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2011/03/08 第177回国会 参議院 参議院会議録情報 第177回国会 予算委員会 第4号
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2011/03/08 第177回国会 参議院

参議院会議録情報 第177回国会 予算委員会 第4号

#1
第177回国会 予算委員会 第4号
平成二十三年三月八日(火曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月七日
    辞任         補欠選任
     平山  誠君     梅村  聡君
     松 あきら君     長沢 広明君
     水野 賢一君     桜内 文城君
     山下 芳生君     紙  智子君
     福島みずほ君     又市 征治君
 三月八日
    辞任         補欠選任
     行田 邦子君     轟木 利治君
     斎藤 嘉隆君     徳永 エリ君
     白浜 一良君     草川 昭三君
     山本 香苗君     石川 博崇君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         前田 武志君
    理 事
                植松恵美子君
                川上 義博君
                水戸 将史君
                森 ゆうこ君
                礒崎 陽輔君
                猪口 邦子君
                衛藤 晟一君
                加藤 修一君
                小野 次郎君
    委 員
                有田 芳生君
                一川 保夫君
                梅村  聡君
                大野 元裕君
                金子 恵美君
                小見山幸治君
                行田 邦子君
                榛葉賀津也君
                徳永 エリ君
                轟木 利治君
                友近 聡朗君
                中谷 智司君
                西村まさみ君
                安井美沙子君
                吉川 沙織君
                米長 晴信君
                愛知 治郎君
                磯崎 仁彦君
                片山さつき君
                川口 順子君
                佐藤ゆかり君
                塚田 一郎君
                西田 昌司君
                長谷川 岳君
                福岡 資麿君
                丸山 和也君
                山田 俊男君
                山谷えり子君
                石川 博崇君
                草川 昭三君
                長沢 広明君
                桜内 文城君
                紙  智子君
                片山虎之助君
                又市 征治君
   国務大臣
       内閣総理大臣   菅  直人君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(地域主
       権推進))    片山 善博君
       法務大臣     江田 五月君
       外務大臣臨時代
       理
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  枝野 幸男君
       財務大臣     野田 佳彦君
       文部科学大臣   高木 義明君
       厚生労働大臣   細川 律夫君
       農林水産大臣   鹿野 道彦君
       経済産業大臣   海江田万里君
       国土交通大臣   大畠 章宏君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        松本  龍君
       防衛大臣     北澤 俊美君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    中野 寛成君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(「新し
       い公共」、科学
       技術政策))   玄葉光一郎君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全、
       行政刷新))   蓮   舫君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策、少子化
       対策、男女共同
       参画))     与謝野 馨君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  福山 哲郎君
   副大臣
       外務副大臣    伴野  豊君
       外務副大臣    松本 剛明君
       財務副大臣    櫻井  充君
       農林水産副大臣  篠原  孝君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        園田 康博君
       総務大臣政務官  内山  晃君
       財務大臣政務官  吉田  泉君
       防衛大臣政務官  広田  一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤川 哲史君
   政府参考人
       外務大臣官房審
       議官       北野  充君
       外務大臣官房広
       報文化交流部長  村田 直樹君
       外務省経済局長  八木  毅君
       海上保安庁長官  鈴木 久泰君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十三年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十三年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○平成二十三年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
○公聴会開会承認要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 平成二十三年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日は、一般質疑を百二十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、民主党・新緑風会三十分、自由民主党五十分、公明党十七分、みんなの党九分、日本共産党五分、たちあがれ日本・新党改革五分、社会民主党・護憲連合五分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#3
○委員長(前田武志君) 平成二十三年度一般会計予算、平成二十三年度特別会計予算、平成二十三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。有田芳生君。
#4
○有田芳生君 おはようございます。民主党・新緑風会の有田芳生です。
 今日は、命を守る政治について、特に、威信が落ちている検察、さらには警察の捜査についてお聞きをしたいと思います。
 その前にまずお願いをしたいのは、予算委員会などの質疑を聞いておりますと、ややもすると専門的な用語に終始をしてしまう場合が見受けられますが、作家の井上ひさしさんがかつて言ったように、難しいことを易しく、易しいことを深く、そういう精神で是非お答えいただきたいというふうに思います。
 私は、今日聞きたい大きなテーマは、未解決事件、コールドケースと言われている幾つかの事件についてです。特に日本の未来であり日本の宝である子供たちの命、それを是非とも守らなければいけないという立場で、今から児童対象の事件についてお聞きをしたいと思います。
 ここに「警察学論集」という警察幹部の研究誌があります。この一九九一年の九月号に警察大学の教授をなさっていた方が、「児童等を対象とするわいせつ目的誘拐事件捜査について」と、そういう論文を書かれております。
 そこを様々な分析をなされているんですが、特に特質として、慣行性、反復性のところでこのように記されております。「児童等を対象とする性犯罪の被疑者、とりわけ殺人にまで至るような犯罪の被疑者の欲望は一種の病的なものと考えられ、これらの者がいったん犯罪を犯すと連続的に敢行するといったケースが多い。」。
 残念ながら、この論文以降、私が知る限り、十分な分析がなされた論文というものは見受けられないんですが、今から二十年前のこの論文ですが、現状においてどのような特徴があるのか、変化があるのか、国家公安委員長、お答えください。
#5
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。
 その論文の傾向は、まさに的を得ているというふうに認識をいたしております。
 ちなみに、平成二十二年中の強姦、強制わいせつ等の検挙人員を見ても、特に十三歳未満の子供たちが対象となります事案、性犯、前歴ありというケースが百二十七名中六十六名、実に五二%に達しているという意味でも、しかも他の殺人、強盗などがいわゆる一〇%前後ということから比較をいたしましても、いかに高いかということが表れていると思います。
#6
○有田芳生君 反復性があるということが今分かりましたけれども、具体的な問題に入ります。
 栃木県の足利市の駅を降りると、周りを見渡しますと、織姫山という小さな山があります。標高で百十八メートル、そこの山に上がって見渡しますと、渡良瀬川がずっと流れております。そこからじっと目を凝らすと、右の方の河岸に畑があります。そこから実は、一九七九年に五歳の女の子がリュックサックから遺体で発見をされました。
 その渡良瀬川の右側の畑から直線で二百メートル反対側の岸辺で、一九九〇年、四歳の女の子が遺体で発見をされました。
 さらには、織姫山から、渡良瀬川から左の方をずっと見渡しますと畑があります。そこから一九八四年に五歳の女の子が遺体が発見をされました。
 さらに、渡良瀬川から右の方をずっと見渡しますと群馬県の太田市などが見えますけれども、その群馬県の太田市では、一九九六年に四歳の女の子がパチンコ屋から誘拐をされ、いまだ行方が分かりません。
 さらには、その太田市の近くでも八歳の女の子が誘拐をされ、遺体となって発見をされております。
 僅か二十キロメートルの間に五件の事件が起きている。しかも、そのうち四件は殺人事件で遺体が発見をされている。こんな状況は日本広しといえどもありません。いまだ未解決です。
 皆様にお配りをしました資料の一と二を御覧ください。
 五つの事件は二十キロ圏内に集中しているという図をお示ししましたが、これは、地図を見ると何だか広いなという印象があるかも分かりませんが、そんなことはありません。現地に行けば、車ではすぐ近くの場所でこういう事件が起こっている。
 そして、一枚目の資料を見ていただければ分かりますように、いずれの事件も週末に起きており、さらには失踪・誘拐事件の五件中三件がパチンコ店で起きている、遺体発見現場三件は河川敷である、こういう特徴があります。極めて異例な事件がこの足利市の周辺で起きていた。いまだ未解決であり、そしてこの四番目の真実ちゃん誘拐殺害事件については、御存じのように、いわゆる足利事件として菅家利和さんが逮捕をされました。冤罪ということが後に明らかになりますが、国家公安委員長、菅家さんは逮捕当時、一件だけ起訴をされましたが、ほかの足利市の二件についても犯人視されました。そういう対応を取られたこと、間違いありませんね。
#7
○国務大臣(中野寛成君) おっしゃるとおりでございます。
#8
○有田芳生君 その後、菅家さんの冤罪が明らかとなってから、警察庁が足利事件についての総括文書を出されました。どのような総括がなされたでしょうか。
#9
○国務大臣(中野寛成君) 詳しい内容につきましては必ずしも全て覚えているわけではありませんけれども、大変深刻な、初動調査の問題を始めといたしまして、深刻な反省の念を申し上げているというふうに考えております。
#10
○有田芳生君 総括文書の中で、菅家さんが、事件当時、足利市で起きた三件の連続幼女殺害事件の犯人だという取調べが行われたわけですけれども、それは総括文書の中ではどのように評価がされてますでしょうか。
#11
○国務大臣(中野寛成君) その総括文書につきましては、ちょっと今回この件につきまして、私はそれを再読するというところまでは至っておりませんので、むしろ御指摘をいただければ有り難いと思います。
#12
○有田芳生君 ここに「足利事件における警察捜査の問題点等について」という、平成二十二年四月の警察庁の総括文書があります。その中では、警察庁の総括として、足利で起きた三つの事件、いずれも同一犯人による犯行の可能性が高いと、そのような評価がされておりますけれども、これで間違いありませんね。
#13
○国務大臣(中野寛成君) 御指摘の三件、また合わせて申し上げれば五件と言っていいのかもしれません。これにつきましては、いずれも幼女を対象とする誘拐殺人・死体遺棄事件でありますこと、それから、行方不明になった場所及び遺体遺棄場所が足利市内の近接した場所であるということ等から、一般的には同一犯人による犯行の可能性が否定できないものというふうに警察としても認識をいたしております。
#14
○有田芳生君 今、国家公安委員長は重大な発言をなされました。
 私は、足利事件の三つについて、菅家さんが疑われたように、連続事件の可能性があるのではないか、総括の中でもそのように書かれているという指摘をしましたが、今国家公安委員長は、私が先ほど説明をした群馬も含めた五件について連続事件の可能性があるとおっしゃいました。それで間違いありませんね。
#15
○国務大臣(中野寛成君) 警察として明確にそのことを公表というか意思表示をしているわけではありませんが、私の認識としては、先ほど申し上げました環境からいって、一般的にそういう認識を否定できないというふうに考えるのが通常かと思っております。
#16
○有田芳生君 そうしますと、もう一度確認をいたしますが、一九八七年に起きた幼女誘拐殺害事件、そして一九九六年に群馬県太田市で起きた横山ゆかりちゃん、パチンコ店から消えた、いまだ行方が分からない、その事件までもが同一の犯人の可能性があると国家公安委員長は認識されたということですね。
#17
○国務大臣(中野寛成君) それだけの認識を持って、関連性を否定しないで、ありとあらゆる可能性を追求すると、そういう視点で捜査に当たっていくべきものと考えております。
#18
○有田芳生君 同じく、足利事件については最高検も総括資料を出しておりますけれども、同じ問題、連続事件の可能性があったのかも含めて、法務大臣にお尋ねいたします。
#19
○国務大臣(江田五月君) この事件は、最高検においても検証をしております。
 今警察庁の方が平成二十二年の四月と言われましたが、同じ時期に公表をしておりまして、その検証結果の報告書について、足利事件が、これはあと二つ検察庁の方では関連性を考えておりますが、二つの事件に引き続いて発生した事件であって、各事件の発生場所等が近接していることなどを理由に、同一犯人による可能性もある事案であったと、こういう記載があるということは承知しております。
#20
○有田芳生君 最高検の総括資料では、足利の三件の事件について同一犯人による可能性もある事案であると、そういう記述がありますけれども、国家公安委員長は先ほど、それに加えて、群馬県で起きた二件も連続の可能性があると答弁なさいました。
 法務大臣はいかがですか。
#21
○国務大臣(江田五月君) これは、私も法律家で刑事事件は余り詳しくはないんですが、そうはいっても一応事件を担当したこともございます。
 しかし、なかなか関連性があるかどうかということについては、法務大臣としてどうだというのをお答えするのは困難かと思っております。一般常識からいうと、確かにこういう同じような場所で同じようなことが起きているというのは関連性があるというように思うのは不思議じゃないと思いますが、ちょっと法務大臣の立場として関連性ということについて問われてもお答えは差し控えた方がいいかと思います。
#22
○有田芳生君 栃木県警の幹部は、菅家さんが冤罪であるということが明らかになったときに、真犯人が逮捕できずに無念だと、そのように語っていらっしゃいました。私は、一連の関係者に話を聞いて回りました。今日の質問をするためにも、冤罪が晴れましたけれども、菅家利和さんにも時間を掛けてお話を伺いました。警察、検察での取調べの状況も含めてですが、結論的に言えば、菅家さんは、私は冤罪が晴れて本当にうれしかったと、だけどいまだ心が晴れないんですと言うんです。それはなぜかといえば、真犯人が捕まっていないからだ。県警の職員の中には、いまだ菅家さんが犯人ですよなんていうことを言う人がいる。とんでもない話ですよ。そういう菅家さんをめぐる冤罪晴れて以降の事情を変えるためにも、どうしても今の現実を変えなければいけないと思います。
 また、殺害をされた当時四歳の真実ちゃんのお母さんにも話を伺いました。真実ちゃんのお母さんは、どうしてうちの娘が狙われて遺体となって発見されなければいけなかったのか、そのことを今でも知りたいんだ、娘さんも息子さんもそのような思いで日々を暮らしていらっしゃいます。あるいは、菅家さんが冤罪であるということが明らかになって、足利市の住民の皆さんはいまだ不安を抱えていらっしゃいます。
 大豆生田実足利市長にもお話を聞きました。大豆生田市長はこのように語っております。菅家利和さんの冤罪が司法の場で証明されたことは誠に喜ばしい限りですが、これで全て解決したわけではありません。菅家さんの無罪確定は、一方で、真犯人が一体どこにいるかという不安を想起させることになりました。早く真犯人を特定してほしい、これは多くの地域住民の願いです。警察もそのことは十分承知されていますが、時効の壁は乗り越えられないと苦しい胸の内を吐露されています。それでもなお、その壁を乗り越えて真実の解明に取り組んでほしい、大豆生田足利市長はそのように語っております。
 国家公安委員長、足利事件は時効だと言いますけれども、公訴はできなくても捜査できるんじゃないですか、引き続き捜査をするべきではないでしょうか。
#23
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。
 一般論としてまず申し上げますと、公訴時効が完成すれば捜査は行わないものと承知をいたしております。ただし、これもまた形式的なお答えをまず申し上げて恐縮ですが、公訴時効の期間は経過しているものの、犯人が公訴時効の期間中に国外にいるなど時効完成を否定する要素が得られれば真犯人の検挙に向けた捜査を行うこととなるというふうに承知をいたしております。
#24
○有田芳生君 ここで総理にお伺いしたいのですが、重要事件、しかも冤罪の事件、真犯人も捕まっていない、しかも連続事件の可能性もある。それを時効と言って言い逃れすることは住民の不安を解消することにはなりません。今、国家公安委員長が語ったように、もし真犯人が海外に逃亡していれば時効は停止するんです。犯人特定しなければ、時効がどうなっているか分からない。
 そういう意味でも、警察、検察の威信に懸けて更に捜査をするべきだと思いますが、総理の御感想、いかがでしょうか。
#25
○内閣総理大臣(菅直人君) この足利事件については、平成二年、栃木県足利市で当時四歳の女の子が殺害、遺棄されたという大変痛ましい事件であることは仰せのとおりであります。また、犯人でない方が、菅家さんが長期間にわたって刑に服すという冤罪事件でもあります。
 そういった意味で、今お話のあったように、近隣でも同じような事件が五件もあるということの御指摘もありますので、捜査そのものの一般的な在り方は一般的に一つのルールがあるかと思いますけれども、まさに冤罪事件であり、さらにその後も事件が、類似の事件が続いていることを考えますと、今後のこういう同一、同種類の事件を防ぐという意味からも、必要なことについてはしっかり対応することが警察等においても必要ではないかと、今のお話を聞きながらそのように感じたところであります。
#26
○有田芳生君 実は、足利事件の真犯人の目撃者はいたんです。それは警察庁の総括にも最高検の総括にも出てきますが、国家公安委員長、法務大臣、いかがですか。
#27
○国務大臣(中野寛成君) 現在、これらのことについては既に裁判で明らかにされているとおりでございますので、あえて申し上げません。繰り返しません。
#28
○有田芳生君 裁判で何が明らかになったんでしょうか。
#29
○国務大臣(中野寛成君) 真犯人が別にいたという、ああいう判決でありますから、当然、真犯人は別にいるという前提でなければあのような判決にはならないということであります。
#30
○有田芳生君 その見付からない真犯人がどのような人物の可能性があるのか警察庁の総括の中で書かれていますが、国家公安委員長、どのように書かれておりますか。
#31
○国務大臣(中野寛成君) 「特に、運動公園において犯人とXちゃんと思われる子連れの男を目撃したとの二件の有力な目撃情報については、目撃された男の髪型や体格が一致しないものの、目撃時間や渡良瀬川方向に歩いていった状況等を考慮すると、二件とも同一の人物を目撃している可能性が高いだけでなく、一人の目撃者は、男が自分の娘と同年代の子供を連れていたことや子連れにしては遅い時間帯に運動公園に現れたことを記憶しており、男が連れていた女の子が自分の子供のはいているスカートよりも少し赤いスカートをはいていた旨、Xちゃんの服装と一致する特徴を具体的に挙げていることからすればその信用性は高いと考えられる。」ということでございます。
#32
○有田芳生君 最高検の総括ではいかがでしょうか。法務大臣、お願いします。
#33
○国務大臣(江田五月君) 最高検の検証結果には、当日午後六時三十分ころから六時五十分ごろにかけて、渡良瀬川の河川敷において被害女児らしき女児と一緒に歩いている犯人らしき男を目撃した者二名が判明といったこと、今の国家公安委員長のお話のような趣旨のことが書かれておりますが、ちょっとその評価については答えを差し控えさせてください。
#34
○有田芳生君 この目撃をした主婦に私は話を聞きました。その日、子供さんと夕方、渡良瀬川の運動公園で遊んでいるときに、太陽が落ちかけたときに、六十メートルから百メートルぐらいのところを男性と女の子が歩いていった。そのことがとても印象的だったのは、その主婦の娘さんがピンクのスカートをはいていたけれども、その先を歩いている女の子は赤いスカートだった。そのときそのように印象付けられたんですが、翌日真実ちゃんの遺体が発見をされてテレビの報道をされて、ひょっとしたらあの人かもしれないということで警察に通報して、そして現場でも警察に証言をして、実はその目撃の状況を絵にかいております。この方は美術の教師で、物すごく印象をとらえることのできる方ですが、それ、資料三として掲げております。
 このとき、実はもう一人、ゴルフの練習をしている男性が目撃をしておりました。初め、警察はこの二人の目撃証言が別人物を見ていたのではないかという評価をしましたが、結果は、今、国家公安委員長、法務大臣が語ってくださったように、有力な目撃情報であるという総括がなされております。この男性を目撃したゴルフの練習をしていた人は、漫画のルパン三世に似ているという、そういう評価をしておりました。ルパンに似た男、そのような評価をされております。
 実は、そこにとどまらないんです。九六年に群馬県の太田市でパチンコ店からいなくなっていまだ行方の分からない横山ゆかりちゃん、その犯人らしき姿が、皆さんにお配りをしていた資料の四、これは太田警察署の捜査本部が今でも示しているものですが、この男性の歩き方、テレビでも報道を何度もされましたけれども、足利の事件を目撃した記憶力の優れた女性がテレビでこのゆかりちゃん誘拐事件の映像を見て、この男性の歩き方とそっくりだ、似ている、雰囲気が似ているんだと、そのように語っております。私はその話も聞きました。
 そうすると、可能性としては、真実ちゃん誘拐殺害事件と横山ゆかりちゃん事件が連続事件の可能性も出てくる。真実ちゃんがいなくなったところからゆかりちゃんがいなくなったパチンコ店まで僅か十一キロ、直線距離で十一キロ。現場に行けば分かりますけれども、車に乗ればすぐのところですよ。連続事件の可能性があるという印象を持たれませんか、国家公安委員長。
#35
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。
 横山ゆかりちゃんの事件につきましては、群馬県警において、他の事件との関連も視野に入れて鋭意捜査中であると承知をいたしております。
#36
○有田芳生君 そもそも菅家さんが逮捕をされたのはDNA鑑定でした。犯人の体液と一致したということで、初期の、MCT一一八型法によって菅家さんは逮捕されましたが、当時の初期のMCT一一八型法というのは、粗い画像を目視、目で見て一致するかどうかを判定するんです。
 当時、足利市で菅家さんと同じようなDNA型は二百人以上いたという可能性があったということが後で分かるんですよ。だからこそ、菅家さんは冤罪ということで後に罪が晴れましたけれども、菅家さんのDNAの一致出現頻度は、当時は百八十五人に一人、今述べましたように、足利市には二百人以上いる。しかも、警察庁が鑑定手順や冷凍保存法の指針を設けたのは菅家さんが逮捕されてから半年後なんですよ。
 だから、鑑定手順さえ明らかになっていない初期の鑑定で菅家さんは犯人にされた。だけど、再鑑定が行われて、検察側の鑑定医そして弁護側の鑑定医も菅家さんのDNAとは合わないと、そういうことが明らかになりました。それはもう数億人から一人を特定する鑑定で、菅家さんのDNA型は一八―二九ということが明らかとなりました。
 ここで、時間の関係がありますので急ぎますが、実はさらに重大な事実が明らかとなっております。
 三月六日日曜日、日本テレビの「action!」でこういう報道がなされました。真実ちゃんが行方不明になったときに渡良瀬川の河川敷で目撃された男、ルパンに似ていたと先ほどお伝えしましたけれども、日本テレビはその男と考えられる不審な人物について報じて、その人物と本田鑑定という弁護人側のDNA鑑定の結果、その男性と具体的には三十数か所でDNAが完全に一致したことが取材で判明したと報道しました。
 さらには、皆さんにお示ししました資料の五、あさって発売の月刊文芸春秋、日本テレビの清水潔社会部記者が原稿を出しておりますけれども、そこでは、事件当日にパチンコ店など現場付近にいたことを認めた男性、真実ちゃんと話をしていたことまで認めたと報じている。DNAがもう全く数万人どころか何兆分の一、そのぐらいの可能性のあるDNAが一致をして、しかも当日パチンコ店で真実ちゃんと話をしたという可能性のある男性、こういう事実が明らかになって、国家公安委員長、どのように事件をとらえられますか。
#37
○国務大臣(中野寛成君) お答えをいたします。
 警察は、あらゆる可能性を常に認識をしながら、法律と証拠に基づいて捜査をするわけでありますが、既に再審において検察側が行ったDNA型鑑定が証拠採用されているということから、当面はその結果のデータを使用することが適当であると認識をいたしております。
 ただ、遺留品のシャツにつきましては、将来どのような事態があるか分かりませんから、なおお預かりをいたしておりますが、警察としてはあらゆる可能性を否定せずに全力を尽くして捜査をしているものと認識をいたしております。
#38
○有田芳生君 あらゆる可能性と言いますが、遺族がシャツを返してくれと、真実ちゃんのシャツを返してくれと言っているんですが、どのような可能性があるから遺族に返さないんですか。
#39
○国務大臣(中野寛成君) もう既にDNA型鑑定は大変進歩をいたしておりますけれども、その精度がより一層上がっていく、また、そのほかの事態が生じてくるというようなことなどを考えながら慎重に対応をしているものと認識をいたしております。
#40
○有田芳生君 そうすると、国家公安委員長、今のような状況の下で、足利事件も含めた再捜査、あるいはDNA型の再々鑑定を行う意思はおありですね。
#41
○国務大臣(中野寛成君) 類似の事件の捜査もし、また時効に掛かっていない事件もあるわけでございますので、あらゆることをいわゆる想定といいますか、どういう事態が起こってくるか分かりませんが、いかなる場合にも対応できるように、その可能性を常に保持しているということでございます。
#42
○有田芳生君 そうすると、足利事件の再捜査は行うわけですね。
#43
○国務大臣(中野寛成君) そのことについて、今私から明確にお答えをすることはできません。
#44
○有田芳生君 真実まであと一歩のところまで来ている。そのときに警察あるいは検察が動かないならば、この国の安心、安全、国民に対する示しが付かないじゃないですか。いかがでしょうか。
#45
○国務大臣(中野寛成君) 先ほど来申し上げておりますように、具体的な捜査の内容等について申し上げることはできませんけれども、我々としては、あらゆる可能性を否定しないで、今後とも類似の事件の捜査も含めて精いっぱいの努力をしていくという認識を申し上げる以外にありません。
#46
○有田芳生君 国民の安心、安全、そして治安を守る重大な課題、民主党政権だからこそ、菅政権だからこそできることがあると思いますので、是非とも総理の英断を求めます。
 それで、質問を終わります。
#47
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。安井美沙子君。
#48
○安井美沙子君 民主党の安井美沙子です。今日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 本日は、菅内閣の自由貿易、経済連携に関するお考えと取組状況について掘り下げて質問をさせていただきます。
 まず、平成の開国という理念についてお伺いします。そもそも、なぜ開国という言葉を使われるのですか。日本の貿易自由化は相対的に進んでいると見ることができます。例えば、WTOでゼロ税率を譲許している品目の割合で見ると、平均で日本が五三%であるのに対し、アメリカは四六%、EUは二九%、韓国は一四%です。
 総理、開国という言葉は実態を正確に表してないのではないですか。
#49
○内閣総理大臣(菅直人君) 安井委員の方から、私が平成の開国という言葉を使ったことについての意味を問われました。
 私は、二つのことを感じております。
 一つは、やはりこの十年ぐらいの長さで見たときに、新興国が非常に経済発展がする中で、例えば隣国の韓国などは、EUとの間、アメリカとの間などでFTA、EPAがどんどん進んできております。しかし、我が国は、従来はアジアにおいて圧倒的なODAなどを通して他の国に影響力があったわけで、私の見るところでは、そういう力があったことによって、必ずしも、そういったルール化されたいろいろなFTA、EPAに対する努力がやや停滞していたのがこの十年ほどではないかと思っております。そういった問題意識が一点であります。
 もう一つは、例えば若い人が海外に留学に出る数が非常に減っている、特に男性が減っていると言われておりますが、そういうやや内向き、消極的な姿勢が強くなっているように思います。私は、特に総理になって海外の新興国のリーダーと話をしますと、自分たちは日本を目標にやってきたんだという言葉もたくさん聞きました。もっと日本が、あるいは日本人が自信を持っていろんな場面で海外に羽ばたいてもらいたい、こういう思いもありました。
 そういった意味で、今御指摘ありましたように、貿易の自由化という意味では日本はある意味優等生であり、そういった関税の率が低いことはよく承知をしております。それだけに、日本がもっと世界に積極的に羽ばたく、そのことを明治の開国、あるいは戦後のある意味での開国と並んで、平成の開国を進めていこうという、そういう気概を示したいということも含めて申し上げているところであります。
#50
○安井美沙子君 総理、ありがとうございました。
 今伺った二つのこと、後ほどもう一度お伺いしますけれども、枝野官房長官がお着きになりましたので、ちょっと話題が変わりますけれども、先日のアメリカ国務省メア日本部長の沖縄に対する発言、これについて政府は今後どういうふうに対応されるつもりか、御見解を伺います。よろしくお願いします。
#51
○国務大臣(枝野幸男君) メア日本部長の発言の報道については承知をいたしておりますが、実際にどのような発言がなされたかということは明らかになってはおりません。
 ただ、在京米国大使館によれば、次のような声明が出されております。私たちは、ある米国政府関係者が日本及び沖縄に対し、議論を呼ぶような発言をしたとする最近の報道について承知しているが、これは米国政府の見解を全く反映していない、米国政府は沖縄とその人々に対し非常に深い敬意を持っている、米国と沖縄は深く、長く、幅広い関係を享受していると、こういった声明が出されているところでございます。
 もとより、本件についての報道が仮に事実とすれば、これはもう沖縄県民のみならず日本国民の感情を傷つけるものとして容認し難いことでございます。また、こうしたことが報道されていること自体が大変遺憾なことだというふうに思っております。
 現在、米国内でも対応について検討をしているというふうにお聞きをいたしております。近く米国側からその対応ぶりについて説明があるものと理解をいたしておりまして、その折には今申し上げたような姿勢でお話を承りたいというふうに思っているところでございます。
#52
○安井美沙子君 ありがとうございました。
 枝野官房長官、ここで退室されて結構でございます。
 菅総理大臣、先ほどの御答弁の話に戻りますけれども、確かに、貿易総額に占めるFTA比率は、韓国の三六%に対し日本は一七%。自由化率も韓国は九五%を超えており、日本の八〇%台に比べると先を行かれた感があるかもしれません。
 しかし、そもそも自動車や家電といった既存の産業分野で韓国との熾烈な価格競争を繰り広げること自体、日本の目指すべき方向なのでしょうか。果てしない価格競争の消耗戦をいつまで続けるおつもりですか。昨年六月に閣議決定した新成長戦略においては、健康、環境、観光などの分野でイノベーションを起こし、新産業を積極的に伸ばしていくことを宣言したのではなかったでしょうか。また、現在審議中の予算も、この新成長戦略に基づいて編成されているのではないですか。
#53
○内閣総理大臣(菅直人君) 確かに、経済がグローバル化が進む中で多くの国といろいろな分野での競争が激化してきていることはおっしゃるとおりだと思います。これは、歴史が進んでいく中で、ある時期、例えば日本が繊維製品でアメリカの市場に入り、その後自動車などで入り、逆に新興国が今度は日本が得意とする分野へどんどん入ってくる。ある意味、永遠に続く競争でもあると思っております。
 そのことがいいか悪いか、いろいろ考え方はあると思いますが、私は、やはり今の世界の中での日本が元気でやっていくためには、そういう競争にもある意味打ち勝っていくことが必要ではないか。自動車においても、従来の自動車に加えて今度は、いわゆるリチウム電池の議論もありますけれども、そういう電気自動車など、環境に対して優しい自動車というものの開発も熾烈な今競争状態に世界があります。
 そういった意味で、新成長戦略の中でグリーンイノベーションあるいはライフイノベーション、さらにはアジアの成長を日本にもつなげていきたい、こういう考え方を大きな柱にしておりまして、そのことと今進めていることはまさに一致をした方向だと、こう認識しております。
#54
○安井美沙子君 理解できました。この新成長戦略、新しい産業にも政府が力を入れているということをもうちょっと宣伝していただきたいと思っています。そうでなければ、韓国との競争ばかり意識しているような印象を与えかねません。
 片やアメリカでは、今年初めから、スタートアップ・アメリカというプロジェクトを本格的に立ち上げました。これは、民間企業や団体のイノベーションを政府が支援することで経済成長と雇用の創出を図った、オバマ大統領肝煎りの国家プロジェクトです。現在、アメリカのベンチャー企業はこのプロジェクトに大きな関心を示しています。日本も、すばらしい技術を持った中小企業や起業家が希望を持って新産業の創出に乗り出せるような仕掛けやPRをもっと工夫するべきだと思います。
 さて、菅総理は、一月のダボス会議の講演で、頭の中の開国が必要だとおっしゃいました。また、先ほどの答弁でも、国内に縮こまって海外に出ようとしない若者の傾向について憂慮されている旨、おっしゃいました。実際、日本人留学生六、七万人のうち、最近は年間で一〇%程度減っているそうです。
 しかしながら、この原因は必ずしも内向きの思考によるものとは限らないと思います。高校生、大学生を抱える世帯のうち、子供を海外に送り出す経済的な余裕がある家庭が一体どのくらいあるでしょうか。例えば、大学生を一年間アメリカに送るとすれば、学費と生活費で最低でも三百万円は掛かるという試算があります。親として子供に海外経験をさせたくても、さすがにない袖は振れません。
 日本の若者をもっと海外に出したいならば、自由貿易の推進より海外留学支援を充実させるべきだと思いますが、現状はどうなっておりますでしょうか。文科大臣、よろしくお願いいたします。
#55
○国務大臣(高木義明君) 安井委員にお答えをいたします。
 海外留学の件についてですが、若者が広く国際社会の中でこれからも信頼される我が国を代表して活躍できること、これは極めて重要なことだろうと思っております。そういう意味での留学というのは非常に大きな効果をもたらすと、このように考えております。
 今のところ、私どもとしましては、海外留学支援としては、日本学生支援機構を通じまして、一年以上、まず一つには、海外の大学院での学位取得を目的とする長期派遣への給付型の支援、これを行うことが一つ、また、有利子奨学金の貸与を行っております。また、一年未満としましては、大学間交流協定に基づく三か月以上一年未満の短期派遣への支援を実施してまいりました。これに加えて、平成二十三年度の予算では、三か月未満の派遣を支援をする短期派遣、いわゆるショートビジット、これを開始する予定でございます。
 なお、各国のデータでございますけれども、アメリカの場合は、授業料については、大学、学科等について差異はありますが、円換算で平均しますと、年間、公立大学で約百六十一万円、私立大学では約二百二十四万円、滞在費については、平均しますと約百五万円と、こういうことになっておりますので、我々としましては、できるだけ若者が海外で勉強する機会を多くつくっていく、その取組を強く進めてまいりたいと思っております。
#56
○安井美沙子君 ありがとうございました。
 また、報道によりますと、日本人留学生の増加を促すための閣僚委員会を新設するということですが、この委員会のあらましと具体的な取組について教えてください。
#57
○副大臣(松本剛明君) グローバル人材の育成は新成長戦略にも盛り込まれている重要な課題であるということで、前原前大臣から、平成の開国を担うことのできるグローバルな人材の育成が急務という問題意識から、今御指摘のように留学生が減っていることを懸念をいたしまして、前原大臣から提案をさせていただいて、日本人留学生拡大を含むグローバル人材育成に関して閣僚レベルでの会合を持つことといたしております。その詳細については、今内容等を詰めているところでございまして、検討ができ次第、また発表させていただく形になろうかと思っております。
#58
○安井美沙子君 文科省とこの閣僚委員会の方でしっかりと連携をして進めていっていただきたいと思います。
 次に、自由貿易、経済連携の進捗状況について伺います。
 まずTPPですが、原則は関税の段階的撤廃と非関税障壁の根本的な見直しであり、農業を始め関係業界への影響が甚大であることから、国民の皆様が行く末を心配されるのも無理はありません。菅総理は昨日の答弁で、TPPに参加することが国益にかなわないことが六月までに判明した場合は参加しないという判断もあり得るとおっしゃいました。国民からはTPPがこれからどんな道筋をたどるのかが見えにくいと思います。
 六月に参加を選択した場合、最終段階の協定の発効までどういうステップを踏もうと考えているのか、教えてください。例えば、閣議決定や国会批准のタイミングなどをどのように想定されているのでしょうか。国家戦略担当大臣にお願いします。
#59
○国務大臣(玄葉光一郎君) ただいまの安井委員の御質問でありますけれども、仮にTPP交渉に参加をするということになった場合、我が国はTPP交渉参加国との正式交渉にまず入ります。言うまでもなく、市場アクセス、投資、サービス、知的財産、競争等の各分野ごとに交渉を行っていくということになります。
 交渉においては、当然ながら、我々としては、仮に交渉に入ったという場合は、守るべきは守り攻めるべきは攻めるということになるわけでありますけれども、まず交渉の過程においては、これは外交交渉でありますので、その内容をつまびらかに全て国民の皆さんの前に明らかにするというのはできないかもしれませんけれども、でき得る限り情報提供をしっかりしながら、当然理解を深めていただくということに努力をすることになろうかと思います。
 そして、核心の質問でありますけれども、仮に交渉の結果、参加国と合意に至ったという場合でありますが、通常、大筋合意に至った旨を発表すると。その後、協定文言を確定した上で政府代表間で署名を行います。その後の我が国の国内手続としては、国会に提出をし、承認を得た後に協定が批准され発効されるということになりますので、当然、一山も二山も、仮に交渉に参加をしたという判断をした場合も、今後出てくるということでございます。
 また、時期については、TPP交渉は今年の十一月にまとめるという意思を交渉参加国の皆さんは持っておられますけれども、じゃ、果たして本当に十一月にまとまるかといえば、それはまだ分からないというのが率直なところではないかというふうに考えております。
#60
○安井美沙子君 まだまだ先は長いという感じですけれども、このプロセスの途中でどこかのタイミングで国益にかなわないという判断があった場合には撤退するチャンスはあるということ、昨日も総理の答弁から私うかがい知ったわけですけれども、その場合、もし撤退するようなことになった場合に日米関係に及ぼす影響をどのようにお考えでしょうか、総理。
#61
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、先ほど冒頭申し上げましたように、私の問題意識の中でいえば、この間、他の新興国に比べてやや経済連携の二国間なり多国間の進展が足踏み状態にあったという認識を申し上げました。
 このTPPについては、確かに、いろんな経緯の中でまだ本格的な議論が、国際的にも始まったのは、昨日も、おとといですか、せんだってもオバマ大統領のあのサントリーホールのスピーチなど、一昨年の秋などの段階からが本格的でありますので、私は大いに議論する必要があると、それは国内的にも大いに議論する必要があると。そういう状況にあって、決して何か自己目的的に考えるのではなくて、議論する中で日本の国の在り方そのものをもう一回自分たちで選択していくと、農業問題なども含めて、そういう大きな私は意味を持っていると思っております。
 今御質問がありましたが、日米関係にどういう影響があるかということでありますけれども、御承知のように、元々、このTPPはアメリカが言い出したわけではなくて、小さな、相対的に小さな、いわゆるシンガポールとかブルネイとか幾つかの、四つの国がスタートいたしておりまして、それにアメリカが参加するということで、かなり性格が大きくある意味変化をしております。
 そういった意味では、確かに多くの国が日本に対する期待を持っておられることも私感じておりますけれども、そのことでちゃんとした議論を進めていく中で、もちろん六月の段階は参加を決めるんではなくて、参加不参加を決めるのではなくて、いわゆる交渉に入るかどうかを決めるということでありますので、私はそういう一つ一つのところできちっと節目を付けて、そしてそのときそのときになぜそういう行動を取るかということをきちっと日米間でも話をすることによって、決してこのことで日米関係が何かおかしくなるということはないと、あるいはない形で進めることができると、こう思っております。
#62
○安井美沙子君 それでは、アメリカ議会が保護主義的に傾いて、自国のTPPへの参加を議会で否決した場合には不参加になることも可能性としては否定できないわけですけれども、アメリカ以外の八か国との枠組みであっても参加する意義があるとお考えでしょうか。それとも、日本にとってTPPに参加する目的が安全保障も含めた日米関係にあるとしたら、アメリカ不在のTPPに参加する意義は薄れ、日本も自動的に撤退ということになるのでしょうか。
#63
○内閣総理大臣(菅直人君) 安井さんも海外での経験が長いわけですから状況はよくお分かりの中でおっしゃっているんだと思いますけれども、先ほど来申し上げておりますように、TPPが確かに注目されていることはよく分かっておりますけれども、実際には、例えば韓国はアメリカとの間でのFTAを締結いたしております、まだたしか発効しておりませんが。日本はアメリカとの二国間の交渉はまだ、まだといいましょうか、アメリカとの交渉ですが、そういう形にはなっておりません。今、オーストラリアとの間での二国間の交渉をやっております。
 そういった意味で、今、一つの仮定として、現在、既に参加している国、参加を希望している九か国の中で、アメリカがTPPに入らないときに日本が自動的にこの話から降りるかという、たしかそういう御質問だと思いますけれども、私が理解するところでは、アメリカはかなり積極的ではあるけれども、今もおっしゃったように、議会の方はそれぞれまた一つの政府とは別の判断があり得ます。そういう変化もしっかり、今情報を確保するための協議ということでありますので、そういうアメリカ政府、さらにはアメリカの議会、そういうものの動きをしっかり見定めながら考えていかなければいけない。
 自動的にこうなったからこうするということをあらかじめ決めて進めているわけではなくて、まさにそういういろんな情報も把握しながら、一歩一歩、状況の中で判断をして進めていきたいと、こう考えております。
#64
○安井美沙子君 ところで、先ほど総理も、日豪EPAの交渉が先月再開した旨おっしゃいましたけれども、またマレーシア、ブルネイ、ベトナム、シンガポール、チリ、ペルーとは既に二国間協定を締結しています。となると、TPP参加国の中で二国間協定が全く手付かずなのはアメリカとニュージーランドだけです。
 自由化要求レベルの厳しいTPPよりも、この二か国との二国間協定の締結を目指すとともに、締結済みの国々と再交渉し、自由化レベルを個々に上げていく方が現実的ではないでしょうか。TPPでは、既に参加を表明している九か国で実質二十三分野におけるルール作りに取りかかっており、後から参加しても日本の主張が通る保証はありません。二国間協定であれば、それぞれの国の産業や社会構造の特性を主張し、いわゆるウイン・ウインの関係を築ける可能性が高いですし、それに応じた国内対策も打ちやすいと思うのですが、国家戦略担当大臣、いかがでしょうか。
#65
○国務大臣(玄葉光一郎君) ただいまの安井委員の御質問は、言わば事実上のTPPは日米FTAなんだから二国間のハイレベルのEPAを進めていけばよいじゃないかと、こういう御議論だというふうに思います。それは一つの私は考え方だとは思うんです。
 じゃ、TPPの意義って何なんだということなんですけれども、一つは、米国は今、日米FTAには余り関心を示していません。それが一つであります。つまりは、何だかんだ言ったって米国との関係は極めて重要だということが一つあります。
 それともう一つは、現在TPPについては九か国、日本が仮に交渉に入るということになれば十か国になるわけですけれども、じゃ、十か国で終わるのかといったら、最終的には、FTAAPというAPEC参加国二十一の国と地域のアジア太平洋における共通のルールを定めたいという思いの中から出てくるというふうに考えれば、その十か国にはとどまらない可能性が極めて高いのではないかということがあります。
 それともう一つは、共通のルールをアジア太平洋の中で作ろうというふうに考えたときに、先ほど二国間EPAの再交渉という話がありました。非常に鋭い質問だというふうに思いますけれども、残念ながら、例えば日本とベトナム、EPAを既に結んでおります、結んでいるのにもかかわらず、これ分かりやすい例なので時々申し上げるんですけれども、ベトナムに行くとバイクに皆さん乗っているわけですね、だけど、そのバイクに何と九〇%の関税が掛かっていると、これが現状です。日本のEPAの現状です。したがって、じゃ、それを、再交渉を二国間だけででき得るかといったときに、さて本当にそれは可能かと。つまりは、マルチで交渉して初めて実は得られるものというのがたくさんあるのではないか。
 もっと言えば、ある国に行けば突然規制が変更される、こういうことがありますね。あるいは、ある国に行けばロイヤリティーの上限が定められているなんということがありますね。また、ある国に行けば、日本が本当は開示したくないブラックボックス、技術のブラックボックスを合弁をつくるんだったらばもう開示しろと、こういうふうに要求されるケースもあるわけですよね。もちろん、攻めと守りと我々あるんですけれども、やっぱりそういったところで日本の経済とか日本の社会に資するようなルールをつくることができれば、やはりこの日本の、これから、本格的にやってきたこの少子高齢化社会の中で一定の成長を保つためには、やはりこのTPPというのは有力な、少なくともハイレベル経済連携は有力な成長の一手段になり得るんだろうなというふうに思います。ただ、損得あります、それは。ですから、守るべきは守り、攻めるべきは攻める。
 ただ、どういうルール設定をするかということが、まさにそれぞれ国々は自分たちで本来は決めれる話なんですけれども、ただ、他の国々と協力して、例えばEUなんかは一つのまさにルール設定をしているわけですけれども、共通の。どういうルールをつくるかで世界の英知が集まり、人も集まり、企業も集まると。劣ったルールしかつくれなければ人も企業も逃げていくと。そこの一番いい解は何なのかと、これからの日本において。そういうことをまさにこのTPPにおいてはしっかりと考えていくということが大切だというふうに思います。
#66
○安井美沙子君 ありがとうございました。
 二国間協定にもメリットはあるし、TPPにもメリットがありそうだというお話、よく分かりました。
 これについて、総理の見解も併せてお伺いしたいと思います。FTAAPの実現に向けて、TPPは必ず通らなければいけない道でしょうか。二国間協定では得られずTPPで得られる国益は何だと総理はお考えでしょうか、お聞かせください。
#67
○内閣総理大臣(菅直人君) 私もこの問題に特に深くかかわるようになって、過去のいろいろな経緯も若干調べてみました。
 一番マルチのルールは、言うまでもありませんが、WTOドーハ・ラウンドであります。多分我が国にとっては、本来は世界共通のルールというものの中で、しっかりとそのルールをお互いが広げていって守っていくことが日本の大きな意味の国益につながるという立場でこの間もやってきたわけであります。
 しかし、残念ながらこの交渉がこの十年前後、事実上デッドロックに乗り上げている中で、逆に言えばいろいろなバイの交渉、あるいは地域ごとのマルチの交渉、その中の大きなものがFTAAPという考え方にあると思っております。
 そういった意味で、いろいろな選択肢はあると思います。ですから、いろいろな選択肢を考えないでただ一本道で行っているわけでは決してありません、先ほど来申し上げているように。そういう中で、今FTAAPというものの一つの道筋の中に、それもいろいろあるけれども、場合によってはTPPというものもFTAAPにたどり着いていく一つの道筋としての位置付けもあり得ると、こういう認識の中で、情報収集も含めた形での協議を行っている、こういうことであります。
#68
○安井美沙子君 そもそもアジアの成長を取り込むのが目標であれば、常識的にはまずはインドや中国がターゲットであるべきだと思います。インドとはEPA協定の署名にこぎ着けました。次は中国との関係をどう構築するかを真剣に考えるべきではないでしょうか。
 日中韓のEPAについて共同研究を開始していますが、研究段階からそろそろ準備会合、本格交渉に入る見通しはありませんか。外務副大臣、お願いします。
#69
○副大臣(松本剛明君) 日中韓のEPAについては、今御指摘のとおり共同研究を進めさせていただいているところでありますけれども、できれば早いうちに共同研究から次のステップに入れるようにというふうに御指摘をいただいたものと考えておりまして、私どもとしてもそれは望ましいことだということで鋭意努力をしていきたいと、このように思っております。
#70
○安井美沙子君 総理は、昨日、TPPに関し国会で大いに議論をしてほしいとおっしゃいました。議論の土台となる政府の情報収集状況について教えてください。
 現状は、政府の側の情報開示が非常に限定されていまして、各交渉分野における論点すら分からず、推測で議論をしなければならない状況です。オブザーバー参加であるがゆえに収集できる情報が限られていること、また外交交渉上外に出しにくい情報もあることは重々承知しておりますが、このままではまともな議論ができません。
 どのように情報を収集しており、それらの情報をどこで集約し、誰が分析評価しているのでしょうか。外務副大臣、お願いします。
#71
○副大臣(松本剛明君) 今委員御指摘のとおり、私ども交渉に参加をしておりませんので、オブザーバー参加もいたしておりません。各国、TPP交渉参加国の九か国とそれぞれ協議を行うなどして、いずれの国も大変我が国とはこれまでの外交関係、御努力をいただいてきた積み重ねでいい関係がありますので、協議を行うなどして情報収集を行ってきております。
 TPPの協定の交渉では、物品、サービスの貿易の自由化、非関税分野、また環境や労働などの新しい分野があることはもう既に委員御案内のとおりだろうというふうに思いますが、これらを含む包括的協定の作成を目指す交渉が行われているところであります。
 現在、外務省におきましては、私どもの方から関係省庁と緊密に連携をさせていただいて協力をして、これらの個別の分野の各々について交渉参加国が目指している内容や水準を情報収集等からいろいろと私ども情報は総合すると同時に、交渉参加国間の既存のFTAや関連規定の内容、水準、こういったものも併せ検討をいたしまして、今の交渉の状況を私どもの方でも把握しようとしております。同時に、これを我が国の既存のEPAの内容や水準と比較することで検討の分析をしているところでございます。
 こういった作業を通じて、あり得べきTPPの内容、水準と我が国の既存の二国間EPAの内容、水準とこれを比較をいたしますと、当然、類似点、相違点というのが出てまいります。仮に我が国が交渉に参加をすることになった場合に、我が国として積極的に確保すべき措置、また必要となる措置などを検討する材料にしていきたいということで進めているところでございます。
#72
○安井美沙子君 また、報道によりますと、TPPの関税撤廃については一%から五%の項目が例外になる可能性があるとのことですが、海江田大臣、これはどのような情報に基づいての御発言でしょうか。
#73
○国務大臣(海江田万里君) 安井委員にお答えをいたします。
 その発言は、せんだっての土曜日ですか、石川県金沢に行きまして、そこで現地の特に農業関係者の方から多くの指摘をいただきまして、その上での発言でございます。
 もうこれは言うまでもございませんが、原則関税の完全撤廃ということですから、これが原則だということはもうこれは言うまでもないことであります。その上で、一つは、これは昨年の十一月に閣議決定しました、二か国の間のよくハイレベルの経済連携ということが言われますが、そのハイレベルといったとき、どのくらいの数字を意識をしていればいいのかということで、いろんな見方がありますが、ハイレベルというからには、これはやっぱり九五%より上ですねということ、それが一つ。
 それからもう一つは、具体的に、これは例えばアメリカと豪州のEPAの交渉がございました。その中で、これも非常に高い経済連携を目指したわけでございますが、砂糖など一%のまず除外の品目がございました。それから、十年で完全に撤廃をするということでございましたけれども、その十年で完全撤廃ということの中からもやっぱり四%ほど例外の規定がございました。
 ですから、そういうことを頭の中に置きながら、私どもはこれから交渉に入っていくかどうかということを決めるわけですから、やっぱり交渉の中では、全部がその相手の国、あるいはこれは多国間ですからほかの国々の言いなりになっていていいわけではありませんので、やっぱりこれから具体的には、じゃ何がしっかりと最後の最後まで守るべき点なのか、それから攻めの点はどこなのか、そして妥協する点はどこなのかということをこれから詰めていかなければいけませんが、最初から全部一〇〇%と、原則はそうであるけれども、やっぱり守るべき国益もありますよということで、そういう覚悟で臨むべきではないだろうかということを申し述べたわけでございます。
 以上でございます。
#74
○安井美沙子君 物品貿易以外については殊更情報が限られております。非関税障壁分野で最も国内対策に時間と労力が掛かると考えられる分野はどれですか。TPP対策として人の移動や規制・制度改革についてはプロジェクトを組んで対策を検討中と聞いておりますが、それ以外の分野についての対策はどこでどう講じるのでしょうか。国家戦略担当大臣、お願いいたします。
#75
○副大臣(松本剛明君) 全てのTPPで想定をされる分野について、先ほど申し上げましたように、私どもでできる限りの情報を収集すると同時に、関係の国々がこれまで結んだFTAやEPA、そして私どもとの結んだFTAやEPA、こういったものを分析して、また交渉の様々な情報からあり得べき交渉の方向性というのを見極めて、関係省庁と緊密に連絡をして分析をし、そして私どもが積極的に取りに行くべき、また対策を取るべき、そういった措置の準備の材料にしていきたいということで、これは全ての分野についてそういった作業をこれから行っていこうというところでございます。
#76
○安井美沙子君 次に、農業対策について伺います。
 日本の農業がTPPへの参加、不参加にかかわらず待ったなしの状況であることは間違いありません。経済連携の強化に伴い、現在、政府が本気で農業再生に取り組んでいることは朗報と受け止めています。
 しかし、本腰を入れた農業改革を行うからには、これまでの農政に対する総括が必要と考えます。日本の農業がここまで衰退した原因は何だとお考えですか。農業就労人口の平均年齢が六十五・八歳になってしまったこと、農産品の品質も安全性も高く食味的にも優れているにもかかわらず、収益性が低く、大多数の農家が補助金なしではやっていけない。日本の農業はなぜこんなにも弱体化してしまったとお考えでしょうか。鹿野農水大臣、お願いいたします。
#77
○国務大臣(鹿野道彦君) いろいろ今先生から御指摘の件につきましては、今日までのこの二十年間の状況を見ますと、食料自給率が低下した、あるいは農業従事者の高齢化、そして農業者の所得減、また耕作放棄地の増加というようなことを考えたときに、いわゆるこれまでの農政というものが、生産調整を始めとしたそういう基本的な考え方がずっと昭和四十六年以来続けられてきた、こういうことで、農家の人たちの意欲もだんだん変わってきているというふうなことも一つの否めない事実じゃないかと。また、予算が縮小されてきた、そういう中で、当然、食料自給率の向上や多面的機能の発揮などを目的とするところのそういう具体的な前向きな政策の転換が必要ではないかと。
 こんなような認識を持ちながら、これからの新しい農政というふうなものを考えていかなきゃならないということで、総理の指示によって、総理を本部長とするところのいわゆる食と農林水産業再生実現会議というふうなものが本部と同時に設置されて、今御検討していただいているということであります。
#78
○安井美沙子君 その会議の進捗状況について伺います。
 報道によりますと、三月の中間取りまとめに向けて、攻めの農業、輸出促進、企業参入、農協改革などの方向性が示されたと伺っております。正直なところ、目新しい内容ではありません。六月には、方向性やスローガンだけでなく、それぞれの実現可能性が担保されていなくては困ります。十月では遅いのです。あと三か月の間に具体的な方策、つまり法律改正や予算措置などの裏付けのある提案が出てくるのでしょうか。ある程度具体策をお示しいただかなくてはTPPへゴーサインは出せません。
#79
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、この食と農林水産業の再生実現会議におきましてどういうふうな議論がなされているかということになりますと、まず持続可能な経営実現のための農業をどうしていくかというこの在り方について御議論していただいている。あるいはまた、戸別所得補償制度の在り方、そして、農林水産業の成長産業化をどう図っていくか、すなわち六次産業化なり、あるいはまた輸出の市場拡大なり、こういうことについての在り方を検討していただいている。また、消費者ニーズに対応した食品供給システムの在り方というふうなものも検討しておると。また、EPAを推進するということに対してどう対処していくか、こういうふうな考え方を検討していると。当然、このような具体的な政策をやっていく上において、予算措置というふうなものをどうあるべきかというふうなことがそこに当然含まれてくるわけであります。
   〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
 そして、五年後というふうなことを考えたときに、五年後の農業、農村の在り方というふうなことで、やはり急いでいかなきゃならないということから、五年後どうするかというような、こういう姿を明確にしていくというふうなことで、持続可能なそういう農業の在り方というふうなものについて今検討し、そして六月にはまとめていきたいと、こういう考え方であります。
#80
○安井美沙子君 食料・農業・農村基本計画では、二〇二〇年度までに食料自給率を五〇%にまで引き上げるという数値目標が掲げられ、達成に向けて農水省を中心に、内閣府、文科省などで複数の事業が行われてきました。一四%に下がってしまうというこの試算結果は、そういった自給率向上に向けた努力が吹っ飛ぶようなものでした。
 何も対応しなかった場合に一四%に下がるとしたら、国内対策を万全にした場合の目標値をどの辺りに設定するおつもりでしょうか。
#81
○国務大臣(鹿野道彦君) TPPについて参加するかどうか、交渉参加するかどうかはまだ全然決めていないわけでありまして、しかし、昨年の十一月の包括的経済連携に関する基本方針においてはEPAを進めていく、高いレベルというふうなことで、センシティブ品目に配慮しながらということでありますけれども、進めていくということであります。
 そういうふうな中で、国内対策をどう進めるかということは当然具体的な形で示していかなきゃならない、こういうふうなことであります。そのことを考えたときに、まず農業者に対する国内対策としてのセーフティーネットというものをどう充実を図っていくかということが一つであります。
 それから、基本的に我が国の農業の実態ということを考えたときに、土地利用型の農業の体質をどう強化していくかというふうなことでございます。この点についての対応策を、そしてまた今触れましたところの農山漁村の活力というものを生み出す場合に成長産業化していくということを考えたときに、六次産業化、昨年の臨時国会でこの法案も成立をしていただきましたので、これをどう地域社会に定着をさせていくかと、こういうふうなこと。そして、余力のある農産物については輸出を拡大していく。あるいはまた、国民そのものの理解というものが必要でありますから、農業者と、そして国民の、消費者の人たちのきずなというものを更に深めていくことによって消費者のニーズにもこたえていくということになり、農林水産業の一次産業の、重要性というものを認識してもらう必要があると、こういうふうなことから、この環境づくりにも取り組んでいかなきゃならない。
 このようなことで、今後のこの具体的な国内対策を進めていくということを検討しておるところでございます。
#82
○安井美沙子君 食料自給率についての直接のお答えをいただかなかったので、今度は総理にお伺いします。
 私は、常々、食料は戦略物資だと考えています。自由貿易、経済連携がこの先どんなに進もうとも、食料を自国で賄うことができる体制は確保すべきです。日本は少子高齢化が進みますが、世界の人口は二〇五〇年に三割増しの九十一億人となり、食料が逼迫することが予想されています。また、いざ食料危機となれば、どの国も自国民を優先するのは当然です。
 ちなみに、アメリカの食料自給率はカロリーベースで一二四%です。カロリーベースの食料自給率は農業の指標としては最適だとは思いませんが、食料安全保障の観点では一定の目安となります。以前にブッシュ前大統領が食料は戦略物資である、食料自給のできない国は危ういと、暗に日本を示唆するような発言をしたことがあります。
 貿易自由化の前提条件として食料だけでも自給する体力を付けておくべきだと考えます。菅総理の御見解を伺います。
#83
○内閣総理大臣(菅直人君) 大変いい質問をいただいたと思っております。
 昨年、先ほど指摘された、閣議決定された食料・農業・農村基本計画では、平成三十二年度にカロリーベースで五〇%、生産額ベースで七〇%という目標が設定されております。生産額ベースでは現在、少し今年上がっておりまして、ほぼ七〇%が生産額ベースでの自給率に現在我が国はなっております。
 この農業を考えるときに、私は、もちろん最終的に厳しい戦後のような状況ではカロリーという基準も一つの大きな目安になると思いますけれども、今、日本の農業生産額は四位から五位と世界で言われております、これは金額ベースであります。そういう意味では、せんだってもこの集中討議の中で静岡の知事が、自分たちのところはどちらかというと野菜とかそういうものが多くて、カロリーベースでは水準は低いけれども金額ベースでは海外にも輸出していて大変大きな力を持っているんだと、こういうことも言っておられました。
 まさに、戦略物資であるということは私もそのとおりだと思います。特にカロリーベースでいえば穀物でありますので、日本の場合、米はほぼと言いましょうか、一〇〇%でありますけれども、小麦とか大豆とかトウモロコシ、こういったものは大半を海外の輸入に依存しております。こういったものを含めて、まさにどうあるべきか。
 それと、先ほど来出ておりますが、おっしゃったように、いわゆる農業に従事している人の平均年齢が六十六歳。フランスなどでは若い人をどんどん研修をして、それに所得保障をして、それが五年間で終わった人たちが九五%定着している。四十歳未満の人がかなりの割合になっておりますが、日本では四十歳未満の人はこの十年余りで三分の一ぐらいに減ってしまっているというデータもその集中検討会議で出ております。
   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
 是非、そういう大いに議論をした中で、日本の農業が地域を守る、自然を守るということと相まって、そして安全な食品ということと相まって、経済的にも積極的な形で成り立つ農業にしていくことが重要だと、こう考えております。
#84
○安井美沙子君 最後に、平成の開国と菅総理の掲げる最小不幸社会の実現という理念との整合性についてお伺いします。
 この二つの理念は同時に実現できるのでしょうか。最小不幸社会の実現の手段としては雇用対策の推進、社会保障の充実などを挙げられていますが、経済連携が進めば進むほど人材の流動化が進み、競争が激化し、労働市場での格差が広がる可能性があります。そして、その結果、非正規雇用が増えれば収入も安定せず、医療へのアクセスが悪くなるなど社会保障の水準が下がる可能性もあります。平成の開国によって最小不幸社会の実現が遠くなる気がいたします。国民の厳しい生活を更に厳しくし、安心とは程遠い社会が到来しかねません。
 総理、この二つの理念は両立するものでしょうか。(発言する者あり)
#85
○内閣総理大臣(菅直人君) いや、本当に私もいい質問をいただいたと思っております。
 まさに、本当にこれは両立を自動的にするものだと考えて申し上げているわけではありません。いかにすれば両立するかということに私たちが本当に考えていかなければいけないと思っております。
 御承知のように、現在、社会保障の問題の議論も進めておりますけれども、やはり財政の問題などを含めて成長というものがない中でそういうものを改善していくということは極めて難しい。年金なども、もう専門でもあられたかと思いますが、つまりは、全体の経済が成長する中であればいろいろな蓄えたお金が金利を生むわけですけれども、成長がなければそういう設計もまさに実際上の実効にはなりません。
 ですから、私が、TPPそのものであるかどうかは別として、日本の経済がこの二十年間成長が止まっているということについて物すごく私は問題意識を持っております。それを従来の公共事業では私は復活できないと。もっと、先ほど来ありましたようにグリーンイノベーションとかライフイノベーションとか、あるいはアジアの成長を受け継ぐとか、そういうことで成長しながら、一方で、どちらが先というんではなくて、それをやるためにも、逆に言えばそれを実現したことによっても安心できる社会をつくらなきゃいけない。
 私の申し上げている最小不幸社会については、何度も申し上げていますので余り細かいことを申し上げませんが、政治がやるべき第一の仕事は不幸を最小化することだと。その不幸を最小化する上で経済の成長も必要だと。その中において、そういった自由な経済構造をつくっていくことも私は両立する形で、あるいは、逆に言うと両立させなければ、単に社会保障だけの計画を変えたからといって、成長が止まってしまえばそれは絵にかいたもちになりますから。
 そういう意味で、両方を何としても実現する、それが私の考える今の社会保障と成長の両立、雇用と成長の両立、そのことを強く申し上げている私の考えです。
#86
○安井美沙子君 総理のお考え、今までよりも深く理解できたと思います。ありがとうございます。
 最後に、私の考えを少し述べさせていただきます。
 私たち民主党は、国民の生活が第一という御旗を降ろしたら終わりです。そして、この国民生活は地方にあります。かつて、大店法の規制緩和により郊外に大型量販店が次々と造られ、スプロール化現象が起き、多くの中心市街地の商店街がシャッター通りと化しました。そして、多くの町が文化や色を失い、金太郎あめのように同じ顔をした地方都市が増えました。豊かさを求めて大型店の出店を促したはずが、多くの地方の疲弊を生み出し、そこに住む人々の居場所と出番を奪ってしまったのは皮肉な結果です。
 グローバルスタンダードという名を借りたアメリカンスタンダードに合わせることで国民の生活が豊かになることであれば否定する必要はありません。もちろん、私も自由貿易推進の立場でございますが、日本が積み上げてきた歴史や文化や生活の知恵を破壊するようなことがあってはなりません。近視眼的に国益を追って同じ過ちを犯すことのないように、自由貿易、経済連携の在り方について慎重に御判断いただきたいとお願い申し上げ、私の質問を終わります。
 どうもありがとうございました。
#87
○委員長(前田武志君) 以上で有田芳生君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#88
○委員長(前田武志君) 次に、片山さつき君の質疑を行います。片山さつき君。
#89
○片山さつき君 自由民主党の片山さつきでございます。
 菅総理、この予算委員会で予算について徹底的な議論をしたいとおっしゃっておられましたが、私は一九八二年からこの部屋に出入りしております。今日は先輩の主計局長もあそこに座っていらっしゃいますが。ずっと毎年の予算を拝見していて、九十二兆円、GDPの五分の一も使って経済効果がマイナス〇・一%とか、あるいはプラス〇・〇二%とか、政府は高めの予測を出していても民間は軒並みマイナスというのは、マイナス・ゼロというのは見たことがございません。
 それ以前に、予算の前提となっております内閣としての政策の一体性なんですけれども、内閣として予算は出しているわけですから、その一体性がないんじゃないかということを今日はお伺いしたいと思います。(資料提示)
 まず、お手元に資料をお配りしておりますが、これは私どもが報道それから新聞、さらにBSの番組等から作成させていただいた、今回の経済の司令塔であります与謝野経済財政担当大臣の入閣の経緯でございます。八月の八日からお話合いが始まっておりまして、平沼たちあがれ日本代表の入閣の打診が二度あって云々ということが書いてあって、結局たちあがれは連立参加拒否をいたしましたが、一月の六日の昼、与謝野大臣はBSイレブンの番組収録で、菅首相から、たちあがれ日本と協力できないか、平沼代表を閣僚に取りたいと二度話があった、平沼氏はその方針でやってくれと言ったと発言されていますが、与謝野大臣、これに間違いはないですか。
#90
○国務大臣(与謝野馨君) 菅総理からは、平沼赳夫さんの入閣が可能かどうかということを聞かれまして、その後、二度そういうことをお伺いしましたので、平沼さんに、そのような御意向だから後は御自分と党で決めてほしいと、そういうことを平沼さんに申し上げました。
#91
○片山さつき君 菅総理はそれで間違いないんでしょうか。
 つまり、今回、与謝野大臣が最終的に入閣されたわけですが、平沼代表にも持ちかけていたということは、もしかしたら、たちあがれからの入閣は二名になっていたということでしょうか。
#92
○内閣総理大臣(菅直人君) 御承知のように、政党間のいろいろなやり取りというのは、私もかなり長くこの国会におりますので、かつてもいろいろな離合集散の中で、いろいろな場での話がありました。
 そういう中で、私としては最終的に、社会保障を改革し、税との一体改革ということにおいて能力としても志としても与謝野先生が是非入閣してほしいと、そう考えてお願いしたわけでありまして、それに至る過程の中で当然ながらいろいろなことがあるわけですけれども、それをこういう場で一つ一つ御説明することは、それは必ずしも必要ないのではないかと思っております。
#93
○片山さつき君 次のページに衆議院三分の二への道という資料をお作りしてあるんですが、今回特例公債、所得税、子ども手当法等、ほとんどまだ議論されていない状態で、参議院にも来ておりませんが、この一月十日の状況ではまだ社民党ともいろいろ協議をしておられたと。これは、先般、私、番組で城島政調会長代理と御一緒して、その旨何度も発言されておられました。
 民主、国民新党、無所属、社民党を加えますと三百十九、欠席等いろいろある可能性もありますから、そこに与謝野大臣が入ると三分の二にぴったりなるわけですが、今現在、その前提は大幅に崩れております。十六名の造反、一名の減税日本への離党希望ということで、全く状況は変わっているわけですが。
 菅総理、もう一度。これは数合わせではないんですか。そして、与謝野大臣には税と社会保障一体改革をやり抜いてほしいと何度も言っておられますが、それはあくまでも国会議員としてということでよろしいんですね。
#94
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほども申し上げましたけれども、私が与謝野さんに是非内閣に入ってほしいとお願いをしたのは、この社会保障、さらには税の一体改革において能力としても志としても最もそうしたものをお持ちの方だと、こういうふうな認識を持っていたからお願いしたわけであります。
#95
○片山さつき君 私がお伺いしたのは、それに加えて国会議員としてということです。四月に案を出し、六月にまとめ、年内に法案を作る大変な作業、約一年以上ずっと国会議員として与謝野さんにこの問題をやってほしいということですね。
#96
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど来、数合わせというような言葉が出ておりますが、私の頭の中に別に数合わせがあったわけでは全くありません。
#97
○片山さつき君 与謝野大臣が今後、この税と社会保障一体改革、一丁目一番地とおっしゃっている、この民主党菅政権の、これをやり抜く間はずっと国会議員、衆議院議員であってほしいという前提ですね。
#98
○内閣総理大臣(菅直人君) ですから、今こういう表を出されて、何か数合わせのためにということを何か示唆されるようなことを言われておりますが、私にはそういう考え方は全くありません。
#99
○片山さつき君 それでは聞き方を変えまして、数合わせ云々とは別に、何回もおっしゃっているように、税と社会保障一体改革をおやりになるには政治力も必要なわけですから、国会議員として与謝野大臣に務めてほしいということですね。
#100
○内閣総理大臣(菅直人君) 国会議員である与謝野さんに、私は現在進めようとしていることをお願いをしているわけです。
#101
○片山さつき君 それでは、次の資料を御覧いただきたいんですが、国会議員、衆議院議員であるためには、仮に、菅総理が時々御示唆されているように、解散があったらまた選挙に出て衆議院議員にならなければならないわけですが、今ここは東京一区、三百ある選挙区の一丁目一番地ですが、地方選を前に大変な激戦が展開されておりまして、この一番右の海江田民主党支部長、海江田現職大臣が推されている民主党の現職の方、そして私どもの自民党の候補者の方、この方は与謝野大臣の秘書を二十年以上務められた方です。ほとんど同じところにポスターを張り合って地盤も重なっておられますが。
 海江田大臣、海江田大臣は一生懸命この候補者を応援しておられるわけですが、与謝野大臣は内閣の一体化に資するように行動するとおっしゃっているわけですので、当然、今度の地方選挙では応援を与謝野大臣に要請しても構わないわけですが、そのようになさいますか。
#102
○国務大臣(海江田万里君) 片山委員にお答えをいたします。
 まさに今、選挙戦が間近になっておりまして、やっぱりああいうポスターも余りこういう場所で掲示をいただきますと、それこそ名前の出た人、出なかった人おりますので、余り適切ではないのではないだろうかと危惧する次第でございます。
 そして、選挙で、地方選でどうするのかということでございますが、これも、今日も報道もたくさんおりますし、余り私がどういう応援をするというようなことを申し上げますと、これまた選挙にいろんな影響を与えますので、私はそのような答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
#103
○片山さつき君 もう一枚のポスターは、与謝野大臣がたちあがれ日本に連れていかれたやはり同じく元秘書の現職元自民党の区議会議員ですが、与謝野大臣がたちあがれを離党された時点でこれを張りまして、当然、自民党の私どもの一区の方からは非常なクレームを出しましたところ、下に新しい千代田という政治団体を作りまして張ってありますが、この政治団体に仮に実体がなければこれは立派な文書違反だと思いますが。
 与謝野大臣、この本の中にも秘書は大事にしなければならないと書いてありますが、当然、与謝野大臣のために長年お務めになった自民党の私どもの候補者を応援していただけますね。
#104
○国務大臣(与謝野馨君) 実を申しますと、東京で区議会議員をやってくださる方というのはほとんどいない。昔ですと、中小企業のオーナーが店を番頭に任せて区議会をやってくださるとかいろんなケースがあったんですが、今は新人を発掘することがほとんど不可能になっております。
 したがって、今回も、自民党の新宿支部から秘書を出してくれというので、うちの事務所から二名、自民党の公認候補として出しております。長年世話になった秘書ですから、私も物心両面できるだけのことをしたいと思っております。また、自民党の港支部からは一名どうしても出してくれというので、港区の担当者を献上した次第でございます。
#105
○片山さつき君 大変ありがとうございます。
 東京一区においては内閣の一体性は全然担保されていないようですが、菅総理、仮に解散があるとなると、この一区の民主党公認は海江田大臣におなりになるわけですよね。そうすると、同じ内閣の仲間である与謝野大臣はどのような形で選挙にお出になるんでしょうか。
#106
○内閣総理大臣(菅直人君) この席に一九八二年からおられたということなので、そういう種類の質問がもっと来るのかなと思っておりましたが、少し方面が違うようであります。
 私も、いろいろな制度の変化や政党の離合集散の中で三十年余り、最初の立候補からいえばもう三十五年になろうとしておりますが、こういうことを続けてまいりました。中には、戦った相手の人が同じ党になったり、同じ党であって協力した人がまた別の立場にお互いになったり、いろいろあります。ですから、次の衆議院選挙が、私は任期満了までしっかり義務を果たさなければならないと思っておりますが、そういう中でどういう形で行われるかということは、もちろん今完全に推測することはできません。また、それぞれ個人としてどうされるかということもあります。同時に、小選挙区制と比例代表という制度も併存しておりますので、私はその段階で最もそれぞれの方にふさわしい形の戦い方があるだろうと。海江田さんはもちろん民主党の公認候補として当選されているわけですから、党の仲間ということでいえば当然のことでありますし、そのときにどういう形であり得るか、今この段階で私が申し上げることではないと思っております。
#107
○片山さつき君 総理の方から比例代表というお話が出ましたんですが、与謝野大臣は民主党の単独比例を打診されたらお受けになるんでしょうか。そのためには民主党に入党しなければなりませんが、いかがでしょうか。
#108
○国務大臣(与謝野馨君) 私は無計画な男でして、将来のことまで考えて行動しているわけではない。今は、四月に社会保障の姿、六月に税・社会保障の一体改革の案を作ると、そこまでしか私の人生計画は立っておりません。
#109
○片山さつき君 だって、答弁で今年度内に、あるいは記者会見で今年度内に法案出すとおっしゃっていますよ。だって、計画だけ作って法案や制度を作らなかったら社会保障の一体改革なんかできませんよ。どうなんですか。法案は出す前に投げ出すんですね、じゃ。
#110
○国務大臣(与謝野馨君) 計画は六月までしかないということを申し上げたんで、六月が過ぎたら、また自分がどうすればいいかということを考えます。
#111
○片山さつき君 これでは、与党から案を提示されて、我々に乗れといっても無理ですよ。最高責任者で全てを委任された方が六月以降どうするか決めていないようなことでは、これはやはり菅総理がこれもTPPと同じように思い付きで言い出したとしか思えないということがよく分かりました。
 もう一つお伺いします。郵政ですけれども、郵政民営化について、本当に与謝野大臣は私が入りましたときからずっと大蔵族というと筆頭に出てくる議員でいらっしゃいまして、自分のホームページにも、これ今朝チェックしましたけれども、昭和五十五年の大蔵委員会での渡辺美智雄大臣に、こんな郵貯の肥大化を許していたら良くないんじゃないかと、これ非常にいい御質問ですよ、私たち手本としてきましたが、その方が一体どうして、まだ御自身が自民党にいらしたときに郵政事業のPTというのがありまして取りまとめて、株は保有するわ、一方で郵貯の預入額の大幅な引上げ、簡保の二倍化もやるというちぐはぐな法案に内閣として賛成できるんですか。これ、信念を通すという、本にも書いてありますが、どんなに苦難の道があっても信念を通して同じことを言い続けるのが政治家であると書いておられる以上は、この法案には内閣の一員ではありますが反対していただけますよね、与謝野大臣。
#112
○国務大臣(与謝野馨君) 郵政三事業の経営内容を見ておりますと、今のままでは早晩立ち行かなくなると私は思っております。
 郵政事業も郵便事業も大変厳しいですし、郵貯自体もやはり限界が近づきつつある。そういう意味で、やはり民営化に進んでいくときに、ほかの銀行並みとは言わないけれども、若干預入額を増やしてくれというのは私は合理的な要求だと思っております。
#113
○片山さつき君 平成十七年に私が郵政解散で小泉総理から口説かれて選挙に出ることになって、すぐに政調会長室に行きまして、そのときに与謝野政調会長は、いかにこの郵政改革が必要であるかとうとうと御持論を述べて、そのマニフェストで我々は戦ったんですね。それと全く同じようなものがマニフェストに、この国政報告、この当時の八月の与謝野馨、政治家としての与謝野馨氏の国政報告として今日現在あなたのホームページに載っておりますが、これから見てもこの法案に賛成するのはどうしてもおかしいと思いますが、少なくとも修正を申し出るべきではないですか。
#114
○国務大臣(与謝野馨君) 私、政調会長をやっているときから柳澤さんと話したのは、郵政の民営化は必要であったとしても、金融の部門はもう一度考え直さなきゃいけないことがたくさんあるということを二人で話しておりましたし、また、今の四社体制が本当にいいかどうかということは将来考え直さないといけないことだということは、そのときからはっきり考えておりました。
#115
○片山さつき君 そのときからそうお思いだったら、進軍ラッパを吹いて戦士を戦場にやらないでください。
 そして、この後、政治資金の問題も追及しますが、あなたの長年の御支援者には金融界が非常に多いですね。あらゆる業態がこの法案は大変な民業圧迫だと言って反対しております。今日はこれはテレビは入っていないんですが、私、約五万人の読者がおります私のツイッター・ブログで金融界に広く広告しておりますので、もう一度その金融界の人たちに向けても言ってください。みんなが民業圧迫だと反対しているこの法案に、あなたは丸のまま賛成するんですか。
#116
○国務大臣(与謝野馨君) 民営化する以上、民間会社としての郵政会社が成り立たないと民営化になりません。ただし、郵政銀行は非常に巨大な組織であって、なおかつ預金量も大変多いわけですから、民間並みになるためには、時間を掛けて少しずつ金融界全体に融合していくということが必要であると思っております。どうぞ、片山先生のいろいろな手段で私の考え方を金融界におっしゃっていただいて結構だと思います。
#117
○片山さつき君 その代わりに、与謝野大臣には私どもから平成の変節王という称号を差し上げたいと思います。紅衛兵よりはよろしいんじゃないでしょうか。
 次に、事業仕分の問題ですが、事業仕分につきましても大変厳しい御意見をお持ちで、ここに書いてございますように、御自身の本の中で、スパコン、一番じゃなくても二番でもいいという蓮舫大臣の御発言を聞いて椅子からおっこちたとおっしゃっていますが、今日は蓮舫大臣いらっしゃいますが、まだ椅子から落ちていないようですが、このスパコンですね、蓮舫大臣、予算をカットされて完成を遅らされましたよね。そのことは御承知だと思いますが、そのことによって、去年、一躍スパコンランキングの一位と三位に躍り出たある国があります。その国名を正確に教えてください。
#118
○国務大臣(蓮舫君) 済みません、通告をいただいていないので分かりません。
#119
○片山さつき君 スパコンの事業仕分に対して質問をすると通告しておりますよ。
 もう一度伺います。あなたが見直した結果として、昨年の十一月に急遽トップに躍り出た国名を教えてください。
#120
○国務大臣(蓮舫君) 済みません、存じ上げません。
#121
○片山さつき君 まあ担当大臣がこの程度の認識なんですが、それでは申し上げますが、中華人民共和国です。神戸の震災後の復興の命綱と言われたこの完成が遅れたことによって、中華人民共和国が、それまではベストランキングに入っていないものが一位になり、三位になりました。
 与謝野大臣、民主党と組んで入閣されたときに、イノベーション、リードタイムが必要とする成長基盤づくりもやらなければならないとおっしゃっていました。今の予算では中国に抜かれて、今年度も一番になれないんですよ。その予算を、あなたはその部分認めるんですか。
#122
○国務大臣(与謝野馨君) 私は経済政策も担当していますけれども、日本の経済を本当に立て直していくためには、やはり技術的な基盤、科学的な基礎というものが必要であって、いろんな分野がありますが、スーパーコンピューターを始め、世界で日本のものが一番いいという分野を増やしていくということが日本の経済のために絶対に必要なことだというふうに思っております。
 ただし、予算はその時々の予算の配分の情勢によるというのは、主計官をやられた片山先生がよく御存じのことだと思っております。
#123
○片山さつき君 人民裁判で経済効果が出ないからといって物づくり日本の将来の芽を無駄だと決め付けるなと、ここまで言っておいて、百九十億円のものを百八十五、六億円に減らしてしまったために中国に抜かれて来年も一番になれないで、今年も二百十一億円しか付いておりません。これは絶対に修正するべきではないですか。もう一度伺います。与謝野大臣。
#124
○国務大臣(与謝野馨君) 私は、このほかにもいろんな大きなプロジェクトをやってほしいということは、前々からいろんな分野で言っておりました。スパコンも、これを放棄したわけではなくて、手元にある財源と相談しながらやっぱり世界一のものを造ろうと、そういう予算ですから、私はいいんではないかと思っております。
#125
○片山さつき君 いいんではないかということは、増やした方がいいということですか。今のままでは一番になれない。一番にならなければ企業は誘致できないんです。それでいいんですね。企業を誘致できない、二番、三番、四番の予算でいいんですね。
#126
○国務大臣(与謝野馨君) そんなことは言っていないんで、やっぱりスパコンのような特殊なものはやっぱり一番いいものが売れるわけですから、一番いいものを目指して予算を使っていくべきだと考えております。
#127
○片山さつき君 これ大臣、経産大臣もされたのによく分かっていないんじゃないかと思いますが、これは、大型のものを神戸のポートアイランドに、京という名前ですが、設置して、それを使うために周りに企業が来るんですよ。一台、二台売るんじゃないんです。だから、一番のずば抜けたものじゃなきゃ誘致ができないんですよ。それでも予算を減らしたままでいいんですか。
#128
○国務大臣(与謝野馨君) 先生もコンピューターにお詳しいと思いますが、私も詳しいんであって、国内で一台造るということではなくて、それが世界の科学をリードできるようなものを造ると、場合によってはそれが輸出の対象になる、これが大事であると思っております。
#129
○片山さつき君 何か大幅に擦れ違いなんですけれども、いずれにしても、神戸の震災後の本当の悲願は打ち砕かれているわけで、考え直していただきたいんですが。
 ほかにも、子ども手当についても、全く経済効果がないとか、あるいは建設会社の人たちは、子供を持つ家庭の手取りが増える分、大きく収入を減らされる。一政党がやりたい施策を実施する財源を出すためだけにこれらの人々の生活は大きな打撃を受ける。これはひどいとおっしゃっていますので、少なくともその部分、今大幅にまた二年間続けて公共事業を抑制し、その部分の財源は結果的にばらまきで増えている。これを修正、補正予算の議論をリードすべきではないですか、与謝野大臣。
#130
○国務大臣(与謝野馨君) 公共事業を減らしたのは、鳩山由紀夫総理では実はない。公共事業が減り始めましたのは、平成九年、十年、財政構造改革法のときに七%減をして、それ以降ずっと公共事業は減ってきたわけでございます。
#131
○片山さつき君 またちょっと擦れ違いになっているんですが、玄葉大臣、国家戦略会議でまとめる立場ですが、ここまで信念の、理念の違う人が入閣するということについて、菅総理から事前に御相談は当然あったんでしょうね。
#132
○国務大臣(玄葉光一郎君) 与謝野大臣が入閣をされる前に特段、私に総理から相談があったというわけではございません。ただ、入閣後に閣議等の場で必要な意見交換をさせていただいているということでございます。
#133
○片山さつき君 それは、御自身でこれからも、例えばこの間の年金の一元化についても随分発言が違いましたが、御自身でこの調整をやりおおせるということですか、それとも御自分の手には余るので総理がやるべきだというお考えですか、玄葉大臣。
#134
○国務大臣(玄葉光一郎君) 一元化の話がございましたけれども、基本的に、社会保障のあるべき姿については、私としては、与謝野大臣も実は民主党の考え方をよく理解をされておられて、民主党の考え方をベースに一つの案を作り上げていただけるものというふうに考えております。
#135
○片山さつき君 与謝野氏は今でもホームページに自民党時代の政策を全部載せておられて、全くそれは民主党のものとは相入れませんが、今の玄葉大臣の御発言が正しいのだったら、与謝野大臣は一連の社会保障に関しても変節されたということでよろしいんですね、大臣。
#136
○国務大臣(与謝野馨君) 私は自分の信念を実現するために仕事をやっているわけでして、先生みたいな立派な方から変節と言われるのは非常に不本意でございます。
#137
○片山さつき君 誰がどう考えても、経済を破壊する政党であり、マクロもミクロも分かっていなくて、マニフェストが毛針だった、事業仕分は椅子から落ちるというのは、同じ政策ではないですよね、与謝野大臣。
#138
○国務大臣(与謝野馨君) やはり民主党政権が発足したときは、私はマクロ政策が欠けているという非常に強い感じを持っておりましたので、いろんなところで発言をしたわけでございます。
#139
○片山さつき君 菅総理、これ非常に、我々にこれで政策協議を持ってこられても困りますよ。全く自民党の案を丸のみしてくれるというなら、それは違うというふうに玄葉大臣が言うでしょうし、与謝野大臣は信念は曲げていないと言うんですが、どちらなんですか、菅総理。
#140
○内閣総理大臣(菅直人君) どうも先ほど来、話を聞いていて、スパコンも、私は学生時代、手回し計算機を使っていた世代でありますけれども、その後のスパコンの成長も私なりに見てまいりました。
 また、今いろいろとおっしゃいますけれども、私は冒頭にも申し上げましたように、この社会保障と税の一体改革という問題は、これはどの政党が政権を持たれても、本来ならもっと早い段階でそれぞれ進めようと努力されてきたんだと思うんです。しかし、結果として今日までそのことが十分に進んでいなかったわけで、そういう意味では、主計局におられてどういう、予算をいろいろ組まれたんだと思いますけれども、結果としてそのことが、日本の経済が今日、この二十年近く低迷し、社会保障の意味でも安定的な財源というものが難しくなっているという、そういうことも踏まえての是非議論をお願いをできればと思っております。
 そういった意味で、私は与謝野大臣に期待している点についていささかも変わっておりませんし、また是非、政策の中身で、自由民主党もいろいろと消費税についてもお決めをされているわけでありますから、政策の中身で議論するかしないかを是非判断をいただきたい。それが国民のための政治家の仕事だと、私はそのように信じております。
#141
○片山さつき君 それでは、お楽しみの税法の方に入りたいと思いますが、サラリーマンの、給与所得者の特定支出控除の見直しでございますが、これ六十五万円まで今回認めようという勤務必要経費に職業上の団体の経費が新しく入ることになりまして、何度もいろんなところで問い合わせております。城島政調会長代理にも聞きました。これに労働組合の会費が含まれるという認識をしていらっしゃいますが、それでよろしいですね、菅総理。そして、なぜ今これを必要とするんでしょうか。
#142
○委員長(前田武志君) 野田財務大臣。
#143
○片山さつき君 いや、総理です。総理、総理。
#144
○国務大臣(野田佳彦君) 済みません。担当なものですから、私の方から。
 これは、平成二十二年の税制改正の大綱の中で、特定支出控除、委員御案内のようにこれ確定申告で使われる方が年間に数件しかいないという状況もありまして、もっと使い勝手のいいものにしようという、そういうまとめをしました。
 それを踏まえて、平成二十三年度の税制改正において特定支出の範囲の拡大について議論が行われまして、委員御指摘の職業上の、職務上の団体の経費も含めて、主要国の類似の実額控除制度を参考にさせていただく中で四項目、衣服費、図書費等々についての拡大をさせていただきました。その中に組合費をこれあえて除外する合理的な理由も見出し難いと、主要国でも、アメリカとかドイツやフランスは実額控除、これ入っておりますし、加えて事業所得者の必要経費とのバランスも考えると、これをあえて合理的に除外する理由はないということで、いわゆる該当するということで解釈をさせていただいております。
#145
○片山さつき君 組合費は入るんですが、菅総理、このことをいつ御存じでした。
#146
○内閣総理大臣(菅直人君) 正確にいつというのを覚えておりませんが、こういう議論が以前も何かの中であったときに、組合費が入るということを指摘を受けて、そのときに認識をいたしました。ちょっと、いつという正確な日時までは覚えておりません。
#147
○片山さつき君 お昼なんでここで切りますが、これは平成元年に持ち出されて、政府側から、連合ができて連合会長に山岸さんが就任された年に政府から持ち出されて、自民党税調が毅然として拒否しておりますが、与謝野大臣は労働組合費が入ることを御存じでしたか。
#148
○国務大臣(与謝野馨君) 知りません。
#149
○片山さつき君 じゃ、ここで切ります。
#150
○委員長(前田武志君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#151
○委員長(前田武志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、平成二十三年度総予算三案を一括して議題とし、質疑を行います。片山さつき君。
#152
○片山さつき君 まさに最後、午前中最後、野田大臣がいい御指摘をいただいたんですが、アメリカと日本では組合の制度は全く違います。日本の方はもうほとんどユニオンショップですが、アメリカは州によってかなりユニオンショップが禁止されておりまして、与謝野大臣は党税調にお長いけれども、今回、組合費が控除される今の税法を知らなかったということですが、知っていらしたら反対していただけたんでしょうか。
#153
○国務大臣(与謝野馨君) にわかにはお答えできません。
#154
○片山さつき君 信念を貫いて反対して、修正していただけることを強く期待しますが。
 なぜ伝統的に自民党税調がこれはおかしいと言ってきたかというと、個人が寄附金控除を受けるときは、自分で申告して、申告書に書くときに、自分でこの人に支援をしているんだなというふうに言えるんですね、もちろん自分が嫌だと思ったらやらないんですが。それが事実上の迂回献金疑惑だということが問題になったのは例の小沢さんの西松建設ですよね、それと似たようなことをやった方がほかにもいらっしゃいますが。アメリカの場合は、しかもPACという受皿をつくっているわけでございます。
 そこで、先月非常に話題になったこの記事ですが、ある新聞の一面ですが、自治労の方から出ていらっしゃる江崎議員のパーティー券を二千万円分近く自治労が指示を出して買ったと。これがまた泣けるんですね、自治労の方のコメント。ここに政治資金報告も持っていますが、社会常識で考えれば事実上の団体献金と言われてもしようがないが、庶民感覚から離れていると思うが、要請に従って購入するのが世の習い。
 つまり、そういうことがメーク・イット・ルールになっているわけですね、慣行に。これは我が国で特殊なんですよ。だから、ここで事実上の脱法行為になるし、個人の方と違って意思の確認ができないと。この新聞記事が出た後のネット、投稿を見ていると、すごいですよ。こんな金があるんだったら組合費を下げろと、この候補者、顔を見たことない、そんな不満のオンパレードが出ておりましたが、どうでしょうか。
 総理、参議院のマニフェストで、企業・団体献金の禁止だけではなく、企業、団体によるパーティー券の購入禁止も公約に掲げておられますが、それなのになぜ所得税法上、組合加入費の控除を楽になさったんですか。総理、お答えください、マニフェスト責任者ですから。総理。
#155
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど財務大臣からお答えしたところでありますが、私の理解では、職業上の団体の経費という概念に幾つかのものが入ると。例えば、事業所得者の場合は同業者団体の会費などが入ると。そういう中の考え方として、特にこの職業上の団体の経費というものから労働組合の組合費を除外するという合理的な理由がないので他のものと同様に扱ったと。先ほどの財務大臣の答弁ですが、私もそれを聞いておりまして、そういうことではないかと思います。
#156
○片山さつき君 これは、もう本当に意図的にこれを入れようとしたんだということを私に言った政府関係者もおられますが、いずれにしても連合の加入団体ほとんどから民主党には議員が出ていらっしゃって、組合関係で出ていらっしゃる方、参議院二十七人、衆議院は辞職した小林さんを除いて十九名ですが、ほとんどがカバーされて、例えばその六百八十万人のごく一割が月五千円、これで給与を上乗せしてもらって払っても、四百億円がタックスフリーで新たに寄附として入ることになるんです。膨大な額です。
 そして、第三の道と言われている、菅さんの第三の道ではなくて、組合の寄附の第三の道と言われている事件も昨年明らかになったんですが、その後国会が閉じちゃったんで追及できなかったんですが、組合、これはNTTの労組の政治団体が所属議員三名のビラ、単価六、七円のものを数百万円で購入していると、この事実を菅総理、御存じですか。
#157
○内閣総理大臣(菅直人君) どの組合がどういうふうにということは、特に通告がなかったので調べてまいりませんでしたが、何かそういう報道があったというのは知っておりますが、正確には今この場で覚えているわけではありません。
#158
○片山さつき君 政治と金の問題、クリーンさで民主党はマニフェストで勝ってきたんじゃないですか。
 じゃ、政治資金規正法改正について、これらのビラ購入、パーティー券購入の扱いはどうされるんですか、総理。
#159
○内閣総理大臣(菅直人君) 現在、企業・団体献金の禁止、経過措置は含まれておりますが、その法制化ということでほぼ作業が終わっております。その下では、企業、団体のパーティー券の購入も献金と同様の扱いとして禁止をすると。できれば、今急がせておりますけれども、この国会中といわず今月中にも法案という形でお示しをしたい、こういう予定で今党の作業を急がせております。
#160
○片山さつき君 それでは、今回、江崎議員について報じられたような、パーティー券の自治労傘下団体指示型の購入は民主党の新しいルールではできなくなるんですね。
#161
○内閣総理大臣(菅直人君) 本当に事実関係を細かくは聞いておりませんが、いわゆる個人として購入をするということはこれは構わないと。いわゆる企業・団体献金あるいはその企業、団体が企業として、団体としてパーティー券を購入することについては禁止をするという中に盛り込むと、その予定で今法律を作らせております。
#162
○片山さつき君 これは完全に組織的な購入であって、上からの指示で買っておって、しかも買った枚数の百分の一ぐらいしか出席してないと、各人お名前出して答えてますから、完全な隠れみのですから、これは禁止ということと理解いたします。
 次に、前原外務大臣がお辞めになりましたが、前原外務大臣につきましては、外国人からの献金であったことを御存じであったというふうに答弁しておられます。前原外務大臣のこの行為は政治資金規正法第二十二条の五の犯罪構成要件に当たるんじゃないですか。法務大臣、お答えください。
#163
○国務大臣(江田五月君) 前原さんの件については、金曜日のこの委員会の基本的質疑のやり取りと、あと新聞報道ぐらいしか私も知らないので、具体的事件についてこれが当たるか当たらないかというのはちょっと判断できかねます。
#164
○片山さつき君 一国の外交の継続性を中断して辞めた大臣が出たんですよ。あれだけの事件ですよ。また、一人の政治家が政治家として将来成り立つかどうかも懸かっております。
 過去、外国人企業からの政治献金が行われたケースで、確かに何人かのケースがありましたが、いずれも外国人であったかどうか国籍の確認ができなかったというところが非常に曖昧なため立件に至っていないというか、実際には書類送検された方も民主党の元議員でいらっしゃいますが、今回は外国人であることを認めておりました。これは、会計責任者については完全に形式犯が当てはまるんじゃないですか、法務大臣。
#165
○国務大臣(江田五月君) 似たような答えで恐縮ですが、具体的な事件でございまして、私がここでそれぞれ担当の捜査の関係の者がどういう行動を取るかまで申し上げるのは適切ではないと思っております。
#166
○片山さつき君 それでこれからの審議が通ると思ったら甘いですよ。これは、五年分、政治資金報告書に書いてあるわけですよ。もう毎年五年間寄附してあったわけですね。それで、御本人が外国人と知っているから、秘書である会計責任者も知っているわけですよ。ですから、これは、秘書の会計責任者のところでは完全に故意で分かって受けていたということになるんじゃないですか、法務大臣。
#167
○国務大臣(江田五月君) 重ねて恐縮ですが、具体的事件でございますので、捜査関係の方で必要なものは必要な調べをする、それに尽きるということだと思います。
#168
○片山さつき君 それでは、一般論で結構ですが、外国人であることを知って寄附を政治資金収支報告書にもちゃんと表に出して受け取り続けた場合は、政治資金規正法第二十二条の五に該当する形式ですか。
#169
○国務大臣(江田五月君) 一般論で申し上げますと、これはもう先ほどの委員御指摘の政治資金規正法の規定をそのまま申し上げるほかありません。
#170
○片山さつき君 もうこれ、恐らく毎日毎日報道出てきますよ。総理、今日官房長官もういらっしゃいませんけれども、これ本当にほかに外国人からの寄附がないのかどうか。それこそ、時効が成立するまでに全部調べていただかないと、重要なお立場の方ですから。
 そして、会計責任者は完全に知ってたと思われるわけですが、それが本人に報告していたのかどうかが問題ですが、仮に大臣が、この方はいつもお世話になっている方だからということで、一緒に写真を撮ったり何らかのお礼をしているような形跡があれば、これは外形標準上証拠となり得るんじゃないでしょうか。総理、いかがですか。
#171
○国務大臣(江田五月君) 重ねて恐縮ですが、具体的な事件でございますので、これは関係の者が法と証拠に照らして適切に処理するものと思っております。
#172
○片山さつき君 今のようなお答えでは、御本人に出てきていただくか、あるいは集中審議をするしかないですね。これだけ世界中が注目している事件であります。
 さらに、民主党の場合は、サポーター制度二千円についても外国人であるかどうかの峻別がありません。これが民主党にあるいは民主党の個別の政治家に入っていたら、これは立派な外国人からの献金だと思いますし、先ほどの第三の道、組合迂回献金の問題も含めて、政治と金の問題についての集中審議を求めまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#173
○委員長(前田武志君) 関連質疑を許します。山田俊男君。
#174
○山田俊男君 自由民主党の山田俊男であります。本日は、こういう形で機会をいただきました。感謝申し上げます。
 私は、昨日、総理の福島議員とのやり取りを聞いておりまして、総理は、私は新自由主義者じゃないというふうに叫んでおられたわけでありますが、どうも私は、しかし、そうはいうものの、総理の姿勢は変わってきているんじゃないかというふうに疑わざるを得ないわけであります。
 昨日の委員会での、私は竹中、小泉とは違うんだということでありますけれど、確かに、総理は六年前、これは民主党の農業再生本部の本部長をやっておられたときに、小泉当時の総理と激しいやり取りをしておいでになりました。小泉総理は攻めの農業が必要であるという言いぶりで論理を展開されておられましたが、菅当時本部長は、産業としての農業だけで考えるのではなくて、地域政策として、子育てが可能な地域として農山村を再生させるのが私の決意だというふうに述べておられたわけで、確かにこの辺りは私は菅総理は新自由主義者ではないというふうに思います。
 ところが、今年の一月、総理として代表質問にお立ちになって答弁されておるわけでありますけれど、高いレベルの経済連携と農業、農村の振興を両立させる、そして強い農業をつくるんだ、こんなふうに連呼されているわけでありまして、どうも私は小泉総理と菅総理は同じに見えて仕方がない。
 どうですか、総理、改めて、どこがどう違うのか、教えてください。
#175
○内閣総理大臣(菅直人君) 大変いい御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 私は、まさにマクロ経済的に見たときに、小泉・竹中路線は私が言う第二の道であって、そのことが日本にもたらした大きなつめ跡が現在も残っていると、こう認識しております。つまり、経済政策というのは、そのときそのときに応じて私は適切なものでもおかしくなるものがあると思っております。
 私が申し上げてきたように、例えば、今の例えば中国とかインドとかベトナムではインフラ整備は将来の成長に大きくつながる、大いにやるべきでありますけれども、日本も一九六〇年代まではそうでしたが、その後、本州―四国に三本の橋を造ったり、公共事業こそが日本の成長につながるというのは、私は時期が六〇年代では当たっていても、その後は間違っていたと思います。
 そして、私が申し上げている小泉・竹中路線のいわゆる新自由主義というのは、つまりは、企業が簡単に言えばリストラをして、そして生産性を高めればそれで全て良くなるんだ、全ての企業がリストラをして生産性を高めればそれで日本の生産性が上がるんだと。大間違いです。全ての企業がリストラをしたら日本中が失業者だらけになっていくという、そのマクロの視点がないことが、これが私は大きな間違いを招き、そして不正規雇用を拡大し、そして格差を拡大し、しかも、経済は決してそのことによってマクロ的にはこの十年間良くならなかったわけでありますから、そういう間違いを私は指摘をして、雇用を中心とした成長を申し上げているわけであります。
 そういう意味で、まず私が申し上げている……(発言する者あり)ちょっと静かにさせてください。
#176
○委員長(前田武志君) 続けてください。
#177
○内閣総理大臣(菅直人君) きちんと、今政策的な議論をしておりますのでお聞きをいただきたいと思いますが、そういう意味で、まず新自由主義という考え方と、基本的なこれ、経済政策でありますから、基本的なところで違っているということを一点申し上げておきます。
 農業については先生まさに御専門でありますけれども、私もせんだってダボスに行ったときにちょっと驚く話を聞きました。例えば、スイスでは鶏にも言わば、人権と言うと変ですが、権利が認められていて、ゲージ飼いは禁止をされているというのを聞いてびっくりしました。ですから、ほかのEU諸国に比べて五倍ぐらい高い卵だそうでありますが、それでもスイスの人たちはそれを選ぶということも含めて、また、高度の高いところには所得補償が大変ありますので、そういう非常に山間地域の山の高いところまで酪農をやっている。
 そういうことで、つまり、地域として、全体として国が成り立つということも併せて農業政策というものに入っているという意味で、私もそういう考え方も一方必要だということについては変わってはおりません。
#178
○山田俊男君 総理、大変いい話に持っていっていただけたというふうに思っています。
 スイスで養鶏をやって、卵一個が五倍していても買ってくれると。物すごい大事なことです、大変大事なこと。これは、その思想の精神、国民合意の精神の下にあるのは、多様な農業の共存という言葉なんです。
 総理、それじゃ、多様な農業の共存という言葉を代表質問でも何度かおっしゃっておられるんですが、多様な農業の共存という総理のその言葉が、全ての関税の撤廃を原則とするTPPに加入するというのは、多様な農業の共存と矛盾しないんですか、大丈夫ですか。答えてください。
#179
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど私が農山村のことを言っていたのは、最近は高いレベルの経済連携との両立ということを言っていると、まさに両立ということを一点申し上げているんです。もちろん、自動的に両立するとは申し上げておりません。両立するような政策を大いに議論をし、考えていこうということであります。
 スイスにおいても、もちろん、周りはEUの国々でありますけれども、そういう国々と経済の連携もしているわけですが、一方でそういうことが可能になるような国内的ないろいろな所得補償などをやっていると聞いておりますので、そういうことも、現在我が党は、昨年、まあ今年度の予算から農業の戸別所得補償の導入を行っているわけでありまして、そういうことも含めて、両立するにはどうすべきかという議論をまさに大いにこの国会の場で、あるいはその他の場で進めてまいりたいと、こう考えております。
#180
○山田俊男君 スイスはEUに加入してないんですよ。同時にまた、関税措置をしっかり持っているということを、総理、ちゃんと頭へ入れておいてもらいたいというふうに思います。
 さて、鹿野大臣にお聞きします。
 同様ですが、多様な農業の共存という言葉も大臣使っておられますけれども、全ての関税の撤廃という原則、TPPの、そのことと矛盾しないんですか。どうぞお答えください。
#181
○国務大臣(鹿野道彦君) 基本的に、TPPに参加するかしないかはこれから決めるということでありますけれども、今議員が触れられました多様な農業の共存というふうなものと矛盾するかしないか、すなわち、農業として多様な農業が成り立つようにしていくというようなことの施策が行われれば矛盾しないということになるわけでありますので、そういう意味では、今総理から言われたとおりに、両立というふうなことを言われましたけれども、どう具体的な形で対応策を講じていくかというふうなことは十分検討していかなきゃならないことだと思っております。
#182
○山田俊男君 篠原副大臣、見えていますかね。
 篠原副大臣は、この前、ダボスの会議に総理が出席されて、同時に篠原副大臣も出席されたわけであります。総理はダボスでは、第三の開国を進める、TPPについては参加国と協議を始めた、六月を目途に交渉参加について結論を出すというふうに高らかに各国から集まられた皆さんに対しておっしゃっておられたわけであります。
 篠原副大臣は、G10の閣僚合同会議並びにWTOの関係閣僚の会議にお出になっていた。その際、副大臣は多様な農業の共存というふうなことをおっしゃっていたんだけれども、総理の、高らかに言っておられる開国ということとの間で同じものなのかどうか。総理が開国と一方で言っておられて、あとは副大臣が多様な農業の共存と言っていた。何か居心地が悪くてしようがなかったんじゃないんですか。
#183
○副大臣(篠原孝君) 私も総理と同じ政府専用機で参りまして、ダボス滞在六時間でしたけれども、全く別の会場でございます。
 総理が「開国と絆」ということでスピーチをされているのは承知しておりました。私は、ですから、今、山田委員の御指摘のとおりで、多様な農業の共存という国際会議の場で日本が主張していることを繰り返して主張してまいりました。
#184
○山田俊男君 副大臣、私は、素直にそういうふうに発言して何ら違和感はなかった、それから、それを聞いている皆さんは、おお、日本の姿勢はそういうことかというふうに思っておられたのか、居心地が悪かったんじゃないですかと言っているんですよ。いかがですか。
#185
○副大臣(篠原孝君) G10というのは輸入国の間の会合ですから、多様な農業の共存ということは完全に意思統一をされていたと思います。
 ただ、もう一つありまして、二十三か国が参加しましたWTOの関係閣僚会議、そこではちょっと違っているんじゃないかということを思われたんじゃないかと思いました。そこで、私が申し上げたことをちょっと御報告いたしますと、総理は今、「開国と絆」ということで同時刻にほぼ演説されていると、しかし、農業について言えば、八兆円の総生産額に対して四兆円も輸入していると、半分の金額を輸入していると、だから、農産物について言えば、日本は開国をし切っている国ではないかと私は思うということを申し上げて、ちょっとつじつま合わせをいたしました。
#186
○山田俊男君 どうもこれだけの大事な大事な政策的なテーマ、我が国の国民挙げてそしてこの議論をして心配している内容を、つじつまを合わせてやっているみたいな話じゃ到底できないんです。
 もう一度ちゃんと答えてください。
#187
○副大臣(篠原孝君) 私の今の発言がちょっと不穏当だったかもしれません。
 ですけれども、それは農業関係の大臣、輸入国だけの会合じゃありません、いろいろな各国の閣僚の集まりですので誤解をされるといけませんので、農業のことをもっともっと、多様な農業の共存ということもその場でも申し上げました。ですから、それとどういうふうにするかというのは、日本は輸入もこれだけしていると、守るべきものは守り、輸入せざるを得ないものは輸入しと、ちゃんと守るべきものは守らせていただくという意味で私は発言したつもりでございます。
#188
○山田俊男君 総理、多様な農業の共存という言葉は、これまで我が国がヨーロッパの国々、アフリカの国々、それからさらにアジアの国々、その国々としっかり連携して世界貿易機関の交渉その他に当たるときに、スローガンであったり、有力なまさに総理のおっしゃる絆でもあったんです、この言葉は。
 ところが、それに一番反発していたのはオーストラリアであり、アメリカなんですよ。その一番反発していたオーストラリアとアメリカに、関税を撤廃して、それを原則とするTPPに入りますよというふうに言うわけですからね。世界中の国々がえらいびっくりしているわけです。
 私はこの一月に、私も駆け足でヨーロッパの国々を回りました。その際、EUの委員会、それからヨーロッパの農業団体連合、両者とも、日本はどうしたんだと、日本はこれからどんな顔をしてジュネーブへ来るんだと、こう言っていますよ。
 今後行われるジュネーブでのもろもろの会合があります。そういうときに我が国は相手にされるんですか、一体。多くのもう仲間を失っているんですよ。その点よく考えて、そして格好よく開国とおっしゃっていますか。もう一度お聞きします。
#189
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、山田先生のような農業の専門家を含めて、こういう議論を大いにやるべきだと思っております。できれば、自由民主党の中にも、積極的に発言されていた、委員会でもそういう意見も聞いておりますので、是非とも、そういう各党それぞれいろんな立場の意見がある、これは国民の中でもあるわけでありますから、大いにいろんな意見を自由民主党の中の意見も含めてお聞かせをいただきたいと、こう思っております。
 今おっしゃったことを必ずしも私、全てが分かるわけではありません。つまり、なぜ、国際社会で私のような発言が問題視をされるんではないかという御指摘そのものは分かりませんが、私がダボスで申し上げたのは、先ほども申し上げたように、この両方を両立させるという考え方に基づいて、しかし一方で、先ほど他の委員にも申し上げましたが、我が国がもっとある意味自信を持って世界でいろいろな活動に積極的に参加をしていく、そういうことも含めて開国という表現を使ったところであります。
#190
○山田俊男君 総理の開国という主張の言葉の中に、多様な農業の共存という概念は入っているんですかね、入っていないんですかね、もう一度聞きます。
#191
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、一方では農業の再生本部の責任者も務めていて、今その議論もいたしております。帰りの飛行機で、篠原副大臣と、フランスにおいて行われている若い人たちを農業にもっと従事をしていく、そういう仕組みについて調べてほしいと言いましたら、先日、その会議にも出していただきました。
 つまりは、農業の再生ということは農業の再生として是非実現しなければならない。開国ということとダブる部分、ダブらない部分があるかもしれませんが、いずれにしても両立させなければならないということで申し上げているんです。(発言する者あり)
#192
○山田俊男君 もう総理、ここは、総理、ここは……
#193
○委員長(前田武志君) もう少し静かにお願いをいたします。
#194
○山田俊男君 総理、ここは、総理、もう日本はTPPには加入しませんというふうに明言したらどうですか。今からでも遅くないですよ。
 それとも、そうじゃなくて、普天間の問題でもう鳩山前総理が失敗した、さらに仙谷前官房長官が尖閣諸島の問題で失敗した、それを繕うために、もうアメリカに、オバマの言うとおりにしなきゃいかぬのだ、もうTPPに入らないなんという話はオバマが許してくれないんだと、こういうことなんですか。
#195
○内閣総理大臣(菅直人君) そういうことでは全くありません。
#196
○山田俊男君 本当は前原大臣、前大臣に来てもらって、そしてやりたかった。何でかといったら、だって、一・五%の農林水産業のために九八・五%が犠牲になった、こうおっしゃっているんだ。本来であればそのことだけで辞任問題ですよ。だから、そのときに辞任しておれば大きな傷を負わなくて済んだんですよ、これはもう。もう大変なことですよ。
 ところで、私の疑問は、前原大臣は、包括的な方針をお決めになった後、直ちにオーストラリアへ向かわれた。一体、オーストラリアで何をおっしゃってこられたのかよく分からないんですけれども、一体TPPに入る下準備で行かれたのか、それとも、そうじゃなくて、今包括的な経済連携協定の方針、EPAを結ぼうと、そのために行かれたのか、その辺がよく分からないわけであります。
 そして、その後、海江田大臣もオーストラリアへ行かれましたね。一体、どういう立場で行かれたんですか、お聞きします。
#197
○国務大臣(海江田万里君) お答えをいたします。
 私は、日本で、これは東京で十か月ぶりに日豪のEPAの会議がございまして、それが終わった直後にオーストラリアのシドニーに行ってまいりました。
 私の立場というのはもちろん経済産業大臣でございますが、その中で、これはギラードという首相がおります。このギラード首相、それからエマーソンという貿易大臣がおります。このエマーソン貿易大臣ともお目にかかりまして、大局的な立場で十か月ぶりに再スタートをしたこの日豪のEPAでございますので、是非これをまとめるようにお互い努力をしようじゃないだろうかというお話をしてまいりました。
#198
○山田俊男君 その際、TPP参加を検討するということをもう方針として出していて、各国との間でもそのための協議を始めておられる時期ですよね。そうでしょう。そのときに、EPAについて交渉するといったときに、二つの原理で言っておられるわけですよ。その点はどうだったんですか。
#199
○国務大臣(海江田万里君) その会談の中でTPPのお話も出ました、これは。ただ、そのTPPにつきましては、私どもの方針であります、六月までにこれは参加するかどうかと、協議にですね、協議に参加するかどうかというつもりであるということを申し述べてまいりました。そして、日豪のEPAはそれと並行と申しますか同時並行で話合いをしなければいけないということで、交渉ですね、交渉しなければいけないということで、共通しますのは、やはりお互い高いレベルでの貿易の提携をしよう、経済の連携をしようということでございます。
#200
○山田俊男君 EPA、二国間のEPA交渉を開始しようと、こういうふうにおっしゃってきたということでありますが、EPAをやるということであれば、我が国が重要品目、農産物の重要品目を抱えているということは十分御存じですね。
 多分、鉱工業製品におきましても大事な品目を抱えておられるんじゃないかというふうに思います。それらを幾分かは例外という措置を交渉せざるを得ませんね。そうでしょう。その点はいかがですか。
#201
○国務大臣(海江田万里君) 具体的な交渉はそれぞれ事務方でやっておりますから、私どもは、十一月に決定をしました包括的経済連携の基本方針がございますから、この中で、センシティブ品目について配慮を行いつつ、全ての品目を自由化交渉の対象とし、そして交渉を通じて高いレベルの経済連携を目指すという、この方針の説明をしてまいりました。
#202
○山田俊男君 そうすると、オーストラリアからは多分間違いなく、どうぞと、それじゃ、六月に方針を出されて、そして全ての品目を自由化の対象にするということの覚悟を決めてからおいでになってはどうですかというふうに言われませんでしたか。
#203
○国務大臣(海江田万里君) お答え申し上げます。
 そういうことは言われませんでした。
#204
○山田俊男君 言われないとすれば、居心地が悪くてしようがなかったはずなんですよ。
 これは、鹿野大臣、鹿野大臣はオーストラリアへ行かれていますか。行かれていない。行かれたらどういうふうに対処されますか。
#205
○国務大臣(鹿野道彦君) オーストラリアには行っておりません。
 基本的には、今、海江田大臣からお話がありましたとおりに、EPAを推進するというふうなことは決めておるところでありますけれども、センシティブ品目について配慮をしながらと、こういうふうなことでありますから、そういうことを十分踏まえた中で交渉に当たっていかなきゃならないと、こう思っております。
#206
○山田俊男君 衆参の農林水産委員会で、そしてこれは、重要品目を例外にする、それができないなら交渉を中断すると、そういう形での全党一致の決議があるんですよ。それを踏まえていったら、だって、EPAを交渉しに行くんであれば、例外を主張してくるという方法しかないわけでしょう。いかがですか、それは。
#207
○国務大臣(鹿野道彦君) 今このEPAについてお話がありましたけれども、今日、昨年の十一月に決めた高いレベルというふうなことは、一般的に今先進国の間でのEPAというのは、関税撤廃が、品目ということを考えたときに九五くらいと、こういうふうなところでありますので、それが一般的に高いレベルと、こういうふうなことでありまして、そういうところを一方に置きながら、国会決議もございます、このセンシティブ品目に配慮をしてというようなことを念頭に置きながら交渉に当たっていかなきゃならないというふうなことであります。
#208
○山田俊男君 総理、かくのごとくオーストラリアとやるときも非常に難しいんですよ、二つの原理があって。その二つの原理に矛盾があると思いませんか。総理に聞きます。
#209
○内閣総理大臣(菅直人君) 我が国は、EUとの間でもまだこのEPAが締結されておりませんし、アメリカとの間でももちろんFTAも締結されておりません。
 オーストラリアとの間で今精力的にいろいろ議論が行われておりまして、二つの原理とおっしゃったのがどれとどれというのが必ずしもはっきりしませんが、しかしそういう議論をする中で私は物事が進展していくものと期待しております。
#210
○山田俊男君 玄葉大臣、六月を目途に交渉参加について結論を出すという方向で、それで同時に国内農業対策、農村政策の基本方針を六月に決定すると。十月を目途に抜本的な国内対策並びに必要な財政措置と財源措置を決定して行動計画を立てるというふうにおっしゃっているんですよ。
 玄葉国家戦略担当大臣、一体何を決めるのか。その柱も分からないんですよね、この方針だけでは。一体何をお決めになるんですか。
#211
○国務大臣(玄葉光一郎君) 六月のことであれば、御存じのように、交渉に参加するかどうかということを決めるということでありますけれども、山田委員が今おっしゃったのは、例えば農業の強化策について、六月に何を決めて十月に何を決めるのかと、恐らくそういう問いなのかなというふうに思いますけれども。
 六月に何を決めるかということについて、詳細はこれからでありますけれども、今三回、たしか食と農林水産再生実現会議を開きまして、同時に、たしか八回ほどその下の幹事会でこれからの農業強化策について鋭意検討中でございますので、まずは三月末にその中間整理をさせていただいて議論に付したいというふうに考えております。
#212
○山田俊男君 開国フォーラムというのをおやりになっています。その場でも一体何を決めるんだと。参加を決めますと、参加のための交渉を決めますといったときに、じゃ、農業政策については同時に出しますよと言っているときに、農業政策の枠組みが分からなかったら何も決まらないじゃないですか。その点はどうなんですか。
#213
○国務大臣(玄葉光一郎君) ある意味おっしゃるとおりでありまして、したがって、先ほど申し上げましたように、三月末に一定の方向性を出させていただいて、そしてさらには、六月には具体的なさらに措置について説明をさせていただくということになると思います。
#214
○山田俊男君 これ、海江田大臣、先ほど安井委員の質問もありましたけれども、海江田大臣は、撤廃の対象にならない項目が一ないし五%はある可能性が高いみたいなことを金沢の開国フォーラムでおっしゃっているわけです。原則一〇〇%の関税撤廃というTPPを目指すと言っておりながら、一方で例外もあるというふうにおっしゃっている意味は何ですか。
#215
○国務大臣(海江田万里君) お答えを申し上げます。
 先ほどもお答えをいたしましたけれども、まず、原則これは完全撤廃だということを申し上げたわけでございます。その上で、例えば、これもまた答えが同じになりますが、アメリカと豪州のこのEPA、FTAですか、ここの中ではこれはまず一%の対象外の品目がございました。それから、十年で関税を撤廃をするという場合では、四%をそれを除外、例外の規定もございました。
 そういうことも勘案をしますと、最初から一〇〇%ということではなしに、目指す目標はそうでございますけれども、今はまだ交渉をするかしないかという段階ですから、最初から私どもは一〇〇%だよということでなしに、やはり私どもも守るべき国の利益というものは当然あろうかと思いますから、そういうことについての考え方を申し述べたわけでございます。
#216
○山田俊男君 玄葉大臣も同じように例外があるよというふうに話しておられるんですが、同じような趣旨ですか。
#217
○国務大臣(玄葉光一郎君) 関税につきましては、御存じのように原則十年で撤廃ということでありますけれども、ただ、昨日も議論させていただきましたけれども、原則というのはあくまで原則というところがあると思います。要は、交渉次第で除外、例外というのは私はあり得るだろうなというふうには思います。
#218
○山田俊男君 海江田大臣、海江田大臣は我が党の山本議員の四日の質疑に際しまして、まとまらなければ撤退もあると、そんなふうにおっしゃっているんですけれども、一体、ともかく交渉に参加してまとまらなきゃ出ていきますということができるんですか。本当にそう考えておられて、こういう発言されているんですか。
#219
○国務大臣(海江田万里君) そのように考えております。
#220
○山田俊男君 総理、六月に交渉に参加を決定して、そして、まとまらなかったら出ますと、それが通ると思いますか。オバマ大統領との関係で大丈夫ですか。
#221
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、現在の状況は、御存じのように、情報収集のために関係国との協議をするということを昨年の十一月の閣議決定で決めまして、そのことで今それぞれ活動しているわけです。六月に行うと言っているのも、もう御承知のように、交渉参加についての是非を決めると、交渉に参加をするかしないかを決めるということを申し上げているわけです。
 もし交渉に参加することになっても、交渉ですから、交渉というのは妥結することもあれば妥結しないこともあるわけでありまして、そういう意味では、交渉に参加するかしないかをまだ、六月に決めますけれども、その上で、そうなった場合には、もちろん妥結することもあればしないこともあるということは当然だと思っております。
#222
○山田俊男君 参加したら、よほどのことがない限り、それは離脱できませんよ。もう傷が浅いうちに早く出たらいいんですよ。ちゃんと決断してください。
 そして、やることはちゃんとあるんですよ。アジアと連携しよう、さらにはヨーロッパと連携しよう、韓国とも連携しよう、そのこと大事じゃないですか。そのことちゃんとやればいいじゃないですか。いかがですか。
#223
○内閣総理大臣(菅直人君) 最後に言われたことは、私も全く同感であります。
 つまり、この間、十年ほど、そういうものがなかなか進んでこなかったことはよく御存じだと思うんです。一番大きなWTOのドーハ・ラウンドも、この十年近く動きが止まっております。また、日本と例えば韓国、中国の今いろいろと、学識経験といいましょうか、いろいろなことをやっておりますが、まだなかなか進んでおりません。
 幸いにして、インドとかあるいはペルーとかについては、この政権交代後、かなりEPAが成立をいたしましたけれども、そういった意味で、今、最後におっしゃったように、決して何かTPPだけを考えて、そこが進むか進まないかだけで動いているわけではなくて、現実に今、オーストラリアとの間ではEPAの交渉をしているわけでありますから、そういった意味で、大きなまさに経済連携というものを進めようという基本方針の中でいろいろな形のことを進めてまいりたいし、現在やっているところです。
#224
○山田俊男君 玄葉大臣、TPP参加に向けた協議の中で、関税以外の非関税措置があるわけであります。一体どういうものがあるんですか。
#225
○国務大臣(玄葉光一郎君) 探せば手元にありますが、二十四の作業分野が御存じのようにございまして、例えば投資とかあるいはSPS、植物検疫であるとか、あるいは知財だとか、そういった二十四の作業分野は山田委員にもお示しをしているとおりでございます。
#226
○山田俊男君 今、玄葉大臣、大事なことをおっしゃった。例えば二十四項目の中に投資とかというふうにおっしゃった。
 昨日の当委員会で、松本副大臣は投資の問題はないというふうに話しておられるんですが、いかがですか。
#227
○副大臣(松本剛明君) お答えいたします。
 昨日の答弁のメモを持っておりませんけれども、昨日、TPPに付いていけば投資の絶対的な自由になるのかという御趣旨でありましたので、投資についてもそれぞれ規定がある中での内容になるものと想定をされているという旨お答えをさせていただいて、投資分野がTPPの分野の中に入っていないという答弁をしたということはないと理解をしております。
#228
○山田俊男君 そうすると、それから、政府調達に関連しては今いかがですか。
#229
○国務大臣(大畠章宏君) 山田議員にお答えを申し上げます。
 ただいまの政府調達ということでございますが、確かにこれが二十四の項目の作業部会の中にございまして、仮定の話でありますが、ルール作りに参画するのであれば、現在の日本における地域の厳しい状況にある建設企業の状況、あるいは建設企業に対する影響というものを考慮し、あるいは配慮し、政府調達に関する協定の適用範囲、基準額などについて我が国の立場をしっかりと主張し、織り込むことが必要だと考えております。
#230
○山田俊男君 分かりました。政府調達に関して基準その他があるということですね、それに主張していくという。
 じゃ、松本副大臣、昨日、あなたは交渉の二十四作業部会の中にもこういう問題はないというふうに言明されていたんですが、そうですか。
#231
○委員長(前田武志君) ちょっとその前に大畠担当大臣。
#232
○国務大臣(大畠章宏君) もう一度お答えを申し上げます。
 もしもルール作りに参加するのであれば、このような立場を、日本としての立場を主張することが必要だと、こういうことを申し上げたわけであります。
#233
○副大臣(松本剛明君) 昨日、政府調達の分野がないという答弁を申し上げた記憶はないのでございますが、情報収集、私どもが努めている中で、現在、政府調達の分野については、WTOの政府調達の協定、それから各国のFTAを基本として入札の原則や手続等について議論を行っているものと私どもは見ております。
 次回の会合までに各国からオファーが出されるというふうな情報に接しているところでありまして、今後、政府調達の範囲、適用される範囲などについて議論が行われることが想定をされるというのが今の私どもの情報収集の結果でございます。
#234
○山田俊男君 これはP4協定の英文なんです。これは手に入らなかったから私の事務所で訳した。訳して、別表にちゃんと政府調達に関するみんな基準も書いてある、金額も、何もかもみんな書いてあるんだよ。それを、先ほどの議論では、だって昨日の議論では、いずれの協定にも御指摘のような地方自治体による各種施策を記述する特別な規定は存在しておりません。また、交渉の二十四作業部会の中にも御指摘のような施策を直接扱う部会はないということから、このような問題が議論されているとは考えられません。あなたの答弁だよ、これは。一体どういうことなんだ。
#235
○副大臣(松本剛明君) お答えをさせていただきます。
 昨日の質問は、産業育成などの助成についての御質問であったので、そのように御回答をさせていただきました。
#236
○山田俊男君 回答になっていない。
#237
○委員長(前田武志君) 山田俊男君、再度。
#238
○山田俊男君 ともかくあなたは、TPP協定に御指摘の施策を記述する規定が盛り込まれるとは想定されにくいと、このように考えております。だって明確に、交渉の二十四作業部会の中にもないと言っているんですね。そして、地方自治体による各種施策を記述する特別な規定は存在しません。おかしいじゃないか。
#239
○委員長(前田武志君) 松本副大臣、質疑も一緒にやられたらどうですか。どういう質問かに対して。
#240
○副大臣(松本剛明君) 地方自治体の施策全てということではなくて、御指摘をいただいた地方自治体の施策ということで御回答させていただいたというふうに記憶をいたしております。(発言する者あり)
#241
○委員長(前田武志君) それでは、議事録を精査の上、再度答弁をさせます。
#242
○山田俊男君 単に農業だけの問題、農産物だけの問題じゃなくて、国民生活にかかわる様々な課題があるという中での議論なんだから、そんな外務副大臣がいいかげんなことを言っていては困るんだ。わざわざ私の事務所が訳したんだよ。あなたは、あなた方は正確な情報を出しているか、P4の協定の全訳を。出してもいないで、国民にも出していないで、どんな議論を始めようというんだ。もう一回聞きたい。
#243
○国務大臣(玄葉光一郎君) これ、議事録を是非精査していただければと思いますけど、私も昨日座っておりましたけれども、恐らくこれは福島みずほ委員の御質問だったんじゃないかというふうに思うんですが、恐らく、地方自治体が各種助成とかをしていると、そのことについてTPPなどではどうなるんだという御質問だったんじゃないかなというふうに思います。
 政府調達については、(発言する者あり)いや、政府調達について申し上げますけれども、政府調達については、まさに山田委員がおっしゃったとおり、例えばP4協定では、中央政府では日本円にして七億六千五百万円以上、つまり、入札に言わば外資、開放しなきゃいけないという協定がございます。ちなみに、日本とチリのEPAでも、中央政府は六億九千万円以上、そして地方政府は二十三億円ということになっております。
 先ほどの自治体の話では、P4は地方政府は実は対象外になっているというのが実態ではないかなというふうに思います。
#244
○山田俊男君 大畠大臣、まさにそういうことなんだよ。地方の、地方自治体がやる様々なサービスや建設事業に全部規制が掛かってくるんだよ。ある一定以上は海外の企業を入れなきゃいかぬということになっちゃうんだよ。そのことについての影響はどんなふうにお考えになります。
#245
○国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げます。
 したがいまして、先ほど申し上げましたように、地方の建設企業の厳しい状況というものを十分反映した形で、ルール作りには日本の政府として主張をし、それを織り込ませなければならないと思っております。
#246
○山田俊男君 細川大臣、細川大臣の医療の分野もこの中にあるんですよ。その点についてはどんなふうに受け止めておられますか。
#247
○国務大臣(細川律夫君) 医療につきましては、TPP協定の基になると言われておりますP4協定におきましては、医療を含みますサービスについては合理的な規制が認められております。営利法人によります医療機関の開設及び経営は原則として認められておりませんから、こうした我が国の医療提供の在り方について支障を及ぼすことがないように慎重に私どもは対応していきたいというふうに考えております。
#248
○山田俊男君 総理、開国フォーラムを一方でやりながら、その一方で、国民会議と称している民主党のTPPを慎重に考える会の皆さんが中心になって、そして同じように、競い合うように、各地でTPP反対という対話集会を開いておられるんですが、一体どんなふうに受け止めておられるんですか。
#249
○内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど来申し上げていますように、国会の場だけでなくていろいろな場で、このTPPも含む、あるいは農業の改革を含む議論が、いろいろ議論として活発に闘わされることは大変結構なことだと思っております。
 確かに、我が党の中にもいろんな議論がありますし、御党の中にもいろんな議論があることを私も知っております。日本の将来をどういう姿を求めていくかということを大いに議論をすると、そういう一つの活動でありますから、それは政府が関係している活動も、あるいは我が党のいろいろな皆さんが関係されている活動も、そういう議論を盛んにやっていこうということでやっておられると思いますので、私は大変結構なことだと、こう理解しております。
#250
○山田俊男君 どうも全く……(発言する者あり)全くおかしな話になっております。
#251
○委員長(前田武志君) 質問が聞こえません、質問が聞こえません。お静かに。
#252
○山田俊男君 それで、時間が余りないものですから、ここはどうしても聞きたい。
 要は、二十四の作業部会にかかわるそれぞれの項目と、それと行政刷新会議、規制・制度改革で議論している内容が相当程度ダブっているんですよ。ダブっているんだけど、一体それの事務局体制はどうなっているかということを聞きました。今日の紙に書いてあります。これ、民間からかくのごとくメンバーが入っております。一体この実態をどんなふうに受け止めて仕事されているんですか。蓮舫大臣に聞きます。
#253
○国務大臣(蓮舫君) お答え申し上げます。
 規制・制度改革の事務局、現在三十九名の体制となっておりまして、その中で他省庁等や民間からの出向者は三十四名になっております。
 山田委員は、昨年、当時の大塚副大臣のときにも同じような御懸念をお持ちで、大塚副大臣がその懸念をしっかりと受け止めまして、一人一人の職員からヒアリングをして、出向元の特定企業に利益が誘導されるようなことは決してあってはいけませんので、そのような体制を含めて整えて、御懸念がないように今取り組んでいるところでございます。
#254
○山田俊男君 農地の利用調整もテーマになっていますね。農地の利用調整がテーマになっていて、その際、民間の会社を参入しろという議論がありますが、ここに三井不動産、森ビルが入っているんですよ。そのことについてはどんなふうに受け止められますか。
#255
○国務大臣(蓮舫君) 確かに、農地の流動化は二百五十項目の中の一つには入ってございますが、この事務局の方が提案したものではなくて、開かれた分科会で、これ議事録も公開しております、分科会の中で出たものと承知しております。また、事務局もチームとして相互チェックが働く形で体制を取り組んでおりますので、御懸念には及ばないかと存じます。
#256
○山田俊男君 ありがとうございました。
 また、続けて、いつかの機会をいただいてやります。
#257
○委員長(前田武志君) 以上で片山さつき君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#258
○委員長(前田武志君) 次に、山谷えり子君の質疑を行います。山谷えり子君。
#259
○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。
 日本の美しい森や水源地が外国資本によって買われ始めています。何年か前から、森を守る、そしてまた水源地を守る、あるいは国防上重要な土地を守るために法整備をすべきだと私は訴えてまいりましたけれども、自民党は、昨年、森を守る、そしてまた水を守るための法律を国会に提出いたしました。民主党政権も三月一日に閣議決定で森を守る法律を出そうとしているということでございますが、総理と農水大臣、それぞれ意気込みをお聞かせください。
#260
○国務大臣(鹿野道彦君) 森林・林業再生プランというものの中で、森林の有する公益的機能の十全な発揮を図るために、森林法の改正法案を三月一日に閣議決定いたしまして今国会に提出いたしました。そしてまた、そういう中で、今先生触れられたとおりに、昨年の臨時国会で議員立法として森林法の一部を改正する法律案が提出されているということも承知をいたしておりますが、各党各会派におきまして御相談をしていただくというふうなことになるものと思っております。同時に、委員会におきましても、私ども国会に提出しておるところのこの法案につきまして御議論をいただき、成立をさせていただくことを是非お願いをしたいと思っております。
#261
○国務大臣(大畠章宏君) 山谷議員の御質問にお答えを、総理の前にお答えを申し上げます。
 地下水の利用の規制に関する緊急措置法案というのを自由民主党さんから提出されております。この地下水の課題でございますけれども、最近地下水に対する国民の皆さんの関心も高まっておりまして、外国人による土地の取得に関連していろいろと課題が浮上していることも私も承知しております。
 外国人による土地取得の問題につきましては、現在いろいろと調査をしておりまして、国土交通省といたしましても、地下水の保全に関しては、地方公共団体が地域の実情に応じて条例等により取り組んでいることから、これらの取組の実態把握に努め、情報提供などにより自治体との連携の強化を図っているところであります。現在、五百四条例というのがございまして、都道府県では三十一条例、市町村では三百七十三条例がございます。また、外国人による森林買収につきましては都道府県を通して調査を行い、林野庁と共同して一月末より実施しているところであります。
 今後とも、地下水の適正な管理と利用を促進する観点から、また国土の望ましい利用を図る観点からも、関係省庁と連携して検討してまいりたいと思います。
#262
○山谷えり子君 総理の意気込みはいかがですか。
#263
○内閣総理大臣(菅直人君) 山谷委員のお話は二つのことが重なっているのかと思っております。一つは、まさに地下水あるいは森といったものを大事にするということと、もう一つは、外国人によるそういったものの取得についての懸念ということだと思います。
 まず第一のことでいえば、私も、林業再生、その本部の本部長をやったこともありますけれども、今、戦後植えた木が伐期の時期に入っておりまして、私は日本の林業再生の大きなチャンスのときだと、こう考えておりまして、積極的にいろいろな施策を総合して促進すべきだと、こう考えております。
 同時に、外国人のそうしたところの取得について我が党でも関心を強めておりまして、また、古い法律もありますので、政府としても、注意深く適正な土地の利用がなされるよう見守って、必要に応じては何らかの対応をしてまいりたいと、こう考えております。
#264
○山谷えり子君 是非、森を守る法律は今国会で成立をさせたいと思います。そして、政権として、水を守る法律、あるいは国防上重要な土地を守る法律、これも是非早く提出していただきたいと思います。国防上重要な場所を守る法律に関しては、自民党で私が会長になって今国会で出したいという、そうしたスピードで進めているところでございます。
 それから、自民党時代は花粉症対策で年に百億円、麻生内閣で付けたんですが、これが民主党政権になって二、三億円に、物すごい削られ方をしておりまして、こっちの方も、花粉症対策も、今みんなお困りですから、削らないでもう一度検討し直していただきたいというふうに思います。
 さて、朝鮮半島が情勢不安定になったとき、拉致の被害者、あるいは韓国にいる邦人を救い出さなければなりません。自民党は自衛隊法の改正をして国会に提出しておりますが、民主党政権は審議に応じてくれません。十二月の十日、拉致被害者家族と総理、お会いになられましたよね。私も拉致議連の副会長として同席をさせていただきました。
 そのときに菅総理は、「万一の場合、北朝鮮にいる拉致被害者をいかにして救出できるのか、あらかじめあらゆる準備、心構えをいろいろ考えておかなければならない、自衛隊が韓国を通って出ていくことができるためのルールはまだきちんと決まっていない、いざというときに救出にかかわれるように日韓の間の決め事をしっかりしていかなければならない、あらゆることを想定し日韓の間で議論していきたい」と。つまり、民間機での輸送が危なくなった場合に自衛隊機で救出するルールができていないので、韓国との間で相談を始めたいと、非常に前向きなことをおっしゃられたわけでございます。
 二月十六日、日韓外相会談の席で前原前外務大臣が拉致の問題を話し合われた。その後、この金星煥長官と総理は二十分間お話をなさいました。この問題についてどのように前原前大臣はおっしゃられ、総理はどのようにおっしゃられたんでしょうか。
#265
○副大臣(伴野豊君) 山谷先生にお答えさせていただきたいと思います。
 お尋ねの件につきましては、御指摘の会談も含め、関係国との間でやり取りを行っているか、具体的にいかなる検討を行ったか、事柄の性質上、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
 いずれにしましても、拉致被害者を含めた在外邦人の安全確保は極めて重要な案件でございまして、政府といたしましては対応に遺漏なきを期してまいります。
#266
○山谷えり子君 民主党の外交というのは、政権の外交はいつもそうなんですよ。外交の機微に触れるからといって何もお話しなさらない。東シナ海のガス田、もう今中国が何百人も泊まれるような建設をしております。また、竹島も新しいヘリポートができて、ソーラーのシステムができて、何十人も泊まれる施設もできているんです。私はもう映像で見ていますから、分かっているんです。なのに、何も出せないということを自民党の部会でも、私は領土議連の会長をしておりますが、議連でもそういう、超党派での議連にもかかわらずそういうことなんです。全て秘密にして、そして北方領土、ひどい状態になっています、今。竹島も尖閣の海域もそうです。恥ずかしいと思いませんか、総理。
#267
○内閣総理大臣(菅直人君) 私も、一般的に言えば、公開できる情報はできるだけ公開をして、国会の審議等に供すべきだと基本的には思っております。ただ、外交的ないろいろな交渉事等については、すぐに出せるもの、あるいはすぐには出せない、しかし何年かたてばその記録を公開するというルールも作りました。
 そういう意味で、御指摘は御指摘として理解しますけれども、出すべきものは是非情報も開示をしてまいりたいと、こう考えております。
#268
○山谷えり子君 拉致の被害者家族の前で韓国との間でルールを決めるというふうにおっしゃられたんですから、その程度ぐらいは、どのような話があったかぐらいは、あったかなかったかぐらいは発言すべきだというふうにおっしゃるべきだと思います。
 それから、香港の週刊誌、亜洲週刊というこのものなんですが、本年の六月十七日、沖縄返還協定四十周年の日に千隻の船を集めて尖閣へ行こうと呼びかけています。これはネットで広がっております。中国の船が千隻尖閣に来る。どのように対策、情報収集していらっしゃいますか。
#269
○国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げます。
 ただいまの御指摘でありますが、この資料を私も見せていただきました。見せていただきましたけれども、これがどのような形で行われるのかというのはまだよく分かりませんので、一般論としてお答えをさせていただきますが、尖閣諸島周辺の我が国の領海内に不法な侵入を試みる、そのような外国船籍に対しては、同諸島に対する我が国の一貫した立場に基づき、海上保安庁が関係省庁と連携し、情勢に応じて警備体制を強化するなど、当該船舶の領海内への侵入を阻止するとともに、領海内に侵入した場合には速やかに領海外へ排除するなど、必要な警備を厳正かつ適切に実施するとしております。
#270
○山谷えり子君 この呼びかけている保釣運動、保釣連盟について、官房長官、御存じでしたらおっしゃってください。
#271
○国務大臣(枝野幸男君) 二〇〇八年に設立された尖閣諸島の領有権を主張する台湾の民間団体であるということを承知をいたしておりますし、当然、注目をして情報収集をいたしておりますが、詳細な収集している情報の内容については、これはまさに国家の安全保障上の観点から、ここでお答えすることは御容赦いただきたいと思います。
#272
○山谷えり子君 官房長官は恐らく外務省から教えてもらったんでしょうけど、事実は違います。華人保釣連盟が結成されたのは一九六六年であります。台湾の馬英九総統もこれの運動家でいらっしゃいます。ハーバード大学にいらしたとき、この尖閣保釣連盟の論文も書いていらっしゃいます。そして、二〇〇四年、中国を出発した七人が魚釣島に上陸した、沖縄県警が逮捕して強制送還した、これも保釣連盟の運動家たちなんですね。そして、中国、台湾の政府は後ろから暗黙のうちに活動を認めているんじゃないか。いかがですか、その認識は。
#273
○国務大臣(枝野幸男君) まさにそうした過去の様々な尖閣諸島に対する対応、行動、そしてその背景等について、そして今回報道されております今年の六月十七日の件についても、鋭意、外務省だけではなくて、官邸においても連携しながら情報収集はいたしておりますが、その内容については、まさに安全保障にかかわることでございますので、ここでお答えするのは御容赦いただきたいと思います。
#274
○山谷えり子君 第十一管区石垣保安部、ここが見るわけですけれども、何隻巡視船ありますか。
#275
○政府参考人(鈴木久泰君) 第十一管区海上保安本部では、尖閣諸島で対応できるような大型の巡視船を六隻、それからもう少し小さい中小型のが二隻、合わせて巡視船は八隻ございます。特に、大型の六隻を使ってこちらの哨戒を重点的にやっております。
#276
○山谷えり子君 六隻で、千隻来たらどうするんですか。
#277
○政府参考人(鈴木久泰君) 千隻につきましては、この華人保釣連盟が今いろいろPRをしておるというところでありますが、これまでの保釣活動の実績を申し上げますと、平成八年とか九年に数十隻単位で来たことはありますが、それ以降は一隻とか二隻とかで来ておるのが状態でございまして、どこまで来るかというのはこれからまたよく情報活動を続けたいと思っております。
 ただ、私どもとしては、十一管区の船だけではなくて、当然ほかの管区からも応援を出して、今でも十一管区だけではなくて各管区から応援に行かせて尖閣の守りを進めておりますが、情勢に応じて船艇を増強して、あるいは航空機も上空から飛ばして監視、警戒を続ける、あるいは警備を続けるということでやっていきたいと思っております。
#278
○山谷えり子君 私は沖縄に参りまして、石垣や宮古や八重山や与那国、いろいろな漁業組合の方たちからお話を聞きました。もう百隻とかたくさんの中国漁船が来て、はえ縄漁業、縄を切られていってしまうんだと。そして、出ないでくれ、日本はというように、日本の漁業組合はというようなことも言われている。
 立入検査をしないと拿捕できないというのが日本の法律でございますね。しかし、立入検査するためには、一つの船に二つの巡視船で横を挟んで、そして飛び乗るわけですね。青竜刀を振り回されたり、鉄パイプの入った竹を振り回されたり、対馬のそばでは海上保安官が海に投げ入れられるということもありました。たった六隻でどうするんですか。
#279
○国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げます。
 ただいまの件でございますが、前馬淵国土交通大臣から、海上における海上警察権の在り方に関する検討の基本方針というものが出されまして、現在、海上保安庁長官が中心となって、この海上警察権の在り方について検討をしているところであります。
 御指摘のように、現在の体制というのには私も不備があると思いますので、海上保安庁が事案に即応して機動的、効果的に対処できるよう、事案発生前から事案発生後に至るまでの各段階における行政警察権限の在り方、あるいは装備、あるいは要員の充実について具体的な検討を進め、しかるべき制度改正を関係者の皆さんの御理解を賜りながら十分調整した上で結論を出さなければならない。そして、日本における海上警察権の更なる強化を図り、御懸念がないようにしなければならないと現在考えております。
#280
○山谷えり子君 自民党は、今年の党大会でも領土、領海を守る、そして、今も法整備についていろいろ議論しております。是非、早く法律を政権としてお出しいただきたいと思います。
 そして、法整備はもちろんなんですが、今言ったように、千隻の船が来るかもしれない、あるいは日常的に百隻、百数十隻という船が尖閣の海域にいると。この状況に対してはどうしたらいいかをもっと積極的にお考えいただきたいと思います。
 石垣の市議会と市長が、地方税法、固定資産税を掛ける上で、あるいはまた、沖縄県の自然環境保全条例上、尖閣に上陸したいと願っているわけですけれども、官房長官、いかがですか。
#281
○国務大臣(枝野幸男君) 御承知のとおり、国の機関を除き上陸等を認めないという所有者の意向を踏まえ、また、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持及び管理のためというこの賃借の目的に照らして、原則として何人も尖閣諸島への上陸を認めないとの方針を取っております。
 税の観点あるいは環境の観点でお申出が過去にあることを承知しておりますが、その都度、こうした観点に照らした上で検討の上、上陸を認めないという結論になっているものでございます。
#282
○山谷えり子君 大正島は国の保有ですが、大正島は認めるんですか。
#283
○国務大臣(枝野幸男君) 大正島は、一九七二年、昭和四十七年五月十五日から日米地位協定に基づき米軍の使用に供しております。したがいまして、立入りを行おうとする場合には米軍の許可を得ることが必要でございます。
#284
○山谷えり子君 漁業組合の皆様は、灯台が光が十キロしか行かないんだと、だからもっとちゃんとした灯台を造ってくれ、海が荒れるから避難港を造ってくれ、そしてラジオを聞きたいから無線基地造ってくれと言っているんです。これに対してはどうですか。日本の漁業の皆さんを守らなきゃいけないんじゃないですか。
#285
○国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げます。
 魚釣島にある灯台の改修あるいはまた新たな灯台の設置を行うべきじゃないかという御質問と受け止めさせていただきますが、現在ある灯台につきましては、定期的に保守点検を行っていること、また現在支障なく点灯しているということから、この船舶交通の安全確保に寄与していると考えております。同灯台の改修や新たな灯台の設置につきましては、必要とされる機能等を総合的に勘案して政府全体で慎重に検討することが必要だと考えております。
#286
○山谷えり子君 漁業組合の方たちが必要だと言っているのに、誰を派遣してそういう分析なさったんですか。
#287
○国務大臣(大畠章宏君) 御質問の件でありますが、私どもも魚釣島の灯台につきましては情報を収集しているところでありますけれども、写真でも私も見せていただきました。現在のところ、この灯台でよいのではないかと思いますが、更に漁業者の方のお話もいただきながら検討してまいりたいと思います。
#288
○山谷えり子君 是非本当にお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、中国が去年の三月一日に法制定した海島保護法、また七月一日に制定しました国防動員法について説明してください。
#289
○副大臣(伴野豊君) 山谷先生にお答えさせていただきたいと思います。
 まず、海島保護法につきましては、二〇〇九年に中国が採択したものでございまして、海島保護法ということでございますが、同法の主な目的といたしましては、海島の生態環境保護、国家海洋権益の維持、保護等を挙げているものでございます。
 また、いま一つの中国の国防動員法でございますけれども、こちらにつきましては、これは条文をお読みする形でよろしゅうございますか。
#290
○山谷えり子君 どうぞお好きに。
#291
○副大臣(伴野豊君) そういうことであれば、中国の、一般論といたしまして今理解されていることといたしまして、中国におきまして何らかの有事が発生した場合に中華人民共和国の国籍を有する中華人民共和国の公民は国防役務を担当しなければならないことになっており、これを文理解釈上、この規定が在留邦人に適用されるかどうかは考えられておりません。
#292
○山谷えり子君 海島保護法というのは、無人島に名前を付けて国が所有権を行使する、海洋権益を保護する、堅牢な海上防衛の前線を築く、資源開発、これが目的とされております。当然、中国の法律ですから、中国は魚釣島は中国のものだと言っていますね。これに対してどういうふうに抗議なさるんですか。
#293
○国務大臣(枝野幸男君) 中国が国内法でいかなる法律を作ろうとも、尖閣諸島が我が国の固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないことでございますし、現に我が国はこれを有効に支配をいたしております。
 このことは中国に対しても繰り返し伝え、申し入れてきているところでございます。
#294
○山谷えり子君 前原前外務大臣が抗議をしたところ、中国は何と言ったか。尖閣は中国のものだから日本政府の抗議は必要ありませんと言われたんですね。なめられているんじゃないですか。
#295
○国務大臣(枝野幸男君) 中国側が何とおっしゃられようと、この尖閣諸島は我が国の固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないことでありまして、このことは、どなたがいかようにおっしゃられようと、一貫して繰り返し主張し続けるものでございます。
 同時に、現にこれを有効に支配をしております。このこともしっかりと確保し続けるものでございます。
#296
○山谷えり子君 国防動員法に関しましては、中国にある個人や組織の物資や施設の徴用をするという法律です。これには日系企業も含まれるのではないかというふうに言われています。先ほどの説明納得いきませんので、もう一回説明してください。
 それから、中国にいる中国人あるいは日本に在住する中国人も含まれるということで、男性は十八歳から六十歳、女性は十八歳から五十五歳まで徴兵できるという、これが国防動員法ですね。今の説明じゃ全然その辺分かりませんでした。
#297
○副大臣(伴野豊君) 改めまして山谷先生にお答えさせていただきたいと思います。
 中国の法律でございますので、本来政府としてはその詳細についてその解釈も含めて回答を留保させていただきたいところでございますが、いずれにしましても、政府といたしましては、引き続き在留邦人の安全、日系企業の正常な活動の確保や財産の保護等のために万全を期す所存でございますし、また御指摘の国防動員法は、改めて申し上げますが、中国の法律ということでございまして、在外の中国人への本件法律の適用に関する明示的な規定はないものと承知しておりますが、同法律の個々の規定の解釈については、改めて、恐縮でございますが、政府としてお答えすることは差し控えさせていただければと思います。
#298
○山谷えり子君 中国に進出している日本企業を守らなければなりません。であるならば、この解釈はどうなのと聞くのは日本としては当然じゃないですか。いかがですか。
#299
○副大臣(伴野豊君) 山谷委員にお答えします。
 政府として照会はさせていただいております。
#300
○山谷えり子君 その結果を教えてください。
#301
○副大臣(伴野豊君) 回答が参りましたら、しかるべき形でお答えをさせていただければと思っております。
#302
○山谷えり子君 尖閣の周りが、つい昨日も海上自衛艦にヘリコプターが数十メートルまで接近してきた、先週もそのような尖閣付近のところに中国の海軍当局の飛行機がやってきた。
 是非ビデオを全部公開していただきたいと思います。私たちは要求しています。
#303
○国務大臣(枝野幸男君) 参議院の予算委員会の場においてそうした御議論があるということの御報告はいただいておりまして、一義的には委員会の理事会の場でまずは御相談をいただいた上で、内閣としての対応を検討させていただきたいと思っております。
#304
○山谷えり子君 国土交通大臣はいかがですか。
#305
○国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げます。
 この件につきましては、委員会の中で御議論をいただき、その委員会の決定に従っていきたいと思います。
#306
○山谷えり子君 委員長に是非理事会でお願いいたします。
#307
○委員長(前田武志君) 理事会において協議をさせていただきます。
#308
○山谷えり子君 日教組、自治労は民主党を支援しておりますが、今年の日教組の研修会で、北方領土について根室の先生がこんなレポートをしているんですね。
 固有の領土という考えも未来永劫続く形ではないかもしれない、ヨーロッパではEUが結成されて国家の枠組みが曖昧になってきている、国家対国家の対立というものだけでは、かえって考えていっても解決の糸口を見付けることが難しいので、人間の枠組みとして考えていくことが必要であり、地球市民として解決方法を模索していくことも大切となっていく。
 これ、いかがですか、文部大臣、感想は。
#309
○国務大臣(枝野幸男君) 北方担当大臣としてお答えをさせていただきますが、我が国の国民、特に青少年、若い人たちに北方四島が日本の固有の領土であるということをしっかりと知っていただくということは大変重要なことであるというふうに考えております。
 したがいまして、学校教育の現場において、これまでもそうしたことについて教育しっかりとしてきていただいていると思いますが、私、就任いたしまして、更に文部科学省と連携をいたしまして、より多くの子供たちがしっかりとこうした歴史的、法的事実を認識していただけるように、よりそうした教育の場を強化していただきたいということを文部科学大臣にもお願いをして、政府を挙げて取り組みつつあるところでございます。
#310
○国務大臣(高木義明君) 山谷先生にお答えをいたします。
 我が国の将来を担う子供たちに我が国の領土、領土問題を正しく理解させるということは非常に重要でございます。したがいまして、私たちも適切な学校現場において学習指導要領に基づいた指導が行われるように、これからもしっかり対応してまいりたいと思っております。
 お尋ねの件でございます。北海道の教育委員会からの報告によりますと、御指摘の件について、当該授業において教員より、北方領土がどこの国か分からなくなったとの発言はなかったが、いろいろな視点で見ていくことで物すごく難しいし、分からなくなってしまう部分があるよねとの発言をしたと聞いております。なお、当該教員は現在、北方領土に関する指導として十分ではなかったと反省をしておりまして、正しい認識を定着するために追加の指導を行ったということであります。
 北海道教育委員会、また根室市教育委員会においては、教育長会議あるいは校長会等において指導の徹底を図っていく、こういうことでありますので、私としてもこれをしっかり見守っていきたいと思っております。
#311
○山谷えり子君 ほかにも日教組の研修会ではもうおかしなことばかり言っていますね。こんなに資料あるんですよ。大臣、御覧になられました。研修会のこんな資料ありますよ。
#312
○国務大臣(高木義明君) こんなに資料があるということでございますが、承知をしておりません。
#313
○山谷えり子君 これ、学習指導要領に反対するというような、もうそれだけを生きがいにしているような先生たちがいっぱいいるんだなと思いました。へそ曲がりといいますかね。
 例えば、けしからぬ、国歌を歌えるように指導するというのはけしからぬ、古典の暗唱けしからぬ、道徳教育けしからぬ、国のために尽くす人づくりけしからぬ、こういういろんな意見を言い合っているんですよ。もう反対することに意味があるという、造反有理、もう文化大革命時代ですよ。まだ引きずっているんですよ。いかがですか。
#314
○国務大臣(高木義明君) 日教組の教研集会のことが出ております。私どもとしましては、教職員団体の一つ一つの行事あるいはその内容に関して文部科学省として調査を行うという権限は有しておりません。
 いずれにいたしましても、学校現場でしっかりとした指導が行われるように、我々としては、各教育委員会、学校において適切な指導がなされるべきものと、このように思っております。
#315
○山谷えり子君 蓮舫大臣はあの事業仕分で、まあ恐らく日教組の言いなりになったんでしょう、国民から極めて高い評価を受けた全国学力調査をやめることにしました。そして、道徳教育の予算も半分にしました。農業体験や職場体験や伝統文化活動、地域活動、これも物すごく削ってしまったんですね。そして、この道徳教育に反対、国のために尽くす人反対、このような研修を許しておいていいとは思えません。もう少し意見交換、文部科学省がリーダーシップを取って行ったらいかがですか。
#316
○国務大臣(高木義明君) 先ほどの答弁と繰り返しになりますが、教職員団体の一つ一つの行事について我々は調査する権限を持っておりません。
 ただ同時に、学校現場で学習指導要領に基づいた適切な指導がなされるように私たちとしてはしっかり見守り、また指導もしてまいりたいと思っております。
#317
○山谷えり子君 竹島に関して、三月四日、参議院の予算委員会で、自民党政権時代は不法占拠と言っていたんですけれども、官房長官も、それから前原前外務大臣も、そして菅総理は外務大臣の言うとおりということで、法的根拠のない形で支配されている、不法占拠とは決して言わなかったんですね。
 法的根拠のない形で支配されている、似たような表現じゃないかと思うんですが、なぜ不法占拠と言えないんですか。
#318
○国務大臣(枝野幸男君) 我が国の竹島に対する評価ということに、置かれた状況についての評価ということについては、これは一貫して変わっていないということについては御同意をいただけるのではないかというふうに思っておりますが、この一貫して変わっていない評価については一貫して同じ表現を私はした方がより望ましいだろうというふうに思っておりまして、この間、それについては、今御指摘をいただきました法的根拠のない形で支配されている状況であるということで繰り返し申し上げてきているところでございます。
#319
○山谷えり子君 自民党時代は不法占拠と言っていました。外務省のホームページにも外務省が出しているパンフレットにも不法占拠と書いてあります。いかがですか。
#320
○国務大臣(枝野幸男君) 私が前回の参議院の委員会、この委員会でも御答弁申し上げましたが、公式に統一的にどういうふうに位置付けるのかと、認識しているのかということであれば、私は法的根拠のない形で支配を受けているということだというふうに思っております。
 そして、それについていろいろな場でいろんな表現が過去に使われていること自体は私は否定をしておりませんし、ただ、こうした問題については、表現がいろいろと多岐にわたったりあるいは変わったりするよりも、一つの表現、従来から基本的な考え方であります法的根拠のない形で支配を受けているという形で一貫をすることがより望ましいということで、繰り返しこの答弁を申し上げております。
#321
○山谷えり子君 それは不法占拠ですね、イエスかノーかで言ってくださいと言っても、頑として不法占拠という言葉は使わずに法的根拠のない形で支配されていると言い続けられた。意味は同じなんですよ、外務省の人に聞くとね。
 官房長官、総理、前外務大臣、合計何回答えられたと思います。不法占拠じゃなくて、法的根拠のない形で支配されていると何回答弁したと思います、同じ答弁を。
#322
○国務大臣(枝野幸男君) 何回答弁申し上げたかというのは、御通告があれば議事録数えてまいりましたけれども、かなりの回数申し上げたかというふうに思っております。
 この今公式に統一的に申し上げている法的根拠のない形で支配をされているということについて、いろいろな言葉でより短く表現されるということについて、政府の立場から何か申し上げる立場ではありません。
#323
○山谷えり子君 政府としては不法占拠という言葉はもう使いませんと韓国とお約束したんですね、きっと。そうでなければ理由を言ってください。
#324
○国務大臣(枝野幸男君) そのような約束はございません。先ほど私が申し上げましたが、前外務大臣も同じような認識だったかというふうに思っておりますが、こうした問題について政府としての公式見解を申し上げるに当たっては、繰り返し同じ表現がなされて、我が国の姿勢に一貫して変化がないということをしっかりと示していくことが重要であるということだと私は思っております。
#325
○山谷えり子君 法的根拠のない形で支配されている、二十回言ったんですよ。これは理由があるはずですよ。聞かせてください。
#326
○国務大臣(枝野幸男君) 同じことの繰り返しになります。
 今お答えを申し上げたとおりの理由、つまり政府としてのこの問題に対する姿勢が一貫して変わっていないということから、そのことについてお尋ねをいただいたときのお答えについては、従来、幾つかそうではない表現が過去にあったことはよく存じておりますが、同じ質問に対しては同じ表現でお答えをするのが我が国の姿勢は一貫しているということをはっきりさせる意味でベターであると私は思っております。
#327
○山谷えり子君 今、中学校の検定が三月、四月にかけて行われ、今年は中学校の教科書の採択の年でございます。中学の歴史の解説書に竹島は日本の領土であるというふうに書いたところ、北教組はどういうチラシを配っているか、資料を用意しているかと。これは不当極まりない、歴史的事実を冷静にひもとけば韓国の主張が事実にのっとっていることが明らかだと。こういうところに支援されているから言えないんじゃないですか。
#328
○国務大臣(枝野幸男君) 北教組については、北海道の我が党の議員の中には関連のある方がいらっしゃるかもしれませんが、だとしても、その応援をされている団体と、民主党やあるいは政権の考え方がイコールでは全くありません。竹島については日本の固有の領土であるということについては、菅内閣としてもあるいは民主党政権としても一貫して全く変わることのない主張でございます。
#329
○山谷えり子君 二月末に民主党の議員がソウルに行って、韓国の韓日キリスト教議員連盟に出席されております。そこの共同宣言、国会で記者会見を行われましたが、独島、竹島領有権主張を中断せよという要求が含まれている。これを民主党の議員が言っているんです、日本の。
#330
○国務大臣(枝野幸男君) 菅内閣としても、民主党の政権、つまり鳩山内閣以来、鳩山内閣においても菅内閣においても竹島は日本の領土であると、この姿勢は全く変わっておりませんし、今後とも変わらないものと思っております。
#331
○山谷えり子君 それなら、是非、竹島の現状を写真を見せてほしいと思います。外務省は隠さないでほしいと思います。
 韓国の国会で、第六回独島、竹島領土を守る対策特別委員会が開かれました、昨年の十一月二十五日。これの内容を御存じでしょうか、文部科学大臣。
#332
○国務大臣(高木義明君) 通告にもありませんでしたし、今のお尋ねでございますが、承知をしておりません。
#333
○山谷えり子君 前原前外務大臣は、二月十六日、日韓外相会談の席でこの中学の検定の教科書のことを言っているんですね。まるで内政干渉を招くようなことを私は言ったのではないかというふうに思っております。
 この国会の竹島を守る特別委員会、韓国の国会ですね、検定結果公表前にやるべきこと、韓国側の憂慮を伝え、公表後は教科書を素早く入手して分析せよ、さらに採択段階では、市民団体と連携するとともに、地方公共団体とも協力し、国内の地方公共団体と姉妹都市の関係にある日本の地方公共団体を対象に不採択を働きかける運動を展開しよう、こういうことを言っているんです。いかがですか。
#334
○国務大臣(枝野幸男君) 日本の教科書の検定は、日本の国内法に基づき、文部科学省において我が国の主権に基づいてなされるものであります。そして、その検定を合格した教科書についての採択は、これは正確には教育委員会になるんでしょうか、それぞれの地方の所管の日本の公的な公共団体が独自の判断で行うものでございまして、それに対して海外の方から御意見はあるかもしれませんが、まさに我が国としてしっかりと主体的に行うこと、当然のことだというふうに思っております。
#335
○山谷えり子君 文部大臣、このこと御存じでしたか、今の内容。
#336
○国務大臣(高木義明君) 内容は承知をしておりませんが、今官房長官申し上げましたとおり、私どもとしてはこれまでの教科書検定を踏まえて着実に対応してまいりたいと思っております。
#337
○山谷えり子君 そうしますと、この教育科学技術部の薛東根第一次官がおっしゃられたことというのは内政干渉も甚だしいと抗議なさいますか。
#338
○国務大臣(枝野幸男君) 我が国に対して何か直接申入れとか圧力とか、そういったことがあったわけではないというふうに認識をいたしております。日本の国以外のところで様々な意見があることはあり得るでしょうということ、先ほども申し上げました。しかし、我が国としては、民主党政権としては、しっかりと我が国の主権と主体的な意思に基づいて、教科書検定ももちろんでございますが、竹島が日本の領土であるという一貫した主張に基づいて対応をしてまいります。
#339
○山谷えり子君 以前の採択のときは、韓国から多くの県知事や教育委員会に手紙が来たんです。自民党時代は調査しました。それは内政干渉だし、そういうシステムではないんですから、高木大臣、調査してください。
#340
○国務大臣(高木義明君) 私どもとしましては、我が国の教科書検定制度に踏まえてきちっとした対応をしていくこと、これに尽きると思っております。まさに我が国の自立と自主の中で教育行政はやられております。
#341
○山谷えり子君 民主党は、在日韓国人の組織、民団によって選挙を全面協力してもらっています。昨年の新年のパーティーで、民団のパーティーでたくさんの民主党議員が出られて、そして赤松農水大臣はこう言っていらっしゃるんです。民団の皆さんには昨年特にお世話になりました、それが三百八議席、政権交代につながったと確信しております、民主党中心の政権ができれば必ず地方参政権の問題が解決するんだという思いで応援していただいたと思いますと、総選挙での協力に対する感謝を言ったんですね。民主党の国対委員長も、永住外国人地方参政権、実現していかなければならないと、こういうことを言っているんです。
 外国の民団によって選挙を手伝ってもらっている、これどうですか。
#342
○国務大臣(枝野幸男君) 私が承知をしている事実だけ申し上げますが、私個人は全く応援をいただいていることはございません。
 それから、昨年の参議院選挙、余り思い出したくありませんが、私は党の幹事長でございましたが、民主党として外国人の方の団体である当該組織に選挙の応援をお願いをしたり応援を受けたという事実は、当時の幹事長として全く認識をしておりません。
#343
○山谷えり子君 私は民団の新聞を熟読しておりますが、いかに頑張ってやったかということが書いてありますよ。
 それから、今年採択の四月から配られる小学校の教科書、君が代、国旗・国歌は大切にするようにと書いたにもかかわらず、君が代の隣がルパン三世、もう一つの教科書は君が代の隣がアニメの吹き替えの方のコメント……
#344
○委員長(前田武志君) 持ち時間が参っております。
#345
○山谷えり子君 つまり、国歌とアニメを同列にしようというような何か戦略があったんじゃないか。これで九五%のシェアなんです。
 子供たちを大切にしてください。自分たちのイデオロギーの、そうしたものに使わないでいただきたいと思います。
 以上です。
#346
○委員長(前田武志君) 以上で山谷えり子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#347
○委員長(前田武志君) 次に、加藤修一君の質疑を行います。加藤修一君。
#348
○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。
 まず最初に総理に質問をいたしますけれども、今、本予算の審議をやっている最中でありますけれども、平成二十三年度予算でありますけれども、また衆議院におきましては予算関連法案の審議に入っているように聞いております。
 総理の今までの言動を聞いておりますと、本予算とか関連予算の関係については通らないのが野党のせいであるかのような、そういう雰囲気を醸し出しているような感じがいたすわけなんですけれども、菅総理、これまあ例えの話でありますけれども、ずさんな設計図に基づいていわゆる粗悪な自動車、それも燃費も極端に悪く、ハンドル操作も難しい、どこに行くか分からない、車に便乗する人は危なくてしようがないと。そんな車を造っておきながら、まあこれは例えの話でありますけれども、車検が通らないと。なぜ車検を通さないんだ、それは車検をやっている人が悪いんだと、そういうふうに言わんばかりの言動だと私は思っております。
 私は、総理、マニフェストの破綻はもう明らかであると思っております。国民の皆さんは、修正できるならば修正してほしい、そういう意見が非常に多いと。総理は、マニフェストを修正して、もちろん、修正する前に国民の皆さんに陳謝をして修正するということにならなければならないわけでありますけれども、マニフェスト撤退宣言、それを出すべきだと思いますけれども、どうですか。
#349
○内閣総理大臣(菅直人君) マニフェストについては、かなりのものについてかなり具体的に前進をしていることは御承知のとおりであります。子ども手当についても、初年度一万三千円、そして今の提案をさせていただいている法案あるいは予算では三歳児まで二万円ということになりましたし、また高校の無償化も進んでおります。さらには、農業戸別所得補償もスタートをしております。
 そういった意味で、マニフェストについて破綻が明らかと言われるのは私たちの認識とはかなり違っております。と同時に、確かに予定どおりできていないガソリンの暫定税率などもありまして、任期半ばを迎えるころまでには検証も行いたい、こういう姿勢で臨んでいるところであります。
#350
○加藤修一君 新聞のいわゆる世論調査によりますと、二〇一一年度予算関連法案が年度内に成立しなかった場合、責任は政府・与党の方が大きいと思う人は五六%。それから、今のマニフェストの話でありますけれども、状況に応じて修正すべきだ、これは七八%ということなんですね。国民の意思はそういうところに向かっているというふうに言うことができると思います。
 あるいはもう一つ別のアンケート調査によりますと、これは地方自治体の首長のアンケート調査でありますけれども、首長の七五%が民主政権評価せずと。いわゆるその八七%の首長が衆議院選挙時の政権公約の見直しを求めていると。代表的なものは子ども手当の支給の関係等を含めて。政権に対する評価として、大いに評価するのは一%満たないと、あるいは全く評価していないのが一五%を占めたと、こういう結果でありますけれども、そういう意味では十五倍の開きがあるということなんですね。
 私は、そういう意味では国民の皆さんはそろそろ潮どきではないかと、こういうふうに言っているように私は思いますけれども、総理、どうお考えですか。
#351
○内閣総理大臣(菅直人君) 政策についていろいろな議論があることは承知をいたしております。
 どういう意味で潮目と言われたのか分かりませんが、私はいつも申し上げておりますように、政権交代をある程度繰り返している先進国においてはやはり、例えば四年間の任期、イギリスの場合だと五年でありますが、その任期の中で、次の段階でその間やったことについて国民の皆さんから改めて審判を受ける形で、もしやったことが十分でなければまた政権交代になりますし、それが評価されれば政権が継続すると、そういうことでありまして、現在政権交代から約一年半余りが過ぎておりますが、いろいろな議論があることは大いに結構ですが、その段階で何か責任を放棄するというようなことは全く考えておりません。
#352
○加藤修一君 年金の関係に参りますけれども、厚労省が立法措置を避けまして課長通達で済ませたと、これは大変な話でありますけれども、そういう救済策を決めたのが長妻前厚労大臣であると。ただし、今そちらにお座りの細川大臣は当時副大臣であったわけでありますが、これだけ重大な問題が当時の細川副大臣が知らなかったと。
 いわゆるこれは政治主導という観点から考えていった場合、政務三役が少なくとも、まあ大臣、副大臣クラスぐらいはこれは決定事項について共有すべき内容だと思うんですね。それぐらい私は重要な内容であると、そのように考えているわけでありますけれども、そういう意味では意思の疎通がなかったと。政治主導を標榜している民主党が、ある意味で内閣の各省の政務三役が結束をしなければいけない、結束したときに初めて今まで以上に力が出るわけでありますけれども、こういうことでは誠に遺憾であると。
 総理、こういったことについてはどう思いますか。もう私はある意味では強権的なやり方であったなと思うわけでありますけれども、要は政務三役の関係でそういう重要な決定事項については共有をすると、こういうことについてはどうお考えですか。
#353
○内閣総理大臣(菅直人君) 今回の運用三号の問題で、課長の通達ですか、通知ですか、そういう形で対応したということについて、現在、細川大臣の方でそれに対する対応を検討していただいているところであります。
 私としては、そうした極めて重要な問題を課長の段階で決裁をしたという在り方については、いろいろ指摘がありますが、問題があったと思っておりまして、やはり法律に基づく対応が望ましいと、そう考えておりまして、そうした方向を含めて今、細川大臣の方で最終的な方向性を、総務大臣等とも相談をして方向性をきちっと定めていただいている段階であります。
 そういった意味で、私もかつて厚生大臣を務めたときにいろいろな情報が、当時は政務三役おりませんでしたが、上がってこないことでいろいろある種の役所とやり合ったことが何度もありますけれども、今回の問題も、そのことも含めてきちっとした対応を将来に向かってやらなければならないし、やってほしい、このように思っております。(発言する者あり)
 決して役人のせいに、やじに答える必要はないわけですけれども、役人のせいと言っているんじゃなくて、今先生が言われたように、政務三役がきちんとやらなければならないということも含めて、きちっとした法律制度で対応してまいりたいと、こう考えております。
#354
○加藤修一君 ほかにこういうことがあるとは私は思っておりませんが、総理はこういうケースを踏まえて全省庁に、政務三役ですね、特に、そういったことについてこういうことがないように指示はしましたか。
#355
○内閣総理大臣(菅直人君) これは、私も多少いろんなケースをかつて経験をいたしました。もちろん、こういったことが一般的にあっていいとはもちろん思いませんし、そのことについては必要に応じて閣議や閣僚懇談会でも話をしております。改めてそのことも指摘をしておきたいと思います。
 ただ、問題なのは、情報というのは、御存じのように、特に厚生労働省などは無限にと言っていいぐらいあります。どの段階までをどのところで把握するのか。私は、今回のケースは当然政務三役が把握すべき問題だったと、そう思いますが、同時に、政務三役、まあ厚生省の場合、五人か六人だと思いますが、森羅万象についてどこまでをある意味役所の方で対応し、どこからのものはきちっと上げさせるか、こういうことも含めて、これからの政権運営の中でしっかりと対応するよう指示をしてまいりたいと思っております。
#356
○加藤修一君 ある意味では超法規的、強権的なやり方だと私は思うんですね。例の八ツ場ダムの関係についても、法律上の手続にのっとってやらなければならないにもかかわらず、一刀両断に発言しているわけでありますから。そういうやり方はやはり慎んでいただきたいと思います。
 外国からの献金を受けた前原前外務大臣の件についてでありますけれども、岡田幹事長は七日の記者会見で、外国人から献金を受けないよう、どのようにするか話し合うことが大切だ、各党間で協議したいと、このように言っているわけでありますけれども、私は民主党は巨大与党だと思うんですね。非常に責任は重たいと。そういった意味では、節度も必要ですし、説明責任も十分しなければいけない。あるいは自浄能力も十分発揮させなければいけない。
 そういったことから考えていきますと、この岡田幹事長の話の前にやることがある。それは御党がやっぱりそういう実態調査をすべきですよ。前原前外務大臣のような重鎮の方がそういうことは知らなかったという話じゃないですか。ある意味ではそういうことを言っているわけでありますので、是非御党の実態調査、そういうことが行われているかどうか、そういったことはきちっと調査すべきであると私は思います。どうですか、総理。
#357
○内閣総理大臣(菅直人君) 岡田幹事長の発言、まだ細かく全ての趣旨を聞いているわけではありませんが、私が理解しているところによれば、例えばインターネット献金などにおいて一万円とかを振り込まれたときに、その段階で振り込んでいただいた方の国籍はなかなか表示をするという形には一般的にはなっておりません。また、欧米の方であれば名前から判断することもできますけれども、いわゆる通称の日本によくある名前で使われている場合にはなかなか推測も難しい。
 そういうことを含めて、どうあるべきかを野党の皆さんも含めて協議をしようという趣旨で話をされたというふうに私は、少なくともそういうことも含めての話だったと思っております。
 そういった意味で、当然、法律は遵守しなければなりませんし、それに対して注意をしなければなりません。そういった意味で、それぞれの政治家としてきちっと注意をすると同時に、党としてもこういうことが二度とないように、しっかりと党の中でもそうしたことの再発防止のためにどうすべきか検討させたいと、こう考えております。
#358
○加藤修一君 調査をすべきだと思っていますけど、どうですか、それは。
#359
○内閣総理大臣(菅直人君) ですから、今申し上げましたように、まずはどういう形でこういう問題を、何といいましょうか、調査をするにしても、インターネットの場合に、じゃ、全部いただいた方に改めて国籍をお問合せをするというようなことが果たして妥当なのかどうかということも含めて、そういうことも含めて検討をいたしたいと、こう思っております。
#360
○加藤修一君 堂々巡りしてもしようがありませんから次の問題に行きますけれども、地域再生基盤強化交付金、これの意義、目的、役割等について説明お願いいたします。
#361
○国務大臣(片山善博君) 地域再生基盤強化交付金でありますけれども、これは、地域再生でありますとか地域づくりの面で自治体の自由度をできるだけ高めるというところにそのポイントがあるだろうと思います。ただ、道路でありますとか、汚水処理施設でありますとか、それから港湾整備でありますとか、ごく限られた領域ではありますけれども、しかし既存の縦割りの補助金と比較しますと、一定程度のその自由度が増しているという意義は感じられると思います。
 今、予算で、一括交付金をこの予算の案の中に盛り込んでおりますけれども、言わばこの一括交付金の原型といいましょうか、ミニ一括交付金というような位置付けができるんではないかと担当大臣としては思っております。
#362
○加藤修一君 これは昨年の臨時国会でも取り上げたことなんですけれども、やはりこれは行政の予見可能性、これが担保できないということで、またそういう信頼がなかなか回復できない部分があるものですから、改めて確認ということで質問をするわけであります。
 結局、あの平成二十三年の概算要求ではゼロ査定になってしまって、最終的にそれは方針変更をして六百二十億を付けたという話でありますけれども、事業費ベースでは三千六百五十億円という非常に大きな数字ですね。いわゆる地方の様々な事業展開をやっていく上では非常に貴重な財源であり事業で、事業展開になっているわけでありまして、雇用の関係についてもつながってくる話なんです。
 そういう意味で、なぜこういう朝令暮改のようなことをやっているのかと。この辺について、原口前大臣とは片山さんの関係で全然つながっていないわけですよね。どういう評価軸を持っているのかと非常に不思議に思わざるを得ないわけでありますけれども、その辺について。
#363
○国務大臣(片山善博君) これは、議員がゼロ査定とおっしゃいましたけど、そうじゃなくて、そもそもその要求をしていなかったというものであります。
 私、昨年の九月に改造内閣で担当大臣になりまして、一部の自治体からなぜ要求が出ていないのかということを問いただされましたし、それから、四か月前だったと思いますけれども、議員からもこの場でそのことについて指摘がありまして、私なりにその点検をしてみまして、一種の手違いが多分あったんだろうと思います。省内の自主的な事業評価といいますか、レビューでもって要求しないことになった。
 しかし、この事業というのは、自治体の方では継続的に事業を行うわけでありまして、言わば自治体から見ればはしごを外された格好になってしまうという。これはやはり自治体への配慮をしなければいけないということは当然でありますので、そこでこの場でもお答えしたと思いますけれども、予算編成過程において何らかの措置をとりたいと、私からも、それから野田財務大臣からもお答えいたしましたけれども。その予算編成過程での検討の結果、一定の予算額を確保していると、こういうことであります。
#364
○加藤修一君 地域再生計画は五年をめどにしてやっている話でありますけれども、今後この事業を展開すると、事業認定の方向性、今後の、それから次回以降の日程についてはどうお考えですか。
   〔委員長退席、理事森ゆうこ君着席〕
#365
○国務大臣(片山善博君) これは、その新規の採択をどうするかということだろうと思いますけれども、あくまでも二十三年度予算案に計上している額がこれが認められたとしてのことでありますけれども、それを前提にして現在新規箇所の認定申請を受け付けております。これは一月の二十四日から二月の四日にかけて事務的に受け付けております。さらに、予算の範囲内でということで次は五月にも認定申請を受け付けたいと準備をしているところであります。あくまでも予算がこれは承認されることを前提にしてのことでございます。
#366
○加藤修一君 地域再生基盤強化交付金がなくなる過程で、平成二十三年度の概算要求の関係ですけれども、そのときには総合特区制度、それに予算が回るかのような話があって、今両方の制度があるわけですよね。この両方は今後とも継続的にやっていくということでよろしいですか。
#367
○国務大臣(片山善博君) この地域再生基盤強化交付金を予算要求していなかったことについて、ならば自治体の継続事業などをどうするのかという問題提起に対して、総合特区の推進調整費があるからというようなことが、いっときそういう説明が事務的になされていたかもしれませんけれども、それは冷静に考えますと、全くとは申しませんけれども、余り関係のないことだと私は思います。総合特区というのは地区指定をされたところだけに適用があるものですから、ですから両者は、完全にとは申しませんけれども、まあほぼ別物だと考えております。
 それで、その上で、総合特区は今回新しく新規に提案しているものでありますけれども、この地域再生基盤強化交付金につきましては、これは今後どうするかということでありますけれども、先ほど触れました一括交付金というものを今都道府県分を始めようということでありますけれども、翌年度からは市町村分についても着手しようということになっておりまして、その中で、先ほど言いましたように、趣旨は同じでありますので、これが一括交付金の中に合流することがなじむものなのかどうなのか、その辺をよく検討してみたいと思いますし、自治体の意見もよく伺ってみたいと考えております。
#368
○加藤修一君 次の質問の答弁をしたような形になっておりますけれども、私としては、この地域再生基盤強化交付金の関係についてはしっかりと継続的に対応していただきたいことを申し上げておきたいと思います。
 それで、これ要求しなかったという話で、これは地域の実情を把握していない、地域と相談もしていないと。地域再生法の十一条には、助言そのほかの援助を行うように努めなければいけないと、国はですね。あるいはさらに、この四項めが非常に大事なんですけれども、認定された地域再生計画の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならないと、こういうふうにあるわけでありますけれども、昨年は、地域にとっては突然やらないと、そういうふうに言われたわけなんですよ。まさに、そういった意味では、二階に上げてはしごを取るような形になっているわけですから、これはある意味では法律に抵触する話ですよ。私は陳謝をすべきだと思うんですよ、大臣は。
#369
○国務大臣(片山善博君) 先ほど申しましたように、何らかの手違いがあったんだろうと思います。その結果、自治体に対してはしごを外されたというような不安を与えてしまったということは否めないと思います。
 お触れになったこの根拠法の中には、相互によく連携を図りながらということもありますし、もう一つ私が一番そのとき気になりましたのは、国はこの地域再生計画の確実な実施について必要な情報をちゃんと提供しなければいけないという規定がありまして、予算を計上するかしないかというのはまさにその一番重要な情報でありますので、こういう提供もしないまま一方的に予算計上しなかったというのは、やはり内閣府、当時のその仕事のやり方に反省すべき点があったと私は思います。
#370
○加藤修一君 これ、手違いがあったで済む話ではないんですよ、これからのことを考えますと。大臣は、この辺についてはどうそこをつまびらかにしたんですか。
#371
○国務大臣(片山善博君) これは私も担当大臣として引き継いで変だなと思いましたので、事務方によく問いただしました。やはり、自治体の事務の執行過程といいますか、そういう事情にやはり事務方が必ずしも精通していないということを私は直感をいたしました。自治体で、私も経験がありますけれども、一つの事業というのは数年にわたることはもう当然あるわけでありまして、そういうものがどうなるのかということに対してやはり配慮がいささか足らなかったと、そういう印象を受けております。
#372
○加藤修一君 いや、ですから、先ほどから言っておりますように、謝るべき内容じゃないですかと言っているんです。
#373
○国務大臣(片山善博君) 私が謝ることにいかほどの意味があるのか分かりませんけれども、担当大臣としてそういう事務方を指導する立場を引き継いだ、そういう立場で、当時のその予算要求の過程に配慮が足らなかった面があるということは私は申し訳なかったと考えております。
#374
○加藤修一君 大臣、笑って話ししていますけれども、笑い事じゃないんですよ、地方は。大混乱に陥ったんですから、一体どうなのかと。地方は混乱ですよ。こういうことがほかにも起こり得る可能性があるんですよ、先ほどの八ツ場ダムもそうでありますけれども。あるいは子ども手当の関係だってそうじゃないですか、大混乱じゃないですか。だから、私は謝るべきだと言っているんですよ。
#375
○国務大臣(片山善博君) 少なくともこの問題に関しましては、手違いといいますかミスが指摘をされて、それをきちっとこの国会の場でも議論した上でしかるべき措置をとったということで、そういう意味では、そのチェック機能がちゃんと働いて、もちろんある程度の混乱というもの、不安というものを自治体の皆さんに与えたことはもう否めない事実でありますけれども、それがきちっと回復されたということで、こういうそのチェック機能が働いてちゃんとあるべき姿に戻ったという一つのモデルとしては、私は、雨降って地固まるということに今後もしたい、こういうことが今後ないようにしたいと考えております。
#376
○加藤修一君 是非、そういうふうにしっかりと今後はやっていただきたいと思います。
 それでは次に、新成長戦略にかかわる話でありますけれども、内需拡大等を含めて地域は非常に今は厳しいと、そういう状況でありますが、いかに地域に仕事をつくるかということを考えていかねばいけない。そういった観点から、やはり地球温暖化対策の関係についてはまだまだ埋もれている需要があると。そういうものをいかに覚醒させるかということが非常に私はこれからの地方にとっても大事なことではないかなと思います。
 そういう観点から、地球温暖化対策基本法、これは閣法として提出されているわけでありますけれども、この閣法は今どんな状態ですか。
#377
○国務大臣(松本龍君) 継続審議として今これから御審議をいただきたいというふうに思っております。そのときには虚心坦懐に様々な御意見を伺いながら審議をしていただきたいなというふうに思っております。
#378
○加藤修一君 議論の過程かもしれませんが、環境税の関係もあります。あるいは全量買取り制度、再生可能エネルギーの関係でありますけれども、さらに排出量取引制度、これなんかは凍結という話を聞いたりするわけなんですけれども、ここの意味はどういう意味ですか。
#379
○国務大臣(松本龍君) お答えをいたします。
 税の問題、買取り制度の問題、排出量取引の問題、これは三つとも骨格であり、柱というふうに思っておりますので、これからも三つの柱として臨んでまいりたいというふうに思っております。
#380
○加藤修一君 グリーンイノベーション等を含めて、いかに関係の産業界にシグナルを送るかというのは極めて大事な話で、どうやってイノベーションを起こすかということだと思うんですね。
 今の段階では二〇〇八年から二〇一二年、これが京都議定書の範疇でありますけれども、それ以降についてはまだ決まっているわけじゃないんですよね。二〇二〇年のこの数字についても、この基本法によると二五%という話になっておりますが、しかしこれは条件付ですよね、前提条件がある。こういう法律が出るということ自体、私は非常に分かりにくいと思っている。仮定の話ですよ。仮定を法律の中に突っ込むなんというやり方は今までの法律の中になかった話ですよ。どう考えていますか。
#381
○国務大臣(松本龍君) お答えをいたします。
 大変、グリーンイノベーションにつきましては重要な御指摘だと思います。
 二〇二〇年、二五%という前に、私ども、全ての主要国が参加をしていかなければならない京都議定書の枠の中では世界の二七%しかありませんし、中国、アメリカだけでも今四一・三%となっています。そういった排出国をしっかり取り込む形で中期目標を設定しておりますし、そういう意味では、国際交渉の場で、昨年もメキシコ・カンクンでCOP16がございましたけれども、様々なところといろんなバイ会談を行う中で、様々、EUでも温度差がありますし、いろんな国際交渉がこれから控えております。そういう意味では、これからの国際交渉の場の中で、いろんな意味でこの問題を取り上げていきながら背中を押していかなければならない。
 そして、グリーンイノベーションも、ある意味ではアメリカのグリーンニューディール、お隣韓国でも低炭素グリーン成長、あるいはOECDでもグリーングロースという言葉が飛び交っております。
 先ほど先生が言われましたように、これからの日本の先端技術、環境技術というものに私どももしっかりコミットしていきたいというふうに思っております。
#382
○加藤修一君 この基本法の第十条、今の前提条件が入っているところですけれども、主要な国、意欲的な目標数値、これが決まって初めて二五%という話なんですよね。世界はこの辺についてはもう分かっていて、日本は何も言っていないと、二〇二〇年の削減目標は何も言っていないと、そういう状態になっているんですね。
 更に悪いことに、私は、国内の産業についてもこういった面については二〇一三年以降に二〇二〇年目指しての数字が明確になっていない。経営計画を立てるにしても、そこが明確になっているかなっていないかというのは非常に大きい話なんですよ。ここはどう考えているんですか。
#383
○国務大臣(松本龍君) そういう意味では、ラクイラ・サミットでも二〇五〇年に先進国だけで八〇%を目標とする、あるいはエネルギー起源、二〇三〇年に三〇%削減という中身もございますし、そういうところも目標にしていきながら努力をしていきたいというふうに思っております。
#384
○加藤修一君 二〇三〇年、二〇五〇年は分かりますけれども、今は二〇二〇年の話をしているんですよ。
 問題は、産業革命以前と比べて平均的な温度が二度Cを超えないようにするためにはいち早くやらなければいけない。ですから、二〇三〇年の話よりは二〇二〇年に明確な数値目標をどう出すかということが大事じゃないですか。
   〔理事森ゆうこ君退席、委員長着席〕
#385
○国務大臣(松本龍君) 御審議をいただくようになっております温暖化法案の中で、基本計画、様々なところでまた御審議をいただくというふうになっております。あくまでも前提条件というものがあり、私たちはそこに向かって、これからCOP17もございますし、国際交渉様々ございますので、取り組んでいきたいというふうに思っております。
#386
○加藤修一君 ちょっと別の観点から聞きますけれども、じゃ、今、日本は明確に何%国内で削減すると。それは環境省はいろいろ計算しているでしょうけれども、要するに内閣として、日本国政府としてどういう数字を明確にしているんですか。
#387
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今の加藤委員の御質問で申し上げると、二〇三〇年、九〇年比三〇%、これは真水で目標にするということは政府として閣議決定をしているということを申し上げたいと……(発言する者あり)二〇三〇年です。
#388
○加藤修一君 よく私の質問を聞いてほしいんですけど、二〇二〇年をどうするかということを聞いているんですよ。
#389
○国務大臣(玄葉光一郎君) 現状で、二〇二〇年は加藤委員がおっしゃったとおり前提条件付ということです。
 ただ、併せて考えなきゃいけないというふうに私が考えておりますのは、この温室効果ガスを削減をすることと日本経済を成長させるということを両立をさせる。そのために一番のキーは、まさに先生がおっしゃったとおり、グリーンイノベーションだと思います。技術革新こそその鍵を握っているというふうに思うんです。そのときに、三〇年三〇%だといわゆる技術体系が別次元に私はならなきゃいけないんだろう、また、していかなきゃいけないんだろう、そのための仕組みをつくっていかなきゃいけないんだろうというふうに考えていまして、二〇年だということだと、現状はまだそこまで具体的なロードマップはつくれていないというのが現状です。
#390
○加藤修一君 いや、革新的な技術の話もありますけれども、今の技術でも相当の削減効果を推進できる方法はいっぱいあるんですよ。なぜそういうことをやらないのかということですよ。それと、二〇二〇年、具体的な数字を言ってくださいよ。
#391
○国務大臣(松本龍君) お答えをいたします。
 先生も、GLOBE等々、国際会議の中で国際交渉をサポートをしていただきました。
 今御指摘の二〇二〇年の削減目標等々、中央環境審議会の中で、二五、二〇、一五というところで今審議をされているところであります。地球環境部会に上げられて、またフィードバックをするという状況の中で、今国際交渉を前にしながら、ここでその具体的な目標を申し上げることは控えさせていただきたいと思います。
#392
○加藤修一君 私は、それは違うと思いますね。それと、二〇三〇年に三〇%と言っておりますが、三〇%又は三〇%以上ということで、そういう理解をしなければいけないということは、改めて申し上げておきたいと思います。
 私は、国際交渉であるかもしれませんが、日本はやる気がないんじゃないかと思われているわけですよ。ほかの、EUだって全部目標数値を出しているわけですから、日本はなぜそれが出せないんですか。どうです。
#393
○国務大臣(松本龍君) 今申し上げましたとおり、EUとも私ども昨年来ずっと協議をしてまいりました。それぞれ厳しい意見も言われたのも事実でありますけれども、私ども、例えば京都議定書の第二約束期間にしましても、昨年の夏ぐらいまでは第二約束期間にコミットをしないというEUの姿勢がありましたけれども、だんだん条件付でそこにも持っていくという話になりました。
 そういう意味で、国際交渉、本当に今COP17に向けて努力をしておりますけれども、そういったこれからの交渉の中で今二〇年にどれだけの目標ということは、国際交渉上申し上げることは今は不可能であります。
#394
○加藤修一君 私、先ほどお聞きしておりまして、グリーンイノベーションという話をされましたけれども、そういうことを進める上では、産業界が意欲的にならなければできない話だと思うんですよね。そういう意味では、いかに国内で削減をするかという、そういうところの数字が必要であると。政府は何を言っているかよく分からないと。分からないものを相手にして経営計画なんかできませんよ、皆さん。どうなんですか、その辺は。どういうことを考えてグリーンイノベーションということをおっしゃっているんですか。
#395
○国務大臣(玄葉光一郎君) 加藤委員がグリーンイノベーションとおっしゃって、私、先ほど申し上げたように、三〇年三〇%を達成するために、特に温室効果ガスの削減と成長を両立させるための最大のキーはグリーンイノベーションだというふうに思っています。そのために、それを加速させる仕組みをつくらなきゃいけないということが一つあると思います。その仕組みは、例えば温対税の活用というのも一つだというふうに思いますし、また国際的な枠組み、国内のクレジット、二国間のクレジット、こういったものも活用していかなきゃいけないだろうと。
 今、国民の皆さんは何をすればいいのか、企業は何をすればいいのか、そういったこともおっしゃるとおりお示しをしていかなきゃいけないんだろうというふうに思っていまして、グリーンイノベーション総合戦略というのを、今後若干調整が必要なんですけれども、例えば夏くらいを目途にそういった総合戦略をつくりたいと、そういうふうに考えているところでございます。
#396
○加藤修一君 掛け声だけで終わりそうなんで心配でありますけれども。今話ししていました二国間クレジットの制度の関係、これは日本だけでやってはいけないんですよ。やったとしても、これ国際的に多国間の中で認められる必要があるわけですけれども、こういう戦略性を持ってやっているんですか。
#397
○国務大臣(玄葉光一郎君) もう御存じでおっしゃっていると思いますけれども、もちろん我々の優れた環境技術を例えば輸出をしたといったときに、その削減分を事実上我が国の温室効果ガスの削減分にカウントすると、そういう仕組みをそれぞれ二国間、そして同時に、おっしゃったとおり国際的な枠組みの中で認めていただくような、そういう交渉をしていかなきゃいけないということだろうというふうに思います。
#398
○加藤修一君 先日、国連の気候変動枠組条約の事務局長が来られて、この話になったときに、極めて難しいという、そういう認識を示したわけですけれども、御存じですか。どういうふうにこれは日本は国際展開を行う予定なんですか。
#399
○国務大臣(松本龍君) 気候変動枠組条約のフィゲレス事務局長ともこの間お話をいたしました。そのことにも触れましたけれども、今はまだまだ難しいけれども、私たちはこのことを昨年ぐらいからずっと訴えておりますし、それに向けてこれからも信頼を醸成していかなければなりませんし、またCOP17に向けて南アフリカにしっかりサポートをしていくシステムをつくる、そしてさらには、いろんな国々とこういった問題についても話を進めていかなければならない。今月も副大臣がメキシコに行きますし、来月は私が韓国、中国の環境大臣と話をいたします。そういった中で様々仲間を増やしていく作業もしていきたいというふうに思います。
#400
○加藤修一君 最後になりますけれども、絵にかいたもちにならないようにしていただきたいなと、新成長戦略の関係でありますけれども、これは恐らく、ガバメントリーチを考えていくとそこが非常に明確でない。政府が何をやるかというところが明確になっていないんですよ。是非そこは明確にして、不明な状態をいつまでもほったらかすようなことがあってはいけない、そう思いますので、是非そういった面、分かりやすくなるように最大限努力していただきたいと思います。
 以上です。
#401
○委員長(前田武志君) 以上で加藤修一君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#402
○委員長(前田武志君) 次に、小野次郎君の質疑を行います。小野次郎君。
#403
○小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。
 今日は最初に、まず杉花粉症防止、減少対策についてお伺いいたします。
 先週の金曜日に林芳正議員と総理のやり取りも伺わせていただいて、私としてもお伺いしたいし、また注意喚起したい点があって、今回またこれを取り上げさせていただきました。
 この平成二十一年度の補正予算資料、この右隅が大事なんです。右隅、ちっちゃい字で書いてありますけれども、なぜこれ首都圏って書いてあるのか、あるいは十年後に花粉を大量に飛散させる杉林を半減させるって書いてありますが、これが非常に大事な部分でありまして、私は前に衆議院議員だったときからこの問題をずっと追っかけているんです。だから、これ二十一年度の補正予算で初めて取り上げられたんじゃなくて、十九年度からこの事業はあったんです。
 なぜかというと、まず厚生労働大臣にちょっと知識の整理のためにお伺いいたしますけれども、この杉花粉症現象というんですかね、国内の、概要、規模などをちょっと教えていただきたいと思います。
#404
○国務大臣(細川律夫君) お答えをいたします。
 花粉症につきましては、まず患者数でございますけれども、これは日本アレルギー学会におきまして、平成二十年におきます花粉症の有病率、これは二九・八%、約三〇%と推定をいたしております。
 また、花粉症につきましては、国内でもいろんな地域によって花粉症にかかる人が異なると、こういう濃淡もございます。そういう花粉症患者の地域差につきましては、都道府県別に有病率の高い順から、一番多いのは山梨県、これは四八・七%ですが、山梨県、埼玉県、高知県、これが最も高い方でございます。また、低いところでは、沖縄の方は七・四%というようになっておりまして、低いところからいきますと、沖縄県、鹿児島県、そして宮崎県と、こういう推定をいたしております。
 また、海外はこの花粉症というのはないと、ほとんど日本だけだというふうになっております。
#405
○小野次郎君 そうなんです。海外にないんです、総理。これ、日本だけの現象なんです。
 また、地域差があるということを今厚労大臣に御説明いただきましたが、実は花粉症のひどい人には、沖縄に一週間行くと、何というんですかね、軽減されるというツアーがあるぐらい地域差があるんです。一割未満の低いところは北海道と沖縄なんです。
 なぜ、総理、沖縄ではこの杉花粉症が少ないか、何か想像、いいんですよ、当てずっぽうでも、何かお考えありますか。
#406
○内閣総理大臣(菅直人君) 若干の想像も交えて言えば、やはり人工林、特に杉の人工林が大変多い地域で、樹齢がほぼそろっているというところで多くて、そうでない杉の人工林の少ないところでは少ないのかなと、若干の推測も含めてそう考えます。
#407
○小野次郎君 杉が大体、そうですね、切って物になるのは五、六十年と言われていますから、そういう樹齢の問題もありますけれども、実は大変申し上げにくいというか、私たち誰にとっても申し上げにくいんですけれども、沖縄がアメリカの施政権下にあって、林野庁によって戦後杉の植林を進めたということが沖縄ではなかったからだと私は見ています。だから、有意的な差があって、軽減するためのツアーを組むぐらい、同じ日本なんだけれども、沖縄に行けば杉が、杉花粉症がないというのは、結構行政の長い間の指導の結果というのが絡んでいるということを指摘したいと思います。
 そしてまた、この花粉症って春になると誰しもあるし、総理も多摩地区の御出身というか本拠地だし、私も山梨ですから割と杉花粉症の多いところでございますけれども、子供のころにちょっと春先に調子悪いってこうやっていると、親の世代、私の親なんかは、最近の若い者は何だ、ちょっと鼻が出るぐらいでぐずぐずしてと、昔はそんなことなかったって言っていたんですよ。これ、本当に昔はなかったんですよ。
 厚労大臣、ちょっと過去の、いつごろからこの杉花粉症というのは大きな問題になっているか、お話しできたらお話しいただきたいと思います。
#408
○国務大臣(細川律夫君) ちょっと済みません、いつごろからということは統計的にはちょっと承知をいたしておりません。
#409
○小野次郎君 そうなんです。なぜかというと、戦後、結局人工林で杉を植えろ、杉を植えろと、こうやったものだから、それが四十歳、五十歳、還暦の六十歳になって、今すごいんですよ。それとプラス、当然間伐や何か、山に入るのが減っているために目いっぱいの花粉が飛ぶようになってしまっているという両方の相まった結果がこうなっているんで、例えば東京だと、北風が吹くときは秩父とか青梅とか上野原、あっちの方から降ってくる花粉なんです。それから、南風のときは海風で、静岡の掛川の方とか富士川に沿った身延、南部だとか西伊豆の松崎だとか、あの辺の花粉が東京湾に入ってきて海から入ってくる、そういう調査結果が出ているんです。そういう実態の中で、一番関東・東海地方が厳しいわけです。それで、十九年度に考えられた、まず首都圏中心にやってみようというのはそういうことだったんですね。もちろん近畿圏も中部圏もあるんですけど、一番厳しいのがこの関東・東海圏だということでやりました。
 それで、このときにいろいろ専門家から教わったことは、じゃ、全部杉がなくならなければ症状がなくならないのかというと、そうじゃないんですよ。人間の体にはある程度キャパシティーというのがあって、二割花粉が減れば五割症状が減ると、五割花粉が減ったらほとんど重症の方はいなくなるというふうに言われているんです。それがあって、ここに十年後には花粉を大量に飛散させる杉を半減させると言っているのは、そうすると、かなり有意的に杉花粉症というのは少なくともこの首都圏では余り話題にならなくできるんじゃないかというぐらいビジョンとしては大きいものだったんです。
 それが、気が付いたら百億円のはずが二億円になっていたということで、それは別にどの党派ということと関係なく、大変力をもう一遍入れていただきたいと思うんですが、今後、補正予算を組むなどして改めてこの対策を充実強化するお考えをお持ちかどうか、お伺いしたいと思います。
#410
○内閣総理大臣(菅直人君) 林委員の質問にもお答えしたのも聞いていただいたと思いますが、私も今もう、ちょっと花粉症ぎみで、この問題、当事者としても大変関心を持っております。そういう意味では、政策としては、政策の目標としては、私は今でも正しかったんだと思っております。
 ただ、過去の経緯の中では、理由もちゃんと調べなければいけませんが、このプログラムに対する応募が少なくて九十五億円が余り使われなかったものですから、九十五億円を最初の年も二次補正で減額をしたということがありまして、そのために今回の計上が小さくなっております。
 私は、今お聞きしていて、この花粉症対策ということと同時に、まさに森林の再生ということ、これも私もかなり関心を持って取り組んでおりますが、それを重ねることができれば、より大きな、予算的な問題も含めて行うし、効果があるのではないか。
 ここに書いてありますように、いわゆる伐採の在り方についても、余りもう長時間になると恐縮ですからなるべく簡単にしますが、山の所有者が大変、何といいましょうか、せいぜい十ヘクタールとか二十ヘクタールで、やはり路網を入れるためには百ヘクタール単位で路網を入れなきゃいけませんので、そういう、団地化をして、路網を入れて、そして間伐をして、場合によったら計画的に伐採をして、そして植えていくと。場合によったら植えるときには杉以外のものを植えていくと、広葉樹とかですね。そういうトータルなことと相まった形の案にすることができれば、より効果的でより大きな、予算も含めて考えられるのではないかと。
 是非、提案をいただければ、あるいは提案あるなしにかかわらずしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
#411
○小野次郎君 総理から大変意欲的な御発言をいただきましたので、是非実現に結び付けていただくようにお願いいたします。
 次に、B型肝炎の一律救済の問題を取り上げます。
 三月十八日の和解勧告の期限が迫っておる中で、今全員救済、患者の方全員を救済しようという国会議員の賛同の署名が回っていますけれども、ここへお見えの閣僚の方で署名された方おられますか。
#412
○委員長(前田武志君) どなたにお聞きしますか。
#413
○小野次郎君 どなたかいますかって聞いているんです。
#414
○委員長(前田武志君) 場内の方ですか、全てに。私はしたと思いますよ。場内の方にお聞きだそうでございますから。
#415
○小野次郎君 いや、いいです、じゃ。
#416
○委員長(前田武志君) はい、どうぞ。
#417
○小野次郎君 今の委員長手を挙げたのは、委員長は署名されたという意味ですね。
#418
○委員長(前田武志君) したつもりなんですがね。
#419
○小野次郎君 私もしましたが、みんなの党は十六人しか国会議員いませんが、全員で署名を既にしました。
 これはやはり、除斥期間の問題があることは重々承知ですけれども、この問題について立法的な解決を図る決意が今求められているんだろうと思います。
 平成十三年には、ハンセン病の控訴せず、有名な小泉総理の決断がありました。平成十九年には、薬害C型肝炎について福田総理も決断されました。
 菅総理、今このB型肝炎一律救済について、法律上の問題を超越してでも、解決してでも全員救済しようという決意をお持ちかどうか、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
#420
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、B型肝炎訴訟そのものについて、もちろん小野議員御承知のように、これは大変、C型肝炎とか他のものと違って非常にこのウイルスに感染している方が多いものですから、そのことでいろいろと裁判所を含めて対応したことはよく御承知だと思います。
 その上で、二十年を経過した皆さんについての扱いについての御指摘でありますが、先行訴訟である平成十八年の最高裁判決の考え方に基づき、法的責任ということを前提としない形で対応するべきことだと認識をいたしております。本件訴訟は、この平成十八年の最高裁判決を踏まえ、これまで一貫して裁判所の仲介の下に誠意を持って和解協議を進めてまいりました。一月十一日に提示された裁判所の所見はその積み重ねの結果であり、原告も既に受入れを表明しているところであり、早期の基本合意を目指すためには、これまでどおり裁判所の仲介の下で協議を進めることが適当だと考えております。
 つまりは、法的な形では除斥期間というものが過ぎておりますことから、法的責任ということではなくて、同時に、裁判所の仲介という中でこの間進んでおりますので、同じような仲介の下で協議を進めて対応を決めていくことが適当だと、このように考えております。
#421
○小野次郎君 総理、その政治的決断の前には必ずいろんな事情や理由があるんです。それは前のときも、いや、C型薬害肝炎のときもそうだったし、ハンセンのときもそうだったんです。それを超えて解決される、全員救済に踏み出す決意がおありかということをもう一度お伺いしたいと思います。
#422
○内閣総理大臣(菅直人君) 私も、薬害エイズの折にもこういった裁判に当時は被告としてもかかわって、最終的な和解を成立させたことがありますので、おっしゃる気持ちはよく分かります。
 私としても、何らかの対応はすべきだということを前提に、先ほど申し上げましたように、その対応の仕方としてやはり裁判所の仲介というものが望ましいと。先ほど、その法的責任というのは別に逃げるために申し上げたんではなくて、法的責任ということではなくて、行政的なあるいは政治的な対応として何らかの対応を取ることが望ましいと、その場合に裁判所の仲介の下での協議が望ましい、こう考えております。
#423
○小野次郎君 長いお話を伺うよりも、きちっと決断と行動で国民に分かりやすい、踏み出していただきたいと思います。
 最後に、自衛隊の情報保全隊の関係の御質問をさせていただきます。
 まず、昨年十一月のさんざん議論されたあの防衛省の通達の関係ですが、どういう実効手段を想定してこの通達を策定したのか、大臣に御説明いただきたいと思います。
#424
○国務大臣(北澤俊美君) 既に何度もこの委員会でも議論をさせていただいておりますけれども、次官通達については、隊員が特定の個人や団体の影響を受けて情報を漏えいするということのないように、あっ、大変失礼しました、保全隊の方と今ごっちゃになりました。
 自衛隊の隊員が政治的な中立性を担保するためにはどうしてもこの通達をもって隊員に徹底をしなければならぬと、そういうことで通達を発しました。
#425
○小野次郎君 そうすると、この通達を実施するためには事前に関係者から予定の主張の内容を確認するんですか。
#426
○国務大臣(北澤俊美君) 確認をするということではなくて、自衛隊としてのそれぞれの隊の司令が、行事が行われる場合には自衛隊としての会場をお貸しをするという前提の中で自衛隊の在り方について御協力をいただくということであります。
#427
○小野次郎君 逆に言うと、施設外で実際にその行事が行われたときには関係者の発言をどうやって確認しているんですか。
#428
○国務大臣(北澤俊美君) 今のところ、実際の会場で行われた発言については、文書課長あてに報告をいただいております。
#429
○小野次郎君 趣旨が分かっていない。施設外で行事が行われたときに、どうやって誰がどういう発言したかを確認しているんですかって伺っているんです。
#430
○国務大臣(北澤俊美君) 施設外は、隊員が招待を受けて、挨拶があるか、あるいは紹介があるかということの確認をした上で、その挨拶がある、あるいは紹介があるというような場合には、その集会の内容について自衛隊側の考え方を御説明をして、御協力をいただけないような場合には辞退をすると、こういうことでございます。
#431
○小野次郎君 御協力いただけているかどうかどうやって現場で確認しているのかって聞いているんです。
#432
○国務大臣(北澤俊美君) 御招待をいただいた団体に対してこちら側の趣旨を、自衛隊側の考え方を申し上げて、それに合致するかどうかということを確認をさしていただいています。
#433
○小野次郎君 要するに、情報保全隊というのは、この通達を実施、運用するための活動の任務が含まれているんじゃないんですか。
#434
○国務大臣(北澤俊美君) 先ほどは、通告の第一番に今のお話がありましたので、勘違いをして答弁をして大変失礼をいたしました。
 元々、保全隊の任務というのは、隊員が特定の個人や団体の影響を受けて情報保全に関する規律違反などを行ったりすることがないよう、部隊や隊員等を保全するために必要な範囲内で資料及び情報の収集、整理を行っておるということでありまして、また具体的には、インターネット、刊行物、それから公開された場等から情報を収集しているということでありまして、事務次官通達との関連で何か事前に活動をするとか、そういうことは全くございません。
#435
○小野次郎君 なかなか擦れ違っているような気がしますが、じゃ、宇都隆史同僚の議員、佐藤正久同僚の議員の集会への立入りの事実、お認めになりますか。だとすれば、その理由はどういう理由でその集会にこの情報保全隊員が入っていたのか、教えてください。
#436
○国務大臣(北澤俊美君) 衆議院の予算委員会でもお答えを申し上げておきましたが、宇都さんの場合は、会場、日時を特定してお話がありましたので調査することができまして、宇都さんの場合は、その主催者の方が当該隊員と親しい関係にあって、しかも大先輩であったということ、それから、結婚式に主賓として御出席をいただき、さらに祝辞もいただいておるということから、日ごろ尊敬をしておったと。それが、たまたま買物の帰りにその先輩が主催者として神社の入口におって、声を掛けて、そして、私も休日ですから参加してよろしいでしょうかと言ったら、どうぞどうぞということで参加をしたと。これは休日で、しかも本人が主催者とお話をした上で出席をしておりますので、これは監視であるとかあるいは情報収集とかそういうことでは全くないと、これは本人からの申立てであります。
#437
○小野次郎君 きれい事をおっしゃっていますけれども、この保全隊員は、この自衛隊OBの議員以外の各政党の政治集会に施設外で潜入して監視や情報の活動を行っているんじゃないですか。
#438
○国務大臣(北澤俊美君) 今のおっしゃられ方ですと、幾つかの会場に出席を、監視活動に入っていると、こういうことでありますから、その事実関係をおっしゃっていただければ十分に調査ができますけれども、私どもが調査した範囲では先ほど申し上げた以外にはありません。
 佐藤さんのことについてもそのようなお話がありますが、佐藤さんの方から、宇都さんのときのように、どの場所で、いつ幾日にあった会合だと、こういうことを特定してきていないんですよ。そうすると調査のしようがないわけですね。そういう議論にしていただきたいと思います。
#439
○小野次郎君 佐藤さんや宇都さんの問題じゃないんですよ。
 この十月十七日、みんなの党の旭川の演説会、ここでもですね、こうあるんですよ、名刺がしっかりと。情報保全隊、来てるんです。一人は帯広から。帯広から旭川というのは電車で四時間掛かるんですよ。遊びでとか、たまたまとか、まして、私は全部調べました。このうちの支部の幹部の方あるいは行った弁士の参議院議員、全然自衛隊OBでもないし、プロフィールにも自衛隊との接点はないと言っているんですよ、本人たちは。なぜこれ、遊びで来るような関係じゃないですよ、四時間も掛けて。この実態があるからお伺いしているんですよ。ほかの政党も視察しているんじゃないんですか。
#440
○国務大臣(北澤俊美君) 先ほども申し上げましたように、公開の会合、そういうところへは情報収集のために、これはきちんと決められた範囲内でやっておるわけであります。
#441
○小野次郎君 自衛隊の職員が情報保全隊の活動としてどうして各政党の政治集会に入ることが必要なんですか。仕事で来ているって今大臣認めたんですよ。大変なことですよ、それ。どういう仕事と関係あるんですか、保全隊の仕事と。(発言する者あり)
#442
○委員長(前田武志君) お静かに願います。お静かに。
#443
○国務大臣(北澤俊美君) 公開の場での情報収集というのはありますが、政治家の集会に行っているかどうかということについては私どもは承知していない。(発言する者あり)ですから、それをきちんとおっしゃっていただければ、我々はちゃんと調査をいたします。
#444
○小野次郎君 もうまとめに入りますけれども、まとめに入りますけどね……(発言する者あり)
#445
○委員長(前田武志君) じゃ、小野次郎君、もう一度どうぞ。
#446
○小野次郎君 まとめに入りますけど、今のは全然答弁になっていませんよ。
 まず、宇都さんのときはたまたまとか個人的関係で言っておきながら、今度はあらゆる公然の政治集会には入るみたいなことを言って、さらに政治家には入らないって。どっちなんですか。今の、答弁になっていませんよ。
#447
○国務大臣(北澤俊美君) 情報収集、しかも監視だとかなんとかいう話になれば、名刺を出すというのはそもそも諜報活動に入るんですか。私は、そういう言い方、その名刺を是非見せていただければ、その隊員がどういう趣旨でどういう活動をしたかということは即刻明らかにいたします。
#448
○委員長(前田武志君) 時間が来ておりますので、小野次郎君。
#449
○小野次郎君 いやいや、今の答弁では、ああいう答弁では私も言う必要ありますよ。委員長、いいですか。
#450
○委員長(前田武志君) 今度また。
#451
○小野次郎君 委員長、いいですか。
#452
○委員長(前田武志君) どうぞ。
#453
○小野次郎君 今のおかしいですよ。だって、聞いてください。さっき、名刺渡せばとかいろいろ言うでしょう。それじゃ、ないですと言ったやつが、名刺出すとそれを調べますと言って、じゃ、ほかの政党の方たちが出したらそのときだけ認めるということですか、今の言い方は。
 一般的にあるんじゃないかと僕は聞いているんですから。一般的にあるかどうか聞いてください、やっているかどうか。大事な問題ですよ、これ。大事な問題ですよ、これ。
#454
○委員長(前田武志君) それでは最後に。北澤防衛大臣。
#455
○国務大臣(北澤俊美君) 我々は、どこの集会へどういうふうに行っているかということを全部分かっているわけではありません。したがって、もし問題があれば、それを明らかにしていただければ、そこにどういう活動をしたかということはこの場で明らかにします。
#456
○委員長(前田武志君) 小野次郎君、時間が参っておりますので。
#457
○小野次郎君 いや、だけど、おかしいですよ。シビリアンコントロールからいったっておかしいですよ。どこで何やっているか分かりませんって、そんなこと大臣が答えていいんですか、だって。
#458
○委員長(前田武志君) 小野次郎君、予算委員会の質疑の機会はまだこれから集中審議等もありますので、時間がもう達しております。(発言する者あり)分かりました。それでは理事会で協議することにいたしましょう。
#459
○小野次郎君 分かりました。それじゃ、別の機会にやりますけれども、大変この防衛大臣のというか防衛省の対応というのは問題だし、それは、あなたたち、数か月後に政権を離れる可能性が結構あるんですからね。そのときにはあなたたちも同じように、この軍事組織にそういったマンデートを与えている以上はそういう活動をされるということですからね。
 だから、私たち政治家はお互いにきちっとシビリアンコントロールをやっていかなきゃいけないというのは何十年もやってきているわけですから、大臣もそういうマインドでしっかり内部統括してください。部下が何やっているか分かりませんなんて答弁を国会で堂々としていたんじゃ、議論なんかできないじゃないか、そんなもの。
 終わります。
#460
○委員長(前田武志君) 以上で小野次郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#461
○委員長(前田武志君) 次に、紙智子君の質疑を行います。紙智子君。
#462
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 TPP問題について質問いたします。
 地球温暖化の影響による異常気象は深刻な食料不足に拍車を掛け、飢餓人口を半減させるどころか、逆に十億人にまで拡大をしています。そして、再び原油価格や食料価格の上昇が起こって、この事態がますます悪化しているという中で、我が国が国内の食料自給率を高めていくということは真剣に追求されなければならないと思います。
 まず、この点について菅総理の御認識を伺います。
#463
○内閣総理大臣(菅直人君) 現在、世界的にもちろん人口も増えておりますし、場合によっては穀物を他の用途に使うといったこともあったり、あるいは干ばつ等の影響もあって、食料の不足というものが心配されているということは認識を共通にいたしております。我が国においても、我が国はある意味、食料の輸入大国でありますので、そういう立場も含めてこの問題についてしっかりと対応していかなければならないと、こう考えております。
#464
○紙智子君 衆議院の予算委員会で我が党の志位委員長は、食料自給率五〇%と関税ゼロをどうやって両立するのかという質問に対して、菅総理は、農業改革の方向性が出てくる中で五〇%の自給率というものも両立できる方向性を目指したいというふうに答えられました。
 これ、具体的に中身はどういうことなのか、どういう形で五〇%にしようということなのか、お聞かせ願います。
#465
○委員長(前田武志君) 鹿野農林水産大臣。
#466
○紙智子君 総理、総理の答弁をお願いします。
#467
○委員長(前田武志君) まず鹿野大臣。
#468
○国務大臣(鹿野道彦君) 今、基本的にTPPに関しましては、何遍も申し上げますけれども、交渉参加するかしないかはまだ決めていないわけであります。
 そういう中で、今日のこの第一次産業の状況というものを踏まえた中で、やっぱり思い切って新たな展開をしていかなきゃならないと。こういうようなことから、これからのこの戸別所得補償の在り方、あるいは五年後のこの姿をどう展開、展望していくか。あるいはまた、六次産業化におけるところの思い切ったこの活用によって地域にどう定着させていくか。そしてまた、表示政策を中心とするところの国民の食生活に対する安心、安全をどう確立していくか等々。また、輸出の市場拡大と、こういうふうなことから輸出をどう展開していくか等々。
 そして同時に、このEPAを推進する中で、当然国内対策というふうなものも必要になってくるわけでありますから、その財源等々をどうするかということも含めて今検討しておるところでございます。
#469
○内閣総理大臣(菅直人君) 御承知だと思いますが、平成三十二年度にこの食料・農業・農村計画では、カロリーベースで五〇%、生産額ベースで七〇%という食料自給率目標を掲げております。現在はカロリーベースでは四〇%でありますが、生産額ベースでは七〇%にほぼ達しております。
 そういう中で、もう一つの観点を申し上げますと、これもよく言うことですが、現在のこの議論は必ずしも、経済連携の問題と関連する部分と、それとは独自に、現在日本の農業自身が、例えば就業している人の平均年齢が六十六歳であるとか、あるいは農業生産の額がこの十年間どんどん下がってきているとか、こういう問題があるわけであります。ですから、私は、そういう農業の再生のための改革を進めることが結果として、カロリーベースはこれ穀物の量に極めて相関関係が高いわけですけれども、生産額というものでいえば既に目標に達しておりますが、しっかりと我が国が農業としても活力ある農業として成り立つ、両立する方向はあり得ると、こう考えております。
#470
○紙智子君 なかなかどう両立するかの中身が伝わってこないんですが、次に農水大臣にお聞きします。
 昨年、閣議で決めた食料・農業・農村基本計画、この中身について、「食料自給率向上に向けた取組」というところがあります。そこのところを読み上げていただきたいと思います。
#471
○国務大臣(鹿野道彦君) 食料自給率の向上に関しましては生産面と消費面というふうなことがありますけれども、とりわけその中で生産面におきましては、小麦というものを八十八万を百八十万トンに、そして米粉用米を五十万トンに、あるいはまた飼料用米を七十万トンに、そしてまた大豆を六十万トンに等々、そういう農産物の国産の生産体制を拡大をしていくと、こういうこと等々を含めて自給率の向上に取り組んでいくと、こういうふうなことであります。
#472
○紙智子君 今かいつまんでお話ししていただいたように、つまり、平成三十二年度までにカロリーベースでいうと四一%から五〇%にと。今、生産額の目標もありましたけれども、そのための言わば戦略作物として小麦の生産拡大を位置付けているわけですよね。
 現在、国内の小麦の生産量というのが八十八万トンということでありまして、これをどこまで拡大する計画でしょうか。
#473
○国務大臣(鹿野道彦君) 今八十八万トンでございますけれども、基本計画における小麦の目標というものは、生産数量の目標というものは百八十万トンというふうに考えております。
#474
○紙智子君 それで、菅総理にお聞きしますけれども、このTPPで関税が撤廃ということになったらこの国産の麦というのは増やせなくなるんじゃないでしょうか。
#475
○内閣総理大臣(菅直人君) 今、農業について戸別所得補償制度を今年度から取り入れております。そういったいろいろな政策を総合的に進めることを含めて、今農水大臣からもありましたように、カロリーベースあるいは金額ベースありますけれども、カロリーベースにおいても自給率五〇%を目指していくと、そういう考え方に立っております。
#476
○紙智子君 答えになってないんですけれども、関税を撤廃した場合に、やっぱり戦略的に穀物で引き上げようということで麦を一つ中心に置いているわけで、関税が撤廃されたらそれを上げるということはできなくなるんじゃないでしょうか。もう一度お願いします。
#477
○内閣総理大臣(菅直人君) 私はまさにそういう議論をお願いをしているわけですけれども、例えば戸別的所得補償、あるいはそういう形を取れば、米については今まではどちらかといえば価格維持政策でありましたけれども……(発言する者あり)ちょっと静かにしてもらえますか。価格維持政策でありましたが、いわゆる所得政策というものも加味しておりますし、欧米においてもそういう政策は取られていると理解しておりますので、そういうもののいろいろな組合せによってそうしたことが可能になるようにどうすればよいのか、そのことをまさに現在議論していただいているところです。
#478
○委員長(前田武志君) 非常に声の大きい方がこの質疑者の後ろにおられますので、是非もう少しトーンを下げていただくようにお願いをいたします。
#479
○紙智子君 もしTPPに参加した場合に、これは、小麦は今でさえも九割輸入していますよね。だから少ないんですけれども、これ自身も増やせないということになると、自給率は上がるどころか逆に下がるんですよ。だから、二十二日の衆議院の公聴会のときに全中の冨士専務が来て、小麦の国家貿易がなくなることについては、基本計画はまさに実現できない、絵にかいたもちになると述べたんですよ。やっぱり関税を撤廃して自給率を上げるということは、これできないということなんですね。
 それで、玄葉大臣にお聞きします。
 大臣は、輸出を増やせば自給率は上がるというふうに言いました。資料が配られていると思いますけれども、これはFAOが定めている食料自給率の計算式です。これで見ますと、輸入が増えれば一気に自給率は下がると。関税がゼロになって輸入が増えたら、それ以上の量の輸出をしなければ自給率は、これ下がるわけですよね、そうですよね。
#480
○国務大臣(玄葉光一郎君) そこはおっしゃるとおりです。
#481
○紙智子君 じゃ、輸出すれば自給率は上がると言ったのはどうしてですか。
#482
○国務大臣(玄葉光一郎君) 今それこそ御指摘になられたとおり、基本的に輸入量は一定であるという前提で申し上げていると。つまりは……(発言する者あり)いや、これは当然そういうことだと思うんですね。
 例えば、例えばですよ、ドイツとかイギリスが食料自給率、穀物自給率がそれぞれ一〇一%と九九%ですけれども、輸出による自給率の押し上げ効果というのが三二%、二九%あると。それは、基本的にはそういうふうに御理解いただいていいと思います。
#483
○紙智子君 関税撤廃になって、これ結局、政府が戦略作物と位置付けている小麦の輸出というのは望めないということになると。
 それから、米でいえば、米国では日本に輸出できる米を今四百万トンも作っているわけですよ。日本の価格の四分の一だということになると、勢い入ってくるわけですね。これ何百万トン単位で入ってくるわけですよ。それを上回る輸出をできるというふうにお考えでしょうか。
#484
○国務大臣(玄葉光一郎君) まず、どのくらいそれぞれの品目が入ってくるのかということは、まず現時点でなかなか断言できないと思うんですね。
 つまりは、TPP交渉に仮に、じゃ、入りました、その交渉結果がどうなるかということが当然一つあると思います。除外や例外がどうなるのかということがあると思います。
 それともう一つは、そのときにどういった私たちが農業強化策を打ち出すのか。もっと申し上げれば、つまり、TPPによってもたらされるいわゆる経済的な効果、それらについて農業、農村の持続性を高めるために、あるいは維持するために、それらの言わば効果の分配メカニズムをどうつくるのか。
 先ほど総理は戸別所得補償という言い方をされましたけれども、確かに、例えば直接支払の割合などは、EUなどは農家所得に占める直接支払の割合は七八%ございます。日本は二〇%台です。そういったメカニズムをどうつくるかによって全く変わってくるというふうに思います。(発言する者あり)
#485
○委員長(前田武志君) 質疑者は紙智子委員でございますから。
#486
○紙智子君 総理も同じお考えでしょうか。
#487
○内閣総理大臣(菅直人君) 表現の仕方は若干違ったかもしれませんが、所得補償あるいは直接支払、ヨーロッパやアメリカでも広く行われていて、日本では必ずしも従来はそういう形ではなかったわけですが、今年度から所得補償を導入して来年度拡大しようということであります。
 そういったことも加えて、いかにすればそうした自給率を更に拡大しながらきちんと農村地域、農業が再生できるか、まさに今大規模な研究会で議論をし、成案を出してまいりたいと考えております。
#488
○紙智子君 玄葉大臣が輸出すれば自給率が上がりますと言ったんですが、それ違うんですね。それはお認めになりますか。
#489
○国務大臣(玄葉光一郎君) いやいや、計算上はそれは上がるというふうに申し上げていいと思います。
 それで、輸出というものをどういうふうに私たちは考えるのかということだと思います。今もう既に中国とか台湾とか香港とかASEANとかに輸出をし始めて、市場が広がっているという状況があります。アジアは三十五億人いて、これから十年間で十億人増えると。個人消費も日本の四・五倍になると。中間層が実際に十倍になるので、そこはまあはっきりしていませんが、十億人増えるのではないかというふうにも言われている。
 そのときに、アジアの富裕層の胃袋を日本の食材で満たすという戦略を立てられないかという問題意識を私自身は持っています。もちろん、簡単ではありません。簡単ではありませんけれども、私は今よりも十二分に可能性は広がっているというふうに考えております。
#490
○紙智子君 私は、いいものを作って輸出するということを否定するつもりはないんですよ。ただ、やっぱりもう限定されるものなんですね。そんなに今簡単じゃないと言いましたけれども、やっぱり希望的観測だけで物を言っていたら間違えると思います。農家の方たちは、米についても輸入量を上回るような大量の輸出は無理だと、そこまで行くまでにもう米作りする人いなくなるというふうに言っているんですよ。
 やっぱり、実際にどうかということで農水大臣にお聞きしたいんですけれども、これまでの米の輸出の実績についてお答えください。
#491
○国務大臣(鹿野道彦君) 我が国の米の輸出につきましては、平成二十二年で輸出数量は千八百九十八トンでございます。
 国別に申し上げますと、香港が六百五十四トン、これが最大の輸出先になっておりますが、シンガポールが三百三十四トン、台湾が二百七十一トン、豪州が百二十五トン、中国が九十六トン、ロシアが五十二トン、ドイツは五十トン、このような状況でございます。
#492
○紙智子君 ですから、今お話しいただいたように桁が違うんですよ。片や何百万トンというのが入ってくるかもしれないときに何百トンでしょう。全部合わせても今千八百九十八トンということで二千トンにも届いていないんですよ。
 だから、ずっと前から、松岡農水大臣の時代からこれはもう攻めの農業で一万トン目指そうと言っていたんですよ。それがいまだに二千トンに届いていないんですよ。ですから、やっぱりそういうことを見ますと、戦略的作物の麦も増産できる見通しもない、それから米についても今言われたようなことであって、玄葉大臣が言うように輸出すれば自給率が上がるというのはこれは本末転倒の話なんですね。やっぱりそもそも貿易の在り方として、自国で供給できる食料はできるだけ自国で賄うと、頑張っても生産できないものは外国から輸入するし余っているものは輸出してお互いの利益になるようにやっていくというのが、これが常道なんですよ。
 そういう意味でいうと、今どうやって自給率を一〇%上げようか、国内でどう増産しようかと言っているときに、そのことでなくて、まず輸出からというのはこれ邪道だと思うんですね。私はやっぱり、せっかく閣議決定で五〇%に向かっていこうというのであれば、それに逆行して走るようなTPPには参加すべきでないということを申し上げたいんですよ。
 是非そのことについて一言あれば、総理、伺いたいと思います。
#493
○内閣総理大臣(菅直人君) 御承知で御質問だと思いますが、TPPについて六月をめどに交渉に参加するかしないかを決めたいと、そして農業の再生についても六月に方針を出し、十月に計画を出していきたいと、そういうことが両立できる道を今議論をしていただいていると、こういう状況です。
#494
○紙智子君 食料自給率をやっぱり本当に上げていくというところを中心に据えて、それを本当に確保するためにも、今現役で頑張っている農家を支えるということ、そのことが本当にめどが立つようになってこそ若い担い手もそこに向かっていくわけですから、そのことを最後に強調いたしまして、質問を終わります。
#495
○委員長(前田武志君) 以上で紙智子君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#496
○委員長(前田武志君) 次に、片山虎之助君の質疑を行います。片山虎之助君。
#497
○片山虎之助君 昨日に引き続いて、今日も質問させていただきます。
 まず、社会保障と税の一体改革でございますけれども、私は昨日も申し上げましたように、これが成功するには来年度中に法律を作らないかぬのですから、税制改正法の附則で、百四条で。そうしますと、国民に納得してもらわないけません。それにはデフレの脱却と地方の元気回復が必須の条件だと思いますけれども、いかがでしょうか、総理。
#498
○内閣総理大臣(菅直人君) いずれにしても、かなり長くデフレが続いております。このデフレが続くということは、経済の成長、さらには社会保障の負担の問題等々含めて、より厳しい条件になっていくわけでありますので、そういった意味では、デフレからの脱却、何としてもそれを達成しようということで、今年、来年度は見通しとしてプラス・マイナス・ゼロというところまで見えてきたところでありますけれども、それが必要だという認識はそのとおりであります。
 同時に、地域というものが、これはあらゆる意味で日本社会の健全な維持のためには活力を回復していくということが必要だと、それもそのとおりだと思います。
#499
○片山虎之助君 ところで、今我々が審議しております来年度予算は、デフレ脱却や地方の元気回復に寄与するでしょうかね、役に立つでしょうか。ほとんどの経済評論家は、景気回復に対する寄与はゼロかマイナスだろうと、こう言っています。やっぱり予算の出来が良くないんですよ、申し訳ないけど。無理無理予算なんですよ。いかがでしょうか。
#500
○内閣総理大臣(菅直人君) 私は、そこの見方はかなり片山先生とは違います。
 私は、この予算を作るときに雇用と成長ということを一番念頭に置いて進めました。特に雇用については、例えば介護あるいは子育てのような社会保障分野で、従来は負担という言葉で語られ、必ずしも成長という分野とは位置付けられていなかった、景気対策というと従来は公共事業ということが中心であった。しかし、私は、新たに雇用を生む分野にお金を投じることは、例えば失業している人が就職して失業率が下がれば、これは賃金の引上げ効果は全体にもつながってデフレ脱却にもなりますし、もちろん新たに収入を得た人が消費をするようになる、あるいは何がしかの税金を払う。そういった意味で、潜在的に需要があるところに雇用を生み出すということは成長にもつながるということで、強くそういったものを推し進めていこうということでやりました。
 いろいろ経済指標が出ていることも私も承知をしておりますけれども、私はそういう、何といいましょうか、かつてのそれこそ乗数効果的な考え方で公共事業の翌年の効果というものを超えて、そういうマクロ的な、私の言葉で言う第三の道の効果がじわじわと出てきて、この一年、何とか足踏み状態から回復状況に向かっていると。この予算は、そのステップスリーとして必ず次の景気の上昇、さらには安定軌道に乗せていく非常に重要な境目にあると、こう認識をいたしております。
#501
○片山虎之助君 総理の言われるように、介護、子育て、例えば医療というものが大きな需要を生むことは確かですよ。今まで正当に評価されなかったような点、私はあると思いますけれども、しかしそれだけじゃ駄目なんですよ。今総理が言われたことは、まさに強い社会保障、強い経済、財政の一体的な実現じゃないんですか。
 ところで、この予算が使えなかったらどうなりますか。予算関連法が全部通らない。景気への影響はどうですか。デフレ脱却への影響はどうですか、総理。
#502
○内閣総理大臣(菅直人君) まず予算を成立させていただき、同時に予算関連の法案を成立させていただいて、これを予算を執行していくこと、これは喫緊の課題として大変重要で、今お話がありましたように、経済全体に与える、あるいは国民生活に与える影響も含めて、何としてもこの予算の成立と執行が必要だと、こう考えております。
#503
○片山虎之助君 そのためにこれから何らかのお考えがございますか。
#504
○内閣総理大臣(菅直人君) まず国会の場では、今まさにこの場でありますけれども、予算委員会を中心にそうしたことの必要性を私からは国民の皆さんの前で、与野党の議論の中でいろいろ申し上げているところでありますし、また場合によっては政党間、あるいはもっと幅広い国民的な議論も含めて、こういう今のねじれ状態の中でどうすれば与野党合意が得られるのか。もちろん当事者である私に一番の責任があるということはよく承知をしておりますが、そういう形での合意形成を何としても努力をしていかなければならないと、こう思っております。
#505
○片山虎之助君 自民党は衆議院に予算の組替え動議出しましたね。全体は三兆か四兆か政府案よりは少ないし、国債発行も二兆円ぐらい、一兆八千億ですか、少ない。それで、例のばらまき四Kは全部やめましてね、ばらまきと言うと御意見があるかもしれませんが、公共事業を一兆四千億増やすっていうんですよ。そういうものは一顧だに値しないですか。
#506
○内閣総理大臣(菅直人君) これは、今私の立場、予算をお願いしている立場からいえば、政府で出さしていただいている予算がベストだという立場でお願いをいたしております。
 衆議院の段階で組替え動議を出していただきまして、それについての我が党あるいは私の立場からの見解は申し上げたところでありますが、一般論で言えば、何か一顧だに値しないという、何かこう門前払いという、そういう気持ちではなくて、あの段階でそれをそのまま受け入れるのはなかなか難しいということでありますが、今後、参議院の議論が現在進んでおりますけれども、そういう議論の中で何らかの合意が得られることは私は望ましいし、そのことが進むのであれば、結果としていろいろな可能性を決して否定するものではありません。
#507
○片山虎之助君 政局、政変で予算が吹っ飛んだときに、その責任は誰が負うのかですよね。どっかの新聞の調査によると、七十何%は総理、首相、政府・与党だと、こういうことですね。野党は一五だったかな。総理、それについてはどういう御感想でしょうか。
#508
○内閣総理大臣(菅直人君) 基本的に責任を負っている、あるいは権限を内閣という形でいただいている政府、内閣あるいは私に責任があるという御指摘はそのとおりだと思います。
 と同時に、国会というところは、もう一つ国会という場でありますので、ここは与野党がねじれ状況にある中で、どういう形でそこでの合意形成ができるかできないかというのは、決して政府が責任がないとかという意味で申し上げているんではなくて、政府に一番の責任があることはおっしゃるとおりですが、国会においても国民の期待というのはあるんではないかと思っております。
#509
○片山虎之助君 総理の重さ、あるいは政府・与党の責任の重大さを私真剣に考えていただかなきゃ、この国はおかしくなると思いますよ。是非、そのことを申し上げておきます。
 そこで、話を元に返しますが、私はデフレを脱却し地方を元気にするにはやっぱり需要を起こさなきゃいかぬのですね、需給ギャップを埋めないと。そして、それをできるだけ地方に回すというのか、移すというのか、そういう私は努力が必要だと思うんです。
 そこで、公共事業、単独事業なんですが、このお考えが、民主党政権の皆さんはコンクリートから人へですから、今までの公共事業のやり方が私はいいとは言いません。あるいはその中身についても議論があるでしょう。これの、公共事業の持つ意味をもっと私は真剣に考えてみる必要が、特にデフレ脱却ではあると思います。地方を元気にするにはあると思いますが、いかがですか。
#510
○国務大臣(大畠章宏君) 片山議員からの御質問にお答えを申し上げたいと思います。
 確かに、議員御指摘のように、公共事業というのが地域経済に大変大きな意味を持つということはそのとおりであります。
 ただ、国民が本当に必要としている公共事業かどうかということを見極めるということが必要でありまして、そういうことをしながらも、御指摘のように、学校ですとか、前からいろいろと御指摘いただいていますが、役場、あるいは道路、橋、そして消防署や警察署、本当に地域の方々の生活を支えるという公共事業についてはしっかりと対応していくことが大変大事だと思っております。
#511
○片山虎之助君 平成七年には、地方は直轄、補助、単独入れまして三十二兆一千億あったんです。ところが、一番少ないやつが十三兆です。平成二十二年度が十四兆五千億なんです。四割なんですね。地方は元気になりませんわね。地域の経済は良くも悪くも公共事業や単独事業に依存しているんですよ。私はいいと思いませんよ。直さにゃいかぬ。直さにゃいかぬけど、一遍に直りません。それをばたばたばたと荒療治で、自民党内閣もややそうだったんだけれども、もっと徹底した、皆さんは。その結果が、地方は大変な今悲鳴を上げているんです。
 総理でも国交大臣でもよろしゅうございますが、お答えください。
#512
○国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げます。
 確かに御指摘のような傾向がございます。ただ、私どもの日本というのは、様々な観点から、自然災害、もちろん現在、新燃岳等でも火山が噴火しているわけでありまして、その対応、あるいは地震国、そしてまた今年の豪雪というのもございます。そういうものを対応するために、しっかりとした長期的な展望に立ってこの公共事業、国づくりというものを進めなければならないことはそのとおりであります。
 現在、昨年十二月に社会資本整備審議会あるいは交通政策審議会計画部会により新たな社会資本整備重点計画の骨子を取りまとめていただきまして、さらには、国土保全あるいは暮らしの安全等を掲げており、それに基づく水害に強い国土づくりあるいは地震に強い国土づくりというものを目指して、具体的な防災あるいは減災対策、あるいは耐震対策やそれらの連携について取りまとめていくことにしております。
 この中で御指摘を賜っておりますけれども、いずれにしても、地方公共団体や国民の声、もちろんこの予算委員会等での御意見をお伺いしながら、今年の夏までに策定を目指していきたいと考えております。
#513
○片山虎之助君 公共事業、単独事業の中でもいろいろあると思いますけれども、例えば将来の国土や地域社会や国民の安全のためにどうしても必要だというものは、私は前倒しをして思い切ってやったらいいと思う。それが例えば地震対策ですよね。防火・防災対策、あるいは橋梁等を中心にした更新や補修ですよね。
 ところが、平成二十一年に皆さんは政権を取られて、最初にばさっとやったのが耐震工事なんですよ。千七百億、八百億、ばっと切ったんです、庁舎を中心に。どういうお考えでしょうか。
#514
○国務大臣(大畠章宏君) お答えを申し上げます。
 この件につきましては、予備費等を通して、あるいは様々な形で地域の方からも地域の工務店が仕事がなくなってきている、こういうことから地域で仕事が取れるものを国としても考えてほしいということで、この地震対策というところに重点を置いて予備費等でそれを計上し、予算を通していただいたと考えております。
 今後とも、この地震対策というのは大変大事なものでありまして、そういうことを主眼に置きながらこの夏までの社会資本整備重点計画の素案の中に入れていきたいと思います。
#515
○片山虎之助君 あれはどうですか、なぜ削られたかということの説明がありません。
#516
○国務大臣(大畠章宏君) このことについては、私自身もよく調べてみたいと思います。
#517
○片山虎之助君 調べるだけじゃ駄目ですよ、もうそれは役人の常套の答弁じゃないですか。調べるだけじゃ駄目です、もう一遍。
#518
○国務大臣(大畠章宏君) このことについては、私も経過を調べまして、同時に、この予備費等を通して回復をさせるように努力をしたところでありますが、今後とも、議員から御指摘賜りましたので、国土交通省としてもしっかり対処してまいりたいと思います。
#519
○片山虎之助君 前原大臣ですよね、大臣は。
 そこで、今原油がこれだけ上がりまして、また食料、穀物が上がっている中で、我が国は再生可能エネルギーというのがありますよね。太陽光や風力や、これについて力を入れていないというんですね。政府の方針が定まらない、腰が定まらない、助成がないからどんどんどんどん国際競争力を失っているんですよ、市場が育成されていないんですよ。企業はもうからないから撤退しようと思っているんです。
 そういう意味で、例えば風力は今中国がトップになったんです。日本は十八番目ですよ。太陽電池は日本がトップだったんですよ。それが今四位に後退しているんですよ。こういう事態を本当に深刻に考えなきゃいけません。
 党内の権力闘争も、総理、いいですよ。延命もいい。いろんなことはいいんだけれども、こういうことをしっかり考えた上でないと国民は浮かばれません。みんな不安ですよ。どうですか。
#520
○内閣総理大臣(菅直人君) そこはおっしゃるとおりだと思います。私も、バイオマス、岡山にも銘建工業といったような先発的な企業がありますし、しっかりやらなければならないと、こう思っています。
#521
○片山虎之助君 どうもおざなりですね。おざなりですよ、総理。
 だから、そういう、これから我が国のためには、本当に必要な国益に沿うものを探してしっかりやるということなんですよ。そういう姿勢がないね。もはや求心力を失われてきた中で、私は本当にこの国がどうなるか心配しています。
 引き続いて質問いたします。終わります。
#522
○委員長(前田武志君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#523
○委員長(前田武志君) 次に、又市征治君の質疑を行います。又市征治君。
#524
○又市征治君 社民党の又市です。
 まず総理、一昨年九月の三党連立政権の政権政策合意をどのように評価をなさっているか。あわせて、これは向こう四年掛けてその実現を国民に公約したわけでありますが、そのことについての決意のほどもお伺いしたいと思います。
#525
○内閣総理大臣(菅直人君) 二〇〇九年の九月九日に、御党社会民主党と国民新党、民主党の三党党首間で調印をいたしました連立政権樹立に当たっての政策合意については、その後も社会民主党と民主党、さらには国民新党と民主党との間で、この三党合意を尊重し引き継ぐことを確認を御承知のようにいたしているところであります。
 また、三党合意の趣旨に基づき、雇用対策の推進、社会保障費の確保、子育て支援と教育の充実など、多くを二十二年度、二十三年度予算においても協力して盛り込んだところであります。
 また、今国会においては、労働者派遣法改正案、郵政改革法案についても三党が協力して成立を目指していくということを確認をいたしていると承知をいたしております。
 そういった意味で、御党との連立関係は残念ながら解かれておりますけれども、公党間の確認である三党政策合意については引き続き最大限尊重してまいりたいと、こう考えております。
#526
○又市征治君 この政策合意では、政権担当期間中、つまり四年間ということですが、現行の消費税五%は据え置く、歳出の見直し等の努力を最大限行い、税率引上げは行わない、こううたっているわけでありますから、最低二〇一三年八月までは税率は引き上げないということは当然御確認いただけると思いますが、その点と、あわせて、その前にこの歳出の見直し等、もう少しこの具体的な中身をお聞かせいただきたいと思います。
#527
○内閣総理大臣(菅直人君) まず、三党合意の中で私たちが、あるいは民主党が国民にお約束したのは、今回、今回というのは二〇〇九年ですが、二〇〇九年の総選挙の任期中に消費税の引上げは行わないということでありまして、この方針は現在でも変わっておりません。
 それから、歳出の見直しについては、私どもとしては事業仕分を含んで最大限努力を現在も続けているところでありまして、マニフェストは、御承知のように歳出の見直しによって捻出した財源に基づいてマニフェストを実行するということで、子ども手当や農業戸別補償などマニフェストの主要なものについてはそういう形で現在進めていると、こういうふうに認識をいたしております。
#528
○又市征治君 私は、この消費増税ありきみたいなこの風潮、そういう論議の前に、もっとここでいわゆる徹底した行財政の無駄の排除や政策の取捨選択あるいは不公平税制の是正などでこの財源確保を図る、その努力を今こそやるべきだ、このことをまず申し上げておきたいと思います。
 また、この政策合意は、家計に対する支援を最重点と位置付けて、国民の可処分所得を増やし、消費の拡大につなげる、日本経済を内需主導の経済へと転換を図り、安定した経済成長を実現し、国民生活の立て直しを図っていくなどというふうにうたっているわけですが、消費増税と他方での法人税五%減税、そしてまた今日も論議になっていますこのTPP参加という問題は、これに私は矛盾すると思う。その点について見解をお聞きしておきたい。
#529
○内閣総理大臣(菅直人君) 消費税ありきという議論というふうにおっしゃられましたけれども、本当にそういう考え方を取っているわけではありません。社会保障の在り方をしっかりと将来に向かって安心できるものにする、そのためにどういった財源が必要かと、こういう議論の進め方、先ほど歳出の削減もありましたけれども、そういうある意味での議論の順序が大変重要だと認識しておりまして、そういう形での議論を今行っているところであります。
 その上で、この間、この三党合意の私のある意味での認識は、やはり雇用を守り、あるいは拡大し、そして格差を減らしていくということだと思っております。
 法人税についていろいろ御議論があることは知っておりますが、少なくとも私自身、何か大企業を応援したいから法人税を引き下げようということを考えたのではなくて、海外との法人税の率の差を理由に海外に企業が移っていく、そうすると、本社、大企業ばかりでなく、それに伴う中小企業も雇用が失われてしまうと。そうならないためにはやはり何がしかの対応が必要であり、またそのことが雇用確保、さらには国内投資につながると、今おっしゃった内需につながるという、そういう目的のために行っているわけでありますし、大きな方向として、私は三党の合意の方向とは変わっていないつもりで行っているところです。
#530
○又市征治君 この点は昨日も我が党の党首がやりましたし、引き続き私どももしっかりとこの問題については論議をしてまいりたい、このように思います。
 次に、行政刷新会議は六日の規制仕分の中で、一般用医薬品のインターネット販売を原則禁止した規制というものを見直すことにされたと、こう報じられております。
 そこで、まず厚労大臣に伺いますけれども、まず一つは、ここ数年間の一般医薬品による薬害の実情と、そしてそういうものをどう防止をしていこうとする、そういう考え方に立っておられるのか、これが一つ。第二に、この五年間掛けた厚労省の専門家による検討会の審議に基づいて薬事法が改正されたわけですけれども、その眼目は何だったのか、改めて御説明いただきたい。
#531
○国務大臣(細川律夫君) 又市委員にお答えをいたします。
 一般用医薬品の副作用によるものと疑われる重篤な症例というのは、平成十七年度から平成二十一年度までの間に千二百五十一症例が報告をされております。具体的には、風邪薬や解熱鎮痛消炎剤などによるものと疑われるスティーブンス・ジョンソン症候群のような重篤な皮膚障害や間質性肺炎などが報告をされているところでございます。また、インターネットを通じて鎮痛剤を大量に購入をいたしまして過量に服用した結果、重篤な状態になった事例も報告されております。
 一般用医薬品は副作用などのリスクを併せ持つものでありますから、国民の皆さんの命と健康を守るためには、その販売に際して、リスクに応じて専門家が対面で情報提供を行うことが重要だと考えております。
 それから、平成二十一年六月に施行されました改正薬事法でございます。これにつきましては、薬剤師等の専門家が第一類から第三類までのリスクに応じまして情報提供や相談対応を行う体制を整備したものでございます。そのときの体制というものは、これは専門家が対面販売の原則を踏まえて一般用医薬品の安全性の維持確保、これでございますから、これに厚生労働省としては努めてまいりたいと、このように考えております。
#532
○又市征治君 仕分の責任者である蓮舫大臣は一方で消費者担当大臣でもあるわけですね。一月二十一日に全国薬害被害者団体連絡協議会や全国消費者団体連絡会など十六団体からこの規制緩和に反対の意見書が出されておりますけれども、これにどう答えられるのか、お伺いしたいと思います。
#533
○国務大臣(蓮舫君) お答えをいたします。
 先生御指摘の意見書を一月二十一日に受け取りました。確かに読ませていただきました。
 消費者担当大臣としましては、様々な政策課題に関しまして消費者の利益を第一に考えること、これはもう何よりも重要と考えております。一昨日に行われた規制仕分において、本件においては厚生労働省、参考人、評価者を交えて真摯な議論をさせていただきました。そのとき、厚生労働省からの御説明で、安全、安心な医薬品が必要とする方々に円滑に届けられることが薬業を担う事業者、あるいは薬事行政を担う厚生労働省の責務であるという説明をいただき、これはもっともであると感じているところでございます。
 仕分の評価の方向性なんですが、安全性を確保する具体的な要件の設定、これを大前提に、第三類医薬品以外についても薬局、薬店による郵便等販売の可能性を検討するという内容になりました。これはあくまでも、政府の決定というよりは方向性をここで示させていただきました。
 薬業及び薬事行政関係者の適切な対応は期待させていただきたいと思っています。
#534
○又市征治君 菅総理、お聞きになっておって、この規制緩和は、今ありましたように一年半前、民主党を含めて全会一致で改正した薬事法の朝令暮改になりますよ、これ、この規制緩和をやりますとね。まさに国会軽視と言わざるを得なくなる。
 この医薬品の対面販売による安全使用を理念とした薬事法をむしろしっかりと尊重していくべきではないか。もう民主党の中でも今これの議連ができて、そうそうたるメンバーがそろっておられる。前田委員長もその中に名前を連ねておられるわけですけどね。是非その点ははっきりさせていただきたいと思います。
#535
○国務大臣(細川律夫君) 先ほど蓮舫大臣の方からもお話がありました。あくまでも安全性を確保する具体的な要件を設定と、こういうことになっておりまして、これから政務三役の折衝というのがあるわけでありますけれども、厚生労働省としては、これはもう安全性を確保、こういうことを前提に対処していきたいというふうに思っております。
#536
○又市征治君 しっかりと対面指導販売というものを確保して、インターネットのやつは規制をしっかりしていく、その努力をお願いしておきたいと思います。
 次に、高木大臣、高等学校就学支援金の支給に関する検討会の報告の概要をまず御説明をいただいた上で、朝鮮高校に対する審査停止が行われているわけで、これによって韓国籍あるいは朝鮮籍、そして日本国籍の高校生が支援金を受けられない、こういう事態が起こっていますね。
 これは文科省の規定や検討会議の報告を自ら否定することになりませんか。その点をお伺いしたい。
#537
○国務大臣(高木義明君) 又市委員にお答えをいたします。
 外国人学校の指定については、外交上の配慮などにより判断すべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべきものであるとの政府統一見解に留意しつつ、専門的見地から審査基準、手続、体制等について御提言をいただいたものであります。
 そこで、昨年の北朝鮮の砲撃について、今思い起こしてもお分かりのとおり、まさに国家の安全にかかわる事態でありました。このため、国内において政府を挙げて情報収集に努めておりましたし、不測の事態に備えて国民の生命、財産を守ると、こういう見地から一旦手続は停止したものであります。また、国家の安全にかかわる事態の中で、審査の手続があのような状況の中で正常に行われるかどうか、これも懸念があったのでございます。
 なお、審査や指定に当たっては、外交上の配慮などにより判断すべきものではなくて、教育上の観点から客観的に判断すべきものとの考え方については変わっておりません。検討会議の報告や、あるいはこれまでの国会でも様々な議論をいただいております。これを踏まえて、指定に関する規程を昨年の十一月五日に決定をさせていただいた次第です。そして、もし審査が開始されるならば、それに基づいて粛々と審査をし、指定につながっていくと、こういう状況でございます。
#538
○又市征治君 言っていることがよく分からないんですね。不測の事態に備えて万全の体制を整えていく必要があるということと、外交上の配慮というのがどういうふうに違うのか、全くそこら辺のところが理解できない。
 まあ速やかにと、こういうお話もあるが、現実にもう今年度は間もなく終わるわけですよ。今年、やっぱり日本に住む子供たちに現実にそういう差別が起こる、このことについてどのように配慮してやられようとしていくのか。日本の教育に大きな影響力を持つ文部科学省が、これ、へ理屈にもならない逃げ口上で現在のこうした差別を正当化するのは無責任だ。
 改めてもう一度返答ください。
#539
○国務大臣(高木義明君) 申し上げますが、あの当時のことを私も今また思い新たにしております。我が国のまさに平和、安全にかかわる重要な事態でありました。そういう中で、国内において、不測の事態に備えて情報を収集し、万全の体制を取る、このことによって一旦審査を停止したものでございました。そういう状況の中において、審査が静ひつな環境の中で行われるかと、これは本当に懸念がありました。したがって、そういう判断になったわけでございます。
 しかし、実際、審査、指定については今申し上げた考え方は変わっておりません。
#540
○又市征治君 総理は、市民活動家であると、こうおっしゃって、そして庶民派であると、こう自負をされてよくおっしゃるわけですが、総理自らの手で事実上子供たちに新たな差別を持ち込むこと、こういうことをやっちゃならぬと思いますよ。少なくとも、日本に生まれ、日本に育ち、日本で税も納めていく人々、現実にそうじゃないですか。そういう人々に、今直ちにやっぱり審査を再開をして、そしてこの今年度に差別なく間に合うように努力をすべきじゃありませんか。最後にその点をお伺いします。
#541
○内閣総理大臣(菅直人君) 高木文科大臣の方からもお話がありましたが、昨年十一月二十三日の北朝鮮の砲撃というのは、我が国にとっても国家の安全にかかわる重大な事態というふうに認識をして、国内においても、政府を挙げて情報収集に努め、また不測の事態に備えて国民の生命、財産を守るための万全の体制を整えるという見地から行動いたしました。そういう中で、この問題について手続を一旦停止をいたしました。決して差別ということで行ったということではありません。
 そういう意味で、この北朝鮮の砲撃から多少時間はたちましたけれども、砲撃以前の状態に戻ったと総合的に判断される段階が早く来ることを期待をいたしているところであります。
#542
○又市征治君 ありがとうございました。
#543
○委員長(前田武志君) 以上で又市征治君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#544
○委員長(前田武志君) この際、公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成二十三年度総予算三案審査のため、来る三月十五日午前九時に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#545
○委員長(前田武志君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、公述人の数及び選定等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#546
○委員長(前田武志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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