。分からないなんてとんでもないですよ。執行できなかったらどうするんですか。まさに国民を、国民生活を人質に取って、誰が、どの党が降りてくるのか待っているんですか。総理、いかがですか。
#247
○内閣総理大臣(菅直人君) 私たち、国民の皆さんの生活にどう影響が出るかということは、客観的にいろいろ議論がなされることはそれは当然だと思っておりますが、何かそれを人質に取るといったような考えは全くありません。
 私がよく例に挙げます、これは公明党も当時は同じ一緒の野党でありましたけれども、金融国会のときにも、政局にしないで、最終的には国民の生活を考えて金融再生法を当時の与党自民党が賛成をされて、それで日本発の金融恐慌が回避されたわけでありますけれども、私たちとしては、現在議論いただいている予算案とそれに関連する予算関連法案が最も今の事態に必要であり、ベストなものだという立場で御議論をいただいているわけでありまして、決してそのことをもって何か人質とかなんとかということを考えているわけでは全くありません。
#248
○松あきら君 以前と今とはいろいろな状態が違うんです。以前の話を延々とされても困ります。まさに与党に、予算あるいはこれから出てくる関連法案を早く通してください、成立させてくださいとおっしゃる前に、党内をまとめる方が先だと私は思います。しっかりと民主党内をおまとめいただきたいと思います。
 では、質問に入らせていただきます。
 総理もよく御存じだと思いますけれども、今、日本は二人に一人ががんになり、三人に一人はがんで亡くなるという、大変残念でございますが、年間三十万人以上ががんで亡くなっていく日本はがん大国であります。早期発見、早期治療、これががんの大原則でありますけれども、私は是非これに予防というものを付け加えていただきたい。
 じゃ、パネルをお願いいたします。(資料提示)
 まず、一つ目のパネル。これ、見ていただきますと、私どもは女性特有のがん検診無料クーポンを世に送り出しました。検診率の低下に歯止めを掛ける。初めて受診した、検診した女性も多い。正直言って、厚労省から物すごく抵抗されました。クーポンなんて駄目だ、がん検診はもうやっているんだから必要ないと言われましたけれども、そうじゃない。個人個人に、あなたは検診の必要がありますよ、行ってください、個人に来る。しかも、ただ券、無料クーポン、これ大事だ。
 どうですか、これ見て厚労省はどのような評価をされていますでしょうか。
#249
○国務大臣(細川律夫君) この子宮頸がんの検診それから乳がんの検診、この無料クーポン券、平成二十一年度から始まりましたけれども、これは松委員とか御党が前から強く主張されていたところでございますけれども、この事業が開始をいたしまして、個別の受診勧奨をするということによりまして受診率が上がるという効果が見られたところでございます。
 したがいまして、平成二十三年度から予算案におきまして働き盛りの世代の方に大腸がんの検診を盛り込みましたけれども、これも無料クーポン券等を送付をするということを新規事業に盛り込んでいるところでございます。
#250
○松あきら君 まさにクーポンの効果でこのように乳がんもこの子宮頸がん・体がん、これ別々にはなっていないんですけれども、頸がんでほとんどあります、上がっているという、ほかのがんが下がっているのに上がっているということがお分かりいただいた。
 そこで、大腸がんについても今回は無料クーポンを出される。いいことですよ、認めたんですから、このクーポンが効果がある、一人一人に検診に行ってくださいという、これを出すということが大事なこと。私は、女性だけじゃない、大腸がん、胃がんあるいは肺がん、前立腺がんもみんなクーポンでやってくれって言ったんですから、そのことを評価いただいて、これやっていただいたと思います。
 そこで、次に、肝臓がん、子宮頸がんと同じく感染症によるがんであることが分かってまいりました胃がんについて伺わせていただきます。
 パネルを見ていただくとよくお分かりのように、日本とか韓国とか中国とか、アジアの国がこの胃がんはすごく多いんですね。日本では、御存じのように、五万人毎年亡くなる方がいるんです。大変な状況です。一つは、風土病ではないんですけれども、アジアに特徴的に多い、欧米では少ない、これ言われているんです。これは実はもう分からないんですね、いろいろな川の水であるとか、昔は、そういうことで今もこういうことが続いているんじゃないかと言われておりますけれども、実際そうであります。
 そこで、まさに胃がんはヘリコバクター・ピロリ菌との関係がある、これが発がん因子であるとWHO、世界保健機構です、これの機関であるIARCが認定しております。海外では認められているわけですけれども、我が国の見解はいかがでしょうか。
#251
○国務大臣(細川律夫君) このヘリコバクター・ピロリ菌の発がん性につきましては、これはIARC、国際がん研究機関が十分な証拠があるというふうに認めていることについては私ども承知をいたしております。
#252
○松あきら君 実は、私にこのピロリ菌について教えてくださった方がいます。松さん、子宮頸がんだけが予防できるがんではありませんよ、胃がんは実は予防できるがんなんです、こうやって、これについて是非松さんも勉強してください。私、勉強しました、それから。党内でも私はがん対策本部長を今させていただいていますので、専門家も来てしっかりとやりました。
 医学界でもコンセンサスがあるこの分野の専門家として、櫻井財務副大臣、いかがでしょうか。
#253
○副大臣(櫻井充君) 松議員にお答えさせていただきます。
 まず、日ごろから松先生ががん撲滅の運動のために一生懸命御尽力いただいていることに心から感謝申し上げるとともに、何げにお昼にこのお話を申し上げたところ、ここまで勉強してくださったことに改めて敬意を表したいと、そう思います。
 お話がありましたとおり、今はピロリ菌が胃がんの原因であるというふうに言われています。正式に申し上げますと、萎縮性のタイプのがんについてはピロリ菌だと、未分化のがんについてはまだ原因ははっきり分かってはおりません。それだけではありませんで、今は胃潰瘍であるとか十二指腸潰瘍もピロリ菌が原因であるというふうに一応は言われています。
 ただし、肝炎ウイルスのことを想像していただければよくお分かりいただけるかと思いますけれども、肝炎ウイルスを持っているからといって必ずしも肝炎になるとか肝がんになるというわけではなくて、ピロリ菌を持っているからといって必ずしも潰瘍になるとかがんになるというわけではありませんで、何らかの更に因子が必要だということも分かっております。
 以前は、たばこを吸うとなぜ胃がんになるのかということがよく分かっておりませんでしたが、たばこを吸っている方、ピロリ菌は抗生物質で殺すことが可能です。ですから除菌をしてあげればかなりがんは減らせるんではないのかと思っているんですが、除菌をした際に殺せない群がありまして、その大半がヘビースモーカーだと言われています。ですから、そういう点から考えてくると、除菌をするのとともにやっていただきたいのは、是非ピロリ菌が発見された方に対しては禁煙をお願いしたいということでございます。
 いずれにしろ、ある程度このがんは私も予防ができるがんだと思っておりますので、国を挙げて対策を取っていく必要性があるんではないのかと、そういうふうに思っております。
 以上でございます。
#254
○松あきら君 まあ、良心に従ったのが半分、あと言い訳的なところが半分であると私は実は思っております。この二日間でどうやってうまく言おうかなと一生懸命考えられたのかなと思っています。
 じゃ、これ御覧ください。
 胃がんの手術の後、これ例はちょっと少ないんですけれども、もっとたくさんの例もございます。これは世界で認められている例でございますけれども、胃がんを手術した後ピロリ菌の除去を、除菌ですね、これをしない場合はこれだけ再発すると、そのままだと発症してしまう。これについて、財務副大臣、どうでしょう。
#255
○副大臣(櫻井充君) これは多分北海道大学の浅香先生のグループのデータだと思います。浅香先生のグループはたしか五百五例の症例の検討を行っていて、二〇〇八年にあのランセットに掲載されております。このランセットというのは世界的に物すごく権威のある雑誌でして、そこで認められているということは、私はここの点についてきちんと証明されているものだと、そう理解しております。
 ですから、現時点において、まあ内視鏡的に、早期がんの場合ですけれども、再発の予防に対して保険点数上除菌が認められているということになっているんではないのかというふうに理解しております。
 いずれにしろ、浅香先生を中心として消化器学会の先生方は除菌を積極的に行うべきではないのかというお話をいただいていて、私も同様の考えでございます。
#256
○松あきら君 専門家でいらっしゃって、私に一生懸命実は、予防しましょう、これからは医療費が莫大に掛かる時代でございます。私も団塊の世代でございまして、余り言いたくないわけですけれども、ですから、どんどん年を取ってきますといろんなところに、がんになってまいります。
 そこで、私は、これからは治療から本当に予防へという時代にならなきゃいけないんだと、これは前から申し上げている。この機械を持ってきたのは、皆様によく見ていただきたい。
 簡単にできるんですね、これが。例えば、ちょっとこれ膨らませて、実は二回、御存じだと思いますけれども、もう今日は時間の関係で、こんなのずっとやっていると時間ない。ピロリ菌が分かるんですね、あるかないか。この機械九十八万円ですけど、もっと簡単にもできるんです。
 私は、ピロリ菌、この胃がんの発症を抑えることは、ピロリ菌を持っているとか、簡単な検査、この検査をしていただきたい、ピロリ菌の有無が分かる。これについて、大臣、どうでしょう。
#257
○国務大臣(細川律夫君) その点につきましては、現在、厚生労働科学研究におきまして、ヘリコバクター・ピロリ菌の検査を含め、新たな胃がん検診の方法として研究が行われているところでございまして、その経過も踏まえ、このピロリ菌の検査の在り方について前向きに検討してまいりたいと思っております。
#258
○松あきら君 大臣、いい方だと思うんですけれどもね、前向き前向きっておっしゃるけれど、全然前向きじゃないなと思うことがいろいろございまして、前向きというのは非常に私はクエスチョンマークだというふうに思っています。
 実は、先ほど、大腸がんの無料クーポン、多分このキットを検診で、がん無料クーポンを持っていくあるいは郵送すると、こういうものが送られてくるかいただける、これ、検便のキットなんです、これなんですね。ですから、実はこの同じ検体を使ってちょっといただければピロリ菌の検査もできるんですよ。だから、同じ紙で、大腸がん、胃がん無料クーポンと書けば、両方できるんですね。これ、大きなことなんです。もちろん胃カメラ飲んだっていいですよ、血液検査でもできるんです。
 例えば五十歳までの方はほとんど死亡率が低いんですね。ばあんと五万人となるこの五十歳から死亡率が高くなってくるわけでございます。ですから、五十歳以上の日本人の人口は約男女共に合わせて五千四百万人、この方たちに例えば血液検査で、じゃ、私もピロリ菌があると困る、胃がんのきちんとした検査をしてくださいね、この中に入れてくださいねって、こう言います。今検診率五〇%を目指しています。仮に五〇%とします。すると、二千七百万人。
 そうすると、この費用は、年間で約三十五億円、一人当たり千三百円。除菌をすると、これは年間二百億円、一人九千二百五十円。こうしますと、大体年間二百五十億なんですね。今胃がんの治療だけで年間三千億円掛かっているんですよ、三千億円、治療だけで。これは、例えば胃がんで入院して手術をしてその間働けない、あるいは残念ながら亡くなってしまったこの方の、生涯働ける、例えばこういうものを計算すると、三千億ではとても済まないんですよね、これ。ですから、私は、何とかかんとかぐじゃぐじゃ言わないで、除菌対策、検診とともに、絶対すべきだと思います。
 総理の前に、まず、じゃ厚労大臣。次に総理に伺いますよ。
#259
○国務大臣(細川律夫君) 委員が予防に本当に熱心に取り組んでおられますので、先ほども申し上げましたように今研究を踏まえまして前向きに検討してまいります。
#260
○松あきら君 もう前向きというのが私は非常に懐疑心が強くなっておりまして、是非やっていただきたい。これだけ、お金だけのことを、費用対効果言っただけでこんなに違う。ましてや、怖いですよ、がんになって入院して手術をして亡くなってしまう。胃がんは第二位ですよ。一位は肺がんですよ。だけど、五万人も亡くなるんですよ。こういう簡単な検査で、しかもこのお金でできるんですから、これは私はやらなければならないと思っております。日本はがん大国であるにもかかわらず、三人に一人はがんで亡くなるんですから。
 実は厚労省にがん対策室というのがあるんです。けれども、頑張ってくださっていますよ、でも人数少ない中で、対策、まあ室長ですね、これは課長じゃないんですよ。課長補佐と課長の間ですよ、室長。私は、こんな三十万人がんになる時代で、そうしたがんのための部局がないなんというのはおかしいんじゃないですか、どうですか、部局にする決意。
#261
○国務大臣(細川律夫君) 委員が御指摘のとおり、がん対策は非常に重要な課題と考えておりますので、組織体制の強化も含めて、今後ともがん対策の推進に努めてまいりたいと思っております。
   〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
#262
○松あきら君 そういうふうに言っていただきましたけれどもね。
 まず、がんもそうなんですけど、実は、今お話ししたように、これからは膨大な医療費、医療費だけではない、クオリティー・オブ・ライフ、人間が生きる、本当に健康で長生きする、こういうためには予防というものの大事さは申し上げました。
 アメリカでは、CDCという疾病予防センターが、一万五千人の専門職員が働いておりまして、これは世界のスタンダードとなるような水準の予防対策を発信しているわけでございます。もちろん、日本も同じようにこんなに一万何千人も予防のためのこういうものをつくりなさいと私は言っているんじゃないんです。だけれど、本当に予防というものにシフトしていかなければ大変なことになるんですね。こうした組織づくりをやっていかなきゃいけないと私は思っているんですけれども、これに対して、総理、いかがでございましょうか。
#263
○内閣総理大臣(菅直人君) 日本の厚生労働省も幾つかの研究機関を持っていて、このCDCともいろいろ連携をした活動もしていると、私、もう大分以前ですが、厚生大臣をやったときにもそういう話は聞いておりました。
 今おっしゃったように、予防というものが結果において病気になる人が少なくなるという、そのこと自体においてプラスであると同時に、ある意味、病気になった場合の経済的な損失を十分にカバーする、そういう意味でも、ある意味、経済的にも効果があるという御指摘は私もそのとおりだと思っております。
 そういった意味で、やはりややもすれば、私の経験では厚生労働省のそういう研究成果と行政というものが必ずしも同じ役所でありながらうまく連携できていないという面も当時の記憶をたどるとあるものですから、そういった点では、こういう効果的な研究が行政にもきちんと反映されるような仕組みが望ましいと。これは細川厚労大臣にも是非そのことを頭に置いて努力してもらいたいと、この場でもお願いを申し上げておきたいと思います。
#264
○松あきら君 是非予防、これは全ての疾病です、がんに限りません、全ての疾病に対して予防というために局までつくるくらいの私は決意を持ってこれはやっていくことがもう大変大事なことである。今総理のお言葉で前向きに取り組んでいただけると。前向きという言葉を信用できるように、私に、していただきたいと思います。
 それからもう一つ、総理、私は伺いたいんです。
 今のこの胃がん、ピロリ菌は、いろいろあるからピロリ菌だけではなくならない。そうとも言えないんですよ、大臣、副大臣。もちろん、ほかのことも関係あります、喫煙ですとかほかのことも関係ありますけれど、除菌をする、これががん因子なんですから、これ大事なんです。
 例えば、肝がん対策が肝炎ウイルス対策であるように、子宮頸がん対策がヒトパピローマウイルス対策であるように、胃がん対策もヘリコバクター・ピロリ菌対策とすべきじゃないか。この検診に入れるかどうか、除菌をするかどうかはひとえに総理の御決断だと思いますが、いかがでございましょうか。
#265
○内閣総理大臣(菅直人君) 今日こういう形で詳しくこのピロリ菌のそうしたものに対する原因であるという知見が、専門家の中でも言わばきちんとそういう認識になっているということを具体的にお聞きしたのは初めてでありますので、是非厚生労働省においても、独自のいろいろな研究もやっているようでありますけれども、そういう国際的な知見もしっかり押さえた上で、このことについて、前向きという言葉はあえて使いませんけれども、積極的に取り組むように指示をいたしたいと、こう思います。
#266
○松あきら君 前向きではない、積極的にというふうに言っていただいたことは、もう八〇%できると信じております。あとの二〇%は厚労省のお考えであると、こういうふうに私は受け取らせていただきたいと思います。
 最後の問題でございます。私が出てきた以上は子宮頸がんのことを申し上げなきゃいけない。
 我が党が独自で出した法案は廃案になりましたけれども、さきの国会で本当に多くの皆様に御賛同いただいて子宮頸がん予防法を出しました。恒久法が要るんです。今大事なことは、残念ながら検診ということがちょっと抜け落ちてしまっている、子宮頸がんには。ヒトパピローマウイルス検診を入れなきゃいけない。この予防法案、今国会で民主党が、総理が決断してくだされば成立するんです。それを伺って、私の質問を終わります。
#267
○内閣総理大臣(菅直人君) 御指摘の法案に盛り込まれている正しい知識の普及や予防措置の実施は、子宮頸がん対策に大変重要だと考えております。
 これらは総合的ながん対策を進めるがん対策基本法や各種予防措置により進めているところでありますが、更に子宮頸がん対策を推進するため、国会での議論が進められることを期待をいたしております。我が党としても是非議論が進められるよう、私からも指示をしたいと思います。
#268
○松あきら君 やると言っていただきたかった。残念でございます。
 終わります。
#269
○理事(森ゆうこ君) 以上で白浜一良君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#270
○理事(森ゆうこ君) 次に、水野賢一君の質疑を行います。水野賢一君。
#271
○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。
 民主党が野党だった時代、天下り根絶を強く主張しておりましたけれども、そこに期待をした人たち、国民も多かったんじゃないかと思いますけれども、総理、端的に伺います。民主党政権になって天下りは根絶されたんでしょうか。
#272
○内閣総理大臣(菅直人君) 質問をいただくということで、私も天下りについて改めて少し考えてみました。
 現在の位置付けは、府省庁による天下りのあっせんは、特定の企業、団体等との癒着や行政の無駄などの原因となり、公務の公正性の確保の観点から問題があると。そういうことで、具体的には、かつては勧奨退職とセットになった再就職のあっせんが一般的に行われ、その結果、再就職先となる政府関係法人等のポストを増加させ、非効率で無駄の多い、いわゆる官製市場がつくられてきた。こういう弊害をなくするのが、天下りをなくさなければならない言わば問題の中心であると考えております。
 そこで、政権交代後に天下りのあっせんを禁止をいたしました。そして、独立法人については公募を導入するなどの改革を進めてまいりました。これによって、国民の批判の的であったこの天下りの問題、まだパーフェクトとは思っておりません、まだいろいろなルートがありますし、弊害も残っておりますが、ある部分で国民の批判の的であった天下りの問題の解消に、今申し上げた部分においてはそれなりの寄与をしてきたものと考えております。
#273
○水野賢一君 天下り全面禁止じゃなくて、今総理、天下りあっせん禁止という言葉を使われましたよね。ここにからくりがあるんですよ。当人たちがあっせんがなかったと言ったら、要するに問題ないということになりかねないんですね。
 じゃ、これは担当大臣でいいですけれども、あっせんがあるかどうかを、これをチェックして監視して調査する機関、これはどこがやるんですか。
#274
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。
 基本的には再就職等監視委員会、これがやるということになっておりましたが、御存じのように、いろんな、国会へ法案を提出し、それが廃案になったりとか紆余曲折がありましたので、同意人事が遅れ、そしてこれがそのままの形では機能していない状況があります。
 ただ、その間、あっせん禁止や、また閣議における申合せ等々がございまして、少なくとも任命権者である大臣の下でしっかり監視また管理監督をするようにという形で今日に至っているところでございます。
#275
○水野賢一君 今基本的には再就職等監視委員会できちっとチェックするというふうにおっしゃいましたよね。確かに国家公務員法百六条の五にそう書いてあるんですけれども、今いろいろ紆余曲折があるというふうにおっしゃっていました。
 今この再就職等監視委員会の委員長、誰でしょうか。
#276
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。
 現在は委員長及び委員につきましてはまだ任命されておりません。
#277
○水野賢一君 本来、法律では、委員長に加えて委員四名がいるはずなんですよね。いずれも空席になっているという、そういうことですよね。そもそもこの天下りの監視機関というのが法律上はだから規定はされているんだけれども休眠状態になっているという、こういう状況があるんで、ここに問題があるんですよ。
 では伺いますけれども、この委員、誰が任命するんですか。
   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
#278
○国務大臣(中野寛成君) これは内閣の方から、まあ総理がと申し上げた方がいいのでしょうか、国会の同意人事として御提起申し上げる段取りになっております。
#279
○水野賢一君 おっしゃるとおり、国家公務員法の百六条の八に、両院の同意を得て内閣総理大臣が任命するというふうに書いてある。しかし、この同意人事、内閣から国会に対して提示もないというのが今の状況ですけれども、総理、伺います、なぜつくらないんでしょうか、この再就職等監視委員会を。
#280
○内閣総理大臣(菅直人君) 過去いろいろな経緯があったということも承知しておりますけれども、今の御指摘に直接答える立場で申し上げれば、これを任命を急ぐべきだと考えております。そういった意味で、この再就職監視委員会の委員の任命については急ぎ案を作り、国会の方に提示をさせていただきたいと、こう考えております。
#281
○水野賢一君 そもそも、政府というのは立法府が、国会が作った法律を執行するのが政府の役割なんですよ。これを、既にある法律、国家公務員法でつくらなきゃいけないというふうに書いてあるにもかかわらず、これをつくらない。政府が法律守らなくてどうするんですか。
 総理、もう一回お答えください。
#282
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたしますが、再就職等監視委員会、これは平成二十年十二月三十一日に設置をされておりますが、まだ現在まで委員長等が任命されていない、御指摘のとおりでございます。
 ただ、その間にこの再就職監視委員会の監視機能を先行強化する、言うならば指導、助言などを含めた新しい制度をつくろうということで、昨年も法案を提案をいたしました。これが廃案に残念ながらなったといういきさつもございまして、政府としては、法案を作り国会へ提出するなどいろいろな努力をしておりますが、これは政治的な環境の中で、残念ながらまだ実現をしていないということでございます。
 そこで、もう既に新しい改革案の全体像を先般公にさせていただきましたけれども、その中にあって、公務員制度改革の機構の中に再就職等監視・適正化委員会、こういうものをつくるということで、この現在あります再就職監視委員会の機能をより強化した、同じ方向付けですが、それをより強化したものをつくるという全体像も発表をさせていただきましたので、あわせまして、この監視委員会の委員長及び委員の同意人事に関する人選も、総理からも先般御指示もありましたので、現在その作業を進め、早々にこの今国会中にこれを御提起申し上げたいと、そういう準備を今進めているところでございます。
#283
○水野賢一君 今新法を作ったらというようなお話だったと思うんですけれども、実はこれ、現行法のままでできるんですよ。
 じゃ、この新法、まだ国会に法案提出していませんよね。確認します。
#284
○国務大臣(中野寛成君) 先般来申し上げておりますように、この通常国会に提出すべく鋭意努力をし、その全体像につきましては先般公表をしたところでございます。
 ただし、今申し上げた同意人事について作業しているということにつきましては、現行のこの再就職等監視委員会に係る同意人事のメンバーについて、この機能をまずは、方向性が改革案も一緒でございますから、これを機能をさせるということをまず先行をさせたいという意味で人選を始めているということでございます。
#285
○水野賢一君 今先行してという話がありましたので、その方向を私も期待したいというふうに思いますけれども、今日の今までの段階で提示されてきていないんですよね。
 その中で伺いますけれども、今この再就職等監視委員会のメンバーを何か任命すると不都合が生じるのでしょうか。
#286
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。
 特に不都合が生じるという考え方ではございません。
#287
○水野賢一君 それならば、早く提示してくればいいんですよ。逆に、つくらないことで何か弊害はあるんですか。
#288
○国務大臣(中野寛成君) より機能を強化しようという熱意、またみんなの党の先生方のいろいろな御指摘等もあり、そういう作業を先行をさせ、またそれが実現をするときに同時並行的にやろうという努力の経緯があったのではないかというふうに思います。
 ただ、私、就任以後、先般総理とも御相談をいたしましたけれども、現在あるこの委員会をやはり機能をさせる、それを先行させるというところに大きな意味があるというふうに考えましたので、急いで同意人事、その人事案件を御提起する準備を始めたということでございます。
#289
○水野賢一君 どうも考え直して改め直したいような様子が見受けられるところありますけれども、現実にこれまでずっとこの監視機関が休眠状態なことによって弊害が出ているんですよ。
 今年も元旦早々からとんでもないことが起こった。去年の八月まで資源エネルギー庁の長官だった人、石田徹さんという方ですけれども、この方が辞めてたった四か月の今年の元旦付けで東京電力の顧問になった。しかも報酬付きだという。これ自民党時代よりもひどい天下りじゃないですか。何でこんなことが許されるんですか、総理。
#290
○国務大臣(枝野幸男君) これは委員も御承知だというふうに思いますが、かつては天下りについては、特に民間企業への天下りについて、営利企業への天下りについては、退職後たしか二年間だったでしょうか、どういうところには行ってはいけないというその事前規制がございましたが、これは政権交代前にこうした事前規制はやめて、あっせんはもちろん駄目だ、それからもう一つは、事後的に自分の出身官庁に対してはいわゆる広い、俗に言う働きかけ、口利き等をしてはいけないという事後規制にこれは制度として政権交代前から変わっております。
 したがいまして、どこの企業に再就職するということについて、今の法律の下で私どもは事前に法律に基づいて対応することはできません。もちろん、事後的にもし今回の再就職についても、これは資源エネルギー庁と電力会社でございますので、関係がございますので、もし当該再就職した者が資源エネルギー庁、経済産業省に働きかけをするようなことがあれば、もちろん監視委員会ができれば監視委員会においてしっかりとチェックをしていただきますし、現状においても経済産業大臣においてしっかりとチェックをしていただくということになっております。
#291
○水野賢一君 今官房長官がおっしゃった、昔は自分の所管の関係の企業には二年間天下れなかった、これは確かに廃止されたんですね。しかし、その廃止というのは、廃止する代わりに一方で監視機関をしっかりとつくるということが前提でこれは廃止されたんじゃないですか。監視機関がないままこれ関係企業に、所管企業に天下ったら天下りそのものでしょう。これはどうするんですか。天下りじゃないんですか。
#292
○国務大臣(枝野幸男君) 特にこのことを今年に入りまして特に御党から御指摘をいただきましたので、経済産業大臣を通じてしっかりとこの再就職に至る経緯について再検証を行わせました。その結果として、具体的にいつどういうふうに当該民間電力会社から当該個人に対してお誘いがあった等ということがかなり具体的に御報告いただきまして、あっせん等によるものではないということがおおむね明らかになったというふうに思っておりまして、そういう意味では、監視機関の有無にかかわらず経済産業大臣において主務大臣としてしっかりと監視をしているところでございますので、これは組織のあるなし、もちろんあった方がいいということで先ほど来御答弁申し上げているとおり、できるだけ早く人事案を国会に御提起をする内閣としての方針でございますが、ない中でも主務大臣においてしっかりとチェックをしておりますし、また今後もし問題があればそれはしっかりとチェックをしてまいるということでございます。
#293
○水野賢一君 法律論のちょっと細かいことを言うと、再就職等監視委員会が立ち上がるまでの間は政令において、この政令もいろいろ議論を呼んだんですが、この政令において総理、内閣総理大臣に調査権限があることになっていますけど、事実関係伺いますけれども、総理、その権限に基づく調査はやったんでしょうか。
#294
○国務大臣(中野寛成君) これは総理に属人的に付くものではもちろんないことはよくお分かりのとおりでありますが、やはりやるべきことは第三者機関においてやるべき本筋がございます。よって、総理にそのことについての調査、審査をお願いしたことはございませんが、早急にこの機関を立ち上げることに今全力を注ぎたいと思っております。
#295
○水野賢一君 確かに総理自身が属人的に調査をするんじゃなくて、今おっしゃったようにやるべきことは第三者機関がやる、だから再就職等監視委員会をちゃんと立ち上げるべきだというふうに一貫して私たちは言っているんですよ。
 それで、更に言うと、最近明らかになってきたのが、この東京電力の問題というのは実は氷山の一角だということが発覚してきているんですよね。何と、民主党政権発足後、これ政府の質問主意書に対する答弁書ですけれども、政府自身が明らかにしているのは、民主党政権発足後、民間営利企業への再就職が百一人もいる。その中の一つがこの石田さんという東京電力の方ですけれども、それ以外にも、経済産業事務次官が神戸製鋼にいたとか、財務省幹部が銀行とか生保とか、これ所管業界のど真ん中の天下りじゃないですか。
 総理、こんなこと許されていいんですか。
#296
○国務大臣(枝野幸男君) 繰り返し御答弁申し上げますが、平成十九年の法改正で、退職前の業務との関係のある企業に対する再就職であっても、あっせんがない場合には現行法では法的には防げないという法律が存在する中で私ども政権を引き継がせていただきました。
 そして、その法律に基づいてしっかりとあっせんのないことについては、監視委員会を早急に立ち上げろという御指摘については、これは先ほど来しっかりと受け止めさせていただくということでやらせていただいておりますが、個別にあっせんの疑いがあるという御指摘をいただいた東京電力のケースについては、これは総理からの御指示を受けて、私が経済産業大臣通じてしっかりとあっせんの有無についてチェックをしたところでございまして、法律上、平成十九年で関連業界への再就職そのものは認めるという法律が現に存在をしておりますので、法律に基づいて、あっせん等の有無、そして再就職後に元いた役所に対する働きかけ等がないかということのチェックを今しっかりといたしているところでございまして、もちろん立法論としてはいろんな御議論あろうかというふうに思っておりますが、現状では、先ほど来公務員制度改革担当大臣から御答弁申し上げておりますとおり、現在の監視委員会に更に強化をした形での監視機関を含めた公務員制度改革全体をまずはしっかりと進めていきたいと。
 そうしたことの中で、私どももやめるべきだと申し上げてきたいわゆる天下りということの疑いの生じることのないように、更に運用においては努力をしてまいりたいというふうに思っております。
#297
○水野賢一君 先ほど私は百一人天下りということを指摘をさせていただきましたけれども、その中で、国会で指摘をされたからこの東京電力のケースは調査をしたという話ですけれども、じゃ、それ以外の百人、調査したんでしょうか。
#298
○国務大臣(枝野幸男君) 先ほどの御答弁でも申し上げましたが、基本的には一般的にあっせんのないというふうなことについて、主務大臣においてはそれぞれの省庁においてあっせんをしてはいけないんだということについて、各大臣の下、政務三役の下、この間徹底をしてきているというふうに思っております。そうした中で、あっせんの疑いがあるのではないかと指摘されたケースであったので改めて再チェックをしたということでございますので、一般的にあっせんがないようにということは各省においてしっかりと徹底して努力をしているところでございます。
#299
○水野賢一君 今主務大臣がしっかりと監督をしているからいいんだという話ですけれども、じゃ、中野大臣に伺いますけれども、中野大臣はこの公務員制度改革の担当だけじゃなくて、一方で国家公安委員長ですよね。つまり警察庁を管理しているわけですよね。百一人天下りいるという中に警察庁からの天下りどのぐらいいますか。そもそもいますか。分かりますか。監視していますか、ちゃんと。分かんないじゃないですか。監視していないでしょう。監督しているなんというのはうそです。建前ですよ、そんなものは。
#300
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。
 国家公務員のうち一般職の管理職職員であった者等の再就職の状況については、内閣総理大臣に届出が行われ、内閣総理大臣から内閣に報告の上、その内容が公表されるという制度になっております。
 この報告によりますと、平成二十二年中に二十人、うち指定職職員であった者は十人ですが、の警察庁出身者が再就職をいたしております。ただ、あっせん等によって行った者があるというわけではありません。
#301
○水野賢一君 そのときにはどういうふうにちゃんと監督していたんですか、大臣は。
#302
○国務大臣(中野寛成君) 今日の法律あるいは閣議による申合せ等をそれぞれ公安委員会から徹底をすることによってそれが遵守されるように指示をいたしておったわけでありますし、そしてまた、このように今申し上げたような報告がその後来ているということでございます。
#303
○水野賢一君 そもそも、さっき、昔は自民党時代のときに二年間天下りが禁止されていたという話がありましたよね。そのときに時の民主党は、この二年間の規制じゃ緩いんだ、もっと長くすべきだというふうに言っていましたけれども、大臣、何年だったか覚えていますか。延長しろと言っていたんですよ。
#304
○国務大臣(枝野幸男君) 私も当時野党の一員として、むしろ二年間では短くてもっと長くするべきだということを当時野党の民主党としては主張をいたしておりました。
 しかしながら、当時のこれは政府からだったと思いますが、公務員制度改革、天下りに関する法案が提出をされまして、そうした中でより、まさにこれは、日々再就職というのは、これは必ず再就職は何らかの形で、例えば六十歳超えた定年で辞めた方でもそれぞれ再就職をすることはあり得るわけですので、常に再就職起こっていることの中でありますので、よりベターな、つまりいわゆる国民の皆さんから不信を持たれているような天下りというようなことが少なくなっていく、なくなっていく、根絶をしていく方向に向けてよりベターなことを野党として最大限努力をするということの中で、当時の政府から提出された法案について、たしか一部修正を与野党で一致したかというふうに思いますが、賛同したということの経緯の中でございます。
 それから、先ほど来百一名という御指摘だったというふうに思いますが、これは大部分は、従来の規制の中では必ずしも対象に掛からない、つまり従来の所属していた役所等との関連があるものないもの両方含まれているのではないかというふうに思います。
#305
○水野賢一君 官房長官、今事実関係は違いますよ。修正した上で賛成したというのは国家公務員制度の改革の基本法の方であって、あなた方はこの国家公務員法の改正には民主党は反対したんでしょう。違いますか。
#306
○国務大臣(枝野幸男君) 済みません、詳細な事実関係について確認をして申し上げたわけではございませんが、賛成をしたのか反対をしたのかは別として、そういった形のことが我々野党の時代にあった、そういった経緯があったということを正確に言うと申し上げるべきだと思います。
#307
○水野賢一君 それで、まだ質問に答えてないんですが、二年の天下り禁止は短過ぎてもっと延長すべきだというふうに言っていたのは何年だったんですか。大臣、どうですか。
#308
○国務大臣(中野寛成君) 当時の民主党の提案は五年であったと聞いております。
#309
○水野賢一君 今の間に事務方から教えていただいたようですけれども。
 しかし、総理、五年と言っていたんですよ。五年間所管業界に天下っちゃいけないと、総理、言っていたんですよ、民主党は。それが、二年はおろか四か月で天下った、しかもその監視機関はないままだという。これ、おかしいと思いませんか、総理。
#310
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど来それぞれ説明がありましたけれども、私が理解しているところで言いますと、当初はこの再就職監視委員会よりもっと強力な監視機能を持ったものの法律を、たしか通常国会ですか、さきの、に提出をして、それが通ればその中で監視機能を持たせようという考えであったわけでありますが、それがさきの、一年前の通常国会では成立をしなかったために、その後、ある意味、より強力なものをつくろうとしたけれども成立しないので、その間この今ある再就職監視委員会の委員の任命が率直に申し上げてやや宙ぶらりんになっていたということは、ある意味申し訳なく思っております。
 そういう中で、いろいろ御指摘もいただきましたので、改めて、まずは法律を通す通さないより前に、既にある再就職監視委員会にきちっと委員を決めて、現在の今いろいろ御指摘のあったような矛盾に対して対応しようと、そういう方針で進めていきたいと考えております。
#311
○水野賢一君 質問は、五年間所管業界に天下っちゃ駄目だというふうに言っていたのに、四か月でその所管業界のど真ん中に行くのはおかしいと感じませんかという質問なんです。
 それで、総理、総理ですよ。総理は国会答弁で度々びっくりしたというような発言よく使われますけれども、この東京電力の天下り人事を聞いて、経済産業省の資源エネルギー庁の天下り人事を聞いて、最初聞いたときびっくりしなかったんですか。総理ですよ、総理。
#312
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど来説明があったように、私の理解では、考え方を、これは政権交代前だと思いますが、いわゆる何年間は駄目だという考え方から、いわゆるあっせんの有無によって判断するという考え方に変えた中で政権交代があったわけでありまして、そういう意味で、従来の考え方でいえば、私たちが二年では不十分ではないかというふうに申し上げてきたわけですが、その根本となった考え方を行為規制に変えるということになったために、こういう問題がこういう形の扱いになってきたと、こう理解しております。
#313
○水野賢一君 何かよく分からない答弁をしていますけれども、いずれにしても、五年間駄目だと言っていたのが、監視機関もないままに四か月で天下れるようになったという、この民主党の言行不一致が問題だということなんです。
 じゃ、この石田さんという資源エネルギー庁だった人が、東京電力のために古巣である経済産業省に口利きをした場合はこれはどうなるんですか。中野大臣でいいですよ。
#314
○国務大臣(中野寛成君) これは違法であります。
#315
○水野賢一君 じゃ、口利きを受けた経済産業省、資源エネルギー庁の人はどうすることになっているんですか、法律上。
#316
○国務大臣(中野寛成君) もちろんこれに対応するわけにはいきませんし、そのことを監視委員会等へ提起をしていただくということになりますが、現在の段階では、当然任命権者であります大臣に報告をすることになろうと思います。
#317
○水野賢一君 要は、口利きがあったときにはこの監視機関の方に届けることになっているわけですよね。
 ところが、その監視機関が、また同じ話なんですけれども、監視機関が機能をしていないという。そして、総理もさっきちょっと申し訳ないというような言い方をしていましたね。一年半以上、民主党政権ができて一年半もの間これを放置していたのは、改めて総理、どういうふうに思いますか、反省しているんですか。
#318
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほども申し上げましたように、平成十九年の国家公務員法の改正によって、現在のいわゆる事前規制から行為規制に変わったと。そして、その後政権交代があって、私たちとしては必ずしも、その十九年の国家公務員法の改正の内容が不十分だということで考えて、昨年の通常国会で法案を出したと。そういう出したという段階でいえば、それが早く通ればもう従来の形の監視委員会に人を送る必要がなくなるという考えで、結果としてそういうものを提案しなかったわけであります。
 しかし、結果として法案が通らなかったということで、先ほど申し上げたように、結果、今おっしゃったようにかなり長い空白の期間を生じてしまいました。その間、何もやっていなかったということではないということは是非御理解をいただきたいと思います。
#319
○水野賢一君 やっていないんですよ。
 法案を出したというふうに言いますけど、それは廃案になったんですよね。要は、法案を出しても、法律というのは成立するかどうか分からない。成立しても施行されるまでの間の一定の期間がある。だから、現行法でもできることをやるべきだということを、現行法だってできるんですから。
 じゃ、聞きますけれども、今の再就職等監視委員会とその廃案になった法案若しくは今後出そうという法案の機能、何か違いがあるんですか。
#320
○国務大臣(中野寛成君) これらについては、各省庁へ予防的な観点から指導、助言をするということは、ある意味実効性を持たせる上においては大変大きな効果があると思います。
 そういう意味では一つの強化策でございますが、それらも含めた内容の提起をしたものというふうに思いますが、併せてその方向性をより一層明確にする文章上の今検討をいたしておりますが、仮称でありますけれども監視・適正化委員会、これをこの今回提出する法案の中では実現をしたいと思います。
 しかし、それまでの間、今度々御指摘をいただいております現行の監視委員会をやはり活用をさせていただく、方向性同じでありますから、そういう決意をいたしまして、先般総理とも御相談をし、その同意人事の人選に入っているということでございまして、これは是非御提起を申し上げます際には御賛同をいただければ有り難いと思っております。
#321
○水野賢一君 今、現行法の中でも、今までずっと反対をしていた再就職等監視委員会の人選をどうも行おうとしているということをほのめかしているような感じはいたしますけれども。
 ちょっと、この同意人事に関係して、これはどなたに伺うべきなんですかね、官房ですかね。昨年の十一月に、仙谷官房長官、当時ですね、仙谷官房長官が俸給の一〇%自主返納を発表しましたけれども、理由はこれ何だったんですか。
#322
○内閣官房副長官(福山哲郎君) 水野委員にお答えいたします。
 昨年の臨時国会に提出をいたしました同意人事案のうち六機関十三名の人事案について、残念ながら任期満了後の国会への提出となりました。関係の委員や候補者そして国会関係者等に御迷惑をお掛けしたことに対して、人事案の取りまとめの大臣であった仙谷前官房長官は、一か月の間、俸給の一〇%を返納することとしたものであります。
#323
○水野賢一君 つまり、同意人事の任期が切れちゃっても、ちょっと間があった、遅れちゃって提示をしてきたということのその責任を取ったという、そういうような理解でよろしいですか。
#324
○内閣官房副長官(福山哲郎君) そのとおりでございます。
#325
○水野賢一君 つまり、遅くなったことに対しては申し訳ないというふうに謝っていて、意図的に今度、この再就職等監視委員会の委員みたいに一年半もの間意図的に提示してこない、こっちの方は責任ないんですか、総理。総理、どうですか、遅れただけでも責任があるんです。
#326
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど来申し上げていますように、結果として、おっしゃることは私にもよく理解できます。
 ただ、先ほど申し上げたのは、その間何もしなかったということではないと申し上げたのは、先ほど申し上げたように、より強力なそういった機関をつくろうということで法律を出して審議をお願いしたわけですが、昨年の通常国会のときでありますのでまだねじれという形にはなっておりませんでしたので、多分当時の担当者としては十分法案が成立するということで、いろいろなそれとやや重なるあるいは矛盾するような作業を止めていたというふうに考えられます。
 そういう点で、そういう法案が私どもの当時の感じでいえば、通すことができると思っていた分だけ、結果として通らなかったことによってそういう空白が大きく空いたことについては、結果としては申し訳なかったと、このように感じております。
#327
○水野賢一君 結局、何でこの再就職等監視委員会の人選を出してこないのか、この一年半もの間空白にしていたのか、明確な説得力ある理由は全くないんですよね。
 私、どうも実は監視されたくないんじゃないかというふうに思うんですよ。民主党政権がいかにずさんなことをやっているかということが監視機関が立ち上がるとばれちゃうから、分かっちゃうから、だから監視されたくないんじゃないですか。総理、どうですか、そこら辺は。
#328
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。
 先ほど来、度々、今日までの経緯は総理から御説明を申し上げているとおりでございます。そして、私が先ほど来度々お答えいたしておりますのは、現行の監視委員会を活用させていただくために今その人選を進めておりますということでございまして、別にそのこと、監視されることが嫌だとかなんとかということではございません。
#329
○水野賢一君 一年半もの間、監視委員会を立ち上げないからそういうふうに思うんですよ。
 じゃ、総理に伺います。いずれにしても同意人事の中には、この再就職等監視委員会だけじゃないですよ、三月三十一日ぐらいで切れる同意人事ってたくさんあるんですね。五、六機関あるというふうに思います。それを、いずれにしてももう期間的には数日以内に私は出すというか、国会の方に提示しなきゃいけないというふうに思いますけれども、その中にこの再就職等監視委員会の委員、含めるんでしょうか。含めるんだとしたら、これは新しい今までの政策の転換ですから一定の評価はいたしますけれども、総理、どうですか。総理ですよ、総理。
#330
○委員長(前田武志君) では、まず福山官房副長官。
#331
○内閣官房副長官(福山哲郎君) お答え申し上げます。
 今、水野委員の言われた同意人事案、三月に任期の切れるものに対しては一定我々今準備をさせていただいておりまして、議運その他にお願いをしているところでございます。
 再就職等監視委員会の人事につきましては、先ほどから中野大臣もお答えのように、今なるべく早くということで、そういった観点の中で動いておりますので、今のところはまだ三月の提示については用意をしておりません。
#332
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど来、中野担当大臣からもお話がありましたように、決して何か意図を持って延ばしているということではありませんので、ただ、こういう方針で改めていこうということを私の方で指示をした上で今準備に入っておりますので、今月中ということには今手続上なっていないようですが、できるだけ早く提示をさせていただくと、そのことはそういう姿勢で臨みたいと思っております。
#333
○水野賢一君 今月中には提示しないという、そういうことでいいんですか。
#334
○内閣官房副長官(福山哲郎君) 今総理がお答えをされたとおりでございまして、できるだけ早く我々としては準備をしたいというふうに思っております。
#335
○水野賢一君 どうも内々いろいろ聞くところによると、明日にもいろいろな同意人事、今月の月末で切れる同意人事について国会の方に内示というか提示というかしてくる、これは再就職等監視委員会じゃないですよ、ほかのを含めてあるというふうに聞いていますけれども、それは事実ですか。
#336
○内閣官房副長官(福山哲郎君) これは今、国会の方で調整をいただいているところであるというふうに私は認識をしております。
#337
○水野賢一君 じゃ、その中にはこの再就職等監視委員会の委員は含まれていないと、そういう理解でよろしいですか。
#338
○内閣官房副長官(福山哲郎君) そのように御理解いただいて結構です。
#339
○水野賢一君 そうすると、これさっきも申し上げたように、仙谷官房長官のときに、同意人事の提示を遅らせているということによって、これ自主返納を、俸給、したわけですね。
 総理、これだけ遅れていて、しかもあしたの提示もないというようなことであれば、総理、これは責任はどういうふうに取られるんですか。
#340
○内閣総理大臣(菅直人君) 今もそれぞれの担当から申し上げましたように、私もできるだけ早くということで対応したいと思っています。決して今月中しないとか来月しないというのではなくて、可能であれば今月中にできるようにしたいと思いますし、ただ、先ほど申し上げたように、こういう形で現行の制度を使って、新たな法律が成立をすることを待たないで現行の制度を使って出そうという方針を私が指示した中で今進んでおりますので、できるものなら今月中にも出したいし、ただ、まあやはり人選ですのでそれなりのしっかりした選択が必要なので、そういう姿勢で臨みたいと思います。
 その上で、それがどうしても延びたときにどうするかというのは、まあできるだけ早くしようと思っていますので、その上でまた御指摘をいただくなり、あるいは考えたいと思っております。
#341
○水野賢一君 いずれにしても、近々出したいという意向をほのめかしているのはよく分かりましたけれども、それはそれで評価します。
 しかし、これまで再就職等監視委員会がないために、さっきの東京電力のケースを含めて、問題がないかどうか監視するところがないんですね。それで、総理の権限に基づく調査も行っていないということであれば、国会で調査をするしかないというふうに思いますので、この石田徹氏の証人喚問を、委員長、要求します。
#342
○委員長(前田武志君) 理事会において協議をさせていただきます。
#343
○水野賢一君 天下りあっせん禁止というときに、問題は誰があっせんすることが禁止なのかということなんですよね。役所の職員があっせんするのは、これは明らかに国家公務員法百六条の二の違反ですよ。じゃ、大臣や副大臣とかいわゆる政務三役があっせんする場合はどうなのかというと、これは実は答弁が揺れている感じがあるんですね。
 我が党の山内康一衆議院議員が質問主意書で出したときに、答弁書、平成二十一年十一月二十日ですけれども、ここでは政務三役のあっせんは天下りじゃないからオーケーだというようなことを言っている。一方で、先日の衆議院予算委員会の答弁、二月二十三日などでは、中野大臣や片山大臣は、これはアウトだ、政務三役のあっせんもアウトだというふうに言っている。
 このどっちが正しいんですか。セーフなんですか、アウトなんですか。
#344
○国務大臣(中野寛成君) 公務員によるあっせんは、これは法律で禁じられておりますが、政務三役によるあっせんは、これは閣議の申合せによって禁じられております。
#345
○水野賢一君 そうすると、違法ではないけれども菅内閣ではやらないと、そういう理解でよろしいんでしょうか。
#346
○国務大臣(中野寛成君) もちろん、これは法律に規定しているわけでもまだありませんので、やがて法律に規定することなども検討しなければいけないと思いますが、現段階においては、いわゆる閣議決定に反することをやりますときには、当然政治的な、道義的な責任を生ずるというふうに考えます。
#347
○水野賢一君 今大臣もほのめかしていましたけれども、そうすると、どっちにしても国家公務員法改正案を今国会に出すわけですけれども、その中で、もう菅内閣がやらないと言っているんですから、これは政務三役によるあっせんも法律で禁止するということを考えないんですか、どうですか。
#348
○国務大臣(中野寛成君) 当然そのようなことも含めて前向きに検討されます。
#349
○水野賢一君 そうすると、菅総理、大蔵省の事務次官だった齋藤次郎さんが日本郵政の社長になった、まさにあれは当時の亀井大臣によるあっせんだというふうにも言われている。ああいうことは菅内閣ではやらないという、そういう理解でいいですね。現在の基準ではできないということですね。
#350
○内閣総理大臣(菅直人君) 少しこれ個別の問題のお答えになりますので、私も当時の経緯、担当大臣として亀井大臣が当時の総理と相談されたのかと思いますが、これ、この天下りとの関係でどういうふうに考えるべきなのか、もうかなり早い段階で役所から離れられていた方でありますので、少し、もし必要であればそういう経緯も含めてしっかり再検証してお答えをしたいと思います。
#351
○水野賢一君 何かよく分かったような分からないような答弁ですけれども、総理はかつて野党のリーダーだったときに再三再四こういうことをおっしゃっているんですよね。天下りをなくすのは簡単なことなんだ、採用した企業には発注しないという閣議決定を、そういうことをすればもう天下りなくなるんだということを、これ予算委員会などでも小泉総理にも安倍総理にもそういうことを言っていた。これは、今御自身が政権の座、トップにいらっしゃるわけですから、言っていたことを閣議決定する、その考えはないですか。
#352
○内閣総理大臣(菅直人君) 当時申し上げていたことは私もよく覚えております。つまりは、天下りというもののいろいろな弊害の中で、よく言われたのは、天下りの人が一人行くと年間このぐらいの事業が行く、十人行くとこのぐらいの事業が行くというのが何かこうあらかじめ裏でといいましょうか決まっているような、そういう在り方もいろいろとうわさをされておりましたので、そういう意味では、そういうことを止めるには、そうした形のまさに利益誘導的な形の天下りというのを、民間が逆にそれを採らなければ仕事が来ないということを理由にするんであれば、逆に採れば仕事が来なくなるということであれば止まるんではないかという趣旨で申し上げました。
 今の考え方は、先ほども申し上げましたが、事前規制やそういうものから、言わばあっせんをしないかするかというところで一つの考え方の原理原則が変わってきておりますので……(発言する者あり)いや、私が変わったんではなくて、十九年の国家公務員法がそういう形になって、その後の政権交代でありますので、そういう意味ではその新しい考え方に沿ってこの問題もどう考えることが適正なのか、少なくともそういう、今申し上げたように何か一人の人を採れば幾らの仕事が来るというような関係は、これは当然あるべき姿ではありませんので、それはあっせんになるということも含めて許されないことだと思っております。
#353
○水野賢一君 何だか分かったような分からないようなところがありますけれども、状況が変わったんじゃなくて総理の考え方も変わったんですか。つまり、当時は閣議決定をしろと言っていたわけですね。今はしなくていいということですか。
#354
○内閣総理大臣(菅直人君) あっせんをするかしないかという考え方で、いわゆる事前規制等から行為規制になったと、これが平成十九年の国家公務員法、つまり政権交代前の渡辺喜美大臣のときの法律改正でありますので、その法律に少なくとも現在は沿っての考え方で整理をしているということであります。
#355
○水野賢一君 渡辺大臣が国家公務員法を改正したとき、翌年の基本法じゃないですよ、国家公務員法の改正をしたとき民主党は反対していますけれども、今はそのときの路線は正しかったというふうに考えていると、そういう理解でいいですか。
#356
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほども申し上げましたように、必ずしもそれでは十分でないということで昨年の通常国会にも法律を出したわけでありますけれども、残念ながらそれは廃案になっております。という意味で、現在の法律は平成十九年のものでありますから、それについても今、更に強い強化のための法律を出そうとしているというのは先ほど中野担当大臣からもお話をいたしました。しかし、今の法律に沿って今はやらなければならないと思っております。
#357
○水野賢一君 ところで、民主党が去年の参議院選挙のときに作ったマニフェスト、マニフェスト二〇一〇にこういうふうに書いてあるんですが、「まだ、実現できていないこと 引き続き取り組みます。」というふうに書いてある中にこうあるんですね、「「天下りあっせん」は禁止しましたが、「あっせん」によらない、隠れた天下りはいまだに続いており、」というふうに書いてあるんですけれども、これは隠れた天下りは今もあるというふうに菅総理も認識していますか。
#358
○国務大臣(中野寛成君) いわゆる天下りあっせんは禁止された。しかし、あっせんによらない天下りといいますか公務員の再就職、これが一般、時々、裏下りですか、なんかという表現をされたりいたしておりますが、そのどちらとも判別しにくい、又は疑いを持たれる、それらのことにつきましてもしっかりと監視していこうという意味で、今提出予定の法案の中にこの再就職監視・適正化委員会をつくって、それらのいわゆるグレーゾーンの部分につきましてもしっかり監視をしていこうということの決意を表しているところであります。
#359
○水野賢一君 だから、裏下りがあるからこそ監視委員会を、渡辺代表が大臣だったときに作った法律で監視委員会つくることになっているんですから、それを早く機能させなさいよということを再三再四言っているわけです。
 そもそも、民主党政権が発足をしてから次から次へとマニフェストがほごにされてきましたけれども、財源の裏付けのないようなこういうような勝手な約束をしたわけですから、そういうようなものが実現しないのは当然でしょうけれども、せめて財源の要らないようなこういう天下り根絶、このぐらいの約束は守ってもらいたいというふうに思いますけれども、総理、どうでしょうか。
#360
○内閣総理大臣(菅直人君) 私、政権交代前に、短期間ですけれどもイギリスに調査に行きまして、天下りについてもいろいろ聞いてまいりました。いわゆるイギリスの役所には、天下りとか縦割りという、これはかなり日本では表裏一体のようなところがありますが、そういうものはないというのが向こうの人あるいは日本から出向で行っている人の話であります。
 なぜないのかと思いましたら、一つは昇進制度が、例えばある課の局長が辞めると、そうするとその後の局長は、他の役所、民間、同じ役所、完全な公募制でやっている。あるいは、その人間の昇進を決める場合も、三百六十度といいますか、上役だけではなくて同僚あるいは部下からのヒアリングといったようないろんなルールがあって、ある意味、民間と役所が行ったり来たり、役所同士もいろいろなところを回るので、何か一つの役所に入ったら、一時出向しても戻ってきて天下りまで含めて同じ役所にずっといるという、そういう慣習そのものがないんだということが一つの背景にあることが分かりました。
 私、財務大臣になったときに、そういうことも念頭に置いて、役所の中堅、若手の皆さん自身に、どういう形が自分たちにとっても働きやすく、結果として天下りとかそういうものにもならないかということで、一つの検討会というか勉強会を開いていただいて一つの方向性を出して、方向性といいましょうか意見をいただいているんですが、その後、私も立場が変わりましたので、まだそれに基づく次の動きにはできておりません。
 私は、本当にこの問題深刻だ、深刻といいましょうか、国民のちゃんとした理解を得なければ、これからどんな改革をやろうと思っても納得をしてもらえない課題だと思っております。と同時に、そういう他の国を見ると、いわゆるヘッドハントのような形で自由に官民が行き交っている、あるいは役所を越えて行き交っているということもあるわけでありますので、そういった、もう一回り大きなという言い方がいいかどうか分かりませんが、そういう視点からも改めてきちっと押さえなければいけない問題と、逆に場合によっては、もっと自由闊達に官民が交流できるようなルールができないか、そういう習慣ができないかということも改めて検討してまいりたいと、こう考えております。
#361
○委員長(前田武志君) 答弁側に再度御要請いたしますが、答弁はなるべく短くしてください。相当時間が押してまいっております。
#362
○水野賢一君 まあ随分変われば変わるものだと思いますけれども、かつて官民人材交流センターを天下りセンターというふうに言っていた時代とは随分、天下りバンクと言っていたんですよ、当時は、随分変わったというふうに思いますけれども。
 さて、この問題、もう最後にしますけれども、改めて最後に一点確認します。
 この再就職等監視委員会、さっきの話だと現行法のままで、つまり法改正しない、現行法のままでも、三月中かどうかは分からないけれども、近々提示するという、そういう表明だと理解していいですね。
#363
○国務大臣(中野寛成君) おっしゃるとおりに、新しく提起をいたします四法案は、これは予算関連法案ではありませんので若干時間も掛かるかと思います。
 まず、現行の監視委員会を機能をさせるための人事案件を提出をしたいと、そういう準備をしていると、こういうことでございます。
#364
○水野賢一君 この点は一定の評価はできるというふうに思いますけれども。
 では、次に特別会計というか特定財源についてお伺いをします。
 今、国会で審議されている税制改正法案が成立をすると、今年の十月からいわゆる環境税、政府の用語を使うと地球温暖化対策のための税が導入をされますけれども、これは特定財源でしょうか。
#365
○国務大臣(松本龍君) 水野委員にお答えをいたします。
 地球温暖化対策のための税は、石油石炭税の税率の特例という形になりますために、現行の石油石炭税と同様、特別会計に関する法律に基づいて一般会計を通じて必要額がエネルギー対策特別会計のエネルギー需給勘定に繰り入れられることから、いわゆる特定財源となっております。
#366
○水野賢一君 つまり、特定財源が拡充されるんですよ。
 総理、特定財源というのは、必要だから予算を付けるというんじゃなくて、むしろどうしても税収があるから使い切るまで使う、つまり無駄遣いの温床になるというふうに民主党批判していなかったでしょうか。だから、原則これは廃止、縮小なのかと思っていたら、環境税という新しい形で特定財源を拡充するのか。総理、これでいいんですか。
#367
○国務大臣(松本龍君) いわゆる地球温暖化の対策のための税は、一方でエネルギー使用者に御負担をいただくことになります。そういう意味では、エネルギー起源CO2排出抑制に活用することで国民と納税者の理解を得やすいということを考えて、こういう状況になりました。
#368
○水野賢一君 いや、温暖化対策は重要なんですけれども、それだったら一般財源からお金をつぎ込めばいいだけのことなんですよ。
 総理に聞きますけど、総理はかつて道路特定財源の一般財源化のときなんかにこう言っていませんでしたか。道路が本当に必要なら一般財源で造ればいいんだと、だから、特定財源でという。つまり、大切だから特定財源だというんだったら、教育特定財源でも医療特定財源でも全部つくらなきゃいけないじゃないかという、そういう趣旨のことを総理おっしゃっていましたけれども、そのとおりだと私も思いますよ。
 これ、何で今回特定財源を拡充するんでしょうか。これが、総理、ベストな予算だと思いますか。
 総理ですよ、総理。総理が言っていたことに対して聞いているんです。(発言する者あり)
 先にどうぞ。
#369
○委員長(前田武志君) まず海江田担当大臣。
#370
○国務大臣(海江田万里君) お答えいたします。
 今度のこの税金の名称が温対税、温暖化対策税ということですが、実際には石油石炭税、石石税に上乗せをするわけですから、従来どおり、石石税はまさに一回一般会計に入りますけれども、そこからエネルギー需要特別勘定に入ってくると、それを踏襲をしているということでございます。
#371
○内閣総理大臣(菅直人君) 一般論として、特定財源というのが好ましくないという考え方は、私も一般的には今でも基本的なものとしては考えております。
 ただ、場合によっては、そういう課税をするときの納税者の理解を得るときに、例えばこれは社会福祉目的に使おうとか、これは環境に使おうとか、そういうことが一切やるべきでないということではないんではないだろうかと。ですから、原則はおっしゃるとおりだと思いますが、そういう理解を得るためにはいろいろな場合があり得ると、こう考えております。
#372
○水野賢一君 これ温暖化対策といっても、特定財源だから実は使えるのはごく一部のことであって、幅広く全く使えないんじゃないですか。
 例えば、じゃ伺いますけれども、森林がCO2を吸収する、森林対策に使えますか。
#373
○国務大臣(海江田万里君) これは当然のことでございますけれども、エネルギーの需給勘定のところで使い道は決まっておりますから、そこから即ということではありません。ただ、一般会計とのやり取りもございますから、いろんな工夫はあろうかと思います。
#374
○水野賢一君 要は原則使えないんですよね。
 じゃ、温暖化を引き起こすのというのは、別に二酸化炭素だけじゃなくてフロンというのがありますよね。かつてオゾン層を破壊するということで大きい問題になりましたけれども、フロンはオゾン層を破壊するだけじゃなくて強力な温室効果物質、これ二酸化炭素の何倍ぐらいの温暖化引き起こすんですか。
#375
○国務大臣(松本龍君) お答えをいたします。
 何倍かということでありますけれども、京都議定書の対象ガスである、今言われました、例えば強力なハイドロフルオロカーボンの地球温暖化係数はおよそ数百から一万を超えるものがあると言われております。例えば、FHCの一種であるFHC23の……
#376
○水野賢一君 HFC。
#377
○国務大臣(松本龍君) あっ、HFCの23の地球温暖化係数は、地球温暖化対策の推進に関する法律施行令においては一万一千七百となっております。
#378
○水野賢一君 つまり、この強力な温室効果ガスであるフロンの回収、破壊も大切な温暖化対策ですけれども、これには使えるんでしょうか、この石油石炭税は。
#379
○国務大臣(松本龍君) お答えをいたします。
 先ほどから申し上げていますとおり、地球温暖化のための対策、税は、エネルギー使用者に御負担をいただく税であって、エネルギー起源CO2排出抑制対策に活用することで国民、納税者の理解を得やすいというふうに考えました。
 御指摘のフロンにつきましては、現在のエネルギー対策特別会計では、エネルギー起源CO2削減、代替フロン削減のどちらにも効果がある、限定的ではありますけれども、省エネルギー性能に優れた業務用の冷凍冷蔵設備の設置に対して支援を行っているところであります。
#380
○水野賢一君 結局、温暖化対策に使うと言えば聞こえはいいですが、実は温暖化対策の中でも極めて限定的なものにしか使えないんですよ。結局、経産省や環境省の一部の部局の予算が増えて、そこが補助金配分の権限を握るというんだったら、単なる省益拡大になるだけだというふうに思いますけれども。
 ところで、この環境税、例えば石炭というふうに一口に言っても課税されるものと課税されないものがありますけれども、原料炭というのがありますね。原料炭は非課税かどうか確認します。
#381
○国務大臣(野田佳彦君) 鉄鋼、セメント、コークス製造用の輸入石炭については、従来から石油石炭税、これ免税となっておりますけれども、この石油石炭税に地球温暖化対策のための税というのは上乗せをするという考え方でございますので、同様に免税という措置をとっております。
#382
○水野賢一君 つまり、はっきり言えば鉄鋼会社が使う石炭は非課税というわけですよね。そうすると、これによって鉄鋼業界が課税を免れているのというのは、金額で言うとどのぐらいになるんですか。
#383
○国務大臣(野田佳彦君) 鉄鋼、セメント、コークス製造用の輸入石炭の免税措置ですが、計算式というのは、二十年度実績でいくと免税数量が六千万トンでございます。これ段階的に税率引き上げていくんですが、平成二十七年四月以降と、完全に税率が上がったというときには一トン当たり千三百七十円ということになります。これ、機械的に計算すれば約八百億円の減収になると見込まれます。
#384
○水野賢一君 つまり、細部のそこら辺の非課税措置などのさじ加減で業界の損得が極めて大きく、八百億円なんという単位で左右されるわけですよね。だから、鉄鋼メーカーが天下りを、経済産業事務次官なんかを天下りで受け入れたんじゃないですか。結局、さっきの天下りの話にも関連しますけれども、こういうようなことを根絶をしていかなければ税金の無駄遣いは撲滅できないと私は思っています。
 ところで、これ、最終的には特別会計のどちらの方に石油石炭税、環境税は入るんでしょうか。
#385
○国務大臣(海江田万里君) 先ほどお答えを申し上げましたけれども、エネルギー需給勘定の方に入ります。
#386
○水野賢一君 じゃ、このエネルギー需給勘定、ここにも多分剰余金、いわゆる埋蔵金と言っていいかもしれませんけれども、剰余金があったはずですけれども、どのぐらいですか。
#387
○国務大臣(海江田万里君) お答え申し上げます。
 平成二十三年度で剰余金は約九百九十一億円でございます。ただ、言うまでもございませんが、剰余金でございますから、それが来年度あるいは翌々年度に回りまして、その分一般会計からの繰入れは少なくなるということでございます。
#388
○水野賢一君 要は、剰余金がこれだけあるところに、更に新税によって税収が入ってくるというのが実情ですよね。
 よく特別会計は母屋でおかゆなのに離れですき焼きだというふうに例えられますけれども、これ例えて言えば、もうすき焼きで満腹のところに、剰余金があるところに、更にごちそうをたくさん持ってきたような感じがしますけれども、違うんですか。
#389
○国務大臣(海江田万里君) これはなかなか難しい問題で、すき焼きのことは私はよく分かりませんが、ただ、剰余金と別にまた留保金というのがございます、これは。剰余金は、先ほどもお話をしましたけれども、一般会計との間で相殺をされますから、そこから更に留保金というのがございますので、この留保金の額が今のままでいいかどうかということは議論のあるところでありまして、私はその点はしっかりと事務方に、この留保金、これでいいのかということは言っております、日ごろから。
#390
○水野賢一君 ちょっと話題を変えますけれども、総理はよく消費税を上げる前に解散で国民の審判を問うというようなことを言っていますけれども、上げる前と一口に言ってもいろいろあるんですよね。一つには、例えば消費税増税の具体案を示した段階ということもあれば、はたまた一方では、法律は変えても、増税の法律を通しても、法律というのは通った翌日に施行されるわけじゃないですから、その施行されるまでの期間というのも両方あるんですけれども、これはどの段階で解散を考えているんですか。
#391
○内閣総理大臣(菅直人君) 私が申し上げているのは、まずは社会保障の絵姿をかき、そして税との一体改革案を出し、できれば与野党の合意を得て、最終的に消費税を含む税制改正を、大きい改正をするときにはそれが実施されるまでには国民の信を問うと、そういうお約束をしておりますので、そのことは変わっていないということであります。
#392
○水野賢一君 残り時間も少なくなってきたので、前原大臣の件について伺いますけれども、前原大臣が在日韓国人から献金を受け取っていたこと、総理はいつ知ったんでしょうか。審議中ですか、予算委員会の質疑の中ですか。
#393
○内閣総理大臣(菅直人君) たしか金曜日のこの委員会の席の中であります。
#394
○水野賢一君 事前に聞いていたとかということはないですよね。
#395
○内閣総理大臣(菅直人君) 聞いておりません。
#396
○水野賢一君 外務大臣は当面置かずに枝野官房長官が臨時代理ということですけれども、先ほどもちょっと話ありましたけれども、G8のサミットが来週の今ごろあるんですよね。これは枝野官房長官が行くんですか。
#397
○内閣総理大臣(菅直人君) できるだけ間を置かないで後任を決めたいと思っております。
#398
○水野賢一君 政治と金にまつわることで前原大臣が辞任したわけですから、後任を選ぶときも、同様の問題がないかどうか、多分今、身体検査、一生懸命やっているんでしょうけれども、どういう形でやっているんですか、総理。
#399
○内閣総理大臣(菅直人君) いずれにしても、適任者を早く決めたいと、こう思っております。
#400
○水野賢一君 内閣情報調査室とか、そういうのを使ったりとかしてやっているんですか。
#401
○内閣総理大臣(菅直人君) 適任者をしっかりと決めたいと思っております。
#402
○水野賢一君 じゃ、前原前大臣の問題に関して、総理の任命責任について、この点どう考えるのか、お伺いします。
#403
○内閣総理大臣(菅直人君) もちろん、全ての閣僚を総理として任命するわけですから、その任命責任というのは私にあることはもちろんであります。
 その上で言えば、前原大臣、私は外務大臣としてはしっかりとした仕事をしてくれたと思っております。しかし、その問題が起きまして、本人として政治的な責任を感じて辞任をされたものと、こう理解しております。
#404
○水野賢一君 最後にクエスチョンタイム、党首討論について伺いますけれども、菅政権が発足してから八か月間行われなかった。最近行われるようになってまいりましたけれども、しかし、これはですね……(発言する者あり)
#405
○委員長(前田武志君) お静かに、お静かに。
#406
○水野賢一君 これは非常にいいことだとは思いますけれども、これは総理が、最終的には国会が決めることだけれども、総理がやっぱり党首討論をやろうというふうに指示をされたんでしょうか。
#407
○内閣総理大臣(菅直人君) 私としては、党首討論というものについて、私の方からお断りはしないで、そういう申出があれば受けたいという、そういう私の考え方は国会対策関係者にお伝えしています。
#408
○水野賢一君 みんなの党は現在十名の参議院議員がいますので、申合せ上はQTに参加する権利があるんですよね。権利があるにもかかわらず衆議院の現場の委員会に委員がいないというような、つまり、権利があるが、それによって行使できないという妙な状況になっているんですけれども、十名という要件はクリアしているんですから、そういう意味では、国会の中で決めることとはいえ、総理御自身も渡辺代表と議論をQTの場でしていきたいと、そういう御意向ありませんか。
#409
○内閣総理大臣(菅直人君) やはり、これは国会のルールですので、国会でお決めいただきたいと思います。
#410
○水野賢一君 それでは、時間も参りましたので終わりますけれども、民主党政権が、もう今や菅内閣への国民の信頼が地に落ちている、そうした中でまさに政権選択をやり直すべきだということを、私たちの主張を申し上げて、質問を終わります。
#411
○委員長(前田武志君) 以上で水野賢一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#412
○委員長(前田武志君) 次に、山下芳生君の質疑を行います。(発言する者あり)理事の皆様方、お静かに願います。
 山下芳生君。
#413
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。
 高齢者の介護について質問をいたします。
 二〇〇〇年四月に介護保険制度がスタートして十年が過ぎました。この十年間で特別養護老人ホームはどのくらい増えたか、全国の特養ホームの定員と待機者の推移を報告してください。
#414
○国務大臣(細川律夫君) 山下委員にお答えいたします。
 特別養護老人ホームの定員数につきましては、平成十二年度で約三十万人、平成二十一年度では約四十二・一万人となっております。
 また、入所の申込みにつきましては、平成十二年度の数字の把握はしておりませんけれども、平成十八年度で約三十八・五万人、平成二十一年度は全体で約四十二・一万人となっております。この四十二・一万人のうち、在宅ではない方が約二十二・三万人、要介護一から三までの方が二十四・三万人であり、他方、入所が急がれる在宅で要介護の四又は五の方が六・七万人となっております。
#415
○山下芳生君 日本共産党は、十年前に全都道府県に特養ホームの待機者数を聞きました。(資料提示)合計十万四千五百九十九人でした。ですから、待機者は十年前の十万人から四十二万人へと四倍に増えたことになります。入所希望者の増加に特養の整備が全く追い付いていないということです。三年も五年も待たないと入れない。
 待機者とその家族がどういう状態にあるか。厚労省、家族の介護のために仕事を辞めた人は年間何人になりますか。
#416
○国務大臣(細川律夫君) お答えいたします。
 家族の介護、看護のために離転職いたしました雇用者は、平成十八年十月から平成十九年の九月までの一年間で約十三万人であり、仕事と介護の両立については少子高齢化が進む中でますます重要な問題となっております。数はそのとおりでございます。
#417
○山下芳生君 十数万人が毎年辞めています。親が倒れると約二割の人が仕事を辞めるんですね。高齢者介護というのはまさに現役世代の問題だと思います。
 NHKの「ミドルエイジクライシス」という特集で、先日、都内に住む四十四歳の男性が紹介されておりました。七十五歳の父親と二人暮らし、二年前に母親が突然亡くなり、認知症が進んだ父親を一人で介護する生活になりました。仕事との両立は次第に困難になり、辞めざるを得なかった。二人の生活費は父親の月十万円の年金のみとなりました。男性は、父の食事の世話、洗濯その他の家事をどうやって一日こなしていくか、それしか頭にないです、正直、結婚もしたいです、こう言っていました。深刻だなと思いました。たとえ介護から解放されたとしても、この男性のその後の人生はどうなるのか。
 総理は、厚生大臣時代、介護を社会化する、こう言って介護保険の導入を推進されました。しかし、現実はどうか。親の介護のために四十代のミドルエージが仕事も結婚も諦めざるを得ない事態が広がっております。こんなことで日本社会はどうなると総理思われますか。
#418
○内閣総理大臣(菅直人君) 介護保険制度が導入される段階の議論の多くは、家庭で、例えば嫁とかあるいは娘とか女性が多かったですが、それが面倒を見るべきだという議論と、社会的にやはり面倒を見ようという議論があって、社会的に見ようということで介護保険制度が導入され、私はその大きな流れは間違っていなかったと思います。
 しかし、今日、今度は高齢化が更に進んで、場合によっては高齢者の独り暮らし、あるいは今御指摘のように家族も少ない中で、やはりきちっと社会全体がこういうケースについても対応できるような、そういう方向で更なる努力をしなければならないと、こう考えております。
#419
○山下芳生君 四十二万人の特養ホームの待機者がどういう状態にあるのか。もう一つ、私紹介したいと思います。
 昨年五月の東京新聞、中日新聞に衝撃的な記事が載りました。口から食事を取れず、鼻やおなかに管を通す経管栄養の要介護者だけを対象に入居者を募るアパート、自称寝たきり専用賃貸住宅、略して寝た専賃と言うようですが、これが急増しているという記事です。「愛知、岐阜両県の計十二カ所にあり、高齢者ら約二百人が入っているとみられる。」とありました。
 総理は、こうした寝たきり専用賃貸住宅なるものがあることを御存じでしたか。
#420
○内閣総理大臣(菅直人君) 今回、質問をいただくまでは知りませんでした。
#421
○山下芳生君 先日、私、寝たきり専用賃貸住宅、二か所見てまいりました。御覧のように、案内板には「寝たきり状態で常時介護が必要な方」とか「寝たきり老人専用住宅」というふうに書かれてありました。
 玄関の中までは入ることができました。コの字形の廊下の両側に恐らく四畳半ぐらいの広さと思われる居室がずらっと並んでおりました。全部で十七室です。私が訪ねたときには、そこには職員の方は一人しかおりませんでした。夕食どきだったのに、食事を準備する人の気配も食事のにおいも全くしませんでした。なぜなら、口から食事を取れない、経管栄養の人ばっかり入居させているからであります。だから、食事の介助の必要もない、人も要らないんですね。ここでは、指定された事業所から看護師さんがやってきて、一日三回、順番にチューブで栄養剤を注入するだけなんですね。そういう高齢者ばっかりだけをわざと集めているわけです。
 総理、こういうやり方、いかがお思いですか。
#422
○内閣総理大臣(菅直人君) この経管栄養になっている人たちの在り方について、これもいろいろな議論がありますけれども、今御指摘のように、そういう人たちだけを集めて看護ないしは介護をするというのは、そのサービスがきちんとしたものであればそれは一つの在り方かと思いますけれども、そのサービスの内容によるのではないかと、こう思います。
#423
○山下芳生君 サービスの内容によるということですが、私は、この寝たきり専用賃貸住宅に入居する際、入居者の家族が提出する承諾書なるものを見て驚きました。これです。抜粋ですけれども。
 民間の賃貸住宅といいながら、おむつの持込みは禁止なんです。それから、医療、看護、介護のサービスもおむつも全て指定された提携業者と契約しなければならない。
 調べてみますと、賃貸住宅の設置者と看護、介護の事業者は全く同一の住所にありました。行ってみますと、郵便受けも共用でした。それぞれの会社名が紙に書かれて、ぺたりぺたりと並んで張り付けてありました。さらに、ケアマネジャーも指定された中から選ばなければならない。要するに、賃貸住宅の設置者と、それから看護、介護の事業者、それからケアマネジャーは一体だということであります。そうやって賃貸住宅に寝たきりの高齢者の方ばっかりを集めて、そこに身内の事業者から看護や介護のサービスを提供して利益を上げる仕組みであり、ビジネスだということであります。
 さらに承諾書を見ますと、このビジネスの本質が浮き彫りとなります。ここに、要介護認定五に変更があった場合、個人の負担が増えますとありますね。要するに、寝たきりでなくなったら、かえって手間が掛かるので料金を上げるということです。それから、病院へ入院した場合、アパートの契約は解除されます。アパートを追い出すということであります。なぜか。介護保険から金が入ってこなくなるからですね。訪問看護一回二十分で二千八百五十円の介護報酬になります。これ一日三回やりますと月二十数万円になるわけですね。これ、家賃ではなくて、こっちの方でもうけを上げているということであります。そして、一番最後、健康状態が悪化しても、病院に搬送しても改善は困難と、これ一方的に判断されるという、そういうひどい同意書であります。
 これら一つ一つ家族が承諾をして、署名捺印させられて入居をする。私は、これ全体を見て、これが介護、これが医療と言えるのか、お年寄りの人生の最後を食い物にするやり方ではないかと私は思いましたけれども、総理、いかがですか。
#424
○国務大臣(細川律夫君) この老人福祉法におきます有料老人ホームの定義というものがございまして、その定義の中には、入浴、排せつ若しくは食事の介護、そして二番目として食事の提供、三番目として洗濯、掃除等の家事、そして健康管理の……
#425
○委員長(前田武志君) テレビの時間の制限がありますので、簡潔にお願いします。
#426
○国務大臣(細川律夫君) はい、済みません。
 いずれかを自ら又は委託して提供する事業を行う施設と、こういうふうになっております。したがって、今のこのパンフレットなどでこれが有料の老人ホームに該当するかどうかについては、これは個々の施設のあれをいろいろと調査もしなければ分からないわけでありますけれども、その運営実態の把握については、都道府県に有料老人ホームの該当の有無を判断をしていただくということになっておりまして、いずれにしても、私は先ほどのあれを聞きますと、そういうことで健康保険の、保険法の適用によっていろいろな不正の請求があるとかいうようなことになりますれば、これはしっかり対処をしていかなければいけないというふうに思っております。
#427
○山下芳生君 総理、いかがですか。こういうやり方が人間の尊厳を保障するやり方と思われますか。いかがですか。
#428
○内閣総理大臣(菅直人君) 確かにそういう形で本当に御本人のためになるのかということは考えなければならない、こう思います。
#429
○山下芳生君 これが今広がりつつあるということを私危惧しております。これ、是非実態をしっかり把握をする必要があると思いますが、総理、政府として実態把握すべきじゃありませんか。
#430
○国務大臣(細川律夫君) 今の委員御指摘がありました点については、これは私どもの方でどういう具合になっているか調査もさせていただきたいと思います。
#431
○山下芳生君 調査するということであります。
 どうしてこういうビジネスが広がるのか。寝たきり専用賃貸住宅を経営している会社のホームページを見ました。こうあります。数に限りのある老人介護施設や有料老人ホームに入所できず療養型病床も減っている中でますます在宅介護の必要が高まります、その上、団塊世代の高齢化の波も押し寄せてきます、しかし在宅の環境での介護は家族にとっても要介護者本人にとっても負担が大きく非常に困難です、そこで私たちは寝たきり老人専用住宅の開発に成功しました、こういう表現ですね。まさに、特養ホームを増やさず療養型病床を減らしてきたこれまでの政府の政策のおかげでこのビジネスが成り立っているというようなものですね。私、政治の責任は重大だと思います。総理、そう思いませんか。
#432
○内閣総理大臣(菅直人君) やはり御指摘はそれぞれごもっともなわけでありまして、そういうことに対してよりしっかりしたサービスを提供できる体制をどのようにしたらつくれるのか、あるいは経管での栄養補給という形がどういう形で考えるべきなのか、多くの問題を含んでいると思っております。
#433
○山下芳生君 御家族の思いも大変複雑だと思います。ほかにどうしようもなくてこうした寝たきり専用賃貸住宅のようなところを選択せざるを得ない方もあると思います。
 解決の道は一つだと思います。ちゃんとした受皿をしっかりつくるということだと思います。厚労省、特養ホーム整備の国から都道府県への一人当たり補助単価はどうなってきましたか。
#434
○国務大臣(細川律夫君) これは現在でしょうか。それとも過去からのずっと。
#435
○山下芳生君 過去からです。
#436
○国務大臣(細川律夫君) 過去からの経過ですか。はい。
 それで、特別養護老人ホームにつきましては、平成十一年度から十三年度におきましては、四人部屋の特養老人ホームに対して二分の一の国庫負担割合として一床当たりに換算しまして三百六十万円となっていたところでございます。
 そして、平成十四年から個室ユニット型の特養ホームを中心に補助を行っておりまして、入居者の方に利用料として御負担をいただく居室等を除いた部分の二分の一に対する補助となったところでございます。このため、平成十四年度からは一床当たり二百四十万円、平成十五年からは二百三十五万円、平成十六年から十七年度までは二百二十五万円となっていたところでございます。
 最近でありますけれども、介護基盤の緊急整備に伴いまして、平成二十一年度から平成二十三年度までの三年間、十六万人の整備をするということを目標といたしておりまして、各自治体の取組に対して、一つ、各都道府県に設置をいたしました基金より一床当たり三百五十万円とする補助単価引上げ、そして地方財政措置によって支援を行っているところでございます。
 さらに、平成二十二年度補正予算に介護基盤の十六万人分の整備促進、達成等のため約三百二億円を計上いたしまして、一床当たり三百五十万円から四百万円とする補助単価の引上げを図ったところでございます。
#437
○山下芳生君 今たくさんおっしゃられましたけれども、国の補助金は平成十一年からずっと減らされてきたんですね。その結果、都道府県の補助金がどうなったかと。これ、パネルのように、東京都も大阪府も都道府県の補助金は半分に減っちゃいました。特養ホームの建設に国からブレーキを掛けてきたということになっているわけです。
 総理、もうブレーキやめてアクセルを踏み込むべきじゃないですか。総理。
#438
○内閣総理大臣(菅直人君) 一般的に特養あるいはこうした施設の不足はおっしゃるとおりでありまして、それを在宅、あるいは更に言えば二十四時間介護といった、いろいろな今仕組みをそれぞれの関係者が努力をされております。そういう意味で、いずれにしても、しっかりしたこういう方々に対するサービスが提供できる在り方を目指していかなければならない。それが、この老人ホームの施設整備ということもありますが、あるいは在宅という問題も含めて、トータルとしてそういう体制が必要だということを感じております。
#439
○山下芳生君 もう一回さっきのパネルを出しますけれども、これ、先ほど厚労大臣が最近ちょっと増やしましたということを言いましたけれども、都道府県は、これ東京も大阪府も二〇一〇年度見ていただいたら、やっぱり県の補助金、半分に減っているんですね。ずっと国が補助金減らしてきたことがこういうことになっているわけです。
 それから、三か年計画ということをおっしゃいましたけれども、この三か年計画は自公政権のときに作った計画なんですよ。十六万人つくる、そのうち八万床、八万人分が特養だとしても四十二万人の待機者を解消することには全然足りません。
 民主党はマニフェストでどう言っていたか。四十万人の待機者を解消する、三倍のスピードで特養ホームを増やすと、こう言っていたんです。
 例えば、定員百人の特養ホームを年間八百か所、八万人分造れば五年間で四十万人の待機者を解消できます。必要な国の予算は約四千億円でできるんですね。法人減税、証券優遇税制、これ二兆円になると言われていますけれども、その僅か五分の一で五年間で待機者を解消できる特養の整備ができるんですね。これちょうど三倍のスピードであります。これこそ私は生きた税金の使い方だと、そう思っております。
 それからもう一つ、特養の整備について、都市部では土地の確保が大変大事な鍵となります。我が党は未利用の国有地を積極的に活用すべきだと提案してきましたけれども、保育所では既に成果が出ております。これ特養でもやるべきじゃないですか。
#440
○国務大臣(野田佳彦君) 未利用国有地を単に売却ではなくて定期借地権を使って貸付けを行うという方針は、昨年六月に新成長戦略の中でまとめさせていただきました。
 御指摘のとおり、保育分野では東京の世田谷含めて五つの事例が既に決定をしています。この対象は、委員御指摘の特別養護老人ホームを含む介護分野も入ってございまして、実際、今複数の御要望が出てきているところでございますので、地方公共団体としっかりと調整をしていきたいというふうに思います。
#441
○山下芳生君 自治体からは貸付料の減額をという要望が出ております。そもそも特養を運営する社会福祉法人が年間数千万円もの貸付料を払えるはずがありません。ですから、結局自治体が負担をして貸付料を安くするしかないんですね。それ全部自治体に負担させて、国は時価でしか貸しませんということでいいのか。例えば、国の制度として特養の用地費への補助をつくれば、それに代わる措置として国有地の貸付料を減額することも可能になります。
 総理、ここは政治が知恵を出すところだと私は思いますが、総理、いかがでしょうか。
#442
○国務大臣(野田佳彦君) 財政法においては、国有財産は適正な対価、すなわち時価による譲渡又は貸付けが原則とされており、社会福祉目的で国有財産を活用する場合であってもこれ全面積時価としているところでございます。定期借地権を利用した未利用国有地の貸付けは売却に比べて初期コストを低減させるという点で事業主体にとってのメリットがありますので、貸付けに当たっても時価としているものでございます。
 賃貸料を下げることについては、未利用国有地がその性質上全国均等に存在するものではなく地域的に偏って存在することから、地域間で不公平が生じることにも留意が必要だというふうに思います。
#443
○山下芳生君 財務省の答弁はこうなっちゃうんですよ。だから政治が知恵を出すべきじゃないかと言っているんですね。
 用地費への補助を全国でつくればその代替として下げることができるようになる。せっかく定期借地権でやろうというんですから、そういうことを知恵を出すべきじゃないですか。総理、検討すべきじゃないですか。
#444
○内閣総理大臣(菅直人君) 今から東京を始め大都市圏は極めて高齢化が急速に進むという認識を持っております。それを、例えば東京でいえば東京都内だけで対応するのか、あるいは場合によっては他の地域にも協力を求めていくのか、いろいろな知恵の出し方があると思います。その中での公有地の利用ということも一つの、いろいろな条件は今財務大臣からもありましたが、ルールはありますけれども、いろいろ知恵を出すという意味では検討をすべき項目の中に入れて考えてみるべきだと思っております。
#445
○山下芳生君 誰もが安心して老後を過ごせる社会にしてほしい、これが世代を超えた国民多数の願いだと思います。それに本気でこたえる政治をつくるために日本共産党は力を尽くすことを表明して、質問を終わります。
#446
○委員長(前田武志君) 以上で山下芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#447
○委員長(前田武志君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
#448
○片山虎之助君 たちあがれ日本の片山虎之助でございます。
 すぐ質問に入りますけれども、今日は答弁は片道ですからね、しかし、それでも簡潔に明瞭にひとつ分かりやすく、だれていますから、きちっとやっていただきたいと、こういうふうに思うわけであります。
 まず、前原大臣が昨日お辞めになりました。私は、前原大臣は早い時期に決断されたなと、こう思ったんですが、何か菅首相が強く慰留されているとかという話も聞きまして、もしこれで辞めないならば任命責任の上に慰留責任を取らにゃいかぬなと、こう思ったわけですが、結局はお辞めになった。
 私はそのいろんな事情を聞こうと思ったんですが、もう既に白浜さん始め皆さんがお聞きになったのでダブることはやめますけれども、考えてみますと、民主党の代表の小沢さん、鳩山さん、前原さんでしょう、みんな、代表、トップですよ。それ以外に代表になった人は菅さんと岡田さんなんで。三人がいずれも政治と金の問題で、形は違いますよ、しかし、つまずいたということは私は大変な民主党のイメージダウンだと思いますよ。
 前原さんはかねがねクリーンであることを標榜された方なんですから、今回の問題、外国人の方の問題その他の問題、全てをきちっとお調べになって全貌を国民にしっかりと説明することが私は将来の民主党のためだと、こう思いますが、総理、どうですか。
#449
○内閣総理大臣(菅直人君) これは本人も全貌を調べて御報告すると、この委員会でも言われていましたし、私にもそういうふうに言われていますので、どういう形かで説明されるものと、そう理解しております。
#450
○片山虎之助君 総理、総理は代表なんですからもっと力強く言わなきゃいけませんよ……(発言する者あり)いやいや、本当に、と思いますよ。慰留されたのがうまくいかなかったからそういうことになっているんですか、今。もう一度お答えください。
#451
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、外務大臣として前原大臣はよくやってもらったと認識しております。今回の問題は、まさに外国人の方からの献金を受け取っていたということを本人が認めてその政治責任を取られたわけで、そういう点でそれは一つの御本人の判断だと。私としては、外務大臣という職責をしっかりやっていただいていたので私なりの判断で慰留をいたしましたけれども、最終的には出処進退、最終的には本人の判断で決められたと、こう理解しております。
#452
○片山虎之助君 まあ、しっかりその点明らかにしてもらいたいと、こう思いますが。
 実は、去年七月に選挙がありまして、八月の臨時国会で、私はこの予算委員会で菅総理に質問いたしました。この選挙の結果で完全な衆参ねじれ国会になったと、衆議院に与党は三分の二ありません、完全なねじれになったと。しかし、ねじれが悪いことだけじゃない、ねじれがマイナスのイメージじゃないと。ここでしっかりと与野党協議なり合意形成のルールや仕組みをつくれば、これがあるべき二院制や成熟した議会民主主義の一つの突破口になる、一つのきっかけになる、そのための努力をできるかどうかがこれが与野党の器量だと、こういうことを言いました。
 総理も大賛成されたと私は思いますが、今のような予算関連法案が通らないような状況はあの時点で想像できたんですよ。それから八か月間、総理はどういう努力をされましたか。社民党やたちあがれにあるいは連立打診がありました。あるいは国会の答弁や党首討論でお願いをすると野党にいろいろ言われました。言葉だけじゃないですか。口だけじゃないですか。本気ですか。迫力なんかありませんよ。
 どうぞ答えてください、何をおやりになったのか。
#453
○内閣総理大臣(菅直人君) 私も覚えておりますが、片山先生の方から、このねじれ国会において、それをある意味、意味のあるものにするには与野党の真摯な協議というか合意形成が必要だということを言われまして、私としても、私なりにいろいろな、まあ何といいましょうか、関係を私なりにフルに生かしていろいろ働きかけやお話はしてきているつもりであります。
 結果としてまだまだそういう形になれていないことは私の力量の不足もあると思いますけれども、しかし、これから本当にそのことが、私たちにとって必要ということを超えて国民の皆さんに対する責任として、私も更に力を尽くしてそうした合意形成に向けて努力したい。是非片山先生にも御指導いただければと思っております。
#454
○片山虎之助君 それで、今回の国会は、衆議院で予算案と予算関連法案を分離して送ってこられた。まあ、かつては例がありますよ。しかし、こんなものは例にならないんで、私はこれは大変異例な、こそくな考え方だと思いますが、通せますか、予算関連法案、総理。
#455
○内閣総理大臣(菅直人君) 予算と予算関連法案が内容的にある意味で共通のことを実行する上での案であることは言うまでもありません。
 私は、この予算関連法案について、まさに私としても真摯な気持ちで、国民にとってどうなるのかというその一点から、もし政府・与党が何かこうすべきだということで私たちとしても納得できるものであれば、それはそれとしてしっかり聞かせていただきたいと思いますし、そういう中で何としても合意を得ていきたい、こう考えております。
#456
○片山虎之助君 もう今や通らなかったときの責任の問題になっているんですよ。総辞職されるのか解散されるのか、あるいはもう一つの道があるのか。
 しかし、考えてみますと、例えば今の政権がもう一度政権交代して次の政権になっても、例えばその前は自公政権でしたから自公政権になっても、衆参全くねじれるんですよ。ねじれはむしろ広がるんですよ。これは、ある意味では制度的な、構造的な問題に今やなっているんです。参議院は半数改選ですしね。そういうことで、しかもやっぱりちょうど政権が批判期に参議院の選挙があるんですよ、うまいことに、いつも。参議院で勝てませんよ。こういうことになったときにどう考えるかというのは、これから我々みんなが知恵を出さないかぬのですよ。しかし、すぐ答えは出ません。
 総理、通らなかったら責任取りますか。
#457
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、これは余りまた言うと余計にいろいろな方の反発を買うかもしれませんが、基本的には、政権交代をある程度定常的に繰り返している議院内閣制の国においても、やはり一つの政権が衆議院の任期を一つのめどとして物事を進めていくと。その間、いろいろと連立やあるいは部分的な妥協を与野党ですることもありますけれども、やはりその形の中で、替わるときはまた四年間なら四年間やったものを踏まえて国民の皆さんに判断していただくと。やはり、そういう少なくとも首長と同じ長さのものが一つの単位になることが本当の意味で国益にもつながると思っております。
 そういった意味で、今回のことの中で何としても与野党の合意を得る、その努力を徹底的に更に努力したいと。私の責任は、やはりそのことを進めていく、何としてもそういう姿勢で進めていくことが私のやるべきことだと、こう考えております。
#458
○片山虎之助君 まあ決意やお気持ちは分かるけれども、答えになっていませんわね。(発言する者あり)いやいや、本当に。ただ、今、持論をまた開陳されたんですけれども、これからどういう真摯な努力をされるかということを我々も十分見させていただきたいと、こういうふうに思っております。
 そこで、話を変えますが、私は総理が総理に御就任になったときに、強い経済、強い財政、強い社会保障と言われましたよね。この三つが不可分にいい循環でつないで、三つを併せて実現したいと。私どものたちあがれも似たようなことを言っておったんですよ。強い経済、強い財政、強いふるさと、強い教育、強い行政、強い何とか。まあそのときは与謝野さんも御一緒でしたけどね。そっち側にお座りになるとは思わなかったんですけれども。だから、私は共感したんですよ。しかし、いつの間にやら税と社会保障の一体改革になったんですよ。良く言えば純化ですよ。悪く言えば矮小化ですよ。もっと端的に言えば、マニフェスト破綻の増税路線なんですよ、これは。
 総理、そう思われませんか。
#459
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、あの鳩山政権ができて以来、雇用と成長ということを大きな柱にして、私の政権でもそのことを念頭に置いてまいりました。つまり、まず景気を回復させて何とか成長軌道に乗せたいと。
 もう片山先生が御覧になってお分かりのように、緊縮財政で財政再建を急ぐという道を取った国も幾つもありますけれども、私は、少なくともリーマン・ショックの後遺症が深い日本において、昨年あるいは今年でしょうか、今年度、来年度の予算規模をそれ以前と比べて余り小さくしない選択を取ったのは、何としてもデフレの脱却と成長ということを後回しにはできないと考えたからであります。
 それと同時に、社会保障と税の一体改革もある意味並行して進める必要があると、そういう姿勢で取り組んできたわけでありまして、増税ありき、いわゆる増税によって出口戦略を急ぐという形は、少なくともこの一年半、政権交代後取ってこなかったということは是非御理解をいただきたい。その上での社会保障と税の一体改革は、これももう先送りできない課題となっていると、こういう認識でおります。
#460
○片山虎之助君 マニフェストは既に衆議院の予算委員会でもこちらでも議論され尽くした感がありますけれども、まあ破綻ですわね。皆さんは強弁されるけれども、あのとおりできているものはほとんどないですよね。しかも先行きも定かでない。
 それから財政は、二か年間予算を編成されて、なるほど私は初年度はしようがないと思ったんですよ、いろんなことがあるから。しかし、来年度の予算編成も無理やりの予算編成ですよ。やりくり算段し放題でしょう。
 九十二兆円あって、税が四十一兆円で、借金が四十四兆円で、埋蔵金が七兆、八兆というような予算がどこにありますか。二十四年度予算が組めるわけない。全くの財政パンクなんですよ。そうなると増税なんですよ。なるほど社会保障の自然増は一兆円ありますよ。地方を入れると一兆七千億ある。しかし、そうじゃないんですよ。もっと、ばらまき四Kと言うと御機嫌が悪いかもしれませんけどね、ばらまき四Kを中心に、皆さんが自公政権の上に乗せたいろんな施策は全部財政に圧力掛けているんですよ。
 ここを改めないと、そのことについての反省がないと、そこの総括がないと、これはなかなか増税なんて国民がオーケーを出すはずがないと私は思いますよ。まず、その反省ありますか、総理。
#461
○内閣総理大臣(菅直人君) マニフェストについては、私たちはこれまでの予算の中で、無駄といいましょうか、そういうものを削減することで捻出をすると。その原則は今も変わっておりません。
 ですから、子ども手当、確かに初年度一万三千円でありますけれども、それを含めて、皆さん、皆さんといいますか、自民党が四Kと言われていることについて、基本的には、そうした無駄の削減や、例えば控除から給付へといったそういう基本的な削減、そういうもので賄ったところであります。
 今、一方で景気、成長という問題は、先ほど申し上げたような観点で、急ぎ出口戦略を取ることは日本の経済にとってプラスにならないという観点でやってまいりました。ですから、何かマニフェストが実行されているから、あるいは一部されているから、それで財政が厳しくなったという、そういう関係には必ずしもなっていないというのが私の認識です。
#462
○片山虎之助君 無駄の削減と言われますけれども、まあこれは何兆円出たのか議論があるけど、三兆円なんという説が割に多数説だと思いますけれども、無駄の削減であのマニフェストなんか実現できませんよ。それはもう認識が私は、まあおかしいと言ったらちょっと言い過ぎですけど、そういう感じを持っているんです。
 そこで、総理、元の強い経済というものをこれをもう少し考えなきゃいけません。今言われましたよ。デフレの脱却と日本中を元気にするということなんです。なるほど踊り場を脱却しつつありますよ。もちろんしておりますよ。しかし、私が見るところ、やっぱり大都市圏や大企業なんです。大企業なんかもう圧倒的な内部留保でしょう。無借金企業が史上一番多いという。しかし、地方の中小企業は円高を含めてデフレに泣いていますよ。これを脱却しないと、それはもう増税というのか、消費税引上げだとかその他の税制の抜本改革なんか私はできないと思いますよ。
 ちょっともう時間がなくなってきているんですが、日銀を呼んでいますからね、おりますか。地域経済レポート、さくらレポートという地域経済報告について簡潔にお答えください。
#463
○参考人(山口廣秀君) お答えいたします。
 私ども、年に四回、支店長会議を開きまして、そこで地域経済報告、通称さくらレポートと呼んでおりますが、それを発表しておるところでございます。今先生御指摘のとおり、今年の一月にさくらレポートを公表いたしました。
 その内容ということになりますと、全国を九つの地域に分けまして、七つの地域において景気改善の動きに一服感が見られるということを指摘したところであります。
 ただ、年が改まっての現在の状況を見ますと、輸出と生産が増加基調に復する動きになってきているということでありまして、景気改善テンポの鈍化した状態からは徐々ながら脱しつつあると、このように思っておるところであります。一方で、地域経済について見てみますと、私どもの各支店からの報告によれば、地域ごとのばらつきは小さくないということでありますが、総じて見ると踊り場から次第に脱しつつあるように見られるということであります。
 じゃ、なぜこのように地域ごとのばらつきがあるかということでありますが、やはり産業構造の違いというのがかなり大きいなというふうに思っております。具体的に言いますと、輸出の増加の恩恵をどの程度受けることのできる地域なのか、あるいは公共投資にどの程度依存した地域なのか、こういった構造上の違いというのが地域ごとのばらつきに反映していると、かように思っております。
 ついでながら、あと一点だけ補足させていただきたいんでありますが、各地におきまして実は新たな成長分野の開拓に向けての企業の取組というのもこのところ見られるようになっております。各地がそれぞれ有する強みですとかあるいは地域資源を生かしながら、例えば太陽電池などの環境ビジネスですとか、あるいは観光、農水産物ビジネスなど新たな取組が進められているようであります。この辺りは元気な動きとして我々としても注目していかなければならない部分だというふうに思っているところでございます。
#464
○片山虎之助君 パネルをせっかく作ってきましたから、一枚だけでも見ていただきたいんですが。(資料提示)
 地方が今沈滞しているのはいろいろあるんですよ。地方財政の問題、地方の立地がずっと減っている問題、もう人がいなくなってお年寄りばっかりになっている問題、もう一つは、やっぱり事業が減っているんですよ、大幅に。公共事業や単独事業が大幅に減っているんですよ。コンクリートから人へというのはあの一面の真理を私は言っていると思いますが、しかしこれは間違っているんです。コンクリートも人もなんです。必要なコンクリートも人もなんです。
 そのためには、今もお話ありましたが、地域特有のいろんなものを育てていく。あるいは地震対策、クライストチャーチの大地震のこと、本当にお悔やみ申し上げなきゃなりませんけれども、あるいは防災・減災事業、あるいは再生エネルギーの奨励だとかエコポイントですね、あるいはCO2カットに伴う民需を起こす。もういろんなことがあると思うんですが、ちょっと時間がありませんのでまたの機会に譲りますけれども、是非そういうことをやって、やっぱり景気を良くする、地方を元気にしてデフレを脱却していく。需給ギャップが昔は三十兆、三十五兆、今二十兆とか二十五兆とかいいますけれども、これを埋めていくことを合理的に考えていく、無理をせずに。そういうことが今後の課題だと思いますけれども、総理、どうですか。
#465
○内閣総理大臣(菅直人君) その観点は私も全くそう思っておりました。先ほど日銀の方からもありましたように、やはり地域ごとに特徴のある分野があるので、私も幾つか見てまいりましたが、野菜農家が非常に元気なところもありますし、また場合によっては、先ほど来介護のことが指摘をされておりましたが、そういう福祉の分野で雇用を誘発するということも地域によってはあるのではないかと。基本的には、片山先生が言われることは私も同感です。
#466
○片山虎之助君 世界中の地震が一割は日本で生ずるんだと、これから大きいのは日本が二割だと、そこにありますから。それで、日本列島は地震の活動周期に入っていると。東海、南海・東南海地震が三十年以内に起こる確率は六〇から八七%、首都直下型地震が起こる可能性は三十年の間に七〇%。これは難しい地震調査研究何とか本部という、科学技術庁関係でしょうが、文科省で推定したものです。それから、予想被害額は、東海、東南海・南海が八十一兆円、首都直下型が百十二兆円、これは中央防災会議ですね。こういうことから見ますと、やっぱり防災対策が必要なんで、そこに書いてあるような公共施設の耐震化や防火対策、本当にクライストチャーチを見ていまして、耐震工事をしているところは残っているんですよね。していないところがみんなやられているんで、二十兆円の防災対策なら百兆円の削減ができる、これはちょっと大ざっぱなあれでございますけれども、そういうことを是非今後考えていただきたいと、こう思います。
 時間がなくなりましたので、その一体改革なんですが、総理、あれは党と与党の本部がありますね。その下に集中検討会議があって、党にまた調査会があって、昔は有識者会議があって、どこが決めるんですか、案を、四月、六月と言われるのは。
#467
○国務大臣(与謝野馨君) 政府と民主党に親会議がありまして、最終的にはそこで物を決めますけれども、今、実務的に集中検討会議でいろんな方の意見をきちんと聞いておる最中でございます。
#468
○片山虎之助君 これ自民党の中心だった与謝野さんがまた皆さんの一体改革の中心になって、柳澤さんを始め、与謝野ブレーンじゃありませんけれども、与謝野さんに近い考えの方が皆入っている。私は、年金を始め考え方はぴったり一致じゃないと思いますよ。だんだん年金の考え方も変わってきている。報酬比例年金の方が中心になってきている。話は昔はそうじゃないでしょう。最低保障年金が中心ではなかったんですか、報酬比例年金が補完じゃ。はっきりはしていませんよ、はっきりしていないんだから、財源の裏付けがないんだけど。しかし、与謝野さんを取って、与謝野さんと同じ考えの人で物をやるということは、なし崩しのマニフェスト変更じゃないんですか、総理。
#469
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、与謝野担当大臣からお話しいただきましたように、現在、政府と与党の合同の社会保障改革検討本部で私が本部長で与謝野さんと枝野長官に本部長代理をやっていただいています。
 今おっしゃったことでいえば、今はいろいろな経済団体、労働団体、あるいは新聞、できれば本当は各党の御意見も、もちろん資料はいただいておりますが、順次話を聞かせていただいて、その中で四月に向けて社会保障の全体像を形作っていこうと考えております。
 その中にもちろん民主党の考え方は一つのベースになっておりますけれども、ある意味では他のいろいろな意見もしっかり聞いた中で、党と内閣一体で最終的な青写真を、姿を決めていきたいと、こう考えております。
#470
○片山虎之助君 与謝野さんが行かれたことは、私個人にとっては、私は与謝野さんのためにもたちあがれ日本のためにも良くなかったと、本当にこういうふうに思っているんです。与謝野さんが入ったポスターやカレンダーやビラがまだいっぱい残っていますよ。いやいや、本当に。私は、与謝野さんが行くんなら、見識と志を買われて行くんなら、バッジを外した方がよかったと思う。はるかに潔くて男らしい、与謝野さんらしい。大変私は残念に思います。
 それで、衆議院の予算委員会で何で外さないんだと言われたら、有権者への責任とモチベーションの維持だと、こう言われている。私は、有権者への責任というのは、みんな自民党と書いたんですから、与謝野さんは与謝野と思って自民党と書いたと、こう言われると思いますけれども、それは分からないんですよ。せめて中を取っても自民党の与謝野なんですよ。民主党グループの与謝野じゃない。
 それから、モチベーションが、バッジがあろうがなかろうがモチベーションを持たないと、それだけの信念や見識があるのが与謝野さんなんですよ。私はそれは残念に思いますけど、もう時間が来ましたから、またこの問題は引き続いて中身の議論をさせていただこうと思いますけれども、どうか皆さん、しっかり頑張ってください。我々も頑張ります。
 ありがとうございました。
#471
○委員長(前田武志君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#472
○委員長(前田武志君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
#473
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、総理にお聞きします。
 前原さんが大臣を辞任されました。外国人の献金以外の点も様々指摘をされています。きちっと説明責任を尽くされるべきですし、総理も指導されるべきです。場合によっては政倫審で説明されることもあってよいと考えますが、総理、いかがですか。
#474
○内閣総理大臣(菅直人君) 御本人も全体のことをちゃんと調べて報告したいと言われておりますので、そういう形での説明が行われるものと理解しております。
#475
○福島みずほ君 外国人の献金に矮小化されることなく、他の企業献金や様々な点についても説明されるべきだということで、総理、よろしいですね。
#476
○内閣総理大臣(菅直人君) 先週のこの場の議論の中でも幾つかの指摘がなされた中で、きちんと調べて説明したいと言われていましたので、先週の指摘の問題を含んだ説明があると、こう理解しております。
#477
○福島みずほ君 菅総理、小泉構造改革、新自由主義政策は間違っていたと思いますか。
#478
○内閣総理大臣(菅直人君) 大きいところで間違っていたと思います。構造改革という言葉そのものが間違っていたのではなくて、デフレ下におけるデフレ政策であったという意味で間違っていたと思っています。
#479
○福島みずほ君 大きいところで間違っていた。何が間違っていたんでしょうか。
#480
○内閣総理大臣(菅直人君) 今申し上げましたように、あの時期一番問題だったのは、需要が足らない、そういう経済状態にあって、逆にいわゆる構造改革という名で、例えば非正規雇用を増やす、あるいはいろいろなものを切る、そのことが結果において需要を増やすのではなくて更に削ってしまう、そういう効果を上げたと。つまり、デフレ下でやらなければいけない政策ではなくて逆をやってしまった、そのことが私はマクロ経済的には最も間違っていた、私の言う第二の道の間違いだったと、こう認識しております。
#481
○福島みずほ君 私も小泉構造改革、新自由主義は明確に間違っていたと思います。何か。強い者を助け、弱き者をくじく市場原理主義で国民の雇用と生活を壊した。
 菅総理、今、菅総理がやっていることはその新自由主義ではないですか。消費税を上げることは需要を害する、景気を害する、このデフレ下において。いかがですか。
#482
○内閣総理大臣(菅直人君) 強い者、弱い者というのは、私も、社会保障とかそういう考え方ではやはり強きをくじき、弱い人を助けなければならないと、こう思っております。
 経済においてどういう考え方でいくのか。私は、やはり今の日本がもう一度成長路線に戻らなければ、やはり社会保障の安定な運営も、あるいは現在の大きな借金を抱えた財政の健全化もなかなか果たせないと。
 そういう観点の中で、私が申し上げている第三の道については何度もいろんな機会に申し上げましたが、やはり需要を拡大する、それは外需も内需も含めて、その一つのキーに雇用があると、こう考えておりまして、私が強い人を助けるために何かやったというふうにいろいろ、例えば法人税について言われますが、私が法人税についても引下げを考えたのは、雇用が失われることによって逆に経済が小さくなってしまえば、働く人たちにとってもより不幸といいましょうか、困ることになるからという観点でありまして、決して強い者を助けるための政策を進めているつもりはありませんので、私は、新自由主義というそういうレッテルを張られるのは、私にとっては極めて不本意です。
#483
○福島みずほ君 やっていることは新自由主義政策じゃないですか。小泉総理は、大企業が潤えば労働者も潤う、あるいは地方へ及ぶ、トリクルダウンと言いました。そんなのうそっぱちだったんです。大企業が潤っても人々の生活は壊れたんです。同じことじゃないですか。
 法人税下げ、消費税上げる、TPP参加で市場原理主義、この三点セットはまさに小泉構造改革、新自由主義じゃないんですか。
#484
○内閣総理大臣(菅直人君) 全く違います。
 先ほど来申し上げているように、小泉構造改革は、例えば会社でいえば、できるだけ賃金を安くして、あるいはリストラして非正規に替えていくと。そういうやり方が個々の企業にとっては確かに収益を高めたところはあります。しかし、じゃ、そういうことを全ての企業がやったときに日本が良くなるんだと竹中さんや小泉さんは言いましたが、大間違いです。みんながそういう行動を取れば、まさに日本中に失業者があふれ、非正規雇用があふれるわけです。
 つまりは、国というものは、国というものは国民をリストラできないんです。国というものは国民全体をリストラすることはできないんです。(発言する者あり)
#485
○委員長(前田武志君) お静かに願います。
#486
○内閣総理大臣(菅直人君) みんなが働ける、そして高い給料で働けるという状況をつくることを私はそれが日本の経済にも個人にとっても必要だと思って、そういう道筋で進めているつもりであります。
 また、TPPあるいは農業改革についても、いつも申し上げますけれども、つまり、日本という国をこれから経済的にもしっかりと新興国に負けないものにしていく上で、例えばお隣の国、韓国は、今から十年余り前、金融の中ではかなり厳しい状況がありましたけれども、その後いろいろな形で産業構造を変えて、我が国を部分的に凌駕する分野もどんどん出てきております。そういう国々ともしっかりと健全な意味での競争をしなければならない。
 農業についても、いつも申し上げますけれども、今平均就業の年齢が六十六歳になっているわけでありまして、そういう状況をこのまま、そういった経済連携の問題がないとしてもこのまま進めていけば、私は、日本の農業は更に衰退してしまう。だからこそ、今若い人が参入できるそういう農業をどうやってつくるかということをまさに真剣に議論をしているわけでありまして、これについても、農業政策についても六月、十月に一つの方向性を出していくと、こういうことでやっておりまして、決して小泉・竹中路線と同じだというのは、私の認識とは一〇〇%違っております。
#487
○福島みずほ君 韓国の輸出依存度は対GNPで三九%、日本は一六%です。貿易依存度も韓国は七六%、日本は三〇%です。日本で大事なことは、内需拡大をしていくこと、国民の生活を立て直すこと。国民の生活が第一と、生活再建で社民党と民主党はそれぞれ戦いました。そのことこそすべきである。それと今の政策は正反対だから批判しているんですよ。
#488
○内閣総理大臣(菅直人君) いや、だから、ですから、福島さんはよくそう言われるんですが、何が正反対なんですか。私は、雇用、雇用、雇用と言っているんですよ。雇用をつくることが逆に成長につながると。例えば介護の問題などでは、福祉の問題では、今までは福祉は負担という見方が多かったわけですよ。私は、福祉分野においても雇用が生まれるような福祉については、これは負担というよりもある意味では成長分野だと、そのことを位置付けて、第三の道ということで位置付けてそれを進めようとしているわけでありまして、それがそのいわゆる新自由主義とは全く違う考え方、マクロ経済的にも違いますし、現実的にも違います。(発言する者あり)
#489
○委員長(前田武志君) せっかくの討論でございますから、もう少しお静かに願います。
#490
○福島みずほ君 派遣法の改正法案などはまさに菅総理おっしゃるとおりだと思いますが、法人税、消費税、TPP、三点をお聞きします。
 法人税を下げれば五%、毎年一兆二千億円収入が減ります。これだけ収入がなくて苦しんでいるときに、なぜ今法人税減税なんでしょうか。
#491
○内閣総理大臣(菅直人君) 何度も申し上げていますように、私もいろんな地域を見てまいりました。そうすると、少なくとも名目の税率でいうと日本よりも他のアジアの国々が法人税がかなり低い国が多くあります。そうすると、どちらで立地しようかというときに、どうしてもインセンティブが日本よりも低いところに移りたいということが現実に出てきております。そういうところに対して、いや、きちんと日本でやってもらいたいということを申し上げているわけです。そういう意味で、まず雇用を守るということのために国内立地が必要だと思っております。
 それに加えて言えば、これは強制はさすがにできませんけれども、やはり経済界には、そこで利益を上げたものについては給与やあるいは雇用という形できちんと、あるいは国内投資という形できちんと戻してもらいたいと。経済界も十年後には国内投資百兆円を目標とするということを決めてくれました。
 先日のいろいろな社会保障の会議では、それに加えて、例えば、今パートの人たちはなかなか厚生年金に入れません。あるいはいわゆる雇用の健康保険に入れません。そういうものについてもしっかりと企業の負担も加えて入れるようにしようということを先日も議論をしたところであります。
 そういう形で、確かに心配は分かります。つまり、企業にばかりお金が集まって、それをちゃんとした形で使ってくれないんではないかと。それをしっかりと国民のため、働いている人のために使うようにしていくことも政治の責任だと、こう考えております。
#492
○福島みずほ君 総理、企業へのアンケートで、海外進出を進める理由のトップは現地のニーズの拡大であって、その国の税制等を挙げる企業は一割にも満ちません。
 そして、法人税下げるけど課税ベースを拡大する中に試験研究を行った場合の法人税額の特別控除制度の見直しなどあります。攻める日本企業というのをつくるんであれば、研究する、こういうところこそしっかり応援すべきじゃないですか。
#493
○内閣総理大臣(菅直人君) ですから、そういう税制についても、あるいはそういう科学技術に対する予算も今回増やしたところでありまして、私は、日本がこれから特に省エネとか環境の分野で伸びていくにはまさにイノベーション、我が党の、我が内閣の成長戦略の中には大きな柱としてグリーンイノベーションとライフイノベーション、そしてアジアの成長を日本に取り込んでいくと、こういうことが入っておりますけれども、まさにそのことを進めようとしているのが私の内閣です。
#494
○福島みずほ君 法人税下げる代わりに課税ベースを拡大しています。試験研究を行った場合の法人税額の特別控除制度の見直しは、これはやめるということなんです。
 企業はむしろ法人税を単に下げるんではなくて、この今日の資料の一枚目にあります試験研究を行った場合の法人税額などはむしろしっかり控除として付けるべきじゃないですか。
#495
○国務大臣(野田佳彦君) 法人実効税率を引き下げる際に課税ベースを拡大して財源確保するというやり方は、これはイギリスでもドイツでもやっていることでございまして、基本的にはそういう姿勢で法人実効税率の引下げをやりたいと思いました。ただ、これはネット減税にした方が、先ほど総理がおっしゃったように、雇用や投資につなげるべく民間が思い切った攻めの経営ができると、そういう政策判断から実現をさせていただきました。
 試験研究を行った場合の、全般的な試験研究については、これは科学技術関係の予算を含めて予算措置で相当額増やしているというふうに思います。
#496
○福島みずほ君 違うんですよ。法人税を下げる、その代わりに課税ベースの拡大で試験研究を行った場合の法人税額の特別控除制度の見直し、これを廃止するんです。そして、雇用や投資に使うと。笑わせるなと言いたいですよ。経団連がそんな約束を官邸にしたかもしれませんが、そんなの守られたことなかったじゃないですか。
 法人税引下げを充当する項目で何に使うかと、内部留保ですよ。これ以上内部留保を増やしてどうするんですか。
#497
○国務大臣(海江田万里君) このデータでございますが、たしか帝国データバンクの資料でございますね。あの帝国データバンクの資料は八割が中小企業でございます。ですから、中小企業は、御案内のように、まだ資本の蓄積が十分でありませんから、そのためにまずやっぱり内部留保にしようということで、四千社で、経産省が、そのうちの回答の四割が大企業でございますが、こちらは今言った内部留保や債務返済と答えた企業以上に、賃金の増加、雇用の増加、設備投資、研究開発投資を挙げる企業がございます。それも念のためお目通しください。
#498
○福島みずほ君 今莫大な内部留保二百四十四兆円、二〇一〇年九月で企業の預貯金は二百六兆円です。今法人税を引き下げるべきではないというふうに思います。
 次に、消費税の引上げについてお聞きをいたします。
 消費税を上げて誰が困り誰が困らないか。輸出する企業は、輸出戻し税が五%、しっかりこれは還付されます。輸出企業の十社で八千億円、五%の分、消費税分還付をしっかり輸出戻し税でされています。消費税が一〇%になっても、輸出する企業は一〇%政府から、国から還付されますので全く困りません。
 総理、それでよろしいですね。
#499
○委員長(前田武志君) 担当大臣はどなたですか。野田財務大臣。
#500
○国務大臣(野田佳彦君) ちょっと飛躍のあるお話で、まず、消費税一〇%上げるということはまだ決めているわけではございません。政府としては、四月までに社会保障あるべき姿を議論をし、それを支える安定財源として、また財政健全化を一体的に実現するために消費税を含む税制の抜本改革を行うということでございます。
 あくまで、だから誰が得する損するというよりも、社会保障を充実することによってみんなが将来安心してもらうために、多少それぞれ負担を増やして、それでもいいのかと。そうじゃなくて、あくまでもう社会保障は自己責任でいくのかという、そういう選択をある意味していきながら、財源は何になるかというのはこれからのプロセスの話であります。
#501
○福島みずほ君 先ほどの、輸出企業は消費税が上がっても痛くない、困らない、それはよろしいですね。
#502
○国務大臣(与謝野馨君) 消費税の課税ベースは国内消費でございますから、当然還付があってしかるべきで、先生がパリに行って何か物を買われると、当然空港で還付の手続をしますと、先生には付加価値税の還付があると、これと全く一緒でございます。
#503
○福島みずほ君 輸出企業は必ず還付されるので、消費税が仮に一〇%になっても困らないんです。今だって五%で、上位十社で八千億円の規模です。
 じゃ、お聞きしますが、消費税が上がったら誰が困るのか。ここにありますが、やはり収入の少ない人にとって逆進性がある、今これが問題です。輸出企業は消費税が仮に一〇%になっても困らない。でも、日本国内の中小企業や個人商店、商売をしている人、末端価格に一〇%消費税分を付加できない。これは付加きちっとできると思いますか。
#504
○国務大臣(与謝野馨君) 消費税を上げますときに注意しなきゃいけないのは、いわゆる先生が御指摘になった逆進性の問題です。これは今きちんとした研究をしておりまして、三月末には発表できますが、給付と消費税の負担を合わせますと、所得の低い階層の方々の方が消費税増税の恩恵を受けるであろうということは容易に想像できます。
#505
○福島みずほ君 消費税が上がれば、収入が限られている人、年金生活者の人にとって逆進性が強いわけですから、それは生活が苦しくなるわけです。
 私の質問はもう一つ。輸出企業は消費税上がっても戻してもらうから、還付税もらえるから、還付金もらえるから困らない。しかし、国内の中小企業や商店は、八百屋さん、果物屋さん、末端価格に消費税上げられないよ、付けられないよという声が多いんです。中小企業が倒産するじゃないか、これについてはどう思われますか。
#506
○国務大臣(野田佳彦君) そもそもこの消費税を含む税制の抜本改革というのは、社会保障の安定強化、それを支える財源として議論していますので、社会保障が安定して充実することは、むしろこれは逆進性対策というか所得再分配の効果があると思います。その上で、なお逆進性の対策が必要とするならば、これは還付の問題であるとか軽減税率の問題とかというそういう技術的な議論になっていくというふうに思います。
 中小の商店は、これ、適正に転嫁できない可能性があるという御指摘がありました。これは、消費税については、それぞれの業者がきちっと転嫁できるように我々も指導を徹底していきたいと思いますが、もしできないとすると、これはまさに商取引の問題、大きな企業と中小との関連という、いわゆる下請代金の関連の法案の問題にかかわってくるというふうに思いますし、そういうことはきちっと相談を受けて適切に対処するようにしたいと思います。
#507
○福島みずほ君 できないんですよ。大企業に対して製品をその分、消費税一〇%だけれど末端価格転嫁できないんですよ。大規模スーパーは安売り競争できる、でも町の商店は、消費税が一〇%上がったからってバナナやリンゴや野菜、そんな上げられないんですよ。だからこそ、中小企業が潰れるというふうに思っています。
 輸出企業には痛くない、でも、国内でやる人には痛いし、生活している人にとっては、収入少ない人は困るんです。だから、強きを助け弱きをくじくというそこが問題だと言っているんです。
 TPPについてお聞きをします。突拍子もないプランとか、とてもピンチなプランと言われていますが、環太平洋パートナーシップ協定の問題です。
 これについて、まず食料自給率が四〇%から一四%になる、これは大変なことだと思いますが、総理、どうですか。
#508
○内閣総理大臣(菅直人君) 多分そのデータは、何も農業について改革とかいろいろなサポートをしない場合の数字として農林省が出されたものだと理解をいたしております。そういう意味で、もちろん私は自給率が低下していいとは全く思っておりません。ですから、農業をいかにして再生させるかということで、私の下にその本部をつくって、私も現地を見ると同時にいろいろな話を聞いております。
 先日も、フランスの一つの例がその場で紹介されました。四十歳以下の人に、地域によっては四百万とか三百万とか二百万の所得保障で、営農に参加をしたいという人を五年間フォローすると。その人たちが九五%営農を続けるという形で、フランスではかなり若い人の農業従事者が増えていると。日本は御承知のように平均六十六歳で、若い人の営農は極めてどんどん減ってきていると。
 そういうことも含めて、日本の農業をいかにすれば強くするか、そのことに全力を挙げなければならないと思っております。
#509
○福島みずほ君 民主党はマニフェストで、インデックスで食料自給率を五〇%にするとしています。TPPに参加してどうやって実現するんですか。
#510
○国務大臣(鹿野道彦君) 先生御承知のとおりに、TPPに参加するかどうか、交渉参加するかどうか、まだ決めておりません。
 しかし、いずれにいたしましても、昨年の十一月におきまして、包括的経済連携に関する方針の中で、この自給率の向上とそして農業、農村の振興の両立を図っていくというふうなことをその中に盛り込んでおるわけでありますから、そういう考え方に立って取り組んでいくということでございます。
#511
○福島みずほ君 農水省、一四%になるって試算しているじゃないですか。しかも、TPP入って十年間しかタイムリミットないんですよ。その間に強い農業なんてできるんですか。
#512
○国務大臣(鹿野道彦君) 先ほど総理から答弁を申し上げたとおりに、一四%に下がるという場合は、国境措置を全て撤廃をした場合に、何もしない、何も手を打たない、対策をしないというようなことにおいて一四%になりますよという、この試算であるということを御理解をいただきたいと思います。
#513
○福島みずほ君 関税は基本的にゼロになるということではないんですか。
#514
○国務大臣(鹿野道彦君) ですから、仮定の話として、この関税がゼロになると、その場合に、何もしない場合は一四%になりますよと。当然それは、これからの経済連携というふうなものにおいていろんな国内対策をやっていかなきゃならないということは、包括的経済連携に関する基本方針においても盛り込んでいるところでございます。
#515
○福島みずほ君 農業壊れますよ。鹿児島、宮崎、北海道、熊本、栃木、山形の牛肉、沖縄、北海道、鹿児島の砂糖、もしオーストラリアから砂糖、牛肉が来たら、これ駄目になりますね。
#516
○国務大臣(鹿野道彦君) 基本的には、今先生言われたとおりに、関税を撤廃するというようなことになりましたらば当然この影響を受けるということになるわけでありますから、国内対策を講じていかなきゃならないというふうなことになるわけであります。
#517
○福島みずほ君 TPPに参加して関税ゼロにしないなんていうことはできるんですか。
#518
○国務大臣(玄葉光一郎君) ただいまの質問はTPPに入ったらという仮定だというふうに思いますけれども、原則関税撤廃十年というのは確かにそうであります。ただ、原則ということは、除外や例外もそれはあり得るということかもしれません。(発言する者あり)
#519
○委員長(前田武志君) お静かに願います。質疑が滞ります。
#520
○福島みずほ君 TPPに関税ゼロにしないということは可能なんですか。
#521
○国務大臣(玄葉光一郎君) 事実を申し上げますが、現在の情報収集においては、それは原則は今申し上げたとおりです。ただ、原則があるということは、それは例外だってあります。それは例えば、いや、例えばですね、情報収集の中で、参加している国々の中では……(発言する者あり)
#522
○委員長(前田武志君) 質疑の妨げになります。お静かに。
#523
○国務大臣(玄葉光一郎君) 除外や例外を認めるべきだというふうに主張している国々もあるということでございます。
#524
○福島みずほ君 TPPは関税ゼロ、これが原則ですよね。原則っていう方が強いんですよ。例外っていうのは、例外の場の方が交渉しなくちゃいけないので、原則ゼロという方が原則で、日本がそこでどれだけ頑張れるか、実にこれは、頑張ったけど交渉で負けましたなんということは十分あり得るわけですよ。
 次にお聞きをします。
 これは、経済産業省が、TPPに入らなかった場合の損失について、自動車、電気電子、機械産業についてどういう損害が起きるか試算をしています。なぜこの三業種だけなんでしょうか。
#525
○国務大臣(海江田万里君) お答えをいたします。
 その意味では、輸出産業で、特に先ほど来お話が出ております例えば韓国でありますとかあるいはタイなども、今、日本の自動車産業など随分移転をしておりますが、そこがゼロ%でASEANの国々に輸出をするとか、そういうことによって受けるそのダメージの大きいところ、この三つを取り上げた次第でございます。
#526
○福島みずほ君 逆に言うと、TPPは、自動車、電気電子、機械産業の輸出産業のために入るんじゃないですか。
 総理、お聞きをします。内閣の中で、TPPに入った場合の国内の様々な損害についての試算は行っていらっしゃいますか。
#527
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、ちょっと前後しますが、私はこのTPP議論は大いにこういう場で、今もやっていただいていますが、やるべきだと思っております。もちろんそれは、農業のことあるいは輸出産業のこと、さらには二十四項目という、いろいろなことを大いに議論すべきだと思っています。
 その中で、日本の今日のこの状況から、将来に向かって日本がどういう形で経済的にも、あるいは国内の農業や自然環境も含めて、どういう国を目指すかということを、私はその議論の中からそれぞれいい方向を目指す合意が生まれてほしいと、こう思っております。ですから、今言われたようないろいろなマイナス点についても、順次それぞれの議論を通して、あるいは各役所の必要なデータを表に出す中で、逆に言えばそれを、そういうマイナスをいかに少なくしてプラスをいかに多くするかという、そういう議論につなげてまいりたいと、こう考えております。
#528
○福島みずほ君 経済産業省は、自動車、電気電子、機械産業がTPPに入らなかったら損害被るという試算しかしてないんですよ。日本の産業、この三つだけなんですか。輸出するこの三つの産業だけなんですか。国内の産業でTPPに入った場合の損害を内閣が試算してないじゃないですか。農業だけは、農業だけはTPPに入ったときの損害は試算されています。しかし、入らなかった場合の損害、自動車、電気電子、機械産業だけのことしかやってないんですよ。この三つの輸出産業のために政治やっているんですか。
#529
○国務大臣(玄葉光一郎君) もう福島委員は御存じでおっしゃっていると思いますけれども、試算の中にはGTAPモデル、内閣府の試算がございます。これが一番世界で通用するモデルだというふうに思います。そのモデルでは、御存じのように、我が国のGDPは、仮にですよ、TPP締結ということになれば〇・四八から〇・六五%上昇すると。更に言えば、FTAAPということになれば一・三六%上昇すると。これは一つの試算だというふうに思います。
#530
○福島みずほ君 その内閣官房の試算はもちろん見ております。グロス的な試算です。私がお聞きしたいのは、TPPに参加をすることで国内の産業、企業そして生活にどんな影響があるかの試算が内閣にないということなんです。
 じゃ、逆にお聞きします。TPPに参加した場合、日本の中小企業、物づくりの現場にどういうことが起きるでしょうか。
#531
○国務大臣(玄葉光一郎君) 例えば、鉱工業品の輸入関税というのはもう非常に低いですよ、もう既に。ですから、例えば安価な輸入品が入ってきてそれで競争条件が変わるということは基本的に想定しにくいし、むしろ中小企業、我が国の中小企業、競争力高いですから、輸出が拡大をするということの方が大きいというふうに思います。
#532
○福島みずほ君 二十四項目、TPPに関しては二十四作業部会があります。それぞれ、農業ももちろん大事なんですが、どれもとても大事なテーマです。
 投資についてお聞きをします。TPPに入ると、この投資についてバリアがなくなる、原則自由になるということで、これは例えば外国資本が日本に入るときに自由になる、医療法人などにも外資が自由に入るということになりますか。
#533
○副大臣(松本剛明君) お答えをさしていただきたいと思います。
 TPP協定については、御承知のとおり、今交渉中でまだこれから内容が確定するということと、私どもは、交渉に参加をしていないという前提で収集した情報に基づいてお答えをさしていただきたいと思いますが、TPP協定の投資分野の交渉においては、TPP協定の交渉参加国が過去に締結をした投資関連協定などを基に議論が行われていると、こういうふうに考えております。
 交渉参加国が過去に締結したそういった協定、それから一般的に世界で締結されている投資関連の協定は、外国人投資家の投資の自由を例外なく保障するものではありません。これらの投資関連協定は、基本的に外国人投資家に対して自国民と同様の待遇を与えるとの原則を規定をしておりますが、その上で、外国人に対して自国民と同様の待遇を与えられない場合には、様々な形で例外の規定も設けております。実際に交渉参加国の中には、過去に締結した投資関連協定において外国人の土地取引など様々な分野の投資について自国民と同様の待遇を約束していない国がありますので、今申し上げたような状況から、TPP協定交渉においても、外国人投資家の投資の自由が例外なく保障されることになるとは想定しにくいと、このように考えております。
#534
○福島みずほ君 日本の自治体が行っている地場産業を応援するための様々な政策、公共調達優遇策などは問題となり得るでしょうか。アメリカから日本はバリアがあると言われる可能性はないでしょうか。
#535
○副大臣(松本剛明君) TPPの交渉中であり、また私どもが交渉に今参加をしていないという前提は申し上げたとおりでありますが、TPP協定は、P4の協定、四か国の協定、それから交渉参加国が過去に締結をした二国間のFTAなどを基に議論が行われていると、そういった模様であるというふうに承知をしておりますが、いずれの協定にも御指摘のような地方自治体による各種施策を記述する特別な規定は存在しておりません。また、交渉の二十四作業部会の中にも御指摘のような施策を直接扱う部会はないということから、このような問題が議論されているとは考えられません。
 したがって、TPP協定に御指摘の施策を記述する規定が盛り込まれることは想定されにくいと、このように考えております。
#536
○福島みずほ君 交渉次第というところがあり、この二十四部会があるということなんですね。
 例えば、アメリカから日本に強く要求されているものに牛肉の全頭検査、日本は全頭検査がありますし、二十か月以上の牛については駄目と言っています。これの圧力が強まるということはないですか。
#537
○国務大臣(鹿野道彦君) この二十か月齢等の問題につきましては、あくまでも米国産の牛肉の輸入問題は食の安全に関する問題でありまして、科学的知見に基づいて冷静に議論していくというふうなことがこれは大事なことでありまして、ゆえに、我が国としてこのアメリカ産の牛肉問題等については、食の安全に関する問題であり、TPPと直接関係するものではないと、こういう考え方に立っております。
#538
○福島みずほ君 よく問題になるのが、添加物とかハーベストなどの添加物の問題もあります。つまり、TPPに入ると、実は交渉で後から出てくるかもしれないことや、交渉によっては変化することもあるかもしれない。
 この添加物やハーベスト、日本でそれを言うのをやめてくれという外国からの圧力があったり、添加物でヨーロッパ、アメリカ、日本の基準が違うということもよく議論になりますが、いかがですか。
#539
○国務大臣(玄葉光一郎君) SPS、この安全基準などについては、確かに基本的にそのハーモナイゼーションをできる限りしようじゃないかという議論は出てくる可能性はあるというふうに思います。ただ、基本は、先ほど鹿野大臣がおっしゃったとおり、当局者間の議論というのがこの安全基準にはなっていくのではないかというふうに思われます。
#540
○福島みずほ君 TPPは原則自由化、要するにグローバリゼーション、一歩間違えると、日米間で九割の貿易高ですから、アメリカのスタンダード、アメリカの基準を日本に押し付けられるということにもなりかねない。今おっしゃったとおり、様々な日本の国内のことがTPPに参加する中で起きる、また交渉の過程で負けることもあるわけですよね。
 そうしたら、総理、お聞きします。このたくさんの議論をTPP参加をするかどうかで議論を始めて、納得できない、日本にとって不利益なことが登場した場合、TPPに入らないということはあるんですか。
#541
○内閣総理大臣(菅直人君) まさに、大いに議論をする中で、六月をめどに決めようということを申し上げているのは、交渉への参加をするかどうかということを決めようとしているわけです。もしそこで交渉に参加をするとしても、もちろん交渉事ですから、結果としてそれが合意に至るか至らないか、それは交渉の結果であると。何か、全てそれに参加することを決めているというふうな形で時々言われますけれども、そうではありません。今申し上げたように、六月に決めると言っているのは交渉への参加について決定するということであります。
#542
○福島みずほ君 開国ということはTPP参加じゃないですか。与謝野さんを大臣に入れたということは消費税増税に道を開くということじゃないですか。
 法人税を下げ、消費税を上げる、そしてTPP参加へ前のめりにしていく、これは輸出企業のためにやはり前のめりでやっていく。これは新自由主義そのものであり、市場原理主義、TPPは市場原理主義ですよ、世界を同じような市場でやろうとしているわけで、その点で小泉構造改革と一緒じゃないかと。
 小泉構造改革からの転換を心から望んだ国民に対して、政権交代の原点に戻るべきであると。社民党はその立場で頑張ると申し上げ、私の質問を終わります。
#543
○委員長(前田武志君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手)
 次回は明八日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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